三井寿がグレない話 (にじくじら)
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1 入部

初投稿

どこまで原作に沿うか難しいですね。
ノリで書いたので、「あそこが無いやんけ」となっても許して下さい笑

それではどうぞ。


神奈川県立湘北高校

 

そこではある部活が注目を集めていた。

 

湘北高校バスケットボール部

 

 

 

昨年のインターハイ神奈川県予選でベスト4の成績を残した名門である。

 

 

 

4月

 

1年の教室前にて

 

「あのう...スミマセン」

 

 

燃えるような赤いリーゼントの男が振り返る。

 

 

「む?」

 

「バスケットはお好きですか?」

 

 

そこには小柄な黒髪の少女が立っていた。

 

 

『なんて可愛いんだ...モロ好みだ...』

 

「大好きです、スポーツマンですから!」

 

 

好きでもないスポーツを好きであると即答してしまうくらいに、彼女は男の心を撃ち抜いていた

 

 

「じゃあ放課後にバスケット部の見学に行かない?」

 

「モチロンです」

 

「よかった、じゃあ放課後にね!

そーいえば自己紹介を忘れてたわ!

私は赤木晴子といいます」

 

「スポーツマン、桜木花道です!

よろしくお願いします、晴子さん!」

 

 

 

 

 

「花道、お前バスケ部に入るつもりなのか?」

 

隣にいた黒いリーゼントの男、水戸洋平が尋ねる

 

「オウ、俺はスポーツマンになる!!」

 

「けどお前スポーツとかしたことないだろ?」

 

「この天才には経験など不要...天才だから大丈夫だ」

 

「確かにお前よりでかいやつはそうそういねえよな」

 

___桜木花道

188 cm 83 kg

 

 

彼とバスケットボールを繋いだのはそんな出会いだった。

 

 

__________放課後

 

 

 

「お待たせ桜木君、バスケット部の見学行こっか」

 

「はい、行きましょう晴子さん!」

 

 

 

 

 

 

「まだだれも来てないみたいですね」

 

静かな体育館には一つのバスケットボールが転がっていた。

 

 

「あっボールだわ...桜木君、ダンクって知ってる?」

 

「...?」

 

「ダンクはバスケットボールの花形で、最もエキサイティングなプレイなのよ!

特にゴールが壊れるんじゃないか、ってほど激しくリングに叩きつけるようなダンクを “スラムダンク” っていうの」

 

「スラム...ダンク...」

 

 

その言葉の響きは知らないはずの彼の心をやる気にさせていた。

 

 

「そーだ、桜木君!

背が高いからダンクできるんじゃない?!」

 

「お任せください!」

 

 

 

 

「行きますよー、晴子さん!」

 

「頑張って桜木君!」

 

彼はボールを片手にその体格に似合わないスピードで走り出した。

 

「えっ!

ボールを持ったまま走ってる?!」

 

「行くぜ!!

スラムダンク!!!」

 

ダンッ

 

彼が跳んだ瞬間、晴子にはまるで時が止まったように感じた。彼のジャンプは彼女の想像を遥かに超える高さと速さを兼ね備えていたからだ。

 

ゾクッ...!

「ッ(桜木君...!)」

 

「リングの真ん中に...叩きつける!!!」

 

ドガンッ!!!!!

 

.....

 

「す、スゴいわ桜木君!!!

スゴいジャンプ力だわ!!

桜木君は絶対にバスケット部に入るべきよ!!!」

 

「そ...そーすか?」

 

「お兄ちゃんに言っておくわ、スゴい人がいるって!!」

 

 

 

__________次の日

 

 

 

 

「花道、今日から部活か?」

 

「オウ、洋平!

晴子さんのために俺は今日からバスケットをやるぞ」

 

「そうか、ま、頑張りな」

 

「オウ、じゃあな!」

 

 

 

 

 

 

「よーーーし、新入部員は一列に並べ!!」

 

「ハイっ!」

 

 

2 m近い大柄な男が声をかけた。

 

そこには30人ほどの1年が並んでいた。その表情は自信ありげなもの、やる気に満ちたもの、不安げなもの様々であった。

 

 

「俺は赤木剛憲、今年の湘北高校バスケ部のキャプテンだ。ヨロシクな」

 

ザワザワ

 

「でけぇ...あの人が強豪湘北高校のキャプテンか」

 

「去年の試合でも大暴れしてたセンターだよ」

 

 

「よし、お前ら左から順番に自己紹介していけ」

 

 

順番に自己紹介が終わっていき、ある男の番となった。

 

 

「富ヶ丘中出身、流川楓。

187 cm、75 kg。ポジションは別に決まってなかったです。」

 

 

ザワザワ

「あの富ヶ丘中の流川だぜ」

 

「あいつ一人にうちの中学は負けたんだ」

 

 

そんな中、

 

「お前が流川か、生意気そうな面してやがる」

 

短髪の男が笑いながら声をかけた

 

「ム...」

 

 

「おっと、気を悪くしたか?

