異世界生活もさじ加減 (黒癒愛)
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〜ほんとにやこれでやって行けるのか?〜

オリジナルの作品になります。
尚、処女作の為駄文の可能性アリ。
お目目汚しにならぬよう頑張ります


プロローグ

 

ー20××年ー

 

その時は突如やってきた。

 

これはごく平凡な主人公

 

秋月 蓮の物語である。

 

 

 

彼は秋月 蓮

 

聖天神学園の2年。

 

何かに特筆すべき事は無い

 

ごくごく、平凡な学生だった。

 

そう、その時までは…

 

 

 

終業を告げるチャイムが鳴る

 

蓮は早々に身支度を整え始めた

 

 

 

「さて、とっとと帰るっきゃないな。」

 

 

 

そう一言呟いてたいして中身の入ってない

 

スクールバッグを肩にかけ教室を後にした。

 

 

 

いつもの街並み、通学路、軒並み並ぶ民家

 

どれをとっても普段と変わらない景色

 

 

 

「そう言えば」

 

 

 

ふと思い出したようにスマホを取り出した

 

カレンダーのアプリを開き

 

 

 

「あ、給料日か今日。お金おろして帰らなきゃ」

 

 

 

踵を返し今来た道を少し戻り河川敷にでる。

 

銀行に向かう為、いつもとは違う道を通る

 

 

 

「こっちの河川敷からの方が近いかな」

 

 

 

そう呟いて河川敷を見下ろす。

 

子供達が楽しそうに野球をしているのを横目に

 

蓮は歩き出した。

 

少し歩いたところで橋に差し掛かった。

 

中ほどまで橋を渡ったところでそれは起きた

 

 

 

「ん?なんの音だろう…」

 

 

 

不意に響いてくる轟音

 

確実に近く音。

 

蓮は辺りを見渡した

 

それは天より降ってきた、

 

轟音と焔を纏った隕石と呼べる塊が

 

 

 

「な、なんだあれは?!」

 

 

 

そう呟いた瞬間隕石は橋と蓮諸共吹き飛ばした。

 

目覚め

 

(ここは…どこなんだ…)

 

(橋が爆発?した気がする。俺は死んだのか?)

 

 

 

蓮は覚えのない浮遊感の中

 

そう思っていた。

 

(あ、そう言えば、部屋のPCどうなったんだ…)

 

(あれの中を見られるのは恥ずかしいな…)

 

 

 

そんな事を思った。

 

そんなことを思っていた矢先だった。

 

 

 

「もし?大丈夫ですか?」

 

 

 

その問いかけに

 

迂闊にも答えてしまったのだ

 

 

 

「大丈夫?ではないと思うんだけどね」

 

 

 

目を開けたそこは飛行機から見える景色によく似た

 

穏やかで白い雲の絨毯の敷きつめられた場所だった

 

 

 

「ここは?」

 

 

 

「ここは天界とでも言いましょうか」

 

 

 

蓮はその答えに思考を巡らせた。

 

だが行き着く答えを持ち合わせてはいなかった

 

 

 

「て、天界?て事はやっぱり俺は死んだのか」

 

 

 

「申し訳ないですが、そういう事になります。あ、申し遅れました、私ファフリアと申します」

 

 

 

と、緑髪の天使は

 

スカートの端を持ち上げ

 

頭を下げた。

 

が、天使と言うには程遠い格好だと思った。

 

長く伸びた緑髪

 

風に揺らめく天の衣

 

ノンフレームのメガネを

 

かけ直すその手に握られたフリントロックが何とも歪に見えてならなかった。

 

 

「ファフリア?でいいのかな?君は」

 

 

 

「はい。私は天使ラファエルの加護を受けた天界人と言いますでしょうか」

 

 

 

と答える彼女

 

天使なのに物騒にも

 

フリントロックなのかと

 

安易なツッコミを自分に入れた。

 

転生

 

「てかなんで俺は死んだんだ?」

 

 

 

俺は当たり前の疑問をファフリアに投げかけた

 

 

 

「そ、それはですね…」

 

 

 

ファフリアは少し困った顔をした。

 

そして何かを言いかけた時また1人の天使が現れた。

 

 

 

「あーかったる、やってられない」

 

 

 

そう言いながら現れたのは紫の髪をなびかせて、

 

ファフリアとは感じの違う風格漂う天使だった。

 

 

 

「あ、メタトロン様」

 

 

 

彼女はそう呟いた。

 

 

 

「あら、あれがさっきのメテオラで死んでしまった方かしら?」

 

 

 

そう言って首をかしげた。

 

 

 

「はい。先程のメタトロン様とサンダルフォン様の姉弟喧嘩の末、メテオラを受けて亡くなられた、秋月蓮様です。」

 

 

 

と丁寧に説明。

 

ん?姉弟喧嘩?

