僕のヒーローアカデミア 手マン抹殺RTA こぼれ話(R18) (槍持)
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侍女は見た ☆

 私は八百万家が嫡子百お嬢様付のメイドでございます。とはいってもまだまだ新参者。それがどうして古参を押し退けてお嬢様付を拝命したかと言えば、ひとえに私の個性のおかげと言ってよいでしょう。

 個性『生命感知』。それが私の個性です。この力は障害物を無視して一定距離内の生命を見つけ出すことができるというもの。

 幼い時は虫や小動物を見つけてしまって泣いたものですが……。長じて磨いたことで、フィルタリングすることとサポートアイテムを通じて感知結果を出力することができるようになったのです。

 つまりは人間レーダーということ。特にフィルタリングで害意を持った生命だけを感知できるというのが採用の決め手であったと思います。

 

 

 

 さてそんな私ですが、最近のお嬢様の様子が気になって仕方ないのです。

 私はお嬢様が人払いなさっても御寝室に併設されている侍従控室にて控えているのですが、そうなると言葉は悪いですがかなり暇になるのです。

 お屋敷には私以外にも探知役が常に複数詰めていますし、警護官のシークレットキャラクターサービスが分隊単位で守っているのですから。

 そうなれば私が多少サボっても最低限の精度の感知情報を出力していればお咎めはありません。ということはもう一つ二つ、自分用に感知フィルターをかけることは容易いわけで……。

 

 百お嬢様は随分お変わりになられました。9歳になる少し前まではどこか冷たい、他者を寄せ付けないよう気を張ってらっしゃいました。ですがあの事件の日以降、お嬢様をお救い下さった少年――緑谷出久くんの傍では全く違うのです。

 いえ、真面目に精励しておられるのには変わりないです。むしろ鍛練に熱が入ったようでその進歩は目覚ましいほど。

 そう。緑谷くんと一緒にいるときだけ違うのです。

 そして彼の12歳の誕生日を八百万家でお祝いした日から、お嬢様と彼の二人きりのときの様子は。

 

 

 

 ある日の午後8時。お嬢様は日課の鍛練や家族での会食他を済まされ後は就寝前の自由時間です。私も下がるよう言われ、緑谷くん一人を残して皆が夜シフトの配置につきました。

 そして私は侍従控室にて一息つき、慎重に個性を発動しました。視線をお嬢様の部屋に向けて。

 するとどうでしょう、濃い桃色と薄い桃色の二つの人型がベッドの上で絡み合うように一つに重なっていくではありませんか。

 監視の役目もあって、ドアを少し開けてお嬢様たちを覗き見ます。(私の個性単独では輪郭程度しか見えないので実際に見るほうが詳細に見えるのです)

 

 

「ふあっ んんっ いじゅくしゃ、あっ あんっ♥」

 

 

 お嬢様の嬌声が聞こえます。ちゅうちゅうと吸い付く音や水音に混じり、細くまだ幼さを感じさせながら、それでも確実にオスに媚びる女の声です。

 少年は上半身裸で、お嬢様はショーツ一枚のみの姿。

 ときおりキスを降らせては張りのある突き出た小山をやわやわともみほぐし、先端の屹立を唾を出して舐め、しゃぶり、吸い上げる。そうしながらも膝はお嬢様の秘部を押し潰すようにこねくり回しているのです。

 

 

「百ちゃんすごくエッチだ。乳首もコリコリしてて甘いしベロもくにくにしてて美味しいよ」

「ふぁぁ! 言わないでくださいまし……。こんなはしたない私は出久さんにしか見せませんわ。出久さんだけに見てほしいんですの……♥」

「~~ッ! 百ちゃん!」

 

 

 いつの間にかズボンも脱いで全裸になった緑谷くんはまだ成熟しきっていない肉茎をお嬢様の陰核にショーツ越しにこすりつけています。

 その間にも舌を絡め貪り合うようなキスをし、お嬢様はその腕と足を絡み付け逃がさぬと強く締め付けているのが分かりました。

 汗の滑りを借りた両の手がお嬢様の肢体を撫でまわし、ついには執拗に乳首を嬲ります。そして――

 

 

「んーッ! んっ、ん~~~~ッッ♥♥♥ りゃめでしゅわぁっ も、イきまひたわっ! いじゅきゅしゃんもっ 百のにゃかにだひてぇ!」

 

 

 お嬢様の聞き捨てならないおねだりに身体が動きそうになりましたが、半脱ぎになっていた濡れショーツが絡み転ばないようにするので精一杯でした。

 そんな無様な私など関係なく、緑谷くんは切なそうな表情で何かをこらえつつ体を滑らせ、お嬢様の口に肉棒を差し込み二度三度と震え、自らの竿をしごき、しばらくしてちゅぽんという音と共に離れました。

 

 

「はぁ~♪ 出久さんのおちんぽみるく、癖になってしまいましたわね」

「ははは。僕も百ちゃんのおっぱい大好きだから、お互いさまだね」

「うふふっ♥ 私の全ては出久さんのものですわ。おっぱいでもお口でも、お、おまんこでも。全部好きになさってくださいましね?」

「じゃあお言葉に甘えて」

「あんっ♪ もう、赤ちゃんだってもっと慎ましいですわよ? んっ。百は幸せですの。愛してますわ、出久さん」

 

 

 何か執念じみたものを感じさせるほど、お嬢様の乳房を丹念に揉み、乳頭を舐り回し吸い上げる。そんな少年に淫婦ではなく慈母の眼差しを向けるお嬢様。いたたまれない。

 私達はこの二人の仲をいずれ裂かなければならない。少年が無個性故に。

 八百万家の後継者が独身では要らぬ問題が起きるのは必然なのです。

 だからこそ、今は見逃しましょう。

 この健全とは言い難い光景を。少女の愛を。

 私は八百万家の侍従。そして百お嬢様付のメイドなのだから。

 



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お嬢様は欲求不満  ☆☆

 夕日の差し込む部屋、誰も居ない教室に一組の男女が佇んでいた。橙色の髪をサイドにまとめた少女が濃緑色のもじゃもじゃ頭の少年に甘えるようにしなだれかかり、唇を啄むように何度も重ねる。

 

 

「あーあ。なんであたしこんなやつ好きになっちゃったんだろ」

「こんなやつって、酷いよ一佳ちゃん」

「んっ、ちゅ♥ っはぁ。女誑しなんてこんなやつで十分でしょ。ぁんっ」

 

 

 言葉では少年を詰っているがその声音を聞けば内心が違うことはすぐに分かるだろう。甘えるように、媚びるように。少女に目を向けさせようといういじましいアピール。穏やかな大樹のように構える少年に少女の柔らかな体が押し付けられる。少年の左手は制服のスカートに潜り込み純白の下着ごとわしづかみにし、右手はシャツの上からその豊満な胸を揉みしだく。

 いつしか口づけは深くなり、互いの耳を塞ぐように両手を頭に回している。少女はその拳を個性で大きくし、その握力で体を支えながら足を絡ませ腰を揺らす。互いが互いの音しか聞こえずに沈み込んでいく。

 

 

「んっ♥ んぁっ♥ ぢゅるっ♪ んんっ! んっ♥ んぅ~~~~っ♥♥♥」

 

 

 びくびくと小刻みに少女が震え硬直し、弛緩。荒い息を吐きながら絶頂の余韻に浸る。熱に浮かされ蕩けた瞳は少年だけを映している。二人を繋ぐ銀糸が吐息に煽られ、ぷつりと切れた。

 

 

「はーっ♥ はぁっ♥ そろそろ行かないと」

「B組は秘密特訓だっけ?」

「そうよ。物間が煩くて」

「雄英体育祭だもんね。みんな必死だ」

「出久が、A組が襲われたって聞いた時は心臓が止まるかと思った」

「……でもみんな無事だった」

「それでも命の危機だったんだよ。それなのに物間のバカはッ」

 

 

 離れようと口では言うが巨大化させた手は少年を離そうとせず、首筋に吸い付き、垂れた唾液を舐めとりながら少女は憤る。少年はそんな少女を微笑まし気に眺め、頤を指で上げさせ少し長めに唇を合わせるだけのキスをする。

 

 

「――ありがとう一佳ちゃん。僕は大丈夫だから」

「はぁ♪ ……うん。もう行くね。じゃあまた」

 

 

 名残惜し気に元に戻した手を少年のそれと絡め、きゅっと一握りしてから去っていく。

 そんな少女を見届けてから、少年はウェットティッシュで汚れを拭き取り帰宅の途に就いた。

 

 

 

 

 

▼▲▼▲▼

 

 

 

 

 

 すっかり日が暮れてしまい、居並ぶ街灯の光を頼りに家路を急ぐ。どこか気もそぞろでその動きにはキレがない。常時弱めに発動している個性:ワン・フォー・オールによって強化された視力が自宅を捉え微かに気が抜けた瞬間――

 

 

「ッ!?」

 

 

 彼、緑谷出久は街灯の光が絶妙に届かない路地に引きずり込まれた。いくら彼が個性で身体強化できるとはいえ、油断していた瞬間に宙に浮かされては即座の対応など困難である。口元と両手両足を拘束された上ではなおさらだ。

 とはいえそれでも完全に制圧される前に手足の拘束を解けたのは日々の鍛練故か。しかし彼は自らを拉致しようと企んだ者に抵抗できなかった。なぜならば。

 

 

「出久さん」

(この声、百ちゃん!? いきなりなんでこんな)

「さぞお辛いことでしょう。拳藤さんには呆れたものですわ。自分だけ満足して終わりだなんて……ねぇ?」

 

 

 そう、出久を暗がりに引きずり込んだのは八百万百である。背後から腕を回し、中途半端に刺激され欲求を溜めた半勃ちの肉棒を制服のスラックス上からまさぐり、出久を昂らせていく。

 突然のことで困惑し、体勢を入れ替えた百に促されるまま出久はよろよろと石塀に背中を預けてしまう。これ幸いと百は出久の前に蹲ると手早くベルトを外し、出久のスラックスごとパンツをずり下ろした。

 そして再び硬さを増しつつあるペニスの亀頭に口付けし、頬ずりするように顔全体を使いながら竿を、カリを、裏筋を舐めていく。一方で睾丸をやわやわとマッサージし、たまらず出久は呻き声を漏らす。

 その様に鼻から吐息を漏らすように忍び笑いをし、一気に剛直を唇から口蓋、舌で刺激しながら喉まで飲みこみ、吸い付く。いささか滑稽にも見える状態で百は出久の眼を真っ直ぐ見上げる。その間も喉をリズミカルに締め付け、舌は豊富な唾液による潤滑のままに絡みつくように竿を舐めしゃぶる。そのテクニックに出久の腰が引けそうになるが百はそれを許さず塀に押し付け、顔を前後させてペニスをしゃぶる。

 出久が逃げようとしないことを確認し、百はブラウスのボタンをちぎる勢いで外し、出久と二人で育て上げたHカップに迫る豊かな乳房を解放した。

 

 

「ヒョウ柄……!?」

 

 

 豊かな乳房を支えるブラジャーはいかにもギャルが着ていそうなアニマルプリント、挑発的なヒョウ柄であった。出久の視線を惹きつけるように自らの腕で乳房をこね回し、そして出久の手を導き乳房の吸い付くような張りのある柔らかさを堪能させる。先端のしこりを掌が押しつぶすと百の体は更に熱く、淫らに燃える。口内の唾液は熱く粘りを増し肉棒への刺激を加速させる。

 百は蹲踞のような恰好となり、片手で出久の睾丸を刺激しながらもう片手では自らの陰部をぐちゅぐちゅと音が鳴る勢いで刺激している。

 その様は出久の獣欲を掻き立て、気付けば百の頭を抑え喉奥に押し込むように腰を激しく前後させていた。百も抵抗せず出入するペニスを歓迎するように、また追い縋るようにしゃぶり、射精に導いていく。

 

 

「ぐぅぅぅッ、射精すよ百ちゃん!」

「んッ♥ ひへふははひまひ♪ んぶッ! ~~~~っ♥」

 

 

 ついに出久は鈴口を喉の最奥に押し付けドクン、ドクン、ドクンと情欲の律動を吐き出した。引き抜かれる肉棒を百は強く吸い上げ、尿道に残された精液を一滴残らず搾り取っていく。

 荒い息を吐く二人。しかし女の方は少し不満気だ。

 

 

「せっかくのお精液ですのに、ほとんど味わえませんでしたわ……」

「ほとんど毎朝味わってるじゃないか」

「そうですけれど、学校終わりで臭いおちんぽから出たお精液ですのよ? 違った味わいがありますわ」

 

 

 唇に残った汁を何気なく舐めとりそう嘯く百を横目に出久はあらためて周囲を見やる。街灯の明かりこそ届かないが目立ったゴミの落ちていない、清掃の行き届いた路地。まさか日暮れに清掃してはいなかろうといえどいつ人が通るか不安になる程度には普段使われている空気がある。

 

 

「ふぅ。とりあえず人心地ついた。ありがとう百ちゃん。だからいったん家に帰ろうか。……百ちゃん?」

「うふふふふ。私はまだ満足しておりませんわよ? だからもう一回お射精しくださいな。今度は出久さんの大好きな百のおっぱいを使いますわ。存分にお愉しみくださいまし♪」

 

 

 肉食獣が獲物を喰らう笑みが少年に向けられていた。

 



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お嬢様は欲求不満2  ☆☆☆

「響香ちゃん、反応どう?」

「チッ、囲まれたまま。たぶん上鳴が体育祭でやられたやつ……っていうか緑谷、それやめない?」

 

 体育祭が終わりA組とB組の溝が明白になった。それを気にした緑谷出久の提案により、絶賛合同訓練中なのである。市街地を模した訓練場で4対4の模擬戦を行っているのだ。

 今対戦しているのは緑谷・耳郎・葉隠・青山と取蔭・塩崎・宍田・鉄哲である。

 リカバリーガールの保健室使用を予約するくらいには“ガチ”の対戦であるはずなのだが、耳郎響香はいまいちシリアスになりきれずにいた。なぜならば。

 

 

「やめない。一応相手の妨害になるし……僕も楽しいしね」

 

 

 そう、緑谷出久のせいである。何も耳郎が少年に恋をしているからというだけが理由ではない。それだけで気を散らすほど個性の戦闘使用を軽く見てはいないのだ。それでも気が散るのは、ひとえに緑谷の手の動きのせいだ。

 対戦相手を思い出してほしい。その中の一人、取蔭切奈の個性は自身の体を切り離して縦横無尽に動かすことができるというものだ。言い換えれば体をドローンのように飛ばすということで、感覚器や手足以外は相手にぶつけるなどの単純な方法でしか使えないのだ。

 だからこそ取蔭はほんのちょっとしたいやがらせのつもりで、塩崎のツルで分断された緑谷出久にその体をぶつけて焦らそうとしたのだ。だがそれは悪手だった。

 緑谷はその身体強化の個性を存分に使い、飛んできた体ドローン群の中から胸と腰にあたる部位のみを掴み拘束した。そしておもむろに揉みしだき、乳首や陰核を指で挟みしごき転がした。

 黒鞭という鞭状の黒いエネルギー体でそれぞれの部位を自らの体に固定した上でやっているので、手が塞がっているわけでもないため倫理的な面以外では問題ないと言えた。なにより弄ぶだけでなく拳で部位を殴ったり叩いたりという攻撃もしているのが余計に性質が悪い。

 実際緑谷の所業により取蔭の妨害はめっきりなりを潜め、相手が攻めあぐねているというのが現状なのだ。

 

 

「鉄哲くんと宍田くんは、悪いけど僕の敵じゃない。遠隔攻撃をしてくる塩崎さんのほうがよほど厄介だ。女の子はあんまり殴りたくないけど、そんな甘いこと言ってられる個性じゃないしね」

「ハァ。ツル相手なら青山のレーザーが有効だし、さっさと合流しよっか」

「だね。次のツル攻撃に合わせて跳ぶ。響香ちゃん」

 

 

 千日手を打開するための行動指針を確認し、少年は少女を片腕で抱き寄せ、抱える。なおその間も取蔭の乳房への責めは続けている。それを見た耳郎は呆れ声を漏らさずにはいられなかった。

 

 

「あんたほんと胸好きだね。ヤオモモがいくらでも触らせてくれるでしょ」

「大好物でもそれだけじゃさすがに」

「……そ。だったらウチのも触らせたげようか?」

「えっ、いいの!? やった! いつにしよう、今週末は百ちゃんと約束があるしなぁ」

 

 そっけなさを装って大胆な提案をする少女。一瞬の空白の後、少年は驚きと喜びを示しながら思案気に首をひねる。

 

 

「そ、そんなに喜ぶこと……? ん、でも嬉しいな。ってヤオモモと約束ってことは、ついに?」

「うん。響香ちゃんのことも大好きだけど、最初は百ちゃんって決めてたから」

「そっか。しょうがないね。ウチらも覚悟決めないとか」

「もう薬は飲み始めてるんでしょ?」

「うん。ヒーロー活動するなら生理で体調がーなんて言ってられないし。処方箋もらってからそろそろ一カ月経つ」

 

 素直に喜ぶ少年の様子に少しの困惑と大胆な行動が受け入れられた喜びに照れが滲む。薄い微笑みとともに現実的な話も確認されていく。

 真面目な話、女性ヒーローの経口避妊薬使用率は高い。不意の妊娠で活動休止となると、人気商売でもある現代ヒーローとしては復帰が絶望的なスキャンダルとして扱われる。

 そういった下衆な意味でなく、純粋に戦闘能力に関わるという問題もあるし、もしもヴィランに敗北してしまえばその貞操が無事で済むかといえば怪しいものなのだ。そうなってしまえば不本意な妊娠・堕胎の可能性は無視できない。自衛意識の高い女性ならばヒーローでなくとも避妊薬を使用しているものが少なくないし、そうでなくてもいわゆるアフターピルは保険の授業で配布されるのだ。

 

 

「じゃあ次は響香ちゃんだ」

「……いいよ、お茶子にしなって。梅雨ちゃんとも話し合って決めてた」

「そうなんだ。なんにせよ響香ちゃんのおっぱい楽しみだな。響香ちゃんとセックスできるなんて僕は幸せものだよ」

「~~~~っ恥ずいこと言うなっ『破廉恥な!!』!? 来るよ!」

 

 

 そんな爛れた計画をツル伝いに聞いてしまった塩崎がたまらず放ったツルの乱舞を置き去りに、二人は味方との合流に動いたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

「ここは……」

「ええ。私と出久さんが出逢った場所ですわ」

 

 

 出久さんが懐かしむように目を細め、「パルテノンズキッチン」を見やっています。そう、この店は私の愛の出発点。自らの弱さを嘆き、まだ形を成していなかった恋心が発露した場所。

 おろしたてのドレスを着た私は同じくおろしたてのタキシードに身を包んだ愛しい人のエスコートを受けてディナーを進めますの。柔らかく微笑む出久さん。上背は日本人として平均の域を出ませんが厚みのある筋肉の鎧のおかげか、高校生とは思えないほどにタキシードが様になってらっしゃいますわ。でもお顔は幼い印象を残していますし、私とお似合いと余人には感じられるでしょう。出久さんの魅力は私一人が独占するには大きすぎるものだというのに。でも、今だけは私が独占してもよろしいですわよね?

 

 ディナーを終え車を走らせ、海浜公園までやってきました。腹ごなしの散歩として出久さんの腕に身を絡ませ歩いています。去年の10月のこの場所と今のこの場所とではまるで別の場所のよう。出久さんが清掃なさった成果ですわね。私は出久さんを誇りに思います。オールマイトの後継。今はまだ背を追う者にすぎないですが、いずれその背を追い越し、ヒーロー=緑谷出久 となる。そう信じておりますわ。

 清掃前は無かったイルミネーションの淡い光の中、出久さんを見上げます。以心伝心。彼は微笑んで私に愛おしむ様なキスをしてくださいました。体が熱くなります。彼に触れられるたび、彼の笑みを受けるたび、キスをするたび、おっぱいを吸われるたびに、八百万百は緑谷出久に恋をしているのだと思い知らされます。

 胸が苦しい。愛しさで破裂してしまいそう。彼の横顔から目が離せませんの。私はちゃんと歩けているでしょうか。気付けば私は自室の椅子に腰を下ろしていました。目の前には酒精を薄めたカクテルワインとクリスタルのワイングラス。出久さんと乾杯し、二人目を合わせながらゆっくりとグラスを干しました。そしてベッドに並んで腰かけ――

 

 

「今から百ちゃんを僕の女にする」

 

 

――はい。

 きちんとそう答えられたでしょうか。変に甲高くは無かったか、それとも掠れて細い声ではなかったでしょうか。

 ジャケットを脱ぎ捨て、ネクタイを解き、サスペンダーを外し。襟元を崩したシャツの隙間から覗く出久さんの引き締まった肉体。自分でも陶酔した危うい瞳をしていることが分かりますわ。

 コクリと、はしたなくも情欲を嚥下した音がいやに大きく響きました。出久さんが私をそっと抱え、ベッドに押し倒します。上質なシルクとスプリングが迎え、しかしわずかな摩擦で髪が崩れ、純白のシーツを塗り替えるように広がりました。普段と違い荒々しさのあるキスが襲い、私は出久さんの首に縋り付くように抱きつき、愛しい彼のひねくれた髪の毛に手櫛を通すように指を伸ばしました。

 

 

「ずっと君が欲しかった」

「私もですわ。ちゅっ んぅ♥ ちゅるるっ れろ ちゅぅっ」

 

 

 そこからは言葉はいりませんでしたわ。互いの服をもどかしくも脱がしあい、唇を貪りながら肌を擦り合わせました。体温が合わさり、汗と唾液の潤滑で互いの境界が溶けて。乳房が痛みを感じるほどに強く握られ、でもそれが私が彼のものである証を刻み付けられているようで肉欲に火が点きますの。

 

 

「ハァーッ ハァーッ いいですわ! もっと出久さんを私に刻んでくださいまし!」

 

 

 出久さんがキスを止め、唇を降らせながら唾液の足跡を残し私のおまんこに顔を近づけていきます。おへそを軽く舐め通り、下着に透けたハート形に整えた陰毛を撫で陰核をしゃぶろうと。

 

 

「えっちだね百ちゃん。もう準備万端みたいだ」

「あっ、あっ、言わないでくださいまし……っ♥」

 

 

 ばれてしまいました。ずっと、ディナーを摂る時から、いえドレスに身を包み出久さんと待っていた時から。白い総レース作りの下着の奥、私の女の部分は期待で濡れそぼっておりましたの。きっと臭いが染みついてしまってもう使えないでしょう。

 

 

「挿れるよ」

「手を、手を握ってくださいまし♥」

 

 

 深呼吸をしてできるだけ脱力します。下着が脱がされ、出久さんのおちんちんが私のおまんこを焦らすように擦りつけられ――

 

 

「ひぐッ う、うぅぅッ んちゅっ ん゛ん゛っ♥」

 

 

 一気に奥まで貫かれました。しっかり潤っていたおかげか、聞いていたほどの痛みはありませんでした。それでも痛みは痛み、思わず呻いてしまいましたの。すると出久さんがあやすようにキスしてくださいました。脱力を一瞬忘れ下腹部が締まり、出久さんのおちんちんが膣内を押し広げて進んでいく摩擦を強く感じましたわ。そしてほどなく奥までいっぱいに押し込まれ、圧迫感を……いえ、これは充足感と言うべきでしょう。

 人の魂は二つに分かたれ欠陥があり、人はその欠陥を埋め合わせるために他者を求めるのだと言ったのはプラトンでしたか。それをまさに実感いたしましたわ。この充足感、満足感。魂から湧き上がる幸福感。私の運命の人。愛おしい。これまで感じていた気持ちが子供の遊びだったことが分かってしまいます。今感じている気持ちに比べればなんと無垢であったのか。

 

 

「動いてよろしいですわよ♥」

「くッ、駄目だよ百ちゃん! 気持ちよくて動いたらすぐ射精ちゃうッ」

「よろしいのです出久さんっ♥ 百はいくらでも受け入れますから。さあ、出久さんの子種をお恵みくださいませ♥」

 

 

 切なそうな表情で耐える出久さんが可愛らしくて。ついおまんこをきゅっきゅっと締めては緩め締めては緩め。締めるたびに出久さんの形が感じられてすごいのです。だんだんとコツがつかめてきましたわ。入り口から出口へと段階的に搾り上げるように締めます。出久さんの表情からさらに余裕が消えていきますの。気持ちよくしてさしあげられている。嬉しい。自然と頬が緩みました。すると出久さんが猛然と腰を動かし始めました。

 

 

「んあっ♥ あんっ あっ あっ ひぅっ♥ ひぎゅっ♥ 出久さんっ♥ 出久さんっ♥ 気持ちいいですわ♥ ぁんっ♥」

 

 

 荒々しく私のおまんこを抉るように穿ち、意識せずともおまんこの中が出久さんを求め波打っているのでしょう。カリ首の段差が私の幼さを削り取っていきます。シーツに出来た赤い染みも続いて滴る女の汁で滲んでいることでしょう。絡めあった指も互いを求めあい強く握りしめています。声が止まりませんわ。体が熱い。頭も朦朧としてきました。ですが出久さんの顔だけはしっかり見えます。そして奥を抉らんと打ち付けられる肉槍のもたらす感覚もかえってはっきりと研ぎ澄まされていくのです。

 

 

「あっ あっ あっ♥ んっ ちゅっ♥ んちゅっ♥ ちゅるっ♥ れろっ♥ んゅっ♥」

「くぅッ、中で射精すよ、百!」

「んっんっんあっあっあっ んきゅっ~~~~♥♥♥」

 

 

 てんへとのぼるきもち。いけません。ひとりはいやです。いずくさんといっしょがいい! あっ、あつい! おまんこのおくがあついです! ぴゅっぴゅっとあついみずがかかっていますわ! すごいです! しあわせ ももはしあわせです。もものおなかにいずくさんのこだねがはいってきます! もっと、もっとだしてくださいませ! あっ、いかないで!

