神崎士郎(@仮面ライダー龍騎)に月の聖杯の一部が乗っ取られて始まった聖杯戦争 (伊勢村誠三)
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設定
涼邑零


記念すべき1人目は牙狼シリーズから


涼邑零

 

性別 男性

 

適正クラス(7クラスのみ)

セイバー ライダー バーサーカー アサシン

 

基本ステータス

筋力 C

耐久 B

敏捷 B

魔力 C

幸運 E

宝具 A+

 

概要

 

銀牙騎士絶狼の称号を持つ魔戒騎士。

笑顔が似合うナイスガイ。

戯けた口調に甘いもの大好きの子供舌。

ここまで書くとなんだかとっつき易い人間に見えるが彼もまた魔戒騎士。その背中には数々の傷と約束を背負った孤独を愛する銀狼だ。

基本的に魔戒騎士は人間には守る以上の干渉をしない為、殺人を強制させたりしない限りは(表面上は)良好な関係になれる。

が、一度陰我に飲まれれば一切容赦なくそのヤイバの元、切り捨てられるだろう。

 

召喚について

 

復讐者としての全盛期で呼ばれた場合はアサシンクラス、騎士としての全盛期で呼ばれた場合はセイバーか、ライダー。

竜殺しの側面で呼ばれた場合はバーサーカークラスで召喚される。

余程の事が無い限りセイバーかライダークラスで召喚され、アサシンやバーサーカークラスでの召喚は人理崩壊級の事が無い限り召喚不可能。

 

保有スキル

 

対魔力(陰我) A

魔戒騎士の英霊が共通して持つスキル。

ホラーの邪気も寄せ付けない。

 

騎乗 B

固有スキル。魔導馬、バイクを乗りこなす。

 

守りし者(騎士) A

守りし者に与えられるスキル。

 

黄金への導き手 A

固有スキル。冴島雷牙を黄金騎士牙狼に認められるまで育て上げた逸話が昇華されたスキル。

堅陣騎士ガイア= ラファエロ・ヴァンデラスも同じスキルを持つ。

 

気配遮断 C

アサシンで召喚された時に持てるスキル。

相手の視界に入らない限り感知されない。

 

竜殺し A+

バーサーカーで召喚された時に持てるスキル。

竜種に対する攻撃力が底上げされる。

 

宝具

 

夢守りし漆黒の魔法衣

ランク C

種別 対人宝具

 

コート型の宝具。

一種の魔術礼装で、認識阻害が可能な他、

内布は所謂4次元ポケットになっており無限に物を収納可能。

刺突、斬撃には弱いが打撃、衝撃的な攻撃の多くを無効化出来る。

魔戒騎士のサーヴァントの大半は魔法衣の宝具に耐久を依存している。

 

陰我照らす魔導の送り火

ランク C

種別 対火羅宝具

 

魔導火を宿したライター。

瞳にかざす事でその人物がホラーかどうかを識別出来る他、ホラーに吹き付ければそれなりのダメージを与えられる。

 

陰我斬り裂く双刃の魔戒剣

ランクB

種別 対陰我宝具

 

魔戒騎士の標準武器。

ソウルメタル製の2振りの剣で、

これで決定打を与える事でホラーを封印出来る。

 

銀牙と共にありし魔告げの狼飾

ランクB

種別 対火羅宝具

 

涼邑零の相棒的存在である魔導輪シルヴァ。

彼の探知能力は彼女に依存している。

 

天翔し白銀の鋼馬

ランクA

種別 対陰我宝具

 

100体のホラーを封印し、

試練を乗り越えた者にのみ使える魔導馬の1つ。

名を銀牙といい、魔導火を纏った突進などが武器。

 

騎士刺し滅ぼしし破邪の剣

ランクEX

種別 対魔戒騎士宝具

 

アサシンクラスで召喚された時のみ持てる宝具。

並のものならその刃に触れた瞬間死亡する魔剣。

 

銀牙騎士絶狼

ランクA+

種別 対陰我宝具

 

魔戒の鎧の1つ。蒼銀に輝く鎧で、

ある人物に完璧な造型と称された事もある。

これを召喚する事で幸運以外の全てのステータスを向上させる事が出来る他、魔導火を纏う烈火炎装という技が使える様になるが99.9秒以上連続では使えない。

もし過ぎてしまうと心滅獣身という暴走形態になってしまい、解除するには鎧のバックル部分を破壊するか、一画以上の令呪を使う必要がある。

 

心滅獣身・龍血呪変

ランクA++

種別 対竜種宝具

 

バーサーカークラスで召喚された時に持てる宝具で、涼邑零が最も忌み嫌う宝具。

心滅獣身になった状態で竜種の血を取り込む事で鎧と自身を竜化出来る。

解除するには鎧のバックル部分を破壊するか、二画以上の令呪を使う必要がある。

 

今回の聖杯戦争において。

 

佐久間まゆ@アイドルマスターシンデレラガールズの元にバーサーカークラスで召喚される。




気が向いたらまた書きます。


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ロイミュード000

2人目は仮面ライダードライブから


ロイミュード000

 

性別 無しor男性(クラスにより変化)

 

適正クラス(7クラスのみ)

アーチャー ライダー アサシン

 

基本ステータス

筋力 D

耐久 B+

敏捷 A++

魔力 C

幸運 D

宝具 A

 

概要

 

かつて人間から世界の覇権を奪おうとした108体の機械生命体ロイミュードが一体。

しかし開発者のクリム・スタインベルトにより『人間を守る』ことを本能として植え付けられた人類を守る戦士。

アーチャークラスで召喚されない限り人間に害なす者の敵として戦う。

 

 

召喚について

 

ロイミュードを倒した戦士の全盛期で呼ばれた場合はアサシン、

ロイミュードの死神としての全盛期で呼ばれた場合はアーチャー、

仮面ライダーの全盛期で呼ばれた場合はライダーで呼ばれる。

余程の破滅願望がある人間に召喚されない限りアーチャークラスで現界する事はあり得ない。

 

 

保有スキル

 

騎乗 C

 

仮面ライダーの英霊なら誰もが持ってるスキル。

あらゆるバイクを乗りこなす。

 

 

人工英雄(真) EX

 

クリム・スタインベルトにより造り出された人造救世主。

人類をグローバルフリーズから守り抜いた彼は間違いなく、『仮面ライダードライブ』という出典において最強の戦士。

その行動全てが『人類に害なすか否か』に主眼を置いて行動する為、仮に令呪を用いても人に害を与える様な命令を実行させる事は不可能。

 

 

気配遮断(超重加速) A+

 

固有スキル。単純な加速に重加速を合わせる事で彼は止まった時間で誰にも知られる事なく戦える。

ただしアサシンクラスで呼ばれた場合

気配遮断(重加速)A+にスケールダウンする。

 

 

栄光の000 EX

 

かつてたった1人で108体のロイミュードを倒した伝説が昇華された固有スキル。

 

 

始まりの仮面ライダー A

 

その出典の中で始めて仮面ライダーになった者に与えられるスキル。リク=仮面ライダークウガや飛電其雄=仮面ライダー1型なども同じスキルを持つ。

 

 

変容(擬態) B+

 

アサシンクラスの時にのみ持てるスキル。

目にした対象の姿と性質をコピーする。

 

 

鷹の目 A

 

アーチャークラスとライダークラスの時に持てるスキル。

擬態した警察官の狩野の性質をコピーした際に獲得した。

 

 

ロイミュードの番人 A

 

アーチャークラスでのみ持てる固有スキル。

 

 

宝具

 

意志宿しし戦士の起動帯(ドライブドライバー)

ランク B

種別 対人宝具

 

ロイミュード000が仮面ライダープロトドライブに変身する為の宝具。

クリム・スタインベルトの意識が宿っている。

 

悪引き裂きし黒の追跡車(ライドチェイサー)

ランク A+

種別 対陣宝具

 

ライダーマシンの宝具。グローバルフリーズの日、このバイクで世界中を駆け、ロイミュードを倒していった彼の半身とも言える宝具。

 

悪貫きし状移の小車(シフトカー)

ランク C

種別 対ロイミュード宝具

 

クラス関係なく持てる宝具。

コアドライビアの影響を無効化できる他、000に様々な力を授けられるが、クラスによって持ってこれる数が変わる。

 

 

追跡者と共にありし悪の銀核(チェイサーバイラルコア)

ランク C

種別 対人理宝具

 

アーチャークラスとライダークラスの時に持ってこれる宝具。後述の宝具に様々な力を与える。

アーチャークラスでは、バット、スパイダー、コブラの3つを、ライダークラスではこの3つの他にライノスーパーバイラルコアを持てる。

 

 

約束と人類悪の処刑銃(ブレイクガンナー)

ランク A

種別 対人理宝具

 

 

アーチャークラスとライダークラスで持てる宝具。

魔進チェイサーと仮面ライダーチェイサーの基本装備。

 

 

黄泉渡らす人類守護の処刑戦斧(シンゴウアックス)

ランク A

種別 対ロイミュード宝具

 

仮面ライダーチェイサーの基本装備。

 

 

今回の聖杯戦争において。

 

暁美ほむら@マギカシリーズにアサシンクラスで召喚される。




マスターの解説は多分書きません。


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武藤カズキ 姫野

今回は武装錬金アフターアフターとチェンソーマンから。


武藤カズキ

 

性別 男

 

適正クラス(7クラスのみ)

ランサー 

 

基本ステータス

筋力 C

耐久 A

敏捷 A

魔力 E

幸運 D

宝具 B

 

概要

ホムンクルスと戦った錬金の戦士の1人。

一度はホムンクルスを超えた存在、

ヴィクターⅢに変身してしまったが、

仲間たちの尽力により元に戻ることが出来た。

 

仲間の為に時に自らを全て犠牲にしてまで戦う優しくも悲しい山吹色の心の持ち主。

 

 

召喚について

彼自身の全盛期はヴィクターⅢとなっていた期間だが、人理はこの期間のカズキを『あくまで人類の敵orそうでなくとも人外だった』と認識している為、ヴィクターⅢでの召喚は不可能。

 

 

保有スキル

 

魔力放出 A

サンライトハートに魔力を帯びさせジェット噴射のように瞬間的に放出することで能力を向上させる。

 

 

対魔力 E

魔術に殆ど関係ない出典からの英霊の為、

クラス別スキルでありながら

並みの魔術師の魔術を弾ける程度に止まる。

 

 

戦闘続行 A

往生際が悪い。

瀕死の傷でも心臓を

破壊されない限り生き延びる。

 

 

カリスマ D

人徳。Dとあるが軍団を率いる才能と言うよりは

彼の場合人に慕われる才能。

 

 

宝具

 

山吹色の心核槍(サンライトハート)

ランク A

種別 対錬金宝具

 

突撃槍(ランス)の武装錬金。

彼自身の霊格となっているⅢの核鉄を変形させた物。

飾り布をエネルギー化させることで

ブースト、目潰しなど様々な事が出来る。

が、長時間の使用は確実に霊格を消費してしまう。

燃え尽きるほどヒートしたりしない。

 

 

今回の聖杯戦争において。

 

皆城総士 @ 蒼穹のファフナーEXODUSにランサークラスで召喚された。

 

 

姫野

 

性別 女

 

適正クラス(7クラスのみ)

アサシン

 

基本ステータス

筋力 E

耐久 D

敏捷 B

魔力 C

幸運 E

宝具 A+

 

概要

特異4課のデビルハンターの1人。

酒好き、煙草もやる、ノリが良い、人を揶揄うのが趣味とはっきり言って弱みを握られたくないタイプの女。

だが一度気に入られれば、

彼女の日常の一部と認められれば、

彼女はあなたの為に戦ってくれるだろう。

 

 

召喚について

能力的にはキャスター的なサーヴァントだが、

『私は魔術師ほど頭のネジがぶっ飛んでない』という本人の主張からアサシンクラスでしか召喚されない。

 

 

保有スキル

 

透視(幽霊) A

固有スキル。

悪魔に食わせた右目で元の視力の範囲なら任意で透視出来る。

 

 

気配遮断(右腕) A

彼女をアサシンたらしめる固有スキル。

不可視、触れない幽霊の右腕。

並みの魔術師なら殺気を感知することさえ叶わないまま首をへし折られる。

 

 

宝具

 

貴方には泣いて欲しいから(デビルオブゴースト・カムリアル)

ランク A

種別 対悪魔宝具

彼女が生前最後に行った幽霊の悪魔との取引。

彼女の霊格全てを差し出すことで幽霊の悪魔を完全現界させる。

 

 

今回の聖杯戦争において。

 

秋山蓮 @ 仮面ライダー龍騎にアサシンクラスで召喚された。




そろそろfateシリーズからもサーヴァントだそうかな?


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仮面ライダーアマゾンアルファ

今回はあの狂気の名作から


仮面ライダーアマゾンアルファ

 

性別 男

 

適正クラス(7クラスのみ)

バーサーカー アサシン ライダー

 

基本ステータス

筋力 A

耐久 B

敏捷 A

魔力 E

幸運 E

宝具 C

 

概要

アマゾン細胞の開発者の1人にして

自身の体にアマゾン細胞を移植しアマゾンとなった第二のアマゾン。

豪放磊落でアル中、(非常時を除き)自身の手で殺したもの以外食べないなど常人とはかけ離れた心情、感性の持ち主。

アサシン時には洗練された格闘術を駆使して

バーサーカー時には視力が無い代わりに体全身の感覚を利用した荒々しい手負いの獣の如きスタイルで戦う。

全ては自分が生み出したあらゆる悲劇から人類を守らんが為に

 

 

召喚について

肉体の全盛期で呼ばれたらアサシン。

アマゾンを狩るものの全盛期で呼ばれたならバーサーカーで召喚される。

アサシンクラスの場合、本人の信条からマスターを殺すことは無いが、バーサーカーの場合はこの限りでは無い。

 

 

保有スキル

 

気配探知(アマゾン) E or B

アマゾンを探知する能力。

アサシンクラスではEだがバーサーカークラスでは視力が無い代わりにそれ以外の五感と共にBまで上昇する。

 

騎乗 E

仮面ライダーの英霊が共通して持つスキル。

彼にバイク戦の伝説がない為、ランクは低い。

 

正気喪失 D

固有スキル

道徳心の欠如。

いかに善良であろうと害意が無かろうとアマゾンならば必ず殺し、

いかに悪事を働こうと人を殺そうと人間なら必ず守る。

 

精神汚染(トラロック) E

バーサーカークラスで召喚された際に持つ固有スキル。

精神が錯乱しているため、

他の精神干渉系魔術をシャットアウトできる。

本来は同ランクの精神汚染がされていない人物とは意思疎通ができないが、元々がかなり落ち着いてる為、

マスターと問題なく意思疎通可能。

 

 

食人衝動 E-

人肉食に対する欲求。

ベースが人間であるせいかアマゾンの中でもぶっちぎりで低いが、それでも全く無い訳では無い。

 

狂気の追跡者

固有スキル。

彼のアマゾン狩りに対する執念を象徴するスキル。

 

狂化 E-

バーサーカークラスのクラス別スキル。

彼自身のアマゾン撲滅への執念に押さえ込まれ最低値。

ステータスアップも理性喪失もおこらず、

マスターと問題なく意思疎通可能。

 

 

宝具

 

赤き狩猟者・起動(アマゾンズドライバー)

ランク D

種別 対アマゾン宝具

いわゆる変身ベルト。

鷹山仁を仮面ライダーアマゾンアルファに変身させる宝具。

 

 

今回の聖杯戦争において。

 

風鳴翼 @ 戦姫絶唱シンフォギアにバーサーカークラスで召喚される。




元々Fateシリーズに出たサーヴァントは書かないかな?


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ウルトラダークキラー

タグにオリジナルダークネスコピーを追加させて頂きます。


ウルトラダークキラー

 

性別 ?

 

適正クラス(7クラスのみ)

なし

 

基本ステータス

筋力 A

耐久 EX

敏捷 B

魔力 EX

幸運 ?

宝具 A

 

概要

かつてウルトラ戦士に倒された怪獣、超獣、宇宙人の

怨念の集合体。

その行動理念はウルトラの名を冠する者の抹殺。

牙狼シリーズで言うところのザジ。

アヴェンジャー以外の適正クラスを持たない。

 

召喚について

ウルトラの名を冠する戦士を倒す為だけの存在である為、

先にウルトラ戦士のサーヴァントが召喚されてる、

ある程度心に闇を抱えた人物が召喚する。

という2つの要素があれば誰でも呼べる。

しかし召喚コストに対してマスターへの負荷は命を削る程。

 

保有スキル

 

復讐者(ウルトラ戦士) EX

 

ウルトラ戦士への恨みと怨念を一身に集める在り方がスキルとなったもの。

周囲からの敵意を向けられやすくなるが、

向けられた負の感情は直ちにアヴェンジャーの力へと変化する。

 

 

忘却補正 EX

 

決して忘れないウルトラ戦士への怨念。

忘却の彼方より襲い来る攻撃はクリティカル効果を強化させる。

 

自己回復(魔力)

 

怨念の集合体という不可死の存在。

あらゆる怨念をウルトラの怨念に書き換え、己が魔力とする。

後述の宝具にも利用する。

 

 

宝具

 

暗黒侵光空間(ダークキラーゾーン)

ランク A

種別 結界宝具

 

ダークキラーの領域。

封じた者のエネルギーを吸い続け、ダークキラーゾーン力にする。

 

 

極光反転・暗黒軍団(ダークネスコピー)

ランク EX

種別 対光宝具

 

対象から奪った光のエネルギーと

ダークキラーのキラープラズマを組み合わせて闇の傀儡を創り出す。

色以外、基本はオリジナルと同じ姿だが、

あらゆる技、力がオリジナルを凌駕する。

共通点として、1.オリジナルの基本形態と同じ姿。

2.目、カラータイマーが赤く染まる。

3.黒がベースカラーになる。

4.目の下に紫の炎の様な模様が浮かぶ。

の4つだか、奪った光のエネルギーの量やオリジナルのトラウマなどに左右される場合がある。

例、ウルトラマンゼロから創り出されたゼロダークネスは、かつてウルトラマンベリアルに憑依された際と同じ姿をしていた。

 

 

暗黒爆裂烈火突進(ダークネスダイナマイト)

ランク A

種別 対光宝具

 

かつて戦ったウルトラマンタロウの決め技、

ウルトラダイナマイトを元にした必殺技。

炎を纏って突進する。

これら以外にもウルトラマン達の技をベースにした様々な技を持つ。

 

今回の聖杯戦争において。

 

風見涼 @ ゲーム部プロジェクトにアヴェンジャークラスで召喚される。



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オルテナウスダークネス

記念すべきオリジナルダークネス第一号です。


オルテナウスダークネス

 

基本ステータス(相当)

筋力 C+

耐久 A+

敏捷 C

魔力 ?

幸運 ?

宝具 ?

 

概要

 

ウルトラダークキラーがマシュ・キリエライトから奪った魔力と自身のキラープラズマを融合させて創り出した

ダークネスコピーズの1人。

ジードダークネスと同じ人造人間の模造品。

マシュから充分な量の魔力を奪えなかった

不完全なダークネスだが、

それでもオリジナルを凌駕するスペックを持つ。

 

 

オリジナルとの差異

 

オーブダークネスと同じく肌の色は変色していないが、

スーツやアーマーは本来紫の部分がブラッドレッドに

黒の部分が黒鉄色に変色し、

目の下には薄紫の炎の様な模様が浮かんでいて、

オリジナルにあった特徴的なゴーグルがなくなりかわりに

胸部に強引に埋め込まれた様に歪な赤いカラータイマーがある。

 

 

保有スキル

 

ダークネスバンカーボルト A+

 

オリジナルのバンカーボルト Aの上位互換

 

 

ダークネスアマルガムゴート C

 

オリジナルのアマルガムゴート Dの上位互換

 

 

暗黒なる奮起の盾 EX

 

オリジナルの悲壮なる奮起の盾の上位互換

 

 

魔力吸引(光) A

 

敵サーヴァント、マスターから魔力を奪うスキル。

あくまで魔力を奪えるだけであり

キラープラズマを扱える力はない為

ダークネスコピーズ達だけで新たなダークネスコピーズを造り出す事は不可能。

 

 

宝具

 

いずれもろき暗黒の星(モールド・テンネブリス)

 

ランク A

種別 対光宝具

 

オリジナルのいまはもろき夢想の城(モールド・キャメロット)を基にしたオルテナウスダークネスの技。

仲間に闇の守りの加護を与える。

 

 

今回の聖杯戦争におけるダークネスコピーズ

 

ダークキラーが奪った力をキラープラズマと結合させて造る意思を持たない戦闘マシーン。

大元であるウルトラダークキラーがサーヴァントの枠にはめられている為、

造り出される手順はサーヴァント化される前と変わらないが、ダークネスコピーズ達自身はシャドウサーヴァントと同じ扱いをされる。

シャドウサーヴァントと幾度も交戦したことのある藤丸立香はこのカラクリを1発で見抜いていた。

 

ダークキラー自身、

別にダークネスコピーズを作る事に執着は無いが、

聖杯戦争という環境下故に取引なしで淡々と言うことを聞く故に重宝はしている。

また、造るのにも維持するにも、復活させるにも

ある程度ダークキラーの魔力を消費する為

聖杯戦争が進んでいき、

ダークネス戦士が増えていけば増えていくほど

マスターに過剰な負荷をかけていき、

最終的にはマスターの生命も脅かす。




異論反論解釈違いが有れば遠慮なくお申し付けください。


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ウルトラマンゼロ

今回は例外的にマスターも少し解説します。


ウルトラマンゼロ

 

性別 男

 

適正クラス(7クラスのみ)

アーチャー キャスター バーサーカー

 

基本ステータス

筋力 B

耐久 A

敏捷 A+

魔力 B

幸運 D

宝具 EX

 

概要

 

ウルトラセブンの息子にして別次元宇宙・アナザースペースで活躍する宇宙警備隊ウルティメイトフォースゼロのリーダー。

一時期荒れていたが厳しい修行と激しい戦い、そして人々の心や頼れる仲間達と触れ合い、若くして一角のウルトラ戦士に成長した。

 

召喚について

 

基本はアーチャークラスで召喚されるが、何かの間違いでベリアルの怨念共々呼ばれた場合はバーサーカークラスorキャスタークラスで呼ばれる。

そもそもが地球外の存在である為、通常の聖杯戦争ではまず呼ばれない。

今回の聖杯戦争で呼ばれた彼(に限らずウルトラ戦士)は月の聖杯のデータを基に複製された存在である。

 

保有スキル

 

対魔力 A

 

魔力を持った攻撃に対する耐性。

人間の魔力程度では命を削ったものでもない限りウルトラ戦士を傷付けることは叶わない。

 

