Fallout Wild of Arms dealer (正海苔)
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プロローグ

fallout76やって、そのあとfallout4プレイしていたら何か作り替えたくなったので……リメイク版のようでリメイク版じゃない作品を書きました。


 あれからもう、何日立つんだろう・・・。

 

 あれからもう、何週間立つんだろう・・・。

 

 あれからもう、何カ月立つんだろう・・・。

 

 

 

 ・・・いいや。

 あの日を境にこの荒廃した世界に来てから(・・・・・・・・・・・・・・・・・・・)か、二年の月日が経つのだろう・・・。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 2195年5月 ()日本 北関東茨城県北部 ()日立市市街地近郊 

 

 

 

 川嶋銃砲店 銃工房内事務所() 

 

  世界終末戦争(第三次世界大戦)終戦から118年。ここは北関東茨城県北部にある。ごく普通の銃砲店だった・・・・。はずなのだが。

 店内はまるで、アメリカにある大きな銃砲店のように、所狭しとありとあらゆる販売用の銃器や装具品、ホルスター、ガンケース等が飾られており。その奥には、工房とも言える複数の武器作業台(武器制作)細工師の作業台(各種弾薬・爆薬精製)、ケミストリーステーションが立ち並び。

さらに工房の奥には、アーマー作業台やパワーアーマーステーションが3基ほど置かれていた。その(ほか)にも鉄筋コンクリートで覆われた武器・弾薬庫や倉庫。制作した銃器の試射が可能な射撃場があった。

 その工房内にある事務所兼休憩所の一室にて、左手にPip-Boy(ピップボーイ)を装着した一人の男性が。いま尚、荒廃した世界では珍しいノートパソコン(・・・・・・・)に齧り付きながら納品書類を打ち込んでいた。

 

 男の名は川嶋正之(かわしままさゆき)・・・。この川嶋銃砲店の店主であり、どこの派閥勢力にもつかないフリーランスの傭兵である。

 だが本当は、何かしらの異変で元の世界から、この世界に飛ばされた(・・・・・)・・・・並行世界(・・・・)の人間なのだ。

 

 「・・・よし! 常陸軍閥(・・・・)から発注された。銃器(・・)弾薬(・・)の生産が終わった。品物は明日。軍閥連中が物資とジャンク品を引換(・・)に持ってきてくれるから。少しは武器弾薬の精製やら生活には困らんだろう」 

 

 彼は立ち上がり、コピー機から印刷された数枚の用紙を手にそれぞれファイルや古くなった封筒に収めていくと。右手で顔の頬をポリポリしながら・・・。

 「今日は店も休みだし、風呂に入ってから。酒を飲みに街へ繰り出すか」()

 

 そう言って椅子から立ち上がり。シャワーを浴びるため建物の二階にあるへ風呂場へと、足を進めた・・・。彼がこの世界に来てからもう、二年の月日が経つ(・・)のだから。

 

 

 

 

 第三次世界大戦という世界終末戦争(・・・・・・)が2077年に勃発し。戦争中のさなか、日本にも数発の核ミサイルとそれに伴う広範囲によるEMP電磁波を受けたものの、日本は壊滅的な被害を免れることができた。だが、あらゆる電子機器が使用不能になり首都機能と政府機能が麻痺、さらに日本全土では暴動と略奪が相次ぎ。一部の国防軍将兵が暴徒側に加担するという異例の事態が発生し、国家としての機能は消失していき。それぞれ異なった6つの勢力が存在するようになった。

 

1・軍閥(ぐんばつ)

第三次世界大戦から生き残った旧国防軍(自衛隊)の残存兵士を主体とし国家継承を掲げ、少ない資源を得るために各都道府県ごとに点在する私兵部隊やレイダー、と抗争中。

 

2・レスポンダー。

第三次世界大戦から生き残った消防隊員や警察官、医療の専門家や技術者たちによって創設された団体。国内各地で難民への支援や緊急医療サービス、及びサバイバル術や対スコーチ・グール等との戦い方などの教育を行う民兵集団。

 

