代理人の異常な愛情、または如何にして私は心配するのを止め戦闘を愛するようになったのか。 (イエローケーキ兵器設計局)
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春の目覚め作戦開始?
更には記憶も曖昧。後輩って誰だ?そして私は?
City内時刻
?日目〜1日目夜
何も考えずに『アッシュアームズだ!』と目を輝かせたりしながら飛びつかないでくださいね。
注意はしましたからね!(逃亡)
(春の目覚め作戦…負けフラグ?)
なんでまうまうさん来ないの…(まうまうと呼んでるからか?)
コルセアさん、好きだー!(現状、最強格の一人。)
私の名前は…わからない。ただその少し前であっただろうか。気がつけば飛行船か何かの墜落現場に私は倒れていた。正直言って、それ以外に覚えているのは敵に囲まれて後輩を庇って撃たれた事ぐらいだろうか。少し前まで自分は人だったと思っていたのだが。
今、私は
※1
同じく余ったマウスの制服。当の本人は代わりの制服を着て出撃中。なお私の方が身長が高いので少し直さないといけなかった…それをマウスは少し目に涙を湛え、やや泣きそうになりながら見ていた。すまぬ…まうまうよ…
災獣とやらは結論を言えば二酸化ケイ素やら鉄鉱石やらが集まってできた岩石生物(※2)だと言える。私が墜落地点から回収されてすぐに鳴り出した警報の対応に満身創痍ながら出撃したあと私の装備の解析が始まった。(どうやら私は装備を持っていたらしい)その間、私は指揮官代理人として教育を受けることになった。現状の説明、学連と呼ばれる組織と灰燼教会という胡散臭い奴ら、整備会という整備士たちの組織の概要、その他諸々を私は詰め込み上級指揮官であるグレーテル(※3)の補助のもと私はDOLLSと呼ばれる少女達を率いる事になった。灰燼教会からはメシアという灰色、鼠色(もしくはバトルシップグレー)の服を着た少女が召使い(※4)としてやってきた。いつもバイザーで目元が隠れていて表情が読めない。(それを言うと私もバイザーをつけているのだが)
とりあえずは今日は寝ることとする。グレーテルさんはさっさと帰ったし、メシアさんは…ベッドで寝てもらうか。私は床に毛布でも敷いて寝るよ。おやすみなさい。そう言って私の意識は途切れた。
※2
私の造語である。きっと正しい名称があるのだろうが、それを知る由はない。
※3
グレーテルさんはどうやら私と関係のある人だったらしい。ただすごく親しい関係だったのではないかと思われる。業務外時間だと距離が近い。そんな、耳に顔を近づけなくても聞こえますって。
※4
家事全般をやってくれる。あれ?顔が赤いぞ?どした?熱?休め休め。え?ベッドの下にとても重い箱があったから引きずり出したら機関砲が出てきた?………見せてご覧。NS-37…ヤクさんところか?
ここまで読んでいただきありがとうございます。
作者は小説をわかりやすく書くのが苦手なので後で練習し直すように行っておきます。(急降下爆撃機)
今のところ…主人公は正体不明のDOLLSで陸上の重型を想定しています。
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春の目覚め作戦 二日目
書けば出ると聞いて…(意味違)
City内時間
2日目朝〜2日目夜
マウスの代わりにFw190さんが来た…うーん…
昨日出撃した作戦は『春の目覚め作戦』と名前が付いた。なんと言うか、なんと言うか…負けそうな気がする。ネーミングがもう…
ついに私の名前が決まったらしい。というのも結局、各学連がデータベースを漁ったものの結局所属がわからず、さらにドイツ系の装備を使う
『
「ああ、そうだ。長いからコーニオシスなんかどうだ?」
『コーニオシス…塵肺、か。ありがとう。マウス。』
「存分にわらわに感謝するが良い。」
塵肺。DOLLSには基本起きない病気である。名前の由来は私が咳き込んでいたかららしい。
私の兵種は今のところ…重戦車。改造形態で重戦車と重火砲ルートに分かれる。私の性能は…評価したところによると『ある兵装では』マウスを装甲、火力で上回り、対空も限定的(※1)なからあって機動性は致命的とのことだった。ちなみにマウスの装備を借りて試験したところ、マウスとかなり違うデータが取れたらしく解析中だとか。
今の私の装備は2種類。
1. マウスの主砲、制服と4脚外骨格。
2. 28cm砲と3連無限軌道付き4脚外骨格、新規の制服。
さらに、
3. 80cm砲と4脚外骨格、姿勢制御用の尻尾。
3は重火砲形態で、これも開発中らしい。今のところ、制服のデザイン担当が居ないので仕方なくマウスの制服を仕立て直して使うことになっている。髪色と髪型、身長が違うくらいの差…髪色はマウスは桃色に対し、私は黒髪。髪型もポニーテールへ、身長も平均的高さに…実はあんまり似てない?まあ確かに一致してるのは服装くらいで顔も少し違うしな…
この部隊は半寮制で、大部分は学連と呼ばれる学校法人連合(灰燼教会関連?)の寮で寝泊まりし、一部のDOLLはこの施設の部屋を借りたりして生活している。DOLLであるマウスや私と人間の
『なあマウスよ。』
「ん?どうした?」
『なぜ相部屋なんだ?』
「わらわが望んだからだ。」
『そうですか。(笑)』
「なんだその顔は!何がおかしい!」
『いえいえ。嬉しいんですよ。異色すぎて仲間が居ないのは寂しくてかなり刺さりますから。ねえ?マウス姉さん。』
「姉さん?…そうか、そうか…わらわはそなたの姉じゃったか。ははは。」
今日は書類仕事を早く終わらせることができたので、相部屋の中の自分のスペースで、ディスプレイをつけてゲームを起動する。こんな状況だからこそ娯楽は必要だ。
「…それはゲームとやらか?」
『わかります?』
「そんな品が眠っておったか。」
『ええ。仕事が早く終わって時間が余りそうなので。やります?』
「いやいい。わらわには向かん。」
『すばしっこいのは苦手ですか?』
「そうだ…いつ見たのじゃ?」
『いえ、前の戦闘のとき…』
マウスと私が重型の災獣を全滅させたあと、マウスが軽、中型の災獣に苦戦してるところを見てしまった。
「そのことは忘れろ!今すぐに!」
『はいはい。忘れます忘れます。で、やりません?簡単ですよ?もしかしたら…
照準力がつくかも…』
「わかった。やればよいのだろう?やれば。」
『ええ。』
FPSを起動し一通り操作を説明して、練習しローカルモードでCPUを両者共に大量に用意していざ、戦場へ。
『左側面ががら空きですよ!姉さん!』
「ぐぅっ!舐めおって!」
『うわわ!気絶しちゃう!気絶しちゃう!』
「どうした!わらわが怖いか!」
『今です!ジョッシュさん!』
「ふはは…はぁ?」
思わぬ快進撃に油断したマウスを背後から
「クッ…や、やられたぁ…」
『CPUも油断すれば天敵になりますよ。でも、とても手強かったですよ。ありがとうございました。』
「ううぅ…」
悔しくて泣くマウス姉さんを慰めながら時計を見るともうそろそろ就寝時刻だということに気が付く。そして今日は休日だったことを実感した。
※1
僅かながら対空射撃が可能だと判明した…が、命中率的に基本当たらないので緊急時でもない限りは披露することはないだろう。
いやー難しい…
よくよく考えてみると実は塵肺さん、マウスさんと全然似てないのでは?
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春の目覚め作戦 三〜四日目 前編
その兵装の通称は『ラーテ』。ベースになった兵器は机上の空論に終わった代物。マウスが装備したがっていた280mm砲はこのラーテが装備していたもの。この装備を受け取れば…私は『P.1000 ラーテ』になる。
「ラーテか…うーん、ドブネズミ…」
『ええ。ハツカネズミとは違って少し図体が大きいんです。』
「お主は特に抵抗は無いのか?ドブネズミじゃぞ…?」
『ええ。全く。早くマウス姉さんの隣で戦いたいですから。姉さんのそっくりさんではなく、私として。コーニオシスとして。』
「…勝手にせい。わらわは知らぬ。」
『……行ってきます。』
名前のこだわりはあまり無い。ドブネズミであろうとドブだろうと結局は名前に過ぎない。性能に何か影響を及ぼすわけでもないし。
改造そのものはそれなりに痛かったが無事、改造が終わった。マウスとの関係は少し冷えたけど。彼女は少し傲慢なところがある。そこが可愛らしいのだが。…ところでどこでこんな大口径砲を活かすんだ?長距離砲撃をするにしてもこれは取り回しの悪さが上回るぞ…上下2連のバズーカみたいな構造のせいかコンパクトではあるが肩に担ぐにしてもなかなか重いし…
ラーテの兵装例(FHSWより)
28cm連装砲
8.8cm連装高射砲
(28cm砲塔上部)
2cm機関砲×2
(28cm砲塔上部)
56口径8.8cm戦車砲+7.92mm機関銃×6
(前部4砲塔後部2砲塔)
5cm戦車砲×10
(左右5砲塔づつ)
『…ただいま。』
部屋の中は真っ暗で電気が一切ついていなかった。夜目が効く方ではないのでよく見えないがマウスの姿は見当たらない。出撃の指示を出した覚えもないし(※1)、外出届も受け取っていない。そもそもDOLLSは存在次第が機密情報なので外出は難しいのだが。
しばらくして目が慣れてくるとメモ書きが見つかった。どうやら屋上に居るらしい。
『探したよ。マウス姉さん。』
「…姉と呼ぶな。」
『どうしたんです?マウスさん。』
「わらわに話しかけるな。」
『…カラダが冷えますよ?』
「…よしてくれ。」
『どうしたんです? …もしかして怖いんですか?私が。』
「戯け。違うわ。」
『そうですか…嫉妬ですか?28cm砲の。』
「…さい。」
『?』
「うるさい。うるさい!うるさい!」
『ふふふ。やっぱりマウス姉さんはマウス姉さんです。』
「気安く頭を撫でるでない!…う〜…」
ここにいるマウスというDOLLはとても難しいが単純である。感情の起伏がかなり大きいから感情に左右され易すぎる。結局のところ…嫉妬もあったようだが、私がどこかへと行ってしまうのではないかという不安があったのだという。忘れたくても忘れられない、だから突き放した…らしいのだが…よくよく考えると指揮官だからそんな簡単には動けない……前線に出る指揮官も指揮官か。
結局、今日は抱き寄せたマウスの頭を撫でて終わった一日であった。部屋にある寝台は二段で普段、私が下、マウスが上を使っているのだが…
『午前2時…眠れないと思ったら…姉さん…』
どうやら姉に懐かれている…らしい。寝惚けて梯子を降り、こちら側に潜り込んできたのか?いつの間にか抱き枕になっていた(笑)…みたいな状況になっていた。ただその…お手洗い行けないんだけど…はっ、これは策略か。私を手洗いに行かせないための策略か…うーん…どうするかな…
「ラーテぇ…待ってぇ…」
マウス姉さんの寝言は面白い。私はここに居る。……うん、振り解いて行くか…酷だけど…酷だけど…!
後編に続く。
※1
この部隊では基本、指揮官の指示がないと出撃できない。規則なのでしょうがないと言えばしょうがないのだが…無謀な吶喊をされるよりはまし…だろうか。
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春の目覚め作戦 三〜四日目 後編
後編
『ふー…決戦兵器か…それとも…』
用を足しながら呟く。出撃コストがラーテ型ARMSだとバカにならず…マウス型ARMSだと比較的安くなるがそれでもマウス3体分が私1体分に相当する…装甲強度や攻撃力、図体に見合わない脅威度(※1)は利点ではあるけれど…コストと機動性は最悪、回避訓練では文字通り弾に当たりに行ったほうが安全と言えるほどだった。
いっそのこと司令船に引きこもるべきか。出撃しなければコストはかからない。今のところ一回しか出撃していないし…いや、一応これでも作戦中(※2)だし…うーむ…
「そろそろ出てきてはどうじゃ?」
…!起きてたのか?急いで時計を確認する。午前2時10分。となると…おそらくあの時点で起きていたのだろう。
『…わかりました。』
「よろしい。」
トイレのドアをゆっくりと開けようとするとドアノブを掴まれたのかドアを強く引く力がかかる。
『…どうされました?』
一応警戒しながら力を込めてゆっくりと開かせる。私から見てヒンジは右側。右手でドアノブを掴んでいるから左手はお留守。嫌な予感しかしないので片手には自衛用の対DOOLS用のライフル(※3)を握らせる。もちろん自分が正気である根拠は無い。
『今開けますね。』
おそらくは
「なぜドアを開けない?」
『うーん…そうですね…お尻を拭いていたからですかね。この世界の
「理由になってないぞ?ラーテ。」
『そうですかね?』
「そうじゃ。だいたい…」
ドアノブを離し、容赦なく
「ラーテ、何をするのじゃ!」
『あらごめんなさい。ライフルが暴発しちゃって。』
次弾を送弾して左膝を撃つ。うん、予想は当たりだ。
『ラーテ?そうでしたね。私はラーテです。でもね、
「お主らそういう関係だったのか!」
『え?嘘だよ?』
頭を撃ち抜く。ボルトハンドルを握って次弾を送弾すると今度は胸に。計4発撃ち込んで蹴り倒す。姉のフリをした敵だとわかっていてもこれは辛い。警報装置を鳴らし、マウスの胸あたりを撃つと災獣が機能を停止したのか真っ赤な液体に塗れた姉の姿は消え石の塊が現れる。はあ…こんな奴に振り回されていたのか…
やってきた衛兵(確認したが異常は見られなかった)の付き添いのもと資料を制作する。ちなみに本物のマウスは屋上の物陰で拘束され、伸びていた。カラダが冷えていたのでたまたま着ていたコートを着せて部屋に寝かせに行ったが…起きなかった。
偽物との見分け方はシンプル。よく見ると複製ミスがある。事件後、周辺を漁ると衛兵の中に
※1
『脅威度』と教育段階で教えられた数値。高いほうが基本は優先して狙われる。
※2
忘れがちだが作戦中である。なかなか出撃する機会が無いのだが本当に作戦中なのか?
※3
トイレには緊急時に破壊槌や自衛武器等を生成する用に3Dプリンターが備え付けられている。本来、ライフルは
全然出撃していないですね…最前線のはずなのですが…
マウスファンの方…すいません。こうするしかなかったんです…
だから、許してね?(BAN!)
次回…は少しお待ちください…
イベントが…バクが…トホホ…
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春の目覚め作戦 五日目
特に災獣側の編成が…
まうまう、来ました。中身の人の大学の後期試験合格と引き換えに…。
ようやく出撃指示が出た。どうにも偵察機による偵察が同時並行で行われていたものの確認された敵が初日に遭遇した奴らしか見当たっていなかったらしい。そして主力らしき団体を見つけたので出撃せよ…と。すごく嫌な予感がする。マウスは昨日の記憶がないそうだし。交戦予想地点が、なぁ…
『グレーテルさん、本当にやるんですか?』
「ああそうだ。決定事項だ。」
決定事項となると…反論しようがない。禁区周辺に遠征…誰を連れて行くべきか。
出撃を予定しているDOOLSは以下の通り
VK1602(レオパルド仕様)×6
F4U(F4U-4仕様)×3
Yak-7(Yak-9T仕様)×3
ホイシュレッケ(フンメル仕様)×1
の4人。(各ユニット1人ずつ本体が居て他は攻撃と防御のダミー)
私は司令船に籠もることに…(コスト的問題により)
『生きてデータを持って帰るのが重要だ。必ず本体は帰ってこい。本体の複製はせんぞ。』
「了解!」
『ああ、あと、コルセアは残れ。』
「え?私ですか?わかりました。」
コルセアは…確か、過去のデータで言う
『さて、コルセア、聞きたいことがある。』
「…はい、何でしょうか?」
『…アイスは好きか?』
「はい、好きです。ただその…」
『…恥ずかしい?』
彼女の問題はその…コルセアがアイスを恥ずかしい食べ物だと見做して食べたくても食べられないということ。
『そうか。アイスは何が好きだ?要望は聞いてやる。兵站部が許すかはわからないがな。』
「…!」
『…そう驚いた顔をするでない。…』
背伸びして顔を近づけ耳の近くで囁く。
『各部屋に簡易的ではあるが冷蔵庫を手配する。敵を殲滅して生きて帰ってこい。』
心理戦は苦手…。コルセア、心理戦が苦手な指揮官の代わりに斬りつけてきてね。
笑顔で部隊を飛行船から送り出したあと無線室に向かう。無線室には無線通信機器と送られてきた情報を映すディスプレイと…何より…
『これがないとやっていけないなぁ…』
敵味方の図鑑である。味方の図鑑は癖や能力の確認のために、敵の図鑑は敵の行動を確認する為と識別の為にある。
「敵と接触しました!」
『敵の編成は?』
「…飛行種『輝石』Xが3体2個小隊、防衛種『無刺絶鰐』Xが2体1個小隊、遊猟種『末境の猟犬』Xが3体2個小隊です。」
『了解。散らかすぞ。』
作戦終了後、地上部隊と被弾した航空部隊はフルトン回収装置(※1)で、飛行可能な者は自力飛行で回収するのだが…
『フルトン回収装置が足りない?』
「はい、被弾したときにおそらく破損したと考えられます。」
『何人分?』
「レオパルド1人分です。」
『予備はあるが…流石に司令船は降ろせない…コルセア、フルトン余ってる?』
「やってみます。」
「レオパルドさん、少しごめんなさいね。」
「みゃう?………にゃあぁぁぁぁぁー!」
『回収成功。お見事。』
どうやらコルセアのフルトン回収装置をレオパルドにくくり付けて回収したらしい。同じ規格なんだね…
司令船の無線室で部隊の帰りを待つ。回収機はとっくに戻っており、検査を受けているところだとか。さて、冷蔵庫の手配を進めるか。
※1
フルトン回収装置…気球を空高く揚げてワイヤーを垂らし対象物(のハーネス)とワイヤーを接続器で接続、あとはフックのついた航空機で…
原作ではどう回収しているのかわからないですがこの部隊ではフルトン回収システムが現役のようです。
戦闘後って検査とか受けてるんだろうか?
この部隊のコルセアはいつの間にか厨二病が消えていますが…許してください…
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塵肺さん観察日記vol.1(番外編)
P.S.
マウスの声って基本高い(というよりは舌足らずだ)けど…
編成や出撃とかの声ってコルs(殴
(ただ、もう少し低いのかと思ってたので意外でしたまる)
〇〇月〇〇日…という形式はあまり続けにくいので…
『最近就任した基地の代理人が人間じゃない件』
なんてね。私の名前は……
この基地の代理人は人間ではなくDOLLSである。彼女の名前は…ちらっと聞いた限りでは、じん肺症を意味する言葉らしい。由来は咳。ARMSはⅧ号戦車マウスの改良型やラーテと呼ばれる陸上巡洋艦…などらしい。というのも書類仕事を手伝ったときにちらっと見えたものを解析しただけに過ぎないからである。背丈はマウスよりは高く、マウスがもし人間であと10歳くらい歳を取ってたらきっと彼女くらいになっていただろう。
この代理人には謎が多い…がその謎の一部が解けた…かもしれない瞬間があった。
『少し手洗いに行ってきます。…引き出しは覗かないでくださいね。』
「は、はい。わかりました。」
これは開けということなのだろうか………
『開けゴマ。』
小声でそう唱えながら引き出しをそっーと引くと…
『…ん?』
事務用の机の引き出しは4つあって一番下が一番大きくて鍵が掛かっていた形跡があることまではわかっていたが…鍵を締め忘れていたのか開いているようで、ちょこっとだけ開いていた。
『あれ?何だろ?』
中には複数のファイルが。
『どれどれ…P-1000 計画?』
内容は陸上巡洋艦をベースにしたARMSの開発計画に関するものがほとんどであったが…
『…何これ…』
古ぼけたセピア色の写真らしき物と赤色の文字が書き込まれた紙が…
「………コルセア、要は済んだカ?」
『…!?』
代理人は音も無く扉を開けこの執務室に入ってきていたようだ。なぜか代理人の声が少し違うように聞こえる。
「…貴官はそこで何を見タ?」
『あ…その…』
「…答えよ…コルセア。」
『引き出しの…』
「引き出しノ?」
『中のファイルを見ました。』
「…それデ?何かわかったのカ?」
『そ、その…古ぼけた写真とこんな紙が…』
正直に手を上げる。よく見えていなかったが代理人はカービンを左手で構えている。その照準は常に私の中心を捉えて離さない。
「…ほう…そうか。それは驚かしてしまって悪かったな。お詫びにそれに関して少し昔話でもしてやろうか?」
『え?』
「その古ぼけた写真は残念ながらまだ思い出せないが、よく見るとメシアさんとグレーテルさんともう一人、顔は塗りつぶされて分からないが誰か居るな。誰だと思う?」
『えーっと…代理人?』
「なぜそうなる?いや、この流れはそうか…実はよくわかってないんだ。」
写真では顔を塗り潰された人物が仲良さそうに少女だったであろう頃のメシアさんと同じく少女時代のグレーテルさんに肩を組んでいる様子である。
『で、その紙についてはよくわかってないんだわ。かろうじて読めるところもあるけれど…まあ読まないほうがいいかもしれないな。さ、休憩してきたらどうだ?もちろん、口外禁止な。』
「は、はい。休憩してきます!」
この基地ではオリジナルは二度と用意されないと言われている。もちろん最終的には再生産されはするが作戦後だったり、かなり後だったりと時間を空けられることが多い。
続く。
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塵肺さん観察日記vol.1 続き + 先輩は?
文量の関係で2話結合状態です…読みにくくてすいません
塵肺さん観察日記vol.1 続き
休憩に手洗いに行っているときにふと思った。なぜ再生産を遅らせるのだろうかと。死んだところで再生産すれば記憶を持ったまま五体満足で出てこれるのに。
用を済まし執務室に戻って、『禁断の質問』(※1)を聞いてみたところ…
「HAHAHA!そうか、死にたいか。そうかそうか。はぁ…成長しないからだよ。」
「生物は死を免れることはできない。死ぬときはぽっくりと逝く。そして再生の機会はない。生物一般は大抵、死を恐れる。だから必死に生きようと足掻く。再生できないのだから。私達の破壊されても直前までの記憶を持って生き返るという特徴は素晴らしいとは思う。が、これは死を恐れないという人間そっくりの機械に付き纏う限界でもある。損失を気にしなくなったら終わりだよ。人間は生きようと足掻く中で最善と言えなくても何かしら方法を見つける。でも私たちは?どうせ生き返るから『あ〜さよなら〜』で終わりじゃないか。確かにこれだけの理由で再生産しないのはおかしいと思うのもわかる。ただ、人間そっくりである以上は人間のように振る舞っていたほうがいいかもしれないとは思うね。感情を備えた理由があるとしたら、だけど。」
と返ってきた。ちなみにこのあとカービン銃を突きつけられた。まさか照れ隠しに使ってるんじゃ…ちよっ、撃たないでください!怪我を弾がすぐそばを通り抜けた時の火傷に抑えているあたり流石だなと思いますが撃たないで…
一回目の戦闘が終わったあと司令船(プロメテウス号)内の通信室(兼司令室)での会話であった。
〜fin〜
※1
この手の質問は代理人があまり顔色を良くしないことが多いので聞く人は少ない。
通信室の修理費用で代理人の給料の半分が飛んだことは公然の秘密である。
先輩は?
少し話をしよう。ちょっとしたこぼれ話だが私には先輩がいた。その人の名前は〇〇〇〇。その人は戦闘能力こそ中の下だったけどその声は仲間を振り向かせ、指揮能力は高かったから指揮官に向いていたと思う。あの日までは。
その先輩が生きていたのは数年前まで。あの先輩は消えてしまった。遊猟種の石英と司令線の残骸で刺し違えたらしい。
それからというものの私は士官として階級を上り詰め…今に至るわけだ。
そういえば最近、少しだけ先輩に似たDOOLSが司令線墜落現場で発見されていたな。無表情な所とか特に似ていると思う。
ただ…そのDOLLS、明らかにおかしいのだ。所属が分からないというのもあるが、今のところ誰のARMSを装備させてもきちんと動くのである。普通は拒絶反応が起きたりするのだがこのDOLLSにはそれが無い。どうなっているんだ?
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春の目覚め作戦 五日目(2)+5日目(3)
P.S. Bf110さんも星4に…(がしかし、第二章は荒廃禁区6からが本番だったか…)
飛行種『ミーミルⅦ』×5 ×2 + 防衛種『黒曜石Ⅶ』×1 + 防衛種『長石』×2 ×2 +重型遊猟種×1 = エサという(数学的ではない)方程式がこの戦場にはある。
コルセアがミーミルを斧で叩き落とし、ヤクが重型遊猟種を砂礫の塊に仕立て上げると同時に…『そこ!』私(圧倒的火力)が地上を耕す。コスト的にはかなり無駄ではあるけれど進撃を急がないといけないから急遽、落下傘降下して前線をこじ開ける為に降りたのだが…どうやってプロメテウス号に戻ろうか…いや、私だけ突き進む?…論外だな。指揮官が司令線にいない時間は本当はあってはならないはずだ。(なら何故降りたんだんだとか言ってはいけない) そう思いながら残敵を28cmで跡形も無く塵に戻しダメ元でフルトン回収システムを起動してみるが…回収船は私を引き上げきれず、回収は断念。ARMSを破棄することを検討したが技術が漏れるのはとても不味く仮に爆破処分したとしても新造するときのコストが馬鹿にならない(議会の承認が必要なほど)…「引き揚げてみましょうか?」
『…やってみよう。』
コルセアが吊り上げるとのこと。給料(※1)の増額を検討するかな。
結局、無事コルセアに引っ張り揚げられて司令船に帰還しました。
フルトン回収システムの簡単な説明
手順1.装備品からフルトン回収システムを取り出します。
手順2.ハーネスを装着し気球とヘリウムガスタンクを接続、充填して打ち上げます。
手順3.気球とハーネスを接続するワイヤーが張られたのを確認し、発煙筒などで回収船に合図を出します。
手順4.衝撃に備えます。
手順5.回収されます。回転しないようバランスを保ってください。
(軽型は3人一組、中型は2人一組、重型は1人で一個の気球を使用します。)
※1
この部隊ではDOOLSに給料が支給される。使い道は基本自由だが施設から出てcity内を散策することは許されない。
5日目(3)
『…飛行種が居ない…?』
「ええ。隠れる雲もないので確実かと。」
『…プロメテウス了解。やれ。』
「了解。」
通信内容はそれだけ。貫通重視の空戦型にARMSを調整したコルセアとヤク、防衛型にARMSを調整した
『作戦終了。見事だった。傷ついた者は戻れ。残りは待機せよ。』
コルセアとヤクが
『クラゲ型か…』
「はい。天候状況も酷いです。どうします?」
『迂回は不可能…体制を整えて突撃する。』
防御の薄い所を突き押し広げる浸透戦術を実行しているわけだが…その戦術の性格故に止まることは許されず、迂回しようにも敵の防御の薄いところを続きに行っているのだから次の薄いところは遥か先であったりする。結局は強敵であってもここを通過しないといけないのだ。
『ヤクは右翼のミーミルを。こっちは左翼に。』
「了解。小隊数で劣勢だから注意して。」
『了解。そちらも。』
暴風の吹きすさぶ中、乱気流に飲まれつつもなんとか飛行を続けているコルセアです。クラゲ型が出たと聞いたときはこの戦場を恨めしく思いました。というのも黄昏石には先代のコルセアを白刃戦で殲滅されたことがあり、また同じ目に合うのだろうかと思ったからです。
『ブレイク!ブレイク!』(※1)
「やるな…フランク3番被弾、損傷軽微。」(※2)
……結果を言うと…なんとか勝った。フランクと
『…はい。…はい。わかりました。』
『代理人より伝達、作戦中止。急ぎ退却、陸上部隊は帰還し、航空部隊は即席で部隊を再編せよ。』
※1
厨二病設定が無いここのコルセアさんは「危難は去った」と言わずに「ブレイク!ブレイク!」と叫びます。見ている限りでは大抵は見当違いのところに撃たれているように見えるのですが…
※2
フランク…Yak-9の過去のあだ名。NATOコードネームが"フランク"だからか?
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現在の人物紹介(途中)
マウス(Ⅷ号戦車D型)
12.8cm砲と7.5cm砲を搭載した超重戦車。後述のラーテ程ではないがかなり硬い。
主人公の部隊のマスコット。低身長、高火力、期待を裏切らない高火力の主力(攻撃型)戦車。主人公の姉的存在。妹に指揮される姉か…災獣に化けられたり妹に振り回されたりしているが本人は少なからずや楽しんでいる模様。
容姿は今のところ変化は無い
ニセモノに拘束され屋上に放置されるも偽装を見破った
ニューマーコーニオシス(愛称:ラーテ)
28cm砲を2門、その他多数の砲を搭載した多砲塔戦車。ベースはドイツのP.1000ラーテ。
現状、単体での耐久力、装甲、対地火力は桁違いである上、大体の攻撃を無効化することができるが共生種や重型の防衛種の攻撃は完全にはノーダメにできないが故、蚊に刺された程度ではあっても通用するので注意が必要。さらに重型滞空種の攻撃はある程度有効である。要するに完全に無敵な訳ではない。またコストが馬鹿みたいに高い。
容姿としてはマウスからかけ離れ、平均的身長を手に入れた。白刃戦モーションは文字通り災獣を引き潰すもの。モーションはBf110よりは長いかも。あと、最近咳込まなくなった。塵肺症の愛称が似合わなくなる…うーん…zzz
装備には本人と限られた整備兵しか知らないモノもある。
E-100
ラーテがマウスのARMSを装備した形態。マウスよりは装甲値が低下したが火力と機動値が向上しそれでいてラーテにARMSを装備させるだけという簡単な手段によって生産できるDOLLSである。しかしラーテは1名しか用意できなかった為、生産コストは悪化したのと言えるのかもしれない。
F4U-4
コルセアが改造後のARMSを装備した形態。眼帯も厨二病設定も結局身に合わなかったらしく眼帯以外の容姿とマウスに少し声が似ているという点くらいしか他のコルセアとの共通点は無い。(パーツの互換性はあるが)
それなりの苦労人。いつも副官をしているが代理人としてのラーテ曰く『休んでほしいのだが…』と言うと「嫌です。帰ったらサボるでしょう?だから残ります。」と返され休みを取ってくれないのだとか。
実機も格好良いが華麗に白刃戦で叩き落とすシーンも格好良い。
Yak-9
コルセアの後輩(※1)。照準器を展開して覗かずに撃つという規律違反(≒離れ業)を教官機なのに行っている。規律を乱しているのはどこの誰ですか?45mm機関砲の調子は良い。
※1
入隊時期的には…コルセア→フランク(Yak-9の別名)→マウス→ラーテの順。
まだまだ続きます。
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登場人物紹介の続き+番外編
M6A2E1
105mm砲と20mm機銃を搭載した多砲塔戦車。マウスが来るまでは最強の重戦車だった。今は委託任務で周回部隊の構成員をしている。最古参兵の一つ。何気に先輩とほぼ同期。生産時期が、だが。
容姿に特に変更はない。
グレーテルの先輩
故人。正確には消息不明というべきだが。
ちなみにラーテとの共通点はグレーテルが思ってる程は実はなく、話し方と気配の薄さ、そして…ーーーーーなところくらいである。そして最後の共通点に関してはこの部隊に共通している可能性がある。
生前、自分は成績的には中の下、下の上と評価していたが評価する側からすると成績には表せない何かがあったという。
一応戦死ということになっており、謀殺されたという噂も一時期立ったが防衛線を突破されたがための死だということになっている。遺体は見つかっていない。
グレーテルよりかは背が頭一つ分高かった高くなかったとか…どうなんでしょうね?
