二人は夢を歩む (水甲)
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1章
01 幼馴染


朝、目を覚ますと最初に目に入ったのは、幼馴染みの顔だった。

 

「おはよう。彰くん。今日は声をかける前に起きれたね」

 

上原歩夢。僕の幼馴染みである。幼稚園からの付き合いのためか、こうして朝、起こしに来てくれる。

 

「おはよう。歩夢ちゃん」

 

「ふふ、眠そうだね。昨日は遅くまで起きてたの?」

 

「色々と見てて……」

 

「ほら、着替えて、ご飯食べて、早く学校に行こう」

 

「うん」

 

着替えようと思ったが、あることに気がつく。僕は笑顔の歩夢ちゃんを見て…………

 

「あの、着替えから出ていってくれないかな」

 

「あっ!?ごめんね」

 

歩夢ちゃんは何と言うかどこか抜けてる気がする。とりあえず早い所着替えないと…………

 

 

 

 

 

朝御飯を食べ終え、二人で電車で学校に向かっていた。

 

「今日もいい天気だね。お昼は外で食べる?」

 

「そうだね」

 

「今日はお弁当作ってきたから楽しみにしててね」

 

歩夢ちゃんのお弁当……凄く美味しいんだよね。特に玉子焼き。今から楽しみで…………

 

ぐ~

 

「もうお腹空いたの?」

 

「歩夢ちゃんのお弁当楽しみで」

 

「ふふ、ありがと」

 

 

 

 

 

 

 

学校に着くと一人の女の子が駆け寄ってきた。

 

「せんぱ~い!おはようございます」

 

「かすみちゃん、おはよう」

 

「おはよう、かすみちゃん」

 

後輩の中須かすみちゃん。スクールアイドル同好会の一件で知り合った子であり、何故か慕ってくれている。

 

「先輩、先輩。今日は一緒にお昼どうですか?今日はパン作ってきたんです」

 

「あ~ごめん。今日は歩夢ちゃんと約束してるから…………」

 

「かすみちゃんもどう?」

 

「いいんですか?それじゃご一緒させてもらいます」

 

かすみちゃん、何だか嬉しそうだった。

 

 

 

 

 

 

 

お昼になったけど、歩夢ちゃんとかすみちゃんのご飯が凄く楽しみで、午前中はお腹が空いて大変だった。

 

「お昼行こう。彰くん」

 

「うん」

 

二人で中庭に行くと既にかすみちゃんがレジャーシートをひいて待っていた。

 

「お待たせ」

 

「待ってましたよ。先輩」

 

「ふふ、かすみちゃん、楽しみだったんだね。お昼ご飯」

 

「いえ、そういう…………」

 

「僕も二人のご飯楽しみでずっとお腹が空いてたよ」

 

「私もそうなんです」

 

何だか言いかけていたけど、気にせずご飯を食べよう。

 

「はい、どうぞ」

 

歩夢ちゃんから受け取ったお弁当を食べる。美味しい…………歩夢ちゃんのお弁当は本当に美味しい。毎日食べたい

 

「歩夢ちゃん、結婚しよう」

 

「え、えぇ!?」

 

「ちょっと先輩、何求婚してるんですか!?かすみんの食べてみてからにしてください」

 

かすみちゃんのコッペパンを食べた。うん、美味しい。

 

「どうですか?美味しいですか?かすみんと結婚すれば毎日食べれますよ」

 

「美味しいよ。かすみちゃん」

 

「うぅ、求婚はなしですか…………歩夢先輩はもう胃袋を掴んでるんですね」

 

「何の話?」

 

「いえ、何でもないです。って歩夢先輩?」

 

さっきから話に入ってこない歩夢ちゃんの方を見ると、何故か顔を赤らめて何か呟いていた。

 

「彰くんと結婚…………結婚……」

 

「歩夢ちゃん?」

 

「あっ、何?」

 

「大丈夫?顔赤いけど……」

 

「うん、大丈夫だよ」

 

大丈夫ならいいけど…………

 

 

 

 

 

 

 

放課後、みんなが帰ったあと、僕は少し残って衣装のデザインや歌詞を考えていると、気がつけばもう遅い時間だった。

 

「帰らないと…………」

 

