ラブコメブレイカー〜彼女達は俺のセフレだから〜 (クロアブースト)
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〜Toloveる〜
セフレ至上主義な風紀委員(古手川 唯①)


前に投稿した内容が未完成だったので加筆修正したのがこちらになります。
本作のベースは結城リトがラッキースケベをするラブコメヒロイン達の殆どがセフレ堕ちしているというスタンスなのでNTR嫌いな方はブラウザバック推奨です。


『ハレンチな!』

『へぶっ!?』

 

何時ものようにこの学園でラッキースケベが起こっていた。

 

「何時ものラッキースケベだな」

「そうだな」

 

友人と何時もの光景に頷く。この学園では何時もラッキースケベを引き起こす生徒がいる。その名は結城リト、女子達には『ラッキースケベのリト』と恐れられている。

何故恐れられているかといえば、彼が近付けば高確率でラッキースケベが発動してセクハラが起きるからである。

しかも本人に悪意が無いだけに怒れないのが質が悪い。

 

原作ではハーレム王とか言われてるけど、実際は女子達の評判はよろしくない。

まあグループが一緒になったらセクハラ事故が頻繁に発生するとか何処のコナン君と言いたくなるのも無理は無いのである。

 

ピコン!

 

着信音が鳴ってスマホを見るとメールが来ていた。メールの本文を読んでいると友人が机に突っ伏して愚痴を言ってくる。

 

「あ〜あ、俺達も彼女が欲しいよなぁ〜」

「まあ彼女が出来れば青春が有意義にはなるだろうな」

「それかせめて結城みたいに女の子とイチャイチャしたいぜ〜」

「あれはイチャイチャというよりラッキースケベだけどな」

「可愛い女の子にエッチな事が出来るなんてマジで羨ましいぜ」

 

自分としては望んでもいないラッキースケベなど不運だとしか思えない。

だってラッキースケベとはいえ、セクハラをされて嫌がらないのは彼に好意がある女子位だろう。

そうでない女子は警戒するし、仮に自分の気になる異性にセクハラしたら好感度を上げる以前の問題である。

彼には同情を禁じ得ないのである。

 

それともう一つ。これは俺の個人的な事なのだが彼に同情すべき事が一つだけある。

 

『From 古手川唯

件名:昼休みのお誘い

 

結城君にセクハラされたから、私の身体を慰めてくれないかしら?』

 

彼のラッキースケベする相手の大半が俺のセフレなのである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はむっ…ちゅる……くちゅ……」

 

唯を連れて昼休みに人気の無い空き教室に着くなり、唯の方から詩音へキスをしてくる。

 

「今日は積極的だな唯」

「だって……結城君に汚されちゃったから……私の身体を早く慰めて欲しいの……」

「汚されたって唯は綺麗だけど……」

「貴方だけのセフレなんだから、他の男の子に触れられたくないの……」

 

唯は申し訳なさそうに俯きながら言う。

唯とセフレになってから俺専用のセフレでありたいと望むようになり、潔癖症のように俺以外の男子との接触を避けていた。

しかし結城リトのラッキースケベは凄まじく、どんなに警戒しようがハプニングは発生してセクハラされてしまうのである。

 

「じゃあ俺が上書きしてあげる。何処を触れられたか言ってごらん」

「うん、嬉しい……私の身体を上書きして欲しいのぉ」

 

唯は嬉しそうに言う。そして唯はスカートを捲りあげ、パンツを見せてきた。

 

「結城君にパンツに鼻先を押し付けられたの…」

「興奮したのかい?」

「ううん。詩音以外に触れられてると思うと嫌悪感が強かったの」

「ああ、本当だね。パンツにシミ一つないね」

「本当はパンツすら履き替えたい位だけど、今日は持ってきて無くて、ごめんなさい」

 

唯は結城に触れられた部分をパンツであろうと抹消したいらしいが流石にノーパンで過ごすのは不味いと理性が押し留めているらしく、俺専用のセフレ失格とでも思っているのか罪悪感を感じていた。

しかし俺自身は結城に触れられた事よりもここまで懸命に尽くそうとする唯の姿勢自体に興奮していた。

 

「謝る必要はないよ。じゃあ今から俺の指で感じてくれ」

「はぁん…詩音の指がアソコに当たって気持ちいい……」

 

唯の秘所に二本の指を当てるとじわっと愛液が溢れてくる。

 

「ほら、どんどん湿ってきてるよ」

「あ…感じてきてるの……詩音の指でパンツが汚されてるのぉ」

 

嬉しそうに唯は指に股間を自分から当てるように前後させてくる。

 

「じゃあ今日はゴムで…」

「はぁん……いじわるしないでぇ……今日は安全日だからナマ、ナマハメが良いのぉ」

「妊娠するリスクはあるんだぞ」

「セフレなんだから安全日位はナマハメさせてあげたいの」

 

唯は自分というより奉仕精神で俺を気持ちよくさせる事を第一に考えているらしい。因みに危険日だとゴムを咥えながら誘ったり、口で咥えてはめたりなどをしてくれるのである。

 

「あぁん♡はぁん♡セフレチンポ入って来たぁ…♡セフレチンポ…いいのぉぉ♡もっとぉ…ぐちょぐちょにぃ…あぁん♡…私のおまんこぉ…かきまわしてぇぇ♡」

「まさか唯がここまでセックスに嵌まるなんて思わなかったな」

「あん♡し、仕方ないじゃない……こんなに気持ちいいんだもの♡」

「でも唯は今も学校の風紀を取り締まってるんだよな」

「だ、だってぇ…不順異性交友はぁん……イケナイ事よぉ……私みたいにヤリチンとしたらセフレを作りたくなっちゃうからぁ♡」

 

唯は足を詩音の身体から離れないようにしていた。イかせてもらうまでは離すつもりはないらしい。

 

「じゃあ止めるかい?」

「らめぇ♡もう私……貴方にしてもらわないとイケなくなっちゃったのぉ♡おまんこパコパコして欲求不満を解消しないとぉ♡真面目な風紀委員になれないのぉ♡」

「じゃあ唯が真面目な風紀委員に戻れるように激しくしようか」

 

欲求不満を解消すべく勢い良く腰を打ち付ける。そして唯は快感に身体が震える。

 

「ひゃあ♡らめぇ♡そんな激しくしたらおかしくなるぅ♡イキ過ぎておかしくなるのぉ♡」

「ほら唯。頑張れ、頑張れ」

「らめぇ♡応援しながら子宮を突かないでぇ♡私のおまんこが誰のチンポをセフレにしたか思い出しちゃうから駄目なのぉ♡」

「ほらほら、頑張ってセフレから風紀委員に戻らなくちゃ」

「あひぃん♡……そんな酷いこと言わないでぇ……私は初めて貴方に抱かれてからぁ……貴方だけのセフレになるって誓ったのぉ♡……私の生き甲斐奪わないでぇ♡」

「生き甲斐って……風紀委員に戻るつもりないだろ」

「ひぃん……違うのぉ♡……風紀委員の仕事はするのぉ♡でもぉ……ムラムラしちゃうとぉ……場所を気にせずセフレに生ハメ媚びちゃうからぁ♡……我慢する為にいっぱい生ハメ交尾するのぉ♡」

「全然我慢してないじゃないか唯」

「してるのぉ……自宅で予習する時も、ご飯食べたりお風呂に入ってる時もぉ……本当は貴方とおまんこパコパコしたいって身体が疼いちゃうのぉぉ♡」

「四六時中セックス考えてるなんて変態だよ唯」

「ごめんなさい…唯はぁ……初めて出来たセフレに夢中なのぉ……」

 

唯は顔を近付けて口付けをしてくる。

 

「はむっ…ちゅるぅ……初めてのセフレが愛しくて堪らないのぉ……貴方に捨てられたくないから何時でも媚びちゃうのぉ♡」

「フッ、こんな健気で可愛い唯を手放すわけ無いだろ」

「本当!?嬉しい!……貴方好みのドスケベセフレになるからぁ♡……唯をずっと貴方だけのセフレにしてぇ♡」

「そろそろ出すよ唯」

「あぁん♡はぁん♡もぉ…私もらめぇ♡セフレチンポでいっちゃうぅぅぅ…♡」

 

びゅううう

 

「ひゃああん♡イく、イっちゃうのぉぉぉ♡セフレに子宮を支配されてイっちゃうぅぅぅ♡」

 

射精と共に唯は絶頂する。今の唯の頭の中には風紀を取り締まることなど忘却しており、自分を気持ちよくしてくれるセフレにどうやって奉仕するかばかり考えていたのだった……

 

 

 

 

 

「じゅるる……もう…また私ばっかりイかせてぇぇ……これじゃあセフレじゃなくて雌ペットだわ……」

「俺としてはセフレは可愛がりたいんだけど……」

「れろれろ…駄目よ……そうやって甘やかされると私が貴方に尽くせないじゃない……」

 

唯はお掃除フェラをしながら詩音へ向けて不満を呟く。

セフレとは本来ならばお互いが気持ち良くなる為の関係なのだが、詩音とのセックスでは明らかに唯の方が絶頂回数が多かった。

唯はあくまでセフレという立場に固執しており、今の現状では充分な奉仕が出来ていないのにも関わらず甘やかされているのが看過出来ないのであった。

 

「そろそろ出そうだ」

「じゅぽじゅぽ……らひてぇ……わらひのくひにいっぱいらひてぇ……」

 

フェラチオをしながら射精を促すべくペースを上げる唯。

 

びゅるびゅるるるる!

 

詩音のチンポから精液が噴出される。

 

「んぼっ!?……んぐっ、んぐっ……ごく、ごく、ごく……」

 

唯は一滴も零したくないのか出てくる精液を飲み続ける。

 

「ごくんっ……ぷはぁ……ほらぁ……こんなにれたわよ……」

 

唯は口を開けて舌に乗せた精液を見せつける。今の姿はハレンチそのもので風紀委員の面影などなかった。

 

「ありがとう唯。もう飲んで良いよ」

 

唯は最後に残った精液を飲み込んだ後に詩音へしなだれる。セックスが終わると甘えるように寄りかかってくるのだ。

 

「詩音君が甘やかしたいのと同じように私も専用セフレに尽くしたいの……迷惑…かな……?」

 

不安そうに言う唯。唯は尽くす行為が我儘だと思っているらしい。だが詩音にとっては尽くす唯を愛おしいとは思っても迷惑だとは思っていないので撫でながら言う。

 

「迷惑なんかじゃないさ。俺が甘やかしたいように唯が尽くしたいのは相手を思いやる気持ちがあるからだしね。本当に嫌だったら辞めてというさ」

「本当……嬉しい……」

 

唯は嬉しそうに詩音へキスしてくる。そしてこの後、自宅へお持ち帰りした後に第二ラウンドへ突入したのは言うまでもなかった。



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性欲旺盛な恋する乙女 前編(西連寺 春菜)

本当は一話完結で終わると思ったけどリトへ恋する設定残したままセフレにしたら予想以上に長引いたので前編後編に分けました。

今回本番行為ないのでそれでも良ければどうぞ。


「ありがとう結城君」

「これくらいならいつでも頼ってくれよ西連寺」

「うん、頼りにさせてもらうね」

 

食後の昼休みの休憩時間。春菜は学級委員として教師から頼まれていた書類の束を運ぶのを結城リトに手伝って貰った後にお礼を言って別れた。

 

「やっぱり結城君は優しいなぁ」

 

春菜は結城リトの優しさを実感しながら人気のない校舎裏にやって来る。

何故なら春菜は昼休みに何時も待ち合わせている相手がいたからだ。

そこで待っていたのは白亜詩音だった。

 

「よっ、遅かったな春菜」

 

詩音は片手を上げて挨拶をする。春菜は周りを見渡し人気が無いのを確認すると返事をするよりも先に自分から詩音の唇へディープキスをした。

 

「んむっ……じゅるる…やっぱり…詩音君とのキスぅ……気持ち良くて好きぃ…」

「ほら春菜…休憩時間中は一回までだよ……」

「んぅぅ……もっとぉ……キスしようよぉ……」

「駄目だ。この前、二回やって教室戻ったら顔がニヤけたまま戻って噂されてただろう……」

 

春菜がキスのおねだりをしてきたので二回目のディープキスをして戻ったら春菜は気持ち良さの余韻からかニヤけたまま戻ってしまったのである。

勿論休憩時間で席から離れて戻ってきた直後にそんなことがあれば、彼氏と何かしたのではと女子が騒ぐのは言うまでもなかった。

春菜は慌てて否定するも女子達の追及を止まずちょっとした騒ぎになったのは言うまでもない。

その際に春菜は結城君にも怪しまれたと愚痴っていたのだが、自分からディープキスのおねだりをしてきたのだから自業自得だろうと詩音は思っている。

 

「大丈夫……さっき、結城君に書類運びを手伝って貰ったからもう一回しても大丈夫だよ?」

「お前……割と小悪魔だよな……」

 

春菜の意中の相手である結城リトへ誤解を与えるのは避ける癖に、結城リトとの噂に関しては嬉々として行う策士がここにいた。

つまり今ここでディープキスの二回目をしてニヤけたとしても結城リトと何かあったと噂されるだけで済む。

そして春菜としては結城リトと噂されることに関しては寧ろ望むところであった。

 

「ねぇ…だから、キス…しよ?」

「くっ……お前、キスを覚えてから強かになったな……」

「だって詩音君、こうでもしないと私の身を案じてキスしてくれないもん……」

 

春菜はディープキスを一回でも多くしたいのだが、詩音は春菜の日常生活を壊さないように配慮している為、リスクは極力避けている。

例えば人気のある校舎内で片想い中の春菜が男性と一緒に空き教室に入ったなんて噂が立とうものなら結城リトへ告白する前に不信感を持たれる危険性すらあった。

仮にも恋愛相談で自分を尋ねてきた春菜へ義理を果たそうとしている詩音なのだが、肝心の春菜自身は欲求を満たそうとあの手この手を尽くしてくるプレイガールとなっていた。

そして春菜は自分からまたも詩音の唇へディープキスをする。

 

「んむっ……じゅるる……くちゅ…遠慮しないでぇ……もっとキスしてぇ……」

「じゅるる、ちゅ……本当にキスが好きだな春菜は……」

「ぶじゅ…じゅるる……私にこんなエッチなキス教えたのは詩音君の癖にぃ……じゅるるる……」

 

そう言いながらも春菜は少しでもディープキスを味わおうと舌を出して快感を貪っていた。どちらが夢中になっているのかは明らかだろう。

切欠は些細だった。

 

『ねぇキスってした事ある?』

『あるけど...』

『友達から聞いたんだけど失敗したくないの...』

 

恋愛相談ということでカウンセラーをしていた詩音は春菜に様々なアドバイスや女子力アップのスキルを教えてたりしていたのだが、ある日春菜からキスの話題を出された。

 

『でもファーストキスは結城に上げたいんじゃないのか?』

『最初はそう思ってたんだけど……やっぱり初めてよりもリードしてあげたいなって思っちゃったの……』

 

その時の春菜は転校生のララなど自分以上の美少女が結城リトの側に現れた影響もあって自身の魅力に自信を失いかけてた。

まあ元々自分が美少女だと自負するよりも謙虚な方ではあったのだが、ライバル出現に危機感を抱いていたのかもしれなかった。

 

『本当に良いんだな?』

『うん…お願い詩音君……私にキスを教えて』

 

そしてキスの経験を積む為に春菜はファーストキスを捧げる。そしてバードキスからディープキスを経験した春菜は多くの経験を積みたいからか休憩時間の合間などに詩音を呼び出してはキスをするようになったのである。

 

この時詩音はある勘違いをしていた。

 

春菜は結城リトの為にキスの練習を多く積もうとしているのだと……

 

ファーストキスの時はそうだったかもしれない。

だがそれなら結城リトをダシにして2回目のキスをおねだりするという行為は明らかに矛盾していた。

 

詩音が勘違いした事実。春菜は性的欲求が思春期男子以上にあった。

 

思春期男子が目先の快感に嵌って暇さえあれば自慰行為に嵌るように春菜は初めてのディープキスで快感を覚えた。

普段は謙虚で奥手な彼女だが、一度ディープキスの快感を知ると目先の恋愛などよりも性的欲求を満たす方を優先するようになった。

 

幾ら春菜が結城リトとの噂を望もうが、あらぬ噂が立った場合に当事者である結城リトにはそんなことは無かったはずと懸念を持たれるリスクだって存在するのだ。

つまり春菜は仮に結城リトから懸念を持たれたとしても構わない位に詩音とのディープキスに嵌っているのが現状である。

 

「っぷは……えへへ、やっぱり詩音君のキス上手だね……」

「全くまたニヤけて……変な噂が立っても知らないぞ」

「うん、大丈夫だよ。結城君と噂になるのは平気だから……」

 

そうして詩音と春菜はそれぞれ教室に戻る。そしてニヤけて戻ってきた春菜がまた何かあったと騒がれるのは言うまでもなかった。

 

 

 

 

 

「ひゃあ!?」

「ご、ごめん!」

 

二回目の春菜がニヤけて戻ってきた騒動の一週間後、何時ものラッキースケベでリトは春菜のパンツへ顔を突っ込んでいた。そして春菜はリトが離れた後に慌ててスカートを抑える。

 

「だ、大丈夫だから心配しないで……」

「あ、ありがとう……」

 

いつものことだと恥ずかしそうに対応する春菜と結城リト。周りもまたいつものかと一瞬だけ見ては元に戻った。某子供の名探偵のようにリトがいるところには何時も奇跡レベルのラッキースケベが起こるのは日常茶飯事だからだ。

そして春菜はこれから用事があるからと伝えてリトから立ち去った。

 

 

(そういえば何故か湿ってたような……いやいや、春菜ちゃんに限ってそんなことあるかっての!きっと気のせいだ)

 

リトはそのまま踵を返して気のせいだと割り切って思考の外に追いやった。

リトは知らなかった。

春菜が今日も詩音とディープキスをしており、これから詩音とのエッチへの興奮からパンツが濡れていたという事実を……

 

 

そして放課後の談話室で春菜は待ち合わせていた詩音に尋ねる。

 

「ねぇエッチってした事ある?」

「お前...味を占めたな」

「うっ...」

 

図星で呻く春菜。暇さえあればディープキスばかりしてくるのが一週間も続けば流石に詩音も春菜が、性的欲求を満たす行為にド嵌りしているのにも気付く。

 

ディープキスばかりしているせいか、最近春菜の舌で唇を舐める仕草から色香を感じると男子生徒から噂になっている位である。

 

「俺としては構わないが春菜は良いのか?」

「うん。処女は結城君に捧げたいから本番じゃなくて前戯だけ... 前戯だけだから...」

 

まるで思春期男子ががっついて「先っちょだけ...先っちょだけだから...」みたいな事を春菜から聞くとは思わなかった。

 

「分かった。じゃあ前戯を教えよう」

「うん!ありがとう」

 

笑顔で言う春菜。しかしやってる事はセクハラなのに女子が喜ぶ状況が真逆だと感じる詩音。

 

「まずはフェラチオからだな。意味は分かるか?」

「うん。おちんちんを...舐めるんだよね」

「そうだ。本来は勃起を維持させる為にする行為だが、相手を楽しませる為に射精までさせる事もあるな」

「じゃあ詩音君のおちんちんを見せて……欲しいな……」

 

顔を赤らめて言う春菜。どうやら自分から要求する割に恥ずかしいらしい。そしてファスナーを開くとチンポが出てくる。

 

「うわぁ……これがおちんちん……男性のはこんな形なのね…」

 

瞬きすらせずマジマジと見る春菜。明らかに男性器へ興味津々であった。

 

れろ…ビクッ!?

 

「お、おい流石にいきなり舐めるな」

「え、だってこれから舐めるんでしょ?」

 

キョトンとした表情の春菜。初めて見るなら本来忌避感とかあるはずなのにいきなり舐めるというのは明らかに不自然であった。

 

「お前チンポ見るの初めてじゃないな……」

「え……ソ、ソンナコトナイヨ……」

「あからさまな片言だな。まさか俺以外としたのか?」

「ううん、そんなこと絶対にしないよ」

 

先程まで片言だったのに詩音が他の男としたのではと呟くと春菜はキリッとした目で否定する。

純粋な瞳が嘘をついていないと物語るような誠実さだ。

まあ性欲旺盛な彼女が他の男と性行為したのか確認してる時にやられてもふざけてるのかとしか言えないのだが……

 

「これはあくまで春菜が恋愛相談の延長で経験したいと頼んできたからやってるだけだ。もし他にそういう相手がいるんだったら止めるが……」

「それは違うよ!私、こんなことを頼めるのは詩音君だけだよ」

「まあそこまで否定するなら本当なんだろう。じゃあ何故いきなり舐めれた?」

「え…えっと……引かない?」

「内容によるから断言できん。けどあらかた予想は付くから言わなきゃ俺の口から聞くことになるよ」

「じ、実は……ディープキスをした翌日から……次の行為がしたくてエロサイト漁ってました……」

「うわぁぁ……」

 

春菜は情報収集をしていたらしい。あれだけディープキスを積極的に求めてきたことで性欲旺盛なのは分かってたから、調べたりしてたんだろうと思ってたが予感的中である。

 

「で、でもでも。前戯だけ、前戯だけだから!ファラチオやパイズリ、素股とかそういう本番以外だけだから!」

「つまりそういうシーンばっかり見てたから映像とかでチンポを見慣れてたと?」

「はい……」

 

春菜は白状する。

しかし詩音はここでまだ春菜は嘘をついて無くても隠していると判断する。

何故なら性欲旺盛な春菜がそれだけで本当に止まるとは思えない。

 

「ところで素股とかだと間違って入る危険性もあるよな」

「あ、大丈夫だよ。コンドーム買ってあるから…」

「やる気満々じゃねぇか!」

 

詩音はツッコむ。前戯だけならコンドームを用意する必要もないだろう。

いや精液に嫌悪感あるとか感染症を気にするならまだしも、自分からエッチを誘って来た春菜が前戯だけでコンドームを付けるようなことはしないだろう。

何せ経験を得たいと言ってるのにコンドーム越しでは射精すら見れないのだから……

 

今のは軽い引っ掛けを掛けであり、素股で終わらず挿入まで見ていないかの確認だった。

素股のプレイの動画なら素股で射精して終わる。

初めから本番行為を目当てに見てるか、そもそも本番行為を見ていれば素股からの挿入という発想が浮かぶだろうと試したら案の定知っていたのである。

素股は確かに入るリスクがあるのは事実だが、そこでサラッとコンドームの心配だと捉える辺り挿入するつもりなのが見え見えだった。

 

「前戯だけで処女は結城の為に残しておくんじゃなかったのか?」

「ほら、据え膳食わぬは男の恥っていうから……」

「お前……本当に思春期男子以上の性欲あるなぁ……」

 

初めから処女を守る気などなく、雰囲気で本番行為まで行おうとしていた春菜に驚く詩音であった。

 

「じゃあおちんちん触って良いかな」

「ああ、良いよ」

 

そうして辿々しく両手で包み込むように触れる春菜。そしてチンポの感触を確かめながら感想を言う。

 

「おちんちんってカチカチだと思ってたけど思ってたより柔らかいんだね」

「まだ勃起してないしな」

「さっきみたいに舐めたら勃起してくれる?」

「舐めたり、手で擦ったりと刺激を与えれば勃起するさ」

「じゃあするね」

 

そうして春菜は手を離してチンポへ舌を這わせる。

 

「にちゃ…にちゃ…れろ……どう?気持ち良いかな?」

「ああ気持ち良いよ」

 

そして春菜は更に舌を這わせる範囲を広げる。

 

「えっちな味……れろれろ……もっと舐めてたい……」

「本当にエッチが好きなんだな春菜」

「違うよ。詩音君のおちんちんだから舐めてたいんだよ……」

 

そして春菜は咥え出す。先端を口内と舌で刺激してくるので射精感が込み上げてくる。

 

「そろそろ出るよ」

「うん、じゃあかけて……おちんちんの射精が見たいの……」

 

そうして詩音は春菜へ向けて射精する。ビュルビュルと音を立てて春菜の顔へ向けて精液が降り掛かる。

 

「ひゃん!?……あつぅい……こんなに射精って凄いのね……」

 

射精の勢いにびっくりしながらも顔で受け止める春菜。

そして春菜は顔に付いた精液を手で拭っては舐めて飲み込み出す。

 

「精液は苦いから飲まなくても良いんだぞ?」

「ううん、せっかく詩音君が出してくれたんだもん。飲んであげたいなって……」

「そういうところは可愛らしいな」

 

春菜が美少女なのを再確認する詩音。

まあ性欲旺盛なところだって男子からすれば寧ろ喜ぶべきだろうが、セフレを何人も持つ詩音としては今更という感じではある。

 

そうして春菜と詩音の恋愛相談という名のセックス練習は続くのであった。




本編の茶番が予想以上に長くなったので本番は次回へ。

現時点で思春期男子並みの性欲で初恋よりも目先の快感に嵌っちゃったという感じです。


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性欲旺盛な恋する乙女 後編(西連寺 春菜)

続きの本番回。
原作の春菜
→リトに恋する美少女

本編の春菜
→リトに恋してるけどセフレとのエッチの方が好きな美少女

あれ、同じ片想いでも大分印象変わるなぁ…


パンドラの箱というのはご存知だろうか?

開くと災いが飛び出ると言われる箱である。

要約すると安易に触れてはいけないブラックボックスと言えるのだ。

 

その一つにヒロインは性欲が強いというのがある。

鈍感主人公のせいで中々恋愛が進展せず進まない王道ラブコメにも意味があるのだ。

まあ勘違いとかで濁さなければすぐ肉体関係位しか結び付かないってのもあるが...

 

とある偽の恋人から始まるラブストーリーな世界に転生した詩音は訳あってラブコメヒロインと交友関係からお互いの同意で肉体関係になったことがある。

 

「そ、そんな格好恥ずかしいよぅ…」

 

例えば幼馴染で秘めた想いも言えない恥ずかしがり屋だったO寺さんを心身共に可愛がって(意味深)あげたら……

 

「えへへ…映画楽しみだね…」シュコシュコ

 

映画館で明らかに映画の内容よりも、周りに気付かれないように手コキする方が楽しみな変態になってしまったり……

 

「ね、ねぇ……料理を教えてくれないかな?」

 

ツンツンして腕力がゴリラ並みに強かったK崎さんから料理相談受けて、懇切丁寧に対応してたら惚れられて流れで一度セックスをしたら……

 

「セフレなんだから……朝立ちの処理もセフレの役目だから仕方なくよ……」ジュルジュル

 

味を占めて朝の寝起きに頼んでもないのに布団に潜り込んで朝立ちの処理してくるようになった。

 

ラブコメヒロインの性欲を嘗めてた。

一度でも同意ありの肉体関係を行うと性行為に夢中になるのである。

逆にレイプとかの無理やりだと決して屈しない程に抵抗する健気さは流石ラブコメヒロインだなと関心した。

だが同意ありだと日常生活は全力で取り繕う癖にラブコメ主人公そっちのけで性行為に嵌るとは想定してなかったのである。

 

信じられるか?

 

あのラブコメ主人公一途だったO寺さんがクライマックスのラブコメ主人公に告白し、振られたその直後に詩音へ向けて「振られたから慰めックスして」と送って来るなど……

 

まあラブコメ主人公がK崎さんや他のヒロインとイチャイチャしてる時を狙って、O寺さんは詩音を呼び出してセックスに耽る時点で予兆はあったのだが……

 

性欲に目覚めたラブコメヒロインの暴走は凄まじいのを詩音は痛感する。

先程言った偽の恋人によるラブストーリーではセフレになったラブコメヒロイン達によってラブコメ主人公とラブコメヒロインがイチャイチャするスケジュールを把握し、その裏で当番制にして詩音とセックスする計画をラブコメヒロイン達が勝手に立てたり……

 

とある勉強が出来ないラブコメヒロイン達と詩音がセフレになって原作が始まったら、勉強を教えてくれる対価にセフレとのハメ撮り動画を童貞なラブコメ主人公に個別L○NEで送って煽ることをやらかしたり……

 

そこまでセックスにド嵌りするかと詩音は当時ドン引きしたのを覚えている。

 

 

 

閑話休題、つまりどういうことかと言うと西連寺春菜は一度でも性行為を知ってしまうとラブコメ主人公である結城リトと結ばれるよりもセックスに嵌るのである。

 

フェラの後、場所を移して詩音の家に春菜を連れ込んだ。

流石に談話室でのやり取りに時間を掛けてたのもあり、本番行為をしてたら下校時間を過ぎる可能性があったからである。

そして冒頭のセックスに嵌るリスクを春菜に説明した詩音。

 

「ということで本番行為は止めた方が良いんだが……」

「うん。分かった。ねぇ…そろそろ入れても良いかな?」

「こいつ……」

 

春菜へ転生云々はぼかしながらも一度でも本番行為すると初恋よりセックスにド嵌りするから止めておけと忠告した後、この反応である。

既にゴムは装着した状態で最後の確認なのだが、性欲旺盛な春菜が止まるはずも無かった。

そして春菜は忠告を聞いても止まらずに詩音のチンポを自身のおまんこに挿入する。

 

「あぁん♡入ってきたぁぁぁ♡ふとぉい……」

 

初めて挿入したのにも関わらず春菜は快感を感じていた。

勿論処女を喪失して血が出ているのだが、詩音が入念に前戯を行ってほぐしたり、濡らして痛みが和らぐように対応をしたりと配慮したお陰である。

 

「ねぇ……痛くないから動いて…いっぱい気持ち良くなりたいの…」

「ゆっくり行くぞ」

 

そうしてゆっくりだが、腰を動かして出し入れすると春菜はビクビクと震える。

 

「あ♡……中で動いてるのが分かるぅ……形が分かるのぉぉ」

「これがスローセックスだ。初めはこれで慣らす。これでも気持ち良いだろう?」

「うん、気持ち良いのぉ……いっぱいおちんちんが擦れてぇ……堪らないのぉ♡」

 

既に春菜はスローセックスの快感に嵌っていた。今では自分から腰を動かし出す程である。

 

「今日は基本的にはスローセックス中心だな」

「え、もっと激しくしないの?」

「そういうのも悪くないが、スローセックスなら長時間出来るというのもある。春菜は長く気持ち良くなりたいんだろう?」

「うん。そうなのぉ…あん♡…いっぱい気持ち良くなりたいのぉ♡」

「スローセックスの良いところは長く深くイき続けることが出来ることだ。やろうと思えば一日中とかも出来たりする」

「一日中……そんなぁ♡……そんなにセックスしたらもう詩音君専用のおまんこになっちゃうよぉ♡」

「お前、今更そんなこと言ってるのか……言っておくけどあれだけ忠告したのに止めなかったんだから俺は本気で春菜をセフレ堕ちさせる気だからな」

「そんな……酷いよぉ♡……まだ結城君に告白してないのにぃ……セフレ堕ちさせられるだなんてぇ♡……」

「ニヤケてるのがバレバレだぞ。もう結城に告白する気なんてない癖に」

「そ、それはちが……きゃうん♡奥ゥゥグリグリ駄目ぇ♡子宮におちんちんで覚え込まさないでぇ……」

「ほら正直に言うんだ春菜……最近エッチに耽るばっかりで結城へのアプローチしてないドスケベめ」

「はぁん♡違うのぉぉ……いつかはぁ♡いつかきっと告白するのぉぉ♡だからぁ…エッチに夢中で告白するのを忘れてたわけじゃないのぉぉ♡」

「嘘つけ……結城の誘いよりディープキスを優先しただろこの変態……」

「あぁん♡それはぁ……先約があったからぁ♡……詩音君とのディープキスの練習は大事だからぁ……断わったのぉぉ♡」

「じゃあいつ告白する気なんだ」

「……結城君に恋人が出来た辺り……」

「お前、恋愛成就する気ないだろ!」

「や、らめぇ♡子宮突きながらぁ…乳首イジメちゃらめなのぉ……だってぇ♡告白成功したらぁ……詩音君とセックス出来なくなっちゃうからぁ……」

「さっき初めてセックスしたばっかりなのにもうそっち優先とか本当に春菜はドスケベだな」

「言わないれぇ♡……セックスする前から初恋よりセフレを優先してたのぉぉ♡今日のセックスでおまんこの形ぃ……詩音君のに変えられるの期待して濡れてたのぉぉ♡」

 

そうして詩音と春菜はスローセックスで一晩掛けておまんこの形を詩音専用に躾けたのであった。

 

 

そして初セックスから暫く立った後の土曜日、今日詩音は春菜とのデートの予行練習である。

今回は遊園地に行って彼氏を退屈させないポイントなどをレクチャーしながら楽しんだ。

そして遊園地で遊び終えてからの帰り。

 

「ねぇ...行かないの?ラブホテル...」

 

上目遣いで服の裾を軽く掴んで物欲しそうに見る春菜。

 

「流石に予行練習でラブホテルに行ったら不味いだろう」

「でもデートで良い雰囲気になったら行くでしょ?経験した方が良いと思うの」

 

詩音は流石に予行練習でホテルは駄目だと言ったのだが、春菜は乗り気だった。

 

「分かった。行くけど、その前にご両親に連絡を取ってからだ」

「彼氏とラブホテルに泊まりますって?」

「お前……だいぶ強かになったな……」

 

冗談のつもりだろうがそんな事を娘から両親に伝えたりしたら確実に心配されるだろう。

 

「あと、俺は良いけどそういう肝を冷やす悪ふざけ系は彼氏にとっては嫌がられるから気を付けた方が良いぞ」

「うん、分かった。じゃあ詩音君が相手だから気にしなくても良いね」

 

春菜はニコニコと笑顔で言う。その言葉に俺には遠慮しないけど彼氏相手には気を付けるんだろうと詩音は勘違いする。

そして春菜はこう思っていた。詩音が気にしないのなら、他の男で彼氏を作るつもりがない自分は気にしなくても良いのだと……

 

見事に勘違いが発生していた。

 

 

そして数日後、

 

 

「ねぇ、ねぇ春菜。この前男の人とデートに行ってなかった?」

「え……」

 

春菜は思い返す。数日前に詩音とデートの予行演習を行なっていたからだ。

 

「確かに白亜君と遊びに行ったよ」

「白亜様かぁ〜」

「白亜様?」

 

友人が敬称をつけられていることについて尋ねる春菜。

 

「そう。人生相談のプロフェッショナル。彼が悩める乙女の恋愛相談を受けてカップルを成立させた数は何と50!だから気になる相手がいる娘は彼に相談したりするんだよ!」

「そ、そうなんだ……」

「春菜もそうなんじゃないの?」

「そ、そうだね。確かに相談に乗ってもらってるよ……」

 

春菜は慌てて取り繕う。

確かに春菜は最初は自分に自信が無かったからこそ自分磨きの為に彼の元に訪れたのだ。

そういう意味では恋愛相談と大差ないだろう。

今では自分磨きなど建前のセックスしたいから通うという思春期猿並みの性欲旺盛っぷりである。

 

「恋愛相談以外も請け負ってるらしいから結構関わりが広いらしいよ。例えば古手川さんもそうだって聞いたし……」

「私のことがどうしたのかしら?」

 

通りがかった古手川唯が尋ねる。

 

「古手川さんもよく詩音様のところに行くよねって話」

「まあ確かに彼にはお世話になってるから……」

 

唯は肯定する。

 

「ところで古手川さんはどんな相談したの?」

「まあ良いかしら。実は男性恐怖症の克服してたのよ」

「男性恐怖症?」

「そう。以前孤立してた時に男性から手荒い対応をされたせいで男性から触られると拒否反応が出たのよ」

「そ、そうなんだ……なんか聞いてごめんなさい」

「気にしなくて良いわ。彼には時間をかけて克服するのに手伝って貰ったのよ……」

 

唯は平然と言う。

因みにこの話は完全な作り話である。

流石に人前で破廉恥について彼に教わりに行ったら、抱かれてセフレになりましたなど絶対に言えないからである。

 

「因みに古手川さんは白亜様のことどう思ってるの……」

「……ノーコメントよ」

 

顔を赤らめそっぽを向く。

その仕草におおっ!っと周囲の女子達は可愛らしい声を上げる。

恋愛的な意味で邪推して盛り上がったのだろう。

まあ実際は彼専用のセフレになった唯はドエロになっているのだが……

そして春菜は瞬時に理解する。彼女も詩音のセフレになったのだろうと……

その日春菜が嫉妬から詩音とのセックスに耽たのは言うまでも無かった。




西連寺 春菜
…本編の通り、リトは好きだけど今はセフレの方が大好きな性欲旺盛美少女。
まあリト君が原作で春菜とララという二人の女の子を好きになったように春菜が二人の男の子を好きになってもおかしくないってことです。
本編の春菜は思春期男子並みの性欲があった為に詩音とのエッチで目覚めてエッチにド嵌りした。
そして自分の性欲を満たしたい我儘に付き合いながらも社会的立場を案じてくれる優しさに惹かれて『性欲+恋心』でリトより好きになったという感じです。
そして仮にリトに告白されてもセフレとのセックスの時間が減るから振りますが、詩音に告白されたらセックスの時間が増えるから了承するという性欲旺盛になってしまった。


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番外編〜桐崎千棘①〜

だいぶ時間が空きましたがToloveるヒロインより先にニセコイヒロインが出来たので投稿。

本作では
・ラブコメ漫画の世界はそれぞれ平行世界になっている
・白亜詩音は転生者で様々なラブコメ作品に転生してラブコメヒロイン達をセフレにしてるがラブコメ作品の原作は知らない
・ラブコメヒロイン達は純情ビッチなので、レイプじゃない合意セックスで処女捧げるとセフレ堕ちするチョロイン

こんな感じなのでそれでもよろしければどうぞ。


『今日の放課後、小野寺んちに行くから』

『うん、待ってるね一条君』

 

