とある男の黄金体験 (トリプルゼータ)
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始まりはいつも\デーン!/

 地獄の底から帰ってきたぜ。


やぁだぁぁぁぁぁ!あんな、あんな地獄にいきたくねぇよぉ!

 

「逃げるな!」

 

「ちょ、待ってくださいよ!?」

 

「三人に勝てるわけないだろ三人に!」

 

「バッカヤロお前俺は勝つぞお前!」

 

 俺の名前は四賀佑真(しがゆうま)。ちょっと、ニコ○コだとかコ○ンドーだのが好きなだけの、健全な15歳さ……そう、昨日まではそうだった。今日俺は、世界で2人目の男性操縦者の称号を手に入れたのだった……

 

 ……話をしよう。あれは今から、2分前の出来事だ。今日、俺は市役所に来ていた。理由はもちろんお分かりですね?……冗談だ。何か、織、織……織原一真(おりはらかずま)だっけ?がIS……インフィニット・ストラトスとかいう兵器というか宇宙開発用のパワードスーツだったかを動かしたらしく、世界中で男性狩りみたいなことが起こったんだ。何でそんな兵器のあれでゴタゴタになるかって?いいぜ、説明しよう。

 

 インフィニット・ストラトス。通称、IS(アイエス)……イズじゃねぇぞ。んで、これは、篠ノ之束(しのののたばね)っていう女の人が開発した、当人曰く、宇宙での開発だったりを補助するスーツなんだってさ。はい、今の重要。実は、世界じゃISは、現行兵器を越える性能を持つ、国防の要って認識だ。それには、IS……っつうか、篠ノ之博士が起こした事件が絡んでる。

 

 白騎士事件(しろきしじけん)。今、白騎士って呼ばれてるISが、日本に向け撃たれた……あぁ……2000発だっけ?ぐらいのミサイルを全て叩き落とし、ついでに領海領空侵犯してまで白騎士引っ捕らえに来た軍艦や戦闘機御一行様を、死者0人で完封、そのまま行方を眩ました……ってのが白騎士事件の簡単なあらすじ。んで、その後篠ノ之博士が各国に、今のはISの性能証明のデモンストレーションである、とか言ったんだと。それと、ISのコアの作り方を知っているのは自分だけだとも。当然、お国は篠ノ之博士にISコアを作らせた。しかし、約480個作った辺りで、博士が飽きたのか、白騎士同様行方を眩ましたのだ。んなもんで、めっちゃくちゃISは貴重なのだよ。そして、ISには貴重以外にも、もう一つ特徴がある。それは……

 

「ふにゅ……」

 

 ん?何だ?今、すげぇ柔らかいものに当たった感じが……そう思い、顔をあげると……

 

「……」

 

 顔は笑っているのに目が笑っていない世界最強(ブリュンヒルデ)こと、織斑千冬(おりむらちふゆ)その人がいるのでした。あれ、俺、死んだ?

 

「……何か、言いたいことはあるか?」

 

「……すごく、柔らかかったです」

 

 そこからの記憶はない……気づいたら、病院のベッドだった。後、織原一真じゃなくて、織斑一夏(おりむらいちか)だった。




 次回からあウエス学園編。


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挨拶って何言えばいいんだろうね……そもそも言えなかったよ……

 皆が悩まされるはずの挨拶。この男はとんでもないことを言うようです。


-----2022年4月-----

 

「……ジー」

「……うぐぅ」

「あ、あ、あ、あぁぁぁぁ……」

 

 あぁ、どうしてこうなってるんだ?あ、うぐぅは織斑くんだ。えぇ、順調に魔境に突っ込まれました。ははは、くたばれ。あのあと、俺はIS学園の参考書(P.S:織斑千冬さん、以下織斑先生のお心遣いか、付箋やマーカーがしてあって、結構分かりやすかった)を病室で暗記した、というかさせられたが正しいか。で、そのままお家を引き払って用意された保護施設で今日このときまで過ごしてきたのだ。そして、この洗礼を受けている……

 

 この前説明し損ねたのだが、実はISくん、女にしか動かせないのだ。守備範囲広すぎん?で、そんな事実が絡みに絡んでできた風潮、それこそが女尊男卑である。簡単に言うなら、IS動かせるから女強い!男弱い!っていう考えだ。これのせいで、毎年無実の紳士がムショに臭い飯を食べに行かされている。何てことだ。んで、ここはIS学園、ISを学ぶための学舎なんだが……うん、察しついてるよな。ここ、織斑くんと俺除いて女子しかいなんだわ。

 

 ……おい、画面の前の君、今瞬きしたお前だよ。今、一瞬でも羨ましいとか思っただろ。そうと言え。いいか!全っ然だね!地獄の方が遥かにましだ!甘ったるい匂いと興味津々ですみたいな視線は童貞にはキツいんだよちくせう!

 

 ……失礼、取り乱した。まぁ、そういう風にガンガン理性が削られるのだ。こういう状況でどうするべきか。知らんわんなもん。幸い、俺はさ行のもんで、少し後ろなんだが……うん、織斑くんは、うん。御愁傷様……あ行は辛いよ。

 

 ここで俺がとれる選択肢は二つ、織斑くんは必要な犠牲とし、俺は大した被害なく切り抜ける。もう一つは、織斑くんにアイサツし、男子協定を結ぶ。

 

 それぞれデメリットを挙げていこう。必要犠牲案は、織斑くんとその後友達になれる確率が低いこと。アイサツ案は、この状況で目立ってしまうこと。しかし、この多分女子しかいないIS学園において、もう一人の男子と仲良くなれないというのは死よりも恐ろしい……!ならば!自ずと答えはd……!

 

「皆さん、おはようございます!」

 

 ……まさかのタイムアウト……だと……?強制必要犠牲ルートなの?神は俺を見放したか!だが、ここは一つ!

 

「「おはようございます」」

「「「「「……」」」」」

 

 ……拝啓、お父様。私、四賀佑真、高校デビュー失敗したかもしれません。助けて。織斑くん助けて。

 




 ミスっ……!痛恨のミスっ……!


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