【マダム・ルゥルゥのオウニ商会立ち上げ】 (どら焼きパンケーキ中佐)
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【第一話 《マドモアゼル・ルゥルゥ》】

マダム・ルゥルゥが、マドモアゼル・ルゥルゥだった頃から物語が始まる……


【マダム・ルゥルゥのオウニ商会立ち上げ】

第一話

《ラハマの女豹ルゥルゥ》

それはまだ、マダムと呼ばれる前のルゥルゥのお話…

アレシマ大学をユーリアと同期で卒業したルゥルゥは、ユーリアの誘いを蹴り飛ばすと、

「私は、政治には興味無いの。あなたみたいな人ばかりだから。」

「ルゥルゥ……!!」

ユーリアはまだ何やら言いたそうでしたが、ルゥルゥはお構い無しにその場を後にしました。

 

~それからしばらくして~

「アイツは一体ナニモンなんだ!!!!!!」

「お前知らないのか?最近《ラハマの女豹》の二つ名を持つ、マドモアゼル・ルゥルゥだそうだ……」

「真紅の九七式戦闘機を駆り、一回の出撃で24機撃墜したんだとよ!!」

「Really?Incredible!Unsure...」

「本当に?信じられない!ぐらいのユーハング語で頼む……」

「そうこう言ってたら来なすったぞ…!!」

 

蒼天の空から真紅の九七式戦闘機が、無傷で着陸しました。

「あら?はじめましての人かしら?マドモアゼル・ルゥルゥです。よろしくお願いします。」

「ああ、よ、よろしくお願いします。」

その日のマドモアゼル・ルゥルゥの公認撃墜数は、48機を記録しました。

《ラハマの女豹 マドモアゼル・ルゥルゥ》の名は瞬く間にその界隈に鳴り響いたのでした…………

良くも悪くも…………

 

「まだまだ、足りないわね……飛行船【羽衣丸】の建造費用とその乗組員達の雇用費用、護衛の用心棒の飛行隊の契約費用も……私が、自力で稼げる間は空賊に餌になってもらうしかないわね……」

 

それからしばらく、マドモアゼル・ルゥルゥの鬼神の如き奮戦によって周辺地域の空賊が鳴りを潜めてしまいました。

 

「マドモアゼル・ルゥルゥ……あんたしばらく出撃しないでくれませんか?」

「なぜかしら?」

「あんたが、空賊を撃墜しすぎたんだよ……これじゃぁ他の飛行機乗りは商売あがったりだ!!」

「あら?それなら私はしばらくお休みさせて頂きますわ。」

 

~After several days~

 

「マドモアゼル・ルゥルゥ……!!お助け下さい!!」

ラハマのお偉いさんが血相を変えてマドモアゼル・ルゥルゥの部屋の扉を必死に叩きました。

 

「あら?慌てた様子で……どうされましたかしら?」

 

ラハマ上空にそれまでとは桁違いの大空賊団が襲来して来ると連絡が入りました!!

 

「いつもよりも、報酬額をあげますがよろしいでしょうか?」

 

「飛行船一隻分払うよ!!ラハマが無傷ですむのならば!!」

「その言葉に偽りあれば貴方のアタマに穴が開きますわ。」

 

この大空賊団との戦いは【ラハマ上空大空賊団局地戦】として、ラハマ史にこっそり残されました。

 

《ラハマの女豹の名はこの戦闘を最後に歴史からひっそりと消えました》

 

「私はもう《ラハマの女豹》マドモアゼル・ルゥルゥでいる理由はないわ。そう……これからは私はマダム・ルゥルゥよ。」

 

(つづく)




オウニ商会立ち上げ前日譚としてはじめました!!
よろしくお願いします!!


