白黒主 短編集 (鳳という名のケモナー)
しおりを挟む
白黒主 甘め改め、結構ベタベタ
白黒フブキの甘め改め、結構ベタベ短編です!
「ん、やりすぎた・・・?」って感じなため、苦手な人は御遠慮下さい。
同居前提、当たり前だよなぁ?
なお、二人の呼称は私の妄想内のものとなります!こんな感じでいいはず。
ご都合主義ですが、ご了承!
なお、透明文字があるとかないとか(書いてることはしょーもないです)
(なお、執筆中にデータが飛び、泣きそうになった模様)
コンコン・・・
「起きてますか〜?朝ですよ〜?」
ドアの向こうから、心地の良い声が響いてくる。
「お〜い、起きてますか〜?」
実を言うともう、目が覚めていた。だが、朝特有の倦怠感に包まれていたため、少し
「まだ寝てるんですか〜?もう、ねぼすけさんですね〜・・・」
そんなことを言いながら、声の主が部屋に入ってくる。そして・・・
「お邪魔しま〜す・・・」
と、言いながら布団に潜って来た。しかも、そのまま寝る気なのか、目を閉じだす始末。
(全く、ねぼすけはどちらなんだか・・・)
しかし、こんな好条件で放っておくわけにも行かない。と云う訳で・・・
「フブキちゃん、おはよ〜!!!」
暫くこの状況を堪能してから、大声を上げながら抱きついてみる。
「ヒャievlohol!!??」
と、謎の声を上げ、少しばかり抵抗するも、状況を把握しておとなしくなり・・・
「フニャウ・・・」
そんな鳴き声を上げて、顔を真っ赤にした。可愛い。
「・・・で、ねぼすけさんの布団に入り込んで、二度寝しようとしてたみたいだけど・・・」
「・・・ニャァ・・・」
もうダメだというように、胸に顔を
「・・・も、もういっそこのまま寝ちゃi「おい!フブキ!朝ご飯に呼びに行くって言ったきり、帰って来ねえじゃねえか!」コヤァ〜ン・・・」
ドアの方を見ると、フブキちゃんと瓜二つな、しかし体毛の黒い娘が、フブキちゃんを呼びに来ていた。
「って、フブキまた独り占めして・・・ッ!」
自分で言って、自分で恥ずかしがっている。可愛い。
「わ、分かったって、黒ちゃんも混ざりたかったんだよね?痛っ!?ちょ、ごめんって!ごめんってば!」
「・・・おい!とっとと来いよ!」
かくして、フブキちゃんは、黒い方の娘(以下黒ちゃん)に引きずられていった。
そう、自分を呼ぶ声が、わずかに膨れていた気がした。可愛い。
***************
とはいえ、今日は特に用事がないので、朝食を食べ終わっても、ただゴロゴロするだけだ。
テレビでも見ようと思って、ソファーに座る。すると・・・
「何を見るんだ?」
と言いながら、黒ちゃんが横に座ってくる。そして・・・
スッ
・・・ナチュラルに距離を詰めてくる。
そんな仕草が可愛くて、ついつい笑みを零してしまった。
「? 何笑ってるんだ?」
すると、フブキちゃんが反対側に座ってきた。
「う〜ん、黒ちゃんがしぜ〜んと距離を詰めたからじゃない?」
「ッ!?」
黒ちゃんが急いで立ち上がろうとする。しかしつい、からかいたくなってしまった。
「そっか、黒ちゃんは俺と座るの嫌か・・・」
「!!?」
黒ちゃんは、とても焦ったような仕草をし、もう一度座り直し・・・
「べ、別に、嫌じゃ、無い、けど・・・」
そう、たどたどしく言った。
その顔は伏せられていたが、かなり赤くなっているように見えた。可愛い。
***************
(・・・暇ッ!圧倒的、暇ッ!)
