転生破壊者のヒーローアカデミア:Re (ハッタリピエロ)
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第一章 僕のヒーローアカデミア編
プロローグ


リメイク作を書くことにしました。あらすじにも書きましたが前作と変えて欲しいところが有れば活動報告にコメントしてもらえればOKです。


「お前は死んでしまった。想定外のことでな。俺も頭を悩ませている。」

 

意識が戻ると突然そんなことを言われた。確か、俺は……

 

「そうそうお前は下級の神が起こしたミスで起こった車の暴走で死ん

でしまった。ったく面倒なこと起こしやがって。」.

 

本当に面倒くさそうに言うが、俺のことはどうでもいいのか?

 

「いいわけないだろ。お前は本来死ぬはずがなかった。

それが死んでしまったんだ。これは看過できない問題なんだよ。」

 

えーっと、その前にこいつ誰だ?

 

「死神だよ!死神!」

 

そうそう死神さんか。ええっー!!

 

俺死んじゃったのか!?

 

「今更!?」

 

ちょっと待て、俺は死んで死神がいる。ってことは地獄?

 

嫌だあー!地獄に行くなんてー!俺は何も悪いことしてません〜!

 

「ウルセェ!勝手に決めんな!死神が人間を地獄におくるってのは人間どもの勝手なデマだ!」

 

そうか。なら良かった〜

 

「変わり身早っ!」

 

でこれからどうなるんですか?

 

「ミスしたカスは既に処罰したとしてこれからこいつをどうするかだな…」

 

あの〜聞いてます?

 

「うるせぇ!こっちは考え中なんだよ!お前の処分をどうするかな!」

 

えっ、何ーそっちのミスなのに俺に文句言うんだー何様のつもり〜?

 

「ごちゃごちゃうるせぇな!言いたいことがあるなら言葉にして言いやがれ!それと俺は死神様だ!はぁ」

 

「ん?いいこと思いついたぞ♪やっぱり俺って天才♪」

 

天災かー!そうかー!自覚してるんだね!

 

「天災じゃなくて天才だ!馬鹿なんじゃねえか!てめえ!それと舐めくさった態度いい加減やめろ!」

 

分かった分かった。

 

「全く…、じゃこれからお前には転生してもらうからな。」

 

転生?

 

「そう転生だ。」

 

どこの世界?

 

「お前あんまり驚かないんだな。何百年もやってきたがお前のようなやつは初めてだ。」

 

最近じゃ転生モンはラノベで山程あるから。

 

「成る程…」

 

でどんな世界?それとも創作物の世界?

 

「僕のヒーローアカデミアって知ってるか?」

 

知ってる!知ってる!俺の好きな漫画だもん!

 

「その世界に転生してもらうからな」

 

えっ、嬉しいけど何で?

 

「適当だ!」

 

適当なのかよ!?まあいっか。好きな個性とかって選べますか?

 

「いやお前の個性はもう用意した」

 

用意早っ!さっき思いつかなかったけ?

 

流石死神。言動から想像がつかない程の優秀っぷりだ。

 

「一言余計なんだった言ってるだろうが!」

 

それでどんな個性なんだ?変な個性とかやめろよ?

 

「安心しろ。お前が喜ぶ個性を作ってやったぞ」

 

詳しく教えて!

 

「残念ながら個性が発現するまでのお楽しみだ」

 

えー。何だよケチー

 

「それではな。せいぜい楽しめよ」

 

死神がそういうと俺の意識はフッと途切れた。

 

・・・・

 

公園で二人の少年少女が特訓をしていた。

 

少女の方が拳を繰り出すと少年は体を反らすことで避け二撃目の拳を受け止めそのまま背負い投げた。

 

「きゃっ!」

 

勿論少年は加減した。

 

彼が本気を出せば、この少女が危ないからだ。

 

「痛てて…やっぱり真司は強いね。」

 

「いやいやレイ子も強くなったよ。ちょっと力が入っちゃった。」

 

少年の方は空野真司。本人しか知らないが転生者である。

 

少女の方は、柳レイ子。

 

灰色の髪に左目が隠れている女の子

 

彼女の個性はポルターガイスト。

 

人一人分程の重量の物しか操作できなかったが真司との特訓で軽トラック程の重量まで操作できるようになっていた。

 

ちなみに自分を、浮かすこともできる。

 

ふとしたことからこの二人は友達になっていた。

 

「やっぱすごいね。真司の個性」

 

「そんなことを言うならレイ子のポルターガイストだって凄いじゃないか」

 

「ありがと♪」

 

「俺礼を言われるようなこと言ってないぞ」

 

「何言ってるの♪充分過ぎるほどのことをしてるよ」

 

そう言われるが未だに分からない。

 

「さっ休憩は終わり。続きやるぞ。」

 

「うん!」

 

こうして二人の特訓は続いてゆく。雄英高校に合格し、ヒーローになる為に

 

 




前作との相違点。

・原作知識を消されていない


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入試試験

雄英高校入試当日。

 

俺とレイ子は雄英高校の門の前にいた。

 

「いよいよだな」

 

「うん、緊張するけど、真司がいれば大丈夫♪」

 

そう言って腕に抱きついてくるレイ子。

 

嬉しいけど恥ずかしさと周りの視線が痛い。

 

言っておくが俺とレイ子はまだ彼氏彼女の関係じゃない。

 

レイ子のことは好きだ。だがレイ子が俺をどう思ってるのかはわからない。

 

今、こうして腕を絡まさせてくるのも友達だからか男として好きなのかが俺にはわからない。

 

ええ!そうですよ!結局は自分から踏み出せないチキン野郎ですとも!

 

「おら!どけモブども!」

 

俺が自虐していると後ろから、俺たちと同じ金髪の同じ受験生が周りを威嚇しながら横を通って会場に向かって行った。

 

「ねえ……アイツって……」

 

「ああ、ヘドロ事件の被害者が不良って噂は本当らしいな」

 

爆豪勝己、僕のヒーローアカデミアの作品において主人公、緑谷出久の幼馴染でありライバルポジションであるのだが、幼い頃から無個性の主人公を虐めて、彼に自殺教唆まで唆したほどだが、後に緑谷がオールマイトから個性を貰ったことを知って認めていくのだが、序盤の彼に関してはとにかく他者を見下していてとてもヒーロー候補とは思えない。

 

「ねえ、あんなのはほっといて行こっ?」

 

「ああ、そうだな」

 

お互い顔を見合わせた時、ふと後ろにいた緑谷出久を見つけてあの麗日お茶子イベントが生で見られたことに感動したのはまた別の話

 

・・・・

 

「今日は俺のライブにようこそー!!!エブリバディセイヘイ!!!」

 

プレゼントマイクが恥ずかし気もなく叫ぶが

 

シ〜〜〜ン

 

誰も反応しなかった。

 

「こいつはシヴィー!!!受験生のリスナー!実技試験の概要を説明するぜ!!?アーユーレディ!?」

 

ボイスヒーロープレゼントマイクだ……!!ラジオ毎週聴いてるよ……!!感激だなぁ……!!

 

う〜ん……緑谷くんの声がここまで聞こえてくるなあ。俺は気にならないが爆豪くんのイライラが限界寸前みたいだ

 

「入試要項に記された通り!この後、受験生のリスナーたちには演習場で仮想敵戦をしてもらうぜ!各々の個性を活かして三種の仮想敵を行動不能にすればその敵のポイントを得られるぜ!尚、持ち込みは自由!説明後は各自指定された演習場に向かってくれよな!勿論ヒーローを目指す者として、他の受験生への妨害行為などは禁止だぜ!」

 

ってことはレイ子とは違う会場ってことか……知り合い同士で協力させない「質問よろしいでしょうか!!?」うおっ

 

いきなり大声を張り上げた眼鏡の受験生に会場にいたほとんどの受験生が視線を向ける。

 

「プリントには四種類の仮想敵が記されております!!この四種類目の説明がされず、誤載であるならば日本最高峰たる雄英においての痴態!!我々は人々の規範となるべきヒーローを目指しているのです!」

 

眼鏡受験生は次に緑谷に視線を向けると

 

「さっきからボソボソと……気が散る!!物見遊山のつもりなら錯覚ここから立ち去りたまえ!!」

 

うわぁ……原作でも見ていた通りの光景だな……でも見てて気分のいいものじゃないな。緑谷がうるさかったのは事実だがおまえも説明を遮っているって気付いてないのか?