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【第二話 《飛行船建造依頼者その名はマダム・ルゥルゥ》】

九七式戦闘機を駆り、賞金稼ぎをしていた、マドモアゼル・ルゥルゥは、飛行船一隻分に達した時点で用心棒稼業から足を洗いました。
マドモアゼル・ルゥルゥは名乗りをマダム・ルゥルゥに変えて新たな一歩を踏み出します……


【第二話 飛行船建造依頼者その名はマダム・ルゥルゥ】

 

マダム・ルゥルゥと呼ばれる一人の女性の傍らに更に幼い幼女が無愛想な表情を浮かべながら、涼しい顔でマダム・ルゥルゥが持つ大金を狙って襲い来る《陸賊》を矢継ぎ早に果物ナイフを投げて絶滅させていきます……

 

「リリコ…殺生はあまり好ましくないわ……殺るなら徹底的な効果を持つ始末をしなさい。」

「はい……マダム・ルゥルゥ…」

 

~【リリコ《注:ロリリコ》】とでも認識を示してくださいませ……~

 

旅を続ける中でマダム・ルゥルゥとロリリコは、【イヅルマ】に辿り着きました……

 

「ここは、アレシマとは違う技師が居ます…」

「あら?そうなの……ロリリコ?」

「はい……ジノリという中年超えの整備技師です……ジノリに無理矢理にでも飛行船の設計図面を作成させます……」

「あなたは一体どうしてそんな思考回路の持ち主に育ってしまったのかしら?」

「わかりません……私は生きていける技能を身に付ける過程でマダムに雇われた護衛用心棒調理給仕に過ぎません……」

「はいはい……ロリリコ。着いたわよ……」

 

~イヅルマ整備場《責任者 整備班長ジノリ》~

「あなたがジノリ様ですか?」

「コラ!!子供がこんな危ない場所に来るんじゃない!!」

中年やや上の男性がロリリコを叱りました。

「共の者が失礼を致しました。私はマダム・ルゥルゥです……ジノリ様とお見受けしました……あなたに引き受けていただきたい案件をお持ち致しました。」

「断れないんじゃろう?」

「ご想像にお任せします……」

 

ジノリ班長はうつむき加減に目を閉じながら深く考えると、カッと目を開き言いました!!

 

「ワシがやりたい様に図面をひく、条件はそれだけじゃ……‼

「賢明な判断です……お断りになられていらしたら、こちらのロリリコの果物ナイフがジノリ様の眉間に刺さっていましたわ…」

「アンタは食えん人じゃな。空賊よりもタチが悪いわい…………」

 

~それからジノリ班長は一心不乱に飛行船の設計図を作りはじめました…………~

 

その一方で

 

~ロリリコはいつの間にかパンケーキのレシピを身につけていました……~

 

《~数週間後~》

「出来た………………!!異論は認めんぞ…!!」

 

長図面テーブルいっぱいに立派な飛行船が描かれています。

「ルゥルゥさん。コイツになんて名前付けるんじゃ?」

「うふふっ……【羽衣丸(はごろまる)】にしようと思っています。」

「ははっ……!!良く飛びそうな縁起の良い名前じゃな。」

 

「御代金でございます。」

「あぁ…その紫電に放りこんでくれ…」

ロリリコさんは涼しい顔で大量の現金を紫電のコクピットいっぱいに詰め込みました。

 

【設計図:設計者 ジノリ 発注:オウニ商会 マダム・ルゥルゥ 飛行船名《羽衣丸》】

 

(つづく)




羽衣丸の設計図をジノリさんが引いた設定にしました!!
リリコさんが幼女姿で登場!!ロリリコさんです(笑)

今後とも宜しく続きを読んでいただけると嬉しいです!!

どら焼きパンケーキ中佐


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【第三話 ガドール評議会議員候補ユーリアの危機《ラハマの女豹》ふたたび】

飛行船【羽衣丸】の設計図も出来上がったルゥルゥと旅を一緒にするロリリコさんは、マダム・ルゥルゥの腐れ縁な素直になれない友人【ユーリア】から、ガドール評議会議員選挙に立候補するから警護しなさい。と上から目線で言われたのでカチンときたのですが、合理的な二人はそういうのは、どちらも承知之助でした……


【第三話 ガドール評議会議員候補ユーリアの危機《ラハマの女豹》ふたたび】

~ガドールの街~

「あなたは本当に政治家になりたいのね。呆れるわ…」

「あら?ルゥルゥ?誰かが政を仕切らないと秩序ある社会なんて構築もされなければ維持すらも出来ないわ?そんなこともわからないのかしら?」

「はいはい……あなたは賢い賢い…」

「なんて??」

「お二人共、御要件の打ち合わせの為にこうして会われたのではないのですか?」

極めて冷静沈着にマダム・ルゥルゥとユーリア女史を、見ための幼いロリリコさんがなだめるように諭しました。どちらが大人かわかりません…………

「それで……??私に何をしろと言うのかしら?」

「私がガドール評議会議員選挙に立候補することは書面であなたに伝えた通りよ。だけどガドール評議会の評議会議員の中には既得権益を私が脅かすと警戒心剥き出しの連中がワンサカ沸いてるわ……!!あぁ…忌々しい……!!」