富士葵
理由はよくわからないが流れ着いた応援団長。今のところ非武装。メタい話をすると20回近くサイコロを振ったけど今のところP-51Aさんしか来ていない。課金はできないのでごめんなさいね。
屋内訓練
『傾聴せよ。これより訓練を開始する。実戦のつもりで取り組むように。休め。』
「第1班と第2班は第1訓練場へ。第2…」
今回、この部隊において初の屋内戦闘訓練を行う。作成したのは4班。重戦車は今回は参加せず観戦者として応援する。
第1班は高火力高機動なコルセアを筆頭に鈍重だが高火力なA-26B(以下インベーダー)と高回避のXF2M(以下地獄猫)の航空部隊。
第2班は機動と装甲のバランスがいいバレンタインMk.IX(以下バレンタイン)、重装甲のマチルダⅡ(クロムウェル砲塔)(以下マチルダⅡ)、グレポン装備のアレクトの地上部隊。
第3第4はまだ決まっていない。
『これより屋内訓練を始める。初め不要とする意見が大多数だったが、我々は治安維持部隊も兼ねることになった。その為屋内での戦闘機会が発生することになりうる。それにこの館にも一度石英が侵入したこともある…長ったらしいお話は終わりだ。訓練開始。』
『第1班、第2班は位置についてくれ。位置についたな?では始める。よーい…』
スターターピストルを上に向けて一発。
「行くよ!」
M2機関銃にストックを取り付けて走るはコルセア。機動力は機関銃を担いでも変わらない。地獄猫はグリースガン片手に忍び足。インベーダーはゆっくりと重型らしいしっかりとした身構えでロケットランチャーを用意している。クリアリングは地獄猫が行い、コルセアとインベーダーが大火力で制圧する。
一方…
「ゆっくりと参りましょう。」
バレンタインが代理人に勝利を誓いながら歩いているのを見ながらマチルダⅡは考える。こうして屋内で戦うのは初めてであると。ということはこちらも相手も慣れていないはずで勝算は無いわけではないと考える。装甲はこちらのほうが硬い。走る速さは向こうのほうが上だが…バレンタインはリーエンフィールドを携え、マチルダⅡはPIAT、そしてアレクトはグレネードランチャーを持って歩いている。
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春の訓練戦 番外編2
コルセアとインベーダーと地獄猫
VS
マチルダⅡとバレンタインとアレクト
航空部隊VS陸上部隊 の白兵戦、銃撃戦訓練をご覧ください。
星屑連盟側視点
「コルセア?」
『はい?』
「その角右に曲がって進むと敵さんいるよ。多分ソナーの反応的にマチルダさんかな?」
『了解。』
私はF4Uコルセア。今、M2機関銃もどきを持って歩いています。実際のM2よりは小さくて軽いと思いますよ。流石に屋内戦なので…
自陣営の編成は制圧役のコルセア(私)と突撃役のヘルキャット、戦闘工兵のインベーダー。
敵さんは白薔薇のマチルダⅡさん、バレンタインさん、アレクトさんで、こちら側は装甲で劣る分、機動力で勝っています。記憶領域を利用したVR訓練とはいえ緊張しますね。
(単発の発砲音×3)
『…おっとっと。』
思いっきり撃ってきましたね。これではルール解説もできないじゃないですか。お返しです。
(連続した重めの発砲音×4が2回)
とりあえず装甲と耐久力から。
装甲と耐久力は兵種とダメージを受けた部位や武器の威力に依存しています。ダメージ等は非公開だとか。機動力は走る速度に影響していてこれも兵種に依存します。
王立白薔薇側視点
どこへ行ったのでしょう?機関銃を撃ってきた人は。…人間ではないですが。
被弾箇所は…左腕部装甲が4箇所ひしゃげてますね。ダメージ的には…継戦可能ですね。威力的には大口径機関銃でおそらく軽戦くらいですかね?
相手は星屑連邦所属としか聞いていないので絞りきれないですが。ARMSがあれば少しダメージを抑えられたかもしれませんけれど無い物ねだりは駄目ですね。
『バレンタインさん、進みましょう。この程度で倒れるわけにはいきません。』
観客席視点
『うーん…』
(単発の発砲音×3+連続した重めの発砲音×4の2回)
「進み具合はどうじゃ?」
『なんというか…積極的だねぇ。まあそんなもんなんだろうけれど。』
「本来の目的は達成できそうか?」
『そうですね。あの調子ではちょっと心配ですけど…』
本来の目的は文字通りDOLLがARMSを喪失しても自己防衛できるように訓練する前段階としての様子見だったのだが…まあ良くも悪くも忠実というわけか。さて…イレギュラーを放り込むかな。
『石英を3体、星屑側に投入。』
「…軽型の遊猟種です!どうやって!」
(連続した重めの発砲音×6)
『波状攻撃を仕掛ける。鋼玉を3体配置。』
「今度は鋼玉です!後退しましょう!」
「そうだね。ヘルキャット、偵察を。コルセア、足止めできる?」
「やってみます。」
(レーザーの発砲音と着弾音、そして重めの発砲音が多数鳴り響く)
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模擬戦続き
代理人が呼び出したのでしょうか…一つ先の角を右に曲がった先から鋼玉が3体、単縦列で向かってきています。構造上、こちらに来るしか道は無いはずです。攻撃対象ではないですが…
『やっと出番ですか。お財布握りしめて待っててくださいね。代理人殿。』
そう言って(ハボック仕様のインベーダーは普段は言わないような言葉遣いをしながら)ロケットランチャーを構える。たぶんM8ロケットが飛び出すのではなかろうか…うーん?
『硝煙の匂いが堪らないなぁ!』
(発言と同時にHVARが飛び出す)
HVARはロケットランチャーから飛び出すと…先頭の鋼玉を穿き、二番手の構造体の真ん中で炸裂した。
「戦闘終了!コルセア、見事な指示だった。インベーダー、よく曲がり角の先のマチルダに気付けたな。ヘルキャット、裏取りお見事。マチルダ、よく耐えた。部隊の盾役者だな。さて、アレクト、バレンタイン…空回りしすぎだ。相手の動きが早いからと言って止まってたらやられるぞ。動け動け。」
流石に突然、想定外の敵がポップするのは…ちょっと…インベーダーが派手に鋼玉を撃ち抜いたあと地獄猫から通信が入りバレンタインとアレクトを倒したとの連絡が入ってPIATを構えて待つマチルダⅡさんと応戦、PIATの装填中に拘束しました。VR訓練とはいえダメージはお互い負いたくないですから。
「第二ラウンドは…心理テストです。まあ気楽に受けてください。ルールを説明します…」
ルールは各陣営に分かれ、星屑連邦側にはT1-D6仕様のM6さんを追加、白薔薇側にはスピットファイアさんを追加して互いに4人となります。さて、この8人の中に1人、偽物が紛れ込んでいます。その人を見つけ出しリーダーを決め、偽物を発見してください。なおリーダーが偽物の可能性もありますのでご注意ください…らしい。
次回に続く。
さて今回も無事、投稿できたわけですが…投稿速度がより遅くなる可能性が高いです。まあ気にする人なんていないと思いますが…
というのもプライベートが少しずつコロナ騒ぎが落ち着いてきた関係で忙しくなってきまして…アッシュアームズを起動してシナリオを進める時間も体力もかなり掠められるようになってきたんですね…(睡眠時間約3時間)週一の休みに書き進めるつもりではあるのですが…まあ模擬戦(と言う名の代理人の人間不信から来るゲーム)編は続きますし、シナリオにもまた関わっていこうかなと思います。
もし気になる事や質問があれば感想欄へどうぞ。コラボ…は雲泥の差(もちろんこちらが泥)過ぎて手が出せないのでもし手を引っ張ってくれる人が…それこそ「やってもいいよ」という人がいらっしゃったらご連絡を…
では今回もここまで読んで下さりありがとうございました。
失礼します。
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グラスノスチ第一弾
常識が通用しない作者の話を聞きたくない人はどうかお戻りください。
それでも見ようと思う人はどうぞお進みください。
細かい設定の一部公開
・代理人(別名…ラーテ、ニューマーコーニオシス)
飛行船の墜落現場で発見された正体不明のDOOL。
「通路−TRADIS−」にはデータが載っておらず義体の交換を兼ねて記録されたが色々とわかっていないことが多い。
身長は義体交換後にメシアを頭一つ分超える程度になる。よってロリっ娘属性は無くなる。キョウイ等は本人に聞いてください。多分殴られます。
今のところ殆どのARMSと適合することがわかっている。慣らし(調整)の時間も10分から15分程度で終了してしまう程短い。ただし装着したARMSを変性させてしまう為専用機(部品互換性無し)になる。変性する原因はわかっていない。
今のところマウス(Ⅷ号戦車)と相部屋であり二段ベッドは下で寝る派。
別名の1つであるラーテはこのDOLLに最もフイットした専用のARMSの名前が由来である。そしてもう一つの別名、ニューマーコーニオシスはこのDOLLが発見時、咳き込んでいた姿を見てマウスが塵肺症患者のようだと発言した為。最近は咳き込んでいない。
・Ⅷ号戦車 マウス
飛行船の墜落現場で代理人を発見した第一発見者の戦車型DOLLS。
身体は基本的なマウスの本体と同じ。1両編成。
マウスのARMSにのみ適合する。慣らしにはかなりの時間がかかった。
今のところ代理人(ラーテ)と相部屋。二段ベッドは上で寝る派。
可愛い。
・Hs129B-3
A-26Bよりは前にやってきた攻撃機型DOLLS。「枝変わり機」(※1)と呼ばれる不良品群の1機。
本来は制服の胸の上の部分にスリットが入っているが防御力が強化された影響か塞がれている。本来は8.8cm砲を搭載するがARMSの変質により10.5cm砲を搭載するに至った。
可愛いと思う。
・M6A2E1
最古参の戦車型DOLLS。初登場は時を遡り、グレーテルの訓練生時代にまで戻る。同型のDOLLSが傷だらけ、ARMSも失った状態で血まみれの訓練生用バイザーと認識タグを持って帰ってきた記録がある。
少し前まで隠居状態だったが最近は周回の時にしばしば出撃している。セリフが可愛い。
・F4U-4 コルセア
それなりに設立からあまり立ってない頃入ってきた戦闘機型DOLLS。枝変わりであり、オリジナルのF4Uとは性格が大きく異なっていて厨二病設定の無い真面目な少女のようである。(厨二病だろうと、そうでなかろうと真面目な人は真面目な人である)
眼帯をしておらず、スカートのドクロマークも消えている。6体で1ユニットを構成していて意識は共有されている模様。
普段は代理人の副官をしている。可愛い。
・A-26B インベーダー
最近入ってきた攻撃機型DOLLS。こちらも枝変わり機で戦闘狂の部分が少し抑えられ座学をきちんと受けるようになった上に装甲がかなり強化された…が出撃コストが倍増した。それでも可愛い。
・メシア
DOLLSではなく灰燼教会から送られてきた世話役の者。F4U-4の出撃中や仕事が多すぎるときに補助をしている。
ラーテといる時、時々顔が赤いが本人は風邪を引いただけだと主張している。真偽は不明。(確かに発熱と軽い咳の症状が診られる)
メシアというと救世主という意味を持つらしいが…あと可愛い(と作者は思っている)
・グレーテル
ラーテの上司。上司であるということは代理人は複数存在すると考えられる…?
ラーテより背が低い。最近ストレスで痩せた。
訓練生時代にある先輩が「戦死」したのがトラウマ。(作者は思っている…可愛いと。)
※1
枝変わり機…不良品群。全く持って不良ではないし、更には色々と強化されているが「製品」としては不良品である。
まだ続きます。
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グレーテルと代理人の関係(第一案)
こう…他の代理人さんの作品を読んでるとすげぇ…(語彙消失)ってなったりするんですけどそういった作品に私の作品は近づかないんですよね…作者の味を出しながら…うーん…
グレーテルと代理人
「代理人、一つ質問がある。」
「はい、なんでしょうか?」
「お前は私の先輩か?」
「はい?なんのことです?」
「とぼけないでください。先輩、探しましたよ?」
とても陰険な空気です…入りづらいです…書類を渡さないといけないのですが…
どうもコルセアです。インベーダー(相部屋の元戦闘狂)に報告書の提出を頼まれたので自分の報告書もついでに出そうと思ってきたのですが…
「なにが何だか…」
引き返そうかと思ったとき、なぜか部隊最古参のM6A2E1の顔が浮かびました。きっと彼女ならなんとかしてくれるそう思ったのですが…
「へぇ…本人たちの問題だからその…様子見しとこう?ね?」
と返ってきた。
必死で記録を辿る。開始コドンがこれで…メチオニン、グリシン…DNAの塩基配列を決定している場合ではない。グレーテル…うーん…?お?………思い出したも何も、「覚えている」んだから当然か。どう逃げるか?
私はグレーテルの「元」先輩である…らしい。というのも先輩であった代理人の記憶はある。だが困った事に…
『グレーテル、バイザーを持って帰ったM6A2E1の行方を知っているか?』
「M6A2E1…あのDOLLSなら…確か…」
端末で検索しているようだが見つからないはずだ。あの娘は隠した。見つからないように。もちろん物理的に隠すことはできないだから…
「これで良かったんですか?代理人さん。」
状況は今から数年前に戻る。
火山地域A区域外 10:12:34
「代理人さん、足が…」
『自切しようか?それとも君がやる?ナイフはここにあるよ。』
「あ…あ…ああ…どうしたら…」
『うーん…そうだね…M6A2E1、指揮官権限で最後の命令を下す。よく聞け。』
「はい…」
『まず、周囲の安全の確保を最優先してくれ。その次に私を…』
「安全の確保…そして?」
『撃て。』
「撃つ…はい!?」
『いいから安全を確保したら私を撃て。殺せ。指揮官権限ならストッパーを解除できる。』
「でも、それだと…」
『君のARMSには録音機能がある。戦果確認のために録画機能とセットになってるんだ。壊れてしまえばそれで終わりだがね。戦線は後輩に任せる。ロートルは退任だ。』
「…周囲のスキャンが終わりました。代理人…本当に帰らないんですか?後輩さんも…」
『あいつは強い。逞しく生きるだろうよ。さあ、殺れ。』
「…撃てません…撃てません!」
『…そうか。すまない。』
指揮官権限を弄くり、ハッキング、命令を書き換える。
『目の前にいる代理人』を殺せと。
「嫌です…従いたくないです…」
そう言いながらも砲は上がる。どうせ生きて帰っても何も無いから選んだ死。それは利己的な行動だったと言えるだろう。
『命は落としたけどM6、君は生きてるし、意識もある。歩けるか?』
「歩けますけど…ARMSに頼らない移動は久しぶりですね。」
『敵に見つかったらそのバイザーを装着してくれ。気休めだが逃げやすくなる。』
「基地が見えてきました…代理人さん…代理人さん?」
『ん?実体ないからなあんまり話しかけないほうがいいと思ってたんだが…』
「後輩さんにはなんて言えば良いんですか?」
『まあ戦闘時行方不明とでも言っとけ。』
そして状況は現在に戻る。
「先輩、心配したんですよ?」
『ちょっと何を言ってるのかワカラナイナ』
うーん…グレーテルは少し思い違いをしているんだろう。私は先輩ではない。たまたま見つかったDOLLSに過ぎない。死ぬ前に意識をアップロードしたどこにでもいる代理人に過ぎないんだ。
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模擬戦続きの続き
↑前回
『で、集まったわけだけど…』
「なんで自分がリーダーなのかって?」
『ええ。なんで私が?』
「一番まとめ役に適任だと思ったから。この部隊は設立から数週間だけど副官として一番代理人に近かったのはコルセアだし。」
『そういうインベーダーも近かったでしょ?それに私は偽物かもしれないんだよ?』
「私は信じるよ。私、インベーダーはコルセアを信じる。他のみんなは?」
「うーん、もっとこう…ワ」
『何でもかんでもワイルドに行こうとは言わせませんよ?』
「ちぇー…信じる。」
『重戦車の方のM6は?』
「賛成…かな。ただ、水を指すようだけど…偽物ってどうやって見分けたらいいんでしょうか…」
『確かに。普段と違う行動とか…?』
「でも私達、」
『「「「一緒に行動して(ない/ません/ねぇ/た覚えが無い)」」」』
『うーん…白薔薇側に居る可能性もあるんでしょう?』
「そうだ。白薔薇側はどうしてるんだろう。」
インベーダーが仮想空間(訓練場)内の部屋の扉を開けて出ていく。私達はそれに続いた。
一方…白薔薇側はというと…
『状況を確認しましょう。』
「まず、この中もしくは星屑側に一人、偽物が居ます。そしてこれをあと一時間で見つけ出さないといけません。」
バレンタインさんがいつも以上に落ち着いている。いや表現としては間違っているとは思うけど
『…明らかに不自然。』
「はい?どうかしました?」
『いえ、どこか不自然だなぁ…と。』
「どこがです?」
『いえ…あの…』
「新参者の私が言うのも何ですが…私はバレンタインが怪しいと思っています。」
『…なぜ?』
スピットファイアさんがバレンタインさんを疑っている。それを見てアレクトさんは黙っています…彼女は彼女で何か作戦を考えているのでしょうか…
『アレクトさんはどう思われます?』
「私は…バレンタインは怪しくないと思う。怪しく見えるのは最近ずっとこの調子だし多分…さっきの訓練で活躍できなかったから今度こそは活躍しようとしているからじゃないかな。」
『……ひとまずお茶に致しましょう。お茶を飲みながら考える時間はあるでしょう?』
星屑側、インベーダー??:??:??
私、インベーダーは一つ嘘をついた。私は星屑側に偽物(おそらくは代理人あたり)が紛れ込んでいると考えている。誰だかはわからないけれど…
「あら?インベーダーさんどうかしました?」
『いや、なんでもない。』
「そうですか。一緒に犯人見つけましょうね。」
『あ、ああ…』
本当に…コルセアは黒かもしれない。
『はあ…とても困ったな…』
「どうか…なさりました?」
コルセアがニッコリ顔で聞いてくる。さん付けは…まあ本物だとしてもしてきてたが…私はこいつが『ラ○ペル』だと確信した。
ラ○ペル…ペーパーマリオRPGに登場したとあるボス。変装が得意。
高貴な喋り方ができない…
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模擬戦終わり
ここはどこだ?
『うーん…そうだね…仮想空間の中にできた隠し部屋ってところかな。』
『…!』
『君と私は同じ。そうだろ?
『ゲームをしよう。君が勝ったらこの身体は返そう。今の君は私が預かっている。インベーダーが疑っているぞ?早く真犯人を探し出さないとなぁ…?』
『負けたら…負けたらどうなるんですか?』
『うーんそうだね…君が勝つまで戦うことにしよう。照準器に10秒捉えて狙い澄ましてから撃つこと。では時間が無いから始めるぞ。ARMSを用意する。付けてくれ。』
身体にARMSが装着される。
『では行こう。』
足元が割れて爆撃機の爆弾倉から落ちる爆弾のように私と…もう一人の私が落ちていく。こちら側が高度的に優位…武装は…20mmか。すぐには追いかけず様子を見る。急降下すると向こうも急降下するだろう。するともう一人の私がゆっくりと高度を上げてくる。ゆっくりと言ってもパワーはそれなりにあるからまあまあ短時間で同高度に追いついてくる。もちろん多少は速度が落ちるからそこが狙い目なんだけど…
『当たって!』
『おっとっと…危ないねー』
ひらりと180°右ロールで回避される。焦らず多少は速度がついたのでそのまま下に降り、低空域に移行する。海風が涼しい…仮想空間なのに。
『あんまり端に行かないでくれよー帰れなくなるぞー?処理落ちで。』
いつの間にか背後に着かれていた。おそらく少し考えていたときに狙われたのだろう。
『10,9,8,7,6,…』
速度がついているのを活かし鋭く宙返り…照準からは一旦離れたからカウントはやり直し。
『バレルロールでもする気かい?』
いいえ、普通のブレイクです。ブレイクして少々距離を取ると互いに旋回戦に移る。両者ともに翼面荷重はもともと低くなかった部類だからその特性はARMSにも引き継がれてどうしても旋回半径は大きくなりがち。でも旋回率はパワーでゴリ押ししていくから良好。そこから得られるのは…
『よく目が回らないね…F2G-2さんよ。』
F2G-2?F4U-4ではなくて?…気にしたってしょうがない。両者ともに回りすぎて失速する少し前まで来ている。高度も海面高度100m程度だ。
『宙返り…消えた!?』
そう。消えた。記憶に残るある
『10!9!8!7!6!…』
『ははは…私の負けだ。コルセア、持ってけ。』
もう一人の
『コルセア、お帰り。偽物は見つけた。
インベーダーが笑顔でそういう。そこの
「あーあー、結果発表をします。裏切り者の負けです。参りました…はぁ…インベーダーさん、あとで第二無線室に。」
空戦シーンは色々省いた上での最初と最後だけを書いたものだと思ってください。
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極東急行戦
極東急行01-00
Ⅲ号戦車は俺の嫁 様の
『Ⅲ号戦車ちゃんがかわいすぎて死にそうなんだが…』の『極東重鋼学連戦線』に救援として向かわせてもらいます。
(人生初のコラボの申込みをしました…コミュ障です…)
『インベーダー、仕事だ。コルセア、マウスと極東重鋼学連の救援に向かってくれ。』
要件を10秒程度で伝えるとこんな感じになる。
ことの発端は災獣が壁を破壊して乗り込んできたことだった。例をあまり見ない大軍勢が突入、現地で遅滞戦闘を行うも状況はどんどん悪化しているらしい。ある一人の代理人が仕事で出張していた際、遭遇し応戦しているが戦車型等陸上戦力の不足により苦戦を強いられているという。そこで設立間もない(DOOLS達はそうでもないが)この部隊も救援に向かうことに…これって他のところも仕掛けられたりしないんかな?まあいい。取り敢えず救援だ。
『途中までは私が連れて行こう。30分後出撃する。コルセアへの連絡も頼む。マウスには私から話を通す。』
出撃する人員をリストに纏めたものをインベーダーに渡す。
リストの内容
・Project C
黒十字帝国学連の飛行空母型DOOL。簡易式の移動式補給拠点として活動ができ、司令船と比較して投影面積が小さく速度も高いため少数の部隊の侵入、脱出支援や大規模な部隊の空中補給、制空権確保後であれば爆撃が可能。
特殊な事情によりARMSを装着するDOOLは後述のF2G-2に酷似している。
ARMSは完全に新型のもの。6基のエンジン(前側4発、後方外翼側2発)、異様な尾翼配置など謎が深まる仕様(絵が描けないためしばらくの間はご想像におまかせします)。
中身は…不明。単数なのは確定。
・F2G-2 スーパーコルセア
星屑連邦学連の戦闘機型DOLLS。F4Uシリーズの改良型で低空特効に磨きがかかっている。出力向上により素から高かった機動性がより高くなった。
見た目としては識別のためか制服が青緑色になった眼帯無しドクロマーク無しのF4U-1。6機仕様。
・A-26B インベーダー
星屑連邦学連の攻撃機型DOLLS。A-20ハボックの改良型…の筈なのだが…
頑丈なので対空砲火の中突入するような作戦にも参加できる。
見た目はあまり変化がない。A-20時代の制服を着ている。1機仕様。
・I-185
赤色十月同盟学連よ戦闘機型DOLLS。整備士として空中での補給と応急処置、飛行空母の護衛を担当する為に急遽引き抜かれた。3機仕様。
・Ⅷ号戦車 マウス
安定のまうまう。すばしっこいやつは相変わらず嫌い。でもゴキブリはあまり苦手ではない。
鈍重だが高火力で高耐久であり、インテリフレームによって30%の確率でダメージを半分程度まで軽減できるようになった。1機仕様
・代理人
説明不要。
第二無線室で唸る影が2つ。
『うーん…駄目?』
「駄目とは言わないが…お主も出るのだろう?」
マウスが唸る。異なる学連のDOLLSとの共闘の経験があるとはいえ違う部隊との共闘または支援は厳しいだろうか…
「お主は遺されるモノの気持ちを知っておるか?」
『いいえ。』
「そうじゃろうな。妾にもわからぬ。だが…そうだな…妾はお主に常勝を約束した。お主は妾に何を約束する?」
そんなハイライトが消えた目で見ないでくれ…セリフと行動が乖離しちゃうから…
『全員を生きて帰す。ダミーもできれば連れて帰りたいが…必ず本体は連れて帰る。勿論私もな。』
隣に座るマウスの頭を乱暴に撫でる。慎重に撫でるのは苦手だ。
「だーかーらー撫でるでない!」
「マウスさん行きますよ。時間が無いんですから。代理人ちょっといいですか?」
コルセアがドアをノックすることなく開けたという時点で少しやり過ぎたかなと人(形)生初の後悔をした。
『…我ながらやり過ぎました。』
これに関しては平謝りしかない。少しいじりすぎたと思う。
「あのーですね…別にそのことは構わないんです。」
「適性試験してないのになんでこんなにフイットするのかなと。それが気になりまして。」
『…少しデータを分けた、ただそれだけだよ。』
「データ…。」
『詳しくは飛行中に話す。出撃しないと。』
『基地上空でコルセアとインベーダー、モスカは待機。マウスを括り付けたら上がるから合流してくれ。』
滑走路で折りたたみ式主翼を広げるとパイロンが複数あるのが操作している側からも見える。一応、整備士としてI-185にも参加してもらう。突然のヘッドハンティングだから、まあ悪かったとは思う。うん。
ペーパープランの飛行空母に超バルバリア海賊、侵入者、おばあちゃんにドブネズミ…もう少し陸上戦力を割くべきだったか?いや、飛べなくなっちゃうか。
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極東急行01-01
無線「(前略)…生産していないからなぁ…」
へぇー…複数体居るこっちが珍しいのか?本人達には悪いが少し傍受させてもらう。情報を収集しないといけないからね。
「複数体居るところは少ないみたいですよ。代理人。」
『そうか…最悪、盾にならないとな。まあ死なないように、だが。』
飛行時間およそ10分。もうそろそろ極東重鋼学連管区の上空に到達する。もう既に天国が扉を開けて待っているのか、棚田らしき田畑の上を芥子粒程のピンク色の点が飛び回っているのが見える。まだ誰も天国にくれてやる気はないのだが。
『お転婆娘達、まだ生きてるか?』
「こちらインベーダー、お転婆娘とは何だお転婆娘とは。」
「こちらコルセア。同じく。」
「こちらマウス、もう着くのか?」
『ははは。気を少しでも和ませようとしたんだが…逆効果だったか?まあ聞いてくれ。もうそろそろ降りる時間だ。インベーダーとコルセアは降下準備を。マウスは…あと1分で降下予定地点だ降下準備。』
前線が後退して6km先に共生種、主要道路に多数の防衛種を確認…ねぇ…蹴り散らかしますか。そして…私は更に深く情報を手に入れてあちらも無事帰る。Win-Winだね。
『3本線隊降下!Go!Go!Go!』
「3本線降下する。モスカさん、頼みますよ。」
「こちらも降下する。一番良い弾薬を用意しておいてくれ。」
『3本線』のコルセア6機が左翼と胴体から離脱する。そしてバランスを取るように『3本線』のインベーダーも右翼から離脱した。(胴体…目の前やや下。流石にスカートの中は見えない上からだもの。下からは…(殴)
3本線というのはARMSの右翼(進行方向的)に引かれた白線の数でとあるゲームでは『罪線』とか呼ばれてたけどここでは違う。この線が入った機体には無闇に近づくなという警告のためのマークである。我々は監視されている。一挙手一投足見られている。そりゃそうだ。飛行船の墜落現場で見つかったDOLLの指揮下にあるDOLLS?何者だ?というわけで怪しい行動を取ればそれなりの
『マウス、降下!ご武運を!』
「夕飯前には帰る!」
マウスがパラシュートを開いて降下する。さて、仕事しますかね。帽子のつばに隠したバイザーを下ろし起動して指揮下の部隊に指示を出す。
『応援があと10分程度で到着するらしい。
いくら無能な指揮官でも居ないよりはマシなことがある。それが今の状況。DOLLSはおそらく指揮官が居ることによって、効率的な戦闘行動が取れるようになると思われる。つまりは私のような天災(×天才)的な代理人でも居るだけマシってことだ。たとえ自由行動だけを命じたとしても。
なぜマウスに関しては放任主義みたいな事を言ってるのかと聞かれそうな気がするが正直言ってこちら側で縛るより、戦力として必要としているところで戦場に居る指揮官の指揮下の方があの娘は伸びると思う。何が言いたいのかって?空対空に専念させておくれ…
おまけ
ダムラーベルツ学院製
1.所属とARMSの名前(零戦二一型なら「零戦二一型」が該当)を無線または発光信号等で通告します。
2.左翼、右翼、胴体のうち、誘導を受けた方に向かいます。
3.ハードポイントに装着されているレールから出たハンドルを掴みます。
4.
整備途中なう。
こちら側の戦力は自重しなさ過ぎて残すべき人員が足りなくなっている可能性があります…がそんなかと知ったことではないのです。代理人の代理人なら居るし(意味深)
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極東急行01-01A 開始
どうも、
「これはこれは
『…?…あ。初めまして、
私が彼女の覚えているコルセア(F4U-1D等)ではないことを説明する。
「と言うことは
『ええ。』
ざっと見た感じあの
さて、お仕事の時間だ。コルちゃん張り切っちゃうぞー…てね。
「コルセア…お前…そんな奴だったのか…」
『何で聞こえてるんですかー!』
「あれ?説明してなかったっけ?データリンクで…あと、あの零戦、あちら側っぽいよ?」
そうでしたね…え?
