この素晴らしい月の兎に祝福を (キツネくん)
しおりを挟む

兎も池に落とされるそうですよ?

「ようこそ、死後の世界へ、黒ウサギさん、貴方はつい先程不幸にも亡くなられまいた」

 

目の前の青髪の彼女はそう言った、私には心当たりがある

 

「やっぱり、死んでしまったのですね」

 

アジ・ダカーハを撃破するため自身の身を贄としレプリカではない、帝釈天が恩恵(ギフト)により作り出した、本物の一撃必勝の神槍を呼び出し放ったのだ、それは死んで当たり前だ。

 

「一つだけ良いですか、ゲームは、十六夜さんやノーネームのみんなは、無事なんですか?」

 

「はい、怪我はあれど、全員、生きています」

「よかったです」

 

本当によかった、十六夜さんたちや、コミュニティーのみんなが生き残ってくれていて、あとのことは、十六夜さんが何とかしてくれるでしょう。

 

「さて、私の名はアクア、日本において若くして死んだ人間を導く女神よ」

 

アクア様?はて、何処の神様でしょう?御名前と御姿からして水の権能を司っていそうなのに、死者の導きをされているんですか?でも確かに神格を持ってますし、てことは、白雪様のような水神様ってことですかね?それなら、主神のお手伝いといて、死者を導いていてもおかしくない?

 

「失礼ね、私はアクシズ教の崇める立派な女神よ」

おや、神通力ってやつですか

「アクシズ教?聞いたことありませんね」

「ええ、そうでしょうね、日本で仕事をしているけれど、崇めているのは違う世界の住人だもの」

「立体交差並行世界論でしょうか?でもアレはパラレルワールドのような物、神話まで違う世界なんてなかったはず」

「立体交差なんたらって何よ、私を崇めている世界と地球は交差も並行もしていない全くの別世界よ。

そんな事より、今な貴方には、二つの選択肢があるわ、ゼロから人としての人生を日本で歩むか、天国的なところへ行ってお婆ちゃんみたいな生活をするかよ」

 

天国ですか、私、月の兎なので入れてもらえるんでしょうか?極楽浄土になら、入れてもらえるかも?、でも、輪廻転生で日本に行くのも魅力的ですね、十六夜さんたちの故郷の国、話には聞いていますが、見たことも行ったことも無いので行ってみたいですね。でもゼロからですか。

 

「実は天国ってのは、ねあなた達の思っているほど良いところじゃないの、肉体がないんだからほとんどの事ができなくて、永遠に日向ぼっこして過ごすしか無いところなのよ」

「そう言われると、行きたく無くなるのですヨ」

「でしょでしょ、でもゼロからやり直すってのもね、そこで!ちょっといい話があるのよ!貴方、私達の世界に来ない?ていうか来て!今、あの世界は魔王の軍勢に脅かされているの!」

「魔王、ですか,,,」

箱庭の天災、私達から名と旗を全てを奪った者、その世界でも猛威を振るっているのですね。

「そう!魔王よ!魔王のよって人の国や街、村なんかが、いくつも破壊され、略奪され、人々が虐殺されているの!」

魔王って何処に行っても同じ様な者なんですね。

 

「そんな世界だから、亡くなった人たちが生まれ変わるのを拒否しちゃって今、世界に人が足りなくなっているの」

確かに、そんな世界に生まれ変わりたがる人って、相当恨みのある人くらいでしょう。

「そこで、別の世界で亡くなった人を転生させて人を補おうってわけ」

「でも、そんな世界に送られてもすぐ死んでしまいそうですけど」

「そう!だから、出血大サービス!今ならなんと!特典として、何か一つ好きなものをあげるわ!強靭な肉体!っだったり、チート級の聖剣!っだたり!何でも好きなものよ!」

「強力な恩恵を配っているんですか、でも、そんな物がタダで貰えるってことは無いと思うのデス」

「鋭いわね、そうよ、転生をしたら、特典を利用して、魔王討伐を目指してもらうわ、まあでも、あんまりうるさく言うことはないから、結構自由にしてくれて構わないのよ、ただし!魔王を見事討ち取った人には、何でも一つ願いを叶えてあげる!」

何でも?

「た、例えば、箱庭へ帰りたい!とかでも?」

「ええ、ぜんぜんOKよ!」

 

それなら、魔王討伐を誰よりも早く成し遂げれば、箱庭へ帰れる、またノーネームのみんなに会えるかもしれない。

 

「アクア様!私、異世界へ行きます!」

「ええ!そう言ってくれると思っていたわ!じゃあ、特典を決めて頂戴!」

すごく分厚いカタログを渡された。

 

「あの、アクア様、ここに書いてあるもの以外でも構いませんか?」

「ええ、何でも言って頂戴」

「じゃあ、私のギフトカードを、持っていきたいのですが、できますか?できれば中身も」

アレ一つ有れば安心感が桁違いだ、ギフトカードには武器や医療器具、非常食も入っている、異世界でもきっと役に立つはずだ。

 

「ええ、出来るわ、じゃあ、特典は、ギフトカードでいいわね、チョット待っててね、複製するから」

 

アクア様が、手を叩くと、見慣れた白黒のギフトカードが作られ、私に差し出し

 

「中、確認してみて」

 

見たことない文字だ、異世界の文字だろうか?

 

「全く読めないのですよ」

「?ああそうだったわね、それが今から行ってもらう世界の言葉よ、でも安心して、神々の親切サポートによって一瞬で習得させるから!運が悪いいとパアになるけど」

別のカタログのを出してきて見せてくれる、えーと「運が悪いいとパアになる」うん?すごく不穏なことが黒ウサギのステキ耳に入った気がするのデスよ?

 

「そういう事だから、安心しね!」

「パアって言いましたよね!?」

「言ってない」

「そんないい笑顔で言われても、全く安心できないのデスよ!?」

私の文句などお構いなく仕事をすすめるアクア様、突然足元が明るくなって

「じゃあ、転生させるから、その魔法陣から出ないでね」

いつの間にか魔法陣が現れた

 

「パアは嫌なのデスよ!」

「大丈夫よ、何百回ってやってきたけど失敗したこと無いから、私を信じなさい、さあ勇者よ、願わくば数多の勇者候補の中から魔王を打ち倒すことを祈っています」

私の文句やっぱり無視ですか?

「ええい、もうこうなったら、お腹をくくるのデスよ」

「さすれば、神々からの贈り物としてどんなな願いでも叶えて差し上げましょう、ですのでどうか、魔王を倒し、世界をお救いください」

体が浮いていく、転生が始まったのだろう

「Yes!この黒ウサギ、月の兎の誇りにかけて、必ずや魔王を討伐してみせましょう!」

視界が真っ白になり次の瞬間、

 

 

 

上空4,000mに放り出された

 

青い空、白い雲、草原、街、真下の池

 

「わ~遠くに綺麗な街が見えますね~ココが異世界ですか~」

 

あの女神サマ、何てことしてくれてるんですか!?転生した途端、空中って

 

「いーやーーーーーーーーーーー」

 

緩衝材のような薄い膜をいくつも突き破り、

 

『ドボーン』

 

池に墜落した、

「なんで、転生早々ビショビショにならなくちゃいけないんですか、それにこの池そこまで綺麗じゃないのです」

取り敢えず池から上がるため、陸に向かって歩く、水が淀んでいるのか水草が生え非常に歩きにくい、本当になぜこの池の上に落としたのか、私達だって、十六夜さん達を呼び出す時綺麗な池を選んだというのに。

 

文句を言いながら歩いていると後ろから複数の視線を感じた、兎としての直感が、この視線は人のものではない、獲物を定めた獣の視線であると、知らせてくれる、急いで振り返ると、そこにいたのは巨大なワニが四体、完全にこちらを獲物としてみている、反射的にギフトカードから疑似神格・金剛杵(ヴァジュラ・レプリカ)を取り出す、さすが女神様、いつもと同じ感覚で恩恵を取り出せた、使えたことに安堵しつつも、戦闘態勢を取る、ワニが大きな口を開け私を食べようと突貫してくる、私の髪が淡い緋色へと変わり、跳躍することで避け、ワニの頭の上に乗り二匹目のワニの突貫を青い稲妻を纏う金剛杵で返り討ちにし残り四体、仲間が一撃で沈められて怯んだのか三体目、四体目の突貫が来ない

 

「来ないのならこちらから、行きます!」

ワニの頭を思い切り蹴り他のワニに金剛杵で殴りかかり、一体目は正面から眉間を、二体目は伸し掛かって潰そうとしてきたところを、アッパーを食らわせ沈めた、足場にされたワニは、黒ウサギの脚力で脳天を蹴られ絶命した。

 

「問題なく体が動きますね、転生による問題はなしですね、頭もパアになってないですし」

金剛杵をギフトカードに、仕舞おうとして気づいた、さっきまで読めなかった見たことのないはずの文字が、何故か読めるのだ、意味もちゃんと分かる、ギフトカードの一番下に【異世界言語】の恩恵が追加されているので、きっとコレの御蔭だろう。

 

「さて、また襲われるのは勘弁ですし、ワニのをギフトカードに仕舞って陸まで跳んでしまいますか」

ギフトカードに、ワニの死骸は問題なく仕舞えた、

 

「さっき、上から見えら街でなら換金してもらえるだろうし、街まで走りますか、私の足なら十分もあれば付くでしょうし、それだけの間走ったら、服も乾くでしょう」

 

 

十分ほど進んだ頃、街に付いたのだが、ここが箱庭でないことを失念していた。

 

上空から門の前に着地した時

 

「どうも、こんにちは~街に入りたいんですけど大丈夫ですかね?」

 

「ひ、人が空から!」

「何奴!?」

 

「あ、えっと、あ、怪しいウサギではありませんよ~」

「そんなに高く跳ぶウサギが居てたまるか」

「わ、私の故郷ではコレくらい、あ、当たり前なのデスよ?」

 

箱庭でも月の兎は希少ですが、まあ嘘はついてないデスよ、

困りましたね、いきなり警戒されてしまったのデス、こういう時は、笑顔で押し切れば男性相手ならなんとかなるって、十六夜さんが言ってましたので、黒ウサギの全力笑顔を振りまいて入れてもらうのデスよ!

 

「そ、そうなのか、怪しいが、まあ、悪いやつでもなさそうだし、取り敢えず、身分証を見せてくれ」

「みぶんしょう?」

えーとそんな物持っていないのデスよ、箱庭の物なら、ギフトカード入ってるけど、言語が違うのでそもそも使えない、ピンチだ、

「えーと、ここの街で作れると聞いたのですが?」

取り敢えず嘘をついてみる、私の笑顔が引き攣っているのがわかる。

「なるほど、お嬢さんは冒険者になりにこの街に来たんだろ?そこで発行出来る冒険者カードが身分証の代わりになるからな、今回は、通行料だけ貰えればとうしてやろう」

通行料?私、この世界の通貨、持ってましたっけ、きっと女神様が気を利かせていくらか持てせてくれているはず、きっと、ポケットに入ってるなのデスよ!

ポケットの中から、水に濡れて読めなくなった、手紙らしきものと、1,000エリスほど入っていた。

「コレで足りますかね」

「500エリスだから半分だ」

私は二枚の金貨のうち一枚を払った

「よし、通ってよし、冒険者ギルドはこの道を真っ直ぐ行って突き当たりにある大きな建物がギルドだ」

「ありがとうございます!行ってみますね!」

 

さて、このまま真っ直ぐですね、街は石造り、この感じだと、文明レベルは、中世ヨーロッパって感じですかね、魔王がいる割には、平和そのものって感じですね、まあ、いきなり暗い街、だったら門前払いされてたでしょうからこのほうが良いですね、相変わらず、視線が痛いけどこれは、箱庭とあまり変わらないですね、まあ服装が何時もどうりだからいけないんですが、でも白夜叉様にもらったこのスカートの中が絶対見えない様になる恩恵が手放せないんですよね。

 

付きましたね、ココがギルドですか、入ってみますか。

 

「いらっしゃいませ~お食事なら席へどうぞ、お仕事案内なら、奥のカウンターへどうぞ~」

「はーい」

いやー体格のいい人たちがお酒飲んでますね、ちょっと怖いです

 

「おい」

「は、はい!」

すごく低い声で話しかけられちゃいました

「見かけない顔だなあ、それに何だその格好は」

「えーと、実話ですね、身分証に冒険者カードを作りに来たんデスよ」

「あーん?戦えないくせに、冒険者になろうってか?」

「そんな事ないのデスよ!私だって戦えます!」

「あーそうかい、よーこそ地獄の入り口へ!ギルの加入の受付ならあそこだ」

「は、はい!」

あれ?案外いい人?人は見かけによらないって、よく言いますもんね。

受付、あそこですね、ちょうど空いてますし行きますか

 

「今日はどうされましたか?」

この人の胸、凄いデスね、私よりありますね、肩凝りそうです。

「冒険者になりたいんですが」

「最初に登録手数料がかかりますが」

「手数料ですか、500エリスでたりますかね?」

足りますよね、女神様がくれたのは1,000エリス、半分は、通行料、もう半分は手数料ってことですよね?

「えーと、足りませんね、手数料は1,000エリスです」

女神様!?足りてないじゃないですか!

「えーと、そうだ!獲物を買い取ってもらうことって、冒険者じゃなくてもできますか?」

「ええ、できますよ、ここまで持ってきていただく必要がございますが」

それなら問題ない、なぜなら、ギフトカードにはいいているから!

「じゃあ、買取をお願いしたいんですけど」

「はあ、構いませんけど、何処にあるんですか?」

わたしは、ギルドカードを取り出し

「この中に入ってるのデスよ!」

「はあ,,,」

おや?そういばこの世界にはギフトカードは無いんでしたね、どうしましょう?

「えーと、信じてもらえませんかね?」

「ええと、ちょっと、厳しいですね」

なにか証拠を見せる必要がありそうです、ではギフトカードを受付嬢さんのまえに持っていき、ギフトカードから何時も持ち歩いている、ティーカップを一つ取り出して見せた。

「コレで信じてもらえないですかね?」

「,,,えっと見たことのない魔道具ですね、その中に入っているのですか、では、見せてもらっても?」

「ここでは、ちょっと狭いですね、広いところ、ありませんか?」

「そんなに大きいものが入るのですか?まあ、いいでしょう、中庭に解体用のスペースがあるので行きましょうか、こちらです付いてきてください」

良かったデス、信じてもらえました、あとはワニを売るだけですね。

 

「じゃあ、ココに出してください」

「はい、じゃあ出しますので、離れててくださいな」

ギフトカードから、ワニを四体取り出す、中庭が、一杯になってしまった、このワニ結構大きかったのですね

 

「  」

あれ?なんかまずかったですかね?

 

「こ、これ、ブルータルアリゲーターじゃないですか、かなり危険なモンスターですよこれ!」

そ、そうなんですか?たしかに、牙とか鋭いですからネ

「えーとちなみに、いくらで買い取っていただけますかね?」

「一体に付き50,000エリスほどで、でも、非常の状態がいいので上乗せして、一体55,000エリスほどかと」

「じゃあ、コレで登録できますね!」

よかったデス、これなら、登録してもまだ手元に残ります!

