二人は夢を歩む (水甲)
しおりを挟む

01 幼馴染

朝、目を覚ますと最初に目に入ったのは、幼馴染みの顔だった。

 

「おはよう。彰くん。今日は声をかける前に起きれたね」

 

上原歩夢。僕の幼馴染みである。幼稚園からの付き合いのためか、こうして朝、起こしに来てくれる。

 

「おはよう。歩夢ちゃん」

 

「ふふ、眠そうだね。昨日は遅くまで起きてたの?」

 

「色々と見てて……」

 

「ほら、着替えて、ご飯食べて、早く学校に行こう」

 

「うん」

 

着替えようと思ったが、あることに気がつく。僕は笑顔の歩夢ちゃんを見て…………

 

「あの、着替えから出ていってくれないかな」

 

「あっ!?ごめんね」

 

歩夢ちゃんは何と言うかどこか抜けてる気がする。とりあえず早い所着替えないと…………

 

 

 

 

 

朝御飯を食べ終え、二人で電車で学校に向かっていた。

 

「今日もいい天気だね。お昼は外で食べる?」

 

「そうだね」

 

「今日はお弁当作ってきたから楽しみにしててね」

 

歩夢ちゃんのお弁当……凄く美味しいんだよね。特に玉子焼き。今から楽しみで…………

 

ぐ~

 

「もうお腹空いたの?」

 

「歩夢ちゃんのお弁当楽しみで」

 

「ふふ、ありがと」

 

 

 

 

 

 

 

学校に着くと一人の女の子が駆け寄ってきた。

 

「せんぱ~い!おはようございます」

 

「かすみちゃん、おはよう」

 

「おはよう、かすみちゃん」

 

後輩の中須かすみちゃん。スクールアイドル同好会の一件で知り合った子であり、何故か慕ってくれている。

 

「先輩、先輩。今日は一緒にお昼どうですか?今日はパン作ってきたんです」

 

「あ~ごめん。今日は歩夢ちゃんと約束してるから…………」

 

「かすみちゃんもどう?」

 

「いいんですか?それじゃご一緒させてもらいます」

 

かすみちゃん、何だか嬉しそうだった。

 

 

 

 

 

 

 

お昼になったけど、歩夢ちゃんとかすみちゃんのご飯が凄く楽しみで、午前中はお腹が空いて大変だった。

 

「お昼行こう。彰くん」

 

「うん」

 

二人で中庭に行くと既にかすみちゃんがレジャーシートをひいて待っていた。

 

「お待たせ」

 

「待ってましたよ。先輩」

 

「ふふ、かすみちゃん、楽しみだったんだね。お昼ご飯」

 

「いえ、そういう…………」

 

「僕も二人のご飯楽しみでずっとお腹が空いてたよ」

 

「私もそうなんです」

 

何だか言いかけていたけど、気にせずご飯を食べよう。

 

「はい、どうぞ」

 

歩夢ちゃんから受け取ったお弁当を食べる。美味しい…………歩夢ちゃんのお弁当は本当に美味しい。毎日食べたい

 

「歩夢ちゃん、結婚しよう」

 

「え、えぇ!?」

 

「ちょっと先輩、何求婚してるんですか!?かすみんの食べてみてからにしてください」

 

かすみちゃんのコッペパンを食べた。うん、美味しい。

 

「どうですか?美味しいですか?かすみんと結婚すれば毎日食べれますよ」

 

「美味しいよ。かすみちゃん」

 

「うぅ、求婚はなしですか…………歩夢先輩はもう胃袋を掴んでるんですね」

 

「何の話?」

 

「いえ、何でもないです。って歩夢先輩?」

 

さっきから話に入ってこない歩夢ちゃんの方を見ると、何故か顔を赤らめて何か呟いていた。

 

「彰くんと結婚…………結婚……」

 

「歩夢ちゃん?」

 

「あっ、何?」

 

「大丈夫?顔赤いけど……」

 

「うん、大丈夫だよ」

 

大丈夫ならいいけど…………

 

 

 

 

 

 

 

放課後、みんなが帰ったあと、僕は少し残って衣装のデザインや歌詞を考えていると、気がつけばもう遅い時間だった。

 

「帰らないと…………」

 

そう思い、部室から出ると、扉の側で誰かが眠っていた。最初は彼方さんかと思ったけど、よく見ると歩夢ちゃんだった。

 

「歩夢ちゃん、こんなところで寝てると風邪引くよ」

 

「ん、んん、あれ?寝てた?」

 

「先に帰ってても良かったのに…………」

 

「だって貴方と一緒に帰りたかったから…………」

 

笑顔でそう言う歩夢ちゃん。僕はそんな歩夢ちゃんの頭を撫でた。

 

「どうしたの?」

 

「ん、歩夢ちゃんは良い子だなって、帰ろう。歩夢ちゃん」

 

「うん」




基本的には歩夢は病ませません


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

02 機嫌のいい幼馴染

『彰くん、大好き』

 

『僕も好きだよ』

 

これは幼い頃の夢。幼馴染みのあの子との思い出…………

 

 

 

 

目を覚ますと最初に目に入ったのは歩夢ちゃんの顔だった

 

「あっ、起きちゃった?」

 

「何しようとした?」

 

「えっ?おはようのキスだよ」

 

毎朝の日課で僕を起こしに来てくれるのだけど、今日のは何なんだ?

 

「いつも普通に起こしてなかったっけ?」

 

「そうだけど…………えへへ」

 

一体どうしたんだろうか?今日の歩夢ちゃんは何かおかしい。

 

「ほら、早く着替えないと遅刻しちゃうよ」

 

「う、うん」

 

歩夢ちゃんが部屋を出ていくのを確認し、着替え始める。そんな中、今日の夢のことを思い出した。あれは別に幼い頃、お互い恋愛感情はなかったし、歩夢ちゃんもそれを知ってるはずだから、別に付き合っていない。

 

「だとしてもさっきのは…………」

 

考え込んでも仕方ない。早く着替えよう。

 

 

 

 

 

 

 

毎朝乗っている電車の中、空いているはずなのに、何故か体を密着させてくる歩夢ちゃん。何だ?何なんだ?これは…………

 

「あのさ……」

 

「何?」

 

「近いんだけど?」

 

「そうかな?いつも通りだと思うけど?」

 

歩夢ちゃん、いつもは多少距離があるけど、ここまで近いのはおかしい。何だ?何があった?

 

 

 

 

 

 

 

学校に着くとかすみちゃんが駆け寄ってきた。

 

「せんぱ~い~おはようございます。って歩夢先輩、何か近くないですか?」

 

「そ、そうかな?」

 

「そうですよ。先輩、何かあったんですか?」

 

「僕にもよく分からなくて…………」

 

「どうしたの?二人とも?」

 

不思議そうな顔で僕らを見つめる歩夢ちゃん。本当に何なんだろう?

 

 

 

 

 

 

 

お昼ご飯になり、今日は日替わりランチを頼み、歩夢ちゃんと一緒に食べるのだけど

 

「はい、あ~ん」

 

歩夢ちゃんがあ~んしてくる。断るのも悪いので、食べるのであった。

 

「美味しい?」

 

「うん、美味しいけど…………どうしたの今日?」

 

「どうしたのって?」

 

「何だか機嫌がいいと言うか、凄く距離が近いと言うか…………何か嬉しそうだけど」

 

「そ、そうかな?でもそうかも」

 

「何で?」

 

「それはね…………貴方が…………って言ってくれたからかな」

 

聞き取れなかったけど、僕が何か言ったかな?普通に朝起きて…………いや、その前に…………

 

「もしかして…………聞いてた?」

 

「何を?」

 

「えっと……」

 

昔の夢で歩夢ちゃんのことが好きだって言っていたことを言おうとしたけど、急に恥ずかしくなり言えないでいた。

 

「その、何でもない」

 

「?」

 

 

 

 

 

 

お昼からも歩夢ちゃんの距離感が凄く近かった。僕は気にしないようにしていたけど、でも…………

 

「僕にとって歩夢ちゃんって…………」

 

好きなのかな?いつも近くにいて考えたことがなかった。

もしも歩夢ちゃんに彼氏とか出来たら…………何だか凄く嫌な感じがしてきた。この気持ちって…………何なんだろう?



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

03 恋人未満のバレンタイン

2月14日

 

バレンタインの夜。歩夢ちゃんが遊びに来ていて、僕にチョコを渡してきた。

 

「何で今?」

 

「えっ?」

 

歩夢ちゃんは不思議そうな顔をしていた。今日一日歩夢ちゃんが渡してこないな~って思っていた

 

「ほら、同好会のみんなと一緒に渡すのはちょっとダメかなって、毎年二人きりの時に渡してるから」

 

拘りみたいなものかな?でも僕としてはこうして貰えるのは嬉しい。

 

「ありがとう。歩夢ちゃん」

 

「うん、食べてみて」

 

早速食べてみた。うん、いつもと変わらない美味しさだ。

 

「それとね。こういう時じゃないと貴方を独占できないって言うか…………あはは、何言ってるんだろう私」

 

歩夢ちゃんは少し独占欲が強いところがあるけど、でもそれは…………僕も似たような感じだ。付き合ってないのに嫉妬するのはどうかなと思っているけど…………

 

「歩夢ちゃん…………」

 

「何?彰くん」

 

このタイミングで言うべきなのかな?