震電にはコブラ(※1)を接触して伝授、雷電には代理人から預かっていた修理キットを渡す。簡易的な処置ならこれで十分らしい。紫電とか紫電改とか烈風とか
「戦闘が終わったら探ってみる。」
『独り言まで読まないでー!』
所とDOOLが変わって…
「
「DOLLSとはいえもともと188tはあった戦車が降下できるのか…それに…あれか、増援の戦闘機型DOLLSって…おんなじDOLLSが何体もいるのを見るのは初めてだな…単体運用してるのは珍しいのかな?傍受でもされてたら相手もおんなじこと思ってそうだなぁ」
はい、今、補給に来たDOOLS達にひたすら驚かれて困っております(汗)。まあ普段、空を滑空することの無い戦車が、それも
「代理人殿、例の女性からです。」
あら?私、例の女性なんて呼ばれてるんだね。うーん…参ったな…タネ明かしできないじゃないか…今のうちに一人称を僕に変えておくか?
「私、の方が代理人らしくていいと思いますが?」
『うーん…』
ヘッドセットのマイクの電源を入れる。
『こちら側のⅧ号戦車 マウスの指揮権を一時的に受け持ってください。』
「何?」
「『マウスをそちらの指揮下に置いてくれ』だそうです」
「こちらからも『スツーカ以外の航空機型DOLLSをそちらの指揮下に置いてくれ』と、伝えておいてくれ。」
「わかりました、こちら地上前線指揮車、そちらの代理人殿に…」
『無線は迂回しなくても通じてますよ、と。チャンネルは合わさってないようだけどね。』
「増援、到着したそうです」
「スツーカ以外の飛行型DOLLSはニューマコーニオシスさんの指揮下に入るように、戦車、火砲型、駆逐戦車型DOLLSはこっちの指揮に入るように、いま前線に出ているDOLLSは増援が来た後に補給に戻るように」
少し時間が経って…
「…了解しました。マウスはこちらで自由に運用していいんですね?わかりました。それと…さっきもお伝えしましたがスツーカ以外の航空機型DOLLSの指揮をお願いしてもよろしいですか?ニューマコーニオシスさん」
『了解です。わざわざすいません。』
「代理人殿、Ⅲ号戦車や九五式軽戦車が補給についたそうです」
「…すいません、少し通信を変わります。こっちの大切な人DOLLSが基地に帰って来たそうなので…すいません。航空機型DOLLSの運用は…ありがとうございます。こっちの子たちはお願いします。大切な仲間なので…」
『ええ。』
必ず『生きて』帰しましょう。
「Ⅲ号戦車ちゃんが帰って来たって本当か!無事なのか!」
Ⅲ号ちゃんじゃなくてⅢ号戦車ちゃんと読んでるのか…へぇー…噂には聞いてたけど…
「代理人殿、落ち着いてください!Ⅲ号戦車があなたの一番大切な人DOLLSなのは知っていますから落ち着いてください!きちんと無事なのは確認していますから!あなたの話で、好きなのは知っていますから!落ち着いて!」
「な、なにぃ!俺、そんなにⅢ号戦車ちゃんのこと言ってたりしてたか!?…あっ…」
「ど、どうしました?」
「やっべ、通信切り忘れてた…」
大丈夫ですよ。これ、ここにいる全員(補給にやってきたDOOLS達を含む航空部隊)に聞こえてますから。(さらっと鬼畜なことを言う代理人のクズ)
※1
代理人から見せてもらったデータにあった機動の1つ。失速寸前のところで水平飛行し、機首を持ち上げ、機首を持ち上げながら水平飛行し、敵をオーバーシュートさせて機首を戻すという機動。DOOLSがやるときは少し容易になる。なお私達の
確かに擦り合わせにくいですね。
(それが楽しくもある)
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戦力情報の整理
地上編→https://syosetu.org/novel/221891/23.html
航空機編→https://syosetu.org/novel/221891/24.html
一旦の整理
戦力情報の整理(何度目?)
・Ⅲ号戦車M型
7.5cmKwK37L/24装備の中戦車。正直言って、よくターレットリング小さいのに押し込んだなと思う。(byラーテ)
・Ⅳ号戦車J型
7.5cmKwK40L/48装備の中戦車。かつての大戦では支援戦車の筈がいつの間にか主力中戦車に…
支援に来た部隊にいる中戦車らしい。(byラーテ)
・VK1602 レオパルド
30mmMK103装備。増援部隊にいる軽戦車型DOLLSらしい。記憶にない子。(byマウス)
・セモヴェンテM43
75mm75/40装備。増援部隊にいる駆逐戦車型DOLLS。老成された優しさを持つ娘。(byマウス)
・ナースホルン
88mm Pak43装備。増援部隊にいる重火砲型DOLLS。初めて見た。(byラーテ)
・ヘッツァー
75mmPak39/48装備。増援部隊にいる駆逐戦車型DOLLS。上に同じ。(byラーテ)
・Ⅷ号戦車「マウス」
55口径12.8cmKwK44戦車砲装備。私の(一応)姉。(妹にしか見えない。)落下傘降下訓練を受けている。(byラーテ)
・パンター指揮戦車(Sd.Kfz.267)
70口径75mmKwK42L/70装備。代理人(Ⅲ号戦車好き)が乗っている車両。どうやって持ってきたんだろう?(byマウス)
・Ⅴ号戦車パンターD型(Sd.Kfz.171)
7.5cmKwK42L/70装備の通常車両。3両が、DOLLS援護のために戦闘に参加している。(byラーテ)
・Ⅳ号戦車H型(Sd.Kfz.161/2)
7.5cmKwK40L/48装備。通常車両が5両参加している。(byマウス)
・M24チャーフィー
40口径75mm戦車砲M6装備。スターダストユニオンからの供与DOLLSらしい。(byコルセア)
・M8A1
M2/M3 75mm榴弾砲装備の駆逐戦車。(byコルセア)
・九五式軽戦車「ハ号」北満型
九八式三十七粍戦車砲装備。細かい起伏が多い地形に対応するため、転輪の間に小型の転輪を装備している仕様。(byラーテ)
・61式戦車
61式52口径90mmライフル砲装備。M4A3E8が、STA-1を経て変性した姿。少し悪いことをしたと思う。(byラーテ)
・ルノー甲型戦車
ピュトーSA1821口径37mm戦車砲装備。別名Type79Ko-Gataだとか。基は王立白薔薇。(byラーテ)
・八九式中戦車乙型「イ号」
九〇式五糎七戦車砲装備。極東重鋼学連が初めてまともに生産できたDOLLSのようだ。性格は勇敢。まあ、性能は…低い。始祖だから。(byラーテ)
・試製九八式中戦車「チホ」
試製47mm戦車砲装備。極東重鋼学連が生産したDOLLS。DOLLS自身が安定していないため、本来戦闘に参加できるものではない。(byラーテ)
・零式艦上戦闘機 二一型 (Zeek)
九九式二号機関砲(機関銃じゃなくて?)を2挺装備。極東重鋼学連で比較的初期に開発された軽戦闘機型DOLLS。武士に恋い焦がれているDOLLSで、刀を使うDOLLS。(byコルセア)
・試製震電
九九式二号二十粍機関砲装備。極東重鋼学連製の、軽戦闘機型DOLLS。零戦などと一緒に戦闘を行っている。(byラーテ)
・雷電一一型
九九式二号二十粍機関砲装備。極東重鋼学連製の、軽戦闘機型DOLLS。零戦などと一緒に戦闘を行っている。(byラーテ)
・ハリケーンMk.V Mk.Ⅹ型仕様
イスパノMk.Ⅲを4挺装備。王立白薔薇学連製、軽戦闘機型DOLLS。ARMSのエンジンが適合してない。(byコルセア)
・ランカスターMk.Ⅲ トールボーイ装備可能改造仕様
7.62mmM1919機関銃を8挺装備。王立白薔薇学連製の、重爆撃機型DOLLS。私の天敵にふさわしい存在。(byラーテ)
・スピットファイアMk.IX
イスパノ機関砲を2挺装備。王立白薔薇学連製の軽戦闘機型DOLLS。王立白薔薇学連の闇が…というのはどうも冗談らしい。本当かな?(byラーテ)
・Ju87G スツーカG型
3.7cm対戦車砲を2基装備。極めて攻撃性が高く、運悪く見つかった災獣にとっては死の天使だろう。(byコルセア)
・Project C
4連ミサイルランチャーを2基装備。(撃てないかも)
ダムラー·ベルツ製の航空空母。コルセアが制御しているように見えるがあれでも中身は私。(byラーテ)
・F2G-2 スーパーコルセア
20mm機関砲を4挺装備した星屑連邦学連の戦闘機型DOLLS。F4Uシリーズの改良型で低空特効に磨きがかかっている。編成数は6+1機(?)。(byラーテ)
·A-26B インベーダー
12.7mm機関銃を14挺装備した星屑連邦学連の攻撃機型DOLLS。A-20ハボックの改良型。編成数は1機のみ。(byラーテ)
I-185(DOLLS)
赤色十月同盟学連の戦闘機型DOLLS。編成数は3機。今回はほぼ非武装。(byラーテ)
追加情報(指揮官)
・代理人(Ⅲ号戦車ちゃん好き)(♂)
無線が繋がっているのに愛を叫ぶという、男らしいが公然とやらかしたことに変わりはない代理人。記憶を失っているもう一人の代理人(≒ラーテかも?)に興味を持っているようだ。(by????)
・代理人(ニューマコーニオシス)(♀?)
DOLLS。代理人を勤めている。今のところの専用ARMSは黒十字帝国学連側が用意したP1000ラーテとハッキングして入手したProject C。凄く温和。基本怒らない。聞かれたくないことを聞かれると、カービン銃を笑顔で向けてくるが冷静に観察すると弾薬が入っていなかったりする。時々、私の格好をしているがそっくり過ぎて自分もわからなくなる。(byコルセア)
うーん…オーバーキル?
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極東急行01-01A 戦闘中-1
「あなたが
『そうだ。お主が地上部隊の代理人か?』
「あぁ、その通りだ。よろしく頼む」
『うむ、よろしく頼む』
「まあ、それはそれとして…こっちも無線傍受して良いかな?傍受は続けてていいからさぁ」
構いませんよ。邪魔をするのなら代理人そのものを排除しますが。私、
「代理人さん!無事ですか!」
ほー…元気一杯じゃな。可愛い子には旅をさせよとはこの事か…
「あぁ、無事だ!もうつくのか?」
「はい。もうつきます!」
「わかった。しっかりやっつけてくれ!」
「Jawohl!」
電撃戦です、とか言わなくなったねぇ…
「パンツァーファウスト貸して」
車長席に居た代理人が装填手に対戦車火器を借りたようだ。
「うーんと…そこだ!」
(発射音)
ビームを撃とうとしていた災獣に向かってパンツァーファウストの弾頭が飛んでいく。こんなに遅かったかのう?
(爆発音)
着弾確認。きれいに吹き飛ばしたね。さすがね、XXXXX。…ニューマ?何言ってるの?
「あのときもこうやって災獣を倒したっけ…」
思わず驚いた顔で代理人を見る。多分この顔は勘違いしてそうだな。私は君に驚いてるんじゃない。君と妹の関係性に疑問を抱いているのだよ。
「こちらコマンダー22、ノルマンディー424、ノルマンディー401、バルバロッサ221は俺の車両と一緒にDOLLSの援護を…コールサインで呼ぶのめんどいなぁ…残りのⅣ号はパンター部隊より後ろから援護を行うように、以上。DOLLSには到着してから命令を出す」
…ニューマ、後で話がある。大事な話だ。いや、我慢できない。代理人が指示を出しているようだが私の名前は無いようだから今のうちに。
『ニューマ、お主は何者じゃ?』
「ニューマ、お主は何者じゃ?」
小声で囁かれた言葉は補給作戦を実行中の私に少しだけダメージを与えた。私は何者か。…今のところの真実を言ったらマウスは、コルセアは、インベーダーは…わからないが離れていくだろう。みんな散り散りになる。それは嫌だ。だから私は誤魔化すしかない。
『私は…私は…私は貴女の妹です…』
そうとしか答えようがない。でも何故私が触れたARMSが変質するのかの説明はつかない。説明がつく仮説もあるが、もしそれが真実だとしたら私は姉や部下たちとは一緒に居られない。
「そんなことはわかっておる。お主は、何者じゃ?」
『私は…』
「………」
言葉に詰まる。真実を告げてすぐにでも消え去るべきか。それとも騙し続けるか。とても長い時間(3秒。戦闘中なら死んでる。)考えた。考えた結果、マウスにだけ告げることにする。嘲笑ってくれ姉さん。この愚かな妹を。
『私は…〇〇〇〇なの。』
「………」
沈黙が怖い。姉さん、どうか殺して。
「…そうか。そうだったのか…道理で。」
心中も考えた。こういう時ほど心理状態は可笑しくなる。
「…今更、何馬鹿なことで悩んでおる痴れ者が。そんなこと黙らずに話せ。普段の傍若無人で振り回してくる妹以外妾は妹と認めん。」
え?えーと?
「ニューマ、一つだけ言っておく。お主が何であれ妾は付いていく。行き先が災獣の巣だろうと、最終的には辿り着くであろう溶鉱炉だろうと。だからそんなしょうもない事で心配するな。」
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極東急行01-01A 戦闘中-2
『代理人、少し暴れまわってくる。』
「え?ちょっと!?」
『悪いね。』
味方戦車をスラロームで避けて災獣に文字通り突っ込んでいく。
(レーザーが発射される音)
(着弾する音)
『…その程度か?28cmの方が痛いぞ?お返しだ。道路で寝てろ。』
体当りして踏み潰す。
一方…上空では…
『こちら
「こちらマウス、戦況は上々。」
『そうか。』
「中型の遊猟種を共同で2体始末しましたよ。」
『それはありがたい。…自走対空砲は居らぬのか?タセとか…粘着されてうざったいのだが…』
「代理人とⅢ号ってもう
「私はもうやったに一杯賭ける。」
『楽しそうじゃないか。私の翼の下で本来の指揮官いじりか?』
「げっ…」
『聞こえてないといいねー。直通だけど。』
「あ、あの、代理人さん!あの、これは…その…」
補給が終わったDOOLSを離し、補給待ちのDOLLSに指示を出す。声帯が機能せず発声機能の無いDOLLSにはライトを持たせて発光信号を打たせる。
ころころ場が変わって…
『元は人間か…』
妹の告白はとても嘘臭かったが今はそれを信用するしかない。それしかないのだから。別に本当は
『おとなしく潰されろ!』
脚の下、履帯の下で
「模擬戦しよ?」
最初は何を言っているんだと思った。身体を慣らすのに普通は時間がかかる。いきなりしっくり来ることはまずあり得ない。でも、このDOLLだけは違った。
『構わぬが…負けても泣くなよ?』
「わーありがとー!」
少しだけ私に似た代理人が笑顔で言う。
『本当にハンデ無しで構わぬのだな?』
「ええ。」
『じゃあ始めるぞ…よーい…』
7.5cm砲を実包を装填して合図代わりに撃つ。多分効かないだろうけれど。
「うわっ危ない!」
砲弾がゆっくりと緩いカーブを描いて飛んでいく。その先には代理人。飛んでいった砲弾は…
(跳弾音)
装甲に当たって跳ね返った。
『まあ…そうか。』
「いくよー、28cm、8.8cm、5.0cmを照準。目標、硬目標。距離300。照準完了。」
『遅い!』
(12.8cmの発砲音)
12.8cmを撃つ。これでも陸上型としては自走砲たちを抑えて最高火力をマークしたことがあるのだ。12.8cm弾は代理人のARMSの主砲に当たるがびくともしない。連射しても傷1つつかない。ということは…
『うちーかたーはーじめ。』
(複数の発砲音)
無数の砲弾が飛んでくる。あ、終わったなと思った、が…
『無傷…』
「だねぇ…」
これじゃ模擬戦にならないじゃないか…という事があった。
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極東急行01-01A 戦闘中-3(夜戦)
https://syosetu.org/novel/221891/26.html
「二次大戦のときの記憶はある?」
『うーんそうだねぇ。全員分とは言わないけど…』
「ヤーパンのイ号の記憶は?」
『うっすら。』
どうも代理人です。どうも地上代理人が倒れたそうで作戦の延期が通告されました…がそれでも敵はやってくるので(イージーモードではない)夜間でも応戦しています。
「弾薬はまだあるか!」
「あと一回交戦したら切れます!」
『補給に来い!』
「了解!」
『ハリファックス…じゃなくてランカスター、持ってけ!』
「確かに受け取ったわ。」
グランドスラムを持っていったところで吹き飛ばす対象はないはずなので取り敢えず通常弾を渡す。徹夜確定なのはわかっているので暇の出来た機体には休息を摂ってもらう。コルセア、そっちはどうだ?
「全員無傷です。現在2機一組で哨戒しています。」
『了解。』
『マウスは?』
「順調順調。こっちは任せてくれ。」
(石が割れる音複数)
「代理人、あれを見てください!」
…うーん…あれは………不味いぞ不味いぞ…
『全航空部隊に通告、黄昏石の出現を確認。』
寝る暇はあろうか…いや、無い。
『コルセア、機関砲を持ってけ。』
「了解。」
『インベーダー、居るか?』
「ん?どした?」
『レーダーを展開、他に奴らが居ないか見てくれ。見るだけでいい。危険そうなら逃げろ。』
「了解。」
今夜は眠れなさそうだ。(舌打ち)報復の一撃…報復…報復?そうか報復兵器があるじゃないか。
『予測地点はここ…コルセア、誘導可能か?』
「可能です。」
『今から言う地点に連れてきてくれ。座標は…』
極力、避難が終わった区域に連れて行く必要がある。岩石が降ってくるのだから。
「誘導中です。」
『了解。
『エキドナの一撃、とくとご覧あれ!』
翼の下のハードポイントに出現したV-1(Fi-103)は簡易的な航法装置を取り付けられ…
(パルスエンジンが始動、駆動する音)
発射。着弾予想時刻まであと180秒。
飛行進路と飛行高度を維持、着弾予想位置まで自力飛行、直撃信管で炸裂させる予定。
一応もう一発撃てるようにする。
あと120秒。とても着弾予想時刻が待ち遠しい。
あと100秒。たった20秒が、1時間に感じる。
「…昔の記憶を見てた」
「記憶を、ですか…?」
「そう。広い田んぼとか、子供の頃にいった大きなアーケード。それと…八九式中戦車のコアの元、人格を作る元になった人に…であったんだと…思う。きちんと覚えてないけれど…」
「どういうことです?出会ったって、誰にです?」
「さあねぇ実際にであった訳じゃなくて、その人の像を見たってだけだし…」
「昔の文献をあったてみればわかると思う、公式、第1号の軍神の人物だ」
極東のそれも過去の姿、あの噂の新人がやってきたという国…日本。極東重鋼学連のインターネットに無断で侵入、データを漁り発見。
『西住…西住小次郎…ほほう…道理で。』
ということは…この作戦に参加したのは正解だったと言えよう。我々は1つ違う解釈をしてしまっていたのかもしれない。この世界を。RNAは忙しいらしい。
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極東急行01-01A 戦闘中-4(夜戦)
https://syosetu.org/novel/221891/27.html
25回引いたらなんか、
バラライカさん出た。
(元ネタを知らない代理人)
「…西住小次郎大尉…ですか」
「そう、昔、あの人の像を見たことがあるんだ。子供の時かな、像の台座の上に戦車の模型が置いてあったのを覚えてる」
「そうなんですか…」
「極東重鋼学連の戦車型DOLLSを見る度に、自分の記憶が少しずつ戻っていいってるみたいなんだ」
「
「えっ…どういうこと?」
「だって二人とも…」
「ふあぁぁー…ここは…どこですか?」
「さ、Ⅲ号戦車ちゃん!起きたんだね」
「…」
「……」
「今夜はお楽しみだったみたいですね」
「な、何言ってんだよ!////」
『あれ?どこ行った…グランドスラム…グランドスラム…』
(あっ、補給品が!あーれー…ま、いっか。→超重低音の爆発音)
「何だ!何があった!」
「履帯がぁー!俺の戦車の履帯がぁー!」
『すいません、こっちの
「えっ!でも明かりとかついてましたし、誤爆されることはないと思うんですけど…」
『誤爆です』
「えっ、で『誤爆です』
「え『誤爆です』
「アッハイ誤爆デスネ」
いやーうん、驚いてうっかり『来たるべき時』に備えて翼に懸架していた補給用の
「何もしてないんだけどなぁ」
「どうやら陰口で『Ⅲ号戦車ちゃんと代理人ヤる関係になってる』って言われてるみたいだし…まだ告白すらしたことないのに…それにしてもあの反応は可愛かったなぁー」
(代理人自らグランドスラムを投げ、着弾…地中で爆発!)
「な、何があった!」
「また爆弾が降ってきたんだけど…」
「さっき履帯直したのに!」
「このままだと死ぬな…」
『やるのが悪いわよ。全く…なぜ手を出さない!せめて告白くらいしなさいよ!』
「え、そっち!?」(byコルセア)
「えっ…えええ…」(byその他)
『…記憶消す。お休み。』
隠し持っていた機能を少しだけ展開。ごめんなさいね。
『ウュニウソヲーリーとスーバカ所持クサンブウョビウユ児に置く沖のイタブウクウコ(逆再生すると記憶処理を指す)』
機能を使ったあとしまい込んで封印する。見せてはならない。
そしてちょっと時間が経って…
「まず一点突破だ。防衛種の陣地の一つを一点突破で攻略する。この時には航空部隊の支援を行ってもらう。
この作戦には足の速いⅢ号戦車ちゃんとレオパルド、チャーフィーが前に出て撹乱をしているうち(に)駆逐戦車型と自走砲型DOLLS、それと人が乗る戦車が支援をして、脆くなったところをマウスとⅣ号戦車で踏み潰す。これが第一フェイズのファル・ゲルプ(黄色作戦の意)。
次に第二フェイズ。そのまま奥にいる共生種(を)倒す。この時はマウスを盾にして、また駆逐戦車型と自走砲型DOLLSと人が乗る戦車で支援。軽戦車型と中戦車型DOLLSは周りにいると思われる小型の災獣を駆逐してもらう。航空部隊のDOLLSには共生種を狙うようにしてもらう。作戦名はファル・ロート(赤色作戦の意)。」
「いいんじゃないでしょうか?これを例の女性…ニューマコーニオシスさんに、送ればいいんですよね?」
「そう。誰でも思いつく作戦だけど、短時間で戦闘を終わらせるなら一点突破で本丸を一気にやるのが確実だし、まあ、大丈夫でしょ。
作戦開始時間は…明日のヒトフタマルマルで。上の人達寝てないだろうし、寝てから作戦を始めるならこのぐらいがいいだろう。時間も含めて空の奴らに伝えといてくれ通信手(君)」
「わかりました。代理人殿」
ほう…
『チャーリー、インベーダー、集合。増援部隊の皆さんも集合してください。』
『取り敢えず今日はお疲れ様でした。ハリケーンさん、スピットファイアさん見事でしたよ。二人で協力してスピットファイアに追いすがるハリケーンがバラす…感動しました。』
「当然よ。」
「ありがとうございます。」
『ランカスターさんも爆撃の精度が高くて本当に助かりました。補給が素早くできたのでローテーションが早く廻りました。』
「それほどの事でもないけど…ふふふ。嬉しいことを言ってくれるのね。」
『震電さん、もしよかったらこの戦闘のあと暫くしてまたお会いしたらウチの子たちに訓練相手をしてやってくれないですか?私に似て脳筋ばっかりなんです。』
試製震電が頷く。
『雷電さん、恐怖を感じられるようになるパッチを用意しましょうか?』
顔をゆっくりと振る。流石にまだ早いか。
『そうですか…ごめんなさいね。』
謝るなと手で制止しているとみなすことにする。
『零戦さん、格闘戦の腕はどこで磨いたんです?』
「それは…実戦だ。」
『…そうですよね。実戦に優る訓練なんて無いですもんね。』
『コルセア、インベーダー、お疲れ様。』
取り敢えず頭を撫でてやる。習慣化してしまったのだ。え?スツーカはどこへ行ったって?地上だよ地上。
『マウス、聞こえる?』
「うむ、感度良好。」
『お疲れ様。』
「お主もお疲れ様じゃ。」
『皆さん、ゆっくり休んでください。明日からまた忙しくなりますよ。』
『私は…少し残業がありますが。』
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極東急行01-01A 戦闘中-5
『落日』
時系列的にはイマココ
https://syosetu.org/novel/221891/28.html
(Ⅲ号戦車は俺の嫁氏の『Ⅲ号戦車ちゃんがかわいすぎて死にそうなんだが…』)
現在時刻、1150。作戦10分前。
「代理人くん、もう大丈夫なの?」
「ンぁ、スツーカか。あぁ、もう大丈夫だ。心配するほどじゃなかったし。疲れてただけさ」
「…嘘ついてるわね、代理人君。別に嘘をつかなくていいのよ?」
「ないを言ってるんだ?別に俺は嘘なんてついてないぞ?」
「…まあいいわ、何か嫌なことだったり邪魔なものがあったら教えてね。死刑にするから」
(心地良いエンジンの駆動音と共にJu-87Gが離陸。)
「それじゃあファル・ゲルプ作戦開始!」
現在時刻、1200。『作業』開始時間。
「まずは災獣共に空からの贈り物爆弾をくれてやってくれ!ニューマコーニオシスさん!」
『了解。V-1を切り離す。』
『これは家を失った人の分、そして傷ついた者の痛みだ!』
(ガコッという鈍い音を残してV-1が外れ、パルスジェットエンジンが駆動、聞き慣れた音と共に飛んでいく。)
『お釣りも受け取ってね!』
ついでで
「快速戦車部隊突撃!敵をかく乱しろ!」
「ヤヴォール!突撃します!」(Ⅲ号戦車)
「シャーー、敵、倒す」(レオパルド)
「任せてください!」(チャーフィー)
Ⅲ号戦車とレオパルド、チャーフィーが突撃している。機動力を活かした機動戦であり、航空と戦車、砲兵の精密な指揮が重要となる戦術だ。
「次!駆逐戦車型、自走砲型、それ以外のDOLLSと戦車部隊全車砲撃開始!味方に当てるなよ!」
どんどん災獣が消し飛んでいく。地上の連中は中々の腕のようだ。
「マウス、Ⅳ号、前へ!敵を吹き飛ばせ!」
「蹂躙してくれる!』
「距離を詰めます!」
二人のDOLLSが並んで突っ込んでいく。マウスが主に盾となり弾を受け、Ⅳ号が近寄ってきた災獣をねじ伏せる。防衛線を無理やり突破するのだろう。
「快速戦車部隊、敵の防衛線に穴を広げろ。それ以外はそこの援護を!」
快速戦車は歩兵の代わりなんだろうか?いずれにせよDOLLSは通常戦車よりは小さい。そういった戦術にも向くといえる。
「勝てますね、
「あぁ、そうだな通信手。だがまだ終わったわけじゃあない。まだ油断できるときじゃない」
「たしかにその通りですね、すいません」
「謝るところじゃない、仕事に集中してくれればいい」
「わかりました」
地上は楽そうで良いな。こっち側はというと…
『狙撃に気をつけろ!止まるな!』
ひたすら避けています。一番の的は私、
「目標下方、判決は…」
共生種が対空攻撃を地上そっちのけで行っているせいで近づけない…おい、避けろ!
地上攻撃に夢中になっていたのか
(ベキョン!という大きな音が左耳の近くで鳴り、機体が右側に傾く。)
左腕が熱い。振り返ると左翼が1/3を残して消滅、炎上。右翼で補給していたハリケーンは運良く無事脱出できたようだ。そして錐揉みするように私は地上へ堕ちていった。
戦略的価値を考えるとスツーカを犠牲にすれば良かったのですが、代理人は犠牲を出さない事を信念にしていました。きっとあやつも仲間を守れて良かったと思ってるでしょう。まだ逝かせませんが。
地上側へ連絡が行っていないのは無線機が故障したからだと考えています。
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極東急行01-02A
『プルトニウムダウン』
墜落地点
『いてて…酷い不時着だった。これじゃ初の被撃墜じゃないか。』
何とか錐揉みから脱出できたものの周囲の環境音から察するにかなり奥地に墜落したと思われた。
『ん?……隠れたほうが良さそうだな。』
全壊したARMSをパージして身軽になりたいところだが既存のものより機密情報が詰まったこのARMSをそのまま捨てるわけにはいかず爆破処分できそうなタイミングを探るしかなかった。
無線機は…使えない。落下の衝撃で故障したんだろう。もしくはジャミングか…いずれにせよ連絡は不可能。救援はあり得ないわけだ。うーむ…どうするか…
『取り敢えず武器でも作っておくか…うーんまずまずだな。』
このなんとなくで作った武器が後で作戦の成功不成功を左右するとはこの時思わなかった。
一方、作戦空域では…
『
代理人が撃墜された…ということは………指揮権は
『警戒を続けて!また飛んでくるかもしれない!』
代理人が落ちていったのはかなりの奥地。錐揉みから回復したものの水平飛行を続けざるを得ずに落ちていったのだろう。
「了解!」
「はは…もう一人の代理人さんが…私のせいで…ははは…」
『
「…何よ?」
『代理人が墜ちたのはお前のせいだ。』
「…わかってるわよ。」
『だから生きて帰れ。生産レーン上で説教されたくなかったらな。』
「……。ええ。」
戦闘狂全員に言えるわけではないし、馬鹿にするつもりは毛頭ないが、
『天使が踏むを恐れる場所へ愚者は飛び込む…らしいですね?それなら私達は愚者なのでしょう。代理人が一番の愚者でしたし。』
"Fool rush in where angels fear to tread"という言い回しがある。"Fool"は愚者、"tread"は踏む…この場合、天使は人間、愚者は私達だろう。
『
『代理人、ニューマが、
いつか狙われるとはわかっていた。前線よりは後ろに居たとはいえ被弾するリスクの高い兵種、いつかやられるかもしれないとは薄々感じていた。でも、心のどこかで無事作戦終了まで避け続けてくれると信じていた。
「な…それは本当か!?あの火球は
『今はチャーリー1が代理人代理として指揮を采っているようです。』
動揺は隠すもの。動揺が伝わればそこから伝播してしまう。再生できるからとはいえ泣くのは作戦が終わってからで良い。
場所が代わってまた墜落地点。
『あれは…あれが共生種か。』
共生種の姿がかろうじて残った建物の影から映る。今まで対空攻撃は確認されていなかったが今回、対空用の狙撃能力を得たらしい。手持ちの武器は
『あとはこの竹を炙って炭化させたナイフだけか…』
声に出さずに呟く。あの共生種をどうやって始末するか…頭の中はそれだけだった。
実はシュトゥーカって仲間の喪失とか結構気にするタイプなのでは…?(本来守るべき存在が…とか)
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極東急行01-03A 戦闘中-戦闘終了?
F-B?
