私達!バレーボール系アイドルμ'sです! (小野こまっち)
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#1 廃校

のんびり更新していきます。
今回は短めですが次回から長くする予定です。
よろしくお願いします。



私、高坂穂乃果!

音ノ木坂学院でバレーボールに青春を賭ける高校2年生!

去年のインターハイ、音ノ木坂学院は予選で破れてしまったけど、今年こそは目指せ全国大会!って思ってたんだけど・・・。

 

 

「残念ではありますが音ノ木坂学院は廃校になります。」

 

廃校・・・廃校・・・ハイコー・・・

 

ーーーーーーーーーーーーー

 

「廃校なんて・・・。どうしよう私全然勉強してないよ?!受験とか編入試験とか・・・・・・!」

 

「勘違いしていますよ穂乃果。」

 

「少なくとも、私達が卒業するまでは廃校にはならないから・・・。でも正式に廃校が決まったら、今の1年生達はずっと後輩のいないまま過ごすんだよね・・・。」

 

「そうですね・・・。それにバレー部も新入部員の数次第では今年で最後になるかも知れません。」

 

「えー!!それは困るよ!!大丈夫だよね?入ってくれるよね?」

 

「どうでしょう・・・。メジャーな部活ではありますが、うちのバレー部はあまり強豪とは言えませんからね・・・。全国に出たのは何十年も前ですし・・・。」

 

「インハイ予選も3回戦で負けちゃったからね・・・。」

 

「あの試合だって絵里先輩と希先輩の離脱が無きゃ勝ってたのに〜。」

 

「勝負の世界でたらればを言っても仕方ありません。一応募集はかけた訳ですし、今日から見学とか体験に来てくれますよ。」

 

「そうだね!いやー今日もパンが美味い!」

 

「補食は結構ですが菓子パンばかりでは太りますよ?」

 

「大丈夫大丈夫!その分練習で消費すれば!」

 

「なら、守備練習もしっかりやって下さいね。」

 

「守備練習はヤダー!助けてことりちゃん!」

 

「あはは・・・。頑張ろ穂乃果ちゃん。」

 

うぅ、酷いよ海未ちゃん。でも廃校になって音ノ木坂の名前が無くなるのは・・・・・・。

 

ーーーーーーーーーーー

 

「さて、今日から新入部員が体験に来る訳よね!」

 

「そうです!部長!」

 

「そう・・・。ならぬゎんで1人として1年が来てないのよ!」

 

部長の言う通り、体育館の半分側。バレー部が使っているスペースには今私、海未ちゃん、ことりちゃん、部長しかいない。

隣で練習してるバスケ部には結構1年生来てるのになぁ・・・。

 

「仕方ないわね・・・。絵里と希は生徒会でいないし、今日はこの4人で出来ることをしましょう。全くこんなにプリティでキュートな部長がいるのになんで人気がないのかしら・・・。」

 

「バレーには関係ないと思うのですが・・・。」

 

「うっさいわね。ほらアップするわよ!」

 

「「「はーい」」」

 

こうして、準備体操、柔軟、キャッチボール、パス練習、対人パスと練習が続いていく。今はは部長とパスしてるんだけど、フェイントばっかりで私にはキツすぎるよ〜!!

 



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#2 新入部員

感想評価お待ちしてます。


「とりあえず、一旦休憩!」

 

「「「はい」」」

 

「ふえ〜疲れた〜。」

 

「穂乃果は揺さぶりに弱すぎです。無駄に走り回るから余計な体力を使うのですよ。もっと部長のモーションや視線を見て動かなくては。」

 

「だって〜。」

 

「まぁまぁ海未ちゃん・・・。あれ?あそこで見てるのって・・・。」

 

ことりちゃんの言った方を見ると体育館の壁越しに私達を見る2人の人影が・・・。

 

「もしかして・・・。もしかして!」

 

「ちょ?!穂乃果!」

 

「穂乃果ちゃん!」

 

もしかしてもしかしてもしかして・・・!新入部員!

 

 

「あの!!」

 

「ピャァ!な・・・なんですか?」

 

「もしかして入部希望の人?それとも見学?ようこそバレー部へ!」

 

「穂乃果、そんなにいきなり話しかけてはいけませんよ。困ってるではないですか・・・。」

 

「そうだよ穂乃果ちゃん。2人はえーっと・・・。バレー部を見学しに来たでいいのかな?」

 

「はっ・・・。はい!」

 

「そうです。」

 

「ならそんな所じゃなくて中に入っていいよ?どうぞ〜。」

 

ことりちゃんに連れられ2人がおずおずと中に入って行く。

そうだよね、いきなり話しかけ過ぎたら引いちゃうよね、反省反省・・・。

 

「部長〜。見学しにきたんだそうです!」

 

「「よろしくお願いします。」」

 

「やっと来たわね!まぁ今日は人が少なくていつもみたいな練習は出来ないけど・・・。」

 

「部長!人が少ない今日だからこそ1年生と話す時間を作ってもいいんじゃないでしょうか!」

 