 

 

「はあっ♥ はあっ♥ んふーっ♥ んふーっ♥ きもちよかったですかいずくさん♥ ももはしあわせです♥ すき、あいしていますわ、いずくさん♥」

「ふぅ、ふぅ。すごく良かったよ百ちゃん」

「うれしいですわ♥ あっ、ぬいちゃだめですわ! このままでいましょう?」

 

 

 両足を出久さんの腰に絡め、おまんこも全力で出久さんに絡みつかせます。愛しさに任せて唇を手当たり次第に吸い付かせ、断腸の思いで解いた手を背に回して乳房を潰すように押し当てます。固くしこりをもった乳首が刺激され息が漏れます。

 

 

 まだ夜は長いのです。一緒に朝寝をいたしましょう?

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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輪姦合宿1  ☆☆☆☆

「いい湯だな~」

 

 

 僕、緑谷出久は雄英高校1年生として林間合宿に参加している。死柄木弔を撃退……いや、殺害してしまったとはいえ、あいつが襲撃全体の絵を描いたとはとても思えない。参謀か黒幕かがいるはずであり、そうなると復讐戦を挑んでくる可能性は低くない。そんな学校側の判断により林間合宿はその場所が例年から変更され、ワイルド・ワイルド・プッシーキャッツ所有の山林内にある物件で行うこととなった。

 途中崖下に落とされたものの、僕と百ちゃんが中心となって無事合宿所に到着。遅めの昼食の後に軽めの訓練(と補修組は勉強)がダメ押しだったのか、一部を除いたクラスメイト達は夜更かしなんてとてもできそうにない状態だった。なんとまだ夜9時だというのにA組B組全員がぐっすり夢の中へ旅立ってしまったのだ。

 そんなことになって、つい魔が差したというか。……僕が今いるのは、正確に言うならば合宿所の露天風呂、その女湯なのだ。

 

 

「デクくんお待たせ~」

「ケロケロケロ。ちょっと恥ずかしいわね」

「出久さん、遮音フィールド発生器は正常に稼働中ですわ」

「うぅ、巨乳ばっか……。小さいのウチだけじゃん」

 

 

 思わずゴクリと喉が鳴る。

 明るく振る舞っているが実は照れているお茶子ちゃん。内にカールした髪がふわりと舞い、形の良いEカップおっぱいがぷるんと揺れる。彩りに小さく主張する淡い褐色乳首が美味しそう。腰回りの肉付きが良く、いかにも抱き心地の良さそうな体だ。陰毛は少し濃い目だがそれは土手だけの話であり、かえってその濃い栗毛が艶めかしさを演出している。

 

 一方恥ずかし気に視線を揺らし、目が合うとにこりと目を細めて笑う梅雨ちゃん。少し猫背なせいか大きめに見えるDカップおっぱい。蛙の異形型故か肌と変わらぬ白いと言ってしまえる乳首は意外なほどに高感度なことを僕は知っている。お尻はきゅっと引き締まり、それでいて太股はその脚力に説得力のある太さがある。少し硬めだが女性らしく脂肪に包まれているのかしっとりと吸い付くような感触だ。そして特筆すべきはその陰毛か。いや、特筆できないというべきか? つまりはパイパンなのである。本人は蛙だからと言っていた。その蛙の個性を活かして、自分の舌をディルドー代わりにしてオナニーしていることは二人だけの秘密だ。

 

 次は人差し指を突き合わせてもじもじしている響香ちゃん。みんなのおっぱいをちらちら見ては自分のBカップおっぱいを見下ろして目を伏せている。確かにこの4人の中では小さいが、平均より少し小さいだけでむしろ乳房の感度で言えば一番なことを僕は知っている。下乳を撫でると火が点いて恥ずかしそうにおねだりしてくる可愛さは表彰ものだ。おっぱいに限らず響香ちゃんはスレンダーで、それでいて陰毛は4人の中で一番濃い。お尻まで生えているわけではないからいつもは自分で処理しているみたいだけど、たまに処理をしないよう命令して僕が剃っている。顔を真っ赤にしながらも息を荒げて待つ様はいじましい。

 

 そして最後は発育の暴力、僕が育てたといっていいHカップをたわわに揺らす百ちゃん。個性の燃料であるためかその体は引き締まっており、その恩恵である腰のくびれが小さくないお尻をより大きく見せているまさに歩くセックスそのもの。陰毛はハートを題材にしたアートというか、今日は普通だが蝶々だったり淫紋だったりと多彩だ。

 

 そんな彼女たちの肢体が惜しげもなく晒されている。申し訳程度の手拭いは何も隠していないのがご愛敬か。

 何度見ても僕を奮わせる。心の底から欲が噴き上がってくる。僕の女。その子宮に精液をぶちこんでやれと乱暴な僕が囁く。一瞬でちんこが天を突く。自分史上最高の状態なのではなかろうか。今なら20センチに届いているに違いない。

 

 

「あっ……。デクくんも興奮しとるんやね♪」

「嬉しいわ出久ちゃん」

「はわっ、あぅ、早く欲しいよ出久ぅ」

「うふふ。これなら一人一回なんてことにはならなさそうですわね♥」

 

 

 そのままなだれ込む、わけではなく。4人はまず体を洗うようだ。既に一度洗っているのに律儀と言うか真面目と言うか。いや、お茶子ちゃんが偶然を装っておまんこを開いて見せつけてくる。それを見た梅雨ちゃんはその長く太い舌をくねらせ、百ちゃんはこれみよがしにおっぱいを持ち上げ揺らし、響香ちゃんはやや躊躇った後に尻たぶを両手で開き可愛らしくひくつく肛門とぬらぬらと光を照り返すおまんこを突き出してくる。

 

 よっぽど黒鞭で湯船に引きずり込んでやろうかと思うくらいに焦らされたがようやく4人が僕を囲むように湯に浸かる。百ちゃんが後ろで響香ちゃんが前だ。

 百ちゃんが背中におっぱいを洗うようにこすりつけ、うなじにキスをしてそのまま首筋をちろちろと舐めてくる。

 お茶子ちゃんと梅雨ちゃんは頬や耳に唇と舌を這わせ、囁く言葉で情欲を煽り立ててくる。なた僕の腕をおっぱいで挟むように抱き、手は二人のおまんこに導かれて指を呑みこませる。お茶子ちゃんの膣はひだが多く指をくすぐる触感が楽しい。一方梅雨ちゃんの膣はすべすべしているがところどころに発達した筋のような媚肉がライフリングのように緩やかな傾斜をしながら奥に捻じ込ませようと吸い上げてくる。

 そして正面の響香ちゃんは僕の胸にしなだれかかり深いキスをする。そして片手がチンコに伸び、射精に至らないような速さと握力でしごく。それに呼応するように梅雨ちゃんが舌を睾丸に這わせ絶妙な力加減で精巣を激励するように揉み、先端は僕の肛門をちろりちろりと刺激する。今日は腸の洗浄はしていないから気持ちよさよりも申し訳なさが勝る。

 

 

「出久ちゃんのお尻なら汚いなんて思わないわ」

「そうですわ。出久さんが望むならそういうこともしますわよ」

「うーん、さすがにスカはちょっとなー。あ、でもおしっこくらいなら飲んであげるねデクくん♪」

「んっ♥ ちゅっ♥ ちゅぅっ♥ んふっ♪」

 

 

 なんとも言えない気持ちになったが、みんなはそれを気にせず次のステージに進む。

 

 

「あっ、あっ、入ってくる♥」

「すんなり入って、すっかりこなれましたわね」

「デクくんの指気持ちいいよ♥ 私も早く欲しいなぁ」

 

 

 今日は響香ちゃんからだ。オーソドックスで安心感のある挿入れ心地のおまんこ。4人の中では一番最後に処女をもらった。恥ずかしがってなかなか挿入にまで至らなかったのだ。期末試験の打ち上げ後、火照った響香を自宅に招いて繋がった。お母さんにバレないかというスリルもあったが……たぶんシーツの血の跡でバレただろうな。

 対面座位の形で奥までチンコを押し入れると媚肉が盛大に歓迎のキスを繰り返してくる。僕の背に手と足が回され、響香ちゃんの腰がカクカクとリズミカルに揺れ、乳首同士がこすれ合って気持ちが良い。彼女の初体験から2週間程度だが元々音感があったせいか、ぎこちなさは残るものの要所では熟練と見紛うなめらかな動きを見せる。そのギャップと必死に絡み付き精をねだる媚肉の愛撫が僕を溺れさせる。舌への賢明な奉仕。太股に巻きついたイヤホン・ジャック。全身に伝わってくる響香ちゃんの熱い鼓動が興奮を伝播させていく。

 

 

「しゅごい♥ 出久のちんちんすごいよぉ! ウチのアソコがきゅんきゅんしてるっ♥ イきそう、イっちゃう♥ 出久と繋がるの好きぃ! 出久好きっ♥ あんっ いいっ♥ くるよぉ! くるっ きちゃうっ すごいのきちゃう! イく、イっ~~~~♥♥♥」

 

 

 響香ちゃんが絶頂を迎える瞬間、彼女のイヤホン・ジャックが肛門に滑り込み前立腺に突き立った。僕はたまらず彼女の首筋に噛みつくようにして押さえ、腰を叩きつけ最奥で射精した。ドクン、ドクン、ドクン、ドクン。いつもの倍以上は吐精したんじゃないか。響香ちゃんは満足げに笑みを浮かべ崩れるように湯に沈む。……いや沈むのはマズイって! 僕たちは慌てて抱き起こし、湯船の外に寝かせた。

 

 



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輪姦合宿2  ☆☆☆☆☆

「響香ちゃんて案外激しいんやね」

「いつもは気絶まではいかないんだけど……」

「5Pだものね。きっと興奮しちゃったんだわ。ケロッ」

「まったく、前立腺刺激で普通より多めにお射精させるなんて……。後でお仕置きですわね」

 

 

 露天風呂でのハーレムセックスの途中、一番槍の響香ちゃんがダウンしたことで僕たちは自然と休憩の雰囲気になっていた。と思っていた瞬間が僕にもありました……。百ちゃんとお茶子ちゃんが響香ちゃんの様子を見ているが、梅雨ちゃんは岩場の上に寝そべった僕の上でその全身のバネを駆使して僕のチンコを貪っている。普段も見せる嬉しそうなけろけろ笑いをしながら、息を荒げることも無く梅雨ちゃんのサイクロンまんこがチンコを吸い上げる。普段と違うところを上げるとすれば、その口からだらしなく垂らされた舌と涎か。

 全身から漏らすように分泌した粘液を利用し、小柄な体と張りのあるおっぱい、ツンと尖った乳首を僕の筋肉で擦り、さらに性感を増していっているのが分かる。このままではいけないと、僕も負けじと梅雨ちゃんの尻を掴み気を合わせて強烈なピストンを加える。

 

 

「ふぐッ♥ 出久ちゃんっ、おいたは駄目よ♥ 今は私が気持ちよくしてあげる番なの♪ あんっ! あっ あっ 気持ちいいわ出久ちゃん! 出久ちゃんのおちんちんが私の蛙まんこを抉るっ♥ それ駄目っ すぐイっちゃうわ! 出久ちゃんのザーメンかけてもらうまで我慢♥ 我慢しなきゃ♥ けろっ けろっんっ♥」

 

 

 梅雨ちゃんはいつも僕を労わってくれる優しい女の子だ。そして小さい頃に出会ったせいなのかそれとも家族構成のせいか、お姉ちゃんぶろうとするのだ。だから初めてのときにバックから突いてみたのだが乱れっぷりはすごいものだった。自分の破瓜の血を舐めてそのままべろちゅーをしてきて、それどころか喉の奥まで舌を潜らせてきたのにはびっくりした。まさか僕の方がディープスロートをするとは。

 梅雨ちゃんの処女をもらったのは職場体験が終わった後だ。それから一カ月以上が経ち、最初の頃の硬さはすっかりなくなってむしろ渦巻く媚肉の筋が連動して見事な快感をもたらしてくれる。一突きごとに捩じり搾るような刺激が走り、異形型故か膣からまっすぐ到達できる子宮口が亀頭の先端に熱烈なキスを見舞う。いつか精液ボテか子宮姦でもしてみたいものだ。そうすれば僕のチンコも梅雨ちゃんの体内に全部挿入るだろう。

 

 

「梅雨ちゃん! そろそろ僕もイくよ! たくさん射精すよ、梅雨ちゃんの卵に精液かけるからね!」

「けろっ♥ だめよ出久ちゃん♥ 赤ちゃんは結婚してからよっ♥ でもザーメンほしいわっ♥ 出久ちゃんのざーめんっ♪ おちんちんからミルクがほしいのっ♪ だから射精していいのよっ♥ 梅雨の中にたっぷり射精してぇ!」

「うっ、イくよッ!」

「ざーめんみるくっ♪ いずくちゃんみるくっ♪ けろっ♥ ん゛ん゛っ~~~~♥♥♥」

 

 

 強烈なバキュームが下半身を搾り上げる。梅雨ちゃんの発達した脚の筋肉も総動員したサイクロンまんこハグ。ぎゅうぎゅうと強い刺激に耐えるために僕も梅雨ちゃんのDカップおっぱいを搾るようにぎゅぎゅっと揉む。すると梅雨ちゃんの色白乳首から粘液が母乳のように噴き出してくる。本気イキした証だ。そしてこの状態の乳首を吸うと梅雨ちゃんは連続アクメに突入する。実は粘液は梅雨ちゃんの個性が分泌した弱毒なのだが、この乳粘液だけは疲労がぽんととれるという毒なのだ。おかげでサイクロンまんこによるザーメンおねだりを受けた後でも僕のチンコは萎えることはない。複数人プレイ最大の功労者、それが梅雨ちゃんなのだ。

 

 

「えへへ、梅雨ちゃんもすっごいなー。次は私、だよ♪ きれいきれいしましょうね~♥」

 

 

 そういうとお茶子ちゃんは僕とお湯に指を触れ、ゼログラビティ状態の水球に僕を沈め、そのままEカップおっぱいでチンコをぐにぐにと洗い、僕の腰に手を回して潜望鏡フェラをする。

 

 

「おいひぃな~。私デクくんの味好っきやわー♪ んっ んっ もごっ れろれろれろぉちゅぽんっ♪ ここ好きだよねー? ちろちろーっと。えへ~、どうする、このまま一回口にせーえきだす?」

「うッ、くぅッ。いや、お茶子ちゃんのおまんこに射精したい」

「だよねー。デクくん中出し大好きやもんね。私もデクくんとセックスするの好きや♥ じゃあ、よっと!」

 

 

 楽しそうにしゃぶる様にあと一歩で射精しそうなところまで追いつめられてしまったが、せっかくならおまんこに射精したいのだ。フェラチオはフェラチオでいいものだけれど。

 おまんこ中出しをお茶子ちゃんにお願いすると、彼女は自分自身とお湯に指を触れさせ水球をさらに大きなものに交換した。そして自らも無重力になり僕の下になる位置に潜り込むと正面から抱き合う。軽くキスをしてすぐに薄茶色の控えめ乳首にむしゃぶりつく。お湯の中だから息継ぎのために中断しなければならないのがもどかしい。その様をけらけらと笑いながら見るお茶子ちゃんは、僕の頭を撫でながら腰の位置を整え、挿入を促してきた。

 リクエストに応え、僕はお茶子ちゃんと舌を絡めあいながら一気にチンコを挿入する。彼女は挿入時だけはキスをしていないと怒るのだ。一度寝ているお茶子ちゃんに寝バックで挿入したときなど、本気イキしながら涙ながらに説教するという微笑ましい光景を見せてくれたものだ。「繋がる時は全部一緒がええの!」という言葉は忘れられない。

 

 

「はあ~♥ めっちゃ落ち着くぅ~。デクくんのちんぽ最高すぎひん? まあ別の人のなんて知らないんやけど」

「分かってるって。初めての時あんなに血が出てたんだから疑わないよ」

「あー。あれほんとおかしかったよねぇ。全然痛くなくてむしろ気持ち良すぎて狂いそうやったのに、血だけはどばどば出てくるんやもん」

「ちゃんとお茶子ちゃんの処女膜は見せてもらったし、破るときのぶちって感覚も覚えてるよ」

「でも不安やったもん。薬飲んでるから生理のはずないのにドバァって」

「終わった後必死に僕のチンコを拭いてたね」

「せやね。そんで硬くなってしもてフェラして」

「パイズリフェラにはまったのはあれからだよね」

「うん。学校のトイレでシた時はどきどきやったね」

「声が出せないからタイミングがずれて顔に射精しちゃったとき、メイクがー! あ、リップしかしてなかった。ってのは笑ったなぁ」

「むぅ。今はモモちゃんが化粧品くれるもん!」

「お茶子ちゃんはメイクなんてなくても綺麗だよ」

「うっ。そういうとこ、ずるいと思います! ……そろそろ? ちんぼぷくーって膨らんでる」

「うんッ、もう射精すね」

「ええよええよ。梅雨ちゃんミルクで今のデクくん絶倫さんやもんね。お茶子のお腹にせーえきいっぱいちょうだい♥」

 

 

 たまらず射精した。お茶子ちゃん曰く絶倫さんの今の僕の射精は10秒では治まらず、もしかしたら1分以上射精していたかもしれない。いつのまにかお湯は落ち、しっとり濡れたおっぱいの柔らかさが僕の頭を受け止めている。お茶子ちゃんは僕の頭を撫で、足はいわゆるだいしゅきほーるど状態。

 一見すると平然としているように見えるお茶子ちゃんだが、実は僕が射精するまでの間に5回はイっている。そのたびに彼女の膣壁の襞がチンコを舐め上げ、よく10分も我慢できたと自画自賛したいくらいだ。まあ射精中に「おっほ♥」という声が聞こえたのは触れないでおこう。そこを指摘したら吹っ切れて酷いことになりそうな気がするからだ。

 名残惜しそうに絡みつくお茶子ちゃんの襞に一時の別れを告げ、僕はチンコを引き抜く。するとようやくゼログラビティが解除された。

 

 

「ふわぁ、記録更新や! やっぱデクくんちんぽは制御棒やね。入れてる間は全然酔いそうになかったもん」

「うふふ。でしたら次は挿入れたまま個性訓練をなさりますか?」

「さすがにみんなの前では……。峰田くんとかすっごい見てきそう」

「ですわね。私達を見ていいのは出久さんだけ。さあ、最後は私ですわ」

 

 

 くすくすと和やかに笑いあう百ちゃんとお茶子ちゃん。体育祭の後にお茶子ちゃんの処女をもらい、お茶子ちゃんが僕と百ちゃんの関係に気付いた時には修羅場を覚悟したものだが……少なくとも表面上は穏やかでありがたいことだ。

 

 

「じゅるッ ずぞぞぞぞッ じゅっぷじゅっぷちゅぽっん さ、綺麗になりましたわ。今日はどんな体位で愛していただけますの?」

 

 

 挑発的に妖艶な笑みを向けてくる百ちゃん。そのまま押し倒してもいいが、そうだ。せっかくなら見せつけてやろう。百ちゃんと視線を合わせると我が意を得たりと口角を上げ、洗い場の平らなところまで移動すると耐水性の樹脂マットレスを創造。女豹のポーズで僕を誘う。含み笑いをしつつ、百ちゃんの僕専用まんこにチンコを沈めていった――

 

 

 

 

――――――――――――――――

 

 

 

 

「あんっ あんっ 出久さんっ」

 

 

 私は何を見ているんだろうか。そんな益体も無いことを独り言つ。

 気付いたのは偶然だった。雄英の1年生たちは昼間からの踏破行の疲れで既に夢の中。私達も明日からの指導に備えて早めに休むかという話になった。そして片付けや布団を敷くのを流子と知子に任せ、私は念のための夜の見回りをしていたんだ。

 そうして風呂場に差し掛かった時、低い駆動音に気が付いた。それは受信ができない一方通行のテレパスを個性とする私が、災害救助で必要だと分かり鍛えた耳のおかげだろう。私は念話で声を届けられても、届いた相手から帰ってくるのは物理的な音。返事が聞こえなければ救助に至れないのだから。

 そんな私がギリギリで気付いた程度の音。聴覚強化系の個性持ちでもなければ他の生活音に紛れて聞き取るのは不可能。そんな音が、なぜこんな場所でしているのか?

