家族殺しのカイドウ (チープトリック)
しおりを挟む

もう死にたい

男は死に場所を探していた

 

「百年ぶりねカイドウ、それにしても本気かしら?本気なら止めはしないわ」

 

彼について話すならば、常勝無敗の最強の男ではあったが

 

敵に捕らわれ拷問されること100回

 

彼は今自殺をしたのだ

 

世にも珍しきバベルの塔からの投身自殺である

 

そして現在に至る

 

しつこいようだが一人で巨大武闘派ファミリーに捕まること49回

 

ギルドに処刑宣告されること666回

 

絞首刑にされるも、縄がちぎれ

 

ギロチンに掛けられるも、刃は砕け

 

串刺しにするも槍は折れる始末

 

結果、破壊したギルドの支部、処刑場の数は666回

 

つまり、誰も彼を殺せなかった

 

鍛えに鍛えた体は自分でさえ壊せなかった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なにか降ってくるぞ!?」

 

オラリオの最も稼げる場所であるバベルの塔から何かが落ちてくるとレベル3の冒険者の報告があってからはてんやわんやしている

 

「いいか!何としても被害を最小に収めるために水系統の魔法を使えるものは幼子だろうと連れてくるんだ!」

 

「そこの子供!危ないから非難しなさい!」

 

「うえぇぇぇんおかあさぁぁぁん!!」

 

非常事態宣言などしている時間はない

 

頂上から地面まで到達するのにかかる時間は1時間、衝撃による破壊度は現在のスカイツリーが同時に3本倒れるに等しいレベルである

 

二大ファミリアとして最強であったゼウスファミリアとヘラファミリアは一人の男に滅ぼされた

後釜としてロキファミリアとフレイヤファミリアがなったが彼らもまた一人の男に傷をつけられた存在である

 

「ダメだ!ぶつかる!!衝撃に備えろぉ!!」

 

ずがぁぁぁぁぁんと大きな音を立てて区画ごと破壊しながら地面に埋まる

しかし、降ってきたモノに誰も気づかない

 

「痛てて、くそぉ頭痛てぇ」

 

「フィン!あいつは!!」

 

「・・・最悪だよ、やつが帰ってきてしまった」

 

「死ねねぇもんだな、また生きちまった」

 

ガラガラと音を立てながら起き上がる

全長4mほどだろう、冒険者でなかろうと力を感じさせる

 

「うまく死ねたゼウスがうらやましいぜ」

 

死に場所を求める男の名はカイドウ、オーリ・S・カイドウ

サシだなんだと考えるのも意味がない、殺し合いはカイドウが必ず勝つ

誰もがそう言う

過去現在未来、全てにおいて最強の生物と呼ばれる男

 

「・・・もう、やるしかねぇのか」

 

「・・・??」

 

「くそったれぇぇぇ!急げ全世界!俺との戦闘準備を整えろぉ!!」

 

ただ大声を発しただけなのにレベル6なんて生ぬるいほどの暴風が吹き、神だろうと冒険者だろうと等しくおびえさせる

 

「強き者が生まれないこんな世界、壊れてもいい歴史上最高の戦争をはじめようぜぇぇ!!」

 

この世界に平和は永遠に訪れない



目次 感想へのリンク しおりを挟む




評価する
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10についてはそれぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に
評価する際のガイドライン
に違反していないか確認して下さい。