笹井広俊の暗殺教室 (穂井田秀元)
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プロローグ きっかけの時間

皆様初めまして、穂井田秀元と申します!


初投稿故に駄文ですが、暖かい目で見てくださると幸いです。


※本来、E組のメンバーなら赤穂浪士の名字であるべきですが、主人公は全く関係ない名字になっております。ご了承ください。また、頭文字D要素は世界観や登場人物に少し出て来ますので少ないかもしれないです。また、この物語はフィクションであり、実在の人物や事件などとは一切関係ありません


広俊side

 

 

その日も、俺はいつものように学校へ登校するために自転車でいつもと同じ道を走って行こうと思っていた。しかし、いつも通る道はあいにく工事中、おまけに今日は担任に頼み事をされていていつもより10分も早く登校しないといけない。まだまだ時間には余裕があるけど、なんか、ツイてないよな~

 

「仕方ない、今日は回り道だな」

 

俺はそう一言呟き、自転車を走らせた。

 

広俊「ん? 何だありゃ?」 

 

俺の目に、道路脇の側溝を見つめている、2人の女性の姿が飛び込んできた。

 

倉橋side

 

 

その日も、私はいつもと同じ通学路を歩いて登校していた。曲がり角を曲がると、おばさんが一人、道路脇の排水溝を見てしゃがんでいた。

 

倉橋「どうしました?」

 

おばさん「うちの犬が排水溝に落ちちゃって…フタの下にいると思うんだけど、暗くてよく分からないの…」

 

倉橋「それは大変ですね…私も見つけるのを手伝ってもいいですか?」

 

おばさん「本当!ありがとう!助かるわ~」

 

 

手伝うと言ったのはいいものの、どうしたらいいのか分からない。フタを持ち上げるのは私たちには難しいだろう。助ける方法を考えているうちに5分が過ぎた。

困り果てた私たちに

 

「何かお困りのようですが、どうしました?」

 

と、男の人が声をかけてきた。その人は私と同じ学校の制服を着ていた。

 

 

広俊side

 

二人のうちオレンジ色の髪の少女はどうやらうちの学校の生徒のようだ。

もう一人は30台半ばほどの女性のようだ、格好から見て散歩をしていたのだろう。

困っている人を放っておくわけにはいかない。俺は

 

広俊「何かお困りのようですが、どうしました?」

 

と声を掛けた。すると、女性の方が

 

おばさん「うちの犬が排水溝に落ちちゃって…さっきからこの娘と一緒にどう助けようか考えてたんだけど…私たちの力じゃとてもフタを持ち上げられそうにないの…」

 

広俊「じゃあ俺も手伝いますよ。」

 

俺がそう答えると二人共

 

「「ありがとう!」」

 

と、笑顔で言ってくれた。

俺はカバンの中から小物入れを取り出し、

そこに入っているライトを少女に手渡し、犬の呼吸の音を聞いて

大体の位置を予想し、犬を挟む様に二箇所、

フタを外した。片方から少女にライトで

排水溝を照らしてもらい、フタをどんどんずらしていき、

無事に犬を救出することが出来た。犬は最初は狭い所におびえていたが、

俺が抱きかかえてやると安心したのか、俺の頬をペロペロと舐めた。

とても可愛い。

 

おばさん「本当にありがとう! 助かったわ~」

 

広俊「いえいえ、愛犬がご無事で何よりです。

  あと、君も手伝ってくれてありがとう!」

 

倉橋「こちらこそありがとうございます。あ、そう言えばその制服、同じ椚ヶ丘だよね?私の名前は倉橋陽菜乃、3-Eです。貴方は?」

 

広俊「3-Cの笹井広俊、覚えてくれると嬉しいな。っても

うこんな時間じゃん!!急がないと遅れる!倉橋さん、ごめん!俺ちょっと急いでて…それじゃあ!」

 

倉橋side

広俊くんは急いでいるらしく。私に微笑んで学校のほうに向かっていった。

カッコイイ笑顔だなぁ…私も急がないと遅れちゃう…

 

 

広俊side

倉橋さんと別れたあと、俺は何とか学校に辿り着いた。まだ生徒はあまり来ていないようだったので、俺はスピードを余り落とさずに駐輪場へと向かうことができた。駐輪場の前には誰もいなかったので俺はドリフトをして駐輪場に入り、

時間短縮しようとした。

 

広俊「しまった、スピードが早すぎる!」

 

結果的に曲がり切れなかった俺は、学校の花壇に自転車ごと突っ込み、花壇を壊してしまった。自転車と自分の身体に何も無かったのは良かったが、担任からは大目玉を食らい、俺は放課後に理事長室に呼び出されることとなった。

 

 

放課後 理事長室前廊下

 

ガチャ

広俊「失礼しました。」

 

 

俺に言い渡されたのは、三日間の停学、自転車での登校禁止、停学明けからの3-E行きと言う処分だった。花壇を破壊したのはこれで四回目、俺はこの処分を受け入れるしかないな。

 

 

 

 




読みづらかったかもしれませんがいかがだったでしょうか。

書き方などについてアドバイスがあったら教えてくれたら嬉しいです。


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プロローグその2 驚愕の時間

第2話です。
ぜひお読み下さい!


帰宅した後、広俊は父親である和広に今日の事を報告した。

 

広俊「こういう訳なんだ…親父…ごめん」

 

和広「たしか、お前の志望高校は椚ヶ丘じゃ無いだろ?気にしちゃいねーよ。それにお前は人助けをしたんだ、ま、取り敢えず頑張れ。」

 

そう言うと和広は再び煙草を吸い始めるのだった

 

広俊「親父、ありがとう、俺、頑張るよ…」

 

和広「あいよ」

 

side広俊

 

親父にはだいぶ迷惑をかけちまったなぁ…E組かぁ…そう言えば朝のあの子…倉橋とか言ったかな…あの子もE組か…C組の奴らはE組の事をボロクソ言ってたが…正直俺はそれが気にいらねぇ、何故あそこまで言う必要があるのか俺にはわからないな…停学3日か…退学にならないのが奇跡だな

 

と、広俊が思っていると、下から和広の呼ぶ声が聞こえた。

 

和広「広俊ー! 電話だ、学校からだぞ。」

 

広俊はめんどくさそうに階段を下りると受話器を取って電話に出た。

 

広俊「変わりました、笹井です。」

 

???「君が、笹井広俊君か?」

 

広俊「はい、そうですが、何かご用でしょうか?」

 

side広俊

そう応対すると、電話の相手は家に親が居るかどうか聞いてきた。俺が居ると答えると、学校の駐車場に来てほしいと言ってきた。自転車で行くのはマズいし、親父に言ってから歩いて行くか。

 

広俊移動中…

 

広俊「えーと、来客用の一番奥の黒いセダンだから、あれか! センチュリーかよ…高いクルマだな…」

 

広俊は指示通りに後部のドアをノックした。すると、黒いスーツに身を包んだ、強い眼力の男性がドアを開けた。

 

???「君が笹井広俊君だな? 俺は烏間惟臣

防衛省の人間だ。 君に話がある。 外ではできない話でな、悪いが車の中に入ってくれないか?」

 

広俊(ええぇぇ! 防衛省!? なんでこんな所に来るんだ? 俺の花壇破壊が原因なのか?)

 

いきなり防衛省の名前が出てきてビビったが、烏間さんの真剣な表情を見て、怪しくはないと思い、俺は車の中に入った。

 

 

車に乗ると、烏間さんはある一枚の写真を俺に見せて言った。

 

烏間「単刀直入に言う、君に月を破壊したこの怪物を暗殺、つまり殺して欲しい。この前、月の七割が消滅したことは知っているな? コイツはその事件の犯人で、現在はここ、椚ヶ丘中学校3年E組の担任を務めている。最高速度は実にマッハ20だ。」

 

広俊「・・・・・・・」

 

俺は驚きで目をかっ開いたままになっていた。この黄色いタコみたいな生物が?あり得ない。マッハ20って、ピジ◯ットの10倍じゃん…しかもなんで月破壊したのに普通に教師をこの学校でやるんだ?

 

烏間「君が驚くのも無理はない。E組の生徒達もそうだった。しかし、これは事実だ。月を破壊したコイツは、来年の三月には地球の破壊も目論んでいる。笹井君、この依頼を受ける気はあるか?」

 

広俊「因みに断ったらどうなるんですか?」

 

烏間「先程話したことは国家機密だ。君とご家族には記憶消去の手術を受けてもらう、こちらから強制はしないが出来れば引き受けてもらいたい。暗殺の成功は地球を救う事に直結するからな。成功の暁には当然報酬も出る。報酬額は100億円だ。」

 

広俊「記憶を消されるのは嫌ですし…報酬額は持てあましそうですが…判りました、やります。」

 

烏間「わかった。ありがとう。あのタコと理事長にはこちらから話を通しておく。」

 

その後、俺は烏間さんからターゲットに有効な武器が支給されること、依頼があれば可能な限りニーズに応えた装備も防衛省の方で製作してくれることなどの説明を30分ほど聞いた。最後に烏間さんが、

 

烏間「そういえば紹介が遅れたが、俺もE組で体育教師をやっている。一年弱という短い間だが、よろしく頼む。」

 

そう言うと、烏間さん、いや烏間先生は片手を差し出してきた。

 

広俊「こちらこそよろしくお願いします。」

 

こうして俺はE組への転入と同時に、地球を守るためのアサシンとなったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 




次は恐らく第1話か、笹井親子の解説になると思います。
どうぞお楽しみに!


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一学期編 ~Rising Stage~
ACT.1 転入の時間 前編


どうも、作者の穂井田秀元です。

前回、烏間先生からの説明を受け、E組の仲間入りをすることになった広俊、E組での1日目が幕を開ける…


広俊side

短いようで長かった3日間の停学が明け、俺は今日から3-Eの一員となることとなった。今日は始業の前にE組の先生…つまりはターゲットの超生物と烏間先生、外国語教師のイリーナ・イェラビッチ先生に挨拶をするため、いつもより30分ほど早く学校に登校しようとしていたが、家を出る前、俺は親父に呼び止められた。

 

 

和広「広俊、ちょっと待て、今日から新しいクラスなんだろ?新しいクラスの先生達に挨拶に行くんだったら、コレも持ってけ。」

 

そう言って和広は、クーラーバッグを取り出した。中には豆腐が入っていた。そう、広俊の家は豆腐屋なのだ。広俊は豆腐を受け取り、学校の裏山にある旧校舎へと向かった。

 

広俊が旧校舎への道を登っていると、突然突風が広俊を直撃した。

 

広俊「うわっ!? 何だ!」

 

???「ヌルフフフフ…」

 

広俊が目を開けると、烏間が広俊に見せた写真の通りのタコのような生物が広俊の目の前に立っていた。

 

広俊side

こ、コイツが担任!?マジかよ…写真と一緒じゃねぇか…しかも、今の突風…マッハの風圧なのか…?

 

???「おはようございます。笹井広俊君。30分前登校、素晴らしい。私が3-Eの担任の超生物です。皆からは殺せんせーと呼ばれています。一年間よろしくお願いします、笹井君。」

 

そう言うと、タコ…いや殺せんせーは右手?である触手を差し出した。

 

広俊「こちらこそ宜しくお願いします。殺せんせー。」

 

俺は殺せんせーと笑顔で握手を交わした。その後、旧校舎の職員室に行き、烏間先生にも挨拶をしたが、イリーナ先生はいなかった。どうやら遅れて来るらしい。殺せんせーは、出欠を取るために教室の方へ向かった。俺は殺せんせーに朝の出欠を取った後、転入生として俺を紹介するので、職員室に待機しておくよう言われた。

 

渚side

今日から僕らのクラスに、本校舎からの転入生が加わるらしい。E組の扱いが扱いなので、杉野みたいに不安を覚える人、どういう人なのか想像している人、あと…

 

岡島「渚、お前はどう思う?本校舎から来る転入生、やっぱ女の子かな?」

 

渚「うーん、どうだろうね、でも、僕は男女どちらでもいいかな。(自分と同じぐらいの身長の人がいいなんて言えないよ…)」

 

岡島「固いこと言うなよ渚ぁ、女の子、しかもナイスバディだと最高だぜ!」

 

今日も岡島君は平常運転のようだ、前原君もそれに便乗して首を縦に振っている。前原君の隣にいる磯貝君は困ったような苦笑いをしていて、奥の方では片岡さんと岡野さんがため息をついていた。

 

ガラッ

殺せんせー「おはようございます、皆さん。HRを始めます。日直の人は号令を。」

 

殺せんせーは出欠を取っていく、今日は朝の一斉射撃はやらなかった。転入生の紹介があるからだ。

 

殺せんせー「今日も欠席、遅刻無し、素晴らしい!………それでは皆さんご存知だとおもいますが、本校舎からの転入生を紹介します。彼には簡単な自己紹介をしてもらいます。」

 

殺せんせーが『彼』と言った瞬間、前原君が少し項垂れたようになった。岡島君も同じだろう。落ち込みのオーラ?が横の方か出ているように感じた。

 

殺せんせー「お待たせしました、どうぞ。」

 

殺せんせーがそう言うと、教室の扉が開き、暗い茶色の髪の、優しそうだけど、どこか眠たそうな目をした男子生徒が教室に入ってきた。彼が黒板のところの段に登ろうとした瞬間、右の方から「笹井君!?」と言う声と同時に席を立つ音が聞こえた。その声の正体は倉橋さんだった。

 

広俊side

殺せんせーに呼ばれ、俺は教室に入った。教室に入り、黒板の所のちょっとした段差を登る瞬間に

 

倉橋「笹井君!?」

 

広俊「もしかして、倉橋さー…スカッ うわあっ!」ドーン

 

倉橋さんに反応したのと段上に登ろうとしたのが同時だったのが災いし、俺は盛大にコケてしまった。

 

殺せんせー「にゅやッ!!だ、大丈夫ですか笹井君!」

 

広俊「だ、大丈夫だよ殺せんせー…ガンッ!」

 

俺は起き上がろうとした際に黒板の出っ張りに頭をぶつけてしまった。

 

倉橋side

私が広俊君を呼んだ瞬間、私に反応したことで足を踏み外したのか、広俊君は盛大にコケた。さらに殺せんせーの呼び掛けに応じて起き上がろうとしたところ、黒板の出っ張りに頭をぶつけていた。ほんの十数秒の出来事で、みんな呆然としていたけど、気が付いたら私は広俊君の方に駆け寄っていた。

 

 

 

 




ついにE組での生活の幕開けです。
後編の方も頑張って執筆中ですので、応援宜しくお願い致します!


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ACT.2 転入の時間 後編

どうも、作者の穂井田秀元です。
今回から書き方を少し変えてみました。




広俊side

「広俊君!大丈夫?」

 

頭をぶつけた俺に倉橋さんが駆け寄って来て声を掛けてきた。

 

「うん。俺、ドジだけど身体は丈夫なんだよ、心配してくれてありがとう。」

 

俺はそう笑顔で返すと

倉橋さんは少し動揺しながらも

 

「あっ…う、うんどういたしまして!」

 

と返してくれた。

 

「ヌルフフフフ…もう大丈夫そうですねぇ、所で笹井君、先程のやり取りを見るに倉橋さんと知り合いのようですが…」

「ああ、それは…」

 

俺は殺せんせーにあの日の朝のことを話した。倉橋さんは少し赤面しながら席に戻って行った…悪いことをしたな…殺せんせーは少しの間ピンクの顔色をしていたが、やがて元に戻った。顔の色も変わるんだな…

 

「さて、気を取り直して自己紹介といきましょう、笹井君、お願いします。」

 

「はい、さっきは急に混乱を招いてしまいすいません。本校舎の3-Cから転入してきました、笹井 広俊です。あまりない名字なんで下の名前の方で呼んでくれたら嬉しいです。不束者ですが、一年間よろしくお願いします!!」

 

「広俊君、君をE組に歓迎します。この一年間、仲間と共によく学び、そしてよく殺しましょう。席はカルマ君の左隣です。さぁ、授業を始めますよ!」

 

一時間目が終わった後、次の授業の準備をしていた俺に、登頂部の植物の芽のようなアホ毛が特長の男子と、オレンジ色の髪の男子が声を掛けてきた。二人とも結構なイケメンだな…

 

「ちょっといいかな?」

 

「あ、あぁ」

 

「俺は磯貝 悠馬、このクラスのクラス委員をやってる。一年間、よろしくな!…あと、さっきおもいっきり転んでたが、大丈夫か?」

 

「あぁ、あれは大丈夫だよ、磯貝だな、よろしく!」

 

「俺は前原 陽斗、磯貝の親友だ、広俊、よろしくな!」

 

「こちらこそよろしく!前原!」

 

俺は勿論笑顔で返した。

うーん、磯貝はしっかり者で、前原は友達を大切にしてそうだな。

 

「広俊君、僕達もいいかな?」

 

俺が振り向くと、そこには、水色のなんか不思議な髪型をした男子…?と赤いリストバンドをしたいかにもスポーツマンな男子、緑色の髪の毛の、なんか、どこかで見たことのあるような目をした女子がいた。

「僕は潮田 渚、渚でいいよ。」

 

「俺は杉野 友人、よろしくな!」

 

「私は、茅野 カエデ、広俊君、よろしくね!」

 

「3人とも、よろしくな!」

 

こんな感じで、午前中の休み時間は、声かけられまくりで大変だった。昼休みにはいると、隣の席のカルマがこえをかけてきた。

 

「広俊~ちょっといいかな?」

 

「どうした?カルマ」

 

「五時間目の授業って英語でしょ?担当の先生の名前、わかる?」

 

「ああ、イリーナ先生だろ?」

 

「そうなんだけどさー、俺ら、ビッチ先生って呼んでんだー、だから広俊もそう呼ぶといいよー。」

 

「あ、あぁ(ビッチってあまりいい意味ではないんじゃ…)」

 

俺とカルマがそう話していると、渚が俺達に声を掛けてきた。

 

「カルマ君、そろそろ弁当食べない?広俊君も一緒にどう?」

 

「ありがとう、ご一緒させてもらうよ。」

 

俺は快諾した。ホントにアットホームなクラスだな、居心地がいい。こんなに嬉しい気分になったのは久しぶりだ。

 

倉橋side

私は机に座って考えこんでいた。広俊君は周りの人とすぐ仲良くなれる、人懐っこい性格のようだ、午前中に声、掛けておきたかったな…

そう考えていると

 

「陽菜ちゃん?大丈夫?早くお弁当食べよ!」

 

「あ、うんゴメンね桃花ちゃん、ちょっと考え事してて…」

「それならいいんだけど…」

 