3・レイダー

毎度おなじみ世紀末世界に散らばる無法者集団の総称。戦前・戦後を問わず頭のネジが飛びきった思想主義、無法者、反社会的勢力と軍閥やレスポンダーに馴染めなかった人間たちが寄せ集まって組織された総称。物品、あるいは食肉目当てで見境無く生物を襲う。略奪・強盗・拷問・殺人などの荒くれ者の集団だが、まとまった組織は持っていない。基本的に数人で行動し襲い掛かってくるが、士気は低く、ある程度のダメージを負うと逃げ出したりする。ほとんどは会話や交渉の余地はなく、発見されれば問答無用で攻撃されることになる。戦後それほど経っていないからか頭のネジが飛びきった連中ばかりではなく、ならず者として生きるしかなかったという。もちろん、既に箍が外れ切ってる者も少なくないが。戦前では皇族暗殺、国家反逆、国家転覆、テロ活動等かなり派手な事をやらかしてる危険集団で、軍閥やレスポンダーとあらゆる全ての組織と敵対している。

例外として、奴隷商人のレイダーや市街地、廃墟を占領するレイダーは組織化されており、選択次第ではまともに会話を交わす事が出来る。

 

4・傭兵

軍閥やレスポンダー、レイダーに属さず。独自に離合離散を繰り返しては組織化し。はては、各都道府県の市町村や集落に雇われているかフリーランス、組織化しているのも存在する。ただし、金のためなら殺人もいとわない傭兵も存在し、レイダーと同じく略奪行為も行う。戦前の軍隊の装備で武装しており戦闘も組織的に行い、軍用ロボットを用いる能力も持つ。通称、傭兵

 

5・グール

核爆発による高熱と放射線の影響で、遺伝子が変質した人間の総称。共通して皮膚が焼け爛れたような醜悪な外見となり、肉の腐ったような体臭に見舞われる。代わりに、肉体的な老化現象が抑制され、寿命が大幅に伸びている(なかには100年以上前の大戦時から現在も生き続けている者もいる)。放射線による害を受けず、下記のスーパーミュータントやフェラル・グールから敵視されていないため、荒廃した過酷な世界での生存能力は著しく高い。知性や精神は人間と変わらないが外見のために差別や迫害の対象となっており、それらの経緯から非グールの人間に恨みを持つ者も少なくない。忌み嫌う者からはその性質も含めてか「ゾンビ」などと呼ばれており、彼らにとっては最上級の蔑称である。対して、非グールの人間に対して「スムーズスキン」という蔑称を用いるグールもいる。モールの歴史博物館跡にグールだけの町を作り暮らしているが、彼らの間でも通常の人間社会と同様に様々な軋轢が存在している。

なお、知性が失われ凶暴化したフェラル・グール(Feral Ghoul)も無数に存在し、ウェイストランドに住まう人々の脅威になっており、これがさらに理性あるグールへの風当たりが強くなる原因にもなっている。こちらはかつて人口が密集していた都心部の廃墟、特に地下鉄に集中して生息している。

もはや別種であり、理性を持った通常のグールがフェラル化することなど無いのだが、理性のあるグールについても「脳が腐りいずれはフェラル化する」という偏見が一部で存在し、差別どころか問答無用で「害悪」と見なされることもある。

 

6・スーパーミュータント

2メートルを超す巨大な人間型の生命体。硬質化した黄緑色の皮膚に凶悪な人相が特徴で、極めて高い体力、防御力と放射線耐性を持つ。総じて知能は低く、仲間以外には見境なく襲いかかるほどに凶暴。しかし銃器をはじめ道具の扱いには長けており、非常に厄介。その正体は『Vault87』同様、『Vault22』で核戦争後の世界でも生存できるヒューマノイド作成を目的とした実験の末路で、そこで研究された「FEVウイルス(Forced Evolutionary Virus)」に感染した人間の被験者を原初として、『Vault22』が温床となり日本全土に大量発生したものである。性別の概念がなく一部生殖機能を持つ特殊なな個体が存在するため、人間をさらい「FEVウイルス」に感染させるか、強姦することによりスーパーミュータント化させることで仲間を増やしている(しかしほとんどの者は人間を見つけ次第殺害しているようである)。番犬役としてケンタウロス(これはスーパーミュータントに進化し損ねた人間の成れの果てである)を連れて行動することが多く、同種だと思っているのかグールの事は襲わない。

