特典で稼ぐ王者 (ボルメテウスさん)
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第0話 この世界の王者

未だに完結していないシリーズの新シーズン。
今回は雨宮達とは違うメンバーで行っていきます。


日本のどこかの高速道路。

 

それは深夜という事もあってか、誰もいない静かな夜の中で甲高い音を立てながら、猛スピードで疾走する車が一台あった。

 

「ちっ、なんでだよっなんでだよなんでだよっ!!」

 

車を運転している男は何が起きているのか分からず、アクセルを強く踏みながら、何から逃げるように走っていた。

 

周りには人影はいないが、それでも男は怯えが止まらず、そのまま車を走っていた。

 

そんな時だった。

 

突然、ピィーと鷲を思わせる音が男の耳元から聞こえ、男は周りを見渡した。

 

迫りつつ何かに怯えながら、前を見ると、そこには赤い翼が男の視界を封じた。

 

「なっ!?」

 

突然の出来事で驚きを隠せなかった男はそのままブレーキを踏むのと同時に、車を通して強い衝撃が車に襲いかかる。

 

「まさかっ!?」

 

男はすぐに車のドアを蹴り上げて、そのまま外へと飛び出す。

 

同時に男が運転していた車は横転し、そのまま高速道路上で爆発する。

 

「はぁはぁ」

 

ゆっくりと男は視界を上に向けると、そこにいたのは4匹の獣だった。

 

赤の鷲、青い鮫、黄の獅子、緑の象。

 

その特徴的な4匹の獣の姿を身に纏った戦士が、男の前で立ちはだかっていた。

 

「お前らっよくもよくもよくもぉ!!」

 

「お前が人々を苦しめているのが、原因だろ」

 

男は顔に青筋を立てながら怒りを露わにさせると共に、赤の鷲の瞳は冷酷に男を睨み詰める。

 

「お前はっお前は一体なんなんだよぉ!!」

 

その言葉と同時に男の姿は変わっていった。

 

先程までの一般人を思わせる姿から変わり、全身が緑色の蛙を思わせる鎧を身に纏うと同時に、その手には人一人分の大きさを誇る槌を手に持っていた。

 

「俺達はジュウオウジャー。

この世界を守る為の王だ」

 

「王だとぉ、巫山戯るなぁ!!」

 

その言葉と共に男は手に持った槌を大きく持ち上げ、地面を叩きつける。

 

同時に地面には大きな亀裂が出来上がり、地面は割れ、欠片は下にある街へと降り注がれそうになる。

 

「まったくよぉ、名乗るのは良いけど、少しは考えろよなぁ!!」

 

その言葉と共に黄の獅子は誰よりも早く地面へと辿り着くと同時に右腕を太くさせ、迫り来る瓦礫に目を向ける。

 

「3連釘パンチ!!」

 

その言葉と同時に黄の獅子から放たれた一撃は瓦礫を瞬く間に宙へと押し上げ、3度の衝撃が瓦礫を完全に空へと舞い上がらせる。

 

「サバンナの王者、ジュウオウライオン!!」

 

ジュウオウライオンの名乗りを上げると同時に青い鮫はその手に持った銃を構える。

 

「派手なのは別に良いですが、芸術性が足りません!!

なので、見せましょう、私の奥義を!!」

 

その言葉と共に手に持った銃を構える。

 

「荒海の王者、ジュウオウシャーク!

そして、エクスプロージョン!!」

 

ジュウオウシャークが放った言葉と同時に銃から飛び出たのは溶岩を思わせる赤い光は瓦礫を瞬く間に消滅させる。

 

「快感!!」

 

それを見て、すっきりしたように、ジュウオウシャークはそのまま地面へと倒れ込む。

 

「なゅなんなんだよっこいつらはっ!!」

 

「見て分からないか?

正義の味方だよ!!」

 

その言葉と共に男が手に持っていた槌を押さえつけるように現れたのは緑の象だった。

 

一瞬の事で混乱している男に向けて、緑の象が蹴り飛ばされてしまう。

 

「森林の王者 ジュウオウエレファント!」

 

「ぐぅがはぁ!!」

 

地面を叩きつけられながら、吹き飛ばされ、それでも諦めないように男は背中にあるジェット機から炎を放ちながら、空を跳ぶ。

 

「大空の王者 ジュウオウイーグル!」

 

「なっ」

 

そんな彼を待ち伏せていたように、ジュウオウイーグルはその手に持った剣で一閃すると共に地面へと降り立つ。

 

同時に男は悲鳴をあげ、爆発を起こした。

 

同時にジュウオウイーグルは手に持っていたキューブを構えると、爆発の中にいた男はキューブに向けて、吸い込まれていく。

 

同時に男から何かを吸い上げると同時に、男はそのまま地面へと叩きつけられる。

 

「今回の賞金は100万円か。

特典はガンダムグシオンか」

 

「ロボット系ですか?

それにしても100万、久しぶりに新品の服を「今回の戦いで出た修理代で消えるぞ」えぇ!?」

 

その言葉と共にジュウオウイーグルは手に持っているキューブのボタンを押すと、先程まで崩壊していた高速道路は全て修復される。

 

「またですか!!

もう良い加減新しい服が買いたいです!!」

 

「お前が爆裂魔法を使わなければ、被害が少なく賞金も手に入るんだぞ」

 

「私の生き甲斐です。

それは無理です」

 

そう言いながら、ジュウオウイーグルとジュウオウシャークは睨み合っていた。

 

「おいおい、2人共。

そんないつもの事で喧嘩するなよ」

 

「ふっ若い奴らだから良いじゃないか。

それよりも、良い酒は手に入ったか?」

 

「あぁ今日は太陽酒が手に入ったぜ」

 

「おぉ、お前がいると、本当に食べ物には困らないぜ」

 

そんな2人の様子を見ながら、ジュウオウライオンとジュウオウエレファントは戦いが終わった後の食事に胸を驚させた。

 

同時に彼らの変身は解除される。

 

「とにかく、今度親父から新人が入る事になったらしい。

なんで、こっちなんだよ」

 

そう言いながら、変身を解除した少年は手慣れた動きでジュウオウシャークに変身していた少女を背負う。

 

「それだけ私達が活躍している事ですよ。

あっ今日は肉が良いです」

 

背負われた少女は自慢げに言うと共に、夕食の提案をするように話しかける。

 

「おぉ、今日は冥界にいたケロベロスのステーキだ。

ハデスのおっさんが駆除に困っていたから、大量にあるぜ」

 

「犬の肉か。

美味いのか?」

 

そんな事を言い合いながら、ゆっくりと彼らは帰り道を歩いていった。

 

彼らは動物戦隊ジュウオウジャー。

 

この世界を守るスーパー戦隊であり、そして

 

「はぁ金が欲しい」

 

貧乏である。



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第1話 死神の鷲

駒王学園

 

そこは駒王学園にある元お嬢様学校であり、この年から男子生徒も受け入れ始めた学園である。

 

「あぅ」

 

そんな駒王学園に入学した生徒の一人、雪音クリスは戸惑っていた。

 

彼女がこの街に訪れたのはたった一日しかない事もあり、緊張で顔を赤くさせながら、周りを見ていた。

 

「うぅ、仕事とは言え、一人は寂しい」

 

そう言った彼女は少し緊張して、涙が出そうになっていた。

 

(((かっ可愛い)))

 

そんな姿を見ていた新入生全員が思わず思ったのはその一言だった。

 

寂しい兎を思わせる姿もあってか、クラス全員の評価は互いが、この場にいる全員があまりにもレベルの高すぎる容姿に話しかけられずにいた。

 

「そういえば、隣の子、まだ来ていない」

 

ふと、気付くと入学式を終えた後に隣にいた人物がいない事に気付いたクリスはふと疑問に思った。

 

その少年は赤い髪が特徴的な少年だった為、クリスは記憶に残っていた。

 

「そう言えば聞いた。

この学校の噂」

 

「噂?」

 

「うん、なんでもとある場所で電話すると、電話から出てきた手に吸い込まれて、人がいなくなるって」

 

「っ!!」

 

その噂を聞くとクリスはすぐに聞き耳を立てた。

 

「えぇ嘘」

 

「本当、実際にいなくなった先輩がいたらしいよ」

 

「それっ本当なの?

どこでかけちゃいけないの?」

 

「確か高等部の北校舎であまり使われていない裏口から電話をかけていなくなるって」

 

(もしかしたら、転生者かもっ!)

 

その噂を聞いたクリスはすぐに校舎の地図を確認した。

 

(私のような人を増やさない為にもっ!)

 

この雪音クリス、彼女はこの世界の住人ではない。

 

元々は別の世界で非業な死を迎えた彼女は、自身と同じような理不尽な死を防ぐ為にこの世界に来た。

 

そして、当初はこの世界で活動している対転生者チームと合流する予定だったが

 

「すぐに行かなきゃ」

 

普段の臆病な雰囲気はなく、そのまま目的の場所へと向かった。

 

「だけど、本当にこれが役に立つの?」

 

そう言い取り出したのはこの世界に来る際に渡された物だった。

 

『それは向こうの世界で戦う時に必要になる物だよ。

こことは別の世界で戦っているチームが使っていたアイテムを参考に作られた新型武器。

まぁ詳しい話は息子に聞いたら分かると思うよ』

 

「あはは」

 

その時に思い浮かべた能天気な神の言葉を思い出しながら、目的の場所へとたどり着いた。

 

「確か、ここだよね。

よし」

 

そう言い、クリスは取り出したスマホに電話をかけた。

 

しばらくプルルという音が鳴りながら、クリスは冷や汗を出しながら、構える。

 

そして

 

『モーシモーシモーシモーシ』

 

「っ!!」

 

クリスはすぐにスマホから手を離そうとするが、スマホから出てきた細長い腕はそのままクリスの手を掴んだまま離さなかった。

 

「もしかしてっ、これがスマホのっ!」

 

クリスはすぐにカバンの中からある物を取り出そうとするが、身体を完全に縛られ、身動きが取れなくなってしまう。

 

「ぐぅ!」

 

身体を締め付ける痛みと共に指先からゆっくりと別の何かに書き換えられる感覚がクリスに襲い掛かっており、彼女は眼をぎゅっと閉じる。

 

「もう終わりなの」

 

「まったく、何時までも来ないと思っていたら、説明を聞かずに仕事か」

 

「えっ?」

 

聞こえてきた声に驚きながら、彼女を抱きかかえた別の誰かによって細い腕は斬られ、そこからゆっくりと後ろへと下がる。

 

「あなたは」

 

目の前にいたのは、クリスがこの世界に来て初めて見た人間だった。

 

「今日からお前の上司になる予定の六道りんねだ」

 

「あなたがっ!!」

 

驚きを隠せないクリスだが、そんなクリスを無視して、りんねはその手に持った物をスマホに向けた。

 

「それは」

 

「ジュウオウチェンジャー。

俺達の活動においては必要不可欠の物だ」

 

同時にジュウオウチェンジャーから出てきたのは目の前に出てきた存在を示した。

 

NEME:インフェルノモン

TYPE:モンスター

賞金:10万円

概要

ありとあらゆるネットワークに侵入してデータを破壊する生命体。

人間の感情を受けやすい生命体デジモンの為か、孤独を埋めたい転生者の心影響を受けた結果、電話した相手を取り込むようになっている。

進化を続ければ、世界の危機がある為、要注意

 

「えっこれって」

 

「目の前にいる奴の情報だ。

ジュウオウチェンジャーは相手の情報を知る事ができる。

転生者に会ったら、まずは敵の情報を知れ」

 

「はっはい」

 

「とりあえず、お前は下がれ」

 

そう言うと、りんねはクリスを降ろす。

 

「わっ私だって、派遣されたばっかりですが、戦えます」

 

そう言いクリスはバックの中に仕舞っていたジュウオウチェンジャーを取り出す。

 

だが、それはりんねの持つジュウオウチェンジャーとは違い、色は白一色だった。

 

「ジュウオウチェンジャーが未だに覚醒していないお前が一緒に戦っても邪魔になるだけだ」

 

「それは」

 

「だけど」

 

そう言って、ジュウオウチェンジャーを構えながらりんねはクリスを見つめる。

 

「やる気があるだけでも合格点だ」

 

【イーグル】

 

「本能覚醒!】

 

【アーアーアアアーッ!】

 

その音声がジュウオウチェンジャーから鳴り響くのと同時にりんねの身体は赤く包み込まれる。

 

そこには全身が赤く、鷲を思わせる絵が胸に描かれている戦士がそこに誕生する。

 

「これが、転生者に対抗する力」

 

その出現にクリスは驚きながら、りんねはゆっくりと構える。

 

「大空の王者ジュウオウイーグル!」

 

その声と共に、りんねは自身の名、ジュウオウイーグルを名乗り、構える。

 

インフェルモンは同時にジュウオウイーグルに向けて、口を開くと次々と銃弾を放っていく。

 

同時にジュウオウイーグルは構えると、手の中に納まったのは巨大な一本の剣だった。

 

ジュウオウイーグルはすぐに剣を構え、走り出した。

 

銃弾はジュウオウイーグルに当たる事なく、まるで先読みをしているように次々と攻撃を避け、インフェルモンに攻撃を仕掛ける。

 

「モーシ!!」

 

攻撃を受けたインフェルモンは後ろに下がり、その腕をジュウオウイーグルを拘束するように動かす。

 

「はぁ!!」

 

瞬間、ジュウオウイーグルの持つ剣の刃先は伸縮自在で鞭のようにしならせ、その攻撃を弾く。

 

「しまったっ!!」

 

そうしている間にインフェルモンはすぐに近くの家に向かっていた。

 

先程の攻撃で距離が離れてしまった。

 

「くそ、金があれば」

 

「お金?

あの、これは使えますか?」

 

そう言い、クリスが投げたのは500円だった。

 

「500円っそんな大金をっ!感謝する!!」

 

その一言と共にジュウオウイーグルはそのままジュウオウチェンジャーに100円を入れる。

 

同時にりんねの目の前に現れたのは炎の車輪が現れる。

 

「火車烈断!」

 

同時にジュウオウイーグルはそのままインフェルモンに向けて投げると、火車烈断は炎を纏った鳥となり、インフェルモンを真っ二つに切り裂く。

 

「モシモシモーシ」

 

その声を最後にインフェルモンは完全に消滅した。

 

それを確認するとジュウオウイーグルはジュウオウチェンジャーを構えると光は吸い込まれる。

 

「インフェルモン10万円ゲット」

 

「これが、死神様の息子」

 

先程までの鮮やかな戦いを見て、思わずクリスは呟く。

 

「とりあえずは今回の被害額と借金、それとこれだな」

 

そう言ったジュウオウイーグルはジュウオウチェンジャーで何かを操作した後、彼の手元には500円玉があった。

 

「これをっ受け取ってくれぇ」

 

そのまま、ジュウオウイーグルの変身が解除されたりんねはクリスに向けて500円玉を渡す。

 

血涙を流しながら

 

「良っ良いですよ!!

それよりも改めまして、私雪音クリス。

今回から合流する事になったメンバーです」

 

「俺は六道りんね。

この世界での担当でリーダーになる。

さっきは本当に助かった」

 

そう言ったりんねは500円玉をそのまま雪音に渡す。

 

「えっだから良いですよ」

 

「俺は借りた金はきっちり返す。

そうじゃなきゃ気が済まない。

だから気にするな」

 

「はっはぁ」

 

「それにしても、なんでこんな所にしたんだ?」

 

そうして、金のやり取りを終えると疑問に思ったようにクリスに向けて尋ねる。

 

「はい、私、前の世界で酷い死に方をしていて、そんな時に死神様から誘いを受けたんです」

 

「そんな事があったら、なぜ?」

 

「私、もう私みたいな子を増やしたくないんです!

一人でも救いたい、だからここに」

 

「なるほどな。

だけど、まだお前にはその力はない」

 

「それは」

 

「焦るな。

それにお前だったらきっと人を助けれる。

俺が保証する」

 

そう言ったりんねの言葉を聞き、クリスはゆっくりとりんねを見つめる。

 

「はいっお願いします!」

 

「それにしても、よくここを勧められたな?」

 

「お勧めされたんです。

能力が高く、人格者が揃っているから助けになるって。

だからここに来たのですが」

 

「・・・確かに能力は高い。

だけど、それ以上にやばい問題があるのを知っているのか?」

 

「問題?」

 

疑問に思ったクリスはそのまま首を傾げると、りんねはジュウオウチェンジャーを彼女に見せた。

 

「へっ」

 

そこにあったのはとてもではないが信じられない額が書かれていた。

 

「能力は高いがその分被害も大きい。

しかも俺の所には派手好きがいて、それによる被害は他と比べて高すぎて予算が下りなかった。

結果、俺達は戦いを終わる度に借金を作って、謝金を返す。

つまりは貧乏戦隊だぞ」

 

「へっ」

 

桜吹雪が舞い散る中、クリスはジュウオウチェンジャーで表示されている借金の額を見ながら、驚きを隠す事はできなかった。




キャラクターファイル①
六道りんね
今作の主人公。
この世界を担当している『ジュウオウジャー』のジュウオウイーグルに変身する青年。
自身の父親である死神の血を受け継いでおり、高い潜在能力とお金を払えば即時召喚する事ができる死神道具を使い、様々な状況に対応できる戦士。
ただし借金のせいで自由にお金を使う事はできず、借金に日々苦しめられている。


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第2話 爆裂鮫

新たに登場する転生者の募集をしております。
興味がある方はぜひ、下記のURLからどうぞ。

https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=232877&uid=45956



「こっここが、拠点になる場所」

 

クリスがたどり着いた場所、そこは駒王学園の旧校舎よりもさらに奥にある老朽化した部室棟だった。

 

「今日からここに住むぞ。

二階は男子、一階は女子で風呂トイレは共有になっている」

 

そう言われながら案内された部屋を見ながら、未だに固まっているクリス。

 

「なんといか、色々と予想外です。

それに借金って一体なんなんですか?」

 

「それはだな、街で起こる転生者との戦いでの修理代や被害者の慰謝料などだ」

 

「それって、予算で降りないのですか?」

 

「最初は降りていたよ。

だけどな「食事はまだですかぁ!」....」

 

「えっ?」

 

りんねがクリスに説明している時に扉が開き、見てみると、そこには少女が立っていた。

 

黒い髪に小柄な体型、紅の目にそれに合わせた赤いジャージに黒いマント。

 

その他にもなぜか包帯や眼帯など、様々な場所で気になる部分が多い少女が立っていた。

 

「むっ?

りんね、誰ですか、そいつは?」

 

「こいつは雪音クリス。

今日から俺達の仲間になる」

 

「雪音クリスです」

 

そう言い、クリスは頭を下げた。

 

「ならば、私も答えましょう!」

 

そう言い、少女はマントを翻しながら、クリスに向けて指を指す。

 

「我が名はめぐみん!

転生者を喰らいし青い牙を持ち、爆裂魔法を操る者なり!」

 

そう言い、めぐみんはクリスに向けて言った。

 

「あの、ニックネームか何かですか?」

 

「本名だ」

 

「えぇ」

 

あまりの名前に思わず、クリスは微妙な顔をする。

 

「またですか。

まったく、この世界の人も同じ反応ですか」

 

「という事はやっぱり別の世界から?」

 

「はい、一週間程お腹を空いていて、思わず食べたのがジュウオウチェンジャーでそのままジュウオウジャーになってしまいました」

 

「・・・・」

 

その言葉を聞いて、既にクリスは眩暈がしてきた。

 

「私が変身できないのに、そんな理由で」

 

「なんですかぁ!

私が変身できた理由に何か不満でも」

 

「いや、絶対にあるだろ」

 

めぐみんはそんなクリスの態度が気に入れないのか、思わず威嚇するように睨みつけるが、りんねはそんなめぐみんに向けて文句を言う。

 

「んっ?」

 

そうしていると、ジュウオウチェンジャーから鳴り響く音に気付くと、りんねは見つめる。

 

「賞金首がこの近くにいるのか。

めぐみん、付き合え」

 

「えぇ、私はもうお腹がペコペコで動けません」

 

「だったら、お前だけ今日の晩飯抜き」

 

「ふっ私の力を見せてやりましょう!!」

 

そう言い、先程までやる気のない姿からは想像ができない程に恰好をつけながら立ち上がる。

 

同時に走り出すと、りんねもすぐに追いかける。

 

「あの、大丈夫なんですか?

その、私が言うのもなんですか、不安で」

 

「お前が心配する気持ちも分かる。

確かにめぐみんの言動や行動に不安に覚えるかもしれないが、あいつはあれはあれで頼りになる奴なんだよ」

 

そう言いながら、彼らは目的である転生者を見つける。

 

「さぁ見つけましたよ、転生者!

大人しく私達の生活費になってもらいましょ!!」

 

「あぁ」

 

そう言っている間に既にめぐみんは目の前にいるてきに向けて宣戦布告をするように杖を突きたてる。

 

そこで待ち受けているのは背中に蝶の羽を生やした青年だった。

 

「ふむ」

 

同時にりんねはその手に持ったジュウオウチェンジャーを構える。

 

NEME:蠅の王

TYPE:スペシャルアビリティ

賞金:20万円

概要

自身の身体を細胞単位で分割し、様々な大きさ・数の「蠅」を作り出す能力。

ただし、現在は完全に使いこなしていない事もあり、数には限りがある。

 

「なんですか、あなた達は?

私の邪魔をしないでくれませんか?」

 

「そうですねぇ、その特典を大人しく渡してくれれば見逃しますが?」

 

「チンピラです」

 

「チンピラだな」

 

めぐみんは既に怒りが爆発しそうな顔で目の前にいる転生者に向けて、暴言を吐いていた。

 

それに対して、りんねとクリスは同時に同じ言葉を出す。

 

【シャーク】

 

「本能覚醒!】

 

【アーアーアアアーッ!】

 

その声と共にめぐみんの姿はジュウオウシャークへと変身する。

 

「荒海の王者 ジュウオウシャーク!」

 

その名乗りと共に手に持ったジュウオウバスターを構える。

 

「まったく、品がありませんね。

私はここで退散させてもらいますよ」

 

その言葉と共に目の前にいた転生者は身体を分裂させた。

 

「身体がっ!!」

 

「落ち着け。

奴の特典だ」

 

「特典って、そもそもここにあるタイプってなんなんですか?」

 

疑問に思ったクリスはすぐに尋ねると

 

「タイプというのは、転生者が持つ特典の種類を表します。

武器の特典ならばウェポン、生物ならモンスター、自身の身体に変化するのはスペシャルアビリティ、身に纏い変わるのはアーマー、そのどれもにも含まれない未知のアンノウン。

その5つです」

 

めぐみんはそうクリスに言いながら、ジュウオウバスターを構えていた。

 

「奴の能力は確かに分裂していて、逃げられるのは厄介です。

ですがっ!」

 

「まさかっ、クリス!」

 

「えっ?」

 

何が起きるのか察したりんねはすぐにクリスの手を取るのと同時に走り出した。

 

「光に覆われし漆黒よ、夜を纏いし爆炎よ、

紅魔の名の下に原初の崩壊を顕現せよ。

終焉の王国の地に、力の根源を隠匿せし者、我が前に統べよ!」

 

同時にクリスの手に持っていたジュウオウバスターの銃先に黒い光が集まりだすのと同時にその先を何もない空間に向ける。

 

「エクスプロージョン!!」

 

その言葉と同時に引き金を引くと、そこから溢れ出した炎は一直線に伸び、同時に爆発した。

 

「きゃぁ!!」

 

「ぐぅ」

 

りんねは身に纏った羽織で、迫りくる風をクリスから守りながら、見つめる。

 

そこには先程まであった全ての物が消え去り、爆発した中心部には気絶した転生者が倒れていた。

 

「快感!

どうだ見ました新人!

これが私の最強の力、爆裂魔法です!!」

 

「これがっ爆裂魔法!

でもっなんで敵の位置が分かったんですか」

 

「そう言えば言っていなかったな。

俺達には動物達の能力を付加されている。

俺は鷲の能力、そしてめぐみんは鮫の能力が備わっていて、目に見えない敵でも音を感じ取って、そこに向けて打ち込む事ができる」

 

「まさに私の爆裂魔法を高める為にあるような能力です」

 

そう言い、キメ顔でめぐみんは言う。

 

そうして戦いが終わり、りんねはすぐにジュウオウチェンジャーを開いて、確認すると

 

「・・・・」

 

「という事で、早く帰りましょう。

どうしましたりんね、私の魅力にメロメロになったからと言って抱かなくても良いじゃないですか。

あれ、ちょっと待って、なんで足を持って」

 

そのまま無表情になると同時にめぐみんの足を持つ。

 

「この馬鹿鮫がぁ!!」

 

「ぎゃあぁあ!!」

 

りんねは血涙を流しながら、めぐみんの足を持ち上げ、ジャイアントスイングを行った。

 

突然の事で混乱しながら、めぐみんをそのまま投げ飛ばした。

 

「ぎゃふ!」

 

「どっどうしたんですか!!」

 

「これを見てみろ!!」

 

そう言い、見せたのはジュウオウチェンジャーの画面には被害額が書かれており、全額34万9900円という数字だった。

 

その数字を見た瞬間、クリスは頬を引き釣りながら、りんねはすぐにボタンを押した。

 

同時に爆裂魔法によって消滅した全ての景色が元に戻り、代わりにりんねの手元には100円だけあった。

 

「・・・はぁ、今回はまぁ、これぐらいで良かったがな」

 

「これぐらい!!」

 

りんねの言葉に驚きを隠せなかったクリスはすぐに驚きの声を出すが、りんねはすぐにめぐみんの元へ行く。

 

「さっさと帰るぞ。

まったく」

 

「うぅ、目が回るぅ」

 

そう言いながら、めぐみんを抱えたりんねは哀愁漂う背中を見せながら、家へと帰ってく。

 

「あはは、やっていけるのかな」

 

そう言いながらクリスもまた彼らと共に家へと戻っていく。



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第3話 食欲の獅子

活動報告に追加があります。
興味がありましたら、ぜひお願いします。

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「お腹が空きました」

 

そう言いながら、めぐみんは部屋の中で倒れながら呟く。

 

「仕方ないだろ。

まだ届いていないのだから」

 

そう言いながら、りんねは目の前にある内職の花を作りながら、答える。

 

「えっと、りんねさん。

こちらの食事って一体どうなっているんですか?」

 

現状の状況について来れず、クリスは思わず質問する。

 

現在、彼らは全員が集まって食事を行う為の部屋でくつろいでいるのだが、食事を始まる気配がまるでしなかった。

 

「もしかして、その、食事もですか」

 

貧乏だと聞かされ、不安になったクリスはゆっくりとりんねに尋ねると

 

「心配するな。

幸い、家の場合、食事に関してはあいつが帰ってくれば問題ない」

 

「あいつってきゃぁ!?」

 

そう言っていると、外から聞こえてきた物音に驚き、急いで見てみる。

 

「ひぃ!!」

 

そこにあったのは巨大なワニだった。

 

しかし、そのワニは普通のワニには見られない8本の足を生やしており、人間を遥かに超えていた。

 

「悪いな。

今日はガララワニだぜ」

 

そう言って、ガララワニの近くから出てきたのは青い短髪に人並外れた筋肉質な肉体を持つ男だった。

 

「おぉ、トリコ帰ってきたか。

それじゃあ、さっそく調理するか」

 

「いつも悪いな、りんね。

ほら、めぐみん、お土産のおにぎりだぜ」

 

「はぐぅ、ありがとうございます」

 

そう言いながら、慣れた動きでりんねは懐から取り出した包丁で次々とガララワニを裁いていき、めぐみんはトリコから受け取ったおにぎりを食べていた。

 

「あっあの、この方は」

 

「んっこいつか、例の新人は」

 

「あぁ。

クリス、紹介する。

こいつはトリコ、俺達ジュウオウジャーのメンバーの一人で、俺達の食事を主に担当してくれる奴だ」

 

そうりんねはトリコの紹介を行いながら、次々とガララワニをバラバラにしていく。

 

「あっ初めまして。

雪音クリスです。

あのこれは一体」

 

「そうだな、自己紹介もかねて言うと、俺の名前はトリコ。

未知の味を探求する為に色々とやっていたんだ」

 

「未知の味?」

 

その言葉に疑問に思ったクリスは首を傾げながら

 

「トリコは私と同様に別の世界の住人でしたが、とある食材を探している時に見つけたジュウオウチェンジャーに導かれて、この世界へ来たんです」

 

「ジュウオウチェンジャーって一体なんなんですか」

 

その言葉を聞いて、思わず聞いてしまう。

 

「ジュウオウチェンジャーについては俺も知らない事ばかりだ。

ただ、転生者に対抗する力を与えてくれたりと、今の所は力を貸してくれるからな」

 

「そして手早い」

 

そうしている間にりんねは瞬く間に食べられる部分を分けて、何時の間にか料理をしていた。

 

「ふふっ、色々と見て回ったが、まさかこんな所に人がいるとはな」

 

その言葉と共に出てきたのは青年だった。

 

「・・・誰?」

 

「んっ、どうやら転生者か」

 

そう言いながら、りんねは既に下ごしらえを終えていた。

 

「はっ早いですね」

 

「食事は俺達にとっては重要な基盤だからな」

 

そう食事の準備を行っているりんねに対して、トリコは

 

「おい、りんね。

ここは俺に任せな」

 

その言葉と共にトリコは目の前にいる転生者に対して笑みを浮かべながら、ジュウオウチェンジャーを構える。

 

「なんだっお前は」

 

「俺か?

俺はこいつらの仲間だ」

 

そう言いながら、ジュウオウチェンジャーを構える。

 

【ライオン!】

 

「本能っ覚醒!!」

 

【アーアーアアアーッ!】

 

その叫び声と共にトリコの身体は黄色の光に包まれ、その姿は獅子の力を身に纏った姿

ジュウオウライオンへと変わる。

 

「サバンナの王者 ジュウオウライオン!!」

 

その叫び声と共に地面を震わせながら現れる。

 

「まさかっ他にいるとはな!!

やれぇ影鬼!!」

 

その言葉と共に影から現れたのは全身が影によってできており、その黄色の目だけが異様に目立つ鬼が現れる。

 

同時に影鬼はその腕を巨大化させ、ジュウオウライオンに向ける。

 

「面白れぇ、俺に真正面に挑むとはなぁ!!」

 

それを受けて立つようにジュウオウライオンもまたその腕を振り上げて、拳をぶつける。

 

双方の拳がぶつかる事によって、地面が割れてしまうが、力負けしたのか影鬼吹き飛ばされる。

 

「なっ!?」

 

「今の俺は美味い物を喰ったばかりだからな。

最初から全力で来やがれ!!」

 

「凄いパワーっ!!」

 

体格からも予想していたが、それ以上の力を発揮したジュウオウライオンの実力にクリスは驚きを隠せなかった。

 

「なっ正面から無理かっ!

だったらっ!!」

 

その言葉と共に影鬼は影の中へと消えていった。

 

「どこにっ!」

 

そうジュウオウライオンは周りを探っていると、何か痛みを感じたのか倒れた。

 

「これは」

 

ジュウオウライオンの足には何かに喰われた痕ができていた。

 

「ちっ厄介な奴だな」

 

そう言いながらりんねはジュウオウチェンジャーから影鬼の情報を見た。

 

「一体何が起きたんだ?」

 

「そいつは人の影を喰らう事ができる。

そうすると本体も何処か喰われるらしい。

そのせいで攻撃が通る事は不可能らしい」

 

「んっ?」

 

ジュウオウライオンはりんねの説明を聞くと同時に首を傾げる。

 

「どうしたんだ」

 

「なに、奴に攻撃を当てる方法が分かっただけだぜ」

 

「何を言っているんだ?

影鬼が平面になっている限り、攻撃は絶対に当たらないんだよ!!」

 

その言葉と共に影鬼は再びジュウオウライオンの影を喰らおうとする為に近づく。

 

「確かに俺の攻撃は通じそうにない、特殊な奴だな。

だが、そいつには弱点があるぜ」

 

「弱点だと?

馬鹿な事を言うな!

お前の攻撃はこいつには決して当たらない!!」

 

「それはどうかな」

 

そう言い、ジュウオウライオンは構えると同時にその腕は徐々に巨大になっていき、人一人分程の大きさに変わる。

 

「えっ何が起きているんですか!?」

 

「トリコの必殺技です。

あいつは一瞬で腕の筋肉を伸縮・硬直させることで、数回のパンチを同時に打ちつける事ができる技です。

派手で私は結構好きな技ですよ」

 

その現象を見て、驚くクリスに対して、めぐみんは見慣れたように解説を行う。

 

「だけど、影鬼は物理攻撃が効かない!

このままじゃ、りんねさん!」

 

「トリコが任せろと言った。

だったら、俺は信じるだけだ」

 

そう言い、りんねはトリコを見つめる。

 

「ふふっ馬鹿な奴だぜ!!

だったら死ねぇ!!」

 

その言葉と共に転生者の言葉に反応するようにトリコの影に向けて、影鬼はその巨大な牙で襲い掛かる。

 

「そこだぁ!!3連釘パンチ!」

 

その言葉と同時にトリコは後ろに向けて、釘パンチを行ったが、そこには何も存在しなかった。

 

「どこを狙ってっ!!」

 

空振りした攻撃を笑みを浮かべる転生者だったが、次の瞬間、影鬼が影から飛び上がる。

 

「なっ!」

 

同時に影鬼はさらに吹き飛ばされるように宙へ、そして最後には爆発するようにその身を散らした。

 

「なっなんだよぉ!?」

 

「影鬼の能力は既に確認している。

人の影を喰らうという変わった食事で影を食われれば、本体も何処か食われて最終的には消滅するだったよな」

 

「それがなんだっ!!」

 

「ようするに喰うという事は影に触れているんだろ。

だったら、影だったら影鬼に攻撃する事ができるよな」

 

「なっ」

 

「へぇ、なるほど」

 

これまで影に隠れて攻撃する事ができなかった影鬼の恐怖するべき所をトリコは同時に弱点だと見抜いていた。

 

「どういう事なんですか」

 

「トリコはようするに自分の影で影鬼を攻撃したんです。

影鬼の攻撃が当たらないのはあくまでもトリコ自身の攻撃です。

そのトリコの影に触れるのですから、勿論、攻撃も当てる事は可能です」

 

「あっ」

 

つまり、トリコは相手の一番の攻撃でもある影を喰らう行為を反対に利用した。

 

だからこそ、構えていた。

 

「お前っ、それが分かっていたとして、なんで怖くなかったんだよ!!」

 

「怖かったさ。

でもな、何もしなかったら、何もできないだろ」

 

そう言いながら、ジュウオウライオンはゆっくりと転生者へと近づく。

 

「ひっひぃ!!」

 

「覚悟するだなぁ!!」

 

その言葉と共にジュウオウライオンの背後から巨大な鬼が現れ、転生者を睨みつける。

 

「あっあががあがぁ!!」

 

その余りにもの迫力に転生者は白目を向きながら、倒れた。

 

同時に宙に散っていた影鬼が集まりだし、そこには巨大な影鬼となって再誕する。

 

「ガアァア!!!」

 

「ちっ暴走しやがった!!」

 

「暴走!?」

 

倒したはずの影鬼が再び蘇った事に驚きを隠せないクリスに対して、りんねは影鬼を見つめながら

 

「特典は転生者のコントロールから離れると、時々暴走する事がある。

その場合だと、大抵はああやって巨大化したり、怪物になったりする」

 

「それじゃあ、このままじゃあ」

 

「既に対策はできていますよ」

 

「めぐみん、準備はできたか?」

 

「はい、おにぎりを食べて体力は回復しましたし」

 

「だったら、やるか」

 

その一言と共に、りんねとめぐみんは同時にジュウオウチェンジャーを構える。

 

【イーグル】【シャーク】

 

「本能覚醒!】

 

【アーアーアアアーッ!】

 

その音声と共に二人はジュウオウジャーへと変身すると共にジュウオウチェンジャーを開く。

 

「トリコ」

 

「あぁ、分かっているぜ」

 

りんねの声を聴くと共にトリコも同時にジュウオウチェンジャーを構える。

 

【キューブイ~グル!!】【キューブシャ~ク!!】【キューブライオ~ン!!】

 

その音声と共にジュウオウジャーの前に巨大なキューブが現れ、鷲、鮫、獅子の形へと変わり影鬼に襲う。

 

「あれは一体っ」

 

「ジュウオウキューブ。

ああいう暴走した奴を相手にする時に使う相棒だ」

 

その言葉と共にジュウオウキューブ達は叫び声と共に、襲いかかる影鬼を押し返す。

 

同時にジュウオウジャー達は各々のジュウオウキューブへと乗り込み、同時にジュオウチェンジャーを構える。

 

【3!2!1!ジュウオウキング!!】

 

その音声と共に、ジュウオウキューブは重なり、その形は新たな王者、ジュウオウキングが誕生した。

 

「あれがっ!」

 

「ガアアァァ!!」

 

ジュウオウキングが誕生すると同時に影鬼は、その腕を大きく巨大化させて襲い掛かるが、ジュウオウキングはその身を翻しながら、攻撃を避け、蹴り上げる。

 

それは人間を遥かに超えた巨人とは思えない動きであり、目の前にいる巨大な影鬼を圧倒していた。

 

「がぐぅ!!」

 

同時に影鬼はその腕を巨大な刃に変えて襲い掛かるが、ジュウオウキングのその腕には何時の間にか持っていた剣で攻撃を防ぐ。

 

「がぎぃ!!」

 

「必殺!!」

 

その言葉と共にジュウオウキングの手に持った剣から様々な色の光によって出来上がったキューブを纏う。

 

「キングソード!ジュウオウ斬り!!」

 

その言葉と共に影鬼を切り裂く。

 

「があぁあ」

 

同時に影鬼は切り裂かれた傷口から光のキューブに変わっていき、消滅する。

 

「これが、ジュウオウジャー」

 

その戦いを見守っていたクリスはゆっくりと戻ってくる3人を見つめる。

 

 

 




Mr.エメトさんの転生者です。
NEME:影鬼
TYPE:モンスター
賞金:90万円
概要
人の姿をしているが全身が真っ黒で、両目が赤い影の魔物。
人の影を喰らうという変わった食事をするが、影を食われれば、本体も何処か食われて最終的には消滅する(腕を食われれば腕が消える、足を食われれば足が消えるという感じ)
素早い上、闇に溶け込んでの奇襲が得意、更に平面に沈めば攻撃が通ることも不可能、勿論、隙間に入り込んでの逃走も可能。
変幻自在で何でも好きな姿になることもできたり、分身したりもできる。
弱点は太陽の下にいることで力が落ちるため、夕暮れ時にしか現れない。


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第4話 狙い撃つ象

活動報告に追加があります。
興味がありましたら、ぜひお願いします。

https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=232877&uid=45956


「さて、ガララワニのステーキ。

それにアーモンドキャベツのサラダだ」

 

「うおぉ、美味そう!

頂きますっ!!」

 

その一言と共にトリコとめぐみんは目の前にある食事を次々と吸い込むように口の中へと入れていく。

 

「あははっ、それにしても見たことがない食材が多いですね」

 

「まぁな。

ほとんどが魔界産だからな」

 

「魔界産?」

 

「あぁ、この世界には俺達が住んでいる世界の他にも魔界や冥界に天界などがあるんだ。

こいつらはそこから俺が採ってきた」

 

「それって、不法侵入とかにはならないんですか」

 

トリコの一言を聞いて、不安になったクリスは思わず質問する。

 

「それについては心配するな。

俺は依頼を受けていたり、ある程度信頼を得ているからな。

問題にならない程度には取っているからな」

 

そう言いながら、トリコは豪快にステーキを食べる。

 

「そう言えば、最後の一人はどこにいるんですか?」

 

そうしてメンバーが集まっている中で、最後の一人が気になって質問すると

 

「あいつか?

少し探し物をしていてな」

 

そうしていると、テレビに映し出された内容を見る。

 

『日本に近づいている謎の物体については未だに謎が多く確認はできていません。

しかし、船を取り込んでいる事から危険性が高いと考えられております』

 

「飯を食べているが、仕事だ」

 

「えっ?」

 

ニュースを見たりんねはすぐにタンスからとある物を取り出す。

 

「高速火車」

 

「へっ?」

 

一体何が出てきたのか疑問に思っている間にりんね達は外に飛び出し、外に放置されているソリに乗り込む。

 

「それは?」

 

「死神道具の一つで急いでる時に使う道具だ。

本来だったら足だが、全員で使う場合はこうやって」

 

そう言い、ソリに取りつける。

 

「行くぞ!!」

 

「あっはい!」

 

りんねに促されるままに乗り込む。

 

「出発!!」

 

「ひゃっ!!」

 

 

同時に高速火車は炎を放ちながら、飛び始める。

 

そうして、彼らはニュースで報道された場所から少しだけ離れた無人島へと墜落する。

 

「ぎゃふっ!」「がぁ!」「ぶっ!」「きゃ!?」

 

ソリは同時に壊れてしまい、りんねが一番下にめぐみんが重なり、トリコが上に乗りかかり、クリスがその上に座る形になった。

 

「おっ重い」

 

「なっ私はそんなに重くないですよっ」

 

「とりあえず降りるか。

おい、新人、怪我はないか?」

 

「あっはい、なんとか」

 

そう言いながら、4人は態勢を整えながら、彼方に見える物を見つめる。

 

「あれが報道されていたのですか」

 

「あぁ、勘は当たっていたようだしな」

 

そう言って、ジュウオウチェンジャーを見つめると、そこにはバラックシップと名前が記されていた。

 

「それじゃあ、あれも転生者の特典!?

