実在するが到底不可能なコンボが成立するこの世界で俺は今日も決闘する (萌矢氏)
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終わりの始まり

ドラグーンよりもリリーサーが辛いです……。



 ジジイ儂、そろそろ昇天なう。

 

 むかーし孫に教わった、今では消えた流行語だったかの。

 死の間際に、ふとその記憶と言葉だけがふわりと浮き上がったかのような。

 死は恐ろしい。じゃが、死ぬことは怖くない。

 儂は幸せじゃった。たくさんの子と孫に恵まれ、みなが儂の死を悲しんでくれる。

 死なないで、なんてお願いを叶えられぬ儂を許しておくれ。

 

 昔から儂は遊戯王カードが好きじゃった。

 子供の頃に知って、高校生ぐらいまでやり続けた。

 大学生の頃ぐらいから少しずつ触ることがなくなって。

 社会人になって、忘れてしまった。

 我ながら立派に勤め上げ、さあ老後を楽しむぞという時に、ふとそのことを思い出した。

 もはやカードとして遊ぶことは叶わなんだが、それはそれとして集めることにした。コレクションというやつじゃな。

 …………ついでに子供たちにも教えてあげた。

 そこそこの企業で勤め上げたおかげで貯金と年金で充分に老後を楽しむに不備のない環境だったが、儂はカードを集め続けた。

 しばらくして、テレビ局から取材を求められたのは少し可笑しかったのう。

 

 儂の遺言には、集めたカードの中で希少価値のものには、他に求める人がいれば適正価格でのみ売り払ってもよいと書いておいた。

 それ以外は、儂の遺産の中からコレクションの保存管理費を除いて分配した。

 すまんな、お前たちも愛いものじゃが、カードはそれよりも好きなんだ。

 

 

 もう死ぬ、と、心と体から伝わってくる。

 なのに思い浮かんだのはカードのことばかりじゃったのう……。

 来世でも、幸せな最期となりますように。

 

 

 ピッ

 

 

 ピッ

 

 

 ピッ

 

 

 ピ──────

 ……………………・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 ざわざわと、風に揺れる木々の音。

 足元には草と土。

 ふわりと風が吹くと、草もまたふわりと揺れた。

 

「……………………」

 

 なんだここ。そもそも俺死んだんだよな?

 いや、つまりここは死後の世界って奴か。随分きっちりと存在していたんだな。

 

「んーこほん。あーあー」

 

 それにどうやら若返っているようだ。

 体は言うことが利かず、何か話すのも一苦労。食べるのも寝るのも重労働だった先ほどまでとは打って変わり、元気モリモリだ。

 

「で、えーっと……」

 

 さてどうしようかと前を向くと、小さな家があった。

 なぜか、ああ、これが自分の家なんだな、というのを理解した。

 

「うーん、家なんだけどこの場合はどっちにすべきか」

 

 迷ったので全部やるか。

 

 コンコン。

 ガチャリ。

「お邪魔します。ただいま」

 

 誰もいないのはまあ分かっていた。

 そして生活に必要な諸々が揃っていて、かつ使われた形跡はない。

 極め付けに、机の上には鍵が置かれていた。外に出て回してみれば、案の定ドアを施錠できた。

 

「俺の家、でいいのかな」

 

 ……とりあえず物色するか。

 

 まず電気は走ってなさそうだ。家具が見当たらない。

 天井からランタンが吊るされているが、1つしかないにも関わらず、とても明るかった。あと紐がぶら下がっていて、引くと消えた。もう一度引くと点いた。なんで?

 

 慌てて台所へ向かうとやはりコンロがいた。辺りを確認するが、電気もガスも見当たらない。そしてツマミを捻ると、火がついた。なんで??

 もしかしてと思い、木製の大きな物入れに見えていた物を調べた。冷蔵庫だった。中身は肉やら野菜やら水やら満載で、ちゃんと冷たくて、電気はなかった。なんで???

 

 理解が追いつかず、意味不明なので少し眠ろう。

 気持ちを落ち着けてから、また考えよう。

 居間を離れ、隣接していた寝室へ向かう。

 

 寝室には、柔らかそうな白いベッドと、小さな箱が置いてあった。

 とりあえず箱を開けてみたら、デュエルディスクが出てきた。

 

 

 デュエルディスクが出てきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 デュエルディスクがでてきました。




次回、「城之内、死す」。
デュエルスタンバイ!


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死魂融合

決闘描写は良いのが見つかるまで適宜変えていきます。
今回はこんな感じで。
ついでにプレミあったら教えてください。


 

 デュエルディスク。

 

 迷いなく装着。誰だってそうする俺だってそうする。

 そして、俺の意識がなんかふわっとした。ふわっとね。

 

 で、えーなんか電脳空間らしきこの……何?

 まあなんかに着きました。

 そして頭に流れ込む知識。

 かくかくしかじか、まるまるうまうまと。

 まとめましょう。

 

 

 えーまず、ここは死後の世界ではない。

 で、前世の俺はきっちり元の世界で死んでいる。

 そして、うっかり俺の魂がぽろりと転がって今いるこの世界へ。

 からの、慌てて俺の活力全盛期の肉体作って魂ぶち込んだ。

 はいこれ今の俺情報。

 

 次、この世界について。

 なんとまあ遊戯王強い=偉いぐらいに考えてもおかしくない世界だそうで。

 おそらく俺の魂がこの世界に惹かれてしまったとかなんとか。

 で、詫びとして欲しいカードをディスクに向けて念じてくれたら補充するからその世界を好きに楽しんでくれ、と。

 

 

 はい。

 つまりあれですよ。

 遊戯王してたら生活できるらしい。

 やるっきゃねえ!!!