多くのスーパーミュータントは群れで行動し仲間を攻撃することはないが、『ベヒモス』と呼ばれる超巨大なスーパーミュータントに限っては知能が完全に衰退しているためか、視界に入ったあらゆる生物を見境無く攻撃する。

ただし、多少の差異が見られるが、時々。通常の人間と同等の知能を保った者が現れ、そういった個体は仲間の行いを問題視しているが、同時に仲間から迫害される傾向にある。

 

7・皇社

悪名高い傭兵企業で、所属する傭兵たちは全員社章の刻まれた黒の専用コンバットアーマーに身を包んでいる。金のためなら女子供まで殺害する極めてストレートな外道組織。都心部の廃墟や、郊外に点在する拠点を活動の場としている。レイダー同様出会い頭に攻撃を加えてくるが、より組織化されており、装備も強力。プレイヤーのカルマが善良な場合や、テンペニー関連のクエストを断った場合には首に賞金が懸けられ、以降ランダムに出現し命を狙われることとなる

 

8・神国日本党

大戦直前、核戦争を予期した極右政治家や軍人、軍産複合体などの有力者が中心に結成した武装結社。中枢権力だけで核戦争をやり過ごし、神国日本国を復活させようという目的で組織された。事前に戦争前に完成したvolt12(旧松代大本営)に隠れ場所に退避していたため核の被害を受けておらず、現在でも戦前からの技術を保持、発展させ続けている。組織の成り立ちは米政府とその軍隊を模しており、リーダーは『大統領』を自称している。その規模と統率性から正規の軍隊のようだが、100年以上経過して継承しているのはその残党である。日本では長野県、山梨県、静岡県北部に拠点を持つ。日本全土の奪取、変異生物とみなしているスーパーミュータントやグール、ひいては日本国再建の障害となる旧日本人の根絶を目的としている。戦闘員が装着するエンクレイヴ・パワーアーマーは米国で開発されアラスカ経由で運び込まれていた物で、戦前の技術で作られたブラザーフッドのそれよりも性能が高い。

 

9・インスティチュート日本支部

人造人間を造り出し、実在の人物と入れ替えている謎の組織。都市伝説のようなものとして扱われている。

驚異的な技術力を有しており、時として戦闘用の人造人間兵士をどこからともなく無数に送り込んで武力行使に訴えることもある。

 

10・レールロード極東支部

奴隷として扱われる人造人間の解放と権利尊重を訴える地下組織。米国と同様にインスティチュート日本支部と真っ向から敵対しており、彼らの擁する人造人間の脱走の手引きや保護、居住地の手配などを行っている。しかし、反撃により本部や主要幹部を失い、劣勢に立たされている。

 

11・チャイルド・オブ・アトム・ジャパン

放射性物質を崇拝する宗教団体。放射性物質に汚染された地帯や旧原子力発電所を聖地として拠点を構える。日本では反原発主義者が放射能を浴びて狂人狂信徒と化しており、異教徒に対しては躊躇なく放射性兵器で攻撃を仕掛ける。

 

12・放射能や生体実験をえて生体変異した元人間や動物(スコーチ・グラフトンモンスター・デスクロー・スコーチビースト・ヤオグアイ)。()

 

 これらの勢力の他に。各都道府県の市町村や集落には、レスポンダーの支援のもとで設立した。自警団という組織が存在している。()

 

 

 

 川嶋は、銃砲店兼自宅である2階の風呂場でから出て、ラフな格好にしていたが風呂上りなのかまだ頭部から湯気だっていた。彼はおもむろに、台所に備え付けてある冷蔵庫から冷えたビールを一本片手に、電源をつけたままのラジオから流れる音楽を聴きながら。外の(すた)れたかつて(・・・)の街の風景を見つつ、ビールを一息(あお)ってから。ガラス越しに映る景色を見ながら。ソファに、腰を下ろした。

 

 「何時(いつ)見ても。たとえ世界が違うとは言え、自分の故郷が戦争で(ほろ)んだ跡なんぞ見て、そう簡単になれるものじゃないな・・・」()

 

 左手に持つビール缶の残りを(あお)ると。ドアに設置してある呼び鈴の音が鳴り出し、顔を店兼自宅に設置した8台の監視カメラに接続してあるテレビに目を向けると、この世界で親しくなった街の人やレスポンダー、軍閥や自警団へと厚生した元レイダーなど数名が、彼の家に訪れていた。そして迎え入れる為に川嶋は玄関のロックを解除して、ドアを開けた 

