この混沌の世界に反逆せし幻獣を! (ドラミドロの使者)
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プロローグ

時は何処かの駆け出しの町で久々の爆焔が吹き荒れるころー

 

~シンオウ地方やりのはしら~

 

???「おお、偉大なるアルセウス様。息子をどうか宜しくお願い致します。」

 

そう頭を下げるのはこの地を守ってきた一族の末裔であり僕の母親。

僕、レイは創造神アルセウスに気に入られて、そのもとで働くことになった。

 

アルセウス「本当に良いのか?もう彼と会えなくなるが。」

母「構いません。レイ、頑張るのよ。」

 

そう言って抱きしめる母に、小さくありがとうと呟いた。

 

レイ「こいつらもいるし、大丈夫だよ。」

 

そう口にしながら、ルアーボール、ネットボール、モンスターボールの3つを見せる。

この中には、僕の最高の仲間が入っている。

 

アルセウス「では、行くとするか。」

 

次の瞬間、目の前の景色が消え、光に包まれたーーーー!

 

 

 

 

 

~天界、創造神の間~

 

アルセウス「唐突だが、仕事だ。」

レイ「本当に唐突ですね。まだ着いたばかりでしょう?」

アルセウス「ちなみに拒否権はない。」

レイ「ですよね(´・ω・`)」

アルセウス「お前には、とある世界に行ってもらう。その世界にある国、ベルセルグで複数回ミュウツーが目撃された。連れ戻すのだ。後、その世界ではポケモンの代わりに、魔法が存在する。我々のことも、ほとんど知られていない。良いな?」

レイ「はい。ですが、その世界の言語や文字は・・・」

アルセウス「移動する際にインプットされる。出発は2時間後だ。荷物はまとめてあるだろう。会わせたい女神がいる。ついて来い。」

 

マジかー・・・

いや初仕事重くね?

そんなことを考えながら、アルセウス様に連れられ部屋にあった白いドアの奥へ。

また白い廊下を歩き、突き当りのドアの前についた。どうやらここらしい。

 

アルセウス「エリス、アルセウスだ。少し良いか?」

???「え!?は、はい!どうぞ!」

 

そんな声が聞こえる。高さからして、僕と同い年の16歳くらいだろうか。

というか、ノリが恋人。

少し待っていると、扉が開ききれいな銀髪の女性が出てきた。この娘がエリスという女神だろう。予想通り、僕と同い年くらいのようだ。

 

エリス「え、えーと、アルセウス様、彼は・・・?」

アルセウス「部下の人間、レイだ。」

エリス「人間の部下って・・・珍しいですね。」

 

アルセウス様が僕の紹介をしている間暇なので、エリスの特徴を探ることに。

長い銀髪に青い瞳、青をベースとしたゆったりとした服を着ている。

後、右の頬に傷跡が。

 

アルセウス「レイ、彼女がお前が行く世界を担当する幸運の女神、エリスだ。」

・・・・・

アルセウス様の長い紹介が終わる頃には、もう2時間が過ぎようとしていた。

 

アルセウス「時間だな。お前を駆け出し冒険者の町、アクセルへを送る。そのポケモン3匹以外にも仲間を作るのだ。」

エリス「頑張ってくださいね、レイさん。」

レイ「はい。このレイ、必ずやミュウツーを連れ戻します。」

 

そして、僕、ポケモントレーナーのレイの旅は始まった。

 

 

 




毎週末投稿したいです。
キャラクター紹介はもう少し後ですね。


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Ep:1 出会い&キャラ紹介

今回のみ手早く投稿です。


〜アクセルの町から数十メートル離れた草原〜

レイ「痛た・・・いきなり落下とは思わなかったわ」

 

そう、天界から文字通り落下したのだ。一応荷物がクッションとなり一命は取り留めたが、死んでもおかしくなかった。

 

ドカーーーーーーン!

 

レイ「・・・は?」

いやなんだ今の大爆発。・・・まぁ時期に分かるか。

レイ「なんだこれ」

足下に見慣れないバッグが。メモが付いてる。

『支給品渡し忘れたから送る(๑˃̵ᴗ˂̵) byアルセウス』

・・・なんだこれ。

 

中には、ナイフとハンドガン、ポケモン用翻訳機3個が入っていた。後、この世界の通貨。2000円程か・・・おい。

 

レイ「エリスって・・・女神の名前が単位なのか」

 

取り敢えずここに居ても何も始まらないので町へ。

 

〜アクセル、冒険者ギルド前〜

さて、ここか。

ちょっと迷ったが、他の冒険者の後をつけてなんとかたどり着いた。ストーカー?知らんな。

よし、行くか。

ギルドは思っていたより空いていた。

今は真昼だから出払っているんだろう。

 

受付嬢「いらっしゃいませー!お仕事案内はこちらです!」

お、こっちか。

レイ「すみません、冒険者登録お願いしてもいいですか?」

 

その人の胸に、『ルナ』と書かれた名札が付いている。ルナさんか。

 

ルナ「はいでは登録手数料1000エリスになります」

レイ「あ、はい・・・」

 

いきなり貯金の半額を失った。それと交換する様に、身分証明書みたいなカードを渡される。

 

ルナ「冒険者についての説明は大丈夫ですか?」

レイ「大丈夫です」

 

これはポケモンと大して変わらんだろう。

 

ルナ「では、こちらの書類に身長、体重、年齢などの情報をお願いします」

 

戸籍にでも登録するのだろう。えっと、身長168センチ、体重59キロ、16歳、紺色の髪に黒目っと。

 

ルナ「それでは、カードに触れて下さい。ステータスが表示されます。それに応じて、職業を選んで下さい」

・・・・・

ルナ「ありがとうございます。レイさんですね。ふーむ、魔力がかなり高いですね。って、ええっ⁈幸運と器用さ、知力が平均の倍くらいなのですが⁈・・・それ以外は普通って感じですね。これなら、魔法使いやクリエイターなどになれますが、どうなさいますか?」

レイ「クリエイターって何ですか?」

ルナ「クリエイターとは、土属性のスキルを中心とした職業ですね。ゴーレムも作れる面白い職業ですよ」

 

微妙だなぁ・・・

かと言って魔法使いはやりたくない。折角アルセウス様が武具をそろれてくれたし・・・

そんなことを考えながら、職業リストを見ていると、あらゆるスキルを習得可能な初期の最弱職、『冒険者』が目に止まった。火力はポケモンと仲間で補えるので、これで良いだろう。

 

レイ「冒険者で」

ルナ「・・・え?いいんですか?」

レイ「はい」

ルナ「わ、分かりました。登録しておきます」

レイ「あざまーす」

 

用は済んだので、近くの服屋へ。変な目で見られないように、衣服も整えておきたい。

 

10分後・・・

悩んだ末に、紺色のズボンと灰色の長袖シャツ、黒と赤の革製マントを買った。とはいえ、全部中古だが。今の貯金は30エリス・・・食事代にもならない。

クエストは後で受けるとして、ギルドを出て見かけた不動産屋へ。拠点の確保は重要だ。というかこの荷物、さっさと下ろしたい。

レイ「伯父さん、ここらで安い土地ある?」

不動産屋の店主「ああ、ギルド裏が一番安いよ。冒険者がうるさいからね。8万エリスだよ」

安っ⁈・・・余程うるさいのか。

レイ「分かりました。クエストで稼いですぐ戻って来ます」

店主「あいよー」

 

すぐにギルドへ戻り、併設された酒場で美味しいと聞いたジャイアントトード5体討伐のクエストを受けた。頭以外はかなりの物理耐久を誇り、肉も旨いらしい。初仕事、テンション上がるなぁ!

 

〜アクセル郊外、草原〜

レイ「居たな。確かにでかいな」

数メートル先には、ジャイアントトードが5匹。

流石にまとめて相手したくないので・・・

レイ「よし、出番だぞ、お前ら」

ルアーボールからドラミドロ、ネットボールからマルヤクデ、モンスターボールからドダイトスが出てきた。因みに翻訳機が付いてるので言葉を話せる。

ドラミドロ「ほー、ここがミュウツーが目撃された世界か」

マルヤクデ「おいレイ、何故草原で呼び出した?」

レイ「あそこにいるでかいカエルを倒すんだよ。頭以外は物理耐久高いらしいから気を付けろよ?」

ドダイトス「了解だぶっ殺してやる」

レイ「よし、取り敢えず遠くから銃で一体仕留める。そっからは一人一体だ」

 

そう言いながらハンドガンを構え、ジャイアントトードの頭を撃つ。綺麗にヒットし、頭の砕かれたカエルはドサリと倒れた。それに気づいた他のカエルがこちらに向かってきたので、

 

レイ「突撃ー!」

ポケモン達「うおおぉぉぉ・・・」

 

3分後・・・

ドラミドロ「すまん、肉が食えるとは知らなかった」

レイ「いいんだよ。っはー、死ぬかと思った、サンキューマルヤクデ」

ドダイトス「いやあれはカエルをレイの方に追いやったマルヤクデが悪い」

マルヤクデ「・・・すんません」

 

僕たちは、無事(?)ジャイアントトード5体を討伐し、帰路についていた。

僕が説明を忘れたせいで、ドラミドロがヘドロ爆弾でカエルを一体溶かしてしまった。

ドダイトスはウッドハンマーで頭を数回殴っていた。

マルヤクデはハンドガンで2体目を仕留めた僕の方にうっかりカエルを追いやったため、僕が食われかけたがなんとかその前に吸血で殺してくれた。

 

ドラミドロ「そういやお前、レベルはどうなんだ?」

レイ「・・・あ、5に上がってる。スキルポイントも5増えたみたいだ」

マルヤクデ「そうか。何か覚えたらどうだ?」

ドダイトス「銃の威力と射程上昇、なんてのが良さげだな」

レイ「だな、誰かに教えてもらうか」

そんな話をしてたら門についた。

門番が3匹を見てびっくりしてるが、僕と仲良くしているのを見て安心したようだ。何故って普通に通してくれたから。

 

レイ「ドダイトスの大きさじゃギルドには入れないか、ボールに戻れ」

ドダイトス「・・・仕方ねぇ」

ギルドに入ると、みんなドラミドロとマルヤクデを見て門番と同じ反応をしている・・・確かにコイツら目立つな。

 

レイ「ルナさん、ジャイアントトード5体討伐して来ましたよ」

ルナ「・・・あっ、はい!肉はこちらで回収しますので、カードを確認させてください・・・はい、レイさんが2体、ドラミドロさんが1体、マルヤクデさんが1体、ドダイトスさんが1体ですね」

そんなことも分かるのか、凄いなこのカード。

ルナ「因みに、レイさん以外の皆さんの名前は・・・?」

レイ「この海藻みたいなのがドラミドロ、赤い百足がマルヤクデです。ドダイトスはデカすぎるので今はボールの中で待機してますが、見た目はこんな感じです」

そう言いながらクエストの紙の裏にドダイトスの絵を描く。

マルヤクデ「つくづく思うがお前って絵上手いよな」

レイ「伊達に器用さは高くないからな」

ドラミドロ「海藻・・・海藻って・・・」

 

なんかドラミドロが落ち込んでるが気にしない。

 

ルナ「はい、それでは報酬と肉の買い取り額を合わせて12万エリスです。お疲れ様でした!」

レイ「ありがとうございます。行くぞお前ら。戻れ」

マルヤクデ「了解」

ドラミドロ「海藻・・・」

 

ルナさんや他の冒険者がポカーンとしているが、気にせずに不動産屋へ。

 

レイ「はい、8万エリス」

店主「毎度ありー!」

 

前の世界で作った6人用簡易シェルターを持ってきたため拠点はすぐに建てることができた。

荷物もおき、各部屋の使い方も決めたので、今日は寝る事に。ギルドで食事を済ませたとき、ドダイトスは扉が通れないだけと判明した。

 

次の日、仲間集めのためにまたギルドへ。因みにポケモン達は留守番してもらっている。

パーティ募集掲示板に、『敵感知、潜伏を覚えた盗賊、氷に耐性のある前衛職(出来れば騎士かクルセイダー)、中級魔法以上が使える魔法使い系職業各一名ずつ募集。』と書いた紙を貼っておいた。

盗賊の敵感知などは、ミュウツーの捜索に間違いなく役立つ。ドダイトスは硬いが、氷に弱すぎる。また、火力を出せる奴がもう1人欲しい。特に遠距離。

そんな考えでテーブルにつくと、隣から声が聞こえてきた。

 

???「すみませんそこの人。何か食べさせて下さい。あとパーティメンバーの面接もお願いします」

 

びっくりして見ると、黒いとんがり帽子をかぶった黒髪赤目の少女がこちらを見ていた。

レイ「奢るくらい構わないが。お前、魔法使いか?」

少女「はい、そうです。それより早くして下さい、もう3日も何も食べていないんです」

レイ「3日って・・・すいませーん、カエルの唐揚げ定食2つお願いしまーす!」

僕も朝食にするか。本当はテイクアウトしてあいつらと一緒に食うつもりだったが。

少女「ありがとうございます。あ、名乗りがまだでしたね・・・

我が名はめぐみん!アークウィザードを生業とし、最強の攻撃魔法、爆裂魔法を操る者!」

レイ「ちょっと何言ってるか分からない」

めぐみん「な、なにおう!」

 

激昂するその子に、冒険者カードを渡される。

スキルの所に『爆裂魔法』と書かれているし、魔力もめちゃくちゃ高い。嘘ではないだろう。爆裂魔法以外にスキルがないのが気になるが、それよりも・・・

 

レイ「・・・お前何歳だ?」

めぐみん「13歳です」

レイ「う、うん。その眼帯は?」

めぐみん「これは我が力の封印です。これが外れれば、この世に大きな災厄がもたらされるだろう・・・」

レイ「なるほど」

めぐみん「というのは冗談で、ただのオシャレです」

レイ「・・・そうか」

コイツアレか、いわゆる厨二病か。殴りたい。

めぐみん「私は魔法のエキスパート、紅魔族の中でも随一の力を持っています。我が必殺の魔法は山をも崩し、岩をも砕く・・・!モグモグ」

レイ「唐揚げ食べながら喋るな、行儀が悪いなお前」

めぐみん「・・・唐揚げ美味しいですね」

レイ「誤魔化すな、おい・・・まぁ、採用かな。僕はレイ、冒険者だ。知力と器用さと幸運が高い」

そう言いながら、カードをめぐみんに見せる。

めぐみん「ほー、確かに高いですね。ではこれからよろしくお願いします」

レイ「分かった。よろしくな、めぐみん」

めぐみん「それでは、クエストへ行きましょう!我が力、見るがいい!」

レイ「その前に荷物を纏めてついてこい、拠点に案内する。後アイツらにも合わせないとな」

めぐみん「・・・?分かりました」

 

〜自宅〜

まぁ、予測通りだ。

ドラミドロ達を見て固まるめぐみん。

気を遣って話しかけれない3匹。

因みに3匹にはもう朝食を食わせた。

その後紹介したのだが・・・

ってか、めぐみんの変な自己紹介もない。

ダメかぁ・・・と思っていると・・・

めぐみん「カッコいい・・・」

他4名「「「「はい?」」」」

めぐみん「カッコイイじゃないですか、最高です!こういうのが見たかったのですよ私は!」

レイ「おい落ち着け、3匹が固まってる」

めぐみん「はっ!す、すみません・・・」

3匹「「「・・・・・・・・」」」

 

〜アクセル郊外、草原への道〜

今回もジャイアントトード5体討伐を受けた。

やっとショックから立ち直った3匹は今はめぐみんと仲良くなっている。

めぐみん「ドダイトス、背中の木にある木の実って食べれますか?」

ドダイトス「ああ、俺たちポケモンの好物の木の実、オボンの実がなる。人間も食べれる木の実だ」

レイ「最悪コイツの実を食べて生き延びるつもりだ」

めぐみん「そうですか。あ、カエルが居ますね」

ドラミドロ「3体固まってるな。こういう時こそ、めぐみんの爆裂魔法の出番じゃないか?」

めぐみん「そうですね。それでは・・・(詠唱)参ります!エクスプロージョン‼︎‼︎」

その叫び声と同時に、杖から放たれた閃光がカエルに当たり・・・

大爆発を引き起こした。

マルヤクデ「・・・すげー火力。オーバーキルにも程があるな」

確かに異常な破壊力。だが・・・

レイ「めぐみん、どうした?反動で倒れたか?」

めぐみん「・・・・・果たしたので・・ません」

ドラミドロ「なんて?」

めぐみん「魔力を使い果たしたので動けません」

ドダイトス「つまり1日1発ってことか。燃費悪いな」

マルヤクデ「おい、後ろから新手が2体だ。やるぞ!『フレアドライブ』!」

レイ「援護するよ!ハンドガン発射!」

ドダイトス「食らいやがれ『ストーンエッジ』!」

ドラミドロ「吹き飛べ、『気合玉』!」

4つの攻撃にジャイアントトード2体はなすすべなく崩れ落ちた。

めぐみん「皆さん強いですね。レベル幾つですか?」

レイ「僕たちは7だ。さてドダイトス、めぐみん乗せてやれ」

ドダイトス「分かった」

めぐみん「すみませんねぇ。あ、私はレベル8です」

そんな話をする中・・・

マルヤクデ「お前気合玉外したよな」

ドラミドロ「うっせぇ!」

喧嘩するな。

 

その後報酬を受け取り、さっさと寝る事に。

3匹はボールに戻し、めぐみんは自分が選んだ部屋に移動した。

僕はベッドに寝転び、考え事をしていた。

めぐみんはポケモンで言う、技が1つしか無くPPも低い奴だ。しかし火力はとんでもない。すなわち、使い所を間違え無ければ強いという事。帰り道、中級魔法を使っている冒険者を見かけたがハッキリ言って僕達の方が威力が高い。つまり募集しても意味なかったという事だ。

そんな事を考えながら、目蓋が重くなってきたので、そのまま身を任せ目を閉じたーー。

 

 

ここから先はキャラクター紹介

メンバー1:レイ

職業:冒険者 16歳

創造神アルセウスの使い。3匹のポケモンを連れて、遺伝子ポケモンミュウツーの保護を目指す。

見た目はペルソナ3の主人公に似ている。

メインウェポン:ナイフとハンドガン

 

メンバー2: ドラミドロ

タイプ:毒、ドラゴン 特性: 適応力

ルアーボール入りのレイの相棒。気合玉やハイドロポンプが当たらないことが悩み。水の中が好き。

技:ヘドロ爆弾 流星群 ハイドロポンプ 気合玉

 

メンバー3:マルヤクデ

タイプ:炎、虫 特性:貰い火

ネットボール入り。レイが初めて自力で捕まえたポケモン。平たいため、狭い隙間も通れる器用な奴。以外と温厚だが、口が悪い。実はキョダイマックス個体。

技:フレアドライブ 吸血 はたき落とす 雷の牙

 

メンバー4:ドダイトス

タイプ:草、地面 特性:シェルアーマー

モンスターボール入り。ナエトルの頃行くあてもなく彷徨っている所をレイに保護された。体が大きく、どっしりとしているため、前方で仲間を守ることが得意だが氷に弱い。

技:ウッドハンマー 地震 ストーンエッジ 逆鱗

 

メンバー5:めぐみん

職業:アークウィザード 13歳

最強火力の魔法、『爆裂魔法』を愛する紅魔族の天才かつ恥さらし。最高の爆裂魔法のために全てを捧げることができるくらい爆裂魔法が好き。

メインウェポン:爆裂魔法

 

 

 



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盗賊女神と変態騎士

めぐみんをパーティに迎えた翌日。

僕達は残りのパーティメンバー、盗賊と騎士の面接を行うためにギルドの酒場で候補を待っていた。

 

めぐみん「それにしても、何故盗賊なんて募集するのです?ダンジョンに潜るのであれば、レイ自身が習得すれば良いではないですか」

定食をモリモリ食べながらめぐみんが聞いてくる。食べすぎだと思う。というか、めぐみんにはミュウツーのことを話しておいた方がいいか。コイツは知力が高いし、理解してくれるはず。

レイ「そういや話してなかったな、目的。僕は別世界からこの世界に来た遺伝子ポケモン、ミュウツーを探しに来たんだ。だから敵感知とかの精度がよい本職が欲しいんだよ」

めぐみん「そうだったんですか。あれ?」

レイ「どうした?」

めぐみん「もし、そのミュウツーを見つけたら元の世界に帰ってしまうのですか?」

レイ「あー、特に決めてないな。まぁ元の世界には帰る気はないが、他の世界に行くかもな」

めぐみん「そうですか。大変ですね」

 

そんな話をしていると・・・

???「ねぇ、ちょっといいかな?この紙って、君達のだよね?」

レイ「そーですが」

背後からの声に振り返るとどことなく見覚えのある銀髪青目の少女がこちらに笑いかけていた。僕の顔を見た瞬間ちょっと驚いたような素振りを見せたのは気のせいだろうか?

そしてその子の後ろには、いかにも堅物な感じの金髪碧眼の女騎士がいた。

めぐみん「我々のパーティに加わりたいというのですか?ならばそれ相応の力を見せてもらいましょう」

レイ「コイツのいう事は気にしないでくれ。僕はレイ。冒険者だ」

銀髪少女「あはは・・・あたしはクリス。見ての通り盗賊だよ。敵感知と潜伏は使えるよ。でこっちがダクネス。クルセイダーだね」

それに応えるように、めぐみんが立ち上がりー!

 

めぐみん「我が名はめぐみん!アークウィザードを生業とし、最強の攻撃魔法、爆裂魔法を操る者!」

・・・2人がポカーンとする中、僕はジッとクリスを見ていた。この子の頬に、彼女と同じような傷がある。ついでに髪色とか目の色も同じだ。そして僕を知っているみたいな感じ。名前も、彼女とよく似ている・・・まぁこれは後か。今は面接だ。

 

クリス「このダガーは特注品で攻撃力も高いから戦闘もできなくは無いよ」

レイ「よし、クリスの事は分かった。ダクネスだっけ?あんたも喋ってくれ」

ダクネス「あ、ああ・・・私はダクネス。クルセイダーだが、戦力としては期待しないでくれ。何せ、不器用すぎて攻撃が当たらんからな」

レイ&めぐみん「「え?」」

クリス「まったくダクネスは・・・せめて両手剣スキルを取ろうよ」

ダクネス「いや、私は筋力と体力には自信がある。攻撃が当たれば無傷でモンスターを倒せるようになってしまう。全力で挑み、力及ばず圧倒されてしまうのが気持ちいい」

レイ&めぐみん「「はい?」」

ダクネス「だが、耐久力には自信がある。氷にもだ。どうだ?」

 

どうしよう、こんな奴が来るとは思わなかった。

頬を赤らめながら言うダクネスに僕とめぐみんが引いていると・・・

 

『緊急クエストです!町にいる冒険者各員は、至急冒険者ギルドに集合してください!』

レイ「なんだ?緊急クエスト?」

クリス「多分キャベツの収穫だね。儲かるよ?」

ダクネス「沢山のキャベツにボコボコにされるのは・・・んんっ、想像しただけで武者震いがっ!」

見ると、他の冒険者達は雄叫びを上げながら外に飛び出ていく。ギルドがまさにカオスなんだが。

 

そんな中、ドラミドロ達が来た。ドダイトスは外だろう。

ドラミドロ「緊急クエストと聞いたが・・・なんだこの有様は?」

マルヤクデ「お、仲間が見つかったのか」

めぐみん「さぁ、行きますよ!キャベツに群がるモンスターを一網打尽です!・・・どうしました2人とも?」

 

クリスとダクネスはドラミドロとマルヤクデを見て固まっていた。

 

レイ「置いてくぞ?」

クリス「あっごめん!すぐ行くよ!」

・・・

レイ「ちょっと何が起こってるかわからない」

キャベツが飛んでいる。うん、何コレ?

見れば、クリスやダクネスはキャベツをすでに追いかけていて、めぐみんは姿がもう見えない。

 

ドラミドロ「よし、俺は流星群で撃ち落とすからドダイトスは回収頼む」

マルヤクデ「レイ、ボーッとしてないではたき落とすで落とすからマントで捕まえてくれ」

ドダイトス「自然の恵みに感謝!」

レイ「お前ら何順応してんだよ!もういいやってやるよ!」

 

半分ヤケで僕達もキャベツに襲い掛かった!

 

 

3時間後・・・

レイ「なぜこんなにキャベツ炒めが旨いのか理解出来ない」

めぐみん「報酬は山分けでお願いします。あまり捕まえられませんでした」

ダクネス「ああ・・・あのキャベツに体当たりされたあの感覚は堪らなかったなぁ・・・」

クリス「いやー、これは儲かるよ!私はかなり捕まえたからね!」

マルヤクデ「ドラミドロ、お前今日やけに命中精度良かったな。流星群がキャベツ以外に当たっていなかったぞ」

ドダイトス「オレはキャベツじゃない」

ドラミドロ「ははは、悪かったって。でもお前の収穫量多分この町で一位だぞ?」

ドダイトス「嬉しくない・・・」

 

キャベツ狩りを終え、ギルドではキャベツ料理が振る舞われていた。クリス曰く、生命力が強いから飛ぶらしいが未だよく分からん。

よし、さっきはスルーしたあの話をしよう。

 

レイ「クリス、お前ってエリス様によく似てるよな」

その一言に固まるクリス。間違い無いなコレ。

レイ「傷の位置も同じだよね」

めぐみん「ど、どうしたのです?急に半笑いで」

めぐみんは無視して続ける。

レイ「僕の顔を初めて見たとき、びっくりしてたよな?」

クリスがビクッと震える。

レイ「髪色とか目の色も同じだよね」

ダクネス「な、何が言いたいのだ?意思が汲み取れないのだが」

ダクネスも無視してトドメの一言を。

レイ「前にエリス様の部屋に行った時、そのダガーがあったけど、それって特注品なんだよね?」

それを聞いた瞬間クリスはこちらに頭を下げる。

クリス「その話は後でお願いします!」

 

その後、2人を自宅へ案内し、居間に集合した。ポケモン達はやっぱり寝てしまった。

めぐみん「つまり、クリスとエリス様は同一人物という事ですか⁈」

クリス「う、うん・・・」

クリスが赤い顔でうなずく。そして僕に顔を向けると。

クリス「いやぁ、流石だね。まさかあのとき見つけていたと思わなかったよ」

レイ「アルセウス様の話長いからな。部屋を観察してたんだ。あのダガー、綺麗だから覚えていたんだよ。」

ダクネス「エリス様と友達・・・私はなんと恐れ多いことを・・・!」

変態な上体もいやらしいクルセイダーがパニック陥っている。

クリス「ダクネス、大丈夫だから!別にこれ以上広まらなければ問題ないから!」

因みにポケモン達はもう寝た。疲れたらしい。

めぐみん「分かりました。これ以上は広めませんよ、女神様」

ものすごくニヤニヤしながらそんなことを言うめぐみん。このロリっ子はいじめっ子気質があるのかもしれない。

 

ダクネス「む?レイ、冒険者カードを持って何をしているのだ?」

レイ「キャベツ狩りで知り合った冒険者達にスキルをいくつか教えて貰ったんだよ。それを習得してる所」

めぐみん「ちょっと見せて下さい」

レイ「あ、おい!」

そう言ってカードをひったくるめぐみん。

めぐみん「ほぅ、『片手剣』、『狙撃』、『初級魔法』ですか。スキルポイント余ってますよ?」

クリス「よし、だったら『潜伏』と『敵感知』教えてあげるよ!」

レイ「お、助かる」

ミュウツー捜索のためにも、ぜひとも習得したいスキルだ。

ダクネス「ふわぁぁ・・・私はそろそろ寝るとするか。あまり夜更かしするなよ?」

めぐみん「私も寝ます。おやすみなさい」

レイ&クリス「おやすみー」

 

翌日・・・

めぐみん「おはようございます・・・って何があったのですか?」

めぐみんがそういうのも無理はない。

クリス「ごめんなさいごめんなさい!許して下さい!ほんの出来心だったんです!(´;ω;`)」

レイ「へーそうか。詳しく(# ゚д゚)」

何故って、縛られて床に転がされたクリスが僕に許しを請っているのだから。

ドラミドロ「めぐみん、来い。何があったか教えてやる」

 

 

[一時的にめぐみん視点]

どうやら、潜伏と敵感知を教えた後、クリスが夕べの復讐としてレイにバインドを使おうとしたらしい。しかし、レベルが上がり敏捷性が他に比べ大きく上がり、なおかつ反射神経が良いレイはアッサリと躱し、その場でバインドを習得してバインド返ししたそうだ。

ドラミドロは水を飲みに深夜3時に起きたら目撃したらしい。

昨日は深夜2時まで話していたので、潜伏と敵感知に1時間かけたとは思えない。恐らく話でもしてたのだろう。

そしてレイのバインドで捕われたクリスは居間に運ばれ、言い訳を聞いていたら2人とも寝落ちしていたと。

レイはクリスより早く起きて、尋問の続きをしようとバインドを掛け直し、クリスを問い詰めていた、と。

私は呆れて、ため息を吐いた。

 

 

[視点はレイに戻る]

クリスを散々虐めて満足した僕は、未だ落ち込むクリス、さっきからため息ばかりのめぐみん、クリスに何があったか聞いて以降ずっとハァハァしているキャベツによって鎧が傷み、修理に出しているダクネスを連れ、ギルドに行った。

そして今日もカエルを倒した僕達は、とあるミツルギと名乗るイケメンに絡まれていた。

 

ミツルギ「君、面白い生き物を連れているね」

レイ「何が言いたい」

なんかこいつはいけ好かない。

ミツルギ「それに、連れている仲間も強そうだ。君は最弱職なのに」

レイ「文句あるのか?」

ミツルギ「僕は魔王討伐を目指している。君はどうだい?」

レイ「魔王討伐は僕の目的とは違うな」

ミツルギ「だったらその優秀な人たちは必要なのか?」

レイ「必要だ。もういいから退け。ギルドに報告したいんだよ」

ミツルギは動かない。もう嫌なんだが。

チラッと後ろを見るとクリスとめぐみんが殺気だっている。ダクネスが止めているが、それも時間の問題である。ポケモン達は、暴走しないようにすぐにボールに戻した。

ミツルギ「僕は魔王を倒すためにも、強い人を味方につける必要がある。女神様もね。こうしよう。僕と君で一対一だ。僕が勝てば条件を飲んでもらう」

コイツ、昨日のギルドでの話盗み聞きしてたのか。クリスが固まってるし。

めぐみん「それは卑怯ですよ⁈あなたレベル37のソードマスターでしょう!彼はレベルまだ9の冒険者ですよ⁈」

レイ「やめろめぐみん。コイツは一回痛い目見ないと分からん奴だ」

ミツルギの取り巻き達「あんた何言ってるの?キョウヤに勝てるわけないじゃない!キョウヤの剣は魔剣なのよ!」

レイ「お前らは少し黙っとけ」

取り巻き「ヒッ⁈」

クリス「・・・レイ、怖いよ?」

おっと、殺意があらわになっていたようだ。

ミツルギ「なら、先制はあげるよ。かかってこい。受け止めてみs」

レイ「『狙撃』」

ミツルギ「⁈」

僕が先制でハンドガンで狙撃するが、剣で防がれる。

ミツルギ「そうか。次は僕の番だ!」

斬りかかってくるが、すぐに地面を撃って凹みを作った為、ミツルギは盛大にコケた。

レイ「ちょっと何やってるかわからない(笑)」

ミツルギ「こ、この・・・」

僕の煽りに怒ったミツルギが再度斬りかかってくるが、その威力を利用させて貰おう。

レイ「『テトラカーン』!」

ミツルギ「グハッ⁈」

僕が発動したカウンタースキルに、ミツルギはなすすべなくふっとんだ。

変な格好で倒れるミツルギに一言。

レイ「僕の勝ち」

そう言い放ち、意気揚々とギルドに入っていった。

 

 

その夜・・・

ダクネス「そう言えばあの『テトラカーン』というのはなんだったのだ?」

めぐみん「私も聞いたことありませんね。レイがあのナルシストを一撃と言うのは厳しいと思うのですが」

ナルシストは言い過ぎではないか。

レイ「アレは一時的に周りにバリアをはり、受けた物理攻撃を威力を上げてお返しするスキルだ。ミツルギのパワーは高かったからな、反射の威力もかなり高かった。僕が元から使える、『ペルソナ』の力の内の1つだよ」

クリス「ペルソナって聞いたことがある。一部の人間は反逆の意思を具現化させることができ、様々な技が使えるって。アルセウス様がレイを部下にしたのはそれが理由かな?」

レイ「多分そうだな。僕のペルソナはゲンナイ。かつてその発想力と知恵で世に貢献したが、最終的には投獄され死んだ男と同名だ」

めぐみん「となるとレイも同じ様に死ぬ、という事になりますね」

レイ「そんなことにはならない事を祈る」

と、さっきから何やら考え事をしていたダクネスが。

ダクネス「では、他にも技があるのか」

レイ「ああ、皆程威力はないけどな」

ドラミドロ「一部除くがな」

マルヤクデ「器用貧乏って感じだ」

ドダイトス「キャベツ許すまじ」

・・・まだ引きずってんのか。

 

 

翌日・・・

手頃なクエストもなかったので、今日は自由行動に。

クリスは一度天界に戻るらしい。死者の導きが溜まっているんだと。

ダクネスは実家で筋トレ・・・脳筋かよ。

めぐみんはドダイトスを強制連行して町の外へ。

ドラミドロはマルヤクデと買い出しへ。その後は図書館へ行くらしい。あの2匹はなんだかんだで仲がいい。

で、僕はというと。

 

レイ「ウィズ、だったか?なんでリッチー兼魔王軍幹部なんて大物がこんな所で店主なんかしてるんだ?」

ギルド内でよく話題になっていた魔道具店に来ていた。まぁ話題になっていたのは店ではなくこの青白い顔の女店主だったが。

ウィズ「す、すみません!」

レイ「何故謝るんだよ(・ω・)」

ウィズ「いえ、私なんかが迷惑かと・・・」

レイ「そんなことで謝るな」

何故彼女がリッチーか分かったかって?

僕が店に入ったのにも気づかず、『アンデッドだから食べなくても死なないとは言え、寂しいですね・・・』なんて言ってたら嫌でも気付くわ。

で、しばらく問い詰めてリッチー兼魔王軍幹部というかなり物騒な役職であるとも分かった。

しかし、人間を攻撃したことはないらしい。敵意も感じられないから中立なのだろう。

ウィズ「私は、リッチーになって夢だった店を開こうとしたら魔王さんに頼まれて結界の維持だけ請け負っているんです。幹部が減るに連れ、結界が弱まって行くんですよ」

レイ「なるほど。つまり幹部1人が維持する結界は簡単に破れると。ならウィズを倒す必要はないな。さて、なんかいい魔道具あるかなぁ」

そう言いながら置いてあったポーションを手に取り・・・

ウィズ「あ、それは衝撃を与えると破裂しますので、気をつけてくださいね」

レイ「いや危ないな。お、この箱は?」

ウィズ「それはいいものですよ!開けて持ち運ぶとモンスターに襲われなくなるらしいんです!」

そう聞いて開けてみって臭っ⁈

レイ「いやこの匂いは人間もダメなヤツ。臭い」

キャタピーの臭角並みに臭いぞこれ。

ウィズ「ええっ⁈これ、オススメされてかなり買ってしまったのですが・・・」

レイ「ガッツリ詐欺に遭ってんじゃねえか」

落ち込むウィズを見て、彼女の商才の無さを理解する。待てよ、だとするとーー

レイ「これ、幾らで買ったんだ?」

ウィズ「え?1つ500エリスでしたが?」

・・・

レイ「なんで400エリスで売ってんだよ」

ウィズ「それは・・・」

この人、商才がゼロ以下だ。えっと、他には・・・

レイ「いやおいおいおい!なんでねがいぼしが売られてるんだ⁈って1,000エリス⁈安すぎだろ!」

ウィズ「それはつい1か月程前、草原に落ちていまして、強い力を感じたので売りに出しましたが、知っているのですか?」

レイ「落ちてた⁈ねがいぼしが⁈」

おかしいおかしい!なんでダイマックスバンドの素材にもなる超レアアイテム、ねがいぼしがポケモンの概念もないこの世界に⁈

そんなことをウィズに説明し、1万エリスで買い取ることを伝えると・・・

ウィズ「えええーっ⁈そんな高額で⁈ありがとうございます!ありがとうございます!」

レイ「いや土下座しなくていい!」

どれだけ貧乏なんだよこの店!

 

 

数日後、仲間達にもウィズを紹介した。クリスもといエリスが襲い掛かろうとしたが僕にフルボッコにされて落ち着いた。

後、クリスの正体に秒で気づかれた。人生経験の差だろう。ウィズが酷く怯えていたが。

そして、キャベツ狩りの報酬が出ると言うことでギルドに来たのだが・・・

レイ「もらってきたぞー」

一応リーダーみたいな僕が報酬を受け取って来た。

めぐみん「お疲れ様です。1人の報酬は?」

レイ「えっと、合計が350万エリスだから、1人あたり50万エリスだな」

ダクネス「ボコボコにされてお金が貰えるとか、最高ではないか・・・!」

コイツは無視。

ドラミドロ「いい金になったな。俺も装備を買うか」

お前に合う装備あるのか?

マルヤクデ「今日程特性が炎の体でなくて良かったと思った日はない」

そういえば貰い火だったな。

ドダイトス「キャベツ背中で育てようか・・・」

レイ「やめろ」

クリス「ワイヤーでも特注しようかな?」

そっか。特注か。

その後はそれぞれ報酬でやりたいことがあるので別行動に。

 

その夕方・・・

ドラミドロ「どうだレイ。決まってるだろう?」

さっきからポケモン達の装備の感想を言わされている。ドラミドロは黒い軽そうな特注の腕とその間を守る鎧をつけていた。

レイ「カッコイイ」

マルヤクデ「この兜、牙と相まって武士に見えるだろう!」

マルヤクデはジョウト風の耐熱兜。子供用らしい。

レイ「そうだな」

ドダイトス「今なら氷も耐えられる気がする!」

ドダイトスは殻の縁にアダマンタイトという超硬い鉱石を取り付けていた。ツノと頭にも。殻の上につけていないのは光合成したいかららしい。

レイ「無理するなよ」

もう疲れた。

めぐみんは杖を新調し、修理していた鎧に手を加えてもらったダクネスと共に爆裂散歩へ。

クリスは軽いワイヤーを特注し、上機嫌で帰ってきた。

僕はゲンナイの呼び出し方を家で模索していたが、成果はこの前買ったねがいぼしで作ったダイマックスBと持ってきたZリングにつけているドラゴンZが反応してペルソナスキルが強くなったこと。あと1つ何かが足りない様だが、ウィズが拾うかもなのでそれまで待つか。

 

数日後・・・

僕達冒険者はギルドから緊急の呼び出しを受け、アクセルの門の前に集まっていた。

そこには黒い鎧に身を包み己の首を抱えた首なし騎士、デュラハンの姿が。

デュラハン「俺は、つい先日、この近くの城に越してきた魔王軍の幹部の者だが・・・」

あれ、なんか雰囲気が怒ってないか?

デュラハン「まままま、毎日毎日毎日毎日っっ‼︎おお、俺の城に、毎日欠かさず爆裂魔法撃ち込んでく頭のおかしい大馬鹿は、誰だあああああああー‼︎」

 

《続く》

 




はい、ということでパーティメンバー集合です。
ペルソナ『ゲンナイ』は江戸時代の人物、平賀源内をモチーフにしたオリジナルペルソナです。電撃吸収、疾風軽減、火炎弱点の塔属性。
水の女神やネコもどきも登場予定。


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怒りのデュラハン!

デュラハン「まままま、毎日毎日毎日毎日っっ‼︎おお、俺の城に、毎日欠かさず爆裂魔法撃ち込んでく頭のおかしい大馬鹿は、誰だあああああああー‼︎」

うわぁ、めっちゃ怒ってる。ってか、爆裂魔法って今僕の隣で青い顔して震えてる紅魔族以外いないじゃねーか。

レイ「ほら、お呼びだぞめぐみん」

僕達に押されてめぐみんが嫌々前に出る。

デュラハン「お前が・・・!お前が、毎日毎日俺の城に爆裂魔法ぶち込んで行く大馬鹿者か!俺が魔王軍幹部だと知っていて喧嘩を売っているなら、堂々と城に攻めてくるがいい!その気が無いのなら、街で震えているがいい!何故こんな陰湿な嫌がらせをする⁈この街には低レベルの冒険者しかいないことは知っている!どうせ雑魚しかいない街だと放置しておれば、調子に乗って毎日毎日ポンポンポンポン撃ち込みにきおって・・・頭おかしいんじゃないのか、貴様っ!」

クリス「ねえダクネス、ドダイトス。一体何があったの?」

ドダイトス「あのミツルギとやらに絡まれた翌日、あいつの爆裂散歩に付き合わされたんだが、その日見つけた廃城に撃ち込んだんだよな。そこにあのデュラハンがいたんだろ」

ダクネス「それからというもの、めぐみんは毎日廃城に爆裂していたからな。気持ちはわからんでもない」

なるほど。自業自得か。

 

めぐみん「我が名はめぐみん。アークウィザードにして、爆裂魔法を操る者・・・!」

デュラハン「めぐみんってなんだ。馬鹿にしてんのか?」

めぐみん「ちっ、違わい!」

・・・まったくあいつは。

めぐみん「我は紅魔族にして、この街随一の魔法使い。連日の爆裂魔法も、あなたを誘き出すための作戦です!さぁ、ここで討ち取らせていただきますよ!」

ドラミドロ「ちょっと何言ってるかわからない」

レイ「僕のセリフ取るな」

マルヤクデ「ここは乗ってやろうぜ、今日はまだ爆裂撃ってないし」

聞こえたのか、めぐみんの耳がほんのり赤くなる。

そんなめぐみんの様子を完全無視して、デュラハンはこう告げる。

デュラハン「とにかく、もう爆裂魔法はやめろ。嫌というのなら、こちらにも考えがあるぞ」

めぐみん「嫌です」

あ、あの野郎・・・!