 

 さっきまで寝てから考えるとか全部吹っ飛んだ。デュエルディスクを片腕に、俺は走る。

 割と森の奥深くに居を構えてるが、どうすれば街へ出られるかは頭の中にインストール済みだ。だからって走るのは良くなかった。すぐ息が上がってしまったので、ちょいと休息からの早歩きぐらいで進んだ。

 程なくして街が見えた。何も考えずに門番が立つ正面入り口へ向かう。

 

 

 

 

 

「何者だ! 見慣れぬ顔だが、身分証明書を見せて「おい。デュエルしろよ」もら……は?」

 

「デュエルしろよ」

「いやだから身分「デュエル」しょ……」

 

「おい」

「デュエルしろよ」

「お前もデュエリストなんだろう!? 俺とデュエルしろおおおお!!!!」

 

 

 殴られた。いたい。

 

 

「なんなんだ一体……」

「俺はデュエリストだ。名前はまだ考えてない。身分証明書もない」

「なら街へは入れねえな」

「デュエルで決着を付けようか」

「話聞こえてる??」

「俺が勝てば街へ入る。お前が勝てば俺は街へは入らない。シンプルでいいだろう」

「もしもーし? 頭大丈夫ですかー?」

「先攻はくれてやる。さあこい!」

「……………………」

「どうした、サレンダーか?」

「……………………」

「ジャッジー長考で時間稼ぎしてくるんですけどぉ〜」

「…………コロス」

「お」

「オレ、オマエ、ブチコロス」

「なんかやる気満々になってんじゃんやろやろ!」

 

 

 

「「決闘(デュエル)!!」」

 

 

 

「オレのターン、カードを2枚セット、ターンエンド」

「舐めプかぁ〜!? そういうのは自分より弱い相手にやらないと意味ないよ??」

「コロス」

 

 

「おーこわ、俺のターンドローっと……チェーンある?」

「ハヤクコロス」

「なさそうなんでそのままメインまで進めて、俺も2伏せで終わり! どうぞ〜」

 

 

「オレのターンドロー、セットモンスターを反転召喚!《番兵のゴーレム》の効果発動!キサマのモンスターを手札へ戻す!」

「あらま、がら空き」

「さらに《モアイ迎撃砲》を召喚!2体でダイレクトアタック!」

「いてっいてっ」

「これでキサマのライフポイントは残り6100……」

「そんな確認するほどか? その程度のダメージで」

「コロス」

「うわ逃げ口上としても使いやがった」

「2体の効果でセット状態にし、セットカード発動! 《うごめく影》! その効果を発動し、300ライフポイントを犠牲にオレのモンスターをシャッフルする!」

「2枚だとあんまり意味ねーな」

「…………ターンエンド」

 

 

「やっぱりそっちもそう思ってたのね。さてドロー、メインまで進めまして、《闇の護封剣》どーん」

「キサマ……」

「頑張って割ろうね! 2枚セットエンドで」

 

 

「オレのターンドロー。…………1枚セットし《うごめく影》発動、ターンエンド」

 

 

「ドローのメインまでー。闇カウント1。殴らないと勝てないよ??」

「キサマアアア!!!!」

「対処手段引けないお前が悪い。1伏せエンドで」

 

 

「オレのターンドロー。…………1枚セットし《うごめく影》発動、ターンエンド」

「やること無さそうですなあ!」

「コロシテコロス」

「やだ物騒」

 

 

「俺のターンドロー、闇カウント2で自壊して今度は《光の護封剣》どーん!」

「オノレエエエ…………」

「《番兵のゴーレム》、《モアイ迎撃砲》の他には《ステルスバード》と《スカラベの大群》かあ。どうでもいいや1伏せエーンド!」

 

 

「オレのターンドロー……! カードを2枚伏せ、すべてのモンスターを自身の効果で裏に! そして《うごめく影》発動! ターンエンドォ!」

「いや明らかに良いカード引きましたみたいなリアクション取るとか負けたくて仕方ないの?」

「コロシテシナス」

「バリエーションあるねえ」

 

 

「俺のターンドロー、ここまで順番に引くといっそ怖いね。エンドっと」

 

 

「オレのターンドローッ! 《スカラベの大群》反転! 効果でキサマのセットモンスターを破壊ッ!」

「ぐえー」

「さらに《ステルスバード》反転!1000ポイントのダメージを受けてもらう!」

「ぐぇー残り5100」

「まだ終わらん!《番兵のゴーレム》と《モアイ迎撃砲》を反転し、リバースカードオープン! 《反転世界(リバーサル・ワールド)》!!」

「面白いカード使うねえ!」

「オレのモンスターすべての攻守反転! さらに最後のモンスターも反転し、《イナゴの軍勢》の効果発動! 目障りなその光に消えてもらおう!!」

「せめて剣って言わない? もうかなり悪役だよその言葉」

「バトルだ! 5体すべてでダイレクトアタック!!!」

「おおっとそいつは困る。《リビングデッドの呼び声》を発動し、《アステカの石像》を蘇生。んで《砂漠の光》で守備表示に」

「ほう、守備力が2000あれば防ぎ切れるとでも? オレは《ステルスバード》で攻撃! その時手札から《虚栄巨影》発動! これでステータスが2700となりキサマのモンスターは破壊される!!」

「そっかあ。じゃチェーンして《仁王立ち》発動、チェーン続けて《D2シールド》発動で」

「無駄な足掻きを、シネェ!」

「あれ、効果知らない?? 逆順処理してまず《D2シールド》で《アステカの石像》の守備力が元の倍になって4000、次に《仁王立ち》で守備力倍の8000、で最後に《虚栄巨影》で《ステルスバード》が2700ね」

「……………………………………は?」

「ダメージ計算前いいっすかあ〜???」

「は?????」

「手札からぁ、《牙城のガーディアン》3枚発動しまぁすう。1枚で1500なのでぇ、合計4500上がって《アステカの石像》の守備力は合計12500となりまぁす」

「???????」

「最後にぃ、《アステカの石像》は反射ダメージ倍になるんでえ、9800の倍、19600ポイントの反射ダメージとなっております! お前は俺を殺すと言ったな。3倍返しだありがたく受け取れ」

 

「ぐああああああ!!!!!!!!」

 

「よし門番片付けたし街入るか」

 




次回、「城之内、死す」。
デュエルスタンバイ!