「陽菜乃ちゃん、ひょっとしたら広俊と午前中話したかったの?」

 

と、莉桜ちゃんが声を掛けてきた。ビクッとした私をみて莉桜ちゃんは、

 

「フフフ、どうやら図星みたいだねぇ、大丈夫、時間とチャンスははまだまだたっぷりあるからねぇ」

 

「そ、そんなのじゃないってばぁ…」

 

そんなやり取りをする倉橋と中村を矢田は微笑ましく眺めるのだった。

(因みに、この会話は結構小さい声で行われているので、広俊達には聞こえてません。)

 

広俊side

「そう言えばさ、広俊君、そのクーラーバッグ、何が入ってるの?」

 

と、渚が俺に聞いてきた。

「ヌルフフフフ、私も気になりますねぇ…」

 

「おっ殺せんせー。ホレ、バッグ開けてみ。」

 

殺せんせーはバッグを開ける、そのなかには豆腐が入っていた。

 

「実はウチ、豆腐屋なんだ。その豆腐はこのクラスの先生に挨拶替わりに渡すようにって親父から言われたんだ。揚げ出し豆腐にすると美味しいよ。」

 

「ホ、ホントですか?先生嬉しいですねぇ」

 

「あ、でも、他の二人の先生の豆腐もあるから、ネコババしないようにな。」

 

「にゅやッ!勿論です!」

 

図星かよ…それとやっぱ飯は食うんだな…口はあるから当然か…

 

そう思う広俊であった。

 

午後の授業(ビッチ先生の英語)

「それじゃ、授業を始めるわよ。あ、そう言えば今日は転入生が入って来てるらしいけど、誰かしら?」

 

「あ、俺です」

 

「あなたが笹井ね、私はイリーナ・イェラビッチ。(一応)ここの英語教師よ、よろしく。」

 

「こちらこそよろしくお願いします、ビッチ先生。」

 

「誰だぁ、このガキにビッチって教えたの!」

 

「ん、俺だよー」

 

カルマは先生にも憶さず、飄々とした態度を貫いている…すげえな………………

こんな感じで俺のE組での一日目は終わりを告げた。

 

放課後…

「ふぅ、今日は色々あって大変だったな。」

 

渚達と別れ、帰ろうとしていた俺がそう呟くと

シュバッ

殺せんせーがマッハで俺の所に来て

 

「どうでしたか、この組は?」

 

「アットホームな雰囲気で。本校舎のどのクラスよりも、クラス皆の顔が明るい気がするよ。」

 

「ヌルフフフフ、そう言ってくれると先生として嬉しいものです。おっと、広俊君、君にお客さんですよ。ヌルフフフフ…」

シュバッ

 

そう言うと殺せんせーはどっかに行った。何となくそこいらに隠れているのは気のせいだろうか?そう考えていた俺を呼ぶ声が聞こえてきた。

 

「広俊君!」

 

倉橋side

結局、広俊君とは午後も話せなかった。早く『コレ』返さないとな…

私がライトを見つめて考えていると、莉桜ちゃんと桃花ちゃんが話しかけてきた。

 

「陽菜乃ちゃん、広俊、渚達と別れて1人で帰ろうとしてるよ、クラスの皆も大方下校したし、話かけるチャンスだと思うよ~」

 

「そうだよ陽菜ちゃん。広俊君、いい人そうだし、大丈夫だって。」

 

そう二人に背中を押され、私は殺せんせーと話している広俊君の元へ向かった。

 




UAも順調に増え、モチベーションが上がって来ています!
いつも読んでくださっている皆様、新しく読んでくださっている皆様も、有り難うございます。

※主人公の言葉遣いを修正しました。


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ACT.3 準備の時間

作者の穂井田秀元です。

今回は広俊が暗殺を計画します!
あと、今回はセリフいつもより少なめです。


倉橋side

広俊君はまだ校庭で殺せんせーと話している。私は少し緊張しながら広俊君達の方へ向かった。

その時、殺せんせーが何処かへと消えた。どうやら移動したみたいだ。よし、勇気を出して行こう!

 

「広俊君!」

 

「あ、倉橋さん」

 

「「あ、あの…」」

 

見事に二人とも言葉に詰まってしまった。どうすればいいの…取り敢えず何か言わなきゃ!

 

「「け、今朝はゴメン!!」」

 

「謝らないといけないのは俺だよ。今朝あんなとこでコケたりしなけりゃ、倉橋さんにあんな迷惑な思いをさせずに済んだのに…」

 

「でも、あのとき私が広俊君に声かけなかったら、広俊君が転ばずに済んだのに…」

 

「大丈夫、気にしちゃいないよ、それより、同じクラスの仲間なんだし、これからよろしく!」ニコッ

 

「(その笑顔はズルいよ///…)う、うん、よろしく!広俊君!」

 

広俊side

やっと倉橋さんに、朝の事を謝ることができた。やっとモヤモヤが晴れた。

 

「あ、そう言えば広俊君、ひょっとして結構話すのに気使ってる?」

 

「う、うん、まあ…」

 

「そんなに気を使ったカタい喋り方じゃなくても大丈夫だよ!私の名前に『さん』も無理して付けなくていいし、別に名前でもいいんだよー?」

 

「分かったよ…倉橋。」

 

「(名前でもよかったんだけどなー)はーい!」

 

「倉橋、一つ聞きたいことがあるんだけど、いいか?」

 

「オッケー! なになにー?」

 

「E組の皆が、今までに実行した暗殺と、その結果を教えて欲しいんだ。」

 

「はーい!えーっとね…」

 

矢田、中村side

「二人とも同時にゴメンとか、すごい偶然だね…」

 

「陽菜乃ちゃんにも春がきたのかねぇ、ほら、桃花、見てみ、陽菜乃ちゃんと広俊、さっきまでお互いに目茶苦茶気を使ってたのに、もうあんなに打ち解けてる。」 

 

「あっ、話終わったみたいだよ、陽菜ちゃん戻って来そうだよ。」

 

「そんじゃ、席に戻りますか。」

 

ガラッ

「桃花ちゃん、莉桜ちゃん、お待たせ~。」

 

「随分と嬉しそうだねぇ?陽菜乃ちゃん。何かイイこと、あったの?」

 

「うん、広俊君も生き物が好きなんだって~LINEも交換しちゃった!」

「ホントに!?良かったね!陽菜ちゃん!」

 

「んでんで陽菜乃ちゃん、ライトの方は返せたの?」

 

「うん!さぁー帰ろう!」

(陽菜乃ちゃんと広俊はまだまだ友達になったばかり、これからどうなっていくんだろうねぇ)

 

中村はそうほくそ笑むのだった。

 

広俊side

倉橋からライトを返してもらい、俺は帰宅した。明日の暗殺の計画を練らないと…

取り敢えず、国から支給された武器について、頭の中でまとめることにするか。

 

対せんせーナイフ

対先生物質で出来たナイフ。普通のナイフと同様に、棒などにくくりつけて即席の槍を作ることが出来そうだ。…槍は烏間先生にたのんでみようかな。一応槍術は(半分無理矢理だけど)教えてもらってるし。

 

対せんせーBB弾用エアガン

今のところ、ハンドガン、ショットガン、アサルトライフル、スナイパーライフルの4つがあるけど…女子とかにはSMGを持たせた方が機動力が上がって暗殺のメリットになる気がするな。

 

「オヤジ~、ただいま。」

 

「あいよ、少し遅かったじゃねぇか。」

 

「担任と話してたんだよ。」

 

「ほぉ…、で、豆腐は喜んでくれたか?」

 

「うん、すっげえ喜んでた。」

 

「そいつは楽しみだ。後は気に入ってくれさえすれば、新しい常連ゲットのチャンスなんだがな…」

(ホント、うちのオヤジってこういったとこ抜け目無ぇよな)

 

そう思いながら広俊はさっさと宿題を終わらせ、明日の準備をするのであった。

 

翌日…

「今日は烏間先生は出張で留守、ビッチ先生も放課後から予定、暗殺にはもってこいの条件だな。あとは…」

 

俺は朝早めに登校し、暗殺に必要な道具を眺めてイメージトレーニングを行っていた。すると教室の扉が開き、倉橋と矢田が入ってきた。

 

「あ、広俊君、おは~!」

 

「広俊君、おはよう。」

 

「倉橋と矢田か、おはよう!」

 

「広俊君、どうしたの、その道具?」

 

「確かに~私、気になる~」

 

まぁ、俺がそう聞かれるのも無理は無い。何故なら俺の机には、CDプレイヤー、お茶の葉と茶菓子、クーラーバッグ(中身はおはぎ)、イアホンとヘッドホン、対せんせーナイフとエアガンという、大量の道具が置かれていたからだ。

 

「ああ、これ?今日の暗殺に使う道具、あとCDプレイヤーの方は絶対にさわらないでほしい。」

「オッケー、頑張ってね!」

 

俺が説明すると、二人は笑顔で俺にエールを送ってきた。ビッチ先生に接待テクニックを教えてもらってると渚から聞いたけど、すごいもんだな…物凄く自然だ…

 

倉橋side

いつものように、桃花ちゃんと一緒に登校して教室に入ると広俊君がいた。暗殺の用意をしているらしい。私達は笑顔でそれを応援した。今日は緊張せずに話せたな…

 

 

それからいつものように授業を受け、あっという間に放課後になった。ホントは放課後はビッチ先生の所に接待テクニックの特別授業を受けにいくけど、今日は生憎ビッチ先生はいない。だから私と桃花ちゃん、広俊君の暗殺に興味のある磯貝君と前原君、あと、広俊君に殺せんせーの弱点を教えていたらしい渚君とカエデちゃんと一緒に遠くから双眼鏡で様子をみることにした。

 

広俊side

放課後になった。まずは数学のよくわからない所を殺せんせーに聞きに行こう。

その後、暗殺開始だ!

 

 

 

 

 

 

 




広俊の考えた作戦とは…

第4話も頑張って執筆中です!
よろしくお願い致します!


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ACT.4 実行の時間

どうも、穂井田秀元です。

いよいよ広俊は暗殺を実行します。
結果はいかに!?


広俊side

やっと放課後だ。俺はこれから殺せんせーに数学の解法を教えてもらうつもりだ。それが終わったら、殺せんせーとおはぎ(隣のおばちゃんからのお裾分けだ)を食べ、油断したところでトッテオキのCDを聞かせ、ナイフで刺す。自信無ぇなぁ…

 

「お待たせしました、広俊君、さて、わからない所は何処ですか?」

 

「あ、殺せんせー、ここここ、この式がどういういきさつで出てくるのかわからねぇんだ。」

 

「あーそこはですねぇ…」

 

殺せんせーの教え方は、物凄く分かりやすい、本校舎の教師は、人によって教え方の質がまちまちだが、殺せんせーは、体育以外のすべての教科を一人で教えることができる。しかも分かりやすくだ。この点だけでも十分超生物なんだよなぁ…しかし、なにやら人の気配がする。気のせいか?

 

「こうすれば出て来ますよ」

 

「あー!そう言うことか!分かった分かった!有り難う、殺せんせー!」

 

「ヌルフフフフ、先生として当たり前の事をしたまでですよ…所で広俊君、あのクーラーバッグには何が?」

 

「やっぱり先生は鼻が効くんだな、この中身はおはぎだよ、殺せんせー。殺せんせーとちょっと雑談したくてな。一緒に食べようぜ。」

 

「にゅやッ!先生嬉しいですねぇ。それでは、お言葉に甘えて頂きましょうか」

 

「じゃあ、ちょっとだけ待っててくれよ、湯沸かしてお茶入れるからさ」

 

3分後

「ほれ、お茶できたぜ、殺せんせーってもうおはぎ食べてんのかよ…」

 

「美味しいですねぇ…ふぅ、もう食べてしまいました。ジーッ」

「そんなに見たって、俺のはやらねぇぞ」

 

「ニュ…あぁ、それで雑談とはどんな話題で?」

 

「殺せんせーは普段どんな音楽を聞くんだ?」

 

「そうですね…クラシック、ジャズ、色々聞いてみましたが、やはり巨乳アイドルのMVが最高ですかねぇ…」

 

「最後は巨乳に落ち着くのかよ…ちょっと聞いてほしいCDがあるんだけど、いいかな?」

 

「ええ、どうぞ」

 

殺せんせーが了承したので俺はCDを出し、殺せんせーにイアホンを渡した。耳の無い殺せんせーにイアホンが入るのか不安だったが、殺せんせーは粘液でイアホンをくっつけて耳の役割を果たす穴に固定していた。まずは一曲目だ。

 

「どう?殺せんせー?ユーロビートってジャンルのCDなんだけどさ。」

 

「リズミカルな曲調ですね、先生踊りたくなりましたよ。」

 

「あはは…(殺せんせーって踊れるのか?)」

 

二曲目

「この曲もいいですねぇ、先生高速で飛び回りたくなりますよ。」

 

「ハハハ、でも次のがイチオシなんだ、耳の穴かっぽじって聴いてくれよ。」

 

三曲目 これが本命

『デェェェェェェェェェン!!』

「にゅっ、にゅやぁぁぁッ!」

 

(よし、今だ!)

「どりゃぁぁぁ!」

シュバッ! ザシュッ!

 

(触手が2本!?し、しまった!しかしまだ遅い!)

パシイッ!

「駄目だ…掴まれた…」

 

「音楽によって動揺を起こさせ、その隙に刺す。考え方は斬新ですが、まだまだ踏み込みが甘い、しかし、君はまだ烏間先生の授業を受けてはいない、もし君が彼の訓練を受けていれば、先生も危なかったかもしれません。そしてご存知ですよね、先生の暗殺者への報復は、手入れであることを…ヌルフフフフ」

 

シュババババ

「うわっ!」

 

「鏡をよく見て下さい、広俊君」

 

「あっ、ね、寝癖がなおってる…」

 

「相手にサービスするのであれば、身だしなみが大切ですよ。あっ、先生を怯ませたあの謎の曲、何なんですか?」

 

「あれは、音割れソビ◯トってやつだよ。対先生物質以外にも効くものがあるかもしれないって思って試してみたんだ。」

 

「あれで先生は見事に隙を突かれました。しかし、仲間と協力して暗殺を行う際は独特過ぎる戦術はかえって連携不足リスクを負うことになる。君はまだクラスの仲間に対して気を使っている。ゆっくりでもいい、もっと彼らを信じなさい。仲間との連携が上手く行けば、君の独創性も、暗殺に活かせるようになると先生は思いますよ。」

 

そう言うと殺せんせーは触手で俺の頭を撫でた。俺は素直にそれがすごく嬉しかった。

 

渚side(広俊が殺せんせーとおはぎを食べているときからはじまります)

 

広俊君は、暗殺実行前に、数学を教えてもらってた。そしてそれが終わり、殺せんせーと広俊君はおはぎを食べ始めた。殺せんせー、広俊君のおはぎ狙ってるな…しかも

 

((((((な、何か和む…))))))

 

恐らく僕たち全員がそう思っただろう。その後、広俊君はイアホンで殺せんせーに何かを聴かせているようだ

 

「渚、見て!あれ!」

 

茅野が指した方向を見てみると。触手を二本失って少しキツそうな顔をした殺せんせーが広俊君のナイフを受け止めていた。僕を含め、皆驚いていた。何せ広俊君は触手を二本も切り落としたのだから。諦めたのかナイフを下ろした広俊君は落ち込んでる様子だったけど、5分ぐらい経って校舎から殺せんせーと一緒に出てきたときには少し晴れた顔をしていた。殺せんせー、広俊君に何か言ったのかな?

 

倉橋side

結果的に言って、広俊君の暗殺は失敗した。でも、校舎から晴れた顔をして出てきた広俊君を見て、私は少し安心した。

 

 

広俊side

俺は殺せんせーと一緒に校舎の外に出た。

暗殺に失敗はしたものの、気分は晴れやかだった。そんな俺に、殺せんせーは聞いてきた。

 

「君は今回の暗殺で、殆どの準備を自分でやりましたね。」

 

「まぁ、情報を集めるのに渚や倉橋に少しだけ協力してもらったりはしたけど、『暗殺に使う』と言っただけで計画自体はだれにも伝えなかったよ。」

 

「やはりそうでしょう、いいクラスだと思っていても、やはり君は気を使っていた。ですが、あそこにいる人達は何故来ているのでしょうね。」

 

そう言って殺せんせーは茂みの方を指差した。

 

「!!」

 

そこには、渚、磯貝、前原、茅野、矢田、そして倉橋がいた。

 

「さっきの話を聞いた君にならわかるでしょう。彼らは君を仲間として信頼してくれている。だから様子を見にきたのです。さぁ、今度は君が信頼に応える番ですよ!」

 

「おーい、広俊!」

 

さっきの場所から磯貝達が駆け寄ってくる。

「広俊!さっきの暗殺、すっげーな!」

 

「まだまだ皆が触手を落とせる訳じゃないんだから、これから頑張っていこう!」

 

「広俊君、僕の弱点メモにも、一つ殺せんせーの弱点が増えたよ。ありがとう!」

 

「何か暗殺の為の戦術を考えたら、是非教えてくれよ!クラス委員として、仲間として、勉強したい!あと、ナイフの技術もさ、訓練もだけど、俺達と一緒に暗殺バドミントンとかやって、鍛えていこうぜ!」

 

「暗殺…バドミントン? 昨日の放課後に磯貝達がやってたやつか?」

 

「そうそう~あれ、結構ナイフ技術上がるんだよ~!」

 

「うんうん、私もよく参加してるんだけど、面白いよ!」

 

「皆、ありがとう!俺もこれからは皆と協力して頑張っていくから、改めて、よろしくな!」

 

「「「「「「うん(おう)!」」」」」」

 

こんな幸せな気分になったのは久しぶりだ、本校舎の連中は、こんな親切な皆を差別し、軽蔑してきた。異を唱えたことはあったが、それのせいで俺は本校舎ではあまり親しい友達はできなかった。だから今の状況は目茶苦茶嬉しい。

皆と話しながら山を降り、別れてそれぞれの家に向かった。俺はいつもより身体が軽く感じた。




今回は長かったため、所々ガバガバになっているかもしれません。おかしいところがありましたら、ご指摘ください。



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ACT.5 体育と集会の時間

どうも、作者の穂井田秀元です。
今回は広俊の思考が中心となっています。(特に後半)
もしかすると読みにくいかもしれません…


広俊side

「オヤジ~ ただいま。」

 

「あいよ、あ、広俊、いきなりで悪いが、明日は4時に叩き起こすからな。配達だ。」

 