ユーリア女史は、思わず手に持っていた硬いペンを真っ二つに折ってしまいました。

「もったいない……」

ロリリコさんはボソッと呟きました。

「あなたの言う通りよ……私はペンを一本もったいないことをしたわ…ガドール評議会の阿呆議員が私というペンを真っ二つにしたいのよ!!わかる??お嬢様?」

「私はリリコ…ロリリコでいい…」

 

~それからマダム・ルゥルゥとユーリア女史に何故かロリリコさんの三人が選挙期間中のユーリア女史護衛任務計画について打ち合わせをしました~

 

【ガドール評議会議員選挙候補ユーリア】

そう書かれた看板を掲げてユーリア女史は懸命に選挙活動に勤しんでいます。

 

「さてと、ロリリコ……私達の出番みたいよ……」

「ウィ、マダム……」

 

~ガドールの街上空~

 

「あらあら、ワンサカワンサカとユーリア一人の為に……ご大層に頭数を揃えたものね。ロリリコ。好きに戦いなさい。」

「ウィ、マダム……あなたも存分に……」

 

こうなるとあらかじめ予測していたマダム・ルゥルゥは、ユーリア女史に新しい九七式戦闘機《ラハマの女豹塗装》と、ロリリコさん用の赤とんぼ《ロリリコ仕様》をユーリア女史のポケットマネーから資金提供を受けて調達していたのでした……

 

「おい……なんか向こうから二機迫って来るぞ…!!アレは!《ラハマの女豹》??聞いてねぇぞ?奴はもう引退したんじゃなかったのか?」

「ホリー……俺達のツキが悪かったんだよ……」

ガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガッッッ!!!!!!!!

ホリーと呼ばれた襲撃者はルゥルゥに気をとられるあまりに、ロリリコさんの赤とんぼに隙をつかれてしまいあっけなく撃墜されてしまいました……

「ホリー!!よくも……」

ガッ!

ホリーの相棒は名乗りをあげることすら叶わずに《ラハマの女豹》の餌食になりました。

 

この一連の襲撃事件の首謀者は明らかにならなかったものの、反ユーリア派の行動力は大きく削がれることになりました。

 

その後、ガドール評議会議員選挙にユーリア女史は当選を果たしました。

 

【ガドール評議会議員ユーリア事務所】

「ルゥルゥ、相変わらずえげつない仕事ぶりね……」

「ユーリア、お褒めの言葉ありがとう……」

「この二人はどちらもどっちだわ……」

 

こうしてユーリア女史護衛任務は、無事に成功しました。

その一方で《ラハマの女豹》がふたたび歴史の表舞台に登場することになったのでした……

 

(つづく)

 




ユーリア女史のガドール評議会議員選挙と、その護衛について書きました。
ロリリコさんは赤とんぼ乗りにしました。
まだまだ続きます!!よろしくお願いします!!

どら焼きパンケーキ中佐


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【第四話 ドードー船長候補生】

ユーリアの危機を救ったマダム・ルゥルゥとロリリコさんは、ガドールヲタ去りました……
次はイヅルマに向かいます……


【第四話 ドードー船長候補生】

ガドールの去り際にもマダム・ルゥルゥとユーリア議員の痴話喧嘩は蝶々抜歯に繰り広げられました。

「マダム……ユーリア議員……お二人共おやめください!ガドールの街を破壊されるおつもりですか?」

この評議会議長の言葉にはユーリア議員が折れざるを得ませんでした……

「ルゥルゥ?あなたが困ったらまた、雇ってあげるわ!」

「出来れば、そんな機会が訪れないように、居るかどうかもわからない存在に祈るわ。」

「マダム……そろそろ行きましょう。」

 

~ガドールからイヅルマへ~

 