だがお前の噂は聞いてるぜ流川。

このスーパースター三井寿が覚えているくらいにはな」

 

「三井寿だと...!」

 

 

オオッ

「あの人が湘北のエース三井寿!!」

 

「中学MVPで、去年も神奈川ベスト5に選ばれてるあの三井さん!!」

 

「すげえ、あの人と今日からバスケできるんだ」

 

 

 

そこに左耳にピアスをした小柄な男が言う

 

「ま、でも所詮中学レベルでしょ。ねえ三井サン」

 

「そういうな宮城、やってみねえとわかんねえよ」

 

ゴンッ

「進まんだろうが!」

 

「痛え、何すんだ赤木!」

 

「黙って座ってろ!」

 

ボソッ

「これだからゴリラは...」

 

「なんか言ったか?」

 

「なんにもねえ」

 

 

「ほら、最後はお前だ赤髪」

 

 

「桜木花道!! 和光中出身!!

188 cm、83 kg!!」

 

「お前が晴子の言っていた桜木か、なるほど確かに良いガタイしてやがる」

 

「は、晴子さん?

ゴr、キャプテンは晴子さんの知り合いか?」

 

「晴子は俺の妹だ」

 

「はっ...そういえば名字が同じだ、なのに全く似てねえ」

 

ゴンッ

「関係ないだろうが」

 

「痛え、この馬鹿力め」

 

「一年はこれで全部か?」

 

「「「ハイッ」」」

 

 

「よし、じゃあ2年から自己紹介しろ」

 

 

「次期キャプテン、宮城リョータだ。ポジションはポイントガード」

 

 

「ガードの安田です」

 

「同じくガードの潮崎」

 

「フォワードの角田です」

 

「3年の小暮だ。ポジションはフォワード」

 

ニヤリ

「湘北のエース、三井寿だ。お前らこの天才の足を引っ張るんじゃねえぞ?」

 

「キャプテンの赤木剛憲だ、ヨロシクな!」

 

 

ガラッ

「どーもスイマセン遅れちゃって!」

 

「彩ちゃん!」

 

宮城が鼻の下を伸ばす。

 

「アタシはマネージャーの彩子、2年よヨロシクねー!」

 

 

「よし、これで全員だな。練習を始める前に言っておく事がある。」

 

すると三井が立ち上がり、笑みを浮かべながら赤木の話を引き継ぐ

 

「今年の目標は全国制覇だ、厳しい練習になるがお前ら覚悟しろよ?」

ギンッ

「「当然」」

 

桜木と流川は頷く、そして互いに睨みあう

 

「「ム...」」

 

「覚悟があるのは二人だけか?」

 

「「「は、ハイッ」」」

 

「よし、練習だ!!」

 

「「「オウ!」」」

 




ありがとうございました。

続きを書き進めていきますので、お付き合いいただけるかたは今後ともよろしくお願いします。


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2 潜在能力

気づいたら1話目からその日のうちに、2話目書いてました笑

三井、宮城の原作との差違を見せようとすると何故か桜木も出てきちゃいました...

このままみんな強化しちゃうかもです。

余談はこの辺で。本編へどうぞ。


練習がはじまり、ランやステップをこなしていき、ボールを使った練習に入った。

 

「...いまから何するんだ?」

 

桜木は何をして良いのかわからず、立ち尽くす。

そこに赤木がやってきた。

 

「彩子、こっちにきてくれ!」

 

「どうしたの、赤木センパイ」

 

「桜木を頼む、初心者だから基礎をみっちりやってくれ」

 

「...??」

 

「わかったわ。

よし、桜木花道!

こっちで基礎をみっちりやるわよ」

 

 

部員たちがコートで過酷な練習をする中、桜木は一人コートの隅っこでひたすらドリブルをついていた。

 

 

ダムダムダムダム...

「なぜ俺だけがこんな」

 

「ドリブルはバスケットの基礎の基礎よ。

ドリブルができなきゃ何もできないわ!」

 

ダムダムダムダム...

「もっとこう、俺のスラムダンクの練習とかが」

 

「なーに言ってるの桜木花道!

そんなことよりドリブルよ、次は左で100回ね」

 

 

ドリブルの練習はこの日だけでなく連日続けられていた。それに伴い、桜木はストレスも大きくなっていった。

 

 

___そんな日が1週間続いた

 

 

ダムダムダムダム!

「彩子さん、いつになれば基礎は終わるんですか」

 

「そうねえ、そろそろ次のステップに進んでもいいかもね。

じゃあ次はパスをやりましょうか」

 

「パス...?」

 

 

 

.....

 

 

 

 

 

桜木花道は限界を迎えていた。

スポーツなどやったこともない彼にとって基礎の練習は 屈辱だった。基礎こそがスポーツにとって最も大切であるが、それに気づけぬまま怒りは爆発しようとしていた。

 

 

 

___そんな時だった

 

ガラッ

体育館のドアが開かれ、白髪の太ったおじさんが入ってきた。

 

桜木はストレスをぶつけるかのように凄んで言った。

 

「おい!!、ここは関係者以外立入禁止だ!!」

 

「なんだね君は、なんだその髪は」

 

「ジジイに髪のことを言われる筋合いはねえ、ホラ出てった」

 

バシィ!

