ベルカの天帝の末裔 (龍神悠飛)
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無印編
蘇る最強


数百年前────────

 

「もうあのような別れは二度とあってはいけぬ……

 皆、後は任せたぞ──」

 

 これが、最強と謳われた初代の最期の言葉であった

 

 

 ────────────────────────────────

 

それから時は数百年流れて現代

 

「それじゃあ、行ってくるよ──。あの二人の仇を討つ為に・・・!」

 

 

とある町の病院で最愛の幼馴染みを残して、少年は再び修羅となる。

 

 

「────────行くぞ○○、貴様の首を落とすために、あの二人の仇を討つ為に、俺は復讐者となろう・・・!」

 

その眼には一族の物が開眼する紅き眼が現れていた・・・

封印していたはずの万華鏡が──────

 

 

────────4年後

 

 

「将来かぁ、みんなはもう結構決まってるんだよね?」

 

「うちはお父さんもお母さんも会社経営だし・・・いっぱい勉強してちゃんと継がなきゃ、くらいだけど?

 

「私は機械系が好きだから・・・工学系で専門職が良いな~って思ってたりするけど」

 

「悠くんは?」

 

「さあ、どうだろうな?

今のところはある目的が有るから鍛えなきゃ行けねぇし、将来のことなんか考えてる暇は無いからな」

 

「相変わらずよね、アンタ」

 

「元からこんなだ」

 

 

──────そう、あのときから俺は心が壊れてこうなってしまった。

4年前から何も変わっていない。

ただ、復讐するために鍛えているのだから、こんな俺は壊れているのだろう・・・

 

俺こと龍神悠飛はある呪いを持って生まれた

 

うちの一族は代々特異な力を持って産まれて来る。その力は個人によって異なるが、その眼が特徴的だった。

────写輪眼。己の無力さを実感したとき、この眼に開眼した瞳術。

それは心を写す瞳と言われ、一族の長は皆その更に上の万華鏡写輪眼を開眼していた。

今はもう滅びたが・・・

そして一族の呪い────

それは転生能力

二代目から受け継がれる呪いで、生を受けてから数百年生き、転生期を迎えた者は転生し最期の100年を生きる。

先々代達も個人差はあったが平均200年ほどで転生し、最期の100年を生きていた。

俺は一族の中でも特に長く、300年たった頃にようやく転生期を迎え、今に至る。

この300年で多くの悲しみを背負い、写輪眼が行き着く先の眼にも至ったが、今は封印している。

この小さな体では余りにも負担が大きすぎる。それ故にあらゆる力に耐えられるように鍛えているワケなのだが、そこは置いておこう。

それよりも──────

 

「てかお前ら早く食えよ・・・昼休み終わっちまうぞ?」

 

自分のことを振り返っていたらなのはがアリサにほっぺを引っ張られていたのでアリサを嗜め、昼休みが少なくなってきていることを伝えた

 

そして空を見上げてこう思う

 

「今日も平和だなぁ────」

 

これは俺が初代の最期の祈りを受け取り、仲間たちと歩んでいく物語である────

 

 




記念すべき初投稿
自分の妄想が爆発した内容なのでご容赦を


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放課後の天帝達

寝起き 
うp主「昨夜ログイン出来んかったしガルパでガチャン引こ」
→虹→星42枚引き

「ファッ!?」


 

 

 ────その日の放課後

「さて、帰ってきたことだし作業の続きでもするか」

 

転生前に考案していたあるものの作業に入る

 

 

カタカタカタ

 

自分で組み上げたPCにあるデータを入力していく・・・

 

これは先の対戦で連合国が使い、封印した忌むべき兵器を応用・発展していくなかで偶然にも生まれたもの

 

Neutron Jammer(ニュートロンジャマー)

 

核兵器で使われるウランなどの原子核の自由中性子の運動を阻害するフィールドを発生させ、核を使えなくする為に考案・開発していたもの──────

 

大方のプログラミングが終わったところでふと後ろに気配を感じた

 

「終わったんか?」

 

「ああ。後は組み立てるだけだ。

そちらはどうなんだ?」

 

話しかけてきたのは同じ一族の末裔で同士の圭吾。

数少ない気の許せる相手で300年前からの付き合いでもある。

その他にもあと3人居るのだか、全員他国に任務で出ているため今俺の屋敷の地下に設けている開発室には居ない────

 

「いくら連合国の依頼とはいえ、あいつらも大変だな」

 

「しゃあないわ、俺らが今開発中なんはこの世界の抑止力になるブツやからな。

出来るだけ稼いどかんといくらあっても資金が足りへんわ」

 

「それを言っちゃあ終わりやな。」

 

こいつらと居ると、俺も昔を思い出して地が出るため時々関西弁が出てくる。それだけ気を許しているワケなのだが────

 

コンコンッ

 

と話していると開発室の扉がノックされた

 

「ごめんね?夕御飯ができたから呼びに来たんだけど、取り込み中だったかな?」

 

「いや、問題ない。ちょうどキリがよく終わったところだったからね。すぐに行くよ。」

 

彼女────ブーディカは俺が2年前に召喚したブリタニアの勝利の女神と謳われたライダーのサーヴァントである。

後からわかったコトなのだが、俺の考案した術式だと、召喚した英霊達は皆受肉すると言うトンでもな副産物があったらしい。それでも英霊達は気にせず、現代を満喫しているものが多い。

かくいうブーディカも平和な現代を満喫し、生前では謳歌することができなかった穏やかな日々を我々と過ごしている。

 

「今日は誰が当番やったっけ?」

 

「エミヤだよ。」

 

「ということは円卓達がよく食うだろうな・・・」

 

俺は遠い目をして我が家のエンゲル係数を跳ね上げている円卓の騎士達の事を思うのだった・・・

 

「失礼します。マスター、百貌からの潜入報告をお持ちいたしました。」

 

「百貌から?」

 

先程言っていたが、俺たちは唯の小学生ではない。

世界各国が恐れる最強の5人である俺たちは世界の抑止力であり、かつて天皇にその命を救われ、皇族に恩を返すために各国からの依頼を選定し、それを潜り抜けた極めて危険度の高い任務をこなしていく仕事をしている。

依頼料はその危険度に応じてピンキリだが、数百万から危険度によっては億越えもあり得る。

俺達が気に入らないものであれば依頼料をつり上げるし、お得意様であれば格安で受けることもある。

そんな俺達を怒らせない為に各国は俺達に治外法権を持たせることで、俺達が動きやすくするようにしている。

そんな世界情勢でもやはり調子に乗る国も出てくるのだが──────────

 

「何やら半島の国が妙な動きをしているとの報告です。」

 

「連合国からは何も無いのか?」

 

「連合国も確認中とのことです。」

 

「わかった。食事を済ませたら出撃するとしよう。

バベッジ達に艦の用意をさせておけ。

それから、各地に居るあいつらを呼び戻せ。」

 

「「ハッ!」」

 

そう、俺達はこのように戦争の準備をしている国に出向いて叩く武力介入をすることで、大戦を未然に防いでいるのだ。

全ては先代の天皇陛下の願いでもある。

 

 

「了解した。直ぐに戻る!」

 

「わかった。ちょい待っててくれ。」

 

「あいよ、気取られずに戻るわ。」

 

俊介・辰徳・隆一──────

いずれも300年前からの付き合いで今も尚同じ思いを持つ同士達がそれぞれ返事を返し、通信を切った。

 

「存分に蹴散らしてこい。こちらのことは俺がやっておく。」

 

ギルガメッシュ────

メソポタミア文明、古代ウルクの英雄王でこの世の全てを手にした原初の英雄・・・なのだが、今はキャスターの状態で冥界帰りの最高の賢王として俺に言ってきた。

本音を言うと"理想の上司"とはこう言うものか、とそんなことを思ってしまう。

正直過労死しないか心配である。

 

「ああ、程々に任せる。

ファミリー総員に嗣ぐ!3人が戻り次第、第三級戦闘準備に入る!各自準備を怠るな!!」

 

そしてその次の深夜、某国の軍が壊滅したと言うニュースが世界を駆け巡ったが、壊滅させた者達の存在を一般人が知る由も無かった。

ただ、この時初めて実戦投入された五機のガンダム

が話題を呼んでいたのは言うまでもない──────

 

 

 

 

 

 

 

                     続く

 




見てわかる通りうp主はガンダムSEEDが初ガンダムでした。
そしてこの主人公、トンデモ能力です。次回にでもスペック書きましょうかね?


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主人公プロフィール

休み故に進む投稿


主人公プロフィール

 

 

龍神悠飛

聖祥大付属小学校3年生兼世界最強の5人の筆頭

実はかつてベルカで最強と謳われた初代天帝(プロヴィデンス)の直系の末裔でその魔力量は無尽蔵とも言われているが、転生したことによりその大部分を封印し、開眼していた左目の輪廻眼も封印している。

本来は戦いを好まず平和な日常を送りたいのだが、二代目から受け継がれる呪いで戦いの日々が続く中で家族を亡くした怒りによって覚醒し、直巴の写輪眼を開眼。先々代の非道な行いに我慢の限界を迎え、圭吾達を含む同じ思いを持つ同士達と共に自らの一族を滅ぼした過去を持つ。

その際に自らが持つ異能により、写輪眼の瞳力を先々代達から奪い、自分のものとしているがこの異能は二度と使わないと心に決めた。

 

その後は様々な異世界を渡り歩き、転生前に当時の先代天皇によって命を救われ現在に至る。

上記の理由により転生後は基本的には他人と距離を取ってはいるが、いざというときはなんだかんだ言いつつも助けてしまう本来の心根の優しさが出てしまう。

 

ステータス

筋力A 敏捷A 幸運B 耐久A+ 魔力EX

封印状態に有るため各パラメーターは3ランク程ダウンしている

 

魔力変換資質

炎と氷を得意としているが、そつなくこなせるためオールマイティーに動ける

 

画竜点睛

一族の秘伝究極奥義で自身に龍の力を纏わせ、全盛期の力を呼び起こすもの。これは初代以外に会得したものが一人も居らず、悠飛を含めた5人にのみ使える初代が未来の末裔に送られた奥義。心根が優しく、初代の意志を受け継ぐ者だけが扱うことの出来る業。

 

二代目の呪いEX

二代目による忌まわしき呪い。如何な場所で有ろうとも戦いを避けることは出来ず、自身の糧にする以外に術はない。

この呪いにより、戦闘では死ぬことは出来ず、自害したとしても死ぬ痛みは味わうが、決して死ぬことのないスキル。

 

この呪いを解けるのは初代のみ──────

 

4年前に先々代の行いに賛同していた生き残りによりはやて共々殺されかけるが、先代である父が命懸けで守ったことにより二人は生き残ることができたが、はやての両親を目の前で殺されたことにより両目の封印が外れ、直巴の万華鏡を再び開眼し修羅となる。

 

はやてとは親同士が決めた許嫁ではあったが、はやての優しさに触れるうちに満更でもなくなった。

 

なのはとアリサとすずかに対しては基本は壁を作ってはいるが、なぜか一緒に行動することが多くなっていた。

最初の出会いこそ最悪だったが今はそこそこいい感じの付き合いをしている。

 

封印を自在にコントロール出来るが、基本体が小さすぎるので封印を解かないが、使うべきと思った時は躊躇なく封印を解くなどして度々無茶をして、周りに諌められる。

 

一族の血筋故か炎の力が強く、黒炎の形態変化を極めたことにより黒龍波を会得しその延長線上で画竜点睛を会得した天然。

 

 

はやての両親を殺した裏切り者に復讐するため、再び仲間を集めている。

 

 

サーヴァント

主人公が独自に開発した召喚術式によって呼び出された英霊達

 

その最初のサーヴァントこそが英雄王ギルガメッシュである。

主人公とは最初こそ認めてはいなかっかものの、主人公の在り方を認め今では良き補佐役・・・とは言うものの、主人公が学生であるため学校に行っている間もしくは留守中は専ら彼の仕事を代わりにしている理想の上司ポジション。

最近召喚されたエルキドゥと力比べをして鍛練場を無茶苦茶にしてしまい主人公を怒らせ、令呪で泰山の激辛麻婆豆腐を10皿食べさせられるという事件があり、二度と怒らせないようにせねばと誓った。

 

基本彼ら(彼女ら)は主人公の在り方を認め、受肉したことにより現代を満喫しているが、有事には主を守るために最前線に赴く。




現状ではここまでです。
やはりチート能力ですな・・・


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月村家での出来事

すずかに誘われてやってきた月村家の屋敷。
そこで起きた出来事とは・・・?


 

 

龍神家屋敷地下7階第1鍛練場────

そこでは今悠飛が鍛練をしていた

 

「ハァァァァァァァァァッ!!!」

 

「甘いわ!」ガギンッ!

 

渾身の振り下ろしを槍で止められながらもなお引くことはなく、むしろ拮抗していた。

 

「まだまだ行くぞ!」

 

「そうだ!その意気だマスター!」

 

スカサハ────

彼女はケルト神話における影の国の女王ではある。

本来彼女は死ぬことはなく、サーヴァントとして召喚されることはあり得ないのだが・・・

ある日突然召喚陣がひとりでに作動し、そこから現れたのが彼女だった。

あまりのことで彼も頭が痛くなったのだが、せっかく来たのだしもてなさなくてはと屋敷を案内したところ気に入ったらしく

既に召喚していたクー・フーリン達を鍛えなおしてやると言い出し、そのまま居ついた。

 

鍛練終了後

 

「やはりまだ神域には届かんか・・・」

 

俺はシャワーを浴びて髪を乾かしながらボヤいていると

 

「やあマスター!そろそろ時間なのではないかな?」

 

とこれまたいつの間にか居ついていたグランドロクデナシ・・・

もとい、冠位の英霊たるマーリンが出かける時間が迫っていることを知らせに来た。

 

「きみ、今失礼なことを考えなかったかい?」

 

「・・・気のせいだ。」

 

「フォーウ!(そりゃお前の日頃の行いだよバカナイトメア!)」

 

フォウ君──────

この猫のような動物は『災厄の獣 キャスパリーグ』又の名を『第四の獣 プライミッツ・マーダー』といい、災害の獣『ビーストⅣ』

であるが幼体であるためただ魔力の高い小動物である。

なぜフォウ君がここにいるのかは謎だが、この家に居ついているので最早何も言わない・・・

いわばうちのマスコットである

 

「それじゃあ、行ってくる。」

 

そんなこんなで俺は屋敷を出て月村家に向かった。

 

 

 

 

走って──────────

 

 

数分後・・・

 

「いらっしゃいませ、悠飛様。」

 

「様は要らないんだがなぁ・・・」

 

「そうはいきません。すずかお嬢様の大事なご友人なのですから。

 

「そうは言われても、如何せん慣れない・・・」

 

「ゆう君、いらっしゃい!」

 

「またいつもの問答?」

 

「様付けされるのは慣れてないんだよ・・・」

 

「そんなのいちいち気にしてたらキリがないわよ?」

 

「そういうもんか・・・善処する。

ところでなのはは?」

 

「もうすぐ来るって。」

 

「そうか・・・それで、なのはが来る前に聞きたいことって?」

 

「最近なのはの元気がなくってね?いろいろ知ってそうなアンタなら何か知ってるんじゃないの?」

 

「・・・いや、思い当たる節はないが、確かに少し様子がおかしいな。」

 

「いろいろ心配してるんだけど、なかなか言い出せなくて・・・」

 

確かに────

俺達が武力介入した翌日くらいから様子が変だった・・・

それに、それまで感じることがなかった魔力も感じるようになったのもそのあたりからか。

 

と考えてるうちになのはと恭也さんが月村家に到着したようだ

 

「悠飛様、忍お嬢様と恭也様がお呼びです。」

 

「・・・わかった。

すまん3人共、ここで席を外すからそっちだけで楽しんでくれ。」

 

そう言い残し、俺は恭也さんと忍さんのもとに向かった

 

 

「・・・それで、話とは?」

 

「この間のガンダム5機、あなたたちだったんでしょ?」

 

「ッ!気付いてたんですか?」

 

「あんなの造れるのは君たちしかいないからね。

それで、一体君たちは何者なんだい?」

 

そう問われて、俺は盛大にため息を漏らしてこう言った

 

「話してもいいですが、このことは他言無用でお願いします。でなければ後始末が大変なので・・・」

 

「分かった。君が良いというまで黙っているよ。」

 

「・・・では、まず、──────」

そうして俺は3人に今話せる全てを話し、どういう存在であるかを話した。俺が今までしてきたことに驚きはすれ、憐れむことはなかった。

それどころか親身になって聞いてくれたことで、俺の心は少しばかり軽くなった。

 

「──────これが今話せることです。」

 

「話してくれてありがとう。俺達も出来るだけ相談に乗るよ。」

 

「ありがとうございます。」

 

と言ったところで外から不穏な気配を感じたので庭に出ることにした

 

「少し散歩をしてきます。昔の事を話したので少し気が滅入ったみたいで。」

 

「気を付けてね。」

 

そうして気配を感じた所に向かうと、なのはが金髪の女の子に襲われているのを見かけ、様子を伺っていたら金髪の子が魔力弾を射とうとしていたので少しだけ手助けをすることにした

 

 

《水遁・水陣壁》!!

ドバァッ!

 

「ッ!誰!?」

 

そう問われたのでなのはが気絶した隙に姿を見せる

 

ザッ、ザッ、ザッ

「こんな人様の屋敷の中でドンパチやっていたもんだから注意しに来たまで・・・」

 

「その子の仲間?」

 

「有り体に言えば友達だな。

・・・龍神悠飛だ。お前は何者だ?」

 

「・・・フェイト、フェイト・テスタロッサ。

私たちの邪魔をしないで。」

 

「それは聞けん話だ。この国に災厄をもたらすものを排除せねばならんからな。」チャキッ

そう言いながら腰に差していた刀を構えると

 

「・・・次は倒す。その子も、君も。」

 

「やれるものならな?」

 

それを最後にフェイトといっていた子は去っていった。

俺は後を追わずに気絶したなのはを背負って屋敷の方に向けて歩きだした。

途中目覚めたなのはが慌てはしたがって落ち着かせて皆の所に着くと、何があったのかなのはに聞いたが木から落ちて気絶していたと言っていたので俺は反れに合わせていた。

 

 

 

──────────フェイト・テスタロッサ・・・

君は俺と同じ哀しい目をしていた。どうやら放っては置けないようだな。

 

 

 

 

                        続く




と言うわけで忍さんと恭也さんとノエルさんに自身の過去を明かして、その後にフェイトと邂逅した主人公。
この先に起こることは基本原作に沿っていきますが、フォウ君が居ることで救われる存在が・・・一体誰なんでしょう?


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温泉の天帝

世間ではゴールデンウィーク
そんな日に高町家と月村家のお誘いで海鳴温泉にやってきた悠飛達。
今日は羽を伸ばしてゆっくりしようとすると決めた悠飛だが・・・?


 

 

世間ではゴールデンウィーク

この大型連休に俺は高町家と月村家のお誘いで海鳴温泉に向かっていた。

士郎さんの運転する車の最後尾でアリサとすずかに挟まれて座っているが、ここで問題が起きていた──────

 

「・・・・・・気持ち悪い・・・」

 

そう。普段車での移動をしないため、俺は今盛大に車酔いしていた・・・

 

「意外よね、アンタが乗り物に弱いなんて。」

 

「・・・普段乗らねぇから・・・」

 

「あまり喋らないほうがいいと思うよ?」

 

「まだ時間かかるから少し寝ていると良いよ。」

 

「・・・そうします・・・」

 

士郎さんにそう言われた為、俺は寝ることにした──────

 

 

 

 

しばらく後

 

「地獄を見た・・・」

 

目的地である海鳴温泉に着いた俺達は宿の部屋に荷物を置いて、少し休んでいた。

 

「そろそろ温泉入らない?」

 

「そだねー。」

 

「ゆう君はどうする?」

 

「俺は一人でゆっくり入る。」

 

「行こう、ユーノ君。」

 

とユーノを連れていこうとしているなのは達だったが

 

「いや、ユーノは俺が面倒見よう。今まで機会が無かったからな。」

 

『ユーノ、少し話をしよう。

これでなのは達の裸を見なくて済むぞ。』

 

『うん。ありがとう・・・』

 

俺はこの前の月村家での一件で少し話をしているため、特に気まずさは無かった。

 

そして俺達は温泉に入って話を始めた。

 

『実際、なのははどうなんだ?』

 

『やっぱり、あの子の事が気になっているみたいで色々考えてるみたい。』

 

『やはりか・・・。あれは昔から周りに弱音を言ったりしないから、余計にアリサ達に心配させてるんだよなぁ。』

 

『君はこれからどうするの?』

 

『どうもこうも、俺はあの子がどうしても危なくなった場合だけ手を貸すだけだ。今は、な・・・』

 

『今は?』

 

『俺は基本この国の守護者として動いてるからな。

誰か特定の人間に手を貸すってこと自体まず無いんだよ。』

 

『と言うことは、僕達が本当に困った時は姿を見せて戦うってこと?』

 

『そうなるな。』

 

『そっか。』

 

『ところでユーノ、キツかったら出てて良いぞ?』

 

『そうするよ。これ以上はのぼせそうだ。』

 

「恭也さん。俺はもう少し浸かっているので先にユーノを連れていって貰えませんか?」

 

「わかった

・・・にしても随分長湯だな?」

 

「俺の数少ない娯楽なものでね、こればかりはしょうがありませんよ。」

 

「そうなのか・・・」

 

そんな会話をしてから俺が温泉から上がったのは30分後だった──────

 

その夜、士郎さん達と話しているとなのはとユーノが外に出た気配を感じたが、士郎さん達に心配させないために黙っていることにした。

 

「ところで士郎さん、からだの方は大丈夫ですか?」

 

「ああ。君が治してくれたおかげですこぶる調子が良いよ。」

 

「それは何よりです。仙術まで使った甲斐がありました。」

 

「ちょっと待て、君は仙術まで使えるのかい!?」

 

「ええ、尤も、転生直前にやっと習得したものではありますが。」

 

「改めて君の規格外に驚くよ。」

 

こんな会話を普通にしているが、士郎さんも桃子さんも俺の正体を明かしてあるので何も問題ない。

 

「俺も全盛期だったとしても君には勝てる自信が無いよ。」

 

「そうそう負けるわけにはいきませんからね、陛下を護る立場でもありますし。」

 

「それもそうだね。」

 

そんな話をしているとなのはとユーノが戻ってきた気配がした。

 

そしてそれを確認したら俺は寝ることにした。

 

久しぶりの温泉でよく眠れそうな予感がした────────

 

 

 

 

 

 

 

                        続く




実はこの主人公、車に乗り慣れていないので車に滅法弱いのである。
まあ、慣れれば普通なんですけどね?

会話に関してですが、今までの分含めて台本形式を止めました。
自分でやってて分かったんですが、やっぱ台本形式はセンス無いわ・・・


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亀裂

何気ない日常だったはずなのに、いつの間にか広がる溝
人の心の闇は知らず知らず深くなる・・・


 

 

 

 

カタカタカタカタ…………

 

「事後処理が多いな・・・」

 

「すまん、少しやりすぎた。」

 

今俺は溜まっている事後処理を学校を休んで進めている。

これは前回出撃した半島での武力介入の事後処理で、重要施設だけでなく、国の重要機関までも破壊してしまった為、事後処理がとんでもないことになっていたのだ。

尤も、こんなことになったのは俊介が間違って破壊してしまったことに原因があるのだが──────

 

「お前、今回で何件目やねん!いい加減にしろや!」

 

「これは擁護出来んわ、俊介・・・」

 

「2徹してようやく終わりが見えてきたほどやからな。」

 

圭吾と辰徳も目に隈が出来ている。

2人も俊介に何か言いたいことが有るようだ。

 

 

4時間後────────

 

「やっと終わった・・・」

 

ようやく事後処理を終えるかとが出来た俺達はそのまま寝てしまった。

 

それを見た英霊達に心配されて、ギルにしばらく仕事を休むように言われた。

 

 

 

翌日

3日ぶりに学校に来たと思ったら

 

「いい加減にしなさいよ!」

 

アリサの怒号が聞こえてきたので何かと思ったらアリサとなのはがケンカをしていた。

 

その様子を見ているとアリサとすずかが教室から出て行ったので俺は2人の方に向かった。

 

「珍しいな、あんなアリサを見るのは。」

 

「何も言ってくれないあの子にムカつくし、何よりそんなあの子の力になれない自分にムカつくの!」

 

涙目でそんなことを言われたので

 

「確かにそうだよな。

でもな、そんな君たちだからこそあの子の居場所になってあげなくちゃいけないんだ。でないとあの手の性格の持ち主はふと遠くに行ってしまうものだからね。」

 

「・・・アンタに真顔でそんなこと言われたら何も言えなくなっちゃうじゃない。」グスッ

 

「だからよ、そんな顔してないでいつものアリサに戻れよ。そうすればなのはもいつも通りでいれるんだからな」

 

「うっさい・・・」

 

「ふふっ。アリサちゃんってばゆう君の前だと素直になるよね?」

 

「そんなこと無いわよ」

 

「意地っ張り」

 

「ふんだ!」

 

いつもの2人に戻ったようで良かった。

そんな2人を見て俺は教室に戻っていった────────

 

 

 

放課後

 

 

鍛練の走り込みをしているとなのはとあの金髪の女の子────フェイトが戦っているのを見かけた為、影から見守っていた

 

「不味いな、今のなのはだとまだフェイトには勝てんぞ?」

 

そう思っていると突然光が出てきて

 

「ストップだ!ここでの戦闘は危険すぎる!」

 

「あの服・・・まさか!」

 

「時空管理局、クロノ・ハラオウンだ。詳しい事情を聞かせて貰おう。」

 

「フェイト!」

 

クロノが2人を地上に下ろさせたとき、狼────アルフが出てきた為、俺も出ることにして印を結んだ

 

巳・辰・卯・寅

 

「《火遁・龍火の術》!」

ゴウッ!!

 

「くっ!」

 

「フェイト!」

 

「なに!?何なのこれ!?」

 

「さすがにこれ以上見逃すワケにはいかないのでな、邪魔させて貰ったぞ。」

 

「え!?悠君!?なんでここに!?それに今のって!?」

 

「それについては後で話す。やれ、クロノ!」

 

「ハァッ!」

 

「!ダメ、射たないで!」

 

「!」

 

「バカ!何やってんだ!」

 

「フェイト、逃げるよ!」

 

アルフがそう言うと2人は転移して逃亡した

 

「逃がしたか・・・」

 

「しょうがありませんよ。それよりも、何故あなたがここに?」

 

「そうだよ!なんで悠君がここにいるの!?」

 

「それは後々話す。ってかクロノがここに来たってことは────」

 

『そういうこと。お久しぶりですね、悠飛さん。』

 

「やはりな。久しぶりだな、リンディ。では話しは艦でするとしよう。」

 

『ではクロノ、皆さんをアースラに連れてきてちょうだい。』

 

「はい、艦長。」

 

 

 

 

そんなこんなでアースラに呼ばれた俺達。

そして、運命が交差する─────────────────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                           続く




遂に動き出した管理局

そして何故悠飛はリンディとクロノと知り合いなのか、答えは次回判明する・・・。


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アースラ

まじ恋A猟犬ルートアフター届いたー
現在プレイ中


 

 

 

舞台は変わってアースラ

ここは時空管理局が保有する船艦の一つ、アースラの中・・・

 

俺達はクロノに導かれて来たわけだが、転生後の事もそうだがなのはにどう説明するか悩んでいた──────

その間にユーノが本当は人間であったことに驚いたなのはと、人間の姿を見せていなかったことを思い出して慌てるユーノがいたが・・・

 

そして艦長室

 

「どうもお久しぶりですね、悠飛さん。」

 

「ああ。直接合うのは11年振りくらいか?

・・・それにしても変わらんな。」

 

「おかげさまでね。」

 

「クライドは健在か?」

 

クライド────────ー

本名クライド・ハラオウンは11年前あるロストロギアの暴走から助けだし、その命を救ったのがきっかけで関係が出来た管理局の提督だ

 

「あの人も元気よ?あれからより一層家族を大事にしているわ。」

 

「そうか、それは何より。」

 

「申し訳ありませんが、そろそろ・・・」

 

「そうだな。では先ずはなのはが知りたがっていたことから話すか。」

 

「うん。」

 

「全ての始まりは古代ベルカ・・・聖王期まで遡る──────」

 

そうして俺はなのはとユーノ、リンディとクロノに俺達一族の血塗られた歴史を語り始めた。

初代天帝(プロヴィデンス)の事、二代の呪いの事、そして11年前から転生してからの事を・・・

 

「それが俺達、龍の一族の呪いであり罪であり俺と言う存在である。

俺は言わば人斬りだ。皇族に救われてからその恩を返すために、日本を拠点とする最強の5人が居る天帝家(プロヴィデンス・ファミリー)の筆頭にして古代ベルカの最強の戦士、初代天帝(プロヴィデンス)の直系の末裔だ。」ズズッ

 

「そういうことでしたか。通りで管理世界であなたの武勇を聞かなかったわけね。」

 

「まぁな。・・・ところで、なのはは大丈夫か?頭がパンクしそうになってるみたいだが・・・?」

 

「うぅ・・・悠君が天帝で最強の5人の筆頭で伝説の人斬りで・・・」

 

「ダメだこりゃ。少し小休止を取るべきか。」

 

「なら、お茶のおかわりも用意しますね?」

 

「頼む。」

 

「それにしても、貴方がそんな人だったなんて思いませんでしたよ。」

 

「言ってなかったからな。」

 

「それはそうなんですが。・・・ところで、貴方はミッドチルダに来ようとは思わないのですか?」

 

「今はそんな気は無いな。元々戦いから身を退くつもりでこっちに居るんだからな。それに・・・放っておけないやつが居るからな・・・」

 

俺が遠い目をしていたのでクロノはそれ以上聞いてくることはなかった。

 

「ところでなのは。士郎さんと桃子さんと恭也さんは俺の正体を明かしてるからもう知っているぞ?」

 

「うにゃっ!?」

 

そんなこんなでユーノが地球にやってきた経緯やジュエルシード──────ロストロギアについての説明がなされた。

これを受けてリンディにこれからどうするのかと聞かれてなのはとユーノは少し迷っているようだった。

 

「貴方はどうするのですか?」

 

「どうもこうもA級危険物のロストロギア絡みだからな。この世界を守護するものとしてもう知らんフリは出来んだろ。今回ばかしは動かざるを得んだろう。」

 

「わかりました。では再びご助力お願いしますね?」

 

「請け負った。ッてなわけで、帰るぞ2人とも。」

 

「「う、うん!」」

 

「あ、そうだ。リンディ!さっきはああ言ったがしばらくの間は本来の仕事と平行して家の蔵書で調べものをしなければならんから、動くとなるとそれからになるぞ?」

 

「それなら問題ありません。我々が危なくなったらお呼びだしいたしますので。」

 

「わかった。・・・それじゃあな。」

 

そう言ってもといた場所に転送された。

 

シュンッ!

 

「さてと、それじゃあ2人とも。帰り道には気を付けろよ?」

 

「あの!また話を聞かせて貰える?」

 

「・・・機会があればな。」

 

「うん!約束なの!」

 

 

 

こうしてアースラで俺の正体を話しはしたものの、以前と変わらない感じで接してきたなのはに少し安心して俺は家路を急ぐのであった。

そして翌日、なのはとユーノが引き続きジュエルシードの探索をすることを聞いて、いよいよ本気で対応する必要が出てきたと思った俺であった──────────────

 

 

 

 

 

 

                         続く




なのはに己の正体を明かした悠飛。
自らの原点と向き合うため、自宅の宝物庫から一族の資料を漁っているなかでフェイトが海上で複数のジュエルシードを発動させてなのはが命令を無視して出撃したと聞き、現場に急行する悠飛。
果たして彼らの運命は・・・

次回 悠飛の実力


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悠飛の実力

遂に動き出した悠飛

そして彼の実力の一端が見えることとなる


クロノ達との再会、そしてなのは達に正体を明かしてから数日が経った。

 

今彼はある調べものをするために屋敷の書庫に居た。

 

カタカタカタカタ…………

 

(ふむ・・・フェイト・テスタロッサについて気になったことがあったが、ここまでとはな・・・)

 

そう、俺の調べものとはテスタロッサについてのことでここから導かれたものはかの"プレシア・テスタロッサ〟であり、その娘は数年前に亡くなっていると出ていたからなのだ。

そして特筆すべき点は、彼女の娘・・・"アリシア・テスタロッサ〟と"フェイト・テスタロッサ〟が瓜二つだったことだ。

ここから導かれる答えは一つしかない。

 

 

 

────────クローニング技術

 

(まさか禁忌にまで手を出す程にか・・・愛情の喪失とはかくも残酷なものよな。)

 

会社の独断によって引き起こされた事故とは言え、ここまで堕ちるとは皆思わなかったろうな。

 

「尤も、俺も人の事を言えんがな・・・」

 

俺も奴も同じ穴の狢だ。もしあやつが一族の者であったなら、万華鏡の開眼でもっと深い闇に堕ちていただろう。

 

粗方調べ終わったとき、リンディから緊急通信が飛んできた。

 

「緊急通信?

俺だ。一体何があった?」

 

『なのはさんとユーノ君が我々の命令を無視して現場に行ってしまいました!申し訳ありませんが援護をお願いします!』

 

「ッ!何だと!今のレベルで複数の暴走体を相手取るのは不可能だぞ!?

致し方無い、出るぞ!」

 

『お願いします!』

 

「あのバカ共め!後で説教だ!」

 

そんなことを言いつつも俺は縮地で現場に急行した。

 

ドドドドドドドドド!!!!!!

 

走り続けること5分後、現場に到着した。

 

「こんのバカ共があぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」

 

「「「!!!」」」ビクゥッ!!

 

「なのは!ユーノ!お前ら後で説教だ!!それからフェイト!!お前も一人で処理しきれねぇ数相手してんじゃねぇぞ!!」

 

「「「ヒィッ!!」」」

 

「しゃあねぇから相手してやるよ・・・本気でな・・・」

ゴオォォォォォ!!!!!!

 

そう言った俺は全身から封じていた魔力を解放する。周りが一気に俺の魔力光である青紫色に支配されていき、そして俺の目にも変化が表れた。

 

「この眼になるのは久しぶりだな・・・」

 

写輪眼──────

俺達一族の一部にだけ開眼できる特殊な瞳術を宿す特殊な眼である。俺はさらに上のほんの一握りしか開眼した者がいない上位形態に変化させる。

 

「万華鏡写輪眼──────

須佐能乎!!」

 

俺は須佐能乎を発動させて、戦闘モードに入った。

 

「あれを封印するには魔力ダメージで停止させねばならん。加減はせんぞ!」

 

そして俺は印を結び始めた

 

丑 申 卯 亥 酉 丑 午 酉 子 寅 戌 寅 巳 丑 未 巳 

 

亥 未 子 壬 申 酉 辰 酉 丑 午 未 寅 巳 子 申 卯 

 

亥 辰 未 子 丑 申 酉 壬 子 亥 酉!!

 

ザッバァ!!!!!!!

 

「《水遁・水龍弾の術》!!」

 

印を結んでから結び終わるまで僅か2秒で俺は水龍弾を発動させた。

 

ゴォオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!

 

そして水龍弾はあくまで下準備である。俺はそのままもう一つの術の印を結んだ。

 

丑   卯   申!!!

 

バチチチチチチチチチチッ!!!!!!!!!!

 

水遁と雷遁を掛け合わせることで攻撃力をさらに強化したこの戦法は人前では初めて出す。

 

「《千鳥》!!」

 

 

俺は左手で千鳥を出し、水龍弾に合わせる。

 

「《水雷龍弾の術》!!!」

 

ドドドドドドドドド!!!!!!

 

「凄い、複数の魔力変換が出きるなんて・・・信じられない・・・」

 

「お前ら!ボサッとしてねぇで封印の準備しろ!!」

 

「・・・はっ!うん!」

 

そうしてようやく暴走体を封印することが出来た直後──────

 

ズガァァァァァァァァァァァン!!!!!

 

「グッ──────────!!!!!」

 

突然次元跳躍攻撃を受けて身動きが取れなくなった隙にフェイト達が逃げていった。

 

「クソ!捕縛出来なかったか!」

 

『構いません。おそらく近い内にまた機会がありましょう。』

 

「深追いする必要はなしか」

 

『ええ、とにかく全員無事で良かったです。』

 

「ま、この後説教が残っているがな・・・」ギロッ!

 

「「ひぃっ!」」

 

「とりあえず、先ずはアースラに戻ってからだ。」

 

 

 

一抹の不安を残しながらも、俺達はアースラに戻ることにした。

もちろん、なのはとユーノはリンディと俺からこってり絞られるのだったが、これは別の話だ────────────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                           続く




遂に力の一端を解放した悠飛により封印をすることが出来たが、直後にプレシアによる次元跳躍攻撃を受けたことによりフェイト達を逃がしたなのは達。お説教から解放されたなのはは久しぶりの日常に安堵する。

次回
束の間の休息


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束の間の休息

束の間の日常


アースラで俺とリンディにこっぴどく説教されたなのは達だったが、ずっと戦い詰めだったので一時帰宅をすることになり久しぶりの我が家に戻ってきた。

 

「──────────という感じの10日間だったんですよ~。」

 

「そうなんですか~。」

 

(リンディさん、凄い言い訳というか、真っ赤な嘘というか・・・)

 

(実際お前が戦ってるなんて事を言えるわけ無いし、魔法なんぞこの世界に無いものを無闇矢鱈に教えるわけにもいかんだろ、現状では最適解だ。)

 

「ところで悠飛君、君のお父君から手紙が来ていたよ?」

 

「親父から?」

 

士郎さんに親父からの手紙を渡されて開いてみるとなにも書いていない様に見えるが、これにはある手順がいる。

 

俺は右の親指を噛み、血を垂らす。

そうするとなにも書かれていないはずの手紙から暗号文字が浮かび上がってきた。この暗号は写輪眼を持つものにしか解読が出来ないようになっている。

 

「何て書いてあるんだい?」

 

「・・・これは写輪眼を持たなければ解読が出来ないようになっているので、見ても分かりませんよ?」

 

「ホントだ・・・」

 

「ただ言えるのは、今俺が受けた依頼の重要証拠が掴めたという感じですね。」

 

「・・・また、戦うのか?」

 

「場合によっては。

・・・それでは俺は一度屋敷に戻ります。」

 

「ああ、なのはを守ってくれてありがとう。」

 

「・・・はて?何のことやら?」

 

そうはぐらかして俺は高町家から去っていった。

 

龍神家──────────

 

「ただいまっと。」

 

「やぁ、おかえりマスター。」

 

「エミヤか、ただいま。

これから買い出しか?」

 

「ああ。円卓の騎士達がよく食べるからね。」

 

「・・・やはりブリテンの国柄か・・・」

 

メシマズ王国と言われるイギリス・・・正式名:United Kigdom of Great Britain & Northern Ireland《グレートブリテン及び北アイルランド連合王国》は言わずと知れたアーサー王伝説発祥の地でメシマズ王国や変態紳士の国でも有名である。

 

そして円卓の騎士──────

 

かの有名なアーサー王伝説に登場する騎士達でアーサー王を筆頭とする13人居る。

今家に居るのは、アーサー王ことアルトリア・ペンドラゴン、ヒトヅマニア・・・もとい円卓最高の騎士ことランスロット、

ゴリラ・・・もとい太陽の騎士ことガウェイン、居眠り・・・もとい嘆きのトリスタン、円卓の常識人で聖杯探索を成し遂げた盾の騎士ギャラハット、アルトリアの義理の兄であるケイ、円卓の最古参である執事兼騎士のベディヴィエール、叛逆の騎士で有名なモードレッド、ガウェインの弟で円卓の真面目枠であるアグラヴェイン、ガウェインの兄弟達の末っ子でボーマン《美しい手》のあだ名を持つガレスの10人が召喚に応じて我が家に居るが、問題がいくつかある・・・

 

先ずはこいつら、非常によく食う。

特にアルトリアがあり得ない位に食うものだから我が家のエンゲル係数がとんでもなく跳ね上がった。

 

次に、アルトリアとガレス以外祿な料理が出来ない。

ガウェインに至っては味気ないマッシュポテトをこれでもかと作るものだから困る。

 

そして一番の問題は──────────

 

「む、マスター戻ったのか。では共にジャンクを食すとしないか?」

 

「いいえ、黒い剣の私。マスターはこれから仕事があるのです。先ずはそれを済ませてからです。」

 

「否だ、槍の私よ。マスターはこれから私とラムレイの世話をするのだ。」

 

「いけませんよ黒い槍の私!マスターはこれから食事を作らなければならないのですから、邪魔をしてはいけません!」

 

と今の会話を見て分かるように何故かアルトリアは複数召喚され、しかもクラスも違う。

 

アルトリア=アルトリア

 

アルトリア・オルタ=オルタ

 

ランサーアルトリア=槍トリア

 

ランサーアルトリア・オルタ=槍オルタ

 

アルトリア・リリィ=リリィ

 

他にも居るが、説明が面倒だ。

 

「お前らいい加減にしろ。暴れるなら泰山の麻婆豆腐かガウェインのマッシュポテト食わすぞ?」

 

「「「「「「「や、やめますからそれだけはやめてください!!!!!!!!!!」」」」」」」

 

「分かれば良い。俺はまたしばらく書庫に籠る。解読して局上層部の汚職と不正を糾弾させねばならんからな。」

 

「かしこまりました、マスター。後程お茶をお持ちします。」

 

「頼んだ、ベディ。それから、このメモに書いてあるやつの発注を頼む。」

 

「御意。」

 

やはりベディは良い仕事をしてくれる。

 

 

そんなこんなでその日は解読をして終わった──────────

 

翌日、久しぶりに学校に来てみるとアリサから気になる話が出てきた。

 

「────でね、その子額のところに赤い宝石みたいなのがあるの。」

 

(・・・アルフのことだな。なのは、俺も行くからクロノ達に教えよう。俺もリンディに送る資料があるからな。)

 

(うん。)

 

そしていつも通りの感じの学校生活はすぐさま過ぎて放課後になった。

 

 

バニングス邸

 

(やはりアルフ、お前だったのか。)

 

(アルフさん、その怪我・・・)

 

(あんた達か。)

 

(なのは、俺とユーノが残って聞いておくからお前は束の間の日常を満喫していろ。)

 

(わかったの。)

 

 

そしてユーノが檻の前に行ったので俺も残ってアルフの話を聞くことにした。

 

「あんたらが居るってことは、管理局の連中も見てるんだろ?」

 

『ああ、時空管理局・執務官のクロノハラオウンだ。詳しい事情を話してくれないか?』

 

「俺もここまで関わったからな、聞かせてくれないか?その前に、治療をしてやらんとな。」

 

そう言って俺は仙術で治療を始めた。

 

「・・・話すよ、全部ホントの事を。でも約束して、あの子を、フェイトを助けてあげて!今あの子はホントにひとりぼっちなんだ・・・」

 

「わかった。お前の望みを叶えてやる。必ずあの子を、フェイトを助けてやる。」

 

アルフの悲痛な叫びを聞いて、俺は迷い無く答えた。

 

俺は基本依頼を受ける時必ず吟味してから請け負うが、今のアルフの心に触れて迷い無く請け負うことを決めた。

 

「悠飛さん、そんなに簡単に受けても良いんですか?」

 

「俺の眼は真実を見抜く。こんな泣いてる状態のやつを放っておけるかよ。それに、今回の事件の元凶を叩く準備も出来ているしな。」

 

「???元凶を叩く?どういうコトなんですか?今回の事件の黒幕はプレシア・テスタロッサでしょう?」

 

「実際にはな?だが、プレシア・テスタロッサが何故今回の事件を起こしたかについては疑問が残らんか?全ては愛故に狂った母親の末路に過ぎん。今から送る重要資料を見れば分かる。彼女もまた被害者だったのさ────────」

 

そう言って俺はクロノに親父からもたらされた汚職と不正を記した資料とプレシア・テスタロッサの経歴と家族構成の資料と()()()()()()()()()()を記した資料を送った。

 

「これは!?まさか上層部でこんなことが起きていたなんて・・・」

 

「そいつらに関しては俺も動こう。聞いていたか、なのは。今回フェイトに歩み寄るべきなのはお前だ。実際にジュエルシードを封印しているお前ならあの子も勝負を受けるだろう。」

 

(うん。私もフェイトちゃんとしっかり話をしたいから、頑張るよ。)

 

「なら帰りにあるものを教えてやる。きっとお前の力になるものだ。」

 

そう言って俺はなのは、アリサ、すずかの3人が居る部屋に歩いていき、ゲームに参加するのだった。

 

そして翌日────────

 

「マーリン、もしものことがあればお前の力が必要になる。惜しみ無く使ってくれ。」

 

()()()()した状態でマーリンに言った。

 

「ああ、まかせたまえ。君は成すべき事を成してきなさい。それが君の生き方だからね。」

 

普段からもうちょっとこの感じでいてくれれば良いんだがな・・・

 

 

 

そして途中でなのはとユーノ、それからアルフと合流して予定の場所に向かっていった。

 

 

 

 

「ここなら問題ない。なのは、行ってこい──────────!」

 

「お願い、来て、フェイトちゃん────!」

 

そう言った瞬間、フェイトの気配を感じた。

 

 

「私たちの全ては、まだ始まってもいない──────────

だから、私の持ってるジュエルシードと、あなたの持ってるジュエルシードを賭けて。始めよう・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

最初で最後の、本気の勝負!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                       続く




遂に始まったなのはとフェイトの本気の勝負。
悠飛は静かに戦いの行方を見守る。
そして事件が動き出した時、悠飛は・・・


次回
真実を知る者


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真実を知る者

遂に始まったなのはとフェイトの本気の勝負
それが終わった時、真実を知る者は・・・


 

 

 

 

 

2人の戦いが始まってから少し経った。

俺はユーノとアルフと共に見守っていた──────

 

「それで悠飛さん、なのはは勝てるんですか?」

 

「それは切り札の使い処でしかない。あの子の成長速度は途轍もなく早いからな。多分今フェイトはそれを感じて危機感を持ってるんじゃないか?」

 

「切り札の使い処?」

 

「ああ。切り札は先に見せるな、使うなら奥の手を持て。

こういうのは先に切り札を見せた方の敗けなのさ。」

 

にしてもなのはめ、あんなレアスキルをもっていたとは・・・

 

「やはり・・・・・・天才か。」

 

俺がそう呟いたのでユーノとアルフは首を傾げていた。おそらくまだなのはの才能を理解しきれていないのだろう。

 

そうこうしていると、遂にフェイトが切り札を出した。

 

「ファランクスシフト!?ヤバイよ、フェイトのアレはマジでやばい!」

 

「ユーノ、アルフ手を出すなよ?これは2人のタイマンだ。外野が手を出すな。」

 

「でも!」

 

「フォトンランサー・ファランクスシフト!」

 

ズドドドドドドドドドドドドドドド!!!!!!!!

 

「なのはー!!!」

 

なのはの周りに煙幕が出来て2人は中の様子が分からないようだが、俺は写輪眼で全て見えていた。

 

「いった~。射ち終わると、バインドってのも解けちゃうんだね?今度はこっちの」

 

《Divine》

 

「番だよ!」

 

《Buster》

ドゴォ!!

 

「くっ!」

 

(直撃!でも耐えて見せる・・・あの子だって、耐えたんだから!)

 

「無駄だ、その砲撃の意味を分かっていないのならな。

先に切り札を出した時点でお前の敗北は決まっていたのだ────」

 

次第に空がなのはの魔力光・・・桜色に染まった。

 

「受けてみて、ディバイン・バスターのバリエーション!」

 

《Starlight Breaker!!》

 

「っ!バインド!?」

 

「これが私の全力全開!

スターライト・ブレイカー!!!!!!」

 

 

そして辺りは桜色に支配された────────────

 

 

 

「・・・・・・これ程とはな、教えてやった俺でも想定してなかったな。」

 

そう言うと俺はフェイトを海中から助け出すために海に飛び込んだ。

 

ザッバァ!!

 

「・・・派手に負けたな。」

 

「・・・うん。」

 

「フェイトちゃん!」

 

「後はなのはと話をしろ・・・ッ!」

 

とその時、フェイトに次元跳躍攻撃が当たりフェイトは気を失った。

 

「あやつめ!何度も逃げ仰せると思うなよ!」

 

そして俺は最強瞳術の一つを発動させる。

 

「《神威》!!!!」

 

術を発動させると俺は時空間に跳び、本拠地へ向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シュウウウウウウウウウ!!!!

 

ザッ!

 

「ここが時の庭園か。とにかく急がなければ・・・」

 

タッタッタッタッタッ

 

ゲシッ!!

 

バタン!!!!

 

「見つけたぞ、プレシア・テスタロッサ。」

 

「ッ!?あなたどうやって此処へ!?此処へは転移しなければ来れないはず・・・!」

 

「そんなもの、天帝の力を使えば済むだけの話だ。」

 

「!! 伝説のベルカ最強の天帝の力・・・道理であの子が手も足も出ないワケね。」

 

「プレシア・テスタロッサ。かつて名を馳せた研究者が、()()()()()()()()()()()()()()禁忌に手を出し、堕ちるところまで堕ちたか。まあ、愛情に深い者は愛情の喪失で闇に囚われるのは自明の理ではあるのだが────「黙れ!!!」やれやれ、此処まで錯乱しているとはな、フェイトはどうするのだ?」

 

「あんなのはどうだって良い!アリシアの代わりの人形何ていらない!何処へなりとも行けばいい!!」

 

「貴様、言ってはならんことを言ったな!それは最早命の冒涜だ!この俺が叩き直してくれる!」

 

「黙れ!!!終わりじゃないわ!失われた都アルハザード、次元の狭間に有るという場所に行けばアリシアを蘇らせられる!!」

 

「アルハザードなぞ500年以上前に滅んでおるわ、戯けめ!」チャキッ!

 

俺が刀を抜こうとしたとき、大量のゴーレムが召喚された。

 

「ゴーレムか。木偶人形ごときが、天帝の力を舐めるな!!」

ゴオオオオオッ!!!!!!!!!!

 

「第一封印、解!」

 

俺は自身にかけている封印の一番最初の一つを外すと更に力を解放する。

 

 

「転生してから始めて解放するんだ、精々足掻けよ雑兵──────────────喰い殺せ・・・『双頭龍』!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

                        続く

 

 




ステータスが更新されました。

スキル
反鬼相殺A++
相反する力をぶつけることで相手の術や魔法を打ち消す。悠飛の場合、ほぼ全ての術や魔法を無効化できる。

反鬼融合EX
相反する力を掛け合わせることでより強大な力を出すことが出来る。
悠飛の場合リミッターをかけているが、このスキルだけはランクダウンしない。水雷龍弾はその反鬼融合によるもので凄まじい威力を発揮できた。

次回
奇跡


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奇跡

封印を解放した悠飛。
彼の力が解放された時、何故彼が最強と言われる理由が明かされる。


バキャッ!ドゴォ!!

 

「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァ!!!!!!!!!」

 

炎殺拳のひとつ、煉獄焦

 

拳に炎を纏わせて対象を焼きながら殴り付ける技

 

俺の場合、他の4人の炎殺拳よりも火力が格段に強く、一撃で鎧を溶かしてしまう程だ。

 

「くっ、まだよ!このゴーレムなら・・・」

 

「貧弱!貧弱ゥ!!」

ゴオオオオオオオオオオオオオオッ!!!!!!!!!!!!

 

「『炎殺・黒龍波』!!!!!!!!」

 

炎殺・黒龍波──────

俺達が使う炎殺拳の最大最強の奥義。魔界の黒炎を顕現させ魔界の龍を形作りそれを放出する、全てを焼き尽くす。

その真価は、術者が自身の黒龍波を喰らうことでそのエネルギーを吸収し、術者の能力を爆発的に上げる栄養剤・・・つまり餌なのである。

 

 

そして俺の本来の左目の万華鏡の瞳力を発動させる。

 

「《天照》!!!」

 

その炎は全てを燃やし尽くす炎遁──────────

 

「その炎は決して消えることの無い黒き炎だ。どう足掻いても対象を燃やし尽くすまで消えん!」

 

「何故、何故あなたはそこまで・・・!」

 

「過去の事故の真実を知る者を生かそうとして何が悪いか!俺がやろうとしていることは闇に葬られた真実を明るみに出し、冤罪をかけられた者の救済だ!!てめぇもその一人だってんだよ!!」

 

 「くっ!」

 

「それに、あるやつに頼まれてんだ!自分も消え入りそうな状態で、お前の事を救ってくれって!!リニスに言われてんだよ!!」

 

「!!」

 

「だからてめぇの、現実から目を背けている甘ったれた幻想をぶっ殺す!!」

 

バシィッ!

 

そう叫んで俺はプレシアにビンタをかました。

 

「はぁ、はぁ、っ!ゴホッゴホッ!」

 

「やはり体が限界に来ていたか。諦めろ、でなければ目的を達する前に・・・()()()

 

「あなたに何が分かるの?自分よりも大切な者を亡くす哀しみがどれ程の「知ってるさ。」・・・っえ?」

 

「知ってるんだよ、200年前からずっとな。4年前にも味わった。でなければ、万華鏡写輪眼は開眼できん。」

 

そう万華鏡写輪眼の開眼条件は、自身よりも大切な者の死を見なければ、愛する者を亡くさなければ開眼できない。

故に一族の万華鏡写輪眼開眼者は闇に囚われ、悪に堕ちていったのだから・・・

 

「だから放って置けんのさ。」

 

「母さん!!」

 

「・・・フェイト。」

 

「母さん。私はアリシアではなく、フェイトですが私にとってあなたはやっぱり母さんです。だから、もう一度優しい母さんに戻ってください。」

 

「私は・・・!」

 

ピシッ!

 

「ッ!不味い、崩壊が始まった!急げ、此処から脱出するぞ!」

 

ドゴッ

 

「なっ!」

 

「母さん!!!」

 

(クソ!此処まで来て諦められるかよ!)

 

ガリッ

 

亥 戌 酉 申 未

 

バンッ!

 

「《口寄せの術》!!」

 

ボワン!

 

「フォウ、フォーウ!(呼んだかい、悠飛!)」

 

「フォウ君!今落ちていった2人を助けてくれ!」

 

シュンッ!

 

「フォ────────ウ!!!!」

 

シュンッ!!

 

「よし、後はフェイトだけだな。アルフ!先に撤退していろ!フェイトは俺が必ず連れ戻す!!」

 

「わ、わかったよ!」

 

「口寄せ、『天の鎖(エルキドゥ)』!!」

 

俺は口寄せでエルキドゥを呼び出した。

 

「呼んだかい?マスター。」

 

「ああ、お前の鎖であの子を引き上げてくれ!」

 

「了解」

 

エルキドゥ──────────

かつてメソポタミアの神々がギルガメッシュと戦わせるために土から作った最強の兵器。

またの名を、天の鎖。

その鎖は創世の女神の膂力すら押さえ込むとされる神性殺しの生きる宝具である。

 

「さあ、掴まって。安全なところまで引き上げるよ?」

 

「は、はい!」グイッ

 

「よし、後は此処から飛ぶだけだ!」

 

俺は2人の肩に手を置いて術を発動する。

 

「《飛雷神の術》!」ヒュンッ

 

飛雷伸の術──────

 

口寄せの術を応用した時空間忍術で予めマーキングしておいた場所に瞬間移動する術。

 

ヒュンッ!

 

「うわっ!」

 

「よっと、大丈夫か?」

 

「えっ!う、うん・・・///」

 

「?」

 

「あなたたち、大丈夫ですか?!」

 

「リンディ、全員無事だ。それよりプレシアは?」

 

「今緊急治療室にて治療中です。」

 

「そうか。アリシアの遺体は?」

 

「一応医務室のベッドに移動させてますが?」

 

「それで良い。これから2人を何とかする。」

 

これからすることはほぼ賭けではあるが、やらないよりかマシだろう。

 

こうして時の庭園での戦いは終わり、次元震も収まり始めた。かくして世界崩壊は防がれたのだった────────

 

 

 

 

 

   

                        続く




次回無印編最終回

名前を呼んで


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名前を呼んで

フォウ君にプレシアとアリシアをアースラに飛ばさせ、全員無事に戻ることができた悠飛。いよいよ事件も終わりに近づく・・・


アースラ内

 

そこの緊急治療室に俺はいた。

 

「では、始めるぞ・・・六道封印──────────解!」

 

俺は六道の力を解放し、六道モードになった。

そして右手の陽の力を発動させる。

 

「少し触れるぞ。」ピト

 

今俺が使っている力──────六道仙術は五大性質変化である風・火・土・雷・水の基本の性質に加えて身体エネルギーによって形あるものに命を吹き込む『陽遁』と、精神エネルギーによって無から形を作る『陰遁』。これら全てを併せ持つ血系網羅の力でプレシアの病を治すと同時に減った寿命を戻した。

 

「・・・・・・どういうことなの?体が楽になった・・・?」

 

「六道の力、『陽遁』でお前の体を健康そのものにしただけだ。ただ、それだけだと問題があるから寿命も本来の状態に戻しておいた。これであの事故の真相を公に出来る。

・・・・・・後はアリシアだな。」

 

「アリシアをどうするの?」

 

「さすがの俺でも死後数年経った状態は無理だが・・・・・・フォウ君、頼む。アリシアを蘇らせてくれ。」

 

「フォウ?(良いんだね?)」

 

「ああ、こんな悲劇はもう見たくない・・・」

 

「フォウ、フォウ(分かったよ、君の頼みだからね。君の願いを叶えてあげよう。相変わらず君の願いは誰かのためのものでとても美しいよ。)」カッ!

 

光が止むとフォウ君が蓄えてた400年分の魔力が消え、知性を失っていたが、アリシアに変化が起きていた。

 

「どうやら成功したようだな。ありがとう、ビーストⅣ。」

 

「・・・う、ううん・・・あれ?ママ?此処は何処?」

 

「あ、アリシアァ!!」

 

 

「これでよかったんですか?」

 

「ああ、今迄止まっていた2人の時間を進めてやろう。」

 

 

あれから1時間くらい経ったか?

アリシアがフェイトが虐待されていたと聞いて、「大事な妹を虐めるなんて、いくらママでも許さないよ!」

と聞こえてきたのでおそらく大丈夫だろう。

 

「そろそろ良いか?今後のことについて話があるんだが?」

 

「いいわ、どんな罪も背負う覚悟はある。」

 

「母さん・・・」

 

「ママ・・・」

 

「待ちたまえ、その件については私が全責任を持とう。」

 

「なっ!あなたは!?」

 

「やれやれ、いつも唐突にやってくるな・・・()()。」

 

「「「「「え!?」」」」」

 

「自己紹介が遅れたね。時空管理局局長の龍神浩二だ。そこの悠飛の父親だよ。」

 

「そんなことより仕事はどうした?こんなところに態々出向いて来るなんて余程のことがない限りあり得んからな。」

 

「そう、それだ。お前から頼まれていた件の重要証拠を掴んだからな。それを使えばプレシア・テスタロッサの大幅な減刑が可能だろう。」

 

「そうか。ならこっからは俺達の仕事だな。」

 

「どういうことなんですか?」

 

「これより腐敗した上層部の粛清に入ると言うことだ。」

 

「粛清に入ると申されましても、まだ本局やミッドチルダ方面への航路は安定していませんよ?」

 

「案ずるな、俺の瞳力なら問題ない。それに、飛雷神もあるしな。」

 

「そう言うことだリンディ提督。貴官はよく動いてくれた。」

 

「はっ!」

 

「そんじゃあ行ってくるわ。大体3日くらいで戻ってくるから安心しろ。」

 

そう言って俺達は《神威》を使って時空間移動をした。

 

ここからはとても早かったがまず、親父の鶴の一声で緊急総会が行われプレシアの研究に介入して暴走事故を引き起こした原因の上層部局員を弾劾し、一斉懲戒解雇を申し渡した。そして────

 

「私欲に溺れた豚共を駆逐する。

()()()()──────────

来よ、グランドアサシン!

 

「〝山の翁〟召喚に応じ参上した。」

 

「キングハサン、このリストにある人間が俺に逆恨みして襲う算段をしているらしい。私欲に溺れた連中だ、殺ってしまって構わない。」

 

「請け負った、契約者よ。」

 

翌日、懲戒解雇された元局員達の首が落とされた死体が発見された。

 

それから数日後──────────

 

俺となのはとユーノは地球に戻ってきた。なのはが帰ってきたことによりアリサとすずかが喜んで迎えてくれた。

そして治療中だったリニスも目が覚めて、フェイトとアルフが涙を流しながら喜んでいた。

そして────

 

「・・・来たか。フェイト、行ってこい。」

 

「うん!」

 

「ありがとね、悠飛。」

 

「アリシア?」

 

「私もそうなんだけど、ママとフェイトを助けてくれて。」

 

「ま、リニスもなんだけどな。」

 

「だから、ありがとね?」

 

「アタシからも言わせて、ありがとう悠飛。約束守ってくれて。」

 

「本来依頼料は取るのだが、ことがことだ。今回依頼料は取らん。

今までゆっくりできなかった分ゆっくりしてこい。」

 

「「うん。」」

 

「にしてもフェイトは使い魔に恵まれてるな。アルフ、フェイトのこと、ちゃんと支えてやってくれ。」

 

「言われなくても。」

 

「悠くーん!」

 

「呼ばれてるよ?」

 

「ああ。」

 

なのはに呼ばれたので行ってみると・・・

 

「あの、今回のことはありがとう。それで、その・・・私とと、と、友達に、なって、くれません、か?」

 

クスッ

 

「え?何で笑うんですか!?」

 

「いや、悪い。随分緊張していたようなのでな、つい笑ってしまった。」

 

「もう、悠君?意地悪しちゃダメだよ?」

 

「分かってるって。ま、友達ならいくらでもなってやんよ。」

 

そう言うと、フェイトが笑顔になった。

 

「そ、それでね?もう一度貴方の名前を「悠飛」・・・え?」

 

「なのはに教えてもらったんだろ?どうすればいいか。俺は悠飛、龍神悠飛だ。」

 

「・・・悠飛。」

 

「ああ。」

 

「ありがとう、悠飛。私達を助けてくれて。」

 

「礼なんかいい。俺はやることをやってお前らの減刑をしたんだ。当然だ。」

 

 

「すまない、そろそろ時間だ。

それでは悠飛さん、今回はありがとうございました。」

 

「気にするな。俺は俺の仕事をしたまでだ・・・達者でな。」

 

そうして俺はクロノ達を見送って、元の日常に戻るのだった・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

おまけ

 

 

 

 

 

「はっ!そう言えば、今回の次元震騒ぎで陛下に報告しなければ!!!!」

 

 

天帝の仕事が残っていたことで、彼が学校に戻るのは更に1週間後になるのであった────────

 

 

 

 

 

 

                       無印編 完

 

 




ステータスが更新されました


六道仙術EX
万物創造の力。五大性質変化に加えて陰陽全てを併せ持つ血系網羅の力。背中に浮かぶ九つの求道玉にはひとつひとつに膨大な魔力が蓄積されている。 

フォウ君
ご存知FGOのマスコットで災厄の獣。別の世界では霊長の殺戮者(プライミッツ・マーダー)と呼ばれる『比較』の理を持つビーストⅣ。
第一部攻略済みのマスター達ならば知っているだろう事実。


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幕間:再開と誘拐と秘密

穏やかな日常に戻った悠飛だったが、事件は容赦なく訪れる


 

「では、ここ最近に起きていた地震は其方の世界のことであると?」

 

「はい。ともすれば、この太陽系崩壊もあり得たかも知れない事態でしたので、対処いたしておりました。

 

「そうですか。結果的に平和が戻ってきたのですから私達から咎めはありません。ですが、あまり無理をしてはいけませんよ?」

 

「ありがたき御言葉です。今後も我々一同両陛下にお仕えいたします。」

 

「任務続きで疲れておりましょう。しばらくはゆっくり休んでくるといいでしょう。」

 

「はっ、それでは我等はこれにて失礼いたします。」

 

「悠飛君。」

 

「何でしょうか?」

 

「やはりまだ・・・?」

 

「申し訳ありませんが、こればかりは断ち切ることが出来ませんので。」

 

「そうですか。ですが、貴方の事を待っている人のことは、決して忘れてはいけませんよ?」

 

「重々の御忠告、いたみいります。それでは。」

 

バタン

 

「なあ、悠飛。アイツはやっぱり?」

 

「ああ。生きている。」

 

「昔からそうやけど、どんな手を使ってでも生き抜くやつやからな。質の悪いことに全部俺ら絡みの憎しみやったしな。」

 

「噂では川神に潜んでるとか。」

 

「あの町じゃあアイツも派手に動けんからな。ったく、臆病な癖してどんな手も使うから腹が立つ。」

 

「そんじゃあお前らは先に帰っててくれ。俺は次に召喚する英霊の資料を探しに図書館に行く。」

 

「あいよ。」

 

そうして俺達は一度別れて別行動を取ることした。

 

 

 

 

海鳴図書館

 

 

 

「あれ?ゆう君?」

 

「すずかか。こんなとこで会うなんて珍しいな。」

 

「ちょっと本を借りにね。ゆう君は?」

 

「俺はちと探しもんさ。」

 

「そうなんだ。ちなみに何を?」

 

「バビロニアについてな。」

 

「バビロニアってメソポタミア文明の?」

 

「ああ。バビロニアの創世神話とかな。」

 

「す、スゴいものを探してるんだね・・・」

 

「ま、興味が有ってな。」

 

と、視界に車椅子に乗った女の子が本棚の上の方の本を取ろうとしていたので手伝おうとした。

 

「この本か・・・い・・・・・・」

 

「ああ、ありがとうござ・・・い・・・」

 

「・・・・・・はやて・・・!」

 

「悠・・・君?」

 

「え?・・・え?」

 

ひょんな事から俺の最も大切な人・・・・・・はやてと再会したのだった。

 

 

「いやぁビックリしたなぁ。まさか悠君にまた会える日が来るやなんて。」

 

場所は変わって公園

すずかもいるが、そこで俺達は4年ぶりに話をしていた。

 

「・・・・・・その、あれからどうなんだ?ってか、お前を放って出ていった俺の事を憎んで無いのか?」

 

「まぁ、寂しく無かったって言うたらウソになるんやけど、何とかなってるよ?ただ、まだ足は不自由なまんまやけど。」

 

「ッ!」

 

「そんな顔せんといてよ。あれはどうにもならんかったんやから。」

 

「でも!」

 

「そんなこと言うんやったら、また一緒にいて欲しいな。」

 

「・・・・・・ごめん。今はまだ・・・」

 

「そっか。やっぱりまだ自分が許せへんか。」

 

「ああ。」

 

「あの、ごめんなさい。そろそろ・・・」

 

「・・・・・・そうだな。はやて、この子は月村すずか。俺のクラスメイトで友人だ。そしてすずか、この子は八神はやてで、俺の許嫁だ。」

 

「え!?許嫁!?」

 

「八神はやてです。よろしくな、すずかちゃん。」

 

「・・・あっ、月村すずかです。よろしくね、はやてちゃん。」

 

「さて、自己紹介が済んだところでそろそろ暗くなるし、帰らないか?」

 

「そやね、ほならまたな?悠君、すずかちゃん。」

 

「ああ。」

 

「またね。」

 

「じゃ、俺も帰るわ。」

 

「うん。今度またはやてちゃんとの関係教えてね?」

 

「お、おう・・・」

 

なにやら凄みを感じたが・・・まぁいい、帰ろう。

 

 

そんなことがあって翌日の夕方、何時もの鍛練をしているとアリサとすずかが誘拐されたのを見かけてしまった。

 

「アリサとすずかが誘拐された!!」

 

俺はすぐさま誘拐犯の車を追っていった。しかし普通に追いかけていてはすぐに見つかるので俺はある道具を使うことにした。

 

「ミラージュコロイド、展開。」

 

ミラージュコロイド──────────

ブリッツに搭載した完全ステルス状態にする光学迷彩で、レーダーにすら捕捉されない性能を持つ

 

車が止まり、中からアリサとすずかが建物内に連れられていくのを確認してから俺は仲間に信号を送った。

 

「あ~あ、俺らは見張りかよ。あのガキ共結構上玉だから味見してやろうと思ったのによ~。」

 

「出たよお前のロリコン!相変わらず治らねぇんだな。」

 

「人の事言えるかよ!」

 

と、ゲスい話が聞こえてきたので俺は容赦なく踏み込んだ。

 

ドゴォッ!「ガフォッ!」

 

バキィッ!「ギャッ!」

 

ゴキィッ!「☠️! 」

 

地虫に与える慈悲はない。

 

「二重の極み」ボソッ

 

ドゴォン!!

 

俺はキレていたので鉄の扉を思いっきり壊した。

 

「何だ!」

 

「もう来やがったのかよ御神の剣士は!」

 

「残念ながら俺は御神の剣士ではない・・・・・・・・・助けに来たぞ、アリサ、すずか。」

 

「悠飛!」

 

「ゆう君!」

 

「クソ、たかがガキひとりにひびってんじゃねぇ!殺れ!」

 

「随分安物の銃を使ってんだな?ま、この国に銃を持ち込むこと自体犯罪だがな?よく見りゃあお前ら最近ニュースに出てる連続誘拐殺人犯か。

なら・・・・・・先に死にたい奴からかかってこい!」

 

そうして俺は抜刀した。

 

「飛天御剣流・龍巣閃!!」

 

ズバババババババババババッ!!!!!!!!!

 

「うぐぁ!」

「ぎゃああ!」

「ひでぶっ!」

 

「な、何もん何だよ、てめぇ!」

 

「これから死ぬ奴に名乗っても無駄だろ。」

 

「ひっ!ま、待て、こいつらを助ける意味案のかよ!」

 

「・・・何が言いたい。」

 

「そこの大人しくしてる奴の正体はな!」

 

「やめてぇぇぇ!!」

 

「夜の一族っていう吸血鬼の化け物なんだよ!そんな奴助けたって何の得にも「知ったことか」・・・は?」

 

「すずかがバケモノなワケねぇだろ戯け。」

 

「あ・・・あぁ・・・・・・」

 

「さて、てめぇは俺の逆鱗に触れた・・・・・・楽に死ねると思うなよ?」

 

俺は左目に力を集中させ、術をかける。

 

「《月読》!」ドクン!

 

『この世界は俺が支配する世界。これからお前は100年かけてあらゆる死を体験する。その間お前は声をあげることすら出来ない。延々と続く苦しみを味わうがいい。』

 

 

「──────────────────────────ッ!!!!!!!!!!!!!!!!」

 

「終わったぞ。」スッ

 

「今、何をしたの?」

 

「それは後で説明する。」

シャッ!

バシィッ!

 

「・・・だから落ち着いてくださいよ、恭也さん。」

 

「ッ、すまない。まさか君が動いてくれていたなんて。」

 

「構いませんよ。それより・・・」

 

俺は足に仕込んでいたコンバットナイフを取り出し、アリサとすずかの縄を切った。

 

「ゆう君。私のこと、どう思った?」

 

「どうもこうもねぇよ。全然怖くなんかねえし、大体人外の連中なんざ飽きる程見てきてるしな。」

 

「でも!」

 

「いい加減怒るぞ?今俺の前に居るのは少し運動神経が良くて、優しくて、可愛い普通の女の子だ。それに、どうしても血を吸いたくなったら俺のを吸えば良いしな。」

 

「う、うぇえええええええええええええええええん!」

 

数分後

 

 

「落ち着いたか?」

 

「う、うん///」カアッ

 

「アリサも大丈夫だな?」

 

「うん///」

 

この時、この二人が落ちていたことを俺は気付かなかった。

 

「とこで、この惨状は・・・」

 

「俺がキレて暴れただけですよ。全員殺しました。主犯以外は。」

 

「その主犯は?」

 

「あそこにいますが、忍さんとアリサとすずかは見ない方がいいでしょう。きっとトラウマになりますから。」

 

主犯は俺の《月読》の影響で髪が真っ白になり、白目を剥いて失禁した状態になっていた。あまりの苦痛により現実の体の方が耐えきれなくなったのだろう。

 

「・・・確かにこれはあの子達に見せたらトラウマになるな。一体何をしたんだ?」

 

「万華鏡写輪眼の瞳術のひとつ、《月読》。対象を時間と空間、あらゆるものをコントロールする幻術空間に閉じ込め、あらゆる苦痛を与える幻術ですよ。奴はこの10分で100年に引き延ばされた感覚の中であらゆる死を体験してます。死んだ方がマシだと思える程にね。」

 

「恐ろしいな、絶対にかかりたくないな・・・」

 

「かけませんよ。こいつは俺の逆鱗に触れたので生き地獄を味あわせたまでです。その時にこいつの記憶を除きましたが、例の連続誘拐殺人犯で間違いありません。」

 

「そうか。」

 

「警察には俺の権限で全員処刑したと伝えてあります。」

 

あとは・・・

 

「うっ、うぅ、こっ殺してくれぇ・・・」

 

「居るか?呪腕。」

 

「ここに。」

 

「「「「「「!!!!」」」」」」

 

「安心してくれ、こいつは俺のサーヴァントだ。」

 

「サーヴァント?」

 

それよりも

 

「呪腕よ、令呪を持って命じる。宝具を以てあれなる愚か者に苦痛の死を。」

 

「承りました────────苦悩を溢せ、妄想心音(ザバーニーヤ)

!!」グチャッ!

 

「カハッ!」

 

そして男は動かなくなった。

 

「さて、それじゃあ場所を映しましょう。伝えなきゃならないこととサーヴァントなるものについて聞かなきゃならないし。」

 

というわけで月村邸ですずか達月村家の秘密を聞き、こちらからはサーヴァントについて教えた。

 

月村家の両親とバニングス家の両親も途中から加わって話を進めていた。そして────

 

「それで、君はどうするの?」

 

「記憶を消すわけにはいきませんよ。俺達は抑止力なんですから。かといって一生を共になんてのも今の俺達には早すぎる。」

 

「とは言うものの、はやてちゃんとは許嫁なんだよね?」

 

「そこを突かれるのは痛いがな。」

 

「ま、今は保留ということで手打ちにしましょう。」

 

「ならこちらからも。悠飛君、アリサのこともよろしくできないだろうか?」

 

「ちょっとパパ!?」

 

「なぜそうなるんですか!?」

 

「いいじゃない、こんな超優良物件他に無いわよ?」

 

「ジョディさんまで・・・確かに治外法権で俺には縛りはありませんが、あなた方の後継者はどうなるのですか!?」

 

「そんなの貴方達の子供でも待てばいいじゃない?」

 

「ブッ────!!!!!」

 

「ちょっとママ!!恥ずかしいからやめてぇぇぇ/////」

 

 

「ダメだこの人達・・・早く何とかしないと・・・・・・」

 

そんなこんながあり、アリサとすずかに俺の正体がバレたり2人の事を嫁に貰ってくれだのという一幕はあったものの、無事誘拐事件は幕を閉じたのだった────────

 

 

 

 

 




タグにもありますが、正妻ははやてです。この流れだと第2婦人は・・・・・・
 
飛天御剣流
ご存知るろ剣で有名なヒッテンミツルギスタイルです。
この主人公は隠された文献から天翔龍閃も会得しています。

次から物語の重要部分となるA's編になります。


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A's編
動き出す運命


遂に悠飛は己が運命と向き合うことになる。
その時彼は・・・・・・


ジュエルシードの一件から数ヶ月後

 

 

俺は今単独で任務を行っていた。

近年世間を恐怖に陥れている国際テロ組織を殲滅するために、この3ヶ月間テロリスト共を斬り続けていた。

 

最初の10日間は血の臭いが気になっていたが、1ヶ月立った頃には感覚が麻痺してきた。

 

来る日も来る日も人を斬り続けている俺の心は疲弊しきっていた。

 

 

「・・・次の場所は・・・」フラッ

 

現地では祿な休息は出来ず、乾燥地帯な為昼は凄く暑く、夜は凄く冷える。そんな極地での活動なので誰もが嫌気がさす。

暫く歩き続けていると、とある場所に流れ着いた──────

 

 

「ここは・・・ライオンの像に城塞の門?」

 

俺が今居る場所・・・イラクの某所である。そこから導かれるとすれば・・・・・・

 

「バビロニア遺跡か・・・・・・」

 

メソポタミア文明・・・人類最古の文明で人類最古の城塞都市の生まれた文明でもある。

 

メソポタミアとはふたつの川の間という意味であり、チグリス川とユーフラテス川の間にこの文明が栄えた跡がある。

 

そして、人類最古の英雄王・・・ギルガメッシュが治めた王国でもある。

 

「こんな歴史的遺跡の近くでテロや戦争なぞしおって・・・人の欲とは醜いものだな・・・」

 

俺は歴史や神話の研究・探索も行っているので、このような歴史的価値のある遺跡の破壊などの行為を許せないのだ。

 

「ここで戦うのはギルやエルキドゥに悪い。」

 

鑑賞に耽っていると、周りに気配を感じるので戦闘準備に入る。

 

「ここで銃撃戦をさせるわけにはいかんからな。()()()()()()()()。」フッ

 

ズバババババババババババッ!!!!!!!!!

 

 

俺は縮地を最大限に活かして周りにいたテロリストを一瞬で斬り伏せた。

 

「名付けるなら〝縮地乱舞〟とでも言おうか・・・」

 

そうして俺はジグラットに向かい、嘗ての王達の冥福を祈ってその地を跡にした。

 

それから更に1ヶ月後、川神の九鬼家の嫡男を狙ったテロリスト達の始末を最後に国際テロ組織を壊滅させることに成功し、俺は体を清めて海鳴に戻った。

 

海鳴に戻る頃には心身共に疲弊しており、後ろから来ていた者に()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「お前は魔導師か?」

 

「ッ!参ったな・・・声をかけられるまで気付けなかったとは・・・」

 

「もう一度問う。お前は魔導師か?」

 

「一応な。それを聞くってことは・・・」

 

「お前の魔力を奪わせて貰う。」チャキッ

 

「させると思うか?」キン

 

ダッ!

 

カン!カン!キン!

 

「ハァ!」 

 

ガギン!

 

(くっ、こんな時に!)フラッ

 

そう。この数ヶ月の戦いで俺の体は限界に達していた。

 

ドゴォ

 

「ごふっ!」

 

ドゴォッ!

 

ガラガラッ!

 

「ハァッ、ハァッ・・・」

 

「終わりか。こちらも仲間が到着した。」

 

そう言われて始めて気付いたが、気配が3つ増えていた。

 

「・・・ここまでか・・・魔力を奪われるくらいなら・・・!」ブォン!

ザシュッ!

「「「「!?」」」」

 

「ゴボッ!」

 

「お前、一体何を!?」

 

俺は自らの心臓に魔力刃を突き立て、それから意識を失った・・・

 

決して死ぬことができない体であろうとも、死ぬ痛みは味わう──────────

 

()()()()()()()()()()・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                        続く




不意を突かれて教われた悠飛。
そして、彼を襲った4人。
斯くて運命は動き出す。


次回
闇の書の守護騎士


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闇の書の守護騎士

自らの心臓を貫いた悠飛。
死ねないからだとは言え死の苦しみは味わう。
意識を失った彼は己の過去を見る・・・・・・


────────夢を見ている。

 

嘗ての忌まわしき過去の夢を・・・・・・

 

 

「ぐぅ、貴様ら今まで育ててやった恩を忘れたか!」

 

「そんなものはない。先代よ、あんたは席を譲っても俺達に圧政を強いてきた。その結果、俺達の家族を殺す羽目になった。

俺達の家族は、あんたに殺されたんた!」

 

「フン!そんなのはあやつらが貴様らより弱かったからだ。あやつらが強ければ生きていたものを。」

 

「その考えが間違っているのだ。それに、あんたがこの国を支配しようとしていたのも知っている。互いを食い合う恐怖政治など、いずれ滅びる。故に俺達が、この怨嗟を断ち切る・・・・・・あんたと、あんたの忠臣全員殺してな!」

 

「おのれ!」

 

「飛天御剣流奥義・・・」

ズン!!

天翔龍閃(あまかけるりゅうのひらめき)!!」

スバァアアア!!!!

 

そうして一族は滅び、圧政に苦しんでいた非戦闘員は皆各地に散り、決して自身が龍の一族であることを明かさずに生涯を閉じていった。

 

夢はそこから4年前に飛ぶ

 

「ひ、ヒヒヒヒヒヒ。お、お前らのせいだぞ?

先代の政策こそがこ、この国をつ、強くしたのに。だ、だからこれはて、天罰だ。ヒヒヒ、ヒ。」

 

「悠飛くん、君は生きて、はやてを助けてくれ・・・」

 

「私たちはもうダメだけど、あなたがあの子を守ったげてね・・・」

 

「そんな、義父さん、義母さん・・・」

 

そして2人は二度と目を開けることはなかった・・・

 

「うわぁあああああああああああああああああ!!!!!!!!

ふざけるな!ふざけるな!馬鹿野郎!!!!!」

 

そして自分に施していた封印が壊れた。

 

「・・・・・・許さねぇ・・・・・・絶対に、赦さねぇ!!!」

 

ゴォオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うわぁあああああああああああああああああ!!!!!!!!

 

」ガバァ!!

 

「はぁ、はぁ、ゆ、夢か・・・・・・」

 

ふと気付いたが、俺の身体には治療した痕が残っていて包帯も巻かれていた。

 

ガチャ!

 

「どうしたん!?」

 

「ッ、はやて・・・?」

 

「良かった、目覚めたんやね。酷かったんよ?身体中ボロボロやし、魘されてるしで。うちの子が拾ってこんかったらもっと酷なってたんやで?」

 

「・・・・・・そうか。」

 

・・・・・・ん?

 

「うちの子?」

 

「ああ、そういえばまだ紹介してなかったな。皆、来てくれへんか?」

 

そう言われて来たのは俺を襲った4人だった。

 

はやて曰くある日本がはやてを事故から守ってくれたけど、そこから出てきたのが彼女達守護騎士・・・ヴォルケン・リッターということだった。

 

 

となるとこいつらは──────

 

 

「・・・・・・はやて、少しこいつらと話をさせてくれ。」

 

 

「うん。ほんなら私はご飯作ってるな?」

 

そう言って部屋から出ていった。

 

「・・・・・・さて、怪我の具合はどうだ?」

 

「お陰さまでな。」

 

「何であんなことをしたんですか?」

 

「そうだ!あたしらは命を奪うつもりは無かったんだ。それを・・・」

 

「待てヴィータ。彼にも事情があるのだろう。」

 

「仮にも主はやての許嫁と聞いている。・・・話してはくれないだろうか?」

 

「・・・・・・そうさな。強いて言えば、俺達の力を悪用されないようにするための奥の手とでもいおうか。・・・はやてから俺のことは聞いているのだろう?」

 

「ああ、君の体質のことも、主はやてのご両親のことも・・・」

 

「ならわかるだろう?俺達の肉体はテロリスト共からすれば宝の山だ。奪っても意味がないと思わせなければいけないのさ。」

 

そうして俺は事情を話していた。

なぜあのような時間にフラフラの状態でいたのか。どうして戦い続けるのか・・・

 

「そうか・・・そういうことだったのか。」

 

「はやての大事な人だったら、お前からは蒐集しねぇよ。そんなことしたらはやてに怒られるしな。」

 

「そもそも、蒐集は主はやてには秘密だ。主はやては今回の事はご存知ではない。」

 

「ということは、はやてはもう・・・」

 

「ええ。既に侵食が進んでるわ。」

 

「そうか。」

 

「君は暫く休んでるといい。シャマルの見立てでは全治3週間だそうだ。」

 

「絶対安静です。」

 

「どのみちこの体じゃあ仕事も出来んしな。」

 

こうして俺は八神家に再び身を寄せることになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                       続く

 

 

 




悠飛の始まりにして呪いの日で何が起きたのかを知った守護騎士達。
はやての許嫁と聞いて悠飛から蒐集をしないと誓うのであったが、運命の日は着実に近付いていた。

次回
療養の天帝


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療養の天帝

度重なる戦いで心身共に傷をおった悠飛。

暫く戦いから遠ざかる事に不安を感じながらも焦ることはなかった・・・


あれから1週間経過した。

 

俺の能力で()()()()回復がかなり進んではいるものの()()()()未だに癒えてはいなかった。

 

 

「体の方は良くなってるわね。だけど、あなたの心の方はそうでもないみたいね・・・」

 

「分かっていたことだ・・・戦いが続けば心は壊れていくのは道理だ。今回の事で俺の心は殆ど壊れてしまった。」 

 

「やっぱりね。あなたは300年前から生きてはいるけど、そもそもそれが間違いだったのよ。確かに剣腕は卓越しているのかもしれない。でも、剣腕は卓越していても幼少期と幼年期、少年期に人斬りをしていれば、その心に傷をおってしまう。それがトラウマとなって今のあなたが出来てしまったって訳ね。」

 

「全ては一族の運命だったって訳か・・・」

 

今の俺の目には光が無く、虚ろな目をしていた。

 

ガチャ

 

「具合はどない?」

 

「ああ、はやてちゃん。傷の方はもう良いみたいだけど・・・」

 

「やっぱりな。」

 

「分かってたの?」

 

「うん。悠君の事は全部知ってるから。それに、前にあった時に大分壊れてるの分かったし。」

 

「・・・・・・情けねぇよな、今まで散々耐えてきたのに、こんなあっさり壊れちまうなんてな・・・」

 

万華鏡の開眼者の末路なんて分かりきってたのにな。

 

「今はゆっくり休めばええやん。屋敷は変わってなかったよな?圭吾君に迎えに来て貰おう?」

 

 

「ああ・・・」

 

そこから先はあまり覚えてはいない。

気が付いた時には屋敷の自室に寝ていた。

 

 

 

 

 

 

「悠飛の様子は?」

 

「完全に壊れとるな。」

 

「やっぱり俺らも行くべきやったな。」

 

「しゃあない。あの時は俺らも動けんかったからな。」

 

「ええい貴様ら!悠飛がああなる迄何をしておったのだ!」

 

「黒い王よ、落ち着いてください!」

 

「これが落ち着いていられるか!聞けばあやつは最後の手を使ったと言うではないか!」

 

「落ち着け、オルタ。あやつの心は今も尚戦っとる。あいつは俺らよりもああなるのが遅かった。俺らは既にあの状態から抜け出しとるけど、あいつはそれが今までなかった・・・つまり今やっと来たってことや。」

 

「あの状態から抜け出す事が出来れば、俺らの様に変わらずに居れる。やけど、抜け出す事ができなければ完全に闇に堕ちる。」

 

 

 

 

 

そんな仲間達の心配もありながらも、悠飛の心はギリギリの状態で踏み留まっていたが、依然彼の目は死んでいた──────────

 

 

 

その間になのはとフェイトの魔力が蒐集され、はやてが病院に搬送されていたのを俺は全てが終わってから聞かされたことだった。

 

 

 

 

 

 

 

                       続く

 




今回は短めです。

果たして悠飛は甦ることが出来るのか?

次回
運命の夜


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運命の夜

斯くて運命は動き出す


あれから幾日が経過した。

 

巷ではクリスマスイブと言われる時期だが、天帝家では未だに空気が重かった──────

 

それは悠飛が未だに立ち直れて居ないことに起因する。

 

 

「いくらなんでも長すぎる。恐らくあいつは任務中に既に症状が出てたはず・・・」

 

「やっぱ、俺らが原因でもあるか・・・」

 

「俺らの症状見てきたから、あいつは無意識のうちにそれを抑え込んでたんやろな。それが今一気に来て俺らよりも長い期間症状が出とるんかもな。」 

 

「でもやな・・・」

 

「緊急事態です!司令官がベッドから姿を消しました!」

 

「なんやと!?」

 

「貴様ら聞け!こちらも緊急事態だ!海鳴市街地より高魔力反応が発生した!恐らく闇の書が完全覚醒したのであろう。速やかに現地に向かい、対処せよ!」

 

「クソ、こんな時に!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所は変わり海鳴市街地

俺はこの2週間戦えない状態なりに書庫で闇の書・・・・・・真名夜天の書の事を調べていた。

かなり時間がかかったが、つい先程初代が残した夜天の書のコピーが見つかったのではやての所に向かっていたが、そんな俺の前ではやてが目の前でヴォルケン・リッターの4人が貫かれる瞬間を見てしまった・・・・・・

 

「うわぁあああああああああああああああああ!!!!!!!!」

 

「はやてぇえええええええええええええ!!!!!!!!!!!!」

 

光が止んだ時、俺が見たのははやてではなく管制プログラムであろう者だった。そして俺は────────

 

プツン────────────

 

《New Type-Destroyer》

 

「Aaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa!!!!!!!!!!!!」

 

遂に闇に堕ちて暴走を開始した。

 

髪が赤黒く染まり、身体中に赤い模様が浮かび上がった。

 

「お前も、もう眠れ──────」

 

──────────────!!」

 

 

 

 

「やべぇぞ!あいつのアレ、完全に暴走形態やないか!狂化しとる!」

 

「ああなると俺らでも止められんぞ!」

 

「圭吾君!皆!」

 

「皆、これどうなってるの!?」

 

「なのは、フェイト!あの悠飛には近付くな!それより何であいつはああなったんや!?」

 

「はやてちゃんの目の前で、ヴィータちゃん達がやられちゃって、そのショックではやてちゃんがあの状態になったの!」

 

「・・・・・・引き金はそれか。」

 

「あれは何?教えて?」

 

「あれは《New Type-Destroyer》。悠飛が持つガンダム、ユニコーンに搭載されているシステムなんやが、それの暴走状態。あいつはさっきのショックでデバイスに呑まれて暴走しとる。」

 

「ああなったら、巻き込まれると最悪死ぬ。」

 

「そんな!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「Aaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa!!!!!!!」

 

「終わりだ。」

 

ザシュッ!

 

「Gaaaaaaaa!!!」

 

ザシュザシュザシュザシュ!!!

 

「Aaaaa──────────…………」フッ

 

そうして俺は闇の書に飲まれた・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

                       続く

 




暴走し闇の書に取り込まれた悠飛。
そんな悠飛に闇の書は夢を見せる。
それは悠飛には辛すぎる過去・・・・・・

そして彼は己の原点に立ち返り、過去との訣別を果たす。

次回

覚醒


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覚醒

それはある男の思い・・・・・・
全ては彼の願いでもあった


 

・・・・・・またここか・・・

 

 

 

それは自分の記憶の最奥

 

全ての終わりにして全ての始まり

 

先々代を殺すと決めた日、俺達は兄を無くした──────

 

小さい頃はよく遊んで貰っていたが、先々代の愚策により目の前で殺された

 

それから数十年、同じ境遇の同志を集め蜂起した

 

だが、それからの俺達はバラバラに散り、あらゆる世界を旅した

 

一人仲のよかった幼なじみが居たが、俺を庇って死んだ

 

それにより俺は万華鏡を開眼した

 

哀しみの連鎖──────それを止めることができずいつしか200年もの月日が流れていた

 

そして今日、再び哀しみを背負い俺の心は折れた──────

 

 

もういい──────────

もう、疲れた──────────────────

 

 

 

 

 

 

 

「なんだい?そんな程度でへこたれる程、君の心は弱かったんかい?」

 

「私たちが知っているあなたは、はやてのためにならいくらでも強くいられる人やったやろ?」

 

「「さあ、もう一度立ち上がって、あの子を起こしてあげたって。あの子には、君がついてあげて一緒に歩んでほしいんや。」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

義父さん・・・義母さん・・・

 

そうだ、俺はまだ死ねない!死ぬわけには行かないんだ!

 

「俺にはまだ、俺の帰りを待ってくれる人が居るんだ!その人の為に俺は、負けるわけにはいかないんだ!!」

 

『時は満ちた──────』

 

「ッ!誰だ!」

 

『お前こそ、我が後継者に相応しい。輪廻眼を開眼しただけはある。それにお前には、良い仲間が居る。相応しい後継者を5人も持って我は嬉しく思うぞ。その力、お前達なら正しく使えよう・・・臆さずに進め、我が子よ────────!』

 

「まさか・・・ありがとうございます。偉大なる初代様・・・」

 

そして俺は歩み出す──────────

はやてのもとに・・・

 

 

「さて、眠り姫を起こしに行くか・・・《神威》!」

シュウウウウウウウウウウ・・・

 

シュオオオオオオオオオッ!

 

「ッ!お前、どうやってここに!?」

 

「俺とはやての魔力は細い糸で繋がってんだ。それを頼りに《神威》で飛んできたまで。それより・・・いい加減起きないか?はやて。」

 

 

「ううん・・・あれ?悠君?」

 

「なんか前にもあったな、この展開。」クスッ

 

「せや!全部思い出した!」

 

「微睡みから覚めたな?それは重畳。」

 

「お願いです、主はやて!このままでは・・・」

 

「お前も助けなあかんな。ずうっと一人でこんなとこに居ったんなら、ここから出したらんなんな。」

 

「せやな。」

 

「ですが、ナハトが止まりません!私ではもう・・・」

 

「「止まって(まれ)。」」

キィイイイン!!

 

『外に居てる、管理局の方!えっとそこに居る子の保護者、八神はやてです!』

 

「はやてちゃん!?」

 

『なのはちゃん!?ほんま!?』

 

「うん、今色々あって、闇の書さんと戦ってるの!」

 

『なのは!よく聞け、今そっちに出ているやつを止めるんだ!こっちから抑え込もうとしてるが、そいつが走ってる限り管理者権限を使えねぇ。今そっちに出てるのは自動防御のプログラムだけだ!』

 

「悠君(飛)!!」

 

『どんな攻撃でも良い!そいつを魔力ダメージでぶっとばせ!全力全開、手加減無しでな!!』

 

「さっすが悠君!」

 

「分かりやすい!」

 

『全くです。』

 

 

「名前をあげる。もう闇の書とか、呪いの魔道書なんて呼ばせへん。」

「そんなもの俺達がさせへん。」

 

「ずうっと考えてたんや。強く支える者、祝福のエール、幸運の追い風・・・」

 

「なら、決まりやな。」

 

「うん。」

 

「「祝福の風、リインフォース。」」

 

そして辺りは光に包まれた──────────

 

 

 

 

 

 

 

 

「新認証、リインフォース。確認しました。この身をとして、必ず御身方を御守りします。ですが、管理から切り離された防御プログラムはじきに暴走するでしょう。」

 

 

「ま、細かいことはやってみんとどうも言えんわな。」

 

「せやな、それにしても悠君すっかりいつも通りになったな。」

 

「リインフォースのお陰でな。」

 

「「それじゃ行こか、リインフォース?」」

 

「はい!我が主たち!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                       続く

 




遂に覚醒し、初代の遺志を正式に受け継いだ悠飛。
その力は今までの奥義とは出力が桁違いに異なる。

そして悠飛は遂に力を解き放つ


次回
旅の終わりと奇跡






長い夜は、終わりを告げて


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旅の終わりと奇跡

過去との訣別を果たした悠飛は神威の力ではやての元に飛び、はやてと共にリインフォースの名を与えた

そして戦いは終焉へと向かう


『皆!下にある黒い淀みが暴走の中心になる。クロノ君が来るまで無闇に動いちゃダメだよ!』

 

 

「うん!」

 

「はい!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「リンカーコア復帰。守護騎士システム、破損回帰。」

 

「おいで、私たちの騎士達──────」

 

 

 

俺達がそう言うと、守護騎士達が復活した。

 

 

「リインフォース、はやてに杖と甲冑を。」

 

「はい。」

 

そしてはやてに杖と甲冑を用意させる。

 

パリィイイイン!

 

「はやてちゃん!」

 

「悠飛!」

 

なのはとフェイトにはやては微笑んだ。

 

「夜天の光に祝福を!リインフォース、セーット・アップ!」

 

はやてはリインフォースとユニゾンし、完全に魔導師として覚醒した。

なら、俺も

 

 

「これぞ初代から受け継ぎし力、龍神流究極奥義・・・画竜点睛!!」

 

俺の背中には龍紋が浮かび上がり、全盛期の姿になっていく

 

「今の俺の姿では小さすぎて体への負担が大きすぎる・・・・・・やからこの姿になる時、俺は少し老ける。」

 

そうして奥義を使用した俺の姿は全盛期の姿になっていた。

 

「ベルカの天帝の正統後継者・・・龍神悠飛の名の下に、我が同胞よ、今目覚めよ!」

 

 

ドゥッ!

 

俺が命じると、圭吾、俊介、辰徳、隆一の4人も全盛期の姿となる

 

「ようやく至ったか。」

 

「暴走しといて良く戻って来れたな?」

 

「まぁ、お陰で何か吹っ切れたみたいやし。」

 

「俺らは俺らの役目をこなすだけや。」

 

「「「「我らが長よ、お帰りなさいませ。」」」」

 

「お前らそれ止めろって言うたやろ。俺らは対等の立場やからやるな。」

 

「「「「うん、いつも通りの切り返しやな。」」」」

 

「お前らいっぺん死んでみるか?」

 

「「「「すまん、悪かった!」」」」

 

「「・・・悠飛(君)ってあれが素だったんだ・・・」

 

それを見ていてはやてはクスクス笑っていたが、ヴィータ達が何か言いたそうにしていた。

 

「はやて・・・」

 

「お前らの事は全てリインフォースがはやてに教えたから知ってる。」

 

「でもまずは、お帰り、皆!」

この一言でヴィータが我慢できずに泣いた。よっぽど懐かれてんだな

 

「あなたにも色々迷惑をかけたわね。」

 

「いや、俺の場合はこっちが世話になったわ。」

 

「もう大丈夫なのですか?」

 

「ああ。この姿になるにはあの状態から抜け出す必要がある。さっきは暴走してもうたけど、今の俺なら問題ない。」

 

「そうですか。」

 

「それに、俺の帰りを待ってくれてる人が居るからな。」

そう言って俺は目線をはやてに移したので、シグナム達も納得してくれたようだ。

 

「団欒のところすまない、時空管理局のクロノ・ハラオウンだ。」

 

「おせぇよ、クロノ。」

 

「申し訳ありません。ところでその姿は?」

 

「その説明は後でしてやる。その前にあれを何とかしなきゃな。」

 

「そうでしたね。夜天の書の守護騎士達よ、あれが闇の書の防衛プログラムで、後数分で暴走を開始する。これに間違いないか?」

 

「はい。」

 

「暴走すれば、周囲のものを巻き込んで侵食していく。まるでビーストⅡだな。」

 

「何を言うか、あれは最早お前達の世界の人類悪ではないか。」

 

「・・・来てたのか、ギル。」

 

「お前の反応が一時消えていたのでな。ヴィ・マーナを飛ばして来たまでよ。その姿を見るに吹っ切れたようだな。」

 

「ああ。世話をかけた。」

 

「で、あれをどうする?」

 

「停止のプランは幾つか考えて来たが、戦力は多いに越したことはない。君達の力を貸してくれないか?」

 

これに皆は頷いた。

 

「悠飛さん達もお願いします。」

 

「言われずとも分かっている。今回の事は初代様が危惧されていたことでもあるからな。俺も全霊を以て対処しよう。」

 

作戦はナハトの物理と魔法の複合結界を突破し、本体にダメージを与えて本体コアを露出させ、宇宙空間に居るアースラの前に転送しアルカンシェルで蒸発させる。

一見無茶に見えるが、一番確率が高い。

 

作戦を開始する前にやるべきことがひとつあるな

 

「シャマル。」

 

「はい。お2人の治療ですね。」

 

シャマルの力で2人は回復した

 

「湖の騎士シャマルと、風のリングクラールヴィント、癒しと補助が本領です!」

 

「さて、お前ら。これはこの世界を守る戦いだ。気を抜くなよ?」

 

「「「「応!!」」」」

 

「世界の行く末を、賭けた戦い・・・これを決戦と言う。戦士達よ!命を賭してあの獣を倒すがよい!」

 

ギルの号令で現場の士気が上がる。さすがカリスマA+だ

 

「夜天の書魔道書を呪われた魔道書と呼ばせたプログラム。」

 

「ナハトヴァールの侵食暴走体・闇の書の闇。」

 

「行くぞ!」

 

先ずはユーノとアルフ、ザフィーラが暴走体の動きを封じる

 

がナハトはあっさりとチェーンバインドを千切り、辺り一帯に砲撃を打ち出した

 

「なのは、ヴィータ!行け!」

 

「おう。ちゃんと合わせろよ?高町なのは!」

 

「うん!」

 

「行くぞ、アイゼン!」

 

「アクセルシューター・バニシングシフト、シュート!」

 

「俺も行くで!嵐遁・励挫鎖苛素!!」ギュバッ

 

 

「轟天爆砕!ギガント・シュラ──ク!!