そう思い、部室から出ると、扉の側で誰かが眠っていた。最初は彼方さんかと思ったけど、よく見ると歩夢ちゃんだった。

 

「歩夢ちゃん、こんなところで寝てると風邪引くよ」

 

「ん、んん、あれ?寝てた?」

 

「先に帰ってても良かったのに…………」

 

「だって貴方と一緒に帰りたかったから…………」

 

笑顔でそう言う歩夢ちゃん。僕はそんな歩夢ちゃんの頭を撫でた。

 

「どうしたの?」

 

「ん、歩夢ちゃんは良い子だなって、帰ろう。歩夢ちゃん」

 

「うん」




基本的には歩夢は病ませません


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02 機嫌のいい幼馴染

『彰くん、大好き』

 

『僕も好きだよ』

 

これは幼い頃の夢。幼馴染みのあの子との思い出…………

 

 

 

 

目を覚ますと最初に目に入ったのは歩夢ちゃんの顔だった

 

「あっ、起きちゃった?」

 

「何しようとした?」

 

「えっ?おはようのキスだよ」

 

毎朝の日課で僕を起こしに来てくれるのだけど、今日のは何なんだ?

 

「いつも普通に起こしてなかったっけ?」

 

「そうだけど…………えへへ」

 

一体どうしたんだろうか?今日の歩夢ちゃんは何かおかしい。

 

「ほら、早く着替えないと遅刻しちゃうよ」

 

「う、うん」

 

歩夢ちゃんが部屋を出ていくのを確認し、着替え始める。そんな中、今日の夢のことを思い出した。あれは別に幼い頃、お互い恋愛感情はなかったし、歩夢ちゃんもそれを知ってるはずだから、別に付き合っていない。

 

「だとしてもさっきのは…………」

 

考え込んでも仕方ない。早く着替えよう。

 

 

 

 

 

 

 

毎朝乗っている電車の中、空いているはずなのに、何故か体を密着させてくる歩夢ちゃん。何だ?何なんだ?これは…………

 

「あのさ……」

 

「何?」

 

「近いんだけど?」

 

「そうかな?いつも通りだと思うけど?」

 

歩夢ちゃん、いつもは多少距離があるけど、ここまで近いのはおかしい。何だ?何があった?

 

 

 

 

 

 

 

学校に着くとかすみちゃんが駆け寄ってきた。

 

「せんぱ~い~おはようございます。って歩夢先輩、何か近くないですか?」

 

「そ、そうかな?」

 

「そうですよ。先輩、何かあったんですか?」

 

「僕にもよく分からなくて…………」

 

「どうしたの?二人とも?」

 

不思議そうな顔で僕らを見つめる歩夢ちゃん。本当に何なんだろう?

 

 

 

 

 

 

 

お昼ご飯になり、今日は日替わりランチを頼み、歩夢ちゃんと一緒に食べるのだけど

 

「はい、あ~ん」

 

歩夢ちゃんがあ~んしてくる。断るのも悪いので、食べるのであった。

 

「美味しい?」

 

「うん、美味しいけど…………どうしたの今日?」

 

「どうしたのって?」

 

「何だか機嫌がいいと言うか、凄く距離が近いと言うか…………何か嬉しそうだけど」

 

「そ、そうかな?でもそうかも」

 

「何で?」

 

「それはね…………貴方が…………って言ってくれたからかな」

 

聞き取れなかったけど、僕が何か言ったかな?普通に朝起きて…………いや、その前に…………

 

「もしかして…………聞いてた?」

 

「何を?」

 

「えっと……」

 

昔の夢で歩夢ちゃんのことが好きだって言っていたことを言おうとしたけど、急に恥ずかしくなり言えないでいた。

 

「その、何でもない」

 

「?」

 

 

 

 

 

 

お昼からも歩夢ちゃんの距離感が凄く近かった。僕は気にしないようにしていたけど、でも…………

 

「僕にとって歩夢ちゃんって…………」

 

好きなのかな?いつも近くにいて考えたことがなかった。

もしも歩夢ちゃんに彼氏とか出来たら…………何だか凄く嫌な感じがしてきた。この気持ちって…………何なんだろう?