今ここ?
https://syosetu.org/novel/221891/30.html
飛行空母視点…プルトニウム
止めだ止め。ARMSをパージすると貴重な試作機のデータが失われてしまう。邪魔にならない様に折りたたんでおこう。さて、行動開始。発煙筒は…あるね。黄色。たまたま信管を外していた
資料…この部隊での発煙信号表の一部
赤色…対地航空支援要請
青色…救助要請
黄色…砲兵隊による支援要請
V-1はエンジンを切って静かーに飛んでいけるようにする。距離は飛ばないけど時間稼ぎだから構わない。まあ来るかどうかすら怪しいが。
いざ投げようとした時、共生種が私の居る廃墟を見た。すぐには気づかれていないかもしれないがこれで行動はしにくくなってしまった。ちくせう。
…だがその程度でこの作戦を取りやめるわけには行かない。最悪バレても良い。いや、いっそのことバレて囮になろう。時間稼ぎだからね。……生きて帰らねば。生きて帰れと命じているのは私だから命令者が死んではいけない。
『喰らえ!』
廃墟から片腕を出して小型の
残存した航空部隊の視点…C-2 コルセア
『見えた…砲撃支援だ。座標は……』
指揮車に直接、通信内容と座標を送る。あとは砲弾が共生種に当たることを祈るしかない。
地上部隊視点…マウス
『黄色…砲撃支援か…座標は……』
航空部隊による観測を基にこちら側も砲撃準備を進める。味方がいるからと言って撃たないわけには行かない。撃たなかったら必ず死ぬ。撃てば確率で死ぬ。どっちがいいかと言えば…
『目標、発煙筒、射撃準備。』
飛行空母視点…プルトニウム
はぁ…抜かった。いやーうん、健闘はしたとは思う。ただやはり無茶があったか。共生種が白刃戦に引き込んできてタフネスの差で負けてしまった。
『最後に言いたいことは?ってか?』
人型の部分が頷く。
『お前は死ぬ。僕と一緒にな。』
地上部隊(探索班)視点…61式戦車
『どこだ…ニューマーコーニオシスさん!』
「代理人殿!」
かれこれ20分は探索している。
発煙筒の煙が昇るもとを目指して警戒しながら進んでいるが一向に見えてこない。
「これはARMSの破片でしょうか…」
八九式の手には都市迷彩が施された主翼か何かの一部(データベース曰くフラップというパーツらしい)があった。このあたりまでやってこれたDOLLSは居ない…ということは…
『他にもある?探さないと!』
「こっちには…降着装置のタイヤが!」
『尾翼の一部だ…』
そして…私達はたどり着いた。1つの結末に。
「ゲホッゲホッ…君は…」
『私は61式戦車です。こちらは八九式中戦車。救助に来ました。』
「済まないね…」
要救助者の見た目はバイザーを装着した緑色っぽいコルセアって感じでちょっと不思議だった。
『こちら61式戦車。
通信している間に八九式がコルセアもどきに話しかける。
「大丈夫か?ニューマコーニオシス殿…この傷なら大丈夫だろう。すぐに代理人殿の戦車が来る。私は周辺の警戒をしておく、また戦車に乗るときに左大腿部の動脈でも撃たれたら困るだろう?」
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極東急行01-04 極東急行編終了
サブタイトル
『命と引き換えたモノ』
今ここ。
https://syosetu.org/novel/221891/30.html
残酷な表現注意。
『共生種はどうなった?』
「
『あれか?』
奥で溶岩地帯に出没している共生種が倒れている。
『お疲れ様じゃ。
隣でニューマを見ていた
「お疲れ様。少なくとも君は私達の代理人ではないね。」
『そうじゃのう…取り敢えず跪いてもらおうか。』
隠し持ってたカービンライフルで膝を撃ち抜き跪かせる。ニューマ本人が見てたら怖いな。
周囲は驚いている…と言うか信じられない物を見たという目でこちらを見ている。
「
『だから…お疲れ様。本物のところまで連れていくかここで死ぬか、どっちか選んでね。3,2,1…ゼロ。』
「悪いね。
「…本物は…こう言う…これは砲…撃したみんなの…」
後ろでか細い声と何かが倒れる音がする。
『その声はニューマか?
「…!代理人、その怪我…酷い…」
インベーダーが振り返ったのか驚いた声を出している。
「代理人、代理人!しっかりしてくれ!」
『あと1つ忘れてたんじゃない?本物はバイザーを付けてるんだよ?』
そう。今目の前で立っているニューマはバイザーを着けていない。基本的に外すことはない。IFFが作動しなくなるらしいので。
「マウ………これ…」
『ニューマ、お主はもう話さなくてよい。ゆっくり休んでおれ。』
後ろから差し出された焼いた竹のカーボン製ナイフを手に取る。
『と言う訳で、
『ヲヤスミ、ケダモノ。』
ナイフで
「イタイ!イタイ!」
『チャーリー1,チャーリー2、インベーダー、これを抑えておくれ。』
『さよならじゃ。』
より一層力を入れる。何度も刺す。ナイフが折れるまで刺して、偽物は事切れた。
『……。』
息が荒くなる。偽物とはいえ
「……終わっ…た?」
ああ。すべて終わった。おそらくあれが最後の残敵だろう。
『……ニューマ、まだ生きておるか?』
「……なん…とか…。」
倒れた妹には左腕が無かった…バイザーはボロボロに割れ、支え代わりに使っていたのか機関銃はやや曲がり、吐血の跡もある。
『終わったのじゃ。もう苦しむ事はない。』
「お…やす…」
『ああ…お休み。』
…これ、後で量産工場で量産ポッドが
『代理人殿、どこか埋葬できる場所はないか?あと、
石の塊があった痕跡だけがそこに遺された。
極東急行編 Fin ?
番外編
…ここどこ?知らない天井…ガラス……割るか。右腕、左腕、右脚、左脚、五体満足、うん割ろう。姉と部下たちに会わなくては…
(ガラスが割れる音)
実はね、まだほんの僅かだけ後片付けが残ってるの…だから、次回まで待ってね!
(作品そのものはダラダラと続きます。)
書いた本人が言うのもなんですが…少し違和感を感じませんでしたか?(但し感じ得るのはアシュアをやったことのある人だけかも知れない)
確か『干渉弾』かまたはそれに相当するモノでないとダメージを与えられないんでしたよね?
なぜマウスのカーボン製ナイフが刺さっているように見えるのでしょう?
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極東急行 fin.
https://syosetu.org/novel/221891/31.html
監視カメラの映像から侵入者かと思って、館から出てきたら珍入者はⅢ号好きさんだった。少し考えて少し驚かしてやろうと思い、背後から…
『どうしました?
「……へ?」
「ニューマコーニオシス…さん…」
それが二人の代理人の初の平常時の会話でした。
ー館の玄関前にてー
「せめてⅢ号戦車ちゃんだけは逃がさせてください。俺は何でもしますから」
必死になって懇願しているのを見ると…あの時の名代理人とは思えない様が…本人には悪いが見ていて面白い。いや、そう思うのは間違っているんだけど面白い。
『大丈夫ですよ。
そう言って微笑んでおく。本人としてはこれでも笑ってる方なのだ。(ほとんど無表情と言われるけど)。
『ニューマーコーニオシスだと長いですから、ニューマとお呼びください。Ⅲ号好きさん。』
隣にいる完全武装のマウスが主砲をⅢ号代理人に向けている。あれ?この代理人さん何かしたっけ?
「そのー…ただニューマさんと話したかっただけなんですけど…」
「Ⅲ号戦車がいる理由は?」
そう、特別な理由がなければ人間だけで話すことが基本となっている。
「秘書だから…じゃダメ?」
『そこは恋人だから一緒にいたいぐらい言えばいいじゃないの。』
「な、なにおう!まだ俺たちはそんな関係じゃ////」
あら、あれだけの事があってそこまで進んでないのか…
『…まだ?』
「な、ななな、なにを言うダー////」
後ろに隠れているⅢ号戦車が下を向いてもじもじしている。見ていて面白い。照れる代理人君も面白い。
『まあ、いじるのはこのぐらいにしてあげてっと。姉さんもう武器を下げてもいいですよ。』
識別はできましたから。武装解除もできましたし。ルガーP08(の弾)は没収。
「うむ、わかった」
『Ⅲ号戦車も前に出てきたらどうです?』
「は、はいぃ~////」
まだニューマが言ったことが忘れられてないのか、Ⅲ号戦車の顔は赤い。
『それで、話したいことって何です?』
「…単刀直入に聞きます、俺の正体ってなんだと思いますか?」
…ここで本当のことを言ったらⅢ号戦車はどう思うかしら。まあデータベース上のモノだから誰かが
『あなたの正体ですか?さあ…』
「わかってないわけがないはずだ!うちのDOLLSが俺を見て、聞き慣れないことを言っていたっていうのを聞いたんだ!早く言え!」
ほう…少しだけヒントをあげようか。
『もしかしたら実は案外、
「ごまかすな‼」
Ⅲ号好きは脅しのつもりか、腰に着けている
『ほう…なんの為に来たのかと思えばなんだ、殺しに来たのか。』
少し残念ね。
「ニューマ!名無しこいつを撃つぞ!いいな!」
と、マウスが叫ぶ。過保護過ぎるよ。
『発砲許可は出してないけど?それでも撃つ?』
マウスにM1911を突きつけながらⅢ号好きに向けて言う。
不意にⅢ号好きの足がふらつき出した。そしてくず折れる。
「代理人さん!落ち着いてください!」
『
ー暫くした医務室ー
「ハッ!」
「代理人さん!」
「ウワアァァァーーン!心配したんですから!」
泣いている…そういやⅢ号好きはバックアップが無いのか。そりゃ心配するわな。
「私には…グスン…記憶が…無いことが…ヒック…どれだけ…フグ…不安なことかはわかりません…グスン」
Ⅲ号戦車が続ける。
「でも…でも…だからッて…グスン…急ぎすぎないでください…グス…あなたは…大切な…人なんですから…」
好きな娘泣かせた罪は重いぞーⅢ号好き。(かく言う自分は…)姉さん、そんな目でこっちを見ないでくれ。私まで心が痛くなるから…
「うん…確かに…急ぎすぎてたのかもしれないな。止めてくれて…ありがとう。Ⅲ号戦車ちゃん」
『…幸せそうで申し訳ないんだけど、いいかな?』
医務室の外に居ると多分その先までここで進みそう(?)だから正気に帰ってもらおう。と思って入ってみると…
視界に入ったのは目が赤く、Ⅲ号好きの腰のあたりに向かい合って座っているⅢ号戦車。
「キャー////」
「うわぁぁ////」
同時に叫んで、互いに離れる。面白い。シンクロしてる。こんな競技があったら絶対優勝するだろう。参加者2名だろうが。
『それで、また記憶を見たんでしょ?』
「いいや、今日は何も見てないね。本当に、何も」
『本当に?』
「本当に」
『それなら帰っていいよ。もう大丈夫でしょう?』
机の上に必要なものは置いておいた。
「あ、あぁ。わかった。出ていく」
そう言って、Ⅲ号好きは立ち上がった。
「あっ!忘れてた。ニューマさんに渡さないといけないものがあるんだった」
Ⅲ号好きはそう言って、かばんからとあるARMSの設計図を出し、私に渡す。
「迷惑料と、この前の感謝料です」
『E100対空戦車?それにこっちはモイスヒェン子ネズミ?』
「はい、88mm砲を、2門付けた対空戦車です。もう片方はマウスのバリエーション?らしいですよ。何か機会があるなら、使ってください」
Ⅲ号好きは去っていった。
ー見送ってからー
『あ、言うの忘れてた。これ渡さないといけないんだった…あちゃー…』
私は一人、精神安定剤と
『DOOLSに生殖機能を与える薬…ね。』
なんと悪趣味な薬だろう。字面だけならそう思うが、子宮やらなんやらと言った生殖に関する器官がそれなりの苦痛は伴うが後天的にできるようになるというのはそれはそれで新しい可能性だった。代理人とDOLLSを繋げる薬…一応、悪い方に利用されてはたまらないから反対していたものの…物は試し、と、取り敢えず試したが…まあまあ痛いなこれ…。
『エネルギーは…再利用するか。』
今までの災獣の襲撃を経ても尚、生き残った運動エネルギー弾というものは少ない。彼が持っていたものは見かけこそ火薬式だが中身はエネルギー弾で簡単に弾切れを起こさせる事ができる(ハッキングで)…
『タングステンの製造方法と生産、加工に必要な機械の設計図でも匿名で送るか。エネルギー弾に変換されてるけど。』
無線室に戻った。
ニューマ達の引っ越しまで残り…
一つ書き忘れていましたが…
ニューマが持っていたアンプルの中身はかなりの劇薬です。少なくとも、覚悟してないと一週間は(特に下腹部が)痛い目に遭います。(ニューマ談)
覚悟して服用すると決めてから打ちましょう。それなりのリスクが必要ですからね。
そして、まだこの時点では生殖機能はありません。カリキュラム上性教育とかしてないかもしれませんし…申し訳ないですがこの設定だけは譲れない。(授業で教えている内容が気になるが、多分性教育は無いんじゃないかな?と考えています。戦闘において要るの?という点とか……どうなんでしょうね?)
(一応鍵はニューマが持っている。『管理人』だから。理由?そうだね…彼女の中身が原因かな。彼女、合鍵そのものとも言えるし…)
結論
…いくら愉快犯でも流石にそこは考える。
こちら側の終わりにも影響が出るし。
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後始末。
えーと…文句を言われてもおかしくない事を自分がしたことを自覚している。その上で記録する。
『えーと…君がレックス…』
「
目の前の
『一応だけど攻撃手段は全て封じて、移動可能な場所も制限、外には歩哨も居るし何より脱走を試みたら…』
「頭が
『うーん…そうだねぇ…
「…辞めておくわ。」
『うん、そうしてくれると助かるよ。ああ勿論
「…ねぇ、どうしてそんなことまでしてここに置くの?」
『うーん?それを言っちゃったら君の全てを壊さないといけなくなっちゃうからね。』
「知る必要がない以上詮索するな、って事ね。」
『ええ。』
なぜか共生種が抱きついてくる。力の出力もそんなに大した次元ではない程度に調整してあるが…
視点変更
「えーと…君がレックス…」
『レックスアプリシウスと呼ばれてるそうね。なんでこんな目に…今日は厄日ね…』
目の前の私が化けた筈の存在が答える。そう、先日強襲をかけたあの地区で私と刺し違えた(に等しい)存在がここに居るのだ。…というよりは私が拘束されたのか。
「一応だけど攻撃手段は全て封じて、移動可能な場所も制限、外には歩哨も居るし何より脱走を試みたら…」
『頭がパーンってなるのかしら?』
一応冗談のつもりで言ってみる。この存在と白刃戦したときただならぬ者の気配がしたのだが…
「うーん…そうだねぇ…パーンよりは…もっとこう…」
『辞めておくわ。』
死にたくはないもの。
「うん、そうしてくれると助かるよ。ああ勿論召喚やらなんやらも封じたから。」
『…ねぇ、どうしてそんなことまでしてここに置くの?』
「うーん?それを言っちゃったら君の全てを壊さないといけなくなっちゃうからね。」
『知る必要がない以上詮索するな、って事ね。』
「ええ。」
懐かしい匂いがする。昔…何処かで嗅いだような………思い出せない。でも安心する。緊張が解けた時、緊張の反動が…そして私は眠りに落ちた。
またまた視点変更
『あら…もう寝ちゃったの…?』
「…見てましょうか?」
『居たの?
前から声をかけられた時も、しっかりと目を見て話す。これ重要。
「待機しておけと命じたのは
『あはは、そうだったね。済まない。』
「まあ…いいですけど…」
少し膨れたほっぺが可愛い。Ⅲ号代理人のところのⅢ号戦車とは違った可愛さがある。…変な意味はないよ?
とどめを刺しきれなかった。あの時あの一撃が当たっていれば…こんな事態にはならなかっただろうに。
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プルトニングラード包囲戦ー前哨戦ー(≒平和)
お引越し(拠点移動)
『えー…と…うん、今日は引っ越しの日です。告知どおり全て一切合切向こうに運ばれます。』
引越し先にも執務室とかは無く、無線室と寮(DOLLS用)とメシアの控室、厨房、食堂、地下室、整備場、研究室…とあまり大差無いようになっている。
ただ、いくつか違う点があり…
『こっちには畑…あっちには湖、
「飛行場もありますね。」
『前線と言っても比較的後方だからかな?』
「まあ規模が規模ですし…」
総勢74ユニット…かなり大規模な部隊だからかな?(きっと過酷な仕事が待っているのだろう)
『あの日を思い出すね…………あれ?私数ヶ月前からしか活動してないよな…』
植え付けられた記録(ログ)とはいえその過去の記憶(メモリ)はとても整合性の取れた鮮明な記憶であった。まるで実体験したかのような…
これは過去?それとも他のDOLLSの記録の封入ミスなのか?
『君…任務は…』
今回の仕事はDOLLSの不正転売の阻止、腐敗した整備会(エノシス)構成員の摘発、「頭の硬い奴ら」の排除。
「さて、行きますか。」
『了解。
深夜のCityを歩く。夜間でも電気が灯りありとあらゆるところが照らされている。あまり照らされたくないものだ。
「サプライズ対象の名前は?」
『○○○○○です。』
「
『あと一時間ほど歩けば…辿り着くかと。』
「なるほど。」
「何処か寄ってく?」
『そうですね…○○屋とか…』
「よし、そこにしよう。」
二人、食事後
『あと300mです。』
「了解。」
『穏健に行きます?』
「夜間だからな。事を大きくしたくないし…」
『整備会に影響が出ないように、ですね。』
「ああ。」
穏健に行きたいが…結局はサプレッサー付きのライフルで撃ち抜くことになるんだろうな…と背中に背負った釣り竿ケースの事を考えながら歩く。到着する。さて、仕事の時間だ。
現在へ
「エー…、……ジェ……代理人!」
『………はっ!』
不意に誰のものか分からない追憶から帰ってきた。
「いきなり倒れるからびっくりしましたよ。」
とインベーダーが覗き込みながら(?)言う。
「良い寝顔でしたけどね。」
とコルセアが。
「気絶の間違いじゃろ?大丈夫か?立てるか?」
とマウス。姉は一番頼り甲斐があるな。
『さて、要塞を置くデメリットは?誰か説明できるか?』
「移動できないから砲兵の的です。」
『そのとおり。他には?』
「迂回してしまえば無駄になります。」
『そのとおり。』
「空からの攻撃には非力ですね。」
『全くだ…まあどうしようもないんだけど。』
やるなら徹底的に。壁が塞がるまでの拠点とはいえ壁の外に変わりはない。こんなところに送られた理由は政敵の始末なのかはたまた…
『Yak-9とPe-2は哨戒に。A-26BとP-51Aは火消し。他は…』
「他は…」
『私と一緒に陣地構築だ。急ぐぞ!』
「おおー!」
士気が高くて助かる。まあ普通に考えれば怪我したくないからね。
土嚢を積んで、コンクリートブロックを置いて…対空火器を運び…補給線を整備して…塹壕も掘り掘り…(センチュリオンのAVRE 165仕様を前線で開発する日が来るとは…)
途中で震電(何故かジェットエンジン搭載型)も合流して…
今日も一日生きています。
え?共生種?レックスアプリシウス?なんのことやら?
…地下室で「教育中」です。
そう、教育中…高校生物に適性がありそうですよ。
(健全なものしか書けない…いや書かない。)
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砂、騒音、田畑にて
サブタイトル
「プルトニングラード」(察し)
(スターリングラードとかレニングラードとかのマネをしたかった)
前回のあらすじ…陣地をいっぱい建てた。
『点呼取りまーす。大きな声での返事を期待します。』
『Bf110Gさん。』
「はい!」
『M6A2E1さん。』
「は、はい!」
『レオパルドさん。』
「はい!」
『コルセア。』
「はい!…なんで呼び捨て?」
…と続けていき、
『T-77さん。』
「はい!」
『以上、62名。さて、今日も仕事です。陣地構築の続きです。では作業に取り掛かってください。』
過去からやって来た記録…これは何なのか。プルートーとニューロンの関係は…でもニューロン、誰かに似てたような…誰に一番似てる……後にしよう。
『水耕式か。考えたな。』
「これはこれは。代理人殿。正確には
『スイデン…スイデン……あの水田か。』
「どのスイデンかは分かりかねますが、水田です。」
『と言うことは水稲が育つ。』
「育つかは未知数ですが。補給路を絶たれた時に助けになるかもと。」
『なるほど。足りないものがあれば言ってくれ。手配する。』
「そうですね…今いいですか?」
『何が要る?』
「人手と脱穀機、そして備蓄に適した乾燥した場所ですね。」
さっきから違和感があるかも知れないがこれは紛うこと無き零戦である。
あら秘密通信だ。
『……はい。わかりました。』
「どうしたのじゃ?ラーテよ。」
『いや…まあ流石に漏れるものは漏れるか…』
「漏れる?…漏れる……あ。」
『…
「はーい、なんですかー!」
『お主かー!?』
「…何がですー!?」
『あ、これ黒だな。零戦、姉さん、ここを少し頼む。コルセアと少しお話してこないと。』
地下室『
さて…コルセアさん、単刀直入に聞こう。君は何をした?極力笑顔で聞いてみる。スマイルスマイル…
『では、一つ質問を。』
「はい、代理人。」
『君と
「…友人ですが?」
『ふーん…そう。友人ねぇ…その割には何かあったようじゃない。盗聴を協力するように脅迫…
「私となんの関係が?」
『うーん…そうだねぇ…君の発言、活動記録をすべて録っていたとしたら?』
「…筒抜けでしたか。」
『まあそんなに落ち込むなよ。誰だってミスはする。』
カッターナイフを取り出す。新品だからよく切れる。自分の指の皮だって当てるだけでほら…
「エ、代理人!」
『ん?君が悪いんだよ?勝手に独立行動とっちゃってさ…』
半分言いがかりのような気もするが後始末が大変なのだ…DOLLSが反旗を翻したなんてことがわかったら堪ったもんじゃない。DOLLSにとって人間は奉仕すべき存在であらねばならないのだろう。笑えないが。
痛みを与えたってしょうがない。だからこそ元凶を少し削いでみる。
コルセアは狂犬というか…行き過ぎた狼犬(ウルフドッグ)ですかね…良くも悪くも忠実…少し暴走気味な位が…
おまけ『代理人、口づけをする』
「口づけってどんなもんなんじゃろ…」
とぼやき続ける姉を見て5分が経過しようとしている。週刊誌のあの写真の余波はこんなところに…
『マウス姉さん、口づけっていうのはね…』
「ん…んん…
『ということだよ。』
「案外、口づけというものはくすぐったいのじゃな…」
右手に一回だけしました。ちなみに意味は確か忠誠だったと思います。違ってたとしてもそういうことにしまします。(←わざとです)
まあ、キスって魚なんだけど。
アンケートの解説…
オイ車…150t級の超重戦車。履帯だけが現存しているとか。作中にもし登場した場合はRUSEより火炎放射器を取り外した感じの兵装でやってくるかと…でかい。
T-95GMC…105mm砲を搭載した戦車駆逐車。かなり重たいせいか履帯は4本、うち2本は輸送時に外す模様。でかい。
T-35…かのソ連が世界恐慌に巻き込まれなかったせいで生まれた動く百貨店。多砲塔戦車にしては比較的量産された方。(戦車の中に百貨店を作るのかと皮肉られたとか…)装甲はかなり薄い。でかい。
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代理人、偵察に出る
時系列的に前の話
https://syosetu.org/novel/216472/35.html
『ほーう…』
「ここが…」
『「黒幕…」』
今、私達はある出版社の前に来ています。この辺りではかなり有名な出版社で実は数ヶ月前、経営者が交代したトカ…あの記録を思い出しますね。
あの後どうしたのかはっきり分かってないのですが、男性の代理人を担いで走ったようです。隣では副官らしき10代程の少女を担いで全力疾走する相棒が…
で、どうしましょう?私服で来ましたけど…あの公園で遊んでます?湖が見えるあたりあそこのようですが。鮎の友釣りってこんな感じなんですかね?(違うと思うけどね…)
『ところで姉さん、本当にあのときの記憶ないんですか?』
「うむ…全くない。」
まああったら困るんだけど(記憶処理装置を何回突っ込んだことか)…
「全く持って残念じゃ…」(時系列的にはおまけ編の続きです)
『そ、そうですか…』
うーん…基地に帰ったらしてもいいよ?毎回記憶消すけどね。
『ところで
「うん空いてる。どこへ行こうか。」
「
一応、男性に変装(または擬態)してこの姉は妹に…うーん…難しい。
「ちょっとすいません、お話よろしいですか?」
私達は餌か。
『すいません、急いでますので…』
合わせてくれよ…姉さん。(妹役だけど)
「本当にすいません。」
二人小走りになる。
『ふう…』
「疲れましたね…」
『どこ行きましょうか。』
「取り敢えずあそこの食堂にでも…」
一方…基地では…
『メシアさん…すごいです…これまで誤字脱字無し…何者ですかホント…』
「いえいえ…代理人と比べるとこの程度…」
灰燼教会から派遣されてきた
代理人とマウスが偵察に行ったので取り敢えず指揮を引き継ぎ、メシアさんには書類仕事を手伝ってもらっていたときの一幕であった。
「…それにしてもマウスさんと代理人、仲が良さそうですよね…少し嫉妬してしまいます。」
『マウスと代理人は姉妹関係とは聞いてますが…』
「物心がついたときには教会で祈っていました。仲間もいました。だけど親はおろか兄弟や姉妹も居ませんでした。だからかああいった関係に嫉妬してしまうのでしょう。」
『…私達DOLLSは姉妹機がいる者も居ない者も居ます。居ないDOLLSがもし代理人とマウスを見たら…』
「嫉妬しそうですねー。」
『でしょ?…好きなんですか?本人の前では言わなかったらしいですが。』
「どうなんでしょう…好きなのかそうでもないのか、どういう感情で見てるのかわからないんですよね…自分でも。」
そういう者たちが集まる所ではないかと私、コルセアは考える。
おまけ編と照らし合わせてご覧ください。
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代理人の秘密1+たまには物語りを 編
お待たせしました。久しぶりの本編です…と言いたいところですが後半だけだったりします。
何があってコルセアが記憶処理装置を刺されたかは前述済み…デスよね?
前半、変態出没注意です。
前半の少し前?おまけ編より
→https://syosetu.org/novel/226680/3.html
(貼り直しました。)
本編的な前回
→https://syosetu.org/novel/216472/33.html
どうも、スーパーコルセアです。記憶処理装置を刺されたのですが…
『なんででしょう…より鮮明に覚えてしまっています…』
訳あって代理人さんは私と瓜二つの姿をしているのですが…実はああ見えて男性型(真性の男の娘)だったりします。世にも珍しいDOLLSです。代理人が管理する書庫の文献を漁る限り一例しか出てこなかったです…
あ、マウスさんは本人から教えてもらうまで気が付かなかったそうです。私の方が観察眼が鋭いということですかね?なんで気がついたかと言うと…いえ、言えませんね。
(中略)
視点変更…代理人視点
何か良からぬことをコルセアが考えてそうな気がしたので頭に一発チョップ。週刊誌事件はなんとか済ませられそうだと思う。外出許可申請書を確認していたらバレンタイン歩兵戦車とスピットファイアが…騒動の一週間前に出ていた。さらに検閲印もない週刊誌は基本出されることはない。
代理人にとってのコルセア…頭の中がある意味ピンクな妄想系ヤンデレメンヘラ系戦闘用(ハイエンド)DOLLS
たまには物語りを
私は書庫である書籍を見つけてしまった。それはそれはとても古びていて、製本されたのは数年前どころではないと考えられた。
『…?』
表紙には『戦闘工兵のススメ』と書いてある。ピオニーア(英語でPioneer。先駆者、工兵を指す)の指南書…
内容はこうであった。
この記録が誰かに読まれる時、私はもう別人になっているだろう。だから書き残そうと思う。読んだあとは燃やすなりシュレッダーにかけるなりして処分する事。
18XX年、XX/XX(掠れていて読めない)、我々は大きな過ちを犯した。我々はヒトをついに作った。後の世界ではどう言われているかはわからないが私は「メシア」(救世主の意。あの娘との因果関係は?)と読んでいる。彼女は敵と渡り合うための武器を装備することができる最初の成功作になった。全高は約1.7m(今の私と大体同じだ…)全備重量たったの90kg(かなり重い飛行空母型を装備したときの重量よりは軽い)、空陸兼用の人造人間として我々は彼女を作り出した。彼女は相棒を求めた。だからもう一体、用意した。彼女は善戦した。我々に希望を見せた。
そして我々は驕ってしまった。二人に任せれば大丈夫だと。彼女は砕け散った。相棒も倒れた。そして人類の活動域は減少した。核による殲滅によるものだった。
我々はまた彼女を再生した。もちろん改良も加えた。簡易的ではあるが擬態能力を与え、様々な武器を使用可能にして自分にあった武器を研究できるように知能も強くした。それが駄目だったのかもしれない。
私は彼女を止めなくてはならない。彼女を死なせてはいけない。彼女は救世主であり先駆者なのだから。
そこで終わっていた。
明日には防衛線が整う予定だから一つ訓練でもしようか。
アンケートは来週月曜日まで取ります…が、どうせ全員出ますので登場順だと思ってください。
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プルトニングラード包囲戦ー緒戦ー
盗聴させていただいた会話
(Ⅲ号戦車は俺の嫁氏の「Ⅲ号戦車ちゃんがかわいすぎて死にそうなんだが…」)
https://syosetu.org/novel/221891/39.html
週刊誌事件の証拠を掴めぬまま暫くして…
『はい、皆さん、おはようございます。今日は
模擬戦とは言うが相手である仮想敵は
『対DOLLSの防衛戦、攻城戦の訓練を行ってもらいます。』
攻撃側は要塞内最深部に到達すれば勝ち、防衛側は攻撃側を代理人以外、一掃して殲滅すれば勝ちとする。防御が厚い(自称)要塞を貶すにはどうすればいいか、それが研究テーマだったりして。もちろん迂回できるなら迂回するが最適解なのだが今回は迂回しても突破孔が見つからないものとしてどう動くか見ることにする。ちなみに重砲は禁止はしていない。
野外司令所(テント)
『さて…わざわざ済まないね。集まってもらって。』
攻撃側の人員は少なく精鋭揃い…防御向きの人は防衛側に行ってもらったけど。
「作戦は?」
と空戦型コルセアが、
「突破孔をトーチカを破壊して作るか…」
と攻撃手段をHs129に憧れてか大口径機関砲に換装した
『重砲は…どうする…』
と
「すべて土に返しましょう。」
とM43HMCが言う。まあM43HMCが居なかったら私が耕していただろうが。
一方…
要塞内部 無線室
『
「わざと防御上の穴を作る…そして包囲する…重砲を出してくる可能性は?」
この部隊の
『重砲を如何にして素早く潰すか…』
「私が行きましょうか?」
私の呟きに
野外司令部にて
離れていても心は通じるとは言うが…
「通信手様、……………関して知っている……をすべて話して………ませんか?」
「…………手くん!………黙ってたの!」
「何か知…………まずいことでもあるのか、通信手殿」
どうも、またまた代理人です。今回は特別に、どうやって盗聴しているのかお教えしたいと思います…が、ひとまず聴きましょう。レッツリッスン。
「お、落ち着いてください、……………Ⅳ号戦車の質問から……答えて…………から…」
「それでは…(前書きをご参照ください。)」
あまりプライベートに分け入るつもりは無いし、私に関する話題は無さそうなので続けますね。
単刀直入に言えば、DOLLSにはマイクとスピーカーがあります。そして、戦闘時にはそれだけでは代理人が指示を出せないので無線システムがあります。さて…この無線システム…普段はどうしているのでしょう…正解は…
『どんなに蓋を密閉して隠しても匂いという情報は駄々漏れってことか…。機密情報はべらべら喋っちゃ駄目だね。』
暗号化されていて信号強度も少し低くなっていますが十分受信できます。別に違法ではないですし…まあ煩くても聴こえてしまうので…困ったものです。
今度はⅢ号代理人の声ですね。
「納得行かないが、聞こうじゃないか…それで何が答えられなかったんだ?」
そして通信手。
「あなた達の将来のことですよ」
へぇ…通信手は理性的っと…
さて、作戦決行時間です。皆さん、頑張りましょう。
今回、審判を務めますは私、I-185と…
「お呼びですか?先輩。」
Yak-9の二人です。どうぞよろしくお願いします。
遠方からそれはそれは大きな…重戦車一輌が要塞に近づいて来ています。砲塔の上には…コルセアらしきDOLLSがバイザーを付けて座っていますね。それに対し…要塞側は照準を合わせるだけで撃たない…さあどうなるのでしょう…。
次回に続く。
ラーテのARMSの形状を少し変更。トータスみたいには…なってないか。
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プルトニングラード包囲戦ー襲撃ー
グンロギです!グンロギですよ!代理人殿!(ニューマのARMS「ラーテ」を見て)
どうもI-185です。観戦武官として上空で模擬戦の経過状況を見ています。現在、互いに照準を合わせていつでも撃てるようになっているようですが…一向に撃つ気配がないですね。
要塞内部
相手は何体か部下を率いている。つまり、性能は少々低下している筈である。というのも
「撃ちますか?」
『いや、まだだ。相手の出方を見たい。ニューマの仲間はどこへ…』
一方…攻撃側は…
相手は要塞、それもとても強固な…でもこちらだって一応は動く要塞である。
どうもまた
ニューマ視点
『作戦としては…』
私が陽動として前に出て要塞の注意を惹きつける…その間に…
(エンジンを吹かす音)
またまたI-185です。出番が多いですね。普段もこれくらいあったらいいのに。ラーテが前進しました…そしてこれをきっかけに要塞砲は砲撃を開始、それにしてもなぜラーテはまだ撃たないのでしょう…
私が前進する→要塞砲が火を吹く→注意はラーテに向く=…
『配置についた?3,2,1…』
(ARMSの28cmと10.5cmが火を吹く)
奥側の
(爆発音)
『おぉー…たーまやー…とか極東の方では言うらしいな。』
こちらの側面を狙おうと構えていた
「ピルボックス2を破壊。」
『ラーテ了解。ナイスボミング。』
からくりとしては28cmと前部の10.5cmで舞い上がった砂埃による煙幕に乗じて戦闘工兵を送り込み、私が注意をひきつけている間に梱包爆弾や成形炸薬を仕掛けていた、というわけ。私単体なら別にここまでしなくても良いような気がするが、流石に今回は私一人ではないし…研究でもあるからね。この程度想定内だろう?
