英雄も元はありふれていた (絶対絆無双)
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プロローグというのは建前

ただただ思いつきを書いたものなので変な所や誤字脱字が多数検出されることがありますためご了承下さい
あと暇つぶし程度に書いているため投稿は結構遅くなってしまうことがあります


いつもの朝

いつもの家

いつもの通学路

いつもの学校

いつもの生活

そしていつもの親友

これが当たり前に続く物だと実感していた

あの時までは…

 

 

 

白夜「どうだった?おすすめしたやつ?」

 

ハジメ「いやどうと言われてもねぇ…、何をどうしたらああなったの?」

 

2人の男子高校生が教室に向かいながら話し合っている

片方は男子高校生の平均身長よりやや低く、黒髪で整った髪型の少年【南雲ハジメ】

もう片方は平均並みの身長、ボサボサまでとはいかないが所々跳ねた髪が特徴な少年〔イメージ的にはFGOの藤丸立夏(♂)〕【蓮坂 白夜】

 

白夜「どうしてと言われてもなぁ〜」

 

ハジメ「何を!どうしたら!純粋にRPGだと思ってたものがいきなり教育ゲームみたいになるんだよ!?」

 

白夜「はっはっは〜。あっそういや今日FGOログインするの忘れてた」

 

ハジメ「あっ、おい!話そらすな!」

 

見ての通りゲームの話をするほどの仲のいいオタク仲間である

しかしオタクはどこに行っても偏見な目で見られており彼らも例外ではない

クラスでの扱いはとてもひどいのである

 

檜山「よぉ?オタク共!朝から登校早々居眠りとかゲームか?昨日徹夜でエロゲしてもし足りないってか?ギャハハハッ」

 

斎藤「おぉ〜それはマジか!?やべぇなウケるんだけど!」

 

ここにいる四人組がいい例である

彼らはクラス内の不良グループ、【檜山 大介】をリーダーに【斎藤 良樹】【近藤 礼一】【中野 信治】と言ったメンバーである

 

白夜とハジメは毎度のことのためもう慣れているから放っている

 

白夜「ハジメ見てみ」

 

ハジメ「何?おっすげぇ、ジャンヌ強化MAXじゃん。お前好きすぎるだろ?」

 

むしろゲームの話を続ける

 

檜山「おい!無視してんじゃねぇよ!クソオタクども!」

 

無視されてムカッときたのだろうか檜山は2人の方に怒鳴る

 

白夜「何もしていない無害な人間を怒鳴るのやめたほうがいいよ、まだクラスメイトだからいいけど会社のお偉いさんとかだったらすぐクビだからね?」

 

檜山「なんだと!?」

 

白夜「それに俺たちが眠そうなのはゲームじゃなくて勉強やバイトをしてだから。あとエロゲバカにしてると痛い目見るぞ?」

 

白夜の発言に何も言い返せないのか4人組はその場を離れた

 

ハジメ「白夜、いくらFateが元々エロゲだからってそこまでならなくてもいいだろ…」

 

白夜「いいや、ここまで言わんと納得しない」

 

だんだんお気づきかもしれないが白夜は筋金入りのFate好きなのである

それはもう方ヴァイオリニストの葉加◯太郎がヴァイオリンよりちょっと料理の方がうまいくらい好きである

そんな他愛ない話をしていると2人の少女がやってきた

 

香織「南雲くん、蓮坂くんおはよう!また2人揃ってギリギリについて今度はもっと早く来ようね」

 

雫「おはよう、南雲くん、蓮坂くん」

 

少女の名前は【白崎 香織】

クラスのアイドル的立ち位置で誰にでも優しく接してくれる

もう1人の少女は八重樫、雫】

彼女は男女問わず人気があり告白をよくされるが全部キッパリ断っているとか

 

ハジメ「あ、おはよう白崎さん…」

 

白夜「おはよう、白崎。別にいいじゃねぇかよ。間に合ってるんだし」

 

香織「それ1番ダメなやつだからね…」

 

白夜が香織の耳元で

 

白夜「今度ハジメ大好物教えてやっからよ、今回は勘弁してくれ。なっ?」

 

香織「っ!?それほんと!」

 

白夜「おうよ、男に二言はないからな」

 

香織「わかった、ならいいよ」

 

雫「蓮坂くんあなたねぇ…」

 

香織はハジメに思いをよしているため白夜からのこう言った発言に弱いのである

つまりのところ買収である

さらにそこにもう二人組の少年が現れる

 

光輝「香織に雫、朝から2人の世話を焼いているのかい?優しいね君たちは」

 

龍太郎「まったく持ってその通りだ。こんなやる気のない連中を相手に何を言っても無駄だと思うがなぁ」

 

最初に喋った少年【天乃河 光輝】

とても女子からの人気が高く毎日ラブレターをもらっている

次に喋った少年【坂上 龍太郎】

彼はとても筋力があり、そして見た目通りの熱血キャラである

 

光輝「南雲、蓮坂、いい加減その態度を取るのはやめたほうがいいんじゃないか?いつまでも香織の優しさに甘えるのはどうかと思うよ。香織だって君達に構ってばかりはいられないんだから」

 

この通りこの2人組も彼らのことを蔑んでいる

しかも光輝に至っては無自覚にという

しかし…

 

香織「?光輝くん、なに言ってるの?私は、私がハジメくんと話したいから話してるだけだよ?」

 

香織が自ら関わっていることをここで証明した

目にハイライトがないが…

 

光輝「えっ?……そうか。やっぱり香織は優しいな」

 

そういう風に発言して彼らはその場から立ち去った

 

香織「ごめんね?別に悪気があって言ってるわけじゃないんだよ?」

 

白夜「白崎さんが謝る必要はないと思うぞ」

 

ハジメ「そ、そうだよ。白崎さんは何も悪くないよ!」

 

雫「これじゃぁ、どっちが優しいのかわかったもんじゃないね…」

 

雫は目の前の光景に呆れているが

直後に突然として教室の床に魔法陣が描かれ光り始めた

そして彼らを連れて行った

後にこれは集団神隠し事件としてこの世を騒がせたが…

それはあくまで【この世界】での話である




いかがでしたか?
自分でも良くわかっていません汗


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異世界トー…、トー…、トーテム!違う!トーラス!違う!トーマス!わ〜懐かしい機関車って言ってる場合か!?

今回は感想のところでセリフの前の名前をなくした方がいいと意見をいただきましたので実践してみようと思います


「ん〜?ここは?」

 

白夜が目覚めるとそこは先ほどの教室とは全く異なった場所にクラスメイト+αと一緒に飛ばされたようだ

大きな壁画がありまるで神殿のような建物の中と思われる

クラスメイトの全員が唖然としていると1人の老人が現れ

 

「ようこそ、トータスへ。勇者様、そしてご同胞の皆様。歓迎致しますぞ。私は、聖教教会にて教皇の地位に就いておりますイシュタル・ランゴバルドと申す者。以後、宜しくお願い致しますぞ」

 

とそう告げてニッコリと笑う老人が白夜たちに向けてそう言った

ただその老人の目から何か企んでいるようにも見えた

 

「イシュタル?アーチャーかな?」

 

「違う!」

 

さすが白夜、イシュタルと聞きそっちの方へ変換したのをすかさずハジメが突っ込む

イシュタルと名乗る老人に白夜たちは長テーブルのある広間へ連れてこられ座らされた

 

 

 

 

「あなた方を召喚したのは『エヒト様』です。我々人間族が崇める守護神、聖教教会の唯一神にして、この世界を創られた至上の神。おそらく、エヒト様は悟られたのでしょう。このままでは人間族は滅ぶと。それを回避するためにあなた方を喚ばれた。あなた方の世界はこの世界より上位にあり、例外なく強力な力を持っています。召喚が実行される少し前に、エヒト様から神託があったのですよ。あなた方という《救い》を送ると。あなた方には是非その力を発揮し、『エヒト様』の御意志の下、魔人族を打倒し我ら人間族を救って頂きたい」

 

イシュタルの長話があったため簡単に説明すると白夜たちは異世界の戦争のために連れてこれたのであった

白夜たちは信じられないと思っているが実際に魔法陣で訳の分からないところへ連れてこられていることを考えると信じるほかしかなかった

しかしこのことに対し急に席を立ち反対した者もがいた

 

「ふざけないで下さい!結局、この子達に戦争させようってことでしょ!そんなの許しません!ええ、先生は絶対に許しませんよ!私達を早く帰して下さい!きっと、ご家族も心配しているはずです!あなた達のしていることはただの誘拐ですよ!」

 

低身長童顔、ボブカットの髪を跳ねさせながら、生徒のためにとあくせく走り回る姿はなんとも微笑ましく、そのいつでも一生懸命な姿と大抵空回ってしまう残念さのギャップに庇護欲を掻き立てられるで有名な愛ちゃんこと愛子先生だった

 

「お気持ちはお察しします。しかし……あなた方の帰還は現状では不可能です」

 

場に静寂が満ちる、重く冷たい空気が全身に押しかかっているようだ

誰もが何を言われたのか分からないという表情でイシュタルを見やる

 

「ふ、不可能って……ど、どういうことですか!?喚べたのなら帰せるでしょう!?」

 

帰還不可能つまり帰れないということであることに対して先生は叫ぶが

 

「先ほど言ったように、あなた方を召喚したのはエヒト様です。我々人間に異世界に干渉するような魔法は使えませんのでな、あなた方が帰還できるかどうかもエヒト様の御意思次第ということですな」

 

「そ、そんな……」

 

愛子先生が脱力したようにストンと椅子に腰を落とす。周りの生徒達も口々に騒ぎ始めた。

 

「うそだろ? 帰れないってなんだよ!」

 

「いやよ! なんでもいいから帰してよ!」

 

「戦争なんて冗談じゃねぇ! ふざけんなよ!」

 

「なんで、なんで、なんで……」

 

パニックになる生徒達。しかし、ハジメと白夜はオタクであるが故にこういう展開の創作物は何度も読んでいる。それ故、予想していた幾つかのパターンの内、最悪のパターンではなかったので他の生徒達よりある程度は平静を保てていた。

未だパニックが収まらない中、光輝が立ち上がりテーブルをバンッと叩いた。その音にビクッとなり注目する生徒達。光輝は注目が集まったのを確認するとおもむろに話し始めた。

 

「皆、ここでイシュタルさんに文句を言っても意味がない。彼にだってどうしようもないんだ。……俺は、俺は戦おうと思う。この世界の人達が滅亡の危機にあるのは事実なんだ。それを知って、放っておくなんて俺にはできない。それに、人間を救うために召喚されたのなら、救済さえ終われば帰してくれるかもしれない。イシュタルさん? どうですか?」

 

「そうですな。エヒト様も救世主の願いを無下にはしますまい」

 

「俺達には大きな力があるんですよね? ここに来てから妙に力が漲っている感じがします」

 

「ええ、そうです。ざっと、この世界の者と比べると数倍から数十倍の力を持っていると考えていいでしょうな」

 

「うん、なら大丈夫。俺は戦う。人々を救い、皆が家に帰れるように。俺が世界も皆も救ってみせる!!」

 

「……」

 

同時に、彼のカリスマは遺憾なく効果を発揮する。女子の大半は賛同しているらしい

 

「へっ、お前ならそう言うと思ったぜ。お前一人じゃ心配だからな。……俺もやるぜ?」

 

「龍太郎……」

 

「今のところ、それしかないわよね。…気に食わないけど……私もやるわ」

 

「雫……」

 

「え、えっと、雫ちゃんがやるなら私も頑張るよ!」

 

「香織……」

 

いつものメンバーが光輝に賛同する。後は当然の流れというようにクラスメイト達が賛同していく。愛子先生はオロオロと

 

「ダメですよ~」

 

と涙目で訴えているが光輝の作った流れの前では無力だったが…

 

 

「反対だ」

 

1人だけ別な意見を言ってクラスの注目を集めた

もちろん白夜である

 

「蓮坂、お前何を言ってるのかわかってるのか?この世界の神様は俺たちを選びこの世界を救えと言ってるんだぞ?それともこの世界の人類に滅べとでもいうのか?」

 