何時もの放課後、このクラスで一番モテモテの男子である一条楽と小野寺小咲がお店の手伝いという名目で約束しているのが聞こえる。

 

「ねぇ白亜君。ちょっと良いかな?」

「どうしたんだい、桐崎さん」

 

自分に声をかけてきたのは金髪碧眼の美少女、桐崎千棘だ。

恥ずかしそうにモジモジしながら言う。

 

「今日の放課後…空いてる……?」

「うん、空いてるけど……」

 

ザワザワと周りが騒ぎ出す。

 

『まさかデートに誘うのかしら』

『でも桐崎さんには婚約者がいるわよ』

『うぉぉぉ羨ましい!代わってくれぇぇぇ!』

 

野次馬達がラブコメと勘違いしたのかあらぬ噂を騒ぎ出す。

というか男子生徒諸君がこちらに恨みがましい視線を送ってくるのは勘弁してほしい。

 

「その……放課後ね。また料理を教えて欲しいの……」

 

ピシッ!と周りの空気が固まるのが聞こえる。

忘れもしない初めての調理実習で黒焦げのケーキを焼き上げたり、その後の調理実習で典型的な料理下手を成し遂げる女傑である。

何しろ初回のケーキは見た目はともかく美味しかった実績から次の調理実習でフェイントを掛けて大丈夫だろうと下心を抱く男子達を次々と保健室送りにした逸話があるのである。

因みに婚約者である一条楽も例外なく保健室送りにした。

 

『ご愁傷様ね、桐崎さんの料理は不味……個性的だから……』

『料理一つで危ない事は一条君と後先考えずに突っ走った男子達が身を持って証明してるから……』

『白亜…強く生きろよ……』

 

まるで死地に向かうかの様に野次馬達がお祈りする姿が見える。おい、さっき羨ましいって言ってた奴、代わってやるよ。あ、目を逸らしやがった……

 

「良いよ。今日の放課後、教えるよ」

「本当!?ありがとう!」

 

ぱぁっと明るい笑顔で桐崎さんは答える。見るとさっきまで小野寺さんと楽しそうに談笑していた一条までもご愁傷様とでもいうようにこちらを見ていた。

 

 

 

 

 

「はむっ…ちゅる……んちゅ……」

 

誰もが不用意に近付いて試食テロに巻き込まれるのを恐れて近寄らない調理教室で扉が閉まるなり、桐崎さんの方からディープキスをしてくる。

舌を絡め合って唾液を交換し、息が苦しくなった段階で口を離すと互いの口から唾液のアーチが伸びていた。

 

「…ぷはぁ。今日は何時もより積極的だな千棘」

「だって……今日は楽が小咲ちゃんの所に行くからダーリンといっぱいセックス出来るからぁ……」

 

嬉しそうに千棘は言う。

そう俺と千棘は表向きは料理を手伝わせられる関係だが、実はセフレなのである。

 

 

 

 

 

 

 

 

始まりの切欠は料理下手な千棘に何度も料理を教えていたことだ。

 

初めは千棘が料理下手の克服と彼氏である楽を見返す為に詩音に料理指導を頼み込み、了承した詩音が丁寧に指導していた。

当時人の頑張る姿を見るのが趣味だった詩音は、千棘以外にも男女問わず請われれば指導をしてきた実績があったので千棘から頼まれる切欠へと繋がったのだ。

呑み込みが悪いわけではないのだが、千棘を溺愛する大人達が直接不味いと言わなかった為に間違った知識を植え込まれていたせいもあり矯正は時間が掛かった。

 

「これ明らかに砂糖の分量を間違えているな。今まで周りの人に不味いと言われなかったのか?」

「ええ…クロードや皆に作ってあげても美味しいしか言われなかったわ」

「優しさから間違った知識を植え付けられたな。でも自分で食べてて美味しくないだろう」

「うん……」

 

千棘自身も胸を張って自分が作った黒焦げのクッキーを詩音と一緒に試食で食べて悶絶仕掛けた身としては否定できなかった。

 

「安心してくれ、これ位なら改善出来るから」

「本当!?」

「ああ、だから頑張ろうか」

「うん!」

 

そうして千棘への料理教室が始まった。

途中で彼氏そっちのけで千棘が詩音と料理教室をやってたことに不信感を抱いたクロードがやってきたのだが、詩音は彼を巻き込んで共に試食係をしてくれと頼んだ程である。

そうして幾百を超える失敗作を試食しては悶絶仕掛ける苦痛を詩音と千棘、クロードが味わいながらも遂に千棘はクッキーを完成させる。

 

「出来たわ!完成よ!」

「お嬢……遂に出来たのですね……」

「いや本当に長く険しい戦いだったな……何回俺とクロードが悶絶したことか」

「これも味見に付き合ってくれた詩音とクロードのお陰よ」

 

そして地獄の料理教室を共に乗り越えたからか、詩音は千棘と名前で呼び合う仲まで発展した。

普段なら過保護なクロードが怒りそうなことだが、千棘の為に詩音が身を張って料理下手の克服に尽力したのも大きいだろう。

後は共に幾百のメシマズ料理で悶絶仕掛けた同族意識や今後千棘の作ったメシマズ料理に顔色一つ変えずに美味しいと言わなきゃいけない苦行が減ったということにホッとしているのは余談である。

 

「じゃあ早速、楽に持っていくわ!吉報を待ってなさい」

 

千棘は、勢い良く調理教室の扉から飛び出して楽の元へ行った。

そして楽の為に作ったクッキーを楽本人から美味しいと言われて千棘は喜んだ。

 

「やったわ詩音君!遂に楽から美味しいと言わせられたわ!」

「おめでとう千棘」

 

あまりのテンションに千棘が詩音へ抱き着いてしまう程の快挙だったが、千棘が顔を真っ赤にして恥ずかしがるという一幕もあった。

そうして千棘は料理にのめり込み、今度はケーキに挑戦し……

 

 

そして楽を保健室送りにした。

 

詩音と千棘は料理下手を嘗めていたのだ。

反復練習でクッキーを克服したからと言って根本的な解決には至ってないのである。

一回の成功で今後の挑戦が全て上手く行くなら苦労はしないのだ。

 

そしてクロードは第二次料理教室の開催を聞いた際、詩音の肩へ手を軽く置き……

 

「詩音ならばお嬢を任せられる!後は頼んだ」

「クロードォォ!逃げるなァァ!責任から逃げるなァァ!」

 

クロードは詩音は身を呈して指導する献身から任せられるという理由を付けて味見を辞退して姿を消した。

幾らお嬢を敬愛していても誰だって悶絶するメシマズ料理を食べ続ける苦行は避けたいのである。

そうして今では千棘と詩音の二人っきりで料理教室をやっているのである。

他の生徒達は調理室へ来ようとはしない。

何故なら近付けば詩音は躊躇なく第三者の意見は大事だよな!と試食係へ巻き込むからだ。

 

まあ実際は千棘が楽との偽装恋人の為にデートや登下校を一緒にする日もあるので、毎日料理教室をするわけではない。

因みに千棘が楽と偽の恋人だということを知っているのは、二回目の料理教室で千棘がうっかり愚痴から暴露してしまった為である。

料理教室の他に偽恋人への愚痴まで付き合わざるを得ない詩音は共感しながらもきちんと対応した。

そうして千棘は楽よりも一緒にいる時間が多い詩音へ惹かれていき……という感じで初体験の話を詩音へした際に流れで千棘は戴かれたのであった。

 

これだけ聞くと千棘がチョロインじゃねと思うかもしれないがキチンとした理由は存在する。

原作の展開ならば千棘と楽は険悪な仲から数々のイベントを通して仲良くなって惹かれていき結ばれるのだ。

だが険悪な時期に詩音が料理下手で困っていた千棘に手を差し伸べてしまったが故に間接的に楽とのフラグが潰れたのである。

千棘は本来のラブコメ主人公への好感度が悪い状態かつ好感度上昇を他の男性に取られたが為に、詩音からのアプローチを拒まず堕とされたのであった。

 

そしてこの世界線では千棘もラブコメヒロインに該当し、性欲が強いので初体験で性欲に目覚め、今では様々な料理をマスターした千棘は料理教室を建前にセフレとなった詩音と楽に用事がある度にセックスしている程である。

 

 

 

そうして冒頭のキスをした後に戻る。

 

「でも千棘はもう大衆料理なら一通り作れるから充分じゃないか?」

「うん、だから料理は良いからセックスしたいのぉ……偽の恋人でもセックスするかもしれないからぁ…セフレといっぱい練習するのぉ……」

「完全に発情してるな千棘。そんなに楽とセックスしたいのか?」

「あむっ……ちゅる…意地悪ぅぅ……そんなの建前だって分かってるのにぃ…れろれろ……楽とこんなエッチなことするわけないじゃない♡」

「ごめんな千棘、他の男とセックスするとか言い出したから嫉妬で意地悪しちゃったよ」

「ううん……良いの……私も偽の恋人といっぱいデートしてるからぁ……」

 

千棘は媚びるように甘えながら口にする。

千棘は詩音というセフレを作った今でも楽との偽の恋人関係を続けていた。

偽の恋人を解消しない理由にヤクザとギャングの戦争という建前もあるのだが、彼女は偽の恋人がいることで生まれる疑似背徳プレイをも楽しんでいるのだ。

詩音がズボンを脱いでチンポを出すと嬉しそうに鼻先を近付ける千棘。

 

「すんすん、…ふわぁ、凄い匂い……こんなの疼いちゃう…」

「千棘は匂いかぐの好きだよな」

「だってぇ……このおチンポの匂いが好きなの……もっとエッチな気持ちになるからぁ…」

 

千棘はチンポに舌を這わせる。丁寧に舐める様子からチンポへの愛おしさを感じているのだろう。

 

「れろっ……今日も詩音君のおチンポで鳴かされちゃうんだ……れろろっ……私が詩音君の専用おまんこですって宣言させられちゃうよぉ……」

 

言葉とは裏腹に嬉しそうに言う千棘。寧ろそうして欲しいという願望を口にしているのだ。

 

「まずは射精させてくれ千棘」

「うん。いっぱい気持ち良くしてあげる」

 

千棘は舌先での愛撫からチンポを咥える。

 

じゅるる…ジュルル……じゅぽじゅぽ!

 

音を立てて吸い込む千棘。下品に聞こえる音すらも彼女は楽しんでいた。

 

「っく、出る……」

 

どびゅ!びゅるるる、びゅー!

 

「んッ……んぶっ…うぅっっっ……ごく、ごくん♡」

 

千棘は口内で射精された精液を飲み込みながら受け入れる。

 

「ごく、ごくん……んっ♡ごちそうさまでした……」

 

口元に付いた精液を舌で舐め取りながら答える千棘。

お掃除フェラをした後は千棘はコンドームを出してチンポに被せる。

学生である以上、セックスを行う際に避妊をするのは当然である。

だがそれ以上に……

 

「うぅん♡しちゃうんだ……子作りじゃない、快楽目的のセックス♡おチンポが欲しくて媚びちゃうおまんこでいっぱい咥えちゃうんだ♡」

 

千棘はゴム嵌めセックスを楽しんでいるのだ。

避妊の心配せずただ気持ち良くなる快楽目的のセックスに耽ることが出来る期待に満ちていた。

 

「入れるよ千棘」

「んあっ、おチンポ入れてぇ♡いっぱいじゅぽじゅぽしてぇ♡」

 

ズプン!

 

「おっ♡おぉっ♡おっ♡イくッ♡イクゥゥゥ♡」

 

挿入だけで絶頂してしまう千棘。

既に詩音と何度も嵌めた千棘の膣内は詩音のチンポが気持ち良くなる形に変わっていた為に入れただけでイってしまう程敏感になっていた。

 

「さて今日も満足するまでやろうか千棘」

「してぇ♡いっぱいおチンポで気持ち良くして欲しいの♡」

 

二人っきりの調理室でのセックスに耽るのであった。




桐崎千棘
…本編では料理音痴克服による楽への好感度マイナスが改善される前に詩音が介入してしまったことで恋愛フラグが潰されセフレ堕ちした設定。
既に性欲に目覚めた千棘は詩音に夢中なので、ここから楽が好感度上げても気になる異性ではなく、悪くない奴止まりになってしまった。


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番外編〜小野寺 小咲①〜

現在の執筆状況的には順不同でナナ、モモ、金色の闇、九条辺りは執筆予定。
ララと美柑は未定でどうセフレ堕ちさせるかで迷い中。
詩音はセフレ堕ちさせてもハーレム王目指してるわけじゃないのでTolovるヒロインコンプリートとかはやらないので比較的出番の無かったサブヒロインは大体カット。
春奈、唯、ナナ、モモ、ヤミ辺りがセフレ堕ちしてればハーレム王の日常(笑)は書けそうだしね。

ニセコイはメインヒロイン4人+春が構想決まってるので書く予定。
ぼく勉は妹様完全勝利なのでメインヒロイン達はセフレ堕ちしてますからね。

因みにニセコイとぼく勉はラブコメヒロイン達が徒党を組んで何かやらかすタイプにする予定。


時は桐崎千棘が転校してきたばかりの頃。

小咲から彼女の親友の宮本るりと中学時代から相談相手として関わりのある詩音が呼び出された。

 

「楽に恋人が出来ただと……」

 

小咲からの言葉に思わず呟く詩音。小咲が休日に出掛けている時に楽と千棘がデートをしているところに遭遇したらしい。

 

「え、一条君は小咲が好きじゃなかったの?」

「それは間違ってないよ、るり。だって好きなタイプで小咲の特徴を語るレベルの奴だからな」

 

何せ男子同士の会話で堂々と語ってたレベルだ。わざわざ好きな女子のタイプを誤魔化す必要すらないのだから。

 

「で、今の小咲はショックでこんな有様だと……」

 

小咲は茫然自失で酷かった。

最早ラクガキみたいに崩れた幻影が見える程だ。

詩音は消極的な割にショック受けた時の反応は酷いよなと思っていた。

 

「こんな時こそ相談相手の出番ね。何とかしなさい詩音」

「るり、恋人持ちとか難易度高すぎないかなぁ」

 

るりの無茶振りに苦笑いで答える詩音。小咲と詩音が中学時代に知り合った切欠は趣味でやってる相談と指導に苦手克服目的で訪れたからだ。

小咲は健気で優しいという素晴らしい女の子なのだが、勉強や運動など苦手なものが多く詩音が手ほどきしたことも少なくない。

特に泳ぎ指導と受験勉強は小咲から詩音の両手を握られるくらいに感謝された程だ。

そうした手ほどきによって小咲から相談相手としての信頼を得たとも言えた。

 

「建設的な意見をいうなら学生の恋人はゴールじゃないから、このまま恋愛成就を狙うか潔く諦めるかの二択になる」

「恋愛成就と諦めるは当然としてゴールじゃない?」

「まだ結婚してないだろう」

「まあ確かにそうね」

 

結婚という正式な手続きがなければ恋人とは口約束でしかない。

だからこそ今の恋人と別れたり、別の人と付き合ったりしても問題ないのだ。

 

「ということで小咲、楽を諦められないなら方法は色々ある。まあ略奪愛になるかは向こう次第だけどな」

 

何せもし楽と千棘の相性が最高で完全なラブラブだったならば自然に別れたりはしないだろう。

一番修羅場にならないパターンは相性最悪からの破局後のアプローチである。

破局後の傷心中に慰める形でいけばコロッと落ちるパターンはよくある話だ。

だがもし別れなければ文字通り千棘を振ってでも小咲と付き合いたいと思わせるレベルまでやらなければならない。

流石にイジメとか千棘を害するのは小咲の評判を落とす上に詩音も嫌なので頼まれても断るつもりではあるが……

 

「略奪愛……」

 

何とか茫然自失から回復した小咲は詩音の言った言葉に気乗りしないように呟く。

善良な彼女がそれをするのに致命的に向いてないのは詩音も知っている。

相手を思いやってしまう娘がそれをやれば成功しても罪悪感で押しつぶされるリスクが伴うからだ。

 

「詩音、言い過ぎよ。けど確かに小咲はそれくらい必要ね……」

「まあ略奪愛なんて最悪のパターンで大半は不仲での破局後に行うチャンスへ備えることだけれどな」

 

るりは元から楽と小咲が両片想いなのでとっととくっつけと思ってた程だ。

寧ろ今からでも行動を移せば成功するんじゃ無いのかと思って発破をかけるつもりであった。

そして詩音は略奪愛と言ったが、優し過ぎる小咲からして破局後から傷心中へのアプローチ作戦になるだろうと思っていた。

略奪愛やるなら恋人を押し退けてアプローチする程の積極性が必要なのだが、小咲がそれをやるには性格から矯正せざるを得ないレベルだからだ。

 

「どっちにしても小咲次第だからな。どうフォローするかの参考にしたいから、現時点の正直な気持ちを教えてくれ」

 

本来ならば恋人がいても諦めないのがラブコメヒロインである。原作でも諦めず、偽の恋人を知った小咲は彼女なりにアプローチをかけようと頑張るのだ。

ラブコメ漫画ならそうでなければお話がすぐ終わるというのもある。

だがしかし……

 

「ううん、私…一条君のことは諦めるよ……」

「は?」

「え?」

 

一つだけ見落としていたのは小野寺小咲は根が善良過ぎることだろう。

偽物とはいえ恋人がいる相手から奪おうと考える程、強かでは無いのだ。

この時期にはまだ転校してきていない、恋人がいようがお構い無しに猛烈アプローチをかける許嫁であるTさんみたいに強かにいける娘じゃないのである。

 

「待ちなさい小咲。アンタあれだけ一条君のことが好きって言ってたじゃない」

「うん、確かに好きだけど桐崎さんという素敵な恋人がいるのに略奪愛するなんて嫌だよ……」

「いや略奪愛は最悪の手段だから落ち着け小咲」

 

冷や汗を掻きながら思い留まるように言う詩音。

小咲にとって略奪愛というワードが想像以上に諦める切欠に繋がりかねない要因だったようだ。

 

「落ち着いてるよ詩音君。けれどもし一条君と桐崎さんが別れない限りは略奪愛になっちゃうんだから、最悪を想定しとくべきだよ」

「えぇ…」

 

何か諦める方向で落ち着いている小咲にドン引きする詩音。

楽へのアプローチには消極的だった癖に諦めるのは積極的ってどういうことだよと突っ込みたい気分だった。

 

「ちょっとどうするのよ、幾ら何でも小咲が諦めるなんて想定外よ」

「いや俺もせめて玉砕覚悟でも想いを伝えて決着を付けるまではと思ってたんだが……」

 

ヒソヒソ話し合うるりと詩音。

これでは本当に失恋しましたになりそうだからである。

そして失恋後に待つのは大泣きだろう。

異性の前では泣きにくいだろうと思った詩音は、用事を装い撤退しようと思うが……

 

「仕方ないわね。ここは任せるわ詩音。アンタ、傷心中の女の子慰めるの得意でしょ?」

「ちょ!?おま……」

 

先を読んだるりはサラリと詩音へ押し付けることを言い出す。

もし慰める存在がるりだけならば彼女は残っただろうが、詩音は恋愛相談などで数々の女の子を慰めた経験もあるのを知っていたるりは押し付けることに決めたのである。

 

(後、この前の露出プレイの仕返しね。せいぜい困りなさい)

「こ、コイツ……」

 

小咲には話してないがるりと詩音はセフレである。

傷心したとかではなく恋愛とはかけ離れたセックスへの興味からヤリチンだった詩音に抱かれてみたのだが、ラブコメヒロインよろしく性欲旺盛だった彼女はド嵌りしセフレになったのである。

先日もノーパンノーブラの露出プレイをしたのだが、それを根に持っているらしい。

 

「あのね……詩音君……私、本当に……一条君のことが好き……だったんだよ……」

「ああ、そうだな」

「でもね……一条君に素敵な恋人が出来てるなら……喜ぶべきだよね……」

「そうだな」

 

ボロボロと涙を流す小咲の顔を胸元に抱き寄せて顔を隠す。側にいて欲しくても泣き顔を見られたくないだろうと思った詩音は小咲の顔が見えないようにしたのだ。

 

「うぅ……うわぁぁぁぁん」

 

そうして小咲は初めての失恋の涙を流し泣き続けたのだった。

 

 

 

 

 

「ありがとう詩音君……」

「いや小咲が自分で前に進むと決めたんだから良かったよ」

 

泣き止んだ小咲と改めて話す詩音。

楽の恋人についてはこの時点ではよく知らないのだが、略奪愛やら破局するまで待つやらするよりは健全だろうと割り切ることにした。

 

「あ、あのね詩音君……お願いがあるの……」

「ん、なんだい」

 

顔を赤くしながら言う小咲に詩音は尋ねる。

 

「寂しくなっちゃったから……私のこと……抱いて欲しいの……」

「んんっ!?」

 

まさかの言葉に驚く詩音。これがセフレとかなら喜んで抱くだろう。

だが小咲はあくまで純粋な娘であり、振られたから取り敢えず他の男に抱かれようと考えるタイプではないからこそ驚いたのである。

 

「小咲、抱く意味を分かってる?」

「うん……るりちゃんみたいに抱いて欲しいの」

「お、おう……ていうか知ってたのか?」

「うん……るりちゃんから聞いたから……『アイツ、ヤりなれてるから初体験不安なら気持ち良くしてくれるわよ』……って」

 

まさかのるりからの暴露だった。詩音がるりを抱く時にるり側から小咲へは言わないでと言われていたので隠す努力はしていたのだが台無しである。

今回の件といい自由がすぎるので、るりには今度ボディペイントを決行することにしたのは余談である。

 

「本当に良いんだな」

「うん……詩音君には沢山助けられてるし、それに私も女の子だからそういうことにも興味あるんだよ?」

 

恐らく感謝とセックスへの興味が強いのであって恋愛的な興味ではないのだろう。

だが構わない。セフレとは元々快楽目的でセックスをしているのだ。

勿論詩音的には愛し合うのも気持ち良いので愛し合えるなら好きと言いながらするのも良いが、それは詩音個人の問題なのだから……

 

 

 

そうして詩音は小咲を抱くことになる。

 

「私、初めてなの……詩音君がもらってくれるんだね」

 

挿入前でも小咲は不安や恐れよりも期待しているように呟く。

 

「あっ……あ、あぁっ、あつっ…、んぅっ」

 

キツキツの膣内をゆっくり進んでいく。

 

「大丈夫?苦しくないか?」

「んぅうっ!ふぅっ、ふぅっ……だ、大丈夫……」

 

処女膜喪失の血がにじみ出す。

 

「これで詩音君のものになっちゃったね、私……」

「そうだな。小咲の初めては俺のものだ」

 

小咲は自分から詩音専用になったのだと言い出した。

 

「詩音くぅん……しゅきぃ♡しゅきなのぉ♡」

 

小咲の初体験はそれだけでは終わらず、性欲のあるがままにお互いを貪るように性行為をするうちに小咲は詩音へ甘えるようになっていった。

 

 

 

 

そして一週間後、詩音と小咲は映画館で隣り合う席に座りながら映画を見ていた。

 

「えへへ…映画楽しみだね詩音君♪」

「うっ……小咲、本当にやるのか……」

 

シュコシュコ

 

小咲は笑顔で楽しそうに笑いながら左席にいる詩音のズボンの中に手を突っ込んで手コキをしていた。

映画の上映に合わせて暗くなっているとはいえ、バレたら不味いのだが、小咲はその程度では止まらなかった。

 

「せっかくの休日なんだよ?いっぱい楽しもう」

「ホテルまで我慢出来ないのかい小咲?」

「駄目だよ詩音君。この前るりちゃんにはボディペイントプレイしたんでしょ?だったら私と詩音君での映画でのイかせ合いだって問題ないよね」

 

小咲は頬を膨らませて可愛らしく抗議していた。

だがその内容は映画上映中にお互いの秘所を手だけでイかせ合うという変態行為だった。

 

あの日の慰めックスで小咲はセフレ堕ちし、失恋を乗り越えた小咲は喜々として詩音との性行為に耽っていた。

小咲は元々詩音のことが、失恋した際に親友のるりと一緒に呼び出す位には好感度が高かったのだ。

失恋した穴埋めを元々好感度の高かった詩音で補ってしまい、慰めックスを含めて好きになってしまうのは必然とも言えた。

 

もう一つの誤算は小咲がとんでもない変態であることだろう。

映画手コキなどスリルを楽しむのでなければまずやらないのに小咲から言い出す位には性欲旺盛なのだ。

まさか小咲の要望で首輪お散歩プレイをさせられるとは思わなかった。

しかも母親不在で妹の春ちゃんが寮暮らしだからと全裸で首輪のリードを渡してきた時には大変なのを目覚めさせたと思った。

全裸の四つん這いで何とか2階まで上がったタイミングで妹の春ちゃんが帰宅してくるというアクシデントがあり、危うくバレる寸前だったのだ。

 

「ほら詩音君も右手を私の中に入れてね」

 

小咲から右手を秘所まで誘導され、パンツの中に突っ込まれると既に湿っていた。

 

「んぅ…映画終わるまでいっぱいイこうね♡」

 

映画が終わるまでの間にお互いのパンツが濡れることになるのは言うまでもなかった。




小野寺小咲
…本編では原作初期の偽恋人騒動で失恋したと思い込み泣いて決別からの慰めックスでセフレ堕ち。
後日、偽の恋人だったと発覚するのだが、その頃には既に映画手コキをやらかす純情ビッチに変貌してしまったので楽へは振り向かなくなってしまった。
原作初期だと偽恋人発生には多少ショック程度だったがすぐ偽恋人の真実知ってアプローチへの流れだけど、高校受験で志望校落ちた際の作画崩壊レベルでショック受けてたならあり得るかなぁという感じでした。
慰めックスとはいえ同意でセックスして処女を捧げちゃったのでセフレ堕ちしたチョロインである。


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大人びた小さな後輩(ナナ・アスタ・デビルーク)

Q:このオリ主はセフレを他の男に抱かせたりしますか?
A:本編ではセフレ堕ちしたラブコメヒロインは基本的に詩音専用セフレにさせられてます。

本編のスタンスが貞操観念あるけど、一度モノにしたら他の男に簡単に身体を許さない系が好きなので……

同じビッチでも気を許した相手以外は誘わない純情ビッチとかそんな感じです。

後はラブコメヒロイン達の独自設定は決まってるけど、前技から挿入の本番描写シーンで行き詰まってるのでそこら辺を出来るだけカットして出すことにしました。
自分的にはドスケベセックスとか好きなんだけど、同人誌出してる人と比べて稚拙になるからそれだったら無理に描写しなくても良いかなってなりました。


とある日の一年の教室で一人の男子生徒が忘れ物に気付く。

 

「あ、消しゴム忘れた...」

「オイオイ、この前もじゃねえか」

 

呆れるクラスメイトの男子。そしてその隣の席にいたナナ・アスタ・デビルークは男子生徒に向けて消しゴムを渡す。

 

「ほら、貸してやるよ」

「あ、ありがとう...」

「困った時はお互い様だろ」

 

ニカッと笑顔で言うナナ。笑顔を向けられた男子は顔を真っ赤にして見惚れてしまう。

 

『最近のナナさんって大人っぽいよね』

『気配りが良くてこの前も私助けてもらっちゃった』

『俺、ナナさん狙ってみようかな...』

『やめとけ、お前がナナさんと釣り合うわけねぇだろ』

 

学校の行く先々でナナの噂が広まっている。一週間前までは子供っぽかったナナが急に大人びたと男女問わず噂されているのだ。

 

(どうやら上手くいったようだな)

 

その噂を聞いた詩音はいつもの談話室へ向かった。

 

 

 

「お、ようやく来たな先輩」

 

談話室には既にナナが来ていた。

 

「すまない、待たせたか?」

「いや、今来た所だよ」

「気配りが上達したな」

 

感心する詩音。ナナが談話室にやって来たのは一週間前、大人っぽくなりたいという要望を受けて詩音はナナに気配りの仕方をレクチャーしていたのである。

 

「最初は気配りなんてと思ってたけど、やってみたら友達からも大人っぽくなったって言われて嬉しかったぜ」

「ナナが頑張ったからだよ」

 

最初は大人っぽくなるには胸を大きくする必要があると漠然と考えていたナナだが、詩音と大人っぽさという情報のすり合わせをした事で必要なのは『気配り』と『経験』が大事だと教わったのだ。

 

自然と気配りが出来るように空いた時間を使ってトレーニングをしたナナは今では妹のモモ以上に大人びていると言われている。

 

「最初はコーヒー飲もうとしたり背伸びをしてたよな」

「や、止めろよぅ……今更そんなこと恥ずかしい……」

「自然な感情は下手に隠す必要はない。そういう羞恥は大切にしておくべきだよ」

「もう……恥ずかしいから止めろよな……」

 

顔を赤らめながらも騒がず落ち着いて言うナナ。以前の彼女ならケダモノと騒ぎ立てたりしてたのだが今では冷静に対応することが出来るようになったのである。

 

「なぁ、キスってした事あるか?」

「突然どうしたんだ?」

 

ナナの突然の質問に疑問を抱く詩音。そしてナナは顔を真っ赤にしながら慌てて言う。

 

「ほ、ほら…クラスの女子からもよく聞かれるからさ」

「まあ確かに恋愛ごととかは気になる人は多いよな」

「聞いてたら詩音はどうかなぁ…って気になってさ」

「まああるぞ」

「え…あるのか!?」

「そりゃあ学生でも全員とは言わないが経験ある奴はいるだろう。まあ俺の場合は運が良かったというべきだな」

「そ…そうか…」

 

目に見えて落ち込むナナ。

詩音はこの学校で恋愛相談なども多く受けており、中にはフリーかつ練習という名のデートをした際に雰囲気でキスをしたことも数多くある。

 

「まあ付き合ってなくても雰囲気でしたりされたりする事はあるからな。ナナだって経験あるだろ?」

「そ、そ、そ、そうだな!キスの一つや二つ、バリバリあるぜ!」

「本当は?」

「うぅぅぅ……いじわる…そんな経験一度もない…」

 

初めは慌てながらも経験豊富を装っていたが、詩音に真摯に見つめられると見透かされてる感じがして素直に白状する。

せめてもの抵抗に意地悪と言いながら彼の胸元に自分の顔を寄せる事で表情を隠した。

 

「まあ確かに恋愛経験豊富だと余裕とか色気が出る感じはするな」

「ほ、本当か?」

「うちのクラスメイトでも何人かいるしな」

 

まあ大半は詩音のセフレで恋愛経験どころかセックスまで経験したせいで色気付いたのであるが...

 

最近の古手川が特に顕著である。今まではハレンチな!という一言で性行為を拒絶していた彼女であるが、詩音とセフレになったことで彼に喜んで貰う為に様々な性知識を勉強して身に着け、その影響から色気が出るようになった。

そのせいで男子生徒から視姦される機会が増えて彼だけのセフレである自分が汚されていると唯が感じて余計に詩音に慰めてもらう循環が出来ていた。

更にはセフレが出来てから寛容さも身に着けた事で風紀委員としての注意も口調が穏やかになり、周囲からの好感度が上がっているのである。

まあラッキースケベみたいなセクハラを毎回してくる結城リトだけは例外で直接セクハラしてくる相手には平手打ちなど相変わらず容赦なかったりする。

 

「最近古手川や西蓮寺の噂をよく聞いたぜ。こないだ見かけたら二人とも見違えるみたいに綺麗になってたし……」

「ハハハ、そうだね……」

 

詩音は目を逸らす。

別に隠してるわけじゃないのだが、処女であるナナには刺激が強過ぎると判断したからだ。二人とも詩音の談話室に訪れて相談してきたのが切欠で変わったのであり、共通するのは詩音に抱かれてセフレになった事である。

 

「色んなことを経験したけど、えっちい事だけは全然経験しなかったから...」

「男はけだものってナナが言ってたからそういう事は意図的に避けてたんだよ」

「ありがとう。でもアタシだって1人の女の子だからそういう事にも興味があるんだよ」

 

ナナは上目遣いでこちらに顔を近づけてくる。

 

「なぁ頼むよ。キスしたいんだ」

「キスしても良いのか?」

「私の我儘に付き合ってくれたお前になら良いんだ」

 

そして詩音はナナへキスをする。初めてなのでバードキスであったが、手慣れている詩音は歯が当たらないように配慮するのも忘れない。

そしてナナは胸がキュンとするのを感じて唇が離れると詩音へ感想を告げる。

 

「んっ……キスって、こんなに胸が温かくなるんだな……」

「初めてキスした時はそうだよ。今のは軽いキスだから次のステップであるディープキスだと気持ちよくなれるよ」

「ディープキス……教えてくれ……」

 

そうしてナナはディープキスにのめり込んだのは言うまでもない。

 

 

 

 

そうしてナナが詩音からファーストキスから本番行為まで一通り体験したことで心身共に立派なレディに成長していた。

かつては胸の小ささや感情的な面からモモと比べて子供っぽいとまで言われていたナナだったのだが、気配りを覚え、初体験を済ましたナナには大人の女性特有の余裕と色気があったのである。

 

『ナナさん、本当に大人のレディって感じだよね』

『そうそう。前までなら子供っぽいって言ったらムキになってたのに今ではそうだよなって笑顔で受け入れたりもう対応が大人だよね』

『ナナお姉様素敵……』

『ナナさんやっぱり女性として素敵よねぇ』

 

そうしてナナの評判は男子よりも女子からお姉様と呼ばれる事態になっていた。それに一番の違和感を覚えたのが同じ姉妹であるモモだった。

 

「ねぇナナ?最近何か変わったことあったの?」

「ん、まあな。やっぱり経験って大事だよな」

「経験って……まさか!?」

 

その言葉に驚愕するモモ。だがナナはそんなモモに落ち着けよと宥める。

 

「まあ私だってもう高校生なんだし、そういうことしてたって不思議じゃないだろ」

「一体誰!?まさかリトさんなの!?」

「いやリトじゃないな。そもそもリトはお姉様の婚約者なんだし、そういう対象でもないしな」

 

以前のナナならリトの名前をあげようものなら、慌てて「あ、あんなケダモノと……そ、そ、そんなわけねぇだろ!」と否定するだろうが、ナナは大人のレディらしい冷静な対応をしてきた。

そしてモモもリトではないと理解する。

 

「じゃあ一体誰なの?」

「それは……」

「それは?」

 

モモの呟きに人差し指を口元に当ててウインクをするナナ。

 

「秘密だ♪」

「え、えぇ!?ちょっとどうして隠すのよ!」

「あ、そろそろ約束の時間だから行くな。じゃあなモモ」

「あ、ちょっと待ちなさいナナ!」

 

そうしてナナは駆け出し、追いかけようとしたモモを撒いたのであった。

 

 

 

 

 

「じゅるる……やっぱり詩音のチンポおっきぃ……」

「ナナは熱心に奉仕してくれるよな」

「へへ…詩音にメロメロにされちまったからな……気合が入っちゃうんだよ……」

 

モモを撒いた後に詩音と合流したナナはいつものように奉仕をしていた。

嬉しそうに詩音のチンポをしゃぶりながら答える時点でナナは大人のレディとなった上で詩音のセフレ堕ちしていた。

 

「でも本当に良いのか?別に今のナナなら引く手数多なのに俺のセフレになりたいって……」

「んむっ……じゅるる……今更だな……言っただろう……私は詩音にメロメロにされちまったんだから……他の男に興味ないからな」

 

ナナは他の男の元に行く気はないと答える。

詩音が言ったようにナナは処女を奪った直後に自ら詩音のセフレになりたいと志願してきたのである。

 

「そろそろ入れようかナナ」

「うん。詩音のセフレチンポ、私の中に入れてくれ」

 

ナナのおねだりを受けて詩音は濡れているおまんこにチンポを挿入する。

 

ズププゥ

 

「はぅぅん♡キタァ、やっぱりセックスが一番イイ……」

「そんなに気に入ったのかい、ナナ」

「ああ、男なんて皆ケダモノとか思ってたけど、やっぱり好きな相手とするのは最高だ」

 

ナナは当初セックスなどのエッチに関わることを忌避し、下心で近付く男達をケダモノと呼んで避けていた。

だが今の彼女はセフレになった詩音のチンポ一つで顔を赤らめ、喜んで奉仕を行う純情ビッチである。

誰にでも身体を明け渡すつもりはない。

自分を抱いて良いのは処女を奪った詩音だけだとナナは思っているのだ。

 

「俺もナナのことは好きだよ」

「嬉しい……私の中、もっと詩音のチンポの形にしてくれ」

 

ズチュン!ズチュン!

 

ナナの要望通り動かしてキツキツなおまんこを拡張していく。ナナは膣内が詩音の形になるのを喜びながら喘ぎ声を上げていく。

 

「あんっ♡中で擦れてぇ……変わるぅ♡詩音専用になっちまうぅ♡」

「ナナはもう俺専用だから一緒に住んでるリトに身体を許しちゃ駄目だよ」

「あひん♡当たり前だろ!おっ♡……ほぉぉ♡私はぁん……詩音専用セフレだからぁ、あのケダモノがどれだけラッキースケベしてきても……セックスは許さないぃん♡」

 

ナナは感じながらもリトとはセックスをしないと宣言する。

分かってはいたが、やはりラブコメヒロイン達は同意セックスで堕ちると専用セフレになりたがるチョロインなんだなと思う詩音。

詩音としては都合が良い。何せ詩音は初めから手を出したナナが他の男に靡けなくなる位に仕込む気だったからだ。

 

「くっ、そろそろ射精するぞナナ」

「あんっ♡はぁん♡ナカぁ♡今日は安全日だからぁ…ナカに出してぇ♡」

 

びゅー!びゅルルル!びゅー!