だったら早く止めないと」

 

「でしたら、私の爆裂で!」

 

「止めておけ。

爆裂魔法と合わさった爆発で、ここら一帯が無くなっちまうぞ」

 

めぐみんは既に爆裂魔法を撃つ準備はできたばかりに構えるが、すぐにりんねが止める。

 

「だったら、ジュウオウキングで!」

 

「ここからじゃ、距離が遠すぎるだろ。

その前に蜂の巣だぞ」

 

「だったら、どうすれば」

 

全ての行動ができなくなり、このままでは大きな被害が出てしまう。

 

クリスはすぐに頭を抱えそうになった時だった。

 

「よぉ、遅れて悪かったな」

 

「おぉ!!」

 

その声が聞こえりんね達は見てみると、そこには垂れがちな目尻が特徴的な青年が笑みを浮かべながら現れる。

 

「えっこの人は一体」

 

「俺達のメンバーで最後の一人であるクロウ・ブルーストだ」

 

「あぁ、それにしてもまさか新メンバーが女の子か」

 

そう言いながら、少し残念そうにクリスを見つめる。

 

「えっ、あの私何か」

 

「あっ気にするなお嬢さん。

俺が女嫌いなだけの話だから」

 

「えっ!」

 

クロウから出た単語を聞くと、クリスはすぐに顔を赤くしながら、クロウとりんねとトリコを交互に見ていた。

 

「言っておくが、男色の趣味もないからなぁ!!」

 

「そっそうですか」

 

クリスが何を考えていたのか察したクロウはすぐに大声を出しながら、否定した。

 

「まったく、クロウがそんな言い方をするから彼女は勘違いするんですよ、ホモ」

 

「おい、だから違うと言っているだろ。

たくぅ」

 

そう言いながら、クロウはジュウオウチェンジャーを取り出す。

 

【エレファント】

 

「本能覚醒」

 

【アーアーアアアーッ!】

 

同時にクロウの姿は緑の象へと姿を変える。

 

「森林の王者、ジュウオウエレファント」

 

そう変身を完了すると同時に武器であるジュウオウバスターを取り出す。

 

「それは確か、めぐみんも持っていた」

 

「あぁ、ジュウオウジャーの共通武器だ。

そして」

 

ジュウオウエレファントが取り出したのは、ジュウオウキューブだった。

 

「それは」

 

「こいつはキューブキリンと言ってな、こういう使い方ができる」

 

そう言い、ジュウオウバスターに装着されている全てのキューブを外し、変形したキューブキリンをそのまま装填する。

 

『キューブキリン~!』

 

その音声と共にキューブキリンはまるでスナイパーライフルを思わせる形へと変形する。

 

「えっ!?」

 

「キューブキリンを始めとしたジュウオウキューブウェポン達は巨大化する他に、こうやって俺達でも使える武器になる事ができるぞ」

 

そう言いながら、キューブキリンが変形した武器、キリンバスターを構える。

 

「でもどうやって攻撃するんですか!?」

 

「ジュウオウチェンジャーを見てみろ」

 

そう言い、クリスはジュウオウチェンジャーを見るが

 

「俺は狙撃は結構得意だからな」

 

そう言い、キリンバスターを構えながら、狙いを澄ませる。

 

「そこだっ!!」

 

その一言と共にクロウは引き金を引く。

 

キリンバスターから放たれた一撃はそのまま光を超えながら、バラックシップに向かって一直線に飛んでいき、船内のある場所へと向かう。

 

「なっ!?」

 

その光はやがて船内にいた人物を飲み込む。

 

「何がって、うわぁ!?」

 

同時にバラックシップの進行は止まり、同時に光となって消えていく。

 

「ふぅ」

 

「えっ何が?」

 

「なに、大した事はしていない。

転生者を気絶させただけだからな

特典は確かに強力だが、転生者本人を倒せばなんとかなる」

 

そう、ニヒルな笑みを浮かべながら、ジュウオウエレファントの変身は解除される。

 

「それにしても、クロウはなんでこんな所に?」

 

「いやぁ、バイトで言っていた蟹漁をしていたんだけど、何時の間にか海に投げ出されていた。

気が付けば、ここでサバイバル生活だぜ」

 

「バイトで蟹漁って」

 

「俺も蟹食いたいなぁ」

 

その話を聞いためぐみんは思わず冷たい目で見ており、トリコは蟹の事を思ったのか涎を流していた。

 

 

「ジュウオウチェンジャーで連絡すれば良かったじゃないですか」

 

「ここ、圏外だから」

 

「ジュウオウチェンジャーって、電波で繋がるんですか!?」

 

その一言に驚きを隠せずにクリスは思わず叫んでしまう。

 

「しかし、お前達が来てくれて脱出できるぜ!!」

 

「そうだな、ソリで」

 

そう言い、見てみるとソリは半壊された状態のまま、高速火車は海に投げ出されていた。

 

「・・・・ソリ、直さないとな」

 

「だっだけど、りんねさんが高速火車を買えばっ!!」

 

「ここ、圏外だから死神道具取り出せない」

 

「・・・・」

 

その後、彼らは力を合わせて日本に帰ってこれたのは3日後の出来事だった。

 




今回は茨木翡翠さんからのリクエストです。
NEME:バラックシップ
TYPE:モンスター
賞金:100万円
概要
全身の磁力は周りの船や戦闘機、飛行機を引き寄せて体の一部にし武装を使用可能にしてしまうほど幽霊船。
自分だけの最強の船を作り上げた結果、最強を認めさせようと街を破壊しに向かっている。
直ちに破壊しなければ街が消える要注意
設定:転生する前から船の整備士をしており転生後も船整備していた
ある日整備していた船が氷山にぶつかり沈没してしまったため、二度と自分の整備した船が沈没しないように積み荷にあった磁力発生装置を自分につけて磁力人間になり周りの船などを引き寄せて自分だけの最強の船を作ろうとし、最強を見せつけに街を破壊しようとしている。

また、今回の死神道具は烈 勇志から頂きました。
名前:『高速火車』
値段:500円
概要:急いで移動する為に使われる死神道具。小型の火車を両足に装備する感じ。

まだまだ、募集中ですので、皆様の応募お待ちしています。


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第5話 覚醒の白虎

「なっなんとか脱出できた」

 

そう言いながら、無人島にて作り上げたイカダに乗りながら、5人は日本に向かっていった。

 

「せめて、電波が届く場所まで行けば」

 

「普通、こういうのって、どこでも巨大化できるんじゃないですか?」

 

そう言いながら、イカダに乗っているりんね達と一緒にいたジュウオウキューブ達を見つめながら、クリスは質問する。

 

「・・・巨大化は戦闘時のみ無料のお得コースにしていまして、電波がない所で行うと料金が恐ろしい事になるんですよ」

 

「wifaiですか」

 

その言葉に思わずクリスは呟く。

 

「なんで、私はできないんでしょうか」

 

「またですか」

 

そう言いながら、隣にいためぐみんはクリスを見つめる。

 

「だって、私だって戦う覚悟はできています!!

だけど、ジュウオウチェンジャーは反応しません」

 

「いや、ジュウオウジャーになるには戦う覚悟はいらないぞ」

 

「えっ!!」

 

そう答えたのはクロウだった。

 

だが、オールでこぎながら当たり前のように答える。

 

「ジュウオウジャーになる為の資質はジュウオウチェンジャーを持っている時点で既に合格している。

あとは大切な事だけだ」

 

「それって」

 

「それを教えたら意味はない。

まぁ俺達全員に共通していて、誰でもあり得る事だ」

 

その答えに対して、クリスは疑問に思った。

 

「おいおい、あれはなんだよ」

 

そう叫んだトリコの声に合わせるように全員が街の方を見る。

 

「なっ!!」

 

そこに広がっていたのは、都会ではなく、全てが森へと変わった街だった。

 

「また、面倒な事になったな」

 

そう言いながら、りんねはその身に纏った白い羽織と共に宙に舞う。

 

「これは一体」

 

そこはまさに無法地帯と言っても過言ではなかった。

 

見た事のない生物が溢れており、人々は悲鳴を上げながら逃げている。

 

「GPSが未だに起動して、離島にある新しい都市らしいですけど、これは」

 

あまりの光景に戸惑いながら、ふと鳴り響くジュウオウチェンジャーに全員が見た。

 

「・・・マジかよ」

 

そこには転生者の情報が書かれており、その賞金額は10億円。

 

これまでにない値段であり、その能力の詳細も書かれていた。

 

「大儲けのチャンスだけど、さすがに危険だな」

 

「だが放っておいてもやばいだろ。

犠牲者も出る」

 

「とにかく、行くしかないな。

めぐみんとクリスはとりあえず離れるなよ」

 

その言葉と共にりんねが取り出したのは小さなビー玉だった。

 

「それは?」

 

「死神道具の一つ、追跡鬼火玉だ。

これで」

 

その言葉と共に手元から離れたビー玉は鬼火玉になって宙に舞う。

 

「普段はもったいなくて使わないけど、この事態では仕方ない」

 

そう言いながら、りんね達は鬼火玉に導かれ、そのままついていく。

 

その道中、クリスは未だに力に使えない事が情けないのか、顔を俯いたままだった。

 

「私が言うのまんですが、気にすぎでは?」

 

「めぐみんには分からない。

私は自分の命を賭けてでも、誰かの為に戦いたいから」

 

「命を賭けるですが」

 

その一言に何か含みがあるようにめぐみんは呟く。

 

「おい、お喋りはそこまでだ。

目的の奴だぞ」

 

そう言い、見てみると、樹の蔦で作り出された服を身に着けた女性が立っていた。

 

「お前がこの事態を引き起こした転生者だな」

 

「なに?

また人間?」

 

そう呟きながら、生気のない瞳でりんね達に向ける。

 

「人間だけど、お前だって人間じゃないか」

 

「そうね。

でも、私は自身はただの環境テロリストだ」

 

「環境ねぇ?

この街での惨劇はお前の仕業という事か?」

 

「えぇ、でもこれも仕方ない事。

地球を救われる為だから」

 

そう言いながら、自虐染みた言葉を言うが

 

「そんなの、無理に決まっているだろ」

 

「えっ?」

 

りんねは当たり前のように、転生者に向けて言う。

 

「お前は自分自身から再生させていると言っているようだけど、それってつまりはお前自身が死んだら、その時点で地球は駄目になると言っているようなもんだぞ。

そんなの救いでもなんでもないよ」

 

「そうでもしないとっ地球はっ自然は全て滅びてしまうっ!!

私は前の人生でそれをっ」

 

「確かにそうかもしれないな。

だけど、それは可能性の一つだ」

 

「可能性ですってっ!!」

 

りんねのあまりにも冷たい言葉に対して、これまで無表情だった転生者はりんねに向けて怒りを露にするように睨む。

 

「あなたはっ何にも分かっていない!!

このまま環境破壊が進めば「だったら、変えれば良いだけの話だ」それを私がやっているんです!!」

 

「あぁ、だけど俺が言っているのは、多くの人間とだ」

 

「はっ!?」

 

その言葉の意味が分からなくなった転生者はついに混乱するように頭をかきむしる。

 

「環境を破壊したのは確かに人間だ。

だけど、環境を再生させる事ができるのもまた人間だ」

 

「そんな悠長な事をしていたら「それはお前の世界の場合だ。この世界はまだ終わっていない」っ!!」

 

「お前は結局、前世での記憶を引きずっているだけだ。

この世界もどうせ駄目だから、私が汚れば地球は救われる?

自意識過剰も大概にしろ」

 

その一言と共にりんねは明らかな怒りと共に転生者に向けて言う。

 

「ダマレダマレダマレ!!

何も知らないお前がっ、私の邪魔をするな!!

お前らだって、自分の事しか考えていないだろ!!」

 

「それがどうした?」

 

その一言にクリスは少し驚きを感じて、見つめる。

 

「俺は親父のようになりたい。

その為にも、生きて、強くなりたい」

 

「私は爆裂魔法を極めたい。

未だに見えない境地の為に」

 

「俺もだぜ。

俺は未だに知られていない味の探求の為だ」

 

「俺はそんなたいそうな理由はない。

だけどまぁ、借金を返さない限りは生きなくちゃいけないのでな」

 

4人はそれぞれがバラバラな事を言っているが、クリスはその言葉を聞きながら、確かに感じ取った。

 

全員は目の前にいる女性とは対照的に、今、この瞬間も生きる事を諦めない力強さがあった。

 

(そっか、私に足りなかったのはこれだったのか)

 

その言葉と共にジュウオウチェンジャーを握りしめる。

 

「私は、生前のような犠牲者を出さない為なら、命も捨てる覚悟ができていた。

でも、それじゃあ駄目なんですね」

 

「ようやく分かったか」

 

クリスはりんねに頷くように彼らに並ぶ。

 

「犠牲者を出さない為に戦うのは変わらない。

けど、私は、生きる目的を見つめる為にも、今はっ生きたい!!」

 

その言葉と共に不完全だったジュウオウチェンジャーは完全な形となって、クリスの手に収まった。

 

それを見たりんねは普段の無表情からは考えられない笑みを浮かべながら

 

「さぁ行くぜ、皆」

 

その言葉と共に、全員が各々のジュウオウチェンジャーを開く。

 

【イーグル】【シャーク】【ライオン】【エレファント】【タイガー】

 

「「「「「本能覚醒!!」」」」」

 

【アーアーアアアーッ!】

 

その音声と共に、りんね達は光に包まれ、その姿は変わっていく。

 

そこに現れたのは各々の動物の力が宿った姿ジュウオウジャーへと変身していた。

 

「大空の王者ジュウオウイーグル!」

 

「荒海の王者ジュウオウシャーク!」

 

「サバンナの王者ジュウオウライオン!」

 

「森林の王者ジュウオウエレファント!」

 

「雪原の王者ジュウオウタイガー!」

 

各々の名乗りを終えると共に全員が合わせるように叫ぶ。

 

「「「「「動物戦隊ジュウオウジャー」」」」」

 

その言葉と共に、本当の意味でジュウオウジャーが誕生した。

 

「私がっ私がやらなければ駄目なのぉ!!」

 

「悪いが、あんた一人に頼る程、この星は弱くない。

この星を舐めるなよ!!」

 

その言葉を合図にジュウオウジャー達は走り出す。

 

それに対抗するように女性は頭を抱えると、周りに生える木々が一斉にジュウオウジャー達に襲い掛かる。

 

法則性はまるでなく、どこから現れるのか分からない木々に対して、その足を使い飛び上がり、手を使い避け、その姿はまるで動物を思わせる動きでその攻撃を避ける。

 

「なんでっなんでっ!!」

 

「お前の能力は自然を貶す人間には無敵だと言う。

けどなぁ!」

 

同時にジュウオウイーグルはその手に持った武器、イーグルライザーを手に持ち、振り上げる。

 

すると刀身は伸び、鞭を思わせる動きで迫り木を切り裂いていく。

 

「人間だろうと動物だろうと、木々は破壊します。

ですが、それは決して破壊だけが目的ではありません」

 

同時にジュウオウイーグルの後ろからジュウオウシャークはその手に持ったジュウオウバスターを構えながら、放っていく。

 

「自然の力を借りなければ、人間だろうと動物だろうと生きていけない」

 

同時にジュウオウライオンはその腕を構え、振り下ろす。

 

「ナイフ!!」

 

その一言と共に目の前に迫っていた木々を全て真っ二つに切り裂く。

 

「だが、それは自然も同じだ。

動物達の力はやがて自然にも力を与える」

 

その言葉と共にジュウオウライオンから借りたジュウオウバスターを二つ持ったジュウオウエレファントは、周りに迫り来る木から放たれていく種を全て撃ち落としていく。

 

「全ての生き物は同じ星で生きる生命だからっ」

 

ジュウオウタイガーはそう言うと共に、最後に転生者の前で盾となって防いでいた木をジュウオウバスターで切り裂く。

 

「一気に決める」

 

その一言と共にジュウオウイーグルの叫び声に応えるように地中から次々と5色の光がジュウオウジャー各々の手に集まる。

 

「これは」

 

「ジュウオウキューブウェポン!!」

 

その正体が分かると同時にキューブカジキが中心に、キューブカジキの先端にキューブツバメ、横にキューブセンザンコウがまるで刀身のように重なる。

 

巨大な刀身になったジュウオウキューブウェポンを支えるようにキューブキリンが合わさり、最後にキューブモグラがそれらの鍔となり、ジュウオウキューブブレイドが完成する。

 

「借りるぜ、地球の力!!」

 

その言葉と同時に構える。

 

ジュウオウイーグルの言葉に合わせるように残り4人はその背中を支える。

 

同時にジュウオウキューブブレイドはその巨大な刀身には様々な色の光を放ちながら

 

「ジュウオウキューブストーム!」

 

その一言と共に様々な色のキューブが刃を一振りで風の衝撃波と共に放たれる。

 

「っ!!」

 

すぐに防ぐように次々と木々が転生者の前に現れるが、それら全ては破壊されていく。

 

「なんでっ!!」

 

その最後の一言と共に、彼女は嵐の中に吸い込まれていった。

 

やがて全ての攻撃が終わったのか、彼女は地面に倒れながら、その身体から特典が抜ける。

 

「・・・・」

 

同時にジュウオウイーグルはその手にジュウオウチェンジャーのボタンを押すと同時に街へと生えた全ての木々と人々の記憶は消え、被害者が次々と蘇っていく。

 

「まったく、こんな大金がすぐに無くなるなんて」

 

「まぁ人の命には代えられないからな」

 

「どっどういう事なんですか?」

 

思わずクリスは状況について来れずに質問する。

 

「もしかして人を蘇らせる事もできるんですかっ!!」

 

「転生者の事件に巻き込まれた状況のみですけどね。

それでも、人を一人生き返らせるには100万円ですから、大金ですよ。

今回の10億なんて、すぐに消えてしまいますよ」

 

そう言いながらめぐみんは悲しそうに項垂れていた。

 

「・・なんで、私はただ」

 

「それは地球自身が望んでいなかったからじゃないのか?」

 

「でもっ」

 

そう言いながら既に力を失った転生者に対して、りんねは

 

「自然を取り戻したい心は確かに大切だ。

だけどな、過剰な行動はやがて地球をも壊す。

ゆっくりと一歩ずつで良いんだよ」

 

「一歩ずつ。

でも、そんな時間なんて「あるよ」えっ」

 

 

そう言い、りんねは空を見つめる。

 

「まだ、終わっていないから。

なんだって、まだこの星には可能性がある。

多くの人々と力を合わせる事ができる可能性が未だに残っているじゃないか」

 

「・・・綺麗事ね」

 

「それでも、目標がある方が良いだろ」

 

その言葉に納得したように転生者は立ち上がる。

 

「そうね、あなたのおかげで少し分かったかもしれないわ。

私がやるのは諦める事じゃなくて、私の知る未来へと進まないように努力する事だって」

 

その表情は、少し晴れやかになってたい。

 

そうして、事件は終わりを迎え、りんね達は残りの金を使い、駒王町へと帰っていく。

 

「あの、聞きたいのですが」

 

「なんだ?」

 

帰り道の中で、クリスはりんねにとある疑問をぶつけた。

 

「あの人はその自然を元に戻したいと言っていました。

経歴から見ても分かるけど、やっぱり人間が自然を壊したのが原因でしょうか」

 

「確かにそうかもしれない。

けどな、自然事態が自然を壊す事もある」

 

「えっ?」

 

それに疑問に思ったクリスは首を傾げる。

 

「台風、噴火、世界における災害の多くは人間の都市を破壊するけど、自然も破壊する。

それは自然の産物であり、同時に放っておいても自然は再生する時間は長すぎる」

 

「それは」

 

「結局は自然と人間。

何か欠けていても駄目なんだ。

支えあいながら生きる、それが地球だから」

 

そう言いながら、りんねは窓の外から見える景色を見る。

 

「そうですね」

 

そんな彼に同意するように、クリスもまた笑みを浮かべる。




今回は3名の方のアイディアを頂きました。
本当にありがとうございました。
また今回で登場したように、ジュウオウキューブウェポン同士が合体した武器などジュウオウジャーのブロック要素があったオリジナルを多く行っていきますので、興味がある方はぜひ活動報告をお願いします。

エイリアンマン様
転生者
NEME:自然の救済者
TYPE:アンノウン
賞金:十億円
概要:世界中を旅して、自身から溢れる再生の力で森や海の汚れやゴミを総て浄化し、自然を再生させている。ゴミを総て自然に還す事の出来る優しい物質に変えて、森や水を再生させるエネルギーに変える。また、総ての生命を惚れさせるフェロモンと、総ての生命を孕める特殊な子宮を宿し、此れを利用して生命の繁殖を促している。絶滅寸前の生き物ならば絶対に孕み、少し成長した状態で百体も産み落とす事が出来る。しかし、人間にはこのフェロモンは効かない。また、人間を孕む事は出来ない。寧ろ自然を貶す人間が彼女に触れてしまえば、それだけで死んでしまい、その死体は自然を再生させるエネルギーに変わる。分厚いアーマーを纏った状態で触ったり、乗り物で乗り上げようとしても、同じ事である。また、自然を汚す人間の攻撃は一切効かず、逆に攻撃した者へダメージ総てが跳ね返る。また、自分に触れた人類の生み出した文明や建物、開発した物を総て植物や生命力溢れる水、そして様々な動物に変える。兎に角、環境を壊す人間や文明を浄化し、自然を再生させるのが彼女の力と言えるだろう。
しかし、本人に戦闘能力は皆無。特典に頼りきりな所がある。

前世は環境保護団体の仕事に就いていた。しかし、人類が自然を汚し続けた結果、核戦争で自然や人間が総て滅びてしまう。その戦争に巻き込まれて死んだ彼女は、自然を再生させる事を願い、この特典を手に入れた。この特典を使い、世界中を回って自然を再生させる活動に取り組んでいる。しかしその反面、人間を触れただけで殺してしまえる事に不安を抱いており、天罰が下るのではないかと心底不安であった。環境を貶していても、やはり人間臭さを捨てられない所と、自然を再生させるという使命感が、彼女自身に『自身はただの環境テロリストだ』と自覚させてしまう。しかし、やめてしまえばまた自然が犠牲になる。そんな不満を抱いていく内に、何時しか賞金首になってしまい、いつか自分を殺しに来る者達に怯えながら、自然を再生しつつ逃げ続ける日々を送っている。


烈 勇志様

りんね 死神道具
名前:追跡鬼火玉
値段:500円
概要:逃げ足の速い悪霊や転生者を追う為に使われる道具。普段はビー玉サイズの玉だが、持ち主が見た相手の姿などをイメージして込めると鬼火となり、逃げた相手を追跡する。

ジュウオウキューブウェポン
名前:キューブカジキ
ジュウオウバスター連動時:カジキスピア
巨大武器時:カジキランサー
概要
カジキをモチーフにしたジュウオウキューブウェポンで、体色は水色。
ジュウオウバスター連動時は片手で使う槍となり、巨大武器時は突撃槍となってジュウオウキングの片腕に装備される。
必殺技は激流を纏って突撃して敵を貫く『キューブカジキ・ウェイブチャージ』

ジュウオウウェポンキューブ
名前:キューブツバメ
ジュウオウバスター連動時:ツバメサイズ
巨大武器時:ツバメボーガン
概要
ツバメをモチーフにしたジュウオウキューブウェポンで、体色は藍色。
ジュウオウバスター連動時は片手で扱う鎌となり、巨大武器時は弓となってジュウオウキングの片腕に装備される。
必殺技は嵐を纏った矢を放って敵を貫く『キューブツバメ・ストームアロー』。

はっぴーでぃすとぴあ
ジュウオウキューブウェポン
名前:キューブセンザンコウ
ジュウオウバスター連動時:センザンコウソー
巨大武器時:センザンコウスラッシャー
概要:センザンコウをモチーフにしたウェポンキューブでメインカラーは山吹色。
ジュウオウバスター連動時は大剣型のチェーンソーに、巨大武器時は片手剣型となりジュウオウキングならビックキングソードとの二刀流で戦う。


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第6話 合体の龍

「うぅ、初登校から学校をさぼってしまいました」

 

あれから一週間、初めての事件から多くの出来事に巻き込まれたクリスは入学してからすぐに休んでしまう。

 

その事もあってか、クリスは周りの目を気にしているが

 

(なぁ、クリスちゃんって、病弱なのは本当か?)

 

(あぁ、今でも大人しいし、間違いないと思うよ)

 

(病弱ヒロインありかも!!)

 

クリスの想像とは反対に、クラスでは大きく祭り上げていた。

 

「何をしているんですか、クリス」

 

そんな事を悩んでいると、クリスに声をかけてきたのはめぐみんだった。

 

「あっめぐみん。

そう言えばお昼だったけど、弁当は「そんな事よりも仕事ですよ」えっ!」

 

めぐみんからの言葉に驚きながらもすぐに真剣な目でめぐみんを見つめる。

 

「ついてきてください」

 

その言葉と共にめぐみんと共にある場所へと向かった。

 

「あのっ転生者がこんな昼から活動しているんですか?

もしかして、学校外に」

 

緊張で手に震えながらも、めぐみんに質問すると

 

「何を言っているんですか。

こんな目立つ所で戦う訳ないでしょ」

 

「そうですよね」

 

その言葉に少し安心して、ため息を吐いていると

 

「つきましたよ」

 

「えっ」

 

そこはテントだった。

 

そのテントの中にはりんねがおり、マスクとサングラスを付け、さらにはニット帽で顔を分からなくしている状態のりんねが何やら並べている。

 

「来たか」

 

「お待たせしました。

ほら、クリスも」

 

「えっえっ!?」

 

戸惑いながらも、クリスは手渡された衣服を身に着けるのだが

 

「なっなんですかこれはっ!!」

 

「売り子の衣装です」

 

そう言われ、身に纏ったのはりんねとめぐみんに比べて、胸元が僅かに見えていた。

 

「クリス。

我々の活動には多くのお金がかかります。

戦闘による被害の修理費、情報での費用、被害者の記憶消去に時には死者の蘇生。

そのようにジュウオウジャーという活動には多くのお金が必要であり、転生者との闘いで得られる賞金だけではとてもではないが生活できません!!」

 

「修理費って、だいたいはめぐみんの爆裂魔法だよね」

 

そんなめぐみんの言葉に思わず突っ込んでしまうクリスだが、そんな事はまるでなかったように話を続ける。

 

「それらもあって、個人でのお金は非常に少なく娯楽も少ない。

人間は娯楽なしで生きられるか?

否、人間は娯楽があってこそ、生きられる。

楽しさのない人生など、死んだも同然です!

だけど、娯楽には多くのお金が必要です」

 

「それで、その、この大量の弁当はなんですか」

 

そう言いながら、見渡すと、そこには大量に積まれた弁当が置かれており、中身を見ながらクリスは尋ねる。

 

「スペース寿司ーションの弁当です。

私が爆裂で驚かしている間に詰め込んだ大量の食材で作りました」

 

「スペース寿司ーション?」

 

これまで聞いた事のない名前に疑問に思ったが瞬時に

 

「ごっ強盗!?」

 

「いえ、我々はそんな事はしません。

これは宇宙にある貝のような生物で、内部に入った生物を寿司を喰っているのに夢中になっている間に捕食する生物です」

 

「なんだか、回転寿司が怖くなりそうなんですけど!!」

 

「問題ありません。

ようするに中で食べなければ安全です。

まぁ暴れていたので、思わず焼き貝にしてしましたいが」

 

「なんだか、酷い」

 

「とにかく、それらの激戦よって手に入れた食材で作り上げたこの至高の弁当を売って、我々の娯楽の為のお金を稼ぐのです!!」

 

「あの、六道さんはそれで大丈夫なんですか」

 

「なに、バイトだと思えば良い。

それにお前だって生活で色々と買い足したいのがあって、来たんじゃないのか?」

 

「いえ、めぐみんに無理矢理連れられてきました」

 

「そうか」

 

「さぁ、そう言っている間にほら、お客さんがどんどん来ますよ!!」

 

そう言いながら、めぐみんの声に合わせるようにどんどん客が山程来る。

 

「えっえぇ、これってどういう事なんですか?!」

 

「学校で寿司なんて普通は食べられないので、この盛り上がりは当たり前です!!

さぁどんどん売っていきますよ!」

 

その言葉に合わせて、山のように積まれている弁当が次々と売られていく。

 

「それにしても、なんでこんなに」

 

(((あの店員さんの胸、最高!!)))

 

そんな中でめぐみんとクリスとは別のクラスの3人組は何度も買いに来ていた。

 

その目的は胸元が見える服を身に纏っているクリスであり、その為か、財布からどんどん諭吉が消えていった。

 

それを見ながら、りんねとめぐみんは黒い笑みを浮かべる。

 

「んっ?」

 

そんな最中、りんねは何かに気付くと、バッグの中に残りの弁当と金を詰め始めた。

 

それに気づいためぐみんもまた、何時の間にか取り出した紙を前に出して

 

「タイガー、逃げますよ」

 

「えっ?」

 

何が起きているのか困惑している間にりんねは現代では見られない風呂敷を持ち、走り出していた。

 

「えっえっ!!」

 

困惑している中でクリスの手を繋ぎ、めぐみんも同時に走り出す。

 

「何が起きているですか!」

 

「追手です。

まさか、こうも早いとは」

 

そう言いながら、焦った顔でめぐみんは言う。

 

クリスは何に追われているのか確認するように後ろを振り返ると

 

「待てぇ!!

 

「そこの不法に弁当を販売している人、止まりなさい!!」

 

「・・・あの、これは」

 

「えっ?

何って、商売が認められてないから、生徒会に捕まりそうになっているんです」

 

「ええぇ!!」

 

その言葉に驚きを隠せないクリスだが、りんねはすぐに横に曲がった。

 

「こっちです」

 

「えっ?」

 

そうしている間にめぐみんの手を引かれて、そのまま横に行く。

 

「なっ!?」

 

「こっちの待ち伏せが分かっていたのか!?」

 

そうしていると、先程まで行こうとしていた道の先には生徒会のメンバーが待ち伏せしていた。

 

「なんで、待ち伏せをしていた相手が分かったんですか」

 

「そう言えば、あなたはまだ覚醒していませんでしたね。

私達にはジュウオウチェンジャーに収められている動物の力を変身していない時にも引き出せます。

りんねの場合は鷲の視力を最大限まで引き出して、隠れた敵を見つけたり、様々な事ができます」

 

「そっそうなんですか」

 

「おい、こっちだ」

 

「クロウ」

 

その一言と共に、クロウが投げた煙幕でそのまま身体を隠した。

 

「クロウ、ナイスタイミングです」

 

「なんで、そんな恰好をしているか分からないが、仕事だ」

 

「仕事?」

 

そう言って、クリスは手に持った弁当を見せると

 

「違う、本業だ」

 

そう言い、ジュウオウチェンジャーを見せた。

 

「ちっ、仕方ない。

行くか」

 

「えっえぇ!

また学校をさぼっちゃう」

 

「ジュウオウジャーだから仕方ないです。

いやぁ、さぼるのは困りますなぁ」

 

そうりんねは普段通りの表情で、クリスは涙目に、めぐみんは笑みを浮かべながら、学校から去っていった。

 

「おぉ、お前ら、ようやく来たか。

遅いぞ」

 

そう言いながら、辿り着くと、トリコは既にジュウオウライオンへと変身しており、転生者を吹き飛ばしていた。

 

「えぇ、着いたのにもう終わり!?」

 

「そうでもないようだ」

 

その言葉と共に、先程まで戦っていた転生者が爆発の中から現れたのは何百というドラゴンが合わさったと思われる怪物へと姿を変わっていた・

 

「情報によれば、ドラゴンズ・キメラ?

この世界の特徴でもある神器の集合のような存在?」

 

「神器ってなんですか?」

 

「さぁな。

でも、放っておく訳にはいかないようだ」

 

そう言い、りんね達は

 

【イーグル】【シャーク】【ライオン】【エレファント】【タイガー】

 

「「「「「本能覚醒!!」」」」」

 

【アーアーアアアーッ!】

 

その音声と共に、りんね達は光に包まれ、その姿は変わっていく。

 

そこに現れたのは各々の動物の力が宿った姿ジュウオウジャーへと変身していた。

 

【キューブイ~グル!!】【キューブシャ~ク!!】【キューブライオ~ン!!】

【キュ~ブエレファ~ント!】【キュ~ブタイガ~!】

 

その音声と共に5人のジュウオウキューブが集う。

 

「だけど、こんな奴を相手にどの組み合わせが正解なんだ!!」

 

目の前にいるドラゴンズ・キメラの迫力、そして牽制するように行う様々な攻撃の種類の多さから、どのジュウオウキングが正しいのか判断に困っていた。

 

「だったら、全部やりましょう!!」

 

そうめぐみんの一言と共に、ボタンを押す。

 

「「「「えっ?」」」」

 

困惑している間にジュウオウキューブ達が合わさっていく。

 

「動物合体!」

 

【4!3!2!5!1】

 

その音声と共にジュウオウキューブ達が重なり、ジュウオウキューブ達を固定するように巨大な一本の槍が重なる。

 

同時にキューブエレファントとキューブライオンのパーツが足へと変わり、キューブタイガーが手となって展開される。

 

複数のパーツが合わさった事により、キューブイーグルの頭部に新たな兜になり、まるでドラゴンを思わせる姿へと変わる。

 

「「「「「完成!ジュウオウドラゴン!!」」」」」

 

同時にジュウオウドラゴンは咆哮と共にドラゴンズ・キメラを睨みつける。

 

「まさか、こんな組み合わせがあったとはな」

 

「クリスもいて、初めてできた合体だな。

だったら」

 

「ガアアァァ!!」

 

ドラゴンズ・キメラは瞬時に複数の腕を伸ばし、ジュウオウドラゴンへ襲い掛かる。

 

だが、ドラゴンズ・キメラの攻撃に対して、ジュウオウドラゴンが構成しているキューブシャークの瞳が光ると、身体が青い刃へと変わる。

 

全ての攻撃を切り裂く。

 

「ガアァア!!」

 

ドラゴンズ・キメラは、そのダメージを受けて、痛みを感じているのか、すぐに辺り一面に様々な攻撃を行う。

 

それに対して、ジュウオウドラゴンは咆哮と共に目の前に出てくる光のキューブを潜り抜けながら、ドラゴンズ・キメラに向かっていく。

 

「ジュウオウドラゴンクラッシュ!!」

 

その言葉と共に、光を纏ったジュウオウドラゴンがドラゴンズ・キメラを貫く。

 

「がっがぁあ」

 

同時にドラゴンズ・キメラは後ろに倒れながら、爆散する。

 

「ふっ決まりました!」

 

「疲れた」

 

そう言いながら、クリスはそのまま倒れてしまい、ジュウオウドラゴンの合体も解除される。

 

「まったくジュウオウドラゴンとはな、本当に面白い組み合わせを考える」

 

「だが、なんとか終わったな」

 

「あぁ、本当に」

 

そんな戦闘が終え、聞こえてきた声に驚きながら、見てみると、そこに立っていたのは新たな転生者だった。

 




今回の食材のアイディアは龍牙さんの物を採用させてもらいました。
食材の名前:スペース寿司ーション
主な生態:
宇宙に浮かぶ巻き寿司で構成された巨大な宇宙ステーションの様な食材。
内部には空気が有り生物が生活できる。下記の二種の食材が栽培されており、それで作られた寿司が回転寿司の様に内部を流れている。なお、酢などの調味料をどうやって調達しているのかは不明。
その正体は寿司ーション自体がその寿司を夢中で食べている生物を餌としてしている貝型の生物。内部を流れている寿司は奥の方へと繋がっており食べているうちに消化器官へと落とされてしまう上に無限に近い迷宮となっているために気がついても脱出は不可能。


食材の名前:魚介樹
主な生態:様々な魚介の切り身がなる樹木。寿司ーションの中でのみ生息する共生関係にある樹木。

食材の名前:銀河米
主な生態:星の様にキラキラと輝く米。モチモチとした食感と美味な甘みを持つ。寿司ーションと共生関係にある

巨大戦での転生者は烈 勇志さんのアイディアです。

NEME:ドラゴンズ・キメラ
TYPE:アーマー
賞金:50万円
概要
【ハイスクールD×D】に登場している龍関係の神器の禁手が混ざった形の鎧を身に纏った男。
ベースは『墮天龍の鎧』ではあるが、頭部が『白龍皇の鎧』のもので、両腕が『赤龍帝の鎧』のものとなっており、背中には『白龍皇の鎧』の光翼だけでなく、『罪科の獄炎龍王』の触手のようなラインと『阿修羅と魔龍の宴』の4本の腕が存在している。能力としては『龍の手』同様に一定時間、使い手の力を2倍にするのだが、それに加え、一時間ほどリミッターを外して正真正銘の「全力」を使って数十倍に引き上げる事が可能。ただし、一時間過ぎてしまうと、暫くは動けなくなってしまう。その他には倒した相手の神器を奪う事が出来る能力を持っており、それを使って多くの神器を宿している。
鎧全体のカラーリングは“茶色”。
誰よりも強い存在である事を証明する為に、あらゆる強敵を倒す意思を持って行動をしている。今のところは二天龍や五大龍王、四大魔王などには挑んではいないが、多くの神器使いを倒しているので様々な能力を使う事ができ、精神的に歪みが出ている事もあって色々と厄介な人物だと言える。

まだ、活動報告でも募集中なので、興味がある人はどんどん来てください。


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第7話 覚醒の大猩々

活動報告に追加があります。
興味がありましたら、ぜひお願いします。

https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=232877&uid=45956


「転生者!?」

 

「しかし、奴の特典は面白い物だったがな」

 

そう言いながら現れたのは、筋肉が膨張した男が立っており、その体格はトリコよりも大柄な体だった。

 

「ブロリー」

 

その言葉と共にクロウは手元にある情報を見る。

 

「そう、俺こそがブロリー!

地上最強の悪魔だ!!」

 

その叫び声と共に、ブロリーが一斉にジュウオウジャーに襲い掛かる。

 

同時にその場から離れたジュウオウジャーは各々の武器でブロリーに向けて放った。

 

「無駄だぁ!!」

 

「「「「「っ!!!」」」」」

 

ブロリーの一言と共に、身体を中心にエネルギーのシールドを作り出し、襲い掛かるジュウオウジャー達を吹き飛ばす。

 

その余りにも強すぎる威力は、ジュウオウジャー達の変身が解除されてしまう。

 

「ぐっがはぁ」

 

その中でただ一人残ったジュウオウイーグルは手に持ったイーグルライザーを杖変わりに立ち上がりながら、構える。

 

「まだ抗うか」

 

「当たり前だ。

てめぇ、一体何が目的だ」

 

「ふっ、そんなの決まっているだろ。

暇つぶしだ」

 

「暇つぶし?」

 

その言葉に疑問に思うと

 

「奴は神器を取り込めば、それだけ力が高まる。

ならば、奴を育て、それで暇をつぶす。

それだけだ。

それしか、この星の価値はないからな」

 

その話を聞き、ジュウオウイーグルは怒りに手が震えた。

 

それはジュウオウチェンジャーに書かれていた内容を思い出す。

 

「それで、暇を潰して、どうするつもりだ」

 

「何も?

俺はただ、最強だと証明する為に決まっているだろ」

 

「っ!!」

 

その瞬間、りんねは怒りで顔を歪めていた。

 

「命をなんだと思っているんだ!!」

 

「なに?」

 

その瞬間、りんねの身体から赤いキューブの光を放ちながら

 

「お前の、くだらない事で命をっ弄ぶな!!」

 

「なっ!!」

 

その時だった。

 

ブロリーの身体から溢れ出す特典の光が、徐々にだがジュウオウイーグルに注がれていく。

 

「なんだこれはっ力が溢れてくる!!」

 

同時にジュウオウイーグルの身体は徐々に変化していく。

 

「なっこれはっ!!」

 

ジュウオウシャークは何かに気付き、見てみると、そこに表示されていたのは特典の内容だった。

 

それも目の前にいるブロリーの力がジュウオウイーグルが吸収した力の正体だった。

 

「ちぃムシケラの分際で俺の力に手を出すなぁ!!」

 

その一言と共にブロリーはジュウオウイーグルに向けて、拳を放った。

 

「ガアアァァ!!」

 

ジュウオウイーグルは瞬く間に吹き飛ばされる。

 

「グゥ」

 

「力が同じはずなのに」

 

「ムシケラごときがぁ、俺の力を使えると思うなぁ!!」

 

そのままブロリーの拳はジュウオウイーグルの顔に向けて放たれようとした。

 

「ガアアァ!!!」

 

「なっ!!」

 

だが、その拳はジュウオウイーグルに当たる直前、一回り巨大になったジュウオウイーグルの拳によって防がれる。

 

「どうなっている!?」

 

「ほんのぉうかくせぇええ!!!」

 

たどたどしく、だが確実に言ったその一言共にジュウオウイーグルは緑色の光に包まれながら、その姿が変わっていく。

 

ジュウオウイーグルの後ろに現れた黒髪のブロリーと叫びながら、その身体は筋肉が盛り上がっていき、顔に装着された鷲のマスクはゴリラへと変わり、胸に描かれた鷲もまたゴリラへと変わった。

 

「ウオオオオォ!!!」

 

その叫びと共にブロリーに向けて、拳はを振り上げた。

 

「ちぃ、貴様、よくも!!

俺の力を奪い取りやがってぇ!!」」

 

「ガアァア!!」

 

理性のない獣同士の戦いとも言える戦いは地面を抉っていた。

 

ブロリーはその拳と遠くに離れながら次々とエネルギー弾をジュウオウイーグルにぶつけていく。

 

ジュウオウイーグルはそんな攻撃を受けながらも、まるでダメージを通さないようにブロリーに接近し、次々と攻撃を放っていく。

 

やがて、全ての攻撃を受け止めきれなくなったブロリーは空へと吹き飛ばされ、その怒りをジュウオウイーグルに向ける。

 

「消えて無くなれぇ!!」

 

同時にその手に緑色の光を集め、ジュウオウイーグルに向けて放つ。

 

「ガアアァ!!」

 

それに対して、ジュウオウイーグルは拳に緑色の光を集め、拳の形となったエネルギーをブロリーに向けて放つ。

 

互いのエネルギーがぶつかり合いながら、地面を割り、町を破壊していく。

 

「くっなんてエネルギーだっ!!」

 

「本当にどうなるんだっ!」

 

やがて、押され始めたのか、拳のエネルギーは徐々にだが、ジュウオウイーグルの元へと戻っていく。

 

「グウウゥ!!」

 

「やはり、ムシケラだな!!