 すわヴィランの仕掛けた罠か。とまでは思わなかったが気にはなった。だから音を探り、女湯側の脱衣所に入ったのだ。するとそこには三脚に据え付けられた球体上の機械があったのだ。十中八九サポートメカの類。近付くほどにかえって音が聞こえなくなり、それが特定の領域からの音を遮るように置かれているのだと分かった。その領域とは明らかに女湯。まさか入浴するためだけにこんな大げさな装置を使うまい。たとえそうだとすれば注意しなければ。

 私は妙な決意とともに擦りガラスの戸に手を掛けゆっくりと開き――声を聞いた。甲高いような思わず漏れ出たというような。それだけではない。ぬちゃぬちゃという粘りのある水音とぱちんぱちんという柔らかい肉のぶつかり合うような音。まさかと思いながら、少しだけ開いた戸を覗き。

 四つん這いになった少女とそれにのしかかるように覆いかぶさる少年。少女の規格外に大きな乳房が鷲掴みにされもにゅもにゅと形を変える。少年が円を描くように腰を動かすと少女が啼く。ズンという文字が見えそうなほどに腰が突き出され少女が啼く。媚びるように名を呼び、少年――緑谷出久が応えて悦ばせる。そうだ、今回の合宿に参加している緑谷出久と八百万百がセッ、え、えっちをしている。深いストローク、かと思えば浅く、ときには鋭く。熟練を思わせる(いや私は見たことないけれど!)ピストンで八百万を責め立てている。

 見てはいけない。いや注意してやめさせなければならない。大人として子供の蛮行を止めなければならない。でも動けなかった。気付けば腰が抜け戸にすがるようにへたりこんでいた。ごくり。音が鳴って初めて自分が食い入るように見つめていたことが分かった。顔が熱い。脈が速い。呼吸は浅く吐息が粘る。手が自分のものでないように動いていく。まだまだ若い娘には負けないはずのFカップバストを揉みしだいてしまう。浴衣をはだけ、パンツの中に手を突っ込みクリトリスを押し潰す。声が漏れないように下唇を噛み、それがいっそう鼻息を荒くさせる。

 霞がかった頭であらためて彼を見る。力強さを見せつける腕の筋肉、弛まぬ鍛練の証である割れた腹筋。女とは違う男を感じさせる胸筋。それいでいてどこか幼さと優しさを想起させる童顔――目が合った。バレた。どうしよう私は大人なのにこんなあっちょい悪な笑い方が意外にかっこいい違うそれどころじゃあっあっ気持ちいい、どうして指が止まらないのやだやだオナニーしてるの見られてる逃げなきゃ駄目止まらないイく、イくっ!

 

 

「ん゛っ♥ ん゛ん゛ーーーーっ♥♥♥ ふーっ♥ ふーっ♥ ん、ふふ、ふあははははは……ぐすっ。ふぇぇぇぇ」

 

 

 緑谷くんに見られながらイってしまった。情けない。惨めすぎて笑えてきた。そして泣けてきた。頭がぐちゃぐちゃだ。なんで私は処女なんだろう。見た目は悪くないはずだ。中身だって、ちょっとだらしないけど柔が可愛いっていってくれるもん。私、どうすればいいんだろう。

 途方に暮れているとガラス戸ががらりと開き、それに驚いて目を見開くと自分の体が実体のない黒い紐で縛られていることに気付いた。そしてそのまま一本釣りされるように引っ張られ、私は緑谷くんにお姫様抱っこをされていた。呆然と彼の顔を見上げる。

 

 

「気持ち良かったですか? でも、どうせならもっと気持ちよくなりましょうよ信乃さん」

「え?」

「僕が信乃さんを抱きたいんです。綺麗で可愛い信乃さんを見せてほしい。……いや、セックスするぞ信乃。信乃のおまんこに僕のチンコを突っ込んで膣内射精する」

 

 

 何を言ってるんだろう。私が、緑谷くんとえっちするの? なんで? シたいからする? んちゅっ。ふぁーすときす……。まあいっか。すごい、男の人ってこんななんだ。彼の体温が私に伝わってくる。堅く頼りがいのある体に触れると沸騰するように熱くなってくる。おっぱい好きなのかな? 自分でするよりずっと気持ちいい。流子、知子、柔。私女になるよ。二人には先を越されてたし、柔はもう男だけど、ようやく追いつける。うッ、痛い! でもすごい! 私今おちんちんでお腹が満たされてるんだ! ちゅっ。れろ、ちゅるるるるる! しあわせってこういうことなんだあ。あっ、赤ちゃんの部屋に精液かかってる。ピルちゃんと飲んでたよね。初めてちゃんと役に立ててあげられたのかな。ふはぁ。……え、まだするの? ちょ、まっ――――

 

 

 

 

 

 

 

 

☆☆☆

 

 

「あの日からもう5年も経つんだ」

 

 

 あの日、緑谷くんに処女を奪われた日。それ以降私は何かが吹っ切れたようで男にがっつくことはなくなった。すると不思議なもので、それまで無かった男性からの誘いがいくつもあった。

 緑谷くんと私では年齢が違い過ぎる。端から彼との結婚は考えていなかったが、それでも胸にぽっかりと穴が空いたようだった。そのせいだろうか、私は声をかけてきた男性で少しいいなと思った人とお付き合いをし、1年ほどで結婚した。そしてさほど時を置かずに妊娠し、今では3歳の子供がいる一児の母だ。

 子供も無事個性が発現した。私のテレパスと夫の『ヒールブレス』が合わさり、優しい言葉なら他者を癒し、酷い言葉なら他者を傷つける念波を送るという個性だ。

 夫も悪い人ではない。むしろ私を心から愛してくれている。私は今、きっと幸福の中にいる。

 

 でも、駄目なのだ。夫のペニスはそこそこ大きく精液の量も多い。夜の生活に不満が湧くようなことはない。ないのに。

 

 

 

 

――忘れられない。

 

 出久くんのたくましい腕。可愛いと褒めてくれる声。あどけないのに全てを受け入れてくれると確信させる顔。私のおまんこを抉るカリ。子宮を突き上げる亀頭。私を満たしてくれた初めての男。子宮で飲みこんだ彼の子種の感触は子を生んだ今でも思い出せる。

 ああ。私は出久くんの子供を生みたかったんだろう。私を組み敷き女を目覚めさせてくれた男の子を。

 娘もだいぶ手を離れ、そろそろ仕事に復帰しようと考えていた頃だ。そうだ、復帰の相談を彼にしよう。そしてあの日の夜をもう一度。

 私の愛を彼に伝えよう。私はワイルド・ワイルド・プッシーキャッツのマンダレイ、送崎信乃。個性はテレパス。遠い貴方に声を届ける。世界に愛を謳う。そのための私だけの“個性”。

 

 

「……もしもし、お久しぶりね。伊吹信乃です。今時間いいかな? そう。実は相談したいことがあってね……♥」

 

 

 

 

 



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不思議先輩  ☆☆☆

ついに自転車操業が火の車に……。毎日投稿潰える可能性大です。


「お゛っ♥ お゛っ♥」

「おら、射精すぞ! しっかり味わえよねじれ!」

「あひっ♥ お゛っ♥ イ゛く゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛!」

 

 

 雄英高校3年生、ビッグスリーとも称される波動ねじれ。それが今僕の精を注がれ無様なイき顔を披露してくれている女の名前だ。どうしてそんなことになったのか。それを理解するには少し時間を遡って考える必要がある。

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

「はぁい、ねじれちゃんハウスにようこそー!」

 

 

 お茶子ちゃんと梅雨ちゃんに呼び出され向かった先、そこにあったのは一見ペントハウスか何かに見える一軒家であった。そうペントハウスだ。ここは雄英女子寮の屋上なのである。

 そのペントハウスを前にしてとうしたものかと首をひねっていたら急にドアが開き、中から出てきた人物の第一声がこれだ。

 

 

「波動先輩? どうしてここに」

「ノンノン。ねじれちゃん、だよー?」

 

 

 ふわふわ浮きながらにこにこ笑顔で僕をじっと見つめている。そうだった、波動先輩はこういう人だった。抵抗しても無駄なので、僕はねじれちゃんと呼ぶことにし、彼女の招かれるままに家に入る。すると存外てきぱきとした動きでお茶の準備を整え、手作りと思しきクッキーと手ずから淹れてくれたジャスミン茶が差し出される。

 

 

「はい、あーん♪」

「いや、さすがにお茶は自分で飲みますから」

「そ? あ、でもクッキーなら食べてくれるんだ。じゃあ、んーぅ!」

 

 

 まさかの口移しである。いや、クッキーを銜えて突き出してくるだけだが。正直に言えば受けるのはやぶさかではない。波動先輩の美貌は学生ながらヒーローマニアがファンサイトを立ち上げる程度には注目されるものであるし、実際去年の学園祭ではミスコンで2位入賞したらしいのだから。

 とはいえ素直に受け入れるには躊躇してしまう。だってなんでこんなにフレンドリーなのかがさっぱり分からないのだ。

 波動先輩と出会ったのはインターン説明会とこの前のインターン、死穢八斎會への強制立ち入り捜査のときの2回だけなのだ。

 

 

 

 見るからに虐待を受けていただろう少女、エリちゃん。彼女とそれを追うオーバーホールとパトロール中に遭遇した僕は、ミリオ先輩の制止を無視してエリちゃんを保護。追撃をしようとしたオーバーホールにOFA30%相当のキックをお見舞いし、その勢いを利用してサー・ナイトアイ事務所に帰還。ナイトアイからは酷く叱られたが後悔は無かった。助けを求める子供を守れずして何がヒーローか。オールマイトの後継者以前に、人として譲れぬ一線。最終的にはオールマイトに電話してとりなしてもらうことで収まったが、安心するには早かった。

 

 エリちゃんからの事情聴取により死穢八斎會への捜査令状が下り、各地から伝手のあるヒーローに応援要請を出し着々と準備が進んだ。そして翌日に作戦会議を控えたある日、サー・ナイトアイ事務所が襲撃された。オーバーホールにではない。脳無にだ。

 脳無には拳も蹴りも通じず、打撃ではダメージを与えられなかった。ミリオ先輩が脳無を抑える間に僕はエリちゃんを連れて避難するよう命令され、それに従い最寄りの警察署へと駆けた。加減を間違えてエリちゃんが風圧でアブアブ言っていたのは申し訳ないが少し癒された。

 しかしそれが油断だったのだろう。突然道を遮った青い炎の壁。僕だけならともかくエリちゃんを背負ったまま突っ切ることを躊躇した。そこに鋭い殺気が降ってきた。閃く銀。左腕を切らせることで辛うじて致命傷を避け地面に降りる。ヴィラン連合だ。林間合宿で襲撃してきた奴らの中にいた顔がいくつか。でも僕に切りつけてきた女の子は初見だ。どんな個性持ちなのか分からない。迂闊に動けず、その間に包囲が完成してしまった。

 

 エリちゃんを奪われたときには僕はぼろぼろだった。全方位からエリちゃんをあからさまに狙った攻撃の数々を代わりに受け、全身が血塗れになっていた。それでもエリちゃんには怪我一つ負わせなかったことは僕の意地だ。結局負けたのでは無意味だが。薄れゆく意識の中で、初見の女の子が「かっこういいねぇ」と言って僕にキスして去っていったのは幻覚だったろうか。

 

 

 ともかくそんな手痛い敗北を喫した僕は、相澤先生の擁護により雪辱の機会を得た。ヴィラン連合が協力している事実が判明したことで事態は予想以上に逼迫していると判断され、作戦会議は死穢八斎會突入までの移動中に済ませることとなり、僕は傷も治り切らぬまま現着した。

 そこで会ったのが波動先輩だ。インターン先が応援要請を受諾していた切島くんや梅雨ちゃん、お茶子ちゃんには全身包帯塗れな様子に驚かれたが……。波動先輩は違った。どうして傷を負ったのか何をしていたのかを根掘り葉掘り聞かれたのだ。僕は悔しいやら恥ずかしいやらで何度も詰まったが、敗北したことを正直に告げた。

 説明会のときの様子を考えれば、正直に話したところで途中で飽きてどこかに行ってしまうだろうという打算もあったが、そうはならなかった。波動先輩は真剣に僕の話を聞き、最後には「よく頑張った。えらいね。かっこいいね」と言って僕を抱きしめたのだ。思わず泣きそうになったが堪えた。かっこいいと言われた側から格好悪いところを見せたくはなかったし、もし泣いたら傷が痛いのかと目の前の優しい女性が狼狽えるのがなんとなく分かったからだ。

 

 

 なんにせよ、波動先輩は不思議で優しい先輩という印象でしかなかったのだが……どうしてこんなことになったのか。

 どうにも事態を飲みこみ切れず、波動先輩の態度は僕をからかって遊んでいるように思えてきた。お茶子ちゃんと梅雨ちゃんも共謀して……。頭に血が上ってきている気がする。感情がやたら揺れる。なんなんだ?

 

 

「そろそろ効いたかなー?」

「効くって、何がですか」

「えへへぇ。び・や・く♪」

 

 

 は?(困惑)

 びやく、媚薬か? え、なんで。混乱する。どんどん頭の動きが鈍くなっていく気がする。プラセボ効果か。媚薬を飲まされたと認識してからどんどん下半身が熱くなってくる。履いているのがジーンズでなければもっとあからさまにテントが張られていたことだろう。

 

 

「あのねー、私、デクのこといいなって思ってて」

「え、僕とねじれちゃんってほとんど交流ありませんでしたよね?」

「そだよ。あんなに傷だらけになっても助けようって。あの目が好き。君が好き。デクはねじれのこと嫌い?」

「――僕のヒーローネームはゼクですよ」

 

 

 あまりに純粋で真っ直ぐな好意に、思わず逃げた。その真っ直ぐさは百ちゃんを思い起こさせる。怖いくらいに透明で綺麗だ。顔を逸らしてカップを傾ける。姑息な時間稼ぎ。そんな僕の頬を両手でふわりとはさみ、波動先輩の揺れる瞳が僕を覗き込む。

 

 

「むぅ~。今他の女の子の事考えたでしょ。今デクといるのはねじれだよ。だから今はねじれのことを見て。――ちゅっ」

 

 

 柔らかくしっとりとした感触が唇を襲う。柑橘系の爽やかな香りが鼻腔をくすぐる。

 

 

「ちゅっ ちゅっ♪ キスってすごい、ドキドキが止まらない。あっ」

 

 

 子供のような軽い口付けだが、まだ花開く前の少女の香りと触れる嫋やかな手の感触に僕の理性はあっという間に削り取られた。

 個性で浮いていた先輩の腰をつかみ、僕の上に座らせるように押し付ける。驚いて再び浮かぶことを忘れた先輩の眼を覗き見る。嫌悪や恐怖の色はない。むしろ期待するように揺れている。もう我慢しなくていいか。波動ねじれは僕を欲している。媚薬まで盛ったというのだ。ならば覚悟の上だろう。

 僕はねじれの顎をくいっと上げ、深いキスをする。一瞬彼女は固まったが、おそるおそる舌同士の愛撫を受け入れ、応じてくる。お互いが貪るように唾液を送り合うようになるのにさして時間はかからなかった。

 こうなると服が邪魔だ。ジーパンなんて履いてくるんじゃなかった。とにかくまずは上着を脱ぎ捨て、息継ぎに口が一瞬離れた隙にシャツも脱ぐ。ベルトを外そうとするが焦りのせいか上手くいかない。それに気付いたねじれがかちゃかちゃと外そうとしてくれる。ならばと僕はねじれの服を脱がすことにする。やたらとボタンや紐が多く肌着なども含めると布の枚数が多いガーリィファッション。破らないように気をつけながらもするすると脱がしていく。気付けばねじれは髪の色に合わせたスカイブルーのブラとショーツを残すのみとなっていた。が、僕のほうはまだベルトが外れていない。もしかしてねじれは男を脱がし慣れていないのだろうか?

 ついに痺れを切らしたねじれは個性:波動の力でベルトどころかジーンズ生地ごと粉砕し、残すはパンツ一枚となった。それをキスの合間にチラリと見たねじれはカチンという音がなりそうなくらいに硬直した。

 

 

「どうしましたねじれちゃん」

「え、だってこんな」

「ミリオ先輩で見慣れてるでしょ?」

「慣れてないよ! ミリオはすぐ裸になるけどちっちゃいままだもん!」

「……えっと、まさかねじれ先輩って初めてですか?」

「そだよ。あの時まではこんな気持ち知らなかったもん。みんなのことは好きだけど、その好きとは違うの。胸がきゅうってしたの。そうじゃなきゃおっぱい触らせたりなんてしないよ。どうしたらいいか全然分かんなくて、ウラビティに相談したら」

 

 

 えぇ……。いや、嬉しいことは嬉しいけれど。お茶子ちゃん、マジか。しかし突入の日の抱きしめはそういうことだったのか。フレンドリーな人ではあったけれど、確かに男子にボディタッチはさせなかったもんな。峰田くんがラッキースケベを装って触れようとしたら波動でぶっ飛ばされてたし。そうか。処女ならあんまり乱暴には――

 

 

「だからね? ねじれのこと滅茶苦茶にして。デクならいいよ。大好きだもん♪ きゃっ」

 

 

 にぱー、という擬音が相応しい笑みを浮かべてとんでもないことを言う人だ。いつもならまだしも今は媚薬が効いている。抑えが利かない。そうだ、これは媚薬のせい。梅雨ちゃんより大きくお茶子ちゃんよりは小さい推定Eカップおっぱいにむしゃぶりついた僕は悪くない。

 

 

「ひゃんっ びりびりくるよぉ! おっぱい吸っちゃだめぇっ。あんっ。そっちはもっとだめだよぉ、汚いよぉ!」

 

 

 少し汗の臭いがするくらいで、陰毛は整えられているし臭いわけでもない。シャワーを浴びていないからだろうか。あまり嫌がることをしたいわけではないのでクンニは諦め、あやすようにキスをしながら全身を撫でさすりねじれを高めていく。

 

 

「はぁっ はぁっ デクぅ デクぅ」

 

 

 すっかり出来上がったようだ。僕の手をきゅぅきゅぅと握りしめながら名前を必死に呼んでいる。下着も脱がせたし、クリトリスを刺激して軽くイかせもした。痛がらせないように慎重に膣口を手で掬う。

 

 

「もう準備万端ですね先輩」

「あうぅ、名前で呼んでよぉ。お股が切ないの。いじめちゃやぁなの」

「……ねじれ」

「はぁい♥ やっと呼んでくれたね。好きよデク」

「ねじれの処女もらうよ」

「うん♪ 波動ねじれはデクの女になります。いっぱい好きして? あっ いたぁ……いけど、息苦しい感じ」

 

 

 ねじれは少しだけ苦しそうだが案外平気そうだ。18歳とは思えないぴったり筋まんこだったねじれのおまんこが僕のチンコで押し広げられ、かすかな隙間を縫って処女を散らした証を流している。

 僕の首に手を回して嬉しそうににこにこ笑っている彼女だが、一方で僕は全く余裕がなかった。これまで抱いてきた女性の誰とも違う膣感覚。処女らしい強い締め付けだけでなく、これは膣道がうねうねとねじれているのではないだろうか。そのねじれによってただでさえ強く締まりチンコを刺激する媚肉が、予想外のところで肉棒を舐め上げ、擦り、油断できない。媚薬と長い前戯によって辛抱が限界の僕にはきつい。このまま射精してしまうのは悔しいが限界だ。せめてもの抵抗に最奥を突き上げるように強引に捻じ込む。ごりゅ、という幻聴が脳に響いた。

 

 

「あひっ♥ んっ んっ んんっ♥ おなか、あちゅいよ♥」

 

 

 射精の痙攣に合わせてねじれの膣肉が震え、互いの粘膜が擦り合いさらに快感を生じさせる。荒い息を吐き呼吸を整えるがチンコはまるで萎えそうになり。そのまま奥をぐりぐりと刺激しながらおっぱいを揉む。膨れたパフィーニップルを指先で繊細になぞり、ねじれの漏らす嬌声を楽しむ。

 

 

「あっ あんっ やぁん、まだおっぱい出ないのにぃ♥ ちゅうちゅうされるの気持ちいい! それダメっ♥ おっぱい飲みながら突くのらめぇ♥ くりゅ! なんかくりゅのぉ! んきゅ~~~~っ♥♥♥」

 

 

 僕の頭を抱きかかえ脚は腰を抑え込むように絡む。体を丸めるようにしながら幾度も震え堪えきれなかった声が漏れている。可愛らしい反応に腰が止まらず、僕もいつもよりずっと早く吐精しながら腰を振り続ける。たまに思い出したようにキスをし、息が止まらないように体勢を入れ替えねじれが上になる形で突く。突く。突く。

 

 

「お゛っ♥ お゛っ♥ お゛ん゛っ♥ お゛ほっ♥ ひぃっ♥ イってりゅ♥ イってりゅからぁ♥ イ、イっく゛ぅぅぅぅ!!」

 

 

 止めてほしいようなことを言うねじれだが体はそうは言っていない。足は僕の骨を軋ませるくらいに強く絡めているしおまんこは3Dねじれまんこから進化して、なんと媚肉から微弱な波動を発して時間差で強い快楽点を発生させる4Dねじれまんこと化しているのだ。既に10回は射精させられている。だがまだまだだ。あと10回は射精せそうな気がする。いっそこのままねじれの子宮を僕の精液で満たしてやろうか。

 

 

「そこまでだよデクくん!」

「出久ちゃん、いくらなんでもやりすぎだわ」

 

 

 聞きなれた僕の恋人たちの声だ。腰を動かしながらもそちらを見ると、顔を引きつらせながらもいそいそと服を脱いていく。お茶子ちゃんは紫の総レースで乳首とまんこ部分が開閉できる仕様のエロ下着。梅雨ちゃんは一見何の変哲もないがよく見れば異様にぴったりと張り付き乳首やクリトリスの形がはっきり浮き出ている、その上布自体が微細に振動している赤いバイブ下着だ。たぶん梅雨ちゃんの下着は百ちゃんか所有の技術部に作らせた特注品だろう。

 お茶子ちゃんがパンツを脱ぐと軽く糸を引いているのが分かる。梅雨ちゃんのほうはだいぶ大きくなった乳首とクリトリスがビンビンで、しかしあまり濡れているようには見えない。

 お茶子ちゃんが個性で僕を浮かしベッドに放ると梅雨ちゃんが凄い速さで飛び乗ってきた。するとチンコの真上で狙いを定めるようにサイクロンまんこを開き、滝のような愛液が降りかかる。

 

 

「様子を見に来て正解だったよ」

「ここからは私達がお相手するわ。ケロッ。10回20回で済むなんて思わないことね、出久ちゃん」

「はい、デクくんの大好きなふわふわお茶子っぱいでちゅよ~♥ 今ならサービスで指をおまんこご奉仕してあげまちゅからね~♥」

 

 

 条件反射で僕はお茶子ちゃんのFカップおっぱい(成長したのだ)の乳首に吸い付き、ぬるぬるずりゅずりゅのお茶子まんこで指が現れる。

 その間に梅雨ちゃんが僕のチンコをぶじゅっという音を立てながら飲みこみ、舌で全身をねっとり舐めながら杭打ちピストンでバストと髪を振り乱しながら精液を飲み干していく。

 

 

 

 

 

 そうして数時間後、臭いを消すのに苦労したせいで夕食を食いっぱぐれた。結局残り物のご飯と希乃子ちゃんに個性で出してもらったキノコの雑炊で腹を満たしたのだった。

 馬鹿ノコ阿保ノコえっちノコ! と罵倒されたのは甘んじて受けた。いただきマッシュと言ったらスパーンといういい音のビンタをもらい、平手の痕にキスをされた。なんでだ。

 

 

 

 

 



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卵の甘さ  ☆☆

二つに分けるべきだったかも?
ということでさすがに明日に次話は間に合わないと思います、無念


 ぱちゅん、ぱちゅん。

 12月某日。奈良県は奈良市、県立中央総合体育館内にある男子トイレの中から男女の話し声と粘つく水音が聞こえてくる。

 

 

「ああ、切奈ちゃんのおまんこ気持ち良いよッ」

「でしょー? ま、生でさせんのは緑谷だけだけどっと」

 

 

 緑谷出久と取蔭切奈である。雄英高校ヒーロー科1年生の二人がなぜここにいるかというと、公安委員会の推進する「群れとしてのヒーロー」意識醸成のための校外活動の一環である。雄英高校や士傑高校などのいわゆるエリート校の中でも成績優秀な者達を出張させることで横の繋がり、連帯感を持たせようというものなのだ。