彩子のハリセンが桜木の頭をはたいた。

 

「あ、彩子さん何するんですか」

 

「コラァ! 桜木花道!

この人はうちのバスケ部の監督、安西先生よ!」

 

「監督...?」

 

ゴンッ!ゴンッ!

遅れてやってきた赤木と三井は桜木に拳骨を落とした。

 

 

「なにすんだ、ゴリ! ミッチー!」

 

「このたわけが!!

スミマセン、安西先生。

この男にはよく言って聞かせますので。」

 

「バカヤロウ、安西先生になんて口きいてやがる」

 

「ホッホッホ、まあまあ、知らなかったことですから。

それより赤木君。 みんなを集めてもらえますか?」

 

赤木は部員達に号令をかけ、安西の前に集めた。

 

「フム、みなさん頑張っているようですね。

うちは昨年の頑張りで今年はスーパーシードです。

なので経験を積むために練習試合を決めてきました。」

 

「練習試合...!

安西先生、どことやるんですか?」

 

「陵南です。」

 

エエッ

「あの陵南と練習試合」

 

「天才仙道がいるあの陵南か」

 

「おもしれえ、去年の借りは返すぜ」

 

 

「ホッホッホ、練習試合に向けて今から一年生対上級生でゲームをしましょうか。」

 

 

 

.....

 

 

10分×2のゲームが行われた。

 

 

ジャンプボールは流川と赤木

 

 

「負けんぞ」

 

「勝つ」

 

 

それでは始めます、を合図にボールが上空に投げられる。

 

「「オウ」」

 

結果は互角。

 

「なんだと?!」

 

「チッ...」

 

 

 

「赤木がジャンプボールで互角だと?!」

 

「あの赤木が、流川...あの身長差で...凄いやつだ。」

 

 

コートの外で彩子が呟く

 

「あいつは勝てると思ってたみたいだけどね」

 

 

ボールは宮城が確保。上級生からスタート。

 

まずはセオリー通り全員がボールを触る。そしてエースが仕掛ける。

 

「俺と勝負だな、流川」

 

「負けねえ」

 

 

フェイクを仕掛けるが流川はかからない。三井はドリブルインそして急ストップ。

 

流川がブロックに飛ぶ。

 

しかし、三井のシュートは既に手から離れていた。

 

 

「なんだと...?!」

 

三井のシュートは綺麗な弧を描き

 

 

ザシュッ

 

 

「あめーよ、流川」

「ナイスだ、三井」

 

赤木と三井は拳を合わせる、それをみて宮城は笑った。

 

「流石三井サン」

 

 

ザワザワ

「なんて速さだ、あれが湘北のエース三井先輩...」

 

「あのクイックリリースでなぜ入るんだ...?」

 

 

しかし、このプレイがこの男に火を付けた。

 

「次はお前の番だな、こい」

 

「フン」

 

 

なんと流川も先ほどの三井と同じプレイ、しかし最後のシュートだけが異なっていた。

 

ブロックに跳んだ三井は届かない、そして驚愕する

 

「ドライブインから急ストップでフェイダウェイだと...?!」

 

 

ザシュッ

 

「返したぜ」

 

 

「ナイス流川!!」

 

「すっげえ!」

 

 

赤木が後ろから三井に声をかける

 

「なるほど、流川楓か。どうやら本物のようだな」

 

「おもしれえ、あれでまだ1年ならこの先が楽しみだな」

 

 

三井vs流川

の構図が出来上がる中、この男が黙っていなかった。

 

 

「三井サンに気とられすぎ」

 

宮城が3ポイントラインからノーマークで打つ。

 

ザシュッ

 

「チビだからいつでもブロックできるとでも思ったかい?」

 

「ナイスだ! 宮城!」

 

 

その後も流川がダブルクラッチで決めれば、三井、宮城の外と赤木の中で決める。

そうなってくると、流川には三井のフェイスガードが張りつき点数がストップ。しかし、一年生にはこの3人を止められない。

流川がディフェンスで赤木をブロックし、そのままワンマン速攻でダンクを決めるも、チームとして一年生では全くもって敵わなかった。

 

 

ゲームにでている一年生も面食らっている

 

「経験値が違いすぎる...」

 

「流川は食らいついているんだけどな、相手があの三井先輩じゃ仕方ないよ」

 

「宮城先輩は速いし外がある、ディフェンスできっこないよ」

 

「去年のスタメンが3人もいるんだ、勝てなくても仕方ないよ」

 

 

そんな様子をコートの外から見ていた桜木に安西は声をかけた。

 

 

「桜木君と言いましたね」

 

「なんだジジイ、試合に出してくれんのかよ」

 