力が使えてもっその程度だぁ!!」

 

「ちっ、まったく何をしているんですか!!」

 

「っ!!」

 

その戦いを見ていためぐみんはジュウオウイーグルに向けて叫ぶ。

 

「あなたは父を超えたいんじゃなかったのですか!!

この町にここまでの被害を出して、その程度で終わるのですか!!」

 

「っ!!」

 

「お前にはこれまで多くの命が繋いでくれたはずだ。

それを無駄にするな!!」

 

「お前とは、まだまだやらないといけない儲け話があるんだ。

それをここで終わらせるなよ」

 

「信じています。

だから」

 

「「「「ここで負けるな!!」」」」

 

その一言を聞くと共に、ジュウオウイーグル、りんねの意識は一瞬無くなる。

 

「ここは」

 

「オレはずっと父さんと一緒だった」

 

「あんたは」

 

そこには、先程から戦っていたブロリーとは違うブロリーがいた。

 

「だけど、カカロットやベジータ、チライやレモと一緒にいて、楽しかった」

 

その表情は柔らかかった。

 

「だから、オレは止めたい。

その為に、オレの力を使え」

 

「・・・分かった。

あなたの力、確かに受け取った」

 

その言葉と共にりんねの全身は先程までの比ではない程に溢れた。

 

「頼んだ」

 

そして、ブロリーの姿は完全に消えた。

 

「っ!!」

 

そして、短いやり取りが終え、再び意識を取り戻したりんねは

 

「なにっ!!」

 

「そう言えば、まだ名乗ってなかったな」

 

「意識が戻った!!」

 

同時にりんねはブロリーに向けて言う。

 

「ジャングルの王者!ジュウオウゴリラ!!」

 

その名を告げると共にもう片方の手に力を籠め、拳を突き上げる。

 

「はああぁ!!」

 

同時にジュウオウゴリラのもう片方の拳から出てきた拳型の赤いエネルギーがブロリーのエネルギーとぶつかり合う。

 

二つの拳はやがてブロリーのエネルギーを押し上げて行く。

 

「なっなああぁぁ!!」

 

やがて、エネルギーが押し返され、二つの拳はブロリーが当たる。

 

「この星をっ舐めるなああぁ!!!」

 

その叫び声と共にブロリーは吹き飛ばされ、地面へとそのまま落ちていく。

 

「おっおぉ勝っ勝った!!」

 

「これまでにない化け物だったが、なんとかなったな」

 

そう言いながら、ジュウオウゴリラの周りで集まり始めた。

 

「それにしてもなんですかこれ?

トリコよりもムキムキじゃないですが」

 

「そうだけど、これ、意外ときつくてっもう無理」

 

そう言いながら、ジュウオウゴリラの姿からジュウオウイーグルに、そしてそのまま変身が解除される。

 

「なんというか、全身の筋肉が張っている感じがする」

 

「見た感じだと、ジュウオウゴリラは俺よりも身体能力を大きく上げるが、その分負荷も大きいようだな」

 

「保って10分が良い所だな。

けど、切り札には丁度良いな」

 

「なんだか、りんねばっかり目立って狡いです。

私もああ言うのをやってみたいです!!」

 

「そう言われても、俺も全然やり方が知らないからな」

 

そう言いながら、りんねはそのまま目を閉じた。

 

「・・・何っ都合良く気絶しているんですかぁ!!」

 

そう言いながら、めぐみんは気絶しているりんねを起こすように首を振る。

 

「やれやれ、まったく、連戦なのに、元気な奴だぜ」

 

そう言いながら、トリコはジュウオウチェンジャーで被害の修繕を行った。

 

戦いは終わり、りんねは新たな力を得た。

 

だが、1年後、彼らの戦いはさらに激化する。




NEME:ブロリー
TYPE:スペシャルアビリティ
賞金:1000万円
概要
伝説の超サイヤ人の力を再現する力。
圧倒的な力と共に悪魔のような考えを浮かばせる能力を持ち、「全てのブロリー」の力を持っている。

ジュウオウゴリラが力を得た経緯の捕捉としては、特典との相性が良ければ、ジュウオウジャー達にも移される事があります。
それは敵側にとっては予想外でもありますが、ジュウオウジャー本編であった、大和とラリーのように転生者自身が特典を渡せば、その力が相性が良ければ、新たな姿が得られます。
なので、新たな形態を書くときには転生者の情報と一緒でも大丈夫です。
皆様のアイディア、お待ちしています。


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第8話 絶体絶命

活動報告にて、転生者の注意点を新たに書かせてもらいました。
長い間、遅れてしまって申し訳ございません。

https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=232877&uid=45956


「第一回、ドキドキ夏休み賞金稼ぎ」

 

「えっなんですかこれは」

 

あの戦いから数ヶ月、しばらくの間は転生者を相手に戦ったり、学生生活を満喫していたクリスの前にりんねが突然宣言した。

 

「はい、これを見てください。

先月の戦いで起きた被害です」

 

「あっそれは確か私が考えた必殺技のですね」

 

「その通りだ」

 

「あぁ」

 

その事を聞いて、先月の事をクリスは思い出した。

 

先月、めぐみんが新たなジュウオウキューブによる合体形態を見た時に

 

「あれって、爆裂魔法と組み合わせたらやばいですよね!!」

 

その一言と共に放たれた一撃はこれまで見てきたどの必殺技よりも威力があった。

 

いや、ありすぎたのだ。

 

戦いの舞台なった場所が無人島で、しかもその時には誰もいなかった事が幸運だったのか、人の被害はなかったが、無人島が一つ消滅した。

 

「でも無人島でしたら、確か1000万円でしたよね?

確か、前に確認したのですが」

 

「それが違ったんだ。

あれはテレビでも有名な無人島で現在でも取り上げられる事で、島自体の価値がやばいぐらいに上がってしまったんだ。

結果、その値段、10億円」

 

「・・・・」

 

その言葉を聞いた瞬間、クリスは倒れてしまった。

 

「そう、クリスの反応を見て分かるように借金の額が本当にやばい。

具体的には早く借金を返さないと、ここから追い出されるレベルでやばい程にな」

 

「どっどっどうすれば良いんですか」

 

「落ち着け。

その為の会議だ。

それで、何か良い考えはあるのか?」

 

「あぁ、この日本では俺達以外にもう一組活動していて、普段は互いに不干渉な状況になっている。

緊急時には手を組む事があるがな」

 

「えっ」

 

その事に驚きを隠せなかったクリスは思わず身を乗り出す。

 

「もう一組いるんですか!!」

 

「いるよ」

 

「何を今更」

 

「教えてもらっていない、この数ヶ月間!!」

 

突然告げられた事実に驚きを隠せないクリスはその場にいた全員に言った。

 

「そうだっけ?」

 

「別に活動に問題ないし、良いんじゃない」

 

「この人達は!!」

 

この数ヶ月の間でも知ったつもりの仲間の性格に思わずクリスは頭を抱えてしまう。

 

「とにかく。

俺達がこの地域にいない間は彼らにこの地域の守りを任せるとして、俺達はこれから大物を狙いに他の場所に行く!!」

 

「他の場所?

そもそも、なんでこの駒王町に転生者が多数いるんですか?」

 

その言葉を聞いて、クリスは心配になってくるのと同時にふと疑問に思えた。

 

「分からない。

なんでこの町にそんなに転生者がいるのか分からない?

俺達が通っている悪魔にも聞いたんだけど、理由は分からないらしい」

 

「悪魔って、もうっ私が知らない事ばっかりじゃないですか」

 

それまで説明されなかった数々の出来事で既にまいっているクリスはそのまま机で寝込んでしまう。

 

だが、それ以上に放っておくと危険だと感じ、すぐに起き上がる。

 

「あの、それって大丈夫なんですか?

その、他の地域に行くには何かとお金がかかるのでは?

前みたいな方法は無理なんですか?」

 

「あれはセールで買ったからな。

俺はセールになっている奴しか使わない」

 

「このパンジャン輪入道は使わないのですか」

 

「そんな高い物など使えるか!!」

 

めぐみんは何時の間にか持っていた死神道具通販雑誌というのを取り上げながら、りんねに尋ねる。

 

同時にりんねの目から血涙を流しながら、これまでにない雰囲気でめぐみんを睨んだ。

 

「そっそれじゃあ、それ以外の方法はあるんですか?

 

「それに関しては安心しろ。

既にクロウが格安ルートで海外に行く方法を手に入れた」

 

「まったく、リーダーの指示には程々困るぜ」

 

「クロウさんって、何者」

 

会議で疲れたように、グラスを揺らしながら笑みを浮かぶクロウに対して、思わずクリスは突っ込んでしまう。

 

ついでにグラスの中に入っているのは砂糖水である。

 

「とにかく!

海外に行って、金になる転生者をどんどん倒して、がっぽがっぽ金を儲けるんだ!

それぐらいじゃないと、俺達はマジで露頭に迷う」

 

「入るチーム間違えてしまったのかな」

 

そう言いながら、思わず頭を抱えてしまうが、既に決まってしまった事を悔いても仕方ない。

 

そう思い、クリスは頬を叩きながら

 

「それで、その、どうやって海外に行くんですか」

 

「なに、マグロ漁船を乗り継げば、すぐに着くさ。

その後は歩けばなんとかなる。

ショショの3部だって、エジプトまで50日で行けたんだから」

 

「漫画ですよね!!」

 

そう言いながら、クロウは持っているコンビニで捨てられた漫画を見せながら笑みを浮かべる。

 

「マグロ漁船って、マグロ漁船って。

あの、ジュウオウキューブは使えないんですか」

 

「えっ?」

 

「いや、だって、ジュウオウキューブだったら、移動するのに金はかからないんじゃ」

 

「目撃者に見つかる可能性があるだろ。

戦闘の時の狭い範囲ならともかく」

 

「まぁ確かに、それはそうですけど」

 

「とにかく、行ける場所は限られているんだ。

早く決めないとな」

 

そう言い、クロウはパスポートを配り始めた。

 

撮った覚えのない写真などがあり、明らかに偽造されているのが分かるパスポートに不安を覚えながら、目的地について話し始めた。



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第9話 爆裂探偵

夏休みを利用して、りんね達は京都へと向かっていた。

 

「なんで、こんな事に」

 

「ほら、売りますよ」

 

彼らは廃車を改造して作り出した弁当屋で金を稼ぎながら、京都へと向かっていた。

 

一目を避けながらの遠出の為、寝泊まりできる拠点と共に日用品なども買う為に夜はトリコとクロウが運転を行い、昼間はりんねとめぐみんとクリスの三人で弁当を売っていた。

 

「それにしても、よく売るのを許可できましたね」

 

「まぁ、トリコとクロウが色々と手を回してくれましたからね。

とりあえずはさっさと売れますよ!」

 

そう言いながら、めぐみんはクリスに文句を言っていると

 

「きゃーー!!」

 

「んっ?」

 

何か声が聞こえ、めぐみんはジト目になりながら、クリスは慌てた様子ですぐにコンビニへと向かう。

 

「なんだ変な事か?」

 

「とりあえず行きましょう。

この騒ぎでは弁当の売り上げに響きますので」

 

そう言いながら、りんねはめぐみんと共に事件のあったコンビニへと入っていった。

 

そこにはコンビニ内にいた客だと思われる女子高生やおじさんに店員が集まっており、その現場を見ていた。

 

「これはっ!!」

 

そこに映っていたのは人の死体だった。

 

一人の女性がトイレに頭から突っ込んでおり、ギャグにしか見えない状態だった。

 

「死んでる」

 

そこでめぐみんはさっそうと女性の脈を測り、トイレから顔を取る。

 

そこには何が起きたのか分からないように目を見開きながら死んでいる女性の顔だった。

 

「一体何が起きたというの!!」

 

「まさか自殺なのか!!」

 

「お前っ!!」

 

その状況に混乱している客の中でめぐみんは周りを見渡していた。

 

そして、その手にはジュウオウチェンジャーを取り出して、周りを見つめた後に

 

「動かないでもらいますか!!」

 

その声と共に、その場にいた全員が動きを止めた。

 

「この中に既にこの事件の犯人がいます!!」

 

「「「「「っ!!!」」」」」

 

その一言に、全員が驚きで目を見開いた。

 

僅かに現場を見た程度で犯人が分かったというめぐみんの言葉に、その場にいた全員が驚きを隠せずにいた。

 

「何を冗談言っているの!!」

 

そう言って、女子高生は切れたようにめぐみんに向かって叫ぶが

 

「なに、簡単な事ですよ。

本当に既に全ての謎は解けているので!!」

 

「え」

 

コンビニで起きた謎の密室殺人に対して、めぐみんは何時の間にか用意していた魔法使いの帽子をかぶりながら、宣言した。

 

「犯人が分かったって、これのか」

 

「はい、まぁ推理は結構無茶苦茶ですが、この場合はそれで良いんです」

 

「??」

 

そう言いながら、めぐみんはとある人物に向けて、指を指す。

 

「犯人はあなたです!!

女子高生A!」

 

「はぁ!?」

 

いきなりの事で戸惑いを見せる第一発見者の少女に向けてめぐみんは宣言する。

 

「何を言っているの!

なんで私が犯人な訳!!」

 

その言葉に流石に切れたようで、女子高生はめぐみんに向けて睨みつける。

 

「いや、単純にその蛇口を触っていたので」

 

「なんで蛇口を触っていただけで犯人な訳!!

第一、なんで蛇口に触っていたという証拠でもあるの!!」

 

「なに、あなたの手、さっき見たら僅かに濡れていたんですよ。

おそらくは蛇口の先に手を振れていたので僅かに濡れたのでしょう」

 

「っ!!」

 

「確かに、なんか悲鳴が聞こえたから俺達も来たけど、その時にはトイレの前にお嬢さんがいたな」

 

「だっだとしても、どうやって殺したのよ!!

トイレは密室なのよ!」

 

「良いでしょう、ならばまずは犯人はどうやって被害者を殺したのか説明しましょう。

まずは被害者の死因は確かに溺死です」

 

「まぁ、素人目でしか分からないけど」

 

「そう、結果的に溺死になりましたが、溺死になる前にとある事が起きたのです。

被害者の身体の幾つかに火傷のような跡がありますよね」

 

「えっえぇ」

 

それは何か様子が可笑しいと感じたりんね達によって既に確かめており、身体には最近になってできた火傷の痕があった。

 

「だけど、それが何と関係しているんだ?」

 

「では、火傷はなぜできたんですか?

はっきり言いますと、このコンビにで火傷の原因になる物など、店員のいる場所以外にはあり得ません。

被害者の荷物にはライターもありませんし、何よりもこんな綺麗な火傷を作れるはずはありません」

 

「それは、最初から火傷をしていたんじゃないの?」

 

「そうですか?

私達が弁当を売っている時には、あのような火傷の痕はありませんでしたよ。

見間違いはまずありえない程に目立ちますよ」

 

その言葉に関心するようにクリスは言う。

 

「めぐみんさんって意外と頭が良いんでね」

 

「普段はあれだけど、頭脳に関しては俺達の中で一番賢いぞ」

 

めぐみんの意外な推理に関心しているクリスだが、話はまだ続いていた。

 

「だからって、何よ!!

火傷があったて、それが溺死となんの関係があるのよ!」

 

「それがあるんですよ。

次にこの現場に来てから、可笑しいと思ったのは暴れた形跡がまるでなかった事です」

 

「暴れた形跡?」

 

「はい」

 

そう言い、めぐみんはトイレにある死体があった場所を見る。

 

「見た限りでは、被害者はトイレの水へと顔を突っ込んで、そのまま溺死したのは分かります。

ですが、溺死する寸前までまったく暴れなかったなどあり得ません」

 

「確かに、自殺しようとしても、無意識に息を求めるはずだ。

それなのに、まるで暴れた痕がない」

 

「この事から考えて、被害者の身に何が起きたのか。

そこで火傷がつながります」

 

「火傷?」

 

「えぇ、ずばり火傷は電気によってできたのです!!」

 

「電気?

なにふざけているの?」

 

「ふざけてなんかいませんよ。

電気に当たった被害者はそのまま身体が痺れてしまい、動けなくなってしまったんですよ。

スタンガンなどで身体が当たれば身体が痺れて動けないようにです。

つまりは、被害者は身体を痺れさせられて、そのまま溺死したんです!!」

 

「はぁ、あのねぇ、確か少しは筋が通っているようだけど、そんなの現実で起きる訳ないでしょ」

 

「いやぁ、でもですね。

あなたが蛇口に触っているならば、全てがつながりますよ」

 

そう言い、めぐみんはジュウオウチェンジャーを構えた。

 

「転生特典である超電磁砲。

電気を操る能力を持っていますし、人を痺れさせる程の電力だって、簡単に操れますよね?」

 

「はっはぁ、何を言っているのっ!!」

 

めぐみんは冷めた目で女子高生を見つめると

 

「大方、それを使ってトイレで変な音を立てて、それが気になった被害者に向けて電気を出したんですよね。

そのまま電気で動けなくなった被害者はそのまま倒れて、トイレの中へと顔を突っ込んで溺死。

運の要素も強いですが、考えられる限りでは、これが当たりですね」

 

「あっあんたっいい加減にっ!」

 

「いい加減になんですか!!

私は、今、結構怒っているんですよ!!」

 

その言葉と共にめぐみんは怒りに震えたように拳を握りしめる。

 

「そんな恰好良い能力を持っておきながら、トイレで自殺させるように見せる!?

馬鹿みたいな能力の使い方をして、私は怒りマックスですよ!!」

 

そう言いながら、めぐみんは何時の間にか手に持っていたジュウオウバスターを構えていた。

 

「あっあいつ!!」

 

何を行おうとしているのか察したりんねは、すぐにジュウオウキューブを取り出す。

 

【ゴリラ】

 

「本能覚醒!!」

 

同時にりんねはジュウオウゴリラへと変身し、その手にはキューブカブトガニを装填したジュウオウバスターを出す。

 

「エクスプロ―ション!!」

 

「カブトシールド!」

 

同時にめぐみんは爆裂魔法を女子高生相手に遠慮なく放ち、ジュウオウゴリラはめぐみんの前に構えたシールドを使い、爆発の衝撃から客や店員を守った。

 

「ふぅ」

 

同時に見てみると、先程まで様々な物が置かれていた棚は無くなり、女子高生は真っ黒になりながら気絶していた。

 

「爆裂!!」

 

「加減を知れ!!」

 

「ぎゃーー!!」

 

自慢するような表情で言っためぐみんに対して、ジュウオウゴリラが拳を使ってめぐみんの両こめかみで挟むように圧迫する。

 

「あぁ、もうこいつの賞金だけじゃ足りないぞこれは」

 

「んっ?」

 

そう思っていると、女子高生から出てきた特典はそのままめぐみんの方へと吸い込まれる。

 

気になり見てみると、全員のジュウオウキューブには新たに追加されたゴリラ以外にもチーターのが追加された。

 

「こっこれは私の新たな形態の誕生です!!」

 

「ちょっと待てっ!!

今でもやばいのに、新しい力って!!」

 

「借金増えますね」

 

めぐみんの歓喜する声とは反対にりんねは落ち込み、クリスはそっと肩を叩く。




今回登場した転生者の戦闘はあまりありませんでしたが、次回からジュウオウシャークの新形態も登場予定です。
記載がまだでしたが、ジュウオウジャーの変身形態はりんねが変身するジュウオウイーグルは原作通りのゴリラとホエールを予定にしておりますので、ジュウオウイーグルは外れます。
また変身形態自体も一人3形態までと考えておりますので、気になる人は早めにお願いします。

今回登場したのは烈 勇志さんの転生者です。
ジュウオウキューブははっぴーでぃすとぴあさんからアイディアを頂きました。
活動報告ではまだまだ募集しておりますので、皆様の応募、お待ちしています。

転生者
NEME:レベル5『電撃使い(エレクトロマスター)』
TYPE:スペシャルアビリティ
賞金:500万円
概要
【とある魔術の禁書目録】や【とある科学の超電磁砲】で登場する少女『御坂 美琴』の超能力。
電撃を操る能力であり、最大出力が10億ボルトに達する電撃や落雷、雷撃の槍、砂鉄の剣や鞭など多数の攻撃技を持つ。また直接戦闘に限らず、能力を利用したハッキング、そして電子機器に対するサイバーテロも可能。
発する電磁波はセンサーの役割を果たしており、空間把握などに応用して死角からの攻撃にも対応出来る。
美琴嬢自身は体に負担がかかるから使っていないが、体内の電気信号の操作も使用する事もでき、生体電流を数パーセントだけ強化する事によって身体能力を強化する事も可能。
特典とは違うが、神器『魔剣創造』を宿しており、魔剣を大量に生み出し、電磁操作によって自由自在に動くビット攻撃を可能としている。

設定:
転生をする前は平凡な女子高生だったが、邪神の戯れで勝手に事故死によって転生された際、強大な力を特典として与えられると同時に性格を歪めるような仕組みをし、結果的に自分こそが思考の存在だ考えるようになり、普段ではその様子を見せない様に振る舞い、夜中頃には自分の気に入らない相手を死なない程度にボロボロにするように裏側では動いている。


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第10話 京都大決戦

京都。

 

今回の目的地の一つであり、活動範囲ではない場所の為、普段は見つけられない賞金付きの転生者が見つかる可能性がある場所だった。

 

「そう言っても、そう簡単に見つかる訳ないよな」

 

そう言いながらりんね達は京都を見回るが、怪しい影は見つからなかった。

 

「んっ」

 

そんな道中でトリコは何かに気付いたのか、とある場所へと向かっていた。

 

「どうしたんだ?」

 

「いや、なに。

京都には有名な焼き鳥屋があるからな。

行ってみたいと思っていたから」

 

「焼き鳥屋?

金は」

 

「俺が奢ってやるぜ]

 

「まぁそれだったら」

 

「あれ、私が何かを買おうとした時には文句を言おうとしたのに!!」

 

「お前が借金の原因だろうがぁ!!」

 

めぐみんが何か言おうとした瞬間、りんねはめぐみんの首を掴みながら、文句を言う。

 

「おいおい、そう文句言うなよ。

別行動しているクリスにクロウに文句言われるぞ」

 

そう言いながらトリコは店の中へと入っていく。

 

「おうらっしゃい」

 

「親父、とりあえずおすすめを頼むぜ」

 

店に入ると、店はそれ程広くないようだが、その店から溢れる食欲が出るたれの匂いに木炭が焼ける音は聞くだけでもりんね達は心地良く感じていた。

 

「トリコ君か。

久しぶりじゃな」

 

「おやっさんも相変わらず良い料理を作っているじゃないか?」

 

「まぁな」

 

そう言いながら、おやっさんと呼ばれた人物は近くに置かれていた木片を掴むと、一瞬で燃え、木炭に変わった。

 

「あれ?

もしかして転生者ですか?」

 

「まぁね。

貰ったのは身体が溶岩になるとか能力だけど、そういうのは詳しく知らないからね」

 

そう言いながらめぐみんはジュウオウチェンジャーでその能力を調べる。

 

「マグマグの実。

能力は強いですが、賞金はかけられていませんね」

 

「当たり前だ。

賞金がかけられている転生者はあくまでも転生後悪行を行った奴だけだ。

それを行わない奴にはかけられないし、過去で行った場合でも罪を償っている場合は省かれる」

 

「はははっ、そちらの二人はトリコ君のお仲間かね?」

 

「まぁな。

にしても懐かしいねぇ」

 

「あぁ、本当に。

この京都は今ではこれ程栄えて、嬉しいよ」

 

そう言いながら、焼き鳥を焼いていく。

 

「この力を得た当時は未だに戦争が続いていると思って混乱していた。

けど、戦争などとっくに終わっていて、とっくにこの力など必要はなくなっていたからな」

 

「戦争。

という事は」

 

「・・・・」

 

「正直、その時はすぐにでもアメリカなどに攻撃したかった。

けど、何気なく使った能力で作り上げた焼き芋を食べた嬢ちゃんの姿を見て、思ったんだよ。

この能力はこんな事が使えるんだって」

 

そう言いながら、焼きあがった焼き鳥を3人の前に出す。

 

「ほら、できたよ」

 

「ありがとうな、おやっさん。

それじゃあいただきまっ!!」

 

「っ!!」

 

食べようと思った次の瞬間、店に突然襲う風。

 

同時に迫っていた何かが見えたりんねとトリコはすぐに構える。

 

「きゃっ」

 

「ぐっ」

 

「おわっと!!」

 

「ぐっ!!」

 

そう話している間に飛び込んできた物の正体はクロウとクリスがだった。

 

吹き飛ばされ二人をりんねとトリコは二人をなんとか受け止める。

 

「何が起きたんだ!?」

 

「転生者がっ!!」

 

「っ!!」

 

二人の言葉を聞き、見てみるとそこにはまるで鬼を思わせる転生者がゆっくりとこちらに迫っていた。

 

「あいつ、こんな街中でっ!!」

 

「おやっさんっ!!」

 

そう何が起きているのか分からない間にトリコの声が気になり、見てみると、そこにはおやっさんが倒れていた。

 

「すまねぇな、トリコ君」

 

「いや良い、それより怪我はなくて良かったぜ」

 

「それにしても、あれが転生者か」

 

そう言いながら、おやっさんの見た先には町を壊しながら暴れる転生者の姿があった。

 

「本当、歳をとるのは嫌になる。

立ち上がろうにも、腰が抜けてしまった」

 

「おやっさんは逃げてろ。

ここは俺達が」

 

そう言っていると、おやっさんの身体が光、その光はまるでトリコに引き合うように吸い込まれた。

 

「これは?」

 

「トリコ君に会った時から奇妙な感覚があったが、そういう事じゃな。

トリコ君、俺の力を使ってくれないか?」

 

「何を」

 

「こんな事を引き起こしている奴を止められる力は、もう俺にはない。

けど俺の力がもしも、トリコ君が使って止めてくれるならば、託したい」

 

その言葉を聞き、トリコはゆっくりと頷き

 

「確かに受け取ったぜ、おやっさん!!」

 

その言葉と共に、ジュウオウキューブには新たに亀の紋章が浮かび上がった。

 

同時にトリコは店から飛び出し、りんねとめぐみんの元へと辿り着く。

 

「トリコっ親父さんはっ!!」

 

「あぁ大丈夫だ。

それに親父さんの為に京都の為にも早く奴を止めないとな」

 

 

「おやおやぁ!!

他のメンバーもお揃いようですねぇきゃははは!!」

 

同時に現れたのはまるで鬼を連想させる姿をした怪物だった。

 

近くにある物に触れて破壊しながら、ゆっくりと近づいているが、そんな姿を見ていてもりんね達3人は怯まなかった。

 

「二人共、悪かった。

あとは俺達に任せろ」

 

「そんなっいくら何でも「任せた」クロウさんっ!!」

 

「クリス、お前もさっきの戦闘でボロボロだろ。

そんな奴が戦闘で役に立つか?」

 

「それは」

 

「それにあいつらの顔を見てみろよ。

今の奴らだったら、負ける気はないぜ」

 

同時にりんね達は各々のジュウオウチェンジャーを構えた。

 

【ゴリラ!】【チーター!】【スナッパ―!】

 

「本能覚醒!!」

 

同時にりんね達の姿は変わり、そこに現れたのはこれまで知らない組み合わせだった。

 

「ジャングルの王者!ジュウオウゴリラ!」

 

「電速の王者!ジュウオウチーター!」

 

めぐみんがそう名乗ると共に水色のチーターへと変わり、その衣装は黄色いロングコートへと変化していた。

 

「沼地の王者!ジュウオウスナッパー!」

 

同時に黄色い身体の背中には甲羅を背負っていた。

 

「「「動物戦隊!ジュウオウジャー!!」」」

 

「へぇ、面白いなぁ!!

だけどすぐに死ぬよなぁ!!」

 

「悪いが、ここから先には好きにはさせない。

俺達を舐めるなよ!!」

 

新たな姿を得た3人は目の前にいる転生者と戦う為に構えを取る。

 

「ひゃははぁ!!

新しい3人がどんな力が楽しみで楽しみで仕方ないですなぁ!!」

 

その一言と共に姿を消して、転生者は接近してくる。

 

転生者はそのままジュウオウスナッパーに向けて手を伸ばし、腕を掴んだ。

 

同時にジュウオウスナッパーの腕は徐々に溶けるように消えていくはずだった。

 

「あんっ?」

 

「3連熱釘パンチ!」

 

消えていくはずだった腕は消滅する事なくその場で留まっており、ジュウオウスナッパーはもう片方の腕を溶岩で覆い、転生者を殴りつける。

 

「っ!?」

 

一瞬、驚きを隠せずにいたが、転生者に触れた腕は瞬く間に溶けたが、転生者は3回程に来る衝撃に驚きながら、後ろへと吹き飛ばされる。

 

「なんでだ?」

 

疑問に思いながら、見つめると、転生者が確かに破壊したはずの腕はボロボロと崩れていたが、それはまるで岩だった。

 

やがて、背中の甲羅から出てきた溶岩が再びジュウオウスナッパーの腕を覆い、鎧を形成した。

 

「へぇ、面白い面白い!

溶岩の鎧という訳か!!

俺が触れた所はあくまでも溶岩の鎧の一部だったから触れてもすぐに身体までは届かなかった。

なるほどなるほど」

 

笑みを浮かべながら、ジュウオウスナッパーの能力を理解すると共に笑みを浮かべていた。

 

そう言いながら、すぐに構えていたが

 

「面白いならば、もう少し付き合ってくださいね!!」

 

そう言いながら、次に転生者に訪れたのは痺れるような衝撃だった。

 

見てみると、ジュウオウチーターの腕から放たれた電撃が次々と転生者に襲いかかっていた。

 

「正直、爆裂魔法以外には興味はありませんでしたが、魔力も消費しないですし、何よりも格好良いので、能力は使わせて貰います」

 

そう言いながらジュウオウチーターの手にはジュウオウバスターを持っており、その銃口には既に電撃が溜まっていたのか派手な音と共に溜まっていた。

 

「っ!?」

 

「瞬間超電磁砲」

 

その言葉と共にジュウオウチーターの姿は消え、いつの間にか転生者の背後に周り、引き金を弾く。

 

「ぐっ」

 

襲いかかる電撃の衝撃は転生者の身体を突き抜けて襲いかかる。

 

「厄介だねぇ。

さっきの溶岩の奴のは衝撃だけだったから驚いたけど、君のは本当に身体に響くよ」

 

「そうですか、まぁ私としては爆裂魔法以外は敵を倒すには不十分だと考えていますから。

それにこの程度で十分ですし」

 

「なに?」

 

ジュウオウチーターの言葉に疑問に思っていたが、その答えはすぐに分かった。

 

転生者の背後から迫る影、それはジュウオウゴリラだった。

 

だが、その腕は巨大な赤いエネルギーを纏っており、拳の形に変わっていた。

 

「っ!!?」

 

「それでは」

 

その言葉と共にジュウオウチーターの姿は消えており、転生者もすぐにその場から逃げだそうとしていた。

 

だが

 

「なっ!?」

 

転生者はその場から動けなくなっていた。

 

何が起きているのか分からず、見てみると転生者の身体に僅かに張り付いている溶岩の欠片があった。

 

そして、転生者の身体から僅かに取れた欠片はまるで地面に吸い込まれるように凄まじい速さで地面に叩きつけられた。

 

「まさかっあいつらっ!!」

 

溶岩の欠片、その中には鉄が含まれており、ジュウオウチーターの一撃は必殺ではなく転生者を拘束させる為の技だった。

 

磁力を纏った溶岩の欠片同士が引き合っており、それに巻き込まれる形で転生者はその場を動けなくなっていた。

 

絶対的な防御で違和感を感じてなかった転生者はその場を動く事ができなかった。

 

「ははっまいったなぁ」

 

その言葉を最後にジュウオウゴリラの必殺の一撃が転生者を叩きつぶした。

 

ジュウオウゴリラの一撃が確かに転生者を貫いたその瞬間。

 

「なっ!?」

 

その拳の下から、溢れ出す炎はジュウオウゴリラを吹き飛ばし、その姿を現す。

 

現れたのは巨大な鬼の怪物だった。

 

「まさかっ暴走っ!!」

 

先程まで戦っていた転生者の特典が暴走している。

 

その事に気づいた彼らはすぐにジュウオウチェンジャーを構えた。

 

「さっさと片付けて、おやっさんの焼き鳥を食べるぞ」

 

「あぁ」

 

「これ以上借金を増やす訳にはいけませんからね」

 

その言葉と共にジュウオウチェンジャーを操作すると共に彼らの元へと現れたのは3つのジュウオウキューブだった。

 

「動物合体!!」

 

その声と共にりんねが乗り込んだキューブゴリラを始め、キューブチーター、キューブスナッパ―の三体が現れ、合体していく。

 

【6!11!12!ジュウオウワイルド!】

 

その姿はジュウオウキングとは違う新たなロボ、ジュウオウワイルドが誕生する。

 

「お前をここで止めさせてもらう!!」

 

その言葉と共にジュウオウワイルドの手にはワイルドキャノンが装備され、銃口を転生者に向ける。

 

「ガハハハハァ!!」

 

ジュウオウワイルドと相対した転生者はその腕を巨大化させ、走りながら襲い掛かる。

 

それに合わせるように、ジュウオウワイルドが形成されている各々のジュウオウキューブは光ながら、その腕は巨大化させる。

 

それは溶岩を思わせるアームが作り出されており、そのアームには雷のエネルギーが纏いながら、その攻撃を受け止めた。

 

「はぁ!!」

 

アームが砕け散るが、その度に新たなアームを作り出していく。

 

「ひゃははは!!」

 

巨大なロボットと怪人の殴り合いは近くにある建物を破壊しながら、続いていた。

 

殴り合いが続いていく中で、ジュウオウワイルドは足を振り上げ、転生者を吹き飛ばす。

 

「がふぅ」

 

「おらぁ!!」

 

その一瞬の隙を突かれた転生者に向けて、拳を振り上げた。

 

それによって巨大な拳はロボットパンチのように吹き飛ばし、空高くまで飛んでいく。

 

「ぐっ負けるかよっ!!」

 

だが転生者はその拳を吹き飛ばし、拘束を抜けるが、その時には既にジュウオウワイルドが銃口を向けていた。

 

「「「ワイルドキャノンボム!!」」」

 

3人の声が合わさりながら、巨大なマグマの塊がワイルドキャノンの銃口に集まり、引き金を引く。

 

それによって放たれたマグマの塊は転生者に激突するのと同時に巨大な爆発が起きる。

 

「これも良い爆裂ですね」

 

「今度から空に放たせるようにするか」

 

めぐみんの満足そうな声にりんねは少し考えた。

 

結果的に言えば、今回倒した賞金は想像よりも遥かに超えた収穫を得られた。

 

だが、転生者が引き起こした惨劇は思った以上に多く、人々の蘇生、京都の復興、借金の返済などに使われ、残った金は僅かだった。

 

「それでも、しばらくはなんとかできるしな。

とりあえずは今日はおやっさんの焼き鳥を食べてから東京に戻ろうか!!」

 

「賛成です!!」

 

そう言いながら、焼き鳥を両手に持ちながら、めぐみんは次々と口の中へと放り込んでいく。

 

「それよりも、あの、能力がなくても大丈夫なんですか?」

 

「なに、長年行ってきたおかげで技術はある。

それに木炭もきちんと溜めているからな」

 

「なに、俺だって時々木炭を持っていくぜ、おやっさん」

 

「そん時は頼むよ、トリコ君。

ほら、どんどん食べてくれ」

 

そう言いながら、差し出される焼き鳥を食べていく。

 

「本当に良かったですね」

 

「あぁ」

 

夜になると、京都に住んでいる多くの人々が集まっていた。

 

そこには妖怪なども含まれていたが、誰もが気にせず食べていた。

 

その光景を眺めながら、トリコもまた笑みを浮かべながら、焼き鳥を食べた。




今回登場したのは烈 勇志さんの転生者とはっぴーでぃすとぴあさんのジュウオウスナッパーが登場しました。
まだまだ募集しておりますので、興味がある方はぜひお願いします。

烈 勇志
①転生者
NEME:殺塵鬼(カーネイジ)
TYPE:スペシャルアビリティ
賞金:1000億円
概要:
物質を跡形もなく消滅させる、漆黒の波動を生み出す能力で、この特典の能力を持った転生者が使用する際には日本の昔話に出てくる“鬼”を連想させる鎧を身に纏う。
物体分子間の結合力そのものを崩壊させる物質分解能力で、無機物有機物関わらず接触したものを瞬く間に消滅させるそれにより、攻防一体の攻撃が可能となっている。亜音速に迫る高速移動も可能で、暗黒の瘴気による絶対防御によってまさに無敵の強さを持っていると言えるが、欠点としては特性から気体や非物質による攻撃には効果が薄い事。
特典の元ネタは、【シルヴァリオヴェンデッタ】というゲームに出てくる鬼面を纏った怪物『マルス-No.ε』。

設定:
元々はお笑いなどが好きで、将来は色々な人を笑わせるコメディアンを目指していた高校生だったが、とある不思議な人物=邪神の声を聞き、その声が話した内容に魅力を感じて転生を了承。その結果、何よりも人を殺すのが好きな狂言回しという感じに歪んでしまい、夜中などの時間帯に特典の力で姿を変え、多くの人達を人知れずに能力を使って殺すようになった。なお、こうなってしまったのは特典に宿っていた特典のオリジルというべき存在の魂の一部が宿っていて、それが彼の肉体を支配しているから。本来の魂は特典に宿っているオリジナルの意思が付いた嘘と邪神によってかけられた封印の術式によって自分の意思では動けなくなってしまっている。邪神はこの事も想定したうえで、彼に声をかけて転生させたのだ。
戦う場合、嘘と偽りで獲物となる相手を嬉々として揺さぶり尽くす傾向にあるので、そこがかなり厄介だと言える。


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第11話 野生と宝石

今回の話は合同作品となる『真実に至る宝石の勇者』との合同話です。
最初はガンダムラザーニャーさんが作成しましたので、良かったらどうぞ。
また、真実に至る宝石の勇者でも同様の話があります。


士郎たちは周囲を警戒しながら転生者の反応を追って走っている。

 

「うぅ、せっかくのお弁当の時間が台無しデース!」

 

「いやいや、それはそうだけどさ!

俺たちこのまま殺されに行くの、嘘でしょ!?」

 

「違うって、その転生者を倒しに行くんだ!」

 

「皆、もうすぐだよ!」

 

「あれだな…、お前ら気合い入れてけよ!」

 

そうして走ってる間に、目の前で大勢の人たちが動けない中で、その中心で一人悠然とスマホを弄りながら歩いている少女がいた。

 

しかもその少女から転生者の反応が出ていた。

 

「あら、やっと来てくれたのね。

あなたたちがこの街を守る勇者様たち?」

 

「そうだ。

そう言うお前はこの騒ぎを起こしたのか!

今すぐ皆を解放しろ!」

 

「うふふ、残念だけど、それはできないわ。

だって、あなたたちはもうすぐ私の支配下に置かれるもの。

…出てきて、バインドドミネーター!」

 

少女が手を翳すと、人型の怪人が出現する。

 

「…ビックオーダーの拘束する支配者、バインドドミネーターか。

なるほどな、それで皆を拘束してるわけか。

皆、行くぜ!」

 

『キラメイゴー!

キ・ラ・メーイ!!』

 

『キラメイチェンジ!!』

 

士郎たちはキラメイチェンジャーを操作し変身する。 

 

「煌めきスパークリング キラメイレッド!」

 

「導きシューティング キラメイイエロー…!」

 

「突撃ライトニング キラメイグリーン、デース!」

 

「切っ先アントッパブル キラメイブルー!」

 

「手捌きインクレティブル キラメイピンクっ!」

 

「キラッと参上 カラッと解決!」

 

『魔進戦隊 キラメイジャー!!』

 

「よし、行くぞ!」

 

「わ、わかったよぉ!」 

 

「任せるデース!」

 

「確かあいつのあれには気をつけなきゃな」

 

「けど、ここはすでにあの子の領土だから、油断はできないよ!」

 

士郎たちは様々な方向にばらける。

 

「ふふ、ばらけたところで、私には勝てないのよ!」

 

少女が手を翳すと、バインドドミネーターもそれに従うように杭のついた触手で襲い掛かる。

 

「ひぃ、こっち来るなよ!?

やーめーて!!」 

 

善逸は泣きながらキラメイソードを振り回しながろ避けている。

 

「この触手、中々骨が折れるデス!」

 

『キラメイサイス!』

 

キラメイソードを操作して大鎌のキラメイサイスへと変化させた切歌は触手を弾く。

 

「物理的な攻撃が無理なら、防いで隙を見て近づくまでだ!

時雨蒼燕流 守式六の型 春雨!」

 

武は水の盾を作り触手の行く手を阻み、その隙に一気に接近する。

 

「攻撃できなくても、攻撃をそらすことなら…!」

 

いろはは当たるう直前にクロスボウとキラメイショットで弾きながら攻撃をそらして避けて距離を縮める。

 

「ふっ、せぇや!

ここまで来れば…!」

 

キラメイソードや、投影した剣を使いながら触手を弾いていく。

 

そうして五人は少女へと接近する。

 

しかし、少女はそれを見て笑う。

 

 「ふふっ、そのまま近付いてたら私を捕らえれるとでも思ってるの?」

 

「?」

 

少女はゆったりとした動きで、まるで最初からそう来るとわかってるように避けていく。

 

それも五人の、バラバラな攻撃を。

 

「ふふっ!」

 

少女は余裕で避けていき、距離を取る。

 

「何で避けられるんだ!?」

 

「さぁ、何でかしらねぇ?」

 

小馬鹿にした様子でスマホを弄る少女。

 

その内容が一瞬だけ見えて、いろはは驚く。

 

「っ、スマホに私たちの動きが書かれてる!?

もしかしてそれ、無差別日記なの!?