さすが主人公属性〔笑〕の光輝、白夜の言ってることに対して問い詰める

 

「お前らさぁ…、あいつらに何言われてるのかわかってんの?」

 

「それは魔族を倒し、平和にしてくれって…」

 

「理解してなかったかぁ〜…。お前死んだらどうするつもりだ?」

 

「絶対死にはしないし、クラスメイトも死なせはしない!俺が誰1人だろうと守ってみせる!」

 

「そうか…、じゃぁお前は躊躇いもなく人を殺せるんだな?そういうことだろ?」

 

「えっ、何を言ってるんだい?ヒトを殺す?」

 

天之河は白夜から言われたことが理解できていないようだ

 

「俺たちと異なった形をしていたとしても知性や文化、生活があるならそいつらも人だ。もしお前が魔物を殺すとしよう。しかしそれが子供の魔物だとしよう…それを知った親の魔物はどうなる?怒り狂いお前を殺しにかかるだろう。それともあれか?お前はその魔物を殺さず世界を救おうとか馬鹿げた理想を言うのか?」

 

「あ、俺はその可能性を信じる!誰1人死なず世界を平和にする!」

 

どうやら光輝の頭の中はお花畑のようだった

その光輝から

 

「そういお前はなんだ!そんな知った口振りを聞くがお前は戦争を知ってるのか!」

 

際ほどまで戦争をどういうものかを語っていた白夜に対しての質問である

 

「そうだそうだ!」

 

「お前はどうせアニメとかの影響だろ!?オタクは引っ込んだろ!」

 

クラスメイトからの反感を喰らった

それをみたハジメは心配そうに白夜を見たがどうやらその心配は要らなかったようだ

 

「あぁ!そうさ!戦争が実際はどういうもんかは知らんよ!」

 

まさかの知らないことで開き直っているがこれには続きがあり

 

「でもな!戦争の傷痕を見れば大抵どういうものかは想像がつくはずだろ?」

 

実際に白夜は戦争があった場所や地域に行くっていう趣味を持っている

そのことに関しては社会科教師である愛子先生も知っている

クラスメイトたちは黙ってしまう

しかし結局光輝の影響でふりだしに戻ってしまい参加する形になってしまった

 

 

 

 

 

 

 

「白夜、ごめん…お前に続いて僕も反対してたら…」

 

「ハジメが謝る必要はねぇよ…、あいつがいる限りこうなるとは想像ついてたしな」

 

ハジメはどうやら止められなかったことに対して申し訳ないようだ




ふむ出来たがゴリ押しが過ぎるな…


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能力詳細戦隊ステータスナンジャー爆誕【大嘘】

白夜たちがトータスに飛ばされ2日が経過した

結局あの後の夜は彼らを歓迎する晩餐会が開かれた

クラスメイトは馬鹿騒ぎをしていたが白夜は情報収集のため図書館にいたがハジメ、香織、雫、愛子先生以外彼がいないことに気付いていなかった

 

 

 

2日目に何をするのかというとここの騎士団の団長、メルド団長曰くステータス作りらしく生徒全員に銀色のプレートを配布した

 

「よし、全員に配り終わったな? このプレートは、ステータスプレートと呼ばれている。文字通り、自分の客観的なステータスを数値化して示してくれるものだ。最も信頼のある身分証明書でもある。これがあれば迷子になっても平気だからな、失くすなよ?」

 

どうやらここの世界のとても重要なアイテムを渡されたようだがイマイチ使用の仕方がわからないがそのあと団長が続けて説明をする

 

「プレートの一面に魔法陣が刻まれているだろう。そこに、一緒に渡した針で指に傷を作って魔法陣に血を一滴垂らしてくれ。それで所持者が登録される。"ステータスオープン"と言えば表に自分のステータスが表示されるはずだ。ああ、原理とか聞くなよ?そんなもん知らないからな。神代のアーティファクトの類だ」

 

「アーティファクト?」

 

アーティファクトという聞き慣れない単語に天之河が質問をする

 

「アーティファクトって言うのはな、現代じゃ再現できない強力な力を持った魔法の道具のことだ。まだ神やその眷属達が地上にいた神代に創られたと言われている。そのステータスプレートもその一つでな、複製するアーティファクトと一緒に、昔からこの世界に普及しているものとしては唯一のアーティファクトだ。普通は、アーティファクトと言えば国宝になるもんなんだが、これは一般市民にも流通している。身分証に便利だからな」

 

生徒全員はなるほどだと言った感じで一斉に自らの指を針で刺して血をプレートに垂らし自らのステータスを確認するのであったが…

 

「こ、これはどうなんだ…」

 

白夜はどうやら自分のステータスに疑問を抱いていた

 

「どうしたの?」

 

「いや、ハジメ…。ちょっと比較したいからお前の見せてくれないか?」

 

「僕ので良ければいいけど…」

 

ハジメはステータスプレートを白夜に渡す

白夜は恐る恐るハジメのステータスプレートを見る矢先に両手両膝を地面についた

そのハジメのステータスはというと

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

南雲ハジメ 17歳 男 レベル:1

天職:錬成師

筋力:10

体力:10

耐性:10

敏捷:10

魔力:10

魔耐:10

技能:錬成・言語理解

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

とこんな感じとなっているが…問題の白夜はというと…

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

蓮坂白夜 17歳 男 レベル:1

天職:一般市民【■■】

筋力:5

体力:5

耐性:5

敏捷:5

魔力:5

魔耐:5

技能:言語理解 ( ゚д゚)はぁ?

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

ハジメの半分のステータスさらに文字化けで天職の部分が一部詳細が不明となっているのとなんかむかつく顔文字が付いている

 

「白夜…その…互いに頑張ろうな?」

 

「うるさい!天職のあるやつの慰めなんか聞くか!なんだよ!?一般市民って!?それ天職か!?いやそもそもなんだよ能力のところの顔文字はよぉ!!」

 

自分のステータスへの不満が爆発しているようだ

まるだ団長はその言い争いや気に求めず続ける

 

「全員見れたか? 説明するぞ? まず、最初に"レベル"があるだろう? それは各ステータスの上昇と共に上がる。上限は100でそれがその人間の限界を示す。つまりレベルは、その人間が到達できる領域の現在値を示していると思ってくれ。レベル100ということは、人間としての潜在能力を全て発揮した極地ということだからな。そんな奴はそうそういない」

 

どうやらゲームのように、レベルが上がるから、ステータスが上がる訳ではないらしい

 

「ステータスは日々の鍛錬で当然上昇するし、魔法や魔法具で上昇させることもできる。また、魔力の高い者は自然と他のステータスも高くなる。詳しいことはわかっていないが、魔力が身体のスペックを無意識に補助しているのではないかと考えられている。それと、後でお前等用に装備を選んでもらうから楽しみにしておけ。なにせ救国の勇者御一行だからな。国の宝物庫大開放だぞ!」

 

メルド団長の言葉から推測すると、魔物を倒しただけでステータスが一気に上昇するということはないらしい。つまり某クエストみたいにメタルスライムが出たからって経験値がっぽがっぽとはかない。地道に腕を磨かなければならないようだ。

 

「次に"天職"ってのがあるだろう? それは言うなれば"才能"だ。末尾にある"技能"と連動していて、その天職の領分においては無類の才能を発揮する。天職持ちは少ない。戦闘系天職と非戦系天職に分類されるんだが、戦闘系は千人に一人、ものによっちゃあ万人に一人の割合だ。非戦系も少ないと言えば少ないが……百人に一人はいるな。十人に一人という珍しくないものも結構ある。生産職は持っている奴が多いな」

 

「くそったれがぁ!」

 

約1名その非戦闘系の天職の十人に一人にすら入ってない者が自分のステータスプレートを地面に叩きつける

そしてハジメが落ち着かせるのであった

 

「まぁまぁ落ち着いて…」

 

「後は……各ステータスは見たままだ。大体レベル1の平均は10くらいだな。まぁ、お前達ならその数倍から数十倍は高いだろうがな!全く羨ましい限りだ! あ、ステータスプレートの内容は報告してくれ。訓練内容の参考にしなきゃならんからな」

 

さらなる追い討ちが白夜を襲うのであった

体育座りで落ち込むあたりかなりである

 

「平均…以下…ただの市民…」

 

「oh…、これは立ち直るのに時間かかりそう」

 

その中1番最初に団長にステータスを報告したのは天之河であったがそのステータスは並外れた物であり

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

天之河光輝 17歳 男 レベル:1

天職:勇者

筋力:100

体力:100

耐性:100

敏捷:100

魔力:100

魔耐:100

技能:全属性適性・全属性耐性・物理耐性・複合魔法・剣術・剛力・縮地・先読・高速魔力回復・気配感知・魔力感知・限界突破・言語理解

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

白夜の50倍のステータスであった

団長曰く初期でこのステータスは稀なことらしくとても珍しい

 

 

「ほお~、流石勇者様だな。レベル1で既に三桁か……技能も普通は二つ三つなんだがな……規格外な奴め! 頼もしい限りだ!」

 

「いやぁ〜、ははは〜…」

 

天之河は褒められて少々照れ臭いらしく頭をかいている

クラスのみんなもさすが普段から勇者やってることだけあるなって感じの雰囲気が出ている

他の人たちも団長にステータスを見せたが香織や雫、筋肉b…坂上も平均より大幅上のようだ

そしてハジメの順番が回ってきたがハジメのステータスを見るなり団長の表情が「うん?」と笑顔のまま固まり、ついで「見間違いか?」というようにプレートをコツコツ叩いたり、光にかざしたりする。そして、ジッと凝視した後、もの凄く微妙そうな表情でプレートをハジメに返した。

 

「ああ、その、なんだ。錬成師というのは、まぁ、言ってみれば鍛治職のことだ。鍛冶するときに便利だとか……」

 

そしてそれを聞くなりクラスのヤンキーこと檜山が、ニヤニヤとしながら声を張り上げる。

 

「おいおい、南雲。もしかしてお前、非戦系か? 鍛治職でどうやって戦うんだよ? メルドさん、その錬成師って珍しいんっすか?」

 

「……いや、鍛治職の十人に一人は持っている。国お抱えの職人は全員持っているな」

 

「おいおい、南雲~。お前、そんなんで戦えるわけ?」

 

檜山が、実にウザイ感じでハジメと肩を組む。周りの生徒達特に白夜以外の男子はニヤニヤと嗤っている。

 

「さぁ、やってみないと分からないかな」

「じゃあさ、ちょっとステータス見せてみろよ。天職がショボイ分ステータスは高いんだよなぁ~?」

 

メルドの表情から、内容はわかっているくせに……わざわざ確認するところを見ると、こいつらは、本当に下衆だな……強い者には媚び、弱い者には強く出る典型的な小物の行動……事実、香織や雫などは不快げに眉をひそめている。

 

「檜山の奴、白崎に惚れているくせに何故それがわからないのか…まぁその恋も実らない物だがな…」

 

白夜は小声で呆れていると同時に香織の真実を知っているためそのことに関しても聞こえない程度で発言する

 

そしてハジメは投げやり気味にプレートを渡す。

ハジメのプレートの内容を見て、檜山は爆笑した。そして、斎藤達取り巻きに投げ渡し内容を見た他の連中も爆笑なり失笑なりをしていく。

 

「ぶっはははっ~、なんだこれ! 完全に一般人じゃねぇか!」

 

「ぎゃははは~、むしろ平均が10なんだから、場合によっちゃその辺の子供より弱いかもな~」

 

「ヒァハハハ~、無理無理! 直ぐ死ぬってコイツ! 肉壁にもならねぇよ!」

 

次々と笑い出す生徒に白崎が憤然と動き出す。しかし、その前にウガーと怒りの声を発する人がいた。愛子先生だ。

 

「こらー! 何を笑っているんですか! 仲間を笑うなんて先生許しませんよ! ええ、先生は絶対許しません! 早くプレートを南雲君に返しなさい!」

 

そして、檜山共はハジメにプレートを返した。

愛子先生はハジメに向き直ると励ますように肩を叩いた。

 