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ハンバーガーのレシピ

もう少し見やすくしたいですね。
デュエルは今回こんな感じ。



 特に問題なく街へ入った俺は、どことなく不思議な世界に感動中。

 みーんなデュエルディスク付けてるんだもん。きっと遊戯王やってないと町民として認められない、みたいな決まりでもあるんだろうな。

 

 んー何しよっかなー。さっきはなんとなく反射ダメージでオーバーキルしてみたけど、やっぱソリッドヴィジョンがないがための俺の落胆ぶりが出てたのかなあ。

 一応いろんなところに存在してる決闘場(デュエルスペース)でやればソリッドヴィジョンシステムを誰でも使うことができる。

 

 よしそうするか。

 

 適当にぶらついていたら、公園を見つけた。

 めっちゃ広い。ご近所さんの定番散歩コースとかありそう。

 で、中に入ってみた。子供たちもみーんな遊戯王やってら。

 

「ん? 美味そうな匂いがするな……」

 

 鼻をひくつかせながら辿れば、そこには屋台が並んでいた。

 なんかお祭りみたいだな!

 

「よっし、大将! ここ何売ってんの?」

「すぐ上に書いてんだろうがハンバーガーだよハンバーガー。うちは頼まれてから作るのがモットーだから熱々ふわふわで美味しいぜ」

「いいねえ、お一つくださいな」

「あいよっ」

 

 おーいいねえハンバーガー。

 目の前で作ってるのを見るのは初めてかもしれん。

 昔は大手チェーン店で謎のタイムアタックチャレンジにより店の奥からぐちゃずちゃのハンバーガーが商品として届けられる、それが当たり前だった。

 あれぞジャンクフード! と思う分、実は凄い美味しく感じたり。

 

「食い入るように見つめるぐらいならよ、食いな。金後払いでいいからよ」

「まじ? あざーす」

 

 なんか完成品をぽいっと投げてきたのでキャッチ&リリース(開封)してバクッと。

 んめえ。腹減ってたのもあるけど美味えわ。コーラすらいらんこれだけで良い。

 刺激を与えない常温の水が最高の相性になりそうなぐらい美味い。毎日食べよ。

 

「夢中で食らう姿が嬉しくてよ、俺もこの店やってんだよなあ……」

「そらこうなりますぜ。ごちそーさん!」

「おー待て待て、勘定忘れてっちゃ困る」

「え、お金いるの」

「たりめーだろ。つーか有料だって言ったろうが」

「でも作りたてじゃねーの貰ったんだからノーカンでしょ?」

「ありゃ別んとこの客の分だよ。客に話通してさきにお前の分として渡したんだ」

「いやそんなこと知らねえよ俺はあれがタダ飯と思ったから食ったんだよ」

「なら食う前に確認ぐらい取れ」

「俺の中ではもうタダ飯として完結してたから確認する必要が一切無かった」

「はあ……もういい。あ、そういやそんなタダ飯に拘るのはなんか理由が?」

「金持ってねーし」

「……………………自分さ、最初に俺に向けて言ったこと覚えてる?」

「よっし、大将!」

「もうちょい進めて」

「ここ何売ってんの?」

「で、俺がハンバーガーと答えたな、次」

「いいねえ、お一つくださいな」

「うん、そうだね。あんた金無いのになんでハンバーガー買おうとしてんの??」

決闘者(デュエリスト)だから」

「おっとっと? さらに困窮することになった」

「オレが勝ったらハンバーガー貰う。オレが負けたら支払う。で、俺超強いから勝てる。そういうこと」

「愉快な思考してんねえキミ……まあいいや、乗った。今回はなんつうか色々ややこしかった気もしたし……なんにせよあんたボコればどうにかして金払うらしいし、憂さ晴らしもできる」

「良いねえ! 門番はクッソ渋りやがってよ、これぐらいスパッと話進めよなあ!?」

「おっとお、聞きたくなかった爆弾発言やめろ。それもお前負けたらちゃんと出るとこ出ろよ?」

「おーいいぜ俺勝つし」

 

「「決闘(デュエル)!!」」

 

 

 

 ハンバーガー屋 VS. 無銭飲食マン

 ライフポイント:8000

 

 

「俺の先攻! モンスターを伏せ、さらにカードを2枚セットする。ターンエンドだ」

「落ち着きのある初動ですねえ」

「焦るばかりじゃ良い飯は作れんさ」

 

「俺のターン、ドロー!

 チェーンとかなんか無さそうだしメインで《マスマティシャン》召喚! 効果で《シンクロ・フュージョニスト》を墓地へ。

 バトルフェイズ! 裏守備モンスターを攻撃!」

「戦闘破壊された《キラー・トマト》の効果発動、デッキから《レジェンド・デビル》を特殊召喚する」

「ふむ、メイン2でカードを1枚伏せてターンエンド」

「終了前に《サイクロン》だ。今伏せたカードを破壊させてもらう」

「チッ、《神の宣告》が持っていかれたか……」

 

「俺のターンドロー。良いカードが割れて嬉しいねえ。

 スタンバイフェイズに《レジェンド・デビル》は自身の効果により攻撃力が1500から2200に上昇する。

 手札から《アームズ・ホール》発動! このターンの通常召喚を放棄する代わりに、デッキから《リチュアル・ウェポン》を手札に加える。

 バトルだ! 《レジェンド・デビル》で《マスマティシャン》を攻撃!」

 

 無銭飲食マンのライフ−800、残り7200

 

「くっ、だが戦闘破壊された《マスマティシャン》の効果によりデッキから1枚ドローさせてもらう」

「タダでは起きないか。ターンエンド」

 

「俺のターンドロー! ちっ、モンスターを伏せ、カードを1枚セットしてターンエンドだ……」

「残念だが、おかわりだ。《サイクロン》発動」

「ぐぅっ、次は《奈落の落とし穴》が……」

 