 

「OK!OK!ナイスなお便りサンキューな!四種類目の仮想敵は0pt!避けて通るギミックさ!」

 

四種類目の巨大仮想敵は倒すのも普通の個性では困難。ポイントにも加算されないから倒す必要がない。でもな……潰すと面白そうだな……

 

「最後に一つ!我が校の校訓を紹介しよう!『真の英雄は人生の不幸を乗り越えていく者と』ーーさらに向こうへ!plus ultra!」

 

最後にプレゼント・マイクが雄英の校訓を伝えてくれた。

 

「それではリスナーたち!いい受難を!」

 

説明が終わった後はそれぞれの受験会場へ向かった。どうやら同じ学校同士で協力出来ないらしい。

 

別れ際にレイ子が離そうとしなかったが、頑張れよ、と頭を撫でると頰を赤くしてスッと手を引いた。チョロい

 

ちなみにこの時一部女子からは暖かな視線が、一部の男子からは嫉妬の視線が向けられたことに二人して気付かなかった。

 

・・・・

 

バスで試験会場まで向かうと百人を超える人が集まっていた。

 

流石は雄英、と感心していたがこの後の展開を知っているので準備は怠らない。

 

「ハイスタート!」

 

のアナウンスが聞こえてきたのですぐさま走り出した。

 

「どうしたあ!?実戦じゃカウントなんかねえよ!!一人飛び出たぞ。そいつに続け!!試験は、もう始まってるぞ!!」

 

二度目のアナウンスで完全にパニック状態に全員が一目散に走り出した。

 

俺は既に会場のど真ん中まできており、走り続けてる中、1ptが飛び出してきたので、それを避けて、ネオディケイドライバーを腰に出現させカードを手にして装填する

 

「変身!」

 

『カメンライド、ディケイド!』

 

音声が響くと、二十近い影が現れ、直後俺に集まりライドプレートが俺の顔に突き刺さる。

 

これが俺の個性ディケイドだ。

 

名前でわかると思うが俺は前世の特撮ヒーロー仮面ライダーの一人ディケイドに変身することができる。

 

ちなみにアタックライドは人間の状態でも使うことができる。

 

飛び込んで来た1ptを殴り飛ばした後、後ろから来た2ptを回し蹴りで蹴り飛ばした。

 

と振り向くと3pt仮想敵がワラワラと出てきたのでライドブッカーからカードを取り出して装填する

 

『カメンライド、電王!』

 

乗り気な音楽がその場に流れるとともに赤いアーマーがレールに沿って装着される

 

人の願いを歪んだ形で叶え、過去を壊す怪人イマジンを倒す時空の王者、電王

 

デンガッシャーソードモードで突撃してきた1ptを斬り裂き、ライドブッカーをソードモードに変形させると疾風の如く仮装敵の群れに突っ込んで両手に手した二刀の太刀を振るって次々と薙ぎ倒していく

 

そしてワラワラと寄ってきた3pt敵を見て俺は黄色のカードを装填する

 

『ファイナルアタックライド、デ、デ、デ、電王!』

 

デンガッシャーとライドブッカーの刃が射出され、クロスさせた両腕を勢いよく開くとそれに合わせて動いた刃が仮装敵を斬り裂いた直後、爆発が起こって仮装敵は葬られた

 

『アタックライド、スコープ!』

 

仮装敵をサーチして見つけたので次のカードを装填する

 

『カメンライド、ドライブ!』

 

『ドライブ!タイプ!スピード!』

 

そしてすぐさま

 

『フォームライド、ドライブ、フォーミュラ!』

 

『ドライブ!タイプ!フォーミュラ!』

 

時の流れを歪ませ人々を襲う怪人ロイミュードに対するべく作られた仮面ライダー、ドライブへと姿を変えた

 

「ひとっ走り付き合えよ!」

 

一気に仮装敵のいる場所まで移動すると、そのまま2pt敵を殴り飛ばし、振り向きざまに回転して向かってきた3pt敵を蹴り飛ばし、トレーラー砲を使って反対側にいる仮装敵を吹き飛ばすと加速して迫り、高速で仮装敵を殴っていき行動不能にしていく

 

そして次の仮装敵がいる広場まで移動すると無数の仮装敵を見た俺は

 

『ファイナルアタックライド、ド、ド、ド、ドライブ!』

 

トレーラー砲を構えてトリガーを引くと、3つものシフトカーのエネルギーが仮装敵たちにぶつかると鉄の残骸と化した

 

「マジかよ……!」

 

「ヤベェってアイツ!」

 

「なんなんだアイツは……!」

 

とその時、轟音が会場に響き渡って0pt敵が現れた。

 

巨大なギミックを見た殆どの受験生が我先にと逃げるが0ptが現れた影響で崩れたビルの瓦礫がオレンジ色のサイドテールの女の子目掛けて落ちてくるのが見えたのですかさず加速して

 

「ごめん後で謝るから!」

 

「えっ!?」

 

断りなくお姫様抱っこしてしまったのですぐにその場から離れた。勿論加速せずに

 

「ほらもう大丈夫」

 

「あ、ありがとう///」

 

ギミックが会場内を移動するせいで街が壊れていく。っていうかどっから金出てんのかな……?

 

「どうしたの、早く逃げないと!」

 

「俺は行く」

 

「えっ!!?こ、怖くないのか……?」

 

「怖い……?だからって逃げるのが……誰かの希望に成れるのか?」

 

「!!」

 

「それに……ぶっ潰し甲斐がありそうだしな!!変身!」

 

『カメンライド、オーズ!』

 

『タ・ト・バ!タ・ト・バ!タ・ト・バ!』

 

オーメダルの力を使い、グリードを封印する存在、欲望の王オーズに変身した。

 

『フォームライド、オーズ、ガタキリバ!』

 

『ガ〜タガタガタ・キリッバ・ガタキリッバ!』

 

「オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!ハアッ!!!」

 

雄叫びを上げるとともに、ガタキリバコンボの特殊能力を発動し50人に分身する。

 

「「「『えええええええ!!?』」」」

 

これには受験生だけでなくモニタールームの教師陣も驚きを隠せない

 

そして道中に現れた仮想敵たちが突撃してくるがクワガタヘッドの電撃でショートさせ、バッタレッグで飛び乗ってカマキリブレードで回路ごと斬り落として停止させていく。

 

邪魔がなくなったところでケリをつけるべく止めのカードを装填する

 

『『『『ファイナルアタックライド、オ、オ、オ、オーズ!』』』』』

 

バッタレッグが変形すると同時に飛び上がって、空中でライダーキックの体勢になるとそのまま0ptに突撃する。

 

50ものライダーキックを受けた0pt敵は爆発四散して崩れ落ちた。

 

『終了~~!!』

 

分身を解除すると同時に終了の放送がされたので俺はそのまま会場を後にした

 

・・・・

 

試験が終わり会場の外で待ってるとレイ子が駆け寄ってきた。

 

「終わった?」

 

「終わったからここにいるんだろうが」

 

レイ子と途中まで一緒に帰って、その後一週間が経つと雄英から封筒が、届けられた。

 

中を開いてみると小さな機械があった。

 

スイッチを押すと

 

『私が投影された!』

 

「うわっ!!」

 

勢いよくオールマイトが映し出された。

 

『えっ何で私がいるかだってら?それはだね。何と!この春から私は雄英に勤めることになったからだよ!』

 

まあ知ってるんだけどね。

 

『さて、空野少年、試験結果だが、筆記の方は特に問題ナシ!実技の方だが敵ポイントは120pt!!これだけでも首席合格なのだが、我々が見ているのは敵ポイントだけではあしからず!!敵ポイントと同時に我々が見ているのはレスキューポイント!君のレスキューポイントは20ポイント!堂々の首席合格だ!!来いよ空野少年!ここが君のヒーローアカデミアだ!!』

 

「しゃあああ!!!」

 

高々とガッツポーズをしていたら

 

レイ子から電話が来た。

 

『真司、どうだった?』

 

電話越しでもわかるほど興奮していた。おそらくレイ子も合格したのだろう。

 

「おう!首席合格だぜ!」

 

『わっ、凄い!!おめでと!ちなみに私は6位だよ。』

 

やっぱり合格してたんだな。

 

「それじゃ、おやすみ」

 

『うん♪おやすみ』

 

電話を、切ると俺は外へ出て近くの公園に向かっていた。

 

未だ、興奮が冷めない。

 

転生して、個性を鍛え続けた甲斐があったってもんだ。

 

そう感慨に浸ってると

 

「ねえねえ〜君なにボ〜ッとしてるの。なに考えてたか教えて?教えて?」

 

後ろを振り向くと水色ロングヘアーのどこか幼さを感じるがとても美人な女子がいた。

 

「そういうあなたも何者ですか〜」

 

ちょっとふざけて返してみる。名前も知っているんだけどさ

 

「ムッ!質問に質問で返さないでよ〜」

 

ムッと頬っぺを膨らましたのが可愛くてドキッとなってしまい顔が赤くなる

 

「私は波動ねじれ!雄英高校の二年生だよ。今度三年生になるの♪」

 

ちょっと不機嫌になりながらも波動先輩、ねじれちゃんは質問に答えてくれた

 

失礼だけどこんなに幼そうなのに先輩なのはやっぱりビックリだな

 

「俺は空野真司。今度雄英に入学する一年生です。よろしくお願いします。波動先輩。」

 

「後輩だったの〜!ねえねえ君の個性って何何?」

 

その後、波動先輩がしつこく聞いてきたので個性のことやお互いのことも話していたら

 

「そうなんだ!ねえねえ!私の住んでるところ近いからさ!一緒に登校しようよ!」

 

そう言ってくる波動先輩。でも正直レイ子に誤解されそう…

 

「すみません。え〜っと」

 

「ねえねえ、駄目?」

 

そう言って上目遣いで俺に頼んでくる波動先輩。

 

その子供のような純粋な目辞めて!断れないから!

