東方/聖杯戦争 (オルノ)
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事の始まり

息抜きに書いているので不定期投稿になります。


霧雨魔理沙は闇夜を飛んでいた。目指すは霧の湖、紅魔館。その中にある大図書館だ。大図書館に所蔵される大量の魔導書を読めば今行き詰っている研究にも進展があるかもしれない、そんな目論見だ。いつも通り白昼堂々侵入し、分捕っていってもよかったのだが、大図書館の司書パチュリーが最近ピリピリしている。下手に刺激したらどんなしっぺ返しを食らうか考えたくもない。

 

あの紫モヤシは何をそんなにピリピリしているのだろう。おかげでコソ泥みたく夜中に侵入する羽目になった。そもそもパチュリーは常日頃から自分の事をコソ泥呼ばわりする。借りた本は死んだら返すと言っているのに何故分からないのだろう。あの万年生理女め!という罵りは満月の夜空に消えていった。

 

魔理沙の脳内愚痴大会は延々続く。ようやくひと段落したのは夜の霧の湖でもはっきり分かるほど真っ赤な館が見えたころだった。案の定門番の姿は見えない。目を凝らすとテラスにメイドとおぜう様(笑)の姿が見える。呑気に茶など飲みよって、大怪盗魔理沙様がやって来たぞ。おっと、ちゃんと死んだら返すさ。早速乗り込もうと思ったとき、紅魔館に向かう明りを見た。

 

こんな夜中に紅魔館に用があるなんて何者だ?ブーメランになっているのは気にも留めず少しずつ高度を下げる。あれは、、、白蓮か?人間の里で妖怪寺を建てている物好き尼さんがどうして紅魔館に?しかも夜中に?魔理沙の人十二倍強い好奇心が鎌首をもたげていた。一体なんで白蓮が紅魔館にやってきたのか知りたい!!行き詰った研究も魔導書もどうでもいい。魔理沙の鋭敏な嗅覚は何か面白い事があると感じ、スンスンと興奮しっぱなしだった。先回りして様子を見よう、そう思ったときまた気付いた。いつも自分が吹き飛ばす壁、大図書館の壁の窓にもたれかかり月を眺める少女に。アリスマーガトロイドだ。魔理沙の目がギランギランと輝く。

 

紅魔館と白蓮とアリス。これは間違いなく何かある。絶対に面白い事が起きる。この霧雨魔理沙様を差し置いて?そんなのぜっっったい嫌だ!何企んでいるのか絶対暴いてやろう!白い歯を輝かせニカニカと笑う魔理沙の頭の中には研究や魔導書など一切残っていなかった。

 

幻想郷一、二を争う速さで紅魔館の敷地に忍び込む。館に向かって闇を進む。途中、邪魔するパチュリーの結界やトラップを難なくすり抜ける。いい加減もっと強力な結界を張ればいいのに。同じ結界しか使わないから侵入する側としては楽でいいが、少し心配になる。あまりにも警備がザルじゃないか?窓から館に入り込む。紅魔館の構造は頭に入っている。白蓮達と鉢合わせしないように遠回りして大図書館に行こう。確か大図書館の隣に物置部屋があったはず。物置部屋と壁を挟んだ場所には司書室がある。何か話をするなら間違いなくそこだろう。物音を立てないように、けれど早く、館を駆けていく。

 

白蓮、アリス、そしてパチュリー。この三者に共通するのは、皆魔術が使えるという事。そして、一流の魔術師であるという事。何か魔術的な、それも大規模な企てなのはほぼ確定だ。では一体どんな?人には成せない魔法の開発?新たな神秘や奇跡の再現?まさか根源へ至る道を探し当てた?考えれば考えるほど興奮が高まる。とてもとても面白そうだ!!根源がどうのとか神秘がどうのには興味はない、だけどそれを成し遂げるための過程にはとても興味がある。結果よりも手段を楽しむ魔術使い。順位よりもスポーツ、子供よりもセックス、金よりもギャンブル、結果よりも過程を楽しむ魔術使い。それが霧雨魔理沙だった。