その頃、黒上フブキは暇を持て余していた。
からかわれてからしばらくした後、休日特有の、
(なんかすることね〜かな・・・)
(フニャ〜ゥ・・・)
同じ頃、白上フブキも暇を持て余していた。
(みんな、無気力になっちゃって、寝っ転がってるしな〜・・・ よ〜し・・・)
***************
(暇だな〜・・・)
そんな事を・・・ いや、そんな事しか考えられなかった。そんなとき・・・
ゴロゴロゴロ・・・
(?)
フブキちゃんがこちらに転がってきた。そして・・・
「・・・〜〜〜」
撫でて欲しいとばかりに擦り寄ってくる。
もちろん、撫でてあげない理由はない。
ナデナデ・・・
「〜〜〜♪」
おとなしめな(唸り)声を上げているが、尻尾が猛烈に振れている。
更に、テンションが急上昇したのか、抱きついてくる。可愛い。
しかし、それを遠目から眺めている者が居た。
「ッ!おい、フブキ!ずる・・・」
半四足歩行で近づいてきた黒ちゃんが「ずるい」と言いかけて、ハッと口を
しかし、フブキちゃんは大層機嫌がいいのか、それをからかいに行く。
「あれ〜、黒ちゃん?今なんて言おうとしたの〜?」
「・・・」
「お〜い、黒ちゃ〜ん?」
このままフブキちゃんの圧勝かと思われたがしかし、少しばかり異変が起きた。
「・・・だぁ!うっさい!いいか?「ずるい」って言おうとしたんだ!」
「・・・ほえ!?」
フブキちゃんも、まさかこうなるとは思わなかったらしく、驚きを隠さない。そして・・・
「ていっ!」「!?」
そのまま、フブキちゃんとは反対側に抱きついてくる。更に、
「だ・・・ッ、大好き・・・だぞ・・・」
顔を真っ赤にしながらも、
「ちょ、ちょっと黒ちゃん!?」
しかし、大好き発言でだいぶハードルが下がったのか、黒ちゃんは、フブキちゃんに増してくっついてきていた。
「〜〜〜♪」
体を擦り付けるように、もぞもぞと動いている。可愛い。
「ちょ、黒ちゃん!?なんで今日そんな積極的なの!?」
「フブキ、ちょっとぐらい別にいいだろ?」
「いや、いつもからして全くちょっとじゃないんですがそれは・・・」
「う、うるさい!」
せっかくだから、黒ちゃんも撫でてみる。「ずるい!」とか聞こえてくるが、お互い様だから軽く無視。
「〜♪♪♪」
うん、いつもの数倍は上機嫌だ。すると、不意にフブキちゃんの方へ引っ張られる。
「私も!」「あっ!」
こうして自分の取り合いになるが、どちらが勝つにしても、しばらくここを動けないのであった。
***************
ゴロゴロゴロ・・・
「・・・〜〜〜」
甘えたくなったので、擦り寄ってみる。
すると、もちろんとばかりに撫でてくれる。
ナデナデ・・・
「〜〜〜♪」
彼の手はとても暖かく、心地よい。ついつい尻尾が動く。
もっとこうして居たくなり、抱きついてしまう。しかし・・・
「ッ!おい、フブキ!」
「ッ!おい、フブキ!ずる・・・」
言いかけて口を
私は同じことを今朝もやらかしたのではなかったか。
しかも、今回はフブキがそれをからかってくる。
「あれ〜、黒ちゃん?今なんて言おうとしたの〜?」
「・・・」
・・・恥ずかしい!
(フブキ!やめろ!)
「お〜い、黒ちゃ〜ん?」
くそ、もういっそ、
「・・・だぁ!うっさい!いいか?「ずるい」って言おうとしたんだ!」
「・・・ほえ!?」
「ほえ・・・!?」
嫌な予感がする。なんとなく、警戒心をマックスにする。(作者「こんなことでマックスになる警戒心って一体・・・?可愛い。」)
「ていっ!」
「!?」
(黒ちゃん、積極的過ぎない!?)