「穂乃果・・・。あなた体良く練習をサボる気ですね。」

 

「そっ!そんな事ないよ!ほら入学したばっかだし色々不安だろうから部活以外にも聞きたい事とかあるんじゃないかな〜って!」

 

「まぁ穂乃果の言うことも一理あるわね。今日人数少ないし、なんでも聞いてちょうだい!えーっと名前は・・・。」

 

「えっと、星空凛です!」

 

「こっ、小泉花陽です・・・。」

 

「そう、凛に花陽ね。私は部長の矢澤にこ。ニコニーって覚えてニコッ☆」

 

空気が凍ってるよ部長・・・。私も初めアレやられたなぁ・・・。

 

「気にしなくていいですよ。私達は2年の園田海未です。」

 

「私も2年の南ことり。こっちにいるのが・・・。」

 

「2年の高坂穂乃果です!よろしくね、凛ちゃん!花陽ちゃん!」

 

「よっ・・・よろしくお願いします。」

 

「そこにいる2年生3人と私、今は居ないけど3年の絢瀬絵里と東條希の6人が部員ね。大会の時なんかは人数合わせで助っ人が来てくれるときもあるけど。」

 

「ちなみに2人はバレーの経験は・・・?」

 

「私は陸上部と兼部ですけど中学からやってました。」

 

「私も・・・中学からです・・・。」

 

「そうなんだー!いいねいいね!」

 

「2人は他に入ろうと考えている部活はあるのですか?」

 

「んー。私は陸上部と迷ってて・・・。」

 

「私は特には・・・。」

 

「そっかそっか!うーん出来ればウチに入って欲しいけど・・・。ゆっくり考えればいいんじゃないかな!そう言えば2人はさぁ・・・。」

 

こんな感じで今日の練習はほとんど2人と話して終わっちゃった。

経験者だし、今後のためにも入って欲しいなぁ・・・。

 

ーーーーーーーーーーーー

 

ー同日夕方ー

 

「かよちん!どうだったバレー部は?」

 

「・・・うん、いい感じだと思うよ?先輩達もいい人だったし・・・。凛ちゃんはどうするの?陸上部もよかったと思うけど・・・。」

 

「うーん凛はバレー部に入ろうかな。バレーならまたかよちんと出来るし、人も少ないからすぐレギュラー取れそうだし!」

 

「凛ちゃん・・・!でも私、あんまり上手くないし・・・。」

 

「大丈夫だにゃ、かよちんは十分上手いよ!そうだ明日体験に行こうよ!いつでもウェルカムって穂乃果先輩言ってたし!」

 

「うん!」

 

ーーーーーーーーーーーー

 

ー同日、生徒会室ー

 

山積みの書類を片付けながら廃校の事を考える。

春高では怪我による交代、全国という夢は不完全燃焼のまま終わってしまった。

そして音ノ木のユニフォームを着て試合が出来るのは色々な意味でこれが最後・・・・・・。

 

「険しい顔してたらべっぴんさんが台無しやでエリち。」

 

「・・・希。」

 

「まだ廃校が決まった訳じゃない。今年のインハイで結果を出せば・・・」

 

「分かってる。でも簡単じゃない事くらい希も分かってるでしよ?」

 

「ん〜。うちは案外面白くなるんやないかなって思うよ?カードにもそう出てる。」

 

「まぁ、廃校にならないよう生徒会でも動きましょう。策は多い方がいいわ。」

 

絶対に廃校になんてさせない。させないんだから・・・。

 



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#3 センターとリベロ

感想評価お待ちしてます


「1年の星空凛です!中学ではセンターやってました!」

 

「同じく1年の小泉花陽です。中学ではリベロを主にやってました。」

 

今日の部活は昨日居なかった絵里先輩、希先輩が来たので体験に来た2人の紹介から始まった。

 

「絵里と希以外は昨日いたから分かると思うけど改めて、部長の矢澤にこよ。ポジションはリベロ。よろしくニコ☆」

 

「初めまして、絢瀬絵里よ。ポジションはオポジットを主にやっているわ。」

 

「ねーねー海未ちゃん。毎度思うんだけどオポジットって何?」

 

「知らなかったんですか?オポジットはいわゆるセッターの対角のアタッカーです。いつも絵里先輩はそこではないですか。」

 

「あはは・・・。勉強になります・・・。」

 

「うちは東條希。センターや、よろしく。」

 

「2年の3人は昨日言ってたけど穂乃果と海未がレフトね。ことりがセッター。」

 

「部長!なんで私達まとめちゃうんですか!」

 

「アンタらは昨日いたからよ。あとは時短ね。さっ練習するニコ〜。」

 

「そんな〜。」

 

今日の練習もいつも通り準備体操とかのアップやパス。今日の相手はことりちゃん!セッターだけあって綺麗なオーバーパス!