 

____________________________________________

 

 

 

 「私達の悲願もあと三か月で成就します。」

 

机に置かれていた虫食いだらけの和綴じの本が宙に浮かぶ。本の表紙にはかすれた文字で雨と書いてあった。

 

 「五年前に幻想郷に流れ着いたこの本、そして白蓮が魔界から戻った時に持ち帰った超抜級の魔術炉心。そしてアリスが作り上げた器になりうる人形。あとは私が作り上げたシステムが上手く起動すれば聖杯戦争の幕開けよ。」

 

 「そのせいはいというのは本当にすべての願いを叶える願望機足りえる物なのですか?」

 

おっとりとした口調で白蓮は尋ねる。

 

 「何度も話したはずでしょう。この古書に書かれた情報が正しければ、聖杯は全ての願望を叶え魔術師を根源に導く手段となる大規模魔術式であり、万能の願望機よ。全く、漢文だったから解読に苦労したわ。確かに不安点も多い。この書物の情報だけでは不十分な術式は私達が手を加えたし、本来準備に六十年掛かる代物をたった五年で仕上げたんだから。魔術炉心を動かしたのは一年前よ?五年前からため続けた魔力と幻想郷に満ち満ちた魔力があったからどうにかなったけど、こんなハチャメチャな術式に不安がないほうがおかしいわ。」

 

しかし、とパチュリーは繋ぐ。

 

 「たとえ今回儀式に失敗したとしてもまた次回、もっと完璧な準備で始めればいい。正直今回の聖杯の降霊が成功するとは思えないもの。次が駄目なら更にその次に。何度でも根源に挑戦しなくてはいけない。」

 

 「確かにあたし達は永い命があるわ。でも、幻想郷の魔力は永遠じゃない。最近、妖怪たちが体調不良になるのも魔法の森に異変が起きているのも全部魔術炉心が無理やり魔力を集めたからでしょ?こんな事何度も続けてたら八雲紫に目を付けられるし、魔術じたい使えなくなるかもしれない。」

 

 アリスがパチュリーに提言する。

 

 「ええそうね。だけど幻想郷という閉鎖空間に捕らわれた私達が根源を目指すにはこの方法しかないのよ。それに、あなた達にも令呪の兆しは来ているはず。」

 

パチュリーが掲げた右手の甲には、紅魔館の紅い壁にも劣らない、燃え盛る紅い二筋の模様が浮き上がっていた。

 

 「急ごしらえの聖杯だから出力不足で令呪も二画だけど、令呪のシステムは問題なく機能している。もう後戻りできないの。二人とも覚悟を決めて。」

 

白蓮とアリスは互いに自分の手の甲を見る。紅く燃えがる令呪は覚悟と決心をもたらした。

 

 「最終確認よ、今回の大規模儀式『聖杯戦争』には14名の参加者が必要。これは、不完全な聖杯だと世界の外に穴を開けるには七騎の英霊の魂では不十分だったから。令呪が二画なのは英霊召喚の奇跡を14体分行えるようにするため。私達は団結して残り11名のマスター達を打ち倒し、最後に私達で競い合う。勝ち残った一人は根源に至る。」

 

三人が頷き合う。

 

 「では、召喚術式の最終確認をしましょう。最も優れている『三騎士』を確実に呼び出す必要があります。」

 

三人と物陰で聞き耳を立てる一人の少女は英霊を喚ぶ為の秘術を共有し合った。三人の魔術師と一人の魔術使いの密会。聖杯の奇跡が成就するのは近い。人間と神と妖魔が入り乱れる地に21体の英霊が降臨する。この地で行われる聖杯戦争は根源に至るための奇跡になるのか、それともすべてを破滅し尽くす呪いの儀式か。それは神にも分からない。

 

まあ、紫モヤシの不安通り碌な結果にはならないだろう。ガバガバすぎる術式の影響で座への扉は空きっぱなしで魔術炉心への魔力供給は一向に止まらない。そんな聖杯なのだから。何人か復讐者的なのがニコニコしながら聖杯に向かってるし。そろそろ不幸な暗殺者教団が今回の聖杯戦争参加資格を押し付け合う頃合いだろうか。どこぞの腹ペコ王も食事を求めて聖杯に向かっているかもしれない。