《ラハマの女豹塗装》のマダム・ルゥルゥが駆る【真紅の魔改造九七式戦闘機】と、ロリリコさんの駆る《練習機とは呼んではいけない》【赤とんぼ】が、イヅルマの空に向かって飛び続けています。

「マダム……8時の方向に飛翔体確認しました……」

「あら、あれはドードー鳥ね。なかなか良い速さでついて来るじゃない。」

「グワァ~《負けへんで~‼機械の鳥に負けへんで~‼》」

 

結局マダム・ルゥルゥ達にピタッとくっつきながら、謎のど根性ドードー鳥はイヅルマまで一緒に来てしまいました……!!

「あなたは、良いメンタルの持ち主だわ。【羽衣丸】が完成するまでは、今日からあなたは『ドードー船長候補生』よ。」

「グワァ~‼《よっしゃ~‼まかしとき‼》」

「マダム……そんなに軽いノリで良いのですか……?」

「あら?ドードー鳥が船長なんて話題性とロマンが好きな顧客様獲得にも好感度上昇にも貢献してくれるわ。それにドードー船長候補生は、本当に【羽衣丸】の船長にふさわしいと思ったのよ。」

ロリリコさんは、マダム・ルゥルゥのその言葉の真意がわかりませんでした……

ロリリコさんが後にリリコさんになった今でも本当の謎は解かれていないのです……

 

~閑話休題~

 

[イヅルマ]

マダム・ルゥルゥとロリリコさん……そしてドードー船長候補生達は、無事にイヅルマに到着しました。

 

「ぐすん……お父さん…お母さん…なんで私にはいないの?」

小さな女の子…ロリリコさんよりも更に幼い女の子が泣いています……

「あなた、お名前は?」

「私はシノ……」

「私はルゥルゥ。シノ、私達あなたに特別にしてあげられることが出来なくてごめんなさい。あなたにこのカチューシャ《髪飾り》をあげるわ。食べるものじゃなくてごめんね。」

「お姉ちゃん……ありがとう!!」

 

~このシノという幼女は成長して後にシラサギ自警団長となり、やがてカナリア自警団へと入団することになるのです~

 

そして漸く一行は、ふたたびジノリ技師長を訪ねることにしました……!!

 

(つづく)




Twitter投票の結果ドードー船長の登場に投票数かTOPでしたので、ストーリー展開に反映しました!!

幼女シノさんがさりげなく登場しました……!!

さて、マダム・ルゥルゥはジノリ技師長へどのような無茶振りをするのでしょうか?


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【第五話 《真紅の女龍》マダム・ルゥルゥ仕様『隼一型』】

イヅルマに到着したマダム・ルゥルゥとロリリコさんでしたが、ルゥルゥの九七式戦闘機はもう限界でした……


【第五話 《真紅の女龍》マダム・ルゥルゥ仕様『隼一型』】

 

「ジノリ技師長、お久しぶりです。」

「なんじゃ、ルゥルゥか……ん??お前さん何があった?普通に使っておれば九七式戦闘機がここまで痛むこともあるまい?」

「ジノリのオッサン!この九七式はもうオシャカだな……!」

小さな女の子が、工具片手にツナギを着た姿でジノリ技師長をオッサン呼ばわりしています。

「ナツオ!お前の様な半人前が偉そうなことを言うでないわ!」

ポカッ!

「痛っ!」

ナツオさんは、ジノリ技師長からゲンコツを落とされました。

 

「まぁ、確かにこの九七式戦闘機は最早もう大空を翔ぶことは二度と無いのは間違いない……残念じゃがな……」

 

マドモアゼル・ルゥルゥとして《真紅の女豹》と共に恐れられて来た相棒の九七式戦闘機はもうその命を終えていたのでした……

 

「ふむ。なるほどな……お前さん新しい戦闘機をワシに作れと言うのか?」

「That way!」

「ユーハング語で頼む。」

「そのとおり!」

「やれやれ……どいつもこいつもどどいつも、むちゃばかり言いおるわい……ナツオ!ガレージに使える機体あったか?」

「あぁ、隼一型がメンテとか済ませたら飛ばせられるぞ!」

「一からは無理じゃがありあわせならナツオが、その隼一型をお前さん好みにしてくれるじゃろう……ナツオ!しっかりやるんじゃぞ!」

「任せろ!オッサン!失敗したらイナーシャケツにぶち込んでくれ!」

 

それから、ルゥルゥとナツオさんは隼一型をルゥルゥ好みに魔改造を施しました……塗装は《真紅の女龍》を施しました……!!