私はあんまり綺麗じゃないから羨ましいや・・・。

 

「よし、一旦休憩入れるわ。次はスパイクやりましょうか。」

 

「あら、3角パスやスリーメンとかやらないの?」

 

「今日は体験者もいるし、2人の実力が見たいからとりあえず基礎的なものを一通りやろうかなって。」

 

「なるほどね。」

 

「とりあえず花陽はリベロ、凛はスパイカーの方に入ってもらっていい?」

 

「「はい!」」

 

「おっけー。それじゃあスパイク始めるニコー。いつも通り全員レフトからねー!」

 

こうして凛ちゃん、花陽ちゃんを入れたスパイクが始まりました。最初は凛ちゃんはネットの高さに、花陽ちゃんは球の速さに苦戦してるみたいだったけど、凛ちゃんはしばらくしたら慣れてきたみたいでいいスパイクを打ち始めた。

 

「いっくにゃー!」 パシン

 

「おっ! やるわね・・・。」 トン

 

「いくでー!そーれ!」 バシン

 

「ピャァ!! ダレカタスケテー」

 

花陽ちゃんは凛ちゃん以外のスパイクは取れてない・・・。なかなか慣れないよね・・・。ファイトだよ!花陽ちゃん!

 

「じゃあポジションごと!凛はいけそうだからセンターで!」

 

「はい!」

 

ポジション別のスパイクは1人がことりちゃんにパスして別の人がそれぞれのポジションからスパイクを打つ練習。私このパス出し苦手なんだよなぁ・・・。

 

「いくよ穂乃果ちゃん!」 シュッ

 

「よっ!」 ポーン

 

「平行!」

 

「・・・・・・!」 ポン

 

「決めるわ!」 ズバン

 

「甘い!」 バン

 

絵里先輩の渾身のスパイクを軽々レシーブする部長、あんなスパイク私絶対とれないよ・・・。

 

「穂乃果ちゃん!次スパイクだよ!」

 

「うわっ!えーっとオープン!」

 

「・・・はい!」 ポン

 

「うりゃぁぁあ!」 ドーン

 

「アホー!!アンタまたホームランじゃない!いい加減制御しなさいよ!」

 

「ごめんなさいー!」

 

この後もしばらくスパイク練習をした。凛ちゃんはもうAクイックが合ってるみたい!これは期待できるね!

 

「花陽、ちょっとにこと場所変わりなさい。あんまスパイク受けれてないでしょ?」

 

「いいんですか?でも・・・・・・。」

 

「次で最後だからいいのよ。ほら変わった変わった!」

 

イクヨー! ハイ! ポーン

 

「平行!」

 

「やぁ・・・!」 ポン

 

「・・・・・・!」バシン

 

「・・・・・・・・・ダレカタスケテー!!」 バン

 

絵里先輩のスパイクは花陽ちゃんの正面!かなりの威力だったけど花陽ちゃんは綺麗にカット!

 

「・・・・・・!!やったー!かよちんやったにゃー!!」

 

「じゃあ休憩入れるわ。次はサーブ練習するから。」

 

ーーーーーーーーーーーーー

 

ー休憩中ー

 

「かよちん!最後の凄かったにゃー!」

 

「そんなことないよ・・・。正面だったし、1本だけだし・・・。凛ちゃんのがよっぽど・・・。」

 

「それでも凄いよ!」

 

「そうかな・・・。ん?あれって・・・。」

 

「だれか練習を見てるにゃ。あれは西木野さん?」

 



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#4 練習を終えて

感想評価お待ちしております。


ー練習後、穂乃果、海未、ことりsideー

 

「いやー練習終わりのパンが美味い!」

 

「ちゃんとバランス良く食べなけれいけませんよ。野菜なども・・・。」

 

「それはあとで食べるよ・・・。それよりもさぁ!凛ちゃんと花陽ちゃんどう?かなり期待出来るんじゃない?」

 

「そうだね。凛ちゃんは言わずもがな、花陽ちゃんも1本いいの上げてたし!」

 

「しかもエースである絵里先輩のスパイクですしね。慣れてくれば正面でなくても取れると思いますし。」

 

「だよねだよね!」

 

「そう言えばアレ、誰だったのかなぁ?」

 

「アレ・・・、とはなんですかことり。」

 

「影で練習見てる子がいたんだよね〜。ずっとじゃなかったけど・・・。」

 

「もしかしてまた入部希望者とか!」

 

「なら堂々と入れば良いでしょう。」

 

「なら誰かのファンとか?」

 

「うちの部は可愛い子ばっかりだからあるかもね!海未ちゃんとか結構人気あるし!」

 

「こっ・・・ことり?!どういう事なのですか?」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

ー練習後、side絵里、希ー

 

バシーン バシーン

 

「オーバーワークはアカンよ・・・、エリち。」

 

「・・・希。まだ残ってたのね。」

 

「1人で出来るものとはいえ、あまり追い込むと逆効果・・・・・・」

 

「それでも・・・現実問題インハイで結果を出すには今以上にやらなきゃならないでしょ。」

 