 

 「いいこと聞いちゃった♪私も参加しよう♪」

 

更に追加でもう一人。少女、、、とはもう呼べない。結界を守護する大妖怪も居合わせた。

 




さてどの英霊から被害者にしてやろうか。


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召喚ダイジェストその1

マスターになるのも面白そうですけどサーヴァントにもなってみたいんですよね。


 「えーと、、、カモン!サーヴァント!」

 

霧雨魔理沙は大事なことを忘れていた。聖杯がどうのとか願望がどうのとか興奮する言葉ばかり聞いて肝心の英霊召喚の方法を聞きそびれていた。しかし、たかがそんな事であきらめる魔理沙ではなかった。分からなければ自身の手で試行錯誤するのみ。手始めに自分の根城、魔法の森で妖精の輪を探した。魔法の森の魔力で育ったキノコでできた妖精の輪を魔方陣の代わりにすれば強力な使い魔を召喚できる。ましてや魔理沙はキノコを使った魔術に関しては一流だった。実際、この方法で何体かの使い魔を召喚したこともある。しかし英霊の召喚はそこいらの使い魔とはくらべものにはならないほどの存在、召喚は難航していた。

 

 「ん~おかしいなぁ~。いつも成功するんだけどなぁ~。まだ未熟なのを選んだせいなのか?」

 

右手の甲に赤々と輝く令呪を眺めるが別段変化はない。触媒に使用した実家から出た時に強奪してきた古いガラクタは全てボロボロに崩れ去った。触媒がこんなになるのに召喚は成功しない。一体何が悪いんだ?確かに魔理沙の行った10回の召喚術の内3回は成功しかけた。が、相手は誇り高い英霊。「カモン!」とか「来い!」とか「うぇるかむかもーん!」なんて呼びかけでは来るはずがなかった。最後に残った触媒はもはや触媒とも言えない代物だった。外から流れ着いた海賊の缶バッチである。こんなガラクタ中のガラクタで来る英霊はまともではないだろうし、使える触媒がこれしかない自分自身に呆れしかなかった。

 

 「まあいいや!これが最後の召喚だぜ!!」

 

その時が来たら英霊は召喚されるだろう。今はやれるだけの事をしよう。魔理沙は妖精の輪の中にバッチをほおり投げた。カラン、と音を立てて落ちた缶バッチは少し土が付いていて、改めてみると凄くみすぼらしかった。今日で11回目になる英霊召喚を行うため、妖精の輪に魔力を通す。魔法の森に満ちる濃い魔力を感じる。以前よりも薄くなったと感じるが、それでも濃く深い魔力だ。そんな濃密な魔力の中でも一際目立つ魔力の本流、幻想郷に張り巡らされた霊脈の支流を遡っていくと、かの魔術炉心は鎮座している。幻想郷と座を繋ぐ力の塊に自分の魔力回路を接続する。電撃が走るような感覚と共に魔理沙は確信する。

 

 「これは成功するぜ!缶バッチで成功するなんて認めたくないけど、成功は成功だ!」

 

 「さあ、英霊よ!ここに来たれ!いっしょに楽しもうぜ!」

 

勿論召喚は成功しないはずだった。触媒が缶バッチ、挙句に「楽しもうぜ!」だ。こんなマスターに自分の聖杯への願いはかけられない、そう大勢の英霊が判断した。が、ただ一人「楽しもうぜ!」という言葉に呼ばれた反英霊が居た。妖精の輪は爆発し、黒い煙が辺りを覆う。魔理沙は咳き込みながら人影を探す。成功したのか!?それなら一体どんな英雄が、、、!?