「分かったよ…」

 

そう言って俺は階段を上がって行った。さっさと飯風呂済ませて宿題を終わらせて、寝てしまおう。

 

(へへっ、広俊の奴、何かいい顔になってきてやがるな。何があったのかは知らねぇが、あいつの成長が楽しみだな。)

 

そう和広は思ったのだった。

 

翌日…

広俊side

今日は烏間先生の体育、もとい訓練の授業がある。俺は豆腐配達が思ったよりも早く終わったので、速めに登校して少し身体を休めておいた。

 

体育の授業…

広俊side

 

「それでは授業を開始する!」

 

烏間先生の一言で全員が挨拶をする。すると烏間先生は俺を呼んだ。

 

「笹井君、俺はこれまでの訓練で、クラスの皆の大体の身体能力は把握している。しかし、俺は新しく入ってきた君の身体能力を良く知らない。だから、確かめさせて欲しい。」

 

「分かりました、烏間先生。しかし…確かめるとはどのように…ですか?」

 

「……よし、笹井君、君の他に、男子の中からもう一人選ぶんだ。そして、二人でナイフで攻めて来ればいい。俺はそれを防ぐからな。」

 

「分かりました…誰か、俺と組んでくれないか?」

 

「じゃあ、俺で良ければ、組むよ。」 

 

すぐに杉野が反応してくれた。正直、感謝に堪えない。

 

「よし、杉野君で決定だな。他の皆は各自で自主練!二人は一分間作戦を話し合ってくれ。」

 

皆は各自で自主練を始めた。  

 

「そろそろだな、よし、二人とも、来い!」

 

まずは杉野が先行して攻め、俺は少しタイミングをズラして攻める。しかし、烏間先生はプロ。俺達二人の攻撃も、軽々といなしていた。

 

「さあ、もっとだ。」

 

烏間先生はそう言うが、いなされたり、かわされたりするばかりで、こちらがバテてくる。それは杉野も同様だった。杉野のナイフが弾かれ、地面に落ちた。俺より杉野の方が一撃が素早い…こうなったら。俺は杉野に目配せをした。

 

「杉野! コレを!」

 

「了解!」

ヒュッ、パシイッ

 

「今のうちに…」

 

「でやぁぁぁ!」

 

「とりゃぁぁぁ!」

 

俺は杉野を少し下がらせ、ナイフをパスした。その勢いで杉野は烏間先生に一撃を叩き込む。その隙に俺は杉野が落としたナイフを拾って烏間先生に一撃を叩き込もうとした。しかし、烏間先生は距離をとり、俺達の攻撃をあっさり捌いてしまった。

 

「よし、もういいだろう。ご苦労だった。広俊君、君は些か振りが大きすぎる。杉野君はもう少しナイフをしっかり持つように。」

 

「はい!」

 

その後、烏間先生は皆を集め、皆と一緒にナイフの振り方の練習をして体育は終了した。次回は射撃の訓練だそうだ。射撃か…ナイフよりかは得意かな…授業の後、倉橋が俺に声をかけてきた。 

 

「広俊君、烏間先生と訓練してみて、どうだった?」

 

「初対面のときから何となく思ってたけど、手加減しててもめっちゃ強いな。動体視力や反射神経なんて、化け物レベルだと思う。」

 

「やっぱりそうだよね~。どんなアドバイスもらったの?」

 

「振りが大きすぎるってさ。でも、これからの訓練で鍛えていくよ。」

 

「一緒に頑張ろうね!」

 

「ああ!」ニコッ

 

「///カァッ…」

 

「ん、どうした?」

 

「な、何でもないよ、それじゃ!」

 

倉橋は笑顔で頑張ろうと言ってくれた。この娘の笑顔は何か不思議な力がある気がする。どう表現すればいいのかよく判らないが、取り敢えず元気を貰えると言っておこう。俺も当然笑顔で返した。倉橋の様子が変だったが、俺の笑顔が不自然だったのかな?一応配達の時、挨拶は基本笑顔でしてるから悪い笑顔ではない自信はあったんだが…

 

昼休み…

広俊side

俺と渚達は急いで飯を食べていた。磯貝が言うことには、今日は全校集会があるらしい、俺達E組は昼休み返上で下山し、最初に整列しなければならない。間に合わなければペナルティが待っている。理事長は何故そこまでしてE組を差別するのだろうか?椚ヶ岡の教師陣と環境ならば、全ての生徒をある程度高いレベルまでには持っていけるだろうに。

 

「よし、皆、移動するよ!」 

 

片岡の一言で皆は席を立った。さて、俺達も行くとしよう。

 

約15分後…

やっと着いた。結構キツイ…道中、岡島が水の中に落ちたり、蛇や蜂に襲われたりしていたが、大丈夫だろうか?

 

「おい岡島、大丈夫か?良ければ肩貸すぞ。」

「すまない広俊… 恩に着るぜ…」

「いいってことよ。」

 

俺は岡島に肩を貸し、体育館に入った。整列をしようとすると、メガネとデブの二人組が、渚にちょっかいを出していた。止めに入りたかったが、全校の集まる場所で騒ぎを起こすと、俺だけでなく渚にも迷惑を掛けかねない。集会が始まるまで頑張れ…渚。

 

集会スタート…

校長が長々と話をしている。E組いじりが始まった。うるせえなあのバーコード頭。五線譜みたいなハゲ方しやがって。こういう時に限ってカルマはいない。渚が言うことには、「集会フケて罰食らっても痛くも痒くもない」と言ってサボったらしい。強いな…話を聞くのがつまらなくなったので、右に目をやっていると、烏間先生とビッチ先生がいた。まぁ、殺せんせーは来れないよな。来たら大騒ぎだ。おっと、生徒会の奴が壇上に立ったようだ。何やらプリントらしきものを配っているようだ。

その時、磯貝が唐突に発言した。

 

「あの、すいません。E組の分 無いんですが…?」

 

「あれ…おっかしいな。ごめんなさい、3-Eの分忘れたみたい。悪いけど全部記憶して帰ってくださーい!ほら、E組の皆さんは記憶力も鍛えたほうがいいし…」

 

それと同時に皆が暗い顔をする…嘲笑の嵐が俺達に飛ぶ。………………ムカついた!!、わざとやりやがったな、テメーらみてぇなカスには…

 

シュバババババ!

 

俺が足を進めたその時、俺は屋内では感じられないような風圧を感じた。手元を見ると、さっきまで無かったプリントがある。良く見てみるとインクではなく、鉛筆の手書きだ。俺はもしかするとと思い右側に目をやった。そこにはさっきまでいなかったアカデミックドレスを着た巨人…いや、(クオリティの低い)変装をした殺せんせーが立っていた。

 

「磯貝君、問題ないようですねぇ、手書きのコピーが全員分ありますので…」

 

「あ、プリントあるんで続けてくださーい。」

 

「えっ!誰だよ、笑い所潰した奴…ゴホン…それでは…」

 

あいつ、やっぱりわざとだったか。しかし、殺せんせー来て大丈夫なのか?

 

俺は耳を澄まして周囲の声を聞いてみた。うん、怪しまれてはいるが、一応、『妙にでかくて間接が曖昧な人間』として見ているようだ。俺がそう考えている間に、ビッチ先生が殺せんせーにナイフを当てようと頑張っている…当然全てかわされているが、あ、烏間先生がビッチ先生を連行していった。大変だなぁあの人も…

 

「もーしょうがねえなービッチ先生は」

 

誰かがそういうと、それをきっかけにして俺を含めE組の皆は笑い始めたのだった。

 

集会後…

 

「じゃあ、僕は飲み物買ってから行くよ。」

 

「あ、俺も行くか。」

 

杉野達には先に行ってもらい、俺と渚は自販機で飲み物を買った。すると、さっき渚にちょっかいを出していた二人組が俺達に絡んできた。

 

「お前らさぁ、最近ちょっと調子乗ってね?」

 

「E組はE組らしく下向いてろよ!」

 

「何とか言えよE組、殺すぞ!」

 

デブの方が渚の襟首を掴み、メガネの方が俺にもそうしようと近づいてきた。

 

「お前も何かいったらどうだ?あ?」

スウツ…

パシッ

 

「遅い」

 

遅い…馬鹿らしいほど遅い。なので手で受け止めてやった。すると、渚がクスッと笑みを浮かべ、二人組に

 

「殺そうとしたことなんて、無い癖に」

 

と言い放った。二人組はビビって俺達から飛び退いた。正直俺も驚いていた。あの温厚な渚が、まさかこんな殺気を出すとは…

 

「渚、人が集まらないうちにさっさと行こう、こいつら、もう邪魔する気は無ぇみたいだし。」

 

俺達の前には、さっきまであんなに威勢の良かった二人組が、腰を抜かして座り込んでいた。俺達は足早にその場を去り、杉野達と合流した。

 

 

帰宅した後、俺は今日の渚の殺気について考えていた。あんなの普通に出せるもんじゃない。これは訓練の賜物なのか、それとも渚の能力なのか、答えは出ず仕舞いだった。

 

 

 

 




いかがだったでしょうか?
次回はいよいよ中間テストです。


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ACT.6 テストの時間

どうも、作者の穂井田秀元です。今回も広俊の思考が中心となっています。修学旅行編では会話パートも多くなるとおもいますので、どうか応援宜しくお願い致します。


広俊side

さあ、授業開始…といきたいところだが一つ言いたいことがある。

 

「殺せんせー、多くね?」

 

「学校の中間テストが近づいてきました。」

 

「そこで今日は。」

 

「高速強化テスト勉強を行います。」

 

「これから先生の分身が一人に一体ずつ、それぞれの苦手科目を教えます。」

 

俺は数学か…しかし、この分身、どうやって喋らせているんだ…外で一体休憩させてるって言ってるが…それ逆に疲れないか?と思っていたとき、急に殺せんせーの顔が凹んだ。どうやらカルマがナイフで突いたようだ。

 

「急に暗殺しないでくださいカルマ君!それ避けると分身が全部乱れるんです。」

 

しかし、凄く分かりやすい。これなら、中間テストでいい結果が残せそうだ。

 

帰る時、殺せんせーが理事長に思い切り媚を売っていた。どうやら理事長に雇われている形らしい。教育の寵児と言われているほど有能な理事長のことだ。ひょっとしたら殺せんせー達の授業によって皆の学力が上がっていることへの対策を考えているかもしれないな…

 

翌日…

「今日は頑張って更に増えてみました。さあ、授業開始です。」

 

あ、絶対昨日理事長に何か言われたな。分身が一人あたり3.4体になってる。しかも、コスチュームまで時々変わってる。その余裕あるならもっと増やせるんじゃねぇか?

 

授業終了後

 

さすがの殺せんせーも、今回ばかりはバテたようだ。中村が隙あらば刺そうとしている。そんな中岡島が口を開いた。

 

「何でここまで一生懸命先生をするかねー?殺せんせー。」

 

「それは、君たちのテストの点を上げるため、そうすれば…」

 

だんだんと殺せんせーの顔がピンク色になってゆく、邪な事を考えているのは間違い無いだろう。そんな中、三村と矢田が、『勉強の方はそれなりでいい、暗殺に成功すれば100億だから』と言う趣旨の会話をしていた。それに中村が便乗し、皆もそれに従うと殺せんせーは休憩するのをやめて、俺達が問題を間違ったときの、紫色の顔に×を浮かべた顔になった。因みに俺はあまりそう思わない。もし、殺せんせーが烏間先生とかに殺されたら、その後はどうするんだよ…

 

「今の君たちには、暗殺者の資格がありませんねぇ、全員、校庭に出なさい。」

 

殺せんせーは俺達を校庭に出した。そして、ビッチ先生には暗殺時のプランのことを、烏間先生にはナイフ術の第二撃のことを質問していた。

 

「もし、先生が逃げ出したら、もし、他の殺し屋が先に先生を殺したら、君たちにはE組という劣等感しか残らない。第二の刃を持たざるものは、暗殺者を名乗る資格なし。」

 

と、俺達に言い放ち、体を高速回転させて竜巻を起こした。俺達は吹き飛ばされないようにただ踏ん張っていた。

 

「うわぁぁぁ!」

 

風が収まると、そこには雑草が無くなり、整備されたばかりのようにキレイになった校庭の姿があった。

 

「先生は地球を消せる超生物、この辺り一体を平らにする事など容易いことです。もし、君たちが私に自信を持って第二の刃を示せない場合、先生の相手に値する暗殺者はここにはいないとし、この校舎ごと平らにして先生は去ります。」

 

「第二の刃…いつまでに?」

 

渚がそう反応する。もしかするとだが…

 

「明日です。明日の中間テスト、クラス全員50位以内を取りなさい。」

 

「!!!」

 

渚をはじめ、皆が驚愕する。そりゃそうだ。50位以内なんて、ほぼほぼA組が独占している。カルマなら狙えるだろうけどな…

 

「君たちの第二の刃は、既に先生が育てている。明日、自信を持ってそれを振るい、胸を張れる結果を、勝ち取って来なさい。」

 

殺せんせーはそう皆に言い放った。

 

帰り道、たまたま近くを歩いていた倉橋が俺に聞いてきた。

 

「殺せんせーは、明日の中間テストで、50位以内を取りなさいって言ってたけど、広俊君はどう思う?」 

「確かに、殺せんせーの教え方はスゴく分かりやすい。本校舎の教師陣でも、殺せんせーに並ぶような人は片手で数えるほどしかいない。しかも、殺せんせーは全教科分かりやすく教えることができる、これは俺達にとって結構なアドバンテージだけど…」

 

「…だけど?何か引っ掛かることがあるの?」

 

「うん、うちの理事長だ。あの人が、殺せんせーの実力をわかっていないハズがない。ということは、俺達のレベルが上がっているということも重々承知のハズなんだ。倉橋、これから言うことは俺の憶測に過ぎないから、誰にも言わないと約束してくれるか?」 

 

「…うん!」

 

「理事長は俺達の快進撃を望まない。だから、テストでは何かしらの手を打ってくると思う。いや、打ってくる。」

「それって例えば…?」

 

「各教科の出題範囲を増やす…とかかな?一応俺は得意の社会だけは余分にやっておこうと思う。」

 

「なるほどー私も理科を少しやっておこっかなー。」

 

そんな会話をしながら俺たちは下山していった。殺せんせーは大丈夫だと思っていたようだが、俺は不安を拭う事ができなかった。

 

テスト当日、予想通りのことが起きた。俺達は最初は順調だったものの、後半、俺達は見えない問題に殴り殺された。後々わかったことだが、テスト2日前に、出題範囲が大幅に変更されたらしい。本校舎の方では、理事長が自ら教壇に立ち、変更点を教えたようだ。(表向きの)担任として烏間先生が抗議したが、マトモに相手をしてもらえなかったらしい。

 

「これでは、君たちに顔向け出来ません…」

 

皆黙っている。その沈黙を破ったのは、カルマだった。

 

「いいの?顔向けできなかったら、俺が殺しに来るのも見えないよ。」

 

「カルマ君!!先生はいま落ち込んで…」

 

「俺問題変わっても関係無いし」

 

カルマはそう言うと答案を教卓の上に置く。答案を見てみると、学年4位、とんでもない高得点だった。話を聞く所によると、どうやら殺せんせーは、カルマの実力に合わせて、先の範囲も教えていたらしい。

 

「言っとくけど、俺はこの組出る気無いよ。前のクラスより、暗殺の方がよっぽど楽しいし、で、どーすんのそっちは?全員50位以内じゃなかったって言い訳つけて、ここからシッポ巻いて逃げちゃうの?それって結局さ、殺されるのが怖いだけじゃないの?」

 

カルマがそう言うと、それが引き金になって皆が口々に

 

「殺されるのが怖かったのか、それなら正直に言えば良かったのに。」

 

と言い始めた。

 

「にゅやぁーっ!逃げるわけでは有りません!」

 

「そんならどうすんの?」

 

「期末テストで、あいつらに倍返ししてリベンジです!」

 

皆の笑いは止まらない。

 

「笑うトコロじゃないでしょう!」

 

殺せんせーは突っ込むものの、俺達はしばらく笑い続けていた。

 

中間テストで、俺達は壁にぶち当たった。しかし、それをバネにして、もっともっと伸びていってみせる。そう、俺達は麦になるんだ。踏まれても踏まれても、負けずに強く生きる麦のように、E組として胸を張ろう。




いかがだったでしょうか?
最後の方の麦の話の元ネタは「はだしのゲン」のゲンの父親の話です。お気づきになったでしょうか?