「では、受付に戻って登録をしてしまいましょう、代金はあとで、査定の後、お支払しますね」

 

さあ、いよいよ登録です、

「では、まず軽く説明を、冒険者には職業というものが存在します、基本職の冒険者から上級職のソードマスターやアークウィザードどまで様々です、最初は下級職でも、モンスターを倒し、経験値を貯めレベルを上げれば上級職に転職できますのでご心配なく」

ふむ、経験値にレベルですか、イマイチピンときませんね

「次に冒険者カードについてです、これは身分証になるほか、冒険者がどれだけ討伐を行ったかなどが記載されます」

なるほど、嘘はつけないようになってるんですね

「あと、レベルを上げると、スキルを習得するためのポイントを与えられるので頑張ってレベルを上げてくださいね!ここまで大丈夫ですか?」

「Yes、大丈夫デス!」

「はい、では、こちらの水晶に手をかざしてください」

変わった水晶ですね、どんな恩恵、いや、魔道具?なんですかね?これに手をかざすんですね

「こうですか?」

 

「これで、貴方のステータスがわかりますので、少しそのままでお待ち下さい」

おお!かざしただけで動き出しました!

「その数値に応じて、なりたい職業を選んでいただきます、あ、できましたね」

一瞬でしたね、さて、私のステータスは以下ほどでしょうか?

 

「黒ウサギさん、変わった御名前ですね、ステータスは、っ凄いですね!全てのステータスが平均を大幅に超えていますよ!特に魔力と素早さに関しては兎獣人であったとしてもの人間の枠を超えてます!」

 

十六夜さんたちのせいで忘れてましたけど、私、箱庭でも上位の種族でしたね

 

「これなら、どんな上級職にだってなれますよ!素早さが高いので、前衛職がおすすめです、でも、賢さも魔力も非常に高いので、魔法職もおすすめですよ!」

 

前衛職か魔法職か、難しいですね、どっちが良いんでしょう、私が普段使う武器としては、疑似神格・金剛杵か疑似神格・梵釈槍(ブラフマーストラ・レプリカ)の二つですね、この世界には梵釈槍の使用制限がないのでこの槍がメインの武器になるんですかね、それなら魔法は不要な気がしますが、でも使ってみたいですね。

 

「そうですね、両立できる職業は無いんですか?」

「それなら、魔法騎士ですね!これは、前衛職のナイトと魔法職のウィザードを足した職業です!」

「じゃあ、その魔法騎士で」

 

 

 

「では、これにて登録は完了です、黒ウサギ様、スタッフ一同、貴方の今後の活躍に期待しています!」

 

 




続くかな?続くと良いな。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

女神様と再会するそうですよ?

続きました!


「アレがジャイアントトードーですか、思ったより大きいですね」

 

先程晴れて冒険者にになった私は今、街で軽くお昼をとってから、初の依頼で、繁殖期に入ったジャイアントトードー三匹の討伐の依頼を受けました。

この時期になると、お腹を空かせた、ジャイアントトードが牧場に現れて羊などの家畜だけでなく人間まで食べてしまうそうです、ちなみに、お肉は少し硬いが癖がないので、食材として好まれるんだとか。

 

「まだこちらに気づいてないようなのでインドラの槍がどの程度効くのか見てみましょう、」

マハーバーラタの紙片を使いインドラの槍を召喚、500メートル程度離れたジャイアントトードに向かって投擲した、雷鳴を轟かせながら吸い込まれるようにジャイアントトードに刺さり、天雷が迸り、ジャイアントトードを、消し炭にした。

 

「完全にやり過ぎたのデスよ、これでは買い取ってもらえないデス」

 

ごごごご、ゲコゲコ

 

あ、さっきの神鳴りの音で目覚めてしまったようだ、黒ウサギのすぐ後ろから出てきたジャイアントトードが大きな口を開けて頭から食べようといている。

 

「黒ウサギは食べても美味しくないのデスよ!」

人外判定された素早さをいかいて、先程投げたインドラの槍まで走る、黒ウサギの脚力なら一瞬である、インドラの槍だと消し飛ばしてしまうので疑似神格・金剛杵を取り出す

 

ごごごごごごごごご、ゲコゲコ、ゲコゲコ

 

「いっぱい出てきたのですよ!」

 

一匹、二匹、三匹、十五匹?

 

えーと、どうしましょう?あ、そういえば、さっきスキルを取ったんでした、いくつか魔法が使えるようになったんでした、使ってみますか、下級魔法と光系の上級魔法までと炎系の上級魔法までを覚えたんでした、槍術なんかも取ったほうが良いですかね?おっと、早く使えそうな魔法を考えなくては、【インフェルノ】や【ライトニング・ストライク】だとお肉が焦げて価値が下がってしまいますし、【ライト・オブ・セイバー】はたしか遠距離へ飛ばせる光の刃ですからこれで、倒してみましょう。

あ、考え事をしていたらいつの間に、囲まれてしまったのデスよ、意外と足が早いのですね、でも、取り囲まれたならこの遠隔操作の出来るこの魔法で回転斬りをしてまとめて、やっつけられます!

 

ひねりを加えながらジャイアントトードの首の高さまで跳躍し、

「ライト・オブ・セイバー!」

手刀を伸ばすイメージで回転斬りを行う、は、これは、血の雨が降る、離脱しましょう!

 

「いやあ、完全に血の海デスね~、やりすぎましたね~、大丈夫なんですかね、これ、後処理とか」

ギフトカードに仕舞って持って来ないで欲しいって言われましたからね、ギルドで解体する上で敷地内でやるのが大変だとか、街の外でやりたいし、ギフトカードが貴重すぎで、有名になれば各方面に狙われてしまうからとのこと、場所だけ覚えて帰ればいいらしいので、三匹以上倒しましたし帰って報告しますか。ココからならひとっ飛びです!

 

 

「ええ!黒ウサギさんもう討伐終わったんですか!念の為、冒険者カードを見せてもらっていいですか?」

「Yes!構わないのですよ!」

「す、すごいです!たった半日で十六匹も討伐されたんですか!あら?十六匹も倒したのにレベルが一つしか上がって無いですね」

「そうなんですか?もっと上がるものなんですか?あでも、スキルポイントは少しもらえてますね」

「しかし何でこんなにたくさん倒してきたんですか、三匹以上は普通の買取になってしまいますよ?」

「ちょっと群れに襲われまして」

「群れですか?」

「大きな音を立ててしまいまして、たくさん出てきちゃったのですよ、あ、でも全部倒してきたので、心配ご無用です!」

「そうですか、この地図の何処らへんですかね」

「このあたりですね、十五匹ほど転がっていますよ」

「残りの一体は何処に?」

「えーと、少しだけ、少しだけですよ、加減を間違えてしまいまして、消し飛ばした、というか、灰になったといいますか」

なんか、失敗談を話すのって恥ずかしいのです

「,,,消し飛ばした?灰になった?えっと、何を言ってらっしゃるのですか?」

「ちょっとやり過ぎちゃいました」

「やり過ぎって、そんな威力の魔法、爆裂魔法くらいしか、まあ、深くは聞きません、

クエスト達成報酬の100,000エリスとジャイアントトード12匹の買取の60,000エリス、合わせて、160,000エリスになります、それと、先程のブルータルアリゲーター4匹の買取で、40,000エリス、これで、合計200,000エリスこれから、登録手数料引いて、199,000エリスになります!」

「ありがとうございます!この街に安く泊まれる宿はありますかね?」

これだけお金が有れば取り合えす何日か泊まれるでしょう、それに、明日も、クエストを受ければ報酬が出ますし、ジャイアントトードならたくさんいても全然戦えますし、ある程度、安定した収入になるはずデス。

 

「ありますよ、ホントは、中級冒険者が泊まるような宿ですが、ありますよ」

「初級冒険者は、どうしてるのデスか?」

「基本的に馬小屋ですね、でも、黒ウサギさんぐらいだと中級位は、全然稼げますし、安いところなら宿に泊まって大丈夫だと思いますよ」

「馬小屋ですか、それは嫌ですね」

「女性一人だと流石に嫌ですよね、あと、冒険者なら、無料で利用できる公衆浴場がありますからぜひ」

「ありがとうございます!行ってみますね!」

 

お風呂と、宿の場所を聞いて、宿へ向かう、夕方になってしまったが、空いている部屋があるみたいなので、チェックインをすませてしまう、一泊朝食付き一人部屋で1,000エリス、安いのかな?

夕食はギルドで、ジャイアントトードの唐揚げを食べシュワシュワを飲んだ、美味しかったですが、久々に一人で食べたので寂しかったですね、にぎやかな、コミュニティが早くも恋しいデス、早く魔王を倒して、帰りたいデスネ。

その後お風呂に入って、ホテルに戻り

「今日は色々あって疲れました」

すぐに、眠ってしまった

 

 

翌朝、宿で朝食をいただきギルドへお仕事を探しに向かう。

 

ギルドに入ると見たことのある、水色の綺麗な髪の女性と見たことのない緑のジャージの男性が、端っこにいた、なんか、雰囲気が半端じゃなく暗いのですヨ、アクア様がなにかするみたいですね、

 

「そこのプリースト!私は、アクシズ教の信仰する水の女神アクア!汝、私の信者ならば、お金を貸してください!」

 

登録手数料がないみたいですね

 

「エリス教徒なんですが、」

「 」

「 」

「 」

あーこれは、大分恥ずかしい奴ですね、

 

「そ、そ~ですか、すみません,,,」

「お嬢さん、アクシズ教徒なのかな、さっきから見ていたけど登録手数料が無いんだろう?女神エリス様と女神アクア様は先輩後輩の間柄らしい、これもなにかの縁だ、ほーら、登録手数料、二人分の2,000エリスだよ、エリス様の御加護ってやつだ、でも、どれだけ、熱心な信徒でもマガミを名乗っちゃいけないよ」

 

あーこれは、全く信じてもらえてませんね、

 

「私、女神だって信じてもらえなかったんんですけど、それに、エリスは私の後輩なんですけど、わたし、後輩の信者に、同情されて、お金、貰えちゃたんですけど、」

 

受付の人が、目を合わせたがりませんね、わかります、私も見つかりたくないので、さっさと依頼を受けてしまいましょう、そういえば何で女神様がいるんですかね?あーそういえば、転生特典って何でも良かったですね、きっとそうですね、あんまり考えないようにしましょう、それよりクエストです!今日も、ジャイアントトードーですかね?でも、昨日余裕でしたしもっと高難度の依頼を受けてみても良いかも知れないですね、初心者殺しの討伐、一撃熊の討伐、マンティコアとグリフォンの討伐、どれも危険そうな物が多いですね、最後のヤツはなしにして、初心者殺しは、大きなサーベルタイガーで、一撃熊は、その名の通り、大きな熊、どっちにしましょう?報酬額的には初心者殺しが20,000エリス、一撃熊が50,000エリス、ですか、受付嬢さんに聞いてみますか。

 

「すごいです!いきなりアークプリーストだなんて!」

「アンタみたいな奴が、魔王を倒すのかもな!」

「よーこそ、地獄の入口へ!この命知らずが!」

 

流石、女神様、いきなり上級職みたいデスね、一緒にいる男の人がちょっと、微妙な顔してますが。ほとぼりが冷めるまでクエストを受けられそうにないデスね、少し様子を見ましょうか。

 

そういえば、あのお二人は武器や防具はどうするのでしょうか?まあ、女神様が持ってるんでしょう。

 

「今日はどうされましたか?」

「初心者殺しと、一撃熊、っどちが良いですかね?」

「初心者の方には、どちらも、おすすめできないですね、でも、ジャイアントトードーを跡形もなく倒せる黒ウサギさんなら、大丈夫ですかね、攻撃力的には一撃熊、のほうが上ですが、素早さ的には初心者殺しのほうが上ですね、黒ウサギさんがどんな戦い方をするのかがわからないので、私からはあまり詳しく言えませんね」

なるほど、相性は大事ですよね、私なら一撃熊のほうが、相性が良さそうですね。

 

「じゃあ、一撃熊の討伐を受けますね」

「はい、じゃあお気おつけてくださいね」

「行ってきます!」

 

 

 

私は今、森の中をで大きな熊とにらめっこをしています、今朝、一撃熊討伐のクエストを受けてから、一撃熊の出るという森の探索をしていたのですが、なかなか見つからないまま、 午後二時ごろ突然、木の後ろから大きな熊が飛び出して来たのです、いまの状況的に蛇に睨まれた蛙、いえ、熊に睨まれた兎、完全に目を合わせてしまいました、兎のカンが動いたらやられるって言ってるのデスよ、こういう時は、死んだふりは良くないって聞きました、確か、目を合わせてゆっくり後ろへ下がると良いらしいのです。

一歩下がると、熊さんが一歩前に出る、私がもう一歩下がると、熊さんももう一歩前に出る。

 

「黒ウサギは食べても美味しくないのですヨ~」

「ガルルルゥ」

 

これは、埒が明かないヤツデスね、どうしましょう、逃げる?突っ込む?

 

「ガルルルゥ」

 

よし、思いっきり逃げて体制を立て直しましょうか、武器はどうしましょう、インドラの槍を使っても良いんですけど、また消し飛ばしちゃうでしょうし、他に使えそうなものは、昨日覚えた槍術スキルと魔法ですかね、たくさん覚えましたし、魔法で戦って見ますかね?まずは、

「ブロウディフェンス、マジックディフェンス、ブーストマジック、ブーストスピード」

おお、これが強化魔法、体が軽くなった気がしますね、まずは、熊さんの足を止めましょうか、

 

「クリスタルプリズン!」

成功しました!これでしばらく動けなくなる筈です!

 

「ガウ!?ガウ、ガウガウ、ガルルルルゥ」

 

急いで距離を取る、

「ガウ、ガウ、ガオー!」

なんて言ってるんだかわかんないデスが、すごく、起こっているのはよく分かるのです

「では、一撃で倒します!ライト・オブ・セイバー」

すべての生物に通ずるであろう弱点の、首を切る、一撃で仕留めた。

 

なんとかなりなしたね、でも、森を歩く時は、もっと警戒しなくてはだめですね、いきなり目の前に熊!なんてことを防ぐためにの、もっと耳を使った警戒なんかもしなくちゃだめですね。今は私一人なんですから。

 

見つけるのに一日かけてしまいましたね、収入的には、ジャイアントトードーの五倍、経験値は、レベルが上がらなかったので、ジャイアントトードー十六匹以下、ただし、ジャイアントトードー三匹の討伐なら一日に三回か四回くらい回せますね、一回のクエストで四体のジャイアントトードーを狩れば、最大十六匹、これなら、420,000エリス、経験値もこちらのほうが上ですから、明日はジャイアントトードー四体の討伐を四回を目標にしましょう、一撃熊の買取もあるでしょうから大分収入は落ちてしまいますが、魔王を倒すのにレベルが足りないでしょうし、ジャイアントトードーの依頼ならしばらくは無くなる事はないでしょうし、しばらく稼げそうですね。

 

じゃ、ギルドに戻って夕食にしましょう!

 

 

転生三日目

 

ジャイアントトードー三体の討伐を四回受けた、受付嬢さんに狩り過ぎを注意されてしまいました、初心者の仕事をとらなで!っとのこと、明日はどうしましょう?

初心者殺しとか行ってみましょうかね?あと、工事現場に女神様と緑のジャージを着た人が見えた気がします、きっと気の所為なのデスよ、あとレベルが3に上がりました、この調子で上げていきましょう!

 

 

転生四日目

 

初心者殺しの依頼が半日で終わったので、ジャイアントトードー三匹の依頼を一回受けた、二回目は受注を断られてしまったのデスよ、あと、やっぱり工事現場に女神様と緑のジャージの人がいたのです、見なかったことにしたいのです、女神様に声をかけないのかって?上空4,000Mに放り出されたので少しくらい無視しても許されると思うのですよ。きょうは、レベル5までしか上がりませんでした、経験値は質より量なんでしょうか?