単独行動 E

 

アーチャーのクラス別スキル。

地球上では3分しか本来の姿に戻れない為、最低ランクに止まる。

 

ウルトラ念力 A+

 

ウルトラ戦士なら誰でも使える技。

光の国きってのウルトラ念力使い、セブンの息子である彼もウルトラ念力を得意としている。

 

 

憑依(ウルティメイトブレス) B

 

ウルティメイトブレスを介して他の生命体に憑依するスキル。

 

憑依 A

 

直接他の生命体に憑依するスキル。

ウルティメイトブレスを介して行う場合と異なり、

憑依した生命体の肉体を借りる事が出来る。

 

 

宝具

 

億夜斬り裂く一対の戦剣(ゼロスラッガー)

ランク B

種別 対侵略者宝具

 

ウルトラマンゼロの頭に装備している一対の宇宙ブーメラン。

合体させる事で、ゼロツインソードという大剣になる。

 

祈よ、光の飛翔と共に(ウルティメイトブレス)

ランク EX

種別 対闇宝具

 

アナザースペースに暮らす人々の光とウルトラマンノアの加護を与えられたゼロ最強の武器。

付けてるだけで恩恵を得ることが出来、

ウルトラゼロスパーク(ブーメラン)

ウルトラゼロランス(槍)

ウルトラゼロディフェンダー(盾)

ウルティメイトイージス(鎧、弓矢)など、

様々な形態に変形せる他、ゼロに残留したダイナ、コスモスの力も宿っており叩くことでパワー重視のストロングコロナ、超能力重視のルナミラクルに変身出来る。

 

至高の栄光よ、可逆の力を(シャイニングウルトラマンゼロ)

ランクEX

種別 対時流宝具

 

時間逆行さえ可能にするゼロの潜在パワーを最大解放した姿。

大抵の敵を上回れるが、マスターの命を削るレベルの消費を強いられる。

 

無限の超越(ゼロビヨンド)

ランクEX

種別 対限界宝具

 

ゼロがグルーブ三兄弟妹(きょうだい)以外のニュージェネレーションヒーローズから力を借りて変身する最強形態。

 

今回の聖杯戦争において。

 

ウルトラダークキラーにマスターを倒され、霊基を半分奪われ弱体化していたところ、瀕死の重体だった藤丸立香 @ Fate/Grand Orderに憑依し、戦線復帰した。

しかし戦える様になっても大幅に弱体化しており、シャイニングウルトラマンゼロやウルティメイトイージスなどは使えなくなっている、




一応、マスターとサーヴァントは全員考えたので出揃うまで気長にお待ち下さい


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クトリ・ノタ・セニオリス

今回は終末なにしてますか 忙しいですか 救ってもらっていいですかから。


クトリ・ノタ・セニオリス

 

性別 女

 

適正クラス(7クラスのみ)

セイバー キャスター

 

基本ステータス

筋力 E+

耐久 C

敏捷 A

魔力 A

幸運 E

宝具 B

 

概要

 

既に終わりかけの世界を維持させる為に戦わされた黄金妖精の1人。

普段から背伸びして大人ぶった振る舞いをしているが、

実際には年相応の脆さや未熟さを抱えているが、

意地っ張りな性格故、子供扱いされるのを嫌う。

死際の影響か、それともこの歪んだ聖杯戦争のせいかは定かではないが生前の記憶が殆どなくなっていても上記の本質は変わらない。

それでも何より大切なあの人と、

彼が作ってくれたあの味は忘れない。

例え全部(せかい)が終わっても。

 

召喚について

 

まず本来の人間に召喚されることがあり得ない英霊だが、今回の様な相性だけで選ばれるこの聖杯戦争ではごくごく稀に呼ばれる事がある。

セイバークラスの方が一段階ずつスペックが高いが、大抵は召喚すること自体が困難な為、実質キャスタークラスでしか呼べない。

 

保有スキル

 

獣殺し B+

魔獣や野生生物に対する特効。

生前「十七種の獣」と呼ばれる改造人間兵器と戦い続けた逸話が昇華されたスキル。

 

魔力放出(翔) A

魔力で作った翼で翔ぶ力。

これにより空中戦が可能な他、

サーヴァント化した際にスキルに昇華したことにより通常の魔力放出の様な使い方も出来る様になった。

 

戦闘続行 A

生前の逸話が昇華されたスキル。

最期の最期まで大切な人のために戦い続けた彼女の固有スキル。

 

陣地作成 E

キャスターのクラス別スキル。

本人に魔術師らしい逸話がない為最低ランクに止まる。

それでも簡単な結界ぐらいは作れる。

 

道具作成 E

キャスターのクラス別スキル。

本人に魔術師らしい逸話がない為最低ランクに止まる。

それでも簡単な魔術礼装ぐらいは作れるが、

普通の魔術師にすら簡単にバレるレベルの結界しか貼れない為、使う意味すら無い。本人もいっそ持ってない方が良かったと思っている。

 

宝具

 

古代聖剣(カリヨン)英雄の証(セニオリス)

ランク A+

種別 対獣宝具

クトリの愛剣。

数々の英雄達が手にしてその伝説を打ち立てた聖剣にして、数々の数奇で残酷な運命の待つ戦いへと駆り立てた呪いの剣でもある。

 

いざ開け、天獄の妖精郷(ゲート・オブ・パライソ)

ランク A

種別 対獣宝具

自爆技。

急激に魔力をおこす事による爆弾化。

いわばサーヴァントごとやるブロークンファンタズム。

 

 

今回の聖杯戦争において。

 

木村 @ RIDER TIME 龍騎にキャスタークラスで召喚された。




個人的にfgoのマシュと並んで幸せになって欲しいヒロイン筆頭です。


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クリフジャンパー

今回は超ロボット生命体トランスフォーマープライムから


クリフジャンパー

 

性別 男

 

適正クラス(7クラスのみ)

アーチャー ライダー バーサーカー

 

基本ステータス

筋力 A

耐久 B

敏捷 C

魔力 E

幸運 D

宝具 C

 

概要

惑星サイバトロンの超ロボット生命体トランスフォーマーの一体。

地球にて僅かながら人間の為に戦った為、

英霊の座にも記録がある。

お喋りで血の気は多いが、陽気で憎めない。

ただしくれぐれも怒らせない様に。

彼らは地球外知性体。

地球の常識が全て通じるとは限らない。

 

召喚について

特に制約などはないが残されてる触媒などが極端に少ない為、基本的には相性でしか召喚出来ない。

テラーコンとしての彼はバーサーカークラスで固定だが、それ以外ではマスターとの相性によりクラスが変化する。

 

保有スキル

 

スキャニング B

トランスフォーマーの英霊なら基本的に誰もが持つスキル。

擬態する為に乗り物を解析するスキル

 

トランスフォーム A

擬態機能、及び腕部に内蔵された武装を展開する為のスキル。

トランスフォーム・コグと呼ばれる機能に依存している。

 

血濡れの蛮勇 D

詳細不明。

自身の筋力、耐久を上げる。

 

狂化(ダークエネルゴン) A

バーサーカークラスで呼ばれた場合もつスキル。

理性や人格のような物を一切感じさせないほどに狂う。

その代わりあらゆるステータスが上昇する。

 

宝具

 

両腕部三連砲(アームズマイクロンシエル)

ランク B

種別 対トランスフォーマー宝具

クリフジャンパーがもつ主力武器。

イオンカノンで、その火力はディセプティコンのリーダー、メガトロンにも匹敵する。

 

 

左腕部鎖式断機(アームズマイクロンジダ)

ランク B

種別 対トランスフォーマー宝具

バーサーカークラスの場合もつ主力武器。

ビッグソーで、その切れ味はラチェットやオプティマスのブレードとは別の意味で恐ろしい。

 

今回の聖杯戦争において。

 

百地希留耶@プリンセスコネクト!Re:Diveに

エンシェント・ジャイアントクラスで召喚された。

 

余談

 

百地希留耶はテラーコンとしての彼の方が御し易かったのでは?と考えていたようだが、それは間違いで、

もしそうだった場合、召喚直後に一も二もなく殺されていた筈である。

 

これはディセプティコンのサーヴァントにも言えることで、さらに運悪くメガトロンの様なサーヴァントを呼んでしまった場合、『陛下』から以上の奴隷、下手すればペット扱いを受けたであろう。

 

かと言ってオートボットなら誰でも良かったかと言われれば決してそうではなく、オプティマス・プライムやクロスヘアーズなどとは間違いなく反りが合わなかった為、結局クリフジャンパーがベストという結論になる。




プライムなんで続きを地上波でやってくれない……


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本編
第一話


遅れながら第一話です。


走る、走る、走る。

ただ死にたく無いが為だけに走る。

振り返ってはいけない。またあの地獄を見たらきっと立ち止まってしまう。

 

(やだ、やだ!死にたく無いよ、まだ運命の人も見つけてないのに!)

 

「ねぇ……ちゅーしよ?ちゅー。」

 

嘆きも虚しく異形としか言えない存在は彼女を、佐久間まゆを殺さんと追いかけて来た。

 

(逃げないと…逃げないと!)

 

しかし逃げ込んだ先は非情にも行き止まりだった。

見ると奥の方では黒い身体に銀の仮面の異形が頭の潰れた人を見下ろしている。

 

(やだ……死ぬ?まゆ死んじゃうの?)

 

こんな所で死にたく無い。

運命とは、どんな障害も乗り越えて掴むモノ。

そう信じていた彼女もこの時ばかりは祈った。

 

(助けて!まゆだけの運命の人……ッ!)

 

「ちゅーしよ? ちゅーーー!!!」

 

「ッッッッ!!!!!」

 

瞬間、左手首に痛みが走る。

噛みちぎられた様な痛みでは無い。

焼ける様な痛みだ。

思わず抑えた手首を見ると、そこには血の様に真っ赤な刺青が参画浮かび上がっている。

 

(一体何が!?)

 

気にはなったが、今は命の危機だと思い出し、怪物の方を見るが

 

「綺麗……」

 

思わず呟いていた。

そこに居た新たな異形に心を奪われた。

 

蒼く、白く輝く銀の鎧。狼を模した仮面に二本の剣を持った騎士だ。

剣も、鎧も、恐らくまゆが見たどんな物よりも今目の前の物が1番美しい。

 

「大丈夫?」

 

銀狼の異形が不意に話しかけた。

 

「は、はい! あの、あなたは一体?」

 

「俺は君を守る人。君は俺に助けられる人。

今はそれでいい?」

 

「……はい!」

 

「むししないで…ちゅーしよぉおおお!!」

 

迫る異形。

しかし銀狼の惚れ惚れする様な洗練された斬撃の前に両断された。

 

煙を上げながら消滅する異形

 

「? 火羅(ホラー)じゃない?」

 

一瞬不思議そうにしたが、すぐにまゆの背後の異形に向き直る。

 

「安心しろ、俺は人間には危害を加えない。」

 

そう言って仮面の異形は飛び上がり、建物の上に立つ。

 

「待て! 何者だ!?」

 

「アサシンのサーヴァント。そう言うお前は?」

 

「……バーサーカーだ。」

 

「そうか…」

 

そう言って仮面の異形は去って行った。

 

それを見送ると銀狼は鎧を解いた。

中から現れたのは

 

(す、素敵!!)

 

鎧を脱いだその姿は黒いコートに色白のイケメンだった。

人当たりの良い笑顔を浮かべた優しそうな青年だ。

 

「大丈夫かい? 俺の法師(マスター)

 

「はい、はい!まゆはあなたのおかげで大丈夫です!」

 

「なら良かった。」

 

と、言いたいところだが、男は、涼邑零は直ぐに思考を切り替えた。

 

(俺がバーサーカークラスで呼ばれるって事は少なくとも世界を滅ぼしかねない竜種が現界してる筈…それにさっきの火羅とは違う化け物。)

 

一筋縄じゃいかない。そう思い空を睨んだのと同じ頃、アサシンは

 

「どういうことアサシン?」

 

「どういうこと、とは?」

 

「私は敵を殺せと命令した筈よ?

何故あのバーサーカーを逃したの?

マスターの女はまだ自分が聖杯戦争に組み込まれた事さえ気づいてない風だった。

簡単に殺せた筈よ?」

 

「俺は人間を守る戦士だ。」

 

またか、とアサシンのマスター、暁美ほむらは舌打ちした。

仮面ライダードライブという出典においてこれ以上の英霊はいないというから高潔な英霊だろうと予想はしていたが、ここまで扱い難いとは思ってもみなかった。

 

「令呪を使われたいのかしら?」

 

「無理だ。説明しただろう?」

 

このやり取りも何度目だろう?

ほむらが召喚したアサシン、ロイミュード000(トリプルゼロ)には『人工英雄(真) EXというスキルがあり、人類に仇なす命令は例え参画全ての令呪を使おうとも受け付けないという非常に要らないスキルだ。

 

「お前に協力はするが、俺は俺の本能に従う。」

 

霊体化しながら吐き捨てる000。

この台詞も何度目だろう。

サーヴァントを撃破していなかったら切れてるところだ。

 

「最悪のサーヴァント……。」

 

アサシンは非情で、私みたいなマスターと相性が良いんじゃ無いのか?

ほむらが余裕なく頭を抱える一方で

 

「ふむ、面白くなってきたじゃないか。」

 

「どうしたキャスター?」

 

キャスターと呼ばれた五条袈裟のサーヴァントの元に灰色のコートに銀髪の男が話しかける。

 

「マスターと思われていた少女を狙わせた呪霊が祓われた。多分サーヴァントを召喚したんだろう。」

 

「どんなサーヴァントなんだ?」

 

「分からない。式神や動物を使役するのと違って私は呪霊と視覚を共有出来ないからね。」

 

「気配は?」

 

「バッチリ覚えた。近々挨拶に向かおう。」

 

「ああ、俺たちの楽園の為にな。」




今回現在判明したサーヴァント

涼邑零 @ ZERO DRAGON BLOOD
ロイミュード000 @ 仮面ライダードライブ
呪霊操術のキャスター @ 呪術廻戦

今回存在が判明したマスター

佐久間まゆ@ アイドルマスターシンデレラガールズ
暁美ほむら@ マギカシリーズ
銀髪の魔戒騎士 @ 神ノ牙JINGA



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第二話

ほぼ説明の為の回です。


学校に行く。

 

何も特別なことは無い。

何故なら僕は高校生だ。

在学するからには義務教育の時ほど厳格でも、大学よりもルーズではないぐらいには出席しなければならず、急に欠席すれば()()()()()()()()()()()()()と声に出して言う様なものだからだ。

 

『ヘェ〜、結構綺麗な学校だな総士(そうし)。』

 

僕にだけ聞こえる声で昨夜僕に、皆城(みなしろ)総士に召喚されたサーヴァント、ランサーが感嘆の声をもらした。

 

(そんなことよりランサー、他のサーヴァントは居るか?)

 

僕も彼だけに聞こえる声を飛ばす。

するとランサーは真面目な口調になり

 

『俺は探知が苦手だけど…間違いなく何人かは、居るね。」

 

まだ契約してから24時間しか経っていないが1つ確かな事がある。

僕のランサーは嘘を付くのが苦手だ。

余程酷い勘違いでない限り彼が口にする言葉は全て心からのものだ。

 

(ランサー、周囲を警戒。

流石にまだまだ多くのサーヴァントが残っているこのタイミングで人目を憚らず仕掛けてくるとは思えんが、アサシンなどの場合自然死に見せかけて暗殺にくる可能性がある。)

 

『ラジャー!』

 

非常に頼もしい返事が返ってきた。

思わず微笑む。しかし当たり前かとも思う。

何故なら僕は彼の様なサーヴァントを望んだからだ。

 

昨日の夜。僕はクラスメイトの春日井(かすがい)甲洋(こうよう)羽佐間(はざま)翔子(しょうこ)が2人で歩いてるのを見て強烈な違和感を感じた。

それは今に始まった事ではなく、例えば1学年下の堂馬(どうま)広登(ひろと)が存命な事や、

2学年下の鏑木(かぶらぎ)(すい)が杖をついていない事にも、

そしてここが島で無い事にもずっと違和感を感じていた。

 

(本当に僕が居る場所はここなのか?)

 

言い表しようが無い違和感を抱えながら帰路に着いた時、僕は見てしまった。

 

()()()()()()()()()()()()()()()()

瞬間、僕の封じられた記憶が解放された。

 

(僕は…死んだはず!)

 

「その通りだ皆城総士。」

 

不意に声をかけられる。

続いていないと思った道の先にくたびれたコートの男が立っている。

 

「これを使え。」

 

男は僕に七色の尖った石を、後に聖晶石という名だと知る石を投げ渡した。

 

「使い方はいずれ分かる様になる筈だ。

戦え。戦わなければ生き残れない。」

 

そう言うと男は無の奥に消えて行った。

 

僕は走った。急いで家から財布と家にある必要なモノを持って人気の無い公園に向かい、ひたすらに夜を待った。

 

その間、僕の頭に必要な知識が流れ込んでくる。

メモリージングされた記憶が解放されていくのに似た感じだ。

 

「よし。」

 

全てを理解した。

陣を書き中心に聖晶石を置くと、微かに聖痕(れいじゅ)の浮かぶ右手をかざす。

 

「素に銀と鉄。 礎に石と契約の大公。

祖には我が大師シュバインオーグ。

降り立つ風には壁を。 四方の門は閉じ、

王冠より出で、王国に至る三叉路は循環せよ…。」

 

陣に光が浮かび、回転を始め、三つの光の輪を作る。

 

閉じよ(みたせ)閉じよ(みたせ)閉じよ(みたせ)閉じよ(みたせ)閉じよ(みたせ)

繰り返すつどに五度。

ただ、満たされる刻を破却する!」

 

光がより一層強くなる。

ここで通常とは異なる詠唱を挟む事で、

狙ったクラスの英霊をよべる!

 

「――告げる!

汝の身は我が下に、我が命運は汝の槍に。

聖杯の寄るべに従い、この意、

この理に従うならば応えよ!

 

誓いを此処に。

我は常世総ての善と成る者、

我は常世総ての悪を敷く者。

 

我は虚無の担い手となる者、

汝は存在を肯定する者!

 

汝三大の言霊を纏う七天、

抑止の輪より来たれ、

天秤の守り手よ!!!!」

 

瞬間、光が山吹色(サンライトイエロー)に変わり、弾けた。

龍の顔を模した身の丈程もある突撃槍を携えたその少年は

 

「ランサー、武藤カズキ。

俺を呼ぶ声がしたから駆けつけた。

君が、俺を呼んだのか?」

 

僕の親友と同じ名前をしていた。




今回存在が明らかになったマスター
皆城総士 @ 蒼穹のファフナーEXODUS

今回存在が明らかになってサーヴァント
武藤カズキ @ 武装錬金アフターアフター


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第三話

出して欲しいキャラがあったらマスター、
サーヴァント問わず是非お申し付けください。
原作読んでから出します。


新しい煙草に火がつけられる。

紫煙の輪が虚空に消える。

 

「アサシン。

朝飯の時ぐらいは煙草を控えてくれないか?」

 

程よく焼けたベーコンを食べながら

煙草を吸う隻眼の女アサシンのマスター、

秋山蓮は少しうんざりした様に言った。

 

「レン君硬いね。

戦争なんだからこういう娯楽ぐらい許してよ。」

 

再び紫煙を吐きながらアサシンはコーヒーを一口。

 

「受動喫煙の方が身体に有害物質が入る。」

 

「別にいいじゃん、

私もレン君も生身じゃないでしょ?」

 

気分の問題だ!と怒鳴りながら蓮は食器を片付けた。

 

……ここはSE.RA.PHと呼ばれる電子虚構世界。

平たく言えばバーチャル空間。

だからここに存在する人間は三種類。

 

1、聖杯が実在した人間を完璧に再現するなどして造った人形、NPC

2、魂をデータ化させ、SE.RA.PHにやって来た聖杯戦争の参加者であるマスター。

3、マスターから供給される生命エネルギーにより現界する聖杯の膨大なデータの中から選び抜かれた英霊、サーヴァント。

 

(マスターは皆、このSE.RA.PHにある街、月海原(つぐみはら)に集められ、現実世界での記憶を取り戻した者だけがサーヴァントを召喚できる。)

 

そして一定期間以内に記憶を取り戻せなかった参加者はSE.RA.PHによりデータ化されている魂をデリートされ、死ぬ。

 

全部一昨日召喚したアサシンが教えてくれた事だ。

 

(そして、サーヴァントを召喚できてるはずなのに名前と…)

 

ポケットから蝙蝠の紋章(ライダーズクレスト)がついたデッキを取り出す。

 

(仮面ライダーしか思い出せない俺は異常、か。)

 

「ありゃ? レン君どうした難しい顔して?」

 

「なんでもない。

それより教会のシスターが上級AIだってのは本当なんだな。」

 

「やっぱり記憶の事聞きにいくの?