他にも言うべきタイミングがあるはずだ。

でもいい加減伝えないといけないと…………

 

「歩夢ちゃん…………あの、その……」

 

僕は歩夢ちゃんの肩を掴んだ。歩夢ちゃんは少し頬を赤く染めていた。

 

「あ、彰くん?」

 

「歩夢ちゃん…………そのみんなから貰ったチョコ、一緒に食べない?」

 

「えっ?」

 

うん、自分でも嫌になるくらいへたれた。何で僕はいつもこうなのか…………歩夢ちゃんの方を見ると、いつもと変わらない笑顔だった。

 

「いいの?これ、みんなが貴方に……」

 

「そうだけど、流石に一人で食べきれなくって…………」

 

「そっか、しょうがないな~」

 

それから歩夢ちゃんと一緒にチョコを食べるのであった。それにしてもせつ菜ちゃんのチョコは少し食べるのが怖かったけど、歩夢ちゃん曰く市販品を買うようにみんなで進めたとか…………

なんと言うかせつ菜ちゃんには申し訳ないけど、みんなナイス

 

 

 

 

 

 

 

時間も遅いから歩夢ちゃんは帰るため、僕は玄関で歩夢ちゃんを見送った。

 

「それじゃ、気をつけて」

 

「お隣だから大丈夫だよ」

 

そんな他愛のない話をする中、歩夢ちゃんに告白できなかったことを未だに後悔する僕。

何でへたれるんだろう…………

 

「あっ、そうだ。彰くん」

 

「何?」

 

歩夢ちゃんは突然僕の側により、耳打ちをしてきた

 

「大好きだよ。待ってるから」

 

「はっ?」

 

「それじゃおやすみ」

 

歩夢ちゃんはそのまま帰るけど、今のは…………えっと…………

 

「どういう意味の大好きなのかな…………そういうことなのかな?」

 

歩夢ちゃんの言葉で悩まされる僕であった。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

04 気持ちを伝える 前編

「おはよう。彰くん」

 

いつも通り彰くんを起こしに来た私。彰くんはまだ眠そうにしていた。私は声をかけながら、彰くんの体を揺する。

 

「ん~」

 

すると彰くんは私の腕を掴み、そのまま抱き寄せてきた。

 

「あ、彰くん…………」

 

彰くんに抱き締められて、凄く恥ずかしいけど、でも何だか落ち着く。彰くんの体温が凄く感じて…………

 

「ん~あれ?歩夢ちゃん?」

 

「お、おはよう…………」

 

「何で僕、歩夢ちゃんを抱き締めてるんだろ?もしかして夢かな?」

 

彰くんに夢じゃないよと言おうとしたけど、彰くんはさっきよりも強く抱き締めた。

 

「あき……らくん…………」

 

このまま抱き締められていたら、私…………

 

「彰くん…………」

 

このままキスしてもいいかな?私はキスしようとそっと唇を寄せた。

 

「歩夢ちゃん?あれ!?」

 

寸前の所で彰くんが起きた。そして今の状況を見て驚いていたのだった。

 

 

 

 

 

 

何故か目を覚ますと歩夢ちゃんを抱き締めていた僕。

まさか寝ぼけてあんなことするなんて…………

 

「ごめんね。歩夢ちゃん」

 

「ううん、気にしないで、それに…………」

 

「それに?」

 

歩夢ちゃんは何かを言いかけていたけど、すぐに言うのを止めた。

それにしても起きたとき、歩夢ちゃんの顔が近かったけど、あれって…………まさか…………

 

「あの歩夢ちゃん」

 

「ほ、ほら、早く用意しないと遅れちゃうよ」

 

「う、うん」

 

キスしようとしたのかなと言おうとしたけど、すぐに遮られてしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

今朝の事が気になっていた。あれってキスしようとしてたよね…………

 

「いい加減気持ち伝えないと…………」

 

「気持ちって誰に伝えるんですか?先輩」

 

不意に声をかけられ、振り向くとそこにはかすみちゃんがいた。

 

「かすみちゃん」

 

「こんにちわ。先輩。それでどうしたんですか?」

 

「どうしたって…………」

 

「気持ちを伝えるって、誰に伝えるんですか?」

 

まさか聞かれていたなんて…………

 

「その…………」

 

「気持ちって歩夢先輩に伝えるんですか?ようやくって感じですね」

 

ようやくって…………

 

「気持ちを伝えるのはいいですけど、どんな感じに言うんですか?」

 

「その、普通に好きだって…………」

 

「それでもいいですけど、直球じゃなくても言いと思います。どんなところが好きだとかきっちり伝えるのもいいですよ」

 

「そ、それは考えたけど、噛みそうで…………」

 

重要な所で噛んだら嫌だし…………

 

「そうですね~カミカミなのもどうかと思いますし…………試しに私に好きっていってみてください」

 

何でかすみちゃんに?もしかして練習みたいな感じに?

それならと思い、僕はかすみちゃんの肩を掴み、

 

「好きだ」

 

バサッ

 

何か物が落ちる音が聞こえ、振り向くとそこには歩夢ちゃんがいた。

 

「あ、あはは、ごめんね。邪魔しちゃったね…………」

 

そのまま歩夢ちゃんが走り去っていく。これって…………

 

「すみません、やらかしてしまいました」



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

05 気持ちを伝える 後編

「それで…………追いかけずにいると言うことですか」

 

「はい……」

 

「あの……しず子……かすみんは…………」

 

「かすみさんは少し考えて行動しましょうね。誤解を招いた原因なんですから」

 

「えっと……」

 

「かすみさん」

 

「はい……」

 

しずくの前で正座させられる僕とかすみちゃん。歩夢ちゃんは早退してしまったみたいだし…………

 

「彰さんは歩夢さんの誤解を解くように」

 

「はい」

 

しずくのお説教が終わり、歩夢ちゃんに電話をするけど…………出ない。どうしよう…………

 

 

 

 

 

 

歩夢side

 

彰くんがかすみちゃんに告白してたのを見て、私はその場から逃げてしまった。

 

みんなには調子が悪いと伝えたけど…………彰くんからの電話が鳴り響いていた。

出てあげたいけど…………出たくない

 

「何でこんなに苦しいの…………」

 

ベッドの上に座りながら、私は泣いていた。

 

『歩夢ちゃん?』

 

不意に彰くんの声が聞こえた。もしかして…………

 

「どうして…………」

 

『心配で…………』

 

心配できてくれた…………彰くんはやさしいけど…………

 

「私の事は気にしなくていいよ…………かすみちゃんと一緒にいてあげて…………」

 

『歩夢ちゃん…………』

 

ごめんね。直ぐに元の私に戻るから…………

 

「開けないで…………そのまま帰って……」

 

『…………』

 

彰くんの声はもう聞こえない。ごめん…………

 

ガチャ

 

突然扉が開く音が聞こえ、彰くんが部屋に入ってきた。

 

「歩夢ちゃん‼」

 

彰くんは私にキスをした。私はびっくりして引き剥がそうとしたけど、彰くんの力が強くて出来なかった。

 

「あ、彰くん…………」

 

「僕は歩夢ちゃんの事が好き…………大好きなんだ」

 

「か、かすみちゃんは?」

 

「練習に付き合ってもらったんだよ。告白の…………」

 

「そ、それじゃ…………私、勘違いしてたの?」

 

「ごめん……誤解させちゃって…………僕は歩夢ちゃんの事が好き…………付き合ってください」

 

「はい…………」

 

私と彰くんはもう一度キスをした。

 

帰ろうとする彰くんの服の裾を掴んだ私は…………目を潤ませながら…………

 

「ねぇお母さんたちが帰ってくるまでの間…………甘えていい?」

 

「う、うん」

 

 

 

 

 

 

 

 

彰side

 

それから歩夢ちゃんとキスをしたり、ハグをしたりと甘い時間が流れるのであった。

 

 

 

 

そして次の日

 

「先輩たちが付き合い出したのは良かったですけど…………」

 

かすみちゃんが祝福してくれているけど…………

 

「多少は気を使ってくれませんか?」

 

「「気を?」」

 

普通に歩夢ちゃんが僕にくっついてるだけじゃないかな?

 

「うぅ~かすみんも早く恋人作りたいです~」



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

06 天使歩夢と悪魔歩夢

アンケートにて、思い付いたので…………カオス回です


『起きて……起きて』

 

歩夢ちゃんの声?もしかして起こしに来てくれたのかな?

 

そんなことを思いつつ、目を開けると……

 

「おはよう。彰くん」

 

「…………」

 

何かおかしい…………歩夢ちゃんなのだけど、制服じゃなく、白い服に白い羽が見える…………

 

「歩夢ちゃん…………何だか天使みたいだけど…………」

 

「天使みたい?もう何言ってるの?」

 

そうだよね。何を言ってるんだ?全く…………まだ寝ぼけてるな僕…………

 

「天使みたいじゃなくって、天使だよ。私」

 

…………ナニヲイッテルンデスカ?