 

転生六日目

 

パーティー募集の張り紙に明らかに女神様が書いたであろう物を見つけてしまった、

 

『アットホームで楽しいパーティーです、美しく気高いアークプリースト、アクア様とともに冒険をしたい冒険者さんを大募集!

このパーティーに入ってからは、毎日がハッピーですよ、宝くじにも当たりました!

アクア様のパーティーに入った御蔭で病気が治りました!

採用条件、上級職の冒険者に限ります』

 

これ、人来るんですかね?残念な人が集まりそうな募集ですネ、このパーティーはちょっと避けといたほうが良さげですね、でも、パーティーですか、いまは、一人でどうにでもなりますが、魔王を倒すのに一人だとキツイかも知れませんね、でも、魔王を倒します!って募集しても人は集まらないでしょうし、大きな街に行って、一人ずつ勧誘するほうが良いですかね?まあ、でも今はクエストです、今日もレベル上げ頑張りましょう!

 

何時もどうり経験値の多く入りそうなクエストを探していると

「そこのウサギさん、ちょっと良いかしら?」

「はい!どちら様で,,,あ」

振り返ったら、満面の笑みを浮かべる、青髪の美少女がいた、女神様だ、間違いなく残念な募集の張り紙を書いた人だ、ご本人登場である

 

「貴方をこのアクア様のパーティーに入れてあげるわ!」

え、嫌なんですけど、どうやって断りましょう?残念な張り紙の人でも女神様なんですよねこの人

「えーと、ちょっと私では、女神様と肩を並べるには力不足かと」

「いいえ、そんな事ないわ!貴方、あの帝釈天の眷属なんでしょ?そんな子が、私ほどでは無いにしても、弱い訳無いもの!」

何で知ってるんですかね?そういえばこの人、女神でしたね。

「えーと、こ、今回は遠慮させていただきたいのデスよ」

「なによ、アンタ、転生させてやった恩をもう忘れたっていうの?」

「へ?いやあ、そんな事はないのですヨ!私は転生させて頂いた御恩に報いるため、必ずや、魔王を倒しこの世界を救って見せるのですよ!」

そして、箱庭へ帰るのです!

 

「おい、アクア、そのウサ耳の人は知り合いか?」

緑のジャージさんまで来ちゃったのです、何とかして断らないと、抜け出せなくなりそうなのですよ!

「獣人の方ですか、アクアの知り合いと言うには避けられてる感じがしますが?」

さっきまで食事をしていた眼帯の子まで来てしまったのですよ!ていうかこの子、あの張り紙を見て、パーティーに入ってんでしょうか?

 

「ええ、知り合いよ、それに、腕も立つはずなの、だから、ぜひ、ウチのパーティーに入ってもらおうと思って!」

「おお、それはそれは、俺はカズマ、冒険者だ、よろしくな!」

「え、えと、私は黒ウサギと申します、お見知りおきを」

自己紹介されちゃったのですよ、これ、もう断るのは無理そうですね~。

「では、ここは一つ私も、

我が名は、めぐみん!アークウィザードを生業とし、最強の魔法、爆裂魔法を操る者!」

 

「  」

 

やっぱりあの張り紙をみてパーティーを選んだ人ですね、それに、めぐみんって、本名ですかね?

 

「おい!私の名前になにか言いたいことがあるのなら聞こうじゃないか!」

「えーと、私はいい名前だと思うのですよ?」

「え?ほ、ほんとですか?」

ちょっとチョロすぎて心配になるのです

「ええ、可愛くて良いお名前だと思うのですよ」

「そうですよね!みんな変な名前だって言うんですけど、私からすれば街のみんなのほうが、変な名前だと思うのですよ!黒ウサギさんもそう思いますよね!」

「いや~、それはちょっと同意しかねるといいますか、なんといいますか~」

「え,,,」

私も自分が割とそのままな名前だと自覚してますが、感性までは変わって無いかと、ってそんなこの世の終わりみたいな顔しないで下さい!

 

「さて、自己紹介も程々にして、早く、クエストに行きましょう!」

アクア様?私、行くなんて言ってないのデスよ?

「ああ、そうだな、めぐみんの魔法、早く見たいしな!」

魔法?ああそういえば自己紹介で、最強の魔法、爆裂魔法を操るって言ってましたね

「ふふふ、私の、世界に疎まれし強力な力をご覧に入れましょう」

ええ、もう黒ウサギもお腹をくくるのですよ、まあ、アクア様は女神様なんですから、きっと大丈夫でしょう、カズマさんも女神を特典にした割にはマトモな人みたいですし、きっとなんとかなるのですよ。

 

カズマさん達が、昨日から受けているジャイアントトードー3体の討伐を攻略するために、今私達は街の近くの平原に来ています、今回は私の耳がこの世界でどの程度聞こえるのか試したいですね、箱庭の中枢につながっていたのでゲーム中は1KMまで制限されていましたが今はどのくらいまで聞こえるんんでしょう?おや、遠くでジャイアントトードーの鳴き声が聞こえるのですよ、距離は、3KMくらいですかね?

「カズマさん、十二時の方角に一匹と、十時の方向に一匹います」

「そんな事が分かるのか?」

「ええ、黒ウサギの素敵耳は遠くまで聞こえるのですよ!」

「そうか、よし、正確な距離は分かるか?」

「3KMと2,5KMくらいデス」

 

もっと信じてもらえない物かと思ってたんですが、信じてもらえ信じて貰えましたかね。

 

「よし、じゃあ、目視できたら、遠い方を、めぐみんの魔法の標的に、黒ウサギはめぐみんとアクアの護衛、もう一匹は俺が引きつける」

「我が必殺の魔法、ご覧に入れましょう!しかし、我が魔法は強大、故に放つまでに少し時間がかかりますので、黒ウサギさん、よろしくおねがいします」

「わかりました!しっかりお守りするのデスよ!」

 

「見えた!じゃ、手はず道理に、行くぞ!」

 

「では、

黒より黒く闇より暗き漆黒に

 

我が深紅の混淆を望みたもう

 

覚醒のとき来たれり

 

無謬の境界に落ちし理

 

無行の歪みとなりて現出せよ!

 

踊れ踊れ踊れ

 

我が力の奔流に望むは崩壊なり

 

並ぶ者なき崩壊なり

 

万象等しく灰塵に帰し

 

深淵より来たれ!

 

これが人類最大の威力の攻撃手段

 

これこそが究極の攻撃魔法

 

エクスプロージョン!

 

「「「おお!」」」

 

す、凄まじいのですよ!私も負けてられまいのですヨ!

 

「アフ」

「めぐみんさん!?」

「大丈夫か!?」

倒れちゃったのですよ!それにあんなに音を出したら!

 

ごごごご、ゲコ、ゲコ

 

「めぐみんさん、後ろから出てきました、逃げて下さい!」

「無理です、我が魔法は絶大、故に消費魔力もまた絶大、つまり、魔力がなくて、動けません」

 

えーまさかの一発屋、あ、私も人のこと言えませんね!

って、そんな事より、マハーバーラタの紙片で、インドラの槍を召喚、めぐみんを食べようとしているジャイアントトードーに思いっきり投げる。

 

「何でそんな魔法いきなり使ったのですかこのおバカ様!!」

 

ジャイアントトードーは消し飛んだ



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

爆裂娘とドM騎士、参戦!

「何でそんな魔法いきなり使ったのですかこのおバカ様!!」

ドガーン

「「「は?」」」

 

インドラの槍でめぐみんを捕食しようとしていたジャイアントトードーを消し飛ばして、めぐみんをハリセンで叩きたい気持ちをぐっと堪えておぶる、さっきの魔法で目を覚ましたジャイアントトードーが他にもいる筈なので周囲を警戒する。

 

「アクアさん、後ろに!」

「へ?フギャ」

あ、食べられた

「今助けます!」

アクアさんが口に入っている以上インドラの槍は危険ですし、金剛杵も雷を出すのでアクアさんまで巻き込んでしまう、それなら、黒ウサギの髪色が淡い緋色に変色し、捕食中の動かないジャイアントトードーの後ろに回り込み、脚力をいかしドロップキックを食らわせる。めぐみんさんを背負ったままですが大丈夫でしょう。

 

「は、はや、降ろしてー!!イヤー!」

「グギャ」

 

アクアさんは吐き出され、背中のめぐみんさんは吐きそです、流石に消耗してる時の強制アクロバットは刺激が強すぎましたかね?そんな事より今はジャイアントトードーです、確か打撃に強かったはずですから、まだ息があるはずです。でもどうしましょう、私の手持ちの武器ではオーバーキルに成ってしまいますね。

 

「黒ウサギ!ヤッタのか?」

このジャイアントトードーは遠くの方でカズマさんが引き付けていた奴だったんですね。

「いえ、まだです、私の手持ちでは厳しいのでトドメをお願いします」

「? 分かった」

私もカズマさんの片手剣みたいな物を持っていた方がいいんですかね?現状威力が高過ぎたりしますから、明日、良さそうな片手剣を買って、スキルも少し振ってみましょう。

 

クエスト

ジャイアントトードー三匹以上の討伐

五匹討伐完了、よって

クエストクリア!

 

「お前、爆裂魔法は禁止な、必要な時が来るまで他の魔法で頑張ってくれ」

カズマさんがカズマさんにおぶられているめぐみんさんに話しかける。

「無理です」

「「「へ?」」」

「爆裂魔法が使えるなら、他の魔法も普通使えるわよね?」

 

そのはずなのですよ、爆裂魔法が撃てるということは、ステータスはたりているはず

「ええ、普通はそうでしょうね、でも、私は爆発系の魔法が好きなんじゃないんです、爆裂魔法が好きなんです!例え他に魔法が使えなくとも!例え1日1発しか撃てなくても!私は、爆裂魔法しか愛せない!」

えぇー

やっぱり残念な貼り紙を見てパーティーを選んだ人なのですよ、どうしましょう、私もカズマさんのパーティーにお世話になる事になってますので、出来ればこの子はお断りを、

 

「素晴らしいわ!その、不合理ながらロマンを追い求める姿勢、素晴らしい!感激だわ!」

やばいのです、アクアさんが絆されてしまったのデスよ!

 

「そうか~茨の道だろうけどそれぞれ頑張ろうな!今回の報酬は山分けでいいよな?」

カズマさんナイスです!

「待ってください、今ならなんと!アークウィザードの強力な魔法が食費と雑費だけで手に入りますよ!」

「いやいや、俺らには強力すぎて扱いきれないわ~」

そう言って引き離そうとするもめぐみんさんがしがみつく。

「待って下さい!ここでも捨てられてしまったら他に行くところがないんです!、荷物持ちでも何でもしますから!お願いします!捨てないで下さい!」

「いやいや、俺らには1日1発の魔法なんて扱いきれないわ、それに、ダンジョンなんかの狭い地下だと何の役にも立たないじゃねーか!」

こんな道の真ん中で言い合いを始めてしまったら、不味いのデスよ!絵面だけで言ったら、小さい子を捨てようとしている男にしか見えないのデスよ!

「待ってください!捨てないで下さい!」

 

「あの男小さい子を捨てようとしてるわ!」

「サイテーね!」

「それに見て!あの青髪の子はヌメヌメよ!」

「キャーどんなプレイをしたの!?」

イヤー!黒ウサギまで一緒にされてるのですよ!

「ち、ちがーう!」

 

「何でもしますから、先程のカエルを使ったヌメヌメプレイの受け入れますから!」

今、この子悪い顔したのです!しかしそんな事言われたら断れないのです。

「分かった!分かったから!入れてやるから!その口閉じろ!」

こうなったら、他の魔法を何としても覚えさせてやるのデスよ!

 

 

 

「依頼達成報酬の100,000エリスと買取の10,000です、お受け取り下さい」

「うーん」

「?どうしましたカズマさん」

何か嫌なお顔をしていますね

「体を張って110,000エリス4人で割って27,500エリス土木作業のアルバイトの方がまだ高いってどうなの?」

「あー、まあ、4人ですし、でも今日は一回しか受けてませんし、一日二つも受ければ50,000エリス位になるので」

「いえ、黒ウサギさん、普通の人は一日に何度もクエストを受けません、どころか、ジャイアントトードーだと一日一匹で三日かけるのが普通です、それに、初心者の方でも4人程度のパーティーを組んでクエストへ行きますよ」

「え、じゃあどうやって生活してるんですか?」

「馬小屋なら、黒ウサギさんの泊まっている宿よりも全然安く泊まれますからね」

馬小屋ですか、それならたしかに一日9,000エリスでも全然生活できるんですかね?

 

「黒ウサギは宿に泊まってるのか?一日いくら稼げばそんな生活が出来るんだよ」

「60,000エリスくらいデスよ」

「俺らは2日で27,500エリスだから、大体、六倍くらいか、嘘だろ!」

「嘘じゃないんですよ、黒ウサギさんは一日に四回ジャイアントトードーの討伐を受けたんですよ!ちなみに付いたあだ名が経験値狂です」

経験値狂!?そんなに狂ってません!

「一日四回!どうやったらそんなに回れるんだよ、まあいいや、アイツラのとこ戻って夕飯にしようぜ」

「はーい」

 

 

 

 

 

「「「「カンパーイ!」」」」

 

「すごかったわね!めぐみんの魔法!それに貴方の志!最高よ!」

「確かにすごかったが、一日一発しか打てないってどうなんだ?」

「そうデスよ、他の魔法も使えて爆裂魔法も使えるほうがかっこいいと思うのデスよ!」

「だな、少なくとも倒れるのは何とかならんのか?」

倒れなくなるだけでモンスターから逃げられるので、守りやすくなるし、生存率も上がる筈です。

 

「無理です、私だって他の魔法も使えるほうが良いことくらい分かってます、ですが!一日一発しか打てない爆裂魔法だからこそ価値があるのです!数で攻めるなんて邪道!最高の一発を求めて一日一発に命をかけるのがロマンってものじゃないですか!」

「いや、狩場で倒れてたら危険極まりないのデスよ!」

「貴方にはわからないでしょうね!」

何でこの方こんなにキレてるんですか!?

 

「な、何で黒ウサギは怒られてるんですか!」

「なんですか貴方のあの槍は!ジャイアントトードーを一撃で消し飛ばしたくせに、撃った貴方はピンピンしていることから察するに、一日何度でも打てるんでしょうね!そんなズルい武器を持ってる貴方には、絶対にわからないですよ!」

「そんな事わかないのですよ!何度も使えるほうが強いのデスよ!」

「私の爆裂道において、強いとか弱いとかそんな事はどうでもいいのです!重要なのは一発の完成度!これが重要なんです!」

「何を言ってるのデスか?」

これは、私には付いていけそうにない世界ですネ、しかし、どうしたら他の魔法を覚える気になってくれますかね?

 

「なーに難しい顔してんのよ、二人とも強いんだからいいじゃないの~」

「アクアさん!?酔うの早すぎませんか!?ってそれ私の唐揚げなのです!」

「ロリっ子!お前は酒はやめとけ!」

「おい、今ロリっ子て言ったか?誰がロリっ子だって?」

「ほら~アンタ達飲みなさいよ~!」

 

もう少しこの人達は静かにできないんですかね?

 

 

 

昨日の夜は大変だった、アクアさんがお酒の飲み過ぎで吐いてしまうし、カズマさんは転生してからのストレスをぶちまけるし、めぐみんさんはやたらと絡んで来る上、泊まる所がないというので私の部屋に泊めたり、問題児ばっかなのです、このパーティーで大丈夫なんですかね?