 

「結界をひとつ砕いた!次、シグナム、フェイト!」

 

「フォローは任せろ!木遁・皆布袋の術!」

 

「駆けよ、隼!」

 

「撃ち抜け、雷神!」

 

 

ドゴウ!

ズバァ!

 

「やった?」

 

「やってねぇ!」

 

「うおぉぉおおおおお!デヤァアアアアアアアア!」

 

「水遁・水断波!」

 

「はやてちゃん!」

 

「「彼方より来たれ、宿り木の枝、銀月の槍となりてうち貫け。

 

石化の槍・ミストルティン!」」

 

「クロノ、やるぞ!」

 

「はい!」

 

俺は魔力を変換させて大魔法を使う

 

「顕現・氷獄結界!」

 

「凍てつけ!」

《Eternal Coffin》

 

「コキュートス!」

 

コキュートス────────

ギリシャ神話の地獄における「嘆きの川」と称される地獄の最下層

そこでは亡者たちは氷漬けにされる正に絶対零度の世界。その氷の世界を顕現させる魔術こそが、悠飛の左腕に宿った最大の力。これと対になる力として右腕には炎の最大の力、ムスプルヘイムが宿っている

 

 

「なのは、フェイト、はやて!」

 

「全力全開!スターライト!」キュオオオオオオオオオ!!!

 

「雷光一閃!プラズマザンバー!」バヂチチチチチチチチチチ!!!

 

「やるぞ、ギル!」

 

「よかろう。ならば・・・」

 

「英霊憑依!ギルガメッシュ!」

 

 

「「この一撃を以て訣別の儀としよう!」」ドゥッ!

 

「「原初を語る────

天地は別れ無は開闢を言祝ぐ、世界を裂くは我が乖離剣!」」

 

 

「ごめんな、おやすみな。

響け終焉の笛、ラグナロク!」コォオオオオオオオオ!!!

 

「「星々を廻す渦、天上の地獄とは創世前夜の終着よ、死を以て鎮まるがいい!!」」ゴオオオオオオオオオオオオオオオ!!!

 

「「「ブレイカ────────!!!!!!」」」

 

天地乖離す開闢の星(エヌマ・エリシュ)!!」

 

 

 

 

ドゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!

 

 

「捕まえた!」

 

「長距離転送!」

 

「目標軌道上!」

 

「「「転送!」」」

 

そうして俺達は行く末を見送った。

こうして戦いは終わりを告げた

 

「はやて、少し待て。」ぽん

 

「え?」

 

そうしてはやてに魔力を供給して、次の作業に移った。

 

「リインフォース、君はこれからもはやての側に居たいか?」

 

「はい。出きることならば、あなた方のお側に仕えたいです。」

 

「なら。こいつを使えばいい。これは初代様からの贈り物だ。」

 

そして俺は夜天の書をコピーを使って正常な、ロストロギアと呼ばれる前の状態に戻した。

 

「これでもう大丈夫だ。だが、破損はほぼ修復できんところまで来ていたからな、転生機能とお前達の回帰機能が失われた。」

 

 

「てことは・・・」

 

「お前達のもう一人の主として命じる。お前達は、俺達が眠りにつく時まで決して死ぬことは赦さん!如何な場所であっても、必ず帰ってくることをここに誓え!」

 

「「「「「我等が命、あなた方と共に・・・」」」」」

 

「・・・と言うわけで、後は頼んだ・・・」シュオッ!

 

「フン。戯けめ。このような状態で戦っていたとはな。まあ、ゆっくり休むがよい。」

 

こうして事件は幕を閉じ、俺達は休息に入った。

 

後にはやては病室を抜け出したことで担当医から叱られるのだが、これは別の話だ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                      続く




戦いが終わり、騎士達も共に生きることを選択した。
悠飛達も、戦いの傷を癒して日常に戻る




次回
身の振り


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身の振り

事件は終わり、悠飛達に日常が帰ってきた。
アリサ達の提案で龍神家でクリスマス会をすることになったが、思わぬ来客で騒然とする


事件が終わった翌日の朝

 

俺は意外にも早く回復して起き上がっていた。

 

恐らく画竜点睛を使ったときの龍の気が残っていたことで回復が早くなったようだ

 

そして俺の携帯にアリサとすずかから俺の家でクリスマス会を開けないかと来ていたので、返事が遅れたお詫びの文と可能である文のメールを返信した。

 

 

「エミヤ、ブーディカ、玉藻。居るか?」

 

「呼びましたか?マスター。」

 

「これから買い出しに行って食材を買ってきてくれないか?予算は一人辺り50万ってところか・・・」

 

「珍しく奮発するね、何かあったの?」

 

「アリサ達が家でクリスマス会をしないかって聞いてきたのでな、そうなるとご馳走を用意しなきゃな。」

 

「そういうことならお安い御用さ。待っていたまえ、私たちでとびっきりの料理でもてなそうではないか。」

 

「それじゃあ3人で手分けして仕入れてほしい。」

 

「「「了解(した)(しました)。」」」

 

「さて、はやて達はどうなるかな?」

 

そんなことを考えながら着替えを済ますのであった

 

 

 

 

数時間後

 

「マスター、お客様をお通ししても宜しいでしょうか?」

 

「ああ、通してくれベディ。」

 

「御意。」

 

「「「「「「お邪魔しまーす!」」」」」」

 

「いらっしゃい・・・シグナム達は?」

 

「それは後で話すわ。」

 

「そっか、それじゃあ・・・」

 

それからなのは達はアリサとすずかに今までの事を話した。

 

2人はにわかには信じられないと思いはしたが、以前に俺が助けたこともあったのですぐ信じた。

 

「にしても悠君が誘拐犯から2人を助けた時に2人に惚れられてるとはなぁ。」

 

「・・・俺はそれどころじゃ無かったんやけどな・・・・・・」

 

「「///」」

 

アリサとすずかは真っ赤になって黙りこくっていた

 

「まあ、ええよ?この際なのはちゃんとアリシアちゃんとフェイトちゃんも加えてホンマのハーレム作ったら?」

 

ブッ!

 

「ゲホッ!ゲホッ!はやて!お前いきなりなに言うとるんや!?」

 

「別におかしいことは言うてないやん?私は皆が好きやから、皆と仲良く一緒に居れたら私は嬉しいよ?」

 

屈託の無い笑顔で言ってきた!?

 

「アリサとすずかは以前にあったからアレやけど、なのは達はどうなんや!?」

 

「えぇっとぉ・・・///」

 

「その///」

 

「なんと言うか・・・悪くないって言うか・・・///」

 

あれぇ、またこの反応!?

 

「ほらな?皆悠君が好きなんよ。」

 

ああもう!

 

「分かったよ。但し、なのは達は実際士郎さん達とも話が残ってるんや!それまで保留!」

 

しかし、この後高町、バニングス、月村3家の保護者達とハラオウン家、テスタロッサ家を交えての話し合いで快諾されるのだが、それはまた別の話

 

ドタドタドタ!

 

ガラッ!

 

「失礼致します、マスター。マスターに会いに来たとのことでお客様がお目見えです!」

 

「お客?」

 

「失礼致しますよ?」

 

!!!?

ザッ!

 

「これは!なぜ我が屋敷に!?」

 

俺が急に姿勢を正して座ったのではやて以外は不思議に思っていたが、はやても姿勢を正した

 

「あの・・・悠君、このお爺さんって?」

!?

 

「口を慎め!この方は天皇陛下であらせられるぞ!お前らも姿勢を正せ!」

 

「「「!?」」」

 

「「???」」

 

ああ、アリシアとフェイトは分からないのも無理はないか

2人がこっちに移住してきたのってごく最近だから・・・

 

「構いませんよ?話を通さずに来たのはこちらなのですから。」

 

「皇后様!?それに、皇太子殿下に姫様も!?」

 

「皆様、どうか顔を上げて下さい。此度は公務ではなく、プライベートで来ているのです。どうか楽にしていてください。」

 

「しかし、我等の主である皇族が来られてるのです。おもてなしをしなくでは。

ベディ!至急玉露と茶菓子の準備を!」

 

「既に御用意しております。」

 

さすがベディ。仕事が早い

 

「それから、エミヤ達に食事の準備を急がせろ。」

 

「御意。」

 

「相変わらず仕事が早いですね。」

 

「彼は円卓の中でも最古参でかの王の執事もされておりましたから。」

 

「どうぞ楽になさってください。ここはあなたの家なのです。」

 

とは言うものの、回りもガチガチになってるし

 

「それに、今日来たのはあなたの様子を見に来たのですから。」

 

 

「私の?」

 

「先日大怪我をされたと聞きましたので、今日ようやくお見舞いに来れる時間を作れたのです。」

 

主に心配されるとは・・・

 

「ありがたき幸せにございます。ですが、此度の負傷は自らの体調管理不足によるもの。自業自得の結果にございます。」

 

「圭吾さん達から聞いておりますよ?貴方だけが症状が出ていなかったらしいですね?」

 

あいつら・・・

 

「はい。あの4人よりも随分遅かったのは自覚しておりましたが、そのおかげで、こうして過去を乗り越えて大切なものを見出だすことができました。」

 

「悠君・・・」

 

「ですが此度の不祥事、事前に手を打てず、挙げ句神秘の秘匿ができなくなるところまで来てしまいました。この不始末、如何な罰もお受け致します。」

 

「貴方は良くやってくれました。故に咎めはしませんが、ひとつ条件があります。」

 

「は。何なりと。」

 

「年明けから3ヶ月、天帝としての任を解きます。その間に心の静養に務め、ゆっくり休みなさい。」

 

!!

 

「ははぁ!」

 

「同時に『正義』、『自由』、『再生』、『誓約』も同時期任を解きます。皆様ゆっくりとお休みください。」

 

「「「「御意!」」」」

 

「それから悠飛さん。」

 

「は、何でしょうか?」

 

「ここにいる方々は、皆様貴方の婚約者でしょうか?」

 

ここに来て掘り返された!?

 

「はやては確かに許嫁ではありますが、他は違いますぞ!」

 

「照れなくて宜しいのですよ?あなた方は重婚をしても何も問題ないのですから。」

 

「皇后様!」

 

そんなこんなで陛下達を交えての食事会となってしまったが、陛下達の暖かさに触れて皆笑顔になっていた。

 

「ところで、貴女方は将来どうするのですか?」

 

「そう言えば聞いていなかったな。なのは、はやて。お前達は魔導師を続けるのか?」

 

「うん。伝えたいんだ、自分の魔法。」

 

「私も、悠君を手伝えるなら同じ道を行く。」

 

「はやて・・・」

 

「これは、正妻は決まりね。」

 

「そうだね。あの2人の絆は私たちには入り込めないよね。」

 

「おいコラお前ら、そこで蒸し返すな。」

 

「ええやないか。さしずめ第二婦人はアリサちゃんかな?」

 

「・・・もう好きにしてくれ。」

 

「それで悠飛さん?貴方はどうするのですか?」

 

「・・・はやてを守るために、管理局に入りますよ。それが義父さんと義母さんの最後の願いですから。」

 

「悠君・・・」

 

そして陛下達が帰ったあと、各家が集まり今までの事を高町バニングス、月村家の保護者達に話し、自分達の将来について話し合った。

 

この時にアリサとすずかにもリンカーコアがあることを話すと、2人とも同じ道を行く事を決めたことでこの日は解散となった。

 

 

 

 

 

 

                        続く

 

 

 

 




この日を境に悠飛はなのは達と婚約関係になり、一気に護るものが増えたが悪くないと思う悠飛
そして日常に戻る


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復讐完了

闇の書事件が終わり、主である陛下か一時任を解かれた悠飛達。
しかし日常を取り戻すためにどうしてもやらなければならないことが残っていた・・・


日本は神奈川県にある川神市

 

悠飛達は日常に戻る前の最後の一仕事を行っていた──────────────

 

そう、裏切り者の始末を。

 

 

 

 

「ハァッ、ハァッ、お、おまえら、どうしてい、生きていた!?」

 

「てめぇが知る必要ないわボケ。」

 

「お前は俺らの怒りを買い過ぎた。」

 

「人の大切な領域に土足で踏み込み過ぎや戯け。」

 

「知っとるか?今のお前の立場は、因果応報って言うんやぞ。」

 

「ま、待て!お、俺がいなくなったら、お、俺の部下がけ、消しに来るんやぞ?」

 

「もうその手には乗らねぇよ。それに、政府にいた内通者は全員始末してる。」

 

 

龍の逆鱗に触れることなかれ──────────────

触れたものの末路は皆悲惨なものである。

 

「いつまでも逃げられるとおもうなよ?この・・・」

 

「「「「「(ド)阿呆が。」」」」」

 

≪縛道の七十九・九曜縛り≫

 

「うぐぅ!」

 

「さあ、あの鐘の音が聞こえるか──────────?」

 

こいつは知らない。

 

ガシャン

 

彼という“死”を知らない────────

 

ガシャン!

 

『神託は下った──────』

 

この英霊は俺たちの天敵。

 

出会った以上、彼からは逃れることはできない────────

 

『聞くが良い。晩鐘は汝の名を指示した────────

       告死の鐘────────

         首を断つか!』

 

カッ!

 

 

それはその暗殺者が生涯ふるい続けた何の変哲もない大剣

しかし幽谷の淵にあり続けた彼の剣には()()()()が付与されているのだ。

 

その大剣の一刀のもとに繰り出される一撃こそ、彼・・・“《冠位暗殺者(グランドアサシン)》”である初代にして最後のハサン・サッバーハ────

 

“山の翁”の宝具

 

死告天使(アズライール)!』

 

ズバァッ!!

 

その一撃の下に、龍の一族の裏切り者は絶命した。

彼の前では俺たち一族であっても必ず死ぬ。

 

 

『これでよいか?契約者よ。』

 

「・・・自分で止めをさせれなかったのは残念だが、これは初代山の翁にしかできないからな。

いくら何でも今の体で冠位級(グランドクラス)を憑依するには危険すぎる。」

 

『ではまた斯様なものがあれば頼るが良い。不肖ながら歴代の翁を使わせよう。』

 

「ああ。苦労をかけた。」

 

『では休むが良い、今の汝に必要なのは休息である。』フッ

 

「・・・・・・終わったな。」

 

「ああ。」

 

「多くの犠牲は出したがな。」

 

「あとはこの始末だけだな。」

 

「ここで燃やすのは不味い。神威の空間内でやるぞ。」

 

「ああ。これでみんなも浮かばれる。」

 

      ≪神威≫

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数ヶ月後

 

 

 

 

近畿某所

 

 

ここははやての両親、そして悠飛達の亡くなった家族のいる墓地である。

 

悠飛達は高町・バニングス・月村・テスタロッサ・ハラオウンの5家総出でこの場所に来ていた。

 

「ようやくすべてが終わったからな、やっと墓参りにこれた。」

 

「みんな、悪いけど掃除を手伝ってもらえへんかな?」

 

「いいよ。それではみなさん、一気にやっちゃいましょう!」

 

『おおー!!!』

 

そうしてみんなに手伝ってもらうこと1時間

 

「こんなもんか。」

 

「みなさん、ありがとうございました。」

 

そうして俺たちは線香をあげて合掌した。

 

(義父さん、義母さん、兄貴・・・終わったよ・・・)

 

 

 

 

 

「さて、せっかくだから里を出て観光地に行こうか。」

 

『賛成!!』

 

この後俺たちは3日間地元の観光地を巡り、海鳴に戻った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                     続く

 




漸く仇を討った悠飛達

その数ヶ月後に墓参りに行き、すべてが終わったことを伝え、日常に戻るのであった


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花見

花見回です


plllllllll──────

 

ピッ

 

「もしもし?」

 

『ああ、悠飛?今大丈夫?』

 

「アリサか?構わんよ。今ちょうど仕事が終わったところや。」

 

『今度お花見しようってなってるんだけど、貴方達も来ない?』

 

「そうやな、それじゃあうちのファミリー呼んでいこか。」

 

『わかったわ。それじゃあ、今度の土曜日ね。』

 

「あいよ。料理はうちで作っていくわ。」

 

『・・・絶対来てよね?貴方が来ないと皆寂しいんだから///』

 

「大丈夫。その日は定休日やから絶対に仕事入らへんよ。それじゃあな。」

 

『うん。』

ピッ

 

「愛しの婚約者からかい?」

 

「マーリン。てめぇ出歯亀とは悪趣味だぞ。」

 

「いやぁ久しぶりにラブコメの波動を感じたのでね!見に来てみれば君が嬉しそうに電話しているからもしやと・・・」

 

「令呪を以て命じる。マーリンよ、今から泰山に行き激辛麻婆豆腐を15皿、15分で完食してこい!」

 

「ちょ、そんなことに令呪を使わないでおくれぇぇぇぇ・・・」

 

「申し訳ありませんマスター。後でマーリンにはきつく言っておきますので。」

 

「そんなことではあいつは懲りんよ、アルトリア。」

 

「そうだな。あれぐらいの事をしなければ奴も懲りんだろ。」

 

「それか、ケツァルコアトルに関節極めて貰うかだな。」

 

「関節技・・・確か、現代の格闘技の技の種類でしたか?」

 

「まあ、あいつのはルチャドールやけどな。」

 

「あれは痛いぞ?」

 

「そうだ、ケイ。皆に今度の土曜花見に行くからその日は完全休業日だってこと伝えてくれないか?」

 

「花見?」

 

「この国の昔からの行事でな。庭にも咲いてる桜の木が沢山ある場所に行って食事をしながら歓談するものだ。」

 

「それはいいですね。皆最近働き詰めでしたので、ちょうど良い息抜きになりましょう。」

 

そこからは話がトントン拍子で進み、厨房班もその日に向けて食材の調達と仕込みをしていった。

 

 

そして花見当日

 

天気に恵まれて桜も見頃になっていた。

 

「それでは皆様!我が家から持ってきた食事を楽しみつつ、ご歓談をお楽しみください!乾杯!!」

 

『カンパーイ!!』

 

なぜか俺が乾杯の音頭を取ることになってしまっていたが、まあいい。

 

「ふう。ああいうのは慣れてないねんなぁ。」

 

「ふふっ、悠君ああいうの苦手やもんな。」

 

「ところであんたなに飲んでるの?」

 

「これか?これは川神市の特産品で川神水ってんだ。これはノンアルコールやけど、場に酔うことが出来る。勿論飲みすぎたら二日酔いみたいになるけどな。」

 

くいっ

 

そういいながらお猪口で川神水を飲んでいく俺

 

「お酒じゃ無いのね。なら安心したわ。」

 

「ねぇゆう君。今度少し魔法を教えてほしいんだけど、良いかな?」

 

「構わんよ?アリサも一緒に教えるつもりや。2人とも運が良いことに俺が最も得意としてる炎と氷の魔力変換資質持ちやからな。」

 

「あんたって、やっぱりトンでもスペックなのね・・・」

 

「一族の力でも特に多いのが炎やけど、俺の場合は相反する二つの力を掛け合わせる能力持ってるからな。必然的にあらゆる魔力変換資質を持つようになったんやけど、一番強いのは炎と氷の力やな。」

 

「確か、反鬼相殺と反鬼融合だっけ?」

 

「そう。」

 

「それってホントに無茶苦茶よね?いくら変換資質持ちでもそれが分かっちゃったら悠飛には相殺されたゃうんだもんね。」

 

「前に一度悠飛と戦ったことがあるけど、一度も雷撃が通じたことが無かったんだよね。やっぱりそれも?」

 

「ああ。反鬼相殺やな。」

 

「しかも悠飛には奥の手のマグナムが有るんや。」

 

「マグナム?」

 

「なのは達が使ってるカードリッジシステムあるやろ?あれのカードリッジが通常のサイズやとしたら、2倍以上の大きさやな。その分込められる魔力は増すけど、同時に負担も増すんや。」

 

「そうなの?」

 

「ただでさえ新型のカードリッジシステム

が安定してきているとはいえ、規格が大きくなればその分危険度も増す。」

 

「そんな危険なもの使ってるんだ!?」

 

「ま、危険と言っても暴発しない程度に加減してるがな。俺が開発したマグナム用カードリッジは一発で通常のカードリッジ2~3本分の魔力を圧縮出来るタイプやから、要はハンドガンとライフルの違いや。」

 

「それって誰でも使えるの?」

 

「特殊カードリッジやから誰でもって訳にはいかんけど、ライセンス取れたら使えるわ。」

 

「・・・ライセンス要るんだ。」

 

「当たり前やろ。悠飛が考案したやつって殆どライセンス必要な物ばっかやからな。」

 

「お前らも大概やろがい!特に戦闘面やと俊介!お前はすぐやらかすやないか!」

ベシ!

「イッテ!そんな強くどつくことないやろ!?」

バシ!

 

「やんのかゴルァ!!」

 

「悠君?」

 

!!!

 

「せっかくのお花見なんやから、暴れたらあかんよ?」ニコッ

 

「すまん、はやて・・・」

 

((((((((((はやて((ちゃん))怖っ!))))))))))

 

 

この時、俺達ははやてを怒らせないという暗黙の了解が生まれた。

 

そしてこの時、俺の許嫁のヒエラルキーのトップがはやてだと皆理解した。最強の天帝にはそれを御しきる者が必要なのだ。

 

 

 

1時間後

 

「それで炎の変換資質のコツやけど、アリサはなぜ火が燃えるのか分かるよな?」

 

「まあ、それくらいは。」

 

「要はイメージやな。魔力を火種とすれば、イメージでそれを点火させるって感じやな。」

 

「なるほどね。」

 

「すずかの場合は氷やな。その場合は大気中にある水分を魔力で冷やして凍らせるってイメージから入ればええかもな。」

 

「そんなざっくりしたイメージでいいの?」

 

「さっきも言うたけど、まずはイメージや。それを卒業したら少し魔力を練るだけで変換出来るようになる。こんなふうにな。」

 

 

パチンッ 

ボッ!

 

 

「フィンガースナップで!?」

 

パキン!

 

「火が凍った!?」

 

「これは俺の固有能力やから出来るけど、お前らはこの領域にも至れる素質がある。今度俺の屋敷に来たらみっちり修行をつけたるわ。」

 

「「お願いします!」」

 

 

こうして花見は平和に終わり、皆で片付けをして帰宅していった。

 

 

 

・・・・・・何人か酔い潰れていたが・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                      続く

 

 

 

 

 

 

 




花見回でした。


この頃になるとなのは達の前でも素の状態になる悠飛だったのでした


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アリサとすずかの修行

アリサとすずかにそれぞれ炎と氷の魔力変換資質が有ることが分かったので、ものにするまで修行を着けることにした悠飛。
しかし、炎と氷の魔力変換資質はそう易々と習得できるものではなかった。


お花見の日から数日が経った。

 

以前ににアリサとすずかから修行をして欲しいと言われたので、今日から修行をすることになった。

 

 

 

 

龍神邸訓練用シミュレーター

 

 

 

アリサとすずかが来るまで俺と圭吾は模擬戦をしていた。

 

 

「オラオラオラオラオラオラオラオラオオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ!!!!!!」

 

「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄!!!!!!!」

 

煉獄焦と煉獄焦のぶつかり合いで回りが炎に包まれている

 

 

「炎殺拳!!」

 

 

「WRRRRRRRRRRRRY!」

 

「マスター。アリサ嬢とすずか嬢が参りました。」

 

「何や、もうそんな時間か。」

 

「今日も圧しきれんかったか。」

 

「アホか。そう簡単に圧しきれると思うな。」

 

 

「「お邪魔します。」」

 

「いらっしゃい、2人とも。少し待ってくれ、さっきまで模擬戦してたから片付けるわ。」

 

そうしてシミュレーターの設定をリセットする。

 

「お待たせ。さて、まずは変換させるために基本的な事をやっていくぞ?」

 

「「はい!」」

 

「まず、お前らは魔法と魔術、何が違うかは知ってるか?」

 

 

「いいえ?」

 

「何が違うの?」

 

「まず、魔法ってのは自分の魔力のみで力を発現させる、言うなれば内的要因で事象の改変をするってものや。」

 

「内的要因?」

 

「以前にも言うたと思うけど、要はイメージや。」

 

「だから内的要因ってことなんだ。」

 

「そ。そして魔術はそれこそ神秘の力を使う。つまりは外的要因で術を発動するってことや。」

 

「つまり魔法と魔術は似て非なるものってことね?」

 

「そうや。そんで今からお前らが行うのは魔法で己の魔力のみで力を発現させるってことや。」

 

「「やってみるわ(よ)。」」

 

「ただ、魔法の基礎となると俺1人やと回りきらんからな。助っ人を呼んだ。」

 

「「助っ人?」」

 

「入れ。」

 

「失礼するわね。」

 

「「プレシアさん!」」

 

「失礼します。」

 

「特別講師のプレシアと使い魔のリニスや。しばらく俺ら3人で時間をかけて教えていく。」

 

「「はい!」」

 

こうしてアリサとすずかの魔法の基礎知識の勉強が始まった。

 

 

 

 

数日後

 

 

 

「はあぁぁぁぁ!!」キュイイイイイン

 

「────────!」キュイイイイイン

 

 

ほう?

 

「2人とももう魔力弾を作れるようになったのか・・・」

 

「なかなか筋が良かったので教え甲斐がありました。」

 

リニスは嬉しそうだった。

 

「まあ、うちの娘達はもっと早かったけどね?」

 

そしてプレシアは親馬鹿が炸裂していた。

 

「それじゃあ次の段階やな。」

 

「次は何するの?」

 

「次は精神修行やな。」

 

「精神修行?」

 

「ま、簡単に言えば座禅やな。」

 

「「座禅!?」」

 

「辛いのはここからやぞ?」

 

座禅の修行にはうちの柳生但馬守宗矩と玄奘三蔵が担当した。これならは2人の土俵なので任せられる。

 

この修行に必要なのはマルチタスク。魔導士に必要なスキルでこればかりは数をこなすしかない。要は集中力を高めるための修行。

 

 

3日後

 

「さて、いよいよ2人には魔力変換の修行に入るぞ。」

 

「「はい!」」

 

「今回は俺達や。」

 

「まず、2人には今までやってきたことを今ここで体現して貰う。」

 

「魔力弾作ってみ?」

 

そう言われて2人は魔力弾を生成した

 

「うん、生成スピードが上がってるな。」

 

「なんか、一瞬でイメージできたって言うか・・・」

 

「少し集中しただけで、すぐにできたって言うか・・・」

 

「ま、この前の座禅の意味はそこに有ったのさ。」

 

「座禅中に自分のリンカーコアの存在を強く感じて、そこから必要な魔力を最小限の力で集中できるようになったんや。」

 

「あの座禅にそんな理由があったなんて・・・」

 

「確かに、自分の中の力を知覚できたってのはあったね。」

 

「なら次にやるのは性質変化。実際に自分の魔力を自分が持ってる変換資質の力に変えるんや。」

 

「例えば俺は・・・」ゴオォォォォォォ!!!!

 

「凄い・・・!」

 

「魔力の濃度が桁違い・・・」

 

「炎殺拳!」

ドゴオオオオオオオォォォォ!!!

 

「・・・こんな感じやな。」

 

「俺の場合は・・・」シュババババババババババ!!

 

「!?」

 

「手の動きが速すぎて見えない!?」

 

「火遁・火龍炎弾!!」

 

ゴオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!

 

「火遁・火龍炎弾・・・火の性質変化の上級の術で対象を焼き払うためのもの。俺達のは対人戦闘に特化した()()()()()()()()()技ばかりだ。」

 

「人の・・・」

 

「お前らに教えていくのは、扱いを誤れば人の命を容易く奪えるものだ。()()()()()()()()()()()()、ようく覚えておけ。」

 

「「うん。」」

 

こうして2人に力を持つものには責任が生まれるということを意識させ、修行の続きを始めるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

                           続く

 




こうしてアリサとすずかの修行に入ったが、その間にも新たな運命は迫る。
40年前の約束、失われし記憶、これらが悠飛に新たな戦いをもたらす。


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エルトリア事変(Reflection&Detonation)
始まりは突然に


失われし記憶戻りしとき、40年の時を越え、再び災厄が訪れる


闇の書事件から1年半

俺達はいつものシミュレーター内でなのは達を待っていた。

そこで今後の方針を決めるところだ。

 

 

「じゃあ、今日の見学が終わったら川神に行って修行ってのも考えてみるか?」

 

「あんな人外魔境みたいなところはちょっと・・・」

 

すずかですらこう言うって川神どんだけだよ。

 

「せやけど、今のうちに行っとかんなここやと秘匿が難しくなってきたからなぁ。」

 

「結界を使えるにゃ使えるが、悠飛が要やからな。その悠飛が付きっきりとなると俺らじゃ強度が低くなるからな。」

 

「つう訳や。これ以上の基礎鍛練となると、フィジカルの向上になるからここより川神の知り合いに頼むしかないんや。」

 

「リインも行きたいです!」

 

リイン──────

正式名称リインフォース・ツヴァイ

今代の夜天の書の主が実質俺とはやての2人なのでリインフォース・・・アインスだけでは無理があるので俺とはやてが産み出したユニゾンデバイスである。

 

「リインはアウトフレームをフルサイズに出来てからな?もともとこの世界じゃリインサイズの人間なんておらんから、いくら川神でも無理があるしな?」

 

川神──────

日本でも有名な武の街で武神の棲む街

 

言うなれば武の総本山だ。

 

「はいです・・・」

 

「アリサとすずかは今後魔法に頼りきった戦いやと、魔法を使えない場所では無能になるからな。やから体術も必要なんや。」

 

「AAAランクのジャマーフィールド、AMF(アンチ・マギリング・フィールド)の中じゃあうまく魔力を練れねぇからな。だから物理攻撃も必要なのさ。」

 

「そう言うことならやっといて損は無いわね!」

 

「そうだね。」

 

「じゃ、決まりやな。」

 

「夏休みの後半は皆で川神に合宿やな。」

 

「リインは頑張って俺らサイズになれるようにがんばろな?」

 

「がんばります!」

 

話が纏まったところでなのは達が来た。

 

「おはよー!」

 

「おはよう!」

 

「じゃあ、なのはとフェイトはいつものな?」

 

「「了解!」」

 

なのは達も1年前くらいから修行に参加しだして、うちのシミュレーターも何だかんだで賑やかになった。

 

アリシアも徐々に魔力量が増えてきて、あと半年もすればアリサ達と一緒に実戦に投入できるくらいにまで成長した。

 

「ま、お前らはお前らのペースで強くなればそれでええから。焦らずしっかり基礎をつくれ。」

 

そんなことを言ってたらなのはとフェイトの模擬戦が終わった。

 

「今日も引き分けやな。」

 

「んじゃ、そろそろ朝飯も出きる頃やし終わりにするか。」

 

『はーい!』

 

そして俺達はシミュレーターから出て、エミヤの作ったモーニングを食べて、バニングス社と月村財閥が携わったオールストン・シーに向かうのだった。

 

 

時を同じくして時空管理局東京臨時支局では不穏な空気が流れていた。

 

「これ、昨日のニュースの?」

 

「現場近くのカメラに映っていたものだが、こちらの魔法とは全く違う技術を使っている。これは彼らの助力が必要

だな。」

 

 

 

 

「記憶がない?」

 

『ああ。』

 

「どういうこと?」

 

「俺達一族は転生期間に入ると、その間の記憶があやふやになるんだ。」

 

「俺らが転生期に入ったのは50年前。つまりその間の記憶がちぐはぐになってるんや。」

 

「ま、何かの切っ掛けで思い出すことはあるけどな。」

 

「唯一わかってんのは、俺達は地球には居なかったってことだけやけどな。」

 

「そこだけははっきりしてるの?」

 

「考えてみろ、そうなったら授業で40年前の事出てきたら思い出してるわ。」

 

「それもそうよね。」

 

そんな会話をしながらも車は目的地に着いた。

 

 

なのは達は俺達をおいてデビットさんとアトラクションを楽しんでいた。

 

「あなた達は行かなくて良かったの?」

 

「必要も無いですからね。」

 

「まあ、そうよねぇ。」

 

「それに、近く陛下が俺達の事を公表すると申されてましたので、それが仕事なのでもう終わらせましたしね。」

 

「公表!?」

 

「しても大丈夫なの!?」

 

「ジョディさんも春菜さんもそう言う反応は分かってましたけど、川神の武神がいるんですから問題ないでしょう。」

 

「人外の強さを持った奴が出てくるのは大体あそこですからね。皆それで納得するでしょう。」

 

「「「あぁ~・・・」」」

 

そう。大体川神のせいで日本人は感覚が麻痺してるのだ。まぁ、バニングス家は米国なんやが・・・

 

 

「っと、ごめんなさい。電話だわ。」

 

「あら、私も?」

 

ppppppppppppppp

 

「「「「「ッ!」」」」」

 

ピッ!

 

(陛下から緊急召集・・・

 嫌な予感がする・・・)

 

「お前ら、行くぞ。」

 

「「「「おう。」」」」

 

「仕事かしら?」

 

「プレシア、何かあったら頼む。どうも胸騒ぎがしてならん。」

 

「分かったわ。」

 

シュバッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

東京都内にある皇居の一室で俺達5人とクロノが陛下に呼ばれて集っていた。

 

「まずはこちらを御覧ください。」

 

クロノがある映像を見せると俺は衝撃を受けたように頭を抱えた。

 

 

「「「「悠飛!!」」」」

 

「大丈夫ですか!?」

 

「待て、大丈夫だ。大丈夫だが、もしからしたら嫌な予感が的中するかも知れねぇ。」

 

「どういうことですか?」

 

「陛下、この技術はエルトリアと呼ばれる星の我々とは全く異なる技術です。この技術はあらゆる金属を一瞬で作り替えるもので、実弾銃を簡単に生成してしまうものです。」

 

「何だってそんなものを知っているんだ?悠飛。」

 

「今思い出したんだよ、その映像を見てな。俺がエルトリアを知っているのは4()0()()()()()()()()()()()()()()!」

 

「40年前ってことは!」

 

「なるほど、確かに切っ掛けがなけりゃあ思い出せねぇ。」

 

「それが今回の映像だったってことだな。」

 

「しかし、何故今になってこの星に来たんだ?」

 

「それはわからんが、数十年前からエルトリアは死蝕っていう星の病で宇宙に人々は移住していた。となるとエルトリアで何かあったか、或いは・・・」

 

「お前か夜天の書が狙われるってことやな?」

 

「となるとここにいるわけにはいきませんね。悠飛さん。」

 

「はっ。」

 

「直ちに現場に向かい、貴方達で事件を解決してきてください。」

 

「「「「「「はっ。」」」」」」

 

「クロノ、お前は独自に動いておけ。その方が柔軟に事に当たれる。」

 

「分かりました。」

 

「行くぞ、おまえら。」

 

『応!』

 

 

 

しかし、急いで現場に駆けつけたときにはなのは達は傷付き、夜天の書も奪われていたのだった──────

 

 

 

 

 

                           続く

 

 




動き出した歯車
暗躍する悪

そして40年前の悪夢が再び甦ろうとしていた。


次回

ユーリ

加筆修正しました。


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災厄招来

リリカルライブから早2ヶ月が経ったことに驚きつつも、あの祭りを再び味わいたいと思う今日この頃


俺達は皇居から海上のオールストン・シーに向けて走っていた。

 

理由に関してはミラージュコロイドがメンテ中で使えなかったことと、なのは達にマーキングを渡していなかったので飛雷神が使えなかったことによる。

神威も温存させるために使うわけにはいかない。

 

故に縮地で地上を走ってるのだ。

 

「お前らはなのはとはやての所にいってくれ、俺はフェイトが心配だからフェイトの所に行ってくる!」

 

「「「「了解!」」」」

 

「完成したばかりだ。施設への被害は最小限に留めるぞ!

特に俊介!!」

 

「分かってるよ!いい加減学習したわ!」

 

「それじゃあ、各ツーマンセルに別れるぞ!散!」バッ!

 

フェイトの魔力を辿りながら走っていると、既に幾つか施設が破壊されていた。

 

「チッ、既に手遅れか!」パン!

 

「水遁・水牢の術!」

 

魚達をすんでのところで助けだし、海に戻してガラスを元に錬成し直してフェイトのところへ向かうと、プレシアがフェイトを庇って怪我をしていた。

 

「プレシア!フェイト!大丈夫か!?」

 

「私は大丈夫だけど、母さんが!」

 

「待ってろ、すぐ治療する!」

 

双頭龍五の型 龍穴

 

ボウッ!

 

「これは?」

 

「双頭龍には幾つもの型があって、これはその五の型。治療用の型でこの炎は傷を癒す効果がある。すぐに良くなるぞ!」

 

「フェイト、あなたは大丈夫?」

 

「母さん!何で!?」

 

「今更だけど、娘を守るのは当然の事じゃない・・・あんなことがあったけど、アリシアの願いを叶えてあげて間もない状態で、あなたを失うわけにはいかないの。」

 

「母さん・・・」

 

この言葉でフェイトは嬉しくて涙を流した・・・

 

「フェイト、お前の強さはその強い優しさと慈愛だ。それを忘れるな?それがなくなればお前はお前でなくなってしまう。」

 

「うん。」

 

「さて、あのいたずらっ子を2人で止めるぞ・・・

  付いてこられるか?」

 

「もちろん!どこまでも付いていくよ?」

 

「良く言った!」

 

「子供のケンカに大人が来るのは卑怯だぞ!」

 

「阿呆!これは最早ケンカでは済まされんわ!」

 

「あれ、フェイトのお母さん?」

 

「うん!私の大切な人だよ。」

 

「君は?」

 

「何だ?何処かで会ったことがあるはずなんだが、覚えておらんのか?」

 

(こいつの目、そして魔力・・・間違いない。こいつはレヴィだ。

そのはずなんだが、何か引っ掛かる・・・)

 

「うーん、さっき目が覚めたばっかりだからあんまりおぼえてないんだよね。」

 

(なるほどな。道理で俺の事を覚えておらん訳だ。)

 

「さて、イタズラをしたらお仕置きは必定だ。覚悟しろ。」ドゥッ!

 

俺とフェイトは連携でレヴィを翻弄する。

 

 

「雷神戦形!!」バチチチチチチチチチッ!!!!!!

 

「うぇ!?速すぎる!!」

 

「雷鳴の馬車、糸車の間隙、光以て此を六に別つ。

 

縛道の六十一・六杖光牢!」ドンッ!

 

 

「がっ!動けない!?」

 

 

「バーストモード、起動。全砲門中第二十門まで展開!」

 

俺は両手に二挺の()()()()()()デザートイーグルを構える

 

 

「行くよ、レヴィ!」

 

「来なくていいよ!?」

 

「全力は出さんが本気でいく!」

 

「これが私の、全力全霊!」

 

「バースト・テンペスト!!!」

ズドドドドドドドドドドドドドド!!!!!!

 

「ホーネット・ジャベリン!!!」

ドウッ!

 

ドガアァァァァァァァァァン・・・

 

「きゅ~」

 

「・・・フェイト。」すっ

 

「うん!」

 

パァン!

 

俺はフェイトに手を出して控えめなハイタッチをした。

 

「さて、こいつをどうするかだな?」

 

「局員に任せるといいわ。」

 

「母さん!」

 

「フェイト、今はそんな場合じゃない。俺の予想じゃあまだ終わりそうにない。」

 

「う、うん。」

 

「プレシアはそこで局員が来るまで休んでろ。後衛組が前衛に加わるんじゃない。」

 

「分かったわ。」

 

「行くぞ、フェイト。」

 

「うん!」

 

シュバッ!

 

それからシュテル、ディアーチェの捕縛も成功したらしいが、主犯がまだ捕まっていないとの事なので施設内を走っていたが、突然海上に強い光が現れたので飛んでいったらそこにはイリスがいた!

 

「40年ぶりだな、イリス・・・」

 

「悠飛・・・!」

 

「40年前のこと、少しずつ思い出してきたが、肝心な部分がまだ抜け落ちていてな。だが、お前がこの世界に災厄をもたらすのであれば・・・俺は容赦なく、お前を斬る!」スゥー

 

俺は久しぶりに自分の輪廻眼と神威を使う。

 

「今は私はあんたと遊んでる暇はないの、やりなさいユーリ。」

 

『了解。対象を殲滅します。』

 

「させるか!仙法・陰遁雷派!」バチチチチチチチチチ

 

 

「「「「「「!」」」」」」

 

(ベルカ語とは・・・完全に操られておるな。)

 

 

「ユーリよ、お前もじきに助けてやる。少しの間、辛抱しろ!」

 

 

 

 

 

 

 

こうしてエルトリアで起きた40年前の災厄が再び起きようとした。

 

この世界を護るために、俺達は更なる激戦を繰り広げる

 

 

 

 

 

                        続く

 

 

 

 

 




遂に悪夢が訪れる

すべての元凶は40年前の忌まわしき記憶にある。

その記憶を取り戻した時、悠飛は・・・


次回
惨劇の記憶


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惨劇の記憶

失われし惨劇の記憶

その時の肝心な部分が抜けたままイリスと対峙した悠飛

40年前にいったい何があったのか・・・


 

 

「はぁ!」ガギィッ!

 

ヒュオ!

 

「ぐっ、このままではイリスを見失う!」

 

「悠君!ここは私が引き受けるから、イリスさんを追って!」

 

「なのは、それは!」

 

なのはの姿は実験段階のカノンだった。あれは俺のマグナムを使うに当たって最初から想定された設計をしており、術者への負担を極限まで削ったものだ。だが、まだ実験段階の代物で実戦投入には速すぎる。

 

「ッ!後で話があるから覚えとけよ!」バッ!

 

そう言って俺はこの場をなのはに任せた。

 

 

 

ゴオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!

 

 

「イリス!!」

 

「やっぱり来たわね。」

 

「おおおおおおお!!!」

 

ガギィッ!

 

ガギン!

 

「はあ!」

 

ガギン!

 

サッ

 

チャキ!

 

「無駄な抵抗はよすんだな。この眼の力でお前の攻撃はすり抜ける。」

 

「あんたはいつもそうよね。いつも上から見下ろして私たちのことなんか見向きもせず距離を取ってた。」

 

 

「俺は()()()()()()()()()()()()()()()()()からな。遠くから動向を伺ってただけに過ぎない。」

 

「博士の事を悪く言うな!何も分かってなかったくせに!」

 

「何も分かってねぇのはお前の方だ!てめぇが何の目的のために産み出されたか知りもしねぇで、何を言ってやがる!」

 

「どういうこと?」

 

「てめぇの力はともすれば・・・!」

 

ギュオォォォ!!

 

「チッ、機動鎧殻か!いよいよ始まりやがった!」

 

「イリス!」

 

ダァン!

 

「お姉ちゃん!!」

 

くそ、こうなったら・・・

 

「ブーストモード!!」

 

俺は拡張領域から()()()()()()()()()()ライフル形状の銃を取り出した。

 

「ここで機動鎧殻を叩く!」ガシャン!ガシャン!

 

俺はマグナム用カードリッジを2発ロードして構えた。

 

キュイイイイイイイイイイイイイン

 

「食らえ!ブーストマグナム!!」

 

ドゴオオオオオオオ!!

 

ドガアァァァァァァァァァン!!

 

この一撃で機動鎧殻を仕留めることは出来たが、イリスを逃がしてしまった。

 

「チッ、逃がしたか・・・それより!」バッ!

 

 

シュタッ

「おい!大丈夫か!?」

 

「お姉ちゃん、しっかりして!」

 

「急所は外してるが、大怪我に変わりない。すぐに医療施設に飛ぶ!お前も捕まれ!」

 

「はい!」

 

「飛雷神の術!」シュン!

 

 

 

 

 

こうして彼女・・・アミティエ・フローリアンと、その妹で今回の事件の切っ掛けを作ったキリエ・フローリアンを本局の医療部に連れていった。

 

経緯はどうあれ、キリエは今回の事件の首謀者を連れてきてしまったので、取り調べ中だ。

 

そしてアミタは・・・

 

 

 

「いくら何でも無理があるだろ?」

 

「いいえ、もう大丈夫です。長女ですから!」

 

「いや、その理屈はおかしい。」

 

「あはは。」

 

「なのはも大丈夫か?いきなりマグナムを実戦で使ったんだ。いくらあれが術者の負担を極限まで減らしてるとはいえ、ゼロではないんだからな?」

 

「まあ、戦闘中に足を少しやっちゃったくらいだけど、問題ないよ?」

 

「あまり無理はすんなよ?お前は放っておくとすぐに無茶するんだからな?」

 

「はぁい。」

 

「ところでアミタ。お前が持ってきたナノマシンだが、一滴分だけ貰えないか?」

 

「どうしてですか?」

 

「もしかすると、そいつが必要になるかもしれんからな。保険だ。」

 

「分かりました。」 

 

そうして俺はアミタからナノマシンを一滴分だけ貰うとはやての所に飛ぶ準備をした。

 

「そうだ、飛ぶ前に・・・なのは。これをお前とフェイトに渡しておく。それには俺の飛雷神のマーキングがしてあるからいつでもそこに飛べるようにしてある。」

 

「分かったよ。」

 

「それじゃあ行ってくる。」シュン!

 

 

 

 

シュン!

「はやて、進展はどうや?」

 

「お帰り、悠君。今レヴィが紙片を修復してるところや。」

 

「でかした。恐らくそれに40年前何が起きたのか記録されてるから終わったら呼んでくれ。それまで俺はナノマシンの解析と改良をしている。」

 

「はいな。」

 

 

それから30分でナノマシンの解析と改良が済み、かつ増産をすることに成功した俺は、はやてから修復が終わったと来たのでそのナノマシンを注入してから皆のところに向かった。

 

 

「これで40年前何が起きたかが分かる。恐らく俺の記憶もな。」

 

「やはり貴様も覚えてはおらんのか?」

 

「残念ながら転生期だったからな。お前らの記憶もなんとなくしか覚えてはおらん。」

 

「そうか・・・貴様には世話になった記憶があるのは確かなのだが・・・」

 

そして記録を見ていくと、途中で映像が途切れて、次に再生できるところは全てが終わったあとだった。

 

「確かこの時、ユーリと俺でマクスウェルを殺したのは確かなのだが、そうせざるを得ない理由がぽっかりと抜けてるんだ。」

 

「そうなのか?」

 

「ただ、ひとつだけ言えるのは、あやつがやろうとしていたことは世界全土を巻き込んだ悪意だったってことだ。」

 

 

 

完全に記憶が戻らなかったものの、あの時の惨劇の記憶がもどってきた。後はあの中で俺達が動いた理由が戻ればイリスを止められるやもしれん。

 

 

しかし、俺の思惑とは裏腹に事件は最悪の方向へ動き出した・・・

 

 

 

 

 

                           続く

 

 




遂に動き出した悪意

その男と対峙したとき、悠飛の怒りが爆発する!


次回
イリス計画


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イリス計画

戦いの中で目覚め始めた巨悪

世界の行く末を賭けた戦いが再び始まろうとしていた


「南の心臓、北の瞳、西の指先、東の踵、風持ちて集い、雨払いて散れ。縛道の五十八・摑趾追雀!」

 

(ユーリは一体何処にいる?それにイリスは何故俺とユーリを戦わせようとする?)

 

ヴヴン

 

「捕捉完了。場所は・・・レインボーブリッジか。機動鎧殻が更に増えているから分散させなきゃいけねぇな。なら・・・多重影分身の術!」

 

ボボボボボボボボボボボボボン!

 

多重影分身で200人に分身して戦力を各方面に配置するしか乗りきれんだろう。

 

「俺はイリスを探しながら機動鎧殻を潰していくか。」

 

そう言って俺は天高く飛び上がり、楔を打ち込んでいく。

 

「忍法・六赤陽陣!」

 

結界内に更に赤い結界を出現させる。

 

「管理局員全員に通達!結界の内側に赤い結界を作った。それに触れないように気を付けろ!」

 

『了解!』

 

「さて、後は・・・」スゥ…

 

俺は輪廻眼を輪廻写輪眼に更に変化させて、イリスを探し始めた。

 

「チッ、機動鎧殻と群体が邪魔だな。これがイリス計画によるものなのか・・・だが、まとめて焼き払う!」

キュイイイイイイイイイイイイイン

 

「バーニング・マグナム!!」

 

ゴオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!

 

ガシャン!

 

「マグナムを少し使いすぎたか。マグナム残弾7か・・・」

 

少し温存しなければ・・・

 

ゴウ!

 

 

「レインボーブリッジの方か・・・ッ!」

 

突然また頭痛が襲ってきたと思ったら、俺は40年前のあの時の記憶を取り戻した。

 

・・・そうだ。あいつはなにも知らない委員会の皆を皆殺しにしたんだ・・・!

だから俺とユーリは、あいつを・・・

 

 

ビリリ!

 

「ッ!分身が消された・・・それにこの反応は・・・!」

 

(近くに居るのはアミタか・・・確かあいつにも渡していたな。なら!)

 

「今度こそ決着を付けるぜ、マクスウェル!」シュン!

 

 

 

シュン!

 

ドガガガガガガッ!!

 

「・・・マクスウェル!貴様だけは赦さんぞ!」

 

「久しぶりだね、悠飛。」

 

「エルトリアの惑星再生委員会の皆を皆殺しにして、自身はイリスを利用して復活する機会を伺って、今度はこの星に仇なすか!」

 

「この星は良い星だ。良質な資源がたくさんある。ここを拠点として、イリス計画を実行するとしよう!」

 

「縛道の九十九・禁!」

 

バシュルルルル!

 

ドスドスドス!

 

 

「ナイスだ圭吾。九十番台を詠唱破棄でここまで出来るのはお前くらいだ。」

 

「どうも。」

 

「さて、マクスウェル。このメンツから逃れられるとでも思うなよ?」

 

「私が手を下すまでもないさ。」

 

「何!?」

 

ドガッ

 

「ぐっ!」

 

「ユーリ!」

 

「後は任せたよ?ユーリ。」

 

 

「くそ、こうなったら・・・お前ら!限定解除許可する!この結界内ならどう暴れたって結界を解いたらもとに戻る!画竜点睛を使うぞ!」

 

「「「「了解!」」」」

 

「十二門封印完全解放!」

 

『限定解除、画竜点睛!!』ドゥッ!

 

「フルドライブ!アインス、ユニゾンするぞ!」

 

「はい、主悠飛!」

 

『ユニゾン・イン!』キュイイイン!

 

「ユーリを泣かせた罪、償って貰うぞ!」

 

「悠飛!お前はマクスウェルを追え!」

 

「ここは俺らに任せろ!」

 

「分かった。油断するなよ!なのはとアミタは俺に付いてこい!」

 

「うん!」

 

「はい!」

 

シュバッ!

 

ゴオオオオオオオオオオオオオオオオ

 

 

 

 

「御二人とも、申し訳ありません。関係のないこの星で、このようなことになってしまって。」

 

「気にするな、これは俺が40年前にやり残したことだ。」

 

「それに、困ったときはお互い様です!」

 

「なのは、作戦はCプランで行くぞ。」

 

「了解!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「3・・・2・・・1・・・今だ!」

 

ガギン!

「ぐっ!」

 

シャン、シャン、シャン!

 

「縛道の三十・嘴突三閃!」

 

ドドドン!!

 

ガシン!

 

「ッ!アクセラレイター・オルター!!」

 

バギン!

 

ドゴォ!

 

「がっ!」

 

「アミタ!」

 

「さようなら、アミティエ!」

 

させるかよ・・・

 

「アクセラレイター・オーバードライブ!!」ドゥッ!

 

「アクセラレイター!!」ゴオッ!

 

「オラァ!」

 

「はぁ!」

ドゴオオオオオオオン!

 

 

「・・・悠飛さん・・・なのはさん・・・」

 

「何のためにお前からナノマシンを貰ったと思っている?全てこのためよ!」バチッ!

 

「何度も見てたから出来るかなと思ったんですが、ッ!少し無茶しましたね。」バチッ!

 

「・・・エルトリア式フォーミュラーと、魔導の融合・・・イリスとユーリを使って研究していたものをあんな子供に・・・素晴らしい!君も私の子供にしてあげよう!」

 

プツン

 

「・・・馬鹿なこと言ってんじゃねえぞ、このド変態野郎が!てめぇなんかになのはは渡さねぇ!てめえのふざけた幻想は俺がここでぶっ潰す!」

 

ゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!!!!!

 

 

「悠君!(なんてすごい密度の魔力・・・これが悠君の全力・・・!)」

 

 

マクスウェルの一言で遂に俺は怒りが限界を越えた。

 

限界を越えて俺の力は一気に全盛期に立ち戻った。

 

いよいよ決着が付こうとしていた──────────

 

 

 

 

 

 

                        続く

 

 

 

 

 

 




遂にキレた悠飛によってマクスウェルは追い込まれる。
しかし彼の秘策は軌道上にあったのだった。

関東一円が焼き払われると分かり、悠飛は・・・

次回
全て遠きーーー


俺はまだ・・・死ぬわけにはいかない!


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全て遠きーーー

いよいよ戦いも終局へと向かう
怒りが限界を越えた悠飛は己の限界をも突破する


ズドドドドドドドドドドドドドド!!!

 

「おおおおおおおおおおお!!!!」

 

「何だ?何なんだこいつは!?」

 

カシャッ

 

ガシャコン

 

ガルルルルルルルルルルルル!!!

 

(限界なぞとっくに来てんだよ!だけどな、お前だけは倒さなきゃあ行けねぇんだよ!)

 

(主よ、これ以上は!)

 

(もう少し持たせろ、アインス!)

 

なのはが耐えているんだ!男の俺が耐えられないワケねぇだろ!

 

 

 

ゴオッ!

 

 

「喰らいやがれ!」

 

俺が持ちうる最大の範囲攻撃。右手に超高密度に圧縮して焼き払う広範囲殲滅奥義が一つ

 

「ブラスト・バーン!!」

 

ドドドドドドドドドド!!!!

 

「ぐぉおおおッ!」

 

「今!」バシュン!

 

バギン!

 

「二重の極み!」パァン!

 

「ホーネットジャベリン!」

 

「エクシード・エストレア!」

 

「ブラスト・カラミティ!」

 

「「ファイア!!」」

 

ドゴオオオオオオオ!!

 

「うぐぁああああああああああ!」

 

そのまま押さえてろよ!今!飛びっきりの一撃でとどめ刺してやるからよ!

 

ゴオァアアアアアアアアアアア!!!!

 

「バースト・エンド!!!」

 

ドゴオオオオオオオン・・・

 

 

「ハァ!ハァ!ハァ!ハァ!」

 

「もう、御二人とも無茶し過ぎです!」

 

「疲れてるとこ悪いが、何やら怪しげな場所がある。」

 

「こちらの勝ちだな。」

 

「どうかな?」

 

この施設の金属は()()()()()()()()()

つまり・・・

 

「ここの金属には全てマーキング済みなんだよ!」

 

《飛雷神の術!》ヒュン!

 

 

 

 

 

 

 シュン!

 

 

「行くぜ、完成体須佐能乎!」ゴオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!

 

ズバズバッ!

 

ドゴオオオオオオオン!!!

 

読んでんだよ・・・砲撃が来ることくらい!!

 

「《八咫鏡》!」

 

ギュイイイン!

 

そして俺は大気圏を突破した。

 

「てめぇを破壊させて貰う。」

 

バサッ!

 

キュイイイイイイイイイイイイイン!!!!

 

「!」

 

「《神威》!」

 

ギュオォォォ!!

 

 

「これが俺の切り札だ!」

 

ゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!!!!!

 

「真・臥龍天征!!」

 

真・臥龍天征────

 

この技は俺が導かれ、そしてたどり着いた龍神流の隠された最後の技

その力は、その身に纏った龍の力を完全解放して対象にぶつけることで対象を消滅させる。

その代償として、俺は魔力が枯渇する。

 

 

「うおおおおおおおおおおおお!」

 

 

ドゥッ!!!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・終わった、のか?」

 

 

魔力が空になって感知も出来ないから状況を把握するのに時間がかかる・・・!

 

ガシィッ!

 

「なッ!てめえ!」

 

ppppppppppp────────

 

カッ──────────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・くそ、やっちまったなぁ・・・」

 

ダメだ。魔力が尽きててどうにも出来ねぇ・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

諦めるのか?

 

 

 

そうじゃない。

 

 

 

 

逃げ出すのか?己の役目から

 

 

違う、全うしたんだ

 

 

「いや、お主はまだ帰るべき場所がある。

 帰りなさい。愛する者のいるところへ・・・」

 

「・・・そうだ。俺はまだ・・・死ぬわけにはいかない!

俺にはまだ、俺の帰りを待ってくれている人たちがいるんだ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「う、ぐぁっ、なのは・・・フェイト・・・はやて・・・なんで?」

 

「助けにきたよ、悠君。」

 

「私たちに無理はするなって言うくせに、自分がこんなになるまで戦って・・・」

 

「さ、帰ろう?皆が待ってる。」

 

「帰りましょう、我が主。」

 

「・・・ああ。」

 

 

そこから俺は眠りについた

そして次に俺が眼が覚めたのは1週間後だった──────

 

 

 

 

 

 

 

                          続く




事件は終わり、世界に平和が戻った。

しかし、悠飛にはやることが残っていた。


次回

40年越しの約束


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40年越しの約束

戦いは終わった。
だが、果たさねばならない約束が残っている


あの戦いから一週間後

 

 

 

 

 

 

 

 

「う、ぅあ、ここは・・・本局医療部?」

 

 

「お、やっと目醒ましたか。」

 

「圭吾?」

 

「魔力切れで一週間も寝とったんやぞ?お前は。」

 

「そんなにか。」 

 

それもそうか。何せ極限状態で真・臥龍天征を使ったんだから当然と言えば当然か。

 

ぐぎゅるるるる~~~

 

「・・・・・・なんか、食うか?」(・・;)

 

「・・・うん。」( ´-ω-)

 

というわけでシャマルが来るのを待ってから食堂へ向かうことにした。

 

食堂

 

 

 

「モッキュモッキュ、モッキュモッキュ。」

 

「・・・・・・やっぱあの技ってそこまでか?」

 

「ゴクン!ああ。画竜点睛時の魔力も全て持っていかれるから、使ったあとは無防備になるし、極度に酷使された体が着いていけずに一週間も眠りにつく。黒龍波を喰ったときと一緒だが、威力と期間が桁違いだ。」ハムッ、ハフッ、ハフッ

 

「それで今まとめてエネルギー補給する羽目になるってか。初代様もとんでもねぇ技遺したな。」

 

「画竜点睛を極めたもののみが至れる究極とでも言えば良いのか、ある意味悠飛のための技だな。」

 

「黒龍波と画竜点睛を極めたからこそか。」

 

「今回は使わざるを得なかったが、あんな技本来単騎でやるには無防備過ぎるからな。もう二度と単騎では使わねぇよ。」ガツガツ!

 

「てかお前どんだけ食うねん!周りが引いとるぞ!?」

 

「しゃあないやろ、魔力がスッカラカンになったんやから魔力補給せな回復も出来んやろ!」バクバク!

 

「凄い量を食べてるんですね・・・」

 

「ん?アミタか。技の代償で魔力がスッカラカンになったからな。お前がエレノアから医療用ナノマシン貰って俺に注入してくれたのはええけど、魔力に関しては食わなきゃ回復しねぇし、もともと俺の回復力の強さは魔力に依存してるからな。とっとと回復させるために今食ってんのや。」

 

 

「まあ、俺らの場合は総魔力量がとんでもないから余計になんやが・・・」

 

「それはそうと悠飛、陛下には俺らで報告は済ましとるで。」

 

「悪い、手間かけた。」

 

タッタッタッ

 

「悠飛!」

 

「ユーリ!・・・ん?ディアーチェ達ちっさくなってね?」

 

 

 

それからユーリに全てを聞いた。マクスウェルは無期懲役で捕らえられるとのことだ。下手に殺すより効果的だと圭吾たちが判断したようだ。

 

イリスは情状酌量の余地は有れど、事件を引き起こした張本人の為しばらく取調室にて取り調べ中

 

 

 

そして────

 

「あなたはどうするんですか?」

 

「ま、そりゃあ聞いてくるわな。」

 

「貴様はどうするのだ?エルトリアに来るのか、こちらに残るのか。」

 

「まあ、40年前の忘れ物を取りに行かなくちゃいけねぇな。」

 

「じゃあ!」

 

「ただし、こっちの生活もあるから週末限定ってところだな。」

 

 

 

「・・・そうですよね。」

 

「ま、そんな顔すんな。エルトリアの再生が軌道に乗ればこっちに来れば良いだけだ。それまでお前らに付き合ってやるよ。」ポンポン

 

「なんや悠君えらい手慣れてるな?」

 

「そんな言い方すんな。」

 

 

 

それからしばらくは川神に行ったり観光に行ったりしてアミタやキリエの事情聴取が終わるまで楽しんだ。

 

 

 

 

そして──────

 

 

 

 

「任せろ。こいつらは俺がしっかり送り届けてくる。」

 

「お願いします。」

 

それぞれ別れの挨拶をして惜しんでいた。

 

 

イリスも聴取の後に特別に許可を貰って見送りに来た。

 

「結局、あんたにも世話になったわね。」

 

「気にすんな。結局は40年前の不始末が原因なんだからな。思えばあの時のお前たちに別天神(ことあまつかみ)をかけておけば良かったが・・・」

 

「お詫びにあんたが困っていたら私たちも必ず助けてあげるから。」

 

「その時が来たら頼む。」

 

クスッ

 

「???何だよ?」

 

「あんたって結構素直なのね。」

 

「そんなことねぇよ、過去のことで随分ひねくれた性格になっちまった。」

 

「そして、凄く優しい。」

 

「「「それが悠君(飛)の魅力ですから。」」」

 

「なるほどね、そうやってこの子達を落としたのね。」

 

「人聞きが悪い。」

 

「お前ら~、そろそろ時間やぞ~?」

 

ゴホン

 

「そんじゃ、ちょっと行ってくるわ。」

 

「行ってらっしゃい。」

 

「ああ。」

スタスタスタ

 

「ん・・・行ってくる。」

 

『あわわ、あわわ///』

 

「圭吾、俊介、辰徳、隆一。準備は良いか?」

 

「「「「おう。」」」」

 

「行くぜ。」

 

「「「「「飛雷神の術!」」」」」バシュン!

 

 

バシュン!

 

 

「「「「「どわぁあああああああ!?」」」」」

 

ドンガラガッシャーン!

 

「いつつ、帰宅とはもう少し穏やかにだな・・・」

 

カツ、カツ、カツ

 

「・・・行ってこい。」

 

 

 

 

 

「お帰り、みんな。」

 

 

 

「「「ただいま!」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                        続く




40年前の約束
それはエルトリアの再生

それが終われば・・・






次回

エピローグ・エルトリア


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エピローグ・エルトリア

アポコラボワンターンキルで周回中


事件が終わり、俺たちがエルトリアに通い始めてはや3ヶ月。

 

こちらにはクー・フーリン、カルナ、ヴラド三世、佐々木小次郎、ディルムッド・オディナの5人の英霊をつれてきている。

 

害獣の駆除にも使えるがこの男たち、なんと農作業が得意なのだ。(詳しくはYARIOで)

 

 

「おう、帰ったかいマスター!」

 

「ああ。ようやく惑星再生の足掛かりになりそうなものが見つかったからな。」

 

俺たちがやったのは何てことはない。星そのものに六道の力を使ったのだ。

 

それが原因で俺たちは3日間寝込んだが・・・

 

「にしても俺ら無茶しかしてねぇな。」

 

「「「「そやな。」」」」

 

「そなたたちは少し休むが良い。それに畑仕事は我々の役目だ。」

 

「皆さん、お疲れ様です。お昼をお持ちしましたよ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それにしてもこの星も随分再生が進んできましたね。」

 

「ああ。グランツの病も俺たちでだいぶ良くなったしな。」

 

「それで悠飛がお前らに聞きたいとがあるんやと。」

 

「聞きたいことですか?」

 

「あー、その、なんだ?

この星の再生も大分進んだ。後はこの地に何人か人を下ろして試験をするだけなんやが・・・試験が終わったら、お前らこっちに来んか?」

 

「え・・・それって・・・?」

 

「つまり、地球に来ねぇかって言いたいんだよ!」

 

「ありがたい申し出では有るんだが、これ以上迷惑は・・・」

 

「迷惑じゃねえよ、むしろお前らみたいな逸材を放っておけるか!

それに・・・」

 

 

「それに?」

 

「お前らには、今のミッドを見せてやりたいしな。」

 

「悠飛・・・」

 

「おい、婚約者居んのに口説いてんじゃねえよ!」

 

「口説いてねぇよ!あくまでも初代様の意向だろうが!!」

 

「またまたぁ!そんなこと言って本心は違う癖にぃ!」

 

「・・・よし、エレノア、ディアーチェ。今夜のこいつらの飯は俺が作ってやる。そろそろ蔵で寝かせていた豆板醤が良い具合になった頃だろう。」

 

 

「うげ!からかいすぎた!」

 

「やめてくれ!あんな激辛食いもんじゃねえ!」

 

「食いもんじゃないとは失礼な。あれは愉悦というものだ。」

 

「いや、あれは最早拷問や!」

 

「ディアーチェ、後でメニューを教えてやる。これはうちの連中の仕置用のメニューでな。うちに来るなら覚えておけ。」

 

「・・・・・・一体何なのだそれは。」

 

「四川式激辛麻婆豆腐だ。」

 

「いや、あれはもう激辛の領域じゃねぇよ!」

 

そんな一幕があったエルトリアのお昼時だった。

 

 

 

 

 

 

更に1ヶ月後

 

 

「それじゃあ、忘れ物は無いか?」

 

「大丈夫です。」

 

「流石にこの大荷物と人数を一気に運ぶのは無理やからな。神威を使ってお前らを神威の空間に飛ばしてから飛雷神で飛ぶ。」

 

「最後にこの風景を心に刻んでおくと良い。」

 

そこには緑豊かな土地が広がる美しい景色が広がっていた。この星はもう大丈夫だ。後は試験に合格した人たちに任せるとしよう。彼らにもノウハウは教えてきたから大丈夫だろう。

 

 

「それじゃあ、行くぞ。

 

 

 

 

 

 

 

   《神威》!」

 

ギュオォォォ!!

 

 

 

スッ

 

「飛雷神の術!」

 

バシュン!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バシュン!

 

 

「お帰りなさいませ、マスター。」

 

「ベディ、手はず通りになっているな?」

 

「はい。万事整っております。」

 

「なら、《神威》!!」

 

ギュオォォォオオオオ!!!

 

「ここは、悠飛の家か。」

 

「俺の伝手でお前らの戸籍はなんとかなった。それに、アレにも間に合ったしな。」

 

「アレ?」

 

「全て明日になればわかる。今は「おかえり!悠君!」ただいま、はやて」

 

「小鴉!貴様はまた話の途中で!」

 

「やって私は悠君の正妻やもん!正妻の言うことは絶対☆」

 

「たわけ!」

 

「まあ、王さまたちも悠君のお嫁さんになるんは賛成やで?」

 

「はやて・・・お前また勝手に・・・」

 

「えっと・・・私は一向に構いませんが///」

 

「ボクも良いよ!悠飛と一緒にいると嬉しいし☆」

 

「もちろん、ユーリも一緒や!」

 

「はやて、いい加減にしろ。話が進まん。」

 

数分後

 

「話をもどすぞ?とりあえずお前たちの住まいが見つかるまで我が家に滞在すると良い。部屋は各々別室になってるから広いはずだ。」

 

「何から何まで申し訳ない。」

 

「ま、今日はゆっくり休むと良い。俺たちも明日に向けて準備しなきゃいけねぇし。」

 

 

 

こうしてフローリアンと紫天一家の引越し初日は終わりを告げた。

 

 

 

そして、翌日。俺たちはある場所に来ていた。

 

 

 

「こ、これで良いのか///」

 

「似合っとるよ、悠君!」

 

「いざ人前に出るとなると、ちょっと恥ずかしいな・・・」

 

「陛下に謁見するときしか着なかったからな///」

 

「それでは皆さん、こちらへ。」

 

そして────────────────

 

 

 

 

「本日は皆様にお知らせすることがあります。」

 

そう。今日は世界に俺達の存在を公開する日だ。

 

「こちらにいる5人は皆様が今まで知りたがっておられた最強の5人です。これから皆様にご紹介致します。

 

まずは『正義』、出河圭吾。」

 

 

「『正義』の称号、出河圭吾、ここに。」

 

「『自由』、松尾辰徳。」

 

「『自由』の称号、松尾辰徳、ここに。」

 

「『再生』、入間俊介。」

 

「『再生』の称号、入間俊介、ここに。」

 

「『誓約』、宮崎隆一。」

 

「『誓約』の称号、宮崎隆一、ここに。」

 

「そして、『天帝』、龍神悠飛。」

 

「『天帝』の称号、龍神悠飛、ここに。」

 

「以上5名が我々皇族の守護者にして従者であります。」

 

ざわ・・・ざわ・・・

 

 

(やはり政治家共は騒ぐか。)

 

「少し宜しいでしょうか?」

 

「何でしょうか?」

 

「そちらに見えるのはどう見ても小学生ではありませんか。陛下はそのような子供の言うことを真に受けていると?」

 

「陛下の仰ることは本当のことだ。」

 

「総理・・・!」

 

「実際そいつらは最強だぜ?何せ川神院の総代を力の片鱗を見せただけで勝っちまったんだからな。」

 

ざわ!

 

「総理、それは言っちゃあ不味かったんじゃねぇか?」

 

「おっと、そうだったな。世界放送でうっかりカミングアウトしちまった。」

 

「後が怖いぞ?」

 

この時全員が思った。

 

{そ、総理とタメ口で話している!?}

 

 

「それに世界各国はこいつらを怒らせないようにご機嫌とりに必死だ。お前らもこいつら怒らせると、命が幾つ有っても足らんぞ?」

 

 

「それでは代表して『天帝』から皆様にお言葉を。」

 

さあ、こっからだ。

 

 

 

「まず全世界に向けて言うことは、俺達の存在を明かしたからには如何なる理由が有ろうとも、この国に災厄をもたらす者は俺達が赦さない。その時は、命を捨てる覚悟で来い・・・!」ギン!

 

その言葉で周りに緊張が生まれる。

 

「そして、俺達は政府の要人であろうともを私腹を肥やした奴らは・・・切り捨てる!」

 

「ふざけるな!そんなもの殺人ではないか!我々がそれを許すわけ無いだろう!」

 

「無駄だぜお前さんたち。こいつらには連合各国が治外法権を与えている。こいつらが悪と断定したら正義の名の下に切り捨てるぜ?」

 

「・・・なん・・・だと・・・?」

 

「事実だ。俺達には治外法権が与えられている。貴様らが私利私欲に溺れ道を踏み外したなら、俺達が悪・即・斬の正義の下に斬る。

 

 

 

犬は餌で飼える・・・人は金で飼える・・・だが、龍の一族を飼うことは何人にも出来ん!!」ギン!

 

「ひっ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こうして俺達は全世界に存在を明かし、牽制をした。

 

俺達の生活を邪魔する奴は誰であろうと滅ぼすと。

 

 

 

 

 

 

そして世界連合は正式に俺達の治外法権を認め、自分達は怒りに触れないように善政を敷くこととなる。

 

 

 

 

 

 

 

「こういうことだったんですね・・・」

 

「スッゴいこと言っちゃってるわよ?彼。」

 

「なんだ、結局昔から変わらないじゃない///」

 

「ですね///」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてそこからなのだが、俺達は地球ではスラブに行っては炊き出しや井戸掘り等のボランティアをし、テロがあればテロ組織を壊滅させるまで叩きのめすのが日常となっていく。

 

 

 そして管理局では────────

 

 

「──────よって我が息子たる龍神悠飛を総大将候補とする。異論は認めん。」

 

 

「局長、その言い方は不味いかと。」

 

「総大将候補となるに当たっててめぇらに言うことがある。」

 

ざわ

 

「俺は汚い手を使う奴を赦さねぇ。それをすることで必ずどこかで哀しみが生まれる。そういう奴を見つけたら容赦なく斬る。」

 

ゾクゥッ!

 

「俺はベルカ最強と謳われた『天帝(プロヴィデンス)』の直系の末裔であり、継承者だ。お前たちの心を俺に示せ。」ドン!

 

ザッ

 

そうして管理局の幹部役職たちは頭を垂れた。

 

「ではここに満場一致とみて我が息子、龍神悠飛を総大将候補に任命する。ただ、まだ修行の身であるため数年はあらゆる任務をこなしていくことになる。皆には色々とフォローをしてやってほしい。」

 

『はっ!』

 

こうして俺は総大将候補となり、入局から僅か3年で総大将になることとなる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                  to be Next Stage・・・

 

 




これにてエルトリア編は終了となります。

今後は空白期をベースに書いていき、Strikersに繋げていきます。


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日常編(空白期)
どうしてこうなった?


本日は金曜日

 

 

今週の学校も後1時間で終わるんだがーーーー

 

 

 

「悠飛!やっちゃいなさい!」

 

「ゆう君、頑張って!」

 

 

どうしてこうなった?

 

 

 

ことの始まりは数分前

 

 

「お前どの教科も満点だけど、ほんとはずるしてるんじゃねえのか!」

 

「そんなのするわけないでしょ!変な妬みはやめて頂戴!」

 

隣のクラスと合同で体育なんだが、そのうちの一人がアリサに言い掛かりを付けてきたことに端を発する。

 

「こうなったらうちのクラスとお前らのクラスで勝負だ!」

 

「望むところじゃない!」

 

とあれよあれよと言う間にこの時間で勝負することになった。

 

種目は野球で、隣のクラスにはリトルリーグに加入しているメンバーが多く、こちらのクラスには軟式のチームに入っているのがほんの数人だけ。そこで白羽の矢が立ったのが俺達だった。

 

俺はライトで辰徳がセンター、圭吾がレフトでキャッチャーが俊介、そして隆一がショートだ。

 

「とりあえずこの布陣で行くが、なにかあれば俺がマウンドに立つ。」

 

「あいよ。」

 

そして試合が始まったが、ピッチャーが結構打たれてあっという間に満塁になった。

 

守備の方もガチガチになってエラーが多い。

 

「へ、どうせお前らには止められないよ!」

 

ほう・・・言ってくれんじゃねぇか・・・

 

「ピッチャー!外野に打たしてもいい!俺らで止める!」

 

さて、御膳立ては済んだな。

 

カーン!

 

お、俺のところに飛んできたな?

 

タタタタタタタ!

 

ちと深いが問題ねぇ!

 

パシ!

 

 

「1点いただき!」

 

タタッ!

 

「オラ"ァ!」

 

ギュオ!

 

ギュルルルルルルル!

 

バシィ!

 

「あ、アウト!」

 

『スッゲー!』

 

『何今の!?ボールが低空でノーバンで帰ってきた!?』

 

「相変わらず鋭いな、アイツのレーザーは。」

 

レーザービーム

 

野球において強肩の外野手でもごく一部の選手にしか出来ない矢のような送球を指す。一番有名なのはメジャーに行った外野手のライト前ヒットからのサード捕殺である。

 

 

「ライトの深いところからホームまで超高速超低空弾道のレーザービームはアイツにしか出来ん芸当や。」

 

(ねぇ、はやて。悠飛って身体能力もリミッターかけてるはずよね?)

 

(確かにかけとるけど、それでもあそこまでなんて・・・)

 

((((((やっぱり私達の未来の旦那さん、規格外過ぎる・・・))))))

 

カーン!

 

タタタタタタ!

 

ポトッ

 

「へ、どうせ他はそこまでなんだろ!」

 

「それはどうかな?」

 

センター前にポトリと落ちたボールを辰徳が()()()()()()ホームに返した。

 

「でゃ!」ビュゥン!

 

キュルルルルルルル!

 

バシィ!

 

「残念、アイツだけやないんや。」

 

「アウトォ!」

 

『おぉーーーー!』

 

『またまたノーバン!しかも素手で掴んで投げやがった!?』

 

「ごめん!いきなりこんなピンチ作っちゃって。」

 

「気にすんな!俺らで何とかしたる!」

 

打順は2番から俺達が入っているから直ぐに出番が来るな。

 

1番は三振で終わってしまったが2番の圭吾がセンターへヒットを放ち3番の辰徳はしぶとく粘ってフォアボール。

そして4番の俊介がライト前に落として満塁。

 

「さて、アイツらが作ったチャンス、物にしないとな。」

 

そして冒頭に戻る

 

 

(さぁて、どれを打つかな?)

 

ビュン

 

バス

 

「ボール!」

 

(さっきから思ってたけど、こいつ真っ直ぐとチェンジアップしか投げてねえな。)

 

これでピンと来た。こいつ、普段チームで活躍できないから自分より弱い奴を相手にして自分は強いって思い込みたかったんだろうな。ま、俺達が相手するからそれも無駄なんだがな。

 

ビュン

 

ど真ん中!

 

ブン!

 

グワァキーーーン!!

 

会心の当たりに俺はバット投げをして確信歩きをした。

 

ポーン・・・

 

「ホームラン!」

 

『ワァーッ!!』

 

「ああ、やっぱり悠君はカッコエエわぁ///」

 

「ねぇ、アリサ。何で悠飛はバットを投げたの?」

 

「あれはバット投げって呼ばれててプロの世界ではホームランを確信したらああやってバットを投げるの。」

 

「もちろん、投げない人もいるけどあれでもうホームランって分かっちゃうから、ファンの人にとってはもうパフォーマンスみたいなものだよね。」

 

「それに打った後に歩いていたのは確信歩きって呼ばれてて、あれこそ強打者の特権よ。」

 

「ねぇ、はやてちゃん。悠君の今のバッティングってもしかして?」

 

「うん。完璧に狙ってたよ?あんな甘い球、悠君が見逃すわけないやん。」

 

 

 

 

 

そんなこんなでこの回に隆一も一発を放って一挙5点を先制した。

 

相手のピッチャーはマウンドに崩れ落ちていた。

 

そしてそれ以降、こっちのピッチャーも2回を投げてヒットを打たれるものの俺達で失点を防いで、いよいよ最終回の3回表に来た。流石にピッチャーも疲れてきていたので俺がマウンドに上がり、ライトにはすずかを指名して守らせた。

 

 

「球種はいつも通りか?」

 

「いや、こちらから念話で送る。」

 

「わかった。好きに投げろ、絶対に捕る。」

 

「いつも難なく捕るくせによく言うよ。」

 

さあ、ここを押さえたらこちらの勝ちだ。

 

 

(最初は縦スラだ。)

 

(オッケー。)

 

振りかぶって・・・

 

ビュン!

 

投げた!

 

 

ギュルルル!

 

(ど真ん中!)

 

ククッ!

 

スカッ!

 

バスン!

 

「・・・え?」

 

「ストライク!」

 

(何だ今の!?ボールが消えた!?)

 

(次はドロップカーブ。)

 

(わかった。)

 

ビュン!

 

 

(何だ?すっぽぬけか?)

 

ギュルルルルルル

 

ククククッ

 

(なんだよ!この変化は!?)

 

バシィ!

 

「ストライク、ツー!」

 

 

(相変わらずエグい変化するなぁ。)

 

(今のはギリギリだったな・・・)

 

俺のドロップカーブはスピンが強すぎて変化が大きすぎるからコントロールが難しい。

 

 

 

 

 

 

 

 

「今のって・・・」

 

「あれはドロップカーブって言って所謂縦割れのカーブや。」

 

「にしても今のは・・・」

 

「前に悠君が言ってたけど、悠君のドロップカーブはスピンが強すぎて変化が大きすぎるからコントロールが難しいって言ってた。今のは偶々外低めに入ったんやろ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(とどめはこいつや。)スッ

 

(ッ!わかった。思いっきりこいつや。)

 

 

ビュン

 

 

ククッ

 

ククククッ!

 

ブワァ!

 

 

「!?」

 

ブン!

 

バス

 

「ストライク!バッターアウト!」

 

『え、今のってまさか!?』

 

「悠飛ってあんなのも投げれるのね・・・」

 

「ねぇ、今のって私の目がおかしくなったのかな?ボールが幾つにも分裂して見えたけど?」

 

「大丈夫よ?誰の目もおかしくなってないわ。」

 

「今のはプロやメジャーでも魔球と呼ばれている変化球・・・ナックルボールや。」

 

「ナックルボール?」

 

「普通ボールには回転をかけて、その回転を利用してボールを変化させてるんやけど、ナックルの場合は指を立てて、ボールに回転をかけないことで空気抵抗を最大限に活かして不規則な変化をさせる。つまり、ボールがブレて見えるんはそれが理由や。」

 

 

 

 

 

 

 

そう、これこそが変化球における俺のとっておき。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてあっという間に後一人になりツーストライクで追い込んだ。

 

 

 

 

「最後は宣言する。真っ直ぐだ。」

 

『おお!予告ストレート!』

 

 

(あんにゃろう、舐めやがって!)

 

バッターはもう普通では居られなかった。

自身のプライドをズタズタにされて、ここまで虚仮にされたのだ。無理もないがそれでも周りからすれば最早彼は道化である。

 

 

スッ

 

悠飛が振りかぶって・・・

 

 

「でゃ!」

 

ビュゥン!

 

ギュルルルルルルルルルルルル!!!!

 

ズバァン!!

 

バッターは手が出なかった・・・いや、手を出せなかったのだ。

 

 

悠飛が最後に投げた真っ直ぐは変化球をずっと見てきた彼らにとって反応すら出来ない速さだったのだ。その球速は・・・

 

 

 

 

128km/h

 

これを小学生に打てと言うほうが酷である。

 

「ストラックアウトォ!」

 

 

 

 

 

この試合を機に彼らが突っ掛かってくることは無くなり、大人しくなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いやぁ~、相手ピッチャーのあの顔を見たらスッキリしたわ!」

 

「あ、アリサちゃん・・・」

 

「ま、自業自得だな。自分の領分を弁えずにああした結果、自分が恥をかいて面目丸潰れ。調子に乗るとああなる。」(愉悦顔)

 

「おい、お前今愉悦を感じただろ!?」

 

「まあ、あれは俺もそうなるわ。清々したわ。」ニヤリ

 

「どうせ弱いものいじめして悦に入りたかったんだろう。そういう奴を負かして愉悦に浸るのは俺らの専売特許やからな。」ニヤッ

 

 

「・・・たまにあんたたちが怖くてしょうがないわ。」

 

「安心しろ、お前らの前では素で居るって決めたんやから。お前らにはあんなことせぇへんわ。」プイッ

 

((((((か、かわいい・・・/////))))))

 

 

そんなことがあった金曜日の夕方であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

                         続く

 

 

 

 




うp主は野球やってました。
虎党です。


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悠飛の日常

あれから1年が経って俺達は中学に上がった。

 

ただ、中学からは別の学校に通っている。

もともと聖祥中学は女子校なので必然的に別の学校に変わっただけだが・・・

 

そんな俺達の日常の一部

 

 

 

カチャカチャ

 

「マスター、こちらの部品は何処へ置けば宜しいかな?」

 

「ああ、それはこっちに持ってきてくれ。」

 

「了解した。」

 

カチャカチャ

 

 

今俺は自作のバイクを製造しているところだ。

 

俺達は中学に上がってから一気に背が伸びたからそろそろ乗っても大丈夫だろう。

 

それにこのバイクにはある機構が搭載されている。

 

 

「エジソン、そのパーツはこっちにくれ。」

 

「了解したぞ、圭吾。」

 

今バイクの製造を補佐しているのはニコラ・テスラとトーマス・エジソンの2騎の英霊、そして圭吾である。

 

テスラとエジソンはこういうのには優秀だが、直流か交流かで直ぐにケンカするから扱いが難しい。

 

「マスター、そろそろ休憩にしなさい?」

 

「ああ、ありがとうエレナ。」

 

エレナ・ブラヴァツキー

 

十九世紀のオカルティストで通称ブラヴァツキー夫人

 

この2人とは旧知の仲らしく有り体に言えばこのバカ2人の保護者である。

 

「悠飛、お菓子持ってきたわよ?」

 

「ありがとう、アリサ。」

 

ここ最近はアリサとすずかがうちに泊まることが多くなった。

親公認とはいえ少し気恥ずかしさがあるが。

 

「いやはや申し訳ない、レディ。」

 

「かたじけない、アリサ嬢。」

 

「サンキュー、アリサ。」

 

ん?この羊羮・・・

 

「これ、結構高いやつじゃなかったっけ?」

 

「いいのよ。パパが持っていけって言ってたから。」

 

「デビットさんもジョディさんも結構日本に馴染んでるよな?」

 

「アリサも純アメリカ人なのに日本に暮らしてるしな。」

 

「まあ、日本のほうがいいと思ったからじゃない?」

 

「確かに、アメリカだと銃社会やから日本のほうが遥かに安心できるか。」

 

「それより、あんたたちは良くこんな複雑なマシン造れるわね?」

 

「造ってて面白いってのも有るけどな。」

 

「たまにはこうして機械と向き合って黙々と作業したくなるしな。」

 

「ここ最近は私達の修行もつけてくれてたもんね。」

 

「それに、最近は何かと物騒だからな。コイツがあれば、皇居への移動も楽だし、防衛機能も備わってる。」カタカタカタ

 

そう言ってから、アリサに今造ってる多機能バイクのスペックを見せた。

 

「これはまたとんでもないものを造ってるわね・・・」

 

「この世界の人間には後100年待たなきゃ造れない代物だからな。」

 

「今度ミッドでの移動手段でお前らのも造ってやるよ。」

 

「その前に免許とれなきゃ意味ないわよ!?」

 

「ああ、ミッドでもバイクの免許は15からだったか?」

 

「それよりもミッド文字教えなさいよ。」プイッ

 

あ、この反応はしばらく構ってもらえなかった時の反応だな。

 

トンッ

 

「許せアリサ、また今度な?」

 

「~///」

 

「さて、休憩も終えたし続きやるか。」

 

 

ガチャガチャ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数時間後

 

 

 

ギュイイイイイイイイイガルルルルルルル!!!

 

 

ガチャ

 

カキッカキッ

 

「ふむ、こうしてみるとジャパニーズのこの技法は素晴らしいな。」

 

「機械で締めても完全に締まってるか分からんからな。最後にボックスラチェットで締めて確認する。そして組上がったらハンマーで打音検査してゆるみがないかを確認して、大丈夫ならそこで初めて完成だ。」

 

「全部機械でやろうとすると必ず綻びが生じるからな。やから一つ一つ丁寧な作業が必要なんだ。ただ大量に造ればいいって訳じゃない。乗り手の安全も守ってこそ、良いマシンと言える。」

 

「ううむ・・・耳の痛い話であるな。」

 

「反省するのだぞ?凡骨。」

 

「貴様もであろう、このすっとんきょう!」

 

バチ!

 

「おい、お前ら・・・」ギロ!

 

「「!!」」

 

「こんな火気厳禁な場所で電流流してんじゃねぇぞ。危険物に引火したらどうすんだ?」ギロ!

 

「こりゃあ仕置きだな。お前ら2人今日の晩飯は激辛麻婆豆腐5皿な?」

 

「「申し訳ない、反省しておりますマスター!!」」

 

「あなたたち・・・またやったのね?マスターに迷惑かけちゃダメじゃない!」

 

「さて、後は塗装だけだから今日はここで終いやな。」

 

 

 

 

 

 

 

こうして色々あったもののこの日の製造は終わった。

 

後日、プロトタイプの試乗をして企画していた以上の性能を発揮して5人全員分採用が決まった。

 

 

 

みんなの感想は「超高性能多機能バイク最高」だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                         続く

 

 

 



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気持ちの変化

アンリマユがやっと絆マになった・・・


「九種九牌・・・」

 

「なあ、おかしないか?」

 

「みんなもそう思うか?」

 

「いつも打点の高いお前が5回連続で九種九牌・・・嫌な予感がするな。」

 

ピシッ

 

「・・・湯飲みが独りでに割れた・・・」

 

ブツッ

 

「鼻緒が切れた・・・」

 

「さっきから縁起が悪いな・・・」

 

ビーッビーッビーッビーッ!

 

「ッ!アースラから緊急通信!?」

 

「こちら龍神家。どうした?」

 

『悠飛!なのはが・・・・・・』

 

「ヴィータ!なのはがどうした!?」

 

『なのはが墜ちたんだ!!』

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・え?」ポロッ

 

 

ガシャン

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ダダダダダダダダダダダダダ!!!!

 

 

「みんな!」

 

「悠飛!なのはが、なのはがぁ!」

 

「大丈夫だ!絶対に死なせはしない!

お前ら、準備しろ!」 

 

「「「「おう!」」」」

 

 

それから俺達は治療用術式を使って不眠不休で治療した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌朝

 

 

プシュー

 

 

「ッ!悠飛!なのはは!?」

 

「安心しろ、もう大丈夫だ。だが・・・」

 

「何かあるの?」

 

「ダメージは脊髄付近に来ていたから、歩けるようになるまで時間がかかるし、傷痕も残る。」

 

 

「そんな・・・」

 

「それに、なのは自身も随分疲労がたまっていたみたいだからな。いつ倒れてもおかしくない状態だったぞ?」

 

「それに関して、お前らは心当たり有るか?」

 

「そういえばここ最近はボーッとしてる事が増えてたような?」

 

「明らかに過労の兆候やないか!何で俺らに相談せんかった!」

 

「悠飛!落ち着け!」、

 

「ッ!すまん。」

 

何で俺はこんなに取り乱しているんだ・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

3日後

 

「う、ううん・・・あれ、ここは?」

 

「なのは!目が覚めたか!?」

 

「あれ?悠君?痛っ!」

 

「なのは、無理すんな。傷は塞いだが、お前は今動ける状態じゃないんだ。」

 

「ヴィータちゃんは?」

 

「ヴィータは無事だ。それよりお前だ!何でこうなるまで無理していた!」

 

「だって、私が皆を守らないといけないから・・・」

 

「自惚れるな!お前一人の力で何か出きると思うな!今回俺達がどれだけ心配したと思ってるんだ!」

 

「ご、ごめんなさい・・・」

 

「もう二度とこんな無茶はしないでくれ・・・お前まで失ったら俺は・・・」

 

「悠君?」

 

「今回の事で分かったんだ。俺はお前たちの事も好きなんだって。」

 

「悠君///」

 

「だからこそ、君達に怪我をしてほしくないし、死んでほしくないんだ。」

 

「話は聞かせてもろたで。」

 

「はやて、そういうことや。悪いけど俺は皆を好きになってしもうた。やから誰かを振るのはできひん。」

 

「ええんよ。悠君はこれまでたくさん失ってたんやから、幸せになる権利あるんや。」

 

「みんなも聞いてるやろ?明日みんなの両親に挨拶に行くから。」

 

「うん////」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日

俺は各家へ覚悟を決めて挨拶をしに行った。

 

テスタロッサ家

 

 

「プレシア。アリシアとフェイトを、俺にくれ!」

 

「いいわよ。2人を宜しくね?」

 

 

 

バニングス家

 

 

「デビットさん、ジョディさん、あの時の返事をしに来ました。

アリサを俺にください。」

 

「・・・ようやく決心してくれたのか。」

 

「あの意地張りな娘を宜しくお願いします。」

 

 

 

月村家

 

 

「俊さん、春菜さん、あの時の返事をしに来ました。俺にすずかをください。」

 

「・・・では、末永くお願いしますね。」

 

「君にすずかを任せるよ。」

 

 

 

高町家

 

 

 

 

「そうか、なのはが大怪我を・・・」

 

「何とか俺達が回復させませたが、歩けるようになるまで少し時間がかかりますし、傷痕も残ってしまいました。」

 

 

「そうなのね・・・」

 

「まあ、命が有るだけでもよしとしなければね。」

 

「それで、お二人にお話があります。」

 

「なにかな?」

 

「なのはの傷を残してしまった責任を取ります。なのはを、俺にください!」

 

「・・・悠飛君。」

 

「はい。」

 

「なのはを、宜しく頼む。」

 

「はい!」

 

「じゃあ、なのはが早く治ることを祈りましょう。」

 

「そうだね、桃子。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「って感じだったな。」

 

「そうなんや。」

 

「なあ、はやて。」

 

「なに?」

 

「君が最後になってしまったけど、将来俺と結婚してくれるか?」

 

「当たり前やん!悠君以外に結婚するなんて考えられへんよ///」

 

「なら良かった。」

 

「・・・悠君?」

 

「なあ、はやて・・・今夜は一緒に居たい・・・」

 

「・・・うん////」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その日、俺は自分の気持ちに気づいた。俺は皆が好きだったんだ。だからこそ皆を必ず守らなきゃならない。

 

そのためには強くならなきゃいけない。何者にも負けないように・・・

この世の理不尽な暴力を打ち砕ける力を・・・

 

 

そしてその夜

俺ははやての処女をもらった。

はやてとの初夜は情熱的に求め合い、2人の絆を更に深めることができた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                           続く

 




この日を境に悠飛ははやてだけでなく、なのは達も愛するようになります。

次回からはデート回を書こうと思います。


この回のR-18版を投稿しました。


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アリサとデートin川神

遂になのはたちの想いを受け止め、受け入れることを決めた悠飛は順番にデートをしようと思い、アリサから誘うことにした


はやてを抱いた翌日

 

 

「なあ、悠君?」

 

「なんや?」

 

「私だけこんなにしてもらうのは嬉しいんやけど、アリサちゃん達もちゃんとしたってな?」

 

「それに関しては追々やな。」

 

さすがに中学で何人も手を付けてるのは不味いからな。

 

「でも、最近構ってあげられんかったから、デートに誘おうとは思ってるよ///」

 

「そうしたって。」

 

 

 

コンコン

 

「悠飛、入るわよ?」

 

「!?待てアリサ!」

 

ガチャ

 

 

「早く起きな・・・」

 

「あ・・・」

 

「遅かったか・・・」

 

「な、何で裸なのよ!それにはやてまで・・・はっ!まさかあんたたち・・・////」

 

「出来れば部屋の外で待っていてくれんか?」

 

「・・・そうするわ////」

 

バタン

 

 

「・・・とりあえず、服着よか。」

 

「そやな。」

 

 

 

 

 

 

 

 

3分後

 

 

 

「と言うわけで、昨夜はやてを抱いた///」

 

「と言うわけで、昨夜抱かれました////」

 

「・・・さすがに中学でそれは早すぎるわよ///」

 

「なんか生々しいね////」

 

「「あわわ////」」

 

「まあ、その、なんだ。これからはお前たちも愛するからその覚悟の現れとでも。」

 

結局アリサとすずかとフェイトとアリシアに話しているが、なんかこっぱずかしいな

 

「てなわけで、ここにいるメンバーから今日から今まで構ってあげられなかったお詫びにデートにつれていってやる。」

 

「「「「デート!?」」」」

 

「最初はアリサからな。朝飯食べたら行くぞ?」

 

「え!?あ、うん////」

 

 

 

と言うわけで朝食を食べたあと、俺はアリサをバイクの後ろに乗せて走っていた。

 

 

キュイイイイイイイイン

 

「このバイク凄い静かね。」

 

「モーター式だからな。エンジンの音は一切無い。それに大容量バッテリー積んでるから中距離を走っても1日持つ。」

 

「相変わらず凄いもの造ったわね。」

 

「ま、発電ブレーキも搭載してるから余計になんだけどな。」

 

「随分時代を先取りしてるわね。こういうのって10年先の技術じゃない?」

 

「まあな。でも、これはお前たちにも楽しんで欲しいから造ったんだよ。」

 

「私達に?」

 

「このバイクは俺達が造った超高性能多機能バイクを造る過程で生まれたもので、オートバランサー付きでよっぽどの事が無い限り倒れない安全設計なんだ。」

 

「そりゃまた世界を先取りし過ぎじゃない?」

 

そんなことを話ながらも俺達は川神に向かってツーリングを楽しんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

川神市

 

 

 

その中でも最も人通りが多い場所

 

川神院前

 

 

「修行中はこういうところ余り来れなかったから、今日は色んな所をまわろうか。」

 

「そうね。ちゃんとエスコートしなさいよ?」

 

「もちろん。」

 

それから俺達は川神市を観光し、様々な場所を巡った。

 

 

お昼

 

 

「午前中だけでも凄く回ったわね。」

 

「ま、ここは観光には事欠かねぇからな。」

 

「にしても良い場所よね。」

 

「ここの景色は好きでな。海鳥の鳴き声に潮騒、心が落ち着くわ。」

 

「言われてみればそうね。」

 

「ま、後ろから殺気を当てられてるんやが、な!」

 

バシィ!

 

「人のデート中に蹴りかかるとは無粋な輩だな。」

 

「フン。貴様なら余裕で受けるだろうが。」

 

「随分偉くなったものだな、ヒューム・ヘルシング!」スッ

 

「で?どうする「どうするもこうするもないでしょ。」ムゥッ・・・」ベシッ

 

「・・・いつ現れたの?」

 

「相変わらず万能執事だな、クラウディオ・ネエロ。」

 

「簡単なことです。」

 

「で、九鬼の従者部隊のツートップがここで何やってんだ?」

 

「貴様の気配がしたのでな。試してやろうかと思ってな。」

 

「そんなことでデートの邪魔すんじゃねえよ。暇なのか?」

 

「ほう、あなた様が女性とデートとは。ということはそちらは正妻候補ですかな?」

 

「この子は第二夫人候補だ。正妻は他の子だ。」

 

「これはこれは。あなたもようやくその気になったのですね・・・帰りますよヒューム。人の恋路の邪魔をするものは馬に蹴られますよ?」

 

「フン。貴様と本気でやり合えばこちらも尋常ではないダメージを負うからな。またの機会にしておくか。」

 

「二度とすんじゃねぇ!」

 

 

そうして2人は去っていった。

 

「さ、気を取り直してデートの続きと行くか。」

 

「そうね。」

 

それからは特にトラブルもなく、夕方には屋敷に戻れた。

 

 

「なあ、アリサ。」

 

「なに?」

 

「今日はちょっと予定が狂ったけど、今度デートに行くときは、指輪を買ってやるよ///」

 

「・・・・・・・・・うん!」バッ

 

「嬉しいからって急に抱きつくなよ、びっくりするだろ?」

 

「えへへ////」

 

こんなに嬉しそうな顔されたら断れねぇじゃねえか・・・

ま、普段甘えられない分甘やかしてやるか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おまけ

 

 

「ねえ、私はいつ抱いてくれるの?」

 

「・・・欲しいか?」

 

「うん////」

 

「なら今から抱いてやるよ。」

 

「優しくしてね?////////」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                          続く

 

 

 

 

 

 

 

 




次はすずかかな?


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すずかとデートin動物園

すずか回です。

今回はちょっとヤバイかも・・・


アリサとのデートから一週間後

 

今度はすずかをデートに連れていく日だ。

ただ、行く場所が・・・

 

 

「本当に動物園で良いのか?」

 

「うん。久しぶりに色んな動物を見たいから。」

 

「なら何も言うまい。」

 

むしろ問題は俺の方に有るんだがなぁ・・・

 

 

そして動物園に来た俺達だが、珍事件が起きた

 

 

 

 

 

 

 

 

「だから動物園には余り来たくなかったんだよなぁ・・・」

 

「なんか凄い光景だね・・・」

 

すずかが言った光景とは、俺の回りに動物たちが群がってじゃれて来ているのだ。

 

 

「昔からこうなんだよなぁ。小動物から猛獣まで懐いてくる。」

 

 

 

そう、今の俺の回りにはリスやアリクイ、果てはライオンなどがじゃれて来ているのだ。

ちなみにケンカをせずに大人しくしている。

 

 

「サファリゾーンに行っても必ずこうなるから困るんだよ。」

 

「そういえば、前にうちに来たときも猫まみれになってたよね。」

 

「自分でもどうかと思ってるよ。」

 

「それも一種の才能だと思うよ?」

 

 

 

 

 

 

そんなこんな言っている間に昼時になった

 

 

 

 

「・・・・・・酷い目にあった。」

 

「あはは・・・」

 

「それで?午後からは何処に行きたい?」

 

「うーん・・・ゆう君は何処に行きたい?」

 

「俺が行きたい場所?あるっちゃああるけど、多分退屈だぞ?」

 

「いいよ?ゆう君疲れてるみたいだし。」

 

「それなら・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1時間後

 

 

 

 

「着いたぞ。」

 

「ここって森の中だよね?大丈夫なの?」

 

「大丈夫だ。ここは俺が修行してた場所でな?ここの動物たちは大人しいから襲ってこねぇよ。」

 

サァ

 

 

風が舞い、木が揺れると心地よい音色が響く。

 

「この場所は俺のお気に入りでね。疲れたときはここで休むのが一番好きなんだ。」

 

「確かにここって人がいないから静かだよね。」

 

「そして自然と一体になることで心が安らぐ・・・」

 

「・・・ゆう君///」ドクンッ

 

「どうした?」

 

カプッ

 

 

「ちょ、すずか!?」

 

「ん、れろ、ちゅぷ、んぁ。」

 

「うぁ、ちょ、おまっ!」

 

「ぷふぁ、はぁ、はぁ、ゆう君。もう我慢出来ないよ・・・」

 

「まさか、お前・・・」

 

「うん、来ちゃった。発情期。」

 

「なんだかんだお前が一番アブノーマルな気がするが・・・まあ良い。鎮めてやろう。」

 

「うん、来てぇ。」

 

 

そこから時間はかかったが、すずかがもとに戻るまで抱いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

3時間後

 

「全く、森の中だったから良かったものの、町中だったらどうしてたんだよ。」

 

「うう//////」

 

「それにしても、普段大人しいお前があんなに乱れるなんてなぁ・・・」

 

 

「恥ずかしいから言わないでよぉ/////」

 

「多分バレたらずっとからかわれるぞ?」

 

「~ッ!//////////」

 

すずかはまるでトマトのように真っ赤になっていた。まあ、無理もないか。

 

 

 

「さ、もうすぐ日が暮れるから飛ばして帰るぞ?」

 

「うん/////」

 

ドロン!