 

「どうしたの?」

 

「天使って…………」

 

「ふふ、天使なのそんなにおかしい事かな?」

 

歩夢ちゃんが天使…………特におかしくないな。と言うか歩夢ちゃん天使だし…………

 

「そっか歩夢ちゃんは天使だった」

 

「もう~」

 

歩夢ちゃんは嬉しそうに抱きついてきて、僕の顔を胸に押し当てながら頭を撫でてくる。

 

「歩夢ちゃん…………苦しい…………」

 

「いい子~いい子~」

 

なんと言うか心地いい…………このまま眠ってしまいそうだ…………

 

 

 

 

 

 

 

 

「はっ!?夢か…………」

 

何だか変な夢を見たな…………

 

「大丈夫?」

 

「うん、何だか歩夢ちゃんが天使になって…………」

 

「天使?もう何言ってるの?私は天使じゃなくって…………悪魔だよ」

 

変な言葉を聞き、歩夢ちゃんの方を見ると、何故か歩夢ちゃんが黒いセクシーな衣装にコウモリみたいな羽、頭には可愛らしい角が生えていた。

 

「えっと…………歩夢ちゃん?」

 

「ふふ、どうしたの?驚いた顔をして…………」

 

歩夢ちゃんはそっと僕の頬に触れるけど、何だろう?なんか怖い…………

 

「ねぇ昨日、かすみちゃんと仲良く部室で話してたよね…………」

 

指でなぞるように僕の首すじに触れる。くすぐったさよりも、恐怖が強い

 

「何だかね…………ちょっと嫉妬しちゃった…………だから……」

 

何をされるのか分からず、怖くなり目を閉じた。すると唇に柔らかい感触が…………

 

「契約だよ。私との…………キスだけじゃ足りないなら…………」

 

歩夢ちゃんは服を脱ぎだし…………

 

「もっと強い契約しよ…………」

 

 

 

 

 

 

 

 

目を覚ました。今度こそ現実かと思うと…………

 

「彰くんは私のだよ~」

 

「ううん、私の」

 

天使と悪魔が争っていた。とりあえず…………寝よう

 

 

 

 

 

 

 

 

目を覚ますといつも通りの歩夢ちゃんの姿が目に入った。

 

「おはよう。何だか笑ってたり、うなされたりしてたけど、どんな夢見てたの?」

 

「………………歩夢ちゃんの夢かな?」

 

「私の夢?何だか恥ずかしいな~でも夢でも貴方と一緒にいられてうれしいな」

 

笑顔でそう言う歩夢ちゃん。何だか安心するのだけど…………




明日は誕生日回上げます


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

07 上原歩夢聖誕祭 バースデーケーキより甘いプレゼント

歩夢ちゃんお誕生日おめでとう~

R17です


『お誕生日おめでとう~』

 

今日は部室で歩夢ちゃんの誕生日パーティーが開かれていた。

 

「みんな、ありがとう」

 

「歩夢先輩、このケーキ、私が選んだんですよ」

 

かすみちゃんは笑顔でそう言う。

 

「ありがとう。かすみちゃん」

 

みんなで楽しくお祝いしている中、僕はちょっと迷っていた。特にプレゼントでだ。

 

みんなが楽しくお祝いしてるなか、問題のプレゼントのお渡し会になり、みんなが歩夢ちゃんにプレゼントを渡していた。そして僕の番になり…………

 

「彰くん?」

 

「あの……ごめん。プレゼント…………ないんだ」

 

「えっ?」

 

「先輩が…………プレゼントを用意してない?」

 

「な、何かの前触れでしょうか!?」

 

かすみちゃんとせつ菜ちゃんがオロオロしてるなか、僕は言い訳をした。

 

「歩夢ちゃんのプレゼント、毎年あげてるけど…………今年は歩夢ちゃんが本当に欲しいものをあげたいと思って…………」

 

「先輩…………恋人思いですね」

 

「本当に歩夢の事が好きね」

 

しずくちゃんと果林さんがそう言ってくれるのは嬉しいけど…………歩夢ちゃんは少し悩み…………

 

「私が欲しいもの…………それじゃあ明日、彰くんの時間をくれませんか?」

 

僕の時間?

 

 

 

 

 

 

 

次の日

 

「お邪魔します」

 

「どうぞ……」

 

僕の家に遊びに来た歩夢ちゃん。プレゼントの僕の時間って言ってたけど…………これはお家デートなんじゃ…………

 

「な、何か飲む?」

 

緊張しながらそう言うと、歩夢ちゃんは僕に抱きついてきた。

 

「あ、歩夢ちゃん?」

 

「じっとしてて…………」

 

歩夢ちゃんは僕の胸に顔をスリスリしていた。何だ?何なんだ?

 

「甘えたいなって…………」

 

これってもしかして…………プレゼント?

 

「今日は貴方とずっとこうしてたい。プレゼントとして貴方の時間をください」

 

「…………うん」

 

「ねぇ…………」

 

歩夢ちゃんは目を閉じると、僕はその意味を理解し、キスをした。

 

キスをすると僕は歩夢ちゃんの髪に触れる

 

「歩夢ちゃんの髪…………柔らかい……」

 

更にハグもする。歩夢ちゃんの匂い…………感触…………

 

「貴方も甘えたくなったの?」

 

「うん……」

 

それからしばらくはハグとキスを繰り返していく。

 

そして…………

 

「歩夢ちゃん…………いい?」

 

「うん…………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

衣擦れの音、僕らの声が部屋に響く…………歩夢ちゃんは涙を流していた。

 

「貴方とこんな風になりたいと思ってたの…………ずっと……」

 

 

 

 

 

 

 

 

気がつくと部屋の窓から夕日の光が差し込んでいた。

 

歩夢ちゃんは疲れたのか、眠っているけど、毛布から見える白い肌にまたある気持ちが込み上げてきた。

 

「歩夢ちゃん…………好きだよ」

 

眠る歩夢ちゃんにキスをする僕であった。

 

 

 

 

 

 

次の日

 

いつも通り歩夢ちゃんと一緒に登校すると、かすみちゃんが駆け寄ってきた。

 

「おはよう、かすみちゃん」

 

「今日も元気だね」

 

「先輩たちこそ、昨日は…………お楽しみでしたのですか?」

 

かすみちゃんの問い掛けに僕と歩夢ちゃんは顔を赤くした。

 

「…………冗談のつもりでしたが…………お楽しみでしたか……」

 




何をしたのかは彼女との秘め事で


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

08 幸せな夢

朝、目を覚ますと目の前に歩夢ちゃんの顔があった。

 

「ん?あれ!?」

 

何で歩夢ちゃんが僕の布団の中に?

起こしに来てそのまま寝ちゃった訳じゃないよね。

 

色々と考えていると、あることに気がついた。

それは自分の左手の薬指に指輪がある。

 

「そっか…………結婚したんだっけ?」

 

大切なことなのに忘れてしまうなんて我ながら情けない。

一人でため息をついてると、歩夢ちゃんが目を覚ました。

 

「ん?あれ、おはよう……」

 

「おはよう。歩夢ちゃん」

 

「ふふ、ちゃんって昔みたいな呼び方してどうしたの?」

 

「えっ?」

 

そうか……結婚したから……

 

「あ、歩夢」

 

「なぁに?あなた」

 

ヤバイ、可愛すぎる。僕は思わず歩夢を抱き締めた

 

「何々?どうしたの?」

 

抱き締められて驚く歩夢。

 

「歩夢が凄く可愛くって…………」

 

「えへへ、何だかよく分からないけど、嬉しいな」

 

歩夢と結婚生活…………本当に夢みたいだ…………

 

 

 

 

 

 

 

 

「おはよう。いい天気だよ」

 

目を覚ますといつもと変わらない歩夢の笑顔。でも何で制服?あれ?もしかして…………

 

「あ、歩夢…………ちゃん」

 

「どうしたの?何だか元気ないけど…………」

 

あ、あははは、夢だったよ…………

 

夢だと気がついて物凄く落ち込む僕。

歩夢ちゃんはそんな僕を見て戸惑っていた

 

「ど、どうしたの?怖い夢でも見たの?」

 

正直話していいのか迷う。だって結婚して、幸せな夢を見ていたなんて、恥ずかしくて言えない

 

「えっと…………えいっ」

 

歩夢ちゃんが突然抱き締めてきて、頭を撫でてきた。

 

「よしよし、もう怖くないよ」

 

子供を諭すように頭を撫でる歩夢ちゃん。撫でられて嬉しくなるけど、顔に歩夢ちゃんの柔らかいものが…………

 

「あ、あの…………大丈夫だよ。怖い夢見た訳じゃないよ」

 

「そうなの?本当に?」

 

「本当にだよ。でもまだ元気ないよ?」

 

「その…………」

 

心配そうにしている歩夢ちゃんに事情を話した。話を聞き終えた歩夢ちゃんは…………

 

「け、結婚!?」

 

顔を赤らめる歩夢ちゃん。その……将来的には結婚したいけど、まさかそんな夢を見るなんてとは思っても見なかった。

 

「その……夢の中の私たちって…………幸せだった?」

 

「うん、凄く。と言うか……」

 

僕は歩夢ちゃんにキスをした。そして歩夢ちゃんを見つめ…………

 

「幸せにするよ。絶対に…………夢で見た以上に歩夢ちゃんを幸せにするよ」

 

「…………うれしい。ありがとう」

 

今度は歩夢ちゃんからキスをしてきた。それからしばらくキスをしあい…………その日は二人して遅刻してしまうのであった。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

09 チャイナ歩夢

新URの歩夢ちゃんが可愛すぎて勢いで書きました


「ねぇ歩夢ちゃん、この衣装……」

 

歩夢ちゃんと部屋の片付けをしていると、ある衣装を見つけた。

 

「あれ?それって……この間の……」

 

「うん、歩夢ちゃんが着てくれたチャイナ服だね」

 

普段可愛らしい服の歩夢ちゃんがあんなに露出多めの衣装を着てくれたのは吃驚したな…………

 

「何だか思い出しただけで凄く恥ずかしくなっちゃった」

 

「何で?似合ってたし、写真も……」

 

スマホに保存してあるあの衣装の写真を歩夢ちゃんに見せると、歩夢ちゃんがみるみる内に顔を紅くしていた

 

「それ……保存してたの」

 

「だって歩夢ちゃん……可愛いから……他にも沢山歩夢ちゃんの写真あるよ」

 

「も、もう////恥ずかしいから見せないでよ///」

 

慌ててスマホを取ろうとする歩夢ちゃん。こうして一緒にいる時間が増えたけど…………歩夢ちゃんの可愛いところをたくさん見れるだけで幸せだな……

 

「そうだ。歩夢ちゃん」

 

「な、何?」

 

「その服、もう一回着てみてよ」

 

「えぇ!?今ここで……」

 

「うん」

 

歩夢ちゃんは少し考え込み、僕にそっと耳打ちで囁いた

 

「じゃあ、目を瞑ってて」

 

「へっ?」

 

「いいから」

 

言われるまま、目を瞑ると……衣擦れの音が聞こえてきた。これって……もしかして目の前で着替えてるの!?