「俺のターンドロー。最初の威勢はどこ吹く風だな。

 スタンバイフェイズに《レジェンド・デビル》の攻撃力がさらに上がり、2900だ。

 そして2枚目の《アームズ・ホール》で《ビッグバン・シュート》を手札に加え、《レジェンド・デビル》に装備。これで攻撃力は3300となり、貫通、つまりお前のモンスターの守備力を《レジェンド・デビル》の攻撃力から引き、差分をダメージとしてお前に与える。

 そんなわけでバトルだ。《レジェンド・デビル》で裏守備モンスターを攻撃!」

「セットしていたのは《ジェット・シンクロン》…………守備力は……………………0だ……」

「つまり! ダイレクトアタックと同等のダメージを受けてもらう!!」

 

 無銭飲食マンのライフ−3300、残り3900

 

「ターンエンド! 次のターン更に攻撃力が上昇して射程圏内になるな」

 

「俺のターン……ドロー! 《調律》を発動し、《ジャンク・シンクロン》を手札に加え、デッキトップの……《神の警告》を墓地へ。

 カードを1枚セットし、ターンエンド……」

 

「俺のターンドロー。

 スタンバイフェイズで《レジェンド・デビル》が4000になったぜ。

 そして、いよいよこいつの出番だな。俺は《儀式の下準備》を発動、《ハンバーガーのレシピ》と《ハングリーバーガー》をそれぞれデッキから手札へ加える。そのまま儀式(レシピ)魔法《ハンバーガーのレシピ》を発動! 手札の《牛魔人》と《キラー・トマト》を素材に、《ハングリーバーガー》完成!! さらに《リチュアル・ウェポン》を装備! 攻撃力が3500まで上昇!!

 このままトドメと行かせてもらおうか」

「ところがぎっちょん! 《威嚇する咆哮》発動! このターンお前は攻撃宣言ができない!!」

「ほお、1ターン命を繋いだな。ターンエンドだ」

 

「俺のターン……ドロー!! …………はあ」

「逆転ならず、といったところか?」

「いやーまあうん。なんというか出来過ぎだよなあって」

「出来過ぎ? 何がだ」

「なんでもない。自分フィールドにモンスターが存在しない時、手札から《アンノウン・シンクロン》を特殊召喚できる。

 さらに墓地の《ジェット・シンクロン》の効果発動。手札を1枚捨て、特殊召喚。

 《アンノウン・シンクロン》と《ジェット・シンクロン》でオーバーレイ、《キキナガシ風鳥》をエクシーズ召喚。

 《ジャンク・シンクロン》を手札から召喚。効果で墓地の《シンクロ・フュージョニスト》を特殊召喚。

 《シンクロ・フュージョニスト》に《ジャンク・シンクロン》をチューニング、《A・O・J(アーリー・オブ・ジャスティス) カタストル》をシンクロ召喚。

 《シンクロ・フュージョニスト》の効果発動、シンクロ素材として墓地へ送られた場合、デッキから《融合》カードまたは《フュージョン》カードを手札に加える。俺は《簡易融合(インスタントフュージョン)》を手札に。

 そのまま《カップ麺(インスタントフュージョン)》発動、《重装機甲 パンツァードラゴン》を融合召喚。

 で、フィールドに儀式・融合・シンクロ・エクシーズが揃ったので、それぞれリリースして《創世神 sophia(ソピア)》特殊召喚。効果でお互いの手札・フィールド・墓地のカードをすべて除外で」

「…………まいった、サレンダーだ」

「ですよね」

 

 

 

 ハンバーガーもハングリーバーガーも美味しかったです。まさか儀式手伝ってくれるとは。

 

 なんか死んだ目でもう1個くれたから、もうちょいぶらぶらしてから食べよ。

 




次回、「城之内、死す」。
デュエルスタンバイ!


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死のデッキ破壊ウイルス


思い立ったので。

今回は本当に酷い。


 

 ハンバーガーを片手に公園をぶらぶらする。

 

 穏やかで心地の良い風が吹き抜け、爽やかな気分になる。

 

 ふと、ベンチを見つけた。たくさんの子供たちがベンチに集まって、座った子とその周りを囲って談笑しているようだ。

 

 その風景もまた、心が安らぐ光景だった。

 

 

 

 

 

「おいクソガキども、そこのベンチは俺が座る。どけ」

 

 俺の心の安らぎのが大事だから。

 

 なんかざわついてる。そら見知らぬおっさんが絡んできたとしか思わないだろうな。せめて見知らぬお兄さんが絡んできたと思ってほしいが。

 

 まあそんなことはどうでもよろしい。この世界ではつまりこうだ。

 

「俺と決闘(デュエル)しろ。俺が勝ったらどけ。負けたらお菓子かカードでも買ってやるよ」

 

 子供からすればこのベンチは死守するものではないため、実質的に負けるデメリットは皆無だ。そして勝てばメリットとなれば乗らないはずもなく。

 なのにこの男は、さらにもう一手をかましてきた。

 

「数多いし面倒だから俺VSお前ら全員でいいや。ライフはそれぞれ8000、手札も俺含め5枚スタート、あー面倒だから俺が先攻貰って、次のターンからバトルフェイズやっていいよ」

 

 これには子供たちも勝ちを確信した。

 先攻ではバトルフェイズがないためライフが減らされることもなく、万が一効果ダメージで削り切ったとしてもそれは誰か1人。そのまま他全員のターンを凌げるとは到底思えず、既に楽勝ムードであった。

 

 

「同意と見てよろしいですね?」

 

 俺は一応確認を取り、全員が無言の肯定を示した。

 

「ロボト…………決闘(デュエル)開始ィー!」

 

 

「俺の先攻ー、スタンメインっと。モンスターセットしてカード2枚伏せて《太陽の書》を俺のセットモンスター対象に発動。

 ……なんかチェーンあったら口挟んでくれや。で、反転《メタモルポット》のそのまま効果発動、チェーンして手札から《月の書》で。んじゃ全員手札捨てて5枚引いてな。

 