 

ギルドに付くとカズマさんが何やら思案顔してます

「おはようございます!朝からどうかしたんですか?」

「ああ、ちょっとスキルを取ろうと思ってな、冒険者ってどうやってスキルを取るんだ?」

「冒険者はスキルを使える方から使い方を教えてもらうのです、そうするとカードに項目が出てきます」

 

なるほど、冒険者は先生さえいればどんなスキルも取れるんですか、良いですね私も一度転職して、盗賊スキルとかプリーストスキルとか覚えておいたほうが良いかもですね、めぐみんさんも回復系の初級魔法くらいなら習得してくれませんかね?

 

「それはつまり、めぐみんに教えても貰えば、俺でも爆裂魔法が使えるってことか?」

「そのとおり!そのとおりですよ!カズマ!爆裂魔法を覚えたいならいくらでも教えて差し上げましょう!他のスキルなんて必要ありません!さあ、爆裂魔法を覚えてともに爆裂道を歩もうではありませんか!」

まだ、他の魔法を覚える気は全くなさそうですね、先は長そうです。

「ちょ、ちょっと落ち着けよロリっ子!」

「ろ、ロリっ子!貴方また言いましたね!昨日もいいましたよね!忘れませんからね!」

「黒ウサギは三ポイントで覚えられる良いスキル知らないか?」

「三ポイントだと初級魔法くらいですかね?」

私も詳しくないのでよくわかんないです

 

「探したぞ、昨日は飲みすぎたと言ってすぐに帰ってしまったが」

金髪の美人さんですネ、それに、騎士!って感じの人、こんな人に探されるとは、カズマさんもす隅に置けませんね、それにしては、カズマさんの顔色が優れませんけど。

「お気遣いなく」

「ならば、昨日の話の続きをさせてもらおう、私を貴方のパーティーに入れて「お断りします」

「うぅん///即断だと、はあはあ、流石は私の見込んだ人だ」

よ、喜んでいらっしゃる、カズマさんが何故断ったか分かる気がします!この人はヤバい人です!

 

「だめだよダクネス、そんな強引に迫っちゃさー」

「どちら様で?」

この人、現人神ですかね?それにしては神気が弱いですね、此方にいるときのアクア様に近いです

 

「私はクリス、見ての通り盗賊だよ、この子とは友達かな」

いえ、私には女神様に見えるのデスよ、ちょっと探ってみましょうか。

「そうなんですか~何処でお知り合いになられたんですか?」

「実はね、この子がさあ、冒険者仲間ができるようにって、毎日教会でお祈りしてたから、話しかけてみたんだ、友達になろう!ってね」

「おお~それはそれは」

「お、おい、その話はやめてくれ」

教会で、ですかこの町の教会は、アクシズ教のアクア様を崇めるものと、エリス教のエリス様を崇めるものしか無かったはずですね。

 

「ダクネスさんはエリス教徒なんですか?」

「あ、ああ、そうだ、私は、女神エリス様を崇めるクルセイダーだ」

「クルセイダー!上級職じゃないですか、クルセイダーになるには、純粋な信仰心が必要だったはず、凄いじゃないですか!」

「いや、私はまだまだ」

「いえいえ、そんな事ないと思うのですヨ!話は変わるのですがダクネスさん!エリス様ってどんな御方なんですかね?」

 

上級職でしかも、美人なのにドMってもったいなさすぎませんかネ?

 

「そうだな、伝説によれば、幸運を司り、慈愛に満ちた女神様だそうだ、私は会ったことはないが、一度、死を経験した者たちの噂によれば、銀色の髪の美しい女性だそうだ、私も逢ってお話してみたいな、きっと美しい御方なんだろうな」

「ほうほう、エリス教に興味が出てきました、今度図書館で教典を読んでみますね!ところで、クリスさん、どうしました?そんなにお顔を赤くして」

「そ、そんな事より君!役に立つスキルが欲しいんだってね!それなら盗賊系のスキルなんてどうかな?習得にかかるポイントも少なくてお得だよ!」

「へーえ」

「今ならシュワシュワ一杯で教えてあげるよ?」

逃げられてしまいましたね、まあ、ほぼ確定ですし、見逃しますかね。

「安いな、それなら、お願いするよ、すみませーん!こっちの人にキンキンに冷えたの一つ!」

「よし、交渉成立だね、いくつかスキルを教えたげるよ!」

「あのー、それって、どのくらい時間がかかるものなのですか?」

「うーん、いくつか教えるつもりだし、半日は欲しいかな?」

半日、結構掛かるんですね。

「じゃあ、私はジャイアントトードーでも狩ってきますかね」

ついでに、片手剣も買ってきますかね。

 

 

ジャイアントトードーの依頼を受け、街で片手剣を買って、スキルを取って、サクッと、ジャイアントトードーを三匹ほど狩って、ギルドへ帰る、片手剣は、魔法や、金剛杵に比べると、威力は低いですが、傷が最小限で済むので、消し飛ばす心配がないのでいい感じです。

 

 

「ただいま帰りました~」

「う、うう、うううううう」

なんで女神サマが泣いてるんですかね、スキルを教えるだけだったはずですよね?

 

「コイツはさっき、窃盗スキルを教えた時、公衆の面前でパンツを奪われ、有り金全て奪われただけだ」

「おい、何言ちゃってくれてるんですか!」

「うう、財布返すからパンツ返してっって言ったらそれだけじゃ駄目だって、お金なら払うからパンツ返して、って言ったら、自分のパンツの価値は自分で決めろって」

「止めて!ホントのことだけど止めて!」

「さもなくばこのパンツは、家宝として祀られることになるって!」

嘘ですよね?

 

「えーと、カズマさん?盗賊スキルは覚えられたんですか?」

「お、おう、見せてやるぜ!スティール!」

カズマさんの手のひらから光が溢れた、私に向かってスキルを発動したみたいです。

「あれ?失敗した?」

「何も取られなかったですネ?」

 

これは、白夜叉様から貰ったこの服に付与されている恩恵の御蔭ですかね?

「ステータスに大きな差があると失敗することがあるんだ、覚えておくと良いよ」

「そうなのか、え、黒ウサギのステータスどうなってんの?」

「平均の少し上くらいなのデスよ」

「き、気お取り直して今度はめぐみん、いくぞ!スティール!」

 

「,,ぁ,ぇ,カ、カズマはレベルが上って冒険者から、変態にジョブチェンジしたんですか?、あの、スースーするのでパンツ、返して下さい」

「お、おかしいな~取れる物はランダムのはずなんだが~」

マジですか、カズマさんの幸運が高いとは聞いてましたが、連続で下着を取るとか、どうなってるんですかね?

「こんな、公衆の面前で、幼気な少女の下着を剥ぎ取るなんて、真の鬼畜だ許せない!ぜひ私をパーティーに!」

「お断りします」

「うん///」

この人間違えなく駄目な人なのデスよ!

 

「ねえ、カズマ、この人が昨日言ってた、面接に来た人?」

「この人クルセイダーじゃないですか!断る理由なんて何処にあるんですか!」

内面、ですかね?

「黒ウサギ、どうしよバカ二人が乗り気になっちゃったよ」

「どうしましょう?この人もちょっと残念な人ですよね」

「よし、任せろ、俺に考えがある」

どうするんでしょう?例えば、スティールで○○○とか?

 

「なあ、聞いてくれ、ダクネス、聞いてくれ、俺達は、本気で魔王を倒そうと思ってるんだ」

「「「へー」」」

「俺たちの旅はこれからどんどん厳しくなっていくはずだ、特に、ダクネス、女騎士のお前なんてトンデモナイメにあう役どころだ」

「ああ、そうだな、エロい目にあうのは女騎士の役目だと相場が決まってるもんな!それだけで、行く価値がある!」

「アレ?今なんてった?」

やっぱこの人ドMさんなのデスよ!

 

「めぐみんも聞いてくれ、相手はこの世で最強の相手だぞ、そんなヤツに喧嘩を売ろうってんだぞ!危険な旅なんだ、それでも付いて来てくれるか?」

机の上に乗り出し、決めポーズをとり

「我が名はめぐみん!最強の魔法爆裂魔法を操りし者!その我を差し置いて最強を名乗る魔王など我が魔法で滅ぼしてくれましょう!」

「あーコイツも駄目だ」

「机の上には乗っちゃ駄目なのですよ~」

 

 

『緊急クエスト!緊急クエスト!冒険者客員は正門に集合して下さい』

 

緊急クエスト?主催者権限が発動されたんですか!?

 

「丁度いい、カズマ、今回のクエストを私の採用試験としてくれないか?」

 

あーこれはもう、断るのは無理そうデスね!

 

 





最後まで読んで下さりありがとうございます!

【この素晴らしい世界に祝福を!ファンタスティックデイズ】が配信開始しましたね!
メンテナンスの間、これを書きながらオープニングを垂れ流して聞いていたんですが、無限に聞けますね~


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む



『緊急クエスト!緊急クエスト!冒険者客員は正門に集合して下さい』

 

「何だ?何なんだ?」

「モンスターの襲撃かなにかなのデスか?」

「言ってなかったけ?キャベツよ、キャベツ」

 

「「キャベツ?」」

 

「カズマと黒ウサギは、コッチに来たばかりだから知らないかもだけど、この世界のキャベツは飛ぶわ」

「「飛ぶ?」」

「ええ、飛ぶわ、収穫時期になると、食べられてたまるかと、群れをなして逃げ回るの、そして、最後は人知れず秘境の奥地でひっそりと息を引き取るの、だから、一匹でも多く捕まえて、美味しく頂いてやろうってわけ!」

 

なにをいってるのデスか?じゃあ、あの遠くに見えているあの、緑の群れは、キャベツなんですか?

 

「マジかよ、どうなってんだよこの世界は!」

「ホントですよ!サンマが畑から取れたり、野菜が反撃してきたり、どうなってるのデスか!」

 

緊急クエスト

キャベツの収穫

 

『キャベキャベキャベ』

鳴いてるのですよ?!

 

「カズマ、良い機会だ私のクルセイダーとしての実力を見てもらおう」

そう言って、キャベツの群れに走り出してしまった、心配ですがカズマさんに任せて、私も収穫?に向かいますかね。

 

「カズマさん、ダクネスさんの試験をお願いしますね!」

「え?」

あ、ダクネスさんキャベツに打たれて喜んでらっしゃいっますね!

「じゃあ、行ってきますね!」

「え?待って?俺にあの変態なんとかしろって?」

さて、収穫デス!行きますか!

「待って、黒ウサギホントに待って、あの変態の面倒を一緒に見て!行かないでくれ!」

 

さて、どうやって収穫しますかね?真っ二つにしても大丈夫なんですかね?それなら楽なんですが、取り敢えず先輩冒険者さんたちを見てみますかね。

先輩方は、ハンマーで叩きつける方や、矢で撃ち抜く人、爆裂魔法でダクネスさんに群がるキャベツを吹き飛ばす人、あれ?ダクネスさん、直撃してない?

ワタシハナニモミテイナイ。

真っ二つにして大丈夫みたいですね、アクアさんに支援魔法をお願いして、収穫?に行きますかね。

 

「アクアさん、私に、支援魔法をお願いするのですよ!」

「分かったわ!ありがたく受け取りなさい!筋力強化、速度強化、防御力強化」

さすが本職の支援魔法、自分でかける魔法と比べると、全然効果が高いですね。

「ありがとうございます!行って来るのですよ!」

 

支援魔法により、もともと人外級な素早さに上乗せされ、恐ろしい速さで移動し、キャベツの真ん中を片手剣で切っていき、支援魔法が切れればアクアさんにかけ直してもらい、また収穫に戻るの繰り返しで、キャベツを乱獲して一日が過ぎた、

 

 

 

 

「「「「「カンパーイ!」」」」」

 

「いや~それにしてもダクネスの守りはすごかったわね!」

「ホントですよ!あの鉄壁の守りにキャベツ達も攻めあぐねていましたよ!」

 

この方、確か群れに嬉々として飛び込んで、打たれて喜んでいただけのような気もしなくはないのですが、冒険者の方々の士気を大きく上げるためのパフォーマンスってことにしましょう、キットソウナノデスヨ。

 

「それに、黒ウサギの動きも凄まじかったわね!いくら、この私の支援魔法があったとはいえ、あんなに早く動けるとは思わなっかたわ!」

「いやいや、アクアさんの支援のおかげなのですよ」

「いや、謙遜することはない、凄まじい速さで皆、驚愕いていたぞ」

「いやいや、そんな事より、かずまさんの手際のほうがすごかったのですよ!」

「そうね、隠密で背後に回り込み、スティールで強襲する、見事な手際だったわよね、カズマ!この私が、貴方に、華麗なる、キャベツ泥棒お称号を授けるわ!」

「いらねえよ!」

 

そういえば、キャベツの何を奪ったら動けなくなるんですかね?キャベツの,,,下着??

 

夜も更けて、解散となった時

 

「黒ウサギ、帰りましょうか」

「はい、帰りますか、明日は、自分の部屋をとってくださいね」

「え、今のままでも良いんじゃないですかね?」

「え、お金ならありますよね?」

キャベツの報酬も明日出るので、大分余裕があると思うのですが。

「いえ、欲しい物があるので、キャベツの報酬を合わせてもたいしてないですね」

「何が欲しいのですか?」

「魔法の威力を上げるための杖がですね、今回の報酬で買えそうなんですよ!」

今の状態でもほとんどオーバーキルなのに、これ以上上げる気ですか

「それより、消費魔力を抑える杖とか無いんですか?」

「ありますよ」

「なら、ソッチのほうが良いのでは?」

「分かってませんね、これだから、爆裂道が解らない人は、はぁ」

なんで、呆れられてるんですかね?それに、爆裂道がわかってるのは、貴方ぐらいなのですよ。

「良いですか?何度でも言いますよ、爆裂魔法は一発一発の完成度が大事なんです、連射は無粋なんですよ」

偏屈な花火職人みたいなこと言い出したのですよ

「爆裂道は、理解するまでもう少し掛かりそうあので、もう良いのですよ、帰りましょう」

 

宿についてからは、ひたすら、爆裂魔法の魅力を寝落ちするまで聞かされた。

 

翌朝

キャベツ収穫の報酬が支払われた、私は百万エリス程度稼げていた、経験値も相当なもので、レベルが10まで一気に上がった、あと、めぐみんが早速杖を買いに行った。

「クリエイト・ウォーター!」

カズマさんの手の平で水が、作り出され、1Mほど離れたコップに注がれた。

 

「おはようございます、カズマさん、初級魔法を覚えたんですね」

「ああ、これで俺も、魔法デビューだぜ」

初級魔法だと、殺傷力って殆どないんですけどね、知らぬが仏ってやつデスね。

 

「あ、ダクネスさんおはようございます」

「ああ、おはよう、二人共、それより見てくれ!キャベツの報酬で、壊れた鎧を直してもらったんだ、そしたら、こんなピカピカにしてくれたんだ!どうだろうか」

報酬を貰ったのって今朝ですよね?そんな早く治るものなんですかね?もともとお金はあったんですかね?一晩しか立ってませんけど、きっとこの世界特有の不思議技術があるんですかね?