それを聞いたデュラハンはうなずくと、めぐみんを指差しー!

デュラハン「汝に死の宣告を!貴様は1週間後に死ぬ!」

その叫び声と、ダクネスがめぐみんの前に出るのは同時だった。

指先から迸った黒い閃光は、ダクネスに直撃し、消えた。

クリス「ダ、ダクネス!大丈夫⁈」

慌てるクリスに対し、ダクネスは不思議そうに自分の体を見ている。

ダクネス「ああ、なんともないが・・・」

デュラハン「フハハ!これは嬉しい誤算だ!その鎧娘の呪いを解いて欲しくば、俺の城の最上階まで来い!さもなくば死あるのみ!クククク、クハハハハハ!」

そう叫び、デュラハンは去っていった。

他の冒険者達がポカーンとたたずむなか、僕はとある木の実を持ってダクネスの前へ。

レイ「これ食え」

ドダイトス「お、それは・・・効果あるのか?」

ドラミドロ「確かこれは混乱やメロメロにも効果があったな。死の宣告にも効果があるんじゃないか?」

マルヤクデ「いや、死の宣告は滅びの歌と同じかもしれないぞ?」

レイ「試す価値はある。ほらダクネス、食え」

ダクネス「さ、流石によくわからない物はちょっと・・・むぐっ⁈」

クリス「ちょっ⁈」

尻込みするダクネスの口に、ラムの実を押し込んだ。涙目で飲み込んだダクネスの体が淡く光る。

めぐみん「死の宣告は消えた様ですね。そ、相当不味いのですか?」

クリス「あのダクネスが涙目に・・・かなりヤバイよね?」

ドダイトス「ラムの実は食えばあらゆる状態異常を治すがとてつもなく不味い。正に良薬口に苦しだな」

マルヤクデ「普段はオボンの実とかと一緒に食べ効果の代わりに味を少しよくするのだが・・・」

レイ「呪い系は強力だからそのまま食わないと無理だと思った」

ドラミドロ「理解した」

 

翌日・・・

めぐみん「クエストに行きましょう!それか廃城に爆裂散歩に行きましょう!」

クリス「よし皆、クエスト行くよ!(汗)」

レイ「OK」

ダクネス「分かった」

そして、ギルドでブラックファングという巨大な熊の討伐依頼を受けたわけだが・・・

 

ドダイトス「いだいいだい!コイツ一撃重い!」

ダクネス「私に任せろ!『デコイ』ッ!」

さっきまで壁になっていたドダイトスが悲鳴を上げたので、頬を火照らせたダクネスが囮スキルで熊を引き付けている。めぐみんは爆裂魔法の詠唱をしているので僕達はそれまで護衛なのだが・・・

クリス「うわーっ!一撃ウサギの増援だー!」

レイ「多い多い!どっから湧いたこいつら⁈」

ドラミドロ「流星群撃ちまくってもう疲れたんだが休んでいいか⁈」

マルヤクデ「ダメに決まってんだろ!ああクソっ、『雷の牙』!」

ウサギ「キシャーッ!」

背後からの一撃ウサギの襲撃の対処に追われていた。

一撃ウサギは一見ただの角のあるウサギだが、めぐみん曰く、この前狼を殺して食っていたらしい。

めぐみん「詠唱が終わりました!ダクネス、離れてください!」

レイ「ドダイトス、地震で蹴散らしてくれ!ダクネスは早く来い!」

ドダイトス「わ、分かった!『地震』!」

ダクネス「うわぁぁぁぁ・・・」

めぐみん「『エクスプロージョン』ッッッッ‼︎‼︎」

 

なんとかウサギと熊を倒して、ぼろぼろで帰還した。

 

その夜・・・

レイ「アレだ、もう熊はやめよう」

全員「「「「「「賛成」」」」」」

流石の変態も応えたらしい。

マルヤクデ「俺は寝る。報酬うまかったし、明日は休もうぜ」

ドダイトス「賛成。行きたい場所もあるからな」

クリス「そうだね。めぐみん、もう廃城に爆裂魔法撃っちゃダメだよ?」

めぐみん「嫌です」

ドラミドロ「おい」

ダクネス「わ、私としては構わないのだが・・・」

レイ「ダメだ。触らぬ神に祟りなし、というだろ?無駄に怒らせない方がいい」

クリス「・・・女神の前で言うことわざじゃないと思う」

 

翌日・・・

レイ「お前、知らぬうちに知り合い増やしすぎだろ」

することもなかった僕はドダイトスについてきたのだが・・・

ドダイトス「悪いか?ほーら、こっちだぞー」

男の子A「亀さん待ってー!」

あいつ、子供達に人気だなぁ。

男の子B「お兄ちゃん、亀さんの友達?一緒に遊ぼ?」

そんなキラキラした純粋な目で見ないでくれ。

レイ「分かった。よし、かくれんぼするか!」

子供達『わーい!』

平和だなぁ・・・

 

そんなこんなで、デュラハンが来て1週間が過ぎた。つまり、本来ならダクネスが死んでしまうということ。ラムの実は偉大なり。

 

デュラハン「何故城に来ないのだ、この人でなしどもめがぁぁぁぁ‼︎‼︎そして爆裂魔法はやめろと言っただろぉぉぉぉ‼︎‼︎」

僕達はまた緊急の呼び出しを受け、デュラハンと対峙していた。今度は大量のアンデッドナイトを連れているので、本格的に街を襲撃する気なのかもしれない。

レイ「おいめぐみん、お前また爆裂散歩に行ったのか」

よし、一回絞めてやろう。

めぐみん「痛いです苦しいです離してください!ふ、ふぅ。い、言い訳をするとですね、前は平原に爆裂魔法を撃つだけで我慢できたのですが、城へ撃つ事への魅力を覚えて以来、大きくて硬いモノじゃないと我慢できない体いだいっ⁈」

レイ「馬鹿野郎!ってか共犯は誰だ⁈」

僕の問いかけにドダイトスは首を傾げ、クリスは肩をすくめ、ドラミドロは顔の前でヒレを振り、マルヤクデは頭を振る。ってことは・・・

デュラハン「全く、貴様らには仲間を助けようという気は無いのか?今はモンスターとは言え、生前は真っ当な騎士のつもりだった。その俺から言わせれば、あの騎士の鑑の様なあのクルセイダーを見捨てるなど・・・!」

その時。鎧が重くて遅れたダクネスがようやくやってきた。騎士の鑑と褒められて照れているダクネスはデュラハンと目が合うと・・・

デュラハン「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あ、あれぇーーーーーーーーーーーーーーっ⁈」

レイ「おいダクネス、お前めぐみんの爆裂散歩に付き合っただろ!おい!」

ダクネス「なっ⁈す、すみません・・・!」

僕の逆鱗に、流石のダクネスも謝った。

クリス「いやデュラハンの方に触れてあげて」

デュラハン「もういい。本来はこの街周辺のチカラが強くなったと占い師が騒ぐから調査に来たのだが・・・面倒だしもうこの街ごと消してしまうか」

いや何という理不尽。

デュラハン「俺はベルディア!魔王軍幹部のベルディアだ!さぁお前たち!コイツらを皆殺しにせよ!」

その声を合図に、アンデッドナイトの大群が突っ込んで来た!

 

冒険者「おい!プリーストを!プリーストを呼べー!」

冒険者「聖水を教会からもらってきてくれえーー!」

そんな悲鳴を上げる冒険者を見ながら。

レイ「『狙撃』!」

ハンドガンでアンデッドナイトを1匹ずつ処理していた。

コイツらは鎧の継ぎ目とか顔を狙えば大体一撃で倒れる。そこまで強いというわけでもないが。

マルヤクデ「『はたき落とす』!」

ドラミドロ「『気合玉』!」

ドダイトス「『逆鱗』!」

ポケモン達も苦戦の様子は見られない。

クリス「『バインド』!ほらダクネス、やっちゃって!」

ダクネス「任せろ!ふんっ!」

クリスとダクネスもいいコンビネーションだ。

めぐみん「私の出番は無さそうですねー」

実際、アンデッドナイトの数はかなり減った。というか、もう残りが殆どいない・・・

デュラハン「第2軍、行けー!」

と思っていた時期が僕にもありました。

冒険者「まだいんのかよぉぉぉぉ!」

畜生、こうなったら!

レイ「めぐみーん!街の外で爆裂魔法準備しててくれー!」

めぐみん「ええっ?・・・りょ、了解です!」

レイ「おいダクネス!デコイでアンデッドナイトを引きつけろ!ドダイトスはダクネスを乗せてダッシュで付いて来い!」

ダクネス「わ、分かった!『デコイ』!」

ドダイトス「うおおおぉ素早さ種族値56の全力ダッシュー!」

街中のアンデッドナイトが街の外に誘き出され、

めぐみん「何という最高のタイミング!感謝しますよ!『エクスプロージョン』ッッッッ‼︎‼︎」

めぐみん会心の爆裂魔法が、アンデッドナイトの大群の中心に炸裂した!

 

ベルディア「・・・・・・・・・・・・・・・」

めぐみん「凄く・・・気持ちよかったです・・・」

幸せそうな声が聞こえる。

レイ「ほら、おんぶしてやる」

めぐみん「あ、お願い致します」

ドダイトス「いやはや、凄い衝撃波だったな。俺が吹き飛びかけたぞ」

レイ「320Kgが跳ぶって想像できない」

ダクネス「ああ・・・吹っ飛ばされて地面を転がされるなど・・・!」

冒険者「やるじゃねーか、頭のおかしい子!」

冒険者「頭と名前だけでなく火力もおかしいな!」

めぐみん「すいません、あの人たちぶっ飛ばしたいので連れてってください」

レイ「無理すんなって。今日は充分すぎる活躍だったんだ。ゆっくり休め」

めぐみん「・・・はい」

そう言ってめぐみんは力を抜き、身を預ける。

遠くでは、ベルディアが震えていた。

ベルディア「ククク、クハハハハ!面白いではないか!まさかこの街で、配下を本当に全滅させられるとは思わなかった!よし、では!」

あっ、やばい。これってテンプレ?

ベルディア「この俺自ら、貴様らの相手をしてやろう!」

正門前にいたベルディアが、大剣を構えてこちらへ駆け出した!

 

 

まずい。この状況はかなりまずい。

ベルディア「・・・ほーう?この俺を討ち取ろうと言うのか。さぞかし大層な報酬が貰えるだろうな!倒せれば、の話だが。さぁ、まとめてかかってこい!」

無鉄砲な冒険者達が、ベルディアを包囲し今にも斬りかかろうとしている。

戦士風の男「おい、どんなに強くても後ろに目はねぇ!囲んで同時にやるぞ!」

ベルディアはそれを聴くと、自分の頭を上空へ放り投げた。

レイ「待て、止めろ!」

そんな声も虚しく、冒険者達はベルディアに突っ込み・・・完全に躱された。

冒険者「えっ?」

誰の声だろうか。その直後、彼らはベルディアに切り殺されていた。

ベルディア「次は誰だ?」

その場にいた全員が怯む中、その声に応じる様に、ダクネスが前に出た。

ベルディア「ほう。貴様はあの時のクルセイダーか。面白い」

ベルディアは、めぐみんの力を目の当たりにし、警戒しているのだろう。

大剣を正眼に構え、僕達を庇うその姿には、普段の変態の面影はなかった。

ベルディア「フンっ!・・・は?」

ダクネス「なっ⁈修理した鎧がっ⁈」

ダクネスはベルディアの一閃を受けても、鎧に傷をつけただけだった。流石の硬さだ。

ベルディア「そうか。ならば何度も攻撃するまで!」

ダクネス「いいだろうかかってこい!」

・・・ベルディアとダクネスの交戦が始まって10分が経過した。正確にはダクネスの耐久勝負だが。ダクネスは既に手傷を負わされているにも関わらず、しっかり耐えていた。そこに魔法使いやアーチャー達が攻撃しているが、ベルディアは当たっても気にしていない様だ。ダクネスが折れるのも時間の問題だろう。

めぐみん「レイ、なんとかならないのですか⁈ダクネスにも限界があります!」

背中でめぐみんが悲痛な声を上げる。

レイ「そんな事分かってるし考えてる!ただー?」

気のせいか?今周りにはダクネスを見るめぐみんしかいないのに何かの視線を感じたが・・・

ドダイトス「『ストーンエッジ』!」

ベルディア「⁈」

ドダイトスの不意打ちに反応し、大きな隙を晒した背後に・・・!

マルヤクデ「『フレアドライブ』!」

ベルディア「あづっ⁈」

ドラミドロ「『ハイドロポンプ』!」

ベルディア「ぎゃあぁぁぁぁ!」

これは酷い。

ベルディア「き、貴様ら・・・不意打ちとは卑怯だろう⁈」

ドダイトス「死の宣告なんてできるお前に卑怯だなんて言われたくない」

ベルディア「はぁ⁈」

ポケモンとベルディアが言い合いしている隙に!

めぐみん「あれ?レイ、どこへ・・・」

レイ「ちょっとクリス呼んでくる!あいつ女神だから浄化できるだろ!」

・・・・・

クリス「えっ⁈で、できなくはないけど・・・」

レイ「正体ばれんのが怖いなんて言わせないからな?」

クリス「うう・・・」

・・・・・

ベルディア「うおぉらああぁぁぁ!」

冒険者「うわーっ!ベルディアがキレたー!」

冒険者「死にたくなーい!」

あちゃー、あの不意打ちでキレたのか。

クリス「レイ、ベルディアがこっちきてる!こっち来てるって!」

レイ「使いたくなかったけど仕方ないかぁ・・・『ジオダイン』!」

ベルディア「ぎゃあぁぁぁぁ!」

ドラミドロのドロポンで水浸しになっていたベルディアは、僕の雷魔法で感電した。

レイ「『フレイダイン』!」

そこにすかさず火傷、感電、凍結していると威力の上がる核熱魔法で追撃。

ベルディア「うぎゃあぁぁぁぁ!」

レイ「今だクリス!」

クリス「う、うん!レイもペルソナの力使ったんだし私も覚悟を決めないと!『セイクリッド・ターンアンデッド』ー!」

ベルディア「ひゃあーーーーっ⁈ま、まさか、ここまでの者が駆け出しの街にいるとは・・・」

そう言い残し、ベルディアは消滅した。

というか、クリスが魔法を撃つ際、エリスの姿になってたな。だから嫌がってたのか。

レイ「エリス、蘇生魔法使える?」

エリス「はい、使えますが・・・」

レイ「よし、さっき殺された奴らを蘇生してあげてくれないか?」

エリス「分かりました」

エリスによる蘇生作業が終わって・・・

レイ「・・・あ」

エリス「?どうし・・・あ」

街の正門前で、冒険者達がこちらを見て固まっている。正確にはエリスを。

・・・はい、アクセルの町人にクリスの正体モロバレル。

 

翌日・・・

ベルディアの討伐報酬が支払われるという事で、僕達冒険者はギルドに集まった。因みに殺された冒険者達も、無事に生き返った。エリスが大量の書類作業で涙目になっていたので、流石に手伝った。

エリス教徒「エリス様ー!」

冒険者「ありがとうございますエリス様!」

クリス「うう・・・」

めぐみん「モテモテですねエリス様」

クリス「やめてぇ・・・」

涙目で弱々しく呟くクリスにめぐみんが追い討ちをかけている。やっぱりこのロリっ子はいじめっ子だ。

レイ「悪いなクリス、こんなことになっちまって」

今回は僕が悪いのでクリスに一言謝った。

魔法使いA「あ、あんた!あのよくわからない魔法なんだったんだ?」

げ。

魔法使いB「是非とも教えて下さい!お金は払います!」

レイ「無理だって!さっきも断っただろ!」

魔法使いA「まぁ、そう言わずに!」

ドラミドロ「・・・ガンバ(^^)」

レイ「畜生めぇぇぇぇ‼︎‼︎」

マルヤクデ「あれ、ドダイトス何処だ?」

ダクネス「ああ、あいつなら子供達と遊んでるぞ。『母親の強い味方の大陸亀』なんて異名をつけられていたな」

めぐみん「異名に関してですが、私を『頭のおかしい爆裂娘』呼ばわりは頂けません!」

ドラミドロ「俺も、『攻撃外しに定評のある海藻』なんて異名がある。海藻はともかく、ダクネスより命中率は高いはずだが・・・」

ダクネス「なっ⁈」

マルヤクデ「・・・『脳筋百足』って・・・ダクネス程脳筋じゃないぞ俺は・・・」

ダクネス「えっ⁈」

 

30分後・・・

僕とクリスにひっついてきた奴らをなんとか追い払い、なんとかめぐみん達と合流。

ルナ「皆さん、魔王軍幹部ベルディアの討伐、お疲れ様でした!」

冒険者達『うぇーい!』

冒険者達が次々と報酬金を受け取っていく。

そして、ようやく僕達の番が来た。

ルナ「あ、レイさんのパーティーには、特別報酬が出ていますよ」

ドラミドロ「マジで?」

レイ「静かにしてろ!」

ルナ「え、えっと・・・レイさんのパーティーに、魔王軍幹部ベルディアを討ち取った功績を称え、ここに、金3億エリスを与えます」

めぐみん「さっ⁈」

ドラミドロ「ファっ⁈」

ダクネス「何っ⁈」

クリス「嘘っ⁈」

マルヤクデ「ゑゑ⁈」

レイ「すいません、もう一回お願いします」

ルナ「金3億エリスを与えます」

ギルド内がシンと静まり返る。えっ?3億?

ルナさんから重い袋を受け取り、ようやく実感が湧いてきた。

冒険者「3億ってなんだ、奢ってくれー!」

冒険者「エリス様お願いします!奢ってください!」

その奢れコールに、クリス、いやエリスは僕達にアイコンタクトを取り。

エリス「今日は私達が奢ります!皆さん、存分に騒いで楽しみましょう!」

その声に冒険者達が歓喜の声を上げる。今日は遅くなりそうだ。

 

数日後・・・

めぐみん「ここが新しい拠点ですか!我々にふさわしい豪邸ですね!」

ダクネス「ここは昔は貴族の屋敷だったらしい。とんでもない屋敷だな・・・!」

僕達は引越した。

1億エリスで、この屋敷を買ったのだ。ハッキリ言って、イッシュ地方の、シンオウチャンピオンシロナさんの別荘並みにデカい。シロナさんは考古学者でもあるため、僕の一族とは関わりが深いのだ。

クリス「・・・・・(゚ω゚)」

マルヤクデ「クリス、帰ってこい。驚きで魂が抜けかけてやがる」

ドラミドロ「背中を突いてもびくともしないな。首筋つつくか?」

ドダイトス「やめてやれ」

レイ「よし、部屋に荷物運んだら飯にするか」

ダクネス「そうだな。今日の料理当番は・・・」

マルヤクデ「俺だ」

めぐみん「・・・激辛はやめて下さいね?」

マルヤクデ「チッ、分かった」

ドラミドロ「舌打ちしやがったぞコイツ」

マルヤクデは前に激辛料理を作ったことがある。ダクネスだけは我慢比べみたいだとハァハァしながら食べていたが、他は即アウトだった。

クリス「・・・・・」

ドダイトス「おーい。ちょっとー?オーーーイ!オーーーーーーーーーーーーーーーイ‼︎‼︎」

クリス「うわっ⁈な、何⁈」

レイ「やっと気付いたか」

 

翌朝・・・

めぐみん「ぜぇ・・・はぁ・・・」

昨日の料理にめぐみん1人が悶絶した後。

ドラミドロ「マルヤクデ、あれはめぐみんの口には合わんだろ」

マルヤクデ「そうか?」

ドダイトス「当たり前だ、激辛とまではいかなかったが13歳の口にはキツすぎる辛さだぞアレは」

マルヤクデ「マトマの実一個でもダメなのか・・・」

レイ「・・・マトマの実なんて入れてたのかお前」

マトマの実とは、俗に言う激辛木の実。そりゃめぐみんが口に入れた瞬間、『ひゃー⁈』と叫んで水をがぶ飲みした後トイレに駆け込むわけだ。

レイ「んじゃ、散歩にでも行くか。めぐみん、お大事に」

めぐみん「あ、ありがとうございます・・・いってらっしゃい・・・」

めぐみん達に見送られ、街へ。

とは言え目的も特にないので、とりあえずウィズの店へ。

ウィズ「あっ、レイさんいらっしゃいませ!」

レイ「おはようウィズ・・・何してんだ?」

何故ナイフでお手玉してるんだよこの店主は。

ウィズ「?店番ですが?」

レイ「ちょっと何言ってるかわからない」

ウィズ「このナイフでお手玉をすると客が来るととある旅商人の方が売って下さったのですよ」

レイ「そんなナイフがあってたまるか!・・・まぁいい。この前みたいなのはないのか?」

ウィズ「えっと、それなら・・・」

ウィズは奥へ引っ込んで、何やら箱をゴソゴソと探っている。

ウィズ「あ、ありました!これです!」

レイ「⁈キーストーンとメガストーン⁈」

メガ進化。それはトレーナーがキーストーンを、特定のポケモンがメガストーンを持つとできる、絆の力による進化。

レイ「この色は・・・デンリュウナイトか」

確かデンリュウは元の世界の手持ちに居たはず。アルセウス様に頼めば連れてこれるだろうか。

ウィズ「やっぱり、これはそうだったんですね!レイさんのために取っておいてよかったです!」

レイ「そうか、ありがとなウィズ。これ、纏めて15000エリスで買い取るよ」

ウィズ「やったー!ありがとうございます!あ、後少しお話が・・・」

レイ「なんだ?」

先程の無邪気な笑顔とは異なり、真剣な表情になったウィズ。

ウィズ「先日魔王軍の者から私が一応幹部だということで通達が来たのですが・・・」

レイ「うん」

ウィズ「その内容が、ミュウツーを仲間に引き入れる事ができたというもので・・・」

・・・・・

レイ「はああぁぁぁぁ⁈⁈⁈⁈」

ウィズ「レイさんがミュウツーを探していると以前仰ってましたので、レイさんにお伝えした方が良いかと思いまして・・・ッ⁈」

レイ「ありがとうウィズ!その情報かなりやばいが提供ありがとう!愛してる!」

そう言いながらウィズに抱きつく。

ウィズ「はわわっ⁈レ、レイさん抱きつくのはやめて下さい!恥ずかしいので・・・というか愛してるって・・・⁈///」

ウィズは赤くなりながら僕と離れようとしてくる。これ以上はウィズが恥ずかしさで倒れそうなのでやめておこう。

レイ「愛してるは冗談だって。ごめん。でもほんとにありがとな」

ウィズ「は、はいい・・・///」

まだフラフラしているウィズを置いて、屋敷に帰ることにした。

 

レイ「帰ったz」

めぐみん「ダクネスやめて下さい!爆裂魔法食らわせますよ!」

ダクネス「そんな脅しには屈しない!さぁめぐみんもこいっ!」

ゲンコツ×2!

2人「「痛いっ⁈」」

 

 

レイ「・・・で、何があった」

ダクネス「私はめぐみんに、カエル狩りに行こうと誘っただけなのだが・・・」

めぐみん「カエルは嫌だと何回言えば分かるのですか!絶対に行きませんよ!」

レイ「なんでだ?前はフツーに爆裂魔法で消しとばしてただろ」

めぐみん「それがこの前マルヤクデと爆裂散歩に行った時、カエルに襲われまして」

・・・

レイ「マルヤクデー!ちょっと降りてこーい!」

マルヤクデ「はいはい・・・どした?」

話を聞けば、こういうことらしい。

めぐみんが爆裂魔法を撃った後、地面から這い出してきたジャイアントトードに囲まれてめぐみんが喰われたらしい。その1匹をマルヤクデが雷の牙で仕留めなんとか逃げ帰ってきたそうだ。

レイ「自業自得じゃねーかはっ倒すぞ」

めぐみん「すみませんでした・・・」

クリス「ただいま〜、いやー今日も大変だったよー」

ドダイトス「また崇められていたからな」

どことなくクリスが嬉しそうなのは気のせいだろうか。

めぐみん「そういう割にはやけに嬉しそうですね?まさか崇拝されることに喜びを覚えたのですか?」

ダクネス「まぁいいではないか。調子に乗って変なことしなければな」

レイ「大丈夫だ、その時は鉄拳制裁するだけだろ?」

僕の言葉にうなずくめぐみん達を見て、

クリス「いや変なことなんてしないから!っていうか味方がいない!」

レイ「あっそうだクリス、アルセウス様に頼んでデンリュウ連れてきてくれ」

クリス&ドラミドロ「「何故に?」」

ダクネス「ん?随分と綺麗な石を持っているな」

めぐみん「強い力を感じます。でも、かなり限定的ですね」

ドダイトス「おっ、キーストーンとデンリュウナイトが手に入ったのか。この前のねがいぼし同様、ウィズの店で買ったのか?」

クリス「えっ、それアンデッド臭が染みついてない?ちょっと貸して」

レイ「ダメだ。ってかアンデッドや悪魔の毛嫌いはいい加減やめろ。ウィズみたく話の通じるアンデッドもいるんだし」

クリス「嫌だ」

レイ「・・・今ここで鉄拳制裁してもいいんだからな?」

クリス「・・・そんなことしたら天罰食らわせるよ?」

レイ「・・・(殺意の眼差し)」

クリス「・・・ごめんなさい許してください!」

ダクネス「女神様に土下座させる程の殺意・・・レイ、是非私にも頼む!」

マルヤクデ「ダメだコイツ救いようがねえ」

クリス「んで、デンリュウを連れてくればいいんだよね?」

レイ「そだ、んじゃ後よろしく」

クリス「まさか幸運の女神、エリスがパシリとして使われるなんてね・・・」

レイ「僕自身の力じゃ時空越えれないから仕方ないだろ」

クリス「・・・正論は時に人を傷つけるよ?」

レイ「正論言われる方が悪い」

クリス「ヴッ」

ドダイトス「おいレイ、そろそろやめてやれ」

めぐみん「エリス様の精神が持ちませんよ?」

ドラミドロ「めぐみん、追い討ちをかけるな」

 

数分後・・・

デンリュウ「おっレイ久しぶりー!元気してたかー?」

めぐみん「・・・凄く、男勝りですね」

ダクネス「マルヤクデからメスなのにオスみたいだと聞いていたが、予想以上だな・・・」

レイ「ああ、元気だ。ほい、コレやる」

デンリュウ「ん?これはデンリュウナイト?ってことは、キーストーンも手に入ったのか!やるねー!」

ドラミドロ「ようデンリュウ、かわりなさそうでよかった」

マルヤクデ「相変わらずしっぽの輝きは他の個体より眩しいな」

デンリュウ「当たり前じゃん!しっぽの玉はあたしのトレードマークだからね!」

ドダイトス「テンション高いなお前」

レイ「デンリュウも来たことだし、皆、ちょっと聞いてくれ」

ダクネス「む、どうした?いつになく真剣な顔をして」

レイ「僕達がこの世界に来た目的、覚えいるか?」

クリス「うん。『ミュウツーの保護』だよね」

レイ「ウィズが教えてくれたんだが、魔王軍がミュウツーを仲間に引き入れたらしい」

ドラミドロ「・・・は?」

マルヤクデ「それ本当か?」

レイ「なんちゃって幹部のウィズが言うんだぞ、間違いない」

クリス「どうかな。あのアンデッドがあたしたちを陥れようとしてるかもしれないよ?」

ドダイトス「あのお人好しで嘘が下手なウィズにそんなことできないだろ」

めぐみん「つまり、我々の目的は魔王を討ち取ることに・・・!」

この厨二ロリっ子にはテンションの上がる内容らしい。

ダクネス「と言うことは、私が魔王軍に連れ去られとんでもない目に合わされる確率が上がると言うことか!ああっ、やめろぉ!」

・・・自分の世界に浸る変態は放っておく。

ドラミドロ「というかさっきからデンリュウがやけに静かだがどうし・・・」

デンリュウ「(゚ω゚)」

理解できず脳がショートしたようだ。

 

 

めぐみん「では、彼女の実力を見るためにクエストに行きますか。爆裂魔法撃ちたいですし」

クリス「そうだね。わざわざ連れてきたんだし、役に立ってもらわないと」

デンリュウ「この銀髪貧乳ムカつく」

クリス「銀髪貧乳⁈今銀髪貧乳って言った⁈」

ドダイトス「毒舌も変わってないのかよ・・・」

レイ「みたいだな・・・」

ダクネス「女神様に向かって平気で暴言を吐けるのか・・・」

 

ということで、街の近くに現れるようになったゴブリン達を討伐するというクエストを受け、近くの森へ。ドラミドロはバイトがあるのできていない。懐は潤っているしバイトなんてする意味無いと思うのだが。

めぐみん「一撃ウサギには会いたくないですね。怖いです」

ドダイトス「同感だ」

クリス「ん、敵感知に反応した。かなりの数がいるから、ゴブリンかな?」

レイ「だろうな・・・あれ?反対側から一体デカいのが来るぞ、隠れよう」

ダクネス「嫌だ」

デンリュウ「だが断る」

ドダイトス「・・・俺はゴブリンぶっ殺してくる」

マルヤクデ「あ、俺も(便乗)」

めぐみん「ずるいですよ2人とも!最初の1発目は私です!」

ドダイトスは単に関わりたくないだけだろうが、他は馬鹿ばかりだ、こん畜生!

そんな中現れたのは、黒い毛のネコ科の猛獣。

クリス「きゃあああっ⁈」

ダクネス「初心者殺しか!なるほど、そういうことだったのか!ふははは、こーい!」

悲鳴を上げるクリスと、何故か嬉しそうに突っ込むダクネス。

レイ「めぐみん、ドダイトス!お前らはゴブリンを頼む!マルヤクデはこっち来て援護しろ!」

めぐみん「わ、分かりました!」

ドダイトス「了解だ!消し飛ばせ、『地震』!」

マルヤクデ「ブチ飛ばしていくぜ!『フレアドライブ』!」

レイ「『マハブフ』!」

クリス「『バインド』!」

僕達の攻撃で、初心者殺しは怯む。そこにクリスがすかさず捕らえ、そして・・・!

めぐみん「『エクスプロージョン』ッッッッ‼︎‼︎」

めぐみんの爆裂魔法が、ドダイトスの地震で動けないゴブリン達を1匹残らず消しとばした!

当然僕達も衝撃で地面を転がされた。

初心者殺し「ぎゃおおっ!」

その衝撃でワイヤーから解放された初心者殺しは、僕達を一瞥した後未だ倒れているダクネスを踏んで真っ直ぐに動けないめぐみんに向かって走り出した!

ダクネス「んああっ⁈」

めぐみん「しょ、初心者殺しがこっち来てます!助けてください!」

デンリュウ「『電磁砲』!」

初心者殺し「グギャア!」

その一撃で初心者殺しは息絶えた。

デンリュウ「ふう。めぐみん、だっけ?大丈夫?」

めぐみん「はい、なんとか」

ドダイトス「ほら、乗せてやる」

めぐみん「すみませんねぇ」

クリス「ねえドダイトス、言いにくいんだけど・・・」

マルヤクデ「ダクネスが初心者殺しにやられて気絶してるから・・・」

ドダイトス「・・・は?」

レイ「・・・すまん」

ドダイトス「はあ、分かったよ・・・」

レイ「・・・あれ?」

クリス「何?」

レイ「・・・なんでもない」

今何かいたような・・・?

 

 

そんなこんなで時は流れ・・・

 

ドダイトス「寒いからクエストは休む」

めぐみん「まったく、氷嫌いを治さなくてどうするのですか!」

ドダイトス「俺の氷嫌いは種族上仕方ないことだ」

デンリュウ「冬はドダイトスはニートだからね」

ドダイトス「否定はしない」

レイ「いやしてくれよ」

ダクネス「寒がりを治そうと思った時には手伝うぞ」

ドダイトス「そんな時は今後一生来ないから平気だ、俺は冬は何もしない」

マルヤクデ「そんなに寒いのが嫌ならフレアドライブで温めてやるが?」

ドダイトス「やめてくれ、死ぬ」

クリス「・・・あははっ!」

デンリュウ「どうした銀髪貧乳娘。気でも狂ったか?」

クリス「狂ってないし銀髪貧乳娘はやめて!平和っていいなーって思っただけだから!」

デンリュウ「ならいいけど。恋愛相談なら乗るよ?」

クリス「まだ女神は恋する歳じゃないから」

めぐみん「そういう割には顔が赤いですよ?」

デンリュウ「何か隠してるんじゃないの?ほら、言っちゃいなよ」

やばい、ドSコンビがここに爆誕した。

2人に弄られている女神はほっといてドラミドロに。

レイ「そういやお前、この前バイトでクエスト休んだよな。なんのバイトしてたんだ?」

ドラミドロ「ギルドの拡張のための土木工事だよ。ドアのサイズに酒場の広さ、受付の数とか結構増やすらしいぜ?」

レイ「なるほど。最近ギルドの裏がやけに騒がしかったのはお前らだったのか」

ドラミドロ「そういうことだ」

チャイム『ウ ン チ ー コ ン グって知ってルゥ⁈』

・・・おい。

マルヤクデ「おいなんだこのふざけたチャイムは」

ダクネス「うんちーこんぐ・・・?なんだそれは」

ドラミドロ「ウ ン チ ー コ ン グだ二度と間違えるなクソが」

ドダイトス「前までは違ったが・・・誰か変えたか?」

デンリュウ「私だ ドヤァ」

レイ「お前だったのか(# ゚д゚)」

デンリュウ「待てっ‼︎は、話をしよう」

レイ「だが断る」

デンリュウ「ヤメロー、シニタクナーイ!シニタクナーイ‼︎」

レイ「リンチターイム♪」

デンリュウ「\(^o^)/オワタ」

〜フルボッコ〜

デンリュウ「チーン(×ω×)」

チャイム『ウ ン チ ー コ ン グって知ってルゥ⁈』

レイ「だああああうっせええええええ‼︎‼︎」

そう叫びながらドアを開けると・・・

ダスト「す、すまんな・・・何があったかは知らないが」

そこには街でも有名なチンピラ、ダストと仲間達が立っていた。

・・・

レイ「・・・ってことがあったんだ。いきなり叫んじまってすまなかった」

ダスト「お、おういいんだよ・・・」

僕はダスト達を招き入れ、事情を説明していた。

キース「うひゃひゃ・・・うんちーこんぐって・・・」

ドラミドロ「ウ ン チ ー コ ン グだ二度と間違えるなクソが」

キース「うひゃひゃひゃひゃ!」

テイラー「キース、いい加減笑うのをやめろ」

リーン「ごめんね。彼、笑い上戸だから・・・」

ダクネス「それはともかく、何故わざわざ訪ねてきたのだ?ギルドで会った時に話しかけてくれば良いものを」

確かに、よっぽどの急用には見えないし、聞かれたらまずいことでもあるのかもしれない。

すると、4人を代表する様にダストが。

ダスト「それがな、機動要塞デストロイヤーがこっちに向かってるって事で、俺たちで偵察に行こうと思ったんだが、今街の近くで冬将軍が暴れているらしいんだ。そんな奴がいるせいでクエストに行けねぇんだよ」

いや機動要塞デストロイヤーってなんだ。冬将軍って風のことじゃないよな?

レイ「つまり護衛をして欲しいと?」

ダスト「話が早くて助かるぜ。で、してくれんのか?」

めぐみん「私は構いませんよ。ですが何故私達なのですか?」

リーン「みんなはベルディアとの戦いで活躍していたからね。強いと見込んでのお願いだよ」

ダクネス「分かった。もし強敵に囲まれたら遠慮なく囮として置いていっても構わないぞ」

頬を赤くしながらダクネスは言う。

マルヤクデ「・・・」

ドラミドロ「台詞はかっこいいのにそのアホヅラで台無しだな。あ、俺はOKだ」

デンリュウ「だね。機動要塞デストロイヤーとやらもみてみたいし」

レイ「お前いつの間に復活してたのか」

クリス「いいよ。どうせ暇だし」

そしてドダイトスは・・・

ドダイトス「嫌だ、外寒いし冬将軍とか言う物騒なのに関わりたくない」

まあ予想通りだ。

テイラー「マジかよ」

レイ「コイツは種族上氷が大の苦手でな。お前は留守番してろ」

ドダイトス「やったぜ」

マルヤクデ「あ、俺も行く」

キース「よっし、決まりだな!」

ダスト「じゃあ明日街の正門で集合な!」

クリス「分かった。じゃあね」

レイ「明日なー」

ダスト達が帰って数分後・・・

めぐみん「・・・レイ、ドダイトスが爆裂散歩に付き合ってくれないのでついてきてください」

レイ「・・・はいはい」

 

めぐみん「『エクスプロージョン』ッッッッ‼︎‼︎」

その叫び声と共に圧倒的な破壊力の爆風が冬の大地に吹き荒れる。

めぐみん「おっ、隠れていたコボルトを数匹巻き込んだようですね。おんぶお願いします」

レイ「あいよ。・・・よっと」

めぐみん「そういえば、レイは今どんなスキルを取っているのですか?結構興味があるのですが」

レイ「ん?僕は『片手剣』、『狙撃』、『初級魔法』、『潜伏』、『敵感知』、『捕縛』、『鍛治』、『料理』って感じだな」

めぐみん「鍛治スキルをとった理由がわからないのですが」

レイ「防具とかが遠征の時に損傷した際に直すためだよ」

めぐみん「なるほど。他は?ほら、ペルソナの力とか」

レイ「ペルソナの方は、『ジオダイン』、『フレイダイン』、『メギドラ』、『エイガオン』、『ヒートライザ』、『ランタマイザ』、『テトラカーン』、『マカラカーン』だな」

めぐみん「なるほど。私にはまったく分からない事が分かりました」

レイ「そうか・・・そういやめぐみんはどんな感じなんだ?」

めぐみん「私の場合は、『爆裂魔法』、『高速詠唱』、『爆発系魔法威力上昇』ですね」

レイ「・・・それだけ?」

めぐみん「これだけです」

レイ「・・・・・」

めぐみん「おい、私のスキルの取り方に不服があるのなら聞こうじゃないか!」

レイ「ないです・・・ん?」

猛るめぐみんを適当にいなし街へと戻るために森を通りながら。敵感知には引っかからない何かの視線を感じていた。

めぐみん「どうかしました?」

レイ「・・・何かいるな」

 

[視点:???]