「南雲君、気にすることはありませんよ! 先生だって非戦系? とかいう天職ですし、ステータスだってほとんど平均です。南雲君は一人じゃありませんからね!」

 

そう言って「ほらっ」と愛子先生は南雲に自分のステータスを見せた。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

畑山愛子 25歳 女 レベル:1

天職:作農師

筋力:5

体力:10

耐性:10

敏捷:5

魔力:100

魔耐:10

技能:土壌管理・土壌回復・範囲耕作・成長促進・品種改良・植物系鑑定・肥料生成・混在育成・自動収穫・発酵操作・範囲温度調整・農場結界・豊穣天雨・言語理解

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

このステータスを見たところ普通にハジメと白夜よりも使えるのである

そのことを白夜は愛子先生に説明した

 

「先生…なにとどめを指してるんですか…」

 

「あれぇ!?」

 

ハジメはその場で機能停止した

 

「あとはお前だけだな」

 

白夜は自分のステータスプレートを団長に渡したが…鳩が豆食らったような顔をしている

そりゃぁそうださっき底辺と思われるステータスを見たばっかなのにさらにその下がいるのだから

 

「何かの間違いか?」

 

「いえ紛うことなき真実でございます、ダルマッカ団長」

 

「メルドだ!」

 

「ぶふっw」

 

誰か2人の会話を聞いて吹き出してしまった

しかし白夜のステータスはあまりにも酷い物つまりまたハイエナの登場である

 

「あれぇ〜もしかさして、南雲よりも下なのかぁ〜w」

 

「マジかよw。おいこいつオール5じゃねぇかw。成績じゃねぇんだからよw」

 

「しかも一般市民ってお前ここにある意味ないじゃんw」

 

つまりこういうことになる

白夜もそろそろ頭が痛くなってきたらしく頭を抑えている

しかし白夜はこれに関してはさっきハジメと話している時は乱していたが今落ち着いて考えたところとあることを見出したらしい

そのこととは…

 

「いやぁ〜、一般市民で良かったわ〜。お前らみたいに1つのことしかできない奴らじゃなくて」

 

「あっ?どういうとこだよ?」

 

檜山が笑っているところから白夜の発言で一瞬で怒りが湧いてきた

 

「いやだってさぁ?天職が決まってるってことはそれにしか取り柄がないってことだ。でも一般市民なら色んなことを覚えられる、いわばオールラウンダーなんだよ」

 

白夜の言ってることをメルド団長は理解したらしく小声で

 

「なるほど、鍛え甲斐のある奴もいるものだな…」

 

「いやぁ…、ハジメのステータスもすげぇもんよ。だってやり方を変えりゃぁその場で自分にあった武器が創り放題だからな。そう思うとあまり見かけない天職は強い分仇となってるよな」

 

モノの見方を変えるとマイナスな物もプラスとなり、逆にプラスな物はマイナスとなる

 

「あともうひとつ…、勇者とか最初から英雄気取りになりやすい物だけどなぁ。英雄ってのはな誰しも最初は俺らと同じ一般市民だからな?生まれてこの方英雄って奴もいるがそういう人に限ってろくな最後を迎えないからな…」

 

ここはFate好きの白夜だからこそ言えることであった

彼のFateで好きな英霊もそうだった…、最初はただの少女だったがとある日突然神の声を聞き、その通りに従い神の導きのままに進み母国を救い英雄となった…しかしその最後は母国の恩は仇となって帰ってきた…

 

 

 

 

 

 

白夜はその日から休まずいろんな分野に取り組んでいる

ある日は鍛冶屋に行き鍛冶について学んだり、ある日は医療施設に行き医療について学んだり、またある日は国の臣下の人に政治について学んだり馬車馬のように毎日を行ったり来たりしている

ハジメもあの時の白夜の発言や身にしみたらしく錬成師だからできることをしている

図書館へ行って素材について調べたり国のトップに入る鍛冶屋に学びに行ったりをしている

それが彼らの【ここでの日常】となった

 

今日は白夜は戦闘術を学ぶ

 

「今日はエミヤみたいに二刀流でいっていみるか」

 

白夜自体戦闘術は当然と如くど素人であるが覚えている限りではあるが英霊たちの動きを真似て覚えている

実のところ先日、ハジメが武器を錬成できるようになったため干将・莫耶もどきを作ってもらいテンションが上がっている白夜は試したくてしょうがないのである

ちなみに相手は木に吊るした丸太5本ありそれぞれに番号が書いてある【イメージ的にはポケモン波動の勇者ルカリオのルカリオの丸太での特訓シーン】

 

「……よし、行くか」

 

白夜は干将・莫耶をかまえその場で目の前の丸太1を攻撃し、次にその右隣の丸太2.を攻撃をした

先程最初に攻撃した丸太1が反動で帰ってきたが白夜はそれを避けたがその丸太1は丸太4にあたり丸太4は反動で飛ばされた

丸太4が白夜目掛けて飛んできたが白夜は莫耶でそれを弾き飛ばし、丸太2を干渉で受け止めた

そう言った訓練を続けているとそこへ

 

「やっているな、白夜よ」

 

「んっ?団長じゃないですか」

 

メルド団長がやってきた

 

「いや、今日はお前が戦闘術をやっていると思ってな。丸太相手もいいがたまには対人さんもやってみたくはないか?」

 

「なるほど、それもそうですね…、ほいっと!」

 

ちなみに白夜は今の会話を訓練しながらやっていた

白夜が干将・莫耶を構え

 

「それじゃぁ手合わせお願いできますかね?」

 

「良かろう、いつでも来い」

 

メルド団長も剣を構えた

 

「それでは…」

 

白夜は一瞬でその場を消えた

 

「なにっ!?」

 

そしたらメルド団長の懐に潜り込んでいた

素早く走り一瞬で入ったのだろう

メルド団長は剣を下に構えてるが白夜はその剣を弾き飛ばし遠くへ飛ばした、そのあと団長の足を蹴り転ばせて首元へ剣を当てた

 

「…まいった、まさかここまでやれるとは…」

 

「いいや、まだまだですよ。人だからまだしも魔物相手では全く役に立ちませんから」

 

「しかし…、ステータスが1番底辺と思われたお前がここまでやるとは…未だに城内部のものはお前やハジメをに関しては良い雰囲気で受け止めておらぬのに私からするとおそらくお前ら2人なら生き残れるかもしれんぞ?」

 

実際のところこの手合わせも初めてではなくすでに数回やっている

最初は負けっぱなしだが徐々に相手の動きを読めるようになっていた、ハジメも同じである

 

「まだ誰にも話していないが今度試しにオルクス大迷宮にお前らを連れて行こうと思う」

 

「大迷宮に?」

 

「あぁ、そろそろ魔物との戦闘を本格化しないといけないからな」

 

「なるほどぉ…」

 

オルクス大迷宮この近くにあるいわゆるダンジョンである

それは何十層っと下にありもちろん下に行くにつれだんだん相手もレベルが上になるのである

 

「了解しました、まぁ最低限準備はしておきます」

 

こうしてまた彼の【ここでの日常】が終わりを告げる




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ふむ…今回もよくわからんな…
ヒロイン枠マシュを足しました


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大迷宮ベヒモス奈落風味ハジメを添えて

私ごとながら最近白上フブキさんにハマっております
なんであんなに可愛いんでしょうね?猫だから?狐じゃいって言われそう…


これはいったい誰の(記憶)だろう…

 

「◯◯◯◯◯◯◯王!離れた村で病が…」

 

「たわけ、この我が知らぬとでも思ったか?既に医療班に新たな特効薬を作らせておるわ。完成次第それを持ってゆけ」

 

「あぁ…ありがとうございます!!」

 

自分()は何者でここは何処なのだろうか…

これはまた別の(記憶)

 

「◯◯◯◯…私は…愛する者を殺さないと…それが私なりの愛の表現…」

 

「◯◯◯◯◯◯◯…、よかろう…そなたがそう思うのなら…当方は意を唱えない…」

 

これもまた自分(当方・私)(記憶)なのだろうか…

先ほどのものは全く異なった(記憶)

(記憶)見るたび見る内容(時代)が変わっていく…

 

「英霊◯◯◯!それがお前の真名!」

 

「理想を抱いて轢死しろ!」

 

「それでも俺は!間違いなんかじゃない!」

 

「答えは得た…大丈夫だよ◯◯…、俺も頑張っていくから…」

 

時には自分自身(俺・私)との戦い

どれだけ足掻いても変えられない現在(過去)

それが過ぎ去っていく

 

「どうしたんですか?◯◯◯さん?」

 

「えぇー!!誰だ君は!ここは僕のサボり場だぞ!」

 

「はーい!◯◯◯◯◯◯ちゃん登場!」

 

「いついかなる時も、貴方と共に。苦難も、悲嘆も、貴方と一緒なら乗り越えられます。さあ、頑張りましょう!マスター!」

 

「行きましょう、マスター。全ての命は終わるべきだと(◯◯◯◯◯)は言いました。わたしはそれを理解していますが、認めることはしたくない。わたしは……◯◯のサーヴァントですから!」

 

さらには世界を救うために色んなところを旅をした

そこにはいつも自分が愛した人(◯◯◯◯)自分をを慕ってくれる後輩(◯◯◯)がいた

これはいっときの(記憶)かもしれないがどうも他人事のようには感じないそう感じるようになってきたのはここ最近のことである

 

「マスターッ♪」「マスター…」「主人殿」「子豚」「愛豚(ピグレット)」「ArrrSaaa…」「マス…ター…」「◯◯君」「お母さん」「圧政者よ」「◯◯◯」「お兄ちゃん」「雑種」「主導者」「マァスタァー♡」…

 

いろんな人に呼ばれている気がする

しかし誰かはわからない…いったいいつ何処で出会ったのかを…

だけども懐かしくも感じる

 

先輩!(マスター!)

 

 

 

 

 

 

 

「はっ!…なんだ夢か…だけどいつものと少し違ったなぁ…」

 

夢から醒めた白夜

いつものというのはやはり誰かの記憶の夢である

しかしその夢を見るようになったのはこっちの世界に来てからの話

トータスに来て1週間くらいしたところだろうかその頃からずっと続いている、この夢が白夜に何を伝えたいのか…白夜自身全くわからない

しかしとても懐かしく儚いものだと思っている

 

「そういえば今日は大迷宮に行くんだったな…、準備しておくか…」

 

今日はメルド団長が先日白夜との特訓の際言っていた大迷宮の攻略を兼ねた遠征を行うと言ってたその日である

白夜はバッグに薬草やポーションを入れ、腰にハジメ作干将・莫耶を専用ホルダーに入れ自室を出た

 

「にしてもマスターマスターってFateかよ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

白夜達は【オルクス大迷宮】の正面入口がある広場に集まっていた。

よくあるダンジョンみたいに暗い感じかと思いきやそこはまるで博物館の入場ゲートのような入口があり、受付窓口まである。制服を着たお姉さんが笑顔で迷宮への出入りをチェックしている。

なんでも、ここでステータスプレートをチェックし出入りを記録することで死亡者数を正確に把握するのだとか。戦争を控え、多大な死者を出さない措置だろう。入口付近の広場には露店なども所狭しと並び建っており、それぞれの店の店主がしのぎを削っている。まるでお祭り騒ぎだ。浅い階層の迷宮は良い稼ぎ場所として人気があるようで人も自然と集まる。馬鹿騒ぎした者が勢いで迷宮に挑み命を散らしたり、裏路地宜しく迷宮を犯罪の拠点とする人間も多くいたようで、戦争を控えながら国内に問題を抱えたくないと冒険者ギルドと協力して王国が設立したのだとか。入場ゲート脇の窓口でも素材の売買はしてくれるので、迷宮に潜る者は重宝しているらしい。縦横五メートル以上ある通路は明かりもないのに薄ぼんやり発光しており、松明や明かりの魔法具がなくてもある程度視認が可能だ。緑光石という特殊な鉱物が多数埋まっているらしく、【オルクス大迷宮】は、この巨大な緑光石の鉱脈を掘って出来ているらしい。