そう、いつもは意外と恥ずかしがりやな黒ちゃんが、急に彼に抱きついて来たのだ。
当然、驚くに決まっている。
「だ・・・ッ、大好き・・・だぞ・・・」
言ってしまった。捨てると決めたのに、あとから恥ずかしさが湧き上がってくる。
しかし、だいぶ気が楽になった。
すると、
「〜〜〜♪」
そんな気の抜けた唸り声が出てしまう。
しかしそんなこと気にして居られない。
せっかく甘えられる気分なのだ。
甘えてしまわなければ、勿体無いではないか。
「ちょ、黒ちゃん!?なんで今日そんな積極的なの!?」
「フブキ、ちょっとぐらい別にいいだろ?」
「いや、いつもからして全くちょっとじゃないんですがそれは・・・」
「う、うるさい!」
くそう、黒ちゃんに取られた!
「ずるい!」
しかし、そんな叫び
(・・・もう!)
「私も!」
「あっ!」
そうして、彼の取り合いになったのだった。
***************
「黒ちゃん、なんであんな積極的になったの?」
「だあぁ、うるさい!思い出すと恥ずかしいんだよ!」
夜、風呂に入り終わった二人は、そんなやり取りを繰り広げていた。
「ねぇねぇ、黒ちゃ〜ん?」ニヤニヤ
「ッフブキ!ぶっ飛ばすぞ!?」
「黒ちゃん、口が悪い!」
「ッ・・・」
どうやら、今日のフブキちゃんは機嫌がとても良いようだ。
「・・・ちょっと、フブキに、あいつを取られたくなくて・・・」
いつもは気の強い黒ちゃんが、このざまである。
因みに、黒ちゃんは顔を真っ赤にして顔を隠している。可愛い。
***************
数分後・・・
「よ〜し、黒ちゃん!ちょっと、いたずらしに行かない?ほら、お布団に隠れといて、ガバァッって!」
「随分唐突な・・・って、私も巻き込むのかよ!」
「ん〜?来ないならいいけど?私だけ甘えて来よ〜っと!」
「!!? フブキおまっ、そんな企みが!?」
「じゃあね〜、黒ちゃ「わ、私も行く!」・・・よし!」
「・・・でも、あいつの布団一つに三人はキツくないか?」
「・・・まぁ、なんとかなる!」
***************
数分後・・・
「来る気配がないね・・・」
「そうだなぁ・・・」
その数分後・・・
ヒソヒソ・・・
ワハハ・・・
更に数分後・・・
「で、フブキ・・・っておいおい・・・」
そこには、寝ているフブキの姿があった。しかも、気持ちよさそうな寝顔をしている。
「はぁ・・・ わたしも、ちょっと、眠くなってきたな・・・」
***************
寝ようと思い、部屋に戻る。すると・・・
「・・・?」
なぜか、二人が自分の布団で寝ている。しかも、ご丁寧に真ん中が開けてある。
しょうがないから(むしろ嬉しいのだが)、その間に入る。
すると無意識なのか、二人共くっついてきた。
温かい体温に挟まれながら、だんだん眠くなってくる。 それじゃあ・・・
「おやすみ・・・」
いかがでしたでしょうか!
こういうの書くのは初めてで、些か書き慣れてませんが・・・
ごめんなさい!至らないところがあってすいません!何でもしまs・・・
と云う訳で、茶屋行ってくる!(わかる人にはわかる)
おつこ〜ん!
目次 感想へのリンク しおりを挟む
しおりを挟む
白主 ずっとそばに
今回は、少し真面目な話を書いてみようと。
ちな、この世界線には、黒ちゃんは居ません。
では!