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03 恋人未満のバレンタイン

2月14日

 

バレンタインの夜。歩夢ちゃんが遊びに来ていて、僕にチョコを渡してきた。

 

「何で今?」

 

「えっ?」

 

歩夢ちゃんは不思議そうな顔をしていた。今日一日歩夢ちゃんが渡してこないな~って思っていた

 

「ほら、同好会のみんなと一緒に渡すのはちょっとダメかなって、毎年二人きりの時に渡してるから」

 

拘りみたいなものかな?でも僕としてはこうして貰えるのは嬉しい。

 

「ありがとう。歩夢ちゃん」

 

「うん、食べてみて」

 

早速食べてみた。うん、いつもと変わらない美味しさだ。

 

「それとね。こういう時じゃないと貴方を独占できないって言うか…………あはは、何言ってるんだろう私」

 

歩夢ちゃんは少し独占欲が強いところがあるけど、でもそれは…………僕も似たような感じだ。付き合ってないのに嫉妬するのはどうかなと思っているけど…………

 

「歩夢ちゃん…………」

 

「何?彰くん」

 

このタイミングで言うべきなのかな?

他にも言うべきタイミングがあるはずだ。

でもいい加減伝えないといけないと…………

 

「歩夢ちゃん…………あの、その……」

 

僕は歩夢ちゃんの肩を掴んだ。歩夢ちゃんは少し頬を赤く染めていた。

 

「あ、彰くん?」

 

「歩夢ちゃん…………そのみんなから貰ったチョコ、一緒に食べない?」

 

「えっ?」

 

うん、自分でも嫌になるくらいへたれた。何で僕はいつもこうなのか…………歩夢ちゃんの方を見ると、いつもと変わらない笑顔だった。

 

「いいの?これ、みんなが貴方に……」

 

「そうだけど、流石に一人で食べきれなくって…………」

 

「そっか、しょうがないな~」

 

それから歩夢ちゃんと一緒にチョコを食べるのであった。それにしてもせつ菜ちゃんのチョコは少し食べるのが怖かったけど、歩夢ちゃん曰く市販品を買うようにみんなで進めたとか…………

なんと言うかせつ菜ちゃんには申し訳ないけど、みんなナイス

 

 

 

 

 

 

 

時間も遅いから歩夢ちゃんは帰るため、僕は玄関で歩夢ちゃんを見送った。

 

「それじゃ、気をつけて」

 

「お隣だから大丈夫だよ」

 

そんな他愛のない話をする中、歩夢ちゃんに告白できなかったことを未だに後悔する僕。

何でへたれるんだろう…………

 

「あっ、そうだ。彰くん」

 

「何?」

 

歩夢ちゃんは突然僕の側により、耳打ちをしてきた

 

「大好きだよ。待ってるから」

 

「はっ?」

 

「それじゃおやすみ」

 

歩夢ちゃんはそのまま帰るけど、今のは…………えっと…………

 

「どういう意味の大好きなのかな…………そういうことなのかな?」

 

歩夢ちゃんの言葉で悩まされる僕であった。



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04 気持ちを伝える 前編

「おはよう。彰くん」

 

いつも通り彰くんを起こしに来た私。彰くんはまだ眠そうにしていた。私は声をかけながら、彰くんの体を揺する。

 

「ん~」

 

すると彰くんは私の腕を掴み、そのまま抱き寄せてきた。

 

「あ、彰くん…………」

 

彰くんに抱き締められて、凄く恥ずかしいけど、でも何だか落ち着く。彰くんの体温が凄く感じて…………

 

「ん~あれ?歩夢ちゃん?」

 

「お、おはよう…………」

 

「何で僕、歩夢ちゃんを抱き締めてるんだろ?もしかして夢かな?」

 

彰くんに夢じゃないよと言おうとしたけど、彰くんはさっきよりも強く抱き締めた。

 

「あき……らくん…………」

 

このまま抱き締められていたら、私…………

 

「彰くん…………」

 

このままキスしてもいいかな?私はキスしようとそっと唇を寄せた。

 

「歩夢ちゃん?あれ!?」

 

寸前の所で彰くんが起きた。そして今の状況を見て驚いていたのだった。

 

 

 

 

 