 

 まあ結果から言えば失敗だ。考えてもみてほしい、よくて同級生、大半は上級生という状況。ヒーロー科に入るような者は多くが自負を持っている。良く言えば誇り高い者達がさしたる実績もない年下の子供がエリート・教導の看板を背負っているのを見て素直に従うわけがない。

 幸いなことに二人と同じ班として派遣されたのは鉄哲徹鐵と尾白猿夫という武闘派で固められていた。片っ端から説得(物理)をすれば良いのだから、後半の部では多少は交流を深められるに違いない。

 

 なお、北海道に派遣された轟焦凍はその炎を歓迎されて除雪を手伝わされて疲労困憊。沖縄に派遣された爆豪勝己は汗に寄ってくる虫を一心不乱に爆殺する様を微笑ましく見られていた。八百万百はセクハラしようとする男子生徒を氷点下の視線をくれながら徹底的に制圧し、万物の女帝という二つ名を贈られていたりする。

 

 まあそんなこんなで少し長めに取られた昼休憩の間に出久と切奈はストレス発散の慰労をしていたというわけだ。

 切奈はその片目と片耳を飛ばして周囲を警戒し、腰は大型オナホールのような状態で出久が掴み縦横無尽にそのペニスを抽挿している。口も出久の股間近くに浮遊させ奉仕したり耳元で囁いたりと忙しない。

 

 

「あ~、やっぱ緑谷のちんぽ効くね」

「僕には良く分からないけど、そんなに違うもの?」

「違う違う。ぜぇんぜん違う。鉄哲なんかは興奮するとちんこ鉄にするからごすごす痛いし冷たいしで気持ちよくないんだよね。尾白は普通すぎてつまんないし。瀬呂は結構上手いけどすぐテープで縛ろうとするからキモいし、爆豪は激しくすればいいとでも思ってるんでしょ、全然駄目」

 

 出久が興味を示したとみて饒舌に語りだす切奈。実は彼女、出久に疑惑や批難の目を向ける男子学生陣を籠絡してヘイトを解消するという隠れたファインプレーをしているのだ。取蔭切奈、尽くす女である。

 

 

「つーかウケるのは峰田だね。私のまんこべろんべろん舐めてちんこに手も触れてないのに一発、少しは落ち着いたかなって思ってコンドームつけてあげたらそこでも一発暴発してんの。あんまり可哀想だからフェラ抜きしてもう一発出させてやったけどさあ。キャハハハ!」

「切奈ちゃんって結構なさせ子だ」

 

 

 出久が複雑な表情で嘆くと、切奈はケタケタと笑ってにやりと口元を歪める。その間も出久のホールドが緩んだ腰を自分で動かし、ぐるんと回転させるなどしながら出久への奉仕はやめない。

 

 

「私の個性は諜報向きだからね。女スパイなんて男と寝て情報すっぱ抜いてなんぼでしょ。でもこんな風に私から甘えたり生で、しかも中出しまでさせるのは緑谷だけ。あとキスしたあと歯を磨かないのも精子飲むのもオナホになるのだって、緑谷だけ」

 

 

 警戒に出していた目を戻して、切奈は真剣な視線を向ける。奔放に振る舞うようにみせて真実想っているのは出久だけなのだ。演技で情熱的に愛を語ることもあるが脳の一部を分離させ、常に冷静で酷薄な心を残す。出久に処女を捧げられなかった彼女が全霊をかけて編み出したPLUS ULTRAである。

 

 

「あ、射精そう? いつでも好きに使って好きに射精してよ」

 

 

 うッと呻く出久。それを見て満足そうに微笑み腰をぐりぐりぐりぐりと動かし、浮かせた手で一滴残らず搾り取る切奈。お掃除フェラも済ませウェットティッシュやペーパータオルで後始末まで甲斐甲斐しく世話する。

 自身の膣にはタンポンのようなもので精液の逆流を防ぐ栓をする。言うまでもなくこれは相手が出久だからである。中学時代に付き合っていた彼氏のときは中出しどころか生ハメはさせなかったし、出久と出逢ってからは他の男に触られた場合は身体を切り離して破棄、再生して新品にしているのだ。

 

 自切からの再生は再生後しばらくその部分を切り離せないしかなりのカロリーを消費するというデメリットがあるため、著しく損傷した場合でもなければしなかったことである。だから出久に初めて抱かれる予定が決まったときには喜び勇んで下腹部を破棄し、再生させた。しかし現実は非情であった。処女膜は再生されておらず、そのくせ生えたてで刺激に弱くなっていたことで挿入の痛みに泣き叫んでしまったのだ。

 無論出久はそんな彼女を慮り無理に致そうとはしなかった。申し訳なさと情けなさに涙が止まらない切奈をあやした。切奈が本当の意味で堕ちたのはこのときだったろう。出久至上主義で他の男子に目を向けない八百万百だけでは致命的な破綻が起こると予見した切奈は自らの肉体で出久を守ることを決めたのだ。ある意味で彼女の二つ目のオリジンである。

 

 

「さーて、午後からも頑張りましょうそうしましょっと。あ、女欲しかったら言いなよ? 私でもいいしなんならここ来てるのからでも。適当に言いくるめて据え膳したげる」

 

 

 波打つ髪を指で弄びながら、晴れやかな笑みでそういったのだった。

 

 

 

 

―――――――――――――

 

 

「コンビニって便利だよなー。売れないヒーロー事務所は兼務すればいいのに」

 

 

 なんとも馬鹿げたことを言いながら夜道を歩くのは「全国ヒーロー科交流促進会」の日程を終え、明日に壮行会という名のおっさんによる無駄説教会を残すのみとなった緑谷出久である。

 雄英に帰ればみんなに会えるというのがご機嫌な理由の一つであるが、もう一つ理由がある。出久としてはこの二泊三日の性欲処理は切奈がしてくれると思っていたし切奈もそのつもりであったのだが、鉄哲と尾白の懐柔を行うことにした結果彼女は出久とまぐわうことを断念した。

 なぜかというと、出久が冗談だと思っていた据え膳に仕立てて女を都合するという宣言はあながち冗談ではなかったからである。切奈としては出久を満足させられそうな女がいればそいつを嗾けようと考えていた。そして見つけたのである。

 その女の名は誘張耀姫(ユウバリ ヨウキ)、17歳。腰と肘がスライム状の半透明な軟体で他部分は普通の無個性の人間と変わらない変異型の肉体を持つ発動型個性の持ち主だ。その腰や肘を活かして複雑ながら優美なダンスを舞い、心臓の鼓動で増幅したダンスエナジーを目からビームの形で照射する、個性:『幻腰励舞』。そのビームは本人のおおらかで明るい性格を反映したのか受けたものに加護を与えるという支援個性だ。

 まあそれはどうでもいい(出久にとっては個性も大事なのだが)。特筆すべきはFカップの巨乳美人ということだ。百や一佳、ねじれに匹敵する容姿である。そんな女が切奈の代打として出久に抱かれるというのだから切奈の手腕に戦慄すら覚える。

 処女だというのに凄まじい腰捌きで、発情期とでも言うべき時期以外には子宮が存在しないことで、半透明のゲル部分にペニスが抜き差しされるという不思議な光景を楽しみながら愉しめたのだ。肘を捩じってその反動によるトルネード手コキだとか、同じく腰を捩じってのスクリューまんこといったことをノリノリでやってくれる素晴らしい女であった。ちなみにイくと母乳を噴くという特異体質でもあり、当然の如く出久は堪能した。

 ちゃっかり連絡先も交換しているあたり筋金入りのスキモノに育ったようだ。きっと原作出久には軽蔑されるだろう。

 

 さてそんな浮かれた幸せ野郎には報いがあるものなのか、幸福量保存の法則というやつか。緑谷出久を不運が襲った。

 

 

「出久くん、見ぃつけた」

 

 

 突然背筋に走る悪寒。手に提げたコンビニのビニール袋を放り出し前転するように跳ぶ。背骨に沿ってコートから肌着までが見事に縦に切り裂かれた。手練れ。冬だというのに冷や汗が一筋垂れる。振り返り街灯に照らされる襲撃者の姿、それは。

 

 

「君は、エリちゃんを攫ったヴィラン連合の!」

「トガヒミコって言います。よろしくね出久くん?」

 

 

 あまりに邪気の無いにんまりとした笑顔。自分は本当にこの女子高生に襲われたのかと一瞬疑う。だが手に煌めく銀の刃がその疑念を斬り捨てる。間違いない、ヴィランだ。

 

 

「……いったい何の用だい」

「実はですねー、えへへ。私君の事好きになっちゃったんですだから――」

 

 

        血を見せて?

 

 

 

 

 

 

(――速いッ! 場所も悪い、加減が難しいぞ!?)

 

 

 無拍子で繰り出される果物ナイフ。人通りがたまたま無い、不法投棄か放置かされた錆びた自転車や水色のお馴染みゴミ箱に打ち捨てられた看板などの廃材。都合の悪いことはさらにある。近道のつもりで入った路地はうらぶれたファッションビルに挟まれた場所なのだ。とことん回避に不利な地形だ。

 無拍子の加減速による絶妙な間合いの取り方。閃く銀。散る赤。低威力のパンチやキックは簡単に避けられ、だからといって高威力にすると壁や地面に手足がぶつかるように誘導される。確実に傷が増えていく。らちが明かない。

 

 

「っ! 奪りましたァ! ん?」

「肉を切らせて!」

 

 

 出久が腹部に構えた掌を貫く刃。滴る血もそのままにナイフごとトガの手を捕まえる。ありきたりな策。当然トガはナイフを離して振りほどこうとする。が。動かないのだ。動かぬ腕に目を見開き凝視するとその手が黒い何かに覆われていく。黒鞭だ。

 黒鞭はOFAで強化されたことで、触れたものの運動エネルギーを奪い空間に固定する特性を得た。つまり黒鞭が触れているものは動かず、動かせず。人間ならば触れられた部位が麻痺して動かないようなものだ。これで縛り上げれば並大抵のヴィランは無力化される。今回もそうなるはずであった。

 

 

「わたしも腕が動かないけど、出久くんも動けないでしょ。クジラだろうが一刺しで土左衛門だぜとか言ってたのに、結構かかりました」

(毒……!)

 

 

 もし出久にステインとの戦闘経験があればまた違った結果になっただろう。しかしこの時間軸ではまだ遭遇していない。インゲニウムは再起不能にされたが保須に留まることはなく、今も月に一人のペースでヒーローが狩られている。

 つまり出久は相手の血を利用する個性との戦闘経験がなく、それは切り傷への忌避感を薄くさせるに十分だった。痛みだけなら我慢すればいいと、出久は思ってしまっていた。当然ながら毒ナイフなど想像の埒外。彼にとっての毒とは八百万百が戯れに創造するガスなどの大量殺戮、大量破壊を目的とした広範囲攻撃だったのだ。わざわざナイフに塗って個人を害する発想がなかった。勉強不足だ。

 

 

「えへぇ。これでやっと、やっと!」

 

 

 ニタリと、耳まで裂けたと見紛うほどに口角を上げゆらりと笑う。軽やかに踊るように飛び跳ね全身で喜びを表すトガヒミコ。前のめりに崩れ落ちた出久はどうにか視線を動かして女ヴィランを睨む。そしてその視線の先にライトグリーンの絹地に薄ら生える陰毛が透けるようなレースで彩られたパンツが映り困惑した。

 

 

「あっ! 見ました? 見ましたねぇ。かぁいいでしょ? これ高かったんです。でもえらいおじさんを内緒で殺して来ればお金くれるっていうから頑張ったんです」

 

 

 じゃあ行きましょうねー、と出久をいつの間にか用意した台車に載せ、近くの民家に連れ込んだ。何の変哲もない柔らかな雰囲気を醸す一軒家。暖色系の照明で溢れいかにも幸せな家庭といった風情。だが肝心の人がいない。食卓には食べかけのまま放置された夕餉が置かれ、それをしり目に出久は風呂場に放り込まれた。服が剥ぎ取られ全裸にされると湯で体をざっと洗われる。舌すら動かない強烈な痺れ毒。されるがままの出久を仰向けにしてヒミコは一度脱衣所に出て、衣擦れの音のあとに風呂場に戻ってきた。

 

 

「どうですか出久くん。わたし綺麗ですか。買った下着も見てもらえましたし、あれ高かったんです。だから出久くんももっとかっこよくしてあげます」

 

 

 支離滅裂な言動に、手には裸体に場違いなナイフ。この時のために用意したと言わんばかりの女子高生的なデコレーションをされた刀身が薄紅色のナイフ。砥ぎたてで切れ味が良さそうなのは幸か不幸か。

 無造作にナイフを振るい、出久の胸に一筋の傷が生まれた。辛うじてできていた呼吸が一瞬詰まる。深くはないが痛みは十分感じられる、そして流血する程度の切り傷。トガヒミコは息を荒げ自らCカップの先端を刺激しながら傷を刻んでいく。

 

 

「えへへ。このナイフには興奮剤になる毒が塗ってあるんです。でも副作用で死んじゃうから、これがあるんです」

 

 

 そういって出久の腰に跨ったヒミコが一つの錠剤を見せびらかし、自らの舌に乗せた。そして出久の唇を奪う。

 

 

「んちゅっ。れろ~。解毒剤です。これを飲めばお馬さんもびっくりの勃起になるんだって。水は無いからわたしのつばで飲んでくださいね。んぇー♪」

 

 

 本当に解毒剤なのかは分からないが出久には飲む以外の選択肢が無かった。幸いと言うべきか、ディープキスのついでにもたらされるヒミコの唾液は多く、上手く動かない喉でも嚥下するのに困ることはなかった。

 痺れているはずなのにもたらされる感触だけはいやに強調され、弄ばれる舌が、傷だらけでいくつもの溝ができている胸に血を潤滑剤にしてヒミコが塗りつける乳房の柔らかさ、その中にある乳首のこりこりとした弾力。熱く湿った股間が出久の陰茎に擦られる刺激。

 

 

「あはっ♥ 硬くなってきました。はぁっ、欲しい。出久くんが欲しいです。わたしの血をあげるね?」

 

 

 命の危機故か怒張したペニス。それに歓喜するヒミコ。既に出久の血を舐め啜り傷をほじくるようにしゃぶることで人に見せられないような喜悦の表情を浮かべていたが、ついにはナイフを出久の腹に突き立てて手放し、馬乗りのまま自らの膣にずるんと挿入させた。

 

 

「ひぎっ! 繋がった、わたし出久くんと一つになってる! すごい! 腰が止まらないです! 痛いのにすごい! 出久くんがわたしのおまんこを傷つけて血が混ざってる♥♥♥ あっ、イクっ♥ わたしと出久くんが混ざってイク! あっ、あああああああ!!♥♥♥」

 

 

 ヒミコが体を反らして絶頂を受け入れる。どろどろに蕩けた膣肉の中に硬く牙のような肉瘤が紛れたトガヒミコのまんこ。興奮剤のせいか耐えられずに射精する。腹筋に刺さったナイフが射精の度にその存在を主張する。

 胎に精を受けたヒミコがさらに絶叫し、ビンビンに屹立した乳首を天に伸ばすかのように両二の腕で挟まれ上を向く。射精に合わせて幾度も大きく痙攣し、ついにヒミコは前に倒れる。出久に刺さったナイフの上に。全体重が乗る。

 

 

「ギッ!!」

 

 

 たまらず声が出た。腹筋が鋼の侵入を拒むように締まる。

 理解した。出久は理解した。体が動く。完全ではないが自分の意思で動く。ならばすることは一つ。手の角度を変え黒鞭を伸ばしナイフを無理矢理抜き、そして――

 

 

「ひぐっ♥ まっへ! イっへりゅ! イっへりゅひゃらぁ♥」

 

 

 鬼突きである。出久は既に理性が飛んでいた。ひたすらに目の前の女を犯すことしか考えることができない。黒鞭と浮遊、OFAを同時起動してヒミコを拘束しつつも最小限の力で移動し、壁に押し付けるようにしてこれまで抱いてきた女達から鍛え上げられた性技を発揮する。

 この民家にいただろう人達は無事なのかとかヴィランで自分をレイプしていたとはいえヒーロー候補生の自分がレイプじみた行為をしていいのかとか、そういった真っ当な思考は欠片も浮かばない。流し込まれた毒と薬効、体から抜け落ちる血の気による異様な清々しさ。目の前の雌を屈服させ孕ませんとする雄の本能。全てが奇妙に噛み合って出久はヒミコを快楽の地獄に突き落とそうとする。

 

 

「ヒミコちゃん君は悪いことをしているんだよ。人を殺すのは駄目だし無理矢理セックスしようなんてのも駄目だ。ヴィランは懲らしめないとならない。更生させないとならないんだ。分かるね?」

「ひゃいぃぃぃ♥ ヒミコは出久きゅんの性奴隷になりましゅっ♥ これからは悪いことをせずに出久きゅんと気持ちいいことしましゅっ♥」

「よし良い子だ。これはご褒美だよ。しっかり受け取るんだ」

「はいっ♥ 出久くんの赤ちゃんの素をしっかり受け止めます♥ んほぉっ♥ きたぁ! ちゅぅっ ぢゅるるるるるっ んはぁ♥」

 

 

 トガヒミコが軽重合わせて本日100回目の絶頂を迎え、出久が彼女に前後上下合わせて13回目の射精をキメて白濁に穢した。

 すると出久はそのまま崩れ落ち大の字に倒れて動かなくなった。ヒミコは完全にトリップしており、彼を介抱する人間はどこにもいなかった。

 

 

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

「いやー、緑谷がついに女に刺されたって聞いたときは笑ったなあ!」

「瀬呂くん!?」

「ヤオヨロッパイを独り占めしやがった報いだぞバカヤローッ!」

「峰田くんまで! ヴィランに不意打ちで刺されただけだってば!」

「そっちのほうがマズくねェか。緑谷の強さはみんな認めてる。それがヤられたってのは見過ごせねェ」

「轟くん、それはそうなんだけども」

 

 

 派遣労働(上鳴電気命名)が終わり日常が戻ってきた雄英高校1年A組の教室では皆が散っていた間のできごとを肴に雑談の華が咲いている。

 

 気絶した出久が目覚めたのは病院のベッドだった。9歳の時とは違い油田状態ではなく、あれだけあった切り傷はすっかり治った後であった。傍らには出久の手を握ったまま眠る取蔭切奈の姿。

 意識が戻り検診が済み、退院手続きを待つ間に切奈から事情を聞き出す。現在位置は雄英高校近くにある契約病院で、出久が襲撃された日から今日で2日目なのだそうだ。とはいえそれは日付上のことであって、実際は1日ちょっとである。眠っている間にリカバリーガールが個性で治癒してくれたとのこと。

 切奈はその間個性で手足や目耳口を飛ばして事後処理をしつつも付きっ切りで居てくれたそうだ。遠方に派遣されていた者達が今朝ようやく全員帰還し、午後から報告会を兼ねたお疲れ様パーティを予定しているのだとか。

 

 ところで出久とヒミコがあの後どうなったかだが、まずヒミコは逃げたようだ。出久が帰ってこないことに気付いた切奈が鉄哲と尾白の誘いを断って行方を捜索。打ち捨てられていたコンビニ袋とその付近にあった血痕、その血痕から続く車輪の跡を辿り出久が連れ込まれた民家に行きつき、風呂場で大量出血をした傷だらけの出久を発見。幸い腹の傷以外は致命傷には程遠く、腹の傷自体も既に筋肉で塞がっていて緊急ではなかったらしい。

 とはいえ大怪我には変わりなくすわ一大事と騒ぎになりかねなかったのだが、結局は痴話喧嘩ということで事件は隠蔽された。出久としてもヴィランを取り逃がした事実が無かったことになるのだから納得しろ、ということらしい。

 出久としてはむしろインターンで危険に巻き込まれたことを怒っていた母引子に知られないということのほうがありがたいのだが。

 そしてあの民家であるが、警察が捜査しようとしたところ忽然と消えていたという。記録上も何年も前から空き地であり、本当に家などあったのかというところから疑義が生じてしまった。

 とりあえず被害に遭った可哀想な家族はいなかったんだということで出久は胸をなでおろした。

 

 がやがやと騒がしい教室内で、ツッコミ疲れた出久は携帯端末に現実逃避することにした。適当なネットニュースサイトを流し読みしていると。

 

 

『ついに連続殺人犯の身元特定! 暗殺JKの恐怖!

 ここ数週間で相次いで発生した数件の殺人事件が同一犯の犯行であることが本紙記者の調べで分かった。被害者の共通項は個性の重規制推進派であることで、明らかに政治的意図のある連続殺人である。記者が入手した監視カメラ映像にはいずれも同一の人物が映し出されており――』

 

 

 表示されていた画像を見ると、そこにはあのトガヒミコである。どうやらつい数日前にも犯行がなされたという。おぼろげに記憶に残る性奴隷宣言であるが、やはり情事の最中の発言などあてにはならないということだ。

 薬のせいだと言い訳はできるが、出久自身はそれで納得はできない、してはいけない。今度こそ油断せず捕まえてやる。そう心に誓った。

 

 

 

 

 

 

 





ちなみに切奈ちゃんは二泊三日の間に出久以外に抱かれることはありませんでした。
というより童貞には優しい(籠絡しやすいので)けど二回目からは安売りしません。
焦らしていなして弄ぶいやらしさを全力で発揮してヘイトコントロールに勤しんでます。
よほど切奈ちゃんにとって望ましい手土産(デクくんへの貢献とか)がないとせいぜい手コキやフェラ止まりで済まされます。


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ある日の非日常 その1 V.D.編  ☆

ちょっと感想返しではっちゃけすぎたのでマイルドに変更すると思います。
感想もらえると嬉しくてついヤっちゃうんだ。センセンシャル!
エピローグで少し触れるくらいで、そこまで時系列順に詳述するつもりはありませんが。


 時は2月の中旬、前月の爆豪拉致事件、そして2月初旬に行われた神野決戦。オールマイトの真実が白日の下に晒されついに絶対のヒーローがもういないことが知らしめられた。

 多くのヒーローが参加した爆豪救出作戦中に起こった神野決戦により中堅や若手有望株の多くが死ぬか再起不能の怪我を負ったことで町で見られるヒーローが一時的に減った。その代償がAFOの逮捕・収監である。余罪が多すぎて法治国家としては刑に処するための俎上に上げることすらできていないという前代未聞の巨悪。しかしそんな巨悪の醸す闇を払ったのはまたもオールマイトだった。

 引退会見時の、「次は君だ!」宣言は日本のみならず世界中に届けられた。その結果――雄英は未曽有の危機に見舞われている。

 

 

「先生たちも人使いが荒いよ……」

「まあまあ、そう仰らず。後輩たちのためですもの」

 

 

 僕こと緑谷出久と八百万百ちゃんは1-Aのクラス委員だ。だからというのは分かるのだが、それでも愚痴りたくもなる。入試準備に駆り出されているのだから。

 オールマイトの会見後、次は自分だと夢見た中学三年生はまずできることとしてオールマイトの母校、そして絶賛教師生活中である国立雄英高校への入学を目指した。つまり志願者が例年の数倍に膨らみ、受験会場が足りなくなったのだ。そうなると教師だけでは準備が間に合わない。サポート科も総動員体制、経営科は事務仕事で獅子奮迅。普通科は雑用、ヒーロー科は教師が対処していた低難易度の仕事を担わされている。

 

 

「インターンを経験したのだから簡単な仕事ならできるだろう。やれ」

 

 

 あの相澤先生までもが死にそうな目(普段からか?)で頭を下げてきたのだから三奈ちゃんですら茶化すことができず、悲鳴を上げながら作業をこなしている。先生たちの大変さが身に染みる。

 まあお茶子ちゃんは御両親の建設会社が一部作業の発注を受けたことでそちらの応援に回っているし、家計が楽になると喜んでいるのだが。

 

 

「そういえば今日も女子寮は男子禁制?」

「ええ。いくら出久さんでも当日までは立ち入り禁止ですわ」

 

 

 そう、そろそろバレンタインデーなのだ。その準備も並行して行っているために今女子寮は修羅場を超えた修羅場と化している。乙女たちの戦場、だそうだ。乙女は何人残ってるんだ、という疑問はさすがに口には出せなかった。

 とはいえちょくちょく女子が潜り込んでくるので僕の爛れた生活は続いている。毎日のトレーニング終わりを見計らってくるのだが、どうやって計っているんだろう?