やっと見つけた。見た目は少し変化していたが、数ヶ月にわたる尾行とあのナイフと銃、ペルソナの話で確信した。アイツこそ、ワガハイが彼女に頼まれた、ある少年と共に魔王を倒せと言う命令にいた奴だろう。背負われている少女は、彼女かなんかだろうか。

アイツは、どこかの怪盗(トリックスター)と雰囲気がよく似ている。だからこそ、あの世界でもこの世界でも出会ったのだろう。腐れ縁というやつだろうか。

そして、昔ワガハイはアイツの事をこう呼んでいた。

???「ここにいたのか。探したぜ、ゼロ」

《続く》

 




ドラミドロの使者:伏線回収が早いって?気にするな!
ドラミドロ「気にするわボケが!つーかあれを伏線と呼んでいいものなのか・・・」
ドラミドロの使者:・・・すいません。センスなくて、すいません。


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猫じゃない猫と機動要塞

???「まったく、苦労させやがって。久々だな、ゼロ」

僕達は突如として話しかけてきた二本足で歩く黒猫の前で固まっていた。

めぐみん「ね、猫が・・・喋ってる・・・⁈」

黒猫?「ワガハイは猫じゃない!」

レイ「・・・モルガナ?」

モルガナ「やっぱりゼロは覚えていてくれたか」

めぐみん「ちょっと待ってください、レイはこの猫と面識があるのですか⁈というかゼロってなんですか⁈」

モルガナ「猫じゃない!」

レイ「ああ、タヌキだ」

モルガナ「おい!」

レイ「僕の名前の字は、僕がいた世界では零と書く。これはゼロという意味の文字でもあるんだ」

モルガナ「・・・そういうことだ。ということでワガハイはモルガナだ。お前は?」

そう聞かれためぐみんはマントをバサッと翻し、

めぐみん「我が名はめぐみん!アークウィザードにして、爆裂魔法を操るもの!」

モルガナ「・・・そうか(汗)」

レイ「取り敢えず、なんでモルガナがここにいるんだ?」

モルガナ「モナでいいぞ。そうだな、ラヴェンツァに頼まれたんだ、お前の手助けをしろと」

レイ「理解。ラヴェンツァは元気か?」

モルガナ「元気だ。そういやお前ら、付き合ってるのか?」

レイ「別にそんなことはないが?」

めぐみん「な、何を言っているのですか!そそそ、そんな訳ありませんよ!」

何故か漫画みたいな動揺をするめぐみん。

モルガナ「・・・ニヤリ」

レイ「おいめぐみん、その言い方はマジで誤解を招くからやめろ」

モルガナ「なんだ、違うのか」

レイ「よし、帰るか。モナも来るか?」

モルガナ「おー助かるぜ!この数ヶ月ずっと野良猫に化けていたからまともなものも食えてねぇ」

めぐみん「それは災難でしたね。では行きましょうか。レイ、進んで下さい」

レイ「ずっとおんぶするのもう疲れた」

モルガナ「おい、こんなところでねをあげるのか?だせえなぁ」

レイ「悪かったな」

 

そして帰宅。

レイ「帰ったぞー」

めぐみん「帰りましたよー」

モルガナ「お邪魔するぞー」

クリス「ああ、お帰り・・・何その猫」

モルガナ「ワガハイは猫じゃない!」

クリス&ダクネス「「⁈」」

めぐみん「タヌキですよ」

モルガナ「イラッ」

レイ「2回目はつまらんぞめぐみん」

マルヤクデ「おーモルガナじゃないか。久しぶりだな」

モルガナ「マルヤクデも来てたのか。だったら、ドラミドロやドダイトスもいるのか?」

レイ「ああ、いるよ?あとデンリュウも」

モルガナ「そうか」

クリス「その前に状況説明を・・・」

少年少女&猫もどき説明中・・・

めぐみん「と、いう訳だそうです」

ダクネス「つ、ついていけん・・・」

クリス「(゚ω゚)」

ドダイトス「起きろクリス」

翌日・・・

ダスト「お、来てくれたか!新顔もいるな」

レイ「ポケモン達は休みだ。あまり人数が多いと面倒くさいことになるかもしれない」

モルガナ「ワガハイはモルガナだ。モナでいいぞ」

リーン「可愛い・・・」

レイ「よし、行くか」

テイラー「だな。おーい、置いてくぞー?」

 

数分後・・・

全員『ぎゃあああああ‼︎』

僕達は皆冬将軍に追われていた。鎧の隙間から冷気を放ち、こちらへとんでもない速度で近づいてくる。

クリス「あ、あっちに洞窟が!あそこに隠れよう!」

キース「ヒイイイ、勘弁してくれー!」

やっとの思いで逃げ込んだ洞窟には。

一撃熊「グー、グー、グー・・・」

冬眠中の一撃熊が。

レイ「・・・あれだ、討伐する理由もないし、こっちに気づく前に立ち去ろう」

ダスト「だな」

 

テイラー「お、デストロイヤーが見えたな。遠くからでもデカいな」

遠くに見えるはデカい蜘蛛型の機械。ワシャワシャ動いて、こちらへ向かっている。

キース「『千里眼』。うん、まっすぐアクセルに向かってるな」

レイ「そのスキル便利そうだな。キース、後で教えてくれないか?」

キース「ネロイド一杯で手をうってやる」

レイ「乗った」

リーン「あれ?人がいるよ?」

ダクネス「この森で迷ったのか?助けてやらなくては」

クリス「待って、敵感知に何かあやふやなものを感じる。あの人の近くにモンスターがいるのかな?」

レイ「確かに、反応が不安定だな」

ダスト「助けること自体は構わないが、取り敢えず暖を取ろうぜ」

テイラー「ほら、予備の上着貸してやるよ」

ダスト「サンキュー、テイラー」

モルガナ「・・・・・」

めぐみん「あの人、変な仮面をつけてますね。後、魔力とは違う力を感じます」

リーン「あ、こっちに気付いたみたい、向かってくるよ?」

キース「ん?なんか輪郭が歪んでないか?」

モルガナ「!伏せろ!」

モルガナの叫び声に全員が伏せ、一番近づいていためぐみんの頭すれすれを鎌がシュッと空を切る。

めぐみん「いやぁっ!さっきと姿が違いますよ⁈」

レイ「モナ!あれはまさか・・・」

モルガナ「その通りだゼロ、シャドウだ!調べてくれ!」

モルガナがどこからともなくサーベルを取り出す。

レイ「分かった!」

前の世界から持ってきた戦闘力測定デバイスでシャドウをスキャンする。

クリス「敵感知にコイツ反応してる!見たことないんだけど⁈」

ダクネス「さっきの人はどこへ・・・?」

モルガナ「あの人みたいな奴の正体がコイツなんだよ!ゼロ、ヤツの情報は⁈」

レイ「あった!コイツは『狩りとる者』というらしい。高い攻撃力の鎌と当たれば即死の凶悪なスキルを使う!」

狩りとる者「コォォォ・・・」

モルガナ「よし、やるぞゼロ!」

レイ「OK。お前らは下がってろ!」

めぐみん「えっ⁈でも・・・」

レイ「コイツにはペルソナスキルしか通じない!分かったら離れろ!」

僕の怒声に下がる中。

モルガナ「来い!ゾロ!『マハガル』!」

モルガナの風魔法が狩りとる者に当たるが、余りきいていないようだ。

レイ「うわっ⁈危ないな!」

放たれた即死魔法をなんとか回避する。

モルガナ「ゼロ、まずはこのスピードを奪わないとヤバイ!うおっ⁈」

レイ「ああ、行くぞゲンナイ、『ランダマイザ』!」

僕の全体弱体化スキルに狩りとる者の動きが鈍くなる。

モルガナ「いまだ、『ラッキーパンチ』!」

狩りとる者「⁈」

モルガナ「おお、クリティカル!」

レイ「ナイスだモナ!やるぞ!」

レイ&モルガナ「「総攻撃‼︎」」

モルガナ「後悔しても遅いぞ!」

トドメの総攻撃に、狩りとる者は崩れ落ちた。

モルガナ「いっちょ上がりだあ!」

レイ「・・・じゃあな」

 

めぐみん「カッコイイ・・・!」

ダクネス「何というか・・・情けは無用、という感じだったな」

レイ「モナはこの手のプロだからな」

モルガナ「本来は4人でやるもんだが、この世界でペルソナの使い手はワガハイとゼロしかいないからな。そういやレイ、お前のペルソナ、進化しそうだぞ、後バトルを一回こなせば良さそうだ」

レイ「そうか。というか、何故シャドウがこの世界に?」

ダスト「なぁ、さっきから言っているシャドウってなんだ?」

モルガナ「シャドウっつうのは、人が無意識に抱えるもう一つの自分のことだ。だがさっきのみたいな、持ち主不在のシャドウも存在する。そいつらは、人間が持つ歪んだ欲望の集合体みたいなもんだ」

レイ「特に強い欲望を持つ奴は周囲を歪ませ、『パレス』とかの認知世界を作ることだってある。大量のシャドウを従えてな」

めぐみん「あれ?だとすると、何故現実にシャドウがいるのでしょう?」

モルガナ「それはワガハイにも分からないが、この世界に強く歪んだ欲望を持つ奴がいる事は確定だろう」

クリス「ねぇ、あくまで推測なんだけどさ、この世界では現実と認知世界の区別がないとか?」

モルガナ「それはありえない。だとしたら、存在意義を持たない人間はどんどん消えてしまうからな」

ダクネス「歪んだ欲望・・・一体、どんな者なのだ・・・」

何を妄想したのか、赤くなってハァハァするダクネス。

モルガナ「・・・パレスの主コイツじゃないだろうな」

レイ「可能性はゼロではない」

リーン「取り敢えず、ギルドにデストロイヤーの事とこの事を報告しに帰ろう?」

テイラー「そうだな。お前ら、護衛ありがとな」

めぐみん「大丈夫ですよ。爆裂魔法が撃てなかったのは残念ですが」

キース「頼むから撃たないでくれ」

 

テイラー「ーってことがあったんですよルナさん」

ルナ「シャドウ、とやらの出現ですか・・・。とにかく、機動要塞デストロイヤーの進路調査、ありがとうございました!こちら報酬になります」

ダスト「よっしゃ、さっそくこのカネで・・・」

リーン「ギャンブルはやめてね?」

ダスト「すいません」

そんなやりとりをするチンピラの隣からモルガナがピョコンと顔を出し。

モルガナ「おいそこの。ワガハイの登録を頼む。手数料ならあるぞ」

ルナ「あ、はい・・・モルガナさん、ですね?小さな体にしては随分と高いステータスで・・・」

モルガナ「小さいとか言うな」

ルナ「すみません。では、職業はどうされますか?」

モルガナ「うーむ、仲間に小回りのきく前衛職がいないからな。この『戦士』にするか」

ルナ「分かりました。こちら、冒険者カードになります」

モルガナ「サンキュー」

 

そしてギルドの外では。

キース「どうだ?千里眼の使い方、分かったか?」

レイ「ああ、ありがとなキース。暗視もついてるのは便利だな」

キース「だろ?こっちもネロイドご馳走様」

僕はキースに『千里眼』を教えてもらい、ネロイドを奢った。

 

ダスト達と別れ、屋敷に帰ると・・・

マルヤクデ「お、帰ったか。どうだった?」

モルガナ「シャドウがいた」

ドダイトス「は?」

ドラミドロ「もう一回頼む」

モルガナ「シャドウがいた」

ドラミドロ「聞き間違いじゃないのか・・・」

デンリュウ「っフゥ!」

めぐみん「そういや、シャドウに魔法が効かないってどういうことですか?」

レイ「狩りとる者が特別なだけだ。基本的には普通に効くぞ」

めぐみん「なら爆裂魔法も効くということですね。よかったです」

モルガナ「まあ、物理攻撃でも狩りとる者に効くが、単に対シャドウに慣れたワガハイ達がやった方がいいと思ってな、だから下がれと指示した」

ダクネス「そういや、レイとモルガナはパレスをどう対処していたのだ?」

モルガナ「簡単だ。パレスの『オタカラ』、欲望を生み出す源、つまり核を盗みだす。そうすれば、パレスはなくなりそいつは『改心』するんだ」

めぐみん「倒すだけじゃ駄目なのですか?」

モルガナ「いや、パレスにいる本人のシャドウを殺しちまうと、現実で廃人となってしまう。悪党を成敗するのに、自分が悪党になっちゃ意味ねぇだろ?」

クリス「それもそうだね。それで?」

モルガナ「他にも、『ジェイル』という似たような世界が存在する。これは、王(キング)という奴が一般人のシャドウを招き入れることができ、『ネガイ』を奪い従わせることのできる、ハッキリ言ってパレスよりタチが悪い所だ」

ダクネス「キング?だとすると、国王陛下は・・・」

レイ「いや、いくら一国の王だとは言え、キングでない場合もある」

モルガナ「パレスやジェイルが近くに有れば、この探知機で見つけることが出来るぞ。現にこの街にもパレスの反応がある」

ドラミドロ「それは聞き捨てならないな。誰だ?」

モルガナ「えっと・・・この街の領主だな。かなり歪んでるな」

ダクネス「アルダープ殿のことか?」

めぐみん「確かにあの領主の悪い噂は聞きますね」

レイ「すぐ突入出来るか?」

モルガナ「いや、歪みが強すぎて取り巻きのシャドウも強すぎる。今から突入するのは無謀だ」

マルヤクデ「そうか。他に反応は?」

モルガナ「アクセルの街には特にないな」

デンリュウ「そっか。じゃあレイ達が出くわしたシャドウってなんだろ?」

クリス「うーん、分からない事だらけだね」

ドダイトス「取り敢えず今日は寝ようぜ。やる事もないし」

ダクネス「だな。今日は解散するか」

めぐみん「ダクネス、爆裂散歩に付き合って下さい」

ダクネス「えっ」

レイ「いってらっしゃい」

ドラミドロ「頑張れよダクネス」

ドダイトス「墓はたててやるからな」

デンリュウ「墓掃除は任せて!既にある墓と一緒に磨いてあげるから!」

ダクネス「ああ、行ってくる・・・いや待て!何故私が死ぬ前提なのだ!」

クリス「なんでだろうね」

ダクネス「(´・ω・`)ショボーン」

 

翌日・・・

アナウンス『デストロイヤー警報!デストロイヤー警報!機動要塞デストロイヤーがこの街に接近中です!冒険者の皆さんは、武装して冒険者ギルドへ!住人の皆さんは、直ちに避難してくださーいっ‼︎』

モルガナ「よし、いくぞ!・・・ってどうしたんだ?デストロイヤーの進路確認をした以上、ワガハイ達は無関係ではないぞ?」

ダクネス「そうだ。私達には、この街を守る義務がある。ほら、行くぞ」

クリス「嫌だ!デストロイヤーと戦うなんて、死にに行くようなものじゃん!」

めぐみん「そうですよ!デストロイヤーは結界のせいで爆裂魔法も効きませんし!」

呼び出しを受けたにも関わらず、この女神と紅魔族はビビっていた。

レイ「いいから早くこい。お前ら本当に女神や紅魔族なら、根性を見せろ。いい加減にしないとバインドで強制連行するぞ」

ドダイトス「冬とは言え仕方ない。知り合った子供達のためにも戦わなくてはな!寒い・・・」

デンリュウ「無理しないでよ?ってかホントドダイトスは子供に好かれやすいよね」

ドラミドロ「器がデカいからな」

マルヤクデ「だな」

女神と言われ諦めたクリスと違い、いつまでも嫌がるロリっ子をバインドで強制連行してギルドへ向かう。

ダスト「お、お前らもやっぱり来たか・・・爆裂狂はまだ魔法撃ってないよな?」

めぐみん「撃ってません」

ダスト「なら良かった。いや縛られてドダイトスに運ばれていたら何があったと思うが」

レイ「コイツがぐずるから強制連行した」

テイラー「マジか」

何故か引かれている気がする。

いや理由は分かるが。

ルナ「皆さん、お集まりいただき感謝します!ただいまより、機動要塞デストロイヤーの緊急迎撃クエストを行います!レベル、職業不問で全員参加でお願いします!無理だと判断した場合には、街を捨て全員で逃げる事になります。皆さんがこの街の最後の砦です。どうか、よろしくお願い致します!」

職員たちがギルド中央にテーブルを集め、会議場みたいにする。

冒険者達がぞろぞろと席に着き、全員が座ったのを確認すると。

ルナ「さて、現在の状況確認ですが、デストロイヤーの説明が必要な方はいらっしゃいますか?」

僕やポケモン達、モルガナの他にも数名の冒険者が手を挙げる。

ルナ「機動要塞デストロイヤーは、元は対魔王軍兵器として、魔導技術大国ノイズで作られた、くもがたの超大型ゴーレムです。小さな城並みの大きさを誇り、その巨体に似合わぬ高速で移動します。その8本足で踏まれれば、大型モンスターでも挽肉にされ、魔法も常に強力な結界が張られているため効きません。しかも、弓矢などの遠距離は魔法金属製の体で防がれます。また、本体の上には中型戦闘用ゴーレムが大量に配備されており、備え付けのバリスタで飛来物を撃ち落とします。そのデストロイヤーが、北西からこの街に接近中です。ぜは、ご意見をどうぞ」

いやこんなん無理だろ。僕と同じ考えなのか、冒険者達の顔が暗い。

モルガナ「とんでもねえ奴が現れたな・・・」

 

会議は難航していた。落とし穴作戦は落下した直後にジャンプでルートに戻った例があり、バリケード作戦は迂回して踏み潰した例がある。これを作ったノイズはデストロイヤーの暴走で、即刻滅んだらしい。

めぐみんの爆裂魔法も結界で防がれ破壊出来ないとなると・・・ん?結界?

レイ「クリス、いや、エリス。呪文解除魔法使えるよな?」

クリス「女神の姿でなら使えるけど、急に何?」

レイ「デストロイヤーの結界、破れないか?」

クリス「うーん、分からない。確約はできないよ?」

ルナ「デストロイヤーの結界を破れるんですか⁈」

レイ「いえ、保証は出来ないそうですが」

僕の言葉に反応して、クリスがエリスの姿に戻ると。

エリス「デストロイヤーが止まっていれば、確実に破ることが出来ます。しかし、止めるのは厳しいかなと・・・」

ダクネス「そうだな。デストロイヤー並の巨体と、それを超える重量がなければ無理だろう」

ダクネスの言葉で、ギルドが静まり返る。

ドダイトス「重量なら自信あるが、大きさがなぁ・・・」

ドダイトスが呟く。・・・巨大なポケモン?・・・・・・・

レイ「あーーーーーっ!」

めぐみん「ちょっ、レイどうしました⁈」

レイ「分かった!分かったぞ!デストロイヤーを止める方法が!」

ルナ「えっ⁈」

しまった、つい叫んでしまった。

レイ「聞いてください。僕がいた世界では、ポケモンを一時的に巨大化させる、『ダイマックス』という現象が存在します。重量320Kgのドダイトスをダイマックス出来れば、中くらいの砦並のサイズに・・・!」

ドラミドロ「なるほどな。ダイマックスBもあるし、いけるんじゃないか?」

マルヤクデ「この世界は各地がパワースポットになっているようだ。どこでもダイマックスできる」

デンリュウ「ならアタシもメガ進化したい」

モルガナ「流石ゼロの知力だな」

ルナ「では纏めると、ドダイトスさんがダイマックスしてデストロイヤーを足止めしている隙に、エリス様が結界を破壊。そして全員で総攻撃を仕掛けるという事になります。何か質問は?」

モルガナ「待ってくれ。デストロイヤーは動力源に永遠に熱を発する鉱石、コロタナイトを使ってるんだろ?一気に攻撃したらオーバーヒートして大爆発する可能性がある。ここは強力な魔法を1発撃ち込む方がいいんじゃないか?ほら、めぐみんの爆裂魔法とかさ」

めぐみん「えっ⁈さ、流石の我でも、一撃は厳しいと思われる・・・」

なんだその口調は。

ただ、もう1人爆裂魔法の使い手がいたらなんとかなりそうだが、そんな都合よく来るわけ・・・

ウィズ「遅れてすみません、ウィズ魔道具店の店主です!一応冒険者の資格を持っているので・・・」

来たわ。

結局、最後の攻撃はめぐみんとウィズの爆裂魔法による足の破壊からしばらく様子見し、問題がなければ僕とマルヤクデ、ドラミドロ、モルガナの4人でコロタナイトを回収し、ドダイトスのダイアース、メガデンリュウの電磁砲などのフルパワーで攻める事に。

 

そして、デストロイヤーはまだ見えていないがそろそろ見えてくるんじゃないかと思われる頃。

現場指揮を任されてしまった僕はウィズとドダイトスとデンリュウと一緒に待機していた。めぐみんとエリスは反対側で待機。エリスとウィズを近づけてはならないと僕の第六感が告げたからだ。

マルヤクデとドラミドロは街の正門の前に作られたバリケードの前で動こうとしないダクネスを端へ強制連行していった。

レイ「よし、行くぞデンリュウ!進化を超えよ!メガ進化‼︎」

キーストーンとメガストーンが光で繋がり、デンリュウはメガ進化した。

メガデンリュウ「よーし、力が漲ってくるよ!」

ドダイトス「なあ、まだダイマックスしないのか?寒い」

レイ「そうだな、もうしとくか。戻れ」

ドダイトスをボールに戻し、バンドのパワーでボールが巨大化。

レイ「行け!ダイマックス!」

僕が投げた巨大ボールから、普段の数十倍は大きくなったドダイトスが現れた。

めぐみん達やウィズ、他の冒険者たちが呆然としているが、今はそんな事どうだっていい。

ドダイトスは僕達の少し後ろにスタンバイした。

ダイマドダイトス『この感じも久々だな』

モルガナ「デストロイヤーが来たぞーっ!」

その圧倒的な存在感に冒険者達は一瞬怯むが、ドダイトスが心強いのか、すぐに立ち直る。

レイ「今だドダイトス、突っ込め!」

ドダイトス『オラアアアァァァァ‼︎‼︎』

デストロイヤーとドダイトスが正面衝突する。凄い音がしたが、ドダイトスはしっかり踏ん張っている。

レイ「エリス、頼む!」

エリス「『セイクリッド・ブレイクスペル』!」

エリスが放った魔法は、デストロイヤーの周りにうっすらと見えていた膜を破壊した。

レイ「めぐみん、ウィズ!やれっ!」

めぐみん&ウィズ「「『エクスプロージョン』ッッ‼︎」」

2人のアークウィザードの爆裂魔法がデストロイヤーの脚を消しとばした!

 

デストロイヤーの本体が、大きな音を立てて落下する。ドダイトスはほっと一息ついた・・・ダイマックスしているため突風になっていたが。

モルガナ「よし、取り敢えずは止まったな。後は爆発する前にコロタナイトを回収しようぜ」

レイ「だな。機動要塞デストロイヤーに乗り込む奴は突入しろー!」

僕の声を合図に、フック付きの弓矢でロープをかけ、それをつたって冒険者達が登っていく。

マルヤクデ「じゃあ、行くか」

僕達も乗り込んだ。

冒険者A「デカいゴーレムが数台そっちいったぞー!」

レイ「『エイガオン』!残りは任せた!」

マルヤクデ「任されたぜ!『フレアドライブ』!」

ドラミドロ「『気合玉』!・・・おっ、珍しく当たった」

モルガナ「自分で言って悲しくならんのか・・・『ガルダイン』!」

ゴーレム達を全て破壊し、中に突入しようと思った矢先。

謎の声〔・・・・・お前・・・〕

レイ「なんだ?」

頭の中に声が響く。

マルヤクデ「どうした?早く行こうぜ」

モルガナ「いや、ペルソナが進化するっぽいぞ」

レイ「ゲンナイとは声が大分違うが・・・」

謎の声〔オレはゲンナイだったやつだよ。歪んだ奴を正すという強いケツイに身を任せ、世の隠れた闇を葬ってきたよな?お前。今、そのケツイをこの世界でも発揮しちまおうぜ〕

レイ「そうだな・・・始めるか、『Sans』」

その声に応じ、僕の背後に1人の青いパーカーに黒いズボン、スリッパを履いたスケルトンが現れた。

モルガナ「おお、スキルとか戦闘力とかも変わってるな」

ドラミドロ「サンズって確か、世界を滅びから守るため虐殺者に立ち向かったが、虚しく敗れたスケルトンだよな?」

モルガナ「そうなのか?ゼロの反逆の心が、アレと似通っていたみたいだな」

サンズ「おい、お前の銃、一回見てみろよ」

レイ「ん?・・・⁈いつの間にGaster Blasterになってたのか」

ガスターブラスター、通称ガスブラはサンズが操る武器で、かなり射程の長いレーザー光線銃だ。

本来は遠隔操作で操るが、僕の場合は腕に取り付けるようだ。

サンズ「へへへ・・・驚いたか?」

レイ「あ、ああ・・・取り敢えず戻れサンズ」

サンズ「分かった。必要な時は呼んでくれスーッと現れてケケッと笑うから、スケルトンだけに」

全員『・・・・・・・・・・・・・・・・』

モルガナ「誰かブフ唱えたか?」

 

デストロイヤー内部、動力炉に入ってきた僕達は、コロタナイトを前に固まっていた。

因みに先に入っていたウィズがフリーズをかけ、コロタナイトを冷やしてくれた。

モルガナ「鉄格子を切ったはいいものの、これどう運び出すんだ?」

マルヤクデ「俺なら少しは触れるが、どこへ持っていくべきか」

ウィズ「テレポートも使えませんし、どうしましょう」

ドラミドロ「いっそのこと破壊するか?というかこれどうやって発熱してんだ?」

ウィズ「コロタナイトは内部に核があって、それが発熱しています。ですがコロタナイトは硬く、爆裂魔法などもその熱で逆効果です。どうしたら・・・」

モルガナ「ここにいる全員で一気に冷やすか?外にいる冒険者達にも協力してもらって」

マルヤクデ「なら俺は邪魔だな、外の魔法使い呼んでくる」

レイ「僕はさっきマハブフ習得したぞ」

ウィズ「それで行きましょう!それでは皆さん、詠唱を!」

その場にいた魔法使い達がクリエイト・ウォーターやらフリーズガストやらの詠唱を始める。

全員の詠唱が終わったことを確認すると。

ウィズ「私に続いて下さい!『カースド・クリスタルプリズン』!」

モルガナ「『ガルダイン』!」

レイ「『マハブフ』!」

ドラミドロ「『ハイドロポンプ』!」

・・・

急激に冷やされ粉々になったコロタナイト。そのコアはマルヤクデが熱を吸収し、ただの石ころになった。

僕達がデストロイヤーから出てきて、少し離れた所に避難すると。

ダイマドダイトス「『ダイアース』!」

メガデンリュウ「『電磁砲』!」

冒険者A「『ファイアーボール』!」

とある少女「『ライト・オブ・セイバー』!」

冒険者B「『ウィンドカッター』!」

冒険者達の攻撃で、無敵を誇った機動要塞デストロイヤーは遂に破壊された。

後日、参加者全員に報酬が支払われ、パーっと騒いだ後。

僕達は屋敷で検察官のセナと名乗る女性の話を聞いていた。

セナ「今日ここを訪れた用件は、領主のアルダープ殿の事です。数々の不正行為を働いているにも関わらず、未だに証拠が掴めません。なので、ベルディアやデストロイヤーとの戦いで活躍したあなた方に調査の協力を依頼しにきたのですが・・・」

めぐみん「いや私達にできることってなんですか。ないと思いますが」

セナ「そうですか・・・女神様にダスティネス家のお嬢様がいるパーティーなら、なんとかできると思ったのですが・・・」

ダクネス「なぁっ⁈」

ドラミドロ「いやダスティネス家のご令嬢って誰だ?」

クリス「ダクネスの事だよ」

めぐみん「ええっ⁈」

レイ「このドMが、貴族令嬢?なわけないだろ」

ダクネス「失礼な!・・・私が貴族令嬢なのは間違いないが・・・」

マルヤクデ「まあ、お前がなんだろうと俺達の仲間って事には変わりはないけどな」

ドダイトス「だな。人智を超える耐久力を持つ変態クルセイダー。これは変わらない」

ダクネス「み、みんな・・・」

レイ「おい、脱線してるぞ。セナ、続き」

セナ「は、はい。それで、なんとか協力していただけないでしょうか?」

ダクネス「すまないが、証拠もない今は厳しいと思う。ダスティネス家は不当な権力の行使はしない」

デンリュウ「だね。領主の悪い噂は聞くけど、こちらから仕掛けるのは無謀だと思う」

セナ「分かりました・・・では、他をあたります」

すると、ずっと考え事をしていたモルガナが。

モルガナ「待ってくれ。その依頼、ワガハイが受ける」

《続く》

 




狩りとる者じゃなくて刈り取るものでしたね、ごめんなさい。
さて、アンテ要素はサンズとガスブラとあとちょっとってかんじです。
水の女神様のファンの方、彼女の初登場はアルカンレティア回まで待って下さい。


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認知世界を見通す悪魔

タイトルの通り、原作でも小狡いアイツが登場です。原作と時系列はだいぶ違いますがあしからず。


モルガナ「領主のことを調べる依頼、ワガハイが受ける」

セナ「本当ですか!助かります!では、私はこれで」

セナが去った後。

レイ「どうしたモルガナ。急に受けるなんて言い出して」

モルガナ「考えたんだが、アルダープのパレスのオタカラを奪っちまえばアイツが自白するからな。証拠がないなら内部告発させるしかない」

レイ「だが、あそこのシャドウ強いんだろ?」

モルガナ「ああ。まだワガハイ達では無理だ。だから、別の都市に出向いて弱いパレスを探すってのはどうだ?」

レイ「なるほどな。だがそれだと、領主に警戒されないか?」

モルガナ「フッ、警戒される方が燃えるだろ?」

レイ「まったく・・・」

めぐみん「ちょっと待って下さい話についていけません!」

クリス「勝手に決めないで欲しいんだけど・・・」

ダクネス「だが、いいんじゃないか?実際証拠もなく、捜査が膠着しているのは事実だ」

ドダイトス「パレスの調査となると俺たちポケモンは何もできないな。ポケモンは認知世界に入れん。ボールの持ち込みはできるがボールから出られない」

デストロイヤーと正面衝突して耐えたドダイトスは、今や子供達の憧れの的だ。

ドラミドロ「頑張れよ」

マルヤクデ「後よろしく」

デンリュウ「さて、めぐみんの爆裂散歩にでもついて行こうかな」

めぐみん「あ、助かります」

チャイム『ウ ン チ ー コ ン グって知ってルゥ⁈』

レイ「またかぁ!」

デンリュウ「あ、戻すの忘れてた」

めぐみん「私が出ますね」

クリス「おねがーい」

めぐみんがドアを開けると・・・

?「久しぶりねめぐみん!今日こそは、約束通り長きに亘った決着をつけるわよ!」

めぐみんと同じ赤目に黒髪の少女が。

めぐみん「帰って下さい」

少女「えっ⁈」

レイ「いやめぐみん、誰だこいつ」

めぐみん「誰でしたっけ。忘れました」

少女「ええっ⁈」

クリス「・・・取り敢えず名乗ってよ」

少女「うう、恥ずかしいけど仕方ない!我が名はゆんゆん。アークウィザードにして、上級魔法を操る者。やがては紅魔族の長となる者!恥ずかしい・・・」

めぐみん「とまぁ、彼女はゆんゆん。紅魔族族長の娘で、学園時代の私の自称ライバルです」

ダクネス「そうか。私はダクネスだ。よろしく頼む」

クリス「クリスだよ。よろしくね」

モルガナ「ワガハイはモルガナだ。一応言っておくが猫じゃないぞ」

レイ「レイだ」

ドラミドロ「クサモドキポケモンのドラミドロだ」

マルヤクデ「発熱ポケモンのマルヤクデだ」

ドダイトス「俺はドダイトスで、大陸ポケモンだ」

デンリュウ「アタシはデンリュウ。ライトポケモンだよー」

ゆんゆん「ちょっとめぐみん、ちゃんと覚えてるじゃない!っていうか、私の名前を聞いてもおかしいとは思わないんですか?」

紅魔族2名を除く全員『めぐみんで慣れた』

めぐみん「ええっ⁈」

ゆんゆん「と、取り敢えず勝負よめぐみん!」

めぐみん「仕方ないですね。では、どちらが制限時間内に多くのカエルを倒せるか、で勝負しましょう。それでは、何を賭けますか?貴女が勝ったら今夜私達の鍋パーティーに参加してもいいですよ」

今夜はサンマの塩焼きを予定しているのだが。

ゆんゆん「それは勝つしかないじゃない!私はこのマナタイトを賭けるわ!かなりの純度の一品よ!」

めぐみん「分かりました。クリス、デンリュウ、審判をお願いします」

クリス「分かった」

デンリュウ「おっけー」

めぐみんとゆんゆんが屋敷から出て行った後。

モルガナ「まぁ、パレスの件は後回しにしようぜ。ワガハイは街の散歩に行ってくる」

レイ「晩飯までには帰れよー」

モルガナ「当たり前だろ」

ダクネス「レイって、世話焼きの母親に見えることがあるな」

レイ「そうか?」

ダクネス「ああ。それでは私は、久々に父の顔でも見に帰るか」

ドラミドロ「おう、気をつけてな」

マルヤクデ「何に?」

ドラミドロ「知らん」

ドダイトス「お前なぁ・・・」

その夜。マナタイトを巻き上げ上機嫌で帰ってきためぐみんと、どこか慌てたモルガナが帰ってきた。

めぐみん「ふっふっふっ・・・我に魔法の威力で挑むとは愚かな者です・・・」

クリス「大丈夫?あのゆんゆんって子、ガチ泣きしてたけど」

デンリュウ「めぐみん最低」

めぐみん「いやアレは!違うんですよ、言い訳をさせて下さい!」

モルガナ「なあゼロ。ちょっと夜部屋に行く。いいか?」

レイ「分かった」

ドダイトス「ダクネスはまだか?遅いな」

マルヤクデ「まぁあいつのことだし、すぐ帰ってくるだろ」

ドラミドロ「だよな。ほら、サンマ食おうぜ」

デンリュウ「うん!旨い!」

めぐみん「確かに美味しいですね。サンマの旨味と塩加減が絶妙です」

レイ「伊達に料理スキル取ってないからな」

クリス「レイはいい専業主夫になれそうだね」

レイ「専業する気は毛頭ないけどな」

めぐみん「というか、ダクネス遅いですね。何かあったのでしょうか」

モルガナ「ただ実家に泊まっているだけじゃないのか?」

めぐみん「そうですね、確かにその通りです」

めぐみんはほっと息をつくとまたサンマを食べ始める。

そんな感じでサンマを堪能し、ダクネスも帰って来て安心したその夜。

モルガナ「ゼロ、きたぞ」

レイ「遅い!今深夜12時だ!」

モルガナ「すまん。ちょっと寝てた」

レイ「まったく」

モルガナ「ゼロ、お前は街で噂になっているモンスターの事は知ってるか?」

レイ「話は聞いたな。変な仮面をつけていて、動く物に取り付き自爆するんだって?」

モルガナ「ああ、そいつらの発生源が初心者用ダンジョンにいるって話だったから、単独調査してみたんだ。そしたら、最深部でキールと名乗るリッチーと魔王軍幹部にして地獄の公爵、見通す悪魔バニルって名乗る、人形と同じ仮面の男が話し合っていたんだ。んで、ワガハイは見つかったけど何故か敵対されなかった。キールの方は元が善人だったからで、バニルの方は魔王軍幹部としては働きたくなく、ワガハイや人間が生む悪感情を食うから危害を加える気はないんだとよ」

レイ「話のスケールでかいなおい」

モルガナ「まぁ最後まで聞け。そいつらは、バニルにダンジョンの所有権を移して欲しいという商談をしていたが、結局ダメだったらしい。そしてワガハイにこう言ったんだ。『そこの猫もどきよ。汝はとある世界を探しているな?我輩もその世界に連れて行ってくれるのであれば、認知世界についての情報をやろう』ってな。んでなんで認知世界に行きたいのかって聞いたら、自分の破滅願望を叶えるためのダンジョン建設のため、視察したいんだと。ワガハイがオッケーしたら、こんな情報をくれた。アルダープ以外に、この街にもう一つ認知世界があるってな。アイツはウィズと仲が良かったみたいで、ウィズ魔道具店に居るらしいぞ」

レイ「つまり、そのもう一つの異世界に行こうって訳か」

モルガナ「そういうことだ。明日から行動開始だ。ターゲットは、この街の商店組合の副会長、ペレックだ」

めぐみん「面白そうな話ですね。私も行きたいです」

レイ&モルガナ「「⁈⁈」」

部屋の入り口には、いつからいたのかめぐみんが立っていた。

モルガナ「・・・聞かれちまった以上仕方ないな。秘密だぞ?」

めぐみん「はい」

レイ「そういや、なんでこんな時間に来たんだ?お前」

めぐみん「・・・トイレに付き合ってほしくて」

・・・コイツはまだまだ子供だな。

モルガナ「クリスじゃダメなのか?」

めぐみん「エリスは天界に戻ったみたいですし、ダクネスは、その・・・」

レイ「言わなくていい。察した」

めぐみんのトイレは帰るついでにモルガナがついていくことになった。

 

翌日、ウィズ魔道具店

モルガナ「バニル、来たぞー」

バニル「おお昨日の夜そこの爆裂娘が現れた時ショックで尻尾の感覚がなくなりかけた猫もどきよ。よく来たな!」

ウィズ「あ、皆さんいらっしゃいませー!」

レイ「おいモナ。どうやってパレスに行くんだ?この世界にはイセカイナビはないぞ?」

モルガナ「任せろ。探知機がイセカイナビの役割を果たすからな」

ウィズ「私もついていきます。お客さんは来ませんので」

めぐみん「何故でしょう、涙が出て来ました」

モルガナ「よし、行くか!ペレック、商店街、えっと・・・確かアイツはギャンブル好きだったよな。カジノ?」

レイ「おっ、反応した」

この世界に来て初めてのパレスだ。

モルガナ「気を引き締めろよ、久々の認知世界だからな」

レイ「わかってる」

・・・

ゼロ「・・・着いたか」

モナ「みたいだな。ゼロも怪盗服になったし、警戒されているみたいだ」

バニル「うむ。我輩が少し聞き耳をたてただけでも贈収賄の噂が聞こえたからな」

めぐみん「レイ、その格好は・・・」

ゼロ「認知世界ではゼロと呼べ。格好については僕よりモナの方が詳しいだろ」

モナ「その者の『反逆者』のイメージだ。人によってだいぶ違うぞ」

因みに僕の怪盗服は、所々機械の様な物をつけた、いわばサイボーグみたいな状態だ。目は青のVRゴーグルみたいな仮面で隠れている。当然服は黒と紺で統一した上下に、黒いローラーブレードと言った所だ。肌は顔以外全て隠している。

めぐみん「カッコイイ・・・!」

ウィズ「モナさんは変化がありませんが・・・」

モナ「ワガハイは怪盗服など必要ないからな」

バニル「それでは、行くとしようか」

バニルはそう言って、正面玄関に行こうと・・・

ゼロ「お前バカか。正面から突撃する怪盗がいるかよ」

したので止めた。

バニル「我輩としては、ダンジョン視察のために正面から見たいのだが」

モナ「ダメだダメだ。侵入できる場所を探すぞ」

バニル「では、あそこの通気口などどうだ?気付かれず侵入できるだろう」

モナ「かもな。物は試しだ、通気口から侵入するぞ」

めぐみん「とは言え、あそこに辿り着けますか?かなり高い位置にありますが」

ゼロ「任せろ。ガスター発射」

ガスブラを地面に放ち、反動で飛び上がって通気口の近くの足場へ移動し、縄梯子を下ろす。

モナ「さすがだな」

縄梯子をササッと登ったモナが褒めてくれた。

すると下からバニルが。

バニル「うむ。機転がきくな、幸運が高いにもかかわらず運がない小僧よ」

ゼロ「どういう意味だおい」

バニル「まあ良いであろう。限りある命だからこそ楽しまなくてはな!フハハハハ!」

こ、こいつ・・・

バニル「華麗に脱皮!」

バニルとウィズ除く全員『は?』

バニルがこちらの足場に仮面を投げ、体が崩れたかと思うと仮面の着地点から新たな体が生えてきた。

ゼロ「ちょっと何が起こってるか分からない」

ウィズ「ずるいですよバニルさん!というかめぐみんさん、頑張って下さい!というか、めぐみんさんを上で引っ張り上げて下さい!」

めぐみん「腕に力が入りません・・・」

ゼロ「はいはい。ほら、掴まれ」

めぐみん「ありがとうございまっ・・・⁈」

ゼロ「うわっ⁈」

強く引っ張り過ぎたのか、引き上げた後も勢いが止まらず、僕をめぐみんが押し倒す形に。これはアカン。

めぐみん「うひゃあっ⁈」

赤くなりながら慌ててめぐみんが退く。

バニル「フハハハハ!極上の羞恥の悪感情、美味である!」

めぐみん「うわあああああああ!」

めぐみんが真っ赤になってバニルに殴りかかる。

ウィズ「すみません、私も引き上げて貰ってもよろしいでしょうか?」

モナ「ゼロがやれ」

ゼロ「なんでだよ!」

その後何事もなくウィズを引き上げ。

通気口は、モナ、僕、バニル、ウィズ、めぐみんの順で通った。特に誰かが問題を起こすこともなかった。

辿り着いたのは、倉庫みたいな部屋。

モナ「シャドウの気配は無いな。先へ進もうぜ」

 

ゼロ「にしても、ファンシーなカジノだな」

めぐみん「はい。ですが、人がいませんね。いるのは動きしゃべる気味の悪い財布だけです」

モナ「おそらくそれが人間達だ。ペレックは他人の事を金としか思ってない様だな」

ウィズ「正真正銘のクズですね・・・」

バニル「おや、警備員の様なシャドウがいるな。まだこちらには気付いていない様だが」

モナ「なら不意打ちのチャンスだ。ゼロ、お手本を見せてやれ」

ゼロ「なんで僕が。まぁいいか」

そう言いつつ、シャドウに忍び寄る。

ゼロ「正体を見せろ!」

後ろから飛びかかり、仮面を奪う。するとシャドウは倒れ、本性を現した。

モナ「ジャックランタン3体か。ザコだ、問題ない」

そこにいつものナイフで一閃を入れる。

ゼロ「これだけでダウンするのか。本当に弱いな」

モナ「よし、総攻撃で仕留めようぜ!」

めぐみん「す、凄い・・・本当にカッコイイ・・・!」

ウィズ「めぐみんさん、落ち着いて下さい」

ゼロ「こんなもんか。さっさと行くぞ」

モナ「鮮やかな勝利だ!」

バニル「汝らはいつもそんな感じなのか。我輩にも出来そうだが」

めぐみん「私もやってみたいです!」

ゼロ「バニルは悪魔だし、現実のスキルに頼らないから出来ると思うが、めぐみんみたいに現実のスキルに頼り切りな奴は厳しいと思う。認知世界で潜伏使えなかったからな、現実のスキルが使えないんだろ」

モナ「ペルソナに覚醒すれば話は別だがな」

めぐみん「そんなぁ・・・今のは紅魔族の琴線に触れたのですが・・・」

落ち込むめぐみんをウィズが慰める中、バニルが。

バニル「この先、異様な気配を感じるのだが」

モナ「ああ、歪みが弱くなっている。セーフルームがあるっぽいな」

ゼロ「ならちょうどいい。拠点として確保しようか」

無事にセーフルームとして別の倉庫を確保した。

モナ「部外者も居るし、今回はここまでにするか。現実に帰ろうぜ」

バニル「我輩としてもいい視察になった。礼を言うぞ」

ウィズ「長いこと生きてきましたが、こんな面白い経験出来ませんでしたからね。よかったです」

めぐみん「むぅ・・・私としてはまだ帰りたくないのですが・・・」

ゼロ「戦えないお前が捕まっちゃたまったもんじゃない。帰るぞ」

めぐみん「はい・・・」

・・・

現実に戻ってきた僕達は、ウィズ魔道具店で話をしていた。

レイ「そういやバニルって、魔王軍幹部なんだろ?ウィズと同じ」

バニル「そうだ。まあこんな仕事辞めたいが」

めぐみん「悪魔は残機という予備の魂を持っていると聞いたことがあるのですが、今バニルが死んで復活したら魔王軍幹部の地位はどうなるのでしょう?」

バニル「魔王軍幹部の地位は消えるな。・・・む?待てよ・・・」

モルガナ「そんなことより、パレスの話だ。取り敢えずオタカラのありかを探すか?」

レイ「そりゃそうだ。オタカラの場所が分からなかったら始まらないからな」

バニル「そうだ!おいそこの先程隣にいる将来魔法使いに好かれやすいかもしれない男を事故とは言え押し倒した事を気にして」

めぐみん「ああああああああああーっ!」

こいつ、あれそんなに気にしていたのか。

ってか、将来魔法使いに好かれやすいってどういう事だ。

バニル「ふむ、極上の羞恥の悪感情、美味である美味である!さてと貴様、我輩に爆裂魔法を撃ってくれぬか?」

バニル除く全員『えっ?』

バニル「我輩は魔王軍幹部を辞め、破滅願望の為のダンジョン建設資金を得る為安全に働ける。貴様らは我輩にかかっている懸賞金を得ることができる。悪くはなかろう?」

ウィズ「確かに。バニルさんには残機がまだまだありますし、その方がいいかもしれません」

めぐみん「私は賛成です。魔王軍幹部をこの手で討ち取るとか最高じゃないですか!」

レイ「異論なし」

モルガナ「ワガハイもオッケーだ」

めぐみん「では、という事で・・・」

 

 

めぐみん「『エクスプロージョン』ッッッッ‼︎‼︎」

めぐみんの爆裂魔法がアクセル郊外の草原に突っ立っているバニルに直撃した!