やめときなよ。あのシスター超性悪らしいし」

 

「知るか。俺は前に進まなきゃいけない。」

 

「空っぽなのに?」

 

「昔と変わらんさ。」

 

記憶も何もない筈なのに確信を持って言えた。

 

「聖杯なんかに、

なんでも願いを叶えられるなんて甘い話に釣られるような奴は大きな傷を負ってる。それが元で皆空っぽの幽霊さ。」

 

「だから幽霊の悪魔と契約した私を呼べたのかもね。」

 

唯一ある左目で茶化す様に蓮を見ながらアサシンは笑った。

なんでも生前は国家公認の悪魔(デビル)狩り(ハンター)だったらしい。

 

「ああ。だからお前の前の6人の相方みたいに死ぬ事はない。」

 

「!?」

 

「死人はもうこれ以上死なないからな。」

 

「は…アハハハはハハっ!!」

 

「なんだよ?」

 

「いやー安心した。

レン君は頭のネジがぶっ飛んでる。

長生きするね。」

 

「嫌味か?」

 

「ううん、本心から。

私は魔術師(キャスター)と呼ばれる程頭のネジ飛んでないから。」

 

「……被れ。バイクで行くぞ。」

 

アサシン、姫野にヘルメットを投げ渡す。

自分はそんなに単純じゃない。

あの馬鹿だって単純だった筈なのにあんだけ悩むんだ。

 

その馬鹿が誰か全く思い出せないまま蓮はバイクを出した。




今回現在判明したサーヴァント

姫野 @ チェンソーマン


今回存在が判明したマスター

秋山蓮 @ 仮面ライダー龍騎


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第四話

緑衣のアーチャーほどちゃんと弓矢も使ってると思うんだ。


「くそう! この、このデビルハンターがぁああ!!!」

 

「ウルセェええっ!!」

 

一閃。ハンドアックスで叩き切られた。

顎が歪な形に変形した頭が落ちる。

 

「うっし、いっちょ上がり。」

 

そう言うとハンドアックスの少年は躊躇なく胸の中の心臓を抉り取った。

 

「マスター。

パトカーが来ている早く撤収するぞ。」

 

「おう、アチャ子。じゃ、行くか。」

 

マスターと呼ばれたハンドアックスの少年、デンジと

ライオン耳に緑衣の美女、アーチャーはその建物から姿を消した。

 

 

「ほー、もう7人目か。1日1人は殺してる計算だな。」

 

ソファーに寝っ転がりながら新聞を巡る青髪の青年。

 

「やっぱりあの下品なら男と緑衣のアーチャー?」

 

「多分な。」

 

着替えを終えて降りてきた赤毛の少女に答える男。

獣の様に獰猛に笑いながら男は1週間前の夜を回想した。

 

 

その夜男は、ランサーはマスターとなった少女、

キュルケ・アウグスタ・フレデリカ・フォン・アンハルツ・ツェルプストーと共に夜の街を歩いていた。

 

「折角あなたの戦いへの情熱を見れると思ったのにこれじゃ興醒めだわ。」

 

心底つまらなそうに髪を弄るキュルケ

 

「なーに、安心しろよ。

これからどんだけでも魅せてやる。」

 

「ふふ、期待してるわよ私の英雄。」

 

蠱惑的な笑みを浮かべるとランサーが上目遣いに見上げる。

聖杯などに興味は…正確には叶えて欲しいほどの願望は無いが最強を決める戦いに負けてやるつもりなど微塵もない。

それがキュルケのスタンスだ。

 

(そんなマスターに俺はお誂えってわけか。)

 

いざ勝負となれば負けるつもりは無いが、

聖杯にどうにかしてもらいたい様な未練はない。

 

(個人的にはキャスターで呼ばれなかっただけ満足だが……ッ!)

 

「?……! 居たのね?」

 

「いや、まだ現界してない。」

 

「見に行ってみましょう。」

 

ランサーの探知で気配を辿り、

人通りの無い街外れの民家の裏手。

 

(あれは…死体の山!? それにあれは…)

 

「ああぁああ二回も殺るとは思わなかったなぁ!

やっぱりプール入ってるみたいで気持ちいいぜぇ!!!」

 

一言で言うならばその姿は、悪魔。

身体中に血を浴び、牙の付いたチェンソーとしか形容出来ない形に変形した頭。

両腕も肘から先は人の腕とチェンソーの刃が合体した奇妙な姿をしている。

 

「あー! これで本当の本当に借金チャラだぜ!

にしてもなんで生き返ってたんだろ?

………ま、細かい事は考えても仕方ねっか!」

 

ぐちゃぐちゃと人だった肉片を踏みながらどうでもよさそうに去って行く悪魔。

 

「ランサー、あれはまだマスターじゃないのね?」

 

「ああ。返り血でよく見えないが、

多分どっちかの腕にできかけの令呪があるはずだ。」

 

「槍を使いなさい。」

 

「いいのか?」

 

「あんな頭のネジがぶっ飛んだ奴がサーヴァントなんて召喚しようものならどうなるか!」

 

「……なるほど。

俺としちゃその方が面白いが、

マスターのお達しなら仕方ねぇ!」

 

飛び出すランサー。その服が黒いシャツから青いスーツに変わる。

 

「あ?」

 

「悪りぃな。」

 

一突。右胸に穴が開く。

なんとか体を捻って心臓は避けたらしいが

それでも朱色の魔槍(ゲイボルク)に刺されたのだ。

まず助かるまい。

 

「がぁっ……ッッ!!」

 

くるりくるりと槍を回しながらトドメにもう一突と迫るが

悪魔は着ていてスーツの中から紐の様なものを引っ張る。

チェンソーが起動する様な音と共に右胸がみるみる治っていく。

 

「その音……なるほど、その力も納得だ。」

 

「なんだか知らねぇけどよぉ〜、

俺の邪魔したいんだなぁ?

だったらブッ殺さねーとな!」

 

刃を唸らせ走る悪魔。

ランサーも笑みを浮かべ

 

「奇遇だな!

俺もそういうタイプだ!」

 

槍とチェンソーが交差する寸前

 

<SWORD VENT>

 

2振りの金の剣がそれを受け止めた。

 

「!? 貴様、サーヴァントか!」

 

「如何にも。

我が真名()は仮面ライダーオーディン。

53番目のサーヴァントにして、

この聖杯戦争をジャッチする裁定者(ルーラー)だ。」

 

ルーラー。それはエクストラクラスの1つで、

イレギュラーな聖杯戦争にのみ召喚されるマスター無きサーヴァント。

 

「デンジ。

お前は最後の52番目のマスターに選ばれた。」

 

悪魔は、デンジはあぁ〜?と首を傾げる。

 

「これは聖杯戦争。

サーヴァントを使役し、戦い、

最後に生き残った者だけが聖杯の力によりなんでも1つ願いを叶えられる。」

 

「はーん。要するに夢バトルだな。」

 

「夢バトル?」

 

「負けた奴の夢は勝った奴の夢よりショボイってことだろ?」

 

「………。」

 

「あっはっはっはっ! そりゃ違いねぇ!」

 

思わず黙るルーラー。

隙の構えは無いが、思わず大笑いするランサー。

隠れながら聞いていたキュルケは思わずこめかみを抑えた。

 

(頭悪っ!!)

 

「あー、でさ。

その聖杯ってなんでも願う叶うの?」

 

「なんでもだ。」

 

「例えばマキマさんの」

 

「兎に角なんでもだ。」

 

「……いいぜ。

その何チャラ夢バトル、のった!」

 

「いいだろう。

貴様を52番目のマスターと認める。

最後にこれだけは覚えておけ。

戦わなければ生き残れない!!」

 

ルーラーが宣言した瞬間。

デンジの背後に召喚サークルが現れ、

サーヴァントが召喚される!

 

「……魔人?」

 

それが自分のサーヴァントを見たデンジの第一声だった。

確かに彼女の頭には猫科動物を思わせる獣耳が生えている。

 

「そう言う汝が我がマスターだな?

サーヴァント、アーチャー。

召喚に応じて参上した。いくら我がマスターとは言え、我が願いを妨げる事は許さん。」

 

至極真面目に言うアーチャーを他所に

デンジの脳味噌の1番欲に忠実な部分(だいたいそうだが)は急回転していた。

 

(……つまり? このおっぱいはそんなでも無いけどツラの良い女と四六時中一緒にいれて、しかも殺しても誰も文句言わねー、俺の心も痛まねー奴ら殺して願いをなんでも1つ叶えられる?)

 

「最高かよ……」

 

「? 何がだ?」

 

「いや、こっちの話だ。

兎に角よろしくな!アーチャー!」

 

 

 

そしてルーラーによりその場は帰らされた。

 

「マスターはどうやらアクシデントでこの聖杯戦争に巻き込まれた様だな。」

 

「まあな。けど要は俺とお前以外のそのマスターってのと魔人をぶっ殺しゃいいんだろ?」

 

「ああ。ただ一つ問題がある。」

 

「問題?」

 

「マスターの魔術回路はかなり特殊だ。

上手く私に魔力が回らない。」

 

「えっと、確か魔力ってあの金ピカ(ルーラー)が言うには確か魔人の身体の元で…」

 

「つまりは燃料切れだ。」

 

「マジかよ!」

 

「マジだ。今すぐではないが、

外部から補給しなければならない。」

 

「うーん…だったら、魔人や悪魔の心臓とか?」

 

「だな。魔力の高い心臓はサーヴァントの維持に適してる。」

 

「だったら決まりだな。」

 

ネクタイを直すとデンジは手を出しながら

 

「魔人と他の奴らぶっ倒して、

俺らで一番になろうぜ。この夢バトル!」

 

「ああ、頼むぞマスター。」




今回判明したサーヴァント

ランサー @ Fate/stay night
アーチャー @ Fate/Apocrypha

今回存在が判明したマスター

キュルケ @ ゼロの使い(小説)
デンジ @ チェンソーマン


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第五話

解釈違いなどあれば遠慮なくお申し付けください。


魔人の心臓の薄切りに、豚、牛、鳥、羊とのったホットプレートに、山盛りご飯に野菜の山。

兎に角美味しいものを集めたテーブルの上でカチン。とジュースの入ったグラスが音を立てる。

 

「サーヴァント初撃破記念といったところか?」

 

「んー、それもあっけどシンプルにめっちゃ肉食いたかったから。」

 

魔人の心臓と他の肉を乗せた皿をアーチャーに渡すデンジ。

 

「そうか、にしても不運なセイバーだったな。」

 

「あの金ピカ何がしてぇんだろ?ま、いっか。」

 

コリコリと心臓の薄切りを噛むアーチャーとムッシムッシと牛肉を頬張るデンジ。

 

8日目にしてようやく出会った敵サーヴァントはセイバーのサーヴァント、ジークフリートと戦った。

竜殺しの大英雄ともなればそれは強敵だったが、

デンジの変則攻撃にアーチャーの援護射撃に焦れたのか早々に令呪を使い幻想大剣・天魔失墜(バルムンク)を強制発動させ、

その直後をアーチャーの射撃に合わせてデンジが心臓を抉り撃破。

 

足の速いアタランテがマスターを確認に向かったが、

既にルーラー、仮面ライダーオーディンがジークフリートのマスターを殺害していた。

 

「人様の獲物を横取りするだけならいざ知らず

丸腰の敵を屠るとは、ルーラーにしては出過ぎた真似ではないのか?」

 

「勘違いしてもらっては困る。

この聖杯戦争ではサーヴァントを持たないマスターは認められない。

アタランテ、貴様のマスターが貴様と契約した時点で全てのマスターとサーヴァントが揃っている。」

 

そうとだけ言うとオーディンは去って行った。

 

「アチャ子! そいつやっつけたのか?」

 

「いや、あのルーラーの癖に仮面ライダーとか名乗る奴に先を越された。」

 

そう言って二画令呪の残っている腕を持ち上げる。

 

「あっそ。ま、とりあえず1人ぶっ殺せだし、いっか。」

 

そうしてそのままジークフリートのマスターの家を乗っ取り今に至る。

 

「やはり私はルーラーとは相性が悪い。」

 

「アーチャーは前にもこの大会に参加したことあんのか?」

 

「ああ、その時はサーヴァントもマスターも14人ずつだった。

ルーラー以外はな。あの聖女は私の目の前で子供を殺したんだ。」

 

「ふーん。そういやアーチャーの願いって子供が皆普通に出来る世界だっけ?」

 

「ああ。 まあ、聖杯に頼らなければなし得ない願いとは、わかってるんだがな。」

 

「別にいいんじゃねーの?

腹減ったり借金のせいで寝れねぇより

毎日パンにジャム塗ったの食えてあったかい布団で寝れるって事だろ?」

 

「ああ……まさにそんな当たり前の幸福を、親の愛の元に受けられる世界だ。」

 

「夢みてぇな世界だな。」

 

「だから聖杯が必要なんだ。」

 

そしてそれは歪んだ世界だと理解している。

しているが、

目の前にいる親から借金しか残されなかった故に普通の幸福に憧れすぎて幼くして悪魔祓いでひもじい思いをしながら借金を返し続けていた少年を見てると自分が正しい様にも思えてしまう。

 

(分かっているのに、この世は弱肉強食だって…)

 

「アーチャー?」

 

「!? な、なんだマスター?」

 

「何辛気臭え顏してんだよ。

飯そんな不味いか?」

 

「い、いや!そう言う訳ではなくてだな。

……私は、はっきり言ってマスターの様な

己の享楽を真っ先に優先する人間は嫌いだが、

正直で真っ直ぐな奴は嫌いじゃない。」

 

「は〜ん。俺も嫌いじゃないぜ。

アーチャーみたいな面の良い美人は。

俺のこと殺そうとしねぇし。」

 

「こ、殺そうと!?」

 

「ああ、マキマさんとかパワ子とか、

あのコベニってチビとか、姫野先輩とか

レゼとか……あれ?」

 

「どうした?」

 

「いや、考えてみたら今まで俺を殺そうとしなかった奴って、男含めてもビームぐらいだけだった気がしてきて……」

 

デンジにしては珍しくかなりしょげた顔になる。

 

「ま、マスター食べよう!

肉が冷めるし、辛気臭いのは嫌いなんだろ?」

 

「………ああ、だな!

シリアスなのは性に合わねぇ!」

 

ガツガツと肉や野菜を食う2人。

 

(このマスターは、馬鹿だ。

誇りとかそうゆうのが微塵もない。

けどクズじゃあない。少なくともあの神父なんかよりは、いいマスターだ。)

 

きっとこの出会いは悪くない。

そんな風に思いながらアーチャー、アタランテは肉を頬張った。

 

 

そんな頃、繁華街。

 

「………ッ!」

 

濁った目の長い金のメッシュが入った黒髪の男が青い長い髪の少女の肩を借りながら歩いていた。

 

「いるのかバーサーカー?」

 

「ああ、2匹ってところか…」

 

人気の無いところに移動する2人。

少女はネックレスを、男は腰につけた奇妙なベルトのグリップを握り

 

「アマゾン………ッ!」

 

「Imyuteus amenohabakiri tron」

 

少女は光に、男は煙に包まれ、その姿は戦う姿に変わった。

 

「狩り、開始。」




今回判明したサーヴァント

仮面ライダーアマゾンアルファ @ 仮面ライダーアマゾンズ


今回存在が判明したマスター

風鳴翼 @ 戦姫絶唱シンフォギア


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第六話

誤字脱字あれば遠慮なくお申し付けください。


「こらお前ハルカスー!」

 

普段は使われない空き教室が並ぶエリア。

その中の1番角の、

最近所有する団体が決まったばかりの教室に可愛らしいピンク髪の少女が突撃する様に入っていく。

 

「うるさいアホピンク!

今貴様の動画を編集してやってるんだわからないか!?」

 

「そんな事よりお前みりあが昨日買ったプリン食ったろ!!」

 

「冷蔵庫にあったプリンのことか?

名前を書かない貴様が悪い!」

 

「こいつッ!やっぱ一回ぽよす!」

 

PCに向かって動画編集をしていたハルカス…道明寺(どうみょうじ)晴翔(はると)に飛びかかるみりあ、桜樹(さくらぎ)みりあ。

2人とも月海原学園の2年生だ。

 

「こらこら2人とも喧嘩しないの。」

 

入室しながら2人を仲裁するのが同級生の夢咲(ゆめさき)(かえで)

 

「部長このアホピンクが!」

 

「楓ちゃんハルカスがね!」

 

お互いを指差しながらやんやんやと騒ぎ合う2人。

ここ、月海原学園ゲーム部のいつもの光景だ。

 

「ゲーム部じゃない。

定数の5人に達してないからまだここはゲーム同好会だ。」

 

「うわっ!貴様いつからそこに!?」

 

「生徒会が何の用だ!ここは明け渡さないぞ!」

 

さっきまで喧嘩していた2人が団結して糾弾するこの人物は皆城総士。

月海原学園の生徒会書記長だ。

 

「その折はうちの会長が迷惑をかけたな。

これはほんのお詫びの品だ。」

 

そう言って総士は人数分のプリンが入った袋を渡す。

 

「おー!皆城先輩ハルカスより気が利きくー!」

 

大喜びで袋を受け取るみりあ。

 

「たく、簡単に懐柔されよって!」

 

やれやれと言った感じで椅子にもたれ直す晴翔。

 

「わざわざすいませんね皆城先輩。」

 

「いや、先に失礼があったのはこちらだ。

その件でなんだが夢咲。

うちの会長が直接謝罪したいそうだ。

少しきてくれないだろうか?」

 

「わかりました。

そうゆう訳だから晴翔君にみりあちゃん。

私と涼くんの分のプリン残しといてね。」

 

はーい!と2人の元気な声を聞くと総士と楓は生徒会室に向かった。

 

「……ゲーム同好会は楽しいか?」

 

「はい。晴翔君は頼れるし、

みりあちゃんとはいて楽しいし

涼くんは、今日は来てないけど

いい子だし。」

 

「そうか…」

 

そんな風に話していると人気がない廊下で、総士が止まる。

 

「夢咲、君に生徒会書記長としてではなく

4騎目のランサーのマスターとして話がある。」

 

「!?」

 

右手に宿った令呪を見せる。

次の瞬間、青い光が集まり背後に月海原のではない制服を着た少年が現れた。

 

「駄目!待って!」

 

叫ぶ楓。ランサーが動こうとした訳でも総士が電脳術式(コードキャスト)を発動しようとしたからではない。

2人の死角から二体のきみの悪い四角顔のペ○パーくんの様な傀儡が現れたからだ。

 

(夢咲のサーヴァントか!?)

 

「武装ーー!」

 

ランサーが宝具を使おうとするが

 

「やめておけ。俺の究極(アルティメット)メカ丸がお前のマスターを殺す方が早い。」

 

ランサーと同じ様に楓の背後に丁髷頭の黒衣の少年が現れる。

 

「究極メカ丸?」

 

「俺の傀儡の名だ。

もう分かるな?俺の術式はこいつらを操る事。

しかもサーヴァントとなったこの身体、

生前はどうしても受けた物理的制約無し。

呪骸も霊体化させられるからな。」

 

もしその言葉が本当なら敵の数はこんなもんじゃない。

 

「その上、メカ丸は俺の魔力が尽きない限り無尽蔵に作り出せる。

幾ら破壊した所で無限に復活するぞ?」

 

「なんだって!?」

 

「狼狽えるなランサー。

逆に言えば今使える傀儡には限度がある。

お前のサンライトハートでなら突破可能だ。」

 

「どうかな?

そのランサーが宝具を展開しないのは高出力過ぎてマスターを巻き込むから下手に動けないんじゃないか?」

 

くっ! と動けない2人。

そして楓のサーヴァントはメカ丸に指示を

 

「えいっ!」

 

出す前に楓に頭を殴られた。

 

「痛っ!何をする?」

 

「何をするもなにもはじめからそんな喧嘩腰でどうするの?」

 

「喧嘩腰もなにも誘って来たのは奴らだろ?」

 

「話があるって言ってたし聞いてみるぐらいいいでしょ?」

 

ランサーと総士を他所に口喧嘩が始まった。

 

「そんな悠長な事言ってられるかポケモン馬鹿!」

 

「なんだとこの○ッパーくん!」

 

「俺でもメカ丸でもねーよド隠キャ!」

 

「丁髷!」

 

「怖がり!」

 

「あ、あの夢咲! 僕らの話を」

 

「見てわかれ取り込み中だろ!」

 

「皆城先輩黙っててください!」

 

2人の剣幕に黙り込む総士。

 

『なあ、総士。これいつ終わると思う?』

 

(わからん。だが、僕らが大人しくしていなければならない様だ。)

 

 

 

夜、楓の家にて

 

「ごめんなさい私のライダーが突然攻撃して!」

 

無理矢理傀儡操術(かいらいそうじゅつ)のライダー、与幸吉(むたこうきち)の頭を下げさせながら楓は何度も頭を下げた。

 

「いや、気にしていない。

むしろ君が非道を嫌う人間だと確信出来た。」

 

そう言って総士は出されたコーヒーを飲む。

 

「夢咲。僕はこの聖杯戦争の何かがおかしいと思っている。」

 

「それを言うなら聖杯戦争自体おかしなものですけど?」

 

「何というか、直感の様な物なのだが、

あのコートの男は信用ならない。」

 

「コートの男?」

 

「会ってないか?

僕の時は記憶が戻った時にサーヴァントを召喚しろと言ってきたんだが?」

 

「私はその時金色のルーラーって言うサーヴァントに。」

 

「ルーラー?」

 

基本7クラスにないエクストラクラスのサーヴァントだろうか?

 

「……もしかしたら僕が見たコートの男はそのルーラーのマスターかもしれない。」

 

「!?」

 

「つまりルーラーはこの聖杯戦争の主催者だと?

ありえん。ルーラーは本来聖杯に異常があった際に召喚される完全中立の裁定者だ。」

 

「そのルールにすら異常があるとすれば?」

 

「……なんだと?」

 

「聖杯に異常があるからルーラーが呼ばれたんではなくて、誰かが無理矢理ルーラーを呼んだから聖杯に異常が起こったとすれば?」

 

「……聖杯戦争どころじゃないな。」

 

ゆっくりと立ち上がるライダー。

 

「つまり、俺たちにそれを解明するために協力しろと?」

 

「ああ、君にしか頼めない。」

 

「分かりました。よろしくお願いします、皆城先輩!」




今回存在が判明したサーヴァント

与幸吉 @ 呪術廻戦


今回存在が判明してマスター

夢咲楓 @ ゲーム部プロジェクト


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第七話

自分で読み返してみるとジャンプキャラが多い様な気がする。


わざわざ学校を1日サボって考えたのに何も考えは纏まらない。

彼、風見(かざみ)(りょう)は当ても無く夜の道を歩いていた。

 

(NPCとは言え唯花(いもうと)や両親に心配かけて夜中に家を抜け出すとか、飛んだ不良少年だ。)

 

きっかけは昨日、彼の所属するゲーム同好会の部長、夢咲楓の腕に令呪を見つけた事だ。

 

(部長はあんな刺青しない。)

 

それが引き金となって記憶が呼び覚まされた。

ここは電脳虚構(にせものの)世界。

今自分は魂だけの存在。無論彼女も。

 

(そして聖杯戦争はたった1人しか生き残れないバトルロイヤル形式。生還出来るのも、ただ1人。)

 

つまり生きて帰りたければ彼は夢咲楓を殺さなくてはならない。

 

(僕は、僕は結局どうすれば!)

 

かぶり振ったその時、公園の緑の深い辺りから爆音が聞こえた。

 

(まさかサーヴァント同士が!?

……もし、もし部長がいたら!)

 

涼は走った。そしてたどり着くと、

 

「な、なんだよこれ?

セイバーは最優のサーヴァントじゃなかったのかよ!?

なんでライダーなんかに負けてるんだよ!!?」

 

金色の光になって消えていくピンク髪の少女と、

海賊帽の長髪の女性と赤い丸い複眼の仮面の男を前に

没個性的な外見の少年が喚き散らしている。

 

(あれって…3年の伊藤(いとう)(まこと)先輩だ。)

 

はっきり言って悪い噂しか聞かない先輩だ。

曰く、女を取っ替え引っ替えするなんて日常茶飯事。

高校生にして孕ませた女がいる。

母親にも手を出した。etc etc

 

兎に角色狂いの屑と評判な先輩だ。

 

「はっはっは!

あんだけ粋がっといてこの程度かい?