 

「おっ♡子宮に精液注がれてイクゥゥゥ♡詩音の精液で染められてイクゥゥゥ♡」

 

ナナは絶頂しながら射精を受け入れ詩音へしがみつく。射精が止まった後、ようやくチンポを抜くとナナはニヘラァと頬が緩んでいた。

 

「はぁぁぁ♡……射精凄かったぁ……やっぱりセックスは最高だぁ……」

 

完全に余韻で夢見心地のナナ。

今までエッチなことを敬遠してた反動なのか彼女は詩音からもたらされる快楽に夢中であった。

余韻から回復したナナは気持ち良くしてくれたチンポへお掃除フェラを行う。

 

「んぅ…ジュルル……中にも精液残って……れろっ……まだカチカチで逞しい……なぁ今日、詩音のウチに泊まっても良いか?」

「良いけど家族に心配されないか?」

「大丈夫……れろっ……友達のウチに泊まるって……れろろっ……いうから……それに……れろれろっ……一回じゃ足りねぇから……もっと可愛がって欲しい♡」

「じゃあ帰ってから二回戦やろうかナナ」

「ああ♡」

 

片付けをした後にナナをお持ち帰りし、二回戦を行うのであった。




ナナ・アスタ・デビルーク
…コンプレックスの子供っぽいを胸ではなく気配りによる余裕で改善した設定。
そこから手伝ってくれた詩音に惹かれていき、性的に食べられセフレ堕ちした。


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〜番外編〜 聖人(笑)一条楽

今回はラブコメ主人公の扱いについてをテーマに突発的に思い付いたお話です。
本番シーンは無しです。

二次小説の良いところは魅力的なキャラクターを自由に弄って動かせることだと思うのでキャラ崩壊やらぶっ飛んだ設定になっています。


これはフィクションだと思いたかった。

こんな馬鹿げた内容は夢の方が幸せである。

 

バン!

 

「これより【一条 楽の童貞を守る会】を始めるわ」

 

ワァー!パチパチパチ!

 

千棘の開会宣言に拍手を送るのは小咲、鶫、万里花。

それに付き合わされる詩音は何コレと思わざるを得ない。

 

「良い!楽と偽の恋人になって分かったのは他の男子と違って下心な目で見てきたりしないのよ!」

「そうだよね。普通の男子だと胸元とか脚とかチラチラ見てくるもん」

 

偽の恋人である千棘の言葉に中学時代から楽に片思いしていた小咲が断言する。

 

「確かにそうだな。今の私なら分かるが男性とは女性を性的に見るものだからな」

「あら鶫さん、詩音様とのデートで随分学んだようですわねぇ」

「し、仕方ないだろう……あれだけ町中で視線を浴びせ続けられたら嫌でも学習するわ!」

 

万里花の言葉に反論する鶫。

詩音から心身共に可愛がられた鶫は知っている。

自分のドスケベボディは男性達から下心を持って見られる対象なのだと、数々の路上での羞恥プレイを通して体験し、実感していた……

詩音専用のセフレになるに辺り、鶫は詩音以外から下心のこもった視線で見られたくないと思い男装をしている位に清楚なのである。

 

「だがそんな私でも一条楽が私や他の女子達に下心な視線を向けたりしてないことは分かる」

「私も数々のアプローチをしてきましたが、楽様は恥ずかしがっても勃起一つしませんもの」

 

万里花みたいな美少女に抱きつかれれば、思春期男子なら興奮してズボン越しに勃起してもおかしくない。

だが万里花を含めたラブコメヒロイン達からの接触を受けても楽は勃起一つしなかった。

 

「それは最早インポと言うやつではないのか橘万里花?」

「いいえ、鶫違うわ。この前楽の部屋に行った時に隠してあったエロ本には、幼馴染ものがあったもの。本当にそうならエロ本自体買ったりしないはずだわ」

 

千棘からプライバシーの欠片もない暴露がされる。

ていうか偽の恋人なのに人のエロ本漁るなと突っ込む者は一人としていなかった。

 

「そ、そうなんだ。一条君、確か初恋のペンダントを今も大事にしてるからロリコンかなぁと思ってたんだけど……」

「私もロリコンじゃないか確かめたけど怒って否定してたわよ。本当のロリコンなら性癖を否定したりしないでしょ?」

「そうだよね。ずっと一条君を見てたけど一度も変態的な噂も行動も見たことがないしそんな人じゃないよね」

 

噂ならともかく行動まで見たことないってストーカーじゃないかという疑問は置いておく。

恋する乙女の行動は社会的迷惑に発展するまでは健全だから問題ないのだ。

 

「え、何……楽に惚れたの?俺としては複雑だが引き止めたりはしないけど……」

 

詩音としては一度セフレにしたら自分専用にしたいという独占欲こそあるが、それは無理強いだし自分も何人も抱いてるから引き止められないと割り切っていた。

 

「違うわ詩音。心も身体も詩音専用セフレになったことに後悔はないわ!だから楽に抱かれるつもりはないの!」

「じゃあどういうこと」

「要は尊いのよ!推しってヤツね!」

「は?」

 

千棘の言葉に困惑する詩音。それにガバッと立ち上がる小咲。

 

「分かるよ千棘ちゃん!私アイドルとか興味無かったんだけど一条君のことだけは推せるよ!」

「そうよね!楽は偽の恋人である私に最初は嫌嫌だったけど今では嫌な顔一つせず付き合ってくれている。楽には感謝しているの!だからこそ推せる!この気持ちは本物なんだよ小咲ちゃん!」

 

ずっと片思いしながら見続けた影響か、楽が推しメンになったらしい小咲は千棘の両手を掴んで共感する。

 

「詩音のセフレになった今では詩音以外に抱かれたいとは思わない。それはここにいる皆も同じよね」

「うん」

「はい」

「そうですわね」

 

他の女子達も頷く。詩音としては独占欲的には満たされるのだが、何だこれと思わざるを得ない。

 

「他の男子達からアプローチかけられても鬱陶しいとしか思わないのに、楽から親切にされるのは心地良い。最初は恋?と思ったけど、詩音とセックスしてる時程の多幸感は無かった」

「一条君から優しくされると胸がポカポカするんだよね」

「楽様から優しくされると嬉しくなる気持ち分かりますわ」

 

千棘の言葉に楽へ片思いしていた経験のある小咲と万里花は同意する。

因みに原作と違って楽へ恋していない鶫は蚊帳の外である。

 

「下心で見ないのは私達みたいにセックスをして汚れていないからこそだと思うの。だって私もセックスする時は詩音のおチンポに視線が釘付けになっちゃうし……」

「そうだね」

「そのとおりです」

「そのとおりですわ」

 

うんうんと納得する彼女達。

初体験を迎えると性欲が強くなり、視線が異性の性器に行ってしまうことを彼女達は知っている。

 

「楽が下心なく私達に優しく出来るのは童貞だからよ!」

 

かつてここまで酷い発言は見たことが無かった。ラブコメヒロインがラブコメ主人公の童貞を主張するとはどういうことなのだと。

 

「だから私達でそんな良い人な楽に相応しい彼女が出来るまでは楽の童貞は守らなくちゃいけないわ!」

「うん……そうだよね。あんなに良い人だもん幸せになってもらわなくちゃだよ。悪い女の子が這い寄るのは許せないかな」

 

笑顔だが黒いオーラを纏った小咲。ていうか本来なら小咲が恋人になれば済む話である。

 

「あぁ…今更だが小咲が恋人に立候補するとかは無かったのか?」

 

詩音は小咲に尋ねる。

何せ詩音とのセフレになったのは元はといえば偽の恋人と勘違いしたのが原因であり、言うなれば偽の恋人という真実を知った今ならば楽はフリーだからだ。

 

「ううん……もう私の心も身体も詩音君のものだから……一条君の彼女になったりはしないよ……それに一条君に私の性欲を満たせるとは思えないし……」

「ウン。ソウダネ」

 

小咲を天使だと思ってる楽が、小咲に変態プレイを要求されたらきっと失神するだろうなと思った詩音は片言になりながらも返事をする。

百年の恋も冷める変態プレイはあったりするのだ。

 

「うむ。確かに一条楽は肩書きだけとはいえ、青春を犠牲にしてまでお嬢の恋人役として貢献してくれている。それに私が詩音とセフレになれる切欠を作って貰った恩もあるしな」

 

鶫に初めて可愛いと言ってくれたのは一条であり、自分は可愛くなんてないと詩音に相談しに行き心身共に可愛がられる(意味深)切欠を作ってくれたとも言える。

本人の預かり知らぬところで詩音と愛人契約をする切欠を与えてくれた一条は恋のキューピットとも言えた。

 

「そうですわ!楽様は病弱だった私に生きる希望を与えてくれた太陽的存在!楽様が元気でいることが多くの人々への活力に繋がるはずですわ!」

 

万里花は病弱だった自分が恋という感情だけでここまで成長した実体験から自信満々に語る。

肝心の楽は偽の恋人がいる状態だったから万里花の気持ちに答えることは出来なかったが、既に自分の頑張りを認めてくれる詩音と出会ったことで踏ん切りはついていた。

 

「じゃあ今から計画を話すわ皆!楽の童貞を守る為に力を貸して頂戴!」

 

ここに学園トップクラスの美少女達による楽の童貞を守る会という、男子高校生にとっては修行僧の如き試練が与えられることになったのであった。




ということで本作のスタンスで一条 楽はラブコメヒロイン達が推せる位の聖人なので童貞を守ってくれるというありがた迷惑な展開になりました。

寝取られ作品だと大体不幸になるのがセオリーだと思いますが、そもそも付き合ってないからノーカンだしセーフですね。
因みにTolovるのリトやぼく勉の成行も別に落ちぶれる展開とかありません。エロありの純情ビッチにラブコメヒロイン達が変貌するだけですので……


本編と繋がりのないNG集

「アソコがもやしだからという線もあったけど……それは関係ないわね」
「え、一条君のアソコはもやしなの!?」
「楽様のアソコはもやしなんですか!?」
「ええ。林間学校で楽が間違って一緒の風呂に入った時に見て確認したわ。思わず噴き出さなかったのを褒めて欲しいわ」
「一条君……もやしが許されるのは小学生までだよ……」
「楽様……そこはもやしなのは弁明出来ませんわ」

ヤリマンとはいえこれやるとラブコメヒロイン達の性格が酷くなるのでカットしました。
きっと楽がこんなこと言われたら立ち直れなくなりそうなので……


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えっちぃボディーガード(金色の闇)

本来ならオリ主の最強要素は本編上なくても構わなかったんだけど、金色の闇と九条 凛のキャラ改変に戦闘力が関わってくるので追加。
ラッキースケベのリトからラブコメヒロインを寝取るのに一般人なわけが無いので仕方ないですね。


えっちぃのは嫌い、そのはずでした...

 

「ほら飯だ。ボディガードを名乗るなら体調を万全にする為に食事はきちんと取っておけ」

 

一人でたい焼きで済まそうとした私に彼は料理を作って振る舞ってくれる。

それを一緒に食べて一つ屋根の下で暮らす。

お風呂に入って身体を綺麗にし、ベビードールに着替えたら詩音のいる寝室に入って自身の髪で裾をたくし上げて下着を見せる。

 

「今日のボディーガードの対価を貰いに来ました。今日も私の身体を抱いてください」

 

かつて殺し屋として磨いたトランス能力が今では主人を喜ばせる為だけに使われているのである。

ボディーガードの対価として疼きを止める為のセックスを詩音にしてもらうのだった。

 

 

 

 

 

 

かつて地球とは離れた惑星で生き倒れていたところを詩音に助けられ、ベッドで目が覚めた。

目の前にいた詩音へ咄嗟に攻撃を仕掛けたら……

 

 

 

掠り傷一つ与えることなく、殺気だけで跪かされた。

 

【理性より先に本能が理解したか……手を出せば成す術なく殺されると……】

 

彼の身体中に黒い闘気を纏った姿を見ただけで本能が理解してしまう。

『宇宙一の殺し屋』などと呼ばれて驕っていたのだと思い知らされる。

目の前にいる男は変身(トランス)で戦えるとかそういう次元じゃない。

指先一つ動かす前に自分を殺しうる対峙してはいけない超越者なのだと……

 

【そうだな。自己紹介といこうか。俺は白亜 詩音、この世界では何の意味も無いが……異能の王だ】

 

異能の王、その言葉が理解出来ない怪物の表現として自身の心にストンと収まる。

それは免罪符だ。戦うことすら出来ない程に本能的に敵対することすら出来ない自分への言い訳。

もし仮にちっぽけなプライドで反抗的な行動を起こせば文字通り殺される確信が本能から絶え間なく警告していた。

 

【さて理解したなら、大人しくしてくれるだろう。君の名は?】

 

戦うことすらなく、目の前の彼に屈服させられたのが出会いの始まりだった。

 

 

 

そうして詩音と出会い、彼の故郷である地球という星で暮らすことになった。

道中や帰還後も不埒な輩や私を狙う刺客などが襲って来たのだが、実力の差も分からない者達は詩音の殺気による心停止で触れることなく殺された。

詩音曰く、死線をくぐり抜けた数が足りなければ相手するまでもないらしい。

中には私に劣るとはいえ、殺気に耐えうる刺客も存在したのだが……

 

 

とある星では刺客を殺した余波で砂漠の町が洪水になり津波に呑み込まれて海に沈んだ。

目の前で見せられた光景だけど、わけがわからない。

水が不足している砂漠で何故洪水や津波が起こせるのだろうかとか、最早個人の力量を超えた災害でしかないとか言いたいことは多くあったが、私のトランスでどうにかなるレベルじゃないのは確かだ。

 

他にも町を覆いながらも動かず上下だけでなく左右に伸びて滞留し続ける無数の嵐、

森の侵入者だけをピンポイントで雷を落とす雷雲を発生したりなど滞在先の星の環境を激変させる力を詩音は見せた。

こんなレベルの相手と対峙しないといけない殺し屋を続ける?

冗談じゃない。戦闘の余波だけで星の環境を変えてしまうような災害に挑むなどただの無謀だ。

 

地球では殺し屋としてではなく、一人の少女として扱われて詩音と過ごす内に人並みの生活をすることが出来た。

人と過ごすのはティアーユ以来かもしれない。

そうして詩音との同居生活が始まったのだ。

 

 

同居生活を通して彼に惹かれる内に、ある時ダークネスモードになって暴走してしまったことがあった。

本能に忠実になった私は彼を誘惑したのだが、彼はデコピン一つで倒してしまった。

 

「俺のボディガードは普段のヤミだ。そんな欲望任せじゃなくて自分の意思で俺に向かって来い」

 

欲望を解放したダークネスモードの私に一切欲情せず対処したのだ。

嬉しさと私に魅力が無いのかという怒りが混ざり合う中で私は彼に好意を伝えて抱かれた。

そして快楽を知ってダークネスを制御出来るようになった代わりに本来存在したダークネスの人格と混ざり合って新たな人格が生まれた。

それが原因で今後のボディーガードの対価は金銭ではなくセックスにしなくてはならなくなったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

(あの快楽を知ってしまった私はもう我慢出来ないんです)

 

跪いてチャックを口で咥えて下す。

そこから詩音のパンツを脱がせて男性器、おちんぽを出すのである。

 

「大きい...」

 

そのおちんぽの逞しさと長さに見惚れてしまうヤミ。そのおちんぽによってヤミは何度もイカされたからである。えっちぃのは嫌いだと口にしながらも身体は既にそのおちんぽに絶対服従しているのである。

 

「じゅるじゅる...全く、ボディガードに奉仕させるなんて...れろぉ...れろれろ...主人は変態です...」

「奉仕を自らしてるのはヤミだろう...」

 

口では嫌々ながらと言っているがヤミは性的奉仕に夢中である。

 

「やっぱり、えっちぃのは嫌いです……だってこんなに貴方へ夢中になってしまうのですから…」

 

自分の考えは間違ってなかったと思うヤミ。

古手川唯のように、初めてえっちぃことをした相手である詩音にヤミはメロメロにされてセフレ堕ちした。

定期的に対価の報酬としてえっちぃことをしてもらわないと身体の疼きが抑えられなくなってしまったのだ。

これじゃあ完全にえっちぃ中毒なのだ。

だが相手は誰でも良いわけじゃなく、校長や結城リトなどの男に触られる嫌悪感が増した。

一緒に詩音に抱かれに来た古手川唯がヤミに嫌悪感を抱く理由を話してくる。

 

「それは貴方が詩音専用のセフレになりつつあるってことよ。貴方の言葉風にいうならえっちぃことは好きになってもしたい相手は一人だけ、セフレを作ってもビッチにはなってないのよ」

「…私はえっちぃことは嫌いです……」

「他の異性とはってことじゃないの?だって貴方今も彼のチンポをしゃぶってるじゃない」

「んむ……ぢゅるる……これは、れろっ……詩音が……古手川唯をレイプしない為にぃ…れろれろっ……鎮めてるだけです……」

「そんな愛おしそうにチンポを丁寧に舐めてたら説得力がないわよ……さっきまでイかせてもらってたから愛着が湧いてるのね」

 

確かにヤミはその会話前にチンポをおまんこに挿入されてイかされまくった。

それから射精して精液の付いたチンポを前に出されると自然と舌を這わせてお掃除フェラをするようになっていたのである。

 

「ねぇ、詩音。次は私にハメてくれるわよね?」

「そうだね唯。次は君の番だ。ヤミもうお掃除フェラは充分だよ」

「あっ……」

 

ヤミは中断させられたことで名残惜しそうな表情で小さな声で呟く。

だが詩音がヤミにありがとうと頭を撫でると表情は喜びに変わった。

 

「完全にヤミさんセフレ堕ちしてるわね。私と同じように彼に奉仕するのが無意識に刷り込まれてるわ……」

「唯は嫌かな?」

「いいえ、私は自分で望んだもの。私を詩音専用のセフレにしてって」

 

唯は嬉しそうに彼にもたれかかる。詩音専用のセフレであること自体が彼女にとっては喜ばしいことだと私から見ても感じられた。

詩音に挿入され唯は淫らになりながらも詩音を気持ち良くする為に腰を降って刺激を与える。

普段は風紀委員として風紀を取り締まっているらしいが、今の唯を見れば風紀を乱す側だと疑いようがない筈だ。

 

「おっイクッ♡射精されてイクゥゥゥ♡」

 

唯は抱き付きながら子宮に注がれる精液に絶頂する。

ヤミが次は私の番なのでと袖を引っ張りながら口にする。

 

「次は私の番です」

「ああヤミの番だからおねだりしてくれるかい」

 

詩音はヤミにおねだりを強要してくる。

 

ヤミは開脚した上で女性器を広げながらおねだりをする。

 

「詩音のたくましいチンポ、えっちぃことが好きになるよう躾けたおチンポで、私のえっちぃおまんこに入れてください♡」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ズプズプッ!

 

詩音の逞しいチンポが私の中に入ってくる。抱かれている今だからこそ私の気持ちを伝える。

 

「好きぃ♡詩音のことぉ…好きなのぉ♡」

 

普段はとても恥ずかしくて言えないが、えっちぃことをしている時だけは素直になれる。

 

「いつも側にいてぇ…料理も作ってくれて心配もしてくれる詩音が好きぃ♡」

「えっちぃことはどうだ」

「大好きぃ♡本当はボディーガード中もえっちぃことしたくて疼いてたのぉ♡今日もいっぱいセックスしてもらえるって期待しておまんこ濡らしてたからぁ…いっぱい突いてぇ♡」

 

ダークネスを受け入れた私はえっちぃことを定期的に行わなければ元の私には戻れない。

何時でも詩音にえっちぃことをされたくて発情し続ける素直な私は満足するまで身体を明け渡してくれないのだ。

詩音への好意を伝えながらのセックスに耽るのだった。

 

 

 

 

 

 

「気持ちよかったかヤミ?」

「うん、気持ちよかったぁ♡」

 

セックスを終えて彼に抱き付きながら答える。

今でも気持ちよさの余韻が残っている。

古手川唯はシャワーを浴びている途中なので今は二人っきりである。

 

「好きだぞヤミ」

「私も詩音が好きぃ♡……ッハ、んん……あくまで男性として好きなだけです……」

 

理性が戻ったのか、普段通りの話し方に戻す闇。

だが顔を真っ赤にする時点で恥ずかしがっているのが丸わかりだ。

ここで少し意地悪をしてみたくなったので彼女の秘所に触れて愛撫をする。

 

「あ♡駄目♡おまんこくちゅくちゅらめぇ♡また戻っちゃう♡えっちぃ私になっちゃうからぁ、らめなのぉ♡」

「今日のヤミは対価貰ったからもう充分だよな」

 

くちゅくちゅ

 

「意地悪ぅ♡……またこんな弄られたらぁ♡えっちぃことしたくなっちゃうのぉ♡もっとパコパコしたいのぉ♡」

 

少しの愛撫でまたえっちぃ私が目覚めてしまう。

一度目覚めるとダークネスと同じく欲求不満を満たすまでは疼きが収まらない。

だから私は仕方なく疼きを収める為にえっちぃことをするのだ。

 

そうして戻って来た古手川唯も交えて2回戦に突入していった。




金色の闇
…本編では定期的にえっちぃことをしないと疼きが収まらず素直でえっちぃことが好きな人格が目覚めて戻ってくれない(本人談)
セフレ堕ちしたヤミは欲求不満を満たす為に詩音に抱かれている。
本人曰くボディガードの対価らしく、対価として仕方なく抱かれているのである(本人談)
因みにボディガードは別にいらないと言ったら涙目になったので言うのはやめたらしい。
えっちぃことをしている時だけ素直になれるからか、エッチ中は甘えるように好き好き言ってくる。
愛撫するだけでスイッチが入るらしい。

白亜詩音
…本編ではほぼ出番がない裏設定。
初恋の師匠を生き返らせる為に千年近く輪廻転生を繰り返しながら有能な異能を収集している怪物。
何処かの世界線では廻り者達による偉人大戦を制したとか、初恋拗らせてた頃に魔性菩薩から性技を教わったとかあるけど本編では特に語らない。
ラブコメヒロイン達をセフレ堕ちさせるだけの力と経験がある認識でOK。


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〜番外編〜鶫 誠士郎①

平均約4000字程度書いたら出そうと思ってたのに6000字近く行った。
流石はニセコイ史上最高のドスケベボディだと痛感しました。


「や、やめてくれ……もう、許して……」

「駄目だよ鶫、千棘からビデオ撮って来てと頼まれてるから」

 

土曜日の10時頃、詩音は鶫とデートに来ていた。

人のいる繁華街を歩いていた時に顔を真っ赤にしながらプルプル震えながら恥ずかしそうに言う鶫にやんわりと断る詩音。

 

「じゃ、じゃあホテル、ホテルへ行こう詩音!」

「いやこんな真っ昼間から行けるわけないだろう」

 

鶫の提案を断る詩音。

何せまだ午前中であり、夜にもなってないのだから断るのは当然だった。

 

「うぅぅぅ……こんな辱め……」

「いやただの私服だから」

 

鶫の格好は一般的なワンピースであり女性の私服である。

露出が多いわけでもない。

鶫が恥ずかしがっている理由は単純に女の子らしい格好に慣れていないだけだった。

 

 

 

鶫と詩音が親しくなった切欠は転校直後に楽と決闘騒動から数日後、千棘を通して知り合ったことである。

その後、当時自分は可愛くなんてないと詩音に相談しに来た鶫は、心身共に可愛がられてしまった。

 

そう彼女のドスケベボディと男装の割に女性らしさを褒めると赤面するギャップでの可愛さにやらかしてしまったのである。

 

「あひ♡……はひぃ♡……」

 

目の前には今なお成長している胸や肉つきの良い尻といったドスケベボディを散々可愛がられて淫らにアクメしまくった鶫が舌を出してアクメ顔を晒していた。

 

「ここまですぐ手を出したのは久しぶりだな……」

 

詩音は呟く。

基本的にセフレを作ってセックスしている詩音だが、基本的には相手に同意を得てからセックスをしている。

ラブコメヒロイン達は無理矢理では決して靡かないことを知っていた。

 

かつて別のラブコメ漫画の世界で感度3000倍の力を使ってラブコメヒロイン達を手篭めにしようとした転生者が存在した。

一般人では感度3000倍などイきまくって脱水症状起こすか、快感による精神崩壊まっしぐらである。

そして詩音が見たのはその転生者がラブコメヒロイン全員捕らえて快楽調教した挙げ句、誰一人快楽堕ちすることなく廃人になったヒロイン達であった。

 

詩音はドン引きした。

感度3000倍で快楽調教しようとした転生者にではなく、感度3000倍だろうが廃人になるまで屈しないラブコメヒロイン達にである。

恋する乙女は強いと言うらしいが、白目アヘ顔で喘ぎ声を叫び続ける醜態を晒し続けながらも、最後まで心だけはラブコメ主人公のものだと決して屈しないのは健気というより狂気である。

他にも数多くの転生者達があらゆる手で無理矢理手篭めにしようと奮闘したが、殆ど成功しなかった。

 

催眠系は処女喪失の痛みで覚醒し、憎悪で二度と催眠が効かなくなるレベルの精神力を持ち出すし……

寸止め系や媚薬系は体感時間上げて数十年単位で行っても適応し始めて平気になる始末。

ていうかエロ方面に関して世代を跨ぐことなく自己進化とかヤバいとしか言えない。

 

分かったことは恋したラブコメヒロイン達は失恋するまでは決して屈しないことと、同意無しで処女喪失した相手には絶対に靡かないことである。

 

ごく僅かに成功したケースは恋する前のヒロインを快楽調教した場合や、無理矢理せずに恋愛フラグを立てた場合だ。

前者は恋する前であれば彼女達も屈する。

但し挿入を懇願する前に処女を奪うと憎悪で染まり切るのは変わらない。

調教師から聞いた詩音は、毒抜き失敗したフグかよと当時ツッコんだ位だ。

 

後者は詩音もやっている方法だが、無理矢理な手段を取らずに恋愛フラグを立てる方法だ。

ラブコメ作品にはヒロインが惚れる切欠というのが存在しており、そのフラグが立たなければヒロインはラブコメ主人公には恋しない。

つまり無理矢理とかしなければ一般的な少女に過ぎないのでラブコメ主人公以外に惚れることもあり得るのだ。

 

 

そして今回の鶫を可愛がる際に愛撫だけで本番はしなかったのもそれが理由である。

千棘は楽へ恋する前だったし、小咲は関係値がそこそこあり、失恋してフリーになったからこそセフレ堕ちしたのだ。

褒め殺しの際に売り言葉に買い言葉になる形でなし崩し的に愛撫へ発展したのだが、もし仮にここで挿入をした場合は憎悪を持つヒットマンの刺客が誕生するところであった。

 

「まずは綺麗にしようか……」

 

詩音は処女は奪って無いし、ヤケとはいえ同意を得ての愛撫だったのでやり直しが効くと思った詩音は鶫をシャワールームへ連れて行こうとする。

 

「や、やめろぉ♡……これいじょぉぉ…されたらぁ…女になるぅ♡」

「綺麗にするだけだからしないよ」

 

そうしてアクメで飛び散った愛液などの後処理をするのだった……

 

 

 

 

鶫を可愛がった数日後、詩音は一時の過ちで終わると思っていたのだが今もなお続いている。

誤算があったのは鶫がまだ恋する前であったことだ。

鶫は生まれて初めて可愛いと言われて胸の高まりと恋を混同していた時期、詩音から何処が可愛いかを褒め殺しながら鶫の身体を愛撫してしまったが為に快楽と共に愛情の言葉を刻み込まれてしまったのだ。

そして本来のドスケベボディも合わさり、彼女は快感に飢えてしまったのである。

 

「し、詩音……今日も良いか……」

 

顔を真っ赤にしながらワイシャツの袖をちょこんと引っ張ってくる鶫。

こうして鶫は詩音の前では恥ずかしながらも誘ってくるようになり、連日連夜可愛がられたのである。

 

「鶫、チラチラと俺の下半身を見るのは止めた方がいいぞ」

「んなっ!?そ、そんなことするはずがないだろう!」

「いやバレバレだからな」

「うぐっ」

 

鶫は数々の愛撫を受け入れる中で自分も気持ち良くさせたいと言って射精させたことのあるチンポに思春期男子の如く、チラチラと詩音の下半身を見るようになってしまった。

 

同意ありの愛撫では詩音のチンポへ奉仕した後に愛撫する順番が暗黙の了解として出来ていた。

つまり鶫はチンポを気持ち良くすれば自分も気持ち良くしてもらえると身体が覚えてしまったのである。

 

「し、詩音のせいだぞ!……あんな……逞しいモノを見せられては……目が逸らせなくなるのも仕方ないのだ……」

 

顔を真っ赤にしながら言う。

自身の身体にはない剛直したチンポと優しく扱うと白い液体を撒き散らす。

そして強い雄の匂いに鶫は精液を浴びる度に自身の身体が甘く疼くのを自覚していた。

まだ処女は奪われていないが、アレがおまんこに入るのは千棘が抱かれる際に同席した時に見たのだ。

 

『おっ♡おぉぉ♡つぐみぃ……みないれぇ♡詩音のセフレチンポ入れられて喜んじゃってる顔をみちゃらめぇ♡』

『ほら千棘、鶫を愛撫して貰う代わりに俺のチンポを気持ち良くする約束だろう?』

『そ、そうだけどぉぉ♡ひんっ……ふぅぅ♡おまんこの形ぃ……ピッタリにされてるからぁ♡……ほぉん♡突かれるとイっちゃうのぉぉ♡』

 

敬愛するお嬢である千棘が鶫に愛撫して貰う代わりに詩音のチンポを奉仕すると名乗り出たのだ。

それが建前で千棘が楽しんでいたのは言うまでもない。

そこで詩音のチンポへの奉仕から挿入までの一連の流れを見た鶫はチンポが自分をもっと気持ち良くしてくれるのだと知っていた。

 

(あんな……大きいのを出し入れされて……抱き付きながらするなんて……私も詩音のチンポを入れたら気持ち良いのだろうか……)

 

鶫は最近になって下腹部が甘く疼くようになった。詩音にされた時のように乳首やクリトリスを弄ることでオナニーもするようになったのだが、詩音に愛撫された時と比べて快感が足りずにイクことも出来なかった。

快感に飢えた身体は気持ち良くしてくれる詩音の元へ自然と向かうのをやめられない。そうやめられないのだ……

 

 

放課後にホテルへ向かった詩音と鶫は早速始める。

因みに千棘は楽との偽の恋人を演じる為のデート中なので詩音と鶫は二人きりである。

 

開脚したおまんこへ下着越しに舐める。

 

「ッ!?ふぁ、ぁっ…あぁっ!!」

 

鶫は下着越しのクンニに声を上げる。

 

「はぅうっ!!はぁっ、あんっはぁあっ…そこ、ダメ」

「駄目と言いながら濡れてきてるぞ」

「そんなに、舌でつついたら…、んぅうっ!!はぁ、はぁ…あぅっ!す、吸うなぁ!」

 

ジュルジュルと音を立てて吸われるのに鶫は声を上げる。

だが抗議に反して鶫のおまんこは絶え間なく愛液を溢れ出していた。

そして今日も鶫への愛撫と詩音への奉仕でイかせ合いが済んで終わりかと思われた時に鶫はおまんこを広げて懇願する。

 

「お、お願いします……詩音のチンポぉ♡、鶫の欲しがりおまんこにぃ……入れてください♡」

 

鶫は完全に屈服していた。

度重なる愛撫とチンポへの奉仕で雄らしさを直接触れながらも一切挿入してくれない焦らしに我慢出来なくなったのだ。

詩音は鶫が千棘とのセックスを見せつけた時から挿入へ興味を持っていたのは知っていた。

だがこちらから口に出してはいけなかった。

もし手を出せば彼女は淫魔と呼べる娼婦へと変貌してこちらを籠絡させに来る可能性が高かったからだ。

 

『ん♡詩音……私の胸はどうだ♡……お前が散々可愛がってくれたお陰でマシュマロみたいに柔らかくなったんだぞ♡』

『ちゅ♡ちゅ♡ハァハァ……逞しいおチンポぉ……その気になればぁ♡……何時でも押し倒してぇ……雌を落とせるおチンポぉ♡私も、このままではぁ……入れられて落とされるからぁ♡ちゅ、ちゅ……媚びるしか無いのだぁ♡』

 

鶫は主導権を握ろうと胸を押し当てたり、チンポへの先端へバードキスばかりして挑発し、押し倒して貰おうと彼女なりにセックスアピールをしてきた。

これだけ乗り気なら処女を奪っても憎悪に染まることは無いだろうが、詩音が望むのはセフレであって恋人ではない。

諸事情で恋人は作れないというのもあるが、ここで主導権を握られた場合、彼女は調子に乗ってしまう。

 

鶫はマゾっ気と共に淫魔と呼ばれるレベルで相手を籠絡させる素質を両立させていた。

ここは分岐点だった。

彼女からおねだりして挿入させればマゾっ気が満たされて瞬時にセフレや愛人に変貌する。

セフレが如何に気持ち良くなってくれるかに尽くすことが喜びの雌に変貌するのだ。

 

だが彼女のハメ乞いの挑発に応じたが最後、彼女は淫魔と呼べる娼婦に変貌するだろう。

気持ち良くするのは変わらない。だが詩音から主導権を奪えた実績が彼女に下剋上して雄を上回る喜びを知ってしまい、詩音を他のセフレに構えなくなる程に籠絡させに掛かることになる。

他のセフレを手放しても後悔させないレベルで骨抜きにする素質を鶫は持ち合わせているのだ。

 

 

今目の前には詩音におまんこを広げて挿入を強請る一匹の雌がいる。これは誰が見ても完全敗北していた。

賭けに買ったのだと理解した詩音はコンドームを装着させたチンポをおまんこにあてがう。

 

「あっ♡」

 

ゴム越しのチンポを当てただけで鶫のおまんこはよだれのように愛液をダラダラ垂れ流す。

ここまで雄に媚びるおまんこは多くない。

 

「鶫、君を堕とすのには苦労させられた。だからコレを入れるのが合図だ。君が今後の忠誠を誓うのはビーバイブでも千棘でもない。俺の女になるまで徹底的に仕込む」

「あぁ……そんな……」

 

鶫はうめき声を上げる。

それだけは嫌だと震えて懇願すべきなのだろう。

今なら刻み込まれた快楽を毎日オナニーで鎮め、敬愛するお嬢様の護衛として過ごし、いつか現れるだろう運命の人と初夜を迎えるまで詩音を喜ばせる為に磨いたエッチなテクニックを使うことなく悶々と過ごせば良いだけなのだ。

詩音も千棘もセフレがいるから自分が詩音のセフレにならなくても支障はない。

毎晩疼きを抑える横で、二人が自分より気持ち良くなるセックスに耽るだけなのだ。

 

「……愛人……」

「ん?」

「……セフレじゃなくてぇ♡……愛人にして欲しいのぉ♡……」

「っふ、この状況で都合の良いセフレじゃなくて愛人と出るあたり、鶫はどうしようもない変態だな」

 

詩音はチンポを入れることなく焦らすように擦り付けて刺激を与える。

 

「やらぁ♡……もうセフレじゃ満足できないのぉ♡……愛人♡……愛人にしてぇ♡……」

「セフレになったこともない癖に、愛人になって上に立ちたいのか」

「違うのぉ♡……詩音の為にセックスしてぇ♡詩音だけに媚びたいからぁ♡詩音だけの愛人になりたいのぉ♡」

 

既に鶫の中に詩音から主導権を奪いたいという気持ちは霧散していた。

今いるのは詩音に都合の良い愛人契約を結ぼうとする一匹の雌。

ドスケベボディを持て余し、疼きを鎮める為に詩音へ媚び続ける雌になろうとしていた。

 

ドチュッ!

 

「おッッ♡」

 

遠慮なしに挿入される鶫。本来なら初めての処女喪失で快楽よりも痛みを感じでそれどころではない筈である。

だが詩音は知っている。処女でありながら愛人契約まで結ぼうとする雌がその程度ではないと……

 

「おっ♡おおッ♡おッ♡」

 

ブシャアアアッッッ!

 

初めての挿入で潮を吹いた鶫。

雄に本能的に媚びることを決めた鶫の身体は雄の都合の良いように勝手にイって愛液で濡らして痛みを緩和することを自然と行っていた。

 

「初めての挿入だけですぐイったか……本当に雄にとって都合の良い愛人まんこだな」

 

グリッ!グリッ!