 

 

 「デュフフフwwwサーヴァントライダー、黒髭。ただいま参上したでござるよ!およよよ!こんな魔女っ娘美少女がマスターでござるか!?此度の聖杯戦争幸先が良いでござるな!デュフフフwww」

 

妖精の輪があった場所に立つ下品で汚らわしい髭男が、気持ち悪い喋り方で話しかけてきた。魔理沙は決意した。次の機会があれば今度こそはしっかりとした召喚をしよう、と。

 

 

________________________________________________

 

鬼人正邪は疲労していた。度重なる修羅場、迫りくる追跡者、連日連夜降ってくる弾幕。流石のゲスロリ天邪鬼でも堪えていた。異変での活躍は忘却の海に消え、残っているのは、大雨の中民家の軒下で段ボールに潜り込む哀れな自分だった。

 

一体どうしてこうなった、、、今頃はこの幻想郷の頂点に立ち、今までデカい顔をしていた支配者どもを見下していたはずなのに、、、寒さに震えながら盗んだ果実を食べる。少しの物音でびくびくする自分が情けない。クソっクソックソッ!絶対にやり返してやる、、、!我が物顔でふんぞり返る強者が弱者に支配される世界をもう一度、、、!

 

 

 「くそう、、、弱者を踏みつける圧政者どもめ。」

 

 

 「私に力さえあれば、、、あのクソアマ共に吠えかかせてやるのに、、、」

 

 

 「ああ、、、ああ、、、畜生!力が欲しい!すべてをひっくり返すことのできる力が!」

 

ガサガサ、、、

 

林の中から獣が二頭現れた。頭に札を張り付け、真っ直ぐ正邪を狙っている。きっと彼女を追う式神だろう。あの隙間BBAめ、と心の中で呟き段ボールの中でうずくまった。最早戦う気力も失った。煮るなり焼くなりされよう。だが、ただではやられない。死ぬまで強者に抗ってやろう。覚悟を決め、最後の弾幕の準備を始めると、バチン、と手に痛みが走った。攻撃を受けたかと身を隠すが、どうも違うらしい。恐る恐る痛みの走った手の甲を見ると赤い模様が浮き上がっていた。笑う顔と泣き顔の模様が痛みと共に輝いている。これはいったいなんだ?式神の呪いか?

 

まあある意味呪いと同意義なほど業の深い儀式の参加権なのだが、彼女は今まで自分の事を下に見る強者たちを打ち滅ぼす力を得る可能性、希望、チャンスを手に入れたのだった。

 

 

 「ふぅはははははははははははははははは!!!!!!!」

 

もう一つ、彼女と同じく圧政者を打倒する狂乱の反乱者を手に入れた。民家の軒先に雨音と、筋肉達磨の高らかな笑い声が響き渡った。段ボールでうずくまった天邪鬼は声も出せぬほど驚いた。なんだこいつは?

 

 「君が私のマスターか?君の叛逆の叫びに呼ばれて参上した!」

 

二頭の式神は躊躇なく、大男に食らいつく。大男は微笑みながら式神を掴む。

 

 「ふはははははは!!圧政者に枷をかけられた哀れな獣よ!我が圧政者(マスター)を圧制する強者に反逆するため、お前達を圧制する強者に反逆するため、まずはお前たちに反逆する!!」

 

 

自身に噛みつく式神を自身の肉ごと引きはがし、そのまま地面にたたきつけた。地面を揺らす轟音と共に血しぶきが辺りに舞った。

 

 

 「ふぅはははははははははははははははは!!!圧政者には死を!!我が名はスパルタクス!圧政者(マスター)と共に圧政者に反逆する戦士なり!!!」

 

 

ここにまた一人、マスターとサーヴァントが参戦した。

 

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 魔法の森近辺、香霖堂の店主霖之助は古紙とにらめっこしていた。勿論紙が面白い顔をしているからではない。五年前、紅魔館の魔女に売り渡した古文書の模写を読み解くためだ。五年前に無縁塚で拾ってきた古文書は余りにも内容が荒唐無稽過ぎてまともに読み解かず、模写だけして売ってしまった。18世紀の古書という貴重品ではあったが、中身は意味のないオカルト話だったからだ。買い手がいて助かった。そう思っていた。しかし、白蓮とその一派が幻想郷にやって来て数か月後、考えが変わった。明らかに幻想郷に満ちた魔力、神力が減ってきたのだ。