 

「なんか、貴族のボンボンが着てる鎧みたい」

カズマさん容赦無いですね

「せっかく治して貰ったんですから、壊れないように大事にしなきゃですね」

「何を言う、鎧は壊れてからがキモチイイのではないか!」

やっぱこの人もわかんないのです。

「おい、変態、今はお前の相手はできそうにないから、大人しくするかお前を超えそうなあの変態をなんとかしろ」

 

「は~この魔力あふれるマナタイトのこの色艶、は~サイッコーです」

どうしようもなさそうですね。

 

「何でなのよ!私、キャベツたくさん捕まえたじゃないのよ!」

「それが、アクアさんの捕まえた、キャベツ、じつは、殆どがレタスでして,,,」

あ、絶望してらっしゃる、コッチ来ましたね。

 

「カズマさん今回の報酬はおいくら万円?」

「百万ちょい」

「カズマさん、貴方って、そこはかとなくいい感じよね?」

「褒めるところがないなら、褒めるんじゃねえ!」

「お願いします!カズマさん!お金貸して下さい!」

「嫌だ!そもそも今回の報酬は、各自で、山分けはなしって言ったのはお前じゃねえか!」

「助けてカジュマさん!私、今回の報酬が相当なものになると踏んで、この酒場に十万くらいの借金があるんですけど!助けて!助けてよ~」

アクアさん昨日は沢山飲んでましたもんね

「嫌だ!この金で、早いとこ、馬小屋生活を脱出するんだよ!」

「そりゃ、カズマさんだって男だし、夜中ゴソゴソしてるのは知ってるから、早くプライベートが欲しいのは分かるけど~」

「分かった、貸してやるから、その口閉じろ!」

あー、ノーコメントで

 

その日は、緊急クエストの翌日ということで、一日休業となったので、図書館でこの世界の常識を勉強した。

 

翌日

ギルドへ行くと、ジャージじゃないカズマさんがいた、この世界の服に、緑のマントを羽織っている、この世界に馴染んできた感じですネ。

 

「カズマが冒険者に見えます」

「ジャージだとせっかくのファンタジーが台無しだもんね」

「初級とはいえ、魔法も覚えたし盾は持たずに魔法剣士みたいな感じで行こうと思う」

格好が変わるといきなり様になりますね。

「では、カズマ!今日はザコ敵がたくさん出てくるクエストに行きましょう!新調した杖の威力を試したいんです!」

「いや、一発が重いモンスターのクエストに行こう」

「いいえ、お金になるクエストに行きましょう、昨日付けを払ったから今日のご飯代がないの!」

見事にまとまりませんね

「黒ウサギはどうしたい?」

「私はもっと難易度の高いクエストのある大きな街に行きたいですね」

「ホントにまとまりねーな、まあ、でも今日は、繁殖期に入ったジャイアントトードーが農家に人たちを「カエルは止めましょう!」」

拒否反応を起こしてますね、この前思いっきり食べてれてましたし、しょうがないですね。

「どうしたんだ、アクア?」

「こいつは、この前カエルに頭から捕食されて、トラウマになってんだよ」

「捕食///粘液まみれ///」

「おい、今興奮しただろ」

「してない」

してましたよね、食べられて喜ぶのはちょっと、レベルが高すぎてついていけませんね、ついていきたくもないですけど。

「クエスト選びに行きましょう!」

 

 

「なんだコレ、クエストが全然ないじゃないか」

「カズマ!この一撃の気持ちよさそうな一撃熊野討伐にしよう!」

全然ないですね、どうしたんでしょう?

「そうなんです、今、魔王軍の幹部が近くに来ていて、弱いモンスターは隠れて出てこないんですよ」

「なるほど、迷惑な話だな」

「ええ、でも、王都から、腕利きの冒険者が派遣されるらしいですので、近づいたり、倒そうとしたりしないでくださいね、特に黒ウサギさん!幹部は経験値じゃありませんからね!」

「ギク、ええ、倒そうとか思ってないのデスよ?」

倒せば経験値沢山!なんてオモッテナイノデスヨ。

「本日も休業、全員解散」

カズマさんが解散宣言を出しましたね、私はどうしましょう、幹部がこの街の近くに来ているってことは、8人の内一人が確実に城を留守にしているわけですから、今、守りが薄くなってる?今強襲すれば倒せるのは?場所は、エリス様に案内してもらえればいけますかね?

「ダクネスさん、クリスさんが何処にいるか知りませんか?」

「クリスなら、多分教会の近くにいると思うが、何か、用があるのか?」

「ええ、まあ、そんなところです、教会ですね、行ってみます!」

流石に、女神様なら魔王城まで案内出来るだろう、なんて言えませんしね。

 

 

やってきましたエリス教の教会近く、この辺りにエリス、いえ、クリスさんがいらっしゃると思うのですが。

「ちょっとこの辺りを探して,,,あ、いらっしゃいましたね」

少し後をつけて、人気のない路地に入ったところで、気配を消し、後ろから声をかける。

「どうも、クリスさん、お久しぶりです」

「キャッ!な、なんだ黒ウサギさんか、びっくりさせないでよ」

「どうも、今日はクリスさんにお願いしたいことがありまして」

「なにかな?」

「じつは、魔王城まで案内してもらいたくて」

「なんでアタシなんだい?」

「エリス様なら何処に魔王城があるか正確に知っていらしゃっると思いまして」

「まあ、知ってるけど、あれ、今アタシの名前」

「間違ってなんていないのデスよ?エリス様」

「いやいや、アタシはクリスだよ?だ、誰かと間違えてるんじゃないかな?」

挙動が不審になってきたのですよ。

「いやいや、あってるのですよ!」

「そ、そんな、私が女神エリスサマなんて恐れ多いですって」

口調が変わってきましたね、焦りで化けの皮が剥がれてきましたか、もう少しですね。

「黒ウサギには見ただけで、神格を感じることが出来るのデスよ」

「え、えと、その、えーと」

さあ、トドメです!

「早く白状しないと口が滑ってしまうかも知れないのデスよ?」

「すみませんでした、何でもしますから誰にも言わないで下さい、お願いします」

 

これが、十六夜さんから教わった、【誰でも出来る!簡単、交渉術!】の威力なのです、罪悪感が凄いのですが、でもあとは、魚拓?を取るんでっしたっけ?魚拓って魚のはんこみたいなやつですよね?

 

「えと、黒ウサギさん?私は何をすれば良いのでしょう?」

「まず、完全にエリス様が出てきてしまってるので、クリスさんに戻って下さい」

「わ、分かったよ」

「見事に戻りまっしたね、では、私は、魔王城に行きたいのですが、正確な場所がわからないので、連れて行ってもらえませんか?」

「うーん、まあ、良いけど、行ってどうするの?魔王城は結界で守られてるんだよ?」

それは知らなかたのです、でもインドラの槍なら穴ぐらい開けなれるんじゃないですかね?

「まあ、やってみたいことがあるので、連れてって下さい」

「うーん、まあ良いか、連れていけば、正体を黙っててくれるんでしょ、それに、行こうと思えば、すごくお金がかかるけど、三日もあればつけるはずだしね」

「ココから真っ直ぐ行ったら、どれくらいなんですか?」

「まあ、普通に歩いたら、一月ぐらいかな?」

「なら、1日有れば、往復できますね。」

「うん?1日?大複?」

「じゃあ、食料をある程度買って行きますか」

「え、今から?え?」

 

 

クリスさんを連れ回し、往復分の水と食料を買い込んだ、あとは、クリスさんを背負って、走るだけ。

 

「食料も買いましたし、じゃあ行きますか!」

「黒ウサギさん、アタシ、まだどうやって行くのか教えて貰ってないんだけど」

あれ?言ってませんですたっけ?

「クリスさんは、私がおぶって運びますから、正確な位置を教えて下さい」

そう言って、クリスさんに足をかけて無理やり背負い、魔王城の方へ走り出す。

「ま、待って!黒ウサギさん待って!まだ心の準備が、アアアアア、ちょっと飛ばし過ぎじゃないかな!?」

「あんまり、しゃべるらないほうが良いのですよ!舌噛んだりしたら大変ですから!」

「ヒェ」

 

山を超え、谷を超え、街を越え、川を越え、お昼時に休憩をする、この時はすでに、クリスさんはぐったりしていた、しかし午後は、吹っ切れたみたいにはしゃいでいたので大丈夫だと思うのデスよ。

ひたすら走り続けたら、遠くに立派で禍々しい城が見えた、見るからに魔王城、ここに居なければ何処にいるのという見た目をしている、そして、その城の周りを薄い膜が覆っている、明らかに魔王城だが、確証はないので、エリス様に聞いてみる。

 

「エリス様、見えました、アレが魔王城ですよね?」

「そうだね、でも結界が在って入れないよ、どうするの?」

「まあ、力押しでイケませんかね?」

 

おもむろにインドラの槍を出しぶん投げた、

雷鳴を轟かせ、一直線に魔王の城へと飛んでいき、結界にぶつかって、天雷を放った。

 

 

が、結界はびくともしなかった。

 

 

「どうしましょう、単純な破壊力で駄目なら、何か特別な恩恵か、伝承、ルールによって守られてると考えて間違いないのです、勉強してから来ればよかったですね~」

「えーと、アタシが連れてこられた意味は?」

「う、すみません、けど安心して下さい!背中で寝ていてくだされば、朝までにはアクセルに届けるのですよ!」

「まあ、正体を秘密にしてくれるんなら良いか」

 

黒ウサギの素敵耳が、城の方で、さっきの轟音で兵士の方々が出てきて、捜索を初めたのを感知した。

 

「さあ、クリス様!急ぎますので、おぶられてくださいな!」

エリス様を無理やりおぶり、アクセルに向かって夜どうし走った。

 




オリジナルを後半に入れてみましたが、黒ウサギが腹黒すぎたり、アグレッシブ過ぎててコレジャナイ感が凄い


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む



今回は短めです、次回は戻ると思います


ぐったりしたエリ、クリスさんを教会へ送り返し、その足でギルドに来ている、ギルドでは荒くれ者達が、朝から酒を飲んでいる、なぜならば、街の近くにやって来たという魔王軍幹部のせいで、弱いモンスターが姿を表さなくなっているため、冒険者たちは、仕事がないが、幸いなことに、キャベツの収穫の直後なので、皆、懐が暖かいのだ、なので、魔王軍幹部が帰るまで待つことが出来る。

 

しかし、うちのパーティーのアクアさんは、酒場のツケを払うのにすべて使ってしまい、めぐみんさんは、杖の新調に全て使ってしまいました、ダクネスさんは、よくわかりませんが、心配していなかったので、お金はあるのでしょうし、少なくともカズマさんや、私が少なからずお金があるので、すぐには問題がないにしても、何時までこの状況が続くか分からない以上、何か、高額の依頼を受けたいと思うのは当然、しかし、簡単で高額でかつ高経験値なクエストなどなかなかないのだ、そんな時、見つけたのが【街の近くに来ている魔王軍幹部の調査依頼、500,000エリス】、これはやるしか無い、経験値も沢山で報酬額も申し分ない、それに、カズマさん達が受けることのできないクエストばかりなこの現状を変えて皆さんのレベリングが再開できます、なので、魔王軍幹部の調査依頼を受けたいと思うのは当然なのデスよ。

先程から、そんな話をしているのですが、受付嬢のルナさんは、なかなか首を縦に振ってくれないのです。

 

「黒ウサギさんをこの依頼に行かせてしまうと討伐に行ってしまう危険がありますので受理できません」

「何でですか!そんな事しないのですよ!私はただ、より早く魔王軍幹部を討伐するため、この私の脚を活かして偵察をするために、この依頼を受けたいのですよ!」

「経験値のために、一日四度もクエストを受けるような方は、信用できません!偵察だけで終わるはず無いじゃないですか!あわよくば討伐しようとか、考えてるに決まってます!」

「わ、私のことなんだと思ってるのですか!そ、そんなこと、あ、ある訳ないじゃないですか!」

 

こんな押し問答をかれこれ五分くらい続けているのだが、平行線を行き続けている、もうこのギルドでは、カズマさんのパーティーに居るのも相まって、完全に変人扱いされてるのデスよ。

 

「良いですか黒ウサギさん、普通の方は、生活のために最低限のクエストを受け、中級や上級などになると、少しずつ生活を良くしていくために難易度を上げていくんです、貴女のように必要以上に危険なクエストを受け続けているといつか取り返しのつかない怪我をされてしまいます」

「う、だ、大丈夫ですよ、さすがの私でもいきなり幹部にチョッカイかけたりしないのですよ」

尚、先程インドラの槍で魔王の寝首をか後とした人の発言である。

 

「おい、黒ウサギ、受付嬢さんに迷惑かけてんじゃねーだろうな」

ルナさんにお説教されていると、カズマさんとめぐみんさんがギルドにやって来た。

「おはようございます、貴女、昨日一日どこへ行っていたんですか?夜に帰って来なかったのに、今からクエストに向かうつもりですか?」

「?ええ」

「なに心底わかんないみたいな顔してるんですか、ほら、どうせ今日も受けられそうなクエストも無いでしょうし宿に戻って貴女には寝てもらいますからね」

「大丈夫ですよ、私、一晩寝てないだけで何とかなるほどやわな鍛え方してませんから」

箱庭では、徹夜でゲーム何てこともザラにあるのでなれているし、駄ウサギだとか、苦労ウサギだとか色々言われているが、これでも月の兎、箱庭の貴族は伊達ではないのですヨ。

「鍛えているようには見えませんが?まあ良いです、カズマ、黒ウサギを寝かして見張るので、今日の爆裂散歩は午後にしましょう」

「おう、行かないってのはナシ?」

「もちろん、ほら黒ウサギ行きますよ」

 

そのまま宿に連れて行かれ、強引に寝かされた、一日走っていたのでそれなりに疲れていたのかよく眠れた。

 

 

 

お昼の前に起こしてもらい、午後は図書館で魔王軍の伝説や伝承を調べて、結界を破壊する方法を探そうかと考えていたとき

 

「いや、今日は黒ウサギがいるんだから、黒ウサギに連れって手貰えよ」

「嫌ですよ、爆裂魔法の反動で、ダウンしてるときに黒ウサギにおぶられること思うと、カエルのときの強制アクロバットを思い出してしまうんです!」

「確かにアレは、吐かなかったのが奇跡みたいな動きだったけども」

「そんなに激しかったですか?」

「そりゃもう,,,う、思い出したら吐き気が」

 

そんなにですか、これは反省ですね、でもこれから先、めぐみんさんが倒れるたびに誰かが運ぶ必要があるのでめぐみんさんを酔わせない走り方が必要ですネ、ここは一つ、爆裂散歩について行き、練習しましょう。

 

「では、これからは、めぐみんさんを酔わせない走り方の練習が必要ですね」

「え、れ、練習?い、いや、大丈夫です、大丈夫ですよ黒ウサギ、私が倒れたときは、カズマにおぶってもらいますから」

「いえ、戦闘中はそんな事言ってられないのですよ、一番近くにいる人がおぶることになるでしょうから」

 

私の魔法を使って後方から攻撃することもあるので、めぐみんさんをおぶることになるでしょう。

 

「我が爆裂魔法は必殺の魔法、故に、その後の戦闘の心配など不要なのですよ」

「この前、ジャイアントトードーに食べられそうになってたじゃないですか」

「ゥ」

「今日から暫くクエストは受けられないでしょうから、毎日とは言わなくとも、何度か練習しておくべきだと思うのデスよ」

「いや、あの、カエルのときは油断が有ったといいますか、なんといいますか」

「良いですよね?」

「え、えーと、カ、カズマ~」

 

 

そんなわけで、めぐみんさんとカズマさんと爆裂散歩に来ている、街の近くだと守衛さんに怒られてしまうそうなので、しばらく歩いたところにある廃城まで来ている、昨日もあの城を的にしたそうです、それにしては破壊された箇所が少ない気もしますが、もともとが城ですから、何か保護するような魔法がかけられているんですかね?