 

 

 

「待ってくれ、俺は姉弟喧嘩の巻き添えで死んだのか?」

 

 

 

俺は何とも理解し難い理由に混乱した。

 

 

 

「そうよ。申し訳なかったわね。」

 

 

 

と、一言謝罪を受けたが

 

いまいちピンとこない。

 

 

 

「失礼します」

 

 

 

その声と共に、また1人の天使が現れた

 

 

 

「私は、キミエラ。加護天使はザドキエル。さすがにそんな死は申し訳ないからあなたは転生者として生き返らせるわ」

 

 

 

彼女はそう言った。

 

 

 

「転生者?どうゆう事だ?」

 

 

 

俺は素直に疑問をぶつけた。

 

 

 

「生き返らせるってことよ。元の世界は無理だけどね。」

 

 

 

とキミエラは言う。

 

 

 

「それって異世界転生って事?」

 

 

 

「まぁそうなるわね。」

 

 

 

異世界…確かに現世ではそうゆうのが好きでラノベを読み漁っていたが、まさか自分が異世界に送られるなんて思いもしなかった。

 

いざ、異世界へ

 

(異世界かぁどんな所なんだろう)

 

そんなことをふと思った。

 

 

 

「なぁ、ファフリア。異世界ってどんな所なんだ?」

 

 

 

ファフリアは少し考え込む仕草を見せてこう答えた。

 

 

 

「蓮様がいた世界とは少し違います。」

 

 

 

と、淡々と答えた。

 

そこへメタトロンがやってきた。

 

 

 

「魔法のある世界よ。あと存在種族がひとだけではないわよ」

 

 

 

「魔法?」

 

 

 

まさかそんなファンタジーな世界に転生させられるとは思いもしなかった。

 

 

 

「あと、人以外は何がいるんだ?」

 

 

 

恐れもあったが内心ワクワクもしていた。

 

 

 

「そうねぇ、亜人、魔族、魔物なんかもいるわね」

 

 

 

まんまファンタジーの世界そのものだった。

 

だが蓮の気持ちは最高に高まっていた。

 

 

 

「あら、その顔は楽しみって感じね」

 

 

 

メタトロンはそう言った。

 

確かに俺は楽しみであった。ライトノベルのような

 

ファンタジー世界に行けるなんて心躍るに決まってる。

 

 

 

「ですが、そのままではさすがに可哀想だな。」

 

 

 

その声はまた頭上から聞こえてきた。

 

 

 

「あら、ミリファじゃない。」

 

 

 

メタトロンは新たに現れた天使をそう呼んだ。

 

 

 

「お初にお目にかかるな。私はミカエルの加護を受けたミリファだ。」

 

 

 

「俺は蓮。秋月蓮」

 

 

 

お互い軽く自己紹介をした。

 

 

 

「で、このままでは可哀想って?」

 

 

 

「そうだな、素の能力を底上げしておこう。何かしら役にたつだろう。」

 

 

 

ミリファは俺の額に手をかざした

 

 

 

〜天に召します我らが加護よ、汝に力と知恵を授けよ〜

 

 

 

そう唱えると俺は白い光に包まれた

 

 

 

「ん?何か変わったのか?」

 

 

 

俺はイマイチ変化に気付かなかった

 

 

 

「あら、魔力に基礎身体能力が上がったわね」

 

 

 

メタトロンはそう言った。

 

 

 

「なに、魔法つかえんの?俺」

 

 

 

「使えるようになりましたよ。あとは転生先で学ぶことで使えるようになります。」

 

 

 

ファフリアは丁寧に教えてくれた。

 

 

 

「では、新たな人生楽しんでくれ。私のせいで死んでしまったのだが、次の世界では楽しく生きて欲しい。何かあれば手助けはしよう」

 

 

 

メタトロンはそう答えた

 

そして

 

 

 

〜汝、理に背き叡智を超え新たなる世界への道を示せメタトロンの名を持ってこれをつかわせ〜

 

 

 

そう唱えると俺はまた白い錬成陣の光に包まれた。

 

召喚

 

「んんっ…」

 

 

 

眩しい日差しに照らされて目を覚ます

 

 

 

「起きたかにゃあ?無事だといいんだがにゃあ」

 

 

 

と、どこからともなく声がする

 

蓮は周りを見渡した

 

だが誰もいない

 

 

 