めぐみん「レベルが跳ね上がりました!今は23です!」

レイ「凄いな。因みに僕は19だ」

モルガナ「ワガハイはまだ2だ・・・」

ウィズ「まぁ、先日登録したばかりなのでしょう?仕方ありませんよ。あ、私は87です」

ウィズ除く全員『高っ⁈』

十分後・・・[モルガナ視点]

バニル2世(以下バニル)「フハハハハ!笑いが止まらんとはまさにこの事よ!魔王軍幹部の地位を捨て去り、遂にダンジョン建設の資金を手に入れることが出来る!という事でウィズ、我輩は今日からこの店でバイトする」

ウィズ「えっ?あっ、はい・・・」

モルガナ「レイとめぐみんがギルドに報告に行ったし、これでバニルは安全だな。では、ワガハイはこれで失礼する」

[レイ視点]

ルナ「ま、魔王軍幹部バニルを討伐した⁈冒険者カードを見るあたり、事実ではある様ですが・・・」

冒険者A「おいおい、どうやったんだよー!」

冒険者B「奢ってくれー!」

・・・これはしばらく帰れそうにない。

 

その夜・・・

レイ&めぐみん「「ただいま〜」」

長時間質問攻めにされめぐみんも歩ける程度には魔力が回復したのでもうおんぶはしていない。

クリス「ちょっとどういう事⁈見通す悪魔バニルがこの街にいんの?ぶっ殺してくる!」

帰ってきたと思ったら悪魔やアンデッドに対してのみサイコパス女神が食いついてくる。ドダイトスとデンリュウはもう寝ている様だ。

レイ「モルガナ、こいつ代わりに鉄拳制裁してくれ」

モルガナ「分かった」

クリス「えっちょっと待って⁈ちょっと待ってよ!痛い痛い!ごめんなさぁい!」

ダクネス「何があったのだ?説明してくれ」

ドラミドロ「それ以前に、2人ともぐったりじゃないか。風呂沸いてるから、入って今日は寝ろ」

レイ&めぐみん「「助かります」」

マルヤクデ「まさかとは思うが一緒に入るのか?」

めぐみん「それはないです」

レイ「ありえない」

マルヤクデ「即答かよ」

ダクネス「分かった、ゆっくりして来い」

 

めぐみん「そう言えば、レイ達は何故ペルソナの力を現実でも使えるのですか?」

風呂場へ向かう道中、めぐみんが聞いてくる。

レイ「分からないが、現実にシャドウがいた事と関係があると思う。ただ、現実だと力は弱まってた」

めぐみん「・・・私もペルソナ、使ってみたいです」

レイ「ペルソナっつうのは反逆の心が具現化したものなんだ。運命に抗う強い意志を持てば、向こうから語りかけてくる。つまり、万人がペルソナの力は持てるという事だ。でもみんな運命に流されているけどな」

めぐみん「私でも使えるかもしれない・・・」

レイ「ま、そういうこった。風呂場に着いたし、話はここまで。んじゃ、入ってくるから」

めぐみん「先に入らせて下さい」

レイ&めぐみん「「・・・・・・・・・」」

レイ「いやなんでだよ。僕はパレスで戦ったし、そのあとお前をおぶったし、他の冒険者に質問攻めにされたんだ。先に入る権利くらいある」

めぐみん「質問攻めにされたのは私もです。レディーファーストって知ってますか?」

レイ「お前はレディーじゃなくてガールだろ」

めぐみん「な、なにおう!」

レイ「って事でレディーファーストの対象外。風呂入ってくる」

そう言って荒ぶるめぐみんを脱衣所から押し出し、服を脱いで風呂に入る。先程までドラミドロが入っていたので、まだ暖かかった。

ああ、疲れが一気に取れていく・・・

レイ「結論。風呂、最強」

うん。自分でもちょっと何言ってるかわからない。

風呂を済ませ上がり脱衣所にいくと、そこにはタオル一枚のめぐみんが。

当然1人で入ったため、ついでに言うと上がったばかりのため、僕はタオルも巻かずに全裸である。

レイ「・・・何してんの?僕が入っているのに脱いで待機するのかよ?スケベなの?」

めぐみん「ち、違いますよ!風呂に早く入りたかったんです!」

レイ「疑わしいが、そう言うことにしといてやる。じゃ、おやすみー」

めぐみん「お、おやすみなさい・・・」

 

翌朝。冒険者達に質問攻めにされたこととめぐみんが昨晩しでかしたことをみんなに説明した。

めぐみん「なんで言うんですか!おかげで痴女扱いされそうになりましたよ!」

レイ「僕が入っている時に脱いでいたのは事実だろ、お前が痴女だとは言わないが」

デンリュウ「めぐみん、昨晩の話聞かせて?」

僕がめぐみんと言い争う中、デンリュウとクリスがものすごく悪い笑みを浮かべやってきた。

クリス「私の時は散々嬲ってくれたよね?ね?」

めぐみん「レイ、助けて下さい」

レイ「自分で巻いた種だ、自分でなんとかしろ」

めぐみん「いやああああああ・・・」

めぐみんがクリス達に連行されるのを見送り、モルガナに話しかける。

レイ「モルガナ、パレスどうする?」

モルガナ「明日にしようぜ。今日はアルダープの噂の調査だ」

ドラミドロ「なら俺たちの出番だな。噂集めてくる」

ドダイトス「俺はデストロイヤーの一件で知り合いも増えたからな。そいつらに聞いてくる」

マルヤクデ「お前本当に街の人気者だよな。ダンデかっての」

ダクネス「私も貴族のコネで噂を集めてみる。王家の懐刀、舐めるなよ」

モルガナ「サンキュー、お前ら!助かるぜ!」

その夜・・・

?「大変だみんな!大変なことになった!」

屋敷に、何処かのお嬢様みたいな綺麗な人が飛び込んできた。

レイ「誰だお前」

クリス「ダクネスだよ。何があったの?」

マジかダクネスか。

めぐみん「ああ・・・あああ・・・」

一日中クリス達に弄られ、挙動不審になっためぐみんがうるさい。

ダクネス「取り敢えず、この写真を見てくれ」

そう言いながらダクネスが1枚の写真を手渡してくる。

レイ「なんだこのイケメンは」

クリス「アルダープの息子のバルターさんだね。アルダープの養子で、凄くいい人らしいよ?」

レイ「領主の息子か。問い詰めればアルダープの犯罪の証拠吐いてくれんじゃね?」

ダクネス「そんなことはするな!ともかく、これは見合い写真だ。アルダープはなぜか私に異様な執着を見せている。だが本人が結婚しようとしても父が話を蹴る。しかしバルターとなると話は別だ。父はバルターの事を高く評価している。そしてこの見合いを持ってきたのは何故か王室だ。今までは父が話をもってきていたのでまだ結婚したくないと話を蹴れたのだが、流石に王家に逆らう訳にはいかない。理由は不明なのだが・・・」

デンリュウ「つまり、断ろうにも断れないけど結婚したくないから助けてくれと」

ダクネス「そう言う事だ。頼む!」

ダクネスが僕達に土下座する。

クリス「ダクネス、頭を上げて。良家のお嬢様が庶民に頭を下げちゃいけないよ?」

レイ「女神が何を言う。まあ僕は構わないが、具体的にどうすんだ?」

ダクネス「適当な理由をでっちあげ、写真を相手に返し、こういった理由があるのでと謝るつもりだ」

めぐみん「そんなんで出来たら苦労しないと思うのですが」

ドラミドロ「帰ったぞ。レイ聴いてくれ、あの領主予想以上にロクでもねえ」

マルヤクデ「ああ、クズの極みだアイツは。何故こんなに噂はあるのに証拠は出ないんだ?」

モルガナ「なんか前にあったジェイルの騒ぎに似ているな・・・」

ドダイトス「疲れた・・・どうした、難しい顔して」

説明中・・・

モルガナ「なら、いっその事こと見合いを受けて、ぶち壊せば良くないか?そしたら親父さんも見合いを持ってきにくくなるだろう」

ダクネス「それだ!上手くいけば話が持ち上がるたびに父をはったおしにいかなくて済む!」

レイ「お父さん気の毒に・・・」

クリス「私達も臨時執事やメイドとしてそばにいてあげるよ」

モルガナ「ワガハイたちは無理だな」

ドラミドロ「留守番して今日の情報まとめとこうぜ」

レイ「助かる。頼んだぞ」

めぐみん「そういや、見合いはいつからなのです?」

ダクネス「明日の昼からだ。みんな、ありがとう」

 

翌日、ダスティネス邸・・・

クリス「どう?メイド服似合ってる?」

ダクネス「ああ、とてもよく似合っているぞクリス」

めぐみん「サイズが大きすぎます。もっと小さいのはありませんか?特に胸周りとか腰周りとか」

ダクネス「それが最小なのだが・・・やめてくれめぐみん、髪を引っ張らないでくれ!」

そんな声が部屋の中から聞こえる。無事臨時執事として雇われた僕達は服を貸してもらうことに。

僕は執事服に手早く着替え、こうして待っているのだが。

レイ「早くしてくれ。着替えに15分掛かってるぞ」

遅い。遅すぎる。

ダクネス「や、やっと終わった・・・」

めぐみん「うう、大きくて不愉快です」

クリス「めぐみんの体が小さいのは仕方がないと思う」

めぐみん「紅魔族は売られた喧嘩は買う種族です。今ここで決着をつけようじゃ痛いっ⁈」

レイ「お前は何をしている」

 

と言うことで、やっと見合いが始まったわけだが・・・

ダクネス「私はダスティネス・フォード・ララティーナ。当家の細かい説明は省きますわね。成り上がり者の領主の息子でも知っていてとうぅっ⁈」

ダクネスをテーブルの下でこっそり踏むのはもう何回目か分からない。コイツは度々行ってはいけない事を言いかける。

バルター「どうしましたララティーナ様?お顔が赤いですが・・・」

めぐみん「バルター様、お気になさらず。お嬢様はバルター様に会えるのを心待ちにしていましたから」

レイ「お前の家の名に傷がつかない様にしろ。困るのはお前だぞ?」

ダクネス「も、問題ない・・・」

クリス「顔を赤らめながら言わない」

ダクネスの父(以下イグニス)「すまん。暴走しない様にしてくれ(小声)」

イグニスさんが囁きながら手を合わせる。

ダクネス「それでは、当家の庭で散歩でもしましょうか」

バルター「そうですね」

イグニス「君達、ちょっといいか?」

クリス「はい」

レイ「クリスはダクネスが馬鹿しないように見張っていてくれ。後で伝える」

クリス「分かった」

イグニス「君達がララティーナの結婚を望まないのは分かっている。だが、ララティーナを早めに結婚させないと不味いのだ」

めぐみん「と、言いますと?」

イグニス「アレは、モンスター達に力及ばず攫われ、いろんな目に合わされたいそうだ。おまけに好みの男のタイプがダメ男と言う有様。だから早めに嫁にやり、見張っていて欲しいのだよ」

めぐみん「・・・・・ポカーン( ゚д゚)」

レイ「アイツもうダメじゃねえか」

流石は生粋のドM。考える事が違う。

めぐみん「それなら私達がダクネスを見張りますよ。ダクネスに無理に結婚させる必要ありません」

レイ「お前、珍しくいいこと言ったな」

めぐみん「珍しくとはなんだ珍しくとは」

イグニス「本当に娘はいい仲間を持ったな。分かった。私の方からなんとか」

その時だった。

クリス「あああああああああああああ!」

全員『⁈』

慌てて庭に向かうと、そこにはドン引きするバルターと目を回して倒れるクリス、そしてそのクリスを睨むダクネスの姿が。

イグニス「い、一体何があった⁈」

バルター「そ、それが・・・」

クリスがしつこくダクネスの妨害をするため、ダクネスがキレてクリスをぶん投げたらしい。

結局、応接間にクリスを運び、バルターに僕達の素性をバラした。

バルター「そうだったのですか。実は、ここには見合いを断るために来たんですよ」

めぐみん「そうだったのですか。よかったです」

クリス「ほんと、あの領主の息子とは思えないよね」

レイ「そうだそれで思い出した。バルターさんは養子ですよね?領主の悪事の噂について何か知っていますか?」

バルター「そのことですが、僕自身も気になって父に聞いたのですが、全てでっちあげの一点張りでして。ただ、何故か時々地下室に篭りきりになる事があります。鍵は父しか持っていないので調べようにも調べられず・・・」

レイ「それが聞けただけでも充分です。ありがとうございます」

イグニス「地下室か。一体何をしているのだろうか」

レイ「それは僕達も調べています。いつか、彼の鼻を明かす時が来るでしょう」

アルダープのパレスに乗り込み、オタカラを奪ってやる!

めぐみん「それでは、私達はこれで失礼します。ダクネス、後で会いましょう」

ダクネス「分かりました。クリスは私が後で連れて行きます」

バルター「僕も帰ります。父への話もありますし」

イグニス「そうか。じゃあまたな」

 

自宅にめぐみんと2人で帰ると、モルガナ達が出迎えた。

モルガナ「やっと帰ってきたか!話したい事が山ほどあるぜ!」

レイ「おう、じゃあすぐに会議に入ろう」

めぐみん「私も参加していいですか?」

レイ「いいけど」

 

レイ「よし、これより会議を始める。まずは僕達の報告だ」

めぐみん「ダクネスとバルターの見合いはクリスが気絶しただけで終わりました。後、バルターから領主が地下室に篭りきりになる事があると言う情報を入手」

マルヤクデ「へー。地下室に篭りきりね・・・」

ドラミドロ「嘘をついている可能性は?」

めぐみん「あのバルターさんですし、父と考え方は正反対ですからそれはないと思います」

ドダイトス「まあ、あいつよく貧しい人に配給しているからな」

レイ「次はモルガナ、昨日集めた噂、どうだった?」

モルガナ「ああ、とんでもない噂がいくつかあった。一つ目は、不当な搾取。二つ目は、贈収賄。ここまではまだ軽いもんだ。目についた可愛い子や良い女はどんな手を使っても物にして、しかも飽きたら少ない手切金渡して捨てるらしい」

めぐみん「なんですかそれは!」

モルガナ「最後まで聞け。次は先日のデストロイヤーだが、デストロイヤーは街の目の前で破壊されただろ?つまり郊外の穀倉地帯とかは蹂躙されたわけだ。それで農民は領主に助けを求めたが、あのクソ領主は、命が助かっただけでも儲け物だなんて言って無視しやがった。で、その金はダスティネス家が負担したらしい」

レイ「はぁっ⁈」

めぐみん「領民を助けるのは領主の義務でしょう!何をしているのですか!」

デンリュウ「一番タチが悪いのはそんだけ好き放題しているにも関わらず、物証がないらしい事。被害者女性たちも頑なに口を閉ざすしね」

レイ「そして地下室への引きこもり・・・全く分からん」

モルガナ「そうだよな。こんな事、真実をねじ曲げているとしか思えない」

マルヤクデ「記憶までねじ曲げているって言うのか?『改心』みてえだな」

ドラミドロ「だが、どうやってネガイを奪った?この世界にはジェイルに誘うものなんてないだろ」

めぐみん「あーーーーっ!」

レイ「ど、どうした⁈」

めぐみん「これは私の推測ですが・・・アルダープは『辻褄合わせのマクスウェル』と言う悪魔を従えているのでは?」

ドダイトス「それはありそうだが。分からないし、アイツに聞きに行くか」

モルガナ「それが一番いいな。パレスでアルダープを改心させたら、マクスウェルを解放するかもしれないし」

 

バニル「ん?辻褄合わせのマクスウェルがこの街にいるかとな?もちろんいるとも!力はあるが、頭は赤子のマクスウェルがな!」

レイ「分かった。で、お前はマクスウェルをどうしたい?」

バニル「マクスウェルは我輩と同じく地獄の公爵だ。助けたいに決まっておる。だが、あの領主とマクスウェルの間に契約が交わされているのが厄介なのだ」

モルガナ「ならアルダープを改心させれば、マクスウェルとの契約も解除するだろ」

バニル「その時は我輩が迎えに行こう。そうだ、とてもいい話があるのだが」

バニルが悪魔相応の胡散臭い笑みを浮かべ話しかけてくる。

レイ「すっごく胡散臭いが、一応聞くよ」

バニル「マクスウェルの救出が終わるまで我輩が力を貸してやろう。その代わり、賃金を払え」

レイ「僕達はお金に余裕はあるし、いいんじゃないか?」

モルガナ「だな。一回につきいくら欲しい?」

バニル「1億」

レイ「高い!攻めて5万だ!」

バニル「ふむ、仕方がない・・・それで受けてやろう」

出費が痛いがバニルの力を借りれるのは心強い。

モルガナ「しばらく宜しくな、バニル」

《続く》




相変わらずがめつい悪魔です。
ターゲットは完全オリジナルキャラクターです。見た目は男性としかいわないでおきます。


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反逆の爆焔

前の後書きに書き忘れましたがバニルがペルソナに覚醒する予定はありません。悪魔ですし。


バニルが協力してくれることになり、そのままペレックのパレスへ直行。

モナ「よし、着いたな。先日のセーフルームにテレポートだ」

バニル「汝、テレポートが使えるのか?」

ゼロ「違う。起動したセーフルーム同士は繋がっていて、その間を行き来出来るんだ」

セーフルームに到着。

?「ふっふっふっ・・・私の事には気付いていないようですね・・・」

 

モナ「お、シャドウがいるな。どうする?」

ゼロ「素通り出来そうだし、無視するか」

バニル「我輩達は怪盗。であれば余計な接触は避けたいからな」

ゼロ「って奥にもいるし。もう倒すか」

バニル「我輩の腕の見せ所だな。不意打ちはやらせてくれ」

モナ「分かった。しくじるなよ」

バニル「『バニル式殺人光線』!」

シャドウ「⁈」

バニルが放ったビームで、シャドウが数メートル吹っ飛んだ。

ゼロ「凄え。ってか技名捻ろうよ」

モナ「ジャックランタンとピクシー、バイコーンか。バイコーンは強いから注意だな」

バニル「任せたまえ。行け、戦闘用バニル人形」

バニル人形はシャドウのところへ駆けていき、盛大に自爆した。

モナ「ピクシーは倒したか。『マハガル』!」

モナの風魔法でジャックランタンも倒れた。

ゼロ「『ジオダイン』!」

僕の雷魔法でバイコーンはダウン。

バニル「では、総攻撃と参ろう」

バイコーンも倒して、敵は全滅。

ゼロ「よし、次だ次」

そんな風に無双しながらカジノを駆け回っていたら。

?「きゃああああああっ!」

モナ「なんだ⁈」

バニル「今の声・・・爆裂娘か?」

ゼロ「いやなんでめぐみんがいるんだよ。認知か?」

モナ「声は地下からだ。とにかく行ってみよう!」

 

[めぐみん視点]

私が甘かった。先日ゼロ達があっさりシャドウを倒したのをみて私も出来ると思ってしまった。その結果、無様に取り押さえられ、牢で四肢を鎖に繋がれている。

シャドウA「まったくなんだコイツは。最初は随分と調子に乗っていたクセに弱かったぞ?」

否定できないのが辛すぎる。

シャドウペレック「侵入者を捕らえたと聞いたが、まさかロリっ子とは!今日はなんて素晴らしい日だ!」

ロ、ロリコン⁈

めぐみん「!や、やめて下さい!近寄るなぁ!」

シャドウペレック「やめろといわれてやめる奴がいるか?」

嫌・・・!だ、誰か・・・!

ゼロ「『ブフーラ』!」

シャドウペレック「うっ⁈」

シャドウB「ペレック様!」

シャドウA「貴様ら、近寄るな!コイツがどうなってもいいのか!」

そのシャドウは私に剣を向けながらゼロ達に叫ぶ。

モナ「人質とは随分と卑怯な真似を・・・!」

シャドウペレック「武器を捨てろ」

バニル「我輩は武器はないのだが・・・」

ゼロ「抵抗するなって意味だよ」

ゼロはそう言いながらナイフを落とす。モナもサーベルを投げ捨てた。

シャドウペレック「我がカジノに無断で侵入した罪は重い。命で払ってもらう。抵抗する場合はこの娘が死ぬ」

めぐみん「私の事は気にしないでください!勝手に着いてきた私が悪いんです!」

シャドウペレック「そうか・・・己のわがままで仲間が死ぬ所を見て嘆くがいい」

そ、そんな・・・!

私が絶望していたその時。

?〔この場を切り抜け、彼らを救う力が欲しいか?〕

めぐみん「うっ⁈あ、頭が・・・!」

なんですかこの声は!急に頭の中に・・・!

?〔自分の罪を人に押し付け、いくら逃げても、滅びの運命からは逃れられない。ならばいっそのこと運命に立ち向かい、運命を破壊して見せるのだ!〕

・・・・・そうか。そうすれば良かったのか。

めぐみん「そうですね。契約です・・・『イベルタル』‼︎」

気がついたら鎖を破壊し、眼帯に手をやってこんな台詞と共に眼帯を外していた。

眼帯は青い炎となり、私の背後に赤黒い鳥のような生き物が現れる。

私は何故か、それが何かよく分かっていた。

めぐみん「これが・・・これが私のペルソナ・・・!」

モナ「驚いたぜ・・・めぐみんにペルソナの素養があったとはな」

ゼロ「なら話は早い。コイツらを・・・」

バニル「血祭りにあげるだけだ!」

ゼロ「僕が言おうとしたことを先読みするな!」

バニルにゼロが食ってかかる。

めぐみん「それでは、参りましょう!我が力、思い知れ!」

シャドウペレック「馬鹿な・・・!お前たち!そいつらを始末しろ!」

シャドウA「はっ!」

モナ「丁度いい。スキルを試しておけ」

めぐみん「はい!『エイハ』!」

私の呪怨魔法は、そのシャドウをダウンさせた。

ゼロ「イベルタルって破壊ポケモンだよな?なんでペルソナになってるんだ?」

バニル「それは後で考えたまえ。『バニル式破壊光線』!」

ゼロ「それもそうだな。『マハフレイ』!」

モナ「シャドウ全滅!鮮やかな勝利だ!」

めぐみん「・・・ってあれ⁈なんですかこの格好⁈」

いつの間にか眼帯が黒くなり十字架は赤くなっていて、さらにローブやマントの色も黒っぽくなり、マントに至っては裾がダメージ加工されていた。

バニル「汝の怪盗服の様だ。随分と気に入った様だな」

めぐみん「見通しました?」

ゼロ「見通さなくても分かるだろ」

モナ「杖の先も変わっているな。切れ味良さそうだ」

見ると、杖の宝石より上の部分が刃物になっていた。槍に似ている気がする。

めぐみん「カッコ良すぎる・・・!感動で体に力が入りません・・・!」

ゼロ「ペルソナに覚醒した後は体に負担がかかるからな。いったん帰還しよう」

バニル「先程セーフルームも見つけた。すぐに探索を再開可能だ」

モナ「よし、現実へ帰還だ!」

 

[レイ視点]

ウィズ魔道具店に戻ってきた僕達は、ウィズにこの事を報告し、会議をしていた。

因みにめぐみんは二階で寝ている。

モルガナ「めぐみんがペルソナに覚醒したわけだが、ペルソナが破壊ポケモンとはどう言うことだ?」

ウィズ「そう言えば、めぐみんさんは以前、自分の前世は破壊神だと言い張っていましたので、それの影響じゃないですか?」

レイ「そうじゃなかったら説明出来ないだろ。めぐみんの反逆の心が破壊神だったと言うことか」

バニル「フハハハハ、これは面白いことになった!予想外だったな!」

レイ「いや、見通していなかったのか?」

バニル「それが、認知世界では見通す力が弱まるからな。過去とその時の心情ぐらいしか見れない」

モルガナ「それでも強いと思うのはワガハイだけか?」

ウィズ「いいえ、私もそう思います」

めぐみん「ふわぁ・・・おきましたよ」

レイ「おはようめぐみん。んじゃ帰るぞ、探索の続きは今度だな」

バニル「そうか。ではな、最近不眠で辛い男と空腹な猫と爆裂魔法が撃てず悶々としている爆裂娘よ」

ぐぬぬ、コイツめんどくさいな。

 

翌日

セナ「すみません!いらっしゃいますか!」

ドラミドロ「なんだなんだ⁈ってあんた、この前来た検察官か」

クリス「随分慌てて、どうしたの?」

モルガナ「アルダープについて、何かわかったのか?」

セナ「いえ、今回はリザードランナーの女王が現れたので、討伐して欲しいという事でして」

めぐみん「ああ、もう春ですしそんな時期ですね」

ドダイトス「リザードンランナー?」

デンリュウ「リザードランナーだアホ」

レイ「女王って、繁殖期って事か?」

ダクネス「そう言う事だ。この時期、姫様ランナーと言うリザードランナーの女王が生まれ、オス達はつがいになるために勝負をする」

マルヤクデ「女王なのに姫様ランナーっておかしいだろ」

レイ「黙れ」

クリス「そんで、その方法が独特でね、走るんだよ。ひたすら走って、一番速い奴が姫様ランナーとつがいになって、王様ランナーと呼ばれる」

マルヤクデ「こっちはちゃんと王様かよ」

レイ「もうツッコまないぞ」

めぐみん「そしてリザードランナーが走る際、邪魔な物は全て蹴飛ばします。大型モンスターでも骨折するレベルの力で」

ドラミドロ「んで、そいつらをどうしろと」

セナ「討伐をお願いします」

デンリュウ「ですよね(´・ω・`)」

 

平原に移動した。

遠くにリザードランナー達が見える。

ドダイトス「リザードンとは似ても似つかないな」

マルヤクデ「緑色だからな」

レイ「遠くから姫様と王様倒せばいいんだろ?ガスブラで狙撃するよ」

めぐみん「逃げる所に爆裂魔法をお見舞いしてやります!」

モルガナ「ダクネスとドダイトスはいざと言う時の壁だ。頼んだぞ」

ダクネス「任せろ!ああ、ゾクゾクする・・・」

デンリュウ「アタシも竜の波動で攻撃する。電磁砲は避けられるだろうし」

ドラミドロ「流星群でいっか」

マルヤクデ「する事ないし寝るか」

クリス「ダメでしょ」

レイ「作戦開始だ。『狙撃』」

僕のガスブラは、狙い違わず姫様ランナーに直撃する。

デンリュウ「『竜の波動』!」

竜の波動も、姫様のすぐ近くにいた王様と思われる個体に直撃する。

ドラミドロ「『流星群』!」

めぐみん「『エクスプロージョン』ッッッッ‼︎‼︎」

ドラミドロとめぐみんの広範囲攻撃で、残りのリザードランナーも全滅。

マルヤクデ「スヤァ(-_-)zzz」

クリス「寝るなー!」

ダクネス「む?めぐみん、何故立っているのだ?」

めぐみん「昨晩、最大魔力上昇にスキルポイントを少し使ったのですよ。今では、爆裂魔法を撃っても倒れません」

僕は知っている。

昨晩、めぐみんが僕達と共に闘うなら爆裂魔法を撃っても倒れない様にしないといけないと思い、悩んだ末に最大魔力上昇にスキルポイントを振った事を。

ドダイトス「そうか。なら今後撃った後にカエルに食われることもなくなるな」

モルガナ「よし、報告に帰るか!」

 

マルヤクデ「ノーダメージ報酬うまし」

レイ「ちょっと何言ってるか分からない」

ダクネス「なあみんな、これを見てくれないか?」

ダクネスが持って来たのはギルドにあった新聞。

そのページには、『水と温泉の都アルカンレティアの観光名所まとめ』と書かれている。

めぐみん「アルカンレティアですか。これがどうかしたのですか?」

ダクネス「ここに旅行に行きたい。私は王都とアクセルの街以外知らないからな」

クリス「温泉かー。いいかもね」

モルガナ「異論なし!」

レイ「構わない」

ドダイトス「いいぞ」

ドラミドロ「分かった」

マルヤクデ「賛成」

デンリュウ「りょーかい」

と言うことで、各自旅行のための荷物をまとめ明日出発する事に。僕はそれを知らせるため再度ウィズ魔道具店に来ていた。

レイ「って事で、パレス探索は後になる」

バニル「そうか、分かった」

ウィズ「私もついて行っても良いですか?」

レイ「アンデッドが温泉って大丈夫なのか?」

アンデッドは流水が苦手と聞いた事がある。

バニル「問題ない。むしろこの店主は風呂好きだ」

レイ「分かった。でも旅費はそっちで持ってくれ。出発は明日な・・・ってかウィズがなんか黒い気がする」

バニル「それは先程まで我が仕置き光線を受けて気絶していたからな。このガラクタ店主は野外用簡易トイレの魔道具を仕入れやがった」

ウィズ「バニルさんひどいです!これは売れますよ!」

バニル「戯け!消音用の音がデカすぎてモンスターを引き寄せるかつ、水の生成機構が強すぎて辺りが水で大惨事になる欠陥品だぞこれは!」

ウィズ「レイさん!買ってくれますよね⁈」

レイ「要らない要らない!ってか買う人いないだろ!」

バニル「そうだ。だからこうして返品しようとしている」

ウィズ「うう・・・」

レイ「とにかく、出発は明日の朝、自分の旅費は自己負担、アクセル正門前集合な」

ウィズ「わ、分かりました・・・」

 

翌朝。

ウィズ「ダクネスさん遅いですね・・・」

めぐみん「自分で言い出したのに。何をしているのでしょうか」

ダクネス「遅れてすまない、荷物の再確認をしていたんだ!」

レイ「そうか。お前達は乗れないだろ、戻れ」

ドダイトス「あいよー」

マルヤクデ「OK」

ドラミドロ「別にボールから外見れるしいいぞ」

デンリュウ「はーい」

クリス「乗る?何に?」

レイ「まあ見とけ。モルガナ、頼む」

モルガナ「任せろ!モルガナ、大・変・身!」

モルガナが宙返りすると、一台のキャンピングカーとなった。

めぐみん「えっと、これは・・・?」

レイ「車だよ」

ウィズ「魔力を感じませんでしたが、どうやったのですか?」

モルガナカー「車の認知を利用したんだよ」

ダクネス「なるほど、分からん」

レイ「取り敢えず後ろに荷物を積んで乗れ。運転は僕がやる」

クリス「う、うん・・・」

全員が乗り込んだのを確認し、運転席に乗り込んでフロントガラスの近くのポケットにボールを置く。

そしてハンドルの下を掻いてやり、エンジンをかける。

モルガナカー「エンジンのかけ方も覚えていてくれたか」

ドラミドロ『いい眺めだ。久々だな』

めぐみん「なんか揺れてますが、大丈夫ですか?音もしますし」

後ろの席に座っためぐみんが声を上げる。

レイ「動力源の音と振動だ。安心しろ」

ダクネス「本当に見たことない物ばかりだ・・・このボタンはなんだ?」

景色が見たいと助手席に座ったダクネスがボタンに手をっておいそれは!

レイ「待ってくれ!それは押すなダクネス!」

ダクネス「押せという意味で良いのか?」

レイ「違う!それは迎撃用ミサイル発射ボタンだ!街の一部を爆破したくないなら押すな!」

ダクネス「っ⁈」

慌ててダクネスが手を引っ込める。

モルガナカー「よし、出発しようぜ!この路はアルカンレティアに直通してんだよな?」

めぐみん「そうですよ。間違いありません」

クリス「いやー、温泉楽しみだね!」

ウィズ「そうですねエリス様。私も待ち切れません」

レイ「なら飛ばすか?」

クリス&ウィズ「「是非!」」

そんなに目を輝かせなくても。

レイ「シートベルトは?」

めぐみん「これシートベルトと言うのですか。しっかり止めましたよ」

クリス「私も大丈夫だよ」

ウィズ「めぐみんさんの見よう見まねでなんとか止めれました」

ダクネス「ええっと・・・どうしたら・・・」

レイ「不器用だなお前。今回はやってやるが、次からは自分でやれよ?」

未だ止めれていないダクネスのシートベルトを止めてやる」

ダクネス「す、すまない・・・」

モルガナカー「よし、今度こそ出発だ!」

レイ「分かった」

僕がアクセルを踏み、モルガナカーはやっと移動する。

めぐみん「これ、馬車より速いですね。下手したら今日たどり着けるのでは?」

レイ「無理だ。まる1日かかる」

ウィズ「景色の流れがいいですね。椅子も柔らかくてゆったりできます」

ダクネス「ああ、馬車とは違う良さがあるな」

クリス「・・・酔ったかも」

レイ「めぐみん、クリスにエチケット袋渡しておけ、席の下に入ってる」

めぐみん「分かりました。これは何に使うのですか?」

レイ「クリス、吐くならそん中に吐いてくれ、間違っても車に吐くなよ」

クリス「女神は吐かないから!う、オェ」

レイ「吐く寸前じゃねーか!袋の口開けて口つけろ!」

ウィズ「エリス様お願いします!でないと私達にも被害が・・・!」

クリス「う、うん・・・(自主規制)」

めぐみん「スッキリしましたか?酔うのは辛いですよね」

レイ「換気するか。ダクネス、窓開け・・・ダクネス、聞いてるか?」

ダクネス「はっ⁈すまない、景色に夢中になってしまった」

レイ「いいよ別に。窓開けてくれ、後ろも」

ダクネス「分かった。と言うか、モルガナは大丈夫なのか?」

モルガナカー「ワガハイはこんな事でへばったりしないぜ。日没までは走れそうだ」

レイ「相変わらず凄いなお前・・・」

そんな感じで旅は進んでいく。

レイ「ん?前方に馬車の集団があるな」

めぐみん「商隊ですね。スピードを合わせましょう、馬達が驚いてしまいます」

モルガナ「そうだな。お、御者が仰天しているぞ」

御者A「あ、あんた達!それなんなんだ?」

レイ「文明の利器って奴ですよ。それより、あなた方もアルカンレティアへ?」

御者B「そうだ。ついでに旅行客も乗せている」

ダクネス「ご一緒してもよろしいですか?私達もアルカンレティアを目指していて」

御者A「どうぞどうぞ!旅は助け合いですから!」

その夜。

焚火を焚いて商隊の人達と食事した後、最近よく寝れないので早めに寝る事にした。

 

一体どのくらい寝ていただろうか。

商隊の人の悲鳴で目が覚めた。

レイ「な、なんだ?」

ダクネス「レイ、早くこっちに来てくれ!」

クリス「めぐみん、ウィズ起きて!」

ダクネスの元へ駆けつけると、そこには。

リザードン?「グガァ!」

ダクネス「さっきからあのドラゴンが暴れているのだ!新種かもしれない!」

レイ「いやあれリザードンだよな?」

ドラミドロ「リザードンにしては目の周りに傷が多いな」

クリス「とにかく止めないとまずいよ!馬車が燃えちゃう!」

レイ「分かった!デンリュウ、やるぞ!」

デンリュウ「了解!」

レイ&デンリュウ「「メガ進化!」」

デンリュウは殻の様なものに包まれ、それが破れてメガ進化した。

レイ「電磁砲だ!」

メガデンリュウ「発射!」

電磁砲はリザードン?に直撃し、リザードン?は墜落した。

レイ「このリザードン、コピーポケモンだ。ミュウツーが作った奴」

ドダイトス「取り敢えず捕獲しといた方がいいんじゃないか?」

モルガナ「それがいいな。幾らコピーポケモンとは言え、ポケモンである事には変わりない」

レイ「だな。レベルボール」

リザードンを捕獲した。コイツはアルセウス様に渡しておくか。

ウィズ「消火も終わりました。被害が少なくてよかったです」

クリス「それにしても、この状況で寝るめぐみんって大物だよね」

いや寝てんのかよめぐみん。

マルヤクデ「だが、何故コピーリザードンがこんな所に?」

デンリュウ「知らない。ミュウツーが送り込んだのかな?」

レイ「そんな事して何になる。ミュウツー側にメリットがなさすぎるだろ」

ダクネス「ポケモンを感知したと言う可能性は?」

モルガナ「あり得るな。だが、それだと真っ先にレイ達が襲われないか?」

レイ「ああ。商隊の、しかも真ん中でも端でもない場所から攻撃する理由が分からない」

商隊のリーダー「ありがとうございます!これはお礼です、受け取って下さい!」

そう言って手渡して来たのは、アルカンレティア1番の宿と新聞に載っていた温泉宿の宿泊券全員分。

レイ「ま、まあくれるなら受け取っておきますが」

めぐみん「ふわあああ・・・。あれ、皆さんどうしたのですか?」

マルヤクデ「やっと起きたよ」

 

そして、商隊の人達と別れ翌日アルカンレティアに着いたのだが。

クリス「あ・・・・・あの人って・・・・・」

クリスは青い顔でそう呟きながら街の門の近くにいる水色の髪に水色の羽衣を纏ったアークプリーストの女性を凝視している。

門に僕達が近づくと。

「ようこそ水と温泉の都、アクシズ教徒の総本山アルカンレティアへ!私はこの教団の御神体、水の女神アクア様よ!私の直々のお出迎えに感謝してひれ伏しなさい!」

クリス「やっぱりいいいいい!」

クリスの悲鳴が響き渡った。

《続く》




今回は短めです。幕間って感じ。


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残念女神は今日も騒ぐ

水の女神、アクアに出迎えられた僕達は、アルカンレティアの宿に荷物を置いて、街の観光へと連れ出されていた。ドラミドロはアクアから嫌なオーラを感じると訴え、ボールにこもった。ついでにマルヤクデとドダイトス、デンリュウも戻った。

アクア「いやー、観光客なんて久々ね!そうだ、せっかくだし皆アクシズ教に入信しない?」

クリス「結構です」

ダクネス「私は敬虔なエリス教徒なのでな。入信はお断りだ」

めぐみん「アクシズ教徒にはお世話になった人もいますが、入る気はありません」

モルガナ「ワガハイも遠慮する。あんな狂人達と同レベルになりたくない」

アクア「狂人ってどう言うことよ!謝って!私の信者を馬鹿にした事を謝って!」

ウィズ「お、落ち着いて下さい!」

レイ「この女神面倒くさいな(小声)」

アクア「まあいいわ、私はアクシズ教の教会にいるから、力が必要ならいつでもいらっしゃい!」

そう言って、アクアは去っていく。

めぐみん「この短時間で、どっと疲れました」

レイ「本当だよ。クリス、あいつ本当に本物か?単に特におかしいアクシズ教徒って感じだが」

クリス「認めたくないけど、本人だよ。先輩はこんなところで何してるんだろう」

そこにフラフラと買い物袋を抱えた女性が歩いて来て、わざとらしく倒れた。袋に入っていた大量のりんごが転がり、その人は慌てて拾い集める。

なんとなく僕達も手伝い、全てのりんごを拾うと。

女性「ありがとうございました!何かお礼をさせてもらえないかしら!」

その人はそう言いながら買い物袋を無造作に地面に置き、僕の腕を取る。どうせ勧誘する気なのだろう。

レイ「結構です」

女性「まあまあお待ちになって!私、実は占いが得意で・・・なんと言う事でしょう!このままではあなた達に不幸が!でもアクシズ教に入信すればその不幸が回避できますよ!」

クリス「私とレイの幸運は天元突破してるんだよ?他のみんなも運が悪いとは言えないし。それなのに不幸ってどう言うことかな?」

するとダクネスが胸元からお守りを取り出し。

ダクネス「私はエリス教徒だ。彼らを勧誘するなら、一言断ってから」

アクシズ教徒「ぺっ」

道に唾を吐き、そいつは去っていった。

ダクネス「・・・んんっ‼︎」

めぐみん「さてはダクネス興奮しましたね?」

ダクネス「してない」

レイ「・・・僕は宿に帰る。まだ観光したいと言うならとめないが」

ウィズ「私も帰ります。この街、アンデッドに対する殺意が強すぎて」

ダクネス「私はまだ観光するぞ」

めぐみん「私もダクネスについていきます」

クリス「・・・2人が心配だし、私もついてくよ」

モルガナ「ワガハイは帰るぞ。このまま観光を続けたら大変な事になる気がする」

ということで、二手に別れ晩飯の時合流する事に。

 