それで私たちの動きを予知してたってこと!?」

 

「そうよ、これさえあればあなたたちがどういう動きをするのかがわかる。

だから、私はそれに沿った動きを取って避けるだけ。

どう、私にぴったりな能力でしょ?」

 

「けど、だからってこうやって人を縛るのは良くない。

何でこんなことをするんだ!」

 

「別にぃ?

ただ、こうやって人の嫌がることをすると、最高に気持ちが良いのよ!

見てよこの人の苦しむ顔とかをさ!」

 

 

そう言って少女は近くにいた人に思いっきり蹴りを入れ、苦悶の声を上げさせる。

 

「この、やめるデース!」

 

「っ、待て切歌!」

 

「おっと!」

 

切歌が近付いた途端に、少女の目の前に大勢の人たちが行く手を塞ぐように出てくる。 

 

その顔は苦しみに悶えている。

 

「私に攻撃しても良いけどね、その前にあなたたちはこの人たちを斬らないとダメよね?」

 

「くっ、卑怯デスよ!!」

 

「卑怯?

うふふっ、ありがとうそれは私にとっては褒め言葉なのよ!」

 

少女が笑っていると、大勢の人たちが士郎たちを取り囲む。

 

「ひぃっ!!」

 

「これは、ヤバいな…」

 

「くっ、どうしたら…!?」

 

いろはは下を向くと、触手が巻き付いてきていた。

 

 

士郎たちもすぐに気付くが避けることもできずに捕まってしまう。

 

「しまっ!」

 

「ふふっ、さてこのままあなたたちも私の奴隷になってもらおうかしらね!」

 

少女の言葉と共に、士郎たちの体の自由が奪われ勝手に動かされてしまう。

 

「ぐっ、体が、勝手に…!」

 

「やめろぉやめてくれぇーー!!!

死にたくないっ、誰か助けてーーー!!」

 

「誰も助けには来ないわ!

そもそもあなたたちはこの領土に入った時点で敗北してるんだもの!」

 

「ここまで、か…!」

 

諦めかけたその時だった。

 

「ホォー!」

 

「?」

 

突然聞こえてきた梟の声と共に、少女はその場を見ると、昼間のはずなのに活発に動いている梟がいた。

 

「なに、このっ!!」

 

そう疑問に思っている間に梟の瞳が開くと同時にその瞳から照らし出した光に一瞬で目を潰される。

 

「ちぃ!!」

 

「なっ!?」

 

突然の事で同様した少女だが、少女は瞬時に特典で士郎を操り、その前に突き出した。

 

同時に士郎の手に持っていたキラメイソードは何かにぶつかり、そこに立っていたのは赤い髪の少年だった。

 

「なっお前っ!?」

 

「ちっ、思った以上に操る特典というのは厄介だな」

 

そう言いながら、そのまま後ろに下がりながら、その手に持った武器を構えながら、少女に見つめる。

 

「あら、まさかね」

 

「?」

 

目の前の少女は何かを感じたように少年を見つめたが

 

「あの人にそっくり。

だったら、虐めないとねぇ!!」

 

「なっ」

 

その言葉と共に、キラメイジャーのメンバー全員が一斉に襲い掛かる。

 

それに合わせるように少年は手に持っていたアイテムを構え

 

「本能覚醒!」

 

その言葉と共に、その姿はジュウオウイーグルへと変わる。

 

「なっ」

 

「悪い、ジュウオウイーグル!!」

 

「気にするな。

動きは手に取るように分かるからな」

 

そう言いながら、ジュウオウイーグルへと攻撃を仕掛けてしまうキラメイジャーに対して言いながら、攻撃を避ける。

 

「あら、余裕なのね」

 

「余裕も何も、お前、戦闘経験がないから、こいつらの動きが結構単純になっているぞ」

 

そう言いながら、ジュウオウイーグルはそう挑発しながら、飛び上がる。

 

「あら、言ってくれるじゃない!!」

 

「っ!!」

 

そう言い、士郎はジュウオウイーグルへと攻撃を仕掛ける。

 

「・・・」

 

「っ!!」

 

その接近と共に、ジュウオウイーグルは士郎に向けて、言葉を放つ。

 

「分かった!!」

 

「さっさと決めるぞ!!」

 

その一言が終えると同時に

 

「何をしてもって、きゃぁ!?」

 

少女は何かを企んでいるのを見破ると共に、日記を見ようとした瞬間だった。

 

地面が大きく揺れ、地形が大きく変わった。

 

「なっなにぃ!?

地震っ!?」

 

突然の事でその場にいた多くの者達は驚きを隠せなかった。

 

同時に少女の周りにいた人々は地面が割れると共に、そのまま地の底に沈んでいった。

 

そしてその隙を見逃さないようにジュウオウイーグルは構える。

 

「野生開放!!」

 

その言葉と共に、ジュウオウイーグルの身体は変化し、その両腕からは赤い翼が生える。

 

同時にジュウオウイーグルはイーグルライザーを構え、そのまま士郎の身体を巻き付ける。

 

「何をするつもっ!!」

 

すぐにジュウオウイーグルの行動を読む為に無差別日記を読むと

 

「まさかっ逃げる気!!」

 

その言葉を放った時には既にジュウオウイーグルは空高くまで舞い上がっていた。

 

「逃がすかっ撃てっキラメイレッドっ!!」

 

「ぐっ!!」

 

その言葉に従うように既にキラメイレッドの手にはキラメイショットがあり、その銃口はジュウオウイーグルに向けており、その引き金を引いた。

 

「っ!?」

 

「よしっ」

 

同時に見つめると、無差別日記を確認すると、キラメイショットの攻撃は標的に当たる。そう確かに書いてあった。

 

その言葉の通り、キラメイショットの攻撃はジュウオウイーグルに向かっていたが

 

「なっ!?」

 

キラメイショットのキラメイバレットは赤い光を纏いながら、ジュウオウイーグルに向かっていた攻撃は曲がる。

 

「はぁ!?」

 

複数に打ち出されていたキラメイバレットは互いに弾きながら、木や他のメンバー達をすり抜けながら、その攻撃は少女を打ち抜く。

 

「なぁ!?」

 

「無差別日記の予言、当たっていたか?」

 

そう言いながら、地面へと落ちていく士郎をジュウオウイーグルは掴み、そのまま地面へと辿り着く。

 

「なっなんで?!」

 

「正体はこれだよ」

 

そう言いながら士郎が取り出したのは一つの剣だった。

 

全体が真っ黒で、幾つかの刃が細い芯に螺旋を描いて巻きつき、そのままやや外側に反り出したような剣だった。

 

「なんだっそれは」

 

「フルンディング。

こいつは例え弾かれようと射手が健在かつ狙い続ける限り標的を襲い続けるんだ。

そして」

 

その言葉と共に、懐にあったキラメイバレットに向けると、フルンディングはそのままキラメイバレットへと吸い込まれる。

 

「こういう訳だ」

 

「まさかっ!?」

 

「お前がそう命令するのも、既に計算通りという訳だ」

 

「えっ、何時からなの!?」

 

「ここに来る前だよ」

 

ジュウオウイーグルの言葉と共に現れたのは他のジュウオウジャーメンバーだった。

 

「まったく、無茶させるぜ。

これにも慣れていないというのに」

 

そう言いながら、ジュウオウスナッパーは地面に手を置くと、先程まで変形していた地形は再び元に戻った。

 

「えぇ!?

何っ、地面を操っているの!?」

 

「地面じゃないぞ。

マグマを操っている」

 

「もっと物騒なのを操っていた!?」

 

ジュウオウスナッパーの一言に驚きを隠せない善逸は叫ぶ。

 

「まったく、ルーキーはまだまだ甘いな」

 

「いや、それ私に刺さるからやめてください」

 

「あれっ、向こうの白いジュウオウジャーは新メンバーかな?」

 

「むっ?

どこかで聞いた事がある声デスが?」

 

「あっという事は!!」

 

「あぁ、とっくに避難済みだ。

まぁ記憶処理でかなり金は使ったが、それはこれから稼がせてもらうから問題ない」

 

「えっ?」

 

ジュウオウイーグルの言葉に疑問に思った士郎は見つめると、少女の後ろから現れたのは3人の転生者だった。

 

それも、その姿は怪人と呼ぶに相応しい姿だった。

 

「おいおい、ボスよ。

お前がやられるとは情けないなぁ」

 

「五月蠅い!!

あんたらがさぼっているからでしょ!!」

 

「あぁ、怖い怖い!!

だけど、大丈夫だよ、僕チン達がすぐに取り戻すから」

 

「あぁ、カチャ!

ちょうど、うずうずしていたカチャ」

 

その言葉と共に3体の怪人は迫っていた。

 

「二人だったら、戦隊別に分けられていたが、これは面倒だな」

 

「だったら、物は試しだぜ。

おい、クロウ、黄色と青い奴。

俺達はあの歯車野郎をぶっ潰すぞ」

 

「えっ、首を掴まないでぇ!?」

 

「ははっ面白い人だなぁ」

 

「たく、先走りだぜ」

 

そう言いながら、飛び出たジュウオウスナッパーと首を掴まれたキラメイイエロー、その後についていくキラメイブルーとジュウオウエレファント。

 

「では、私達はあの気味の悪い蜘蛛を始末しますか。

丁度実験したくて、わくわくしています!!」

 

「ちょっめぐみん!!」

 

「どっどうしたの?」

 

「うっうぅ~ん?

あの新人の人の声、どっかで聞いた事があるような?」

 

ジュウオウシャークはその言葉のままに走り出し、その後ろをついていくようにジュウオウタイガー、キラメイグリーン、キラメイピンクもついていく。

 

「つまり、俺達はあいつと戦うという事か」

 

「あぁ、油断はできないようだな」

 

「ふっせいぜい、落胆させるなよ」

 

そう言いながら、最後に残った転生者はその手に持った剣を向ける。

 

「俺達を舐めるなよ!!」

 

ジュウオウイーグルの一言と共に戦いの狼煙が上がった。



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第12話 眠れる雷

今回の話はガンダムラザーニャさんが担当したパートです。
次回の2パートは私がやらせてもらいます。



「キヒヒ、お前たちが俺の相手カチャ?」

 

善逸、武、エレファント、スナッパーは歯車の怪人の前にする。

 

「そういうことになるな」

 

「そういうことだから、頼むぜルーキーども!」

 

「おっ、任せてくれ!

それにあんたらと四人でなら、あいつも怖くねぇぜ!」

 

「おいちょっと待てよ!?

それ俺も含んでんだろぉっ、ざけんなよ!?

俺めっちゃ弱いの知ってるだろぉ!?」

 

三人は戦闘態勢に入りながらそう言うが、善逸は泣き喚く。

 

「おいおい、大丈夫だって!

お前本当は結構強いんだって、俺が保証するから!」

 

「はっ、ふざけんなよ全然強くねぇよ!」

 

「…お前のとこも大変だな坊主」

 

「まぁいつものことだけどな」

 

「…話は終わりカチャか?」

 

武たちが話をしてる最中に、怪人が痺れを切らして身構える。

 

「なら、こっちから先に行かせてもらうカチャ!!」

 

「っ、来るぞ!

構えろぉ!!」

 

怪人は大量の歯車を投げつけ、それを避ける。

 

「この歯車、結構数あるな…!」

 

『キューブハリモグラ~!』

 

ハリネズミ型のジュウオウキューブ、キューブハリモグラを取り出したエレファントはジュウオウバスターに装填し銃にし、次々と飛んでくる歯車を撃ち落とす。

 

「ならこっちも!

時雨蒼燕流 守式 七の型 繁吹き雨!!」

 

武もそれに続くように巨大な水飛沫を上げて歯車を弾き返す。

 

「全部当たらなかったカチャ…、だがこれでもどうカチャ!」

 

怪人の言葉と共に無人の車やトラックなどの乗り物が独りでに動き出した。

 

「こんなことあるぅ!?」

 

「キヒヒ、俺の歯車は機械に寄生することで操り暴走させる能力なんだカチャ!!

くらえぇ!!」

 

車やトラックがすごい勢いでエンジンを吹かせて突っ込んでくる。

 

「くっ!」

 

武たちは轢かれないように避けようとするが、大きさに加えて凄まじい速度で突っ込んでくるので避けるのが困難だった。

 

「ちっ、避け切れねぇぞこいつは!」

 

『キューブセンザンコウ~!』

 

エレファントはセンザンコウというアルマジロに似た生き物のジュウオウキューブ、キューブセンザンコウを取り出してジュウオウバスターに装着させてチェーンソーのような剣にして真っ二つに切り裂く。

 

「うおおおおおっ、釘パンチ!!」

 

スナッパ―は膨れ上がった片腕で乗り物を殴りつけ、三発ほどのクレーターができるほどの衝撃を与えて爆散させる。 

 

「時雨蒼燕流 功式 一の型 車軸の雨!!」

 

衝突せんとする乗り物に向かって突っ込んだ武はキラメイソードでタイヤを抉るように突き刺し軌道をずらし他の乗り物にぶつけさせる。 

 

「あ”ぁーーーーーーーーーーっっっっっっ!!!!!!!!

来ないでっ、来ないでくれぇっ!!

やーめーてーーーーーー!!!」

 

三人が乗り物を破壊して攻撃を防いでる間に、善逸は向かってくる乗り物から汚い高音をあげながら逃げ回っていた。

 

「しまっ、善逸!!」

 

「あの黄色いの、真っ先に逃げやがった!

どんだけビビりなんだよ!?」 

 

「援護に回ろうにも、俺たちにはそう言う余裕はなさそうだぜ?」

 

エレファントの言う通り、乗り物たちに行く手を遮られてるため、援護に向かうことができない。

 

「キヒヒ、まずはあの黄色のやつからだカチャ!」

 

「ちょっ、こっちに狙いつけんなよ!?

ちょっとで良いから一人にしてくれよちょっとで良いからーーーっ、うがっ!」

 

必死で逃げ回る善逸だったが、地面に足を引っかけて転んでしまう。 

 

「ひぃ!」

 

すぐに立とうとするが、恐怖の余り足が震えて上手く立てないでいる。 

 

だがそうしてる間に、乗り物が迫ってきた。

 

「ひっ、ぃあ…っ、…あっ」 

 

マスクの下で泣き崩れる善逸は後退りするが、それでも恐怖のあまり気を失ってしまう。

 

それを見て怪人は乗り物に操作して、最高速度で善逸を轢こうとした。

 

しかし、当たる直前で善逸は消え、同時に乗り物に何発もの風穴が空いて爆散する。

 

その直後に善逸はキラメイソードを居合のように構えた状態で降り立った。

 

「おっ、あいつ本領発揮したみたいだな。

寝てるけど」 

 

「ぐっ、何だこいつ…!

こうなったらこいつらをくれてやるカチャっ!!」

 

怪人の言葉に、武たちを囲んでるやつとは別に、他の乗り物たちが凄まじい勢いで善逸に向かいをどこにも逃げられないように周りを塞ぎながら走る。

 

「くたばれカチャ!!」 

 

「…雷の呼吸 壱の型改・風式 霹靂一閃・嵐!!」

 

当たる寸前、善逸が勢いよくキラメイソードを横薙ぎに振った途端に、雷を帯びた嵐が巻き起こり、容赦なく乗り物を吹き飛ばしていく。

 

「なっ!?

今ので操ってた乗り物が一瞬で!?」

 

「おいおい、あいつがその気なら、俺も負けてられねぇな!」

 

地面を思い切り殴ると、殴ったスナッパ―を中心に地面が溶岩のように歪み、乗り物が沈んでいく。

 

それ故いくらエンジンを吹かしてももうこれ以上動けない。

 

「助かるぜスナッパ―!

おい青いの、今のうちに畳みかけるぞ!」 

 

「わかったぜ!」

 

『キューブキリン~!』

 

武はキラメイソードに雨の炎を纏った上で小次郎を召喚及び前進させて巨大な波を作りながら怪人に向かって突っ込み、キューブキリンを装填したジュウオウバスターを狙撃銃のように構える。

 

「くっ、こっちに来るなカチャ!!」

 

「雷の呼吸 壱の型 霹靂一閃 六連!!」

 

大量の歯車を投げつけるが、善逸が二人の露払いをするように一瞬で歯車を切り裂く。

 

「なら、これはどうだカチャ!!!」

 

怪人は今までにないほどの巨大な歯車を召喚し、それを投げつける。

 

「悪いが、てめぇはここで終わりだぜ?

…3連熱釘パンチ!!」

 

スナッパ―は赤化し膨れ上がった腕で思い切りパンチを喰らわせ、歯車が原形を留めないほどまで融解させ消し飛んだ。 

 

「ありがとな二人とも!

…時雨蒼燕流 特式 十の型 燕特攻スコントロ・ディ・ローンディネ!!」

 

「そこだ、狙い撃つ!」

 

二人の攻撃により大きく切り裂かれ、撃ち抜かれた怪人は倒れ込んだ。

 

「こ、これほどとは、カチャ…」

 

「悪いな、これで緊急時には共闘するようにしてるから、簡単には負けないんだ」

 

武はそう言うと気を失った怪人から宝石を採掘し、スナッパ―は地面を元に戻す。 

 

「よっ、お疲れだな青いの!」

 

「あぁ、あんたらもな!」

 

 

 

「…んがっ!

あれ、もう終わってる!?

ぎゃーーーーーっ熱い、クッソ熱すぎるよぉ!!!

何これ、もしかしてそこのゴリラさっきマグマの力使った!?」 

 

「…お前はもうずっと寝てた方が良いんじゃねぇか?」 

 

エレファントと武は互いを労い、スナッパ―は呆れながら騒ぐ善逸を見る。

 

「…とりあえず、俺たちは終わったけど、士郎たちは大丈夫なのか?」 

 

「それだったら他のジュウオウジャーのメンバーもそうだけど、いろはちゃんと切歌ちゃんも心配だよぉ!」

 

「心配するなよルーキーども、俺らのとこだってそう簡単には負けねぇよ。

 

だからお前らのところの奴らのことも、信じてやれよ」

 

「そうだな、確かにそうかもしれねぇよ」

 

話が終わって、武たちは他のメンバーの下へと向かった。

 



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第13話 キレる白虎

活動報告にて、新たな項目を追加しました。
興味がある方はどうぞ、お願いします。

https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=232877&uid=45956



男性陣達が転生者と戦っている同時刻

 

そこには様々な蜘蛛の糸によって作られている巣痕ができており、その中で彼女達は戦っていた。

 

「こいつ、本当にしつこいデス!!」

 

その言葉と共にキラメイグリーンはその手に持っているキラメイサイズを使い、目の前に迫りくる蜘蛛の糸を次々と切り裂いていく。

 

「頑張ってくださいねぇ。

私、接近戦とか、超無理ですので」

 

「いや、手伝ってくださいよ!!」

 

そう言いながら、ジュウオウシャークはあくびをしながら告げており、その間キラメイピンクはキラメイショットを使い、ジュウオウシャークを守っていた。

 

「本当に、あの先輩は」

 

そう言いながら、ジュウオウタイガーはその手に持ったジュウオウバスターを使い、転生者を切り裂こうとするが

 

「無理無理!!」

 

そのまま手足を器用に動かしながら、その場を立ち去った。

 

「私の臨獣蜘蛛拳は攻守に優れており、近距離だろうと遠距離だろうと自在に対応できるのさ」

 

「だけど、見た目、無茶苦茶キモイデス!!」

 

そう言いながら、目の前にいる転生者の特徴である様々な蜘蛛の要素が加わった姿に加え、口元は蜘蛛のように滑らかに動いて、キラメイグリーンは思わず叫んでしまう。

 

「いひひひぃ、これは失礼ですね。

失礼なお方にはこれです!!!」

 

そう言いながら、転生者は網状の糸を作り出し、彼女達に向けて放った。

 

「きゃっ!!」

 

「なっなんデスかこれはっ!!」

 

「きひひっ、女性の身体は実に魅力的ですねぇ。

スーツの上でも十分に分かる程に」

 

そう言いながら見つめる先にはジュウオウタイガーとキラメイグリーンは糸によって拘束されており、身動き一つ取れなかった。

 

「これっねばねばしていてっ!!」

 

キラメイピンクも同様に動けなく困惑をしており、既に全員分の動きを封じ込められていた。

 

「さぁて、じっくりとうげぇ!?」

 

そう言っていると、転生者が近づこうとした瞬間、転生者の頭に何かが当たった。

 

「なっ貴様はっ!!」

 

そこにはただ一人、拘束されていないジュウオウシャークの姿が立っていた。

 

「なぜっ、貴様は拘束されていない!!」

 

「なんだか、すぽっと通り抜けました」

 

「しまったっ、お子様体系を考慮した糸を出していなかった」

 

「よし、そこ動くなよ、蜘蛛野郎」

 

その言葉と共にジュウオウシャークは怒りと共に、全身を震わせると。

 

「野生開放!!」

 

その言葉と共にジュウオウシャークの背中には鮫の鰭が生えており、走り出すと共に青い円となり、転生者に向かっていく。

 

道中で、拘束していた3人の糸を切り裂き、転生者を切り裂く。

 

「おぉ、すごいデス!!

なんでもっと本気を出さなかったんデスか?」

 

「何を言っているんですか。

私は爆裂魔法を愛しているんです。

爆裂魔法以外はあまり使いたくないので、基本はあまりしません。

まぁ最近は爆裂魔法の可能性が広がりそうだから、なかなか」

 

「うわぁ。

えっと、大丈夫ですか、そのタイガーさん」

 

そんなあまりの態度に思わずキラメイピンクは引いてしまい、同僚であるジュウオウタイガーを心配して、声をかけようとすると。

 

「いい加減にしろぉ!!」

 

「「えっ!?」」

 

「へっ?」

 

キラメイピンクが声をかけた瞬間、ジュウオウタイガーから聞こえてきた咆哮に、その場にいた他のメンバーが思わず引いてしまう。

 

「てめぇみたいな奴に色目で見られるもいい加減うざいんだよ!!」

 

それは先程まで拘束されていた状況に対する怒りなのか、転生者に向けて叫んでおり、その場にいた全員が動けなくなっていた。

 

「たっタイガー、そのぉ、落ち着いてひぃ!」

 

普段のお嬢様を思わせる上品な喋りから変わった事で、ジュウオウシャークも怯えながら話しかけるが、ジュウオウタイガーはすぐにジュウオウシャークを睨む。

 

「すぐに爆裂魔法を撃てる準備をしてろ!!

お前ら、その間、あいつをぶちのめすぞ!!」

 

「「「りょっ了解しました!!」」」

 

その声に思わず、全員が敬礼をしてしまい、ジュウオウタイガーは地面に落ちていたジュウオウバスターとキラメイショットを拾いあげ、転生者に向かっていく。

 

「ちょっせい!!」

 

その瞬間、二つの銃を器用に操りながら、転生者に接近しており、次々と迫ってくる蜘蛛の糸を全て弾き、転生者に銃弾を当てていく。

 

「あっ、ああぁ!!」

 

その言葉と共に転生者に次々とエネルギー弾を当てていき、その姿を見て、キラメイグリーンは思わず叫ぶ。

 

「どっどうしたの?」

 

「いや、聞いた事のある声だと思っていたんデスけど、もしかして雪音クリス、デスか?」

 

「んっそうですよ」

 

激しい銃による戦闘を行っている間に、ジュウオウタイガーの正体に気付いたキラメイグリーンに対して、ジュウオウシャークはあっさりと認める。

 

「なんでも、別の世界で死んでこの世界に来たみたいですが知り合いですか?」

 

「いや、知り合いというかなんというか…」

 

冷や汗をかきながらも、その戦闘を見ていて、思わずキラメイグリーンは納得するように頷く。

 

「キツツキ!」

 

同時にジュウオウタイガーのジュウオウバスターにジュウオウキューブウェポンが装着され、転生者の蜘蛛の糸を貫いていく。

 

「おい、お前らもさっさとやれ!!」

 

「はっはい、先輩!!」

 

「せっ先輩!?」

 

キラメイグリーンの言葉に思わず反応したジュウオウタイガーだったが、キラメイグリーンはすぐにキラメイピンクと背中合わせになると

 

「行くデスよ!」

 

「うん」

 

【キラメイサイズ!】

 

「はぁ!!」

 

キラメイグリーンは手に持ったキラメイサイズを振り払い、大量に出てきたエネルギーの鎌で、、キラメイピンクはキラメイショットを使い光の矢を放ち、森を覆っていた全ての蜘蛛の糸を切り払う。

 

【狂乱・重リZaべー屠】

 

「こいつはおまけだぁ!!」

 

同時にジュウオウタイガーは両手に持ったキラメイショットとジュウオウバスターを一つにつなぎ合わせ、同時に巨大なエネルギー弾を転生者に当てた。

 

「あっ、あんな使い方ができたんデスか!?」

 

「くっくそぉ、だったら」

 

そう言いながら、拘束されながらも抵抗する転生者だったが

 

「ストラーダ・フトゥーロ!」

 

その言葉と共にキラメイピンクの手に持っていたキラメイショットから放たれた光の矢によって、転生者の糸の出入り口を全て塞いだ。

 

「今です!!」

 

その言葉と共に振り返ると、ジュウオウシャークの手には既に準備を終えていたジュウオウバスターの銃口に黒い光が集まり始めていた。

 

「紅き刻印、挽回の王」

 

「んっ?」

 

そう疑問に思っている間に、ジュウオウシャークの様子が変わった事に疑問に思っていると、ジュウオウシャークの手には先程のジュウオウキューブウェポンとは違う、キューブザリガニが装填させていた。

 

「天地の法を敷衍すれど、我は万象祥雲の理」

 

同時にその銃口を向けると、まるで二つの刃がジュウオウバスターの先に形成されていた。

 

「崩壊破壊の別名なり、永劫の鉄槌は我がもとに下れッ!」

 

「これって、やばくない」

 

「確実にやばいデスね」

 

「エクスプロ―ジョン!!」

 

その言葉と共に放たれたジュウオウバスターから放たれたのは紅い鋏だった。

 

鋏が転生者の元へと迫り、真っ二つに切り裂くと共に爆散する。

 

「快感!!」

 

「なにすんだぁ!!」

 

爆炎の中から出てきたジュウオウタイガーはそのままジュウオウシャークの胸倉をつかみながら、文句を言い始める。

 

「この前、ジュウオウチーターになった時にふと思ったんです。

爆裂は無限の可能性があると。

だから、ふとジュウオウキューブウェポンを組み合わせたら、どうなるんだろうと」

 

「それであたしまで巻き込むんじゃない!!」

 

「痛い痛い!!」

 

「あっあの、タイガーさん?」

 

「んっ、あれ、今まで?」

 

声をかけたキラメイピンクに反応したジュウオウタイガーはそのまま手を離してしまい、「ぐえっ」という声を出しながら、ジュウオウシャークは倒れる。

 

「あの、大丈夫ですか」

 

「えっえぇ、ありがとう。

それにしても、さっきまでの敵は?」

 

「えっいや、それは」

 

「いっいろはぁ」

 

そう言いながらキラメイグリーンはキラメイピンクを呼ぶ。

 

「あまり、この話題は出さない方が良いかもしれないデス」

 

「そっそうだね」

 

「???」

 

二人の会話に疑問に思うジュウオウタイガーだったが

 

「なっなんでもないデス!!」

 

「それよりも、二人の所へ急がないと」

 

「そうですね」

 

「待ってください」

 

そんな3人を呼び止めようとするジュウオウシャークだったが。

 

「早く追いついてくださいね」

 

「あっはい」

 

((こっ怖いっ!!))

 

ジュウオウタイガーから聞こえた声、その場にいた全員が同じ考えを持ってしまった。



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第15話 重なる光と闇

二人の敵を倒したのと同時刻、ジュウオウイーグルとキラメイレッドの二人は目の前にいる敵との闘いに苦戦を強いられていた。

 

「はぁ!!」

 

「ぐっ!」

 

「ふっ」

 

二人は各々の武器を使い、イーグルライザーで変幻自在に形を変えながら切り裂き、キラメイソードは光の斬撃と共に転生者に切り裂く。

 

だが、それらの攻撃は全て紙一重に避けられ、反撃される。

 

「経験の差か?」

 

「能力か?」

 

そう言いながら、二人は目の前にいる敵が全ての攻撃を避ける原因についてを考えながら、攻撃を行っていく。

 

「ふっ貴様程度では、私には勝てない」

 

そう言いながら、宙へと跳んで、斬りかかろうとしたジュウオウイーグルに向けて左腕と一体化しているマシンガンを放つ。

 

同時にキラメイレッドに向けて、右腕と一体化している剣で切り上げる。

 

「ぐっ!!」

 

「本当にどうなってっ」

 

そう言った瞬間、キラメイレッドの腰に装着されているキラメイショットから出た銃弾が壁にぶつかり、転生者に向かっていく。

 

だが、それを軽々と避け、さらに追い打ちをかけるようにマシンガンで二人に向けて放っていく。

 

「今の」

 

「あぁ、偶然撃ったのに、それをまるで見たように避けた」

 

「ほぅ、見破ったのか、この力を」

 

そう言い、転生者はその剣をジュウオウレッドとキラメイレッドに向ける。

 

「予想通り。

私にも予知能力を持っている。

そこにいる彼女と合わせる事でまさに最強だと言うのに」

 

「なるほどねぇ、能力の利用しあいかよ」

 

「そうよ。

私が能力をずっと使って疲れているから用心棒として雇ったという訳よ。

それにジュウオウイーグル、あんたは少し気に入らないのよ」

 

「俺?

お前とは今日が初対面だぞ」

 

心底疑問に思い、ジュウオウイーグルは首を傾げるが

 

「あなたは私の初恋の相手と同じ顔をしていた。

だけど、私を振った、だからその仕返しよ」

 

「いや、それ全然こいつ悪くないじゃん」

 

その言葉に思わずキラメイレッドは呆れて言うが

 

「良いのよ。

それよりもゼーマ、さっさとあいつから特典を取り返しなさい」

 

「まったく、お嬢はわがままでいけない。

だが、良いだろ」

 

そう言いながら、ゼーマは武器を構えながら、近づく。

 

「なぁ、さっき利用していると言っていたよな」

 

「確かに」

 

「それって、奴の予知にも弱点があるんじゃないか?

見る限り動きは見通せるようだけど」

 

「だとしたら」

 

短く、話し合い、同時に賭けに出るようにキラメイレッドは走り出す。

 

「行くぜ、キラメイレッド!!」

 

「あぁ、ジュウオウイーグル!!」

 

その言葉と共にキラメイレッドは走り出し、ゼーマに接近する。

 

同時に切り落としていくゼーマに対して、キラメイレッドはその手に持ったキラメイソードで攻撃を受け流しながら、横へと通り抜ける。

 

同時に手に持ったキラメイソードのボタンを押し、構える。

 

【キラメイチャージ!】

 

「はぁ!!」

 

【チェックメイジ!】

 

その音声と共に赤い斬撃がゼーマに向けて襲い掛かるが

 

「甘いな」

 

ゼーマは見通したように、その攻撃を避ける。

 

だが

 

「そっちがな」

 

【ジュウオウスラッシュ!】

 

その言葉と共に、ジュウオウイーグルはその手に持ったイーグルライザーでその攻撃を受け止める。

 

同時にジュウオウバスターから放たれるエネルギーと重なる事によって、二つの斬撃が重なり、ゼーマに向かっていく。

 

「なっ!!」

 

その攻撃を受け止められず、ゼーマは吹き飛ばされる。

 

「数秒ぐらいか」

 

「あっちの予知と比べれば、対応できるな」

 

「なっなんでそれがっ!」

 

「長年の経験と」

 

「直感」

 

「そんな単純な事でっ」

 

「「それでも対応できるんだよ」」

 

その言葉と共にキラメイレッドその手に持ったキラメイソードとキラメイショットを一体化させた武器、キラメイバスターにキラメイバレットを装填し、放つ。

 

「っ!!」

 

同時に放たれた白と黒の二種類のキラメイバレットが周りの壁に弾かれながら、その速度が高速に弾かれていく。

 

「ぐっ」

 

ゼーマはすぐに対応するように、両腕の武器で対応するが

 

「なっなんだこれはっ!!」

 

「今だ!!」

 

「本能覚醒!!」

 

その言葉と共にジュウオウイーグルの姿はジュウオウゴリラへと変わり、その拳にエネルギーを溜めていた。

 

「ぐっ!!」

 

ゼーマはその攻撃に気付き、防ごうとするも自身の首を狙う6つのキラメイバレットを防ぐ為に両腕を使う。

 

「予知を使えるのは、行動が止まってしまう事もあるんだな!!」

 

「がはぁ!!!」

 

同時にゼーマは吹き飛ばされ、同時に両腕の武器はキラメイバレットによって完全に破壊される。

 

「っ!!」

 

同時にジュウオウイーグルへと戻ると同時にその手には新たな武器が召還される。

 

「死神の鎌」

 

それはジュウオウイーグルとしての武器ではなく、六道りんねとして愛用している武器だった。

 

人を一瞬で殺せる程に巨大な刃に獣のような骸骨が飾っており、ジュウオウイーグルがそれを振り回すだけでも周りは大きな嵐が吹き荒れる。

 

「トレース・オン」

 

同時にキラメイレッドの手には新たな武器が作り出された。

 

それは衛宮士郎としては最も眼にしてきた剣であり、細くりんねの死神の鎌に比べれば脆い印象を受けるが、黄金に輝く剣が彼を照らしている。

 

その剣の名前は勝利すべき黄金の剣。

 

各々の武器を持つと同時にジュウオウイーグルには赤と黒が混ざった闇のエネルギーが、キラメイレッドには赤と黄金の光のエネルギーを放ちながら、各々の刀身に宿る。

 

「レッキング!」「エクス!」

 

同時に構えた剣をゼーマに向けて振り下ろす。

 

「「カリバー!!」」

 

その言葉と共に、放たれた二つの必殺技が合わさった事により、ゼーマは完全に爆散する。

 

「がはぁ」

 

「ふっ」

 

「よし」

 

同時に二人は拳を合わせながら、勝利を収める。

 

戦いは終わりを迎え、全員無事に集結した。

 

全員が集まり、分け前について話していた。

 

その時。

 

「こうして協力する事ができたのだから、今後もしていきたいですね」

 

クリスの一言でその場にいる全員が固まった。

 

「えっと、何か不味い事でも」

 

「いや、俺達自身は別に良いけどな」

 

「まぁ確かに俺達自身はな」

 

「えっ?」

 

その場にいた全員がその場で眼を合わせないようにしていたが、突然鳴り響く音と共ジュウオウチェンジャーとキラメイチェンジャーから次々と映像が現れた。

 

「ちょっと、報酬減っているじゃない!!」

 

「黙れ、駄女神」

 

そこに現れたのは腰まで伸びた青い髪でクリスから見ても魅力的な人物だった。

 

見てみるとキラメイチェンジャーからも見た事のない女性が現れていた。

 

「こいつは俺達の担当の神であるアクアだ」

 

「担当?

あれ、それってりんねのお父さんじゃないの?」

 

「親と子で不正をする可能性もあっての考慮だ」

 

「あぁ」

 

それを聞いて納得しているクリスだが、それ以外のメンバーは既に慣れたように死んだ眼で2人の喧嘩を見つめていた。

 

「あらぁ、そこにいるのは力を使うのに宝石が必要な女神イシュタルさんじゃないですか?

なに、私の所の戦隊が倒したから、横取りをするつもり?」

 

「あら、そちらは信者がやばすぎる事で有名な女神アクアじゃない?

なに、また信者が問題を起こして、借金でも増やした訳?」

 

「なに、やるの?」

 

「上等じゃないの!!」

 

そう言いながら睨みあっている二人に対して

 

「この二人、仲が超絶悪く、下手に一緒に行動すると面倒な事が起きるんだよ」

 

「あぁ、だから普段は共闘しないんですね」

 

「下手に一緒にするとこうなるから」

 

「あぁ」

 

その言葉を聞いて、クリスは納得した。

 

そうしている間にも喧嘩をしている2人を余所に

 

(場所提供、お前の所で頼む。

食材はこっちでやる)

 

(了解。

屋敷で準備している。

何を用意するんだ?)

 

(焼肉だ。

過コク背脂で油を引いて、まんじゅう猪だ)

 

(了解)

 

「なんか、二人して、何をしているんだ」

 

「ジェスチャーでの会話だ。

今夜はあっちと合同で焼肉だな」

 

「やったデス!!

今夜は焼肉デス!!」

 

「「何の話をしているの!!」」

 

「「「「「なんでもない」」」」」」

 

未だに喧嘩を続ける二人を他所に、二つの戦隊はその後、隠れて焼肉を食べる事になったが、その際にまた喧嘩が起きたのは別の話である。

 

 

 




こちらの特典で稼ぐ王者は次回よろ本編に突入予定です!


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第15話 ようこそ死神道具専門店

死神と言えば外せないと、思い追加させてもらいました。



「んっ」

 

3学期、既に住み慣れた寮への帰り道、りんねが歩いている姿をクリスは偶然見つけた。

 

「あれ、りんね。

どこに行くんですか?」

 

「買い物」

 

「えっ!?」

 

何気ない一言をりんねが言ったが、その一言にその場にいたクリスは驚きで眼を開いていた。

 

「なんだよ」

 

余りの驚きぶりに思わずりんねはむすっとした表情で見つめるが

 

「だって、りんね!

あなた、いつも自給自足な生活をしていて、家にある物だって学校から不要になった物を譲り受けた物ばかりじゃない!!

そんなりんねがっ!!」

 

「あのなぁ。

俺は無駄な物は買わないんだよ。

これだって、仕事だよ」

 

「仕事?」

 

その一言に疑問に思い、首を傾げる。

 

「死神道具だよ」

 

「死神道具ですって!!」

 

「うわぁ!!」

 

死神道具の一言を聞いた瞬間、寮に入っていためぐみんが勢いよく出てくると共に詰め寄る。

 

「それってあれですか!!

パンジャンとかですよね!!

私も連れて行ってください!!」

 

「えぇ」

 

「私も少し気になります」

 

戦闘においてりんねが活用する死神道具。

 

どこから仕入れているのか謎が多かったのもあり、2人は興味を持ち、詰め寄る。

 

「行っても、俺は自分用のしか買わないぞ」

 

「良いですから、行きますよ!!」

 

「もう、めぐみんったら」

 

既に死神道具を見るのに夢中なめぐみんはそのままりんねにせがんでいく。

 

呆れた様子のりんねはそのままめぐみん達を連れて、目的の場所へと向かう。

 

「ここだ」

 

「えっ」

 

「ここが」

 

目的の場所にたどり着いた一同、だがそこは想像していた場所とはかけ離れていた。

 

それはまるで昭和に残っているだろう商店であり、中は駄菓子が大量に置かれていた。

 

「駄菓子屋じゃないですか」

 

「普通はな」

 

そう行っていると、りんねは懐から取り出した財布をかざし、中に入ると、そこには先程までの駄菓子屋ではなかった。

 

「「なっ!!」」

 

そこに広がっているのはこれまでりんねが使ってきた高速火車に電灯梟などの格安商品や、めぐみんが憧れていたパンジャン輪入道に高額だが永遠の記憶が刻まれているUSBメモリや機械の死神愛用の拳銃など様々な商品が置かれていた。

 

「あのっここは」

 

「死神道具専門店、浦原商店だ。

俺がよく来ている馴染みの店だ」

 

「おや、りんねさん。

どうしたんだい、今日は女の子を二人連れてデートっすか?」

 

そこには下駄と帽子、甚平を纏った怪しい男が立っており、笑みを浮かべながらりんね達を迎えた。

 

「浦原さん。

こいつは俺が活動している部隊の仲間だ」

 

「おや、なるほど。

4月から聞いているクリスさんに問題児のめぐみんさんですね」

 

「えっと、この人は?」

 

疑問に思ったクリスは目の前にいる浦原について質問すると

 

「そうですね、では簡単な自己紹介を。

私は浦原喜助、ここで死神道具を売るちょっと影あるハンサムエロ店主ですよ」

 

「えぇ」

 

その一言にどう反応して良いのか分からず、思わず呟いてしまう。

 

「ほとんどの死神道具は浦原さんが開発したからな」

 

「元々は興味本位でしたからね。

まぁ良かったら見ていってくださいよ」

 

「とりあえず目的の物を買うとするか」

 

そう言うとりんねは安売りされている身代わり式紙筆と偵察蝙蝠を入れていく。

 

「それにしても、最近は本当に物騒ですね。

転生者も増えて、家は大儲けですけど」

 

「そうですね、特にあの転生者は大変でした。

10億もしたのは納得でしたが」

 

「10億。

まぁそれはまた、高すぎますね。

まぁその手の奴はもう現れませんがね」

 

「現れない?」

 

まるで確信したように呟く浦原の言葉に疑問に思い、クリスは思わず首を傾げる。

 

「それって、どういう事なんですか?」

 

「そんなの、強すぎる能力は転生させた神自身を滅ぼすからっす」

 

「えっ?」

 

その言葉に疑問に思ったクリスは思わず聞き返してしまう。

 

「転生特典の賞金。

あれは神自身の借金でもあります。

もしもその転生者が悪事を働いた場合は、その神が全ての金を払う事になります」

 

「でも神様だから、そういう金は沢山ありそうですが」

 

「いいえ、賞金での金というのは神にとっては力その物。

金が払われる度にその神の核は消えていき、やがて消滅します。

つまり、転生者を生み出すにもリスクがあるんですよ」

 

「だったら、なんで転生者を?」

 

そこで出てきたのはなぜ転生者が生み出されるのか?