 次、セットしてた《鳳凰神の羽》を手札1枚捨てて発動、墓地の《太陽の書》をデッキトップに。で、手札1枚伏せて墓地の《ADチェンジャー》効果発動、自身を除外して再度《メタモルポット》反転して効果、チェーンして《皆既日食の書》でもっかいセット。ほい手札捨てて5枚引けよ。

 次、さっき伏せた《浅すぎた墓穴》発動、全員墓地のモンスター1枚選んでフィールドにセットしてくれ。俺は《ニードルワーム》をセット。で、また1枚伏せてさっき仕込んだ《太陽の書》発動、《メタモルポット》反転で全員手札入れ替えよろしく。

 

 次、さっき伏せた《闇の訪れ》を手札2枚捨てて発動、《メタモルポット》をセットに、カード1枚伏せて普通に引いた《太陽の書》でくるりんぱ。《メタモルポット》で入れ替え。

 次、さっき伏せた《魔法石の採掘》を手札2枚切って発動、《月の書》回収。1枚伏せて、墓地から《ADチェンジャー》で反転、《メタモルポット》効果にチェーンして《月の書》、もっかいチェーンの《異次元からの埋葬》で。除外した《ADチェンジャー》を2枚墓地に戻して、裏返して、手札入れ替え。

 

 次。デッキ残り半分になっちゃったねえ。さっき伏せた《魔法再生》で《鳳凰神の羽》回収、そのまま発動して《連続魔法》をデッキトップに、《太陽の書》発動で反転、《メタモルポット》で入れ替え。

 

 次、というかラスト。

 まず《皆既日食の書》で裏に、墓地の《ADチェンジャー》で《ニードルワーム》反転、効果でお前ら全員デッキから5枚墓地……全員対象か? やめとくか、適当にお前のデッキでいいや5枚捨てろ。で、最初に伏せてた《手札抹殺》発動、チェーンして《連続魔法》発動。最後にもう1枚の《ADチェンジャー》で《メタモルポット》反転して、お前ら全員デッキ0枚な。ターンエンド」

 

 

 

 

 

 泣きながら走って逃げたガキどもを見送って、ベンチに座りハンバーガーを食らう。

 

 うめえわ。

 

 





次回、「城之内死す」。
デュエルスタンバイ!


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地獄の門番イル・ブラッド


この作品読み返すと、作者頭イカれてるとしか思えない。




 

 いつの間にやらソリッドヴィジョン使おうと考えていたことを忘れ、公園をうろついては辻デュエルを仕掛けて生活をしていたある日のこと。

 今日もハンバーガーをゴチになろうといつものバーガーショップに足を伸ばすと、何やら揉め事のようで、怒鳴るバーガーマスター(店長)の声が聞こえた。

 

 よし。

 

 

 首突っこんだろ。

 

「おいマスターハンバーガー2つくれ!」

「客かあ!? ……いやすまんすまんうっかり怒鳴っちまったな、わりいが少し……んだよてめえか後でハンバーガー好きなだけくれてやるからしばらくどっか行ってろ」

「やだ」

「ほんと悪いがこっちもそれどころじゃねえんだ、すまんが後にし」「たのもー!」

 

 あしらって店内……屋台の店内ってどう言う意味か分からないが店内へ。

 すると、俺が入った扉と反対にある、従業員が出入りするための横扉を厳つい顔選手権開けるような面々がいた。 だれが優勝かなー。

 

「なんだ貴様は、部外者はスッこんでろ」

「いやーそれが関係者なんですよ、たった今から」

「はあ!? てめえ何勝手な」

「まあまあマスターは黙ってなって」

 

 とりあえずマスターを黙らせ、厳つかお選手権のエントリー選手らを見やる。

 

 

「おたくらどうせあれでしょ? この公園は潰してなんかブッ建てたりするから俺たちに退去しろーって言ったんだろ?」

 

 その言葉を聞いて、今まで展開が急過ぎて黙りこくっていた奴らに火がついた。

 

「おーよおく分かっとるのうそこのダボマスターと違ってにいちゃんは。 で、返事はハイかイエスの二択だってことも当然分かってくれるよなあ?」

 

 これに対して俺はマスターを物理的に黙らせながら答える。

 

「当然ですよ」

「なら聞きますわ。退去するっつうことでよろしいな?」

「ハ? イイエっス」

 

 

「このクソガキャァぶっ殺してやる!」

「おいおい殺人なんて冒したら余計立ち退きとかありえなくなることも分からない???」

「ぐっ……ギ……ギギィ…………ッッッ!!!」

「さてなのでこちらから提案です。

 そもそも口問答とか威圧でどうとか殺すとかそんな物騒なことしなくていいじゃないですか。

 俺たちにはもっと分かりやすく決めてくれるものがあるでしょ?

 

 おい、デュエルしろよ」

 

 眉間にビキビキ言われながらもデュエルディスクを装着したヤーさんみたいな人。

 そしてダンマリ決めてたほか数名と、今回の幹部みたいな奴まで付け出した。 全員とやんのこれ? めんどくせー。

 

 いや、こうすりゃいっか。

 

 

「まあでも俺らの方が無理な条件ふっかけてるかもしれないんで、ハンデを差し上げます。

 俺1人対そっち全員連戦でどうです?