宿にて

レイ「もうやだ。アイツら頭湧いてんじゃないのか?」

モルガナ「一瞬コイツら『改心』されてんのかとおもったが、ジェイルの反応もない。つまり素でアレって事だ」

ウィズ「も、もう手遅れじゃないですか・・・」

帰り道も勧誘被害に遭った僕達は、宿の女部屋でぐったりしていた。

男部屋は僕とモルガナしか泊まらない(ポケモンはボール)のため、女部屋の方を広くしたのだ。

アクア「あら、もう観光やめちゃったの?」

モルガナ「いやなんで勝手に入って来てんだよ」

レイ「帰れ」

アクア「酷くない⁈」

レイ「うるさい!こちとらお前の信者のせいで疲れてんだ!もうちょい連中を自重させろ!」

僕は久々にマジギレした。以前は弟が僕の研究レポートを提出日に破いた時である。

アクア「嫌よ!なんでほぼ初対面の人にそんな事言われないといけないの⁈後信仰心と信者の数がそのまま神の力になるんだから仕方ないでしょ⁈」

レイ「黙れ!だからってあんな迷惑行為させんな!ってか街の外でもああ言うのやってんだろ⁈まったく、ペットは飼い主に似るというが、アクシズ教団も大概だな!」

アクア「謝って!ウチの子をペット扱いした事謝って!」

レイ「はいはい悪かったよ。謝ったから今すぐ出て行け」

アクアが歯軋りしながら部屋から出て行く。

モルガナ「やっぱりレイってキレると怖いよな」

ウィズ「金輪際レイさんを怒らせないようにしないと・・・あ、お風呂入って来ますね」

モルガナ「分かった」

レイ「あいよ」

数分後、ダクネス達が帰ってきた。

ダクネス「ハアッ・・・ハアッ・・・この街はレベルが高いな・・・女子供に至るまで全てが私達に牙を剥き・・・」

めぐみん「アクシズ教徒怖いです・・・」

レイ「クリス気絶してんじゃねーか。お疲れ様」

ダクネス「そう言えば、ウィズはどうしたのだ?」

レイ「風呂だ」

モルガナ「ワガハイも入ってくる。この疲れを癒す」

レイ「僕もそうするか。出てこい、お前ら」

ドラミドロ「なんで出したんだよ!俺はボールから出ないぞ!」

ドダイトス「風呂か。デンリュウは別行動になるな」

デンリュウ「だね」

めぐみん「アクシズ教徒怖いです・・・」

マルヤクデ「コイツ壊れてる」

 

疲れを癒そうと男湯で全員で休んでいると。

?「忌々しいこの教団もこれで終わりだ。各地の温泉での破壊工作は順調にいっている。後は待つだけだ。長い寿命を持つ俺たちにとって、待つのはなんでもないからな」

混浴温泉から、こんな話し声が聞こえて来た。

レイ「!静かに!(小声)」

仲間に合図を出し、聞き耳をたてる。

?「ハンス、そんな事をいちいち私に報告に来なくてもいいわよ?何度も言っているけど、私はこの地に湯治に来ているの。私を巻き込まないで欲しいわね」

さっきとは違う、今度は女性の声。というか、さっきの声はハンスって男か。

ハンス「おい、そういうなよウォルバク。正攻法じゃどうにもならないこの教団を潰せるんだぞ?また定期的に報告に来るから、お前も引き続き、この宿で湯治していてくれよ?じゃ、俺はこれから仕事があるから」

話と足音的に、ハンスが出ていったのだろう。

ウォルバク「ふぅ。私もそろそろ上がろうかしら。せっかくの温泉街だったのに。また、新しい湯治先を見つけないと・・・」

そんな声と共に、また足音が聞こえる。ウォルバクが出ていったのだろう。

モルガナ「つまり、人外がアクシズ教団を滅ぼそうとしていると」

レイ「ああ。こんな所で単独行動するあたり、あの2人は強いとみていいな」

ドラミドロ「ほっといて良くないか?どうせアクシズ教団なんてロクなのいないし」

マルヤクデ「だよな」

ドダイトス「あのウォルバクって奴はこのまま街を去っちまいそうだな」

レイ「とにかく、後でみんなに聞いてみよう。その時の反応で、これからどうするか決める」

 

その晩。

レイ「って事があったんだが、ハンスとウォルバク。この名前に聞き覚えがある奴は?」

ダクネス「分からない」

クリス「知らない」

めぐみん「え、えーと・・・」

ウィズ「分かります。どちらも魔王軍の幹部です」

モルガナ「ま、魔王軍の幹部⁈」

ウィズ「はい。ハンスさんはデッドリーポイズンスライムの変異種、ウォルバクさんは怠惰と暴虐を司る邪神です」

レイ「名前からしてやばいのが出たな。だがウォルバクの方はもうこの街を去りそうだったし、ハンスが問題だな」

確かスライム型のシャドウは物理攻撃が効かなかった。

めぐみん「アクシズ教団なんて滅んでもいいんじゃないですか?」

ダクネス「単独で魔王軍の幹部が来てるんだぞ?倒しといて損はない」

レイ「いや、あの女神に伝えとけば勝手に解決するだろ」

クリス「アクア先輩の事?でも先輩バカだからなぁ」

モルガナ「取り敢えず、アクアに伝えたらアクセルに帰ろうぜ」

ウィズ「そうですね。私は中立の魔王軍幹部なので、接触したくないですし」

ダクネス「まあ、それもそうだな」

 

翌朝。

僕達はアクシズ教会に出向いた。めぐみんとモルガナとウィズは先に門の前に移動している。もうアクシズ教団に関わりたくないんだとか。

レイ「で、エリス教徒2人がついて来て大丈夫なのか?」

ダクネス「問題ない。むしろ望む所だ!」

クリス「あたしはダクネスの暴走対策」

不安しかない。特にクリス。

レイ「すみません、アクア様はいらっしゃ」

アクア「来たわね!何か用?私の力を授けて欲しいのかしら?それとも入信?」

レイ「・・・話がある。この街に関する事だ」

説明中・・・

アクア「それで納得がいったわ!最近あちこちで温泉の質が悪くなっていてね。教団で調査しても犯人の特定が出来なくて困ってたのよ」

クリス「そうだったのですか」

レイ「話は終わったし、それじゃ」

アクア「何いってるの?手伝ってくれるわよね?」

レイ「いや、僕達はアクシズ教徒じゃないし、毒をどうにかできるわけでもないし」

アクア「お願いよおおおおお!」

そう言いながらアクアはクリスに泣きつく。

クリス「わ、分かった!協力するから!」

レイ「えちょっと⁈」

アクア「ありがとね!源泉の入り口に信者達を連れて行くから、そこで落ち合いましょう!」

・・・・・。

レイ「あれ?そういやダクネスどこだ?」

アクア「庭で子供達に石投げつけられてたわよ?」

アクアの言葉に飛び出していったクリスを見送り。

レイ「引き受けてしまったものは仕方ない。仲間呼んでくるか」

 

源泉管理区入り口

アクア「遅かったじゃない!ほら、行くわよ!」

嫌がるウィズとめぐみんをクリスの代わりに説得するハメになり、ぐったりした僕を見るなりアクアが声を上げる。

モルガナ「ん?認知世界の匂いがするな」

レイ「いや、ジェイルもパレスもないんだろ?探知機も反応してないし」

めぐみん「あそこに警備員と思われる人が倒れているのですが」

レイ「どうせアイツらがやったんだろ」

ウィズ「うう・・・正体がバレたら絶対殺されます」

ダクネス「その時は守ってやる。何かあったらバニルに間違いなく殺される」

クリス「そう?私が返り討ちにするけど」

レイ「そん時は鉄拳制裁だな」

クリス「ごめん」

そんな事を話しながら山を登る。アクシズ教徒とアクアは先にどんどん進んでいるが、僕達はゆっくり歩こう。

と、アクア達が停止しているのに気がついた。

そこには・・・

ダクネス「これは・・・初心者殺しか?」

初心者殺しと思われる毛皮と犬歯が落ちていた。だが、剣や魔法は愚か銃の跡もなかった。というか、なんか溶けてる。

モルガナ「だろうな。だが、跡が変だってうおっ⁈」

モルガナが僕を見て驚愕する。

レイ「ん?どうし・・・。なんで怪盗服になってるんだ?」

めぐみん「あ、私もです」

モルガナ「認知世界の匂いも強い。ここはパレスとかと大して変わらないな。ここからはコードネームだ」

ゼロ「了解。というか、めぐみんのコードネーム決めてなかったな」

ウィズ「おいていきますよー?」

モナ「先に行っててくれ、すぐ追いかける」

クリス「分かったけど、無茶しないでよ?」

そう言いながら、クリス達は先へと進む。

めぐみん「私のコードネームですか。爆裂魔法からとって、エクスなんてどうです?」

モナ「お前だってバレるだろ。却下」

ゼロ「見た目が鳥みたいだよな。特に鷲」

モナ「なら、イーグルでいいんじゃないか?」

めぐみん「イーグル・・・カッコいいですね、気に入りました」

ゼロ「なら今からお前はイーグルだ。という事で、怪盗の動きの一つ、カバーを教える」

モナ「カバーポイントに一瞬で移動する事だ。身を隠しながら素早く移動できる。カバーポイントは自分で探せ」

イーグル「こうですか?」

1発で成功させたよこの娘。

ゼロ「いや習得速いな。取り敢えず、アイツら追うか」

という事で、皆を追いかける。

追いつくと・・・

アクシズ教徒「『ピュリフィケーション』!『ピュリフィケーション』!」

アクシズ教徒のプリースト達が、源泉のパイプ6本に浄化魔法を手分けしてかけていた。

アクアやクリスの姿は見えない。ここは任せて先に進んだのだろう。

 

ハンス「だああああ!何故ウィズがこんなところにいる!城を出た後はどこかの街で店でも出すといってたじゃねえか!温泉街なんてうろついてないで働きやがれ!」

ウィズ「ひ、ひどい!働けば働く程貧乏になるだけで、毎日頑張って入るんですよ!」

クリス達に包囲され、ウィズに怒っているハンス。

ゼロ「おいダクネス、何があった」

ダクネス「その格好はどうしたのだ。さっきは突っ込まなかったが」

ゼロ「怪盗服だ。そんなことより説明してください」

ダクネス「ハンスがウィズの天然に正体を看破されてキレた」

イーグル「そうですか」

ダクネス「め、めぐみんか?お前も・・・」

イーグル「今はイーグルと呼んでください」

ダクネス「⁇」

ハンス「もういい!もう知るか、お前ら全員食ってやる!」

ハンスはそう叫ぶと。黒いゼリーみたいな巨大スライムへと形を変えた。

イーグル「あの姿はマズイです!逃げて下さい!全員逃げて下さい!」

アクア「残りの源泉に向かっているわ!止めないと・・・!」

ゼロ「アクシズ教徒達は他の源泉の浄化の最中だ!僕達だけじゃどうにも出来ないだろ!」

アクア「いや、ばらけて動きが止まったら出来るはずよ!」

モナ「ウィズ、アクアに正体バレたんだろ?なんで襲われなかった?」

ウィズ「バレましたが、今はそれどころじゃないので見逃してもらえました」

イーグル「・・・なら、ウィズとゼロの2人がかりで凍らせ、私の爆裂魔法で粉砕した後にアクアが浄化する、というのはどうでしょう?」

ダクネス「わ、私はどうすれば」

イーグル「飛び散る破片から皆を守ってください。特に源泉」

モナ「合図はワガハイが出そう」

ゼロ「それで行こう。同時に撃つぞウィズ」

ウィズ「はい!いつでもいいですよ!」

イーグル「詠唱完了です、いつでもぶちかましてやれます!」

モナ「よし、攻撃開始!」

ゼロ「『ブフダイン』!」

ウィズ「『カースド・クリスタルプリズン』!」

2人がかりなので、ハンスは一瞬で凍結した。

イーグル「『エクスプロージョン』ッッッッ‼︎‼︎」

イーグルの爆裂魔法は、ハンスと近くの地形を破壊し、ハンスの破片はアクアが直様浄化した。

クリス「あたし要らない子だったんじゃ」

ダクネス「気のせいだ」

魔王軍幹部ハンスは倒されたという事で、アクシズ教徒は意気揚々と帰っていった。

だがまだ終わってない。何故急に怪盗服になったのか調査しなくては。という事で少し奥へ進むと。

ゼロ「うわーっ⁈なんだこの量のシャドウ!」

モルガナ「多いし気付いてる!やるぞ!」

イーグル「ば、爆裂魔法を撃っても倒れない様にしといて良かった・・・!」

ゼロ「お前らも援護してくれ!クソっ、『フレイダイン』!」

クリス「わ、分かった!『バインド』!」

ダクネス「囮は任せろ、『デコイ』!」

ウィズ「ま、魔力がキツイです・・・」

イーグル「無理しないでください!さっき全力で魔法を使ったのですから!『メギド』!」

アクア「そういうあんたは戦ってるけど」

イーグル「そんな事言ってる暇あったら支援して下さい!あなた女神とは言えアークプリーストでしょう!」

アクア「嫌」

ゼロ「手伝えこの馬鹿が!ってかこっちもお前ら助けただろ!」

アクア「ただ働きは嫌」

こいつ1発殴ってやりたい!

モナ「まあ落ち着け。『マハガルダイン』!」

 

数分後・・・

イーグル「シャドウ全然減ってなくないですか⁈」

モナ「あれだ!真ん中の箱がシャドウを召喚してる!」

ゼロ「つまりあれを破壊すれば終わりという訳か」

モナ「という事で車でゴリ☆押しダァ!」

モナが車となり箱に突進する。箱は煙を出し、次第に動きが止まった。

すると、僕達の見た目も元に戻る。

レイ「モルガナ、キャラが崩壊してたぞ」

めぐみん「というか、このビーコンみたいなものが認知世界を作っていたのでしょうか」

モルガナ「これは持ち帰って解析する必要があるな」

ダクネス「・・・後で説明してくれ」

 

そして山を降りハンスの報酬金を参加したアクシズ教徒達と山分けしてウィズのテレポートで帰ろうとすると。

アクア「私もついて行くわ」

クリス「ええっ⁈」

アクアがテレポートの魔法陣に勝手に入ってきた。

アクア「賢い私は考えたわ。この私が魔王を倒せば、国教をアクシズ教にしてくれるんじゃないかって」

クリス「嘘ぉっ⁈」

ショックで固まっているクリスは放っておき。

レイ「ついてくる事自体は止めないが、もううちのパーティーに空きはない。自分で仲間を探してくれ」

アクア「平気平気!この私にかかれば仲間なんて一瞬で集まるわよ!」

レイ「ならいいんだが。僕達を巻き込むのはやめろよ?」

コイツ馬鹿だし魔王を倒すなんて夢のまた夢だろう。

アクシズ教徒達「いってらっしゃいませアクア様!健闘を祈ります!」

アクシズ教徒達に見送られ。

ウィズ「『テレポート』!」

僕達はアクセルの街へと帰還した。

《続く》




今回登場したアクアさんですが、これからもちょくちょく登場します。


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歪みの怪盗団、参上!

アクセルの街に水の女神がやってきた翌日のウィズ魔道具店。

バニル「ふむ、温泉旅行なのに一泊とは、物足りないのではないか?」

レイ「もうアクシズ教徒に関わりたくない」

めぐみん「まったくですよ。あの女神がついてきたのは本当に不愉快です」

ウィズ「それにしても、地獄の公爵のバニルさんに、幸運の女神エリス様、水の女神アクア様、ダスティネス家の御令嬢のダクネスさん、リッチーの私と、この街大物が多いですね」

めぐみん「おい、私が入っていないのはどういう事だ」

レイ「僕も一応創造神の使いなんだけど」

モルガナ「ワガハイも似たようなものなのだが」

バニル「さて、今日はあの副組合長のパレスに潜入するのか?」

レイ「誤魔化すな・・・まあ、潜入はする」

モルガナ「オタカラの匂いも近くなっている。もう少しで次の段階に移行できそうだ」

めぐみん「それじゃ、行きますか」

ウィズ「いってらっしゃいませ!帰ってきたときのために、お茶用意しておきますね」

バニル「そんなことより商品の仕分けをしてくれ、大量に入荷したのだ」

ウィズ「あ、はい・・・」

レイ「気を取り直して、行くか」

 

ゼロ「モナ、オタカラはどっちだ?」

モナ「もう少し奥だ。多分、管理室」

イーグル「向かいましょう!今すぐに!」

バニル「まあ慌てるでない。こういうのは焦ると失敗するのがお決まりだ」

ゼロ「だな。案の定部屋の前にシャドウがいる。モナ、この部屋で合ってるよな?」

モナ「間違いねえ。オタカラの匂いがプンプンしやがる」

ゼロ「よし、イーグル」

イーグル「は、はい!なんでしょうか!」

ゼロ「声がでかい!お前にスニークアタックをやらせる。背後から忍び寄り、仮面を奪え。そしたらアイツに隙ができるからそこに1発叩き込め」

イーグル「わ、分かりました・・・!」

イーグルはカバーなどを駆使してシャドウに近づき、仮面を奪おうと・・・!

して、シャドウに見つかって囲まれた。

イーグル「た、助けて下さいお願いします!」

モナ「何してんだ!抵抗しろ!」

ゼロ「『想定外でも落ち着いて対処する』。怪盗の基本だ」

バニル「見つからないのが最善だがな」

イーグル「す、すみません・・・『マハラギ』!」

イーグルの火炎魔法で、数匹のシャドウが炎上した。

ゼロ「逃すか、『フレイダイン』!」

炎上しているため、僕の核熱魔法が突き刺さる。

バニル「『バニル式殺人光線』!」

バニルがサッと残党を処理してくれた。

イーグル「ありがとうございました、お陰で助かりました。痛っ・・・」

モナ「傷を負ったのか。ほら、『メディア』」

モナの治癒魔法でイーグルの傷は癒えた。

ゼロ「お、あった。オタカラだ」

予想通り、光の球が管理室にあった。

イーグル「これがオタカラ?想像していたのと違います。というか、これ触れません。どうやって盗むんですか?」

ゼロ「それは・・・」

バニル「それは本人に、『欲望を盗られる』と強く意識させると実体化するらしい」

ゼロ「・・・僕の心を呼んで声を被せるのはやめてもらえないかな」

バニル「断る。我輩はその悪感情を頂くからな」

ゼロ「はあ」

モナ「つまり、予告状を出すんだ。怪盗と言えば予告状だろ?」

イーグル「確かに、カッコいいですね!」

ゼロ「ルート確保も出来たし、今日は帰還して、予告状の内容を考えよう」

 

ウィズ「皆さんおかえりなさい!バニルさん、商品の仕分け終わりましたよ!」

バニル「ご苦労だった風呂好き店主よ。余った時間で風呂に入っていたのはバレている」

ウィズ「す、すみません!つい・・・」

バニル「まあ仕方がない。せっかくの温泉街なのに、温泉にあまり入れなかったからな」

めぐみん「バニルにしては優しいですね。何かあったのですか?」

バニル「我輩は大儲けの算段がたったので上機嫌なのである」

レイ「本当にがめついなお前」

モルガナ「それより予告状だ。まず、作り方を説明する」

モルガナが店のカウンターに葉書を置く。

モルガナ「まず、台紙だ。これはオリジナルのデザインがいいな。レイ、用意してくれ」

レイ「僕かよ。まあいいけど」

この中で一番器用な自信がある。

モルガナ「そして、雑誌とか新聞から文字を切り抜いて台紙に貼りつけて文を作り、最後に怪盗団の名前を作る。そういや名前決めてなかったな」

レイ「普通に心の怪盗団でよくね?」

モルガナ「ダメだ。『腐食の怪盗団』はどうだ?」

めぐみん「ゾンビですか!『歪みの怪盗団』はどうですか?」

レイ「歪みか。いい響きだな」

モルガナ「賛成だ。この名前なら正体もバレにくいだろうし」

レイ「なら、早速予告状作るか。台紙は今描いてるから待ってくれ」

めぐみん「分かりました」

ウィズ「要らない雑誌、奥から持ってきますね」

バニル「我輩も手伝うとするか」

数分後。

レイ「出来たぞ・・・ってどうした」

モルガナ「相変わらず凄い集中力だな。まあこれを見てくれ」

僕は絵を描く時は異次元の集中力を発揮する。

モルガナが差し出してきた物に目をやると・・・それはいわゆるエロ雑誌という物だった。

バニル「フハハハハ!極上の羞恥の悪感情、美味であるぞスケベ店主よ!」

ウィズ「ス、スケベじゃありません!うう、恥ずかしい・・・」

めぐみん「年頃の娘にこんな物を見せるなんて、大丈夫ですか?」

レイ「バニルが見つけたのか」

バニル「そうだ。見つけたときの店主の反応は見ものだったぞ」

モルガナ「叫ぶことなく崩れ落ちてたからな」

レイ「・・・よし、予告状の作成に取り掛かるぞ」

全員の知恵を結集して、出来上がった文面がこれ。

〔組合を裏で牛耳る強欲者、ペレック。

貴様の悪事や犯罪、我々は見逃さない。

その罪をすぐに吐かせてやる。

今日、その心の歪みを、頂戴する。

〜歪みの怪盗団より〜〕

レイ「よし、これなら足もつかないだろ」

モルガナ「いい出来だ。後はこれをどうアイツに見せるかだな」

ウィズ「私がやりましょう。私も商業組合に所属していますから、怪しまれないと思います」

バニル「確かに、店主に任せた方が成功する確率が高いな」

めぐみん「そうしますか。では、ウィズがこれを今夜ポストに投函するということで」

モルガナ「なら、今日は解散だな。明日また集まろう」

そして僕達は屋敷に帰ると。

ダクネス「朝一でどこへいっていたのだ?朝食の後すぐ出かけただろう」

めぐみん「仕事ですよ」

レイ「そうだ」

クリス「そう。そう言えば先輩は大丈夫かなあ?」

ドダイトス「大丈夫じゃないぞアイツは」

さっきまで散歩していたらしいドダイトスが口を開く。

クリス「そっかってえ?大丈夫じゃない?」

マルヤクデ「あの女神はアクシズ教会に住み着いている。さっきエリス教会襲撃してたぞ」

クリス「なんで止めなかったのさ⁈向かわないと!」

ダクネス「私も行こう。エリス教徒として見過ごせない」

クリスとダクネスが屋敷から飛び出して行った。

ドラミドロ「そういやあのリザードンどうすんだ?」

デンリュウ「アルセウス様に返すんでしょ」

レイ「そのつもりだ。クリスが帰ってきたら頼むか」

めぐみん「欲しいです」

レイ「いやダメだ。コピーポケモンは凶暴だからな。持つとしても普通のリザードンだ」

めぐみん「そんなぁ・・・」

モルガナ「そういやレイ、お前の他のポケモンはどうすんだ?」

レイ「ついでに連れてきて貰うか」

めぐみん「普通のリザードンも連れてきて欲しいのですが」

ドラミドロ「自分で捕まえればさらに強くなるぞ」

めぐみん「そうします」

なんとチョロいのだろう。

マルヤクデ「おっ?あの2人が帰ってきたな」

ドダイトス「疲れているように見えるのは俺だけか?」

デンリュウ「そんなことない」

クリス「ただいま・・・」

ダクネス「戻ったぞ。クリスが大変なことになったから風呂頼む」

めぐみん「傷だらけじゃないですか!アクシズ教徒にやられたのですね」

クリス「うん・・・」

数分後・・・

レイ「という事でクリス頼む」

クリス「分かったけど、今言うことじゃないよね?」

マルヤクデ「そういうな。備えあれば嬉しいなって言うだろ?」

レイ「憂いなしだ馬鹿野郎」

という事でヘビーボールとダイブボールを持ってきてもらった。

ソイツらを出すと。

ギルガルド「ヒサビサダナ、レイドノ」

ラプラス「珍しいわね。あんたが他の人間と一緒にいるなんて」

レイ「ほっとけ。取り敢えず、剣と盾がギルガルド、首長竜みたいなのがラプラスだ」

クリス「クリスだよ」

ダクネス「私はダクネスという。というかお前、盾の硬さはどれぐらいだ?」

ギルガルド「ショタイメンデキクコトガソレカ。ワレノボウギョハ140ダ」

めぐみん「我が名はめぐみん!この街随一の魔法使いにして、爆裂魔法を操る者!」

ラプラス「で、あんたたちも元気にしてた?」

ドラミドロ「おかげさまでな」

マルヤクデ「見ての通りだ」

デンリュウ「平常運転だよ」

ドダイトス「お前がきて元気がなくなった」

ラプラス「まったく辛辣ね!もうちょっと優しくてもいいんじゃない?」

めぐみん「ドダイトスらしくないですが、どういう事ですか?」

レイ「あいつはラプラスが苦手なんだよ。戦闘力は同等だけど」

ギルガルド「ワレノジツリョクヲシメス。コノアタリノチョウドイイザコハナンダ?」

ダクネス「やはり、ジャイアントトードだろう」

クリス「久々に普通のクエスト受けよっか。そういや、初心者殺しも報告されてるよ」

モルガナ「初心者殺し・・・ちょむすけやワガハイをデカくした奴か」

ちょむすけ「なーう」

めぐみん「そうしましょうか。ちょむすけ、こっちに来なさい」

めぐみんが猫を抱き上げ、ソファーに置く。

マルヤクデ「人数が多くてもアレだし、俺は休む」

デンリュウ「だるいっす」

ドダイトス「俺たちが行く必要はない」

ドラミドロ「俺が行くとカエル溶かすからやめとく」

レイ「ドラミドロとドダイトスは分かるが、他は来いよ」

マルヤクデ「断る」

デンリュウ「いーやーだー」

ラプラス「・・・もう置いていきましょ」

ギルガルド「サンセイ」

という事で、カエル狩りのクエストを受け平原へ。

レイ「カエルが固まってるな。よし、まか」

めぐみん「『エクスプロージョン』ッッッッ‼︎‼︎」

クリス「ちょっ⁈」

爆裂魔法はカエルを纏めて消炭にした。

レイ「おい」

めぐみん「分かっています。しかし反省はしません」

レイ「・・・・・(殺意の眼差し)」

めぐみん「すみませんでした!許してください!」

ギルガルド「アイカワラズサイコパスナメダナ」

クリス「びっくりするぐらい殺気が迸っていたからね」

ダクネス「地中から数匹這い出してきたな。今度こそお前たちの出番だ」

ラプラス「分かったわ。『うたかたのアリア』!」

ラプラスの綺麗な歌で現れた大量のバブルがカエルに直撃したが、カエルは少し怯んだだけでまだ向かってくる。

ラプラス「あら、威力不足ね。『10万ボルト』!」

電撃で、今度こそカエルは倒れた。

ギルガルド「バトルスイッチ。ブレードフォルム。『聖なる剣』」

一閃は、カエルを大きくふっとばすが、倒すまでには至らない。

ギルガルド「ツイゲキダ。『影討ち』」

ギルガルドの影が伸び、離れたカエルにトドメを刺した。

もう1匹のカエルが、ギルガルドに近寄りー!

クリス「ギルガルド、後ろ!」

ギルガルド「ワカッテイル。シールドフォルム。『キングシールド』」

ジャイアントトードの舌をギルガルドが防ぎ、カエルが大きくのけぞったところを。

ラプラス「凍りなさい、『絶対零度』」

一撃必殺で凍結させた。

ダクネス「見るからに冷たそうだ・・・是非!是非私にも・・・!」

めぐみん「絶対零度ってマイナス292度でしたよね?絶対死にますよ?」

ラプラス「その代わり、力を溜めるから隙が大きいし、冷気の範囲も狭いのよね」

ギルガルド「コンカイハワレガキングシールドデスキヲツクッタ」

ダクネス「うう・・・残念だ」

モルガナ「本当にブレないなこいつ。そろそろ痴女とでも呼ぶぞ?」

ダクネス「ち、痴女・・・」

やっぱりというかなんというか、頬を赤らめてダクネスはハァハァしだす。

レイ「この変態には無意味っつうかご褒美だろ」

クリス「あ、そうだ。レイ、これアルセウス様から支給だって」

レイ「長い刀だな。紅色の球と藍色の球とレックウザナイトのカケラがついてるし」

クリス「レイのペルソナはまだ完全体じゃないって言ってた。多分進化したらそれになるんじゃない?」

レイ「かもな。サンズ、どうなんだ?」

サンズを呼び出して聞いてみる。

サンズ〔オイラは代理だよ。今日までのな〕

レイ「今日まで⁈」

サンズ〔そうだ。夜によく相談事を持ちかけてきてくれて楽しかったぜ。明日からグラードンとカイオーガとレックウザが帰ってくる〕

レイ「ホウエン伝説ポケモン三匹ジャナイデスカヤダー」

ギルガルド「ナゼニカタコト」

レイ「お前がいうな」

ってかまじか、僕も伝説ポケモンのペルソナって。

 

翌朝のウィズ魔道具店。

バニル「いやあ、街が大変な騒ぎになっているな。全ては予告状が原因だが」

モルガナ「ここに来る時家の前を通ったが、警備員が凄かったな」

めぐみん「いくら現実で防御を固めようと、意味はありませんけどね」

レイ「早く終わらせようぜ。厄介なのは警戒度が高くなってることだ、見つからないようにするぞ」

ウィズ「頑張ってくださいね。健闘を祈ります!」

 

ゼロ「よし、管理室前にはついたな。警備はやっぱりいるか」

イーグル「戦闘は控えたかったですが、仕方ありません。今度こそ不意打ちしますよ」

バニル「やらせたくないのだが」

モナ「まあまあ、汚名返上のチャンスだろ?」

イーグル「ありがとうございます!もう失敗しませんよ!」

ゼロ「フラグ立てちゃったよこの人」

しかしイーグルは、普通に仮面を奪う事に成功した。

イーグル「始めましょう!『デスウィング』!」

イベルタルの専用技じゃねーか。そんなのも使えるのか。というか、なら僕も・・・!

ゼロ「来いカイオーガ!『根源の波動』!」

やっぱり撃てた!ってかつっよ。今のでデスウィングで半壊していたシャドウの大半が吹っ飛んだぞ。

モナ「来たれ、我が半身!『ガル』!」

バニル「気力温存か。戦闘用バニル人形3連発!」

ドーン!

ドドーン‼︎

ドッカーン‼︎‼︎

残党も処理して、管理室へ。オタカラ・・・VIPカードを見つけた。

モナ「オタカラァ・・・」

やっぱり、モナはオタカラを前にするとテンションが上がる。

ゼロ「そこまで輝いてないな。こいつの欲望はそんなに強くないということか」

イーグル「というか、モナが怖いのですが」

バニル「とっととそれを奪って逃げるぞ」

モナ「そうだな。ほいっとな」

イーグル「うわっ⁈地震ですか⁈」

ゼロ「核盗ったんだから、パレスが崩れるんだ!逃げるぞ!」

モナ「乗れ!脱出だ!」

モナが車に変身し、乗り込む。

ゼロ「発進!」

僕達を乗せた車は、カジノの壁を突き破り、現実へとー!

 

モルガナ「ぎゃんっ⁈」

ウィズ魔道具店の床に、モルガナを一番下にして落下した。

レイ「結局、あの副組合長と戦わなくてすんでよかったな」

モルガナ「重い・・・」

めぐみん「すみませんね」

レイ「この分だと、アルダープの改心も夢じゃないな」

バニル「フハハハハ!我輩は今最高に機嫌がいい!満月の夜が近いからな!」

ウィズ「お疲れ様でした!ギルドで酒を買って来たので飲みましょう!」

バニル「そうするか。ほら、普段仲間の鎧娘に酒を飲ませてもらえない娘よ。今日は存分に飲むがいい!」

めぐみん「本当ですか!嬉しいです!」

モルガナ「悪感情は足りてるのか?お前」

バニル「先日から極上の悪感情を何度も味わっているからな。我輩、満腹である」

レイ「よし、オタカラ奪取祝いだ!乾杯!」

全員『乾杯!』

数時間後、午後3時。

オタカラだった子供銀行券はバニルが処理してくれるという事で、僕達は早々に酔い潰れて寝てしまっためぐみんを背負い屋敷に帰ってきた。

レイ「いやーめぐみんがここまで早く寝るとは。弱すぎだろ」

モルガナ「ワガハイも久々に酒なんて飲んだな」

レイ「ただいまー」

モルガナ「帰ったぞー」

ダクネス「おお、お帰り。副組合長の周りが大変な騒ぎになってるな」

クリス「怪盗団だっけ?歪みを頂戴するってどういう事だろ?」

レイ「さあな」

めぐみん「見当もつきませんね。相当な変人でしょう」

いや起きてたのか。

モルガナ「それかアイツの悪い噂は多いし、ガキの悪戯だろ」

ドラミドロ「だろうな」

ラプラス「そういやドダイトス、遅いわね。子供たちと遊んでくるって言ってたけど」

マルヤクデ「こんぐらい普通だ」

ギルガルド「ソウイエバ、ユンユントナノルヤツガキテイタゾ、レイドノ二ヨウガアルト」

ダクネス「また晩飯の時間に来ると言っていたな」

デンリュウ「何かは知らないけど、凄く焦ってたね、あの子」

レイ「晩飯時に分かるだろ。料理の仕込みしてくる」

モルガナ「助かるぜ」

 

その夜。やはりゆんゆんが訪ねてきた。

ゆんゆん「よかった、帰ってきてた・・・!」

めぐみん「どうしました?勝負は受けませんよ?」

ゆんゆん「違うわよ!」

ダクネス「ゆんゆん、取り敢えず食べろ。レイに少し多めに用意させたからな」

レイ「なんだ、あれお前が食うんじゃなかったのか」

ダクネス「お前は私をなんだと思っているのだ」

レイ「脳筋ドM直進丸のお嬢様」

ダクネス「・・・やはりお前とは決着をつけなくてはならないようだな」

クリス「レイ、もうちょっとデリカシーというものを・・・」

モルガナ「いや事実だろ」

めぐみん「ダクネス落ち着いてください!」

ゆんゆん「ご飯美味しいけど話を聞いて!」

僕とダクネスが取っ組み合いを始めようとした矢先、ゆんゆんが声を上げた。

レイ「はいはい。ダクネス、勝負はまた今度な」

ダクネス「クッ・・・」

ゆんゆん「私・・・!私・・・!レイさんの子供が欲しいっ!」

ゆんゆん除く全員『・・・ちょっと何言ってるか分からない』

ゆんゆん「と、取り敢えずこの手紙を読んで!」

ゆんゆんが真っ赤になって突き出してきた手紙には、こんな事が書かれていた。

よく分からない部分もあったので要約すると、魔王軍が本格的に里の攻略に乗り出し、巨大な軍事基地と強い魔法抵抗力を持つ幹部が現れたそう。

その基地も破壊できず、族長としてその幹部と刺し違えてみせるとの覚悟が込められていた。

送り主はゆんゆんの父親の様だ。

レイ「これがどうして僕との子供に?この、『決してその血を絶やさぬ様』って所か?」

ゆんゆん「もう一枚ありますよ!」

2枚目の内容も要約すると、ゆんゆんが駆け出しの街でヒモ男に出会い、ソイツと結婚し間に生まれた子供が魔王を倒すと里の占い師が予言した、と。

レイ「つまり僕がニートだと言いたいのか?」

ゆんゆん「いえ、現在の紅魔族以外の男性の知り合いがレイさんだけですので」

清々しいレベルのボッチだな。

ドラミドロ「俺たちは人外超えてるし対象外だろうな」

ダクネス「これって、レイの子供が魔王を⁈」

レイ「それって困るんだけど。僕の目的はミュウツーの保護なのに何年かかるんだよ、なら魔王城にカチコミしに行くわ」

クリス「それはやめてね?」

めぐみん「・・・2枚目は、あるえが書いた物語だと書かれていますが」

ゆんゆん「⁈」

モルガナ「本当だ。・・・つまり誤解って事か」

ゆんゆん「うわあああ!あんまりよお、あるえのバカあああ!」

ドダイトス「いや待て。1枚目は族長からだから、魔王軍の侵攻は事実だろ?」

ゆんゆん「あ、そ、そうよ!めぐみんどうしよう、私達はどうすればいい⁈」

めぐみん「・・・」

レイ「ゆんゆんはどうすんだ?」

ゆんゆん「え?あ、私は今から里に向かおうと思っていて」

めぐみん「私も行きます。妹が気になりますし」

ダクネス「そうか。では明日の朝、荷物を纏めてウィズ魔道具店に集合しよう」

ゆんゆん「えっ?皆さんもついてきてくれるんですか?」

クリス「仲間の家族に危機が迫ってると聞いて、行かない理由がないよ」

モルガナ「ウィズ魔道具店・・・そういやウィズがあの街の風呂だけは気に入ってテレポートに登録してたな」

めぐみん「そうですね。ゆんゆんは急がないと置いて行きますよ?」

レイ「薄情だな」

ゆんゆん「あの、せっかくですし、一泊しても・・・」

ダクネス「私は構わないが」

クリス「いいよー」

レイ「飯食ったんだ。泊まる権利ぐらいある」

めぐみん「まあ、一泊だけなら。ですがレイ達に手は出さないで下さいよ?里で私が魔法薬の毒味のバイトをすると伝えたらへんに誤解していかがわしい事をすると慌てましたし」

ゆんゆん「あれはめぐみんの言い方が悪いのよ!私そんなビッチじゃないから!」

モルガナ「・・・ワガハイは寝る」

《続く》




今回から週一投稿になります。


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とっても厨二臭い里

翌朝のウィズ魔道具店。

ウィズ「アルカンレティアに転送して欲しいのですね。了解しました」

レイ「そうだ。そういやバニルは何処だ?」

ウィズ「バニルさんなら子供達の登校を見守っていますよ。仮面がカッコいいと子供達に人気だそうです」

レイ「理解」

ウィズ「それでは。『テレポート』!」

 

アルカンレティア前

到着するなり、モルガナが車に変身した。

モルガナカー「・・・乗れ。この街からは一刻も早くオサラバだ」

ゆんゆん「こ、これは・・・?」

レイ「乗ってシートベルトを締めろ。事故ったら大変だ」

めぐみん「そうですね。早く行きましょう」

ダクネス「アクシズ教徒と関わりたくないという強い意志を感じる」

クリス「そうだね」

紅魔の里へ車を走らせる事数分。

レイ「クリス、気分は?」

クリス「前回みたいなオチは踏まないよ」

レイ「そうか・・・あれ?」

めぐみん「誰かいますね。1人っていうところが気になりますが」

クリス「本当だ。止めて手当てしてあげよ?」

モルガナカー「そうだな」

車から降りてその少女に近づくと、その子は足に怪我を負っている様で・・・おい。

やはりクリスも同じようで、警戒を露わにしている。

ダクネス「どうしたのだ?急に止まって」

クリス「あれ、『安楽少女』だね」

僕、クリス除く全員『えっ』

僕は、ギルドで貰ったモンスター情報が載った地図を広げ、安楽少女のページを開いた。

・・・擬態し、旅人を足止めして餓死させそれを栄養分にするらしい。タチ悪いなこいつ。

モルガナ「そういや、擬態するシャドウとかもいたな。同じようなものか」

モルガナを僕達と同じくサーベルを構え、警戒する。

めぐみん「私も安楽少女の名は知っていますが、こんな少女を傷つけられません」

ゆんゆん「そうだよね。まさか皆さん傷つけ・・・ませんよね?」

ダクネス「うう、モンスターとは言え・・・」

こいつらはもうダメだ。

レイ「僕だってこんなことしたくない。だが、コイツは人の命を奪う。ならば、殺すべきだ」

クリス「同感。でも、私には出来ないよ・・・」

おい。クリスもダメか!

モルガナ「非常にやりにくいが、やるしかない。他の奴らに押し付けるわけには行かないからな」

レイ「ポケモンにやらせようにも無理だろうし、せめて一撃で仕留めて楽に」

死なせてやる、と言いかけたその時。

ドダイトス「『逆鱗』だオラァ!この植物界の恥さらしがぁ!」

ドダイトスがボールから抜け出し、安楽少女をぶっ飛ばした。

ドダイトス「こんなタチの悪いクズ植物、草タイプの俺が見逃せるか!おい見つけたら言え、根絶やしにしてやる!」

めぐみん達「「「「・・・・・」」」」

レイ「・・・お前が一番アレの駆除に反対すると思ったら、逆だったな」

モルガナ「・・・行くか、乗れ」

 

酷くショックを受けた女性陣を乗せ、走る事数時間。車が何者かに止められた。

モルガナカー「オーク?しかもメスだし」

レイ「だとすると僕は隠れたほうがいいな」

運転席の下に隠れる。

オーク「クンクン・・・確かにオスの匂いがするのだけど、メスしかいないわね」

レイ「おい、迂回して通り抜けるから指示頼む(小声)」

モルガナカー「了解(小声)」

モルガナのおかげでなんとか逃げ、運転再開。

クリス「オークがいたの?見つからなくてよかったね」

ダクネス「オスじゃなかったのか、残念だ」

めぐみん「何が残念なのかは分かりたくありませんが、もうオークのオスはいませんよ?」

ダクネス「ええっ⁈」

レイ「ええっ⁈じゃねえよええっ⁈じゃ」

モルガナカー「アイツは本能的に恐怖だった」

めぐみん「この辺りはオークの縄張りです。運転代わりますから、レイは隠れててください。後ゆんゆんを起こして下さい」

見ると、ゆんゆんは寝ていた。

めぐみんに運転の仕方を説明し、席を替わる。

無免許運転だが、車の文化もないこの世界なら大丈夫だろう。

レイ「起きろゆんゆん」

ゆんゆん「すー・・・」

レイ「起きろって。起きないならお前は悲鳴を上げることになる。いいな?」

クリス「ダメだよそんなことしちゃ!ゆんゆんだって選ぶ権利くらいあるんだよ⁈」

レイ「選ぶもクソもないだろ、オラァ!」

クリスを無視してゆんゆんの両側のこめかみをパンチする。

ゆんゆん「あああああああああ痛あああああ⁈」

クリス「なんだ、そっちか・・・」

レイ「何を想像してたんだよ、お前それでも女神かよ」

ダクネス「レイ、後で私にも・・・!」

レイ「断る」

ゆんゆん「い、痛い・・・」

モルガナカー「レイのこめかみ攻撃は本当にヤバいからな」

その後、何度もオークに嗅ぎつけられかけたが、なんとか無事に縄張りを抜けた。

レイ「もう大丈夫だ、助かったよめぐみん」

めぐみん「はい。縄張りを抜けたので、里まで後少しですね。まさか1日で到着するとは思いませんでしたよ」

モルガナカー「ワガハイのおかげだな」

ダクネス「おい、モンスター達がいるぞ」

クリス「魔王軍の手先だろうね。ってか数多いね⁈」

ゆんゆん「ならここで退治しときませんか?」

レイ「そうするか。めぐみん、爆裂魔法撃つなよ」

めぐみん「分かっていますよ、こんなところで使ったら他のモンスターを呼び寄せます」

モルガナカー「よし、始めようぜ!」

小鬼「おい、紅魔の子供が2人だ!やっちまえ!」

ゆんゆん「『ライト・オブ・セイバー』!」

ゆんゆんの魔法でモンスター達数体が崩れ落ちる。

小鬼「か、囲め囲め!囲んじまえばこっちのモンだ!」

その声に、モンスター達は僕達を囲む。

ダクネスがデコイしたようで、鬼達の視線はダクネスに行っている。

レイ「この大刀の出番だな。フンっ!」

僕の大刀はゆんゆんの魔法と同じぐらいの範囲の敵を倒す。

モルガナ「負けてられないな。そうりゃっ!」

モルガナもサーベルで次々に敵を倒していく。

クリス「『バインド』!『バインド』!ダクネス、こっちもお願い!」

ダクネス「動けない奴相手に外す程私は不器用じゃない!」

クリスが相手を捕らえ、ダクネスが大剣でトドメを刺す。

ゆんゆん「『エナジー・イグニッション』!」

ゆんゆんも上級魔法で応戦する。

めぐみん「ゆんゆん、私が爆裂魔法以外何も出来ないというのは間違いですよ!『メギドラ』!」

ペルソナの万能魔法でめぐみんも戦っている。

ゆんゆん「めぐみん、何よその魔法!学校じゃそんなの習わなかったわよね!」

めぐみん「この力は選ばれし者しか使えないのですよ!この杖だって槍になるんですから」

杖の先についていた鞘を取り外し、刃となっている杖先をモンスター達に見せつけ、斬りかかる。

そんな風に最初は押していたのだが・・・

ドラミドロ「畜生、数が多い!ゴリ押されるのも時間の問題だぞ!」

ポケモン達にも参戦してもらったにも関わらず、数でゴリ押しされかけていた。

と、新手が迫ってきて・・・ん?なんで武器を捨てているんだ?

