ぼくのかんがえたさいカワつんでれろり (赤ぱんだ)
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ぼくのかんがえたさいカワつんでれろり
「あんたのことなんかぜんっっっぜん好きじゃないんだから!」
と、僕にとってはご褒美にしかならない事を言ってくれたのは、今年弱冠12歳の金糸の様に輝くツインテールを持ったコテコテのツンデレロリだった。
「クラスで噂になってるんだからす、好きとか簡単に言わないで!」
彼女は僕と同学年、同クラスさらには家まで隣と運命感じちゃうレベルの幼馴染だ。しかもめっちゃ可愛い、可愛い。こんな可愛い幼馴染がいつも隣にいたら普通の男児はドギマギしちゃって大変だろうが、僕はちょっと冷静でいられる。何故か?理由は簡単で人生二週目だからだ、心はおっさんなので可愛いものを愛でるという感情が働くのだ。うそをつきました、ほんとはロリコンなのにね。
「す、好きとか言うのはフタリキリノトキニ……」
「ごめんね恥ずかしかったよね、これからは僕たちにしか聞こえないように
「それはそれで問題あるんじゃない!?」
打てば響く。これぞまさしく夫婦漫才の姿だ、僕と紗花ちゃんは既に夫婦だった?
「紗花ちゃんハネムーンはどこに行こうか?やっぱり王道のハワイがいいかな、それともアメリカのディズニーランドとかの方がいいかな?」
「急になに!てか学校の下駄箱でする話じゃないでしょーが!」
そうだった幼馴染の可愛さにドギマギして、ここが下校直後の人口密集地であることをすっかり忘れていた!
「くっここは危ない、早く紗花ちゃんの家に行こう!」
「なに変なこと言ってんのよ、どうせあんた押しかけて来んじゃない」
女の子の部屋って童貞には劇薬だよね。好きな子の家だったら尚更かな。
「ただいまー」
「お邪魔します。」
僕たちの家は学校から三十分ぐらい歩いた河川敷のそばにある、結構ここら辺はのんびりした所で郊外になっている。ちなみに学校がある方は結構栄えていて買い物や遊ぶ所なんかも集まってるので、学校のみんなと遊ぶならそっちになるね。
「あらあら~ぼく君いらっしゃ~い♪」
「毎日お邪魔してしまいすみません」
「お邪魔なんてそんなことないわ~私も紗花もぼく君が来てくれるの楽しみなのよ~」
「ママ変なこと言わないでっ!あんたが来るの楽しみなんて事ないんだからね!」
見事なツンデレ構文ありがとうございます。そしてこの正反対のいかにも奥様っぽい喋り方してる奥様が紗花ちゃんのお母さま、すみれさんだ。いやホントに正反対、なにがって喋り方もそうなのだが髪が黒のきれいな濡れ羽色のサイドダウンスタイル(ロングを下の方で結って肩にのせた人妻っぽいヤツ)な上に紗花ちゃんの凛とした釣り目と対照的な穏やかさを感じるたれ目、そして何より遺伝子が残酷なことになってる大きな胸部だ!
紗花ちゃんに、そんなものは、無い!微塵も、あろうはずが、ございません!!」
「聞こえてるわよ変態!ワタシダッテママグライニナッタラ……」
「だが、そ れ で い い !!」
「あらあら~ぼく君たら、おませさん何だから~女の子に体のこと言っちゃだめよ~」
「すみません、興奮してしまって。紗花ちゃんごめんなさい。」
「まあ別にこれでいいならいいんだけどって、なに言わせんのよ!」
自爆しちゃう紗花ちゃんてなんでこんなに可愛いんだろ、ついついいじめたくなっちゃう。だが今は謝るターン……っ自分を抑えなくては……ッ!