 

挿入したチンポでグリグリ奥を擦り付ける。

 

「ひっ♡おまんこグリグリしないれっ♡まだイったばかりだからぁ♡優しくしてぇ♡」

「ん、そうだな……」

「ふぇ?」

 

詩音に媚びると言ったのにも関わらず手を抜いて欲しいと懇願するという媚びた雌にあるまじき反抗から却下されると思っていたがあっさり受け入れられて鶫は困惑する。

 

「鶫、今日は明日の予定はあるか?」

「んんっ……明日は休みを貰ってるぅ……」

「もう一日延長しようか」

「ふぇ……なんれぇ……」

 

今日こそはと抱かれに来た鶫は明日の不調を考え、予備日として護衛の休みを取っていた。

 

「鶫の希望通りに優しくやろうと思う……明日までゆっくりな」

「ひゃん♡」

 

今度はチンポで優しくゆっくりと擦り付けられ鶫は思わず声を上げる。

 

「せっかく愛人にするなら徹底的に仕込みたい。だから明日一日かけて鶫を愛人まんこに作り変えるから」

「そ、そんなことぉ♡」

「顔がニヤけてるよ鶫」

 

キュンキュンと子宮が疼くのを感じる鶫。そんなことをされれば詩音の前で何時でも媚びるはしたない愛人まんこになってしまう。

 

そうして初体験からいきなりスローセックスで一夜漬けというぶっ通しのセックスを受けることになる鶫は土曜日だけでなく、日曜日も組織に休みをもらうことになった。

 

 

 

 

「こんばんは~詩音いる?」

「こんばんは千棘」

 

ホテルのチェックアウト時間が迫った為に続きを行う為に詩音の家に移動し、鶫を一日中可愛がっていた詩音の元へ千棘がやって来た。

詩音はシャワーで身体の汚れを落としてさっぱりしていたのだが、ベッドの方は酷い惨状だった。

ベッドには使用済みで精液の詰まったコンドームが幾つも散乱し、コンドームの空箱も置かれていた。

そしてベッドには鶫がうつ伏せで倒れており、まんこから中途半端に伸び切ったコンドームが出ていた。

 

「うわぁ…鶫ヤりすぎじゃない……」

「セフレじゃなくて愛人になりたいらしくてな……一日掛けて愛人まんこになるよう仕込んだ」

「え?鶫、詩音の愛人になるの?」

「恋人やセフレより雄に都合の良い愛人になりたいんだってさ」

「鶫ったら愛人願望があるのねぇ……」

 

知らなかった一面に千棘は複雑になる。鶫にもセフレになってほしいとは思ってたが、愛人になるとは聞いてない。

いや、愛人になるだけなら今から詩音にお願いすれば叶うだろうが、千棘としては恋人にも憧れているのでそこまで割り切ってはいないのだ。

 

「じゃあ昨日は楽とのデートでセックス出来なかった分、いっぱいおまんこしてね♡」

 

千棘を押し倒してハメ倒すのに時間は掛からなかった……




鶫 誠士郎
…本編だと楽に初めて可愛いと言われて千棘を通して知り合った直後の可愛くなんてないと言ったことが切欠で心身共に可愛がられてしまった。
マゾっ気と淫魔の二つの素質を持ち、誘惑に耐えて雌からおねだりされると愛人ルート、誘惑に負けて挿入してしまうと淫魔娼婦ルートに突入する。
もし淫魔娼婦ルートだと浮気やセフレ作れないレベルまで絞り取られることになる。
都合の良い愛人か女性関係を強制的に精算されるレベルの淫魔娼婦になるかという割と地雷女だったりするのは余談である。


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〜番外編〜 橘万里花①

連続投稿。4000字超えるとは万里花のヒロイン力は……以下略)

というか中途半端に書き残してた分を投稿しただけなんですけどね。
多分投稿ペース落ちます。

※本作の万里花は作者の方言不足で下手に方言やるとボロが出るので標準語しか喋りません。

万里花を救うのに必要な問題が二点。
・自身の生活を縛る橘家の権力
・二年間入院が必要の病気
これ、普通の一般人じゃ解決出来ないので異能で解決という力技展開なのでそういうの苦手な方はブラウザバック推奨です。


「ありがとう白亜君、橘さん!」

 

女生徒はお礼を言って駆けて行く。

 

「これで8件目、相変わらず親切ですわね詩音さん」

「俺が親切なわけじゃなくて彼女が頑張ったんだよ」

「一緒じゃないですか……」

 

溜息を吐く万里花。

現在詩音の相談室での依頼を万里花は訳あって手伝っていた。

 

切欠は万里花が楽様へのアプローチへの手応えの無さから来る焦りだった。

楽様と婚約する為に転校して来たのに一向に進展しない。

原因は様々だ。

 

入学して来て恋人としてゴリラのように腕力の強い桐崎 千棘がいたことだろうか?

いや、彼女は偽の恋人だと判明しているし公の場では万里花のアプローチの邪魔こそするものの二人きりならば邪魔立てする素振りすらない。

桐崎さんは寧ろ楽様よりセフレに夢中の様子なので自分が横取りしても構わないと思っている様な節すらある。

何せ偽の恋人としての登下校や一ヶ月に一回行うデート以外では、セフレの元へしょっちゅう遊びに行ってセックスに耽るのである。

それを情報網から知った時はとんでもねぇビッチですわと思ったが、彼女のセフレはその一人だけであり他の男は誘う素振りすらない。

そのセフレが本命であり、楽様は恋愛対象としては見ていないのだろう。

とにかく彼女は偽の恋人とはいえ楽様に恋慕してないのなら脅威足り得ない。

 

 

楽様の片想い相手である小野寺 小咲がいることだろうか?

いや、楽様本人はともかく小野寺さんは明らかに楽様へ異性としての関心がない。

先日楽様が転んだ際に小野寺さんの胸元へ手を突っ込んでしまうアクシデントがあった時、小野寺さんは恥ずかしがる素振りすら見せずに「もう、駄目だよ一条くん」と笑って注意して天使だとクラスメイト達に畏敬の念を抱かれるイベントがあった。

少しでも恥ずかしがるなり、怒るなりすれば好悪問わず関心があると思われるのだが、まるで子供のイタズラのように気にしてすらいなかった。

あれでは無関心と言ってもよく、恋敵のはずなのにお労しや楽様と思ったのは秘密だ。

 

因みに彼女の趣味はド変態プレイらしく、母親不在のタイミングを狙ってセフレを連れ込み数々の変態プレイを自室で行っている。

先日は頭にウサ耳カチューシャをつけ、アナルにうさぎの尻尾を模したアナルプラグを入れながらセフレの股の上でぴょんぴょん跳ねてたらしい。

エロエロな下着には使用済みコンドームが巻き付けられており、あそこまで卑猥な兎は存在しないだろう。

しかも妹は覗き見しながらオナニーしていると聞いた時には、小野寺家の闇はどれだけ深いのかと耳を疑った程だ。

それを情報網から知った時はとんでもねぇ変態ですわと思ったが、セフレの前以外では一切変態プレイをする素振りがない。

寧ろ夢ではなかったのかと錯覚する位に明るく店番をするらしい。

とにかく一番の懸念事項であった楽様の片想いが片想いで終わるのは目に見えているので、小野寺さんは脅威にはならないのだ。

 

 

桐崎さんのボディーガードの鶫 誠士郎がいることだろうか?

いや、彼女は主人である桐崎さんの目の前で手を出すことに注意しているのであって、桐崎さんがいない時に楽様へ抱き付いた所を通りかかった彼女は、「コホン、あまりハメを外しすぎるなよ」と最低限注意しただけで去っていった程である。

仮にも主人の恋人に手を出しているのに口頭注意しかしないとか最低限の義務でしか関与しませんよと言っている様なものである。

楽様へ関心が無いのがはっきりと伝わった。

 

因みに彼女は先日セフレと路上淫紋露出プレイをやっていた。

サングラスや帽子で変装してたので鶫さんだとは特定されないだろうが、布面積の少ないへそ出しトップスとホットパンツコーデで下腹部からへそ部分へと伸びるピンクのラインの一部がテカテカと輝いており、思春期の男性達は淫紋ではないかと連想して前屈みになる人達が続出したらしい。

もじもじ恥ずかしがるならやらなきゃ良いのにと思われる位に鶫さんは恥ずかしがりながらもセフレに手を引かれて路上を歩き回り、最後はラブホテルに入っていったようである。

ラブホテルのとある一室では防音が役に立たないレベルでギシギシ揺れる音と女性の喘ぎ声が響いて最早獣の交尾ではないかと思われる位盛ってたらしい。

それを情報網から知った時はとんでもねぇケダモノですわと思ったが、セフレの前以外では男装してまで女性らしさを隠しきっており、女の部分はセフレのみに捧げているようだ。

とにかく楽様には関心がなく、セフレに夢中なので脅威ですらない。

 

え、何故ここまで詳しいのかって?

橘家の情報網がビデオで撮影してきてくれたからです。

ええ、後学の為に何度も見ましたもの。深い意味なんてありませんとも……

 

「ていうか盛りすぎじゃありません?」

 

何だろうか、楽様の周りにいる美少女達がセフレ持ちで楽様そっちのけで楽しんでおり、この学校の風紀は大丈夫なのかと言わざるを得ない。

というかあれだけセフレとセックスしまくっているのに学園では全員清楚で通っていることが信じられない。

まるでエッチなことは知りませんというカマトトぶるのが上手すぎるんですが……

そんなにセフレとのセックスは気持ち良いのだろうか……

 

「んんっ……いけませんわね。まずは楽様への大きな障害がない今こそ勝機!今度こそ射止めなければ!」

 

気合を入れた万里花は数々のアプローチをするも楽様に振り向いて貰うことが出来なかった。

偽の恋人とはいえ恋人がおり、まだ初恋の人が分かってない状態の楽はどれだけのアピールをしても一切靡かない。

原作ではラブコメヒロイン達が障害になってる分、言い訳や強がりが言えたのだが、セフレに首ったけで障害になってすらないラブコメヒロイン達の邪魔一つない現状で、仕掛けたアプローチが尽く撃墜されては流石の万里花も凹んだ。

後に楽様は聖人の生まれ変わりですか!と言いかけたのも無理はないのである。

 

「こうなったら毒を以て毒を制する!彼女達のセフレに接触して私に足りないものを見つけますわ!」

 

半端やけっぱちになっていた万里花はこうして詩音に接触するのであった。

 

 

詩音は橘万里花から自分に欠けているものを知りたいという相談を受けていた。

何か橘家の諜報員らしき人が千棘や小咲、鶫とのプレイを録画しにきていたので接触してくるだろうとは思ったのだが、まさかの楽へのアプローチが玉砕しましたは予想外であった。

何だろうか、楽はあれだけの美少女からアプローチされても靡かないとか凄い奴だなとしか言葉が出ない。

因みに諜報員が録画しにきていたのは気付いていたので千棘達に中断して阻止しに行こうかと問うたのだが、彼女達には見せ付ければ良いのよと言われて続行させられた。

もし広められていたら文字通りお礼参りするつもりだったのだが、万里花の情報収集以外の目的には使われてないとのことなので一安心である。

 

 

取り敢えず相談に乗った俺は万里花に足りないものは実績と伝えた。

何せ楽の為に努力し続けたのは良いのだが、明確な実用経験による実績が無いからこそ失敗を重く受け止めがちだと伝えて、その技術で人助けしてみないかということで俺の手伝いをしてもらっていた。

 

 

『うわぁ…本当に出来た!ありがとう橘さん』

『橘さんって器用なんだね』

『凄いよ橘さん!』

 

俺の元に来た生徒達の悩み解決に万里花が手助けすることで生徒達から万里花への感謝が伝えられる。

それを何度も繰り返す内に転校当初の自信満々な万里花が復活するのだった。

 

 

「ふぅ……案外人に感謝されるのも悪くないですわね」

「お礼を言われるって嬉しいものだからな」

 

とある生徒の恋愛相談のフォローを終えた詩音と万里花は机に突っ伏してぐったりしていた。

疲れた仕草の割には充実していたりする。

 

「どうして詩音さんは他の人達に親切にするんですか?」

 

先日と同じ質問だが、誤魔化す必要はないと思った詩音は答える。

 

「俺は頑張ってる奴が好きなんだよ」

「頑張る人が好き……でしょうか?」

「そう。俺は悩みを持ってそれでも解決したいと行動に移して頑張ろうとする姿が好きで人助けをしている。逆にいえば助けだけ頼んで楽しようとか、行動に移さない奴は気にすらしない」

「そうなんですね……私は楽様以外のことは何も気にして来なかったので……少し羨ましいですわ……」

 

万里花は少し俯きながら言う。

彼女にとって肝心な楽へのアプローチは上手く行ってない。

これ以上やっても駄目なんじゃという気持ちすらある。

そして楽との婚約が失敗した後に残るものは一体どれだけあるのかと、ふと思ったときに不安を抱いてしまったのだ。

 

「万里花は既に沢山のものを持ってるじゃないか……」

「え、どうしてです?」

「だってここまで楽の為に努力し続け多くの出来ることを増やしてきた。そして今回多くの生徒を助けられた。既に万里花は皆に自慢出来るだけの多くのことが出来るんだから凄い奴だよ」

 

ポロッ

 

万里花から一筋の涙が溢れる。

 

「え、え、あれなんで……」

 

涙を拭うがまるで決壊したかのように涙が止まらない。

 

「悲しくなんか、無いのに……褒められたのだから誇るべき筈なのに何で……」

 

万里花の言うとおり悲しみの涙では無かった。

 

嬉しかったのだ。

添い遂げたい意中の楽様には偽物とはいえ、恋人がいた。

それでも諦めたくなくてアプローチをし続けたけど届かなくて……

今の自分で足りないならと相談を行っている詩音を頼り新たな技術を身に着ける度にそれを褒められたのが嬉しくて……

 

詩音はハンカチを差し出す。

 

「嬉し涙だよ」

「嬉し……涙?」

「そうだよ……頑張ってるのを認められるのは嬉しくて涙を流すこともあるのさ」

 

そうだ。

振り向いてもらう為に努力し続けた自分を認めてもらったのが嬉しいんだ。

万里花はその日、嬉し涙を流すことになるのだった……

 

 

 

 

「そういえばどうしてそこまで楽へのアプローチに焦っているんだ。まだ高校1年だろう」

 

彼女は生き急いていると呼べるレベルで猛アタックでアプローチをしている。まるでタイムリミットがあるかのように……

 

「私には……時間がないんです……」

「事情を教えてくれるか?」

 

そうして詩音は万里花の抱える問題を知ることになる。楽を射止めなければ万里花は家へ戻され望まぬ婚約をさせられることになる。

橘家という古くから続く権力が立ちはだかるのだ。

 

もう一つは病気の問題。

幸い解決方法は既にありアメリカのピッツバーグにある特別病院で二年間の入院が必要らしい。

だが入院には橘家が管理している為に家には逆らえないのだ。

普通の一般人には重たい問題である。気持ちでどうにかなる問題ではないと言える。

だが詩音は普通の一般人ではないからこそ解決する手段は持ち合わせている。

 

「だから私は楽様と結ばれる以外に幸せに暮らす道はないのです……」 

 

彼女の道はある意味不安定だった。何せ一向に靡かない楽へアプローチし続けながら家の権力や病気のタイムリミットが迫っている。

はっきり言って自由とは程遠い場所にいた。万里花と過ごす内に彼女には幸せになって欲しいと思った詩音は行動することに決めた。

 

「よし、決めた」

「え?」

「万里花がしがらみから自由になる為に手を打つとするか」

 

詩音はスマホを出して連絡を掛ける。

 

「もしもし、詩音だ。

急用で依頼したい。

殺しは無しの生け捕りで武家の家系を相手にする手伝いで5000万だ。

ん、理由だって……

 

惚れた女の為だからな」

 

 

 

 

 

そうして彼は行動する。彼女の問題を笑って解決出来ると言いきれる位に白亜 詩音という男は常識からかけ離れていたのである。

 

 

 

 

 

一週間後、万里花は詩音と共に九州の実家に来ていた。

真夏の夏休みに実家へ帰郷し、その足で実家が制圧されるのを見せ付けられた。

 

 

 

それは幻想的なまでに美しかった。

 

夏なのに辺り一面を雪で覆う銀世界。

ガラスで出来た薔薇の蔦が生い茂り、空は夕焼けになり、赤く照らしていた。

 

まるでお伽噺の魔法使いのようだと万里花は思う。

 

そして橘家の者や隠近衛衆など詩音さんへの敵対勢力全てがロープで縛られ失神させられている。

 

サンタクロースの格好をした詩音さんと助っ人で呼んだトナカイのコスプレをした青年の二人だけで全て倒したのである。

スマホで肩を組みながら自撮りをし、地面に倒されロープで縛られた人達の写真を一通り撮った詩音さんは私の方を向く。

 

「さて、まずは権力での武力行使から守れると証明した。次は君の病を治そうか」

「え?」

「今ので少し力の一端を見せたけど、病を治せる能力だってあるんだよ」

 

詩音さんの右手から緑色の淡い光が点灯し、優しい光が身を包む。

すると今まで息苦しかった感覚が消え去り身体が軽くなったように感じた。

 

「病は取り除いた。身体が軽くなったのは疲労も取り除いたせいだ。唯一の難点が疲労や筋肉痛など本人に悪影響を与える症状を無差別に完治させてしまうことだな」

「え、アメリカのピッツバーグにある特別病院で二年間の入院が必要だって……」

「病院で確かめて見るといい。病は消え去ってる筈だから」

「そうじゃないんです……今まで苦しめられてた病気がこんなあっさり治るだなんて……」

 

ボロボロと涙を流す万里花に詩音はある言葉を送ることにした。

 

「俺の知り合いの少女曰く、この世界にはごく稀だけど頑張る奴には奇跡も魔法もあるんだってさ」

 

夕焼けに照らされながら詩音は言葉を投げかけ頭を撫で、万里花は嬉し涙を流す。

こうして万里花を縛る問題を力技で詩音は解決したのであった。

 

 

 

 

 

「全く詩音様はとんでもねぇ殿方ですわ……出会って半年もしない内に二度も泣かされるなんて……」

「それは悪かったな万里花」

 

ファミレスでパフェを突付きながら言う万里花に笑って答える詩音。

あの後、橘家が二度と武力行使で介入しないように詩音が裏で手を回したりとか、飛行機も使わず夜空を駆け抜けるソリで帰還したりとかエピソードがあったのだが置いておくことにする。

 

「後、あれだけ派手に暴れたのですから家には帰れません。責任取ってくれます?」

「勿論。俺と一緒に住むか万里花」

「はい、喜んで」

 

彼女は詩音の手を取った。

 

 

詩音が風呂に浸かっている時にガララと誰かが入って来る音がする。

 

「詩音様、お背中お流ししますわ」

「じゃあお願いしようかな万里花」

 

ハンドタオルで胸元を隠した万里花がやって来る。だがハンドタオルでは万里花の身体を隠し切ることは出来ず、胸元と秘所しか隠せていない。

 

「では後ろを向いてくださいまし」

 

詩音は万里花に背を向ける形で風呂場にある椅子に座って待つ。

 

むにゅ

 

背中にたわわな感触が押し付けられる。万里花は石鹸を泡立て胸に付けて詩音に擦り付ける。

いわゆるおっぱいスポンジであった。

 

「どうですか、私こういうのは初めてで……」

「ああ最高だよ」

「良かったですわ」

 

ニコッと彼女は笑う。

こうして本来よりも早い段階でメイン主人公が関わることなく一人の少女が救われることになるのだった。




橘家で大立ち回りしたサンタ無双は戦闘描写だったので一旦カット。
サンタコスプレした詩音の魔法使いとか、ソリをぶん回すトナカイコスプレした男とかあるけどラブコメじゃないから興味ないだろうしカットで良いよね。

・橘 万里花
…本編では異能という力技で橘家の権力も病気も全て解決し救われた設定。
後は誰よりも努力し続けた頑張りを認められて嬉し涙を流す展開が一番のコンセプト。
ていうかその展開を中心に話を書いてたら本番シーンまで行く事なく、4000字超えてしまった。
補足するとお家や病気騒動後に楽への告白にも決着が着いた後にお風呂プレイに入ってる感じです。
あれだけやらかす+全アプローチを楽が振り続ければ気持ちが変わっていったという感じで思ってくれれば幸いです。
ぶっちゃけ今更楽様への恋心から詩音への恋心に移る経緯は書かなくても良いかなと思ってるので。

本編ではセフレ堕ちする経緯の中で一番綺麗な純愛だと作者的には思っている。
作者的には一番アプローチ掛ける積極的なのに肝心な時にチキンなセフレになると思ってたのに、書いてたら嬉し涙や通い妻スタイルに……
ニセコイラブコメヒロインで一番清楚になってしまった。
きっと千棘と鶫が詩音を誘って行うヤリモクビーチプレイとか書いてたせいかもしれない(唐突なネタバレ)

・奇跡も魔法もあると言った知り合いの少女
…白き淫獣と初恋していた人の手を治す契約をした少女の知り合い。
その世界線では魔法少女とか魔女とかノーセンキューのつもりが、運悪く知り合いの少女が想い人を寝取られるわ、魔女化するわの現場に遭遇して見せられたことによる憐憫から、元の人間に戻してあげた。
治した後にひっぱたいて「ぐずぐずしてないで告って玉砕して来い」と送り出し、失恋した後に何やかんやで詩音のセフレになった。
あまりの超展開に時を掛ける魔法少女が寝込んだとか……


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ゴリヤク(裏) 【ニセコイ→るり、小咲、鶫、千棘】

Tolovるより先に書けたので投稿。
ある程度セフレ堕ちキャラ描き切ったので当初書きたかった原作エピソードの裏側風にしたのを投稿します。

ニセコイ43話の改変です。
この時期だと万里花以外がセフレ堕ち済みという状況ですね。

ニセコイ43話知らない方の為の簡単なあらすじ
・楽が手を引いた相手は千棘と間違えて小咲を掴んでしまう
・恋結びのお守りを猫に取られて追いかける
・万里花→鶫→るり→千棘の元へ順番に飛んでいき、楽が追いかける
・鶫はミルクキャラメル貰い、るりはナンパしてきたのをアッパー
・最後は千棘に渡して終わり


恋結び、縁日で浴衣を着た女性に男性から渡すことで縁結びのご利益があるとされる。

 

パン!パン!パン!

 

しかも古来より男性から女性に渡すのは求婚の意味を持つという逸話からか、毎年販売する神社では完売する程の大人気商品らしい。

 

パン!パン!パン!

 

だがそんな恋結びなど関係ねぇと青姦している者達もいた。浴衣を着て木に寄り掛かりながらバックで突かれている、るりと詩音である。

るりから屋台制覇する前の景気付けにハメなさいとお誘いされたので人気のない茂みまで来て青姦していたのである。

 

「おっ♡ほぉぉ♡奥まで届いてる♡」

「るり、出すぞ!」

「イって♡早くぅぅ、私もそろそろ限界だから♡」

 

びゅー!びゅるるるる!びゅー!

 

「んっ♡ふぅぅぅぅ♡ゴム越しに精液出されてイクゥゥゥ♡」

 

るりはゴム越しに射精されながら自身も絶頂する。

 

 

 

 

「言っておくけどアンタ最低よ……こんな、んっ♡ノーパンノーブラなのに……浴衣の中に腰紐巻いて…精液たっぷり詰まったコンドームぶら下げて歩くなんてぇ♡こんなの変態じゃない♡」

 

るりの浴衣の中はノーパンノーブラなのに使用済みコンドームをぶら下げた腰紐だけ巻いている。浴衣の下を覗かれでもすれば変態認定待ったなしである。

だが詩音は知っている。るりは弄れば弄るほど喜ぶマゾっ気のある変態なのだと。その証拠だと詩音はるりの浴衣の下に手を突っ込む。

 

「この変態」

「聞こえないな」

 

くちゅくちゅ

 

「この、変態」

「ん?」

 

くちゅくちゅ

 

「このぉ……変態ぃ♡」

 

るりの罵倒の言葉は音が聞こえる程におまんこを指で弄るだけで熱を帯びる。もう一度ハメる為の下準備は出来たと用意していたコンドームをポケットから取り出す。

それを見てるりはもう一度ハメる気だと思い抗議する。

 

「だ、駄目だから♡……もう五個もぶら下げてるからぁ六個目なんて願い下げ……だからぁ♡」

「五個も六個も変わらないだろ」

「違う♡もう一回セックスすることになるぅ♡また外でゴムハメするなんて嫌♡」

 

口では否定しながらも腰をカクカク揺らして期待しているのは丸わかりだった。

そしてるりは表向きには乗り気でない風を装いたいというのを詩音は知っている。

 

「るり、今からゴムハメしてやるからこのゴムを俺に付けろ」

「この、最低♡」

 

言葉とは裏腹にるりは詩音の出したコンドームを受け取り待ってましたとチンポにゴムを付けてくる。

そしてゴムを付けたチンポへ媚びるようにキスをしてくるのだ。

 

「ちゅ、ちゅ♡セフレチンポぉ♡こんな逞しいの見せつけてぇ♡ゴムハメさせろって脅すなんてぇ♡ちゅぅぅ♡本当に最低♡」

「脅されてる顔じゃないよるり」

 

目はハートになり、傍から見たらゴムハメされたくて媚びてる女の表情をしていた。

 

 

 

 

 

あの後、六回戦をやってるりに六つ目の使用済みコンドームをぶら下げさせた後、るりはそのまま屋台の料理を制覇する為に離れていった。

ホットドッグとかをモグモグしながら、浴衣の下には下着一つ付けずにセフレとの使用済みコンドームをぶら下げているだなんてナンパする男たちも思いもしないだろう。

まあるりはナンパされようがセフレは詩音で間に合ってるので声をかけられても弾くだろうし心配する必要はない。

 

 

「ん、小咲か」

「詩音君」

 

るりと離れて歩いていると小咲と合流する詩音。

詩音がさっきまでるりと青姦ゴムハメ6回戦をして、その後にゴム付けて屋台制覇しに行った話をしたら、るりちゃんって私のこと変態呼ばわりしてるけど、るりちゃんも大概だよねと引いていた。

小咲の方はさっきまで楽と一緒にいたらしい。

 

「実はさっき草履の鼻緒が切れちゃってね」

 

楽におんぶする形で運んで貰い、鼻緒まで直して貰ったらしい。その後、猫に恋結びを咥えられてしまったので、その猫を追いかけて立ち去ってしまったとか。

 

「一条君って本当優しいよね!」

 

キラキラとした笑顔で言う小咲。

少し位恥ずかしがるかと思ったのだが、そんなことは無かったようだ。

 

「おんぶか、小咲をおんぶしたなら役得だな」

「うふふ、一条君に限ってそんなことないよぉ」

「だって下着付けてないんだろ」

「うん♡」

 

小咲は詩音に淫らな表情をしながら抱き付くが彼女はノーパンノーブラである。

小咲は詩音の耳元でそっと小声で話す。

 

「ね♡ちょっと向こうの茂みで休憩したいな♡」

 

楽には一切見せなかった媚びた表情で詩音を誘うのだった。

 

 

「じゅる…じゅぼじゅぼ♡…ちゅぽん♡……ん♡……私、縁日って好きだなぁ。皆お祭りを楽しんで笑ってる……れろっ、私もフランクフルトとか大好きだよ♡」

「小咲はわたがしとかの方が好きな印象だけどな」

「れろっれろれろっ……うん、わたがしも食べたよ。でもフランクフルトより食べ応えが無かった♡」

 

随分と酷い建前を言う小咲。

視線はお祭りを楽しむ人々ではなく、目の前で直立したチンポに釘付けである。

しかもフランクフルトなど彼女は初めから注文しておらず、隠語なのはバレバレだ。

 

「れろぉぉ……私の奥まで届く位に逞しいのに、舐めたり咥えたりするとビクビクって震えるのが可愛いんだ♡」

「随分好きになったらしいな小咲」

「うん♡匂いと感触で幸せな気持ちになれるんだよ♡」

 

彼女は嬉しそうに言いながら奉仕する。

 

「射精すよ、小咲」

「じゅぼじゅぼ♡うん、らして……貴方の精液飲みたいのぉ♡」

 

びゅー、びゅるるる!

 

「んぶっ!?…んっ、ごくっ……ごくっ」

 

射精された精液を飲み干していく小咲。

一滴も逃さないとでもいうように腰へ腕を力強く回りながら飲み続ける。

 

「っぷはぁ♡……ん、ごくんっ……ご馳走様♡」

 

精液を飲み切った小咲は最後に飲み切った挨拶をする。

小咲は精液を飲むのも浴びるのも大好きだが、今回は浴衣を汚すわけにはいかないので飲み切ったのである。

 

 

 

 

あの後、ゴムハメセックスを四回戦まで行った後、小咲とは別れて鶫と待ち合わせていた場所に行く。

待ち合わせ先にいた鶫は詩音を見るとパァッと表情を明るくさせて駆け寄ってくる。

余程待ち遠しかったのか、鶫は同じく人気のない茂みまで移動してから詩音にディープキスを仕掛けて来た。

 

「詩音、んちゅ……くちゅ」

「ミルクの味がするな」

「んっ…ちゅる……先程までミルクキャンディを舐めていたから」

 

鶫の舌からミルクの甘い味が広がる。屋台で販売されてはなかったので恐らく縁日の景品だろう。

 

「鶫の母乳みたいに甘いな……」

「ん…くちゅくちゅ…ちゅぱ……詩音にこの胸を仕込まれたからな♡」

 

鶫は胸を掴んで嬉しそうに言う。

かつての彼女は胸など任務の邪魔でしかない無駄なものだと思っていた。

だが詩音に抱かれて快楽を知り、愛人願望に目覚めた今では違う。

大きく実った胸は男達の劣情を誘い、それが詩音を夢中にさせられる武器だと丹念に揉み込まれて理解した後では自慢ですらある。

パイズリする際に挟み込む奉仕だけでイけるようになってしまった今では胸での奉仕自体が気持ち良くなれる手段になり、妊娠してないのにも関わらず母乳が出て詩音に飲んで貰った時には感極まる程に愛人願望が満たされた。

自分が段々、詩音にとって都合の良い愛人に作り替えられていくのにゾクゾクしてさえいた。

 

鶫は浴衣を曝け出すと、その下には数々のローターやバイブなどの玩具が付けられていた。

乳首やクリトリスにはピンク色のローター、おまんこの中にはバイブが入っており、弱い振動であるが動き続けていた。

 

「俺が来るまでずっと付けてたのか?」

「んっ……そうだ。いつでも詩音に抱かれても大丈夫なように濡らしておいた♡」

 

数々の玩具は詩音が命じたのではなく、自主的に鶫が用意して装着してきたのだ。

全ては詩音がすぐ挿入出来るように身体を昂らせておまんこを濡らしておく為だけに。

 

バイブを引き抜き、おまんこを広げた鶫は詩音に挿入してもらう為のおねだりをする。

 

「詩音の為に濡らしておいた愛人まんこ♡発情してハメてくれないと帰れないからぁ……いっ〜ぱい、可愛がって♡」

 

 

 

鶫が自らのハメ乞いに応えた詩音に押し倒されて青姦されていた頃、楽は千棘と一緒にいた。

最終的に楽は千棘に恋結びのお守りを渡し、渡された千棘は笑う。

 

「ふふっ、楽って本当優しいわよね」

「え?」

「だって普通偽物の恋人にわざわざ恋結びを渡すなんて、大事に思ってなきゃしないわよ」

 

千棘は恋結びの効能が書かれた看板を指差して言う。

そこには良縁に恵まれるとか、片想いが実るとか、男性が女性に渡すと求婚を意味しますなどが書かれていた。

 

「あ、ちげーからな!俺知らなかっただけだかんな!」

「分かってるわよ。偽物だろうと私とアンタは一蓮托生なんだから仲良くしても良いってことよ」

 

楽の訂正に千棘は笑って答える。

 

「ったく、本当に千棘は変わったよな……」

「変わったって?」

「今までは敵対心向き出しですぐ暴力が飛んできたってのに、今では穏やかで優しくなったし…」

 

楽の言う通り千棘は良い方向に変化していった。かつては恋人とは名ばかりで口論が絶えず、最終的には千棘が楽を殴って終わりということが多かった。

だが千棘が詩音との料理指導で愚痴を言うことでストレス発散をし、自身を満たしてくれるセフレが出来てから気持ちの余裕が出来たのである。

確かに自分とは正反対でイラっと来ることは多かったが、それでも偽物の恋人である自分へ優しく向き合おうと行動し続け、助けられることも多々あった。

寧ろ自分と偽物の恋人なんてやらされてるにも関わらず邪険にせず向き合う楽の誠実さに感謝するようにすらなったのだ。

 

「うっ……それは悪かったわよ。でも半々!半々だからね!猿女は私じゃなくてもイラっとくるから!」

「ああ、俺も悪かったよ。女の子に対して使う言葉じゃなかったからな……」

「さて、この話は終わり!これ以上過ぎたことウジウジしても進まないからね」

 

パンッと手を叩いて言う千棘。楽としては有り難かった。

 

「行動力ありすぎだろうが……でもありがとな」

「どういたしまして」

 

楽が見惚れる位の笑顔で千棘は答えたのだった。

 

 

 

 

 

 

「おっ待たせ!」

「千棘、浴衣にしたんだな。似合ってるぞ」

「ありがとう」

 

楽と別れた後に千棘は詩音と約束しており合流する。

 

「いや〜本当楽って良い人だよね。偽物の恋人に恋結びを送るなんて親切すぎるわぁ」

「まあ確かに好意もない相手にはわざわざ送ったりはしないよな」

「でしょ!偽物の恋人維持の為に好きでもない女の子に送るとか親切よ親切」

 

嫌味一つなく言える千棘は凄いというべきだろう。何せ彼女は求婚などと一切考えていないのだから。

千棘は詩音に抱き付き胸元に顔を埋める。

 

「スンスン、やっぱり女の子の匂いがするぅ……ここに来るまで何人抱いたの?」

「3人だ」

「うぅ…所詮私は四番目なのね……」

「嘘泣きはやめろ」

 

ヨヨと茶番っぽく泣き真似をする千棘に突っ込む詩音。

そもそも本気で一番を気にしてるんだったら鶫を交えての3Pとかしないだろう。

 

「だってぇ」

 

千棘は浴衣を捲って下着一つないおまんこをこちらに見せつける。

 

「恋結びを渡して良縁になれるなら……ここでおまんことおちんぽで繋がればぁ♡……もっとナカよくなれるよね♡」

 

それは仲良くなのか、おまんこの中が良く締まると意味なのか複数のニュアンスに聞こえる。

 

「詩音だって興味あるよね?」

「そうだな仲良くなれるか確かめる価値はあるな」

「ね……試してみましょ♡ナカよくする為にね♡」

「そうだな。けどまずは濡らそうかな」

「あ♡」

 

詩音は千棘の浴衣をずらしておまんこに先端ではなく竿の部分をあてがう。

 

「千棘、太腿を閉じて」

「やん♡素股だなんてぇ…ちょっと変態だよ♡」

「今から外でハメるんだから今更だろう」

 

詩音は腰を前後に動かし千棘の太腿に挟まれたチンポを前後する。千棘のおまんこからは愛液が溢れ出し、ズチュズチュと音が聞こえ出す。

 

「あっ♡はぅん……やぁん……おまんこ擦られてぇ♡入れられてると勘違いして濡れちゃうよぉ♡」

「入れられたと勘違いして濡れちゃうなんて、よわよわまんこだね。もう今日は素股で充分かな」

「あぁん♡……意地悪ぅ……あん、気持ち良いけどぉ……ひぅん……中に入れないとぉ♡おまんこ満足してくれないのぉ♡」

「じゃあいっぱいハメようか」

「うん♡ハメてぇ♡千棘のおまんこ満足させてぇ♡」

 

この後、千棘と詩音は用意していたゴムを使い切るまで仲良くしたのであった。




※茂みから千棘と詩音の青姦一部始終を除いてた万里花

「お、お外であんなに激しく乱れるなんて……乱れ過ぎですわ。え、ちょっと待ちなさい。何で新しいコンドームの箱を出してるの!もう周りにどれだけ使用済みコンドームが散らばっていると思って……二箱目だなんてヤり過ぎ……
え、桐崎さんゴムを口に咥えて何を?……え、えぇ!?あんな口だけでゴムを付けるだなんて……しかもそのまま押し倒して………うわぁ、うわぁ……あんな勢い良く腰動かして気持ちよさそうにして……やっぱりとんでもねぇビッチですわ」

この数日後に橘家へのサンタクロースとトナカイによる制圧事件が起こる予定。



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魔法少女達と詩音【まどか☆マギカ】

エロ本編より先に知り合いの魔法少女のお話が思いついたので投稿。
詩音は比較的平和なラブコメ作品世界線で過ごしてないと厄介ごとはスルーしているスタンスなので介入すると自分勝手になってしまう一幕です。
魔法少女の魔女化とか地雷女案件だしね。

特に美樹さやかへのキャラ崩壊被害が酷いので嫌な方はブラウザバック推奨。


それは本来ならば悲しい物語。

想い人を助ける願いの対価に魔法少女になったものの、想いを告げられず、他の女に寝取られかけるわ、絶望して魔女になってしまうなど悲惨な結末になり、彼女を案じた魔法少女と相打ちになる筈だった。

 

美樹さやかは人魚の魔女へと変貌し、理性を失い暴れまわる。それを止めようとしたのは同じ魔法少女である佐倉杏子。彼女は相打ち覚悟で挑もうとした。

だが……

 

「あ、邪魔」

「ヘブっ!?」

 

横から蹴飛ばされた佐倉杏子は顔から地面に突っ伏した。

スーパーのレジ袋を右手に持ち、私服を着た白髪赤目の中学生、白亜詩音がいた。

 

「あ〜あ、想い人寝取られ、しかも本人は魔女にされるとか不憫過ぎる。良し、こんな茶番見せ付けたお仕置きだ。元の身体に戻してひっぱたく」

 

少年は魔女に瞬時に近付き左の掌を押し当てる。

その移動速度は魔女を含めて誰もが認識出来ない程、瞬時に移動する。

 

「健常回帰」

 

ブァン!