すると、そこに突如として赤目の4人組が現れた。

省略するが、闇の炎だの氷の腕だのクソださい決めゼリフの後。

?「『ライト・オブ・セイバー』!」

?「セイバー!」

?「セイバー!」

?「セイバー!」

上級魔法でモンスター達を一瞬で消した。

・・・闇の炎とか氷の腕とかどこいった。全部ライトなんちゃらじゃねえか。

めぐみん「靴屋のせがれのぶっころりーじゃないですか。お久しぶりです。里のピンチだと聞いて駆けつけてきたのですよ」

ぶっころりーって、めぐみんやゆんゆんより変な名前じゃねえか。

ぶっころりー「ピンチ?なにを言ってるんだ?ところで、この人達は君の冒険仲間かい?」

めぐみんが恥ずかしそうに頷くと。

ぶっころりー「我が名はぶっころりー。紅魔族随一の靴屋のせがれ。アークウィザードにして、上級魔法を操る者!」

レイ「ご丁寧にどうも。レイです。ポケモントレーナーで、アクセルの街で冒険者やってます」

ドラミドロ「俺はクサモドキポケモンのドラミドロだ」

マルヤクデ「発熱ポケモンマルヤクデである」

ドダイトス「ドダイトス、大陸ポケモンだ」

デンリュウ「ライトポケモンのデンリュウだよー」

ギルガルド「ワレハオウケンポケモンギルガルドトイウモノダ」

ラプラス「私は乗り物ポケモンラプラス。よろしくね」

モルガナ「ワガハイはモルガナだ。先に言っておくが、ワガハイは猫じゃないからな!」

紅魔族達「「「「おおーっ!」」」」

解せぬ。

ぶっころりー「いいね君達!普通は名乗りを受けると微妙な反応をされてるけど、まさか、想像と違ったけど外の人が戸惑わないなんて!」

レイ「めぐみんとゆんゆんで耐性がついたからな」

クリス「クリスだよ。盗賊やってる」

ダクネス「私はダクネス、職業はクルセイダーだ」

ぶっころりー「そうかい。里まではまだ距離があるし、テレポートで送ってあげるよ!」

 

紅魔の里、グリフォン像前に送ってもらった僕達は、事情を聴くためにゆんゆんの実家へ行くことに。ポケモンは紅魔族に変に絡まれる恐れがあるのでボールの中。

族長「あれは娘に宛てた近況報告の手紙だよ?」

レイ「ちょっとなに言ってるか分からない」

まさかの大したことない事を大袈裟に書いてしまっただけだった。軍事基地を破壊するか観光名所にするかで揉めていて破壊できないだけなんだと。

ゆんゆん「ええ・・・」

モルガナ「だが、魔王軍幹部は来てんだろ?大丈夫なのか?」

族長「ええ、魔法に強いのが派遣されてますよ。よかったら見て行きますか?」

観光じゃないぞ?

 

族長に連れられ街の入り口へ行くと、それはなんというか、うん、凄い。凄いとしか言えない。というか凄すぎて引く。

魔王軍の手先がどんどん力尽きていく。

そんな中、魔王軍側から1人の赤いドレスを纏った女性が前に出てきて、なんとかしようとしていた。遠巻きに見ているので声は聞こえない。

しかし他より目立つので、アレが魔王軍幹部と見ていいだろう。

そして、ソイツに対峙するように、1組の男女が前に出た。男の方はぶっころりーのはずだ。女の方は知らない。

と、ぶっころりーが魔法を唱え、竜巻が発生した。

そこに女性が右手に持った木刀を振ると、竜巻の中に炎を巻き起こし、蹂躙した。

一言言わせて欲しい。

レイ「これは酷い」

 

紅魔族の戦いを見物した後、めぐみんの実家に行く事になった。ゆんゆんは手紙の主を制裁すると別れていった。

そして今、めぐみんの実家の前に到着したのだが・・・

クリス「貧乏そうな家だね」

めぐみん「否定はしません。というか貧乏です」

めぐみんは言いながらノックする。

中からドタドタと音がして、玄関のドアが開けられ・・・

めぐみんを小さくしたような女の子が出てきた。

ダクネス「めぐみんの妹か?可愛らしいな」

レイ「めぐみんとよく似ているな」

めぐみん「こめっこ、ただ今帰りましたよ。いい子にしていましたか?」

めぐみんがこめっことやらに優しく話しかける。

こめっこは姉を見て固まり、大きく息を吸い込むとー!

こめっこ「おとうさーん!姉ちゃんが、男ひっかけて帰ってきたー!」

レイ「ちょっとなに言ってるかわからないかな⁈」

因みに僕はめぐみんの隣に立っていた。

 

僕達は家に招き入れられ、居間に座っていた。

目の前には、めぐみんの両親が座っている。めぐみんとこめっこは母親譲りなのだろう。父はひょいざぶろー、母はゆいゆいというらしい。

ひょいざぶろー「娘が日頃から世話になっているそうだね。それについては、心から感謝する」

ゆいゆい「本当に娘が大変お世話に。手紙であなた方のことはよく存じておりますよ?」

2人は頭を下げた。

めぐみん「お父さん、お母さん、顔を上げて下さい」

ひょいざぶろー「・・・で。君は娘とはどのような関係なんだね?」

またこの質問か。

レイ「友人で冒険仲間です」

流石に怪盗団とは言えない。

それを聞いたひょいざぶろーが、近くにあったちゃぶ台の前に移動して、手をかけた。

ひょいざぶろー「なああああああ!」

ダクネス「⁈」

ダクネスが咄嗟にちゃぶ台を押さえつけなかったら、ちゃぶ台返しが披露されていただろう。

ひょいざぶろー「失礼、取り乱した」

その夜。めぐみんの家庭が貧乏だと聞いて持ってきていた保存食類を渡し、何故かモルガナにパシらされ、食材を買ってきた。因みに、めぐみんが僕達が金がある事を手紙に書いていたらしい。

せっかくだという事で、何故か料理させられている。

献立は、以前ポケモン達と何度も食べたカレー。

米やルーは一応持って来ていたため、野菜と肉を入れた。追加でオボンの実も。

そして反応は・・・

こめっこ「おかわり!」

クリス「こめっこちゃん、何杯目?」

ダクネス「軽く3杯だな。凄いな」

ひょいざぶろーとこめっこの食欲が凄い。

めぐみん「私が仕送りしていたはずなのにロクなものを食べていなかったのですか?まさか・・・」

ひょいざぶろー「・・・」

めぐみんはひょいざぶろーをじっと見ると、ひょいざぶろーは気まずそうに目を逸らした。

レイ「好評でよかったよ。隠し味にオボンの実入れた」

めぐみん「どうりでコクがあるわけですね。美味しいです」

ゆいゆい「そうですね。娘と一緒になってもこれなら安心ですね」

ゆいゆいが微笑みながらそんな事を・・・えっ。

めぐみん「えっ⁈」

レイ「ちょっとなに言ってるかわからない」

というかめぐみん、本当に誤解されるから赤くなるな。

モルガナ「いやー、ジョーカーやゴシュジンのカレーとは違ううまみだな!」

レイ「いつかそのカレー作ってくれ。食べてみたい」

モルガナ「分かった」

全員が食べ終わり、風呂も済ませた夜。

クリスとダクネスはもうあてがわれた部屋で寝た。モルガナは居間のちゃぶ台上でちょむすけと一緒に寝ている。ひょいざぶろーはトイレから戻ったら寝ていた。こめっこはたくさん食べて父と一緒に寝ている。

ゆいゆい「それで、夜はレイさんとめぐみんが一緒に寝るという事で。ドアも窓も鍵かけておきますからね?」

レイ&めぐみん「「えっ」」

《続く》



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最高の爆裂

なんて事だ。

どうしてこうなった。

めぐみん「どうしてこうなったんでしょうか」

レイ「奇遇だな、全く同じ事を考えてた」

今の状況をざっくり説明すると、めぐみんと同じ布団で寝ています。ゆいゆいに部屋に押し込まれて魔法で軟禁されてます。寒いので一つしかない布団に2人で寝ているというわけだ。

因みに今凄く緊張してます。寝付けるかこんなもん。

めぐみん「・・・寝つけそうにないですので、何か話をして下さい」

レイ「お前もか。ってかそこで僕に振るのかよ」

めぐみん「そうですね・・・レイが前いた世界について教えて欲しいです」

レイ「聞けよ。まあいいけどさ・・・」

 

めぐみん「あの、ガラル地方のジムチャレンジについてもう一度お願いします」

先程の緊張は何処へやら、僕はすっかり落ち着いた。

レイ「おう。ジムチャレンジは、ガラル地方の年に一度のお祭りだ。推薦されたトレーナー達が8つのジムを巡り、期間内にジムバッジと呼ばれる勝利の証を集める。そしたらファイナルトーナメントに出場できて、それで優勝したらチャンピオンになれる。今はダンデというトレーナーがチャンピオンさ」

めぐみん「楽しそうですね。レイは出場したことはあるのですか?」

レイ「あるよ。その時は決勝まで進んだけど、ダンデに負けた。ダンデのリザードンは正真正銘の最強かもしれないな」

めぐみん「・・・私の爆裂魔法の方が強いに決まってます」

レイ「規模が違いすぎる」

めぐみん「・・・レイの世界はとても面白そうですね。私も行ってみたいです」

レイ「・・・行けたらいいな」

まあ、無理だろうけど。

めぐみん「ふわあ・・・眠くなってきました。ありがとうございます」

レイ「僕も眠気が襲って来た。お休み」

めぐみん「おやすみなさい」

 

翌朝。

ゆいゆい「あら、おはようめぐみん、レイさんも。昨晩は楽しかった?」

めぐみん「どういう意味ですか!少なくともお母さんの期待している事は起きていませんよ!」

ゆいゆい「私は責任とってくれるなら大丈夫よ?」

レイ「そういう問題じゃないと思う」

クリス「めぐみん、今日は里の観光がしたいんだけど案内してくれない?」

めぐみん「いいですよ。他に誰か来ますか?」

ダクネス「私はここにあるという鎧の店に行ってみたいのでパスだ」

レイ「僕は興味ある」

モルガナ「ワガハイもついていくぞ」

めぐみん「ではクリスとレイとモルガナという事で」

 

めぐみんに、猫耳神社と鍛冶屋のおっさんが作った聖剣、金属を投げ入れると女神が現れるという湖というしょーもない観光名所を案内された後。

めぐみん「ここは『世界を滅ぼしかねない兵器』が眠っている場所だそうです。因みに封印の解き方は誰も分かりません」

レイ「へーそうか。誰も分からないのか」

モルガナ「あっちは何だ?コンクリートの建造物」

めぐみん「わかりません。いつからあったのか、何のための建物なのかも。中を探索してもさっぱりなので、謎施設と呼ばれています」

クリス「他に、『邪神の墓』とか『名もなき神が封印された地』とかあるって聞いたけど」

めぐみん「どっちも色々あって封印が解けました」

何というザル警備。

めぐみん「他にも、魔王城の監視台があって、魔王の娘の部屋が覗き放題です」

モルガナ「頭が悪いな」

レイ「バカと天才は紙一重というからな」

めぐみん「・・・じゃあ、帰りますか」

そんな感じでめぐみんの実家に帰ると。

ダクネス「私の目が黒いうちは、決してここを通さん!どうしてもここを通りたいのなら私を倒して行け!」

モンスター「シルビア様!攻撃はスカなのに防御力の高いコイツの目的がわかりません!無視して目的を果たしましょう!」

まさかの昨日の幹部らしき人とダクネスが交戦中。

レイ「おいどうした、なにがあった⁈」

クリス「里の人呼んでくる!」

シルビア「ふーん?なるほど。雑魚のフリをして、仲間が来るまでの時間稼ぎをしていたわけね。なかなかやるじゃない」

ダクネス「えっ?そ、そうだ・・・」

嘘が下手だなコイツ。まあここはノってやるか。

レイ「シルビアだっけ?彼女はベルディアの剣技やハンスの毒にも耐えた圧倒的な防御力を誇るクルセイダーだ」

シルビア「何ですって⁈いつの間にハンスが・・・!」

レイ「さっきまでいた盗賊は、魔族に対して非常に強く、おまけに速い。バニルの体を一瞬で消すほどの力がある」

実はクリスが一度バニルに襲いかかり、ダガーで体を消滅させたことがあった。その後鉄拳制裁したのはいうまでもない。

めぐみん「急にどうしました?何か作戦が・・・」

モルガナ「黙ってろ」

レイ「ここにいるめぐみんは、その魔法であらゆる敵を消し飛ばして来た。機動要塞デストロイヤー、見通す悪魔バニル、デッドリーポイズンスライムのハンス、デュラハンのベルディアに至るまで!全て僕達が討ち取らせてもらった!」

モルガナ「ワガハイは?」

めぐみん「シッ!貴方の活躍は怪盗としてでしょう、いうわけにはいきませんよ!」

シルビア「あなた達が強い事は理解したわ。・・・貴方がまとめ役みたいね。お名前は?」

レイ「僕は基本的に手の内は明かさない。だが隠す理由もないな。レイだ」

クリス「みんなを連れて来たよ!」

シルビア「参ったわね。紅魔族以外に、貴方もいるなんて。今日のところは見逃してもらえないかしら?」

レイ「・・・まあ今回は見逃してやってもいいけど」

ダクネス「いいのか?相手は魔王軍の幹部だぞ?」

レイ「いいんだよ」

シルビア「感謝するわ!また会いましょう!撤退!」

シルビアは踵を返し逃げていく。

レイ「・・・アイツは『今日のところは』って言った。つまり今日中にまた来る。しかし僕は『今回は』と言った。そこを叩くぞ」

モルガナ「狡猾だな。やるじゃねえか」

ダクネス「騙すなんて、それでいいのか?」

めぐみん「まあ倒せるに越した事はありませんし、それでいいでしょう」

クリス「やることが汚いなぁ」

レイ「言うな」

 

その夜。僕達の抵抗虚しく、まためぐみんと一緒に寝ることに。

めぐみん「シルビアはまだ来ないのですかね。恐らく部下が陽動すると思うのですが」

レイ「魔王軍襲撃警報がなったらさっきの所に移動するか。流石に奥さんも鍵開けてくれるだろ」

めぐみん「そうですね。それまで寝ますか。枕は使って下さい。でも腕借りますよ?」

レイ「・・・お前って、なんというか、直球しか投げないよな」

めぐみん「どういう意味ですか?」

レイ「爆裂魔法は単純に大爆発を起こすだけ。槍だってまっすぐ突く武器。イベルタルを使うときも攻撃しかしない。冗談が通じない。そして今みたいに、行動にためらいがない」

めぐみん「・・・悪いですか?」

レイ「全然。むしろ、それがめぐみんのいい所じゃないか」

めぐみん「まあ、そうですかね」

めぐみんは結構恥ずかしそうだ。今の僕も直球なのかもしれない。

アナウンス『魔王軍襲来!魔王軍襲来!』

レイ「お、きたか。いくぞめぐみん」

言いながら置いていた武器を取る。

めぐみんも杖を取り、

めぐみん「ええ。あの幹部に一泡吹かせてやりますよ!」

ゆいゆいが渋々ドアを開けてくれたので、急いで昼シルビアが侵入していた場所へ。

シルビア「あら、また会ったわね。部下の陽動に騙されなかったということかしら?」

レイ「そんなとこだ。その命、頂戴する」

シルビア「させないわよ!出て来なさい!」

シルビアが掲げたのは、四角い箱。そう、アルカンレティアでシャドウを発生させていた奴である。

シルビア「我が名はシルビア!モンスター育成開発局長!自分の体に改造を繰り返してきた者!そう、私はグロウキメラのシルビアよ!」

シャドウを呼び出し勝ち誇ったようにシルビアが叫ぶ。だが、あの箱が発動したという事は、僕達も。

イーグル「怪盗服になりましたね。始めましょうか、イベルタル」

イベルタル「ギャオオッ!」

ゼロ「行くぞ、グラードン」

グラードン「グガァ!」

シルビア「・・・え?」

モナ「遅れた悪い!すぐに家の人も来る。意を示せゾロ!」

シルビア「・・・ここは任せたわ!撤退!」

ゼロ「あ、逃げた」

イーグル「ならこのシャドウを止めるだけです!『マハエイハ』!」

モナ「前のビーコンを調べた所、蓋を閉めればシャドウは沸かなくなるらしい!異世界の力は続くそうだから、有効活用するぞ!『マハガルダイン』!」

ゼロ「分かった。『ブレイブザッパー』!」

モルガナ「シャドウも打ち止めだ!一気に決めるぞ!」

なんとか蓋を閉め、シルビアがどっちに行ったか錯誤していると。

ダクネス「シルビアはどこだ⁈オークがメスしかいないと聞いてガックリきていたのに幹部も女とか!だったらせめて屈服されてごしゅぶっ⁈」

クリス「ダクネス、空気を呼んで。って、アルカンレティアの時と同じ格好をしてるけど、どうしたの?」

モナ「あの時ワガハイが破壊したビーコンはやはり魔王軍が設置したものだった。シルビアが同じのを持ってたんだ」

ゆいゆい「めぐみん、その格好・・・!母として誇り高いわ!」

イーグル「ちょ、ちょっと待って下さい!これは別にそんなのでは・・・!」

ゼロ「どうでもいいが、あの幹部の目的はなんだ?」

クリス「魔王軍の幹部が欲しがるものなんて、この里にはないと思うけどね」

モナ「あの、世界を滅ぼしかねない兵器という説は?」

ダクネス「あり得るな。あの施設に向かうとするか」

イーグル「そう言えばお父さんはどこに?」

ゆいゆい「寝てますよ」

ゼロ「起こしてこいバカめ」

ゆいゆいが家に戻っていく中。

こめっこ「ねえ、なんか凄い音がする」

モナ「確かに。なんか、ドリルで岩盤を削っているときのような」

ズガーン!

ゼロ「・・・おさまったな」

イーグル「おさまりましたね」

ひょいざぶろー「母さん、何事だい?夜中に起こすだなんてってうおっ⁈」

ひょいざぶろーがイーグルを見て絶句する。

イーグル「・・・あれ?なんか地響きが・・・」

突如として地割れが起き、その中から・・・

シルビア「アハハハハッ!紅魔族はとんだ間抜けね!部下の陽動にも気付かないなんて!」

下半身を鉄製の蛇みたいな巨体と変化させ、高笑いするシルビアが現れた!

 

紅魔族A「『魔術師殺し』!『魔術師殺し』が乗っ取られたー!」

いや魔術師殺しってなんだ。

ゼロ「イーグル、説明求む」

イーグル「魔術師殺しとは、魔法が一切効かない、対魔法使い兵器です!」

イーグルが青い顔でアワアワとしながら説明する。

モナ「あれが、世界を滅ぼしかねない兵器ってやつか?」

ゆいゆい「アレではありませんが、アレも同じくらい危険です!逃げましょう、『テレポート』!」

ゆいゆいが、有無を言わさず僕達を巻き込んでテレポートした。

テレポート先はとある丘。見るとゆんゆん達他の紅魔族もいた。

ゆんゆん「あっ、めぐみん!よかった無事で・・・ってその格好は?」

イーグル「後で説明します。にしても、どうしましょうか」

ゼロ「・・・なあモナ、アイツって本当に魔法が効かないのか?」

モナ「いや、効くことには効くが、強い耐性があるだけみたいだ。あと、ペルソナスキルには耐性がないみたいだ」

ゼロ「・・・だが、あんなのに近づけないだろ。絞め殺されて終わりだぞ」

ダクネス「それに関しては私が盾になろう」

ゼロ「なら、後は紅魔の連中は・・・」

族長「あなた達の話、乗りましょう。我々も囮をやります」

紅魔族B「こんな展開は嫌いじゃないわ!」

紅魔族C「あんた達、外の人なのに分かってるな!」

クリス「私はどうすれば・・・」

モナ「女神の力で神聖魔法撃ち込んでくれ。アイツキメラだし、悪魔も取り込んでるだろ」

エリス「了解です!」

もう躊躇のなくなった女神はすぐに本来の姿に。

アクセルで正体がバレたことから吹っ切れたのだろうか。

 

シルビア「ちょこまかと鬱陶しいわね。でも無駄よ、そんな魔法では私に傷一つつけられないわ」

そんなことを言いながら、シルビアは紅魔族の人達に炎を吐き出す。

紅魔族「『テレポート』!」

紅魔族は攻撃要員数名とテレポート要員1名が共に行動しているようだ。

ゼロ「よし、里から引き離したら一気に決めるからな」

イーグル「爆裂魔法とメギドラオンのコンボを喰らわせてやります!」

モルガナ「SHOWTIMEまであと少しだ。倒しきれなくてもダウンはさせられるはずだ」

エリス「『セイクリッド・ハイネス・エクソシズム』!」

シルビア「ちょっと衝撃が来たわね。でも痛くはなかったわよ」

紅魔族「お、おいヤバイぞ、シルビアの動きがどんどん良くなってきた!」

流石に蛇の体に慣れたのか、紅魔族を追い回し始めたシルビア。

ダクネス「お前の相手はこの私だ!『デコイ』!」

ダクネスが追われて絞められそうになるも、やはりと言うか、赤くなって耐えている。これで歯を食いしばっていたら格好良かったのに。まぁいいけど。

イーグル「里から離れました!行きましょう!」

ゼロ「よし、SHOWTIMEだ!」

モナ「我が決意の証を見せてやる!」

 

里から離れた森の近く。

僕達怪盗団はシルビアの背後に忍び寄った。

イーグル「レイとモナ速いですよ!見失いかけました!」

ゼロ「シッ!ローラースケートなんだ、仕方ないだろ」

モナ「スピードには自信があるからな。よし、ワガハイ、ゼロ、イーグルの順に撃ち込むからな」

イーグル「分かりました」

ゼロ「了解」

モナ「よし。来いゾロ!変身!」

モナはゾロを呼び出して車となり、ゾロが起こす風の刃に乗ってー!

モナ「突撃ダァ!」

思いっきりシルビアに突撃した!

シルビア「痛っ⁈あなたあの時レイ達といたネコ⁈」

モナ「ネコじゃねえ!ワガハイはモルガナだ!・・・ってかどうやってあの封印を解い・・・なるほど、ドリルでドア壊したのか」

モナがシルビアの尻尾の先を見てうなずいた。

シルビア「そうよ!新しく魔王軍に入った子が教えてくれたのよ、これなら壊せるだろうとね!」

ミュウツーのことですね分かります。

と、僕の番か。

ゼロ「やるぞグラードン。『断崖の剣城』!」

グラードンの断崖の剣城がシルビアの体を貫く。

シルビア「うっ⁈」

ゼロ「逃さない!」

それに合わせ、大地の力を纏った大刀で横薙ぎの一閃。他のペルソナだと他の行動を取るが、今回は物理が一番効くと判断。地面タイプの断崖の剣城は、明らかに鋼タイプのシルビアの体に抜群だからというのもある。

イーグル「これまでです!イベルタル、メギドラオンを合わせて下さい!」

イベルタル「ギャオオッ!」

イーグルが前に出る。

イーグル「私の名はめぐみん、またの名をイーグルと言います。紅魔族随一の魔法使いです。今から私の必殺技で、あなたを消しとばしてあげますよ」

ゆんゆん「めぐみん⁈」

遠くでゆんゆんが驚きの声を上げている。

シルビア「珍しいわね。貴方はあの変な名乗りをしないの?」

紅魔族「以前よりキレがないな、ひょいざぶろーのとこの娘さんは」

シルビア「ど、どんな魔法だろうと!炸裂魔法だろうと爆発魔法だろうと!私が受け切って見せるわ!」

そんな言葉も気にせず、まだ未熟な反逆者は。

圧倒的な力を持つ、僕達のパーティーの魔法使いイーグル、いや、めぐみんは。

めぐみん「『エクスプロージョン』ッッッッ‼︎‼︎」

イベルタル〔『メギドラオン』!〕

朝日が見え始める中、2つの最強の大爆発がシルビアに直撃した!

 

数分後。

めぐみんの攻撃で、魔王軍幹部シルビアは敗れた。

彼女の遺体の下半身、魔術師殺しだった部分は残ったが、上半身はかけらひとつさえなかった。

そして今、シルビアによって壊滅的な被害を受けた里はというと。

モルガナ「いや復興速度が早すぎないか」

レイ「奇遇だな、まったく同じ事を考えていた」

クリス「あはは・・・世界は広いってことだね」

めぐみん「3日はかかりそうですね」

ダクネス「3日で治るのか・・・」

ゆんゆん「ねえめぐみん、あの後ろにいた鳥みたいなのはなんだったの?後あの魔法何?」

めぐみん「反逆者の力ですよ」

レイ「にしても凄いよなお前。覚醒して日も浅いのにもう最上位魔法習得してるんだから」

ゆんゆん「ねえ・・・私すっごく負けた気がするんだけど」

めぐみん「女としても私の勝ちですよ。里に帰ってからと言うもの、レイと2人きりで寝ましたから」

それ言っちゃっていいのかよ。

ゆんゆん「ええっ⁈」

なんかすっごく慌てた表情で僕を見るゆんゆん。本当かと聞きたいのだろう。

レイ「嘘は言ってないな」

ゆんゆん「⁈」

クリス「まだ恋人にもなってないのに一緒に寝るって・・・(小声)」

レイ「奥さんが原因だ(小声)」

ダクネス「なるほど・・・あの人、意外とアレだな」

モルガナ「親父さんをスリープで眠らせていたからな」

そんな小声のやり取りが聞こえなかったのか、この世の終わりでも見たような表情のゆんゆんに。

めぐみん「私達、どっちかに彼氏ができても、ずっと友達だよね!」

あきらかにおかしい口調でめぐみんがトドメを刺した。あとまだ恋人じゃないから。告白も受けてないしめぐみんが僕に好意を抱いているかすらも怪しいから。

ゆんゆん「わああああん!普段絶対に私の事友達なんて言わないクセに!まためぐみんに負けたなんて、思ってないからぁぁぁぁ!」

走り去ったゆんゆんを見送って。

めぐみん「帰りますか。テレポートの手配をしてきます」

レイ「おいちょっと待て、それは薄情すぎやしないか」

めぐみん「どうせゆんゆんの事ですし、アクセルの街に戻ってきますよ。私の両親にも帰ることは伝えましたし」

クリス「そっか。ならさっさと帰ろうか」

ダクネス「そうだな。先程新しい鎧も引き取ったし、心残りはない」

そのでかい荷物って鎧かよ。

モルガナ「あのビーコン、停止させてパスワード設定してここに置いていくか、また使うかもしれないし」

レイ「シャドウ沸いたりしないだろうな」

モルガナ「大丈夫だ」

めぐみん「また使う機会なんてこなければいいですね。というか、あのビーコンは魔王軍が作ったという事は・・・」

ダクネス「ああ、魔王軍がシャドウも引き連れるということになるな」

クリス「それってめちゃくちゃマズくない?シャドウって特定の属性を吸収するのもいるんでしょ?」

レイ「物理を吸収する奴もいる」

僕達が危機感を覚える中めぐみんがポツリと。

めぐみん「・・・そういや、昨日の爆裂魔法・・・どうでした?」

ダクネス「?急にどうした?」

めぐみん「・・・なんでもないです」

そう言って無理に笑顔を見せられると、何があったか気になる。

が、ここは追及しない方が良いと踏んだ。

レイ「分かった。じゃ、帰ろうか」

めぐみん「そうですね。テレポートの手配してきますね?」

立ち去るめぐみんを見送ると。

ダクネス「いいのか?めぐみんを」

レイ「アイツは、1人でため込まない奴だ。じきにまた聞いてくるだろ」

クリス「レイって、私たちの事よく分かってるよね」

こいつらのことは家族並みに理解している自信がある。

レイ「まあな。お前が女神の姿の時パッd(殴)」

思いっきり殴られました。痛い。

クリス「それは言わないお約束。いいね?」

モルガナ「今のは自業自得だ」

めぐみん「手配終わりましたよ」

ダクネス「ありがとうめぐみん。帰るぞ」

レイ「あ、ああ・・・」

 

その夜。無事にアクセルに帰ってきた僕達は、ずっと篭っていたポケモン達を出してあげ、クエストに出かけさせた。ドダイトス曰く、紅魔族の厨二心はポケモンの天敵らしい。

そして自室で趣味の絵描きをしていると。

めぐみん「レイ、まだ起きてますか?ちょっといいですか?」

レイ「開いてるよー」

めぐみん「あの、さっきの質問の件なのですが・・・何を描いているんです?」

レイ「シルビアだよ。戦った強敵はメモするようにしてるんだ。思い出のページにお前の絵もあるけど見るか?」

めぐみん「はい、是非・・・上手ですね。白黒なのに、いきいきとしています」

レイ「影とか明るさとか意識して描いていたからな。伊達にトレーナーズスクールの美術の授業で学園トップじゃない」

めぐみん「そうだったんですか。って違いますよ!昨日の爆裂魔法がどうだったのかを聞きにきたのですよ!」

レイ「なんだ、それか。・・・一言で言えば、お前らしい、だな。大切な人を守りたいって言う強い決意を感じたよ。めぐみんの意志の強さだね」

めぐみん「そ、そうですか?私はそんなつもりは・・・」

レイ「素直じゃないな。ただ一番思ったのは、そう言う感情が込められているからこそ、いつもより強い魔法が撃てたんだなってことかな。メギドラオンを除いてもね」

めぐみん「そんな遠回しに言わないでください。よかったんですか、悪かったんですか?」

めぐみんが赤くなりながら聞いてくる。

これを言うのは少々照れ臭いのだが。

レイ「・・・最高だったよ、昨日の爆裂魔法は」

僕の一言に、めぐみんは安心したように笑みを浮かべ、ありがとうございますといい立ち去っていった。

・・・童貞にはめっちゃ恥ずかしすぎるんですが。

 

 

 

 

翌日。

家にハーゲンと名乗るダスティネス家の執事が訪ねてきた。

ハーゲン「お嬢様、緊急事態です。まずはこの手紙を」

ハーゲンはそう言って、ダクネスに一枚の手紙を手渡した。

ダクネスはそれを読んでーバッと手紙を隠した。

めぐみん「ダクネス、どうしたのですか?私達に関係はあるのですか?」

ダクネス「ない!全くない!」

レイ「ウソだな。目が泳いでる」

ドラミドロ「手紙見せろ」

ダクネス「断る」

マルヤクデ「何故だ?」

ダクネス「なんでもいいだろう!」

ラプラス「よくないのだけれど」

ダクネス「やましいことなど何もないぞ!」

クリス「『スティール』」

ダクネス「ああっ⁈」

手紙を盗られたダクネスが愕然とする。

クリス「えーと何何?『数多の魔王軍幹部を倒し、この国に多大なる貢献を行なった偉大なる冒険者、レイ殿。貴殿の華々しいご活躍を耳にし、是非お話を伺いたく。つきましては、お食事などをご一緒できればとございます』だって」

モルガナ「差出人は・・・⁈第一王女、アイリスだって⁈」

レイ「えっと・・・これはどう言うことだ?」

デンリュウ「一緒にご飯を食べて、冒険譚を聞かせてくれってことでしょ」

レイ「そんな事分かっとる!」

めぐみん「私達の時代が来たようですね!我が爆裂魔法の凄さを教えて差し上げましょう!」

ダクネス「やめてくれ!本当にやめてくれ!」

クリス「多数決ね。王女様と食事する事に賛成の人は?」

クリス、めぐみん、モルガナ、ポケモンたち全員が挙手する・・・ラプラスやドダイトスに手はないだろと突っ込んではいけない。因みに僕も挙げた。

クリス「決まりだね」

ダクネス「うわあああ!」

《続く》




実はもう一つのこのすばパロディを制作途中です。


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箱入り王女の願い

モルガナ「魔王軍が使っていた認知ビーコンの複製品だ。軽量化もしたぞ」

レイ「すげーなお前。そう言う知識ってどこからだ?」

モルガナ「あらかたナビに教わった。今度教えようか?」

レイ「遠慮しとく。めんどくさいし」

モルガナ「・・・お前、めんどくさい病発症したな」

レイ「持病だからな。なんかやる気出ない」

めんどくさい病とは、何もかもめんどくさくなってしまう事。

ギルガルド「ハッショウスルノハカッテダガ、オウジョサマトノメンカイマデニハナオセヨナ?」

レイ「善処する」

ギルガルド「オイ」

因みに発症期間は約1週間。その間僕はニートと化す訳だ。

ドラミドロ「万能薬飲めばなんとかなるんじゃないか?ガラル地方でよく効くと評判の漢方屋で買った奴だが」

マルヤクデ「呑ませるか」

レイ「すまん!治す!治すから!万能薬はやめろ!やめてください!」

治すためにギルドで何かしようと行ってみると。

アクア「わあああっ!あんまりよ!なんで報酬差し引かれなきゃいけないのおお!」

クリス「アクアせんぱ・・・アクアさん、今回は同情しますよ・・・」

この前アクセルに来た水の女神がクリスに慰められていた。

レイ「おいどうした、何があった」

クリス「あ、レイ。あの、あたしがアクアさんにクエスト手伝ってって頼まれて湖の浄化クエストを受けたんだけど・・・」

アクア「そしたらブルータルアリゲーターに襲われない様に何かに入っていた方がいいって事になって!だからギルドからモンスター用のオリを借りてなんとかクエストこなしたんだけど!」

クリス「帰り道、アクアさんがトラウマ植え付けられたみたいで折に籠ってたらあのミツラギとかなんとかって人がオリを曲げてアクアを助けようとして・・・」

モンスター用のオリを曲げるって怪力すぎるだろソイツ。

ミツラギ「ミツルギだよ!名前覚えてくれ!女神様、是非どうか僕のパーティーにグェっ⁈」

アクアに殴り飛ばされたいつの間にかいたミツルギに。

レイ「おいカツラギとやら、何があった。なんかあの女神の逆鱗に触れるような事したのか?」

ミツルギ「地毛だよ!後僕の名前はミツルギだ!御剣響夜だ!・・・いや、僕はオリに囚われた女神様を助けて、パーティーに入ってくれって頼んだだけなんだけど」

アクア「そのオリよ!弁償代よこしなさい!30万よ30万!私があげた魔剣があるんだから、それぐらい安いわよね!」

ミツルギ「は、はい・・・こちら弁償代の30万です。あの、パーティーの件は・・・」

アクア「?いいわよー、あんたとなら楽できそうだし」

さっきの怒りはどこいった。

ミツルギ「ありがとうございます女神様!光栄です!」

クリス「オリの弁償代だよ。それが報酬から差し引かれて泣いてたの」

レイ「理解。というか、ミツルギって確か取り巻きが戦士と盗賊だったよな?アークプリーストのアクアが入ればバランスいいな」

クリス「冒険者に盗賊、戦士とアークウィザードにクルセイダー。私達のパーティーも負けてないけどね」

レイ「それはそうだな」

ミツルギ「僕はこれから王都に行くけど、君たちはどうするんだい?というかレイ、僕と再戦してくれないか?」

レイ「近々王女様と面会する事になっていて、その下準備と領主の調査があるから今度な」

ミツルギ「アイリス様と面会か。魔王軍幹部を多数葬ってきた君達なら当然か」

レイ「だいたい成り行きだけどな」

アクア「じゃあねー!」

随分と上機嫌だなこいつ。

 

数週間後。

モルガナ「今日が王女様と面会の日か。12歳って言ってたな」

クリス「みんな、言葉遣いとか気をつけてね?特にめぐみん」

めぐみん「何故私だけ」

デンリュウ「どっちかっていうと飯が楽しみなアタシである」

レイ「程々にな。じゃ、ダクネスの実家に向かうか」

王女様は先日からダスティネス邸に宿泊している。

そこで面会が執り行われるのだ。

 

全員が着替え終わると、何故か見せ合いっこ。

クリス「どう?女神の姿でなくとも神々しいでしょ」

レイ「恐ろしく似合ってない」

めぐみん「クリスにはもっとボーイッシュな服が似合います」

クリスのドレス姿に直球の感想を述べる。メイド服は良かったけど。

クリス「泣いちゃうよ?」

ダクネス「そ、そこまでにしろ」

めぐみん「私のはサイズがなくて・・・」

ダクネス「この前と同じく私が子供の時のだ」

めぐみんは胸とか腰回りがガバガバのワンピース。

モルガナ「・・・なんて言えばいいんだ?」

めぐみん「何も言わないでください。レイはタキシードではないですね。なんですか?」

レイ「この前自分で作った学生服だよ。一応これが僕の正装」

見た目は完全にペルソナ3の主人公。

因みにモルガナは変わらない。

 

ダクネス「お待たせ致しましたアイリス様。こちらが我が友人であり冒険仲間でもあります、レイとその一行です。皆、こちらのお方がこの国の第一王女、アイリス様です。失礼のないご挨拶を」

ダクネスがそういいながら、金髪碧眼の少女を指した。両側には、白スーツの女性と魔法使い風の女性が控えている。

モルガナ「戦士を務めている、モルガナと申します。お近づきの印と言ってはなんですが、ワガハイが新しく縫ったスカーフをどうぞ」

やはりというか、ベルベットルームの管理人に作られたモルガナは、礼儀作法も完璧だ。

クリス「私はクリスと申します。盗賊をやっています」

めぐみん「我が名は・・・あちょっとダクネス、離してください!」

ダクネス「ちょ、ちょっと失礼アイリス様。仲間に話が・・・」

めぐみんがダクネスに連行されていく。

白スーツ「下賤のもの、王族をあまりそのような目で不躾に見るものではありません。本来ならば、身分の違いから直接姿を見る事も叶わないのです。早く挨拶と冒険譚を・・・こう仰せだ」

なるほど、コイツ通訳か。

レイ「レイと申します。一応このパーティーのまとめ役です」

ダクネス「よし、座れ。クリスはこっち。めぐみんは私の隣だ。モルガナとレイはこっちだ」

あてがわれた席につく。ポケモン達は部屋の外で食べているらしい。

白スーツ「あなたが魔剣の勇者、ミツルギの言っていた人ね?話を聞かせて、と仰せだ。私も興味があります。あのミツルギ殿が一目置くというあなたの話を」

 

レイ「とまあ、こんな感じですね。ダスティネス様、喉がキツいので後は任せてもよろしいでしょうか」

喋り続けて喉が痛いです。

ダクネス「ダメだ」

チクショー!