 

 

 

☆☆☆

 

 

 そして訪れたバレンタイン当日。僕たち男子は女子寮の食堂に招かれていた。そこにはパーティ料理が所狭しと並び、ついには唯ちゃんが石窯焼きピッツァを出してきたのは驚きだった。個性で石窯を持ち込んで焼いたんだとか。A組とB組が揃って和気藹々としているなんて、体育祭の時は思いもしなかったけれど上手く仲良くなれてよかったと感慨深い。

 最後にはお約束の義理チョコ祭りだ。峰田くんなんか目を血走らせて見開きながら涙を流すという器用なんだか怖いんだかよく分からない状態だった。青山くんもなんだかんだ嬉しそうにしていたのが可笑しかった。

 

 そうこうしているうちに門限の夜9時を迎え、僕たちは風呂に入り自室へ帰った。――ここからが僕の本当のバレンタインデーだったわけだ。

 まずレイ子ちゃんが迎えに来てくれた。浮遊で体感体重を軽くすることで彼女のポルターガイストの負担を減らし、男子寮から秘密裏に脱出。その後は女子寮のセキュリティを百ちゃんの手引きで突破し(なんと電子ロックなどは創造の応用でパスの新規発行などをしてスルーできるのだ)、天井の照明が落とされ薄暗い談話室に招待された。

 そこで待っていたのは百ちゃん・お茶子ちゃん・梅雨ちゃん・響香ちゃん・一佳ちゃん・切奈ちゃん・レイ子ちゃん・唯ちゃん・希乃子ちゃんの9人。位置が近い順番にハグとキスを交わす。位置取りに牽制し合った気配はあるけれど、それでもあからさまな喧嘩はしていなさそうな雰囲気。これだけの女の子と同時に関係を持って争いが起こらないはずがないとも思うけれど、それでも僕の前では仲良くしてくれているのならしっかりみんなに愛を注ぐのが僕にできることだろう。

 そう思っていると間接照明に照らされた中でも分かるくらいに顔を赤らめ、僕にチョコをプレゼントしてくれる。

 

 

「型作りに苦労しましたわ」

「ヤオモモ大活躍だったね」

「レイ子もだよ」

「お茶子ちゃんもだわ」

「私の個性だとこういうクラフト系は苦手ー」

 

 

 早速包装を開けようとすると皆に止められた。自室に帰ってから誰にも見られないように食べて、とのこと。良く分からないが了承した。

 

 

「毛とか血とかそういう変なのは入ってないから安心してね!」

「ホワイトデーは緑谷のホワイトなのでいいよ」

「えっ、悪いよ。ちゃんとお返しするって」

「んふー。それは嬉しいけどいーくんのキノコも食べマッシュからね」

 

 

 思わず苦笑いだ。お返しなのに僕ばかり良い思いをしているんじゃないだろうか。本当にありがたい。彼女たちと仲良くなれて良かった。

 

 

「出久。チョコはそれだけじゃない」

「ん」

「そうですわ。さて、本命チョコをご賞味いただきましょう」

 

 

 そういうと各々が服の合わせを解き始めた。そういえばみんなの服は全てが紐やボタンで前合わせがあるような服だ。パジャマだからかと勝手に納得していたがそれはありえない。なんで百ちゃんは絹のネグリジェをパジャマとして普段使いしているし、お茶子ちゃんはスーパーで安売りされているようなイロモノもしくは無難なTシャツが昼夜問わずの普段着。切奈ちゃんも唯ちゃんもセンスは良いがTシャツがメインなのは変わらない。というか前合わせのパジャマを愛用しているのは梅雨ちゃん(洋服)とレイ子ちゃん(和服)くらいじゃないか。

 

 そんな風に考えているうちに準備は進み、テーブルにはチョコの入ったボウルにジャムやパウダーシュガーの入った小皿、他には生クリームのスプレー缶に果物などなど。唯ちゃんがいるのだからどこから出したなんて疑問は無意味か。

 さらけ出されたおっぱいが並ぶ様は壮観というか圧巻というか。この光景が僕だけのものなのだ。優越感と幸福感が湧くのは仕方ないことだろう。

 最近になってブラがきつくなってきたと報告してきた百ちゃんのHカップおっぱい。

 部分的な個性発動を会得し訓練がてら常時ふわふわぷるんぷるん揺らしているお茶子ちゃんのFカップおっぱい。

 乳首がだんだん大きくなってきて楽しい梅雨ちゃんのDカップおっぱい。

 変化はないけど最近アナルに目覚めた響香ちゃんのBカップおっぱい。

 個性:大拳が成長し末端部全てを巨大化させられるようになり、パイズリならぬニプルズリを開発。その乳首ズリだけで絶頂できるようになった一佳ちゃんのGカップおっぱい。

 体温が低いのかひんやり気持ちいいレイ子ちゃんのCカップおっぱい。

 つい調子に乗っていじりすぎた結果、常に個性で乳首のサイズ調整をしないと人前に出れなくしてしまった唯ちゃんのFカップ長乳首おっぱい。

 これまた調子に乗って暇さえあれば膝に乗せて愛撫しつづけた結果、足元が見えずよく転ぶようになってしまった希乃子ちゃんのHカップおっぱい。

 

 そんな百花繚乱のおっぱいたちがそれぞれ思い思いに菓子でデコレーションされていく。何故か乳首と乳輪部分だけはみんなチョコクリームを塗っている。オーソドックスなミルクチョコの淡褐色、ホワイトチョコの白色、ビターチョコの黒色。ルビーチョコやサファイアチョコ(たぶんブルーベリーだ)、エメラルドチョコ(抹茶?)エトセトラ。よくこれほど揃えたなと感嘆するような色とりどりの好物が陳列されていく。甘ったるい匂いの中に混じる彼女たちの匂い。堪らない。

 

 

『『『召し上がれ♥』』』

 

 

 むしゃぶりつく。夢中で味わう。いつの間にか裸になっているのも気にならない。最高のバレンタインプレゼントだ!

 

 

 

 

 

 

 

 なお翌日全員が寝不足で作業効率が落ちたのは言うまでもない。

 



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ある日の非日常 その2ー1

「んぶッ んぶッ じゅぽッ じゅっぷ ちゅぱッ♥」

 

 

 朝の陽光が差し込む部屋で淫靡な音が奏でられている。寝ぼけ眼で気持ちよさそうに、股間に顔を埋めて奉仕に勤しむ少女を撫でるのは緑谷出久だ。

 

 神聖なはずの学び舎、その付属学生寮で男女が同衾できるのは何故か。答えは簡単な話で、新築された学生寮は男女同じビルディング内にあるからだ。以前と違い同じ建物内にある以上、忍び込む難易度は激減した。

 国立雄英高校は、前年度の入学志望者増加への対応を行った際、ついでとばかりに各施設を増築・改築したのだ。

 その結果新入生はヒーロー科のみでも5クラス100人となり、学生寮は25階建てのタワーマンションと化した。現在学生だけで180人、将来的には1棟に学生300人と教職員50人ほどが居住する予定となっている。サポート科、経営科、普通科の順に希望者向けの学生寮も順次建築中である。

 居住スペースが隣接したことで、学生間の縦の繋がりも明確化され交流が生まれた。とはいえ2,3年生は合わせて80人であり新入生の100人より少ない。女子に限ればその人数差はさらに広がる。だから出久にも下級生女子の面倒を看る機会が回ってくるのは当然のことなのだ。

 そう、今出久がいるのは自室ではなく1年生女子の部屋なのである。

 

 

「射精すよ、飲んで」

「ふぁい。んっ、んんっ! ごきゅっ ごきゅんっ♥ ぷはぁ。ごちそうさまでした」

「ありがとうネイちゃん。軽くシャワー浴びちゃおうか」

 

 

 時は5月。2年生になって体育祭も終わった頃である。出久におはようフェラをし、今またシャワー室で身支度を整えながら立ちバックで性処理に勤しむ少女は名を冥賀音医(ミョウガ ネイ)という、リカバリーガールが後継者として迎え入れた1年生である。サポート型個性用の入試会場にたどり着けず迷っていたところを出久に助けられたことが出逢いであるが、それはまあいいだろう。曰く一目惚れだったらしい。

 そんな少女との逢瀬を終え自室に帰る出久を睨むように見る茨髪の女が一人。

 

 

「破廉恥です。いくら産めよ増やせよ地に満ちよとはいえ、一度注意してさしあげねばならないでしょう」

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

「いらっしゃい出久」

「ん。待ってたよ」

 

 

 僕は今日も寮の女子部屋にお邪魔している。建築の際に個性使用が解禁されていたせいなのか、寮内の間取りは割と自由気ままだ。2年生は基本的に2LDKのシャワー・トイレ付。その上で成績優秀者や大口の出資者などはもっと広い空間を与えられるのだ。かく言う僕も前年度体育祭優勝という実績を評価されたのか4LDK相当の広さを与えられている。今年度は2年連続優勝と全学年参加のサバイバルバトル――入試に対人戦要素を加えたもの――で優勝したから来年は更に部屋が広がるかもしれない。そうなればいっそ皆を住まわせるなんてのも……いや、さすがに無いな。

 

 そして今日招待されたのは唯ちゃんの部屋だ。個性:『サイズ』が引っ越しに大活躍で、神野事件で職を失って雄英が講師として引き受けた元ヒーロー達からの評判も上々。そんな彼らから話を聞いた現役ヒーロー事務所からのインターン指名が増えたのは喜ばしいこと、なのだろう。

 本来生物には効果がない個性なのだが、僕のせいで唯ちゃんは自身の体に個性を使ってサイズを調整できるように個性伸ばしをしたのだ。

 そんなわけで普段は小さくしている彼女の乳首だが、今は自室で見られて困る人と会う予定もないということで解除している。つまりは部屋着のTシャツに乳首が浮いている。平常時なら固めのブラジャーで誤魔化せなくもないのだが、もし勃起してしまえばバレバレだ。そして今は期待に胸が膨らんでいる(物理)。

 

 

「むぅ。こんなにしたのは貴方。責任取って」

「もちろん。唯ちゃんが嫌だって言っても離さないからね」

「私は?」

「レイ子ちゃんもだよ」

「ん。それでこそ私達の男」

「そうだね。一佳がまだだけど、しよっか」

 

 

 拗ねた唯ちゃんに謝りながら懲りずに片手でおっぱいを揉む。レイ子ちゃんがそれを見てすぐに僕にぴとりとくっついてくる。そんなレイ子ちゃんにキスをして空いている片手でお尻を揉む。二人とも普段は冷静で表情が薄いのだが、今は顔を赤らめだらしなく頬を緩め、まさに発情していますって感じだ。僕が彼女たちにこの顔をさせているのだと思うと俄然興奮してくる。

 僕のジャージのズボンに二人が手を突っ込み、チンコを程よいけれど離さないという意志を感じさせる手つきでひっしと掴んでくる。亀頭を愛撫する唯ちゃんの手は温かく根元をしごくレイ子ちゃんの手はひんやり冷たい。半勃ちだったチンコがどんどん硬さを増し反り返っていく。僕はレイ子ちゃんのおまんこをパンツ越しに刺激し、唯ちゃんのシャツをめくって人差し指の第一関節くらいにまで肥大化してしまった乳首をしゃぶる。堅いのに弾力があるグミみたいな魅力的な突起。乳首だけでなく乳房ごと口に含むようにじゅるじゅると吸い上げると唯ちゃんは可愛い声を出してくれる。

 それと同時にレイ子ちゃんのおまんこにもパンツをずらして指を挿れる。きゅっと抱きつくように指を締めるおまんこ。愛液は熱いのに膣肉は冷たい不思議な感覚。正直前戯が必要なのか疑問に思うほどすぐ濡れて受け入れ準備を完了してくれる。

 僕が挿入れたがっているのに気付いた唯ちゃんとレイ子ちゃんが、サイズで小さくしていた布団を元に戻しポルターガイストで綺麗に敷く。冬も明け春が過ぎようとしているうららかな陽気。今日はレイ子ちゃんのひんやりまんこからいただくことにしよう。

 

 

「私から? 嬉しい。あんっ♥」

「ん。私は上半身。れろっ」

 

 

 レイ子ちゃんの個性で布団に運ばれる途中で挿入した。個性を鍛えた結果人間5人分くらいは動かせるようになっているのだが、それでも唐突な刺激に集中が途切れたようで布団にぼふんと受け止められた。唯ちゃんのFカップおっぱいが顔に押し付けられ柔らかさと唯ちゃんの香りが感じられる。そのままおっぱいでぱふぱふしながらも彼女は僕の乳首に吸い付く。デカ乳首に開発された意趣返しなのか彼女は僕の乳首を責めるのが好きらしい。僕もすっかり開発されてしまった。快感に反応するチンコがレイ子ちゃんのおまんこを抉り、膣肉に擦れる快感で唯ちゃんの乳首をしゃぶる力が強くなる。それを感じた唯ちゃんがまた僕の乳首を責める。サイクルが完成している。

 しかしそれを崩すのがレイ子ちゃんだ。彼女は個性でローターを自身のアナルに挿入し、直腸越しに膣内のペニスへ振動を伝えてくるというテクニックを使う。そしてレイ子ちゃんのCカップおっぱいを揉む僕の手を片方つかみ指フェラをしてくる。全員の口が塞がり淫靡な水音とくぐもった快楽の声が静かな室内に響く。

 

 そろそろ僕が射精しそうというところで唐突に部屋のドアが開く音がし、しばらくして僕たちのまぐわっているリビングダイニングのドアが開き、数秒後に抑えた怒声が響く。

 

 

「あー! なんでもうシてんの!?」

「んあっ! んぅ~~~~っ♥♥♥」

 

 

 一佳ちゃんの怒鳴り声と同時に我慢せずに射精した。するとレイ子ちゃんが精液の熱を感じるらしく絶頂。イっている間も最奥にぐりぐりと押し付けるように腰を小刻みに動かし、きゅっとおまんこを締めて残らず搾り取ろうとしてくる様が健気で興奮する。

 

 

「次! 次私だよね?」

「一佳ちゃんは遅刻したからなあ」

「え゛っ。しょうがないじゃん! 後輩がコセトレ見てくれって言ってきたらさ」

「ふーっ♥ ふーっ♥ どうせ、一年男子が、ナンパ目当てで、しょ」

 

 

 じゅぽんっとレイ子ちゃんがおまんこからチンコを抜き、息を整えながら一佳ちゃんに嫌味をちくり。そしてお掃除フェラでねっとりとしゃぶってから濡れた手拭いで僕のチンコを拭う。お掃除フェラの時点で復活しており、僕はまだまだ臨戦態勢である。

 

 

「そりゃ、そうだけど」

「入学枠が増えて、性質の悪い子増えた」

「うちらの学年は物間と爆豪くらいだったのにね」

「出久もじゃない?」

「酷いよレイ子ちゃん!?」

 

 

 苦々し気な表情で吐き捨てるように言う一佳ちゃん。美人で巨乳、職場体験でテレビコマーシャルのバックダンサーとして電波に乗ったのだから知名度もそこそこ。新入生からしてみれば憧れのお姉さんってところなんだろう。僕のだぞ。今度1年坊の訓練に付き合う時は厳しめでいくか。

 とはいえ唯ちゃんからすれば譲る理由にはならないわけで。話をしながらも僕のチンコをおまんこで咥えこみ、背面騎乗位の体位でお尻をグラインドさせる。尻肉から覗くアナルがえっちだ。

 

 

「あふっ♥ んくぅっ♥ 一佳は、シャワー。いいっ♥」

「そうだよ。汗臭いよ一佳」

「雄臭いあんた達に言われたくない!」

「なんでこんないい匂いなんだろ?」

「ん。んっ♥ いずくのざーめん嗅ぐと濡れちゃう♥ ふぅっ♥」

「唯……ほんとぞっこんだよね。シャワー浴びてくるよ出久」

「赤ちゃん♥ 赤ちゃん生む♥ 絶対出久の赤ちゃん生む♥」

「私も大学生の間に生んであげるから♥」

 

 

 そっけない風を装って部屋を出る一佳ちゃん。でも太股をこすり合わせていたのを僕は見逃さなかった。それはさておき、盛り上がってきた唯ちゃんに合わせて僕は体を起こし、布団に押し倒すようにしてバックで攻める。両手はもちろん唯ちゃんのおっぱいを鷲掴みにしてぎゅむぎゅむと揉みしだく。ぱちゅぱちゅと濡れた肉と肉がぶつかる音を鳴らす。

 そんな僕の背後には休憩から復活したレイ子ちゃんが座り、挿入で揺れる睾丸をしゃぶり舌で転がす。鼻は肛門に押し付けられ臭いを嗅いでいるのが分かる。レイ子ちゃんはそうしながらもディルド(百ちゃんが僕のチンコを型取りしていつの間にか作っていた)をおまんこに出し入れしている。

 

 

「む~!」

 

 

 唯ちゃんに膣内射精をキメて一息つき、三人でお茶を飲んでいた頃、部屋の外から何かくぐもった声が聞こえた。それがどんどん近付いてきて、部屋に一佳ちゃんがバスローブ姿で片手を巨大化させたまま入ってきた。何かを掴んで拘束しているようだが……。

 

 

「なんか部屋を覗こうとしてたから捕まえておいた」

「む~!!」

「塩崎さん?」「「茨!?」」

 

 

 一佳ちゃんの拳で口から肘までを掴まれた塩崎茨さんであった。

 

 




文字数&時間的に間に合わないので分割して今日の分とさせていただきます(苦渋の決断)


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ある日の非日常 その2-2 ☆☆

「なんで塩崎さんが?」

 

 

 一佳ちゃんの大拳で声を出すことも腕で抵抗することも許されず、個性であるツルの髪も大きく伸ばさないと拘束を解くほどの力にはならない。そんな状態の塩崎茨さんが僕たちを批難するような目で睨んでくる。

 それをどこ吹く風といなして一佳ちゃんが種明かしをする。

 

 

「いやー、切奈から通報があってさ。茨がなんか企んでるって」

 

 

 それでシャワー上がりに部屋のドアを開けて問答無用で捕まえて連行してきたらしい。塩崎さんは僕の女性関係を爛れていると度々注意してくれるのだが、僕たちは全員同意の上で現在の関係を築いている。アイドル系ヒーローを目指す希乃子ちゃんとスパイヒーローを目指す切奈ちゃんは高校卒業後は関係を解消すると言っているが……、半年もたないで戻ってくるだろうと百ちゃんたちは言っている。ヒーロー活動の邪魔をしたくはないのでその辺は彼女たちの自主性に任せるつもりではあるが、一緒に居てくれるならその方が嬉しいな。

 ちなみに切奈ちゃんの個性:『トカゲのしっぽ切り』だが、なんと自切した部位から再生を利用して自分の分身を作るという新技を開発している。今はまだ並列操作は一人分が限界だが、卒業するころにはもっと増やしてみせると豪語していた。訓練のためという名目で、僕の寝室には切奈ちゃんの分身が置かれている。頭と胸、腰だけで他の部分を耳や目にして暇さえあれば色々な情報を探っているようだ。

 

 

「ま、茨のことはもういいよね。適当に縛って置いとけば。次は私の番なんだから、出久のちんちんおまんこに挿入れさせてもらうよ」

「前戯はしなくていいの?」

「焦らさないでよ。出久とえっちするって思ったらそれだけで濡れるんだから」

 

 

 一佳ちゃんはさばさばしているようで割とがっつく女の子だ。処女をもらってしばらくはセックスよりキスが好きで僕が勃起したら仕方なくという感じで手と口で作業的に抜いてくれていた。そのせいか技術だけなら当時一番上手くて百ちゃんが対抗心を燃やしていたっけ。

 それが変わったのは林間合宿以降だ。夏休みもそろそろ終わろうかというある日、唐突に彼女の家に招かれた。そして土下座する勢いで謝られたのだ。途中から泣きながらになって何を言っているのか良く分からなかったが、察するに自分本位過ぎたことを謝罪していたようだ。

 自分のしたいことばかり押し付けて、それでいて僕のしたいことは事務的に済ませて終わり。そのせいで嫌われたのだと、合宿で混浴に誘ってもらえなかったのだと思ったらしい。

 確かに一佳ちゃんはあまり本番までさせてくれなかったし、デートではツーリング(といっても僕は一佳ちゃんのバイクの荷物になっていただけだ)と称して振り回されもしたが、別に嫌ではなかったのだ。

 以前から百ちゃんに「あなたからは出久さんへの愛が感じられません」と苦言を呈されていたらしく、信乃さんを犯す映像を見せられて衝撃を受けたのだという。

 一佳ちゃんは初日の森林踏破後、B組の中では体力が残っていたほうだ。あの時点で恋人と言える仲だった女子で唯一あの場に呼べたのに呼ばなかったのは事実。一佳ちゃんは呼んでも喜ばないだろうと思った。僕の中にも一種の壁があったのかもしれない。複数の女性と関係を持ち続けていることに無意識のうしろめたさがあったというのは言い訳だ。きちんと話し合って清算すべきだった。それを怠った僕が悪いのだから、彼女が謝るべきことじゃない。

 そう伝えるともっと泣かれた。よくよく考えれば別れ話と勘違いさせるような言い回しで、これまた僕が全面的に悪い。正直どうすればいいのか分からなかった。なので強引に抱いた。嫌ってなんかいない、別れたいなんて欠片も思わない。それを伝えるために一佳ちゃんを愛し抜いた。その結果が――

 

 

「茨、見てる? あんっ すっごい気持ちいいんだよ! 出久のちんちんいいっ! 愛が伝わってくる! 私も愛してる! 愛してるよ出久ぅ! ふあっ♥ 一度イくね♥ 私の愛を感じて! イっ、くぅぅぅぅぅっ!♥♥♥ はーっ、はーっ。茨もどう? 出久に愛されたくない? すっごい気持ちいいんだよ。あっ あっ 茨も仲間になろう? 心が寄り添ってるって幸せなんだよ。出久、出久! 締めるよ♥ 出久の好きな十面埋伏締めだよ♥ 精子たくさん出してね♥ 全部飲んだげるから!」

 

 

 ――これだ。レイ子ちゃんと唯ちゃんが僕と関係を持ったのも一佳ちゃんが勧誘したのが大きい。クリスマス前の頃までは手を握れば照れ、デートの締めもハグだったのだ。おっぱいは触っていたけど。それがいつの間にかバレンタインにはおっぱいチョコを振る舞ってくれるまでになっていたのだから、何がどうしてそうなったのか自分でも良く分からない。ファーストキスのときにキスだけで軽くイかせたけれどそれは関係ないだろうし。

 話を聞くに、どうも一佳ちゃんが色々吹き込んでいたらしいのだ。自身のハメ撮り動画を見せていたと聞いた時には思わず頭を抱えた。そのせいか僕がなかなか手を出そうとしないことに逆にやきもきしていたらしい。まあそのおかげで性欲だけで女性を扱っているのではなく、愛の表現なのだということを理解してもらえたのだが。

 

 さておき問題は塩崎さんだ。さすがにこの饗宴に参加させるわけにもいかないし、先生達に正面から通報されると少々面倒だ。どうすれば黙っていてくれるのだろう?