そこは、広い、ただ広い場所だった。
目を凝らせば草原のようにも見えるし、星空の下のようにも見える。
何をしていいかも分からぬまま、ただ立ち尽くす。
すると、少し離れたところに、君が居た。
手を大きく振って呼ぶと、君もこちらに気付いてくれた。
そのまま駆け寄って、君と話す。
なんてことはない、他愛の無い話だ。
それでも、それだけで、楽しかった。それなのに…
…君の身体が「ほどけて」きた。
そのまま風に流れて行ってしまいそうな気がして、思わず君の腕を掴もうとする。すると…
それが仇となったかのように。
まるで水面を整えようとして、余計に波立たせてしまったかのように。
君の身体が歪み、霧散していく。
「君」が視界から消え去り、だだっ広い場所に独りぼっちになる。
恐怖でも悲しみでもなく、ただ、身が
***************
途端、目が覚める。
半ば本能的に、彼の姿を視界に探す。
居ない。昨日は一緒に寝たはずなのに。
瞬間、部屋を飛び出し、彼の部屋に向かう。居ない。
頭の中は真っ白だった。
階段を数段飛ばしで駆け下り、リビングの扉を乱暴に開ける。そこには…
「あ、フブキちゃんおはよう!…って、どうしたの?そんなに息を荒くして。」
居た。彼がそこに居た。それだけで、安堵と歓喜が湧き上がってくる。
***************
「う、うぅっ…」
「ど、どうしたの!?」
泣いてしまった。急にドアを開けて、何の一言も無しに泣き出したら、彼だって意味が解らないだろう。
でも、涙が止まらないのだから仕方がない。
「独りぼっちにっ、なる夢を見てっ…!もう会えないって思うと、怖くて、悲しくてっ…!」
そう、たどたどしく零す。
今になって、彼が消えた時の感情がやって来る。
すると、彼は優しく抱き寄せ、頭を撫でてくれた。
「よしよし、大丈夫。居なくなったりしないよ。」
***************
「ずっとそばに居るから。」
***************
そう、声をかけてあげる。
「ずっと、そばに…」
彼女が、意味を噛みしめるように反芻する。
「えへへ、ありがとう…♪」
彼女が泣き止み、一転、笑顔になる。
そうだ。彼女にはその顔が一番似合うのだ。
「ところで…」
彼女がそう切り出し、
「い、今のって、プロポーズ、だったり…」
そう、顔を赤らめながら言う。
さりげなく出た言葉だったが、確かにそうかもしれない。
…言うなら今しかないだろう。
「…白上フブキさん。」
「は、はいっ!」
「僕と、結婚してもらえませんか?」
「…!」
「…はい!」
そんな朝のことだった。
いかがでしたか?
いやぁ、真面目に書いても甘くなるのが世の常…しょうがない…
まぁ、気に入っていただければ幸いです!
では、おつこーん!
目次 感想へのリンク しおりを挟む
しおりを挟む
黒主 当たり前の事
うちの小説の白黒が何でもしますから許して下さい。
白&黒「!?」
黒様も悪夢ネタで一話書きます。
「うるさい!もういい!」
そう叫んで部屋のドアを閉める。
…アイツと喧嘩した。というか、こっちが一方的にキレた。大したことでも無いのに。
すぐに頭に血が上る自分に腹が立ってしまう。
「…あぁ~! クソッ、アイツなんか居なきゃいいのに…!」
相手が居なければ、こうして喧嘩してしまう事も無いのだ。
そう思い、心の中で一通りあいつを罵倒すると、少し満足した。
「今戻っても、変な空気になるだけだしなぁ… まぁ、適当に暇つぶしすっかな…」
***************
「う、噓だ… アイツが、そんな…!」
なぜ、私はこんなにも取り乱しているのか。
思考を支配するのは、他ならない絶望。
「嫌だ、嫌だ嫌だ嫌だ…!」
***************
「~~~!!?」
声にならない悲鳴を上げて、上半身を起こす。
「ゆ、夢… いつの間にか寝てたのか…」
あの絶望が夢だったことに、心の底から安堵する。
「アイツが、死ぬ夢…?」
そうだ。
夢の中で、いつも通りの朝、アイツはいつも通り出かけて…
「~~~!!!」
考えたくもない。
…と、そこまで思い、ふと気付く。
自分は、「アイツなんか居なければ」と考えてはいなかったか。
「…違う、違う!」
気付けば、部屋を飛び出していた。
***************
…黒ちゃんが、リビングのドアを乱暴に開ける。
そして、急に胸に飛び込んできた。
「ちょっ…? 黒ちゃんどうしたの?」