「・・・・・・エリち。あまり背負い過ぎたらあかんよ。」

 

「分かってる。」

 

「んーじゃあ、うちも残ろうかな。セミトスくらいは上げれるし。」

 

「・・・・・・ありがとう。」

 

「じゃあ早く始めよ?あんまり遅くなるのもアレだし!」

 

「ええ・・・。」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

ー練習後、凛、花陽sideー

 

「久しぶりにしっかり練習したにゃ。」

 

「そうだね。でもやっぱり全然レベルが違うよ・・・。私なんかじゃ全然・・・。」

 

「そんなことないよ!」

 

「でも・・・」

 

「まだ始めたばかりだよ?これからにゃ。」

 

「・・・凛ちゃん。そうだよね!」

 

「一緒に頑張っていこ?ねっ!かよちん!!」

 

「うん!」

 

「それにしても西木野さんは何してたのかにゃ?」

 

「練習を見てたんだろうけど・・・。バレー興味あるのかなぁ?」

 

「んー。わかんないにゃ。」

 

ーーーーーーーーーーーーーー

 

ー翌日、凛、花陽sideー

 

「「よろしくお願いします!」」

 

「あぁ入部届けね、確かに受け取ったわ。それから2人には伝え忘れてたけど今日は体育館が使えなくて練習offだから、間違えて行かないように。んじゃよろしくにこ〜!」

 

「わっワカリマシタ!失礼します!」

 

「失礼しま〜す。」

 

 

「はぁー今日はオフなのか〜。せっかくやる気だったのににゃ〜。」

 

「仕方ないよ。でも練習したいのはわかるなぁ・・・。」



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#5 3人目

感想評価お待ちしております。


「え〜かよちん一緒に帰れないの〜!!」

 

「ごめんね。飼育係の仕事代わってって言われちゃって・・・」

 

「なら終わるまで待ってるよ!」

 

「凛ちゃん・・・!でも結構時間かかっちゃうから・・・。気持ちだけ受け取っておくよ・・・。」

 

「・・・・・・わかったにゃ。あーあ練習も無いし、かよちんと帰れないし、今日は散々だにゃ。」

 

ボヤく凛ちゃんを見送って飼育係の仕事へ向かいます。

でもなんでアルパカがいるんだろう・・・。可愛いけど不思議です!

 

「えーっと道具はこれで全部・・・。あれ?アレは・・・。」

 

体育館を覗く後ろ姿・・・。アレは間違いなく西木野さん?

また練習見に来たのかな?

 

「あのー・・・。西木野さん?」

 

「ヴェェ・・・。えーっとアナタは・・・小泉さん?」

 

「うん。どうしたのこんなところで?今日はバレー部休みだよ?」

 

「そ・・・、そう。じゃあ私用事があるから!」

 

「あっ!ちょっと・・・!」

 

行っちゃった・・・。やっぱり入りたいのかなぁ・・・。

ん?これ西木野さんの生徒手帳。

 

ーーーーーーーーーー

 

「えーっとこの辺のはずだけど・・・。」

 

飼育係の仕事が終わった後、西木野さんの生徒手帳を届けに来ました。

書かれてる住所はこの辺のはず・・・です!

 

「この辺はあんまり来たことないけど・・・、こんな公園あったんだ・・・。

アレは・・・。」

 

公園の片隅で壁打ちをしていたのは・・・、西木野さんでした。

 

「西木野さん。」

 

「・・・・・・小泉さん?」

 

こちらに気づいて壁打ちを辞める西木野さん。

その後、私と西木野さんは公園のベンチに座り、私は生徒手帳を渡しました。

 

「これ、私の・・・。えっと、ありがとう。」

 

「ううん、どういたしまして。ねぇ・・・西木野さん。」

 

「・・・なによ?」

 

「バレー部入らないの?練習見てたし、今だって・・・。」

 

「べっ別に・・・、なんて言うか・・・。何となくよ!中学でもやってたし、何となく手持ち無沙汰だっただけ!」

 

「そっか・・・。」

 

「ねぇ・・・。明日・・・。」

 

「明日?」

 

「明日は練習あるの・・・?」

 

「・・・!うん!朝練もあるんだ!見学だけじゃなくて体験も歓迎してるから!その・・・西木野さんが良ければ来て・・・欲しいな。」

 

「・・・考えておくわ。」

 

髪をくるくるしながら答える西木野さん。

きっと・・・来てくれるよね?

 

ーーーーーーーーーーーー

 

「でもさーホントに来るの?西木野さん。」

 

「うーん・・・、たぶん・・・。」

 

もうすぐ学校に着くけど西木野さんには会いませんでした。

あの感じなら来てくれるかなって思ったのに。

 

「ねぇかよちん!アレ!」

 

凛ちゃんが校門の方を指差します。

校門の前で待っていたのは・・・!