 

「よっこらせっと。」

ポチッ

 

キュイイイイイイイイン

 

 

「ほら、早く乗れよ?」

 

「うん。」

 

「危ないからしっかり抱きついとけ。」

 

「うん!」

 

 

ギャルルルルルルルル!!

 

 

キュイイイイイイイイイイイイイイイイイ!!!!!!

 

 

色々あったけど、まぁこれも思い出か。

 

 

ギュイイイイン・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

こうして予想外の事があったが、すずかとのデートを楽しめた1日にはなった。

すずかの意外な一面も見れたし、良かったのかもな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おまけ

 

 

 

 

 

「さ、着いたぞ。」

 

「ねえ、ゆう君。」ドクンッ

 

「なん・・・んむ?!」

 

「ん・・・れろ・・・」

 

ちょ、まさか、また!?

 

 

「ぷはぁ。ごめんね?ずっと抱きついてたからまた来ちゃった。」

 

やっぱり!?

 

「そうはさせへんで!」

 

「そうよ!独り占めは禁止よ!」

 

「ちょ、はやてとアリサまで!?」

 

「さあ、悠君。うちらもいっぱい愛してな?////////」

 

「すずかとはやてばっかりじゃ狡いわよ//////」

 

「え、ちょ、まっ、アッ────────!!!!!!」

 

 

 

 

この夜俺は発情した雌3人を相手に搾られて、翌日の予定が大幅に狂ったことにより3人はギルとブーディカにこっぴどく怒られた。

 

そしてすずかの乱れっぷりが2人に早くもバレてしまったので、からかわれる羽目になったすずかであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                          続く




次はフェイトかな?それとも小話挟むかな?


ちなみにすずかはハーレムの中で一番乱れそうっていううp主の想像でこうなりました。

実際中の人が演じてるエロゲはすごい乱れようですから・・・(オイ


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フェイトとデート?(前編)

フェイト回です


あれから数日が経った頃

 

 

 

 

「もう大丈夫なんだよね?」

 

「ま、なんとかな。」

 

「余り無理しないでね?」

 

「心配性も過ぎると不快だぞ?ま、俺は前に無茶やらかしてるから無理無いか・・・」

 

自覚してるからフェイトの心配が見に染みる

 

 

俺とフェイトは今デートをしている。

 

とはいっても、フェイトは優しいから近場でのデートとなるから川神に来ていた。 

 

 

「結局また川神に来ているが、構わないのか?」

 

「うん、とにかく悠飛が余り無理をしないように近場を選んだんだ。」

 

クスッ

 

「え?何、どうして笑うの?」

 

「いや、変わらないな。その優しさは変わらなくても良いんだろうな。」

 

 

川神院

 

「ほっほ。よく来たのう。」

 

「失礼するぞ、鉄心。」

 

「失礼します。」

 

「お主少し痩せたか?」

 

「この前婚約者達に文字通り搾られてな・・・」

 

「それは・・・お主も大変じゃのう・・・」

 

「というか、おめぇさんらまだ中学生だろ?早くねぇか?」

 

「釈迦堂・・・うちの者は早熟でな・・・」

 

「そいつは・・・御愁傷様ってことで・・・」

 

「てなわけで、少しここで体に負担の少ない修行をしようとな。フェイトも連れてきた。」

 

「勉強させていただきます。」

 

「うむ。では早速「じじい!早く戦わせろ!」やれやれ、ちとモモを甘やかせ過ぎたかのう。」

 

「大変なんだな、子育てというのも・・・」

 

「じじい!早く・・・誰だそいつ?」

 

「これ、モモ!失礼であろう、挨拶せぬか!」

 

「構わん。少し調子に乗ってるガキを正してやるのも先達としての務めよ。」

 

「なんだ、お前が戦うのか?一見弱そうだが?」

 

「見た目だけで判断するなよ?小娘。」

 

「小娘じゃない!私は川神百代だ!」

 

「最近の小学生は礼儀がなっとらんな。」

 

「大丈夫なの?」

 

「安心しろ、ああいう手合いは幻術に弱い。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「東方、龍神悠飛!」

 

「おう。」

 

「西方、川神百代!」

 

「ああ!」

 

「いざ、尋常に、勝負!」

 

 

「鉄心、一応結界は頼むぞ。」

 

「分かっておるわい!釈迦堂!ルー!頼んだぞい!」

 

「はイ!」

 

「分かってらぁ!」

 

「さあ、どっからでもかかってこい。」クイッ

 

「川神流奥義!星殺し!」ドパァッ!

 

オオオオオオオオオオオオオオオオ!!!

 

「練り込みが甘いな。」スッ

 

「二重の極み!!!!」

 

ドパァァン!!

 

「な!?」

 

「今度はこちらから行くぞ。」チャキッ

 

「悪いが、一瞬で終わらせる。」スッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「《瞬天殺》」

 

フッ

 

「なっ、消え・・・」

 

 

ドガッ

 

 

バタッ

 

「終わりだ。」

 

カッ

 

「なんだ今のは・・・全く見えなかったぞ!」

 

「瞬間回復・・・なるほど、力に溺れたものの末路か。道理で鉄心が手を焼く訳だな。」

 

「楽しいな!こんなに楽しいと思えたのは久しぶりだ!」

 

「これ以上お前の遊びに付き合うつもりはない。」スゥ・・・

 

「万華鏡写輪眼、幻術!」

 

「なッ!?」ドクンッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バタッ

 

 

 

 

「今度こそ終わりだ。」

 

 

「うむ。勝者、龍神悠飛!」

 

「お疲れ、悠飛。」

 

「ありがとう、フェイト。」

 

「そのやり取りを見てると、長年連れ添った夫婦に見えるぞい?」

 

「将来的には夫婦になるんだから問題ねぇよ。それに、これがフェイトの魅力なんだよ。」

 

「ちょ、悠飛!?」

 

「お互い大事に思っとるのう。その様子じゃと大丈夫じゃろ。ところで、お前さんこの後どうするんじゃ?」

 

「そうだな。フェイトは少し稽古を付けてやってくれんか、俺は禅を組んでる。自然エネルギーを補充して早く体を万全にせんとな。」

 

「そうか。」

 

「ま、後は宿探しだな。今日は泊まりの予定だし。」

 

「ならここに泊まるとええ。ゆっくりしていけばええわい。」

 

「なら、それに甘えさせてもらうか。」

 

「それよりあんた。星殺し受けてたけどよ、大丈夫なのかい?」

 

「問題ねぇ。それより釈迦堂お前、修行はちゃんとしろよ?でなきゃ折角のライバルが泣くぜ?」

 

「余計なお世話だよ。」

 

 

なお、数年後に彼が梅屋の店員になり、品行方正に働くとは俺は夢にも思ってなかった。

 

 

 

 

 

 

 

俺とフェイトは同室だが、特に行為に移るでもなくただ一緒にいるだけで安心できる。そんなバランスになっていた。

 

そして縁側で俺が涼んでいると

 

「あの・・・」

 

「・・・百代か。」

 

「どうしたの?」

 

「昼間はすいませんでした。生意気な口をきいて・・・」

 

「鉄心から俺の事を聞いたのか?」

 

「はい。自分が天狗になっていたって思い知りました。」

 

「どうだ?自分が手も足も出ずに負けるのは。」

 

「正直、とても悔しいです。」

 

「ま、お前にかけた幻術は一番脆いやつだったんだが、それすら長時間解けないとなると致命的だな。」

 

「うっ・・・」

 

「真の強者は心・技・体総てに於いて隙がない。お前は確かに強いかも知れない。でもな、心は幼いままだ。お前を弱くしているのは紛れもなく、瞬間回復だ。あれに頼っている限り、お前は弱いままだ。()()()()()()()()()()()()。これはフェイトにも、他の身内にも言ってきた事だがお前は正にそれだ。これからは己の心を研け。」

 

「・・・はい!」

 

「分かったらもう寝ろ。明日もはやいんだろ?明日からは精神修行をしたら良い。何事も積み重ねだ。」

 

「ありがとうございました!」

 

タタタタタタ

 

「良い顔になったね、百代。」

 

「ああ。今回初めて完敗したことで心持ちが変わったんだろう。さて、俺達ももう寝よう。」

 

「そうだね・・・ねぇ、悠飛。」

 

「なんだ?」

 

「その、一緒に寝て欲しいなって//////」

 

「ああ、良いぞ。ちょっと暑いかもやけど一緒に寝ようか。」

 

「うん////」

 

 

 

その夜は久しぶりにゆっくり寝ることができた。

 

まあ、フェイトの発育が良すぎるから多少アレだったが・・・

 

 

 

 

 

                         後半に続く




この回からMOMOYOが出てきました。

まあ、悠飛からすれば弱いのでしょうが・・・

長くなりそうなので区切ります。


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フェイトとデート?(後編)

長くなりそうだったので区切って続きです


翌朝

 

トントントン

 

「ん?悠飛ではないか。何故お主が台所に?」

 

「一宿一飯の礼さ。フェイトももうすぐ「悠飛、こっちは出来たよ。」あいよ!っとそんなわけで俺とフェイトで朝飯を作ったから食うとええわ。」

 

「お主、完全に所帯染みとるのう。」

 

「元々料理は出来たんだが、普段うちでははやてや料理する英霊が居るから中々出来なくてな。味は保証するぜ。」

 

「ではいただこうかの。」

 

「百代と一子は?」

 

「もうすぐ来るぞい。」

 

「じゃ、俺らも食うか。」

 

「うん。」

 

そうして川神院で朝食を取ってから俺は禅を組んだ。

 

 

 

暫くして

 

 

「モモセンパイ!遊ぼうぜ!」

 

「ちょっと待ってろ!」

 

「いいぞ、行ってこい。」

 

「はい。」

 

タタタタタタ

 

「悠飛、そろそろ。」

 

「そうだな。」

 

スッ

 

「鉄心、世話になったな。」

 

「世話になったのはこっちの方じゃわい。ワシらではモモをどうにも出来んかったからのう。」

 

「ではな。」

 

「お世話になりました。」

 

 

 

そして百代にも別れの挨拶に行こうとしたら・・・

 

 

「ねえ、明日も遊んでくれる?」

 

「いいぜ。」

 

大和が白い少女と話しをしていた。

そこであることに気付いた。

 

「悠飛、あの子!」

 

「ああ、あれは虐待の跡だな。大和、少し良いか?」

 

「悠飛さん?」

 

(大和、よくあの子の支えになったな。あの子は虐待を受けている。)

 

(虐待を!?何でそんな。)

 

(理由は恐らくあの子の体質だろ。白い肌に白い髪、そして赤い目。間違いなくアルビノだろう。)

 

(確かにユキはアルビノみたいだけど、それだけで?)

 

(間違いねぇよ。あの子の親はあの子の見た目でネグレクトをしたんだろうな。大和、一旦あの子を帰らせよう。そうすればきっとなにか事が起こるはず。)

 

(分かりました。)

 

「じゃあまた明日な。」

 

「うん!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「悠飛!」

 

「分かってる。大和、こっからは俺の仕事だ。《天帝》の名に懸けてあの子を助けてやる。」

 

「お願いします!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ここならいいか。来い、ジャック。」

 

マスター(お母さん)、呼んだ?」

 

「ジャック、あの真っ白い子の後を気付かれずに追いかけて、あの子の家で何が起きているのか霊体化して見てきてくれ。」

 

「うん!」シュン

 

数分後

 

マスター(お母さん)。あの子大人の人に殴られてるよ?』

 

「よくやった、ジャック。後でハンバーグ作ってやるよ。」

 

ザッ

 

「行くぞ、フェイト。手遅れになる前に・・・!」

 

「うん!」

 

 

 

 

 

タタタタタタ

 

「ハァッ!」

 

バキャ!

 

 

バン!

 

「そこまでだ!てめぇを虐待と傷害の容疑で拘束する!」

 

「何よあんた達は!?」

 

「縛!」

 

「ちょっと!何すんのよ!」

 

「幻術眼!」ドクンッ

 

バタッ

 

「悠飛!この子の息が!」

 

「任せろ!」スッ

 

バチッ!

 

「かはっ、ゲホッ、ゲホッ。ハァッ、ハァッ。」

 

「よし、うまく電気ショックが効いたな。」

 

 

 

それから少女・・・小雪は市内にある葵紋病院に搬送され、母親は逮捕、連行された。

 

「あなたが天帝様ですね?」

 

「お前は?」

 

「ここの院長の息子で葵冬馬と申します。」

 

「知っての通り、《天帝》の龍神悠飛だ。それで、小雪は?」

 

「処置が早かったので、後遺症等はないようです。ですが、あんなことがあったので本人はかなり塞ぎ込んでますね。」

 

「そうか・・・冬馬と言ったな。」

 

「はい。」

 

「こいつを渡しておく。何かあったらそこに連絡してこい。俺が嫌っていることは知っているな?」

 

「はい。私利私欲を肥やす輩と悪事を隠蔽する事でしたよね?」

 

「もしそれに当てはまることが有るなら連絡してこい。それが、お前の未来を変える。」

 

「ご忠告ありがとうございます。」

 

「ではな。小雪の事は頼んだぞ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「小雪、大事にならなくて良かったね。」

 

「ああ。その場で迅速な処置ができたからだな。」

 

「悠飛、かっこ良かったよ?」

 

「急にどうしたんだ?」

 

「ねえ、ほんとは悠飛が回復してからお願いしたかったんだけど・・・////」

 

「・・・帰るまでまってくれ。家でなら少しだけ抱いてやる。正直、昨夜お前に抱きつかれてこっちも相当キテたんだぞ?」

 

「じゃあ、帰ってからおねがいね////」

 

 

 

 

そして帰ってきてからはやて達が羨ましそうにしながら俺とフェイトが俺の部屋に入っていくのを見ていたが、今日だけはフェイトだけを愛するつもりだからな。

 

そしてフェイトの処女を貰い、その発育の良すぎる身体を堪能するかのように2回戦までした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おまけ

 

「ふう・・・」

 

「/////」

 

「フェイト、ごめんな?あんまりヤれなくて。」

 

「こっちこそ、まだ回復しきってもないのに2回もして貰っちゃった////」

 

トン

 

「・・・また今度な。」

 

「うん。ふふっ」

 

行為の後はかなり恥ずかしがってはいたが、やっぱりどことなく幸せそうなフェイトを見て俺も癒されるのであった。

 

 

 

 

 

                          続く

 

 




フェイトは悠飛の体を考えて控え目のようです。
でも一度タガが外れると凄そう。


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依頼

悠飛達に出された依頼とは?


フェイトとの川神デートから1週間経った頃、悠飛に依頼が舞い込んできた。

 

 

 

「ドイツから依頼?」

 

「どうもそうらしい。しかも内容がきな臭いことこの上ない。」

 

「ま、一応受けてみてアレなら潰せばいいやろ。」

 

「そうやな。」

 

「ドイツと言えばあの親バカはどうしてんだ?」

 

「なんか猟犬部隊とか言う女軍人ばかりの部隊を率いてるらしいぞ?」

 

「とりあえず受けてみるか。」

 

 

それから俺達は個人で所有しているモビルスーツ運用可能な艦でドイツに向かった。

 

 

「てか、お前らまで着いてくることは無かったやろ。」

 

「だって、ボク達はまだ遊びに連れていって貰ったこと無いもん!」

 

「すまぬ悠飛。我らは止めたのだが・・・」

 

「みなまで言うな。レヴィのこれは今に始まったことではなかろう・・・」

 

「申し訳ありません、悠飛。」

 

「すみません。」

 

「しゃあねぇから連れていくが、この艦からは絶対に出るなよ?」

 

「はーい!」

 

「大人しく待てたらご褒美をやろう。」

 

「分かった!部屋で王さま達とゲームしてるね!」

 

「改めてすまぬ悠飛。」

 

 

 

 

 

 

 

2日後

 

 

 

 

 

 

 

「よく来てくれたね、天帝一家の諸君。」

 

「相変わらずの親バカか?」

 

「我が娘が一番可愛いのは当たり前だろう。こんな私が親バカと言われるのは仕方の無いことなのだろうな。」

 

「相変わらずか。で?その娘はどうした?」

 

「娘なら「とうさま!」おおクリス。御客人だ、挨拶なさい。」

 

「初めまして、クリスティアーネ・フリードリヒです。」

 

「さすが礼儀正しいな。どこぞの武神には見倣って欲しいものだ。」

 

「MOMOYOと会ったのかね?」

 

「喧嘩吹っ掛けられたから力の差を見せつけてのしてやった。」

 

「相変わらずだな、君は。」

 

「さて、そろそろ本題に入ろうか?」

 

「そうだな。今回俺達を呼んだ理由を効かせて貰おうか?」

 

30分後

 

 

「なるほど、3年前に俺が壊滅させたテロ組織の残党が新たに組織を作って再びテロを起こそうと・・・やはり単独で潰すのは無理があったか・・・」

 

「そう気に病むことでもないと思うがね?」

 

「そうや!あんときは俺らが補佐したらなあかんかったのに、補佐できんかった俺らにも非がある!」

 

「お前ら・・・」

 

「それで情報を掴んだ我々は依頼と言う名目で共同戦線を組もうと思った次第だ。」

 

 

「それならこちらも是非お願いする。」

 

「ほなら作戦は今夜決行やな。」

 

「せやな。出来るだけ早く叩こう。」

 

 

そしてその夜

 

 

 

「おい、フランク。そいつらは士官生じゃないのか?」

 

「ああ。だが非常に優秀でね。特別に見学させに来たのさ。」

 

「まあいい。それよりこの部隊は夜戦の経験はあるのか?」

 

「まだ数回だ。」

 

「なら支援に回らせろ。その方が巻き込まなくて済む。」

 

「了解した。」

 

 

 

それから更に30分後

 

 

『天帝殿。すべての配置は完了した。』

 

「よし、10秒後に作戦開始だ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「作戦開始!」

 

 

ササササササササササササササ!

 

 

「飛天御剣流・龍巣閃。」

 

ズババババババババババババ!!!!

 

 

「ぐきゃ!」

 

「ギャアア!」

 

「火遁・業火滅却!」

 

ゴアアアアアアアアアアアアアア!!!

 

「風遁・大突破!」

 

ビュオオオオオオオオオオオ!!!!

 

 

それは最早蹂躙だった。

 

彼らに喧嘩を売ると言うことは自殺と何ら変わらない。

 

テロリストの不運は生き残ったことそのものだったのだ。

 

夜間に昼間のような明るさになったのは彼らの蹂躙の炎でもあったのだ。そして指導者は・・・

 

 

「ひぃ!タタ助けてくれ!」

 

「貴様ら下郎に与える慈悲はない・・・燃えろ、無限刃・焔。」

 

キン!

 

ギャリギャリギャリ!

 

ゴアアアアアアアアアアアアアア!!!!

 

「終の秘剣・火産霊神(カグツチ)!」

 

 

ドゥ!

 

ぎゃあああああぁぁぁ・・・・・・

 

 

ブン!

 

チャキン

 

「これで後始末は終了だな。」

 

これを遠くで見ていたフランク達はこう語る。

 

「あれは正しく闘いの神だ。我々は彼等だけは絶対に敵にしてはならない。」

 

 

 

 

 

 

 

こうしてドイツから来た討伐の依頼はテロリスト全員の死亡を以て終了したのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おまけ

 

 

 

「ねえ、悠飛!ボクたちちゃんと大人しく待ってたよ?ご褒美欲しいなぁ!」

 

なんかレヴィに尻尾が出てきてるように見えるんだが・・・

 

「悠飛、はやて達にはしておいて私たちには何もしないんですか?」

 

「・・・ああもう!分かったよ!ただし、俺の身が持たねぇから一人一人一回ずつな!」

 

そして俺の部屋に防音用の結界を作って4人全員の相手をした。

 

翌日は少しだけ辛かった。

 

 

 

 

 

                        続く

 




ドイツにトラウマを植え付けた悠飛達でした。

それにしても悠飛は体大丈夫なんかな?と書いてて思う今日この頃


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アリシアとデート

アリシア回です。


ドイツから帰ってきて半月

 

あれから色々な事後処理をして報告書を完成させるのにこれ程かかったのは、今回の任務がドイツのフランクの部隊との共同作戦だったことにより、向こうからのレポートの到着を待っていたからである。

 

カタカタカタカタ

 

「よし、これで最後かな?」

 

「悠飛、お茶持ってきたよ?」

 

「おう、サンキューなアリシア。」

 

ズズッ

 

「ふぅ。悪いなアリシア。これだけ時間かかっちまって。」

 

「いいよ、これも悠飛の仕事なんだし。それに、この後遊びに連れていってくれるんでしょ?」

 

「ああ。といってもこれからだとどこもいっぱいだからな・・・せや、取って置きの場所連れてったるわ。」

 

「取って置きの場所?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2時間後

 

 

 

 

「ほら、着いたぞ。」

 

「うわぁ・・・凄い良いところだね!」

 

そこは山に囲まれたコテージで近くには小さいながらも滝のある川が流れていた。

 

「ここは昔俺達が使っていた場所でな。見た目も大丈夫そうだし入るか。」

 

ガチャ

 

 

「うん。中も大丈夫だな。」

 

「はい、お茶。」

 

「ありがとう。」クイッ

 

「それにしても凄いきれいな景色だよね。」

 

「まぁ、最近は専ら1人になりたい時があったりするからな。そういうときはこことか、森に行って心を落ち着かせてくるんだ。」

 

「まぁ、あれだけ大所帯だとねぇ・・・」

 

「それに、ここなら飛雷神で跳んでこれるから日帰りもできるし。」

 

「確かにここの風景は心が落ち着くよ。」

 

「風の音に滝の音、自然を感じて心が安らぐ。」

 

「・・・ねえ、悠飛。」

 

「どうした?」

 

「私は別に今日じゃなくても良いから、今度ちゃんとしてね///あなたこの前もユーリ達4人としたみたいだから////」

 

アリシア・・・

 

 

「別に構わんよ。ここなら自然の力をすぐに集められるし、回復も早いからしたれるよ?」

 

「でも・・・」

 

「お前は普段皆より年上として我慢してきたんやから、今日くらい我儘言っても怒らんよ?」

 

「えっと・・・その、それじゃあ・・・よろしく、ね//////」

 

 

「任せろ、優しくしてやるよ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2時間後

 

 

 

 

 

ザパァッ!

 

 

「ぷはぁ!冷たくて気持ちいい!」

 

「まだまだ暑いからな。これくらいがちょうど良いな。」

 

俺達は川に入って情事の後始末をしていた。

 

 

 

「悠飛、大丈夫?」

 

「ああ。既に回復してきてるから問題ないよ。」

 

ホントにここは回復が早く済むから良いな。

 

「それなら良かったよ。私が我儘言ったせいでまた倒れられたら嫌だからね?」

 

「まぁ、回復と言ってもここに着いたときの体力と同じだけやからな。もう少しここに居って回復に努めたらすぐに全快や。」

 

「なら、もう少しここに居ようか。」

 

「だな。」

 

 

それから更に1時間は禅を組んで一気に全快して、家に戻ることにした。

 

 

 

 

 

「悠飛、短かったけどとても楽しかったよ!」

 

「そりゃあ何よりやわ。」

 

「今度はフェイトと一緒にしてくれても良いんだよ?」

 

「お前なぁ・・・」

 

そんなこんな言いつつも家に帰ってきた。

 

 

「さて、それじゃあ明日からまた頑張りますか!」

 

「ファイト!」

 

 

 

 

 

 

 

アリシアとのデートは他の皆より短かったけど、とても喜んでくれてホッとした。

 

アリシアの笑顔を見ているとこれからも頑張ろうと思える俺だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                        続く 




今回は短めだったかな?


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なのはとリハビリデート

アンケートありがとうございました。
圧倒的になのはが多かったので今回はなのは回です。


あれから半年が経ち、街はもう冬枯れの季節になった。

 

凩が吹き、段々と気温が下がってきた。

 

そんな中、俺はなのはのリハビリの付き添いに来ていた

 

「お前がここまで早く回復出来たのは俺達の力によるものだってこと、忘れないように。」

 

「うん。ごめんね?毎回付き合って貰って。」

 

「責任取るって言ったろ?だから問題ねぇよ。」

 

なのはは一応松葉杖ありなら歩けるにまで回復してはいるが、まだ脚がうまく動かせないし、激しい運動は出来ない。

 

「それに、まだ歩くだけしか出来ねぇんだから無理はしないこと。ここで無理をしたら悪化するからな?」

 

「それは経験上?」

 

「そうだ。」

 

「悠君が言うと説得力あるよね。」

 

「伊達に300年も生きてないからな。」

 

皆忘れてると思うけど、俺達は300年前から生きているから知識と経験は豊富だ。

 

「怪我は治りかけが一番危ないんだ。今のお前は痛みが小康状態にあるから大丈夫だと思ってるんだろうけど、ここで焦るとまた逆戻りだからな?しっかり休むこと。休息も戦うものにとっては大事だ。絶対に疎かにするなよ?」

 

「うん。」

 

「ま、そんなことするようならナイチンゲールに殺されてでも大人しくされるんだろうけどな。」

 

「何であの人が看護婦さんになったんだろう?」

 

「逆だ。戦場で衛生兵をやっていたからこそ、ナイチンゲールはバーサーカーになったんだ。ま、逸話通りだけどな。」

 

「あはは・・・」

 

 

 

 

そんなこんなで管理局医療部のリハビリセンターに来て、なのはのリハビリを見守っていた。

 

 

「ッ!うぅ・・・!」

 

「はい、その調子ですよ。そのまま下ろしましょう。」

 

「うぁ、ぐう!」

 

ずっと見てきたが、やはりリハビリは想像以上にきつい。

 

俺も経験あるが、思うように動かないし弱った脚では立つことすら出来ないんだ。

 

 

だがなのはは決して弱音を吐かず、辛いリハビリにずっと耐えてきた。

 

それだけは称賛に値する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おつかれさん。」ピト

 

「うにぁあ!もう!びっくりしたよ!」

 

「ハハハ、すまんな。どうも神妙な顔してたから和ませようとな。」

 

「そんな顔してた?」

 

「ああ。何を考えてたか当ててやる。大方、このまま戻っても自分に居場所があるか心配って考えてただろ?」

 

「ッ!そんなこと・・・うん、実はね。」

 

「まぁ、あんだけ周りに心配かけて、今もリハビリしてるんだからしょうがねぇとは思うけどよ、皆首を長くしてお前の帰りを待ってるんだ。今はしっかり治して、万全の状態で帰ってくること!いいな?」

 

「グスッ・・・うん。」

 

「大丈夫だ、お前には俺達がついてる。必ず帰ってこれるさ。」ダキ

 

「グスッ・・・うん・・・!」

 

「もしまだ不安なら、もう不安にならないようにお前に俺の温もりをやるから、安心しな?」

 

「うん・・・!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから家に帰って、不安になってるなのはを慰めて、なのはに温もりを与えた。

まだ激しい行為が出来ないためゆっくりと情事をしたが、それでもなのはは安心したのかようやく笑顔が戻った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

かぽーん

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「どうだ?痛くはないか?」

 

「うん。痛いと言うよりなんか変な感じはするかな?」

 

情事の後で風呂に入っているのだが、どうせなら入れてやるときに脚のマッサージしながら治療した方がいいのでは?と思い現在施術中である。

 

 

「なんかちょっとくすぐったい感じかな?」

 

「まあ、もうそろそろ感覚と筋力が戻り始める頃だからな。もともと足の筋肉は自重を支えるために腕よりも強い力があるんだが、1ヶ月も動かせれなかったらそれだけ筋力が衰えるって事だ。」モミモミ

 

「そうなんだ。」

 

「こうして外からの刺激も加えてやると、神経も反応して今みたいになるって事だ。」

 

 

 

「・・・あの、悠君。」

 

「どうしたんだ?」

 

「私の怪我が完治したら、その時はまたいっぱい甘えてもいい?」

 

「もちろん。むしろお前は甘えなさすぎだ。かといって甘えると依存は違うからな?依存だけは絶対にするなよ?」

 

「うん。それじゃあその、また今度してね/////」

 

そういってなのはが俺にもたれかかってきた。

 

「ああ。また不安になったらいくらでもしてやるよ。まぁ、俺の体力が持つ範囲でな?」

 

 

 

こうしてなのはの不安を取り払い、笑顔を取り戻すことができた。

これからも俺の婚約者達を守らなきゃなと思った俺だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おまけ

 

 

「悠飛、お前に依頼が来ておるぞ?」

 

「依頼?誰から?」

 

「ほれ。」

 

パサッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・マジか?」

 

「どうしたのマスター?まるで父さんが後ろから刺されたみたいな顔して。」

 

「・・・・・・クイーン・エリザベスからの依頼だ・・・」

 

 

「「「「・・・な、何ぃいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!?」」」」

 

 

 

最後の最後に翔んでもない依頼が俺達に舞い込んできたのだった・・・

 

 

 

 

 

                        続く

   

 




次回はお仕事の話となります。

それと、皆さん誰の話を掘り下げて欲しいですかね?
結構気になります。

R-18版は話を合わせながら更新していきます。


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エリザベス女王からの依頼

なのはとリハビリデートを終えた後にギルガメッシュから渡された依頼はなんとエリザベス女王からだった!

悠飛達は円卓のメンバーとはやて達を連れてブリテンに向けて旅立った。


クイーン・エリザベスの依頼が舞い込んで、急遽円卓の騎士達とはやて達を連れてブリテンに向かってアークエンジェルで航行していた。

 

 

「まさか、このようなことで祖国の地を踏むことになるとは思いませんでした。」

 

「お前ら、あくまでもこれは仕事なんだから真面目にやれよ?」

 

特にランスロットとガウェインとトリスタン

 

モードレッドは意外にもちゃんとやってるから良しとする。

 

 

それから更に2日後

 

 

「この度は遠いところからよくお越しになられました。」

 

「クイーン・エリザベスにおかれましては本日もご機嫌麗しいようで何よりにございます。」

 

「それで、此度はどのような依頼内容でございましょうか?」

 

「実は・・・」

 

 

 

 

クイーンからの依頼内容は、王室に向けてテロの気配があるということで世界で最もテロリストを駆逐してきた俺達に依頼をしようと言う話でこちらに呼び立てたとのこと。

 

 

 

 

 

「それではクイーン・エリザベス。現場を拝見させても宜しいでしょうか?」

 

「お願いいたします。あなた方の眼ならば何か分かるかもしれません。」

 

 

そうして俺達は王室の警護団に連れられて現場に来た。

 

「ここが?」

 

「ええ、ここで爆発が起きたのですが、爆発物の破片も見つからなく。」

 

破片すら見つからない?

 

「お前ら、()()ぞ。」

 

「「「「「万華鏡写輪眼!」」」」」ギン!

 

 

ポウ

 

 

ビンゴだな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まさかブリテンにテロの気配ありやとは・・・」

 

「はやて、問題はそこじゃ無さそうだ。」

 

「どう言うこと?」

 

「さっき俺らだけで現場検証したやろ?」

 

「そういえばしてたわね。」

 

「俺らの眼でしか分からんことやったけど、問題なのは()()()使()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「魔法が!?」

 

「ああ。俺達の万華鏡写輪眼で視たからな。間違いない。」

 

「どうも今回はお前らの力も必要になるかもしれん。用意だけはしといてくれ。」

 

「「「「「了解!」」」」」

 

「ねぇ悠飛、ボク達は?」

 

「状況を見てから判断するが、もしかしたら出撃して貰うかもしれん。」

 

「うむ。ではそうなるまで我々は大人しくしているとする。」

 

「そうですね。」

 

「ユーリはいつも通りオペレーターを頼む。」

 

「分かりました。」

 

「騎士王、お前達にはクイーン・エリザベスの身辺警護を頼む。」

 

「心得ました、マスター。円卓の騎士達よ、これは我らが祖国に訪れた厄災だ。現代のブリテンの王に悪しき者の指先すら触れさせてはならない。」

 

『御意!』

 

 

 

 

 

 

そして夜

 

 

 

 

 

 

 

ガサッ

 

「何者だ。姿を現せ!」

 

「ちっ!何で天帝が居やがるんだ!」

 

「貴様が知ることではない。」

 

「こうなったら!」シャン

 

ッ!ミッド式の魔法陣!

 

(こちら悠飛!俺の方に一人魔法を使うやつが現れた!応援できるか!?)

 

(いや、無理だ。こちらにも居やがる!)

 

何だと!?

 

・・・まさか!

 

「てめえ、一人じゃねぇな?」

 

「ああ!3年くらい前にビクビクしてるやつから教えてもらってな!物凄いものも教えて貰ったんだぜ!」パン!

 

ズズズズ!

 

 

!まさか、あの術は!

 

「何てったかな!エドテンとか言ってたな!誘拐したガキを生け贄にして過去の人間を呼び寄せるってものらしいな!」

 

(お前ら、気を付けろ!こいつら、3年前に始末した岩嵜が禁術の穢土転生の術を仕込んでやがる!)

 

 

(穢土転生って何なの!?)

 

(これは二代目天帝の卑劣な術だ!死者を黄泉の国から口寄せして縛る禁術中の禁術だ!)

 

(こいつを破る方法は2つ。一つ、転生された魂を自分もろとも封印術で永久に封印する。一つ、術者が術を解く。これ以外に無い!)

 

(ならやることは一つやな!)

 

(術者を幻術に嵌めて解術させるぞ!)

 

((((応!)))))

 

「さて、こうなった以上は手早く済まさせて貰うぞ。」

 

「は!やってみやがれ!」

 

まずは穢土転生体を止めねばな。

 

「木遁・樹縛栄葬!」

 

 

メキメキ!

 

「何!魔力が生命の源に!?」

 

メキメキ

 

「チィ!せっかくの駒がさっさりやられちまいやがった!」

 

「縛道の六十三・鎖条鎖縛!」

 

「縛道の七十九・九曜縛!」

 

「ぐぁ、くそ!なんだよこれ!」

 

ザッ!

 

「万華鏡写輪眼・幻術!」

 

ドクン!

 

ブラン

 

「さあ、穢土転生を解術しろ。」

 

《月読》

 

パァッ

 

(こちら悠飛。状況終了した。)

 

 

 

「お前らの拠点を教えろ。」

 

 

 

 

 

それから俺達は反逆者達を駆逐して拠点を破壊した。

 

今回は下手人を殺せとは言われてないからな。縛り上げてから魔力の完全封印をして牢にぶちこんでおいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「以上が今回の依頼完了の報告となります。」

 

「ありがとうございました。」

 

「ですが、この国は怪異が多いこともまた事実。故にこれからも超常の事件がありましたら我々で対処いたします。」

 

「それでは陛下より褒章がございます。」

 

「あなた方にはガーター勲章を授与いたします。」

 

 

『!?』

 

 

「御言葉ですが、我々は主である天皇陛下と同じ勲章を戴くわけには・・・」

 

そう返そうとした時だった

 

 

「それは我々皇族の総意でもあります。受け取ってください。」

 

『!』

 

ザッ!

 

「これは陛下。いらしておられたのですか。」

 

「はい。公務でイギリスに訪問しております。」

 

「そうだったのですか。」

 

「それで、勲章の授与ですがこちらは私たち皇族の総意でもあるのです。是非受け取ってください。」

 

「・・・畏まりました。我ら5名、謹んでお受けいたします。」

 

 

「これにて勲章の授与を終了いたします。なお、今回天帝家には褒賞金として800万ポンド(約10億6908万9937円)を与えるものとする。」

 

「「!?」」

 

やはりアリサとすずかは驚くよなぁ。

 

 

『謹んでお受けいたします。』

 

 

「それと、天帝殿。貴方に特別褒章として聖遺物を進呈いたします。」

 

「聖遺物ですと!?」

 

「こちらです。」

 

 

「これは・・・!」

 

「剣?」

 

「これは聖カトリーヌの剣・・・聖処女ジャンヌ・ダルクが持っていたとされる伝説の剣・・・!」

 

 

 

 

 

こうして俺達は女王の依頼を終え、帰国の徒についたが思わぬ褒美に肝が冷えた。 

 

だが聖遺物を手にいれたのは大きい。あいつはまだ召喚できた無いからな。

 

 

 

そして2日後、家に帰ってすぐに召喚陣に向かい、聖遺物を祭壇に置いた。

 

 

閉じよ(みたせ)閉じよ(みたせ)閉じよ(みたせ)閉じよ(みたせ)閉じよ(みたせ)

 

繰り返すつどに五度。

 

ただ満たされる刻を破却する。

 

素に銀と鉄。

 

礎に石と契約の大公。

 

降り立つ風には壁を。

 

四方の門は閉じ、王冠より出で、王国に至る三叉路は循環せよ。

 

 

 

 

────告げる。

 

汝の身は我が下に、我が命運は汝の剣に。

 

聖杯の寄るべに従い、この意、この理に従うならば応えよ。

 

誓いを此処に。

 

我は常世総ての善と成る者、

 

我は常世総ての悪を敷く者、

 

汝三大の言霊を纏う七天、

 

抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ────!」

 

 

ゴオオオオオオ!!

 

 

 

 

「サーヴァント・ルーラー。ジャンヌ・ダルク。召喚に応じ姿を現せました。」

 

 

「サーヴァント、アヴェンジャー。召喚に応じ参上しました。

 

・・・・・・どうしました。その顔は。さ、契約書です。」

 

 

 

 

 

 

 

「・・・どういうことだ?」

 

 

 

 

 

 

                       続く

 

 

 

 

 

 

 

 

 




久し振りのお仕事回。

そして英霊召喚でジャンヌと邪ンヌを召喚した悠飛はただ唖然とするしかできなかった。


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バーストモード

俺達が今の関係になってから随分経った。

 

今日は久しぶりに1人だけになったので、自身の技の開発をしていた。

 

マクスウェルとの戦いで痛感したが、今のままでは力不足で皆は愚か自身すらも守れなくなる状況になってしまった。

 

求めるのは全盛期を越えた自分。

 

だが、焦るとなのはみたいになってしまう。だから今やるべきことはどんな技にも耐え得る強靭な肉体を作ることだ。

 

 

「バーストモード、リリース。」 ドゥ!

 

 

「はぁああああああああああああああああ!!!」ゴゥ!!

 

 

バチバチッ!

 

くそ、第一段階を越えるのにこれ程の負荷があるなんて・・・

 

だが、まだ先がある!限界を越えた先にあるものこそが極みの境地!

 

「うぉおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」ゴァアア!!

 

来た!

 

「バースト2!」ドウ!!!!

 

ズキィ!!

 

「うぐぁああッ!」バシュウウウウ

 

ブシュ!

 

「ハァ、ハァ、ハァ・・・」

 

 

「我が主!お怪我を・・・!」

 

「ハァ、ハァ、すまない、アインス・・・」

 

「少し休憩にいたしましょう。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やはりバーストモードは体への負担が大きすぎる。膨大な魔力を操作するには少しずつ許容量を増やさねば・・・」

 

「悠君!」

 

「主はやて。」

 

「悠君が怪我したってアインスから聞いてとんできたけど・・・」

 

「ああ。新技の開発中にな。」

 

そういって左腕を見せた

 

「こんなになるまで・・・どんな技なん?」

 

「まあ、見た目程酷くはないんやが、バーストモードを更に1段階越えようとして魔力が暴発したんだ。」

 

「魔力が暴発?」

 

「もともとバーストモードは魔力を使って身体強化をするんだが、そのときに意図的に魔力を暴走させて爆発的な力を出させる諸刃の剣なんだ。」

 

「何でそんな危険な技術を・・・」

 

「戦争中に身に付けたからな。是が非でも生き抜かなければならない時にこの力を手にいれた。」

 

そう、この技は戦時下に偶然身につけた諸刃の剣。その時はまだ画竜点睛を極める前だったからこの技に頼っていた節がある・・・

 

「でも、魔力だけやと前みたいになってしまわんか?どうしても制御できる力がひとつだけやともしもの時は無防備になってしまうやん。」

 

あ、そうか。盲点だった。 

 

「ありがとうはやて。おかげで方向性が見えたよ。」

 

「???どういたしまして?」

 

そうだ。何で俺はひとつの力だけで強化しようとしてたんだ。俺の十八番は反鬼相殺と反鬼融合だ。なら・・・

 

「龍紋解放。」ドウ!!!!

 

「バーストモード!」ドゥ!

 

「此処から反鬼融合で異なる力を掛け合わせて・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バースト2!!!!!」ドウ!!!!!!!!!

 

 

できた。出力も安定している!

 

こうなりゃあ俺の得意分野だ、イメージは燃え盛る炎を氷で包む。そんなイメージだ!

 

 

後は・・・

 

 

「ハァ!」ゴゥ!!

 

 

「すごい・・・」

 

 

魔力は臨界点を越えているが、龍の気で包み込んで暴発を抑え込む。

 

これなら改良ができる。

 

「これで更に先のバースト3以降も習得できるな。」

 

「悠君、それはやりすぎなんじゃ・・・」

 

「もちろん、今日はもう終わりにするさ。以前になのはに言ったばかりだからな。」

 

 

そうして俺は新たな可能性を見つけ出してこの日の開発を終えた。

 

 

これなら近い内にこれも完成するだろう。

 

 

 

 

                         続く




というわけでバーストモードを掘り下げてみました。

結構危険なものですね。


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フロニャルドへの小旅行

陛下から休暇を頂いた悠飛。
せっかくだから皆を連れていこうと思っていたが?


『というわけで貴方にはしばらく休暇を与えます。ゆっくりとお体を休ませてください。』

 

「ありがとうございます、陛下。皆喜ぶと思います。」

 

『それでは、お元気で。』

 

プツン

 

「ふぅ。まさか纏まった休暇を頂けるとはな。」

 

「悠君。どうしたの?」

 

「ああ、なのは。いや実はな、陛下からしばらく休暇を頂いてな。お前達も連れて異世界旅行に行こうかと思うんだが・・・」

 

「あ~、皆タイミングが悪いのか仕事だねぇ。私もこれから局の仕事だし。」

 

「そうか、では仕方がない。俺だけで行ってくるか。」

 

「あ、でもユーリはしばらくオフだって言ってたかな?」

 

「ふむ。ではユーリを誘ってやるか。40年前の約束果たさなきゃいけないしな。」

 

「約束は守らないとだね。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「異世界旅行ですか?」

 

「ああ。陛下からしばらく休暇を頂いてな。どうせなら皆もと思ったんだが、生憎ユーリ以外仕事でな。だから40年前の約束を果たしに来た。」

 

「そういうことでしたら私も行きます。ではこれから準備してきますね。」

 

「俺もこれから準備するから焦らなくてもいいぞ。」

 

「わかりました。」

 

 

1時間後

 

 

 

 

「お待たせしました。」

 

「よし、じゃあ行くか。」

 

《輪廻写輪眼》ギン!!

 

ズズッ

 

「こいつを使えばあっという間に着く。結構魔力を使うがな。」

 

「それでは皆さん、行ってきます。」

 

「留守中は任せた。ギル、ベディ。」

 

「任せておけ。貴様はゆるりと休んでこい。過労死だけは御免だがな!」

 

過労死とか・・・お前在位中に何があったんだよ

 

「マスター、どうぞごゆっくり。」

 

「行ってくる。」

 

バッ

 

シュウウウ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ズズッ

 

バサッ

 

ザッ!

 

「ここが?」

 

「ここが異世界フロニャルド。ここに来るのは140年ぶり位か?」

 

「来たことがあるんですか?」

 

「あるからこうして左目の瞳術で来れるんだ。エルトリアもこうして移動できるが、あそこは飛雷神で跳べるから圧倒的にそっちの方が早い。」

 

「そういうことでしたか。」

 

「こっちには飛雷神のマーキングが無いからな。」

 

それから俺達は街道を歩いて、ビスコッティの旧友のところへ向かっていた。

 

 

「ん?あれは・・・」 

 

 

「ん?おお!悠飛ではないか!久し振りでござる!」

 

「お前、ヒナか!見違えたな!随分でかくなって!」

 

「そう言うお主は若返っておらぬか?」

 

「転生したんだよ。14年程前にな。」

 

「そうでござったか。」

 

「てかお前、そんな喋り方だったか?140年前はそんな喋り方してなかったろ?」

 

「今はビスコッティの騎士をしているでござるからこの話し方になっているでござるよ。」

 

「あの、お館様。其方の方は?」

 

「そう言えばユキカゼは初めてでござったな。この御仁は龍神悠飛。異世界の住人で140年前に拙者達と魔物退治をしていた仲間にござるよ。」

 

「お初にお目にかかります。ユキカゼ・パネトーネと申します。」

 

「龍神悠飛だ、よろしくな。こっちは今回の旅のお供のユーリだ。」

 

「ユーリ・エーベルヴァインです。よろしくお願いします。」

 

なんかこの二人声と雰囲気が似てるなぁ(メタァ!!)

 

「それと悠飛。拙者は今ビスコッティの領主からブリオッシュ・ダルキアンという名を与えられてそちらを名乗っているから、人前ではそっちで呼んでほしいでござる。」

 

「無理だな。今さら呼び名を変えるなんて違和感しかねぇよ。」

 

「だろうと思ったでごさるよ。お主は相変わらずでござるな。」

 

「人の在り方なんてそうそう変わるもんじゃねぇよ。特に根っこの部分はな。」

 

 

「そうでごさろうな。」

 

「そう言えばあの2人は?」

 

「今はあの人の眠る場所で一緒に眠っているよ。」

 

「・・・そうか。」

 

「思えば140年前にお主とヴァレリーはケンカ別れしたようなものだったな。」

 

「まあ、あいつのことを一番よく知ってるから余計に腹が立ったんだけどな。」

 

「と、話をしながら歩いていたがようやく到着でござるよ。」

 

「着いたな。フィリアンノ城。」

 

 

「やあ、ダルキアン卿。其方の御仁は?」

 

「拙者の古い友人にござるよ。」

 

「龍神悠飛だ、よろしくな。」

 

「ビスコッティ騎士団のロラン・マルティノッジです。まさか貴方は伝説の?」

 

「ま、こいつと同じパーティーに居たのは事実だな。」

 

「悠飛は封印術に長けた力も持っているから、魔物の封印ではかなり助かったでござるよ。」

 

「本領は剣術による殲滅だけどな。」

 

「未だに一度も勝てたことがなかったでござるからな。」

 

「ダルキアン卿以上の剣の使い手とは・・・!」

 

「本当はあまり力を使いたくはないが、平和のためにやむ無しって感じだったのさ。」

 

「昔からこういう人にござる。」

 

「ま、今回は休暇のためにこっちに来たようなもんだ。これからゆっくりしていくさ。」

 

「それならこの国でゆっくりとしていくと宜しいでしょう。」

 

そこから俺はヒナに領主を紹介されたり、ロランの計らいで騎士団の訓練を見学したりした。

 

やはりこの国は平和だな。

 

そんなこんなで1日目が終わった。

 

 

「あ"ぁ"疲れた~。」

 

「あはは・・・」

 

「でもまさか領主が城の一室を貸してくれるとはな。」

 

「優しい領主さんでしたね。」

 

「ま、何にしても今日は疲れたからゆっくりしよう。」

 

 

そうして俺とユーリは風呂に入って、ゆっくりしてその日を終えた。

さすがのユーリも歩き疲れたのだろう、翌朝までぐっすりと寝ていた。

 

 

                         続く

 




ユーリとフロニャルド旅行1日目でした。
長くなるので分割します。
ゆっくりとこの先の展開への伏線を作っていきます。


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フロニャルドにて

140年ぶりにヒナと再開し、ビスコッティに滞在することになった悠飛とユーリ。
翌日悠飛はいつもの日課をこなす


ヒュン!ヒュン!

 

「はぁ!」

 

ギュルルルルルル!

 

「龍巻閃・『嵐』!!!!!」

 

ドン!

 

「すごいですな。」

 

「ロラン?」

 

「今の技は貴殿にしか出来ない技ですか?」

 

「いや、俺の仲間に4人出来る奴がいる。」

 

「それほど難しいものなのですか?」

 

「いや。だがこれは確実に人を殺すための殺人剣だからな。教えるつもりはない。」

 

「この世界では守護力に護られておりますので、玉化するものですがね。」

 

「それでもだ。」

 

「では、そのような技もあるとだけ覚えておきましょう。」

 

「それでいい。」

 

チャキ

 

パン!

 

「木遁の術」

 

メキメキ

 

「木を生やせるのですか!?」

 

「似たようなもんだ。」すっ

 

「これならあやつも真似ておったな。」

 

ギリッ

 

「フゥー・・・」

 

「ゴクリ」

 

「・・・はっ!」シャッ

 

ズバァ!

 

「飛天御剣流・九頭龍閃!」ドゥ!

 

ズバババババババドス!

 

バラッ!

 

ドササ!

 

ヒュン!

 

チャキン

 

「よし、朝の鍛練終了。」

 

ん?

 

「なあ、ロラン。あそこに居る二人は?」

 

「ああ、我らの姫様とガレットの姫君、レオンミシェリ様だ。」

 

「すみません、たまたま通りかかったものでしたから。」

 

「私も、不躾でした。」

 

「よい。別に見られても対処出来ん技だしな。」

 

「改めて、ビスコッティの姫、ミルヒオーレ・フィリアンノ・ビスコッティです。」

 

「ガレットの姫、レオンミシェリ・ガレット・デ・ロワです。」

 

「うむ。礼儀正しいな。龍神悠飛だ。ダルキアンとは昔共に旅をした仲だ。」ガサゴソ

 

「ということは貴方が伝説の?」

 

「初代勇者パーティーの一人だな。おっ、あったあった。ほら、ちゃんと挨拶できたご褒美だ。」

 

そう言って二人にアメをあげた。

 

「向こうのアメだ。うまいぞ?」

 

「「ありがとうございます!」」

 

「うん、よかったらもう少し見てくか?特にレオンミシェリ姫は。」

 

「よいのですか?」

 

「構わん。何ならふたりに少し剣を教えてやろう。」

 

というわけでふたりの姫君と騎士団に少し剣を教えてやった。

こちらも貴重な時間になったし一石二鳥だ。

 

そんなこんなでいい時間になり、ユーリと()()()の墓参りにパスティヤージュに行ったり、諸国漫遊をしていった。それだけで3日かかったが、俺の一面を見れてユーリも嬉しそうだった。

 

そして

 

 

 

 

 

「ここが?」

 

「ああ。ここが俺が初めてフロニャルドに降り立った場所だ。」

 

そこは緑豊かな場所でそこには竜が棲んでいる。

 

「綺麗なところですね。」

 

「ここは龍脈が集中しているからな。精霊も他の生き物も沢山居る。」

 

「思い出深い場所なんですか?」

 

「そう言うわけではないが、古代ベルカにもこんな景色があったと思ってな。」

 

「それで・・・」

 

「お前をここに連れてきたかったのはそれもあるんだが、エルトリアの風景も思い出せるかとも思ってな・・・///」

 

「ありがとうございます。この旅の記憶は絶対に忘れません。」

 

「そう言って貰えたなら嬉しいな。」

 

ふわっ

 

「そろそろ家に帰るか。あまりユーリに独占させちゃあ皆も不満に思うだろうしな。」

 

「特にレヴィが拗ねちゃうかもですね。」

 

「そうだな。」ギン!!

 

 

ズズッ

 

「さ、早く帰ろう。」

 

「はい。」

 

ピタッ

 

ふとユーリが止まった。

 

「悠飛、帰ったら抱いて貰えますか////」

 

「いいよ。俺の部屋に着いてからな。」

 

バッ!

 

 

シュウウウ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こうして俺達は家に帰って、荷物を片付けた後に部屋で情事をした。

 

何だかんだでユーリも甘えられなかったのでこのタイミングでベタ甘えになってきたので3回戦することになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ちゃぽん

 

 

 

「いやぁ~、やっぱり我が家の風呂が一番だわ。」

 

「そうですねぇ~。」

 

情事を終えてもユーリはいつも通りだった。何だかんだでうちのハーレムの中で一番大人だしな。

 

 

「ま、フロニャルドへはまた落ち着いたら行くとするか。」

 

「いつになるかわかりませんけどね。」

 

 

 

そんなやり取りをしつつ、ゆったりとした時間をユーリと共に過ごした。40年の溝を埋めるように・・・

 

 

 

                      続く

 

 

 




というわけでユーリとフロニャルド旅行終了です。


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フェイトの誕生日

公式ではないのでどうかと思いましたが書かせていただきます


5月某日

 

 

「え?フェイトの誕生日?」

 

「確かそろそろやったやろ?婚約者のお前が何か渡したらさぞ喜ぶやろうな」

 

「ううむ・・・プレゼントか・・・」

 

「フェイトが喜びそうなものってわかんのか?」

 

「何となくな。それを用意するために俺は暫く依頼は受けんからお前らで回してくれや」カタカタッ

 

「は?ちょっ!ほんまに依頼切りやがった・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんなこんなで俺が向かったのは・・・

 

 

「──────というわけで教えてくれんか?俺は裁縫なぞしたことが無くてな」

 

「マスターの頼みとあらば引き受けようぞ」

 

「よろしく頼む。ヴラド公」

 

串刺し公ことヴラド三世は裁縫が得意と言うことで教えを乞うことにした

 

俺が作るものは・・・

 

 

 

 

 

 

 

そして誕生日当日

 

 

「これでどうだ?」

 

「ふむ。実に良い出来であるぞマスター」

 

「上手くできて良かったわ」

 

ppppppppp

 

「なんだよこんなときに・・・俺だ」

 

『すまん悠飛。どうにも外せん任務が俺ら全員に来てもうたから来てくれ』

 

 

「はぁ!?ふざけんな畜生!!お前らでできんのか!?」

 

『生憎ヤバイ国が動いとるから俺らで対処しかないらしいわ』

 

「北か!?北の連中か!?なんでこんな大事な時にやらかしてくれるんやあのボケども!!!」

 

ホントにふざけんな!!!!

 

 

 

 

 

 

ブリッジ

 

 

プシュー

 

「おいお前ら・・・北の国にアレの照準定めろ」

 

「おまっ正気か!?」

 

「神の裁きを下してやるまでだ・・・!」

 

「あ~あ。俺知らねぇぞ?」

 

「消えるのが早くなるか遅くなるかの違いやろ」

 

「コードネーム鎮魂曲(レクイエム)、始動!出力限定、一点集約モードに切り替え、指定出力にチャージ」

 

「レクイエム、ステーション1、発車位置確定。チャージ出力は20%に限定、座標固定完了。チャージ出力、19%」

 

「航空機等へ暗号通信。退避完了」

 

「レクイエム出力、20%到達」

 

「哀れな種族に終止符を。鎮魂曲(レクイエム)・・・ってぇ──────────!!!!!!」

 

 

 

その日、世界から一つの国が天帝の怒りに触れたことにより消滅した

 

後に残ったものは廃墟のみである

 

 

その夜

 

 

 

コンコンッ

 

「どうぞ」

 

ガチャッ

 

「ただいま、フェイト」

 

「お帰りなさい。急なお仕事だったんだよね」

 

「ああ。その後で陛下と殿下に報告してできるだけ今日使った兵器は使うなって言われたわ」

 

「怒られちゃったの?」

 

「いや、俺らの心配やったわ」

 

「良い人たちだよね」

 

「ッと、忘れるところだった。」

 

俺は異空間からこの日のために用意していたものを出した

 

「遅くなったけど、誕生日おめでとう。これは俺からのプレゼントだ」

 

「ありがとう!すごく嬉しいよ」

 

「後これは俺の手作りのモンブランだ」

 

「ケーキまで用意してたんだ」

 

「せっかくだしな」

 

「ねぇ、これ開けて良い?」

 

「良いよ」

 

パカッ

 

「わあっこれってリボン?」

 

「ああ。ヴラド三世に教えてもらって生地から作ったんだ。それには俺のおまじないがついてる」

 

「手作りのリボン・・・それで最近悠飛の指が傷だらけだったんだ」

 

「生憎こういうのはやったことがなかったからな。気に入って貰えると嬉しいんだが」

 

「ねぇ、付けてくれる?」

 

「もちろん。少し大人っぽくしてみるか」

 

そうして俺はフェイトの髪を襟足あたりでまとめてリボンで止めた(※Forceのフェイトの髪型)

 

「うむ。やっぱり似合ってるな」

 

「ありがとう。大切にするね」

 

「さて、今夜は何か一つして欲しいことないか?できる範囲で聞いてやるよ」

 

「じゃあ、いいかな?」

 

「なんだ?」

 

「えっと・・・今夜は、一緒に寝て欲しいかな////」

 

「良いよ。その前に風呂に入ってくるから待ってな」

 

「一緒じゃ、だめ?」(上目遣い)

 

(それでお願いされたら断れねぇじゃねぇかよ・・・)

 

 

「わかった。どうなっても知らんぞ?」

 

その日はいろいろあったが、最後はフェイトと熱い夜を過ごす俺だった

 

 

 

 

                      end

 




フェイトの誕生日ということで急遽投稿しました

多分何処かに粗があるかも・・・


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はやての誕生日

前書き不要
どうぞ


6月4日

 

この日は俺にとって大切な日だ

 

「主悠飛、ご準備が整いました」

 

「ありがとうアインス」

 

「悠飛、はやて、行ってらっしゃい」

 

「行ってくるな」

 

「留守は任せたぞ」

 

「いいから行ってこい」

 

 

 

 

 

 

 

 

「悠君からデートのお誘いなんて久し振りやな」

 

「ここんところ忙しかったからな、お互いに」

 

「今日はエスコートよろしくな」

 

「任された」

 

 

 

 

デートコースは主に関東近辺でパワースポットを巡るデートとなっている

 

 

日光東照宮

 

 

「ここが有名な東照宮かぁ」

 

「日光を見ずして結構というなとか言われてるな」

 

「ここって確か徳川家康公と関わりがあるんやっけ?」

 

「そうやな。葵の紋が徳川の証やから所縁が有るのは確かや」

 

 

 

その後も二荒山神社や関東の有名地を俺の能力を使って回っていく

 

 

そして

 

 

茨城県大洗町

 

「きれいな場所やな」

 

「少し寂しい感じがするけど、ここの人はあたたかい人ばかりやから良いところや」

 

「来たことあんの?」

 

「前に戦線メンバー探してた時期有ったやろ?その時に日本全国旅をしてたんやがその旅の途中で立ち寄ったことがあるんや」

 

「管理局の仕事もあるのに大変やったな」

 

「そうでもないよ。あの時は親父から休めって言われてた時期やから気ままに旅が出来たよ」

 

「ああ・・・」

 

「それよりあの店予約してるから行こう。あそこの鮟鱇料理は絶品やねん」

 

「そうなんや。これはうちのメニューのレパートリー増えるチャンスやな」

 

そうして俺達二人は鮟鱇料理に舌鼓を打って店主と仲良くなった

 

 

 

そして夜

 

 

「今日は楽しかったよ。ありがとうな悠君」

 

「まだ終わりやないよ」

 

「え?まだ何かあるん?」

 

そうして俺は異空間収納からあるものを取り出した

 

 

「誕生日おめでとう。はやて」

 

「あっ・・・そういえば今日は私の誕生日か」

 

「自分の誕生日ってそうなるよな」

 

「開けてええ?」

 

「もちろん」

 

「あ・・・これって・・・」

 

「まだ結婚できる歳と違うけど、その証としてな」

 

この日俺が用意していたものは俺とはやてだけのリングだ

 

 

「着けてあげるから貸してみ」

 

「うん」

 

そのリングを俺ははやての左の薬指に着けた

 

「これで俺とお揃いや」

 

そして自分の左の薬指にペアのリングを着けた

 

「これで私ら夫婦やな」

 

「やからまだ結婚できへんって」

 

「ええやん。もう夫婦みたいなもんやねんから」

 

「それもそうか。でも入籍はまだ待ってくれよ?これから管理局でお互いに忙しくなるんやから落ち着くまではな?」

 

「わかってるよ。せやけど私らは悠君から絶対に離れへんよ」

 

「・・・そうやな」

 

そうして大洗の海沿いを歩いていく

 

 

「なあ、はやて」

 

「なに?」

 

「帰ったら、しよか」

 

「うん。いっぱいシてな」

 

「わかったよ、明日も休みやから今夜はいっぱい愛したるわ」

 

 

 

そうして俺達二人は家に戻り、みんなではやての誕生日を祝うパーティーを行ったあと二人で風呂に入って夜通しで抱いて朝方に俺の部屋の風呂に入って寝るのだった




はやての誕生日回でした
死んだ世界編はもう少しお待ちください


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Strikers編
空港火災


エルトリア事件から数年が経った。

悠飛達は相変わらず忙しい日々を送っていた。


ピピピ

 

ブォオオオオオオオ

 

カタカタカタカタ

 

「CPG設定完了。ニューラルリンゲージ、イオン濃度正常、メタ運動野パラメーター更新、原子炉臨界、パワーフロー正常、全システムオールグリーン。」

 

カタカタ

 

「ストライクフリーダム、システム起動。」

 

『それでは悠飛君。X20A STRIKE FREEDOM試験発進、どうぞ!』

 

「龍神悠飛、フリーダム、出る!」

 

ギュオオオオオオオオオオオ!!!バキン!

 

ゴオオオオオオオオオオオ

 

スゥ

 

ガギン

 

ドゥ!

 

「発進は問題なくいけたな。問題はここからだ。」ガコン

 

 

ドゥ!!

 

 

今俺は先日完成させたばかりの機体──────

ストライクフリーダムの試験をしている。

俺以外にも圭吾は∞ジャスティス、辰徳はデスティニー、俊介はレジェンド、隆一はアカツキの性能試験をしている。尤も、俺のストライクフリーダムは俺にしか扱えないし、圭吾∞ジャスティスも圭吾にしか100%の性能を発揮できない代物だけど・・・

 

pppppppppppp

 

ここでターゲットが幾つも出てきた。

 

27か・・・なら!

 

ブォン!

 

ズバズバ!

 

バシュン!バシュン!

 

バシュシュシュ!

 

《Full Burst Mode起動》

 

ppppppppppppppppp

 

ドバ!

 

ズドドドドドドドドドド!!!!

 

バシュウウウウウウウウ!

 

『よし、ストライクフリーダムの性能は確認できたよ。』

 

「どうだった?」

 

『設計変更もしたからね、初期案よりも30%も高い数値を出しているよ。』

 

「まあ、間接にまで相転移(フェイズシフト)装甲を採用しているからな。X10Aとかだと機体が俺達の反応に着いてこれなかったしな。」

 

『それを解消するために新型モビルスーツの開発だったからね。いずれは核に頼らない新しい機体を造らなきゃだけどね。』

 

「それについては追々だな。とりあえず帰投する。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから数日後

 

「しかし子鴉から誘ってくるとはな。」

 

「仕方ないだろうな。今の俺達は管理局に勤めている身だ。昔みたいにホイホイ時間をとれる訳じゃない。」

 

「確かにな、それに関しては我らも大人になったということだな。」

 

「地球では本来まだ学生だけどな。」

 

「地球人も大変なのだな。」

 

「まあ、その国によるな。貧困で教育を受けられない国もあるし、正しい教育をされない国もある。」

 

「それも悲しいことだな。」

 

「それよりも今は時間まで余裕があるからゆっくりして行くか。」

 

「そこは貴様に任せよう。我はミッドに来るのは初めて故な、しっかりとエスコートしてくれ。」

 

「任された。」

 

まずはどうすっかな?

とりあえずカフェにでも行くか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふむ、こういう味もあるのか。興味深いな。」

 

「ディアーチェ、悪い癖が出てるぞ。」

 

「おっと、すまぬ。料理にハマってからつい再現したくなるのだ。」

 

「熱心なのはいいことだが、時と場所を選んで貰えんか?これでは俺とのデートがつまらぬと思ってしまうぞ?」

 

「そ、そんなことはないぞ!」

 

「後ろ半分は冗談だ。」

 

「うぬぬ。」

 

そんな時だった。

 

《緊急通信》ビーッ!ビーッ!

 

「緊急通信・・・3人から?」

 

ピピピ

 

「こちら悠飛、どうした?」

 

『あ、悠君!御免やけどこの後の予定はキャンセル!ミッドの空港で火災が発生!緊急事態につき動けるならこっちに応援に来てほしい!』

 

「空港火災だと!?原因は!」

 

『わからないけど、恐らく危険物があってそれが爆発したと思う!』

 

「分かった!俺とディアーチェも現場に向かう!なのはとフェイトはもうすぐ現場に着くな?」

 

『『うん!』』

 

「なら俺達はお前達に渡してあるマーキングに飛雷神で直接跳ぶ!準備していろ!」

 

『『『了解!』』』

 

「というわけだ。いけるな?」

 

「無論だ。」

 

「すまん、勘定!」

 

俺達は手早く会計を済ませ、路地に入った。

 

「よし、此処から跳ぶぞ!」

 

《飛雷神の術》!

 

バシュン!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バシュン!

 

 

「待たせた!」

 

「悠君!ごめん、火の勢いが強すぎて止められないの!」

 

「ひとまずここの火は俺が消す!」

 

パン!

 

「水遁・水衝波!」

 

ドバ!

 

「はぁあああああああああ!」

 

ザッバァアアアアアアアア!!!

 

「凄い・・・水の無いところでこのレベルの水遁を発動できるなんて・・・」

 

バン!

 

「ハァッ!」

 

ブワッ

 

生命反応・・・良かった。複数確認!

 

「感知伝々!」

 

そして感知した場所をなのは達に伝える

 

「要救助者は今伝えた通りだ!行け!」

 

さて、俺も動きますか。

 

子 酉 巳 辰 パン!

 

「水遁・水断波!」

 

ズバババ

 

「悠飛、我は子鴉のところに行き、補佐する。」

 

「頼んだ。」

 

そこから別れて俺は上空に飛んだ

 

スタッ

 

「此処からなら一気に全体に水を撒けるだろう・・・」

 

俺が建物の一番高いところに移動した理由、それは

 

「水遁・滝壺の術!」

 

ザバァアアアアアアア

 

こうして広範囲に水を撒いて一気に鎮火するためだ

 

そうこうしているうちにやっと応援の部隊が到着した。

 

この初動の遅さは何とかならんのか、陸は・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌朝

 

 

流石に俺も疲れたのではやて達とホテルに泊まって寝ていたが、珍しく一番遅くに起きてしまった。

 

「なんや珍しいなぁ。悠君が起きるの遅いのなんて。」

 

「あれだけ上級水遁を連発してたらな。それに滝壺の術を連続発動していたらそれなりに魔力も消費する。」

 

「当然であろうな。」

 

「にしても、陸士部隊の初動の遅さは何とかならんのか?」ゴキッ、ゴキッ

 

「それに関しては同感だな。」

 

「それに関して私から相談があるんよ。」

 

「やはりな。考えることは同じか。」

 

「ならいっそ、自分の部隊を立ち上げればええやろ。勿論、俺らも協力する。」

 

「ていうか、そんな部隊なら誘ってくれない方が怒るよ?」

 

「うん。」

 

「皆・・・」

 

 

 

ところで・・・

 

「それよりも今は、お前ら早く服着ろ。そんな格好だと襲ってくれとでも言っているようなもんだぞ?」

 

「なんや?別にええんやで?」

 

「時と場所を考えろ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こうして数年後にはやてを部隊長とした新部隊の設立が決まるのだが、それはもう少し先の話である。

 

 

 

                           続く




3期のプロローグですな。

それよりもなのはの新プロジェクトが何なのかそろそろ発表があっても言いと思うんですがね・・・


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主人公ステータス(Strikers)

龍神悠飛

 

ステータス

 

筋力A+ 敏捷EX 幸運B 耐久EX 魔力EX

 

身長185cm /体重85kg

 

反鬼相殺EX

 

反鬼融合EX

 

英霊憑依EX

 

画竜点睛EX

 

炎殺拳EX

 

氷結適正EX

 

その他

 

所属:時空管理局本局

 

階級:総大将

 

闇の書事件から10年後

はやてのために管理局に入り、数多の凶悪事件を解決し最短で管理局の大将に任命された。局長の七光りではなく実力でのしあがり、かの三提督にもそのカリスマを買われている。

 

凶悪犯罪だけでなく、その才覚はあらゆる分野でも発揮され各部門がこぞって欲しがる人材だが、本人は自由気ままに仕事をしているのでどの部門も彼を引き入れることができない。

彼を引き入れることができるのは昔馴染みのレティが居る部署かリンディの部署、それから幼馴染みで婚約者達だけである。

 

復讐を果たしてから憑き物が落ちた為、昔ほど卑屈にはならず生来の生真面目さから部下に慕われ、一部の上層部を除き彼に好意的である。

 

婚約者達は彼が無茶しないか気が気ではないが、そんな彼女達のことが逆に心配で仕方がない。、

 

正しいことはちゃんと認め、間違っていることは正して導く所謂兄貴肌。

 

管理局の仕事をしながらも、自らの主である皇族の護衛が入ればそれを優先する。

 

サーヴァントはさらに増えて150騎を越え、全員思い思いに過ごしている。

 

中でもギルガメッシュは無茶しがちな彼を休ませて彼の業務を代わりにこなす姿が見られる。曰く「過労死の苦しみを味あわせるわけにはいかぬからな」とのこと。

 

動物や子供に懐かれるのは変わらず、皆彼に心を開く。

 

ミッドチルダに来てからは自分の起源である古代ベルカの研究もしている。初代の記憶を継承したからか、ベルカの王族の系譜もしくは直系の子孫が近くに居ると左目の輪廻眼が自動的に開眼するようになっている。

 

中学の時に婚約者を抱いてから皆に文字通り搾られていくうちに耐久力が跳ね上がり、自動的に体力も5倍に増えた。

 

あらゆる分野で活躍したため、資産は莫大なものになり一生を遊んで暮らしても半分も使いきれない程になっているが、プライベートではあまり散財しないため貯蓄される一方。

 

カリムの予言は必ず目を通して今後の方針としている。

 

少し前にスカリエッティが送り込んできたスパイの戦闘機人のNo.2 ドゥーエに最強幻術《別天神(ことあまつかみ)》をかけて二重スパイとして暗躍させている。

 

 

彼の婚約者の序列は以下の通り

 

正妻:八神はやて

 

第二:アリサ・バニングス

 

第三:フェイトテスタロッサ

 

第四:月村すずか

 

第五:ディアーチェ

 

第六:高町なのは

 

第七:シュテル

 

第八:ユーリ・エーベルヴァイン

 

第九:リインフォース・アインス

 

第十:アミティエ・フローリアン

 

第十一:キリエ・フローリアン

 

第十二:アリシア・テスタロッサ

 

第十三位:レヴィ

 

以上

 

序列は付いているが、皆平等に愛しているため誰も文句を言わない。

 

はやてに部隊の総隊長を頼まれ、快諾して六課に出向という名目で入隊。

新人の訓練を見たり、教えたりして平時を過ごし、有事には奥の手として部隊を見守る。

 

 

 



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機動六課

とりあえずだらだら日常編やるのも申し訳無いので3期入ります。


空港火災の件ではやてから新部隊に誘われてから早くも2年が経った。

 

今日はその新部隊の設立の日なのだが、俺は所用で遅れていた。

地球で皇族絡みの仕事が入ったため、到着が1日遅れてしまった。

 

キィイイイイイイイイイイイン

 

「もうすぐだな。」

 

愛車のバイクを走らせて1時間後、ようやく隊舎が見えてきた。

 

そして駐車場にバイクを停めて、着替えてから急いでロビーに向かった。

 

「すまん、遅れた。」

 

「お、丁度ええところに来たな。そしたら到着早々御免やけど、挨拶してくれへんか?」

 

「了解。」

 

そうして色々整えてから段上に上がる

 

「新部隊設立早々遅れてしまって申し訳ない。この部隊で総隊長をする本局総大将、龍神悠飛だ。

皆若く将来性があるから、互いを助け合い共に成長していける環境を作っていこうと思う。

俺がここですることは新人のフォワードを1年で最前線に立てるようにすること、メカニックの技術向上、その他諸々だ。

ま、長い話は嫌われるからこれで終わりにする。何か分からないことがあれば遠慮なく聞いてこい。

 

以上だ。」

 

パチパチパチパチパチパチパチパチ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「悠飛さん!」」

 

「お、エリオ、キャロ、久し振り。2人とも大きくなったな。」

 

「悠飛!」

 

「フェイト!すまんな、どうしても向こうの仕事が抜けられなかったから遅れた。」

 

「しょうがないよ。悠飛は皇族の護衛が入ればそっちが優先されるから。」

 

「陛下への恩は尽きないからな。それに、秋篠宮家に待望のご子息がお生まれになったから、皇子のお守りもしなきゃだったし。」

 

「おや、フェイトと悠飛。こんなところで立ち話ですか?」

 

「シュテル。」

 

「悠飛、これからフォワードはなのはが訓練をするそうですので一緒に行きませんか?」

 

「そうだな。それじゃあフェイト、また後でな。」

 

「うん。また後で。」

 

 

 

 

 

 

訓練場

 

「ふむ、初訓練にしては中々動けてる方だな。」

 

「そうですね。皆動きが拙いながらも連携をとろうとしてますね。」

 

「シグナム、お前は教えてやらんのか?」

 

「いえ、私は古い騎士ですのでスバルやエリオの近代ベルカ式とは違いますからね。教え方もただ近づいて斬れとしか・・・」

 

「まあ、人によって教え方の違いがあるしな。」

 

「それでもシグナム副隊長のそれはあまりにもアバウト過ぎではないかと。」

 

「言ってくれるな、シュテル。」

 

「なんて話してたらそろそろ終わりそうか。」

 

「ほう、バリアブルシュートですか。Bランク魔導師のティアナには少し早いと思いますが?」 

 

「まあ、魔力操作がまだ甘いから弾核覆うのに時間かかってるみたいだがな。」

 

「新人にはキツい相手ですからね。」

 

『ねぇ、悠君。』

 

「何だ?」

 

「折角だから悠君もやっていかない?」

 

「そうだな、やっていくか。」

 

『というわけでフォワードの皆、総隊長が訓練するから見ておくといいよ。』

 

『はい!』

 

「見せるのはいいが、自信喪失させねぇかが心配やなぁ・・・」

 

『まあ、こんな戦い方もあるんだよって参考にね?』

 

「そんじゃあいくか!」バッ!

 

スタッ

 

『レベルはどうしますか?』

 

「Sでいい。」

 

『了解です!』

 

お、出てきたな。

 

『それじゃあ、レディ・・・ゴー!』

 

シュバババ!

 

「水遁・水断波!」

 

ズバババ

 

 

 

「え!?普通に魔力で斬った!?」

 

「違うよ?あれは魔力を性質変化させて水を作り出してそれの水圧で切断してるんだよ。」

 

「エリオ達も総隊長が戦ってるのを見るのは初めて?」 

 

「はい。普段はあんな姿みせませんでしたから。」

 

 

 

 

 

 

「残り50か。」

 

バシュバシュバシュ!

 

「ふっ。」

 

ギリッ

 

「二重の極み!」

 

ガォン!

 

パァン!

 

 

 

 

「殴った場所が破裂した?」

 

「あれは破壊の極意、二重の極み。ふたつの衝撃を重ねるコトで対象を粉々に粉砕する技だね。」

 

「それってめちゃくちゃ難しいんじゃ・・・」

 

 

 

 

 

 

 

「そろそろギアあげていくか。」

 

チャキ

 

ドゥ!

 

(残りのターゲットは30・・・なら一気に仕留める)

 

「飛天御剣流・龍巣閃!」

 

ズババババババババハバ!!

 

残り2!

 

「飛天御剣流・九頭龍閃!!」

 

ドゥ!

 

ズバババババババドン!

 

 

 

 

「なのはさん。今のって・・・」

 

「飛天御剣流・九頭龍閃。私達の世界での剣術も基本九つの種類あって、唐竹、袈裟斬り、逆袈裟、左薙、右薙、左切上、右切上、逆風、そして刺突。この九つの斬撃を飛天御剣流の神速を最大限発動してほぼ同時に撃ち込む防御・回避共に不可能な技だよ。」

 

「全然見えなかった・・・」

 

「多分皆悠君が一瞬でひと振りで全て撃ったように見えたんじゃない?」

 

「なのはさんは見えるんですか?」

 

「私でもぼんやりとだけどね。フェイト隊長ならしっかりと見えてるはずだよ?」

 

 

 

 

 

 

 

(残り1、最後は向こうから近づいてきたか間合いを無くすつもりだろうが・・・)

 

そう思いながら俺は()()()()()()()()()()

 

 

ギュオッ!

 

「牙突零式!!」

 

ドギャアアア!!!

 

ビーッ!

 

「シャーリー、タイムは?」

 

『2分ジャストです。』

 

「そんなもんか。」

 

『十分凄いんですけどね?Sランクでかつ80体のガジェットをわずか2分で全滅させるなんて。』

 

「これでもまだ本気では無いんだがな。」

 

『流石管理局の総大将ですね。もしかしてあの数なら一瞬で終わったとか?』

 

「すべてのリミッターをはずしたらな。」バッ!

 

バッ!

 

「お疲れ様。今回は飛雷神使わなかったんだね?」

 

「使う必要も無かったからな。」

 

「さて、皆これで総隊長の強さが分かったよね?」

 

『はい!』

 

「だが、俺の力はあくまでも俺の積み上げてきたものだ。お前らにはお前らの強さがある。高町一尉の教導を受けて自分の長所を伸ばして、短所も克服する。この1年でじっくりそれをやっていくが、絶対に焦るな。焦れば己の力を発揮できなくなる。そして自分の領分を越えたことをしようとするな。()()()()()()()()()()()()。この言葉、ちゃんと覚えておけよ」

 

『分かりました!』

 

「よし、訓練の続き行ってこい。」

 

『はい!』

 

 

「なんか久し振りに聞いたね、悠君のあの言葉。」

 

「お前やフェイト、アリサ達にも散々言ってきたからな。あの一件以降お前も焦ることが無くなったしな。」

 

「うっ、その件は大変ご迷惑をおかけしました・・・」

 

「やっぱりこうしてお二人を見ているとご夫婦ですよね。」

 

「まあ、正妻ははやてちゃんだけどね。」

 

「相変わらずラブラブなんですか?」

 

「そんなこと無いよ?ちゃんと13人全員分け隔てなくしてくれるし。」

 

「お前ら、今は勤務中だぞ?一応。」

 

「「ごめんなさい。」」

 

 

 

 

こうして新人の教導は進んでいき、無事初日は終了。

 

翌日からは俺もまた忙しい日々が始まるが、何かとやりがいがありそうだ。

 

ま、疲れたのなら休む。

 

俺は過労死などせん。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                           続く

 

 

 

 




というわけで機動六課初日でした。

これからどういう感じに進めていくか思案中


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聖王協会

公務で聖王協会を訪れた悠飛とはやて

そこでカリムから持ちかけられた相談とは?


聖王教会──────

ミッドチルダにあるこの教会は俺達とも関わりが深く、懇意にさせてもらっている。

 

「おお、これはこれは天帝様。ごきげんよう。」

 

「ごきげんよう。本日もお元気そうで何よりです。」

 

「天帝様、ごきげんよう。」

 

「ごきげんよう、本日もおかわりなく。」

 

「悠君人気者やなぁ。」

 

「ま、初代様は民草を大事にされるお方だったからな。それに倣っている。」

 

「騎士悠飛、騎士はやて、ごきげんよう。騎士カリムがお待ちです。」

 

「ごきげんよう、シスター・シャッハ。今日はお招き頂き感謝する。」

 

「では、こちらへ。」

 

そうして俺とはやてはカリムのところへ案内された。

 

 

「失礼する。久しいな、カリム。」

 

「ご無沙汰してごめんな?」

 

「悠飛、はやて!いらっしゃい。」

 

 

 

 

 

 

 

 

「悠飛は紅茶がダメでしたよね?」

 

「ああ。どうにも紅茶はあわないみたいでな、そこは一族共通だったさ。」

 

「まあ、そこは初代様もそうやって聞いてるから遺伝なんやろうな?」

 

「その話は一旦置いといて、今日は何かあったのかい?」

 

「その事なんだけど・・・」ピッ

 

ウィイイイイイン

 

パッ

 

「これ、ガジェット?」

 

「新型か。見る限り飛行タイプだな。」

 

「ええ、それより気になったのはこれ。」

 

「でかいな。」

 

「Ⅲ型は結構大型みたいなの。」

 

「出てくるにしても少し早いな。」

 

「だからそれを聞きたかったの。」

 

「まあ、気になるのは仕方ないがな。」ピッ

 

ウィイイイイイン

 

「悠飛?」

 

「俺もはやてもそれを先読みして動いているんだ。」ピピピ

 

「悠君、これって・・・」

 

「はやては知ってるけど、向こうで既にロールアウトしている。口寄せして持ってくれば良いだけだ。」

 

「X13A PROVIDENCE(プロヴィデンス)か。」

 

「何なの?それは。」

 

「悠君が地球で独自開発してた機動兵器・・・こっちで言えば戦闘機人みたいなものやな。」

 

「尤も、こいつはパイロットが乗らなきゃ起動しねぇし、適正が無きゃ乗れねぇんだけどな。」

 

「そんなものを、何で?」

 

「決まってる。対ガジェット用に改良したからだ。」

 

「そう。悠君はあらかじめこうなることを2年前から予測して、準備してきたんや。」

 

「2年前から!?」

 

「そうだ。アレには魔導エンジンを使っていない。アレにはNeutron Jammer Chancellor(ニュートロン ジャマー キャンセラー)が搭載されている。」

 

「それってまさか、核エネルギーで動いてるってこと!?」

 

「そうだ。Nジャマーは知っているな?」

 

「ええ、核分裂を抑制して核分裂エンジン、原子力発電を出来なくする、かつてあなたが旧暦末期にミッドチルダに幾つか埋設、散布した装置ですよね?」

 

「そうだ。だが、アレはこちらにも核が使えなくなるというデメリットも存在している。だからこそ、比較的安全かつクリーンな魔法文化がこの世界に根付いた。」

 

「やからこそ、悠君はこうなることを予期して魔法文化の無い地球でそのテストをしてたんや。」

 

「そういうことだったのね。」

 

「ああ。いつの世も技術を悪用する輩は存在する。だから魔法文化の一切無い世界で開発する必要があったんだ。結果は重畳、後は実践投入するだけだ。」

 

その時

 

ビーッ!ビーッ!ビーッ!

 

「ッ!ついに来やがったか。はやて!」

 

 

「みんな!目標は山岳リニアレールで移動中や!フォワードメンバーは出動準備!私は悠君に飛雷神で送って貰うからそれまでグリフィス君とアインスで指揮を取って!リインは現場指揮!」

 

「お前ら、これは訓練じゃなく、本当のスクランブルだ!だが、やることはいつもと一緒!訓練で教えられてきたことをやっていけば良い!」

 

「「それじゃあ機動六課、出動!」」

 

『了解!』

 

「それじゃあカリム、お茶ご馳走さま。今度はゆっくりできるといいな。」

 

「2人とも、気をつけてね?」

 

「また来るな。悠君。」

 

「あいよ。《飛雷神の術》!」バシュン!

 

こうして以外にも早くファースト・アラートが来てしまったが、事前に準備はしてきたんだ。早く終わらせて帰らないとな。

 

 

 

 

                         続く




ついに動き出した事件
迫り来る新型ガジェット

その時、悠飛は

次回

プロヴィデンスガンダム


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PROVIDENCE GUNDAM

タイトル通り悠飛が暴れます。


バシュン!

 

「よし、はやてはこのまま持ち場に!俺はアレで出撃する!」

 

「了解!気をつけてね?」

 

「分かってる。油断はせん。」

 

そして俺は格納庫に向かった。

 

 

 

格納庫

 

ガリッ

 

亥 戌 酉 申 未

 

ドン

 

「口寄せの術!」

 

ボン!

 

格納庫で俺は()()()()()()()()()()()()()自分の愛機に乗り込んだ。

 

ヴン

 

MOBILE SUIT NEO OPERATION SYSTEM

 

Generation

 

Unsubdued

 

Nuclear

 

Drive

 

Assault

 

Module

 

Complex

 

 

ピピピッ

 

 

「はやて、ハッチ開けろ!」

 

『了解!』

 

ガゴン

 

『進路クリア!システムオールグリーン!プロヴィデンス、発進!どうぞ!』

 

「龍神悠飛、天帝(プロヴィデンス)、出るぞ!」

 

ギリッ

 

ドゥ!

 

スゥウウウ

 

ゴゥ!

 

「よし、問題ないな。なのは、フェイト!俺も今向かっている。それまで持たせろ!」

 

『了解!』

 

 

それから5分で戦場に到着した。

 

「待たせた、なのは、フェイト!」

 

「「待ってたよ!」」

 

「よし、ここは俺が一気に制圧する、2人はフォワードのフォローに行ってくれ!」

 

「「了解!」」

 

「さあ、久し振りの戦闘だ。暴れるぞ、プロヴィデンス!」

 

バシュシュシュシュシュ!!

 

「《天帝》の悠飛!その通り名通り、暴れさせて貰う!」

 

ゴウ!

 

 

 

「行け!ドラグーン!」

 

ピチュン! ピチュン! ピチュン!

 

ドドドドド!

 

ブォン!

 

「はぁああああ!」

 

ブン!

 

ズバババババババ!!

 

「ターゲット確認、マルチロック。」

 

pppppppppppppppp

 

「食らえ!フルバースト!」

 

 

ドウッ!

 

ドドドドドドドドドドドドドド!!!!

 

「敵機撃墜。残存反応無し。こちらプロヴィデンスからロングアーチへ。敵機全機撃墜。残存反応無しにより制空権獲得!」

 

『ロングアーチ了解。』

 

「向こうは・・・」

 

『ライトニング4、飛び降り!?』

 

「いや、問題ない。それが正解だ!」

 

『フィールドから離れればそれだけ効果を受けない。』

 

『できるよ。フルパフォーマンスの魔法が!』

 

ゴオオオオオオオオ

 

ガシャガシャガシャ

 

「Ⅲ型はやはり早すぎたか・・・」

 

「悠飛、加勢した方が良いかな?」

 

「いや、やらせろ。どうしても危ないときは俺がやる。」

 

「分かったよ。」

 

(でもまあ、今のエリオとキャロなら問題無さそうだな。)

 

そう思っていたらホントに2人で撃破したから驚いた。

 

『スターズ3、スターズ4、ケースを確保。』

 

『列車のコントロールも取り戻したですよ。今停めまーす!』

 

「よくやった、リイン。」

 

「後は他の部隊が回収と検証に来るからそこで引き継いで終わりだね。」

 

「みんな初出動で危なっかしいところもあったが、及第点ってところだな。」

 

「相変わらず悠君は厳しいよねぇ。」

 

「戦場の恐さを嫌というほど味わってきたからな。そりゃあ辛口にもなる。」

 

 

こうして初出動は無事に乗りきることができた。

それからは事後処理や報告書の作成などもあるが、今日はこれくらいにしておくか。

 

 

 

 

 

おまけ

 

 

 

「ところで悠君、それどういう原理?」

 

「簡単だ。ただそっくりそのまま小さくしただけだ。」

 

「それってとても危ないんじゃあ・・・」

 

「どうということはない。俺達の技術力は世界一だ。できんことはない。」

 

『まあ、使ってるのは100%悠飛の魔力なんやけどな。』

 

「おいこら圭吾!ネタバレすんなよ!」

 

 

                        続く




無事ファースト・アラートを乗りきったフォワード一同
それからは少しステップアップして個別指導が始まる。
そして裏では事件に進展が・・・

次回
悠飛の仕事


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悠飛の仕事

無事に初任務を終えたフォワード達
彼女らも訓練の日々が戻るがその訓練は着実にステップアップしていた


初任務を無事に終えることができた俺達は次に備えて訓練の日々が続いている。

 

それでも俺には独自の仕事が来るわけで・・・

 

『──────とのことです。』

 

「なるほど、理樹はどう思う?」

 

『恭介が調べているのでほぼ間違いないと思います。』

 

「わかった。ゆり、理樹。各員に伝えておいてくれ。俺も明日、そちらに向かう。」

 

『『了解。』』

 

「にしても俺がそっちにいないと見ると直ぐに調子に乗るな、隣国は。」

 

『各国が呆れ返ってあの国は見捨てられてますからね。』

 

『ホントに呆れるわね。そんなことをすれば《天帝》が黙っているわけがないって何で分からないのかしら?』

 

「これだから民族主義国家は困る。政治に個人の感情を持ち出すほど愚かなことはない。とにかく、こっちでも新人の訓練があるからこっちを出れるのは夜になりそうだ。

 

『ほならそれにあわせてこっちも動いていくわ。』

 

『俺らも別任務に就いてたからな。』

 

『奴らが日本にそんなに喧嘩を売りたいのなら、それ相応の対応を俺らでするだけや。』

 

『今さら終わったことを蒸し返して自分達が正しいと幻想を待っているなら、その幻想を破壊する。』

 

『すまない、天帝一家(プロヴィデンス・ファミリー)。我々では下手に手を出せんのだ。それこそ、第三次大戦になりかねん。』

 

「問題ない、大統領。此度は依頼ではなく、我々の権限で武力介入させていただく。相談料は20ドルいただくが。」

 

『だが、それでは安すぎではないか?』

 

「あくまでも相談料ということだからな。もし思うところがあるのなら他の所に回せばいい。特に大統領にはうちのMOMOYOが迷惑をかけているからな・・・」

 

『・・・では、頼む。』

 

さすがにMOMOYOのことを出せば折れるか・・・

全く、アイツはどれだけ世界に影響を与えているのだ・・・

 

「というわけだ。プロヴィデンス隊総員は明朝に備えて準備を怠るな。」

 

『了解!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「てなわけで夜から日本に向かう。」

 

「そうなんだ。」

 

「にしても迷惑よね。」

 

「まあ、それで自国に返ってきても自業自得だよね?」

 

「返ってくるにしても、半月位はかかるかと思う。」

 

「大体それくらいやな?」

 

「無理だけはしないでね。」

 

「大丈夫だ。ここ数年で優秀なメンバーが揃ったから、大分楽になった。」

 

「バスターズと世界戦線だよね?日本全国からよく集まったね?」

 

「まあ、バスターズはホントに偶然だったけど、戦線メンバーは転生時に縁があってな。」

 

「半月くらいどうとでもなるから大丈夫やで。その代わり、向こうでしっかりお仕事してきてな?」

 

「つっても、今回は世界を守るための武力介入だからな。現実相談料の20ドルしか発生してねぇし。」

 

「多分世界から褒賞金が貰えるんじゃない?」

 

「さあな。」

 

そんな話をして昼休みが終わった。

 

 

 

訓練:スバル

 

 

 

 

「でぇやぁあああああああ!!」

 

「土遁・土流壁!」

 

ズッ

 

ドゴォ!

 

「うぇ!?硬い!?」

 

「魔力の練り込みがあめぇぞ?そんなんじゃあ分厚い壁を抜くことは出来ない。」

 

「魔力の練り込みですか?」

 

「そうだ。だが、それだけでも鋼の壁を抜くのは難しいのも現状だ。」

 

そうして俺は土流壁の端にできた石を持って説明する。

 

「良いか?あの壁だけじゃなく、万物には抵抗が存在する。今のお前だと、その抵抗に邪魔されて威力が分散してしまう。つまり、そこには無駄な衝撃ができてしまってるんだ。」

 

「無駄な衝撃?」

 

「その無駄を無くすためにお前には今からあることをして貰う。」

 

すっ

 

「これは俺が使う《二重の極み》の応用だ。

 

まず、お前がなのはのディバインバスターを真似てるのは知っているからそれをもとにしよう。

そうだな・・・言うなれば『二点射(ダブルバースト)』だな。」

 

「ダブルバースト・・・それってどうやるんですか?」

 

「まずは基本通り魔力弾を作るのは同じだが、今回作るのは2()()()だ。」

 

「2発分・・・」

 

「その分魔力の消費も増えるし、コントロールも難しくなるが、直射砲なのは変わらない。」

 

「まずは《二重の極み》で説明すると、まず拳を立ててこの石に第一撃目を加える。そして第一撃目の衝撃が石の抵抗とぶつかっている隙に拳を折って第二撃目を加える。そうすると第二撃目の衝撃は石の抵抗を受けることなく全体に行き渡り、石を粉々に粉砕する。」

 

「それが前の訓練で悠飛さんが見せた、ガジェットが、粉々になった技ですか?」

 

「そうだ。だが、これはとても難易度が高く、スキルとしてはAAだ。これをものにすれば・・・ハァッ!」ドン!

 

ドパァアアアン!!

 

「こういう風に分厚い壁や硬い鋼の壁も抜くことができる。」

 

「それの応用がダブルバースト・・・」

 

「習得難易度が高い分、ものにすれば今後必ずお前の助けとなるスキルだ。救助隊ではあれば一気に要救助者を助けることができる。」

 

「・・・頑張ります!」

 

「よし、その意気だ。まずは魔力弾を2つ作れるようになっておけ、でないと次のステップには行けねぇぞ!」

 

「はい!」

 

 

 

 

 

訓練:ティアナ

 

 

バン!バン!

 

「ほら、そうなると次が持たないよ!」

 

「だな。基本センターガードの役目は後方でバカスカ射ちながら戦況を見極める必要があるからな、基本は動くな。応用はそこからだ。」

 

「はい!」

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ、はぁ・・・」

 

「やはりまだ粗削りだな。今はまず、基礎をしっかり固めろ。基礎が出来てなきゃ応用に入っても直ぐにダメになる。地味な反復練習こそ、いざって時に地力が出てくる。こんな風にな・・・」

 

ガチャコ!

 

ガォン!ガォン!ガォン!

 

カシャッ

 

ガシャン!

 

ガシャガシャガシャ!

 

「トリプルバースト・・・ファイア!」

 

ズドド!

 

 

 

「す・・・凄い・・・!」

 

「相変わらず凄いよね、それ。私でもまだダブルバーストまでしか出来ないのに。」

 

「まあ、現状だと6点射(セクスタプル・バースト)が最大だけどな。」

 

「それってもうオーバーSランクのスキルだよね?」

 

「まあ、ダブルバーストは今スバルに教えてるから今後役に立つと思う。」

 

「スバルはもう・・・」

 

「勘違いするなよ、ティアナ。アイツに教えてお前には教えないなんてことはあり得ん。物事には順序がある。例えばお前は幻術系を使えるが、そもそもお前の強みはそこにある。」

 

「私の強み・・・?」

 

「幻覚・・・有幻覚、幻覚に潜む有幻覚・・・有幻覚から生まれる幻覚、それこそが幻術の基礎。そして優れた術者は認識すらずらす。そして、最強の幻術は相手に幻術をかけたと悟られずにかけることができる。」

 

「つまりはまずは基礎固めして、そこから幻術の幅を増やそうってことだね。」

 

「・・・分かりました。」

 

ティアナのあの顔・・・何か思い悩んでいるな?

 

 

 

 

 

訓練:エリオとキャロ

 

 

「2人とも、フェイトをよく見ておけ。」

 

「はい!」

 

この2人は素直だからしっかり基礎を学ぶだろうな。

 

この場合、俺は基本見てるだけでたまにフォローするだけで済むからやりやすい。

 

「動きが速くなると、その分勘に頼りがちになっちゃうけど、そうならないようにしていこうね。」

 

「特にエリオはスピード重視の戦闘法になるから、まずは基本の動きをおさらいしながらやっていこう。キャロはその調子でしっかり基礎を固めていこうか。」

 

「「はい!」」

 

「やっぱり悠飛が居ると、2人もいつもより張り切っちゃうね。」

 

「まあ、親代わりの俺達が見てるんだから自分の成長をしっかり見て欲しいんだろうな。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして夜

 

 

「それじゃあ、行ってくるよ。」

 

「うん。部隊はうちらでしっかりやっとくよ。」

 

「ああ。」

 

「行ってらっしゃい。」

 

《神威》

 

シュウウウウウウ!

 

 

 

 

 

 

 

シュウウウウウウウウウウウ!!

 

 

 

バッ!

 

 

「皆、待たせたな。」

 

「いや、ちょうどええわ。」

 

「今みんな準備出来たところや。」

 

「いつでも出れるで。」

 

「機関オールグリーン。」

 

「うむ。では、総員に通達する。これより本艦は某国に宣戦布告する。これは国は関係なく、我らの独断で行う戦闘である。総員、第一級警戒体制を取れ!強襲揚陸艦・アークエンジェル、発進せよ!」

 

 

 

 

 

 

 

そしてこれより半月間某半島にプロヴィデンス隊が宣戦布告した粛清戦争が起き、半島全体にNジャマーを埋設・散布したことで某国に甚大な経済悪化を引き起こさせたうえ、政府機関を残らず破綻させたことで粛清戦争は終結した。

そして世界は再び《天帝》の逆鱗に触れるべからずという共通の認識を強化した。世界からテロが再びなくなったのは副産物として連合各国からファミリーに合計8000万ドル(日本円にして約87億1174万9973円)を褒賞金として贈呈された。

 

 

                         続く




無事に返ってきた悠飛だったが、六課ではティアナの暴走によりスバルに被弾仕掛けた事件が発生していた。

焦るあまり周りが見えなくなった悠飛が遂にキレる。

次回

悠飛の怒り


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悠飛の怒り

皆さんご存知のあの回ですが、悠飛がぶちギレます。


あれから半月くらいが経過した。

 

結果的に某国は政府機関が再起不能にまで破壊された上、Nジャマーの影響により戦闘不能となり降伏。

 

管理権限を米国に譲渡することでこの粛清戦争は終結した。

 

そこからは国連加盟国の大多数から褒賞金8000万ドルを受け取り、この世界での資産がまた増えたことにより、1()()()()()()も余裕で達成できそうだ。

 

そして・・・

 

「それじゃあお前ら。こっちのことは任せたぞ。」

 

「はい。出来るだけ僕たちだけで片付けられるようにします。」

 

「お前と小毬、佳奈多と美魚に関しては問題ないだろうが・・・」

 

「・・・理樹、頑張りなさい。私も出来るだけ補佐するわ。」

 

「おい、悠飛。私はどうなんだ?」

 

「お前はまあ、小毬と理樹のサポートをしっかりな?」

 

「わかった。」

 

「それじゃあ、頼むな?本当に・・・」

 

「余程心配なんですね、あの馬鹿共が。」

 

「・・・《飛雷神の術》」バシュン!

 

「あっ、無言で行った。」

 

「あの馬鹿共は理樹にしか制御できないな。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

六課隊舎

 

バシュン!

 

「おっ、お疲れっす、悠飛さん・・・てどうしたんですか?凄い疲れた顔してますぜ?」

 

「・・・聞くな、ヴァイス。向こうで馬鹿共の面倒見てきて疲れてんだ・・・。」

 

 

「・・・お疲れ様です。」

 

「ところでお前は何やってたんだ?」

 

「・・・その事で総大将に相談が。」

 

「・・・言ってみろ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なるほど、周りの成長が速すぎる上に自分の周りの才能が分かってるからこそ卑屈になってるわけだな。」

 

「一応フォローは入れてるんですがねぇ。」

 

「・・・少し心配だな。訓練場見てくる。」

 

「お願いします。」

 

フッ

 

 

フッ

 

俺は影から模擬戦を見ていたが、ティアナの奴、あんなのは一切教えてねぇぞ。

スバルもスバルで教えたこと全然出来てねぇし・・・

 

なのはも何やってんだよ・・・昨日からイライラしてんのにこんなん見せられたら我慢できねぇよ・・・

 

《飛雷神の術》バシュン!