 

「では、いきます!

 

  紅き黒炎

 

  万界の王

 

 天地の法を敷衍すれど

 

 我は万象昇温の理

 

 崩壊破壊の別名なり

 

永劫の鉄槌は我がもとに下れ!

 

 エクスプロージョン!

 

爆裂魔法が発動し、廃城を爆炎が包み、地面や空気を揺らし、めぐみんさんが倒れ、かなり離れた位置にいる私達にまで爆風をとどけました、これは街の近くでやられたら迷惑極まりないですネ、それに、初めて見たジャイアントトードのときよりも少し威力が上がった用に感じます、まさか、キャベツ収穫のレベルアップで手に入れたスキルポイントまで魔法攻撃力に振ったんですかね、これはめぐみんさんとオハナシしなくてはいけないですかね?

 

「めぐみんさん、スキルポイントは、魔力量のステータスに振ったんですよね?」

「 」

「何に振ったんですか?」

「,,,魔法ノ攻撃力デス」

あらあら、白状してくれましたね

「私、めぐみんさんの魔力量の必要性について沢山お話しましたよね?」

「く、黒ウサギこそ我が爆裂魔法に連射など無粋だと何度言えば分かるのですか!」

「爆裂道なんて知らないのですよ!私は戦闘中の生存率の話をしているのですよ!」

 

何度言っておこおまま平行線をいくだけ、ならば逆にめぐみんさんが倒れたくなくなれば良いのでは?

「そうですね、今回は引いてあげます、じゃあ、めぐみんさんおぶってあげますね!」

「え゛」

「いえいえ、遠慮しなくていいのデスよ」

「いえ、カズマにおぶってもらいますので問題ないです」

「大丈夫ですよ~」

 

抵抗できないめぐみんさんを無理やりおんぶして、カズマさんを横抱きにして、全速力で走り出し、無駄に高くジャンプしたり錐揉み回転したりしながら街を目指した、付いた頃には二人共嘔吐寸前だった、これにより、めぐみんさんが魔力量にもステータスを振ってくれると良いのですが。

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む



めぐみんさんとカズマさんにおんぶとお姫様抱っこのトラウマをガッツリ植え付けた次の日。

 

「カズマ、今日のばくれて散歩は黒ウサギ抜きで行きましょう、あんな吐きそうになる帰り道は二度とごめんです」

「たしかにアレはもうゴメンだが、爆裂散歩は他の奴と行ってくれ」

 

ギルドでめぐみんさんとカズマさんが私のことをチラチラ見ながらナイショ話をしているのです、気になりますね、それにしても、舐められたものですね黒ウサギの素敵耳はどんな小さな声だって聞き取れる優れものなのですよ。

 

「ちょっと!声が大きいですよ、今日も私が爆裂散歩にいくと知ったら黒ウサギが今日も、私が吐かない走り方の練習に付き合わされて、今日こそあのスピード狂に吐かされてしまいます、なので小声でお願いします」

 

ちょと!スピード狂ってなんっですか!昨日はたしかに飛ばしましたけど、エリス様をおぶったときほど飛ばさなかったのですよ!それになんで皆さん私を狂わせたがるのデスか!

 

「お、おう、でも黒ウサギがワザと吐かせるようなことするか?」

「まあ、私もそう思いますが、でも、あの、吐くギリギリを攻めるようなおんぶはもう嫌なのです!」

「そうか、じゃあ黒ウサギが言うように、爆裂魔法を撃っても歩けるぐらいの魔力を残せるようにスキルを振ろうとか思わないのか」

 

おや、カズマさんには、私の思惑が伝わってるのデスよ、そのまま説得しちゃって下さい!

 

「無理です」

「だと思ったよ、ま、今日は特に予定もないし、爆裂散歩に付き合うよ」

「良いんですか!では行きましょう、すぐ行きましょう!黒ウサギに知られる前に」

 

もう知ってますよ~、カズマさんも説得失敗ですか、大して説得する気無かったみたいですけど、昨日の帰り道も効果なかったみたいデスね、筋金入りですネ、これは作戦をしっかり寝る必要がありますね、しかしどうしたものでしょうか、他の魔法の魅力を知ってもらうとか?無理そうですね、インドラの槍を貸す?いやそれはちょっと、もういっそのこと一回吐かせてしまいますか?一応あの子も女の子ですしそれはちょっと、止めといたほうが良いですよね、難しいです。

すぐには出てこないでしょうし、図書館で魔王軍についてでも調べながらゆっくり考えますか。

 

 

結局いい案が浮かばぬまま、結界の解き方についての進展もないまま、気づいたときには閉館時間になっていた。

 

 

 

数日飛んだある日のこと、めぐみんさんとカズマさんは何時もどうり何時爆裂散歩に行くかを話し合っている、最近はカズマさんも爆裂道の良さとやらが分かってきてしまったらしく、めぐみんさんの、爆裂散歩についていっている、これはめぐみんさんに他の魔法も使ってもらいたい私としては非常に由々しき事態なのですよ、ちなみに魔王城の結界を破壊する方法についての進捗はない、そもそも、魔王軍とは戦争中で、まだ城にたどり着けた人は記録に残っているうちには一人も居ないのだから、この国の王様さえ、結界について知っているか分からない、なので、魔王が出てくる書物の殆どが御伽話で最近の魔王軍についての情報など誰もが利用できる図書館にはある筈がない、これはもう、いま街の近くに居座っている魔王軍の幹部をじんも,,,直接聞くしか無いような気がしてきた、そんな時。

 

『緊急クエスト!緊急クエスト!冒険者客員は直ちに正門に集合して下さい!』

 

 

キャベツの次は何っでしょうか?時期と飛びそうな形で考えるとアスパラガスが有力候補ですかね、でもまあ、畑からサンマが取れる世界ですかれね、サバは足が速いって言いますし、走って来ても驚かない自信があります、さて、今回はなにが来たんですかね?

 

 

 

 

装備を軽く整え正門に向かうとそこには、禍々しいオーラを纏、首のない馬にまたがった、自身の首を小脇に抱えた全身甲冑のデュラハンがそこに居た

 

デュラハンは、スコットランドをはじめとするヨーロッパ北西部一帯で信じられている妖精で、死の気配を嗅ぎつけると、女性もしくは男性で全身を鎧に包んだ騎士の姿で表れ、どんなに逃げようと必ず命を刈り取るとされています、これは、彼ら、彼女らは「死」そのものの象徴であり、死は時と場所を選ばないということを表しているのだと言われています、なので逃げ切ることは死の運命から逃れる事となるので非常に困難なのです、なので、街の前で佇んでいるデュラハンは誰の命を狩りに来ているかはわかりませんが見捨てるわけには行かないので戦うしか無いでしょう。

 

 

「おい、お前たちの中で、俺の城に毎日毎日毎日毎日毎日毎日爆裂魔法を打ち込んでくる頭のおかしい大馬鹿は何処のドイツだ!!!!

 

ま、まずいことになりました、めぐみんさんとカズマさんが、爆裂魔法を毎日撃ちに行く廃城って、もしかして、そう言えば付いて行った二日目の爆裂散歩でもあの城に撃って居て、二回目にしては崩れていないと思いましたがまさかデュラハンが住んでいたとは、もしかして毎日修理してたんですかね,,,なんかシュールですネ、ってそんな事考えてる場合じゃないのデスよ!この感じだとめぐみんさんを殺しに来てるじゃないですか!何とかしてごまかさなくては!

 

「爆裂魔法と言えば、なあ」

「頭のおかしい子っていえば、なあ」

 

まずいのです、秒でバレたのです。

 

めぐみんさんがデュラハンに堂々と近づいていく。

 

「お前が私の城に毎日!毎日!毎日!爆裂魔法打ち込んでくる大馬鹿者か!私が魔王軍幹部だと知ってけんかを売っているのなら、堂々と城に攻めてくるが良い!そその気がないなら街で震えて居ろ!ねぇ何でこんな陰湿な嫌がらせするの?!どうせ雑魚しか居ない街だと放っておけば、調子に乗って毎日!毎日!パーパー!パーパ!パーパ!打ち込んできやがって!頭おかしいんじゃないのか貴様!」

 

今あの人魔王軍幹部って言いましたよね、あの方を捕まえて尋も,,,お話を伺えば結界の秘密も分かるはずなのデスよ!

 

「我が名はめぐみん!アークウィザードにして爆裂魔法を操る者!」

「めぐみんってなんだ、馬鹿にしてるのか?!」

「違うわい!」

 

さすが紅魔族、私達よりこの世界で長く生きて?いるであろう、デュラハンにすら、理解できてないのです、きっと紅魔族は、めぐみんみたいな人が沢山いるんでしょうね、に、賑やかでいいんじゃないですかね?

 

「我は紅魔族の者にして、この街随一の魔法使い!毎日貴方の城に爆裂魔法を撃っていたのは貴方を此処へ誘き出すための作戦、こうしてまんまと一人出てきたのが運の尽きです」

 

「おい、何でアイツ、あんなに強気なんだよ、それに何時から作戦になったんだよ」

と、カズマさん。

 

「うむ、それにサラッとこの街随一の魔法使いと言い張っているな」

と、ダクネスさん。

 

「ちょっと、黙っててあげなさいよ!今日はまだ爆裂魔法撃ってないし、後ろに冒険者が沢山控えてるから強気なのよ、今良いところだから黙ってみてなさいよ」

 

「アクアさん、そこまで分かってるなら言わないで上げましょうよ」

声が大きいせいで、なんか、いたたまれない感じになっちゃったじゃないですか。

 

「まあ良い、私は雑魚には興味がない、これから暫くはあの城に滞在することになるだろうが、爆裂魔法は使うな、いいな」

「無理です、紅魔族は日に一度爆裂魔法を撃たないと死ぬんです。」

 

凄い苦しい言い訳ですネ、もっとうまい嘘はなかったなのでしょうか、ていうかデュラハンさんに怒られたんだから、もう止めておこうとか思わないんですかね?あと、アクアさん、めぐみんさんが挑発するたびにワクワクしないで下さい、コッチはハラハラしてるんですから。

 

「おおい、聞いたことがないぞそんな事!適当な嘘わ付くなよ!どう有っても、爆裂魔法を打つのをやめる気はないと」

「ええ」

 

そろそろめぐみんさんを助けに入れるように準備しといたほうが良いですかね。

 

「俺は魔に身を落としたものではあるが元は騎士だ、弱者を刈り取る趣味はない、だが」

「ふ、余裕ぶっていられるのは、今のうちです!先生ー!お願いします!」

 

此処まで来て、アクアさんに頼るのですか、爆裂魔法しか使えないかそうなるのですよ。

 

「しょうが無いわね~魔王軍幹部だかなんだか知らないけどこの私がいるときに来たのが運の尽きだったわね!アンタのせいでまたもなクエストが受けられないのよ!さあ観念しなさい!」

 

杖を召喚してポーズを決めながら、思いっきり文句を言うアクアさん、さっきまで何事もなく帰っていってくれるはずがったデュラハンさんと、戦う流れになってる気がするのデスよ。

 

「ほう、これはこれは、アークプリーストか、しかし俺は魔王軍幹部、こんな街にいる低レベルのプリーストに浄化されるほど落ちぶれちゃ居ない、どれ、此処は一つ、紅魔の娘を苦しませてやろうか」

「私の祈りで浄化してくれるわ!」

まずい、アレは、ペストさんの黒い風に似ています、きっと死の恩恵を与えるなにかです。

 

って、ダクネスさんがいつの間にか、めぐみんさんたちの方に走っていってしまったのですよ!

私も、疑似叙事詩・日天鎧(マハーバーラタ・カルナ)を召喚して助けに行かないと!

 

「間に合わんよ、

 

汝に死の宣告を、お前は一週間後に死ぬだろう

 

間に合いませんでした、ダクネスさんがめぐみんさんをかばうように前に出て死の宣告を受けてしましました、不味いです、即死対策で、日天鎧を召喚するのにタイムロスしてしまったためでしょう、しかしタダでは転びません、今は、箱庭の成約がないとは言え、インドラの槍と同時に使ってペナルティをくらうわけには行かないので、疑似神格・金剛杵(ヴァジュラ・レプリカ)を取り出し青い稲妻を纏い殴りかかる、

 

デュラハンが腰に下げていた剣を抜き防がれてしまい、そのまま、防がれるとは思っていなかった、神代の縫術で編まれたドレスを身にまとった無防備な私の胸から腹にかけてを切った、痛みを感じたがすぐに日天鎧の伝承どうり不死となり、ドレスも体も再生しているのが分かる。

 

 

「ふむ、なかなかやるようだが、不意打ちで有ったとしても直線的過ぎる、速さとその再生に甘えて技術を磨いていない証拠だな、まだまだ未熟だ」

 

く、言い返せません、たしかにこの脚だけで此処まで戦ってきた感じでしたし、インドラの槍という必殺の一撃があるからと、慢心していたのかも知れません、今のが金剛杵ではなくインドラの槍だったとしても、弾かれてしまって、その上、カウンターを貰ってしまったのだから、箱庭とは違い十六夜さん達はおらず、頼りとなる味方は、何処か残念な人達なのだから私がしっかりしなくては、って今はダクネスさんです!

 

「黒ウサギ下がれ!アクア!黒ウサギの治療を!おい、大丈夫か?!ダクネス!」

「あ、ああ、なんとも無いみたいだが」

「此方も平気なのですよ」

平気みたいですね、では一週間以内に呪いを何とかすれば、ダクネスさんは助かる、まだ何とかなります。

 

「仲間同士の結束の硬い貴様ら冒険者にはむしろ此方のほうが答えるかも知れんな、高魔族の娘よ、そのクルセイダーは一週間後に死ぬ、お前の大切な仲間はそれまで死の恐怖に怯え苦しむ事となるのだ、貴様のせいでな!これから一週間、仲間の苦しむ姿を見て、自らの行いを悔いるがいい」

 

「な、なんてことだ、つまり貴様は、呪いを解いてほしくば、俺の言うことを聞けとつまりはそういうことなのか!」

「ファ?」

ダクネスさーんお話聞いてました?

 

「呪いなどでは屈しない、屈しはしないが、どうしようカジュマ///」

「はい、カズマです」

「見るが良い!あのデュラハンの兜の下のイヤラシイ目を!あの目は、呪いを解いてほしくば、俺の言うことを聞けと、ハードコア変態プレイを要求する変質者の目だ///」

 

そう言えばこの人は頭の中ピンク色でしたね、というか案外元気そうですね~。

 

「ゑ????」

デュラハンさんもう完全に困ってしまっているのですよ。

これは問題をややこしくしないためにも、デュラハンさんをこれ以上困らせないためにもためにも止めたほうが良い気もします。

 

「私の体は自由にできても心まで自由にできると思うなよ//城に囚われ魔王の手先に理不尽な要求をされる女騎士とか///どうしようカジュマ///想像以上に燃えるシチュエーションじゃないか///」

 

チョ、この人ホントに付いていきそうなんですけど!

 

「行きたくはない//行きたくはないが///ギリギリまで抵抗してみるから///邪魔はしないでくれ///いってくりゅ///」

 

「行かないで下さいダクネスさん!」「そうだ!デュラハンの人が困ってるだろうが!」

ちょダクネスさん力強!ホントに呪われてるんですか?!

「はーなーせー///行かせてくれー///止めてくれるなー///」

「ちょっと一回落ち着いて下さいませ、このおバカ様!」

ギフトカードからハリセンを取り出し、思いっきり振りかぶり、ダクネスさんの頭に叩きつける

「ウゥン///黒ウサギ、止めてくれ、今殴られると、気持ちよくなってしまう///」

やっぱこの方おかしいのですよ!なんで今ので気持ちよくなれるのですか!