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なかがき オリジナル登場人物紹介

どうも、作者の穂井田秀元です。
今回は笹井家について紹介します。


人物紹介その1

 

笹井 広俊

誕生日 7月20日

特技 護身術、サバイバル術

趣味 淡水魚飼育

将来の目標 未定

100億円獲得できたら 趣味に費やす

 

説明 

本校舎のC組に所属するごくごく普通の一般生徒だったが、E組を置いて差別する椚ヶ丘の体制を疑問に思っており、クラスからは煙たがられていた。プロローグにて本校舎の花壇に激突する事故を起こしてしまい、4回目と言うこともあり、素行不良扱いで理事長にE組行きを言い渡される。なお、これまでに起こした3回の事故も人助けに起因している。E組転入当初は周囲の生徒とコミュニケーションを図りながらも、少し気を使ってある程度の距離を取ろうとしていたが、殺せんせーからのアドバイスによって少しずつ改善している。性格はお人好しで普段は温厚で笑顔を大切にしているものの、友人がバカにされたり、傷つけられると切れるときがある。また、他人より直感が少し強い。なお、作中の描写からある程度分かる方もいるかもしれないが、母親は故人である(幼少期に事故で死亡)。母親がいないせいか、異性からの好意には物凄く鈍い。

 

その他情報

父親の幼なじみである衛一から、護身術やサバイバル術を教わっている(あくまで非常用のもので、広俊自身の戦闘能力は常人より少しあるぐらい。)。また、衛一によってサバゲーにたまに連れていかれているので、エアガンなどの扱いはまあまあ慣れている。

 

 

作者から

広俊の性格のお人好しの所は頭文字dの池谷浩一郎をモデルに、友人のために切れる所は頭文字dの藤原拓海をモデルにしています。容姿の方は「暗い茶色の髪の毛」と、「優しそうな目」だけしか考えていませんので、どのような顔なのかは読者の皆様がご自由にご想像ください。

 

 

 

 

笹井 和広

 

誕生日12月18日

特技 車の運転

趣味 幼なじみの衛一(後々登場します。) と飲みに行くこと。

 

説明

広俊の父親で、「笹井豆腐店」を経営している。瞼を閉じているかいないか分からないほどの細目が特徴。豆腐の味の評判は良く、椚ヶ丘や隣町のホテルから配達の依頼が来るほど。しかし、本人は豆腐が嫌いである。ちなみに喫煙者。物静かで口数が少ないが、広俊のことをよく見ているいい父親である。広俊がまだ幼い頃に妻と死別したため、男手一つで広俊を育て上げた。妻の最後の言葉に従い、広俊の進路には口をなるべく挟まず、「興味のあることはやってみるといい。」と広俊に言っている。なお、広俊に豆腐の配達をさせているのは広俊が小五の時からで、その際、配達中、もし何か起きた場合のために衛一に依頼し、広俊に護身術を習わせた。なお、配達は近所が広俊、隣町などの遠い所は和広が行っている。

 

作者から

人物、容姿のモデルは、頭文字dに登場する藤原拓海の父親、藤原文太です。




少し読みづらかったかもしれません…


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ACT.7 修学旅行の時間 その1

皆様ご無沙汰しております。作者の穂井田秀元です。
全体を見易いように少し改良しました。
今回から修学旅行編に突入します。どうぞお楽しみください。


広俊side

中間テストも終わって少し経ったある日の朝、俺と渚が話していた所に片岡が声をかけてきた。

 

「渚、広俊君、班の人数揃った?」

 

「「…………班?」」

 

俺と渚は同時に答える。

 

「決まったら学級委員の私か磯貝君に伝えてね。」

 

そう言って片岡はどこかへ行ってしまった。

 

「忘れたの?来週の修学旅行よ!」

 

あ、修学旅行か。完全に忘れてた。そう思っていると、殺せんせーが教室に入ってきた。

 

「全く、三年生が始まったばかりのこの時期に修学旅行とは!先生、あんまり気乗りしませんね…」

 

…そんな和服姿で言われても、説得力が無いけどな、案の定前原たちに突っ込まれている。

 

「バレましたか、正直、君たちと旅行するのが楽しみで仕方ないのです。」

 

「テストのときといい、なんか素直じゃないよなー殺せんせーは」

 

「にゅやッ! 痛いところを突きますね広俊君。」

 

「「アハハハ…」」

 

俺と殺せんせーのそんなやり取りを、渚と茅野は苦笑いを浮かべて見ていた。

 

今日の訓練は烏間先生が俺の射撃能力を測定してくれた。烏間先生曰く、俺は遠距離の命中率はよろしくないが、中距離の目標を素早く仕留めるのが上手いらしい。まぁ、サバゲーにたまに連れていかれるからな…あと、烏間先生は俺にもう一つ、こう言った。

 

「君は普通の狙撃は苦手そうだが、中距離の命中率はすこぶる高い。スナイパーというよりは“まーくすまん“向きだな。」

 

…“まーくすまん“って何だろう、衛一さんに聞いてみるか。あ、烏間先生が召集かけてる、行くか。

 

「知っての通り、来週から京都二泊三日の修学旅行だ。君らの楽しみを極力邪魔したくは無いが、これも任務だ。」

 

「つまり、あっちでも暗殺…?」

 

岡野が烏間先生に問う。

 

「そういうことだ」

 

烏間先生によると、どうやら殺せんせーはそれぞれの班で決めたコースに一定時間、着いてくるらしい、そこを国が雇ったプロのスナイパーに狙撃してもらい。成功すれば貢献度に応じて100億円の中から分配されるらしい。暗殺の向けのコース選びを頼まれた。

 

その後の休み時間。渚と杉野と茅野が修学旅行の要項のプリントを見ていたので、そこに行こうとした。すると、渚が口を開いた。

 

「修学旅行の班かー、カルマ君、広俊君、同じ班になんない?」

 

「ん、オッケー。」

 

「喜んで。」

 

俺は快諾した。

杉野は大丈夫かよと言っていたが。カルマは旅先でのケンカは目撃者の口も封じるから大丈夫と言っていた。うん、一瞬カルマに角とシッポが付いてるように見えた。

 

「それで、面子は?渚君と杉野と茅野ちゃんと広俊と…」

 

「あ、奥田さんも誘った!」

 

茅野が奥田さんを誘った。

 

「うーん、あと女子1人いるんじゃね?」

 

「へへっ、実はこの時のために、だいぶ前から誘っておいたのだ!」

 

杉野が得意気に言う、誰なんだ…

 

「クラスのマドンナ、神埼さんでどうでしょう?」

 

「おぉー!異議無し!」

 

神埼さんは、清楚で大人しい、大和撫子の鑑のような人だ。同じ班となって、文句を言う人などいないだろう。当然俺もそうだった。しかし…杉野、少し恥ずかしそうに言ってたな…もしや…いや、そんな邪なことを考えるのは止めておこう。

 

「よろしくね、広俊君。」

 

「あ…うん、よろしく。」

 

 

「……!」

「…………」

 

この時の広俊は自分を見ていた二つの視線に気がつかなかった。

 

倉橋side

渚君が広俊君を先に誘ってしまった。出来れば同じ班に誘いたかったなー。確かに、広俊君は渚君と杉野君とカエデちゃんと良く話してるんだけどね…

 

「陽菜ちゃん……?大丈夫?」

 

「だっ、大丈夫だよ桃花ちゃん!ちょっとボーッとしてただけだよ!」

 

「そっか、じゃあ早く行こ!メグが誘ってくれてるから。」

 

「う、うん。」

 

こうして私は、メグちゃんや磯貝君の班に入ることになった。

 

 

広俊side

俺達が話していると、殺せんせーが教室に戻ってきた。

「1人一冊です!」

シュババババー

「重ッ!殺せんせー、なんだよコレ?」

 

「良く聞いてくれました広俊君、コレ、修学旅行のしおりです。」

 

「「「「「「辞書だろコレ!」」」」」」

 

その場にいるほぼ全員が叫んだ。殺せんせーはまだ足りないと言っていたが、いや、お土産のトコロあんまいらないだろ…

せめてベスト10ぐらいにとどめとけよ…

 

 

帰宅後…

 

「オヤジ、ただいま。」

 

「あいよ、広俊、俺ちょっとタバコ買って来るから、店番頼むぜ、この時間帯は外国人の常連さんが来るんだ。」

 

「外国人?あぁ…分かったよ…」

 

俺がしばらく腰掛けて待っていると、突風が吹いた…嫌な予感がする。

 

「こんにちは…にゅやぁッ!! 広俊君!!」

 

オヤジの言う外国人の正体は殺せんせーだった。集会の時の変装をしている。確かにデカイし、オヤジが外国人と言うのも無理無いか。でも…

 

「殺せんせー、国家機密が何でここにいるんですかねぇ…」

 

「先生、初日に渡された豆腐で揚げ出し豆腐を作ってみたんですが、見事にハマってしまいましてねぇ…度々買いに来てます。あ、木綿豆腐と、厚揚げ一つずつ。」

 

「はい、280円、お釣りはなしでいいか…」

 

「にゅやッ!それは先生が駄菓子を買うお金です!!」

 

「冗談冗談、はい、まいどありー」

 

その夜、俺は飯を食べて風呂に入ったあと、あのくそデカイしおりをチェックしているとき、妙な項目に目が入った。

 

「班員が拉致られたときの対処法…? ふむ、いちおう護身用の棒ぐらい持っとくか。」

 

来週の修学旅行で何が起きるのか…広俊たちはまだ知らない。




さあ、広俊の方を見ていた二つの視線の正体とは…?
(そのうち一人は大体の人ならわかりますね…)


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ACT.8 修学旅行の時間 その2

どうも、作者の穂井田秀元です。
今回は新しいオリキャラが最後にちょこっと登場します。
どうぞお楽しみに!


広俊side

修学旅行当日、俺達椚ヶ丘の生徒は東京駅に集合していた。そう、これから新幹線に乗って京都まで向かうのだ。しっかし…何で俺らだけ普通車なんですかね…

 

「学費の用途は成績優秀者に優先されまーす」

 

「おやおや、君たちからは貧乏の香りがしてくるねぇ。」

 

集会の時二人組が煽ってくる。こういうとき、あの人なら「男ならC寝台」って言うんだろうけどな…そう思っていると、ハリウッドセレブみたいな格好をしたビッチ先生がやって来た…うわー…烏間先生怒っていらっしゃる。結局、ビッチ先生は寝巻きに着替えさせられた。

 

「木村、そういや、殺せんせーはどこ行ったんだ?」

 

「そういえば、見てないな。もう現地に着いてんじゃないのか?」

 

結局殺せんせーは発進まで来なかった。

俺達四班がトランプをしていると、何故か殺せんせーが渚の隣の窓に張り付いていた。

「何で窓に張り付いてんだよ殺せんせー!」

 

「駅ナカスイーツを買ってたら乗り遅れまして、次の駅までこの状態で一緒にいきます。あ、保護色にしてますので、服と荷物が張り付いてるようにしか見えないのでご安心を。」

 

いや、大丈夫じゃないだろ…見つかったら最悪新幹線止まるぞ…

 

次の駅で、殺せんせーは無事に乗車した。しかし、烏間先生に大目玉を食らっていた。俺はあの人の胃が心配でならない。

 

「いやー疲れました。目立た無いように生徒と旅行するのも大変ですねぇ」

 

「そんなくそデカイ荷物持ってくんなよ」

 

「ただでさえ殺せんせー目立つのに」

 

「てか、外で国家機密がこんな目立っちゃヤバくない」

 

倉橋達がそう言っていると、殺せんせーの付け鼻が取れた。すると菅谷が殺せんせーの顔の形に合わせて削った新しい付け鼻を殺せんせーに渡した。俺も少し言っておくか。

 

「あと、手袋してるとはいえ、二本指にしかみえないんだよな。殺せんせー、袖の太さに余裕はある?」

 

「はい、有りますが…」

 

「そんなら、細い触手三本も袖に入れて、五本指に見えるようにした方がいいぜ。」

 

「「「「おおー! 結構人っぽくなった」」」」

 

「すげーな菅谷、広俊!」

 

俺と菅谷は磯貝にサムアップをした。

 

修学旅行はいつもの皆と違う一面が見れて面白いと茅野が言っていた。それは同感だが、やっぱり茅野って誰かに似てるんだよなぁ…気のせいか?

 

E組差別は宿泊施設にまで現れている。他がホテルに対し、俺たちは旅館。しかも一つの大部屋に全員が押し込められる。まぁ、皆で川の字になって寝るのは好きなんだけどな。

 

殺せんせーは、班決めの時みたいに、ウキウキ…ではなく道中で乗り物酔いをしてグロッキーだ。しかししっかり回避はするんだな。俺の射撃も、磯貝達のナイフも避けている。神埼さんが予定を纏めていたメモ帳をどこかに落としてしまったらしい。新幹線の中か?まぁ、一応しおりは持ってきたが…明日に備えて今日は休むか。

 

翌日…

俺たちは徒歩で京都を観光していた。すると杉野が口を開いた。

 

「しっかし、修学旅行でも暗殺って、せめて修学旅行ぐらいはゆっくり観光したかったなー。」

 

「そうでもないよ杉野、ほらここ、竜馬暗殺の現場、近江屋の跡地、あと、歩いてすぐのところに本能寺もあるよ。」

 

「あっそっか、織田信長も暗殺の一種か。」

 

茅野がそう言うと渚がこう返した。

 

「ここ京都だけでも、歴史に名を残すビッグネームが何人も暗殺されてる。ここ京都は、歴史のある町でもあるけど、暗殺の聖地でもあるんだ。」

 

「足利義輝とかもそうだな」

 

「確かに、これは立派な暗殺旅行だ。」

 

そう話しているうちに、俺達の班が指定した狙撃ポイントである祇園へとたどり着いた。

 

「ほぉ…祇園って入るとこんなに奥が深いんだな」

 

俺が感慨深くそう言うと。

 

「うん、一見さんお断りの店ばかりだから、暗殺のポイントにぴったりなんじゃないかなと思って」

 

「流石神埼さん、場所選び完璧!」

 

「ほんと完璧だよ、何でこんな拉致り易い場所歩くかね?」

 

茅野の言葉に反応したのは俺達の中の誰でもなかった。

 

「へっへっへっ」

 

「何?あんたら、目的が修学旅行じゃなさそうなんだけど」

 

「男に用はねぇ、女おいてさっさと帰んな。」

 

うわぁ…ゾロゾロ出て来やがった。絵に描いたような不良だな、こいつら。まずい…棒は鞄の中だし、退路を塞ぐこの手際、こいつら慣れてやがる…

 

そう考えていると、カルマが突然不良の一人に殴りかかり、ナイフを出したもう一人も倒した。しかし、死角から出てきたもう一人に殴り倒されてしまった。

 

「ホント隠れやすいなここ、おい、女さらえ」

 

「オイ、やめろよ! がっ!」

 

「杉野! 大丈夫か?」

 

「お友達の心配してる場合かよ?」

シュッ

パッ

 

「防いだ? チューボーの癖に生意気な!」

シュッ サッ

 

「畜生!こんな奴に時間食ってられねぇ、おい、囲んでさっさとやっちまえ!」

 

横では渚が倒れている。茅野と神埼さんが連れていかれてる…そっちに走ろうとしたとき、俺は不良の一人が放った一撃を頭に食らい、俺は気を失った。

 

 

 

 

 

 

 

デデッデッデデン! デデッデッデデン!

 

ターミネーターの着信音で、俺は目を覚ました。どうやら、生きているようだ。まだ他の男子三人は倒れている。着信は…磯貝からか。

 

ピッ

「どうした?磯貝?今大変なんだが。」

 

「何!? もしかしてそっちも誰か居なくなったのか?」

 

「そっちも………?  何があったっんだ?」

 

「倉橋と矢田がいなくなったんだ!」

 

何…倉橋と矢田が…?

 

「えっ…まさか不良みたいなやつらが連れ去ったのか?」

 

「いや、トイレに行ってくるって行ったっきり、行方不明になったんだ。 今木村が殺せんせーに電話してる。そっちはどうしたんだ?」

 

「神埼さんと茅野が不良に連れ去られた。抵抗したけど、殴られて今まで気を失っててな、奥田さんはわからない、隠れてるといいんだがな。俺も殺せんせーに電話するか。」

 

「分かった、気をつけてな、広俊」

 

「了解、そっちも気をつけろよ。」 

 

磯貝との電話が終わったあと、奥田さんが物陰から出てきた。どうやら無事だったようだ。二人で渚とカルマと杉野を起こした後、俺は奥田さんに聞いた。

 

「奥田さんだけでも無事でよかった。そう言えば、どうして無事だったんだ。」

 

「あ、あの…こちらの方に助けてもらいました。」

 

奥田さんがそう言うと、奥田さんを助けたその人が出てきた。俺はその顔に見覚えがあった。

 

「お前…広俊じゃねぇか!」




奥田を助けた謎の人物とは誰なのか?
そして行方不明になった倉橋と矢田、二人はどこへ?

頑張って執筆中ですので、応援よろしくお願い致します!


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ACT.9 修学旅行の時間 その3

どうも、作者の穂井田秀元です。
今回は広俊以外の人物視点がメインです。
それでは…
本編へ どうぞ!


渚side

 

「お前、広俊じゃねぇか!」

 

「あなたは…京一さん!?」

 

どうやら、奥田さんを助けてくれたこのバンダナの人は広俊君の知り合いなのかな?

 

「突然失礼します、僕は広俊君の友人の潮田 渚といいます。広俊君とはどんな関係なんですか?」

 

「広俊はうちの店の常連だ。今日は新メニューに使う材料を買いに来て、ついでにこの近くにある知り合いの家に寄って帰ろうとしてた時に、近くでこの子が息を殺して隠れてたんで、助けて、何が起きてるか聞いたんだ。紹介が遅れたな。俺は小野寺 京一。ラーメン屋をやってる。」

 

 

 

京一さんとそんな会話をしていると、広俊君のケータイに電話が掛かってきた。どうやら殺せんせーからのようだ。

 

広俊side

「磯貝君から聞きました。広俊君!状況は?」

 

「茅野と神埼さんがさらわれた。奥田さんは無事だったが…相手は多分高校生だろう。恐らく向こうも修学旅行だ。」

 

「一応烏間先生に連絡は入れておきましたが、『俺はまず現場付近で一班の二人を探す、お前は四班を手伝うんだ。』と仰ってまして…広俊君達は今何処に?」

 

「祇園だよ」

 

「なら、しおりの1243ページの『班員が拉致られたときの対処法』と付録134ページのマップを便りに、先生が君たちから遠いところを探しますから、君達は近場からしらみ潰しに探していってください!」

 

その言葉に俺が返事を使用とすると、京一さんが俺からケータイを取り上げた。

 

「あんたが広俊達の担任か? 俺は広俊の知り合いの小野寺京一だ。頼む! 広俊達に協力させてくれ!」

 

「「「「「京一さん!?」」」」」

 

「………嘘は言ってはいないようですね。分かりました。私の大切な教え子達を頼みます。」

 

「ありがとう先生、今度ラーメンでも奢ってやるよ。」

 

「皆、茅野と神埼さんを助けに行こう」

 

渚がそう言うと京一さんも反応した。

 

「よし、皆!俺のクルマに乗るんだ!」

 

こうして俺達は京一さんと共に茅野と神埼さんを助けるために出発した。倉橋…矢田…行方不明って磯貝は言ってたけど、無事でいてくれよ…

 

 

茅野side

気が付くと私達は手を縛られて潰れたビリヤード場に連れ去られていた。着いてしばらく電話をしていた不良のリーダー格であろう男は電話を終えて私達を見てにやっとした。気持ち悪い…ソノ腹ヲブチ抜イテコロシテヤリタイ…男がこっちに来た。私達に何かするかと思ったが、その男は唐突に口を開いた。

 

「へへっ、安心しな、さっき別の場所を張ってた仲間から連絡があった。『“二人“ゲットした、もうすぐそっちへ着く』ってな。」

 

 

倉橋side

まさか、こんなことになるなんて…トイレから出た私と桃花ちゃんは死角から現れた高校生に刃物を突きつけられ、助けを呼ぶこともできずに連れ去られてしまった。私達は手を縛られている上に目隠しをされているから、この車が、何処に向かっているのかは私達には分からない。助手席の男が電話をしていたけど、会話の内容からして、どこかで仲間が待機しているようだ。取り敢えず私達は泣かないようにするのに精一杯だった。

 

「ホラ、着いたぞ、さっさと降りろ。」

 

ドアが開けられた音がする。どうやら何処かの建物のようだけど…中から男たちの声が聞こえる。どうやら私の予感は当たっていたらしい。

 

「いいか、よしと言うまでは目ェ開けんじゃねぇぞ。」

 

私達は目隠しを外され、目を開けて歩けと言われた。逃げ道はないみたいだ。

 

扉が開けられた。すると、私の目には見慣れた2つの顔がとびこんできた。

 

「倉橋さん! 矢田さん!」

 

「「カエデちゃん!? 有希子ちゃん!?」」

 

「感動の再開、おめでとう。でもオメーらにはまだ、メインイベントが残ってるぜ。今、ツレに召集かけてるから、そいつらが全員集合したら、オメーらで俺らを相手してもらう。」

 

“相手をする“の意味が分からないほど、私も無知じゃない。これから起こるだろう最悪の事態に私達は青ざめていた。

 

「あと、そこの黒髪。オメー、なんか見たことのある顔だと思ったが、これ、オメーだろ?」

 

ある不良はケータイの画面をいじり、有希子ちゃんに見せた。その画面を見て、由紀子ちゃんは驚愕していた。

 

「まあ、精々お友達どうしでのお話を楽しみな。俺らは向こうで見張ってるからな!」

 

そう言うと不良達は離れたところで話はじめた。すると、カエデちゃんが口を開いた。

 

「真面目な神埼さんにも、あんな時期あったんだね…」

 

「…うん、ウチは父親が厳しくてね…いい肩書きばかり求めてくるの。その重圧から逃れたくて、名門の制服も脱ぎたくて、知ってる人が誰もいない街にいって格好も変えて遊んでたの…バカだよね、それで手に入れた肩書きが、エンドのE組。」

 

その会話を聞いていたさっきの不良が、仲間を引き連れてこっちに近づいてきた。

 

「俺らと同類になればいいんだよ!