「あはは。ごめんにゃ。これは直接キミ自身に話しかけてるにゃあ。あ、にゃあの名前はカルテア。カマエルの加護を受けてるにゃあ」

 

 

 

あぁ、そう言うことかと心の中で納得した

 

 

 

「で、そのカルテアさんの用事は?」

 

 

 

「あぁ、キミが無事に着いたか気になっただけにゃあ。あんまり気にしなくていいにゃあ。」

 

 

 

そんな事言われても、頭の中でにゃあにゃあ言われて気にならないわけも無い。

 

 

 

「あ、そうにゃメタトロンから伝言があったにゃあ。転生させる時に色々持たせたわ。使ってちょうだい。らしいにゃあ」

 

 

 

確かに目覚めた時自分の横に少し大きめのカバンが一緒にあったけどそう言うことかと蓮は納得した。

 

 

 

「あとにゃあからはその世界の地図を頭の中に直接刷り込ましてあるにゃあ。活用してくれにゃ。それじゃにゃあにも仕事があるから失礼するにゃあ。」

 

 

 

「あ、最後にこの会話?みたいなのってこっちからもできるのか?」

 

 

 

不意に出た疑問をカルテアに問う。

 

 

 

「もちろんできるにゃあ。お話したい天使を思い浮かべて心で念じればいいにゃあ。んじゃ頑張るのにゃあ」

 

 

 

そう言い残してカルテアの声は消えた。

 

 

 

「それにしてもここはどこだ?頭に地図が刷り込まれてるとか言ったけどとりあえず意識してみればいいのか?」

 

 

 

と自分の記憶に集中した。

 

すると知らないはずの景色なのに

 

自然と場所が浮かび上がった。

 

 

 

ーーテールロード王国ーー

 

 

 

「ここはイーストの街はずれか」

 

 

 

と記憶を呼び起こした。

 

そして気になるカバンの中身を漁ってみることにした。

 

 

 

「なんだこれ」

 

 

 

カバンの中には沢山の金貨の入った袋と水袋

 

短剣が入っていた。

 

 

 

「カバンの割に中身が少ないんだよなほんと。でもこの金貨すごい量だな」

 

 

 

蓮は金貨を数え始めた

 

10…20…30…50…80…100…

 

それから1時間して

 

 

 

「ばっかじゃねぇか金貨5000枚てなんだよ。しかもそんなに入ってるように見えねぇ。あそうだ」

 

 

 

蓮は思い出したように心に念じてみた

 

 

 

「メタトロン、なぁメタトロン」

 

 

 

「あら、驚いた。簡単に心話しんわが使えたのね。ところで何かしら?」

 

 

 

「いや、何かしらじゃねぇよ?この金貨の多すぎじゃね?あと何だこの不思議カバンは。」

 

 

 

と、気なった事を口早に伝えた。

 

 

 

「あぁ、それは魔法なカバンよ。収納力が無限ね。物量が多くなれば頭で念じれば出てくるようになるわよ。あと金貨は単に選別よ。先行きにはお金は必要でしょ?」

 

 

 

とこの天使はあっけらかんと答えた。

 

 

 

「そうか。まわかったサンキュ。とりあえずイーストの街へ行ってみるよ」

 

 

 

と、とりあえずの目標を伝えた。

 

 

 

「そうね。それがいいわ。気をつけてね」

 

 

 

「あぁ、ありがとう」

 

 

 

そして蓮はカバンを肩から掛け

 

イーストの街に向け歩き始めた。

 

イーストの街

 

〜イーストへの街道〜

 

 

 

「イーストの街までは一本道みたいだな」

 

 

 

蓮は頭の中の地図を確認した。

 

 

 

「んにしても、結構人通り多いんだなここは」

 

 

 

イーストまでの街道は沢山の人の往来があった。

 

行商人の馬車、冒険者らしきパーティ、等々。

 

そして30分位歩いて、イーストの門までたどり着いた。

 

 

 

「でっかいなぁ。」

 

 

 

そう一言呟いて門に差し掛かった。

 

 

 

「通行税の支払いをお願いしたい。」

 

 

 

と、門のそばで甲冑を着た男に声をかけられた。

 

門の詰所の看板に「王国騎士団詰所」

 

とそう書かれていた。

 

 

 

「通行税はいくらなんだ?」

 

 

 

「このイーストは初めてなのか?通行税は金貨1枚だ。」

 

 

 

王国騎士団の男はそう答えた。

 

蓮はカバンの中の金貨の袋から金貨を1枚取り出して騎士に渡した。

 

 

 

「確かに頂戴した。ようこそテールロード王国イーストの街へ」

 

 

 

騎士の男はそう言って通してくれた。

 