 

「あ、歩夢ちゃん……」

 

「ま、待ってて……もう少しだから……」

 

いや、そう言うことじゃなく…………

 

しばらくすると、歩夢ちゃんが耳元で……

 

「いいよ」

 

目を開けるとセクシーなチャイナ服を着た歩夢ちゃんが目の前で立っていた

 

「ど、どうかな?」

 

「す、凄く……可愛いよ」

 

思わず歩夢ちゃんを抱き締めた。

 

「ん…」

 

「ご、ごめん…苦しかった?」

 

「大丈夫…ちょっと……嬉しかったから…………」

 

歩夢ちゃんは笑顔で言うと…………本当に可愛らしい

 

「そう言えばその服以外にも……着てたよね」

 

「うん、お店の服だよ」

 

その服を着た歩夢ちゃん……看板娘って感じで凄く可愛かった。絶対あそこで働いていたら…………通いつめていたな……

 

でもあのまま働いていたら……歩夢ちゃん目的で通いつめる人が多かったりして…………セクハラとか…………

 

「どうしたの?」

 

心配そうにしている歩夢ちゃん。僕は歩夢ちゃんにキスをした

 

「ふぇ!?」

 

「歩夢ちゃん…………結婚しよう」

 

「結婚って……急だよ……」

 

「ごめん……独占欲強くって……つい」

 

「そっか……何だか嬉しい」

 

今度は歩夢ちゃんからキスをしてきた。

 

「結婚は……もう少し一歩一歩歩んでからにしよう」

 

「一歩一歩?」

 

「その……今はお付き合いしてるから…………高校卒業して…………一緒に暮らそう」

 

歩夢ちゃんの笑顔を見て、凄く嬉しくなってきた。本当に歩夢ちゃんと付き合えて良かった。

 

「所で歩夢ちゃん」

 

「何?」

 

「その……着てほしいって言ったけど……僕がいる前で着替えなくても良かったんだよ……」

 

「えっ!?」

 

着替えている間に部屋から出ていくつもりだったのに…………

 

歩夢ちゃんは顔を真っ赤にさせて固まっているのであった。




歩夢ちゃんが本当に好きすぎてたまらん


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

10 北海道旅行 前編

今回は新庄雄太郎さんからリクエスト貰い、リクエスト回になります


「わぁ~凄い部屋だね」

 

「うん、僕もビックリしてる」

 

夏休み、歩夢ちゃんと二人で北海道旅行に行くのであった。

 

「私、てっきり飛行機で行くと思ったよ~」

 

「その……ゆっくりしたいと思って……」

 

「でもこの部屋……高くなかったの?」

 

心配そうにしてる歩夢ちゃん。物凄く高かった。この北斗星は運行廃止になっていたけど、今回は記念で動くことになり、普通の値段より高かったし、夢空間と呼ばれる所だったから更に料金がかかったけど…………

 

『これ、差し上げます』

 

『これって…………北海道旅行?それも北斗星?』

 

『はい、頑張ってる先輩と歩夢さんに旅行をプレゼントしようと思って…………』

 

『ありがとうしずくちゃん。でもこれ高かったよね。流石に』

 

『いえ、こちらは福引きで当たったものです。手続きなども済ませてあるので、楽しんできてください』

 

『でも……』

 

『良いですか?先輩‼これは私たちからのお礼ですので素直に受け取ってください。じゃないとみなさん悲しみますよ』

 

しずくちゃんに念を押されまくり、受けとるのであった。

 

 

 

 

 

「そっか……何だか嬉しいね」

 

「うん」

 

電車が動きだし、僕らは景色を見て楽しむのであった。

 

 

 

 

 

 

食事を終え、二人でのんびりソファーに座っていた。

 

「貴方とこうして旅行するの久しぶりだね」

 

「昔は家族と一緒だったよね?二人きりは…………」

 

「えぇ~覚えてない?子供の頃、二人で外国に行こうって言って、着替えとか用意して歩いていこうとしたの」

 

そういえばそんなこともあった。途中で二人して迷子になって警察に保護されたんだっけ?

 

「あれも旅行だったね」

 

「うん、貴方と手を繋いで歩いたよね」

 

あの頃はただ仲のいい幼馴染みと言う感じだったけど…………今は…………

 

「あっ…」

 

僕は歩夢ちゃんと手を繋ぐ。歩夢ちゃんも握り返す。

 

「彰くん……」

 

「歩夢ちゃん……」

 

お互いに見つめあい、顔を寄せようとした。

 

「……お、お風呂入ろうか」

 

けど恥ずかしくなり、僕は話題を変えた。

 

「ふふ、顔真っ赤だよ」

 

「歩夢ちゃんこそ……」

 

お互いに顔を赤くしていて、二人で笑いあった。

 

「お風呂……一緒に入る?」

 

「い、いいの?」

 

「冗談だよ~」

 

クスクス笑う歩夢ちゃん。なんと言うか…………そう言うことも言うようになったんだね…………

 

 

 

 

 

 

 

次の日、札幌に着くと観光スポットを調べた。

 

「歩夢ちゃんは…………」

 

「貴方が行きたいところならどこでもいいよ」

 

だよね…………とりあえず近いところは…………大通公園かな

 

僕らは手を繋いで大通公園へと向かうのであった。

 

 

 

 

 

 

大通公園につきさ、二人で花壇の花を見ていたり、芝生の座ってのんびりしていた。

 

「ここでお弁当持ってきて食べたかったね」

 

「何だかいつも通りだね」

 

「うん、だって色んなところを見て回るよりも…………貴方とこうして二人でいるだけで私は楽しいよ」

 

笑顔で言う歩夢ちゃん……いい子だな……

 

すると僕は眠くなり、欠伸をすると、歩夢ちゃんは自分の膝をポンポンと叩いていた。

 

「少し休む?」

 

「えっと……いいの?」

 

「うん」

 

「それじゃお言葉に甘えて…………」

 

僕は歩夢ちゃんに膝枕をしてもらう。歩夢ちゃんは膝枕している僕の頭を優しく撫でた。

 

「結婚したら…………こんな風に彰くんに何時までもしてあげたい」

 

「出来るよ……と言うかしてほしいって頼むと思う」

 

「ふふ、彰くんらしいね」

 

 

 

 

 

 

 

 

次の目的地まで電車で向かい、着いた場所は…………

 

富良野のラベンダー畑だった

 

「綺麗だね…………」

 

「うん……」

 

二人で歩くのではなく、ただラベンダー畑を見つめていた。

 

「…………歩夢ちゃん」

 

「何?」

 

「好きだよ」

 

「ど、どうしたの?突然////」

 

「何となく……言いたくって…………」

 

「変な彰くん」

 

何故か好きという気持ちを伝えたかった僕であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

特急で綱走へ向かい、今日は旅館で休むことになった。そう言えば旅館の予約とかはみんながしてくれたんだっけ?

 

「ご予約の方ですね。部屋はこちらです」

 

案内された部屋は…………露天風呂つき…………

 

「それではごゆっくり」

 

ごゆっくりって…………

 

「とりあえず…………先にお風呂入ろうか」

 

「うん……」

 

 

 

 

 

 

 

別々に入ろうと言うことになり、僕は一人で露天風呂に入っていた。

 

「いい湯だな…………」

 

夜空も綺麗だし…………でも歩夢ちゃんとこの景色を見れたらな…………と言う事を思っていたら…………

 

「湯加減どう?」

 

「いい湯…………って歩夢ちゃん!?」

 

振り向くとタオルを巻いた歩夢ちゃんがいた。歩夢ちゃんは露天風呂に入り、僕の隣に座った。

 

「夜空綺麗だね」

 

「う、うん」

 

歩夢ちゃんと一緒にって思うと……凄く緊張する。と言うか歩夢ちゃん……大胆だよ…………

 

「どうしたの?」

 

「い、いや……恥ずかしいと言うか……」

 

裸とかそう言うのは……まぁ誕生日の時に色々とあって見たことあるけど…………一緒のお風呂は恥ずかしい

 

「もう///恥ずかしがらないでよ////私も恥ずかしいんだから…………」

 

「だって……子供の頃は気にならなかったけど…………」

 

「あの頃は…………侑ちゃんもいたからね」

 

侑か…………今回の旅行は侑が企画したんだっけ?

 

「嫌われてると思ってたんだけどな…………」

 

「そうなの?」

 

「いや……だって……」

 

侑は歩夢ちゃんが大好きで……僕の事を敵視と言うか…………ライバルだと思われてたからな

 

「今度は侑ちゃんと一緒に行こうね」

 

「うん」

 

侑と和解したから…………楽しい旅行になりそうだな。そう言えば…………侑は何処かに行ってるって聞いたけど…………どこに行ってるんだろう?