 

「分かりました…一緒に行きましょう。」

 

「やったー!真司くんありがとー!」

 

そう言って抱きついてくる波動先輩。ちょっ、辞めて!当たってる、当たってるから!

 

なんとか波動先輩を引き剥がそうとしてたら

 

「真司、これどういう状態?」

 

なぜだかレイ子が立ってた。

 

マズイ、非常にマズイ。

 

微笑んでるけど目が笑ってないから余計に怖い!

 

「ねえ、説明して♪」

 

「ぎゃあああーーーー!!!」

 

 



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個性把握テスト

雄英入学初日俺とレイ子は波動先輩と一緒に登校していた。

 

登校するだけなのにレイ子は右腕、波動先輩は左腕に抱きついている。

 

女子に抱きつかれてるだけでも恥ずかしいのに二人とも美少女といっても過言ではないので、尚更恥ずかしく周りの視線がキツイ。

 

あの後なんとかレイ子の誤解を解いたが、レイ子は未だに波動先輩を恨めしそうに見つめていた。

 

波動先輩はそんなことすら気にせず俺の腕に抱きついていた。

 

「じゃ、私三年の教室行くから〜二人とも元気でね〜」

 

隣でレイ子はブツブツ何か言っていた。

 

呪いでもかかるんじゃないかな…

 

「レイ子、怖い。」

 

ビクッ

 

レイ子は泣きそうになっていたので、

 

また頭を撫でてあげると、可愛らしく微笑んだ。

 

やっぱ、チョロい。

 

「えーっと、俺はA組だな!」

 

「私も、A組!良かった〜!一緒だね!」

 

知ってる人と一緒なのは嬉しい。でも原作だとレイ子はB組だったよな?まあいちいち気にしなくてもいいか

 

そのまま案内通りに教室まで辿り着きドアを開ける

 

「机なら足をかけるな!雄英の先輩方や机の製作者方に申し訳ないと思わないか!?」

 

「思わねーよてめーどこ中だよ端役が!」

 

爆豪と飯田が怒鳴りあってた。

 

知っていたのだが間近で見てみるとうるさいことこの上ない。正直どうでもいいので、座席表を見て自分の席に座る。ちなみに隣はレイ子でした。やったね!

 

「ハイ、静かになるまで10秒かかりました。時間は有限君たちは合理性に欠くね。担任の相澤消太だ。宜しくね」

 

いつの間にか騒動は収束していて担任の相澤先生が入口に立っていた。

 

彼がA組の担任だということに皆驚きを隠せなかった。

 

相澤先生が寝袋の中から体操服を取り出すと

 

「早速だがこれ来てグラウンドに出ろ」

 

・・・・

 

グラウンドに連れ出された俺たち。よく見るとB組もいた。B組の担任ブラドキングも相澤先生の隣にいた。

 

「個性把握テストォ!?」

 

何人かが叫んだ。

 

「入学式はガイダンスは!?」

 

「ヒーローになるならそんな無駄な行事でる暇ないよ」

 

原作読んでて思ったけどよく通ったよなあ

 

何人かが不満を言ってると

 

担任が俺に向かってボールを投げてきた。

 

「主席の空野、中学の時ソフトボール投げの記録何mだった」

 

「72m」

 

爆豪と物間が睨めつけてくるが気にしないでおこう

 

「じゃあ個性を使って投げてみろ。円から出なきゃなにしてもいいから」

 

んじゃまあ

 

「変身!」

 

『カメンライド、ディケイド!』

 

俺はディケイドに変身した。

 

「変身した!」

 

「あれって……!!」

 

驚くのはまだ早い

 

『カメンライド、ゴースト!』

 

『レッツゴー!覚悟!ゴ・ゴ・ゴ・ゴースト!』

 

「更に変わった!」

 

「幽霊!?」

 

『フォームライド、ゴースト、ニュートン!』

 

『カイガン!ニュートン!リンゴが落下~!引き寄せまっか~!』

 

ゴーストニュートン魂にフォームチェンジする。

 

「まだあんのかよ!」

 

「ニュートンって……」

 

相澤は

 

(これがこいつの個性ディケイドか?個性届には変身すると書いてあったがいったい……それに入試の時とは違う姿もそうだがニュートンというのは……)

 

俺はボールを左手の引力で引き寄せて空中で解除すると

 

「オラァァ!!」

 

振りかぶった右手の斥力を最大放出した

 

斥力を受けたボールは空の彼方へ飛んでいった。

 

「……記録∞」

 

「「「ハァァァァァ!!?」」」

 

驚くと同時に

 

「∞ってマジかよ!!?」

 

「個性思いっきり使えるんだ!!すげー面白そう!!」

 

「やっぱりヒーロー科は違うな!」

 

騒ぎ出す生徒だが

 

「面白そう……?ヒーローになるための3年間を……そんな腹積もりで過ごす気かい……?」

 

相澤先生は気に入らなかったのか淡々と話しだして

 

「よし、トータル成績最下位の者は除籍処分としよう」

 

辺りが静まりかえった。まあ初日から急展開だからな。俺だって知ってなかったら驚くし

 

当然麗日お茶子を筆頭として抗議の声が上がったが

 

「"plus ultra"さ 全力で乗り越えて来い」

 

ブラド先生は慣れているのか溜息を吐いていた。

 

50m走

 

<カメンライド、ファイズ!>

 

赤いラインが身体に走り、光とともに仮面ライダーファイズへと姿が変わる

 

<フォームライド、ファイズ!アクセル!>

 

胸部の装甲『フルメタルラング』が肩に展開されて、赤いフォトンストリームが銀色に変色する。

 

「準備はいいか?」

 

「いつでもいけます」

 

『よーいスタート』

 

『スタートアップ』

 

合図が聞こえた後俺は一気に駆け抜けた。

 

「……記録0.0029秒」

 

辺りが静まり返っていた。

 

「やりすぎだよ〜真司」

 

レイ子がそう言うが俺だって1位と取りたいし

 

飯田が得意分野だけにものすごく落ち込んでいた

 

握力

 

バキッ!

 

「先生ー壊れちゃいました」

 

相澤先生は唖然としていた

 

「…記録∞」

 

「凄すぎや〜」

 

立ち幅跳び

 

『フォームライド、オーズ、タジャドル!』

 

『タ〜ジャ〜ドルゥ〜!』

 

「……空野、それはいつまで飛べる?」

 

「一週間は行けますが?」

 

「……記録∞」

 

「「「「「…………」」」」」

 

反復横跳び

 

『カメンライド、フォーゼ!』

 

ここはフォーゼの番だ

 

『アタックライド、ホッピング!』

 

ホッピングの弾力を活かして記録320回

 

ボール投げ

 

俺はやったのでパス

 

座って休憩していると

 

「ねえねえちょっと!」

 

「うん?」

 

「そのベルトやっぱりそうだ。入試の時、助けてくれたの君でしょ?あの時はありがとうね!」

 

「ああ、あの時の……」

 

「私は拳藤一佳!B組だけど宜しくな!」

 

「ああ、よろしく拳藤」

 

俺が手を差し出すと拳藤もその手を握り返してくれたのだが拳藤の顔が赤かった。

 

ふと後ろから悪寒を感じたので振り向くとレイ子がジト目で睨んでいた。

 

一体何がレイ子を怒らせたんだ!?