 

その瞬間、緑色の淡い光が発生し魔女の身体が消し飛び一人の裸の少女が中から現れる。

それをお姫様抱っこでキャッチした少年は右手から赤い布を出して被せて姿を隠す。

 

「さやかちゃん!」

 

鹿目まどかは美樹さやかの元へ駆け寄る。

 

「取り敢えず本人の害になるものを全て取り除いて元の健全な身体に戻した。害になる対象指定は出来ないから、魔女の力だけでなく、処女膜とかまで戻ってるからそれは勘弁な」

「しょ、処女膜って……」

「いや、寝取られてからやけになって援交に走った可能性も…」

「さやかちゃんはそんなことしないよ!」

 

ぷんすかと思う鹿目まどか。

そして詩音はショックを受けて口元に手を抑えて顔を青くする。

 

「す、すまない……そうだよな。寝取られて興奮する性癖に目覚める可能性も無きにしもあらずだ。俺はドン引きだけど友達なら受け入れざるを得ないよな……」

「さやかちゃんをそんな変態扱いしないで!」

 

抗議するまどかとさやかを特殊な変態扱いする二人がぎゃーぎゃーと口論していた。

 

「そ、そんな……美樹さやかが元の人間に戻るだなんて……私の苦労は一体……」

「ほ、ほむらちゃん……」

「きゅ〜」バタン

「ほむらちゃん!?」

 

余程衝撃的だったのか気絶して倒れるほむら。

 

「わけがわからないよ……」

 

キュウべえが呟いたようにカオスな状況が発生した。

 

 

 

 

「うぅん……ここは……」

「さやかちゃん!」

「さやか!」

「え、あれ……まどかに杏子……」

 

ベッドから目覚めたさやかは駆けつけたまどかと杏子に反応する。

あの後、詩音の住むマンションへ連れて行かれた。

全裸の少女を放置しない詩音は紳士と呼ぶべき配慮だろう。

 

「良かった……良かったよぉぉぉ」

「この馬鹿野郎!心配させやがって……」

「私、確か魔女になって……」

「貴女は元の人間に戻ったのよ」

「ほむら……」

 

まどかと杏子は涙を流しながらさやかの無事に安堵する。

そして状況を理解出来ていないさやかへ壁に寄りかかって成り行きを見ていたほむらが代わりに答える。

 

ガララ!スタスタスタ

 

扉を勢い良く開けてこちらへ歩いてくる少年がやって来る。

 

「え、誰」

 

さやかが尋ねるまもなく、詩音は……

 

パシン!

 

「ひゃうん♡」

「「「!?」」」

 

詩音は突如右頬を叩き、叩かれた美樹さやかは喘ぎ声をあげ、まどか、ほむら、杏子は驚愕する。

悲鳴ならまだ分かる。だが喘ぎ声をあげるなんてまるで変態ではないか……

 

「え、え?何!何で頬を叩かれて思わず気持ち良くなっちゃったの!?」

「さやかちゃん……」

「ちょっとまどか!?違うからね!私、マゾに目覚めたりしてないからね!」

 

哀愁漂う表情で呟いたまどかに取り繕うさやか。

因みに詩音は痛みを快感に変換させる異能を使って叩いたのだが、敢えて言わないことでマゾに目覚めたかのように誤認させた確信犯である。

そして詩音は清々しい笑顔で言う。

 

「改めまして、マゾさやかさん。俺は白亜詩音、君を人間に戻した一般人です」

「ちょっと人をいきなりマゾ呼ばわりしないで!後、どうやって助けてくれたのか知らないけど、そんなことできる奴が一般人なわけないでしょ!」

「ピーピーうるせぇ、寝取られマゾ。やりたくもねぇ尻拭いをわざわざやらされたんだ。罵倒位受け入れろ、想い人寝取られ女」

「ひゃあぁぁぁん♡」

 

詩音の罵倒と共にさやかは全身へゾクゾクと快感が回ってビクビクしだす。

彼女の下半身が湿ったのは言うまでもない。

詩音の痛みを快感に変える能力は物理ダメージだけではなく、精神ダメージすら快感に変換する。

つまり今の彼女は失恋すらも感じられる変態にさせられたのである。

 

「うわぁぁ……」

「ち、違うから、まどか!気持ち良くなってなんか、ないから!」

「いやあんな恍惚とした表情じゃ否定できねぇよ……」

「本当に、本当に違うから信じて!」

「そうだ。目覚めて自己嫌悪で精神的鬱にならないよう『痛みを快感に変える』力で精神的ショックすら快楽に出来るようにしてやったんだ感謝して欲しいな」

「お前かぁぁぁ!」

 

自身の変調の原因が自白したことにより、あらぶる少女が発生した。

ベッドから飛び出したさやかは邪智暴君たる詩音の顔に鉄拳制裁をくらわせる。

 

ガチィン!

 

「ひゃあああ♡何かクルぅぅぅ♡」

 

ブシャァァァァ!

 

顔めがけて殴りかかったさやかの拳は金属に殴ったかのような反響音を鳴らし、さやかは喘ぎ声を上げて股から潮を噴いた。

 

 

「「うわぁぁ……」」

 

何がなんだか分からないまどかと杏子だが、取り敢えず殴って絶頂するさやかを変態を見るような目でドン引きする二人。

因みに原理を話すと詩音は顔の皮膚を合金レベルまで硬化させ、殴ったさやかは硬すぎるものを殴って捻挫するレベルの激痛を快感に変換されて絶頂したのである。

変換率100%なので怪我一つ負わないのだが、逆にいえば怪我一つ分の痛みを変換された快楽を一気に体感させられたのである。

そんな事情を知らない二人が誤解するのは無理ない。

 

「助けた恩人を殴って、絶頂するとか救いようのない変態だな」

「はひ♡……はひ♡……アンタが……いうなぁ♡……」

 

絶頂の余韻が抜けないさやかは息も絶え絶えになりながら抗議する。

そしてほむらはそんなさやかを無視して詩音へ向けて尋ねる。

 

「ところで美樹さやかが目覚めたら貴方の話を聞かせてくれるんでしょう?早く話しなさい」

「ハァ…ハァ……ほむらぁ……他人事だと思ってぇ…」

 

美樹さやかのほむらへの好感度が下がった。

しかしまどか至上主義のほむらには効いてない。

 

「つっても俺は魔法少女についてはほぼ傍観者だ。存在は知ってたが、全貌は知らなかったし面倒ごとだったから今まで不介入だった」

「そうね……今まで何度も繰り返して来たけど貴方とは一度も遭遇すらしなかった。イレギュラーのようね」

「時を戻した感覚は無かったから時間旅行系か。大方時を戻ってでも助けたい人がいるってところか」

「!?貴方、何処まで知って……」

「いや、時戻り系能力者である知人がそうだったから推測したまでだ。図星のようだがな」

「っく……」

 

図星を付かれて押し黙るほむらとは対象的に詩音は落ち着いていた。

一方まどかは詩音へ感謝を告げる。

 

「あの、さやかちゃんを助けていただいてありがとうございました!」

「いや茶番を見せ付けられた元凶をひっぱたくついでだから気にするな」

「助けてひっぱたくとか鬼畜かよ……」

「お前もアイツと同じ目に遭うかい?」

「いやいや、マジ勘弁……」

 

例え相打ちになってでも止めてやる位に大切だろうが、変態のレッテルを一緒に貼られたくはない杏子は否定する。

その判断は英断である。

 

 

 

 

 

「つまり貴方は魔法少女とは全く異なる力を持つと……浅はかだったわ。魔法少女なんて不可思議な力があるなら他に不可思議な力があってもおかしくない……今までの苦労は一体……ちょっと説明中にシャボン玉を出すのはやめなさい!」

 

ほむらの言葉を聞きながら親指と人差し指で円を作った詩音はシャボン玉を出してバルーンアートのように動物を作り出す。

チワワのような犬型シャボン玉はトテトテと子犬のように歩き出し、まどかや杏子は可愛いと愛でる。

触れるとシャボン玉特有の優しい匂いと弾力が返ってくる。

さやかはまだ絶頂の余韻から立ち上がれなかった。

詩音は倒れているさやかに近付き語りかける。

 

「ということで告白して玉砕してこい」

「ふぅぅん♡ハァ……ハァ……本来なら酷い言葉なのに感じるなんてぇ♡」

「言っておくけど今『痛みを快感に変える力』を解いたら発狂するぞ。何せ自傷覚悟で狂う程精神的に追い詰められたらしいからな」

 

詩音が力を使ったのは罪悪感での精神崩壊や発狂するのを阻止する意味もある。

比較的平和な日本で自傷覚悟で刃物を振り回せる時点で常軌を逸している。

精神崩壊ならまだしも、発狂して自決などもあり得るのだ。

冷静になった時に何をしでかすか分からないこそ、こんなふざけた能力を使ったとも言える。

仮に包丁で切腹しようが、屋上から飛び降りようが傷一つなく快楽へ変換して絶頂させられる。

ある意味不死に近い状態なのだが、社会的地位の損失を免れない悲惨な状態である。

 

「大丈夫だ。仮に失恋しても快感に変換されるからそのショックで強い絶頂を得るだけだ」

「っ!?……ゴクリ……」

「「うわぁ〜」」

 

ドン引きリターンズなまどかと杏子。

異能のせいなら仕方ない。

失恋と聞いて喉を鳴らして期待してしまう少女を見れば誰もが変態だと言うだろう。

 

「助けたのに見殺しにするのも目覚めが悪い。だから解いても大丈夫な位に気持ちのケリを付ける為、ぐずぐずしてないで告って玉砕して来い」

 

詩音は助けた少女へ容赦なく玉砕してこいと告げるのであった。




美樹さやか
…詩音に魔女化から救われ、詩音からマゾ変態のレッテルを張らされた被害者。
この後、想い人の恭介に告白して振られるショックでイキかけ、志筑仁美からの告白成功報告をメールで送られた時はアヘらされた。
後に寝取られマゾ化の責任を詩音に取らせる予定。

鹿目まどか
…親友を救ってくれたのは嬉しいけど寝取られマゾにされたのは複雑である。

佐倉杏子
…さやかを救ってくれたのは良いけど寝取られマゾにされたのは同じく複雑。
蹴飛ばされた恨みから攻撃した時は亀甲縛りで無力化されて降参した。
因みにさやかの痛みを快感に変える力の矛先を向けられなくて安堵している。

明美ほむら
…さやかをいともたやすく助けた光景にキャパオーバーして気絶。
そしてさやかより先に目覚める。
まどかを救う光明かと思いきや、さやかを寝取られマゾに容易く変える詩音の恐ろしさを思い知った。

白亜詩音
…関わる気の無かった魔法少女達の戦闘に強制的に巻き込まれたのでご立腹。
彼は基本的に正義の味方ではないので、気に入った相手には助力しても非日常系の厄介ごとに自ら突っ込む気がないスタンス。
特に寝取られ現場と魔女化現場を見せ付けられたさやかにはお仕置きと精神崩壊を防ぐ為に【痛みを快感に変換する】力を使ってケアした。
尚、それにより生じた社会的地位の損失の補填はする気はない。

健常回帰
…詩音の保有する治癒系異能の一つ。触れた対象を五体満足の健常状態に再構成する能力。
毒や四肢欠損、内蔵器官なども完全回復するのだが、本人に害あるものを強制的に消滅させてしまうので筋肉痛やら臓器移植などの拒絶反応を起こす要因、タトゥーや傷痕、処女膜喪失なども消滅して再構築してしまうなど修復対象を調整出来ない。
本編ではまどマギ世界の魔法少女化も害と認定して強制的に人間に戻してしまう。

キュウべえ
…わけがわからないよ。

巴マミ
…詩音が介入前にマミられたので不在。


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暁美 ほむら ①

※今回ほむら雌堕ちルートなので、まどほむ派の方はブラウザバック推奨。
え、あの生粋の百合が崩れる筈がない?
アルティメットまどかとか悪魔ほむらより理不尽なオリ主がいなければそうかもな!


Q:美樹さやかは玉砕して『痛みを快感に変える力』を解いて貰ったんですか?
A:エクスタシーに嵌っちゃったので本人の希望で解いてません。
Q:さやかは振られたけど恭介と仁美は結ばれたしハッピーエンドだよね?
A:さやかが詩音の手で人間に戻ったことによる魔法少女契約破棄で願いも失効した為、恭介は数ヶ月後に願いの反動による交通事故でまた指が動かなくなったよ。

Q:え?何故交通事故にあったの?
A:契約破棄したのに願いという奇跡の対価が支払われなくなった為に奇跡分の不幸が恭介に振りかかったから。
この事実を寝取られマゾに目覚めたさやかは振られた後だから気にせず、詩音も興味すらないので本編では特に触れたりすらしないよ。


美樹さやかが志筑仁美から寝取られ報告メールを受けてアヘ顔ダブルピースをさせられてから数日後、詩音の元に一人の来客がやって来た。

彼女は暁美 ほむら。

鹿目まどかを魔法少女にさせない為に何度も時を戻ってやり直しては奮闘する健気な少女である。

そしてほむらから相談したいことがあると言われて、相談の場として詩音のマンションの一室が設けられたのである。

詩音の家に居候しているメイド服を着た金髪縦ロールの見覚えのある少女が詩音とほむらへ紅茶を入れる。

ほむらが固まったのは言うまでもない。

何せ死んだ筈の先輩と瓜二つの人が何故かメイドをやっているのである。

他人の空似だろう、そうに違いないと思い込もうとほむらは頑張ろうとしていた。

詩音は紅茶を飲んで感想を言う。

 

「ふむ、上手くなったなマミ」

「ええ、光栄ですわ。さあ暁美さん、貴女もお飲みになって」

 

マミと言われたメイドはニコッと笑顔で言う。

 

「なんで生きてるのよ!」

 

暁美ほむらは突っ込んだ。

 

 

 

巴マミはお菓子の魔女に頭部を食いちぎられ絶命した。本来の原作と呼ばれる時間軸で遺体はどうなったかはともかくこの世界線では遺体が詩音の通りかかったところに偶然落ちてしまったのである。

 

詩音としては頭部のない遺体とか厄介事だ。だが目の前で放置とかも目覚めが悪いし、詩音には『健常回帰』という異能が存在しており頭部を修復して蘇生も出来るので救わないのは見殺しにするのと同義だ。

え、死んだ人間は生き返らせるのは無理じゃないかって?

色んな世界線を巡れば死者を生き返らせる異能など幾らでも存在しているし、『健常回帰』もその類である。

但し、死後の魂封印とか魂そのものを破壊する攻撃とかで粉々にされてたりしてたら肉人形のままになってしまうのだが、巴マミはただ喰われて絶命しただけなので蘇生可能対象である。

 

そうして彼女は無事に生き返ったのだった。

 

 

 

「というわけで彼に元の人間として蘇生させられたわ。残念ながら魔法少女の力はもう失ってしまったの……」

「そうなの……まあ無事ならば喜ばしいことね」

 

マミの言葉にほむらは素直に答える。今まではまどかを救うことへの焦りから他の人物を気にする余裕すら無かったのだが、今回の時戻りでは詩音というとんでもないイレギュラーがいることからか、幾分か余裕があったからこそマミの無事を喜べたのであった。

 

「でも貴女の死でまどかは悲しんでたわ。生きていると真実を伝えても良かった筈よ」

「ええ、私も最初はそう思っていたわ。けれど出来なかった理由があるの……」

「理由?」

「詩音様が私を人間へ戻したことで生じた魔法少女契約破棄による願いの代償よ……」

「願いの代償……!?」

「当たり前だろう。何せ魔法少女になる代わりに願いを叶えて貰ったんだから、魔法少女じゃなくなって人間に戻ったらそれは契約破棄になり、願いは不相応な奇跡となる。願いを叶えた対象は対価分の不幸が降りかかるってことさ」

 

あらゆる願いを叶える能力には対価が存在する。

例えばアラジンと魔法のランプでは願いが3つまでという制約とランプを手に入れること自体が対価となる。

夢のような能力の割に実はあの世界線内の事象しか願いが叶えられないという致命的な制約がなければ、今頃詩音は師匠を蘇生させられていただろう。

残念ながら師匠はその世界線の住人じゃなかったので生き返らせることは出来なかったのだが…

 

他だと仲介人が対価を直接求めるケースだ。

魔女とか悪魔などが担当する場合が多い。

この場合は願いと同等の対価を支払えば容易に願いを叶えられる利便性がメリットなのだが、大きい願い程対価が大きかったり、そもそも叶えられる規模の制限があったりするパターンだ。

魔法のランプと違って対価そのものが身を滅ぼすものすらあるのはデメリットとしては大きかったりするからこそ成立しているとも言えた。

 

そして問題は巴マミの願いは何だったのか?

 

「交通事故で絶命寸前だった私は生きる願いを叶えて貰った。契約破棄した以上は願いが破棄されて絶命レベルの事故に巻き込まれ続けたのよ」

「!?」

 

それは余りにも酷な試練だった。

何故なら元の人間に戻った直後に絶命レベルの事故が襲って来るのだ。

助けた詩音がマミの側にいなければ今頃命を落としていただろう。

一回目は信号無視のトラックが突っ込んで来たのを詩音が背負い投げでぶん投げて事なきを得た。

勿論マミを轢こうとしたトラックの破損や運転手の被害は一切考慮していないのは言うまでもない。

だが運命とは一回防いだだけでは簡単に許してくれず、死神に呪われたかの如くおよそ一週間近く事故に遭い続けた。

二回目は部屋のガス漏れによるガス爆発、

三回目はお金を降ろそうとしたタイミングで銀行強盗、

四回目は頭上の看板が落下と言った感じでありとあらゆる手段でマミを亡き者にすべく事故が起こったのだが、全て詩音が対処した。

因みにマミとは関係ないが、某天才ピアニストみたいに一度事故に会えば願いの対価は支払われるし、再度事故に合わないんじゃと疑問に思われるかもしれないが、運命はそこまで甘くない。

マミは事故で絶命寸前に契約したが、契約したからこそ無事に生き残った。

つまり詩音が異能で蘇生させると対価の未払い状態が継続するので再度事故に遭う。

なので一週間に及ぶ事故を防ぎ続けることが充分な対価と機能して成立するまで耐え忍ぶのが解決法の一つなのだ。

マミとしては詩音に二度と足を向けて寝れないレベルの感謝しか無かった。

 

「私を元の人間に戻してもらい、しかも一週間に及ぶ命の危機を救ってもらったんですもの。一生かけて尽くすつもりなの……」

「そう……魔法少女をやるよりは健全ね」

 

何せ命を失うだけでなく、魔女という怪物になるリスクすらあるドブラックな職場が魔法少女である。

ほむらだってまどかを救えたら魔法少女を辞めたいレベルであった。

 

「ええ、紅茶やケーキだけでなくメイドのご奉仕なども行えて今まで以上に充実しているわ」

「ちょっと待ちなさい!」

 

マミが顔を赤らめての告白にほむらは突っ込む。

まさかの色ボケだった。

メイドのご奉仕と聞いて色事と連想するのは早とちりと思うかもしれないが、美樹さやかの寝取られマゾ事件の前科からほぼグレーなのだ。

だがグレーとはまだ黒ではない。だから万が一白であることを信じて問いただすべきであり、信じたい。

ほむらは尋ねた。

 

「ええ、ご奉仕は詩音様を気持ち良くする為に私の身体を使ってご奉仕するの……でも私はまだ未熟だから逆に気持ち良くさせられちゃうことが多いのよ……」

「ガッデム……」

 

完全に真っ黒だった。

これ程信じることが愚かだと感じたのは何ループ目かで魔法少女から敵対された時以来だろう。

やはり巨乳は淫乱という割と失礼なことをほむらは思っていたりする。

 

「脱線したな。ほむら相談したいことがあるんだろう?」

「え、えぇ……そうね。脱線したわ……」

 

ほむらは詩音の言葉に落ち着く。そうほむらにとって第一優先なのはまどかを魔法少女にせずにワルプルギスの夜を退治すること。

その過程で美樹さやかが寝取られマゾに変貌させられようが、巴マミがメイドプレイに嵌ろうが他人事なのである。

 

 

 

 

 

 

詩音はほむらから事情を聞いた。

曰くまどかを魔法少女にさせない為だとか、曰くワルプルギスの夜という強大な魔女がやって来るなのである。

ワルプルギスの夜は別に問題ですらない。

本気でやれば星一つ滅ぼせる詩音の前でワルプルギスの夜などワンパンで片付く雑魚でしかないからだ。

 

「対価は?」

「え?」

「協力するならギブアンドテイクな筈だろう」

 

当然である。

無償奉仕などボランティアという自己満足だ。

それに付き合うのは詩音の住むマンションの隣人であり、趣味でヒーローやってる男とか、

隣人であり先日、輪ゴムで殺されかけたから助けてとヘルプコールを発して詩音に救出された後、公の場で死んだことになったからと暇を持て余している一京近い能力を持つ悪平等を掲げる少女とか、

先日、獄門疆とかいう封印アイテムのせいで封印されちゃったので助けてとヘルプコールを発してゴジョー君ぬいぐるみと本人をすり替える形で助けてもらったものの、生徒が自分を助ける為に奮闘してるからと主犯を皆殺しにせず暇を持て余したGTGとか、

 

いや、普通に頼まなくてもワルプルギスの夜が訪れれば瞬殺出来る奴等は他にも沢山いるのだが、伝手のないほむらは知る由もない。

そして詩音もわざわざ教えてやる義理はない。

ほむらはキッと涙目で詩音を睨みながら告げる。

 

「っく、私は貴方なんかに屈しないわ!やれるものならやってみなさい!」

「何だコイツ……いきなりくっころ始めだしたぞ」

 

詩音は困惑したが、まあ良いかと考える。

ほむらは魔の手が迫る中で決意を強く保っていた。

 

(幾ら私が処女で未経験だからって好きでもない男に屈したりはしない!寧ろ籠絡して見せるわ!待っていてねまどか。私が貴女を必ず救ってみせる!)

 

ほむらは魔の手には屈しないと決意を新たに取引を行うのだった(本人談)

 

しかし彼女は知らない。

魔法少女まどか☆マギカは少女達のダークファンタジーだが、ラブコメ漫画ではなくバトルものであり、彼女達はラブコメヒロイン達ではない。

つまり本作のラブコメヒロイン達の標準装備である催眠覚醒EXとか快楽調教適応EXとかみたいなチート染みた強姦対策は持ち合わせていないのである。

 

 

 

 

 

 

数時間後

 

「おほぉぉぉ♡乳首ィィ……激しく擦らないれぇ♡」

 

ほむらの両胸で自己主張するピンク色の乳首に指で擦られてほむらは喘ぎ声を上げさせられていた。

ほむらは油断していた。

自分は巴マミのような巨乳ではなく、貧乳だから胸への性的調教は緩くなると楽観視していた。

そんな彼女に詩音は開幕直後に宣言した。

「一体いつから貧乳が胸調教出来ないと錯覚していた?」

 

数時間前まで男を知らない彼女の胸はヤリマンを否定出来ないレベルで仕込まれたのである。

 

「な、何これぇ♡なんれ、こんな胸揉まれるだけでぇ…気持ち良いのぉ♡」

 

ほむらは薄い胸を揉まれるだけで蕩けていた。

脂肪の少ない胸を丹念に優しく揉みこまれることで敏感おっぱいに変貌させられたのである。

 

「もうほむらはブラジャーで乳房が擦れるだけで感じちゃうぞ」

「そんらぁ……酷いぃ♡私ぃ…おっきくないのにぃ♡ちっちゃなおっぱい敏感にするなんてぇ♡」

 

彼女の私生活はブラジャーを付けるだけで感じてしまう程に調教されて崩されてしまった。

僅か1日も経ってないのに調教されたのは詩音の調教が上手いのか、ほむらに変態の素質があったのかは神のみぞ知る。

え、アルティメットまどかに聞けば分かるって?

いやいやそんな彼女でも無理だと思うよ……

 

執拗に胸調教させられたほむらに次の調教を仕掛けるべく、まんぐり返しさせたほむらの愛液で濡れ切ったおまんこへ詩音はチンポを押し当てる。

 

「らめぇ♡らめぇ♡おまんこ虐めないでぇ♡そんなの入れられたら、戻れなくなるからぁ♡」

 

開脚したおまんこを両手で隠してイヤイヤと拒絶するほむら。

だが目や表情は完全に雌の表情をしている。

 

「駄目だよほむら、オチンポだろう?」

「ひぃん♡乳首、クリクリィ♡おまんこガードしてる隙を突いて乳首摘んじゃ……やぁ♡」

 

ほむらは乳首の先端をクリクリされることで表情が蕩け出す。口元には涎すら出ていた。

 

「やぁん♡許してぇ♡乳首クリクリして手を緩めさせないれぇ♡おまんこにオチンポ擦りつけないれぇ♡」

 

この後、本番セックスをされてほむらはあの台詞を言わされる。

 

「チンポには勝てなかったよ……」




※本編とは異なる世界線の悪魔ほむらさん

悪魔ほむら「ふっふっふっ、これで漸くまどかを守れる。私だけが守れるのよ」恍惚ヤンデレポーズ中
悪魔ほむら「!?貴方一体何処から現れ……え、まどかに頼まれて雌堕ちさせに来た?お、お前ェェ!言うに事欠いて私とまどかの愛を汚したなぁ!コロスコロスコロスコロスコロスコロス!ひゃあん♡え、何!一体何なの!?え、うちのほむらと快感同期させたから今のお前は調教済み敏感おっぱいって……ふざけないで!そんな馬鹿な筈が、あひぃん♡おっぱいが蕩けるぅぅ♡そんな指でむにむに沈み込んじゃらめぇ♡」

悪魔ほむら「おのれぇぇ……例えどれだけ汚されようが……私のまどかへの愛は不滅……え、次は感度3000倍弾?悪魔すら除霊させる強烈な絶頂ポイントを突く絶頂除霊?……お願いします!もう悪いことしないし、何でもしますのでもう私に調教するのはやめ……おほぉぉぉ♡」

悪魔ほむら「おほぉぉぉ♡カリ高チンポで奥グリグリしないれぇ♡ごめんねまどかぁぁ♡もう私の身体ぁ……この人の雌にされちゃったのぉぉ♡んむっ…ちゅる…じゅるる♡……はいぃ……まどかを解放してぇ……詩音様専用雌悪魔になりますぅ♡」

悪魔ほむら「れろっ♡…れろろ♡……ちゅばちゅば♡」一心不乱にチンポに跪いてフェラチオ中

詩音「約束通り解放したぞまどか」
アルティメットまどか「ウェヒヒ……男を知って媚びちゃうほむらちゃん可愛いね♪」



暁美 ほむら
…本編ではくっころ女子。まどかは大事だけどレズじゃなかった設定。
よくほむらはまどか好きのレズ設定多いけど、あの娘孤独なのでまどか関連終わって本気で口説いたら堕ちると思ってる。
チッパイなのに敏感おっぱいにされてしまった。
因みに本編ではやってないけど、詩音は乳首吸引調教やるとほむらをチュー音で達する変態にも出来るらしい。

巴マミ
…前回不在と書いたけど、実は外出中だっただけで生きてた。今はメイドプレイに嵌った少女。
因みに魔法少女じゃなくなったのでケーキの食べ過ぎでのカロリーには気を付けてたりする。

美樹さやか
…本編ほぼ未登場だけど、寝取られ報告メールでアヘ顔ダブルピースさせられマゾに目覚めた。
現在お礼にセフレになった詩音とのハメ撮りプレイを送ろうと準備中。


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モモのハーレム計画崩落(モモ・ベリア・デビルーク)

本当は小野寺春編を出したかったけど、『覗き見オナニーしちゃう話』と『詩音にレンタル彼氏を頼んじゃう話』が一話で両立出来ずに難航しているのでこちらを投稿。
ニセコイ原作全部読んでたからなのか、Tolovるよりインスピレーションが浮かんでしまう。
個人的には姉妹丼やって終わると思ってたのに不思議。
マジでニセコイのR18作品増えて欲しい。

以前、春が耳年増なクラスメイトに思わずキスとかの経験談語っちゃう二次小説作品何だったか思い出せないので知ってる方いたら教えて欲しいです。

小野寺春の話はアンケート取るのでどっちが先が良いかのご協力をお願いします。


モモは危機感を抱いていた。

 

「このままではハーレム計画が……」

 

リトの寵愛を受ける為のハーレム計画が初っ端から壁にぶち当たった。

ハーレム計画とはリトの周りにはリトが好きな女の子達が数多くいるので、次期デビルーク王になるリトを女の子達と相思相愛にさせて囲い込む計画である。

肝心なのは相思相愛という気持ちであり、もし片方が拒絶すれば成立しないのだ。

そしてまずはハーレム要員達を密かに調べようとした段階で大きな問題に直面したのだ。

リトの周りにいる女の子達の中にセフレを作ったヤリマン達がいることを……

 

「まさかナナや古手川さん、ヤミさんだけでなく春奈さんまでセフレを作ってるなんて……特にリトさんの想い人である春奈さんの心がリトさんに向いてないのは問題だわ……」

 

現時点で分かっているのは一人の男性とセフレになり夢中になっていることである。

 

「処女じゃないヤリマンになっているのはまあ良いとしましょう。リトさんは次期ハーレム王になるお方ですからアッチの方もきっと凄いでしょうからメロメロにしてくれます」

 

サラっとリトが寝取るだろうと言い出すモモ。

だがモモは初体験すら済ませていない処女なので、リトが性壕なのかは知らない。

 

「ですが、リトさんのハーレム計画の障害になる白亜 詩音さんはどうしましょうか……」

 

障害になるなら排除が一番なのだが、金色のヤミが向こうにいる段階で武力行使はよろしくない。

何せ向こうは宇宙一の殺し屋であり、手を出せば自身だけでなくリトの周りにまで危害を加えられるかもしれないというリスクがある。

それに仮にもヤミを堕とした相手だ。汚い手を使った可能性が高いが、それでも実力が無いとは思えない。最悪ヤミ以上に強かった場合は文字通り手が付けられなくなるだろう。

 

「こうなったら私自ら探る必要がありそうですね。リトさんの周りの女の子達をセフレに落とした手法を……」

 

 

 

数日後、ナナから妹が相談したいことがあるらしいと伝えられて、詩音はモモと対峙していた。

 

「詩音さんがナナと知り合いで助かりました」

「そうだねナナとは仲良くさせてもらってるよ」

 

前日ナナとセックス後のピロートークでモモから用事があると言われた時、モモは結構黒いから気を付けろとも言われていた。

ニコニコ笑う彼女だが、詩音へ向ける感情は警戒なのを直感で感じ取った詩音はモモが腹黒いタイプなのだと理解していた。

 

「詩音さんはナナ以外にも春奈さん、古手川さん、ヤミさんと親しい方が多いんですね」

「そうだな」

「皆セフレにするだなんていけない人ですよ」

 

サラっとセフレにしたと口にする辺り、調べているんだぞと牽制のつもりらしい。

 

「まず初めのお願いなんですが、彼女達から手を引いてくれません?」

 

ピシッと空気が凍る。これは文字通り警告のつもりらしい。

 

「断る。武力行使に移らないのは確実に勝てる確信が無いからだろう」

「あらあら話し合いにきただけですよ。武力行使だなんてそんな……」

 

心外ですとばかりに言うモモ。だが表情とは裏腹に感情には焦りを感じられたので詩音は指摘する。

 

「君は用意周到なタイプだから、確信を持たなければ手荒な手段には動かないだろう。何せ始めたらどちらか死ぬまで後戻りは出来ないのだから……」

 

ゾクッ

 

詩音から軽い敵意を向けられて背筋が凍る感覚を味わうモモ。

平和な日本でありながらこれだけの敵意を向けられる。

やはりこの男は危険だと確信し、モモは迂闊に手は出せないと判断する。

 

「死ぬだなんて物騒です。あくまで平和的に行きましょう白亜先輩?」

「そうだな平和的に解決するのが一番良いな」

 

詩音としても武力行使は最終手段だ。

今は一学生として過ごしているのであって下手に面倒ごとを起こしたくは無いのだ。

 

「では次のお願いです。貴方が数多くの女子生徒をセフレにした手腕を私に教えてくれませんか?」

 

それはモモの挑発でもあった。

ハーレム計画において活かせるであろうセフレを作る手腕を知るという目的と、自分ならどれだけ手籠にしようとしても堕ちたりしないという自負がモモにはあった。

 

(そうよ。この人を踏み台にしてリトさんのハーレム計画の礎を築くのよ)

 

少なからず男という生物を嘗めていたのは間違いない。リトに関しては気になる異性として認めているモモだが、転校初日で群がる男子達から男という生物は手玉に取れるのだと勘違いしてしまったのである。

その勘違いがモモの大きな誤算だったと知ることになるのはもっと先の話だった……

 

そこからは詩音の数々のテクニックでモモは快楽を受け入れた。

何時しかモモが快楽目的になったのは言うまでもない。

 

「おいおい、本番はNGじゃなかったのか」

「キスはまだしてないから大丈夫です。それにリトさんは優しいですから処女で痛がる女の子だと遠慮してしまうかもしれません。だから初めてじゃ無い方が都合が良いんです」

「じゃあゆっくり行くよ」

「はい、お願いしますね……あひぃん♡」

 

ある時にはケツマンコでハメたり……

 

「オホォォォオォ♡」

「尻の方の初めても失って良かったのか?」

「オォン!……リトさんは、お尻でなんて変態的な事はしないですぅ……だからぁ……リトさんの前では清純な女の子でぇ……あん♡……いる為にぃ、会う前にケツマンコを鎮めなきゃいけないんです♡」

「じゃあ鎮める為に沢山ケツマンコアクメしようか」

「オホォォン♡……してくださいィ……リトさんの前ではぁ……ケツマンコなんて知らない振り出来る位にィ……オォン♡……鎮めてください♡……」

 

ある時にはハメ撮り動画を撮ったり……

 

「ビデオなんて撮らなくても良いんじゃないか?」

「れろぅ…れろれろぉん……後で見直す為に必要なんです……」

 

フェラチオしながらモモはハメ撮りを続けることを口にする。

 

「れろぉん……安心してください……情報が漏れないように……はむっ、じゅるじゅる……私じゃなくて詩音さんが管理してくださって構いませんから……」

「いや俺は荷物が増えるから別に管理しないで良いならしたくないんだけどな……」

「じゅるじゅる……詩音さんを信じてますから……お願いしますね♪」

 

ある時にはリトと電話しながらの生ハメセックスをしたり

 

「はい、楽しみにしてますリトさん」

 

ぐりっ♡ぐりっ♡

 

「ぁッ♡おぁッッ♡」

「どうした?モモ?」

「いえっ…なんでもっ…♡ちょっとストレッチを……」

 

奥をぐりぐりされる快感に耐えながら会話するモモ。

 

「ストレッチが、はぁ……はぁ……終わったらっ…♡……寝ますので♡」

「そうか無理しないようにな」

「ええ、ありがとうございます♡」

 

 

 

 

そうしてリトへのアプローチよりも殿方を喜ばす為のセックス練習にモモが耽るようになって数週間後、夕陽の刺す校舎の教室でモモと詩音は二人きりでいた。

 

「どうしてですか……」

「?」

 

意味が分からず疑問を浮かべる詩音。

 

「どうしてキスしてくれないんですか……」

 

モモは涙を流していた。詩音はああ、そんなことかと思い出す。

 

「モモが初めに言っただろう。禁則事項だけは守って下さいってさ」

「もう……キス以外の禁則事項は全部破ってるんです!おマンコもケツマンコも貴方に捧げて、パイズリやフェラの奉仕も全部教わりましたし……正常位や後背位などの色んな体位も全部したんです!」

「そうだね。今のモモは経験豊富なレディだよ……」

 

詩音は笑顔で言う。君は立派なレディに成長したんだと……

 

「違うんです!……それに詩音さんとのハメ取り動画だって沢山撮りました」

「そうだね。モモが始めたいと言ってから十回も撮ってるよね」

「そうじゃないんです!全部詩音さんが持ってるから、もしその動画で脅せば私は逆らえないんです!」

「俺がそんなことをするつもりが無いって分かってるよね」

 

モモは期待していたのである。

このハメ撮り動画を使って強引に詩音がリトからモモを寝取ってくれる事を……

家に帰ってからのオナニーでそのシチュエーションをオカズにした回数は既に二桁を超えているのである。

そして逆に自分が動画を管理しなかったのは姉妹にバレない為の他にもう一つあった。

それは詩音に捨てられたくないからである。

もし詩音を脅せばキスを奪ってくれて寝取ってくれるだろう。

だがそんな脅してきた女を男は愛するだろうか?