「…ううっ、ぐすん…」
そして急に目に涙を浮かべ始めたのだから困りものだ。
「ちょ、黒ちゃん…?」
「…ごめんな」
「…?」
…さっき喧嘩した事だろうか。
「いや、こっちこそごめん…」
「違うんだ…」
彼女は、謝罪の理由を説明してくれた。
居なければいいと思った事。
本当に居なくなってしまう夢を見た事…
***************
「お前がいるのが、私にとって『当たり前』になってたんだ… 常に変わらずそこにいるモンだと、思ってたんだ…っ!」
少し喧嘩しただけで、馬鹿馬鹿しい。
しかし、理屈でそうは思っても、溢れ出るこの想いは止まらない。
「本当に、ごめんっ…!」
「…別にいいよ。 それに、『居て当たり前だ』とまで想ってくれてたんだし。」
「ホント、か…?」
コイツが、許してくれた。 それだけで、ただひたすらに嬉しい。 そして、それなら…
「じゃあ、これから… これから、ずっと一緒に居てくれ。」
「…えっと、それは?」
「は? …!」
…しまった、予期せずしてプロポーズの様になってしまった。
…でも、むしろそう捉えてくれたくれた方が、都合がいいかもしれない。
だって、こんな心境でもないと、恥ずかしくて言えないだろうから。
…いかがでしたでしょうか。
↑この「…」の使い方に悩んだ今話でした。
いやぁ、最近妄想内黒様が可愛すぎて可愛すぎて…
では!
目次 感想へのリンク しおりを挟む
しおりを挟む
短編`s
白主・黒主 短編`s #1
サボり過ぎてましたすんません!(土下座)
何卒ご容赦をば…
同じ想い
「おはようございます… にゃう…」
フブキちゃんが、寝ぼけながら抱きついてくる。
…その耳が、ちょうど自分の鼻の高さにあった。
「…くんくんくん」
「…ふにゃぁ!?」
フブキちゃんが、驚いて体を震わせる。
「なっ、何してるんですか!?」
「…においを嗅いでたんだよ?」
「それは見たらわかりますよ!」
「…嫌なの?」
「…べ、別に! 嫌っていうわけじゃ…」
そう言わせたらもうこっちのものだ。
尻尾を撫でながら、お耳に顔を埋める。
「むぅ………♪」
フブキちゃんの顔が、心なしか少し嬉しそうにも見えた。
「えっと、ところで…」
「…?」
「…私って、どんなにおいがするんですか?」
フブキちゃんが、ふとそんな事を聞いてくる。
「そうだなぁ…」
どんな、どんな…?
「具体的は表しにくいけど… 何というか落ち着いて、暖かいにおいかな?」
「…じゃあ、あなたのにおいと同じですね…」
「…? 何か言った?」
「な、なんでもないです!」
***************
雨宿り
ある日の朝。
彼と少し買い物をして帰る途中、急な雨に降られてしまった。
梅雨の季節、無視できるような雨ではなかったため、少し雨宿り。
少し濡れてしまった服が肌に冷たい…なんて考えていると、彼がこちらをさっきからチラチラ見ていることに気付く。
「…どうしたんですか?」
彼は、口ごもって何も言わない。
…少しして、彼がこちらを見ている理由に気付いた。
「…もっと見てもいいんですよ~?」
妙なスイッチが入って、ニヤつきながらそんな事を口走ってしまう。
彼が少し顔を赤らめ、口を開く。
「え? そんな事言って、恥ずかしくないのかって? …っ! …い、今の今まで恥ずかしくなかったですよ!」
途端に羞恥心がこみ上げてくる。
顔を真っ赤にしながらも、彼をポカポカと軽く殴る。
笑いながら謝る彼。
彼と、こんな馬鹿らしい会話がする事が、心の底から楽しい。
…いつの間にか、空は晴れ上がり、うっすらと虹が出ていた。
恥ずかしさを揉み消すかのように、私は彼の手を引く。
「今日は、何をして過ごしますか?」
***************文字数足りぬ…
ご主人様のお帰り
「… 遅 い … !」
見るからに苛立ちながら、何もせず座り込んでいるこの少女は、黒上フブキ。
事の発端は数時間前…
「それじゃ、ちょっと出かけてくるよ。」
「ん。」
「…一人で寂しくない?」
「…!? はぁ!? そんな訳ねーだろ! 子供じゃねぇんだぞ!」
「ん~、ならいいけど。 行ってきます!」
「…アイツっ…!」
「…そろそろ帰ってきてもいいんじゃないか?」
そう思い、玄関のドアを少し開けて、姿を探す。
しかし、見当たらない。
「ゲームでもして時間つぶすかぁ…」
30分後
「飽きた…」
いや、飽きたというより、集中できないのか?