 

と内心で怖がっていると『ドパァン!!!』空気を切る轟音が鳴り響き音の鳴った方を見てみると緑谷が指を犠牲にして705mという記録を出していた。

 

やっとヒーローらしい記録出たな。

 

まあでも緑谷の指はボロボロになっていたが

 

その後は爆豪が緑谷に向かって突っ込んでいったが原作通り相澤先生に止められた

 

「ったく……!何度も個性使わせるな……!俺はドライアイなんだ!」

 

(個性すごいのに勿体ない!)

 

やっぱりすごいな。抹消は

 

でも死神から聞いた話だが俺の個性は干渉されないらしい

 

要するに相澤先生の抹消は勿論、オールフォーワンからも奪われず、物間のコピーでもコピーできない

 

指を負傷している俺は緑谷のところへ行くと

 

「緑谷ちょっと指見せてみろ」

 

「えっ空野くん、何で?」

 

「いいからいいから」

 

『アタックライド、リカバー!』

 

「指が治ってる!?」

 

皆声に出して驚き相澤先生すら驚いていた。

 

その後長座体前屈はルナ・ジョーカーで1mを超える記録を出し、上体起こしは普通にやって、最後の持久走は『アタックライド、ガタックエクステンダー!』

 

ガタックの専用機、ガタックエクステンダーを出して1位になりました。

 

「じゃあこれにてテストは終了な。トータルは各種目のポイントを合計したものなんだが……一名可笑しなやつがいるが気にしないように。口頭で説明すんのは面倒なんで一括表示するから」

 

そして結果が表示されたが俺が一位だった。

 

で、レイ子が五位だった。レイ子の方を見ると嬉しそうに手を振ってくれた。

 

可愛いなあ!もう!

 

爆豪や轟、上鳴や峰田が俺のことを、睨みつけていた。

 

まあ理由は上鳴や峰田は嫉妬、爆豪は単純に自分より上なのが気に食わないのと轟は……

 

ちなみに最下位は緑谷ですごい落ち込んでいたが……

 

「ちなみに除籍は嘘な」

 

『ハ!!?』

 

「君らの全力を、引き出すための合理的虚偽」

 

『ハァーー!!?』

 

(うん知ってた)

 

「あんなの嘘に決まってるじゃない……ちょっと考えればわかりますわ……」

 

とりあえず否定しとこうか

 

「いや、それは違うよ。八百万さん」

 

「ど、どういうことですの!!?」

 

「相澤先生は見込みがなければいくらでも除籍にするつもりだった。その証拠に去年の1クラス、全員が除籍されている」

 

「ほ、本当ですの!!?」

 

まあこれも波動先輩に聞いたんだがな

 

「ほう……知っていたか。まあその通りだ。現段階でおまえらに見込みがあると見たから今回は除籍にしなかったが見込みなしと判断したらすぐに除籍にするからな。俺はブラドのように甘くないぞ」

 

その後の空気はクラス問わずにすごく重かったがブラド先生が解散の合図を出すと皆、更衣室に戻って着替えて書類やカリキュラムなどを受け取って入学初日は終了した。

 




轟焦凍のヒロインにしたいキャラのアンケートと活動報告を出しました。



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ファンクラブと恋バナ

翌日、午前は普通教科で、午後からヒーロー基礎学だそうだ。

 

授業は簡単だったが、プレゼントマイクのハイテンションな声が未だに耳に残ってる。

 

ランチラッシュ先生の飯を食いに行こうとしたら、

 

「はい、これ」

 

レイ子が大きな弁当を渡してきた。

 

開けてみると、色とりどりなおかずが、並べられてあり、どれも美味しそうだった。

 

「これ俺の為に?」

 

「うん、真司の為に早起きして作ったの♪午後ヒーロー基礎学だから力つけとかなきゃ♪、」

 

なんとまあ。そこまでしなくてもいいのに

 

まあ折角レイ子が作ってくれたんだ。

 

ありがたく頂こう。

 

レイ子から弁当を受けとり、まず卵焼きを頬張った。

 

フワフワして美味い。唐揚げもジューシーかつ無駄な調味料が一切使われてないのがわかる。レイ子料理上手いな!

 

「うん、美味しい」

 

「やった!」

 

本当に美味しい。俺の為にこんなに美味しい弁当作ってくれるなんて

レイ子はやっぱりいい嫁さんになるな。

 

あれ、レイ子が他の男と付き合うのを想像したらなんかモヤモヤするな……そうか……やっぱり俺、レイ子のこと……

 

そんなことを考えながら弁当を食ってると、峰田と、上鳴が血涙流してこちらを鬼の形相で睨んでいた。怖いんですけど……

 

・・・・

 

昼休みも終わり、午後の授業を待っていると

 

『わーたーしーが、普通にドアからやって来た!』

No. 1ヒーローオールマイトの登場に一同は騒ぎ出した。

 

無理もない。日本、いや世界からも知られて、ヒーローを志す者ならほとんどの者が目標にするヒーローだ。

 

かくいう俺もオールマイトは好きだ。

 

ユーモラスなところも勿論だが。

 

人々の希望になるような、正しく仮面ライダーのような人物だからだ。

 

「ヒーロー基礎学!!ヒーローの素地を作るための様々な訓練を行う科目だ!早速だが今日はコレ!!戦闘訓練!!!」

 

「戦闘!」「訓練!」

 

みんなのテンションがどんどん上がっていく

 

「格好から入ることも大事だぜ!少年少女!自覚するのだ!!今日から君たちはヒーローなんだと!!!」

 

それぞれ自分のコスチュームに期待を膨らませる。

 

「さあ!始めようか!有精卵ども!!!」

 

更衣室でコスチュームに着替えてると

 

大勢から声を掛けられる。

 

「俺瀬呂範太!」

 

「俺砂糖!テストの時すごかったぜ!」

 

「常闇踏陰だ。お前はどんな個性なんだ?」

 

「てめえ!レイ子様とどんな関係なんだ!?」

 

「そうだ!そうだ!レイ子様の一体なんだってんだよ!」

 

皆していろんな質問をぶつけてくる。

 

うん?レイ子様?

 

「レイ子様って何のことだ?」

 

「てめえレイ子様を知らないのか!?実技試験での伝説を!!ステージを縦横無尽に飛び、仮装敵を優雅に倒し、会場にいた男達を、釘付けにしたレイ子様のことを!」

 

いや、俺その会場にいなかったし、レイ子からそんなことも聞いてません。

 

「今じゃレイ子様のファンクラブまで出来てるんぜ!ちなみに俺は会員番号245!」

 

おい、何勝手にそんなもん作ってんだ。初耳だぞ。

 

皆でワイワイ騒ぎ更衣室は賑やかなものになっていた。

 

ちなみに爆豪と轟はすぐ着替えて出て行った。

 

急ぐのはいいがコミュ二ケーションは大事だと思うぞ?

 

すると、後ろから

 

「あっ、あの!」

 

「うん?」

 

「あっ、テストの時は指を直してくれてありがとう!」

 

あっ、緑谷くんだ

 

「別に気にするなよ。ヒーローが困ってるやつを助けるのに理由なんかいるか?」

 

「あっ、ありがとう……と、ところで空野くんの個性って変身系の個性なのかな?だけど様々な能力があったよな…飛行に高速移動…さらには回復まで一体なにがモチーフなんだろう…ブツブツ……

 

おーい、緑谷

 

結局緑谷は時間ギリギリまで自分の世界から帰ってこなかった。

 

一方その頃女子達は

 

「レイ子ちゃんの個性って凄いね!」

 

「そっ、そんなことないよ」

 

「いやいやウチなんかより凄いよ!」

 

私達は絶賛お話中だ。互いの個性のこととか、どんなヒーローを目指しているのかとか。

 

でも嬉しい♪両親と真司以外に個性のことを褒めてくれた人はいなかったから。

 

「それを言うならお茶子さんの個性も私はいいと思うな。テストだって∞出してたじゃん」

 

「いやいや真司くんに比べたら、私なんかまだまだや」

 

「いや……空野のと比べるのは……」

 

「そうですわね……規格外ですもの……」

 

あと、ここにいるみんな下の名前で呼び合うようになってた。

 

「そういえばさあ!レイ子と空野って付き合ってるの!?」

 

三奈が急にそんなことを言い出す。

 

しっ、真司と私が付き合ってる!?

 

うっ、嬉しいけどっ!嬉しいけどっ!

 

自分でも顔が赤くなってるのがわかる。

 

でっ、でも私達まだ付き合ってるわけじゃ!