 

 

 

 

――――――――――――――――

 

 

 

 私はいったい何を見せられているのでしょうか。いえ、分かっています。分かっているのですが。それでも目の前の光景を理解したくないと思ってしまうのです。

 髪を強化布で包まれ椅子に口元を塞がれて縛り付けられている私をよそに、拳藤さんがその大きな胸を揺らして緑谷さんの上で躍動しています。女陰に緑谷さんの男性自身が飲みこまれ、よだれを垂らすように舐めしゃぶっているのがわかります。拳藤さんは普段の気丈な声とは似ても似つかぬ甲高い嬌声を上げ、背後にいる緑谷さんと口付けを、いえもっと下品な何かを交わしています。

 柳さんと小大さんは夜着を着てクスクスと笑いあっているのです。この異常な光景を前にして、何やら論評するように。

 

 音を認識してしまうと駄目でした。拳藤さんが私を誘っています。虚ろな目をして、ひらすらにその快楽を伝えてくるのです。そして私もそれを味わえと、堕ちてしまえと語りかけてきます。悔しいのは私自身が体の熱さを自覚してしまったことでしょうか。淫らで汚らわしい行為のはずなのに、どこか神聖な雰囲気を感じてしまっている。

 私とて年頃の女子ですから、こういった生殖行為に興味がないと言えば嘘になります。ですがこんな、男一人に女複数が群がるようなことは間違っているはずなのです。子を宿すための行為は綺麗で、愛し合う二人が望み合ってするべき行為のはずです。こんな淫靡であって良いはずがないのです。はず、なのです。

 

 

 なぜ私は息を荒げ、動かぬ体を必死に動かし腿をすり合わせているのでしょうか?

 

 

 緑谷さんと目が合うと優しく微笑みかけて来て、心臓が跳ねるのは何故?

 

 

 拳藤さんがひときわ大きな痙攣をし、喉が限界を迎えたのか絶叫したいだろうに音を伴いません。それに応えて緑谷さんは拳藤さんの胎内に種を吐いたようです。気持ちよさそう。ヒーローを目指す私達は薬物で抑圧され、その種が芽吹くことはないというのに。頬を涙が伝いました。

 拳藤さんを優しく寝かせていた緑谷さんが私を見てギョッとしたあと慌て始めました。それに気付いて私を見た柳さんと小大さんも慌てています。

 どうも恐怖か何かで泣いたと思われたようです。可笑しくて笑いがこみ上げてきます。確かに拘束されて目の前で痴態を繰り広げられれば、世を儚んで涙するのは通常の反応でしょう。それに思い至っていなかったのかと、彼らの狂った認識が可笑しくて可笑しくて。

 

 私は拘束を無理矢理解くように個性を発動させました。一気に大量のツルを伸ばして布を突き破り、手足の拘束を引きちぎって口を塞ぐものを放り捨てました。そしてそのままツルを操り、四人を縛り上げ一人の分を除いて切り離しました。

 切り離さなかった一人を連れ、私は自室に帰りました。そして軽く湯浴みをし、汚れを落としてから彼と向き合いました。

 

 

「これは練習です。主は仰いました。汝の隣人を愛せよ。産めよ増やせよ。愛こそ正義。正義は勝つと」

「むぐもが!? むぐぐぐ!」

「あなたは練習台です緑谷さん。愛を知るために多くの愛をお持ちのあなたにご教授願おうというのです。よろしい?」

 

 

 ツルを動かし彼の体勢を変えました。茨で少し血が出てしまっていますが……私もこれから血を流すのですからお相子ということで。彼の流す血をぺろりと舐めました。するとゾクゾクと胎から立ち上るような不思議な感覚が脳に走りました。

 彼を寝かせ、私は跨ります。正式な作法を守るならば私は空気穴を空けた麻袋を被るべきなのでしょうが、これは練習。作法に悖るのは主もお許しくださるでしょう。

 いざ、というところで私の動きが止まりました。やり方は分かっています。先程散々見せつけられましたから。なので自分の意思で止まったわけではないのです。良く見ると、暗くて分かりにくかったですが黒い紐状のエネルギー体が私に巻きついています。緑谷さんの個性。きっと私と子を生せば素晴らしい個性になるはず。それがなぜ止めるのでしょう?

 一瞬前まで思わず緩んでいた頬を引き締め、彼の目を見ます。強い意志が籠められた眼。ああ、この眼。美しい。胸がときめきます。この眼。この眼に見てほしかったのです。私を見てほしかった。他の女ばかりを見るこの眼を、私に向けてほしかった。それが今叶っている。瞳が潤む。彼の口を解放しました。

 

 

「これは好きでもない人としていいことじゃないよ塩崎さん! 練習なんかで軽々しくすることじゃないんだ!」

「うるさいですね……」

「んむっ!?」

 

 必死に何かを言おうとする緑谷さんをツルで引き寄せ、その唇を塞ぎました。独特の弾力ある感触。唇が火傷したように熱い。驚きに揺れる彼の目が愛おしい。再び唇を重ね、しかし今度はさらに口内へと唇を、舌を伸ばし唾液を啜ります。他の人の味なんて知りませんが、直感が囁きます。他の女の味がすると。悔しくて彼の口内を舌で蹂躙しました。私の唾液を彼に流しいれ、無理矢理飲ませる。そうしてようやく彼の純粋な味が感じられるようになりました。甘露。

 

 

「どうして……」

「あなたは覚えていないでしょうね。私はあなたを見ていました。体育祭の時、男性の視線を厭わしく思っていた私を気遣ってさりげなく逃げ場を示してくださいました。林間合宿の時、個性の使い過ぎで枯れそうだった私にお水をくださって日陰に運んでいただきました。廊下ですれ違う度、今日も綺麗だと褒めてくれました。少し沈んでいた時は昼食に誘って気晴らしを図ってくださいました。孤児院の子供達への寄付集めにも協力してくださいました。入試準備の時も立て込んで混乱していた私を優しく導いてくださいました。あなたはいつも優しく、残酷でした。私は見ているだけ。あなたはすぐに他の女のところへ行ってしまう。幸せそうに笑って。羨ましかった。……嫉妬しました。あなたの傍にいる女に。軽蔑しました。あなたを批難して目を逸らす私自身を。私は、わたし、わたしッ」

 

 

 恥知らずにも湧き出る感情を吐露しました。こんな醜い自分が嫌いです。殻に閉じこもっているくせに自由に飛ぶ鳥を羨むだけで。そんな私なのに彼が真剣に見つめてくれているのを喜ぶ自分がいる。なんと汚らわしいことか。女陰が乾くどころか潤いを増しているのが浅ましさを証明しているのです。泣きながら笑うという歪な表情。こんな女が愛されるなど望めないでしょう。

 

 

「ごめんね」

 

 

 ほら。

 

 

「僕は茨だけを見ることはできない」

 

 

 聞きたくない。

 

 

「僕は誰かだけの僕じゃない。僕を愛してくれるみんなの僕なんだ。それなのにみんなを独占するずるい人間だ」

 

 

 分かっています。ずっと見てきたから。

 

 

「だから僕は、君も欲しい」

 

 

 びくりと震えました。

 

 

「君が僕を愛してくれるなら僕も君を愛す。君を僕の女にするよ。いいね」

 

 

 黒い紐が解かれていきます。固定されていた体がゆっくりと重力に従って落ちていきます。私の漏らした恥ずかしい液に塗れた緑谷さんの男性自身が、私の膣口に密着しずるずるとめり込んでいきます。断るなら今のうち。大勢のうちの一人など嫌。そう思う頭とは裏腹に体はむしろ彼を逃さぬように慎重に位置を定めています。そして――

 

 

「あぐッ! ふーッ、ふーッ、ふーッ! 挿入った……ああッ♥ 繋がってしまいました♥ いけないのにッ♥」

 

 

 ぷつんという何かが軽く破れる感覚とそれを塗りつぶす圧倒的な充足感。お腹の奥が埋められて理屈ではない心が満たされた感覚。痛さなど微塵もない。全身を包む万能感。ぴたりとはまって私という存在が完成された気がします。産道が彼を締め付け彼の形に急速に適応していくのが分かります。それだけでは足りずツルで腹を締め付けてわずかな空気すら追い出すように、私の中に彼だけを収めるようにします。

 

 

「あれだけ濡れてたんだ、すんなり奥まで挿入ったね。じゃあ動くよ」

「う? んあっ♥ やんっ 抜いちゃやですっ おぐっ♥ ひぃっ おほっ♥ 子宮、ささるっ♥」

「すごい、吸い付きだ! 茨ちゃんのおまんこが全身で僕のチンコにキスしてるよ!」

 

 

 こんな、こんな……。膣内の肉襞がひとつ残らず緑谷さんにしなだれかかり、甘え、抽挿によって擦られる一掻き一掻きが天上の調べの如く。突き上げる男性器の穂先が私の子宮を叩き、これまでの私を突き崩す重い痺れを残していきます。全てが輝き、何も、考え、られ、なく

 

 

「ああ! あああ!  あああああああ!! しゅきぃ! しゅきなのぉ! いじゅくしゃま! あいしてましゅう! しゅきっ しゅきぃ! いいの! あなたさまいがいいらない! いじゅくしゃま、いじゅくしゃまぁ! ふぁあああああああ♥♥♥」

 

 

 

 

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

 

 あの後出久様は私の中に2回射精されました。2回目が終わった後は拳藤さんと柳さんと小大さんがやってきて出久様を掃除していました。私はその間胎を撫でて放心していたと思います。気付けばお三方にぬるま湯をかけられて全身の汚れを洗われていました。

 

 

「出久ハーレムにようこそ」

 

 

 拳藤さんがにやりと笑ってそう言っていましたが、すとんと腑に落ちたのが自分の心の変質を感じさせました。

 今胎内にある種が芽吹かないことが残念でなりません。社会に出て糧を得られるようになったら、その時は――

 

 

 

 

 

 

 

――地に満たしましょう

 

 

 

 

 

 

 






どうしてこうなった


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ラビット・ストライク  ☆☆

前話で茨ちゃんの告白に「ごめん、覚えてない」と
返したくなったのは私だけではないはず。
俺のオーガニック的な何かがそう言ってる。


「ぎゃあ!」

「おらもう終わりかあ!? 弱虫め!」

 

 

 3年生の先輩がマットに沈んだ。それをなさしめた女性は何の感慨もなく吐き捨てるように罵倒している。なぜこんなことになったのか。大した理由はない。ただ単純に、ラビットヒーロー・ミルコ(27)が唐突に現れ、男子生徒を集めこう言い放ったのだ。「本気で戦え。オレに勝ったらヤらせてやるよ」と。

 みなさすがに冗談だろうと思っている。当然僕もだ。ただ本気にして全身全霊で戦った者もいて……。

 

 

「おいおい、一番マシだったのがエロ葡萄ってどういうこった!? 金玉ついてんのかお前ら!」

 

 

 そうなのだ。これまでの挑戦者で最も健闘しミルコを追い詰めたのは峰田くんである。兎の脚力で跳び回るミルコに、もぎもぎの反発力を活かして追い縋り、一時は片足を奪い機動力を殺した。だがそこまでだった。いや冷静ならばあるいは勝ちに繋がったかもしれないのだが、度重なる蹴りのダメージで最早理性が飛んでいたらしく。大股開きで動けなくなったミルコの股間にむしゃぶりつくように飛び込み、そこを太股で押し付けるように挟み、窒息K.O.となった。

 挑発に乗って最初に挑み倒された爆豪くんまで手に汗握り(爆音で)応援していたというのに。一瞬の沈黙ののち盛大な溜息の合唱が起こった。

 ミルコの股間部分に唾液が光っていたのはみんな見て見ぬふりをした。気持ち悪そうにウェットティッシュで拭いてからタオルで乾拭きしていたのも見ていない。……峰田くんはほんとにヒーローになれるのだろうか?

 

 そんなこんなで最後の自発的な挑戦者が倒れ、ミルコは御立腹なのである。

 

 

「えと、そろそろ休憩したほうがいいのでは……?」

「あ゛ぁ゛ん゛? ……チッ。もういい、解散だ解散。あ、緑谷は残れ。相澤パイセンに聞いてんぞ。学生じゃお前が一番強ェってな」

 

 

 戦闘向きでない個性の学生はすぐに去ったが、そうでない者の中にはざわついて散らない者もいる。それを一喝して帰らせるミルコ。誰だまた緑谷の女が増えるとか言ったの。まるで僕が勝つと言っているようじゃないか。それを長い耳で聞いたミルコのこめかみに青筋が浮いているのですが。これ絶対キレてるよね。そうして数分経ち、戦闘訓練場に残ったのは僕とミルコの二人だけになった。たぶん個性で覗いてる人はいるだろうけど。

 

 

「んじゃ、ヤるぞ」

「はい、胸をお借りします」

 

 

 飲んでいたドリンクを放り投げ、乱暴に口元を拭って好戦的な笑みを浮かべるミルコ。僕は軽く礼をして構えを取る。

 ドリンクボトルが床に落ちた音が開始の合図だった。個性発動のスパークを錯覚するような力の溜め、開放。まばたきほどの時間で立ち合いの距離を詰め、流れるような蹴り一閃。僕はOFA30%の力で受け流しにかかる。

 

 

「くッ!」

「どォしたァ! オールマイトの弟子がそんなもんか!?」

 

 

 受け損ねたわけではないのに腕を軽く持っていかれた。致命的な隙にならないよう衝撃をステップで逃がし、足は円を描くように床を焦がす。そこに追撃のコンビネーションキックが迫る。直前の蹴り脚を地面につけそのまま左踵での横回し蹴り、左拳で打ち落として対応。その勢いを利用して側転するように両足での打ち下ろし、半歩引いて回避。床が凹むような強い衝撃、問題ない。ほんのわずかな硬直に腹狙いの右掌底。入ったが浅い、バク転で距離を離すついでのサマーソルト。髪が切れ飛ぶゼロ距離で回避し通り過ぎる足を左肩でかちあげる。半回転多く回ったミルコはそのままカポエイラのような逆立ち蹴り、絶妙な高さを過ぎる蹴りは無視できない威力。追撃は諦めて仕切り直しだ。

 

 

「まあこんくらいはやるよなッ。じゃあこれはどうだ!?」

 

 

 地面すれすれを跳び迫るミルコ。踏みつぶすかサッカーキックか。対応に迷ったのは幸運だった。ミルコはさらに地面を蹴って加速、さらに目前で垂直に跳躍。咄嗟に顎を守る。その手に衝撃。危なかった。でも空中では動けないはずだ。そう思って40%に出力を上げながら上を見ると、そこには宙を蹴って迫るミルコの顔。そのまま正面から頭突きを受け思わずたたらを踏む。その僕の背後に着地したミルコは止まらずに背骨を狙った飛び蹴りを浴びせてくる。さすがに受けられない。エアフォースを指を弾いて放ち無理矢理体勢を戻し、どうにか脇腹に痛打を受けるに留める。

 そう、エアフォース。OFA15%で使用可能になる衝撃波飛ばしの技。ミルコの初撃は30%を凌駕する威力だったのだ、意識すればエアフォース同様のことができるのは当たり前じゃないか! 迂闊だった。OFAでも同様の方法で空を飛べるとオールマイトが言っていたのに。浮遊を使うようになって頭から抜け落ちていた。油断大敵だ。

 

 

「……なぜ個性を使わねェ?」

「連戦でしょう。消耗がないとは言わせませんよ」

「ハンデってか!? 舐めんなよひよっ子がッ!!」

 

 

 空中を蹴っての三次元移動での猛攻。いわば鳥籠か。兎を一羽二羽と数えるのはルールの穴を突く言い訳のはずだが、この光景を見たら羽でもいいと納得してしまいそうだ。

 そんな場違いなことを考えられるくらいには僕に余裕があった。出力を50%まで上げたことで当たり負けはよほどのミスをしなければ無くなったし、三次元機動に慣れていないのかまだまだ動きが荒い。幼い頃に見ていたオールマイトの動画には空中を自在に跳ねまわる様を収めたものもあった。浮遊を発現するまでは僕自身もその動きを真似て練習していたことなのだ。この動きは僕に一日の長がある。だから――

 

 

「ガッ!?」

「踏み込みが甘いッ!」

 

 

 実際は疲れのせいで僅かに身のこなしが鈍っているせいだ。空中機動で推進力が限られている場合はその僅かが決定的な差に繋がる。有効打が入って軽く吹き飛んだミルコは、それでも立ち上がり舌なめずりをしてこちらを見つめる。

 そこからは同じ流れの繰り返しだ。地面での攻防で互いにダメージを与えつつ、攻めあぐねたミルコが空中に逃げる。反転して攻めるミルコをいなして有効打を加え仕切り直し。互いに痣にならない程度の傷痕を増やし、しかしミルコはどんどんキレが増して捕まえづらくなっていく。疲労の極致で動きの無駄が削ぎ落され最小の力で最大の動きを見せる。既に立会初めて10分は経っただろうか。さすがに息が上がってきた。ミルコの身体強度もあらかた把握できた。50%のパンチなら大怪我させることもない。そろそろ終わりにしよう。

 

 

「ハァッ、ハァッ、ハァッ。個性無しでこれかよ、化け物め!」

「フゥッ。僕の個性は身体能力強化が本命ですよ。他はあれば便利なオプション、余禄です」

「そうかい。次で決めだ。兎跳天――」

 

 

 ニカリと獰猛に笑い、ミルコは全力で垂直に飛びあがった。天井を足場にして猛烈に地面に向かうのはそれこそついでだろう。何もない開けた場所でも同じように飛びあがり重力の力を利用することに変わりあるまい。

 

 

「50% TENNESSEE――」

「暴突!!!!!」

「SMASH!!!!!」

 

 

 足場を砕くどころか足跡に踏み抜いて、バリスタどころか大砲の砲弾の速さでミサイルキックを繰り出したミルコ。それに合わせて研ぎ澄ました拳撃を突き込む。衝突の真下の床がひしゃげ、半径数メートルの床材がめくれ上がるほどの衝撃波が飛ぶ。数瞬の拮抗。ミシミシギシギシという軋み。危険だ。僕は大丈夫だがミルコの膝が壊れる。歯を食いしばっていて余裕の無さが見える。50%で貫けると判断した僕の負け。どうしても人に全力を出すのは恐い。また殺してしまうのではないかと。

 だから僕は力を抜き――

 

 

「グハッ!」

 

 

 そのまま脇を通り過ぎようとするミルコを掴み地面に叩きつけた。そしてマウントポジションを取り正拳を寸止め。チェックメイトだ。

 

 

「――ッハァ。負けた負けた! 完敗だ!」

 

 

 一度目を閉じ、大きく息を吐いたミルコは爽やかな笑みを浮かべて笑う。気持ちの良い人だ。僕もすぐに退き、手を差し出して助け起こそうとする。

 

 

「ちゅっ。っぷはぁ。キスってこんなか。……夜空けとけ」

「えっ。あれは冗談なんじゃ?」

「にんじんのつもりだったけどよ。惚れた。オレは強い奴が好きだ。お前は強ェ。だからくれてやる」

 

 

 起きざまに唇を吸われ、呆然としているうちにミルコは去っていった。軽くとはいえ怪我をしているしリカバリーガールに治してもらうのだろう。僕も音医ちゃんに治してもらうか。

 ……って、まじか。

 

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

 夜8時過ぎ。夕食も終え入浴も済ませ僕は微妙な緊張状態で自室にいた。今日ばかりはゲーム部屋や映画部屋のクラスメイトへの開放も止め、僕の居住区には百ちゃんと切奈ちゃんコピー以外は誰も居ない。

 

 

「慣れてますでしょうに、落ち着かれたらいかがですの?」

「そりゃそうなんだけど。僕たちを助けてくれたヒーローなんだよミルコは。オールマイトとイレイザーヘッド、リカバリーガール、そしてミルコ。この四人は特別だ」

「助けたと言ってもドアを蹴破るだけで放置でしたわ」

 

 

 呆れたように百ちゃんは言う。正論ではあるがやっぱり小さい頃の憧れは色褪せないものだと思うのだ。

 そんな僕を今度は微笑まし気に見やり、そのままカメラのセッティングをする百ちゃん。それが終わる頃にインターホンが鳴った。あまり待たせるのも良くない、すぐにロックを外して迎え入れる。

 

 

「……」

 

 

 気まずい。というかミルコ――ルミさんが緊張でガッチガチなのだ。百ちゃんの存在にも気付いていないくらい、きょろきょろとあたりを見回しているのに目に入っていない。とりあえずソファに座ってもらって、僕もその隣に腰を下ろす。するとビクゥっと跳ね、我に返りもじもじと指を弄り出した。

 

 

「ミルコ、大丈夫ですか」

「お、おおおう! 大丈夫に決まってンだろ! さ、さっさと始めよう」

 

 

 あまりの挙動不審ぷりに少し笑ってしまった。僕はまず彼女の手を取り、絡めるように握る。それだけで顔を赤くしているのだがどれだけ初心なのだろうか。

 正直美人ヒーローで性格も勝気で無頓着なところがあるのだから、良くも悪くも男慣れしていると思っていた。でも実際は膝の上に跨らせても目を合わせてくれないくらいに恥ずかしがり屋だ。それであんなに露出度の高いコスチュームをよく着れるものだと変に感心してしまう。

 

 

「コスは、兎って発注したらあんなだったんだ。それにそこらの有象無象や弱虫共にいくら見られたって気にならねェ。お、お前だけだ。お前に見られると頭が茹だってくる」

「出久って呼んでくださいよ。僕もルミさんって呼びますから」

「い、いずく」

「はい、ルミさん」

「~~~~っ!」

 

 

 にこやかに応えると手を丸めてパシンパシンと叩いてくる。兎なのに猫パンチだ。笑いながら顔をよせ、目を合わせる。目を泳がせるルミさんだが気にせずじっと見つめ続ける。すると観念したのか目を閉じ、唇を軽く突き出してきた。焦らさず口付けし、背を擦りながら抱きしめてやる。何度も啄み合い、筋肉質ながら皮下にしっかり脂肪がついた女性らしい太股を撫でると悩まし気な吐息を漏らすようになった。腹筋をフェザータッチすればぴくぴくとうさ耳が震え、尻を揉みながら深くキスするとばさばさと耳を動かしているのが分かる。というかあの耳ってそんな動くのか。いつもぴんと立っているからいっそ硬いのかとすら思っていたのだが。

 そうして鼻で息をせず息継ぎに苦心するルミさんを解放する。必死に酸素を取り込もうとする無防備な彼女から素早く服を剥ぎ取った。すると現れたのはピンクの絹地に黒いレースが貼り合わされた高そうなブラジャー、それに包まれた大きなおっぱい。張りがありツンと上向き。軽く触れば生地が薄いのか乳首が堅くなっているのも分かる。

 

 

「ひゃんっ! うぅ、恥ずい」

「綺麗ですよ。27歳とは思えない」

「ね、年齢は言うな! オレもアラサーで親が煩いんだ……。はぁ~。ヨシ。女は度胸だ……!」

 

 

 顔を真っ赤にしていたルミさんが、何かを決意した表情になるとぴょんと飛び、バク宙したかと思えばショートパンツと下着を脱ぎ捨て全裸になっている。そしてまた僕に跨るようにしながら服を脱がせてくる。