「むしゃくしゃしてやった、今では反省している」
「そんな犯人の供述みたいに言われても……」
「次こそは更生するから!」
「偏見だけどすごく再犯しそうよ今のあんた」
紗花ちゃんのカワイイオーラに勝てるわけがないだろいい加減にしろ!とは言えないよなぁ流石に。しかし自分の癖(へき)の事となるとエキサイトするのはどうにかしないとな。おっきくなったらマジで犯人になっちゃいそう。というか人生二回目なのにこんな僕ってバカなの?何々、バカは死んでも治らない?あっそっかぁ
「今日も紗花のお部屋で遊ぶんでしょ?それじゃ後からお菓子、お部屋に持っていくわね~♪」
「はーい」
「ありがとうございます」
とてもやさしい(小並感)僕たちの家での遊びは基本的にとても自由だ。いや自由と言うかもはや無、各々が好き勝手やっているだけに等しい。唯一二人ですることは精々宿題ぐらいなものだ、何故そんな冷え切った夫婦みたいになっているかというと物心ついてからずっと一緒で学校のクラスすらも一緒、さらにはそれでもなお僕がどこでも引っ付いて行くためもはや話題もプライバシーもへったくれもないのだ。故に紗花ちゃん=僕、僕=紗花ちゃんみたいなもんである。その証拠に今から紗花ちゃんが夕飯、なにを食べたいのか当ててみせよう。
「紗花ちゃん!君と僕とは天使の双翼さ!」
「キモ。」
まずは僕が確定で知っている今日の給食から推理してみよう。今日はなんと中々給食では出ないハンバーグの日であった、しかも魚肉や豆腐といった小細工抜きの牛肉ハンバーグである!これには学年中、いや学校中が沸き立ちいつも不愛想な先生も菩薩の笑みを浮かべ、擦れたあの子も無邪気に笑い、おとなしいあの子もスキップしだす理想郷がそこにはあった。もちろん僕も浮かれに浮かれ、勢い余って今までのいたずらを告白しても許されそうな雰囲気だった(その場は凌げたが放課後きっちり絞られ、結局解放されたのは紗花ちゃんの部活が終わった直後だった)
「紗花ちゃんが下駄箱で待っててくれて嬉しかったよ。」
「ハァ?」
そんな今日の給食を終え恐らく今、紗花ちゃんは僕と一緒にいることも相まって幸福感で溢れている。となれば晩御飯は余韻に浸れる様なあっさり系、蕎麦やうどんがいいはず。っと普通は考えるが僕=紗花ちゃんは一味違う。ズバリ紗花ちゃんは夜ご飯も『攻め』に行くッ!どうしてそう断言できるのか!それは紗花ちゃんのテンションから分かる。今日の紗花ちゃんは上で言ったツンデレ構文が多い、これがどうしたのかというと普段構文を口にすると僕にすぐ可愛いとか言われて言葉狩りされてる紗花ちゃんの気が緩んでいる日!そしてそんな日の紗花ちゃんは!エネルギーを求めている!!QED証明終了
「紗花ちゃん、君は今日『肉』を求めているんだねッ!」
「二食お肉はキツいわよ。今日はさっぱりお蕎麦かしら♪」
ふっ、いい女には秘密が多くて困っちゃうね。ま、そんなところも可愛いんだけどさ。さーてと今回の推理は僕が肉を食いたかったってのにちょっと引っ張られちゃったかな?もちろん蕎麦でも良かったけど?むしろ紗花ちゃんの深層心理を読んだっていうか?逆に僕の心理は分かってないんだなーみたいな?
「そういうあんたはお肉たべたそうね」
「えっな、なんででござるか?」
「そんなの顔見りゃ分かるに決まってんじゃない♪何年あんたの幼馴染やってると思ってんのよ」
これマジ?女の子に比べて男の方が釣り合ってなさすぎるだろ。
「そーだよね……普通顔見ればわかるよね……」
「あーもうなにしょげてんのよ!別に分かんなくったっていいわよ」
「ほんと……?」
「いつも隣にいてくれたのは他の誰でもないあんたなんだから。それに12年でわからないなら24年だろうが36年だろうが106年だろうが付き合ってやるわよ」
「さ、ざやがぢゃん!」
「だから私がツンデレでもロリでもなくたってずっと一緒にいるのよ。いい?」
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