 

「おう、お前ら!どうした?こげな人数で押しかけてきて」

 

 一人の黒い短髪の髪型をした二〇代後半の若い男が、苦笑いしながらこう言ってきた。 

「いやぁ。丁度、俺ら全員休みなもんでたまには、正さんと街へ飲みに行こうかなぁ~。と思いまして、ハハハハ」

川嶋は「もしや?」と思い、

「要は、ゴチになりますって・・・か?」

 

「「「「そのとおりであります!兄貴ィ」」」」

 

この言葉に、川嶋は一瞬ガクッとし。

 

「はぁ・・・・」()

 川嶋が、額を押さえながらため息を付くと。茶髪で長い髪をポニーテールに仕立てた二〇代前半の女兵士が川嶋に、茶色い封筒を手渡してきた。

 

「さっきのは冗談ですが、正之さん。これを・・・」

「武器弾薬の追加発注(・・・・)依頼か?」

「いえ、追加発注(・・・・)の依頼ではないようですよ。俺も隊長から直接本人に渡してくれとしか・・・」

 

 茶髪の若い兵士から、書類か何かしらが入っている封筒を受け取ると思い出したかのようにこう言った。

「まぁ-。ともかく、ここじゃ邪魔になるから。お前ら上がれや」

「は~い、分かりました」()

 

 玄関前にいる七人を家に招くと、川嶋はそのままリビングにあるソファに腰掛けると。先ほど渡された書類を、拝読していた。

 

 そしてリビングに居座りながらどんちゃん騒ぎをする7人を余所に、その書類をすべて拝読し終えた頃の空の風景は。夕方から月夜を照らす、夜に変わろうとしたいた。

 

 第三次世界大戦で崩壊(・・)した日本全土を探索(・・)するという果てのない旅をするという決心を突いたのだった。

 

 

 

 



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1話

物語はプロローグから二年前に遡る。

 

 

 2193年2月 茨城県久慈(くじ)川河口域

 

 

 風が肌を撫でる感触。その風に含まれた磯臭さ。まだ春前だというのに、彼は何故(なぜ)か河原で仰向けになって寝そべっていた。だが、あまりの寒さに男は(くしゃみ)と同時に目を覚ますと。

 

 「寒っ。・・・ここ、どこよ?」

 

 男は周囲を見渡すと、かつては住んでいた久慈川の河原にいたのだが、どこかおかしい風景(・・)だった。()

 

 右に振り返ると、日立市と東海村の境目に隣接する国道245号線に架かる。通称、赤い橋こと久慈(くじ)大橋には、車やらトラックが通っている・・・(はず)なのだが。

 

 男が見た限り視力が悪くなければ、動いているどころか全部の車両という車両は、錆びた残骸のスクラップになっており。左に振り返れば、日立港第5埠頭の一画にある。東亜ガスが所有の日立LNG基地ガスタンクは全て(・・)赤錆ていてボロボロだった。だが、どう見ても爆発事故(・・・・)の類いではなく、かなりの年月による腐食(・・)のようにも見えたのだ。

 

 そしていきなり、腕を組みながらこう呟た。

 

「 周りを見回しても廃墟(・・)廃車(・・)と俺しかいねぇ! ・・・こりゃ、どういうことなんだ?」

 

 男は立ち上がろうとした瞬間、自分の左手から「ガチャ」という音と共に不思議な違和感を覚え、男は左手に目を向けると・・・。

 

「ん?これは・・・。俺が最近始めたFallout(フォールアウト)76にでる。Pip-Boy(ピップボーイ)model(モデル)2000Mk.VI・・・だよな? しかも軽量化してある。」

 

 そして、自分が今来ている服装にも気が付ついて、驚きながらも声を上げた。()

 

「いったいどういうことよ?この服は確か、ホワイトスプリングバンカーのミッション終了後に入手出来る。市街工作員アンダーアーマーだし、これゲーム内(・・・・)で使う衣服装備だぞ。なぜ手元に?」

 

 元々(もともと)彼は、このゲームを始めてから1年近くになる弱小(・・)プレイヤーだが。廃墟探索や武器制作が好きだったために、このゲームにのめり込んでいたのだ。さらにその後、76の前作にあたるFollaot4にもはまり込み。暇があれば黙々と遊んでいた・・・ある意味ゲーム馬鹿である。