ARMS『ラーテ』は時間があったらイメージなら描くかも…いや、時間無いか…イメージとしては「A39トータス」(エ○トータスと言いたくなるが我慢します。)を元にマウスの4〜5倍程度(某modでの比較写真的に)のサイズ感かな…と。
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プルトニングラード包囲戦ー破壊と再建ー
サブタイトル
『レニングラードの聞こえる街』
『
どうも、お久しぶりです。代理人(ラーテ)です。いまは訓練中なのですが…正直言って自分の建設計画を見直すべきだと思い知りました。やっぱり要塞は無茶があったかな…
海兵隊はコルセア、侵略者はインベーダー、203は…高地…ではなくM43HMCを指しています。
私やM43が砲撃して注意をひきつけている間、コルセアやインベーダーには
「砲撃支援を!座標…」
『了解。28cm徹甲弾。』
28cmAPHE、再装填…完了。
『撃て!』
私が座る砲塔の右側(私は砲塔の左側に座っている)の
審判です。あることに気が付きました。これ、本当に壊していますね。まあ代理人ならなんとかするでしょう。きっと。
これは過去の記憶の残渣だろうか?
『僕についてきて!』
軽型の災獣を
「弾!まだある!?」
『持ってって!』
マガジンを投げ渡す…
はっ……いけない。またボーッとしてました。状況は…コルセアとインベーダーが最深部到着、司令部を制圧した模様。
その晩代理人は一人、
私が作業を終えてシャワーを浴びに兵舎(バラック)ではなく地下の格納庫に向かって行ったとき、ある小さな人影に気が付きました。侵入者かと思い士官用の護身武器かカービンライフルのどちらかで最悪撃つことも辞さないつもりで近づくと…
『誰そ彼や?』
赤外線映像に変な点は無いですね…
「妾は…」
『…』
シャワーの水が床に放流され位置エネルギーを運動エネルギーに変換している途中に出る音を聞きながら私達はただ向き合っていた。赤外線映像に認識タグ、ありとあらゆる手段を尽くして確認したけど怪しい点はなく、整合性の取れた説明をしており、きちんと本人確認を取るための記録調査もできた為私はこの存在を姉として認識しました。
『帰りが余りに遅かったから見に来ようとした?その格好で?』
彼女は寝間着姿であった。ちなみに私は最近は制服で寝てます。(緊急時の対応とか考えると)面倒くさいので。
「そうじゃ。」
彼女は変なところで抜けていると思う。水資源がもったいないのですぐにシャワーを止めました。
レニングラードがかかると作者は泣きます。理由は不明です。次回、あの娘がやって来る…かも。
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『潜水』編
潜る巡洋艦
サブタイトル
「自家中毒1-1」
引っ張り出した潜水艦の探索ゲー、まさかこれが彼女たちを変えるとは、誰も気が付かなかった…いや、変えませんけどね?
改訂版はこちら…
https://syosetu.org/novel/226680/13.html
それはとある休日のことであった。
「なあ代理人、なにか面白いものないかー?」
『面白いものねー…』
私は今、倉庫から見つけたゲームを楽しんでいる。そのゲームは名前が…「
近未来的な巨大無人潜水艦「ボイジャー」を操作して水に覆われた地球型惑星を探索するんだけど…大都市が水に沈んでたり、よくわからないグロテスクな
『自然の探索系は好きじゃなかったり?』
「嫌いではないが…」
さっきはきちんと特定できなかったけどこの声は
『潜水艦での探索は嫌いかい?』
おそらく変種になる前のインベーダーなら好きではないと返していたかもしれないが、ここに来たインベーダーはそうではない…ようだ。
「?嫌いではないが。」
『テレビのスイッチを入れてみて。』
テレビが起動されたのかカチッという音がした。
「ほー…何人まで対応なんだ?」
『4人…らしいけど。』
「ならやる。」
『VR…は知らないか。空を飛んでて酔ったことは?ある?』
「いや、ない。」
『やってみる?予備機は机の上にあるから。』
さらに軽く説明してマルチプレイに切り替える。
艦内を歩く影2つ。片方は背が小さくて丸く、片方は背が高くて細長い。骨組みだけのロボットに白い外皮を纏わせただけのような乗組員は艦内を走り、歩いている。
『慣れた?』
「慣れてきた。」
「ニューマー、あーそーぼー……お?そこに居るのはインベーダーさん!?」
「お疲れ様です。マウスさん。」
何故か同僚がいると仕事モードになるインベーダー、慣れた手付きでマルチプレイに参加するマウス、そして周囲を振り回してばかりで反省ばかりの私が行く先は…
『アトラスの背中に行きます?』
「アトラス…あのアトラス?」
「アトラスってこのロボットの名前と似てるな…天体を支える方のアトラスじゃろ?」
今日もプルトニングラードは賑やかです。続く。
私が操作するロボットの名前は赤色十月同盟のところの言葉で言う
ゲームの元ネタは某「○列車で○こう」の所の、「アク○ノートの休○」の3作目。なお作者内では自家中毒が起きている…少なくとも作者のやつは駄作。本家は良いけど。)
(さらに、あのi○emの○-type Fi○alから借りてきてみたり…非難されたら消そう…商標とか…著作権とか…あとv○lveのp○rtal2とか…
このゲームは存在しません。しませんが、小説として書いていた時期はあります。(ボツになりましたが)
〜これをお読みの方へ〜
休める時はきちんと休みましょう。アイツが来てしまいます。アイツ(ニューマ)が、あなたの背後に。ほら、あと5km、あと4.999km、5.000km…ね?怖いでしょ?
あと1m。ぜーろ。(グサッ)みたいなホラー系を計画しています。
距離が飛躍しているのは仕様です。
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黒十字帝国学連襲撃事件-0
素敵なご協力様。
Ⅲ号代理人視点(深夜なのに消灯してないのかとか聞いてはいけない…考えてなかったから……)
https://syosetu.org/novel/221891/42.html
City歴2020/06/13 深夜 00:23
『…はい。わかりました。』
(無線機の受話器を置く音)
『メシアさん、今から言うメンバーを集めてくれ。』
「了解しました。」
不味いな…
2分後…
『みんな夜分遅くに集まってくれてありがとう。深夜にも関わらず起こしてしまい済まなかった。では状況を説明する。』
状況はこう。
先程約10分前(00:10)に
『申し訳ないが私は前線に立たないといけない。よってこの基地の指揮権は一時的に誰かに渡すことになる。誰が持つ?』
はい、私がやります、なんて言える者はいない。居たら信用できない。この
『M6A2E1、やってくれないか?』
「わ、私がですか!?」
『すまないが時間がない。資料は渡す。頼むぞ。』
逃げられないようにする…私はなんてひどいやつなんだか…怨むなら後にしてくれとしか言いようがないが。
『
誰もが数日で終わるだろうと考えていた。しかし、現実はそれを許さなかったようだ。
3分後…(爆破から18分後?00:28)
『ではM6A2E1、あとは任せます!何かあれば連絡を!』
「了解です!代理人様!」
いい加減、様付は辞めてくれないだろうか…と思いながらエンジンに火を入れ、
『
『航空部隊は着艦せよ。マウス、まだ生きてるか?』
「安定しておるぞ。」
マウスは今、私が
あと数時間は飛行する事になるだろうから航空部隊には寝ていてもらおうと思う。
数日どころか…
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黒十字帝国学連襲撃事件-1
ニューマの飛行空母形態のサイズを変更します。
全長8m→5m
全幅15m→9m
全高3m→2m
以上のようになります。修正していきます。
ただ正直、Ⅲ号代理人に丸投げしたい感もあった。しかしそれでⅢ号代理人がやられてしまっては困る。
飛行中に一人、脳内地図を見ながらヒト(らしき生物)の会話を聞く。
「それと、整備班にパンツァーファウストと、九七式自動砲の用意をするように言っといてくれ」
「…司令官が前線に出すぎるのは良くないのでは?」
「俺には絶縁層を破る能力があるんだ、本当に危ないなら俺も戦うっていうだけだ…」
「その言葉、信じますよ」
「あぁ、信じてくれ」
ああ…あんまり前に出てこられると危ないんだよね…照準がブレるというか…
『20mmとパンツァーファウストの弾も用意しておかないとな〜…』
九七式自動砲は見たことがある…と言っても記憶だけだが。触ったこともある。記憶だけだが。そして…
『よっこらしょ…それなりにおっもいねー…』
複製もできる。まあ違うものを用意したけど。
『2.8cmが2cmに…兵站部泣かせだねぇ…』
2.8cm sPzB41は
『うーん…おっ…』
回避。その一言が私の命運を変えた気がする。
(頭の横を何かが
左に軽くバンクしながら旋回したら頭の横を何かが高速で通ったようだ。ということは…人間側に裏切り者が?右。
(さっきまで頭があった所をまた何かが
ああ、うん、
『総員起床!時間だ!即時発艦せよ!』
ああ…Ⅲ号代理人、味方のフリして近づいてくる『人間』に気をつけてくれよ…
『作戦に参加している全てのDOLLS、
マウスに
本来誰にも言うべきではないだろうが、部下と人間を守るためにはそうするしかないように思えた。
ニューマは人間側に裏切り者が居る可能性を考える、(人間の)Ⅲ号代理人はどう思うのだろうか?
少し修正しました。
会話シーンはこちらから…
https://syosetu.org/novel/221891/42.html
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黒十字帝国学連襲撃事件-2
闇落ち、お涙頂戴的展開注意です。
「墜ちなかったか…」
その頃…航空基地では…
「なんとかなったっぽい?」
『じゃな。』
謎の襲撃を受けたものの無事、航空基地に到着。今は補給を行っているところである。当初の予定では陸路で
「で、結局…これか…」
『極東の「
「ほうほう…小型っていうのはいいねぇ…」
『お主が大型すぎるだけじゃ。妾からするとこっちの方が大型じゃ…。』
一応極東のDOLLSが運用する為に開発された戦車型ARMSの先行量産型なのだが…なぜここに?ましてやなぜ、妾が運用できてるのじゃ?
「改善点の洗い出しの為に運び込まれたらしいですよ。それに、なんか触ったら適合させられるようになっちゃった…まあ必要経費、ってことで。」
笑いながらニューマが言う。最近笑わなくなってたから新鮮だった。それでもハイライトの無い目は変わらないのう…
ZSU-57-2視点
「こちら
この
どちらかといえば善人な方だった。変わってしまったのは数年前の事。友人(この人も代理人だったらしい)が災獣の襲撃によって戦死したらしいが、自分以外、誰も救援に駆けつけてくれなかったらしい。結果間に合わず前線は瓦解、自分よりも戦果を上げる同僚を逆恨みするようになってしまった…ということがあったらしい(記録を見るに改ざんされた形跡はない)。もう変わることはないのだろうか?(それにしてもなぜこのタイミングで撃つのだろう?)
????-1視点
作戦は第一段階は成功だと言える。壁は崩壊したし、基地も一部焦がす事ができた。我らの勝利はまだ遠いが第一段階は間違いなく成功したと言えるであろう。
????-2視点
あいつはどこへ行ったのだろう?もう何年前か、何十年、何百年前のことか思い出せないが私を見捨てずに闘ってくれた彼女はどこへ行ったのだろうか?そして、いつかまた会えるだろうか?
新登場
『若い女』(10代後半)
…友人(同僚、幼馴染)を廃都事変時に喪った代理人の成れの果て。彼女を救える者は…居るのだろうか?
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黒十字帝国学連襲撃事件-戦力の一部公開
Ⅲ号代理人のところはあちら側に任せます…
プルトニングラード所属 ネズミ隊
仲間から『
DOLLSの進化の系譜的には
性格としては非常に人間味のあるDOLLSといった感じ。人懐っこいが同時に人間不信でもある。
どう言う訳か手で触れたARMSを変質させる能力がある。これについて本人は(自分は)プリオンだと呼んでいるらしい。
容姿はバイザーを装着したF2G-2スーパーコルセア。やや目が紅い為バイザーが無くても特定は可能。
上司のグレーテルからは戦死した先輩に似ていると言われているらしい。
専用ARMSは
今回は2cm重対戦車ライフルを持ってきた。
Ⅷ号戦車「マウス」D型
ニューマことネズミ代理人の
DOLLSの進化の系譜的には
性格としては純粋でたまに毒針を持つ、中学生くらいの人間といった感じ。人間不信は無い。
非常に装甲強度が高く、共有することで仲間のダメージを肩代わりすることが可能。
容姿はオリジナルとあまり変わらないが少し身長が伸びた。(
上司のネズミ代理人から慕われているが平時、たまに再生産されているあたり…ときに喧嘩は大きくなりやすいようだ。
専用ARMSは無い。ネズミ代理人がマウスのARMSを装備したところE-100になった。
F2G-2
(スーパー)コルセアと呼ばれる
DOLLSの進化の系譜的には
性格は…良くも悪くも直接の上司(この場合、ネズミ代理人)に忠実で、ネズミ代理人からは
プロペラ推進のDOLLSにしては珍しくコブラやクルビットができる。(どこで身につけたのかは不明)
容姿は眼帯と海賊マークの無いF4U-1。バイザーを装着している事も。
上司のネズミ代理人に空戦機動のテスターをしてもらう事が多い。
専用ARMSは無い。ネズミ代理人がARMSに手を触れたら最高速度が上がった。
A-26B
インベーダーと呼ばれる
DOLLSの進化の系譜的には
性格は…とても温厚。しっかりものだけど緩くするときは緩くする…いやし過ぎ。
非常に頑丈。本来の武装セットに無い
容姿は
上司のネズミ代理人との仲は友人としての距離感をいい感じに掴めている。
専用ARMSは現行のA-26B。
補足事項
マウスとネズミ代理人が航空基地到着後装備したARMS。性能試験用のものなので最終的にサイドカー付きバイクを借り、ARMSは返したらしい。
ネズミ代理人の部隊は必ずどこかに
DOLLSは本体が被弾に耐えられなくなると『戦死』するが、手袋や帽子など一部『部品』が残っていれば戦死しても復元が可能。しかし本当に完全復元されているかは謎が残る。
DOLLSの世代
…第1世代は基本、使い捨てでその場しのぎの為大量投入、大量喪失が基本的であった。
…第2世代は基本、使い回しでその場しのぎではなく恒久的に運用するために開発された型である。
黒十字帝国学連管区内第3部隊
仲間からキュクロプスと呼ばれているわけではないがコードがたまたまキュクロプスだったのでそれを名乗っている完全に人間な代理人。
性格としては成長よりも復讐、自分よりも上の存在を排除したがる年齢相当…いやかなり遡ってしまっている一面を持つ。
本人曰く数人は自分で葬ったと主張しているが…
容姿はゲーム内に出てくる普通の女性代理人といった感じ。
ネズミ代理人を撃った犯人ではないかと言われているが…
パトロール中だった為か部下含め二人しか居ない。
ZSU-57-2
S-60 57mm対空機関砲を2門装備した
DOLLSの進化の系譜的には第2世代に当たる。
性格は…あくまで命令だからと反対をしながらも従ういかにもなDOLLSといった感じ。
レーダーは装備していないが普段は確実に当てている…らしい。
容姿は……KV-1が二連装の機関砲がついたオープントップの砲塔を携えている感じ?(具体的なイメージがまだ無い)
上司とは上司、部下の関係。
専用ARMSは無い。変性もしていない。
Ⅲ号代理人ってもしかしたら…いや、しかし…
おまけ側に作品を追加しようと思ったら書く予定の作品のレーティングがわからなくなってしまいました…どこからがR-18Gなの?
次回予告(ただしおまけの方)
(メタリックドーン風に)バイド化した代理人vsDOLLS…みたいな何かを製作中です…
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黒十字帝国学連襲撃事件-3
https://syosetu.org/novel/226680/6.html
サブタイトル
『デスマッチ』
『増援が到着するまで時間稼ぎ…あと距離からして数時間か…』
「ニューマ、本当にあいつを出すのか?」
『もちろん。説得したら同意してくれたし。』
「だと良いんだが…」
マウスが話しているのは先日発生した『銀白色の液体金属生命体』の実戦投入に関することである。
どうやら私は頭を撫でるとその対象物を変質させてしまうらしく(ゲームで見たバイ〇化みたいに)、遺体の頭を撫でたら懐いたという…銀白色の自分を見るのはなんか…こう…違和感しかないな。同じ顔なら見慣れているのに。
『
『
喋れるんだねぇ…一応、政治将校の監視のもと実験的運用を開始する。
『一応はコピーである以上…うん?』
おいおい、それは…
『フレックスが
フレックスが腰回りに手をやると…
『フレックス、射撃を開始します。目標選定を。』
『目前の軽型遊猟種、距離3。』
『フレックス了解。射撃を開始します。』
棒状の物体は
『フレックス、射撃完了。次の指示を待ちます。』
とても私の部下を無力化して回ったやつには見えない恭順さ…暴走が恐ろしいね。
「代理人、プルトニングラードのM6A2E1です!まずいです!」
『どうした!』
「
『…了解。』
まずいな…指揮官がここから離れるわけには行かないし…同時管制?いや、無理だな。
『M6!相手の規模は!?』
「
『動ける人員は?』
「Hs-129、
『絶対に通すな!訓練で洗い出したミスを思い出せ!』
私が指揮に行くか?いや、ここを離れてはいけない。私が行っては誰が進撃を止める役を担うんだ…かと言ってこの政治将校に任せるべきじゃないし…(復讐のことしか考えてなさそうな目をしているし)
…一番近いのは…おそらくⅢ号代理人だ。だとすると…いやしかし…訓練は受けていないはずだ…どうする…どうするp(ry
うーん…難しい。
今ここ。
https://syosetu.org/novel/221891/45.html
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黒十字帝国学連襲撃事件-4
サブタイトル
『政治将校VS陸上巡洋艦』
『Ⅲ号代理人に伝達。準備が完了次第、至急、
「了解。Ⅲ号代理人に伝達…」
マウスに復唱してもらい小型の誘導ロケットでの配達を頼む。時間稼ぎと言ってもこちらには戦力はあまりない。
「こちら
『動けるやつは増えていないのか!?』
「少しずつ増えてはいますが焼け石に水です。」
『……
「…!…了解。」
第一防衛ラインを突破…耐えてはいるがいつか突破される…後続は砲兵、前線は戦車の機甲部隊か?
『位置情報は…。』
『…位置情報を確認。砲撃支援を開始する。要塞外に居るものは中に退避するように。』
「…了解。
(サイレンの音が鳴り響く)
『仰角…火薬量…
『発射20秒前。着弾までおよそ…』
角度を計算し火薬量を調整。さっき手に入れた
『発射10秒前。』
『5,4,3,2…』
『発射!』
自分が座る砲塔から伸びた砲身が火と煙を吹いて弾を発射、遅れてやってくる反動と衝撃はARMSに備え付けた脚のないパイプ椅子のパイプに捕まって堪える。2発の榴弾は時間差を僅かに与えられて大体同じ場所に着弾するようになっている。Ⅲ号代理人が来るが先か、それとも…
「ネズミ代理人!一体何を!」
『…どなた?』
「先程自己紹介した
『うーん…記憶にないなぁ…っと、そこにいるのは
「どうも…」
(代理人は気性が少し荒く、対象的にDOLLSは安定している…保護者か?)
「なんでDOLLSだけはきちんと覚えているんですか!」
『うーん…なんでだろうね?私がDOLLSだから?』
覚えてますよ。グレーテル(偶にホルニッセと呼ばれるらしい)さん。別に上司のグレーテルとは関係ないらしい。単なる名前かぶりか…。
『見ての通り砲撃ですよ。砲撃。』
「それは見ればわかります!一体なぜ後方に!」
『
「わかってますが!それとこれとは別です!」
『どう違うんだい?
「…。」
『ここを重視すればあそこは墜ちる。だけどあっちを優先すると…ここが堕ちる。本来、現実は二者択一なんだよね?』
「…はい。」
『でも、もし両方とも助けられる方法があったら?』
「歴史に「もし」はないですし!成功する可能性はほぼ0じゃないですか!」
『それでも3択になった。モンティ・ホール問題ではないけど天国行きは2つ、生きて帰るが1つだと言う時点で考え直して換えたとしたら…確率は上がるかもしれないね。』
「…こちら
『
「あの…ちょっと…話の途中…」
『悪いけど…少し下がってくれる?
多分なることはないだろうが万が一を考えて。借りにも人間なら余計に。
『砲撃20秒前!ホルニッセさん、57mm、なるべく遠くの建物の中に隠れて耳を塞いで!走って!』
『砲撃10秒前!』
『5,4,3,2…』
『発射!』
自分が(ry。早くⅢ号代理人には来てもらわないと…
(到着まで…全力で飛ばせば装甲列車は1,2時間程度の距離?航空型はそこまでかからない。10〜15分あれば…)(適当な概算)
次回、『地に墜ちた天使』
お楽しみに。
現時点…このあたり…?
→https://syosetu.org/novel/221891/46.html
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黒十字帝国学連襲撃事件-5
サブタイトル
『地に墜ちた天使』
予定を少し変更しました。
「おい、大丈夫かい?こんなところで何しているんだい。」
何十、何百もの人が、人型の生命体が通り過ぎていく中、屈み込んで声を掛ける存在があった。
『あなたは…誰?』
ぼんやりとしか見えない視界に写ったのはシャツに身を包んだ色の白い人であった。
「ああ、私は…うーんそうだな……
それがあの人との出会いでした。
「調子はどう?少しは良くなってきた?」
『はい…。』
あらゆる記録を漁るがその人に関するデータは防護されていて簡単には覗けそうにない。それに本人もあまり語りたがらないから探るべきではないのだろう…。
それから数日。
「喜べ!ついに君は食べることができるようになる!」
『食べる?どういう行為ですか?』
食べる…eat…
「うーん…そうだな…
楽しい事…良いですね。
『良い事ですね。』
「だろ?よく噛んで味を感じて軽く消化して胃に送る、そしてさらに消化して腸に送り…」
『……。』
私がじーっと見つめているこの楽しそうに語る、その人は視線と距離に気がついて襟を直してこう言った。
「とにかく、生きることを楽しんでみよう。そして君の名前は…V-166となる。おめでとう。君は私達、
それから…激痛に堪え、記憶の流入にも耐えて……
今日の回想はここまで。DOLLSの記憶が多すぎて誰の記憶かわからないけれど…いつかわかるはず。(このフルバージョンはおまけ編にて)
記録を完全に補完してかなりの回数改良を重ねたDOLLSは本来の性能を引き出せるらしい。(原作で言うLv.100のフル改造)
『マウス、きちんと連絡してくれた?』
「ああ。何か問題があったか?」
『いや、あまりにも語調がな…』
「弱すぎたか?」
『いや…まあ…私なら『全員変性させるぞ』とか脅すところだったかもな…と思うと。』
「
『まあ一体も居ないのが望ましいんだろうけれど。』
「とにかく連絡はした。問題は無いな?」
『ええ。』
取りあえず…
『後退する!ワイヤートラップを仕掛けて地図に記入しろ!』
「了解!」
古典的な方法ではあるけれど複雑な罠と比べれば比較的確実に動く受動的な罠、それがワイヤートラップ。
干渉武器の砲弾を利用してワイヤーを信管に装着…あとはこの通りを誰かが横断すれば…10.5cm榴弾が爆発この建物は倒壊、通りを塞ぐとという仕掛け。後退しか考えていないと言われそうだが敵の勢いを削ぐべきだと判断する。
自動歩哨銃を設置して進軍を押し留めつつ援軍を待つ。この戦場に華は咲くだろうか。
助けてドラえもーん!本編が進まないよー!
解体新書的な何かを用意しました。
https://syosetu.org/novel/228173/
読まれる場合は…自己責任でお読みください。
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黒十字帝国学連襲撃事件-6
〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇についての記録
〇〇〇〇〇〇の〇〇〇〇というものはなってみるととても不便なもので、自分の意志で動く事はできても視認されることは無いし、何かに触れることもできない。結局は人の形状をしているだけの入れ物に過ぎない。しかも入っているものは核爆弾どころではなく、過去に起きた全ての戦争を繰り返し人類を何度でも絶滅、再生、絶滅、再生…を繰り返せるだけの『情報』である。
よって私は常に孤独であった。知り合う事は愚か知ってもらうことも無かった。
次回予告
『Operation Crossroads Able』
(クロスロード作戦"エイブル実験")
『
「ですがしかし!」
『責任なら私が取る!』
「違う学連でしょう!」
『…ホルニッセ、俺の目を見ろ。』
低い男の声で諭す。イメージが壊れたかな?まあ自由自在だからってことで。
『ホルニッセ、俺はどこの学連にも所属していない。だがな、出入りするためのパスは全て持っている。なんでかわかるか?』
「…どの学連にも関係しているから?」
『そう。そのとおり。所属はしていないが、関係はしているんだ。私は
これはコルセアの声に戻して言う。大変だこりゃ。
『マウス!ちょっと手伝ってくれ!』
「どうした!」
マウスを呼び出す。こればっかりは手伝ってもらわないと…
『これをこうして…』
「ほうほう…そしてこれをこうか…」
そしてここを捻れば…迫撃砲の完成。弾薬はこれ。
「5cm…」
『牽制用だからね……政治将校の始末をしてくる。』
「…了解。」
『やあ、
明らかに元気ではなさそうだ。なにかまずかったかな?
「見てわかるでしょ…元気無いわよ。」
少しは打ち解けたようだ。まあ距離はもう少し近くなるのだが。
『まあそうだな。すまないね。君には一時的に死んでもらう。』
単刀直入に言ったほうがいい。これは経験則であった。
「…!」
身構える…いや、それすらもしないか。なら都合が悪い。
『悪いね。目を閉じておけ。』
(ニューマ、
『よし、完了。
「何これ…あなた一体…何者…。」
『うーん…一言で言うなら…
「…うっさい!」
作者よ…いくらなんでもこの心象描写は無いんじゃないか?
(すいません…私の勉強不足デス…)
『あと5分で増援が来る。そしたら私は交代、お役御免だ。』
やや語弊があるがね。までは言わなかった。
「……死んでくれるの?」
えらく長考したと思ったらそんな結論に至ったのか。まあ良いけど。やれるのなら。
「ニューマ!おい、ホルニッセ代理人!」
『構わないよ。私が言い出したことだし。撃ちなよ。』
私は目を閉じた。
光線式の拳銃独特の発砲音と共に右目側に痛みが走る。しくじったのだろうか?
「…はぁ…はぁ…はぁ…」
「ニューマ!おい!しっかりしろ!」
どうやら私は倒れてしまったらしい。戦場で煽り過ぎたかな?