 

「い、いやっ私達まだそういう関係じゃ!!」

 

「何言ってるの〜」

 

「とても仲良さそうだったわよレイ子ちゃん」

 

「つっ、梅雨ちゃん!!」

 

「好きでもない人に手作り弁当なんか渡さないよ〜」

 

「そっ、そういう意味じゃなくて!」

 

必死に弁解するが全く聞き入れてもらえない。

 

「皆さま。急がないと遅れてしまいますわよ」

 

百のお陰で助かった〜

 

しかし、恋か…真司は私なんかと付き合ってくれるかな……

 

 

 




前作との相違点
・この時点で真司はレイ子のことが好き


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戦闘訓練!

前作と同じくレイ子ちゃんがかなり強化されています

前半と後半を結合させて一緒にすることにしました


「始めようか!有精卵ども!!戦闘訓練のお時間だ!!!」

 

グラウンドβに集合してレイ子達と合流した。

 

レイ子のコスチュームは口元が隠れたマスクに襟元にファーがついたミニ丈の着物で召霊術師をイメージさせるようなものだった。

 

俺のコスチュームは門矢士の格好そのものだが、耐刃、耐熱との優れた機能がつけられてある機能重視のコスチュームだ。

 

「レイ子似合ってるよ」

 

ニコッ

 

レイ子は視線をそらす

 

(駄っ、駄目!真司のことをまともに見れない!)

 

恥ずかしがってるレイ子だがやっぱり似合ってる。

 

「先生!ここは入試の演習場ですかこれから行うのは市街地演習場なのでしょうか!?」

 

「いや!もう二歩先に踏み込む!屋内での対人戦闘訓練さ!!」

 

その後オールマイトから屋内での敵出現確率に対する戦闘の重要さ、

事細かなルールなどを新米教師なのかカンペを見ながらも説明してくれた。

 

戦闘訓練の内容は二人一組になり、ヒーロー側と、敵側に分かれ、核兵器のハリボテをヒーローが確保するか、敵を確保テープで捕まえるとヒーロー側の勝利。時間いっぱいまでやり切ると、敵側の勝利。

 

そのあとクジでコンビを決めた。その結果

 

レイ子&緑谷vs爆豪&飯田

俺&麗日vs轟&障子

(後は省略させていただきます!すみません!)

 

レイ子の相手はあの爆豪だ。

 

よりにもよって、何という組み合わせだろうか。

 

「レイ子…」

 

「大丈夫。だから心配しないで♪」

 

心配なんだが…

 

モニタールームに移動させられるとオールマイト先生から、しっかり観戦するように促された。

 

言われなくてもそのつもりだ。

 

レイ子の為にも爆豪には注意しなければ。

 

・・・・

 

 

ああいったも緊張してる。

 

悪いんだけど、私の組んだ相手緑谷に対しては、心配しかない。

 

個性が自らをも破壊する超パワーだ。正直期待できない。

 

できるなら使わせず、あいつに勝ちたいんだけど……

 

どうやら緑谷はあいつの幼馴染らしく、幼い頃から虐められていたらしい。あいつ昔っからああなんだ。

 

それでも

 

「かっちゃんは凄いんだ…嫌な奴だけど。目標も実力も僕なんかより何倍も凄いんだ…それでもかっちゃんに自分の力で勝ちたい。勝って僕もできるんだってかっちゃんに証明したいんだ!」

 

こんなことを言われては、私も緑谷に何も言えない。

 

それでも

 

「緑谷」

 

「ん?」

 

「頑張ろう!」

 

両手を、ぐっと握って力を入れる。

 

「うん!」

 

建物に潜入すると慎重に動いていく。

 

角に、差し掛かろうと、したその時

 

「ッ避けて!」

 

緑谷の叫びと同時に爆豪が曲がり角から飛び出してきたがなんとか躱せた

 

その直後爆豪が私目掛けて、正確には隣の緑谷に対して爆破を放ってきたが緑谷のお陰で回避できた。

 

「てめえ避けんじゃねえぞクソデク」

 

「なんでわかったの?」

 

「かっちゃんなら先に僕を攻撃すると思ってたんだ……予想通りだったね……」

 

モニタールームでは

 

「爆豪ズッケぇ奇襲なんて男らしくねえ!!」

 

切島、何を言ってるんだ?

 

戦いの戦略と卑怯は同じじゃないと思うが

 

「奇襲も戦略!彼らは今実戦の最中なんだぜ!」

 

オールマイトの言う通りだ。

 

今のが敵の攻撃なら卑怯もクソも言ってられないだろうに。

 

「中断されねえ程度にぶっ飛ばしたらあ!!」

 

爆豪が右腕を大きく振るうとそれを予測していたかのように緑谷は腕を掴み爆豪を背負い投げた。

 

すげえな。

 

何を言ってるか聞こえないが緑谷が叫んでいた。

 

俺にはそれを聞いて顔を歪ませている爆豪がひどく虚しく見えた。

 

 

 

「調子乗ってんじゃねえぞ!!」

 

かっちゃんのラッシュをなんとか凌いでいるがこのままじゃジリ貧だ。

柳さんには先に行ってもらったが、個性を聞く限り飯田くんは柳さんの対策をしているだろう。僕がかっちゃんに勝って先に進まないと多分勝てない。

 

「溜まった…」

 

かっちゃんがそう呟いた。

 

「てめえのストーキングならもう知ってるだろうがよ。俺の爆破は掌の汗腺からニトロみてえなもん出して爆発させてる。「要望」通りの設計ならこいつは」

 

『爆豪少年ストップだ。殺す気か!』

 

「当たんなきゃ死なねえよ!」

 

かっちゃんが籠手のピンを引っ張ろうとした。

 

だがいつまでたっても、そのピンが引かれることはなかった。

 

よく見ると、かっちゃんの左手には糸のようなものが巻き付けられていた。

 

 

 

「動かねえ…どうなってんだ!!」

 

「とんでもないことしようとするわね。爆豪」

 

よくこいつを、ヒーロー科に入れたもんだ。

 

とんだ問題児じゃない。

 

あのまま先に行くように見せかけて奇襲を仕掛けたが成功した。緑谷も騙す形になったので後で謝っておこう

 

「てめえ何を」

 

私は有無を言わせず確保証明のテープを個性で操り爆豪に巻きつける。

 

「なっ、何だと…」

 

『爆豪少年確保!!』

 

オールマイトのアナウンスが聞こえた。

 

「えっ柳さん…?」

 

「ごめんね、やっぱり心配になって戻ってきちゃった」

 

「てっ、てめえふざけんじゃ」

 

確保されてるのに暴れだそうとする爆豪をさらに裾から出した糸で縛りつける。

 

「柳さんありがとう!」

 

「気にしないで」

 

『柳少女見事な判断だったぞ!あとすまんね…』

 

「気にしないでください先生」

 

爆豪を壁に縫い付けると私たちは核兵器のある部屋をしらみつぶしに探した。

 

そしてそれは3階の階段から突き当たりの部屋に置いてあった

 

「ブハハハハ!!よく来たな!!ヒーローども!!」

 

「飯田くん、ノリノリだね……」

 

「アハハハ……」

 

「柳くん!君の個性は物を動かす個性!だから先程……君対策でこのフロアの物はすべて片付けておいた!これで小細工はできまい!ブハハハハ!!」

 

確かに部屋の物は全て片されている。

 

でもね……私の個性の中にはまだ見せていないものもあるんだよね……

 

「緑谷行くよ!」

 

「うん!」

 

緑谷が左から、私は右から回り込むが核に向かっていく飯田のほうが速い。だがそれでいい。私たちの狙いは挟み撃ち(・・・・)にすると思わせることだ。

 

飯田が核を持って来た道を引き返して逃げようとしたこの瞬間!

 

今!

 

「なっ!?こっ、これは!?」

 

飯田の足元だけを個性で拘束すると飯田はその場で盛大にこけた。私は空中に放り出された核をポルターガイストで引き寄せて回収した

 

私の個性は人に対しても使うことができる。抵抗されるが一瞬だけなら問題ない

 

『ヒーローチーム!WIN!』

 

「緑谷、イェイ!」

 

「//!うっ、うん!」

 

オールマイト先生の放送で勝利を実感した私は嬉しくてVサインをした

 

でも緑谷なんで顔が赤かったんだろ?