 

 

 

バシュン!

 

バシィ!

 

ズブッ!

 

「!?」

 

「っ!」

 

「悠・・・君?」

 

「おまえら、模擬戦は喧嘩じゃあねぇぞ。」ギン!

 

「あっ、ああ・・・」

 

「こんなん一切教えてねぇ。ド基礎が出来てねぇのに無理ばかりしやがって・・・何のためになのはがメニュー組んでると思ってんだ・・・!」

 

 

「私は・・・、もう失いたくないから!無くしたくないから!」

 

「・・・連帯責任だ。おまえら2人、いっぺん死ね。死んで、やり直せ・・・!」

 

「うわぁああああああ!ファントム・ブレイ・・・」

 

「バースト・テンペスト・・・!」

 

ドドドドドドドドドドドドドド!!!!!!

 

 

「「はっ!」」

 

ズドドドドドドドドドドドドドドドド!!!!

 

ドサッ

 

ドサッ

 

「なのは、始末書書いておけよ。」

 

「・・・うん。」

 

「・・・ドタマ冷やせ、このバカ共が・・・!」

 

 

フッ

 

 

フッ

 

「フェイト、ヴィータ。今日の模擬戦は中止だ。」

 

「わかった。」

 

「ちょ、悠飛!」

 

「言うな!」

 

「っ!」

 

「何も言うな。俺がキレた理由も、ここまでする原因も・・・()()()()()()()・・・特にその子達にはな・・・」

 

「・・・うん。」

 

「やはり、少し帰るのが遅かったか・・・」

 

カツ、カツ、カツ

 

バシュン!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Side/Fate

 

「・・・やっぱり、悠飛はあの事が忘れられないんだね。」

 

「しょうがないと思うぞ?あれが根っこにあるから今の悠飛があるんだと思う。」

 

「ヴィータもそう思うんだ。」

 

「ま、今はアイツらを医務室に運んでやらねぇとな。」

 

「そうだね。ごめんね、エリオ、キャロ。今度また模擬戦はすると思うから、今日はもう待機してようか。」

 

「「・・・はい。」」

 

 

 

 

 

 

Side out

 

「全く、あまり無茶してはいけません!」

 

「面目ない。それに、少し大人気無かったかもな。」

 

「まあ、分からなくも無いですけどね。悠飛君の根っこにあれが残ってるからそうしちゃったんだろうけど、どうして何も話さないの?」

 

「俺達一族の話は、あの子達にとっては過酷すぎる。俺の眼のことも、俺が怒る原因も。何より、()()()()()()()()()()()()()()、話すべきではないんだ。これ以上、あの子達にトラウマを植え付けない為にも・・・」

 

「やっぱり悠飛君は優しいのね。」

 

「ひねくれてるだけだ。素直になれねぇんだよ。」

 

「どこに行くの?」

 

「帰ってきたばっかりだからな。部屋に戻って荷物を整理してから仮眠を取る。」

 

「ならしっかり寝てね?はやてちゃんには私から言っておくから。」

 

「すまない。」

 

それから俺は部屋に戻って、荷物を整理してから寝た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Side/Hayate

 

「そうか、わかったよ。ありがとうな、シャマル。」

 

「ティアナも、疲労が溜まってたみたいだから今は医務室でぐっすり眠ってるわ。」

 

「悠君には悪いことさせたな。」

 

「なのはちゃんも少し思うところがあったみたいで、さっき始末書を作成してたわ。」

 

「うちら隊長陣とアリサちゃんとすずかちゃん、それからアリシアちゃんと管理局上層部のごく一部だけが理由を知ってるからな。それに、悠君は誰にも弱音吐かへんし。」

 

「そこも問題ですね。何でうちの人たちは頑固な人ばっかりなんですかね?」

 

私はシャマルの言葉に何も言えなくなった。

 

 

 

 

Side out

 

 

ビーッ!ビーッ!ビーッ!

 

「ッ!」ガバッ!

 

 

タッタッタッ

 

ウィーン

 

「はやて、状況は!」

 

「海上に航空機型ガジェットが出現したんやけど、動きが気になるんや。」

 

「動きが?」

 

「何するわけでもなく、ただ同じところを飛んでるだけ。」

 

「そうなんです。まるで、撃ち落としてくれと言わんばかりに・・・」

 

「どう見る?悠君。」

 

「明らかにデータ取りだろうな。撃ち落とされるまでの。」

 

「なら、作戦は決まりだね。」

 

「出撃は俺となのはとフェイトとヴィータで行くか。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「というわけでフォワードメンバーは待機。俺達だけで落としてくる。」

 

 

「「「了解!」」」

 

「・・・了解。」

 

「・・・ティアナ、お前は待機から外れていろ。」

 

「っ!今の私は、足手まといですか?」

 

「ちょ、ティア!」

 

「・・・分かってるなら言うな。今のお前ははっきり言って邪魔だ。そんな奴が戦場に居ると、()()()。」

 

「悠飛!」

 

「だったら・・・うっ!」

 

「シグナム!」

 

「申し訳ありません。しかし主悠飛のお気持ちを考えたらどうにも・・・」

 

「・・・気持ちは有りがたいが、今はよしてくれ。」

 

「はい。」

 

「行くぞ、なのは、フェイト、ヴィータ。ヴァイス、ヘリを出せ。」

 

「了解!」

 

 

 

 

 

 

 

Side/Eins

 

「お前たちの言いたいことも分かるが、主悠飛はお前たちの事を大事に思っているからこそ、あそこまで非情になれるんだ。」

 

「そうですね、アインスさん。」

 

「アインスさん、シャーリーさん・・・」

 

「あなたたちに話すわ。あの人が、何であそこまで非情に徹するのか・・・その代わり、あなたたちにトラウマを植え付けるかも知れないけど、その覚悟はある?」

 

「・・・教えてください。私たちはあの人達の事を何も知りません。知ろうともしなかった・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「これから話すことは本来口止めされてたんだけど、皆のためにもはなすね。昔々、古代ベルカの聖王期に最強と謳われた伝説の人が居たんだ。その人は聖王と覇王と仲が良くて一緒に行動することが多かった。でも時代は3人の絆をいとも容易く断ち切って、その人は友を亡くした悲しみから戦場で覇王と共に駆けた。その人の戦い振りから人々は龍王、または天帝(プロヴィデンス)と呼んだそうよ。」

 

天帝(プロヴィデンス)って!」

 

「そう。これが悠飛さんの先祖、初代天帝の話よ。そして初代天帝は一族に二度と同じ悲しみを背負わせないように一族を導いて亡くなったそうよ。でも、二代目はその初代の想いとは真逆で、力で他者を従える考えを持っていて、初代の願いは呪いに変わってしまったの。それから時代は300年程前になって悠飛さんが生まれた。そして3歳になる頃にはもう戦闘訓練をうけさせられていたそうよ。」

 

「3歳で!?」

 

「そんな・・・」

 

「そんな中悠飛さんが10歳になった頃、ある事件が起きたの。」

 

「ある事件?」

 

「主悠飛の兄君が、先々代によって目の前で殺されたのだ。」

 

「ッ!」

 

「それにより主は一族秘伝の最強の眼、『万華鏡写輪眼』を開眼したんだ。」

 

「『万華鏡写輪眼』・・・」

 

「昼間お前達が見た主の眼。それが万華鏡写輪眼だ。開眼条件は自身よりも大切な者の死を体験すること。それにより写輪眼は万華鏡に変化する。」

 

「写輪眼は心の闇と同調して個人を急速に強くさせる。闇が深ければ深いほど、瞳力が増して手がつけられなくなる。」

 

「悠飛さんは開眼した後、お兄さんの眼を移植してお兄さんの写輪眼と模様が重なったような眼に変化したの。悠飛さんはそれを『永遠の万華鏡写輪眼』といっていたわ。」

 

「話を戻すと、それをきっかけに主は自分と同じ意志の同士を集めて160年程前に力を持たない者以外の()()()()()()()()()()()()()()()()()。」

 

「そんな・・・」

 

「それからはあらゆる世界を渡り歩いて、20年程前に地球で転生してからも、悠飛君は戦い続けて、10年前に私たちと出会った時に一度壊れているの。」

 

「そのときのアイツはまさに脱け殻のようだった。死んだ魚のような眼をして自問自答の日々だったな。」

 

「来てたの?圭吾君。」

 

「頼まれていたものを渡しに来たんやけど、出撃中やったな。

 

・・・本局大将の出河圭吾や。途中から話しは聞かせてもろてたで。

あのときのアイツは半年間テロ組織を壊滅させるために一人で戦い続けていて堕ちる寸前やったんや。」

 

「テロ組織の壊滅を一人でですか?」

 

「ああ。しかも()()()()()()()()()。」

 

「っ!」

 

「お前らは魔法文化に染まってて、人の命を奪う感覚は分からんやろな。でもな・・・奪った命の重みで己が奈落へ堕ちる剣それが俺らが使う殺人剣や。アイツは本来戦いに向いた性格じゃないんや。でも、アイツが置かれた状況は嫌が応でも戦わないといけないところだった。だからアイツは自分の心を殺してまで戦い続けて壊れたんや。」

 

「そして闇の書事件で悠飛君は暴走して本に取り込まれたの。」

 

「そこからは主は夢の中で主はやての御両親に会い、自分のせいで殺された2人に生きて主はやてを守って欲しいと言う願いを思い出して私の所に来て、きれいな名前を授けてくださった。」

 

「そして8年前、ユーリ達が深く関わったエルトリア事件では左足と左腕を欠損する程の大怪我で、本当に死にかけた。俺達は普段呪いで戦闘では死ねない体なんだが、ある技を使ったことでアイツは瀕死の状態になった。」

 

「ある技・・・ですか?」

 

「一族の中でも初代と俺達にしか出来ない技、画竜点睛。それを極めた悠飛にだけ使える究極奥義・・・真・臥龍天征。己の中にあるすべての力を一撃に込めるもので、その技を使ったら最後、すべての魔力と龍の気を使い果たして戦闘不能になる。」

 

「あれ以降、主はその技を禁術として封印している。」

 

「六課設立の日に主悠飛が言っていただろ?()()()()()()()()()()()()()と。そういうことだ。お前が模擬戦の時に使った技は誰の為の、何のたの技だ?」

 

「っ!」

 

「あの人は、皆に同じ目にあって欲しくないから・・・悲しんで欲しくないからあそこまで非情になって怒ってくれるの・・・なのはさんも、自分と同じ目にあって欲しくないから、本当に一生懸命になって、考えてくれてるんだよ・・・」

 

 

 

 

 

 

Side out

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃海上では

 

 

 

ゴォオオオオ!

 

「ヴィータ、ラスト一機任せたぞ。」

 

「おう!アイゼン、フォルム(ツヴァイ)!」

 

《exploration》

 

ガシャ!ガシャ!

 

《Rakaten form》

 

「ラケーテン・ハンマァァァァァ!!」

 

ズドン!

 

pppppppppp

 

「残存なし、応援もないな。ロングアーチ。こっちの状況は終了だ。これより帰投する。」

 

『うん。迅速に状況終了やね。それから悠君、圭吾君から預かりものあるから後で渡すな?』

 

「あいよ。ヴァイス、帰投するぞ。」

 

「了解。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「何!?俺達の事を話しただとぉ!?」

 

「ごめんなさい!なんか見てられなくて。」

 

「お前なぁ、何のために隠してたと思ってるんだよ?」

 

「ダメだぜ?口の軽い女はよ。」

 

「まあ、過ぎたことはしゃあないやろ。」

 

「お前が一番とめろや!何で混ざって全部吐くねん!?」

 

「いずれバレることやろ。早いか遅いかの違いやん。」

 

「早すぎるわアホ!特にエリオとキャロの教育によろしくないやろうが!!このど阿呆!!」

 

「あはは・・・」

 

「なんだか懐かしい光景だね。」

 

「なのはさん、フェイトさん、ヴィータさん。悠飛さんってあれが素なんですか?」

 

「そうだね。」

 

「圭吾達一族の出身者はああなるよね。」

 

「ったく。それで、ティアナはどこに居る?」

 

「それなら多分・・・」

 

 

俺となのははティアナの所に向かっていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カツ、カツ

 

「やはりここに居たか。」

 

「・・・なのはさん、悠飛さん。」

 

「よっこらせっと。」

 

「・・・シャーリーさんから聞きました。」

 

「なのはさんの失敗の記録?」

 

「それとも俺の散り様か?」

 

「い、いえっ!?」

 

「冗談だよ。」

 

「無茶すると危ないんだよってことだよね。」

 

「・・・すみませんでした。」

 

「まあ、ちゃんと反省はしてるからあまりとやかくは言わんが、もうひとつお説教だな。」

 

「ティアナは自分の事を凡人だと思っているけど、ティアナも皆も今は原石の状態で、今は分かりにくいだけなんだよ?」

 

「まず、スバルはクロスレンジの爆発力、エリオはそのスピード、キャロの優しい支援魔法、そして4人を指揮するティアナは幻術を使って仲間を守りながら戦うガンマンってところなんやけど、まずはお前には基礎体力を上げておいて、そこからいろんな幻術や俺となのはの射撃術を教えて行くつもりだったんだ。」

 

「でも、ティアナの考えは間違ってもなかったんだよね。」

 

「そうだな。」

 

そうしてクロスミラージュのテストモードをリリースする。

 

「ほら、命じてみろ、モードIIって。」

 

「モード II。」

 

《Duggar mode》

 

「え、これって!」

 

「お前は執務官志望だから、どうしても凶悪犯罪に関わってくるからそれに備えてな。」

 

「でも、私の教導って地味だし。」

 

「ずっと基礎練習ばっかりで、成果を感じられなかったんだな。一番大事なときに居てやれなくてごめんな?」

 

「うぅ、うわぁああああああ!ごめんなさい!ごめんなさい、ごめんなさい!」

 

「今は泣け。そして今度からはちゃんと俺達に相談に来い。強くなるためにいくらでも協力してやる。」ポンポン

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こうしてティアナの劣等感をぬぐい去ることが出来た。大事なときに居れなかった分、居るときは出来るだけ力になってやろうと思った。

この一件からフォワードメンバーの結束力が向上してコンビネーションが上手くなっていった。そして今までよりも俺の経験を頼りにしてくれているので教え甲斐が出来た。このことで、過去を教えて良かったのかもなと思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おまけ

 

 

「圭吾、止めなかった罰として3日間三食激辛麻婆豆腐決定な?」

 

「ひでぇ!」

 

「・・・あのぉ、私はどうなるんですか?」

 

「今回だけは見逃してやるが、次はないと思えよ?」

 

「なんで俺だけ!?」

 

「お前は確信犯やろが!!」

 

「それの何が悪い!」

 

「・・・一週間三食愉悦麻婆豆腐決定。」

 

「ぎゃあああああああ!!」

 

(もう二度と喋らないでおこう・・・)

 

 

 

 

 

 

 

                        続く




結構長くなりました・・・

一気に書くものでは無いですね。

4/11加筆修正しました。

次回

六課の休日


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六課の休日

ティアナとの蟠りを解き、六課のフォワードメンバーは絆を深めた。そんな中4人と悠飛に休暇が与えられた。


あれから数日。

あれ以降フォワードの4人は俺達に積極的に相談に来るようになっていた。

 

上手く出来ないところはどうすればいいか、今までとは違うやり方をするとどうなるのか、これには俺達も興味深いことがあったので一緒に模索していったりとか。

 

そんな毎日を繰り返すなかで今日は次の段階へ上げるかどうかのテストの日だ。

 

「うん。大分動けるようになったな。基礎もしっかり出来てる。」

 

「それで、今回の模擬戦が次の段階へのテストを兼ねてたんだけど、皆どうだった?」

 

「合格。」

 

「「はやっ!」」

 

「つっても俺からすればまだまだ及第点なんだけどな。」

 

「悠君は採点が厳しすぎると思うなぁ。私より厳しいもん。」

 

「だがまぁ、合格には変わりないんだ。お前らももう少し喜べ。」

 

「「あはは・・・」」

 

「明日からはセカンドモードを基本とした訓練をしていくからね。」

 

「え?明日から?」

 

「そうだ。何だかんだでお前ら、六課に入ってから休みなかったろ?」

 

「街に出掛けて、遊んでくると良いよ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「てなわけで、悠君も今日はお休みしてな?」

 

「まぁ、そうなるわな。」

 

「何だかんだで悠飛も働きすぎだからね。」

 

「そうだよねぇ。いつもいつ寝てるのか分からないもんね?」

 

「それを言われると何も言えなくなる自分が嫌やなぁ・・・」

 

「ずっと働き詰めだったから、たまには趣味の時間を作っても良いんじゃない?バイクとか。」

 

「バイクかぁ・・・そういえばそろそろオーバーホールしねぇとな。」

 

「前にしたんはいつなん?」

 

「いつやったかなぁ・・・4年前?

ってなるとやべぇな。整備員借りてやらんとあかんわ。」

 

「まぁ、整備スタッフも悠君の作ったバイク気になってたみたいだし、ちょうど良いと思うよ?」

 

「そうだな。とりあえず今日はバイク弄りでもしとくか。」

 

「いや、お前はゆっくり寝てろ。」

 

「圭吾・・・その唇どうした?」

 

「お前の罰で愉悦麻婆食わされたからや!」

 

「ま、あれは圭吾が悪かったけどな。」

 

「ヴィータまで!」

 

「ヴィータは俺とはやての味方だもんな。今度なんか作ってやるよ。」

 

「ん、期待してるよ。」

 

「で、俺はゆっくり寝てろってどう言うことだ?」

 

「我々が来たのである。」

 

「そろそろオーバーホールの時期かと思い、当時制作していた我らも駆けつけたぞマスター。」

 

「私は監視役で。」

 

「なるほど、テスラとエジソンが居ればあれのオーバーホールはなんとかなるな。」

 

「3日で仕上げてみせよう。」

 

「改造はするなよ?したら・・・」

 

「「もちろん普通の整備をいたします、マスター!」」

 

「というわけであなたも寝てなさいな。」

 

「なるほど、ブーディカまで居るのはそのためか。」

 

「何やブーディカさんはどちらかというとお母さんって感じがするわ。」

 

「まぁ、これでも娘が居たからね。」

 

「ならあの子達を見送った後で寝るとするか。」

 

「それが良いでしょう。主悠飛は働きすぎです!」

 

「アインスにまで言われたらいよいよやべぇな。」

 

そこでニュースはレジアスの演説に変わった。相変わらず古くさいことを言ってやがる。

 

「あのおっさんはまだあんなこと言ってんのな。」

 

「レジアス中将は古くからの武闘派だからな。」

 

「あ、ミゼット提督。」

 

「ミゼット婆ちゃん?」

 

「先生?」

 

「ほんとだ。キール元帥にフィルス相談役もいる。」

 

「伝説の三提督で悠君の先生が揃い踏みやね。」

 

「先生方も出てたんだな。」

 

「でもこうしてみると、普通の老人会だ。」

 

「もう、ダメだよヴィータ。」

 

「管理局の黎明期を支えた功労者さんたちだもんね。」

 

「ま、私は好きだぞ?あの婆ちゃん達。」

 

「ああ、そういえばお前らは護衛任務受けたこと有ったっけ?」

 

「ええ。そのときから主はやてとヴィータはお気に入りだそうです。」

 

「なるほどな。」

 

 

こうして朝の一時は過ぎていった。

 

 

 

「お、お前らはツーリングか。」

 

「はい。前の部隊でもよく行ってました。」

 

「ティア、運転上手いんです。」

 

「そっか。」

 

「お土産買ってきます。クッキーとか。」

 

「嬉しいけど、気にせずしっかり遊んできなね?」

 

「きぃつけて行けよ?」

 

「「はい、行ってきます!」」

 

ブロロロロロロ・・・・・・

 

「ライトニングの2人もお出掛けか?」

 

「「はい!」」

 

「暗くなる前に帰ってくるんだよ?夜の街は危ないからね?」

 

コツン

 

「あう!」

 

「フェイト、過保護すぎ。」

 

「ほんとだよね~。」

 

「さ、気にせず遊んでくるといい。気を付けてな?」

 

「はい!」

 

「行ってきます!」

 

うん。この子達はやっぱり遊びの方が大事な時期だな。

 

 

「さて、それじゃあ俺はいつもの日課をこなしてから寝るとするか。」

 

「「だからその格好だったんだ。」」

 

俺の今の姿は下は袴を履いているが、上はノースリーブの道着だ。

 

「屋上で禅組んで来るわ。」

 

ヒュン!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺は屋上で禅を組み、深層領域に入った。

 

『久しぶりにここへ来たな。お前が忙しくしているのは中から見ていたぞ。』

 

「ここから先の戦いでお前を使う可能性が高いからな。今のうちに封印を解いておこうと思ってな。またお前の力を貸してくれ、()()()。」

 

『元より我らはお前の力だ。』

 

『お主が力を求めるのなら、我らもそれを望むぞえ。』

 

「ああ。じゃあ、封印を解く。」

 

すっ

 

「封印・・・解!」

 

ガチャン!

 

『後はお前の心次第。』

 

『迷わず進むが良いぞえ。』

 

 

 

 

 

 

フッ

 

「・・・あまり使いたくは無いんだがな・・・是非も無し。」

 

ガチャ

 

「ゆう君。日課終わった?」

 

「今な。これから寮に戻って寝る。」

 

「わかった。はやてちゃんに言っておくね。」

 

「ほなな。」フッ

 

そうして俺は自室で寝ていたのだが、まさかあんなことになろうとは・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《EMERGENCY》ヴー!ヴー!

 

ガバッ

 

「・・・ったく、俺が寝てるといつもこうなるのか?」

 

俺は直ぐに着替えて()()()()()()()()

 

「思ってたより早く抜くことになるとはな・・・」

 

ダッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はやて!」

 

「悠君!ごめん、休暇はまた今度や!」

 

「別にええ。十分寝かせてもろたわ!」

 

「状況はあんまりよくないわ。向こうに幻術使いが居るからなのはちゃんとフェイトちゃんが苦戦してる。」

 

「・・・なら、俺の仕事だな。俺達の眼が必要だ。」

 

「ごめん、お願い。」

 

「行くぞ、アインス!」

 

「はい、主悠飛。」

 

パシ

 

「飛雷神の術!」バシュン!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バシュン!

 

「なのは、フェイト!お前らは下に援護に行け!」

 

「「悠君(飛)!」」

 

「ここは俺とアインスでやる。アインス、ユニゾン!」

 

「はい!ユニゾン・イン!」

 

スゥ

 

「万華鏡写輪眼・・・天照(アマテラス)!!」ギン!

 

シュゴウ!!

 

「アインス!」

 

『はい!幻術識別開始します!』

 

「俺に幻術は効かねぇよ!」ツー

 

『解析完了まで約1分!』

 

「上等!上げていくぜ!」

 

ゴォアアアアアアアアア!

 

「完成体須佐能乎!!」

 

ドォオオオオオオオオオ!

 

『主!解析完了しました!指令部に送ります!』

 

「よくやった!後は一気に終わらせる!」

 

フォオン

 

「ハイパーメガ粒子砲、発射!」

 

ギュオオオオオオオオオ!!!!

 

その時、千里眼が発動して数秒後の未来が見えた

 

「ヤバイ!飛雷神の術!」フッ

 

フッ

「卍解!!」

 

ドゴォオオオオオオオオオオ!!

 

「プロヴィデンスからロングアーチへ、間一髪でヘリの防御成功!」

 

 

「ふう、危なかったぁ。」

 

 

 

『双頭黒龍!!悠飛さんの能力解放!』

 

 

 

「火遁・鳳仙花!」

 

ボッ!

 

「「うわっ!」」

 

ザッ

 

「見つけた。」

 

「えっ!?」

 

「こっちも!?」

 

「止まりなさい!市街地での危険魔法使用及び殺人未遂の現行犯で逮捕します!」

 

「今日は遠慮します!IS発動、シルバーカーテン!」フッ

 

「悠飛、はやて!」

 

「あいよ!」

 

「位置確認、発動まで、後4秒!」

 

「了解。」

 

「離れた?なんで?」

 

「まさか!」

 

「輪廻眼共通視界。逃げられると思うなよ!双頭黒龍砲撃の型、黒龍連装砲!」

 

「遠き地にて、闇に沈め。デアボリック・デミッション!」

 

「「うわぁああああああああああああ!!」」

 

「なのは、フェイト!合わせろ!」

 

「トライデント・スマッシャー!」

 

「エクセリオン・バスター!」

 

「ツインバースト・マグナム!」

 

ドゴォオオオオオオオオオオ!!

 

 

ちっ!逃げられた!

 

 

『ビンゴ!』

 

「否!逃げられた!」

 

広域感知!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

反応消失

 

 

「ダメだ。こっちでも感知できねぇ。」

 

 

ケースも奪われた・・・最悪だな。

 

そう思ったとき、ティアナの機転でレリック本体は奪われずに済んだらしい。

 

 

「なるほど。幻術の使い方が上達したな。ティアナ、よくやった。今度訓練でマンツーマンで幻術を教えてやる。」

 

『ありがとうございます!』

 

「今日はよくやった。皆撤収して今日はもう休もう。」

 

『はい!』

 

こうして休暇は潰れてしまったが、フォワードメンバーの成長を実感した日になった。

 

 

 

おまけ

 

 

「なあ、悠君。ここ最近皆ご無沙汰やったし、今夜は皆抱いてくれへん?」

 

「「「「「「「「「「「「ピクッ!」」」」」」」」」」」」

 

「いいけど、明日も仕事有るから一回ずつな?」

 

『はーい!』

 

というわけで全員抱いたわけだが、この時にはやて、なのは、フェイト、アリシア、アリサ、すずかが当たりを引いていたことになるのだが、それは事件が終わってから知ることになる。

 

                       続く




一気に駆け抜けました。

これに関しては書きたいストーリーが多いゆえにテンポよく進めないと書けないのでこのスタイルで行ってます。


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六課の設立秘話と今後の方針

一難去ってまた一難




なんとか戦闘機人の企みを退けた。

 

なのははその時に保護した女の子が気になっているのかちょくちょく気にしている。

 

そして今回のことでレジアスが六課に目をつけてちょっかいを出してきている。

 

「って訳で臨時査察使用としてたレジアスを黙らせてきたぜ。」

 

「ちょっと強引すぎる気もするけどな。」

 

「まぁ、俺らが居ったらそもそも悪事した時点でこの世から消されてるしな。」

 

「何それ怖い・・・」

 

「まぁ、10年くらい前にそれで黙らせたしな。」

 

「それと、2人とも。あの時ヘリを守った時、俺の眼が輪廻眼になってたのは気付いていたか?」

 

「うん。それがどうかしたの?」

 

「実はあの時、()()()()()()()()()()()()。」

 

「それって・・・!」

 

「ああ。()()()()()()()()()()()()()()。でなけりゃ、左目の封印は簡単には解けないからな。」

 

「じゃあ、今輪廻眼のままなのも?」

 

「間違いなく、初代に所縁のある者、或いはその血脈が近くに居るということだ。」

 

恐らく、あの娘は○○の──────

 

「それよりはやて、そろそろ頃合いやと思うで?俺は前からカリムの予言に目を通してきたから分かるけど、なのはとフェイトはソコラヘン全く分からんわけやし。」

 

「そやな。これから悠君とカリムのところに行くんやけど、なのはちゃんとフェイトちゃんも来うへんか?クロノ君も来るよ?」

 

「クロノも?」

 

「そうなるとなのはは・・・」

 

『びぇええええええええええん!!』

 

ずるっ

 

「な、なんや?これ。」

 

 

 

 

 

「これは一体どういう状況だ?」

 

「エース・オブ・エースにも勝てへんものがあるんやな。」

 

(悠君、はやてちゃん、フェイトちゃん。助けて。)

 

「お前達、少し落ち着け。下がって待て。」

 

「こんにちは。」

 

「ふぇ。」

 

さすがフェイト。こうも容易く泣いている子供をあやすとは。伊達にクロノとエイミィの子供の子守りをしてないな。

 

そういっている間に少女・・・ヴィヴィオは泣き止み、言うことを聞いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ごめんね、皆。」

 

「フェイトの育児スキルは高いな。これなら、いつでも迎えられそうだな。」

 

「ちょ///こんなところでいわないで///」

 

「それより、悠君。左目収まった?」

 

「ああ。慣れてくると戻せるようになるな。」

 

「じゃあ、やっぱり?」

 

「ああ。あの娘は間違いなく、古代ベルカの、初代に所縁ある王をベースに造られた・・・人造魔導師素体だ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

聖王協会

 

 

 

「失礼するな?」

 

「待っていたわ、悠飛。」

 

「しばらくぶりだな、カリム。」

 

「お久しぶりです。総大将。」

 

「久しぶりだな。クロノ提督。」

 

「「失礼します。お久しぶりです、クロノ提督。」」

 

「ふふっ。そう畏まらくてもいいですよ?私たちは個人的にも友人の間柄ですから、普段通りにしていただいて結構ですよ。」

 

「それじゃあ、久しぶり。クロノ君。」

 

「久しぶりだね、お兄ちゃん。」

 

「そ、それはよせ。お互いいい年だぞ?」

 

「兄妹関係に年は関係ないよ。」

 

「ごほん。そろそろ本題に入ってもいいんやないか?」

 

「そうですね。」

 

そして六課が設立された意味とカリムの預言についての話になった。

 

 

「知っての通り、六課の後見人は俺の親父、管理局局長とクロノの母、リンディと騎士カリム。それと、非公式ではあるが、先生方も後押しをしてくれている。」

 

「普通は局長がこんなことをすることはないんだが、悠飛さんを通じて騎士カリムの預言を聞いて後見人になったらしい。」

 

「その理由は私の能力、レアスキル預言者の著書(プロフェーティン・シュリフテン)にあります。」

 

「これはカリムが受け継ぐレアスキルでな。最短で半年、最長で数年先の未来を預言するものだが、全て古代ベルカ語で書かれていて難解な文章になっているから、当たり外れはある。」

 

「まぁ、よく当たる占い程度のものです。」

 

「ふたつの月の魔力が上手く揃わないと発動できないからページの作成は年に一度しか出来ないのが最大の難点か?」

 

「局長はもちろん、管理局上層部はこの預言に目を通している。真偽はどうあれ、今後の方針に出来るからな。」

 

「ちなみに地上部隊はこの預言を信じてない。実質のトップがこの手のレアスキルがお嫌いやからな。」

 

「レジアスのことは放っておいて、問題はこっからだ。カリムの預言には俺が読めた限り、管理局地上本部とシステムの崩壊が告げられている。」

 

「「!」」

 

「もちろん、これはあくまでも預言だ。実際に起こるかどうかはまだ分からへん。やけど、俺はそれを出来るだけ未然に防ぐために、防げなくても被害を最小限に止められるように親父に相談して六課に出向したんや。」

 

「そして悠君は向こうでの役目をこなしながら六課を守り続けている。それ以前から続くある事件の真相を追いながら。」

 

「ある事件?」

 

「数年前に起きた戦闘機人事件。その真相を俺は追っている。スバルとギンガの母親、クイント・ナカジマを死の危険に追いやり、ゼスト隊を壊滅させたあの事件。クイントはなんとか一命を取り留めたが、隊長である騎士ゼストとメガーヌ・アルピーノがMIAとなり、残り全員は死亡した忌まわしき事件。俺が駆けつけたときにはもう、クイントしか助からなかった。」

 

「そんな事件が・・・」

 

「じゃあ、悠君がプロヴィデンスをこっちでも使えるようにしてたのって、このため?」

 

「ああ。今急ピッチで残りのガンダムタイプをこっちでも使えるように改修中だ。そして、新型の完成も近い。」

 

「実際僕も立ち会ったが、あれば対スカリエッティの秘密兵器となり得るものだった。」

 

「皆さん。これはあくまでも占いで実際に起こるかどうかは分かりませんが、我々も全力でサポートします。ですから、どうかお力をお貸しください。」

 

「非才の身ではありますが。」

 

「全力で対処します。」

 

「後、これはここだけの話にして欲しいんだが、数年前に俺はスカリエッティの刺客と対峙している。」

 

『!』

 

「ナンバーズのNo.2、ドゥーエ。幻術で顔を変える能力を持っている。それはその時に別天神(ことあまつかみ)で従わせ、二重スパイをしてもらっている。」

 

「確かに、ここでしか言えませんね。」

 

「そこで分かったが、レジアスは黒だ。だがあいつは最高評議会の子飼いだ。アサシンに調べさせたから間違いない。

 

「黒い噂は効いていたが、そこまで堕ちていたか・・・」

 

「更に悪いことに、スカリエッティと繋がっているのはあいつだけではない。()()()()()そのものがスカリエッティを産み出して在野に放っているのだ。」

 

「最高評議会が!?」

 

「俺はこれを公開陳述会で公表して弾劾するつもりだ。正義の番人でありながら自ら悪に手を染めたブタ共を一気に駆逐する。

悪は直ちに断つ。即ち────悪・即・斬

俺達の正義を執行するときだ。」

 

「わかった。そのときまで私らも気付いてないふりしとくわ。」

 

「出来る限りは協力するよ。」

 

「うん。私たちは自分の旦那様を信じるよ。」

 

「助かる。」

 

「我々もいつでも動けるようにしておきます。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なのは、フェイト、はやて。俺はこれから証拠を掴むためにアサシンのサーヴァントに地上本部に忍ばせる。勝負は公開陳述会だ。その日までは気取られない様にしてくれ。」

 

「「「うん。」」」

 

「10年前、俺の心を解かしてくれたお前達だから言えるんだ。闇の中で生きてきた俺に光を与えてくれた。今の俺があるのは君たちのおかげだ。ありがとう。」

 

「私は悠君にあの娘達を救ってもらった。そして14年前から悠君はずっと私を守ってくれた。今度は私が悠君を助ける番や。」

 

「私も、母さんとアリシアを悠飛に助けてもらった。私を救ってくれた。だから私も力を貸すよ。」

 

「私もあの時悠君に助けてもらった。温もりをくれた。だから今度は私が温もりをあげるよ。」

 

「俺達は家族だ。助けて助けられての繰り返しだな。だから、こんな茶番劇は早く終わらせよう。」

 

思いを新たに、俺達は来るべきその日に向けて再び歩み始めた。

 

運命の日は、近い・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おまけ

 

 

「ただいま~。」

 

「「お帰りなさい!」」

 

たたたた

 

だきっ

 

「すっかり懐かれてるな、なのはは。」

 

「・・・」じーっ

 

「悠君もみたいだね。」

 

「そういえばすずかから聞いたけど、動物とか子供には懐かれる体質なんだっけ?」

 

「・・・ヴィヴィオ、おいで。」

 

「うん。」

 

だきっ

 

「よっと。どうだった?いい子にしてたか?」

 

「とってもいい子でしたよ。」

 

「そうか。それじゃあヴィヴィオ、お風呂入って寝よっか。」

 

「お風呂?」

 

「なのは、頼むな。」

 

「え?私が?」

 

「一番最初に懐いたお前の方がええやろ?」

 

「そうだね。これも練習だよ、なのは。」

 

「・・・わかったよ。」

 

「一緒じゃだめ?」

 

「・・・許せヴィヴィオ、また今度な。」トン

 

「じゃあ悠君。あまり無理しないでね。」

 

「ああ。」

 

 

                       続く




六課の意義
その真相を知り、何を思う。

陰謀渦巻く地上本部、交錯する策略
最後に嗤うは正義か、悪か




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六課の日常

オリュンポスめっちゃヤバかった


ヴィヴィオを保護してから数日が経過した。

 

なのはが保護責任者になったことでなのはのことをママと認識し、更に他の婚約者のこともママと認識したことで皆盛り上がっていた。

 

かくいう俺はパパと認識されて、少し戸惑いがあった。

実際いきなり子持ちになるので勝手がわからないのだ。

 

そんなことがあったある日の朝、息苦しさを感じて起きてみれば俺の上でヴィヴィオが寝ていた。

 

「・・・起こすのも可哀相だし、誰か起きるまで待つか。」

 

たまにはこういうのも悪くないかな。これが父親になるということか・・・

 

数分後

 

「あ、こんなところで寝てたんだ。」

 

「朝起きたらこの状態だった。」

 

「悠君も余程懐かれたんだね。」

 

「まぁ、いつまでもこれはダメだから手伝ってくれ。」

 

「うん。」

 

そうやってヴィヴィオが起きないように気を付けながら、フェイトのところへ移動させた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時は進んで────

 

 

「フッ、ハッ!」

 

ヒュン!バッ!

 

「なのはさん。悠飛さんのあれっていつもの日課ですか?」

 

「そうだね。ああやって自分の中にある力を確認して毎日のコンディションを整えてるんだ。」

 

「ルーティンワークってやつですか?」

 

「そうだね。ああすることで集中力が高まるし、自分の体調の確認もしてるんだよ。」

 

「その通りだ。」

 

「「「「おはようございます!」」」」

 

「おう、今日も元気いっぱいだな。それじゃあ朝の訓練いくか!」

 

「「「「よろしくお願いします!」」」」

 

数分後

 

 

「ティアナ、ちょっと来い。」

 

「はい!」

 

「前に言ってた幻術の個別指導だ。今回は新しい術を教えてやる。」

 

「お願いします!」

 

「まずはおさらい、幻術の真髄は相手を攪乱し、味方をまもること。そして相手を幻術に嵌めて幻覚を見せることだ。そこまでは覚えているな?」

 

「はい。そしてそれが私の長所だって。」

 

「そうだ。お前は賢いからな。これからやることも案外早く習得するかもしれんな。」

 

「頑張ります!」

 

「では、今からお前に教えるのは対戦闘機人用の幻術だ。会得難易度はAランク、相当難しいが幻術の真髄を理解しているお前なら会得できるはずだ。忘れるな、強い幻術を扱うには強き心がいる。自身が幻術に呑まれないように・・・」

 

「強き心が・・・」

 

「まずはお前に見せてやろう・・・幻術・蜃気楼。」

 

スゥ

 

「え?消えた!?」

 

『消えたように見えるのはその霧によるものだ。霧は自然に存在する幻術・・・人を惑わす幻・・・それが霧。」

 

「これが、幻術・蜃気楼。」

 

「後は出来るだけ自然に溶け込む感じだな。俺達はこれを透過、もしくは消命と読んでいる。」

 

「消命・・・」

 

「つまり完全に命の気配を消すってもんだ。蜃気楼の基盤であり、霧はあくまでも補助だ。霧が有るから人は惑い、惑うゆえに幻を見る・・・だから、戦闘機人と言えど幻術に嵌めれば脆い。この術は機械をも誑かす幻術の奥義クラスの術だ。才有るものでも数週間はかかるだろう。」

 

「でも、数週間で会得できるのなら私はやります。」

 

「その意気だ。まずは自然に溶け込む練習だな。まずはそこに座って禅を組め、そして動くな。」

 

「それってつまり・・・」

 

「自然と一体になるためには動かないこと、そして大気中に存在する魔力の一つ一つを感知できなきゃいけない。その修行だ。アリサとすずかはこの修練法で飛躍的に魔法が向上した。」

 

「わかりました、やります。」

 

「修行中は俺も他のところに行かなきゃ行けないから分身を残しておく。」ボン!

 

「それじゃあ任せた。」

 

「おう。」

 

今日からは108からスバルの姉のギンガが出向してきて共に訓練を受けることになっている。

 

そんなギンガは今はスバルと模擬戦中である

 

「ほう、結構精度上がってるな。ダブルバーストを会得してから調子良さそうだな。」

 

「それに楽しそうだね。」

 

なんて言ってたら決着が着いた。

 

 

 

 

「動きは悪くなかったどころかかなり良かったな。最後は体が着いてこなかったか?」

 

「はい。」

 

「ダブルバーストの使いどころも悪くなかった。後は駆け引きと更なる研鑽だな。その調子ならトリプルバーストも行けるんじゃないか?」 

 

「いえ!ダブルバーストで精一杯です。」

 

「まあそれはそれとして、なのは。そろそろあれの時間だろ?」

 

「そうだね。それじゃあフォワードチームと隊長チームで模擬戦いってみようか。」

 

「・・・へ?」

 

「あの、ギン姉。これたまにやるの。」

 

「隊長達、わりと本気で潰しにくるんで頑張りましょう。」

 

「ていうことは・・・」

 

俺のほうに視線が来るが

 

「俺は抜きだ。そうなるとパワーバランスが崩壊するからな。」

 

「なんやつまらんこと言っとるな。」

 

「圭吾・・・またサボりか?」

 

「アホか。仕事で来とるんや。」

 

「今のあいつらじゃあ俺は止められんからな。俺は見学や。」

 

「嫁に現を抜かしすぎて鈍ってるんとちゃうか?」

 

「お前、最近俺のことなめてねぇか?」

 

「さてな、こっちは愉悦麻婆豆腐食わされて嫌な目に会ってるからな。」

 

「あれはお前が原因やろが!!」

 

「確信犯で何が悪い!」

 

プチン

 

「ヤンのかワレェ!!!」(#゚Д゚)

 

「上等やゴルァ!」(*`Д´)ノ

 

「なのは!ちょいと待て!このバカしばいたる!」

 

「あ~あ。ついにキレちゃった。」

 

「みんな、こっちに来い。あの2人の模擬戦はもう戦争だぞ?」

 

ドゥ!

 

ドゥ!

 

「「決闘(デュエル)!!」」

 

「火遁・火流炎弾!!」

 

ゴァアアアアアアアアアアア!!

 

 

「水遁・水陣壁!!」

 

 

ドバアアアアアアアアアア!!

 

 

 

 

 

「何、あれ?」

 

「あの二人は昔馴染みなんだけど、一度喧嘩すると過激なの。」

 

「水のないところでこのレベルの水遁を発動できるなんて・・・」

 

 

 

 

 

「水遁・大瀑布!!」

 

ドドドドドドドドドドド!!

 

バッ!

 

「あっぶね!」

 

フッ

 

ガシ!

 

「しもた!」

 

「食らえ!表蓮華!!」

 

ギュオオオオオオオオオオオ!!

 

ズドォォォォォォォォォン!!!!

 

バタッ

 

「あー、スッキリした。」

 

圭吾は犬神家みたいになって気絶していた。

 

((もう、二度と悠飛さんを怒らせないようにしよう。塵にされる・・・!))ビクビク

 

「悠君って普段は優しいけど、怒ると物凄く怖いんだよねぇ。」

 

「私達は随分前に見たからあまり驚きはしなかったけど、やっぱりスバルとティアナはあの日を思い出しちゃったみたいだね。」

 

 

 

 

「さて、待たせたなおまえら。もういいぞ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そうしてなのは達の模擬戦が終わってクールダウンをしていると

 

「ママ~、パパ~!」

 

「ヴィヴィオ。」

 

「危ないよ~。」

 

こけ

 

「あうっ」

 

「ありゃりゃ。」

 

「うぅ~」

 

「ほら、ヴィヴィオ。ここにいるからおいで。」

 

「もう、ヴィヴィオはまだ小さいんだから。」

 

「フェイトママ過保護すぎ。」

 

「なのはママは厳しすぎです。」

 

「まあ、なのはも子育ては初めてだからな。仕方ないか。おいでヴィヴィオ。」

 

 

「パパ~。」

 

これを見ていたマリーは

 

「なんだ悠飛さんの子供かってうぇええ!?」

 

 

 

 

 

 

 

「なるほど、保護児童なのね。」

 

「ああ。なんの因果か俺となのはが懐かれてね。」

 

「悠飛さんの場合は体質もあると思いますけどね。」

 

「俺だけじゃないんだよ。何か俺となのはに凄い依存してると言うか、なんと言うか・・・」

 

「・・・何か訳ありな感じ?」

 

「ああ。」

 

「いつつ・・・ひどい目にあった。」

 

「今頃来たか。で、おめぇの仕事って?」

 

「局長からの召集だ。」

 

「お前な、なんでそれを最初に言わねぇんだ?」

 

「例の作戦?」

 

「恐らくな。すまんがしばらく俺は帰ってこれない。」

 

「パパ、おでかけ?」

 

「ごめんな、ヴィヴィオ。パパはこれからおでかけでしばらく帰ってこれないけど、ママ達の言うことを聞いていい子にしているんだぞ?」

 

「・・・うん。」

 

「じゃあ、ここは頼むな?」

 

「任せて。」

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし、この作戦中に六課が襲撃されギンガとヴィヴィオが拐われるとは夢にも思わなかった

 

運命の日はもうすぐそこまで来ていた・・・

 

 

 

 

 

                      続く




ついに迎えた運命の日
そこで悠飛達は地上本部に蔓延する不正を暴くが、その直後に六課襲撃発生。スカリエッティからの宣戦布告
これを受けた悠飛は



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運命の日

遂に公開陳述会の日がやってきた。
この日のために悠飛達は準備をしてきたがスカリエッティ側もそれは同じであった・・・


遂にこの時が来たか。

 

公開陳述会

この日は本局と地上の幹部が集まっていて先生方もいらしていた。

 

俺達は影でその時が来るのをじっと待っていた。

 

そしてその時は来た。

 

 

「少し待ってもらおうか。」

 

「!総大将殿、どうかなされたか?」

 

「騒がせてすまない。今日は皆に伝えなければならぬことがある。」

 

「我々はかねてより管理局を根底から揺るがしかねない事態が発生していることを掴み、行動していた。」

 

「それは一体・・・」

 

「地上本部に蔓延する不正だ!」

 

パッ

 

そうして俺達の後ろに不正の証拠写真が写し出されていく。

 

「巧妙に隠されてはいたようだがな、我々にかかれば造作もない。最高評議会による次元犯罪者の資金援助!違法研究の証拠を掴んだ部隊の抹殺!どう言うことか説明してもらおうか・・・レジアス・ゲイズ!」

 

ざわ・・・ざわ・・・

 

「てめぇが最高評議会に示唆されてやってきたことは全て明白!よってここで貴様を弾劾する!」

 

「うぐぐ・・・!」

 

「また、レジアスに荷担していた職員も同様に処分を下す。」

 

「なっ、局長!?」

 

ざわざわ

 

「レジアス。貴様がこの数十年地上本部を支えてきたのもまた事実。せめてもの情けだ。潔く腹を切れ!」

 

その時

 

『やあ、ごきげんよう管理局の諸君!今日は君たちにお祭りのお知らせをするよ。』

 

「ジェイル・スカリエッティ・・・!」

 

『今観て貰っているのは機動六課襲撃の映像さ。ここで我々は聖王の器をいただいたよ。君たちには後日祭りに正式に招待するよ。フ、フハハ、フハハハハハハハハハハハハハハハ!!』

 

「野郎・・・ヴィヴィオを拐いやがったな!」

 

「そんな馬鹿な・・・あの男はまだその時ではないと・・・!」

 

「てめぇが撒いた種だ。最高評議会と貴様がどれ程愚かなことをしていたのかようやく理解出来ただろう・・・こやつを引っ立てい!」

 

「はっ!」

 

「「悠君(飛)!!」」

 

「はやて、カリム。」

 

「遂に預言が・・・」

 

「まだだ。まだ、これで終わりじゃない!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日、俺は今後の対策を地上本部上層部と協議したり、マスコミの応対をしたりで忙しく駆け回っていた。

 

「総大将!今後の対応については!?」

 

「現在地上と本局で対応を協議しています。今回の事件については管理局内の不祥事が原因ですので、関わったものには厳しい処罰をするつもりです。」

 

「レジアス中将についてはどのようなお考えで!?」

 

「レジアス中将につきましては反逆罪の適応も考えられますが、罪状についてはまだ確定しておりません。ですが事が事ですので極刑もあり得ます。」

 

「巷では厳しすぎる処分と出ておりますが、それについてはどうお考えですか?」

 

「今回の事件は管理局を根底から覆しかねない大きなものとなっておりますので、それ相応の処罰を以て責任を取らせる所存です。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「クソッ!余計な仕事を増やしおって・・・!」

 

ppp

 

『悠飛さん!こっちでも聞きました。今地球からバスターズと戦線がミッドに向けて発進しています!』

 

「ナイスだ理樹!それとアレの用意も出来ているか?」

 

『一緒に積んでます。恐らくこれは全面戦争になると踏んでます。』

 

「恭介が言うといよいよだな。あとどれくらいで着きそうだ?」

 

『2日ほどかと。』

 

「良し、到着次第司令部をエターナルに移す。準備をしておけ!」

 

『了解!』

 

プツン

 

「後はあいつらか・・・一番心配だな。」

 

フッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

フッ

 

「待たせたな。」

 

「お帰りなさいませ、主悠飛。申し訳ございません。留守中を守れずにこのようなことに・・・」

 

「気にするな・・・とは言わないが、取り返せばいい。」

 

「はい。」

 

 

 

 

 

 

 

「なのは。」

 

「っ、悠君。」

 

「少し休め、ひどい顔をしてるぞ。」

 

「悠君、私っ・・・ヴィヴィオを・・・!」

 

「わかってる。必ず助けるぞ、俺達の娘を。」

 

すっ

 

そう言って俺はなのはを抱き寄せて落ち着かせた。

あの日からなのはを落ち着かせるときはこうしてる。

 

 

 

 

「なのは、これから病院に行ってみんなの様子を診てくる。もう少しだけ頼めるか?」

 

「うん。」

 

「じゃあ、行ってくる。」

 

フッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

聖王病院

 

 

フッ

 

「失礼する。」

 

「あ、悠飛君。」

 

「大丈夫か、シャマル。」

 

「はい。ザフィーラが護ってくれたから。」

 

「・・・良くやったな、ザフィーラ。今はゆっくり休んでくれ。」

 

すっ

 

ポウ

 

「治療ですか?」

 

「ああ。俺の本来の力だ。この火は傷を癒す力が有って、短期で傷を治す。」

 

後はザフィーラの気力次第。

 

「他の皆は?」

 

「皆別々の部屋に搬送されているわ。」

 

「・・・今回の事で地球に居るバスターズと戦線メンバー、それから英霊達が今こっちに向かって来ている。補充戦力としては十分だ。」

 

「英霊達も?」

 

「ああ。」

 

本当に、困ったときには直ぐに駆けつけてくれる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、今回の事件は戦闘機人事件の延長線上でもあると言うことで108も今後の作戦に参加すると言うことだ。他にも本局からミッドに艦隊を送るために準備をしているとの事だ。なら・・・

 

 

 

 

 

「ゲンヤ。それなら俺もカードを切るぜ。なのはとフェイト、はやてとクロノには前の会談で話していたが、戦闘機人のNo.2 ドゥーエに別天神(ことあまつかみ)をかけて二重スパイをしていた。今朝呼び出して動いてもらっている。」

 

「そいつは・・・!」

 

 

「悠飛さん、別天神って万華鏡の・・・」

 

「万華鏡写輪眼、最強幻術・・・別天神。万華鏡に宿る最強の瞳術のひとつで対象に悟られることなく幻術をかけるまさに最強幻術だ。この幻術はどんな幻術使いでも決して防ぐことが出来ない。」

 

「あらゆる幻術の頂点に立つ、万華鏡にしか出来ない幻術だ。」

 

「そして今、こっちに向かって俺が持つ固有戦力・・・天帝一家(プロヴィデンス・ファミリー)が移動してきている。

機動六課総員に告ぐ。俺のファミリーが到着次第、戦艦エターナルを司令部とし艦隊運用によるスカリエッティ逮捕に向けた作戦行動に順次移行する。動けるようになったものから順にエターナル、アークエンジェルに別れて乗船せよ。これから起こるのは、機械兵との全面戦争だ!心してかかれ!」

 

『了解!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1時間後

 

 

 

「・・・」

 

「・・・悠君。」

 

 

「・・・ヴィヴィオはな、俺の事を父親としてみてくれていた。なぜかわかるか?」

 

「・・・それは懐かれたからじゃ?」

 

「違う、違うんだ・・・!あの子は、ヴィヴィオは!かつて初代が死別した聖王オリヴィエ・ゼーレブレヒトのクローンなんだ!だから俺から離れようとしなかった!本能なんだ!なのに俺は気付かぬフリをして、お前に任せきりだった!俺と居ると、初代と同じようになると思ったから・・・」

 

ガバッ

 

「・・・もういいよ。悠飛がそこまで思っていたことも知ってるから。君は昔から自分に関わることは全部ひとりで抱え込もうとするから。」

 

「今度は私達も一緒に背負うよ。悠君の業も、運命も。」

 

「・・・ありがとう。」

 

 

 

必ず助けてやるからな。待ってろよ、ヴィヴィオ・・・!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                       続く

 

 

 




動き出す聖者の船

溢れ出る死者たち

かつて悠飛を苦しませたあの男の悪意が再び襲いかかる


次回

ゆりかごと穢土転生

死を弄ぶと録な目にあわんぞ!


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ゆりかごと穢土転生

いい加減コロナ渦終息してくんねぇかな・・・
収入が死んでるんだよ・・・


あれから1週間たった。

 

その間に俺の固有戦力が合流し司令部はエターナルに移った。

 

「散在する獣の骨!尖塔・紅晶・鋼鉄の車輪 動けば風 止まれば空 槍打つ音色が虚城に満ちる!

 

破道の六十三 『雷吼炮』!!!」

 

ドパン!

 

「はぁあああああ!!」

 

ザン!

 

「良し!今日はここまで!」

 

「ありがとうございました!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「随分強くなったな、エリオ。」

 

「ありがとうございます。」

 

「完全詠唱の雷吼炮でももう防がれるな。そろそろ限定状態で稽古するのもキツいか。」

 

「お疲れ様でした、主悠飛。」

 

「シグナム。エリオを良くここまで育ててくれたな。」

 

「私だけではありませんよ。なのはの訓練の賜物です。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いよいよ俺の封印を解く必要があるようだな・・・」

 

たとえ命を削ることになろうとも、最終封印の八門を、()()()()()()()を使うことになろうとも・・・

 

 

『悠君!遂に向こうが動き出した!最悪なことに聖王のゆりかごを動かしてきた!』

 

「・・・わかった。ブリーフィング始めるぞ!」

 

 

 

ブリーフィングルーム

 

「一番不味いことになった。あいつら出してきたのはゆりかごだけじゃねぇ!」

 

パッ

 

「っ、この目・・・まさか、穢土転生か!」

 

「何ですか、穢土転生って?」

 

「これは二代目天帝の卑劣な術だ。死者を黄泉から呼んで縛る・・・」

 

「死者を!?」

 

「その証拠に見ろ、どいつもこいつも故人だ。ティアナ、お前の兄貴もな!」

 

「兄さん・・・!」

 

「解術方法は術者が解術の印を結んで解くしかない。もしくは・・・」

 

「おれが輪廻の力を使って解く。だがこれは最終手段だ。」

 

「それに術者はもうわかっている。」

 

「・・・まさか、あの子は・・・江里夏・・・」

 

「知り合い?」

 

「かつて共に一族殺しをした仲間だ。転生してから所在が分からなかった最後の一人だ。それにあの紋様・・・そうか、アイツが関わっていたのか!死んでも俺達を陥れたいか!!」バン!

 

「あの子は俺らで取り戻す。お前は現場指揮を・・・「そんなこと言ってられねぇよ!」・・・悠飛。」

 

「・・・すまん。とにかく皆、出撃準備急げ!」

 

『了解!』

 

 

ザッ!

 

「行くぞおめぇら、スカリエッティ逮捕に向けてカチコミだ。」

 

『応!』

 

ヴーッ!ヴーッ!

 

『モビルスーツ部隊は発進準備をしてください。本艦隊はこれより第一級戦闘配備を取ります。』

 

「全艦、モビルスーツ発進!」

 

「棗 恭介、ウイングゼロ、発進する!」

 

バシュッ!

 

「直枝 理樹、ストライク、行きます!」

 

バシュッ!

 

「音無 結弦、セイヴァー、発進する。」

 

バシュッ!

 

「宮崎 隆一、アカツキ、出るぞ!」

 

バシュッ!

 

「入間 俊介、レジェンド、発進する!」

 

バシュッ!

 

「松尾 辰徳、デスティニー、行きます!」

 

バシュッ!

 

「出河 圭吾、ジャスティス、出る!」

 

バシュッ!

 

「龍神 悠飛、フリーダム、行くぞ!」

 

バシュッ!

 

天帝一家(プロヴィデンス・ファミリー)、総員出撃せよ!」

 

『了解!』

 

「行くぞ、お前ら!」

 

『『『『応!』』』』

 

「限定解除!」

 

ゴゥ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドン!ドン!

 

「はぁあああああ!!」

 

バシュッ!

 

「圭吾!」

 

「応!」

 

「「フルバースト!」」

 

 

ズドドドドドドドドドドドド!!!

 

 

「悠君と圭吾君はそのまま制空権を!他の皆は取りこぼしを!」

 

『了解!』

 

 

くそ、キリがねぇ!フリーダムでこれかよ!なら!

 

「圭吾、辰徳!作戦変更だ!RXー0、出すぞ!」

 

「応!」

 

「出し惜しみは無しだ!」

 

「来い!ユニコオォォォォン!!」

 

「バンシィイイイ!!」

 

「フェネクス!!」

 

バシュシュ!

 

「「「New Type-Drive(ニュータイプ・ドライブ)!!」」」

 

ガショガショガショ!!

 

 

「その舟のどてっぱらに風穴空けてやる!」

 

キュイイイイイイイイイ

 

「!射線上の局員は待避!巻き込まれるよ!」

 

「ビームマグナム!」

 

ドヴゥ"ゥゥゥン!!

 

ドゴオォォォォォ!!

 

「良し、でかくは無いが中に入れる穴は出来たな。なのは、ヴィータ!先に行け!俺も後から行く!」

 

「「了解!」」

 

 

 

こいつだけは軌道上に上げてはいけない

ここで叩くしかない!

 

 

 

                        続く




グランドランサーいつ実装や?


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六道・地爆天星

FGOオリュンポスフリクエやらな・・・


なのはとヴィータを先にゆりかごに突入させ、俺は穢土転生解術に、圭吾は地上本部へ向かった。

 

 

ゴオォォォォォォ!!!

 

(段々反応が近くなってきたな。江里夏を助けるためにも早くしなくては・・・!)

 

 

ppppppppp

 

(っ、ここか!)

 

バシュゥ!

 

そこは洞窟だった。

その奥に江里夏は虚ろな目で佇んでいた。

 

その前には穢土転生体がいた。

 

「縛道の七十九 九曜縛り。」

 

 

「うぐっ!」

 

「なんだこりゃあ!」

 

「てめぇらは邪魔だ、寝てろ雑魚共。」ギン!

 

バタッ

 

 

 

「遅くなって悪いな、今助けてやる。」

 

すっ

 

(解!)

 

 

「・・・あれ、私・・・お兄ちゃん?」

 

「遅くなった。江里夏。」

 

「そっか、私あいつに操られてたんだね。」

 

「江里夏、無理を言うけど穢土転生を解術出きるか?」

 

「うん。子 丑 申 寅 辰 亥

穢土転生の術、解!」

 

パァッ

 

「これで各地にいる穢土転生体は消え去る。江里夏、お前をここから連れ出して俺の艦に連れていく。幻術による支配を解いたから安心しろ。」

 

「ごめん・・・おにいちゃん・・・」

 

とす

 

「だらしないおにいちゃんでごめんな?」

 

フッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

フッ

 

「ナイチンゲール、この子の面倒をみてくれ。」

 

「かしこまりました。治療を開始します。」

 

「俺はゆりかごに行く。負傷者の手当ては頼む。」フッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

フッ

 

「はやて!俺もゆりかごに入る。アインスと共に指揮を任せる!」

 

「了解!」

 

バシュウウウウ!!

 

ズン!

 

「AMFか。だが問題ない。」

 

ゴウ!

 

まずはクアットロの確保からだ。

 

ズズッ

 

(っ、この感じ、ヴィヴィオか。万華鏡と輪廻眼が強制励起される!だがそのおかげかクアットロの居場所がわかる。)

 

なのはのところへは飛雷神で跳べばいい。余力がある内にクアットロを仕留める!

 

「バーストモード、リリース。バースト1!」

 

ドゥ!

 

「ミラージュコロイド、展開。」

 

スゥ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「予備エンジン駆動、まだまだ・・・!」

 

「ナンバーズNo.4、クアットロだな?」

 

「っ、天帝・・・!なぜここが!?」

 

「俺の眼は全てを見通す。いくら幻術で巧妙に隠れようと俺の眼は幻術を見抜く。お前がヴィヴィオを覚醒させた事で俺の血脈励起を起こさせたのだ。初代天帝の血がな!」

 

「ひっ!」

 

「うちの娘を泣かせるんじゃねぇよ!万華鏡写輪眼・幻術!」

 

ドクン!

 

バタッ

 

ガバッ

 

「なのは・・・」フッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

フッ

 

バシュン!

 

「はぁ、はぁ、悠君。」

 

「待たせたな、なのは。戦闘機人は恐らく全員捕縛した。」

 

「パパ・・・」

 

「さあ、ヴィヴィオ。おいたはそこまでだ。」

 

ぶんっ

 

 

ドサッ

 

「悠君・・・いくら戦闘機人でもそんな乱暴にしなくても・・・」

 

「とっくに幻術の世界に行ってる。それよりも・・・」

 

「パパ、逃げて!」

 

バシィ!

 

ビリビリッ

 

「もう分かってるの。パパもママも本当のパパとママじゃないってこと。私のもとになった人の後悔がパパ・・・天帝への思いが私をあなたに引き合わせてるってことも。私は、本当は居ちゃいけない子なんだよ!」

 

「「違う(よ)!」」

 

「ひとりで立てないところも、泣き虫なところも。」

 

「ピーマンが嫌いなところも、皆私達が大好きな大切なヴィヴィオだよ。」

 

「俺達は、ヴィヴィオの本当のパパとママじゃないけれど、本当の家族になれるよう努力する。だから・・・」

 

「「居ちゃいけない子だなんて、言わないで(言うな)。」」

 

「ほんとの気持ち、俺達に教えてくれ。」

 

「私は、パパとママたちのことが、大好き!パパとママたちとずっと一緒にいたい!パパ、ママ、助けて・・・!」

 

「助けるさ。」

 

「いつだって。」

 

「「どんな時だって!!」」

 

ゴウ!

 

バシィ!!

 

「縛道の九十九 禁!」

 

シュルルル

 

バス!バス!

 

カシャッ

 

「ヴィヴィオ。ちょっとだけ、痛いの我慢できる?」

 

「・・・うん。」

 

「いい子だ。」

 

「防御抜いて、魔力ダメージでノックダウン。行けるね、レイジングハート?」

 

《Here we go》

 

 

「バースト2、起動。対象の魔力を無効化。聖王核のみを破壊。」

 

ゴオォォォォォォ

 

「全力・・・全開!」

 

「終極・・・滅封!」

 

「スターライトォ・・・」

 

「イマジン・・・」

 

「「ブレイカ────!!!!!」」

 

ドゴオオオオオオオオオオオ!!!!

 

「う、ぐ、あぁあああああああ!!!」

 

「「ブレイク・・・」」

 

「あっ・・・はぅ・・・!」

 

「「シュ────────ト!!!!」」

 

ドガァアアアアアアアアアアアアアアアン・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ、はぁ、ヴィヴィオ・・・!」

 

「来ないで!」

 

「っ!」

 

「ひとりで・・・たてるよ・・・つよくなるって、やくそくしたから・・・!」

 

タッタッタ

 

ガバッ

 

「はぁ、はぁ、少し無理をしたか・・・」

 

「なのはちゃん!悠君!」

 

「はやて!ぐっ!」

 

「うわっ!」

 

これは、魔法強制解除か!

 

 

「出口に急げ!」

 

ガオン!

 

 

「チッ!遅かったか!」フラッ

 

「悠君!」ガバッ

 

「すまない。瞳力を使いすぎた・・・」

 

「無理もないよ。こんな事態だからね。」

 

「瞳力が戻るまで3分以上インターバルが必要だ・・・その間に出きることをする・・・!」ガオン!

 

「・・・そんな、二重の極みでも表面が削れるだけやなんて!」

 

「やはり簡単にはいかんか。どれだけ物理耐性の強い材質してんだよ・・・聖王家も厄介なものを造りやがって!」

 

「どうする?」

 

「少し静かにしてろよ。」

 

俺は自然エネルギーを吸収して仙力の準備に入った。

 

そして3分経とうとしたときだった。

 

 

ブロロロロロロロロロロロロ

 

 

「ん?この音は・・・」

 

「まさか・・・」

 

「うん。」

 

ドゴオオオオオオオオオオオ!!!!!

 

「お待たせしました!」

 

「助けに来ました!」

 

「・・・良くやった。行くぞ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ダダダダダダダダダダダダ!!!

 

「よし、お前らは先にヘリに乗って遠くに離れてろ。」

 

「何をするの?」

 

「ゆりかごの完全封印をする。」

 

「できんの?」

 

「ひとつだけ方法がある・・・圭吾!」

 

「わかった!」

 

バシュウウウウ!!

 

『局員、総員安全圏に待避しました!』

 

「やるぞ、圭吾!」

 

「ああ。これで終わらせる!」

 

そうして俺は最後のバーストと最後のリミッターを外した

 

「八門封印第八門・・・解!バースト0(セロ)!!」

 

このサイズは全力で行くしかない・・・その為のこの0だ。

 

そして俺達はゆりかごに触れた。

 

「今だ!」

 

「応!」

 

その時、遠くから見ていた局員達にはゆりかごの所に巨人が見えたと言う。

 

「「六道・地爆天星!!!!!!」」

 

「よし、ここから跳ぶぞ!」バシュン!

 

 

ガラガラガラガラ

 

ガゴン!ゴゴン!

 

ボゴッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バシュン!

 

 

「はぁ、はぁ・・・」

 

「何なん、あれ?」

 

「六道・地爆天星・・・俺達2人の魔力を合わせてようやくできる、風・火・土・雷・水・陰・陽すべての性質変化を持つ六道の力がなければ出来ない最強の封印術だ。あの術は簡単に言えば星にして封印するってやつだ。その分、それ相応の魔力を持っていかれるが・・・」バタッ

 

「俺らはもう魔力がほとんど残ってねぇ。だから・・・後は頼んだ・・・すぅ・・・すぅ・・・」

 

「お疲れ様。ゆっくり休んでな。」

 

 

 

そして、レリック事件から端を発したこの事件は後に『ジェイル・スカリエッティ事件』、または『J・S事件』と呼ばれるようになる。

 

その後、星にして封印したゆりかごはクロノ達の艦隊で砲撃され、ゆりかごは完全に消失した。

 

 

 

 

                     続く

 

 




やっとここまでかけた・・・


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事後処理とおめでた

収入死んでてガチャが回せない・・・


事件終息からしばらく経った

 

あの後、俺と圭吾は魔力切れで3日間眠っていた。

 

その間ナンバーズ達の処分は保留となっていたが俺達が目を覚ましたことで事が進み始めた。

 

「で、結局ナンバーズはどうするんや?」モシャモシャ

 

「No.2のドゥーエに関しては俺の指示で二重スパイをしていたことで減刑。これは確実だな。」ハムッ、ハフッ、ハフッ

 

別天神(ことあまつかみ)かけてたからな。となるとお前の直属の部下になるって感じか?」もっきゅ、もっきゅ

 

「いや、どうだろうな?感じ的には親父の秘書に任命するよう司法取引してるみたいやで?」ガツガツ

 

「ズルルルルル~。ほうか。後のメンバーは?」

 

「更正施設に入ったのはチンク、セイン、オットー、ノーヴェ、ディエチ、ウインディ、ディード。この7人やな。正しい教育を受けられなかったと言うことで、ギンガとゲンヤがしっかり面倒見るそうや。」ガリガリ

 

「ちゃんと自分の罪を認めてるわけやな。それなら問題ないやろ。問題は・・・」バクバク

 

「ゴクン!・・・スカリエッティとウーノ、トーレ、クアットロ、セッテ。こいつらに関してはイザナミをかけたらしい。」ずずっ

 

「イザナミか・・・スカリエッティとクアットロが長引きそうやな。」ずずっ

 

「出口が用意されている幻術やからな。こういう連中にしかかけられへんし、こういう場面でしか使えへん。」

 

「イザナギを止めるための禁術・・・俺ら一族もバカばっかりやったな。」

 

「ま、その一族も俺らの手で幕を閉じたけどな。」

 

「・・・お前ら、普通にとんでもない量食いながら話すんなよ・・・」

 

「魔力すっからかんになって初めてわかったけど、ここまで食わんな回復せぇへんねん。」

 

「そういうことや。」

 

「なるほどな。」

 

そう。スカリエッティと戦闘機人はそれぞれ別の道筋を行き始めた。

 

イザナミにより考えが180度真逆になるのは予測できている。

 

それに戦闘機人12人にはスカリエッティのコピーが仕込まれているそうなので、それの除去をしやすいようにウーノ、トーレ、クアットロ、セッテにはイザナミをかけてその隙に俺の力で除去することになった。

 

回復しきってはいなかったので除去が終了してから食事をしていたのだ。

 

残りの戦闘機人8人は後々除去する方針になった。さすがに12人一気にすると再び俺の魔力が無くなり、しばらく眠り続けることになるからだ。

 

それからヴィヴィオに関してだが、あれから一時保護をされて検査を進めているらしいが、特に悪いところは無く何も問題ないようだ。とはいえしばらくは大事をとって入院生活になりそうとのこと。

 

 

そして事件から3ヶ月後・・・

 

六課の隊舎も修繕され、皆も戻ってきた頃

 

「ふう、さすがにあれだけ大規模出撃したからな、メンテナンスが大変だな。」

 

「いくら旦那でも、これだけの機体を全部見るのは無理がありますわな。」

 

「悪いな、チャー。お前らにまで手伝わせちまって。」

 

「なに、これも俺らの仕事だよ。あんたの銃もメンテナンス出来るのは俺とあんただけだしな。」

 

「こんなところにいたか。悠飛、シャマルがお前を呼んでいたぞ?」

 

「もうそんな時間か・・・悪い、後は任せていいか?」

 

「お安いご用で。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

医務室

 

ウィーン

 

 

「入るで?」

 

「あ、来た来た。待ってましたよ。」

 

ん?なのはと俺とフェイトはオーバードライブとブラスター、バーストモードを使ったからわかるけど、はやてとアリサとすずか、それにアリシアも呼ばれてるのか?

 

・・・何か相当不味いことにでもなってるのか?

 

「それじゃあ皆あつまったことだし、こういうのはハッキリ行っちゃいますね。」

 

「なあ、シャマル。俺達、何か悪いところでも有ったんか・・・?」

 

「・・・おめでとう!」

 

『・・・・・・へ?』

 

この時、俺達の思考が停止した

 

「なのはちゃん、フェイトちゃん、はやてちゃん、アリシアちゃん、アリサちゃん、すずかちゃん。あなたのお嫁さん達6人、お腹の中に赤ちゃんがいます!」

 

「・・・マジで?」

 

「そういえば3ヶ月くらい前にしてもらってからあの日が来てなかったような・・・?」

 

「言われてみれば、事件が終わってからずっと幸福感が有ったような?」

 

「胸が張ってきたような?」

 

「・・・実は私は薄々気付いていたんだ。少し前から母乳が出てきてたから。」

 

「俺が・・・父親、か。」

 

「悠飛君。これからは自分ひとりの体じゃ無いんだから、無理はしないでね?」 

 

「・・・なんか、不思議な感じやな。転生前はそんなこととは無縁の生き方やったから、ちゃんと父親出きるかどうか・・・」

 

「でも、悠君。ヴィヴィオにちゃんとパパになれるようにするって言っちゃったから、しっかりしないとね。」

 

 

「・・・そうだな。皆、俺の子供を授かってくれて、ありがとう!」

 

「私も今まで不安なことはあったけど、悠君が居たから進めてこれたんや。それに、私昔の事があったからちゃんと赤ちゃん出きるか不安やったけど、こうして私らの所に来てくれた。」

 

「私もあの時の怪我で出きるか心配だったけど、ちゃんとヴィヴィオの弟か妹が出きるってわかって嬉しいよ?」

 

「私達も不安だったけど、ちゃんと来てくれた。ね、アリシア。」

 

「うん。」

 

「私達はあの時からずっとこの時を待ってたよ。これでようやく跡取りが出来たわね。」

 

「ふふっ。」

 

『私達を幸せにしてね、旦那様!』

 

「おう!任せとけ!」

 

こうして俺の妻たちに新しい命が宿った事がわかり、六課で盛大なパーティーが行われた。

 

皆嬉しそうだったが、ユーリ達は少し羨ましそうにしていたので「お前達はまた今度な?今皆身籠ったら我が家が機能しなくなる。」と言うと納得してくれた。あれだけの大所帯だ。切り盛りするのに人手が要るから皆妊娠してしまったらエミヤ達だけでは賄いきれない。

 

 

ちなみにヴィヴィオは・・・

 

 

「それって、ヴィヴィオがお姉さんになるってこと?」

 

「そうだよ。だからヴィヴィオはパパとママたちを手伝って上げて、いい子にしてないといけないんだよ?」

 

「ヴィヴィオ、いい子にする!」

 

「じゃあ、頑張ってピーマンも食べられるようにしないとな。」

 

「うぅ、が、がんばる!」

 

やっぱりヴィヴィオはいい子だ。

 

「それじゃあ、明日からお手伝いの練習しようか。」

 

「うん!」

 

 

 

色々な事が起きた1年が終わろうとしていた・・・

 

 

 

 

 

                     続く

 




長いようで短かった1年間

ついに機動六課はその役目を終える日を迎える

そして、俺達は・・・

次回

それぞれの道

たとえ離ればなれになろうとも、俺達は家族だ


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それぞれの道

Strikers編もいよいよ大詰め


カツ、カツ、カツ

 

「お、総大将。様子見ですか?」

 

「おう。しかし聞いたぞ。更正組の戦闘機人を4人も引き取るって?」

 

「女房と一緒に育てていきまさぁな。そっちも、大変おめでたいようで。」

 

「一気に6人だもんな。ちゃんと親父出来るか心配でね。」

 

「そこはなんとかなりますよ。自分もなんとかなりましたからね。」

 

「そうだと良いんだがな。」

 

ウィーン

 

「あ、悠兄さん。いらっしゃい。」

 

「急にすまんな。こういうのは自分で見るのが主義なんだ。」

 

「いいえ。スバルはどうですか?」

 

「変わらずうちの嫁達に絞られてるよ。あまり無理させちゃあいけないんだけどな。」

 

「妊娠されたんですよね。おめでとうございます。」

 

「今3ヶ月だそうでな、まだお腹は目立ってないよ。」

 

「ひっ、ぷ、天帝!?私ら何も悪さしてないよ!?」

 

「安心しろ。ずっとここに居るのもつまらんだろ?多少娯楽が無いとな。」ゴソッ

 

 

「娯楽ですか?」

 

「ああ・・・お!あったあった。ほら!」

 

「なんスか、それは?」

 

「地球のテーブルゲームさ。こういうのはお前らにピッタリだろ。」

 

「結構種類あるんだ。」

 

「世界が変われば文化も変わる。国によってもな。俺達の出身地の日本ってところは娯楽が多くてな。大小様々なものがある。これは地球で世界的に有名なカードゲームでもある。」

 

「すごい・・・ルールまで細かく書いてあるけど、日本語?てのは読めないから勉強かぁ・・・」

 

「ま、覚えておいて損は無いかもな。仕事で俺のところに来るかもだしな。」

 

「どういうこと・・・ですか?」

 

「ノーヴェ、無理に敬語じゃなくても良いぞ?」

 

「いや、その、ケジメって言うか・・・」

 

(ああ、成程。素直じゃねんだな。)

 

「ま、これからはお前たち自身で道を切り開かなくちゃいけないんだ。誰かの命令でもない。自分の意志で道を決めろ。俺が言いたいのはそれだけだ。」

 

「お帰りですか?」

 

「ああ。この感じなら大丈夫だな・・・あ、そうだ。アギト、早く出てこいよ?シグナムが待っているからな?」

 

「は、はい!」

 

「じゃあな。」フッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

聖王病院

 

 

コンコン

 

「どうぞ。」

 

ガラッ

 

「よ、調子はどうだ?」

 

「お兄ちゃん。うん。特に問題は無いから明日退院だって。」

 

「そうか・・・お前はこれからどうするんや?」

 

「うーん・・・とりあえず、日本に帰ろうかな。お墓参りも行きたいし。」

 

「そうか。ならそれまでは家で面倒見てやるよ。はやてたちも喜ぶ。」

 

「そういえば、子供が出来たんだって?」

 

「ああ。もし良ければうちで雇おうか?」

 

「うん。そうしよっかな。」

 

従妹である江里夏も日本に戻るようだし問題ないか。

 

 

 

 

 

 

 

 

そして

 

 

 

 

 

「長いようで短かった1年間、本日を以て機動六課は解散となります。次の部隊でもどうか元気に、頑張って。」

 

パチパチパチパチ

 

「最後に俺からみんなに言いたいことがある。この1年、いろんな事があった。辛いことも楽しいことも、皆が居たからやってこれた。誰ひとり欠けること無くこの日を迎えられた。忘れるな、俺達機動六課は家族だ。どんなに離ればなれになっても、俺達の絆は永遠だ。その事を忘れずにこれからも自分の道を歩み続けてくれ。」

 

パチパチパチパチパチパチパチパチ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なんか、割りとあっさり終わったね。」

 

「うん。」

 

(スバルさん、元気無いね。)

 

(なのはさんとお別れだし、次の部隊もティアナさんと別々だし・・・)

 

「あ、いたいた!」

 

「なのはさん!」

 

「ギン姉も!」

 

「二次会前にフォワードメンバーでちょっといいかな?」

 

 

 

 

 

 

 

「うわぁあ!」

 

「これって!」

 

「俺達の故郷にある花で別れと旅立の時期に咲く花だ。この木の名前は桜。花言葉は豊かな教養、高貴、清純。」

 

「よし、フォワードメンバー、整列!」

 

「「「「はい!」」」」

 

「まずは皆、この1年間任務に訓練お疲れ様。」

 

「私はあんまり誉めないんだが。お前ら、まぁ、強くなった。」

 

「辛い訓練、危険な任務、困難な状況。皆それぞれ乗り越えてきた。お前らはもう、立派なストライカーだ。」

 

「・・・うぅ。」

 

「泣くなバカタレ共が・・・」

 

「「「「はい!」」」」

 

「さて、折角の桜、綺麗な桜吹雪。湿っぽいのはこれでなしにしよ!」

 

「自分の相棒、ちゃんと連れてきてんだろうな?」

 

「え?え?」

 

「なんだ?お前は聞いてなかったのか?」

 

「全力全開!手加減無し!機動六課の最期の模擬戦!」

 

「「「「・・・はい!」」」」

 

「全力全開って、聞いてませんよ!?」

 

「やらせてやれ。これも思い出だ。」

 

「もう、ヴィータ、なのは!」

 

「堅いこと言うなって。折角リミッターも取れたんだからよ。」

 

「心配ナイナイ!皆強いから!」

 

「もう。」

 

「フェイトママ、大丈夫。皆楽しそう。」

 

「フェイトさんもやりましょう!」

 

「ああん、もう。」

 

「頑張って!」

 

「じゃ、ヴィヴィオはパパと見ていような?」

 

「え?悠君はやらないの?」

 

「俺が入るとパワーバランスが崩れねぇか?」

 

「悠にい!お願いします!」

 

「兄さん!お願いします!」

 

「パパ、いってあげて?」

 

「ははっ。分かったよ!こっちも師匠で兄貴分で父親だ!加減なしで可愛がってやらぁ!」

 

「「「「お願いします!」」」」

 

 

「それでは・・・」

 

「レディ・・・」

 

「「ゴーッ!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こうして機動六課は解散し、皆それぞれの道を歩み始めた。

 

 

俺たちに関しては数週間前に話をしていた。

 

 

 

 

 

 

 

数週間前

 

 

 

 

「なあ、六課が解散したら皆で一度地球に帰らないか?」

 

「地球に?」

 

「何だかんだで結局俺ら高校行ってねぇわけだろ?地球じゃあ中卒の親ってあまり良く思われねぇじゃん?」

 

「「「「「確かに・・・」」」」」

 

「それに、向こうの家族に報告もしなきゃだしな。」

 

「そうだね。お父さんたち、皆喜ぶだろうなぁ。」

 

「士郎さんとデビッドさんが酒盛りしそうな感じはするけどな。」

 

「でも、高校行くにしても今行ってもすぐ産休取らなきゃいけなくなるわよ?」

 

「ま、本格的に行くのは1年後だけどな。お前らのお腹、目立ってきたし。」

 

「そうやなぁ。それでええと思うよ?」

 

「俺達も親父からいい加減休めって言われてるくらいだからな・・・」

 

「あんた達・・・一体どれだけ休み溜まってるの?」

 

「どうだったかな・・・年単位?」

 

「よく倒れなかったよね?」

 

「「「「「・・・・・・なんか、俺ら昔より働いてないか?」」」」」

 

よく生き延びたもんだ・・・

 

 

『あはは・・・』

 

「そや、学校はどこにするん?」

 

「川神学園。前に世話になった川神院総代の川神鉄心が学園長をしているところやな。」

 

「あいつは結構俺らの事分かってるから融通してくれたわ。」

 

「一応学力見てクラスは決めるらしいが、本人の希望を尊重するってさ。」

 

 

 

と言う感じで話しは進めているので、お腹の子が産まれてきてからになるわな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数ヵ月後・・・

 

 

「たく、なんでこんな大事なタイミングで仕事入るんだよ!空気読めやテロリスト!」

 

「あいつらに空気を読むってこと事態ハイレベルやからできへんけどな!」

 

そう。今はやて達は陣痛が始まって一斉に破水したのだ。しかもタイミング悪く、俺達は川神市内に現れたテロリストを九鬼家従者部隊と連携して捕縛していたので急いで海鳴の屋敷に戻っていた。

 

 

ガラッ!

 

「ただいま!」

 

「マスター!おめでとうございます。今全員産まれましたよ!」

 

「ほんとか!皆は!?」

 

「大丈夫です。ブーディカや玉藻、ナイチンゲールらにより既に処置済みです。」

 

バタバタ

 

「・・・よし、行くぞ。」

 

スーッ

 

「ただいま。」

 

「お帰り・・・ゆうくん・・・」

 

「みんな、お疲れ様。それから、俺の子を産んでくれて、ありがとう・・・!」

 

 

みんな疲れきってはいたが、微笑んでくれた。

 

「今はゆっくりおやすみ。名前はまた後で決めればいいよ。」

 

 

この子達が健やかに育っていけるように、俺も頑張ろう・・・!

 

 

 

 

 

 

                  The end of Strikers.

 

──────to be Next Stage...

 

 




これにてStrikers編は終了となります。

子供達の名前を考えなくては・・・


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川神学園編
川神学園


J・S事件から1年

悠飛達は謳歌出来なかった青春を取り戻すべく、日本に戻ってきた。


あの全面戦争から1年が経過した。

 

俺達は今産休と育休で海鳴に戻ってきていた。

 

つい先日はやて達が出産して大分落ち着いてきたので各家族を呼んでの盛大なパーティーが行われていた。

 

「まさか6人同時に産気付くとはね、驚いたよ。」

 

「何かあるんでしょうね。この子達にしかわからないものが。」

 

「名前はどうするの?」

 

「はやてとの子は隼斗(はやと)、なのはとの子は鳴海(なるみ)、アリサとの子はリチャード、すずかとの子は鈴菜(すずな)、アリシアとの子はアリス、フェイトとの子はフェイトの希望で海飛(かいと)です。」

 

「うん!皆いい名前だね。」

 

「隼斗と鈴菜とアリスと海飛はそれぞれ親から字を貰ったんだね。」

 

「最初、ヴィヴィオもおっかなびっくりだったんですけど、初等科に通いだしたのもあるのかだんだんとお姉ちゃんになってきましてね。」

 

「しかし、いきなり孫が出来たと思ったら皆妊娠したなんて聞いたからたまげたよ。」

 

「ヴィヴィオは初代様との関係で引き取る決意をしましたからね。まあ、初めてあったときから懐かれてましたからね。」

 

「そっちの因縁もあったのかい?なら、しっかり育てないとだね。」

 

「今じゃあ娘が可愛くてしょうがないですよ。」

 

「分かる!分かるよ、その気持ち!娘ができるとそうなるよね!」

 

「まあ、久しぶりにこうして集まれたんですし、我々も酒を飲める歳になりましたからね。存分に呑み交わしましょう!」

 

「「「賛成!」」」

 

 

「あ、そういえば仕事はどうするんだい?君は世界から引っ張りだこだろう?」

 

「それに関してはしばらく育休を貰えることになりましてね、昨日陛下にご報告に行きました。そろそろ・・・」

 

「悠飛、陛下がおみえになられたぞ。」

 

「おう。お通ししろ。」

 

『うぇ!?陛下が!?』

 

「皆様、どうぞそのままで。」

 

「私達はお祝いに参っただけですので。」

 

「わざわざ御越しいただき、ありがとうございます。両陛下、皇太子殿下、秋篠宮様。」

 

「この度はおめでとうございます。私達も7年程前に長兄が産まれました。その時には悠飛さん達には大変お世話になりましたからね。」

 

「いえ、秋篠宮様。我等にとっても大変おめでたいことでしたからね。何せ、最期にお仕えするかも知れない方がお産まれになられたのですから。」

 

「さあ、この度の主役は貴殿方なのですからどうぞお構い無くお過ごしください。これは御祝いの品です。」

 

「これは陛下、ありがとうございます。陛下方も我が子達をご覧になられますか?」

 

 

こうして子供達は我等の主方に祝って貰い、はやて達にも陛下方は労いの言葉をかけていただいた。

 

皆産後の肥立ちも良く、子供達もすくすくと育っていった。

 

 

5ヶ月後

 

「ホホ、邪魔するぞい。」

 

「悪いな、わざわざ来てもらって。」

 

「よいよい。うちのモモにもお主の子を見せてやろうとな。」

 

「お久しぶりです。悠飛さん。」

 

「うむ。成長したな、百代。かつての生意気なクソガキとは大違いだ。」

 

「その節は、申し訳ございませんでした///」

 

「今では良い思い出だ。そういえば、ユキはどうしてる?」

 

「葵冬馬と井上準と一緒ですよ。良く私達風間ファミリーと遊んでいます。」

 

「そうか。っと、ここだ。」

 

スーッ

 

「あ、百代。久しぶりだね。」

 

「お久しぶりです、フェイトさん。」

 

「今はフェイトだけか?」

 

「うん。皆元の体型に戻すんだって言って鍛練場に行ってるよ。」

 

「そうか。お前も行ってきて良いぞ?」

 

「ううん。私はこの子達を見ていたいから、皆が戻ってきてから行くね。」

 

「いいか、百代。この子達は次の世代に繋がっていく大切な命だ。俺やお前の様に、力を持つものがこの小さな命を守っていくんだ。お前もいつか自分の子供を産んだら分かるはずだ。」

 

「はい。そのためにも日々精進していきます。」

 

「ところでお前さん達、学校はどうするんじゃ?」

 

「来年から行かせて貰う。ただまあ、成績に関してはうちの嫁さん達は皆優秀でな。高校一年位なら問題ない。」

 

「なら、二年から編入と言う形でも良さそうじゃの。」

 

「二年からならちょうど大和達と同学年ですね。」

 

「これがパンフレットじゃぞい。しかしお主、随分丸くなったのう。」

 

「子供ができたからな。いつもしかめっ面じゃあ怖がられる。」

 

「すっかり父親しとるのう。ん?」

 

「お?帰ってきたか。」

 

トテトテトテ

 

「パパ、ママ、ただいま!」

 

「おかえり、ヴィヴィオ。手を洗ってきなさい。冷たい羊羮を用意してるよ。」

 

「はーい!」

 

「・・・なあ、お主。産まれたのは5ヶ月前と言っておらなんだか?」

 

「あの子は養子だ。でもとてもいい子に育っているよ。」

 

トテトテトテ

 

「どうぞ、羊羮です。」

 

「ホホ、どうも。」

 

「ヴィヴィオ、ご挨拶。」

 

「はい。龍神悠飛の娘、龍神ヴィヴィオです。」

 

「ワシは川神鉄心じゃ、よろしくの。」

 

「川神百代だ、よろしく。」

 

「よろしくお願いします!」

 

 

 

 

「いい子ですね、ヴィヴィオちゃん。」

 

「元が素直だからな。」

 

「・・・何か格闘技をしているのかの?」

 

「向こうのをな。今度見てやってくれないか?」

 

「ええ。以前お世話になりましたからね、私も少しずつお手伝いしますよ。」

 

 

「その時が来たらよろしく頼む。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして翌年の4月

 

「今日からこのクラスに編入生が来る。入れ!」

 

 

ガラッ

 

 

「今日からこのクラスに入った龍神悠飛だ。よろしく頼む。」

 

ざわざわ

 

「はい!質問です!」

 

「いいか?」

 

「構いません。」

 

「あなたはあの《天帝》さんですか?」

 

「間違いない。」

 

「では次!」

 

「龍神はやてです。」

 

「龍神なのはです。」

 

「アリサ・B・龍神です。」

 

「龍神すずかです。」

 

「アリシア・T・龍神です。」

 

「フェイト・T・龍神です。」

 

「ちょっといいっすか!?さっきから皆龍神って言ってますけど、まさか・・・」

 

「全員俺の嫁だ。俺達天帝一家は特例で治外法権が与えられている。故に俺達は重婚が認められている。去年に子供も産まれている。」

 

「私達は旦那様以外には興味ないから。それに、私達に手を出そうとしたら死ぬわよ?」

 

「まあ、人妻に手を出すのは人として駄目だがな。次!」

 

「出河圭吾や、よろしくな。」

 

「松尾辰徳、よろしく。」

 

「入間俊介、よろしゅう。」

 

「宮崎隆一、よろしく頼む。」

 

「以上だ。皆天帝の仕事で高校に行けなかったためこの学園に編入することになった。皆仲良くしてやってくれ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「久しぶりだな、お前ら。」

 

「お久しぶりです、悠飛さん。」

 

「久しぶりっす!10年ぶり位ですか?」

 

「あ!本当に居た!悠飛~!」

 

「おう、ユキ!久しぶりだな。元気にしてたか?」

 

「うん!」

 

「お久しぶりです、悠飛さん。」

 

「冬馬・・・そのハゲは誰ぞ?」

 

「準ですよ!」

 

「皆変わらないようだな。」

 

「ユキ、久しぶりだね。」

 

「うん!フェイトも久しぶりなのだ~!」

 

 

 

こうして10年ぶりに大和達と再会したが、まさかあんなことになろうとは・・・

 

 

 

 

 

 

                       続く

 




ようやくまじこいメンバー出せた。


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決闘

まじこいプレイしたことある人なら分かりますよね


放課後

 

「・・・なぁ、あの歴史教師いつもああなのか?」

 

「ええ・・・自分の家のルーツしかまともに授業しないんです・・・」

 

「お前ら・・・苦労してるんだな・・・よし、ここは俺が一肌脱ぐか。」

 

「そやね。悠君が補習したら一気に歴史の成績上がるで?」

 

「なんたって悠飛は考古学者でもあるからね。」

 

「趣味が高じてな。」

 

「それじゃあ教えてくださいよ。一番大事なところを端折られて大変なんですよ。」

 

 

「そうだな、そうなるとクラス全員受けた方が良い。」

 

「お、面白そうっすね!」

 

と言うわけで即席の補習が始まった。

 

 

「まず、日本史の前に世界史から説明していこうか。日本史の起源は原始時代、紀元前200年頃の縄文時代からだな。その前に紀元前5300年頃に人類最古の文明が興った。それがメソポタミア文明だな。雑学としてメソポタミアとはふたつの川の間という意味だ。」

 

(さすが悠飛さん。みんなの興味を持つ雑学を挟んで覚えやすくしているのか。)

 

「ここで言いたいのは日本史と世界史を関連付けることで覚えやすくなるってことだ。実際にその頃日本では何が、世界では何が、起きていたかによって結びつけることができる。テストでもそれで答えを導くことができるぞ?」

 

「なるほど!そういう感じで覚えていけば良いんですね!」

 

「そうだな委員長。そうすることで世界史にも対応できる。」

 

「なるほどな、利にかなった勉強法だな。」

 

「ここら辺は四大文明と言われてる中でも最古の部分だ。俺自身もたまに研究でウルクの遺跡に行っているが、まだまだ謎が多くてな。何せ、神代から人類史に変わり始めるタイミングがここだからな。」

 

「神代とは文字通り神々の時代。エジプト文明でもファラオは神と呼ばれているけど、それは神話に倣っての事。人類が文明を築いたことで神々と袂を別つ時代になった。その最期がソロモン王の時代よ。」

 

 

 

 

 

とまあこんな風に雑学と人類史の成り立ちを教えながら1時間過ごした。

 

 

「しっかし悠飛さんが考古学者で助かったぜ、お陰で歴史は大丈夫そうだな。」

 

「お前ら、しっかり予習と復習しとけよ?言っとくが補習するからには徹底的にやるからな。あと、ちゃんと他の教科も勉強しろよ?」

 

『ギクッ』

 

あ。この反応は・・・

 

 

「・・・おい、お前らまさか全教科底辺とか言わねぇだろうな?」

 

 

「悠飛さん。一部を除いて皆赤点まみれです。」

 

「・・・小島先生の心中を察するわ・・・」

 

翌日

 

理科

 

「この戯けが!オームの法則なぞ基礎中の基礎だろうが!」

 

水曜日

 

国語

 

「勢いで誤魔化すな。ちゃんと誤字を確認してから出せ!」

 

木曜日

 

数学

 

「駄目だよ?ちゃんと計算見直さなきゃ。」

 

金曜日

 

英語

 

「ちゃんとスペル確認しなさい?でないと意味が違うものになるわよ?」

 

 

 

 

 

「まさかここまでボロボロとはな・・・」

 

「天帝、すまないな。」

 

「まぁ、一部教師にも問題あるからこうなるんですけどね・・・」

 

「綾小路先生か・・・」

 

「うちの嫁さん達がインテリでよかったですよ。全科目は賄いきれません。」

 

 

 

『何だと!もっぺんいってみろ!』

 

「何だ?」

 

ガラッ

 

「おい、何を騒いでる!」

 

「あ!悠飛さん!Sクラスの奴が放課後までうるさいから帰れって言ってきてるんですよ!」

 

「またか!」

 

「どういうことですか?小島先生。」

 

「2ーFと2ーSは仲が悪くてな。向こうは御曹司やお嬢様まで居るからプライドが高いんだ。」

 

「お前が騒ぎの原因か。今すぐ放課後に騒がせるのをやめろ。こんな連中何したって無意味だろ?」

 

「やめんか!」

 

「・・・大きくなったな、英雄。」

 

「お久しぶりです、悠飛殿。」

 

「お初に御目にかかります。不死川の娘、不死川心と申します。」

 

「不死川の?」

 

「お前達、その方に喧嘩を売るのはやめた方が良いぞ?その方は怒らせると不味いからな。」

 

「ふん。天帝だか何だか分からないが、女に現を抜かした奴が本当に強いのかね?大体そんな奴の何が・・・「面白いことを言うな、雑種」・・・なんだと!?」

 

「貴様らごときがこの俺に勝てるとでも思うておるのか?笑わせるな。」

 

「やめときなさい。あんた達みたいな奴には一生かかっても勝てないわよ?」

 

「所詮過去の栄光、女に現を抜かした奴が最強なんて笑わせる!決闘だ!」

 

バシッ!

 

「ここまで来ると呆れを通り越していっそ清々しいな・・・良いだろう、遊んでやる。ただし・・・1人ずつ相手すんのは面倒だ、纏めてかかってこい!!

 

バン!

 

 

「うむ。その決闘、ワシがジャッジをするぞい。」

 

「お前さん・・・暇なのか?」

 

 

 

 

校庭

 

「今回は刀は使わん。素手で相手してやる。」

 

「なめやがって!」

 

「では、はじめ!」

 

『うぉおおおおおおお!!!!』

 

「たかだか30人程度、刀を抜くまでもない・・・!」

 

ドガ!バキッ!

 

「貧弱貧弱ゥ!ちょいとでも俺に敵うとでも思ったかこの間抜けがぁ!!」

 

ドドドドドドドドドド!!!!

 

「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァッ──────────!!!!!!」

 

『ぎゃあああああああああああ!!!』

 

 

「そこまで!勝者、龍神悠飛!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ま、当然よね。」

 

「ああ、モモ先輩ですら勝てない人なのにそれすら知らないのかよ、Sの連中は。」

 

「ガクトの言う通りだな。あいつらは自殺しに行くようなものだったぞ?」

 

「姉さん・・・て、どうしたの!?顔真っ青だよ!?」

 

「・・・昔を、思い出した・・・いいかお前達、あの人だけは絶対に怒らせるなよ?」((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル

 

「モモ先輩が震えてる・・・!」

 

「姉さん、8年前に何したの?」

 

「思えばあの頃からお姉さまが精神修行に励んでたわよね?」

 

「ホホ、その時にモモはあやつにボロ負けしての。生意気言って勝負を仕掛けて世界を知ったのじゃ。」

 

「あの人の強さは底が知れない・・・私、よくあの時に生き延びれたな・・・」

 

「実際半殺しじゃったからの。」

 

「は、半殺し!?」

 

「そんなあの人に挑むなんて、丸腰で太平洋に出るようなものだぞ!」

 

《あ、納得した。》

 

 

 

 

 

「何なのでおじゃる!?S組の生徒が次々と!?」

 

「あ~あ、やっぱりこうなったか。ま、あれならあいつも本気じゃねぇな。」

 

「そうですね。龍神がが本気になればこれだけでは済みませんからね。」

 

 

(ぐぬぬ、覚えておれ!龍神悠飛!)

 

 

 

 

 

 

 

「ん?どうした百代。そんなに青くなって?」

 

「初めて会った日を思い出しました・・・」

 

「あん時よりマシやろ。なぁ、フェイト?」

 

「そうだね。」

 

「あ、そういえばお子さん達はどうしてるんですか?」

 

「うちの長女が見てくれてるよ。」

 

「長女?」

 

「養子だけどな。でも、そんなこと関係無しにお姉ちゃんやってるよ。」

 

「やっぱりいい子なんですね、ヴィヴィオちゃんは。」

 

「どこぞの誰かとは違ってな?」

 

「うっ。」

 

「諦めなさい、百代。うちの旦那様は結構ネチネチつついてくるから。」

 

「からかってる時のゆう君ってすごいSだもんね。」

 

「ま、これで俺に喧嘩を吹っ掛けてくる馬鹿は居ねぇだろ。」

 

一部を除いては、な・・・

 

 

 

 

 

 

                        続く

 

 

 




次回は悠飛が一番嫌いな事をされてブチギレます。


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顕現

川神学園に編入した悠飛達

しかしS組みとの衝突により事の発端である綾小路麻呂に目をつけられる・・・



一気に場面が飛びますがご容赦を


あれから数日が経過した

 

ガチャ

 

「こいつは・・・」

 

俺の下駄箱にはゴミが棄てられていた。

 

ご丁寧に中敷きにガムまで敷き詰めて・・・

 

 

俺に直接喧嘩を売る輩は無くなったが、こういう風に影からちょっかいを出され、妻達にもちょっかいを出されはじめ、更には京にまでちょっかいを出してきた。

 

非常階段

 

「大丈夫か?はやて・・・」

 

「問題ないよ。局でもこういうネチネチした嫌がらせはあったからな。」

 

「・・・人間のクズが、ゴミのクズを入れてきたか。」

 

「なあ、もういいだろ?いい加減暴れたいぜ。」

 

「奇遇だな、俺もそう思っていたところだ。」

 

「私も同行しよう。さすがに鼻持ちがならない。」

 

「謙吾、真人、来ヶ谷。お前らの気持ちも分かるが見ろ、誰が一番キレているのか分からないお前達でもないだろ。」

 

恭介の言葉で3人は我に返った。

そうこういう手口は俺が最も嫌う事だ。

 

「・・・大和、京の様子は?」

 

「何とか耐えている状態です。」

 

師匠(せんせい)!自分も我慢できません!大事な友をこんな目に会わせるなんて・・・」

 

「クリス、落ち着け・・・」ギン!