「いいですよ、桜木君。

ただし、今から言うことを覚えてください。」

 

「...?」

 

 

ピピー

 

「なんだ? 桜木がでるのか?」

 

「フッ、この天才が出るからにはこの試合勝ーつ!」

 

「まだ桜木には何もできんだろう」

 

 

しかし、その桜木にいきなりチャンスが訪れる。

 

 

「桜木君!」

 

「オウよ!」

 

 

パスを受けた桜木はドリブルで上がっていく。その様子を見ていた部員達は目を見開いた。

 

「あいつ、この一週間でここまで上達したのか...?!」

 

「俺より速い...」

 

 

その様子をみて三井が声をだす。

 

「面白え、桜木には俺がついてやるよ」

 

「ミッチー勝負だ!!」

 

 

ドリブルで突破を試みるが、三井を抜くことができない。

 

「あめーよ桜木、それじゃ俺には勝てないな」

 

「ああっ!」

 

 

ビシッ!

 

「三井さんのスティールだ!」

 

そのまま三井の単独速攻によりレイアップが決まる。その後も桜木は三井に挑み続けるが、シュートができない桜木には三井を抜くことができなかった。ディフェンスでも流川が赤木を止めても、桜木は三井を抑えることができずどんどん点差は開いていった。

 

 

「くそっ...!」

 

しかし、その状況とは裏腹に三井は別のことを考えていた。

 

『こいつ...この1on1で体の使い方やハンドリングが急激に上手くなってやがる。

それにドリブルのパワーも上がってきている...。』

 

 

そして三井はコートの外にいる安西を見た。

目が合い、頷く安西を見て三井は自分の予測が正しかったことを確認し、笑みを浮かべた。

 

 

「なるほど...」

 

「なに笑ってんだ、ミッチー」

 

「まるでスポンジ、すげえ吸収力だ」

 

「??」

 

「でも、俺に勝つには100年早え!!」

 

 

スティールを狙う三井、しかし

 

「そーくると!!」

 

「なに?!」

 

 

桜木はわざと隙をつくり三井を誘い込んだのだった。

 

 

「桜木が三井さんを抜いた!」

 

「いけー! 桜木君!」

 

 

ドリブルでゴール下へ向かう桜木。しかしヘルプで赤木が寄ってくる。

 

『こいつはパスしない、必ずダンクにくる。』

 

 

赤木はそう判断し、桜木を待ち構える。

 

 

そして桜木はペイントラインから踏み切り跳んだ。

 

その瞬間安西が立ち上がる。

 

そのジャンプは見ていたものは衝撃を受けた。そして晴子には既視感があった。

 

桜木が飛んでいる間、まるで時が止まったかのような、そんな感覚である。

 

 

 

「どけええええ、ゴリ!!!」

 

 

ドガァァン!!

 

.....

 

 

「ハァ...ハァ...」

 

 

そして止まっていたかのような時間が急激に動き出す。

 

 

「うおおおおお、桜木が赤木先輩からダンクしたぞ!!!」

 

「更にその前に三井先輩を抜いた!!」

 

「すげえぞ!! 桜木!!!」

 

「スゴい、スゴいわ!! 桜木君!!」

 

 

安西はコートの外から呆然と桜木を見つめていた。

そしてふと呟いた。

 

「見つけた...」

 

 

ピピー

笛の音が鳴り、ゲーム終了を知らせる。

 

結果だけを見れば上級生の圧勝である。しかしながら、全員の脳裏には最後の桜木のプレイが焼き付いていた。




ありがとうございました。

次の話はまた書き進め、出来上がり次第投稿したいと思います。

興味をもって下さった方、今後ともよろしくお願いします。


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3 練習試合


お久しぶりです。

色々とバタバタしており投稿が遅くなってしまったこと、謝罪致します。
新生活にもなれてきたので、投稿を再開させていただきます。
お付き合いいただける方は是非読んでいっていただけると嬉しいです。
コロナウイルスで日本が混乱しております。皆様も体調には十分気をつけてお過ごし下さい。

それでは、どうぞ!


練習後、廊下にて

 

「三井、どうだ今年の一年は」

 

赤木が着替えながら問う

 

「まあまあだな」

 

「三井サンは厳しいっすね」

 

宮城は苦笑いでそう言い、一呼吸した。

 

「流川はやっぱりすげえな、正直そこらの高校なら即エースだ。三井先輩とも充分やりあえてたし」

 

「俺はまだまだ全力じゃねえよ」

 

「そうだとしてもだ。それにあの桜木...まだまだ素人だが最後のダンクは今でも信じられんわ」

 

「わざとブロックにいかなかったくせに何言ってんだよ」

 

「ダンナならブロックいけたでしょ」

 

「フッ...心強い1年が入った。これで今年こそ全国制覇ができるかもしれんな...」

 

3人は無言で頷きあった。

 

 

 

 

 

.....