 

「ナツオさんと言ったかしら?」

「あぁ、私はナツオだ。」

「あなた、私のオウニ商会に整備班長として雇用されるつもりはあるかしら?」

「私を整備班長に?冗談が過ぎる……冗談じゃないのか……ゴホンッ!ナツオです!只今よりオウニ商会のお世話になります!」

「【羽衣丸】の完成まではこのイヅルマにひとまず拠点を置くことになるわね……ナツオ整備班長には、整備員兼臨時戦闘機搭乗員として働いてもらうわ。よろしくね。」

「しれっと、劣悪な労働環境を告げられたような気がする……」

「いつも通りにございます。」

ロリリコさんは、パンケーキをナツオ整備班長に渡しました。

「ぱんけぇき?こんな小洒落た甘い物食べられるか……いえ、食べます……」モグモグッ…

「う……うまい。」

「いつものパンケーキにございます。」

「あんたは?」

「マダムにはロリリコと今は呼ばれていますが、私はリリコです……」

「リリコさん、よろしく。あんたは只者じゃ無さそうだな!あんまり探りはしないが…」

「知りたがりは早死に致します。」

「然もありなん。」

 

【雇用契約書】

《羽衣丸整備班長》

[ナツオ]

[オウニ商会羽衣丸所属]

[正規雇用]

[整備員兼臨時戦闘機搭乗員]

[給与及び賞与等別紙参照]

[昇給あり]

『オウニ商会代表者 マダム・ルゥルゥ』

 

ナツオ整備班長は、マダム・ルゥルゥが初めて正規雇用した正社員となりました。

 

《真紅の女龍》隼一型マダム・ルゥルゥ仕様の性能は如何程なのか?

 

気になります……

 

(つづく)




マダム・ルゥルゥの九七式戦闘機の乗り換え話とナツオ整備班長誕生回です……!!

第六話に御期待くださいませ……!!


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【第六話 ✿ルゥルゥ飛行隊出撃✿】

イヅルマでジノリ技師長から隼一型を調達して、ナツオさんをオウニ商会羽衣丸整備班長として雇用したマダム・ルゥルゥはしばらくイヅルマを拠点に置き、資金繰りをしていくことにしました。


【第六話 ✿ルゥルゥ飛行隊出撃✿】

 

《真紅の女龍》マダム・ルゥルゥ仕様の【隼一型】

《ナツオカスタム》ナツオ仕様の【隼一型】

《脅威の魔改造》ロリリコさんの【赤とんぼ】

曲がりなりにも、ユーハング式の飛行小隊一つ分になりました。

 

まだ、この時期のイヅルマの自警団はリノウチ大戦の影響によってカリスマ的なACEトキオ団長が行方不明になったことで、事実上自警団として機能をしていませんでした……

 

~行方不明になったトキオ団長の娘さんのアコちゃんがカナリア自警団を結成するのはまだまだ先のお話です~

 

[閑話休題]

 

ルゥルゥが計画したのは、イヅルマに急増した空賊に対して自分達が自警団としての役割を担うことで、【羽衣丸】建造費用の追加調達をすることに加えて《ナツオ整備班長》への安定した給与を支給しなければならないという【オウニ商会】の代表者としての義務があったのでした……

 

【ルゥルゥ飛行隊詰所】

ルゥルゥが達筆なユーハング語でしたためた看板を見つめながら慌てた様子の小太りの青年がルゥルゥ飛行隊詰所のドアをDONDON!BANBAN!叩いています。

「騒がしいですね。」

ロリリコさんは、どこか冷めた言い草でそう呟くと、物憂げがちにドアを開けました。

「ルゥルゥ飛行隊詰所にございます。ご要件を御伺い致します。」

さっきまでは何だったのか?と思わせる見事な業務用SMILEでロリリコさんは応対を始めました。

「私は、イヅルマ市長の縁戚関係者のアルバートと申します……!あなた達を凄腕の飛行隊と見込んでお願いします!最近イヅルマを荒らす大空賊【トカゲのシッポ団】を討伐してくださいませんか?」