 

 

 

「今回のMVPは柳少女だ!何故だかわかる人!!」

 

「はい、オールマイト先生。柳さんは爆豪さんの危険な行為に対する判断と行動に移る速さが評価されるべきでしょう。緑谷さんは爆豪さんの奇襲を防いだのと一人で爆豪さんを足止めしたのが良い点だったと言えるでしょう」

 

その後爆豪に関しては散々な言われようだが自業自得だ

 

レイ子や俺を除く他の皆の訓練が終わり、いよいよ俺の番になった。

 

俺がヴィラン側で轟たちがヒーロー側ということになっている。

 

俺が演習場に向かおうとすると

 

「待てよ」

 

突然轟が話しかけてきた。

 

「お前が一番強いと思う姿で来い。その上でお前に勝つ」

 

いきなりの宣戦布告

 

「本気を出していない今のおまえに出す価値はないな」

 

その発言に、轟が苛立ったように顔を歪ませた。

 

 

 

「空野くん絶対勝とうね!」

 

そう言って麗日が意気込む。

 

まあやるからには負けるつもりはない

 

「変身!」

 

『カメンライド、ディケイド!』

 

あいつの個性からすると今回は

 

『カメンライド、W!』

 

『サイクロン!ジョーカー!』

 

んで

 

『フォームライド、W!ヒートメタル!』

 

『ヒート!メタル!』

 

俺は仮面ライダーダブルヒートメタルフォームに変身する。

 

モニタールームでは

 

「かっ、かっけええ!!」

 

「前と姿が違うぞ!」

 

「どんな能力だろうね☆」

 

(一体空野少年の個性はなんなんだろうか…緑谷少年が言うには鎧を纏う身体強化の個性なんだろうがそれだけではないはず……現に緑谷少年の傷をいとも簡単に治してしまった……治癒においてもリカバリーガールよりも上だ……彼なら……私の傷を治せるのでは……)

 

『屋内戦闘訓練スタート!』

 

アナウンスと同時に建物全体が凍った。

 

やっぱそうきたか

 

俺は慌てることなく氷をヒートの熱で溶かし

 

『アタックライド、スコープ!』

 

あいつらを探知した。

 

 

「おいどうなってるんだ。二人とも無事だぞ!」

 

障子からの連絡を受けた。だがその内容にあまり焦ってなかった。

 

向こうからアイツがやってきた。

 

見たことない姿だが間違いない。

 

あのベルトがアイツを示す、なによりの証だ。

 

「やっぱ、この程度じゃ駄目か。早く本気出せよ。その上でお前に勝つ」

 

「お前が本気を出したら使ってやるよ」

 

その言葉に何故かひどく苛ついた。

 

 

 

轟が俺に向かって氷結を、放ってくるがメタルシャフトを振るい氷結を砕く。

 

「なっ!?」

 

遅い!

 

俺は一気に詰め寄りメタルシャフトを喰らわせる。

 

「ぐっ!」

 

「どうした?俺はまだ本気を出してないぞ?」

 

「ぐっ、舐めるな!」

 

再び氷結を放ってくるがワンパターンだ

 

「同じことしかできないのか?」

 

今度はヒートの熱で溶かし再び手加減した一撃を加える。

 

「何故本気を出さない!」

 

轟は苛ついた様子でおれに問い詰めてきた。

 

「お前が真剣にやらないからだ」

 

「俺は真剣だ」

 

真剣ねえ……知っているとはいえここまで他人のことを眼中にないとはな……

 

「お前なんで左を使わない?」

 

轟はより一層険しい顔になる。

 

「お前テストの時左の炎で体温調整してたよな?でも本番では使ってない。何のつもりだ?本気でやろうとしないやつに本気を出すわけないだろ?皆真剣に自分の全てを出し切ってやってんだ。あの爆豪すらもだ。そんなやつに本気を出す意味なんてないだろ」

 

 

 

 

アイツの言葉にクソ親父の言葉が脳裏に蘇る。

 

クソ、俺は左を、使わないって決めたんだ!

 

アイツがどう言おうが母さんだけの力で俺は勝つんだ!

 

「お前親父と仲悪いんだろ?」

 

その言葉に俺はビクッと反応した

 

「やっぱりか。お前の父はエンデヴァー。お前が氷しか使わないのを見ると父と仲が悪いのが見えるよ。氷の方は母親の個性で、お前の父は個性婚で自分より強いヒーローを作ろうとしてたんだろ?それがお前なんじゃないか?人為的に相性のいい個性を組み合わせようとしているのがよく見えるよ。後のことはよく分からないが」

 

恐ろしい程当たってた。こいつはエスパーか?

 

「お前には関係ない……!」

 

「確かに関係ないさ。でもそれで個性を使わないのとは関係ないんじゃないか?」

 

「お前はお前だ。例え、クソ親父から生まれようと轟焦凍はお前なんだよ。」

 

そう言われて、俺は母の言葉を思い出す。

 

『良いのよ……焦凍……』

 

母さん……

 

『血に囚われることなんてない。なりたい自分になっていいんだよ』

 

その時俺の左は燃えていた。

 

 

 

 

轟が左を使った。

 

少し言い過ぎたか?と思ったがどうやら杞憂だったようだ。

 

本当は緑谷が轟を助けるのだが原作なんてどうでもいい

 

本気で望んでくれる轟には俺も全力を出すだけだ

 

「馬鹿にしてる…!勝ちたいくせに、敵に塩おくって…俺だって…ヒーローに……!!」

轟が周りを冷やし始める。

 

これは!

 

『カメンライド、W、エクストリーム!』

 

『エクストリーム!』

 

俺はWの最終形態エクストリームに変身した

 

そして

 

『ファイナルアタックライド、ダ、ダ、ダ、W!』

 

俺はプリズムビッカーを構え、轟は左の炎を一気に強め放つ

 

「ビッカーファイナリュージョン!」

 

二つの衝撃はぶつかり相殺した。

 

 

 

負けた。全力を出して負けた

だから不思議と悪い気持ちはしない。

むしろ清々しい気持ちだ。

心の中を全部さらけだしたからかな?

アイツは強い。今のままじゃ敵わない。

アイツに追いつきたい。その為には清算しなきゃいけないことがあるな。

 

 

 

二つの衝撃の余波でビルの一部が消し飛んだ。

オールマイトは慌てて

『しっ、試験中止ー!』

私は慌てていた。

真司は大丈夫?お願いだから無事でいて!

 

 

あの後俺と轟はオールマイト先生とレイ子にこっぴどく怒られた。

戦闘訓練にしてもやり過ぎだと、あと守るべき牙城を崩してはならないと。

これじゃ爆豪のことを強く言えないな。

テストにしろ本番にしろ俺はまだまだだな。

 

 

 

・・・・

 

夜の繁華街中に佇むビルその中にあるとあるバー

 

「見たかコレ?教師だってさ…なァどうなると思う?平和の象徴が……ヴィランに殺されたら」

 

悪意が動き出そうとしている。




レイ子ちゃんの出した糸は相澤先生の捕縛布みたいな特殊繊維を編んだ糸です。

個性のポルターガイストで操っています


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柳レイ子:オリジン

私と真司は今、公園で波動先輩に特訓をしてもらっている。

 

正直私はこの人は苦手だ。

 

だっ、だって、隙あらば真司に抱きつくし、私よりむっ、胸もあるし……

 

真司ってもしかして波動先輩みたいな人が好きなのかな……

 

そんなことを考えてると

 

誰かが何か叫んでるのが聞こえてきた。

 

「お前の個性なんて敵みたいじゃねえか!」

 

「敵になる前にここで退治してやる!」

 

「やっ、やめてよ…」

 

どうやら個性関係の虐めらしい。

 

私は放っておけず、ちびっ子に向かって、

 

「こらーやめなさい!」

 

軽く怒った。

 

「わっ、高校生じゃん!」

 

「逃げろー!」

 

全くなんでこんな虐めなんかするのかなあ

 

そういえばこんな感じだったなあ。

 

私と真司が出会ったのって。

 

・・・・

 

10年前

 

「ひぐっもう辞めてよ…」

 

私は小学生になると同時にこの町に引っ越してきた。

 

理由は前の幼稚園で虐められていたのを両親が見兼ねてそうしてくれたからだ。

 

引っ越しして小学生になったら虐めてくる人はいなくなるんじゃないかと思ってたのだが現実は甘くなかった。

 

小学生になっても私の個性は不気味だとか陰気くさいとか言われた。

 

無視されるだけならよかったのだが、私に対して執拗な嫌がらせを繰り返してきて、私の心は折れかかっていた。

 

「私ずっと一人なのかな…」

 

学校も学校で私を庇ってくれなかった。

 

担任も私に対して嫌な視線を向けてくるので遂には家に引きこもってしまった。

 

両親が心配してくれるが、私には居場所がない。

 

家にしか私の居場所はない…

 

唯一の楽しみはネットサーフィン。ここでしか心が落ち着かなかった。

エミリーというニックネームでログインしていて、ネットで愚痴を呟いていたら

 