一行は隊列を組みながらゾロゾロと進む。しばらく何事もなく進んでいると広間に出た。ドーム状の大きな場所で天井の高さは七、八メートル位ありそうだ。

と、その時、物珍しげに辺りを見渡している一行の前に、壁の隙間という隙間から灰色の毛玉が湧き出てきた。

 

「よし、光輝達が前に出ろ。他は下がれ! 交代で前に出てもらうからな、準備しておけ! あれはラットマンという魔物だ。すばしっこいが、たいした敵じゃない。冷静に行け!」

 

その言葉通り、ラットマンと呼ばれた魔物が結構な速度で飛びかかってきた。灰色の体毛に赤黒い目が不気味に光る。ラットマンという名称に相応しく外見はねずみっぽいが二足歩行で上半身がムキムキだった。八つに割れた腹筋と膨れあがった胸筋の部分だけ毛がない。まるで見せびらかすように。正面に立つ天之河達、特に前衛である雫の頬が引き攣っている。やはり、気持ち悪いらしい。間合いに入ったラットマンを天之可、雫、龍太郎の三人で迎撃する。その間に、香織と特に親しい女子二人、中村恵里と谷口鈴が詠唱を開始。魔法を発動する準備に入る。訓練通りの堅実なフォーメーションだ。

光輝は純白に輝くバスタードソードを視認も難しい程の速度で振るって数体をまとめて葬っている。彼の持つその剣はハイリヒ王国が管理するアーティファクトの一つで、お約束に漏れず名称は〝聖剣〟である。光属性の性質が付与されており、光源に入る敵を弱体化させると同時に自身の身体能力を自動で強化してくれるという“聖なる”というには実に嫌らしい性能を誇っている。

龍太郎は、空手部らしく天職が〝拳士、その姿は盾役の重戦士のようだ。

雫は、サムライガールらしく〝剣士〟の天職持ちで刀とシャムシールの中間のような剣を抜刀術の要領で抜き放ち、一瞬で敵を切り裂いていく。その動きは洗練されていて、騎士団員をして感嘆させるほどである。

その他大勢が光輝達の戦いぶりに見ていると、詠唱が響き渡った。

 

「「「暗き炎渦巻いて、敵の尽く焼き払わん、灰となりて大地へ帰れ――〝螺炎〟」」」

 

三人同時に発動した螺旋状に渦巻く炎がラットマン達を吸い上げるように巻き込み燃やし尽くしていく。「キィイイッ」という断末魔の悲鳴を上げながらパラパラと降り注ぐ灰へと変わり果て絶命する。気がつけば、広間のラットマンは全滅していた。他の生徒の出番はなしである。どうやら、光輝達召喚組の戦力では一階層の敵は弱すぎるらしい。

 

「ああ~、うん、よくやったぞ! 次はお前等にもやってもらうからな、気を緩めるなよ!」

 

生徒の優秀さに苦笑いしながら気を抜かないよう注意するメルド団長。しかし、初めての迷宮の魔物討伐にテンションが上がるのは止められない。頬が緩む生徒達に「しょうがねぇな」とメルド団長は肩を竦めた。

 

「それとな……今回は訓練だからいいが、魔石の回収も念頭に置いておけよ。明らかにオーバーキルだからな?」

 

メルド団長の言葉に香織達魔法支援組は、やりすぎを自覚して思わず頬を赤らめるのだった。

白夜がメルド団長の近くにより小声で、

 

「団長…、この階層の魔物は全て先に討伐しましょうか?その方が進む分には楽ですよ。それに彼らではここのでは苦労を知ることはないでしょう?」

 

「それも…そうだな…。わかった頼む」

 

「了解」

 

白夜の実力はクラスメイトは知らずともハジメとメルド団長がよく知っている。ハジメの場合、白夜の実力を知らないと白夜にあったものを作らないため実際に団長と稽古をしてるところを見せた。それにより作られた代物が干将・莫耶であった。デザインに関しては白夜からの要望で干将・莫耶になっているのである。

 

「蓮坂、君はさがっていたほうがいいよ。君にできることはないんだから」

 

未だに白夜が一般市民という天職のことを理由に訓練やらを避けられていたため今回なぜ同行したのか不思議に思っていた光輝から下がるよう言われたが白夜は干将・莫耶を両手に構えそのまま目の前にいるラットマン目掛けて走って行った。

 

「なっ!?蓮坂!」

 

忠告を無視した白夜に対して光輝はその跡をついていこうとするが白夜が早すぎて追いつくどころか離されている。

 

「おらよっと!」

 

そんなことを知らずに白夜は道中にあるラットマン何十匹を1人で相手をしている。主に胴体を目掛けて干将・莫耶で切り掛かっている。そうすれば大抵の確率で死ぬため何匹相手にしても問題はない。

 

「邪魔なんだよっと!」

 

さらに襲いかかってきたラットマンに対して回し蹴りをして吹き飛ばすと言うことをしている。

しかし…

 

「あっ!」

 

1匹のラットマンの攻撃のせいで干渉が遠くへ飛ばされてしまった。それを見た光輝が白夜の前に立ち剣を構える。

 

「言ったじゃないか!君は下がっていろ!」

 

これだけ倒してもやはりまだ下のように見ている。しかし白夜はよく知っている。干将・莫耶の性質を、

 

「邪魔なのはお前だよ、どけさもないと死ぬぞ?」

 

「何を言って!」

 

「っ!?伏せろ!」

 

なんとラットマンが光輝めがけて攻撃してきたため白夜はそれを防ぐために光輝に伏せるようにいいとっさに言われた光輝はつい伏せてしまった。ラットマンの軌道上光輝が伏せたら白夜に当たるようなルートになっている。恐らくあやよくば2人同時に仕留めようとしたのであろうが白夜は莫耶を少し引いたそしたら…

 

「「「「えっ?」」」」

 

同行しているクラスメイトの大半が変な声を上げてその場の光景を疑った。何故なら飛ばされたはずの干渉が戻ってきてそのままラットマンを切り裂き白夜の手元に戻ってきたのである

 

「だから邪魔だと言ったのに…」

 

「き、君はまさか最初からこれを…」

 

「どうだろうな?ただ言えるのはお前も下手したらああなってたって事だ」

 

「っ!?」

 

光輝はその時の白夜の顔を見て少し怯えてしまった。普段からハジメと同じでおとなしいイメージがあったのだから今は顔にラットマンの血を浴びているせいもあるが普段の白夜からは想像できないような圧を感じている。

 

「よし…団長ぅ!この階層のラットマンは全て倒しましたよぉ!」

 

「わかった!我々も向かう」

 

白夜はこの階層をクリアしたことをメルド団長に伝え、そのままその場待機する。あたりには珍しい鉱石があるためそれを一応確保しながら…

 

 

 

 

しばらく進むとふと香織が崩れた壁の方に視線を向けた。

 

「……あれ、何かな? キラキラしてる……」

 

その言葉に、全員が香織の指差す方へ目を向けた。そこには青白く発光する鉱物が花咲くように壁から生えていた。まるでインディコライトが内包された水晶のようである。香織を含め女子達は夢見るように、その美しい姿にうっとりした表情になった。

 

「ほぉ~、あれはグランツ鉱石だな。大きさも中々だ。珍しい」

 

グランツ鉱石とは、言わば宝石の原石みたいなものだ。特に何か効能があるわけではないが、その涼やかで煌びやかな輝きが貴族のご婦人ご令嬢方に大人気であり、加工して指輪・イヤリング・ペンダントなどにして贈ると大変喜ばれるらしい。求婚の際に選ばれる宝石としてもトップ三に入るとか。

 

「素敵……」

 

香織が、メルドの簡単な説明を聞いて頬を染めながら更にうっとりとする。すると…

 

「だったら俺らで回収しようぜ!」

 

そう言って唐突に動き出したのは檜山だった。グランツ鉱石に向けてヒョイヒョイと崩れた壁を登っていく。それに慌てたのはメルド団長だ。

 

「こら! 勝手なことをするな! 安全確認もまだなんだぞ!」

 

しかし、檜山は聞こえないふりをして、とうとう鉱石の場所に辿り着いてしまった。メルド団長は、止めようと檜山を追いかける。同時に騎士団員の一人がフェアスコープで鉱石の辺りを確認する。そして、一気に青褪めた。

 

「団長! トラップです!」

 

「ッ!?」

 

しかし、メルド団長も、騎士団員の警告も一歩遅かった。

檜山がグランツ鉱石に触れた瞬間、鉱石を中心に魔法陣が広がる。グランツ鉱石の輝きに魅せられて不用意に触れた者へのトラップだ。美味しい話には裏がある。世の常である。魔法陣は瞬く間に部屋全体に広がり、輝きを増していった。まるで、召喚されたあの日の再現だ。

 

「くっ、撤退だ! 早くこの部屋から出ろ!」

 

メルド団長の言葉に生徒達が急いで部屋の外に向かうが間に合わなかった。

 

飛ばされ、クラスメイトのほとんどは尻餅をついていたが、メルド団長や騎士団員達、光輝達など一部の前衛職の生徒は既に立ち上がって周囲の警戒をしている。どうやら、先の魔法陣は転移させるものだったらしい。現代の魔法使いには不可能な事を平然とやってのけるのだから神代の魔法は規格外だ。彼らが転移した場所は、巨大な石造りの橋の上だった。天井も高く橋の下は川などなく、全く何も見えない深淵の如き闇が広がっており、落ちれば奈落の底といった様子だ。橋の横幅は十メートルくらいありそうだが、手すりどころか縁石すらなく、足を滑らせ様ならば掴むものもなく真っ逆さまだ。白夜達はその巨大な橋の中間にいた。橋の両サイドにはそれぞれ、奥へと続く通路と上階への階段が見える。それを確認したメルド団長が、険しい表情をしながら指示を飛ばした。

 

「お前達、直ぐに立ち上がって、あの階段の場所まで行け。急げ!」

 

雷の如く轟いた号令に、急いで動き出す生徒達。迷宮のトラップがこの程度で済むわけもなく、撤退は叶わなかった階段側の橋の入口に現れた魔法陣から大量の魔物が出現しからだ。更に、通路側にも魔法陣は出現し、そちらからは一体の巨大な魔物が……

その時、現れた巨大な魔物を呆然と見つめるメルド団長の呻く様な呟きがやけに明瞭に響いた。

 

「まさか……ベヒモス……なのか……」

 

と誰かが呟いた

 

「グルァァァァァアアアアア!!」

 

「ッ!?」

 

その咆哮で正気に戻ったのか、メルド団長が矢継ぎ早に指示を飛ばす。

 

「アラン! 生徒達を率いてトラウムソルジャーを突破しろ! カイル、イヴァン、ベイル! 全力で障壁を張れ! ヤツを食い止めるぞ! 光輝、お前達は早く階段へ向かえ!」

 

「待って下さい、メルドさん! 俺達もやります! あの恐竜みたいなヤツが一番ヤバイでしょう! 俺達も……」

 

「馬鹿野郎! あれが本当にベヒモスなら、今のお前達では無理だ! ヤツは六十五階層の魔物。かつて、“最強”と言わしめた冒険者をして歯が立たなかった化け物だ! さっさと行け! 私はお前達を死なせるわけにはいかないんだ!」

 

どうにか撤退させようと、再度メルドが光輝に話そうとした瞬間、ベヒモスが咆哮を上げながら突進してきた。このままでは、撤退中の生徒達を全員轢殺してしまうだろう。そうはさせるかと、ハイリヒ王国最高戦力が全力の多重障壁を張る。

 

「「「全ての敵意と悪意を拒絶する、神の子らに絶対の守りを、ここは聖域なりて、神敵を通さず――〝聖絶〟!!」」」

 

しかしそこに出現したのはベヒモスだけとは限らなかった…

 

「な、なんだこいつら!?」

 

そこには大量のスケルトンが現れたつまり彼らは挟み撃ちに遭っているのである。

 

「ちっ!団長!俺が急いでスケルトンを倒します!そのうちにみんなを奥の出口へお願いします!」

 

「あ、あぁわかった!」

 