俺らも、肩書きなんて死ねって主義でさ。エリートぶってる奴ら台無しにしてよ、何てゆーか、自然体に戻してやる?みたいな。」

 

そう言って不良たちは自分たちの教育の武勇伝…私達にとっては悪行にしか聞こえないそれを聞かせた。

 

「まぁ、こーいった具合に、俺ら色んな教育してきたからよぉ、台無しの伝道師って読んでくれよ!」

 

「最低だね…」

 

私の口から漏れたその言葉を、不良達は聞き逃がさなかった。

 

「なにエリート気取りで見下してんだ?あぁ?オメーらもすぐに台無しにしてやんよ!」

 

不良が私の襟首を掴んで持ち上げた…苦しい。しかし、すぐに私を近くのソファーに投げ飛ばし、私達にこう言い放った。

 

「さっきも言ったように、もうすぐツレが到着するから、オメーらには俺たちの相手をしてもらう。いいか?宿舎に戻ったら涼しい顔してこう言うんだ。『楽しくカラオケしてただけです。』ってな。そうすりゃ誰も傷付かねぇ。東京に戻ったらまた“何度も“遊ぼうぜ………楽しい修学旅行の“記念写真“でも見ながらなァ…」

 

『記念写真』 その言葉の意味を理解した私の目には涙が浮かんだ。もう耐えられなかった。助けて欲しかった。だけど、頭の中に浮かんできたのは、両親でも、殺せんせーでも、烏間先生の顔でもなかった。いつも優しい笑顔で私に元気をくれた、あの人の顔だった。

 

 

 

 

 

 

「広俊君………助けて!」

 

 

ガチャン…ギイ……

 

 

入り口の扉が開いたのは、私がそう言ったのと同時だった。




矢田さんがほとんど空気ですね…
矢田さんファンの方には申し訳ないです。


次回もどうぞお楽しみに!


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ACT.10 修学旅行の時間 その4

どうも、作者の穂井田秀元です。
今回は広俊側の視点です。


広俊side

俺達は京一さんのクルマに乗って茅野と神埼さんを探していた。二人は無事でいるだろうか?取り敢えず、次に行くところで近場の潜伏予想ポイントは最後、そこにいなければ、後は殺せんせーを信じるしかない。

 

「ここか…!!  皆見ろ!………あれ…多分見張りじゃねぇか?」

 

「よし、まず俺が行って話をして来る、広俊達は…「おじさん、ちょっと待ってよ。」」

 

行こうとした京一さんの言葉をカルマが遮った。

 

「うちの担任、結構真面目でさぁ、多分、クラスの人間じゃないひと巻き込んで、怪我とかさせたら、怒ると思うんだよ。てゆーか、俺に直接処刑させて欲しいんだけど。」

 

京一さんは真剣にカルマの目を見ていた。

 

「分かった分かった、そこまで言われちゃ、俺が邪魔する訳にはいかねぇでも、心配だからな。俺はそこにクルマ停めて見ておくが、それでもいいか?」

 

「うん、いいよ、おじさん、ありがとう。今度皆でラーメン食いに行くよ。」

 

「へっ、可愛い事言うじゃねーか。」

 

そう言って俺達はクルマから下りた。俺は鞄から護身用の棒を出して組み立て、カルマに着いていった。

 

「誰だオメーら? ここはガキの来るところじゃねぇ、とっとと帰ぇ…グハァッ!」

 

うん、カルマ強すぎ。パンチ早すぎ

見張りの不良はまだまだ気絶しておらず、起き上がって反撃しようとしていたが、そこに京一さんが来て、不良の顔を掴んで横にしゃがんだ。

 

「店の客に何しようってんだ?………………………………………殺すぞ………」

 

「ヒイッ!」

 

京一さんはとても恐ろしい顔をして不良にそう言い放った。不良は白目を剥いていた。渚とは違うタイプの殺気だな………

 

「俺は此処でお前達の担任を待っておくから、お前達は友達を助けに行ってこい……ただし、やり過ぎるなよ…」

 

そう京一さんは言って、入口のところに待機した。ここからは俺達だけで進まなければならない。

 

しばらく進むと、また見張りがいた。やっぱりカルマが一瞬で片付けた。ヤベエ、カルマの奴切れてやがる…

 

何か声が聞こえた。恐らく茅野達はこのドアの先だろう

 

「皆、いくよ。広俊、ドア頼むよ。」

「あいよ」

 

不良を掴んだままのカルマがそう言うと、俺はドアノブに手を掛けた。

 

 

京一side

広俊達が中に入ったあと、少しして担任ではなく、不良の仲間がきた。しかも五人。

 

「おい、オッサン!俺らこれからダチと遊ぶんだよ!そこどけや!」

 

「ほぉ、どかないつったらどうすんだ?」

 

「あんた半殺しにして、通らせてもらうぜ!」

 

一人がそう言いながら殴り掛かってきた。動きが見え見えだな。避けるか

 

 

「おりゃぁ!」

ブンッ サッ

 

「コイツ…」

 

「お前ら…いろは坂のサルじゃねぇんだから、ちったあ頭使えよ。」

 

「何だと、一斉にやっちまうぞ!」

 

俺の挑発に乗ったのか、五人が一斉に来た。しかし、その攻撃は俺に当たることは無かった。何故なら殺気までそこにいなかった妙にデカイ人間みたいな奴が、五人を一瞬でダウンさせたからだ。しかも、丸刈りにして眼鏡までつけて。

 

「ひよっとして…あんたが広俊達の担任か?」

 

「はい、私の教え子達を助けて頂き、ありがとうございます。」

 

俺達が話していると、黒いクルマがやって来て、中から背の高いスーツの男が出てきた。デカイ担任の反応を見るに、この担任の同僚のようだが…

 

「話をしたいのですが、車の中に入ってもらってもよろしいですか?」

 

「わかった、なるべく速く頼むぞ。」

 

「…善処致します」

 

こうして俺とスーツの男はクルマに入り、デカイ担任は建物の中に入っていった。

 

広俊side

ドアを開け、部屋に突入した。不良達が10人前後いる。すかさず渚が、しおりの説明をして、拉致対策マップを見せ、俺と杉野が反応する。

 

「スゲーなしおり!」

 

「やっぱ修学旅行のしおりは持っとくべきだわ」

 

「ねーよ、そんなしおり!!」

 

不良達が動揺しているうちに回りに目をやる。茅野…神埼さん…無事でよかった。

あれ、あともう二人いる……倉橋と矢田か!

まさかあいつらに捕まっていたとは………

 

「茅野、神埼さん!倉橋、矢田!」

 

「皆!」

 

俺の言葉に茅野が反応する。この様子なら、暴行を受けたとかは無さそうだな。

 

「こんだけのことしてくれたんだ、あんたらの修学旅行は、これから全部、入院だよ。」

 

………ギロッ

 

カルマの言葉に反応して、俺も不良達を睨み付けると、後ろの方で音が聞こえた。

 

「呼んどいたツレだ、オメーらは見たことも内容な不良…え、ふりょ…」

 

「不良などいませんねぇ…先生が全員手入れしてしまったので」

 

「殺せんせー!」

 

入ってきたのは、丸刈りにされ、眼鏡をかけられてきれいになった元不良を五人持った殺せんせーだった。不良達が殺せんせーに襲いかかったが、殺せんせーに敵うはずもなく、一瞬でダウンさせられた。

 

「エリート校は先公まで特別製かよ。テメーも肩書きで見下してんだろ?バカ高校と思って舐めやがって。」

 

「エリートではありませんよ。確かに学校自体は名門校ですが、彼らのクラスは落ちこぼれ呼ばわりされ、クラスの名前は差別の対象になっています。ですが、彼らはそこで様々なことに前向きに取り組んでいます。君たちのように他人をドン底に引き摺り下ろすような真似などしません。学校や肩書きなど関係ない。清流に棲もうが、ドブ川に棲もうが、前に泳げば、魚は美しく育つのです」

 

「さて、私の生徒達よ、彼らを手入れしてあげましょう。修学旅行の基礎知識を、体に教えてあげるのです。」

 

殺せんせーと不良のやり取りの間に不良達の背後に回っていた俺達は、しおりで不良達の頭を殴り、気絶させた…もはや鈍器だろこれ……

 

不良達を倒した後、

俺は倉橋の縄をほどいていた。

 

「よし、ほどけた。もう大丈夫だぞ、倉橋!」

 

倉橋は俯いたまま答えない。普通なら笑ってくれるハズなのに…おれは小声できくことにした。

 

「まさか、不良達に何か「うわぁぁぁぁぁぁ!ひろどしぐうぅぅん!」」

 

そう倉橋は涙声で叫んで俺に飛び付いてきた。その勢いはすさまじく、俺を押し倒すほどだった。俺は急いで体勢を立て直したが、倉橋は泣いたままだった。

 

「怖がった、怖がったよぉぉぉぉぉ!」

「大丈夫、もう大丈夫だぞ……」 

 

倉橋は俺の腕の中で泣き続けていた。俺は倉橋が泣き疲れて眠ってしまうまで、何一つ言わず、ただただ倉橋の頭をなでていた。

 

 

しばらくすると、磯貝達が入ってきた。矢田はすぐに片岡と岡野に抱きついて泣いていた。矢田も限界だったのだろう。

 

 

しかし…倉橋が泣き止んだはいいものの、眠ったままで俺の制服の上着を掴んだまま放さない。起こすわけにもいかねぇしな…………殺せんせーと前原とカルマはやけにニヤついてるし、どうすればいいんだよ…この状況?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




Twitterのアカウント(アカウント名 穂井田秀元)を作成しました!

登場人物の解説などは、ここだけでなくTwitterの方にも載せるつもりですので。どうぞご覧ください!

書き方などに疑問点等ありましたら、感想にてお気軽にご指摘下さい!


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ACT.11 修学旅行の時間 その5

どうも、作者の穂井田秀元です。
今回は後半結構マニアックっぽくなってますので読みにくいかもしれません…



広俊side

俺は倉橋を所謂『お姫様抱っこ』状態で抱えたまま、殺せんせーに言った

 

「殺せんせー、コイツら、もう少し手入れしとこうぜ。」

 

「にゅっ…どうするんですか、広俊君?」

 

「殺せんせー、しおり、まだあるか?」

 

「まだありますよ!はい!」バババッ

 

殺せんせーは五つほどしおりをだした。

 

「コイツらに、京都旅行のお土産として、しおりをプレゼントしないとな。」

 

「ヌルフフフフ…流石先生の生徒です。」

 

こうして俺達は伸びている不良達の横にしおりを置き、旅館に戻ることとなった。

流石に起こす訳にはいかないため、倉橋は烏間先生の車に乗せることになった。しかし、倉橋が俺の服を掴んで放さないまま眠っていたため、俺は脱いだ上着を倉橋に被せて帰ることとなった。

 

倉橋を起こさないように上着を脱ぎ、倉橋に被せる。今日の出来事でかなり疲れていたんだろう。倉橋はそのまま眠っていた。…………寝顔が可愛いと思ってしまった。俺もだいぶ疲れたな……あと一つやることがある。俺は渚にペンとメモ帳を借りた。

 

 

倉橋side

 

広俊君に拘束を解いてもらった私は、今までの感情が爆発し、気が付くと広俊君に飛び付いて泣いていた。私が泣いている間、何一つ言わないで、頭を撫で続けてくれていた広俊君の対応が、何よりも嬉しかった。5分ぐらい泣き続けていたのかな、いつの間にか私は眠りに落ちていった。

 

 

目が覚めると、車の中だった。私の体に私の物じゃない上着がかけてある。私はその袖を握っていた。すると、運転をしていた烏間先生が私が起きたのに気づいて声をかけた。

 

「目が覚めたか、倉橋さん。」

 

「はい、この上着は…?」

 

「それは笹井君のものだ。倉橋さんが、上着の袖を掴んで放さなかったらしくてな。君を起こさないようにして、体にかけていたぞ。」

 

すると、紙のついたペットボトルが私の目に留まった。紙に何か書いてある、私はそれを読んだ。

 

『倉橋は今日いろいろあって、辛くて、疲れたと俺は思う。だから、これを飲んで少しでも元気になって、また俺に笑顔を見せて欲しいな。  広俊 』

 

このメッセージに私は広俊君の暖かさを感じた。そして気付いてしまった。彼の、笹井広俊君のことが好きだということに。

 

 

 

 

 

 

広俊side

 

「はぁー…結局お土産全然買えんかったな…」

 

「お、お土産なら、京都駅にも売ってますし、大丈夫だと思いますよ!」

 

俺がぼやくと奥田さんがフォローを入れてくれた。素直にありがたいな。しかし、カルマがさっきからケータイみてニヤニヤしてる。不気味だなぁ…

 

「おいカルマ、さっきから何でニヤニヤして……ってぎゃぁぁぁぁぁぁ!!」

 

「んー、どうしたの?広俊?」

 

「何でお前がそれ撮ってんだよぉぉぉぉ!」

 

そこにあったのは、倉橋が勢い余って俺を押し倒した瞬間(10話参照)の写真だった。カルマはさらに追い討ちをかける。

 

「じゃあよくみてみなよー?ホラ?」

 

「やめてくれぇぇぇぇ!」

 

「カルマ君、そろそろ止めとこうよ、広俊君だけじゃなくて、他の皆が……」

 

渚がそう言ったので周りを見てみると、神埼さんと、奥田さん、茅野がめちゃくちゃ赤面していた。(俺は急いで体勢を立て直したので、この三人には事の一部始終があまり見えていなかった)、杉野は苦笑いをしていた。

 

このあと、渚のとりなしによって、班の皆にハーゲンダッツアイス2つずつと、カルマのみ追加だが、京一さんの店に行くときのラーメン代を奢るという条件で写真を削除し、この事を口外しないという取引が成立した。

…カルマだと写真を復元しそうだけどな

 

 

 

旅館に帰り着くと、俺は直ぐに烏間先生の部屋に向かった。

 

「烏間先生、笹井です。」

 

「……笹井君か、入ってきてくれ。」

 

「……………」

 

「……………」

 

2,3分ほど沈黙が続いた後、先に口を開いたのは烏間先生だった。

 

「今日の事は、すまなかった。俺がもっと各班のルートにしっかり目を通しておけば…こんなことには」

 

「先生が謝る必要なんてありません!第一、京一さんを巻きこんでしまった俺にも責任が「大丈夫だ。」」

 

俺は言葉を続けようとしたがそれを烏間先生が遮った。

 

「小野寺さんとはもう話をした。結構鋭い方でな。中途半端に隠してもバレてしまう可能性が高い、だから我々と小野寺さんは取引をしたんだ。」

 

「その…取引というのは?」

 

「あの人には、アイツのことについて、地球破壊のことのみを伏せてすべて話した。代わりに、あの人には店を東京の中心の方に移転してもらうことにした。土地代はこちら持ちだが。」

 

「…………監視、ですか?」

 

「そうだ、あの人なら漏らす心配は無いと思うが、一応な、あそこなら防衛省の人間を使って、食事面目での監視ができる。あの人は常連が減るかも知れないことを嘆いていたが、君たちが来店してくれることを信じていたぞ。」

 

「分かりました、いろいろと取り計らって頂き、ありがとうございました。」

 

「予定に狂いは生じたものの、修学旅行は修学旅行だ、短い時間だが、ここから先は思いっきり楽しんで欲しい。」

 

「はい!」

 

 

こうして俺は皆のいる大部屋に戻り、皆と飯を食い、風呂に入った。ここの飯目茶苦茶うめぇ。

 

そうして今は俺達はゲームコーナーに来ている。神埼さんと茅野は、杉野立ち会いのもとゲームをしている。神埼さんの顔が明るい気がする。殺せんせーのおかげだな。

一方俺は…………

 

「遅かったじゃねぇか…………吉田」

 

「お前もこのゲームをやってたと知った時は驚いたが、負ける気はしねぇ。負けた方がジュース奢りだからな。」

 

吉田とは、テスト明けぐらいの時に、寺坂が帰ったあと、一人で車とバイクの雑誌を読んでいる時に俺が話しかけたところ、結構話が合った。寺坂組なんて呼ばれているものの、吉田は根のいいやつだ。そうして今は俺達はある漫画が原作の、『自分でレース中のBGMを選択できる公道レースゲーム』の席に座っていた…

 

「勝負は一本勝負、いろは坂の下りだ。負けた方がジュースを奢る、うらみっこなしだ。いいな?広俊。」

 

「ずいぶんと自信があるようだな、吉田、勝つのは俺だ、ジュース奢る小銭、用意しておいた方がいいんじゃないか?」

 

吉田:使用車種 SKYLINE 25GT-TURBO

 

広俊:使用車種 INTEGRA TYPE-R (DC2)

 

ステージ:いろは坂 下り(夜)

 

BGM We'll start the race

 

ギャラリー(クラスの皆だが…)が続々と集まってくる。………始めるか!