 

「さぁ、神によって目的は様々です。

ですがどんな神だろうと10億以上を生み出す事は不可能です。

10億以上は作り出すのと同時に、その神自身をも消滅させます」

 

「それは絶対のルールなんですか?」

 

「えぇ、勿論。

世界を変える程の力、世界事態を書き換える力にはそれ程のリスクがあります。

何よりも、そんな力を与えて、得する神などあまりいませんからね」

 

そう言いながら浦原は答える。

 

「何事もやりすぎるのはよくありません。

適度な力を送り出す事。

始めから強い力に頼りすぎた物の結末は悲惨ですからね。

その点、りんねさんは強いですよ」

 

「えっ?」

 

その言葉を聞き、クリスはりんねを見つめる。

 

「彼は確かに死神の息子です。

だけど、それは半分だけで、ほとんどが解放されてません。

そんな状況でも彼は力を伸ばす事を諦めません」

 

そう言いながら、浦原は懐にしまい込んでいた写真を見つめる。

 

「だからこそ、クリスさんも彼を見守ってください」

 

「・・・はい」

 

そう言い、道具を選んでいるりんねの元へとクリスもまた向かう。

 

「・・・聞きたい事があります」

 

「なんですか?」

 

「りんねの変身するジュウオウイーグル。

あれはなんですか」

 

「おや?

そんなの聞いてどうするんですか?」

 

道具を見つめるりんねを見ているめぐみんは何か事情を知っている浦原を見つめる。

 

「私達が変身しているジュウオウジャーの力。

それは元は別の存在を変換した力。

私のジュウオウシャークは勿論ですが、トリコ、クロウ、クリスも自身の力になった姿。

ですが、何かりんねが変身しているジュウオウイーグルだけ何か違うような気がするんです」

 

「・・・えぇ、そうですね。

私からはなんとも、それは今後のあなた達で確かめてください」

 

「そうですか、では私にも道具を売ってください」

 

「りんねさんに相談してください」

 

「りんね!

この格好良いコートを買ってください!!」

 

「巫山戯るな!!」

 

同時にめぐみんは近くにあったコートを手に取り、りんねへと近づく。

 

「本当に賑やかになりましたね。

あれからもう結構経ちましたね、アンクさん」

 

そう言って、見つめると、そこには小学生ぐらいのりんねの姿と背中合わせに立っているのは不良を思わせる青年が立っていた。



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第16話 幽霊と怪物と食欲

「あの、本当にこんな所にいるの」

 

「まぁ目撃情報から間違いないだろうな」

 

そう言いながらクリスは周りを怯えながら見渡す。

 

そこは薄暗い洞窟の中に5人は向かっていた。

 

それは階段話や都市伝説、さらにはホラー映画などでも出てくる幽霊がいつ出ても可笑しくないホラースポットだった。

 

その中でクリスはりんねの後ろに隠れながら言う。

 

「なんで皆は怖くないんですか」

 

「いや、私達がこれまで戦ってきた奴ら全員幽霊みたいな奴らですよ」

 

「それはそうですけど」

 

「第一、俺自身も似たような感じだからな」

 

「あぁ」

 

「なんで、この仕事をしているのに、そういうのは苦手なんだ?」

 

「怖いのは怖いんですよ!!」

 

そう言いながら、クリスは叫ぶと共に

 

―――ピトッ

 

「ひぃ!!」

 

突然聞こえた音にクリスは眼を向けると

 

ブヨブヨした白い身体、目が退化し消失していた存在が立っていた。

 

「でっ出たあぁぁぁ!!!」

 

その姿を見た瞬間、クリスは涙目になりながら、叫んだ。

 

「あぁ、ターゲットのギギネブラだな」

 

クリスが叫んでいる間にもギギネブラはこちらに向けて巨大な咆哮が襲う。

 

その大きさは記録されているギギネブラよりも大きく、洞窟の奥が見えない程に巨大な存在になっていた。

 

そして壁際には一人の青年が座り込んでいた。

 

「これは一体」

 

「ちっまったく厄介な事になったな」

 

そう言いながらりんね達は構えた。

 

「この状況は一体」

 

「転生特典の暴走。

クリス、お前にも身に覚えはあるだろう」

 

「身に覚えって、もしかして」

 

「あぁ」

 

その言葉と共にクリスの脳裏にはりんねと初めて出会った時に戦った相手であるインフェルノモンの事を思い出す。

 

「それって」

 

「特典の暴走だよ。

モンスター系統の特典は本人の戦闘技術とは関係なく、その能力を十全に使いこなす存在だからな」

 

「だが、反対にそいつと良好な関係を築けなかったり、あのようなモンスターだと、こういう事も起きるからな」

 

そう言いながら、りんね達はそのままジュウオウチェンジャーを構える。

 

【イーグル】【チーター!】【スナッパ―!】【エレファント】【タイガー】

 

「「「「「本能覚醒!!」」」」」

 

【アーアーアアアーッ!】

 

その言葉と共にジュウオウジャーへと変身すると同時に構える。

 

「大空の王者ジュウオウイーグル!」

 

「電速の王者!ジュウオウチーター!」

 

「沼地の王者!ジュウオウスナッパー!」

 

「森林の王者ジュウオウエレファント!」

 

「雪原の王者ジュウオウタイガー!」

 

各々の名乗りを終えると共に全員が合わせるように叫ぶ。

 

「「「「「動物戦隊ジュウオウジャー」」」」」

 

その言葉と共に目の前にいるギギネブラはその身体を徐々にだが巨大になっていく。

 

「たっく、あの転生者を頼む」

 

同時にジュウオウチーターは走り出し、倒れている転生者を拾い、ジュウオウスナッパーと共にその場を離れた。

 

「任せておけ」

 

同時に二人はそこから離れ、洞窟から溢れ出したギギネブラは洞窟を崩しながら、地上へと溢れ出した。

 

同時にジュウオウスナッパーが作り上げた壁で取り出す隙ができると共に、ジュウオウイーグルとジュウオウタイガーとジュウオウエレファントの3人は手に持ったジュウオウキューブを手に取る。

 

【キューブイ~グル】【キューブタイガ~】【キューブバッ~タ】

 

「それは」

 

普段から聞きなれたはずのジュウオウキューブだったが、ジュウオウエレファントが取り出したのは色だけが同じだが、その形はまるで見覚えのない飛蝗の形をしたキューブだった。

 

「なぁに、俺も色々な所で仕事を請け負ったからな。

その時に手に入れたんだよ」

 

「そうだった、クロウに関してはあまり考えないようにしていたんだった」

 

その言葉に疑問に思いながら、ジュウオウエレファントはそのままジュウオウバッタへと乗り込んでいた。

 

「あの、クロウは一体」

 

「あいつは色々な所へと向かっているから気にするな。

この仕事以外でも金にならないやばい奴を手に入れているからな。

あれもその一つだろう」

 

その言葉と共に特に気にした様子なくジュウオウイーグルもまた乗り込み、それに合わせてジュウオウタイガーも乗り込む。

 

 

「「「動物合体!」」」

 

【タカ!トラ!バッタ! タートーバ!タ・ト・バ タ・ト・バ!】

 

その音声と共に、これまで聞いた事のない音声と共にジュウオウキングが誕生するはずだったが、3つのジュウオウキューブが合わさると共に、普段は見られない姿へと変わる。

 

胸には鷹と虎と飛蝗が合わさった紋章が埋め込まれ、その顔は緑色の瞳と赤い鳥を思わせる仮面をした戦士へと変わる。

 

「完成!ジュウオウキング・オーズ!」

 

その音声と共に新たな姿へと変わったジュウオウキング・オーズはその手に機械的な剣を構える。

 

「さっきの歌は?」

 

「歌は気にするな。

ジュウオウキューブの組み合わせで幾らでも変わるからな」

 

その言葉と共に蛇を思わせる動きでジュウオウキング・オーズの身体を締め付けようとする。

 

だが、キューブバッタの部分が光り輝くと同時に飛び上がり、剣の持っていない腕から爪が展開され、ギギネブラの身体を貫く。

 

「キシャアアァ!!」

 

その痛みに身体を振るえるが、そのまま爪から離れると共に蹴り上げる。

 

同時にジュウオウキング・オーズはその手に持っている剣を構えると、3つのジュウオウキューブの光が集まっていく。

 

「ジュウオウ・オーズバッシュ!」

 

その一言と共に、その光はそのままギギネブラの身体を真っ二つに切り裂き、そのままギギネブラは爆散する。

 

「・・・爆散した!!」

 

「えっ倒したのですから、良いんじゃないのですか」

 

「喰いたかった」

 

「・・・・」

 

二人の一言に驚きを隠せないクリスだったが、ふと別の場所を見つめるとそこにはトリコとめぐみんもまた落ち込んでいた。

 

「この人達だったら、人間以外だったら、なんでも食べるんじゃないのかしら」

 

その言葉と共に当初の恐怖心は無くなったが、怪物でも食べる勢いの4人の方がとんでもない存在だと改めて思った。




今回出てきた転生得点ははっぴーでぃすとぴあさんのアイディアです。
NEME:ギギネブラ
TYPE:モンスター
賞金:250万円
概要
【モンスターハンター】シリーズに登場した毒怪竜と呼ばれる猛毒を操る飛竜種のG級個体、大きさは金冠(キング)相当。
竜とはあるが四足歩行でブヨブヨとした白い体に赤い腹、目はなく闇に光る紫の毒腺が頭部と頭部に酷似した尻尾にも存在しているとお世辞にも竜らしくない外見をしている。
猛毒を操り口から毒液の塊を打ち出す他に尻尾から背中に毒の塊を乗せて一定時間後に広範囲に爆散させたり天井からその口を大きく開けて対象を捕らえると体液を啜り倒した後に動けない相手に直接猛毒をぶちまけたりとあの手この手で毒に侵そうとしてくる。
腹部の赤い微細な繊毛のお陰で壁や天井を移動可能な他に単位生殖の上に尋常ではない繁殖能力の持ち主で背中に産み付けた卵塊から幼体のギィギを無尽蔵に産み出し周囲をギィギまみれにする。
このギィギは体こそ小さいが自分より大きな人間に対しても躊躇なく襲い掛かり吸血行為を行い、その後は一回り成長して口から毒液を吐き出すようになる。
熱を直接感知しているので暗闇等の視界が効かない場所でも問題なく活動可能な他に咆哮【大】は強烈で常人であれば一時的に動けなくなる程である。普段は頭部の肉質が柔らかく尻尾が硬いが怒り状態となり体表の粘液に毒が混じり黒くなると肉質が逆転する。
粘液に保護された体表は電撃には耐性があるが高熱には脆弱なようである。

また今回のようにジュウオウキング・オーズのような感じのアイディアも募集しています。
皆様の応募、お待ちしています。


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第17話 過去からの刺客

「まったく、面倒な奴がいたもんだぜ」

 

そう言いながら黒いコートを身に纏った人物はその光景を見ていた。

 

「せっかく良い感じに育っていたのによぉ。

これじゃあ、売れないじゃないか、仕方ない」

 

そう言いながらそのまま歩いていると、一人の若者がいた。

 

「まぁ丁度良いか」

 

そう言い、そのまま若者に近づく。

 

「えっ、なんだよっ!?」

 

「なぁに心配するなよ。

少しだけ使わせてもらうだけだからよ!!」

 

その言葉と共に右手で若者を掴む。

 

「なっぐがぁああ!?」

 

同時に若者が少し苦しむのと同時に、右手から僅かな光と共に、その場にいなかった新たな一人の人間が出来上がる。

 

「なるほどな、こいつはバリ使えそうだな。

よし、それじゃあ、バリ試験といきますかついてこい!!」

 

コートの男に付き従うように、その人間もまた突いていく。

 

―――

 

「本当にこんな所にいるんですか?」

 

「分からないけど、ここまでの事をしたから疑わないと駄目だろ」

 

そう言いながら、りんね達は先日戦いを行った場所から少し離れた森の中を見回っていた。

 

最近になって、鋭い刃物で切り裂かれたような痕を残した木々があるという噂を聞いた彼らは転生者の可能性も考えて向かっていた。

 

「けど、本当に転生者なんですか?

悪魔とか堕天使とかだったらどうするんだ?」

 

「その時は領主さんに渡して貰うさ。

第一、管理と言っても完璧に犯罪を防ぐ事ができたら、この世に犯罪もないだろ」

 

「まぁ確かにな。

領主と言っても、絶対じゃないからな。

どんなに頑張ろうと、助けられない命もあるからな」

 

そう言いながら、はぐれ悪魔や転生者によって出る被害の事を話す。

 

「まぁ俺達がそれを防いで、ついでに金が貰えれば、それで良いがな」

 

「結局は金ですか」

 

「まぁな」

 

そう言いながら、先程までの話題をしている間に奇妙な気配を感じ、一同はその先を見つめる。

 

「話している間にどうやら目的の人物が出てきたみたいですよ」

 

夜という事で、顔が見えにくいが、その体格は男である事だけは分かった。

 

だが、そんな暗闇の中でりんねだけは驚きで目を見開いた。

 

「お前はっ!?」

 

りんねが見つめた先にあったのは何かのアイテムだった。

 

【ベローサ】

 

その音声が鳴り響くと同時にりんねはその姿を見ると

 

「変身」

 

【フォースライズ! "Break Down." 】

 

その音声と共に、現れたのは蟷螂を思わせる鎧を身に纏った怪人であり、その存在を見た瞬間、警戒する。

 

「あれは」

 

「仮面ライダー斬。

本来ならば、もう存在していない奴であり、もう存在するはずのない奴だ」

 

「えっ存在しないで」

 

「存在するはずのない?」

 

似た言葉を続けて言い、その意味が分からずクリスとめぐみんは思わず聞き返そうとするが

 

「とにかく、ここで奴を倒す!!」

 

「えっ、どういう意味なのか」

 

【イーグル】

 

「えっちょ?!」

 

りんねがすぐに展開する事に戸惑いを隠せないクリス達だったが、すぐに合わせるように各々のジュウオウチェンジャーを構える。

 

【シャーク】【ライオン】【エレファント】【タイガー】

 

「「「「「本能覚醒!!」」」」」

 

【アーアーアアアーッ!】

 

その音声と共に、りんね達は光に包まれ、その姿は変わっていき、そのまま、ジュウオウジャーへと変身する。

 

「大空の王者ジュウオウイーグル!」

 

「荒海の王者ジュウオウシャーク!」

 

「サバンナの王者ジュウオウライオン!」

 

「森林の王者ジュウオウエレファント!」

 

「雪原の王者ジュウオウタイガー!」

 

「動物戦隊ジュウオウジャー!」

 

同時にその声を合わせると共に、りんねは懐からとある物を取り出す。

 

「えっりんね、それって!?」

 

「もしも合っていたらな」

 

そう言い、ジュウオウイーグルはそのままそれを投げる。

 

斬もすぐにその腕から巨大な鎌を出すと同時に、ジュウオウジャー達に向けて投げる。

 

「あれはっまさか森を破壊したのはっ」

 

同時の今回の目的である森を破壊した犯人が斬である事が判明する。

 

だが、その動きは一瞬で止まる。

 

「えっ?」

 

「影縛り苦無、一本100円だが、こいつには十分だ、めぐみん!!」

 

「えっ、分かりました!!」

 

ジュウオウイーグルから来る迫力に思わず戸惑ってしまうが、すぐにジュウオウシャークも反応するようにその手に持ったキューブカジキをジュウオウバスターに構える。

 

「大海の蒼、勇壮の騎士

今此処に示すは我が貫徹の意思

三千世界に満ちる懊悩、かかる全てに諦観の贄を!

エクスプロージョン!」

 

その声と共に放たれた水色の槍はそのまま斬に向かって飛んでいき、そのまま貫通し、同時に貫通された斬はそのまま膝から倒れると共に、その場で強烈な爆発を起こす。

 

「めぐみんっ!!」

 

「ふぅ、やはりこれは良いですね。

次はどれにしましょうか」

 

「・・・あれ?」

 

そうしていると、変身を既に解除されているクロウは何やら顔を青くさせながら見つめていた。

 

「どうしたんですか?」

 

「あいつの賞金が出ないぞ」

 

「えっ」

 

その一言を聞いて、めぐみんとクリスはすぐに先程爆発した場所を見つめる。

 

森の中で森林の多くが燃えてなくなっており、貫通して倒した転生者の姿も見えない。

 

「めっめぐみんっ!?」

 

「いえいえっ!?

ジュウオウバスターを通して放ったら、転生者は死なないように調整されるはずですよ!?」

 

そう言いながら、何が起きているのか分からず、二人は慌てていた。

 

「・・・・トリコ、少し頼めるか」

 

「お前は?」

 

「少し確かめたい事がる」

 

その言葉と共に未だに変身を解除していないジュウオウイーグルはそのまま空を飛び、飛び去った。

 

「えっりんねっどこに行くんですか!?」

 

そう言い、飛んで、どこかへ行くりんねに向かってめぐみんは叫ぶ。

 

そんな声を無視し、そのままとある人物を探していたりんねは見つけると共に、変身を解除し、見つめる。

 

「やっぱり」

 

そう言いながら、りんねはそれを見つめて、疑問が大きくなった。

 

そこにいたのは、先程まで戦っていた仮面ライダー斬に変身していた人物よりも僅かに歳を取っている青年であり、仕事に疲れている様子のサラリーマンだった。

 

「彼はやはり真面目に働いている。

あの様子からしても間違いない」

 

そこにはかつて仮面ライダー斬の特典を持っていた人物であり、りんね達の言葉によって特典を確かに手放した元転生者の姿があった。

 

彼は現在は普通のサラリーマンとして生きており、特に問題ない生活を送っていた。

 

「やはり、あの時に見たあいつは」

 

同時に思い出すのは斬が現れた時僅かに見えた素顔は斬の特典を持っていた当時高校生の彼の姿で間違いなかった。

 

既に失われたはずの力を持つ過去の敵。

 

それがなぜ現れたのか、未だに謎が残っておりなによりも

 

「記憶通りすぎる。

あの時、あの状態は」

 

りんねはその、奇妙な敵の寒気をしていた。




今回の転生者は烈 勇志はさんから
NEME:『仮面ライダー斬(ざん)』
TYPE:ウェポン
賞金:50万円
概要:
【仮面ライダーゼロワン】に登場する『滅亡迅雷フォースライザー』と『ベローサ・ゼツメライズキー』を使って変身する黄緑色の仮面ライダー。
絶滅した昆虫『クジベローサ・テルユキイ』の力と能力を持っている事から、外見的にはカマキリがベースとなっている。その為両腕には鎌のようなパーツが装着されており、それを使っての接近戦をメインで戦うが、鎌状のエネルギー刃を遠距離にいる敵に向かって放つ事が出来る。

はっぴーでぃすとぴあさんのめぐみんの爆裂魔法
ジュウオウバスターにキューブカジキを装填して放つ爆裂魔法。
水色をしたランス状のエネルギーが発生しそれを発射、対象や防御を貫通し爆裂する。


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第18話 本能覚醒

「堕天使の調査?

別にそれぐらいは良いけど」

 

普段の仕事を終わらせると共に、ジュウオウキューブから来た連絡を聞きながらりんねは頷く。

 

「さてっと、堕天使堕天使ねぇ」

 

「なんですか仕事ですか?」

 

そうしていると、めぐみんはクラッ化ー石のカナッペをシャリシャリと音を立てながら、食べていた。

 

「仕事だよ。

堕天使がいるそうだから、動きを探ってくれだって」

 

「堕天使の?

悪魔からの依頼ですか」

 

「面倒ですね。

最近はあの偽物転生者の所為で、ただでさ困っているのに」

 

そう言いながら、次々と食べていくが

 

「あっダークマターチョコレート」

 

「んっなんですかそれ?」

 

そう言いながら疑問に思って、カナッペの上に載っているチョコレートを見つめる。

 

「トリコが戦いの時に丁度良いって言っていた奴だぞ」

 

「・・・あのトリコが?

待ってください、それって」

 

「なんでも味は良いし、小さいから食べやすくて、しかも一口でカロリーをかなり補給できるって」

 

「なぁ!!」

 

その言葉と共に持っていたカナッペを思わず、地面に叩きつけた。

 

「そういう事を早く言ってください!!

えぇ、私、結構食べたんですけど!!」

 

「まぁ大丈夫だろ、成長期だし」

 

「いや、かなりありますよ」

 

そう言いながら、悔しそうに地面を叩いていた。

 

「とりあえず、さっさと堕天使を探すぞ」

 

「うぅ、私の体重」

 

そう言いながら、項垂れているめぐみんを連れて、残りの三人と合流する。

 

「んっよぅ、リーダー」

 

「遅かったな」

 

「あっクラッペ食べますか?」

 

「・・・・」

 

合流した三人からクラッペを見つめためぐみんは

 

「それ、かなりカロリーありますよね」

 

「んっあぁ」

 

「結構美味いからな」

 

「なぁ!!」

 

その話を聞いた瞬間、クリスだけがショックを受けているようだが、他の二人は何事もないように言っていた。

 

「何か問題でも?」

 

「まぁ、女にはつらい話じゃないのか、たぶん」

 

そう言いながら、落ち込んでいる二人を連れて、堕天使の動きを探る事にした。

 

「さて、堕天使は教会にいるのは分かったな。

あとはどうするかだな」

 

そう言いながら、その探索は以外にもあっさりと分かってしまった。

 

ジュウオウイーグルに変身したりんねはそのまま上空から怪しい箇所を探り、聴力に優れためぐみんによって怪しい音を探る。

 

そして、トリコとクリスは情報収集を行いながら、クロウが遠距離から怪しい奴がいないか見張っていた。

 

そうした連携もあり、1時間も経たない内にその尻尾を掴んだ。

 

「まぁ、一般人には魔法では誤魔化されるからな」

 

そう言いながら、下手に手を出せなかった。

 

「まぁ、とりあえず報告だけでもっ」

 

そう言おうとしたが、ジュウオウイーグルの目の前に赤い光が通り過ぎる。

 

同時にその場を翻して、攻撃したと思われる場所を見つめる。

 

「あいつは士郎?」

 

そこにはキラメイレッドがその手にキラメイバレットで次々と攻撃を仕掛けていた。

 

見ると、他の場所にいた仲間達も他のキラメイジャーからの攻撃を受けていた。

 

「・・・なんか可笑しい」

 

そうして全ての攻撃を受け流しているが、奇妙な疑問があった。

 

「キラメイバレットだけしか、なんで攻撃しないんだ?」

 

それらの攻撃を受け流しながら、士郎の特徴を思い出す。

 

相手によって、その攻撃を変えるはずの士郎が馬鹿の一つ覚えのようにキラメイバレットでの攻撃を続けていく。

 

それも様子見ではなく、本気で行うように

 

「斬の時と同じか」

 

その決断をすると共に確かめるように急降下して、キラメイレッドに向かって突撃する。

 

光り輝く銃弾が次々とジュウオウイーグルに向けて放たれるが、空気を切り裂く音と共に、その全ての銃弾を避けていく。

 

「はああぁぁ!!」

 

そして放っていくキラメイレッドに向けて、鋭い一撃が突然襲い掛かる。

 

「っ!?」

 

「余所見をしている場合ですか」

 

その攻撃を放ったのは、ジュウオウシャークだった。

 

「めぐみんっ!!」

 

「なんとか合流できましたかっ!」

 

背中にはこれまで見た事のない小さな背びれがある。

 

そんな彼女を背後から襲い掛かるキラメイブルーが襲い掛かる。

 

だが、瞬時に地面へと倒れ込むと、まるで水の中へと飛び込むように入り込んでいき、そのまま姿を消す。

 

「おらぁ!!」

 

同時に聞こえる声にキラメイレッドは見つめると、こちらに向かって吹き飛ばされるキラメイイエロ―の姿だった。

 

それを見て、二人はそのまま避け、キラメイイエローはそのまま地面へと叩きつられる。

 

「まぁ、普通のパンチならばこの程度だな」

 

そう言いながら、まるでライオンの腕を思わせる爪を生やしたジュウオウライオンがそのまま構える。

 

だが、彼らの攻撃はそれだけでは終わらなかった。

 

その手にキラメイサイズを持っていたキラメイグリーンだったが、その武器よりも巨大な鋏型武器、エクスタスを手にしたジュウオウエレファントが脚を巨大な象の脚へと変えて、振り上げていた。

 

「こういう武器を使う時には本当に役に立つぜ」

 

「一体、どこから取り出したんですか」

 

そう言いながら、ジュウオウタイガーもまた、キラメイピンクに向けて、ジュウオウエレファントから借りた武器パンプキンとジュウオウバスターを使い、乱れ撃ちを放っていた。

 

「っ!?」

 

「まったく、最初見た時には驚いたが、やっぱり予想通りだな」

 

そう言いながら、ジュウオウイーグルはキラメイジャー達ではなく、別の方向へと目を向ける。

 

「さっさと出てこいよ」

 

「へぇ、俺の事が分かっていた訳か。

流石はジュウオウジャーという訳だな」

 

そう言いながら、出て来たのは青いフードを身に纏った存在であった。

 

「まったく、この姿も窮屈で仕方ないっての」

 

そう言いながら、青いフードを脱ぎ捨てると共に、そこから現れたのはとてもフードの下に隠れていた時と同じ体格とは思えない存在が立っていた。

 

青い体に六つの眼、左手は機械のフックを持った怪人が現れた。

 

「お前か、転生者やそいつらの偽物を作り出したのは」

 

「へぇ、察していた訳ね」

 

「当たり前だ。この程度でそいつらがボロボロになる訳ないし、仲間を助けない奴じゃないからな」

 

「信頼っていう奴か。

下らないなぁ、本当に」

 

そう言いながら、怪人はため息を吐きながら、睨みつける。

 

「まぁ良い、今日は様子見だ。

どうやら、こいつらでやってもあんま意味はなさそうだし、次はもっと面白い奴で仕掛けるぜ」

 

「逃がすとでも」

 

「逃がさせてもらうぜ、ジュウオウイーグル」

 

その言葉と共にキラメイジャー(偽)はこちらに向けて攻撃を仕掛けようとした。

 

「俺はバングレイ。

またな、ジュウオウジャー」

 

「ちっ」

 

すぐにバングレイを追うとしたが、目の前で必殺技を放とうとしたキラメイジャー(偽)に隙を見せる訳にはいかなかった。

 

だが、それでも全員がその手にジュウオウバスターを手に持ち、そのまま必殺技を放とうとしたキラメイジャー(偽)へと走り出す。

 

同時に5人が飛び上がると同時に、各々の色に合わせた獣の爪を思わせるエネルギーを纏い、同時に上空から斬撃を放つ。

 

【ジュウオウスラッシュ!】

 

その音声と共にその一撃をキラメイジャー(偽)を切り裂く。

 

「あいつはっもういないっ」

 

周りを見渡しても、既にそこにはバングレイの姿はなかった。

 

「どうしますか?

厄介な奴が現れましたが」

 

「あぁ、それにあいつはなんというか、全然違うような気がする」

 

「それって、良い意味でですか?

それとも」

 

「確実に悪い意味だろうな。

なんたって、記憶から新たな存在を作り出すなんて」

 

その言葉に頷きながら、既にいなくなったバングレイを睨むように拳を握りしめる。




今回はトリコの食材として
はっぴーでぃすとぴあさんの
食材の名前:クラッ化ー石
主な生態:遥か古代に生息していた生物の骨格がある特殊な地層から染みだす成分によって変成し地熱によって気が遠くなるような時間を掛けて焼き上げられたクラッカーのような化石。
古代にロマンを馳せながら齧るそれはサクサクと歯触り良くいくらでも食べられる。
料理:クラッ化ー石のカナッペ
手頃な大きさのクラッ化ー石に各々好きなものを乗せたカナッペ。

食材の名前:ダークマターチョコレート
主な生態:極めて稀に隕石の内部から発見されるチョコレート。
あらゆる種類の光を一切反射せずに全て吸収してしまう為にその色は何処までも黒い。
官能的な迄に完成されたチョコレートの香りに芳醇なコクとダークチョコレートのそれとは比較にすらならない強烈な苦味と渋味、そして僅かな酸味がある。
無論これを湯煎してミルクや砂糖を加えれば格別のチョコレートになることは言うまでも無いのだが愛好家で尚且つ左利きともなればこれをそのまま齧りながら蒸留酒の類を呷る。
スイーツやアルコールのアクセントの他にも肉類のソースの素材としても無類であり活躍の場は広い。
料理:ベーコン・ダークマター・チョコレート
厚切りにしたベーコンを表面がカリッとなるように焼き上げてそこに溶かしたダークマターチョコレートを振りかけたアメリカ名物ベーコン・チョコレート。
時として食にはカロリーに目を瞑る勇気が肝要となる時もある。

クロウの戦利品
烈 勇志さんのアイディアで
名前:帝具“万物両断”『エクスタス』(コピー)
概要:
【アカメが斬る!】で登場した特殊武器《帝具》の一つをとある転生者が模倣したモノであり、形状は人間の大人くらいの大きさの鋏。どんな物でも両断できる優れた切れ味を持ち、非常に高い硬度を持ち、防御にも使用が可能。
奥の手として、金属部分の発光により強烈な目くらましを行う「鋏(エクスタス)」という機能がある。

名前:帝具“浪漫砲台”『パンプキン』(コピー)
概要:
【アカメが斬る!】で登場した特殊武器《帝具》の一つをとある転生者が模倣したモノであり、形状は巨大な銃。使い手の精神エネルギーを衝撃波として打ち出す機能を持ち、銃口はアタッチメント方式で換装が可能。使用者がピンチに陥るほどその威力が増し、戦況によって形状も変化する。


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第19話 洗脳天使

活動報告で新しい事を募集しております。
皆様の応募、お待ちしています。
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=232877&uid=45956


「さて、厄介な奴が出てきたな」

 

先日現れた謎の敵であるバングレイとの戦いから数日。

 

依頼内容から堕天使の監視は続いているが、なんでも悪魔と堕天使の間に何か面倒な事があるらしく、手を出す事ができないようだ。

 

「まぁその気になれば俺達には関係ないけど、それはそれで面倒だからな」

 

そう言いながら、りんねはその日の内に仕事内容を纏めていると

 

「うぇーん、りんねえぇぇ!!!」

 

「五月蠅いなぁ」

 

そうして仕事を終えたりんねの元に勢い良く駆け込んできたのは、りんねの担当神でもあるアクアが押し寄せてきた。

 

「何があったんだ。

まさか、またミスして借金が増えたのか、別にもう気にしないが」

 

「違うわよ、それは少し前に増えたばっかりだけど。

それよりも大変なのよぉ」

 

「何が」

 

そう言いながら、アクアが取り出したのは

 

「なんだこれ?」

 

「あんた達の先輩のゴセイジャーよ」

 

そう言いながらりんねが見せられたのは、こことは違う別の世界で転生者と戦っているゴセイジャーだった。

 

「それで、なんでこのゴセイジャーの映像を見せたんだ」

 

「うん、実は彼らの仲間の一人のゴセイナイトがね、なんか敵に洗脳されて、こっちに来てるみたいなの!!」

 

「本当に緊急事態じゃないかよ、お前!!」

 

その一言にりんねは思わず立ち上がってしまう。

 

「そうなのよ!!

向こうのゴセイジャーは転生者と戦っていて、対応できないし、このままじゃ厄介な事になるし」

 

「あぁ、もう分かったから、とにかくどこに来る予定なんだ!!」

 

「駒王町から少し離れた河!!」

 

それを聞き取ると共に俺はすぐに他のメンバーを収集し、すぐに現場へと向かった。

 

現場に辿り着くと

 

「どうやら、本当のようだな」

 

「なんか、厄介な事になっていますが」

 

そう言いながら、見つめる先に立っていたのはゴセイナイトがこちらを見つめていた。

 

「ジュウオウジャー、排除する」

 

その一言と共に、ゴセイナイトはその手に持っている武器レオンレイザーをりんね達に向けた。

 

【イーグル】【シャーク】【ライオン】【エレファント】【タイガー】

 

「「「「「本能覚醒!!」」」」」

 

【アーアーアアアーッ!】

 

その音声と共に、りんね達は光に包まれ、その姿は変わっていき、そのまま、ジュウオウジャーへと変身する。

 

「大空の王者ジュウオウイーグル!」

 

「荒海の王者ジュウオウシャーク!」

 

「サバンナの王者ジュウオウライオン!」

 

「森林の王者ジュウオウエレファント!」

 

「雪原の王者ジュウオウタイガー!」

 

「動物戦隊ジュウオウジャー!」

 

そう名乗りを終えるのを待っていたゴセイナイトはそのままレオンレイザー の引き金を引いた。

 

「ちっ、さっそく容赦なしか」

 

同時に各々が散開すると共に、ゴセイナイトへと接近する。

 

だが、レオンレイザーを瞬時にレオンレイザーソードへと変形させ、攻撃を受け止める。

 

5人が各々が攻撃を仕掛けていくが、それら全ての攻撃を正確に受け流し、同時に反撃していく。

 

まるで機械を思わせる洗練された動きに追い込まれていく。

 

「さすがに経験とかがあるな、けど」

 

その言葉と共にクロウが何時の間にか取り出したのは巨大なバイクだった。

 

「なっ、何時の間に手に入れたんだ!?」

 

「というよりも、何処から取り出したんだ」

 

「・・・まぁ、そういうのを気にしたら負けだ。

とにかく行くぜ、キャバリエーレ」

 

その一言と共にジュウオウエレファントはゴセイナイトに攻撃を仕掛けていく。

 

「これは少し驚いたが、それだけだ」

 

そう言いながら、ゴセイナイトは攻撃を緩む事はなかた。

 

キャバリエ―レのバイクによる攻撃や、そのまま双剣へと変形して、両手に持ってゴセイナイトに攻撃を仕掛ける。

 

それでも、まるで攻撃を受け付けないようだった。

 

「それで勝つつもりか?」

 

「あぁ、ただし倒す為じゃないがな」

 

「なに?」

 

疑問に思うよりも先にその背後にはジュウオウイーグルが回っていた。

 

そして、その手には小さな玉が一つ

 

「おらぁ!!」

 

「ぐっがあぁぁ!!」

 

小さな玉はそのままゴセイナイトの身体へと押し当てると、同時にゴセイナイトの身体から溢れ出る闇が払われる。

 

「っここは」

 

「一応は効果ありだな」

 

そう言いながら、ジュウオウイーグルの手に持っていた勾玉を見せつける。

 

「それは」

 

「魔除けの勾玉。

邪悪な力を払い避ける事ができるアイテムで、大抵の呪いはこれで跳ねのける事ができる」

 

「それって、普段の活動でも使えるんじゃないですか?」

 

「・・・使い捨てで、一個5000円なんだ」

 

その時、ジュウオウイーグルの目から血涙が流れていた。

 

「あははは」

 

その事に思わず変身を解除したクリスは苦笑いしてしまう。

 

「それにしても、なんでこんな事を?」

 

「分からない。

だが、青い奇妙な怪人があれを私の身体に入れた」

 

「青い奇妙な?」

 

その特徴に聞き覚えがあったりんねは気になり、ゴセイナイトの身体から出てきた物を見る。

 

それは何かのメダルだったが、すぐに砕け散ってしまう。

 

「メダルによる洗脳、これは厄介だな」

 

「助けてもらい、感謝する。

だが、私は」

 

「分かっているよ、行ってやれ」

 

「あぁ、せめてこれを」

 

そう言い、ゴセイナイトが取り出したのは何かのカードだが

 

「これは?」

 

「ゴセイジャーの力であるゴセイカードだ。

もしかしたら、何かの役に立つ。

では」

 

その言葉と共にゴセイナイトはそのまま自身の身体を変形させ、空へと飛んでいった。

 

「それにしても、洗脳か。

厄介な事が起きそうだな」

 

「えぇ」

 

同時にこれから敵だけではなく、もしかしたら味方である別の世界にいるスーパー戦隊が襲うかもしれない。

 

「とりあえず、魔除けの勾玉を10個をがはぁ!!」

 

「りんねぇ!!」

 

これからの戦いに備える為に必要だと思われるアイテム、魔除けの勾玉を買うのを考えた瞬間、りんねはその場で吐血してしまう。




今回の転生者は容疑者・山田健二のアイディア
NAME :星を守護する女神の騎士(ゴセイナイト)
詳細
りんねたちとは別部署に所属する後輩。上司である女神からの指令でとある世界に逃げ込んだ転生者を追跡していたが、定時連絡の最中に突如として音信不通となってしまう。
それから一週間後、何の前触れもなく突然帰還した彼は上司である女神と同僚(ゴセイジャー)を襲撃し重傷を負わせたあげく基地を破壊し逃走する。
彼らの証言によると、自分たちを襲撃した時の様子はまるで何者かに操られているかのようだったと言うが……?

死神道具は烈 勇志さんのアイディアです。
名前:魔除けの勾玉
値段:5千円
概要:
邪悪な力を跳ね除ける力が込められた勾玉。作るのに一週間もかかる為、多く作る事ができないのが欠点。

クロウの戦利品のアイディアははっぴーでぃすとぴあさんです。
キャバリエーレ
デビルメイクライシリーズに登場したバイク型の魔具
回転するホイール部分を武器として使用する事で移動手段としては勿論の事近接武器としても使用可能
二分割してさながら双剣のように振るうことも出来るが重量もあってやや振りが遅い
鋭い衝角と乱喰歯のような刃が備わった車輪によって突撃や轢かれた際のダメージは相当のものである


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第20話 覚醒のクリス

新たな事を募集しております。
皆様の応募、お待ちしています。
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=232877&uid=45956


堕天使の討伐依頼が正式に降りた。

 

これまで秘密に動いていたつもりだが、大量のはぐれエクソシスト、さらには契約先の人間の殺害など明らかな行動が見えた為、依頼先から正式な依頼で討伐を行う事になった。

 

堕天使を始め、はぐれエクソシストの危険性が高い為に彼らが逃げないように二つのチームに分かれて、りんね達は行動していた。

 

「私、本当にできるんでしょうか?」

 

そう言いながら、りんねと一緒に行動しているクリスはふと呟いた。

 

「なんだ、いきなり弱気な事を言って」

 

そう言いながら、未だに逃亡しない堕天使の動きを観察しながら、りんねはクリスに呟く。

 

「いえ、私がこの力に覚醒しても、皆さんのように役に立ていなくて」

 

そう自分のこれまでの戦いでの不安を明かすようにクリスは言う。

 

「・・・お前は勘違いしている。

役に立つとかそんなの関係ない。

なによりもクリス、お前にはお前にしかできない役割があるんだ」

 

「私にしか」

 

その言葉に疑問に思っている間に迫りくる気配にりんねはすぐに気づく。

 

「どうやら、話は後だ」

 

「っ!!」

 

その言葉の意味を知り、クリスもまた構える。

 

【イーグル!】【タイガー!】

 

「「本能覚醒!!」」

 

【アーアーアアアーッ!】

 

その音声と共に、すぐに姿を変えたりんね達は逃亡しようとする堕天使達を見つめる。

 

「悪いが、逃がす訳にはいかない」

 

「ちっ、ここにも追ってがいたか!」

 

「どうでも良い、ここで殺すだけだ!!」

 

その言葉と共に、堕天使達は各々の手から光の槍を作り出し、ジュウオウイーグル達に向けて襲い掛かる。

 

ジュウオウイーグルはそのまま手に持ったイーグルライザーでその攻撃を切り落とし、ジュウオウタイガーもまたその攻撃を避ける。

 

だが

 

「なっ!?」

 

「きゃっ」

 

彼らの背後から襲い掛かってきた怪物によってその動きは止められた。

 

「こいつらはっ!?」

 

そこにいたのはまるで何人もの女性の体を繋げたような外見をした怪物だった。

 

同時に懐から光始め、その気配から

 

「お前っ転生者!?」

 

「まぁ、そういう事だな」

 

そう言い、下衆な笑みを浮かべる。

 

「まさか、堕天使になっていたとはな」

 

「あぁ、おかげでこういう風に油断した奴らを誘い込む事ができたからからな」

 

「相変わらず、下衆いな」

 

「言うなよ」

 

そう隣にいる堕天使と肩を組みながら言う。

 

「ちっ、まさか人間じゃなくて堕天使に転生した奴がいるとはな」

 

「あぁ、おかげでアザゼルや他の奴も騙せたぜ。

なんたって、人間じゃなければ宿らない力だと思い込んでいたから、こうやった光景を楽しめたからな」

 

「たのしんでいた」

 

その言葉にクリスはゆっくりと呟く。

 

「あぁ、ゲームでも良かったけど、こうやって現実で見ると、本当に興奮するぜ!!」

 

そう堕天使は愉悦な笑みを浮かべた。

 

「許さないっ!」

 

「なにができるというんだ、お嬢さんはははは!!」

 

そう言いながら、馬鹿にするような笑みを浮かべる中で

 

「確かにお前達のような奴らがいるな。

この世界のルールを利用した奴らは。

でもな」

 

「んっ?」

 

そうしていると、ジュウオウイーグルもまた笑みを浮かべていた。

 

「クリスは俺達ジュウオウジャーの中でもたった一人だけ、大きな違いがある」

 

「大きな違い?」

 

「彼女は転生者だ。

転生して、この世界の一つの命として生まれ変わった。

だからこそ、俺達とは違い、この世界のルールも適用される」

 

「ルールって、まさか!」

 

Killter Ichaival tron

 

突然響く、歌声、同時に彼女を拘束していた化け物は吹き飛ばされる。

 

だが、その姿は、それまで身に纏っていたジュウオウタイガーとしての姿でもなかった。

 

その身に纏っているのは純白のボディスーツに赤い鎧を身に纏っており、その手にはクロスボウを持っており、光の赤い矢が装填されていた。

 

「なっまさかっそれはセイクリッド・ギアっ!!」

 

それを見つめると驚きを隠せなかった堕天使達だったが、同時に顔を上げる。

 

「悪りぃが、こっから先は逆転なんてさせるつもりはないからな!!」

 

その言葉と共に、普段の彼女では考えられない荒い口調と共に、クロスボウの引き金を引くと共に光の矢が堕天使に向かっていく。

 

「なんだっこの矢はっ!?」

 

「ぐっ」

 

次々と放たれる光の矢に驚きを隠せずに飛翔しながら攻撃を避ける堕天使だったが、同時にクロスボウの形が変わっていく。

 

先程まで片手で持つのに問題ない大きさのクロスボウから人一人分の大きさのガトリングガンへと変わる。

 

同時に引き金を引くと、その場では痺れる程の音が響いており、堕天使達の翼を瞬く間に散っていた。

 

「ぐっ」

 

「銃って、なんなんっすかっあいつのセイクリッドギアはっ!!」

 

「さぁな、あたしでも分からない!