笑っちまうねシンジ!……シンジどうしたんだい?」

 

シンジと呼ばれた仮面の男は俯きながら絞り出す様に言った。

 

「俺…今ちょっと、なんて言うか複雑だ。

人の命を奪ったのに、

いや厳密には英霊は死んでるけど、

さっきまで泣いて笑ってた人を殺したのに

これでここから出れる事に近づけたって喜んでる自分がいる。

やっぱり俺、悪い奴だな、って。」

 

「何言ってんだよシンジ!

これは戦争なんだよ?

勝ったやつも負けたやつも最期にゃ派手に全部散らしてなんも残んないもんさ。

それから、アンタはあのルーラーをとっちめて記憶を取り戻したいんだろ?」

 

「あ、ああ。なんとしても、

夢に出てくるあの男を思い出したい。」

 

「アンタの国の言葉で『命あっての物種』なんて言葉があるだろ?

ちゃんとお宝は順番に欲しがらないと手に入らないって事さ。

散財するにもまず自分の身体がなきゃ始まんないよ。

悪党は悪党なりに惨めに死ぬまでにやりたい事やんなきゃさ。」

 

「……ありがとう船長。ちょっと元気出た。」

 

「いーって事よ。ただ私は雇われ副官だからね。

相談料はキチッととるよ?帰ったらほら、アレ作りな。」

 

「また焼き餃子? お前も好きだな。

3日連続で飽きない?」

 

「飽きないね。

だからさっさとソイツから令呪巻き上げちまいな。」

 

「い、嫌だ!もっと強いサーヴァントと契約して必ず!」

 

そこまで言ったところで誠の首より上が金色の一閃の元、斬り落とされた。

 

「アンタは!」

 

「ルーラー!お前なんでその子を!」

 

「サーヴァントを持たぬマスターは認められない。

故に処理した。」

 

金色のルーラーは2振りの剣を構え直すと

 

「戦え城戸真司。

戦わなければ生き残れない。」

 

ルーラーはサーヴァントの消滅とはまた違う金色の光と共に消えた。

 

「……あんな、あんな化け物が大勢!」

 

涼は急いでその場を離れると自らのサーヴァントを呼び出した。

 

「アヴェンジャー……」

 

「なんだ人間?」

 

黒い瘴気と共に現れたのはグレーのボディに肥大化し歪んだパーツを詰め合わせた様な外見の闇の魔人。

 

「ウルトラダークキラー、令呪をもって命ずる。

この聖杯戦争に絶対に負けるな。」

 

「無論だ。キラープラズマでこの宇宙を闇に閉ざし、

ウルトラの名を持つ者は抹殺する!」

 

それを聞き終えると涼は街に繰り出した。

 

(部長は、ハルくんは、みりあちゃんは、

ゲーム部は僕が守る!

どんなに皆を騙して、殺して、倒そうとも!)

 

 

そんな様子を、さらに影から見ていた者がいた。

白い頭骨の様な仮面を直すと公園を抜けて、

電柱から電柱に飛び移りながら月海原で1番高い高層マンションの最上階を目指す。

 

「主人。ご報告がございます。」

 

「お疲れ様です今から寝るとこなので手短にお願いします。」

 

予想通りこの部屋の主にしてこの骸骨の面のアサシンのマスターはお菓子を頬張る手を止めずパンダの様にクッキリと浮かんだ隈の目をギョロリと向けた。

 

「新たに1人、ピンク髪のセイバーとそのマスターが脱落しました。」

 

「開戦数日で解ってるだけで5騎脱落全53騎と考えるとまあまあのペースですね。

全アサシンに通達を尾行していたマスター、サーヴァントと思しき対象が戦闘を開始した際は速やかに戦闘領域から離脱する様に」

 

「御意」

 

音も無く消えるアサシン。

パンダ目の男はすぐさま別のアサシンを呼びつけた。

 

「ご主人様、なんの御用でしょう?」

 

「しばらく眠ります誰も部屋に入れないでください。

それから全てのアサシンにおりを見て私の倉庫から好きなお菓子を持っていってください。」

 

「? サーヴァントに食事は必要ありませんが?」

 

「頭を働かせるには糖分が1番ですよ。」

 

「…配れるのですか100人分も。」

 

「それだけの備蓄があります。」

 

アサシンはかしこまりましたとだけ言って下がった。

 

(全くつい昨日死んだと思ったら聖杯戦争とは私もつくづく業が深い。)

 

眼下に広がるパノラマを見下ろしながら、

百の貌のハサンのマスター、Lは爪を齧った。

 

(この戦いは、私の正義のもと必ず終わらせる。)




今回存在が判明したサーヴァント

海賊帽のライダー @ Fate/EXTRA

ウルトラダークキラー @ ウルトラギャラクシーファイト

百の貌のハサン Fate/zero


今回存在が判明したマスター

城戸真司 @ RIDER TIME 龍騎

風見涼 @ ゲーム部プロジェクト

L @ DEATHNOTE the Last name


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第八話

マシュと立香は結ばれるべき。
異論は聞くだけ聞く。


暖かい海の中にいる様な優しい浮遊感。

しかし息継ぎをしたくなる様な苦しさは感じない。

 

(ここはどこでしょう?)

 

彼女、マシュ・キリエライト は薄らと目を開けた。

 

「え? なぁ!!」

 

半分しか覚醒していなかった意識が一気に覚醒される。

そこには見上げる程に巨大な、

ビル1つ分の高さはある5人の巨人がマシュを見下ろしていた。

 

「目覚めたな。」

 

頭に黄色いV字型のクリスタルのある巨人が言うと

マシュと同じサイズまで小さくなる。

 

「……あ、貴方達は、一体?」

 

「俺たちはウルトラマン。光の戦士だ。」

 

青いクリスタルが頭や胸にある巨人が言う。

 

「ウルトラマン?」

 

「ウルトラの星から来た平和を守る為に戦う戦士だ。

正確には、俺たちは月の聖杯(ムーンセル)の記憶から創り出されたコピーだが、この際細かい事はいい。」

 

胸にO字型のタイマーのある巨人が説明する。

 

「まずは思い出せるかい?

君がなぜ月海原に来たのか。」

 

「それは……」

 

 

確か第4異聞帯の空想切除が終わってしばらくしたある日

 

「微小特異点?」

 

魔力リソースを回収する為に私と先輩、源頼光さんに、

イアソンさん、それにヘラクレスさんに

メディアリリィさんに面白そうだからと勝手について来たクロエさんとレイシフトした先で

 

「カルデアと通信出来ない?」

 

「メディア、お前の魔術でどうにかならんのか?」

 

「申し訳ありません…」

 

「チッ! 使えん。」

 

「まあまあ、怒ってたって仕方ないじゃん。

折角の冒険なんだから楽しみましょう?」

 

別に浮かれていた訳ではありません。

特別油断したとも思いません。

ただ1つ。

 

<STEAL VENT>

 

先手を取られた。それだけでした。

 

「これは!?」

 

「契約の強制解除!?」

 

急に私以外の皆さんとマスターの繋がりが絶たれたのです。

 

「それだけではない。

お前たちのマスター権も全て私の手にある。」

 

「誰だ!」

 

「私は、ルーラーのサーヴァント仮面ライダーオーディン。」

 

オーディンと名乗った金色のルーラーは淡々と告げました。

 

「藤丸立香。お前を50番目のマスターとして

この月の聖杯戦争に歓迎する。」

 

「月の、聖杯戦争!?」

 

「そうだ月の…むっ!」

 

解説を続けようとしたルーラーが急に止まり、

頼光さん達が攻撃しようとした時、

 

「神明裁決をもってルーラーが命ずる。

源頼光、イアソン、メディア、ヘラクレス、

クロエ・アインツベルン。

私に危害を加えるな。私に絶対に従え。」

 

憎々しげにルーラーを見上げる皆さん。

抵抗は出来ないようです。

 

「くっそう!」

 

「申し訳ありませんマスター……」

 

「下がっていろ。

月の聖杯が召喚したサーヴァント達との戦いに備えておけ。」

 

そう言ってオーディンは皆さんを下がらせると1人私と先輩の前に残りました。

 

「よくも皆を!」

 

「奪還したくば戦う事だ。

残るサーヴァントを倒し、聖杯を掴め。

戦わなければ生き残れない!!」

 

 

 

「ってところまでは思い出しました。」

 

「金色のルーラー…僕らは合わなかったな。」

 

首を捻る吊り上がった青い目の巨人。

 

「と言うか、今更ですけど、

ここはどこなんですか?」

 

「ここは、何というべきか。

お嬢ちゃんの夢の中みたいなもんだな。」

 

「夢の中?」

 

「今君の電脳体(アバター)は眠っている。

その中に俺たちがお邪魔してる感じだね。」

 

ヘッドホンの様な形の耳の巨人が説明する。

 

「一体なぜ私の中に?」

 

「君に奴から、

ウルトラダークキラーから奪われた分の力を渡す為だ。」

 

 

 

仮面ライダーオーディンに皆さんを奪われた後、

私達は見知らぬ街に投げ出されました。

 

「うわ! マシュ大丈夫?」

 

「はい。くらったのは転移魔術で、

しかもいつもの様に高所からって事もありませんでしたし。」

 

「だね。」

 

立ち上がると2人はまず

限りなく最悪な現状を確認した。

 

「カルデアには通信不能。

皆さんとのパスは切れてて他にどの様なサーヴァントやマスターが居るかも不明…ですか。」

 

取り敢えずここにいても仕方ないので

休息の取れる場所を探す事にしました。

 

「にしても、広い公園だね。」

 

「前に調べたのですが、

私達が1番初めにレイシフトした冬木にも

似たような公園があるそうですよ。」

 

少しでも不安を消すためか、

それともお互いの無事を確かめ合いたかったのか

取り留めのない話をしながら進んでいくと

 

「ッ!」

 

「マシュもしかして……」

 

「はい。サーヴァントの気配です。」

 

暗がりの向こうを見る。

薄らと妖しく光る紫の光が近づいて来ると、

それは黒い異形の胸ちついたクリスタルの光だった。

 

「ふむ、何やら真っ当なサーヴァントではないようだが、どうでも良い。

貴様も倒すだけだ!」

 

「下がってくださいマスター!

敵性サーヴァント、来ます!」

 

オルテナウスを展開して前に出る。

黒いサーヴァントの腕と一体化したスラッガーとマシュの盾が火花を散らす!

 

「そう戦うか。ならばこれはどうかな!」

 

無数の牽制弾キラークラスターを放つ異形。

マシュは1番弾幕が薄いところを縫って進み、

異形の懐に飛び込んだ。

 

「やあああああ!!」

 

「ふっ! なかなかやるな。

貴様も我がダークネスコピーズの一員にしてやろう。」

 

「!?」

 

何か来る。そう思って引こうとした時だった。

 

「イーッサー!」

 

「ハァッ!」

 

二体の黒い魔人がマシュの背後に現れた。

 

(この気配…サーヴァント?)

 

「マシュ!そいつらステータスが見えない。

多分そこの角頭の宝具で作ったシャドウサーヴァントだ!」

 

「ほう。我がダークネス戦士のカラクリを見抜くとは、お前のマスターがサーヴァントでないのか残念だ。」

 

サーヴァントだったなら我がリーグオブダークネスに加えてやったのに。

そう言って魔人はダークネスコピーズをけしかけた。

 

「く! は! やぁあ!」

 

「イーッサ!」

 

「デュワァ!」

 

吊り目の魔人のジャンプニーキックとマシュのキックが、ヘッドホンの様な形の耳の魔人の光線がマシュの盾に炸裂する。

 

「つ、強い!」

 

「当然、我がキラープラズマの力は光など凌駕する!」

 

3人が一斉にマシュの手をかざす。

するとマシュから、そしてパスが繋がっている立香からも魔力が吸い上げられる。

 

「こ、これは!?」

 

「う、ぐぅうっ! ま、マシュ逃げろ!」

 

立香の腕の令呪が一画減り、立香の背後にマシュが転移される。

 

「ふん、悪足掻きを。たかが令呪一画分の魔力を補給した程度では!」

 

再び手をかざす3人。

マシュから奪った魔力と敵サーヴァントのキラープラズマが合わさり

 

「私?」

 

インナーは黒とブラッドレッドに、

アーマーは一部銀に黒鉄色に

肌はオルタナティブのサーヴァントの様な病的な白に変わり、目の下には薄紫の炎の様な模様が浮かんでいたが、その姿は紛れも無くマシュ・キリエライト だった。

 

ただ1つ胸部に強引に埋め込まれた様な赤い宝石(カラータイマー)を除いて。

 

 

 

「オルテナウスダークネスってところか。」

 

青いクリスタルの巨人が言う。

 

「……貴方達もダークネスコピーズを?」

 

「エックスにオーブにジードは。」

 

ヘッドホンの様な形の耳の巨人、O字型のクリスタルの巨人、吊り目の巨人の順に見ながら言う青いクリスタルの巨人。

 

「それからマスターを倒されて、俺たちも倒された。」

 

「俺とギンガは仇を撃ってやりたかったが、

マスターをやられた上に霊器を貫かれちゃ

流石に戦闘不能って訳だ。」

 

悔しそうに言うV字型のクリスタルの巨人、ビクトリー。

 

「じゃあ皆さんは…」

 

「君の中に留まるのもボチボチ限界だ。」

 

「そんな!」

 

オリジナル以上の力を持つダークネスコピーズと戦ったマシュなら分かる。

彼らは強い。

彼らが束になればダークキラーを倒せるはずだ。

 

「だから君に力を託したい。」

 

「ダークキラーの目的はウルトラの光をこの世から消す事。」

 

「奴が闇なら、僕らの光で倒して欲しいんだ。」

 

「……出来ません。」

 

「なぜだい?」

 

「だって私は!……マスター1人守れなかったサーヴァントなんですよ?」

 

 

 

オルテナウスダークネスにエックスダークネスにジードダークネス。

ダークネス戦士達の猛攻を前に疲弊しきったマシュと立香は敗走を強いられた。

ウルトラダークキラーこそマスターの魔力切れで撤退したが、残された3人は2人を仕留めようと追跡して来た。

 

「せ、先輩……下ろして、ください。」

 

「馬鹿言うな。俺はマシュを見捨てない。」

 

「でも……先輩にもしもの事が有れば…」

 

「マシュにもしもの事があったら耐えられない!」

 

森に逃げ込んだはいいが、

間違いなく奴らは追跡してきている。

魔力反応こそ追えないだろうが、

足跡や音を頼りに間違いなくこちらに近づいてきてる筈だ。

 

「! 道路だ!」

 

人の良いドライバーでも通ってくれれば逃げ切れる!

そう思ったが

 

「ヂャ!」

 

2人の足元を岩をも削る水流が放たれる。

見上げると赤いO字型のクリスタルの魔人、オーブダークネスがそこにいた。

 

「まずい!」

 

何とかマシュを背負ったまま近くの歩道橋を駆け上がる立香。

オーブダークネスは馬鹿正直に追ってきた。

 

(そろそろ、限界だ……。)

 

これはマシュに限った話ではなく、

脱力した人間は支えてる物に全体重をかけてしまう。

つまり立香は46キロの重りをぶら下げながら足場の悪い森を全力で突っ切ってきた直後に等しい状態なのだ。

 

(もう、走れない。)

 

 

何か出来る事はないか?

見ると歩道橋の下をちょうど一台の荷台付きの車が通る。

 

「マシュ。」

 

「せ、先輩まさか」

 

「ごめん。」

 

マシュを歩道橋の下に投げ捨てる。

 

「嫌っ!先輩!先輩ぃいいいいい!!!」

 

落下しながら最後にマシュが見たものは、

スペリオンダークネス光輪に斬り裂かれる立香の姿だった。

 

 

 

「そんな私に、サーヴァント失格の私に皆さんの力は釣り合いません…。」

 

「君の先輩を助ける為にも!」

 

「先輩はもう!……もういないじゃないですか…」

 

「いや、君の先輩は生きている。」

 

「そんな筈は…」

 

「心で感じてみろ。」

 

オーブに言われ、繋がりを意識するマシュ。

 

「…………嘘……こんな、こんな事が!」

 

思わず泣き出すマシュを優しく抱きとめるジード。

 

(生きてる…先輩は生きてる!)

 

「だからまずはマシュちゃんが立たないとな。」

 

マシュを囲む様に立つ5人のウルトラマン達。

 

まずはオーブがカラータイマーの前で両手で円を作ってから十字に組んで放つ。

 

「オリジウム光線!」

 

力と共にマシュにオーブからのメッセージが流れ込んでくる。

 

「俺もかつて愛する者を傷つけられ、我を忘れてしまった事があった

けどその時失った光を仲間たちと取り戻せた。

仲間との絆の力、忘れるな。あばよ!」

 

消滅するオーブ。

続いてエックスが大きく斜めに右手を上げ、左足を後ろに引きながら左腕も後ろに伸ばし、

X字に組んで放つ。

 

『「ザナディウム光線!」』

 

『マシュ、君は勇敢な戦士だ。

けどきっと強大な敵を前にした時、

1人では動けない時があるだろう。」

 

「そんな時はユナイトして(一緒に)戦う相棒を思い出して。

今は離れていても、きっとまた繋がれる!」

 

そして次にジードが両手を大きく上げながら身体を剃らせてから両手を十字に組んで放つ。

 

「レッキングバースト!」

 

僅かな闇、しかしそれを上回る光を一身に感じるマシュ。

 

「マスターと一緒に色んな冒険をして来た君ならもう知ってるかもだけど、悩んで燻っちゃう時ってあるよね。

勿論ちゃんと悩むのも大事だけど、

ジーっとしててもドーにもならない!

そう思ったら思い切って戦うんだ。」

 

そして最後にギンガとビクトリーの2人は

 

「ヒカル。

俺はこの子に他の先輩達の分も受け継いで貰いたい。」

 

「てことはアレだな。」

 

「「ウルトラタッチ!ギンガビクトリー!」」

 

ギンガビクトリーに合体した2人はブレスレットを回してから両手をL字に組んで放つ!

 

「「ウルトラ10勇士の力よ!

ウルトラフュージョンシュート」」

 

「マシュ!

力のある奴だけが誰かを救うんじゃない!

色んな奴と力を合わせ戦っていくんだ!

ウルトラの先輩達がして来た様に!」

 

「一つ一つの積み重ねが、お前達を強くする。

未来に受け継がれていくのが永遠の命だ!」

 

ギンガ、ビクトリー、エックス、オーブ、ジード

ニュージェネレーションヒーローズだけではない。

ティガ、ダイナ、ガイア、コスモス、ネクサス、

マックス、メビウス、ゼロ。

そして彼らに教えを授けて来たゾフィーを初めとする

ウルトラ兄弟達。

 

「ありがとうニュージェネレーションヒーローズ。

私は、前を向きます!」

 

覚醒するマシュ。同じ頃…

 

「……なるほど。」

 

マシュと立香が襲われた公園からさほど遠くない高台に1人の男が佇んでいる。

白い独特な刺繍や飾りの付いたロングコートに、黒いボディアーマーという異様な格好でありながら、不思議と男に似合っている。

男は自分の髭を撫でるとコートの内側から赤鞘の細身の剣を取り出し

 

「お前の陰我、俺が断ち切る。」

 

ルーラーを、オーディンを倒すべく向かった。




今回存在が判明したサーヴァント

ウルトラマンギンガ @ ウルトラギャラクシーファイト
ウルトラマンビクトリー @ ウルトラギャラクシーファイト
ウルトラマンエックス @ ウルトラギャラクシーファイト
ウルトラマンオーブ @ ウルトラギャラクシーファイト
ウルトラマンジード @ ウルトラギャラクシーファイト
マシュ・キリエライト @ Fate/Grand Order
ヘラクレス @ Fate/Grand Order
イアソン @ Fate/Grand Order
メディアリリィ @ Fate/Grand Order
源頼光 @ Fate/Grand Order
クロエ・フォン・アインツベルン @ Fate/Grand Order
冴島大河 @ 牙狼

今回存在が判明してマスター

藤丸立香 @ Fate/Grand Order
仮面ライダーオーディン @ RIDER TIME 龍騎


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第九話

2万年早いぜ!


身体に力が入らない。

肩口から胸の真ん中あたりまでがズキズキと痛む。

 

「ご家族に連絡したの?」

 

「それが…身元につながる様な物を何も持ってなくて。」

 

近くにいるはずの声が遠くに聞こえる。

 

『たく、無茶するな。けど見かけによらず根性あんな。』

 

頭に響く様な幻聴まで聞こえる始末だ。

 

(寝直したら病院行こ。)

 

そう思って彼、藤丸立香は寝返りを打った。

 

「え? 今、寝返り打たなかった!?」

 

「嘘でしょ!!ちょっと先生呼んで!」

 

ガタガタ騒がしい。誰だか知らないが疲れてるんだから静かにして欲しい物だ。

 

(てゆうかあれ?

さっきまで痛かった胸が全然そんな事なくなってる?)

 

気怠げに起き上がり服の上から触って確認してみる。

 

(どこにも傷なんてないし…ん?)

 

寝ぼけた頭でいたため気付くに遅れたが

 

(なんで俺呼吸器なんてつけられてんだ?

しかも服の胸のところ、

まるで袈裟斬りにされたみたいじゃん?)

 

しかし身体には傷一つ無い。

 

(俺に、何があった?)

 

記憶を辿る。

どこでこうなったか。

自分でやったならなんでこうなったか。

自分じゃないなら誰にやられたのか。

 

(……駄目だ全く思い出せない。落ち着け。

昨日何してた?何をしてこうなった?

それとも何かの途中でこうなったのか?)

 

しかし幾ら考えても答えが出る事はなかった。

 

(俺、どうしちゃったんだろう?)