一件の返信がきた。

 

『どうしたの?』

 

ニックネームはツカサというらしい。

 

でもこういうのは建前だけのが大抵でほとんどはネタ探しにでも使うつもりなんだろう。

 

私も返信すると

 

『落ち込んだことがあったんです……』

 

『そっか……』

 

『この世界には誰もを救ってくれるヒーローなんていない……』

 

私がそうコメントすると

 

『じゃあいいこと教えてあげる』

 

次にコメントされた言葉が私に勇気を与えてくれた。

 

『ヒーローがいなければヒーローになればいいんだよ』

 

その言葉か私の何かを突き動かしてくれた。

 

私はその人に今の自分のことを語った。

 

個性のことや学校でのことなど

 

それを聞いてもその人は

 

『すごい個性じゃないか!』

 

『なんなんだよ!そいつら!』

 

嘘かもしれない、でも私の心はその言葉で暖まってきた。

次の日からは学校にいった。

 

相変わらず学校の連中は虐めてくるが、その言葉が私の支えになった。

 

一週間が経った時、学校に転校生が来るらしい。

 

どんな人かは興味がなかった。私の心は既にズタボロだったからだ。

 

あれからツカサさんとも連絡は取れない。

 

支えにしてる言葉でも、もう自分は限界だった。

 

転校生が入ってきた。

 

その子は黒髪の整った顔をしている男の子だった。

 

女子が一斉に声をあげた。

 

「はじめまして!空野真司です!将来の夢はトップヒーローになることです!よろしくお願いします!」

 

とその紹介でさらに好印象を持たれた。

 

放課後私が校門を通って帰ろうとした時、いじめっ子達が

 

「おい、ちょっと待てよ」

 

私は無視することにした

 

「最近生意気なんだよ!てめえ!」

 

私につかみかかってきた。

 

私はもうどうでも、よかった。

 

その時

 

「おい!何やってんだ!」

 

と辺り一面に広がる声。

 

「空野くん……?」

 

「なんなんだよてめえ!邪魔なんだよ!どっか消えろ!」

 

いじめっ子が怒鳴り散らして空野くんに掴みかかろうとしたら

 

その腕を逆に掴み背負い投げた。

 

いじめっ子の一人がやられると他のやつらも逃げていった。

 

「あっありがとう…」

 

「別に気にするな」

 

「待っ、待って!」

 

「どうした?」

 

「どうして助けてくれたの?」

 

「困ってるやつを助けるのはヒーローの役目だろ?」

 

その後空野くんと一緒に帰り家まで着くと

 

「今日はありがとう」

 

「どういたしまして」

 

「まっ、また!一緒に帰ってくれないかな…?」

 

「いいよ」

 

嬉しかった。私はそのまま家に入っていった。

 

「レイ子ちゃ〜ん。もう私は限界だよ〜!君を手に入れたいなあ〜」

 

二人の知らぬところで悪意が動き出そうとしていた。

 

 

・・・・

 

 

あの日以来私と空野くんは一緒に帰るようになっていた。

 

私は嬉しかった。

 

今まで一緒に帰ってくれる相手などいなかったからだ。

 

そしていつものように帰る途中、その日は公園に寄っていった。

 

そして、たわいもない話をしてると

 

個性について聞かれた。

 

「柳さんの個性って何なの?」

 

怖かった。空野くんが私から離れるんじゃないかと。

 

それでも話してしまった。

 

だが、空野くんは

 

「すごいじゃん!その個性!」

 

予想外すぎることを言われた。あの人以外にそんなことを言われたことがなかったからだ。

 

「うぐっ………」

 

「どうした!?なんか悪いこと言っちゃった?」

 

「違うの、嬉しくて……」

 

空野くんの知り合いにも私と同じような個性を持ってる人がいるらしい。

 

ああこれが嬉しいってことなんだなあって思えた。

 

「そうだ!お互いに友達になったことだしなんか交換しねえか!」

 

そう言って空野くんは私にオールマイトのキーホルダーをくれた。

 

こうして1日が過ぎていく。

 

・・・・

 

次の日から私は学校で虐められなくなった。

 

その代わり誰も空野くんに近寄らなくなっていた。

 

多分私を、庇ったのが原因だろう。

 

いつものように公園で話してると

 

「ごめんね…」

 

突然そんなことを言ってしまった

 

「ちょっ、いきなり…」

 

「私のせいで……空野くんが……」

 

ああこんな自分がウラメシイ。もういなくなった方がいいのかな…

 

そんなことを思ってたら

 

「何言ってるんだ!お前のせいなんかじゃない!」

 

空野くんが私に対して文句を言ってきた。

 

「違う…!私のせいで……」

 

「俺が学校で誰からも相手にされなくなったことか!?あれはおまえのせいなんかじゃない!いや、むしろあんなやつらなんかと関わりたくもない!!」

 

空野くんは私のことを責めてない。

 

どうして!こんな私なんかを?

 

「俺がお前を助けたのも全部俺がやったことだ気にするな。お前には笑顔でいて欲しいんだ。だから泣くな。笑顔でいないと幸せは逃げちゃうぞ」

 

そう言った空野くんの言葉はとっても暖かかった。

 

「うぐっ……ありがとう……ありがとう……」

 

気づけば私は空野くんを抱きしめていた。

 

恥ずかしいのだろうが、今は全然恥ずかしくない。

 

空野くん縋り付き泣きじゃくった。

 

 

 

 

「ごめんね…急に抱きしめちゃって」

 

この男平然ぶってるが

 

内心ではかなりドキドキしていた。

 

それもそのはず前世を含めると20代の大人なのだ。

 

子供とはいえ女の子に、抱きしめられたことなどない男がした初体験はとても心地よかったものだったらしい。

 

 

 

 

 

「レイ子の将来の夢ってなんなの?」

 

「私の夢?前まではわからなかったんだよね」

 

最近まで私には希望などなかった。でも……

 

「ヒーローがいなければヒーローになればいい……か」

 

「うん!だから私がヒーローになるの!」

 

二人は下の名前で呼び合うようになり、さらに仲を深めていった。だがこの時は知るよしもなかった。この後レイ子を待ち受ける悪夢があることを。

 

 

 

 

私は一人寂しく帰っていた。何でも真司に用事があるらしく先に帰ってしまっていたからだ。

 

そもそも昔は一人で帰っていたのだ。なにも寂しくなんかない!

 

そう思っても。何故か涙がこみ上げくる。

 

『大丈夫だよ〜〜レイ子ちゃ〜〜ん。私と一緒に遊びましょ〜〜』

 

不気味な声が後ろから聞こえた時、私は意識を失った。

 

一人の少年が通学路を走っていった。友達の女の子を迎えにいくためだった。だが肝心の子は見つからず帰ろうとした時、ふと落ちてるものを目にした。

 

それはその子が身につけてるはずのキーホルダー自分の名前が書いてあったから間違いない。

 

しかも引き千切ったかのような痕跡だ。もしかして何かあったのでは?

 

「どこの誰だか知らねえが……レイ子に手をだしたらただじゃ済まさねえ……」

 

『アタックライド、スコープ!』

 

・・・・

 

意識が戻った私がまず気づいたのは自分が縛られているということだった。次に目にしたのは狭い小屋の中だった。薄気味悪く

 

ジメジメとした感じがした。

 

「ようやく目が覚めたね。レイ子ちゃん」

 

声の方へ振り向くとそこには私の担任が居た。

 

「嘘…なんで…」

 

「君が愛しすぎるからだよ。虐められていたその姿も可憐だが、最近は明るくなりすぎて君の愛しさが私の中で消えてきてしまっている!!それでは駄目だ!君には常に暗くいてもわねば!」

 

狂ってる。この人は本気で狂ってる。

 

何故こんなことを?

 

「こんなこと辞めてください!お願いです!」

 

「そんなこと言われて辞めるなら、こんなこと実行しないさ。君を更なる絶望に落とせば私の中の君の愛しさはますます増ッ!」

 

怖い。私の心を占めているのはその感情だった。

 

「いいよ!その表情がイイッ!!それこそ私が求めてたものダッ!!」

 

助けて……真司…

 

そう思ってたら突然ドアが蹴破られた。

 

彼女の願いが叶えられた瞬間だった。

 

「おっ、!お前は何者なんだ!」

 

「通りすがりの仮面ライダーさ…」

 

そう言った仮面の戦士はベルトにカードを差し込み

 

『アタックライド、クロックアップ!』

 

私の拘束を一瞬で解き、私を助け出した。

 

「てっ、てめえ!ただじゃおかねえっ」

 

仮面の戦士は男に一瞬で近づき一撃で倒した。

 

「あっ、あの?貴方は?」

 

「ヒーローがいなければヒーローになればいい……か」

 

え……!?