答えは否である。

今までのハーレム計画を、極端な話リトの意思を気にせず進めてきたモモからは考えられないことだった。

つまり彼女にとっては一時的な優位よりも詩音と気持ちを深めたいと思ってしまったのだ。

 

「分かって……たんですか?」

「そうだね……モモが途中から俺に寝取られたいと思ってたのは分かってたよ」

「知ってて見逃してたんですか……」

「君の望むように言おうか……俺は君の口から寝取ってくださいと言わせたかったんだ。心の何処かで仕方がないなんて思う余地の無い位、完全に屈服させたいんだ」

 

その言葉にモモは感銘を受ける。

彼と肌を重ねる心地良さとは別に頭の隅にいつか捨てられるのではと不安が合ったのだ。

だが彼は違った。

私を求めている……そしてそれは小手先で逃げようとした自分の策略を全部阻止した上で自分の意思で来いと告げているのだ。

ならば自分は答えなくてはならないとモモは決意する。

 

「女の子の口から言わせるなんて……最低ですよ?」

「フッ……もう堕ちてるだろうに今更だ」

「もう……酷い人ですね詩音さんは♪」

 

モモの涙を詩音はハンカチで拭う。そしてモモは自身の願望を口にする。

 

「私のキスを奪ってください。そしてリトさんから……セックスにド嵌りして……ハーレム計画よりも詩音さんのセフレになりたいと願っている発情している雌なモモを寝取ってセフレにしてください」

「ああ、君はもう俺のものだよ」

 

詩音はモモを抱きしめ、モモも詩音の首に手を回してキスをする。

それはハーレム計画を考えていたモモを終わらせ、詩音のセフレとして生きる事を誓わせる儀式だった。

 

「んちゅ……じゅるる…もっとぉ…もっとキスしてくらはい……」

「はむっ……くちゅ、情熱的だなモモ」

「んむっ……はい……だってずっと待ち望んでましたから……こうやって詩音さんとキスするの……」

 

モモは自分から舌を積極手に絡めてディープキスをする。キスの行為自体は初めてだが、モモはいつキスをしても良いように予習は欠かさず行っていた。

 

そしてモモはこの日、詩音にハーレム計画の中止を宣言をさせられることになるのだった。




モモ・ベリア・デビルーク
…ハーレム候補が次々とリトとは別の男に夢中になってる危機感から詩音へ接触するも手籠にされた少女。
リトの知らぬ間にハーレム計画は中止したのだが、宣言はリト本人には知らされてないので、リトだけが悶々としてたりするのは余談である。


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成幸君と勉強とセックスを充実させたラブコメヒロイン達

今回はエロ回ではなく、ぼく勉世界の彼等はこんな感じだよという紹介です。
ぶっちゃけ各ヒロインの構想は出来てるけど4000字まで細かく描写出来てなくて手付かずばっかなので、いっそ載せちゃえ精神です。
手当たり次第に書いてるけど割と余裕ないのでもしかしたらかけないかもしれないので……
誰か代わりに書いてくれても良いですよ。


成幸は知っている。今目の前で勉強している少女達は問題児なのだと……

 

 

唯我成幸は特別VIP推薦という大学進学にかかる全ての学費を免除してもらうシステムを受ける代わりにとある天才少女達の教育係を命じられていた。

幸いなのは前任者の教育係である生徒、白亜詩音が担当していた実績があるので困った時はサポートしてくれるということだった。

どうやら詩音は天才少女達に初めて苦手克服と実績を出した初めての教育係らしく、他のサポートに入った教育係達は彼女達の苦手分野から諦めさせようとして邪魔になってしまい自分が別件で付きっきりで教育係が出来なくなった際の後任として成行を指名したらしい。

 

今日は学校ではなく、休日の土曜日。

図書館で勉強を見ることになっていた。

この場にいるのは成幸の他に元教育係である白亜詩音、古橋文乃、緒方理珠、武本うるか、小美浪あすみだ。

小美浪あすみ先輩は詩音が学校とは別で勉強を受け持つことになり、学校外で勉強を教える機会が出来てしまったが為に成行を代わりに推薦したらしい。

 

彼女達は苦手分野の欠点っぷりも凄まじいのだが、既に詩音がある程度は克服する為の土台作りを終えていてくれた為に成幸としては難易度が多少下がった。

唯一の懸念点の一つが個性的過ぎることなのだが……

 

「イヤァアアア見ないでぇぇっ!数式見ちゃうと頭真っ白になっちゃう……こんなダメダメな私を見ないでぇぇ!」

「席を降りて自虐するんじゃない!頭真っ白になるなら数式見ても楽しいと思えるレベルまで矯正してやる」

「イヤァ!詩音君に矯正されちゃうぅぅ…」

 

席に戻され別の意味で悲鳴を上げる古橋文乃。

彼女は現代文・古文・漢文を得意としており、圧倒的な文才を誇る、通称「文学の森の眠り姫」と呼ばれる美少女だ。

数学が苦手でありこうして勉強して克服しようとしている。

だが成幸は知っている。

既に古橋はセフレに染められているのだと……

何せ成幸へ最初にハメ取り動画を送ってきたのが彼女だからだ。

 

『え、彼氏じゃないよ。最初は彼氏にしたいなぁって思ってたんだよ。だけど彼と何度も愛を交わして気付いたの。対等な恋人になるよりも彼より下である彼の女にされたいって♡』

『俺だけの女にするって言っただろう』

『ふわぁ…ごめんなさい!今の凄いドキドキしたよ!そうだよね。彼だけの女にされちゃったんだもん』

 

動画の中では金髪の俺様系男子に攻められてときめきながらセックスに耽ていた。

古橋の逆バニー姿は最初はギャグだと思ったのだが、プレイを見てみればコンプレックスの胸を抑えながらも色香を見せてくる古橋には興奮したものだ。

 

 

「これは何かの間違いです!科学で解明されきってない感情を考察しろだなんて問題が間違ってます!」

「理論は叩き込んだぞ。口より先にペンを動かせ」

「はい……」

 

詩音に言われてノートに文章問題から考察出来る候補を書いていき添削してもらってるのは緒方 理珠。

数学・物理においては敵う者がいないと評される才女。

通称「機械仕掛けの親指姫」と呼ばれる美少女だ。

文系が苦手でこうして苦手克服をしている。

だが成幸は知っている。

 

『文乃から聞いたのですが、唯我さんが童貞なのは本当なのでしょうか?』

『安心してください。これは個人的な興味なので事実であったとしても周りに言いふらしたりなどはしませんので……』

『童貞なんですね。教えてくれてありがとうございます』

『唯我さんには普段からお世話になってるので私も手助けになればとセフレとのハメ取り動画を送ります』

 

彼女はそう言って青髪とのハメ取り動画を送ってきた。動画の緒方はセフレに色仕掛けをして襲って貰いたがる誘い受けをしていた。

男心を誘惑する彼女からは感情を理解出来ないなんて嘘だろうと何度思っただろうか。

 

「詩音助けて!ここ難しくて分かんない!」

「分かった。図書室では静かにしろ」

「あ、こう解けば良いんだねありがとー!」

「だから静かにしろと言ってるだろう」

 

天真爛漫で裏表がなく明るく優しいうるか。

成幸の中学時代からの顔馴染みで、水泳では将来の国家代表選手候補と目されている。通称「白銀の漆黒人魚姫」と呼ばれる美少女だ。

だが成幸は知っている。

 

『ハッ♡ハッ♡ハッ♡』

『よしよし、待て。良し良いぞ』

『くぅぅん♡じゅる…じゅるるる…じゅぼじゅぼ♡』

『そんなにチンポが待てなかったのか』

 

動画では赤髪のセフレにわんこのようにいっぱい甘えるうるかの雌犬プレイを見せつけられた。

首輪を愛おしそうに撫でながら犬の芸を嬉しそうにやるのだ。

セフレ専用の雌犬にされたのは疑うまでもないだろう。

 

 

「どうした後輩、美少女に囲まれて興奮しちゃったか?」

「なっ!?違いますよ先輩」

 

彼女達のハメ撮り動画を思い出してた成幸はあすみからの指摘に慌てて否定する。興奮してたのは間違いないからだ。

小美浪あすみ、一ノ瀬学園OGで浪人生。メイド喫茶でバイトしながら医大を目指している美少女だ。

 

「からかってないで問題解きましょうか先輩」

「ちぇ…からかいがいのない後輩だぜ……」

 

詩音からの言葉にあすみはからかいを止めて問題集に向き直る。

とあることが切欠で成幸に偽装彼氏を頼んできたあすみ先輩。

成幸にからかい上手な先輩としてちょっかいをかけてくる人だ。

だが成幸は知っている。

 

『ああ、勘違いしないでくれ後輩。脅されたりとかじゃなく本心からご主人様に仕えているんだ。寧ろ大切にされていると断言するさ。本当は忠誠の証として身体にタトゥーを入れるつもりだったのに止められた位だからな』

『タトゥーは流石に日常生活に支障が出るからね。君にはずっと僕の側で仕えて貰うつもりだし』

『ご主人様……あしゅみ〜は果報者です……』

 

動画ではセフレに絶対服従だった。フリではなく完全にメロメロにされていた。

そうでなければ彼女はあれ程までドスケベセックスに耽ることはなかった筈である。

 

彼女達は清楚?

成幸は知っている。

彼女達は成幸が童貞なのを知って、自分は経験豊富だとマウントを取るために自身のセフレとのハメ撮り動画を送って煽ってくる淫魔達だ。

成幸は夜に動画が送りつけられる度に自慰行為をさせられ、その数はもはや数えられないほどだ。

成幸はハメ撮り動画での淫らな彼女達の痴態を振り切り、勉強を教えていくのだった……

 

 

 

 

図書館が閉館時間になり、帰る途中で一台の車が止まってドアミラーを開けて声が掛けられる。

 

「あら奇遇ね」

「桐須先生!」

 

彼等の学校の教師である桐須真冬だった。

 

「遅くまで勉強とは感心ね。せっかくだから送ってあげるわ」

「あ〜遠慮します」

 

成幸は断る。

何せ彼女のドライビングテクニックは標準速度なのに滅茶苦茶荒れるという訳の分からない状態なのだ。

 

「詩音君、君の家は遠かったわよね。貴方は乗りなさい」

「え、いや俺も遠慮」

「不許可よ」

「強制かよ……」

 

半端強引に乗車させられる詩音へ同情する成幸。

だが成幸は知っている。

 

『んっ♡約束通り……今日の試験監督はノーパンノーブラでしたわ……信賞必罰。今から抱いてもらうわよ』

『ほら晩御飯やお風呂も準備出来てるから後でも……んむっ…』

『んちゅ♡くちゅ♡……我慢出来ないわ……欲求不満……私を先に満足させなさい』

 

動画ではノーパンノーブラだったと明かして、ご褒美としてプレイして貰うと告げてセックスをした。

あの桐須先生が学校でノーパンノーブラだったなどと今でも信じられない位だ。

この前なんか、片付けに予定より一時間早くお邪魔してしまったら、バスルームにセフレを連れ込んでセックスをしているのに遭遇した。

扉を閉じていたので姿は見えなかったが、あの桐須先生が喘ぎ声を一切抑えられない位にセックスに耽ていたので勃起を抑えるのに苦労させられたものである。

セフレの人とは掃除中に遭遇することなく帰宅したらしく顔を見ることは無かった。

 

そうして詩音だけが桐須先生の車に同乗して、標準速度なのに荒れ狂う車で去っていくのだった。

 

 

 

 

「んちゅっ♡じゅるっ♡れろっ♡ちゅるるっ♡」

「全く部屋まで待てなかったのか……真冬」

「ちゅぱ♡楽しみにしてたのよ……本当は土日二日間たっぷりセックス出来ると期待してたのに♡」

「彼女達の勉強をみる為だからな」

「れろっ♡仕方ないわね」

 

マンションの駐車場で真冬とベロチューをしている詩音。

本来ならば部屋に戻るまではしないつもりだったのだが、お預けされていた真冬はセフレが家まで来るのが待てずにわざわざ迎えに行ったのであった。

 

「ていうか、他の娘達もそうだけど成幸にハメ撮り動画送るのは止めない?」

「駄目。不許可!成幸君が間違って私達が襲いやすい雌だと勘違いしないようにセフレがいると教える必要があるわ」

「えぇ……」

 

ドン引きする詩音。

そう全ては成幸の周りにいるラブコメヒロイン達が詩音というセフレとセックスを経験しただけで経験豊富ぶってハメ撮り動画を送ってマウント取りしたことが始まりだった。

ぶっちゃけ詩音は情報流出のリスクがあるのでハメ撮りは反対派なのだが、素人処女なのに優越感に浸る彼女達の暴走は止まらなかった。

ラブコメヒロイン達に合わせて色違いのカツラで頭髪を誤魔化したり、名前呼びを避けたりと縛りも多くて面倒であったりするのだ。

 

「それより今日は寝かさないわ♡覚悟は良いかしら♡」

「はいはい」

 

真冬と共に詩音は部屋に向かうのであった。

 

 

 

次の日の朝、日差しの差さない暗い路地裏で詩音は待ち合わせていた一人の少女と合流する。

真冬は意気込んでいたのだが、結局詩音にイかされまくって現在は使用済みゴムが散乱した部屋で気絶していた。

 

「どうやら順調のようね」

「そうだな。彼女達は少なくとも成幸に異性としての関心はない」

「そうでしょう。何せ仮にもお兄ちゃんと可能性の一つとはいえ結ばれているお邪魔虫だもの……障害は事前に払っておく必要はあるわ」

「全ては君の掌の中ってわけか……」

「ええ、そうよ。お兄ちゃんは絶対に渡さない。お兄ちゃんと一つになるのは古橋さんでも緒方さんでも武本さんでも桐須さんでも小美浪さんでもないわ。

血の繋がりこそが真の家族!そうお兄ちゃんと結ばれるのは唯我水希よ!」

 

この世界線におけるラブコメ主人公と結ばれるのは個別ルートが用意されてたラブコメヒロイン達では決してない。

あらゆるぼく勉世界の平行世界での願望を集結させて真のヒロインに目覚めてしまったスーパーラブコメヒロインこと唯我水希である。

少年漫画で許されない血の繋がった近親婚が行われるまで、すでに秒読みなのであった。




【簡易紹介】
古橋文乃
…俺様系セフレに染められたい女子。
緒方理珠
…誘い受けを覚えた。
武本うるか
…わんこプレイが大好きの甘え系。
小美浪あすみ
…真のご主人様を見つける。
桐須真冬
…私生活を満たしてくれるセフレを既成事実でゴールインを目論むポンコツ女教師。
唯我水希
…真のスーパーラブコメヒロイン。


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ルーシィ・ハートフィリア(FAIRY TAIL)

FAIRY TAILの世界線だと名前が漢字ではないので、シオリ=ハクアというネームです。
勿論同一人物です。

本編はフェアリーテイル世界線。
ありとあらゆる他作品の卑猥な能力を集結させた史上最凶最悪の魔道士とか書きたいけど、ライトノベルでR18じゃない卑猥な能力って『絶頂除霊』『淫魔眼』『感度3000倍弾』『大気中の水分を白いゲル状に放出させる能力』位しか思い当たらない。
七つ位束ねたワンフォーオールモドキを作りたいので他に卑猥な能力あったら感想辺りに記載してもらえると幸いです。


※今回ルーシィとメイビスをかなりキャラ改変してるのでリスペクトしてる方はブラウザバック推奨です。
※この世界線では優しき星霊魔道士も威厳と自由人な初代マスターは存在しません。
いるのは鏖殺する星鍵使いとメスガキ軍師なので注意。


聖十大魔導 序列第1位『魔導元帥』 

シオン=ハクア

 

万を超える魔法を操り魔導士の最高位として元帥を冠する傑物。

長い時の中で衰えや欠員による序列変動がある中、老いることなく若々しい青年の姿のまま聖十大魔導創設期から他を圧倒する実力と実績から頂点に君臨し続けるイシュガル最強の魔導士である。

 

偶に数十年位放浪して音信不通の行方不明になったりするにも関わらず、一度も聖十大魔導序列1位の座から引き摺り下ろされたりしないのは、評議会がシオンという存在を神と同等に畏怖しているからだろう。

 

かつてイシュガル大陸へ別の三大陸の国家が同盟を組んでまで侵攻して来た際には、シオン一人で同盟軍を圧倒し壊走させた……

かつて他国から蔓延した疫病でパンデミックが起こった際には、治癒魔法で多くの人々を完治させた……

かつてイシュガル大陸で未曾有の大災害を予測したシオンは、住人達を転移魔法で避難させただけでなく、倒壊した街一つを一瞬で被害など無かったかのように修復した……

お伽噺のような数々の偉業を成し遂げた彼の存在は、正規ギルドにとっては最強の象徴なのである。

 

 

つい最近では序列第2位のゴッドセレナが頂点の座を賭けて挑んだがシオンに瞬殺されており、序列第1位は不動であると改めて示されただけだった。

だが彼が畏怖されるのは強さだけではない。

 

彼が畏怖される理由の一つに弟子の育成能力が存在する。

 

これは彼の弟子であり、本来ならばか弱い星霊魔導士になる筈だった少女のお話である。

 

 

 

 

とある荒野の岩に座る、白い頭髪に赤い瞳をした少年がいた。

彼の名はシオン=ハクア、

評議会からイシュガルへ侵攻して来た軍隊を滅ぼすよう依頼を受けて、弟子の一人を連れて来ていた。

この荒野は元は他国のイシュガル方面侵攻の最前線拠点のあった場所であり、そこには他国の精鋭部隊が集結していた。

それを連れて来た弟子の性能試験という名目で、弟子に街諸共鏖殺させたのである。

軍隊以外の一般市民達は彼の転移魔法で街の外に転送されたので被害者は一人足りとも存在しない。

だが目の前で街一つが更地になるまで切り刻まれる光景を見せつけられた市民達は阿鼻叫喚となったのは言うまでもない。

五体満足で生きているとはいえ、目の前で住んでいた街を塵にされ、財産全てを失った市民達に一体何の救いがあるのだろうか?

彼等に出来るのは街一つを滅ぼした元凶相手に逃げるか、歯向かうかである。

先程罵詈雑言をシオンや弟子に浴びせた男はサイコロステーキのような賽の目切りでバラバラにされた。

シオンが手を降すまでもなくことは済んだ。師匠という強者へ分を弁えない痴れ者を狂信者でもある弟子が片付けたのである。

それが余計にパニックを引き起こしてしまい、一目散に住人達が逃げ出したのは言うまでもなかった。

 

「あ、師匠」

「ルーシィ」

 

声を掛けて来たのは、金髪に胸の大きな美少女である。

彼女の名はルーシィ=ハートフィリア。

シオンの弟子の一人であり、これだけならば可愛い美少女がやって来たと男性ならば喜ぶだろう。

 

「どうだい、良い練習相手になったかい?」

「うん!久しぶりに星鍵で斬撃を振るえて楽しかったなぁ」

 

ルーシィは後ろ手に鍵状の剣を持ちながら、ニコニコ笑顔で答える。

街一つを荒野になるまで鏖殺した直後にも限らずだ。

 

『星鍵展開・鏖殺の陣』

 

星鍵と呼ばれる武器を使うルーシィが扱う魔法の一つ。

術者を中心として、周囲の物が塵になるまで絶え間なく斬撃を浴びせ続ける魔法陣を展開する。

制約として結界などで空間を分断せず逃げ道を与えるというデメリットこそあるが、有効範囲が最大200mもある広範囲殲滅力に優れた技である。

心優しい彼女が普段から星鍵を使わず星霊魔法を使うのは、彼女曰く「私が戦うと地図の一部が書き換わるから」らしい。事実、星鍵は比喩でもなんでもなく街一つを滅ぼしかねない威力を持っているのが理由である。

 

師弟関係になったシオンがルーシィへ伝授した技の一つであり、妖精の尻尾のギルドマスターからはイシュガル大陸内での使用を禁止にされた禁術の一つである。

そんな禁術をイシュガルへ侵攻しようとしてきた軍隊を街諸共滅ぼすのに躊躇いなく使うルーシィは、祖国を思う立派な正規魔導士だ。

 

「う〜ん、ギルドの仲間と一緒に依頼を受けるのも良いけど、偶には遠慮なく星鍵振るいたくなるんだよね」

「成長したなルーシィ」

「えへへ♪」

 

サラッと大量虐殺をしたいと語ったルーシィの頭を撫でる。

随分成長したなとシオンは思った。

天真爛漫な性格で明るい娘は、敵対した相手には一切の慈悲なく殺せる非情さも併せ持つ。

 

「そう言えば師匠が殆ど妖精の尻尾(フェアリーテイル)のギルドにいないのはどうしてなの?」

 

ルーシィは尋ねる。

シオンはルーシィの言う通り、大陸の外などの依頼書の受注以外では殆どフェアリーテイルのギルドには行かないのだ。

 

「いやフェアリーテイルにはメスガキに無理矢理入らされただけだしな」

「メスガキ?」

「初代フェアリーテイルマスターのメイビス=ヴァーミリオンだ」

「えぇ!?ていうか初代マスターをメスガキって……」

 

ルーシィはびっくりする。

何せ彼女は師匠と同じギルドに所属したいが為にフェアリーテイルに入ったのだ。

そしてシオンがメイビスをメスガキ呼ばわりしてるのにやや引いている。

 

「俺が知りうる限り史上最悪のメスガキだ。

チェスで負けた時に「ざぁこ、ざぁこ♪」と煽って来るわ、

俺が私情で一時的にフェアリーテイルに所属して目的達成後に脱退しようとしたら駄々泣きして引き止めるわ、

無茶苦茶な量の依頼を押し付けて来るわ、

職務放棄して勝手にどっか行ってたらいつの間にか死んで帰って来るわ、

蘇生してマスターに復帰させようとしたら幽体になってまで労働拒否して来るわ、

婚前契約を俺と交わしてるのにも関わらず、何故かゼレフとの間に身に覚えのない子供が宿ってて育児放棄するわ、

何故かフェアリーテイルの魔導士が近くにいないとストーカーして現れたりと散々な目に合わされてる」

「師匠、初代マスターのこと嫌いなの?」

「少なくとも厄介なメスガキだと今でも思ってるよ」

 

シオンがメスガキ呼ばわりせざるを得ない程に、メイビスはシオンに色々やらかしていた。

何が原因かと言われれば、きっとこの世界のイレギュラーであるシオンのせいなのは余談である。

 

「ねぇ師匠。久しぶりにシたいなぁ♡」

「おいおい、ここは外だよ」

「大丈夫だよ。だって周囲の目撃者は全部鏖殺したもん♪」

 

ルーシィは詩音に胸を押し付けながら誘惑する。

遠征と言えるイシュガル大陸の外までの任務について来た理由は、師匠と青姦するためであった。

 

「おねがぁい♡師匠のおチンポにご奉仕したいの♡」

「抱かれたいの間違いだろうルーシィ」

「あん♡」

 

胸を鷲掴みにされて嬉しそうに声を上げる。

ムニュムニュと柔らかい弾力が返って来て、流石はギルド内で一二を争う爆乳と言われる程であるとぼんやりと思う。

これで色気が足りないとか言ってたルーシィのパーティメンバーの男性魔導士であるナツは、きっとホモかインポだと思われても仕方ないだろう。

 

「だってぇ♡私の身体師匠専用だからぁ♡エッチしたいなぁって期待してたの♡」

「他の男に抱かれてないよな」

「あぁん♡意地悪ぅ♡抱かれても感じれないって知ってる癖にぃ♡」

 

ルーシィはシオン専用になる為にある契約を交わしていた。

婚前契約(エンゲージメントリング)

自身の身体に刻印を刻むことで契約した男性以外からの性的快楽を得られなくなる契約であり、解除不能な代物だ。

その強みは縛りによる性的快楽の耐性であり、愛撫や挿入による刺激はおろか、媚薬すら通じなくなる。

女性に圧倒的不利な契約であり、生涯を誓い合った夫婦ですら使わない術式だ。

何故なら仮に契約した男性が死亡しようものなら、二度と性的快楽を得られなくなってしまうからだ。

他にも性的快楽への耐性から奴隷娼婦としての調教も不可能になる為、この刻印があった時点で奴隷商達も買取拒否する。そのため捕虜になったら殺処分は避けられない。

少なくとも女性としての人生を捨てる覚悟でもなければまず使わないだろう。

だが目の前のルーシィはそれを知って即師匠と契約した程である。

彼女にとって師匠以外の男性になど興味ないからだ。

 

「ねぇ師匠。私ね、ギルドだとビッチだって思われてるんだよ?」

「金髪でおっぱいおっきいから、お金払ったらヤラせてくれそうだとか、お持ち帰りしやすそうだとか」

 

自身の爆乳を揉みしだきながら語るルーシィ。

彼女のドスケベボディを街中で見れば多くの男性は振り向くし、夜間に一人で歩けば札束をチラつかせて一晩だけでもと誘う男性も少なくない。

 

「最低だよね。私の身体は師匠のものなのに。このおっぱいだって師匠に揉まれておっきくしたんだもん♡」

「身体が立派になるまでおチンポ挿入はお預けしたんだよ♡お願い、おまんこしてぇ……♡って早く処女破って師匠の女にされたいっておねだりしても許されなかったんだから」

「早く手篭めにしてもらえる雌になる為に、牛乳いっぱい飲んで豊胸体操しておっぱい育てたり、処女なのにいっぱいエッチな本でフェラやパイズリの勉強をしたりしたんだぁ」

 

恍惚とした表情で語るルーシィ。

彼女は一途で染まりやすい今時の普通な少女である。

原作ならばナツや妖精の尻尾の魔導士達の破天荒さにツッコミを入れる常識人に育っていただろう。

だが、原作開始前の幼少期に発生したハートフィリア家の拉致監禁事件でシオンに救われたルーシィは、その影響を受けてしまった。

 

本来ならばテロリスト達が鏖殺される様は恐怖される筈なのだが、数百年の研鑽を経て磨かれた武術を星鍵という鍵状の剣で振るうシオンの斬撃は、芸術と呼べる程に美し過ぎた。

少女が鏖殺を美しいと感じて、まだ未熟だった価値観に大きく影響を受ける程に……

その斬撃を教わりたくて弟子入りしたルーシィは、師弟関係を結んで過ごす内にシオンに惚れてしまったのだ。結果、師匠好みのドスケベボディになるために頑張った生粋の雌である。

 

「私がちょっぴりエッチな格好するとね、

ギルド内の男子達は前屈みになってぇ……とってもイライラするの♡だっておチンポイライラさせてる雌がいるのに、師匠専用の雌だって証があるから手を出せないの♡

本当ならちょっと押し倒して即ハメしちゃえばアンアン言っちゃうお手軽雌なのに、刻印があるせいで出来ないんだよ♡とっても悔しいと思うんだ♪」

 

これだ。

これがルーシィにギルド内でビッチ疑惑を抱かせている原因である。

チョロいのにドスケベボディで男を誘惑するような言動で多くの男性達のおチンポをイライラさせる癖に、刻印を見せ付けて雄達からの魔の手を牽制する。

刻印のせいで師匠以外の雄には性的快楽を感じないので仮に押し倒しても決して靡かない。

しかも無理矢理襲おうものなら、本人も強いので返り討ちにされかねない。

妖精の尻尾のギルド内で、雄のおチンポを最もイライラさせる史上最悪のドスケベボディ女魔導士だった。

 

「流石ギルド内チョロそうな女性魔導士1位だな」

「あ、酷〜い!私、そんなにチョロくないもん!」

 

ルーシィは否定するが、金持ちのおっさんとかショタおねなんかの性欲の強い子供とかに押し倒されてレイプされたら、あっさり快楽堕ちしそうな位にチョロそうではある。

シオンも刻印が無ければ間違いなく手元に置いておかないと不安になる程のチョロさが、彼女には確かにあった。

 

「ナツやグレイとはしてないのか?」

「するわけないじゃない♡だって師匠専用だもん♡それにナツはリサーナがいるし、グレイはジュビアがいるからきっと私達みたいに夜はパコパコしてるよ♡」

「二人は鈍感だからそこまで進展なさそうな気がするけどな」

 

右手の人差し指と親指で作った輪っかに、左の人差し指を出し入れしながら甘い声で語るルーシィ。

側から見れば彼女がドスケベボディを持て余したビッチにしか見えないだろう。

 

「じゃあ二人の代わりにい〜っぱいご奉仕してあげる♡」

 

耳元に口を寄せたルーシィは雌として誘惑した直後、シオンのおチンポを咥えて奉仕を開始した。




ルーシィ・ハートフィリア
…逆光源氏系一途女子。
師匠好みのドスケベ女になる為に頑張った少女。
おっきなおっぱいも大きなお尻も師匠に抱き心地が良くなる為に努力してきたし、普段はドスケベボディで多くの男性魔導士を性的にイライラさせてきた。
だが刻印のせいで性的快楽を与えられない上に本人も恐ろしく強い為、手を出したが最後半殺しにされる。
原作と違い『星鍵使い』という鍵の剣を扱い、両面宿儺に匹敵する領域展開級の斬撃で鏖殺する物騒な女性魔道士である。



|婚前契約≪エンゲージメントリング≫
…契約した男性以外からの性的快楽を遮断する刻印。
あらゆる性的快楽耐性を得られるが、双方の同意及び解除不可という縛りがある。
本編で述べた通り女性側に圧倒的不利な契約なので婚約しててもまず使わない。
奴隷商ですら快楽堕ちしない時点で手に余るのでまず買いたがらない。捕虜=殺処分レベルに命の価値が下がる。
ルーシィってセフレ堕ちしそうだけど、チョロそうだから何かしら制限掛けなきゃ他の男とかに押し倒されそうだよな。
じゃあ主従契約結ばせれば良いんじゃねという発想から生まれた設定だったりする。
この世界線のフェアリーテイルでは師匠であるシオンと契約したのがルーシィ含めて五人いる。

メイビス
…キャラ崩壊が酷いレベルにシオンへ多大な無茶ぶりと我儘を振るった紛うことなきメスガキ。
セフレになった経緯は今回は省くが、夜這いでシオンへ逆レした挙句、婚前契約結んだ癖に勝手に失踪して遺体になって帰って来た。
しかも健常回帰による不死ではない健康な身体に戻した上で蘇生出来たのに、幽体になった彼女は働きたくないでござると蘇生拒否して職務放棄をかましてシオンが一度ガチギレ。
更にシオンがイシュガルの大陸外への遠征に一人で行く際もストーカーの如く同行してはメスガキの如く煽って来たので二度目のガチギレ。
二代目マスターのプレヒトが三代目マスターのマカロフにギルドを託して失踪時にメイビスが身籠ってた子を捨てたとプレヒトから聞かされたシオンが育児放棄までしてたと知って三度目のガチギレ(メイビスは知らなかったし、勝手に捨てたのはプレヒトなので情状酌量の余地はあったりする)
三度のガチギレさせられたメイビスをシオンはそれ以降メスガキと呼ぶようになった。
因みにこの世界線では刻印結んでたのでゼレフとキスはしても本番はあり得ないし、メイビスもした覚えはない。
キスで子供を妊娠したのか、ゼレフが丁度落ちてたラブドールを使ったからかは謎である。


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レンタル彼氏(小野寺春①)

久し振りに投稿。本当は「覗き見オナニー発覚ルート」の後に投稿予定だったけど、そちらが未完の状態だったままお蔵入りするの勿体無かったのでこちらを先に投稿しました。
ぶっちゃけエロ要素じゃなくて日常回っぽいです。

時系列的には「覗き見オナニー発覚ルート」後にせフレになったって認識だけあれば大丈夫です。



「お願いします先輩!一日だけ、一日だけ私の恋人の振りをしてください!」

「んんっ!?」

 

春から両手を合わせてお願いをされる詩音。まさかの恋人の振りを頼まれるとは思わなかったからである。

しかも今は二人っきりではなく、小咲と春と詩音による3Pでの事後であった。

 

「春、駄目だよ。私達のセックスを頻繁に覗くオナニー常習犯からセフレにしてもらったのに彼氏だなんて……」

「お姉ちゃん……でも……」

「オナニーをしてたことが悪いんじゃないよ?だって春も思春期だし、気持ち良いことは好きだもんね」

「うん……」

 

顔を真っ赤にして頷く春。

何せ全寮制の女子校から実家へ帰る度に、小咲と詩音のセックス現場を覗いてオナニーを頻繁にしていたのだ。

一回目は偶然だったし、二回目も意図的にお母さんが不在日のあるタイミングが重なる連休を選んで帰宅したとしてもまだ偶然と言い張ることは出来た。

だが三度目の正直とばかりにもう一度セックス現場を覗いてオナニーをしたならばそれは誤射では許されない。

誤射の覗き見オナニーが偶然で許されるのは二回目までだ(※本作談の勝手な話です)

三回目のオナニーは最早確信犯であり、楽しんでるなと見越した小咲と詩音は春が絶頂するタイミングで扉を開いて、脱力していた春を現行犯で寝室へ連行したのだ。

 

「春からセフレになりたいって言った時に約束したよね?満たされる為にデートもするし、エッチなことだって好きにする。だけどお互い束縛だけはしないって……」

「そ、それは……」

 

小咲が言った通り、詩音とセフレになる際に交わした条件は満たされる為にセックス以外にもデートなどの恋人と同じ行為だってする。

身体の快楽だけでなく心の快楽を満たすならばセックス以外に恋人らしい行為も重要だからだ。

唯一禁止していたのは相手を束縛するのだけは禁止していたのである。

束縛とは行動への阻害を示すので今回の恋人の振りもある意味束縛とも言えるのだ。

 

だが小咲が春の恋人の振りを引き止めるのは嫌がらせとは真逆で心配があるからだ。

 

「私も詩音君とお試しで恋人プレイでやったことあるの」

「え?お姉ちゃんが!?」

「そうだよ。でも今の私がセフレのままで良いと思ってるのは恋人プレイが凄すぎたから……」

「凄い……一体何が違うの?」

「春もきっと何が凄いのかは体験してみれば分かるよ……本当は経験しない方が良いんだけどね」

 

小咲は詩音に抱き付きながら答える。今でも充分イチャラブしているのだが、一体何が変わるのか春は分からないのだ。

そして肝心の詩音は……

 

「まあ一日なら大丈夫だろうし……良いよ。じゃあどんな感じが良いか決めようか」

「えぇ!?良いんですか!?」

「春の頼みだから構わないさ。小咲も心配し過ぎだと思うよ」

「でも詩音君……セフレと恋人は違うんだよ?」

「そうだね。でも春なら大丈夫さ」

 

小咲を撫でながら答える。

そうして春に切欠を尋ねていくのだった。

 

 

 

切欠は中学校の女子校で友達の女子達が会話していたのが聞こえたことだった。

 

「ファーストキスってどんな味なのかなぁ?」

 

恋すらしたことない女の子達にとっては夢が膨らむ恋の話である。

内容というより想像するのが楽しいのか、クラスメイト達はキャーキャー叫ぶ位には盛り上がっていた。

 

「ねぇ春。ファーストキスってどんな味なんだろうね?」

 

親友の風ちゃんも興味があるのか尋ねて来たのだが……

 

「え〜と…先輩が和菓子食べてたからあんこの味だったけど、本当は味ってあんまりしないんだよねぇ…」

「え?」

「そもそもキスするのって気持ち良くなる為とか、愛を確かめることで胸がキュンキュンするのが目的だから……悔しいけど、先輩そういう雰囲気作りが上手いからキス一つで満たされちゃうんだよね」

 

シーン

 

教室が一気に静かになる。

 

「え、どうしたの皆?」

「春……ファーストキスしたことあるの?」

「え、うん。あるけど」

「「「!?」」」

 

その言葉に教室中が騒然とする。

何せ女子校では男子と触れ合う機会が圧倒的に少ない。何せ学内においてクラスメイトは同性ばかりで異性と触れ合う機会は教師以外にはほぼ存在しない。

休日などで自ら積極的に交友関係を広げるか、幼馴染や許嫁など女子校入学以前から異性との交友関係があるなどの例外位だ。

 

「春ちゃんって大人なんだ……」

「ファーストキスを済ませてるなんて……」

「え、私……まだ殿方と手も繋いだことないのに……春さん早すぎません?」

 

クラスメイト達は春の経験談に思わず呟いてしまう。

本来ならばこれで終われば、「春って大人なんだね……」で済んだ。

だがこの時点で春はあれ、皆はまだなのと実践経験の差を理解出来ていなかった。

だから彼女達の質問にもあっさり答えてしまう。

 

「壁ドンって良いよね!」

「そうだよね。前に先輩にされた時は演技だって分かってるのにドキドキしちゃったし」

「顎クイって興奮しない?」

「確かにされるとドキドキしちゃうけど、やっぱり好きって思ってないと駄目だなぁって思うよ。先輩に最初された時と最近された時でドキドキ感が全然違ったもん」

「初体験って痛いのかな?」

「確かにちょっと痛かったかも……まあ先輩上手だったから痛みもすぐ気持ち良くなっちゃったけど」

 

クラスメイト達が聞けば、ポロポロと簡単に実体験と感想を話してくる春。

シチュエーションプレイだけでなく、とある女生徒が冗談半分で言った初体験すらも経験者として語られた際には他人事なのに顔を真っ赤にしてしまう女生徒が続出した程だ。

キスもまだな女生徒達にとって春の経験談は劇薬でしかないのである。

そして風ちゃんは皆が思う疑問を春へと尋ねる。

 

「春って彼氏いるの?」

「うぇ!?」

 

親友からの言葉に春はびっくりする。

彼女は無自覚だったのだが、女子生徒達の恋愛事に関する疑問をサラッと答えられることから彼氏と経験済みと思われても仕方なかった。

 

「だって春、先輩って言う人と色んなことをしてるんでしょ?」

「そ、それは……」

 

言えない。

実は姉のセフレ相手に自分もセフレにしてもらったから、休日にデートをして恋人らしいことをしていただけだなんて……

もし真実を言えば春は恋人でもない男に身体を許した女ビッチ呼ばわりされてしまうからだ。

 

(うぅ〜言えないよぉ。だってさっきまで話したこと全部セフレとしてただなんて恥ずかしすぎるよぉ。一体どうすれば……)

 

春は内心葛藤していたのだが、誤魔化すには難易度が高すぎた。

 

「う、うん。実は一つ年上の先輩と付き合ってるんだ……」

「「「キャー♪」」」

 

目を逸しながら春は現実逃避気味に嘘を言ってクラスメイト達は歓喜の悲鳴を上げた。

だがその嘘は自身の社会的地位を守れる大人になる為に必要な嘘である。

 

この日、春は大人の階段を一つ登った喜ばしい日になっただけだ。

次のステップはどうやってこの問題を乗り越えるべきかだ。

頑張れ春!