 

 

 

 

 

 

「いい湯だったね。かすみちゃん」

 

「はい、それにしても……今頃先輩たちはのんびりしてるのでしょうか?」

 

「たぶんね」

 

 




15章の反動でイチャイチャさせています


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

11 北海道旅行 後編

特に昨日の夜は何もなく…………朝目を覚ますと歩夢ちゃんの寝顔が目に入った。

 

「ん……歩夢ちゃん?」

 

何でこんなに近いのだろう?昨日は布団は分けられていたし……

 

ふっと気がつくと……僕の布団が向こうの方にあった。もしかして…………

 

不意に昨日の記憶が甦った。

トイレに行き、寝惚けたまま歩夢ちゃんの布団に入ったんだ…………

 

「早く戻ろう……」

 

起きたときに歩夢ちゃんに怒られるのは嫌だと思っていたら…………

 

「ん…おはよ……彰くん」

 

移動しようとした瞬間に、歩夢ちゃんが起き出した。僕は謝ろうとすると、歩夢ちゃんは僕を抱き寄せてきた

 

「あ、歩夢ちゃん?」

 

「まだこうしてよ……」

 

そう言いながら僕の頭を撫でてきた。心地よく……このまま二度寝して…………

 

 

 

 

 

 

 

「おはよう」

 

目を覚ますと歩夢ちゃんが既に着替え終わっていた。

 

「あれ?寝てた?」

 

「うん、ぐっすり」

 

何だかものすごく申し訳ない気がする。

 

「何か……ごめん」

 

「謝らないで…………私は貴方の寝顔を見れたから」

 

笑顔でそう言うけど…………

 

「寝顔っていつも見てない?」

 

いつも朝起こしに来てくれるときとか…………

 

「貴方の寝顔……見てて飽きないよ」

 

歩夢ちゃん……凄く愛されてる……

 

「ほら、貴方も着替えてご飯にしよ」

 

「うん」

 

 

 

 

 

 

 

朝食を済ませて、旅館を出たあと、電車で今度は函館を目指した。

 

函館に着き、最初の目的地である場所に向かおうとしていると、露店であるものを見つけた。

 

「これって……」

 

僕は歩夢ちゃんにバレないように、こっそり買い、最初の目的地である函館山ロープウェイに乗るのであった。

 

「何買ったの?」

 

「えっと……秘密かな?」

 

「秘密なの?」

 

「後でちゃんと教える」

 

「?」

 

こういうのはちゃんと渡したいし…………

 

 

 

 

 

 

山頂まで行き、二人で景色を眺めていた。

 

「ここ、夜景が綺麗なんだよね」

 

「うん、本当は夜とかに来たかったけど…………」

 

時間もないのでちょっと残念だ。すると歩夢ちゃんは…………

 

「また来よう……彰くんとならまた行きたいから」

 

笑顔でそう告げるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

次の目的地は八幡坂。ここもイルミネーションが綺麗らしいし、それに坂の上から見る景色もいい

 

「良いところだね」

 

「うん……」

 

「そうだ!ねぇ写真撮ろう」

 

「写真……そうだね。ただその前に…………」

 

僕はさっき露店で買った物を渡すべく、歩夢ちゃんに目を閉じるように伝えた。

 

目を閉じた歩夢ちゃんの薬指に…………モルガナイトが付いた指輪をはめた。

 

「これって…………」

 

「その……婚約指輪………の代わり…石は偽物だから……ちゃんとしたものを送るから…………」

 

「ううん、いいよ。これで……ありがとう。彰くん」

 

涙を浮かべる歩夢ちゃん。指輪をはめた歩夢ちゃんと写真を撮ることにした。とりあえず、たまたま通りかかった女子高生に写真を頼み、思い出の一枚を残せた。

 

「ありがとうございます」

 

「いえ、あら……貴方は……」

 

「はい?」

 

「いえ、何でもありません。二人は恋人同士なんですか?」

 

「はい」

 

「一応……将来的には…………」

 

「ふふ、それでは新婚旅行に来たときには…………また会えたら会いましょう」

 

女子高生はそんなことを言って去っていった。新婚旅行って…………まだ気が早いと言うか…………

 

 

 

 

 

 

 

それからみんなへのお土産を買い、特急はつかりとやまびこに乗って帰るのであった。電車に乗っている間、ずっと歩夢ちゃんは指輪を見て、微笑んでいたのであった。




最後に出たのは誰なんだろ~

次回書くとしたら、侑ちゃんとの関わりになりそう


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

12 小さくなる?

思い付いたので


ある日の休日のこと、家でのんびりしていると……

 

『すぐに来て!?』

 

歩夢ちゃんからメッセージが届いた。もしかして何かあったのか!?

 

僕は急いで歩夢ちゃんの家に向かった。

 

 

 

 

 

「歩夢ちゃんだい…………」

 

「彰く~ん」

 

歩夢ちゃんの部屋に入るとそこには小さな女の子がサイズが合わない服を着て歩夢ちゃんの部屋にいた。何処と無く見覚えがある…………

 

「歩夢ちゃんの……親戚?」

 

「違うよ~私が歩夢だよ~」

 

「????」

 

理解できない…………この子が歩夢ちゃん?確かに小さい頃の歩夢ちゃんに似ている…………まさか本当に……歩夢ちゃん?

 

「何で小さくなってるの!?」

 

「分からない。起きたらこうなってたの…………」

 

いやいやファンタジーじゃ…………ん?ファンタジー?

 

「…………」

 

僕はもしかしてと思った。まさかと思うと…………

 

「最近善子ちゃんと会わなかった?」

 

「会ったよ。一昨日…………」

 

「何かされなかった?」

 

「何かって…………えっと…………」

 

 

 

 

 

 

「はっ?もっと愛されたい?」

 

「うん、その……いつも彰くんにキスされたり、ハグされたりされるんだけど…………たまにかすみちゃんみたいに頭を撫でてもらいたいな~って」

 

「…………お熱いことね…………と言うかそう言うのは私に相談しなくてもいいじゃない!?」

 

「善子ちゃんなら相談しやすいかなって」

 

「どういう理屈よ……まぁ頼られるのは嬉しいけど…………愛されたいね……それなら」

 

 

 

 

 

「って儀式されて…………」

 

「…………それでか…………」

 

にしても愛されたいって…………とりあえず

 

「その服、どうにかしよう。流石にはだけたままだと…………」

 

「うん、着替えるね」

 

一旦部屋に出て、着替え終わるのを待つと…………

 

「はいっていいよ」

 

部屋に入ると小さい頃の服を着ていた。懐かしいし、それに…………

 

「よく取っておいたね」

 

「何だか捨てたりするのもったいなくって…………」

 

服に関しては問題はないとして…………どうすれば元に戻るんだろう?

 

「……えい」

 

考えていると歩夢ちゃんが僕の膝の上に座ってきた。

 

「あ、歩夢ちゃん!?」

 

「何だかこうするのっていいね」

 

「そうだけど…………」

 

なんと言うか…………これじゃただの親子じゃ…………

 

「歩夢ちゃん…………」

 

キスしようと歩夢ちゃんをこっちに向けた。

 

「彰くん…………」

 

あと数センチの所であることを思った…………これ、何だかいけないことをしてる気が…………

 

「彰くん?」

 

「…………」

 

僕は立ち上り、善子ちゃんにメッセージを送った

 

 

 

 

 

 

 

「良かった~戻れた~」

 

善子ちゃんに事情を話して、元に戻る方法を聞いて無事に歩夢ちゃんは元に戻った

 

「まさか頭を撫でるだけで戻るなんて…………」

 

「ん…そうだな」

 

「どうかしたの?顔赤いよ?」

 

正直話せない…戻る方法が心の中で大好きと思いながら頭を撫でるなんて……

 

「小さい頃の姿は新鮮で良かったんだけど……」

 

「僕としてはいつもの歩夢ちゃんが一番好きだよ」

 

「彰くん…………」



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

13 お姫様?王子様?

イケメンせつ菜を見て、思い付いた話です


歩夢side

 

「私に貴方を守らせてください。姫」

 

「////」

 

「かすみさん、顔赤いですよ」

 

「ふぇ!?だ、だって///」

 

部室では何故かせつ菜ちゃんが王子様みたいな台詞をかすみちゃんに言っていた。これって…………

 

「この間のイベントの?」

 

「はい‼果林さんとこの間のイベントの話をしていて、ぜひみなさんが見てみたいと仰っていたので‼」

 

「自分から『かすみんはそんなせつ菜先輩を逆に照れさせますよ』って言っていたのに…………」

 

「だって~」

 

「せつ菜ちゃん、本当に王子様みたいだね~」

 

確かにそういった格好をしたらせつ菜ちゃんに凄く似合いそう…………

 

「せつ菜さん、私が王子様やってみていいですか?」

 

「はい‼それじゃ私が姫やりますね」

 

しずくちゃんが王子様……どんな感じなんだろう。

 

「姫‼」

 

「はい‼王子」

 

「私に貴方を守らせてください」

 

同じ台詞だけど、せつ菜ちゃんは手をさしのべるだけだったのが、しずくちゃんはせつ菜ちゃんの手をつかみ、甲にキスをした。

 

「こ、これは……中々///」

 

「どうでしょうか?」

 

「しずくさん、王子様でした‼」

 

「流石は演劇部ね…………」

 

「しずくちゃん~せつ菜ちゃんの見て、対抗心メラメラ~」

 

「いえ、そんなことはないですよ」

 

「せつ菜王子としずく王子……格好いい『ドキドキ』」

 

「か、かすみんだって王子様出来ます~」

 

「かすかすは、王子と言うよりお姫様っしょ‼」

 

「かすかすって呼ばないでください‼でもお姫様ですか~」

 

「お転婆そう……」

 

「お転婆って!?りな子ひどい」

 

「でも同好会で誰がお姫様で誰が王子様が似合うかな?」

 

「そうね……」

 

みんなで誰が王子様向きなのか、お姫様向きなのかを話し合うこと10分…………

 

せつ菜ちゃん……王子様、お姫様と言うより姫騎士?