 

何故か目を覚ますと歩夢ちゃんを抱き締めていた僕。

まさか寝ぼけてあんなことするなんて…………

 

「ごめんね。歩夢ちゃん」

 

「ううん、気にしないで、それに…………」

 

「それに?」

 

歩夢ちゃんは何かを言いかけていたけど、すぐに言うのを止めた。

それにしても起きたとき、歩夢ちゃんの顔が近かったけど、あれって…………まさか…………

 

「あの歩夢ちゃん」

 

「ほ、ほら、早く用意しないと遅れちゃうよ」

 

「う、うん」

 

キスしようとしたのかなと言おうとしたけど、すぐに遮られてしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

今朝の事が気になっていた。あれってキスしようとしてたよね…………

 

「いい加減気持ち伝えないと…………」

 

「気持ちって誰に伝えるんですか?先輩」

 

不意に声をかけられ、振り向くとそこにはかすみちゃんがいた。

 

「かすみちゃん」

 

「こんにちわ。先輩。それでどうしたんですか?」

 

「どうしたって…………」

 

「気持ちを伝えるって、誰に伝えるんですか?」

 

まさか聞かれていたなんて…………

 

「その…………」

 

「気持ちって歩夢先輩に伝えるんですか?ようやくって感じですね」

 

ようやくって…………

 

「気持ちを伝えるのはいいですけど、どんな感じに言うんですか?」

 

「その、普通に好きだって…………」

 

「それでもいいですけど、直球じゃなくても言いと思います。どんなところが好きだとかきっちり伝えるのもいいですよ」

 

「そ、それは考えたけど、噛みそうで…………」

 

重要な所で噛んだら嫌だし…………

 

「そうですね~カミカミなのもどうかと思いますし…………試しに私に好きっていってみてください」

 

何でかすみちゃんに?もしかして練習みたいな感じに?

それならと思い、僕はかすみちゃんの肩を掴み、

 

「好きだ」

 

バサッ

 

何か物が落ちる音が聞こえ、振り向くとそこには歩夢ちゃんがいた。

 

「あ、あはは、ごめんね。邪魔しちゃったね…………」

 

そのまま歩夢ちゃんが走り去っていく。これって…………

 

「すみません、やらかしてしまいました」



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05 気持ちを伝える 後編

「それで…………追いかけずにいると言うことですか」

 

「はい……」

 

「あの……しず子……かすみんは…………」

 

「かすみさんは少し考えて行動しましょうね。誤解を招いた原因なんですから」

 

「えっと……」

 

「かすみさん」

 

「はい……」

 

しずくの前で正座させられる僕とかすみちゃん。歩夢ちゃんは早退してしまったみたいだし…………

 

「彰さんは歩夢さんの誤解を解くように」

 

「はい」

 

しずくのお説教が終わり、歩夢ちゃんに電話をするけど…………出ない。どうしよう…………

 

 

 

 

 

 

歩夢side

 

彰くんがかすみちゃんに告白してたのを見て、私はその場から逃げてしまった。

 

みんなには調子が悪いと伝えたけど…………彰くんからの電話が鳴り響いていた。

出てあげたいけど…………出たくない

 

「何でこんなに苦しいの…………」

 

ベッドの上に座りながら、私は泣いていた。

 

『歩夢ちゃん?』

 

不意に彰くんの声が聞こえた。もしかして…………

 

「どうして…………」

 

『心配で…………』

 

心配できてくれた…………彰くんはやさしいけど…………

 

「私の事は気にしなくていいよ…………かすみちゃんと一緒にいてあげて…………」

 

『歩夢ちゃん…………』

 

ごめんね。直ぐに元の私に戻るから…………

 

「開けないで…………そのまま帰って……」

 

『…………』

 

彰くんの声はもう聞こえない。ごめん…………

 

ガチャ

 

突然扉が開く音が聞こえ、彰くんが部屋に入ってきた。

 

「歩夢ちゃん‼」

 

彰くんは私にキスをした。私はびっくりして引き剥がそうとしたけど、彰くんの力が強くて出来なかった。

 

「あ、彰くん…………」

 

「僕は歩夢ちゃんの事が好き…………大好きなんだ」

 