少なくとも、楽しめはしなかった。
「…うぅ」
何もできずに、座り込むことしばらく…
「…!」
鍵が開く音がした。
急いで玄関へ向かう。
「ただいま~」
そう言った瞬間、黒ちゃんが飛びついてきた。
そして、幸せそうな表情ですりついてくる。
「おかえり!」
わたくしめの頭など幾らでもおさげしますから!
許して!(サボってたことを引きずる)
目次 感想へのリンク しおりを挟む
しおりを挟む
ヤンデレ
白主…? 歪な愛
この作品は、読者の気分を著しく害する可能性があります。
それでも良い方だけ、お進み下さい。
〈この先、閲覧注意〉
「~~~♪」
ついつい、鼻歌まじりになってしまう。
しかし、それも仕方のないことだ。
遂に、夢にまで見たこの日がやってきたのだから。
「ちょーっと待ってて下さいねーっと♪」
そう、半ば呟くように言いながら、丁寧に手入れした「ソレ」を握りしめる。
そして、気分上々といった様子で、ある部屋のドアを開ける。その部屋の奥には…
…手足を縛られ、自由を奪われた状態の男が繋がれていた。
その男は、最早抵抗を諦めたかのように、ぐったりした様子だった。
そんな男を前に、彼女は嬉々としていた。
彼女は、男が繋がれている部屋の奥へと歩みを進める。
そして、
「遂にこの日がやってきましたよ~?」
と言いながら、絡みつくように男に抱きつき…
「大好きですっ♪」
耳元で囁き、笑顔を見せる。
その笑顔は、彼女の年相応に可愛らしいものでありながら、一方で狂気に満ちていた。
男の顔が引きつる。
もちろん、少女に怯えているのだ。
「特に体格が良いわけでも、権力があるわけでもない少女に怯えるなんて、情けない」
そんな風に嘲笑してくれる人物は、残念ながら何処にも居なかった。
それに加え、当の本人はそんなこと露知らず…
「どうしたんですか? そんなに怖い顔して… せっかくなんだから笑いましょうよ♪」
そういう少女に、男は震えた声ながら、必死に語りかける。
「ふ、フブキちゃ…! や、やめっ「やめる?」
彼女がそう遮る。
「やめる…? 痛いのが嫌なんですか?」
そう問われ、男は何度も頷くも、努力虚しく。
「大丈夫です! 痛いのはちょっとの間だけですよ?」
返答になっていない言葉でそう返し、手に持ったソレをおもむろに見せる。
男の顔は既に、恐怖で溢れかえっていた。
「えへへ~、ずっと一緒にいましょうね♪」
そう言って、彼女は男の首元にソレを近づける。そして、力を込め、振りかぶったと思うとそのまま振り下ろし…
***************
「むぅ… 早く終わらせたいから首元にしたのに… お顔が汚れちゃいましたね…」
彼女の視線の先には、ところどころに赤い飛沫の跡が付いた、男の顔があった。
「でもまぁ…」
彼女は、一度男から顔を遠ざける。
「やっと、私の”モノ”になりましたねっ♪」
そう言い、彼女は改めて男に抱きつく。
そして、鳩尾の辺りにすりつく。
彼女の純白の耳は、髪は、鮮やかな赤に染まっていく。
彼女にとって、それは堪らなく嬉しい事だった。
そしてそのまま、動かない男を、彼女は抱き続けるのだった…
***************
「…さて、そろそろ一つにならないとですね♪」
彼女がそう呟くころには、彼女の赤く染まった部位は、すっかり暗い色になっていた。
彼女は男とより密着し、ソレを首元にあてがう。
そして…
「ず~っと一緒ですよ♪」
そう、冷たい残骸に向かって言い、ソレを握った拳を引き寄せ…
終
…覚悟がある方だけ、「終」の上の不自然な空白を範囲指定してみて下さい。(批判は受け付けません)
それにしても、久しぶりの小説投稿が、こんな病んだ話だなんて、これを書いた奴は末期ですね。()
…では、おつこーん!