 

倉橋side  

私は烏間先生の車で旅館に帰り着いた。

 

「笹井君の上着…良ければ俺が渡しておくが。」

 

「大丈夫です。私が渡します。」

 

私がそう言うと、烏間先生は旅館の中に入っていった。旅館について、少し経つと、桃花ちゃん達が帰ってきた。それに続いて他の班の皆も。カエデちゃん達もいる、つまり広俊君も帰ってきてるということだ…心臓がバクバクする。

 

すると、凛香ちゃんが私の荷物の横に畳んで置いてある広俊君の上着に気づいて話しかけてきた。

 

「倉橋、あの上着、誰の?」

 

「あ、あれ?広俊君のだよ。」

 

「広俊の……!?」

 

私が小声で返すと、凛香ちゃんは一瞬驚いたような表情になったけど、直ぐに元の凛々しい顔になり、こう言った。

 

「倉橋、ちょっと来て。」

 

「今日、何があったの?」

 

休憩所のようなところで二人きりになり、私が今日の出来事を話した。

 

「倉橋、なんか顔が赤いようだけど…」

 

「…………///カァッ」

 

「もしかして…広俊のことを?」

 

「………うん」

 

凛香ちゃんは観察眼が結構ある。私の顔から、どういったことを私が考えているのか大体察したのだろう。

 

「まあ、広俊、鈍感そうだし、気づいてないと思うけど、倉橋はどう思ってるの…?」

 

「うん…好きに…なっちゃった///」

 

「……そう、野暮なことを聞いたね。ごめん。」

 

無機質な返答のように聞こえるかも知れないけど、凛香ちゃんはとても仲間思いだ。私にはこれ以上追及をしなかった。何か考えたような顔をしていたのは気のせいかな?

 

大部屋に戻ると、莉桜ちゃん達が騒いでいた。莉桜ちゃんの手にはこの部屋の女子の誰の物でもない上着があった…広俊君のものだった。

 

「お、来た来た来た、陽菜乃ちゃんコレはどういうことかな~?」

 

「そそそっそれは…///」

 

「莉桜ちゃん、止めなよ…」

 

桃花ちゃんが止めていたが、莉桜ちゃんは私を質問攻めにした……恥ずかしかった。

 

 

その騒ぎも落ち着いて、ご飯とお風呂のあと、桃花ちゃんとゲームコーナーの近くを歩いていると、何やら人だかりがあった。たまたまそこにいた杉野君に話を聞くと、どうやら広俊君と吉田君でジュースを掛けたゲーム対決を今からするらしい。二人の声が聞こえた。

 

「近くに行って、応援してきたら?」

 

「り、凛香ちゃん!?」

 

「大丈夫だって、私も陽菜ちゃんの横で見るから! 行こ!」

 

「う、うん!」

 

こうして私達はそのゲーム機の方に向かった。

 

広俊side

今、吉田とレース中だが、中々の接戦だ。

汗が出ているのが自分でも分かる。

 

「吉田、コーナリングでは俺の方が上のようだな!」

 

「なら奥の手を使うしかねぇな、お前はきっちり丁寧にインベタを走ってるが、まだまだ足りねぇ、行くぜ、インベタの更にインとは、空中を描くラインだ!」

 

「「「嘘…だろ…飛んでる。」」」

 

ギャラリーは驚いていたが、このゲームだとそれをやることは容易だ。俺は下手だから使わないが、こっちもやってやるか。

 

「もういっちょ…って広俊!お前真似しやがったな?」

 

「へへっ、まだまだ勝負はこれからだ!」

 

「吉田ー!ぶっちぎれ!」 

 

「ぶち抜け!広俊!」

 

「広俊くん!頑張って~!」

 

って倉橋、何でここに!?やべぇ、運転が乱れた。

 

「広俊、どうやらジュースは俺の物になりそうだな。」

 

「元気いいなぁ吉田、けどよ、なんか忘れちゃいねぇか?」

 

「しまった!タイヤゲージが!」

 

「ラストスパートだ!!」

 

 

結局、ラストで俺が逆転し、吉田に勝利した。勝利の喜びに浸っていたのもつかの間、吉田に勝利した俺に、ある人が声をかけてきた。

 

「広俊君、私とこのゲームで勝負しない?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 




広俊に声を掛けた人物の正体とは?
次回、その人物と勝負です!
これからも応援等宜しくお願い致します!


追記
修学旅行では、まだ広俊と倉橋はくっつけません。二人がくっつくのはほんの少し先です。
追記遅れて申し訳ありません…


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ACT.12 修学旅行の時間 その6

どうも、作者の穂井田秀元です。
今回はゲーム回ですので、マニアックかもしれませんが、ご了承下さい。


「「「「「神埼さん!?」」」」」

 

 

吉田を下した俺に声をかけてきたのは神埼さんだった。俺と吉田を含め全員が驚いていた。まさか神埼さんもこのゲームを…

 

「実は、私もこのゲームやってるの、広俊君、強そうだから対戦したいなと思ってね…いいかな?」

 

「んー、それじゃ二回ぐらいやる?」

 

「うん!」

 

どうやら神埼さんはやる気満々のようだ。

 

1レース目(コースと曲は神埼が選択)

 

神埼:使用車種 TRUENO GT-APEX

(AE86 2 door)

色 赤と黒

 

広俊:使用車種 INTEGRA TYPE-R (DC2)

色 白

 

コース 秋名 下り 夜

 

選択曲  THE TOP

 

レースが開始してから、ほとんど差は開かなかった。神埼さんのテクニックは半端じゃない、シフトレバーもしっかりと操作している。溝走り(ゲーム内のテクニックの一つ)で抜いたと思ったら、逆に溝走りで抜き返された。結局、1レース目は僅差で俺の負けだった。

 

「やりーっ!すげぇぜ!神埼さん!」

 

「神埼さん!次も勝って俺の無念を晴らしてくれ!」

 

「次も頑張れ!」

 

杉野…すげえ神埼さん応援してるな。吉田の気持ちも分かる。あれ、三村はさっきまで烏間先生と卓球してなかったか?

 

「広俊、次は頑張れ!」

 

「惜しかったよ~!次がんばろ!」

 

「岡島、俺は広俊の勝ちにジュース二本だ、お前は?」

 

「俺は神埼さんの勝ちにジュース二本だ!」

 

磯貝……有難いぜ、流石イケメン!倉橋と矢田が応援してくれてるのはすごいうれしいんだが…なんか申し訳ない気持ちになる。

でも、応援してくれてる人のためにも、ガンバらないとな。……と言うか、何で前原と岡島は俺と神埼さんを賭けの対象にしてるんですかねぇ……

 

 

「神埼さん、クルマ変えてもいいかな?」

 

「うん、私も丁度そう思ってた!」

 

変更中……

 

2レース目(コースと曲は広俊が選択)

 

神埼:使用車種 RX-7 Type R(FD3S)

色 ブリリアントブラック

 

広俊:使用車種 SILVIA K's (S13)

色 ウォームホワイトツートーン

 

コース 定峰 下り 昼

 

選択曲  My destiny

 

定峰のレースは秋名以上の接戦となった。二人とも、ラインを讓らなかった。コーナーの度に、抜いては抜き返されの戦いが続いた。最終コーナー目前、俺は神埼さんに少しリードを許していた。

 

ここが最終コーナー、タイヤゲージは余裕がある。立ち上がりに問題は無い!

 

「曲がる、曲がってくれシルビア!」

 

「しまった!このままじゃ膨らんじゃう!」

 

「「「抜いたぁ!!」」」

 

俺は神埼さんに僅差で何とか勝利し、勝負は引き分けとなった。和服だからな…神埼さんは本気を出せなかった可能性もあるな。

 

「最後凄かったぜ広俊!」

 

「惜しかったねー神埼ちゃん。こりゃリベンジしないとね」

 

しかし、引き分けにできたはいいものの、俺には一つ引っ掛かることがあった。それは『My destiny』を選曲したときに、渚が一瞬だが暗い顔をしたことだ。物凄く気になる。その事を考えていると、神埼さんが話しかけてきた。

 

「広俊君、すごく強いね、広俊君が良かったら今度また対戦しよ!」

 

「う、うん…俺で良ければ喜んで。」

 

俺はこの返答をしてよかったのか……?

後ろで杉野が悲しそうな顔をしている…………

後で謝っとくか。

 

俺は神埼さんとギャラリーの皆にお礼を言った後、大部屋に戻っていた。すると、前原が紙とペンを取り出して、皆をあつめていた。どうやら気になる女子について話すようだ………定番だな。あ、磯貝がこっち来た。

 

「広俊、お前は誰かいるか?気になる女子、いや、お前はもう決まってるようなもんか、倉橋だろ?」

 

「んーまぁ、一番話す女子だけど…どうなんだろうな、自分でも分からねぇ…まぁ、一番話し易い女子に代わりはねぇ、倉橋に一票入れといてくれ。」

 

「(広俊、鈍いんだな…)わかった。」

 

「さて、現状どうなってんだ?」

 

俺は部屋の中央に行き、票を見た。神埼さんが1位のようだ。

 

「やっぱ一位は神埼さんか」

 

「ま、嫌いなやつは居ないわな」

 

「で、上手く班に引き込んだ杉野はどうだった?」

 

「いやー色々あってさ、な、広俊?」

 

「お、おう、忙しかったな。」

 

俺が返答すると同時にカルマが部屋に戻ってきた。

 

「お、カルマ、お前は気になる女子とかいるか?」

 

「皆言ってんだ。にげらんねーぞ。」

 

「うーん、奥田さんかな?」

 

「意外だな、理由は?」

 

と俺が聞き返すと

 

「だって、あの娘化学得意でしょ?怪しい薬とかクロロホルムとかつくれそうじゃん?」

 

「絶対にくっつかせたくない二人だな…」

 

「おい皆、あれ見ろよ…」

 

『成る程……メモメモ』

 

「どうした広俊……って殺せんせー!」

サーッ パタン

 

「メモって逃げやがったぞ!」

 

「殺せ!」ダダダッ

 

「渚」

 

「どうしたの?広俊君?」

 

「俺はもう寝る、皆が戻ってきたら起こさないよう伝えてほしい。」

 

「うん!おやすみ!」

 

「ああ、お休み。」

 

何か忘れてる気がするが、まぁ、いいか!寝よう

 

 

 

倉橋side

 

広俊君はとても真剣に、でもとても楽しそうに、レースゲームをプレイしていた。三人とも、今の車にはほとんどついてない、シフトレバーというレバーを操作してたけど、動きが三人とも凄かったな…私も気づいたら応援に夢中になっていた。

 

ゲームがお開きになったあと、私達は大部屋で女子トークを楽しんでいた。その内容は「気になる男子」だった。やっぱりこういうのになっちゃうのは定番だよね…………そんなことを考えていると、莉桜ちゃんが紙を回してきた。

 

「今のところ、磯貝4票 前原2票 千葉2票 笹井1票 渚1票 カルマ1票だね、陽菜乃ちゃんは誰にするの?」

 

広俊君にもう一票はいってるの!?誰が入れたんだろ?でも、あの親切な広俊君のことだ、だれかが気になるのもムリもないよね…

 

「じ、じゃあ広俊君で!」

 

「あいよー」

 

莉桜ちゃんは珍しくほとんど何もいじらなかった。そこに、ビッチ先生が入ってきた。桃花ちゃんがビッチ先生の昔話を聞こうとしたときに、いつの間に入ってきたのか、殺せんせーが私達のすぐ後ろに座っていた。

 

「捕らえて吐かせて殺すのよ!」

 

そうビッチ先生が言うと、一斉に皆が飛び出した。そして、廊下で暗殺が始まった。暗殺というよりは、乱闘みたいだったけど。

 

「渚君」

 

「あ、倉橋さん」

 

「広俊君は?」

 

「疲れたみたいで、もう寝ちゃったよ。広俊君は皆を助けるために頑張ってたし、あの不良達には、本気で切れてたから。顔には出なくても、しんどかったんだろうね。」

 

「そっか……」

 

結局殺せんせーには逃げられてしまい、私達は部屋に戻った。もう一人、投票したのは誰なんだろ?私はなかなか眠れなかった。

 

翌朝

 

広俊side

「は、配達に遅れる!………そうか、今日は修学旅行だった……まだ起床時間には余裕があるな。皆を起こさないように休憩スペースに行って、コーヒーでも飲むか。」

 

俺は布団から這い出て大部屋を出て、休憩スペースに向かった。しばらく寛いでいると、こちらに来る足音が聞こえた。

 

「……広俊、早いんだね。」

 

「速水か、おはよう。」

 

「話があるんだけど、10分ぐらいもらっていい?」

 

「ああ」

 

暗殺の相談か?と思っていた俺は速水の口から出た予想外の言葉にしばらく驚いていた。

 

「アンタは、倉橋の気持ちに気付いてるの?」

 




次回、修学旅行編(やっと)終了予定です。
お楽しみに!


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ACT.13 修学旅行の時間 その7

どうも、作者の穂井田秀元です。
今回で、修学旅行編は最後です。
それでは 

本編に、どうぞ!


「アンタは、倉橋の気持ちに、気づいてるの?」

 

「……………………どういうことだ?」

 

「………アンタは鈍すぎるから、はっきりと言っておく、倉橋はアンタのことが好きなの。」

 

「……………………倉橋のことはいいやつだと思ってるが、俺には…色恋と言うものが分からないんだ。」

 

「…! アンタ、他人を弄んでるの?」

 

速水の語気が少し強くなる。感情を表に出さないことが多いあの速水が……

 

「違う、俺には……母親がいない……母親は、俺が赤ん坊の時に、事故で死んだ。オヤジにどんな人物なのかは多少は聞いたが、恋と言うものがどういったものなのかは、それじゃ分からなかった。」

 

「……………………ごめん。野暮なことを聞いた。あとこれ、上着、倉橋に頼まれたの。」

 

「悪いな速水、ありがとう。倉橋にもお礼を言っといてくれ。」

 

「勘違いしないでよね、倉橋が渡しにくそうだったから、私が代わりに渡しただけだから。」

 

そう言うと速水は去っていった。

 

倉橋side

 

本当にこれで、よかったのかな?凛香ちゃんに上着を預けて、代わりに行ってもらったけど、大丈夫かな?

 

私が廊下でそう考えていると、凛香ちゃんが戻ってきた。

 

「凛香ちゃん!」

 

「上着、返してきたよ。広俊の奴、倉橋にお礼を言ってた。でも、倉橋は告白しないで良かったの? 」

 

「うん、今、告白したところで、殺せんせーと皆がいるし、何より、広俊君を、困らせちゃうんじゃないかな…取り敢えず、私は普通通りに広俊君と接してみて、距離が縮まるかどうかやってみるよ!」

 

私がそう言うと、凛香ちゃんは、少し複雑な顔を一瞬見せたあとに、「頑張って」と私に言った、昨夜のこともあって、内心私は相当慌てている。でも、好きになっちゃったからには頑張らないとね……

 

 

広俊side

 

倉橋の気持ちか…確かに、倉橋の笑顔には不思議な力が秘められているようには感じる。普通の女子より話し易く感じる。でもこの気持ちは、どうなんだろうか……取り敢えず、倉橋と話す機会を増やしてみるのが良いかも知れない。いや、通常運転で行くのがいいのか?………

 

「あ、広俊君、早いんだね、どうしたの?」

 

渚か…あの事について聞いてみるか。

 

「いや、ちょっと考え事をしててよ…渚、聞きたいことがあるんだけど、いいかな?」

 

「うん、何?」

 

「昨日、俺はゲームをしていただろ?で、俺がBGMに『My destiny』を選択したとき、俺は渚が少し暗い顔になってたのを見てしまったんだ。どうしたんだ?俺のせいであるなら、謝りたい...」

 

渚side

 

広俊君は、昨日の僕の行動を見逃さなかったようだ。My destiny……私の運命。僕の心には結構響く言葉だ…広俊君は、真剣な目で僕を見ている、彼が友達として本気で僕を心配している証拠だ。

 

「実は、僕は………」

 

「成る程……難しい状況だな。ごめん渚、俺は渚がどうしていいのかは分からない。でも、……信じる者の前に、道は出来るらしい。だから、自分の将来は諦めない方がいいと俺は思う。」

 

僕が自分の家族の状況を話すと、広俊君もそれを話してくれた。彼には母親がいないそうだ。でも、広俊君は助言をくれた。少し、気が軽くなった気がする。

 

「ありがとう、広俊君!」

 

「役に立てて光栄だよ。」

 

 

広俊side

まさか、渚の家庭環境が、そうだったとは思わなかった。だから、渚は、長髪だったのか……

(風呂のときに見た)

 

こうして、俺達の修学旅行は終わった。しかし、自分は倉橋の事を、どう思っているのだろうか、これから倉橋とどう関わっていくべきなのか、俺には解決しなければならないことが山積みだった。

 

「オヤジ、ただいまー」

 

「あいよ、修学旅行、どうだった?」

 

「色々あってさ、大変だったよ。あい、阿闍梨餅。」

 

「お、頼んどいたやつだな。ありがとよ。」

 

(広俊の奴、何か悩んでやがるな……そっとしといてやるか)

 

そう和広は思うのだった。

 

 




修学旅行も、やっと終了!
広俊は倉橋の気持ちを知りました、二人は原作5巻あたりにくっつける予定です。あと、速水は倉橋に、上着を代わりに返してほしいと言われただけです。倉橋の気持ちを広俊に伝えたのは、速水の判断です。速水は倉橋の事を応援しているので(あまり口に出しませんが)。

これからも頑張りますので応援宜しくお願い致します!


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ACT.14 転校生の時間

どうも、作者の穂井田秀元です。
律登場回です

それでは

本編にどうぞ!


広俊side

修学旅行も終わり、勉強と暗殺の日々が戻ってきた。修学旅行明け早々、転校生が来ることとなった。烏間先生のメールの文面から見るに殺し屋なんだよな……

 

教室には一番乗りだった。……やっぱり変わらんな…原さんの席の後ろにある黒いでかい箱を除いて、もしかして、あれが転校生…

 

「あ、おはよう、広俊君!」

 

「おは~」

 

……倉橋は普通に接してくれているようだ。よかった。

 

「片岡と倉橋か、あれ、見てみ…」

 

「何、あの箱……」

 

「もしかして、あれが転校生?」

 

「多分……」

 

そう俺達が話していると、渚と杉野と岡島が入ってきた。当然のごとく、驚いている………………ディスプレイが付いた、女の子の顔だ。

 

「おはようございます、今日から転校してきました。自律思考固定砲台と申します。よろしくお願いします。」

 

そう来たか……

 

 

「み、皆、知ってると思うが、て、転校生を紹介する。ノルウェーから来た自律思考固定砲台さんだ。」

 

烏間先生も大変だな、めっちゃ腕プルプルしてるし、黒板の文字の筆圧がすごいことになってる…砲台の時点でイヤな予感しかしない。

 

 

一時間目……

俺達が授業を受けていると、突如としてそれは始まった。

 

プシューガシャガシャン

「攻撃を開始します。」

バラララララララ!!