「ハジメ!干将・莫耶あと2セット作れるか?」

 

「えっ?あ、いけるけど!」

 

「頼む!」

 

「わ、わかった!錬成!」

 

ハジメは白夜の言う通りその場で干将・莫耶を2セット作りその場で渡した。しかし白夜は渡された直後にすぐにセットとも大量のスケルトンの方へ投げ、そのままスケルトンの中へ突入した。

 

「おらよっ!これでもくらいな!」

 

彼がなぜ干将・莫耶を投げたかと言うと先ほどと同じことをするつもりである。この剣は互いに惹かれ合う性質を持つ剣であり、通称夫婦剣とまで言われている。しかもハジメに錬成で複製したため何本も引かれあっており、先ほど投げた一本が戻ってこようとすると直ぐに手に持っている同じ剣を投げ戻ってきた方を手に握る、そうすることで近くの敵から遠くの敵まで一斉に倒すことができる。

 

「団長!今のうちなら避難できます!」

 

「わかった!全員撤退!」

 

そこにいるクラスメイトが通路の方へ走り、残りはメルド団長達のみだがハジメが今現在ベヒモスの足止めをしている。白夜はそれを見て急いでハジメの元へ向かった。

 

「錬成!錬成!」

 

ハジメは錬成を地面に使い地形を変えてベヒモスを動かないようにしているが多分そこまで待つことはない。

 

「おらよっと!」

 

「白夜!?君は早く戻ってみんなの安全を!」

 

「何言ってんだよ?後ここに1人いるだろ?」

 

「えっ?」

 

「俺が親友と呼べるお前だよ。ほらいくぞ!」

 

白夜は高校の中でも唯一の友と呼べる相手を置いて行く事はできない。ハジメはキョトンとしたがそのあと理解したかのように笑顔になり2人でその場を走り出した。通路に行ったクラスメイトたちが白夜達を援護するように魔法でベヒモスの行方を止めている。このままなら2人とも助かると思ったがそれは叶わなかった…

 

たった1つだけの魔力弾が彼らの方向へ曲がり当たったのであった

 

「なっ!?」

 

「えっ?」

 

その瞬間、彼らのいる橋が壊れ落ちていくそれも奈落の底へと

 

「「うわぁぁぁぁぁぁ!?」」

 

彼らも一緒にだが……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

白夜は落ちた後気絶してその中また夢を見た…

1人の大きな盾持った少女を中心に隣には大きな杖を持った女性と白い服と白い手袋をしているクリーム色でポニーテールの男性、3人背後には多くの人々、それぞれが異なった見た目をしている。ある人は全身鎧を纏っており。ある人は人並み以上の大きさのある狼を跨いでおり。ある人は小さな熊を連れていたり。ある人は刀を持って白い着物を纏っている人もいた。

 

先輩(マスター)は私を…この世界(人類史)を救ってくれました…、全ての人を繋げてくれました…、しかし世界は貴方を救ってくれませんでした…。だけどー今度は私が!私たち(英霊)が!先輩(マスター)を救う番です!」




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起きろー!エースキr…白夜〜!

いやぁApocryphaイベント始まっちゃだなぁ…
やらかしたなぁ…コラボ数日前に翁を当ててしまい四郎が出る気がしません…
話は変わりますが白上フブキの影響で完全にホロライブの沼にハマってしまいました( ̄▽ ̄;)
フブキとロボ子先輩がとにかく可愛い…
そら先輩は…ホラゲ慣れすぎではw


何かが頭の中に流れてくる…

情報が多すぎて今にも頭が爆発しそうなくらい流れてくる

ある時は王様だったような…、またあるときは戦士だったような…、またあるときは科学者だったような…、いろんな記憶が流れてくる

この人はだれだ?いや知っている…、あの人はだれだ?自分を慕ってくれる人だ…

いろんな人の記憶が流れてくる…

 

「先輩、あなたに救われた私たちはその恩を返すことにします…しかしここからでは不可能です…。ですが聖杯を使いなんとかなりました。ですから受け取ってください!…私の…、私たち(英霊)の力を!」

 

 

 

 

「はっ!」

 

暗い洞窟のような空間、白夜はただ1人そこに眠っていた。正確には気絶していたの方がただしだろう。周りを見渡すといろんな鉱石があるが今はそれどころではない。そこには先ほど一緒に落ちたはずのハジメがいないのである。白夜は必死に周りを見渡すが周りには彼が先ほど使っていた干将・莫耶が落ちた衝撃により壊れその残骸のみ残っているだけである…

 

「ハジメ…、一体どこにいったんだ…」

 

唯一の親友を失い途方に暮れる白夜。しかし次の瞬間からの目には衝撃な光景が見えた。それは

 

「なんだよこれ…?教室?でもこんなのもうとっくの昔の話だろ…。それともまだ俺は夢の中なのか…」

 

彼にはなんと今目の前の迷宮内の光景の他にかつての教室の光景が写っていた。他愛のない話をしている自分たちが目の前に写っているのである。しかし彼が望んだのはこのような光景ではない。

 

「どういう事だよ!俺が見たいのは現実なんだ!夢ならとっくに覚めてくれ!どんな現実でも受け止める!せめてハジメの!俺の親友の居場所を教えてくれよ!」

 

彼は自分の思いを精一杯叫んだ。それは誰にも届くことないだろう。彼の親友にも…。だが今度は別の光景が彼には見えた。

 

「なんだ今度は…?大迷宮内なのか?」

 

白夜のいる場所ととても類似している場所が見えた。そこには白髪で片腕しかない少年と金髪の少女が写っていた。今度は明確にしかもなんと声まで聞こえる。恐らく声の方は今現在話されているものだろうがなんと白夜にはそれが聞こえるのだ.

 

「もう少し慎重に進んだ方がいいな、気を付けろよユエ」

 

白髪の少年は隣の少女を心配するように気を使っているが白夜にはこの声に聞き覚えがあったのだ

 

「似てる…ハジメの声に…」

 

次に少女が喋った

 

「大丈夫、私は強いからそんな気遣いは無用だよ、《ハジメ》」

 

「えっ…」

 

少女の言葉を聞き彼は先ほどの少年の疑惑が確信になったのである。今からの目に見えている光景の少年はつまり彼の親友でもある南雲ハジメその人であったのだ。あまりにも雰囲気が変わってあり彼自身似ている別人だと思ったがそんなことはなかった。

 

「無事だったんだな…。良かった…。でもこっからだと遠い場所にいるのか…」

 

白夜が一安心したらまた別の光景が見えたそれはハジメと隣にいた少女ユエが多数の首のある怪物と戦闘をしている光景であった。彼らはその怪物との戦いに苦戦をしている光景が白夜に見えたのである。

 

「今のは…まさかこれから起きることなのか…。でもこれってどういうことだ…」

 

彼は自分が見た光景の順番が少し気になった。過去の光景、現代の光景、そして未来の光景。これを一斉に見渡す方法は現実には存在はしない。しかし白夜の中にはひとつだけ心当たりがあった。

 

「過去、現代、未来…まるでグランドの千里眼…」

 

そう彼は自分のやっていたゲーム《Fate》の能力と類似していたのである。魔術王ソロモンの過去を見渡せる千里眼。花の魔術師マーリンの現代を見渡せる千里眼。そして英雄王ギルガメッシュの未来を見渡せる千里眼。この3つにとても似ていた。しかしそれあくまでゲームの話であって実際にはないと彼自身も自覚をしていたつもりだが…、いざ実際になってしまい信じてしまいそうになる。

 

「でも今の光景が本当ならあいつらは今から…、まさか夢の光景はただの夢じゃなくて現実に関わっている…。ステータスプレート!ステータスプレートを見れば何か!」

 

白夜は自分自身の異常事態を完璧に知るために最も詳細が細かく出るステータスプレートを見た。そこには前回までとは思えないほど異なった情報が入っていた。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

蓮坂白夜 17歳 男 レベル:1

天職:一般市民【英霊】

筋力:5

体力:5

耐性:5

敏捷:5

魔力:5

魔耐:5

技能:・言語理解・狂化・陣地作成・騎乗・対魔力・道具作成・気配遮断・神性・女神の神核・領域外の生命・単独行動・単独顕現・自己回復・復讐者・忘却補正・無限の魔力供給・対英雄・対人類・偽装工作・真名看破・神明裁決・十の王冠・賢者の智慧・ソロモンの指輪・愚者の智慧・宝具・真名解放

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

「これって全部英霊のスキル…だよな…」

 

プレートには彼にとってはとても馴染み深い用語が書いてあった。

ふとあることを思い出す。彼は今からそれ実行に移そうとする.その行動とは…

 

「あっ、いたいた。なんか実験で殺すようだからなんか悪いけど…仕方ない」

 

ラットマンを見つけた矢先に彼はと何処からか刀を取り出し手に取った。ラットマンは白夜に気づいたのか白夜に向かって走りかかってきた。白夜はまだその場から動かずラットマンを見た。そして刀を構え白夜もラットマンに向かって思い切り走り出した。

 

「一歩音超え…二歩無間…三歩絶刀!《無明三段付き(むみょうさんだんづき)》!」

 

白夜が一瞬姿を消しラットマンは困惑したが次の瞬間目の前に現れ気付いたら既に倒されていた。これは新撰組1番隊隊長であった沖田総司の宝具であり、今白夜が持っている刀はかの有名な菊一文字そのものであった。

 

「本当に宝具出せてるし…真名の解放もできるのか…真名解放はあまり使わないでおこう…彼らに失礼だからな…」

 

宝具とは英霊にとって象徴すべきものであり、必殺技でもあるが逆に弱点を晒すことにもなる諸刃の剣なのである。有名どころではかの有名なアキレウスの場合、アキレス腱を狙えばなんとかなるや竜殺しのジークフリードは背中が弱点など大きなものもある。使いどころはかなり難しい。しかし白夜の場合、そういったことがなく弱点すらないのである。いわば無敵の要塞のようなもの。

 

「そうだ!とにかくあいつらのところに早く向かわないと!」

 

白夜はそのまま迷宮の奥へと走り出した。

道中のラッドマンをハジメが作ってくれた干将・莫耶の造形の大元となった英霊エミヤの投影魔術で干将・莫耶を作った。エミヤの干将・莫耶もハジメと同じで紛い物ではあるが彼のものは本物に限りなく近いものであるためものすごく丈夫でしかも身にあっていた。おそらくこれはエミヤの力が入っている影響であろう。

 

 

 

 

大きな扉の前を見つけた。しかし白夜はこの扉には見覚えがあったのだ。何故かというと…

 

「ここってさっき千里眼で見たあの…」

 

先程ハジメたちの未来を見てしまった時に一緒に写っていた扉なのである。既にその扉は開けられておりそこを見ると案の定すでに先客2人が戦っていたのである。しかも例の怪物も一緒に…

 

「ユエ!魔法を頼む!」

 

「わかった!」

 

ユエと呼ばれた少女は魔法で風を生み出しそれで怪物を攻撃している。

ハジメはというとなんとこの世界にないはずの銃火器、つまりいうところのハンドガンを持っていた。それもリボルバー式である。

 

「もうやりあっていたか…仕方ない。多数の頭を持つ怪物…しかも爬虫類寄りの顔かぁ…つまりヒュドラか…」

 

多数の頭を持つ怪物は有名どころだと日本の八岐大蛇もそうだがヒュドラもその1匹であろう。白夜は相手がヒュドラだと仮定しそこからとある剣を取り出した。とても長く白夜の身長くらいある剣であり、銀色がとても鮮やかなものであった。その剣の名は《魔剣バルムンク》。かの有名な竜殺しジークフリートの剣である。

 

「そこのお二人さん!ちょっと道開けてもらうぞ!」

 

「誰だ!」

 

ハジメは白夜の方をみたがまだ白夜だと認識できてないまま白夜は2人の間を抜けてヒュドラの方へ走っていった。ヒュドラは白夜目掛けて攻撃を仕掛けてきたが彼は今ギルガメッシュの千里眼を発動したまま戦い攻撃されることを先読みをしていたためその攻撃を避け、ヒュドラの頭の1つに傷をつけた。