 

 

 

 

 

それから数日

 

ついに桜木は基礎コースから卒業し、部員達と混ざり本格的な練習を行っていた。

 

 

「桜木、ちょっとこっちこい」

 

練習後、赤木が桜木を呼び出した。

 

「なんだよゴリ、俺になんかヨウか」

 

「桜木お前、まだ動く体力は残っているか」

 

「オウよ、スタミナの鬼であるこの桜木には限界などナイ!」

 

「今から見せる動きをお前に教える。小暮、ボールを頼む」

 

「わかったよ」

 

「...?」

 

 

桜木が二人の会話を不思議そうに見つめる中、小暮がリングにボールを投げた。

 

ガンッ

 

両手で投げられたボールはリングの手前で弾かれ、ボードに当たり跳ね返る。

 

桜木がその軌道を目で追っていると、隣にいた赤木はボールを確保せんと飛び上がった。空中で力強くボールを

掴んだ赤木はそのまま地上へと降り立った。

 

ドンッ

 

「桜木、今からこれをお前に習得してもらう。」

 

「ただ外したボールを取るだけじゃねえか」

 

「そうだ、桜木。試合ではシュートが100%入るわけではない。だからこそ外したボールを取ることができれば、それは大きなチャンスに繋がるんだ。このリバウンドという動きはそれほど大切なんだ。」

 

「ホウ...」

 

「リバウンドを制するものはゲームを制す。こんな言葉があるくらいだ。どうだ桜木、ワクワクしてこんか。」

 

「リバウンドを制するものはゲームを制す...」

 

「天才ならこのくらいは朝飯前だと思うけどな。」

 

「よかろう、既にバスケットを制したバスケットマン桜木。次はリバウンドを制すとしよう。」

 

 

 

 

.....

 

 

 

その後赤木と桜木はリバウンドの練習を行っていた。

 

ガンッ

キュッキュッ

 

「ちがーーーう!!」

 

「なんだよゴリ!」

 

「お前は場所取りがなってない! いいか、リバウンドは場所取りが肝心なんだ。良いポジションを確保するためにスクリーンアウトで敵を締め出す。いくらジャンプ力があろうとも、良いポジションを取られてはリバウンドも取れはせん!」

 

「ムムム...」

 

「もう一回だ!」

 

 

 

 

コートの反対側から二人の様子を見て三井が言う。

 

 

「あいつ、桜木に相当期待してんだな」

 

「...センパイ、まだっすか」

 

「おっと、すまん流川。それとも、あっちには負けてられねえってか?」

 

 

練習後、三井が赤木同様に流川に声をかけたのだった。

「流川、エースの座をかけて1on1しねえか」

そんな挑発を受けて黙っていられなかった流川は、その声に応じて勝負を挑むのであった。

 

 

「お前からでいいぞ、このくらいのハンデはねえとな」

 

「...負けねえ」

 

「この前は中途半端だったからな、今日は真剣勝負といこうか」

 

「...」

 

 

ギンッ

 

流川が急加速のドリブルで真っ向勝負に行く。しかし三井がそれを読み、コースに入り一度止める。流川がステップで揺さぶるも三井は引っ掛からない。そこで流川は三井に体重を預け、フック気味のワンハンドシュートを打つ。

 

 

ザシュッ

 

「1本目から決めやがったか」

 

「たりめーだ」

 

「いいぜ、勝負はこうでなくっちゃな」

 

 

 

流川は腰を落とし、三井がどうくるか予測する。

 

「それじゃ、距離が足りねえんじゃねえのか」

 

 

そういうと三井は予備動作もなく常識離れしたスピードで、3ポイントラインからシュートを放つ。

 

「なに?!」

 

 

三井から放たれたシュートは綺麗な弧を描き、リングに吸い込まれた。

 

 

「ほら、次はお前の番だな」

 

「フン、次も決める」

 

 

そういいながらも流川の脳裏には先ほどの三井のプレイが繰り返し浮かんでいた。

『これが三井寿...本物じゃねえか。構えからリリースまでの速度が異常だ。こんなやつ見たことねえ...!』

 

 

「...おもしれえ」

 

 

流川は本人が気づかぬうちに笑みを浮かべていた。

 

 

「良い顔だな、こいよ流川」

 

 

流川は先ほどと同じく鋭いドライブを仕掛ける。三井がそれに反応して進路を塞ぐ。ここまでは同じプレイだ。しかし、この先が異なっていた。鋭いドライブから真上に飛び上がるとすぐさまシュートを打ったのだ。三井はそれを理解しブロックに行くが届かない。

 

「こいつ...!」

 

 

ガンッ...スパッ

 

一度リングに当たったが、浮き上がったボールはリングの中央に吸い込まれた。

 

 

「決めたぜ」

 

「やるな、次はオレだ」

 

 

三井もまた、流川に対し考えていた。

『あの鋭いドライブから、なんて高い打点のシュートだ...。まだ粗さはあるがこいつは化けるぞ...』

 

 