 

「ひっ!」

 

「犯人は分かってんだ。大和、今日の昼だ。屋上に京と一緒に居てろ。翔一もだ。」

 

「俺は隠れていればいいんですか?」

 

「ああ。俺は貯水タンクの影に隠れている・・・恭介。理樹と謙吾、真人を連れて待機していろ。俺と同じところでな。事が動けば自ずと暴れられる。」

 

「了解。」

 

「さて、てめえら・・・うちの嫁達を苦しめた輩を、徹底的に潰すぞ・・・出入りだ!!」

 

『応!!』

 

 

 

 

 

昼休み

 

(いいか、翔一。お前は影から一部始終を撮影していろ。それが重要な証拠になる。)

 

(了解っす。)

 

そしてその時が来た

 

「淫売の娘なんてレッテルついた椎名が行っては日本の恥でおじゃるからな。当然あの編入生共もじゃ。未成年の内から男遊びをしおって、特に龍神はやて?とか言ったでおじゃるか?()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。」

 

ブチッ!

 

(((あ・・・こいつは死んだな。)))

 

「おい、お前は今何を言ったのか分かっているのか?いいや、分かっておらんだろうな・・・貴様のような輩が自身の家を貶めるということを・・・」

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

 

「な、龍神悠飛!貴様、いつからそこに居たでおじゃる!?」

 

「答える義理はない。貴様のような()()には俺が手ずからこの世の理を示そう・・・」

 

すっ

 

ブン!

 

ドゥ!

 

その時、学園の刻が止まった

 

「アホめが!麻呂は高貴なる・・・!!」

 

「覚えておけ雑種、世の中には触れては為らぬものがあると言うことを・・・飛天御剣流 龍巣閃・(がらみ)!!」

 

ドガガガガガガガカ!!

 

「ぱぎょおおお!!!!!???」

 

がしゃん!

 

「ギリギリ意識が残るように調節した。しばらく生地獄を味わえ。」

 

サッ

 

「主よ、こちらを。」

 

「ありがとう、アインス。」

 

『あー、あー、穏やかな昼休みを邪魔して悪いな、諸君。俺は2ーFの龍神悠飛だ。今日は皆に言いたいことがある。』

 

「悠飛さん?」

 

『まず、回りくどいのは無しにするか・・・俺の正体は皇族直属非民間組織天帝一家(プロヴィデンス・ファミリー)のボス、天帝(プロヴィデンス)、龍神悠飛だ。』

 

 

 

ざわざわ

 

「おやおや、あの方がそれを口にすると言うことは・・・」

 

「恐らく、あの方の逆鱗に触れた愚か者が居たのであろう。」

 

「とんだ命知らずなのだ。」

 

 

 

 

『ここ最近俺の妻達と大切な仲間達に手を出してきた愚か者が居てな。聞けば皆、こやつに酷いことをされてきたらしいではないか。ついてはこの場で謝罪させることにする。』

 

『うぐ!』

 

『俺はな、俺に直接喧嘩をふっかけるやつは軽い怪我で済ませるだけにしている。でなくば、俺の力が強すぎて力のないものでは大怪我では済まない。だが!こやつは関係のない俺の身内に手を出しやがった!俺は関係のないものを巻き込むやり方をするやつが一番嫌いなんだ!やるなら真っ正面から堂々と来やがれ!!』

 

『貴様、こんなことをしてただで済むと思はぐぅ!』

 

 

《あ、麻呂か。アイツも馬鹿なことをしたな。》

 

奇しくもこの時、全校生徒の考えが一致した。

 

 

『あと、てめえらにいっておく。特に2ーSは聞いておけ!親が会社の社長だからっててめぇらが偉い訳じゃねぇ!偉いのはその会社を支えてきた先祖代々だろうが!!親が政治家だからって何でもいいように出来ると思うな!!いいか!俺達ファミリーはどの派閥、どの権力にも屈さねぇ!俺達に命令を下せるのは主である皇族だけだ!綾小路だろうと!不死川だろうと!九鬼家だろうと!俺の大切な家族に手を出すやつは絶対に赦さねぇ!!最強に挑みたければ真っ正面からかかってきやがれ!ただし百代、お前は川神院でのみ稽古をつけてやる。』

 

 

「ほっほう。さりげなくモモのことも考えてくれておるのう。」

 

『最後に、お前らに言っておくことがある。 過ぎた力は己が身を滅ぼす。以上だ。この駄目教師はこちらで処分する。』

 

プツン

 

「お疲れ様でした、我が主。」

 

「急に無理言ってごめんな、アインス。」

 

「いえ、私も妹もあなた方の役に立てることが喜びですから。」

 

「さて、そろそろええかの?」

 

「鉄心・・・こやつは懲戒免職(クビ)にしたほうが良いぞ?」

 

「そこはワシらに預けては貰えぬか?こうなってしまったのもワシの監督不行き届きじゃ。せめてもの詫びにワシらがこやつを改心させる。」

 

「具体的には?」

 

「綾小路本家に一度送還じゃな。」

 

「となると大麻呂か・・・良かろう、その方向で任せる。ただし、こやつに荷担した生徒を見つけ出し、厳しい処分を下すことが条件だ。」

 

「分かった。責任を持ってケジメをつけさそう。」

 

 

 

 

 

 

 

そして放課後

 

俺F組の皆と百代、それから葵ファミリーと英雄、マルギッテ、忍足あずみ、不死川心を屋敷に招いてもてなした。

 

「お前達には迷惑をかけたな。これはせめてもの詫びだ、たんと食ってくれ。」

 

『おー!』

 

「お前達は好きにして居てくれ。俺は子供達を見てくるよ。」

 

「ああ、そういえばお子さんが居たんだっけ?」

 

トテトテ

 

「パパ、少し練習に付き合ってよ。」

 

「何をしたいんだい?」

 

「忍術!」

 

「それはまだ早いから、手裏剣術を教えてあげよう。」

 

「はーい!」

 

「な、なんだあの子は!なぁ、悠飛さん!あんたの娘さんグハッ!」

 

「おいこらてめぇ、うちの娘に下劣な視線向けてんじゃねぇぞハゲ!」

 

「今のは準が悪いですね。」

 

そんなこんながありつつも、今回は一件落着した。

 

この後福岡の天神館が東西交流戦を仕掛けてくることになるのだが、これはまた別の話だ。

 

 

 

おまけ

 

 

 

 

「豚丼大盛り。」

 

「はいよ!」

 

「・・・なにしてんだ?釈迦堂。」

 

「何ってバイトだよ。」

 

「お前が真面目に働いているなんてな。しかも梅屋で。」

 

「品行方正に働いてるだろ?ここが俺の天職だと思うぜ。」

 

「ま、川神院を破門されたお前が真面目に働いてるならそれに越したことはないか・・・一品もので漬物くれ。」

 

「あいよ!」

 

なんか釈迦堂が梅屋で輝いていた。

昔馴染みのよしみだ、少し売り上げに貢献してやるか・・・

 

 

 

                         続く




はい、京ルートのあれですね。
皆さんもいじめはやめましょう。最も最低な行為ですよ?


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東西交流戦

「東西交流戦?」

 

「福岡の天神館が週末、修学旅行で川神に来るらしいの。学校ぐるみの決闘を申し込まれたので、ひきうけたぞい。」

 

朝の全校集会でそんなことを言われた。

 

「夜、川神の工場で学年ごとに、200人を出し合い集団戦。敵大将を倒せば勝ち。ルール無用の実践形式、3本勝負。」

 

てなわけで放課後

 

「というわけで2年で最も戦闘力のあるS組とF組を中心とした部隊編成になる。特にこの2クラスはよくいがみ合っているが、向こうの2年は西方十勇士なる十傑が揃っている最強世代だと聞く。激戦が予想される・・・故に皆、ここは力を合わせて戦っていこうではないか!」

 

『オオー!』

 

「では、何人かは俺が直接任命する。まず総大将、九鬼英雄!」

 

「お待ちくだされ。総大将ならば天帝殿の方が適任ではありませんか?」

 

「いや、ここで普段Fの俺がやってもSの連中が気に食わんだろう?」

 

「いえ、綾小路先生の一件でもう懲りてます・・・」

((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル

 

「もう一つ理由を述べておくならば、俺達は遊撃に回った方が良かろう。」

 

「分かりました。貴殿の指示に従います。」

 

「次、軍師2名。葵冬馬、直江大和!」

 

「分かりました。」

 

「精一杯務めさせていただきます。」

 

「本陣防衛隊長に不死川心!本陣は特に防御を固めておけよ?」

 

「了解したのじゃ。」

 

「次、第一部隊隊長に風間翔一!副隊長に源忠勝!」

 

「おっしゃあ!」

 

「うす。」

 

「第二部隊隊長にマルギッテ・エーベルバッハ!副隊長にフェイト・T・龍神!」

 

「かしこまりました。」

 

「うん!」

 

「第三者部隊隊長にクリスティアーネ・フリードリヒ!副隊長に井上準!」

 

「はい!」

 

「了解!」

 

「後方支援部隊隊長に龍神なのは!副隊長に椎名京!」

 

「うん。」

 

「はいはーい。」

 

「遊撃部隊隊長に俺!副隊長に龍神はやて!」

 

「了解♪」

 

「それぞれに大事な役割がある。皆、自分の立場を理解して動くように。敵将が来たら各個撃破!決して油断するなよ?」

 

『了解!』

 

 

 

 

 

 

そして1戦目

 

とにかく酷かった・・・

 

 

「あの1年の総大将は馬鹿なのか?総大将が自ら敵陣に突っ込んでどうすんだよ・・・案の定瞬殺だし・・・」

 

「まゆっちが可哀相だ・・・」

 

「あれ、1Sのトップ変えた方が良いぞ?マジで。あんな自分勝手なやつには誰も着いてこねぇよ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2日目

 

まあ、向こうは運が悪かったな。あれは天災だ。

 

「3年は順当だな。」

 

「ええ。姉さんが居ますからね。」

 

「負けることはないな。アイツが総大将でも問題ねぇくらいに。」

 

 

 

 

そして3日目

 

 

「いいかてめえら!初日の1年の負け方見ただろ!個々で戦っても惨敗するだけだ!奴らは烏合の衆に非ず!肉食獣そのものだと思え。今日個々で!この天帝に貴様らの勇を示せ!特に良い働きをしたものには俺から褒賞を出す!学校の名を辱しめるか、名を上げるか、どちらか選べぇえええええい!!!」

 

『うぉおおおおおおおおお!!!』

 

「悠飛殿、号令をお願いします。」

 

「そこはお前の役目だろうに。」

 

「貴方が言われた方が士気が上がります。」

 

「ならば・・・川神学園2年生代表200人、出陣せよ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しばらくして

 

 

 

「第一部隊は常に立体的な戦闘をして撹乱しろ!第三部隊は前線の足止め!本陣防衛部隊はいつ来ても良いように構えていろ!」

 

「思ったよりよくないですね・・・」

 

「救護班が手当てをしている中から復帰できるものは出してくれ。皆に無理をさせるが、頼む。」

 

「分かりました。」

 

「悠君、前線は?」

 

「・・・あの大筒、情報だとあれが大友焔か。ワン子が苦戦しているな。マルギッテが補給部隊を殲滅してるからもうしばらくの辛抱だな。」

 

「そんなところまで視えてるんですか?」

 

「今は写輪眼で視ているからな。」

 

ん?なんだありゃあ・・・!

 

「はやて、行くぞ!」バッ!

 

「うん!」バッ!

 

「ちょ!」

 

 

 

 

「本陣防衛部隊!防御陣形を取れ!早く!」

 

「敵陣、突破!敵総大将に、一騎討ち申し込んだる!」

 

「随分無茶苦茶しおるな、この似非関西弁娘。」

 

「どうする?」

 

「不死川、負傷した隊員を下がらせろ。そいつらを護りながら技出すのは今の俺じゃあ難しい。」

 

「分かったのじゃ。皆の者、天帝殿の後ろに下がるのじゃ!」

 

「はやては俺の側を離れるな?」

 

「離れへんよ、あたしら夫婦やろ?」

 

「だな。」

 

「ちょっと?敵前でイチャイチャすんのやめてくれんか?」

 

「悪いな、こっちは家に家族待たしてんだ。さっさと終わらせて貰うぞ。」

 

「ウチに打撃技は効かへんで?こう見えてハイパーアーマーって技持っとるんや!」

 

「ほう?なら少し手荒でも問題ないか。」ガリッ

 

ピッ

 

「口寄せの術!」

 

ボン!

 

ブン!

 

「解説料は後で請求したる!」

 

「忠告しとくぜ。()()()()()()()()()()・・・!」ギン!

 

ズザー

 

「・・・何が起きたのじゃ?」

 

「こういう手合いは投げと幻術に弱い。覚えておけ。」

 

「はいなのじゃ・・・」

 

「心ちゃん。悠君が得物出したんはブラフや。直接攻撃すると見せかけて幻術に嵌める。常套手段やら無闇に悠君の眼見たらアカンで。」

 

「不死川、防衛陣形を建て直し、再び本陣を護れ。」

 

「了解したのじゃ!」

 

「はやて、行こうか。」

 

そういって俺ははやてをお姫様だっこで抱えて戻っていった。

 

 

 

 

 

 

バッ!

 

 

ズドォオオオオオン!

 

 

「なんだ今の?」

 

「さあ?」

 

ザパァ!

 

 

「まさか海から来るとは思いませんでしたよ。」

 

「気を付けろ冬馬。あやつは十勇士の長宗我部宗男だ。打ち合わせ通りにやるぞ?」

 

「はい。」

 

「がっはっは!ヌルヌルだ!これでお前達を・・・」

 

「ちゃんと、海に飛び込んでくださいよ?」

 

「我は西方・・・今なんて言った?優男。」

 

「オイルレスラーが何人か居ると聞いてましたのでね、これも用意した甲斐がありました。」ジュボッ!

 

「ま、分かりやすい弱点だな。」

 

ぽいっ

 

パチン!

 

ボッ!

 

 

ゴアアアアアアアア!

 

 

「ぬぉおおおおお!ノリ悪すぎだろ!」

 

「下がってろ、お前ら。」

 

まさか燃えたまま突っ込んでくるとはな・・・

 

「水遁・水衝波!」

 

ドバァアアアアアアアアアア!!

 

「排除完了。」

 

「相変わらず凄いですね、あなたの術は。」

 

「はやてがオイルまみれにされるのは嫌だったからな。ところで大和、何かあったのか?」

 

「敵の総大将が姿を隠したそうです。」

 

となると残りは2人か・・・

 

「はやて、此処に居て指示を皆にとばしてくれ。俺は決着を着けてくる。」

 

「うん。行ってらっしゃい。」

 

《神威》

 

シュウウウウウウウ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

スゥ

 

(見つけた。やはり2人か・・・)

 

ピィイイイイイイ!!

 

 

「なっ!見つかっただと!?」

 

「追い詰められたものの考えなぞお見通しだ。」

 

 

「御大将!お下がりください!」

 

「俺が手ずから2人相手してやっても良いが・・・「そうはさせない!」・・・てな訳だ。」チャキ!

 

 

「ふん。どうやら貴様、相当な使い手と見えるが・・・この技を見て驚くが良い!はぁああああああああ!!」

 

コォオオオオオオ!

 

「光・龍・覚・醒!!寿命を縮める程の大技だ!これで貴様を葬ってくれる!」

 

「・・・どいつもこいつも、西の大将はバカばっかか?そうほいほいと切り札を先に見せよって・・・それに貴様、修行をサボってるな?でなければその類いの技は寿命を削ることは無いぞ。」

 

「何?貴様、この俺に説教をしているつもりか!?ふざけるな!」

 

「ならば見せてやろう・・・()()()()()()()()・・・画竜点睛・・・!」

 

ドゥ!

 

ゴォオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!

 

 

「な・・・なんだそれは!?」

 

「貴様のその技、恐らく歴代の誰かが俺達一族の技を真似て創ったのだろうが所詮は擬物。本物には勝てんさ。」

 

「おのれ!」

 

「飛天御剣流 九頭龍閃!!」

 

ドガガガガガガガガ!!!!

 

 

「飛天御剣流・・・貴様、まさか・・・《天帝》、か。」バタッ

 

「気付くのがおせぇよ。阿呆が。」

 

「グハッ。一つ言わせていただきたい。某は貴殿と、同じ、年・・・」バタッ

 

「敵総大将、撃ち取ったりぃいいいいいい!!!!」

 

ワァアアアアアアアアア!!

 

「あれ!?助けようと思って降りてきたら終わってしまっていた!?」

 

「ん?貴様は誰ぞ?」

 

「義経は源義経です。九鬼家による武士道プランで生まれた義経自身です!」

 

「・・・・・・pardon?」

 

こうして東西交流戦が終わったが、九鬼が新たな爆弾を落としてきて俺の思考が一時停止した

 

 

 

 

                         続く

 

 




というわけで東西交流戦でした。


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武士道プランの申し子

皆さんまじこいキャラで一番好きなのは誰ですか?


「はっ!やぁ!」

 

「いいぞ。型も綺麗だ。」

 

最近百代が家に来てヴィヴィオを見てくれている。

ただで稽古をつけてもらうのも申し訳無いのでそれなりの時給を出している。勿論日払いで。

 

「百代!そろそろ切り上げねぇと学校に遅れるぞ!」

 

「げ、もうそんな時間ですか・・・それじゃあヴィヴィオちゃん、また今度な。」

 

「押忍!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「しかし、最近先生が板に付いてきたじゃねぇか?」

 

「人に教えるのがこんなにも大変だなんて思いませんでしたよ。」

 

「それも師範になるための大事なスキルだ。その苦労を鉄心やルーがお前にしてきたんだってこと、良く覚えておけよ?」

 

「はい。」

 

 

 

 

学校

 

 

「まったく、交流戦終わってから間なしだってのに朝から立たせるんじゃねぇよ・・・」

 

「悠飛・・・」

 

 

 

「それでは葉桜清楚、挨拶せい」

 

「こんにちは、はじめまして。葉桜清楚です。」

 

 

っ!何だ!?彼奴のなかに眠るモノは!?

 

(おい、圭吾。感じたか?)

 

(ああ。ありゃとんでもないわ。)

 

(九鬼め、なんて奴を複製しやがったんだ・・・!)

 

「是非、3サイズと彼氏の有無を・・・!」

 

「この万年発情猿がっー!」

 

ガオン!

 

「ごっ!」

 

「アホかい!・・・まぁ確かに3サイズはきになるが」

 

「・・・須佐能乎。」

 

「まてまてまて!落ち着け悠飛!」

 

「誰かその馬鹿共止めてくれ!」

 

 

「み、皆さんのご想像にお任せします。」

 

「・・・ちっ。毒気抜かれるわ。」

 

「次は2ーSに3人じゃ。では武蔵坊弁慶、源義経、両者登場。」

 

「こんにちは。一応弁慶らしいです、よろしく。」

 

「結婚してくれーーーーー!!!」

 

「死に様を知ったときから愛してましたーー!!」

 

「いい加減学習せんか、この戯け共!」

 

ズドン!

 

「源義経だ。性別は気にしないでくれ。」

 

 

 

「何て言うか、第一印象は真面目だな。」

 

「フェイトちゃんに少し似た感じだね。」

 

 

 

 

「次、那須与一でませい。」

 

というが目の前には居ない。

 

「屋上に一人気配を感じるが、多分其奴だろうな。」

 

「弁慶は弁慶で飲んだくれてるし・・・」

 

「はぁ・・・義経がああなるのも無理無いか・・・」

 

むしろ哀れだ・・・

 

「次は1ーSに2人。共に武士道プランの関係者じゃ。」

 

なんかぞろぞろ出てきたが・・・

 

「なあ、もう大体予想ついたんだが・・・」

 

「俺も・・・」

 

 

「フハハハハハハハ!我、顕現である!」

 

「フハハハ、何を隠そう、我の妹である!」

 

「分かっとるわー!それ以外何があるというのじゃ!」

 

 

「やはりこうなったか・・・そしてその隣にいる奴は・・・皆、少し離れていろ。ここは危なくなる。」

 

「我の名は九鬼紋白。紋様と呼ぶがいい!」

 

ドゴォオオオオオ!

 

「いきなり蹴り入れてくるとは、相変わらず野蛮だな。ヒューム・ヘルシング!」

 

「貴様がこちらに帰ってきたと聞いてウズウズしておったのだ。父親になって腑抜けておらんか確認しに来たまで。」

 

「相変わらず人様の迷惑を考えぬな、お前は。」

 

 

朝から疲れる・・・

 

 

そんなこんなで集会が終わって皆移動を開始したが・・・

 

 

「はやて、俺昼までフケるわ。面倒事に巻き込まれないように。」フッ

 

「あ!ちょっと悠君!?」

 

「ほっとけ。あいつにもいろいろあるんや・・・」

 

 

そして俺は疲労からか昼まで気配を消して寝ていた。

 

 

 

 

 

 

そして昼休み

 

「大丈夫?」

 

「・・・アカンかもしれん。」

 

「お、ここに居ったか・・・お主大丈夫か?」

 

「お前らのせいで大丈夫じゃねえよ・・・帰って子供たちと寝る。」

 

「完全に過労やわ。3日くらい休め。」

 

「はやてたちは俺らが飛雷神で跳ばすから問題ないわ。」

 

「分かった。帰って寝る。」フッ

 

こうして武士道プランの申し子達と出会ったが、俺は過労で3日間寝込むことになった。

 

 

 

                        続く

 

 

 




今回は短めです


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再び

短いです。


川神学園学年別野球大会

 

毎年開催されるイベントらしいが、俺達は基本控えだ。

 

しかし・・・ 

 

「マルギッテめ、大人げないぞあれは。」

 

「どうする?悠君。」

 

「しょうがねぇ・・・大和!選手交代だ!」

 

ワンナウトランナー一塁三塁

点差は4点

 

レフトに圭吾、センターに辰徳、ライトに俺、ファーストに隆一、キャッチャーに俊介。

しかしこれは・・・

 

「なんだか10年前を思い出すなぁ。」

 

「確かにあったわね。」

 

 

 

そして

 

 

カーン!

 

「ライトー!」

 

タタタタタタ

 

「速い!もう落下点に居る!?」

 

「でもかなり深いぞ?大丈夫だろ?」

 

パシッ!

 

「ゴー!」

 

「あ~あ、やっちゃったね。」

 

(ゴーじゃねぇよ、クソコーチャー!)

 

タタッ

 

「ら"ぁ"!」

 

ギュワッ!

 

ギュルルルルルルルルルルルルル!!!

 

バシィン!

 

「あ、アウトォ!」

 

「うおおおおおおお!なんだ今のは!?」

 

「低空でノーバウンドで帰ってきたぞ!?」

 

 

「久し振りに見るけど、やっぱりエグいわね。あの超低空超高速レーザービーム。」

 

 

「あれほどのレーザービームは見たことがない・・・さすがは悠飛殿。」

 

「あれでは無闇矢鱈に進塁出来ませんね。」

 

「おそらくレフトの圭吾殿とセンターの辰徳殿も出来るであろうな。」

 

「これ以上の得点は難しいですね。」

 

 

 

 

 

「よし、これで抑止力になるだろ。辰徳、頼んだぞ。」

 

「あいよ。」

 

そしてここからは俺達の独壇場だった。辰徳が塁に出て隆一がタイムリー3ベース。圭吾が粘ってフォアボールで出塁して俊介がセンター前に落とした。

 

そして

 

「予告しよう。お前からホームランを打つ。」

 

「おお!ホームラン予告!?」

 

「面白い。打てるものなら打ってほしいですね。」

 

ビュン!

 

(よし!外角低め渋いところだ。これでは・・・)

 

あめぇんだよ。

 

ブン!

 

ガキィイイイイン!

 

カラン

 

テクテク

 

ガシャン

 

「あ、やべ。窓に当たっちまった・・・弁償しねぇとな。」

 

「ホームラン!」

 

「うおおおお!!本当に打ちやがった!」

 

「しかも校舎直撃!」

 

 

「打った瞬間やったね。」

 

「バットも投げてたもんね。」

 

「でもあそこはあいつの一番苦手なコースやったんやけどな。」

 

「え?じゃあ今のってたまたま?」

 

「違うわ。()()()()()()()()()()()()()()()()。そもそも、外角低め(アウトロー)なんて皆苦手なコースやからな。やからこそバッテリーはそこに投げる練習をする。つまり・・・」

 

「逆にそこを打つ練習をするのね。」

 

「そういうこと。外角低め(アウトロー)は特にボールが遠く見えるからな。」

 

「じゃあ悠飛の一番得意なコースって?」

 

内角低め(インロー)。」

 

「といっても、俺の場合はインコースにめっぽう強いから大抵打つけどな?」

 

「おう、お帰り。」

 

「ラスト投げるやろ?」

 

「ああ。」

 

 

 

最終回

 

ズバァアアアン!!

 

「ストライク!バッターアウト!」

 

「は、速すぎる・・・」

 

「インテリ坊っちゃんには打てねぇだろ?」

 

その球速・・・

 

 

151km/h

 

 

「よろしくお願い致しますぞ!悠飛殿!」

 

「へ!いいじゃねぇか。その意気に敬意を表して、お前とマルギッテには全力で相手してやろう・・・!」

 

ダン!

 

「フン!」ビュウウウン!

 

ギュルルルルルルルル

 

ズドオオオオオオオン!

 

「・・・お見事。」

 

「ストライク!」

 

英雄が反応出来なかったのはその球速にある・・・

 

 

163km/h

 

「ひ、ひゃくろくじゅうさんきろ?」

 

「163km/hだと!?あんなのどうやって打つんだよ!?」

 

ビュウウウン!

 

 

ギュルルルルルルル!!

 

ブン!

 

ズドオオオオオオオン!

 

「ストライク、ツー!」

 

161km/h

 

「100マイルジャスト!追い込んだ!」

 

ビュウウウン!

 

ギュルルルルルルル!!!!!

 

ズバァアアアアアアアアアン!!!!

 

 

「ストライク!バッターアウト!!」

 

165km/h

 

「ひゃくろくじゅご?」

 

 

 

「あ、最速更新?」

 

「やね。前まで163やったから。」

 

 

 

 

 

ズバァアアアアアアアアアン!!!!

 

「ストラックアウトォ!ゲームセット!」

 

 

「完敗です。私もまだまだですね。」

 

 

そこからは俺達は役目を終えたので先に帰宅をした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガラッ

 

「ただいまっと。ん?客か?」

 

「あ、おじゃましてます。兄さん。」

 

「おじゃましてまーす!」

 

「お、スバル!ティアナ!よく来たな!」

 

「いらっしゃい!」

 

「パパ!」

 

「お、隼斗。ただいま!よいしょっと。少し重くなったかな?」

 

「あう?」

 

「可愛いですね、この子達。」

 

「子供が生まれるとな、我が子が可愛くてしょうがないよ。」

 

「べたべたですね・・・」

 

「お前達も子供が生まれたら分かるさ。」

 

「子供かぁ・・・」

 

「その前に彼氏を見つけないとな。」

 

「「出会いあるかな・・・」」

 

「きっと見つかるよ。2人とも美人なんやから。」

 

 

そんな話をしながら我が家で食事をした。

2人とも我が家の子供達にメロメロだった・・・

 

 

 

 

 

                       続く




皆さん、コロナには気を付けましょう


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久々の?

FGOフェス当たったけど、開催出来るんか?


「それでは、綾小路は特に報復は無しと?」

 

「うむ。事が事じゃからの。天帝に手を出せばどうなるか本家は重々承知しておるでの、それにあんな情けない理由では動くに動けんとの事じゃ。」

 

「それかラ、君達には綾小路から示談金が来ているヨ。」

 

「分かりました。それではお預かり致します。」

 

「これで私達には不干渉と言うことがよく分かったと思いますよ?」

 

「当主も甘やかしすぎたと言っておったわい。」

 

「では、我々はもう帰る。手間をかけた。」

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ・・・正直ヒヤヒヤでしたよ。」

 

「ホントよねぇ。我が旦那様ながら肝が冷えるわよ。」

 

「悪いな2人とも、無茶言うてもうて。」

 

「別にいいですよ?それが私達の役割なんですから。」

 

「王様達とユーリとイリスは局でお仕事中、なのはちゃん達も今育児中なんだから、私達がしっかりフォローしなくっちゃね。」

 

「ほんま2人には世話になってばっかりやな。」

 

「で・も、あんな無茶は極力御免よ?あんな怪物相手なんてまっぴら御免だわ。」

 

「安心しろキリエ。俺は基本手を出されなきゃ何もせんからな。」

 

「確かに、今回は向こうがはやてさん含めて家族に嫌がらせをしてきたから暴れたんですもんね。」

 

「暴れたと言えば語弊があるけどな?」

 

「とはいえ、龍巣閃・咬で顔をボコボコにしたんでしょう?」

 

「まあな。ギリギリ気絶しないように加減したからしばらくは生地獄やったろな。」

 

「悠飛君怒らせて命があるだけでもマシなんだけどね。」

 

「あんな親の七光り、殺す価値すらない。」

 

「言いきるんですね・・・」

 

「あと、2人に頼んだのはしばらく一緒に居てあげられなかったからな・・・この後何処かで食事にするか。」

 

(照れてますね。)

 

(照れてるわね。)

 

そうして俺達は昼食を摂りに行った。

 

 

 

 

 

 

「それで、どうなんですか?」

 

「何が?」

 

「学校よ。」

 

「ま、あれからは特にだな。結局あいつらの勉強を見てやってる感じだしな。」

 

「でも、昔に比べて随分楽しそうな顔をしてますよ?」

 

「そうか?」

 

「やっぱり、隼斗達が生まれたから?」

 

「・・・どやろな?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして夕方

 

 

カチャカチャ

 

「ふう、こんなもんか。」

 

「お疲れ様です、悠飛さん。」

 

「お茶持ってきたわよ。」

 

「ありがとな・・・」

 

「これは・・・」

 

「もしかして新しいMSの設計図?」

 

「ああ、いろいろ試行錯誤しては居るけどなかなか纏まらんのや。」

 

「まあ、今はそこまで焦る必要はありませんよ。」

 

「それもそうだな。よし!今日は終わりにして、子供達を愛でるぞぅ!」

 

 

 

 

次の日

 

 

 

 

「すぅ・・・すぅ・・・」

 

 

「ありゃりゃ。悠君ってばこんな所で寝ちゃってるよ?」

 

「珍しいな。まあ、ゆっくり寝かしといたれ。それだけ疲れてるってことやろ?」

 

「だね。だけど、ブランケットはかけないとね。」

 

「この感じは昼まで起きへんやろ。幸い今日は大して重要な仕事も無いから休ませようや。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ん・・・んあ?何でここで寝てんだっけ?って今度はアリスか・・・」

 

目を覚ますと上にアリスが乗って寝ていた。

 

 

「しょうがないな・・・」

 

「んみゅ。ぱぱ?」

 

「そのまま寝てていいよ。」

 

「言い訳無いわよ。ほらこっち来なさいアリス。」  

 

「やぁ~。」

 

「・・・やっぱり普段あなたが傍に居ないから甘えたいのかしら?」

 

「しょうがないな。今日はアリス背負って行ってくるよ。」

 

「ごめんね、疲れてるのに任せちゃって。」

 

「それじゃあアリサも行くか。」

 

「良いの?」

 

「別に構いやしねぇよ。あいつらの勉強を見てやるだけだから。」

 

 

 

 

 

 

 

そして

 

 

 

「ーーーーつまりここで長篠の合戦が起きて信長が伝来した鉄砲を使って行った戦法を三段撃ちだな。ここら辺はお前らも知ってるだろ。」

 

 

「・・・あの~、つかぬことをお聞きします。」

 

「どうした?委員長。」

 

「ずっと気になってたんですが、その背中の子は?」

 

「この子はアリス。俺とアリシアの子供でぐずってしまってな、やむ無く連れてきたんだ。許せ。」

 

「悠飛さん、ハーレムも大変なんですね。」

 

「子供の世話はな。まあ、我が子が可愛いのは否定できん。」

 

「悠飛殿は将来親バカになりそうですね。」

 

「おめえの親父がそれだってこと忘れるなよ?クリス。」

 

こうしてF組の歴史の補習をしていった。

 

この後、俺の歴史講座が評判で各学年から人気が出て講習をすることになる。そしてそのときに子供連れで来てるので子連れ講師と呼ばれることになったが特に気にすることはなかった。

 

 

 

                       続く




日常回でした。

結構難産でした。


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覇王覚醒

またアンケート取りたいと思ってます


とある昼下がり

 

今日は学園には行かず、久し振りに依頼を受けていた。

 

依頼と言っても今回は本当に軽く、さる有名な動物園にいるライオンの世話を頼まれていた。

 

俺の体質上、ライオンどころかシャチやホッキョクグマまでもが懐いてくるので手間はかからない。

 

「よし、依頼完了っと。」

 

「にしても悠君の体質、子供達にまで受け継がれてるとは思わへんかったな。」

 

「・・・まさかうちの子達にまで受け継がれてるとはな・・・成獣のライオンがグルーミングする程おとなしいとは・・・」

 

「しかも、護るようにずっと傍から離れんかったしな。」

 

「あんたの血ってどんだけチートなのよ。」

 

「俺に言われても知らんがな・・・」

 

願わくばこの子達が体質で苦労しないことを祈ろう・・・

 

 

そんな時だった

 

 

ゴオ!

 

 

「っ!」

 

「何や!?」

 

「川神学園のほうから?!」

 

「お前達、子供達の傍に居てやってくれ。俺達は出撃する。」

 

「気を付けてな。」

 

「・・・天帝隊、出撃!」

 

「「「「応!」」」」

 

バシュン!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バシュン!

 

「散!」

 

バッ!

 

「お前ら!四赤張れ!」

 

「「「「忍法・四赤陽陣!!」」」」

 

バァ!

 

「これで逃げることも入ることも出来んぞ。さて、葉桜清楚・・・否、清楚の覇王 項羽よ。貴様の力を封じに来たぞ。」

 

「貴様・・・確か天帝とか言ったか?何故俺の名を知っている?」

 

「貴様のその気が項羽と同じだった故な、簡単に分かったわ。」

 

「ほう、そのまま立ち向かうか?この俺に。」

 

「最強たる俺が相手せねばならんだろうが・・・」ボッ

 

「悠飛さん!」

 

「手を出すな、百代!・・・一瞬で終わらせる・・・!」

 

フッ

 

「なっ、消えっ!」

 

ドン!

 

「五行封印!」

 

「がっ!」

 

シュウウウウウウウ

 

「力が・・・」

 

「それで終わりだと思ったか?戯けめ・・・柔拳法・八卦六十四掌!!」

 

ガガガ

 

「八卦二掌!四掌!八掌!十六掌!三十二掌!六十四掌!!」

 

ガン!

 

「くそ!力が入らん・・・!」

 

「お前の力を封印し、全身の点穴を突いた。少なくとも今日一日は動けまい。」

 

ズァ

 

「あとはお前らの好きにしろ。俺は役目を果たしに来ただけだ。帰って子供達の相手をする。」

 

フッ

 

「あの人、一瞬で制圧して帰っていったな・・・」

 

「大和、任せた。」

 

 

 

 

 

 

 

 

項羽が目覚めた事により、川神学園に波乱が巻き起こった。

 

 

数日後

 

 

「模擬戦?」

 

「そうじゃ。川神学園で昔にやっておった中規模の集団戦での、義経ちゃん達の登場で復活の声が出ておるんじゃが・・・」

 

「ま、別にやらんでも良いだろ?そも、一々応える義理もなかろうに。」

 

「でハ、例年通り無しという方向に致しまス。」

 

「にしてもお主、あれはさすがにやりすぎじゃと思うがの。幾らなんでも六十四掌はの?」

 

「無力化させるためにああしたんだよ。感謝されこそはすれ、避難される筋合いはない。」

 

「結果的にはあんたに助けられたね。このカリはいつか精神的にさせて貰うよ。」

 

「あれを手懐けることを最優先にするんだな。さしあたってはうちの大和に頼んでみたらどうだ?あいつは武士娘の扱いに長けておるからな。」

 

「あの赤子か。」

 

「そういえば、揚羽様、英雄様、紋様のお三方もお認めになられておりますな。」

 

「大抵の局面はあやつの知略で切り抜けてきおったからな。ファミリーの軍師と言われることはある。」

 

「鍛えれば実力者になる素質もありよる。」

 

「お主らがそこまで言うとはの。」

 

「今度鍛えてやるつもりだしな。お前らも鍛えてやれば良かろうに。」

 

そんな話をしながら九鬼の従者舞台最強の3人を交えた話し合いは過ぎていった。

 

 

                     続く




まじこい編をどういう風にまとめていくか思案中


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最強であれ

アンケートありがとうございました。
結果は燕と清楚の2トップだったのでこの二人から着手します。


最近何かと松永燕から見られている・・・

 

 

「どうするん?このままってわけにも行かへんやろ?」

 

「まあな。それに、次代の四天王候補も最近イベントがなくて鬱憤が溜まってそうだしな・・・」

 

「ならば一人づつ相手をしてやれば良かろう。さすればあやつらも発散出来よう。」

 

「しかしギル。そうも簡単には行かんのだ。百代達が暴れるとなる相当な結界が必要になる。」

 

「話は聞かせて貰ったぞい。」

 

「ここは中々愉しそうな場所だな、天帝。」

 

「なんで俺まで来なきゃ行けねぇのかねぇ。」

 

「勝手に入って来るんじゃねぇよ。それとヒューム、殺気を出すな。うちの子供達が泣くだろう。」 

 

 

「すまないね。これヒューム、殺気を仕舞わないかい。」

 

「ぬぅ・・・」

 

「全く・・・ベディ、茶の用意を。」

 

「御意。」

 

「この屋敷内にいる殆どの者は人間では無いのか?」

 

「彼らは俺が従えてる英霊(サーヴァント)だ。」

 

「英霊?」

 

「かつて名を馳せた英雄・反英雄を現代に召喚したものでな。何故か俺と契約した英霊は受肉している。」

 

「と言うことは、彼らはクローンではなく本物と言うことですか?」

 

「半分正解、半分ハズレだ。彼らはあくまでも分霊。本体は英霊の座に登録されている。」

 

「そんなものが有るなんて知らなかったよ。」

 

「こいつは世界の裏側でも特に隠匿されているものだからな。召喚方法も秘密さ。」

 

そういって俺はベディが茶を持ってくるまで本題に入るのを待った。

 

 

 

 

「で、お前らがここに来た理由は?」

 

「実はの、モモ達の今の力を測ろうと思っての。お主に協力を頼みに来たのじゃ。」

 

 

「こちらとしても項羽が早く目覚めてしまったのでな。」

 

「あの暴れん坊を制御するには一度コテンパンにやられなければ分からんだろうしね。」

 

「成程・・・そうしながらも次代の四天王候補を見つけ出すか。確かに先代の揚羽は家業に専念すべく引退。松笠の鉄 乙女も家庭と仕事を両立するために引退。橘 天江はまゆっちに敗北して降格だったからな。そろそろ空白の席を埋めねばな。」

 

「候補はあるんですかい?」

 

「お前が育てている板垣辰子か?あいつは候補に挙がるだろうが・・・」

 

「辰子はのびのび育ててるんで・・・」

 

「本人の性格があれだしなぁ・・・」

 

「黛の娘は俺のイチオシだ。」

 

「だな。」

 

「問題は・・・」

 

「松永 燕か・・・」

 

「松永 燕に関しては紋様が武神、もしくは天帝に姉の揚羽様の仇を討ってくれと依頼を出されておるからな・・・」

 

「なんとまぁ・・・」

 

「・・・決めた。」

 

「何をじゃ?」

 

「四天王候補と項羽は俺が直接やってやる。」

 

「本気か?」

 

「例外として板垣辰子は免除する。但し、釈迦堂。貴様が責任持って育てるか川神院に預けろ。」

 

「分かりやしたよ。あいつは俺がのびのび育てまさぁ。」

 

「残りの百代と燕とまゆっち、それから項羽は俺が直々に相手をする・・・()()()()()()()()()()。」

 

「分かった。」

 

「だがそうするには協力な結界とそれなりの広さのバトルリングが必要だ。」

 

「ならばバトルリングは九鬼に任せて貰おうか。」

 

「帝様に申しておきます。」

 

「結界は儂とヒューム、釈迦堂とルーでやるとするかの。」

 

「すまんな。うちの連中は結界術が苦手でな、俺が居ねぇと上手く維持出来んのだ。」

 

「あんたらにも苦手なものはあるんだね。」

 

「そりゃ誰にだって有るわ。人間だもの。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから2週間後・・・

 

 

「ではこれより試合を始める。ルールは簡単だ。最後の一人になるまで続くバトルロイヤル。時間無制限、ルール無用!存分に戦え!」

 

「さて、てめぇら本気で来いよ。俺を殺す気でな・・・」

 

 

 

「なぁ皆、あの人の本気に着いていける自信はあるか?」

 

「正直無いよ。」

 

「俺も分からんな。」

 

「全くありません。」

 

「なら決まりだな。」

 

 

「言っておくが、今回の俺は10年前とは違うぞ百代。あの時は幻術でかわしていたが、今回は幻術は使わん。全力を持って来るが良い・・・」

 

「はい!」

 

「黛由紀江、貴様も本気で来い。半端な力では俺に一太刀も与えられん。」

 

「分かりました。」

 

「松永 燕。貴様も出し惜しみせずに来るが良い。計算高い貴様でも俺の力は測れまい。」

 

「はい。」

 

「項羽。貴様には王とは何かを見せてやる。」

 

「んはっ!楽しみだ。」

 

「それでは・・・始め!!」

 

「まずは川神流・無双正拳突き!!」

 

「戯けが!」

 

ドゴォ!

 

「なっ!?」

 

「貴様今まで何を学んでおったか!闘いにエンターテイメントは要らん!今まで一撃で仕留めてきて慢心したか!」

 

ゴォ!

 

「炎殺煉獄焦!!」

 

ドゴゴゴゴコ!!

 

「がっ!」

 

「ガードが温い!瞬間回復に頼っていたツケだ!」

 

「はぁああああああ!!」

 

「オラァ!」

 

ガギン!

 

「うぇ!?」

 

「如何に機械を組み合わせた攻撃と言えど、まだまだ練度が低い!それでは器用貧乏から抜け出せんぞ!」

 

チャキッ、チャカッ

 

ズドドドドドドドド!

 

「うわぁああああ!」

 

「はぁああああああ!!」

 

バシィ!

 

 

「力任せに振るうだけでは何も護れん!故に貴様の最期は四面楚歌なのだ!」

 

ぐるん!

 

「おわ!?」

 

「太極激震掌!」

 

ドゴォ!

 

「がはっ!」

 

ダダダダダダダ

 

シャッ

 

ガギン!

 

「殺気が丸見えだ。真の一流は相手に出方を悟られないように殺気や闘気は内に秘める。」

 

「勉強になります。」

 

ガッ

 

「飛天御剣流・・・」

 

「はぁ!!」

 

シャッ

 

「双龍閃!!」

 

ガギン!

 

ドガッ

 

「っ!?」

 

双龍閃──────

飛天御剣流()()()()()で一撃目と同じ軌道で二撃目の鞘を当てる抜刀術。鞘を帯から外しての技になるため察知されやすいのが欠点だが、()()()()()()()()()()()が存在する。

 

 

「全く・・・てめぇらに足りてねぇ物を教えてやるよ。

危機感だ・・・もしかしてお前ら・・・まさか自分が死なないとでも思ってないか・・・?」ゴォ!

 

「「「「っ!」」」」ゾクッ

 

「・・・臥龍天聖」ドゥ!

 

俺は迷い無く最終秘伝の一歩手前の力を解放する

 

「あ・・・あぁ・・・」

 

「これが・・・」

 

「天帝の・・・真の力・・・」

 

「お前達!構えろ!」

 

ドドドドドドドドドドドドドドドド!!!

 

『お前達はまだ・・・本当の恐怖を知らない・・・天敵を知らない・・・故に・・・』

 

そうして姿を現した俺の姿は・・・

 

「この俺手ずから理を示そう・・・!」ドン!

 

正に・・・龍人と呼べる姿だった

 

「この姿はうちの初代がかつて戦場でとった姿・・・故に初代は龍王とも呼ばれていた。」

 

俺の全身には龍を象った鎧が纏っていた

 

魔力の物質化──────

 

これこそが俺達一族に伝わる力の根幹。

気でも応用が出来る戦闘特化のスキルだ

 

「お前ら、いっぺん死ね。死んでやり直せ・・・!」コォオオオオオオ

 

「「「「!?」」」」

 

「龍王咆哮閃!!」

 

ギァオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!

 

「ぐっ!」

 

「体が・・・!」

 

「動かない・・・!」

 

「ぐぅ!」

 

(許せ、お前達の力を覚醒させるために今は眠れ・・・!)

 

「神雷・・・撃破!!」

 

ドガァアアアアアアアアアアアア・・・・・・

 

 

((((これが・・・最強・・・))))

 

 

 

 

 

 

 

「天候まで操るかい・・・デタラメだね。」

 

「これが俺達一族の力だ。」

 

「これは正に最強ですね。ヒュームですら敵いそうにありませんね。」

 

「本気になれば一国すら塵にする。めんどくさいからやらんがな。」

 

 

 

 

その日、各国が揺れた。

川神に落ちた天雷

天帝の怒りの鉄槌が落ちたと騒ぎ、事情を聞かされていない国々は戦慄した。

 

再び天帝の力を誇示したことで間接的に世界の情勢を安定させた悠飛であった・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おまけ

 

 

「ぱぱぁ~」

 

「よしよし、鳴海もすくすく育ってるな。これ鈴音、裾を引っ張ったらダメだぞ?」

 

「あう?」

 

「パパ、大丈夫?」

 

「あぁヴィヴィオ、鈴音を頼むよ。」

 

「うん!ほら鈴音、お姉ちゃんと遊ぼうね?」

 

「だぅ。」

 

「ごめんね、悠君。ご飯作るのに手間取っちゃって。」

 

「もう少しで出来るから待っててね?」

 

「あいよ。」

 

「こうしてみると本当に父親しとるのう。」

 

「分からないもんだね。」

 

「一気に6人も生まれたから余計にな。ま、苦じゃねぇよ。」

 

なんか終わってから鉄心とマープルがうちに上がってきていた。

 

まぁ子供達を見てくれるから良いんだがな・・・

 

 

                         続く




構想を練るのに時間がかかった・・・
さて、どのように進めるか・・・


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王として(聖杯問答)

大変遅くなりました。続きをどうぞ


「うっ・・・ここは・・・?」

 

「目が覚めたか。」

 

「悠飛さん?」

 

「私達は確か・・・」

 

「負けたのだな。」

 

「はい。」

 

「まだまだ世界を護るものとして負けてやるわけにはいかんわ。それより、起きたなら着いてこい。」

 

 

そう言って俺は4人を鍛練場に連れてきた

 

 

「まぁ座れや。ここからは特に項羽には有益な時間となる。」

 

「遅かったではないかマスター。」

 

「そう急かすものではありませんよ、征服王。彼女達が目覚めるのを待っておられたのですから。」

 

「貴様は相変わらず真面目よな、槍の騎士王よ。」

 

「待たせたな。そんじゃあやるか。」ドン!

 

「あの、悠飛さん。それは?」

 

「これは俺が作った酒だ。3年くらい前に醸造した物だが味の確認をせねばいかんからな。酒に煩い面子を集めて出来を見るのさ。」

 

パカッ

 

蓋を開けた瞬間に広がる酒特有の香りから良いものが出来たと確信した。

 

「3年前のものは出来が良いな。良い香りだ。」

 

「この国独自の甘い香りだな。」

 

「そりゃ米使ってるからな。ウルクの麦酒とは違うぞ。」

 

ザパァ、トクトクトク

 

「感想は遠慮無く言ってくれ。」

 

チンッ

 

「んっ・・・ゴクッ、うむ、思った通りの味が出来た。」

 

「中々に美味であるな。もう少し寝かせれば良い味になるだろう。」

 

「余はこれでもいけると思うがな?」

 

「日本酒は繊細なんだ。試飲してみないことには次の方針が立てられん。」

 

「そういうもんなのか?」

 

「征服王、貴殿はもう少し静かに飲めないのですか?」

 

「構わん。感想を聞いたのはこっちだからな。」

 

「では、恒例のやつに入るか。」

 

「そうさな。悠飛よ、貴様の王道とは何か。確認を取らせて貰おうか。」

 

「変わらんさ。俺の王道とはファミリーの全員欠けさせること無く戦い抜く。それが俺の王道だ。」

 

「変わらんな。では覇道はどうなのだ?」

 

「我が覇道は、世に仇なす害虫共を駆逐する。要はテロリスト共を鏖殺することだ。」

 

「これも変わらんな。」

 

「ではマスター。貴方の正義とは何ですか?」

 

「100年前から変わらんさ。悪は直に斬り捨てる、即ち──────

悪・即・斬。日本の武士や剣客はこの正義の下に戦う。」

 

「実に単純で分かりやすいではないか。我好みの解答だ。」

 

「ギルも変わらんな。」

 

「当然だ。我の掲げる王道とは我が法であることだ。」

 

「どうだ?分かったか項羽よ。これが真の王だ。騎士王アルトリア・ペンドラゴンは理想の王、英雄王ギルガメッシュは人を超越した王、征服王イスカンダルは人の身で限界を極めた王だ。皆それぞれの王道はあれど、どれも正しく道であった。お前が掲げる覇道は()()()()だ。その道には()()()()()()()()()()()?」

 

「俺の道・・・」

 

「百代。お前はもう少し戦いばかりではなく、私生活を見直せ。手っ取り早く山籠りが良かろうな。そうすればその戦闘欲求も落ち着くだろう。」

 

「うへぇ・・・」

 

「まゆっちはその力を隠すな。力を持つ者の使命として堂々としろ。要するに松風に頼るな。お前にはもう頼もしい友が居よう。」

 

「・・・分かりました。」

 

「燕に関しては親同士の問題、そこはお前の父親次第だ。」

 

「はい。」

 

「分かったならそんな暗い顔すんな。飯でも食って体力戻せ。」

 

それからはうちの英霊達が呑んだくれていたり、百代達に手ほどきをしたりしていた。

 

 

 

 

「所でお前らいつになったら大和にアタックするんだ?」

 

 

「「「「!?」」」」

 

「気付いてないとでも思ったか?」

 

「それに関しては・・・」

 

「踏ん切りつかねぇってか?」

 

そういうと全員黙りこくった。

 

「皆思うところはあるやろうけど、こういうのは思いっきり言った方がええよ?」

 

「はやて。」

 

「お疲れ様、悠君。」

 

「ま、手っ取り早く平和的に終わらせる方法が有るけどな?」

 

「それって何ですか?」

 

「ファミリー全員、俺の隊の傘下に入れば良い。そうすりゃあ大和はハーレムを作れるって事だ。」

 

「「「「それだ!」」」」

 

「ま、今は落ち着いてご飯食べたらええから。まずは食べて元気出さなね?」

 

「はやての言う通りだ。」

 

「それにしても、はやてさんって悠飛さんのこと良く分かってますよね。」

 

「まあな。幼馴染みで元許嫁で正妻やからな。」

 

「ちなみに、俺は中学の時にはやて達を抱いた。」

 

「「「「え//////」」」」

 

「嫌やなぁ、恥ずかしいやないの///」

 

「もちろん、避妊はしてたけどな。」

 

「ちなみに避妊は悠君が調合した避妊薬で周期とか変化は無かったよ。」

 

「悠飛さんって絶倫と言うやつですか?」

 

「違うぞまゆっち。底無しなのははやてとアリサとすずかだ。3人は一度スイッチ入るとこっちが精魂つきるまで搾り取ってくるからな?」

 

「その件はごめんなさい。」

 

「まあそんなこんなでお前らの面倒は一律で俺が見てやる。俺の管理下なら九鬼も認めるだろ。」

 

「その件は貴様に一存すると帝様が言っておられた。清楚だけでなくクローン全員お前達に着いていけば世界を知れるだろうと。」

 

「帝らしいな。」

 

この時に風間ファミリーとクローン組、そして葵ファミリーが俺達プロヴィデンス隊の傘下に入ることが決定し、後日全員と盃を交わすことになった。

 

 

 

 

 

                          続く

 




遅くなったのは母親が火傷をして家事を手伝っていて時間が取れなかったのとFGOの周回やヴァイスのデッキ強化案を考えていて遅れてしまいました。

燕と項羽のルートの話が濃いので時間かかりますしね。


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何気ない日常

皆さん忘れてるかと思いますが、この作品はうp主が影響を受けた作品のネタをぶちこんでいます。


天帝一家の朝は早い

 

AM 5:30

 

ヒュン!ヒュン!

 

 

「はっ!でやぁ!!」

 

この時間は朝の鍛練の時間。

 

各々が思い思いに体を動かす

 

バシバシ!

 

「ふっ!」

 

ドパァン!

 

ガシャン! ガシャン!

 

「フン!フン!」

 

ブン!ブン!

 

「ふっ!ふっ!」

 

「ふっ!ふっ!筋肉!筋肉!」

 

「まーーーーーーーーんっ!」

 

そんな鍛練場の一画では・・・

 

 

 

「悠飛さんって色んな所で才能見せてますけど、実際に役に立ったことってあるんですか?」

 

「何度かな。Nジャマーも実際に役立ってるし。」

 

「でもあれって電波障害が出るんじゃあ・・・?」

 

「ま、恭介の言う通りでは有るがリスクの無いものなんて無いんだよ。」

 

「悠飛さんの言うところの等価交換ですか?」

 

「似たようなもんだ。どんな技にもリスクが存在するように必ずどこかにリスクがある。お前にも思い当たる節が有るんじゃないか?」

 

「・・・確かに。」

 

「何かを得るためには同等の代価が必要となる。即ち等価交換の法則。それは必然的に何かを犠牲にする。物だったり金だったり、絆だったり・・・」

 

「う、心が痛いぜ・・・」

 

「お前はもっと反省すべきだと思うんだがな、恭介?」

 

「だからすまなかったって言ってるじゃねぇか謙吾。」

 

「お前らに昔何があったのかは深くは尋ねないが、ちゃんと過去の精算はしとけよ?」

 

 

 

一方その頃

 

トントントントン

 

ジュウ~

 

「はやて、そっちのやつお願いね?」

 

「うん。任せといてブーディカ。」

 

「私はこちらをやっておく。安心したまえ。」

 

「エミヤさん、そちらのものはこのお皿にお願いしますね。」

 

「承った。」

 

我が家の厨房は料理自慢達が占拠して皆の朝食と自分達の弁当の用意をしていた

 

 

「すまぬ、少し遅れた!」

 

「ええよ、王様。そっちは昨日遅まで悠君の補佐しとったんやからしゃあないって。」

 

「しかしだな、決められた当番を守らねば悠飛の妻などやっては「ストップ。」うぬ・・・」

 

「それに関しては誰も責めへんよ。むしろ悠君が心配するから。」

 

「ならばせめて配膳はやらせてもらうぞ。」

 

「お願いな~。」

 

 

 

AM 8:00

 

 

今日は休日なので屋敷で過ごす

 

それでも我が家は来客が絶えない

 

この日はまずヴァイスがやってきていた

 

六課が解散してからも、悠飛は元六課メンバーのよき相談役として屋敷で相談を聞いていた

 

 

「まあ、茶でも飲んで落ち着けや。そっからでも遅くはねぇだろ・・・ヴァイスよ。」

 

「うす。・・・まあ、相談って言うのはマグナムのライセンスを取ろうかと思ってましてね。」

 

「良いんじゃねぇか?お前なら使い方を間違えることはねぇだろ。」

 

「ありがとうございます。それと、もうひとつありまして・・・」

 

「なんだ?言ってみろ。」

 

「・・・実は妹と一緒に暮らそうかと。」

 

「ようやくか。やっとこさ踏ん切りがついたんだな。」

 

「おかげさまで色々吹っ切れました。アイツの眼を治して貰うためにこれから頑張って稼いでいかねぇといけませんしね。」

 

「ま、そのときが来たら言いに来い。特別価格で治してやる。」

 

「重ね重ねありがとうございます。」

 

そうしてヴァイスの相談を終えると彼は憑き物が落ちたように良い顔をしていた。

 

 

 

AM 11:00

 

悠飛の仕事はこれだけではない

 

自分の子供達の世話をするのも彼の仕事だ

 

 

「さてお前達、これは乱暴に扱ってはいけないよ?凄く精密な物だから慎重にね?」

 

「「「「「「はーい!」」」」」」

 

子供達に見せているのは俺の趣味である鉄道模型だ。自分で空いた時間でレイアウトを組んでさながら本物のように走っていく様を見せている。特に隼斗とリチャードと海飛は男の子だから目を輝かせていた。

 

 

「ふふっ、やっぱり隼斗とリチャードと海飛は男の子だね。」

 

「そうね。男の子って電車とかバスとかの乗り物が大好きよね。」

 

「それはゆう君の子供だからでもあると思うよ。」

 

「悠飛って多趣味だよね。」

 

「ま、30年前迄は娯楽のごの字も無かったからな。一度はまりこむと再現が無いのは一族共通やな。」

 

うちの一族は一度ハマったらとことんやる質だから皆すごい・・・

 

 

 

 

PM 2:50

 

子供達がお昼寝をしている時間帯は地下整備工廠で機体の整備だ。

 

「どうだ?うまく行きそうか?」

 

「いや、全くダメでさぁ。核融合炉非搭載のモビルスーツなんて現状バッテリーに頼るしかねぇわな。」

 

「そもそもモビルスーツは人類があと100年経ってようやく到達する兵器なんだろ?それをおいそれと新システム作るなんて無茶があるぜ?」

 

「日向の言うことも尤も何だが、国連やらが煩くてな・・・」

 

「核は放射能が危険でな、いくらNジャマーがあると言っても効果には限度がある。」

 

「そこを世界原子力機構(IAEA)が突いてきやがるんだよ。」

 

「一度汚染された場所は数年~数十年立ち入りができなくなるからな。海洋生物にも放射能汚染が広がるしで煩いのさ。」

 

「ま、そこは好き勝手戦争吹っ掛けてた馬鹿共に責任があるけどな。核エネルギーも適切に扱えば有用なエネルギーやし。」

 

「戦争仕掛けた馬鹿共の後始末などするつもりは無いからな。」

 

「とりあえず、色々思案するのは良いだろう。外からエネルギー補給出来ないことも視野に入れた発電装置なり何なり試せば良いだろ。何事もな?」

 

 

 

 

結局その日の会議でも纏まることは無かった

 

 

 

夕方

 

 

PM 5:00

 

 

 

「さて、今日は店仕舞いだ。片付けろ?」

 

我が家は基本夕方には依頼を切る

 

何事も詰め込みすぎは良くない

 

「お前らは今日は泊まっていけ、ティアナ、スバル。」

 

「いえ、その・・・」

 

「お邪魔じゃないですか?」

 

「心配するな。皆喜ぶ。」

 

「それじゃあ・・・」

 

「お世話になります!」

 

「そう畏まるな。いつも通りでええで。」

 

その日はうちの妻たちが嬉しそうにしていた

 

もちろんヴィヴィオも

 

 

 

 

 

 

PM 8:00

 

 

この時間は俺の単独の時間で好きなことをしていた

 

「・・・これはこうした方がリアリティが出るな。」

 

カチャカチャ

 

 

この時間にしていることは趣味の鉄道模型の調整だ

 

 

連結面の間隔と動きを調整したり、マニアックに架線から集電出来るように改造したり、各車両を電動車に改造したり等々、リアリティを追求してより実車に近づくように改造していた

 

「お前のそれってほんまに細かいよな・・・」

 

「パンタグラフは常に架線に当たるように自作してバネまで付けてるしな・・・」

 

「やるからにはとことんやるのが俺らやろ?」

 

とまぁこんな感じで俺たちの1日は過ぎて行く・・・

 

 

 

 

 

 

 

                        続く

 

 

 




普段悠飛達が何をしているかの日常回でした。


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最後のクローン

お久しぶりです
更新が遅れてしまい申し訳ないです
理由はコロナによる自粛疲れと持病の腰痛により途絶えていました
続きをどうぞ


ある日のこと

 

 

「・・・なあ、チャーよ・・・」

 

「・・・言いたいことは分かりまさぁな。」

 

「・・・いくらなんでもやりすぎや。マルチプルアサルトストライカーとか、こんなん重量有りすぎて大気圏内じゃ取り回ししづらいやないか。」

 

「あいつらには言ったんですがねぇ・・・」

 

「せめて簡素化した新しいストライカーパックの開発をだな・・・それにデスティニーシルエットとかこんなもんインパルスの構造上負荷がでかすぎてコアスプレンダーが持たねぇよ。」

 

 

「明らかにインパルスの設計思想からかけ離れとるな・・・これじゃあ専用の非分割構造の本体造らんなアカンなやいか?」

 

「・・・馬鹿共のせいで頭痛なってきたわ・・・」フラッ

 

「おい!?悠飛!?しっかりせぇ!」

 

 

「誰か担架持ってこい!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数分後

 

 

 

「これは過労ね。1週間安静にしてなさい。」

 

「・・・面目ない・・・」

 

「まあ、悠君は働きすぎやったしな。これを機にゆっくりしたらええやん。」

 

「主な原因はあの馬鹿者共が原因だろうがな。それを抜きにしても養育費に我らサーヴァントのエネルギー源である食事も稼がねばならんからな。こればかりは起こるべくして起こったものか・・・」

 

「サーヴァントの皆には私から言っとくよ。働かざる者食うべからずってね。あっ、子供系のサーヴァントは別だけどね?」

 

そんなこんなで俺が過労で倒れたことにより嘗ての英霊達は適材適所の労働を始めたのであった・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

1週間後

 

 

 

 

「全く・・・ひどい目に遭ったわ。」

 

 

俺は1週間ぶりに学園に来た

 

 

「大丈夫ですか?過労で倒れたと聞きましたが?」

 

「1週間安静にしてたおかげで良くなったよ。」

 

「機密ですのでここでは詮索しませんが、原因はギルドですか?」

 

 

「ああ。戦線メンバーば馬鹿ばっかりだからな、頭を悩ませている。」

 

「バスターズはどうなんすか?」

 

「ガクト、バスターズはああ見えて以外と賢いからな?それぞれ役割をしっかり理解して行動する。」

 

「あの真人を除いてな。」

 

「井ノ原ですか?」

 

「あいつは正真正銘本物の馬鹿だ。だがあいつもやればできる。下手をすればフランス語も喋るぞ?」

 

「なぜフランス語?」

 

「「「「馬鹿だから。」」」」

 

そんなこんな有りつつその日の終わりのSHR

 

 

 

「さてと、帰るとしますかね。」

 

「そうだな。今日は珍しく依頼も入ってないし・・・」

 

 

ズン!

 

 

「ッ────!臨戦態勢!」

 

「何だ!?この殺気は!」

 

「こがぁな異質な殺気は初めてやぞ!?」

 

「これは・・・近いぞ!」

 

ガラッ

 

「Sクラスから?」

 

ガラッ

 

「・・・成程、そういうことか。」

 

「天帝・・・!」

 

「最上旭・・・川神学園評議会議長か・・・」

 

「あら、私のことをご存知でしたか?」

 

「この学園を知るために色々調べたからな。で?この殺気はお前か?」

 

「ええ。改めて、最上旭・・・木曽義仲のクローンよ。」

 

「木曽義仲・・・また源氏の時代の義経のライバルで有名な武将のクローンとはな・・・で?これは挨拶代わりのつもりか?」ゴォオオオオオオ

 

「ッ────、本当に勝てる気がしないわ・・・」

 

「圭吾、闘気を仕舞え。」

 

「しかしな!」チャキ

 

「圭吾!」

 

ドゴオオオオオオオオオ!!!!

 

ビキビキィ!

 

『か、貫禄半端ねぇ!!』

 

「刀を戻せ・・・」

 

「解った・・・そう気を荒立てるな、悠飛。」

 

「すまんな。此方としてもこの事態は看過できん状態でな。お前の父・・・最上幽斎を、この時より第一級危険人物として扱うことになる。そう伝えておけ、英雄。」

 

「はい!直に父上以下九鬼全体に伝えます。あずみ!」

 

「了解しました。」

 

「さて、お前には事情聴取をせねばならん。こいつらが不機嫌なのも、折角久しぶりに依頼がなくて休みにできると思った矢先にこうなったからでな?悪く思わんでくれ。」

 

「それはなんとも・・・ごめんなさい、そんなときに騒ぎにしてしまって。」

 

「聴取は俺らでやる。お前はまだ休んどけ?また過労で倒れられたらたまったもんじゃねぇからな?」

 

「わぁってるよ。」

 

「ホホ。では話が纏まったところで修理して貰おうかの?」

 

「・・・そうだな。」

 

自分が放出した気で周りがボロボロになっていた・・・

 

 

「病み上がりだから上手く出来るかわかんねぇぞ?」

 

パン!

 

ドン!

 

バシィ!

 

 

「相変わらずうめぇな。」

 

俺が壊した部分だけは新品のようにキレイになっていた

 

「さて、今日はけぇるぞ?久々でまた疲れた。」

 

「せやな、()()()そのまま帰って休んどけ。」

 

「随分棘がある言い方だが、お前らにも原因があるってこと忘れんなよ?」

 

「「「「そうやった・・・」」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

こうして俺が過労で倒れたり、最上旭が木曽義仲のクローンであることが分かったりと今月は色々あった

 

先ずは帰ってしっかり寝ようと思う今日この頃だった

 

 

 

 

 

 

 

                          続く




皆さん如何お過ごしですか?

私は仕事がなくて自粛疲れになって参っております。


更新が遅れたのも、仕事が出来ないことによるストレスでインスピレーションが湧かなかったのです。

追伸

もし追加してほしいヒロインが今したらご意見ください。
お待ちしております。


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梁山泊と曹一族

大変遅くなりました。

理由は自粛疲れと営業再開による忙しさ、かつシンフォギアのなのはコラボの集会をしていたが為に遅くなりました。

続きをどうぞ


ある日の夜

 

 

「何?梁山泊と曹一族に動きが?」

 

「何でも最上幽斎によって損害を被ったとか、大和がお前と同じ盧俊義の資質があるとかでな。」

 

「成程な。後者の方が重要だろうが、前者もあるだろうな。」

 

「ま、良い機会だ。これを機に梁山泊と宋一族を引き込むか。」

 

「また思いきったことをかんがえたな。それともお気に入りが居るからか?」

 

「さて、何のことか解らんな?」

 

「それよりも奴らをどうするかだな。」

 

「とりあえず様子見だ。ドンパチやり始めたら止める。この方針は変わらんが・・・一応、密書を送っておくか。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数日後

 

 

ふと川神市内から闘いの気配を感じた

 

「悠飛。どうやら少し遅かったみたいだぞ?」

 

「・・・そうか。」

 

「思たよりも早かったな。」

 

「しょうがない。行くぞ。」

 

 

ギャリリリリリリリ!!!!

 

 

「出動!」

 

「「「「応!」」」」

 

 

ブォオオオオオオオオオ・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ん?この気配は・・・最上幽斎と最上旭か?

 

それに大和が居るみたいだな。巻き込まれたか・・・

 

 

このままじゃ不味いな。

 

 

 

「双方やめぇい!!」

 

「「「!?」」」

 

「この国で勝手に報復させるわけにはいかんのでな。出張らせて貰った。」

 

「悠飛さん!」

 

「大和、お前は巻き込まれ体質なのか?何かにつけてトラブル抱えよって。」

 

「悠飛?・・・まさか!」

 

「淋冲、あれは間違いなく天帝だ。この場は従おう。」

 

その時、淋冲のケータイから『にゃーん』と可愛い着信音が聞こえた

 

そして驚いた表情でこちらを見たので内容はだいたい予想できた

 

「天帝よ、貴方はこうなることを予想されていたのですか?」

 

「そんなわけあるか。これは結果論だ。」

 

そう、これはあくまでも結果論でしかない。防ごうと思えばもっと早く防げたのにな・・・

 

 

「そういうわけだから、曹一族・梁山泊と俺らの合同会合は後日こちらから指定する。この国で勝手なことをすればどうなるか分からんお前らでな無かろう?」

 

「・・・分かった、貴方に従おう。行こう、武松。」

 

「ああ。」

 

「待て。」

 

すっ

 

「手間かけさせた詫びだ。取っとけ。」

 

「これは?」

 

「後で二人で食え。味は保証する。」

 

そう言って俺は二人にお手製のお菓子を渡した。

 

 

後から聞いた話だと、武松がそれをいたく気に入ったそうだがこれはまた別の話だ

 

「で?なんでお前がここに居るんだ?大和。」

 

「最上先輩に夕食を誘われまして・・・」

 

「少しは警戒しろや。」

 

 

「これはこれは。君が噂の天帝だね?」

 

「貴様に名乗る義理はない。貴様のような胡散臭い輩にはな。」

 

「これは手厳しいね。」

 

「戯けめ。貴様が斯様な事態を引き起こしたくせによくもまあぬけぬけと言いよるわ。」

 

「言っておくが、貴様は既に第一級危険人物に登録されている。既に俺のファミリーが見張っている・・・このようにな。」パチンッ

 

俺が指を鳴らすと、気配を消していたアサシン達が最上幽斎の首に剣を突きつけていた

 

「どういうこと?今まで全く気配を感じなかったなんて・・・!」

 

「こいつらはかつて歴史に名を残した英霊達だ。気配遮断スキルを使えば人間の感知では見つけられんよ。」

 

 

本当は霊体化させていただけだが、そこまで言う義理はない

 

 

「つー訳で帰るぞ、大和!」

 

「はい!」

 

「やれやれ、また仕事が増えた・・・」

 

 

それから3日後

 

 

「本日はお集まりいただき、ありがとうございます。書記は私、アミティエがさせていただきます。」

 

「先ずは俺から各代表に集まって貰ったこと、深く御礼申し上げる。今回の会合は梁山泊・曹一族共に利となる事を心より願っている。」

 

「こちらこそ、かの有名な天帝殿にお呼ばれいただき光栄である。私は曹一族代表、史文恭だ。」

 

「私は先日会ったが改めて。梁山泊、豹子頭の淋冲だ。」

 

「補佐の武松。」

 

「これは失礼した。天帝一家(プロヴィデンス・ファミリー)の長、龍神悠飛だ。そこにある茶と菓子は好きに食べて貰っても構わない。招いたのは此方だからな。対応は十全に行おう。」

 

そうして会合は各陣営の現状の話がされていった。

 

「────以上が我々の置かれている状況だ。」

 

「成る程、調べていた通りの状況であるな。」

 

「我らとしてもこの状況を打破しなければいけない矢先にあのM・・・最上幽斎の一件だったからな。」

 

 

ここだな・・・

 

 

「そこで俺から梁山泊・曹一族両陣営に提案がある。」

 

「ほう?」

 

「提案だと?」

 

「聞かせて貰えないか?」

 

「俺がお前達に提案するのは、俺のファミリーの傘下に入らないか?っと言うことだ。」

 

「なっ!?」

 

「我々を!?」

 

「そんなこと・・・!」

 

「俺はお前達の実力を正しく理解しているつもりだぞ?こんな良い戦士達が戦争をしなくなった世界に置いておくのは勿体無いからな。となればまとめて面倒を見るのが手っ取り早いだろう?」

 

「そんな理由で我々を引き込もうと?」

 

「もちろん、お前達のことが気に入った。ということなんだがな?俺からお前達に提供できるのは居場所と誇り、お前達が俺に与えられるのは確かな戦力。俺が居る限り、この世界で戦争を起こそうとするものは必ず滅ぶ。故に俺はお前達に戦う場所を与えてやりたい。ま、戦えるのはいつになるか分からんがな?」

 

「そんなあっさりと・・・」

 

「気に入ったぞ、天帝殿!曹一族は私から説得して組ませて貰おう。何より今まで本の中でしか存在しないと思っていた異世界で戦えるかもしれないのだ。それこそ本望だろう。」

 

「良い返事だな、史文恭。益々気に入ったぞ?」

 

「梁山泊からは少し時間が欲しい。何分うちは大所帯だからな。」

 

「良い返事を期待している。」

 

「では本日の会合はこれにて終わりとさせていただきます。各陣営、返答が分かり次第再度お尋ねください。」

 

「今日は遠いところからご足労いただき感謝する。良ければうちに泊まっていくと良い。客間を用意させよう・・・ベディ、居るか?」

 

 

「御呼びでしょうか、マスター。」

 

「客間に案内してやってくれ。一人一部屋でな?」

 

「畏まりました。」

 

「それから、屋敷の食堂と温泉と多目的部屋の場所を案内してやってくれ。」

 

「御意。」

 

「いや、さすがにそこまでして貰うわけには・・・」

 

「良いから泊まっていけ。うちの雰囲気を体験していけば答えも出るだろ。」

 

 

「そこまで言うならお言葉に甘えるとするか。淋冲と武松も大人しく聞いた方が良いかもしれんぞ?」

 

「ちなみに、この屋敷で許可無く戦闘でもしようものなら仕置きが待っているからな?覚悟があるなら始めるが良い。」

 

この言葉に3人は戦慄した。

 

 

この後のことは特に話すことはない。強いて言えば皆屋敷の居心地が良かったらしく、俺たちの仲間になったことで入り浸るようになった。

 

 

そして梁山泊・曹一族が俺たちと友好関係を築いたことで世界の情勢がまた動くことになるのだが、知ったことではない

 

 

 

 

 

 

 

 

                        続く

 




皆さんは大丈夫ですか?

私は大分参っていましたがどうにかこうにか持ち直すことが出来ました。

そろそろ修学旅行の話しでも作ろうかな?


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修学旅行と道標

なのはコラボ楽しかったけど、これコラボシナリオ書かないといけないパターン?


梁山泊・曹一族との会合からしばらくが経った

 

 

「では、修学旅行の班を決めるように各自話し合いをしろ。」

 

といっても、大体一緒のメンバーになるだろうが・・・

 

 

「まさか修学旅行でまた京都に行くことになるとはな・・・」

 

「200年前よりマシだろうがな。」

 

「それでも、あっちに戻ると否が応でも思い出しちまう。」

 

「そうやな・・・」

 

(なんか、悠飛さん達が神妙な顔をしてるんだが?)

 

(アレだよ。悠飛さん達の出身って近畿地方だから昔の事を思い出してるんだと思うよ?)

 

(さすがに詮索するのは気が引けるよなぁ。)

 

そんな一幕があったが無事いつものメンバーになった

 

 

帰り道

 

「流石に抜け出して墓参りには行かれへんよなぁ・・・」

 

「学長に相談したらどないや?」

 

「いや、先ずは小島先生だろうよ。」

 

「そやね。それに、うちの子供達の面倒を王様達に任せなあかんし。」

 

「そこは問題ないやろうけど・・・あの子達のことも考えて飛雷神で飛べるようにせんとな。」

 

「それともう一つ。源氏トリオはどうするよ?」

 

「それについても考えがある。千里眼で見えたが、義経と旭は修学旅行の後に決闘する。今のままでは義経は旭に勝てない。そうなれば暁光計画とか言うものが発動するだろうな。詳しい内容はまだ分からんけど。」

 

「と言うことは・・・」

 

「ああ。大和に百代、明日俺の屋敷に義経を連れてこい。」

 

「「分かりました。」」

 

 

そして翌日

 

「悠飛さん、連れてきました。」

 

「入れ。」

 

ガラッ

 

「お邪魔します。」

 

「良く来たな、義経。」

 

「こちらをどうぞ。」

 

「あ、ありがとうございます。」

 

「さてと、回りくどい言い方は無しにさせてもらう・・・義経、お前には俺の修行を受けてもらう。」

 

「!」

 

「悠飛さん!?」

 

「騒ぐな。義経、はっきり言えば今のお前に最上旭は倒せない。」

 

「そんなはっきり言わなくても・・・!」

 

「話は最後まで聞け!この馬鹿共が。だからこそ俺が修行をつけてやるんだ。修学旅行明けから半月で修行を完成させるつもりだ。」

 

「勿論、私達も協力するよ。体を壊さない範囲でメニュー組むからね。」

 

「なのはの組むメニューは利に叶っている。特に無理のないメニューなら右に出るものは居ない。」

 

「義経ちゃんはその速さが要だから高速戦闘を主眼として組んでいくね。」

 

「頼む。そこで俺とみっちり修行して強くなってもらう。その為には何だってしてやる。」

 

「例えばまゆっちとかですか?」

 

「そうだ。あらゆる手練れ、強者と闘うことで短期間で爆発的に強くなってもらう。あやつを倒すには強さの壁を越えた剣士、または人を越えた存在と闘うのが一番手っ取り早い。」

 

「そのお手伝いを我々がさせていただきます。」

 

「失礼ですが、こちらの執事さんは闘えるのですか?」

 

「勿論だ。彼の名はベディヴィエール。嘗てブリテンを治めていたアーサー王の最古参の剣士兼執事だ。円卓の騎士の一人と言えば分かるか?」

 

「ちょ、円卓の騎士ってあのアーサー王に仕えた伝説の騎士じゃないですか!」

 

「彼は英霊(サーヴァント)だ。クラスはセイバー。人妻ニアや太陽のゴリラに比べて常識人だ。」

 

「円卓の中ではって意味になりますがね。」

 

「グランド碌でなしより何倍もマシだろうが・・・」

 

「碌でなし?」

 

「まあそこは置いといて、他にも色んな英霊が居るからな。人智を越えた存在と修行ならいくらでも強くなれる。」

 

「その通りだ。実践に勝る修行なしと言うのだろう?」

 

「いつの間に入ってきたんだよ・・・()()()()。」

 

「えっ?今スカサハって・・・」

 

「大和、随分神話に詳しいな?」

 

「大和は10年位前まで中二病だったんですよ。」

 

「姉さん!?言わないでよ!?」

 

「・・・成程な。」

 

「悠飛さんもそんな目で見ないでくださいよ!」

 

「まぁ大和が中二だった過去は置いといて、スカサハ。やるからにはメニューを守ってもらうぞ?現代人にケルト式はまずい。」

 

「分かっておる。小娘よ、厳しくするから覚悟しておけよ?」

 

「はい!」

 

そんなこんなで義経の修行が決まった

 

 

そして二日後

 

 

プァアアアアアアン

 

 

「カード麻雀って偉大だよな。こんなところでも出きるんだから。」

 

すっ

 

ペラッ

 

「ふむ。槓。」

 

ペラッ

 

「ツモ!四暗刻!8000/16000!」

 

「な!?イカサマしてないっすか!?」

 

「してねぇよ!こんなん運にきまってんだろ!」

 

何だかんだで新幹線の中で楽しんでいた

 

「龍神、ちょっといいか?」

 

「小島先生?」

 

「以前言っていた件だが、お前なら問題ないと言うことで行ってきて良いそうだ。」

 

「分かりました。お手間をおかけしました。」

 

「日頃からこっちが世話になっているからな。たまには我儘を聞いてやるのが筋だろう?」

 

『まもなく、京都~京都に着きます。お降りのお客様は網棚や座席にお忘れもののないようにご注意ください。』

 

「さっ、降りる準備するぞ。」

 

ま、俺達は別行動なんだが

 

「それでは小島先生、行ってきます。」

 

「気を付けてな。」

 

「行こう、皆。」

 

「「「「「「うん!」」」」」」

 

そこから俺達は更に近○特急で奈良方面に向かって隠れ里に向かった。

 

2時間後

 

「ふう。思ったよりも綺麗で良かった。」

 

「多分江里夏が時々来てるんだろうな。優しいあの娘のことだからマメに会いに来てるんだろう。」

 

そんなことを言ってたら

 

「あれ?お兄ちゃん達なんでこんなところに?」

 

「噂をすれば影だな。」

 

「久しぶり。元気そうで何よりだ。」

 

「うん、久しぶり。ところでどうしてここに?今川神に居るんじゃ?」

 

「修学旅行で京都に来たからいでに顔を出しに来たんだ。次はいつこれるか分からないからな。」

 

「それで。」

 

「随分綺麗にされてるけど、やっぱり江里夏が?」

 

「うん。皆が来れないから私だけでもって。」

 

「ありがとうな。皆が喜ぶよ。」

 

「お姉ちゃん達も?」

 

「ああ。あの後に6人全員産まれてな。それでそのまま全員こっちで育児休暇取ってきたんだ。」

 

「そうなんだ。おめでとう。」

 

「ありがとうな。よかったら今度こっちに遊びに来ると良い。皆が喜ぶし、子供達も喜ぶよ。」

 

「分かった。」

 

「おーい!そろそろ時間だぞ!」

 

「分かった!それじゃ江里夏。また今度な。」

 

「うん。気を付けてね!」

 

こうして1日目は移動と墓参りで終わった。

 

 

修学旅行2日目

 

「う~む・・・何を買って帰るべきか・・・」

 

「無難に八つ橋とかじゃねぇか?」

 

「無難すぎね?」

 

「レヴィなら喜ぶだろうけど、他の皆も居るし・・・」

 

今俺は皆に持って帰る土産で頭を悩ませていた

 

「私達も考えるから大丈夫だよ?」

 

「そやね。悠君はゆっくりして待っててな?」

 

「いや、しかしな。」

 

「いいから、悠君は休んでて。ずっと仕事に育児に学校にで忙しくて碌に休めてないんだから・・・」

 

それを言われたらな・・・

 

「分かったよ。でも代金は全部俺が出すからな?お前らこっちの金持ってねぇだろうし。」

 

「「「「「「あっ・・・」」」」」」

 

やっぱり失念してたな

 

「そりゃあお前らはずっと管理局の仕事だけしてたから向こうの通貨は持ってるけど、こっちじゃ仕事してないだろ?俺らは昔からの依頼料で国庫並みかそれ以上の貯えがあるけどよ・・・」

 

「そうやったな・・・」

 

「結局私達って旦那様の稼ぎで暮らしていけてるんだもんね・・・」

 

「私とすずかもたまにこっちでの仕事はしてたけど、悠飛に比べるとね・・・」

 

「会社の資産どころか国庫以上だもんね・・・」

 

この世界で生まれたなのは達からすれば働いていても可笑しくない年齢で、魔法と出会わなかったらこんなことにはなっていなかったはずである・・・

 

「まあ、ここは旦那の俺に任せとけ。払いなら幾らでもできる。」

 

「そうするわ・・・」

 

そんなことがありつつも土産は無事に決まって購入できた

 

ザバァアアア

 

 

「ふう。今日は久々の京都で疲れたわ・・・」

 

「悠飛さん、地が出てますよ?」

 

「構わんよ、冬馬。元々の地元は南隣の県やしな。」

 

「言い方・・・ん?てことは悠飛さんって奈良出身なんですか?」

 

「そうや。隠れ里がそこにあったんや。」

 

「あった、ということは・・・」

 

「大昔に俺らで滅ぼした。」

 

「自分の里をですか?」

 

「別に構いやせぇへんわ。今の俺があるんはあの時のことがあったからや。悔いはない。」

 

「尤も、10年前までは俺らも割りきれてなかったからもう一度里に行くのに時間かかったけどな。」

 

「さ、折角の温泉でしみったれた話は終わりや。今はこの温泉を堪能しようや。」

 

「それは賛成ですな!」

 

「確かに、折角の温泉を楽しまずに帰るなんて勿体無いですからね。」

 

「でも気ぃ付けろよ?こいつは滅茶苦茶長湯やぞ?」

 

「せやな。1時間位平気で入っとる。」

 

『1時間!?』

 

「最近の若いもんはシャワーだけとか、短い間しか入らへんな?最低でも5分以上は浸からんとあかんぞ?やないと体の芯まで温まらへんからな?」

 

と、俺の蘊蓄が始まったりしたが、大抵ためになる話をしていたので皆耳を傾けていた。

 

夕食

 

「今日は俺の奢りだ。普段俺の講義を頑張っているお前らに褒美だ!たんと食いやがれ!それじゃあ、乾杯!!」

 

『カンパーイ!!』

 

「しかし良いのか?こんな豪勢な料理を修学旅行生全員になんて。」

 

「普通なら破産する規模だな。」

 

「問題ありませんよ。うちの財産は国庫以上なんで。」

 

「おまっ、どんだけ稼いでんだよ!?」

 

「そりゃあ、依頼主が国家元首だったり国連だったりですからねぇ。」

 

「それを毎月報酬で貰っているのだろう?」

 

「毎月じゃありませんね。1週間に1度です。」

 

「毎週!?」

 

「そりゃあ国庫以上の財産持てるわな。」

 

「たまにエリザベス女王やモナコ公国の王とかからも依頼が来てますね。」

 

「王族からも信頼されているのか。」

 

「クイーン・エリザベスは常連ですがね。」

 

「まじかよ!?」

 

「まあ、10年前にガーター勲章を戴いたので護衛として公務に随伴することが殆どですが。」

 

「ガーター勲章だと!?日本人でそれを持っているのは現在の天皇陛下だけだったのでは!?」

 

「公にされてませんでしたからね。我々5人持っていますよ。陛下からの希望で。」

 

「元々我々は陛下と同じ勲章を貰うことはしたくなかったのです。ですが陛下の・・・いや、皇族の総意でもあると言うことで戴くことにしたのです。」

 

「そんなことがあったのか・・・」

 

「おじさん、ますますお前達のことが怖くなってきたわ・・・」

 

「勲章は正式な場でしか付けることが出来ませんからね。今は屋敷の自室に有りますよ。」

 

「そんな方々から依頼を受けると言うことは相当な報酬が出るのだろうな?」

 

「ええ。最近だと1000万ポンド・・・約13億と聖遺物ふたつでしたね。」

 

「13億!?」

 

「それに聖遺物と言っていたな?」

 

「ええ。嘗てこの世界で名を馳せた英雄達の所縁の剣やら衣類だとかを戴いてますね。」

 

「うちには世界遺産クラスの遺物が山ほど有りますからね。」

 

「だから国庫以上なのか。」

 

「因みに過去最高金額は1兆でしたね。」

 

「お前らもう国の運営できるんじゃね?」

 

「やりませんよ、めんどくさい。」

 

そんな話をしながら皆豪華な料理に舌鼓をうっていた

 

 

 

そして最終日

 

「ここら辺もすっかり変わったな。」

 

「100年前とは大違いやな。」

 

「言うても変わらんとこもあるわな。」

 

「そりゃあここは太秦映画村やからあえて残してるんやけどな。」

 

「明治村もおんなじ感じやろ。」

 

「「「「ちげぇねぇ。」」」」

 

「でも、義経ちゃんは楽しそうだよ?」

 

「確かにテンション高めだな。」

 

 

「ま、今は英気を養って明後日からの修行に専念して貰うには良い具合じゃねぇか?多分、大和が絡んでるのもあるがな。」

 

「あいつもかなりのスケコマシやな。」

 

そして楽しかった修学旅行も終わりを告げて

 

プァアアアアアアン

 

「あれ?」

 

「あっ・・・」

 

「ふふっ。」

 

なのはとフェイトとはやてが見たのは新幹線の中ですやすやと眠る悠飛達の姿だった

 

「すぅ・・・すぅ・・・」

 

「くかー」

 

「Zzz」

 

「やっぱり皆疲れてたんやね。」

 

「向こうに着くまで寝かせてあげよう。」

 

「そうだね。」

 

この翌日、旭から義経に宣戦布告が為され正式に決闘の日取りが決まった。

 

日程は俺が見た通り2週間後

 

そして決戦が近づいていく──────

 

 

 

 

 

 

 

                        続く




今回はかなり長くなりました。

義経への道標と修学旅行を纏めたために長くなりました。

次はいよいよ決戦です


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決戦

義経が原作よりパワーアップしました


修学旅行から帰ってきて2日後

 

 

 

 

 

「失礼します。」

 

 

「入れ。」

 

 

ガラッ

 

「悠飛さん。先程義仲さんから決闘を申し込まれました。」

 

「・・・そうか。ならやることは決まっているな。」

 

「はい。よろしくお願いします!」

 

「では、なのは!」

 

「うん。これがメニューね。」

 

カサッ

 

・・・うん。しっかり組まれてるな。俺が直接やるのは終盤か・・・

 

「よし、それじぁあまずは餅は餅屋ってことで・・・牛若!頼光!」

 

ガラッ

 

「お呼びでしょうか、主殿!」

 

「母をお呼びでしょうか?」

 

「・・・まあ、いい。義経、最初は勝手知ったる源氏同士でやって貰う。源氏の祖とお前のオリジナルだ。みっちり仕込んで貰え。」

 

「はい!」

 

 

そうして短期集中型の修行が始まった──────

 

 

 

それから4日たった日のこと

 

 

カーン、カーン・・・

 

 

龍神家鍛冶場

 

ゴォオオオオオオ!!!!!

 

 

カーン!カーン!キーン!

 

 

ガサガサ

 

 

「ふう。久しぶりに打つけど、中々良いものが出来そうだな。」

 

「特殊なレプリカとはいえ、お前が打つんやから名刀レベルを越えるぞ?」

 

「うっかり妖刀造るなよ?」

 

「何を間違えたらうっかり妖刀造るんだよ・・・」

 

そう、今俺は義経のために刀を打っている

 

嘗て義経が使ったとされる薄緑・・・もとい膝丸はまさに名刀なので造るのに時間がかかる

 

何しろ資料が少ないからな

 

「で?完成度は?」

 

「7割って所か・・・」

 

「分かった。柄と鞘を造り始めるわ。」

 

「頼む。」

 

 

その翌日

 

 

「確か今日の担当はスカサハだったか?」

 

「ああ・・・にしても憑依経験とは思い切った修行法をするな?」

 

「どのみち俺らの管轄に来るんだから遅かれ早かれってやつだよ。」

 

ガラッ

 

 

「さ、仕上げに入るぞ。」

 

「あいよ。」

 

仕上げは俺と圭吾による刀身と柄、鍔、鞘の合わせだ。あの後俺は一晩中刀を鍛えて波紋の焼き入れも終わっていた

 

後は穴を合わせて目釘をするだけだ

 

 

コンッ コンッ

 

 

「よし、これで完成だ。」

 

「鉄拵えの鞘とあらゆる技に耐えられるように造った柄、文句無しに国宝級のレプリカだな。」

 

「こいつを造るのに影打ちが出来てもうたけどな。」

 

「それは修行で使えばええやろ。」

 

「ま、出来損ないはそうなるか。」

 

「残り5日でどこまで間に合うか・・・」

 

「間に合わせるさ。」

 

 

 

そして

 

 

「いよいよ俺が相手だ。その前にお前にはこれで戦って貰う。」

 

ブン!

 

 

「わわっ、これは・・・?」

 

「俺の打った出来損ないの刀だ。それでも修行には耐えられる。」

 

「分かりました。」

 

「では・・・行くぞ。」ドゥ!

 

 

「っ!」

 

「この程度の殺気で臆するな!それでは旭に勝てんぞ!」

 

「っ、はい!」

 

「来い!」

 

「はぁあああああ!!」

 

 

ガギィイイイイン!!

 

 

4日後

 

 

ズガァアアアアアアン!!!

 

 

バッ!

 

ババッ!

 

 

「ふむ、このあたりであろうな。」

 

「ああ。義経、今日までお前はあらゆる英霊、そして俺達と戦ってきた。今俺達に出来ることはこれくらいしかない。」

 

「はい!大変お世話になりました!」

 

「明日はしっかり休んで明後日の決戦に臨むが良い。その前にお前には一つ技を教えてやる。この技は相手の意表を突くのに向いている。」

 

 

そして俺は抜き身の刀を()()()()()()

 

 

「飛天御剣流・龍鳴閃(りゅうめいせん)!!」

 

キィイイイイイイン

 

 

「うっ!これは・・・!」

 

「神速の抜刀術の逆回し・・・言うなれば、神速の納刀術。この時発生した龍の嘶きのごとき超音の鍔鳴りをすれ違い様に相手の耳に叩き込むことで聴覚神経を麻痺させる技。これをお前に教える。但し、この技は相手にこの技の存在を知られてはいけない。失敗してしまえば対策を取られるからな。」

 

「分かりました。」

 

「切り札は先に使うな、使うなら奥の手を持て。これは戦いにおいて鉄則だ。先に切り札を切れば相手に付け入る隙を与えることになる。」

 

「分かっています。それで前に一度負けていますから。」

 

「常に自分の間合いで戦うように心がけろ。」

 

「はい!」

 

 

「それからこれは俺からの餞別だ。」

 

すっ

 

「これ、さっきと同じ・・・いや、さっきよりも手に馴染む・・・!」

 

「レプリカだが、国宝級のモノが打てた。そいつは正真正銘、お前のオリジナルが使っていた刀のレプリカ・・・薄緑こと膝丸だ。」

 

「そんな・・・!義経はそんなものを手に出来るお金はありませんよ!」

 

「金なんていらない。こいつはこの修行を乗り越えたお前に対する褒美だ。今のお前になら、そいつを自由自在に使いこなせるだろう。」

 

「因みに、先程までお主が使っておった刀がそれの失敗作だそうだ。」

 

「あっ、だから出来損ないって・・・」

 

「現に出来損ないの方は刃毀れして折れかけていただろ?

そいつは絶対に折れない剛剣だ。二重の極みを使わない限り折れることはない。」

 

「悠飛はそれを使って勝てと言うておるのだ。すべての野望を切り伏せるそれを持ってな。」

 

「俺が刀をやるのは、お前が正しき心を持っているからだ。心が悪に染まっていればそんなことはしない。」

 

「ありがとうございます。義経はこの刀と、悠飛さん達に教えて貰った技で必ず勝ちます!」

 

「おう!」

 

 

そして2日後

 

 

「いよいよか。」

 

「大丈夫かな、主は。」

 

「おい、普段はでんと構えてるお前がなんでオロオロしてんだよ?」

 

「多分自分が戦うのは大丈夫だけど、義経がああして戦うのは堪えられないんじゃないんですか?」

 

「どんだけだよ・・・と、始まったな。」

 

いきなり八艘跳びから逆落としか

 

しかもありゃあ俺の龍槌閃を真似てやってやがる

 

 

「ありゃあ俺も予想外だ。修行中に受けた技を見ただけで自分流に昇華してやがる。」

 

 

末恐ろしいな

 

 

その後も一進一退の攻防が続いていたが・・・

 

 

「この感じ・・・不味い!避けろ、義経!」

 

「え?」

 

大和が分かっていなかったが、その直後に旭の刀が伸びた!

 

 

「刀が伸びた!?」

 

「いや、あれは気を名刀レベルにまで圧縮・硬化させているんだ。そしてそれは天地を貫く・・・成程、雲まで届くから雲落としか。」

 

でもここで切り札を出してくると言うことは・・・

 

「この勝負、勝敗は見えたな。」

 

「それって義経が負けるってことですか?」

 

ガタッ!

 

「戯け!誰がそんなことを言った?」

 

「え?」

 

「切り札は先に使うな、使うなら奥の手を持て。戦いでは先に切り札を見せた方が負けるのさ。」

 

 

 

 

その後も義経は旭の誘いに乗ることなく戦っていたが

 

 

「どうやら義経にあの薬を渡さなかったようだな?」

 

「っ、さっきの・・・!」

 

「なぜ飲まさなかった?」

 

「おい。」

 

「なっ、天帝!?」

 

「神聖な戦いに要らぬ横槍を入れるな・・・この政府の犬風情が・・・!」ズズッ!

 

 

「ぐっ、血迷ったか天帝!貴様も政府に仕えてる身だろう!」

 

「誰が政府に仕えてると言った?」

 

「なっ!」

 

「俺達が仕えているのは皇族の方々だけだ。そこを履き違えるなよ、雑種!」

 

ニブニブニブニブニブニブニブニブニブニブ

 

 

「クソッ、退却!」

 

 

「逃げられるとでも思っていたのか?」

 

そういうと処理課の周りに俺のサーヴァント達が現れた

 

 

「・・・ぐぅ。」

 

 

「んで?大方予想は出来たが、暁光計画ってのは何だ?最上幽斎。」

 

「気付いてたんだね。」

 

「嘗めるなよ?小僧。」

 

そこから暁光計画について説明がされたが、予想通りだった

 

「ま、予想通り人柱計画か。貴様も所詮は外道か・・・」

 

「ひどい言われようだね。」

 

「十分外道さ。養子とはいえ我が子を人柱にするなぞ外道のすることぞ。故にここで捕らえる。」ガシャン!

 

 

「いつの間に・・・!」

 

「貴様が知る必要はない。最上幽斎、大規模騒乱を引き起こした元凶として逮捕する。圭吾、頼んだぞ?」

 

「あいよ。裁判は期待するなよ?お前は問答無用で懲役刑だ。」

 

そうして圭吾達が最上幽斎を護送していった

 

 

その話を聞いた義経に俺は

 

「ケリを着けてこい。お前の剣で、人柱の運命を断ち切ってこい。」

 

「はい!」

 

その目には決意と怒りが見えた

 

 

その直後口喧嘩してるなと思ったら義経がとうとうした

 

「!・・・これ、使う気だ。」

 

「マジかよ、実戦ではじめてしゃないか。」

 

 

そして

 

 

「遮那王逆鱗。」

 

その時スタジアムが闘気に包まれた

 

 

「これが義経の切り札か。」

 

 

これ程とは・・・

 

旭が雲落としを使おうとしていたが気が霧散している

 

「成程、逆落としをする気か。」

 

それを読んで旭が雲落としを使ってきた

 

 

「思い出せ義経、相手の力を逆に利用すると言うことを・・・!」

 

そう、2日前にもう一つ俺から教えた技がある

 

『相手に隙がなければ作れば良いのさ。』

 

『でも、どうすれば良いんですか?』

 

『打ち込んでみな?』

 

『はい!はぁあああああ!!』

 

ガギン!

 

ギャリリリリリリリ!!!

 

『なっ!?』

 

ビタッ!

 

『お前ならこれを扱えるだろう。コツは相手の力を受け流すことだ。』

 

 

そうして教えたものこそが、俺が戦場で編み出した秘剣

 

 

「秘剣・(ながれ)!!」

 

相手の剣を受けるのではなく、()()()()()()このこの技の極意

 

それを義経は見事成し得た

 

 

そしてとどめの一撃は・・・

 

キィイイイイイイイイイイン!!!!

 

「それが義経の答えか。良いものを見せて貰った。」

 

さてと、それじゃあ公開処刑と行きますか。

 

 

「今度は俺らだな。」

 

 

ダン!

 

 

「この場に集った者達に告げる。先程この神聖なる死合に泥を塗る真似をする輩が現れた!天帝の名においてこの場で処断する!」

 

 

ざわ・・・ざわ・・・

 

「内閣調査室処理課の者達は義経にドーピングさせようとしたところをうちの者が九鬼に報せたため未遂に終わったが、俺はそういうやり方が一番嫌いでな・・・よってここで断罪する・・・」

 

パキパキパキィ!!

 

「氷獄顕現、いっぺん死ね!」

 

 

パキィイイイイン!!

 

 

氷獄結界(コキュートス)!!」

 

真夏なのに武舞台は凍り漬けになった

 

 

「これ程とは・・・50年前より強くなっているな。」

 

「こりゃあちょっかい出した連中が悪いのう。」

 

「あの中に居る連中は大丈夫なのか?」

 

「安心しろ、あれは簡単に言えばコールドスリープ状態だ。あの中に居る間は目覚めることはない・・・半永久的にな。」

 

 

こうして義経は旭との決闘に勝利し、邪魔をしてきた雑種共は断罪された

 

 

これ以降は特に事件は起こらずに過ごせることになったのだった

 

 

 

 

                       続く




次回でようやくまじこい編は終わりになりそうです。 

そろそろVividやらんと・・・


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継承、そして長男の思い

これでまじこい編は終了です




義経と旭の決戦から早く半年以上経った

 

その間に百代達の卒業やそれに乗じて攻めてきたオニュクスを解体させたりしたが概ね平和である

 

 

そして

 

「百代、お前には俺の留守中にこの世界の抑止力となってもらう。」

 

「つまり、俺らの代わりに世界に牽制しろってことや。」

 

「分かりました。」

 

「せやけどいきなり任すには荷が重すぎるからな。これから2年かけてお前に修行をつけることになる。」

 

「要は俺らと一緒に異世界に行くってことや。」

 

「異世界!?」

 

「姉さんを異世界に連れていくんですか!?」

 

「何言ってやがる。お前らも行くんだよ。」

 

『え!?』

 

「クローン組も風間ファミリーも葵ファミリーもまとめて俺達が面倒見るからな。当然、梁山泊・曹一族も連れていく。」

 

「だが人数が人数だからな。先遣隊として淋冲、武松、史進、楊志、公孫勝、史文恭を選抜して連れていくことになった。」

 

 

「それに、向こうにはストライクアーツとかの格闘技が人気でな?百代も或いはと思ったのだ。」

 

「それは楽しみです!」

 

「全次元世界からあらゆる猛者が集まる。ミッドチルダとはそういうところだ。」

 

「それに、うちのヴィヴィオにも稽古を着けてほしいしね?」

 

「それが本音ですか?」

 

「実際俺達は仕事があるからそうそう頻繁に見れないってのがあるからな。」

 

「我々も向こうでは既に社会人として、管理局員として奔走しているからな。主悠飛に至っては総大将としての責務もあるので基本忙しい。」

 

「局長の親父も半隠居の身だからな・・・そろそろ後任を探さねぇと。」

 

 

「そんなことがあって悠飛が推薦されているんだが・・・」

 

「俺なんかより向いている人が居るってことで辞退した。何より子供達との時間を作らにぁいけんからな。」

 

「っとまぁこんな感じで子煩悩何だよ、こいつは。」

 

「我が子が可愛くない親なんて居ねぇだろ?」

 

「出たよ親バカ。」

 

「プレシアみたいにならないと良いがな。」

 

失敬な

 

「とまぁ話を戻すと、そんなにホイホイこっちに戻れなくなるからお前に抑止力となってほしいってことさ。」

 

「ま、本格的にやるのは来年だがな?主力が卒業するまで待ってろ。」

 

「分かりました。」

 

 

そんなやり取りをしてから更に1年が経過した

 

俺達も無事卒業し、ドイツに戻っていたクリスも合流してきた

 

 

何故か猟犬部隊も着いてきたが・・・

 

 

そして

 

 

2年後

 

 

 

ミッドチルダ

 

高級住宅地の一画に建てられた和風建築の大豪邸

 

 

「フッ!フン!」

 

ブン!ブン!