 

しずくちゃん……両方似合う

 

果林さん……お姫様(女王様byかすみちゃん)

 

彼方さん……お姫様

 

愛ちゃん……両方似合う

 

エマさん……お姫様

 

璃奈ちゃん……お姫様

 

かすみちゃん……お姫様

 

私……お姫様

 

侑ちゃん……お姫様

 

ということになった。でも……

 

「わ、私……お姫様なんて似合わないよ……」

 

「えぇ~歩夢先輩、凄くお姫様似合うと思いますよ」

 

「確かに歩夢はお姫様~って感じがする」

 

「そうそう、自信をもって」

 

「う、う~ん、やっぱり……」

 

私には似合わないと言おうとしたとき、彰くんと侑ちゃんが部室に入ってきた。

 

「あれ?みんなで何の話?」

 

「お姫様と王子様?私……お姫様なんだ……」

 

「実はですね」

 

かすみちゃんが二人に今までの話の経緯を説明した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なるほどね。みんなぴったりじゃないの?」

 

「でも歩夢さんが……」

 

「私……お姫様なんて似合わないよ……」

 

「う~ん、そんなことないと思うけど……彰」

 

「……わかった」

 

侑ちゃんが彰くんにアイコンタクトを送ると、彰くんは私をお姫様抱っこして…………

 

「姫、僕と一緒に行きませんか?」

 

「あ、彰////くん////」

 

「歩夢先輩、顔真っ赤ですね」

 

「歩夢の王子様は彰だからね」

 

「逆に彰くんのお姫様は歩夢さんと言うことになりますね」

 

み、みんな、お願いだから見ないで…………は、恥ずかしい…………

 

「あ、あの……恥ずかしいから降ろして……」

 

「あ、ごめん」

 

彰くんは私を下ろしてくれた。あのままだと恥ずかしくってどうにかなりそうだよ……

 

「お姫様抱っこじゃダメなら…………」

 

彰くんは私の側により…………キスをしてきた。

 

「ん…」

 

「愛する姫様には愛の口づけを……でよかった?」

 

「/////////」

 

あまりの恥ずかしさに私は気が遠くなるのであった。

 

 

 

 

 

彰side

 

「歩夢ちゃん!?」

 

「彰先輩、やりすぎですよ」

 

「と言うかノリでいちゃつかないで欲しいわね」

 

「彰、歩夢が気絶したの貴方の責任だからちゃんと送っていってあげてね」

 

「分かった」

 

僕は気絶した歩夢ちゃんをお姫様抱っこして家まで……

 

「いや、起きたときの歩夢先輩がまた気絶しますよ…………」

 

「駄目なの?」

 

「彰さん、やめてあげましょう」

 

渋々おんぶに切り替えて、家まで送るのであった。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

14 ねっ、ちゅう、しょう

熱中症ネタだけど…………暴走しまくってしまった


ある日の練習中、歩夢ちゃんの練習を見守る中、僕はあることを思っていた。

 

歩夢ちゃんとキスをしたい…………

 

どうしてもキスをしたくなる時があるけど、その度に我慢していたけど…………

 

その我慢した分の気持ちが溜まりに溜まり、どうしようもなくキスをしたい

 

だけど今、キスをしたら…………嫌われたりしたら嫌だな……

 

「どうしたものか?」

 

「何が?」

 

急に返事が返ってきたので、顔をあげると歩夢ちゃんが汗を拭きながら僕を見つめていた

 

「あ、いや……どうしたの?練習は?」

 

「少し休憩しようかなって、最近暑いから小まめに休憩した方がいいかなって」

 

「そっか……熱中症にでもなったら大変だもんね」

 

「うん」

 

歩夢ちゃんは僕の隣に座り、身を寄せてきた

 

「あ、暑くないの?」

 

「彰くんの側にいるだけで暑さとか関係ないよ」

 

笑顔でそう告げる歩夢ちゃん。このタイミングなら…………

僕はそっと顔を近づけようとするが…………

 

「そろそろ練習再開するね」

 

歩夢ちゃんは逃げるように立ち上がった。もしかして……避けられた?

 

「う、うん…無理しないでね」

 

 

 

 

 

 

 

歩夢side

 

さっきキスされそうになったけど……

 

今キスされたら気持ちが爆発しちゃいそう

 

ここ何日かキスしたい気持ちを抑えてるけど…………

 

どうしてもキスしたい

 

でもキスしたら……色々と我慢できなくなっちゃう……

 

我慢できなくなったら……私、エッチな子だと思われちゃう……

 

どうしたら…………

 

 

 

 

 

 

彰side

 

どうにかしてキスをしたいけど、いい雰囲気でも歩夢ちゃんは避けられてしまう。

何とか同意の上で…………

 

そうだ、いいこと思い付いた。

 

「歩夢ちゃん」

 

「どうしたの?」

 

練習中の歩夢ちゃんを呼び、僕はあることを告げた。

 

「熱中症って言ってみて」

 

「どうして?」

 

「何となく……」

 

「う、うん。熱中症」

 

「区切りながら」

 

「ねっ、ちゅう、しょう?」

 

「いいよ」

 

僕は歩夢ちゃんにキスをする。最初は軽めにするつもりが、歩夢ちゃんは僕の背中に手を回してきて、拒まなかった

 

「ん…いきなりはずるいよ」

 

「歩夢ちゃんがちゅうしようって言ってきたから」

 

「…………それずるいよ~」

 

顔を膨らませて怒る歩夢ちゃん。僕は更にキスをする。

 

「ん…もっと…して」

 

歩夢ちゃんは目をトロンとさせていた。更に唇を重ねる

 

「もっと…して…」

 

「歩夢ちゃん…」

 

「我慢してたのに、もう耐えられない……いっぱいキスして……唇だけじゃなく……いろんなところに」

 

僕は唇、首筋へとキスをしていく

 

「ぁ…」

 

キスをする度に甘い声を漏らす歩夢ちゃん…もっと聞きたい、いろんなところにキスをしたい……

 

今度は鎖骨、肩にキスをしていく

 

「ん…ぁ…」

 

「歩夢ちゃん…」

 

「うん…」

 

再度唇にキスをしていく。今度は深い深いキスをしてだ

 

「ん…ぁ…んん」

 

このまま愛し合おうと思い、歩夢ちゃんの服の中に手をいれようとした瞬間…………

 

「こんにちわ、二人ともはやいで…………」

 

せつ菜ちゃんが入ってきて、僕らの姿を見て……固まった

 

「へ……その…………えっ?」

 

真っ赤にしながらせつ菜ちゃんはそのまま出ていくのであった。

 

「…………後で謝らないとね」

 

「うん」

 

ものすごく気分が乗っていたけど…………今はただただ申し訳なかった。

 

すると歩夢ちゃんは僕にキスをして……

 

「続き……帰ったらしようね」

 




続きはあちらで書きます


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

15 心配

この間の生放送で自分のスクスタハイライトをあぐぽんに紹介されて幸せに満ち溢れてます。大好きな声優さんに紹介されるのがこんなに嬉しいなんて……


かすみside

 

「最近……彰くんの会えてないの……」

 

「えっ?」

 

部室で歩夢先輩に突然の相談を持ちかけられた。

 

「えっと……冗談とかではなく……」

 

「うん…」

 

暗い顔の歩夢先輩。これは本当みたいだ。あの同好会……いや、虹ヶ咲学園で校内一のバカップルの……二人が最近会えてない?