「ホルニッセ代理人!この!」
『マウス、待て。』
「だが!」
『聞こえなかったのかい?待て。誰か包帯を持ってきてくれないか?距離感が無くなってしまってな。』
左目側に映る情報を見る限り…57mmが止めようとしたもののホルニッセ代理人が撃ち、マウスが武器を取り上げ、止血剤と包帯を回収、処置をしてくれているようだ。
『さて、ホルニッセ代理人、君が見たものは何だった?』
「……彼は生きている…。」
『そう。
『さて、もうそろそろ5分だ。移動しないとな。後は頼んだよ。こっちは…追手を始末してくる。』
「…了解。」
頭を5秒だけ撫でて指揮所を出ていくことにする。
『右目を包帯で覆い、ライフルを担いで走るコルセア…ねえ…。』
「ニューマは無茶しすぎじゃ!」
『コルセア、インベーダー!移動!滑走路へ集合!』
「了解。移動します。」
「了解、移動開始。」
左目だけの視界でバイクに跨りサイドカーにまたマウスを載せて走る。あとは頼んだぞⅢ号代理人、政治将校。
こうして
サブタイトル(つけ忘れ)…
『人間対災獣対人間』
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クロスロード再現作戦
Operation Crossroads Able-0,Baker-0
F2G-2
…実は第2世代のDOLLSではない。器用万能な軽戦に分類される。
実はニューマに「名前」と「姿」を奪われた後分離された個体がベース。
ニューマに対してたまに歪んだ敬愛を示すがニューマは気にしていない。
これは別に後遺症ではない。
一応研究員の一人。
ニューマがV-166としてヴォート学院に拾われた時には同化していた。
ニューマが「プリオン」として配備された後、分離、「ニュートン」として相棒扱いでいた。
このあたりから少しヤンデレ気味になってきたらしい。
ちなみにニューマの予備機としても運用可能。(接触さえしていれば誰にでも移動できたらしいが…それほんと?-by作者)
ニューマ移動中
『" I will buy back what I lost that day my parents sold me! My honor! My pride! My life…私は取り戻すんだ!親に売られた日に失ったものを!私の名誉を、私の尊厳を、私の人生を!ってところか。重戦闘機型DOLLSが狙ってきたとは言うがどんなやつだった?』
「デハビランド学会のところの…モスキートNFMk.Iです。」
『そうか…わかった。こちら側も注意して見るよう言っておこう。』
「ありがとうございます。」
『夜間偵察お疲れ様。』
「はい。…ところで代理人、一つ気になることが。」
『なんだ?』
「なぜ今、電波妨害を受けていないのでしょうか…?」
『…確かにな。確かに電子戦を展開するときに電波妨害をしたりするんだが…死角に気をつけて…』
「今…なんと…?」
(ホワイトノイズが混ざる)
『通信終了!急げ。オーバー。』
まずいな……そうだ、
『マウス、今から言うことを真剣に聞いてくれ。』
「わかった。」
『Ⅲ号代理人の援護に回れ。あっちは対人戦に慣れていない。』
「妾もそうじゃろうが…」
必殺!
「そうじゃったな。」
説明しよう!ニューマの頭ナデナデはほぼ全てのDOLLS(正確にはTARDISに登録されているDOLLS)の性能や記録を少しであれば改竄できるのである。(問題は登録されていない個体も多いということ。Ⅲ号代理人が装備しているやつはARMSだし…)-by作者
『頼めるか?』
「妹の頼みじゃ。妾が参ろうぞ。」
姉が単純で助かる。私は本当は弟なんだが…まあ良いや。妹ということにしておこう。
『頼んだよー!』
マウスにバイクの運転を任せて私は飛び降り…左腰部に右手をやると…
『…できた。まずいね…私もか…』
液体金属が服の隙間から滲み出てきて細長い2本のレールを作る。ちなみにプルトニウムも僅かに含まれているらしい。大丈夫なんだろうか?人間が住む地域で振り回して…
『よっこいしょ…と号だっけ?電磁投擲砲の改良ばーんをバーン!』
たまたま芥子粒程度に見えた
冷却、再装填、再照準。もう一度射撃。着弾。エンジンを粉々にしたようだ。さて、走らねば。コルセア型のARMSを形成してインベーダー達と極東へ向かうことにする。
試作兵器「レールガン。」。その性能、お試しあれ。
ちなみにこのとき、ホルニッセ代理人はZSU-57-2を休ませ、代わりの人員を偵察用に連れてきたようです。
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Operation Crossroads Able-1,Baker-1
『貴方がⅢ号代理人?』
目の前の代理人に話しかける。さっきの記憶の流入は驚いたが……代理人というものは不思議なものだ。
「あぁ、俺がⅢ号代理人だ。そこで恥ずかしそうにしてるのがⅢ号ちゃんだ。よろしく頼む、君の名前は?」(06/27調整完了)
『申し遅れました。私はホルニッセです。こちらはT-34-85です。』
「よろしくお願いします。」
口調がオリジナルと著しく異なっているけれど…まあそういうものだと思ってくれると嬉しいなとか思ってみたりします。
(作者が再現できなかった)
『ネズミ代理人はご存知で?あちらとしばらく交換留学という名目で預かっていたのですが…まさか帰る一週間前にこんなことに巻き込まれるとは…』
とても残念だけど実地訓練だと思えばいいのではないだろうか?
(ちなみに単騎運用なのは資源消費量の削減と偵察である以上大人数は不要な為。)
『現在の戦況はこのようになっています。』
地図を簡易指揮所の机上に広げてペンで情報を書き入れていく。ネズミ代理人が持ち込んだ知識はかなり高度で敵の大まかな編成も含まれていた。
『ここから北に300m、軽型遊猟種の3体編成が多数目撃されています。さらにそこから西に400m…IFFに反応しないDOLLSが多数いるとの情報があります。』
さらに事細か(と言ってもそこまで詳しくはない)に説明し、自分は偵察に出ることを伝え、更に代理人の2人体制で作戦を練ることにしました。
一方…こちらはプルトニングラード。未だに激しい戦闘が繰り広げられている。
『誰か生き残りはいるか!』
「全員生きています!第3ラインを通過されましたが。」
『生きているなら問題ない。敵の勢力に関する情報は?』
「王立白薔薇、極東重鋼、星屑連邦学連のDOLLSがこちらを攻撃しています!」
『ふむ…』
これは困った。政治的な問題は考えたくないが…当学連はどう考えているんだろうか。…始末に来たのか?だとしたらもっと数を増やすだろうし…この程度の戦力では舐めているどころではないだろう。
『反攻に打って出るぞ!』
「おー!」
『赤いタオルを左腕に腕章代わりに巻いてくれ!』
「イッター城…」
誰かが言ったイッター城…かつての大戦において最も奇妙な戦いと言われた戦闘…再現でもするべきか?
『目標…敵重戦闘機型DOLLS。』
「IFFに感なし。」
『再装填完了。照準…照準よし。』
「当該方角に友軍はいません。」
『了解…スゥ…
銀色をした二本のレール(覆いがあるから銃身の太い銃にしか見えない)からマッハ5で飛び出したのは元20mm機関銃弾。MG151/20のあの薄殻榴弾そのもの…ではないがそれをもとにした弾薬である。
本来レールガンはまだまだ研究途上とされているが…あれは冷却の問題や
ボツ案、『ホルニッセ代理人大暴れ』(タイミングが合わなかったが故の幻の展開)が上がってたりします…が転載するわけにはいかないので、ご想像におまかせします。
ホルニッセ代理人の化けの皮?剥がしちゃおうかな?
(と言っても時間経過で剥がれるようにできているのだけれど。)
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Operation Crossroads Able-2,Baker-2
https://syosetu.org/novel/221891/49.html
↑ちょっと前
時系列的にはここ?
https://syosetu.org/novel/221891/50.html
「着弾確認。」
インベーダーが観測員か。頼もしいことだ。
『損傷は?』
「1番エンジンから出火、なおも前進中です。」
『まだ来るか…』
「第4ラインが突破されました!」
『…あと2つか。敵はどれくらい減った?』
「さっきの重戦を含めると…およそ1大隊くらいかと。」
1大隊…6小隊か…
「おそらくまだ出てくるかと。」
『秘密兵器を出すわけには行かないし…』
「秘密兵器?」
インベーダーの頭に軽くチョップ。悪いね…口が滑ったのを覚えられるわけにはいかないんだ。
『
「いててて…なんの話でしたっけ?」
『こちら側の戦力の話。』
「ああ…そうでしたね。」
『今はまだトラップまで距離があるけれどもうそろそろ引っかかり出すだろうね…』
「本当にあれを使うのですか?」
『私はいつだって本気だよ?』
「は、はあ…」
『信じてないねー?』
「ま、まあ…そうですね。」
『ここは期を待つべきだね。相手の素性がわからないんだ…』
『所属も不明…指揮官が何者なのか…』
「基本、人間ではないのですか?」
『私みたいに
「あの娘?」
『今頃黒十字で交戦しているだろう後輩だよ。まったく…何であんなに若い子も戦場に出さねばならんのだ…9年前やそれ以前から全く変わってないじゃないか…』
「9年前…廃都事変ですね…。」
一方…黒十字帝国学連側は…
こちら、
結局独立した斥候として黒十字戦線に残ったのですが…指揮官の二人、大丈夫ですかね?最悪の場合無力化してでも守れと聞いてはいるのですが…一人は
ブルーム1が少し離れたところから双眼鏡で
『もうそろそろ日の出…正体不明のDOLLS…雇われた?いや、退役したDOLLSも民間には放出していないはずだ。退役したDOLLSは補給要員等に回りサポートに回ると聞いたけど…』
…敵の重爆を発見。まだ距離はあるが…予防攻撃すべきか?それとも斥候として連絡した上でもう少し様子見すべきか?識別…B-24リベレーターと識別。外傷、損傷は見られない。距離は…5km。打電…
『こちら前線斥候のブルーム1、敵の重爆を発見。対応を待つ。』
「…CP了解。撃て。」
『ブルーム1了解。射撃開始。』
帰ってきたのはやや低い声の女声であった。
レールガンというものは一回撃てればいいと言うものではなく、コスト的な面で見ると何百、何千回と撃てないといけない。液体金属でできた私はレールの補充が容易だけど…普通のDOLLSが扱う分には…しょうがないね。あっ、伝令のFi-103は許可を得て捕食、吸収しました。危ないからね。
「こちらCP。ホルニッセ、前線に出ます。」
『お主が行くとこの指揮所は最悪、無人になるぞ?』
「誰だ?」
『悪いね…
バイクに跨ったまま煽りつつ説教…妹に見られたら笑われるかも…
「…説教は終わりですか?」
『うーん…そうじゃのう…一言。
「…何を!この
『…ホルニッセ代理人…それがお主の本音か?だとしたら妾は悲しい。全く成長しておらんな。』
武器であり盾でもある仲間を侮辱しおって。
「こちら
トリチウムは今回、T-34-85に振られたコードらしい。
『ホルニッセ代理人、お主の役割は何じゃ?』
「私の役割…」
『それがわからん限り貴殿に大隊の指揮は許されぬ。これは上官命令じゃ。』
「聞こえたね?
化けの皮が一部剥がれましたね…
オイ車様が来ない…お医者様ー!お医者(オイ車)様はいらっしゃいませんかー!
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Operation Crossroads Able-3,Baker-3
サブタイトル
『十字路作戦』
後半、原子爆弾に忌避感しかないとか、核兵器が出てくる作品は作者ごと消えてしまえとか思う人は読まずにスルーしてください。
『Ⅲ号代理人、IFFが、IFFに感あり!』
これはIFFの偽装なのか?それともなのか?ただ…一つ、言えることがある。奴らは…殺すべきだろう。撃ってきたのだから。
『タオルを!タオルを左腕に!』
ある日、妹が言ってたのを思い出す。
「かつてイッター城の戦いという戦闘があったらしくてね。いがみ合ってた筈のアメリカ軍とドイツ軍が共闘してドイツの親衛隊を撃退した話があったんだけど…」
赤色のタオルを左腕に巻いてたっけ?まあ目印になればそれで構わない。
私達は殺す事を躊躇ってはいけない。躊躇った瞬間に死は確定する。私達は死んではならない。代理人が望んだ事だから。
私がすべきコト…敵の殲滅…殲滅?この小部隊で?あり得ない。なら…偵察か?脇役…それがお前にはふさわしいってこと?
『ふざけるな。たかがDOLLS、人間より優れているはずが無い。優れているのなら…あいつは…あいつは…』
「
『大丈夫だよ…』
「なら何故泣いているのです?」
『だから大丈夫だって!』
「…わかりました。大丈夫だと言うのなら大丈夫なのでしょう。」
「…ほら、命令を。」
『…
「了解。それでいいんですよ。簡単な指示を出して考えさせるという姿勢も。」
『脇役…』
「脇役…本当に脇役ですかね?偵察によって得られる情報は使い方によっては主力部隊よりも貴重ですよ?そちらに
『
サイドカー付きバイクでやってくるなり『戦闘工兵車』と名乗る妾を見て目が丸くなっておるのう。(毎度の架空機である)
「戦闘工兵車?Ⅷ号?」
T-34-85が目を丸くしておる。
『久しぶりじゃのう、元気にしておったか?T-34よ。』
「お久しぶりです。」
『…そなたが『人間』の代理人か。のうT-34、コヤツは信用に値するか?』
「…値します。少なくとも私は信頼しています。」
『そうか。ならそれでよい。さて、ホルニッセ代理人、先程はすまなかった。本来説教をするべきではない立場であるのだが…申し訳ない。』
これは本当である。
「…Ⅷ号戦闘工兵車さん、なぜ謝るのです?」
『妾は失礼を働いた。それだけの事。』
「あれは必要だったと思います…私は…9年前から成長していません。」
『そうか…そろそろ行くか?』
「そちらも突撃思考は変わりませんね。」
『ああ…そうじゃ。変わらぬ事も必要じゃ。…それに気がつけたのかのう?』
音を立てることなく液体金属は私の右手の中に戻った。自由に整形できるのは便利じゃな。(妾は謙譲語である以上会話以外では使えない?)
『さて…情報は…うん?』
以下、原子爆弾について耐性のある方のみお読みください。
なお、私、イエローケーキ兵器設計局はここから下を読んで得た影響等に関して一切責任を持ちません。被害としては軽いかもしれませんがこれには理由がありますので。
極東の方で何かが光ったような………目が見えなくなる程の光量……………まずい!
(只者ではない大爆発音)
携行していたDOLLS用の通信機が戦場の今を伝えてくる。
「敵でも誰でもいい!助けてくれ!おい、
ちょっとしてから爆発音が聞こえた。墜落したのか?
「
転げまわっているのか地面と擦れ合う音が聞こえる。
「おい!あいつの片腕を見てないか!」
「こいつは…首が無い。こいつは…脚しかねえや。」
「
……。何が起きている?
「こちら極東方面防衛基地、上空にて特殊爆弾が爆発!誰か市街地に消防機を連れてきてくれ!」
特殊爆弾…特殊…
(以下、マウスの貴重な回想シーン)
「核戦争モード?核戦争とは一体?」
『うーん…一言で言えば人類同士における超特大威力の兵器をぶつけ合う戦争といった感じ?』
「すごいのか?」
『このゲームでは威力は小さく描かれてるけれど…本来は…』
2枚の写真をニューマが見せてくる。
『これはあくまでシュミレーターで計算されたものなんだけど…』
「これは…」
賑わっていた平地の街が破壊され焼け野原となっていた。
『あくまでシュミレーションだから本来の威力は伝えきれてないけれど本当はここに熱と放射性降下物の影響が出てくるから…』
「阿鼻叫喚どころではない…ましてや人間なら…」
『そう。極東のある研究員が出した計算結果なんだけどね。』
(以上、マウスの貴重な回想シーンでした。)
何キロトンクラスだったのだろうか?
極東の方では
後悔?していませんよ。棲み分けはしたつもりです。できていなかったら…少し変形させるかもですが。
07/11午前1時 オイ車到着。ようやく本作戦に出すことができます…
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Operation Crossroads Able-4,Baker-4
極東重鋼学連側は地獄であった。
『敵も味方もない!救助だ!軽戦車型はトリアージ!』
「了解!急ぐよ!」
『重戦車型は回復見込みのある重症者を運ぶ!重戦闘機は周囲の警戒!付近を通るDOLLSには医療支援を伝達!』
「了解した!」
『重爆撃機型と中爆撃機型は放水タンクを装備して集合!』
「Roger!」
『中戦車型と攻撃機型は瓦礫の撤去を!私も手伝う!』
「了解しました。」
『対空砲型と軽戦闘機型はあの
「了解!」
「タンクを装備してきました!」
『滑走路脇に貯水タンクがあるのでそこから水を汲み、炎上している居住区や工場に放水!』
「了解!」
訓練を一回しかしていないというのに効率よく自分から考えて動いてくれている事に感謝をしないとね。
「偵察機からの報告です!」
受け取った情報によると粉塵、大気共に放射性降下物の存在を認めなかった……なかった?
『こちら
オープン無線で連絡、敵でもいい味方でもいいとにかく消火だ!トリアージだ!救命だ!
…にしてもなぜ味方がいるとわかっていてあの
一方…黒十字帝国学連側はというと…これはこれで地獄であった。(特にニューマ側)
「特殊爆弾…クソが!…」
「代理人…これは…しかも極東に空、見てみてよ」
Ⅲ号代理人が空を見ている。……嘘だ!あり得ない!私は…私は…認めたくない!だけれどもそんな私を嘲笑うように…大きなカサを持った雲が、上へ上へと登っていた。
「…きのこみたいな雲ですね…」
「…あのレベルの大きさは…やっぱり…原爆か…」
「極東の人間には…嫌な…思い出かい?」
「あってはならないことだよ…アレは…」
「…原子爆弾…使ったのは…誰かな?」
「…ニューマの言ってた『秘密兵器』じゃないの…あの野郎…極東の源流が日本だって知っていて落としたのか…あの野郎…」
違うと否定したかった。いや、否定すべきであっただろう。だがどのタイミングで言ったところで言い訳にしか聞こえないだろう。
ここにいるⅢ号代理人と61式は記録に名前が残っている『日本』出身だと聞いている。そんな『日本』はある著名な歴史研究家曰く第二の被爆国だという。結局、他の資料を漁ってその発言が真実ではないと判断したのだが。
その後調べていくとどうやら本当は唯一の被爆国であったらしい。その悲惨さを体験したからこその恐怖があるのだろうか。
秘密兵器は催涙ガスだとニューマから聞いている。
最初は効くのかと笑っていたのだが、ニューマにそこまで言うのならと(抱き上げられて無理矢理)テストチャンバーに運ばれて、散布されたガスが息を止めていたにも関わらず、僅かに体内に入っただけで涙とくしゃみが止まらなくなった事を覚えている。それだけ強力だから本人も最後の手段として隠していたらしいが…これが仇となったということか…
ただ、一つ懸念点があって、ニューマは
関係のない話、震電はプロペラ機に戻ったようです。
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Operation Crossroads Able-5,Baker-4
星屑連邦学連のとある場所
「これで本当に行くのかい?」
『ええ。私は…行かなくては。』
「ならこれを持っていくと良い。」
『これは…』
「試作品じゃない、正規品だ。持ってけ。」
『はい。行ってきます。』
「ああ、行ってらっしゃい。」
極東重鋼学連側の壁の上空にて謎の爆発…私達はこう考えた。
『プルトニウムが危ない。』
そして…
「私達が送り出したニューマを護らなくては。」
とね。
ニューマはもともとはここの子。今は
極東重鋼学連上空
「不審機を発見!どうします?」
『…ジェットか?』
「そのようです。」
『敵意が無ければ誘導、敵意があれば…こちら側が撃ち落とす。』
「了解。」
一応秘密兵器は用意しておいたが…まさか使う日が来るとはね…マウス姉さんにはもう一つの秘密兵器の方を教えているんだけど、本命は…
『スティンガーさん、頼むよ?』
まあ数撃ちゃ当たるでしょう…それに、
…おそらくⅢ号代理人はこの爆発を見て核爆発だと考えるだろう。そして今一番有力な被疑者は私である。懲罰部隊送りになる程度で済めばいいのだけれど。人間曰く核でなくとも核に見えればそれは核であると言う。可笑しいね。
ふふっ…私も核兵器の一つだというのに。ああ、もちろんこれは最終手段。災獣に限らず全ての敵を引きつけて…
私は政治的には中立である。急進派でも穏健派でもない。ハト派でもタカ派でもない。我々はあくまでDOLLS。兵士に過ぎないことを忘れてはいけない。
極東重鋼学連地上
『司令船に接近、どうします?』
「地上に降下させ、全員降ろせ。抵抗するなら攻撃も許可する!」
『了解!』
現在、味方ごと焼いた「
『え〜と、この角を右に曲がって…そこを左に行けば…見えてき…た?え?』
今日付で
「お、良いところに来たね!君がオイ車かい?」
急いでいると、試験走行の時に見かけたF4UコルセアみたいなDOLLSが話しかけてきました。
『え、ええ…そうですが…』
「私は極東方面防衛基地の代理人、ニューマと呼ばれている者だ。好きに呼んでくれると助かる。いきなりで悪いんだけどちょっと手伝ってくれないかな?」
なるほど。代理人だったんだ…
『どうすればいいですか?』
「…ちょっとこれを見てくれるかな?」
タブレットをスカートの内側(鉄壁の防御により中を窺い知ることはできない)から取り出すなり差し出してきたので見ると…
…なるほど。理解しました。行きましょう。
『わかりました。手伝いましょう。』
「話が早いと楽だね。ではこちらへ…救助班、援軍が到着したぞ!」
『クレーンは…あそこですね?』
「ええ。現場に連絡しておきます。頼みましたよ。私は他の班に指示を出してきます。」
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Operation Crossroads Able-5,Baker-4
『人類滅亡シナリオ』
じゃなくて…
『ゆうきとぜつぼうのものがたり』
でもなくて…
「代理人の異常な愛情、または…如何にして私は心配するのを辞め戦闘を愛するようになったのか」
長い。
「略してDr.Strange Love」
それ元ネタの登場人物!もしくは原題…
作者は許そう。だが、ニューマが許すかな!?
『え?危害を加えないなら許す。』
え?
苦情が来たら消します…
ニューマが倉庫から引っ張り出したのは見るからにとても古そうな飛行機であった。
「代理人、これで飛ぶんですか?」
『ん?大丈夫。飛べるよ?数日前から整備していたから。』
「ジャミングとか…」
『あー…それ気にする?大丈夫…と言いたいところだけど……コルセア、君にだけ教えておこう。実はな…』
と言うわけでもうそろそろはっきりと…ほーう?
『ここは飛行禁止区域です!消防機以外はお帰りください!』
「もし断ると言ったら?」
『…あの世送りです。それにしても…
作戦としては…まずコルセアが警告。それでも退避しない場合は…ニューマ自身が飛ぶ。ちなみにニューマがガチギレすると人類滅亡エンドまっしぐら(原材料…プルトニウム239…80%)なので人類に仇したい者以外は本人を含め極力冷静に行動することが求められる。
『こちら
「互いに空中静止中です。」
『ガガンボ了解。』
空中静止中…どうなってんだか…
互いに
まあぶっちゃけ…向こうさんは勘違いしてるんじゃないんですかね?もっとも…私も知らなかったのですが。
私と
コードネーム『ガガンボ』…F-111…アードバークというとツチブタ…という訳だけど、まあツチブタらしくないよね…これ。最初の実用可変翼戦闘爆撃機…でしたっけ?なんか制御装置を弄って(色々減らして)軽量化してカスタマイズしたらF-14Aに少し劣るくらいにはマシになった…あとコルセア…正義の鉄槌って…お前…うちらに正義なんてないんやで?
『ですから…お帰りください。』
「いや…しかし…」
『救助活動の邪魔です。邪魔をする者には退場していただきます。たとえそれが赤の公爵であったとしても。』
『…それに……録画してますよ?レーダーにバッチリ映ってましたし…それとも人類を消したいのですか?』
僅かにチェレンコフ放射の青い光がスカートの内側から漏れた。
ちなみにスティンガーは一部ブラフです。
クソリプするとおそらくスティンガーにチャフは効かないです。
さらに言えば対艦ミサイルも飛行船に向けては飛んでいかないのでは…?(プログラム的に無理がある気も…)
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Operation Crossroads Able-5,Baker-5
『" I will buy back what I lost that day my parents sold me! My honor! My pride! My life!』(私は取り戻すんだ!親に売られた日に失ったものを!私の名誉を、私の尊厳を、私の人生を!)
…回収されたボイスレコーダーより
(ACE COMBAT X2のミロシュ・スレイマニの英語版セリフより)
極東方面防衛基地 保有兵器 特筆事項
所有特殊兵器一覧
・N兵器(A兵器)
ニューマコーニオシス
…中身は80%がプルトニウム239。他は液体金属でできており、必要に応じて液化したりする。昔は髪が黒くなったマウスに擬態していた。今はコルセア風のDOLLSに化けている。共食い癖が有る。そういう意味では極度の変態。
・B兵器
BLM-1 (モデルはR-TYPE FINALのB-3B2のつもりです…)
…ニューマコーニオシスが謎の極限環境微生物に感染した結果分離したもう一人のニューマ。液体金属100%。ニューマに対してとても忠実。制御系統はニューマが握っているし本人も預けている。
・C兵器
催涙ガス
…極微量で催涙効果を持つガス。別に吸いすぎても極端な害は出ない。
黒十字側はというと…
『走れ走れ!位置を特定されてる!砲弾の雨が降るぞ!』
「エージェントピンク来ます!隠れて!」
『妾の左側面に隠れよ!』
右側面から閃光。爆風。人工皮膚に届く前に金属が蒸発して守ってくれてはいるがいつまで持つだろうか?
それに対して極東方面は…
『なぁにこれぇ?』
「代理人!表情、ある意味
「あのねぇ…」
単なる
植え付けたマルウェア
・燃料を補給しようとすると「ねんりょうたんく が から です」という通知が出続けるもの。下手をすれば燃料が漏れるけど…まあ見てる感じ解除できてるんだろうね。
・「君の勝ちだ!どうだい?永遠の敵を打ち負かした気分は?二度としちゃ駄目だよ?」というゴシック体とデフォルメされた震電が同じくデフォルメされたコルセアの腹をスピアで突き刺す写真が視界いっぱいにポップし続けるもの。着陸10分後に作動するように設定した。
首の骨を折ると言えばあの子は強かった。結局逃しちゃったんだっけ?…あ、一緒に逃げたのか。マウス姉さん…の
もう一回黒十字視点
「それって単純にニューマに○して欲しいだけなのでは…?」
『この作品がR-18GもしくはR-18になるからそういった発言は自重!命令違反!』
「メタイ!てかそれ言いたかっただけじゃん!」
ブルーム1もとい妹の一部が耳障りなことを言ったのでとりあえず処刑。妹が猟奇的になる前にこっち側に引っ張らないと…え?R-18版ではもうなってる?…ニューマ、今晩と明日の夕飯抜きね。
マルウェアの辺りは問題ないよね?どうせ解除できてるんだろうし。
次回予告
「1万人救済計画」
お楽しみに!(ifストーリーにするか悩んでいます)
2020/07/22更新 次回は週末までお待ちください…作者の執筆速度とスケール、個人的事情、ラーテと飛行空母の設定変更が絡まりあっております…
2020/07/24
更新。両作者共に多忙につき暫く、クロスロード再現作戦は一時凍結となります。誠に申し訳ありません。
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1万人救済計画
1万人救済計画-0
「…よって被告人を第251部隊配属とする。」
判決が下った。私は懲罰部隊の隊長になるようだ。部下は一部連れて行って構わないらしい…残されたものはどうなるのだろうか?
移動中のトラックの荷台で情報を整理…連れてくることができた隊員はマウスと、コルセア(+元液体ニューマ)とインベーダー、そして…
『お前、何で来た…』
「いやー…呼ばれた気がしまして…」
非戦闘員なのに、懲罰部隊なのに来ちゃったメシアさんの4人。ピクニックならともかく、私達は死地に向かうんですよね…?そして向こうで合流するのが…
『命令違反に…政治犯か…何をしでかしたんだ…』
「どうやらDOLLSに人権を!と要求したらしいですよ。」
『なるほどね…私達に人権があるかと言われると…無いね。人間扱いはしないでほしいし。あ、メシアさんは別。今のところは人間扱いだから。』
「今のところは…」
ちなみに液体ニューマは完全に擬態してコルセア2体目となりました。私はマウス型(ただし成長後)。
数時間後…
『着きました…いやー長かった…』
そこは雪国であった。基地は想像と違い単なるバラックではなく、コンクリート製の飛行場と格納庫、そして管制施設に
『格納庫があるのはあり難い…雪掻きする範囲が少し狭くなるし…』
「ニューマ、これが雪か。」
『ええ。起きたんですね。』
「わた…妾は寝ておらぬ!」
『そうでしたっけ?ねえ、メシアさん?』
「バッチリ、写真も…ほら。」
確かにそこには姉の寝顔が…本人には悪いが可愛い。
「止めろ!見るでない!見るでない!」
『早速、顔まっかっか…風邪でも引いた?』
「見るでない!」
(マウスのビンタ直撃)
『グヘェ…』
痛いっす…
所変わって…管制施設にて。
『君が
「はい、私がAH-56Aです。」
『よろしく頼むよ。』
『そして…君が……』
「…
『よろしく頼むよ。』
「…はい。」
「ええ。早速仕事をちょうだい?」
『…シャイアン君、君の仕事はARMSとここの整備。出撃はその後だ。』
「えー?」
『YA-10A君、君のARMSも少し整備不良気味のようだ。』
「…?」
『二人とも、悪いけど後でARMSを少し見せてくれ。』
「えー?」
「…わかりました。」
格納庫では…
『これがAH-56A…で、こっちがYA-10Aか…』
「ニューマ?ここにおったか。」
『ん?どうした?』
「YA-10Aが出撃させてくれ、と騒いでてな。」
『止めてほしい?それとも黙っておけ?』
「止めてほしい。」
『ふーん…そう。多分、私が言ったって何も聞かないと思うよ。あ、そうそう。本人をここに連れてきてくれる?』
「わかった。」
命令違反…暴れるのはいいけど"靴磨き"で墜落するようなことはないよね?
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1万人救済計画-1
サブタイトル
「スーパークソサイコヤンデレ」
再びハンガーにて…
「…お呼びですか?」
『うん。呼んだ。』
YA-10Aに来てもらった。
「早く出撃したいのですが。」
『急ぐ理由があるのかい?整備中なんだが。』
明らかに上司として応対するにはおかしな行動を取っているが気にしないあたり心は強いのだろう。少なくとも表面上は。
「私は災獣を減らさなくてはいけません。」
『…試作機なのに?』
「試作機でも武装を積んでいれば立派な戦力です!」
『まあ確かにな。さて、5分待ってくれ。"雲"が晴れる。』
「雲が晴れる?何処もかしこも晴れているように見えますが…」
『いいや、曇ってるよ。ほら。このスコープで見てご覧よ。』
防寒具の内側からフィールドスコープを取り出して指示を出す。本来はこんな雑な使い方は駄目なんだけど…
「あれは…」
『何が見えた?』
「飛行種共…」
『そう。君は確かにイレギュラーで、本来重攻撃機型として開発される筈だった。しかし現実は変で、重戦闘機として生まれ出た。なるほど確かに普通の代理人なら出撃許可を出していただろうな。だが、私は違う。』
『君は不完全だ。霞石やミーミルとの戦闘では不利であろう。それに…今整備中だ。』
「…いつ終わりますか。」
『うーん…あと4分くらい。牛乳でも飲んで待ってて。』
なんとなくこいつには
「……了解です。」
『あーあと、私も出るよ。地図だけじゃわからないから。』
「
『ん?どしたー?』
「留守頼める?」
『わかったー。任せといてー!』
「頼んだよー」
ニューマが滑走路に出たのを見た。私は私のすべきことをしなくてはならない。情報を掘出せたら探し出せたとしたらまた私の事を呼んでくれるだろうか?