目次 感想へのリンク しおりを挟む
しおりを挟む
バレンタイン話
白主 チョコレートよりも甘く
今回はバレンタインだしっってことで、チョコに関する話を用意しましたぁ。
こういうのを一回書いてみたかっただけです、積極的フブキングもすこん…
いやぁ、何処まで行ったらRが付くのかと、軽く恐怖を感じる今日この頃。
あ、一部2020/1の月末定期です。
…まあ、お楽しみください!
「~~~♪」
白上フブキは、上機嫌に街を歩いていた。すると、
「…ん?」
コンビニの窓に貼られた「バレンタインキャンペーン」のポスターが視界に入る。
「そっか、もう少しでバレンタインかぁ。どうしようかなぁ…勿論渡すのは彼ですね!」
そんなことを考えていると…
「う~ん、何だか甘いものが食べたく…よし!板チョコでも買って帰ろっと!」
そう考え、彼女はコンビニに入っていくのだった。
***************
家
「ただいま~」
そう言うと家のリビングから、「お帰り~」と彼の声が聞こえてくる。それだけで、少し嬉しくなってしまう。
そのまま彼の元に直行してじゃれ付きたいのは山々だが、今は、部屋で考えないといけない事がある。それは…
「バレンタイン、どうしよう…」
あれから暫く考えてみたものの、一向に思いつかないのだ。
「う~ん…渡すときどうしましょう…。なんか、こう、『どうぞー!』っていうのもあれですし、『今日バレンタインだよね?作ってきたー!』みたいななんか、まぁそれが普通なのかもしれないんですけど…」
そんな思考の堂々巡りを繰り返しながらチョコを食べ進めていると、いつの間にか後一欠片になってしまっていた。
「う~ん…よし!」
とりあえず、気分がモヤモヤし始めたので、改めて彼の元に行く事にした。
***************
彼女の部屋のドアが開いた音が聞こえてき、彼女はリビングに入ってきた。
そして、ソファーの隣のスペースに座ってくる。
「どうしたの?」
「いや、少しお話したいなって思って。」
そう言いながら、彼女は少し微笑む。
そして、彼女は口に何かを放り込んだ。
「…?何食べてるの?」
そう聞くと、彼女は「チョコレートです」と答える。
チョコレートか…甘い物全般そうだが、好きな味だ。こうも匂いを漂よわされると、ついつい食べたくなってしまうというものだ。
「一つくれない?」そう聞くと、
「あ、今食べたのが最後の一切れでした…」
そう返ってきた。それは残念だ。その瞬間、
「あっ、そうだっ…」ボッ
小さくそんな声が聞こえてき、更に彼女が急に顔を赤らめる。
「な、何考えてるんですか私は…!で、でも、それくらいな方が…よし、深呼吸深呼吸…」
そうぶつぶつ言いながら何故かショートしている彼女が心配になって、「大丈夫…?」と口を開く。すると…
「~~~!?」
彼女が急に唇を重ねてきた。舌が軽く触れ合う。
そのまま彼女はチョコレートを押し込んできた。
そしてその後唇を離すと、「し、失礼しました!」と彼女は丁寧な言い方で叫び、思考が追い付いていない自分に脇目も振らず、一目散に部屋に逃げ込んでいった。
そうして味わうチョコレートは、いつもよりとても甘く感じるのだった。
***************
ちょっとメタいかもしれないおまけ
「本文中でなんか悩んでるけど、どうしたの?」
「いやぁ、実はバレンタインどうしよっかなって…」
「…さっきの『アレ』だけでもう充分じゃない?」
「っ!?ちゃんと別に渡しますから!もう掘り返さないで~!!!」
いかがでしたでしょうか!