常識的な次女なら乗り越えられるが、変態プレイに目覚めた長女では乗り越えられないだろうから……

 

 

そして数日後……

 

「初めまして、白亜詩音です。春ちゃんとお付き合いさせてもらってます」

「「「うわぁ!?格好良い!!」」」

 

とあるファミレスで春の友達達に笑顔で挨拶する詩音。

詩音は日本人だが白髪赤眼であり、きちんとしていれば美少年である。

まあラブコメ世界線ではラブコメ主人公やラブコメヒロインなど美少年と美少女は結構いたりするのだが……

 

「馴れ初めは何ですか?」

「一目惚れですね。出会って即告白して一度目は振られちゃいましたけど」

「えぇ!?春ちゃん、こんなに格好良いのに振っちゃったの!?」

「そ、そうなんだよ。全然知らなかったから断ったんだけど、その後に何度も情熱的にアプローチされて……それで…」

「春からお試しという条件付きで付き合わせてもらいました」

「「きゃー!!」」

 

嘘である。

春が詩音からアプローチした設定にして欲しいと頼んで、猛烈アプローチして根負けした設定にしたのだ。

この設定なら春よりも詩音の方が相手に惚れてるので質問誘導しやすいという点もある。

因みに実際は姉との情事を覗いて何度もオナニーしていたところを連行されて、セフレ堕ちしたというラブストーリーではない恥部というべき淫らな関係である。

 

「白亜先輩は春ちゃんのどんなところが一番好きなんですか?」

「全部って言いたいけど…強気な物言いだけど根が優しいから相手を思いやるところとか、照れ屋で頑張り上手なところとか気の許した相手の前だと結構無防備なところとか……」

「わー!先輩、恥ずかしいからヤメてください!」

 

顔を真っ赤にして詩音の口を塞ぎにかかる春。

因みに春を褒めるところは完全なアドリブかつ本心なのが春にも分かってしまったが故の照れ隠しである。

 

「一番ってところだと……彼女の手が美しかったんだ」

「手、ですか?」

「うん。『人の手にはその人のこれまでの頑張りが宿る』、小さい頃に母から聞いた教訓なんだけど俺もそう思っている

 

肌が綺麗だとかネイルアートが綺麗とかそういうのじゃないよ。」

 

道具の扱い方や手順の一つ一つが洗練されてて和菓子作りが凄い好きなのが伝わってきた。

だからこそ外見や内面を知るより先に一目惚れしたのだと春の友達達に語る詩音。

 

「俺は好きなことの為に全力で頑張れる子だから惹かれて付き合うことでより春ちゃんを知って好きになったってことかな」

「へぇ~でも他にも全力で頑張る子っているのに他に目移りしなかったんですか?」

「もし春ちゃんが外見も性格も悪かったら目移りしてたかもね。けど可愛くて頑張る子だから愛でるのが楽しい。不満どころか満足してるのに目移りなんてしないさ」

「うわぁ…春ちゃん、完全に先輩をべた惚れさせてるよぉ」

「本当に純粋って感じだね」

「うん……」

 

友達達の言葉に春は頷く。こうして春の彼氏紹介は一段落したのであった。

 

帰り道、詩音のシャツをちょこんと摘む春が呟く。

 

「ズルイ…」

「ん?」

「ズルイ、ズルイ、ズルイ、ズルイ、優しくて格好良くて私の良いところも理解していて……こんなの、好きになっちゃうじゃないですか!」

 

ポロポロと涙を流しながら叫ぶ春。

 

「王子様じゃないのに……私とお姉ちゃんだけじゃなくて他にもセフレが沢山いるのに……きっと独り占め出来るわけないのに……惚れさせるなんて最低です!」

 

事実、詩音には姉である小咲以外にもセフレは沢山いた。

この学校だけでも千棘、るり、鶫、万里花と春がセフレになる前の時点で5人もいる。

恋人だったならば5股している状態であり、お世辞にも誠実とは言えなかった。

だがそれでもセフレならば良かった。

だって気持ち良くなる為だけの都合の良い友達である。

嫌ならば肉体関係をすぐ解消すれば良い。

それにセックス以外にもデートしてみたいと思った時には普通の異性よりも恥ずかしいところを見られているセフレの方が誘うのにハードルが低かったのも幸いしていっぱい楽しめた。

 

(王子様なら優しくて格好良くて強いのに……

でも詩音先輩は王子様じゃないけど、優しくて格好良くて強くて、しかもエッチも上手だからいっぱい夜も可愛がってくれるし、私の良いところも理解してくれている。

思っちゃったんだもん……どうして王子様なんかに固執してたのって)

 

姉である小咲が言っていた心配を春は理解してしまった。

詩音との恋人プレイは異性への価値観を上書きしに来る。

理想よりも素敵なセフレと恋人プレイなんて使用ものならときめいてしまうのも無理ないのだ。

 

「責任!責任取ってください!セフレとの関係を断ってとかは言いません!お姉ちゃんだって先輩のこと好きだし、先輩絶倫だから一人じゃきっと満足させられないし。詩音先輩に我慢させるのは私だって嫌だから……

でも私のことをセフレじゃなくて何番目でも構わないので恋人にしてください!」

「おいおい春ちゃん、それ平然と二股してくれと言ってるようだよ」

「構いません!何番目でもきっと先輩は私を満足させてくれるから、だったら他の人が何と言おうが関係ありません!でもセフレじゃ先輩のものになれない!きっと心の何処かで逃げ道作って言い訳して先輩を利用しちゃうから!」

 

春は恋人と言いながらも二股やセフレを公認し、詩音のものになりたいと公言してきた。どちらかと言えば春は詩音の女にされたいという気持ちの方が強いのだろう。

 

「分かったよ春ちゃん」

「じゃあ!」

「俺は許そう」

 

詩音の言葉に春は笑顔が浮かぶ。因みに詩音が許そうなどと上から目線なのは理由がある。春の後ろに鬼が待ち構えてるから……

 

ガシッ

 

「但し私が許さないかな」

「え……」

 

春の肩を掴むのは彼女の姉にして、今回の騒動を知っている小野寺小咲である。

 

「やっぱりセフレじゃなくて恋人になろうと抜け駆けしちゃったね。お仕置きが必要かなぁ」

「あ、あぁ……」

 

春はガクガクと震える。

あの穏やかな筈の小咲が笑顔とはいえ黒いオーラを出しており怒っているのは明白だからである。

確かに小野寺小咲は原作でも片想いだった一条楽と千棘を祝福する位には良い子である。

しかし本世界線では楽のニセ恋人騒動で寝取られ経験を学んだ小咲は詩音とのセフレ関係の維持に執着しているのである。

寝取られで興奮するのは事実だが、フィクションだから許されるのであってリアルで自分にやられるのは嫌という層は存在しており小咲はそのタイプである。

妹とはいえ姉の情事を覗き見オナニーして混ざるだけで飽き足らず自分のセフレを恋人にして奪おうとするふてぶてしさにプッツンと来たのだ。

なお春的には恋人関係でもセフレを継続しても良いと言って奪うつもりなど最初から無かったのだが、小咲にとってはセフレよりマウント取れる恋人ポジションを狙う妹としてギルティされてるのは余談である。

 

「詩音君も協力してくれるよね」

「どうする気だ小咲?」

「春にはセフレ堕ちのビデオレターを撮ってもらうことにするから」

 

こうして春のセフレ堕ちビデオレターの撮影が決定したのであった。




小野寺春
…この話で彼女はセフレから恋人に志願した。
この話時点だと既に恋人としての覚悟決まってるのは橘家を実質壊滅させてまで救われた万里花や愛人志願した鶫の二人。
千棘や小咲は家族への愛情も強いので高校卒業までは保留中。
少なくとも詩音と関係を断つつもりはないらしいので高校卒業までにケリがつかなければ詩音に嫁ぐつもりらしい。ビーバイブや和菓子屋が廃業しようが決行する位には肝が座っている。
るりは本人が恋愛感情のないセフレと言ってるので恋人になる予定はなし。
あるとしたら他の男じゃ欲求不満が満たされないので恋人になる位ならオナホ嫁とか専用娼婦とかで飼われるのを望む予定。
ボツ案としてるりが集から告白されて、だったら身体の相性で試しましょうと言ってゴムありセックス。
初めてとかガン無視で集から命乞いされようが無理矢理10回位搾り取った後に「ぺろっ、駄目ね。精液もサラサラに薄まったし、チンポの長さも太さも物足りなくて全然イケなかった。こんな粗チンと恋人だなんて死んでもごめんだわ」
と言って痙攣している集に使用済みゴムを頬に軽く投げ捨てて立ち去るシーンがあったが、これやられたら絶対トラウマになるわと思いボツにした。


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番外編〜前世の知り合いが調教済みばかりで迫って来る〜(天使☆騒々キャラ)

本来なら書くつもり無かったけど、体験版の動画見て書きたくなったので投稿。
「お労しわ兄上」や「こちらも抜かねば無作法というもの」をエロゲに転用してたのは吹いた。
全部見たわけじゃないけどキャラが魅力的過ぎたので本世界線ではラブコメヒロイン達が身体は調教済み、心は処女なプレイです。

以下本世界線の設定
・本編の主人公にオリ主in。名前だけオリ主の名前である詩音に変更し、本編では【谷風 詩音】
・前世帰りでラブコメヒロイン達の姿が戻ると同時に記憶が戻る設定追加
・ラブコメヒロイン達はセフレに調教済み
・勃起しないED現象削除

他にもリコリスで百合告白してきた千束にたきなからの返事で「レズよりセックスの方が良いんです♡」とセフレとの寝取られビデオレター送らせたり、おにまいで初めての異性の友人であるオリ主に無自覚誘惑アピールしたら「緒山が悪いんだぞ」とセフレ堕ちされるお話とか思い付いたけど需要はないよね。


自身が魔王であると前世帰りした翌日。自身のベッドの中でごそごそ動く気配に目が覚める。

 

「んぅ……」

「あっ…お兄…おはよう…」

「ん…天音か……」

 

ベッドの中にいたのは自身の妹である谷風 天音だった。

 

「どうしてベッドの中にいたんだ?」

「よ…ぃ…し……た」

 

顔を真っ赤にしつつボソボソと言ったせいで聞き取れなかった。

 

「悪い、声小さ過ぎて聞こえなかった」

「夜這いしてたの…」

「は?」

 

まさかの返答に固まる詩音。

 

「だって前世帰りしてから思い出しちゃったの……魔王に手籠めにされてたこと……」

「……あ〜」

 

天音の言葉に詩音は思わず額に手を当てて唸る。確かに詩音は前世で魔王として君臨した。

そして天音の前世である魔族である吸血鬼とも肉体関係にあったのは事実である。

 

「こんなの…ズルい……あんなにおっぱいもおまんこも魔王専用に仕込まれた記憶が戻って身体が疼いて仕方ないのに……お預けなんて酷い……」

 

天音は前世帰りと共に記憶が戻ってから数々の調教プレイの記憶まで戻ってしまった。その反動で触れてすらいないのにも関わらず調教されたかのような錯覚を感じる疼きが発生しているのだ。

 

「いや…俺達仮にも兄妹なんだけど……」

「駄目なのぉ……頭で分かってるのに身体がお兄の欲しくて我慢出来ないのぉ…お願い…前世みたいに慰めてぇ」

「分かったよ」

 

そう言って詩音は天音のたわわに実った胸に触れて優しく揉む。

 

「やぁん♡おまんこぉ♡おまんこ弄ってよぉ♡」

「まずは感度の確認からだ」

「あん♡揉まれてるだけなのにぃ♡頭が蕩けちゃうぅぅ♡」

 

胸を揉みほぐすだけでも顔が蕩ける天音。

前世帰りで胸だけでイけるように仕込んだ影響がこの時代の身体に影響しているのである。

 

「乳首ぃ…お兄ぃ…乳首摘んでぇ♡」

「分かったよ天音」

「きゃうん♡乳首クリクリらめぇ♡来ちゃうのぉぉ♡」

 

敏感になってる乳首を弄るだけで天音は喘ぎ声を出してしまう。

 

「まずは胸だけでイけ天音」

「クリクリらめぇ♡胸だけでイクなんて変態だからぁイかないもん♡」

「何言ってるんだ。兄に夜這掛けて来て変態じゃないわけないだろ。遠慮なくイけ」

「ひゃあん♡揉みながら乳首シコシコ駄目ぇ♡イクイクゥゥ♡」

 

天音は舌を伸ばしながら顔を上げてアクメする。既におまんこは触れるまでもなく濡れていた。

詩音は天音がアクメから戻り息を整えた後にコンドームを装着し、チンポを天音のおまんこに押し当てる。

その頃には普段通りの態度を取り戻してこちらを煽る余裕すらあったようである。

 

「ざぁこ♡ざぁこ♡前世はともかく、童貞お兄の雑魚チンポでイったりしないから♡」

 

メスガキムーブをかます天音に詩音は困惑する。プレイの一貫で盛り上げる為なのだろうが、既に詰んでいる状態なのを理解してないのだろうか

 

「いや今の天音、調教済みでイきやすくなってるんだぞ」

「あっ……」

 

ズプンッ

 

「あひん♡あっ…ダメダメ!イク、イクゥゥ!?」

 

プシャァァァ!

 

不意打ち挿入からの即潮吹きをしてアクメする天音。お約束どおりの即堕ちアクメだった。

 

「このまま普段通りヤったら間違いなく壊れるな……今日はゆっくり慣らすことにしようか」

「あん♡やぁぁ…カリが引っ掛ってこすれるぅ♡駄目ぇ♡ゆっくり動かしてるせいで…形がはっきり感じてイクゥゥ♡」

 

詩音に抱き付きながら絶頂する天音。

精神崩壊しないようにスローセックスに留めてるのにすぐ絶頂する天音は間違いなくチョロかった。

 

 

 

 

「……んぅぅぅ!!」

 

顔を真っ赤にしてバタバタしてる天音。事後になって落ち着いたことで自分がやらかした実の兄に夜這を仕掛けて致したことに恥ずかしくなったのである。

しかも兄は本番では天音が少し動くだけで絶頂する程敏感過ぎたせいで射精せずに天音をイかせて欲求不満を解消する接待プレイまでされたのである。

 

「ほわぁぁぁ!?やっぱりセックスじゃないかぁ!エロゲは現実じゃないかぁ!?」

「いや否定出来ないです……」

 

顔を真っ赤にして慌ててるのは前世帰りした自分達を助けに来てくれた白雪乃愛だ。

純粋な天使故に性知識が浅く、つい先日同人誌やエロゲで学んだばかりである。

そしてちゃっかり夜這を覗いてたのは言うまでもなかった。

 

「実の兄妹でそんなことしちゃ駄目なんだぞ!」

「いや前世帰りで兄妹じゃなくて関係持ってたからなぁ」

「今は兄妹じゃないかぁ!兄妹で、そういうエッチなことは駄目なんだからなぁ!」

「何だこれ……」

 

エッチに興味津々な天使から道徳を説かれる光景に困惑する詩音。しかも行為の最中は天使の羽根をバタバタさせて興奮してたほどには没頭してたのにである。

 

そうして乃愛からお説教受けてた途中でガバッと天音が起き上がり、こちらに向かってくる。

 

「お兄、チンポ出して」

「は?」

「んにゃ!?」

「さっきはやられっぱなしなのとセックスでお兄全然イけてないから今度は私が奉仕するから」

「にゃ!?だ、駄目なんだぞ!兄妹でそんなエッチなことしちゃあ」

「乃愛ちゃん見てて。セックス以外でも男の人を気持ち良くさせる方法があるのと今度こそお兄が雑魚ってところ教えてあげるから」

 

乃愛は顔を両手で隠しながら口では言いつつもチラチラ見る気満々である。

そして天音は無駄に対抗心に燃えていた。

 

このあと、乃愛が見てる前で天音からフェラチオされたのであった。

 

 

 

次の日、登校した後に女子グループの一人である顔なじみである小雲雀 来海へ挨拶する。

 

「おはよう」

「あ、おはよう……!?ッッ!?」

 

挨拶を交わした直後に顔を真っ赤にする。一体何かあったのかと思った途端に突然腕を掴まれて声をかけられる。

 

「ねぇ…詩音君……話があるんだけど良いかな?」

「ああ…良いよ」

 

そうして人気のない屋上に着いた途端、来海は土下座する。

 

「ファ!?」

「詩音君……いや魔王様……お願いします!私をセフレにしてください!」

「いや何言ってるの!?ていうか土下座止めろォ!」

 

まさかの美少女からの土下座セフレ懇願である。こんなところを他の人に見られたら鬼畜男の風評被害不可避である。

 

 

 

 

「というわけで前世帰りした影響で身体が疼いて仕方がないの……」

「お前もか……」

 

天音の件だけでなく、来海まで前世で因縁のある調教済みヒロインであった。

 

ガチャガチャ!ボロン!

 

「ふわぁ!これが詩音君の……れろっ、今世では初めてだけど舌が覚えちゃってる♡じゅるる…オチンポの味が待ち遠しかったのぉ♡」

 

ズボンを脱がせて即フェラチオなど処女の出来ることではない。間違いなく来海は前世で調教済みだったのは明白である。

 

「この舌使いは上手いな来海」

「えへへ♡前世でいっぱい仕込まれたからね。処女なのに口なら経験豊富だからいっぱい気持ち良くなって♡」

「約束は守るが本当に処女貰って良いのか?」

「うん。私の身体は魔王様専用なんだから…思いだしたら服従するのは当然だから……いっぱい可愛がってね♡」

 

 

このあと滅茶苦茶セックスした……

 

 

 

「ほわぁぁぁ!学校でセフレ懇願させてセックスするとかやっぱりエロゲは現実じゃないかぁ!」

「いや酷い偶然なんだけどね」

 

乃愛の叫びに否定出来ない詩音。何せ前世帰りがあったとはいえ、知り合いを即セフレ堕ちさせたのである。

間違いなくエロゲレベルの超展開である。

 

「君幾らなんでも前世で盛り過ぎじゃないか!」

「いやファンタジー世界の弱肉強食世界だから支配階級だと愛人とか多いのが普通だし、魔王だった時は割りと少ない方だけどな」

「んにゃ!?そんな、爛れてる!そんなふしだらに過ごしてたら天罰下るぞ!」

 

乃愛は捲し立ててるが、詩音としては前世で人数を絞る代わりにセフレは自分好みに調教していたのてある。

というか周りが愛人含めて10を超えるハーレム作ってた中で2〜3人にしか手を出してないことから魔王様はもっと貪欲にすべきと臣下に言われてた位である。

 

「というか乃愛だって興味津々だから昨日チンポ触りたいと言ったんだろう」

「ふわぁ!?な、な、何を言ってるんだ!あ、あれは見聞を広める為の医療行為!そう医療行為と変わらないんだからな!」

 

乃愛は慌てて言い訳するが、昨日の時点で乃愛から男性の勃起を見てみたいと言われて詩音はチンポを見せて実演した。

その際に射精まで見てみたいと乃愛が言ってきたのでフェラから精飲までさせ、お礼に手マンでイかせて奉仕したら気持ち良くしてくれると軽く仕込んだのは余談である。

 

こうして前世帰りして二日目にして調教済みヒロイン達と関係を持ってしまったのであった。




谷風天音
…メスガキ妹ヒロイン。本編では前世帰りと共に調教済みな身体と記憶を取り戻して夜這してしまった。
小雲雀 来海
…ギャル系クラスメイト。本編では前世帰りしたせいで秘書兼専属娼婦の記憶が戻り、身体の疼きを収めるべく魔王様にセフレ契約を土下座で持ち込む。土下座したのは彼に断られると見知らぬ他人に援交しなきゃならなくなる位に切羽詰まってたからである。
白雪乃愛
…天使系ヒロイン。純粋な天使にエロゲや同人誌で性知識をインストールした直後に調教済みヒロインと立て続けにセックスしたせいでエロゲは現実だという誤解を招いてしまった。



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本番してなければセーフだよね(黒川あかね)」

これNTRじゃないただの成り代わりだし、投稿しようか迷ったけど、そのままお蔵入りしそうだから載せても良いよねというスタンスで投稿。
仕事があるからこっちの作品か、もう一つの【H月のシンデレラナイン】どっち書こうか迷ってるけど、アンケート取るので見たい方は回答お願いします。

①百合に手を出すのは命懸け(井ノ上たきな←リコリス・リコイル)
…百合告白してきた千束さんにセフレのいるたきなからお断りの寝取られビデオレター送られて脳破壊された千束さんが殺意マシマシで詩音に殺しに来るお話。
②むふん!監督は私が育てたし♪(小鳥遊柚←八月のシンデレラナイン)
…球速200kmオーバー、誰もがゾーン状態に入り、ベンチバフが飛び交うパワプロ君も真っ青なハチナイワールドで可愛くて才能もある小鳥遊柚が同級生に告白され、恋人はいないよと否定した柚が放課後に幼馴染の先輩とイチャラブセックスするお話

推しの子読んでて思ったんだ。アイのトラウマあるからアクアが子供が生まれる本番行為はしないけど、本番以外ならナニやっても許されるよねって……

本編設定
・アクアの中にゴローの代わりに白亜詩音が憑依して転生している。名前詩音に変えようかと思ったが、ルビーやアクアマリンのネーミングセンスを崩すイメージが湧かなかったので憑依転生した設定
・異能でアイが助かったが、現在はアイドルしてない設定。
・ガチ恋で恋人になった黒川あかねとはビジネスカップルではない。
・重曹ちゃんは黒川あかねが浮気したら殺すスタンスの被害にあって四条眞妃並みの不遇ポジション。もし浮気したら殺すが無かったら詩音ならチョロそうだから普通にセフレにしてたまである。


何の因果か推しの子世界の星野アクアとして転生して16年。

アイを襲ったストーカーに情報提供した父親を探すべく芸能界に入った自分だが、復讐心自体は大して芽生えてなかった。

そもそも妹のルビーと違って転生前から推しだった訳ではなく、幾度も輪廻転生を繰り返した身としては新しく産んでくれた母親程度にしか思ってなかった。

勿論愛情を注ぎ込んで育ててくれたからこそ大切には思うが、自身の異能でストーカーかの魔の手を防いで存命だし、父親が法で裁けないなら最悪自分が落とし前をつけた後に失踪すれば良いかな位で割り切ってたからだと思う。

というかアイが襲われて存命しておりアイドル引退に追い込まれたにも関わらず未だに父親明かさない辺り厄ネタなんだろうとアクアは察しが着いていた。

だから父親に落とし前付けるまでは失踪しても問題ないように身辺整理は付けてたつもりである。

だが唯一の例外がオフの自宅デートで抱きしめている相手である。

 

「ひゃあん♡だ、駄目だよアクア君」

 

あすなろ抱きされながら耳を舐められて弱々しく否定の声をあげる美少女。

名は黒川あかね。

ガチ恋というリアリティショーで助けた後に公認カップルになった相手である。

アクアは幾度もの輪廻転生を繰り返した中で決めているルールがある。

その内の一つが助けた相手の責任は取ることだ。

特に自殺など一時的に踏みとどまらせても、自殺する原因を解決しなければ再度自殺するのは目に見えている。

だからこそ総集編と称した動画やフォローでガチ恋で復帰して活躍したことで最低限の義理は果たしたと言える。

彼女の洞察力は父親を探すのに役立つので魅力的だが、復讐心に染まってるわけでもない状況でわざわざ利用する為だけに付き合うというのはお互いの為にならないと思った。

だが付き合えなければ都合の良い女としてでも良いから側に置いてほしいとか楽屋でカミングアウトされた時に根負けして付き合うことになったのである。

前世ではセフレとか何人もいたし、あかねが魅力的な女性だったのもあって付き合う位なら良いかと思って受け入れたのである。

どっかの重曹ちゃんの目からハイライト消えかけたのは余談である。

 

そうしてお互いのオフの日、運良く自分以外が留守の自宅にあかねを呼んで自身の部屋でお互いに触れ合いをしていた。

 

「あかねが言ったんだろう。俺の好きなタイプになりたいって」

「そ、そうだけどぉ…こんなの恥ずかしい……」

「俺の好きなタイプは自分の手で好きな子が惚ける姿を見ることだ。」

「アクア君の変態ぃ♡こんな女の子の身体にえっちなこと仕込んじゃ駄目だよぉ……」

「そうだな……こんなの普通じゃないよな」

「あっ……」

 

腕を離すと切なげにあかねが声を上げる。

 

「すまないあかね。じゃあ気を取り直して他のことでも……」

 

アクアは何事もないように他のことをしようと切り替えたが、あかねがアクアの服をちょこんと摘まむ。

 

「……して……いいよ」

「いや、流石にあかねが嫌がるなら止めても」

「して欲しいの……本当はアクア君に触れられるの凄く嬉しいし……胸がドキドキするから……」

 

顔を真っ赤にしながら恥ずかしそうに言うあかねにアクアは彼女を抱きしめる。そして耳元に口を当てて囁くようにあかねへ告げる。

 

「俺、好きな女の子は可愛がりたいって男だからあかねが他の男に靡かないように本気で仕込むよ……今なら俺みたいな悪い男に引っ掛からずに平穏な女優の日常に戻れるから、別れるなら今しかないよ」

「嘘つきぃ……私が望んでる言葉ばっかりかけて依存させて来る癖に……本当は私の方がアクア君と離れたくないって知ってて言ってるんでしょ?」

「そうだけど俺が悪い男なのは本当だ。将来考えてお互い成人するまでは子供が生まれる本番行為はしないけど、本番行為以外でも楽しんだり、気持ち良くなれるから……」

「あっ♡」

 

そしてアクアはあかねの秘所である場所へ手を伸ばした……

 

 

 

 

 

 

 

 

「で、どうなのあかねちゃんとの仲は?」

「いや惚気になるから言わなくて良いだろう母さん。それにルビーも兄の惚気話なんて聞きたくないだろうし……」

 

アクアの母であるアイから尋ねられてアクアは言葉を濁す。

現にルビーは身内の惚れ気話を語られるかと思い苦虫を噛み潰したような表情を浮かべている。

かつてガチ恋最終回でのキスシーンが映った際にも文句を言ってきたことから嫌なのは目に見えている。

そして目を逸らしながらルビーは重々しく口にする。

 

「くっ、話して!」

「何でくっ殺の女騎士みたいに言ってるんだルビー」

「お兄ちゃんの生々しいプレイ内容を聞きたくない妹の心境と恋バナを聞きたい乙女の心境がせめぎ合ってるんだよ!だから仕方ないけど聞いてあげる!」

「いや俺だって話したくないんだけど……」

 

ジト目で言うアクア。

要は野次馬みたいに兄のプレイ内容を聞きたいだけなルビーに同情する余地すらない。

 

「ほらほら仮にも息子の初恋の相手と失敗させたくないから経験者としてアドバイスしなきゃだし」

「そうだよ!だからママやあたしに話してよお兄ちゃん!」

「ただ聞きたいだけだろう?」

「「そんなことないよ」」

 

嘘である。

そもそも父親すら明かさず身籠ったアイにまともな恋愛のアドバイスなど出来るわけないし、恋人すらいなかったルビーだって聞く位しか出来ない。

というか聞くだけという気満々なのはアクアにも分かった。

 

「デートは色んなところ行ったけど現在は二人っきりの時間を味わいたいからお家デートでお互い触れ合ってるところだよ」

「ふ、触れ合うとかお兄ちゃんの変態!スケコマシ!学生の内で許されるのはキスまでなんだからね!」

「いや、高校生の男女がキスで止まるわけないだろうが……全年齢対象のギャルゲーじゃないんだから。それにルビーだって流石に恋人と付き合うなら興味あるだろう?」

「私は……好きな人はお医者さんで大人だから……シても大丈夫だもん」

「歳の差的に普通に淫行罪なんだけど……」

 

価値観が色々ぶっ飛んでるルビーにアクアはドン引きする。アクアには学生同士のキス以上は駄目と言ってるのに、ルビー自身は年の差プレイを許容するという矛盾である。

 

「言っておくけど触れ合うだけで本番はしないからな」

「え、本番はしないの?」

 

アイはアクアの言葉にキョトンとする。何せ触れ合うならば次は本番行為をする流れなのだろうとアイは思ってたからだ。

 

「いや流石に高校生で子供出来たらお互い大変になるのは分かってるから容易に出来ないだろう」

「ぐふぅ……やるね…アクア」

 

口から血反吐を吐くアイ。何せ16歳で身籠り、双子を隠しながらアイドル活動を経験して来た猛者だ。理解力が違う。

 

「お兄ちゃんの変態、最低、鬼畜!」

「お前から聞いておいてそれは酷すぎないか」

「男の人っていつもそうだよね…!私達女の子のことなんだと思ってるの!?」

「いや恋人だからしてるんだが……」

 

恋人で子供が出来ない愛撫程度のえっちすら禁止とか修行僧か何かと問いたくなる暴論である。

 

「ルビーこそ俺に散々言ってるが、夜中にお医者さんごっこプレイに没頭して声漏れてるのはちょっと引く…」

「にゃあああ!?お、乙女の純情カミングアウトするとかデリカシーないんじゃないのお兄ちゃん!」

「何おう!拗らせてるのを良いことに兄で憂さ晴らしするとか許せない!表へ出なルビー」

「上等!今日こそ済まし顔を歪めてやるんだから!」

「前回カラオケだったから今回はすごろくで勝負だ」

「相変わらず仲良いよね二人共」

 

アイは平和的な兄妹喧嘩に溜め息を吐く。

というかアクアが喧嘩はしてもゲームや遊びで決着に誘導するので致命的な仲違いが発生しないと言うのもある。

ルビーも一方的に兄が有利なゲームを持ち出さず五分五分の内容で譲歩されてるのと、決着後に尾を引かない約束からか積極的に発散しているのである。

 

こうして今日も星野家は平和であった。




星野アクア(in白亜詩音)
…アイがストーカーに刺されたことで覚醒し、重症のアイを治した世界線。アイが死んでないのと異能があるから、復讐ルート入ってないけど、ルビーやアイに危害をもたらす父親は落とし前つけようか位には思ってる。

黒川あかね
…原作と同じくガチ恋で自殺仕掛けたところを救われて恋人になった。しかし本編ではビジネスカップルではなく、助けたアクアが助けた責任を取る為にあかねから別れるというまでは付き合うことになった。
好きなタイプを安易に聞いたせいで、中身ヤリチンだったアクアに本番NGな代わりに調教プレイされてしまうことになってしまった。アクアと二人っきりで触れられると雌の顔になるレベルで仕込まれてる。

星野アイ
…本編ではアクアに宿ったのが、異能を持つ転生者だったので助かった。ネタバレすると16歳妊娠もヤバいが、身籠ったのがもっと年下の子供で法で裁けないのでアイドルは続けられなかったという設定。

星野ルビー
…兄の情事を知りたくない妹心と恋バナ知りたい乙女心がせめぎ合いくっ殺ロールの話せを言わせてしまった。
本世界線ではゴロー先生が転生してないので恋が実ることはないという悲しき宿命を持つ被害者でもある。
因みに兄が本編でお家デートする為に確認してきた段階で参考資料として今回のプレイを盗聴器で録音してるのは余談である。

重曹ちゃん
…本編最大の不遇。かぐや様は告らせたいの四条眞妃並みにバッドエンドを迎えてしまった。それもこれも浮気したら殺すけど、望めば一緒に地獄に落ちるまで離れないとか豪語するビジネス彼女とかいう濃いキャラのせいである。


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完璧で最強なお兄様(星野アイ、星野ルビー①)

感想のコメントで要望あったので思い付いたの投稿。

一応アイやルビーと肉体関係持つなら幾つかフラグないと至らないと考えて設定作ったのでこの前提が苦手な方はブラウザバック推奨
・アイが刺されたことでアクアの中に宿った詩音が覚醒して、治癒をして治した。しかし刃物へのトラウマが残る。
・ルビーの落ち込んだメンタルを引っ張り上げるイベント

本番シーンあまりないのとフラグ立てる為のシリアス描写苦手な方はブラウザバック推奨。




【前回のアクアとあかねの情事を盗撮するルビーちゃん】
ルビー「これはお兄ちゃんが間違ったことをしないか監視の為だから。決して興味があるとかじゃないから」
アクア『今日はお互いキスだけしようか』
あかね『え?いつもみたいにおっぱいやおまんこに愛撫しないの?』
ルビー「いつもそんなことしてるんだ……お兄ちゃん、やっぱり最低……」
アクア『あんまり昂ぶると本番したくなっちゃうから今日はお休みってことで』
あかね『……私はシても良いのにな……』
アクア『ごめんねあかね。でも本番はせめて大学生、いやゴムありなら高2位ならヤってるか……けどあかねを養う為に出来るだけ高校生で子供が出来るリスクは避けたいんだ』
あかね『うん。アクア君が私のことを思って言ってるのは分かってるの。だから私も待つつもりだよ』
ルビー「ッチ、まさか兄のイチャイチャを見せ付けられるなんて……そういう前振り良いから早くあかねちゃんとチョメチョメして欲しいんですけど(怒)」
アクア『じゃあいつもみたいにディープキスから』
あかね『うん!んちゅ…ちゅる……』
ルビー「うわぁ!やっぱりキスしてる。けど恋愛リアリティーショーと違って舌入れてる!?それって違うの!?」
あかね『んちゅ♡アクア君……もっとしてぇ♡』
アクア『ちゅる……ほら、もっと舌絡めて』
ルビー「うわぁ…うわぁ…これが大人のキスなんだぁ……」

なお数時間後に素知らぬ顔で「くっ…話して」を言う辺り演技の才能を発揮する模様



ママが刺されたあの日、運命の日だったのだと思う。

ママが神様だったなら、お兄ちゃんは本当の意味で神様の子だと私は思った。

 

 

「ルビー……アクア……愛してる」

「ああああああああ!」

 

ママの最後の言葉にお兄ちゃんは絶叫と共に扉越しに輝き出す。

 

「死なせない…死なせるもんか……」

 

お兄ちゃんの悲壮な声と共に一際強い輝きを放ち、扉が開かれる。

 

「ママ!」

 

衣服が血まみれになって横になったママに駆け寄る。

 

「大丈夫、傷は塞いだし流れた血も輸血したから後は救急車が来るまで待てば良い」

「お兄ちゃん……なの…?」

 

ママの側にいたお兄ちゃんは姿や雰囲気が変わっていた。

白いコートに線で繋がる円模様の模様が描かれた帯が背中から伸びている服を着ていた。

そしてママに似た強烈なオーラと呼べるカリスマ性と呼べるものをお兄ちゃんは纏っていた。

 

「そうだよルビー。自分が何者なのか、今分かった。けれど今は母さんを無事に助けることが最優先かな」

 

まるで赤の他人かもと思ってしまう程に変わってたお兄ちゃんがママを見つめる目は愛おしいものを見つめる目でそこは変わってないんだと私は安堵した。

 

そうして斎藤社長夫妻と救急車がやって来てママは病院に搬送され、私達は斎藤家に泊まることになった。

ドーム公演は中止になり、ママは意識不明の状態で入院中だけど、命に支障はないと医師に言われてホッとした。

そして布団で二人っきりになった時にお兄ちゃんに尋ねる。

 

「お兄ちゃんは何者なの?」

「俺は輪廻転生を何度も繰り返してお伽噺みたいな魔法の様な力を集めてる存在だ」

「前に言ってた記憶が戻ったの?」

「そうだよルビー」

 

かつて私は自分と同じく赤子の身で言葉を話すお兄ちゃんに転生者か尋ねたことがあったが、その際に転生者という言葉は分かっても自分が何者なのかの記憶がないと言った。

その際は自分の事を話したくないだけかと思ってたけど、今回の事件で刺されたママを治すなんてことは明らかに普通じゃないから聞かないという選択肢は取れなかった。

 

「ママのことを治したのも魔法を使ったの?」

「正確には異能というけど、それはまあ良いかな」

「でもママが助かったのはお兄ちゃんのお陰だよ。ありがとう」

 

その言葉にお兄ちゃんは顔を歪めた。

 

「そうだね……大丈夫、母さんは目覚めるから。後の事は俺に任せて今は無事を祈ろう」

「うん!」

 

その時の私はお兄ちゃんが悲しそうに言うことの意味が分からなかったけど、嫌なことを考えたくないかのように現実から目を逸らしていた。

だからお兄ちゃんはきっと分かってたんだ。ママの命を助けただけでまだ何も救えてなんかいないということを……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ママが退院して帰って来てから数週間が立ち、夜中に目が覚めた私はトイレから出た後にママの部屋の扉が開いていたのに気付いた。

そしてそこからママとお兄ちゃんの声が聞こえてきた。

 

「ごめんねアクア……何時も寝るまで手を握って貰って」

「謝るのはなしだよ母さん。俺が好きでやってるんだから」

 

扉を覗いて見るとベッドで横たわるママの手を握るお兄ちゃんがいた。

何時も寝るまで手を握ると言う言葉に私はママとお兄ちゃんが毎日行っているのを初めて知った。

だってママは何時も完璧で究極な人でまだ病み上がりでアイドル活動を休止しているけど弱ってる姿なんて一切見せなかったから。

 

「あの時、アクアが治してくれたから助かったけど今でも刺された時の痛みが頭に浮かんで来て震えが止まらないの」

「それが普通だよ。自分が傷付くのは本能的に恐れるものだから……」

「アクアは怖くないの?」

「俺も怖いけど慣れてしまった。だから後悔しないように必要な時は躊躇いなく異能を使ってるんだ」

「ふふっ…私の子供は魔法使いなんだね」

「ルビーも言ってたけど魔法使いみたいなだけで魔法使いじゃないからね」

「ごめんねアクア、本当は私がご飯の用意だってしなきゃいけないのに出来なくて……」

「それくらい良いさ。刺されて包丁を握れなくなるのは当然のことだから」

 

ママとお兄ちゃんの言葉にショックを受けて息を呑む。

ママが今でも刺されたトラウマを負ってることに自分は気づけなかった。

そしてお兄ちゃんはママを助けたあの時には思い至っていたんだ。

お兄ちゃんはママが入院した後、自分が料理を作ると言い出してママが戻って来た後も朝食から夕飯まで作るようになった。

斎藤夫妻も最初は子供に包丁や火を使わせる危険性から難色を示したけどお兄ちゃんが夫妻が見ている前で包丁やフライパンを扱う手際の良さと実際に作った料理が美味しかったからか自然と受け入れられていた。

というかママより美味しかったから、ママが子供に負けたとショックを受けてたのに笑った位には受け入れられていたのだ。

 

「私……最低だ……」

 

ママが助かって良かったと安堵しただけでママが苦しんでいたのに気づけなかった。

お兄ちゃんはママを心配してたから気付けたのに私は自分の事ばかりでママが傷付いてるかもなんて思いもしなかったんだから……

扉から離れてベッドへ戻り膝を抱える。

寝る気にはならなくて自分を責めずにはいられなかった。

 

コンコン

 

扉をノックをする音がする。

 