 

「パパ、おはよう!」

 

「おはよう、ヴィヴィオ。ちゃんとひとりで起きられたか、偉いぞ。」

 

「えへへ!」

 

「とうさま、おはようございます。」

 

「おはよう、隼斗。今日も見学か?」

 

「はい!ボクもとうさまみたいに強くなって、みんなを守りたいです!」

 

「良い心がけだが隼斗、何も戦うだけが道じゃない。今のお前達はよく遊んで、よく学んで大きくなってくれれば父さんも母さん達も嬉しいんだ。今は好きなことをやって自由にしなさい。」

 

「好きなこと?」

 

「そうだよ?父さんは出来なかったから、お前達には好きなことをしてほしいんだ。」

 

「パパ?」

 

「とうさま?」

 

「正直、父さんはお前達を戦いに巻き込みたくないんだ。お前達まで一族の運命を背負う必要はないんだよ。」

 

「とうさまは戦いが嫌いなの?」

 

「ああそうさ。戦いは大切な人を簡単に奪っていくからね。本当は戦いたくなんてないんだけど、そうしないと母さん達もお前達も守れないからね。」

 

 

「じゃあボクも大きくなったらとうさまを助けてあげたい!」

 

隼斗・・・

 

 

「ありがとう、隼斗。それじゃあ隼斗が大きくなって管理局に入るまで父さんも現役を続けなくっちゃな!」

 

そんな朝の親子の会話をしていると

 

 

「悠飛、仕事だ。」

 

 

「おいおい、折角子供達と戯れてたってのに水を差すなよ。」

 

 

「そうもいってられん。退魔剣がある世界を指し示してるんだからな。」

 

「・・・そりゃあ大事だな。」

 

 

緊急家族会議

 

 

「朝早くからすまない。これから2週間程仕事で帰ってこれなくなる。」

 

「朝早くから退魔剣が反応してたのに理由が?」

 

「まあな。それで行き先がフロニャルドと来たもんだ。」

 

「フロニャルド・・・前に悠飛が連れていってくれた世界ですね?」

 

「今回ばかりは何が起こるか分からんから俺の単独任務になる。子供達には寂しい思いをさせてしまうが・・・」

 

「とうさま、お気になさらず行ってきてください。とうさまの力を必要とされてる人達が居るんでしょう?」

 

「隼斗・・・」

 

「妹達の面倒はボクが見ます!」

 

4歳になるのに・・・さすがは俺とはやての子供だ

 

 

「そんなに気負わんでええよ。私らも居るんやから。」

 

「はやて、俺の留守中に隼斗達にお手伝いをさせてみてはどうだ?」

 

「まだちょっと早いと思うよ?」

 

「フェイト、確かに海飛と鈴菜は母親にべったりだけど、隼斗とリチャード、鳴海はもうひとりで出来ることはやっているんだ。そういう子には積極的にやらせた方が良い。何もやらせないってのが一番駄目だからな。」

 

 

「そこまで言うなら・・・」

 

「ヴィヴィオの稽古は百代が頼む。」

 

「分かりました。」

 

「他の依頼は圭吾を筆頭として対処していってくれ。」

 

「あいよ。」

 

「あと、先程俺の単独任務と言ったがあれは訂正する。アインス、俺の任務に同行して貰っても良いか?」

 

「はい。主悠飛。」

 

「その方がええやろな。でないと悠君また無茶しそうやし?」

 

「うっ、それを言われたら何も言えんな・・・」

 

こうして川神からミッドチルダに戻って来て2ヶ月でフロニャルドに行く羽目になったのだった

 

 

 

 

                  to be Next Stage

 




以上でまじこい編は終了です。


次回からは犬日々のフラグ回収を進めていきます。



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フロニャルド編第1部
再会と驚愕の真実


DOG DAYS編第1部始まります


アインスと共にフロニャルドに来てから3日が経過した

 

その間に俺達は魔物の気配がないか探りながら旅を続けていた

 

 

「すまん、まさかこうなるとは・・・」

 

「お気になさらず。主は気配を探ることに専念してください。」

 

未だに気配は見つかっていない

 

 

150年前はこうはならなかったのだが・・・鈍ったか?

 

 

「しかし、主の感知にかからないとなると何処かに封印されているか、討伐された可能性がありますね。」

 

「前者はあり得るが、後者はないな。でなきゃ()()が反応しなかっただろう。」

 

アレとは、俺が100年程前に造った聖剣だ

 

アレはフロニャルドに何かあったときの為に知らせる意味で造ったものだか・・・

 

 

そんなことを思っていると、懐かしい気配を拾った

 

 

「ん?この気配は・・・」

 

「おや、誰かと思ったら悠飛でござったか。」

 

「お久しぶりでございます、悠飛様!」

 

「ヒナ!ユキ!久しぶりだな。」

 

「ちょ、その名で呼ぶなと言っただろうに!」

 

「バカ言うな。俺にとっちゃあお前はいつまでたってもヒナだ。」

 

「あの、主。この方々は?」

 

「ごめん、アインス。こいつは俺の100年前のパーティーメンバーの・・・」

 

「ブリオッシュ・ダルキアンでござる。こちらは拙者の仲間のユキカゼでござる。」

 

「ユキカゼ・パネトーネでございます。」

 

「龍神リインフォース・アインスだ。よろしく。」

 

「ん?龍神と言えば・・・」

 

「俺の家族だよ。」

 

「10年程前は違う者を連れていたが・・・?」

 

「あの時はユーリが居たな。ちなみに、向こうでは夫婦の関係だ。」

 

「お主、結婚していたでござるか!?」

 

「5年前にな。ちなみにアインスは第九婦人な?」

 

「!?お主、一体何人と結婚したでござるか!?」

 

「え~っと・・・13人だな。」

 

「そして主には養女が1人と実子が6人の7人の子供達が居る。」

 

「お主が父親か・・・」

 

「色々あってな。」

 

「今では立派な子煩悩になりましたね。」

 

「当たり前だ。我が子が可愛いのは世の常だ。」

 

「すっかり父親やってるでござるなぁ。」

 

「何だかんだで子供達も4歳だからな。父親が駄目な姿さらしちゃカッコ悪いだろ?」

 

そんなこんな話ながら焚火に当たっていると隠密の一匹が駆け寄ってきた

 

 

「何があった?」

 

手紙を読んでいるヒナに聞くと

 

「どうやら戦が始まっているらしい。」

 

「成程、その手助けか。」

 

「相変わらず話が速いな。」

 

「なら行くか。こちとら仕事で来てるのに一向に反応がねぇから退屈してたところだ。」

 

「主、無理は禁物ですよ?」

 

「安心しろ。本気は出さん。」

 

そして俺達は移動を開始した

 

 

 

そしてそれをきっかけに地球人の勇者と知り合うことになる

 

 

 

 

 

 

 

                       続く




今回は短めです

次回は悠飛と勇者シンクの対面となります


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ミオン砦戦助太刀

この幕間の章は短く行きます。


「はぁ~、またこの世界の戦は派手にやっとるなぁ。」

 

ヒナと共に戦場の砦にやってきては見たものの、思っていた戦とは違ってスポーティーだった

 

「それにしてもヒナのやつそんな口上口にするやつだっけか?」

 

150年前に比べてノリが軽くなったか?

 

「っとやべぇ。」フッ

 

 

 

 

 

 

フッ

 

「油断しすぎだ。」ズガン!

 

「うぎゃあ!」

 

「おお、すまないな悠飛。」

 

「礼は終わった後にしろ・・・双龍派斬!」

 

ズォ!

 

ズバァ!

 

「ぎゃあああああ!!」

 

 

「あ、貴方は・・・!」

 

「手を出すつもりは無かったんだが、あまりにも無防備だったからな。」

 

「まさか・・・天帝(プロヴィデンス)!?」

 

「俺の事を知っているとなると、小僧がビスコッティに召喚された勇者か。」

 

「はい!ビスコッティの勇者、シンク・イズミです!」

 

「貴様の言う通り俺は天帝、龍神悠飛だ。」

 

「ダルキアンに龍神だとぉ?」

 

「ほう、貴様中々に鍛えられておるな。気が変わったぞ?少しばかり遊んでやろう。」

 

スタッ

 

「まずは雑魚を避けるか・・・」

 

ギリッ

 

「貴様らに俺の姿はとらえられるかな?秘剣・・・縮地乱舞!」フッ

 

ズバババババババババ!!

 

ブンッ!

 

「なっ、一瞬で100人以上を!?」

 

「その反応じゃあ見えてねぇな。」

 

「無理もあるまい。嘗ては瞬神とまで呼ばれたお主をこの者達は見ることもできないでござるよ。」

 

「瞬神!?では貴方が初代勇者パーティーの!?」

 

「確かに昔に行動を共にしては居たがな。」

 

「主よ、あまり遊ばれては・・・」

 

「そうだな。お前らは先に行くが良い。こやつの相手は俺達でする。」

 

「「はい!」」

 

タタタタタタタタ・・・

 

 

「さて、最近タイマンできる相手が居なくて鈍ってんだ。少しは愉しませてくれよ?」

 

こうして俺は大戦斧の男との戦いを始めた

 

 

 

 

 

 

 

「ん?この気配は・・・」

 

ドッドッドッ

 

「これはレオ姫、お久しぶりにござる。」

 

「久しいな、ダルキアン。だが今は領主じゃ、姫は止めよ。」

 

「ん?レオンミシェリか、大きくなったな。」

 

「お久しぶりです。」

 

「その顔を見ると・・・成程、大体の事情は掴めた。」

 

ブンッ!

 

パチンッ

 

「行くが良い。そうなると戦う必要が無くなった。」

 

「感謝します。」

 

「良いのでござるか?」

 

「どうやらこの戦は意図せずして始まったようだからな。無益な闘いは俺の好むところではない。」

 

 

それからは新米勇者がミルヒを会場まで送り届けていった後、中継でミルヒの歌を堪能してこの日を終えた

 

 

 

 

 

だが俺の役目はまだまだ残っていた────────

 

 

 

 

 

                     続く

 




次回はかなり飛びます


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一休み

雨がヤバい
気温もヤバい


ミオン砦の一戦から幾日が経過した

 

相変わらず探知には引っ掛かる気配はないのでビスコッティに滞在することになった

 

 

「え!?悠飛さんってタツマキに連れられて来たんじゃないんですか!?」

 

「ああ、俺の噂を聞いたことがあるのならほぼ本当の事だぜ?俺は150年前に一度この世界に来ていてな?その縁を頼りに輪廻眼の能力で移動出来るのさ。」

 

「じゃあ、僕を元の世界に戻すことも?」

 

「それは不可能だ。俺が出来るのはあくまでも俺が一度行って、そこで縁を作らなければならない。だからお前の言う場所を俺は知らないし、そこに転移することも出来ない」

 

 

「・・・そうですか。」

 

「まあそこまで悲観的になる必要はない。いずれ帰れる方法も見つかる」

 

「わかりました」

 

「そういえばお主、この間の戦は本気では無かったな?」

 

「へ?」

 

「ああ。あの程度ならば解放する必要も無いからな」

 

「それはゴドウィン将軍でもでごさるか?」

 

「そうだユキカゼ。あやつでも俺に本気を出せんよ。俺を本気にさせるにはそこのダルキアンか、どこぞで酒飲んでる退魔鍛冶師か英雄王か魔王連れてくるんだな」

 

「さすがにそれは無理でござろう?」

 

「何言ってやがる?150年前本気で怒らせたのは何処の馬鹿共だ?」

 

「うぐっ」

 

「少年。主を怒らせると世界そのものを壊しかねないから気を付けろ?」

 

「アインス・・・それは言い過ぎだろ」

 

「そうですよね」

 

「やろうと思えばできんことはないがめんどくさいからやらねぇよ」

 

「できるんですか!?」

 

こんな一幕があった昼だった

 

 

 

 

 

 

 

 

その日の夜

 

「このしばらく見ないうちに随分出世したな、ロランよ」

 

「以前お会いした時は騎士団長ではありませんでしたからね」

 

「妹のほうも親衛隊長か、相変わらず優秀な家系だな」

 

「あれも努力して今の立場に居ますから」

 

「それに、良くも悪くもシンクを意識しているしな」

 

「何か昔をおもいだしますね」

 

「そうか?」

 

「レヴィやディアーチェ達も昔はあんな感じでしたよ?」

 

「そうだったか」

 

300年生きてても乙女心は未だに掴めん

 

 

 

 

 

それから更に時は過ぎて

 

 

「・・・・・・」コォオオオオオオ

 

俺は何時もの日課をこなしていた

 

そんなときだった

 

 

「悠飛、レオ閣下が国の宝剣を賭けての戦を申し出てきた」

 

「宝剣を賭けるなぞ何と不遜な・・・良かろう。今回は俺もビスコッティの戦士として参加させてもらう」

 

あやつの真意を知らねばならんからな

 

 

「して、戦はいつからだ?」

 

「2日後でござるよ」

 

「わかった、何かあれば本気を出す。どうにも胸騒ぎがするんだ」

 

「お主のそれは良く当たるからな、こちらも準備をしておくでござるよ」

 

 

 

 

 

こうして国の宝剣を賭けた戦が始まるのだが、まさかあんなことになるとは誰も予想していなかった──────────

 

 

 

 

 

 

                     続く




後2話くらいで無印部分は終わります


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魔獣、顕現す

1期の話は重いから大変です


グラナ砦

 

今回の戦でガレットの陣地となる場所だ

 

今回は俺も最初から戦に参加して見極めるつもりだ

 

 

「さてと、そんじゃあとっととこいつら片付けて砦に攻め入るとするかね」

 

「随分やる気でござるな」

 

「・・・さっきから嫌な予感がするんだよな」

 

「お主のそれは良く当たるからな、ならば早く終わらせるに限るでござる」

 

「だからよ・・・()()()3()()()()()()」スゥー

 

そして俺は両目を神威の状態にする

 

「お主のその眼・・・確か万華鏡写輪眼でござったか?」

 

「その中でも最強瞳術のひとつだ。見てればわかる」

 

ダッ!

 

「敵軍、一騎のみで来ます!」

 

「弓隊、構え!狙い撃ちじゃあ!」

 

ババババ!

 

「悪いが・・・」

 

ガレット戦士の放った矢は俺の方に向かってきて──────

 

「今の俺には効かねえよ!」

 

スカスカスカッ

 

俺の体をすり抜けていった

 

 

これこそが神威が最強の瞳術のひとつと謂われる所以・・・透過能力だ

 

限界時間は5分だが俺の体に当たる瞬間にその部分は神威の持つ時空間に移動するためすり抜けている様に見えるのだが、消費魔力が非常に少ないので使い勝手が良い

 

「これでも食らっとけ」シュババババ!

 

 

「火遁・豪火滅失!」

 

ゴォアアアアアアア!!

 

 

『ギャアアアアアアアア!』

 

 

ボボボボボボボン!!

 

「さて、次行くか」

 

タタタタタッ

 

 

「・・・100年前より強くなっておらんか?」

 

 

 

 

 

数時間後

 

 

 

 

 

 

 

ザシュ!

 

「・・・やはり一筋縄では行かんか」ブン!

 

「天帝殿、お相手お願いします」

 

「お主、確か名は・・・」

 

「バナード・サブラージュ。ガレットの将軍です」

 

「成程、相当な手練れと見た。ならばこちらもそれ相応の力で相手をせねばな」

 

嫌な予感がどんどん強くなるがな・・・

 

「いくぞ」

 

「いざ!」

 

ガギィン!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1時間後

 

 

 

 

ガギィン!

 

カァン!

 

 

ザッ!

 

スタッ

 

「やるではないか」

 

「お褒めにいただき、光栄です」

 

「本気の3割とは言え、俺と1時間も斬り結んでいるんだ。誇りに思え」

 

「これで本気の3割ですか・・・」

 

「だがこれ以上は・・・」

 

その時

 

 

ズン!

 

「なっ!」

 

「これは!」

 

この暗雲・・・不味いな

 

「バナード将軍、ここは休戦だ。一般兵を下がらせて参加者の安全を確保するぞ」

 

「わかりました」

 

「土遁・土流城壁!!」

 

 

ボコッ!

 

ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド!!

 

 

「これで兵士達の安全は確約されたが・・・砦はどうなっている?」

 

バッ!

 

ダダダダダダダダダダダダダッ

 

 

 

 

 

 

不味い、街の方に向かってるぞありゃあ

 

「土遁・大地動核!!」

 

ズズズズ!

 

「ん?この感じは・・・厄介だな、()()()()()とはって、あれはシンクか!?」

 

急がなきゃシンクが危ねぇ

 

 

 

 

そしてそこからシンクとミルヒが贄から禍太刀を引き抜くのだが、この時俺はまだ分からなかった

 

 

 

 

 

                         続く




次で終わらせます


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妖刀封印、そして帰還・・・

これで無印ラストです




ズン!・・・ズン!・・・

 

 

ダン!

 

(魔力の回復で大分時間が食われたな・・・頼む、間に合ってくれよ・・・!)

 

 

上級忍術を連発してればそりゃあこうなるんだろうが、背に腹は代えられんからな

 

ブワッ

 

「チッ、雑魚はじゃまだ!」

 

ズババババババッ!

 

「近くなるにつれて怨霊が多い・・・何だ?魔獣の動きが・・・様子がおかしいぞ?」

 

何か苦しんでるような・・・そうか!

 

 

 

ズン!ズン!

 

『ウォオオオオオオオオオ!!!!』

 

 

ボン!

 

「この感じ・・・贄から禍太刀を抜いたのか。なら・・・」

 

ズサァーー!!

 

「擬似宝具発動・・・『突き穿つ死翔の槍(ゲイ・ボルク)』!!」

ビュゥウウウウウン!!!

 

ガギィイイイイイイン・・・・・・

 

 

「よし、命中したな。後は・・・」

 

バッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「しかし予想外だったな。まさかたかが13才の子供が禍太刀憑きから贄を生きて解放させるとはな」

 

「拙者は存じておりましたよ。姫様もシンクもやれば出きる子だと言うことを」

 

「ここからは我々の役目でござるな」

 

「気ぃ抜くなよ?気ぃ抜いたらそこで命を落とすことになるからな・・・!」ゴォオオオオ

 

バシュウウウウ!!

 

 

「フンッ!」

 

「浮世に仇なす外法の刃、封じて廻るが我らの務め

 

天狐の土地神ユキカゼと、討魔の剣聖ダルキアン

 

 

流れ巡った旅のうち、封じた禍太刀、五百と九本!!」

 

 

「臨・兵・闘・者・皆・陣・烈・在・前!赦されざる存在、今此処に封印せり!」

 

「天地に外法の華は無し!」

 

ドドドドドドドドドドッ!

 

 

「朽ちよ、禍太刀!!」

 

「神狼滅牙、天魔封滅!!」

 

「退魔剣・九蓮宝燈!!」

 

ズバァッ!

 

パァアアアアアアア・・・

 

 

「終わったな」

 

「うむ」

 

「はい。封印刀にしっかり封印しました」

 

「これで俺とアインスもようやく家に帰れるってもんだ」

 

すたっ

 

「主、終わったのですね」

 

「ああ。早く帰って、子供たちの面倒を見たいな」

 

「ああ、そういえば結婚していると言っておったな」

 

「子供も居ると言っておられましたね?」

 

「ま、事後処理がまだ残ってるんだがな」

 

「ユキカゼ、お主は先に姫様の所に行ってくるといい」

 

「はい。隠密一同、着いてきたいもの拙者につーづけぇ!」

 

 

 

 

「ああしてみていると、まだまだ子供だな?」

 

「でござるな」

 

 

 

 

 

 

そしてそのあとは当然ながら戦は中止に、それについてと自らの蛮行を謝罪する為の放送をレオがしたことで怪我をしてはいるが無事であることに国民たちは安堵していた

 

 

そして夜

 

 

「それにしても、あんな魔物が居たなんて知りませんでした」

 

「今は成りを潜めてはいるが、100年前は魔物が闊歩していたんだ。その脅威を忘れないために大陸間協定が生まれたんだ。お前は今回のことでその剣に勇者として選ばれたんだ、これからはお前らが皆を導き、護っていかねばならんと言うこと、忘れるんじゃないぞ?」

 

「はい!」

 

「それじゃあ俺達はこれで役目は終わったからな、帰らせてもらう」

 

「悠飛さん、短い間でしたがお世話になりました!」

 

「諦めるなよ?お前には困難を乗り越える強い力がある。どんな絶望の中にも希望はある。お前も信じて歩め。自信にある、可能性という神を信じて・・・」

 

「可能性という神・・・?」

 

「ああ、じゃあな。またどこかで会おう」

 

ズズッ

 

バッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シュウウウウウウウ

 

 

タッ

 

シュタッ

 

 

ガラッ

 

「お帰りなさい。悠君、アインス」

 

「ただいま、はやて」

 

「ただいま戻りました、主はやて」

 

こうしてフロニャルドでの魔獣討伐は無事に終わった

 

 

しかしフロニャルドへは3ヶ月後に再び向かうことになるとはこの時俺は知るよしもなかった

 

 

 

 

                  to the next srage.

 

 




次からはVividとDOG DAYS'、それからDOG DAYS″を織り混ぜて行きます


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Vivid編春
新暦0079


お待たせいたしました


新暦0079年

 

あのJS事件から早くも4年が経過した。

 

その間に大小様々な事件が起きていたが、世界は概ね平和である。

 

かつて事件の対処に当たっていた機動六課は役目を終えて、エースたちは現在育休を取ってその翼を休めている。

 

そして、俺は──────────

 

 

 

「どせぇい!!」ドン!

 

「よし、その辺りでええぞ!」

 

「ふう。悪いな、手伝わせちまって」

 

「構わんわ。この規模になると人手も要るやろ?」

 

「こんだけ大掛かりな増築も中々無いしな」

 

「住人も増えたし、チビッ子達の道場も必要になったしな」

 

「真夏に砂浜で稽古させるわけにもいきませんしね」

 

「百代もすまんな」

 

「いいですよ。こっちは住み込みでお世話になってるんですから、これくらいいつでも言ってください」

 

「そう言ってくれると助かる」

 

そう、今我が家は増築を行っていた。

 

子供たちも大きくなったし、ザフィーラが道場で子供たちにストライクアーツを教えているから、今ある第三鍛練場では手狭になってきたので子供部屋と第四鍛練場を造るために家を増築しているのだ。

 

 

「しかし、ギルドの連中にも頼んではいるけどもこれはあと1週間はかかりそうだな」

 

「仕方ありませんよ。家を建てるのには時間がかかるんですから」

 

「でも、夏までにはなんとかなるから助かるんだがな」

 

「屋根と空調が効いてる道場なら子供たちも安心して稽古に励めるからな」

 

「その為にも今俺らが頑張って建てていかねぇとな」

 

「いや、お前は基本事務仕事しとけよ」

 

「は?」

 

「圭吾さんの言う通りでさぁな。旦那はちょいと働きすぎかと思うんですがね?」

 

「・・・そうか」

 

「自分の子供が絡むとたまに抜けてるよな、お前」

 

「まあ、そう言うなら俺は子供達の相手をしてくるか」

 

「そうしろ。あとの事は俺らでやる」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

午後

 

「ただいま!」

 

「おう、お帰り」

 

「姉様、お帰りなさい」

 

「おねぇちゃんおかえれ」

 

「ヴィヴィオ、お帰り。手を洗ってらっしゃい」

 

「はーい!」

 

 

 

 

「しかし、あの子も真っ直ぐに育ったわね」

 

「まあ、私と悠君の教育が良いのかも知れないけど、あの子は元々素直で良い子だからね」

 

「良くも悪くも、俺らに似てるけどな?」

 

「え?何処が?」

 

「一途で頑固なところ」

 

「一途なのは分かるけど、頑固なところは分からないかな?」

 

「頑固なところはお前に似てるんだよ、お前に」

 

「え~!?私そんなに頑固!?」

 

「十分頑固よ?昔それであたしらに心配かけたのは誰だったかしら?」

 

「うっ、その件はご心配をかけて申し訳ありませんでした」

 

「だろ?全く、似なくて良いところは似てるんだよなぁ」

 

「でも、良いところも似てるよね」

 

「ああ」

 

「???」

 

「真っ直ぐ自分の信念を貫いているところだな。正しいと思ったらそれを貫き通すところなんかは俺たちにそっくりだ」

 

「あぁ。成る程ね」

 

「?何の話をしてるの?」

 

「ヴィヴィオがパパとなのはママに似てるって話だよ?」

 

 

 

 

その夜

 

 

「ごちそうさまでした」

 

「はい、お粗末さま」

 

「さて、鍛練場に行こっと」

 

「ああ、待ってヴィヴィオ」

 

「へ?」

 

「ヴィヴィオは今年で4年生だよね?」

 

「はい。ヴィヴィオは初等科4年生になりました」

 

「もう魔法の基礎も十分に出来てきたから、そろそろデバイスを持たせても良いかなって」

 

「え!?」

 

「そこはどうかな?悠君」

 

「良いと思うぞ。これから俺が教えていくものはデバイス無しじゃ難しい部分が出てくるからちょうど良いだろ」

 

「はい、これがそのデバイスだよ」

 

「開けてごらん?」

 

「へ?ぬいぐるみ?」

 

ピコッ

 

フワフワ

 

「わ!?飛んだよ!?動いたよ!?」

 

「外装はちょっとしたアクセサリーで、それはおまけ機能だってマリーが言ってたな」

 

「いろいろリサーチしてヴィヴィオに会わせてあるけど、まだ名前がないから付けてあげてね?」

 

「もう名前は決まってるのか?」

 

「うん!そうだ、リサーチしてあるならアレもできる?」

 

「アレ?」

 

「うん、できるよ」

 

「んじゃあ、さっさと初期設定と認証してしまうか」

 

 

 

 

 

 

ピピピピピピピ

 

「後はここをこうして・・・と」

 

タンッ

 

「よし、それじゃあヴィヴィオ。認証とセットアップ、やってみ?」

 

 

 

 

「────────マスター認証、龍神ヴィヴィオ

 

術式はベルカ主体のミッド混合ハイブリット

 

私の愛機(デバイス)に個体名称を登録

 

愛称(マスコットネーム)は『クリス』

 

正式名称『セイクリッド・ハート』」

 

タタタタタタタタ

 

 

「いくよ、クリス」

 

 

「セイクリッド・ハート、セ──────ット・ア──────ップ

!!」

 

バシュゥウウウウ

 

 

「やったー!うまくいったよ!」

 

「うん。細かい調整は俺がやって正解だったな」

 

そこで俺はフェイトがヘナヘナとその場にへたり込んでいるのを見た

 

 

「?どうした?」

 

「なのは、悠飛!なんでこんなことに!?」

 

「この反応・・・おい、なのは。もしかして・・・」

 

「あっ・・・」

 

「『あっ』じゃねえよ!?何で言ってねぇの!?」

 

「えっと・・・ついうっかり?」

 

「「うっかりって!?」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「とまあそんなかんじではあるんだが・・・」

 

「だって何も聞いてなかったらまた聖王モードだと思うよ?!」

 

「大丈夫。ゆりかごはもう無いし、聖王の鎧もあの戦いで失われた。それに、俺たち大人は子供達の成長を見守るだけじゃなく導くことも必要だ」

 

「悠飛・・・」

 

「それに、昔のお前達の方がよっぽどやんちゃだったからヴィヴィオには教え甲斐がある」

 

「それは・・・その・・・!」

 

「あはは・・・」

 

「それと、ヴィヴィオももう10歳だ。これからは自分で考えて行動することの意味を知らなきゃならない。ゆくゆくは我が子達がニュータイプとして目覚めるかもしれない。俺たちはそれを導くことが最後の役目なのだから」

 

 

コンコンッ

 

「すまん、ちょいと話があるんだが・・・」

 

「わかった。ごめんな?ちょっと席外すわ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「で?話って?」

 

「最近巷で騒がれてる通り魔事件は聞いてるか?」

 

「ああ、あれか」

 

「それで気になることがあったんだが、その犯人が『覇王』イングヴァルトを自称しているらしい」

 

「『覇王』イングヴァルトか・・・」

 

「どうする?俺らとしても無視はできんと思うが?」

 

「とりあえずは管轄に任せりゃ良い。下手に俺らがでしゃばっても若手の為にならんだろ?」

 

「わかった、それでいこう。だが当事者となれば・・・」

 

「そんときは躊躇い無くしばく」

 

 

 

こりゃあひと波乱あるか?

 

 

 

 

 

                      続く

 




ようやくVividに入った・・・

これとあとDDシリーズやれば・・・


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覇王と天帝

うわぁあああああああああああああ!!

ガチャ試行回数334・・・

キャストリア1

ゴミ多数

なんでや!阪神関係無いやろ!

阪神ファンが地雷を踏み抜いた


『覇王』イングヴァルト

 

それはかつて聖王期にて名を馳せた古代ベルカ・・・

 

シュトゥラの覇王と呼ばれた王

 

本当の名はクラウス・G・S・イングヴァルト

 

初代様が気にかけていた一人でもある

 

 

 

 

「にしても仮にアイツの血筋の者だとしたら尚更俺が近くに居なきゃわからねぇだろうな」

 

「結局初代様と縁ある者の血族でなけりゃお前の左目は反応しねぇからな」

 

「それもお前だけに反応が出るからな」

 

「ま、何にせよ明日カリムの所に行って確認するしかねぇわな」

 

預言者の著書(プロフェーティン・シュリフテン)に出てる可能性もあるか・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日

 

 

 

 

コンコンッ

 

「失礼する」

 

「いらっしゃい。随分ご無沙汰ね」

 

「3年も地球に里帰りしてたらね。中々ミッドにいく用事も無かったし、子供たちも産まれたから余計にだよ・・・っと、そういえば礼がまだだったね。妻達の出産祝いありがとう、カリム」

 

「どういたしまして。それで今日はどうしたの?」

 

「その話はチンクが来てからにしよう。来るんだろ?」

 

「ええ。ヴィヴィオに聞いたの?」

 

「ああ。イクスのお見舞いに皆が来るって言ってたからな」

 

 

それからチンクが来たので本題に入ることにした

 

「んで本題だが、今話題の『覇王』についてだ」

 

「やはりあなた方にも話は来ていましたか」

 

「圭吾達がそれとなく聞いてきてな?ま、こっちは当事者にならねぇ限りは動かんからな」

 

「しかし『覇王』ですか」

 

「古代ベルカの聖王期・・・ゆりかごの聖王オリヴィエとシュトゥラの覇王イングヴァルト、ガレアの冥王イクスヴェリア、そして我等の先祖・・・龍王天帝(プロヴィデンス)

 

「いずれも物語に出てくる英傑ですからね」

 

「無論、今を生きる者達は別人ではあるのだがな。イクスを除いては」

 

「イクスについてはシャッハとセインに護衛を任せます」

 

「頼んだ、シャッハ」

 

「はい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さてと、俺は用が済んだから帰るとするか」

 

「あれ?パパはジムに来ないの?」

 

「ノーヴェが居るからな。ヴィヴィオは友達と一緒に練習してきなさい」

 

「えー、パパに稽古つけてもらいたかったのにい~」

 

「許せヴィヴィオ。また今度な」トン

 

「またそれする~」

 

「今日はお仕事で来てるからな、我慢しろ」

 

「はぁい」

 

「すまんノーヴェ、この子の事は頼んだ」

 

「はい。責任持って面倒見ます」

 

「じゃあヴィヴィオ、気を付けてな」

 

「はーい」

 

ブロロロロロロ・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夕刻

 

 

「さて、こんなもんだろ」

 

「どうぞ、マスター」

 

「サンキュー、ベディ」ズズッ

 

「にしても中々尻尾掴まんな?」

 

「何、恐らく今夜辺りに収束するだろうよ」

 

「そんなもんかねぇ?」

 

「よし、そんじゃあ気晴らしに走ってくるわ」

 

「何時ものか?」

 

「ああ。こればっかりは続けねぇと鈍るからな」

 

「マスター、お気を付けて」

 

それから俺は何時もの日課の走り込みに出た

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふっ、ふっ・・・」

 

 

春先だが、やはり日が落ちると少し冷えるな

 

 

ズドン

 

 

「何の音だ?・・・って、こりゃあ誰かバトってるな」

 

タタタタタタタ

 

 

ってノーヴェじゃねぇか。しかもヤバそうだな

 

っ!左眼が反応しているってことは・・・!

 

 

フッ

 

バシィッ!

 

「なっ!」

 

「・・・その目・・・成程、どうりで俺の左眼の封印が解けたわけだ」

 

「貴方は・・・!」

 

「あやつの末裔がこんなことをしてるとはな・・・仕置きだ」

 

《写輪眼・幻術!!》

 

「なっ・・・その眼・・・やはり貴方は・・・」バタッ

 

「・・・ところで、なんでそんなことになってんだよ、ノーヴェ?」

 

「実は・・・」

 

 

 

 

 

 

「成程な、向こうから喧嘩吹っ掛けてきてヴィヴィオとイクスを屠るとか言われて頭に血が上ったか」

 

 

「おっしゃる通りです・・・」

 

「若さゆえの過ちだな。それより、こいつを屋敷に運ぶか。スバルとティアナに連絡しろ」

 

「はい」

 

 

 

それから数分後にスバルとティアナがやってきて『覇王』イングヴァルトを名乗る少女を屋敷に運んだ。荷物はティアナに任せた

 

 

 

 

 

翌日

 

 

 

「ん・・・あれ、ここは?」

 

「眼は覚めたか?」

 

「貴方は・・・」

 

「この屋敷の主で時空管理局本局総大将、龍神悠飛だ。お前の先祖、クラウス・G・S・イングヴァルトと初代天帝、リュウキ・タツガミのことはよく知っている。俺も初代様の記憶の継承者だからな」

 

「貴方がリュウキの・・・」

 

「さて、眼が覚めたんなら朝飯としようじゃないか。覇王イングヴァルト・・・本名ハイディ・アインハルト・ストラトス・イングヴァルト、よ」

 

「荷物の方は私が調べさせてもらったわ」

 

「こいつは本局執務官、ティアナ・ランスター。そして一緒に入ってきたのは港湾特別救助隊、スバル・ナガシマ。2人は4年前の俺達の教え子だ」

 

「4年前・・・あのJS事件の・・・」

 

「そ、その時事件に当たっていた部隊・・・機動六課のメンバーだ。俺はそこの総隊長、妻達が隊長をしていた」

 

「妻・・・達・・・?」

 

「4年前に正式に籍を入れてな。今は子供が7人居る」

 

「7人!?」

 

「1人は4年前に養子にしたお前が探していた聖王の血を引くものだ。残り6人は妻達のうち6人の子だな」

 

「本当にリュウキとそっくりなんですね」

 

「ま、今はそれよりもお前のことだが、俺は席を外そうか。ティアナ、後は頼んだぞ?」

 

「はい、兄さん」

 

「悠兄は何時もの?」

 

「いや、今日ははやて達の検査があるから子供達のお守りだ」

 

「検査?何かあったんですか?」

 

「いや、仕事に復帰できるかどうかの検査だよ。皆復帰したくてうずうずしてるよ」

 

「あぁ~。皆さん仕事人間ですもんね」

 

「何より俺が働きすぎるから自分達も働かないとってな。まあ、家にはエレナや玉藻、ブーディカが居るから大体見てくれてるけどな」

 

「リチャード辺りがやんちゃですからね」

 

「ただ、問題なのは隼斗なんだよなぁ・・・」

 

「隼斗がどうかしたんですか?」

 

「あの子には俺の血が色濃く出てるのか写輪眼を開眼してたんだよ」

 

「まさか!?」

 

「ただ、あの子は賢いからすぐに俺に言ってきたんだ。一応見たがやはり血なのかもう完成形の写輪眼になってた。それで俺はあの子の相手をしなくちゃいけなくてな?」

 

「一族最期の長としてですか?」

 

「いや、1人の我が子として接する。これは俺があの子達がはやて達に宿った時から決めていた。一族としてではなく、人として、1人の大人として、産まれてきた子供達には分け隔てなく愛情を注ぐと決めていた。甘やかすだけが、厳しくするだけが教育じゃない。人としてどう成長するかは親の技量次第だ」

 

「わかりました。こちらは私達で何とかします」

 

「任せた」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「にしてもストリートファイトとは・・・血は争えんな、クラウスよ」

 

そうかつての戦友に向けてぼやいた俺だった

 

 

 

                      続く

 

 

 




皆さんキャストリアは引けました?

そして危険な暑さが続いてますね
私は2~3回程熱中症でやられました

皆さんお気を付けてお過ごしください


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悠飛の思い、そして親子の会話

何か左手と左足が痛い・・・


「父上」

 

「隼斗か。どうした?」

 

「僕のこの眼は一体どういうものなんでしょうか?父上も同じ眼を持っていますが」

 

「いいかい、隼斗?その眼、写輪眼は心を写す瞳と言われている」

 

「心を写す?」

 

「隼斗は繊細な心を持っているんだろうな。父さんの血と相まってより強く受け継がれたんだろうね」

 

「父上もそうだったんですか?」

 

「そうだよ?父さんは今とは違って昔は凄く怖かったんだよ。父さんの大切な人が目の前で死んじゃったからね」

 

 

「それは・・・」

 

「もしかして、隼斗も何かそういうのを見たのかい?」

 

「僕は道端で小さな動物が死んじゃってるのを見たんです。そうしたらなんだか可哀想だなって思って、そう感じたら眼が熱くなって、こんなことになったんです」

 

「そうだったのか・・・隼斗、その優しい心を決して忘れちゃいけないよ?それはとても大切なものだ」

 

「大切なもの?」

 

「まだ4歳の隼斗にはまだ難しい事だとは思うけど、父さんは隼斗には弱いものを守れる立派な人に育って欲しいと思ってる。もちろん、隼斗だけじゃなくて鳴海やリチャード達にもそうなれるようにして欲しい」

 

「弱いものを守れる・・・父上のようにですか?」

 

「どうだろうね。でも、父さんはヴィヴィオや隼斗達はもちろん、母さん達も守らないといけないからね。父さんの一番大事な仕事っていうのは、家族を守らなくちゃいけないことなんだよ」

 

「家族を守る?」

 

「そうだ。隼斗も大きくなったらいずれわかるさ。その為にも、その優しい心を無くしちゃいけないよ?」

 

「はい」

 

「でも、優しさだけじゃ何も救えない。だから誰かを守れる強さが必要になる。父さんも母さん達を守るために強くなったんだ」

 

「優しさと強さ・・・」

 

「でも今はできなくていいよ。今隼斗達がすべき事は、遊ぶことと学ぶこと。父さんは皆が笑って暮らせるように今まで頑張ってきたからね」

 

「父上・・・」

 

「それじゃあ今日もみんなで遊ぼうか・・・っと、その眼だけどできるだけ使わない方が良いぞ?その眼は使えば使うほど眼が見えなくなっていくからね」

 

「そうなんですか?」

 

「そうだな・・・隼斗達が10歳になったらもっとその眼の事を教えて上げるよ」

 

「わかりました。それじゃあ10歳までこの眼は使いません」

 

「それまではその眼が使えないように封印しておこうか」

 

「はい」

 

 

スゥー

 

トン

 

「封印」

 

そうして隼斗の写輪眼を封印して通常の目に戻ったことを確認した

 

 

「それじゃあ遊ぼうか。皆をよんできなさい」

 

「はい!」

 

こうしてみると隼斗は本当に良い子に育ってくれてる・・・お兄ちゃんができてるな。

妹達が喧嘩してると必ず止めてくれるし、はやて達も助かってる。

・・・まあ、聞き分けが良すぎるのが何か気になるけどな・・・

 

それから俺は隼斗と話したことを他の子供達にも話してから子供達と遊んでいた

 

「「「「「「ただいま~」」」」」」

 

「お帰り。どうだった?」

 

「皆バッチリ!」

 

「体型も元に戻ってるし、魔力値も問題ないって」

 

「というか、皆前より魔力値上がってるって言われたわね?」

 

「多分、ゆう君のお陰だよね」

 

「・・・ノーコメントで」

 

子供達の前なので下手なことは言えない

 

 

「ところで皆で何してたん?」

 

「なに、ただの家族サービスさ」

 

「もしかして悠君、また圭吾君達に休めって言われた?」

 

「いや、お前らが本局の医局言ってる間に例の通り魔事件の犯人を保護しただけたよ」

 

「もしかして、覇王イングヴァルト?」

 

「そ。その子孫というか末裔の子供だったさ」

 

「子供?」

 

「St.ヒルデ魔法学院中等科一年、ハイディ・アインハルト・ストラトス・イングヴァルト・・・学校にはアインハルト・ストラトスで登録しているらしい」

 

「その学校って、ヴィヴィオの行ってる?」

 

「何の因果かな。こうなってくると初代・・・リュウキ様の導きだと思えてくるな・・・しょうがない。明日辺りにもう一人の関係者のところに行ってくるかね」

 

「もしかして、鉄腕の?」

 

「そうとも言えるし、違うとも言えるな・・・何て言うか、そいつの保護者といえる雷帝の末裔にな」

 

「もしかして複雑?」

 

「何て言うか・・・あいつの血族は本当に意味がわからない放浪癖があってな・・・中々所在が掴めんのだ・・・」

 

「何か・・・大変そうね・・・」

 

「つうわけで、明日は少し留守にする。っと、1つ忘れてたな」

 

「どうしたの?」

 

「隼斗の事でな」

 

「隼斗がどうしたん?」

 

「俺の血が強く出てるのか写輪眼を開眼してたんだよ」

 

「写輪眼!?」

 

「一応様子を見てたけど、あの子はかなり繊細な心を持っているようだ。俺やお前達の気持ちを汲み取るうちに開眼していったんだろう」

 

「どうするのよそれ!?」

 

「大丈夫。既に封印して使えないようにしている。あの子が優しい心を持ったまま成長したら封印を解くつもりだ」

 

「それなら安心だね」

 

「悠君の封印術は悠君にしか解けへんからな」

 

「一応お前達でも用心深く見ておいてくれ」

 

「うん、皆で代わる代わる子育てするよ。なんたってみんなの子供やからな」

 

「そういえば子供達は?」

 

「今日はもう遅いからもう寝てるよ。皆ぐっすり眠ってる」

 

「久しぶりにお父さんに遊んでもらってはしゃいだんだね」

 

「俺も久しぶりにゆっくりで来そうだ。昨日はティアナとスバルとノーヴェが離のほうでアインハルトを見ていたからな」

 

「あ、ティアナ達も来てたんだ」

 

「ま、ここが一番近かったからな。それに、俺の家なら局員は何も文句言えないだろ」

 

「そうだよねぇ。この家ほどセキュリティが堅いところって無いよねぇ」

 

「機密のモビルスーツ整備工場もあるし、()() の封印場所でもあるからね」

 

「RX-0・・・いや、サイコフレームは危険すぎるからな・・・俺達も危うく虹の彼方に行ってしまいそうになる程に」

 

「ニュータイプが使うと正に未知の力を発揮するから・・・」

 

「RX-0は実質封印・・・サイコフレームを使ったモビルスーツは完全に実験を凍結・・・」

 

「サイコフレームに関しては作った俺らでも把握できてない・・・NT-D発動時に露出したサイコフレームが光っているが・・・あれ、何で光っているのか作った我々にも分からんのだ・・・」

 

「そんな代物を作ってたなんて・・・」

 

「俺には帰る家も、護るべき者もある。ユニコーン、バンシィ、フェネクスはそのうち解体することにするわ」

 

そう話したあと、俺は寝室に向かい眠りに着いた

 

 

 

                        続く

 




主人公は子供の事を色々考えているのです・・・
自分と同じ思いをしないように・・・

次回はあの二人に会いに行きます


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雷帝・鉄腕

あの二人に会いに行った回です


翌日

 

俺はとある屋敷に来ていた

 

 

「ようこそ、天帝様。お待ちしておりました」

 

「久しいな、エドガー」

 

「お嬢様とジークリンデ様がお待ちです」

 

「ああ。案内を頼む」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コンコン

 

「失礼します。天帝様をお連れしました」

 

「どうぞ」

 

ガチャ

 

 

「失礼する。久し振りやな、ヴィクター、ジーク」

 

「お久し振りですわね、総大将様」

 

「お久し振りです」

 

「こうして話すのは2年前にジークがチャンピオンになった時の俺が視察に来てた大会以来だな」

 

 

「そうですわね。里帰りされてるなかでたまたま来られたということでしたわね」

 

「何や管理局の総大将が視察に来てるなかで優勝できたのが良かったです」

 

「まあ今日は昔話に花を咲かせに来たわけではないんやけどな」

 

「真面目なお話ですわね」

 

「実は例の通り魔事件の犯人を保護してな」

 

「保護ですか」

 

「ということは」

 

「そのとおり、犯人はまだ中等科1年の子供だったさ」

 

「それだけでしたらわざわざ来られませんわね」

 

「そう。何とまあそいつの正体が覇王イングヴァルトの末裔だったのさ。おかげで左眼の封印が解けて輪廻眼になっちまった」

 

「貴方の眼が反応するのであれば正統継承者なのでしょうね」

 

「実際ウチらと初めて会ったときも輪廻眼やったしね」

 

「それに、4年前の事件で総大将が養子になさった娘も・・・」

 

「ヴィヴィオはオリヴィエのクローンとして産み出された人造魔導士だから複雑では有るんだが」

 

「でもそれを神聖視する者やそうでない者も居る」

 

「あくまでも俺達はあの娘を普通の一人の人間として育て上げるつもりだしな」

 

「そこは悠飛さんとリュウキはにてますね」

 

「そうか?」

 

「ええ。伝え聞いた限りではリュウキ・タツガミはあの戦いの後、総大将と同じ教育方針を取っておられたようですわ」

 

「成程な・・・ところでヴィクター」

 

「はい?」

 

「さっきから気になってたんだが、総大将って呼ぶのやめてくれんか?気軽に名前で呼んでくれて構わん」

 

「ああ・・・悠飛さんってそういうの仕事以外じゃ嫌いなんでしたっけ?」

 

「どうも堅っ苦しいのは嫌いなんだよ。こればかりは一度死んでも直らん」

 

「そうでしたのね。では以後はジークと同じで悠飛さんとお呼びいたしますわ」

 

「そうしてくれ。でないと気になって仕方がない」

 

 

 

それからは他愛の無い話をしていた

 

 

 

 

 

「さてと、それじゃあそろそろ帰るとするかね」

 

「お忙しいでしょうが、無理はなさらずに」

 

「その前に周りが止めてくるさ。そんじゃあ今度はインターミドルでな」

 

「インターミドル?視察でもされるんですか?」

 

「いや、今年からヴィヴィオ達が出るんでな?その応援だ」

 

「ああ、そういえば今年で10歳でしたわね」

 

「これから稽古が忙しくなる」

 

そうして俺が席を立とうとすると

 

「あら?そういえば貴方が首にかけていた一角獣のペンダントはどうされたんですか?」

 

「あ、ホンマや」

 

「・・・封印したよ」

 

「封印?」

 

「妻たちには本当の事は言ってないが、サイコフレームは危険すぎる。人の心に反応して共鳴を起こして暴走しかねないから・・・ユニコーン・バンシィ・フェネクスの3機は封印した」

 

「そうやったんですか・・・」

 

「近々解体してサイコフレームは以後製造禁止にするつもりだ。現代ですらロストロギアとなりうる」

 

 

「そんなにですか!?」

 

「ここに来る前に解ったことだが、あれは人の魂を消費して物理的な力に転換している。人の心が発する光・・・それがサイコフレームの発光現象だったんだ」

 

「人の魂を消費して・・・それならロストロギアに認定されてもおかしくは無いですね」

 

「ま、その話しはおいといて。覇王に関してはうちの娘とその友達がなんとかするやろ・・・多分

 

「今多分って言いませんでした?」

 

「気のせいだろ?それじゃあまたな」

 

「はい、ごきげんよう」

 

「さよならです~」

 

 

こうして今回の訪問は幕を閉じた

 

それから3日後、サイコフレームを採用した機体は極秘裏に錬金術で解体してサイコフレームのデータは設計図と共に我が宝物庫に厳重に封印された

 

もう二度と陽の目を見ることはないだろう・・・

 

 

 

おまけ

 

 

「ほう、遂に完成したか」

 

「ええ。予定より1日早く完成しましたわ」

 

「何か無茶させたか?」

 

「いやいや、俺らはただ人数に物言わして代わる代わる作業してただけでさぁ」

 

「まあいい。とりあえずこれを均等に分けあって連中に渡してくれや」

 

「分かりやした。人数分分けておきまさぁな」

 

 

 

これで子供達がちゃんとした環境で稽古できるな

 

 

 

                   続く




就職活動が芳しくない・・・

まあ、焦っても何もいいことは無いんで地道にやっていきます


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ヴィヴィオの特訓

お待たせしました
どうぞ


ある日のこと

 

カタカタ方カタカタ

 

「うーむ・・・」

 

「どうした?」

 

「サイコミュ兵装に替わる新たなモビルスーツの原案を考えてるんやが・・・」

 

「やっぱ行き詰まってるか」

 

「どれもこれも机上の空論で俺らでも後100年経たんと開発できんもんやからな」

 

「そりゃあ没やな」

 

「少し外の空気を吸ってくる」

 

「いや、そのまま今日は仕事終わっとけ?かれこれ6時間はそこに居るぞ?」

 

「・・・そうするか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふぅ・・・」

 

こうして縁側に来てはみたもののやることもねぇしなぁ・・・

 

 

「あ、ここに居たんだ」

 

「ん?どうした?ヴィヴィオ」

 

「パパに教えて欲しいことがあるんだ」

 

「何だい?言ってごらん」

 

「オリヴィエってどんな戦闘スタイルだったの?」

 

「・・・何かあったのか?」

 

「今日アインハルトさんとスパーしたんだけど、私の格闘技は遊びだと思われちゃったみたいで・・・」

 

「成る程なぁ・・・

 

なぁヴィヴィオ、ヴィヴィオはどうしたいんだ?」

 

 

「もう一度本気でぶつかってみたい。今度は遊びだと思われないように・・・!」

 

「うん、それだけ聞ければ十分だ。それじゃあこれから試合の日まで特訓するか!」

 

「うん!」

 

それから俺は夕方からヴィヴィオの格闘技の稽古をつけることにした

 

 

 

 

 

 

 

翌日

 

 

「はぁあああああ!」

 

ドン!

 

「甘い!正拳は的確に狙ったところに打ち込め!」

 

「押忍!」

 

ドパン!

 

 

「良し!さっきよりも良くなった!その調子だ!」

 

「はぁあああああ!」

 

ドパァン!

 

 

 

「凄い圧力・・・スバル達はこんな特訓を受けてたのか?」

 

「いや、私達はそこまでだったね・・・」

 

「ただ、兄さんを怒らせたら怖いってことは六課のメンバーは全員知ってるわね・・・」

 

「君達は主を1度怒らせてるからね」

 

「「うっ・・・」」

 

「そういえば、君達は合宿は行くのかい?」

 

「はい!久し振りに皆で集まれるので楽しみです!」

 

「去年は凄かったわね・・・あの2人が・・・」

 

 

 

『無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄!!!!!!!!!』

 

『オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ!!!!!!!!!』

 

 

ドガガガガガガガガガガ!!!!

 

 

「須佐能乎でラッシュしてるなんて誰も思わないよねぇ・・・」

 

「あの2人は昔から喧嘩するとああだからね。こればかりはなれるしかない」

 

「なのはさん達が普通に見てるってだけでも驚きなんですが・・・」

 

「まあ、なのは達も最初は戸惑ってはいたがね」

 

 

 

 

「よし、それまで!これより休憩だ」

 

「ありがとうございました!」

 

とそこに圭吾がやってきた

 

「悠飛、お前少し鈍ったんとちゃうか?」

 

「は?」

 

「こんだけで休憩入れるとか昔のお前なら無かったと思うけど?」

 

「ヴィヴィオはまだ10歳だ、無茶はさせられん」

 

「エリオとキャロはもっとやってたやないか」

 

「あのな、スポーツ選手と局員を比べんな!」

 

「それを甘やかすって言うんとちゃうんか?」

 

プツン

 

明らかな挑発と分かっていたが俺はキレた

 

「やんのかワレェ!(#゚Д゚)ノ」

 

「上等じゃゴルァ(゚Д゚#)」

 

 

「「「「あっ・・・」

 

 

 

「戦闘結界!」

 

「「決闘(デュエル)」」

 

 

ドガガガガガガガガガガ!!!!

 

「『世界(ザ・ワールド)』!!」

 

「あっ!ずりぃ!!」

 

「貧弱貧弱ぅ!!」

 

ドガガガガガガガガガガ

 

「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄!!!!!!

WRYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYY!!!!!!!

無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァ!!!!!!!!」

 

ドガガガガガガガガガガガガガガガガガガガドゴン!!!!!!!

 

「グボァ!!」

 

この間僅か10秒である

 

「「うわぁあ・・・・・・・・・・・・」」

 

「やっぱりパパは強いなあ」

 

そして挑発してきた圭吾は再び犬神家みたいになっていた

 

「でもこれはさすがに参考にはできないよねぇ・・・」

 

「こんなもん参考にせんで良い。ヴィヴィオにはちゃんとあった鍛え方をするわ」

 

「そうですか」

 

「それに、合宿の時にヴィヴィオに一つ術を教えてやるつもりだしな」

 

「ほんと!それって何!」

 

「今はまだ秘密だ。それよりも今必要なのは基礎をしっかり鍛えることだ。勉強もな?」

 

「はぁい」

 

 

 

 

 

 

 

後日、ヴィヴィオはアインハルトとの再戦で負けてしまったが、教えたことを全てできていたようなので俺は嬉しく思った

 

 

                         続く




尚、今回主人公が使ったザ・ワールドですが、あれは単に幻術と宿地を掛け合わせた擬きなのでスタンドではありません


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春期合宿

大変お待たせいたしました

遅れた理由はコロナ禍での就活や私生活が忙しかったために作品の内容を考える時間がなかったためです

それでは本編をどうぞ


ミッドチルダ 新暦0079年 4月下旬

 

地球 某所

 

 

ビュン!

 

「ぐぁあああああ!!!」

 

 

 

「やれやれ、こっちでの人斬り稼業は当分やらねぇって言ってたのにな」

 

「申し訳ありません。我々だけではどうにも手が足りませんでしたので」

 

「しょうがねぇさ。ヒュームもクラウディオも留守にしてるなかで起きたことだ」

 

「感謝致します、悠飛殿」

 

「百代じゃ人は殺せねぇしな」

 

「私は格闘家ですから。それにヴィヴィオちゃん達の稽古も見てるのでそっち方面はあまり・・・」

 

「ま、俺らが協力しているってことを知れば連中も大人しくしてるだろうよ」

 

「では、報酬はいつもの所にお送り致します」

 

「もう人生3回やり直しても釣りが来るほど使いきれない財産なんだがな・・・」

 

「そう言ってお前、この前戦車道の支援に30兆円寄付してたじゃねぇか。文科省の役人が不正して無理やり潰そうとした学園を学園艦の整備費ごと」

 

「あれは学園艦の整備と学校運営費諸々込みでしばらくは持つようにしただけだ。それに新しい戦車入れるのにも金が要るだろうから余分に渡しただけだ」

 

「本当にそれだけか?」

 

「・・・やっぱお前にはバレるか」

 

「当たり前や。何百年の付き合いやと思ってるんや」

 

「本音を言えば健全で純真な高校生の思いを弄んだアレを許せなかったのさ。あんなのは教育者じゃない、唯の強欲な犬畜生以下だ」

 

ズドンッ!

 

「これで終わりっと」

 

「よし、あとはこちらで処理しておく。そんで悠飛、後継者については追々考えるとしようや。今考えてもまとまらんし」

 

「それもそうか」

 

「それより合宿の準備はできとるんか?」

 

「それについてはもうできてるわ」

 

「それでは悠飛殿、あとはお任せします」

 

「おう」

 

そしてこの世界からまた一つテロ組織が消え去った・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数日後

 

 

「「おじゃしまーす!」」

 

「来たかい。それじゃあ居間で待ってなさい」

 

「「はい!」」

 

「パパ、私は部屋から荷物取ってくるね」

 

「急がなくて良いぞ、まだ時間は有るし、あと2人待ってるからな」

 

「2人?」

 

ピンポーン

 

噂をすれば

 

 

「あの、お邪魔します」

 

「少し遅くなりましたかね?」

 

「いや、まだ車来てねぇから大丈夫だ」

 

「アインハルトさん!・・・とノーヴェ」

 

「2人も参加だ。有意義に過ごせれば良いぞ・・・ところでヴィヴィオ、準備は出来たのか?」

 

「あ!!準備してきまーす!!」

 

 

 

「騒がしくて悪いな」

 

「いえ、その、いいと思いますよ?」

 

「やはり血なのかねぇ、あの性格は」

 

「悠兄、メンバーはこれで揃ったの?」

 

「うちから行くのはな。空港でスバルとティアナと合流して、向こうでエリオとキャロと合流って感じだな」

 

「今思えば、あたしらはとんでもない相手にケンカ売ってたんだよなぁ・・・」

 

「お前達更生組は俺は何もしないし、直接手を下したのはドゥーウェとクアットロだけだ」

 

「それでクアットロは悠兄を見ると少し怯えたように見えるのか・・・」

 

「幻術にはめただけだがな・・・さて、そろそろ来る頃か」

 

 

ガチャッ

 

 

「車の準備できたぞ、3台に別れて荷物乗せろよ?」

 

「おう。そんじゃあ行きますか」

 

こうして俺たちは空港に向かった

 

これから行くのは無人世界カルナージ

 

メガーヌとルーテシアが隔離されてる世界だが、だからこそこうして年一回集まって合宿をすることができる

 

今回は俺と圭吾と辰徳、なのは、フェイト、ディアーチェ、アリサ、すずか、ユーリ、そして子供達とスバル、ティアナ、ノーヴェ、エリオ、キャロとアインハルト、リオ、コロナとなっている

 

 

「なのは。今回の合宿でヴィヴィオに一つ術を教えるが構わないな?」

 

「うん。悠君に任せるけど、何を教えるの?」

 

「螺旋丸を教えるつもりだ」

 

「あれって確か会得難易度がAランクの超高等忍術じゃなかったっけ?」

 

「少し前まではまだ早いと思ってたんやけど、あの子思いの外魔力コントロールの上達が早いから今ならと思ったんや。それでも無理せずに修行させるから数週間~数ヶ月かかる見込みや」

 

「まあ、それくらいが妥当かな」

 

「そりゃあそんなすぐに会得できるような術じゃないからな、それにまだ10才やから無理はさせん」

 

そういう話をしてる間にも車は空港へ向けて走っている

 

さて、今年はどうなることやら・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

                        続く

 

 

 




次はカルナージでヴィヴィオに螺旋丸を教える回になりますかね


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螺旋丸継承

大阪が赤灯ったぁあああああ!!!

年末バイトしたくねぇえええええ!!!!

薬飲めないもの・・・


ミッドチルダから次元航行船で約8時間

 

高速戦艦のエターナルで約5時間の所にカルナージがある

 

そこは人は2人しか居らず、自然豊かな環境となっている生き物の楽園と呼べる星である

 

 

「よし、荷物はこんなところか」

 

「今年も世話になるな、メガーヌ」

 

「いえいえ、ごゆっくりしていってくださいね」

 

そんな星にある俺たち御用達のホテル・アルピーノはメガーヌとその娘のルーテシアが経営している

2人は4年前にこっちに隔離という名目でこの世界に来たのだが、実際には静養のために俺たちが手配したのだ

 

 

「それじゃあ子供達と大人でそれぞれ別れるか」

 

「ああ。っとそうだ、ヴィヴィオ。午後からは俺のとこに来るように。それまでは隼斗たちの面倒も頼むな」

 

「午後から?何かするの?」

 

「後のお楽しみだ」

 

「???」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1時間後

 

 

 

「ふう、本格的な部分になるとやはり体への負担がでかいな」

 

「いくら百代たちの稽古をしてるとは言えここまでではなかったからな」

 

「さすがの俺らでも少しは鈍るか・・・ところでお前ら、なのはとフェイトとアリサとすずかはしょうがねぇとして愛弟子3人はバテすぎじゃねぇか?インターバルのばすかー?」

 

「だ、大丈夫でーす!」

 

「バテてなんか、いないよ・・・?」

 

「いや、フェイト。そんなプルプルしてる状態で言われても説得力ねぇよ・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして昼

 

 

俺たちはまず合同で訓練をしていた

 

 

 

 

ゴォオオオオオオオオッ

 

 

 

「スバル!テンペストくるわよ!」

 

「オーライ、ティア!」

 

 

「バースト・テンペスト!!」

 

ドバァッ!

 

「うおぉりゃああああ!!」

 

「シュート!」

 

ドドドドドド!!

 

ガギン!

 

 

ピーーーッ

 

「っと、時間か。スバル、ティアナ。いいコンビネーションだった!そのスタイルは続けていけ」

 

「「ありがとうございました!!」」

 

「悠飛、そろそろヴィヴィオの所に行ってやったらどうだ?」

 

「そうだな。ここからは任せたぞ、ディアーチェ」

 

「うむ」

 

フッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

フッ

 

「ここに居たか。ヴィヴィオ、来なさい。アインハルトも見ていいぞ」

 

「はーい」

 

「あの、よろしいんでしょうか?」

 

「構わん。これは一朝一夕でできるようなスキルじゃねぇしな」

 

 

そして俺は木の傍に立った

 

「ヴィヴィオ、これからお前に術を教える」

 

「本当に!?」

 

「ただし、これは恐ろしく難易度の高い術だ。会得難易度はAランクだ」

 

「そんなに難しいの?」

 

「この技は先代・・・つまり俺の親父が考案して俺が完成させた形態変化の究極型といっても良い・・・性質変化については学んだな?」

 

「うん、人によって得意な変換魔法のことだよね?」

 

「有り体に言えばそうだな。だがこれはその性質変化とは全く異なる。その代わり難しい印やらなんやらが必要ない」

 

「あの、つかぬことをお聞きしますが、それはどういったものなのでしょうか?」

 

「要するに魔力の形を変えて攻撃するって事だな。ま、少し見てな」

 

そうして俺は右手で魔力を回転させ始める

 

 

シュウウウウウウ

 

 

「凄い・・・」

 

「濃密な魔力が高速で回転している・・・」

 

ギュオオオオオオ

 

 

「これが高密度の魔力で作り出した術・・・螺旋丸だ」

 

ギャルルルルルルル!!!!

 

ガサガサガサ

 

ドンッ

 

そして手頃な木に螺旋丸をぶつけると、ぶつけたところから木が折れて倒れた

 

「見てわかるとおりこの術は魔力を高速で乱回転させて破壊力を出させるものだ」

 

「これをヴィヴィオが?」

 

「そうだ。この術のポイントは回転・威力・留めるの3つだ。だが1度に全部できないからこれを使う」ポヨン

 

「これって、水風船ですか?」

 

「そうだアインハルト。まずはこれを魔力で割ることから始める。第一段階の回転をこれで覚えてもらう」

 

「回転って、魔力を回転させるの?」

 

「そうだ。言っておくが、これは生半可な術じゃないからな?俺でもここにたどり着くのに半月、完成するのに1ヶ月かかったからな」

 

そう言って俺は水風船の中身を回転させた

 

「こうやって中の水を魔力で回して割るのさ」パチュン!

 

「なんだか凄くボコボコしてましたね」

 

「だがこれはあくまで第一段階だ。まずはこれをクリアしてからだ」

 

「わかったよ、パパ」

 

そうして2人の螺旋丸習得が始まった

 

 

 

 

数時間後

 

 

「はぁ・・・はぁ・・・」

 

「中々・・・どうして・・・」

 

「螺旋丸が如何に難しい術か理解したか?」

 

「こんなに難しいんだ・・・パパたちの術って・・・」

 

「スバルとティアナはこれよりも更に難しい技術を六課の時に習得しているからな。大人でも数ヶ月かかると言うことだから無理もない」

 

「悠飛、夕食の準備の時間だぞ」

 

「っと、もうそんな時間か。ということで今日の修行はこれまで、次は向こうに帰ってからだ」

 

「そっか、明日はアレだもんね」

 

「今日はもう温泉に入って休め。今日だけで利き手を酷使しただろうからな」

 

そうして俺はヴィヴィオとアインハルトを休ませた

 

 

 

 

 

おまけ

 

 

トントントントン

 

「相変わらず手つきがいいわねぇ~」

 

「よくみんなで料理してるからな」

 

「悠飛さん、こっちはどうしますか?」

 

「エリオの好きなようにしたら良いさ。お前の料理を食わせてくれるか?」

 

「お任せください!」

 

「悠飛、こっちあがったぞ」

 

「こっちも捌けた」

 

「あいよ」

 

 

 

 

   

 

                        続く

 

 

 




次回の悠飛達は別行動です


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観戦

今年最後の投稿です
短めです


次の日の朝

 

コトコトコトコト

 

「ズッ・・・うむ、完成か」

 

ガチャ

 

「あれ?悠君早いね」

 

「なんとなく目が冴えてもうてな、やから朝飯作ってた。お前らは今日は模擬戦3戦するわけやし」

 

「悠君達はしないんだっけ?」

 

「俺らが入ると瞬殺しちまうやろ?」

 

「うっ、否定できない・・・」

 

「ま、今回は俺らはお休みさ。あいつらも俺に言う前に休み無しやったからな」

 

「ほんとよく死なないよね、みんな・・・」

 

「俺に言われても困る・・・」

 

ガチャ

 

「ん?なんだ、もう終わってしまってたのか」

 

「おはよう、ディアーチェ。すまんけどなのはと配膳頼むわ」

 

「うむ」

 

「うん」

 

 

それから続々とみんな起きてきて、朝食を済ませた

 

 

 

 

 

 

 

「・・・」スゥー

 

 

 

 

「あれは何をしているのでしょうか」

 

「あれはパパの日課でして、ああして自分の体調を確認してるらしいですよ」

 

 

「それだけじゃない。ああして自然と一体になることで自然エネルギーを取り込んで回復を促してるのだ」

 

「ますますあの人に似ていますね・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さてと、それじゃあそろそろ行くか」スクッ

 

 

いつもの日課を終えて、俺は観戦場に移動した

 

 

 

 

「あら、もう良いの?」

 

「ああ。ところでセインはいつまで居るんだ?」

 

「せっかくだし1戦みてお昼作ってから食べて帰ろうかなって」

 

「お前、仮にもシスターだろ?シャッハにどやされるぞ?」

 

「うっ、それは・・・」

 

「まぁ、お前の性格上、シャッハはこうなることは予想してるんだろうが・・・まあ良い。俺も少しは休まんとな」

 

「改めて旦那方はどんだけ働いてるんですか・・・」

 

「死ぬ程働いてるな、文字通り」

 

「「よく死なんよな、俺ら」」

 

「そういえば一つ聞きたかったことがあるんですよ」

 

「なんだ?」

 

「旦那の瞳術ってホントはなんなんですか?」

 

「・・・セイン。それは聞いてやるな」

 

「え?どういうこと?」

 

「構わんわ圭吾」

 

「・・・お前が言うなら」

 

「俺の瞳術は略奪と発現だ。俺は相手から奪った力を自分のものとすることができる唯一の力だ」

 

「それってなんか地味じゃない?」

 

「それどころか最恐の瞳術だ。何せ、一族殺しに特化した能力だったからな」

 

「圭吾さん、それってどういゆこと?」

 

「俺の瞳術は、一族の瞳力を奪うことに特化している・・・つまり、その気になれば相手の視力ごと瞳力を奪う。そしてそれを発現・・・つまりその力を制御できる」

 

「滅茶苦茶ヤバいじゃないですか!?」

 

「尤も、あの日以来使わなくなったけどな。この瞳力は危険すぎる・・・悪党に奪われたら際限なく使われるだろうな・・・」

 

「とはいっても、一族でないものが写輪眼を使おうとすると余計な魔力を必要とし、瞳力を使いすぎれば失明する。しかもONとOFFの切り替えができないから常に消費しなければならない」

 

「ってなわけでこいつら以外の瞳術を使うことができるのさ。一番のアタリは神威か」

 

「ホントに反則だよなそれ。攻撃をすり抜けるとか」

 

「っと、俺の話してる間に早速動きがあったか」

 

「みんなえらいエエ動きしとるなぁ」

 

「なのはたちも久しぶりで少しはしゃいどるな」

 

「ディアーチェは変わらずフォローか」

 

「ん?アインハルトはいきなりヴィヴィオとか」

 

「現状はアインハルト有利か」

 

「ああ。それよりもあいつ、旋衝破を使えたのか」

 

「どういう技や?」

 

「シューターみたいな射撃はバレットシェルを壊さずに術者に返すカウンター技や」

 

「ま、俺らなら360度からの全方位同時攻撃かますから無意味なんやけども」

 

「旦那方がどれだけヤバいのかよくわかった・・・」

 

「あ、ヴィヴィオがやられたか」

 

「そのままなのはのとこに行くか・・・」

 

「なのはのやつ、楽しそうにしてるな」

 

「そして油断してるな」

 

「バインドしてるとは言え油断しすぎだろ」

 

「おや?アインハルトの様子が・・・」

 

「この技は・・・」

 

繋がれぬ拳(アンチェイン・ナックル)か。偶然とは言えクイントの得意技を発動できたか」

 

「なのはに落とされたが十分な収穫はあったか」

 

「なのはは周りを見てなくてティアナに一撃食らってるし」

 

「戦闘の勘が鈍ってるな」

 

「それが分かっただけでも収穫だ。今後に役立てれる」

 

そんなこんなで前半戦はこんな感じで進んでいった

 

後半戦は更に混戦となるのだが、この時の俺はそこまで考えてはなかった

 

 

 

 

 

 

 

                        続く

 

 

 

 

 




変なタイミングで風邪引いてたのでここら辺で切ります

皆さん良いお年を


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戦いのあと

お久しぶりです

年末に風邪引いたりなんやかんやあって遅くなりました

続きをどうぞ


戦闘開始からしばらく経ち、皆HPがある程度削れてきた

 

 

「さてと、ここから皆はどう動くかなっと・・・」

 

「ぱぱ~」

 

「鈴菜?どうしたんだい?」

 

「だっこ~」

 

「はいはい。よっこいしょっと」

 

「あらあら、可愛いわねぇ~」

 

「すずかとの子だが、兄妹の中で一番甘えん坊なんだよ」

 

「良いじゃない、こんなに可愛いんだだから」

 

「逆に手のかからないのが隼斗だな。かからなさすぎるのが気掛かりだが」

 

「そんなこと話してるうちに動きがあったぞ」

 

「2on1か・・・だがそれだけでは決め手にならんな」

 

「それにルーテシアとキャロは油断してるな」

 

「案の定ルーテシアとリオはコロナにやられたか」

 

「そんでキャロはなのはにやられてコロナは捕縛と・・・って、なのはのやつ収束入りやがったぞ!」

 

「おまけにティアナも収束に入ったってことは・・・」

 

「衝撃に備えた方が良さそうだな。皆、こっちに来なさい」パチンッ

 

『?』

 

ズドォオオオオオオオオオオオン!!!!

 

「・・・・・・これ、なんて最終戦争?」

 

「まぁ、収束砲(ブレイカー)の衝突だからこんなもんよねぇ」

 

「それより皆大丈夫なのか?」

 

「ま、模擬戦な上DSAA公認のダメージセンサーあるから大丈夫だろう」

 

「あ~あ、なのはのやつ相殺しきれなかったかぁ」

 

「完全に鈍ってるわな」

 

「しょうがねぇさ、子育てしてて鍛練どころじゃ無かったしな」

 

「生き残りは・・・」

 

「あっ、ティアナがやられた」

 

「今のは見えた!ヴィヴィオ、ティアナに何か射ったよね!」

 

「ああ、単発のシューターだな。所謂速射だ」

 

「あとはヴィヴィオとアインハルトのタイマンか」

 

「こりゃあどう転ぶか・・・」

 

「あ、相討ちで終わったな」

 

「これで第1戦は引き分けで終了っと」φ(..)

 

「子供達は課題が見えてきたな」

 

「残りはあと2戦で洗い出すか」

 

そしてそのあとは休息を取りつつ夕方まで模擬戦を眺めていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ほれ、特製疲労回復ドリンクだ。全く、お前らはペース配分を知らんのか?」

 

子供達4人はベッドの上で伸びていた

 

「ルールーはなんで平気なの~?」

 

「そこは年長者なりのペース配分で」

 

「そんなんでインターミドルやっていけんのか?」

 

「あの、インターミドルってなんなのでしょうか?」

 

「そういやぁお前は知らなかったな。インターミドル・・・D(ディメンション)S(スポーツ)A(アクティビティ)A(アソシエイション)。公式魔法戦技競技会と呼ばれる大会で出場可能年齢は10歳~19歳だ。そこで頂点に立ったものは正に次元世界最強の10代ってことになるな」

 

「個人計測のライフポイントを使用しての実戦形式の魔法競技会だ。こっちの界隈ではこう呼ばれてる・・・インターミドル・チャンピオンシップとな」

 

「だが、参加するにゃあ安全のためにCLASS3以上のデバイスが必要だがな」

 

「デバイス・・・・・・持ってないです」

 

「あぁ、そういえばお前は真正古代(エンシェント)ベルカだったな」

 

「はい。真正古代(エンシェント)ベルカのデバイスは作るのが難しいと」

 

「ま、今回はお前は運がいいな。」

 

「だね」

 

「あの、運がいいとはどう言うことなのでしょうか」

 

「忘れたわけではあるまい。俺達3人の根本の力は真正古代(エンシェント)ベルカで、俺の家族はベルカ式が主力だ。」

 

「うん。はやてちゃんに頼めばなんとかなると思うよ」

 

「あとでメッセージを送っておくか。ユーリとシュテルも協力してくれるだろうし、何よりこの手の事が好きなメンバーだしな」

 

「で、あるな。あやつは悪ノリしなければよいが・・・」

 

「プログラムであれば俺が半日で組めるしな」

 

「そんなに速いんですか!?」

 

「まぁ、モビルスーツのOSを一から組み上げるより遥かに簡単やな。悠飛なら」

 

「確かにモビルスーツって結構複雑だよねぇ」

 

「そう言えば貴方達って基本モビルスーツで戦ってたわね?」

 

「ガジェット対策で使ってただけだしな」

 

「それに地球(むこう)では魔法なんて存在は秘匿されてるからな。核兵器を使われないようにするのと、あとは他国への牽制だな」

 

「向こうってそんなになの?」

 

「バカな国はそうなるな。まぁ、そういう国は俺らで潰したけどな」

 

「バカだからわからんのさ」

 

「ああ。バカばっかりやったな」

 

「あはは・・・」

 

「なんにせよ、あとではやてに聞いてみるか。そんなわけだからお前らはもう休め。俺は温泉に行ってくるからなのはとディアーチェで隼斗達を頼む」

 

「うむ」

 

「うん」

 

「パパはいつも長湯だからねぇ」

 

「子供達だとすぐのぼせて危ないからな。そんじゃあ行ってくるわ」

 

 

 

さてと、これから忙しくなるな

 

 

 

 

 

                        続く

 

 

 

 

 

 

 




結構時間がかかりましたがなんとか出せました

これからも気長にお待ちください



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デバイスときっかけ

そろそろきっかけを作って回収しようと思います


そんなこんながあり翌日

 

 

「向こうにはもう話はしてるから大丈夫だが・・・」

 

何分うちのプライベートは軽いからな

 

パッ

 

「あー、聞こえるか?」

 

『はーい、聞こえてますマスター!』

 

「おいーすアギト」

 

『ルールーオーッス!』

 

「アギト、はやては居るか?」

 

『デバイスの件だよね?ちょっと待ってて』

 

「うん お願い」

 

 

ヌッ

 

「・・・はやて、そういうのはええから。アインハルトが戸惑っとる」

 

『はあーい。ルールー♪おひさしぶりやー』「

 

「司令もお久しぶりです」

 

「早速やけどこの子が」

 

『あー、聞いてるよー。覇王イングヴァルト陛下の正当血統ハイディ・E・S・イングヴァルト。格闘戦技「覇王流」を継承してて、ちょっとやんちゃもしてたけど今は真面目で一生懸命なええ子やって。そんな子にならいくらでも協力するよー』

 

 

「デバイスの形状は格闘戦技ならそこまで拘る必要も無いしな。プログラムなら俺がそっちに戻ってからでもできるから後はどうするかやな」

 

『そやねぇー。スバルのリバーとナックルの時は凄く重かったしなぁ』

 

「せやからそんなアームドデバイスじゃなくてクリス見たいな補助型のデバイスの方が合ってると思うわな」

 

『ほなら決まりやね。後は外装か』

 

「それについては俺に心当たりがある」

 

『ほならそれで行こか。アインハルト、そんなわけで龍神家の真性古代(エンシェント)ベルカ組がノリノリで作るから』

 

『『待っててねー!』』

 

「それじゃあはやて、リイン、アギト。そっちに戻るまである程度形にしてもらえるか?」

 

『はいな。悠君たちも楽しんできてな~』

 

プツン

 

 

「ってなわけでお前は今は基礎トレーニングをしっかりしとけばええ。デバイスの調整は出来てからや」

 

「はい」

 

「まあ帰るのは明日の朝やから今はゆっくりしとけ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その夜

 

 

「お前ら、荷物はしっかり纏めておけよ」

 

「それは問題ない。皆ちゃんと纏めておる」

 

「なら大丈夫か」

 

「あの、悠にい?」

 

「なんだ?」

 

「すごく今更なんだけど、SSSのメンバーってどこで見つけてきたの?」

 

「あ、それ私も気になってたのよ。あの人たちどこで兄さんと知り合ったのかって」

 

「そういえば私たちも聞いたこと無かったよね」

 

「そういえば話していなかったな。まあ、子守唄代わりに聞かせてもええかな」

 

そうして俺は姿勢を整えて話の準備をした

 

 

「あれは確か俺が転生する時の話やったか・・・」

 

 

 

 

 

25年前

 

 

「っ!ここは・・・どこだ?」

 

「お目覚めかしら?」

 

「・・・なんだ、おまえは?」

 

「私は仲村ゆり。そして、ここは死後の世界よ」

 

死後の世界での物語が始まる

 

 

                    続く




次回予告


「ここが死後の世界だと?」

「ええ、あなたは死んだの」

「じゃあその銃をかせ。自分で確かめる」

「へ?」

「死んでたまるか戦線!」

「お前強いのか?」

「俺は、人斬りだ」

次回

出会い


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死んだ世界編
出会い


休業が延長されたので伏線を回収していきます


それは俺が転生する時の話

 

 

 

 

 

気付くと俺は地面に仰向けで寝ていた

 

時刻は夜

 

そして側には謎の少女

 

そしてその少女はここが死後の世界だと言った

 

 

 

「私は仲村ゆり。そしてここは死後の世界よ」

 

 

「死後の世界だと?」

 

「そう。あなたは死んだの」

 

「・・・ああ、あの時か・・・」

 

「どうやら死んだときの記憶は有るようね」

 

「ここが本当に死後の世界なのか確認するにはどうすれば良いんだ?」

 

「そりゃあ死んでみたら良いんじゃない?」

 

「それしかないか・・・おい。何か刃物無いか?なければ拳銃でも構わん」

 

「ハンドガンならあるけど?」

 

「ならその銃をかせ。自分で確かめる」

 

そして俺は少女・・・仲村ゆりから銃を受け取り・・・

 

「ってな訳で死ぬわ」

 

「は?」

 

パァンッ!

 

俺は迷い無く引き金を引いた

 

「ちょ、本当にやるバカがどこに居んのよ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

日が昇り

 

 

「・・・知らぬ天井だ」

 

姿も変わらない・・・本当に死後の世界なのか

 

 

「何にせよ、まずはこの世界について知らねばな」

 

ガラッ

 

「お前がゆりっぺが言ってた新入りか」

 

「・・・なんだ貴様は?」

 

「貴様、なめた口を聞くなよ?ただでさせゆりっぺに貴様の汚い血が付いたのだから今すぐ切り刻んでやりたいくらいなんだ!」

 

「ゆりっぺ?誰だそれは?」

 

「貴様、もう一度死んでろ!」

 

「五月蝿い」

 

ドゴン!

 

「がはっ!」

 

「さて、鬱陶しいのが黙ったところで昨日の奴を探すか」

 

 

そうして俺は気配を探ると校長室に複数の気配を感じた

 

 

 

 

「校長室ねぇ・・・ま、とりあえず入ってみるか」

 

そうしてドアノブを回そうとすると違和感を感じて・・・

 

 

ブン

 

 

「古典的すぎるだろ・・・がい!」

 

ドォーーーーーーン!!!!!

 

ガチャ

 

「何だ!?敵襲か!?」

 

「あら?あなた・・・」

 

「・・・すまん。力入れすぎて壊しちまった」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「っというわけでさっき話してた新メンバー候補が彼よ」

 

「ちょっと待て、話が全く見えてこないんだが?」

 

「あなたはこの・・・何戦線になったっけ?」

 

「死んでたまるか戦線!」

 

「そうそう、死んでたまるか戦線・・・ってアホか!!さっき却下って言ったでしょ!!

 

元に戻す!死んだ世界戦線よそれが私たちの所属するクラスSSSの名前よ」

 

「お前らは何と戦っておるんだ?」

 

「天使だよ」

 

「天使?」

 

「そう。そして私達は神と戦うために集まってるの」

 

それから話を聞いた

 

要約すると、こいつらは生前に何かしらの葛藤や後悔を残して死んだことで成仏できずにこの世界に来たという

 

そしてそんな運命にした神に抗うという

 

 

「というわけであなたをスカウトしたいの」

 

「なあゆりっぺ。こいつつよいのか?」

 

「恐らくね。彼は自分の頭を迷い無く撃ち抜いたんですもの。私の目の前でね」

 

「本当に死ぬかどうかを確かめただけだ」

 

「で、入ってくれるかしら?」

 

「すまないが入ることはできない」

 

「てめえ、断るとは良い度胸じゃねぇか!」

 

「勘違いするな。俺は俺に課せられた運命に誰も巻き込みたくないだけなんだ」

 

「課せられた運命?どういうことよ?」

 

「そうさな。どうして入れないのかを話す必要があるな・・・では話そう。」

 

そうして俺は腰をかけて話し始めた

 

 

「俺は人斬りだ」

 

 

そうして俺の生前を話していく

 

最初は皆信じられないと言った表情だったが段々悲痛な面持ちに変わっていった

 

 

「それが俺だ。そういえばまだ名乗っていなかったな・・・龍神悠飛、それが俺の名だ。そして今話したことが俺達一族の罪、そして俺が生前に残した後悔だ」

 

「何つーか、酷すぎるぜ・・・」

 

「ああ。にわかには信じられんが」

 

「こんな奴と一緒に居たいとは思わんだろ?だから入れないというわけだ。それに迷惑もかける」

 

「それとこれとは別よ。あなたは私達の中でも最も酷い過去を持っている。沢山傷ついて来たんでしょうね。でもね、私達はそんなことじゃ離れないわ。」

 

「は?」

 

「だって、あなた今泣いてるんだもの」

 

言われてはじめて気付いた。知らぬ間に俺は涙を流していた

 

 

「あれ?何で俺、泣いてんだ?」

 

自分でもわからない。

 

「あなたは今まで孤独だった。でもこの世界ではあなたの居場所を作れる。私達がその居場所になってあげる。だから戦闘に参加するかはあなたが決めてちょうだい」

 

ああ。俺は居場所を求めていたんだな・・・だが俺の後悔は・・・まだ残っている・・・

 

 

「ああ。それならば・・・ここに居ても良いのだろうか・・・」

 

「歓迎するわ!改めて私は仲村ゆり。この死んだ世界戦線のリーダーよ」

 

「俺は日向ってんだ。ゆりっぺとはこの戦線が出来た当初から知り合いだ」

 

「彼は大山くん。特徴がないのが特徴よ」

 

「よろしく」

 

「Come On!!Let's dance!!」

 

「踊らねぇよ・・・」

 

「その人なりの挨拶よ。彼はTK。素性も本名も不明よ」

 

「そんなやつ居て良いのかここ?」

 

「さっきは悪かったな」

 

「藤巻君よ。ガラは悪そうだけど面倒見は良いわ」

 

「よろしく頼む」

 

「彼は松下五段。柔道五段だから皆敬意を込めて松下五段と読んでいるわ」

 

「あれ?高校生で柔道五段は取れないはずじゃあ?」

 

「よく気付いたな」

 

「あれ?じゃあ今までのは一体・・・」

 

「大方柔道五段と間違えたんじゃねぇのか?」

 

「俺の本名は松下護騨だ。よろしく頼む」

 

「ああ。よろしく頼む」

 

「さっきからメガネを上げてる彼は高松君。ほんとはバカよ」

 

「バカなのか・・・」

 

「部屋の角で浅はかなりって呟いてるのが椎名さん」

 

「なんだそりゃ」

 

「そしてさっきからギターを弄ってるのは岩沢さん。陽動舞台のリーダーよ」

 

「よろしくな」

 

「よろしく」

 

「そして最後にあなたが来る前に入った音無君。残念ながらショックで記憶が無いの」

 

「よろしく頼む」

 

「ああ。」

 

「そういえば野田君は?」

 

「そういえば医務室の方に行くって言って戻ってこねぇな?」

 

ん?医務室・・・そして皆がゆりをゆりっぺと呼んで・・・あっ・・・(察し)

 

「多分そいつは俺がぶっ飛ばして伸びてるわ・・・寝起きにあまりにも五月蝿くされて鬱陶しかったからぶん殴った」

 

「マジかよ!?」

 

「どうすればそんなに強くなれる?やはり山籠りか?」

 

「いや、こいつの過去を聞いたら納得しかしねぇよ」

 

「とにかく、彼に新しい服を用意しないとね」

 

「そういえば何で俺は学ランでお前らはブレザーとセーラーなんだ?」

 

「それは私達が違うからよ。だからあなたも私達の仲間になるんだから私達の服を着ないとね」

 

「まあ、何にせよだ。これから世話になる。迷惑をかけたり戦いの癖で粗っぽい口調になることもあるだろうがよろしく頼む」

 

 

「ええ。私達のことは好きによんでちょうだい。私は龍神君って呼ぶわね」

 

 

こうして俺は死んだ世界での生活を始めた。

 

まだまだわからないことだらけだが追々調べていこう

 

 

 

 

                      続く

 

 

 

 

 

 

 

 




「うわ~、バカがいた」

「あばー!」

「進軍よ」

「そいつを貸せ!」

「できるだけ死なせないようにする」


次回

Guild


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Guild

今回一気にやったのでめちゃくちゃ長くなりました

やってしまったな・・・


俺が死んだ世界戦線に身を置くようになって3日たった

 

 

 

 

「高松君、報告を」

 

「武器庫からの報告によると、弾薬の備蓄がそろそろ尽きるそうです。次一戦交える前には、補充しておく必要があります」

 

「新入りも入ったことだし、新しい武器も要るんじゃない?」

 

「そうね。今回の作戦は、ギルド降下作戦よ!」

 

「ん?どうした、音無?」

 

「いや、その・・・高いところは得意じゃないって言うか」

 

「何言ってんのよ。空からの降下じゃないわ。ここから地下に降りるのよ」

 

「何だ地下か・・・って地下ぁ!?」

 

「私たちはギルドと呼んでる、地下の奥深くよ。そこでは仲間たちが武器を作ってるの」

 

「じゃあ天使にバレないようにってことか」

 

「そうね。ギルドを押さえられたらギルドからの武器支援が無くなり、私たちの勝ち目は無くなるわ」

 

そうしてゆりが通信でそのギルドのメンバーと思われるものと一言二言話した

 

 

「よし。今回は、このメンバーで行きましょ」

 

「あれ?ねぇ、野田君は良いの?」

 

「あのバカはどうせ単独行動してんだろ?」

 

「All light Let's go」

 

 

その後

 

体育館で何人かが舞台下の椅子入れを引っ張り出して

 

「よーし行くか!」

 

そこに皆入っていく

 

「ほら、突っ立ってないで行くぜ」

 

「この中にか?」

 

「ずいぶん手の込んだ仕掛けでもしてんのか?」

 

と入ってみると

 

 

そこにはハッチがあって皆そこから梯子で降りていた

 

「これが入り口かよ」

 

「先に行くわ」

 

そうして俺は飛び降りた

 

「ちょ、飛び降りるのかよ!?」

 

そして俺は当たり前のように着地した

 

「あなた・・・どんな身体能力してんのよ・・・」

 

「このくらい日常茶飯事だったからな」

 

「っと。暗いな」

 

「おい!誰か居るぜ!」

 

藤巻がライトを照らすと

 

「フン」

 

「うわ~、バカが居た」

 

 

 

「音無と龍神とか言ったか。俺はお前らをまだ認めていない」

 

「態々こんなところで待ち構えてる意味が分かんないよな」

 

「野田君はシチュエーションを重要視するみたいだよ」

 

「意味不明ね」

 

「別に認められたくもない」

 

「俺に一発でのされてる奴が何を言ってるんだ?」

 

「貴様ら!今度は千回死なせたあばぁー!」

 

野田がハンマーで吹っ飛ばされてさらにとどめに一発食らってた

 

 

「臨戦体制!」

 

「トラップが解除されてねぇのかよ!?」

 

「何事だ!?」

 

「見ての通りだ。ギルドへの道程には対天使用の即死トラップがいくつも仕掛けてある。その全てが今も尚稼働中というわけさ」

 

「ということは」

 

「トラップの解除忘れかな?」

 

「まさか俺たちを全滅させる気かよ!」

 

「いいえ。ギルドの独断でトラップが再起動されたのよ」

 

「何故?」

 

「答えは一つしかない。天使が現れたのよ」

 

「この中にか!?」

 

「This World Haven」

 

「不覚!」

 

「ギルドの連中は俺達が居るのを知っててこんな真似をするのか?」

 

「貴方はまだわかっていないようですね。何があろうと私たちは死ぬわけじゃない。死ぬ痛みは味わいますが・・・」

 

「それが嫌なんだか・・・」

 

「ギルドの判断は正しいだろう。もしここでトラップを仕掛けなければ我々の武器の補充ができなくなる。これが最も時間稼ぎになるだろう」

 

「天使を追うか?」

 

「トラップが解除されてねぇ中をかよ!?」

 

「天使はそのトラップで何とかなるだろ?戻ろうぜ!」

 

「いや、ここではあくまでも一時凌ぎにしかならん。そうだろ?ゆり」

 

「ええ。このまま進むわ・・・進軍よ」

 

 

 

ギルド連絡通路 B3

 

 

「そういやぁ、どんなトラップが有るんだよ」

 

「いろんなのが有るぜ?楽しみにしてな」

 

とそこで椎名が

 

「!まずい、来るぞ!」

 

「何が?」

 

こりゃあ古典的なお約束が来る予感が・・・

 

 

ゴォン!

 

やっぱりか

 

「走れ!」

 

間に合わんだろ

 

「やれやれ・・・お約束すぎだろう、がい!」

 

ドゴォ!!

 

そうして俺は迫り来る鉄球を受け止めた

 

 

「はぁ!?お前どんな力してんだよ!?」

 

「あんたたち!龍神君が止めてる間に早く来なさい!」

 

「そうだった!」

 

そうして皆が待避場所に避難するのを待った

 

「よし!全員待避完了したぞ!」

 

「どぉりゃああああああああああ!!!!」

 

ズドン!!

 

後は

 

「縮地を使うしかねぇか・・・」フッ!

 

 

フッ!「待たせたな」

 

「なッ!?」

 

「いつの間に・・・」

 

ゴロゴロゴロゴロゴロ!!!

 

「助かったぜ。お前のお陰で死なずにすんだよ」

 

「別に良いさ。それよりこっから先はもっとヤバイのが有るんだろ?なら・・・」

 

俺は決意を持って

 

 

「ここから先は出来るだけ死なせないようにするつもりだ」

 

「頼もしいわね」

 

 

 

 

ギルド連絡通路 B6

 

「開く?」

 

「もち無理だぜ」

 

と全員が入ったところで

 

 

プシュー

 

 

「あぁ!しまった忘れてたよ!ここは閉じ込められるトラップだった!」

 

「そんな大事なこと忘れんなよ!」

 

「浅はかなり」

 

「ここからもっとヤバイのがくるわよ」

 

部屋が明るくなると

 

「避けろ!」

 

「しゃがんで!!」

 

「何だ?」

 

「分からんがヤバイことなのはわかった」

 

「お前その眼・・・」

 

「こりゃあレーザーか・・・」

 

ボフン!

 

「当たるとどうなんのアレ?」

 

「最高の切れ味で胴体を真っ二つにしてくれるぜ」

 

「軽口言ってる場合じゃねぇだろ」

 

「第二射来るぞ!」

 

「どうすりゃ良いんだよ!」

 

「潜るのよ!」

 

「第三射来るぞ!」

 

「第三射は何だっけ?」

 

「Xだ!」

 

「あんなのどうしろってんだよ!」

 

「それぞれ何とかして!」

 

「藤巻!そいつを貸せ!」

 

「わかった!」

 

そうして俺は藤巻から借りた長ドスを抜いて

 

「はっ!」

 

大道芸の如く避けてから

 

「おりゃあ!!」

 

ズバン!

 

扉を斬鉄で壊した

 

「開いたぞ、急げ!」

 

「ぐぉわぁああ!ガバッ」

 

「見るな!見ちゃいけねぇ・・・」

 

「何だ?」

 

「今の声は松下か・・・」

 

「あの体型じゃ仕方無いわね」

 

「少しはダイエットしろってんだ」

 

「さすがにあれはどうしようもねぇな・・・」

 

俺でも今の状態ではあれを抱えることはできない

 

 

「まあ話の内容からすると切り刻まれても元に戻るんだろ?」

 

「ああ」

 

 

ギルド連絡通路 B8

 

 

何もない空間こそヤバイものがある

 

パラパラ

 

「トラップが発動してるわ!」

 

「ああしまった忘れてたよ!ここは天井が堕ちてくるトラップだった!」

 

「だからそんな大事なこと忘れんなよ!」

 

パキィン・・・

 

 

『へ?』

 

「やれやれ・・・お前らは総じて阿呆なのか?俺が能力使って支えてる間に早く行きやがれ」

 

「そうね。皆、急ぐわよ!!」

 

「わりぃ!」

 

「すまぬ」

 

「sorry」

 

「全員抜けたか?」

 

「もう大丈夫だ!」

 

「わかった」ヒュンッ

 

「これで現状松下君以外は残ってるわね」

 

「現状犠牲は一人だけか」パチンッ

 

ズドォオオオン

 

 

「その力は後何回使えるの?」

 

「使い方を思い出したばかりだから良くて後2回か」

 

「わかったわ。どうしてもの時以外は遠慮なく使ってちょうだい」

 

「了解した」

 

 

 

ギルド連絡通路 B9

 

 

「待て」

 

「何かあるの?」

 

「・・・早速だが一回使わせてもらうぞ」

 

パキィン!

 

「この通路自体がトラップだな。だから一旦凍らせてもらった」

 

「有りがたいことね」

 

「よし!これで安心して通れるってもんだ」

 

 

 

 

 

ギルド連絡通路 B13

 

 

ドバー!

 

「こいつ・・・金槌だったのか・・・」

 

水攻めで金槌の藤巻が死んだ

 

「さっき龍神君が凍らせてたからもう頼れるのは1回だけだし、しょうがないわね」

 

「出口はこっちだ」

 

 

 

ギルド連絡通路 B15

 

ザパァ

 

「ここは地下水路か」

 

ザパァ

 

「はぁ、はぁ、全く息切れしてないのね」

 

ザパァ

 

「はぁ、はぁ、本当に凄いよ龍神君」

 

「ゆり!こっちだ!」

 

「椎名さん・・・行きましょ」

 

 

「ああ!子犬が流されている!!」

 

「ありゃぬいぐるみじゃねぇか。しょうがねぇ」フッ

 

「世話かけさすんじゃねぇよ」フッ

 

「不覚!ぬいぐるみだった!」

 

 

 

ギルド連絡通路 B17

 

「少し休もう。皆疲労が見えているぞ」

 

「・・・そうね。トラップも無さそうだし皆、少し休みましょう」

 

ここで一時停止してつかの間の休息となった

 

 

 

俺はまだ動けたから見張りをしていると

 

 

「貴方は休まないの?」

 

「俺が休んだら、誰が危険察知するんだよ」

 

「お前も少し休んどけよ。そうすりゃあまたあの力が使えるんだろ?」

 

「まあ、そうなんだが・・・」

 

「・・・少しお話しましょ」

 

「話?」

 

「私が何故神への復讐を誓ったのか教えて上げる」

 

そうしてぽつりぽつりとゆりが過去を話してきた

 

幼い頃に自身を襲った姉弟たちの悲劇を・・・

 

 

 

「あの日までは立派なお姉ちゃんでいられた自信もあったのに。守りたい全てを30分で奪われた。そんな理不尽って無いじゃない。そんな人生なんて、許せないじゃない・・・」

 

「・・・確かにな。でもお前はまだ運が良い方だよ。俺の場合は・・・愛するものを自分の手で奪わさせられた。師弟の運命で、師匠の命を奪ってしまった・・・一族の長が原因で、俺が欲しかったものが全て奪われた・・・その果てに得たのはこの力とこの眼だ。万華鏡写輪眼は愛するものを失うことで開眼する。だがそんなものを持っても、俺に残されたのは後悔だけだった・・・だからよ・・・お前らは復讐心に囚われずに前に進め。俺が言えるのはそれだけだ」

 

「龍神君・・・」

 

「さて、そろそろ行こうや。もう休憩には十分だろ」

 

「貴方は何でそんなに強いの?」

 

「強くねぇよ」

 

「へ?」

 

「俺は強くなんかねぇよ。大切なものを守ろうとして、何も守れずに死んだ弱い男だ」

 

「それでもお前は、全ての元凶であるその時の長を殺して前に進んだ。俺達からすれば十分強ぇよ」

 

「そういってもらえると有りがたいな・・・」

 

 

そして

 

ギィ・・・

 

 

「この下が最下層か」

 

「そうよ。皆、行きましょ」

 

『おう!』

 

「俺が先に降りるぜ」

 

そして俺は入り口の時同様に飛び降りた

 

「もう驚かないわ・・・」

 

「驚くだけ無駄だろうしな」

 

スタッ

 

「ここがギルドか」

 

まるで巨大な工事だな

 

そして皆降りてきた

 

「ゆりっぺだ!」

 

そして作業着を着たギルドのメンバーと思われるものが集まってきた

 

「そんなことより天使は?」

 

「さっきまで進行は止まってたが、また動き出したようだ」

 

ドォン・・・

 

 

「またかかった!」

 

「・・・近いな」

 

「ゆりっぺ」

 

そしてゆりは意を決したように

 

 

「ここは破棄するわ」

 

「なっ!?」

 

「正気かゆりっぺ!?」

 

「武器が造れなくなっても良いのかよ!?」

 

「大切なのは場所や道具じゃない、記憶よ。貴方たちそれを忘れたの?」

 

「どう言うことだ?」

 

「この世界では命有るものは生まれない。けど、形だけのものは生み出せる。それを構成する仕組みと作り出す方法を知っていれば本来何も必要無いのよ。土塊からだって生み出せるわ」

 

「だが、何時からか効率優先となりこんな工場でレプリカばかりを作る仕事に慣れきってしまった」

 

「チャ-さん」

 

「本来私たちは形だけのものに記憶で命を吹き込んで来たはずなのにね」

 

「なら、オールドギルドへ向かおう。長く捨て置いた場所だ。あそこには何もないが、ただ土塊だけなら山程有る。あそこからなら地上へも戻れる」

 

「ここは?」

 

「爆破だ。天使はオールドギルドへは渡らせん。あそこは俺達が帰れる唯一の場所だ。」

 

「しかし!」

 

ドォオオン!!