 

とんでもない量の弾幕が殺せんせーを襲う、しかし、それをあっさりかわす殺せんせー。一斉射撃でも当たらないのだから、あの弾幕をかわすのは容易だろう。しかし、俺の予想は次の射撃で崩れ落ちた。

 

バチュッ!

 

「!!」

 

殺せんせーの指が…吹き飛ばされた……?

 

「卒業までに殺せる確率  90%以上」

 

こいつ、銃を増やせるのか……!

 

その後も、転校生からの銃撃は1日中続いた。当然、授業はマトモに進まなかった。

 

 

翌日……

 

固定砲台は、ガムテープでぐるぐる巻きにされていた。どうやら寺坂組がやったらしい、あいつら、行動力はありそうだから、暗殺に協力してくれたら結構暗殺進むんじゃないかと思うのだが…まぁ、取り敢えず今日は平和に過ごすことができた。

 

 

次の日

 

あの砲台、体積増えてないか?杉野と渚とそう話していると、砲台のディスプレイが付いた…そこに現れたのは、無機質な表情をした女の子の顔ではなく、全身が写り、人間らしく表情豊かになった女の子だった。

 

「おはようございます!渚さん、杉野さん、広俊さん!」

 

転校生が、暗殺とは関係ない方向に進化してきた…殺せんせーが改良したのか…すると、砲台はボディの中からプラスチックの像を出した。

 

「特殊なプラスチックを体内で自在に成形できます、データがあれば銃以外でも何にでも!」

 

ほぉ…銃が作れるのか…さっき、女子たちが花を頼んだし、俺も今度銃を頼んでみるか…

 

その後、砲台は皆に「律」と名付けられた。嬉しそうに微笑んでいる。不破が画面に触ると律は実際に触られたように反応した。タッチパネルになってるのか…

 

「へへっじゃあ俺も試してみるか!」

パシッ

「お、か、じ、ま、く、ん?」

バキッ

「ギャァァァ!」

 

触ろうとした岡島に片岡が蹴りを入れた。自業自得だな。

 

「これなら、律はうまくやっていけそうだな、カルマ」

 

「どうだろうね、寺坂の言った通り、律は殺せんせーのプログラムで動いてるだけでしょ、機械自体に意思がある訳じゃない、あいつのことは、あいつの開発者が決めることだよ。」

 

カルマの言った言葉は現実となった。

 

 

翌日

 

律は元に戻されてしまった。昨日の夜中、律の開発者がやって来て、元に戻してしまったらしい。つまり、またあの射撃祭りになるということだ。

 

「攻撃準備を始めます………」

バッ バッ バッ バッ

「花を作る約束をしていました。」

 

……律は開発者によって元に戻されたはず。ということは……

 

「私の意思で開発者に逆らいました!殺せんせー、こういった行動を、反抗期、というのですよね?律はいけない子でしょうか?」

 

「いいえ、中学三年生らしくて、多いに結構!」

 

殺せんせーは、顔に◯を浮かべてそう言った。この日、俺達に新しい仲間が加わった。

 

その日の放課後

 

「あ、広俊さん!何かご用ですか?」

 

「律、銃…作れるのか?」

 

「はい!火縄銃から、対物ライフルまで、データのあるものならなんでも!外観のアレンジも可能ですよ!」

 

「成る程、これを作れるか?」

 

そういって俺は律にスマホの画面を見せた。

 

「コレですか…確かにできますけど、広俊さんって結構古いもの好みなんですね!」

 

「ああ、で、銃ができたら、俺が出してほしいと言うまで保管しておくことはできる?」

 

「はい!」

 

「ありがとう」

 

こうして、俺は律にある武器を頼んだのだった。




次回、オリジナル回(の予定)です。
応援宜しくお願い致します!


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ACT.15 タッグの時間

どうも、作者の穂井田秀元です。今回はオリジナル回です。ロヴロさんの回は、烏間先生とビッチ先生が主となっているので、カットです。ロヴロさん推しの読者様には申し訳無いです。


広俊side

 

俺は今、烏間先生と面談のようなことをしている。暗殺についての質問だが。

 

「烏間先生、暗殺で、独自の武器を用いるのは、避けるべきことでしょうか?」

 

「………状況によるな、もし、トラブル等でその武器が壊れたり、相手に奪われたり、また、拘りすぎて戦術に狂いが生じるのは避けるべきだ。それをカバーできるのなら、独自の武器を使うのは悪くないだろう。しかし、アイツを殺すには、仲間との連携が必要不可欠だろう、連携も視野に入れた武器選びが必須だな。」

 

「成る程…あと、ナイフ術についてなのですが…」

 

「そう言えば、君はナイフ術があまり得意ではなかったな、二つアドバイスしよう。一つは上手な者の動きを見て、実際に動いて、体に覚えさせることだな、もう一つは、訓練の時は大体の生徒が一本持ちだが、赤羽君のように二本持ちを使う者もいるので、彼のように基本的な型にアレンジを取り入れてみることだな。丁度今日は体育がある。試してみたらどうだ?」

 

「分かりました、参考にさせて頂きます。」

 

「ああ、頑張れよ。」

 

「はい!」

 

 

俺は教室に戻り、律を呼んだ。 

 

「律、いるか?」

 

「はい! 広俊さんから注文された銃のシミュレーションを実施しましたが、もっと装弾数を増やした方がいいですね…」

 

「成る程、着脱マガジン式にできるかな?」

 

「分かりました、あと、これは私が考えたのですが、オプションでレイルも装着できるようにするのはどうでしょうか?」

 

「確かに、それなら汎用性も高まるかな、よし、それもお願いできるかな?」

 

「了解です!」

 

「また、何か問題点があったらおしえて欲しい。」

 

「はい!」

 

 

その日の体育の時間…

 

「今日も、ペアで俺にかかってきてもらおうと思う。いつものように俺が一ペアずつ呼び出すので、俺と訓練していないペアは、離れたところで自主練をするんだ。」

 

「はい!」

 

「広俊君、普段君は杉野君と岡島君と3人で訓練していると思うが、今日は中村さんが休みでな、中村さんのペアの倉橋さんと組んでもらいたい。」

 

「はい!」

 

倉橋か…多分ナイフは向こうの方が上手なんだよな…

 

「広俊君、頑張ろ!」

 

「はいよ!」

 

倉橋side

今日は莉桜ちゃんが休んでいなかったので、広俊君と組むことになった。ドキドキするな…

 

「とりゃ!」

 

「ふっ!」

バッ

 

「でやっ!」

 

「はっ!」

トスッ!

 

広俊君はナイフが苦手のようで、女子の私でも、当てることができる。でも、広俊君、一本のナイフじゃやりづらそうなんだよね…

 

「広俊君」

 

「どうした?」

 

「ひょっとして、一本じゃやりづらい?」

 

「………うん、ちょっと試してみたいやり方が有るんだが、いいかな?」

 

「うん!やってみて!」

 

広俊君は準備を始めた。私は驚いた。何故なら広俊君は、ナイフを三本もっていからだ。左手に一本、右手に二本、たまに莉桜ちゃんが二本使うときはあるけれど、三本なんて、見たことがない。

 

「よし……始めるか!」

ブンブン バッ

 

「ていっ!」

ブンッ

ガッ!

 

一本の時とは、攻撃のペースが違いすぎる、広俊君の右手は2本のナイフがあるけど、攻防どちらにも使えるらしくて、どうしてもそっちに目が行ってしまう。

 

「でやっ!」

ブンッ!

トスッ!

「や、やっと当たった…」

 

「お疲れ様~、広俊君、その持ち方、誰に習ったの?」

 

「ああ、これ?朝、烏間先生からアドバイスをもらって自分で考えた。」

 

「え、そうなの?スゴいな~」

 

「あ、もうちょっとで俺らの番だな。ちょっと倉橋…こっちに来て欲しい…烏間先生用の作戦を思い付いた。」

 

「う、うん」

 

広俊君…近いなあ、鼓動、聞こえてないといいけど…このあと、私達は烏間先生に呼ばれた。

 

「それでは…始め!」

 

まず、私が先行し、小刻みに動いて烏間先生の左から攻撃をする

 

「とりゃ!」

ブンブン! 

 

次に、三本ナイフを持った広俊君が右から攻め、烏間先生の注意を引き付ける。当然、烏間先生は守りが固くなるので、私は一端下がり、烏間先生の右に回る。

 

「でやっ!」

ブンッ ポトッ

 

広俊君が、大振りをわざと捌かれたら、攻撃の合図、広俊君は右のナイフのうち一本を落とす。そして私がそれを素早く拾う。

 

「トゥ!」

スッ

 

烏間先生が後ろによけ、追撃をいなした今がチャンス

 

「てやっ!」

トスッ……

 

「とりゃ!」

トスッ…

 

……………当たった!

 

「………よし、二人とも加点1!」

 

「よしっ!」

 

「やった!」

 

その後…

 

「ありがとう、倉橋のお陰だ!」

 

「お疲れ様、広俊君!」

 

私達は笑顔でハイタッチを交わした。

 

 

広俊side

俺達の作戦はうまく行き、烏間先生にナイフを当てることができた。ハイタッチを交わしたときの倉橋の笑顔が、今も心に残っている。やっぱり、倉橋には笑顔が似合うな。

 

その夜、家で寛いでいると、律が突然ケータイの画面に出てきた。

 

「全員のケータイに私の端末をダウンロードしてみました!モバイル律とお呼びください!

広俊さん、例の銃、完成しました!明日にでも出せますが、どうしますか?」

 

「それじゃ、明日の朝、速く行くから「広俊ー、配達が入った!明日は四時半に叩き起こすからな!」」

 

「……………明日の昼休みに頼むよ」

 

「了解しました!」

 

その時の広俊は、明日起こる出来事を知る由も無かった




次回、イトナ登場です!

あと、広俊の三本持ちについてですが、左手に一本、右手に二本という設定ですが、右手の方はゲルググのビームナギナタみたいな感じになってます。


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ACT.16 まさかの時間

イトナ登場回です

それでは

本編にどうぞ!


 

 

配達の前、烏間先生からメールが来た。どうやら転校生が来るらしい。

 

俺が登校すると、皆その事で話題になっていた。

 

「しっかし、転校生っても、多分暗殺者だよなぁ…」

 

「そうだろうね、あ、そうだ、律、何か聞いてないの?同じ転校生暗殺者として」

 

俺と話していた原さんがそう律に聞いた。

 

「初期命令では、私と彼は同時投入、つまり同じ日に転校生としてここに来る予定でした。ですが、二つの理由があり、それは叶いませんでした。」

 

「へぇ…理由は?」

 

「一つは、彼の調整に当初の予定より、長い時間がかかったこと、もう一つは、私が彼より、暗殺者として圧倒的に劣っていたことです。」

 

「律を遥かに越える…暗殺者!?どんな怪物なんだろうな」

 

菅谷のその言葉に、皆同じ意見のようだった。

 

すると、唐突に教室のドアが開いた

 

廊下から入ってきたのは、白ずくめの和服に、頭巾を被り、和服なのにブーツのようなものをはいている謎の人物だった。声からして男だな。

 

そいつは手をスッと上げたかと思うと……鳩を出した。可愛い鳩だ。

 

「ごめんごめん、驚かせたね、私は転校生ではなくその保護者、全身白だし、シロとでも呼んでくれ。」

 

あれ、殺せんせーどこだ、あ、いた。渚から聞いた液状化使ってる。まあ、ビビるわな…

 

「皆いい子そうですなぁ、これならあの子も馴染みやすそうだ、席はあそこでいいのですよね?」

 

そういってシロさんはカルマと寺坂の間の席を指した。

 

「おーいイトナ、入っておいで!」

 

しばらく沈黙が続く、何か嫌な気配がする、後ろか?

 

俺は席を立って律の隣に避けた。

 

「どうした?広俊」

 

と、菅谷が俺に聞いた瞬間

 

バゴーン

 

人が入ってきた……………………ドアから入れ!

 

「堀部イトナだ、名前で呼んであげて下さい。」

 

そうシロさんに言われた殺せんせーの顔は、真顔でも普通の顔でもない、微妙な顔だった……

 

「イトナ君、そと、どしゃ降りなのに、どうして濡れてないの?」

 

そうカルマが聞くと、イトナは

 

「お前は多分、このクラスで一番強い、でも安心しろ、お前は俺より弱いから、俺はお前を殺さない。俺が殺したいのは、俺より強いかもしれない奴だけ、この教室では、殺せんせー、あんただけだ。」

 

「力比べですか?イトナ君。力比べでは、先生と同じ次元に立てませんよ?」

 

「立てるさ、だって俺達、血を分けた兄弟なんだから」

 

…………兄弟…だと? 突然の爆弾発言に、クラス中が驚いた。

 

「放課後…この教室で勝負だ、負けた方が死亡な………兄さん」

 

そう言ってイトナは去っていった。

 

 

殺せんせーに兄弟か…殺せんせー本人は全面否定していたが、イトナは殺せんせー同様、甘いもの、さらには巨乳好きまで一緒だった。

 

 

放課後、机をリングにして、殺せんせーとイトナとの決闘……教室デスマッチが始まろうとしていた。

 

「それでは…暗殺、開始!」

 

ビュッ ズバッ!

 

シロさんが開始の合図をすると同時に殺せんせーの触手が切断された。しかし、俺達はそれよりも別のことに驚いていた。なんと、イトナも触手を持っていたのだ。

 

「何処でだ…何処で手に入れた!その触手を!」

 

殺せんせーの顔色は…真っ黒、ブチ切れモードだ。しかし、シロさんは臆することなく振る舞っている。どう見ても『初めまして』じゃなさそうだな、あの態度は。

 

イトナの攻撃が激しくなっていくにつれ殺せんせーの弱点がどんどん出てくる。イトナなら、やるかもしれない…でも、もし殺れたとしても、俺達にとって腑に落ちない結末になるのは明らかだ。…シロの野郎も卑怯だ、何が保護者のサポートだ、本当に自分がイトナの保護者だと思っているのなら、声援だけで十分だろうに、こいつがイトナを道具として見なしているのは明らかだな。しかし、このままだとまずい、殺せんせーは脱皮を使った上にその脱皮で消耗している…どうすれば…………これだ!

 

「それじゃあイトナ、とどめといこう。」

スッ…

パーン!

「……………?」

 

 

シロが例の光線を使おうと手を上げた瞬間、俺はすぐ近くの机に隠してあったハンドガンをシロの服の袖を狙って撃った。流石にシロ本体を狙うわけにはいかねぇからな。

 

「シロさん、突然撃って申し訳ありません。しかし、これはイトナと殺せんせーの一対一の決闘です、俺達外野はなにもしないのが筋ではありませんか?シロさん?」

 

「確かに、君の言う通りだ、私がいささか過保護過ぎたようだね、でも、私の計算では私のサポートが無くとも問題ないはず………小細工はやめだ、殺れ、イトナ!」

 

イトナのとどめの一撃が殺せんせーを襲った。しかし、弾けとんだのは、殺せんせーの体ではなく、イトナの触手だった。

 

「どうやら、落とし物を踏んづけてしまったようですねぇ…」

 

俺はリングの床をみた。対せんせーナイフと、BB弾?あ、マガジンがない。殺せんせーが抜き取ったのかよ。イトナが混乱している隙に、殺せんせーが脱皮の皮に入れてイトナを投げ飛ばした。イトナは教室の外まで飛ばされた。

 

「ルールに照らすと君は死亡、もう二度と先生を殺れませんねぇ…」

 

その後も殺せんせーは色々とイトナに言っていたが、ついにイトナが切れた。黒い触手を出したイトナは獣のように殺せんせーに襲いかかる、しかし、シロが撃った麻酔銃により、イトナは気絶した。イトナを抱えて出ていくシロを止めようした殺せんせーだったが、それは叶わなかった。シロの白装束は『対先生繊維』というもので出来ているらしい。

 

 

その後、シリアス展開に加担したことを恥ずかしがっていた殺せんせーに俺達は正体を話すよう要求した。人工的に造り出された生物…それは分かってる。渚が更に追及したが、殺せんせーは結局教えてくれなかった…よっぽどの何かがあるのだろう、答えを見つける方法は…………暗殺だけ。

 

 

その後、俺達は烏間先生の元にむかった。

代表して磯貝が烏間先生に頼む。

 

「烏間先生、もっと教えてくれませんか、暗殺の技術を」

 

「………今以上にか?」

 

「今まで、誰が殺るんだろ?って何処か他人事だったけど…」

 

「でも、今回のイトナを見てて思ったんだ」

 

「他のだれでもない、俺等の手で殺りたいって」

 

「もし、他の殺し屋が先に殺せんせーを殺したら、俺等は何のために頑張ってるのか分からなくなる」

 

「だから、限られた時間殺れる限り殺りたいんです。私達の担任を」

 

「殺して、自分達の手で答えを見つけたい。」

 

「…………わかった、では希望者に放課後で追加訓練を行う、よりハードになるぞ!」

 

「はい!」

 

 

「では、早速新設した垂直20mロープ昇降、始めッ!」

 

いきなりハードな訓練だな…俺も配達ない限りは参加するか。

 

 

 

 

 

訓練も終わり、俺は烏間先生を律の所に呼んだ

 

「で、見せたい物とは何だ?」

 

「この前、俺、狙撃訓練でボロボロでしたよね?」

 

「ああ、君は遠距離の命中率は悪いな…」

 

「原因が分かりました」

 

「それは良かった、どういった物だった?」

 

「ここで使ってる狙撃銃って、ボルトアクションだと思うのですが、あれを使うと、一発一発撃つ度に、スコープから目を離さないといけなくなりますよね?恐らくそれで集中が途切れるのかと」

 

「……離さず出来ないことは無いが結構腕がいることだな」

 

「そこで、律にこれを作ってもらったんです。 律、アレを。」

 

「はい!」

プシュゥゥゥゥン!