いやぁ、甘いなぁ…
そして、こんなのがポンポン浮かんでくる自分、オワってるなぁ…
まぁ、では!
目次 感想へのリンク しおりを挟む
しおりを挟む
黒主 愛のカタチ
さて、黒様も書かないと…ってことで、書きます。
あ、一応白主のバレンタイン当日の話も出てきますよ~。(たくさん出るとは一言も言ってない)
でっ、では!
『あっ、そろそろバレンタインですね~!』
『はい。女性が、好きな男性にチョコレートを渡す習慣のあるこの日ですが…』ブチッ
番組が終わったので適当にチャンネルを変えると、そんなニュースが流れてくる。が、特段興味も無いので消す。
「馬鹿馬鹿しい…」
バレンタイン。さっきも流れていた通り、好きな男にチョコを渡す習慣のある日だ。
何でそんな習慣が生まれたのか、意味が分からない。だが、一種の愛の形だと云う事は理解できる。
…と、柄にもなくそんなことを考えてしまう。
「はぁ~…」
何故だろう。以前は、この日のせいでこんなに悩む事など無かったというのに。
「…全部アイツが悪いな。」
そうだ、全部アイツが悪い。
アイツが、私の世界の中に入ってきたから。
アイツが、私の近くに寄ってきたから。
…そんな事を考えれば考えるほど、「アイツが好きだ」ということを実感してしまう。
自分でも良く解らない。
少女漫画のような、特別な出会いも無かった。
アイツが、そんなにも特別な訳でも無かった。
それなのに、何故かあいつに心惹かれてしまうのだ。
…これが「好き」ということなのだろうか。
「はぁ~…」
もう、私の口からは溜息しか出てこなかった。
***************
「バレンタイン、どうしよう…」
フブキの部屋から、そんな声が漏れてくる。バレンタインの事で、何か悩んでいるようだが…
「渡すときどうしましょう…。なんか、こう、『どうぞー!』っていうのもあれですし…」
…渡すことはもう確定のようだった。
「う~ん…」
それが「愛の形」で、更に一般に広まっているのなら、やっぱり渡した方が良いのだろうか。
「渡さなかったら、「好きじゃない」って思われるのか…?」
いや、それよりも、アイツは落ち込むかもしれない。それとも、自意識過剰だろうか。
「う~ん… それに、渡すとして何をどうすればいいんだ?」
何せ、そんな事は初めてなのだから、しょうがないはずだ。
「しかも… 渡し方…」
さっきフブキの部屋から聞こえてきた意味を理解する。
「あああ… 確かにしれっと渡すのは恥ずかしいし、だからと言って急に話を切り出すのもなんか…」
そんな事を悩んでいる自分に、少し驚く。が…
「でも、渡すしかねえよなぁ…」
そう思えるほどには、自分はアイツの事が好きなのだった。
***************
バレンタイン当日
「えっと、こっ、これ!」
そう言って、フブキがアイツにチョコを渡している。
「クソッ、やっぱ緊張するなぁ…よし!」
フブキも部屋に帰ってったので、遂にアイツの居る部屋に入っていく。そして…
「おい、こ、これ。つ、作ってやったぞ…」
やっぱり恥ずかしい。まったく、ここまでして渡してやったのだから、感謝して欲しいものだ。すると、
「…!ありがとう!」
満面の笑みでそう返される。
…やっぱり、好きだなぁ。
そう実感したあるバレンタインの事であった。
いかがでしたでしょうか!
砂糖は抑えて書いてみた…たぶん。
いやぁ、バレンタインに間に合って究極安堵…
他のシリーズも頑張って書いていくので、よろしくです!
では!
目次 感想へのリンク しおりを挟む