けどな、てめぇらをぶっ飛ばさないと、今は気が済まないんだよ!!」

 

その言葉と共に取り出したのはジュウオウチェンジャーを手に取り、構える。

 

【ホーク】

 

「本能覚醒!!」

 

【アーアーアアアーッ!】

 

その音声が鳴り響くと同時に白い鷹の力が宿った姿、ジュウオウホークへと変わる。

 

「っ!?」

 

「疾風の王者 ジュウオウホーク!」

 

その宣言と共にその手には先程までのイチイバルのボウガンが放たれ、りんねを拘束していた怪物を吹き飛ばす。

 

「なっなんだよっこの展開はっ!?」

 

「都合が良すぎるだろ!!」

 

そう言いながら、逃げ出そうとするが

 

「逃がすかよ!!」

 

同時に巨大な弓矢となって、二人の堕天使を打ち抜く。

 

ARTHEMIS SPIRAL

 

「なっ」「があぁ!?」

 

貫かれた二人はそのまま地面へと倒れ込み、同時にその身に宿っていた特典はクリスの元へと回収される。

 

「やったな」

 

「おう!」

 

そう言い、自然とハイタッチした。

 

「んっ?」

 

「どうしたんだ?」

 

そう言いながら、変身を解除したクリスだが

 

「なんか少し、雰囲気変わったか?」

 

「そうですか?」

 

「あれ?」

 

再び話すと、いつもの穏やかな喋り方だった。

 

僅かに疑問に思ったりんねだが

 

「ほら、早く仕事に戻りましょう」

 

「んっあぁ」

 

促されるように、言われ、すぐに向かった。



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第21話 血涙のりんね

「これで4件目」

 

そう言いながら、机の上で倒れているりんねは血涙を流しながら呟く。

 

この世界になぜか迫っている洗脳された戦士達が襲われる事件は既に4件も起きていた。

 

さらには偽物の転生者など、彼らの収入源は減り、借金を返せない日々が続いていた。

 

「あっあの、りんねさん」

 

その事もあって、血の涙が既に頬を染めており、クリスはどうすれば良いのか分からずに困惑していた。

 

「おーい、りんねいるかぁ」

 

その言葉と共に入ってきたのはりんねが通っている死神専門店で住んでいる少年であるジンタだった。

 

「なんだぁ?」

 

「店長から試作品だってよ。

なんだか分からないけど、お前が喜ぶ奴だって」

 

「試作品か」

 

その言葉を聞き、いつもならば喜んでいるはずのりんねだったが、その表情は晴れなかった。

 

それ程に彼は疲れていた。

 

「大丈夫ですか」

 

「なに心配ない。

この恨みは黒幕を見つけた時に始末する」

 

「ひぃ」

 

その余りにも黒すぎる笑みに思わずクリスは後ろに下がってしまう。

 

「んっ?」

 

その中の一つを見つけると、りんねはすぐに説明を見つめる。

 

「おい、これは本当か?」

 

「えっおっおぉ。

まだ効果は分からないけど、多分大丈夫だと思うぞ」

 

「えっえっ!?」

 

どのようなアイテムなのか気になったクリスだったが、同時になり始めたジュウオウチェンジャーを手に取ると

 

「あの、また現れたそうです」

 

ゆっくいと、りんねに話しかけると同時に

 

「丁度良い、行くぞ」

 

「えっはい」

 

その話をすれば、すぐに暗くなるはずだったりんねは今日に限って嬉しそうに笑みを浮かべながら、歩き始めた。

 

その事に驚きながらも現場へと向かうと

 

「来たか」

 

そこに立っていたのは紫色の狼を思わせる鎧を身に纏っている戦士、魔導騎士ウルザード

が立っていた。

 

「ふっふふふっ」

 

「あっあわわわ」

 

そのウルザードを見つめながら、りんねはそのまま黒い笑みを浮かべていた。

 

クリスは思わず、口を押えながら、りんねを見つめる。

 

そこに立っていたりんねの身体からは目で見える程の闇が見えており、その原因とも言えるウルザードを睨み詰める。

 

「なっなんだ、この闇はっ」

 

【イーグル】

 

「さぁ、上手くいけるかどうか、実験だな。

本能覚醒」

 

【アーアーアアアーッ!】

 

その一言と共に瞬く間にりんねはジュウオウイーグルへと変身する。

 

「野生開放!!」

 

同時に手に持ったイーグルライザーとジュウオウバスターを両手に手に持つと同時にウルザードに向かって、襲い掛かる。

 

「ぐっ」

 

ウルザードはすぐに楯を前に出して、その攻撃を受け止める。

 

「はぁ!!」

 

だが、怒涛の攻めを辞めないように、次々と攻撃を放っていく。

 

ウルザードはそれに対して楯を使いながら、その攻撃を受け止めながら、一瞬で剣で反撃を行う。

 

「はぁ!!」

 

だが、ジュウオウイーグルはすぐにその場で翼を広げながら、宙を舞いながら、その攻撃を避ける。

 

「ふんっ」

 

だが、ウルザードはすぐに楯から眼が現れると、そこから無数の魔弾が現れ、ジュウオウイーグルに向かって襲い掛かる。

 

「まだまだぁ!!」

 

その魔弾に対して、イーグルライザーを鞭のように伸ばし、全ての攻撃を斬り落としていく。

 

「クリスっ!!」

 

「っ!!」

 

その声を聞くと共にウルザードはすぐに楯を構えた。

 

だがそこにいたジュウオウタイガーの手に装着されていたのは巨大なパイルバンカーだった。

 

「しまっ」

 

その攻撃の意味を知り、ウルザードだが、既にパイルバンカーから杭が放たれ、瞬く間に楯を砕く。

 

「ジュウオウバースト!!」

 

その一言と共にジュウオウイーグルはそのまま両手に持った剣をそのままウルザードに向けて同時に振り下ろした。

 

二つの光を放ちながら、切り裂かれ、ウルザードは変身を解除される。

 

「ぐっ」

 

変身者であった練紅炎はすぐに構えようとしたが

 

「これでも飲んでろ!!」

 

「んぐっ?!」

 

その一言と共に口の中に押し込まれたのは飲み物だった。

 

何が起きているのか分からず、戸惑いながら、飲み物は無理矢理口の中に飲み込まれていく。

 

飲み込まれた飲み物からジュワという音が響いて、そして、口をどかすと

 

「げぷぅ」

 

口から出てきたのはメダルだった。

 

同時に

 

「んっ?

ここはどこだ?」

 

「よし、成功だな」

 

その言葉と共にジュウオウイーグルは先程まで放っていた闇が消え去った。

 

ジュウオウイーグルが取り出したそれは洗脳された戦士達の洗脳を解く為に使う新たな道具だった。

 

その名も

 

「洗脳解サイダー!!」

 

りんねはそのまま涙を流しながら、瓶を空にかざした。

 

浦原に洗脳された時の対応の一つとして、原点である戦隊の一つであるカーレンジャーが行った方法を参考に作られたアイテム。

 

その効果は確実に洗脳を解く事ができるが、口の中に直接入れなければならないという欠点があった。

 

だが、それ以上に値段が安い事もあって、洗脳が解けなかった場合、りんねは血涙を流してしまう。

 

「なっなんだ」

 

「きっ気にしないでください」

 

状況が未だに掴めていない状況だったが

 

「しかし、悪かったな。

とりあえず、これがお詫びになるかどうか分からないが、受け取ってくれ」

 

「あっはい」

 

その言葉と共に練紅炎から渡されたのは彼の力の一部が入っているマージフォンだった。

 

同時に彼自身を迎えに来たように魔法陣が展開され、そのまま消えていく。

 

「それにしても、何が目的なんでしょう、敵は」

 

「さぁな、ついでにこれらもどうするかだな」

 

そう言いながら、受け取った力の一部であるマージフォンを含めて、現在りんねの家には複数のスーパー戦隊の力が宿ったアイテムがある。

 

「まぁ、とりあえずは帰るか」

 

「はい」

 

だが、それ以上に今は安上がりで解決できる洗脳解サイダーを求めて、りんねはスキップしながら向かい始めた。

 

 




今回は龍神アンサーさんの所から来たマジレンジャー。
そして烈 勇志さんのイチイバルのアイディアを頂きました。
そして、次回はオリジナル形態登場予定ですので、お楽しみに。


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第22話 覚醒!炎の鳥

活動報告で新しい項目を募集しております。
皆様の応募、お待ちしています。
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=232877&uid=45956


「よぉ、ジュウオウイーグル」

 

「っ!!」

 

その日は、洗脳解サイダーを買い終えて、そのまま帰ろうとした時だった。

 

その背後から聞こえてきた声に気付き、そのまま振り返る。

 

「バングレイっ」

 

「よう、他に同じ目的の奴と争うのは楽しかったかぁ?」

 

「お前の仕業だったか」

 

「いいや、俺は少し手伝っただけだよ」

 

そう言いながら、バングレイは手に持ったメダルをそのまま投げ捨てる。

 

同時にメダルから現れたのはこれまで見た事のない気味の悪い生き物だった。

 

「なんだっこいつは」

 

「こいつはメーバ。

こうして手足として働いてくれたり、巨大化、それに洗脳も手伝ってくれるお手頃な奴らだぜ」

 

「洗脳の時に出てきたメダルはこいつらという訳か」

 

「だったら、ここでてめぇを倒すっ!!」

 

「へぇ、それそれで面白そうだぜぇ!!」

 

その言葉と共に手を翳すと、同時に複数の転生者が現れる。

 

「事前に準備をしていた訳か。

この世界でも色々と面白そうなのがあるからなぁ!!」

 

その言葉と共に襲い掛かる。

【イーグル】【ホーク】

 

「「本能覚醒!!」」

 

【アーアーアアアーッ!】

 

その音声が鳴り響くと同時にジュウオウイーグルとジュウオウホークは各々の武器を手に取り、戦い始める。

 

襲い掛かる敵の数は多いが、二刀流で戦うジュウオウイーグルと援護を行うように次々とイチイバルによる攻撃を行っていく。

 

「へぇ、それぐらいはするよなぁ!!」

 

「ぐっ」

 

だが、それに入るようにバングレイはすぐにジュウオウイーグルに襲い掛かる。

 

荒々しい戦闘で襲い掛かるバングレイに対して、ジュウオウイーグルはすぐに攻撃を受け流しながら、反撃を行っていく。

 

だが、徐々にだが数の差で追い込まれそうになっていたが

 

『キラメイゴー!キ・ラ・メーイ!!』

 

聞こえてきた音声と共に、他に襲い掛かっていたメーバや転生者に攻撃を襲い掛かろうとした。

 

『キラメイチェンジ!!』

 

「お前は!」

 

「どうやらお前たちもこいつと戦ってるようだな!」

 

どうやら、バングレイの戦いに加勢してきたのはキラメイジャーだった。

 

「はっ、バリ数日ぶりだなキラメイジャー!

また前みたいにぶちのめしてやるよ!」

 

「今回はそうはいくかよ!

トレース・オン!」

 

干将莫邪を投影し、キラメイレッドとジュウオウイーグルはバングレイに立ち向かう。

 

同時に駆け付けたキラメイジャーの増援もあり、二人は目の前にいるバングレイに集中して戦う事ができた。

 

だが

 

「ぐっ、気をつけろ士郎!

こいつは…!」

 

「わかってる、だが!」

 

「おいおいあれだけ粋がってたのにもうおしまいか?

そらぁ!!」

 

バングレイはそのまま目の前にいるジュウオウイーグルの攻撃を剣で受け止め、腹部から青いエネルギー弾で吹き飛ばす。

 

「ぐはっ!」

 

「おらおらぁ!!」

 

ジュウオウイーグルを吹き飛ばすと同時にバングレイはそのままキラメイレッドに向けて高速移動で接近し、そのまま吹き飛ばす。

 

「がっ!」

 

バングレイの攻撃に、二人は壁に叩き付けられてしまう。

 

「負けてたまるかよっ!!」

 

その言葉と共にジュウオウイーグルは立ち上がる。

 

同時に身体から溢れ出たのは闇だった。

 

「へぇ、あいつと同じだと思っていたが、そんな闇を持っていたとはな、バリ気になるねぇ」

 

そう言いながら、バングレイはジュウオウイーグルに向けて攻撃を仕掛けようとする。

 

「このままてめぇの力が暴走して、大事な大事なお仲間が死んだら、どんな表情をするのかねぇ」

 

「くっ」

 

力は既に暴走を始めており、叩きつけていた壁を破壊していた。

 

「このままするかよっ!!」

 

そう言い、ジュウオウイーグルはそのまま力を自身の腕に抑えつける。

 

だが、闇は既に怒りによって、押さえつける事ができない程に暴走していた。

 

「だったら!!」

 

その様子を見て、キラメイレッドはそのまま近づき、闇に触れた。

 

「おい」

 

「このままじゃ、やばいだろ。

だったら、どうにかしないと」

 

そう言い士郎も力を押さえつけようとした。

 

「・・・少し荒っぽいがお前がいるならば、できるかもな」

 

「えっ、何を」

 

「士郎、てめぇの力を貸せ」

 

「・・・何を言いたいのか、分からないけど、分かったぜ」

 

その言葉と共に、キラメイレッドはそのまま、闇に手を向ける。

 

同時に闇は暴走するように暴れるのではなく、二つの形へと変わろうとしていた。

 

「なっなんだっ、これはっ!?」

 

「これは俺から溢れ出る死神の力。

身体で制御できないならば、制御できる器に移せば良い」

 

「俺はその器を作れば良い」

 

「まさかっそれって」

 

「お前が散々利用してきた特典だよ!!」

 

その言葉と共に溢れ出る闇はそのまま形を変え、各々の手に新たな武器として完成する。

 

【スーパーライザー】

 

その音声と共に、りんねの手元には爪を思わせる武器が現れる。

 

同時に士朗の手元にもりんねと似た構造をしている武器が現れるが、爪の代わりに鋸となっていた。

 

新たに現れた武器だったが、手にした瞬間、二人とも既にその使い方が分かっていた。

 

【ジュウオウイーグル】

 

その音声が鳴り響くと同時にりんねの手元に現れたのは、三人のスーパー戦隊の力が宿ったメダルだった。

 

りんねはそのままメダルをスーパーライザーに挿入する。

 

【ライブマン!ジェットマン!マジレンジャー!】

 

「燃えるぜ!翼」

 

その音声を確認すると共にりんねはスーパーライザーのトリガーを引く。

 

同時にりんねの姿はジュウオウイーグルへと変わり、三枚のメダルから現れたスーパー戦隊はそのまま重なる。

 

【ジュウオウイーグル!バーニングファルコン!】

 

その音声と共にジュウオウイーグルの身体は炎を思わせる紅へと変わり、全身が燃えるような深紅のアーマーに覆われる。

 

「なっなんだ!?」

 

その姿にバングレイは驚きを隠せなかった。

 

だが、その変化はジュウオウイーグルだけではななかった。

 

りんねと同時に士朗もまた、姿が変わっており、その姿はキラメイレッドにフォーミュラーカーを思わせる装甲を身に纏っていた。

 

【キラメイレッド!クリアマインド!】

 

「なっなんだ、その姿は!?」

 

「さぁな、俺達も知らないが」

 

「ひとっ走り付き合えよ!」

 

キラメイレッドのその一言と共に姿を消す。

 

同時にバングレイは次々と衝撃を受けたように宙に舞う。

 

「ぐっなっ!?」

 

一瞬の出来事に戸惑っている間に、上空には既に待ち受けていたジュウオウイーグルの蹴りによって再度地面に叩き落とされる。

 

「ちっ、こんな所でやられるかよ」

 

その状況が危険だと判断したバングレイはすぐに懐から何かを放り投げた。

 

同時に現れたのは魔進チェイサーとグボロ・グボロの2体だった。

 

「そいつらと遊んでろ!」

 

その一言と共にバングレイは完全に姿を消した。

 

「逃げられた」

 

「けど、こいつらを放っておく訳にはいかないな。

士朗、そっちの紫は頼んだ」

 

「あぁ」

 

その言葉と共に、ジュウオウイーグルはそのままグボロ・グボロに向かって突進する。

 

『ガアアァァ!!』

 

同時にグボロ・グボロがジュウオウイーグルに気づくと、その特徴的な巨大な砲台から次々と水球が次々と襲い掛かる。

 

だが、ジュウオウイーグルの背中の翼が同時に打ち出され、水球を打ち抜いていく。

 

水球に対しての攻撃を逸らしながら、その手に持ったスーパーライザーでグボロ・グボロを切り裂く。

 

『ギシャーア!?』

 

爪から発した炎は瞬く間にグボロ・グボロの装甲を切り裂き、燃やし尽くす。

 

「一気に決める、本能覚醒!!」

 

その攻撃を確認すると同時にジュウオウイーグルの言葉に合わせて、身に纏っていた装甲の一部が剥がれ、そこから炎が溢れ出す。

 

同時に手に持ったスーパーライザーは巨大な鳥の爪へと変わり、背中から生えていた翼は巨大な炎の翼へと変わる。

 

その衝撃に襲われたグボロ・グボロは後ろへと下がり、その隙を突き、炎の斬撃を飛ばして滅多斬り行う。

 

「ハァ!!」

 

最後の一撃を与えると同時にグボロ・グボロは完全に爆散する。

 

「さすがに、もう消えたか」

 

そう言い、ジュウオウイーグルの変身は解除される。

 

「そっちも終わったか?」

 

「まぁな。

それにしても、まさかここで役に立つとはな」

 

そう言いながら取り出したのはスーパー戦隊の力が宿ったメダルだった。

 

皮肉にも、洗脳の時に使われたのと同じメダルという形だが、それでもこれからの戦いでは心強い力だろう。

 

「俺のも「いや、あいつらが何時来るか分からないから、使ってくれ」そうか」

 

士郎はすぐにメダルを返そうとするが、未だに終わらない戦いもあり、りんねはそのまま預ける事にした。

 

「それじゃあ、俺達も帰るとするか」

 

そう言い、置いてある大量の洗脳解サイダーを持ち、クリスと共に、帰り道を歩いていった。



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第23話 ロマンを求めて

「最近私の活躍がありません!!!」

 

それはいつもの日常だった。

 

その日もりんねは日々のアルバイトを行っていると、めぐみんが突然の大声で叫んだ。

 

「いきなりどうしたんだ」

 

「だって、可笑しいじゃないですか!!

私、メインヒロインのはずなのに、全然出番がないんですよ!!

それ所か、私よりもクリスの方が出番が多いじゃないですか!!」

 

「そりゃあ、クリスと一緒の時によくあるからな」

 

「ずるいじゃないですか!!

私は爆裂一筋なのに、クリスには謎、新たな武器!

どんどん出番が増えていって、私がどんどん影が薄くなるじゃないですか!!」

 

そう言いながら、めぐみんは地団駄を踏んでいた。

 

「そう言われてもな、基本は借金返済しないといけないだろ。

第一、その借金の多くはお前だぞ」

 

「それ以上にアクアが原因じゃないですか。

とにかく、行きますよ!!」

 

「これが終わったらな」

 

そう言いながら、りんねは目の前にある手紙の翻訳を行っていた。

 

「ぶぅ、良いでしょう!

見事に私が大活躍してみせますので、一つ道具を貸してください」

 

「別に良いけど、壊すなよ」

 

――にやり

 

めぐみんは怪しい笑みと共にとある道具を取ると

 

「それじゃあ、行ってきます!!」

 

「晩御飯までには帰ってこいよ」

 

そう言いながら、りんねはめぐみんを見ずにそのままバイトを続けた。

 

「さて、これからどうしましょうか。

活躍といっても、そんなに良い活躍ができるのなんて、んっ?」

 

そうしていると、毎回の事ながら、都合の良い爆発が聞こえる。

 

「これは、都合よく聞こえてくる悲鳴!!

そして、爆発、チャンス!!」

 

その言葉と共にめぐみんはすぐに走り出す。

 

辿り着いた場所を見てみると、なにやら少年が見え、その背後には悪魔が追っていた。

 

「っ!!」

 

「これで、終わりだ!!」

 

その一言と共に、放たれた魔法に対して、めぐみんは懐から出したキューブカジキで防ぐ。

 

「そこまでです!!

それ以上の蛮行、この私が許しません!!」

 

「貴様は一体っ!!」

 

「ふふっ、よく聞きましたね!

我が名はめぐみん!

赤きの目の鮫の力を持ち、爆裂魔法を使う者!!」

 

決まったとばかりにめぐみんは胸を張る。

 

「どけ、そいつを殺さないと、この世界は危険なんだよ」

 

「危険って、何がですか?」

 

めぐみんはそう言いながら、追いかけられていた少年を見つめる。

 

見た目は褐色の肌をしている以外はどこにでもいそうな少年だが

 

「そいつはレオナルド!

いずれ世界を恐怖に落とす存在だ!!

今、ここで殺せば、被害は大きく減らせるんだ。だから、退け」

 

「そんな話を信じるとでも」

 

「真実だ!

そいつはどうしようもない悪人なんだよ」

 

そう言い、血迷った目でめぐみんを睨む。

 

その目を見られ、レオナルドは怯える。

 

そんな時、めぐみんは

 

「それで」

 

その言葉を聞いためぐみんはどうでも良さそうに悪魔を見つめる。

 

「なっ、聞いていなかったのか!!」

 

「聞いていて、あえて言いましょう。

どうでも良いとっ!」

 

そうめぐみんは、そのままマントを翻しながら、言う。

 

「この少年が危険な力を持っていようと、それが貴方達にどれ程の被害が出るかなど、関係ない!

私は、ただ、妹と、こめっこと同じぐらいの歳の子が酷い目に合いそうになったから、助ける!

それがお前と戦う理由には十分ですよ!」

 

「ふざけるな!

俺は正しいんだよ!」

 

その言葉と共に手にしたのは特典だった。

 

それは禍々しい黒い弓矢を手に取りながら、めぐみん達に向ける。

 

「騎龍魔弓サジットボウ、310万ですか。

丁度良い特典ですね。少年、隠れていなさい」

 

「でも」

 

「子供は大人しくしていなさい。

それに、ここからは私の活躍の時間ですから」

 

そう言い、めぐみんは

 

「丁度、りんねからぬすっ、借りたこの力を使いましょう」

 

そう言い、取り出したのはスーパーライザーだった。

 

【ジュウオウシャーク!】

 

 

めぐみんはすぐにスーパーライザーにメダルを一枚、挿入すると

 

「隙だらけだ」

 

めぐみんに向けて、既に悪魔は矢を放った。

 

だが、めぐみんは、そのままトリガーを押した。

 

【サンバルカン】

 

同時にスーパーライザーから現れたのはサンバルカンの一人である、バルシャークだった。

 

バルシャークが現れるのと同時に腰に装着されている武器を構え

 

「シャークウォッシャー!」

 

その一言と共にバルスティックから腐食液が放たれ、矢はたちまち溶けてしまう。

 

「なっ!」

 

突然の出来事に驚きを隠せない悪魔だったが

 

「これって、こんな事もできたんですね」

 

そう言いながら、残りのメダルを挿入し

 

「荒ぶるぜ!津波!」

 

その一言と共にスーパーライザーのトリガーを押した。

 

【サンバルカン!ガオレンジャー!ゴセイジャー!

ジュウオウシャーク!スプラッシュシャーク】

 

その一言と共にジュウオウシャークへと変身しためぐみんは、そのまま水に包まれる。

 

同時に水から手を出し、完全にその姿を見せると、そこには鮫をモチーフにした鎧を身に纏ったジュウオウシャークが立っていた。

 

「なっ!!」

 

「我が名はジュウオウシャーク スプラッシュシャーク!

全ての水を司り、爆裂魔法を極める者なり!」

 

「姿が変わった所で!」

 

その言葉と共に攻撃を始める。

 

ジュウオウシャークはすぐに手に持ったジュウオウバスターを構え、そのまま接近する。

 

「ぐっ、舐めるな!」

 

「うおっと、流石に接近戦は苦手なんですけどね。

ほら、そこの君、さっさと逃げなさい!!」

 

「えっでも」

 

「逃がすか」

 

その言葉と共に手に持ったサジットボウを構えるが

 

「だから、させませんよ!!」

 

その言葉と共に、ジュウオウシャークの地面から突然水が飛び上がる。

 

余りにも多すぎる水はそのままサジットボウの軌道は逸れてしまう。

 

「ほら、さっさと逃げる!!」

 

「えっうわぁ!?」

 

ジュウオウシャークはそのまま水を操り、レオナルドをそのまま遠くへと飛ばす。

 

飛ばされたレオナルドの姿が見えなくなるのを確認すると

 

「さて、逃げた所で」

 

「貴様ぁ!!」

 

悪魔はそのままサジットボウを構える。

 

だが、同時にジュウオウシャークは足元に水を作り出し、滑るように後ろに下がる。

 

下がりながら、その手にあるジュウオウバスターを銃モードへと変え、そのまま悪魔に向けて放っていく。

 

「ちっ」

 

サジットボウを構え、そのまま襲い掛かる銃弾を撃ち落としていき、矢を作り出し

 

「死ねぇ!!

 

殺気を込めた一言と共に、再び弓矢を引き、放つ。

 

「よっと」

 

ジュウオウシャークは水をフライトボートのように勢いをつけて、そのまま飛ぶ。

 

空を飛んだ事によって、その矢は外れてしまう。

 

だが

 

「チャンスだ!!」

 

それは悪魔の狙いでもあった。

 

「お前が先程水を操るのは分かっている!!

移動する時には水を噴射させて、移動している。

つまりは足の向きを見れば、どこに移動するか分かる!!」

 

同時に狙いを澄まし、そのままさらに追い討ちをするように攻撃を放つが

 

「余裕余裕」

 

ジュウオウシャークはそのまま後ろへと下がっていた。

 

それも、先程までのように噴射する訳でもなく、まるでスケートで滑るように

 

「なっ!!」

 

宙で動けないはずのジュウオウシャークはそのまま空に向かっていく。

 

悪魔はジュウオウシャークを見つめるも、フライボートのように、水を噴射させて飛んでいる訳ではなかった。

 

「なっなぜだっ!?」

 

「まぁ、既に勝負は決まっているのて、教えましょう。

私のこの姿は水を操る事ができる。

つまりは空気中の水分を操る事もできるのです。

だから、こうやって空気中の水分の上に乗れば、空を泳ぐ事もできるのですよ」

 

その言葉と共に、悪魔はよく見つめると、めぐみんの足元には透明な水の壁が作られていた。

 

「っ!!」

 

空気中の水分を操る事ができる。

 

その言葉を聞いて、確かに動揺した。

 

だが、それ以上に身体が動けない事に悪魔は戸惑った。

 

「そして、あなたの動きも既に水の縄で身動きを取れなくしました。

これで、逃げる事もできません」

 

「まさかっ」

 

先程まで行っていた接近戦。それはレオナルドを逃がす為の誘導だけではなく、罠を設置する為の行動だった。

 

気付いた時には既に遅かった。

 

同時に手に取ったのはジュウオウバスターとキューブハリモグラだった。

 

「大地の鼓動を感じし獣よ

その鼓動より生じる命の波動を放て

放たれし魔弾よ、我らに挑み愚者達へ罰を!」

 

その言葉と共に、ジュウオウシャークの瞳が赤く輝くと共にジュウオウバスターの先端がモスグリーンの光が集う。

 

「エクスプロージョン・タスラム!」

 

その声と共に放たれた一撃が針の部分からモスグリーン色の光の針が使用者の周囲の相手に向かって弾き飛ぶ感じで飛び散り、針が刺さった相手が爆発する。

 

「おっ俺は」

 

その言葉と共に、悪魔は完全に気絶した。

 

「ふぅ、さて」

 

戦いが終わり、レオナルドの元へと向かう。

 

「大丈夫ですか、少年」

 

「えっうん」

 

「それは良かった。

さて、とりあえずは家まで送りますが「ねぇ」んっ?」

 

「なんで、助けてくれたんですか。

僕は「だからなんですか」えっ?」

 

「あなたがどんなに恐ろしい力を持っているからなんですか?

あなたは、それを使って、悪い事をしたいんですか?」

 

「いや、僕は」

 

そう言うと共にめぐみんは再びジュウオウバスターを空に構える。

 

「私のこの爆裂魔法も人を傷つけます。

ですが、それは決してしませ。なぜならば、私は爆裂魔法を愛しているから!!」

 

「ばくれつまほう?」

 

「えぇ、この魔法にはロマンがあります!

不可能を可能にする力があります!!

少年のその力はもしかしたら、そんなロマンを叶えられる可能性があるんですよ!」

 

「ロマン」

 

その言葉を聞いて、レオナルドは少し目を輝かす。

 

「自分の理想とするロマンを求めなさい。

ロマンを冒涜する行為をせず、自慢ができる物にしなさい。

そうすれば、その力はきっと多くの人の助けになります」

 

「っはい!!」

 

「さて、どうしましょう。

あんな事ができるならば「おい」あっ」

 

スーパーライザーの先程の余韻が残っているめぐみんは振り返ると、悪魔の表情をしたりんねがいた。

 

「さて、言い訳を聞こうか」

 

「・・・格好良いからやった!

後悔はありません!!」

 

「ばっかもーん!!」

 

「ぎゃああああ!!」

 

そこから、めぐみんは頭をぐりぐりされ、そのまま頭を抑える。

 

そんなめぐみんから離れた所から

 

「ロマン、僕にあるロマン」

 

「レオナルド、ここにいたのね」

 

そんなレオナルドを迎えに来た女性が一人

 

「帰るわよ、標的の悪魔は「っ!」えっ?」

 

レオナルドはそのまま手を上に伸ばし

 

「我が名はレオナルド!

魔獣創造を身に宿し、やがて最強の魔獣を作り出す者なり!!」

 

「れっレオナルド!?」

 

「もっとカッコ良い台詞はないでしょうか!!!」

 

そのキラキラした目で迎えに来た女性を見つめる。

 

(この一時間で、何が起きたのっ?!)




今回の形態は烈 勇志さんのスプラッシュシャークとエクスプロージョン・タナトスと
メンツコアラさんのサジットボウでした。
まだまだ募集しておりますので、皆様の応募、お待ちしています。

メンツコアラ
NAME:騎龍魔弓サジットボウ
TYPE:ウェポン
賞金:310万

12種ある呪いのブレイヴの一つ。
射手座の力を宿したこの魔弓は本来なら聖なる力を宿す太陽の炎でさえ、その身に宿した闇の力によって暗黒の力へと変える。
この弓によって放たれた矢は黒炎を纏っていながら燃え尽きることはなく、またその黒炎は触れたものを燃え尽くすまで消えることはない。
もし、この弓を使うのであれば、強き意思を持ち続けよ。万が一、この弓の闇に屈し、意思を手放したのであれば、その身、その魂は弓と一つとなり、二度と戻ってくることはないだろう。

形態名:スプラッシュシャーク
変身者:ジュウオウシャーク
使用メダル:
ガオレンジャー(ガオブルー)、サンバルカン(バルシャーク)、ゴセイジャー(ゴセイブルー)
見た目:『仮面ライダーアビス』を女性らしい感じにしたもの
能力
鮫の力を三人のスーパー戦隊の力持つ。
水中戦においてはほぼ敵なしといえる力を発揮することができ、聴覚の鋭さも本来の姿よりも高くなっている。また、水を自在に操れるようになっており、それによって遠距離に対しての攻撃もできる。
本能覚醒により、周囲を水面に変えて潜り、それによって高速で泳いで移動することも可能。

爆裂魔法
ジュウオウバスターにキューブハリモグラを装填して放つ爆裂魔法。
ハリモグラメイスを上へと掲げ、針の部分からモスグリーン色の光の針がが使用者の周囲の相手に向かって弾き飛ぶ感じで飛び散り、針が刺さった相手が爆発する。なお、敵味方識別可能となっている。

詠唱:
大地の鼓動を感じし獣よ
その鼓動より生じる命の波動を放て
放たれし魔弾よ、我らに挑み愚者達へ罰を!
エクスプロージョン・タスラム!


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第24話 吠える獅子

今回からジュウオウザワールドのキャラのアンケートを行っていきます。
名前を言うとネタバレになってしまうので、キャラの特徴だけ書いておりますので、もしかしたらこのキャラと思った方はメッセージなどで聞いてみてください


「さぁ、今日はどんなご飯かな、ご飯かなぁ」

 

そう言いながらめぐみんは食事を楽しみにしていた。

 

りんねはそのまま調理を終えていた。

 

「今日はパンチェッタデルフィーノのカルボナーラとソーセージボアだぞ」

 

そう言いながら、調理を終えたりんねはそのまま調理を終えた料理を次々と机の上に並べていく。

 

「わぁ!」

 

その料理の数々を見て、目を輝かせるめぐみん。

 

「今日の酒はこれにするか」

 

「良いね」

 

そんな料理を見ながら、酒を選んでいくトリコとクロウ。

 

「えっと、皿の数は」

 

そう言いながら、料理を運ばれていく中で小皿と箸を用意していくと

 

「あっ、私は箸は使った事ないからナイフとフォークで頼む」

 

「もう、しっかりとしなさいよ」

 

「あっすいません」

 

その言葉を聞いたクリスはすぐに取りに行こうとした時

 

「「「「んっ?」」」」

 

ナイフとフォークを頼んできた声に思わず、4人が振り向くと、そこには見覚えのない栗毛のツインテールの少女と青髪に緑色のメッシュをした少女がいた。

 

「だっ誰だ!!

泥棒か!!」

 

「えっ違います違います!!

私達、そこにいる方に招待されたんです」

 

そう言いながらトリコの方に少女が言うと、全員がトリコの方を向く。

 

「いや、なんか歩いていたら、腹を空かせていたからな。

どうせ、食料だかなら大量にあるからな」

 

そう言いながら、トリコは特に気にした様子もなく言う。

 

それで良いのかと全員が思ったが

 

「まぁ食事はトリコのおかげだからな。

特に文句を言うつもりはないが」

 

「悪いな、りんね」

 

そう言いながら、りんねもまた食事の準備を行った。

 

「というよりも、なんで全員、私の言葉が分かるんだ」

 

そう言いながら、青髪の少女はこれまで気にしていなかった事を思わず言う。

 

「別に勉強していたからな」(死神の力により、自動的に翻訳されている)

 

「えぇ、私は頭が良いので」(紅魔族の為、知力は高く、大抵の言葉は勉強済み)

 

「まぁ俺は仕事関係でな」(食材を探す時についでに覚えた)

 

「まぁ俺もな」(仕事の関係上、多くの言葉を覚えていた)

 

「私は偶然かな」(海外に行った時に教えてもらった)

 

「そういう事なのか」

 

全員が当たり前のように呟く言葉に思わず戸惑う。

 

「とっとにかく、ご飯を食べさせてくれるわ。

あぁ我が主に感謝を」

 

「その前にお前達って、誰なの」

 

そんな言葉を呟く二人にりんねは思わず聞いてしまう。

 

「そうね、まずは自己紹介ね。

私は紫藤イリナです」

 

「私はゼノヴィアだ」

 

「まぁとりあえずは飯にするか」

 

そう言いながら、食事を始める。

 

「それにしても、この料理は一体なんなの!?

こんなの食べた事ないわ!!

 

「あぁ、なんだ、このパスタはっ!?」

 

そう言いながら、よほど腹が減っていたのか、どんどん無くなっていく。

 

だが、元々はトリコも含めた人数分を用意していたので特に問題なかった。

 

「ぷはぁ、さすがにこれ以上は」

 

「えぇ、ご馳走様!!

 

そう言いながら二人は食べ終えた事で満足したようだった。

 

「それにしても、お前ら、親御さんはどうしたんだ?

その年齢だったら、高校生だよな」

 

「えっと、私の両親は海外で、ゼノヴィアはえっと」

 

「んっ施設育ちだ。

ここには仕事で来た」

 

「ちょ」

 

ゼノヴィアはそのまま何事もなかったように話す。

 

「そうか、まぁ仕事で住む所がないならばここに住め」

 

「えっ!?

でも」

 

「まぁボロボロですが、私はクリスの部屋にお邪魔しますので、しっかりと掃除してくれば、文句は言いません」

 

「めぐみん、それって、掃除を押し付けていない」

 

戸惑うイリナに対してめぐみんはそのままクリスの部屋に向かった。

 

「では、しばらく世話になる」

 

「ゼノヴィア」

 

「これも導きだ。

さすがに野宿も、あそこで寝るも嫌だからな」

 

「それはそうだけど」

 

そう言いながら、少し迷っている様子だったが

 

「さて、俺は少し仕事に行くわ」

 

そう言うとトリコは何かを感じたのか、立ち上がる。

 

「・・・トリコ」

 

立ち上がったトリコに対して、りんねは懐から取り出したスーパーライザーを投げ渡した

 

「んっ、悪いな」

 

そのまま受け取るとトリコはそのままドアから出ていった。

 

「えっ今のは?」

 

「んっ、ナイフ」

 

何を持っていたのか気になったイリナだが、りんねはそのまま何事もなかったように呟く。

 

そして、トリコが歩いた先に待ち構えていたのは

 

「さて、飯を食べた後の運動をさせてもらうか」

 

そう言いながら、向き合った先に立っていたのはタイムファイヤーだった。

 

向き合いながら、タイムファイヤーはその腰にある武器を構えているが、大してトリコは焦った様子もなく、スーパーライザーにカードとコインを挿入していく。

 

「滾るぜ!王者!」

 

【ライブマン!ギンガマン!ガオレンジャー!

ジュウオウライオン!ロアーライオン!】

 

スーパーライザーが鳴り響くと同時にジュウオウライオンの姿は徐々に変わっていく。

 

その腕には本能覚醒の時のよりも巨大で機械的な爪が装着され、脚にはジェット機を思わせるアーマーが装着される。

 

「さて、食事前の運動といきますか!!」

 

その言葉と共にジュウオウライオンは構えていると、タイムファイヤーはディフェンダーガンを構え、引き金を引く。

 

ディフェンダーガンの銃口からは次々とエネルギー弾が放たれ、ジュウオウライオンに向けて襲い掛かる。

 

「ふっはぁ!!」

 

だが、ジュウオウライオンの掛け声と共に、一瞬でその姿を消し、エネルギー弾は空振りとなる。

 

「っ!?」

 

驚きを隠せないタイムファイヤーだったが、その背後には先程まで消えていたはずのジュウオウライオンが立っていた。

 

「そらそらぁ!!」

 

現れたジュウオウライオンは同時にその腕に装着されていた爪を展開させると共に腕を振り下ろした。

 

「ぐっ」

 

タイムファイヤーは瞬時にディフェンダーガンをディフェンダーソードへと変形させ、構える。

 

だが、次々と放たれる攻撃はタイムファイヤーは眼で捕らえる事ができず、残像を残す程の攻撃だった。

 

「っ!!」

 

やがてジュウオウライオンはそのままスーパーライザーを構えながら、タイムファイヤーを蹴り上げ

 

「さぁとどめと行くぜ!!」

 

トリガーを長押しをしながら、そのまま再度スライドさせる。

 

【ローラーライオン!FINALATTACK!】

 

その音声が鳴り響くと同時にジュウオウライオンの背後に現れたのはローラーライオンの力を貸している三人の戦士、イエローライオン、ギンガレッド、ガオレッドの三人の戦士だった。

 

「ライオンバズーカ!」「ガオメインバスター!」

 

イエローライオンとガオレッドは各々の武器を手に持ち、構える。

 

「唸れ、ギンガの光!」

 

ギンガレッドの言葉と共にジュウオウライオンの爪は獣装の爪へと変形する。

 

同時にジュウオウライオンは駆け出し、一気にタイムファイヤーの前に接近する。

 

「獅子釘パンチ!!」

 

その叫び声と共に、ジュウオウライオンの背後から迫るイエローライオンとガオレッドのエネルギーを浴びる事によって、全身が光り輝く。

 

同時にその光は巨大な獅子へと変わり、タイムファイヤーへと叩きつけられる。

 

「ぐっがはぁ」

 

「そらぁ」

 

同時に変身が解除されたジュウオウライオンはその口の中に洗脳解サイダーを飲ませる。

 

「んっげほげほっ!

なっなにをしやがるだっ!?」

 

「おっ起きたか」

 

戦いを終え、そのまま起き上がった天竜を見つめたトリコ。

 

「ここは?」

 

「俺達の担当の世界だ。

まぁ洗脳が解けた所で悪いけど、少し聞きたい事があるんだが」

 

「えっあぁ?」

 

戸惑いを見せている天竜に対して、トリコは聞き始めた。

 

「お前の最後の記憶は覚えているか?」

 

「いや、それがな曖昧でよ」

 

「それでも良い、頼む」

 

「分かった、こうやって、助けてもらった礼もあるからな。

まぁ、俺もあまり覚えていないけど、ぼんやりだけど、なんか事件を狙っているとかなんとか」

 

「事件?