 

「西木野さん!」

 

「あなた練習に誘ったのに時間言わないからかなり待ったじゃない。それから・・・、真姫」

 

「え?」

 

「これから一緒の部活に入るんだから名前でいいわ。私も2人の事名前で呼ぶから・・・。」

 

前みたいに髪をくるくるしながら話す西木野さん。

私は謝りながら2人と一緒に体育館へ向かうのでした。

 

ーーーーーーーーーーーー

 

「1年の西木野真姫です。よろしくお願いします。」

 

真姫ちゃんの自己紹介の後、先輩達の紹介をして、練習が始まりました。

 

「じゃあいつも通りアップから始めるわ。1年だからって遠慮なくプレーしなさい!2、3年はインハイを見据えて練習すること!いいわね!」

 

「「「「はい!」」」」

 

今日のメニューはみっちり基礎練です!

私もまだまだ下手っぴだし、頑張らなくちゃ!

 



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#6 試合!

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「じゃあ10分休憩!」

 

「はぁ〜疲れたねぇ。」

 

「まだまだ序盤ですよ穂乃果。」

 

海未ちゃんはこう言うけど、辛い物は辛いよぉ・・・。

それに序盤は基礎練だから楽しくないし苦手なんだよねぇ・・・。

 

「高坂さん!ちょっと・・・。」

 

「あっ理事長。どうしましたか?」

 

音ノ木坂学院の理事長・・・、ことりちゃんのお母さんでもあるんだ。

その理事長に呼び止められる。

 

「ちょっとね。矢澤さんいるかしら?」

 

「はい!呼んできますね!」

 

すぐに部長を呼んできて休憩に戻る。2人は何か色々話してるみたいだけど・・・、なんの話だろう・・・。

そのうち部長が戻って来て練習が再開・・・、すると思ったんだけど・・・。

 

「全員集合!」

 

「どうしたんですか部長。」

 

「突然だけど来週練習試合をする事になったわ。新入生も入ったし、新チームの実力を試すいい機会だわ。」

 

「練習試合かぁ!」

 

「日時は来週の水曜の放課後。ウチの体育館でやるわ。」

 

「ちょっとにこ!来週の水曜って言った!?私出れないじゃない!」

 

「それについては理事長から伝言よ。絵里、アンタは合同説明会とやらに予定通り出なさい。以上。」

 

「そんな・・・。」

 

「絵里抜きでどれだけやれるのか、その辺も見ていくわ。特に1年達!問答無用で出てもらうからそのつもりで。」

 

「それでにこっち。相手はどこなん?」

 

「ふっふっふ。なんと・・・!」

 

ーーーーーーーーーーーー

 

ー練習試合当日ー

 

「まさか全国制覇したUTXと試合なんてねぇ・・・。」

 

「2軍ですけどね。」

 

私立UTX学園は去年一昨年とインハイ、春高を制している超名門校。

去年見た全国決勝も凄かったなぁ・・・。

エースの綺羅ツバサさん、セッターの統堂英玲奈さん、ミドルブロッカーの優木あんじゅさんは特に有名で、もう語りだしたら2時間は止まらないくらいだよ!

 

「お母さんの人脈に感謝だね!」

 

どうやら今日UTXを中心に近隣の高校の代表を集めて行う合同入学説明会ってのがあるらしくて、体育館が使えないならって理事長が試合を取り付けてくれたみたい。

2軍だから3人は来ないけど新チームになっての初試合!頑張らなくちゃ!

 

ー試合開始1時間前ー

 

「さてと、とりあえずスタメンを発表するわ。とはいえ人数的に全員出てもらうけどね。」

 

部長の言葉から試合前のミーティングは始まった。

なんかこういうピリッとした感じがいかにも試合って感じだよね!

 

「レフトは穂乃果と海未、センターは希と凛、セッターはことり、対角は真姫ちゃんね。花陽は希と交代でリベロ。凛は私と交代ね。」

 

「「「「はい!」」」」

 

「一応先週から実践的な練習をやってきたけど、不慣れなとこも多いから上級生が積極的にカバーに行くこと!それからコートに入ったら学年は関係ないわ。遠慮は無し!じゃあアップ始めるわよ!」

 

こうしてアップが始まりました。

初めての試合!ファイトだよ!

 

 




メンバー表

ーーーーーーー
穂乃果 希 真姫

ことり 凛 海未

リベロ
にこ 花陽


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#7 試合開始!

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「あっ!UTXの方々がいらっしゃったみたいです。」

 

「んじゃ挨拶行きましょうか。全員集合!」

 

「「「「はい!」」」」

 

 

「ねぇねぇかよちん。あれって・・・。」

 

「うん!1軍正セッターの統堂英玲奈さんだよ!ほっ本物初めて見た!」ピャァ!