 

 

「こんな仕事だから膜なんてもう破れっちまってるだろうけど。誰にも許したことないんだ。オレより強い男じゃないと嫌だったから。オレはお前に惚れた。子供だって生んでやる。好きにしてくれ」

 

 

 ここまで言われては引くわけにはいかない。僕はルミさんにキスをして、お姫様抱っこでベッドに運ぶ。パンツを脱ぎ捨てて覆いかぶさる。全身を撫で、おっぱいも堪能し、ルミさんが浅く息をして汗を噴き出す頃になってから両足を開かせ、チンコをルミさんのおまんこに宛がう。

 

 

「挿入れますよルミさん」

「うん、きて。んっ 苦しっ、あ゛っ 奥までいっぱいだっ。これがちんこか、硬い、おっきい!」

 

 

 自己申告通りというか、やはり処女膜はなかった。無かったというか元処女膜だったんだろうなというバミりらしき感触はあった。しっかり準備したからかそれとも筋肉を使う仕事でこなれていたのか、案外奥まですんなりと挿入できた。が、それは油断だった。

 奥まで届いたとルミさんが自覚した瞬間、おまんこがぎゅうぎゅうと締まったのだ。ルミさんは内腿の筋肉も発達している。つまり個性ではない純粋な肉体の力として膣圧が凄まじい強さなのだ。なまじ興奮してチンコがビンビンになっていたからか、膣圧に負けずにおまんこの中に踏み止まれてしまった。愛液に塗れた膣壁が僕のチンコを押し出そうと締め付けるのだが逆にじゅりじゅりと擦るのだ。かなり強い快感。僕にとって強いということはルミさんにとっても強い快感になっているということだ。

 ルミさんは目をいっぱいに見開きぱくぱくと口を開閉する。そしてビクッビクッと震える。イっているのだ。声も出ないほどに、いや彼女のうさ耳では聞き取れる声で叫んでいるのかもしれない。

 僕はツバを溜め、彼女に無理矢理飲ませつつOFAの力を借りて強引に腰を動かした。ずりゅりゅっと押し出され、ごりゅごりゅと掘り進める。気のせいでなければもうルミさんの理性は飛んでいるだろう。目にハートマークが浮かんでいるような錯覚が見える。

 彼女は僕の背中に手を回して間にあるおっぱいクッションを押し潰してでも密着しようと力の限り抱きしめてくる。それどころか下半身は個性を発動しているだろう人外の力で絡みついてくる。OFAを使わなければ微動だにできないに違いない。あまりの膣圧と脚の力でチンコを奥にごりごりと押し付ける感触、必然的に空気が抜けてバキュームされるような形。我慢できずに精液が噴き上がる。鈴口と子宮口がジャストフィットして精液が直通で飲みこまれていく。

 射精して少し柔らかくなるチンコだが膣圧で押し出される動きをルミさんの脚で保持されたままという相反する状態は、膣肉がぐにゅりぐにゅるとチンコを愛撫することですぐに硬さが戻り解消される。その間もルミさんは絶頂し続けているようで食い千切るようなおまんこなのに中は嵐のようにうねり続けそれがまた彼女に快感をもたらすという無限ループの様相を呈している。

 さすがに一度完全に抜いてしまうべきだ。そう思って腰を引いたのだが、抜けない。え、OFA60%は出してるんだけど。おかげで引き戻されたストロークでさらにルミさんがイって、白目を剥きかけてるし舌も突き出してるし。いわゆるアヘ顔ってやつだ。ついでに僕も二発目を射精してしまった。このまま身を委ねてしまおうかと心が折れそうになる。百ちゃんの冷たい視線を感じてすぐに気を取り直したけれど。次は制御ギリギリの70%で……抜け、たッ!

 

 

「おほぉっ♥ ひゅー……ひゅー……げほっ、ごほっ。しゅごい……せっくしゅしゅごい……♥」

 

 

 まだ戻ってこないルミさん。僕はふと魔が差して彼女の口元にチンコを寄せた。するとひょっとこのように口を尖らせ。

 

 

「じゅるじゅるッ! じゅぽぽッ ぐぽッ ずぞぞぞぞッ!」

 

 

 凄まじい食いつきっぷりだった。兎は年中発情期で止めないといつまでも交尾し続けるというが、ルミさんもそうなのだろうか……?

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――――――――

 

 

 約1年後、ラビットヒーロー・ミルコは突然の休業宣言。度々雄英高校での出没が目撃されていた彼女であるが、この騒動に何らかの関係があると見てゴシップ系マスコミを中心に報道陣が騒動を起こしているらしい。

 

 

 

「この子の名前は出兎(ジェット)だ」

「稼ぎは心配すんな。伊達にNo.5じゃない。あ? 今は74位? すぐ取り戻すさ。ガキの10人や20人一生豪遊させてやるっての。だから、安心して抱いてな?」

 

 

 




ミルコが原作で死亡フラグビンビンなので……。
死なないにしても脚もがれそうですよね。


トガヒミコがデクくんの通算第一子出産という設定はポイーで。
20人の子供というのも正式に認知している、
もしくはOFA5%を継いだ純粋にデクくんの子供であるのはあの時点で20人ということで……。
エリちゃんによる巻き戻し前に出来た子供はOFAが遺伝しないので、
ジェットくんも兎の脚力に足裏から火を噴く(デク父の個性が場所を変えて隔世遺伝)、
グラントリノ強化版みたいな感じです。


途中の技名は自分のセンスの限界……。
ラビット・リープ:アーバレストと読みます。アバレストック→暴れ突き と。


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ある日の非日常 その3  ☆☆

難産というより執筆意欲が抜けたというか……。
全員(?)集合でのハーレムプレイを挟むべきか、そのままエピローグにするべきか。


 倒壊した家屋が並ぶ元住宅街を、ビジョンブラッド色のイブニングドレスに身を包んだ少女が警戒しながら歩いていた。

 背には蝶の羽根を模した飛行ユニットを背負い、足には磁力式ローラースケート。手には連射式のリニアレールガンを油断なく構えている。顔にはガスマスクといういささか物騒な重装備である。いったい彼女はどうして、そして誰を相手にこんな警戒をしているのか。

 

 

「厄介ですわね。除菌スプレーをしているのに――ッ!?」

 

 

 ぼやく少女はしかし、背後で起きた異変を察知し素早く跳び退き手にしたレールガンから非殺傷弾頭を放つ。

 すると急激に伸び始めていた巨大なキノコは打ち砕かれ――その破片からさらに胞子が撒かれて辺り一面を大小様々なキノコが飲みこんでいく。

 

 

「この程度!」

 

 

 上空に飛び上がり、レールガンを放棄して火炎放射器を創造、どうせ廃屋だと割り切って増殖するキノコを焼き払いにかかる。

 そこに再び背を狙うように小さなキノコが弾丸のように襲い掛かる。しかし少女はそれを一顧だにせず、全身から紫電を発し膜のような斥力場を展開、防御に成功する。

 それでもなお小型のキノコ弾が撃ち込まれ、さらには胞子が霧のように迫る。空を飛ぶ少女はさすがに物量に押され、せめて囲まれて炎に巻かれないように位置取りを調整する。

 そんな中でも少女は赤外線スコープで炎の影響外を索敵する。思い切って飛んだことで視界は広がり、狙撃を受けていることからも見える場所にいると判断できる。

 

 

「……見つけた」

 

 

 物陰から物陰へ移動する人型大の熱源を発見し、迷うことなくスタングレネードを迫撃砲で投射。更に追撃として睡眠ガス弾も投射。物量で来るなら同じく物量で返す、そんな攻撃である。

 攻撃が成功したのか、襲い掛かってくる胞子やキノコ弾が止んだ。それでも残心を忘れず慎重に止まったままの熱源へ近づいていく。

 電柱と雑居ビルの廃墟の手前、路地に逃げ込もうとしていたのか。そんな場所に魔女風コスチュームを纏った少女が倒れている。粘着弾を撃ち込み拘束、それで勝ち。

 

 

「と思ったノコ? 毒茸槍衾(トードスツーランサー)!」

「見え見えですわ!」

 

 

 廃ビルの窓からいくつものキノコの槍が少女を貫かんと急速に伸びる。とはいえ警戒していた彼女は余裕を持って後退しながら迎撃。芽吹いたばかりとは思えぬ質量の壁は魔女を撃つ余裕を与えなかったが、槍が少女に届くほどではなかった。これが最後の抵抗ならばと歪む。双方の口が。

 

 

「――ガハッ!」

「格下と思って舐めるとこうなりマッシュ、ね?」

 

 

 茸巨人の拳(ファンジャイアントナックル)。それが空飛ぶ少女を仕留めた技の名前。単純な話だ。魔女は驕った戦乙女を菌糸で編んだ巨大な拳で殴りつけたのだ。

 油断と謗るのは簡単だが、それはいささか酷だろう。目前に迫る毒キノコの槍、背後には電柱以外に視界を遮る物も無かった。その電柱を骨にした菌糸の筋肉で出来た腕が殴りかかるなど思いもしないだろう。それだけ魔女の糸紡ぎが早かったということなのだ。

 とはいえ、敗北は敗北だ。地に落ちた戦乙女を菌糸が取り囲み、降伏を勧告する。

 

 

「くっ、私の負けですわね」

「――勝った! インフィネイトに勝った! これでいーくん独占一泊二日は私のものー!」

 

 

 そう、彼女たちが争っていた理由は――緑谷出久と休みを過ごす権利を得るためであったのだ。

 

 

 

――――――――――――――――

 

 

 

 かすかに聞こえる虫の声。網戸越しに通る涼やかな風。間接照明が照らす仄暗い部屋。小さなテーブルを囲むのは私と、愛しい人。ここはとある避暑地の森にある別荘。私が八百万百から勝ち取ったもの。

 

 

「いただきます」

「どうぞ召し上がれ♪」

 

 

 暖かで柔らかい光の中、ぐつぐつと煮える音を立てる鍋。当然ながら私の出したキノコを使ったものだ。普通のキノコだけでなく変わり種もある。

 はふはふと程よく冷ましながらいーくんが今食べているのは菌糸を調整して獣肉と同様の食感を持たせたもの。他にもテングタケ系に含まれるイボテン酸の旨味作用を保ったまま弱毒化したものなどもある。まだ肉食感のキノコとは組み合わせられていないが、美味しければ問題ないよね。ナイスキノコ!

 それらのベースになっている菌糸は人間が消化できる形質に変異させたもの。

 つまり――うへへ。いーくんの体を私と私の子供達が構成してるんだ。愛する人の一部になってる。美味しそうに私を齧り、溶かし、吸収する。子供達が伝えてくる感覚が私を熱くさせる。普段は隠している目はきっと狂気を宿しているだろう。自覚しているのに止める気にはさらさらならない。我ながら狂っている。……アイドル系ヒーローとしてこれは致命的だ。

 卒業したら離れると決めている。だからこの一瞬一瞬を思い出にして心の宝石箱にしまうのだ。いーくんの手で足元が見えないくらいに膨らまされた乳房も、トレーニングを増やしてワンサイズ落とした。普通では入りきらないちんちんを受け入れるために開きやすくなった子宮も、いずれ直さなければならない。

 夢のために自分の想いを犠牲にする。いーくんはそんなことを許さないだろう。でも決めたことだ。だから今を楽しもう。

 

 

「ご馳走様でした」

「うん、馳走しましたとも。この後はお風呂にする? そ・れ・と・も……」

「うーん、森を歩いたから先にお風呂を頂くよ」

 

 

 予想通り。そのためにキノコ由来のローションを用意していた。当然のごとく一緒に脱衣所で服を脱ぎ、キスしたり互いの肌を撫で合ったり。髪をまとめて顔を晒す。いーくんと二人きりのときだけにすることだ。

 最初は普通に髪と体を洗い、湯船で体を温める。私は自然に彼の膝に乗り、彼は私の胸をやわやわと触る。鼻にかかった声が漏れるのは仕方のないことだろう。女子寮のラウンジなどではさすがに声を我慢するが、今は我慢の必要などないのだから。

 

 

「んっ ふぅっ あふっ ぁんっ」

「絞ったからかもちもち度合いが増したね」

「好きでしょ? あっ♥」

「もちろん、大好きさ。チュッ」

 

 

 うなじや頬、目元に耳と顔の側面にキスが降る。愛されている実感がたまらない。私は153センチ、いーくんは182センチ。体格差の分私は包み込まれるように抱かれている。小さな体格に感謝だ。

 

 

「温まったし、そろそろご奉仕するね」

 

 

 そう言って私はマットを用意する。ちょうどいい感触のキノコを揃えられなかったから普通のエアマットだ。不満ではあるが仕方ない。用意していたローションとお湯を混ぜて温度を調整し、寝かせた彼と私自身にかける。そして仰向けの彼に全身を滑らせる。

 

 

「ああ、希乃子ちゃんの体がぷにぷにして気持ちいいよ」

「んっ 私も、いーくんと溶け合いそうで、幸せ♥」

 

 

 ぬちゅっぬちゅっという卑猥な音が奏でられ、潤滑液で弱められた摩擦がなお熱を残し私達の境界線を溶かしていく。

 

 

「んんっ、深ぁい♥ ふっぅ、はっぁ♥」

 

 

 ぬめりを利用して大きく体をグラインドさせ、腹筋に付きそうなほど反り返ったいーくんのちんちんを私のえっちな穴で受け入れ、奥の奥まで入れてから首に絡めた腕の力で抜き、舌を絡めるキスをする。私のえっちな襞を掻き分けて赤ちゃんの部屋まで入るちんちんを、抜くときには必死に繋ぎ止めようといやらしく抱きつく。ちゅぽんという音、ぴちゃぴちゃにゅるりと鳴らす舌、じゅぷりと歓迎の抱擁をするえっちな穴。その間もいーくんの腕は胸を中心に私を愛撫する。心地よい感覚で溶けていく。身に着けた筋力を活かして腰を不規則に動かしながら、二人で快感に溺れる。

 いつまでも続いて欲しい時間も終わりは来る。いつもより更に大きく張るいーくんのちんちん。それに気付いて搾るように圧力を増すえっちな穴。ほどなく赤ちゃんの部屋に咥えこんだちんちんからいーくんの愛が注ぎ込まれる。胸を掴もうとする彼の指が滑り、自然と乳肉と先端をくすぐる。そのたびに子宮口が締まり、愛が注がれる。私も彼もよだれが垂れるが止まらない。10回を超える注入で、一時休戦だ。

 

 

「好きだよ希乃子ちゃん」

「愛してるよいーくん」

 

 

 荒い息と共に吐かれる桃色の言葉。キスで塞ぎ合う。言葉はいらない。溶けて、溶けて。今だけは愛に溺れよう。夜はまだ長いんだから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 結局お腹がぽっこりした頃に眠りについた。赤ちゃん欲しくなっちゃいマッシュね♪

 

 

 

 




技解説

・毒茸槍衾(トードスツーランサー)
文字通り毒キノコを槍状にしたもので槍衾を形成する。
toadstool-lancer。

・茸巨人の拳(ファンジャイアントナックル)
fangi-giant-knuckle。fangusの複数形でファンジャイと読む……はず?
劇中では一本だけだったがもっと練度が上がれば複数本同時に出して英名通りになる。
当初はキノコのゴーレムで追い詰める予定だったがさすがにね?(技名もマッシュゴノレムだった)


名称補足

・インフィネイト(INFin∞)
ヤオモモちゃんのこの作中でのヒーローネーム。
インフィニティ・エイトを縮めてインフィネイト。
八百万=無数、無限 と8の字の横倒しが∞にも00がくっついたものにも見えるというこじつけから。百=00


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3年の夏、海辺にて

結局上手く書けず、時間切れなので投稿します。
楽しみにしてくださった方には申し訳ない。


「あ゛っ♥ あ゛っ♥」

 

 

 卑猥な臭いが染みつく部屋で、僕はひたすら腰を振っている。淫裂から白濁を溢して倒れ伏す女達。僕ももう背筋を立てることもできず、尻を突き出すように倒れる女に圧し掛かりながらそれでも腰を振ることを止めない。とはいえそれも限界か。最後の力を振り絞って最奥を抉るように突き込み、肉棒が律動を弾けさせるままに任せ、崩れ落ちる。

 

 

「……朝、か」

 

 

 水平線から頭を出した太陽の爽やかな光が淫靡な部屋に差し込む。近くにいた精根尽き果てたままに眠る百ちゃんと一佳ちゃんのおっぱいに包まれるようにして、僕は眠りについた。

 

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

「うーみーだー!」

 

 

 ボーイレッグの水着に身を包んだお茶子ちゃんが飛び跳ねる勢いで砂浜を駆け出していく。隣を進む梅雨ちゃんも嬉しそうにケロケロ笑い、追いかけていく。

 僕はそんな彼女たちを見ながらビーチパラソルやビーチチェアを設置する。ここは百ちゃんの所有するプライベートビーチ。百ちゃんは使用人に任せようとも言っていたがせっかくだからね。

 男は僕しかいないし、彼女たちとは肉体関係も結んでいる。だからだろう、結構過激な水着を着ている子が多い。

 

 

「ワンピースにするかこれにするか迷ったのこ。でもいーくん的にはこっちで正解だったみたいね」

 

 

 そう言う希乃子ちゃんは眼帯タイプのビキニ、というか乳首が辛うじて隠れているだけというマイクロすぎるビキニだ。笑いながらおっぱいを弾ませて乳輪をわざと溢して見せてくる。

 

 

「胸なら私も負けてないよ」

 

 

 そう言うのは一佳ちゃんだ。活動的な水着を着てくるんだろうと思っていたのだけど……。

 

 

「出久にしか見せないよこんなの!」

 

 

 少し顔を赤らめて身をよじる。その動きで乳首がこぼれた。そう、紐だ。一佳ちゃんが着ているのは紐、スリングショットと呼ばれる水着だ。エロ水着だ。色は赤。健康的で程よい白さの肌を引き立てる。じっくり見ているとその視線に興奮したのか、股間部分が湿って色が変わっているのは見なかったことにしよう。

 

 

「一佳はあざといわー。そういうのは夜に存分にしてもらいましょ」

 

 

 そう言うのは切奈ちゃん。競泳水着のように見える、が少し違うな。やたらとハイレグで脚が綺麗だ。

 

 

「ネタで買ったはいいけど着れなかった水着なんじゃない」

 

 

 フォローするように言うのは響香ちゃんだ。チューブトップのオレンジ色のビキニ。だが後ろを見るとアナル部分が開いたOバック。思わず二度見した僕は悪くないと思う。ドハマりしてるもんなぁ。

 

 

「ん」

「出久に見せるなら気合入れないと」

 

 

 唯ちゃんとレイ子ちゃん。

 唯ちゃんは足首まである全身を覆うタイプの水着……と見せかけて肥大化した乳首とクリトリスが苦しくないように穴を空けている。露出度は低いはずなのに変態っぽさではトップかもしれない。

 レイ子ちゃんはオーソドックスな三角ビキニ。でも黒い水着が肌の青白さを強調していっそ幻想的ですらある。

 

 他にもビーチボールで遊ぶネイちゃんとエリちゃん。……エリちゃん?

 

 

「せっかくですから。エリちゃんもお誘いしましたわ」

「うん、それはいいんだけど……あの水着は駄目なんじゃ」

 

 

 百ちゃんはオフショルダーのパレオビキニ。幅広の帽子にサングラスでいかにもな浜辺のお嬢様。

 でエリちゃんだが……希乃子ちゃんの着ているのと同系統だがさらに布地が少ない。体が小さい子供なのもあって紐そのものと言っても過言ではないくらいだ。

 

 

「慕われておりますわね♪」

「いやいやいや! まずはこう、普通の経験をさせてあげるべきなんじゃ!?」

「女はいつからでも、いつまででも女」

 

 

 声を揃えてそういうみんなに、僕は何も言えなかった。

 

 

 

 

 

「なんでやねん!」

「お茶子ちゃんが関西弁でツッコんでる!?」

 

 

 その後は昼食だ。思わずといった感じで全力ツッコミを入れるお茶子ちゃんだがそれも無理はないだろう。なんせ完全再現された海の家がぽつんと、いつの間にか建っていたのだ。

 

 

「海と言えばこれ、と使用人が言っていましたので」

「だからって味まで再現しなくても……」

 

 

 そう、不味いとまでは言わないがとても美味しいとは言えないあの絶妙な微妙さ。百ちゃん曰く夜のための栄養をしっかり摂れるようにした結果味が犠牲になったとのことで、別に狙って不味くしたわけではないらしい。海の家の魔力か? まあエリちゃんが楽しそうなのが救いか。やたらと僕の筋肉を触ったり顔を擦りつけてくるのは、まあいいか。

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

 

 

「「「「「召し上がれ♥」」」」」

 

 

 いよいよ夜。海鮮メインのバーベキューと手持ち花火を楽しみ、エリちゃんも疲れて眠った午後9時。海辺の旅館を模した宿泊施設の一室に僕たちは居る。障子も雨戸も開け放ち、外と隔てるのは蚊帳のみ。

 いくつもの布団が並び、しかしその上で並ぶように四つん這いになってお尻を突き出して僕に媚びる少女たち、とルミさん(ちなみにルミさんの水着は上はサラシで下は無しだった)。

 腰をくねらせ誘う、自ら尻肉を手で広げ穴を晒す、淫語や指を咥えてちゅぱちゅぱ音を鳴らして気を惹く。選り取り見取り。前戯もしていないのに既に秘裂からは液が垂れ、一気に奥まで貫けとばかりにてらてら光る。月明かりの中で妖しく煌めくそれは理性なんてかなぐり捨てろと訴えてくる。

 順番はどうでもいい。なにせ全員気絶するまで抱くのだ。虫除けの香だと言って焚かれているのが希乃子ちゃん謹製の媚薬であることはみんなも気付いている。僕のチンコは自分で分かるくらいにいつもよりも強くいきり立ち、早くメスを喰らえと律動する。

 

 

「~~~~っ♥ 一気に、奥までぇ♥」

 

 

 右端の女から、一息に最奥まで突きこむ。突きこんで奥をぐりゅりと抉り、ゆっくり抜いていく。膣肉が行かないでと縋るように吸い付き、膣穴から抜いた時にはちゅぽんっと音が鳴った。

 

 

「あんっ」「ひぅっ♥ あ゛っ♥ やんっ」「きたっ♥ あっ、あっ、待って抜いちゃやあんっ」

 

 

 奥まで挿れて子宮を刺激し、抜く。浮遊と黒鞭を使ってスライド移動しながら、蠱惑するよう揺れる愛しい女達の尻を揺蕩う。一人一人違うが気持ちの良い挿入感覚。みんなは一突きだけでは足りず、どうにか僕を留めようとそれぞれ趣向を凝らしてチンコを愉しませる。そして気に入ったおねだりをした子には射精するまでピストンし、絶頂を共にする。

 最初の1回は膣内に出し、それからは背中や尻、おっぱいはもちろん顔にも白濁を降らせていく。体勢を維持できず倒れた子は周りの女達によって体に塗された精液を奪われていく。ついには我慢できずに僕のチンコに直接むしゃぶりつき、嬌声と水音の協演が繰り広げられる。

 気付けば僕は乳房に囲まれ舌は常に誰かと絡め、唇は別の誰かに吸われ、呼吸ができているのが不思議なくらいに間断なく攻め、攻められ。時間も分からなくなるほどに溶けていく。腰だけでは足りず指をマッスルモードの応用で大きく太くしてみんなのおまんこを抉ったり、梅雨ちゃんの舌がやっぱり僕の肛門を狙って前立腺責めをしてきたり。