「ルビー、入るよ」

 

そうしてお兄ちゃんは両手にそれぞれホットミルクを入れたコップを持ってきた。

寝る前なのにどうして持ってきたのか、それが私を心配してなのだと気付けた。

 

「……私が覗いてたの気付いてたの」

「気付いたのは途中からだけどな」

 

そうしてお兄ちゃんからホットミルクを受け取る。私が火傷しないようにある程度冷ましておいて持ってきてたが、熱いから気を付けて飲みなよと一言添えるのを忘れない。

 

「温かい」

「少し砂糖多めにしたけど合うか?」

「うん。美味しいよお兄ちゃん」

「なら良かった」

 

お兄ちゃんは安堵した表情で言う。そして落ち着いてきたからお兄ちゃんに悩みを打ち明ける。

 

「私自分の事ばかりだった……本当はママが苦しんでいたのに気づけなかった……」

「いや母さんはルビーに心配させないように取り繕ってたんだから気づけなくて当然だ」

「でもお兄ちゃんは気づけたでしょ?」

「それは俺前世だけで数百年生きてるからお爺ちゃんより長生きしてるもんだし」

「前世と合わせたら16歳だもん……」

「いや成人してないから子供……いや年の事じゃないんだよねルビー」

「うん……」

「俺が気付けたのに気付かなかった自分が許せないってところか」

「うん……」

 

お兄ちゃんに気を使わせているのが分かる。

お兄ちゃんは何時も私が言いたいことを察してくれる。頭ごなしに否定せずきちんと私の言いたいことを汲み取って理解してくれる。

そんなことが出来るのがズルいと思うけとそれに救われている。

 

「俺さ……ルビーがずっと羨ましかった」

「え?」

「母さんに本気で甘えてるところがさ」

「お兄ちゃん……ママに授乳してもらえなかったことを根に持ってるの!?」

「ごめんルビー……言い方が悪かったから授乳とか幼児プレイの話じゃないんだ」

 

今になってママに授乳したかったとカミングアウトしてきたのかと引いたらお兄ちゃんは速攻で訂正してきた。

私は賢い子だからお兄ちゃんの言い分をきちんと聞いてあげれる度量があるのです。

 

「ルビーは本気で母さんが好きで甘えることで愛情表現が出来ている。母さんと同じく太陽みたいに側にいるだけで照らしてくれるような魅力がある」

「そんなことない……」

「いいや持ってるさ。本気で好きだと思わせることはファンに思わせるだけの魅力がなきゃ出来ない。そういう意味では母さんの才能を一番引き継いでるのがルビーだ」

「本当?」

「俺が保証する」

 

お兄ちゃんは自信を持って口にする。

お兄ちゃんこそ、ママ譲りのルックスに何でも出来る才色兼備っぷりを発揮していた。

そんなお兄ちゃんに言われるからこそ、認められてると思って嬉しいと感じた。

 

「これは前世の話だけど……かつて大切な人のSOSに気付かなかったことがあったんだ」

「え?」

「まるで何時ものように元気に振る舞って死地に向かった。きっと元気に帰ってくるだなんて盲信してさ」

「そんな……」

「俺の場合は失敗を積み重ねて、同じ失敗したくなくて人を見る目を養った。何が言いたいかっていうとルビーが気付けない程に母さんは人に弱みを見せないのが上手い面倒な相手だ」

「んなっ!?ママを面倒だなんて失礼だよ!」

「でも好きなんだ。好きだから面倒だけど放っておけないから見逃さないように見る目を養ったんだよ」

 

お兄ちゃんの言葉には愛情と説得力があった。だからこそ見抜けたのだと。

 

「言い方悪いけど人の弱みを見抜けるのは疑うのと一緒で根が正直なルビーには難しいかもしれない。だからルビーは別のことを鍛える必要がある」

「別の事って?」

「相手を信じて寄り添うこと。人は大切な人に信じてもらえることに安心感を持つものだからな」

「私に出来るかな……」

 

だってママのSOSにすら気づけなかったのだ。信じることに不安がある。

 

「出来るよ」

「どうして?」

「ルビーは本気で人を愛そうとする優しさがあるから。それはアイに甘える形で証明して来たから俺には出来なくて羨ましかったんだ」

 

お兄ちゃんは眩しいものを見るように私に向けて言う。それは手の届かないものに羨望を持ってるかのように……

 

「母さんを本気で愛せるのは俺とルビーだけだ。いや……新しい夫が出来たら別かもだけど」

「何言ってるの。処女受胎したママに新しいパパなんて必要ないんだよ」

「真顔で言うなよルビー……」

 

お兄ちゃんが突然変なことを言うからである。私は悪くない。

 

「失敗した過去よりこれからの未来だ。俺はルビーを頼りにしてる。だから二人で母さんを支えようルビー」

 

手を差し伸べてお兄ちゃんは言う。

 

「うん!」

 

今度こそ私はママを支えると決意して手を取った。

 

けれど私は知らなかった。

愛を知らないママが初めて出来た愛情を向けてくれる存在にどれだけ依存してしまうのか、そして私も前世の記憶があるとはいえママの遺伝子を受け継いでいるのだから好きな人が似通ってしまう可能性を……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ちょっとアイ。駄目だよルビーが午後に帰ってくるんだから」

「駄目じゃないよアクア♡息子が苦しそうにしてたらママが鎮めて上げるのも立派な役目だから」

 

アイはアクアのチンポに舌を這わせながら言う。中学生になり、ルビーが友達の家にお泊り会で泊まってくることになり、午後に帰宅する予定の朝にアクアはアイに性的に襲われていた。

 

「言っておくけど俺は軽く千年近く生まれ変わってるから精液も飲んだら影響出ちゃうから駄目だよ」

「どんな影響が出るの?」

「生命力が強くて滋養強壮や疲労回復とか」

「それ普通に健康に良いものになってるよ」

「それだけならともかく、不死とかじゃないけど老化の遅延まであるから一般社会で暮らすなら不都合だから」

「!?ふ〜ん、じゃあ仕方ないから飲んであげるね♡」

「っく、アイ……」

 

アクアの言葉にアイはチンポを咥えてバキュームフェラを行い精液を飲もうとする意思を強めた。

老化の遅延が女性にとって夢のようなことだとアクアは理解していなかった。

 

ドピュ!ビュルル!

 

アイはアクアのチンポから出た精液を飲み干しながら言う。

 

「あは♡アクアの精液濃厚だね♪」

「全く人の話を聞かないんだからな」

 

アイの言葉にアクアは呆れたように呟く。

 

「ねぇ何してるの……」

 

扉からいる筈のない声が聞こえる。

 

「る、ルビー……」

 

ルビーは扉を開けて目を大きく開いて戸惑いながらアイとセックスをしているアクアに尋ねる。サプライズで帰って来たら聞いたことのない声が聞こえてこっそり覗いてしまったのである。

 

「あはっ♪ルビー起きちゃったね♡内緒にしてたけどバレちゃった」

「アイ……俺をハメたね」

「うん!だってこれ以上仲間外れは可愛そうだから♡」

 

アイは娘に見られてるにも関わらず慌てた様子すらなく答える。

 

「駄目なんだよママ、アクア……私達親子なんだよ……」

「知ってるよルビー。でもね私気づいちゃったんだ。私が初めて愛したのは二人。けどこのまま育ったら二人は別の子と結婚していなくなっちゃう。そんなの私には耐えられない」

 

アイの瞳にはかつてない漆黒の星が宿っていた。自分を愛してくれる存在をどうして手放さなければならないのかと本心で思っていた。

 

「本当はママとして二人の成長を見守るって決めてたのに……でもアクアは息子としてじゃなくて男としても好きになっちゃったんだよ」

「それでも駄目だよ。だって親子じゃ結婚出来ないもん……」

 

アイの悲しい表情に一瞬戸惑うもルビーは引き止める。

 

「知ってるよルビー。アクアの下着でオナニーしてるよね」

「ふぇ!?」

「は!?」

 

アイの言葉にルビーは顔を真っ赤にして反応し、アクアは驚愕する。

アクアが驚いた理由は、ルビーには前世から好きだった初恋の相手がいると聞いていたからである。

だから自分の下着でオナニーするだなんて発想には至らなかったのである。

 

「アクアが知らないのも無理ないよ。だってアクアが事務所の手伝いや監督のところにお泊りで不在の時などの絶対にバレないタイミングでしかやってないから」

 

アイはボイスレコーダーを再生する。

 

『だ、駄目だよお兄ちゃん……私達兄妹なんだよ』

『悪いルビー、でも俺もう我慢できないんだ(ルビーの低いボイス)』

『だ、だめぇ……私にはセンセがいるからぁ…』

『良いよルビー。俺が忘れされてやるよ(ルビーの低いボイス)』

「ああああああああああ!?」

 

流れたのはルビーが声に出しながら自慰に耽けている際の音声である。

ルビーは顔を真っ赤にして奇声を上げざるを得なかった。

 

「ほら来てルビー。私達と一緒に楽しみましょう」

 

まるでサキュバスかのように蠱惑的な表情でアイはルビーを誘おうとするのだった。




本番シーンはカット。ルビーに初恋のセンセーいるならこれくらい兄のメンタルケアフラグ立たないと恋心持てないよなぁというお話。
原作アクアだとセンセーと気付かないと皮肉とかで好感度下げそうだから、困ってる時に何時でも寄り添ってくれる良いお兄ちゃん位じゃないとルビーは恋愛対象に見ないと仮定しています。
ルビーが恋愛感情持つパターン
①センセーと発覚
or
②アイ譲りの容姿+皮肉とかで好感度下げない+ルビーが落ち込んでいる時は必ず自分から寄り添って慰める+幼少期に厄介ファンとかで男に苦手意識あるからルビーに対して下心を抱かずに家族としての親愛を向ける

どっかの王子様ばりのスペックないとセンセーへの初恋抉らせたルビーからNTRとか無理だと……
因みに本編ではまだセンセーよりアクアへの恋心勝ってるわけではなく、オカズとして最適な位に美化されまくってたからって感じです(まあここまで進むと確実に思春期男子並みに性欲でヤっちゃうルートだけど)

え?アイが肉体関係持った描写は?
トラウマ克服+甲斐甲斐しく初めての愛情を息子が寄り添いながら女盛りの身体を持て余したらという感じで……
アイにはカップリング出来る明確なパートナーいないから誰が手を出してもセーフ(カミキヒカルは愛情じゃなくて互いに利用し合う関係だった前提)


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一線越えた後の星野家

本当はアイに誘われてブラコン拗らせて「ごめんねセンセー」と逆レしちゃう話出そうとしたけど、先にこっちを思い付いたので投稿。
推しの子可愛いキャラ多いですよね。
センセーバレしたら、中二までに初夜迎える計画実行しそうなルビーとか、自殺未遂助けたらアクアの為に崇拝から何でもしちゃいそうなあかねちゃんとか、可愛いMEMちょとか、明らかに二十代で通じそうなミヤコさんとか、ショタ喰いやってそうなみなみちゃんとか、不憫な程に可愛くなるかなちゃんとか……
因みにフリルだけはエロシーンが思い付かなかった。いやアンチヘイトとかじゃなく、超常的存在なイメージが出来上がってるので……

※フリルがキャラ崩壊してるので苦手な方はブラウザバック推奨。

【本編とは関係ない変身の異能がバレた場合】
ルビー「オギャバブランドに返して!それかお兄ちゃんが変わりにママに変身して甘やかして!」
アクア「す、済まないルビー。俺にそういうプレイはちょっと…」
アイ「アクア、私ね。お母さんに愛されたことないから私もしてみたいなぁって」
アクア「いや流石にアイのお母さんの姿知らないし……」
アイ「何言ってるのアクア。私のお母さんに甘えたいんじゃなくてアクアに甘えたいんだよ。つまりアクアの姿のままおっぱい作って授乳させて!」
「ん?(TSしろと言われて某宇宙猫)」

重要ではないけど本編のアクアに憑依した白亜詩音の裏設定は【リィンカーネーションの花弁】の原作キャラとは別人ですがダヴィンチの廻り者だった詩音と項羽の廻り者だった女師匠に師事してたという経緯があったり。
そしてはた迷惑な項羽に匹敵しながら暇潰し感覚で地球壊そうと目論む三馬鹿と死闘を繰り広げてたりする。
『推しの子』はバトル漫画じゃないからほぼアイを生かす為に異能持ってる位のスタンスでOKです。



アクアとアイのセックス現場を覗き見たルビーの「ごめんねセンセー」からの処女喪失後のお話。

それは夜9時頃、深刻そうな顔をしたアイにルビーは呼び出された。

 

「どうしたのママ?」

「ルビー、アクアについて大事な話があるの……」

「お兄ちゃんの?」

 

ただならぬ雰囲気にルビーは緊張感を持ちながらも真面目に話を聞こうと席に着く。

 

「今日アクアの部屋を掃除したんだけど、無かったんだ……」

「何が無かったの?」

「思春期特有のオカズ本が……」

「!?」

 

アイの言葉にルビーは戦慄する。ルビーは信じられないとでも言うように否定する。

 

「そんなことありえないよ!だって私達もう中二だよ!周りだって性に興味を持ち出すし、反抗期になってる娘だっているんだよ!」

「ぐふぅ……アクアに反抗期になられたら、想像だけで私キツいかも……」

「う〜ん、それは大丈夫だと思うよ。転生者で精神的には大人だからお兄ちゃんがお母さん困らせることしないと思う」

「そうだね。他のお母さんとかだと反抗期に悩まされるって話だけど赤ちゃんの夜泣きといい二人が転生者で良かったよ」

 

アイはアクアとルビーが転生者であることを安堵する。確かにアイドルと育児の二足のわらじ状態で夜泣きや反抗期は確実にメンタルを削る行為なのだが、理性的な二人は母親を大事にしているのでそんなことはしなかった。

 

「でもお兄ちゃんに性欲無いことはないよね。だって私とママ相手にしても余裕そうだったし……」

「正直私達の方が先にイっちゃうから配慮されてるのはあるね」

 

アイはかつてアクアを繋ぎ止めるべく夜這いを決行した際に愛ある行為に免疫がない為、手マン一つで即イキし、撃退される程の弱々だった。

アクアがこれは不味いと思い免疫を付けさせるのに、一週間掛かった程である。

 

「お兄ちゃん、前世は絶対ヤリチンだったよね!じゃなきゃあんなに上手くて絶倫過ぎる訳ないし……」

「そうだねぇ…幸いなのはヤリ捨てしない位に大事にするタイプなのが救いかなぁ」

「うん。確かにお兄ちゃん、セックスの際は私達に負担掛からないように配慮してくれたり、ピロートークとか楽しませてくれるもん」

 

嬉しそうに話すルビー。

元々ブラコンを拗らせていたのだが、一線越えてエッチも上手いということで更に好感度が上ったのは余談である。

 

「ここは親子本をベッド下に用意すべきかな」

「ママ!兄妹モノも入れて!」

「そうだねルビー。いっそ親子丼本を入れるのもありかも……」

「流石ママ!」

 

二人は完全に自分が対象になるエロ本を差し入れる方向性で話を進めていた。

もし仮にアクアがいたら止めてと懇願していただろう。

だがしかし、暴走はこれだけでは終わらなかったのである。

 

 

 

 

星野アクアにとって最も苦手な人物が誰かと言われれば不知火フリルだろう。

初めに言っておくとアクアとフリルが肉体的関係を持つことは絶対にない。

何ならフリルから誘惑されてもガチ拒絶するレベルである。

 

知り合う切欠になったのは、ルビーをアイドルにするコネクションを作るべく俳優として芸能界で活動していた時である。

時に監督の求める演技をこなし、時にスランプに陥ってた芸能人や撮影関係者に手を差し伸べ手助けすることで着々と人脈作りをしていた時に遭遇した。

時のマルチタレントとして美少女の代名詞とされている不知火フリルである。

そしてフリルはアクアを見た途端に驚愕し、

 

「貴方の前世はダヴィンチ?」

 

ピシッと固まるアクア。まさかの輪廻転生を看破されるだけでなく、廻り者の前世である偉人すら看破してきたからである。

廻り者、それは輪廻の枝と呼ばれるもので自らの頸を切って前世の才能を引き出した者を指す。

アクアの元の人格である白亜詩音はダヴィンチの廻り者だが、数多くの輪廻転生を繰り返した結果、得た才能以外の容姿や花弁は引き継いでいなかったので関係者でもまず見抜けない筈である。

否定することは出来るが、どうやって見抜いたのか分からない相手に取り繕うのは困難である。

だからアクアは慎重に答えることにする。

 

「合ってる。君も廻り者か?」

「廻り者?違うけど……」

「どうしてダヴィンチだと見抜いた?」

「直感。貴方からは他の人よりもオーラが凄いのと、それがダヴィンチを型どってるように見えたから」

「オカルト的な根拠だぞそれ……」

「だって今目の前にいるもの」

 

正論だが転生者以上のスペックで看破し受け入れるという柔軟性は異常である。

この時点で不知火フリルはアクアにヤベー奴認定されたのである。

因みに何が出来るのと尋ねられ、変身とか瞬間移動とか分身とか戦闘系以外の異能を見せたら楽しんでた辺り、異常者なのを再実感した。

 

ピロリン!

 

撮影現場での休憩中、着信が来たのでアクアはスマホを開いてラインの件名を見る。

 

「ぶっ!?」

 

そこにはアイの黒い下着姿のエロ自撮りが送られてきた。

 

『撮影頑張って☆ママからのサービスだよ♪』

 

「どうしたのアクア?」

「いや、想定外のものが飛んできて困惑してる……」

 

馬鹿正直に母親のアイからエロ自撮り送られましたなんて言える筈ないので画面を見せないように閉じながら言葉を濁すアクア。

 

「正直ドキドキした?」

「合ってるけど心読まれてるみたいで怖い!」

「アクアの心拍数の向上と羞恥心が感じ取れたからつい」

「そこから予測したと……」

「うん。母親からそんな画像を送られるなんて相当好かれてるねアクア」

「名探偵かよ……」

 

因みにここまでアイからエロ自撮りを送られましたとかフリルに言ってない。

つまり画像を見た際の心拍数と羞恥心の機微を洞察力だけで何が送られたのか推理したのである。

 

「名探偵フリルちゃん……アクアの迷宮入りの修羅場に心が踊ってる」

「止めろ……それは俺に効く」

「対岸の火事って楽しいよね」

「目をキラキラさせながら言うな」

 

因みに妹に逆レされた後に出会った際に「今度は妹とだなんてアクアはエロゲーの主人公なんだね」と言われて胃にダメージを与えられたのは忘れてない。

仮に脅したりしてたら口封じも視野に入れざるを得ないが、彼女はそれをネタに何かを要求せず守秘して楽しんでる愉快犯である。

実害はない……かなぁ。アクアのメンタルはドボドボだがアイやルビーに悪影響はないのである。

 

 

収録後の夜ご飯を食べ終えて自室で寛いでいたら扉にノックされる。

 

「お兄ちゃん、入って良い」

「良いよ」

 

ガチャリと扉を開けてルビーがやって来た。

 

「今日の収録どうだったのお兄ちゃん?」

「不知火フリルと共演の撮影だったよ」

「えぇ!?今推しの子だよ!良いなぁ……」

「ルビーもそのうち会えるさ」

「うん!ありがとうお兄ちゃん!」

 

ルビーは満面の笑みで答えて、スカートの中に手を突っ込んで、自身が履いているパンツを降ろして足から外して……

 

「はい、お兄ちゃん。私のパンツをオカズに使って良いよ」

「ちょっと待とうかルビー」

 

アクアは状況が理解出来なかった。

さっきまで今日の活動内容で雑談してたら妹が突然パンツを脱ぎ出してオカズに使って良いよと差し出して来たのである。

幻術か、幻術にでも掛かってるのか?

何の脈絡もなくルビーがパンツを差し出す子とは思いたくないからである。

 

 

「え、私じゃ興奮しないの……」

「正直妹じゃなければ告白する位には可愛いと思ってるよ」

「じゃあ良いよね♪」

「けど格好悪い。兄として妹の前で格好悪い姿を見せたくない。だからルビーのパンツを使って自慰はしない」

 

既に一線越えた自分が兄妹だからという免罪符は使えない。

だから正直な気持ちで断ったのである。

というか妹の前では格好良い兄でいたいアクアとしては妹のパンツで自慰行為するとか思われたくすらないのである。

 

「ごめんなさいお兄ちゃん。私が間違ってたよ」

「分かってくれたかルビー」

「オカズだけ渡して満足だなんて愛がないから、私がシて上げれば良いよね!」

「おい」

 

ルビーに押し倒されるアクア。そしてズボンを脱がされ男性器を取り出すルビー。

 

「いやなら力付くで剥していいよ」

「俺がアイとルビーに乱暴出来ないの知ってるだろうが!」

「うん、知ってる」

 

仮に他の女なら力付くで引き剥がす位は行うのだが、大切だからこそ傷付けられない。

そしてパンツをアクアのチンポに被せる。

 

「現役JCのパンコキだよ!いっぱい気持ち良くなってねお兄ちゃん♡」

「うわぁ…止めろルビー」

 

シコ♡シコ♡シュッシュッ

 

さっきまで履いてたからか体温の感触と興奮してたのか若干湿ってる感触を感じながらの行為にアクアは快感を感じる。

 

「ほら妹のパンツで気持ち良くなって、シコシコしてあげるから♡」

「っく、ルビーこんなの何処で覚えて……」

「ママも私もお兄ちゃんにヤられっぱなしじゃないんだよ。だから勉強は欠かさずしてるんだから」

 

だったら学業の方に力を入れてくれと言おうと思ったアクアだが射精の限界が来ていた。

 

びゅ♡びゅ♡

 

「あは♡お兄ちゃんの精子沢山出たね。パンツ汚されちゃった♡」

 

ムワァとしたパンツを広げて嬉しそうに話すルビーは妖艶な雰囲気を作り出していた。

そして精子で汚れたパンツを履き直すルビー。自分の精子で汚したパンツを履かせる変態プレイは間違いなく征服欲を満たすのを分かった上でルビーはやっているのだ。

 

「じゃあお兄ちゃんもスッキリしたから今日はこれで終わりね」

 

そう言って立ち去ろうとするルビーの肩を掴んで今度はアクアからルビーを押し倒す。

 

「ここまでヤっておいて何もされないと思ったかルビー」

「ねぇ…止めよお兄ちゃん。兄弟でこんなこと間違ってるし、私には好きな人がいるの……」

 

今更何言ってるんだと思えることをルビーは口にする。しかしアクアはルビーの意図を理解する。

これは誘い受けであり、目を潤ませ頬を紅潮させてるルビーはアクアから襲うのを待ち望んでいるのを……

 

「……」

「だから元の兄妹に戻ろう?私今の家族のままが幸せなの。大好きなママがいて、優しくて頼りになる大好きなお兄ちゃんのままでいて欲しいの……

ママだけじゃなくて私のことを押し倒してレイプしちゃうお兄ちゃんになっちゃ嫌なの……お願いお兄ちゃん」

「ルビー、ゴム付けてするか本当に二度と手を出さないのどっちが良い?」

「許してセンセー……私今日もお兄ちゃんにレイプされちゃうの♡」

 

ルビーはあっさりと持ってきていたコンドームを取り出し口に咥えてアクアのチンポにコンドームを取り付ける。

本気で関係を清算などする気はなく、楽しんでるのであった。

 

ズプププ〜♡

 

「あっ♡あっああああん♡らめっ♡待ってぇ…♡もっと…ゆっくり…ぃ♡おゔ♡おぉん♡」

 

ルビーはコンドームを付けたアクアのチンポを入れられただけで感じてしまう。

 

「らめっ♡すぐ…ぅっ♡動かさないでお兄ちゃん♡」

 

何時ものように挿入されてイきそうになるルビー。

 

「あっ♡はぁッ…あっ♡奥まで来てる♡あぁあッ♡あっ♡」

 

今日もルビーは兄にイかされるのであった。

 

 

 

 

 

ルビーとセックスした次の日、また共演することになったフリルに挨拶する。

 

「おはようフリル」

「おはようアクア」

 

お互いに挨拶を済ませて現場に入ろうと歩く中、

 

「ところで妹のパンツコキは気持ち良かった?」

「!?」

 

フリルからの言葉にアクアはびっくりする。

 

「盗聴とかしてないよなぁ……」

「うん。流石に犯罪だからしてないよ」

「逆に怖いよフリル」

「こんな美少女捕まえて怖いとか失礼だね」

 

フリルの怖さを再実感したアクアであった。




不知火フリル
肩書き:マルチタレント、理外の神童
…原作だとルビーが推すマルチタレント。本編ではアクアがハイスペック過ぎたせいで初見でアクアの前世の本質を見抜く神童。
こいつ等交尾したんだ張りに出会う度に見抜いて楽しんでる愉快犯。
因みに他作品で言うなら継国縁壱とかサイタマとか主人公補正を上回る理の外にいるレベルの神童扱い。
カミキヒカルが狙ったら、刺客を防がれるだけでなく証拠含めて黒幕に辿り着いて追い詰められたヒカルが自殺せざるを得ない位には悪意を持って関わってはいけない女と思ってくれたら良い。

もしカミキヒカルが殺害計画実行しようとしたら

①厄介ファンを焚き付けて殺害に移そうとするが、天運に愛されてるのでフリルのボディーガードが防いで殺害未遂に終わる。
②推理ドラマレベルの有能刑事が取り調べを行い、裏で関わる黒幕の存在を調べ出す。
③アイ以外にも芸能人殺害してたり、口封じで本来殺す予定のないゴロー先生殺しちゃったり(手術中ならともかく行方不明になってもアイの出産に影響無かったことから他の執刀医がいたと考えられるので代わりがいる存在をわざわざ殺すことに意味が感じられないとされる)とガバ起こしてるので、余罪からカミキヒカルに繋がる証拠を見つけ出し家宅捜索令状まで追い詰められて最後は捕まるくらいなら自殺を決行。
④ここまでの流れは一週間位で進むとする。

原作アクア君とあかねちゃんは泣いていいレベルで雑に処理されるバグキャラ扱いである。


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ルビーのセンセー探し

ルビーが兄でオナニーしちゃう位のブラコンになるのにこういうフラグを積み重ねてますよって話。
本編でやらなかったけど、アイが死んでなくてもセンセー殺されてたの発覚したら復讐√突っ走りそう。
他にはセンセー死亡発覚後にカラスの少女から殺されたと聞かされる前の慰めックス√とか、母親に愛されてなかったと発覚しての兄依存√とかあったけど、ドロドロ感ありそうだったので没。
今回はエロ描写は無いのでエロ見たい方はスルーで良いかも。


「センセーを探して欲しい?」

「そう!お兄ちゃんなら行方不明になってるセンセーを探せるでしょ!?」

 

ルビーの言葉にアクアは顔をしかめる。

 

「出来ないの?」

「見つかるかはともかく捜索系の能力は幾つかあるから探すことは出来るな」

「じゃあ!」

「俺の心情を抜きにして手伝うのは構わない」

「心情ってお兄ちゃんは反対なの?」

 

ルビーは尋ねる。自分の兄はルビーのやりたいことにいつも協力してくれる。

しかし回りくどい言い方をする際は内心反対だったりなど必ず理由があるから聞くようにしているのだ。

 

「探した結果、ルビーが悲しむ可能性があるから心情的には反対ってだけだ」

「悲しむ可能性って何?」

「行方不明を探す場合、良いパターンと悪いパターンの2つがある」

 

アクアは指を二本立ててルビーに言う。

 

「まず良いパターンは何処かで結婚して家庭を持ってる場合」

「グハッ!?……それの何処が良いパターンなの……」

 

恋する乙女としては他の女と結婚しておりゲームセット状態だからか、吐血しフラフラな状態で尋ねるルビー。

 

「ルビーの話ならモテるらしいし、結婚しててもおかしくない。そして結婚してようがアイドルデビューしたルビーを推しに出来るだろう」

「うぅ~、合ってるけど……センセーの推しになる夢は達成してるけどぉ……試合に勝って勝負に負けてる感がする〜」

 

未練たらしく言うルビーにアクアは続きを話す。

 

「悪いパターンは無事でない場合だ」

「無事でない場合って……」

「心身共に重体や意識不明などでそれどころじゃないか、死んでるかだ」

「っ!?そんなこと絶対にない!」

 

一瞬息を呑むが認めないと叫ぶルビー。

 

「センセーが死んでるなんて絶対にないよ!」

「ルビー落ち着け」

「だってお兄ちゃんが酷いこと言うから!」

「俺の目をハッキリ見て冷静だと言えるか?」

「!?」

 

アクアはルビーに正面から目を合わせて落ち着かせる。

基本的にルビーの我儘などもアクアは要求を受け入れる位に譲歩するのだが、間違っている場合や正す場合にはアクアは決して引かない。

そしてルビーもアクアがイタズラなどでなく真面目な時にだけ行う行為にルビーは条件反射で目を合わせることで気持ちを落ち着かせる癖が出来ていた。

 

「ごめんなさい。お兄ちゃんの言う通りだし、冷静じゃなかった……」

「うん。落ち着いてくれて何よりだ」

 

ルビーの頭を撫でるアクア。

ルビーが間違いを正した際には頭を撫でられると気持ちがポカポカしてくるので嫌いではなかった。

 

「外傷だったら治せるが意識不明だと目覚めるのは本人次第だし、記憶喪失へ対応できる力は生憎保有していない」

「異能を集めてるのに持ってないの?」

「昔ちょっとあって記憶操作系の異能は意図的に得ないようにしてるんだよ」

 

苦虫を噛み潰したような表情で言うアクアにルビーは触れて欲しくなさそうだと理解して追求するのを止めた。

 

「死者蘇生系は……無理だな。今まで俺も探してきたが大体が自分の命やそれに匹敵する物と引き換えにとか、不完全な状態での復活、もしくは死亡直後の遺体が劣化前で魂戻すだけとかだから時間が立ってる可能性が高い今回は無理だ」

「お兄ちゃん、死者蘇生も出来るんだ……」

「元々俺が転生した目的が……いや、今回は関係無かったから脱線したから話を戻す。後は本当に行方不明のパターンだな。最初に見つかるかと言ったのは行方不明者が見つからないパターンが幾つかあったから100%の断言が出来ない」

「例えばどんなパターンがあるの?」

「例えば深海に沈んでるとか、宇宙に飛ばされてるとか、異世界に飛ばされてたら俺じゃ探せないな」

「スケール大きすぎない!?」

「過去にあったからな。後は死骸を食べられてましたとかも判別出来ないからこれも無理だ」

 

その場合は既に死んでるのだが、アクアとしては判別手段がないから行方不明と変わらない扱いである。

 

「少なくとも探せば結果は分かるが現実を受け入れる覚悟が必要だ。行方不明者の生存率は限りなく低いから悲しむことになるかもしれないなら手伝いたくないってのが俺の心情だ」

「……私が望めば探してくれるんだよね」

「……ああ、探してやる。反対だが、決めるのはルビーだ。アイドルになるまで保留にするという選択肢だってあるがな」

「お兄ちゃんはそういう現実逃避って嫌いじゃないの?」

「俺が嫌いなのは努力を怠る手段の現実逃避だ。全ての人間が現実と向き合えるわけじゃない……俺もかつてそうだったしな」

「お兄ちゃんも?」

「そうだ。かつて師匠を殺されて復讐をしたことがある。復讐を成し遂げたのは良いが、後に残ったのは大切な人を失った虚無感と周りを巻き込んだ罪悪感……正直当時の仲間がいなかったら自殺してたまであるな」

「そうなんだ……」

 

ルビーは今の何でも出来るアクアを見てきて意外だと思った。

復讐に時間使ってる位なら今いる大切な人の為に時間を使いたい言いそうなイメージすらあったからだ。

 

「問題はルビーは直情型だからもしセンセーに何かあったら復讐かアイドルへのやる気喪失を起こすと思う」

「!?それは……」

 

ルビーはその言葉に詰まる。

何せルビーがアイドルになりたい最もな理由はセンセーに認められたいという承認欲求だからだ。

 

「そうだね……やっぱり止めとく……」

「本当に良いのか?」

「ごめん……怖いの……センセーがもし生きて無かったと知っちゃったらきっとアイドルを目指すことも出来なくなっちゃう……それか復讐を糧にしないと立ち上がれなくなっちゃうのが分かるの……」

 

ルビーは項垂れるように呟く。

まだセンセーがどうなってるかは確定していない。

けれど想像するだけでも怖いのだ。

病室で命を終えた時に最後に自分を愛してくれたのはセンセーだけだった。

だからルビーはもしセンセーが死んでた時に本当に孤独になるんじゃないかと身体が震えてしまう。

ルビーが不安を抱えているのを理解したアクアはルビーを優しく抱き締める。

 

「例え前世が何だって良い……ルビーが、これからどうなろうと俺はお前のことを兄妹としてずっと愛している」

「!?」

「アイも同じだし斎藤夫妻もルビーを大事に思ってる。前にルビーの前世は聞いたが今のルビーを愛してくれる人は沢山いる。まずはその愛に答えることからでも遅くはないんじゃないかな」

 

アクアの言葉に胸が温かくなる。

ルビーがアイドルになるのを斎藤夫妻は事務所を立ち上げてサポートしてくれている。

推しであり大好きなママもアイドルになるのを応援してくれている。

そして目の前のお兄ちゃんは例えアイドルになれるかに関係無く兄妹として愛してくれると言ってくれる。

確かにルビーは前世で得られなかった愛に満たされていたのだ。

 

「ずるいなぁ……お兄ちゃん……何時も私が欲しい言葉をくれる……まるでセンセーみたい……」

「それは当然だろう。だってルビーのたった一人のお兄ちゃんだからな」

「お兄ちゃんはセンセーじゃないんだよね……」

「違う。少なくとも前世でルビーと会ったことはない」

「センセーっだって偽っても信じちゃいそうなのに……」

「俺はルビーの味方だから傷付ける嘘は付かない」

「……優しい嘘じゃないの?」

「ルビーの味方が減るのに優しい訳ないだろう」

「何それ……変なの……」

 

アクアの暴論にルビーはクスッと笑う。

 

「あ〜あ、お兄ちゃんは意地悪だよね。何時も私お兄ちゃんに泣かされちゃってるもん……」

「ちょっと待て。俺はルビーに意地悪していたのか……」

「冗談だよ。お兄ちゃんが何時も私の為に頑張って支えてくれてるのは知ってるから……だから私もお兄ちゃんがこれから先どうなろうと兄妹として愛してるよ!」

 

ルビーは屈託のない笑顔で言うのだった。

 

 

 

数日後、話したいことがあるとルビーに言われてアクアの部屋で話を聞くことになった。

その際にルビーにあすなろ抱きを要求されてである。

 

「えへへ…ありがとうお兄ちゃん。温かいなぁ」

「それなら良かったよルビー」

「私分かってたの……お母さんに愛して欲しかった。だけどお母さんは私を愛しては無かったの」

「うん」

「だから今のママに代替を願ってたの。そんな汚い願いを押し付けた」

「うん」

「ママが刺された時に思ったの。私に関わった人は不幸になるんじゃないかって……」

「うん」

「アクアがママを助けてくれなかったら、きっと私は不幸しか運ばないって思ってもっと追い詰めてた……それを否定したくてアクアにセンセーを探してと頼んで最悪死んでたらと思うと怖くて……辛くて……」

「うん」

「お兄ちゃんにどうなろうと愛してるって言ってもらえて満たされて……思ったの。私は……本当は、誰かに愛されたかっただけなんだって……」

 

ルビーはアクアの抱きしめる腕に自身の手を合わせながら言う。

 

「だから決めたの。センセーのことは一旦保留、それより先にアイドルになってから探してもらうって……」

「それがルビーの決断か?」

「うん。まだ私は何者にもなれてないし、何も出来てない。かつて憧れたアイドルになりたいという夢に嘘を付きたくないから」

「そうか……」

「もしセンセーがいなくても……お兄ちゃんは私を愛してくれる?」

「当然だ。言っただろう。俺はルビーのお兄ちゃんだからな」

「言っておくけどみっともなくわんわん泣くよ。だって初恋の人だし、アイドル目指す切欠の人だもん」

「泣いたって良いさ。だって大切なんだろう?」

「うん!」

 

ルビーのはっきりした返答にアクアは微笑ましげに頭を撫でるのであった。

 

 

 

 

 

番外編〜もしアクアが俳優路線じゃなかったら〜

 

「ねぇお兄ちゃん、私がアイドルになる為のコネクション作る為に俳優になったって言ってたよね?」

「そうだけど」

「もし私がアイドルにならなかったらどうしてたの?」

「そうだな……あらゆる才能あるから学問、武道、芸術の分野で億単位稼いでたかなぁ」

「億!?」

「あらゆる偉人の才能集めてるから出来なくはない。まあやり過ぎると金銭感覚バグって周りを不幸にするから、大半は貯蓄に回すけど……」

「おぉう……今更だけどお兄ちゃんって本当に規格外だよね……」




星野ルビー
…本編ではアイの死亡回避、センセーの遺体や前世の母親が愛されてなかったのに直面する前にアクアにメンタルケアされたことで強かになった。
もう前世の母親については振り切れてるし、センセーの遺体に直面しても号泣はするだろうが必ず立ち直る。
何せ推しであるアイとどんなことになっても兄妹として愛すると言ってくれたアクアがいるから……
因みにこの頃から兄の匂いに興奮するようになり始めるのは余談である。


【IF〜兄とセックスしまくって強かになってしまった場合〜】
「ごめんねセンセー。センセーと付き合ったら……我慢するから……だからそれまではね♡…じゅるる…」
「ルビー、明日探しに行くんだからそろそろ止めに……」
「駄目だよお兄ちゃん。明日何があるか分からないから、お兄ちゃんの素を補充して起きたいの♡」


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