 

「ほ、ほら……朝とか一緒に登校……」

 

「朝、声をかけに行くんだけど……彰くんのお母さんにもう出たって……」

 

「お、お昼休みとか……」

 

「教室に行くんだけど……いないの」

 

「放課後……」

 

「侑ちゃんに休むって声をかけて、先に帰ってるって……」

 

歩夢先輩は物凄く落ち込んでいる。こんな姿を見るのは初めてだ。

 

「な、何か心当たりは?」

 

首を横に振る歩夢先輩。喧嘩とかしたわけじゃないと言うことは…………

 

「誰か知ってる人いないか聞いてみませんか?」

 

「かすみちゃん……」

 

「私もお二人が一緒にいないと少し変な感じがするので……ほら、行きましょう」

 

「うん」

 

私は歩夢先輩と一緒に彰先輩の調査をするのであった。

 

 

 

 

 

 

 

「えっ?彰が何かしてるかって?」

 

私たちは最初に愛先輩とりな子に話を聞いた。どうして子の二人なのかと言うと、たまたま最初に出くわしたと言うことだからだ。

 

「いや~愛さんは知らないよ」

 

「私も分からない。歩夢さん、ごめんね『ぺこり』」

 

「ううん、気にしないで」

 

「二人は知らないか~って歩夢先輩!?まだ始めたばかりなのに落ち込まないでください‼」

 

「うん、ごめんね。かすみちゃん」

 

「ほら、次に行きますよ」

 

次へと向かう私たち。

 

「彰さん、何してるんだろう?」

 

「……そうだね~」

 

「愛さん、何か知ってるの?」

 

「うーん、知ってるけど口止めされてるんだけど……歩夢のあんな顔を見てるとね……」

 

 

 

 

 

 

 

「彰くん?ごめんね。分からない」

 

「エマ先輩も知らないですか……」

 

「あれ~でも前に~スーツ着た人といたよ~」

 

「彼方ちゃん、しー‼」

 

分からないって言ってたのに……反応がおかしい。

 

「エマ先輩、知ってるんじゃないですか!?」

 

「えっと……知ってるのはスーツ着た人と一緒にいたことだけだよ。今は知らない」

 

「本当ですか?」

 

私はエマ先輩を見つめた。エマ先輩は物凄く動揺していた。すると歩夢先輩は

 

「エマさん、彰くんは……悪いことしてるんじゃないんだよね?」

 

「うん、それは断言できるよ」

 

「そっか、それなら……」

 

歩夢先輩、凄く安心してる。少しでも情報が入ったらそれだけでも良かった。

 

「二人ともありがとうね。かすみちゃん、行こ」

 

「はい」

 

 

 

 

 

 

 

「彰?知らないわね」

 

「果林先輩、嘘つくとろくな事が起きないですよ」

 

「果林さん、知っていたら教えてください‼」

 

二人で詰め寄る。果林先輩はどうしたものか考えていた。

 

「口止めされてるのよ……ただ私は協力者の一人なだけ」

 

「一体何に協力してるんですか‼」

 

「その……せつ菜なら教えてくれるわ」

 

「分かりました‼行きましょう‼」

 

「うん!」

 

私たちはせつ菜先輩の所へと向かった。

 

「咄嗟に嘘ついちゃったわね……せつ菜ごめんね」

 

「果林さん、どうしたんですか?」

 

「あぁ、しずく。彰は大丈夫そうだった?」

 

「はい、心配でしたが……」

 

 

 

 

 

「はい?彰さんのことですか?」

 

「果林先輩が知ってるって言ってましたよ‼」

 

「お願い‼せつ菜ちゃんが知ってること話して‼」

 

「あの……何のことだか……」

 

「せつ菜先輩まで嘘つくなんて……がっかりです」

 

「せつ菜ちゃ~ん」

 

泣きそうになってる歩夢先輩。こんな先輩はもう見たくない‼

 

「その……本当に知らないんです。確かに彰さんがここ最近顔を出さないことに対して、気にはなってますが……」

 

この感じ……せつ菜先輩は知らないみたいだ。

 

「果林先輩、嘘ついて……」

 

「……かすみちゃん……」

 

「何ですか?」

 

「もういいよ」

 

「でも……」

 

「彰くん……悪いことしてる訳じゃないなら……それだけで…」

 

歩夢先輩は涙をこらえながら笑顔でそう告げ、帰っていく。

 

「もう‼」

 

 

 

 

 

 

 

歩夢side

 

かすみちゃんに協力してもらったけど……彰くんが悪いこと巻き込まれてないだけで……良かった。良かったはずなのに……何故か涙が出てきた。

 

どんな理由があっても……私は……彰くんに会いたい

 

「会いたいよ……」

 

「歩夢ちゃん?」

 

不意に声をかけられ、振り向くとそこには彰くんの姿があった。私は急いで涙を拭くが……溢れてきて止まらない

 

「歩夢ちゃん、どうしたの?何処か痛いの?」

 

心配そうにしている彰くん。少し会えなかっただけなのに……こんなに嬉しいなんて……

 

「彰くん……」

 

私は彰くんに抱きついた。彰くんは突然の事で戸惑っていた。

 

「歩夢ちゃん?」

 

「しばらく会えなかったから……寂しかったの……」

 

「ごめん……色々とやっていて」

 

「心配したんだよ……何か悪いことに巻き込まれてるのかな……浮気しちゃったのかなって」

 

「浮気なんてしないよ。歩夢ちゃん一筋だから……悪いことなんか巻き込まれてない。歩夢ちゃんが心配するから……って今心配かけてるよね」

 

「ねぇ、教えて……何してたの?」

 

「実は……」

 

 

 

 

 

 

 

彰くんがしていたこと……それは……

 

「同棲するために……お金を貯めてたの?」

 

「うん、早いうちにお金とか部屋とか見てたんだよ……出来る限り内緒にしておきたくって……歩夢ちゃんを不安にさせてごめんね」

 

「ううん、話聞いて良かった……でも出来たら……」

 

「うん、ちゃんと話すから……だから……歩夢ちゃん」

 

「何?」

 

「高校卒業したら……一緒に暮らしてほしい」

 

私は悩むことせずに、すぐに笑顔で……

 

「はい」



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

16 不純?健全です

ある動画を見たら、歩夢ちゃんのキャラ紹介でかなりの偏見な内容で……怒りを糧にして書きました


「こんにち……あれ?誰も来てない」

 

「みんなから連絡入ってるよ。彰くん」

 

歩夢ちゃんと部室に行くと、誰も来てなく……歩夢ちゃんはスマホに入っていたメッセージを見せてくれた。どうにも今日はみんな用事があるみたいだ

 

「どうしよっか?自主練だけでも……」

 

「そうだね……だけど……」

 

僕は歩夢ちゃんに抱きつき、キスをする

 

「ん…どうしたの?急に?」

 

「最近……歩夢ちゃんとこんな風に触れ合えなくって…………」

 

「それだったら……彰くんのお家で……んん」

 

僕は首筋にキスをする。

 

「家まで我慢できないから…………」

 

「え……エッチなことはダメだよ……」

 

「わかってる……けど…」

 

首筋を舐めるのを止め、またキスをする。胸に手をおき、今度は……深い…………

 

「失礼します。申請書を…………」

 

キスをしようとしたら、三船さんが訪ねてきた。三船さんは僕らの事を見て…………

 

「……………………不純異性交友ですね」

 

「違う‼」

 

「明らかに不純なことを学校でしようとしてましたね」

 

「栞子ちゃん、これは違うの……」

 

「上原さん、あなた方の言い分を聞きたいところですが…………健全な付き合いをした方がよろしいかと……」

 

駄目だ……決めつけられている。こんなんで廃部とかにされたら…………

 

それならねじ伏せる‼

 

「三船さん、不純と言ってるけど…………キスの何処が不純なんだ?」

 

「キス自体は不純ではありません。ですが……あなた方がしようとしていたのは…………」

 

「キスだよ」

 

「いえ……」

 

「キスだよ」

 

「ですから……」

 

「キスしていただけだよ」

 

ごり押す。ごり押してキスは不純じゃないことを…………

 

「あの……彰くん……何だか屁理屈に」

 

「僕らのキスが何処が不純なのか‼三船さん、見て判断しろ‼」

 

「な……何でそうなるんですか!?」

 

「歩夢ちゃん……」

 

「えっ?その……恥ずかしいけど…………ん」

 

歩夢ちゃんと唇を重ねる。ただのキスだけど…………それだけでも……

 

「あ…きらくん…」

 

「歩夢ちゃん……」

 

歩夢ちゃんは目をトロンとさせていた。もう一度キスをしたいけど……

 

「///////」

 

栞子は滅茶苦茶恥ずかしがってる…………

 

「これの何処が不純なんだよ!?」

 

「あなた方の場合は普通のキスでも不純です……」

 

酷い言われようだ…………

 

「まずいちゃつくのなら……鍵を閉めるとかしてください。もしくは人目がないところで……」

 

人目なかったんだけどな…………鍵は閉めてなかったけど……

 

「今回は注意だけにしておきますので……くれぐれも気を付けください」

 

三船さんはそう言って出ていった。

 

「…………」

 

「…………帰ろうか」

 

流石にここでイチャイチャしてたらまた怒られそうだけど…………

 

「彰くん…………」

 

歩夢ちゃんに呼ばれて、振り向くと…………歩夢ちゃんからキスをしてきた。それも舌を絡ませるキスを…………

 

「ん…帰ろう」

 

「う、うん」

 

キスをしてたせいか、凄く大胆な歩夢ちゃんになっていたのであった。

 




ちょっと満足


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

17 甘い一日

勢いで書いた


「おはよう、彰くん」

 

目を覚ますと目の前に歩夢ちゃんの顔があった。

 

「おはよ……」

 

最初はいつもみたいに起こしに来てくれたのかと思ったけど…………

 

「あ……そっか……」

 

「どうかしたの?」

 

歩夢ちゃんは昨日泊まってたんだっけ?