 

ロリリコさんは、どうしますか?という眼差しでルゥルゥを見つめながら決定を促しています。

 

ルゥルゥの決定は決まっていました。

 

「アルバートさんだったかしら?あなたの保有資産の半分を頂戴致しますがよろしくて?」

 

アルバートは、あっ!私は頼む相手を間違えちゃった!と後悔しましたが、後の祭りでした……

 

「受けた依頼は果たします……お支払いはキッチリお願い致します。」

 

《私、支払い滞納したら処される……!》

 

~《トカゲのシッポ団来襲》~

いつもの日課とばかりに、大空賊の【トカゲのシッポ団】が160機程イヅルマ上空に向かって迫りつつありました。

 

「ロリリコ、ナツオ班長、オウニ商会商売繁盛!」

「「はい!」」

 

この後の三機の活躍を語るのは野暮ですが、結果として159機撃墜という戦果を挙げました。

 

1機生き残った人間がいます。

【トカゲのシッポ団】団長です……

 

「呆れるわね。本当にトカゲのシッポを切るように逃げるなんて。」マダム・ルゥルゥがぼやきました。

 

「また会いましょう。トカゲさん、オウニ商会の売り上げの為にも……」ロリリコさんが続けます。

 

「とんでもないところに就職しちまったかな?」ナツオ班長はしばらく眉間に皺を寄せて考えこんでいました。

 

【ルゥルゥ飛行隊】は、イヅルマで荒稼ぎをしました……

 

資金繰りは安定した感じになりました。

次は【羽衣丸】の乗員を集めなければなりませんでした……

《操舵士》《副操舵士》《副船長》《サルーンのマスター》などルゥルゥの理想的な【羽衣丸】を仕上げるには、時間が必要になりました。

 

「急いては事を仕損じる……ユーハングのことわざね。」

 

(つづく)

 




ルゥルゥ飛行隊を書きたい回でした。
若き日のアルバートが……(笑)

第七話もよろしくお願いします✿


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【第七話 傷心のジョニー】

~《トカゲのシッポ団》を壊滅状態にしたマダム・ルゥルゥ達【オウニ商会】は、来たる【羽衣丸】完成に向けて乗員の確保を始めました~


【第七話 傷心のジョニー】

 

確かに《ルゥルゥ飛行隊》は、今現在のイヅルマに於ける最強すぎる飛行隊かもしれません……

然しながら、それは大空にテイクオフしてからでこそのお話です……

 

幾らルゥルゥやロリリコさんやナツオ班長が奮戦したとしても、陸上戦で圧倒的多数に襲撃を受けたら誰かが斃れてしまうことでしょう。

 

ナツオ「私は整備班員を四人雇わさせて頂きました……が、アイツらは戦闘員じゃない……」

 

ロリリコ「私一人なら何人来ても余り関係ないけれど、護衛対象者が増えたら犠牲者を無くして戦闘を終息させるのは、非常に困難です……」

 

ルゥルゥ「腕利きのガンマンでサルーンのマスターが出来る男性従業員が……そろそろ欲しいわね。そんな都合の良い人材なんて流石に居ないわよね……」

 

~そんな時でした~

 

???「ミキ~(泣)私が悪かったよ~(泣)」

ミキ「ジョニー?アナタは私との約束よりも、私という伴侶との約束(契約)よりも銃という相棒との約束(所有)をアナタは選んだのよ……!それじゃ、大好きな銃という伴侶とお幸せに…」

ジョニー「ミキ~~~~~~~~~~~~~~‼‼‼‼‼」

 

おそらく、ジョニーというこの男性はたった今まさに妻であったと思われるミキさんに三行半をつきつけらたようです……

 

ロリリコ「傷心の最中に失礼ですが、アナタは?」

ジョニー「私はジョニーです……元ガンマンで今ミキが……ミキが……ぐすん……(泣)」

ロリリコ「マダム、都合の良い人材がいました。」

 

ロリリコさんは、ジョニーを確保すべしと視線をルゥルゥに送ります。

 

