■?①^%&実況パワフルプロ野球 (ゆっくり霊沙)
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1話

 俺の名前はパワプロ

 

 野球が大好きな小学6年生

 

 確か……あの時放課後友達と遊んでいたんだっけ? 

 

「パワプロ! いくよ!」

 

「たっちーいいよ!」

 

 学校のクラブチームは土日しかないので、こうやって田んぼに囲まれた空き地に集まってチームメイトとキャッチボールをして……

 

「あ! パワプロごめん」

 

「将太どこ投げてるんだよ~」

 

「ごめんごめん」

 

「もー」

 

 最後の夏大会がもうすぐということで気合いが入るけど、俺達のチームは正直弱い

 

 4年生も合わせて14人と少ない人数のクラブチームなのでどうしても人数の多いチームや、色んな地区から選手を引き抜くチームに比べるとどうしても力負けしてしまう

 

 ちなみに俺のポジションはセンターかショート、短いイニングの抑えもやったりする

 

 まぁ俺が投げる場面だとだいたい勝敗が決まってるんだけどね

 

 それでも最後の大会くらい上位に行きたいという気持ちでこうやって集まって練習する

 

「将太どこら辺?」

 

「たぶんそこら辺」

 

「ないぞー?」

 

「あれおかしいな」

 

「用水路に落ちたか?」

 

「えー! マジかぁ」

 

「ちょっと見てみるよ」

 

 たぶんそこまで転がっては無いと思いつつも雑草を踏みつけてならしながら用水路を覗き込む

 

「あ!」

 

 固められていた地面が水分を含んで滑りやすくなっており……

 

 足を滑らせてそのまま用水路に落っこちた……頭から

 

 用水路の一部はコンクリートで固められていて、その部分に運悪く頭を強く打ってしまった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「かはぁ!」

 

 目が覚めると知らない天井に、知らないおじさんが覗き込んでいた

 

「おい! 大丈夫か!」

 

「え! あ、はい!」

 

「空から人が落ちてきたから驚いたぞ! 頭を強く打った様だか本当に大丈夫か!」

 

「え、ええ」

 

「一応確認だが名前と住んでいるところは言えるか、何分見たこともない服装だからな」

 

 顔しか見てなかったけどよく見ると和服だ

 

 そしておじさん左腕がない

 

「え、えーっと……名前は銀河パワプロ住んでるところは○○県の○○」

 

「○○県? おいおい、ここから何里有ると思ってんだ!」

 

「え、でもさっきまでそこで野球を」

 

「ん? 野球? なんだそれは」

 

「え?」

 

「ん?」

 

 ここは? 何処? 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「明治!? 4つ前の年号だよ」

 

「4つ!? 平成? なんて聞いたことねーぞしっかしオメーの字はよう分からん」

 

「こっちはおじさんの字がよくわからないよ」

 

 昔と今では字が違う

 

 文化も食事も礼儀も違う

 

 餓鬼の俺は当時を思い出すとおじさんに本当にお世話になったなぁと思うが、当時はパニックで大混乱だった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ブンブンブン

 

 住み込みで働くことになった

 

 時空を飛び越えて恐らく過去にいる俺は無一文で親族も居ない

 

 時代が時代だけに田舎には捨子やら地域差別もいまだに残っているので土下座して住み込みで働いている

 

 働くよりは修業だけど

 

 畑仕事、田植えの手伝い、家事、刀の修業で1日が終わる

 

 刀の修業をしているのは鬼と呼ばれる化け物を狩るためと言われたけどそんな者いるのかなぁ? なんて考えていたらおじさんが刀で串刺しにした女性を持ってきた

 

 女性は死んでおらず、太陽が昇るまで動き続け、太陽の光に当たると燃えて消えてしまった

 

「エェェェェ!?」

 

「これが鬼だ」

 

「嫌でもわかりました」

 

「こいつらを狩れるように鍛えてやる。人が多数死ぬ場所、妖怪がささやかれる場所、都市部、山にはほぼいると思え」

 

 俺わかった

 

 ここは過去じゃない、異世界だ!

 

 12歳パワプロ君異世界に飛ばされる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「カァハァハァ!!」

 

「あなたパワプロが!!」

 

「起きたかパワプロ!! 分かるか父さんと母さんが!!」

 

「え? 父さん、母さん?」

 

「大丈夫か頭を強く打って1週間寝ていたんだぞ」

 

「1週間!? え? 1週間!!」

 

「寝ている間に切り傷や痣が出来たりしたから死んじゃうんじゃと病院の先生も言うもんだから」

 

「でも良かったわ! 目を覚まして!!」

 

 異世界に飛ばされ170日目

 

 日課をこなして寝たら元の世界に戻っていました

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ワタシ、どいつカラ来タダイジョーブ博士デースヨロシクオ願イシマース」

 

「あ、どうも」

 