 

体を動かしたら何か変わるかもしれない。

そう思って立ち上がると

 

「!? 起きれたのかい!?」

 

すると黒髪の二十代になったばかりぐらいの青年が話しかけてきた。

 

「えっと…あなたは?」

 

「俺はヴィレム。一応孤児院の園長をやってる。」

 

「俺は藤丸立香です。えっと……」

 

「? どうした?」

 

「いや、その…おかしな質問かもしれないですけど、

ここ、どこですか?」

 

「月海原総合病院。血溜まりの中に倒れてる君を運んだんだ。」

 

「血溜まり!?」

 

ますます自分の現状が分からなくなる。

もしそんな大怪我をしていたなら自分がこんな直ぐに出来る筈がない。

 

「俺、どうなってんだよ……。」

 

困惑していると、やって来た女性看護師や先生に連れられて検査を受けさせられた。

 

「外傷内傷共に無し。

血が足りてないくらいで至って健康。

ただ問題は、名前以外何も覚えてないことだけ。」

 

「はい。」

 

色々質問されて気付いたが、

立香は名前以外殆ど覚えていなかった。

親がどんな人だったとか、どんな街に住んでいたかといった事は思い出せるのだが、彼の感覚でここ1、2年の記憶が断片的なのだ。

 

「本当に、なんであんな事になったんだろ?」

 

何故月海原にきたのかも分からなければ、連絡先もない。

ひとまず立香はヴィレムの孤児院に預けられる事になった。

 

「いいんですか?」

 

「何、困った時はお互い様だよ。

それに賑やかな方が皆が喜ぶからな。」

 

そう言ってヴィレムは笑いながら立香を案内した。

 

(にしても歩けば歩く程、全く見覚えない街だな…)

 

そしてたまたま鏡の様になってる窓を見ると

 

「え?」

 

銀色の皮膚に光る黄色い目に胸部には真ん中に青いクリスタルの付いたプロテクターを鎧った赤と青の、遠くから来た遊星人の様な姿が映った。

 

「どうした立香君?」

 

「い、いや。まだ本調子じゃないみたいで、一瞬変なものが」

 

「そっか。無理はするなよ?」

 

なんとも言えないモヤモヤを抱えたまま

「巣湖園」と書かれた建物の中に案内される。

 

「あー!ヴィレム帰って来た!」

 

「イサミ号発しーん!」

 

「痛い痛い!俺の髪はハンドルじゃない!」

 

ドタドタとカラフルな髪色の子供達と青いパーカーの青年が駆けつけて来た。

 

「ただいま。悪いなイサミ君。

一晩もまかせちゃって。」

 

「いえいえ、居候なんですからこれぐらいしますよ。」

 

「だからタクシー代もただ!」

 

そう言ってイサミの肩に乗っているピンク髪の童女がニッ!といい笑顔で言った。

 

「俺はタクシーそのものかよ。」

 

「そーか、そーか。1人乗りなのが残念だ。」

 

「ヴィレムさん!?」

 

「冗談だよ。

それよりまた今日から新しい仲間が増えるんだ。

さ、自己紹介。」

 

「あ、はい。しばらくお世話になります。

藤丸立香です。」

 

そうぎこちなく言った立香を子供達は素早く退路を塞ぐ様に囲み

 

「ね、ね、どこから来たの!?」

 

「恋人とかいる!?好きなタイプはどんなタイプ?」

 

「えと、好きな食べものはありますか?

それと、食べれないものとかは?」

 

「ちなみに今出てきた質問の中からだったら、最初にどれを答える?」

 

「んー、君の質問だね。

もっと海超えて遥か向こうの年中吹雪いてる所から来た。

好き嫌いは割とないけど…

牛の形をしたチョコはしばらく勘弁かな。

恋人いない歴は年齢と一緒で、

タイプは………」

 

頭が痛む。薄紫の髪に眼鏡の少女が浮かぶ。

 

「? どしたの?」

 

「いや、なんでもないよ。

タイプは多分、俺の1番大事な後輩みたいな娘、かな。」

 

『命がけで守ろうとしてたしな。』

 

不意に頭の奥から聞こえる様な声がする。

 

(なんだろ…この声、どっかで聞いた事ある!)

 

まだ聞きたい事があっただろう子供達にトイレに行きたいと断り、個室に駆け込む。

 

(思い出せ、思い出せ!大事な、大事な誰かの声の筈だろ!)

 

『あ、自己紹介まだだっけ?俺はゼロ。

ウルトラマンゼロだ。』

 

(! また聞こえた!……これ耳塞いだらどうなるんだ?)

 

『今お前と一体化してるから意味ないぞ?』

 

(本当だ、耳塞いでも聞こえる!

……いやちょっと待って一体化って何?)

 

『俺は今サーヴァントって奴になってるらしくてな。

前の戦闘でマスターを倒されて霊器を半分吸い取られちまったんだ。』

 

「それって、擬似サーヴァントってこと?」

 

『いや、俺の意識が消えてないからただの憑依だ。

お前と俺の命をどうにかするにはこれしか無かったんだ。』

 

「だから、身体の傷が嘘みたいに……」

 

『一体化には俺にも利点が有る。

2分程度だが、この状態なら俺も全力で戦えるし

お前の令呪も普通のサーヴァントと同じ様に機能する。』

 

「令呪…そうだ令呪!なんで忘れてたんだろ?

これが有れば…有れば、あれ?」

 

『どうした?』

 

「……わからないって言うか、

あと一歩思い出せない。」

 

『なーに、心配すんなよ。

お前は身を挺して女の子をダークネスコピーズから守ろうとして傷を負った。

いい奴には違いないって。』

 

「その子だ!」

 

『うわ! なんだよ?』

 

「その女の子、どんな子だった?」

 

『えと、髪は短くて薄紫色。眼鏡かけてた。』

 

「間違いない、俺はその子と一緒にこの街に来た!」

 

『本当か!? じゃああの子を見つけないとな!』

 

ああ!力強く答えてトイレを出ると

 

「ゲンコーハンたいほだー!!」

 

子供達に再び包囲された。

 

「なんかトイレの中で喋ってたぞ!」

 

「みっこくのよーぎだ!」

 

あれよあれよと言う間に子供達に連行される立香

 

『はは!子供にゃ敵わないな。』

 

「だね。」

 

夜を待って抜け出そうと立香とゼロは決めた。




今回存在が判明したサーヴァント

ウルトラマンゼロ @ ウルトラギャラクシーファイト


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第十話

薄々気付いてると思いますが龍騎のキャラは基本マスターとして出します。


薄暗い廃倉庫の奥、何か肉が焦げた様な臭いが充満している。

その倉庫の…主とでも言えばいいのか?は、クチャクチャと咀嚼していた何かを飲み込むとその眼光そのものに切れ味がある様な眼を入り口の方へ向けると

 

「誰だぁ?糞を垂れやがったのは?」

 

ゆらり、と幽鬼の如く立ち上がり、近くにかけてあった蛇柄のジャケットを羽織る。下には何も着ていない。

 

「貴様が、浅倉(あさくら)(たけし)か!」

 

倉庫の入り口にいた男女の内男の方がポケットから黄緑色のケースを取り出しながら臨戦態勢になる。

それをみた蛇柄ジャケットの男はニタリと君の悪い笑みを浮かべ

 

「お前もマスター、しかも仮面契約者(ライダー)か?

いいぜ、お前のハラワタも食い散らかしてやる。」

 

女はどこからか自身の身の丈程もある大剣を、2人の男はデッキを構え

 

「「変身!」」

 

鏡像の様な光に包まれ、戦士の姿に、仮面ライダーに変身した。

 

<SWORD VENT>

 

先に動いたのは蛇柄ジャケットの男が変身した

仮面ライダー王蛇(おうじゃ)だ。

杖型召喚機の牙召杖(がしょうじょう)ベノバイザーにカードをベントインし、ドリル状の突撃剣ベノサーベルを召喚、装備して突っ込んで来る。

 

少女がそれを大剣で受けた。

ギリギリと王蛇がそれを押し返していく。

 

(嘘でしょ!? 筋力E+しかないとは言え、サーヴァントである私が人間に力負けするなんて!)

 

「クックックッ!女ぁ…お前の血も啜ってやる!」

 

さらに王蛇が力を込めようとした時、王蛇の腹に鋭い蹴りが入る。

大剣の少女のマスターの男、木村が変身した仮面ライダーベルデだ。

 

「突っ走るな。合わせていくぞ。」

 

「わかった!」

 

大剣とベノサーベルが火花を散らし、その間を縫う様にベルデの鋭い蹴りやパンチが炸裂する。

 

「は、ははははは!」

 

「ねぇ君!こいつ全く効いてないよ?」

 

ダメージはこちらが少なく、与えた攻撃はこちらが多い。

しかし王蛇が怯んだ様子は全くない。

寧ろ益々戦意を昂らせ、全て倒し尽くさんとする勢いだ。

 

「化け物め!」

 

浅倉にとってはどんな傷も痛みも戦い続けられる限りただの興奮材料に過ぎない。戦える限り止まることを知らない生きたモンスターマシーンだ。

 

(ここは引くべきか!)

 

ベルデが透明化のカード、クリアーベントを使おうとした時、背中に衝撃が走った。

 

「キムラ!うっ!」

 

助けに行こうとした青髪の少女だったが、痣だらけの黒い包帯の様な服のサーヴァントに阻まれる

 

ベルデを強襲した仮面ライダー、シザースが使役するアサシンのサーヴァントだ。

6日前にサーヴァントを召喚してからシザースとは今まで2回戦ったが2回とも背後から不意打ちして来た。

その仮面の下の素顔を見た事はないが、きっと人をいたぶるのが好きな最悪野郎に違いない。

聖杯戦争抜きに会っても嫌な奴という感想しか抱かなかっただろう。

 

「ああ? お前も臭えな。ドブの匂いだ!」

 

王蛇はベルデにもシザースにも襲いかかって来た。

シザースはあらかじめ装備していた甲羅型の盾、

シェルディフェンスで防いだ。

戦ったからわかるがあの盾は吸収性は無いが、

硬度はサーヴァントでも手こずるぐらいに硬い。

多分必殺技(ファイナルベント)でも弾く事は出来ても貫く事は不可能だろう。

 

「脳ミソを見せろ!」

 

振り下ろされるベノサーベルをシザースはバイザーの鋏で受け止めて、粉々に挟み壊した。

そのまま頭も断ち切ろうとするがそれより先に素早く武器を離した王蛇のサマーソルトキックがシザースの顎を捉えた。

ふらつくシザースの首目掛けて王蛇が飛び付く。

仮面のクラッシャーが開き、現れた牙がシザースの強化スーツに覆われた首を易々と突き破った。

 

「ガァアアアア!!」

 

「お館様!」

 

ベルデのサーヴァントと交戦していたアサシンが王蛇に無数の苦無を投げて寄越した。

王蛇の頭部に当たり、

僅かに力を緩めた所なんとか振り払う。

倒れながらカードをベントイン。

 

<ADVENT>

 

契約モンスターのボルキャンサーを呼び出すつもりだ。

 

(丁度いい。利用させてもらう!)

 

<COPY VENT>

 

敵や味方の姿を武器ごとコピーするコピーベントを使い、シザースに変身する。

 

<FINAL VENT>

 

読み通りボルキャンサーはベルデの方にやって来た。

 

「は!」

 

ボルキャンサーの元までジャンプ!

飛んで来たベルデをボルキャンサーはバレーボールの様に打ち上げる!

 

「やぁあああああああああああ!!!」

 

王蛇とシザース目掛けて飛来するベルデ。

王蛇はシザースの首根っこを掴むとベルデに向けて突き出した。

 

「あ、ああああああああ!!!」

 

アーマーに巨大な亀裂が入り、鮮血を撒き散らしながら吹っ飛び、爆炎を上げた。

 

「お、お館様! 貴様よくも!」

 

王蛇に向かって行くアサシン。

しかし王蛇は動物的感の良さを駆使してか、姿を消し、四方八方から放たれる苦無を逆手に持ったバイザーではたき落とす。

 

「近くにいた、アイツが悪い…。」

 

「キムラ、平気?」

 

「キャスター、お前も大事は無さそうだな。引くぞ。」

 

<CLEAR VENT>

 

ベルデはキャスターごと透明化すると倉庫から立ち去った。

 

「ああ?もう終わりか?」

 

シザースはあまり優秀な魔術師ではなかったのか、もう既に体が崩れ始めるアサシン。

 

「例えあと僅かでも貴様だけは!」

 

そう言って走り出そうとするアサシンの背後、無造作に重ねられた窓ガラスから王蛇の契約モンスター、ベノスネーカーが現れる。

バクリ。アサシンが振り返る間もなく、かぶり付かれ捕食される。

 

「もう3人か。早いペースだ。」

 

声を感じ振り返る王蛇。

キーンキーンと独特な音と共に何処からか現れていたのはルーラー、仮面ライダーオーディンだ。

 

「お前か…何の用だ?」

 

「何の用もない。強いて言えば聖杯戦争が円滑に進んでいる事を確認しに来ただけだ。」

 

「そうか…食うか?食わねぇだろうけと。」

 

ヒョイと拾い上げたアサシンの腕を向ける。

もう既にオーディンはいなかった。

特に気にした様子もなく、浅倉は変身を解除してアサシンの血を啜った。

 

 

闇の中から浮かび上がる様に派手なライトグリーンの鎧と綺麗な青髪の少女か現れ、降り立った。

木村とキャスターだ。

 

「大丈夫そう?」

 

「もうじき夜明けだ。流石に打ち止めだろう。」

 

マンションの中に入ると木村はデッキを外し人間の姿に戻った。

 

「やっぱりそっちのが君って感じがしていいね。」

 

木村の顔を見て彼女は少し安心した様に言った。

 

「そんなにベルデの顔が嫌いか?」

 

「君のに限らず、仮面ライダーってみんな悪者みたいな顔してるんだもん。」

 

「そりゃあ自分が生きて帰る為に他人の命犠牲にしようっていう奴らだ。」

 

相変わらずドライだね。とキャスターはいいながら冷蔵庫からお決まりのお菓子を取り出す。

 

「君もたべり食べる?バターケーキ美味しいよ?」

 

「いただこう。」

 

バターケーキが食べたい。このキャスターが、クトリ・ノタ・セニオリスが唯一言う我儘だ。

なんでもよく思い出せないが、大事な人が作ってくれたお菓子だからだそうだ。

 

「他は戦い以外何も覚えてないのにこれだけは覚えてるんだな。」

 

「そう言う君だって名前と仮面ライダーのことしか覚えてないじゃん。」

 

「だからお前を呼べたのかもな。」

 

「さあね。」

 

もうあんまり時間がないが生活がある以上木村にも仕事がある。

1時間は寝れるだろう。

ケーキを食べ終えると部屋に戻って横になる。

舐められまいと見せていなかった疲れがどっ!と押し寄せ木村はベットに沈む様に眠りに落ちた。




今回存在が判明したサーヴァント

クトリ・ノタ・セニオリス @ 終末なにしてますか 忙しいですか 救ってもらっていいですか

アサシンパライソ @ Fate/Grand Order

今回存在が判明してマスター

木村 @ RIDER TIME 龍騎

浅倉威 @ 小説仮面ライダー龍騎

仮面ライダーシザース @ 仮面ライダー龍騎


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第十一話

浅倉は強い(確信)


浅倉威は常に匂いに苛まれている。

それは母親にぼっとん便所に産み落とされた時から彼に憑き纏った。

黒い手の形をしたそれは常に威の呼吸を奪った。

どんなに臭いのキツイ場所に行ってもその臭いが勝った。

 

「けど人間は臭くなりすぎると臭くなくなる。」

 

しかし死臭だけは違った。

それは威が今藤丸立香が世話になってる巣湖園の様な孤児院に居た頃。

彼はその日誕生日だった少年を殺害した。

少年の裁かれた腹からあふれでた血と肉と臓物の臭いに黒い手は霧散した。

生まれて初めての無臭の空間に彼は歓喜し、求め続けた。

そして遂に警察に捕まったその日。

 

「お前の望みはわかっている。」

 

彼はオーディンに出会った。

デッキを受け取るとすぐに彼は月海原に送られた。

そこは無臭の世界、威と同じ様に外から来た人間以外、まるで無臭の世界だった。

威はこここそが自分の楽園だと思った。

 

「永遠に聖杯戦争を続ける。」

 

それが彼の願いとなった。

 

「浅倉ぁああああ!!!!!!」

 

こちらに来て初めて殺したのは白鳥の女ライダー、ファムだった。

使役してい居たサーヴァントはアーチャーだった。

眼鏡に黒いコートを着ていた。

 

「両親と姉の仇!」

 

<SWORD VENT>

 

金色の薙刀ウイングスラッシャーとブラウンバイザーの連撃を得意としていた。

間縫ってアーチャーの矢が飛来する。

 

「お前は狂っている!死ね!」

 

弓矢で動きを封じトドメとばかりに接近するファム。

王蛇は足元の矢を一本抜くとファムの目に突き立てた。

 

「お前の肉を食ってやる!」

 

クラッシャーを展開し、ファムの翼を食いちぎる。

 

「マスター!」

 

弓で虚空に円を描くアーチャー。

出現した光の穴から狼の意匠の鎧が出現し、纏われる。

 

「天弓騎士、参る!」

 

 

「おもしれぇ!」

 

王蛇は動物的な動体視力で連射される矢を捉えきると

 

<SWORD VENT>

 

ベノサーベルを鎧の隙間、喉の所を貫く。

そしてそこから腕を突っ込む。

心臓を抉り出し絞った血を勢いよくすすり上げた。

 

「後はお前だ!」

 

翼を抉られたまま動かないファムに向き直る。

 

<FINAL VENt>

 

背後に現れた契約モンスターのベノスネーカーが吐き出す毒の激流に乗って嵐のような連続キックを浴びせる。

ファムは爆散して跡形も残らなかった。

 

次に戦ったのは仮面ライダータイガと二本の魔槍ランサーのサーヴァントだった。

武人気質な性格だったのか、ランサーに王蛇のサーヴァントを警戒させると自分は真正面からぶつかってきた。

 

「やぁああああ!」

 

「あぁ、、はああああ!!!」

 

何合にもわたってタイガの戦斧デストバイザーとベノサーベルが火花を散らす。

胸躍るような瞬間だった。

そのまま切りあいが続くかと思われた時。

 

「こんのぉ!」

 

「はぁ!」

 

紫色の長髪の侍のサーヴァントと黒髪に白いメッシュの木剣のサーヴァント。

そしてそれぞれのマスター、オルタナティブ・ゼロと仮面ライダースピアーが乱入してきた。

 

主人の邪魔はさせまいと臨戦態勢になるタイガのランサーだったが

 

<FINAL VENT>

 

圧倒的数の暴力の前には無意味だった。

インペラーの契約モンスター達、レイヨウ型モンスターの群れが殺到する。

 

「うわあああああああ!!!」

 

まともに攻撃を受け、変身が解除されモンスターに食い荒らされるオルタナティブ・ゼロ。

そんなマスターを助けようとして同じ目に合う長髪のサーヴァント。

 

「はは、ははははははっははははは!!!!!!!!!!!」

 

<FINAL VENT>

 

王蛇は必殺キックのべノクラッシュを発動。

タイガごと殺到したレイヨウ型を蹴りつぶし、インペラーに肉薄する。

 

「な!嘘だろ!?」

 

「あああああ!!!!!!!!!」

 

<STEAL VENT>

 

インペラーのガゼルスタップを奪い取り両方の肺をつぶすように突き立てる。

 

「マスター!」

 

「主!」

 

タイガのランサーとインペラーのサーヴァントが残る。

王蛇はゴキゴキと首を鳴らし

 

「次は、お前らか、、楽しませろ!」

 

ベノバイザーを逆手に持ちランサーに襲い掛かる王蛇。

 

「うっ、、我が主の仇!」

 

必滅の黄薔薇(ゲイ・ボウ)破魔の紅薔薇(ゲイ・ジャルグ)が交互に迫る。

浅倉は自分が戦闘不能になることにつながると判断した攻撃のみを避け、ランサーに肉薄した。

 

「いい動きだ。主の仇でなければ万全の時に然るべき場所で戦いたかった。」

 

「関係ねぇ…これは聖杯戦争だ。戦って戦って戦う。そんだけだぁ!」

 

「! そうで、あったな!」

 

破壊の薔薇が咲き乱れ、紫電の毒蛇が舞い踊る。

 

「あああああああ!!!!!!!!!!」

 

「はああああああ!!!!!!!」

 

今まさにお互いが必殺の一撃を放とうとした時

 

偽・偽・螺旋剣(カラドボルグスリー)!」

 

ランサーの心臓を矢として放たれた剣が貫いた。

 

「き、貴様!」

 

「ごめんなさいね?奴隷(サーヴァント)は命令に逆らえないの?」

 

降りてきたのは褐色の肌の年端もいかない少女だった。

藤丸立香からオーディンに無理やり鞍替えさせられたクロエ・フォン・アインツベルンだ。

 

「お、のれ…そこまでして勝ちたいか!

この俺がたった一つっ!たった一つ抱いた祈りさえ踏みにじって!

貴様らはッ、何一つ恥じることも無いのか!?

赦ゆるさん……断じて貴様らを赦さんッ!

名利に憑かれ、騎士の誇りを貶めた亡者ども……その夢を我が血で穢すがいい!

聖杯に呪いあれ!その願望に災いあれ!

いつか地獄の釜に落ちながら、このディルムッドの怒りを思い出せ!! 」

 

金の光になって消えていくランサー。

浅倉はそれをただ見送ると

 

「なんのつもりだぁ、、オーディンの使い走り。」

 

「あたしだって男同士の決闘に水を差すなんて無粋な真似したくなかったわよ?

けどマスターが月の聖杯から召喚されたサーヴァントが思いのほか強かったアンタを呼べって。」

 

「戦いか?」

 

変身を解除し、獰猛な笑みを浮かべる浅倉。

 

「ええ。さながらルーマニアの聖杯大戦よ?」

 

鏡を抜け、その場所に出る。

そこにはイアソン、メディア、ヘラクレス、頼光、そしてオーディン自身が召喚した紫一色の衣装のバーサークアーチャー。

一通りのメンツがそろっていた。

そして反対側には

 

「圧制者どもよ!その傲慢が潰え強者のおごりが蹴散らされる時が来たぞ!!!」

 

猛進する灰色の筋肉の塊のようなバーサーカー。

それを追うように白いロングコートの壮年の男と紫の長髪の男、緑のマントの男と角の生えた黄色い着物の少女が続く。

 

「あのコートの二人は知らんが残りの三人はスパルタスクにロビンフットに茨城童子か?