この時期に?」

 

「あぁ、よく覚えていないけどな」

 

「時期か」

 

気になる言葉を聞いたトリコはそのまま頭を抱える。

 

「この時期、この世界に起きる何かを狙っているのか?」

 

洗脳された戦士を使って、バングレイが何を企むのか、

 

謎は深まるばかりだった。




今回の話でははっぴーでぃすとぴあさんと竜神アンサーさんの二人のアイディアを採用しました。
まだまだ皆様の応募、お待ちしています。

トリコの食材
食材の名前:パンチェッタデルフィーノ
主な生態:
比較的温暖な海にて群れで生息する獰猛な大型の赤いイルカ。
時には自分達よりも大きな生物や船舶に攻撃を加えてこれを仕留めてしまう事もあり浅瀬に出没した際は周辺のビーチが軒並み遊泳禁止となる。
肉質は柔らかくさながらパンチェッタの様な穏やかな円熟して角が取れた塩気に若干の酸味があり海獣独特の風味が乗った旨味たっぷりの脂がふんだんに差していてそのまま薄く削ぎ切りにして食べても十分に美味しく意外にも寿司ネタとしての需要も高い。

料理:パンチェッタデルフィーノのカルボナーラ
細かく刻んだパンチェッタデルフィーノの塩気と脂を味の決め手としてパスタソースとしたカルボナーラ。

食材の名前:ソーセージボア
主な生態:さながら生ソーセージの様に等間隔で括れた体を持つ蛇。
毒を持たない変わりに天然の香辛料を食べることにより筋肉中にその辛味や芳香成分を取り込んで外敵からの防御としている。
長い体を生かした締めつけの他に蛇にしては珍しく鋭い牙と強い咬合力による噛みつきを武器とする。

料理:ソーセージボアのホットドッグ
そのままでも食べられるのだが火を通す事により皮がバリッとなり香ばしさも加わる。
後はそれを好みの薬味や野菜と共にパンに挟むだけで良い、変則的な手巻き寿司の具にも良いだろう。


龍神アンサーさんのスーパーライダーによる変身
形態名:ロアーライオン
変身者:ジュウオウライオン
使用メダル:ライブマン、ギンガマン、ガオレンジャー
見た目:仮面ライダーオーズ ラトラーターコンボ
能力
獅子の力を持つ三人のスーパー戦隊の力を持つ。
ライオンの持つ素早い動きで相手を撹乱し、攻撃することができるスピード特化型の力。
大声で吠えることで怯ませることや攻撃することができ、相手を吹き飛ばすこともできる。
本能覚醒する事により、黄色の炎を操ることができるようになり、爪に炎を纏わせての攻撃や全身に炎を纏うことができる。

龍神アンサーのスーパー戦隊
活躍する世界を変更しました

名前:未来戦隊タイムレンジャー

活躍する世界:多重クロスした世界

メンバー
タイムレッド:藤丸立香【ぐだ男】(Fate/Grand Order)
タイムピンク:十六夜咲夜(東方Project)
タイムブルー:伊達政宗(戦国BASARA)
タイムイエロー:大門大(デジモンセイバーズ)
タイムグリーン:若葉昴(バトルガールハイスクール)
タイムファイヤー:天龍(艦隊これくしょん)

特徴
邪神が創り出してしまった多くの作品が多重クロスしてしまった世界で邪神が送り込んだ転生者や憑依者達による犯罪行為やキャラ達を守るために戦うスーパー戦隊。
多重クロスした作品は「ハイスクールDxD」「戦姫絶唱シンフォギア」「ToLOVEる」「ソードアート・オンライン」の4つの世界が多重クロスしている。
構成されているメンバー全員がゲームのキャラやゲームが原作のアニメのキャラ達で構成されている。

仕えている神様:テト(ノーゲーム・ノーライフ)

洗脳されている戦士:タイムファイヤー


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第25話 怯える獣

投票結果、『見た目は高校生、中身は5歳児』が選ばれました。
これからも応援、よろしくお願いします。


「バングレイが、何か事件を狙っている」

 

「あぁ間違いないだろ」

 

トリコからの知らせを聞いたりんね達はこれからの行動についてを話し合っていた。

 

「事件って、何をだ?」

 

「さぁな、そこまでは」

 

「だよな」

 

あれから得られた僅かな情報では分からない以上、彼らにできるのは情報収集しかなかった。

 

だが

 

「っ!!」

 

りんねは悪寒を感じた。

 

それが何を意味をするのか分からないが、こちらを睨みつけるような、覚えのある殺気にりんねは立ち上がる。

 

「りんね」

 

「あいつ、誘っていやがる」

 

「まさか」

 

「あぁ、情報を手に入れるのは丁度良かったな」

 

それが罠だと分かっているが、今は行動をする為にも情報が必要だったりんね達はそのまま飛び出す。

 

飛び出した先は、誰もいない無人のビルだった。

 

ビルの中に入ると、りんねに向けていた殺気はより強くなっていく。

 

「ようやく来たな」

 

そして、りんね達の到着を見たバングレイは笑みを浮かべながら、出迎える。

 

「バングレイ、お前の目的はなんだ」

 

そう言いながら、りんね達はすぐにでも戦闘ができるように構えると

 

「おいおい、そんなに慌てるなよ。

今日はお前らにぴったりな相手を連れてきたんだからよ」

 

その言葉と共にバングレイの言葉と共に暗闇の奥から現れたのは一人の少年だった。

 

見た目は18歳ぐらいの少年だと思われるが、何かに怯えるように周りを見つめていた。

 

「試運転だ、動けよ、獣野郎!」

 

その言葉と共にバングレイは少年を蹴り上げると同時に少年の腰から一つのベルトが現れ、同時に少年は構える。

 

「はぁはぁ」

 

そのまま少年は怯えた表情のまま、腰に巻かれているベルトを操作する。

 

【NEO】

 

「はぁはぁアマゾン!!」

 

その言葉と共に、身体から溢れ出る赤い炎に包まれ、その姿は徐々に変わっていく。

 

その姿はまるで青い獣を思わせる姿へと変わっていき、黄色の瞳がこちらを睨みつけていた。

 

「アマゾンネオ」

 

その言葉と共に表示されたのは特典の内容だった。

 

だが、同時に特典の持ち主の名前も書かれていた。

 

「千翼、特典の本来の持ち主」

 

それが意味をしているのは、本人がこの世界に来ている訳だ。

 

「その通りだぜ。

なかなかに苦労したんだぜ。

なんだって、こいつの力は下手したら世界を破壊するからな」

 

「どういう事なんですか」

 

その言葉に疑問に思ったクリスは尋ねると

 

「スーパー戦隊の力も、仮面ライダーとかは影響力があまりにも強すぎるからこそ、神も特典としては選ばれにくいんだ」

 

「それをこうして目の前で、しかも本物と戦うとはな」

 

だがそうして、対峙している間にもアマゾンネオは怯えた表情のままで周りを睨んでいた。

 

「さっさと行けぇ!!」

 

「っがああぁぁ!!」

 

バングレイの叫び声と共に、アマゾンネオは走り出し、りんね達へと飛び掛かる。

 

【イーグル】【シャーク】【ライオン】【エレファント】【タイガー】

 

「「「「「本能覚醒!!」」」」」

 

【アーアーアアアーッ!】

 

同時に対峙するように5人の姿はジュウオウジャーへと変わり、迫りくるアマゾンネオに対抗するように各々が武器を取る。

 

ジュウオウジャーは瞬時にジュウオウバスターで攻撃を仕掛けていくが、アマゾンネオは迫りくる全ての攻撃を瞬時に避けていく。

 

ジュウオウジャー以上にまるで獣を思わせる動きで避け、その腕から生えている爪で攻撃していく。

 

「ぐっ、まだまだっ野生開放!!」

その言葉と共にジュウオウイーグルはジュウオウゴリラへと変身するが、その圧倒的なパワーでそのまま地面へと叩きつける。

 

だが、その攻撃に対して、アマゾンネオは瞬時に後ろへと下がると同時にベルトへと手を伸ばす

 

【ブレードローディング】

 

「がああぁぁ!!」

 

「ぐっ」

 

腕から生えてきた剣をそのまま構えたアマゾンネオはそのままジュウオウゴリラに向けて振り下ろす。

 

「ぐっ」

 

ゴリラのように膨れ上がった腕で防御を行うも、アマゾンネオの剣の切れ味は鋭く、切り裂かれた部分からどんどん出血していく。

 

「がっがぁああああぁ!!」

 

そのまま追撃するようにアマゾンネオはさらにジュウオウゴリラに向けて攻めていく。

 

「っ!!」

 

「あっあぁ!!」

 

一方的に攻められているはずのジュウオウゴリラ、だがアマゾンネオはまるで苦しみから逃げるように剣を振るっていた。

 

「ぐっがぁあ!?」

 

同時にアマゾンネオの身体からヒビができ始める。

 

「時間切れか。

暴走させても良いか、もう少し遊びたいからなぁ!!」

 

そう言うとバングレイは懐から取り出したスイッチを押す。

 

「がっあああぁぁぁ!?」

 

「っ!!」

 

すぐにアマゾンネオの全身がまるで電気を浴びたような衝撃と共に、アマゾンネオは苦しみ、変身は解かれてしまう。

 

「てめぇっ!?」

 

「どうだい、なかなかに良いだろ、こいつは。

まぁてめぇらでもまた、実験してやるよ」

 

その言葉と共にバングレイとアマゾンネオの姿は完全に消える。

 

同時に完全な敗北をしたジュウオウジャーはそのまま倒れ込む。

 

「っりんねさんっその腕」

 

「あぁ、少しやられてな

 

そう言いながら、りんねの腕は先程までの戦闘の影響でボロボロになっている腕があった。

 

「あのアマゾンネオ、そうとうな強敵ですね。

なにか対策を立てないといけませんがね」

 

「そうですね、でも特典を取れば「それは難しい」えっ?」

 

クリスの言葉に対して、クロウはそのまま否定するように言う。

 

「特典というのは本来の持ち主とは違う奴らに備わっているからこそ、俺達は容易に特典を取る事ができる。

だが、本来の持ち主に特典が入った場合、それは魂と一体化している。

身体と一体化しているのならば、尚更」

 

「それじゃあっ!!」

 

そこから出た結論は余りにも残酷すぎる。

 

「特典を奪う事も、放っておけば多くの犠牲者がでる。

つまりは」

 

「・・・・」

 

その言葉にクリスは青覚めた顔でそのままへたり込む。

 

「・・・少し出かける」

 

「りんね」

 

その場から離れるりんねを呼び止めようとするが

 

「皆、もしもアマゾンネオが来た時には、時間稼ぎを頼めるか」

 

「えっ」

 

「なんとかしてみせる」

 

その一言を聞いて、全員が驚きを隠せなかった。

 

「無茶です!

相手はもう助ける方法がないんです、ならば、せめて」

 

そこから声を出す事ができないめぐみん。

 

だが

 

「このまま終わらせれるかよ。

それに、正面から戦ったからこそ、分かる。

あいつは助けを求めていた」

 

「助けを」

 

「そんな奴を放っておけないだろ」

 

その言葉と共に、りんねはその場を立ち去った。



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第26話 生きるのを諦めず

今回、新たな活動報告で募集しております。
皆様の応募、お待ちしています。
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=232877&uid=45956


「まさか、あいつが出ていって、数日が立つな」

 

りんねが以前のアマゾンネオの戦いから、数日間はどこにいるのか分からない状況だった。

 

彼が今、どこで何をしているのか分からない状況もあって、彼らは

 

「とりあえず、飯にするか」

 

「・・・なんというか、飯があんまり美味しくないな」

 

そこに広がっている料理の数々は素材をそのままにしている状態が多く、そのままの状態のが多い。

 

「ほとんどの調理はりんねに任せていたからな」

 

「金儲けに繋がっている技術に関してはあいつはやばいからな」

 

そう言いながら、素材を生かした数々の料理を食べていく。

 

「さて、飯を食べた所で、そろそろだな」

 

「あぁ」

 

その言葉と共に、彼らは立ち上がり、向かう。

 

食事を食べ終え、向かった場所には既に待ち受けていたようにバングレイがこちらを見ていた。

 

「よぉ、どうやら今日も来たようだな。

いい加減、あいつは来ないのか?」

 

「あなたを相手にりんねがいなくても大丈夫という訳ですよ」

 

「そうかよ、だったら、さっさとボロボロになれよ、おい、獣野郎!!」

 

その言葉と共にアマゾンネオがバングレイの後ろから現れる。

 

「ぐぅ」

 

「ほら、さっさと始末してこい」

 

「来るぜっ」

 

【チーター!】【スナッパ―!】【ホーク】【エレファント】

 

「本能覚醒!!」

 

【アーアーアアアーッ!】

 

その音声と共に、ジュウオウジャーはそのまま変身し、同時にアマゾンネオと激突する。

 

接近すると同時にジュウオウチーターはその俊敏な動きでアマゾンネオに接近するが、アマゾンネオは腕から生えたワイヤーを使い、ジュウオウチーターを拘束する。

 

同時に迫りくるジュウオウスナッパーの攻撃に対して、拘束したジュウオウチーターで叩き込む。

 

「ぐっ、おい大丈夫かっ」

 

「えぇ、なんとかっ!!」

 

「がああぁぁぁ!!」

 

受け止めた様子を見たアマゾンネオはそのままもう片方の手から銃を生やし、狙いを二人に向けたが

 

「やらせるかよ」

 

「ぐぅ!!」

 

ジュウオウエレファントは取り出した鎖鎌で、その軌道を無理矢理変えた。

 

同時にそのまま地面に叩きこむよう、下に降ろした。

 

「ホーク!」

 

「えぇ、分かっています!!」

 

その言葉と共に手に持った巨大なバズーカをそのままアマゾンネオに向けて放つ。

 

放たれたのは巨大な網であり、瞬く間にアマゾンネオを拘束した。

 

「これで動きを止めた、あとは」

 

「あいつから制御装置を奪えば」

 

その言葉と共に全員の視線はバングレイのバタンへと向けた。

 

「くくっ、制御装置だと」

 

その言葉と共にバングレイはそのまま地面に制御装置だと思われたスイッチを落とし、そのまま地面に踏みつけた。

 

「なっ?!」

 

「こいつは確かに制御装置だな。

ただし、暴走しないようにな」

 

「暴走だと」

 

その言葉に驚いている間に、見ると、網によって拘束されているはずのアマゾンネオの身体から無数の触手が現れ、同時にその姿を変えた。

 

先程までの姿とは違い、禍々しく歪めたような体に、6本の腕と無数の触手を持つ悪魔のような姿へと変わっていた。

 

「なっ、これはっ」

 

「こいつが俺が苦労して手に入れた獣、アマゾンの真の姿だぜ」

 

「それじゃあ、それは」

 

「あぁ、暴走を無理矢理抑える奴だ。

あいつの前に暴走させて、見物するのが良かったが、お前らとあいつらを戦わせるのも良いと思ったからな」

 

「っ!!」

 

その言葉とともに思い出すのは、アマゾンの体内にあるアマゾン細胞についてだった。

 

アマゾンネオの細胞は特別であり、溶原性細胞と呼ばれており、細胞が体内に入れば、人食いの怪物、アマゾンへと変わってしまう。

 

バングレイの目論見をすぐに分かり、見つめる。

 

「さぁどうする?

このまま自分達の安全の為に戦うか、それともこのまま死ぬか」

 

バングレイの言葉に戸惑っている間に、彼らに向けて無数の触手が襲い掛かる。

 

触手の数は数えきれない程に早く、そして捕らえるのは難しかった。

 

チーターとホークは自身のスピードでそのまま避け、グラッパーは地面から生やした溶岩の壁で攻撃を退け、クロウは手に持った鎖鎌や様々な武器でその攻撃を避けていた。

 

バングレイはそれを見ながら、遠くで見物していた。

 

「そらそらぁ、どうするだぁ?」

 

そう言いながら、笑っていたバングレイ、だが

 

「んっ?」

 

アマゾンに向かってくる赤い影が一つ

 

「来たか」

 

それはバングレイにとっては待ち望んでいた相手だった。

 

「バングレイ」

 

そう言いながら、降り立ったジュウオウイーグルはバングレイを睨む。

 

「ほぅ、随分遅れたな?

それで、どうするだぁ?

あいつはもう止められ「止めるよ」ほぅ」

 

「その為にここに来た」

 

「笑わせてくれるぜ、そんな事、不可能なのによぉ」

 

「だったら、そこで覚悟しておけ」

 

その言葉と共に、アマゾンに向かって飛び込む。

 

無数に襲い掛かる触手はジュウオウイーグルに襲い掛かる。

 

その攻撃に対して、ジュウオウイーグルは翼を翻しながら、その攻撃を避けていく。

 

だが

 

「ぐっ」

 

幾つかの触手がジュウオウイーグルの身体を容易く貫いた。

 

だが、それでもジュウオウイーグルはそのままアマゾンに向かっていく、

 

ジュウオウイーグルから散らばる翼は、彼自身の血に染まり、赤から奇妙にも黒へと変わっていく。

 

その黒い翼を見た瞬間

 

「いっゆぅっ?」

 

その翼を目にした瞬間、ジュウオウイーグルはそのままアマゾンの肩を掴む。

 

「お前を絶対に助けるっ」

 

「っなっんで」

 

その言葉にアマゾンは獣のような言葉から人の言葉として、話しかける。

 

「お前が生きたいという思いが、伝わっているからだ。

だからこそ、助けに来たっ!!」

 

「おれぇは」「生きて良いんだよ!!」っ!?」

 

そう言いながらも、暴走するように、アマゾンは頭を抑える。

 

「無駄無駄ぁ、そいつは自分の力すら振り回せるんだぞ。

そんな奴が生きられるはずないだろ」

 

「俺が、それを証明する!!」

 

その言葉と共に、俺はそのまま懐から取り出したアイテムをそのままアマゾンへと押し付ける。

 

「願え!!

お前はどうしたいんだ!!」

 

その言葉を聞いて

 

「・・・生きたいっ!」

 

その一言と共に、背中から生えた触手は全て消え去り、やがてそこには一人の青年へと戻っていた。

 

「ちっ、面白くないな。

始末してろ」

 

同時に現れたのはブルーベリーみたいな色をした全裸の巨人が何十と現れた。

 

「さっさと始末しろ、青鬼共」

 

その言葉と共にバングレイはその場から消えていった。

 

「ちっ、こっちはまだ体力が戻っていないというのに」

 

そう言いながらジュウオウイーグル以外のメンバー達はアマゾンネオとの戦いでボロボロだった。

 

だが

 

「ここは、俺に任せてくれないか」

 

そう言いながら、青年はゆっくりと立ち上がる。

 

「一人で戦わせないぜ。

お前を助けたから、俺も一緒に戦わせてもらうぜ」

 

「・・・あぁ」

 

その言葉を受け止めた青年は頷く。

 

「りんね、俺の名前だ。

お前は?」

 

「・・・千翼、俺の名前だ」

 

その言葉を受け止めると共に構える。

 

【ジュウオウザライト】

 

同時に千翼の手に持ったジュウオウザライトから音声が鳴り響く。

 

それに合わせるようにジュウオウイーグルはその手にスーパーライザーにメダルを挿入する。

 

【ジュウオウイーグル!ダイレンジャー!ニンニンジャー!キュウレンジャー!】

 

「今の俺達に負ける気がしねぇ!!」

 

「ああぁアマゾン!!」

 

二人はそのまま変身アイテムを構える。

 

【ザワールド!ウォーウォーウォウオォ~!】

 

【ファイター・ザ・ドラゴン】

 

その音声と共にジュウオウイーグルの身体に蒼い炎の龍状のエネルギーが身に纏いそのまま青い鎧が装着され、赤い龍を思わせるローブを腰に纏い、腕には紫色のドラゴンの籠手が装着される。

 

同時に千翼の姿は向かって左から金、黒、銀の三色の戦士へと変わった。

 

その姿へと変わった瞬間、千翼は

 

「ジュウオウザワールド!!」

 

その言葉と共に宣言する。

 

「凄い、あそこまで抑えられなかった力が、今はもう」

 

ジュウオウザワールドはその身体から溢れ出る力を感じながら、暴走した時のような感覚はなかった。

 

同時に手を強く握りしめ

 

「行こうぜ!!」

 

その言葉と共にジュウオウイーグルはそのまま襲い掛かる青鬼に向けて振り上げる。

 

同時に拳から現れるのは青いエネルギーのドラゴンが青鬼へと襲い掛かる。

 

筋肉が溢れる青鬼が襲い掛かるが、身体を一回転させると共に赤いドラゴンがその攻撃を防ぎ、同時に拳を振り上げると、紫色のドラゴンが切り裂く。

 

「はああぁぁ!!!」

 

その横でジュウオウザワールドはその手に持った新たな武器、ジュウオウザガンロッドを構える。

 

同時にロッドモードのジュウオウザガンロッドでハンペン型の青鬼に叩きつけるとそのまま上に飛び上がり、素早くガンモードへと変える。

 

変えられたジュウオウザガンロッドはそのままエネルギー弾が幾つも放たれ、ハンペン型の青鬼を穴だらけに変える。

 

同時に青鬼はそのままジュウオウザワールドを拘束するように腕を封じる。

 

「ぐっ!」

 

もう片方の手で伸ばしたのはジュウオウザワールドの腰に装着されているのはアマゾンネオの時にもあったネオアマゾンドライバーに伸ばした。

 

【ブレイド・ローディング】

 

同時にジュウオウザワールドの腕から生えたのはアマゾンネオの武器であるブレードだった。

 

「おらあぁ!!」

 

拘束されていたブレードで、ジュウオウザワールドはそのまま腕を上げると、そのまま腕を真っ二つに切り裂いた。

 

そのままジュウオウザガンロッドはそのまま構えると、腕に装着されていたブレードはそのまま一体化する。

 

「はああぁあぁぁ!!!」

 

同時に振り向くと同時にジュウオウザガンロッドの針先の鋭い剣はそのまま次々と青鬼を切り裂いていく。

 

「あれは、完全に力を使いこなしていると」

 

「ははぁ、とんでもない奴が仲間になったな」

 

そのまま何十といた青鬼の数は瞬く間に数体程度になっていた。

 

「千翼!!」

 

「あぁ」

 

【アマゾンストライク!】

 

同時に一瞬、ジュウオウザワールドの背後に現れたのは千翼が変身したもう一つの姿であるアマゾンネオだった。

 

それに合わせて、ジュウオウイーグルの背後には3体のドラゴンが現れ、構える。

 

「「はああぁあ!!!」」

 

二人は走り出し、青鬼に向かって蹴り上げる。

 

蹴り上げると同時に3体のドラゴンは青鬼達を一纏めに拘束し、アマゾンネオがそのまま切り裂く。

 

最後に二人は同時に青鬼を蹴り抜いた。

 

「ふぅ、やったな千翼」

 

「えっ」

 

戦いを終え、全ての青鬼を倒した事に完了し、千翼に手を伸ばす。

 

それに驚きを隠せなかった千翼だったが、それに対して、そのままハイタッチする。

 

そうして、無事に戦いは終わり、彼らの家へと戻っていった。

 

「さぁできたぞ」

 

そう言い、りんねは作り上げたハジョウツイオオカブトのポンドステーキ、モッツァレラターキーのたたきの数々の料理が出来上がった。

 

「おぉ!!

久しぶりの料理で涎がぁ」

 

そう言いながら、めぐみんは笑みを浮かべながら、食べようとしていた。

 

「ほら、千翼も何を遠慮しているんだ?」

 

そう食材が並んでいる中で千翼は何やら戸惑っている様子が見られる。

 

「いや、俺はその食事は」

 

「何を言っているんだよ、ほら」

 

そう言ったクロウはそのまま千翼の口の中に料理を押し込まれた。

 

「・・・美味しい」

 

「千翼さんは、その食べる事は嫌いですか?」

 

その様子を見ながら、千翼を心配したようにクリスは話しかける。

 

「俺は、その食事という行為そのものが嫌いだった。

でも今は、どうしたら、良いのか、分からなくて」

 

千翼は

 

「まぁ、それも生きる事だからな」

 

「これが生きる事?」

 

「そう言えば、お前、明後日からお前も駒王学園だからな」

 

「えっ学園って、学校」

 

その言葉に疑問に思った千翼はりんね達を見る。

 

「当たり前だろ、お前もこれからはジュウオウジャーだからな。

学生としても活動しないとダメだぞ」

 

「そうか、学校か」

 

その学校という言葉を聞いて、僅かにだが、笑みを浮かべていた。

 

「そうだな、変わらないとな」

 

そう言い、決心と共に料理を食べ始めた。

 

それに合わせて、彼らもまた、食事を始めた。

 

そこに見えた千翼の表情は、どこか安らいでいるようだった。




オリジナル形態
ファイター・ザ・ドラゴン
姿のモチーフはクローズエボル
ダイレンジャーとニンニンジャーとキュウレンジャーの三人の力が合わさった形態。
主に東洋の龍があるリュウレンジャー、アオニンジャー、リュウコウマンダーの三人の力を借りている。
リュウレンジャーの近接格闘をベースに戦う事ができる。

またクロウの武器は烈 勇志さんのアイディアから頂きました。
名前:魔導具『嘴王(くちばしおう)』
概要:
【烈火の炎】で登場した魔導具で鎖鎌を改良して作られた物。鎖の先についている開閉可能な嘴型の部分を投げつけ、攻撃や嘴や鎖で相手を捕獲することができる、手に装着して手甲としても用いられる。使い方次第で遠近の戦闘から相手の捕縛まで、使いこなせればかなり強力。

はっぴーでぃすとぴあさんのトリコの食材です。
③トリコの食材
食材の名前:モッツァレラターキー
主な生態:
林や草原に生息する大型の七面鳥。
卵色の羽毛に覆われており外敵から走って逃げる為に体に対して脚がかなり大きく直立すると体高2m近くなる、砕けた物の言い方をすれば七面鳥の体に駝鳥の脚をくっつけた感じか。
無論の事逃げ足の速さは一級品だが逃げられないと悟ると蹴爪の付いた脚での攻撃に転じる。
肉質はさっぱりとしていながらもモッツァレラチーズを思わせる淡白な旨味があり調理法を選ばない上に体温が高いので感染症や寄生虫のリスクが低く生食も可能。

料理:モッツァレラターキーのたたき
モッツァレラターキーの肉を表面をさっと炙ってたたきに、薬味を添えて好みのタレで食べる。
クセの無い素直な旨味を十全に楽しめる、サラダに添えてもおいしい。

③トリコの食材
食材の名前:ハジョウツイオオカブト
主な生態:
全長50mという怪獣じみた大きさのカブトムシ。
シルエットは実在するアクティオンオオカブトに似るが筋肉で太く盛り上がった肢や投げるでも挟むでもなく突き壊すのに特化した頭部と胸部の角もあいまって全体的にマッシヴで太い印象を受ける。
食性は草食が強い雑食、本来のカブトムシのブラシのような口ではなく縦に開閉する強力な顎を持ち木質であっても問答無用で噛み砕いて食べてしまうその食欲は森林を一週間とたたずに更地に変える。
また嗅覚にも優れ高い栄養価の餌がある場所を遠方からでも察知して道中の一切を無視して直進し、無くなるまで居座る。
過剰に搭載された筋肉のせいで飛行能力はないが無いなら無いで結構と外翅が癒着して重厚な装甲と化し死角を補うべく鋲が飛び出ていて全体の色味は紫に黒の紋様が入っていて他の生物や同種との争いで付けられた傷が無数に入っているのが常である。
全身の筋肉が盛り上がったバルク溢れるパワーファイターで小手先の技は不粋千万と突撃してその角の一撃で相手を粉砕し、また全身を覆う甲殻は戦車の砲撃程度では傷一つ付かない堅牢さを持つ。
破城槌の名の通りかつてたまたま通り掛かった要塞がただの一撃で瓦礫と化した事は有名。

その強大なパワーの源である筋肉であるがさながらハツのようなしっかりとした歯触りと肩肉やランプのようなしっとりとしながらも肉本来の重厚な旨味、そこにラムや鯨に見る深みが合わさり高級品である。

料理:ハジョウツイオオカブトのポンドステーキ
丁寧に処理したハジョウツイオオカブトの肉をステーキに焼き上げた料理。
シンプルだからこそ活きる素材の価値、油脂分に欠ける所があるのでバター等を乗せてそれを補うとバランスがよくなる。


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第27話 揺れない天秤

「クロウの事ですか?」

 

「はい」

 

とある日、りんねと千翼は勉強をしていた。

 

近く、駒王学園に入学する事が決まっている千翼だが、その学力は恐ろしい程に低かった。

 

それは彼自身が頭が悪いという訳ではなく、彼自身の年齢は実は5歳であり、勉強ができる環境がなかったのだ。

 

だが、千翼自身の学習能力は高く、偏差値が高い駒王学園への入学試験日までならば順調に勉強すれば問題ないという事だった。

 

だがめぐみんは頭脳は高いが、教えるのはあまり得意ではなく、トリコは食材関係以外にはあまり強くない為、りんねとクリスの交代で勉強を教えていた。

 

そんな中で千翼はふと、それ以外のメンバーであるクロウについて聞いてきた。

 

「そう言えば、私もあまり関わりが少ないのですが、どういう人物なんですか?」

 

「クリスさんも?」

 

その言葉を聞いて、千翼も驚いていた。

 

「クロウか?

あいつとの出会いは結構特殊でな。

俺がまだジュウオウジャーとして活動前に出会ってな、その時から色々と教わっていたんだ。

それでジュウオウジャーになると決まってメンバーを集める時にクロウに声をかけたんだ」

 

「えっと、それってつまりはクロウさんって、スカウトされたんですか」

 

「まぁな。

トリコも宇宙で活動中に出会ったんだ」

 

「うっ宇宙!?」

 

その言葉に驚きを隠せないようだったが

 

疑問が減る所か増えてしまって、頭を悩ませた千翼。

 

そんな時だった。

 

「りんねぇ、すぐに来てください!!」

 

めぐみんの声が聞こえ、すぐに立ち上がる。

 

「っ!!」

 

ジュウオウチェンジャーから鳴り響く声に驚いた一同だったが、すぐに助けに向かった。

 

向かった先にはジュウオウチーターとジュウオウスナッパーがボロボロの状態になっていた。

 

「これは一体」

 

「お前は転生者」

 

「はい!

そうですね」

 

そう言いながら、この状況を作り出した人物とは思えないような明るい声で叫んだ。

 

「こいつは一体」

 

「厄介な奴ですよ。

何度も攻撃しても、全然倒せないです」

 

「はい、私は決して諦めるつもりはありませんから」

 

そう言いながら身体から溢れ出す力をこちらに向けていた。

 

「こんな悲しみに満ちた世界を変えてやる!人々の幸福を、未来を護る為に、私は戦います!

明日も人々が笑ってられる世界にしてみせます!

だからこそ、金の事しか考えていないあなた達を止めてみせます!!」

 

「それって、誰から?」

 

「見た目は怖いですが愉快な青いおじさんです!

だからこそ、私はあなた達を止めてみせます」

 

「なるほど」

 

その言葉で目の前にいる転生者がバングレイの刺客だという事が分かり、同時にその思考の危険性も分かった。

 

周りの惨状は酷く、人々の事について考えていない事が分かる。

 

だからこそ

 

「まずはこいつの特典についてだな」

 

そう言って、ジュウオウチェンジャーを構えて、その特典を調べると

 

「気合と根性?

違うな、これは」

 

りんねが見た限りでは、能力だけ見れば自身の身体に影響を及ぼすはずのスペシャルアビリティのはずだ。

 

精神にも関与も含めてもそれは不可解で、それなのに、その種類はアンノウンというのは可笑しい。

 

「これは一体」

 

「・・・なるほどな」

 

一同が悩んでいる間に遅れてやってきたクロウは何か分かったようにニヒルに笑みを浮かべる。

 

「どういう事なんだ?」

 

「まぁ見てな」

 

そう言い、取り出したのはスーパーライザーだった。

 

「何か手があるのか?」

 

「まぁな、だけど今まで成功した事のない技だけどな」

 

【ジュウオウエレファント!】

 

その言葉と共に懐から取り出したのは3つのメダルをそのままスーパーライザーに挿入する。

 

【ダイナマン!メガレンジャー!タイムレンジャー!

ジュウオウエレファント!デリートシステム!】

 

その音声が鳴り響くと同時にジュウオウエレファントの身体は緑色の光に包まれると同時に装着されたのは鎧だった。

 

それも見た目はまるでロボットを思わせる見た目をしており、背中には人一人分程の大きさのジェットパックを背負っており、その両手には巨大な大砲を背負っていた。

 

「まったく、始めてのこの形態になったし、危険だと思っていたこれとは相性が良いとはな」

 

「そんな武器を持っていたとしても、私は決して負けるつもりはないですよ!」

 

そう言いながら、転生者はこちらに向けて笑みを浮かべていた。

 

それに対して、ジュウオウエレファントは変わらず、構える。

 

「さて、ここから本番だ。

っ本能覚醒!!」

 

その一言と共にジュウオウエレファントの胸にある結晶から緑色の光が放たれ、銃口をしっかりと転生者に向けた。

 

「これはっ」

 

「クロウ自身が持っている力だ。

揺れる天秤と言われており、その力を使って威力を上げるようだけど」

 

「でも、あいつは」

 

「任せろ」

 

その言葉を聞いた瞬間、りんねは

 

「分かった」

 

「りんね」

 

「俺はクロウを信じる」

 

その一言を聞き、驚きを隠せないめぐみん達だったが

 

「そうですね、頼みましたよ」

 

同時にめぐみんの一言と共にジュウオウエレファントに向けて、目を向ける。

 

「ふぅ、狙い撃つぜ。

ジ・アンブレイカブル・フルクラム」

 

その一言と共に、ジュウオウエレファントは引き金を引いた。

 

同時にハルコンネンⅡの銃口の二つから放たれたビームは螺旋状に収束し、そのまま転生者に向かっていく。

 

「これぐらい気合でっ!!根性でっ!!!」

 

そう言い、ビームを受け止めた転生者はそのまま吹き飛ぶ。

 

吹き飛ばされながら、ゆっくりと崩れ落ち、その身体から光が溢れ、ゆっくりとクロウの元へと辿り着く。

 

「負けた?」

 

その言葉と共に転生者は驚きを隠せなかった。

 

「俺の持つ力は迷いのない判断を力に変える能力。

お前の気合や根性で復活する能力だが、それは言葉ではなく、心から言わないといけない」

 

「そうだよ、だから」

 

「けど、俺はここまで、俺が勝つという事をお前の心に刷り込ませたんだ」

 

「どういう事?」

 

その言葉を聞いてよく分からなかった千翼は首を傾げたが、

 

「新技や新フォームを習得する、成功した事のない技や作戦をいざという時に使用する、遅れてやってきた味方キャラ。

これらは決定的な勝利フラグ!」

 

「それはお前も僅かにだが、確かに思ったはずだ。

そして、クロウの持つ揺れる天秤によって、クロウが絶対に勝つという意思に追い詰められた」

 

「そんな事で」

 

そう言いながら、ゆっくりと転生者は眼を閉じた。

 

「どういう事?」

 

「気合と根性、つまりは精神力だけで因果を歪めて行われる能力だな。

どのような危機でも精神で乗り越える事ができる。

つまりはあいつを倒すには能力や強さ以上に、決してこちらが負ける事のない意思を見せつける。

まぁ俺にぴったりだった訳だよ」

 

そう言ったクロウはゆっくりと転生者に近づく。

 

「とりあえずはこいつを連れていくとするか」

 

そう言いながら、クロウは担ぐ。

 

「クロウさん、あなたは一体何者なんですか?」

 

そう言いながら千翼は疑問に思ったように聞く。

 

「どうしたんだ、新入り?」

 

「俺は他の皆程、あなたの事を知らない。

だからこそ、なんで戦っているんですか?」

 

そう言ったクロウは

 

「他の奴らと変わりないさ、俺は借金を返す為に戦っているだけさ」

 

そうニヒルに笑みを浮かべるクロウに対して、僅かながら、疑問に思いながらも、千翼は頼もしさを確かに感じた。



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第28話 聖剣騒動の禁手

その場にいたのは一誠はボロボロになりながら、リアスの前に立っていた。

 

一誠はその日、とある事情で聖剣を探す為に行動していた。

 

その時に主であるリアスに叱られてしまったが、その後は一緒に公園にいた。

 

だが

 

「ぐっ」

 

「イッセーっ」

 

彼の前に立っていたのは転生者だった。

 

その手に持っていたのは、一誠がこれまで見た事のない禍々しいオーラを放っている槍だった。

 

その槍を片手に振るっており、先程から一誠はそれに対抗するように戦っていた。

 

ここ数ヶ月の間、特訓を行っていたが

 

「こいつっ一体」

 

そうしている間にも、一誠の腕に装着されている赤龍帝の籠手の力を使おうとしていた。

 

だが、いつものように音は鳴り響かず、ただの硬い籠手しかなっていない。

 

「くっ」

 

それはリアスも同じだった。

 

彼女は悪魔としての力を発動させようとしていた。

 

だが、何時もならば容易に発動できるはずの滅びの魔力はまるで発動できなかった。

 

「この魔槍の前では、如何なる法則も無駄だ」

 

「なんだよそれ、エクスカリバー以外にあんなのがあるのかよ」

 

「・・・あれって、まさか」

 

まるで聞いた事のない能力に戸惑いを隠せない一誠だったが

 

「もしかして、あれは転生特典」

 

「それって、もしかして士郎達が戦っている奴らの」

 

それを聞いて、一誠は焦り始める。

 

聞いた話だけでも、一誠は漫画の中にあるような能力を自在に使う事ができる転生者は最初は疑問を感じていた。

 

だが、実際に目の前の相手と戦い、確かな確信を持っていた。

 

「こうなったら」

 

その言葉と共に一誠が目を向けたのは、自身の武器でもある赤龍帝の籠手だった。

 

「イッセー?」

 

「部長、ここは俺に任せてください」

 

「何をするつもりなのっ!?」

 

一誠が何か決意を得たのか転生者を睨みつける。

 

「行くぜ、禁手!」

 

その言葉と共に、籠手に埋め込まれている緑色の宝玉が光り輝くと共にその姿は赤い龍を模した鎧へと変わる。

 

「イッセー!!」

 

その姿を見て、リアスは目を見開いてしまう。

 

「無駄だ、お前の能力は既に封じられている」

 

「そうかよ、でもなぁ!!」

 

そう言いながら、一誠は走り始める。

 

未だに籠手から音は鳴り響かないが、それでも走り続ける。

 

それに対して転生者はその手に持った槍を一誠に向けて突いた。

 

「ぐっ」

 

「なっ」

 

槍の攻撃を真正面から受け止めた一誠だったが、その鎧には傷一つついていなかった。

 

「お前のは確かに能力は凄いけどっ、硬さだったらこっちの方が上なんだよ!!」

 

「ぐっ」

 

そう言いながら、一誠はそのまま殴り続ける。

 

槍と拳の攻撃、互いにリーチは明らかに一誠の方が不利だったが。

 

だが、その不利を覆すように、一誠は決死の覚悟で攻撃を行っていく。

 

「ぐっ」

 

「お前がどんな目的で狙っているのか分からないし、知ってもどうでも良い!