 

「おらっ!これでもくらえっ!」

 

「GAAAAAAA!!!!」

 

さすが竜殺し剣と言ったところかやはり効果はあったようだが…少しだったら何事もなかったように回復しており再び白夜目掛けて攻撃を仕掛けてきた。白夜は一時後ろへ後退した。

 

「ちっ!…ダメか」

 

「誰だか知らんがやめておけ!あいつをいくら攻撃しても白い頭のやつが回復させる。白い頭を狙ってた他の頭によって守られるから…」

 

「なるほどね…まとめてやればいいってことか?」

 

「っ!?……あ、あぁそういうことになるがそれができたらとっくにしている」

 

ハジメはまだ気づいておらず普通に話している。どうやらヒュドラの頭の色はそれぞれの属性の担当の色のようだ。例えば赤が炎を出したり紫が毒を出しりと割り振られている。そして白色が治療系という事。しかしその白い頭を攻撃しようとしてもハジメの言っている通り他の頭に攻撃をされるのであったが白夜はまとめて始末すればいいと考えた。だがハジメその手段がないが白夜にはあるのである。

 

「じゃぁハジメちょっと後ろにろ。そこの少女とハジメといろ」

 

「っ!?なんで俺の名を!?」

 

「後でいいだろ?まずはあいつをだってことでよくみておけよ。はぁ…真名解放を控えるって言ってるそばからこれか…まぁいいか」

 

白夜はヒュドラの直線上に立ちバルムンクを両手で構えた。ヒュドラは白夜に目掛けておそいかかってきておる。同時に白夜は両手で持っているバルムンクの持ち手を右手は左回りに、左手は右回りに回した。その瞬間、バルムンクから光が溢れ出した。

 

「邪悪なる竜は失墜し、世界は今洛陽に至る!撃ち落とす!《幻想大剣・天魔失墜(バルムンク)》!」

 

そして白夜の持っている剣を振り落としとてつもない量の衝撃波が放たれた.。ヒュドラは巻き込まれて跡形もなく消しとんだ。残ったのはヒュドラの胴体の一部のみであった。

 

「ふぅ…、さすがジークフリートの宝具だ…。ありがとな」

 

白夜はバルムンクやしまうとジークフリートに対してお礼を言った。今回の状況は彼を出すのが1番確実性であったからである。

すると後ろからハジメが

 

「あんた一体何もんだ…、しかもさっきの詠唱…」

 

ハジメにはどうやら先ほどの白夜の詠唱に聞き覚えがあったようだ。それもそのはず元の世界で白夜は大抵ハジメの目の前でFGOをやっているためそのたびに彼は宝具の音声を聞かされるのであった。

 

「ひでぇなお前、親友である俺を忘れたか?」

 

白夜はハジメの方へと顔を向けた。ハジメは最初とても驚いた顔をしていた、なぜなら彼は白夜は死んだものだと思っていたのである。あの高さから落っこちたのだから無理もない。だが今目の前に本人がいるのだら尚更である。

 

「白夜!?お前どうして!?に、偽物なのか!?」

 

「お前…、ベッドの下に隠してある例の本のこと言いふらすぞ?」

 

「っ!?そ、それを知っているということは…本物なのか?」

 

「当たり前よ〜。今ここに完全復活ってな」

 

ハジメがやっと本物と理解したようだが隣いる少女はまだ少し警戒をしている。

 

「ハジメ…こいつ誰?ハジメの知り合い?」

 

「あ、あぁ…お前にも道中話した一緒に落ちてきた仲間だよ」

 

「おう!名前を蓮坂白夜って言うんだよろしくな、ユエちゃん?だっけ?」

 

「っ!?なんで名前を…」

 

「なんでって言われてもねぇ〜、道中聞こえてるモンだから仕方ないだろ?ついでに吸血鬼ってことも知ってるからその辺は説明しなくていいぞ」

 

その通り白夜は英霊の力を手に入れたことにより聴力もなくなっているため話している内容と全て聞こえているのであった。金髪の少女の名はユエというがこれはハジメがつけた名前らしく月の意味であった。見る限りハジメに惚れているようだったことを白夜はニヤニヤしながら見ている。

 

「白夜、さっきのあれなんだ?宝具っぽかったけど…」

 

「ぽいっていうか宝具そのものだけど」

 

「えっ!?どういうことだ?お前何も天職どころか何もなかったくせに…」

 

「知らないがここに落ちたら急に目覚めていた」

 

「なんだよその展開…」

 

白夜とハジメはまたいつもの他愛無い話をしている。これはこれで彼らにとってはとても安心する空間である。しかし1人ある単語を聞いて恐る恐るそのことを聞き直した

 

「白夜…あなた今《宝具》っていった?」

 

「んっ?あぁ、宝具と言ったが…」

 

「じゃ、じゃぁあなたはこの世界の人なの…」

 

「はっ?何言ってるんだ?俺はハジメと同じ世界の住人だ」

 

「でも…宝具ってこの世界の…最も最高の権力者と言われる【英雄王】しか使えないっていう代物なのよ?」

 

「なに?英雄王だと…」

 

白夜たちの世界にしかないはずと思われた単語、【宝具】これは先ほども説明した通り空想上の物語【Fate】シリーズのものである。そして英雄王、これは世界最古の王様と呼ばれたギルガメッシュの2つ名のようなものであるが何故かこの世界に2つの単語が存在しているのであった。

 

「どういうことだ…なんでこの世界にそんな単語が存在するんだよ…」

 

そうするとハジメが少し申し訳ないような表情で白夜の方を向いて説明をした。彼は図書館などに通い詰めているためこの世界の知識は一通り入っているのである。

 

「白夜、これいつか言おうと思ってたんだがあまりタイミングがなくて話せなかったが…神話によるとこの世界はかつて1つの国だったんだ。魔族も人族も亜人族関係なく。その国を統括していたのはたった1人の王様で…何故統括出来ていたかというと宝具という神造兵器を持っていた。そしてその王様は民のためになんでもやったらしくその姿が英雄のようなため英雄王の呼ばれていたんだ」

 

「ほうそれで…」

 

「あ、あぁ…こっからがぶったまげた話になるが…、その兵器ってのだかな…お前もよく知っているあの剣だ」

 

「まさか…、《乖離剣エア》…」

 

「その通りだ」

 

乖離剣エア。これは王を選定する一振りめの剣でありFateシリーズでは英雄王ギルガメッシュのみ使用できると言われる対界宝具である。しかしその剣がこの世界に存在するということはつまりかつて英雄王ギルガメッシュが存在していた可能性が高いのである。

 

「そして俺はその宝具が使える人間でこの世界は奴らからしたら頭が上がらない存在というわけか…」

 

「そういうことになる」

 

ユエからの返答に少々頭を抱える白夜。それもそうだ、本来自分が好きなシリーズであった物への憧れはたしかにあった。しかしそれはあくまで憧れの範疇のため一応現実と分けていたが今その境が消え、その憧れのものを想いのままに操れるとなると話が別になってくるのである。

 

「いくら悩んでと仕方ない!先進んでこれからどうするか決めるか!」

 

「ふっ、たしかにそれもそうだな」

 

「ハジメがそうするなら私もそうする」

 

こうして3人奥の方へと進んだ




こあらさん 魁來さん トアケイさん clubさん レインさん アシュドオロールさん kyo0913さん 氷室玲愛さん うーふぇさん crimson6さん バトルファンキーさん 極一般的な凡人さん 響鬼装甲さん クラインさん オマトさん 桜山八幡さん かとり線香さん ヤミさん ☆ARIA☆さん カノンゆっくりさん 夜桜乃道さん 春告精の田んぼさん Yasu@FGO勢さん ーアマハーさん ホウメイさん セルヴィアさん oyajさん セイヴァーさん 幸徳さん 火跡さん 筋肉が爆発さん たそがれコンさん ヒロケンさん ココランダーさん リリリリンさん ぬくぬく布団さん 大空の剣聖さん TOアキレスさん レイシャムさん sasu46さん パラドクスさん 英雄王(ゝω・)さん マリアナ海溝さん 鷹野 折紙さん マデ ヒローキ 鉄龍王さん ラルファスさん やにさん Syaurieさん kimesawaさん 
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英霊の召喚に失敗したらどうなるともう?そう、不思議なカードを買ってまた石を砕くハメになるのさ

どうもお久しぶりです。
いやぁ…最近は色々とありまして中々手がつけられなかったです。(主にFGO関係)
オリュンポス攻略結構大変でした!デメテルが一番苦戦したのかな?ゼウスがまだ可愛く思えましたw
あとあつ森も最近やってましてマイデザインがまた奥深いです。作りたい服が多すぎて何を作っていいのやら…


ヒュドラとの戦いの後のことを簡潔にまとめると

屋敷を手に入れた以上!解散!今回の話はこれで終了!次回にご期待を!

 

「勝手に終わらすんじゃねぇ!?」

 

はい…すいません…

 

「白夜?誰と話してるの?」

 

「ユエ、この世には気にしてはいけないこともあるんだ。いいな?」

 

「ハジメが言うなら詳しいことは詮索しない」

 

長テーブルで朝食をとっている一行

白夜の目の前には普通の朝食が並んでいるが何故かハジメの方はゲテモノ料理に見える。彼曰く魔物の肉を食べて今の姿になったためいろんな魔物の肉を食べステータスを上げるのことらしい。白夜もその意見には賛同し彼も食べようとさしたが不味すぎて食べれたものではないと感じ、白夜なりにアレンジを加え今に至る。

 

「白夜…交換しないか?」

 

「やだ、責任持って喰え。血肉となった魔物に感謝しながら黙って喰え」

 

まるでオカンである。まぁ仕方ない彼の力の中にはオカンの英霊の力も入っているのだから当然といえば当然である。

 

「ご馳走様でしたっと。さて準備しますか…」

 

「何かするのか?」

 

「あぁ、ユエの言っていたことが確かなら恐らく出来るであろう」

 

ユエが言っていたこと、つまり宝具がこの世界存在するということは下手したら英霊の召喚もできるのではと考察をした白夜。その準備に取り掛かろうとしている。ハジメ達も興味本位で彼の跡をついていった。

 

「さてとよく思い出せっ!えぇーと確かこうだったかな?」

 

まず召喚するための魔法陣を描く作業からである。白夜はソロモンの千里眼を使えばいいと思ったがそんな事には使いたくないという思いもあり、記憶を頼りに描いている。そして必要な血液を自分の指を少し切り垂らした。英霊の召喚には本来触媒というものが必要であり、その触媒があることにより触媒に関係のあるサーヴァントが召喚されるのである。例えば円卓の机の破片だとすればアーサー王を含め円卓の騎士誰かや新撰組の羽織りなら新撰組の誰かなどと言った感じである。しかし彼は何もなしに召喚しようとする。つまり賭けに出ているのである。それも大一番といる勝負である。そして白夜は準備を全て整えて詠唱するのであった。

 

「それじゃぁ始めるから離れてろよ」

 

「わかった」

 

「素に銀と鉄。 礎に石と契約の大公。降り立つ風には壁を。 四方の門は閉じ、王冠より出で、王国に至る三叉路は循環せよ」

 

白夜の周りが少し揺れ始め、ピリピリと彼の周りに小さな稲妻が発生し始めた。

 

閉じよ(みたせ)閉じよ(みたせ)閉じよ(みたせ)閉じよ(みたせ)閉じよ(みたせ)

繰り返すつどに五度。

ただ、満たされる刻を破却する」

 

先ほどよりもさらに揺れが激しく、稲妻も大きくなっていった。

 

「――――告げる。

汝の身は我が下に、我が命運は汝の剣に。

聖杯の寄るべに従い、この意、この理に従うならば応えよ

誓いを此処に。

我は常世総ての善と成る者、

我は常世総ての悪を敷く者。

汝三大の言霊を纏う七天、

抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ―――」

 

そして大きな爆発音が発生し周りを煙で覆った。

全く前が見えない状態、白夜自身召喚に成功したのかまだ理解はしていない。

 

「ゴホッゴホッ!成功したのか?」

 