またまた超ド級で厄介っていうか相手にするだけ疲れる奴らじゃないか。」

 

「関係ない。人間はすべて倒す。」

 

そういってバーサークアーチャーは宝具を使い

 

<BREAK UP>

 

戦う姿、魔進チェイサーに変身した。

 

「たく、仕方ない。

こんな戦いとはいえヘラクレスにカッコ付けさせない訳にはいかんからな。

メディア!行くぞ!」

 

「はい!」

 

チェイサーに続いてイアソン、ヘラクレス、メディアと降りていく。

 

「まったく嫌になる。援護はしてあげるけど、あんまり当てにしないでね?」

 

「わかっています。」

 

頼光、クロエも往く。

残った浅倉のもとに紫髪の男が来る。

 

「お前が相手か?」

 

「ああ。気の毒だが、お前はここで倒させてもらう。」

 

「面白れぇ!変身!」

 

浅倉がデッキを構えると男も剣で盾をはじき作った波から鎧を召喚する。

 

「翠瞑騎士ゼクス、参る!」




今回存在が判明したサーヴァント

天弓騎士牙射 @ 牙狼シリーズ

ディルムッド・オディナ @ Fate/zero

佐々木小次郎 @ Fate/prototype

マンドリカルド @ Fate/Grand Order

魔進チェイサー @ 仮面ライダードライブ

翠瞑騎士ゼクス @ 牙狼 炎の刻印


今回存在が判明したマスター

仮面ライダータイガ @ 仮面ライダー龍騎 TVSP

仮面ライダーインペラー @ 仮面ライダー龍騎

仮面ライダーファム @ 小説仮面ライダー龍騎

オルタナティブ・ゼロ @ 仮面ライダー龍騎


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第十二話

もっと増えねぇかな、ウルトラマン×fgoのss


夜、月海原の街に光が途絶えることはない。

若者たちが集まるような娯楽施設や飲み屋、

胃袋よりもう少し下の欲望を満たすためのホテルなど、それなりに賑やかである。

 

「ねぇ、僕。こっちのお店で遊んでいかない?」

 

(……なんでこんなに客引きの人に捕まるんだろ?)

 

俺の叔父(ウルトラマンエース)ほどじゃねーけど立香は顔良いからな。』

 

(そんな言うほどかな?)

 

立香はこっそり出ていこうとした時に、スパイにはこれ!と言ってコロン、桃髪の子に貰った伊達眼鏡をかけなおしながら、ため息をついた。

 

こんな程度の物でもパッと見ただけではわからないぐらいには役に立つだろう。

 

『ん!? 邪悪な気配!』

 

そう言ってゼロは眼鏡を外し、立香の身体を乗っ取る。

 

(ゼロ!? もしかして敵サーヴァント!?)

 

「あぁ……多分、真下だ。」

 

人通りの無い道路まで行くと両腕を組み

 

「ウルトラ念力!!」

 

そこにあったマンホールの蓋を外すと奥に進んでいく。

 

(ゼロ、なんか変な臭いしない?)

 

「変な臭い? 下水道だしいい匂いはしないだろ?」

 

(そうじゃなくて、なんかこう……嗅いだ覚えのある、嫌な臭い。)

 

「そんなにするのか?俺は地球人じゃないからそうゆうの分かり難いのかもだが」

 

そこまで言って通路を曲がったところで二人は恐ろしいものを見た。

 

(ひ! 人の、子供の、死体?)

 

「いや、生きてる。」

 

ゼロが断言する。そこにあったのは不気味なオブジェに、変形させられた少年少女だった。

 

「おや、これはこれは。侵入者を迎えに来てみればマスター一人とは。」

 

そう言いながら奥からのっそり現れたのはギョロ目に蒼白の大男だった。

 

「ジル・ド・レェ?」

 

思わず立香がつぶやく。

 

「如何にも私はジル・ド・レェ。

此度の聖杯戦争でキャスターのクラスを依り代に召喚されし者」

 

丁寧に頭を下げるとジルは懐から一冊の魔書を取り出す。

 

「青髭さん!なんかあったのかい?」

 

「ユウヤ。

我らが工房に迷い込んだ魔術師が居ました故。」

 

ユウヤ、と呼ばれた眼鏡の少年は顔を歪にゆがめると、

 

「ふーん丁度いいや。俺気になってたんだよね。」

 

「気になるとは?」

 

「令呪ってさ、すごく綺麗じゃん。それがグズグズに砕かれたらどうなるのかな?って。」

 

「狂ってやがる。」

 

そう呟いてゼロは懐に手を伸ばす。

 

「おっといけません」

 

ジルが手をかざすと立香の背後から無数の触手が伸び、拘束する。

 

「どんな魔術礼装か知りませんが、ここには大事な作品が多すぎますのでね。」

 

そして召喚された海魔が立香を飲み込もうとした時、

 

「ウルトラ念力!」

 

上着の内ポケットのウルトラゼロアイneoを取り出し、

 

「デュワ!」

 

ブーン!と独特な音声と光と共に立香はゼロに変身した。

 

「なんだと!?」

 

「まさか、マスターに受肉したサーヴァントですと!?」

 

「その程度に驚いてるようじゃ、俺に勝とうなんて二万年早いぜ!」

 

「くっ!行け!」

 

海魔の軍勢を召喚するジル。

 

(ゼロ!あいつは宝具の魔書が無ければサーヴァント化してから手に入れた道具作成や陣地作成ぐらいしかできない!)

 

「よしきた!だったらこれだ!」

 

ゼロスラッガーとウルティメイトブレスを変形させたウルトラゼロスパークを繰り出し、海魔ごとオブジェにされた子供を切り裂きながら進んでいく。

 

「こ、この匹夫がぁあああああ!!!」

 

「テメェにだけは言われたくねぇー!!」

 

突っ込みながら額のビームランプからエメリウムスラッシュを放ち、魔書ごとキャスターを貫く。

 

「おのれ貴様!!よくも我が友プレラーディより授かりし宝をっ!!」

 

しかし本にもジルにもつけた傷はみるみる塞がっていく。

 

「マジか!」

 

(あの本は魔力路にもなっていて、魔術の範囲なら大抵のことは出来るんだ。)

 

「だったら霊核ごと撃ち抜かねーといけねーのか。」

 

燃えるぜ!そう叫ぶとゼロはパワー特化のストロングコロナゼロにタイプチェンジし、ウルトラゼロランスを構え、海魔を切り裂きながら突き進んで行く。

 

「青髭さん。ここは逃げよう。

この狭い中いくら数で攻めても端から削られる。

何、作品ならまた幾らでも作れるじゃないか?」

 

「ユウヤ…ええ、そうですね。その時には彼には最高の作品をご覧に入れましょう。」

 

そう言って2人は殿の海魔をばら撒くとその場を後にした。

 

「ちっ!逃したか。」

 

海魔を一掃したゼロは変身を解除すると周囲を見回す。

 

「参ったな、まさかあんなヤバい奴らが参加してるとは」

 

(幾らでも出てくる海魔に引き際の良さ、気配の惚け方、やっぱり強敵だね。)

 

「……なあ立香。さっきから気になってたんだけどお前、もしかしてここじゃない聖杯戦争であいつと会った事があるのか?」

 

(ここじゃない、聖杯戦争?……ウッ!)

 

ズキン!と立香の頭を激痛が走る。

 

「お、おい立香!?大丈夫か?」

 

(ご、ごめん大丈夫じゃなさそう……)

 

「わかった。家までは俺が身体を動かす。お前は休んでろ。)

 

そう言ってゼロは立香が眠ったのを確認するとその場を後にした。

 

「……行ったか?」

 

「ああ。それにしてもキャスターにあの恐らくランサーと思われるサーヴァント、厄介な敵ばかりだ。」

 

音も無く現れた骸骨仮面の二人組が囁き合う。

 

「取り敢えずお前はマスターに報告を。

私はこの場をもう少し調べてから戻る。」

 

「わかった。」

 

百貌のハサン。彼ら、彼女はマスターの命により、

他のサーヴァント、およびマスターの把握のために動いていた。

今頃藤丸立香にも尾行がついてるだろう。

 

(ふむ。キャスターたちは特に何も残さなかったようだな……ん?)

 

場所をかえ、少しを奥まった所を探すと、格子戸を嵌められた一角があった。

 

(これから変形させる子供を捕まえておくための檻か。)

 

トラップが無いのを確認し、中に入る。

まだ中に何人か手づかづの子供が残っていた。

 

(どうしたものか…! この子供、令呪が!)

 

それは雪のように白い髪と白い肌をした少女だった。

それ以外の子供には令呪は見当たらない。

 

(……どうする?殺してしまうべきか?)

 

「ならんぞアサシン。いまだサーヴァントを召喚していないマスターを殺す事はルール違反だ。」

 

「!? 仮面ライダーオーディン!」

 

いつの間にか背後に現れた金色のサーヴァントに一歩引く。

それでどうにかなるとは思わんが、思わずそうしてしまうほど、そのサーヴァントは強大だった。

 

「間もなくすべての参加者が揃う。あと五人もいない。」

 

その時こそ真に真なる戦いが始まるのだ。

そう言ってオーディンは去って行った。

 

「……。」

 

(全アサシンに通達。全アサシンに通達。)

 

「!?」

 

ふいにマスターからの念話がかかった。

 

(これより作戦を変更。今まで収集した情報を対価に他のサーヴァントたちとの同盟交渉を開始します。)

 

なんというタイミングだろう。今自分の目の前にはいくらでも言いくるめられそうな幼い子供のマスターがいるのだ。

 

「マスター、すぐに戻ります。」

 

一人そう呟くとアサシンは少女だけを連れてその場を後にした。




今回存在が判明したマスター

刻命(きざみ)裕也(ゆうや)@コープスパーティ

イリヤスフィール・アインツベルン@Fate/zero

今回存在が判明したサーヴァント

ジル・ド・レェ@Fate/zero


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第十三話

シンジって名前のキャラクターって憎めない奴多いですよね。


城戸真司はこの『なんでも屋』という仕事を気に入っていた。

なんて言っても様々な仕事が転がり込んできて飽きない。

尚且つ依頼主が心から感謝してるのをじかに確認できるからだ。

それに最近なんだかついてる。

 

(この前のお客さんはチップ多めにくれたし、今朝起きたら枕元にクモが居た。)

 

朝のクモは縁起がいいんだと昔お祖母ちゃんが言っていた。

これからきっといいことが起こる。

そう思って過ごしていたある時だった。

あの異形の化け物に襲われたのは。

 

「くっそ!くっそ!なんなんだよ!」

 

それはヒトデ型の怪物だった。

身体に大きな口がついていて、目は見当たらない。

それなのに狙いを定めた真司を執念深く追いかけてきた。

 

「こんな、こんなところで死ぬわけには!」

 

何故だろう。真司は無意識のうちにポケットの中からお守りのカードケースを取り出していた。

 

(なんで、今まで忘れてたんだろう?

これの事を。今、身体が思い出したんだろう?)

 

不思議に思いながらも真司は迷いなく右手を左斜め前に突き出すポーズをとり

 

「変身!」

 

無数の残像に包まれた真司は仮面ライダー龍騎に変身した。

そしてヒトデの怪物のもとに向かおうとした時、背後でライダーの変身以上の眩い光が煌めき

 

「はっ!」

 

4、5発の銃声と共にヒトデの怪物が倒れた。

 

「そこの仮面のアンタ!アンタが新しい雇い主かい?

アタシはフランシス・ドレイク。ま、仲良くやろうじゃないか。」

 

その後現れた金色の戦士。オーディンにおおよその概要を聞き、真司は名実ともにマスターになった。

 

「なあ。あんたの事、フランシスって呼びにくいから船長って呼んでもいいか?」

 

「好きに呼びな。アタシはアンタの雇われ副官だ。

報酬をくれる限りは文句ないよ。」

 

「報酬って聖杯か?」

 

「いいや。美味い話には裏があるもんさ。

そんなんより胡椒一瓶の方がそそるね!」

 

「はぁ……ま確かに俺もいきなり願いを叶えられるとか言われたら宝くじとかアイス店ごと買いとかそんなん願いそう。」

 

「ははっ!良いじゃないか。アタシらどうせ悪党なのさ!

宵越しの弾は持たないで好きなようにやればいいんだよ。」

 

そんなこんなで船長と真司の奇妙な共同生活が始まった。

 

「なんだいこれ?」

 

「焼き餃子。俺の得意料理。ビールとよく合うよ!」

 

「ふーん。ま、何でも良いね。酒と会うなら大歓迎……ん!

美味い!これは美味いよシンジ!」

 

「へへっ!だろ?こいつだけは得意なんだ。」

 

胃袋はがっちり真司が掴み

 

「シンジ、アンタ素人の動きじゃないね。」

 

「ああ、これを使って戦ってたことだけは覚えてるんだ。

それ以外は全然思い出せない。けど…」

 

「けど?」

 

「あの金色の、オーディンが敵だったのは覚えてる。」

 

「じゃあアンタはアイツをとっちめれば記憶が戻るかもってことかい?」

 

「確信があるわけじゃないけど。どっちにしろ戦わなければ生き残れない。」

 

「分かってるじゃないかい。」

 

戦闘ではコンビネーションを高め

 

「いらっしゃい……船長!」

 

「よ!シンジ!近くまで来たから酔ってきてやったよ!

ビールと焼き餃子!金は持ってきてるよ!」

 

「持ってきてるって俺の金だろ……ほかにご注文は?」

 

信頼関係を築いていった

 

「シンジ、今日はどこ行くんだい?」

 

「船長はアイドルって知ってる?」

 

「ああ、なんか歌ったり踊ったりするやつだろ?

アタシは好きだよ。と言うか、音痴な女が嫌いなだけなんだけどね。」

 

意外にも音楽が好きなのか、

それともその昔音痴な女に酷い目にあわされたのか、

それは定かではないが、新しい船長の一面が見れた。

 

「なんでも最近売り出してる…佐久間、まゆちゃんっていったかな?

のライブでスタッフの何人かが急に休んじゃったらしくてさ。」

 

「それでアンタが呼ばれたって訳かい?

んー…ならあたしも霊体化してついて行っていいかい?」

 

「船長アイドル興味あるの?」

 

「ま、どんなもんか知りたいってのと、それなりに人も集まるんだろ?

だったら他のマスターが来るかもしれないだろ?」

 

「なるほど。」

 

船長が霊体化するのを確認すると、真司は愛車のホンダX4に跨り、目的地のライブ会場を目指した。

野外にステージが設置されており、席はそこそこ。

最低限の設備はそろってるといった感じだ。

真司の役目は警備だった。

制服に着替え終わると真司はデッキだけは持っていくことにして外に出る。

 

「あの、アナタが今日急遽入ってくれた警備の方ですか?」

 

「え?あ、はい。そうですけど」

 

声をかけて来たのは女の子だった。

茶色い髪を鎖骨ぐらいまで伸ばした可愛らしい子で、頭と手首にリボンをつけている。

そして何故か、服やリボンと非常にミスマッチな

狼の仮面をつけた女の顔の形をしたペンダント(?)を下げている。

 

「佐久間まゆと申します。今日は私のライブの為にありがとうございます。」

 

「いえいえ!困った人を助けるのがなんでも屋の仕事ですから!」

 

真司はまゆに左手を差し出す。令呪の有無を確認するためだ。

まゆは臆することなく左手を出した。

そのリボンに隠れた手首から、僅かにだが真司の右一の腕の令呪と同じ色の模様が見えた。

 

「おーい!まゆー!もうリハーサルだぞー!」

 

「あ、プロデューサー。もう行かなきゃなのでこれで。」

 

「はい。がんばってくださいね。」

 

まゆが角を曲がって見えなくなると船長は霊体化を解除した。

真司もずっと右手で握っていたデッキを離し

 

「船長。多分だけど、あの子のリボンで隠した手首に令呪があった。」

 

「アタシも感じたよ。小さすぎてこんだけ近づかなきゃわかんなかったけど。

あの子はもうサーヴァントを召喚してるよ。」

 

いきなりビンゴだったらしい。

彼女は、アイドル佐久間まゆはマスターだ。

 

「ねえシルヴァ。さっきの警備員さんは」

 

『間違いなくサーヴァントを連れてたわ。

それも飛び切り強力なのを。』

 

隣にいるプロデューサーに聞こえるか聞こえないかぐらいの声でまゆは胸の、まゆのサーヴァントである零の宝具である魔導具シルヴァと話した。

性質上そこまで気配探知を得意としない零よりもまゆが持っていた方がいいという判断だった。

 

「にしてももっといるかと思ってましたけど、そんなでも無いんですね。」

 

『この街に53人しかいない訳だからね。』

 

「ま、どっちにせよ。皆零さんに倒されちゃうんですけどね?」

 

 

ライブが始まった。

黒いセクシーなドレスに身を包んだまゆが踊って、歌う。

確かずっと練習していたエヴリデイドリームという曲だ。

 

「だからこそ、邪魔させるわけにはいかないんだよね。」

 

「!」

 

ライブステージから直線で数百メートル先の立体駐車場。

その屋上から暗視スコープで会場を覗いていた()(みや)切嗣(きりつぐ)は背後からの声に振り返った。

 

黒いロングコートに二本の短い剣を携えた色白の癖毛の男は目以外に笑みを浮かべながらゆっくり歩いてくる。

 

「ただ見はよくないよ?

ちゃんとチケット買って客席から最後まで見なきゃ。」

 

近づいて来る男に聖杯戦争の参加者にのみ与えられた透視力で目の前の男を見る。

ステータスが浮かび上がる。やはりサーヴァントだ。

 

(筋力C、耐久B、敏捷B、魔力C、幸運E、宝具A+… 対魔力(陰我)A、騎乗B、守りし者(騎士)A、黄金への導き手A、竜殺しA+

ステータスでもスキルでも幸運を除いてC以下がないとは。あの少女のサーヴァントだとしたらかなり厄介だ。)

 

「…アイリ、セイバーを寄越してくれ。」

 

インカムに短く呟く。セイバーが着くまでもう少しかかってしまうだろう。それまでなんとか持ち堪えなくてはならない。

 

「大丈夫だよ。サーヴァントが来るまで斬るつもりはないから。」

 

口では何とでも言える。だがひょっとして剣が武器のあたりセイバーの、高潔な騎士のサーヴァントだろうか?

 

「マスター!」

 

思案してる間に切嗣の可愛い騎士王は到着した。

青い瞳に頭に一本伸びた癖毛。美しい金髪の持ち主は真名をアルトリア・ペンドラゴン。

ブリテン伝説の騎士王だ。

 

「へー、そいつがアンタのサーヴァントか。」

 

「マスター、下がってください。

ここからは我らサーヴァントの領分です。」

 

素直に去って行く切嗣。

その場に2騎のサーヴァントだけが残った。

 

「俺は涼邑零。またの名を(ぎん)()騎士(きし)絶狼(ゼロ)。」

 

(!? サーヴァントが自ら正体を明かすだと!だが私も一人の騎士。名乗られた以上は名乗り返さなければなるまい。)

 

「銀牙騎士絶狼、良い名だ。私は」

 

「いや良いよ名乗らなくて。絶狼は称号みたいなもんだし、本当の名前はずっと前に捨てた。今ここにいるのは己の欲望をかなえるためにだけ迷い出た亡霊とそれを切るために蘇った亡霊だけ。」

 

「……そうであったな。」

 

アルトリアは自身の宝具、風王結界(インビジブルエア)に包んだ聖剣を、零は魔戒剣を構え、激突する!

 

「っ!素晴らしい剣技だ。それほどの技、今まで剣を交えた騎士の中にもそういなかったぞ。」

 

「そりゃどうも。それに免じてその武器を見せてくれたりは?」

 

「生憎できんな!」

 

再び交差する二人。風と爆音が巻き起こり、周囲に留まった自動車や鉄の柵が面白い様にぶっ飛ぶ。

 

「剣使いには違いないけど、本当にやりずらいね。

魔獣は腐るほど相手にしてきたけど、戦った騎士の中では暗黒騎士(バラゴ)や俺の親友(ザルバ)ほどじゃないにせよ、強敵だ。」

 

「果たして本当に剣かな?槍か戦斧か、もしや弓矢と言うこともあるぞ?」

 

「じゃあ確かめるとするか!」

 

2人がしのぎを削るなか、ライブ会場の方では

 

(甘ったるい歌詞だけど声は良いじゃないか。)

 

「ああ、さすがプロ。」

 

真司は警備員の特権でそこそこ近い位置からまゆの歌を聞いていた。

ドレイクも満足してるようで、勝手に家から持ってきたビールを飲みながら聞いている。

 

(……!シンジ、サーヴァントだよ!)

 

(ホントか!何処に?)

 

(会場からギリギリ外って所だね。)

 

ドレイクは早速駆け出す。真司はようやく覚えた暗示のコードキャストを使って棒立ちにさせた客の一人を真司に見えるようにすると早速ドレイクの跡を追いながらデッキを構えた。

 

「変身!」

 

仮面ライダー龍騎に変身し、外に出るとそこに居たのは全身が鮮血のように赤い白い眼の仮面ライダーと、青い鎧に身を包んだ今ステージに出ているまゆに匹敵するぐらいの美少女がいた。

 

「船長こいつらが?」

 

「ああ、間違いないね。赤い方がサーヴァントだよ。」

 

「サーヴァントに、人間か?」

 

赤い仮面ライダーがファイテイングスタイルをとった際にジャリ、と砂を踏んだ音を頼りに真司に攻撃を仕掛けてきた!

 

「シンジ!」

 

「俺はいい!船長はその子を!」

 

激しく手負いの野獣の様に繰り出される連撃を龍騎はパンチ主体の実践から学んだ格闘術で迎え撃った。

はじめて龍騎をみた船長をもって

 

「アンタらしい頑固な仮面だね。」

 

と称されるくらい龍騎は、真司は我慢強い。

悩んで止まってしまうことはあるが、一度決めたら一直線だ。

 

「邪魔、するなぁあああ!!!」

 

「っと!アンタ、船長みたいに英雄なんだろ!?

誰かのために戦ったんだろ?だったら、今生きてる人を殺してまで叶えたい願ってなんだよ!」

 

「全部、全部俺が造った!それが人を喰うんだ!

だったらぁ……俺が喰ってやるしかねぇじゃああねえかぁ!!」

 

質問に答えてるんだか答えてないんだか、どうやら精神汚染の類のスキルを保有しているらしい。

 

「狂った英雄、よく思い出せないけどやな奴思い出すな!」

 

<SWORD VENT>

 

繰り出されるアームカッターをドラグセイバーで受ける、受ける!

 

「さっさと船長の方に行きたいんでな!」

 

<STRIKE VENT>

 

ドラグセイバーを左手に持ち替え、右手にドラグクローを装備する。

 

<biolent strike>

 

バイザーの音声を頼りに跳躍した赤いライダー、アマゾンアルファは急降下キックを繰り出す。

 

「はぁあああ…………」

 

龍騎はドラグセイバーをドラグクローで噛み、炎を纏わせる!

 

「だぁあああああ!!!」

 

一閃の炎の斬撃がアマゾンアルファを撃ち落とした!

 

「よし!」

 

「うぁあああ……あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!!!!!!!」

 

アマゾンアルファは変身を解除し、そのときに発生する冷気で炎を消し去る。

煙の奥から出て来たのはくしゃくしゃの髪に、濁った瞳の野犬のような男だ。

 

「!? アンタは……あ!」

 

一瞬真司が動きを止めたタイミングでアマゾンアルファだった男を青髪の少女が回収し、去って行った。

 

「シンジ!大丈夫かい!」

 

「船長!そっちも怪我とかなさそうだな、良かった。」

 

「逃がしちまったけどね。」

 

「大丈夫だよ。まだ聖杯戦争は始まったばっかだ。」

 

「そうかい。」

 

2人が去って行った方向を見つめる二人。

一体今夜どれほどのサーヴァントが交差し、命を削っただろうか?