 

 男は立ち上がると、両手両足の確認、痛覚や感覚があるかなど試すと・・・やはりここは、自分がいた世界とはまた違い世界にいるということを新ためて理解した。

 

 僅かながら震える指先でPip-Boy(ピップボーイ)を操作しようとしたが、ここでは確実(・・)に目立ち格好の餌食になると判断し、橋の下へ移動し身を隠すことにした。()

 

 数分ほど歩いた(のち)に、橋の根元にある土手に座り、頭の中ではこれから先のことを考えつつも。そこでボヤいても始まらないと改めて思い、Pip-Boy(ピップボーイ)操作して次のページを表示した。

 画面を覗いた先にある。古めかしいようなオンボロ画面から、今時のホログラフィーモードに切り替え、プレイヤーもとい自分のSPECIALを確認すると・・・・。以下の能力が書かれている表示が、目の前にホログラフィーとなってステータス表示された。()

 

 ステータス

 

 プレイヤー名 川嶋(かわしま)正之(まさゆき)

 

 レベル 893

 HP 450(・・・)

 AP 300(・・・)

 ダメージ耐性 耐物理9 耐エネルギー13 放射能5

 

未振り分けポイント 893(・・・)

 

「……ふぁ?」

 

 その後、Pip-Boy(ピップボーイ)をカタカタと操作しながらブツブツと話し始めていた。()

 

 「レベルはそのまま。現在、防護裏地を施した市街工作員アンダーアーマー(STR+3、PER+2)を着服し、防具・パワー()アーマー()はともに未装備・・・。ここまではわかる、何となく分かるが(・・・・)。なんだかなぁ・・・う~ん」()

 

 そこには、SPECIALの割り振り数値が書かれているが、これはプレイ中の割り振りとすぐ判断出来た。

 

 Strength       15(・・)(+3)

 Perception      6(・・)(+2)

 Endurance       5(・・)

 Charisma       1(・・)

 Intelligence     15(・・)

 Agility        9(・・)

 Luck          7(・・)

 

 手持ち重量/手持ち最大重量 650(・・・)2000(・・・・)

 CAMP収容量/CAMP最大重量  8000(・・・・)無制限(・・・)

 

 そして、Fallout(フォールアウト)76で馴染みのある。PERK(パーク)というカードを調べ始めるが・・・ゲームに存在しない二枚のカードが目に入ったので、それ調べたてみたが……

 

「・・・おいおい。この伝説(・・)Gunsmith(銃工職人)伝説(・・)Ammosmith(弾薬職人)というカード・・・これ世間ではこれをチートって言うんだよね。初めて理解したよ」()

 

さらに市街工作員アンダーアーマーの説明文にはこう書かれていた。

・防弾並び防刃加工済。

・アンダーアーマーには人工筋肉を搭載し。かつ、特殊強化を施した服装で、通常の30倍の身体能力を得られるようになる。

・さらに重ね着よる。防弾チョッキ、ベルト式弾帯、チェストリグ、バックパックシステムが装着可能。

 

 彼はPip-Boy(ピップボーイ)から一丁の銃を選択し、実際に手に取った。それはゲーム開始直後、ボルト76と呼ばれる核シェルター入口脇の遺体から拾える、プレイヤーの初期武器とも呼べるパイプピストル(・・・・・・・)なのだが。外見は何故かWW2大戦末期、ドイツのワルサー社で制作された国民突撃拳銃(フォルクスシュツルムピストル)そのものだが、別に気にすることもなくパイプピストルのスライドを引き。薬室に装填してある弾薬を1発引き抜くと。薬莢(やっきょう)と呼ばれる雷管側に記載されている弾薬の口径は9mm×19(9mmパラペラム)のと書かれていた・・・。

 

 Pip-Boy(ピップボーイ)のアイテム画面の武器リストを開いた瞬間。俺は、驚きで固まった。

 なぜか分からないが、15種類の項目に振り分けられており。それらの項目には、試作型を含む現代世界に存在する(2019年12月迄)兵器類や、Fallout(フォールアウト)76に登場する武器がすべて記載されていたのだ。

 