 もちろん俺のライフも手札デッキフィールド墓地除外も全部継続で、そっちは新規のライフ8000手札5枚残りデッキで、入れ替わったらそっちのターンからでいいですよ。

 

 難癖付けてデュエルに持ち込んだってことで、どうです?」

 

 

「クソガキィ……どこまでも舐め腐りやがって後悔すんじゃねーぞダボが!」

 

 その他罵詈雑言を浴びましたが、この変則デュエルは受けてくれるそうです。やったー。

 

 

 

「じゃ、先攻貰って、スタンメインっと。

 まずは『トゥーンのもくじ』を発動し、同名カードをサーチ。 特に妨害無ければデッキにある『もくじ』全部と、『トゥーン・ワールド』をサーチ。

 で、『召喚僧サモンプリースト』を召喚して、手札の『トゥーン・ワールド』を切って効果発動、デッキから『トレジャー・パンダー』特殊召喚」

 

「そうはさせねえ!手札から『エフェクト・ヴェーラー』を捨て効果を発動!」

「はいチェーン『墓穴の指名者』で『ヴェーラー』除外して無効。 『トレパン』が無事に着地」

「チッ!!」

「残念無念また来年っと。 じゃあ『トレパン』効果3回使って『封印されし右腕』『左腕』『右足』を特殊召喚。

 『サモプリ』と『封印』3種で『鎖龍蛇ースカルデット』をエクストラゾーンにリンク召喚。 こいつの③効果で4枚ドローして、手札から3枚をデッキボトムへ。

 さらに『スカルデット』の②効果で、手札から『終末の騎士』を特殊召喚、そして効果でデッキから『封印されしエクゾディア(かお)』を墓地へ。

 で、『成金ゴブリン』発動して1枚ドローしつつ、『トレパン』効果で魔法を2枚除外して『紫炎の影武者』を特殊召喚。

 『終末の騎士』と『紫炎の影武者』で『追憶の聖騎士 イゾルデ』をスカルデット真下にリンク召喚。 ①はパスして②の効果でデッキから、『聖剣クラレント』『聖剣アロンダイト』『聖剣カリバーン』『聖剣ガラティーン』『聖剣 EXーカリバーン』『焔聖剣ージュワユーズ』『焔聖剣ーデュランダル』『焔聖剣ーオートクレール』『破邪の大剣ーバオウ』『閃光の双剣ートライス』『女神の聖剣ーエアトス』の計11枚を墓地へ送り、『花札衛ー柳ー』を特殊召喚。

 適当な装備魔法1枚除外して、『トレパン』で最後の『左足』を特殊召喚。

 『イゾルデ』『柳』『左足』で『ファイアーウォール・ドラゴン』を『スカルデット』の下にリンク召喚。

 『トレパン』で『バニーラ』と『プロトロン』を特殊召喚、『バニーラ』で『リンクリボー』を『(ファイアー)(ウォール)(ドラゴン)』の左側にリンク召喚。 そのまま『リンクリボー』と『プロトロン』で『プロトコル・ガードナー』を同じく左側にリンク召喚。

 さー最後のお仕事『トレパン』2回で『デジトロン』『ビットロン』を特殊召喚し、それらで『ハニーポット』を『FWD』の右側にリンク召喚。

 手札から『闇の量産工場』を発動して、墓地の『右腕』と『左腕』を手札へ。 『FWD』の①の効果で、墓地の『右足』、『左足』、『(エクゾディア)』を手札に加える。

 

 はい手札に『封印されし』モンスター5種が揃ったので特殊勝利ですお疲れ様でした。 次の方どうぞ〜エクゾディアです〜次の方どうぞエクゾです〜次のエクゾです〜ずっとエクゾです〜最後までエクゾです〜対戦ありがとうございしたっと」

 

 

 

 

 いやー魂抜けたみたいな顔しながら全員帰ったよ。

 お礼のハンバーガーもおいしい。

 

 

 でもどうしてマスターがドン引きしているのかだけが分からない……。

 僕はここを守ったんだよ? もっと褒めて??

 

 





 次回、「城之内死す!」。
 デュエルスタンバイ!


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オシリスの天空竜

ラッシュデュエル楽しい




 以前のバーガー屋騒ぎがあったことで、思い立った。

 

 喧嘩屋ならぬ決闘(デュエル)屋、揉め事が起きればどっちかに雇われてもう片方を成敗して生計を立てよう。

 用心棒と言ってもいいかもしれない。

 

 

「つーわけで俺も店作るわ。世話になったな」

「ほんと世話してやったよどれだけ無銭飲食してると思ってやがる」

「儲かったらちゃんと返してやるから。ハンバーガー」

「金で返せボケ」

「いや、そこなんだけどさ」

 

 

 俺の店、料金は無料でやろうと思ってるんだわ。

 報酬は物で貰おうかと。主に食料とか衣服とか?

 家は店に住めばいいでしょ。

 

「俺はな、意地でも金は持たない。お天道様にそう誓ったんだ」

「そのせいで罪を重ねまくってるからお天道様ブチ切れててもおかしくないぞ」

「罪全部はじき返したからセーフ」

「心情は3アウトだよ良心にチェンジしろ」

「まだ9回裏だからいける」

「何処と何をしてて同点なんだよ」

「ん? 店長と会話のレベルバトルしてて……かな」

「おっと手が滑った」

 

 

 世界を狙える右ストレートバーガーだった。

 人間ってハンバーガーを一口で食べられるようにできてるんだな、一つ賢くなった。 ありがとう店長。

 

 

 

 で。

 

 

「ノックしてもしもぉ〜し、俺も店を建てることにしたのでよろしく!」

「何処の誰だお前はまず名乗れ。どの契約の人間だ?」

「契約って聞くと破りたくなるよね」

「は?」

「しまったそもそも契約してないなら破れないじゃないか」

「は??」

「つーわけで新しく店建ててくれ、場所は今から探す」

 

 

 おれおかしいな固まっちゃった。

 建てるって言えばとりあえず土木なんちゃらって書いてるとこかなと思って突撃してきたけど間違えたか?

 

 

「よーしちょっと待ってろ、上で踏ん反り返ってる奴にぶん投げるから」

 

 

 お、建てられるのかな。 つまり合ってたということだよしよし。

 

 

 しばらくすると、なんか場違いなオーラを放つスーツでバシッと決めたグッドルッキングガイが奥からやってきた。

 俺もオーラ放つか。 ハァァァァァ!!!

 

「失礼、先ほどの不思議なお客様とはあなたのことでよろしいですか?」

「不思議……? じゃあ違います」

「合ってましたかそれはよかった。 とりあえず奥へご案内しますね」

 

 いかれた勇者パーティを紹介するぜ!