 

だから着ているのが、パジャマじゃなく、僕のワイシャツなんだっけ…………

 

「その……寒くなかった?」

 

「ううん?大丈夫だよ」

 

パジャマを取りに行けばいいと思って、伝えたのだけど…………

 

 

 

 

昨日の夜

 

「ううん、彰くんのシャツで大丈夫だよ」

 

「でも……」

 

歩夢ちゃんは僕の膝の上に乗り…………

 

「彰くんと一緒にいる時間を少しでも多くしたいから……」

 

そう言って微笑む歩夢ちゃん……僕は眠るまでの間、歩夢ちゃんといちゃつくのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「彰くん、お願いがあるの」

 

「お願い?」

 

「一緒に朝ごはん作ろう」

 

 

 

 

 

お互い着替えを済ませて、歩夢ちゃんと一緒に朝ごはんを作っていると…………

 

「何だか……」

 

「ん?」

 

「こんな風に一緒にご飯作るの……何だか夫婦みたいだね」

 

ちょっと恥ずかしそうに言う歩夢ちゃん……あぁもう……可愛いな

 

「その……将来的には……夫婦に……」

 

「彰くん……」

 

お互いに恥ずかしくなって、顔を赤く染めるのであった。

 

 

 

 

 

 

ご飯を食べ終え、少し横になろうとすると……

 

「彰くん」

 

歩夢ちゃんは自分の膝をぽんぽんしていた。これって……

 

僕は歩夢ちゃんに膝枕をしてもらうと……

 

「ふふ、どう?」

 

「その……このまま寝てもいいかな?」

 

「まだご飯食べたばっかりだよ~」

 

「歩夢ちゃんも一緒に寝る?」

 

「もう~」

 

膝枕をやめ、僕と一緒に横になる。

 

「子供の頃みたいだね」

 

「こんな風に一緒に寝るの?でもいつも泊まりに来てるときとかは…………」

 

「あ、あれは////恋人同士がするようなことで……私が言いたいのは……こんな風に一緒にお昼寝するのが…………」

 

「冗談だよ。懐かしいね。母さんが撮ってくれた写真……まだ取ってあるよ」

 

「私も……あなたとの思い出だもん」

 

二人で手を繋ぎながら、そのまま眠りにつくのであった。本当は何処かにデートしたかったけど…………こうしてのんびり家で過ごすのも悪くない

 

 

 

 

 

 

夕方になり……夕飯の前にお風呂に入る僕。出来たら……歩夢ちゃんと……

 

「なんて……そんな恥ずかしいこと頼めないよな」

 

一人でそんなことを呟いてると……

 

「彰くん、背中流すね」

 

突然浴室の扉が開き、バスタオルを巻いた歩夢ちゃんが入ってきた

 

「あ、あああ、歩夢ちゃん!?」

 

「どうしたの?」

 

どうしたのって……いや、その……

 

「せ、背中……その……」

 

「ふふ、変な彰くん」

 

歩夢ちゃんは笑いながら、僕の背中を洗ってくれるのであった。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

18 少し未来のお話

ほんの少しの未来

 

歩夢ちゃんと同棲を始めて、お互いに仕事をしながら幸せな生活を送っていた。

 

そんなある日……

 

仕事が終わり、疲れきった状態で家の扉を開けた。今日は疲れた……このまま玄関先で倒れ込みたいけど…………

 

「彰くん、おかえりなさい」

 

スーツの上にピンクのエプロンをつけた歩夢ちゃんが笑顔で出迎えてくれた。

 

「ご飯出来てるよ~」

 

パタパタとスリッパの音を鳴らしながら、台所へと向かう歩夢ちゃん…………

 

僕は上着を脱ぎ、台所でご飯を温めてる歩夢ちゃんを後ろから抱き締めた

 

「ど、どうしたの?」

 

「その……お帰りのキスを……」

 

「もう……」

 

歩夢ちゃんは僕にキスをして……

 

「お帰り♪」

 

「ただいま。何か手伝うよ」

 

それから二人で一緒に夕飯の準備を済ませ、夕飯を食べることになった。

 

「歩夢ちゃんの……本当に美味しいよ」

 

「毎日言ってるね」

 

「だって……本当に美味しいんだもん」

 

「私も貴方にそう言ってもらえると嬉しいな~」

 

歩夢ちゃんの笑顔を見るたびに本当に癒される。

 

「歩夢ちゃんも仕事で疲れてるのに…………いつも家事とか任せていてごめんね」

 

「ううん、貴方のためだもん。全然苦にならないよ」

 

歩夢ちゃん……職場が違うけど……本当に無理とかしてないよね。もしかして職場の上司の人にセクハラとか…………

 

考えただけで怒りがわいてきたけど…………

 

「歩夢ちゃん……」

 

「なぁに?」

 

「その……仕事……楽しい?辛いこととか……ない?」

 

「うん、楽しいよ。女性だけの職場だからみんなと仲いいよ」

 

「そっか……」

 

セクハラとかの心配はないから大丈夫そうだ

 

 

 

 

ご飯を食べ終え、一緒にお風呂に入ることに、

 

 

「疲れが吹き飛ぶ……」

 

「ふふ、本当にお疲れ様」

 

高校生の頃は特に恥ずかしい思いをすることなく、一緒にお風呂に入っていたけど……同棲してからは歩夢ちゃんは恥ずかしがるようになった。

 

ちょっとずつ慣れていくようにしていき……今はタオルを巻いた状態で入れるようになった。

 

「背中流すね」

 

「それじゃお返しに歩夢ちゃんの背中も流すね」

 

「えへへ、ありがとう~」

 

 

 

 

 

 

 

 

一緒の布団で寝ていると…………歩夢ちゃんは僕の手を握ってきた。

 

「歩夢ちゃん?」

 

「何だかね。今日はこうしていたなって……思ったの」

 

「……手を握るだけでいいの?」

 

「他に何かしてくれるの?」

 

他に…………僕は歩夢ちゃんを抱き締めた。

 

「こんな風にぎゅっとするのは?」

 

「うれしい」

 

まだ結婚してないけど、結婚してくらいに…………いや、結婚以上に幸せだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いつも間にか歩夢ちゃんは眠っていた。僕は歩夢ちゃんの寝顔を見つつ、頭を撫でた。

 

「歩夢ちゃん……大好きだよ」




ただスーツ姿にエプロンの歩夢ちゃんを書きたかった


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

最終話 沢山の思い出

今回で最終回です


「ねぇ、覚えてる?」

 

日の光に照らされて、彼女が纏う白い衣装がより美しく、そして神秘的な印象を感じさせた。

 

「何を?」

 

「もう……言わないとダメ?」

 

言ってくれないと分からない。だって…………

 

「思い出が沢山あるから……」

 

「そっか……そうだよね……それじゃ……あの日の事……だよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

虹ヶ咲学園を卒業してから数年後……歩夢ちゃんと同棲をすることになり…………

 

「おかえり」

 

家に帰ると歩夢ちゃんが出迎えてくれた。今日は歩夢ちゃんの方が早かったか……

 

「ただいま。今日は早いね」

 

「今日は講義そんなになかったから」

 

私服にエプロンを身に付けた姿の歩夢ちゃん……本当に似合ってるな~

 

「それにね。今日は記念日だから」

 

記念日?何のだろう?

 

「えっと……」

 

「もしかして……覚えてない?」

 

「その……ごめん」

 

謝ると歩夢ちゃんは少し悲しそうな顔をしたが直ぐに笑顔で……

 

「大丈夫だよ。気にしないで、直ぐにご飯の準備しちゃうから」

 

その背中は悲しそうだった。気にしなくていいと言っていたけど…………

 

僕は後ろから歩夢ちゃんを抱き締めた

 

「あ…ど、どうしたの?」

 

「ごめん…悲しい思いをさせたくなかったのに……」

 

「その……気にしないで……」

 

「気にするよ……歩夢ちゃんの事が大好きなんだから……」

 

「…………もうずるいよ」

 

歩夢ちゃんは抱き締めている腕に触れると……

 

「今日はね……彰くんと付き合い始めた日なんだよ」

 

「そうだったね……ごめんね……」

 

「本当に……気にしないで」

 

「うん……」

 

気にしないでと言うけど、やっぱり気にしてしまう……

 

 

 

 

 

 

夕食は豪華で、歩夢ちゃんは記念日だからと嬉しそうにしているけど、その記念日を忘れてしまっていたことに僕は落ち込んでいた

 

 

 

 

 

お風呂に入り、一緒のベッドで寝ていると……

 

「ねぇ、まだ気にしてる?」

 

突然歩夢ちゃんがそんなことを言ってきた。気にしてないよと言おうとしたけど、それは嘘だ

 

「ごめん、気にしてる」

 

「そっか……」

 

歩夢ちゃんは優しく微笑み、僕を抱き締めた

 

「しょうがないよ……私たち……沢山思い出があるんだもん。その分記念日を多いから」

 

「記念日が多い?」

 

「例えば……この指輪」

 

歩夢ちゃんが見せてきたのは、高校の時に旅行に行ったとき、歩夢ちゃんに送った婚約指輪……

 

「これを送ってくれた日も記念日だよ……」

 

「そっか……記念日沢山あるんだね。僕たち」

 

「うん」

 

僕はそっと歩夢ちゃんにキスをする。

 

「歩夢ちゃん……改めて言わせてほしい」

 

「うん」

 

「結婚してください」

 

「…………はい」

 

歩夢ちゃんは目に涙をうかべながら、笑顔で頷くのであった。

 

 

 

 

 

 

 

「それから色々と思い出と記念日が沢山増えたよね」

 

「うん」

 

「そして……これからも」

 

「沢山……増やそう」

 

僕らは誓いのキスをする

 

この結婚式は忘れられないものになった。

 

披露宴の出し物で、同好会の皆がライブをしたり……

本当に沢山の思い出が出来た

 

 

 

 

 

 

 

「パパ、ママ。何でカレンダーに沢山赤い丸がついてるの?」

 

娘が興味深々に聞いてきた。

 

「これはね」

 

「ママとパパの思い出が沢山あるんだよ」



目次 感想へのリンク しおりを挟む




評価する
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10についてはそれぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に
評価する際のガイドライン
に違反していないか確認して下さい。