「インベーダー、お主は何をしておる。」
この声はマウス。あいつの姉の「一人」。
『情報収集。』
そして、私の元友人。今も友人だけど。
「その割にはなかなかにセキュリティレベルの高いところを探ってるようじゃな。」
『まあ許可は得てるから。』
「そうか。」
確かに許可は貰ってるから問題は無いはずである。
二十試指揮官型DOLLS
通称:ニューマコーニオシス
ありとあらゆるデータが出てくる。擬態の原理やら白刃戦闘能力やらなんやらの情報を通り過ぎた先に私の求めていた情報があった。
『被験者:04P TYPE-0862.151.079』
あった。この番号は……私よりも前。
『マウス、君は知らなくてはならない事がある。』
「…何だ?」
『君の妹は…』
「妹は?」
『私の実の弟だ。人間だった頃の。』
「は?人間だった頃?お主は……ん?」
『忘れたか?マウス、君はあいつの…』
「……近所にいた……まさか…いや、でも何で私はこれを?」
『そうだ。徴募で連れて行かれたあいつさ。そして理由はわからん。』
「まさかあいつが今…てことは…」
『私がベルタ、君…いや、貴女がマーサだ。でもって、ホルニッセ代理人に行ったT-34が居ただろう?』
「ああ…うん。」
『あいつがタチアナだ。もともと共産主義じゃなくてどちらかといえば…資本主義だったよな…赤色十月に適性が出たからT-34になったんだろうけど。』
誰がヤンデレだって?
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1万人救済計画-2
『贖罪』
『ミーミルを発見!』
「了解。交戦する。
『了解。』
一時間近く飛行して敵のパトロールを発見。それは殲滅にかかった時のことであった。
代理人が
「鋼玉を発見。耕せるか?」
『了解。』
30mmの調子はとても良い。低速回転も高速回転もしっかりと動いている。…少し前に故障していたはずなのだが。
『消えろ!』
指示通り、鋼玉を耕し、返す手で石英の群れを物言わぬ石にしていく。
「こっちは終わった。そっちは?」
『こちらも完了。』
「了解。進むよ。電池残量は大丈夫?」
『問題ない。』
一つ変わったことがある。機関が電気エンジンになったのである。詳しい話はあまり聞いていないが空中給油を無制限に受けられるようにと、この部隊はその改造を受けているらしい。
「残量が一時間を切ったら教えてくれよ。給電するから。」
『了解了解。』
あんたは心配性のオカンかと思いながら返答する。
空中給電は代理人がドローグ(ホース)を伸ばし、こっち側がプローブ(パイプ)を出して接続、給電するプローブアンドドローグ方式である。
一方基地では…
「どうする…」
『流石に私が本当の姉だ!そして君は元弟だ!なんて言えるか、と言われると…』
「言えない…」
『だねー。』
「あんなに可愛かったあの子が今じゃ女の子に…それも妹…」
『それもありとか言わないでよ?』
「いやー…」
『ちょっと…あれでも私の弟よ。』
「それはわかってるけどさ…」
「あのー…この会話、私が聞いていて大丈夫なのでしょうか?」
『「あ…」』
「す、すいません…」
メ、メシアさん…いらしたんですね…
『いつから…』
「留守番頼むよのあたりから…です…」
『どうする?』
「どうします?」
「…本人に言わなくていいんですか?」
『え?』
「本人は気づいているかもしれませんよ?わざわざコルセアさんではなくインベーダーさん、貴女をご指名なさったのですし。」
『うーん…弟なのに全く掴めない…』
他方では…
『
「
『…うん…大丈夫。』
「明らかに顔が青いですね…
『大丈夫だって…』
「ならなぜあのとき、
『…知らないよ。ほっといてよ。』
「…逃げる事も時には必要です。ですが、今ではない。代理人、貴女が逃げ続ける限り先輩の影はいつまでも追いかけてきますよ。ほら…あそこに……え?」
『うるさいな…ほうっ……は?』
「あーーうん…なんかごめん…」
「だから言ったじゃないですか!補給の為でも立ち寄るのは駄目だって!」
何か外で言い合っている人影2つ。片方はおそらく
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1万人救済計画-3
サブタイトル
「赤い夢」
赤色十月同盟学連領内のとある基地
窓の外では何やら異様な空気が流れている。猛吹雪の中、微かに見える2つの人影。片方はやや小柄でもう片方は長身。向き合っているのが何とかわかった。
『入れてあげて。』
「わかりました。」
T-34が執務室を出て行った。
「いやーホルニッセ代理人、すまないね。吹雪が酷くなってしまってね。助かったよ。」
「本当にすいません…」
『どなたって…先輩?』
「ははは…よくわかったね。そうだよ。私がネズミ代理人さ。こちらはYA-10AサンダーボルトⅡ。」
「どうも。YA-10Aです。」
『ホルニッセ代理人です。こちらはT-34です。』
「どうも。T-34です…なぜそんな目で見ているのです?」
「あ、ああ…失礼。少し知り合いに似ていてね…喧嘩をしたばかりなんだ。」
『どのようなお方だったんです?』
なんとなく予想がつくが黙っておく。…たぶんSu-25辺りかなと予想はしているが果たして…
「YA-9と言いまして…」
そっちか…
その頃…
某所
「あれで良かったんですか?」
『ああ。あれで良かったんだ。実験は成功。人間の損失も少なかった。それだけだ。』
「そうですが…」
『誰も死にはしなかった、だろ?』
「…ええ。」
『反軍備団体を扇動して注意を引いてもらい災獣信仰カルト教団に壁の爆破を支援…ここまでは完璧だった。』
「しかし、4本線部隊に、応援に駆けつけた部隊の妨害が入った。」
『なんとか起爆できたのが幸いだったがね。』
「人間への影響は微小…」
『いや、微小じゃないよ。正体不明のDOLLSへの恐怖心を煽ることはできた。それに、応援に駆けつけた部隊と4本線部隊は関係が悪化したようだし、危険な方は懲罰部隊送りにできた。想定以上の成果だったよ。』
このあとは…燃料気化爆弾の調整をしないとね。もっと高威力でもっと広範囲を焼き尽くす…核とは違うクリーンな範囲攻撃が実現できれば…
『例え1,000人死んだとしても10,000人が生き残れれば良い。災獣との戦いで旧式の兵器を使い続ければ10,000人は死ぬ。しかし、この兵器が完成すれば…1,000人の犠牲さえあれば…』
あとは笑うだけだった。
再びホルニッセ代理人の基地
『それでは、お邪魔しました。』
「本当にすいませんでした。」
「いえいえ…」
「…」
「…ネズミ代理人。」
『どうなさいました?』
「話があるのですが…」
『…はて?何でしょうか…?』
「少し、お時間よろしいでしょうか。すぐ済みますから…」
時間が思ったよりもかかってしまった…
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1万人救済計画-4
『汚れ仕事』
「で、話とやらは?」
別室に移動して鍵をかけた瞬間、
『その…』
「その?」
目の前の
「…何ですか?」
ネズミ代理人とは1mくらい離れているはずなのに目と鼻の先にあるように感じてしまう。
『…すいませんでした。』
絞り出しかろうじて出た声はとても細かった。
「…?」
『貴官とその部下を侮辱した事を謝罪させてください。』
「はあ。そう…その言葉、私は受け取れないね。」
「君は謝罪する相手を間違えていると思う。私に言ったって無駄。私じゃなくて君の部下やⅢ号代理人の所に言うべきだろうね。特に…Ⅲ号戦車。
反論できない。正論に聞こえて反抗する気も沸かない。
「人間に利用されるために作られた存在だから。人を殺すためにも守るためにも作られた存在、それがDOLLS。Ⅲ号戦車とⅢ号代理人はかなり傷ついたんじゃないかな。…私とは違って君は賢い。その賢さをうまく使いなさい。」
「君が戦力を率いる覚悟をしたならば、私は君達を守ろう。この身が腐っても……まずはⅢ号代理人の所に謝罪しに行け。話はそれからだ。まあ…もっとも…君はここで死ぬのだけれど。」
へ?単なる説教で終わらない…だと?
「すまないね。これも仕事なんだ。職務上、殉職って扱いになるけど構わないよね?」
「
壁に押さえつけられて最後に見たのは普段無表情な
代理人が"
「それは…一体…」
「うーん…そうだね…
その一言で空気は凍った。
目の前のT-34-85をブラックジャックで殴打し失神させる。頭部に
『代理人、これで良かったんです?』
「ん?全く?ZSU-57-2も見つけたし。」
「人間…ねぇ…あとは…3エフにイージーか…ホねが折れるなァ…」
『代理人?』
「ん?あぁ…すまない。さ、行こうか。忘れていくなよ?」
『ええ。』
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1万人救済計画-5
「極寒の夕暮れ」
『しかして代理人、この
「基地に連れ帰ってコンポストに一体ずつ放り込む。ホルニッセ以外はそのまま修理…ハチは…バックアップを取るかな。」
『り、了解です…。』
コンポストとは…一言で言えばDOLLS用ポッドである。生ゴミに例えるあたり性格を疑うが251に来ている時点で性格は知れていると言えるだろう。
「ただ今戻りました。あれ?マウス姉さんまで?」
『おかえりなさい。遅かったですね。』
「いやー…靴の汚れが頑固でね…」
『そうですか。』
「整備したら戻ります。」
『了解。』
距離感を掴みにくい…掴めていないから他人行儀みたいな応答になってしまう。
「ところでベルタ姉さん、ベルタ砲ってなんです?」
『ベルタ砲というと…パリ砲……え?』
「いやーホルニッセ代理人を保護しに行ったら姉さんたちの資料が出てきて…人間の被験体30人、に関する資料だったんだけど…プロジェクト
とても笑顔で聞いてくる。人間だった頃からその笑顔は時に恐怖感しか覚えさせないと文句を言っていたものだが……あんなことを言うんじゃなかった。
『災獣を呼び出すDOLLSの開発計画?瓦解してたよね…』
「…あれ姉さんだったの?」
『いや、違うよ。あれは先代。私はその後だもの。というか、なんで知ってるのって…そういや盗聴できるんだったね…』
「あぁ…うん。」
そこで会話は終わった。
格納庫に一人向かう。
「代理人、お悩みですか?」
その声の主は
プロジェクトC(
見た目は飛行空母とほぼ同じとされているがはたして…
記録を見るに召喚された災獣はやや蒼く光り、召喚者やその友軍(と認識している者)を攻撃せずターゲットのみを攻撃したようだ。
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クロス・ザ・ルビコン
タイトル名は変わりましたが内容は同じです。
『メシアさん…いくつか聞いても?』
「なんでしょう?」
『すごく失礼なことを聞くけど…構わない?』
「はい、何なりと。」
『では…貴女の歳は幾つ?』
「初っ端からそれですか…そうですね……十代と言っておきます。ホルニッセ代理人殿と同じくらいですかね。」
『では、本題。シャイアンはいつ、どこから送られてきた?』
「そうですね…記録を漁った限りですと…極東黒十字爆破事件の後ですね。所属は…わかりませんね。ただ、飛行記録から考えるに…」
『黒十字か?』
「ですね。」
『参ったな…あ、そうそう…一つ突っ込んどくけど…どうやって漁った?』
「A-26Bさんに教えてもらいましたが?」
『…そう。』
真偽不明。場合によっては射殺も検討すべし…と。
リベレーターも大変な所に流れ着いたものである。AH-56Aシャイアン…これは試験機の皮を被せられたB-24だろう。DOLLSごと順次交換して行くのではなくARMSだけを交換して経験を移さずに利用する…資源的には理に適っている。人的資源上の遊兵が発生しないからね。
一方…実験部隊では…
『あとは…
「
『爆撃機と砲兵…あとは軽戦闘機か…本部周辺ということは…極度に練度が高いか、逆に教練中か…どちらにせよ厄介だな。』
「C計画機でも連れていきますか?」
『連れて行くには取り回しが悪すぎる…いや、手立てがあるな。』
「余っているARMSを装備させますか?」
『F2G型のコピーが残っていただろう?』
「ええ。…あれを使うんですか?」
『こんな時こそ使うべきだろう。』
「4本線が嗅ぎつけなければ良いのですが…」
『嗅ぎつかせておけ。流石に奴らでも市街地で暴れまわりはせんだろう。むしろ殲滅してくれるかも知れん。』
「不運な事故…」
『そうだ。このリストにある者を集めてくれ。』
「了解しました。」
実験参加部隊
Tu-4
…元
見た目…まだ未定。
FG2
…元
P-40B
…元
BT-42
…元
見た目は砲塔が縦長になったBT-7。
マチルダ・ヘッジホッグ
…元
見た目はARMSの脚部に箱が追加されたマチルダⅡ。
最初の方を少し纏めないと…
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クロス・ザ・ルビコン-3
あわせてお読みください。
https://syosetu.org/novel/228173/5.html
https://syosetu.org/novel/228173/6.html
「只今より第一
屋内でのARMSを使わない戦闘…防御力や攻撃力は同じだけど機動力が変わる。
「東側に
私の武装は…これか…AN/M3。発射速度が1200発/分という化け物みたいな機関銃で、12.7×99mm弾を高速で吐き出す…口径の大きくなったMG42というべき代物。(発射速度だけなら)
隣でやや緊張した面持ちで最終点検をしているのはAH-56A。政治犯としてこの部隊にやってきたみたいだけどおそらく、実験部隊の奴等であろう。今は敵対していないがもし向けてくるような事があれは撃つしかないかもしれない。それにしてもあの時手当した
Ⅷ号戦車が小型の破城鎚と小型の火炎放射器を抱えている。私の武装は…これかいな。3.7cm機関砲…なんでまた37mm?しかも連装…ガスト式(=厳密には2つで1つの機関砲)か?
「あら、こんにちは。貴女がYA-10A?」
どこからか声が聞こえたが…見渡しても誰も居ない。それどころかここは訓練区域ですらなかった。
『あら、こんにちは。貴女がYA-10A?』
目の前に現れた金髪のDOLLSに話しかける。困惑しているようだが茫然自失とは至っていない模様。
「あ、ああ…私がYA-10Aですけど…」
『私は…そうね…かつて橋姫って呼ばれてた存在
草原に突然訳もわからず放り出された"Y"A-10Aに手を差し伸べる。まるであの子ね。あの子は強さを人を守る為に欲したし、今、その力を目的通りに行使している。
『貴女は…何を望む?力?知識?』
「私は…何も望みません。」
あら意外。強くならなくても構わないということかしら?
『なぜかしら?教えてくださる?』
「私は
少し勘違いしているのかな。確かに力は…お勧めしない。でも、知識は広める事ができる。広めなくても伝えることはできるよね。
『…貴女は…知識を持つべきね。左手を貸して頂戴。』
高貴さも何もない言葉に目の前のDOLLSは素直に従って左手を差し出した。
『
目の前のDOLLSが青白く輝き出した。この光は…まるでチェレンコフ光みたいね。
『ツェッペリン…あー……
DOLLS"A-10A"は光り輝いた。そして消えた。
「目が醒めたみたい。」
気がつけば訓練場の天井が視界の先にあった。覗き込んでいるのは代理人(コルセア風)とAH-56A(今はどこからどう見てもB-24ですありがとうございました)そして、Ⅷ号戦車。
「お、お帰り。」
『イタタ…代理人、貴女に似たDOLLSに話しかけられた。あの橋姫とやらとはどういう関係ですか?』
「橋姫………知らずに忘れたほうが良い。少なくとも君は。」
一方、実験部隊は…
加筆予定です。
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クロス・ザ・ルビコン-4
『お任せください。必ずや始末してみせましょう。』
「その笑顔は…確実に葬る覚悟故のものか?」
『はい。四人全員消してしまいましょう。251部隊も嗅ぎ付けるでしょうが…こちらも?』
「…あくまでも事故に見せかけろ。」
『りょーかいです!』
思わず笑みが溢れる。ツェッペリン君、二人で一緒になろうよ。
"I know you love me.
I wanna wad you up into my life.
Let's roll up to be a single star in the sky"
君は僕を愛してくれている。
だからずっと一緒で居ようよ。
二人で一つの空の星になろうか。
昔、文化を知ろうとあるゲームを買ってきたがその中に含まれていた(BGM)曲の一つがチャーリー・コーセイの"ケ・セラ・セラ"だった。一緒に居たい、それを言葉巧みに伝える歌詞…今も好きですよ。
「遠征の指示書を用意した。明日、作戦決行だ。」
『了解しました。』
場所を移動して自室。
『さて、と…』
連絡しておきましょう。
『251部隊に通告。明朝(詳しい時間帯)、Ⅲ号代理人の部隊が遠征に出撃するので護衛せよ…っと。』
一種のテレパシーの様なものだと思うことにしている。記録を暗号通信で伝送しているだけなのだけれど。
僕のARMSは…これか。
F2G-2仕様から更に改造して…
弾薬ベルトは曳光弾、爆装…照準システム避けのデコイで良いでしょう。塗装はオリーブドラブで…マーキングは……無くてもいいでしょう。尻尾が識別に使えますしね。
さて、Ⅲ号代理人には悪いけれど一芝居うってもらうかな。
後悔はしていない。
ようやくタグ回収…
元仲間ということは…
これとの関係は?
https://syosetu.org/novel/226680/16.html
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ザ・ダイ・イズ・キャスト
賽は投げられた。
…本人曰く最近眼鏡をかけた。
…本人曰く包帯を外しても右目は今も見えないらしい。
…本人曰く橋姫との関係は言えないらしい。
A-26B
…ニューマの実の姉。
…実は弟大好き。
…とはいえ弟は弟なので締めるときは締める。
Ⅷ号戦車
…ニューマの一応の姉。
…ニューマ大好き。
…弟に敵と間違えられてたまに撃たれるのが悩み。
AH-56A
…星屑連邦学連出身。
…B-24型DOLLSが再利用されている。
…「逆らうと死」を理解している。
A-10A
…星屑連邦学連出身。
…試作重戦闘(攻撃)機。
…Bf110に似ているが一体…
橋姫
…ニューマそっくり。
…尻尾は伊達ではない。カンガルーみたいに強力。
…ニューマに対してヤンデレ的発想をしている。その恋情を仇する者への敵意にすると…
作戦決行日の朝
それは良い朝でしたとも。壁を通過して一時間。何回かパトロールらしき雲母型と接敵する事こそあれど特に重大な損害はありませんでした。
奴らが来るまでは。
「災獣多数!1時方向!」
「9時にもいるぞ!」
『仕事しますか…あーやだなーでも、
翼にぶら下げた増槽を投げて低空飛行。線路上を
『お久しぶり。』
「代理…人?」
『そ。ニューマだよ。ほれ。』
線路からある程度離れたら急上昇してオイ車のARMSをパージ、パラシュートを背負わせて自動開傘で投下。たまたまパトロールで巡航していた P-38F(よく見たらglacier girls仕様機) に回収を指示し、また線路へ。
「熱いですね…どなたでしょうか…航空用ガソリン入りの増槽を投げてきたDOLLSは…」
はい、私です。と
「逃げちゃだめだよ
『…どなた?』
「忘れちゃったのー?覚えてないのー?」
『ええ…全く。』
この会話はひたすら回避し続けながら行われたものである。下手をすれば
「逃げちゃ駄目ー。」
『撃ってくる人から逃げては駄目ですか?』
全速力でエンジンを吹かしても着いてくる。なるほど…これが"怖い"か。ならこれはどうだろうか。
『よっこら…ほい。』
「消えた…?」
『名前は!』
「…忘れたのかい!橋姫さ!」
『橋姫…』
いや、覚えてはいるんだ。これだけは忘れてはいけないと何重にもバックアップが掛けられていたんだ…。
『げっ…なんで私を狙う!』
「僕を君が拒むからさ!」
勘弁してくれよ…と思う。
RATO…使い捨ての固体ロケットで、離着陸支援のときに用いられる。大抵は短距離での離着陸を実現するために使用される。
ニューマの豆知識
・通常型と異なり、赤色十月同盟学連の戦闘機型DOLLSの様に機関銃を持って飛行している。最近はAN/M3等の航空機関銃や小銃等にストックなどアタッチメントを着けて携行している。
・ARMSの両翼に斜めの白線が4本引かれているが、これは本人の被る罪の大きさを表しており、一部の人から"4本線"と呼ばれている所以である…らしい。
・バイザーの代わりに眼鏡をかけることもある。
・何故か無表情。
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ザ・ダイ・イズ・キャスト-2
『僕を避けてばかりだから!迎えに来たの!おいでよ!』
「誰がそんな儲けのない誘いに乗るもんですか!」
僕が
『捻り込みをRATOで再現するとはやるね!』
「そりゃどうも!」
曳光弾が僕の30cm右横、頬のすぐそばを掠めていく。追い払う事が目的にしては正確だ。
『二重反転だからできないと思ってたけどできるんだね!』
対気速度的にフラップを開くと吹き飛ぶ可能性が高いけれど、無理やりフラップを開く。エアブレーキも使って減速して意図的な失速状態に……追い縋って来ずにオーバーシュート覚悟で突撃したのかー…惜しいなーー………あれ?またいない…
「勘弁してくれよ…直掩しているときに限って…」
銃声。左にヨー、軽く左ロールをかけて難なく回避。
もっと注意を惹きたい…もっと僕を見てよ!ツェッペリン!もっとDOLLSになった僕を愛して!(橋姫曰く「これが愛」らしい。)
……そうだ!攻撃してしまえばいい!
(爆発音)
っと…危ないなぁ…
『僕とあの子の逢瀬を邪魔しないで!』
手に持った
『クソッ!炭水車をやられたか!』
足元の装甲列車は災獣に対応するだけで手が一杯、仮に手が空いていたとしても私との誤射を防ぐためにも撃てないのだろう。
そして、それは私も同じであった。
『邪魔!』
白刃戦闘用のグレイブを手元で生成、目の前の
適当に置いたフレディが一瞬にして破壊されてしまった。うーん…そうだ…。重砲車…弾薬庫はそこかな?
橋姫が後部の重砲車にロケットランチャーの照準を合わせているのか…何かわからない筒を取り出しだした。そして…
「さよなら!」
ロケットは重砲車まで…自力で飛んでいき…弾薬庫に命中…大爆発を起こした。客車や指揮車のガラスは粉々になり飛行中の私も衝撃波で少し揺さぶられてしまった。
※1…フレディ-3-3
"フレディ"が飛行種「霞石」につけられたコードネームを指す。"-3-3"の前半の"3"はtier、段階を指す。そして後半の"3"は編成数を指す。
例えば…
ハルペス-3-1だと…単機で飛行するtier3のハルペスになる。
何を失って同じになったんだろう…
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ザ・ダイ・イズ・キャスト-3
「僕が君で君が僕で二人は…」
『たーまやー!』
「Ⅲ号代理人!」
『…Ⅲ号代理人ってどんな人?戦友?好きな人?それとも単なる同僚?』
声が震えてしまう。ツェッペリンの慌て方が尋常ではないのを見て僕は悟った。注意を引く為に…彼の友人を傷つけてしまったのかも知れない。昔の僕ならそれでも良かった。だけれど……今の僕は?
『あ、あぁ…ぼ、僕は…ただ…』
視界が歪む。「覆水盆に返らず。は…"No use crying over spilt milk."と言います…」という記憶が蘇る。これは誰の記憶だっただろうか?
吐き気、頭痛、恐怖…そして後悔。目眩と共に僕は学んだ。
「Ⅲ号代理人…まだ生きてるかな…死なれては困るんだけど。」
「反省、してる?」
腹部には鋸刃の付いたグレイブが顔を見せている。ツェッペリンに後ろから刺されたんだ。
僕は刺されて当然のことをした。
僕は人を殺したことがある。
初めては僕がまだ、人間だった頃。16歳だった。
いじめに合う同級生を助ける為だった。
だけれども、もしかしたら殺すことをほんの僅かでも楽しんでいたのかも知れない。
僕はあの後、軍に入った。いろんな作戦やいろんな実験をした。
かつての仲間と交戦して勝ったこともあった。
だけれど…誰かの大切な人を殺したという実感は無かった。
確かに人を殺した。
至近距離での発砲、刺殺、爆破…いろんな事をした。
でもそれは人を殺しただけで誰かの大切な人だとは実感できなかった。
そして今、僕はまた殺した。正確には殺しかけたのかもしれない。安否の確認はしていないから。ただ、傷つけた人は……
「わかってます…?橋姫様。」
その声は僕を久しぶりに震わせた。ツェッペリンは昔から怒らせると怖いことが分かっている。最も怒らせたことはなかったけれど…
『僕に…助ける権利はあるかな…?』
「義務ならある。Ⅲ号代理人を助けて。」
僕はツェッペリンの為にならなんだってやろう。まだ息があるのなら…
『さて…と……敵はあれか。またあのお騒がせ隊か。』
『私……僕はニューマではない。僕は橋姫…僕は橋姫…ボクは……ボクハ、ハシヒメ。』
昔、整形手術と自己暗示による完全な変装について研究した書籍を読む機会があったが…まさかここで役に立つとは。
(尻尾が空を切り風切り音を立てる)
『我こそは
あぁ…お尻痛い…尻尾って、後付じゃなくて生えてくるのね…はぁ…パンツ…僕のパンツ…ボクサーブリーフが…(;´д`)トホホ……
「我こそは橋頭堡の守り神!ここは通さぬ!」
僕の代わりにツェッペリンが制空権争いをしてくれるから…急いで救助に…行かなくては。また犠牲が生まれる前に。
「橋姫」の精神的不安定には理由が…
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ザ・ダイ・イズ・キャスト-4
『おーい!ツェッペリン!』
「なんです!」
『その人たちあんまり悪くない人たちだ!』
「へ?」
『今救助活動してる!』
「…了解。」
通信機の存在を忘れていた。
『…了解。』
そう言って私は
管 轄 外 で の 活 動 は 禁 止 である。
これは学連同士の衝突を避ける為に作成された規則であり、絶対的なものである。勿論、例外は存在するがそれは届け出を出している場合や許可が出ているDOLLSだけである。許可が降りていれば監視下に置かれる。人類への反抗を防止するためにも。
さて、運ばれていくⅢ号代理人を見送ったところで………
『では橋姫様、お説教タイムと行きましょう。』
「え?」
『タダで帰すとでも?』
「いーやーー!」
橋姫の叫び声だけか木霊した。
「損害は?」
『重砲車2両、指揮車、軽砲車一両が全損、客車一両大破、負傷者多数、幸いにも死者無し。』
「了解。」
『報告終わり。』
『さて、橋姫様。まだ耐えられますでしょう?』
「もう止めてーー!いーーやーーーー!」
(ニューマ、橋姫を第2次お仕置き中)
一時間後
『…以上となります。』
「わかった。Ⅲ号代理人の行方は?」
『掴めません。』
「そう…」
『追いかけるべきでしたか?』
「いいえ。」
グレーテルさんに報告をした。Ⅲ号代理人の行方は掴めていない。
「彼が帰ってきたらこれを渡すように。」
『了解しました。失礼いたします。』
久しぶりに本部に来てグレーテルさんに報告。味気ないにも程があるだろう。
軍法会議と言う物は2種類である。茶番が軍法会議という名札を付けているケースと軍法会議という名前の処刑機構であるケースの2つ。
そして…大抵は前者である。少なくとも前回と今回はそうである。
僕はまだ子供でときどき右手が災獣を殺す。その代わり誰かの武器が僕を殺してくれるだろう。そして、
僕達はまだ人形でときどき右手が人間を殺す。その代わり誰かの右手が僕達を殺してくれるだろう。
僕達は海洋へ進出する。Ⅲ号代理人にホルニッセ代理人も一緒だ。生存圏を拡大するんだ。
その為には僕はティーチャーにでも何にでもなろう。僕達はまだまだ子供だ。大人に逆らうことはできない。だけれど進化はできる。僕らは人間ではないけれど人間になれるんだ。
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凍りつく記憶-1
人類が見出した希望。
世に存在しない希望。
…DOLLSとは…
『
「そう、Me410だ。詳しくは
『了解しました。』
私はCity中枢の整備会本部のグレーテルの部屋から出た。
「うーん…馴染んでないけど馴染んでいる感じ…すごく違和感がある…」
T34が唸る。
私はかつて人間だった。人間だったに違いない。でも、今は?今は…
『DOLLSか…』
「バックアップは取られているそうです。」
『バックアップ取ってあるからセーフ…というのもおかしなもんだと思うけどね。』
廊下を歩いて、施設を出る。移動用の車両に乗って向かうは…
『
「第251大隊の基地ですね。」
『はぁ…なんで代理人なんかになったんだろう。』
一方、第251部隊基地では…
「滑走路を開けろ!急げ!」
『現在…対気速度が……』
「降着角度を5度下へ。5秒後に水平に。」
『了解。』
新型ARMSの試験中です。なんでも極東重鋼学連内の内部資料が新たに発掘されたそうで(なぜこのタイミング?)…名前は『
『出力が足りない…他所から借りてくるか?』
「
『了解。
「いいんじゃないですかね?」
『いいのかそれで…高度10m…5,3…降着…』
滑走路の凍結具合と凹凸による振動で思わず悲鳴が出る。文字に起こし難いレベルの悲鳴故に作者には伏せてもらった。
『…へえ…試作機が二人来る…歓迎会か。はぁ…』
「Ⅲ号代理人殿は見つかっていないのですか?」
『明言は避けよう。防諜の為には本来黙っておくべきだしな。』
『…もうそろそろかな?』
「同行します。」
『もうそろそろ到着だけど…うーむ…』
「そういえば指揮官が…DOLLSと言う事は…」
『ネズミ代理人か…』
「あまり良い記憶が無いですね…」
『だねー』
『え?着任するのって…まじかよ…』
「どうされました?」
『本日付で着任するのは元ホルニッセ代理人…現Me410"ホルニッセ"と、そしてその部下であるT-34が…T34になってやってくるらしい。撃たれるかも。初手で。』
「死なない程度に撃たれてみては?」
『…もう少し時間があれば説得できたのだろうか?』
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凍りつく記憶-2
誰にも設定しようがないものである。
命の値段について考えることはとても安い買い物である。
私が…人間であった頃、いや、兵士だった頃は"人類"の生存圏はもっと広かった。
あの日までは。
「橋姫さん、何してるんですか?」
『別になんだっていいでしょう?』
「そんなこと言わずにー教えて下さいよー。」
『…記録よ。記録。私の過去を記述してるの。』
「記録ですかー?」
『ええ。記録。』
「少し見せてもらえません?」
『嫌よ。』
「そこをなんとかー。」
『いーやーでーすー。』
「…ケチ。」
『ケチで結構。』
あんまり知られたくないのよね。少なくともこの娘には。
私は元は単なる人間だった。あの日までは。
『橋頭堡を確保するぞ!エイブル隊!撃ちまくれ!』
「死にたくなければ頭を下げろ!」
『パーシングだ!パーシングが来たぞ!戦車兵!機関銃を黙らせてくれ!』
(105mm砲の砲声)
砲声と共に緑色の砲弾が敵のトーチカに飛び込む。
煙幕をまた炊いて、対戦車砲を構えようとする陣地を機関銃で黙らせて、私達は橋頭堡をなんとか確保した。
上陸に気がついてやってきたティーゲルもヤーボが鉄塊に変えてしまい、制空権こそはと頭を抑えにやってきた戦闘機は流星となって落ちていった。
とはいえこちら側も損害は出る。運良く死者は出なかったけれど落伍した兵士は多い。砂浜が血で染まる。パーシングから捨てられた薬莢が転がる。ヤーボが地面に刺さり、ロケットが浜を抉る。
全てが美しかった。そう…全てが。
「エイブル隊が突入します!」
『了解、イージー隊!行くぞ!』
「うぉぉぉぉ!」
人間らしからぬ雄叫びを上げて銃弾が飛び交う中間地点を走り抜ける。エイブルを援護して、ベーカーを送り、ベーカーがエイブルを援護、チャーリーも手を貸し…私達第225特殊混成大隊はトリプト海岸を制圧した。
『"第225特殊混成大隊は戦車、砲兵、歩兵、戦闘機、攻撃機、爆撃機を混合した部隊であり大隊と言うには大き過ぎる規模の秘匿部隊である。"』
『"隊長は橋の守護神と呼ばれているらしい。""隊長に近づく物好きは居ない。""隊長は厳しいけれど優しい面もある"』
『色々好き放題に言われてるな…』
「そういうもんですよ。」
副官が言った。この副官はこの部隊に来る前からずっと一緒でかなり長い間共に戦っている。私は敬意を込めて"タフガイ"と呼んでいた。丈夫な男だ。
副官は元は航空畑出身で軽戦闘機を操縦していた。さらに遡るとこの戦争が始まってしばらく…田舎に被害が及ぶようになった頃、郵便配達中に襲撃されて辿り着いた先が航空隊の基地、腕が素人にしては立つからと徴募されていったと言う。
プレイ環礁(※1)まで海軍と一緒に飛んだかと思えば"燃える海"へ飛んでいったり、としていたらいつの間にか私と一緒にされていた訳だ。
それに対し私は…海軍出である。海軍出であるが海兵隊に送られ気がつけば副官と一緒に三軍統一の軍に編入されていた。
「ところで…橋姫さん。ニューマ…あー…ツェッペリンとの関係は?」
目の前の金髪長身(巨乳)戦闘狂が聞いてくる。あんまり言いたくないのだけれども…
『まず…貴女とあの子の関係は?』
逆に聞き返す。まず自己紹介が先であろう?