 

その言葉を私は聞いたことがある。

 

「ツッ、ツカサさん?」

 

私はそうかと確信した。

 

「でもヒーローだって誰かに甘えて涙を流したっていいんだぜ?エミリー」

 

そして仮面の戦士がその姿を現わす。

 

ああ、そうか。だからあんなにも似ていてたんだった。

 

「大丈夫か?レイ子♪」

 

私は真司に思いっきり抱きついた。

 

そうあの日真司が私のヒーローになった日だ。

 

・・・・

 

これが私のオリジン。

 

「おーい、レイ子ー!特訓再開するぞー!」

「レイ子ちゃーん♪一緒に頑張ろー!」

 

波動先輩には未だに慣れない。

でも真司が信じている人だ。悪い人でもない。

苦手だからって嫌ってるのはあいつらと一緒だ。

私も早く波動先輩と仲良くしなきゃ。

そして早く強くならなきゃ。

真司の隣に立つ為に

 

 




前作との相違点
・真司がレイ子にかけた言葉

あと真司の言葉は電波教師の鑑純一郎の名言を使わせていただきました!


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学級委員長とマスコミ騒動

オールマイトが雄英の教師に就任したというニュースは瞬く間に全国に広がり、連日マスコミが押し寄せる騒ぎになった。

 

「教師オールマイトについてお聞かせください!」

 

マスコミ勢がそう聞いてくるが俺達にとってはいい迷惑だ。

 

「ねえねえ。何で、オールマイトのこと知りたいの?ニュースになってたから?でも、道を塞ぐのが迷惑になるって知ってた?」

 

波動先輩が注意するものの、全く聞こうとしないマスコミ。

 

レイ子も困惑しているし、何より、このままでは遅刻してしまう。

 

「ッ!真司!?」

 

「真司くんッ!?」

 

俺は咄嗟に右手でレイ子、左手で波動先輩を引っ張り、校内へ逃げ込んだ。

 

「あそこまではしつこいなんて…」

 

「私マスコミ嫌〜い」

 

「校内まで入ってきそうな勢いだったな」

 

まあ校内には至る所にセキリティがあるし、入ってこれないだろう。

 

「んじゃ、私は教室に行くから二人も頑張ってね〜」

 

「ねじれ先輩こそインターン頑張ってくださいね」

 

あと最近レイ子と波動先輩はお互いが下の名前で呼ぶほど仲良くなってきている。

そのあと俺達も教室に向かった。

 

 

・・・・

 

相澤先生が教室に入りHRという名の説教が始まる。

 

「爆豪、もうガキみてえな真似すんな。能力有るんだから」

 

その説教に爆豪は

 

「ああ…」

 

「それと空野に轟、戦闘訓練だからといってやり過ぎだ。少しは加減しろ。」

 

「すいません」

 

「わかった…」

 

「あと緑谷、個性の制御…いつまでも『出来ないから仕方ない』じゃ通さねえぞ」

 

「ッ!ハイ!」

 

「いきなりで悪いんだが今日は君らに……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

学級委員長を決めてもらう!!」

 

『学校っぽいのキター!!!』

 

一同が騒ぎ出すが、相澤先生の眼力で静かになった。

 

「静粛に!!多をけん引する責任重大な仕事だぞ…!!周囲からの信頼あってこそ務まる聖務…!民主主義に則り投票で、決めるべき議案!!!」

 

言ってることは最もなんだが

 

「そびえ立ってんじゃねーか!!何故発案した!!!」

 

手を挙げているせいで説得力ゼロだった。

 

結局、飯田の提案が受け入れられ、投票した結果

 

俺3票

 

八百万2票

 

緑谷2票

 

レイ子 麗日 飯田 轟0票

 

その他は全部1票という結果になった。

 

「は?3票!?」

 

「なんで変身野郎に3票も!」

 

「聖職……!分かってはいたが……」

 

「他に入れたのね…」

 

「何がしたかったんだ…飯田…」

 

結局俺が委員長になってしまい、八百万が副委員長になった。

 

ーその後昼休み

 

今日はレイ子や波動先輩に拳藤と食堂で食べようと約束していたので俺は生姜焼き、レイ子はハンバーグ定食、波動先輩は煮付け定食、拳藤はビーフシチューが乗ったトレーを持って席を探していたら

 

「一緒にいいか?」

 

轟がざるそばの乗ったトレーを持ってそう言ってきた。

 

「ああ、レイ子達も良いよな?」

 

皆も頷いてくれた。

 

食堂の飯はランチラッシュが作るだけあってやっぱり美味いのかもしれない。

 

あっ、当然レイ子の弁当には劣ると思うがな。

 

「空野」

 

「うん?」

 

「訓練の時は悪かった」

 

「もう気にしてねえよ」

 

轟が家族のことについて話そうとすると

 

「嫌だったら、いいんだぜ?」

 

「いや、これは俺の為にも、お前らには話とかなきゃならねえ」

 

皆も轟の話に食いついた。

 

それは想像を絶するものだった。

 

5歳の頃からヒーローになるための厳しい訓練をさせられたこと

 

自分を庇ってくれた母は父のせいで精神が追い詰められ顔に煮え湯を浴びさせたことなど。

 

母は父親に似ている自分の左側が憎いなどと。

 

「そんなのって……」

 

「なんだソイツは!そんなの父親じゃない!」

 

波動先輩に拳藤が声を荒げる

 

当然だ。誰が見たってソイツはクソ親父だ。

 

レイ子もいい気分をしていなかった。あれは怒ってるときの目だ。

 

「だがお前の言葉で俺が忘れていた母さんの言葉を思い出した…自分が本当になりたかったものとは何か…このままじゃ駄目だとわかった。だから…この前の休日母に会ってきた」

 

その後お母さんとあった時の様子を教えてもらった。

 

お母さんは泣いて謝り、笑って自分を許してくれたこと。

 

自分が憎しみに囚われず進むのが何よりの救いになること。

 

それに皆は号泣していた。

 

俺も感動していたその時

 

『ウウッーー!!』

 

サイレンが鳴り響いた。

 

突如として食堂がパニックになった。

 

これって……!!

 

「なになに!?なにが起こってんの!?」

 

「皆落ち着いて!」

 

「真司……!」

 

「今動くのは危険だ!原因を探る!」

 

『アタックライド、スコープ!』

 

やっぱり……!!

 

『アタックライド、イリュージョン!』

 

『アタックライド、バットショット!』

 

『アタックライド、フロート!』

 

分身して空中に飛び皆の視線を集める。

 

「皆落ち着け!ただのマスコミだ!先生が対応してるから俺たちは速やかに教室に戻るんだ!」

 

俺が注意を呼び掛けていると

 

「大丈夫ーー!!ただのマスコミです!!」

 

飯田も非常口に張り付いて注意を呼び掛けていた

 

それを聞くと皆がそれぞれの教室へ帰っていく。

 

その後先生から騒動は収まったとの知らせを受けた。

 

委員長だが原作通りなんやかんや理由をつけて飯田に譲ったよ

 

さてと……

 

・・・・

 

「ただのマスコミがこんなことできる?」

 

「そそのかした者がいるね…」

 

「邪な者が入りこんだか。もしくは宣戦布告の腹づもりか……」

 

教師陣が壊された雄英の正門を見て訝しんでいた時

 

パッ!

 

『なっ!!?』

 

突然無数の写真が出現した

 

「これは……」

 

「すぐに回収しろ!」

 

回収した写真には職員室に侵入している今回の騒動の実行犯と思われし者たちが映されていた

 

それらを回収した教師陣はすぐに会議を始めた

 

「こいつらが今回の犯人かあ?」

 

「それ以外ありえないだろ」

 

「しかし問題は……誰がこれを撮ったかだな……」

 

結局回収できたのはこの写真だけであったため行き詰っている

 

「……なんにせよ、しばらくは厳重注意が必要だね。皆頼むよ」

 

校長の言葉に頷かない者はいなかった

 

・・・・

 

さてと……なんとか気づかれずにすんだな

 

あの時、死柄木たちを警戒してもらうためにバットショットで撮った写真をゾーンメモリで気づかれないように教師陣に渡したのだが……

 

さて……効果はどのぐらいあるのだろうか……




自分以外に投票した人たち

レイ子→真司

麗日→真司

飯田→緑谷

真司→緑谷

緑谷→真司

轟→八百万


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