 

誰かが異変を起こしているのか?もしくは幻想郷に何か問題がおきているのか?長い間原因を探したが一向に見つからなかった。しかし、白蓮達の本拠地『命蓮寺』の下から莫大なエネルギー反応がある事と白蓮、アリス、パチュリーの魔術師トリオが頻繁に合っていることを突き止めた。そういえば紅魔館の魔女が18世紀のオカルト本を買っていったな。思い出してすぐに模写を読みとくと、聖杯やら魔術炉心やら英霊やら願望機やら如何にもな事が書いてある。あの病弱な少女がこんな大それた魔術儀式を実行しようとしているとは感服した。しかし、この儀式は問題が多すぎる。まず第一にこの古文書に書いてあるだけの情報では儀式の成立には不十分である。もし足りない部分を補填できても『すべてを叶える願望機』なんて碌な結果になるわけがない。幻想郷で燻っている魔術師が三人集まったところでどうにかなる儀式ではないのだ。

 

執り行う前に失敗するか八雲紫に止められるのがオチだ。彼女たちも身の丈というものを知り、おとなしくなるだろう。そう思って放置していたが、どうにも放置できなくなった。時々買い物に来るメイドに探りを入れると、驚くことに儀式の準備が順調に進んでいるらしい。燻っている魔術師と評したが、彼女たちは数百年間を生き、魔界で修業し、強大な師匠を持つ実力者であることを忘れていた。そして幻想郷の管理者たる八雲紫が動こうとしない。いや、これはいつもの事か。最後に特大の問題が。魔理沙がこの聖杯戦争に参加するらしい。先日、何食わぬ顔でやってきて、

 

 「近々特殊な召喚魔法を試そうと思っているんだけど、何か偉人所縁の品とかないか?」

 

などと言ってきた。間違いなく英霊召喚をするつもりだろう。詳しく聞こうと問いただすとすぐに逃げ出したため確証は得られなかったが右手の甲に見えた赤い彫が『令呪』とかいう代物ならば確実に聖杯戦争に参加するだろう。彼女がまだ小さいころから見守ってきた自分としては、彼女が血生臭い殺し合いに参加することは避けたい。そもそもお世話になった霧雨店の娘を見殺しには断じてできない。だが目標に走り始めた彼女を止めることができないのは自分が一番知っている。それなら自分も参加して彼女をサポートしよう。腐っても自分は半妖、サーヴァントに供給できる妖力はあるし運のいいことに令呪も宿った。真っ二つに分かれた眼鏡のようなデザインは気に入らないが仕方ない。後はサーヴァントを召喚するだけだ。

 

そんなわけで古紙とにらめっこしながら魔法陣を書いていた。鶏の血で描かれた魔法陣は生臭い臭いと神秘的な雰囲気を放っていた。後は触媒と呪文だけか。なにか適当なものはあったかな、、、、、これなんてどうだ?銃とかいうあちら側の武器。名称は『コルトM1877ダブルアクションリボルバー』鉛の弾を火薬の勢いで発射し、相手を倒す武器、、、一体どれ程の威力があるのかは知らないが武器には必ずそれを極めた英雄がいるものだ。

 

 「よーし。始めようか。」

 

 「えーと、、、閉じよ(みたせ)閉じよ(みたせ)閉じよ(みたせ)閉じよ(みたせ)、、、繰り返すことつどに五度、、、ただ、満たされrドゴン!