先程と異なり、流川はいつでもブロックに行けるよう近距離でディフェンスについていた。三井はゆっくりとドリブルでゴールへ近づいていく。

流川はこう考えていた。『シュートか、次だ』

その読み通り、三井はシュートを放った。

『?!』

しかし流川のブロックは届かない。

三井は後ろに飛んでシュートを放っていたのだ。

 

 

スパッ

 

 

「まあ、こんなもんだ」

 

「...」

 

 

 

その後、流川が強引に仕掛けるも三井のスティールで呆気なく攻撃終了。

次の攻撃、三井は先ほどまでのプレイを布石としシンプルなドライブからリバースレイアップを決める。

流川が負けじと中距離からシュートを沈める。

三井はフェイクから完全に流川を抜きレイアップを決める。

 

 

「俺の勝ちだな」

 

「...今日のところは」

 

「フッ...まだまだお前には負けねえよ、いつでもこいよ」

 

「...ウス」

 

 

 

 

.....

 

 

 

 

 

二組の居残り練習が終わった後、3年の3人は話し合っていた。

小暮が二人に問いかける。

 

「お疲れ、二人とも。

桜木と流川はどうだった?」

 

「桜木の身体能力は底が知れん。ジャンプとスピードだけの男かと思っていたが、パワーもかなり強い。このまま力をつけたら俺でも危ういかもしれん。」

 

「そこまでの男か、桜木は」

 

「ああ。 そういうお前はどうだったんだ、三井」

 

 

目を瞑り、先ほどの様子を思い出しながら答える

 

「オフェンスはすげえ、神奈川でもあいつを止められるやつは数えるほどだろうな。」

 

「お前がそこまで言うのか」

 

 

ああ、と答え、悪い笑みを浮かべながら続ける。

 

「だが、ディフェンスはまだまだだな。」

 

「厳しい男だな。」

 

 

小暮は優しい笑みを浮かべながら呟く。

 

「だが、あの驚異の1年コンビが伸びれば全国制覇も夢じゃないよ」

 

「小暮。 ああ、今年こそ全国制覇だ。」

 

「俺たちにとっては最後の夏だからな...」

 

 

 

 

.....

 

 

 

 

 

そして陵南高校との練習試合当日

 

 

 

 

「「「チューース!!」」」

 

 

!!!!

 

「来た、湘北だ!」

 

「三井に赤木だ」

 

「流川に...なんだあの赤いアタマは!」

 

 

「ハッハッハ、この天才にビビっているようだね」

 

ゴンッ!

 

「バカタレが、おとなしくしてろ」

 

「いてぇ」

 

「どあほう」

 

 

湘北が騒がしくしているなか、一人の男性が近寄り声をかけてきた

 

「安西先生!! 申し訳ございません、遠いところからわざわざおこし下さり...」

 

「イヤイヤ、近い近い」

 

「本来ならこちらから伺うべきところを...」

 

「今日はよろしくお願いします」

 

「お願い致します、しかし練習試合ですが昨年の借りがありますので負けませんよ」

 

「ホッホッホ、お互いに頑張りましょう」

 

 

彼は陵南監督の田岡茂一。その後赤木や三井に声をかけベンチへと戻っていった。

それと入れ替わりで陵南主将が挨拶にやってきた。

 

 

「陵南主将、魚住です。よろしくお願いします。」

 

 

「なんだあいつ、ゴリよりでかいぞ!」

 

「(でけぇ...)」

 

赤木が握手を求める

 

「よろしく」

 

しかし、魚住は応じず赤木と顔を会わせずに呟いた。

 

「オレが勝つ」

 

 

陵南主将魚住 202 cm、湘北主将赤木 197 cm

その長身の二人組を見て桜木は魚住のあだ名を閃いた。

 

「ボス猿...」

 

 

 

そして試合開始の笛がなる。

 

ピピー

 

 

「赤、湘北。白、陵南。で始めます。」

 

 

ジャンプボールが投げられ、二人の主将が空中のボールに手を伸ばした。




次回、仙道登場!
個人的には原作最強だと思ってます。

また続きを読んで頂けるよう、急いで書いていきます。
よろしくお願いします。


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4 vs陵南(前半)


お久しぶりです。なかなか進まなくて遅れてしまいました。申し訳ございません。
現在新型コロナウイルス感染症の影響で外にほとんど出れていません。自粛期間も長く、様々な感情を持っていらっしゃると思いますが、落ち着くときまで頑張っていきましょう。
では、本編へどうぞ。



 

湘北高校 スタメン

PG 7 宮城(2)

SG 14 三井(3)

SF 5 木暮(3)

PF 11 流川(1)

C 4 赤木(3)

 

 

陵南高校 スタメン

PG 8 植草(2)

SG 6 越野(2)

SF 5 池上(3)

PF 7 仙道(2)

C 4 魚住(3)

 

 

_______________

 

 

 

「オヤジ、俺の出番はいつくるんだ」

 

「ホッホッホ、まだ始まったばかりですよ」

 

 