「君ノ担当医ナノデ君ノ不思議体験ヲ聞キタイデース」

 

「はぁ」

 

「君ノ体寝テイル間ニ凄ク鍛エラレテマース! トテモ気ニナリマース」

 

 ダイジョブ博士と名乗る医師に両親との再開の後、診療と言われて話し合わされた

 

 曰く脳波を常に計測していた所、レム睡眠とノンレム睡眠が高速で行われており、傷が体に増えるのは必ずレム睡眠地だけなので脳で何かしらの信号が体に送られていると仮定して傷の治療と一緒に筋肉も計測していたらしい

 

 そしたら激しい運動を行っているかのように筋繊維が切れたり超回復を繰り返していることも解ったらしい

 

 で、この博士……夢の世界に閉じ込められているととんでもない結論に行き着いたらしく、夢の中の出来事を話せと言ってきたのだ

 

 ただどうしても異世界の出来事が夢ではないと俺は思う

 

 ダイジョブ博士に夢ではなく、別世界の自分に憑依している可能性も含めて説明した

 

 鬼、明治、刀……

 

「……アリエマース、実は君ノ親にはオシエテマセーンガ、刀ト洋服は君ノ目覚メル前ニベットノ近クニオチテマシタ。保管ハシテアリマース」

 

「誰ガ持チ込ンダカ混乱シマシタガ話カラスルニアナタノ物デスネ」

 

「たぶんそうです」

 

「トナルト君ハ異世界ニ行ッテイタ証拠ハアルワケデースネ」

 

「トテモトテモ興味深イ!」

 

「あの~、何時くらいに退院できますか?」

 

「退院? 当分ハ入院ニナリマース」

 

「え! じゃあ野球の試合には……」

 

「オオ少年ハ野球ヲシテイルノデスネ」

 

「はい、どうしよう最後の大会だったのに」

 

「……」

 

 博士は何も言わなくなり、その日の診療は終わりになった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 グヨ~ン

 

「またかよ!」

 

 どこかのアパートの一室だろうか? 

 

 今度は目の前に黒い球体、横に黒い変なスーツを着た中学生くらいの女性とこちらも黒い変な服を着た成人男性が3人くらい居た

 

「坊主死にたくなかったらお前専用のスーツを着ろ、生きていたら説明してやる」

 

 とりあえず少年野球と書かれたスーツを渡されたので着る

 

「あとこれだ、Xガンを渡す。両方のトリガーを引くと射てるが、射程は10mだ! わかったか」

 

 情報量が少なすぎる! 

 

 まず何処だよここは? 

 

 と聞きたいが、黒い球体が喋りだした

 

『てめえらの命は預かりました

 

 どう使おうと私の勝手

 

 敵と戦え

 

 倒すよし、捕まえるよし、殺すよし

 

 今回の敵はスライム星人

 

 特長 よわい やわらかい

 

 好きなもの 水

 

 喋れない』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 黒い球体に飲み込まれたと思ったら夜の公園

 

 周りには先ほどの人達は居ない

 

 一応変なスーツを着て、ヘンテコな銃を装備しているけど何なんだろうかここは? この世界は? 

 

 ギヨーンギヨーンギヨーン

 

 リロード

 

 ギヨーンギヨーンギヨーン

 

 リロード

 

 んー……

 

 刀の修業はしてきたけど銃なんて初めて扱ったぞ

 

 約半年でこうなんというか色々有りすぎて頭がこんがらがってきたよ

 

 色々試しているとぷるぷるしたゼリー状の物体が近づいてきた

 

「これがさっきの球体が言っていたものかな?」

 

 ギヨーン ビチャ

 

「うわ、内側から破裂した」

 

 ビチャビチャになったスライム? を見てそれを恐る恐る拾う

 

「……臭いのしないただのゼリー擬き?」

 

 とりあえずヘンテコなダイジョブ博士なら何かわかるのだろうか

 

 公園のゴミ箱に捨ててあったペットボトルを水道で洗ってスライム擬きを中に入れていく

 

「地面の土とか付かないんだなこのゼリー」

 

 

 

 

 

 

 ギヨーンギヨーンギヨーン

 

「7体目」

 

 スライム擬きを倒す中、スーツや銃を弄るとステルスとレーダーのギミックが有ることが解った

 

「本当に何なんだろう? この世界は」

 

 夜の公園

 

 不思議な生き物

 

 見たこともない銃

 

 社会的には小学生の俺は考えてもしょうがないと新しいスライム擬きに銃を向けて発砲する

 

 

 

 

 

 

 いつの間にかレーダーに記されていた点が3つになっていた

 

 大きな点が消えた瞬間黒い球体の有る部屋に戻っていた

 

 

 

 

 

 

『少年野球7点

 

 あと93点で終わり』

 

 

 

 

 

「少年が生き残ったか……」

 