 

 

「と、とにかく!!もう俺の城に爆裂魔法を撃つのはやめろ!そしてそこの紅魔族の娘よ、クルセイダーの呪いを解いてほしくば、俺の城へ来るがいい」

「なんかこの流れで聞くと、ロリコンみたいだな」

「ちょっとカズマさん!空気読んでください!それに余計なこと言ってややこしくしないでほしいのです!デュラハンさんが困ってるのデスよ!」

話が進みません!なんでカズマさんまで巫山戯だしちゃうんですか!

 

「おい、俺の話を聞け!!良いか紅魔の娘よ、俺の所へ来ることができたなら「ハードコア変態プレイ」やろう、おい、貴様!なぜこの状況で巫山戯られるのだ!解呪だ!解呪!」

ハリセンを大きく振りかぶり今度はカズマさんにフルスイング!

「何なんですか!カズマさん!ちょっと黙ってて下さいまし!」

 

ホントに話が進まないのです!なんかもうアクアさんなんて退屈にいてるのですよ!話をもっとしっかり聞くべきだと思うのデス!結構大事なお話をしてる気がするのに、何で緊張感がないのですか!十六夜さんでもこう言い場面ではもう少し真面目にして,,,居ない気もしますが、あの人は色々考えてるからまだ救いはあるのデス。

 

「いいか貴様等!そのクルセイダーの呪いを解いてほしくば俺の所まで来い!貴様等にたどり着けたのなら、約束どうり呪いを解いてやろ、まあ、たどり着けたらの話だがな!いいな!俺は帰るからな、もう爆裂魔法撃ち込むんじゃないぞ!いいな!」

 

そう爆裂魔法を撃つなと念を押して去って行った、まあ、あの状況なら帰りたくもなるだろう、とりあえずは街が滅ぶようなことに成らなくてほんとに良かった、しかし、ダクネスさんの呪いを 解いて貰う必要があるので城へ行かなくては、でも、あの不意の一撃を防ぐほどの相手です、なんの準備もなしにいくと負けてしまいそうです、スキルだけでなく訓練もしたほうが良いかもしれません。

 

 

 

「おい、めぐみん、何処いく気だ」

「ちょっと城まで行って、アイツに直接、爆裂魔法を打ち込んでダクネスの呪いを解かせてきますよ」

 

めぐみんさんだけでは無茶だ、でもこの子は、仲間の、ダクネスさんのために戦いに行くつもりだ、これは勝てるかどうかは微妙デスが、手伝わないわけには行きませんね、めぐみんさんの爆裂魔法なら脚さえ止められれば、当てられますし、勝てるかも知れませんね。

 

「俺も一緒にいくぜ!大体、毎日一緒に行っておきながら、アレが幹部の城だと気づかなかった間抜けだしな」

「カズマ、では一緒に行きますか、でもアンデットには武器が効きづらいので、私の魔法がメインになるでしょう」

「私もお供するのデスよ!アンデット弱い敵相手に爆裂魔法を撃って終わってしまわないように、私が魔法で支援するのですよ!」

「黒ウサギ、でも貴方は傷が、あれ?」

「そ言えば、黒ウサギお前、切られたよな、アクアのヒールで回復できるのは傷だけだと思うんだが、っていうかそのドレスはなんだ?」

そう言えば、皆さんの前でこれはインドラの槍を使っていたためこれは使っていませんでしたね。

 

「フフン、これは、我が主神、帝釈天様より授かった、神格が宿った鎧、インド神話の黄金の鎧のレプリカ、疑似叙事詩・日天鎧なのですよ!」

「主神?貴方は眷属かなんかなんですか?それに、たいしゃくてん?聞いたことありませんね」

あ、コッチの世界には箱庭の神話は通用しませんでしたね。

 

「インド神話?、そう言えばあの槍、インドラの槍って言ったけか、なら黄金の鎧って確か不死の鎧だったよな、まさか不死になる、なんて事は無いだろうから、再生する服ってことで、黄金の鎧って事だよな?」

「いえ、この鎧は、不死身の英雄、カルナ様の伝承を元にした鎧なので装備者を不死にしますよ」

「嘘だろ?」

「ちょっと刺して見ますか」

「いや、いい」

うむ、信じてもらえてないみたいなのですよ、まあ、いきなり箱庭の外で、私は月の兎で帝釈天様の眷属だ!なんて言っても痛い子ですよね、この感じだと実年齢200歳越えてることも信じてもらえそうに無いですネ。

 

「まあいいや、黒ウサギが付いてきてくれるっていうのなら心強い」

「よくわかりませんが、黒ウサギがちょっと痛い子ってことで納得しときます、あ、トドメを刺すのは私の爆裂魔法ですからね!」

「私もそのつもりですよ、インドラの槍と黄金の鎧は同時に使えませんから、トドメはお願いするのですよ!」

さて、そうと決まれば善は急げです、ギフトカードにある程度保存食が入っているので、このままいちゃいましょう。

 

「待ってくれ、やめるんだ三人とも、私のために、行かないでくれ」

無理な相談ののですよ!

「おいダクネス、呪いのことは俺たちが絶対に何とかしてやる」

「そうなのですよ!なので貴女は城へ行こうとせずに、街で大人しくして居てほしいのです」

「ええ、ですから、安心して待っていて「セイクリット・ブレイクスペル!」」

アクアさんがダクネスさんに向けて魔法ろ使いました、良いことのはずなのにすごく嫌な予感がするのですよ。

 

「ゥ、アアアアーーー、ああ~~~」

なんか浄化されましたね、性癖ですよね?呪いじゃないですよね?いえ、呪いが浄化されたらすごく嬉しいのですけど、なんというか、あの、えーと。

 

「凄いでしょ!私にかかれば、デュラハンの呪いなんてチョチョイのちょいよ、ねえねえ、今すごくプリーストっぽくない!」

 

『うをオオオオオオ』

 

冒険者さんたちの歓声がアクアさんに注がれる、いやこれで問題解決なのデスよ、でもそれでも、そんな凄いことが出来るならもっと早く言って欲しかったといいますか、これでは勝手に盛り上がっていた私達のやる気は何処へ向ければ良いのですか!!

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む



今日も今日とてギルドへ来ているが、相も変わらずクエストはない、ギルドも、冒険者の方々のお財布が寂しくなってきたのか、活気がない、そんな中、カズマさんはお金の心配は無いのか、のんびりしている、ダクネスさんは実家で筋トレしてくる、と言ってまだ帰ってきていない、めぐみんさんは、あの日から、爆裂魔法を打ちに行こうとは言わなくなったが、アクアさんと夕方、何処かへ出掛けてフラフラで帰ってくるので、爆裂散歩に行っているのだろう、さすがのお二人も、爆裂魔法を放つ場所くらいは考えているでしょうし、まあ、心配することではないでしょう。

しかし、困ったことがある、そう、私は今困っているのだ、少し前からなのだが、図書館の蔵書も魔王関係は読み尽くしてしまったし、結界についても進展はなにもない、つまり何が言いたいかと言うと、暇なのだ、更に今、同じテーブルでカズマさんがお酒を飲んでいるし、めぐみんさんは、ジャイアントトードの唐揚げを食べている、なんか最近この子食べているか、アクアさんと散歩に行っているかのどっちかなきがします、まあそんな事はいい、でも問題はカズマさんのほうなのです、すごく美味しそうに飲んでるのです、まだ日も高いというかまだ朝ですが、一杯くらいなら許されますかね?許されますよね。

 

というわけで頼んでしまいました、誘惑位耐えかねワインを一杯ほど、まあ、今日も特にやることなんて無いでしょうし問題ないですね、そう考えると我慢してたのが馬鹿らしくなってきましたね、もう一杯行ってしまいますか、ついでに何かおつまみも欲しいですね、今日くらい良いですよね、な~んか気分良くなってきました~。

 

「お金がないの!皆でお金になるクエストに行きましょう!あのデュラハンのせいできついクエストしか無いけど!きっと大丈夫よ!」

おや?いつの間にかアクアさんが来てたみたいですね~。

 

「おい、黒ウサギ、そんなに飲んで大丈夫なのか?」

あ~ダクネスさんも来てたみたいですね~

「だ~いじょ~ぶですよ~酔ってないのですよ~」

「いや、酔っているやつはみんなそう言うんだ、今日のクエストは休んどいたほうが良い」

そうなんでうかね?今すごく気分がいいので何でも出来そうなんですけどね~

 

「クエスト選んできたわよ!」

さあ!アクアさんはどんなクエストを持ってきたんですか?どんなクエストでも完璧にこなしてみせましょう!

「なになに、池の浄化?うーん、お!これならいい考えがある!安全で簡単で、黒ウサギが酔って使い物にならなくても問題ないやり方を思いついたぞ!」

 

という訳で、アクアを檻に仕舞って、池を目指している、別に使えない女神を池に捨てに来たわけでは無いので、安心して欲しい、これなら、外側からモンスターに襲われること無く、安全に水の浄化ができるって寸法だ、ちなに、語り部は酔っ払ってごきげんな黒ウサギに変わって、俺、佐藤カズマ担当するぜ!

 

「ねえカズマ、ほんとにやるの?なんか私、売られていく希少モンスターの気分なんですけど!」

「おいおい、なんだ俺の考えた空きのない作戦の何処が不満なんだ?」

まあ、分かってる、そりゃ不満だらけだろうよ、間違えなく檻をマンスターが攻撃するだろうから、そこらの絶叫マシンよりよっぽど怖いだろう、それとさっきから黒ウサギがご機嫌に、

「ドナドナド~ナ~ド~ナ~」

なんて歌ってたらそりゃ、不安にもなるよな、アイツ、黙らせたほうが良いかもしれんな。

 

そんな事を話しながら池についたら、アクア入りの檻を行けに沈めて、離れた木陰で待っていることにする、まあ、すぐには、モンスターも出てこないだろし、大丈夫だろ。

あと黒ウサギ、テメエ、その酒と干し肉何処から出したんだよ。

「おい、黒ウサギ、それくらいにしとけよ」

「大丈夫なのですよ~まだお酒は残ってるのですよ~」

まだ持ってきてんのかよ、今日一日飲み明かす気だなこいつ、まあ、いつも頑張ってたし、少しくらいいか。

「いえ、そういうことではないと思いますよ黒ウサギ」

 

二時間後

最初と比べて大分、浄化されてきてるがまだまだ掛かりそうだな。

 

「おーい、アクアー、何かあったらすぐに言えよー!トイレとか大丈夫かー?」

「だ!大丈夫よ!アークプリーストはトイレなんか行かないし!」

ふむ、これは今度一日じゃ終わらないクエストを受けねば。

 

「なんか、大丈夫そうですね、モンスターも出てきませんし、ちなにみに、高魔族もトイレなんて行きませんから」

「私も~月の兎なので~行かないのですよ~」

コイツラは昔のアイドルかナンカか?

「わ、私も、クルセイダーだから、//トイレは//トイレは///」

こいつ、完全に我慢してるな。

「張り合うなよダクネス、行かないって言ってるコイツラは、今度日帰りでは終わらないクエスト受けて、確認してやる」

「止めて下さい!トイレには行きませんが、謝るので止めて下さい」

「私は~平気ですよ~」

いや、いくら、すごい装備持ってたって、帝釈天の眷属だって、トイレくらい行くだろ、行くよな?なんか自信なくなってきた、あとなんか、酒瓶増えてね?

 

「いや~それにしても、ワニ、出ませんね、このまま何事もなく終われば良いのですが」

おい、こいつ今、凄いフラグみたいなこと言わなかった?

 

 

「イーヤーー!!!ちょっとワニたくさん来たんですけど!助けて!助けてカジュマさん!!!!」

マジかよ、フラグってほんとにあるんだな、これは、幸運値最低の駄女神と行動するなら、発言ももう少し気おつけたほうが良いかもしれんな。

 

「よし!モンスターですね~これは私の出番なのデスヨ!」

そう言った黒ウサギの手には雷を迸らせた、金剛杵とインドラの槍が握られている、あれ、やばくね?アクアにまで感電させちまいそうなんだけど、今の黒ウサギなら気づいてないだろうな、その雷が鉄の檻に入り、水に浸かっているアクアにどんな影響を及ぼすか、なんか意気揚々と準備体操を始めやがりましたよあの子、これは不味い、よし、大きく息を吸って、腹から出すぞ。

 

「ダクネス!その駄兎を止めろ!!!!」

 

 

 

 

四時間経過

ワニが現れてからというもの、アクアが浄化魔法も使いまくり、二時間で浄化を終わらせた。

始めは大分濁っていた池が今はアクアの浄化能力と浄化魔法で綺麗に透き通りワニも居なくなった、が檻の中でワニと戯れていたアクアは目が死んでいる、少し刺激が強すぎたみたいで、今回のクエストは、アクアに強烈なトラウマを植え付けてしまったみたいだ。

 

「おい、アクアー大丈夫か?」

あーこりゃダメそうだ。

 

「ア、アクア皆で話し合ったんですけど、今回の報酬は全額アクアに差し上げます」

「そうだぞ、アクア、報酬は全部やるから出てきてくれ」

「アクア、ワニはもう居ないからでてこい、で、檻の中で手も足も出ずワニになぶられるのはどうだったんだ///感想を聞かせてくれ///」

このドM何聞いちゃってくれてんの?

「おい、ダクネス、お前何ダイレクトにトラウマ刺激してくれてんの?アクア、思い出さなくていいからな、ほら、帰るぞ」

出てくる気配のないアクアこれはこのまま帰る事になりそうだぞ、なんとか元気づけなくては、クリスの件や、ドロドロのアクアの件で、タダでさえ相当に落ちている俺の評判を更に落とすわけにはいかん、何とかしなくては。

 

「連れてって、このまま連れてって、檻の外は、怖いから、出たくないの、お願い連れてって」

あー、これは下手に刺激すると余計面倒になるやつなのでは?しかし、俺の評判を落とすわけには、でもどうやって説得したものか、黒ウサギに知恵を,,,あ、マジでこのまま行かないとダメそうだな、頼りになる黒ウサギは、木陰で酔いつぶれて寝てるし、アイツを叩き起こしてこのまま帰りますかね。

 

仕方なく檻をアクアごと荷台に戻し、街まで引いてきた、叩き起こした黒ウサギはまだ酔いが抜けていないのかご機嫌で、凄まじいローテンションでドナドナと歌うアクアに合わせて歌っている、どうしよう、マジで、街に入ってからというもの街のゆく人の視線が痛い、痛すぎて、板になったわね??????