桜木は試合開始からベンチで不貞腐れていた。未経験者であった彼がいきなりスタメンに選ばれるはずはないのだが、彼がそんなことを知る由もない。しかし、そんな彼を安西は一言で黙らせた。

 

 

「君は秘密兵器ですから。」

 

「秘密兵器...」

 

「出番はもう少し後にやってきますよ」

 

「よかろう」

 

 

 

桜木と安西が話している間に少し試合も進み、コートではお互いに少しずつ力を見せ始めていた。そんな中ある男にボールがいった。

 

 

「おお、仙道にボールがいったぞ!」

 

 

体育館がどよめく

 

 

「センドー?」

 

「仙道はね、陵南のエースよ。去年の試合ではあの仙道にやられたようなものよ。」

 

「そんなにすごいのか?」

 

「赤木先輩も三井先輩も、あれほどの選手は見たことがないって。」

 

「ホー」

 

彩子の話を聞きながら桜木は仙道を見つめる。

 

 

 

ボールを持った仙道に流川がつく。

 

「(ム?!)」

 

仙道はワンフェイク入れ、鋭いドライブを決めた。

 

流川は彼を振り替えって見送るのみ。

 

 

「こい、仙道!」

 

赤木がゴール下で待ち受ける。

しかし、彼がブロックに飛んだときには既にボールを持っていなかった。

 

赤木の背中でボールを受けた魚住はノーマークでダンクを決める。

 

「仙道...!」

 

「よおし! ナイスだ仙道!」

 

 

「おもしれえ」

 

「ん?」

 

 

あっさり抜かれた流川の背中が燃えている。

湘北の攻撃、流川が外でボールを受け仙道と対峙する。

 

「こいよ、流川」

 

ドリブルでゴールに向かう流川、着いていく仙道。

 

 

「ルカワ!」

 

「流川! 無茶はよせ!」

 

「決める」

 

「抜けてないぞ!」

 

シュートにいく流川、ブロックせんと仙道も跳ぶ。

 

バスッ

 

「あの一年、ダブルクラッチだと?!」

 

「流川楓...」

 

流川が仙道を見ながら呟く。

 

「決めたぜ」

 

「おもしれえ」

 

ここから流川と仙道の攻防が繰り広げられた。しかしながらオフェンスでもディフェンスでも仙道のが格上であることには違いなく、流川は必死に着いていくような形だ。

 

しかし、この形は試合開始前に安西から指示がでていたものだった。

 

 

 

________________

 

 

「流川君、君は仙道君をマークしなさい」

 

「安西先生! 仙道は俺が...」

 

「昨年、三井君がついていたときにはヨコの対応ができてもミスマッチでやられました。赤木君は魚住君についていると仙道君を常に考えることはできない。だから身長差の無い君がやるしかないんだ。できますか?」

 

「やります」

 

「三井君、その分君にはオフェンスで働いてもらいますよ。陵南のゴール下は魚住君、仙道君を除けば高くない。君でも十分に勝負できます。陵南がマンツーマンで来るのであれば三井君に回してください。」

 

「わかりました」

 

 

__________________

 

 

 

「三井!」

 

三井が赤木からボールを受け越野と対峙する。

シューターである三井を警戒し、越野はあまり距離を取らずディフェンスをしている。

それを逆手にとり、シュートフェイクからドライブ。

魚住がヘルプで出てきたところに赤木へバウンドパス

 

「ウホッ!」

 

ドガッ!!

 

「「でたあ! ゴリラダーーンク!」」

 

「ナイスパスだ! 三井!」

 

「オウ」

 

 

陵南ベンチは静まり返る

 

「赤木に三井。厄介なコンビだ。流川も粗削りとはいえ、仙道とやりあえている。そしておそらくガードの宮城も成長している。やはりウチにとって大きな壁となるのは湘北で間違いない。」

 

「監督、どうしはるんですか?」

 

「昨年湘北に苦しめられたのは何故かわかるか。」

 

「ええと、赤木さんと三井さんのコンビプレイじゃないんですか?」

 

「そうだ。だがそれだけではない。攻め手が仙道しか無かったんだ。それでは仙道への負担が大きくなってしまう。」

「だからこそ、今年こそ全国へ行くために校長と掛け合って奴を謹慎から救いだしたんだ。」

 

「なるほど! それが福さんっちゅうことですね!」

 

「そういうことだ。福田! ブランク空けだが行けるか?」

 

「はい」

 

「お前のそのオフェンス力で仙道の負担を減らしてやるんだ。お前ならできるはずだ。」

 

「やります」

 

__________________

 

 

福田は陵南高校2年のF。昨年監督から厳しく指導をされ、プライドの高かった彼は練習試合中にも関わらず監督に暴力行為を行ってしまう。そのため無期限部活動禁止処分が下されていた。

 

__________________

 

 

コートでは、田岡の言うように陵南が攻め手を欠き、差が広がっていた。

 

湘北-陵南

16-8

 

ピピー!