 

白スーツ「も、もういい。そんなに声がかすれるとは思わなかった」

もう話すことすらままならないぐらいになって、ようやくやめさせてくれた。

レイ「ケホッ・・・コホッ・・・」

水を飲んで喉を癒す。隣に座るモルガナが喉飴をくれた。

白スーツ「一つだけ質問したいのですが。どのように魔剣の勇者、ミツルギ殿に勝ったのか教えてほしい、と仰せだ。私も気になりますね」

疑ってるよね明らかに。

レイ「分かりました。こんなところでやったら間違いなく大変な事になりますので、場所を移しませんか?」

アイリス「えっ?」

白スーツ「分かりました」

アイリス「私はいいから、もういいから・・・」

 

ダクネスの実家の闘技場で、僕と白スーツが対峙するのを見守るアイリス様や仲間達。

レイ「それでは、こちらから。『狙撃』!」

ガスブラを発射する。実はペルソナ、カイオーガを装備している時水弾を撃てるが、今回は普通に光線だ。

白スーツ「かなり速いですね。ではこちらの番です!」

レイ「『狙撃』」

今度は地面を抉るように撃ち、白スーツを転ばせる。

白スーツ「くっ・・・ならこれはどうだ!」

白スーツは飛び上がり叩きつけるように切り掛かってくる。

アイリス「ああ・・・」

なんか王女様の慌てるような声がしたが、むしろこれは好都合。

レイ「『テトラカーン』!」

白スーツ「⁈」

カウンター成功。地面に横たわる白スーツにつきのものが回復魔法をかけるのを見ながら、説明する。

レイ「こんな感じです。ただの初見殺しですが、意外と通用します」

 

また応接間に戻ってきて、続きを僕の喉がまた潰れては敵わないという理由でクリスが話した後。

魔法使い「では我々は城に帰るといたします。ダスティネス卿、そして皆様方。本日はありがとうございました」

アイリス「ありがとうございました。色々な冒険話が聞けて楽しかったです」

直接の声初めて聞いた。

ダクネス「ではまた。冒険譚を貯め、またいつの日かお聞かせに参りますので」

レイ「えっと、白スーツのお姉さん。さっきは吹っ飛ばしてしまい申し訳ございません」

白スーツ「その事についてはもういい。私が悪かったところがあるからな。後私はクレアだ」

と、さっきまでうつむいてテレポートの詠唱をしていた魔法使いの人が顔を上げ。

魔法使い「私はレインと申します」

と、なんか誰かに腕を掴まれた。

レイン「それでは王都へ参りましょう、『テレポート』!」

3人は消え去った・・・と思っていたら消えていたのは自分も含まれていたようだ。

クレア&レイン「「アイリス様⁈」」

さっき僕の腕をとったのはアイリス様だったらしい。

アイリス「あなたの雰囲気的にまだお話がありそうだもの。また聞かせてくれませんか?」

レイ「・・・」

ちょっと何が起こってるか分からない。

 

[モルガナ視点]

レイ『王女様に拉致られました』

モルガナ「いやなんでだよ」

レイ『こっちが聞きたいよ。まだ話せることがありそうだって』

モルガナ「お前絶対喉潰れるだろ」

レイ『当たり前だ。取り敢えず王都に喉飴をってアイリス様⁈これはオモチャではありません!』

ツー。

トランスレシーバーでレイと会話していたが、途切れてしまった。

めぐみん「喉飴ならダクネスのコネでなんとかなるでしょう」

モルガナ「ポケモンも持っているとは言え、心配だな」

クリス「お姫様ってあんなのなの?」

ダクネス「珍しいな。アイリス様は聞き分けもよく、普段わがままを言わないお方だ」

モルガナ「誰かの言うことを聞くことはストレスが溜まるもんだ。取り敢えず、喉飴届けようぜ。ついでにワガハイ達も城に入ってみよう」

以前カモシダやナツメの異世界が王城だったが、現実の王城がどんなのか気になる。

 

[レイ視点]

レイ「で、僕は言いました。『新たな世界を築いてその先には何があると言うんだ?お前の自己満足じゃないのか?』そしたらアカギの奴、ブチギレてバトルを仕掛けてきて。彼が作ったニセディアルガは強敵でしたよ」

この世界でのネタも尽きた僕は、以前ギンガ団の野望をジュンやヒカリと共に止めた時の話をしていた。もう喉が痛い。

アイリス「ララティーナと話す時の口調で結構ですと先程も言ったはずなのですが・・・」

レイ「流石にほぼ初対面の王女様にいきなりタメ口なんて度胸はありませんよ。でもわかった、やってみる」

アイリス「ありがとうございます。それじゃあ、しまめぐりという風習については・・・」

レイ「島巡りは、アローラ地方に伝わる儀式。四つの島を巡ってキャプテンや島キング、島クイーンと戦って証を集めると、一人前と認められる。まあ、彼らは手加減してくれるんだけど」

アイリス「面白いですね。そもそもこの世界にはポケモンが存在しないので、興味があります」

そういいながら、庭で遊ぶ僕のポケモン達をしげしげと眺めるアイリス。

クレア「レイ殿、ダスティネス卿達がこれを」

レイ「喉飴か。助かった」

アイリス「クレア、せっかくきてくれたんだし、王城に招かない?」

クレア「ア、アイリス様のご希望とあれば!」

そう言って出ていくクレア。

アイリス「・・・これは美味しいのですか?」

レイ「喉飴?旨いのかなあ?・・・そう言えば、国王陛下やジャティス王子はどこに?」

アイリス「今は最前線で戦っております。王族は強いですから」

レイ「そういや優秀な勇者を婿にとって能力強化してるんだったな」

アイリス「はい、そうです。でも私は戦う事はおろか、城の外に許可なく出る事さえも許されないので・・・」

寂しいのか。

レイ「・・・普段は何をしてるんだ?」

アイリス「クレアやレインの授業を受け、食事などを済ませて寝るということが多いです」

何という箱入り娘。

レイ「・・・遊んだりとかは?」

アイリス「相手がいませんよ」

そう言って、悲しそうな笑みを浮かべるアイリスを見ていると、なんだかいたたまれなくなってしまう。

レイ「その、なんだ。しばらくは、僕が遊び相手になるよ」

アイリス「いいのですか?それでも・・・」

レイ「人生ってのは楽しむもんだ。アイリスみたいな身分が違いすぎる人でも関係ないよ」

アイリスは年相応の笑顔を見せ。

アイリス「なら、これで勝負しませんか?」

チェスみたいなボードゲームを出してきたー。

 

アイリス「ここにアークウィザードをテレポート。王手です!」

レイ「クルセイダーでブロックしたいが、こっちのプリーストが邪魔だな。なら冒険者でブロック」

アイリス「ならばクリエイターを移動させて・・・これで私の勝ちですね!」

レイ「これで3連敗か。このゲームの要領がイマイチ分からん」

アイリス「ならばこのカードゲームをしますか?」

アイリスが出してきたのは・・・

レイ「ポケカじゃねーか!しかも結構新しい奴!」

アイリス「これは、創造神様から送られてきた物です」

アルセウス様何してんすか。

レイ「ポケカなら自前のデッキがある。勝負だ!」

 

レイ「ガブリアス&ギラティナGXのカラミティエッジ!ゴリランダーV MAXにダメカンが乗っているから240ダメージで気絶、サイド3枚とって僕の勝ちだ!」

アイリス「強くないですかそれ!私も後で組んでみようっと・・・」

ポケカ始めた瞬間、僕が3連勝。レギュレーションがエクストラなので僕は自前の超越ガブギラを使っている。アイリスは草デッキ、ピカチュウ&ゼクロムデッキ、ラプラスV MAXデッキを使っていたが、見事に完全勝利した。

レイ「ボードゲームとはえらい違いだな」

アイリス「本当ですね。楽しいです」

モルガナ「おーい、部屋の準備が終わったから遊びに来たぞー」

レイ「来たか。今ちょうどボードゲームでアイリスにボコされた後カードゲームでアイリスをボコしていたところだ」

クレア「ボコすとはなんだ!もっと言い方を」

アイリス「まあいいじゃない。それにしても、レイ様は昔よく構ってくれたお兄様みたいです」

クレア「ジャティス王子は最前線で努力なされているから、仕方ないと思うのですが・・・」

しかしクレアにも思うところがあるのか、少しうつむいている。

めぐみん「まったく、レイが拉致された時は焦りましたよ。それにしても、本当に泊まっていいのですか?」

アイリス「構いません。むしろその方が楽しいと思います。後拉致ではなく招待です」

レイ「無理があるけど、僕はもう気にしてないよ。そういやダクネスはどこ行った?」

クリス「ダクネスなら、今はレインと話しているよ?」

レイ「理解」

 

そして食事を済ませ、寝ようと部屋に戻ったら・・・

アイリス「ちょっといいですか?」

何故かアイリスが訪ねてきました。

レイ「いいよー」

アイリス「あの、いくつかお願いが・・・」

レイ「僕にできる範囲なら聞くよ」

アイリス「大丈夫です。一つ目は、あの・・・レイ様をお兄様と呼んでもいいですか?」

レイ「僕自身は構わないけど、周りがなんて言うか・・・まあ、僕はOKだよ」

アイリス「ありがとうございます。最近実のお兄様と会えなくって、寂しくて・・・」

レイ「そうか。でも程々にな?ジャティス王子に知られたらどうなるか」

アイリス「問題ありません。2つ目は・・・」

アイリスはうつむいてゴニョゴニョと何かを言う。

レイ「うつむいちゃダメだろ。聞こえないぞ?」

アイリス「は、はい・・・それでは」

一体何をこの子は言うつもりなんだろう。

アイリス「お兄様はとてもお強いのでしょう?明日の軍事の授業で、私と手合わせしていただけませんか?」

《続く》



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箱入り王女の願い

モルガナ「魔王軍が使っていた認知ビーコンの複製品だ。軽量化もしたぞ」

レイ「すげーなお前。そう言う知識ってどこからだ?」

モルガナ「あらかたナビに教わった。今度教えようか?」

レイ「遠慮しとく。めんどくさいし」

モルガナ「・・・お前、めんどくさい病発症したな」

レイ「持病だからな。なんかやる気出ない」

めんどくさい病とは、何もかもめんどくさくなってしまう事。

ギルガルド「ハッショウスルノハカッテダガ、オウジョサマトノメンカイマデニハナオセヨナ?」

レイ「善処する」

ギルガルド「オイ」

因みに発症期間は約1週間。その間僕はニートと化す訳だ。

ドラミドロ「万能薬飲めばなんとかなるんじゃないか?ガラル地方でよく効くと評判の漢方屋で買った奴だが」

マルヤクデ「呑ませるか」

レイ「すまん!治す!治すから!万能薬はやめろ!やめてください!」

治すためにギルドで何かしようと行ってみると。

アクア「わあああっ!あんまりよ!なんで報酬差し引かれなきゃいけないのおお!」

クリス「アクアせんぱ・・・アクアさん、今回は同情しますよ・・・」

この前アクセルに来た水の女神がクリスに慰められていた。

レイ「おいどうした、何があった」

クリス「あ、レイ。あの、あたしがアクアさんにクエスト手伝ってって頼まれて湖の浄化クエストを受けたんだけど・・・」

アクア「そしたらブルータルアリゲーターに襲われない様に何かに入っていた方がいいって事になって!だからギルドからモンスター用のオリを借りてなんとかクエストこなしたんだけど!」

クリス「帰り道、アクアさんがトラウマ植え付けられたみたいで折に籠ってたらあのミツラギとかなんとかって人がオリを曲げてアクアを助けようとして・・・」

モンスター用のオリを曲げるって怪力すぎるだろソイツ。

ミツラギ「ミツルギだよ!名前覚えてくれ!女神様、是非どうか僕のパーティーにグェっ⁈」

アクアに殴り飛ばされたいつの間にかいたミツルギに。

レイ「おいカツラギとやら、何があった。なんかあの女神の逆鱗に触れるような事したのか?」

ミツルギ「地毛だよ!後僕の名前はミツルギだ!御剣響夜だ!・・・いや、僕はオリに囚われた女神様を助けて、パーティーに入ってくれって頼んだだけなんだけど」

アクア「そのオリよ!弁償代よこしなさい!30万よ30万!私があげた魔剣があるんだから、それぐらい安いわよね!」

ミツルギ「は、はい・・・こちら弁償代の30万です。あの、パーティーの件は・・・」

アクア「?いいわよー、あんたとなら楽できそうだし」

さっきの怒りはどこいった。

ミツルギ「ありがとうございます女神様!光栄です!」

クリス「オリの弁償代だよ。それが報酬から差し引かれて泣いてたの」

レイ「理解。というか、ミツルギって確か取り巻きが戦士と盗賊だったよな?アークプリーストのアクアが入ればバランスいいな」

クリス「冒険者に盗賊、戦士とアークウィザードにクルセイダー。私達のパーティーも負けてないけどね」

レイ「それはそうだな」

ミツルギ「僕はこれから王都に行くけど、君たちはどうするんだい?というかレイ、僕と再戦してくれないか?」

レイ「近々王女様と面会する事になっていて、その下準備と領主の調査があるから今度な」

ミツルギ「アイリス様と面会か。魔王軍幹部を多数葬ってきた君達なら当然か」

レイ「だいたい成り行きだけどな」

アクア「じゃあねー!」

随分と上機嫌だなこいつ。

 

数週間後。

モルガナ「今日が王女様と面会の日か。12歳って言ってたな」

クリス「みんな、言葉遣いとか気をつけてね?特にめぐみん」

めぐみん「何故私だけ」

デンリュウ「どっちかっていうと飯が楽しみなアタシである」

レイ「程々にな。じゃ、ダクネスの実家に向かうか」

王女様は先日からダスティネス邸に宿泊している。

そこで面会が執り行われるのだ。

 

全員が着替え終わると、何故か見せ合いっこ。

クリス「どう?女神の姿でなくとも神々しいでしょ」

レイ「恐ろしく似合ってない」

めぐみん「クリスにはもっとボーイッシュな服が似合います」

クリスのドレス姿に直球の感想を述べる。メイド服は良かったけど。

クリス「泣いちゃうよ?」

ダクネス「そ、そこまでにしろ」

めぐみん「私のはサイズがなくて・・・」

ダクネス「この前と同じく私が子供の時のだ」

めぐみんは胸とか腰回りがガバガバのワンピース。

モルガナ「・・・なんて言えばいいんだ?」

めぐみん「何も言わないでください。レイはタキシードではないですね。なんですか?」

レイ「この前自分で作った学生服だよ。一応これが僕の正装」

見た目は完全にペルソナ3の主人公。

因みにモルガナは変わらない。

 

ダクネス「お待たせ致しましたアイリス様。こちらが我が友人であり冒険仲間でもあります、レイとその一行です。皆、こちらのお方がこの国の第一王女、アイリス様です。失礼のないご挨拶を」

ダクネスがそういいながら、金髪碧眼の少女を指した。両側には、白スーツの女性と魔法使い風の女性が控えている。

モルガナ「戦士を務めている、モルガナと申します。お近づきの印と言ってはなんですが、ワガハイが新しく縫ったスカーフをどうぞ」

やはりというか、ベルベットルームの管理人に作られたモルガナは、礼儀作法も完璧だ。

クリス「私はクリスと申します。盗賊をやっています」

めぐみん「我が名は・・・あちょっとダクネス、離してください!」

ダクネス「ちょ、ちょっと失礼アイリス様。仲間に話が・・・」

めぐみんがダクネスに連行されていく。

白スーツ「下賤のもの、王族をあまりそのような目で不躾に見るものではありません。本来ならば、身分の違いから直接姿を見る事も叶わないのです。早く挨拶と冒険譚を・・・こう仰せだ」

なるほど、コイツ通訳か。

レイ「レイと申します。一応このパーティーのまとめ役です」

ダクネス「よし、座れ。クリスはこっち。めぐみんは私の隣だ。モルガナとレイはこっちだ」

あてがわれた席につく。ポケモン達は部屋の外で食べているらしい。

白スーツ「あなたが魔剣の勇者、ミツルギの言っていた人ね?話を聞かせて、と仰せだ。私も興味があります。あのミツルギ殿が一目置くというあなたの話を」

 

レイ「とまあ、こんな感じですね。ダスティネス様、喉がキツいので後は任せてもよろしいでしょうか」

喋り続けて喉が痛いです。

ダクネス「ダメだ」

チクショー!

 

白スーツ「も、もういい。そんなに声がかすれるとは思わなかった」

もう話すことすらままならないぐらいになって、ようやくやめさせてくれた。

レイ「ケホッ・・・コホッ・・・」

水を飲んで喉を癒す。隣に座るモルガナが喉飴をくれた。

白スーツ「一つだけ質問したいのですが。どのように魔剣の勇者、ミツルギ殿に勝ったのか教えてほしい、と仰せだ。私も気になりますね」

疑ってるよね明らかに。

レイ「分かりました。こんなところでやったら間違いなく大変な事になりますので、場所を移しませんか?」

アイリス「えっ?」

白スーツ「分かりました」

アイリス「私はいいから、もういいから・・・」

 

ダクネスの実家の闘技場で、僕と白スーツが対峙するのを見守るアイリス様や仲間達。

レイ「それでは、こちらから。『狙撃』!」

ガスブラを発射する。実はペルソナ、カイオーガを装備している時水弾を撃てるが、今回は普通に光線だ。

白スーツ「かなり速いですね。ではこちらの番です!」

レイ「『狙撃』」

今度は地面を抉るように撃ち、白スーツを転ばせる。

白スーツ「くっ・・・ならこれはどうだ!」

白スーツは飛び上がり叩きつけるように切り掛かってくる。

アイリス「ああ・・・」

なんか王女様の慌てるような声がしたが、むしろこれは好都合。

レイ「『テトラカーン』!」

白スーツ「⁈」

カウンター成功。地面に横たわる白スーツにつきのものが回復魔法をかけるのを見ながら、説明する。

レイ「こんな感じです。ただの初見殺しですが、意外と通用します」

 

また応接間に戻ってきて、続きを僕の喉がまた潰れては敵わないという理由でクリスが話した後。

魔法使い「では我々は城に帰るといたします。ダスティネス卿、そして皆様方。本日はありがとうございました」

アイリス「ありがとうございました。色々な冒険話が聞けて楽しかったです」

直接の声初めて聞いた。

ダクネス「ではまた。冒険譚を貯め、またいつの日かお聞かせに参りますので」

レイ「えっと、白スーツのお姉さん。さっきは吹っ飛ばしてしまい申し訳ございません」

白スーツ「その事についてはもういい。私が悪かったところがあるからな。後私はクレアだ」

と、さっきまでうつむいてテレポートの詠唱をしていた魔法使いの人が顔を上げ。

魔法使い「私はレインと申します」

と、なんか誰かに腕を掴まれた。

レイン「それでは王都へ参りましょう、『テレポート』!」

3人は消え去った・・・と思っていたら消えていたのは自分も含まれていたようだ。

クレア&レイン「「アイリス様⁈」」

さっき僕の腕をとったのはアイリス様だったらしい。

アイリス「あなたの雰囲気的にまだお話がありそうだもの。また聞かせてくれませんか?」

レイ「・・・」

ちょっと何が起こってるか分からない。

 

[モルガナ視点]

レイ『王女様に拉致られました』

モルガナ「いやなんでだよ」

レイ『こっちが聞きたいよ。まだ話せることがありそうだって』

モルガナ「お前絶対喉潰れるだろ」

レイ『当たり前だ。取り敢えず王都に喉飴をってアイリス様⁈これはオモチャではありません!』

ツー。

トランスレシーバーでレイと会話していたが、途切れてしまった。

めぐみん「喉飴ならダクネスのコネでなんとかなるでしょう」

モルガナ「ポケモンも持っているとは言え、心配だな」

クリス「お姫様ってあんなのなの?」

ダクネス「珍しいな。アイリス様は聞き分けもよく、普段わがままを言わないお方だ」

モルガナ「誰かの言うことを聞くことはストレスが溜まるもんだ。取り敢えず、喉飴届けようぜ。ついでにワガハイ達も城に入ってみよう」

以前カモシダやナツメの異世界が王城だったが、現実の王城がどんなのか気になる。

 

[レイ視点]

レイ「で、僕は言いました。『新たな世界を築いてその先には何があると言うんだ?お前の自己満足じゃないのか?』そしたらアカギの奴、ブチギレてバトルを仕掛けてきて。彼が作ったニセディアルガは強敵でしたよ」

この世界でのネタも尽きた僕は、以前ギンガ団の野望をジュンやヒカリと共に止めた時の話をしていた。もう喉が痛い。

アイリス「ララティーナと話す時の口調で結構ですと先程も言ったはずなのですが・・・」

レイ「流石にほぼ初対面の王女様にいきなりタメ口なんて度胸はありませんよ。でもわかった、やってみる」

アイリス「ありがとうございます。それじゃあ、しまめぐりという風習については・・・」

レイ「島巡りは、アローラ地方に伝わる儀式。四つの島を巡ってキャプテンや島キング、島クイーンと戦って証を集めると、一人前と認められる。まあ、彼らは手加減してくれるんだけど」

アイリス「面白いですね。そもそもこの世界にはポケモンが存在しないので、興味があります」

そういいながら、庭で遊ぶ僕のポケモン達をしげしげと眺めるアイリス。

クレア「レイ殿、ダスティネス卿達がこれを」

レイ「喉飴か。助かった」

アイリス「クレア、せっかくきてくれたんだし、王城に招かない?」

クレア「ア、アイリス様のご希望とあれば!」

そう言って出ていくクレア。

アイリス「・・・これは美味しいのですか?」

レイ「喉飴?旨いのかなあ?・・・そう言えば、国王陛下やジャティス王子はどこに?」

アイリス「今は最前線で戦っております。王族は強いですから」

レイ「そういや優秀な勇者を婿にとって能力強化してるんだったな」

アイリス「はい、そうです。でも私は戦う事はおろか、城の外に許可なく出る事さえも許されないので・・・」

寂しいのか。

レイ「・・・普段は何をしてるんだ?」

アイリス「クレアやレインの授業を受け、食事などを済ませて寝るということが多いです」

何という箱入り娘。

レイ「・・・遊んだりとかは?」

アイリス「相手がいませんよ」

そう言って、悲しそうな笑みを浮かべるアイリスを見ていると、なんだかいたたまれなくなってしまう。

レイ「その、なんだ。しばらくは、僕が遊び相手になるよ」

アイリス「いいのですか?それでも・・・」

レイ「人生ってのは楽しむもんだ。アイリスみたいな身分が違いすぎる人でも関係ないよ」

アイリスは年相応の笑顔を見せ。

アイリス「なら、これで勝負しませんか?」

チェスみたいなボードゲームを出してきたー。

 

アイリス「ここにアークウィザードをテレポート。王手です!」

レイ「クルセイダーでブロックしたいが、こっちのプリーストが邪魔だな。なら冒険者でブロック」

アイリス「ならばクリエイターを移動させて・・・これで私の勝ちですね!」

レイ「これで3連敗か。このゲームの要領がイマイチ分からん」

アイリス「ならばこのカードゲームをしますか?」

アイリスが出してきたのは・・・

レイ「ポケカじゃねーか!しかも結構新しい奴!」

アイリス「これは、創造神様から送られてきた物です」

アルセウス様何してんすか。

レイ「ポケカなら自前のデッキがある。勝負だ!」

 

レイ「ガブリアス&ギラティナGXのカラミティエッジ!ゴリランダーV MAXにダメカンが乗っているから240ダメージで気絶、サイド3枚とって僕の勝ちだ!」

アイリス「強くないですかそれ!私も後で組んでみようっと・・・」

ポケカ始めた瞬間、僕が3連勝。レギュレーションがエクストラなので僕は自前の超越ガブギラを使っている。アイリスは草デッキ、ピカチュウ&ゼクロムデッキ、ラプラスV MAXデッキを使っていたが、見事に完全勝利した。

レイ「ボードゲームとはえらい違いだな」

アイリス「本当ですね。楽しいです」

モルガナ「おーい、部屋の準備が終わったから遊びに来たぞー」

レイ「来たか。今ちょうどボードゲームでアイリスにボコされた後カードゲームでアイリスをボコしていたところだ」

クレア「ボコすとはなんだ!もっと言い方を」

アイリス「まあいいじゃない。それにしても、レイ様は昔よく構ってくれたお兄様みたいです」

クレア「ジャティス王子は最前線で努力なされているから、仕方ないと思うのですが・・・」

しかしクレアにも思うところがあるのか、少しうつむいている。

めぐみん「まったく、レイが拉致された時は焦りましたよ。それにしても、本当に泊まっていいのですか?」

アイリス「構いません。むしろその方が楽しいと思います。後拉致ではなく招待です」

レイ「無理があるけど、僕はもう気にしてないよ。そういやダクネスはどこ行った?」

クリス「ダクネスなら、今はレインと話しているよ?」

レイ「理解」

 

そして食事を済ませ、寝ようと部屋に戻ったら・・・

アイリス「ちょっといいですか?」

何故かアイリスが訪ねてきました。

レイ「いいよー」

アイリス「あの、いくつかお願いが・・・」

レイ「僕にできる範囲なら聞くよ」

アイリス「大丈夫です。一つ目は、あの・・・レイ様をお兄様と呼んでもいいですか?」

レイ「僕自身は構わないけど、周りがなんて言うか・・・まあ、僕はOKだよ」

アイリス「ありがとうございます。最近実のお兄様と会えなくって、寂しくて・・・」

レイ「そうか。でも程々にな?ジャティス王子に知られたらどうなるか」

アイリス「問題ありません。2つ目は・・・」

アイリスはうつむいてゴニョゴニョと何かを言う。

レイ「うつむいちゃダメだろ。聞こえないぞ?」

アイリス「は、はい・・・それでは」

一体何をこの子は言うつもりなんだろう。

アイリス「お兄様はとてもお強いのでしょう?明日の軍事の授業で、私と手合わせしていただけませんか?」

《続く》



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レイVSアイリス!技と力の戦い!

翌日、アイリスの軍事の授業。

レイン「えええっ⁈アイリス様とレイ殿が戦う・・・⁈」

鎧を着たアイリスが、レインに頼み込んでいた。

モルガナ「とんでもない事になったな」

アイリス「お願いします!レインにとってもお兄様の実力が知れていい機会ではないですか!」

レイン「それは、そうですが・・・!ってお兄様⁈」

レイ「もしかして、アイリスが傷付くのが嫌なのか?」

レイン「それもそうですが、どっちかが死んでしまいそうで・・・」

レイ「それなら平気だ。この闘技場に特殊な時空加工をした。何をしても死ぬ事はない」

そういいながら、ナイフを自分の心臓に突き刺す。血はでるが、意識もハッキリとしていた。

レイ「ほら、生命力がアイリスより低い僕でも死なないんだ」

めぐみん「いやいきなりナイフを自分の心臓に刺さないで下さい!私の心臓が止まるかと思いましたよ!」

クリス「もしかして、生命の神ゼルネアスのしずくを使ったね?」

レイ「そうだよ。取り敢えず回復魔法かけてくれ、死なないとは言え痛い」

エリス「はいはい・・・『ヒール』!」

アイリス「エ、エリス様⁈」

エリス「今まで通りクリスとして接して下さいお願いします!」

アイリス「は、はい・・・」

レイン「レイ殿凄いですね・・・女神様と同じパーティーなんて」

レイ「言ってませんでしたが、僕は一応創造神の使いとしてこの世界に送られてきましたからね?人間ですが」

アイリス「ええっ⁈」

レイ「態度変えないで下さい」

アイリス「まったく・・・今日は驚きの連続です。それでは、始めましょうか?」

ダクネス「私たちは移動するか。流石にアイリス様のスキルに巻き込まれたらヤバいのは分かってる」

モルガナ「解説はワガハイが務めよう」

レイン「審判は私が。あと解説もへったくれもないと思うのですが」

 

 

ゼロ「怪盗服になったな。始めるか」

モルガナに携帯ビーコンを起動してもらう。

アイリス「よろしくお願いします!『エクステリオン』!」

アイリスが挨拶と同時に放った斬撃。

ゼロ「いや速いな⁈危なかった。『狙撃』!」

ローラースケートの機動力でなんとか躱し、返しのガスブラを撃つ。が、やはりアイリスには軽々と避けられてしまう。

アイリス「『セイクリッド・ライトニングブレア』ー!」

ライトニング⁈

レイ「ペルソナチェンジ!グラードン!」

アイリス「あれ⁈直撃したのに!」

レイ「地面には電気は無効だ!『ヒートライザ』!」

自分を全体強化魔法で強化して接近戦に持ち込む。

アイリス「私だって剣の腕には自信があります!たあっ!」

レイ「甘い!『断崖の剣城』!」

アイリス「キャッ⁈」

バックステップで剣を躱し、地面から岩を飛び出させて反撃。流石のアイリスでも対応しきれず、衝撃で吹っ飛ばされた。

レイ「逃さん!ペルソナチェンジ、カイオーガ!『根源の波動』!」

アイリス「『エクステリオン』!」

根源の波動は、アイリスの斬撃と相殺し、雨となって降り注ぐ。

レイ「『ダイヤモンドダスト』!」

アイリス「『トルネード』!」

互いに魔法を使ったので身動きが取れず、互いに魔法に直撃した。と言っても、トルネードで吹き上げられた僕の方が不利なのだが。でも空中なら・・・

アイリス「『セイクリッド・ライトニングブレア』!」

レイ「ペルソナチェンジ、レックウザ!」

レックウザを呼び出し、乱気流を乗りこなす。

レイ「『チャージ』」

力を溜め、次で決める!

アイリス「何をする気かはわかりませんが、こちらも考えがあります!」

そう言ってアイリスはその場で目を閉じて瞑想のようなことを始める。

レイ「終わりだ!『画竜点睛』ーっ!」

アイリス「それはこちらのセリフです!『セイクリッド・エクスプロード』ーッ!」

2つの大技がぶつかる瞬間、闘技場全体が光に包まれた!

 

 

結果としては、引き分け。

あの後2人とも気絶した状態で倒れていたらしい。

それをエリスが介抱してくれて、今は起き上がって話ができるまで回復した。

クレア「私は途中からしか見ていなかったのだが・・・その力があれば、魔王軍を滅ぼせるのではないか?」

レイ「僕が魔王軍と戦っている理由は、今魔王軍に所属している、ミュウツーというポケモンを捕獲して元の世界に帰すためです。魔王を倒すのは他の人がやればいいと思います」

クレア「えっ」

アイリス「それにしても見たことも聞いたこともない技ばかり・・・後ろにいたあの背後霊のような生き物達はなんですか?」

レイ「背後霊言うな。あれはペルソナと言って、主の反逆の心が具現化した存在。僕のは、大陸神グラードン、海洋神カイオーガ、天空神レックウザ。本物ではなく僕の心が生み出したレプリカみたいな物だけどな」

アイリス「反逆の心・・・国家転覆?」

レイ「違ぁう!運命に抗う意志の事!そんな犯罪者と一緒にしないでくれ!」

めぐみん「私にもペルソナの力がありますよ。破壊神ですよ破壊神!」

アイリス「は、はい・・・」

めぐみん「というかなんですかセイクリッド・エクスプロードって!エクスプロージョンのパクリじゃないですか!」

アイリス「剣の名前がモチーフなので爆裂魔法は関係ありません!というか威力はめぐみんさんの爆裂魔法より低いですから!」

モルガナ「そういやめぐみんのペルソナ、進化できるぞ」

めぐみん「ええっ⁈あとどれくらいでですか?」

レイ「それは僕も初耳なんだけど」

モルガナ「まだかかるが」

ダクネス「それにしても最後の一撃、最前列にいた私が吹き飛びそうな威力だった!」

クリス「後ろの方にいたあたしの所まで衝撃が来たからね。とんでもない破壊力だよ。これにめぐみんの爆裂魔法を合わせれば・・・」

レイン「その時は世界が終わるでしょうね」

アイリス「レイン、それは言い過ぎじゃない?」

レイ「終わりはしないと思うけど、周囲が壊滅するのは間違い無いな」

めぐみん「今すぐやりませんか?」

モルガナ「頭が悪いのかお前は」

 

その日はクタクタのため、自分の部屋に戻ってずっと寝ていた。

 

翌日。

クリス「アイリス様が付けてるそのペンダント、神器ですね」

レイ「ちょっと何言ってるか分からない」

クリス「裏にキーワードが書かれているはずだよ。見せて下さい」

アイリス「いいですが・・・読めるのですか?城の学者でも読めなくって」

クリス「・・・レイ、モルガナ、お願い」

レイ&モルガナ「「おい」」

レイ「・・・分からん」

モルガナ「日本語だな」

アイリス「読めるのですか⁈」

クリス「読み上げないでよ⁈なんて書いてあるこの紙に書いて!」

モルガナはクリスが差し出した紙に、『お前の物は俺の物。俺の物はお前の物。お前になーれ!』と書いた。

レイ「馬鹿にしてんのか」

クリス「先輩・・・何このキーワード・・・」

クレア「でも、確証はないわけでしょう?これはジャティス王子からアイリス様に贈られた物で・・・」

クリス「そうだね、入れ替われる時間は有限だし、一回ならいいかな。じゃあ、対象は誰にする?」

・・・

レイ「何故そこで僕を見る」

全員の視線はなぜか僕に集まっていた。

レイ「嫌だからな?ダクネスとクレアが入れ替わればいいじゃないか、2人とも大物貴族の長女なんだし」

アイリス「それもありかもしれませんね」

めぐみん「賛成です。ダクネスなら、すぐに判別できそうですし」

ダクネス「いや私は反対だからな⁈絶対にしないぞ⁈」

クレア「同意見だ!アイリス様ならともかく、何故ダスティネス卿と!」

モルガナ「おいちょっと待て今凄いこと言ったな?」

レイン「確かに。アイリス様と入れ替わってみたい的な事が聞こえました」

クリス「もうダクネスとクレアでいいじゃん、早く終わらせよう」

ダクネス「何故私がこんな目に・・・でも考えようによってはこれも悪くないかもしれない・・・!」

クレア「ええ・・・」

ダクネスはアイリスから神器を受け取り、クレアに向かってキーワードを唱え・・・何も起きない。

レイ「えっと、取り敢えず2人とも話してくれ」

ダクネス?「ア、アイリス様がつけていたネックレス・・・」

レイ「この同性愛みたいな雰囲気、クレアか」

クレア?「もし万が一の事があってこのまま戻れなかったらどうなるのだろうか・・・」

レイ「・・・ダクネスだな」

モルガナ「ダメだこのスケベ令嬢は」

クリス「と、取り敢えず、これが神器である確信は持てたからね!よかったよかった!」

アイリス「よくないですよ!あの2人がカオスと化してきましたよ⁈」

めぐみん「叩けば治りますかね」

レイン「クレア様には効果はあるでしょうが、ダスティネス卿には効果はなさそうですね」

レイ「むしろ逆効果説」

 

そんなこんなで1時間が経過。

ダクネス「あ、戻ったな」

クレア「待った何故私の体がこんなに熱く⁈」

レイ「ダクネスがトイレでなんかしたんだろうな。コイツ夜部屋の前を通ると中からちょっとアイリスには早い声と音が」

ダクネス「なああああああああああっ!」

アイリス「どんな音ですか?」

モルガナ「アイリスにはまだ早い。まだ純粋でいてくれ」

クレア「そうですよ!アイリス様は純粋なのが良さなのですから!」

レイン「流石にこれは聞いてはいけませんよアイリス様!」

クリス「って事で、この神器は封印して誰も見つけられないところに隠しますので」

 

翌日。

レイ「そろそろ帰るかー。アルダープの調査しないと」

モルガナ「それもそうだな。もう要はない」

アイリス「もう帰ってしまわれるのですか?」

レイ「そうは言っても、話せることももうないし、仕事も残ってるからね。ずっとここにはいられない。でも、機会があればまた会いにくるよ」

アイリス「そうですか・・・ならせめて、お別れの晩餐会を開いてもいいですか?」

 

その夜。パーティー会場にて。

レイ「凄い人の数。アイツらどこだ?」

モルガナ「あ、クリスがいた。めぐみんと一緒に何か食べてるな」

レイ「ダクネスは・・・あそこで貴族に囲まれてるな」

モルガナ「クレアとレインは・・・クレアは大してダクネスと変わらんな。レインはなんかぐったりしてるな」

レイ「本当だ。名前が似ているやつとしてほっとけないし、何があったか聞いてみるか」

モルガナと共に1人で疲れた様子のレインに近寄る。

レイン「あ、レイ様。モルガナさんも・・・どうされました?」

レイ「様はやめてくれ。どうしたもこうしたもないよ。なんでそんなぐったりしてんだ」

モルガナ「というか、クマが凄いぞ。目を拭け」

レイン「はい・・・それが、昨晩神器の報告書をまとめるために徹夜して・・・晩餐会の準備とかで寝ようにも眠れず・・・」

レイ「すみません」

レイン「いえ、レイさんは悪くないですから」

モルガナ「無理して笑みを浮かべるな、取り敢えず部屋で休んでこいよ」

レイン「そ、そうさせてもらいます・・・」

そういってフラフラと立ち去っていくレイン。

アイリス「レインには大変な思いをさせてしまったようです。後で謝っておきましょう・・・」

レイ&モルガナ「「⁈」」

いつのまにか背後にいたアイリス。

アイリス「あの、お兄様、お願いがあります」

レイ「う、うん。どうした?」

モルガナ「・・・ワガハイはめぐみん達のところ行ってくる」

空気を読んだモルガナがそそくさと退場する。

レイ「・・・場所を変えようか」

 

僕が寝泊りしていた部屋で。

アイリス「・・・本当にこの城に残る気はないのですか?」

レイ「そんな顔をしないでくれ。アイリスが嫌だから去ろうとしているわけじゃない。・・・ただ、僕はこの世界での仕事が終わったら、多分他の世界に旅立たなければならないと思う。これ以上一緒にいて情がうつりすぎたら、別れが余計に辛くなってしまう。そんな辛い思いはアイリスにさせたくないんだよ」

アイリス「今の仲間達は?彼女達はいいのですか?」

レイ「アイツらはそれを理解して僕と同じパーティーに入っているんだ。モルガナはそもそも僕と同じ目的。あの3人は・・・冒険者だ。冒険者にとって、出会いと別れはつきもの。アイツらはその覚悟で冒険者をやっているからな」

アイリス「私だって・・・!私だって冒険者になれますし、その覚悟もありますよ!」

涙目で訴えるアイリスにこんなことを言うのが辛い。

レイ「僕がこんなことは言いたくないが、アイリスは王族だ。冒険者になるのは厳しいと思う。後・・・今別れたくないと言われて僕が残ったとしても、結局は別れないといけない。現実から逃げるだけなんだ」

ふと自分の頬に熱いものがつたっていることに気づく。

そうか。僕は泣いていたのか。

レイ「僕はもう、現実から逃げない。そう決意したんだ」

アイリス「そうですか・・・わかりました。じゃあせめて・・・お兄様が目的を果たして旅立つときには宴会を開かせて下さい。後、旅立った後も私に会いにきてくれると約束して下さい」

レイ「当然だ」

それを聞いてアイリスは安心したように微笑むと。

アイリス「私は、いつだってお兄様を応援しますからね」

 

翌日、自宅。

ドダイトス「いやー楽しかった!アイリス様に遊んでいただいた時は最高だったな!」

ドラミドロ「お前ってロリコンの気があるよな」

ドダイトス「別にそう言う意味じゃないのだが」

レイ「というか、お前ら何したんだよ。一緒に遊んでた奴がアイリスやレイン除いて死にかけてたぞ」

ラプラス「え?普通にバトルしてたけど」

レイ「いや人間を巻き込むな!僕達だけならともかく城の人を巻き込まないでくれ!」

ギルガルド「ソレニシテモアノジョウヘイタチ、ホネノナイヤツバカリダナ。モンバントカハスジガヨカッタガ、ソレイガイハフヌケバカリダ」

レイ「お前が強すぎるんだよ、ってか何様だ」

デンリュウ「でもあのクレアって奴、なかなかよかったよね。性癖ヤバいけど」

レイ「なんなんだこの国は。国のツートップの貴族令嬢がどちらも特殊性癖もち?将来が心配だ。後何様だ」

マルヤクデ「俺は木を燃やして木炭作ってくれって頼まれたから木をくるんで寝てた」

レイ「相変わらずの引きこもり体質だな」

めぐみん「レイ、アルダープのパレスには潜入するんですか?行くなら早く行きましょうよ!」

モルガナ「その前に小遣い稼ぎだ。ギルドに行こうぜ、クリスとダクネスも先行ったし」

そんな日常が帰ってきたが、前と後では決定的な違いがある。

ミュウツーを保護する。その任務を絶対に達成しなくては。

ケツイが、強まった。

 

 

 

 

 

[視点⁇⁇⁇]

⁇⁇⁇「行け、セト。破壊するのだ、跡形もなくな」

目の前の破壊神に命じる。

魔王軍準幹部となった私は、その知識を活かし様々な新兵器を作ってきた。

⁇⁇⁇「フフフ・・・キミって最高だよ!ボクたちがやる事は分かってるね?このくだらない世界を・・・」

隣にいる金色の花が囁く。

⁇⁇⁇&金色の花「「全て破壊してしまえばいい」」

《続く》



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長い幕間もこれで終わり

めぐみん「ポケモンといえばバトルなのでしょう!相手して下さいよ!」

レイ「審判ならいいけど、対戦相手としてはお断りだ」

ダクネス「いいぞ。モルガナから聞いたところ、ココガラは進化したら鋼の翼を持つのだろう?」

レイ「そうだよ。分かった、庭でやろうぜ」

と、いう事でバトルする事に。

レイ「これよりめぐみんとダクネスのポケモンバトルを執り行う!使用ポケモンはそれぞれ一体ずつ、どちらかのポケモンが戦闘不能となった時点で試合終了とする!では、バトル開始!」

めぐみん「イーブイ、電光石火です!」

イーブイ「イッブーイ!」

ダクネス「ココガラ、飛んで躱せ!」

ココガラ「ピー!」

ダクネス「突く!」

突くは飛行タイプの技なので、イーブイには等倍でいいダメージが入る。

イーブイ「イブ⁈」

めぐみん「まだまだ!スピードスター!」

イーブイ「ブイ!イーブッ!」

尻尾から星形の弾が大量に放たれる。

ココガラ「ピィッ・・・」

ダクネス「大丈夫か?行けるなら突くだ!」

ココガラ「ピヨッ!」

めぐみん「イーブイ!」

イーブイ「イブ・・・」

レイ「イーブイ戦闘不能!ココガラの勝ち!これ以上イーブイを戦わせるな、無理は禁物だ」

めぐみん「はい。ダクネス、今回は負けましたが次は負けませんよ!」

ダクネス「こっちのセリフだ!連勝記録をのばしてくれる!」

レイ「・・・ノリノリだな」

 