ルゥルゥ「ジョニーさんだったかしら?あなたは、サルーンのマスターをしながらパンケーキも焼けるかしら?」

ジョニー「出来ますけど、もう銃には触りたくないです……(泣)」

ルゥルゥ「あなたは私の【羽衣丸】で《ジョニーズサルーン》のマスターをしなさいな。あなたの意思を尊重して銃に触ることを無理強いはしないわ…勿論、あなたのミキさんにそれとなくとりなすのはやぶさかでないわ?どうかしら?」

 

(ジョニーに選択肢がある筈がありませんでした)

 

ジョニー「お世話になります……ミキ~~~‼‼‼(泣)」

 

ロリリコ「《とりなすだけで元鞘に戻れるわけないけれど……》」

ジョニーを視るロリリコさんの視線は冷ややかでした……

 

70%以上完成しつつある【羽衣丸】に《ジョニーズサルーン》が設営されました。

サルーンの中にジョニーとロリリコさんとルゥルゥは知っている《ジョニーの隠し銃器》が持ち込まれました……

 

~《ジョニーは奇跡すぎるオウニ商会【羽衣丸】に都合の良過ぎる人材なのでした》~

 

ジョニー「ミキ…許して…ミキ~(泣)」

 

(つづく)




ジョニーが【羽衣丸】に来るシーンをイマジネーションしたらこんな結果になりました(笑)

【第八話】もよろしくお願いします♪


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【第八話 アンナ&マリア加入とルゥルゥの過去】

~【オウニ商会】に都合の良過ぎる人材の元ガンマンのジョニーが加わりました~


【第八話 アンナ&マリア加入とルゥルゥの過去】

 

マダム・ルゥルゥ達【オウニ商会】の面々は、再びラハマの地に戻って来ました。

 

【羽衣丸】クルーとなる三人娘 管制官的にラハマで働きながらルゥルゥ達を支えていました。

 

「お疲れ様でした。マダム………」

「ありがとう……」

コツコツコツコツコツコツコツコツコツ……

 

ヒールの響きが【オウニ商会ラハマ事務所】の廊下にこだまします……

 

バタン!

 

「何の御用かしら?ユーリアガドール評議会議員先生?」

「ルゥルゥあなた、ほんっと~に皮肉たっぷりに言ってくれるじゃない……性格悪いわ~」

「あなたに言われたら褒め言葉ね。ありがとう……」

 

二人とも本来の目的が何かを忘れたようで、視線がぶつかって火花が見えるかの様です。

 

「あの~【オウニ商会】の面接に御伺いの連絡を致しました。アンナです。」

「同じく、マリアです。お二人は《変態》ですか?」

「コラ!マリア!」

 

ルゥルゥとユーリア議員は否定もしなければ肯定もしないでマリアの発言をサラりと流しました……

大人の貫禄があります。

 

「ユーリア……あなたは何をしに来たのかしら?」

「この二人を此処に案内しただけよ。」

「あら。ありがとう。」

 

~その時でした~

「ラハマ上空に空賊出現。また、【オウニ商会ラハマ事務所】に陸賊と思しき集団接近情報提供あり。マダム、判断願います」

「ロリリコ、ナツオ班長あとアンナとマリア!あなた達で上空の空賊を始末して。ジョニー、もしもの時はよろしく。」

「そんな……銃を握らない約束じゃ……」

「緊急事態は別よ……」

「仕方ない。ユーリア……力を貸してくれるかしら!」

「昔の血が騒ぐじゃない……ルゥルゥ!」

 

陸賊の皆さんは、襲撃相手がどれだけ戦闘慣れした化け物共の巣窟である事を幸か不幸か知りませんでした……

 

手を組んだ二人はユーハングで言えばタケーダ・シンゲーンとウーエスギ・ケンシーンが共闘するのに等しいのでした……その辺の陸賊は不運でした……

 

ロリリコさん達、空賊迎撃隊でしたが、アンナもマリアもどこかで飛行経験があったようで、この僅かな時間の空戦をロリリコさんに導かれるかのように彼女達は経験値としたのでした。

 

後でわかった話しですが、ルゥルゥとユーリアは学生時代にかなりの武闘派だったそうです。

 

無法者とまではいかないまでも、暴走飛行隊と喧嘩を繰り広げる日々に明け暮れながら進学を果たしたのだとルゥルゥとユーリア議員の過去に詳しい地元のお爺さんが情報好きのアンナに教えてくれたのでした……

 

「こんな恐ろしい情報は、知らない……私は知らない……知らなかった事にしよう……」

 

(つづく)




アンナ&マリア加入回です。
ルゥルゥとユーリア議員を暴れさしたくて書きました。
事後報告スタイルなのはお約束です。

次回もよろしくお願いします!!