交代です

 

越野と交代し、福田がコートに入る

 

PF 13 福田(2)

 

それに伴い、池上がSGとなり三井のマークに。

 

 

「13...? なにもんだあいつ」

 

「去年は出ていなかった選手だぞ」

 

 

「オウ、福田。フィニッシュは任せたぞ」

 

「任せろ」

 

 

仙道がボールを保持、流川がマーク。

 

「(次はどうくる...)」

 

そんな流川に対しあっさり中へパスを通す。

 

 

福田につくのは木暮、ディフェンスするがパワーでジリジリと押され簡単にポジションを許してしまう。

そのままターンアラウンドシュート。

 

バスッ

 

「ナイス、福田」

 

「オウ」

 

 

次の湘北の攻撃、宮城が中距離から打つがゴールに嫌われる。

 

「リバウンド!」

 

ポジションを奪い取り、福田がとる。

そのまま仙道へパス。

 

「速攻だ! 戻れ!」

 

流川が追いつく

 

「させねえ」

しかし仙道はその場で急ストップ、そのままシュートを決める。

 

ザシュ

 

「よしっ」

 

「流石仙道さんや!」

 

ピピー!

 

湘北のTOを知らせる笛がなる。

 

 

「フム、福田君が入って陵南には高さが生まれましたね。更にフロントラインはかなり強くなった。そこでだ、桜木君。君の出番ですよ。」

 

「おお! オヤジ!」

 

「桜木、リバウンドは俺たちが全て取るぞ。」

 

「この天才桜木に任せておきたまえ。」

 

「フッ、口だけなんてことはやめてくれよ。」

 

 

陵南ベンチでは

 

「富ヶ丘中の流川楓か、やはりやつは本物だ。流川はどうだ仙道。」

 

「思ってたより良い選手ですね。ディフェンスはまだまだだけど、オフェンスは県内でも屈指じゃないですかね。」

 

「そうか。三井の3Pがまだ目立ってはいないが、あれは湘北の大きな武器だ。とりあえずはマンツーで行こう。」

 

 

ゲームが再開する。

 

「おおお! あの赤アタマがでてきたぞ!」

 

小暮と桜木が交代し、流川がSF、桜木がPFに。

 

しかし、桜木の初陣。彼はとてつもなく緊張していた。

仙道が桜木に手を差しのべる。

 

「よう、でてきたか桜木。」

 

「...」

 

緊張のあまり仙道が見えず、スルーする桜木。

その後も

 

 

「花道!」

 

宮城からのパスを受け損ない、顔面にあたりコートの外へ。

 

 

福田のアタックに対し、ブロックに跳んだ桜木はそのまま福田を押し潰してしまう。

もちろん桜木はアンスポを取られてしまう。

 

※アンスポ(アンスポーツマンライクファール)は現代ver.のインテンショナルファウル。故意に、または悪質であるファウルに対する反則に適用。

 

 

「おい花道大丈夫か?」

 

宮城が心配するも桜木は緊張で聞こえていない。

すると流川が桜木の股間を蹴りあげる。

 

ドゴッ

 

「ッ?!」

 

悶絶する桜木、そして痛みが少しひき流川に怒りをぶつけようと立ち上がる。

 

「ルカワ、テメエ!」

 

「どあほう、緊張でガチガチ男。」

 

「ああ?! 誰が緊張してるって?!

ここからが本番だ、見てやがれ!」

 

 

福田のフリースロー、2本とも外し陵南ボール。

 

植草から福田にボールが渡りペイントエリアで桜木と対峙する。

福田が先程と同様にパワーでゴールに近づく。

しかしながら

 

「フンッ!」

 

桜木のパワーで福田は跳ね返されてしまう。

ならば距離ができたと福田はシュートへと跳ぶ。

 

「くらえ!ハエタタキ!」

 

バシィ!

 

「なに?!」

 

「ナイスブロックだ、桜木!」

 

一瞬で距離を詰める信じられないスピードと跳躍力でブロック。そしてそのままボールを空中でとり、ドリブルで攻め上がる。

 

「花道、こっちだ!」

 

桜木と宮城に対し、植草一人の2:1の状況。

桜木の頭にパスはなかった。

 

「行くぞ! スラムダンク!!」

 

ドガァン!!

 

「桜木ーー!!!」

 

「すばらしい...桜木君、君は...」

 

桜木はドリブルからフリースローラインから50cm程度のところから踏み切り、ワンハンドダンクを決めた。

 

「さっきのブロックといい、あの赤アタマ一体何者だ?!」

 

「イヤイヤイヤ、跳びすぎだろ!!!」

 

 

「天才!!!」

 

 

その後、仙道-福田ラインに桜木、流川は対応仕切れず何度か得点を許すも、桜木の作った流れに乗り湘北が9点リードで前半が終了した。

 

 

湘北-陵南

45-36





ありがとうございました。
仙道は後半本気を出してもらう予定です。基本的には原作通り行く予定ですが、一部変更がございますのでご了承下さい。お付き合い頂ける方は次話以降もよろしくお願い致します。


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