 

「戦わなければ生き残れない。」

 

静かにつぶやくと真司は鏡を通ってライブ会場にもどった。

 




今回存在が判明したサーヴァント

衛宮切嗣@Fate/zero


今回存在が判明したサーヴァント

アルトリア・ペンドラゴン@Fate/zero


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第十四話

お久しぶりです。


夜のコンビニ。一人の少女がいた。

前髪の一部が不自然なまでに自然な白になった髪の小柄な少女だ。

彼女はお菓子を少しと、冷たい飲み物を買うと、

外に停まっていた真っ赤なマッスルカーに乗り込んだ。

 

『俺はクリフジャンパー♪

速いぜ強いぜクリフジャンパー♪

クリフは崖で、ジャンパーは飛ぶ人~♪

飛ぶぜかっとばすぜクリフジャンパー♪』

 

「何その歌?」

 

カーフォンから響く声にこたえているわけではない。

彼女はこの意思を持つ車、

超ロボット生命体トランスフォーマー、

その中の正義のグループ自動(オート)機械人(ロボット)、オートボットの一員として短い間だが地球を守った戦士、クリフジャンパーそのものと会話しているのだ。

 

『少しでもキルヤに俺の事を知ってもらおうと思ってな。』

 

彼女、(もも)()()()()は深い深いため息をついて軽くダッシュボード裏を蹴る。

 

「そんなの良いから出して。

はぁ……こんな軽口の多いサーヴァントといるくらいならテラーコン?って言ったっけ?のアンタの方がよかった……ぐぅ!」

 

思わずつぶやくとハンドルが希留耶の頭を圧迫するように飛び出してきた。

 

『冗談でも次同じ事を言ってみろ!

その脆い記憶集積器官を叩き割るぞこの辺境惑星の単純生物が!』

 

「わかったわかった!悪かったわよ!」

 

そう言うとハンドルが引っ込んだ。

クリフは普段の調子いい感じからは想像できない口の悪さで相手を罵倒する事が有る。

本人曰く赤いオートボットは自分を例外にキレると手が付けられないor短気なんだとか。

リーダーのオプティマス・プライムとか、古株の一人の軍医のラチェットとか、悪の軍団、ディセプティコン崩れのドリフトとか…リーダーがそんなんで正義の軍団として大丈夫なんだろうか?

まあ、それでもクリフに限ってだが、あんまり無駄に怒ったりはしない。

 

「……ねえ。」

 

『なに?俺のかっこいい活躍でも聞きたくなった?』

 

「いや、アンタってさ、なんで私なんかに従ってる訳?

別に義理も何もないでしょ?」

 

『なんだそんな話かよ。

前にも話したと思うけど、

俺、あんまりかっこいい死に方出来て無いからさ。

もう一つぐらい自慢できる戦果上げてからアーシーや

オプティマス達のとこに行きたいのさ。』

 

「そんだけ?」

 

『そんだけさ。

てかそんな話よりもっと俺のかっちょいい話聞いてくれよ。

そうだな、この話はまだだったよな。

俺とアーシーとでオプティマスと合流した時!

その前に一戦かましてたんだよ。相手はショックウェーブって言うダサい一つ目野郎でさ!』

 

調子よさげに話し始めるクリフ。

なぜかいつもこの感じが、不思議と心地よくて眠くなってくる。

 

『あ?ここからってのにお眠か?』

 

「うん、ちょっと…疲れ………」

 

『お休み、地球人の未成熟な少女よ。』

 

クリフはやさしくつぶやくと、車騒音と動きに注意して街を駆けた。




今回存在が判明したサーヴァント

クリフジャンパー@超ロボット生命体トランスフォーマープライム


今回存在が判明したマスター

百地希留耶@プリンセスコネクト!Re:Dive


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第十五話

忘れた頃に書き始める今日この頃。


眩しい光に希留耶は目を覚ました。

 

(ここ、どこ?……ああ、クリフの中か。)

 

走っていたのは近くの森林公園の前だ。

そのまままだ空いてる駐車場に入り、エンジンを切る。

 

『お目覚めかい?』

 

「おはようクリフ、ここは?」

 

『もうアレから1週間だろ?

たまには森林浴でもして、

気分をリフレッシュしたらどうだ?』

 

「何それ……そんなんどこで覚えて来るの?

それともセイバートロン星?にも森とかあるの?」

 

『惑星サイバトロンだ。

それとそう言った知識はお前らがインターネットって呼んでる膨大だけど単純なネットワークから入手した。

38時間で全部ダウンロード出来たぜ。』

 

インターネットは38時間で全て閲覧する……散々驚いたし、はじめてあった時からだが、彼らは規格外だ。

 

「そう……分かった。

敵とかきたらすぐ来てよね。」

 

そう言って昨日の夕飯のゴミを持って車外に出る希留耶。

んー!と伸びをして太陽に目を細める。

 

(まずは顔洗おう。

それから、ちょっと走りたい気分かな?)

 

トイレで顔を濡らしてから

軽く腕を振りながらランニングコースを駆ける。

見ると意外なことに先客がいた。

原っぱの真ん中で千本ノックをしてる3人がいる。

1眼鏡に黒いノースリーブの自分より少し歳上の少女と、

赤い上着の青年に

黄色い髪の同い年ぐらいの少女だ。

 

(私も両親とあんな風に、無理か。

パパもママも、皆死んじゃったし。)

 

 

2

あの夜、本当だったら死ぬのは私の筈だった。

この世界は現実(ほんもの)じゃない。

そう気付いたは良いけど、ここから出てもここに止まっても何も変わらなかった。

変な宗教にハマった親はうるさいし、

友達もいないし、やりたい事も特にない。

 

強いて言えばここに居たくないけど、

右に行っても左に行ってもここに戻って来るならどうしようもない。

 

「最後に、誰か話聞いて欲しかったな。」

 

いつの間にか辿り着いたビルの屋上。

淵に立って下を見ても特に恐怖も感じなかった。

そして飛び降りても

 

(なんだろ、別になんも怖くないってアッツ!

何?手に、刺青?痣?てなぁ!)

 

空から、真っ赤なマッスルカーが降って来るまでは。

そしてそれが人形に変形して私を掴んでビルに捕まり減速しながら見事着地するまでは

 

「……………………!?!!?、、!?」

 

私をそっと下ろした青い目の赤い元マッスルカーの鋼の巨人は私の顔を覗き込むと、何やら知らない言葉で話しかけて来た。

 

「え?しゃ、喋った?」

 

『……怖がらないで欲しい。

俺は君に危害を加えるつもりはない。』

 

急に流暢な日本語を話し出した。

しかし問題はそこではない。

超展開過ぎて若干ついていけてない部分が多いが、

助けてくれた訳だが、こいつは信用出来るのか?

 

『俺はこの惑星を観測するフォトニック純結晶体古代遺物に記録された英霊と呼ばれる存在の一人。

超金属生命体トランスフォーマーのクリフジャンパー。

オートボット軍の一員だ。』

 

彼は、クリフジャンパーは構わず自己紹介を続けた。

 

「クリフジャンパー?それ名前?」

 

『ああ。君達地球人類の言語に我々の本当の名前を正しく発音することは不可能だ。

それ故にこの惑星での擬態形態や個人の特技などからとったコードネームを名乗っている。』

 

クリフジャンパー、崖を飛ぶ者。

 

『それよりここでは目立つ。

少し下がっていてくれ。』

 

言われた通りにするとクリフジャンパーはその場で宙返りを撃ち

 

変形(トランスフォーム)!」

 

真っ赤なマッスルカーに再び姿を変えた。

 

『かっこいいだろ?乗りな。』

 

希留耶は戸惑いながらも助手席に乗り込んだ。

車内は綺麗者だった。どこも変な所は無い。

これだけ見たら人型ロボに変形するなんて信じられないだろう。

ハンドルに着いた車のメーカーとは違うマーク、

オートボットのマークだろうか?もアンテナショップのロゴと言い張ればごまかせるだろう。

 

「……なんで、そんなスーパーロボットが空から降ってくるのよ?」

 

『俺はスパーク、君達人間でいうところの心臓と脳を兼ねる器官を破壊されて修復不可能になった。

つまり死亡したんだ。』

 

「つまり幽霊みたいなものってこと?」

 

『ああ。君と共に聖杯戦争を戦うためのな。』

 

「セイハイセンソウ?」

 

『ああ。聖杯(ムーンセル)への接続権をかけて、

平たく言えば何でも願いを一つ叶えられる権利をかけて

53組のマスターとサーヴァントが戦うのさ。』

 

「へぇ……。」

 

『なんだよその間抜けな返事。

他人ごとに聞こえたんなら間違いだぞ?

お前はそのマスターで、俺はお前のサーヴァントだ。』

 

「ええ!?」

 

まさか自分がそうだとは思わなかった。

私が?間違いなく生まれてこない方が良かった自分に挑戦権だけとは言え、

そんな願いをかなえる権利が?

 

『信じられない様なら腕の聖痕に繋がりを意識してみろ。

俺を感じられるはずだ。』

 

繋がりを意識するというのは分からなかったが、

このマッスルカーが言う事は本当なんだろう。

 

「あ、停めて。」

 

『どうした?』

 

「ここ、私の家。」

 

丁度マッスルカーは家の目の前で止まってくれた。

 

『ひゃく、ぢ?変わった個体識別コードだ。』

 

「ああ書いて(もも)()

百地()()()。」

 

そう言って車を降りる。

ドアを開ければ

 

「希留耶!」

 

うるさい親がお出迎えだ。

本当にやめて欲しい。けど願ったところでどうにもならない。

 

(あーあ、変なマッスルカーに自殺邪魔されたせいでまた説教地獄だ。

寝る時間あるかな?)

 

そう思いながら居間に入ると

 

「え?」

 

そこにあったのは、鮮血の中に倒れる両親と

 

「た、助けてキルぅううう!」

 

両親の内側から肉を引きずり出すの昆虫型の機械達だった。

 

「あ、ああ……ああああああ!!!!」

 

すぐに希留耶外に飛び出したその瞬間!

家の二回に向かって一閃のビームが撃ち込まれる!

 

「きゃああああ!何!?」

 

ごうううん!と轟音を立ててF-16戦闘機に酷似した戦闘機が通り過ぎていく。

 

『降りてこいスタースクリーム!

このガリガリチビのナルシスト野郎が!』

 

そう言って人型に変形したクリフが両腕を三連キャノンに変形させ、戦闘機を狙う。

 

当たりはしなかったが近づかせない事は出来た様だ。

 

『キルヤ走れ!ここは逃げるぞ!

流石に飛ばれちゃこっちが不利だ!』

 

クリフに言われるまま、再び変形した彼に飛び乗る。

それが今日まで続く逃避行の始まりだった。




今回存在が判明したサーヴァント

スタースクリーム@ 超ロボット生命体 トランスフォーマー プライム


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第十六話

ファフナーみたいな作品は続き見たいけど見たくない。


放課後、と言ってももうすっかり夜だが僕、皆城総士は

月海原学園職員室に忍び込んでいた。

 

「いや〜でもこう、夜の学校って、

オバケとか出そうで怖いですよね。」

 

そう言って後ろをおっかなびっくりついて来るのが同じ学園の生徒で、ゲーム同好会部長の夢咲だ。

 

亡霊の一種(サーヴァント)を使役してる奴が今更何を言いやがる。」

 

彼女のサーヴァント、ライダーが呆れた様に肩を竦める。

 

「ライダーやランサー君は怖くないって分かってるから!

そうじゃないのが怖いだけだから!」

 

そうな話をしてる2人を他所に総士は黒い絹の手袋をはめると近くにあったPCを立ち上げ、

事前にランサーに調べさせておいたパスワードを挿れる。

 

「入れた?」

 

「ああ。ここから誰か、休んでる生徒や怪しい動向のあった生徒からマスターを割り出せるかもしれない。」

 

それが今回忍び込んだ目的だった。

もし自分たちと違い聖杯戦争を優先するマスターがいれば学校を休みがちになる筈だ。

 

(最近の無断欠席者は……

初等部2年の間桐慎二、5年の(なつめ)こころ、

中等部2年の美樹(みき)さやか、3年の(ともえ)マミ、(くれ)キリカ。

高等部3年の()(がみ)(ライト)、これで全部か。)

 

正直あまり期待出来ないが、

情報は少しでも持っておきたい。

 

「夢咲、目的は達成出来た。

撤収するぞ。」

 

「了解!」

 

教室を出る三人。

ドアが閉まり、部屋が完全に静寂に包まれると

 

「行ったか……。」

 

総士がいじっていたパソコンのすぐ近くから黄緑色の異形がどこからともなく表れた。

仮面ライダーベルデ、キャスターのマスター木村だ。

 

(俺はサーヴァントじゃないから姿さえ消せればあんな現代英霊ども簡単に欺ける。

さて、あの子供たちが見ていたのは欠席者のデータだった。

つまりこの学校にはあの二人以外にもマスターが?)

 

学校のような人の集まる場所には魔力を用意できないマスターが魂食いで狙う可能性がある為、いくつか目星をつけていたのを巡っていた途中だったが、思わぬ広い物だ。

 

(全員顔と名前と住所は控えた。

そうだなまずは……このを夜神月に接触するか。)

 

木村は近くの鏡のようになっていた窓からミラーワールドに去る。

今度こそ職員室は無人になった。

 

 

一方同じころ、都心部のビルの一室にて。

学生服の中学生ぐらいの少女と、白い長い髪の小学生くらいの少女。

そしてスタイルの良い高校生ぐらいの青年が集められていた。

 

「よく集まってくれた。」

 

その中央に五条袈裟の福耳の男、

キャスターのサーヴァントと

そのマスターのコートの男、御影神牙がはいってきた。

 

「要件は一つだけだ。俺に、協力して欲しい。

全ての人々を理不尽な悪意からやり直させるために。」

 




今回判明したマスター

棗こころ@プリンセスコネクト!Re:Dive

美樹さやか@魔法少女まどか☆マギカ

夜神月@DEATHNOTE(漫画)

御影神牙@ 神ノ牙-JINGA-


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第十七話

まだ出揃わない。


1

火羅(ホラー)

陰我、森羅万象に存在する闇にかかわりに持つ魔獣。

陰我の集中したもの、オブジェを(ゲート)にしてこの世界に入り込み純粋に悪、あるいは心の弱い人間に憑依し、それに応じた特性を発揮し人を食らう。」

 

「まあ、ざっくり人を食べる呪いの怪物と思ってもらって構わない。」

 

白髪のコートの男、御影神牙の説明を

五条袈裟の男、呪霊操術のキャスターが引き継ぐ。

 

「おまんが飼っとるバケモンとは違うのか?」

 

話を聞いていたマスターの一人、美樹さやかのサーヴァントの和装の男が余談なく構えながら尋ねる。

 

「キャスターの操る呪霊は通常の武器では殺せないが、少なからず怨霊の要素のあるサーヴァントには問題なく撃破可能だ。ただしホラーを封印できるのはこの魔戒剣を持てる男だけだ。」

 

自身の赤い鞘の細身の両刃剣を抜いて見せながら説明を続けた。

 

「この剣はソウルメタルと言うホラーの肉体が溶岩で固まった金属で出来ている。

これで作った矢がホラーを封印したのがすべての始まりだ。」

 

「ちなみに何でかは分からないけど基本的に武器に加工されたソウルメタルは女性には持てないし、男性でも心の弱い人間は持てない。」

 

「その口ぶりから察するに手段が無い訳じゃ無いように聞こえるけど?」

 

ふと思った疑問をぶつけてみる夜神月。

キャスターは不敵な笑みを浮かべたまま

 

「腕に他人の人骨を埋め込む嫌悪といろんな意味の苦痛に耐えれるならご自由に。」

 

ふむ…と顎に手を当てる月。

 

「俺たちの願いは、愚かにもホラーに憑依されるような陰我に満ちた人間や、呪の基になるような人間がいない世界だ。」

 

「なるほど。ある種の理想郷(ユートピア)の実現。

聖杯でもなければ実現しえないね。」

 

「そこで皆さんに声を掛けたのは外でもない。

我らの目的のために協力してほしいからだ。愚かなる猿どもの為に優れたものが死ななくてもいい世界を…」

 

「悪平等な発想。」

 

夏油のセリフを遮って美樹さやかは席を立った。

 

「それってなんもしてなくても後ろ向きな感情持ったらその時点でアウトって言ってるようなもんじゃん。

そんなん無理だよ。聖杯あったって出来っこないよ。いこ、アサシン。」

 

「だから儂はアサシンじゃのうて人斬りじゃ。」

 

2人はさっさと退出していった。

 

「あらら。手ひどく振られてしまったね。」

 

「邪魔をしないならほっておけ。それよりお前たちの回答を聞かせて欲しいな。」

 

神牙は残る夜神月と棗こころに問う。

 

「僕は、そうだな。まだ僕の中で色々決めかねてる部分が有るからお互い不可侵、とさせていただけないかな?」

 

「構わない。けどその代わり『縛り』を結ばせてもらう。

違反した者には、令呪一画の譲渡、でいいかな?」

 

「構いません。」

 

『縛り』は成立し、退出する夜神月。

外に停まっていた黒い継ぎ接ぎのような装甲の装甲車に乗り込む。

その運転席には傷だらけの男が座って、否、一体化していた。

 

「あの場に、トランスフォーマーのサーヴァントはいなかったようだな。」

 

「ああサイラス。あの美樹さやかって女の子が連れていた和服のサーヴァントは人斬りと呼ばれていたから幕末のサーヴァント、それも土佐訛りで喋ってたし岡田以蔵あたりが妥当だと思う。

もう一人の女の子は分からなかったけど、君みたいな例外なトランスフォーマーさえ使役出来るようなようには見えなかったな。」

 

「そうか、ならば当面警戒すべきはあのジンガという男と奇妙な服のキャスターか。」

 

「ああ。下手をすればオートボットよりも厄介だよ。」

 

装甲車は不思議と誰にも違和感を持たれることなく夜の街に消えた。

 

「キャスター、奴らはどうだ?」

 

「少なくともこの建物からは出てくれたらしい。」

 

「ならいい。すまないなこころ。茶番に付き合わせた。」

 

さっきまでの高圧的な態度とは変わって柔らかな態度で接する神牙。

 

「いえ、サーヴァントに離反された私にこのようにしていただき感謝しかありません。」

 

「当然だ。君はここで終わっていい人間じゃない。」

 

そう言ってキャスターもこころに優しく笑いかける。

 

「早く君の元から離れたスタースクリームに変わるサーヴァントを見つけないとね。」




今回存在が判明したサーヴァント

岡田以蔵@Fate/Grand Order

サイラスブレークダウン@ 超ロボット生命体 トランスフォーマー プライム


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第十八話

エンシェント・ジャイアントなんてクラスFateで出て来たかって?
スルトがそうらしいです。


1

聖杯戦争の参加者の一人にして仮面ライダー龍騎、

城戸真司はなんでも屋である。

基本的に決まった業務の無い職業だが、真司の性格、

と言うか人徳ゆえか、リピーターはそれなりにいて、決まった仕事が有る。

例えば大学の試験期間、抜けてしまった学生アルバイターのピンチヒッターとして駅前の居酒屋の手伝い、とかである。

 

「シンジー!今回も来てやったよー!」

 

そして飲食店での仕事ではお決まりのように彼のサーヴァント、船長ことフランシス・ドレイクが客としてやってくるのだ。

 

「船長!また俺の金で俺の焼き餃子にビールを飲みに来たな!」

 

「もちろん!

あれが家でも外でも食えるなんてなかなかの贅沢だよ!

ほらさっさと持ってきな!」

 

はいはい、と言いながらもてきぱきと準備する。

 

「ハイお待ち。」

 

「んぐ!んぐ!んぐ!ぷっはーー!

やっぱシンジの焼き餃子程この酒に合う飯はないね!」

 

「客としてくるのは良いけど俺の金なんだから少しは加減してくれよ?

散財が好きなのは知ってるけどさ。」

 

「硬いこと言うなよ、最近は仕事が途切れて無いんだろ?

良いじゃないかい。」

 

「まあなぁ」

 

そんな話をしてると客足が絶え始めた時間だったが新しく誰かが入ってきた。

 

「いらっしゃいませぇ!?」

 

驚いたのは客が会社帰りの会社員ではなく、どこか上品で快活そうないい所のお嬢様、と言った感じの少女、いや美少女だったからだ。

 

「1人でーす。」

 

と言いながら四人席にかけると

 

「このメニューに載ってるお酒以外全部ください!」

 

「ハイかしこまりってええええ!!!?」

 

またも度肝を抜かれた。

全部、今この少女は全部と言ったか?

この店の料理を全部と?

 

「はっはっはっは!面白いじゃないか。

こっち来な、いっしょにのもうじゃないか。」

 

「ちょっと船長!?」

 

「え?いいんですか?でしたらお邪魔しまーす!」

 

少女は華やかな表情をさらにパッ!と明るくさせてドレイクの隣に座りなおす。

 

「え、えっとお客さんお勘定大丈夫?」

 

「はい!これが有りますんで!」

 

そう言って彼女はいい笑顔で財布から黒いクレジットカードを取り出す。

 

「なぁあああ!!?!ぶ、ブラックかーどぉ!?」

 

本日三度目の衝撃だった。

もう、この少女は何者なのだろう?

優美さと明るさを兼ね備えた世の男がこぞって振り返る美人で、ブラックホールのような胃袋とブラックなクレジットカードを持っている。

もう情報が大渋滞だ。

 

「シンジ?さっきからリアクション芸人みたいな反応してないで注文を作りに行きなよ。

あ、あたしは焼き餃子とビールお代わり。」

 

「いや冷静に注文されても!……あー分かったよ承りました!」

 

それから何時間か分からないが表裏を作っては運び作っては運び、食材が切れれば手の空いてる人に買いに行ってもらいを繰り返し続けていた。

 

「はっはっは!なんだいそれ?