 

「今日はよろしくお願いします。キャプテンの矢澤です。」

 

「今日の責任者の統堂だ。いい試合にしよう。」

 

「申し訳ないんですけどウチは人がいないので線審と審判はそちらにお願いしたいのですが・・・。」

 

「ああ、了解した。スパイクは30分後から、サーブはその後でいいだろうか。」

 

「はい。練習は奥の半面を使ってください。荷物と着替えはステージ裏でお願いします。海未!案内して!」

 

「あっはい!こちらです。」

 

 

 

ー試合前音ノ木坂ベンチー

 

「あ〜。緊張した。本当に同い年かしら。」

 

「にこっち・・・。」

 

「まぁいいわ。3セットとはいえ貴重な機会よ!思いっきりいきましょう!」

 

「「「「はい!」」」」

 

「円陣・・・はいっか。ユニフォームじゃないし、にこと花陽だけビブスだし。」

 

「伝統とはいえ練習試合じゃやりにくい円陣やしねぇ。」

 

「それにまだ1年生には教えてないしね。とりあえずのやつでいっか。じゃあ頑張って行きましよう!えいえい」

 

「「「「おー!」」」」

 

「なんか締まらへんなぁ・・・。」

 

 

 

ー試合前UTXベンチー

 

「音ノ木坂は春高は3回戦で敗北してるがリベロの矢澤、センターの東條、今日はいないがエースの絢瀬は都内でもトップレベルの選手だ。しっかりやるように。」

 

「「「「はい!」」」」

 

「コーチの言う通りだ。お互い新チームとはいえ、今後当たる可能性がある。油断せずに行こう!」

 

ーーーーーーーーーーーーーー

 

ピィィィ!

 

第1セット音ノ木坂サーブ。

 

「海未ちゃんナイスサー!!」

 

「ふー。はぁっ!」 パシン!

 

放たれたサーブはバックライト正面へ。

しかしレシーブは乱れ二段トスになりレフトへ。

 

(このトスならストレートはない!)

 

「希先輩!」

 

「「1.2.3!」」 バシッ

 

ピッ! 音ノ木 1ー 0 UTX

 

「やったぁ!ナイスブロック希先輩!」

 

(ポイントはウチやけどポジション指示は・・・。案外期待できるかもね今年の新入生は!)

 

「ねぇねぇかよちん。海未先輩のサーブなかなか特徴的だよね。あんなに壁ギリギリまで下がってさ。」

 

「あれはフローターサーブの1種、いわゆるロングサーブってサーブだよ。エンドラインからかなり下がって思いっきり打つ、その軌道は伸びて相手コートギリギリに入る!普通のフローターよりスピードと威力が高いのが特徴だね。」

 

「だから相手はレシーブが乱れたんだね。」

 

ピィィィ!

 

「ふー。はぁっ!」 パシン

 

ボールは同じくバックライトへ。

多少乱れたレシーブになるもののオープントスがレフトへ。

 

「「1.2.3!」」 パシッ!

 

「ワンチや!にこっち!」

 

「オーライ!」 ポン!

 

「レフト!」 「2番!」 「ライト!」

 

(穂乃果ちゃんに上げたいけどここは!) ピュッ! パシーン!

 

「決まったぁ!希先輩のBクイック!」

 

「その前の部長のレシーブもワンタッチとはいえAパス!流石です!」

 

 

ピィィィ!

 

「ふー。はぁっ!」パシン! ガシャ

 

ピッ! 音ノ木 2ー1 UTX

 

「ネット・・・。惜しい!どんまい海未ちゃん!」

 

「やはりストレートは感覚が狂いますね。」

 

「切り替えていくわよ1本集中!」

 

 

ピィィィ! パシン!

 

(やっぱり1軍と2軍じゃ差があるわねぇ。)

 

「オーライ!」 ポン

 

(部長凄いなぁ・・・。相変わらずAカット。どこでも使えるけどここは!穂乃果ちゃん!)ポーン

 

「よっしゃぁぁあ!」 バシーン!

 

ピッ! 音ノ木 3ー1 UTX

 

「穂乃果先輩、今日は調子いいみたいだにゃー!」

 

「相手のブロックの間を撃ち抜いたね!」 ナイスデス!

 

ピィィィ!

 

(私でこの流れを止めるわけには行かないわ!) パシン

 

サーブは相手リベロ正面へ。

Aカットされ、相手レフトにストレートを決められる。

 

「流石UTX。しっかりコースをついてくるね。」

 

「真姫ちゃんがチャンスサーブすぎだにゃ。アレなら中学生でもAカットにゃ。」

 

ピィィィ!

 

(しまった無回転!前に落ちる!) ズサァッ! ポン!

 

「ギリギリで滑り込んで取ったにゃ!」

 

「よく取ったよ真姫ちゃん!」

 

「穂乃果ちゃん!」ポーン

 

「おっけーい!」 バシーン!

 

ピッ! 音ノ木 4ー2 UTX

 

「やっと凛の出番だにゃー!」

 

「頑張ってね!凛ちゃん!」

 

「すぐ出るんだからあんたも頑張るのよ花陽。」

 

ピィィィ!