「か、かすみちゃんは?」

 

「練習に付き合ってもらったんだよ。告白の…………」

 

「そ、それじゃ…………私、勘違いしてたの?」

 

「ごめん……誤解させちゃって…………僕は歩夢ちゃんの事が好き…………付き合ってください」

 

「はい…………」

 

私と彰くんはもう一度キスをした。

 

帰ろうとする彰くんの服の裾を掴んだ私は…………目を潤ませながら…………

 

「ねぇお母さんたちが帰ってくるまでの間…………甘えていい?」

 

「う、うん」

 

 

 

 

 

 

 

 

彰side

 

それから歩夢ちゃんとキスをしたり、ハグをしたりと甘い時間が流れるのであった。

 

 

 

 

そして次の日

 

「先輩たちが付き合い出したのは良かったですけど…………」

 

かすみちゃんが祝福してくれているけど…………

 

「多少は気を使ってくれませんか?」

 

「「気を?」」

 

普通に歩夢ちゃんが僕にくっついてるだけじゃないかな?

 

「うぅ~かすみんも早く恋人作りたいです~」



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06 天使歩夢と悪魔歩夢

アンケートにて、思い付いたので…………カオス回です


『起きて……起きて』

 

歩夢ちゃんの声?もしかして起こしに来てくれたのかな?

 

そんなことを思いつつ、目を開けると……

 

「おはよう。彰くん」

 

「…………」

 

何かおかしい…………歩夢ちゃんなのだけど、制服じゃなく、白い服に白い羽が見える…………

 

「歩夢ちゃん…………何だか天使みたいだけど…………」

 

「天使みたい?もう何言ってるの?」

 

そうだよね。何を言ってるんだ?全く…………まだ寝ぼけてるな僕…………

 

「天使みたいじゃなくって、天使だよ。私」

 

…………ナニヲイッテルンデスカ?

 

「どうしたの?」

 

「天使って…………」

 

「ふふ、天使なのそんなにおかしい事かな?」

 

歩夢ちゃんが天使…………特におかしくないな。と言うか歩夢ちゃん天使だし…………

 

「そっか歩夢ちゃんは天使だった」

 

「もう~」

 

歩夢ちゃんは嬉しそうに抱きついてきて、僕の顔を胸に押し当てながら頭を撫でてくる。

 

「歩夢ちゃん…………苦しい…………」

 

「いい子~いい子~」

 

なんと言うか心地いい…………このまま眠ってしまいそうだ…………

 

 

 

 

 

 

 

 

「はっ!?夢か…………」

 

何だか変な夢を見たな…………

 

「大丈夫?」

 

「うん、何だか歩夢ちゃんが天使になって…………」

 

「天使?もう何言ってるの?私は天使じゃなくって…………悪魔だよ」

 

変な言葉を聞き、歩夢ちゃんの方を見ると、何故か歩夢ちゃんが黒いセクシーな衣装にコウモリみたいな羽、頭には可愛らしい角が生えていた。

 

「えっと…………歩夢ちゃん?」

 

「ふふ、どうしたの?驚いた顔をして…………」

 

歩夢ちゃんはそっと僕の頬に触れるけど、何だろう?なんか怖い…………

 

「ねぇ昨日、かすみちゃんと仲良く部室で話してたよね…………」

 

指でなぞるように僕の首すじに触れる。くすぐったさよりも、恐怖が強い

 

「何だかね…………ちょっと嫉妬しちゃった…………だから……」

 

何をされるのか分からず、怖くなり目を閉じた。すると唇に柔らかい感触が…………

 

「契約だよ。私との…………キスだけじゃ足りないなら…………」

 

歩夢ちゃんは服を脱ぎだし…………

 

「もっと強い契約しよ…………」

 

 

 

 

 

 

 

 

目を覚ました。今度こそ現実かと思うと…………

 

「彰くんは私のだよ~」

 

「ううん、私の」

 

天使と悪魔が争っていた。とりあえず…………寝よう

 

 

 

 

 

 

 

 

目を覚ますといつも通りの歩夢ちゃんの姿が目に入った。

 

「おはよう。何だか笑ってたり、うなされたりしてたけど、どんな夢見てたの?」

 