街の中は意外と栄えていた。

 

 

 

「まずは泊まるところを探すべきか」

 

 

 

蓮は宿屋を探すべく、街を散策する事にした。

 

街の中は沢山のお店が建ち並んでた。

 

 

 

「とは言っても、この辺のこと全くわからんないんだよなぁ」

 

 

 

と、心の内が漏れた。

 

場所は地図があるが何せ勝手はわからない。

 

悩みながら歩いてるとふと気になる店を見つけた。

 

「奴隷商」と看板に書かれていた。

 

 

 

「奴隷も存在してるのか…」

 

 

 

その時後ろで声がした。

 

 

 

「貴方様は珍しいお方のようだ。」

 

 

 

声のする方に振り返るとなんとも不思議な老人が立っていた。

 

 

 

「あの、俺に何か?」

 

 

 

「いえいえ、私めのお店の前で足をお止めになられてましたので」

 

 

 

そう言われ気付く。

 

この奴隷商の店の店主だと言うことに。

 

 

 

「こんな所では何ですし、中へどうぞ」

 

 

 

そう告げて老人は店の中に消えていった

 

ほっておこうと思ったが自然と足が向いた。

 

 

 

「お、お邪魔します」

 

 

 

恐る恐る店に足を踏み入れた。

 

 

 

「ようこそいらっしゃいました。本日はどのような奴隷をお探しで?」

 

 

 

老人はそう尋ねた。

 

 

 

「いや、俺は別に…」

 

 

 

「おや?貴方様は奴隷をお探しでこの店の前におられたのでは無いのですか?」

 

 

 

そう聞かれたが、奴隷を欲していた訳ではなく

 

前世にほんには奴隷なんて無かった為、

 

目をひかれていただけだった。

 

 

 

「まぁ、そう仰らず見ていかれてはどうかな?」

 

 

 

そう言い老人は奥の部屋に入った。

 

蓮は促されるまま店の奥に足を進めた。

 

 

 

「亜人、人間、獣、様々な奴隷がおりますが、どのようなのをお望みでしょう?」

 

 

 

正直そんなのは物語の世界でしか知らない蓮は

 

答えようがなかった。

 

必死でしぼりだした答えは

 

 

 

「亜人から見てみたい」

 

 

 

この一言が精一杯の答えだった。

 

同じ人族の奴隷は見るに堪えないと思ったからだった。

 

 

 

「亜人種とはまた貴方様も好き物ですな」

 

 

 

と、笑いながら老人は中を進む。

 

 

 

「好き者ってなんだよ!!」と心でツッコミを入れた。

 

 

 

「こちらが亜人種になります。」

 

 

 

そこには沢山のケモ耳尻尾を纏う種族達がいた。

 

新しい友

 

「出来るだけ読み書き出来るやつがいいんだが」

 

 

 

蓮はそう自分の希望を述べた。老人少し悩んで

 

4人ほど連れてきた

 

 

 

「読み書きができるとなるとこちらが適任でしょう」

 

 

 

連れてこられた4人は種族はバラバラで

 

歳も意外と分かりにくいところであった。

 

蓮はとりあえず、自己紹介を促した。

 

 

 

「私は、ラミと申します。多少の読み書きの心得がございます」

 

 

 

と犬耳の娘は答えた。

 

 

 

「わたくしはルミアと言いますの。ご主人様と同じ人族ですわ。」

 

 

 

と答える彼女は人のようだ。

 

んん?同じ人だと…と心で思った

 

 

 

「ボクの名前はアリー。見ての通り兎族さ。」

 

 

 

と元気よく答えてくれた。

 

 

 

「わ、私は…シルフとも、申します…」

 

と消え入りそうな声で猫耳な彼女は答えた。

 

 

 

「主人、奴隷契約とはどうするれば成立するんだ?」

 

 

 

「はい、このブレスレットに貴方様の魔力を込めて名を刻んで腕に通すことで成立致します。」

 

 

 

と、老人は答えブレスレットを差し出した。

 

 

 

「ん。そうだな…とりあえず4人とも買おう」

 

 

 

「全員でございますか?」

 

 

 

店主の老人はビックリしたような表情を見せた。

 

 

 

「で、全員でいくらになる?諸々込で」

 

 

 

老人は少し悩んでこう答えた。

 

 

 

「貴方様にはご贔屓にして頂きたく存じますので諸々込で金貨1800枚でいかがでしょう?」

 

 

 

とブレスレットを4つ持ってきた

 

蓮は少し考えて

 

 

 

「よし、買おう。」

 

 

 

そういい、金貨の袋から1800枚の金貨を払い

 