その後、しばらくめぐみん達のバトルを見守る日が続いたある日。

ココガラ「カァー!」

ダクネス「おい、今ココガラが聞いたことない鳴き声をあげたのは気のせいだろうか」

モルガナ「進化するみたいだな。レイ、進化形の解説を」

レイ「僕はポケモン図鑑じゃない。アオガラス、カラスポケモン、飛行タイプ。足で小石を掴んで投げたりロープを敵に巻きつけるなど道具をあうかう知恵を持つ」

クリス「サッチムシも進化しそうだよ!・・・殻の中に籠ったんだけど」

レイ「レドームシ、レドームポケモン、虫、エスパーの複合タイプ。殻の中で成長中。サイコパワーで外の様子を伺い進化に備えている」

レドームシ「レドー」

めぐみん「イーブイは何時ごろ進化するのでしょうか」

レイ「イーブイは進化石や仲良くなる事で進化する。つぶらな瞳覚えているし、そろそろ進化するんじゃないか?」

めぐみん「ならレイのポケモンと戦いたいです」

レイ「えっ?」

めぐみん「レイのポケモンと戦えば絆が深まる気がします」

レイ「分かった。ちょうどアルセウス様から昨日支給された僕が保護したポケモンがいるし、そいつと戦わせてみるか」

めぐみん「お願いします!」

レイ「よし、行け!アブソル!」

アブソル「了解だ!」

因みにドダイトスが帰った。ラプラスと一緒に居たくないんだと。ドダイトスがつけていた翻訳機をつけている。

めぐみん「イーブイ、行きましょう!」

イーブイ「オッケー!」

レイ「あ、昨日渡した翻訳機つけたのか」

ダクネス「付け方がわからない」

ドラミドロ「教えてやる。来い」

レイ「アブソル、剣の舞!」

アブソル「いざ、参る!」

めぐみん「イーブイ、ハイパーボイス!」

イーブイ「そりゃ!」

アブソル「痛た。どうする?」

レイ「アイアンテールだ。やれ!」

アブソル「よし!」

イーブイ「うわあっ⁈」

めぐみん「大丈夫ですか⁈」

イーブイ「まだだ・・・まだいけるよ!」

めぐみん「よろよろじゃないですか!無理しないで・・・⁈」

イーブイの体が輝き、姿が変化する。

ニンフィア「さあ、続きよ!」

アブソル「終わったかもしれないね」

レイ「い、一応最後までやろう。燕返し!」

めぐみん「ハイパーボイス!」

ニンフィア「『ムーンフォース』!」

アブソル&ニンフィア「「(X_X)」」

めぐみん「・・・何故ニンフィアはハイパーボイスしなかったのでしょう?」

レイ「新しくムーンフォースを覚えたんだよ」

 

クリス「やっとつけ終わったよ」

ダクネス「すまない、随分と手間取ってしまった」

レドームシ「ジカンカカッタ」

アオガラス「ぶっちゃけ超疲れたらしい」

レイ「そういやモルガナどこ行った?今朝はいたが」

モルガナ「ワガハイならここだ。今帰ったぞ」

めぐみん「どこに行っていたのですか?ってかドラミドロとデンリュウも一緒にいるではないですか」

ドラミドロ「ギルドから呼び出しの手紙受けたの忘れたのか?」

レイ「そんなのあったか?」

デンリュウ「気づかなかったのか。アタシたちが代わりにギルドへ行って、シルビアの討伐報酬、三億エリス貰ってきたよ」

マルヤクデ「悪いな、わざわざ行ってもらって」

モルガナ「構わんぞ。それより気になる情報を入手したんだが」

ギルガルド「ジョウホウトハ?」

モルガナ「クーロンズヒュドラという湖に棲む八つ首竜が目覚めたらしい。懸賞金は10億だってよ」

ニンフィア「行ってみようよ!ドラゴンなんてイチコロよ!」

めぐみん「もう起きましたか。なぜそんなに自信があるのですか?私は反対しませんが」

レイ「ニンフィア、結びつきポケモン、フェアリータイプ。1匹のニンフィアが凶暴なドラゴンポケモンに立ち向かう童話が存在する」

ドラミドロ「ニンフィアは種族上ドラゴンに強いからな」

アオガラス「いいな。だがどうやって起こすんだ?湖の中で眠ってるんだろ?」

レイ「任せろ。海洋神カイオーガの力なら叩き起こせるだろ」

ラプラス「私も協力するわ。出会い頭にフリーズドライ撃ち込んでやろうかしら」

レドームシ「リフレクターデサポートデキル」

ダクネス「クーロンズヒュドラは強敵だ。だがその一撃も、ダスティネス家の誇りにかけて耐え抜いて見せよう!」

クリス「ハアハアしてたらかっこよくないよ?」

デンリュウ「決まりだね!行こうか!」

モルガナ「ギルドにみんなで討伐しようぜと依頼も出しといた。今頃ギルドに勇敢な奴が集まってるはずさ」

マルヤクデ「まだアブソル寝てるがどうする?」

アブソル「起きてるよ」

 

ギルドにて。

ダスト「おいお前ら、クーロンズヒュドラ討伐すんだって⁈俺たちも参加するからよ、報酬上乗せしてくんね?」

レイ「いや元の報酬が10億だぞ?上乗せする必要ないだろ」

ダスト「そこを何とか!」

レイ「・・・仕方ない、ギルドで一番高い酒奢るからよ」

ダスト「よっしゃサンキュー!張り切っていくぜ!」

素行の悪いこのチンピラだが、腕は立つと聞いた。他にも盗賊職や、ゆんゆんなど多数の魔法使い、挙げ句の果てにはミツルギとアクアまで来てくれた。

ミツルギ「本来ヒュドラを鎮めにかかる騎士団は今は砦の修復に出向いている。だから僕達が止めるしかない」

アクア「いやあああーっ!いやああああーっ!」

レイ「なるほど。つーかアクアがいるんなら、湖浄化して起こせばいいな」

ミツルギ「そうだけど、やってくれるかなあ・・・」

レイ「この有様だしなあ」

アクア「ヒュドラなんていやああああああ!」

ピーピー騒ぐアクアを見て二人同時にため息をつく。

ダクネス「よし、クーロンズヒュドラ討伐に協力してくれる冒険者達は集まってくれ!今から湖へ向かう!」

数えた結果、集まったのは僕達も含め50人。

ダクネス「それではこれより作戦を発表する!・・・レイ頼む!」

レイ「僕任せかよ!急に振られても分かんないって!」

ダクネス「そ、それは持ち前の知力で・・・なあ?」

レイ「チッ・・・分かったよ・・・。よし、ひとつ思いついた。ありきたりだが、前衛職はダクネスを先頭に前に並んでくれ。特に騎士やクルセイダーは前だ。そして魔法使い職は後ろで最大火力の準備。まずは僕とアクアがヒュドラを叩き起こす。盗賊とアーチャーでヒュドラの首を束ねてロープを繋ぎ、そのロープはミツルギとダクネスを除いた全ての前衛職で引っ張って脱走を阻止する。そしたら手の空いてる奴全員で攻撃だ。ダクネスは囮。首を絞めるのはリスクが高すぎるからやらないからな、質問は?」

アクア「私はヒュドラ起こしたら帰っていいですか?」

レイ「支援魔法もかけろバカ。後お前魔法の力は強いし、誰かが傷ついたらヒールかけてあげてくれ」

ゆんゆん「あの、クーロンズヒュドラは首を魔力で再生するって聞いたんだけど・・・」

レイ「持久戦にもつれ込んだらこっちが不利だ。無理だと判断したら日を改めよう。他には?」

めぐみん「ポケモン達はどうするのですか?」

レイ「マルヤクデとアブソル、アオガラスは前衛職と同じだ。ギルガルド、お前はダクネスと同じく囮を頼む。デンリュウとニンフィア、ドラミドロは魔法使いより積極的に攻撃してくれ。ドラミドロ、流星群は撃つなよ?ラプラスはヒュドラが上がってきたら水面に移動してフリーズドライや絶対零度で背後から攻撃しろ。レドームシはリフレクターでサポートな。いいか?」

誰も手を挙げない。

ダクネス「よし、なら行こうか!」

 

湖にて。

レイ「よし、今からヒュドラを起こすからな。準備はいいか?」

モルガナ「問題ない!支援魔法もかけ終わったぞ!」

ダクネス「なら、作戦開始!」

レイ「来い、カイオーガ!」

カイオーガを呼び出し、ボートを漕ぎ出す。因みにアクアは既に湖の中心へ行き、バシャバシャと水遊びしている・・・本当にあれ浄化作業か?

レイ「どうだアクア。反応はあるか?」

アクア「今のところは弱い反応しかないわね」

レイ「分かった。『根源の波動』!」

アクア「うわーっ!範囲広すぎるんですけどー!」

アクアを巻き込んだ根源の波動は、湖の底へ。

ダスト「おい!影がお前らの下に!逃げろ!」

チンピラの助言が無ければ僕達2人とも喰われていただろう。アクアを引っ張って慌てて岸に引き返した僕達は、その巨体を目の当たりにした。

クリス「えっちょっと待って⁈聞いてた話の数倍デカいよこれ!」

レイ「と、取り敢えずやる事は変わらないってこっちに来るなあああ!ダクネース!レドームシー!早くしてくれええええ!」

アクア「いやああーっ!」

ダクネス「わ、分かった!『デコイ』!」

ギルガルド「『キングシールド』」

レドームシ「『リフレクター』」

効果はてきめん。まっすぐこちらに向かっていたヒュドラはすぐにダクネスの方へ全ての首を向け、移動し始めた。

盗賊達『バインド!』

アーチャー達『狙撃!』

ワイヤーが首を中間より少し上あたりで捕らえ、そこに先がフックになった矢が引っかかる。

首を拘束され湖に逃げ込もうとするヒュドラだが、ロープを引っ張る冒険者達に足止めされていたその時。

ラプラス「『フリーズドライ』!」

背後からの奇襲にヒュドラはよろめき、完全に陸地に上げられた。

レイ「突っ込めー!」

ドラミドロ「『ヘドロ爆弾』!」

ニンフィア「『ムーンフォース』!」

デンリュウ「『電磁砲』!」

アブソル「『不意打ち』!」

マルヤクデ「『吸血』!」

アオガラス「『ついばむ』!」

ミツルギやモルガナ、手の空いた前衛職が突っ込み、首が幾つか切り落とされた。が、ゆんゆんの言う通りすぐに再生を開始している。

レイ「めぐみん!爆裂の詠唱は終わってるんだろ⁈ワンショットキルを再生中の所に撃ち込んでくれ!」

めぐみん「了解です!セトの力、思い知れ!『ワンショットキル』!」

撃ち込まれた銃弾は再生中の首に当たって、再生が止まった。

モルガナ「再生中に攻撃されると再生不可になるのか!ワガハイ達が首を切り落とすから、魔法使い達はそこに魔法撃ってくれ!『剣の舞』!」

ポケモンの剣の舞の攻撃を2段階上昇させる効果とは違い、ペルソナシリーズにおける剣の舞は強力な物理攻撃。

ミツルギ「新発見だな!ふんぬっ!」

レイ「『断崖の剣城』!」

そんなこんなで、すべての首を再生不可にした。

めぐみん「トドメです!『エクスプロージョン』ッッッッ‼︎‼︎」

めぐみんが体に爆裂魔法を撃ち込み、ヒュドラは爆発四散した。

 

 

翌日の冒険者ギルド。

モルガナ「みんな、昨日は協力感謝だ!今日は飲もうぜ!」

冒険者達『うおおおおお!』

賞金を山分けし、宴会することになった。

クリス「ほら、ダクネス飲んで!めぐみんも!」

ダクネス「こら、めぐみんに酒を注ぐな!というか、あそこにいるアクアもそうだが、女神というのは宴会が好きなのか?」

めぐみん「あ、ダクネス返してください!今日ぐらいは飲んでもいいじゃないですか!私はもう14歳、結婚だってできますよ!」

ダクネスに取られた酒をめぐみんが取り返そうと格闘している横で。

アクア「今日はとっておきの芸を披露しちゃおうかしら!はい、『花鳥風月』!」

ミツルギ「素晴らしい!素晴らしいですよ女神様!」

モルガナ「ど、どういう仕組みだ?頭に乗せた水入りコップに種入れただけで発芽したぞ?」

・・・あの芸の仕組みは考えたら負けだと思う。

そして僕の隣には。

ダスト「ップハー!うめえー!他人の金で飲む酒は最高だぜ!」

レイ「清々しくなるレベルのクズっぷりだな」

約束通り、ギルドにあった最高級の酒を飲んで喜ぶダストがいた。

レイ「そういや、お前のパーティーメンバーはどうした?てっきり連れてきて、僕に奢らせるつもりだと思ったが」

ダスト「んなことしねーよ、お前の中でどれだけクズなんだよ俺は。リーンはゆんゆんと飲んでて、テイラーとキースはアクアの姉ちゃんの芸についての考察をお前んとこの猫もどきと一緒にやってるよ。俺は考えるの嫌いだからパスだけどな」

レイ「そうか。にしても、これから大仕事かぁ・・・だるいなあ」

ダスト「大仕事?2000万エリス貰ったし、何するってんだ?」

レイ「なんでもない。あ、お姉さん、秋刀魚の蒲焼き定食一つ頼む」

アルダープのパレスに乗り込むなんて言えず、近くにいた職員に注文して誤魔化す。因みにこの世界のサンマより、カマスジョーの方が圧倒的にうまい。

ダスト「・・・何か俺に手伝えることがあったら言えよ?」

意外と鋭いなコイツ。

レイ「頭の片隅に留めておくよ」

ダスト「やるとは言ってないが」

レイ「お前、そういうとこだぞ」

 

その夜のギルド。

まだみんな騒いでいるが、僕達は引き上げるために集合した。

めぐみん「zzz・・・」

レイ「またこいつ酔いつぶれて寝てるよ。ダクネスに止められ・・・これじゃ無理か」

ダクネス「ダスティネス家は屈しない・・・どんな責めでも耐え切って見せ・・・」

クリス「終わらない・・・先輩に押し付けられた仕事が終わらないよぉ・・・」

同じく酔い潰れて寝てしまった2人の目を盗んで飲んでたのか。

モルガナ「丁度いい、めぐみん起こして帰ってレイの部屋に行こうぜ。アルダープのパレスについて話すことがある」

《続く》




突然ですが、このシリーズは一時的に更新をお休みさせていただきます。
誠に申し訳ございません。


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兄殺しの破壊神

手頃なクエストを受けようとギルドにやってきたのだが。

職員「号外!号外です!最前線の砦が壊滅的被害を受けました!」

冒険者「うわあ、もうダメだー!」

ギルド内はまさにパニック状態だった。

訳が分からないので取り敢えず号外を受け取ると。

『〜正体不明の黒竜により、最前線の砦壊滅〜

先程、最前線の砦付近に突如として黒竜が現れ、砦を攻撃。王城ほどの大きさを誇る砦の4分の1がその黒竜が放ったと思われる魔法で破壊。国王陛下やジャティス王子、魔剣の勇者ミツルギなどの重要人物は既に避難したが、黒竜に攻撃が効いている様子はなく、砦が破壊されるのも時間の問題だと思われる』

そしてその黒竜の写真もついていた。

モルガナ「あれ?セトじゃないか」

レイ「セトってあれか?呪怨ペルソナの一種で、兄殺しの破壊神とか言われてるやつか?」

モルガナ「それだ。火炎無効、疾風吸収、呪怨耐性、祝福弱点の奴。そりゃ無理な訳だ、アイツめちゃくちゃ強いからな。ワンショットキルやマハエイガオンなんて直撃したら即死だ即死」

めぐみん「そんな大物が・・・!」

モルガナ「そしてコイツにめぐみんのペルソナは進化しそうなんだが、なんか反応が変だと思ったらそういうことか」

レイ「どういう事だ?」

モルガナ「多分だけど、進化するためにはアイツのエネルギーを吸収しないといけない。それには心を通わせるしかないんだ」

めぐみん「つまり、あのドラゴンと友達になれと」

レイ「無理だろ」

モルガナ「ダウンさせて話し合えばいけるだろ」

レイ「僕達誰も祝福魔法使えないじゃん」

モルガナ「ワガハイ、実はコウガオン使えるぞ」

めぐみん「なら行きましょう!今すぐに行きましょう!我が力を覚醒させるのです!」

レイ「そうだな。あっゆんゆんじゃないか!ちょうどいいところに!」

ゆんゆん「ど、どうしました・・・?」

モルガナ「カクカクしかじかで・・・」

ゆんゆん「分かりました、全力でお手伝いします!」

めぐみん「分かっていますね、殺してはいけませんよ!」

レイ「後はクリスとダクネスだが・・・いたいた」

クリス「なんなのあのドラゴン!めっちゃ怖いんだけど!」

ダクネス「さあみんな、ドラゴン狩りに行くぞ!」

めぐみん「いえ、殺しませんよ?カクカクしかじかでして」

ダクネス「な、なるほど・・・というかめぐみんの管理不足では・・・」

モルガナ「いや、あれはシャドウ化している。後現時点ではアイツはめぐみんと接点がない。話し合って、本来の自分を思い出させるんだよ」

レイ「多分ミュウツーの仕業だ。ミュウツーは認知世界の知識もある。あのビーコンを作成したのもミュウツーだろうな」

ドラミドロ「そうと決まれば早く行くぞ」

全員『よし!』

 

再度王都へテレポートし、そこからモルガナカーで向かうことに。

めぐみん「もうこの移動方法も慣れてきましたね」

ダクネス「うむ、相変わらずいい眺めだ」

レイ「お、宿がある。寄ってくか・・・ってあれ?エリマキじゃん」

ミツルギ「ミツルギだよ!僕のどこがエリマキなのさ!」

アクア「あら、貴方達!こんなところでどうしたの?」

ミツルギ「その車がものすごく気になるが、今はそれどころじゃない。謎の黒竜によって砦が壊されかけているんだ」

レイ「知ってるよ。というかその黒竜ってね・・・」

ミツルギ「なるほど、そうだったのか。なら僕達も行こう。助けになれることがあるかもしれないからね」

レイ「助かる。後部座席が空いてるからそこに座ってくれ。助手席はめぐみんが陣取ってる。というか国王陛下達は?」

ミツルギ「重症で今は王都に搬送された。女神様が回復魔法を使う暇がないぐらい攻撃が激しかったから、応急処置だけしたよ」

アクア「私はあのドラゴンと戦うの嫌なんですけど!絶対私が食われるじゃない!」

めぐみん「謝礼金が貰えるかもしれませんよ?」

アクア「やりましょう!ええ!ドラゴンごとき、私のゴッドブローで粉砕してあげるわ!」

何という掌返し。

レイ「・・・お前も大変だな」

ミツルギ「魔法は素晴らしいんだけどね(汗)」

ミツルギとアクアも乗せ砦に向かう。

アクア「ここがその砦だったんだけど・・・」

ミツルギ「酷いねこれは。僕達が逃げた時より酷い」

レイ「砦のとの字もないじゃないか」

モルガナ「セトもいないな。どこいった?」

⁇⁇⁇「『ワンショットキル』!」

全員『⁈』

背後から銃弾が飛んできて、地面を深く抉った。

その上空には・・・

セト「まだ生き残りがいたか。ここで始末してくれる!」

黒竜ことセトが、僕達に向かって突進してきた!

 

レイ「モルガナ、ビーコン起動しろ!めぐみんは僕と起動終わるまで待機!ミツルギとダクネス、ドダイトスとギルガルドは前線にでて、ゆんゆんとデンリュウとラプラスは遠くから攻撃!アイツは火炎と疾風がきかないからな!クリスはバインドかける隙を伺え!ドラミドロとマルヤクデは逃げ道を塞げ!」

全員『了解!』

ダクネス「こっちだ!『デコイ』!」

ギルガルド「『聖なる剣』」

ドダイトス「『ストーンエッジ』!」

ミツルギ「女神様に授かった魔剣グラムの一撃を喰らえ!」

ゆんゆん「『ライト・オブ・セイバー』!」

ラプラス「『うたかたのアリア』!」

デンリュウ「『電磁砲』!」

セト「数押しとは小癪な奴等め!『マハエイガオン』!」

クリス「『スキル・バインド』!」

マハエイガオンは強力な全体攻撃。クリスが止めていなければ全滅していたかもしれない。

セト「⁈無効化なんて厄介な事をする奴がいるのか・・・『マハラギダイン』!」

クリス「うわっ⁈こっち来た!」

標的をスキルを封じれるクリスに定めたようだが、アクアの支援魔法で速度が強化されているためなんとか逃げ切ってくれた。

モナ「ビーコン起動完了!行くぞ、『ランダマイザ』!」

ゼロ「よし、始めようか!『ヒートライザ』!」

イーグル「『コンセントレイト』!」

全員補助技から入り、準備する。

セト「消え去れ、『マハフレイラ』!」

核熱魔法をなんとか躱し、反撃にうつる。

モナ「『コウガオン』!」

ゼロ「『マハブフダイン』!」

イーグル「『メギドラオン』!」

マハブフダインは避けられたが、その隙にコウガオンとメギドラオンが当たった。

セト「『ワンショットキル』!」

ダクネス「『デコイ』!」

アクア「ちょっと大丈夫⁈『ヒール』!」

ワンショットキルを引き寄せたダクネスを遠くからアクアが回復する。

ミツルギ「はああっ!」

セト「ぐおっ⁈」

背後からミツルギが斬りかかりセトの背中に一太刀浴びせた。

ラプラス「『10万ボルト』!」

ドラミドロ「『ヘドロ爆弾』!」

マルヤクデ「『雷の牙』!」

デンリュウ「『パワージェム』!」

ギルガルド「『影討ち』」

ドダイトス「『ウッドハンマー』!」

怯んだところにポケモンの一斉攻撃が入る。

ゆんゆん「『ライト・オブ・セイバー』!」

モナ「『コウガオン』!」

流石に耐えきれず、セトはダウン。

ゼロ「・・・イーグル、出番だ」

イーグル「はい。・・・貴方は何故、砦を襲撃したのですか?」

セト「・・・主に命じられたからな」

イーグル「自分の意思ではないのですか?」

セト「そんな訳ないだろう。俺は誰かに仕えるものだ」

イーグル「そんなに強いのに、従う必要はありますか?貴方には反逆者の素質があります。なら、我と共に魔王を倒しましょう!」

セト「・・・面白い奴だな、お前。ああそうさ、俺はセト。兄殺しの破壊神だ。俺は自分が認めたやつにしか従わねえ!・・・貴様、名前は?」

イーグル「我が名はめぐみん!紅魔族のアークウィザードにして、爆裂魔法を操る者!」

セト「・・・分かった。名前はともかく、実力はありそうだからな。俺の力、貸してやる。ほら、頭の鱗に触れろ」

イーグル「おい、我が名に文句があるなら聞こうじゃないか!・・・まぁいいです」

セトの頭に手を乗せるイーグル。

セト「我は汝、汝は我・・・古の理により、破壊神の力を使うがよい!」

そうセトは叫ぶと、青い光の球となりイーグルの眼帯に取り込まれた。

モナ「・・・どっちかというとワイルドに近かったのか」

ゼロ「もう終わったし、ビーコン停止させとけ」

ゆんゆん「ちょっとめぐみん!あなた紅魔族の中でも珍しい嘘をつくと目が青くなる人にも関わらず、これ以上差をつける気⁈」

イーグル「えっ⁈私の目って嘘つくと青くなるんですか⁈」

クリス「にしても、砦が跡形もないね・・・これ魔王軍が攻めてくるんじゃない?」

アクア「なら外壁だけでも立て直しましょう!そしたら報酬が増えるかもしれないわ!」

ゼロ「がめついな。グラードン、ドダイトス、建材よろしく」

グラードン〔あいよ〕

ドダイトス「了解」

ギルガルド「オマエモヤルキジャナイカ」

ミツルギ「いいんじゃないか?これなら避難した人達がすぐに戦線復帰できそうだ」

ダクネス「力仕事は不本意だが得意だぞ」

イーグル「セト、自分が破壊したのですから手伝ってください」

セト〔まさか破壊神が修復作業をするとは思わなかったが、分かった〕

全員の協力でなんとか外壁は建て直し、帰還することに。

モルガナカー「いやー疲れた。早く帰って寝るか」

めぐみん「先程セトに聞いたのですが、主はやはりミュウツーの事でしたよ」

レイ「やっぱり?」

めぐみん「後、ミュウツーは魔王軍準幹部にして作戦参謀だそうです」

レイ「・・・まずいな、アイツめちゃくちゃ賢いから」

ダクネス「だとしたら、その作戦で目をつけられ・・・!いつか魔王軍の手先が私を狙ってやってくるかもしれない!私は力及ばずさらわれてそれはもう凄いことに・・・!んくぅっ・・・!」

レイ「運転してて突っ込めないから誰か突っ込んでくれ」

ゆんゆん「それにしても、レイさんの状況判断力と指揮の効率の良さには感心しました」

レイ「昔から器用さと知力と機転に関しては自信があるからな」

クリス「倒された幹部は、ベルディア、バニル、ハンス、シルビア。後4人で、アクアさんの魔法があれば後2人程度倒せばいいってウィズが言ってたから・・・」

ゆんゆん「他の幹部の情報、今度ウィズさんに聞きに行きますか?」

ミツルギ「いや、こちらから仕掛けるのは部が悪い。向こうが仕掛けてくるまで待機がいいんじゃないかな」

アクア「いや、あのアンデッド店主を浄化すれば後1人痛いっ⁈」

めぐみん「ダメですよ、そんなことしたら私たち全員バニルに殺されます」

アクア「悪魔の呪いが女神に効く訳ないでしょ!」

レイ「僕達の問題だよ!ミツルギ、アクアを見張っててくれよ?」

ミツルギ「そ、そのつもりだ」

ダクネス「王都が見えてきたな。・・・ん?あそこにアイリス様がいるのは気のせいか?」

モルガナカー「気のせいじゃないな。国王陛下らしい人もいる」

ミツルギ「ジャティス王子もいるね。怪我は治ったみたいだ、よかったよかった」

 

到着して車を降りると・・・

ベルセルグ国王「君達が本当にあのドラゴンを倒したのか?本当なのか?」

ダクネス「厳密に言えば倒していませんが、我々がもう敵対しないようにしておきました」

アイリス「素晴らしいです!どのような戦いだったのですか?」

めぐみん「一言で言うと数押ししました」

クリス「流石に13対1はやりすぎましたかね」

モルガナ「そんなことないぞ。セトははっきり言ってトップクラスの実力を持つペルソナだ」

レイ「・・・ジャティス王子、先程からジッと見てどうされましたか?」

ジャティス「なっ⁈別にジロジロと見てはいない!」

レイ「そこまでは申しておりません」

ジャティス「まあいい、アイリスは君の事を兄代わりとして慕っていたそうだね」

アイリス「お兄様、アレは私が言い出した事なので・・・」

ジャティス「そんなことはどうでもいい!レイ!俺と決闘だ!勝った方がアイリスの兄になるという条件でな!」

ちょっと何言ってるか分からない。

レイ「いや僕はアイリス様の兄になりたいというわけではないのですが」

ジャティス「強制だ」

レイ「はあ・・・分かりました。しかし僕が勝ってもアイリス様の実の兄になる気はありませんよ?」

ジャティス「それは勝つと言っているのかね?俺は王族だ。王族は強いものが多いぞ!」

こいつめんどくせえ!

レイ「分かっていますよ。以前アイリス様と手合わせした時に嫌というほど」

ジャティス「なら全力でかかってこい!それか尻尾を巻いて逃げ出すか?」

レイ「逃げてもいいのですか?」

ジャティス「ダメだ」

レイ「ですよね(・ω・)」

国王「おいジャティス、落ち着きたまえ・・・別に無理に戦う必要は」

アイリス「お父様、ここは見守りましょう。面白いものが見れる気がしますし、レイ様は強いですから」

国王「そ、そうか?アイリスがそういうなら・・・あ、ミツルギ殿。貴方は今夜のパーティーに参加して行きなさい。他の方々もだ」

ミツルギ「光栄です国王陛下」

ミツルギの言葉に合わせ全員でひざまずく。

 

王城、闘技場。

以前と同じ加工をして、モナがビーコンを起動し、観客も大量に入っている中、僕と王子が対峙する。

ジャティス「さあ、貴様の全力を見せてみろ!」

レイ「・・・本当にいいのですか?後悔しませんか?」

ジャティス「する訳ないだろう、俺をなんだと思っている!」

仕方ない、これは使いたくなかったが・・・

レイ「分かりました・・・なら、さっさと始めようぜ」

モルガナ「あ、王子終わったな」

全員『?』

《続く》



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正体不明の力

[モルガナ視点]

あーあ、なんで王子はあそこまで全力全力言っちゃうかなあ。

レイ?「いくぜ?」

ガスターがレイ・・・いや、Sansの背後に出現し、ビームを連続で撃ち出す。

ジャティス「ひいっ⁈うおっ⁈」

・・・避けるだけで精一杯じゃねえかアイツ。

Sans「正直なところ、この力は使いたくなかった」

地面から骨・・・ではなくレーザーを発射し、それを移動させる。

ジャティス「『エクステリオン』!」

斬撃を連発してレーザーを消していくが、アレでは持たないだろう。

Sans「この力は使った側にも使われた側にも不利益をもたらす」

Sansが腕を振り上げると、ジャティスも浮き上がり天井に叩きつけられる。俗に言う、重力管理だ。

Sans「だがお前はそれを望んだ。ならこちらにもそれに応える義務がある」

めぐみん「いやちょっと待ってください、強すぎやしませんか?」

モルガナ「あれはレイの奥底に眠る力だ。引き出すのには代償が必要だし、使われた側はほぼ確定で終わる」

めぐみん「その、代償というのは・・・」

モルガナ「解除した瞬間、相手に与えた痛みを自分も受ける。殺した場合は・・・死ぬ」

周囲にいた人々『⁈』

モルガナ「アイツ自身、力の事はよく分からないらしい。ただ、何か自分にへばりついていて、それを利用するとああなるってよ」

Sans「まあ、こんなくだらないことに使うなんて嫌だ。今からでも本来の力に戻してもいい」

ジャティス「分かった!俺が悪かった!頼むから元の力で戦ってくれ!」

Sansの力が消え、レイとなる。

レイ「ケホっ・・・」

ダクネス「吐血したぞ!本当に大丈夫なのか⁈」

モルガナ「アイツは絶対に死なない。王子を殺してないからな」

クリス「とてもそうは思えないけど・・・」

大丈夫、アイツならな。そういえば、セトと戦った時に新たなスキル習得してたが・・・

 

 

[レイ視点]

レイ「なかなかキツいな。すぐに終わらせるか」

ジャティス「同感だ。『エクステリオン』!」

レイ「『漆黒の蛇』!」

斬撃を避けつつ唱える。

ジャティス「一体何をし・・・⁈」

地面が黒く染まっているのに気付いたようだ。

レイ「消えろ」

その一言に応じ、地面から巨大な蛇が現れ、ジャティスに噛み付いた・・・

 

数時間後の宴で。

ジャティス「・・・俺の負けだ。悔しいが、兄の座はお前に・・・」

レイ「最初に断ったはずです」

ジャティス「そうだが、こうでもしないと・・・」

レイ「アイリス様も、ジャティス王子が兄である事を望んでいるはずです」

アイリス「私にとってお兄様は、何があっても大切なお兄様ですからね」

そう言ってジャティスに笑いかけるアイリス。

国王「それにしても、その力があれば魔王軍を滅ぼせるのでは?」

モルガナ「ワガハイの話聞いてなかったのかよ。あの力で誰かを殺したら代償で死ぬぞ?吐血もそれが原因だ」

国王「そ、そうか・・・」

国王と王子は立ち去っていった。

レイ「にしても、漆黒の蛇以外と使い勝手いいな。気づかれずに攻撃できる」

めぐみん「でも、範囲はそんなに広くありませんでしたね」

アイリス「あの、せっかくですし皆さん泊まって行きませんか?」

レイ「いや、流石にそんなずうずうしいことは出来ないよ。今朝でてったばっかだし」

モルガナ「今度こそ、領主のパレスを攻略しないとな!」

アイリス「流石にそうですよね(苦笑)・・・パレスとはなんですか?」

レイ&モルガナ&めぐみん「「「あっ」」」

ボロが出ました。

隠しても仕方ないので、洗いざらい話す事に。

アイリス「義賊ですか・・・私は権力者故本来は忌むべき存在なのでしょうが、応援したくなります。というか、実はあの領主殿を監視する為にダスティネス家を派遣したのですよ」

レイ「イグニスさんはつくづく凄い人だと思うけど、いかんせん娘がねえ・・・」

因みにダクネスは昨日と同じく他の貴族に囲まれている。今回は僕達以外全員だ。何故彼らだけかというと、僕達が隠れているから。

めぐみん「まったく、質問攻めに合うのはもうこりごりです」

レイ「同感だ。なんで何回も説明しなくてはならんのだ」

アイリス「あの!」

モルガナ「どうした?」

アイリス「私もパレスに行ってみたいのですが・・・」

めぐみん「おすすめはしませんよ?あそこは本当に危険です。特定の攻撃が効かないシャドウだって存在しますから」

アイリス「やめときます(汗)」

モルガナ「それがいい。流石に王女様をこんな事に付き合わせるわけにはいかないからな」

レイ「バレたら100%僕達の首が飛ぶというのもある」

めぐみん「それでは、そろそろ帰りましょうか。バニルに報告しなければなりませんし」

レイ「あ、そういえば。ダクネスとアルダープの息子の見合いってなんでやらせたんだ?」

アイリス「え?・・・ああ、あれのことですか。私にも分かりません。催眠術にかけられたみたいな気分でした」

モルガナ「マクスウェルの力で辻褄を合わされたに違いないな」

めぐみん「ありがとうございます。おかげで攻略に一歩近づきました」

アイリスに別れを告げ、ダクネス達を呼びに行く。

レイ「にしても、アルダープの奴、随分と勝手な事をしているな」

モルガナ「それを止めるのもワガハイ達の仕事だ。気合入れて行こうぜ!」

めぐみん「我が新たな力で葬って差し上げましょう!」

レイ「クリス、帰るぞー」

クリス「分かった、それではさようなら!」

逃げるようにこっちに走ってきたクリス。コイツも質問攻めにあったのか。

モルガナ「ダクネスと話つけてきた。少し遅れるって」

めぐみん「ほら、帰りますよ!話せなかったからってメソメソしないでください!」

ゆんゆん「だって、だってぇ・・・」

レイ「あ、ミツルギ。僕達はこれで」

ミツルギ「そうか。それじゃ」

アクア「ばいばーい!」

 

その夜、自宅。

レイ「いやーにしても疲れた」

ダクネス「そうか。しばらくはすることもないだろう、ゆっくりしようではないか」

いやあるんですけどね!

めぐみん「そうですね、冬のドダイトスやめんどくさい病発症時のレイではありませんが、しばらくニートしたいです」

クリス「ならこの書類整理手伝ってよ!セトの騒ぎで犠牲者が出たからその整理が終わらないの!」

モルガナ「ちょむすけ、街の散歩に行こうぜ」

ちょむすけ「なうなーう♪」

レイ「気を付けろよー」

めぐみん「明日までには帰ってきてくださいねー」

モルガナとちょむすけを見送っていると。

ダクネス「・・・なんか、子供が遊びに行くのを見送る夫婦みたいだな」

爆弾が投下されました。

レイ「ちょっと何言ってるかわからない」

めぐみん「いいいいや、ここここれはちょむすけの飼い主としてと、当然のことであるからして!」

クリス「漫画みたいな動揺の仕方だね」

ダクネスが漫画とは何かと首を傾げる中、赤い顔でオタオタするめぐみん。

レイ「・・・僕は寝るわ。夜更かしすんなよ、今夜はみんなしそうだし」

ダクネス「いや、何故だ?」

レイ「クリスは書類で徹夜しそうだし、めぐみんは悶々としそうだし、ダクネスはいつもだろ」

クリス「確かに、気をつけるよ」

めぐみん「悶々とってなんですか!私はダクネスの様な変態ではありませんよ!」

ダクネス「・・・そ、そうだな・・・」

レイ「じゃ、おやすみー」

 

部屋に戻って寝る。

どれぐらい時が流れただろうか。

⁇「時空の流れが乱れている」

聞き覚えのない声が聞こえる。

⁇「この世界に、セーブロードが使える奴がいるということだ」

レイ「誰だ?どこにいるんだ!」

目を開けようとしても、目蓋がピタリとくっついて開かない。

⁇「それはお前の使命と大きく関わってくる」

レイ「姿をあらわせ!」

⁇「アルセウス様の命により、お前にこれを渡しておく」

それと同時に、右手に何かが乗せられた。

レイ「誰なんだよ!アルセウス様と何の関係があるんだ⁈」

⁇「それがお前が使命を全うする手助けになる事を願う。仲間に渡せ」

レイ「おい!誰だよ!おい!」

急に目蓋が開くと、そこは自室。ベッドに座っていることから、これは夢だったと分かった。

レイ「何だ夢ー」

ふと右手に目をやると、そこにはポケモンのタマゴが3個。

レイ「・・・うわああああああああああああああ‼︎‼︎」

僕は本能的に絶叫していた。

めぐみん「どうしました何があったのですか⁈夜中に叫ばないで下さい!」

一番部屋の近いめぐみんがすぐさま駆け込んできた。

レイ「夢が・・・タマゴが渡されて・・・アルセウス様が送ってきて・・・」

めぐみん「ちょっと何言ってるかわからないです」

自分でも分からないよ。

クリス「いきなり絶叫しないでよ。いい夢見てたのにって何それ?」

レイ「自分でもおかしな話だと思うけど、夢でもらったポケモンのタマゴ」

ダクネス「にわかに信じがたい話だが、それをどうしろと?夢で何か言っていたか?」

レイ「仲間に渡せって見えない何かが。3個あることから、一人ひとつじゃないか?」

めぐみん「ってことは、使い魔が2匹に・・・!」

クリス「いいの?私としては歓迎するけど」

ダクネス「くれるというなら、遠慮なくもらっておこう」

レイ「ともかく悪いな、夜中に起こしてしまって」

めぐみん「構いません。取り敢えず、夢とタマゴの話は日が昇ってからにしましょうか」

クリス「私は起きてたから気にしてないよ」

ダクネス「同様だ」

レイ「そっかっておい。痴女ネスはともかく、クリスは徹夜すんなって言っただろ」

クリス「それが、もうちょっと、もうちょっとってやってたらいつの間にか・・・」

ダクネス「痴女ネスと呼ばれてなぜか嬉しい私はもうダメだろうか」

めぐみん「ダメです」

 

翌朝の居間。

レイ「・・・で、そのタマゴはアルセウス様の支給品だってよ」

めぐみん「・・・もう一度聞きますが、夢の声に覚えはないのですね?」

レイ「ない。どことなくアルセウス様に似ていたが、なんか違った。軽々しくない」

クリス「確かに、アルセウス様って気楽な方だからね」

ダクネス「そんなのが創造神でいいのか?」

レイ「・・・なんだろう、この光景、凄くシュール」

そりゃそうだ。3人が真顔でタマゴを抱いているのだから。

モルガナ「確かにな。何というか・・・分からん」

めぐみん「取り敢えず、私達はしばらくってえっ⁈」

めぐみんが僕の頭上を見て絶句する。

レイ「どうしたって痛っ⁈」

頭に何かが当たり、痛みでうずくまる。

クリス「これは・・・モンスターボール?しかも3個」

ダクネス「私達用ではないか?このタマゴが帰ったらこれで捕まえろと」

めぐみん「その可能性が高いですね。つまりこれは天界に繋がっている?」

クリス「そうなるね」

めぐみん「さっき言いかけた事ですが、私達はしばらく引き籠りますね。レイとモルガナは家事よろしくお願いします」

レイ&モルガナ「「なめんな」」

 

3人がニート化してポケモン達にも手伝ってもらいなんとか家事を回す事一週間。

めぐみん「レイ!私達のタマゴが孵りそうですよ!」

レイ「分かったすぐ行く!」

クリス「あ、来たね。ほら、ヒビが入ってる」

見ると三つともヒビが入り、揺れている。

そしてまずは。

ダクネス「孵った!孵ったぞ!・・・レイ、コレは何というポケモンだ?」

レイ「小鳥ポケモンのココガラ、飛行タイプ。どんな強敵にも挑みかかる勇敢な性質。返り討ちに遭いながらも鍛えられていく」

ココガラ「ピヨっ」

ダクネス「小さいのに勇敢だとは・・・おや?私にすりよってきたが」

レイ「多分ダクネスを親だと思ってるな」

めぐみん「私のも孵りました!カワイイ・・・!」

レイ「進化ポケモンのイーブイ、ノーマルタイプ。遺伝子が非常に不安定で、8種類の姿に進化する可能性がある」

イーブイ「イブイ!」

レイ「尻尾が花模様だ。ってことはメスだな」

クリス「私のも孵ったよ。メガネかなこれ?」

レイ「幼虫ポケモンのサッチムシ、虫タイプ。畑でよく見かけるポケモン。体に生えた毛で周りで起きている事を感じとる」

サッチムシ「サッチ」

クリス「今は頼りないけど、進化したら強くなるよね?」

レイ「当然」

新たな生命の誕生を見ながら思う。

これから忙しくなりそうだ。

《続く》



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