 項目の名称は以下の通りである。

 

・片手近接武器(刀剣類・ナックル・ハンドアックス・バット・ボード・各種鈍器等・・・)

 

・両手近接武器(薙刀・槍・スレッジハンマー・スーパースレッジ等・・・)

 

・パイプ銃(パイプピストル・パイプリボルバー・ボルト式パイプライフル・パイプ式サブマシンガン)

 

・ピストル(リボルバー・自動拳銃・黒色火薬ピストル・機関拳銃)

 

・サブマシンガン(SMG・PDW)

 

・ライフル(アサルトライフル(5.56ミリ等)バトルライフル(7.62ミリ等)・レバーアクションライフル・黒色火薬ライフル)

 

・スナイパーライフル(ボルト式・セミオート式)

 

・マシンガン(軽機関銃・汎用機関銃・重機関銃)

 

・ショットガン(元折れ式・レバー式・ポンプ式・セミ&フルオート式・リボルバー式)

 

・グレネードランチャー(元折れ式・リボルバー式・フルオート式・小銃擲弾・アンダーバレル式)

 

・対物ライフル(対物ライフル・対戦車ライフル・対PAライフル)

 

・重火器(ミニガン・軽迫撃砲・迫撃砲・重迫撃砲・対戦車ミサイル・携帯式対戦車ロケットランチャー・無反動砲・対空機関砲(20mm以上の火砲)・火炎放射器)

 

・投擲武器(各種手榴弾・対戦車手榴弾・火炎瓶・トマホーク)

 

・地雷(対人地雷・対戦車地雷・跳躍地雷)

 

 さらにこのゲーム。fallout(フォールアウト)76には、それぞれの武器をカスタマイズするために必要なオプション装備、通称MOD(モッド)がある。

 

 武器制作または、敵から鹵獲した武器を解体し、MOD=拡張パーツを入手するか。あるいはベンターというロボットから特殊な設計図(暗視スコープ等)を購入しては、それを読むことで得たMODを使用し、さらに武器改造を繰り返しつつ自分好みにしたり出来るのが、このゲームにおける醍醐味の1つだ。

 

 特に性能の良い星付き武器は伝説級武器といい、それは強い敵等(伝説級)を倒して手に入れるのが常だったが。こればかりは……はっきり言って運次第である。

なかにはハズレ品も多々ある。()

 

 さらにこのfallout(フォールアウト)76をやり込んでいた俺は、そんな武器や防具。ジャンク品をコツコツ集めては、制作・分解・改造・売却という・・・果てのない作業を黙々とこなしながら。CAMP(キャンプ)として使っていた、CAMPの個人用保管箱容量ギリギリまで溜め込んでいたのだ。

 ・・・が、そのすべてが、不思議なことになぜか大半はそのPip-Boy(ピップボーイ)の中にあるらしい。しかも、現実世界に存在するありとあらゆるスコープやダットサイト、グリップ、アンダーバレル式を含むすべてのオプション装備が手元(・・)にあり制作可能(・・・・)というまさに至り尽くせりであった。

 

「これならなんとか俺でも生き残れるのかな? この日本(・・)で・・・ただ、この国で武器を持った人間に対しては、イザとなったら躊躇う(・・・)必要はないかもな・・・盗み、殺し、(おか)し、何でもアリの世界(・・)か・・・この光景を、9条信者や自称平和主義者(思想過激集団)が見たら。即発狂モンだよ!」

 

ブツブツ文句垂れながら、移動する準備をしていた。

ただ周りの警戒しなければいけないので、ピップボーイの液晶画面を空間投影に切り替えた……もちろん最初に取り出した拳銃からアサルトライフル交換し、すぐ撃てるようにしてだが……。

 

「防具も、……あるな。医薬品に食料、飲料水。何故かクエストアイテムが無い代わり(・・・・・)軍用車両(・・・・)。そして、ジャンク品とバルク品。武器や防具に使えるオプション装備(通称、MOD)や各種弾薬。はっ!俺……このまま街の支配者にでもなれんじゃないのか? 所持金も200キャップで、毎回プレイする度に貧乏生活まっしぐらで、さらにオール不屈装備だから体力はギリギリ。仕舞いにはキャップ浮かせるのに、武器やジャンク品収集や売買しつつキャップ稼ぎにあちこち歩きながらだったのに、いまじゃ何故か日本円で、資金が3000万()になっとるよ!」