 

「すぐ上だぞ!」

 

「持っていくべきものは記憶と、職人としてのプライド。それだけだ。違うか?お前ら!」

 

 

『はい(オス)!』

 

「よーし、爆薬を仕掛けるぞ!チームワークを見せろ!」

 

『おおー!』

 

「次のトラップはもう無いぞ。急げ!」

 

「さてと、俺は俺の役割を果たすとしますか」

 

「どこに行くの?」

 

「時間稼ぎくらいはしてやるよ!」ダンッ!

 

そうして俺は上に戻っていった

 

 

「あれが天使か・・・」

 

「私は天使なんかじゃないわ」

 

そういうことか

 

「ま、少し相手してもらおうか。こっち来てからまだろくに体を動かしてねぇからな!」

 

『ガードスキル。ハンドソニック』

 

この世界での能力か

 

ヒュン!

 

「フッ」バシッ

 

成る程、速いが体格ゆえに一撃が軽いな

 

 

だが、こちらも得物がねぇから少し厳しいな

 

 

ヒュン!

 

「なめるな!」

 

《烈震脚》!

 

ズドン!!

 

「オラオラオラオラオラオラオラオラ!!!」

 

ドガガガガガガ!

 

「そこをどけ!」

 

「あんたたちやるじゃない!そんなもの簡単には作れないわよ!龍神君!隙を作って待避して!」

 

「わかった!はぁ!!」

 

パキィン!

 

 

「今だ!」

 

「総員待避!射てぇ!」

 

チュドン!

 

ドガァアアアアン!!!

 

「やったの?」

 

「砲台大破・・・ちっ、やっぱ記憶に無いもんは適当には作れねぇな「適当に作んな!」ぐはっ!」

 

「天使が起きるぞ!」

 

「お前達!これで何とかしろ!」

 

そうしてチャ-がありったけの手投げ式手榴弾を渡してきてそれを皆が投げる

 

 

「シェルターへ急げ!」

 

「全員待避完了!」

 

「よし!ギルドを爆破する。いいな?」

 

「やって」

 

「爆破!」

 

ガチッ

 

そして俺達も避難する

 

 

 

 

オールドギルド

 

 

「何年振りだろうな。本当に何もありゃしない。ハハッ、笑えらぁ!」

 

「壁をつついたらどれだけでも土塊は落ちてくるわよ」

 

「ひでぇねぐらだよ」

 

「また一つ、よろしく!」

 

「ああ。よし!とっとと始めるぞお前ら!」

 

『おおー!』

 

 

「ゆり。松下と藤巻もそろそろ目覚めてるんじゃねぇか?」

 

「そうね。通信で呼び出すわ」

 

「俺は少しチャーと話してくるわ」

 

「何かあるの?」

 

「今回のことで得物がないのはキツいとわかったからな。専用の武器を作れねぇか相談にな」

 

「わかったわ。行ってらっしゃい」

 

 

 

 

 

 

「チャ-」

 

「お前は確か新入りの・・・」

 

「龍神悠飛ってんだ。よろしく頼む」

 

「ああ。それでどうしたんだ?」

 

「折り入って頼みがあってな。ここで玉鋼は生成できるか?」

 

「玉鋼?悪いが俺は生成方法を知らねぇんだ」

 

「そうか・・・なら、砂鉄と木炭はできるか?」

 

「それならできるぜ。だが、そんなものを使って何をする気だ?」

 

「自分で刀を打ちたくてな。あと、出来れば古い鉄材が欲しいんだが」

 

「それも何とかしよう」

 

「となると後はたたら製鉄の図面だな・・・また来たときに渡すって言うのはどうだ?」

 

「良いだろう。数日はいるが待ってもらえるか?」

 

「問題ない。後は銃を一つ頼みたい」

 

「どんなのだ?」

 

「デザートイーグル.50AEだ」

 

「またえらくマニアックな物を選ぶな・・・良いだろう。次までに用意しよう」

 

「頼んだ」

 

こうしてハチャメチャなギルド降下作戦は終了して俺の武器を用意してもらうことにした

 

なかなか退屈はしなさそうだ

 

 

 

                    続く

 

 

 

 

 

 

 




次回

「何故にバラード?」

「お前は何で音楽を?」

「そいつやるよ」

「そいつに触るな!」

「お前、消えそうになってたぞ」

My Song


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My song

皆様お久し振りです。
ここ数ヵ月は祖父の病が癌で亡くなったり、再就職の為色々忙しくしておりましたので投稿期間がかなりあいてしまいました。
まだ祖父の死から日数が経ってなかったり、再就職先でPTSDが発覚したりと現在かなり連載が難しくなっておりますが、何とか続けていこうと思います。
それでは続きをどうぞ


ギルド降下作戦から数日後

 

 

カーン!

 

   カーン!

 

       キィイイイイイン・・・

 

「クソッ、またやっちまった・・・」

 

俺はあの後から自分の刀を打っていたが、思った様な玉鋼が出来ず何振りもの刀の素延べを折ってしまっていた。

 

「こんなんじゃあ俺の技に耐えきれる刀は出来ねぇなぁ・・・」

 

「随分苦戦してるようだな」

 

「チャ-か。どうにもここでは純度の低い玉鋼しか出来ねえみたいでな。対策を今考えてる」

 

「仕方ねぇさ。この世界じゃあ形あるものは作り出せても記憶に無いものは作れねぇからな。」

 

「そう言えばそんなことも言ってたな」

 

記憶に有るものしか作れない・・・

 

 

ん?待てよ・・・

 

「なあ、一つ確認なんだが記憶にあるものなら念製出来るんだよな?」

 

「ああ。俺がこの世界で銃を作っていたのも偶々土塊で穴を塞ごうとしてそれが釘になってたから、それを銃の部品でやって組み立ててた」

 

「成る程、所謂錬金術か。それなら話は早ぇな」

 

俺はいくつかの土塊を集めて炉の近くに置いた

 

「記憶にあるものは念製出来るならそれを産み出すまでよ。錬金術師の本領だ。」

 

そして俺は土塊を手に記憶に有るものを思い浮かべて念製を始めた

 

 

 

数時間後・・・

 

 

「よし!これならば良いものが打てるぞ!」

 

「おいおい、なんだよその赤いのは」

 

「生体金属・・・緋緋色金(ヒヒイロカネ)さ」

 

「ヒヒイロカネ!?そいつは確か伝説の金属じゃねぇか!?何でそんなもんの作り方知ってんだよ!」

 

「生前偶々作れたのさ。それは生前の世界の俺だけが知る場所に隠してある」

 

「そりゃあ普通の鋼じゃ持たねぇ訳だな」

 

「これだけありゃあ十分だ。緋緋色金は望む形に質量を変える性質を持ってる。これで俺の力が十全に出せるようになる。早速打っていくか」

 

そうしてまた俺は刀を造り始めた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2日後

 

 

校長室

 

今日はガルデモの新曲のテストをする日だが

 

「何故にバラード?」

 

そう。岩沢が作曲していたのはバラードだった

 

確かにバラードでは十分な陽動はできない可能性が高い

 

その為、ゆりには却下された

 

 

そして次の作戦が命令される

 

「今度の作戦は天使エリア攻略よ」

 

「天使エリア?なんだそりゃあ」

 

「天使の住処だ」

 

「なあ、それってもしかして女子寮の天使の部屋のことか?」

 

「そうよ」

 

毎度毎度仰々しい言い回ししてるが何とかならんのか・・・

 

「前回は失敗したが、今回からは協力な助っ人が居る。紹介するわ」

 

そしてゆりの座ってる椅子の後ろから眼鏡をかけた男が出てきた

 

「そんな青瓢箪が役にたつのか?」

 

「なら、試してやろう!」

 

「お前友達居ないだろ」

 

「ふん。3.14159265358979323846264338・・・」

 

「うわぁああああああ!!やめてくれぇええええええ!!!!」

 

「まさか!円周率だとぉ!?」

 

「眼鏡被り」

 

「やめてあげて!その人はアホなんだ!」

 

「そう。私たちの弱点はアホなことよ」

 

「「リーダーが言うなよ・・・」」

 

「前回の作戦はそれが原因で失敗したが、今回は天才ハッカーの異名を欲しいままにしている彼・・・ハンドルネーム竹山くんを作戦チームに登用。エリアの調査を綿密に行う。」

 

「今のは本名なのでは?」

 

「僕のことはクライストとお呼びください。」

 

「見ろ、カッコいいハンドルが台無しだ。さっすがゆりっぺだぜ・・・」

 

「ああ、すまんが俺は作戦に参加できるのはかなり遅れそうなんだが構わねぇか?」

 

「理由は?」

 

「刀がまだ完成してねぇんだ。いくつかのダメにしちまったりでかなり遅れてる。2日前にようやく耐久力の高い素材が出来たから今正に佳境なんだよ」

 

「それは悪いことをしたわね・・・良いわ。あなたが納得できるだけの装備ができるのならそっちを優先してしてちょうだい。」

 

「わかった。そしたら少し休んだら製作に戻る。鞘と柄と鍔はチャ-に頼んで造って貰ってるからあとは俺の今打ってる刀身だけだ。焼き入れと砥をしねぇと」

 

「ええ。できるだけ急いでね」

 

「分かってる。それじゃあな」

 

そして俺は屋上でティーブレイクを挟んで、工場に戻ろうとした時歌が聴こえてきた

 

「ん?この歌は・・・」

 

そしてその場所に向かうと岩沢が唄っていたのを見かけた。

 

成る程、これがガルデモか

 

「あれ?龍神じゃん。どうしたんだ?」

 

「歌が聴こえてきたから見に来たんだよ。」

 

「そっか・・・っとみんなはまだ知らなかったよな?こいつは龍神。最近入ってきた凄腕の奴らしい」

 

「へぇ、あんたが噂の。はじめまして、私はひさ子だ。」

 

「私は入江です!」

 

「わ、私は関根です」

 

「この4人でガルデモか。中々良いバンドなんじゃねぇか?」

 

「ところで作業に戻らなくて良いのか?」

 

「さすがにずっと作業してると体に毒だからな。こうして休憩がてら回ってただけだ」

 

「あんたの過去は・・・」

 

「あんとき聞いてたろ?今更だ」

 

「聞かないのか?私のこと・・・」

 

「自分から聞きに行くような内容じゃねぇだろ?自分から言うのは止めはしないが」

 

「なら話すよ。じゃないとフェアじゃないだろ?」

 

そうして岩沢の過去を聞いた。

 

彼女は生前からバンドが好きで自分も唄うのが好きだったが、両親の仲が悪く、よく喧嘩していたらしい。

 

ある日その喧嘩に巻き込まれたことで寝たきりになり、更に声も出せなくなったらしい

 

そのまま彼女の生涯は終わったようだ

 

 

「それで、何でお前は音楽を続けるんだ?」

 

「そんなの決まってるよ。好きだからさ」

 

「ある意味真理だな」

 

そろそろ時間だな

 

「そろそろ行くわ。少し長居しすぎたな・・・練習頑張れよ。」

 

「待ちな。龍神、そいつやるよ!」

 

そうして飲みかけの水を渡された

 

「・・・あいつ、そういうの気にしねぇのか?」

 

 

 

 

1時間後

 

 

カーン!

 

 

   カーン!

 

        カーン!

 

 

鍛冶場には刀を打つ音が幾度も木霊している

 

 

カーン!!

 

 

ジュウウウウウウウウウウウ!!!!!

 

 

「ふぅ・・・あとは焼き入れをしたら終いだな」

 

 

行程は後僅かとなった。

 

「よし、あとは焼刃土を塗って熱するだけだな。刃文はどうするか・・・よし、逆丁子で行くか」

 

そうして俺は手早く土を盛って乾かしていく

 

 

更に1時間後

 

 

 

ゴォオオオオオオオオオオ!!!!

 

暗闇の中釜の火は勢いよく燃えており、ふいごによって更に熱を高めていく

 

そこへ焼刃土を塗った刀を炎の中に入れて全体を熱する

 

 

全体に均一に熱を加えたらそれを水の中に入れて一気に冷やす

 

そうすることで日本刀特有の反りが生まれる

 

そして灯りをつけて出来を確認する

 

 

「遂に理想の刀ができたな。緋緋色金は望んだ通りの形になるから研がなくてもこれで斬れる・・・なら後はチャ-達に作らせた鍔と柄を嵌めて目釘で留めれば・・・これで完成だな。少し試し斬りをしたいが・・・地上の木を斬ってみるか」

 

そうして俺は地上に出る

 

「で、それを見届けるために俺も呼んだと」

 

「頼んだ銃を受け取るついでだ。悪く思うな」

 

「だがこんな木を切るって言ったってなぁ・・・」

 

「まあ、見てろ」

 

そうして俺は抜刀術の構えを取る

 

「・・・・・・ッ!」

 

ズバァッ!!!

 

「・・・ウソだろオイ」

 

「まだ序の口だ。今度は名前を呼ぶ」

 

「名前?そいつのか?」

 

「ああ。これは俺が向こうで使ってた刀をそのままこの世界で同じものに仕立てたんだ。名前はある」

 

そうして今度は右切上げの構えを取る

 

「・・・喰い殺せ、『双頭龍』!!」

 

ズバン!!

 

名前を呼ぶと刀の形が変わり、回りの木々を斬り倒していく

 

「こんなもんを向こうで振り回してたのかよお前は・・・」

 

「まあな。それじゃ、そのデザートイーグルは持っていくぞ?このまま作戦に参加する」

 

「ああ。行ってこい」

 

そうして俺はガルデモの方に向かった

 

 

が、事態は深刻な状況だった

 

教師が妨害し、岩沢のギターに触ろうとしたとき

 

「そいつに触るなぁあああああ!!!!」

 

岩沢が叫び、ギターを拾った後この間のバラードを唄い始めた

 

「ちょっと待て、あいつの霊圧が消えかかってるぞ!このままでは岩沢は消える・・・!」

 

本当はこのまま成仏させるほうが良いんだろうが、今はそうすると回りが混乱する・・・!

 

ならば

 

 

ダンッ!

 

「うぇ!?」

 

「少し我慢してろ!」

 

ダンッ!

 

「うわぁああああああ!!」

 

岩沢は混乱しているが今はそれよりも

 

「この場に居る戦線メンバーは撤退しろ!これ以上の陽動は危険だ!」

 

ボンッ!

 

俺は煙玉を投げてメンバーを撤退させる

 

「ゆり、聞こえるか?ライブはアクシデント発生。これ以上は危険と判断して全員撤退させた。そちらも早く撤退しろ!」

 

『了解!あなたが間に合って良かったわ。こちらも撤退する』

 

そして俺は岩沢を含めたガルデモのメンバーを全員安全な場所まで移動させた

 

 

「岩沢、少し良いか?」

 

「何?」

 

「お前、消えそうになってたぞ?」

 

「え?」

 

「マジかよ・・・」

 

「あの時お前を止めていなけば、お前はあのまま満足してこの世界から消えていただろう。おそらくこの世界はそういう仕組みだろうな」

 

「そうか・・・私、消えそうになってたのか・・・」

 

この件については幹部会議で話をしたほうが良いな

 

 

そして翌日の会議で俺はその話をした

 

「つまり、この世界は俺達自身が満たされると消えてしまう・・・そんな世界だと俺は結論を出すぜ」

 

「なるほど。貴方が昨夜岩沢さんを連れて逃げた理由はそういうことだったのですか」クイッ

 

「まあな。今は一人でも欠けたら現場が混乱するし、何よりガルデモのメンバーが潰れかねん。通分の間は活動は控えたほうが良いかもしれんな」

 

「そうね。でもトルネードが必要になったのなら構わないかしら?」

 

「それはしかたねぇだろうな。俺らの飯に関わることだからそれはした方がいい。むしろしなきゃあ岩沢達のフラストレーションが溜まる一方だろうしな」

 

「聞いたわね岩沢さん。今後はそういう方針で行くからよろしく」

 

「あいよ」

 

「それよりゆりっぺ。そんな奴の言うことを聞いてて良いのか?」

 

「問題ないわ。むしろドンドン言って貰わなきゃあたしらが困るじゃない。この人は戦闘のスペシャリストよ?聞かなきゃ勿体無いじゃない」

 

「ゆりっぺがそういうなら仕方あるまい」

 

「むしろお前みたいな突貫バカを止めるのが役割だがな」

 

「なんだと貴様!ウボォッ!?」

 

「いちいちうるせぇよ」

 

ドサッ

 

「うわぁ~。野田くん物凄いの貰ったよね?」

 

「俺、アイツにだけは絶対に逆らいたくねぇ・・・」

 

「いや、逆らう逆らわない関係なく怒らせねぇようにしなきゃだろ・・・」

 

「さ!今日のところはこれで解散!今日は1日自由にしていてちょうだい」

 

そして解散となり皆思い思いの場所に移動し始める

 

「そんじゃあ俺もゆっくりしに行くか」

 

「あ、龍神。ちょっと待ってくれ」

 

「ん?どうした?」

 

「昨夜はサンキューな?助けてくれて」

 

「良いってことよ。俺は俺の心に従っただけだ。お前も消えないように気を付けろよ?」

 

 

こうしてこのドタバタは終わりを告げた

 

この数日後、まさかガルデモに新メンバーが入るとは思いもしなかった

 

 

 

 

 

 

 

                        続く

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




前書きでも述べた通りまだバタバタしていて更新が遅れると思いますがご容赦ください


次回

Day Game



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Day Game

お待たせいたしました。
祖父を看取ってから百箇日が終わるまでバタバタし、さらに仕事でも精神が安定せず執筆ができませんでした。
これからは書ける頻度は精神に応じて変えていこうと思います。
間隔が短い時は安定してる時だと把握していただければ幸いです。


あの岩沢が消えかけた日からしばらくが経った

 

 

 

あれからもガルデモメンバーのカウンセリングを続けながらも自分の武装の手入れをして招集を待っていた。

 

そんな折、岩沢が

 

「ちょっと気になるやつが居るからバンドメンバーに加えたい」

 

と言い出したので幹部で集まって素養をみてたのだが・・・・・

 

 

「ユイって言います⭐︎」

 

「・・・誰こいつ?」

 

「お前、聞いてなかったのか?」

 

「岩沢がこいつをスカウトしたいって言い出したから連れてきたんだが・・・」

 

早速一抹の不安が・・・

 

「とにかく聴いてください!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

うん、歌唱力は悪くない・・・

 

悪くないのだが・・・

 

 

バゴッ

 

ぶらん・・・・

 

蹴り上げたマイクスタンドが天井に突き刺さり、コードが首に巻きついて窒息していた・・・

 

 

「何かのパフォーマンスですか」

 

「デスメタルだったのか」

 

「Crazy Baby」

 

「ちがっ・・・」

 

「いや、事故のようだぞ?」

 

「こんな狭い所でマイクスタンドを蹴り上げるからそうなるんだろうが」

 

スボッ

 

バタン

 

「とんでもないお転婆娘ね。クールビューティーだった岩沢さんとは正反対」

 

「マジで大丈夫なんか?岩沢の頼みだから連れてきたけど、不安しかあらへんで・・・」

 

「ああ、あまりの不安に龍神くんの喋り方が関西弁になっちゃってるよ・・・」

 

「とりあえず岩沢たちに丸投げしかあらへんな・・・アイツらも心配やけど唄ってたら少しは気分も落ち着くやろ」

 

「はぁ、バンドがこんなんじゃ球技大会で大々的な作戦は行えないわね」

 

「球技大会?そんなものがあるのか」

 

「そりゃああるわよ。普通の学校なんだから」

 

「だが普通に参加なんて、お前の性格上やらんだろ?」

 

「勿論ゲリラ参加よ。いい?貴方達。それぞれメンバーを集めてチームを作りなさい。一般生徒より劣る成績を収めたチームには・・・死より恐ろしい罰ゲームよ?

あっ、勿論龍神君は対象外ね?貴方、普通に自分で死んでしまうもの。なんの臆面もなくね。今ならその場で切腹しかねないもの」

 

「まぁ、初対面の時のアレを見せてる訳だしなぁ」

 

「むしろ貴方には自分の命を大事にして欲しいもの。ガルデモメンバーと一緒に見学するもよし、ギルドに籠って刀を打つもよし、好きにして頂戴」

 

「わかった。好きにさせてもらおう」

 

「他のメンバーはさっきのこと、肝に銘じて行動しなさい」

 

 

 

 

 

 

 

 

というわけで

 

 

 

 

 

 

「んで、なんで俺はガルデモメンバーのチームに参加することになってんだ?」

 

「悪いねぇ。たまにはこうやって体動かしたいじゃん」

 

「お前らなぁ・・・そうでなくてもあれからまだ本調子になれてねぇんだろ?だったら無理せずに・・・」

 

「音楽室に篭りっぱなしの方が気が滅入るよ」

 

「そんなもんかねぇ?」

 

「ほら、そんなことよりアンタの打順だよ?」

 

「わかったから押すなよひさ子・・・」

 

そうして俺は即興で錬成した木製バットを持った

 

「あれ?龍神さん金属バットは使わないんですか?」

 

「俺が金属バット使ったら普通に場外行くぞ?それに、木製でも真芯で捉えたらしっかり飛ぶ。まぁ見てろ」

 

ザッ

 

(さぁて、どこに飛ばしてやろうかな?)

 

ビュンッ

 

「フン!」

 

カァン!!!!!!!!!!!!!

 

乾いた音が響き渡る

 

「あっ、ヤベェ・・・飛ばし過ぎた」

 

「ちょ、校長室の方に飛んでったよ!?」

 

ガシャン

 

 

『ちょっとぉ!?私の所にボールが飛んできたんだけど!?』

 

「悪りぃ、それ俺が打ったボールだわ」

 

『どんだけ飛ばしてんのよ!?しかも貴方木製バットだったでしょう!?』

 

「俺も予想外なことで戸惑ってる・・・もしかして俺の錬成した木製バットが原因か?」

 

「さすがに飛ばし過ぎだよアンタ・・・」

 

そんなこんながありつつも球技大会は終わったが・・・

 

 

 

「龍神君、貴方はこの世界で野球はしない方がいいわね」

 

「そうしよう・・・おそらくこの世界では加減ができんようだ・・・」

 

なんとも締まらない1日の終わりになってしまった

 

 

 

 

 

                                                      続く

 




前書きでも言いましたが書ける状態の時に書いていきます。

次回

Favorite Flavor


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Favorite Flavor

お待たせいたしました。
続きをどうぞ


「遂に・・・この時期がやって来たか」

 

ゆりが神妙な面持ちで呟く

 

「何だ?」

 

「なんか始まるのか?」

 

「天使の猛攻が始まる・・・」

 

「天使の猛攻?」

 

「どうせまた何かの例え話だろ?」

 

変な想像をしてそうな音無にそう答えた

 

「テストが近いからよ」

 

「何だ、ただのテストなんだろ?お前らに何か不都合でもあるのか?」

 

「考えれば分かるでしょ。授業を受けさせる事も大事ですが、テストを受けさせていい点を取らせる。それも大事なことです。天使にとっては・・・」

 

「けどこのテスト期間、逆に天使を陥れる大きなチャンスとなり得るかもしれない」

 

「何か思いついたみてぇだな、ゆりっぺ。聞かせてもらうぜ」

 

「天使のテストの邪魔を徹底的に行い、赤点を取らせまくる。そして校内順位最下位に落とす」

 

「それが何になるの?」

 

「名誉の失墜、生徒会長として彼女は威厳を保っていられるかしら?」

 

「それで弱くなると?」

 

「少なくとも教師や一般生徒の見る目が変わるわ。その行いには今までに無かった変化が生じる。」

 

「どんな?」

 

「さあ?そこまで私には読めない。」

 

「じゃあ意味はないんじゃないか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まずは今回の作戦メンバーを決める。天使のクラスでテストを受けるための根回しは既に完了しているわ。」

 

「じゃあメンバー全員で固めちまったらいいんじゃねぇか?」

 

「じゃねぇか?じゃないわよ!ミスは許されないんだから。作戦が途中でバレたら、私たちはすぐに別の教室に移されて天使に赤点を取らせる細工が出来なくなるのよ?」

 

「なるほど。なら俺はパスだ。そういうのは女々しい奴らの出番だ。」

 

「そこで今回のメンバーは、高松君、日向君、大山君、竹山君、音無君。」

 

「また俺かよ!」

 

「僕のことはクライストとry」

 

「見た目が普通の奴らを選んだだけよ。龍神君なんかは特に普通とは言えないし。それじゃ、オペレーションスタート!」

 

 

 

 

 

 

 

というわけでテスト当日なんだが、俺に関しては授業を行けてなくても知っていることや分かることばかりなので軽く問題を解いていくだけだ

 

 

ドォォン!

 

(おいおい、何やってんだよ・・・こっちまで聞こえて来てんぞ)

 

次の時間

 

 

次の合成抵抗の値を求めよ

 

(合成抵抗か・・・直列ならそのまま足して、並列なら積(掛け算)/和(足し算)で求められるから簡単だな。一応普通科の学校のようだからキルヒホッフの法則みないな面倒なのはなさそうだな)

 

 

ドォォぉォォォン!!!

 

(だから何してんだよあいつら)

 

 

 

 

次の時間

 

 

次の文を英語に直せ

 

(簡単すぎるな。これならベルカ語の方が遥かに難しい)

 

 

ガシャァァン

 

 

(もう何も言わん・・・)

 

かくしてテスト初日が終わり、話を聞いたところ何とも馬鹿馬鹿しいことをしていたようだ

 

その後天使は全教科赤点になってオペレーションが成功したとの報告を受けたが大山はなんか元気がなかった

あとで何か美味いもの作ってやるか

 

ちなみに俺は全教科満点だった

伊達に300年生きちゃいなかったよ

 

 

そしてその日の夜、岩沢&ユイのツインボーカル結成初のライブが行われた

 

その警備に俺は出ていた

 

「なぁ」

 

「ん?」

 

「俺たちは何と戦うんだ?」

 

「そりゃあ邪魔する奴だよ」

 

「誰が邪魔すんだよ」

 

「来るとしたら天使だろ?いやぁ、あの生徒会長代理が来るかもしれないぜ?」

 

「そいつは一般生徒だろ?撃っちゃダメだろ」

 

「あぁ、そっか」

 

「どうやらお出ましだぞ」

 

全員が射撃体制を整える

 

「ガードスキル発動前に行くぜ!」

 

「いや、ちょっと待て」

 

「な、どうして!?」

 

「なんか様子が変だ」

 

「どうおかしいんだよ?!」

 

「雰囲気がな。殺気を感じられない・・・」

 

Pi

 

「ゆり、天使が来たが殺気や戦意が感じられない。さすがに無抵抗なやつを撃つのは気が進まんがどうする?」

 

『どういうこと?』

 

「何か別の目的できた可能性が大いにあり得る。用心に越したことはないが一先ず様子見だ。」

 

『・・・そうね。全員そのまま警備を続けてちょうだい』

 

『了解』

 

 

その後

 

 

 

 

学園大食堂 フードコート

 

 

「何だお前!?それ誰も頼まないことで有名な激辛麻婆豆腐じゃん!猛者でも白いご飯と一緒に頼んで丼にして食うんだぜ?」

 

「これ掴んじまったんだから仕方ないだろ?」

 

「まぁ、無理なら俺のと交換するか?」

 

「そうしてくれ」

 

 

 

 

「ハムッ、ぐぉおお!!一口で激辛!!・・・でも美味いぞ?日向、食ってみろよ!」

 

「ウェッ!嘘だろ!?・・・じゃあ一口・・・」

 

と日向が口にすると

 

「うぉああああああ!!!!!痛い!!辛い!!!すげー痛い!!!!・・・しかし、後からくるこの旨味・・・なるほど、これは味わい深いかもしれない!」

 

「だろ?こんな美味い麻婆豆腐、食ったことねぇだろ」

 

「それ、天使がかった食券よ」

 

「これ?!」

 

「そ」

 

「・・・もしかしたら、今の天使なら俺たちの仲間になれるんじゃないのか?」

 

「はぁ!!?バカ言ってんじゃねぇぜ!これまでどれだけの仲間が奴の餌食にっつーか、みんなピンピンしてっけど、どれだけ痛めつけられてきたか!」

 

「そうだそうだ!今日はおとなしかったかもしれねぇが、いつまた牙を剥くか!」

 

「やかましい!!」

 

ビクゥ!!

 

「ギャアギャアうるせぇぞテメエら。今はまだ何もわからねぇ状態で一方的に見るんじゃねぇよ。状況ってぇのは刻一刻と変わっていくもんだ。

先を見据えねぇようじゃ、お前らもまだまだだな。」

 

「何だとテメェ!新入りの癖に・・・っえ?」

 

反論して来た奴の後ろに瞬歩で移動し、刀の柄尻を突きつける

 

「覚えておけ。世の中には、人外みたいな強さの人間がいるってな」すっ

 

「ハァ・・・龍神君の言う通りよ。特に彼は私たちとは逸脱した存在なの。世の中にはどんな人がいるのか分からない・・・だから私は龍神君の助言を受け入れてるの。

あんたたちと違って、彼は本物ナノだから」

 

何とも空気が悪くなったが、これから大丈夫なのか心配になってきたその時

 

「そこまでだ。色々と容疑があるが、とりあえず時間外活動の校則違反により全員反省室へ連行する。

僕が生徒会長になったからには貴様らに甘い選択はない。連れていけ」

 

まずいな・・・とりあえずガルデモメンバーだけでも逃すか

 

フッ

 

「静かにしてろよ?飛雷神の術」

 

フッ

 

何とかガルデモメンバーだけ飛ばして回避はできたが、暫くはギルドに篭ってた方が良さそうだな

 

 

 

 

 

 

                                                   続く




次回

Family Affair


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Family Affair

大変長らくお待たせいたしましたことをお詫びします。
仕事の方が大変忙しく、かつ地元の行事があったためなかなか暇ができずにいたらいつの間にか半年以上放置して閉まってました・・・



 

 

翌日

 

「よ、ゆりっぺたちは解放されたらしいぞ」

 

「そうか。いきなり飛んできて世話をかけたな」

 

「気にすんな。

まぁ、あいつらには少し不便をかけたみてぇだがな」

 

「お前らも悪かったな」

 

「いいよ。反省室とやらで一晩過ごすよりもアンタが見張ってるとこの方がまだ安心できると思ったし」

 

「そうそう。逆にこっちが謝りてぇよ」

 

「とにかく上に戻るか。ゆりも待ってそうだしな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

対天使用作戦本部(校長室)

 

 

「で、これからの活動はどうします?」

 

「ようやく着たか」

 

何か不穏なワードが聞こえたがスルーした

 

「試しにちょっと動いてみましょう。

とりあえず、それぞれ好き勝手に授業を受けてみて?

あっ、一般生徒の邪魔はあまりしないように。

以上、解散」

 

そしてそれぞれが移動し始めた時

 

「音無君。これ、あんた持っときなさい。」

 

「え?それここでは貴重なものなんじゃ・・・

なぜ俺なんかに?」

 

「いいから」

 

「ちなみに俺も貰っておいた。

何かあった時に俺が1番早く動けるからな。」

 

まぁ、もしもの時の為だ。

またギルドに籠って()()の錬成でもするか

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数時間後

 

 

ギルド

 

「よし。これでパーツは揃ったな」

 

「おいおい・・・これってまさか・・・!」

 

「お察しの通りPGM ウルティマ・ラティオ へカートⅡだ」

 

「こんなもんなんに使うんだよ?」

 

「もしもの時のためのな」

 

そうして俺はヘカートの組み立てに入った

 

そしてさらに1時間後

 

カシャッ

 

ジャキッ

 

 

「ふむ・・・上出来だな。というかアンタ何でこんなもんの構造知ってたんだよ?」

 

「たまたまそういう機会があっただけだ」

 

そんな時だった

 

『ジッ────』

 

「何だ?」

 

『こ・・・お・・・

こちら音無、聞こえるか?!』

 

「こちら龍神。聞こえてるぞ?」

 

『今すぐ校庭に向かってくれ!

今ゆりたちがあの生徒会長代理と戦ってるらしいんだ!』

 

「どういうことだ?あいつは一般生徒のはずじゃあ?」

 

『俺たちと一緒だったらしい。

こっちは天使と向かってるからお前も早く向かってくれ!』

 

「了解、すぐに向かう・・・

というわけだ。また頼むぜ、チャー」

 

「おう。いつでも来な」

 

そうして俺はグラウンドに飛んだ

 

 

 

 

 

 

 

 

ザ──────

 

外は雨が降っていてグラウンドにはメンバーが横たわっていた

 

「クソ、何でこんな状況になってんだよ」

 

そう言いながらも俺は完成したばかりのヘカートを構えて遠くから狙いを定めた

 

 

 

 

『逆らうのか?神に』

 

「は?」

 

『僕が神だ』

 

「何言ってんだあいつ」

 

『バカかこいつ?』

 

『こんなことしておいて』

 

そうしてつらつらと語り出す直井

 

「まずい、これ以上やらせるかってんだよ!」

 

ジャキッ

 

「───フッ!!!!」

 

ズドン!

 

へカート特有の銃声が木霊して・・・・

 

「飛雷神の術!」フッ

 

 

ドガガガガガッ!!!

 

「なっ!?」

 

「いい加減にしやがれ!!!」

 

ドゴッ

 

「ガッ」

 

「他人の記憶を操作しようなんてのはテメェの傲慢だ!

そんなもんで消せるほど人間の未練ってのは甘くねぇんだよ!!!」

 

「何を・・・知ったような口を聞いているんだ!」

 

「知らねぇさ!テメェの記憶はテメェしか知らねぇんだからよ!!

テメェだけじゃねぇ!ゆりも音無も、あいつらしか知らねぇ記憶があるんだよ!

俺だって、地獄のような日々を毎日毎日繰り返してきたんだ!!

ここにいる奴らだってみんな同じなんだよ!!」

 

「そうだ!お前の人生だって本物だったはずだろ!?

頑張ったのはお前だ!必死にもがいたのもお前だ!

違うか!?」

 

「何を知った風な」

 

「わかるさ。お前もここに居るんだから」

 

「なら、あんた認めてくれんの?

この僕を」

 

「認めるさ」

 

「お前以外の何を認めろってんだよ?

俺が抱いてるのはお前だ。お前以外居ない」

 

「命は、何にだって一つだ。

だからその命はお前のものだ。

人は自分以外の何者にもなれはしないんだからな・・・」

 

 

そうして戦いは終わり、雨も止んだ──────────

 

 

                             続く




前書きでも言いましたが仕事が7月から本格的に忙しくなり、かつ地元の行事が立て続けに入っておりましたのでつい先日まで忙しく、執筆ができない状況でした。
しかし、祖父の一周忌も終え、地元の祭りも終えて地元の方はようやく落ち着きましたので、また執筆を再開出来ました。
次回はまだ未定ですが近々更新できると思います。


次回
   Alive & next


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Alive & next

大変長らくお待たせしました。
自身の体調やモチベーションが噛み合わずしばらく執筆ができませんでした。
今回から物語が少し変化していきます。


 

 

直井とのいざこざが片付いてしばらくが経った

 

あれ以降俺にこれといった変化はなく過ぎていった

 

そんな中でふとゆりが俺にこんなことを聞いてきた

 

 

「龍神君。あなたの能力で記憶を取り戻すことって可能かしら?」

 

「いや、不可能だ。

俺の眼の能力は俺自身を中心とした能力だ。

他人の記憶を見ることができるが、それを見せることはできない。

できることといえば俺の記憶を見せることぐらいだな。」

 

「そうなのね・・・

ならその手の話は直井君の方が良さそうね。」

 

「あいつの催眠術は本物か?」

 

「ええ。受けた私が保証するわ。」

 

「皮肉なもんだな。」

 

「全くよ。」

 

 

そんな話をしながら校長室に入ると・・・

 

 

「洗濯バサミ・・・挟める・・・!挟んでも落ちない、洗濯物が汚れない!素晴らしい!!

あぁ、クリップ代わりに紙を挟んだり応用も効く使える!!

それに対して俺はなんなんだぁ!?」

 

「お前、催眠術を腹いせに使うな。」

 

「音無さん!おはようございます!」

 

「あれは何だ?」

 

「あっちから先に突っかかって来たんです。

僕はできるだけ穏便に・・・」

 

ペシン!

 

「あれのどこが穏便だたわけ!

大の男が跪いて大泣きしとるではないか・・・」

 

「龍神さん!おはようございます。」

 

「それよりも音無、直井、ゆりがお呼びだ。着いてこい。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

教員棟3階 空き教室

 

「何だよ、こんなところに呼び出して?」

 

「直井君、音無君の失われた記憶を戻してみせて。」

 

「僕に命令だと?さっきから貴様、一体何様のつもり(べシン)がっ」

 

「テメェのリーダーだ!上司だよ。大人しく言う事を聞け・・・って、俺の記憶ぅ!?」

 

「そうよあなたの記憶。

直井君の催眠術は本物よ。あなたの失われた記憶も取り戻せるはず。」

 

「うぅむ成程ぉ。それは僕の手で何とかしたいですね。」

 

「ちょっと待てよ、勝手にそんなこと決めんなよ!」

 

「どうして?まさか忘れたままでいたいの?」

 

「大方自分の記憶が戻って、自分が今後どうなるのか不安なんだろ?」

 

「それは・・・そもそも直井じゃなくてもお前でもできるんじゃないのか?」

 

「さっきゆりにも答えたが、不可能だ。

俺の眼の能力は俺起点でしか発動しない。

よってこの場合は直井に頼るべきと俺とゆりは判断した。」

 

そして音無は少し不安そうな顔で考えだした

 

 

「音無君?」

 

「・・・あっ、あぁ。わかった。」

 

「どんな過去を見ても、どうか自分を見失わないで。

もし貴方がどうなっても、僕だけは味方ですから・・・

何か言ってください。」

 

「私たちも味方だから、安心しなさい。」

 

「あぁ、頼もしいよ!」

 

「えぇ、何この差ぁ!?

ゴホン、まぁいいです。どうぞ座ってください。」

 

「俺は屋上に行ってる。

気が向いたら来い。」

 

そうして俺は屋上に向かった

 

 

 

 

そしてしばらく後

 

「どうだった?」

 

「今はかなりきてるわね。」

 

「だろうな。自分の人生で無念を残した状態でここに来るシステムなのだとしたら、

まずまともでいられるはずが無い。」

 

「こればっかりは落ち着くまで待つしかないわ。」

 

 

 

そして夕方

 

「・・・落ち着いたか?」

 

「ああ。」

 

「記憶が戻ってしばらくは心が不安定なものよ。

あなただけじゃないわ。」

 

「俺は弱いなぁ。」

 

「そうとも言えんさ。」

 

「どういうことだ?」

 

「今お前は一歩踏み出そうとしている。

記憶が戻ったばかりでそんなことをできる奴はそう居ない。

俺からすればそこいらの凡百の人間より10倍マシさ。

・・・・これからどうすんだ?」

 

「居続けるよ。このままじゃ死にきれねぇし。」

 

「そう、あなたにも目的が生まれたってわけね。」

 

「あぁ、改めてよろしく。」

 

 

 

翌日

 

「で、報告って何?」

 

「本日の食券が不足しているとのことです。」

 

「どうする?トルネード行っとくか?」

 

「いや、本日のオペレーションは“モンスターストリーム“よ。」

 

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

「ついにきおったかぁ!!!」

 

「絶望のcarnival・・・」

 

「何なんだ、その作戦は?!

モンスターなんてのがいるのか、この世界には・・・!」

 

音無がまたアホな妄想をしているが

 

「また何かの例えか?」

 

「えぇ、川の主です。」

 

「川の主?」

 

「ちょっと歩いたところに川があるだろ?

そこで食料の調達だ。」

 

「やれやれ、要はただの川釣りか。」

 

 

そんなこんなで皆で川に移動していた中で音無が意外な人物を連れてきた

 

 

「お前なんて奴連れてくんだよ・・・」

 

「いいじゃないか、混ぜてやろうぜ?」

 

「敵だぞ!?我らが戦線の宿敵だぞ!?」

 

「アホですね⭐️」

 

「浅はかなり。」

 

「聞いてくれ、もう無害だ。敵じゃない!」

 

「だが曲がりなりにも元生徒会長だぞ!」

 

「ちなみに、現生徒会長代理もいますが。」

 

「その通りです。だがその前に僕は神です。」

 

「神じゃねぇつってんだろ!」

 

「どうすんだよゆりっぺ?」

 

「・・・もう生徒会長でも無いんだしいいんじゃない?」

 

『えぇ!!?』

 

「だ、大丈夫かよ?」

 

「なんかすごいメンバーになりつつあるなぁ。」

 

 

 

 

 

「そういやぁ、みんな手ぶらじゃないか?」

 

「既にギルドに連絡が行ってるから大丈夫さ。

そういうマニアもあそこにいる。」

 

「マニア?」

 

そんなこんなで現場に着くと既に一人釣りを始めていた

 

 

「彼は?」

 

「斉藤ってやつだ。銃にも詳しいが、ギルドでは“フィッシュ斉藤“と言われる釣りマニアでね。

このオペレーションの時だけは、大量の釣り道具を荷車で引いて地上まで上がってくる。」

 

「あの距離をか?

どんだけ釣り好きなんだよ・・・」

 

「要はアホですね⭐️」

 

「ようし、始めるか!」

 

『おー!』

 

 

 

そんなこんなでみんなで釣りを始めた

 

俺はというと川の浅い部分の一部を川底まで凍らせてそこで黙々と釣っていた

気付けばバケツ2杯分の魚を釣っていた

 

バケツ2杯がいっぱいになったところで陸に戻った時

 

「お前どんだけ釣れんだよ・・・」

 

「お前らは殺気が丸出しだからな。こういうのは気配を消すとよく釣れる・・・・

それより、さっき見えてたがえらい馬鹿力だなあいつ。」

 

「あぁ。竹山がすっ飛んで行っちまった・・・」

 

その時

 

「も、“モンスターストリーム“!!」

 

「え!これが!?」

 

「本来モンスターストリームは主の怒りの証!

これが起きたら即全員離脱・・・だが、その子ならもしや・・・!」

 

「マジでやんのかよ!?どんだけでかいんだよ!竿が折れるぞ!!」

 

「おいらの腕を侮ってもらっちゃ困る!

主にも耐えられる特製だぁ!!」

 

「だとしてもこのままじゃぜってぇ無理だぁ!!」

 

「何だよ主をやる気かぁ?

正気じゃねぇなぁ・・・松下五段!肉うどん優先して回してやっから手伝え!!」

 

「おうよ!」

 

そんな連中の様子を見守っていると

 

 

ザパァァァァ!!!!!!

 

「釣り上げやがった!」

 

「俺たちごとかよ!」

 

「どっちがモンスターだよ!?」

 

「何この状況!?」

 

「まずいですね。」

 

「このまま落ちたら食われるぞ!」

 

「Crazy For You !!」

 

「神は落ちないうわぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

「おわぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

「浅はかなり。」

 

「うわぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

『食われるぅ!!!!』

 

「助けなきゃ・・・」

 

 

その時俺の千里眼がその先の未来を見せたことにより俺は一つの決断を下した

 

立華が何かしらのスキルを発動して魚を切り刻んだ時

 

「万華鏡写輪眼“発現“・・・・・・

時の逆様(ときのさかしま)』」

 

世界が、時が逆行していく

 

巻き戻った時間は3秒

 

今俺が巻き戻せる限界時間だ

 

 

ダン!

 

「オラァァァァァァアアアアアアアアアア!!!!!!!」

 

ズバババ!!

 

川の主は一瞬のうちに三枚おろしになっていた

 

 

 

「なぁ、これあったらしばらくトルネードしなくていいんじゃね?」

 

「え!?毎日これ食べるの?」

 

「いや、それ以前にどうやって保存するんだよ?」

 

「このままじゃああっという間に腐って終わりだな。」

 

「うーん・・・捨てるのも何だしなぁ、仕方ない。

一気に調理して、一般生徒にも振る舞うか。」

 

「あぁ、そうだな。」

 

「なら仕込みと調理は任せろ。」

 

「お前、料理できんの?」

 

「当たり前だ。伊達に300年生きちゃいねぇよ。

こんくらい余裕だ。」

 

 

その後グラウンドで俺が一気に調理して、残りのメンバーが解体と配膳をしていったおかげで

あっという間にあの主は骨だけになってそれを燃やして肥料にしていって解散と言おうとしたその時

 

 

ドサッ

 

「おい、二人ともどうした!?しっかりしろ!」

 

「どうした?」

 

「音無と元生徒会長が急に倒れたんだよ!」

 

「何?どういうことだ・・・

とにかく二人を医務室に運べ!」

 

(どうなってんだ・・・時の逆様(ときのさかしま)の効果は立華を中心としてかけたはず。

もし倒れるとしたら立華だけのはずだが・・・!?)

 

そこで俺は一つの真実に気付いた

 

(音無に心臓が無い・・・!?

そして立華が倒れてる・・・・まさか!)

 

立華の心臓は音無の心臓なのか!?

 

驚愕の事実は最期の時に明かされる

 

                                        続く





能力開示
時の逆様(ときのさかしま)
悠飛がかつて左目の略奪の能力で奪った瞳術

任意の対象を起点として時を巻き戻す時間遡行の能力
戻せる時間はわずかでも使い方次第では凶悪そのもの
時間が戻る分対象に何らかの影響が発生する

次回
Memory’s & Goodbye? Days


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Memory’s & Goodbye? Days

仕事が来なくて発狂してた


音無と立華が倒れてすぐに俺はすぐゆりの所へ向かった

 

「ゆり、少しいいか?」

 

「もしかしなくても二人の事?」

 

「これは二人がこの世界にきた原因となる可能性が高い話になる。

出来れば俺たち二人だけで共有したほうがいいだろう。」

 

「どういうこと?」

 

「まず音無がなぜ記憶を失っていたかだが、原因がはっきりとわかった。

あいつには心臓が無かった。」

 

「心臓がないですって!?」

 

「間違いない。音無からは心臓の鼓動が無かった・・・

心臓がない理由については一つしかないだろう。」

 

「もしかして・・・!」

 

「ああ。おそらくあいつは何かしらの事故に遭って脳死、

その後ドナーとして心臓が摘出されたのだろうな・・・

それしか考えられん。」

 

「でもそれだと彼女が倒れた理由がわからないじゃない。」

 

「逆だ。立華が倒れたからこそ音無も倒れたんだ。」

 

「何故・・・まさか!」

 

「おそらくその可能性が最も高いだろう。()()()()()()()()()()()()()()

故に立華が倒れた時に元の心臓の持ち主である音無も共鳴するように倒れたという事だろう。」

 

「そもそも何で二人が倒れることになったの?」

 

「その原因は俺の眼の能力だ。」

 

「能力?」

 

「俺がかつて一族から奪った能力を再現した。

瞳術の名前は時の逆様(ときのさかしま)。能力は対象を中心とした時間を巻き戻す。

リスクは対象者に巻き戻した世界線の記憶が一気に流れ込むこと。」

 

「それで二人が倒れたわけね・・・」

 

「ことの顛末は俺から二人に話すが、これは極秘で頼む。」

 

「分かったわ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから2日後・・・

 

 

 

「はっ、ここは・・・?」

 

「医務室だ。お前と立華はあれから2日も眠ってたのだ。」

 

「2日も?」

 

「どうしてなの?」

 

「奏も知らないのか?」

 

「結弦が目を覚ますまで待ってろって言われてたから。」

 

「単刀直入に言おう。音無、お前には心臓がない。」

 

「なっ・・・!」

 

「そしてその心臓は立華の中にある。」

 

「・・・そうなのね。」

 

「すまんがお前らが眠ってる間に記憶を覗かせてもらった。

除いた記憶には音無の最期もあったからお前も記憶を完全に取り戻してるんじゃないのか?」

 

「・・・あぁ、戻ったよ。

俺の命も最後は誰かの役に立てて、満たされて死んだんだよなぁ。

・・・なぁ、俺達って消えるのか?」

 

「心残りがなければ、だがな。」

 

「私は・・・」

 

「お前は自分に心臓を提供してくれた誰かに『ありがとう』を言うためにこの世界で待ってたんだよな?

それを音無に言って消えるか、もしくはまだみんなとこの世界にいたいか・・・二つに一つだ。」

 

「・・・私はまだ彼女たちが心配だから、まだ行けない。」

 

「その想いがあれば音無に『ありがとう』を言っても大丈夫だろう。

消えないのは俺が証明済みだ。」

 

「どう言うことだよ?」

 

「俺の未練はお前らといてた時間でとっくに無くなってたんだよ。

だがゆりの葛藤を聞いて、あいつを救いたいって思っちまったのさ。

それで今もこの世界に留まってる。」

 

「そうなのか・・・」

 

「お前ら全員を見送るまでは行けねぇよ。」

 

「結弦。」

 

「何だ?」

 

「私に命をくれて、ありがとう。

これで私の未練は一つなくなったわ。」

 

「・・・あぁ!」

 

「それで、お前らはどうするんだ?」

 

「俺達も残るよ。

二人で皆をこの世界から卒業させたいんだ。」

 

「・・・分かった。

俺は陰ながら見守ることにするわ。

そしてお前らを見送ってから俺も行く事にする。」

 

 

 

 

 

校長室

 

「と言うわけで二人の意思を確認してきた。

当分はこの世界に留まるとさ。」

 

「そうなのね・・・」

 

「・・・お前はいつまで続けるつもりなんだ?」

 

「・・・わからないわ。」

 

「経験上、こう言う世界は長居しないほうがいいんだがな・・・・」

 

 

 

そんな話をゆりとしてからだが、まず立華の冤罪が晴れて実行犯のゆり達が反省文を

書いたりするイベントがあったが概ね平和に時間が過ぎていった

 

俺に関しては基本ギルドに篭ってきたるべきに備えて銃火器の錬成をチャー達と行っていた

 

そんなある日、たまたま外を歩いていると

 

「ん?音無とユイ?

何してんだあいつら・・・」

 

どうやらユイのバッティングに付き合っているようだ

 

そうこうしてる間にユイが帰っていき、音無が片付けをしていた

 

「アンタも見にきてたんだ。」

 

「岩沢か。偶然通りかかっただけだ。」

 

「音無のやつ、最近ユイが生前できなかったことを叶えていってやってるんだってさ。

そんで今はホームランを打ちたいってのを叶えてやるためにああやってるんだってさ。」

 

「ホームランねぇ・・・ユイの体格とセンスじゃ無理だろうなぁ。」

 

さらにその翌日

 

「さすがに諦めたか・・・」

 

「龍神センパイ、見てたんですか?」

 

「昨日からな。」

 

「龍神、お前・・・」

 

「やりたい事たくさんやってみてどうだったよ?満足できたか?」

 

「もう一個あるよ。」

 

「何?」

 

「結婚。」

 

「「え?」」

 

「女の究極の幸せ。

でも、家事も洗濯もできない。それどころか一人じゃ何にも出来ない・・・

こんなお荷物、誰がもらってくれるかな・・・」

 

そうか・・・こいつは生前やりたいことができなくて、

それでこの世界でやりたいことを精一杯やってたのか・・・

 

「神様って酷いよね、あたしの幸せ、全部奪っていったんだ・・・」

 

「そんなこと・・・ない・・・」

 

「じゃあ音無先輩、あたしと結婚してくれますか?」

 

「それは・・・」

 

 

「俺がしてやんよ!!」

 

 

「日向・・・」

 

「お前・・・」

 

「俺が結婚してやんよ。

これが、俺の本気だ!」

 

「そ、そんな・・・

先輩は本当のあたしを知らないもん。」

 

「現実が、生きてたときのお前がどんなでも、俺が結婚してやんよ。

もしお前が、どんなハンデを抱えても。」

 

「ユイ歩けないよ?立てないよ?」

 

「どんなハンデでもつったろ!!」

 

「!」

 

「歩けなくても、立てなくても、もし子供が産めなくても、

それでも、俺はお前と結婚してやんよ!」

 

「ずっとずっとそばにいてやんよ。

ここで出会ったお前はユイの偽物じゃない、ユイだ。

どこで出会っていたとしても、俺は好きになっていたはずだ。

また60億分の1の確率で出会えたら、そんときもまた、お前が動けない体だったとしても、

お前と結婚してやんよ。」

 

「・・・出会えないよ。ユイ、家で寝たっきりなんだもん。」

 

「俺、野球やってるからさ。

ある日、お前んちの窓パリーンって打った球で割っちまうんだ。

それを取りに行くとさ、お前が居るんだ。

へっ、それが出会い。

話するとさ、気が合ってさ、いつしか毎日通うようになる。介護も始める。

そういうのはどうだ?」

 

「うん。

・・・ねぇ、その時はさ、あたしをいつも一人でさ、頑張って介護してくれた

あたしのお母さん、楽にしてあげてね。」

 

「任せろ。」

 

「よかったぁ・・・」

 

 

それを最後にユイは旅立っていった

 

 

「行っちゃったか。」

 

「お前らはこれからどうすんだ?」

 

「アタシはアンタについてくよ。

アンタとなら、アタシの傷も癒えそうだし。」

 

「日向は?」

 

「俺も最後まで付き合うさ。

まだまだ心配な奴らが、残ってるからな。」

 

「そうか。」

 

 

こうしてユイは新たな人生へと旅立って行った

これからもメンバーを一人ずつ旅立たせていくんだとそう思っていた

 

ゆりからの知らせを聞くまでは━━━━━━━

 

 

Out side

 

 

「うわぁあああああああああ!!」

 

ザシュ!

 

「はぁ、はぁ、今、俺は何を斬ったんだ・・・!」

 

 

 

「影?もうちょっとちゃんと説明してよ。」

 

『影としか説明できません。

今駆けつけた野田さんが倒したところです。大山さん一人では危ないところでした。』

 

「危ないって・・・」

 

(何が・・・?)

 

                               続く        

 

 

 

 

 

 




終末の足音が近づく・・・

次回
Change the World


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Change the World

この章もあと2〜3話で終わりですねぇ
がんばります


ユイが旅立った翌日

 

カシュッ

 

「これからどうすんだ?」

 

「う〜ん・・・次は誰にしようかなぁ?」

 

キーンコーンカーンコーン

 

「おっと、もうそんな時間か。」

 

そういって飲みきった缶ジュースをゴミ箱に捨てる

 

「奏の意見も聞いてみるか。」

 

「それが良かろうな。」

 

「よっ!」

 

「うわっ!?日向!」

 

「音無さん!龍神さん!」

 

「お前もか直井・・・」

 

そこで待ち伏せしてた二人が出てきたと思ったらまた喧嘩を始めた

 

「ってまた催眠術を腹いせに使うんじゃねぇ!」べシン

 

「お前ら、俺達がやろうとしてることが分かってんのか?」

 

「分かってるよ。」

 

「分かってますとも。

一人ずつ消していくんでしょう?」

 

「お前が言うと犯罪行為に聞こえるな・・・」

 

「そもそも直井、お前はもう思い残すことは無いはずなんじゃないのか?」

 

「僕は貴方達と一緒にいたいんです。

それに、こいつより先に消えたくありません。」

 

「そんな理由で残るなよ・・・」

 

「じゃ、どうしたらいいんですか?」

 

「消えるんだよ。」

 

「貴様には聞いてない。

ねぇお二人とも、パートナーが必要でしょう?

僕を使いこなしてくださいよ、音無さん、龍神さん。」

 

そう言ってる直井の背後に影が現れた

 

「っ!背後だ!直井!!」

 

「えっ?うわぁああああああああ!!!」

 

「退いてろ!」

 

ズドン!

 

「はぁあああああああああああああああ!!!!!」

 

斬!!!!!

 

ザァァァァ

 

「何だったんだ・・・今の感触、まるで実態がないみたいな斬れかただったぞ・・・」

 

「大丈夫か!?」

 

「問題ない・・・と言いたいところだが、

一体何が起きてるんだ・・・・」

 

「ゆりに報告するか?!」

 

「その前に一旦周りの警戒だ。まだ潜んでるかもしれん。」

 

「分かった!」

 

そうしてしばらく警戒を続けていたが何も出てくる気配はなかった

 

ピーンポーンパーンポーン

『生徒会長の立華奏さん。今すぐ生徒会室に来てください。』

 

「これゆりっぺの声じゃねぇか。」

 

「どう言うことだ?」

 

「やべっ、俺達のやろうとしてることがバレるかもしれねぇ!」

 

「それはまずい、行こう!」

 

「ああ。」

 

「やれやれだぜ・・・」

 

 

 

 

生徒会室

 

 

「何よあんた達。」

 

「傍聴させてくれ。」

 

「元生徒会長代理・現副会長の僕が許可しました。」

 

「なんであんたの管轄なのよ?」

 

「生徒会室ですから。」

 

「・・・まぁいいわ。」

 

その言葉を聞いて直井がバレないように親指を立てた。

 

「まぁ、龍神君は元々来るだろうとは思ってたけどね。」

 

「戦闘アドバイザーでもあるからな。」

 

「で、どうなの?影よ影。」

 

「知らない。」

 

「貴女がプログラミングしたんじゃないの?」

 

「違う。」

 

「じゃあバグという可能性があるわ。最近プログラミングしたのはいつ?」

 

「おととい。」

 

「タイミング的にはドンピシャね。

部屋に入らせてもらうけど、いい?」

 

コク

 

「竹山君、よろしく。」

 

『了解。あとクラ(ry』

 

「で、どんなプログラムを?」

 

「羽。」

 

「羽?羽をつけたの?まさか飛べるように?」

 

「ううん、飾り。」

 

「へ?飾り?」

 

「そう。飾り。」

 

「何で?」

 

「そのほうが天使らしいからだって。」

 

「だって・・・誰に言われたの?」

 

おそらく音無だろうな

横で狼狽えてるし

 

「それは僕です。」

 

「へ?」

 

「生徒会長としての箔がつくと思い、元生徒会長代理・現副会長の僕がそう提言しました。」

 

「生徒会長に羽がついたら箔がつくの?」

 

「はい。

    生徒会長に

         羽

          相応しいかと。」

 

(アホだ)

 

 

「しかし意外に従順ね?冷酷さなんて微塵も感じられない。

以前と変わらないように見えるわ?」

 

「いえ冷酷です。

副会長の僕は毎日刺されています。」

 

「え、どうして?」

 

「機嫌が悪いと会長は近くにあるものを刺すんです。

副会長という立場上、わりと近くにいることが多いのでよく刺されます。

今朝も刺されてしばらく腸がはみ出したままでした。

今はとても、機嫌が良いようですが・・・」

 

(アホだ)

 

「ハァ・・・」

 

『ザッ、聞こえますか?応答してください。』

 

「竹山君ね、どうだった?」

 

『バグは見つかりませんでした。

特に今回のプログラムは装飾付けという比較的単純なものです。

意思を持って人を襲うようなバグなど発生しようがありません。

あと、僕のことは(ry』

 

「他のプログラムは?」

 

『パッシブにオーバードライブ、アクティブにハンドソニック。

以前と同じものです。形状は違いますけど、どうしますか?』

 

パァン

 

「おい、今銃声が聞こえなかったか?」

 

「え?」

 

「何言ってるの?銃声なんか」

 

パァン!

 

「外だ!」

 

ガラッ

 

「なっ、アイツらさっきの!」

 

「何だよあの数!」

 

「奏、頼む!」

 

「立華だけじゃ足りんだろ!」バッ!!

 

「ちょ、龍神!」

 

 

タタタタタタタタ

 

「おおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!」

 

飛天御剣流・龍巻閃「旋」!!!!

 

ギャルルルルルルル

 

 

「待たせたな!」

 

「ふん、ひれ伏せ。」

 

「加勢などいらん!」

 

「へ、まぁそういうなって!」

 

「浅はかなり。」

 

「Wow dance in the shadow!

I'll kiss you.」

 

ズドドドドドドド

 

「はぁああああああああああ!!!!!」

 

飛天御剣龍・龍巣閃!!

 

ズバババババババババババ!!!!!!

 

「うわぁ、あれ食らいたくねぇ・・・」

 

「うおりゃああああああああ!!!!!」

 

ズドン!

 

「うおっ!テメェ味方ごと斬る気かよ!?」

 

「フン、計算の内だ。」

 

「入れるなよ!省けよ!」

 

「バカやってないで援護し合って!!」

 

埒があかねぇ・・・

 

こうなったら!

 

「全員その場に伏せろ!!!」

 

『!?』

 

俺は能力でかねてから用意してたガトリングを引き出した

 

ウィイイイイイイイイイイイイン

 

「食らいやがれ!!!!!」

 

ガルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルル!!!!!!!!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガシャン

 

「ハァ、ハァ、皆無事か?」

 

「あぁ、何なんだよアイツらバケモンかよ。」

 

「あんな不気味な存在、この世界にはいなかったぞ?」

 

「これは悪夢か?」

 

「誘い乱れるCarnival」

 

「この世界に長く良すぎたのかしら・・・」

 

「どういうことだ?」

 

「ゲームでもあるだろ?永久プレイ阻止の為に出てくる無敵のモンスター。」

 

「笑えないな。」

 

「にしても、まるで味方ね。」

 

「おーい!おーい!」

 

「藤巻!」

 

「ゼェ、ハァ、ヤベェぞ!高松が・・・高松がやられちまったぁ!」

 

 

 

 

「なるほど、影に食われるか・・・」

 

「それでこんなことに・・・」

 

「最後は・・・地面に飲み込まれていった・・・!」

 

大山は振り絞るようにそう言った

 

 

 

 

 

 

 

翌日

 

結果的には高松は見つかった

が、高松という個は失われていた

 

 

「・・・あいつ、NPCになってやがった。」

 

「ちょ、どういうことだよ!?

わけわかんねぇ。」

 

「NPCってことは、魂がないっていうこと!?

じゃあ、彼の魂は何処にいっちゃったの!?」

 

「それを食われたんだろう。

おそらくあれはお前らみたいに長い時をこの世界で過ごしてきた魂に対して反応し、

人格を消去・・・つまりリセットするためのプログラムだろう。

そうなると高松の魂は永遠に・・・」

 

「こんなことが起こりうるのか、この世界は。」

 

「これじゃあ、天使に消されちまったほうがまだマシじゃねぇかよ。」

 

「しかも、影は増殖を始めてるようだが?」

 

「ゆり、おそらく残された猶予は10時間を切っている・・・

戦線メンバー総員体育館に集めろ。

そこで各々の覚悟を、俺は問いたい。」

 

「・・・わかったわ。総員に通達、放課後体育館に集合すること。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

体育館

 

「この世界に異変が起き始めている。天使とは異なる敵の出現、

まんまで悪いけど影と呼んでる。

天使と違って神出鬼没で無差別に攻撃を仕掛けてくる。

影に食われたものは魂を失い、毎日授業を受けるNPCと化す。

現在、無制限で増殖中。原因は不明。打開策も今の所なし。

先に遊佐さんに告げてもらったように集団行動で身を守りあってもらうしかない。

さて、こうした危機に瀕する中この死んだ世界戦線に別の思想を持つものが現れ、戦線を新たな道に導こうとしている。

その道は、現在のこの世界における危機の回避の一つの選択肢になり得る。

なので、そちらの代表として音無君、堂々とこの場で語ってくれるかしら?」

 

 

「バレてましたね。」

 

「行けよ。」

 

 

そして音無が自らの思想を語って皆に訴えかけていくが

 

 

「ふざけんな!いい加減なことを言うな!」

 

「そんな都合のいい話があるか!」

 

「そうだ!この世界であってたまるか!」

 

「あったんだよ!

・・・ユイはそれを見つけた。

俺みたいな人間のクズのまま死んできたやつでもさ、この世界でそれを与えてやることができた。」

 

「僕もです。

僕は神ですが、それでも、音無さんと龍神さんだけが僕に人の心を取り戻させてくれた。

たった一言かけてくれた、労いの言葉で。

 

「アタシもさ、龍神が止めてくれなきゃあの歌を唄いきって、満足して消えてた。

でもまだアタシが必要だって言ってくれたからこうして今ここにいる。」

 

「俺もだ。

ゆりや日向達が気にかけてくれなきゃどうなってたかわかんねぇ。

こいつらと一緒にいたことで、俺の未練はとうの昔に晴れてたんだよ。

だがお前らはどうだ?

いつまでもこの世界に閉じこもって、本当にそれでいいのか?

辛いことなんて絶対にあるはずなんだ。いつまでもそれから逃げてちゃ・・・・

 

 

 

 

意味ねぇだろ?」

 

「どの道を選ぶかは皆に任せるわ。」

 

「ゆりっぺは?

ゆりっぺはどうするんだ?」

 

「あたし?

あたしはいつだって勝手だったし、貴方達を守れやしないし、

あたしがしたいようにするだけよ?」

 

「ともかく事態は一刻を争う。

各自よく考えて、それから答えをだせ。」

 

「以上、解散!」

 

 

 

 

 

 

 

 

皆が体育館から出ていくのを見送った後

 

「ちょっといい?」

 

 

 

 

 

「何だ?ゆり」

 

「その娘を影の迎撃に当たらせなさい。」

 

「奏を?なぜ?」

 

「頭を使って行動させるより、何も考えず戦わせるほうが向いてるわよ?

見てた分には。」

 

「うぇ!?見られてたのかよ・・・」

 

「ま、ゆりっぺの目は欺けんわな。」

 

「でも、奏は俺達の仲間だ。一緒にいるべきだ。」

 

「他のメンバーだって、貴方達の仲間でしょ?

彼らを守るには、その娘の力が必要よ。

我々戦線と長きに渡って戦ってきた、その圧倒的な力がね。」

 

「ま、天使にはそれが適任かもなぁ。」

 

「お前ら二人、まだ立華が天使と思ってんのか?」

 

「「へ?」」

 

「その娘はずっとたった一人のことを待ち続けた、俺たちと同じ人間だぞ?」

 

「「ええええええええええ!?」」

 

「で、ゆり。お前はどうする?」

 

「確かめてみたいことがあるの。」

 

「戦うのか?影と。」

 

「場合によっては。」

 

「なら、これを持っていけ。」

 

「これは?」

 

「俺の飛雷神の術のマーキングが入ったナイフだ。

これさえあればすぐにお前のところに飛んで行ける。」

 

「ありがとう、貰っておくわ。」

 

「全てが終わったら、また話をしよう。

そしたら・・・ちゃんとお別れをしよう。」

 

「ええ。」

 

「敵襲!敵襲だ!!」

 

『!!』

 

「奏ちゃん、よろしく。」

 

「ハンドソニック・var.5」

 

「じゃ、また会えたら会いましょ!」

 

「ゆりっぺ!!」

 

「ふふ、ひどいあだ名・・・

でも、そのおかげで皆に慕われたのかもね。

ありがと。」

 

「・・・俺らも準備すんぞ。」

 

 

そして各々が各々の決意を固めていく・・・・

 

                 続く

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




終わりの始まり
そして・・・・

次回

Knockin’on heaven’s door


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Knockin’on heaven’s door

この世界の話も佳境です


校長室

 

「では、僕らも始めましょう!」

 

「コラコラ待て!

お前はいつから俺たちの仲間になった!」

 

「ハン、今更何を。

無能なお前の代わりにだ。忘れたかクズ、トイレットペーパーのように惨めに消えろ!」

 

「んだとぉ!」

 

「この戯けどもが・・・」

 

「あのなお前ら、奏が頑張ってくれてんだぞ?

この隙に全戦線メンバーに会ってまわるぞ!」

 

 

そう言って扉を開けて出ると殆どのメンバーが待っていた

 

「何だよお前ら?

揃いも揃って・・・」

 

「アタシらは別だけど、他のメンバーがね。」

 

「何つーか、踏ん切りついたってか・・・」

 

「昨日お前に言われて、ようやく分かったんだよ。

俺らはただビビって前に進めなかっただけでいたんだって。」

 

「確かに理不尽なことがあるかもしてない。でもやってみなくちゃわからないって。

この世界で散々やってきたことなのにな?」

 

「だから俺達はここまでだったんだ。

俺達はお前みたいに、何かを背負いながらとか、先を読んだりしながら戦うっていうのは無理だから。」

 

「だからお願い。ゆりっぺさんを守って?」

 

「ああ、任せろ。

俺は最後の一人を見送るまで護り抜いてみせる。」

 

「それを聞いて安心したよ。」

 

「あと、お前らの魂に少し細工をした。

この世界の、戦線メンバーの誰かと再会するとこの世界での記憶が流れ込むようにな。」

 

「そうか・・・それって、なんか・・・いいな。」

 

「後のことは任せてもう行け。

お前らには、自分の力で歩める足があるんだからよ。」

 

「ああ。じゃあな!」

 

そしてガルデモのメンバー以外消えていった

 

「で、なんでお前らは残ったんだ?」

 

「え?アタシらのことは守ってくれるんじゃないの?」

 

「一体いつから俺はお前ら専属のボディーガードになったんだよ・・・

しょうがねぇ、こいつら持って着いて来い。」

 

「サンキュ。」

 

「岩沢お前、事後承諾だったのかよ・・・」

 

「だって、龍神と居たら安全じゃん?」

 

「「そうでもないと思いますよ・・・」」

 

バゴン!!

 

「どわぁああああああ!!!」

 

「全員走れ!」

 

 

校庭に出るともうそこには影しか残っていなかった

 

 

「何だこの数は・・・!」

 

「どうなってんだよ・・・」

 

「NPCは!?」

 

「もうこの辺じゃ、こいつらしか居ないんじゃ・・・!」

 

「俺達のやろうとしてる事、分かってんじゃないだろうな!?」

 

「木遁・木分身の術!!」にゅっ

 

「岩沢達も銃構えろ!」

 

そして一斉に影が跳びついてきた時

 

ズバン!

 

「フン、下衆が。」

 

「野田!?」バン!

 

「さすがだぜ野田!」パン!パン!

 

「俺達の為に戦ってくれるのか!」 バン!

 

「バカなことを言うな!

俺が動くのは、ゆりっぺの助けになる時だけだ!」

 

「へぇ〜、なる!

お前もとことん一途なやつだな!」

 

ズドン!

 

「大山!」

 

「何お取り柄もないボクだけど、

ここで活躍できたら神様もビックリ仰天かなって!」

 

ズドン!

 

「ああ!見返してやれ!」

 

ズバッ! ドンドン!

 

「俺も忘れて貰っちゃあ困るぜ、

このまま居なくなっても誰も気付かなそうだからなぁ!最後に・・・」

 

「Hooooooooohooooooo!!!!!」

 

「何だ?」

 

「Came on! Came on! Came on! Came on! Came on! Came on!

Knockin’on heaven’s door.」ズドン!

 

「それオブディガンだぜ?」

 

「だが、今まさに相応しい。」

 

「なんて意味だ?」

 

「さぁ?」

 

「こいつは役者が揃ってきたな。」

 

「そおりゃあ!」

 

「ん!?」

 

「何だこの世界は?

何が起きたって言うんだ!」

 

「っていうかお前に何が起きたんだよ・・・」

 

「誰だお前?」

 

「ふむ。山籠りしてたんだが、食い物が少なくてな。」

 

「おまっ、松下五段かよ!?」

 

「激痩せしたな。」

 

「体大丈夫か?」バァン!!

 

「おう!むしろキレがいい・・・

もしかしたら今なら、百人組手もいけるかも知れねぇぜ!!」

 

「それ空手じゃねぇか・・・

まあ何にしても助かるぜ。

何せこれだけの手勢だ。」

 

「無事に去っていこうぜ、メンバー全員でよ!」

 

「ああ!」

 

「Goodbye world heaven.」

 

「テメェら覚悟はいいか?

俺はできてる。」

 

「よし、突破するぞ!!!」

 

「分身達はガルデモを頼む!」

 

「分かった。」

 

ダン!

 

「うおりゃああああああああああああああああ!!!!!!!!!!」

 

ガルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルル!!!!!!!!!

 

 

 

 

 

 

ガルルルルルルル・・・・・・

 

「くそ、もう弾切れか!」

 

「キリがない!」

 

「音無さん!龍神さん!下を見てください!」

 

「なっ!」

 

「こいつは!」

 

「どんどん増えていきやがる・・・!」

 

「後ろだ!」

 

「あっ・・・!」

 

ズババン!

 

「100人だ!」

 

「椎名?」

 

「何が?」

 

「100人、戦力が増えたと思え。」

 

「え?」

 

「分からないか?

お前の意思を引継ぐ・・・行け!」

 

「あとは任せたぞ。

着いて来い、日向!」

 

「おう!」

 

「どこに行くんですか、音無さん!」

 

「岩沢!ひさ子!関根!入江!お前らも来い!」

 

「「おう!」」

 

「「はい!」」

 

 

 

 

「入り口にびっしりかよ・・・

ならこいつを食らいな!」

 

次に俺が使ったのは9連装ロケットランチャー

 

名をフリーガーハマー

 

バシュシュ!!!

 

ドゴォオオオオオオ!!!!

 

「これで入れるが、地下通路内じゃもう使えんな。」ガシャン!!

 

「お前一体いくつ銃火器用意してたんだよ。」

 

「ありったけ用意したがガトリングは弾切れ、フリーガーハマーも適正外の空間だから残された武装はあと10〜15ってところか。」

 

「ガルデモも守ってるってなるとどうしてもそうなるよな。」

 

「ですがここからはもっと危険になるかと。」

 

「分身四体出しといてよかったぜ。

この空間じゃ刀でやった方が速いしな。」

 

するとそこへ

 

「結弦!」

 

「奏!どうしたんだ?」

 

「ゆりの思いが爆発してる。」

 

「全員捕まれ。ゆりの所に一気に跳ぶ!」

 

全員が捕まるとゆりのところへ飛雷神で跳んだ

 

 

 

 

バシュン!!

 

「まずい、ゆり!手を伸ばせ!!!」

 

「はっ!」

 

「間に合ったか・・・」

 

「音無君と日向君と龍神君・・・?」

 

「僕もいるんだが?」

 

「アタシらもね。」

 

「戻ってきたのね・・・」

 

「お前の声が・・いや、お前の思いが爆発してるって奏が言って、

龍神がここまで飛ばしてくれたんだ。」

 

「奏ちゃん?」

 

「うん。」

 

「そっか・・・あの時のナイフ。」

 

「渡しといてよかったぜ。

おかげで助けることができた。」

 

「そう、みんなのおかげね。

助けられちゃった。

でも、あんた達なんでここにいるの?」

 

「任せてきた。俺たちの思いは、皆が引継いでくれたんだ。」

 

「それで私を助けにきてくれたの?」

 

「一緒に戦いにきたんだ。」

 

「ふふ、同じじゃない。」

 

「まあ、そうだけど?

ゆりっぺは心配だからなぁ。」

 

「とりあえず服整えたら?」

 

「あと、俺の上着も返してくれ。」

 

「?・・・うわぁあああああああ!!!!!

・・・さぁ!行くわよ!

あと・・・ありがとう、龍神君。」すっ

 

「ああ。」バサァ!

 

「たく・・・相変わらずのペースだな。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ギルド連絡通路 B20

 

「なぁ、なんかあそこを守ってる気がしないか?」

 

「まあ奇遇ね!あたしもそう思うわ。」

 

「しかし、あんなの絨毯爆撃しないことには・・・」

 

「任せろ。

それから・・・絶対に俺の前に出るな。」

 

ゴォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!

 

「なっ!?」

 

「何だよこれ?!」

 

「なんか今のアイツは・・・怖い・・・」

 

俺は刀の解号と名を叫ぶ

 

「喰い殺せ、『双頭龍』!!!!」

 

刀は姿を変えていき、ロングライフルのような形になっていく

 

「双頭龍十二式・双龍砲・・・

焼き尽くせ、双頭黒龍波!!!!!!」

 

ドゴオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!

 

「次弾装填・・・双頭水龍弾!!!!」

 

ドバァアアアアアアアア!!!!!!!!!!

 

「よし、行けゆり!!」

 

「うん、お願い!」

 

「さぁ影共、デスマッチと行こうか・・・

人斬り抜刀斎、舐めんなよ!!」

 

「アタシらだって、守られるだけじゃないよ!」ダダダダダダダダダダダダダダ!!!!

 

「龍神ばっかに負担はかけさせねぇよ!」

 

「ひれ伏せ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてその時が来た

 

サァアアアアアア・・・・・

 

「何だ?」

 

「影が消えていく・・・」

 

「やったんだな、ゆり・・・・

こうしちゃ居られん、ゆりの所に行くぞ!」

 

そうして進んだ先・・・

第二コンピュータ室なる部屋にたどり着くとそこには倒れたゆりがいた

 

 

「おい!・・・・・眠ってるだけか。」

 

「ここで影の操作が行われていたのか。」

 

「そう見たいですね。

龍神さん、これを。」

 

 

そこには銃痕がついた『Angel Prayer』があった

 

「さて、早く地上に行ってちゃんとしたところでゆりを休ませよう。」

 

「ああ・・・終わったんだな。」

 

「戦線メンバーに告ぐ。戦いは終わった。

繰り返す。戦いは終わった。」

 

 

 

 

地上に戻り、ゆりを医務室で寝かせたあとは各自残るメンバーと旅立つメンバーに分かれていった

 

高松もあれから無事に個を取り戻し、旅立つことができた

 

そしてガルデモは

 

 

 

 

「アンタには世話になったね。」

 

「別に、俺がしたいからしてただけだ。」

 

「アタシからも礼を言うよ。」

 

「龍神さん、ありがとうございました。」

 

「一緒に居てて楽しかったです!」

 

「前にも言ったが、もしお前らがどこかで会ったらこの世界での記憶が蘇るはずだ。

正直に言うが、俺はお前らの音楽・・・好きだったぜ。」

 

「アタシはアンタに助けられてから、アンタのことが好きになったよ。」

 

「「「岩沢(さん)が告白した!?」」」

 

「まぁ、その、何だ?また理不尽なことがあるかも知れねぇけどよ?

音楽はやめるんじゃねぇぞ?」

 

「「ああ!」」

 

「「はい!」」

 

「じゃ、先に行ってんよ。」

 

「ああ。もしユイに会ったらよろしくな。」

 

そしてガルデモメンバーも旅立っていった

 

 

そして・・・

 

 

        続く

 

 




どんな絶望の中にも希望はある

死んだ世界編最終回

Graduation


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Graduation

死んだ世界編最終回です

うp主の都合により長らくお待たせしました。


 

━あれから3日後━

 

「っ・・・ここは・・・どこ?」

 

「医務室だ。お前はあれから3日間眠っていたんだ。」

 

「貴方達、どうしてまだいるの?」

 

「無理しちゃだめ。」

 

「大丈夫よ、奏ちゃん。」

 

「まぁゆりっぺにしちゃ大変だったようだしな。」

 

「よくそんなものでリーダーが務まっていたものだな?」

 

「貴方達まで、一体何してるのよ?」

 

「影はもういないんじゃないの?じゃあ邪魔するものは何もないはず・・・」

 

「ああ、分かってる。」

 

「だったら・・・」

 

「まだ、お前が残ってるじゃないか。」

 

「え、」

 

「お前が残ってる。」

 

「あたし?!

はは・・そっか・・・なんて言うんだろ・・・」

 

「何だよ?」

 

「多分だけど、もうゆりの抱えてた葛藤は解けてる。」

 

「え!?」

 

「っ!!」

 

「そうなのか、ゆり?」

 

「うぇ!?

えと、それは、その・・・」

 

「よし、僕が催眠術で吐かせて「やめろコラーーーーーー!!!!!!」」

 

「と嫌がることは、適中・・・」

 

「へ?いや、そんなことないわ!あたしリーダーなのにそんな簡単に解けちゃってたらいい笑い草じゃない!」

 

「じゃあ催眠じゅむぐ!」

 

「そうよ解けたわよ!悪いかああああああああ!!!!!!!!!!」

 

「あ、認めた。」

 

「っ!!

はぁ・・・奏ちゃん、イジワルなんだ。」

 

「ゆりが天邪鬼なだけ。」

 

「貴女、言うのね。

でも、何となく嬉しいわ。」

 

「何が?」

 

「ゆりって呼んでくれて。」

 

「どうして?」

 

「だって、友達みたいじゃない?」

 

「友達・・・そうね。」

 

「というかゆり、俺が言ったこと忘れてねぇか?」

 

「え?」

 

「全てが終わったら、また話をしようって。

そんでちゃんとお別れをしようって言ったはずだぞ?」

 

「しょうがないじゃない。あの後もいっぱいいっぱいだったんだから。」

 

「それとこうも言ったぞ。

お前ら全員を見送るまで俺は残るって。」

 

「・・・そうだったわね。」

 

「じゃあ準備は無駄にならなかったわけだな。」

 

「ああ。」

 

「準備って・・・何か始まるの?」

 

「最後にしたいことがあるんだ。

奏、やったことないんだってさ。」

 

「え、何を?」

 

 

 

 

 

 

 

「他のみんなは?」

 

「もう全員行ったよ。」

 

「そっか、良かった。」

 

「龍神なんか、岩沢に告白されてたもんな?」

 

「え!?あの岩沢さんが!?」

 

「余計なことは言わんでいい・・・

ってか、お前ら岩沢にどんな印象持ってたんだよ?」

 

「「音楽チキ」」

 

「・・・左様か。」

 

「でもなんだかんだ言って、皆結構楽しんでたんだよなぁここの暮らし。

それが分かったぜ。

それも、ゆりっぺのおかげだと思う。」

 

「そう。」

 

「あ、高松も行けたんだぜ?

NPCになった後でも正気に戻れたんだ。」

 

「へぇ、そうなんだ。」

 

「あんま驚かないんだな?」

 

「?」

 

「NPCになったら戻れないって言ってなかったっけ?」

 

「思いの強さで、いつか人に戻れるようにしてあったのね・・・」

 

「?」

 

「ところで、その歌なんだっけ?

さっき作業してた時も口ずさんでたよな?」

 

「何だっけ?」

 

「岩沢の歌だよ。My Songだ。」

 

「ああ、あの曲か。」

 

「全校放送で流れたやつだな?全く・・・」

 

「いい曲よね。」

 

「うん!」

 

 

 

 

「体育館?」

 

「ああ。」

 

「わあ・・・」

 

「俺達で作ったんだ。字は全部龍神が。」

 

「そうなんだ。奏ちゃん、卒業式したことなかったんだ。」

 

「面白いのかなって。」

 

「面白かねぇよ。

女子は大抵泣くんだぜ?」

 

「ふん。これだから女は。」

 

「ふーん。」

 

「そもそも立華はずっと病院で生活してたらしいからな、無理もないさ。

俺みたいにいろんなところ飛び回って戦争に巻き込まれてたやつと違った意味でな。」

 

「その奏も、俺の心臓で延命できたみたいだけど、結局参加できなかったらしいからな。」

 

「「え!?」」

 

「あ、そういえば二人には言っておらなんだな・・・

音無の記憶がなかった原因ってのは、心臓が無かったからなんだよ。

で、その心臓を移植されたのが・・・」

 

「私だったの。」

 

「で、立華の心残りだったのは自身に心臓を提供してくれたドナーに会って『ありがとう』を言うことだったってわけさ。」

 

「そう言うことだったのね。」

 

「じゃあ、始めようか。」

 

「え?今から!?」

 

「なんのために着替えたんだよ?」

 

「いや、その・・・ほんとに消えるのかなって?

心の準備が・・・」

 

「なんだ、それでも元リーダーか?」

 

「な、何よ!」

 

「お前、皆が消えたらリーダーっぽくなくなったよな?なんか・・・」

 

「う・・・そ、そう?」

 

「確かになんか変わったな。」

 

「うぇ、どう?」

 

「端的にいえば女の子っぽくなった。」

 

「へ?それ、喜べばいいの?怒ればいいの?」

 

「戦い終えたらそんなこともわからない無垢な女の子に戻っちまったんだなぁ。

ゆりっぺも可愛いとこあんじゃん!」

 

「へ?うぇ!?あば、アバババババババババババババ!!!!」

 

「ふふふ。ゆり面白いなぁ。」

 

「よし、始めるぞ!」

 

 

 

 

「開式の辞

これより死んだ世界で戦ってきた、死んだ世界線戦の卒業式を執り行います。

ではまず、戦歌斉唱!」

 

「戦歌!?何それ?」

 

「死んだ世界戦線の歌だよ。校歌の代わりみたいなもの。」

 

「あたしそんなの作らせた覚えないわよ?」

 

「それは奏が作った。」

 

「貴女が作ったの!?

ってそもそも貴女戦線じゃないじゃない!」

 

「いいじゃねぇか。はぁい、歌詞回して。」

 

「メロディーは?」

 

「校歌ってだいたい似たようなもんじゃん?

適当に唄っとけば合うだろ?せーの!」

 

『おっそらの死んだ〜世界から〜

お送りし〜ますお気楽ナンバ〜

し〜ぬま〜でに〜食っとけ〜麻婆豆腐〜

あ〜あ〜麻婆豆腐〜麻婆豆腐〜』

 

「ってなんだよこの歌詞!?

先に誰かチェックしとけよ!唄っちまっただろ!?」

 

「まぁ奏ちゃんなりに一生懸命真剣に書いたんだから、そんなに言うことないじゃない。ねぇ?」

 

ゆりがそういうと立華はコクコクと頷いた

 

「真剣にって・・・お気楽ナンバーって堂々と書いてあるんだが?」

 

「でも、なんて言うんだろ?

奏の気持ちが詰まってる気がするよ。」

 

「どこにだよ?」

 

「頭からケツまで。」

 

「・・・そうだな、へへ!」

 

「やったね、奏ちゃん!」

 

「うん!」

 

「次は?」

 

「次は、卒業証書授与!」

 

「あるの?」

 

「作ったんだよ。これは龍神がな。」

 

「で、授与する校長は?」

 

「俺だよ!」

 

「うわぁ・・・」

 

「クソー!俺がジャンケンで負けたんだよ!文句あっか!?」

 

「ふん、貴様には適任だ。」

 

「さ、始めようぜ!」

 

 

 

 

 

「卒業証書授与

では、立華 奏!」

 

「はい!」

 

 

 

「次、仲村 ゆり!」

 

「はい!」

 

「それ、似合ってるわよ?」

 

「ほっとけ。」

 

「っ、ばか・・・」

 

「次、龍神 悠飛!」

 

「はい」

 

 

 

「次、直井 文人!」

 

「はい。」

 

 

「我を讃えよ。」

 

「ハァ!?

たく、お勤めご苦労様でした!」

 

「ふっ。」

 

 

「次、音無 結弦!

はい!」

 

 

 

 

「それ取れよ。」

 

「え?じゃあ・・・」

 

「日向 秀樹!」

 

「うぇ!?は、はい!

なんだよ、参ったなぁ。」

 

「ありがとな。」

 

「こちらこそ、すげー世話になった。」

 

 

 

 

そこから卒業生代表として音無が答辞を述べ、立華やゆりは少し感情が込み上げてきていた

 

かくいう俺自身も、この世界での生活が思いの外楽しかったが故に込み上げてくるものがあった

 

 

 

 

「全員起立!

仰げば尊し斉唱!」

 

 

『 仰げば尊し わが師の恩

教えの庭にも はや幾年

思えば いと疾し この年月

今こそ別れめ い』

 

「遅いぞ貴様!」

 

「何!?明らかにテメェが早かったろ!」

 

「あたしたちはあってたわよね?」

 

「せーの!」

 

『いざさらば』

 

「く、はははははは。」

 

最後はみんなで笑い合って、音無が閉式の辞を言い終えた

 

「さて、先に音無と日向と直井には言ってたが、

お前達の魂にはこの世界での縁者と会ったり、見たりするとこの世界での記憶が蘇るようにしてある。

行きたいやつから先に行け。」

 

「ふ、女の泣き顔なんて見たくない。

先に行く・・・」

 

そうして帽子をとった直井は泣いていた

 

「おめぇが泣いてんじゃねぇかよ。」

 

「音無さん、龍神さん、貴方達に出会えてなかったら、僕は、ずっと報われなくて・・・

でも、ぼくは・・・グスッ、もう迷いません。ありがとうございました!」

 

「お前が来世で報われるよう、祈っている。」

 

「ああ。もう行け。」

 

「ありがとう、ございます・・・」

 

 

 

 

「行ったか。

さて、次は誰が泣く番だ?」

 

「泣きなんてしないわよ。

奏ちゃん。争ってばっかりでごめんね?

どうしてもっと早く友達になれなかったのかな?

本当に、ごめんね。」

 

「ううん。」

 

「あたしね、長女でね、やんちゃな弟や妹を親代わりに面倒見てきたから、奏ちゃんにいろんなこと教えられたんだよ?

奏ちゃん世間知らずっぽいから、余計に心配なんだよ?

いろんなこと、できたのにね、いろんなことして遊びたかったのにね、もっと、もっと、時間があったらいいのにね・・・

もう・・・お別れだね。」

 

「うん。」

 

「さようなら、奏ちゃん・・・」

 

「うん。」

 

「龍神君も、本当はもっと話したかったのに、貴方には何も返せてもいないのに、もうお別れなんだね・・・」

 

「きっと会えるさ。なんてって俺は、最強の5人の筆頭なんだからな。政府の犬どもでも使って、何がなんでも見つけてみせるさ。

その前に、任務でばったりなんてこともあるかもな。」

 

「そうだったら、いいなぁ・・・

じゃあね!」

 

「ああ、ありがとなゆり。色々世話になりまくった。」

 

「リーダー、お疲れさん!」

 

「うん!じゃ、またどこかで!」

 

 

「ふぅ、まぁ俺だわな、順番的に。」

 

「だな、ユイが待ってるし。」

 

「ああ。絶対約束守んなきゃいけねぇし。」

 

「実のところ、俺も音無も本来はこの世界に来ることのなかった魂だからな。

俺は転生、音無は報われて死んできたんだから。」

 

「ほんっとお前らって特別だったんだよな。」

 

「だから安心してユイを迎えに行ってやれ。」

 

「長話もなんだ・・・ま、行くわ。」

 

「ああ。会えたら、ユイにもよろしく。」

 

「おう。運だけは残しまくってるはずだからな。

使いまくってくるぜ!」

 

「・・・おし!じゃあな、親友!!」

 

 

 

「あとはお前達だけだ。」

 

「もう思い残すことはないか?」

 

「・・・一つだけ。」

 

「ならこの場でやれ。見届けてやる。」

 

「・・・奏。」

 

「何?」

 

「お前と一緒にいた時間はとても楽しかったし、温かかった。

それで・・・・」

 

「?」

 

バシン

 

「い“っ!!何すんだよ!」

 

「男ならガツンと決めろ。」

 

「・・・俺は、お前が好きだ!」

 

「っ!」

 

「だから向こうで会えたら、結婚を前提として付き合ってほしい!」

 

「・・・嬉しい!

私も結弦のことが好き。だがら向こうで絶対見つけてね。」

 

「ああ、約束だ!」

 

「二人とも、そろそろ時間だ。最後に俺からの言葉だ。

・・・・・またな、結弦、奏!」

 

「・・・ああ!またな、悠飛!」

 

「またね、悠飛。」

 

 

 

「・・・全員行ったか。

やりきったんだよな、俺は・・・。」

 

これで満足だ。

ああ、この世界ではもう何にもいらねぇや・・・

じゃあな、魂の友よ・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

15年前

 

バコッ! バキャ!

 

「がっ、テメェ・・・!」

 

「死ね。」

 

そう言って強盗殺人犯の首をへし折った

 

「・・・あなたは!」

 

「全員無事か?良かった。

皇族直属護衛部隊兼天帝一家(プロヴィデンス・ファミリー)ボス、龍神悠飛だ。」

 

「やっぱり、きてくれたのね・・・龍神君。」

 

「また会えたな、ゆり。」

 

 

 

 

死んだ世界編   完

 

 

 

 

 

 




ようやくVivid本編に戻れる
長い間外伝で大変申し訳ありませんでした。

次回からヴィヴィオ達の修行パートからチームナカジマのインターミドル編になります


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Vivid編 インターミドル
語り終わり 成果


今回から漸く本編に戻ります。


時は戻って現在

 

 

「と言うわけで戦線メンバーと出会ったわけだ。

そんで六課設立の1年前までに全メンバーを見つけて、そのついでにある街で話題になってた恭介たちリトルバスターズを拾ってきたわけ。」

 

「そう言うことだったんだ・・・」

 

「現在サーヴァントを除いた最高戦力が元死んだ世界戦線メンバーで、現在のSSS隊だ。

小隊としては理樹を隊長としたリトルバスターズ。その他分野で主に音楽活動をしてるのが『Girls Dead Monster』。

そんで四天王のこいつらに、ボスである俺が入って今のファミリーになってる感じだな。」

 

「そうなんだ・・・ところで悠君。」

 

「なんだ?」

 

「さっき岩沢さんに告白されたって聞いたんだけど?」

 

「そういえば有耶無耶になったまんまでこっちに来たからなぁ・・・

ユイの治療だったり、岩沢がユイの練習に付き合ったりでしてたから俺も話すまで忘れてた。」

 

「岩沢が不憫でならんな・・・」

 

「ところで、そのユイちゃんと日向君ってどうなったの?」

 

「川神学園在学中に入籍したよ。

毎日賑やかにやってるそうだ。」

 

「そういえば最後に見つけたのって奏だったな。

たまたま訪れた街で偶然な。」

 

「すごいタイミングで再開したんだね。」

 

「揃ってびっくりしたのはいい思い出だ。

さて、そろそろいい時間だ。皆もう寝なさい。」

 

そう言って俺達も就寝した

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日

 

AM 5:00

 

いつも通り早朝に起きた俺はいつも通り深層世界に行っていた

 

『漸く己の魂の精髄を理解したか』

 

『随分長くかかったものよな』

 

「ああ。俺の力は俺だけのものじゃなかった・・・

兄さんの刀だった蒼龍も、この兄さんの眼も、全てひっくるめて俺なんだ。

ずっと、俺の中にあったのに気付かなかったなんて、馬鹿だよな。」

 

『そうでもなかろう』

 

『お前は今こうして我らを十全に使いこなせるようになったのだから』

 

「そして、お前らが司るものも漸く見出せた。

まさか反鬼相殺と反鬼融合が封印しきれなかった()()から漏れ出したものだったなんて思わねぇだろ。」

 

『だがお前はそれを我らから聞き出した』

 

『我らはこれで真の意味で其方を認めたぞえ』

 

『だが終式はリスクが大きい』

 

『何かの制限がかかった状態で使い終式が解けた場合、全ての能力が5秒間使えなくなる』

 

「つまり極式までは瞳力が使えない以外特にないんだな?」

 

『然り』

 

『裏式は最大25%、真打は50%、極式は最大99%の力が出せる』

 

「ずっと最後の1%が越えられなかったんだよな。

その答えが簡単なものだったわけだ。」

 

『『後は己が道を行くが良い、主よ』』

 

 

 

 

 

 

 

「漸く完成した・・・

双頭黒龍がまさか偽りの名前だったなんて最初は思わなかったもんな・・・

だが、俺の卍解も遂に完成したんだ・・・」

 

「悠飛さん、おはようございます!」

 

「エリオか、おはよう。」

 

「また離れ離れになるんですね・・・」

 

「いつでも遊びに来い、キャロと一緒にな。」

 

「はい!その時は稽古もお願いします!」

 

「おう。」

 

 

 

それから戻って支度をし、メガーヌに別れを言ってから帰路についた

 

 

 

 

 

 

ミッドチルダ

 

「ふぁあ〜、やっぱ民間船は疲れるわ。」

 

「文句ばっか言ってられん。インターミドルに向けてやらねばいかんことが山ほどあるんだ。

少なくとも都市本戦のランカーに通じるようにせねばならん。

それに山によっては・・・」

 

「エレミアか。」

 

「ああ。ジークも問題抱えてる身だし・・・頭痛が痛い・・・」

 

「遂におかしなこと言いだしよった・・・」

 

「ノーヴェ、ヴィヴィオ達の指導は任せたぞ。」

 

「はい。」

 

 

 

 

 

そんなこんなで家に戻ってからはずっとアインハルトのデバイスのプログラムを組みながら本戦のランカーのデータを出していた

 

 

カタカタカタ

 

「本戦ランカーで当たる可能性があるのは・・・」

 

pp

 

『ハリー・トライベッカ(15)

 ・市立学校高等科2年

 Style:我流魔導戦

 Skill:近接射砲撃

 Magic:ミッドチルダ式

 IM参加履歴:3回

最高戦績:都市本戦 5位入賞』

 

ほう、なかなか見込みのあるやつだな。

卒業後の進路は管理局にスカウトしてみるか・・・

 

「後はヴィクターにジークか。

今度連絡してみるか。ジークは・・・

今頃どこぞで迷子になっておるんじゃろうなぁ・・・」

 

あやつの一族はいつもいつもどこかにふらっと行っては重要な時に戻ってくる放浪癖があるんだよなぁ・・・

 

 

方向音痴のくせに・・・

 

 

ジークへの不安が残ったまま俺はプログラムを組んでいくのであった

 

                 

 

 

 

                       続く




ステータスが更新されました

反鬼相殺・反鬼融合→????

卍解の真の名前が解放されました

裏式:〜25% ??龍
真打:〜50% ??龍
極式:50〜99% ?龍?
終式:100% ??龍


反鬼相殺と反鬼融合、極式まではフロニャルド(夏)編で解放しますのでお待ちください。


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完成、それぞれの修行

原作コミックス4巻に入ります


ppppppppppppppppp

 

「ったく、なんでこんな時に依頼が立て込むかね・・・」

 

「文句言うとらんとはよ承認押してくれ」

 

「あんな、こっちはデバイスのプログラム組みながら仕事しとるんやぞ?

文句も言いたくなるわボケ」

 

「ちょっとは後進に回したらどうや?」

 

「回せる仕事があればええんやけどな・・・」

 

 

 

 

 

そんなこんなでOSが完成してはやてに回して仕事を片付けていく

 

それでも全て捌くのに更に3日完徹していったのだが・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてアインハルトにデバイスを渡す日

 

 

 

「お邪魔します」

 

「いらっしゃい、アインハルト」

 

「お邪魔します」

 

「ノーヴェもよう来たなぁ」

 

「あの、悠飛さんは?」

 

「多分離れの仕事場やと思うよ」

 

「少し挨拶に行ってきます」

 

そう言ってアインハルトが離れに向かっていくが

 

「あの、つかぬことをお聞き致しますが、主達をここ2〜3日見かけておりませんのは私の勘違いでございましょうか・・・?」

 

「・・・そういえば私も見かけておりませんね?」

 

「呪腕にベディまでそう言うってことは・・・あかん!」

 

「きゃあああああああああああああああああ!!!!!!」

 

 

「遅かったかぁ・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

時は少し遡り

 

 

「あの人たちは普段どんなお仕事をされているんでしょうか・・・

確か本局の大将と言っていられましたが・・・」

 

そして悠飛達の仕事部屋に到着したアインハルト

 

コンコン

 

「失礼します。アインハルトです」

 

ノックをしても反応がなかったため、アインハルトは怪訝そうな顔をしていた

 

「あの、入ります・・・っ!」

 

アインハルトが見たのは机や床、ソファーの上でくたばっている姿だった

 

「きゃああああああああああああああああああ!!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

「ごめんなぁ、悠君ら今朝までずっと仕事で篭りっきりやったんよ」

 

 

「寝てたらいきなり悲鳴が聞こえたから飛び起きたぞ・・・」

 

「我らも配慮か足りませんでした。申し訳ありません、マスター」

 

「気を取り直して、はやて」

 

「はいな、これがアインハルトの愛機のお披露目や」

 

「ユニットベースはリインが組んで」

 

「悠君がAIシステムの構築を仕事と並行して組んで」

 

「外装はアギトの手作りだ」

 

「そーなの」

 

「素晴らしい。

まさに真正古代ベルカの特別機(エクストラワン)ですね」

 

「仕様は俺が中心に決めてたからな。

さ、とっとと開けて認証しちまおうぜ?」

 

そう言われたアインハルトは徐に箱を開けると

 

 

(((━━━━━猫?)))