 

 

突如魔法陣が爆発した。普段店で座っているだけの生活を送っているので久しぶりに爆音と衝撃を喰らった。おかげで尻もちをついてしまった。

 

 「あいたたたた、、、」

 

 

 「やあ!大丈夫かい?君が僕のマスター?」

 

魔法陣を中心に立ち込める粉塵の中から声がする。粉塵が晴れると、魔法陣の中に金髪の少年が立っていた。紅いスカーフを巻き、カウボーイハットを被った少年は微笑みながら手を伸ばした。

 

 

 

 

 

 「ガンナー、ビリー・ザ・キッド。とりあえず立ち上がって?」

 

 「あ、ああ。ありがとう。森近霖之助だ。」

 

 

どうやら成功?したらしい。がんなーというのは分からないが、聖杯戦争に参加する最後の条件である英霊の召喚を成し遂げた。

 

 「正直、聖杯戦争が何かもがんなーがなにかも、ましてや君が誰かも分からない素人だが、、、どうしても戦う理由がある。手伝ってくれるかい?」

 

 「何とまあとんでもないマスターによばれたな、、、まあいいさ。僕でよければいくらでも手伝うよ。」

 

 

また一人マスターが誕生した。猪突猛進な魔女っ娘を止め、説教を加えるため。

 

 

 

 「早速なんだが、その腰に掛けている『銃』ってのを使って見せてくれないか?名前と用途は分かっても使い方と効果が分からなくてね。」

 

 

 「ハハハハハ!君は銃の扱いも知らないのかい?」

 

 

 




ガンナーじっそうあくしろよ


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召喚ダイジェストその2

深夜テンショーーン!


 、、、

 

 

 、、、

 

 

 、、、

 

 

 、、、なんかでた。なんか金色のお面をつけた青い人が出てきた。

 

 

 「キャスター、アヴィケブロン。召喚に応じて参上した。」

 

 「あ、貴方誰ですかぁ!」

 

 「、、、アヴィケブロン。ソロモン・ベン・ユダ・イブン・ガビーロールだ。君が私のマスターではないのか?」

 

 「知りません!何のことですか!?」

 

 

 

魔法の森では青マントとタイツの金色仮面と地蔵少女が言い争うシュールな空間が展開されていた。矢田寺成美は毎日の日課である瞑想、もとい日向ぼっこをしていた。ああ、この無仏の時代に民を救うにはどうすれば。むにゃむにゃり。そんな事を考えながらの日向ぼっこなのだった。あ~衆生救わないとなぁ~Zzz、、、そんな彼女の願望をおせっかいな聖杯は聞き届け、令呪を授けてしまった。同時に、彼女と同じく救世を望み無機物に生命を与え使役する魔術師とめぐり合わせた。

 

 

 「つまり君は聖杯戦争もサーヴァントも何も知らないんだね?」

 

 「そうです!戦争なんて物騒な物参加しません!」

 

 

聖杯は地蔵少女に救世の機会を与えた。しかし、聖杯戦争のリスクについての情報は何一つ与えなかった。アヴィケブロンは考える。今回の聖杯戦争は何か様子がおかしい。聖杯が授ける情報もめちゃくちゃなものが多いうえ、マスターが東洋の神を模した石像のゴーレムだし、そもそも空気中の魔力濃度が神代に近い。現代ではこんな空間は存在しないはずだ。神代で聖杯戦争が行われる訳が無いし、ここは現代から隔離された秘境か何かなのだろうか。

 

しかし、この土地は何と素晴らしい。ゴーレムの素材にできる魔術素材の山ではないか。そこら辺に転がる石ころを使うだけで高性能なゴーレムが制作できるほど潤沢な魔力と魔術素材に溢れたこの土地は予算の多くかかる自身の能力を最大限活用できる。何よりゴーレムを操る者として、石像でありながら生きているマスター?が気になってしょうがない。彼女の秘密を解き明かせば、『原初の人間(アダム)』ひいては人類の救済を果たせるかもしれない。

 

ひとまずは情報が足りない。

 

 

 「君の名前を教えてくれないか。」

 

 「え、、、矢田寺成美です。」

 

 「そうか、、、ナルミ。君の巻き込まれてしまった聖杯戦争について説明しよう。君の命は僕にもかかわるし、君も知らなくてはいけない。」

 

 「は、はい、、、正直まだ状況飲み込めないんですけど、、、」

 

 「よろしい。ひとまずは情報交換するとしようか。」

 

パチン

 