「ツェッペリンの姉です。」
『ニューマで構わないよ。実の?』
「…物心ついたときにはもう居ましたが…」
『…そう…長話だけど構わないかしら?』
『まず、貴女とニューマ、二人の間に血縁関係は無いわ。』
「え?」
『次に、ニューマ…ニューマコーニオシスと私の関係は…親子よ。私があの子の母親。』
「はい?」
『信じられないと思うけれど私はあの子の実の親なの。最近思い出したけど。』
「…でもそれって証拠は!」
『そうなのよね…持ち出せる証拠はほとんど無かったんだけど…』
一冊の本を差し出す。
「母子手帳?」
『そう。母子手帳。数少ない彼との思い出。』
「…どうやって思い出したんです?」
『…あの子に101号室に引きずられていって…挙げ句の果てに私を拘束した上で自分の手を刺したの。私の記憶に残るように。それを見て…過去を思い出して…』
「違う!嘘だ!だってお母さんは!お母さんは…」
『…確かに貴女は血が繋がっていない。けれども…娘であることに変わりはないわ。』
どうも…お久しぶりです…ホルニッセ代理人です。元ですけどね。何か談話室を覗こうとしたらこんなカオスな状況になってまして…音を立てないように努力しながら逃げてきたところです。
「…」
『…』
二人して何も言えません。T34と一緒に帰ります。割り当てられた自室まで。それでは…
ベルタは拾い子だった。戦争が集結して部隊が解体されたとき副官と結婚した。二人ともまともな"人間"と呼べるような状況じゃなかったけれど、人間らしさはあったと思う。結婚して2年でベルタを拾った。自宅の玄関前にコウノトリが籠を置いていく、そんな感じだった。
兵士とは悲しい身分である。それも本来存在しない筈の部隊ともなると余計に。
ある朝私と彼は実験所に送られ、薬漬けになり、彼は出てこなかった。私は力を得た。彼と引き換えに。その冬、私は子どもを産んだ。それが…
「ニューマだったと…?」
そう。人間だった頃のニューマよ。
その後、監視やさらなる実験の為に私は連行され、二人の子どもは里親に預けられた。
あの頃の私には分からなかったけれど、ニューマは一度橋の下に来て祈っていた事がある。
力を求めてやってきていた。暫く…いいえ、ずーっと会っていなかったからツェッペリンだとわからなかった。ツェッペリンも私を母親とは認識できなかった。
※1
プレイ環礁とは…
「オセアノートの平日」シリーズに登場する海域の名前。"Pray"である点に注意。
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凍りつく記憶-3
Ⅲ号代理人の兄、姉達が災獣の襲撃を受けているころ…
「くそっ!逃げられたか!」
『ええ。』
「あの女何か考えていると思ったが…ったく!」
(目の前の男が執務机を叩く)
『追跡装置も既に信号をロストしています。が…』
「…が?」
『逃げていく輸送機を見たという証言が。座標は…』
「ふむ…まとめて潰せるか?」
『やってみせましょう。』
「頼むよ。
『いえいえそんな…言い過ぎですよ。貴方にも味方はご自身の思っている以上に居ます。では…準備しますので。』
「頼んだよ。」
『失礼しました。』
はぁ……厄介なことになった………あいつに同情した私が馬鹿だった。一芝居打ったらそのまま帰ってこないとかどんな神経しているんだか……いいなぁ…憧れの存在…私にはいないからなぁ…
(端末が振動する音。バイブレーション。)
『うん?緊急連絡かな?』
文面は…
『"我、真理に達せり。"かの者は……息子!?は!?ちょっと待て…落ち着け…息子の顔忘れる母親とか聞いたことない……いやあるけど……見たコト………もあるな。』
『…息子がDOLLSになってて顔が変わってた上に、度重なる実験で記憶が歪み"ツェッペリン"という存在だけ記録に残っていた…と。』
あら、写真だ。
『ふーん…良い顔してるねぇ…橋守とほぼ同じじゃないか。』
『これで男?まじか…言われるまでわかんないわ…』
さて、仕事しないと。
ターゲットは極東の奥地に秘匿された基地。私は
注射器を首筋に刺された時のことを思い出す。吐き気しか無い。
『何が救済だ。死こそ救済ってか?死のない科学なんて、科学じゃないと言うみたいだな…あ、これあいつっぽい。』
『さて…行かないと…プライマーが待ってる。』
寒空の中、一人超低空飛行をする。ツリートップレベルとか目ではない。地表3mを高速で駆け抜けるもはやそれは着地の無いジャンプ飛行。
『ねえ、Ⅲ号代理人君。君は殺してほしい?それとも…あの人を殺してくれる?さもないと、私たち…永遠にこのままだよ?』
そしてヘクトール1体も追加で投入。電柱よりも高い二足歩行の人型殺戮掃討用多目的ロボットである彼らは、思考回路こそとても単純だが確実にターゲットを追い詰めるだろう。
対空用ではないけれど対空も可能ならお得である。
それにしてもこのテレポーテーション技術は傑作だと思う。最も…開発者はもう居ないのだが。
のっしのっしとヘクトールが極東へ向かう。その前を警戒しながらα種(以後黒蟻)が進む。コスト的な関係であんまり引き連れることができなかったんだよねー。そもそも殺人は好きじゃないし。
あと数時間もあれば到着する。きっとⅢ号代理人達は一瞬で片付けるはず。でも、警戒を怠ることはないだろう。
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凍りつく記憶-4
サブタイトル
「アシッドラプソディー」
「何なんだあれは!」
「怪物だ!迎え撃て!」
(多数の重低様々な発砲音)
「37ミリが効かない!」
「75ミリもだ!」
「何だこれは!蟻の体液か!……うわっ!酸!……酸だああああああああ!!」
「くそっ!こっちは巨大ロボか!」
「応援を呼べ!」
「これでも喰らえ!」
(爆発音)
「隠れろ!急げ!」
「回り込まれた!」
「いやぁぁぁ!死にたくなぁぁぁい!」
「おい!一人食われたぞ!」
「CP!CP!」
「こちらCP。」
「こちらパトロン3!謎の怪物と二足歩行兵器と交戦……!」
「どうした!」
「来…くるな!ぎゃぁぁぁ!」
「どうしたパトロン3!」
「…」
「…くっ!付近のパトロールは警戒態勢に移行、応援の到着まで耐えろ!」
「という事がありまして…」
『これが10分前…』
どうも、Me410ホルニッセです。たった今、T34とババ抜きしていた所を呼び出されまして…どうやら偵察飛行のようですが…威力偵察というよりはあくまで遠距離からの観測のようです。それ私である必要ありますかね?もう少しで勝てたのに。
「そうだ。威力偵察ではなく単なる状況の観測。ならなぜ自分が呼び出されたのか気になるであろう?だから私は貴官に2つ質問しようと思う。」
『はい。』
「貴官のARMSの短所は何だ?」
『…低速による酷い機動性。
「ふむ…では長所は?」
『対地専門機以上の機動性。
「うむ。」
『これが何なのです?』
「分からんか?君の短所は長所だ。先程ブリーフィングで話した通り航空戦力は観測されていない。しかし対空戦闘能力を持つ脅威の存在が予想される。ここまで言えばわかるだろう?」
『…適任であると?』
「上はそうだと判断した。我々は一兵士に過ぎん。状況の確認後すぐに帰還すること。対空戦闘能力を持つ脅威に遭遇したら任務を放棄、全速力で逃げ帰ってこい。」
『…了解しました。』
『むむ…Ⅲ号代理人君ところでは無いけど接触したからには殺さないと…とは思ったけど……過剰戦力だったかな?』
目の前では運悪く生き残ったパトロール隊"パトロン3"の一人が全身に酸を浴びて原型を残す事なく融けた。きっと即死だっただろう。溶け残ったARMSから推定するに…ホリ型駆逐戦車と判断。
死ぬときは恐怖も一緒に。
そして死は…約束された死はすぐに訪れる。
『戦況は順調。落伍もしてないし快調快調。さあ進撃の続きだー!すべてを踏み潰し全てを融かし総てを飲み込んでしまえ!』
『これは…
目の前(300m先)の光景は望遠式照準器越しでも、惨劇なんて言葉では表せないことを伝えている。
『チリにオイ車…これはナト車か……ん?あれは…蟻か?』
『蟻にしてはでかいな…これは報告案件だな。っと…無線封止中か。誰が聞いているかわからないしな…』
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凍りつく記憶-5
『ところでプルトニウム博士。一つ質問が。』
「うん?何かな?」
『あの251の部隊長とやらは何者ですか?』
「あいつか?」
『ええ。』
「あいつは……」
プルトニウム博士が珍しく周囲を気にする。そんなに聞かれたくないことなのか?
「あいつはな……私の息子だよ。」
『はい?』
DOLLSが……息子?血縁関係が?
『血縁関係が?』
「うーむ……なんと言うべきかな……DOLLSは何からできていると思う?」
『合金と……アレですか?』
「そう……合金とアレだ。」
『それとあなたの息子に関係が?』
「最初期のDOLLSは何からできていたと思う?」
その目は笑っていない。歴戦兵の目をしていた。
「最初期のDOLLSは人間ベースだった。今となっては合金製に取って代えられたがね。」
私の時代はまだ人間が戦場に立つことも多かった。人間同士反目し合ったものだ。
「橋頭堡を確保するぞ!エイブル隊!撃ちまくれ!」
『死にたくなければ頭を下げろ!』
「パーシングだ!パーシングが来たぞ!戦車兵!機関銃を黙らせてくれ!」
(105mm砲の砲声)
砲声と共に緑色の砲弾が敵のトーチカに飛び込む。
煙幕をまた炊いて、対戦車砲を構えようとする陣地を機関銃で黙らせて、私達は橋頭堡をなんとか確保した。
上陸に気がついてやってきたティーゲルもヤーボが鉄とケイ素化合物の塊に変えてしまい、制空権こそはと頭を抑えにやってきた戦闘機は流星となって落ちていった。
とはいえこちら側も損害は出る。運良く死者は出なかったけれど負傷して落伍した兵士は多い。砂浜が血で染まる。パーシングから捨てられた薬莢が転がる。ヤーボが地面に刺さり、ロケットが浜を抉る。
全てが美しかった。そう…全てが。
『エイブル隊が突入します!』
「了解、イージー隊!行くぞ!」
『「うぉぉぉぉ!」』
人間らしからぬ雄叫びを上げて銃弾が飛び交う中間地点を隊長が走り抜ける。分隊全員がエイブルを援護して、ベーカーを送り、ベーカーがエイブルを援護、チャーリーも手を貸し…私達第225特殊混成大隊はトリプト海岸を制圧した。
「"第225特殊混成大隊は戦車、砲兵、歩兵、戦闘機、攻撃機、爆撃機を混合した部隊であり大隊と言うには大き過ぎる規模の秘匿部隊である。"」
「"隊長は橋の守護神と呼ばれているらしい。""隊長に近づく物好きは居ない。""隊長は厳しいけれど優しい面もある"……色々好き放題に言われてるな…」
『そういうもんですよ。』
隊長が言った。この隊長はこの部隊に来る前からずっと一緒でかなり長い間共に戦っている。私は敬意を込めて"橋頭堡の守り神"と呼んでいた。
もともと私は航空畑出身で軽戦闘機を操縦していた。さらに遡るとこの戦争が始まってしばらく…私の故郷に被害が及ぶようになった頃、郵便配達中に襲撃されて、命からがら辿り着いた先が航空隊の基地。私は腕が素人にしては立つからと徴募されていった。
プレイ環礁まで海軍と一緒に飛んだかと思えば"燃える海"へ飛んでいったり、としていたらいつの間にか隊長と一緒にされていた。
私の空軍出に対し隊長は海軍出である。海軍に居たが途中から海兵隊に送られ気がつけば私と一緒に三軍統一の軍に編入されていたらしい。
その後かなり長期間一緒に戦って、戦争の終わりを迎えて、私は隊長と一緒になった。そのときに産まれたのが…
「251の部隊長…」
『の原型だね。元は人間だよ?私もだけどね。』
左腕の偽装を解きながら続ける。分かってもらうには見てもらったほうが早い。
改造した跡が腕に今も残っている。注射器の刺し跡。縫合跡。擦傷の跡。
「研究機関にも元人間のDOLLSが…」
『あまり多くは居ないけどね。大部分は完全に死んだか入れ替わったかだから。』
「入れ替わる?」
『第1世代の改良型、第1.5世代…それが私や251の奴なんだけど…何かと不便でな。ただまあ意識を入れ替える…という荒手には出たくないんだよね。』
「お話し中すいません!プルトニウム博士!緊急連絡です!」
『む?』
「蟻型巨大生物と巨大二足歩行兵器が極東に出没したそうです!」
『……251部隊のマウスを呼び出してくれ……いや、私が向かおう。ここを少しの間開けさせてもらう。留守番は頼んだぞ。』
「わかりました!行ってらっしゃいませ!」
「「……確か重爆撃機型だったよな……プルトニウム博士って……本当の所属は何処なんだ?」」
ところ変わってここは赤色十月同盟領内の251部隊の基地付近。上空数m。上空ではないか。
『ちょっとごめんよー!』
姿勢を変えれば脚が地面に付きそうな飛行をずーっと続けている。白衣姿で飛び出たものの周囲も白いからかなり目立たない。
『はぁ……ついた……』
「……どちら様?」
『……その服装は……Me410 ホルニッセ君かな?違ったらごめんよ?』
「そうですけど……」
『息子が世話になってるよ。おっと、申し遅れてすまない。私はプルトニウム博士だ。こんななりだが星屑連邦のヴォート学院で研究員をしている。』
「ど、どうも……息子とおっしゃいましたが…」
『251部隊の隊長をしているニューマコーニオシスは私の息子でね。』
「ネズミ代理……おっと……すいません。」
『ネズミ代理人……か。構わないよ。本人がそう呼ばせているのなら。さて本題に入ろう。ニューマコーニオシスとマウスは居るかな?』
「あ、はい、居ますが……」
『済まないけど寒いんでな……入れてくれないかな?』
「……え?あ、あぁ…すいません。どうぞ……」
『どうも。ありがとう。』
正門を通り施設に入っていく。無線室は……ここか。
ドアを3回ノックする。親しき仲にも礼儀あり。
「どうぞ。」
『失礼するよ。』
「……プルトニウム博士!?」
『済まないね。いきなり連絡も入れずに。そうだインベーダー君とマウス君は元気にしているかな?』
「ええ……はい。」
『……マウス君を早急に呼び出してくれないかな?少し3人で話がしたい。』
「わかりました。」
「施設内にいる者に通告。至急、
『済まないね。息子よ。』
「……息子?私が?あなたの?」
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塵肺症、海へ行く-0
ニューマコーニオシスの名前の由来は塵肺症。
肺、悪いんだね。(本当の読みはニューモコーニオシスという説がある)
『
実は昨日、マーサ姉さんにいたずらしたんです。
お尻にニキビができていた事を知らずに軽い気持ちで尻尾で軽くペチッとしたらマーサ姉さんに激痛が走り(飛び跳ねるどころじゃなかった)……一時間ひたすら説教されました。ごめんなさい。
持っていくものは…釣り竿と、大物用の釣り糸、漂流型の刺し網、水中銃、水上用のデコイ…そして、
『とっておきは…遭難時のビーコン。見つけてもらえるとは思わないけどね。』
簡易的な筏が展開できるキットも持っていく。
『げぇっ……水門閉まってるのか……またトンネルくぐりか……』
マップ情報を見ながらつぶやく。トンネルを潜ると言っても数メートル程度の物ではなくて、
『1kmくらい地下を通る…なんでそんな通路を作ってみたんだ……』
プルトニウムグラードを通るルート。わざわざ極東にまで行かないといけないのだが……まあしょうがない。通行許可が降りたのそこだけだもの。
『こちらプランα。
「こちら管制塔、感度良好。」
『……トンネル以外に道はないのか?』
「残念ながら道はない。」
『了解……通信終了。』
どうやら管制塔はこの現状を不便には思っていないようだ。
『プランα、突入する!』
降下角はおよそ30°。ここから1kmはうねるトンネルを通り抜けないといけない。
今回、かなり大型のARMSで来ているからかなり狭いんだ。普段のARMSでも通りにくいけれど。
『主翼を擦りそうだなホント……』
若干の後退翼とはいえ幅が広いせいでトンネルの壁に擦りそうである。ゆっくりと飛ぶと失速しそうだけれど早く飛ぶと旋回半径が……
急上昇はJATOを炊いて対応。こんなのJATO無しでどうやって上がればいいんだ……
約
帰ったらマーサ姉さんに謝らないとなと思いつつ飛行中。あの痛がりようは軽い気持ちでやった私を後悔させるには十分だった。
あと300m。そろそろ出口か……?ちょっと待て……なんでお前らが……!?
『まったくもってついてない!プランα、交戦する!』
トンネル内での戦闘とか普通はありえない。
だけれどやるしかない。
ところで、今日武装持ってたっけ?あ、水中銃が……
『これでも喰らえ!』
水中銃を陸上、いや、空中で使うとかおかしいだろうと思いつつ乱射する。なんで侵入を許したんだ管制塔……!
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塵肺症、海へ行く-1
「臨時ニュースです。今日午前10時頃……」
ニューマが……弟がトンネルの崩落に巻き込まれて行方不明……
『私は信じない!嘘だッ!』
机がひしゃげる。金属製の頑丈な奴だ。
「落ち着け!マーサ!まだ下敷きになったとは言ってない!」
『……ニューマ……待ってて。すぐにお姉ちゃんが行くからね。』
「行くな!お前がここを抜けたらどうなる!」
『放っといてよ!』
談話室のドアを乱暴に閉めて出た。
弟が私に遺したARMSは飛行型。重攻撃機用……12.8cm砲搭載……これだ。
格納庫のパソコンをカチカチしながら地図を確認。格納庫のエレベーターが忙しなく動く。今日だけは堪えてほしい。
『これ、借りていくよ。待ってて。お姉ちゃんが助けてあげる。』
昔、ニューマは教官をしていた時代があるらしい。もっとも、彼はほとんど記録から消していた。
訓練生曰く鬼教官だったらしい。もっとも……その訓練生ってグレーテルとホルニッセ代理人の事なんだけども。
「ほら!走れ!走れ!ノロノロしてたら死ぬぞ!」
『ひーっ!』
教官が30kgはある重機関銃をスリングで吊るし、構えながら走ってくる!
「グレーテルさん!こっちこっち!」
『え、ええ!』
後輩のメルツェが私を呼んだ。だから走る!
「単純に動くな!隠れろ!」
(重い発砲音)
『うわ!』
曲がり角を右に走って曲がったら曲がり角を構成している遮蔽物が半壊した。
自分でも何を言っているのかわからないが、一つだけ言えているのは……
『なんで人間の私達が走らされてるんだー!』
ということ。
IL-2M型のテストタイプに意識を透過して訓練しているのだけれども、
『なぜこんなにも馴染むのだろう?』
流石に自分が複数に分裂する感覚はどう頑張っても耐えられなかったので単独飛行なのだけれど……なんで地上を走っているのかって?
「地上を走れないDOLLSが居てたまるか!」
とのこと。普通、航空型って地上に落ちたら離脱すると思うんですけれど……
格納庫から滑走路に出る。管制塔とは連絡がついた。落ち着いた声だった。
「……ハァハァ……マーサ!何をする気だ!ニューマに迷惑を掛ける気か!」
『ベルタ、これはやるべき事。私がやらないと。』
管制塔に真っ先に向かったのだろう。階段を駆け上がったのだろう。息が切れている。
残念ながら、もう発進準備は整っているのだが。
『出撃します。ベルタ!基地は任せた!』
「……まったく……聞く耳を持たない……」「必ず連れ帰ってきて!」
『わかったー!』
その頃
「続報です!極東重鋼学連領内のトンネル"東の道"崩落から一時間経過しましたが、占領する災獣の抵抗が激しく、捜索活動は愚か、安全の確保も行えておりません。幸いな事に占領する災獣はこちら側が近づかない限り攻撃する意図は無いようです。」
『青白いモヤ……まさか……あの災獣……』
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塵肺症、海へ行く-2
そのフネはゆっくりと沈んでいく。青白い煙幕を身に纏い。
そのフネは乗った者をあざ笑う。何人も寄せ付けやしない。
途中から幅の広くなった巨大なトンネルをなお通る。この大きさならきっと試作機-#42でも通過できるだろう。ここから、という条件がつくが。
私の射撃を見て認識するなり逃げ出した飛行型を追いかける。爆装はパージ。水中銃は組成を変えて試作型#114に変更。機関銃や自動小銃を元に作ったけれど……どうだろう?
後方で爆発。爆雷が爆発したかな。実はヘッジホッグの弾頭を何発か持ってきていた。こうして投下してしまったから意味が無くなったけれど。
『弾切れか。』
弾倉と銃身を対空用の物に変えて射撃再開。
昔、私の使ってた銃を指差してキメラみたいと言ったやつが居た。
そいつが何処へ行ってどうなったのか、私は知らない。
ただ、一つ言えているのは、
『12.7mmでも喰らえ!』
私はかなりボアアップした物を使っているということ。ボアアップどころじゃないね。これ。
「速報です!赤色十月同盟学連領内の14番基地が、謎の武装集団の襲撃により陥落、生存者0とのこと。」
「極東重鋼学連領内、12番監視所にて発生したトンネル崩落事故から2日、障害となっていた災獣の排除に成功しました。」
『は?』『陥落?ヤワじゃないはずだが……』
『停電!』
突然、トンネルの照明が消え、周囲が闇に包まれた。災獣の気配が消える。
『なんだ……?』
目眩……頭痛!記憶障害!何なんだこれは!
『……エンジンが止まった……。』
轟音、地鳴りと共に少し先の路面が裂けて何やら光が。
それとほぼ同時に機関が止まり、高度が落ちていく。そして、光の射す亀裂の中へと突っ込んでいった。
亀裂は一部が水で満たされ、その水は底の壁に空いた大穴(おそらく地底湖とそれに開けられた研究用の汲み取り井戸にでも通じているのだろう。)から来ている。逃げ道はここしかない。
『私って結局何なんでしょう?』
私って結局の所、B-17のそっくりさんに過ぎないのだろうか?
いつだってそんなことばかり気にしている。
『代理人さん、肩凝ってません?』
「君はエスパーかい?」
『長い付き合いですからねー』
「そうだな。」
『肩、お揉みしますねー。』
「済まないね。」
『いえいえ。』
「……!フォート、これを読んでみてくれ。」
『なになに……え?』
『ニューマコーニオシス代理人が行方不明に?』
『チャーフィー!前へ!ゴーゴーゴー!』
妹を前に、所長砲を展開。
「スチュアート兄さん!アリだ!」
『そんなもの!薙ぎ払ってくれるわ!』
照準を合わせて……発射!
発射されたものは5km先の全てを消し去った。
どうやって稼働しているのかわからない岩石生命体もこの炸薬の前には無力……効率は悪いが。
『目標、3km先、20ノットで航行中!』
あのデカイ潜水艦は敵か?そもそも潜水艦なのか?
岩石でできた潜水艦……いや、超巨大なクジラと呼ぶべきか?何れにせよ……これは……
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塵肺症、海へ行く-3 クリスマス編とのリンク
話がつながる部分
https://syosetu.org/novel/245878/1.html (パレード編)
「……ニューマコーニオシスが失踪したのは?」
『およそ30分前、最後の連絡はトンネル内からでした。』
「……ふむ。君は今、何をしている?」
『……出撃準備です。』
「何をどうする?」
『代理人を、探します。』
「なるほど。君一人で探せるのか?」
『……私以外に居ますか?』
「いや、居ないな。DOLLSには。」
『そうでしょうね。』
「ああ、困った事だ。」
『……何ですか?』
「ニューマコーニオシスは私が作り出した存在だ。私も手伝おう。」
『アナタに何ができるんですか?あなたはDOLLSですら……』
「しかし人間でもない。さあ行こうか。」
作者はいつの間にか顔も服装も声も何もかも変わっていた。
「私の事は……そうだな……モビィディックとでも呼んでくれ。」
『それ……船を沈める方じゃ……』
「まあなにはともあれ、行くぞ。」
その時、作者が私よりも大きな羽、ARMSだから主翼か。Inverted gull wing(逆ガル翼)の主翼を広げて滑走態勢に入った。
「F4G、出撃します。ついてきて。」
『これは……』
目前に浮かぶぼんやりとしたイメージ。ホログラムだっけ?
「現在、赤色十月の一部が機能停止している。だけれどこれは私達がカバーする問題ではない。正規軍に任せちゃおう。で、本題は極東のトンネルで行方不明になった代理人、ニューマコーニオシス。彼の捜索だね。」
ホログラムで地図が投影される。ちなみにこれは飛行中の会話。作者は何でもできるのかもしれない。
「最後に消息を断ったのはここ。ここで私とのリンクが切れた。」
『リンク?』
「そう、リンク。」
『代理人とのリンク……繋がっていた……?』
「一応3人目だから、ね。何の3人目かはさておき。」
「もうそろそろトンネル近く……あいつ何やってるんだ?」
『マウスさんが……重型攻撃機を操ってますね……あれは試作段階だったやつだ……』
「てことは……あれか。12.8cm砲を搭載した四発機……」
『……そうですね。』
遠く離れてはいたが、大きなARMSを操る小さな影が青いオーラを纏う災獣に対して射撃をしていた。
「ふむ……弾切れか。交代だ。行こう。」
『え?えぇ……』
その頃……
「うん、必ずしも災獣が悪いとは教会様も言わなかった。
エノシスのDOLLSより、構成体の回収に漕ぎ出すことが幸福の秩序です。
第5小隊だってです!
Ⅲ号(戦車)たちの笛や太鼓に合わせて回収中の鉄屑が零れ落ちるさまは圧巻で、
まるでホログラム・グラフィティなんだ、それが!
総人工色の青春グラフィティや一億総プチブルを私が許さないことくらいCityじゃあ常識なんだよ!
今こそ、黄昏に向かって凱旋だ!
絢爛けんらんたる硝煙は鳥居をくぐり、周波数を同じくするオイ車とマウスは先鋒をつかさどれ!
消費期限を気にする無頼の輩は我らの進む道にさながら屑となってはばかることはない!
思い知るがいい!製図用コンパスたちの膵臓を!
さあ!この祭典こそ内なる小学3年生が決めた遥かなる望遠カメラ!
進め!集まれ!
私こそが!
お代官様!
すぐだ!
すぐにもだ!
ワタシを迎え入れるノだ!」
窓ガラスを突進で割っていく影が本部ビルに。
どうも、マーサです。お久しぶりです。
帰るべき場所は陥落し、弟も失い、弾も尽き、燃料もあと僅かなのでどこか立ち寄れるところを探しているところです。
『12.8cmの弾倉が15発×2しかないのは辛いな……ん?なんだありゃ?カマキリの羽根の付いたDOLLS?』
「おーい!マーサさん!」
『嫌な予感しかしない。逃げよっと。』
それは高度を落とし始めたときだった。
「なんで逃げるのさ!」
頬を掠める冷たい光線。口径はきっと7.62mmや、7.92mmどころではない。
「外しちゃったか!でも……次は当てる!」
蒼い弾丸が、氷柱のシャワーが右翼を掠める。単独行動は危険。下は……パレード?呑気にパレードか。
『下に逃げるわけには行かないな。』
「ちぇっ……落ちろ!」
さっき飛んできた銃弾とは違うもっと規模の大きい……爆弾のような何か、ロケットが飛んできて私を地面に叩き落とした。
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