 

 

「女神様!?!!!!女神様じゃないですか!!何やってるんですか!!」

そう言って駆け寄って来たイケメン元日本人があの巨大なワニの攻撃をモノともしなかった檻を素手で破壊した、マジかよこれが本来の転生特典の力か、もっとちゃんと特典選べえばよかったかも。

 

「おい、アクア、アイツお前の知り合いだろ、女神とか言ってたし、なんとかしろよ!」

「女神?私が、女神??」

「そうだろ、まさかお前、」

「そうよ私は女神なのよ!」

こいつ、まさか、自分が女神だってこと本気で忘れてたんじゃないだろうな、マジかよこの駄女神、まあでも、出てくる気になったみたいだしこのいけ好かないイケメンに感謝だな。

どっこいしょなんてオヤジ臭い事言いながら、檻から出てきたアクアがチートイケメン野郎を見て一言。

 

「アンタ誰?」

「僕です!ミツルギ キョウヤです!!女神様にこの魔剣グラムを授かってこの世界に転生した、ミツルギ キョウヤですよ!!」

「???あー、そんな人も居たわね、ごめんね忘れてたわ!結構な人を送ったし忘れててもしょうが無いわよね!」

「そ、そうですか、ところで女神様、なぜ檻の中に閉じ込められていたのですか?」

本人が出たがらなかったんです。というか、忘れんなや、女神様が、それならこいつ、さっきからめぐみんを撫で回している黒ウサギのこと覚えてたの奇跡みたいなもんじゃねえか。

 

「おい、君!何で女神様が、檻に入れられて運ばれているんだい!」

あ、やっべ、コッチ飛び火した。

「えーと実は、カクカクシカジカでして」

「説明する気無いだろ!」

ねえよ、だって嫌な予感するし。

 

  ~カズマ説明中~

 

「転生特典に女神様を連れてきた挙げ句、池の浄化のために檻に入れて池に浸けた?!君は一体何を考えているんだ!?」

 

要約したらそういうことだな、あれ?結構ひどいことしてる気が,,,いや、そうでもねぇな!俺以上にコイツの行いのほうが酷かったから気にしたら負けだな!

「ちょ、ちょっと、私としては今の生活も気に入っているというか、私としては楽しくやれてるから連れてこられたことはもう怒ってないの」

「女神様!この男になんて言いくるめられたか知りませんが、貴女は女神なんですよ!そんな方が、何でこんな奴と!!」

おうおう、言いたい放題言ってくれんじゃねーかこの野郎、アクアのポンコツ差加減を知らないくせに。

「アクア様、今何処で寝泊まりしているんですか?まさか馬小屋なんてことないですよね?」

「え、馬小屋だけど?」

 

そんな話をしていたら、目の前のふぁっきんチート野郎の顔が険しくなって来た、これは、雲行きが怪しく成って参りました!これはお約束的には主人公様が「俺と勝負しろ!!」的なこと言って悪人を討伐するイベント発生ルートですねわかります。

 

「君のパーティーは、アクア様がアークプリーストで他には、アークウィザードとクルセイダー、そっちのウサ耳の娘は、バニーガール?と、とにかく、パーティーメンバーには恵まれているみたいだけど、君は最弱職の冒険者じゃないか!」

 

テメーだって貰ったチートの御蔭で強くなれたんだろうが、強くてニューゲームとかふざけんなよ!こちとら貰った特典が一切使えなかったんだよ、マジでコイツムカつくんだけど、コイツにアクアを押し付けてやろうか!?

 

「君たち、アクア様と一緒にこの僕、ソードマスター・ミツルギのパーティに来ないかい?宿も服もお金も不自由させないよ、だから、こんな男の所を離れて、僕の所へおいで!」

 

ないわー、この誘い文句はないわー、コイツ思ったより残念なやつなんじゃないか?このイケメンクソ野郎は元から顔がいいからってチヤホヤされてて、その上チート貰って更にチヤホヤされて、勘違いしてるナルシスト野郎何じゃないだろうか、チョット可哀想になってきたけど、やっぱイケメンだしな、やっぱ気の所為だったわ。

 

「えーと、ごめんなさいチョット生理的に無理です、撃っていいですか?」

確かにいけ好かないが、めぐみんが此処まで言うとは。

 

「どうしよカズマ、責めるより責められる方が好きな私だが、アイツは無理だ、どうしてもアイツには責められたくないぞ、寧ろ殴りたい!」

まじかよ、ダクネスにデュラハンなんかの人外にすら、興奮したコイツが、嫌悪して、更にはあのダクネスが、殴りたいだと!?コイツ逆に凄いんじゃなかろうか。

 

「カズマ、カズマ、あの人、ヤバい人じゃない?なんかナルシストも入ってて怖いんですけど」

お、アクアが珍しく正しいこと言ってるぞ。

 

黒ウサギは、話聞いてなかったぽいな、これから昼間から酒飲もうとしたら絶対止めよ、あとそろそろめぐみんを開放してやれよ、なんかめぐみんも落ち着いちゃってるんだけど、もしや、これがあの、がーるずらぶってやつなのか!?リアルでお目にかかれる日が来るとは。

 

「あー、ミツルギ君?ウチのメンバーは満場一致で君の所得は行きたくないみたいなんだけど」

「な、君!あの娘達に何を吹き込んだい!?」

 

言いがかりにも程があるぞ、自分が原因だって欠片も思ってねえぞ、その上此方の話を全く聞かないぞどうする?

 

 たたかう じゅもん

 どうぐ  にげる ←

 

「何も吹き込んでねえよ、とにかく、俺達はクエストの報告もあるんで、これで」

 

「待て!アクア様をこんな境遇には置いておけない!」

 

まわりこまれてしまった!

 

この感じ、予想出来るぞ次にコイツは、勝負だ!と言う。

 

「勝負だ!僕が勝ったアクア様を貰っていく」

やる気満々のようで、魔剣グラムをそれならそれで構わないんだけど、このナルシストの思い道理になるのも癪だな、よし色々巻き上げてやろう。

 

「おいおい、俺たちは戦わないぞ、そんな勝負の何処に俺たちの利益があるんだよ」

さあ、こう言えばお約束道理、勝ちを確信している勘違いさんは、何でもするって、言うだろう。

 

「君たちが勝ったら、何でも言うことを聞いてやろう、この僕に、勝てたらの話だがな!」

え?今何でもするって言ったよな(歓喜)話をしっかり聞く姿勢に入っていた黒ウサギにも、わざわざ俺たちと言い直した意図が読めたみたいで、めぐみんからようやく離れた、多少フラフラしていて不安だが大丈夫だろう、ココからはスピード勝負だ。

 

「よし分かった、その勝負受けて立つ、じゃ行くぞ!」

俺が、宣言した時、ミツルギは急な戦闘開始に付いてこれてないみたいだ、黒ウサギは、ミツルギに向かい俺より早く走っている、そのまま状況が飲み込めないままのミツルギの体を黒ウサギの回し蹴りが襲う、何であんな動きしてるのに見えないんだ!っとそんな事は今はいい、ココで俺のスキルを発動する!

 

「スティール!!」

狙うは魔剣グラム唯一!俺の幸運値をなめるな!

 

ミツルギは黒ウサギの回し蹴りに倒れ、その上、魔剣を奪われ気絶している。

回し蹴りを食らわせた黒ウサギは、めぐみんに支えられ、酔いつぶれた。

 

「「卑怯者!!」」

なんかいきなり女の子二人組に罵倒されたんだけど、そういう趣味はないので勘弁願いたい。

「アンタ達コイツの仲間か~?」

「そうよ!この最低男、卑怯者!!」

魔剣持ちのチーターが、最弱職の冒険者に喧嘩売るのは卑怯じゃないのかよ。

 

「グラムを返しなさい!その魔剣はキョウヤにしか使えないんだから!」

「そうなのか、アクア?」

「ええ、魔剣グラムはその痛い人専用よ」

ふむ、そうか

「まあ、でもせっかくだし、貰っとくか」

何処にでも珍しい物の為ならいくらでも払うって金持ちはいるだろうから、金には成るだろう。

 

「チョット待ちなさいよ!」

「待ちなさいよ、卑怯者!」

うーん鬱陶しいな~。

 

「真の男女平等主義者な俺は、女の子相手でもドロップキックを食らわせられる男、手加減して貰えると思うなよ、公衆の面前で俺のスティールが炸裂するぞ」

「「へ?」」

「さあ、貴様らのパンツの色は何色だぁ?ほ~れほ~れ」

 

「「イーヤーーー!!!」」

お二人さんは逃げていった、これにて一件落着っと、なんか仲間の視線が冷たいのは気にしたら負けだ。

 




今回の悪ふざけの産物はいかがでしたでしょうか?
楽しんで頂けたのなら嬉しいです。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む



おはようございます!黒ウサギです!

いま起きた所なのですが、昨日の記憶が全くないんですよ、ギルドでワインを1杯飲んだ所までは覚えてるのですがそれ以降の記憶が無くて困ってるのです、それに私が茶髪の男の人を蹴り飛ばす夢を見たんですよ、其れも思いっ切り蹴っ飛ばしたのに大して罪悪感がないのでデス。

不思議ですね~、何故でしょうね~、私、気にしません!

それに、あれは誰がなんと言おうがあれは夢なのデスよ。

 

まあ、そんな夢の話は置いといて、本日もめぐみんさんを起こして、クエストの確認に行きますかね、皆さんで行けるクエストがあるといいのですが望み薄ですかね。

 

「ほら、朝ですよ、めぐみんさん、起きてください!」

 

 

 

今日も今日とてクエストは特に目ぼしい物はなく、カズマさん達と合流して朝食を頂いている時。

 

「見つけたぞ!佐藤カズマ!」

 

おや?どちら様でしょうか?見覚えがあるような?無いような?めぐみんさんに聞いてみますか。

 

「めぐみんさん、めぐみんさん、あちらの方は何方でしょうか?」

「貴女も昨日...ああ、覚えていないんですね、昨日貴女が蹴り飛ばした人です、名前は確か、ミ、ミ、ミクルミ、チョウヤさんだったと思います」

「その名前は違うと思うのですよ...って、蹴り飛ばした!?」

あれは夢のはずなのですが、オカシイデスネ。

 

「君たち!聞こえているぞ!僕の名前はミツルギキョウヤだ!」

「ほら、黒ウサギ、貴女が忘れてしまうから、怒ってるじゃないですか」

この娘は何を言ってるんですかね?確かに怒ってますけど、カズマさんを見つけたときから既に怒ってたと思うのですよ、でもこのまま私のせいにされるのはなんか癪ですね。

「いやいや、貴女がお名前を間違えたからでは無いでしょうか?」

「いや、それこそ無いでしょう、間違えるにしても其れなりにカッコいい名前にしましたよ」

「それ、本気で言っているのですか?」

「ほう、黒ウサギは私の言った名前のがおかしいとそう仰っしゃりたいのですか」

仰っしゃりたいです、私じゃなくてもそう感じると思うのですよ、この争いは不毛ですね。

 

「君のことは、盗賊の女の子から聞いたよ、パンツ脱がせ魔だってね」

「おい、それ言ったやつ、大体分かるけど詳しく教えろオラ」

あ、その盗賊の方私も心当たりありますね

「おい、黒ウサギ、私のセンスに言いたいことがあるなら、聞こおじゃないか」

 

「さあ、佐藤カズマ!僕の魔剣を返して貰おうか!」

「黒ウサギ、私のセンスってシカトするほど変ですかね?」

「え、カズマさん魔剣なんて持ってましたっけ?」

「お、おい、佐藤カズマ、僕の魔剣を何処へやったのかな?」

「黒ウサギ、答えてくれないと泣きますよ、泣いて爆裂魔法撃っちゃいますよ!」

「魔剣か、あれならもう売ったぞ」

「ああ、もう分かりましたよ、紅魔族の方々のセンスは私には解んないのデスよ!」

「わ、私からしたら、あなた方のセンスのほうが解らないですよ!何なんですかそのうさ耳にミニスカガーターってあざとすぎるでしょう!」

「売ったぁ!?」

「おしゃれで眼帯つけてる人に言われたくないのですヨ!」

「魔剣を売った?!僕の大事な魔剣を?!誰に売った!」

「眼帯はカッコいいでしょう!」

「売った先か?確か、貴族相手に商売してる骨董商のナントカってやつ」

「知りませんよそんなの!なんで視界が悪くなるだけの装備を付けてるんですか!」

「ナントカ?!覚えてないのか?!」

「カッコいいでしょう!それが何よりの性能です!黒ウサギの服は、戦うには些か露出が多すぎる気がしますが?!」

「覚えてねえよ、だって売ったらもう要は無いし」

「ふふん、この衣装はタダの衣装じゃないんですよ!防寒、防熱はもちろん、打撃の衝撃や斬撃を軽減してくれる優れものなのデスよ!」

「だ、だからって!僕が買い戻そうとするとか考え無かったのか!」

「魔法による強化ですか、だからって、黒ウサギのように走り回る人がスカートってのは如何な物かと」

「なんで俺が、アンタのために覚えといてやらなきゃいけないんだよ」

「ふふん、心配ないのですよ、このスカートには、絶対に下着が見えないようにする特殊な恩恵を込めてあるのですよ!」

「「その話詳しく!!」」

「へぁ!?」

 

カズマさんまで?!何かミツルギさん、意気消沈してる上に、唖然としてるのですよ、何があったんですか、触れないほうが良さげですけど。

なんで私こんなに迫られてるんですかね、何とか、話を逸したほうが良さげですね。

 

「えーと、それよりアクアさんは何方に?」

「うん?アクアなら檻を壊したせいで呼び出し食らってる、そろそろ帰ってくる頃じゃないか?っと、駄女神のことなんかどうでも良いんだ、

 黒ウサギ、お前さんの履いているヒラヒラで、絶対領域が素敵なスカートの秘密について教えて貰おうじゃぁないか」

「そーですよ黒ウサギ、貴女だけ何処かの変態のスティールを弾いていたのが気になっていたんですよねぇ、まさかそのスカートに秘密があったとは、詳しく教えていただきたいですねぇ」

 

えーと説明しなくては成らないんんですかね?これは凄く身内の恥を晒すお話ですし、異世界でとはいえ白夜叉様の株を落とすというのはちょっと...後で何されるか分かった物じゃないデスからね。

躱せそうにないですし、白夜叉様の趣味だというのを伏せると特に説明出来る事はないんですよね、私にも理解しきれないほど高度で完璧な恩恵をこのためだけに作られてますからね、ホントあの方は...はぁ。

「えーと、原理はよく解らないのですが、そのままの意味ですよ?」

 

あ、アクアさん帰って来たみたいですね。

 

「黒ウサギ、そのスカートは何処で手に入れられますか!」

「おい、黒ウサギ!それを脱げ!そして普通のを履け!チラリズムなんかクソ喰らえだ!!」

「アンタ!ミツルギとか言ってたわよね!アンタが檻を壊したせいで、賠償金請求されたんですけど!」

「ちょっと落ち着いて欲しいのデスよ!」

「うるせえ!見えねぇのはそのスカートのせいか!」

「ア、アクア様?!落ち着いて!払います!払いますから!」

「黒ウサギ!教えて下さい!オーダーメイドですか?他のデザインもあるんですか?お揃いというのも有りですが、と言うか何処で買えますか!?」

「30万よ!30万!払いなさい!さもなければ、このゴットブローをお見舞いするわよ!」

「ホントに落ち着いて下さいまし!!」

「うるせえ!中の見えないスカートなんてスカートじゃねえ!おれがもっと似合う衣装を用意してやるから、さあ、着替えるんだ!」

「あ、カ、カズマさん、後ろ」

 

この日私は受付のルナさんだけは怒らせてはならないと知った、あの時後ろに立っていたのは、地獄の鬼も、箱庭の悪魔も裸足で逃げ出すほどの気迫を放って、ハリセンを構えているルナさんだった、目にも留まらぬ早業で私達をしばき倒し、誰もが見惚れる、されど恐怖する笑みを浮かべ彼女は言った。

 

「少しハシャギすぎです♡」

 

このあとメチャクチャ、セッキョウさせた。




このシリーズはギャグ要素を入れないと筆が進みませんね、まあ、キーボードなんですが。


目次 感想へのリンク しおりを挟む




評価する
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10についてはそれぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に
評価する際のガイドライン
に違反していないか確認して下さい。