アヴィケブロンが指を鳴らすと地面が盛り上がり、ゴーレムが鋳造された。ゴーレムは近くの木を殴り倒し、折れた根元を荒く擦ると消滅した。

 

 「君は過去の英霊を呼び出し、殺し合う『聖杯戦争』に巻き込まれたんだ。」

 

アヴィケブロンは折れた木の切り株に座った。

 

 

 「勝者になった魔術師と英霊はどんな願望でも叶えられる権利を与えられる。そのために参加者は死に物狂いで戦うだろう。君もその覚悟をしてほしい。」

 

 

 「凄い、、、」

 

 

ここにマスターが誕生した。ゴーレムとゴーレムマスターはこの世を救うことができるのか。

 

 

 

 

---------------------------------------------------------------------------------------------

 

 

 「わーい!わーい!」

 

 「あら、こいし。はしゃいじゃってどうしたの?」

 

 「あのねあのね!新しいお友達と追いかけっこしているのよ!」

 

幻想郷の地底、地霊殿の主古明地さとりが庭の花壇を手入れしていると妹の古明地こいしが駆け込んできた。無意識を操る程度の能力を持つこいしは人に気付いてもらいにくい。姉である自分でも気づかない時がある。そんな妹に友達ができたらしい。喜ぶこいしの顔を見ると悪い相手ではないらしい。妹が喜ぶ様子は姉としてもうれしい。

 

 「それは良かったわね。なんていうお名前なの?」

 

 「えーとね。らんさーお兄さんっていうの!」

 

らんさー、、、地底の主である自分が知らないということは地上の住人かしら?まさかこいしがさらってきたとは思えないし、自力で地底まで来たのならある程度は実力あるようね。注意もいらないでしょうし、私は書斎に戻っていましょうか。せっかくできた妹の友達の気分を害したくないし。花壇の手入れも区切りが良いし、片づけを始めましょう。

 

さとりが立ち上がり、片づけを始めようとすると塀が粉砕された。

 

 

 

「まてぇ!クソガキィ!」

 

 

轟音と共に現れた赤髪の武者は身の丈以上ある槍を振り回しながらこいしに向かっていった。さきほどまで手入れしていた庭の芝生は掘り返され、観葉植物は切り倒された。さとりの能力で心を読んでも読み取れるのは純然たる殺意のみ。殺意の対象であるこいし自身もキャッキャッキャッキャッと笑いながら槍を避けていく。

 

 「ちょ、待ちなさーい!!」

 

さっきまで自分が手入れしていた庭が荒れていくのに耐えきれず、大声を上げた。

 

 「一体貴方はだれ!?こいしのお友達ってこの人なの!?なんで私の庭を荒らすの!?」

 

 「そうだよ。この人がらんさーお兄さん。いけないんだ~塀壊しちゃって。」

 

 

 「うるせぇ!オレは鬼武蔵、森 長可だ!!」

 

 

 「貴方こそうるさい!鬼武蔵なんて知らないわよ!なんでこいしを殺そうとしてんのよ!」

 

 「遊んでやってるだけだろ!」

 

 「ほーら鬼さんこちらー!」

 

こいしの挑発に乗った長可は獣のような絶叫を上げ、追いかけて行った。地霊殿を破壊しながら。さとりは吹き抜けていった暴力の嵐に唖然とし、その場で腰を抜かしてしまった。人でありながら妖怪であるこいしと渡り合い、さとりの能力で心を読んでも殺意しか読み取れないほど単純な思考を持つ彼は一体何者なのだろう。さとりはゆっくりゆっくり立ち上がり、後片付けをペットたちに任せて書斎に戻ることにした。書斎にはいくつか本があるから森 長可という人物を調べてみよう。

 

そういえばこいしの手に赤い模様が見えたけどあれは、、、いや、もう疲れた。あとで聞こう。

 

 

 

 

 

地底にマスターが誕生した。無意識な少女と特に考えないランサーは聖杯に何を願うのか。

 

 

 

 

 

 

 

-----------------------------------------------------------------------------------------

 

 

 稗田家邸宅で、唸る少女がいた。稗田家九代目当主、稗田阿求である。

 