 

(とりあえず仕掛けてみよっかな・・・。そーれ!) パシン ガシャ!ポト

 

「・・・・・・ネットイン!ラッキーラッキー。」

 

「もう1本!希先輩!」

 

ピィィィ! パシン ガシャ! ポト

 

「2本連続でネットイン!今日もついてるなぁ希先輩!」

 

(アレ狙ってやってんのよねぇ・・・。ホントよくやるわ希のやつ。)

 

ピィィィ! パシン!

 

「今度はサービスエース!希先輩凄いです!」 パナパナ

 

ピィィィ! タイムアウトUTX。

 

 

ー音ノ木坂ベンチー

 

「ナイスサーブです!希先輩。」

 

「たまたまや。タイム明けから相手も切り替えてくるから油断したらアカンよ。」

 

「そうですね。気を引き締めて行かなくては・・・!」

 

「とにかくいい流れがこっちに来てるわ!できるだけこの流れをキープするわよ!えいえい」

 

「「「「おー!」」」」

 

(やっぱりいつもの円陣の方がよかったかしら・・・?)

 



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#8 ポテンシャル

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音ノ木 7ー2 UTX

 

「ナイスサー!希先輩!」

 

ピィィィ!

 

(といってもそろそろ取られそうなんやけどなぁ・・・。タイム明けやから慎重に慎重に) パシン

 

サーブはバックレフトへ。

セッターへきっちり返し、レフトオープンが上がる。

 

「「1.2.3!」」パシン!

 

「アカンウチか!ごめんことりちゃん」 ポーン

 

(これだけ乱れちゃったらレフトしかない!とにかく大きく) ポーン

 

「まっかせてー!」 パシーン

 

(へぇ・・・。あのパワーバカの穂乃果が軟打で繋ぐなんて・・・。ホントに調子いいのねぇ今日。)

 

しかしUTXにとってはチャンスボール。

きっちりとAクイックを決められる。

 

ピッ! 音ノ木 7ー3 UTX

 

「いやーごめん。頑張って花陽ちゃん。」 ハイタッチ

 

「はっハイ!ガンバリマス!」 ハイタッチ

 

(あがってるなぁ・・・。)

 

ピィィィ! パシン

 

「オーライです。ことり!」 ポン

 

「おっけー!」 シュッ パシン!

 

「おー!ナイス凛ちゃん!初得点や!」

 

「ホントよくこの短期間でクイックが合うわよね。」

 

「身体能力だけなら部内でもトップレベルやと思うよ。その能力のなせる技やね。」

 

ピィィィ!

 

(とりあえずリベロ以外に打たなきゃ!)

 

「おりゃー!」 パシ! ガシャ!

 

ピッ! 音ノ木 8ー4 UTX

 

「このアホノカー!アンタは攻めどきってのをいい加減覚えなさい!」

 

「ふぇぇすいません〜。」

 

「まったく・・・。穂乃果が後ろに行く裏ローテまでにできるだけ点差つけたかったのに・・・。」

 

「せやね・・・。」

 

その後はお互いにラリーとなり、それを制した音ノ木坂が9点目をもぎ取る。

 

「この海未、凛、真姫ちゃんのローテが1番キツイのよね。」

 

「海未ちゃんは穂乃果ちゃんと違って決め切れるタイプじゃないからなぁ・・・。花陽ちゃんもいっぱいいっぱいみたいやし、穂乃果ちゃんは守備が苦手やから自ずと上がってくるレシーブは乱れる・・・。」

 

「レシーブがアレじゃクイックは上げられないわ。となると選択肢は両サイドしかない。そして・・・。」

 

(またきっちりブロックが・・・!) パシン

 

「真姫ちゃんのスパイクが全部ブロックにかかっているのよねぇ・・・。」

 

(まだ高校のネットの高さに慣れてないからなあ・・・。唯一打ち抜けるクロスはバッチリ締められてるし・・・。)

 

「このローテはずっとラリーになりそうね・・・。」

 

そう話しているうちに音ノ木坂は連続で3点をとり11対4。

にこっちの予想通り長いラリーを制しての得点だったわけやけど。

 

(なんというかこのローテは苦戦すると思ったけど嬉しい誤算やね。)

 

攻撃面では決め手に欠けるが、守備面では善戦していた。

真姫ちゃんがしっかりブロックの位置取りをしている事でかなりコースを絞れている。

やっぱりあの子、リードブロックがしっかり出来てるやん。

花陽ちゃんはなんだかんだで正面のレシーブは安定してるし。

あっまたラリーを取った!

ホンマに今年は期待できるかもなぁ・・・。

 

「まだまだね。」

 

「にこっち・・・。あんまり盛り下げるようなこと言うたらアカンよ・・・。」

 

ーーーーーーーーーーーー

 

ピッピッピィィィ! 音ノ木坂 25ー18 UTX

 

「やったぁUTX相手に1セット取れたよ!」

 

「最後のスパイク凄かったよ穂乃果ちゃん!」

 

結局1セット目は私達が逃げ切って勝ちました!

2軍とはいえUTX相手に新チーム初勝利!

いやーきっと試合後のパンは美味い!