「いや、まだわからん…」

 

白夜は今煙で周りが見えない中、自分の体の状況を把握している。成功していたならば体のどこかに令呪が宿っているはずであるから。

令呪とはサーヴァントに三回だけ絶対的な命令ができるものである。命令がはっきりしているのならば効力は強くなるがアバウトすぎるとその逆で弱くなってしまうのである。例えば服従しなさいはアバウトの方に入りあまり効力がないのである。by少女R

 

「っ!?あった…って背中かぁ…」

 

彼の令呪は背中にあった。その形は小さな羽が2枚と大きな羽が2枚あるような形をしていた。しかしこれはある人のと同じ形であることに白夜は気づいた。その人物とは…

 

「サーヴァント裁定者(ルーラー)、真名ジャンヌ・ダルク。お会いできて光栄です、マスター!」

 

なんと煙の中から大きな旗で煙を振り払いその人物が出てきた。

頭には特徴的な甲冑をつけ、主に紺色のローブを見に纏っている白夜が1番Fateシリーズで好きな人物である。

 

「ジャンヌ…」

 

「はい!マスター!」

 

しかし驚くことはそれだけではなかった。なんと晴れた煙の中からあと2人の影が見えた。その影も白夜にとっては欠かせない人物であった。

 

「サーヴァント盾兵(シールダー)、円卓の騎士ギャラハッドさんにかわりに参上しました…、マシュ・キリエライト!また先輩の後輩としてよろしくお願いします!」

 

「サーヴァント復讐者(アヴェンジャー)、真名ジャンヌ・ダルク・オルタ。貴方の絶望に立たされた顔を拝みに来たわよ?ふふっ…」

 

大きな盾を持った紫かかった髪の毛少女とジャンヌと瓜二つの姿を持つが髪は白く鎧は黒色の少女。Fate/Grand Orderのメインヒロインであるマシュ・キリエライトとジャンヌ・ダルクの贋作として作られた反転(オルタナティブ)であるジャンヌ・ダルク・オルタである。

 

「っ!?さ、3騎同時召喚…だと…」

 

これは本来あってはいけない自体である。聖杯戦争は本来7人のマスターと7騎の英霊によるなんでも願いを叶える杯、聖杯を勝ち取るための戦いであり、各マスターは1騎の英霊をサーヴァントとして従えて戦うのだが…。つまり一回の召喚で召喚できる英霊は1騎なのだが…稀に2騎同時はあるが3騎同時は彼が知っている限り前例がないのである。

 

「まぁいいか…、えっと…俺の名は…」

 

「知っております、蓮坂白夜ですね!」

 

「えっ?な、なんで…」

 

なぜか顕現したばかりのジャンヌが何故か白夜のことを知っていた。英霊は聖杯戦争が終わるとその時の記憶を基本的になくして英霊の座へ帰るのだが、稀に残したまま帰る英霊もいるのだが…。白夜はそんなこととは一切関係ないどころかあるはずがないのだ。何故なら彼らはあくまで白夜にとって画面の中の存在なのだから。しかしそれでも彼女らは白夜のことを知っている。

 

「何故言いましても…先輩は最後まで私たちと旅をしたじゃありませんか」

 

「えぇ、貴方が最後この子のために涙を流したのも知ってるわよ?それも画面越しから」

 

「っ!?つまりおまえらって…」

 

「えぇ!私達はあなたのカルデアのサーヴァントです!」

 

まさかの本編やゲームの設定でなく…現実と空想が一つになってしまった…。白夜は頭が混乱している。すると自分のポケットに入っていたものに気づく。それは今はもう使うことができない彼のスマートフォンである。彼のスマホの中にはFGOもそうだがフォルダの画像の中はいろんな英霊の画像も多いためその2つが触媒となり彼女らの顕現に成功したのであろう。

 

「多分そういうことか…」

 

「どうしましたか、マスター?」

 

「いや、なんでもない…。改めてよろしくなみんな」

 

「はい!」

 

「先輩のサーヴァントとしてがんばります!」

 

「えぇ、そうね。ある程度ならしますよ」

 

 

 

 

そこからというもの

 

「マシュ!今日こそ一本取らしてもらうぞ!」

 

「そう易々と取らせませんよ先輩!人生としては後輩ですが、デミ・サーヴァントとしてなら私の方が先輩なのですから!」

 

白夜は3人に特訓の相手を頼んでいるが流石は英霊、クラス内では強い白夜よりも強し。白夜も白夜でちゃんと戦えば勝てるのだがそれはあくまで英霊たちの記憶の戦法、ゆえにまずは自分だけの力で彼女らに勝とうとするのであったがやはりもとより戦闘に関しては元より初心者なため彼女らに読まれてしまうのであった。

 

「おらぁ!」

 

白夜が武器も何も持たずにマシュに近づき殴りかかるがこれは八極拳、中国武術の1つで英霊李書文が使っていたものであるが型や動きは彼のものをベースにしているがやり方は白夜本人のものである。

 

「まだまだです!」

 

しかし簡単に盾で塞がれてしまうがそれでもめげずに白夜は攻撃し続ける。だが着実に成長しているのもまた事実、今までは本人のスピードですらマシュに劣っていたが今は完全に追いついているのである。やはり最初の魔獣なのでは生温かったようだ。

 

 

 

「あいつもめげずにやってるな」

 

「えぇ、マスターらしいですよ。実践あるのみっていうところが」

 

「たしかに、元の世界でもゲームではそんなことしてたな」

 

遠くの方でジャンヌとハジメが2人の特訓を眺めている。ハジメは何やら工房の方で色々と作っているらしく何やら火薬臭かったりするがそれはいまに始まったことではない。

 

「でもいつまでこんなところにいる訳にはいかないからな…」

 

「それもそうですね…、早いところでないと外の状況が…」

 

2人が言っていることもまた然り、ここにいつまでいても何も始まらないゆえここからは早く出ないとダメなのである。

 

「はぁはぁ…、だぁ!ダメだったかぁ…」

 

「でも先輩、私に追いつけていましたしもう少しです!」

 

「それも…そうか。よしっ!今度は魔物相手にやってみるしかねぇ!」

 

「そのいきです!先輩!」

 

こんな感じだが、現時点でこの場にいる英霊を除いた戦略では宝具無しでも明らかに白夜が強いのである。何故なら実際にマシュとの実戦の後ハジメとユエとも戦ったがハジメに関しては手も足も出さずに終わり、ユエは魔法があるゆえ白夜より有利かと思ったが人間らしい小賢しい手を使い勝利したが、実戦では小賢しいもクソや関係ないためユエも負けを認めている。

 

「よし…、絶対に乖離剣を持つに値する人間なるんで…見ててくださいよ、王様…」




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音沙汰なかった数ヶ月間何してたかって?推し事だ!

ご無沙汰ぶりです
私です
いやぁ…ものすごい期間が空いてしまった…
リアルの方でいろいろとゴタゴタしてたのもありますけど一番な理由はタイトル通り、ずっと推し事してました…
えっ?誰のかって?白上フブキのですよ…気付いたらあとちょっと100万人とか凄すぎるでしょ…
とまぁ後はホロスターズのオウガ君とボスことシエン君の2人も推してましたなぁ〜
以上です!!

(ここだけの話、2ヶ月前にはもう出来上がっていた)


ダンジョンの奥深くに入ってからかなりの時間が経って白夜達は外に出ても大丈夫なようかなり準備をした。ハジメは主に銃火器を重視して、

白夜は己の戦闘技術を重視して…

その結果白夜はとうとう己の持てる術をある程度使いこなせるようになっていた。例えば直死の魔眼や石化の魔眼、静謐のハサンへの毒皮膚化や李書文の槍術などあらゆる英霊の特徴の活かし方ができるようになった。故に今マーリンの千里眼を使い地上の景色を見ている。こうでもしないと外の情報が入って来ないので大変助かっている。

そしてさらには英霊同士の宝具や特性、スキルの組み合わせにより本来ならあり得ないことも一つの宝具などとして扱えるようになった。例に挙げるとすればギリシャの大英雄ヘラクレスの宝具でありFate本編で士郎達も苦戦した宝具【十二の試練】を回復待ちの英霊のスキルと組み合わせることによって本来なら11回までなら死から蘇ることができるこの宝具をなんと11回以上蘇ることができるようにした。正確な話をすると回数を増やしたのではなく蘇る回数を回復させていると言った方が正しいのである。例えば白夜戦いで2度死に蘇った場合その日から2、3日経過しないと回数が回復しないままの状態になるのである。ちなみに組み合わせることに成功したとはいえ本来ならできないことであり完全無理矢理にしている結果1~3回なら2、3日程度で回復するが6以上になると流石に1週間から2週間かかるのである。

 

「白夜…そういや今の城の状況ってどうなってんだろう…全然気にしてなかった…」

 

先程その情報を手に入れるために千里眼を使っていると言ったが前言撤回こいつは普通に情報収集やサボっているだけであった。いったいなにをしていたのだろうかこのアホは…

 

「ずっと投稿してないやつに言われたくはない」

 

こっちの会話に入ってくんな!!!あのなぁ?こっちはこっちなりの事情があってだなぁ(以下略

 

「さてと早速見るとしますかねぇ〜」

 

千里眼発動させたがその時城の状況を見た瞬間、白夜は何故か少し楽しんでいた

理由としては何やら貴族たちと勇者たちの間でちょっとした小競り合いがありそれを王がどうするのか検討している場面を見ていたのである。白夜はなぜこのようになったのかソロモンの千里眼を発動させて過去を調べた所…大迷宮から帰った勇者一行、そこで起きた勇者2人が奈落に落ちた事を王に報告したあと貴族同士の間で「死んだ勇者が無能な2人で良かった」や「生きる価値もない穀潰しの最期としてはいいものだ」などその勇者2人に対しての言葉が酷いものであったことに対し香織が黙って聞いているわけもなく

 

「南雲くんを…あの2人のことを馬鹿にするなんて許さない!」

 

発言して今に至るのであった

 

「ほほ〜…これはこれは面白いことになってんなぁ〜…、ちょっとからかってくるかぁ…」

 

「ん?マスター何処かへ出かけるのですか?」

 

白夜のいる場所は彼のサーヴァントであるジャンヌが近寄ってきた。

 

「ん?ジャンヌなんか用事か?」

 

「いや、そういうわけではないのですが何やら不敵な笑みを浮かべていましたけど…」

 

「あぁ〜…すまんすまん…ちょっと外の状況が面白いことになってたからちょいとからかってこようかと考えてただけだから」

 

「なるほど…そうでしたか」

 

「そんじゃぁちょっと行ってくるからハジメ達には言っといてくれよ」

 

「わかりました」

 

ここから城まで行くような言い方だが実際白夜はどうやってこの大迷宮を抜け出そうというのだろうか…って考えるだろうが彼にはもちろん英霊の特性がある。それ使ってここから出るというのだ。白夜は自分の身長より少し大きな杖を取り出した。これは花の魔術師マーリンの杖であり、杖を一回地面にコツンッと叩くと彼が花びらに囲まれてその場から姿を消した。そこへハジメが後ろから来た。

 

「あれ?ジャンヌ、白夜は?」

 

「マスターなら外へお出かけになりましたよ」

 

「外?それって迷宮の中に戻ったってことか?」

 

「あぁー、違いますよ。迷宮の外に本当に出掛けたんですよ」

 

「あぁ〜…そういうこと外ね…、本当の外に!?」

 

そらぁびっくりするだろう…でもこれって現実なのよね…

 

 

 

場内で揉め事をしている最中である。光輝も何やら香織説得しているようだが香織はあまり聞いていなかった。

 

「それでは…香織様は落ちた勇者2人に対する罵倒を止めるとこをしてほしいんじゃな?」

 

国王は簡潔にまとめたことを言い香織も頷いている

 

がそこへ

 

「なにこれ…花びら?」

 

その場に多くの花びらが舞っていた。しかしここは室内であり明らかに奇妙なことである。この事態に国王や貴族、ましてや転移されてきた勇者たちも驚きを隠せなかった。驚くのはまだそれだけではなかった。花弁の舞がだんだん収まっていくとその場に本来はあるはずもない人物がいた。

