機動戦士ガンダム外伝~デザートハント~ (不死者のナザリック)
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第1話「砂漠の狐部隊」
そうでない方はこんにちは、不死者のナザリックと言います。
この小説は機動戦士ガンダムの外伝小説になります。
オリジナルキャラ、オリジナル設定が多々でて原作との矛盾がでてしまうかもしれませんがそこはお許しくださいです。
第1話「砂漠の狐」
「偵察部隊の報告どうり来たな」
砂漠の中、ドラン・オーガナーはそう呟いた。
彼が双眼鏡で覗いている先には、砂煙をあげ砂漠の中を移動している一団の姿があった。
「お、来たのか?」
ドランの呟いきに反応するように、ドランの横で寝っ転がっていた、シャル・クロードが返事をした。
「シャル、お前、反対側の監視はどうした?」
ドランはあきれた目でシャルを見る。
「いいじゃねえかよ、どうせ反対側からは来ないんだから」
シャルは笑いながら言い返す。
「お前なー、もし来たらどうすんだよ。」
「そんなことより、俺にも見せろよ。」
「はい、はいほら」
ドランは適当に返事をするとシャルに双眼鏡を渡した
「えっとーあ、あそこか、何々61式が8両とトラックが4両か、どう思う、ドラン隊長殿?」
双眼鏡から目を放したシャルがドランに聞く
「こういう時に限って俺のことを隊長って呼ぶよな。」
ドランはさらにあきれた目で見る。
「まあ、良いか…予定どうりに襲うぞ」
ドランがそういうと、
「了解、隊長殿」
とシャルはおかしそうに返事をした。
大尉であるドランに対して中尉であるシャルが敬語を使わないのは、二人が幼なじみだからである。
ドラン自身も十分わかってはいるが、部隊の規律のためについつい言ってしまうのである。
「さて、敵の確認もすんだしみんなのところに戻るぞ」
「了解、とっとと戻ろうぜ」
そう言いあうと、伏せていた二人は立ち上がり、登っていた砂丘を降りて行く。
砂丘を降りた二人の目の前にはさっき見ていた砂だらけの平べったい土地ではなくポツポツと見上げるほど大きな岩山がある地形であった。
「よっと、降りたことだしとっとと「テント」に戻って合流しようぜ」
砂丘を下り終えたシャルがそういうと
「ああそうだな、早いところ戻ろう」
とドランも返事をし、二人は早足で向かった。
シャルが言っていた「テント」とはドランとシャルが所属している、カイロ基地のモビルスーツ小隊の間で使われる、岩山のあだ名でほとんどの岩山が台形なのに対して、その岩山は珍しく三角形に近い形をしていて、そこから「テント」というあだ名が着いたのである。
その岩山は道路として使われる場所に近く、先ほどまでドラン達が偵察していた砂丘が「テント」の下の部分をかくしてくれているため、モビルスーツや輸送機を隠すにはちょうど良いのであった。
二人が「テント」のふもとに着くと、そこには岩山の壁付近に自分達をここまで輸送した輸送機の「ファットアンクル」その少し先に焚き火があり、それを囲むように人型機動兵器―モビルスーツが、片ヒザをついた状態で停止していた。
「ふーやっとついたぜ、しっかしこうもあちいんだよ」
シャルは額についた汗を二の腕でぬぐいながらそう呟くと
「そりゃ、そうだろここは砂漠だぞー」
焚き火側から声が聞こえる。
二人が声のした方に顔を向けると、そこにはモビルスーツで影になってるところでくつろいでる、ドランやシャルよりもガタイも良い大男、ガル・ゴードン中尉がいた。
二人はガルのいる日陰に向かい腰をおろした。
「俺たちが暑いなか、偵察してたっていうのにずいぶんくつろいでんなー」
「別に良いだろ、焚き火の片付けにテントだってしまったんだからよ」
シャル言ったことに対し、ガルは自身の額にかけられたフライトゴーグルをいじりながら答える。
シャルは少し、歯を噛みしめ、ぐぬぬ…と言った表情をしている。
シャルとガルのやり取りを見ながらドランが水筒の水をのんでいると
「お、お帰りなさいです。ドラン隊長」
と後ろから声をかけられた
ドランが後ろを振り向くと、ニール・カトラス伍長が立っていた。
「ニールか、ただいま、キャンプに異常はなかったか?」
「は、はい、異常はありませんでした、です」
ニールはまだ幼さの残る顔で答えた。
「うん、ご苦労様」
ドランは微笑んで返す。