 勇者スーツ男! 俺! 以上だ!!

 

 

「お噂は聞いておりますよ。 この街に入るところから地上げ屋を追い払ったところまで」

「え、ストーカーですかこわっ」

「熱心なファン、と思っていただければ」

「ファン? マジかサンキュー」

「おお! こちらこそありがとうごさいます、認めていただけるとは…………ファン1号と名乗っても?」

「モチのロン。 いや店長の方が先か」

「店長……あのバーガー屋の…………そうですか…………」

「いやそれよりもさ、ファンとして俺の店建ててくれない?」

「いいですよ」

「よし、場所まだ決めてないから決まったらまた来るわ」

「場所は公園内の方がよろしいですか?公園の外すぐでもご用意できますよ」

「公園の中に事務所とかかっこよさの極みじゃんそっちで」

「かしこまりました」

「あとそこに住むから事務所っぽいところと自室よろしく」

「仰せのままに」

「よしじゃー次は宣伝? 宣伝できる?」

「宣伝の為には事業内容が明確である必要がありますね。 無ければ店の場所だけの宣伝となります」

「あー仕事は喧嘩屋みたいな感じの決闘(デュエル)屋、揉め事が起きたらどっちかの派閥か仲裁したい側のどっかと契約して、決闘(ぼこる)

「なるほど、おおよそ理解できました。 それでは最後に私と決闘(デュエル)していただきます」

「良いけどなぜ?」

「私今から色々頑張りますので、決闘(デュエル)で労っていただけたらと!」

「そういうことなら喜んでやるぜー」

 

「「決闘(デュエル)!!!」」

 

 

「先攻は俺か、スタンメインっと。 『調律』発動して、デッキから『ジェット・シンクロン』をサーチ。 その『ジェット・シンクロン』を捨てて『ワン・フォー・ワン』発動、デッキから」

 

「失礼、『ワン・フォー・ワン』にチェーンして『増殖するG』を手札から捨てて発動させていただきます」

 

「お、やるねえ。 んーだったら変えて……『サクリファイス・ロータス』を特殊召喚」

 

「1枚ドローさせていただきます」

 

「いいよー。 『ワンチャン!?』を発動して、デッキから『金華猫』を手札に。 『ロータス』で『リンクリボー』を右エクストラゾーンにリンク召喚」

 

「1枚ドローさせていただきます」

 

「どうぞー、ついでに『金華猫』で『ロータス』吊り上げるのでもう一枚どうぞー。 墓地の『ジェットロン』効果で手札1枚捨てて特殊召喚、おかわりどうぞー」

 

「計2枚、いただきますね」

 

「じゃ、『リンクリ』『猫』『ロータス』『ジェットロン』で『トポロジック・ボマー・ドラゴン』を右エクストラにリンク召喚」

 

「1枚引きますね」

 

「おー手札が9枚にもなっちゃって、相手ターン来たらワンキルされそうだなーエンド」

 

「それでは私の……」

 

「おっと早とちりだよ、エンドとは言ったがターンエンドではなくエンドフェイズに入る、ということだ。 墓地の『ロータス』は自分の場に魔法・(トラップ)がない場合、墓地から特殊召喚できる。特殊召喚する場所は『トポロジック・ボマー・ドラゴン』の下だ」

 

「1枚、引きます」

 

「で、この瞬間『ボマー』の効果が起動、リンク先にモンスターが出たときに、メインモンスターゾーンすべてを爆破、破壊する」

 

「すると『ロータス』は再び墓地へ……」

 

「ま、そういうことです。 お疲れ様でした」

 

 

 

 

 

 よし、すべて解決した。

 後は完成するのを眺めながらバーガーだなバーガー。




次回、「城之内死す」。
デュエルスタンバイ!


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超融合

サブタイトル思い付かなかくて後で決めようとしてました。
すっかり忘れてて超絶今更修正……。


 あれから3年……から2年と12ヶ月引いた頃。

 俺は事務所予定地に訪れていた。

 

「ここが、あの女のハウスね!」

 

 住むの俺だけだが。 様式美らしい。

 

 昨日の今日だが、既に準備は進められていたようですぐにでも着工できそうだ。 職人らしき姿も見受けられる。

 

「おーっす! みんな頼むぜ! これ差入れのバーガー」

 

 さっきバーガーに寄って店主からバーガーをもらった。 もらう手段? 当然決闘(デュエル)ですけど何か?

 いちいち貰いに行くの面倒だなあ……あ、そうだ!

 

「えーっとここに立てる指示したスーツさんってどこにいるか知ってる?」

「トップなら事務所にいるんじゃないですかね」

「あざーっす」

 

 事務所ってたぶん前のとこでしょ。 れっつらごー。

 

 

 

「たのもー!」

「ん? ああまたアンタか……あいつは上にいるよ」

「そういうあんたは下にいるな、いろんな意味で」

「喧嘩売ってんなら買うぜ?」

決闘(デュエル)でなら売りまくるよ」

「そうかい、ならちょいとやろうじゃねえか」

 

 いいねえ! やっぱ決闘(デュエル)脳だどいつもこいつも! 最高!

 

「こっちから売ったわけだから先手は譲るぜ」

「いや、オレは後攻でいい、アンタから始めな」

 

 なるほど、だとしたらこのプランだな。

 

「ならありがたく先手で」

 

「「決闘(デュエル)!!」」

 

 

「俺のターン、チェーンあったらその都度言ってくれや。

 『古代の機械猟犬』( アンティークギア・ハウンドドッグ)を召喚し効果発動、600バーンダメージを相手に与える」

 

「まずはバーンたあ手堅いこったな」

 

「600だが積み重ねれば脅威になるもんさ、だがこいつの真価はこれじゃない。 第二の効果発動! 手札の『古代の機械飛竜』(アンティーク・ギアワイバーン)と自身を素材に融合召喚! 現れよ『古代の機械魔神』(アンティーク・ギアデビル)!」

 

「ほう、融合……」

 

「ま、融合体ではあるが攻めに転じられるほどのステータスはない。 だから別方向にアンタを攻め立てるのさ!