 

「あんまり調子に乗るんじゃないの。次の試合は10分後。特に変更はしないから。水分をしっかり摂って身体冷やさなように!」

 

「「「「はい!」」」」

 

部長は厳しいなぁ

もう少し喜んでもいいのに・・・。

 

 

 

「厳しいなぁにこっちは。」

 

「相手は1年とベンチにも入らないような2年が中心なんだから似たようなものとはいえ、アンタとにこが出てる時点でウチが勝って当然よ。」

 

「まぁそうかもしれないけど・・・。」

 

「それより次のセットから負担増えるわよ。アンタも遊ぶのはやめときなさい。」

 

「ありゃ、バレとったか・・・。」

 

にこっちは誤魔化せへんなぁ・・・。

 



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#9 世代No1セッター

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「25ー23!接戦だったけど何とか勝ったね!」

 

「穂乃果ちゃん今日は安心して上げられるよ!」

 

「あまり褒めすぎてはいけませんよことり。また調子に乗りますから・・・。」

 

海未ちゃんはそう言うけど勝ちは勝ちだからいいと思うけどなぁ・・・。

とはいえUTX側のベンチはかなり雰囲気悪いなぁ。

強豪校ってそういう感じなのかなぁ・・・。

 

「向こうのコーチに頼んで少し長めに休憩もらって来たわ。全員ストレッチしてしっかり休みない。」

 

「えぇー?!せっかくいい流れで来てるのに・・・。」

 

「穂乃果みたいな体力バカだけならこんな事しないわ。1年達の為よ。」

 

体力バカって・・・。

でも凛ちゃん、花陽ちゃん、真姫ちゃんはかなり疲れてるって感じ。

ゲーム中は全然気づかなかったなぁ。

 

「まぁ向こうも練習したいって話だったし、ちょうどいいわ。とにかく身体だけは冷やさないようにしなさい!」

 

部長の言葉を合図にそれぞれストレッチをしたり休憩を始める。

長めの休憩って以外とすぐ過ぎちゃうよね。

それでも凛ちゃん達は回復したみたいでさっきよりいい感じな気がする!わかんないけど!

 

ー最終セット音ノ木坂ベンチー

 

「次だけど、どうやら統堂さんが出てくるみたいね。世代No1のセッターと当たれる貴重な機会よ!存分にやられましょ!」

 

「やられたら意味ないと思うよにこっち。」

 

「うっさいわね。あの人たちの凄さは同世代だから希もわかるでしょ。

とにかく出し惜しみしないように!いいわね!」

 

「「「「はい!」」」」

 

ーーーーーーーーーー

 

最終セット 音ノ木坂サーブ

音ノ木坂 0ー0 UTX

 

ピィィィ!

このセットから前後が入れ替わって私からサーブが始まるわけだけど・・・。なかなか緊張するなぁ。

 

「いくぞー!そい!」バシン!

 

サーブは相手のリベロへ、しかし若干乱れてセッターの統堂へと渡る。

 

(すまないが負けられなのでね。仕掛けさせて貰うよ。) シュッ パシン!

 

ピッ!

音ノ木坂 0ー1 UTX

 

「レシーブの精度が良くないのに強引にAクイックですか・・・。」

 

(完全にマーク外してたにゃ・・・。)

 

「早速見せてくれるやん・・・。」

 

ピィィィ!

 

(さてと、相手のバックレフトは見てる限り前に落ちる無回転へのレシーブが下手。そこを攻めない手はないな。) パンッ

 

「うわぁぁぁマズいぃぃい!!」

 

私は滑り込むも1歩届かずサービスエース。

UTXに2点目が入る。

 

ピィィィ!

 

英玲奈のサーブは同じコースで穂乃果へと打ち込まれる。

何とか拾うが花陽による二段トスになる。

 

(この裏エースの子は二段トスに合わせるのは上手いがコースは同じだ。そして・・・。)

 

海未のスパイクは相手リベロに拾われてしまう。

 

(セッターの子はストレートへのブロックが甘い。まぁほんの少しだがな・・・。) ポーン バシン!

 

ピッ!音ノ木坂 0ー3 UTX

 

(さてと、もう1回位は行けるだろうな。コート内に矢澤にこが居たら対応されるのだろうが・・・。)

 

ピィィィ!

 

(ベンチ(そこ)にいては何も出来ないだろう。)バシン!

 

放たれたサーブはまたも穂乃果の前に落ちる

「ちょっと穂乃果!あんたそのボール2回目でしょうが!いい加減対応しなさいよ!」

 

「ふぇぇぇ!すいませ〜ん。」

 

(ふふふ。落ちるボールに対応するために前に出たのだろうが・・・。)

 

ピィィィ!

 

(私が見逃すわけが無いだろう!)バシン!

 

「うわーっ!」

 

少しネット寄りに構えた穂乃果に早く勢いのあるサーブを打ち込まれる。

当然の結果としてレシーブは乱れとんでもない方向へ。

 

「タイムお願いします!」

 

 



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