「よし、作戦会議を始めるか……おい!そこのバカ二人いつまで取っ組みあってんだ!」
ドランはすぐ横で取っ組みあっている、シャルとガルに声をかける。
バカ二人は取っ組み合いをやめるとドランの横に座り、
彼の作戦を聞いた。
「いいか、敵の戦力は61式戦車が8両、トラックが4両だ……」
ドランはその辺にあった薪木の枝を使い、砂に敵の隊列を書きながら説明していく。
*****数分後****
「よし、作戦はこれでも良いな。」
「オッケー」
「了解」
「は、はい」
と、ドランの作戦に対してそれぞれ、返事をする
「全員、理解したならすぐに行くぞ」
ドラン達は立ち上がるとそれぞれのモビルスーツのところに向かう。
ドランは自身の機体である、の下に着くと、コックピットハッチから伸びるワイヤーを手に取り、右足をワイヤーのフックに掛けるとワイヤーを、強く引く、そうするとワイヤーの昇降が始まり、コックピット前まで行くと昇降が止まった。
ドランはそのままコックピットに乗り込み、機体の操縦かんを手に取り、計器を操作する、コックピットハッチが閉まり、モビルスーツ特有の起動音がなり、ドランの機体、「MS-7B グフ」のモノアイも光り起動する。
立て膝の状態から立ち上がり周りを見るとシャルとガルの「MS-6DザクⅡ・デザートタイプ」ニールの「MS-6ザクⅡ」もすでに立ち上がっていた。
どの機体もデザートカラーに塗装されており、ドランのグフだけは隊長機として胴体部分が黒く塗装されている。
4機とも肩には小隊のマークである、狐の横顔が入っていた。
操縦桿の横のコンピューターを操作すると正面モニターの右上にウインドウが開き、三人の顔が映る。
「三人とも、機体に異常はないか?」
ドランがウインドウに向かって声をかけると
「あー問題ないぜー」
「こっちも異常無しだ」
「はい、問題ありません」
と、三人から声が帰って来た。
ドランはそれを確認すると
「よし、じゃあ予定どうり作戦を開始する。」
そう言ってドランは三人に指示をとばす。
*******************
コックピットの中ドランは耳を澄ませていた。
今、ドラン、シャル、ガルは先程まで偵察に使っていた砂丘まで進み、また片ヒザをついてじっとしていた。
ドランが集音機器のダイアルを操作する手がピタリと止まる。
集音機器に繋がれたヘッドホンからはキャタピラの進行音が聞こえてくる。
ドランはその音を聞くとグフの首を回して横へ向けるとさらにモノアイをさらに向け後ろを見ると二人に声をかけた。
「来たぞ、準備しろ」
「了解」
「はいよ」
そう返事が帰って来て、三機はほぼ同時に立ち上がった。
「全機、ジャンプの用意」
三機は前屈みの体制をとると、ドランはフットペダルを軽く踏みバックパックにエネルギーを貯める。
「タイミング合わせろよ」
「心配するなそんなへましねよ」
無線からシャルの声が帰って来る。
ドランは集音機器からの音に神経を集中させる。自然とフットペダルを踏む足に力が入る。
そして音がある程度大きくなった瞬間
「今だ!全機、ジャンプ!」
ドランはそう叫びながら、フットペダルを踏み込む。
三機はほぼ同時に飛び上がり、敵車両の進行ルートが立ち塞がる。
敵の車両部隊は驚いたように急停止する。
その光景を見たすぐにドランは無線で指示を送る。
「ニール今だ!撃て!」
一拍置いて車両部隊の後方に爆発が起こる。
後ろにいたトラック四両が吹き飛んでいる、
これは岩山に登っていたニールのザクⅡが放ったマゼラトップ砲の砲撃によるものだった。
「あ、当たった……」
ニールが戸惑いながら言うと
「ニールよくやった、後は任せろ!お前は周辺の警戒を頼む」
と、ドランは早口に言った。
ようやく我に帰ったのか先頭の61式戦車がドランのグフに向けて発砲した、ドランは操縦幹を操作し、左手の盾で砲弾を受け流すと右腕に装備しているザクマシンガンを発砲した。
放たれた弾丸は61式に吸い込まれるように進むと命中し、爆発した。
その爆発に反応するように他の7両は左右に別れて後退し始めた。
「よし追うぞ」
ドランはフットペダルを踏み機体を前進させる。
「はいよ」
「了解」
ドランに呼応し、二人も機体を進め、敵を追いかける。
敵の攻撃を避けつつドランは敵の動きに感心していた。
敵はただ一直線に後退するのではなく、車両をジグザグに移動させることでこちらの弾を避けていく、そして最後尾は脚部を中間は上半身を先頭は頭部を狙って撃ってくる