「………………歩夢ちゃんの夢かな?」

 

「私の夢?何だか恥ずかしいな~でも夢でも貴方と一緒にいられてうれしいな」

 

笑顔でそう言う歩夢ちゃん。何だか安心するのだけど…………




明日は誕生日回上げます


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07 上原歩夢聖誕祭 バースデーケーキより甘いプレゼント

歩夢ちゃんお誕生日おめでとう~

R17です


『お誕生日おめでとう~』

 

今日は部室で歩夢ちゃんの誕生日パーティーが開かれていた。

 

「みんな、ありがとう」

 

「歩夢先輩、このケーキ、私が選んだんですよ」

 

かすみちゃんは笑顔でそう言う。

 

「ありがとう。かすみちゃん」

 

みんなで楽しくお祝いしている中、僕はちょっと迷っていた。特にプレゼントでだ。

 

みんなが楽しくお祝いしてるなか、問題のプレゼントのお渡し会になり、みんなが歩夢ちゃんにプレゼントを渡していた。そして僕の番になり…………

 

「彰くん?」

 

「あの……ごめん。プレゼント…………ないんだ」

 

「えっ?」

 

「先輩が…………プレゼントを用意してない?」

 

「な、何かの前触れでしょうか!?」

 

かすみちゃんとせつ菜ちゃんがオロオロしてるなか、僕は言い訳をした。

 

「歩夢ちゃんのプレゼント、毎年あげてるけど…………今年は歩夢ちゃんが本当に欲しいものをあげたいと思って…………」

 

「先輩…………恋人思いですね」

 

「本当に歩夢の事が好きね」

 

しずくちゃんと果林さんがそう言ってくれるのは嬉しいけど…………歩夢ちゃんは少し悩み…………

 

「私が欲しいもの…………それじゃあ明日、彰くんの時間をくれませんか?」

 

僕の時間?

 

 

 

 

 

 

 

次の日

 

「お邪魔します」

 

「どうぞ……」

 

僕の家に遊びに来た歩夢ちゃん。プレゼントの僕の時間って言ってたけど…………これはお家デートなんじゃ…………

 

「な、何か飲む?」

 

緊張しながらそう言うと、歩夢ちゃんは僕に抱きついてきた。

 

「あ、歩夢ちゃん?」

 

「じっとしてて…………」

 

歩夢ちゃんは僕の胸に顔をスリスリしていた。何だ?何なんだ?

 

「甘えたいなって…………」

 

これってもしかして…………プレゼント?

 

「今日は貴方とずっとこうしてたい。プレゼントとして貴方の時間をください」

 

「…………うん」

 

「ねぇ…………」

 

歩夢ちゃんは目を閉じると、僕はその意味を理解し、キスをした。

 

キスをすると僕は歩夢ちゃんの髪に触れる

 

「歩夢ちゃんの髪…………柔らかい……」

 

更にハグもする。歩夢ちゃんの匂い…………感触…………

 

「貴方も甘えたくなったの?」

 

「うん……」

 

それからしばらくはハグとキスを繰り返していく。

 

そして…………

 

「歩夢ちゃん…………いい?」

 

「うん…………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

衣擦れの音、僕らの声が部屋に響く…………歩夢ちゃんは涙を流していた。

 

「貴方とこんな風になりたいと思ってたの…………ずっと……」

 

 

 

 

 

 

 

 

気がつくと部屋の窓から夕日の光が差し込んでいた。

 

歩夢ちゃんは疲れたのか、眠っているけど、毛布から見える白い肌にまたある気持ちが込み上げてきた。

 

「歩夢ちゃん…………好きだよ」

 

眠る歩夢ちゃんにキスをする僕であった。

 

 

 

 

 

 

次の日

 

いつも通り歩夢ちゃんと一緒に登校すると、かすみちゃんが駆け寄ってきた。

 

「おはよう、かすみちゃん」

 

「今日も元気だね」

 

「先輩たちこそ、昨日は…………お楽しみでしたのですか?」

 

かすみちゃんの問い掛けに僕と歩夢ちゃんは顔を赤くした。

 

「…………冗談のつもりでしたが…………お楽しみでしたか……」

 




何をしたのかは彼女との秘め事で


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