機動戦士ガンダム CROSS OVERWORLD ~UCandCE~ (naomi)
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EP1 決戦前夜

地球連邦軍独立外郭部隊『ロンド・ベル』の旗艦『ラー・カイラム』

 

独立部隊であるはずの彼等は連邦軍の召集により、とある宙域に向かっていた。

 

「結局。俺達は流れを止められないまま、この時を迎えるんですね」

 

『カミーユ・ビダン』はブリッジの外を見ながら黄昏ていた。

 

「彼等の言う『C.E(コズミック・イラ)』の世界と我々『U,C(宇宙世紀)』の世界が同一世界で交わって早10年か、この謎めいた世界からの脱出を図っていたはずなのに…皮肉なことに互いが力を借り合い敵を各々の敵を滅ぼす道を選んでしまった訳だ」

 

ラー・カイラム艦長『ブライト・ノア』はカミーユの独り言に応えた。

 

「でも…正直連邦軍は組む相手を間違えたのではないかと、今でも思うんです」

 

「あちらの世界の連邦軍…確か『地球連合』と言ったか」

 

「同じ地球を護る者同志と言うことで組むことになりましたけど、あんな狂喜染みた思想で…一緒にしてほしくないです」

 

「【蒼き正常なる世界の為に】…か、確かに狂喜染みているとは思うがカミーユ。彼等が感情的なだけで、我々の連邦も思想としては同じかもしれんぞ」

 

「えっ…」

 

「こちらが利口で上手く隠しているというだけで、やろうとしているのこは連合と変わらない点も多い」

 

「…そんな」

 

「そんな滅ぼし合う道へ進む世界の現状を打破する為に俺達は『ロンド・ベル』を結成したんだ。カミーユ」

 

「アムロさん」

 

「彼等が接触したそうだ。ブライト」

 

「そうか。こちらの意図をわかってくれるといいのだがな」

 

「本当にあいつらだけで、大丈夫だったんですか」

 

「噂が本当ならば、組織体を気にせず思ったままに動ける彼等のほうが説得しやすいだろう」

 

「君も彼等を信じているのだろうカミーユ。自分の感性を信じろ」

 

「…クワトロ大尉」

 

「あちらも少数ではあるが『ネオ・ジオン』の中でも我々の考えを理解してくれている人々はいるようだ…問題は『プラント』だな、『パトリック・ザラ』に丸め込まれ徹底抗戦を唱えるものばかりだそうだ」

 

「まぁ、我々がどこまで足掻こうが連邦軍の召集指令が届いた以上。連邦軍の一員として成すべきことをせねばな」

 

「ブライト艦長。間もなく指定のポイントに到着します」

 

「わかった。MS隊はいつでも発進出来るようにしておいてくれ」

 

「了解だ。行くぞカミーユ。クワトロ大尉」

 

(…カミーユの懸念はもっともだ。果たしてこの先にある未来は希望かそれとも…)

 

「ブライト艦長。艦隊司令部よりコンタクトです」

 

「繋いでくれ」

 

「ブライト大佐。今回は召集を受けて頂きありがとう。私が今作戦の司令官パプティマス・シロッコだ」

 

(シロッコが…)

 

(…落ち着けよカミーユ)

 

「パプティマス司令。とんでもない、独立部隊ではありますが我々も連邦軍の一員だと自負しております」

 

「今回ラー・カイラムには最前線を任せたい。」

 

「了解しました」

 

「その部隊には連合の『ドミニオン』もいる。ムルタ・アズラエル氏もいるということだから挨拶をしておくといい」

 

「…わかりました」

 

「では、貴艦の健闘を期待している」

 

「ありがとうございます。では失礼します」

 

(…ティターンズの中核であるシロッコが作戦指揮で前線には『ブルー・コスモス』とやらの盟主ムルタ・アズラエルか…連邦軍は本格的にネオ・ジオンとザフトを殲滅にかかるということか)

 

「ブライト。MS隊全機発進準備が整った」

 

「よし。全機発進」

 

「了解。カミーユ・ビダン、Zガンダム行きます」

 

「アムロ、ナラティブで出るぞ」

 

「クワトロ・バジーナ、デルタ出る」

 

混沌とする世界で戦いの火蓋が落とされる。



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EP2 混沌とする世界

「お二人ともどうですか、新型機は」

 

「問題無い」

 

「こちらも問題ない」

 

(ナラティブガンダム。アナハイム社からとある試作機の為に開発した実験機として受領して。俺好みの仕様にさせてもらったが、やれるのか…)

 

(デルタガンダム…『百式』が本来成るはずだった姿か。まさか私が『ガンダム』に乗ることになるとはな)

 

「各機に告ぐ。すでに戦場は激しいものとなっている気を引き締めておくように。…死ぬなよ」

 

戦場に駆けつけた3機既におびただしい数の残骸が漂っていた。

 

「来たかロンド・ベル。こちらジェリド・メサだ。あんたらはあいつをやってくれ」

 

(ジェリド…)

 

「あれは…キュベレイ」

 

(ハマーン…)

 

「こちらアムロ・レイ。そちらは大丈夫なのか」

 

「連合の『G部隊』とやらと共闘しているから問題ないそちらは任せたぞ」

 

黒いガンダムmarkIIが側を離れると四方からビーム攻撃が飛んできた

 

「これは…キュベレイの」

 

「来たかロンド・ベル」

 

白いキュベレイが10機近い量産型共に姿を見せた。

 

「貴様らを野放しにしておくのは危険だからな、ここで死んでもらう」

 

ビームがキュベレイを霞める

 

「その金色…相手はシャアか」

 

「二人ともここは私に任せてくれないか」

 

「…いいのか」

 

「いつかは決着をつけねばならんからな」

 

「わかった。行くぞカミーユ」

 

Zがウエーブライダーに変形しナラティブを上に乗せ離れる。

 

「お前達はあの2機を追え、この金色は私がやる」

 

「ですがハマーン様…」

 

「さっさと行かないか馬鹿者」

 

量産型キュベレイ達は2機を追って行った。

 

「その新型…ようやくこのキュベレイと対等といったところか」

 

「戦いはMSの性能だけで決まるものではない」

 

「ふっ。それもそうだな」

 

「ハマーン。ロンド・ベルと手を組まないか」

 

「何…」

 

「お前達ネオ・ジオンがなし崩し的にザフトと協力関係にあることはわかっている。お前がザフトの方針に共感していないこともだ」

 

「…」

 

「ロンド・ベルにはお前の考えに近い考えで行動している者も多い。どうだここはネオ・ジオンは手を引いて…」

 

デルタガンダムの頭部をビームが霞める。

 

「愚問だなシャア。私の考えがわかるというのなら、連邦に属するロンド・ベルと協力するわけなかろう」

 

「ハマーン…」

 

「お前こそどうだシャア。今度こそ私と一緒に来ないか」

 

「すまんが、今のネオ・ジオンの望む未来と私の望む未来は未来永劫一致しないだろう」

 

「そうか…ならばここで死ねシャア」

 

「こい。ハマーン」

 

二人の因縁の火蓋が再び幕を開けた。



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