ーこいつらかなり戦いなれているー
ドランは心の中でそう呟いた
あちらも移動射撃である以上砲弾がある程度それてくれるから避けやすいがやはりこちらも移動しながら撃っている以上当てずらい、しかしもしも脚を止めれば蜂の巣にされるのは必然であった。
「絶対に脚を止めるなよ」
ドランが二人にそう伝えると
「わかってるよ、そんなことよりこのままじゃらちがあかないねぇぞ」
シャルがしびれを切らして言ってきた
「このまま、追っていたら敵の支配地域にはいってしまう」
ガルが続けて言ってきた。
「わかっているだから俺が真ん中を突っ切ってあいつらの前進を止める、お前はあいつらの気をそらせ」
「「了解」」
ドランの指示に二人はほぼ同時に返信をすると二人の
ザクⅡ・デザートタイプは左腕を伸ばすそしてそこに装備されている、三連装サイルポットからミサイルを発射した。
発射されたミサイルは三発づつそれぞれの列に向かって進んで行く敵の61式は攻撃をやめ回避に専念した、ほとんどのミサイルは避けられたが反応の遅れた真ん中の1両の付近に着弾し履帯が切れたのかその場でスピンした、その車両に向けシャルはザクの頭部バルカンを発射しとどめをさした。
ドランは二人の攻撃で敵の61式の攻撃が止まった瞬間スラスター用のフットペダルを踏み込み機体を加速させた、機体はみるみる進んで行き敵の真ん中を突っ切る途中、先頭の車両から砲撃を受けたが機体をかたむけることでそれを回避する。
敵の列を抜かす途中、機体の計器がオーバーヒートの警告を発した。
チッ、これだから昼間の砂漠は嫌なんだ
心の中で舌打ちをするとすぐに思考を回りに移し、追い抜いたことを確認すると、スラスターを切り右足を踏み込ませてブレーキをし、さらにそのスピードを生かして右足を軸にして機体を回転させた。
敵車両の方向に向くと操作幹を動かし、右手のマシンガン、左手の盾との間に装備された三連装ハンド・ガトリングを左右の先頭の車両に照準を合わせると射撃トリガーを引いた二列の弾丸は先頭の二両に吸い込まれるように進んで行き、命中して二両は爆発した。
残った4両は横に広がりながら旋回すると砲頭横に装備されているスモークを四方に発射した。
スモークは三機の足元に広がりながら61式の姿を隠した。
******
「こいつら煙の中に隠れやがった」
シャルは機体の頭部を振りスモークに隠れた敵を探しているとシャルの機体の後ろから砲撃音がした、急いで振り向くとすでに砲弾は目の前まで迫っていた
「くそ!」
シャルはザクの左肩に装備されているシールドで砲弾を受け流そうとするが角度が足りず砲弾はシールドに食い込み爆発しシールドはザクの肩から外れる。
シャルは体制を立て直すと砲弾が発射された周辺にザク・マシンガンや頭部バルカンを発射した
「どこだ!どこにいる」
シャルは頭部を動かし辺りを探す
そしてふとザクのモアイがスモークの薄い所で止まった。
そこにはそこには小さく緑色に光る物があった。
シャルは目を見張り固まった、緑色のそれは間違いなく61式戦車の照準器の光であった。つまり、敵は完全にこちらに狙いを定めていた。
殺られる!…とシャルは心の中で呟いたきそれでも抵抗しようとマシンガンを向ける
その時、61式が居た場所がいきなり爆発した
シャルがいきなりのことに驚いていると
「シャル大丈夫か」
とガルの声が聞こえた
「ガル助かったぜ」
「油断すんな、敵は後三両いるんだ今のはたまたま間に合っただけだ」
「それにしたってどうやって探すんだよ」
「どうって知るか!煙の薄い所を通るまで待つしかないだろ」
「結局、運頼みかよ」
2機は背中合わせになりお互いの死角をカバーしていると二機の横が爆発した。
二人が爆発した方向を向くと
「二人とも何、つったってんだ」
無線からドランの声が聞こえた
*********
ドランは集音機器のダイアルを操作していたヘッドホンからはマシンガンの発砲音やザクの歩行音が聞こえるがその中に地面を走るキャタピラの音が確かに聞こえていた。
ドランはその音に集中し、その音が止まった瞬間、音の距離から予想した場所にマシンガンを撃ち込む、発射された弾丸は煙の中に入ると間を置いて弾丸の撃ち込まれた所が爆発した。
よし、とドランは心の中で呟いた
すぐに無線機に向かって