 そのうちに一人、また一人と気絶するように眠りに落ちて行き、僕も朝陽を受けて女子高生姿の最後の一人に膣内射精してから眠りについた。

 

 こうして僕たちの高校最後の夏が過ぎていった――

 

 




誰かからの置手紙
『しばらく私達はお休みです。頑張ってください』


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エピローグ

『――であるからして! 我々! 異能解放戦線は! 義挙するものである!! 同士諸君! 真の開放を!!』

 

 

 3年生二学期の中間試験を終え、僕たちは食堂のランチ・ラッシュで残り少なくなっていく学生生活を楽しんでいた。

 そこにこの演説……いや、犯行予告である。

 はじまりはなんてことのない、誰かがスマホで見ていたテレビ放送だ。昼のお馴染みの番組がCMに切り替わりサポートアイテムの開発・販売に参入し勢いを増した企業デトラネットのコマーシャルが終わってから。突如顔を隠した男が画面に登場したらしい。そして演説を始めたのだ。

 内容を要約すると、現代社会は個性社会と言いながら規制が厳しすぎる。オールマイトという絶対の存在が失われた以上、市民には自衛の権利がある。そのためには力が必要で、その力とは抑圧された異能、個性である。「個性の母」が個性と称したこの力を抑圧から解放し、真の意味で「個性」とするために活動することを宣言する。ということらしい。

 

 それからは怒涛のようだった。放送に呼応して各県の第二都市でヴィランが武装蜂起。ヴィランと言ってもその実態は訓練を受けた元市民たち。万単位の人数が各都市でその個性を存分に振るい、多勢に無勢なヒーロー達は敗北。撤退できればマシな方で、大抵は暴徒と化した元市民たちに凌辱された。

 これを受けて政府は非常事態宣言と戒厳令を発布し、総勢100万人を超える反政府勢力の鎮圧を国軍に指示した――が、失敗。小銃は防がれ、戦車こそ奮戦したが反乱軍の精鋭集団による攻撃には耐えられず。戦闘機は、残念ながら日本には戦略級の爆撃機はないのだ。一時的な勢いを挫くくらいしかできず、飛行場を制圧されてむしろ奪われてしまった。

 結局軍が完全に防衛できたのは東京などの海岸線に近い場所のみ。東は長野・山梨・群馬から奥羽山脈沿い、西は奈良から京都のラインが異能解放戦線の手に落ちた。1年足らずでだ。

 その間、僕たちも座視していたわけではない。僕はミルコのサイドキックとして各地で奮戦したし、梅雨ちゃんも沿岸地区での強襲揚陸防衛で獅子奮迅の活躍。希乃子ちゃんは前線の慰安も兼ねた駆け出しアイドルの一人としてライブツアー。切奈ちゃんはスパイとして潜り込んでいた。百ちゃんも大学で人脈を強化するだけでなく、経済的な援助で一躍頭角を現して女帝(18)とか言われて恐れられていたらしい。

 他にもクラスメイト達含むヒーローが戦線を支えた。それどころかヒーロー殺しステインと共闘することすらあった。

 

 そうしてどうにか異能解放戦争を収めたが、平和は長く続かなかった。異能解放戦線の残した負の遺産が芽吹いたのだ。いや、今思うにこれもオール・フォー・ワンの仕込みだったのか。

 

 

『俺は、戦う。差別と、偏見と! 俺達こそ人間だ! 新人類の自由の為に! だから頼む、力を、命をくれ……!』

 

 

 新人類自由同盟の決起。彼らは異形型個性でも特に“人間”離れした容姿の持ち主で構成されていた。

 異能解放戦線は主に発動型や変異型個性の持ち主たちが個性使用の制限に不満を持って激発したわけだが、必然的に異形型個性の持ち主は彼らに忌避された。なぜなら異形型個性は常時発動型の個性であり、彼らからすれば自分達と違って自由を謳歌している裏切り者だからだ。

 そんな考えの解放戦線が都市を、コミュニティを支配したら、どうなる?

 簡単だ、異形型個性への虐待が起こった。異形純度の高い者は殺され、低い者は奴隷として蹂躙された。元々社会的に差別に近い待遇を受けていた異形型個性の持ち主たちに襲い掛かった悲劇。戦略上、奪還優先度の低い地域に彼らが多かったのは不幸か、それまでの扱いが浮き彫りになった必然だったのか。

 当然のごとく彼らの多く居住していた地域は長く抑圧され、復興も遅れた。我慢などできなかったろう。

 

 ヒーロー側にも彼らに同調するものは少なくなかった。障子くんが新人類自由同盟に参加したのはショックだった。

 さすがに切奈ちゃんも同盟へのスパイは難しく、だからこそ重要な情報を探り出す意地を見せた。同盟と解放戦線残党が協力しているという事実を。

 同盟と残党――本能解放軍と名乗っていた。それらが有機的に連携し、各地で物資の略奪を中心とした犯罪を繰り広げた。

 そうして数年が経ち、彼らが北海道のとある都市に集結。独立自治宣言。ここぞとばかりに僕らヒーローが結集し(とはいえ同盟に同情的なヒーローも多く戦力的には総力の半分も無かっただろう)、一斉検挙に踏み切ろうとした時。実は同盟をスパイしていた障子くんのもたらした情報で状況が一変した。

 オール・フォー・ワンの脱獄と帰還。独立式典で計画された同盟所属戦士たちのハイエンド脳無化。つまり、彼らは結局踊らされていたのだ。

 

 情報を受け取った僕ら同期の雄英卒業生たちが突入を躊躇った直後、式典会場が謎の泥に包まれ人が消えた。同盟所属の市民たちや突入したヒーロー達が、全員だ。

 そんな場所に一人現れた老齢の男。オール・フォー・ワンだ。そいつは高らかに謳った。復讐。死柄木弔への弔意。鎮魂歌。ヴィラン組織「訃報告ぐ手」の結成と、その目的。世界に死を振り撒き、全部壊す。殺された死柄木弔の遺志を遂げると。

 僕たちとまだ突入していなかったヒーロー全員でオール・フォー・ワンに戦いを挑んだが――負けた。

 悠々と去ったAFOは日本には脳無を中心とした戦力でテロを起こし、その間にアメリカや中国、EUなどを支配していった。……支配でいいのだろうか? アメリカと中国はその土地の有力ヴィランを利用してレア個性を集めてから、行政機構を破壊して世紀末な荒野に変わってしまったのだが。

 

 その間に僕たちは日本の立て直しと放たれた脳無やテロリストの対処に忙殺された。その、ちょうど製薬会社などの医療インフラが打撃を受けて避妊ができなかったのだ。そんな時でも性欲は溜まるし発散もする。……うん、百ちゃんをはじめとして数人を孕ませてしまったんだ。その分動けない彼女たちの穴埋めとして仕事が増えたわけだ。

 式典会場でのヒーロー略取やAFOによる殺害によってただでさえヒーローの数が減っていたところに、百ちゃん他有力な個性戦闘者が離脱したことで結構な針のむしろだったが後悔は無かった。

 死ねない理由が増えたことで乗り切れたこともあったわけだ。特にエンデヴァーや飯田くんがハイエンド脳無として日本を襲うテロリストの幹部になっていたこととか。

 脳無は死者を素材にして作られる。それが分かったのはトガヒミコという、僕を度々(性的な意味で)襲っていた女性からの情報による。彼女と最後に遭ってから既に6年程度は経っていた。

 彼女は当時のヴィラン連合、現訃報告ぐ手の構成員のはずである。しかも現状ではヒーロー側は劣勢。何か重大な理由があるのか。それを聞き出すことはできなかった。代わり(?)にやたらと僕に孕ませることを懇願してきたのだが……子供を奪われて離反したのだろうな。僕の子か。

 この時ようやく、僕は覚悟を決めたのかもしれない。それまでは脳無であっても殺すのは抵抗があった。だが、それももう無い。怒りのままに力を揮ってはいけない。しかし悪に情けをかけられる余裕など僕らには無い。

 

 ヒミコちゃんの協力で敵の拠点を潰して回り、エンドコンテンツと呼ばれるハイエンドを超える脳無すら打倒した。特に死者に変身するエンドコンテンツには苦戦し、ヒミコちゃんの決死の行動で無力化。そして日本を取り戻した頃に、切奈ちゃんとホークスがAFOの本拠地と最終目的が分かった。

 元ハワイ諸島に位置する人工大陸で、マスターピースという存在を完成させること。そしてそれは死柄木弔の蘇生であり、高次存在の創造であり、人類の進化だというのだ。

 しかしそれはマスターピースという存在が地球そのものを崩壊させ、喰らうことで更なるエネルギーを得なければなせないのだそうだ。つまり百ちゃんたち僕の女はもちろん、守るべき無辜の市民たちが皆殺しにされるということ。安っぽい、旧時代の悪役みたいな目的だが……これはフィクションではない。止めなければ、僕の大事な人達が死ぬ。

 

 

 残された時間はあまり無かった。1週間の休暇の後、日本の総力で人工大陸アトランティスにある本拠地へ襲撃をかけた。

 この襲撃には個性をある程度制御できるようになったエリちゃんによって回復させられた元ヒーロー達も多く参加した。その中にはオールマイトもいた。

 トゥワイスというヴィランによって増やされた敵戦力が無限に湧き、AFOへの道を阻む。それを突破するために切島くんが殿を務め、殉職。泡瀬くんと骨抜くんは起動目前のマスターピースを守るドクターを名乗るヴィランを分断するも自爆に巻き込まれ行方不明。他にも多くの仲間たちが僕を先に進ませるために踏み止まり、戦った。

 そして僅かな残り火を取り戻したオールマイトと爆豪くん、そして僕の三人がAFOと対峙した。追い詰め、しかしトドメを刺すことを躊躇した爆豪くんを庇い、代わりにAFOの命を吹き消したのはオールマイトだ。僕がやるべきことだったと悔いたが、オールマイトは優しく微笑んで。

 

 

「これは私の因縁だ、緑谷少年。爆豪少年も、実にヒーローだった!」

 

 

 そんな僕らを嘲笑うように起動したマスターピース、死柄木弔。ご丁寧に彼の経歴がホログラムとして記録されていたAFOによって語られた。オールマイトの師匠、七代目継承者の孫。

 起動したが膨大なエネルギーを発してついには空間すら崩壊させ始め、苦しむ彼、志村転弧。オールマイトは最後の力を振り絞って彼を救った。そして死んだ。髪一本すら残らず、消えてしまった。

 運命への怨嗟を叫ぶ男。僕を止めようと叫ぶ爆豪くん。

 

 

「THE WORLD!!!!! END OF SMASH!!!!!」

 

 

 そうして全てが終わり、僕のヒーロー人生も終わった――はずだった。

 

 

 

 オールマイトのトゥルーフォームのようになった僕の下に、エリちゃんが訪れた。だいたい女子高生くらいか。彼女の力によって勝利に繋がった。君のおかげで皆が救われた、ありがとう。そう伝えた。でも。

 

 

「あなたは救われてない……。私が救いたかったのはあなた! 私を地獄から救い出してくれた、あなたなの!」

 

 

 そう叫ぶや僕にキスをし――僕は巻き戻された。オーバーホールとの戦いで彼女の個性を受けたことはあるが、それとは比べ物にならない強さ。ほんの数秒で僕はワン・フォー・オールを失う前に戻っていた。それでも元通りではなく先代たちの魂は消えていたが。

 そこから先はまあ、語るまい。枯れ果てていたとはいえ側にいてくれた愛しい彼女たちとエリちゃんに搾り尽されては下半身を戻され。一斉に妊娠するとは思わなかったよ……。

 

 

 その後は荒廃したアメリカ・中国の復興支援や、AFO亡き後に混沌に落ちて内戦状態になったEUやら中東やら南米やらを駆け回っている。まともな国は日本とロシアくらい。そんな状態だがヒーローとして活躍している。

 

 AFOの企みを挫き20年近く。子供たちのおかげで僕は日本で雄英高校の校長として励んでいられる。平和を守る意志を持った子供たちを守り育てる。散っていったみんなの遺志を継ぐ。

 

 

「父さん」

「転躯(テンク)。どうかしたかい?」

「百母さんから呼んで来いって」

「そうか。ありがとう」

 

 

 渡我転躯。エンドコンテンツ脳無として改造されていたがエリちゃんの力で人間に戻った僕の息子だ。時期的に見て3年生の秋前にヒミコちゃんと会った時に出来た子だろう。ルミさんの第一子である出兎の次に生まれた、僕にとって第二子にあたる子。

 転躯は今雄英高校で教師として僕を支えてくれている。

 

 

「父さんも大変だね」

「あはは。まあ確かに大変だけど、せっかく勝ち取った平和なんだ。守ってこそヒーローさ」

「いや、そっちじゃなくて」

「え?」

 

 

 転躯が僕を可哀想な人でも見る目で一瞥し、ドアを開ける。いや待って、さすがにその目は傷つくよ。僕もそろそろ50歳が見えて来てはいるけど悲しいときは悲し――

 

 

『『『『『緑谷先生、よろしくお願いします♥』』』』』

 

 

 ふぁっ!?

 どういうことなの……。え、百ちゃんからの手紙?

 ……。…………。待て落ち着け。これは孔明の罠だ。待って転躯、置いて行かないで!? 頑張れって、ちょ、おま!?

 

 

 一晩で十人孕ませろとか無理だよ百ちゃん!

 目指せ校長越えって何! 僕もう校長なんだけど!?

 妊活部!? 創部認可した記憶がないよ!

 どうなってんだこれえええええええ!?

 

 

 

人物列伝

・八百万百

雄英高校卒業後、某大学に進学。経営を学びつつ異能解放戦争時には出久たちを政治・経済的な面から支えた。

その後も築いた人脈を活用し出久たちを援助し、時には前線に出てヒーローとしても活躍。

最終決戦時には子育てを押して参戦。通常脳無などの有象無象相手に持ち前の能力で無双し、戦場を舞う女帝と称された。

決戦後は混乱する日本をまとめるために奔走。その過程で個性復活後の出久が生した子供が母親の個性の純粋強化と身体能力が一般の人類より強化されていることに気付き、『The Ninth Heaven Project』を計画、実行する。

最終的に子供を20人以上生んだとされ、役割を終えたと隠居して以降の消息は杳として知れない。

 

※The Ninth Heaven Project

 『第九天計画』。

 全人類進化計画である。出久の純正OFAを継いだ子供達の特性に着目し、起草された。

 子供達は母親の個性を純粋に強化した個性とOFA5%相当の身体能力強化を受け継ぐことから、出久の血を引いた子供を増やし全人類に血を行き渡らせることで人類の更なる進化・発展を企図した計画である。

 そのために雄英高校を出久のハーレム候補生収集・育成機関とし、より多くの子を作ることで世界の復興を目指した。

 

 

・麗日お茶子

個性戦争では切り込み隊に所属して活躍。殺傷せずに敵の無力化が可能であったため強行偵察や人質救出などで多大な戦功を挙げた。

戦争終結後は麗日建設を再建し、復興事業で会社を大きく成長させた。

またガンヘッド・マーシャル・アーツを発展させた、掌を使用する近接白兵個性用の格闘術「縛掌拳」の開祖として道場を経営。体系的なヒーロー用近接格闘術として後の統合個性戦闘術に貢献した。

 

なお出久との間には最低3人の子を設け、幸せに暮らしたという。

 

 

・蛙吹梅雨

個性戦争にて活躍。沿岸都市防衛戦で多数の戦功を挙げた。

終戦後はそのまま沿岸警備隊に留まり、多くの水難事故救助に従事した。

 

出久との間には記録上10人の子を設けたとされ、子供達も水難救助等に従事したことから水軍の肝っ玉母ちゃんとして多くの信奉者を得た。

 

 

・耳郎響香

個性戦争にて活躍。緑谷出久率いる切り込み隊の索敵役として頼りにされた。

終戦後は趣味の音楽に傾倒。ライブハウスを経営し若手ミュージシャンを支えた。

音楽による人心安定に貢献したことで勲章も授与された。

 

出久との間に設けた子は2人と少ないが、これは肛門性交にどハマりしていたためである。

 

 

・拳藤一佳

個性戦争にて活躍。切り込み隊分隊長として出久を援護した。エンドコンテンツ脳無の単独撃破達成者の一人。

終戦後は雄英高校にて教師を務める。妊活部顧問。

 

出久との間に設けた子は6人。他の妻達が妊娠中などで出久の相手をできない時に積極的に受け持っていたために出産数が少なかったとされる。

 

 

・取蔭切奈

個性戦争にて活躍。諜報員として敵組織に潜入するなど危険な任務に従事した。

各種重要情報の入手に成功し、特別勲章が秘密裏に授与されたほどである。

任務時に一度だけしくじり強姦された。そのため合わせる顔がないと戦争終結後に行方をくらました。しかし個性を失っていた時期の出久が意地で見つけ出し、妻に迎えたというエピソードは映画化され大ヒットした。

なおその関係で演劇関係の職に就いたという。

 

出久との間に設けた子は100人に迫るとされており、トカゲのしっぽ切りによる分身も利用して全霊で出久に愛を捧げた様は有名。後世では「愛の聖女」として知られる。

 

 

・柳レイ子

大学に進学し、卒業までの間に出久の子を生んだ。

自身の子を含む出久の子供達や家族達が敵に襲撃された時に守り抜くことで切り込み隊の面々を大いに助けた。

 

戦争終結前に生まれた子供達には実母よりも懐かれていたようで、当時の出久の妻達が困惑したという記録が残っている。

実際に生んだ子の人数は不明。資料によって1~1万人と明らかにおかしい記録も残されている。

 

 

・小大唯

個性戦争にて活躍。出久率いる切り込み隊への兵站部隊を指揮し、前線を支えた。

単独での潜入工作にも従事し、マウントレディとのコンビは敵からも警戒された。エンドコンテンツ単独撃破者の1人。

 

出久との間に設けた子は5人とされているが八百万百の隠居に付き添ったため、実数は桁が違うのではと目されている。

忙しい時間を縫って柳レイ子と共に子供達の面倒を看ていたらしく、やはりレイ子同様懐かれていたようだ。

 

 

・塩崎茨

雄英高校卒業後、ヒーローとして活躍。大事件の数々を出久と共に解決に尽力した。

平和をもたらした後、八百万百のTNH計画に賛同し第九天教団を設立。その公正さで信用篤く、世界の復興に大きく活躍した。

5年に1回のペースで出久の子を生み続け、総出産数は不明。

教団本部は今も聖地の一つとして穏やかな時を演出している。なお本人に自身がヴィラン組織の首領であった意識は無い模様。

 

※第九天教団

 TNH計画の外郭組織。

 個性発生前の世界を第八番目、現在を第九番目の天と規定し、現在は第十番目の世界への途上であるとする。

 個性という力は発展途上でありその行きつく先に第十天という新世界があり、我々はその新天地に邁進しなければならないという思想を核とする。

 ご神体は出久。救世主は第九天にて出で、第十天に出ずる。その救世主こそ出久であるという。

 荒廃した世界の復興援助と孤児を集め養育し、女児は出久の子を孕むことを目指す。男児は力をつけ出久の子供を嫁にして世界に血を広げるために活動する。

 まさに性質の悪い宗教系ヴィラン組織である。

 

 

・小森希乃子

個性戦争にて活躍。エアボーンによる敵中単騎強行突入からの個性による広範囲制圧戦術でデスメイガスの名で恐れられた。

個性戦争中からアイドルとしても活動しており、その強力な個性も相まって市民からの人気は非常に高く、終戦後も復興支援ライブツアーで多くの民衆を魅了、奮起させた。

 

出久とは35歳のアイドル引退まで関係を絶っていたが、引退ライブ後に即大奥入りした。その後の三日間性戦は大奥では有名。途中からは希乃子以外も乱入したがその全てを出久が返り討ちにしたことで、TNH計画懐疑派も推進派に転向したという真偽定かならぬ噂がある。

生んだ子供の人数は30人を超え、主に復興事業での食糧を支えた。

 

 

・波動ねじれ

個性戦争にて活躍。エンドコンテンツ単独撃破者。グリング・ワールド・ワイド・ウェイヴなどでの超広範囲制圧は戦争規模の戦闘では極めて強力で、敵組織による暗殺を幾度も仕掛けられたが自身で、あるいは出久たちの助力でことごとくを跳ね返した。

 

出久との間に設けた子は15人ほど。子供好きで妊娠中も個性で浮遊しながら保母さんのように振る舞い周囲を心配させていた。

 

 

・渡我被身子

対AFO戦役にて活躍。元はヴィラン連合所属であったが一人息子を奪われたことで離反し、その後ヒーローに協力することで恩赦を得た。

出久との合流直後は精神的に著しく不安定で、出久に膣内射精されてから精液が排出されるまでの間のみまともな会話が可能という有様であった。そのため尋問は出久とその恋人達が執り行い、尋問中は出久のペニスを膣に挿入した状態で行われたため、一部の自称良識派の過激派が情報の真偽を問題視したが成果を出してからはそれも沈静化した。

 

エンドコンテンツと化した息子を取り戻す際の戦闘では獅子奮迅の活躍をし、完全にヒーロー達の信用を勝ち得た。

出久との間に設けた子は50人を超え、八百万百の隠居に付き添ったことからその後も生み続けたと目されている。

 

 

※渡我転躯

渡我被身子が生んだ出久の子。死者に成り代わる憑依変身の個性を持つ。自ら殺した相手ならば個性はおろか経験や記憶も引き継げるためマスターピース候補としてドクターに目をつけられたと思われる。

複数の個性を同時に使いこなす、エンドコンテンツでも最強の存在であったためにヒーローに多大な被害を出した。その贖罪として、終戦後は出久の下で後進の若者たちの育成に従事している。

 

 

・兎山ルミ

個性戦争にて活躍。エンドコンテンツ単独撃破者。戦時中に片腕を失い、療養も兼ねて教導隊所属となった。が、その休暇とも言うべき期間を利用して出久と逢瀬を重ねたとか。

対AFOの最終決戦にて周囲の制止を振り切り出撃。複数のエンドコンテンツに囲まれるも生還。その際に3体のエンドコンテンツを討ち取ったとされる。

 

出久との間に設けた子は8人。治崎壊理による延命を拒否し、出久との逢瀬の時のみ若返っていた。享年88歳。

 

 

・治崎壊理

TNH計画の要の一人。最終決戦で失った出久の個性を復活させた。巻き戻しによる若返りや不老不死を利用して有力者の取り込みに活躍。

 

出久との間に設けた子は推定5人と少ないが、強力すぎる個性を恐れて妊娠を自重したためである。

反TNH計画派による人類回帰計画に子供を利用され、自らの手でその子を生んだ事実を巻き戻し消滅させた。

その後は出久至上主義が悪化し、自らが子を生まない代わりに他の女に生ませようとTNH計画を強力に推進していくことになる。

 

 

・緑谷出久

個性戦争にて活躍。各戦役にて決定的な役割をこなし、名実ともにナンバーワンヒーローの代名詞となった。

いつの間にか実行されていたTNH計画に巻き込まれ、しかし恋人達の善意からの行動を諌めきれず最終的に受け入れた。一年平均ではともかく、総計では某校長を越えたのは確実である。

現代人類の全員が多かれ少なかれ出久の血を引いているとされ、人類の父として慕う者は未だに少なくない。

その後は八百万百とともに隠居し、静かに暮らしているという。生死は不明。

 

 

 

 

 

 

 




これにておしまいです。
ここまでお付き合いいただきありがとうございました。
感想や評価、アクセス数といった目に見える形での評価に支えられどうにか完走できました。
皆々様に無限の感謝を。


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