「あの嬢ちゃんダメだったか」

 

「生き残ったら質問して良いと言ってましたよね。少し聞いても良いですか?」

 

「あぁ、と、まず自己紹介だこいつが」

 

「車坂総志(くるまざか そうじ)だ。大学では教育学部に所属している。ここには大学で暴れた馬鹿を止めに入ったら顔を殴られて脳震盪で死んじまったからいる」

 

「私は大村鉄治(おおむら てつはる)。商店街にある金物屋の息子で、交通事故で死んでしまいここにいる一番ここに長くいるから気軽に聞いてくれ」

 

「銀河パワプロ小学6年生。死んでは無い筈……野球と刀の扱いには自信がありますが、ついこの前まで事故で1週間程昏睡していて先日目が覚めた……筈。一応まだ入院中です」

 

「こりゃまた濃いのが来たな」

 

「あぁ、野球は好きか?」

 

「えぇ、まぁ」

 

「そうか」

 

「一応説明するが、この球体を私達は黒ちゃんと呼んでいる。この球体から最初の武器とスーツが渡される。で、この黒ちゃん他の所にも有るらしいんだがちょっと性能が低くて君に渡したXガンしか初期武器が無いんだ。本来は刀やYガンと呼ばれる銃が有るらしいんだがね」

 

「スーツの効果なんだが、1回ならビームや即死攻撃を防げるんだが、突きに弱く槍みたいなので刺されると防げずに死んでしまうから注意が必要だ。あと10分したら破けたスーツは元に戻る」

 

「あとは武器に有る機能としてステルスとレーダーが有る……見た感じ使えてるから説明は省くぞ」

 

「質問良いですか?」

 

「ん? なんだ?」

 

「スライム? なんかの倒した生物を持っていくのは大丈夫なんでしょうか?」

 

「あー、試したこと無いな」

 

「やってみてくれないか?」

 

「えぇ、やりますが……あ、あとこの空間? 部屋には毎晩呼ばれるのですか?」

 

「いや、平均1ヶ月感覚だが早いと2週間、遅ければ4ヶ月無いこともある。ただ、必ず深夜の11時以降だ」

 

「そろそろ時間だからスーツケースの説明なんだけど、基本スーツと武器はこのスーツケースの中に入れてこの部屋に置いておく。スーツケースは……たとえばパワプロ君の少年野球と書かれているケースだけど、君にしか触れることができない。でも呼ばれる時は何時か分からないから確実に呼ばれた時にここに来るからここに置いておく暗黙のルールが有るんだ」

 

「勿論持って帰っても良いけど紛失したり死んだら自己責任だからね」

 

『時間だ帰れ』

 

「じゃ、またね」

 

「○○大学に居るから様があればそこの野球場に来い。夕方で晴れていればそこにいる」

 

「ありがとうございました」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「デハ夜ノ時間イナカッタノハソノ裏ノ世界ニ居タタメデスカ?」

 

「もう俺自身わかりません。異世界行ったりよくわからない世界に行ったり」

 

「フム……興味深イ! ソノスライムクダサイ。分析シマース! 入院費モコチラガ払ウノデ何カアレバオシエテクダサーイ!!」

 

「俺は良いですが……」

 

「フム……(加藤)理香(かとう りか)パワプロ少年ノ世話ヲタノミマース。新ナルステージニ到達デキルカモシレマセン」

 

「理香さん?」

 

「こんにちはパワプロ君」

 

 白衣を着たお姉さんがやって来た……若い

 

「ワタシノ娘ノ理香デス。専属ノナースニスルノデ何カアレバ呼ブヨウニシテクダサーイ」

 

「博士解りました」

 

 

 

 

 

 

 

 ブンブンブン

 

「グリップ位置を5センチ下げましょうか」

 

「はい!」

 

 どうしても野球をしたかったので博士や理香さんに素振りだけでもさせて欲しいと頼み込むと地下室に案内された

 

 そこは機械で一杯だったが、VRなる見たこともない機材での連絡は約半年ぶりに野球に触れることができた

 

「本当にボールを打っている感覚だ」

 

「パワプロ君の経験がそのままこちらもデータに残るからお互いに利がある。ただ、まだ実験段階の機材だから市販されていないからな。なるべく壊さないようにしてくれ」

 

「わかりました!」

 

 こうして摩訶不思議な濃い俺の人生は始まった

 

 

 

 


 

 苗 銀河 名 パワプロ 社会地位 小学生 歳 12

 

 ミート F (25)

 パワー D(55)

 走力 C(60)

 肩 D(50)

 守備 F (20)

 捕球 F (20)

 

投手能力不明

 

特殊能力

センス△

全集中の呼吸 未完成(パワー、走力、肩上限プラス10、成長補正)

転移者(異世界に行ける)

不変(人より寿命が長い)

 

持ち物

日輪刀

ランドセル

 




しあわせ


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