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【第九話 《最終回》マダム・ルゥルゥのオウニ商会立ち上げ】

【羽衣丸】の乗組員も集まり、いよいよ本格的にオウニ商会立ち上げの時が迫って来ました……


【第九話《最終回》マダム・ルゥルゥのオウニ商会立ち上げ】

 

~【羽衣丸整備班】~

 

「しっかり整備しやがれ‼怠けたらイナーシャケツにぶち込むぞ‼」

『ウス!!ヨロコンデ!!』

 

羽衣丸整備班長のナツオさんと整備班員の皆さんのやり取りがこだましています。

 

「上空、天候晴れ、視界良好。」

「羽衣丸飛行可能です。」

「副船長、ご判断をお願いします。」

 

副船長と呼ばれた《サネアツ》はいつの間にかマダム・ルゥルゥがスカウトしていたのでした……

 

理由はわかりませんでした……

 

~【羽衣丸ブリッジ】~

 

「フクセン!!羽衣丸飛行準備万端です!」

「ヨシ…羽衣丸発進せよ!」

「グワァ~《発進やで~‼》」

 

~【羽衣丸ジョニーズサルーン】~

 

「ミキによろしくお願いします……マダム…!!」

「えぇ、とりなしておくわ。ジョニー。」

「とりなすだけですけど…(ボソッ)」

 

マダム・ルゥルゥとジョニーといつの間にか大人の女性に戻っているリリコ《元ロリリコ》の三人がくつろいでいます。

 

「そう言えばリリコ?いつの間に元の姿に戻ったのかしら?」

「インノ地方で服用した年齢詐称薬の効果が切れました。」

「あら、そうなのね。」

「あら、そう。で済ます話に聞こえないですよ~‼」

 

リリコさんは年齢詐称薬をインノ地方で服用していたのですね……なんの為になのでしょうか?リリコさんの謎はますます深まるばかりですね……

 

~【羽衣丸ブリッジ】~

 

「フクセン。電信です。」

「えぇ!!ちょっと誰宛なのかな?勝手なことしていいのかな?」

「あなたは決断力が少し鈍いわね……」

「ルゥルゥ??」

「マリア、読んでちょうだい。」

 

〘ハツ ガドールヒョウギカイギインユーリア アテ オウニショウカイルゥルゥ ハゴロモマルショジョヒコウイチオウオメデトウ アッパラパーノクウゾクニセイゼイオトサレナイヨウニ〙

 

「相変わらずあの人の皮肉節が効いてるわね……」

「ユーリア議員らしいですね……」

「同感……」

「ところでルゥルゥ??こんな時に本当に空賊の襲来を受けたらどうするの?」

「こんな時の為に用心棒専門の飛行隊と契約したわ。」

「用心棒専門の飛行隊??どんな??」

「全員女性、全員腕利きの飛行隊という触れ込みよ。」

「それで……その飛行隊の名前は……??」

 

〘ウ~‼ウ~‼ウ~‼ウ~‼ウ~‼ウ~‼ウ~‼ウ~‼ウ~‼〙

 

「空賊接近中!!迎撃体制をお願いします!!」

「えぇ!!その例のナントカ飛行隊を発進させて!!」

 

~【羽衣丸戦闘機待機所】~

 

「ナントカ飛行隊とは遺憾である。」

「飛行機投げしてやる!」

「ナントカとハサミは使いようですわ。」

「私は後で美味しいパンケーキが食べたい!!」

「じゃあ私はこの後に美味しいお酒をいっぱい飲もうかしら?」

「みんな、軽口はその位にしておけ。それでは【コトブキ飛行隊】一機入魂‼」

『はい‼』

 

[完]




シリーズ【マダム・ルゥルゥのオウニ商会立ち上げ】これにて最終回にございます!

御愛読ありがとうございました!


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