今、幻想郷で何か起きている。そう自分の勘が伝えているが、情報も調べる手段もない。一体どうすれば、、、そんな事を一日中考えていた。ここ最近頻発している妖怪や神霊の体調悪化や、何やら企てごとをしている魔術師三人組、幻想郷中で確認されている怪人物の目撃。勘が鈍くてもはっきりわかるほど何かが起きていた。新たな異変の幕開けだろうか。幻想郷のすべてを記録する者としてどうにか状況を書き留めたい。しかし、規模が小さく情報を聴ける相手もいない。こういう時、妖怪の山の烏天狗なんかは自力で調べられるから羨ましく思う。

 

もやもやとするが書き留める情報がないので資料の整理をすることにした。考え事を整理するにはもってこいの作業だ。無心になって膨大な記録を整理していた時に一冊の資料に目が留まった。記録によると約三百年前に書かれたものらしい。中身は特殊な降霊術に関するもので、普段だったら読まないようなジャンルだった。考え事のしすぎかただの気まぐれか、とにかく普段と違ったのでその資料に目を通した。パラパラと読んでいくうちに気になる項目を見つけた。

 

 

 『暗殺者 偵察、闇討ち、情報収集に特化した位なり。』

 

 

丁度普段と違っていた彼女はこの書物どうりに降霊をし、暗殺者なる物に手伝ってもらうことにした。まあぶっちゃけると彼女は極端に暇だったからおかしな行動をとった。わざわざ水銀を調達し正確な魔法陣を描き召喚の呪文を唱えた。きっちり正確に。結果は見事大成功。いつの間にか令呪が宿り、召喚した暗殺者は勤勉に働き、情報はうまいこと集まった。結果分かったことがある。

 

 

 「これ、幻想郷終わるんじゃないの?」

 

 

まず最初に、魔術師たちが何をしでかしたかを知り、自分が召喚したものがいかに強力な存在かを知り、今後幻想郷がどうなっていくのかを悟った。人智を超えた英雄が幻想郷で暴れまくる?無事に済むわけがない!

 

 「英霊とは人を超えた存在。七騎だけでも手のかかる存在が七騎以上も召喚されているのです。無事に済むわけがございませんな。」

 

白い髑髏の面を着けた暗殺者、ハサンは自分のマスターをねぎらうため、茶を入れていた。片腕が棒のようになっているくせに器用なものである。召喚が成功してから三日目、阿求の指示に従い幻想郷中の情報集収を行っていた。ハサンのもたらした情報により阿求の執筆活動は飛躍的に捗ったが、同時に心的ストレスも飛躍的に増えた。

 

 「現在確認されている英霊はあなたを含めて六騎。魔術師の話が本当なら追加で後八騎来るんでしょう?十四体もの超人が殺し合いなんかしたら幻想郷が壊滅するわよ!全く、八雲紫は何やっているのよ。」

 

 「私の技術を以てしても幻想郷の管理者、八雲紫の住処には侵入できませんでした。奴が今何をしているか探ることはできません。」

 

 「貴方はよくやってくれているわ。」

 

阿求は書き途中の記録を閉じ、ハサンに向き直る。

 

 「私は稗田家の主としてこの聖杯戦争を記録しなければいけない。聖杯はその次よ。」

 

 「承知しております。我が主は貴方様。どうぞこのハサンめを使い潰してくださいませ。」

 

自分のようなか弱い人間でも忠義を尽くす英霊に少し困ってしまう。英霊となったほどの人物なのだから堂々としても良いだろうに。

 

 「大丈夫よ。貴方の宝具さえあればどんな強い英霊でも倒せるわ。」

 

 

 

 ふふふふふふふふふ、、、、、、

 

 

 くくくくくくくくく、、、、、、

 

 

広い稗田家邸宅に静かな笑い声が響き渡る。

 

 

傍観者のマスターと呪腕のハサンは聖杯を奪い合う者たちを記録する。

 

 




書いてて気づいたんですけど未だに女性鯖が出てないですね、、、もう六騎出たのに。


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