 『古代の機械魔神』(アンティーク・ギアデビル)の効果発動! 相手に1000のダメージを与える!」

 

「チッ、1ターン目に計1600たあやるじゃねえか」

 

「俺はカードを1枚伏せてターンエンド、さあお手並み拝見」

 

「よおく見ときな、オレのターンドロー! 魔法カード『エマージェンシー・サイバー』を発動! デッキから『サイバー・ドラゴン』を手札に加える! そしてそのまま自身の効果により特殊召喚!」

 

「サイバー!? まずいっ」

 

「よく分かってるじゃねえか、俺は『サイバー・ドラゴン・ツヴァイ』を召喚し、『サイバー・ドラゴン』、『サイバー・ドラゴン・ツヴァイ』、そしててめえの『古代の機械魔神』(アンティーク・ギアデビル)を素材に融合召喚! 『キメラテック・フォートレス・ドラゴン』!!」

 

「ちっ、カードの効果を受けない『古代の機械魔神』(ギアデビル)も、素材にはされちまう。 さらに破壊時の効果さえ不発にされるとは……」

 

「同じ機械の融合だが、相性が悪かったと諦めてくれや。 『フォートレス』でダイレクトアタック!」

 

「ぐああっ!」

 

「ちと少ないが、ま、倍返しってことでな。 1枚伏せてターンエンド」

 

「倍返しっても、まだライフは半分以上あるから焦ることはねえ、ついでにそのエンド宣言時に(トラップ)発動、『古代の機械蘇生』(アンティーク・ギアリボーン)。 その効果で墓地の『古代の機械飛竜』(ギアワイバーン)を特殊召喚!

 まだ続くぜ、特殊召喚された『古代の機械飛竜』(ギアワイバーン)の効果発動! デッキから『アンティーク・ギア』カード1枚をデッキから手札に加える。 俺は『古代の機械箱』(アンティーク・ギアボックス)を手札に加える。 そして! 『古代の機械箱』(ギアボックス)が手札に加わった時に効果発動! デッキから攻撃または守備が500以下の機械族を手札に加えることができる! 俺はデッキから『古代の機械素体』(アンティーク・ギアフレーム)を手札に加える!」

 

「ったく、フィールドの厄介なモンスターどけて重いダメージ与えたはずだが、まるで意味がなかったように錯覚しちまうぜ」

 

「手札こそ潤沢だけど、かもよ? 改めて俺のターンドロー。

 まずは『古代の機械素体』(ギアフレーム)を召喚し、効果を発動。手札の『古代の機械箱』(ギアボックス)を捨てて、デッキから『古代の機械巨人』(アンティーク・ギアゴーレム)を手札に加える。カードを2枚伏せてターンエンド」

 

「3000のモンスターを何もせず、か。まあこいつは既に仕事は果たした、策を1つ潰してくれるならありがてえぐらいだな。オレのターン、ドロー!

 まずは魔法カード『サイバー・レヴシステム』を発動し、墓地の『サイバー・ドラゴン』を特殊召喚する。 次に『サイバー・ドラゴン・ドライ』を召喚し、効果発動! 自身を含む『サイバー・ドラゴン』のレベルを5に変更、本来ならエクシーズと行くところだが、融合相手にそれはヤボってもんだ。魔法カード『サイバーロード・フュージョン』発動! 自身の効果で『サイバー・ドラゴン』となる『ドライ』と『サイバー・ドラゴン』で、『サイバー・ツイン・ドラゴン』を融合召喚! バトル!」

 

「おっとここで『威嚇の咆哮』を発動する」

 

「チッ、まあ良いだろう。ターンエンド」

 

「俺のターン、ドロー。再び『古代の機械素体』(ギアフレーム)の効果で手札の『古代の歯車』(アンティーク・ギア)を捨て、デッキから『古代の機械融合』(アンティーク・ギアフュージョン)を手札に加える。 そして、『古代の機械素体』(ギアフレーム)『古代の機械飛竜』(ギアワイバーン)をリリースし、『古代の機械巨人』(アンティーク・ギアゴーレム)をアドバンス召喚! さらに『古代の機械融合』(アンティーク・ギアフュージョン)を発動!」

 

「ダメだな! (トラップ)発動『神の警告』!」

「いーやダメだね! (トラップ)『神の宣告』!!」

 

「くっ、やられたか…」

 

「続けるぜ。 このカードはフィールドの『古代の機械巨人』(ギアゴーレム)を素材に含む場合、残りの素材をデッキからも選択できる! 俺は残り2枚の『古代の機械巨人』(ギアゴーレム)で融合召喚! スーパー機械巨人、『古代の機械超巨人』(アンティーク・ギア・メガトン・ゴーレム)!!!」

 

「攻撃力3300!!」

 

「驚くのはまだ早い! 驚くのはまだ早い! 大事なことなので2回言ってみた!! 『古代の機械超巨人』(メガトンゴーレム)は、素材にした『古代の機械巨人』(ギアゴーレム)の数だけ攻撃が可能! つまりサンレンダァ!」

 

「オレのライフは最初に1600減って残り6400、『警告』のコストで2000払って残り4400、そして総攻撃のダメージは4100! 危ねえが負けるわけじゃねえ!」

 

「まー慌てるな。 さてここに1枚のカードがあります。 これは機械族を扱う者なら誰もが知っている切り札……」

 

「ま……まさか…っ!」

 

「速攻魔法発動! 『リミッター解除』! 自分フィールドのすべての機械族モンスターの攻撃力を倍にする!」

 

「ぐあああああ!!!!」

 

 

 

 白熱した決闘(デュエル)だった。

 あとなんか意気投合してすごい仲良くなった。

 2人でバーガーしてます。 うまい。




次回、「城之内死す!」。
デュエルスタンバイ!


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