 

アインハルト、ノーヴェ、チンクの反応が同じだった

 

「ぬいぐるみの外装は兎も角、中身の性能は折り紙付きだ。

何せ俺が組んだシステムだからな、推奨レベルを遥かに超える安全性を実現させた」

 

 

「時間もあれや、さっさと庭でやれ。俺らは寝る・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ppppppppppppppppppp

 

 

「相変わらず手際ええなぁ」

 

「何年モビルスーツのOSいじってると思ってる」

 

 

pppp

 

「準備完了、アインハルト」

 

「個体名称登録━━━━

あなたの名前は『アスティオン』

愛称(マスコットネーム)は『ティオ』━━━」

 

「にゃあー♪」

 

「アスティオン、セットアップ」

 

「よし、問題なくセットアップできたな」

 

「あれ?髪型が変わってねぇか?」

 

「あ、そういえば」

 

「アスティオンが調整してくれたんですよきっと」

 

「そっちの方がいいよって」

 

「そうなんですか?」

 

「にゃー」

 

「さて、調整とファイナライズも一気にやってしまうからこっちに来い。

それと、修行用のアイテムを渡す」

 

「アイテムですか?」

 

「魔力養成リストバンドだ。

その他機能もついてるがな」

 

そんなこんなでファイナライズを終わらせた俺はもう一度寝るのであった

 

              

 

 

 

 

                  続く

 

 




AB編が終わると途端に文字が減ってしまった・・・・

次回はもう少し増やせるようにします


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主人公ステータス(インターミドル前)

今回は更新していなかった部分の補足になります


龍神悠飛

 

ステータス

 

筋力A++ 敏捷EX 幸運B 耐久EX 魔力EX

 

身長185cm /体重85kg

 

反鬼相殺EX ↘︎

       → 統合

反鬼融合EX ↗︎

 

英霊憑依EX

 

画竜点睛EX

 

炎殺拳EX

 

氷結適正EX

 

その他

 

所属:時空管理局本局

 

階級:総大将

 

J・S事件から4年後、伝説の三提督から昇進の要請があったのだがこれを辞退

最高評議会の廃止と地上本部の再建に奔走中

それに加えての育児と依頼の消化、人事などで大忙し

川神学園卒業後はまゆっちの卒業を待って予定より1年長く休暇を取り、まゆっちの卒業と同時に義経や冬馬たちを連れてミッドに移住

以前より管理局に嘱託として籍を置いた曹一族と梁山泊の面々と合流し、現在のファミリーとなっている

 

基本的に子煩悩で我が子のこととなると少し抜ける

 

地球には基本的にSSSとリトルバスターズに任せてはいるが、どうにもならないときは自分たちで対処している

 

SSSメンバーは六課設立より遥か前、皇族から世間への発表の後でゆりの家族を助けた時に再会した時を皮切りに、

中学時代に全国各地を旅して再開していき、六課設立の1年前に最後の一人である立華 奏と再開した(この時既に奏は結弦と再開すみで交際中)

その旅の最中にとある街でちょっとした事件として二木家と三枝家の問題に割って入り、拾い上げたのがリトルバスターズのメンバーとなっている(無論虐待と監禁の容疑、冤罪を被せたとして両家へのガサ入れも行っている)

 

屋敷は莫大な資産に物を言わせたような広大な土地にたっており、弟子達の緊急の宿泊場所となっている

※ザフィーラが地元の子供達に格闘技を教えてることもあり専用の第4鍛錬場を増築した

 

ナカジマ家の6姉妹とティアナからは『悠兄』や『兄さん』と呼ばれ慕われており、セインからは主に『旦那』、オットー・ディードからはヴィヴィヴォと同じく陛下と呼ばれて親子共々辟易としている

 

スカリエッティからは話し相手として度々通信が来て研究成果を語られているため頭痛の種となっている

 

別天神(ことあまつかみ)をかけられたドゥーエは父である局長の秘書として採用し、

ウーノ・トーレ・クアットロ・セッテは現在聖地巡礼の旅の警護として強制労働中

(なお、クアットロはキレた悠飛の剣気に当てられた影響かトラウマになった模様)

 

合宿中に魔力コントロールの一環として螺旋丸をヴィヴィオとアインハルトに伝授し、

自身は日課の精神世界での修行により、30年越しに卍解を完全習得した(この30年は転生10年前に会得、転生後10年は体のこともあり修行できず、そこから10年余りかけて漸く完成した。なお、双頭黒龍は偽りの名前で本来の性能の10%〜15%しか発揮できていなかった)

 

サーヴァントの殆どは地球に残ってファミリーの経済を回しているが、一部サーヴァントがミッドについてきた(主にアルトリア達)

そしてその更に一部の女性サーヴァントははやて達公認で(必要もないのに)魔力供給を求めてきている(主に槍トリアやアン・ボニー&メアリー・リードが)

 

 

その他に変わったことといえばだが辰徳がギンガを助けたことにより交際を迫られたり、結弦と奏が入籍したり

と少しめでたいこともあった

 

 

 

補足として彼の卍解は四段階に分かれており、終式以外は万華鏡と輪廻眼との併用ができない縛りがあるが能力は強力無比である

各段階の名前には共通で何処かに必ず龍が付く

そして相殺と融合の力は彼の魂の精髄が元で封印しきれなかった真の能力から漏れ出たものである

彼が卍解の完全習得に時間がかかったのは、自身の異能とも言える瞳術を受け入れていなかったことにも原因があるが、

奪った能力を修練で我が物としたことで自身の能力の一部になったことを受け入れたことで完成に至った

 

彼の真の能力のヒントとしては以下の通り

『光と闇は表裏一体、相反する二つは作用し合い森羅万象を得る』




次回から展開は少し巻き気味で話を進めていきます


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実戦!予選!場外戦・・・?

創作意欲が湧いてきた・・・?


とある日、大地下修行場

 

「ハァ・・・ハァ・・・何なんやあいつの卍解は。あんなん反則やんけ・・・!」

 

辰徳が疲弊した状態で仰向けになりながら愚痴っていた

 

 

 

遡る事数十分前━━━

 

ドォン!

 

 

「はぁっ!」

 

「疾っ!」

 

ガギン!!

 

「さっきからずっと違和感があったが漸く分かったわ!」

 

「何が!」

 

「お前の魔力量が更に上がっとる事にや!

始解の状態で今までより10%くらい上がっとんのちゃうんか!」

 

「流石にバレたか・・・」

 

「あの合宿から帰ってきてから・・・いや、帰る日の朝から妙な違和感があったがその正体が始解での出力の上昇やとはな!」

 

「当たり前や。何のために毎日精神世界に潜ってた思っとんねん!」

 

「精神世界・・・まさか、お前・・・」

 

「さてここで問題だ。俺の刀の真の能力は何でしょうか?

圭吾には特に秘密だぜ?あいつには、然るべき時に見せてぇからな。

━━━━━━━卍       解」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「圭吾には悪いが、あんなん話したところで対処できるかいな・・・

しかも卍解のくせに四段階もあるなんて・・・!」

 

 

 

 

その頃仕事部屋では

 

「じゃあ人事はそのようにお願いします、師匠(せんせい)方」

 

『うむ、この配置ならば問題なかろうて』

 

『ところで悠ちゃんや、あんたに新しい元帥になってもらいたんじゃが』

 

「ちゃん呼びはやめてくださいよミゼット師匠(せんせい)・・・

昇進については以前お話しした通り辞退させていただきます。元帥になってしまったら、向こうにいる主の護衛ができなくなりますから」

 

『残念だのう・・・』

 

「内示については師匠(せんせい)方の名前でお願いします。局長(親父)は今帰省中なんで」

 

そう。悠飛がここ最近忙しかったのは局長である父が休暇で帰省していることもあって、その仕事が彼の元に回ってきていたので普段の3倍の仕事を捌いていたのである

 

「副長に仕事振ればいいのにわざわざ俺らの方に仕事回しやがって、あのダブスタクソ親父・・・!」

 

そんなこんなで人事の再配置も終え、束の間の休息に入るのだった・・・

 

 

 

 

時は進んでインターミドルミッドチルダ地区予選の日

ヴィヴィオ達の様子見と将来有望株の発掘のために第1会場に足を運ぶことにした

・・・・勿論これはお忍びでもある

普段から使っているプライベート用の着物を着て、スタンドの最上段から様子を見ていた

 

 

「ほう、ヴィヴィオは少し戦法を試しているのか。そしてあの子は確か、ザフィーラの教え子の・・・」

 

「ミウラだよ、悠飛」

 

「何だよ、せっかくお忍びで来てたっていうのに台無しじゃないか・・・ヴィータ」

 

「ま、アタシもミウラの様子見にきたんだけどね」

 

「あの戦法、お前が教えたのか?」

 

「うん。叩ける距離まで近づいて、近づいたらそのままぶっ叩けって」

 

「あの子中々才能あるな。ザフィーラの私塾で燻らせるのは勿体無いくらいに」

 

「まぁミウラにも事情があるんだよ。

それじゃあアタシはミウラの所に行ってくるから」

 

「ああ。また家でな」

 

そうしてヴィータと別れた後は

 

「ふむ。リオとコロナも成長していってるな」

 

これなら中の中から中の上あたりまで行くだろうな

 

「さて、アインハルトは・・・瞬殺かよ」

 

 

こりゃあ今大会は波乱の展開になりそうだな

 

そう思って帰ろうと思ったら何か場外戦が始まりそうな・・・

 

 

「ってあれはジークにヴィクターと、確かハリー・トライベッカだっけか?

しょうがねぇなぁ」フッ

 

「その辺にしておけ」

 

縛道の六十三・『鎖条鎖縛』

 

ギャリン

 

「なっ!?」

 

「これは!?」

 

「インターミドルのトップランカーが場外乱闘とは何事か。

自分達の知名度を考えよ」

 

「悠飛さん!?」

 

「誰だこの人?」

 

「知らないんですの?!」

 

「さすがにそれはないよ番長」

 

「ああっ!チャンピオンに総大将閣下!?」

 

「声が大きいわ戯け!見ろ、お前らのせいでせっかくお忍びで来てたのに騒ぎになっておるではないか」

 

会場は悠飛がいたことで騒然となっていた

 

「あっ、パパー!」

 

「見てたぞヴィヴィオ。その調子で頑張りなさい」

 

「うん!」

 

「総大将って何の?」

 

「ほんっとうに何もしらないんですのね!この方は初代天帝の血を引く直系の子孫にして時空管理局本局の総大将!

そしてかの三提督の愛弟子でもあられる龍神悠飛さんですのよ!」

 

「持ち上げすぎだヴィクター。それより、久しぶりだなジーク」パチン!

 

俺は指を鳴らして鎖条鎖縛を解きながら言う

 

「お久しぶりです。さっきの子が娘さんですか?」

 

「ああ。そしてあれが例の覇王の子孫、アインハルトだ」

 

「へぇ、あの子が・・・」

 

「何にしても、俺らは深い因縁で繋がれているんだ。お前とアインハルトは必ずぶつかるだろう」

 

「それにしても悠飛さん。また魔力が上がっておりませんか?」

 

「ちょっとな。ま、今年の戦技披露会で理由はわかるさ、お前らはな」

 

お忍びではなくなったがヴィヴィオ達の結果がわかって重畳であったのは言うまでもない

 

 

 

おまけ

 

「おい、お前がインターミドルの会場に連絡なしで行ったからこっちにまで問い合わせが来とったぞ!」

 

「もうちょっと考えて行動せいや!」

 

「お前らに言われとうないわ!!

誰のせいで毎度後始末が大変やったと思っとるんや!!!」

 

屋敷の仕事部屋で盛大なブーメランが飛んでいた

 

                      続く




次回からインターミドルの中盤に入って行きます


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抜刀・収束・抜剣

続きです。どうぞ


「そうですか。チームナカジマのみんなスーパーノービス入りできたんですね」

 

「おかげさんでな。お前さんにも手伝ってもらって悪かったな」

 

俺は今アインハルト達の修行相手になってくれていたミカヤに会って礼を言いに来ていた」

 

「ミカヤさんには本当に姉やヴィヴィオさん達がお世話になりまして」

 

「ああ、そんな気にしないで」

 

「ところで何故廃車場へ?」

 

「実は今朝方、晴嵐の研ぎが仕上がりまして。

実戦前の試し斬りをしようと思いましてね」

 

「その試し斬りの場所が廃車場とは・・・

そこまでなのか」

 

「試し斬りって!」

 

「これをですか?」

 

「そのようだな。

・・・オットー、ディード、こっち来とけ。そこはもうミカヤの間合いだ」

 

そうして試し斬りの様子を見ると

 

「天瞳流抜刀居合━━」

 

ドギュン!

 

「━━天月・霞」

 

ドスン!

 

 

「ほう、抜刀術の弱点を補いつつ更に一太刀入れたか。

だが、まだ荒いな。

どれ、一丁見本を見せてやるか。おい!頼めるか!」

 

「へい!」

 

俺は先程ミカヤが斬ったバスと同程度のものを用意してもらって構えた

 

「よし、やれ!」

 

「「陛下!」」

 

「スゥー・・・

龍神流━━━」

 

シン!

 

「━━━━━静の秘剣・『空蝉』」

 

バラッ!

 

ガラガラガラガラ!!!

 

「━━━一体何回斬ったんですか・・・!」

 

「静の秘剣・『空蝉』は心を無にして放つ超神速の剣。

抜刀術最大の弱点である抜刀後の隙を刹那の瞬間に留めおくことで一瞬六斬を可能にした。

更に斬る瞬間にのみ力を加える為刀身を傷つける事なく対象を斬る」

 

「あの一瞬で六斬・・・どれほどの高みにおられるのですか」

 

「飛天御剣流には防御・回避共に不能の技もある。一瞬六斬など容易い。

これからも精進せよ」

 

「はい。ありがとうございました」

 

「帰るぞ、二人とも」

 

「は、はい!」

 

「ただ今!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数日が経過した

 

 

「まさかコロナとアインハルトがいきなり当たることになろうとはな。

しかも同じ山にはジークも」

 

「そんなに強い娘なん?」

 

「『鉄腕』・・・エレミアの継承者といえばわかるか?」

 

「成程、古代ベルカの継承者の一人か」

 

「俺も何かと気にはなっているが、あやつが自身の能力に忌避感を持っとるからな

前回の事故のこともあるようだしな」

 

「そんであの娘がミカヤちゃん?」

 

「ああ。俺と同じ抜刀術の使い手だ。

まだアライブ部分があるがな」

 

今日ははやてとなのはとフェイトと一緒にミウラの試合を見ているが、やはり経験の差かかなり危うい状態だな

 

「ミウラには一つ決定だがあるんやけど、それを撃つタイミングを見計ってるんやな」

 

「決定打?」

 

その答えはすぐにわかった

 

「なのは、悠飛、あれって」

 

「うん」

 

「ああ。収束砲(ブレイカー)だ。」

 

「はやてが言ってた決定打ってあれのこと?」

 

「せやで」

 

「まさか収束とはな。

加えて利き足に収束とは」

 

そしてそれはミカヤの防御を容易く破り、KOとなった

 

「これはまたえらい才能の塊だな。

今はほぼセンスだけでやってるが、ちゃんとしたジムで指導して貰えば化けるぞ」

 

今大会はかなりの収穫になりそうだな

 

「悠君ならあれはどう対処する?」

 

「九頭龍閃と同じだ。

技の発生の前に超神速で斬り込む他は無い」

 

「それってつまり・・・」

 

「唯一の対抗策は飛天御剣流奥義

━━━━天翔龍閃(あまかけるりゅうのひらめき)

 

「私達のは完全に砲撃だから必然と相殺になっちゃうけど、あれは直接打ち込むものだからね」

 

「むしろお前の方が規格外なんだよ。

何で話通すためにブレイカー教えることになったんだよ」

 

「「うっ・・・」」

 

過去のことを蒸し返されて言い淀むなのはとその時のことを思い出して少しアレな気になってしまったフェイトであった

 

 

                        続く

 

 




このままサクサク進めて行こうと思います。
でないといつまでも完結しないんで・・・


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特別・創生・雷帝

続きです


プライムマッチから始まる大会の日

俺は事前にファミリーで視察に行くと大会委員会に伝えて会場に赴いた

 

「おい、あれって!」

 

「ああ、天帝一家(プロヴィデンス・ファミリー)だ。おっかなぇ」

 

「ったく、見せ物(みせもん)ちゃうぞ」

 

「だからファミリーの隊服で来んの嫌やねん。騒々しい」

 

「それで先代に言われたん誰やねん」

 

「人のこと言えるかい。ダブスタクソ親父め」

 

 

 

そんなこんな文句言いつつも大会委員に挨拶をして近場で見ることになった

 

そしてこの日の試合は前回大会8位のエリス・タスミンと前回大会5位のハリー・トライベッカだ

 

「すごい歓声だな」

 

「そりゃあ都市本戦上位ランカー同士のバトルだからな。盛り上がるだろう」

 

そして試合が始まると

 

「ほう、エリスとかいうのは捕縛系の使い手か。これは珍しいな」

 

「警邏隊のメンバーに最適の能力か。あれは並の奴が相手ならば問題なかろうな」

 

「並の相手ならばな、だが・・・」

 

「おいおい、自分を攻撃して外しやがったぞ」

 

「どんな根性してんだよ・・・」

 

 

 

 

「うぉおおおおおおおおお!!!!」

 

ガンフレイム!!

 

 

「ありゃあ右手に圧縮した魔力をぶっ放してるのか」

 

「悠飛のブラストと似てるな。圧縮率は及ばんが・・・」

 

「純近接格闘型と思いきや射撃を兼ね備えた近・中距離型だとはな。思わぬ収穫だな」

 

「あの二人が組むとなれば検挙率は跳ね上がるだろうな」

 

「将来が楽しみだ」

 

そしてフィニッシュブローは

 

 

「ハデな砲撃でブチのめしてーが、残念ながら弾切れだ!

つうわけで━━━」

 

オレ式 一撃必倒パンチ!!!

 

 

「まさかバインドを咥えて引き寄せてからの折れた腕でアッパーか。どんだけ根性あんだよ」

 

「さすが番長と言われてるだけはあるな」

 

「おっしゃああああ━━━━お、おおおおおおおお・・・」

 

『ハリー選手!クラッシュシュミレートがまだ解けていません!

無茶しないでくださいっ!』

 

(((((アホだ)))))

 

 

そしてその日の帰り際

 

「総大将。この度の試合について何かお願いします」

 

「まずは両選手よく戦った。

そして今後の成長と進路に期待する。以上━━━」

 

記者達からは他にもコメントを求められたがそのまま引き上げることにした

 

 

 

 

 

そしてコロナとアインハルトの試合の日

この日は完全にお忍びで遠くから見ていた

 

「コロナのゴーレム創生は並の努力では会得できぬものが多い。

しかもゴーレムはその場での生成しか認められていないとなるとな・・・」

 

だが試合は思いもよらない展開であった

 

「あの動き、コロナ自身の身のこなしでは無い・・・

まさかあやつ、()()()()()()()()()()()・・・!」

 

優れた術師は自身を操るゴーレムとして体を動かすものがいるが、まさかあの歳で・・・

 

「だがまだ体が出来上がっていない初等科の娘がやるにはリスクがデカすぎる・・・

そこまでして戦うのか・・・」

 

そこからは互いに譲らない一進一退の攻防が繰り広げられた

しかし、どんな闘いにも必ず終わりは来る

 

最後はアインハルトの断空拳が入り勝負あり

 

「二人ともよく戦ったな。だがまずは・・・」

 

ちょいとお説教の時間だな

 

「入るぞ」

 

「こ、これは陛下」

 

「来てたんですか」

 

「ああ。まずはいうことがある

━━━コロナ、あの戦法はお前には早すぎる。

体が出来上がっていない状態で自身の体を完全外部操作なぞ、どれほど体に負担をかけるか分かるまい」

 

「しかし陛下、コロナお嬢様は「説教はお前ら二人にもだ」

・・・はい」

 

「こんな小さな体のコロナにあれをさせるなど、本来はお前らが止めなければならないことだ。

一歩間違えれば命すら危うい魔法を使わせるなど言語道断!

コロナ、あの技はお前がある程度成長するまで禁術だ。

俺がついてる時だけ修行を許す」

 

「わかりました・・・」

 

「とはいえ、アインハルト相手によくやった。また来年、挑戦すればいい。

そろそろ行くが、オットー。後でシスター・シャッハからの説教があるからな」

 

「・・・畏まりました」

 

そしてオットーはその後シスター・シャッハにこってり絞られたという

 

ノーヴェはなのはからお小言を延々と言われてた

 

 

そしてその後の試合

 

ヴィクターが出てくるので戻って行ったのだが・・・

 

 

「あれは教会のシスターか?今まであったことがないが・・・」

 

「あら、あなたも来てたの?」

 

「カリム?どうしてこんなところに・・・」

 

「そんなの、うちのシスターが出ているからに決まってるじゃない」

 

「それもそうか。

しかし、あのシスターは見かけたことがないが?」

 

「それはシャッハが止めてるの。あの娘はまだあなたの前に立たせるほどの礼儀はありませんって」

 

「そういうことか。しかし何ともじゃじゃ馬な戦い方をしよる・・・

まずいな」

 

「どういうこと?」

 

「相手はダールグリュン家のお嬢様、『雷帝・ダールグリュン』の末裔だ。

あの程度は目で追える何せ・・・」

 

「何せ?」

 

「俺の()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「それって!」

 

「あの程度の速さなら余裕で対処できているが、かなり機嫌が悪いな」

 

俺がそう言った瞬間ヴィクターの髪が蒼く光り、雷電を帯び始めた

 

「カリム、耳塞いどけ。あれは慣れていてもキツイ」

 

ヴィクターが大技を使い、シャンテを動けなくした所を

 

六十八式 「兜割」

 

「決まったな。カリム、彼女の所へ行って労ってこい。

それから、精々精進しろと伝えといてくれ」

 

「ええ。ありがとう」

 

そこから俺はヴィクターの元へと向かった

 

「よう、随分荒れてたな」

 

「これはお恥ずかしいですわ。あなたに見られていたなんて」

 

「あの程度で心を乱されるとはまだ修行が足りんな。

手っ取り早く禅でもしてみろ」

 

「淑女としてとてもはしたないことでした」

 

「どうもお主は熱くなりやすいなぁ。

一つアドバイスをやろう。ああいう手合いは逆に挑発して短絡的になったところを叩くか初手からリング全体にスタンさせる技を使って相手が動けないうちに一撃で沈める。これが定石だ。後は自分なりに見つけるんだな」

 

「ありがとうございました」

 

 

 

                 続く




次回はヴィヴィオ対ミウラの話です


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激突!ヴィヴィオvsミウラ

本日2話目です


ヴィヴィオとミウラの対戦の日

 

俺はなのはとフェイトとはやてと共に見に来ていた

ヴィータたちはミウラ側にいる

 

 

「悠君はこの対戦どう見る?」

 

「正直6:4でミウラが優勢か。

はっきり言って今のヴィヴィオに決定打はない。

螺旋丸を教えたはいいが未だに水風船の段階で使えたもんじゃない。

対してミウラにはあの収束がある。

打つタイミングを見極められ、かつそれを直撃させられればそれで勝てる」

 

「やっぱりヴィヴィオには不利な条件なんだね」

 

「壁を越えた存在でも不利なもの、苦手なものは必ず存在する。

どんな人間にも弱点は存在する。かく言う俺も卍解状態では万華鏡は使えんし、輪廻写輪眼も使えん」

 

「確かに悠君が卍解状態で万華鏡と輪廻写輪眼を使えたんって4年前のあの時だけやもんな」

 

「初代天帝の縁者に反応した時だけ強制的になってたもんね」

 

「その分消耗も激しかったがな。そういうもんだ、何事も」

 

ズドォン!

 

「あっ!ヴィヴィオ大丈夫かな・・・?」

 

「心配しすぎだよフェイトちゃん。ほら」

 

「二人とも笑ってやがる・・・

どんだけ仲良いんだよあの二人は」

 

そして熱血娘たちが本気を出してくるな

 

 

 

 

ヴィヴィオが越えなければならないのは、自らに課せられた運命

ゆりかごの一件以降に分かったことだが彼女本人の総魔力量はあまり多くない

レリックが破壊されたことで元々通常の6歳児より多かった魔力量が減り、成長限界を迎えても並の魔力量にしかならないだろうと告げられた。

 

(俺が修行をつけても大して上がらないのか、それとも厳しい修行で魔力の成長限界を突破できるのか・・・

正直言って俺もそこまで断定できない。

だがヴィヴィオはそれを乗り越えなければ、己の運命を覆さねば・・・

この世界でヴィヴィオは生き残れない)

 

ミウラが斬り伏せなければならないのは、己の環境

彼女は決して裕福と言える家庭環境ではなかった。

故に彼女は家業の手伝いもしていたが故にザフィーラの私塾に通う形にならざるを得なかった。

だがその出会いが彼女を変えた。

 

(調べさせてもらったが、彼女をこのままヴォルケンリッターに任せたままは惜しい。

できれば彼女にも専属をつけてやりたいがこればかりはな・・・

それにしてもいい蹴りをしている。

実家を手伝っていることで自然と鍛えられた脚力。ハードヒッターとしては十分な素質を持っている)

 

互いに譲れぬ想い

しかし勝利の女神は残酷にも一人にしか微笑まない

 

互いに放った大技

 

捉えたかに見えたヴィヴィオの一撃は凌がれミウラの一撃がクリーンヒットし、ヴィヴィオのライフが尽きた

倒れたヴィヴィオは変身が解けずに意識が飛んでいる

 

「ヴィヴィオ!」

 

「まずいな・・・!」フッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「すぐに医務室に運べ!」フッ!

 

「あっ貴方は・・・!」

 

「グズグズするな!」

 

「は、はい!」

 

そうしてヴィヴィオを医務室に運ばせた

 

 

 

 

 

 

 

 

pppppppppppppppppppppp

 

 

「脳波、心拍数、共に異常無し。

軽い脳震盪ではあるが命に別状はないな。

ただ、消耗をしすぎて意識を失ってるだけだな。よかった・・・」

 

「でも、変身魔法が解けてないのは?」

 

「おそらくだが、クリスに組み込んでいたセーフティが作動したんだろう。

予備魔力も尽きてスリープモードになっている。外部解除コードを入力している」

 

ppppp

 

スゥ━━・・・

 

「クリス、お疲れ様。よくやってくれた」

 

クリスは申し訳なさそうにしょげている

 

「そんな顔をするな。今はゆっくり休め」

 

「悠飛君の見立てなら問題ないわね」

 

「それじゃあ兄さん、また後で」

 

「ああ。みんなももう行きなさい。リオの試合が残ってるんだろ?」

 

そうして皆を退出させた

 

「よく頑張ったな、ヴィヴィオ・・・」

 

 

 

 

「起きたか?」

 

「パパ?クリス?

そっか、わたし・・・・・・負けちゃったんだ」

 

「ああ。立派だったぞ」

 

コンコン

 

「ん?ヴィータと・・・

ミウラ、だったかな?

ヴィヴィオはもう起きてるよ。入って話しておいで」

 

「ごめん悠飛。あんなことになって」

 

「気にすんな。真剣勝負であれば起こることだ。

正直、我が子に起きると肝を冷やしたがな・・・」

 

ヴィヴィオは負けたが、この負けを糧にまた強くなれば良いと思う悠飛だった

 

                 続く

 




次回はリオ対ハリーとアインハルト対ジーク戦まで行こうと思います
そのあとはもちろん古代ベルカの追憶、初代たちの話を2〜3話程度でやろうと思います
それが終わればようやくヴィヴィオ対アインハルトの再戦と夏のフロニャルドです


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邂逅

続きいきます


ヴィヴィオが目を覚ましたので会場のスタンドに戻り、リオの試合を見に行くことにした

 

 

 

ドゴォ!

 

 

「・・・おいおい、どんな馬鹿力してんだよ」

 

サーヴァントのパラメーターで見れば確実にA+判定だろうな

 

 

「ありゃあ身体強化(バフ)かけてねぇか?」

 

「ルーフェン体術か、どんだけだよ」

 

「だがハリーも冷静に対処しているな」

 

「炎と雷の変換資質持ちのリオには相性が最悪だったな」

 

「というかお前ら、いつの間に来てたんだよ・・・」

 

「お前がヴィヴィオのとこに飛んで行った後に来たんだよ

それより・・・」

 

「リオはもう打つ手がねぇだろ」

 

「だな」

 

 

リオはよく健闘したが、やはり上位ランカー相手ではどうしようもない

こうしてチームナカジマの初等科組は地区予選トーナメント2回戦で幕を閉じた

 

 

「お前ら、次のアインハルトの試合は全員予定空けとけ」

 

「理由は?」

 

「俺ら全員に関係ある試合だ。何せ相手はエレミアの末裔だからな」

 

「エレミア・・・初代様が共に戦ったという者の末裔か」

 

「そういうことだ。事前にファミリー最古参組の視察の名目で委員会に伝えている」

 

 

 

 

 

次の日の夕方

やはり気掛かりになっていたので散歩がてらヴィヴィオを迎えに行こうとしていたが三人が悔しさを吐き出しているところを身を隠して聞いてしまった

 

(今は存分に泣け。そしてその悔しさを決して忘れるな。

そうすればお前達はもっと強くなれる・・・挫折を乗り越え、強くなれ・・・!)

 

その後はこっそり家に帰って大地下修行場で終式の更なる修練を積んでいた

 

 

そして

遂に覇王とエレミアが邂逅する時が来た

 

 

 

「彼女がエレミアの末裔か?」

 

「ああ。以前視察した時に眼が反応してな。その時から個人的に雷帝の末裔であるヴィクターと交流している」

 

そして試合が始まった

 

 

「ジークは格闘選手としては万能型。全てに於いて高水準だ。

打・絞・極・投、その全てが一線級であり、ゼロレンジなら無類の強さを誇る。

弱点は、精神面だがな」

 

「精神面か・・・」

 

「あやつは幼い頃より自らの継承スキルを制御できずにいる。

それ故に精神が不安定なんだ」

 

「一体何なんやそれ?」

 

「『エレミアの神髄』・・・自らの命の危機に発動するスキル。

そしてあやつの二つ名は『鉄腕』。全てを粉砕する破壊力特化の力だ」

 

「そんなもんがあったとはな・・・」

 

「以前書蔵を漁ってたら初代の手記を見つけて、俺もそれで初めて知った。

それより見ろ。あやつ遂に本気になったぞ」

 

悠飛がそういった直後、ジークは『鉄腕』を解放した

 

「━━━━っ、全く・・・彼奴はどんな運命を子孫に背負わせたんじゃ・・・」

 

「混ざってるってことは、記憶が・・・」

 

「流れ込んできた。胸糞悪いものがな」

 

「おい、アインハルトのやつまずくねぇか?」

 

「どう見ても冷静じゃねぇな」

 

「あれは・・・」

 

「あれが『エレミアの神髄』か」

 

「ジークの目つきが変わった・・・あれは俺達が人斬りをする時の目つきと同じだ」

 

 

 

そうして冷静さをなくしたアインハルトはジークに負けた

 

 

 

試合後

 

「眼が覚めたか?」

 

「悠飛さん・・・?」

 

「このあとレストランを貸切にしている。

お前も来い」

 

「でも、私は・・・」

 

「慰労会だ。

それに、真実を知りたくないか?

俺達の因縁、その真実を」

 

「貴方は知っているんですか?」

 

「初代様の手記を・・・

というかあれは回顧録だったな。それを見て大まかのことはな」

 

「教えてください、それを」

 

「まぁ待て。まずは飯だ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その夜

 

 

「どうだ?いい眺めだろ」

 

「まぁ簡単やけどご飯もあるから自由に食べてなー」

 

 

 

 

「食いながらだがちょいと聞いてくれるか?」

 

「ええんやな、悠君」

 

「ああ。何の因果かこの時代、この場所に因縁があるものが集った。

『黒のエレミア』の末裔ジークリンデ、『覇王イングヴァルト』の末裔アインハルト、その二人を繋ぐ『聖王オリヴィエ』、ベルカ最強と謳われた『天帝』の末裔たる俺と四天王」

 

「かつて戦乱の時代を一緒に生きたベルカの末裔が、今この時代にまた集まってる」

 

「さらに言えばこの場には雷帝ダールグリュンの血統のヴィクトーリアがいるし、この場にはいないが旧ベルカ王家直系の子もいる。

故に俺はこのメンツでこそ話すべきだと思う。古代ベルカ、『聖王オリヴィエ』達に何が起きたのかを・・・」

 

「頼める?」

 

「ああ。しかし書蔵にあったのは回顧録みたいなもので大まかなことしかわからなかった・・・

初代と覇王は共に高め合う存在で親友と呼べる人物だったらしい。」

 

「はい。確かにクラウスはリュウキととても仲がよかった記憶があります」

 

「そしてエレミア・・・ジークの祖先だが掴みどころがなく、いつもどこかへふらっと行く放浪癖があって方向音痴であったと記されていた・・・

名はヴィルフリッド・エレミア━━━━三人からは『リッド』と呼ばれていたそうだ。

そして『聖王オリヴィエ』からは兄のようにまたは父のように慕われていたようだ

 

皆笑顔で、そんな時間が永遠に続くと思っていた」

 

「そですね・・・」

 

「うちにあった回顧録はまだ解読が進んでおらんから全容が見えぬ。

何か他に方法があればいいんだが・・・」

 

「ねぇパパ」

 

「ん?どうしたんだ?」

 

「確か無限書庫でエレミアの手記を見かけたよ?」

 

「何?

そうかその手があったか。あそこなら確実にあるだろうな」

 

「でもあそこ、一般人は立入禁止ですわよね?

あなたがたも入ったことが?」

 

「社会科見学とかか?」

 

「ありえるッスね!」

 

「それならご夫妻から無限書庫での調査許可をいただくことは可能でしょうか?」

 

「確かに俺らが申請してもいいんだが」

 

「もっと手っ取り早い方法があるよ」

 

「わたし無限書庫の司書資格持ってます!」

 

『えぇ━━━━━━っ!?』

 

「確かリオとコロナも持ってたよな」

 

「お前らあらためてどんな小学生だ!?」

 

「えへへ」

 

「いろいろありまして〜」

 

「ということだ。明日、一緒に行きたいものは行くぞ。

ただし、無限書庫には未整理区画もあるから決して勝手な行動は控えること」

 

こうして無限書庫での調査が決定した

 

「おいルーテシア。気付いてるな?」

 

「ええ。覗き見してる輩がいますね」

 

「牽制しとけ」

 

「はい」

 

こりゃあ楽な作業ではなくなりそうだな

 

一応回顧録も持っていっとくか

 

              続く




次回は無限書庫での探索と追憶の導入になります


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無限書庫トラブル

無限書庫ですが、大人達は途中までユーノと談笑しています


 

「何ヶ月ぶりだろうな、本局に足運ぶのは」

 

「実際悠君は仕事部屋で仕事してるもんなぁ」

 

「そりゃあ地球からも仕事来るから屋敷で仕事してた方が早いからなぁ」

 

「パパが一番忙しいのはわたしたちもわかってるから」

 

「まぁ、悠兄や辰兄の仕事量って半端ないもんなぁ」

 

「不眠不休で仕事をされて倒れてたところを見た時は本当にびっくりしました」

 

そんなこんなで受付に着いた

 

「いらっしゃいヴィヴィオ」

 

「こんにちは〜♪」

 

「未整理区画の調査だよね?

一般人のお友達がいるってことだったけど・・・」

 

「えーと、一般人というか・・・

インターミドルの上位選手(トップファイター)のみなさんです!」

 

「ど〜も〜」

 

「わ!テレビで観た子がいるっ!

 

「サ・・・サインもらっっていいかな?」

 

「だ、そうだよ。ジーク」

 

(ウチ)ですかっ?」

 

「あと、うちのパパとはやてママがいます」

 

「こんにちは〜」

 

「ファンなのはわかるが、仕事はしろよ?」

 

「「お・・・お疲れ様ですっ!」」

 

「じゃ、俺らは司書長の所に行ってるからくれぐれも単独行動はするなよ?」

 

「ほなな〜」

 

 

 

 

そうして司書長室

 

 

「こうして会うのは久しぶりだな、ユーノ司書長」

 

「こちこそ、ご無沙汰しております」

 

「「・・・・プッ!」」

 

そんなかしこまった挨拶をした後で二人揃って吹き出した

 

「ハハハ、何やってんだろうな。公式訪問じゃねえのにアホみたいや!」

 

「ほんと、僕らにはそんなもの必要ないのにね!」

 

「なんや昔に戻ったみたいやな」

 

「この三人となるとな。

それとユーノ、時々無茶な頼み事して悪いな」

 

「仕方ないよ。君達五人の仕事はそれだけ重要度が高いんだし、どこかの提督より十分頻度は少ないよ」

 

「クロノ君かぁ」

 

「あいつにも仕事させすぎるか・・・

あいつの艦隊は重要だが、今度纏まった休みをやらんとなぁ」

 

「そうしたり。クロノ君、あまり家に帰れないせいで子供らに忘れられてないか不安になっとるし」

 

「お前にも休みを与えんといかんしなぁ。

聞いたぞ?2〜3日篭りっきりでロクに休んでないってな」

 

「あはは・・・君達と比べるとマシだと思いたいけど」

 

「一緒やで。この間も悠君ら、お義父さんに仕事押し付けられて3日完徹どころか不眠不休やったし・・・」

 

「大丈夫じゃないよねそれ?」

 

「案の定あたしらが失念してたからアインハルトに見られて悲鳴上げられてたわ」

 

「文句なら親父に言ってくれ・・・」

 

そんなこんな談笑していたが、書庫内の様子がおかしいことに気づき始めた

 

「おい、なんか変な反応が混じってるぞ」

 

「本当かい?感知には何も・・・」

 

「魔力じゃ感知できんな。俺が感知したのは『悪意』だ」

 

「なんか良くないことが起きとるみたいやな

通信も念話も通らへん━━━━」

 

「はやて、お前は慎重に進んでいけ。

俺は最短最速で行ってみる」

 

「間に合う?」

 

「俺のもう一つの字名(あざな)忘れたか?」

 

「・・・そうやね。『瞬神』やもんな」

 

「じゃあ、行ってくる」

 

ドンッ!

 

 

俺は写輪眼になって駆け出した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「反応はこっちからか。だが魔力反応が少なすぎないか?

・・・いや、小さくなってはいるが微かに反応はある。

それにこの魔力・・・ルーテシアと・・・あの駄猫か・・・!」

 

反応が近くなった

 

「あれは・・・まずいな」バシュン!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「随分情けない状態になっているな、ルーテシア。それでも嘱託局員か?」

 

俺は使い魔の槍を片手で受け止めていた

 

「悠飛さん!?」

 

「あなた・・・その眼は・・・タツガミの一族かぁ!」

 

「・・・今、何かしたか?」

 

「どうして?あなたの姓はタツガミのはず・・・!」

 

「いつの話をしとるんじゃこの駄猫が。

姓なんぞ、この1000年で変わっとるに決まっとるじゃろ」

 

「悠飛さん・・・口調が・・・!」

 

「『君臨者よ、血肉の仮面・万象・羽搏き・ヒトの名を冠するものよ』」

 

「やっば、みんな!安全な場所に退避して!」

 

「『雷鳴の馬車、糸車の間隙、光もて此を六に別つ、

蒼火の壁に双蓮を刻む』」

 

(二重詠唱・・・!?)

 

「『大火の淵を、遠天にて待つ』」

 

「させない・・・!」

 

「もう遅いわ!

縛道の六十一・『六杖光牢』!!」

 

ガシャ!!

 

 

「ぐっ、動けない・・・!」

 

「破道の七十三・『双蓮蒼火墜』!!!」

 

ドン!!!!!!!!!!

 

「凄い・・・」

 

「これが総大将の本気・・・!」

 

「いえ、あれは多分リュウキと混じった状態で撃ったんでしょう。あの人とは違う魔力もありました」

 

ぐわっ!

 

「見えておるわ、戯け」バチッ!

 

「なっ、一瞬で背後に回った!」

 

「時に小娘達よ、光は一秒間にどれくらい進むか知っておるか?」

 

「・・・パパの世界では確か7週半」

 

「そうじゃ。さすが我が子孫の娘よ。

その光速の世界を見れると思うたか駄猫め・・・縛道の九十九・『禁』」

 

ドン!

 

「な、魔力が・・・」

 

「貴様の魔力を『禁』しさせてもろうた。

仕置きはこれからじゃ」ニブニブニブニブニブニブ

 

「はいは〜い、そこまでや悠君!」ぽこ

 

「・・・いかんな。完全に初代様と混じってたわ」

 

「魔力錠オン!」

 

そうすると魔女っ子の変身が解けた

 

「はい、あんたたちも動かない!」

 

「この魔女っこはほんまにもー・・・

おいたしたらあかんよ〜!」コツン

 

「さて、俺は少し頭冷やしてくる。

はやて、リインと一緒に戻しといてくれ。

俺がおると何かと不都合やろ、年頃の娘たちは」

 

「そやな、準備できたら呼ぶわ」

 

こうして書庫内のトラブルは解決した

 

 

 

しばらくして

 

『悠君、皆準備できたから戻ったって』

 

「分かった」

 

 

 

 

 

「まぁ、何かとトラブルはあったが調査再開と行くか」

 

「あの、ちょっと待ってもらえませんか?」

 

「どうしたリオ?」

 

「多分これが『エレミアの手記』だと思いますっ!」

 

「確かに本物だな。間違いなく古代ベルカの文字だ」

 

「まあ、このタイミングまで伏せておいて正解ですわよね。

でないと、着替えも終えずに読み始めるなんてはしたないことをしそうな子たちがいますから」

 

「あうっ」

 

「・・・ゴホン。おそらくこれはこいつと対になるようになっておるのではないか?」

 

「パパ、それって?」

 

「初代様が残されていた『龍神の回顧録』だ」

 

「そのような貴重なものを持っていらしてたんですか?」

 

「ああ。いくら写輪眼でも輪廻眼でも開示されない単語がいくつもあったのでな?

もしやと思い持ってきたが、正解だったな。みろ、共鳴しておる」

 

「ホンマですね。本が光っとる」

 

パラララ

 

「やはり睨んだ通り、開示されておる。

さて、ここからは俺とアインハルトで読んでいくとしようか」

 

「わかりました」

 

「えぇと何々・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その日

野盗に襲われたの馬車を助けたのが縁の始まり

 

「危ないところをありがとうございました」

 

現れたのは、まだ幼い女の子

 

「お手数をおかけして申し訳ございません。

もっと早くに私が出ればよかったんですが・・・

侍女たちがいましたので」

 

まずは奇妙なことを言う子だと思った

 

「僕はかまいませんが・・・・・・

夜道は危ないですよ」

 

それから彼女の紅と翠の瞳に気が付いて

 

その後、彼女の袖に気が付いた

 

王族、あるいは貴族筋の娘が何故こんな場所にいるのか、どういった子なのか

 

そのわずかな困惑の合間に━━━

 

「伏せろ!」

 

ヒュン!

 

ガギン!

 

「はぁ!」

 

我流 真空破斬!

 

「危ないところでござったな」

 

「いえ、ありがとうございました」

 

「賊の捕縛を手伝っていただけませんか?

腕を城に置いてきてしまったもので少し不便で━━━━

あ、申し遅れました!

私はオリヴィエ・ゼーゲブレヒトと申します」

 

「エレミアです━━━━━

旅をしながら()()を修めています」

 

「拙者はリュウキ・タツガミ━━━

しがない旅の剣客でござる」

 

こんな出会いが、

その後に当分長く続く縁になるとは

 

「この時は夢にも思っていなかった━━」

 

 

              続く

 




次回は追憶編です


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追憶・全ての始まり

全てはここから始まった


夜の小径で出会った少女は、大陸列強『聖王家』の王女

 

領土すら持てる予定のない血族の末席にすぎないと彼女は笑ったが──────

 

「ともあれ僕とリュウキはオリヴィエに乞われて、彼女の居城にしばし滞在することとなった──────」

 

 

 

 

それからはしばしの時を置いて、オリヴィエはシュトゥラへ「留学」することとなり、我らも共に赴くことになった

そこで我は生涯忘れることのない友との出会いを果たす

 

「実はオリヴィエに聞いてからずっと興味を持っていたんだ。

どうだろう?少し手合わせをお願いできないか?」

 

「ふむ。拙者も話には聞いていた故望むところではあるが、師匠から手合わせでは加減するように言われてる故軽くになるでござるが・・・」

 

「応ッ!」

 

(・・・隙が無い。この歳でどれ程の修練を積んできたでござろうな・・・)

 

「まずはお主から────」

 

「ああ!行くぞ──────!」

 

 

大地から足先へ

下半身から上半身へ螺旋を描いて力を伝える

 

「甘い!」

 

バシンッ!

 

その初撃を難なくいなし、反撃に転じる

 

「はぁっ!」

 

相手の攻撃をいなした直後にその円運動を活用して放つ蹴り技

 

龍神流・流転脚

 

その一度の攻防でお互いを認め、ついついギアを上げてしまい・・・

 

ジャラララララ!!!!

 

「なっ!」

 

「あっちゃあ〜封印式が発動してしまったでござるよ・・・」

 

「それはなんだい?」

 

「封印術式・封穴。

師匠が開発したもので、拙者の力を封じるためのものでござるよ」

 

「なぜそのようなものをされているんですか?」

 

「実は拙者別の世界から来たのでござるが、元の世界であまりにも酷い政を目にしてしまったもので愛想を尽かして祖国を捨ててきたのでござるよ。

その時に力の封印をして旅に出たということでござるよ」

 

「そんな過去があったんだね」

 

「今となっては笑い話でござるよ」

 

その一件からはクラウスと親友となり、我ら四人は気心の知れた仲として共にいることが多くなっていった

 

 

そんな日が幾許か過ぎ去ったがオリヴィエ・クラウスが戦場に出るようになり我はその同行、リッドも実戦と我との組手と通じて得た知識と技術の修練に勤しむようになっていった。

 

天真爛漫を絵に描いたいたずら猫のクロゼルクはクラウスと我に良く懐き、クラウスが王様になったら魔女の力で助けてあげると良く申しておった

 

「ちなみに僕には全くなつかなかったので基本的に険悪だった。

『何故かはよくわからない』・・・・・・なんでやろうね?」

 

「まあ気の合わない相手というのはいるものですわ」

 

「そーゆーもんだ」

 

しかしシュトゥラでの4年目が終わる頃──────

 

 

世界の情勢が変わり始めた

 

痩せ続け、疲弊し続けていく大地と人々。

滅びを間近にしたいくつかの王国が手をつけたのは

 

 

禁忌兵器の開発であった

毒を用いた弾薬、全ての命を腐らせる腐敗兵器

 

追い詰められた国々が最後の切り札として使い出した

 

そして「聖王家」がベルカの戦乱を終わらせるべく、守護兵器・・・

 

『聖王のゆりかご』の起動を決心させた

 

そんな「聖王家」に疑問を抱きながらも我らはオリヴィエの意志を尊重し、静観することと相なった

 

オリヴィエとクラウス

 

何事もなく、うまく平定できていれば二人はいずれ結ばれて幸せになると思っていた

 

そう、この時は戦乱が泥沼化するとは我には予想できなかった

そのことをずっと後悔している

 

「これで僕の勝ち越しは5勝目だったか?」

 

「まだ4勝目だよ!

あとは全部僕の勝ち!」

 

「クラウス。お主この後会食でござったであろう?

すぐに湯殿の準備をさせて着替えねば」

 

「ああ、そうだった。

 

ふむ・・・エレミア、たまには君も一緒にどうだ?」

 

「湯殿にですか?

遠慮しておきますよ。

相変わらず熱いお湯に入るのって苦手だし」

 

「この寒さでも水浴びか・・・

真似できないな」

 

「慣れですよ慣れ」

 

「・・・オリヴィエ、なんですか?」

 

「いえ、別に〜」

 

「お主、あれは本気でござるか?」

 

「・・・何がだい?」

 

「・・・お主、戦意外となると本っ当にニブチンでござるな。

リッドが可哀想でござるよ」

 

「?」

 

 

 

クラウスの勘違い

それはリッドが女子であったこと

我が知ったのは偶然で、目覚ましに水を浴びようとした時

 

「え!?リュウキ!?」

 

「な!?お・お・おぬ・・・!?」

 

「えっと、見ないで・・・」

 

「すまぬ!」

 

 

「その・・・さっきのは・・・」

 

「まこと申し訳ない。普段の一人称があれだった故、オリヴィエ以外警戒しておらなんだ」

 

「ふふ、それが本当の口調なんだね」

 

「お主、からかっておらぬか?

こちらは未婚の女子の裸体を見てしまった故罪悪感でいっぱいなのだぞ」

 

「だったら今度何か一つお願いしようかな」

 

「拙者ができる範囲でな」

 

 

 

 

 

と事故でリッドの裸を見てしまったことで知ってはいたが、よくよく考えてみれば女子特有の体つきになってきていたので我も少し鈍かったかもしれない

 

閑話休題(話を戻して)

 

 

しかしその日からわずか半月後

 

 

「魔女の森が──────」

 

「おおいっ!魔女猫!みんなっ!」

 

 

 

 

「クラウス・・・・・・

ヴィヴィさまぁ・・・・・・

ミアぁ・・・・・・

リュウ・・・・・・!」

 

 

 

「急げ!ここもまもなく火の海だ!」

 

ドゴォッ!

 

「・・・・貴様らか──────」

 

「森に火を放ったのはお前たちだな──────?」

 

「若造がただふたり──?」

 

「いや、あれは覇王の────!」

 

「生きて帰れると思うなよ、外道めが────!!」

 

断!

 

斬!!

 

 

この侵攻と時を同じくして

聖王連合の「威嚇による圧政」を許すわけにはいかないと

 

一部国家が聖王の血統所有者と

それを庇護する国や団体を狙い始め、彼女の決意は──────

 

この時に決まってしまったのかもしれない

 

そして我の眼も、この日を境に心を写す瞳──────写輪眼へと変化をしていった

            

 

 

 

 

                 続く




次回
追憶・訣別譚


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追憶・訣別譚

全てが始まり、そして呪いとなる


「クラウス、森の被害は?」

 

「大半が失われてしまった」

 

「魔女たちは丁重に保護してやらねばならぬな」

 

「そうだね。

・・・君も、猫をかぶるのはやめたんだね」

 

「そんな暇あるわけなかろう」

 

魔女の森は大半が消失し、そこに生きていた動物たちも巻き込まれ、魔女たちも住む場所を失ってしまった

 

あれ以来我は自分を慕ってくれていた魔女たち守れなかった無力感と、己の不甲斐なさにより写輪眼を開眼していた

 

あれからも侵攻は続き、オリヴィエにゆりかごを使わせる決断をしてしまった

 

「ハァ!ハァ!」

 

クラウスがオリヴィエを止めに行ったと聞き、我も走って追いかけていた

 

しかし、すでにクラウスは倒れており手遅れと痛感した

 

「ヴィヴィ、何故何も告げずに行こうとする!」

 

「だって、言えば必ず止めるじゃ無いですか」

 

「当たり前だろ!大事な妹分をみすみす死なせに行く兄貴分がどこにいるんだ!

行くなヴィヴィ!この戦いは俺が必ず終わらせる!俺が真の力を使えば──!」

 

「そんなことをしたら、あなたが死んでしまうじゃないですか」

 

「死なねぇよ!あの森を、何百年かかろうとも元に戻してみせる!もうこれ以上聖王家とシュトゥラに手出しはさせねぇ!」

 

「その必要はありません」

 

「あるよ!お前とクラウスはこれから一緒に・・・」

 

「時間がありませんので行きます」

 

「最後に一つ聞かせてくれ。

なんで泣かねぇんだよ・・・!

最期くらい弱気なところを俺たちにも見せてくれよ・・・オリヴィエ!!」

 

「泣きません。

泣いたら・・・決心が鈍るじゃないですか。

・・・さようなら、お兄様」

 

 

そう言って彼女は行ってしまった

 

ゆりかごという棺の中に

 

ゆりかごは一度起動すると玉座の聖王が死ぬまで動き続ける

 

 

ズガンッ!!!!!!!!

 

 

「・・・・・・畜生ッ!」

 

 

ズガンッ!!!!!!!!!

 

「ちくしょおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!!!」

 

 

この時の後悔と、大切なオリヴィエを喪ったことで我とクラウスは変わった

 

この一件以降10年間リッドは軟禁状態となり、

 

クラウスは王位を継ぎ、その武勇で『覇王』と呼ばれた

 

そして我は

 

 

「龍紋解放・・・!」

 

龍鱗鎧装(りゅうりんがいそう)

 

 

龍の鎧を纏い、天からの蹂躙により『天帝』と呼ばれるようになった

 

そして我が眼は自然そのものの事象を操作する力を宿した

その瞳の模様は波紋のようなものと、巴が重なり合ったものとになっており我はこの模様から万華鏡写輪眼と名付け、波紋のような眼はさらに巴紋が九つあったことから輪廻写輪眼、または輪廻眼と名付けた

 

 

そしてリッドとは

 

「ねぇ、リュウキ」

 

「・・・なんだ?」

 

「以前約束したこと、覚えてる?」

 

「・・・何か一つお願いを聞くってやつか」

 

「うん。それ、今言ってもいいかな?」

 

「・・・何が望みだ」

 

「願いは一つ、僕と交わって」

 

「それは・・・」

 

「お願い。このままじゃ僕・・・」

 

「・・・約束だからな。ただし、これっきりだぞ」

 

そうして我らは互いに傷付いた心を慰め合うかのように交わり、一夜限りの過ちを犯した

 

 

 

「ただ、その一夜の過ちが当たったのか彼の子を授かったが、彼は既に旅に出ており二度と会うことはなかった──────

ちょう待って?このことが正しければ・・・!」

 

「うむ。俺とジークは遠縁の親戚ということになろうか。

尤も、龍の一族は200年前に俺達五人が主体となって滅したがな」

 

「確か、二代目は初代の遺志を継がずに力だけを追い求めたと。

その結果が──────」

 

「『二代目の呪い』。二代目は禁術によって寿命を常人の何倍にもさせ続けるもの。それは10年以上生き続けなければ起動しない術で、起動したら数百年生きた後転生し、最後の100年を生きるということになる。ご丁寧に寿命以外では絶対に死なないようにまでされてる。死ぬ痛みは味わうがな。

その呪縛も、俺が正統後継者として覚醒してから宿った輪廻の力と初代様の力が宿ったことで解けたがな」

 

「ということは隼人たちには継がれてないってことだよね?」

 

「そうなるな

それじゃあ俺は一旦本局の師匠(せんせい)たちに会って話てくるから、お前たちも上に上がっとけ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後の事だが、やはりアインハルトにも後悔の念が流れ込んできていたようで、ヴィヴィオも心配していたが、

なんと急遽アインハルトとガチンコの勝負をすることが決まったらしい

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして当日

俺は屋根の上からこっそりと見ていることにした

 

「あのジャケット・・・あいつ────────」

 

そこまで覚悟を決めているのか

 

展開はヴィヴィオが普段は絶対にしない戦法をとってアインハルトを困惑させたところをダウンさせた

 

「あんな無茶苦茶な戦い方誰が教えたんだよ・・・って、一人しか考えられんな」

 

なのはめ・・・帰ったら説教だ

 

「ありゃあヴィヴィオ怒ってねぇか?」

 

試合は多少もつれ込んだがヴィヴィオが初めてアインハルトに勝利したことで幕を引いた

 

 

 

その後

 

「悠兄からもなんか言ってくれよ!」

 

「じゃあ率直にいうぞ。安直すぎる・博打すぎる・情に訴えかけすぎる・考えなしすぎる。はっきり言って0点だ」

 

「だってよ」

 

「うぅ、いつになく辛口だよぉ・・・」

 

「当たり前だ。あんな戦法俺たちですらしねぇぞアホんだら。

俺らは回避したところからカウンターで一撃入れることしか教えてねぇっての」

 

「そうでした・・・」

 

「後、この戦法を許可させたなのはにも説教だ。

親子揃って無茶苦茶な戦法しおって」

 

 

「あの、悠飛さん、もうそのへんで」

 

「餓鬼は黙ってろ!

いいか。あんな戦法続けてみろ、2年以内に間違いなく選手生命絶たれて終わりだ!

そんなのいやだろ?」

 

「うん」

 

「だったらちゃんとノーヴェの指導通りにやれ。全員だぞ」

 

「「「はぁい」」」

 

「さて説教もそこそこに、お前らもう夏休みだろ?」

 

「うん」

 

「じゃあ慰安旅行行くから準備しとけ」

 

「慰安旅行ですか?」

 

「期間は2週間。お前らが行ったことがない異世界だ。

インターミドルで頑張った俺からのご褒美だ」

 

ということで異世界への慰安旅行が決まった

 

 

 

 

 

 

 

おまけ

 

 

「なのは、正座」

 

「え、どうしてかなぁ〜?」

 

「ヴィヴィオにあんな戦法取らせた罰だ。我が子に無茶な戦術教え込むな」

 

「まぁ、これは擁護できないわね」

 

「そやなぁ」

 

「ふぇ、フェイトちゃ〜ん!」

 

「私も擁護できないよ」

 

「というわけで1時間正座な」

 

「そんな〜」

 

 

 

               続く

 




次回からまたフロニャルドに行きます


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フロニャルド編第2部
夏休み フロニャルドへ


ということでようやくDOG DAYS’の話になります


 

 

「なっ、お前本気か!?

私にこの量の仕事をしろと言うのか!?」

 

 

「当たり前だクソ親父!

本来あんたがやるべき仕事だよ!」

 

「ぐぬぬ、お前には慈悲はないのか!」

 

「ねぇよ!あんたに押し付けられたせいで俺ら五人とも三日三晩不眠で作業してたんだぞ!」

 

「局長。終わるまで帰れませんよ?」

 

「ドゥーエ!?君もかね!?」

 

「さあ局長、お仕事のお時間ですわよ」

 

「クアットロ、お前もか!」

 

「だって、あの人に逆らったら後が恐いんですもの・・・」

 

「それじゃあ二人共、親父の監視は任せた」

 

「「畏まりました陛下。ごゆっくりお楽しみくださいませ」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その日の午後

 

「何?イクスが目覚めた?」

 

「そのー、目覚めたと言いますか」

 

「一度ご覧いただいた方がよろしいかなーって」

 

「どう言うことだ?」

 

と言うことでヴィヴィオたちが戻ってくるのを待っていると

 

「・・・なんでこんなにちっこいんや?」

 

「実はこれは完全に目覚める手前の状態で、眠ってはいるけど意識は共有してるって」

 

「なるほどな」

 

「えっと何々?『初代天帝とは一度お会いしていて、とてもよくしていただいた』だって」

 

「なるほど、初代の生き証人ということか・・・

よかったなヴィヴィオ。旅行前のタイミングで」

 

「うん!」

 

「あれ、旦那方旅行に行くんですか?」

 

「ああ。ヴィヴィオ達と俺達の慰労を兼ねた異世界旅行だ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして翌日

 

「よし、準備はいいか?」

 

『はーい!』

 

「しかし本当に良いのか?2週間も休暇をとって」

 

「親父に原因があるからな。今頃ドゥーエとクアットロに監視されながら仕事しとるよ」

 

「ボクも行きたかったです〜」

 

「お前さんはまだ試合が残っておろうが。またの機会にせい」

 

「それでは主悠飛、行ってらっしゃいませ」

 

「ああ。あと、飯に関してはエミヤ達に頼んであるから安心しろ」

 

「よかったぁ。しばらくシャマルの料理になるんじゃって心配だったんだよなぁ」

 

「ちょっとぉ!ひどいじゃないヴィータちゃん!」

 

「そんじゃあ行ってくる」

 

 

ギン!

 

俺は輪廻眼で異世界への門を開けてみんなと入っていった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ギュオオオオオオ

 

「よっと」

 

「うぇ!?」

 

「あら!悠飛様じゃないですか!」

 

「あれ?出てくるとこ間違えたか?」

 

「そのようですね。」

 

「今は戦興行の真っ最中ですね」

 

「あっちゃあ〜、やってもうたかぁ・・・

すまんなミルヒ。少し大所帯やが堪忍してくれ」

 

「ええ。すぐに用意させますね」

 

「ところでそこの娘は地球人かな?」

 

「は、はい!レベッカ・アンダーソンです!」

 

「やはりな。

ところで、これはなんの戦興行だ?」

 

「シンクへのおかえりの戦です」

 

「なんと!再召喚ができるようになっておったかぁ。

っとすまない。みんな、こっちに来ていいぞ」

 

そうして皆を呼んだ

 

「紹介しよう。俺の家族と仲間と、娘の友達だ」

 

「ここが悠飛が150年前におった世界か」

 

「まさか、この人達って・・・」

 

「ん?お前さん、俺らの事知ってんのか?」

 

「プ、天帝一家(プロヴィデンス・ファミリー)ですよね!?なんでこんなところに!?

というか姫様、なんで知ってるんですか!?」

 

「ま、色々あったのさ。

で、こっちが俺の妻達だ

 

「はやてです。よろしゅうな」

 

「なのはだよ」

 

「フェイトっていいます」

 

「アリシアです!」

 

「アリサよ」

 

「すずかです」

 

「リインフォース・アインスだ」

 

「シュテルです」

 

「レヴィだよ!」

 

「ユーリです」

 

「ディアーチェだ」

 

「アミティエです」

 

「キリエよ」

 

「噂に違わぬハーレム・・・!」

 

「そして子ども達が」

 

「龍神ヴィヴィオです!」

 

「長男の隼斗です」

 

「リチャードです!」

 

「・・・鈴菜です」

 

「アリスです」

 

「・・・海飛です」

 

「ヴィヴィオの友達のコロナです」

 

「リオです!」

 

「先輩でチームメイトのハイディ・アインハルト・ストラトス・イングヴァルトです」

 

「ん?アインハルト。いつから本名で名乗るようになったんだ?」

 

「色々思うところがありまして、これからはクラウスではなく私個人を見つめ直そうと思ったんです」

 

「それでいい。お前はお前だ。クラウスじゃないんだからな」

 

「はい・・・!」

 

「いい顔をするようになったじゃないか。

なら、ここへ来た意味があったというもんだ」

 

「それはどういう・・・?」

 

「ここはな、国民参加型のスポーツ大会って意味合いで戦興行をやってるのさ。

今やってるのがまさにそれ」

 

「これが、戦ですか?」

 

「お前らが思うようなものとはかけ離れてるだろ?まあ簡単に言えばインターミドルとかバトルロイヤルとかあんなお祭り企画とでも思ってくれればいい」

 

そこへシンクともう一人の知らない地球人・・・自己紹介でナナミ・タカツキと名乗った少女を連れてレオが来た

 

「はぁ、しかしシンクとナナミが従姉弟で師弟関係とはなぁ。

まぁ仕草を見てたら似ている部分が多いみたいだが」

 

「そうなんですぅ・・・」

 

「それにしてもレオ、以前来た時とは違って憑き物が落ちたかのような顔をしておるな」

 

「その節はご迷惑をおかけいたしました」

 

「占いなぞ気楽に見とけばいいのさ。

当たるも八卦、当たらぬも八卦ってな」

 

「それは地球の格言ですか?」

 

「そんなもんだ」

 

「あ、今夜はフィリアンノ城でおもてなししますのでゆっくりしていってください」

 

「そうしよう」

 

「なあ、悠飛」

 

「なんだ圭吾」

 

「久しぶりに一戦やるか?」

 

「どうした急に」

 

「ちょいと確認したいことがあってな」

 

 

「おおーい!レオ姉!ミルヒ姉!」

 

「クーベル!キャラウェイ!」

 

「知り合いか?」

 

「隣国、パスティヤージュ公国の公女様です」

 

「パスティヤージュ・・・・

そうか。あの子の・・・・」

 

 

「この戦ウチも、パスティヤージュも参戦したいのじゃ!

でもって、ウチはその娘をいただきに来たのじゃ!」

 

『え?

ええっ!』

 

「そうじゃ!お主じゃレベッカ!」

 

「え?ええ!?」

 

 

とそんなこんながありパスティヤージュも参戦してきたが、俺らは俺らでやることになった

 

 

「まさかお前がガレット側で参加するとはな」

 

「こうでもせんと聞けんかったしな」

 

「能書は不要・・・」

 

「互いにな・・・」

 

 

『はぁっ!』

 

ガギィン!

 

「やっぱりや!」

 

「何が」

 

ギリギリ

 

「お前、始解の状態でも魔力量あがっとるやないか!」

 

「今頃気づいたか」

 

「まさかお前、卍解を・・・!」

 

「その通り。

卍解を完成させた。完全体をな」

 

「今まで卍解の修練をしてるとこなんて見てなかったぞ!

一体いつから修練してたんや!」

 

「ならばこちらも問おう」

 

ザリッ

 

「一体いつから──────────

()()()()()()()()()()()()()()()()()()?」

 

「なっ!」

 

「ずっとやってたんだよ。

毎日の日課の座禅中に、精神世界でな」

 

「・・・・・・・・何・・・・・だと・・・!?」

 

             続く




変なところですが長くなるので区切って行きます


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解放・水入り・再修業

ここで第一段階まで解放します


ガギン!

 

ヒュン!

 

キィン!

 

「はぁ!」

 

「ッシャアアアア!!」

 

「っく、卍解!」

 

ブワッ!

 

「うねろ!『蛟竜(こうりゅう)』!」

 

「お前のそれ、一度破壊されていたな」

 

「それがどうした!チャーに頼んで直してもらってるわ!」

 

「お前達が扱う刀・・・刀身は俺がオリハルコンで作られているが、その修復は己の魔力と精神、魂の力を時間をかけて注ぎ込むことで回復していく」

 

「だから治ってるはずだ!」

 

「話は最後まで聞け。

今のはあくまでも始解の話だ。お前らの刀の破壊は始解と卍解でまるで意味が異なる。

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「なっ!?」

 

「お前のは物理系の卍解だからな。形だけは直ったように見えても、破壊された部分は壊れたままだ」

 

「じゃあ、俺の卍解はもう・・・」

 

「直すことはできんが、元の刀に近いものに打ち直すことは可能だ。

まずは俺の卍解の完成系のお披露目と行こうか・・・」

 

ドン!

 

「ずっと勘違いしていたんだ。

双頭龍は炎と氷の力の刀じゃなかったんだ。

俺はこの30年、ずっと精神世界で対話を続けていた」

 

「30年・・・だと・・・!?」

 

「そうだ。俺の卍解はお前らの3倍の時間をかけて修練して、ようやく真髄を極めた。

双頭龍は自然を司る刀だったんだ・・・」

 

「まさか・・・!」

 

「行くぞ──────────────

卍 解 !

 

 

 

ブワッ!

 

 

 

 

 

 

「何アレ!?」

 

「あそこって、確か悠飛さんがいるところじゃ!」

 

 

 

 

 

 

 

「遂に解放したか」

 

「知ってるのか辰徳!?」

 

「俺はあれの実験台にされた・・・」

 

「あの魔力、悠君なんやろうけど今までと違う!」

 

「あいつは真の卍解を完成させたんや。あれでも25%らしい」

 

「あれで25%!?」

 

「パパ、すごく強くなってる・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「何だ、その姿は・・・!」

 

 

「卍解────────

双頭黒龍改め、双頭龍裏式・『聖神龍』。

双頭黒龍は偽りの名。こいつの真の能力は『神羅万象』・・・つまり自然そのものであり、星の力を宿している」

 

「裏式・・・やと・・・!」

 

「そう。こいつの力は強大すぎていくつものリミッターがかけられている。その第一のリミッター解放がこの裏式だ。

最大出力は、25%だ」

 

ドン!

 

「ぐっ!」

 

ガギィン!

 

「はぁああああ!!!!」

 

ドゴォ!

 

「ハァッ、ハァッ、ん?何か来る・・・」

 

「あれは・・・チッ、水入りか。レベッカが来おったわ」

 

「命拾いしたぜ。それより刀打ち直してくれよ」

 

「打ち直すのはいいが、お前自身と向き合う必要があるぞ」

 

「どういうことだ?」

 

「はっきり言うが、お前はまだ真の卍解に至ってはいない。

でなければ、砕けるはずのない俺のオリハルコン製の刀が砕けるなんてことはありはしないんだ。

お前にはこの世界で、1週間で習得してもらう」

 

「そりゃあ無茶だろ!?」

 

「やるしかねぇんだ。でなければ、次にできる日はわからぬからな。

四天王の、四大秘剣は世界の均衡を保つために打った刀だからな」

 

「・・・何をすればいい?」

 

「明日にでも話す」

 

そんなこんなで戦は終わり、フィリアンノ城にて歓待を受けていた

 

そんなこんなで翌日

 

 

「よう、久しぶりだなヒナ」

 

「だからその名はやめてくれ」

 

「和風建築?」

 

「ここは風月庵。ビスコッティでのヒナ・マキシマ・・・今はブリオッシュ・ダルキアンの屋敷だ」

 

「で、頼みとは?」

 

「刀を一振り打ち直す。そのための場所を借りたい」

 

「そういうことであれば好きに使うといい。兄者がおらぬ故、手入れは必要だが」

 

「鍛治はまだ後の方だ。その前にこいつの修行が必要だから竹林で結界張らせてもらうぞ」

 

「ああ」

 

「それと、この後シンク達が来るからもてなしの準備でもさせとけよ」

 

「分かったでござる」

 

 

 

 

それから少し離れた竹林のど真ん中

 

 

「八方結界!」

 

「で、ここで何をすればいいんだ?」

 

「これから刀を出す。その中からお前の真の刀を見つけ出せ」

 

「それって、どういう・・・」

 

「説明してる暇はねぇぞ。

お前は三日以内に己自身の神髄を見極めろ」パチン!

 

ドドドドドドドドドドドドドドドドドド!!!!!!!!

 

「気を抜くなよ?今回ばかりは生半可なことじゃあ屈服できねぇぞ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その翌日、ナナミはレオ達と共にガレットへ

レベッカはクーベル達と共にパスティヤージュへと旅立っていった

 

時を同じくして風月庵近くの河原ではシンク・エクレール・ノワール・ユキカゼの四人が合宿を行なっていた

 

 

ジリリリリリリリリリリリ!!!!

 

「そこまで!」

 

「おっと、時間切れ」

 

「残念、引き分けでござるな」

 

「ふむ、土地神相手に引き分けとはシンクも大分上達したと見える」

 

「ありがとうございます!」

 

「ユキカゼはもう少し術の精度と速さの向上を目指してはどうだろうか?忍としては術の発動の速さもあれば厄介なことはない」

 

「参考にしてみます!」

 

「さて、向こうはどうなってるかな?」

 

と、圭吾の再修業の合間を見てシンク達に指南をしている俺であった

 

 

 

                      続く

 

 




裏式・『聖神龍』

この名前に聞き覚えがある方は同世代です
そして蛟龍と四大秘剣も元ネタは18年くらい前にあります


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打ち直し

続きをどうぞ


エクレールとノワールのところに行くと折れた木剣が散乱していた

 

「これまた随分派手にやったのう」

 

「今のところ、私が、勝ち越して、おりますが・・・」

 

「私が勝ち越すまで、やめない・・・!」

 

「ああもう、分かった!私の負けでいいから、終わりだ終わり!」

 

「やったぁ、しょうりぃ・・・」

 

「お主はどれほど負けず嫌いなのだ」

 

「ガレット魂・・・!」

 

「というか悠飛様、どこに立っておられるのですか・・・」

 

「すごいナチュラルに水面に立ってる・・・」

 

「なんだ?お主らはできぬのか?

足の裏に輝力を集中してみぃ。そしたら水面に立てるわ。

まぁ、これは少し修練が必要だがな。応用すれば木や壁、天井にも立っていられる俺たちの術の運用の基本だ」

 

「それって、物凄く難しくないですか?」

 

「慣れれば簡単だ。この合宿中にでも試してみるといい。

それじゃあ俺は圭吾のところに戻る。また暇な時に見てやるよ」

 

そうして結界の方に戻っていった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ゼェ、ハァ、漸くできた・・・!」

 

「おう、どうやらその中から見つけ出せたらしいな。

いいぜ、着いて来い。俺が打ち直してやる」パチンッ!

 

 

俺が指を鳴らすと結界は解けた

 

 

 

そして風月庵の鍛冶場

 

「ほれ、お前も来い。浅打」

 

そういうと圭吾の側に控えていた浅打が一つの鉄塊に変わった

 

「自分自身の力の根源、魂の精髄は理解できたな?」

 

「ああ。俺の魂の精髄はあらゆるものを破壊する剛の力だった。どんな理不尽な権力(暴力)をも打ち砕くための力だった」

 

「ああ。奇しくも俺が二重の極みを会得した時と同じ条件だった。そしてお前のルーツと自身の本来の力、異能を受け入れることでお前の卍解は完成するはずだ」

 

「どういうことだよ」

 

「後は(みずち)自身に聞き出せ。そして、本当の卍解の名前を知り、真に屈服させろ」

 

そして俺は宝物庫からオリハルコンを取り出した

 

「これからお前の刀の原型を芯材にオリハルコンで鍛えていく」

 

そして鍛錬を始めた

 

カーン!

 

「一つ言い忘れてたことがある」

 

カーン!

 

「言い忘れたこと?」

 

「ああ。四大秘剣は、()()()()()()()()()()()()()()

 

カーン!

 

「どういう・・・ことだ・・・?」

 

「俺達の奥義『臥龍天睛』は己に宿る龍の力を解放して、その気を纏う。

つまり俺達の刀は己自身の龍の力を刀の形として封印し、自身の力を制限するためのリミッターって意味だ」

 

「つまり200年前にお前が打った刀は、俺達の龍の力と俺たち自身の能力を刀の中に閉じ込めるための封印式ってことだったのか」

 

「そして俺が卍解の完成に時間がかかっていたのは、兄さんの刀だった蒼龍の折れた切先と、兄さんの眼と、俺が自分の異能を忌み嫌っていたからだ。そして俺の刀が2色になっているのは、俺自身に2頭の龍が宿っているためにオリハルコンでは半分も封印できないという理由で、里の誰も知らなかった場所に封印されていた『日緋色金(ヒヒイロカネ)』と『青生生魂(アポイタカラ)』を使って打ったんだ」

 

カーン!

 

「だからお前の刀は刃と峰で2色だったのか」

 

「『青生生魂(アポイタカラ)』は蒼龍を芯材に、『日緋色金(ヒヒイロカネ)』には俺の刀の紅龍を芯材にして二つの金属を合わせた結果、ああなったのさ」

 

「ところで、波紋はどうなるんだ?」

 

「まぁ見てろ」

 

バシューーーーーーー!

 

「ここからさらに炎に焚べて、そこにお前の魂一つ灯れば完成だ」

 

「そういうことか・・・!」

 

ゴオオオオオ!!!!!!

 

「さあ、最後の仕上げだ!やれ!」

 

「おおおおおおおおおおおおおお!!!!」

 

「それがテメェの刀だ。

手に馴染むだろう?」

 

「・・・・ああ」

 

「後はテメェ自身の問題だ。柄と鍔と脛巾つけたらそのまま刃禅だ。

自身の精神世界で己自身の刀を屈服させろ」

 

 

 

 

 

 

 

 

圭吾が刃禅に入ってる間にシンク達が風月庵に帰ってきたが、どうやらシンクとエクレールに何かあったらしい

 

そして

 

「うおおおおおおおおお!!!!

 

 

っとまぁこんな感じです!」

 

「人が苦労して習得した技を、お前はそうやって見ただけで!」

 

「違うよ!エクレのもダルキアン卿の神狼滅牙がベースでしょ?

源流が同じなんだから、そりゃ似るよ」

 

「とは言えだな!」

 

「いやぁ、二人とも立派にござるよ。これなら安心して拙者らの魔物封じの技を伝えていけそうにござる」

 

「「はい!」」

 

「ああ、もちろんノワールも」

 

「えへへ」

 

「後はお前達の鍛練次第。驕らず、されど悲観せず励め」

 

「「「はい!」」」

 

「ところで悠飛、お主の仲間は?」

 

「今また竹林で最後の修行だ。あいつは思ったよりも早く真の卍解に至れるだろう。

残りの三人もフィリアンノ城で己と向き合い直している。

あいつらも真の卍解を会得して、四天王として、四大秘剣の真の担い手として覚醒するだろう」

 

「これは戦が楽しみになってくるでござるなぁ」

 

 

 

それから3時間後、竹林から圭吾が帰ってきた

見るからに魔力量が上昇しており、自力で俺の結界を破って出てきたようだ

 

「聞き出せたか?」

 

「問題ない。

が、やっぱりお前の卍解には勝てんやろうなぁ。お前、()()()()()()()()()()()()()()()?」

 

「ああ。だがこの世界で使うのは『極式』までだ。『終式』は・・・戦技披露会で使う」

 

「・・・本気か?」

 

「ああ。ヴィヴィオの考えそうなことは大体予想ついてるさ」

 

 

                      続く

 




次回
旧友・魔王・英雄王


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旧友・魔王・英雄王

続きです


シンク達の合宿と圭吾の刀の打ち直しと再修行が終わり、シンク達と共にガレットに向かっていったが

そこでは何やら問題が起きていたようだ

 

「追い剥ぎ騒動?」

 

「アヤセでか」

 

「はい。なんでもここ最近多発しているようで、先遣隊としてナナミ・ベル・ジョーヌと引率としてビオレに向かわせております」

 

「追い剥ぎ・・・アヤセ・・・」

 

「悠飛様、何かご懸念がおありですか?」

 

「いや、確かあのあたりの近くには追い剥ぎウサギという魔物が生息していたと思ってな」

 

「魔物ですか?」

 

「魔物と言っても、野生動物みたいなものだがな」

 

「だが新米勇者とあの二人だと流石にビオレ嬢が付いてても危ないな」

 

「レオ、ミルヒ、シンク、ガウル。四人とも急いで支度せい」

 

『わかりました!』

 

 

そうしてすぐに支度させ、セルクルでとばして夜にアヤセの街に到着した

 

 

「奴らは仲間意識が強いからどんどん湧いてくるぞ。各個撃破しつつ、戦闘不能にさせろ」

 

「「はい!」」

 

さて、俺は門のところで様子見と行くか

 

ドドッ ドドッ

 

 

「来たか」

 

群れの大半がやられて勝てないと悟ったのか親玉ウサギが街の正門まで突っ込んできた

 

「そこの方、危険です!逃げてください!」

 

「逃げる必要などない」

 

ザリッ

 

スゥ──────────

 

「飛天御剣流──────」

 

キィン!

 

     捌 壱 弐

 

     漆 玖 参

 

     陸 伍 肆

 

 

 

    龍     九

 

 

 

 

    閃     頭

 

 

 

ドシャァアアアアアア!!!!

 

「他愛なし」ヒュンッ!

 

 

パチン

 

「お見事です悠飛様!」

 

「これはカメラでも捉えられたかもわからないでありますなぁ」

 

 

 

 

 

「完全に持ってかれた・・・」

 

「悠飛さんずるいです〜!」

 

「それじゃあ俺はこれで」

 

「おい、久しぶりに会った旧友に挨拶もなしかイスカ」

 

「悠飛!久しぶりだな!」

 

「イスカ様〜やっぱりイスカ様でござる!」

 

「ユキ坊!」

 

「はい!イスカ様、ご無沙汰にございます!」

 

「ああ」

 

「魔物騒ぎの気配を感じて駆けつけたでござるが、ナナミ殿とジョーとベルも無事でござったか?」

 

「あ、うん」

 

「ユキやんその方は?」

 

「まったく、騒ぎになっていると思えばまた兄者の仕業か」

 

「・・・兄」

 

「者?」

 

「ヒナ!なんだお前も来てたのか」

 

「その名で呼ぶなと言っているだろうに!」

 

「あ、ご紹介するでござる。こちらはイスカ様」

 

「どーも」

 

「お館様の実の兄上でござる」

 

「不肖の兄にござる」

 

 

 

 

 

そんなこんなでアヤセの魔物騒動は落着し、皆で宴会をしてアヤセでの一件は終わった

 

 

 

 

 

 

 

そんなこんながあったある日

 

 

「何!?お前結婚していたのか!?」

 

「ああ。20年くらい前に転生して、そこから許嫁やら何やらの縁で妻は十三人、子供は現在10歳の養女と4歳になる子供が六人で計七人だ」

 

「私も聞いた時は驚いたでござるよ」

 

「俺はヒナがビスコッティで名前を貰って改名していたことに驚いたな。

後はユキカゼの存在か」

 

「懐かしいな、150年前が」

 

「あの時あいつと喧嘩別れして以来だからな。今はあの時にできなかったことがたくさんできるようになったし、守るべき家族も増えたよ」

 

「やはり昔と比べて丸くなったか?」

 

「ま、過去のことを色々清算できたってことさ」

 

「あいつらか・・・」

 

「そういえば以前お主あの子の墓前に花を手向けていたらしいな」

 

「ああ。俺が一番助けたくても助けてやれなかった、転生前で最も後悔したのがあの子の死だったからな」

 

「気付いた時にはもう・・・」

 

「あの時ほど仙術の修行をしていなかったことを後悔したな。使えていれば、陰陽遁が開花して治してやれたのにって。

この眼も、転生前になってようやく開眼したからな」

 

「お前・・・」

 

 

キュイイイイイン・・・・

 

「・・・この気配は」

 

「どうした?」

 

「ちょいとパスティヤージュまで行ってくるわ」

 

「なんで・・・なるほど、そういうことか」

 

「そう言うこった。

喰い殺せ『双頭龍』」

 

ズアッ!

 

「翔べ」

 

双頭龍飛翔形態・『天翼』

 

 

「はぁっ!」

 

バサァ!!

 

俺は一路パスティヤージュへ向かった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「性懲りも無くまたバカやってんのかお前は」

 

「そ、その声は・・・!」

 

「150年振りよな、ヴァレリー・・・否、魔王ヴァレリア・カルバトス」

 

「げぇっ悠飛!?」

 

「こちらにはうちの嫁達と子供達が来ていたはずだが?」

 

「こっちは無事やで〜

()()()()()()()()()()()

 

プツン

 

「ほう、貴様俺の嫁達の裸をのぞいたと申すか?」

 

「え、お前結婚してたのかっていうか嫁達!?」

 

「最早問答無用」

 

パァアアアアア

 

「ん?この霊圧は・・・」

 

「勇気の心、フル充填。

皆の思いが私の力!

正義と希望を呼ぶ声に私はいつでも応えます!

『英雄王』アデライド・グランマニエ、ここに見参!なのです!」

 

「あ、アデル!」

 

「ヴァレリー・・・もとい『魔王』カルバトス。あなたの悪行もここまでなのですよ」

 

「お前も起きたのか、アデル」

 

「まぁ!あなたも居たんですね悠飛!」

 

「150年振りか。

それよりも、こいつへの制裁は俺がやる」

 

ゴウ!!!!!

 

「これって、この間の戦より凄いよね?」

 

「うん・・・」

 

「多分これが・・・・」

 

 

 

「卍     解  !!!!!』

 

 

ギュオオオオオオオオオオ!!!!!!

 

 

「なんじゃ!?」

 

「これって、あの魔王さんやばいよね?」

 

「ええ。少なくとも、()()1()0()()()()()()()

 

 

 

「卍解────────

双頭龍真打・『爆烈龍』

 

爆烈龍拳打の型・『爆烈手甲』」

 

「ちょっと待て悠飛、マジで死ぬ!それはマジで死ぬから!」

 

「問答無用!!!!!!!」

 

 

豪!

 

「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァ!!!!!!!!」

ドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴ

 

 

 

 

     制        鉄

 

 

 

 

 

 

 

 

     裁        拳

 

 

 

 

ドゴォ!!!

 

 

「相変わらずのパワーですね」

 

「阿呆、これでもまだ50%だ」

 

「そ、そうなんですの?!

あの頃と同じパワーを感じましたが、これでまだ実力の半分とは・・・」

 

「俺の嫁達の風呂を覗いたんだ。これくらいやって問題ないだろ」

 

「は?貴方、結婚しておりますの?!」

 

「違う世界で十三人と結婚した。子供も七人居る」

 

 

 

 

そんなこんなで英雄王の眠る丘に戻っって来た一行

 

 

「あら?この花・・・」

 

「あの子が好きだった花だ。こうしてフロニャルドに来たからには、墓前に供えてやらんとな。

あと、あの子は酒も飲めないまま逝ってしまったから、せめてもと思って俺が作った酒も供える」

 

「あの子は、貴方のことを慕ってましたからね。きっと喜んでますよ」

 

「さて、本当にいいのか?このまままた眠りについちまって」

 

「ええ」

 

「ジジイとババアは退散するわ」

 

「・・・しみじみした雰囲気で悪いが」

 

「はい?」

 

「これ、壊れてるぞ?」

 

『は?』

 

「あ〜らら〜」

 

「ど、どうしましょう・・・」

 

「・・・どうにもこうにも直すしかあるまいて。

だが、100年間誰もメンテしていないからバグだらけで長い年月が必要だがな」

 

「あの、貴方ならなんとか〜」

 

「できるわきゃねぇだろ。第一、晶術回路なんて専門外なもん手に負えねぇよ」

 

そんなこんなでアデルとヴァレリーの夫婦が現代に残ることになった

 

 

 

                 続く




はい、名前から見た通りバトルビーダマンの機体名でございます

次回は封印洞窟です


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封印洞窟戦

封印洞窟の話です


アデルとヴァレリーが現代に蘇った

 

その二人からかつて討伐した魔物達の封印を確かめに行くということで俺は一旦風月庵に行っていた

 

「「おはよーございまーす!」」

 

「ほう、これはまた見事な」

 

「差し入れなのであります!」

 

「実は今朝、我々と親衛隊で果樹園の収穫を手伝ったのですが」

 

「ユッキー達にもおすそ分けをって」

 

「ありがとうでござる〜!」

 

「朝から賑やかだね」

 

「勇者殿御一行であるな」

 

「御館様!」

 

「イスカさん!」

 

「おはようございます!」

 

「お二人ともお出かけですか?」

 

「いや、俺もだ」

 

「そうなのでござる」

 

「昔のツレが訪ねてくるんでな」

 

「「へぇ・・・え?うわ!?」」

 

「はぁ〜」

 

「すご・・・」

 

「来る頃だと思ってたぜ」

 

『りゅ、竜〜!?』

 

「ヒナ〜!イスカ〜!お久しぶりなのです〜!」

 

「俺様達とクレイトスが迎えに来てやったぜ!」

 

「アデル!ヴァレリー!」

 

「おう!久しぶり!」

 

「ダルキアン卿とイスカさんって、あのお二人と?」

 

「それに悠飛様も?」

 

「旧い友人にござる」

 

「大昔の腐れ縁ってやつだ」

 

「要は勇者パーティーメンバーだ」

 

 

 

 

 

 

 

「よっと。リコ、エクレール!はやて達に伝えといてくれ!」

 

「行って来るでござる!」

 

 

ゴォオオオオオオオオオ!!!!!

 

 

 

 

「英雄王様が勇者として活躍いらしていた頃、御館様とイスカ様も悠飛様も勇者パーティーの一員だったのでござるよ。

『勇者』アデルと『召喚主』の姫様、『魔王』ヴァレリーと『鍛治師』イスカ、そして『若き剣豪』ヒナ・マキシマと『瞬神』悠飛」

 

「ヒナ・・・イスカさんも悠飛さんもそう呼ぶよね?」

 

「ブリオッシュ・ダルキアンというのは、ビスコッティで騎士になった時に当時の領主様に戴いた名前だそうでござる。

どちらも大切な名だとか」

 

「へぇ〜」

 

「改めて教学だ。龍を見たのも初めてだったし」

 

「クレイトスも勇者パーティーの一員にござる」

 

「そういえば、今日は皆様どちらに行かれたのでありましょうか?」

 

「南方、フレーゼ砂漠の方だそうでござるよ。魔物の封印を確かめに行くとか・・・」

 

 

 

 

その頃

 

 

「あっちぃ〜」

 

「相変わらずの熱さです」

 

「ぷはぁっ!お前らも今のうちに水分取っとけ。喉が渇いてなくても定期的に水分補給をする。砂漠での鉄則だ」ポイッ

 

「サンキュー」パシッ

 

「ありがとうございます」

 

「クレイトス!封印洞窟まであと一息、頼むでござるよ!」

 

 

 

 

 

 

そして封印洞窟

 

 

「やはり中は気温が低いな」

 

「ここも随分久しいでござる」

 

「全くだ」

 

「大地の精霊が元気です」

 

「平和でござるな」

 

話しながらどんどん奥へ進んでいく中でもあちこちに精霊がおり、守護力が満ちていることがわかる

 

「俺の封印刀は、どれも問題ないみたいだな」

 

「凄いのですよ、イスカ」

 

「ここに封じた魔物達、封印の眠りの中であるべき姿に戻ってくれれば良いのでござるが」

 

「俺の理論が確かなら、必ずそうなる。

魔物化ってのは土地神や精霊の病気なんだ。正しい治療をしてやりゃあ必ず治る」

 

「禍太刀の魔物なら、原因をひっこ抜きゃあ治るわけだしな」

 

「自然に発生した魔物を精霊化させてやるのがここの封印方式だ。

実験は上々、あとは結果を御覧じろさ」

 

「さすがは魔物博士と言われただけはあるな。『フィー』とアデルが魔物退治始めた時は渋ってたくせによ?」

 

「ま、まぁ魔物が暴れようが本来は俺の知ったこっちゃねぇんだがな!」

 

そんなこんなで随分奥まで行くとかなり寂れた封印刀が見えた

 

「この封印はかなり傷んでるな」

 

「三号封印・・・だいぶ昔だ」

 

「はて?この魔物は・・・」

 

「確か、大きなネズミの・・・」

 

「そうだ。厄介な奴だったな」

 

「この剣も、当時は名剣だったのですが・・・」

 

「おいバカ!不用意に触るんじゃねぇ!」

 

しかし時既に遅し

アデルが触ったところから剣が崩れていった

 

『第三号封印破損!緊急事態のため洞窟の一部区画を封鎖。魔物の外出を防止します!』

 

「この戯けが。傷んだ封印に触るバカがいるかよ!」

 

「迂闊でした!」

 

「まぁ、こういうこともあるさ」

 

「蘇るなら再び封印するまででござる!」

 

「出てきた瞬間を叩くぞ!」

 

『応!』

 

『封印担当者は魔物の対処にあたってください』

 

ビシィ!

 

「来るぞ!」

 

 

『チュー!』

 

「小鼠?」

 

「こんな魔物だったか?」

 

「ネズミたち待つでござる!暴れては!」

 

「封印中に分裂したのか?

こいつは想定外だが」

 

「ああ」

 

「だがまあ、とにかく捕まえなきゃよ!」

 

「そうだな。秘剣・『秋沙雨』!!」

 

ボボボボボン!!!

 

「玉化した!?」

 

「ということはこの子たちはもうフロニャ力の加護を!?」

 

「精霊化しかけてるんだ!

少なくとも魔物では無くなっている!」

 

「はいなのです!」

 

「そこの夫婦!喜ぶのは後にしてくれ!」

 

「食性も繁殖力も不明な半精霊。危険に変わりはないでござるよ!」

 

「然り!」

 

「そうでした」

 

「ヒナ!説得できねぇか?」

 

「皆腹を空かせていて、話が通じる状態ではないでござる!」

 

「チッ、しゃあねぇ!」

 

「はいなのです」

 

「二人とも、離れろ!」

 

「「え?うわぁあああああああ!?」」

 

「アデル!ヴァレリー!」

 

ぼんっ!

 

「二人とも・・・なっ」

 

「いたたたた」

 

「くそう、ネズミども・・・」

 

「お、お前ら・・・!」

 

『あ──ー!」

 

「なんだこりゃあ!?」

 

「若返ってしまったのです〜!」

 

「阿呆が・・・・」

 

「二人とも、一先ず・・・」

 

「ヒナ!上だ!」

 

「ん?おろおおおおおお!?」

 

ぼん!

 

「う、おもい・・・!」

 

「くっ、イスカ!三人抱えて走れるか!?」

 

「言われなくとも!」

 

「はぁああああああああああああああ!!!!!!」

 

ドバッ!

 

「こいつはまずいぜ」

 

「ここは私がなんとか!」

 

「アデル、それは・・・!」

 

ズガン!

 

「うわぁあああああ!

はんどうがぁ!!」

 

「ちぃっ!!」

 

ガバッ

 

「喰い殺せ『双頭龍』!!

『翔べ!!』」

 

バサァ!!

 

「乗れ、イスカ!」

 

「おう!」

 

「くっ!気合いじゃぁあああああああああああああああ!!!!!!」

 

そしてなんとか高台に飛び移れたが

 

「ここも安全ではござらんな」

 

眼下には大量のネズミが広がっていた

 

「アデル、ヴァレリー、何か手はねぇのか?」

 

「・・・だめだ。まおうもんがきどうしねぇ」

 

「・・・ヒナもこの様だしな」

 

「うっ・・・」

 

「やむをえないのです。きゅうえんをよぶのです」

 

「救援?」

 

「もしかしてシンク達か?」

 

「ぜんかい、ゆうしゃたちとむすんだネットワークがあるのです。

そのなも、『ブレイブコネクト』」

 

 

 

 

「もしもーし!わたしのこうはいたち〜!

いまちょっとよろしいですか?」

 

『あ、アデル様?』

 

『何やら様子が?』

 

『どうかされたのですか?』

 

「じつはいま、まものかんれんでちょっとピンチなのです。ゆうしゃたち、ちからをかしてくれませんか?」

 

 

『はい!』

 

『すぐ行きます!』

 

『何なら、皆も一緒に!』

 

「いいか?相手は大量のネズミだ。タモ網や投網なんかの漁具があると助かる。急いで準備してくれ!」

 

『了解!』

 

 

 

 

 

 

「双龍波斬!!」

 

ぼん!

 

「そろそろヤベェな」

 

「でござる」

 

『アデル様!ビスコッティ組準備できました!』

 

『ガレット&パスティヤージュ連合も!』

 

『準備万端です!』

 

「ナイスなのです!いとしきゆうしゃたち!

ブレイブコネクト、リンク!

ゆうしゃしょうかん!!」

 

「おお」

 

「みんな」

 

「こりゃいい」

 

「イスカさん!」

 

「アデル様達ちっちゃ!」

 

「ほぇ〜!」

 

「御館様まで」

 

「きゃ〜!ネズミ!?」

 

「しかもすごい数だ!」

 

「みんな、きをつけるでござる!」

 

ドバァ!

 

「飛天御剣流 龍巣閃!!」

 

ズバババババババババババババ!!!!!

 

「メルクリウス!」

 

「ナナミ!殿下!兎に角このネズミを退治してぇんだ!」

 

「おまかせあれ!」

 

「やったるぜぇ!」

 

『お〜!』

 

「レベッカ、クーベル、もうしわけないのです!」

 

「大丈夫です」

 

「ご先祖様に頼っていただいて、嬉しいのじゃ!」

 

「ゆうしゃどの・・・は三人いるから・・・

シンク!ユキカゼ!エクレール!」

 

 

『お任せください!』

 

そうして各自散開してことにあたって行くが・・・

 

「クソ、このままじゃジリ貧だな・・・」

 

「悠飛!何か秘策はねぇのか!?」

 

「あるにはある・・・が、洞窟内で使うには制限付きだ!出せても80%が限度だ!でねぇと洞窟が崩れかねん!」

 

「歯痒いな」

 

『うわぁああああああああああああああああああああ!!!!!!』

 

「やっちまったか」

 

 

「ベッキー!」

 

「クーベルー!!」

 

 

「みんなー!」

 

「なんと・・・皆縮んでしまって!」

 

「ふかくをとりました・・・」

 

「ふくとくつは、せっしゃがにんじゅつでなんとかしたでござるが・・・」

 

「めんもくしだいも・・・」

 

「クー様、皆を安全な場所に」

 

「残りは俺とシンクで捕まえてくらぁ!」

 

「シンク、ガウル、これを・・・」

 

「これ?」

 

「宝石ですか?」

 

「アデル、それは・・・!

二人とも、それ持って行くぞ!」

 

「「はい!」」

 

バサァ!!

 

 

 

 

 

「ようし、この先は行き止まりのはず!」

 

「手こずらせやがって!」

 

 

「「ウェ!?」」

 

「チッ、やはりこうなったか!」

 

「でかっ!?」

 

「なんでこんなデケェのが!?」

 

「こいつが本体だ!」

 

キュオオオオオ!!!!!

 

「輝力砲!?」

 

「まずい、ディフェンダー!!」

 

「卍解!!!!」

 

ドォオオオオオオオオオオオ!!!!!

 

 

 

「シンク!ガウル殿下!悠飛さん!」

 

「三人とも、ぶじ!?」

 

「ベッキー、ナナミ!大丈夫!」

 

「あったりめぇよぉ!」

 

「問題ない」

 

「へ?」

 

「はい?へ?ヘェ〜!?」

 

「ふぇ〜!?」

 

「こんな危険な魔物、取り逃がす訳にはいかない!」

 

「ぶちのめして、とっ捕まえる!」

 

「「育ってる──────!!!!!」」

 

「そうなんだ」

 

「このネズミ野郎、盗んだ生命力で巨大化してやがんだ!」

 

「「いや、そうじゃなくて・・・て悠飛さんは!?」」

 

「ここだ。

卍解──────解放率80%・・・

『双頭龍』極式・『超龍王』!!!」

 

「何・・・あれ・・・?」

 

「あのときよりすごいよね・・・?」

 

「合わせろ、シンク!ガウル!」

 

「「了解!!!」」

 

「豪雷!」

 

「烈火!!」

 

「紅龍重弾!!」

 

「うぉおおおおおお!!!」

 

「でりゃぁああああああ!!!」

 

「はぁ!!」

 

「「「天破・封滅斬!!!」」」

 

ぼんっ!

 

「ふう・・・」

 

パキィイン!!

 

「これで終わりだな」

 

パチンッ

 

「「!?」」

 

「シンク、お前なんか・・・」

 

「そういうガウルも・・・」

 

「「うわぁ!でっけぇ!!」」

 

「「気付くの遅っ!」」

 

「戦いに夢中で気付かなんだのかお前らは・・・」

 

 

 

そして

 

 

パァアアアアアア

 

「ふう。英雄結晶の力、貴方達はその形で具現化したのですね」

 

「お預かりした結晶の底に、紋章が出ちゃってるんですが?」

 

「こっちもなんです」

 

「ふむ」

 

「刻印されておるのじゃ」

 

「これは結晶がお前達二人を主と認めた証拠でもある。

つまり、英雄結晶はお前達二人に英雄の器ありと認めたからこそだ」

 

「シンクと殿下は英雄の資質があるってことか」

 

「はぁ」

 

「ところで、なぜわれわれはもとにもどらないのでしょうか?」

 

「われわれもじきもどるでござるよ」

 

「そうねがいたいでござる」

 

「それにしてもガウさまかっこいい!!」

 

「すてきですぅ」

 

「ハッハハァ!そうだろそうだろ!」

 

「くやしいけど、わるくない・・・」

 

パァアアアアアア

 

「お?元に戻るか。

なら俺はその間に用を足して来るとしよう」

 

「ヒーローズ・フィンガー!!」

 

「ぎゃああああああああああ!!!!!!」

 

 

 

 

 

なんかアデルがヴァレリーに目潰ししてた

 

 

 

 

まぁそんなこんな色々あったがネズミは再度封印

そう遠くない未来に精霊化するだろう

 

そしてその夜

 

「目がいてぇ・・・」

 

「日頃の行いだ馬鹿者」

 

「でござる」

 

「結局極式を使っちまったしなぁ。

お前らも少し勘が鈍ってたし、しばらくは何もないといいがなぁ」

 

 

 

 

おまけ

 

「あたしらも行きたかったなぁ」

 

「俺ら異世界人は戦でも魔物戦でも玉化しねぇから無茶できねぇんだ。

というか、慰安旅行なのにバカの相手ばっかしてるんだよなぁ」

 

「パパってそういうこと多いよね?」

 

「やめてくれヴィヴィオ。その言葉は俺に効く・・・」

 

ヴィヴィオの言葉で少し悲しくなる俺であった

 

                 続く




極式は超龍王でした

次回は少し話が飛ぶかもしれません


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