「二人とも何、つったってんだ」
と声をかける。
「助かったぜドラン!いったいどうやって見つけたんだ」
と、シャルの声が帰って来た
「お前ら集音機のスイッチを入れろ!目じゃなくて音で探せ!」
と叫ぶ
「あ!そういえばそんなのついてたな」
「すっかり忘れていた」
とすだとぼけた返答が帰って来た
お前ら……とドランは一瞬呆れると思考を戦闘に戻し
「すぐにスイッチを入れて敵をあぶり出せ」
ドランの指示で集音機器のスイッチを入れた二機は辺りを見渡した
「そこだな」
シャルのザクが発砲しその先にいた敵の車両に命中すし爆発した
ガルはしばしじっとすると装備しているザク・バズーカを発射した、放たれたバズーカの弾は煙に吸い込まれていき着弾したのか爆発が起きその爆煙の中に61式の車体が宙を舞っていた。
「ナイスだぜガル」
通信機からシャルの声が聞こえる中、ドランは意識を集中させていた、残り1両の61式戦車を探していたのである。
どこだ、と集音機器のダイアルをいじっていると不意に通信が入った。
「ドラン隊長」
ニールからであった
「どうした」
「1両、煙の中から出て来て逃げて敵圏内こ方向へ」
ニールはあわてた様子で言った
ドランは機体を向けると確かに砂煙をあげ全速力で逃げていく61式戦車が映った
「機器からは音なんて聞こえなかったぞ!」
シャルの声が通信機から聞こえてくる
「死角を抜かれたか」
とガルが言ってバズーカを発射するも、61式の砲塔がバズーカの弾頭に向くとこちらも主砲を発射した。
弾頭と砲弾ぱ途中でぶつかり合い爆発した
「くそ!なんて腕の砲主だ」
ガルは悔しさと驚きの声を漏らす
「そこから狙えるか?」
「無理です、的が小さすぎてできません」
ニールは首を横にふる
「わかった俺が何とかする」
そう言ってドランはグフを加速させる、ドランは操縦幹を操作してザク・マシンガンを発射する。しかし放たれた弾丸はそれたり、避けられたりしてはずされた。
銃身の冷却が間に合ってない、ドランはモニターに映された武装画面を見る。そこには銃身の加熱状況と残弾数が表示されていた。
銃身の加熱状況や残弾数的にこれ以上撃つことはできない……腕のガトリグも数が乏しい
ドランが心の中でぼやいていると、別の計器がスラスターのオーバーヒートを告げる警告をした。
このままじゃ、追い付けない……ドランは思考を巡らせた
そして……
「一か八かやってみるしかない」
そう言うと、ドランは操縦幹を動かし、ザク・マシンガンを右腰につけると左腰に装備されている、ヒート・サーベルを逆手で抜く、そしてスラスターを、切りその勢いを利用し、ヒート・サーベルをやり投げのように投げた。
投げられたヒート・サーベルは61式戦車の進行方向のすぐ手前に突き刺さる、61式戦車は避けようとするも間に合わず突き刺ささったヒート・サーベルにぶつかり横にスピンして停止した。
ドランのグフは地面に刺さったヒート・サーベルを抜き61式戦車に近づいた、敵は最後の抵抗とばかりに片方の砲を発射した。
ドランはその砲弾を盾で受け流して近づきヒート・サーベルを起動する、熱と振動によってオレンジ色に発熱した刀身を61式戦車に突き刺し、トドメをさした。
ドランは61式戦車からヒート・サーベルを引き抜くと辺りを見渡した、そこには無限に続く砂と岩山、そして無数の鉄屑が真上に浮かぶ太陽に焼かれていた。
ドランは通信機を操作して輸送機に繋いだ。
「こちら、デザート・フォックス隊、敵の殲滅に成功した。回収を頼む」
ドランは通信機から手を話すと海岸線の方を向いた
あの海の向こう……仲間達は、俺たちが守る。
ドランは心の中でこぼした
ヘッドホンからは集音機器を通してさっき連絡した輸送機のファットアンクルのローターの音が聞こえていた。
ここまで読んでいただきありがとうございます
初めてガンダムのそして戦闘シーンを書きました。
戦闘シーンは、はっきり言ってまだまだ、だと実感しています。
なので、少しずつですが改善していきたいと思っております。
次話に関してはゆっくりですが書いていこうと思っています。
よろしければ、感想、改善点などのコメントもお願いします。
重ね重ねになりますがこんな小説書き初心者の作品を読んでいただきありがとうございます。
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