 

「いやぁ〜…、死んでもいないのに勝手に殺されちゃぁ困るなぁ…」

 

「えっ?蓮坂くん?」

 

彼女たちにとってはすでに亡き者と思われている白夜の登場である。クラスメイトも「嘘…」「ゆ、幽霊?」「あいついつの間にあんなものを」などいろんな声が上がっている。

 

「さぁて…、そこのおまえら…」

 

「っ!?」

 

白夜は貴族たちの方を思いっきり睨んだ。睨まれた貴族たちは肉食獣に睨まれているような感覚になり、驚き少し寒気も感じた。

 

「誰が死んでせいぜいしたって?俺も…ましてやハジメもピンピンしてるぜ?」

 

「えっ…嘘…南雲くん生きてるの…」

 

「おうよ!まぁ…以前のようにはいかないがそれなりにな…でも元気にしてるぜ…」

 

香織はハジメが生きていることに対して驚きを隠せずその場で涙を流してしまった…しかし今回の涙は悲しみではなく喜びの涙であった。

 

「よかった…よかったよぉ…」

 

「まぁ…今いるところ出るのには少々時間がかかるけどな」

 

「どういうことだ?蓮坂?じゃぁお前はどうやってここに来たんだ?」

 

さぁてここで黙っているわけもなく突っかかってくる勇者(笑)の天之河光輝

 

「どうって…今見たろ?花吹雪使って出てきたんだよ…まぁ一種の転移魔法だ」

 

「いや待て、君の天職は魔術師ではなかったよね?なのになんで魔術が使えるんだい?」

 

「はぁ…、お前なぁ…前にも言わなかったかぁ?一般人は天職がない、逆に考えればいろんなものを習得できると?そういうことだよ」

 

「なら、君が習得できるなら彼女らにも習得できるはずだ」

 

「いや、無理だね〜」

 

それもそのはずこれはマーリンの魔術、あのグランドクソやろうでさえ一応グランドクラスのサーヴァント、そこいらの一般の魔法使いや魔術師が使えるはずもない

しかし勇者にはこう捉えられたらしい

 

「つまり君は教える気はないと?」

 

「いや、教える教えない以前の問題でだなぁ…」

 

「だったら俺と勝負して君が負けたら転位魔法教えてくれ!」

 

(こいつ頭ドアホとちゃいまっか?)

 

何故かエセ関西弁になってしまった白夜、勝手に話を進められなぜか決闘をする羽目にもなってしまった。しかもこの決闘白夜側にはなにもメリットはないし、万が一白夜が負けたとしても教えることもできない…つまり無駄試合である。しかし周りの人はやはり無能の言うことよりもやはり勇者の天職である光輝のいうことを信じそのまま場内の訓練場で決闘することになった。

 

「はぁ…なんでこうなった…」

 

白夜は頭を抱えている…

 

「さぁ!勝負だ!」

 

光輝はすでに準備満タンでこちらに剣を構えている

 

「はぁ…仕方ない…やるかぁ…」

 

白夜は光輝の方を向いたが少しその場で笑みを浮かべた

 

「なにを笑っているんだい?」

 

「いやぁ…改めて実感してるんだよ…。異世界に来たんだなってな。アニメ好きなオタクからするとこういうのはとても興奮するからなぁ。試合前にちょっとした魔術の暗唱とかしてみたくなるもんなんだよ」

 

それを聞いている周りのクラスメイトは少々呆れた雰囲気やましてや例の不良グループに関しては

 

「なに言ってんだあいつ、落ちて頭悪くなったのか?なにもできないあいつがそんな大掛かりな魔法持ってるわけがないだろ」

 

など笑っている

 

「まぁ…勝手に笑ってるがいいさ…そんじゃぁ始めますかねぇ…」

 

白夜はその場で右腕を前に出し左手でその右腕の二の腕を掴んだ

そして…

 

「体は剣でできている!!」

 

「「「「はっ?」」」」

 

その場にいた何名の人もが声に出しまう程の光景であった

 

「ぶっはっはっはっはっ!!!まじでやってがある〜!!もうこれは厨二病だよ!!はっはっはっー!!」

 

「白夜…まさか本当にここまで落ちていたとは…決闘は取り消すから早く辞めたまえ…見苦しいよ…」

 

決闘を申し込んできた光輝ですら呆れてしまっていた

それでも白夜はその詠唱をただ続けていた…一人だがこんな発言をしていることにも気づかずに

 

「血潮は鉄で、心は硝子…」

 

「……バカな…あの詠唱は…」

 

「幾たびの戦場を超えて不敗…ただ一度の敗走もなく…ただ一度の勝利なし…」

 

白夜のまわりに微量にであるが稲妻が走っていた

 

「担い手はここに独り…剣の丘で鉄を鍛つ…」

 

今度は地面が微かに割れ始めてきていた

その辺りからだんだん周りからの笑い声もなくなってきてむしろ驚きの声の方がしていたであろう

 

「ならば我が生涯に意味は不要ず…この体は!無限の剣で出来ていた!(unlimited blade works.)

 

その場で大きく地割れと稲妻が迸りその場にいたものは全員巻き込まれたが次に目を開けるとそこはどこまでも続く荒野に無数の剣が刺さっている光景であった

 

「さぁて…やろうじゃねぇか勇者…、一般市民が英雄に憧れた結果を見せてやるよ…」

 

ここの世界は英霊エミヤシロウの心の具現化した結界である。通称固有結界の言われるものだが…心象風景の具現化など本来はあり得ないのであるがそれを可能にしているのである。この似たようなものを使える英霊とすれば征服王イスカンダルもその1人

 

「どうした?かかってこいよ?お前が望んだ決闘だぞ?」

 

光輝が白夜の方へ剣を持ちながら走っていくが白夜は動こうとしない…

なぜならここはエミヤの【無限の剣製(unlimited blade works.)】の中である。つまりそこら中に刺さっている剣を…

 

「なっ…」

 

操ることができるのである

 

「どうした?俺を倒してさっきの転移魔法を手に入れるんじゃないのか?」

 

白夜の後ろにはすでに無数の剣が空中で光輝のことを狙っていた

その光景見て光輝はその場をびくと動こうのしなかった、いや正確にはできなかった…

 

「勝負あったな…、勇者の本気を知りたかったけどこの程度だとはな…真名解放して損したわ…」

 

「お、俺はまだそんなこと!!

 

さすが勇者ある程度落ち着くのは早いようだが次の瞬間、彼の周りに無数の剣が降り注ぎギリギリ当たらないところに全て刺さっている

 

「これでもやるのか?」

 

「っ!?」

 

白夜のその声が今まで聞いてきたものよりもとても圧を感じたのと同時に恐怖心も湧いてきたのである。クラスのみんなも今の戦いを見て、過半数は青ざめていたのである。

 

「勝負あったな…、それじゃぁおわりますかねぇ〜」

 

一気に雰囲気がガラリと変わる白夜それと同時に周りが明るくなり光に包まれると再び訓練場へと戻っていた。

 

「それじゃぁ、俺は戻るからな…」

 

その場を去ろうとしたから教皇イシュタルから

 

「お、お待ちくだされ!勇者様!!あ、いや…あなた様は…まさか神話に語り継がれてる伝説の英雄王様なのだろうか!?」

 

「英雄王?」

 

その場にいたクラスメイトたちはこの単語にはやはり馴染みがなくいったいどういうものなのかを知らない。ゆえにそのうちの1人が…

 

「あの…イシュタルさん、その英雄王ってなんですか?」

 

「あ、あぁ…勇者様たちはこの世界の神話をご存知ないのでしたね…。ごほん!今から約数百年前、この世界はたった一つの国でできていたそうじゃ。そこには今のような人間や魔物、獣人などの争い事もなかった。何故かというとその国の王こそが頂点であり誰と逆らえない権力があったのだが…、しかし国民は不満とは思わずむしろ信頼の方が高かった。理由はその王は自ら世界の厄災などに立ち向かい英雄とまで言われていた。故に英雄王と付けられている。その厄災に立ち向かっていったときに使った力を今あのお方が使っていたものと同じもの…【宝具】というものなのじゃ…。しかし王が亡くなってからその絶対なる力を失い国は別れ今の世界があると言われておる」

 

イシュタルが説明をし終わると周りは黙って白夜の方を見ていた

 

「あなた様は…神が作りし兵器である王の証を持っておりますよね…」

 

王の証…つまり乖離剣エアのことである。白夜はどうしようかと考えたが今後のことを考えるとあらゆる面で有利になると考え結論を出した

 

(こんな形で出すとはね…まだ完全に使いこなせるわけじゃないけど見せる分には問題ないけど…あとで王様に謝っておこう)

 

心の中でギルガメッシュに対して謝罪することを決意した白夜

王の財宝から大きな鍵のようなものを取り出した

 

「よく見ておけ雑種ども…、これを見せるのは一度きりだからな?」

 

鍵のようなアイテムをひねると空中に無数の回路のようなものが出現した。その無数の回路が一つに集まりそこからとあるものが出現した。

持ち手の部分は金色をベースに青色の装飾が施され、そこからはえている黒色をベースに赤い回路のようなもの…まさしくこれこそが王の証である《乖離剣エア》であった

 

「お、おぉ〜!!まさしくそれぞ!!神話に語り継がれる乖離剣!!」

 

イシュタルがあまりの興奮に大きく叫ぶのであった

白夜はエアを地面に刃の部分を突き刺しその場で腕を組む

 

「これで良いか?だったら俺は行くぞ…」

 

しかしそれで終わらないのが鉄則

手癖の悪い輩がやはりおり、今回の場合は前回もやらかした不良グループ筆頭の檜山である

 

「その剣さえあれば…この国を好きにできるんだよな…だったらいただくぞ!!」

 

その場からもうダッシュで白夜の方向に向かい乖離剣に手を伸ばし地面から引き抜こうとするがしかし

 

「よし!……あれ?抜けない…なんでよ!!くそ!くそ!くそ!!なんで抜けねぇんだよ!!」

 

いくら檜山が引き抜こうとしても地面から一向に抜けずびくともしない

 

「おい…雑種誰の許しを得て引き抜こうとしてる?これはかの英雄王が使いし乖離剣、お前のような卑怯者が抜けるはずなかろう…」

 

白夜は檜山のことを睨みながら言った

 

「な…んだとぉ!!クズオタクの分際で!!このやろうがぁ!!」

 

「連坂くん!!」

 

白夜の一言でブチギレた檜山が白夜目掛けて攻撃をした、その攻撃は白夜に思い切りあたり彼の胴体が裂けるような傷ができ常人なら死んでしまうほどであった

 

「檜山くん!?なんてことしたの!!蓮坂くんが!」

 

白崎が胴体を裂かれた白夜のそばに寄った

 

「…こいつが悪りぃんだよ…無能なくせに力だけが強くなってそれを自慢のように見せつけてきたんだからな…」

 

「だからって殺すことはないでしょ!!!クラスメイトなんだよ!!」

 

白崎が思い切り叫ぶ、それは誰もが痺れるほどであった

 

「ありがとな…白崎…でももう大丈夫だぜ…」

 

「えっ?」

 

「なっ!?」

 

なんと胴体を裂かれたはずの白夜が再びその場に立っていた。これは冒頭でも言っていたヘラクレスの【十二の試練】の効果である。つまり一回彼は死んだことになった

 

「全く…ひでぇもんだな…こんなことで貴重な命を一つ使っちまったよ…」

 

彼は何事もなかったかのように倒れた時に着いた砂などを払っている

 

「お前…どうやって…今確実に…」

 

「答えるかよバ〜カ、どっちが無能なのやら…今のでお前の立場が危うくなってることにも気づかないとはな…。まぁいい俺はダンジョン内に戻るが…助けに来ようが来ないがお前らの勝手にしろよ…」

 

檜山がいくら抜こうとしてもびくともしない乖離剣をいとも簡単に抜き宝物庫なかへと仕舞い再びマーリンの杖を取り出しその場から消えた



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