そのスモークスクリーンって奴もとんでもない冒険野郎だね!」

 

「やばいですよね★こうして話してると船長さんはスモークスクリーン君と仲良くなれそうです。」

 

「そうゆうアンタも今厨房で馬車馬のように働いてるシンジと仲良くなれそうだよ?なあシンジ!」

 

「はいご注文の鶏肉の塩唐揚げですってなんだって?」

 

注文を運んできたばっかの真司は何を言われたかいまいち分からない。

 

「アンタとこいつの気が合いそうって話さ。

えーっと?」

 

「ユースティアナ、親しい人からはティアナと呼ばれてます。」

 

「そうかいティアナ。仲良くしてやんなシンジ。」

 

「ああ、そういうことなら。よろしくね、ティアナちゃん。」

 

「はい!よろしくですシンジさん!」

 

 

朝日が顔を出し始めた頃、腹八分目まで食ったユースティアナは満ち足りた気持ちで外に停まっていた白ベースに赤と青のラインに7のゼッケンの入ったスポーツカーに乗り込む。

 

「お待たせしました~!」

 

『お帰りティアナ。ずいぶんと清々しい顔じゃないか。

俺みたいな色男に会うぐらいい出会いでもあった?』

 

「そうなんです!

船長さんにシンジさんって人に出会ってですね!」

 

彼女が楽しそうに話しかける車のハンドルにはクリフジャンパーにもついていた顔のようなマークがある。

つまり彼女もまたマスター。

そしてこのスポーツカーこそが彼女が召喚したサーヴァント。

エリートガードのスモークスクリーンなのであった。

 

 

ビルの屋上、ようやく上った朝日を背後に眼下に広がる街を見下ろす影があった。

それは背後から見れば一瞬仮面ライダー龍騎と間違えるだろう。

だがしかしよくよく目の部分を見てみると、龍騎の仮面は複眼の部分が膨らんでいたのに対し、この影の物は凹凸の無い曲線を描いている。

そして真っ赤に光る複眼は吊り上がっていた。

 

真実に対して虚であるゆえにまぎれもなく真実である鏡の中でしか存在の保証されぬ影法師。漆黒の龍騎。

仮面ライダーリュウガ。

そしてそれに付き従うのが、認識を阻害する宝具、

己が栄光の為でなく(フォー・サムワンズ・グロウリー)で姿を隠した黒い鎧のバーサーカー。

 

「……時間か。」

 

リュウガが腕から出る黒い粒子に気付き、鏡の中に変える。

そして最後に自信のサーヴァントに

 

「あれを始末しておけ。」

 

そう言って眼下を走る7番のゼッケンのスポーツカー、スモークスクリーンを指す。

絶叫をあげながらビルを飛び降り、手近にあったバイクを騎士は徒手にて死せず(ナイト・オブ・オーナー)で宝具化させると、スモークスクリーンを追跡した。




今回存在が判明したサーヴァント

スモークスクリーン@超ロボット生命体 トランスフォーマー プライム

第四次聖杯戦争のバーサーカー@Fate/zero

今回存在が判明したマスター

ユースティアナ・フォン・アストライア@プリンセスコネクト!Re:Dive

仮面ライダーリュウガ@ RIDER TIME 龍騎


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名簿

最新版。これ以降変えません。


No.真名クラスマスター
1涼邑零バーサーカー佐久間まゆ
2ロイミュード000アサシン暁美ほむら
3夏油傑キャスター御影神牙
4武藤カズキランサー皆城総士
5姫野アサシン秋山蓮
6クーフーリンランサーキュルケ
7アタランテアーチャーデンジ
8ジークフリードセイバー???
9鷹山仁バーサーカー風鳴翼
10与幸吉キャスター夢咲楓
11ウルトラダークキラーアヴェンジャー風見涼
12アストルフォセイバー伊藤誠
13フランシス・ドレイクライダー城戸真司
14ハサン・サッバーハアサシンL
15マシュ・キリエライト シールダー藤丸立香
16ウルトラマンギンガランサー???
17ウルトラマンビクトリーセイバー???
18ウルトラマンエックスキャスター???
19ウルトラマンジードバーサーカー???
20ウルトラマンゼロアーチャー藤丸立香
21クトリ・ノタ・セニオリスキャスター木村
22尋海アリスライダー浅倉威
23ヘラクレスバーサーカー仮面ライダーオーディン
24イアソンセイバー仮面ライダーオーディン
25メディア・リリィキャスター仮面ライダーオーディン
26源頼光バーサーカー仮面ライダーオーディン
27クロエ・フォン・アインツベルンアーチャー仮面ライダーオーディン
28冴島大河ライダー聖杯
29スパルタクスバーサーカー聖杯
30茨木童子バーサーカー聖杯
31ロビンフットアーチャー聖杯
32魔進チェイサーバーサークアーチャー仮面ライダーオーディン
33アサシンパライソアサシン仮面ライダーシザース
34天弓騎士牙射アーチャー仮面ライダーファム
35マンドリカルドライダー仮面ライダーインペラー
36ディルムッド・オディナランサー仮面ライダータイガ
37佐々木小次郎アサシンオルタナティブ・ゼロ
38

翠瞑騎士ゼクス

シールダー聖杯
39ジル・ド・レェキャスター刻命裕也
40アルトリア・ペンドラゴンセイバー衛宮切嗣
41クリフジャンパーエンシェント・ジャイアント百地希留耶
42スタースクリームエンシェント・ジャイアント棗こころ
43スモークスクリーン エンシェント・ジャイアントユースティアナ・フォン・アストライア
44サイラス・ブレークダウンアヴェンジャー夜神月
45岡田以蔵アサシン美樹さやか
46ランスロットバーサーカー仮面ライダーリュウガ
47早川アキセイバー坂井直人
48ダース・カイダスセイバー芹沢あさひ
49ダース・ベイダーセイバーイリヤスフィール・アインツベルン
50ウルトラマンロッソアーチャー立花響
51ウルトラマンブルセイバーティアット
52ジャンヌ・ダルクルーラー聖杯
53仮面ライダーオーディンルーラー???



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第十九話

お久しぶりです。


「♪~ ♪~~」

 

実に機嫌の良さそうに鼻歌を歌いながら裏庭に作った炉で何かを作る短い銀髪にハイライトの薄い青い目の少女がいた。

彼女は芹沢あさひ。

 

聖杯戦争のマスターの一人である彼女は、彼女の英霊(サーヴァント)にして師匠(マスター)であるセイバー、ダース・カイダスからの最後の試練を与えられていた。

 

「自らのフォースに従いライトセーバーを作り上げよ。

それが出来た時、お前は私の真の弟子(アプレンティス)…シスの暗黒卿を名乗ることが許される。」

 

フォースという新しい玩具にどんどんのめり込んでいた彼女は遂に自分のライトセーバーを持てることに大はしゃぎだった。

 

「出来た!」

 

炉の中の出来立てほやほやのクリスタルをフォースで取り出し、あらかじめ用意していた水の入ったバケツに入れて冷やす。

冷やしながらクリスタルにフォースで語り掛ける。

 

「植物は、虫や動物をおびき寄せるために美しい花や、芳醇な果実を付ける。

それと同じように思わずフォースは近づかずにはいられない者になれ。

フォースは常に共にある。だからこそその中でも近づかれる者になれ。」

 

師の言葉を思い出しながらクリスタルに呼びかける。

薄っすらと目を開けると、無色透明だったはずのクリスタルは内側から蛍光オレンジに染まりだした。

 

「わぁ………綺麗……。」

 

あさひは大事そうにそのクリスタルを胸元に抱えると、財布とカバンだけをもって、近くのジャンクパーツ屋に入り、特に何も考えず、適当なパーツを買いあさり、店をホームセンターに変えて水道管のパーツと自転車のグリップ補強用のテープを買ってダッシュで家に戻り、感とフォースで部品を組み上げる。

 

仕上げにクリスタルを入れてカバーを取り付け、古いシャッターリモコンから移植したボタンを押す。

 

「やったぁあああ!やったやったやった!

成功っす!大成功っすぅーーー!」

 

オレンジ色のセーバーを振り回しながら飛び跳ねるあさひ。

それを少し離れた所からカイダスが見ていた。

カイダスはあさひの手からフォースでセーバーを奪い手に取る。

 

「あ!マスター帰してっす!私のライトセーバーっす!」

 

「ああ。素晴らしい出来だ。我が弟子よ。

前にも言ったがライトセーバーの出来こそが一目で相手の格が分かる基準となる。

これ程の物が出来るお前ならきっとフォースのさらなる高みに行けることだろう。」

 

そう言ってカイダスはあさひの頭を撫でる。

あさひはくすぐったいっすと言いながらも嬉しそうに目を細めた。




あさひのセーバーがオレンジ色なのは、赤は憎しみとかでクリスタルを流血させないとならないという設定があったからです。
その為もう一つのイメージカラーであるオレンジにしました。


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第二十話

こっからエンジンかけて…行けたらいいなぁ…。


夜。倉庫街にて二つの人影があった。

片方は時折、オレンジの光を放ち、もう片方はオレンジの光の刃でそれを払う。

 

「ほ!は!おりゃ!そーりゃ!」

 

つまり放たれる銃弾を軽快によけ、時に手にしたオレンジ色のライトセーバーで弾きながら芹沢あさひは後退しながら戦う暁美ほむらを追いかけているのだ。

 

(なんで剣一本でこんなにも時間停止や狙撃に対応できるのよ!?

異様な身体能力に念力…けど魔法少女ではない。)

 

一体何者なんだ?と考えながらほむらは両手に持ったサブマシンガンを撃つ。

それを見たあさひは手にしたセーバーを街路樹に投げ、切ると、フォースプルで引き寄せ、銃弾を防ぐ。

そして体にフォースを纏ってジャンプ。大上段から斬りかかる。

ほむらは盾で受けるが、ギリギリと押し込まれ膝を付く。

 

「覚悟っす!」

 

更にセーバーに込める力を強めるあさひ。

ほむらは右手に持った銃を捨てて盾から別の武器を出そうとするが

 

「だったらこれっす!」

 

瞬間、セーバーのスイッチを切ったあさひが飛びのき、両手から青白い電を放つ。

 

「がぁああああ!!!」

 

身体から煙を上げながらほむらは吹っ飛んだ。

 

(念力が特殊能力じゃないの!?

…いよいよ魔法少女とは違う何かという事ね。)

 

痛む体を鞭打って立ち上がる。

それを見てあさひは好戦的に笑うとセーバーを起動させた。

 

「やぁあああああ!」

 

あさひが気合を込めて走り出したとき

 

「ちっ!」

 

「この!」

 

二人の間に二体のサーヴァントが割り込んできた。

 

「アサシン!?」

 

「マスター!」

 

「ほむら逃げるぞ!」

 

「我が弟子よ。今日は打ち止めだ。」

 

プロトドライブはほむらを、カイダスはあさひを抱えてその場を離れる。

さっきまで四人がいた場所に無数の矢が刺さる。

 

「逃したか……」

 

そこにシュタッ!と走り込むようにライオンの耳を生やした女性が着地する。

アタランテだ。

やや遅れてそのマスター、変身したデンジも着地する。

 

「あー…ま、そんな日も有るんじゃねーの?

今までが順調すぎたんだよ。ここんとこ、すげー楽しかったし。」

 

「ああ。奴らの特性も粗方理解できた。

今日の所は…お前らだけにしておくか!」

 

そう言ってアタランテは背後に弓を放つ。

何もなかっただしょから2つの人影が現れる。

 

ベルデと彼のサーヴァントのクトリだ。

ベルデはすかさずカードを切る。

 

<ADVENT>

 

アタランテとデンジの背後に出現したバイオグリーザが戦闘態勢を取った。

 

「挟み撃ちィ!?」

 

「……三対二でも構わん。マスター、やるぞ!」

 

「待て!俺たちはアンタらと戦いに来たわけじゃない!」

 

「じゃあ偵察か?」

 

「それも有るけど!……アンタらと手を組みたい。

一時しのぎでも戦力が欲しい相手がいる。」

 

 

 

その後、デンジの説得もあり、何とか四人はそれ以上戦うことなくデンジ、アタランテの仮拠点の家に着くに至った。

 

「途中で買ったバターケーキ有るけど、食べる?」

 

「お!いいじゃんか。美味そうだな。」

 

デンジがケーキを食べ始める。

毒を疑って止めようとしたが、バクバク食べてアタランテにも勧めてくるデンジを見てそれを素直に受け取った。

 

「それで、手を組みたいと言う事は倒したい敵がいるのか?」

 

「ああ。浅倉威という男だ。

今までサーヴァントを連れていないにもかかわらず何組ものマスターとサーヴァントを葬ってきた怪物だ。

アイツ一人でも強いのにサーヴァントまで出てこられたら俺達じゃ敵わない。

多分だが、下手したら全ての参加者が各個撃破される。」

 

「そのアサクラタケシが何者か知らんが、難敵だという保証はない。

汝らの証言以外は。汝らは我らに何かメリットを提示できるのか?」

 

「浅倉の脅威がウソだった場合に真っ先に背中から俺達を襲い敵を一組片づけるチャンス。

そして浅倉が本当に脅威だった場合、いずれ敵になる存在が浅倉と共倒れになるチャンスと、相手の手の内が知れる。で、どうだ?」

 

「……汝、甘いな。」

 

「俺は質問の答えを聞いてるんだが?」

 

「良いだろう。仮に嘘でも汝らなんかに寝首はかかれない。」

 

「言ってくれるな。」

 

二人は固い握手を交わした。




木村はリアリスト。
だけど根っこの部分がいい奴過ぎる。
だから神崎士郎のライダーバトルでも『結局戦わなきゃいけない』とか言いながらコピーベントでナイトに化けて殿したり、クリアーベントで味方事逃げたりしてた…に決まってる。
少なくとも私は信じてる。


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第二十一話

大分前のオーディン軍対聖杯のサーヴァントの続きになります。


さながらルーマニアの聖杯大戦。

その言葉に偽りはなく、敵味方双方尋常な聖杯戦争では出会わない者同士が戦っている。

 

「ははははははは!」

 

「■■■■■■■■■■■―――!」

 

まずバーサーカークラス同士。

スパルタクスとヘラクレス。

そしてそれを援護する者同士、スパルタクスにはロビンフット。

ヘラクレスにはイアソンとメディア。

 

「いいぞ!もっともっと楽しませろぉお!」

 

「やぁあああああ!」

 

人間でありながらサーヴァントと対等に渡り合う王蛇と、そんな怪物に一歩も引かない翠鳴騎士ゼクス。

 

そして中でもすさまじいのが

 

「ふん!はぁあああ!」

 

「嘘でしょ…」

 

「人間風情が!」

 

クロエ、魔進チェイサーを相手にしてなお有利に立ち回る冴島大河だろう。

牙狼剣で連射される矢を弾き、いなし、距離を詰めてくる。

 

「この程度では牙狼はおろか並の魔戒騎士すら倒せんぞ?」

 

「ほざけ!」

 

近接戦に切り替えた魔進チェイサーが飛び出す。

クロエは残り援護に徹しよと思ったが

 

「ふん!」

 

地面に刺さっていた矢を大河に投げ返される。

左頬をかすめて矢ははるか向こうに飛んでいった。

ツーッと赤い一筋の血が流れる。

 

「なーんだ。ばれてるのか。」

 

そう呟くとクロエは両手に双剣を投影し、大河に斬りかかる。

それに合わせて魔進チェイサーもブレイクモードに切り替えたブレイクガンナーを繰り出す。

 

大河は剣を高く掲げ

 

「ふっ!」

 

大きく円を描く。

その円は空に残り、剣で突くと景色を割った。

その中から

 

「GAOOOOOOOOOOOOO!!!!!!!!!!」

 

黄金が降臨した。

燃えるような灼眼に炎の様な造形。

眩く輝く金狼。

 

黄金騎士牙狼!

 

「はぁあああああああ!」

 

まず剣ごとクロエを両断。

着地して振り返る。

魔進チェイサーはこちらをじっと睨んでいた。

牙狼は地面に倒れ伏したクロエを飛び越え回転しながら斬りかかる!

 

「がぁああああ!」

 

派手な火花を上げて魔進チェイサーの装甲がバックリと深く切られる。

シュン!と魔進チェイサーは令呪を使ったのか瞬間的にその場から消えた。

鎧を解除して大河はクロエの元に行く。

 

「あー……いいの貰っちゃった。」

 

「すまないな。君も好き好んで奴に味方してるわけではないだろうに。」

 

「いいの。あのお人よしのお兄さんに弓を引くぐらいなら、この方が…。

いい剣ね。私にはとても真似できないわ。」

 

キラキラと金色の粒子を上げてクロエは風景に溶けるように消えた。

 

「終わりましたか?」

 

その背後から新たな敵が現れる。

長い黒髪の平安時代風の鎧を纏った女性だ。

右手に剣を、左手にはボロボロになった消えかけの茨木童子を持っている。

それを切り捨てると女は大河に剣を向け

 

「……」

 

「……」

 

大河も抜刀する。

二人は同時に走り出し激突した。




次回 頼光vs牙狼


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第二十二話

お久しぶりです。予告通り、頼光vs牙狼です。


 

「はぁあああああ!」

 

「ふううううっ!」

 

童子切に牙狼剣が火花を散らす。

火羅(ホラー)を、鬼を、人を蝕む悪鬼を切るために鍛えに鍛えた嫌疑がぶつかり合う。

頼光は攻めきれないでいた。

時代が違うだけで積み重ねて来た戦闘経験は相手が違えで同じぐらいだろう。

だが、素のスペックでは鎧を召喚して初めて本領を発揮する大河の方が低いはず…実際筋力でもスピードでも神秘の強い時代から呼ばれた頼光の方が上だ。

 

(私は、この騎士を切りたくない?)

 

勿論今の自分が愛する我が子(マスター)に弓ひく不忠者にして今すぐにでも殺すべき存在であるのは確かだ。

だがそれを差し引いても、この刃が鈍る感覚はなんだ?

 

「……。」

 

それを感じ取ったのか、大河は童子切を弾くと大きく後ろに飛ぶ。

 

「…我が名は冴島大河。黄金騎士牙狼の鎧を継ぎし者。

貴殿に騎士として尋常なる勝負を挑む。」

 

「改まって一体何のつもりでしょうか?」

 

「陰我に支配されているとは言え、

本領を発揮できる戦士を切るなど牙狼の名を侮辱する行為。

決闘となれば、その刃の鈍りもなくなろう。」

 

「……いいでしょう。宝具を開帳なさい。」

 

大河は剣で虚空に円を描き、出現させた鎧を纏う。

それと頼光が走り出したのは同時だった。

 

「来たれい四天王。…いいえ、牛頭天王の神使達!

我が記憶の形をとりて——参ります。『牛王招雷・天網恢々』!」

 

頼光の配下、四天王の武具を持った分身がそれぞれ必殺の一撃を叩きこもうと迫る。

牙狼は剣を斬馬剣状に変形させ、

連撃を受け止めると渾身の力で押し返し、大きく後ろに飛ぶ。

 

「来い!轟天!」

 

牙狼の着地に合わせて滑り込んで来た黄金の魔導馬が滑り込んで来た。

人馬一体。100体のホラーを切った猛者にのみ与えられる相棒を巧みに操り牙狼は次々と頼光の分身を倒していく。

 

「あああああああああああ!」

 

最後の本体は、童子切に雷撃を纏わせ構えていた。

 

(魔道の鎧が有ってもあれを喰らえばひとたまりもないな。)

 

今ここで自分がなすべき事を為す。

探知できる限り敵はまだあの規格外のバーサーカーが健在なのだろう。

しかしこちらの戦力はもう戦える状態にある者は自分とスパルタクスぐらいのようだ。

 

『反逆の騎士よ!我らともにこの月の圧政者を葬り凱歌を響かせん!』

 

『まさか黄金騎士の名に連なる者と共に戦えるとは!光栄です!』

 

『え?何?これ俺もなんか言う流れ・

まあ、お互い呼ばれちまったし、頑張りましょうや。』 

 

『お前は嫌いじゃ!なんだか源氏のような臭いがする!』

 

「すまんな。どうやら全滅は避けられんらしい。」

 

だが目の前の陰我は何としてでも断ち切る。

牙狼は自身の最後の宝具、烈火炎装を発動。

魔力ではなく霊器そのものを消費して生み出した炎を纏う。

圧倒的な魔力密度の差で雷撃を弾き、轟天にトップスピードを出させる。

そこから放った渾身の斬撃で頼光の胴を心臓を破壊しながらほぼ泣き別れに切り裂いた。

 

「あ…。」

 

馬を降り、鎧を解除した大河の後姿を見ながら頼光は何かに気付いたような表情を見せた。

 

「ああ…その輝き……あなたも、

私の血を継ぐ子だったのですね…。」

 

黄金騎士牙狼。

魔戒騎士の鎧の中でも最高の強さを持つ黄金騎士の中でも牙狼、希望の名を持つ騎士は時代に一人しか現れない存在…即ち魔戒の鎧の頂点であり、騎士を志すものならば一度は憧れる最高位。

その分継承の条件は厳しく、今まで存在したすべての牙狼の継承者である英雄たちに認められなければならない。

それともう一つ、実はあまり知られていない条件がある。

それは、かつての牙狼の継承者血を引いていなければならないこと。

 

ちなみにこの条件は絶対ではない。

この条件を満たしていなければならない牙狼も有ればそうでない牙狼もある。

牙狼の存在は世界に一つ。

それなのに何故、牙狼が複数あるのか。

それは世界が複数存在しているからである。

逆説的に矛盾なく牙狼は一人ではない。

 

だからある世界では牙狼だったものは、

別の世界では牙狼でないなんてこともある。

例えば牙狼である世界では男として生まれているが、

別の世界では女として生まれているとかで。

 

これは翠瞑騎士ゼクスのいた世界の記録だが、平安時代、源頼光と呼ばれた者が牙狼の鎧を使っていたという記録がある。

つまりこの戦いは、形を変えた、本来有り得ざる牙狼同士の対決だったのだ。

 

「…牙狼の歴史は古い。かの羅馬(ローマ)の暴君の時代にはもういたとされている。

陰我に縛られていようとも感じたあなたの気高さ、もし牙狼に連なる物にも受け継がれているなら、きっと俺にも受け継がれているのでしょう。」

 

「我が子よ。あなたに子供はいますか?」

 

「……ああ。いる。俺の鎧を継いでくれた子が。

その子の息子、俺の孫も、俺に勝るとも劣らぬ騎士になった。」

 

「…そうですか、安心しました。」

 

傷口から夥しい血を吹き散らしながら膝をつく頼光。

消滅が始まりながらも立ち上がって大河に近づき、牙狼剣に手を重ねる。

 

「残せるものはあります。」

 

「…ええ。」

 

霊器を消費した大河も消滅が始まる。

僅かなタイムラグこそあったが、二人はほぼ同時に消滅する。

しかし荒野の真ん中に刺さった牙狼剣だけは、ブリテンの騎士王の聖剣の様に残っていた。

まるで次の担い手を待つように上った朝日を反射して輝いた。




黄金は消えない。
例え牙狼が途絶えても、陰我を断ち切り、
前に進もうとする者が居れば、
その者が邪悪でない限りその鎧は必ず現れるだろう。


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