ブレスレット4つを受け取った。

 

そして4つのブレスレットにそれぞれ

 

 

 

「ラミ」「ルミア」「アリー」「シルフ」

 

 

 

と、名を刻んだ。

 

それをそれぞれ4人に手渡した。

 

 

 

「これからよろしく頼むね。4人とも」

 

 

 

そう告げて店を出た。

 

さて、どうすべきかと考えてると

 

 

 

「これかどうなさいますの?」

 

 

 

とルミアが申し出た。

 

うーんと悩んでいるとふと4人の衣服に目がいく

 

 

 

「4人のその服って奴隷服?ってやつ」

 

 

 

そう問いかけると、4人は頷いた

 

 

 

「よし、とりあえず服でも買いに行こうか」

 

 

 

と提案すると皆が首を傾げた

 

 

 

「あの、ご主人?ボクたちは奴隷だよ?服なんて与えられる訳が…」

 

 

 

と、アリーが口にする。

 

蓮は首を傾げた。

 

 

 

「あの、君たちって衣服はそれだけなの?」

 

 

 

疑問を問いかけた。

 

 

 

「服があるだけマシ…です。無い子達も…沢山いたから…」

 

 

 

と恐る恐る口にするシルフ

 

まじかぁと落胆しつつ蓮は

 

 

 

「よし、やっぱり服を揃えよう。それから飯でも食おう」

 

 

 

その発言にまたしても4人は首を傾げた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




まだまだ続きます。
※不定期更新でふ※


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食事情

「あの、ご主人?食事とはご主人の食事の事ですよね?」

 

と、ラミは蓮に問いかけた。

 

「いや、みんなで食事するんだよ?」

 

と、蓮はあっけらかんと答えた。

しかし4人とも呆気に取られた。

そこでアリーが

 

「あるじ様、我々があるじ様と食事など滅相もない事だよ?」

 

そう言うと3人も頷いた。

蓮は少し悩みこう聞いた

 

「みんなって、食事は何を食べてたんだい?」

 

すると私はとシルフが

 

「食事は2日に1回残飯を。カビたパンは最高食でした。」

 

アリーは

 

「人参が貰えた時は死ぬのかと思ったね」

 

ラミは

 

「食事など与えられなかった。食べれるものはなんでも口に」

 

と。

ルミアは

 

「スープが3日に1度あれば贅沢でしたわ」

 

と。

 

蓮は頭を抱えた。

奴隷とはそんな扱いなのかと

今までの自分の生活がどれだけ潤っていたのかを痛感した。

そして

 

「やはり服と食事だ。みんな行こう」

 

と、歩き出した。

街の至る所から食べ物の匂い

商店の賑わいが見えてきた。

 

「みんなは何が食べたい?遠慮はいらないなんでもいってくれ」

 

 

と、蓮は4人に聞く。

 

「私は温かいスープが」

 

ルミアは答えた。

 

「あるじ様が与えてくださるものならなんでも」

 

アリーは目を輝かせながら答える。

 

「お肉が食べてみたいです。」

 

と、控えめにラミは言う。

 

「お魚が食べたい…です。」

 

俯きながらシルフも答えた。

 

「よし。じゃあみんなでそれをたべよう」

 

蓮はそう言って店を探し始めた。

数区画歩いたところで大衆食堂らしき店を見つけた。

 

「マーニャ食堂」

 

看板にそう書かれているとラミが教えてくれた。

 

「ここにしようか」

 

と、店ののれんをくぐった。

店内はやはり大衆食堂と言った感じで

昼食時にあるべき光景だった。

 

「空いた席へどーぞー」

 

厨房の奥から声がした。

5人は店の奥の角席に腰を下ろした。

 

「あの、ご主人様?私達が同じ席に着くなど」

 

と、ルミアが言いかけた時

 

「いらっしゃいませー。ご注文は決まったかにゃ?」

 

既視感ある語尾と共に元気な声でテーブルに水が運ばれてきた。

 

メニュー表の読めない蓮はみんなの

要望をウェイトレスに伝えた。

そしてこう切り出した。

 

「みんなは、読み書き以外になにか特技的なものはあるの?」

 

「私はちょっとした魔力操作かなぁ」

 

とアリー

 

「わたくしは多少魔法が使えますわよ」

 

とルミア

 

「私は超聴覚と超嗅覚かな」

 

とラミ

 

「わ、私は危険察知…です、」

 

とか細くシルフは答えた。

4人とも意外と優秀な事がわかった

そんな話をしていると

沢山の料理が運ばれてきた。

 

「さ。みんな頂こう」

 

蓮はみなにそう言った。



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