だけど、今は、お前から部長を守れば、それで良い!!」

 

「貴様っ」

 

その言葉と共に一誠の気迫に追い込まれるように、転生者は後ろへと下がり続ける。

 

「その為だったら、この腕だって、くれてやる!!」

 

その言葉と共に、一誠の拳が転生者の槍へと激突する。

 

同時に、槍の宝玉にヒビが入る。

 

「だから、どうしたんだよ!!」

 

その言葉と共に、転生者はそのまま槍を大きく振り上げる。

 

振り上げられた事によって、一誠の鎧は今度こそ完全にバラバラになる。

 

「イッセー!!」

 

鎧は完全に砕け、中から出てきた一誠は無傷だった。

 

だが、その腕は人間の物ではなく、完全にドラゴンへと変わっていた。

 

「中々に苦戦したが、これで終わりだ」

 

その言葉と共に転生者はその腕に持った槍をリアス達に向けるその時だった。

 

【ボウガン・ローディング】

 

「っ!?」

 

鳴り響く音と共に、転生者の足元に襲い掛かる矢に驚きを隠せなかった。

 

「終わらせない、これ以上、あんたの好きにはさせない!!」

 

その言葉と共に現れたのはアマゾンネオだった。

 

アマゾンネオはその腕に装着されているアマゾンネオボウガンを持ちながら、もう片方の手にはジュウオウザライトを構える。

 

【ザワールド】

 

「本能覚醒!!」

 

【ウォー!ウォー!ライノス!】

 

その音声と共にアマゾンネオに重なる形で、ジュウオウザワールドへと変身すると共に、構える。

 

「変身したか、だが」

 

そう言い、槍を構える。

 

「なぜだ」

 

槍を構えただけ、それだけだったが、転生者は動揺を隠せなかった。

 

その視線は槍の先にある宝玉だった。

 

「まさか、あの時っ」

 

「どうやらお前の特典よりも、あいつの守りたい気持ちの方が強かったようだな」

 

その言葉と共に、ジュウオウザワールドはそのまま腰に装着されているネオアマゾンドライバーへと手を伸ばす。

 

【アマゾンブレイク】

 

その音声と共に、ジュウオウザワールドはその手に持ったジュウオウザガンロッドを突き出すように構え、そのまま走り出す。

 

それによって、ジュウオウザガンロッドの先端はサイの角を模した巨大なエネルギーが現れる。

 

「ぐっ」

 

それに対抗するように槍を構え、その攻撃を受け止める。

 

「ぐっ、嘘だっ」

 

だが、その威力に負け、そのまま吹き飛ばされる。

 

それによって、槍は完全に砕け、そのまま転生者は気絶する。

 

「あなたは」

 

そう言いながら戸惑っているリアスは

 

「俺は、ジュウオウザワールド。

一応、ジュウオウジャーの新しいメンバーだ」

 

「そう、あなたがりんねの言っていた。

それで、あなたは一体、なんでこんな所に?」

 

そう言いながら、納得するように頷くが、同時に疑問に思い、そのまま聞く。

 

「えっと、俺達は今、エクスカリバーを探しているんだ。

未だに状況は分からないけど、このままじゃ危険だから」

 

「あなた達も。

そう、一応私達も未だに詳しい事は分からないわ。

ただ、コカビエルが関わっている可能性が高いから、気を付けて」

 

「分かった、りんねにも伝えておく」

 

その言葉と共にそのまま変身を解除する。

 

「もしも何かあったら、教えてくれ。

俺達もすぐに駆け付けるから」

 

「分かったわ、ありがとう」

 

そう言い、千翼もそのまま去っていく。

 

「ふぅ、いよいよ大事になってきたわね。

けど」

 

そう言いながら、先程までの戦いで気絶している一誠を膝枕していた。

 

「ふふっ、恰好良かったわよ、一誠」

 

そう言いながら、彼女の頬が赤かった事は誰も知られなかった。



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第29話 バングレイの企み

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皆様の応募、お待ちしています。

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「コカビエルの居場所が分かったか?」

 

そう言いながら、りんね達はコカビエルの居場所を探っている時だった。

 

連絡が来たが、コカビエルが現在の居場所は駒王学園にいるという連絡を受ける。

 

「こっちはダミーだった訳か」

 

そう言いながら、俺達は現在、駒王学園から離れた教会で調べていた。

 

「とにかく早く向かいましょう。

ここにいる意味ももうないでしょう」

 

めぐみんはそう言い、教会から出ようとした時だった。

 

教会のドアからガチッという音が鳴り響き、硬く閉ざされてしまった。

 

「・・・あれ、これって私が何かしましたか?」

 

「いや、ここがダミーという事はもしかして罠」

 

その言葉と共に教会の壁から這い出るようにメーバが次々と現れた。

 

「バングレイがコカビエルに関わっているのは間違いないようだな」

 

その言葉と共にりんね達はすぐに各々の変身アイテムを構える。

 

「本能覚醒!」

 

その言葉と共に、ジュウオウジャーへと変身したメンバーはそのまま襲いかかるメーバ達と戦い始める。

 

単体の強さでは敵わないメーバ達だったが、無制限に増えていくその数、そして狭い教会内では不利な状況だった。

 

「このままでは」

 

「・・・一応聞くけど、ここの教会って、燃やしても問題ないよな」

 

そう言い、ジュウオウイーグルが取り出したのは黒い縄だった。

 

「なっなにを」

 

「よっと」

 

そう言ったりんねは近くのメーバを縛り上げると、そのままジュウオウイーグルはそのまま蹴り上げた。

 

同時に縄から炎が吹きあがり、そのまま近くのメーバ達を巻き込みながら、やがて教会の壁に激突する。

 

教会は燃え上がり、天井まで全てが燃え上がる。

 

「なっ!」

 

「よし、逃げるぞ、クロウ」

 

「ウィッチブレード」

 

その言葉と共にどこからともなく出てきたウィッチブレードを取り出したジュウオウエレファントを構えて、そのままジュウオウイーグル以外の全員が乗り込む。

 

そのままウィッチブレードの最大加速で飛び上がり、同時にジュウオウイーグルもまた翼を広げて、そのまま脱出する。

 

「はぁはぁ死ぬかと思った」

 

「なにとんでもない作戦を出しているんですか、あなたはぁ!!」

 

そう言いながら、ウィッチブレードに乗り込んでいるジュウオウシャークはジュウオウイーグルに向けて叫ぶ。

 

「いや、時間もなかったし、廃れた教会だったら、燃やしても問題ないと思ったからな」

 

「こいつは金に関係なかったら、容赦ないですね」

 

「そういう奴だからな。

とにかく、そのまま駒王学園に行こう」

 

そう言いながら、駒王学園に突入した。

 

突入すると、結界の中ではリアス達がいるが、その中に特に目立っていたのは

 

「バングレイっ!!」

 

「よう、遅かったな、お前ら」

 

そう言いながら、バングレイは笑みを浮かべながら待ち受けていた。

 

「りんね」

 

「遅れた、というよりも、今はどういう状況なんだ」

 

そ言いながら、りんね達は見つめる先には既にボロボロになっているコカビエルだと思われる人物がいた。

 

「なに、こいつが仕掛けてくれた奴のおかげで、エネルギーは十分に溜まったぜ」

 

「どういう事?」

 

「分からない。

けど、コカビエルが仕掛けたこの町を吹きとばす程の術式のエネルギーで何か作っただけしか」

 

その言葉が気になり、見つめた先にはコカビエルの腕と一体化しているが、それは

 

「あれは、スーパーライザー」

 

ジュウオウジャーの持つ爪型でもなく、キラメイジャーの持つ鋸型とも違う、剣型だった。

 

「あぁ、俺様専用だがな」

 

そう言い取り出したのはメダルだった。

 

「まさかっ」

 

「さぁ、行くぜ!!」

 

【エンター!バスゴ!ジュウゾウ!】

 

「因縁の力で、狩らせてもらうぜ!」

 

その言葉と共にバスコの身体は瞬く間に血を思わせる真っ赤な鎧へと変わり、その手に持っているスーパーライザーも禍々しい剣へと変わっていた。

 

「なっ何が起きたんですかっ!?」

 

「奴が目論んでいたのは、こういう事だったのか」

 

まさかスーパーライザーの複製事態が目的だとは思わなかった。

 

「お前らのスーパーライザーを複製するのは簡単だったけど、ただ単の記憶だけだと、このメダルを使うのも無理だったからな。

まぁ、こいつの作戦では固定するだけのエネルギーが確保できるから、丁度良かったぜ」

 

「そう言う事かよ」

 

何か企んでいるとは思っていたが

 

「色々と厄介な事をするな」

 

「他の奴らを攫ったのは」

 

「あぁ、お前らのを再現するにも力が必要だろ。

さて、お喋りはここまでだぜ!!」

 

そう言い、バングレイの瞳が赤く光り輝くと同時に姿が消え、そのままジュウオウザワールドを背後から斬りかかる。

 

「ぐっ」

 

「千翼っ、くっ」

 

そのまま俺達はその手に持ったジュウオウバスターを手に持ち、対抗する。

 

だが、それまでの力任せな戦闘とは違い、剣を操る技量は高く、ジュウオウジャー達の攻撃を尽く受け流し、攻撃していく。

 

「俺達と似たような感じか。

だったら!!」

 

その言葉と共に、攻撃を仕掛けてきたバングレイの攻撃を受け止めたジュウオウイーグルはそのままスーパーライザーにメダルを装填する。

 

【アバレンジャー!キョウリュウジャー!リュウソウジャー!】

 

「目覚めよ、古代!」

 

【ダイナミックダイナソー!】

 

その音声と共に、ジュウオウイーグルの背中から生えたのはプテラノドンを思わせる翼に、ティラノザウルスを思わせる爪、トリケラトプスを思わせる脚を持つ姿、ダイナミックダイナソーへと変身する。

 

「おらぁ!!」

 

「ちっ」

 

そのままバングレイを吹きとばし、ジュウオウイーグルは構える。

 

「へぇ、なかなかのパワーじゃないか、だからって勝てると思うなよ」

 

「さぁな、やってみないと分からないだろ!!」

 

その言葉共に、ジュウオウイーグルとバングレイが再び激突する。

 

元々、様々な道具を使う事と技術が優れていたりんねに、攻撃力と防御力が加わった姿。

 

様々な獣を狩っていたバングレイの力と、歴代のスーパー戦隊を苦しめた強敵達の力が加わった姿。

 

それは皮肉にも、互いの力が対等になっており、その激突は周りに大きく被害を出しながら行われた。

 

「なかなかに面白いじゃないかよ!!

だからって、勝てると思うなよ!!」

 

そう言い、バングレイは構えると、その手に持った剣に禍々しいオーラを纏いながら斬撃を放つ。

 

「ぐっ」

 

それに対抗するようにジュウオウイーグルもまた突き出し、互いの一撃が激突する。

 

「くっくっ、どうしたんだ、その程度かよ」

 

その激突は徐々にだが、押されていき、ジュウオウイーグルの方に迫っていた。

 

「あぁ確かにな。

けど、バングレイ、別にこれは俺達だけの戦いじゃないんだぜ」

 

「何をっ」

 

バングレイが目を向けた所には

 

「壊さないでくださいよ!

本当に壊さないでくださいよ!!」

 

「別に良いじゃないですか」

 

そう言いながら、クリスのイチイバルが変形した姿、オクスタン・ランチャーを構えながら、めぐみんはその引き金に手を添えた。

 

「紅き黒炎、万界の王。天地の法を敷衍すれど、我は万象昇温の理。崩壊破壊の別名なり。永劫の鉄槌は我がもとに下れ!エクスプロージョン!」

 

「ちっ!!」

 

めぐみんの言葉と共に、イチイバルに吸い込まれた爆裂魔法のエネルギーが吸い込まれ、そのままバングレイに向かって放たれる。

 

「こいつらっ!!」

 

俺への攻撃で手一杯だったバングレイはその攻撃に対応する事ができず、そのまま吹き飛ばされる。

 

「ふぅ、これはこれで、良いですね。

今度、他の人でも試してみましょうか」

 

「むっ無茶言わないでくださいよぉ」

 

ぐったりしたジュウオウシャークを抱えながら、ジュウオウタイガーは戸惑っていた。

 

「ちっ、本当に厄介な奴だぜ」

 

その言葉と共に目を向けると、そこには身体が半分だけになっているバングレイが立っていた。

 

だが、未だに生きているのか、こちらを睨んでいる。

 

「たく、初陣でこれかよ。

まぁ良い、今度はもっと楽しませてもらうぜ」

 

その言葉と共に、バングレイはその姿を消した。

 

「ちっ、逃げられた、いや、見逃されたと考えたら良いのか」

 

あの状態で戦っていれば、どこまで被害が出ていたのか、考えられない。

 

「はぁ、どうにかなったか」

 

その言葉と共に、ジュウオウジャー達はそのまま変身が解けながら、倒れ込む。



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第30話 謎の現象

「・・・これは一体」

 

目が覚めると、俺の身体は別の誰かの身体に変わっていた。

 

いつも着慣れているジャージは変わりないが、鏡を見れば、そこにはダウナーな見た目をしており、高校生という見た目ではなくなっている。

 

「りんね!りんね!!りんね!!!」

 

「なんだ、めぐみん、そんなに騒いで」

 

何か大声を出してるめぐみんに呆れながら俺はドアを開ける。

 

そこには何時もの黒髪ではなく、腰まで伸びている銀色の髪の子だった。

 

「・・・誰だお前!!」

 

「あなたこそ誰ですか!!

というか、あれ、この声、もしかしてりんねですか!!」

 

「あれ、その声はめぐみん!?」

 

互いに声で姿が変わったのが確認できた。

 

「どうやら、私だけではなかったようですね。

とにかく、他の皆も確認しましょう」

 

「そうだな」

 

俺達はそう言うとすぐに他の皆の元へと向かった。

 

トリコがいるドアを開けると

 

「……Ar……thur……」

 

ドアを開いた先には、豪快に寝転んでいる黒い鎧を着ている何かがいた。

 

「「・・・」」

 

その光景を見た俺達はすぐにドアを閉める。

 

「Harahetaaaaaaaa!!!」

 

「うわぁ!!」

 

「ごめんなさい!!」

 

俺達はすぐに飛び出したトリコ?に俺とめぐみんは思わず避ける。

 

「トリコなのか」

 

「nannjakoryaaaa!!!」

 

そう叫び声に反応したのか、クロウのドアが開いた。

 

「クロウ、無事」

 

「ソーナンス!!」

 

「人間ですらねぇ!!」

 

出てきたのはクロウではなく、人間ではなかった。

 

そこにいるのは、青い胴体に人間だとは思えない存在が立っていた。

 

「あの、これは一体、どういう状況なんですか?」

 

そう言いながら、クリスも出てきたが、そこにいるのはピンク色の髪の女の子だった。

 

声からクリスも判断できる。

 

何よりも、トリコとクロウの二人のインパクトがあまりにも強すぎた為、まだ受け入れられた。

 

「とりあえず、状況確認!」

 

未だに混乱に満ちている空間を収める為に俺は叫びながら、互いに確認する。

 

「なんで、こんな状況になったのか、原因が皆、心当たりないか?」

 

「それがさっぱりだったんですよ。

私が目を覚ましたら、この身体でした」

 

「私も」

 

「mattaku」

 

「ソーナンス」

 

「・・・よし、状況がまったく進展していない」

 

全員が見覚えがなく、判断する事ができない。

 

「とりあえず、死神道具で調べて、あれ?」

 

俺はすぐに死神道具を取り出そうとしたが

 

「あれ、取り出せない」

 

「ソーナンス!!」

 

どうやら、俺以外にも力を発動する事ができないようだ。

 

「そんなっ、私の爆裂魔法が使えないなんて!!」

 

「お前、いきなり爆裂魔法を使おうとするな!!」

 

そう言い、俺はめぐみんを首を締め付ける。

 

「だってだって、爆裂魔法は私の生きがいなんですよ!!

こんな事をした奴はただじゃおきませんよ!!」

 

その言葉と共にめぐみんは飛び出す。

 

「待てよ、めぐみん!!」

 

俺達もそれに合わせるように全員が飛び出した。



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31話 異なる力でも

今回の話を書くにあたって、前回のりんねが入れ替わったキャラを変更させてもらいました。
楽しみにしていた方は申し訳ございません。


勢いよく飛び出してきためぐみんを追って、俺達は走っていた。

 

「んっ、なっなんだ、あの集団は!?」

 

「見たことのない銀髪美少女にあんまりやる気のなさそうな目をしている奴にピンク髪の女の子に、えっと鎧にあれは対何なんだ!?」

 

その姿を見た駒王学園の生徒達は驚きを隠せずにいたが、俺達はそれに構っている暇はなかった。

 

「おい、居場所は分かるのか」

 

「全然、分かりません!!」

 

「おい」

 

どうやら、どこに向かえば良いのか分からないめぐみんはあっさりと返事した。

 

呆れてしまう中で、ふとクリスは何かを思ったのか手に持ったジュウオウチェンジャーを構えた。

 

「クリス?」

 

「いえ、この身体になってから違和感があったけど、もしかして」

 

そう言ったクリスが手を動かす。

 

「監視カメラは、うん、これがこうなっていて」

 

「えっ、クリス、お前、何をしているの」

 

何を行っているのか分からず、俺達は思わず首を傾げていると

 

「この周辺の監視カメラをハッキングしているんです。

それで、分かったんですけど、どうやら光が宿舎に当たったようですね。

千翼はその時に起きて、向かったようですね」

 

「もしかして、この見た目だからこそ、できる事があるのか」

 

これまでの自分達の能力が使えないので、不利な状況だと思っていた。

 

だが

 

「どうやら、戦い方が分かれば、なんとかなるかもな」

 

そう言いながら、身体を確認する。

 

他のメンバーも自分が何かできるのか、確認するように手を握り締める。

 

「場所は分かったし、向かうか」

 

同時に走り出して、俺達が見えたのは

 

「千翼」

 

「皆って、誰」

 

そこにはジュウオウザワールドがいた。

 

その前に立っていたのは

 

「バリバリ、いやぁ、なるほど、これは面白いなぁ」

 

「バングレイっ」

 

そこにいたのはバングレイだった。

 

だが、その姿はこれまで見たことのない姿であり、緑色を基調とした水干を思わせる物に変化し頭部の形状も烏帽子ないしは烏帽子形の兜に近い形状であった。

 

「バングレイ、その様子、まさか」

 

「あぁ、こいつの力の実験とついでにな。

それにしても、残念だったなぁ。お前ら、これまでの力が使えないようで」

 

そう言いながら、バングレイはそのままこちらに扇子を向けて、周りから一斉に何かが襲い掛かってきた。

 

「Aaaaasaaaa!!!」

 

だが、それに対して、トリコは近くにあった木の枝で打ち落とした。

 

それは普通の木の枝とは思えないような威力で全て打ち落としていた。

 

「あぁ?

どうなっているんだ、これは?」

 

「トリコ、お前なんか凄いな」

 

俺は思わず呟いている間にも、バングレイは仕掛けた罠が次々と放っていく。

 

それに対して、トリコは壊された木の棒や近くにある物で対応する。

 

「ちっ、面白半分で同じ存在の奴にしてみたが」

 

そうしている間にも、巨大な光がこちらに来るが

 

「ソーナンス!!!」

 

その攻撃に対して、クロウは前に飛び出し、その攻撃を簡単に跳ね返した。

 

「ちっ」

 

「あなたには、恨みがありすぎて、もう我慢の限界でしたので」

 

その言葉と共に、バングレイの身体に纏っているのは氷だった。

 

そして、めぐみんの手から氷が伸びている為、それがめぐみんが行った事は一目で分かった。

 

「ちっ、動きを止めたからと言って」

 

「遅いよ」

 

「っ!!」

 

そうして言っている間に、既に俺は手に持っているスーパーライザーでバングレイを切り裂いた。

 

この身体になってから、身体能力が異常に上がっており、武器の使い方が以前よりも上手くなった。

 

他の武器との応用ができなくなったのは痛いが、それでも十分すぎる程だ。

 

「ちっ、どうやら、てめぇらをその姿のままにしていると、厄介のようだなぁ!!」

 

そう言い、バングレイは地面を叩くと、俺達の身体は光に包まれた。

 

同時にその姿は俺達は元の姿へと変わり、地面から現れたのは骨だけの恐竜と赤い骸骨の悪魔だった。

 

「お前らはこいつらで遊んでいろ!」

 

そう言い、バングレイの姿が消えた。

 

「ちっ、あいつは、厄介なのを」

 

「とにかく、さっさと片付ける」

 

その言葉と共に、俺達はジュウオウチェンジャーで、キューブイーグルを召喚していく。

 

「あれは」

 

その中にはこれまで見たことのないジュウオウキューブもいた。

 

「あれって」

 

「俺のか?」

 

どうやら、そこにいた見たことのないジュウオウキューブは千翼が呼び出したようだ。

 

「ならば、全員、一気に合体です!!」

 

「なんだか、テンションが凄いな」

 

「だって、その方が爆裂魔法の威力が凄そうじゃないですか!!」

 

元の姿に戻っためぐみんは興奮して言う。

 

「まぁ、確かに疲れているからな。

さっさと片付けたい」

 

「俺なんて、ずっと人の言葉を話せなかったからな」

 

「あははは」

 

「だったら、やるか!!」

 

俺達はそう言うと共に、ジュウオウチェンジャーを構える。

 

【1・2・3・4・5・6・7・8・9!ワイルドトウサイキング!】

 

「ワイルドトウサイキング!?

なんだ、これは」

 

その言葉と共に、驚きを隠せなかった。

 

これまでとは比べものにならない程の力が溢れていた。

 

「ガアアァァ」

 

驚きで隠せない間にも、恐竜は俺に向かって噛み付いてくるが、軽く腕を振るった。

 

ワイルドトウサイキングのたったそれだけで恐竜は瞬く間に吹き飛ばされる。

 

「こいつっとんでもない力だけど」

 

「ぐっ、力がどんどん座れるっ」

 

初めての合体もあって、力が溢れ出るが、凄い勢いで疲労が溜まっていく。

 

だが

 

「この状況だったら、すぐに決着をつけるには丁度良い!!」

 

そう言い、腕と一体化している剣で恐竜を突き刺し、同時にもう片方の腕と一体化している銃を悪魔に向ける。

 

「ふふっ、エクスプロー「ショット」って、クロウ!?」

 

めぐみんが宣言するが、それを邪魔するようにクロウがすぐに放つ。

 

爆裂魔法では体力の消耗も激しい事も考えれば、クロウの判断は助かる。

 

「クロウさん」

 

「なるほど、この形態だったらできるかもな」

 

その言葉と共にその銃は変形し、マシンガンへと変形し

 

「フォーメーション・ショットガン!!」

 

その言葉と共に悪魔の身体を無数の穴が開き、消滅する。

 

「なら、トリコ!」

 

「あぁ!!」

 

それを見た俺とトリコはそのままワイルドトウサイキングの剣を恐竜の身体に押さえつける。

 

「リボルビング・ステーク!!」

 

それと共に剣の形は変形し、トリコの技である釘パンチを放った。

 

何度も打ち付ける事によって、強固な骨を打ち抜いた。

 

「がっがぁ」

 

その攻撃を受けて、恐竜はそのまま砕け散り、消えた。

 

「はぁはぁ、これは、本当に」

 

6人全ての力が合わさったこのワイルドトウサイキングはどうやら俺達の技を組み合わせた技が使えるようだ。

 

「それにしても」

 

俺達はそのまま合体が解除され、そのまま地面へと俺達は寝転び

 

「さすがに疲れた」

 

その言葉しか言えなかった。



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第32話 夏休み前の準備

「金もそろそろ貯まったし、そろそろやるとするか」

 

そう言いながら、これまで貯まった金額を確認したりんねは呟く。

 

「やるって、一体何をですか?」

 

そう言いながら、食事を行っている時にクリスは首を傾げる。

 

「これまで借金、主に駄女神のせいで金が貯まらなかったが、夏休みには行けるからな」

 

「行けるって、どこに?」

 

「最強のジュウオウキューブの場所」

 

その言葉にクリスは傾げてしまう。

 

「確か、俺達が合流する前のりんねの相棒だったジュウオウキューブでしたね」

 

「えっ?

んじゃ、今のジュウオウイーグルは?」

 

その言葉に疑問に思い、質問したが

 

「ジュウオウジャーで俺が最初に仲間になったアンクのジュウオウキューブだ」

 

「アンク?」

 

アンクという名前に、クリスは気になり、詰め寄る。

 

「アンクはクリスと同じように転生者で、ジュウオウバードだ。

まぁ口が悪くて、厄介な奴だったよ」

 

そう苦笑しながらも、その語る姿はこれまでのりんねからは想像できない程に楽しそうな姿だった。

 

「だけど、ある戦いで命を落としてな。

その時に大量の借金をして、せめてアンクの形見であるキューブイーグルだけでもと思ってな」

 

「そうだったんですか。

それじゃあ、借金もどうにかなって、りんねさんの相棒を取り返せるという事ですね!!」

 

「あぁ」

 

その事にクリスは安心した笑みを浮かべる。

 

「だったら、すぐに取りに行きましょう!」

 

「いや、それは無理だ」

 

「なんでですか?」

 

りんねの相棒という事で気になっためぐみんはすぐにでも出発したがるが、トリコは制止する。

 

「だって、移動にも金がかかるからな。

それまでは徒歩で行かないといけない」

 

「えっ徒歩?」

 

その言葉にクリスは首を傾げるが

 

「なんだって、本当にぎりぎりだったからな。

だから、お前達は「では小旅行ですね」おい」

 

りんねはすぐに残って貰おうと思い、提案するが、めぐみんは笑みを浮かべる。

 

「思えば、このメンバーで旅行など行った事がありません。

野宿、それも冒険みたいで面白そうじゃないですか」

 

「いやいや、何を言っているんだ」

 

「いえ、普段から世話になっていますから、私も手伝います」

 

「クリスまで」

 

何やら騒ぎ出している二人に対して、りんねはどうすれば良いのか困惑を隠せなかった。

 

「まぁ今のあいつらはおそらくは止まらないだろう」

 

「それはまぁ」

 

そう言いながらも

 

「りんえもそんなに考えなくて良いよ」

 

「千翼」

 

千翼はそう言いながらも、既に準備を終えているようだった。

 

「はぁ仕方ない。

けどな、まだ夏休みじゃないぞ。

出発は一ヶ月後だぞ」

 

既に止められないと分かり、観念したようにりんねもまた笑みを浮かべながら、準備を続ける。

 

ーーー

 

「へぇ、なるほどね。

あいつは夏休みにそこにね」

 

そう言いながら、暗闇の中でバングレイは笑みを浮かべながら、ゆっくりとメダルを見つめる。

 

「巨獣ちゃんもそうだけど、あいつらのも全部頂くとするか。

なぁ、旦那」

 

そう言いながら、メダルの一枚を取り出し、バングレイは語る。

 

「あぁ、その通りだ。

まったくの別人だとしても、ここまでの屈辱を与えた奴らと同じ力を持っているならば、殺すだけだ」

 

「やっぱり、あんたとは気が合うねぇ。

なぁ、ジニスの旦那」



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第33話 王者の中の王者

「ここが最強のキューブアニマルがいる所なんですか」

 

そう言いながら、全員が回りの光景、俺の故郷を見回していた。

 

「なんというか、不思議な街ですね。

ここにいる人達は全員本当に神様?」

 

「まぁ神様見習いがほとんどだけどな」

 

そう言いながら、俺達は目的地に向かって歩いていた。

 

「そもそも、目的地って、どこなんですか?」

 

「あそこ」

 

そう俺が指した先は街の中でも一際目立つ髑髏が特徴的な建物だった。

 

「なっなんというか雰囲気が他とは違いますね」

 

「まぁなんだって、死を司る神である死神の仕事場だからな」

 

そう言っている間に辿り着くと

 

「待っていたよぉ」

 

「えっなんですか!?」

 

突然聞こえてきた声に驚いたクリスとめぐみん。

 

彼らの目の前に現れたのは可愛らしい髑髏と黒い布に覆われた謎の人物だった。

 

「久し振りだねぇ」

 

「あなたは?」

 

突然出てきた人物に驚きを隠せない千翼は首を傾げながら質問するが

 

「久し振りだな、親父」

 

「えっ」

 

りんねから放たれた一言、その一言に三人は目を呆然としながら、見つめる。

 

「この場では初めての人がいるね。

どうも、ここを取り仕切っている死神です」

 

そのあまりにも明るすぎる声に驚きを隠せずにいた。

 

「けど、なんで、その死神様は担当神にならなかったんですか?」

 

「身内贔屓されていると思われない為に僕以外の神を探していたんだ。

丁度、僕も今は別の所を担当しているからねぇ、まぁアクアちゃんは悪い神じゃないから問題ないと思ったからね」

 

「あははは」

 

そう言いながら、全員の頭の中では今でも酒で泥酔しているアクアの事を思い浮かべていた。

 

「それで溜まったんだね」

 

「あぁ、なんとかな」

 

そう言い、俺はそのまま手に持った通帳を親父に渡す。

 

それを見ると

 

「うん、確かに受け取ったよ。

とりあえずはんっ?」

 

そうしていると、地面を大きく揺れ、それと共に俺達は街を見つめると

 

「あれはメーバっ!?」

 

「という事は厄介な奴らが来た訳か」

 

その言葉と共に見ると、そこには無数の怪人達が暴れていた。

 

「目的は特典かなぁ。

こういう奴らがいるから厄介なんだよねぇ」

 

「だったら、俺がすぐに片付ける」

 

そう言い、俺は親父から受け取った大王者の資格を持つ。

 

「あぁ、私達も「いや、ここは俺だけに任せてくれ」えっ何を言っているんですか!?」

 

「少しな。

この力は結構厄介なんだよ」

 

「厄介って」

 

「まぁまぁ、ここはりんねに任せてちょうだい」

 

「でも」

 

「それじゃあ、任せたよぉ」

 

俺はその言葉を受け止めると共に、そのまま怪人達が暴れる場所へと向かう。

 

辿り着いた先に待ち受けていたのはメーバを従えたバングレイがその場に立っていた。

 

「やっぱりお前だったか」

 

「よぉ、せっかくこんなに連れてきたのに、一人だけは寂しいじゃないかよ」

 

「言ってろ、すぐに片付ける」

 

その言葉と共に、俺は大王者の証を取り出すと、そのまま光り輝き、ホエールチェンジガンへと変わる。

 

「本能覚醒」

 

【ホー ホー ホエール!】

 

その音声が鳴り響くと、久し振りの感触で覆われる。

 

懐かしい感触、それと共に、俺はゆっくりと構える。

 

「王者の中の王者、ジュウオウホエール」

 

「へぇ、王者かよ、だったら見せて貰おうじゃないか!!」

 

そう言いバングレイはスーパーライザーを取り出し

 

『銃頭サンバッシュ』『冥府神サイクロプス』『ザミーゴ・デルマ』

 

その音声と共にバングレイは黒と白のモノクロカラーが特徴適な姿になり、スーパーライザーはそのまま銃の形へと変形する。

 

「はぁ!!」

 

バングレイはすぐにこちらに向けて銃弾を放ってきたが、俺はそのまま地面を滑るように避け、そのままホエールチェンジガンをバングレイに向けて放つ。

 

「ちっ」

 

すぐにバングレイは近くにいたメーバーを盾にするが、威力の高さに盾になる事すらできずに吹き飛ばされる。

 

「遠くにいたんじゃ、こっちが不利になるだけかよ」

 

『サンダール』『腑破十臓』『蛾眉雷蔵』

 

その音声と共に、今度は鎧武者を思わせる姿へと変わり、刀のように変形したスーパーライザーで俺に襲い掛かる。

 

接近された事は厄介だったが、ホエールチェンジガンで牽制を行いながら、俺はもう片方の手でイーグルライザーで攻撃を仕掛ける。

 

「なっ」

 

「別にこれは使えなくなった訳じゃないんだよ」

 

そう言いながら、ホエールチェンジガンで牽制を行いながら、イーグルライザーで攻撃を仕掛ける。

 

周りで襲い掛かるメーバ達がいたが、広範囲での攻撃が可能な以上、数は大して問題ではなかった。

 

「こいつっあいつよりも使いこなしているのかっ」

 

「悪いが、俺はまだまだだからな、一気に決める」

 

その言葉と共に、ホエールチェンジガンを一回ポンプアップさせ、そのまま構える。

 

「ジュウオウスラッシュ&ブラスト」

 

ホエールチェンジガンからエネルギー弾を放ち、イーグルライザーから放たれた光の刃で加速させて、バングレイに向けて放つ。

 

「ちっぐぅ!!」

 

すぐにバングレイはその攻撃をスーパーライザーで受け止める。

 

威力は高く、徐々に押し切られ

 

「ちくしょ!!」

 

その言葉を最後にバングレイはそのまま爆散する。

 

「はぁはぁ、勝てたのか?」

 

そう、俺は確かめるように見つめると、そこにはバングレイの破片と破壊されたスーパーライザーがあった。

 

「これで、少しは厄介事は消えたか?」

 

そう言いながら、未だに拭えない疑問と共に、俺は見つめる。

 

ーーー

 

「たくっ、せっかく手に入れたスーパーライザーが駄目になったじゃないか」

 

そう言いながら、よろよろになりながら歩いている男。

 

それは転生した事によって、人間の姿を得たバングレイだった。

 

「だが、ここまで来れば目的は達成できる」

 

「まったく、本当なんだろうな。

おっこれかぁ」

 

そう言いながら、バングレイはジニスの指示の元、辿り着いたのはとある特典を保管されている場所だった。

 

「まさか、これが俺も使う事になるとはねぇ」

 

「さぁ、これに私を入れたまえ」

 

「へへっ分かっているぜ」

 

そう言ったバングレイはジニスの言葉に従うように、その特典にジニスのメダルを入れる。

 

すると、特典に描かれた絵は変化し、そこには新たな模様が浮かび上がった。

 

「なぁ、旦那、名付けるならば、どういう名前にするんだ?」

 

「そうだね、私達も彼らに習って、こう名付けようではないか。

無法王の証、デスガリアン・チェンジャーだね」

 

「まぁ、なんでも良いけどな」

 

そう言いながらバングレイは、デスガリアンのマークで描かれた王者の証を手に持ちながら、笑みを浮かべる。

 

「さぁショータイムの始まりだぜ」



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最終回 金と命の価値

今回の話で最終回になります。
長い間お待たせして、打ち切りのような最終回ですいません。
そして、今作の続きである『特典で世界を再構成する戦隊』も連載していますので、これからもよろしくお願いします。


「アンクのがっ盗まれただとっ」

 

「あぁ、どうやらあのバングレイによって、警備が薄い状況を狙われたようだ」

 

そう言いながら、りんねは驚きを隠せずにいた。

 

「りんねの親友のジュウオウチェンジャーでしたよね」

 

「あれは俺達のジュウオウチェンジャーを元に作られた最後のジュウオウチェンジャーだ。

俺のホエールチェンジガンと同じように他のジュウオウチェンジャーとは出力が大きく違うが」

 

「まさか、そんな裏設定があったとは」

 

そう言っていると、町で何か聞こえてくる。

 

「これはまさかっ」

 

「バングレイの奴っもう動き出したのかっ」

 

その言葉と共に俺達はすぐにその場へと向かった。

 

そこで待ち受けていたのは

 

「あれはバングレイなのか」

 

そこにいたのは俺達と同じジュウオウジャーを思わせる存在だった。

 

だが、その身体の色は銀色のスーツを身に纏っており、その胴体にはバングレイが召喚していたメーバが刻まれていた。

 

「お前は」

 

「よぉ、遅かったじゃないか」

 

そう言いながら、こちらに銃を構えながら聞こえたのはバングレイの声だった。

 

「お前っバングレイなのかっ」

 

「まぁな。

せっかく手に入れた力だからな、まずはお前達で試したいと思ったからな」

 

「そうかよ。

だったら、ここでさっさと終わらせてやる!」

 

その言葉と共に、りんね達は各々の変身アイテムを手に取る。

 

「「「「「「本能覚醒!」」」」」」

 

その言葉と共にりんね達はジュウオウジャーへと変身し、そのままバングレイへと向かって行く。

 

「くくっ、良いぜ、来いよ」

 

その言葉と共に手に持った銃を捨てると、バングレイが構えると出てきたのは巨大な大剣

だった。

 

それを振り回すと、近づいてきたジュウオウエレファントとジュウオウライオンが受け止める。

 

「後ろががら空き」

 

「さぁ、どうかな」

 

そう言いながら、バングレイの背中がまるでキューブを思わせる物が現れ、ジュウオウタイガーを吹き飛ばした。

 

「クリスっ」

 

「よそ見をしている場合か」

 

「ぐっ」

 

ジュウオウシャークはすぐに吹き飛ばされたジュウオウタイガーの方を見つめるが、それを見逃さないバングレイは再構成したキューブで作り上げた銃で撃つ。

 

一瞬の驚きがあるも、すぐに対応するように、そのまま後ろへと下がる。

 

「一体どうなっているんだっ、あれはっ。

まるで暴走した時の俺みたいな状態だが」

 

「お前のような不完全なのと比べるなよ」

 

「何?」

 

その言葉に疑問に思い、聞き返す。

 

「今の俺はデスガリアン全ての力が使える。

不死身であるアザルドの力で、俺の身体は好きに形を変える事ができ、好きな力を使う事ができる。

だよなぁ、ジニスの旦那」

 

『あぁ全くもって、その通りだ』

 

「っ」

 

その言葉と共に現れたキューブは一つの人型へと変わると、そこにはまるで髑髏型を思わせる怪物がいた。

 

「お前は」

 

『初めましてだな、この世界のジュウオウジャー。

私はジニス、かつて、君達とは違うジュウオウジャーに敗北した者だ』

 

「俺達と違うジュウオウジャー、それってまさか原点の」

 

「原点?」

 

その言葉にジュウオウザワールドは首を傾げる。

 

「俺達の本来の力に加えて、転生者に対抗する為にとある存在の力を借りている。

他の奴らも当てはまるが、俺達の場合は地球の生き物の力を借りている動物戦隊ジュウオウジャーの力だ」

 

「その彼らが戦った存在がまさか、お前達なのか」

 

「正解だ。

まぁ、どういう訳だが復活したけど、まさか旦那と一緒になるとはな」

 

『私もバングレイと共に復活した。

その際に、地球と繋がった際に様々な知識を得る事ができ、こうして転生者の事に関してなどを知る事ができた。

だが、奴らとの戦いで身体は消滅し、私自身は復活する時に多くの知識を得る代わりに精神体でしか存在を保てなくなった」

 

「そして、俺と手を組んだ訳だ。

俺も旦那も、お前達、ジュウオウジャー達に復讐する為にな」

 

『まずはお前達から、その次は私達を倒した奴らを殺す』

 

そう言い、二人の声が揃って、笑いを出す。

 

だが

 

「させるかよっ」

 

そう言いながらジュウオウホエールが立ち上がる。

 

「お前らのような奴らをこれ以上、好きにさせるかよ。

それを許したら、余計に金がかかるからな」

 

「金ねぇ。

お前はそればっかりだな」

 

そう言いながら、バングレイはジュウオウホエールを睨む。

 

「金が何になる。

どうせ世界が消滅すれば、金に価値などない」

 

「いいや、金は価値がある」

 

その言葉と共に、手に持ったホエールチェンジガンを構える。

 

「金はな、多くの人々が積み上げてきた一つの形だ。

形では分からない努力を、見えやすい一つの形に変える物だ」

 

その言葉に応えるように他のメンバーも次々と近づく。

 

「まぁ、私は特に金には執着はありませんが、せめてこめっこや家族の空腹させない金は必要ですね」

 

「まぁな。

食べ物も、ある意味皆で分け合う事ができるのも、そんな金の力だからな」

 

「借金という落とし穴もあるがな。

まぁ、それは自分の不手際という事もあるからな」

 

「戦争も、悲しいけど金が原因。

だけど、そんな傷ついた人達を助けるのも金」

 

「俺の力も金の力も、使い方次第では人々を不幸にする。

だから」

 

「お前達を倒した金で、とりあえずはこの町を救う」

 

「さっきから好き勝手言いやがって、ここで終わらせてやるよ!」

 

そう言い、バングレイの腕は肥大化していく。

 

そこに刻まれているのは、かつてデスガリアンの拠点であるサジタリアークを思わせる砲台が現れ、ジュウオウホエール達へと向けた。

 

「消えろ!」

 

そう言い、サジタリアークからは巨大なビームが真っ直ぐとジュウオウジャーへと向かって行く。

 

「この星を舐めるなよ!」

 

その全員の言葉を受け止めると共に、ジュウオウホエールガンの引き金を引く。

 

そこから放たれた一撃は真っ直ぐとビームと激突する。

 

「はああぁぁぁ!!」

 

互いに押し合い、ぶつかり合う。

 

だが、一撃の威力は劣っていたのか、徐々にジュウオウジャーの方へと押されていく。

 

「一発で駄目ならな」「何発でも!!」

 

その言葉と共にトリコの釘パンチを思わせるように一撃は何度もたたき込み、ホエールチェンジガンの銃口から無数の小さなビームと纏まり、まるでドリルのように変わる。

 

「勝てるまで」「諦めず!!」

 

それと共に一撃の色はめぐみんの爆裂魔法のような色へと変わり、ジュウオウチェンジホーエルガンを支えるようにイチイバルが追加される。

 

「「突き進む!!」」

 

ジュウオウホエールとジュウオウザワールドの雄叫びと共に完全な獣の形へと変わった一撃がバングレイを飲み込む。

 

「なっまたっ」『こんな結末にっ!』

 

その言葉と共に、バングレイ達はビームに飲み込まれ、その姿は完全に消滅する。

 

「はぁはぁ、勝ったのか?」

 

そう疑問に思いながら、呟きながら、全員が変身を解除される。

 

同時にジュウオウチェンジャーに音が鳴り、見ると、そこにはバングレイ達の賞金が振り込まれていた。

 

「・・・よっしゃぁ!!」

 

それが勝利した証になり、全員が喜びを分かち合うように叫ぶ。

 

「はぁ、ここまで長かったです。

それにしても、気持ち良かったですね、今の一撃は」

 

そう言いながらめぐみんは満足げに呟く。

 

「けど、全員が疲れて、動けなくなるのは問題。

撃つならば、考えないと」

 

「まぁ、これからも役に立つと思うからな」

 

そう言いながら、先程までの戦いを思い浮かべていた。

 

「あぁ、君達」

 

そう言いながら、こちらに話しかけた声が聞こえ、全員が見る。

 

そこには死神が立っており、呆れたようにこちらを見ていた。

 

「どうしたんだ、親父?」

 

「いやね、君達があのバングレイを倒した事に関してはとても感謝している。

けど、まぁ、町にも被害が出たんだよね」

 

「まぁ、確かにな。

それじゃあ、とりあえず被害が出た分だけでも借金を変えそうぜ」

 

「そうだね、クロウ。

それで、りんね、どれぐらいなの」

 

「そうだな、待って」

 

そう言いながらりんねはジュウオウチェンジャーを見ると

 

「・・・十億」

 

「んっ?」

 

一瞬、何を言っているのか、分からず、その場にいた全員が呆然した。

 

「いやぁ、バングレイ達の暴れた町の被害よりも、君達がさっきの一撃が問題だったからね。

とりあえず、その修繕費として、それだけ返して貰うね。

あっ借金代わりとして、君達の力とか預かっておくから」

 

そう言いながら死神はそのままジュウオウチェンジホエールガンを初めとして、ジュウオウチェンジャーや服以外、全てを取られてしまう。

 

「そっそんなぁ、私達っせっかく借金を返せたのに」

 

「どうするんだ、りんね」

 

その事態を受け、りんねは

 

「転生者狩り」

 

「えっ」

 

ゆっくりと立ち上がったりんねは血涙を流しながら

 

「転生者狩りじゃぁ!!」

 

「ええぇぇ!!」

 

そう言いながら、走り出した。

 

そこには先程までの力尽きた姿などなかった。

 

「まったく、くたくたで動けないのに」

 

「ほら、さっさと行くぞめぐみん」

 

「私をあなたのような筋肉馬鹿と一緒にしないでください!」

 

「あははぁ、また借金か」

 

「ふっまぁ、それが俺達らしいけど」

 

そう言いながら、走り去ったりんねを追うように、メンバーも次々と走り去っていく。

 

「借金もある。

金も多くはなかったけど、どうやらりんね、せめて大切な物は手に入れられたようだな」

 

そう死神はりんね達を見届ける。

 

その瞳に写っていたのは、血涙を流しながらも、生きる為に必死になっているりんねの姿。

 

だが、そんな彼の必死な表情とは裏腹に、穏やかな雰囲気がそこにはあった。

 

「何時でも僕は君を待っているから




「借金はそれからも何度も繰り返し行ったらしいです。
あの世界ではトラブルが絶えず、高校時代は貧乏、大学時代も貧乏、そして社会人になってからはアルバイトを行いながら、行く先々で様々なトラブル。
そんな日々が続いたらしいです。
それでも、その日常はどこか楽しそうでした。
お金は確かに人生で必要ですが、それと同じように一緒に過ごす誰かな存在はきっと必要です。
どちらが欠けても、きっと上手くいきませんね」

「・・・何を喋っているんだ」

「あっお父さん」

何やら長々と喋っている少女を見て、赤髪の青年が少女に話しかける。

「今、お父さん達の高校時代のアルバムを見ていた所です」

「止めてくれ、黒歴史だから」

そう言いながら青年の方へと行く。

「なんといか、お前は本当にあいつそっくりだな。
しゃべり方はあっちの方に似ているから」

「うん、お母様の方を参考にしました。
母さんの方は色々と問題がありますから」

「俺の娘なのに、なんという賢い選択!」

そう言いながら、呆れるように叫ぶ。

「とにかく、お前も10年後には死神になるんだから、勉強を頑張れよ、フラグ」


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