 

 こんな状況だというのにどこかウキウキとした気分で、フル改造済みのロシア軍の迷彩を施した。デジタルフローラに着替え、プロテクターが施されているマリーンアーマーも胴体や両手足にと全部位を装備した。

 アーマーはもちろん、すべてレジェンダリー防具だ。防御力も高いがそれぞれに固有の特殊効果があるというリッチな恩恵がある。見た目はかなり重いがきちんと装備が可能。さらにアンダーアーマーとレジェンダリー効果の恩恵なのか重いという重量感がまるっきりなかった。()

 

そして取得していないはずのバックパック……もといベトナム戦争時米軍歩兵が背負うアリスパックを背負い。

 

 ピップボーイのインベントリに、スクロールするのが面倒なほどの数があるパワーアーマーやfallout76に存在しない(・・・・・)、対市街戦・白兵戦用タクティカルコンバットギアや、何故か方や大型の手や人間と同じ手が両方装着さていれるパワーアーマーあったりもした。

 

だが、あれを着て動くには大きな乾電池のような消費アイテムが必要だ。それを補充できるかどうかもわからないので、とりあえずはこれでいい。そして不思議な事に、エスカベーターというアパラチアの鉱山会社のエストで拾得出来るはずのパワーアーマー……エクスカベーターアーマーが無い(・・)のだ。

 

おそらく、そのパワーアーマーがない代わりにこの世界のを配備されたんだろう。

 

ピップボーイを操作し、周囲を警戒しながら男の右側には実弾を装填したロシア製アサルトライフル、RPK-16を脇に置いてそれをたまにピップボーイ操作しながらチラチラと覗いていた。

しかもこのRPK-16は、ロシア軍配備向けの最新型のAK-12派生型だ。ゴツく角張ったアンビ(両利き)使用の試作型(・・・)であった。95連ドラムマガジンを装着し、フォアグリップやヘビーバレル、二脚、ELCANスコープを装着していることから重突撃銃(ヘビーアサルトライフル)だと判断し、fallout76でお馴染みの武器作業台があれば、用途ごとに複数制作するか、1つの銃からいろいろ組み替えてみたいと思ったくらいだ。

 

スクロール画面を見ていくうちに、ショートカット項目がある事に気が付いた。

 

「驚いた。……武器のショートカットもこの世界で設定できるのか・・・ありがたい。拳銃2種にショットガン、アサルトライフル、軽機関銃(LMG)、スナイパーライフル。忘れちゃいけないのが、回復手段のスティムパックと。食料品と飲料水か・・・・・よいこらしょっと」

 

ショートカット武器一覧

・Sig P226 X-Five Tactical カスタム

・M&P R8 .357マグナム弾仕様

・DP-26(DP-12カスタム)

・MTS-255 リボルバーショットガン カスタム

・アラン VHS-2 K-2カスタム

・RPK-16 カスタム(.300BLK弾(7.62×35弾)カスタム)

・CZ 805 BREN A2カスタム

・ネゲヴ NG7(7.62ミリ版)

・SNIPEX T-REX(14.5ミリ)

・KBP GM-94 グレネードランチャー

 

 どんなに強い武器や防具を身に着けても俺は俺なのだが、やはり安心感が違う。そんなはずなんてないのに、なんだか強くなった気分だ。

 

 最後に、多目的ゴーグルを装着しては立ち上がり。俺は辺りを見回した。

 

「さて、どうすっか……どっか、近くの建物へ偵察がてら避難しておくか」

 

男は、事前に組み込んだショートカット項目から同じロシア制ヘビーアサルトライフル「RPK-16 カスタム」に持ち替え、咄嗟の判断なのか銃口にサイレンサーを装着、そして5.56ミリ弾と同じ弾薬が使える7.62ミリ×35弾が95発装填されたドラムマガジンを装着、コッキングレバーを引いて、弾丸が薬室内に装填し。安全装置をセミオートへ切り替えたのを確認すると、ガスタンクがある方向へ歩きながらこう呟いた。

 

「もし、これが()じゃなければ。躊躇わず(・・・・)に引き金を引いて斃すしかないな。躊躇すれば、確実に死ぬ」



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