「これです!」

 

俺は烏間先生にその銃を見せた。その銃にはボルトハンドルは無い、トリガーを囲むように、レバーが付いている

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「これは……………………レバーアクションライフルか?」

 

「はい、これなら構えたままリロード可能です」

 

烏間先生はライフルを取って構えてみたりしている。

 

「奇抜だが、いい武器だ、拡張性も確保されている。これならリロード時にスコープから目を離さなくて良いからな。」

 

「それなら…!」

 

「ああ、訓練で使うことを許可する。しかし、

ボルトアクションも克服しておかないとな、そこについては、俺の他にも千葉君に相談するなり、律と対策を考えるのもいいだろう、頑張れよ」

 

「はい!」




今さらですがUAが2000を超えました!
いつも読んでくださっている方々、初めて呼んだ方々、ありがとうございます!これからも『笹井広俊の暗殺教室』を応援宜しくお願い致します!

広俊のレバーアクションライフルは、ウィンチェスターm1895のロシア輸出仕様を元に律が銃身の短縮、レイル装備、着脱式マガジンの採用などの改良を施したものです。(レバーアクションライフルで着脱式マガジンは難しいと思いますが、律の優秀なAIによって解決したという設定です)


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ACT.17 訓練の時間

どうも、作者の穂井田秀元です。

ついに鷹岡登場です!

今後のストーリーの展開上、鷹岡と球技大会を入れかえました。


 

 

俺は朝起きると、オヤジが部屋に入ってきた。

 

「ウチの客の松下さんが亡くなってな、明日葬式らしい。広俊、あの人にはお前も世話になったから、明日は一緒に葬式に行くぞ、多分午前中に終わると思うから、学校は午後から行ってこい。あと今日配達が入った、いつも通り頼むぜ」

 

「松下さん……わかったよ、オヤジ」

 

そう言うわけで、今日はいつもより早く登校し、殺せんせーに明日の午前中は欠席することを伝えた。

 

 

 

 

…………しっかし、暑くなって来たな…夏服の時期だし当たり前か…この前の菅谷のメヘンディアートが忘れられない。殺せんせーも俺も、皆も、一瞬菅谷が非行に走ったと思ったからな。さて、今日も頑張りますか!今日の最後の時間は体育だ、残念ながらナイフ訓練だが…

 

 

烏間side

訓練開始からもうすぐで四ヶ月、放課後の追加訓練の成果も出てきたようで、可能性がありそうな生徒が増えてきた。

 

磯貝悠馬と前原陽斗

運動神経が良く、仲も良いこの二人は、コンビネーションが取れており、二人がかりなら俺にナイフを当てられるケースも増えてきた。

 

赤羽業

一見のらりくらりとしているが、その目には強い悪戯心が宿っている、何処かで俺に決定的な一撃を加え、赤っ恥をかかそうなどと考えているが、そう簡単にいくかな。

 

笹井広俊と杉野友人

身体能力は普通だが、教本に囚われない奇策を用いる笹井広俊が相手の注意を引き、杉野友人が手首の柔らかさを活かした戦術で攻撃する。磯貝悠馬と前原陽斗、赤羽業の三人には及ばないものの、訓練における成長に期待が出来るコンビである。

 

女子では体操部出身で意表を突いた挙動の出来る岡野ひなたと男子並みのリーチと運動量を持つ片岡メグが、また、二人には僅かに及ばないものの、一回笹井広俊と組んだ際に俺にナイフを当てることに成功し、それから各種の動きに成長が見られた倉橋陽菜乃、このあたりがアタッカーとして非常に優秀だ。

 

『そして殺せんせー、彼こそ理想の教師像だ、彼のような人格者を殺すなどとんでもない』

 

「人の思考を捏造するな、失せろターゲット!」

 

この他には目立った生徒は居ないものの、クラス全員が確実な成長を遂げている。

 

ヌルッ

「……………!!」

バンッ!

 

俺は得体の知れない何かを感じ、思い切りそれを防いだ

 

「…………ぁいったたたた…」

 

潮田渚……一体何だ、あの得体の知れない感覚は…

 

広俊side

 

渚…一体何なんだ?一瞬凄い何かを感じた…そう俺が思っていると授業終了のチャイムが鳴った。

 

「烏間先生!今日一緒にメシいきませんか?」

 

「すまない、誘いは嬉しいが、今日は仕事で防衛省の方に行かなければならなくてな」

 

前原が飯に誘ったが、烏間先生にはあっさり断られた。

 

「ナイフも私生活でも隙が無ねーな」

 

「っていうより、私達とは、ある程度の距離を置いてるよね…」

 

「厳しいけど優しくて、私達のこと大切にしてくれてるけど…でもそれってやっぱり、ただ、任務だからに過ぎないのかな」

 

「そんな事はありません、彼にもきちんと教師の血が流れている」

 

皆と殺せんせーがそう話していると、烏間先生ではない、大きな荷物を持った男がやって来た。

 

「やあ、俺の名前は鷹岡明、烏間を補佐して今日からここで働くことになった、E組の皆、よろしくな!」

 

同時に、抱えていた荷物を下ろした鷹岡さんは、それを開けた。

 

「これ、ラ・ヘルメスのエクレアじゃん!」

 

「これ、モンチチのロールケーキ?」

 

「ら、へるめす? ヘルメスってソースのメーカーか?」

 

「ケーキだよ、広俊君!」

 

原さんに突っ込まれた、甘いものは食べないことは無いが、高級店とは無縁だからな。

 

「いいんですか?こんな高いの?おう、食え食え!俺の財布を食うつもりで遠慮なくな、モノで釣ってるなんて思わないでくれよ、お前らと早く仲良くなりたいんだ、それには、皆で囲んでメシ食うのが一番だろ!」

 

「えーと、鷹岡先生、良くこんな甘いものブランド知ってますね」

 

「ま、ぶっちゃけラブなんだ、砂糖がよ」

 

「でかい図体してかわいいな…」

 

俺が様子を見守っていると、殺せんせーもお菓子の匂いにつられてやって来た、蟻かよ…その後も皆の様子を俺は観察していた、まだまだ余裕があるが、俺には配達があるからな。しかし俺は、鷹岡先生のある言葉が引っ掛かってしまった。

 

「同じ教室に居るからには、俺達家族みたいなもんだろ?」

 

俺は鷹岡先生の言う家族が、普通の意味とは違うように思え、嫌な予感がした。しかし、皆に伝えて混乱を招きたくない。もし、俺の直感が外れたら、鷹岡先生にも迷惑をかけるからだ。

 

その後、俺は豆腐の配達が、杉野はクラブチームの練習があるのでお菓子を食わずに一緒に下校した。

 

「どんなんだろな?鷹岡先生の訓練」

 

「……………………」

 

「どうした、広俊?」

 

「杉野、今から言うことは憶測に過ぎないから、二人だけの秘密だぞ、鷹岡先生には、気をつけておいた方がいい。なんか、嫌な予感がするんだ」

 

「分かったよ、気をつけとく、ありがとな、広俊!」

 

烏間side

 

「……本部長、今日は如何なるご用件で?」

 

「鷹岡とは再会できたかね?烏間、同期の戦友と同じ職場で働けるんだ、私はうらやましいよ……さて、本題だが、君が今行っている生徒の訓練、あれは全部鷹岡に一任する。君は事務作業に専念したまえ。」

 

「…………!!」

 

「わかったかね?」

 

「…了解しました」

 

俺は自分の教育が正しかったのかどうかで悩んでいた。俺はプロとして少し一線を引いて接してきたが、鷹岡のように家族の如く接したことが良いのではないか?しかし、腹が減ったな…ラーメン屋 エンペラー?あそこへ行くか。

 

ガラッ……

 

「へい、いらっしゃい……って烏間さんか!京都以来だな、元気にしてたか?あ、大丈夫だ、今は俺一人だ」

 

「小野寺さん…お久しぶりです、そちらの調子はどうですか?」

 

「最初は慣れない土地に慌てたりはしたが、上手くやってるよ、しっかし浮かない顔してよぉ、なんか悩みでもあるのか?」

 

「…………生徒の教育のことで」

 

「……今さらだけど、京都のときのあんたは、かっこ良かったよ、生徒のために行動してたってことが分かったぜ、あんたは立場上、広俊達に言えないことだって多いだろう、だが、あのときのあんたは、俺が今まで見てきた人のなかで一番、先生らしかったぜ、自分の教育にもっと自信を持ったらどうだ?」

 

「……ありがとうございます」

 

そんなやり取りをして俺は店を出た。

 

翌日

 

俺は鷹岡と話していた。

 

「生徒達だが、もうすぐ四ヶ月目に入ろうと言うのにであれじゃ遅すぎる、軍隊なら1ヶ月であのレベルだ」

 

「あくまで彼等の本職は中学生だ、俺達が鍛えてきた職業軍人と一緒にするな、あれ以上は学業に支障が出る」

 

「かぁ~っ、地球の存亡がかかっているのに呑気なやつだな、いいか烏間、必要なのは熱意なんだ、教官自ら体当たりで教え子に熱く接する、多少過酷な訓練でも、その熱意に生徒は応えてくれるもんさ」

 

鷹岡は俺のデスクに写真を数枚置いた

 

「首洗って待っとけよ、殺せんせー!烏間より全然早く…生徒達をあんたを殺すための一流の殺し屋に仕上げるぜ」

 

「ヌルフフフ、考えの甘い先生ですねぇ」

 

「甘いもので餌付けされてるお前が言うな」

 

「体育に関してはあなた方が譲らないので、担当の交代に関して私はとやかく言いません、ですが、E組の体育教師は烏間先生、貴方しかいないとおもうんですがねぇ…」

 

「あんたはこれでいいの、カラスマ?なんかわざとらしいのよ、あの大男」

 

一応注視しておこう、今日は体育があるからな




一応、広俊の運動能力は普通レベルです。しかし、杉野と組んでそれを補い、彼の手首の柔らかさもあってナイフ術(タッグ)では好成績を出しているという設定です。


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ACT.18 才能の時間

どうも、作者の穂井田秀元です。

今回は原作に忠実です。鷹岡ってホントにクズだよなぁ…


杉野side

 

昨日、広俊は鷹岡先生には気を付けておいた方がいいと言ってた。鷹岡先生、根っからフレンドリーそうだし、広俊の予感が間違いであって欲しいけど、一応、体育の時間は気を付けておこう。

 

「さて、今日から新しい体育だ、少々キツくなると思うが、終わったら、またウマイもん食わしてやるからな」

 

「そう言って自分が食べたいだけじゃないの?」

 

「まあな、おかげさまでこの横幅だ。」

 

皆が笑う、これなら大丈夫そうだな

 

「さて、訓練内容の一新に伴って、E組の時間割も変更になった、これを回してくれ!」

 

だけど、その時間割はとんでもない内容だった。

 

「嘘…だろ?」

 

「10時間目、夜9時まで…訓練!?」

 

「確かに厳しいかもしれない、でも、このカリキュラムに付いて来られれば、お前らの能力は飛躍的に上がる」

 

「できるわけねーよこんなの!これじゃあ勉強する時間も、遊ぶ時間もねーよ!理事長も判ってて承諾したんだ!」

 

前原がそう鷹岡先生に言った、すると鷹岡先生は、前原の頭にポンと手を置き……膝蹴りを腹に入れた。

 

「ガハッ…!」

 

「「前原!」」

 

磯貝と岡野が前原に駆け寄った。

 

「できないじゃない、やるんだよ、いったろ、俺達は家族で、俺は父親だ、世の中に父親の命令を聞かない家族がどこにいる?」

 

鷹岡先生は、暴力で俺達を支配するつもりだと、俺は思った。

 

「抜けたい奴は抜けてもいいぞ、その時は俺の権限で新しい生徒を補充する、けどな、おれはそんなことはしたく無いんだ………お前らは大事な家族なんだから、父ちゃんとして一人もかけて欲しくない!家族みんなで地球の危機を救おうぜ!!なっ?」

 

そう言って鷹岡先生は三村と神埼さんを抱いた。

 

「な?お前は父ちゃんについて来てくれるよな?」

 

鷹岡先生は神埼さんの頭を撫でながらそう聞いている、もしかして、いいえと答えると殴るつもりなのか?すると、神埼さんは立ち上がった。

 

「あの…私…私は嫌です、………烏間先生の授業を希望します。」

 

その瞬間、鷹岡先生はニヤリとして手を上げた、何とかしないと

 

「やめろよ鷹岡先生!」

 

「杉野(君)!!」

 

「ほぉ、お前は父ちゃんに逆らうか、いい度胸だ、なら、お前からだ」

バチイッ!

 

鷹岡先生は俺を殴った、痛い、一瞬頭が真っ白になった。

 

「お前らまだわかってないようだな、はい以外は無いんだよ、文句があるなら拳と拳で語り合おうか、そっちの方が、父ちゃん得意だぞ!」

 

「やめろ鷹岡!」

 

「大丈夫か、杉野君、首の筋に痛みはないか?」

 

「烏間先生…大丈夫です」

 

「前原君は?」

 

「へ、へーきっす」

 

 

「大丈夫さ、烏間。大事な俺の家族だ、手加減するのは当然だろ」

 

「いいや、貴方の家族じゃない。私の生徒です!私が目を離した隙に、何をやっている!」

 

殺せんせーはおこっている。しかし、鷹岡は臆することなく言い返した

 

「体育は教科担任の俺に一任されているはずだ。短期間でお前を殺す暗殺者を育てるんだぜ、厳しくなるのは常識だろう?それとも何か?多少教育論が違うだけで、お前に危害も加えてない男を攻撃するのか、モンスター?」

 

その言葉に殺せんせーは何も言い返せなかった。結局、訓練は続行になった。

 

「まずはスクワット300回だ、始め!」

 

スクワット300回、正直俺達中学生には厳しい、おれは野球をやってるからある程度大丈夫だけど、竹林や一部の女子は、もう限界が来てる。

 

「じ、冗談じゃねぇ」

 

「最初からスクワット300回とか、死んじまうよ。」

 

「……烏間先生…広俊君…」

 

倉橋がそう言うと

 

「おいおい、烏間は俺達家族の一員じゃないぞ…おしおきだなぁ、父ちゃんだけを頼ろうとしない「パーン」」

 

エアガンの音が聞こえたのは、その瞬間だった。

 

 

広俊side

予定を全て消化した俺は急いで登校していた。

昨日感じた嫌な予感、当たってなければいいんだが。俺は律を呼び出した。

 

「律」

 

「はい、何かご用でしょうか?」

 

「校庭の様子は分かるか?」

 

「はい!ズームカメラで確認できます!」

 

「じゃあ、写して欲しい」

 

その時、俺が見たものは、杉野が殴られて倒れた映像だった。

 

「……!! 急ごう、律、ペイント弾を込めたハンドガンを準備して欲しい」

 

「了解しました!」

 

 

教室に着いた俺は、急いで荷物を置き、律から銃を受け取り、校庭に向かった、皆はスクワットをやらされている。しかも、俺が来る前からやらされていたようで、限界が近そうだ。

 

 

 

 

鷹岡先生が誰かの前に佇んだ……………!!

倉橋か!?何とかして守らないと……とりあえず、一発!

 

 

俺は鷹岡先生の足の間に狙いを定めた。

 

 

倉橋side

鷹岡先生は、今にも私を殴らんとするいきおいだった、でも、パンチは飛んで来なかった。私が恐る恐る目を開けると、地面を向いている鷹岡先生の姿があった。私も地面を見る…………鮮やかな青色のインクが散らばっていた。

 

 

広俊side

 

ふぅ…何とか止められた、あとはどうにかして鷹岡先生の注意を倉橋から反らすか。

 

「遅れてしまってすいません、鷹岡先生、笹井です。生憎今日ウチは臨時休業ですので、豆腐ではなく、弾丸一発、お届けに参りました、今ならサービスでもう一発お届けしますが、いかがですか?」

 

「広俊(君)!!」

 

「ほう、父ちゃんに向かって銃を向けるのか、悪い子だなぁ」

 

「女の子の顔に傷を付けようとする悪い大人に言われたくは無いっすね」

 

「……どうやらお前からお仕置きをする必要がありそうだな」

 

そう言って鷹岡先生は俺の方に歩いてきた、しかし、烏間先生が止めに入る

 

「やめろ鷹岡!暴れたいなら、俺が相手を努めてやる、笹井君もソレを下ろすんだ」

 

「烏間先生!!」

 

それでも、鷹岡先生は余裕の表情のままだ、何か企んでるな

 

「言ったろ、烏間、これは暴力じゃない、教育なんだ、暴力でおまえとやり合う気はない、やるならあくまで教師としてだ、お前らも俺を認めていないだろう、父ちゃんもこのままじゃ不本意だ、そこでこうしよう!こいつで決めるんだ」

 

鷹岡先生は対せんせーナイフを取り出した。

 

「烏間、お前が育てた生徒達のなかで、イチオシを一人選べ、そいつが俺と戦い、一度でもナイフを当てられたら、お前の教育は俺より優れてたのだと認めて出てってやる」

 

「ただし、勿論、俺が勝てばその後一切口出しはさせないし、使うナイフはこれじゃない」

 

すると鷹岡先生は本物のナイフを取り出した

 

「殺す相手が俺なんだ、使う刃物も本物じゃ無くちゃな」

 

「よせ!彼等は人間を殺す訓練も用意もしていない!!」

 

「安心しろ、烏間、寸止めでも当たったことにしてやるよ」

 

「さあ、烏間、一人選べよ、嫌なら無条件で服従だ!!」

 

「生徒を見捨てるか、生け贄として差し出すか、どっちみち酷い教師だなお前は!!」

 

烏間先生は迷っているようだ……誰を選ぶんだ…烏間先生が、ある方向に歩いていく、そして止まる、烏間先生の前に居たのは…渚だった。

 

 

渚はナイフを受け取り、体をほぐし始める、もしかしたら、烏間先生は渚を吹き飛ばしたときに感じたあの強い気配に掛けているのかも知れない…いずれにせよ、俺達は見守る他無かった。

 

 

渚と鷹岡先生が対峙する……渚、ナイフを下ろした………一体何をするもりだ……

 

 

 

 

渚は、笑顔で鷹岡先生の元に歩いていった、そして、鷹岡先生の腕に『ポスッ』と体を当てた瞬間、思い切り首元に狙いを定めてナイフを振っり、服を引っ張って転ばし、背後に回って鷹岡先生の目を抑え、首元にナイフの峰を当てた。

 

 

 

………恐ろしかった………しかし、渚は

 

「峰打ちじゃダメなんでしたっけ?」

 

ときょとんとしている、とてもさっきまで勝負をしていた人間とは思えなかった。

 

いや、勝負じゃない、さっきの渚の動きは、烏間先生が渚に言った『暗殺』の動き、それを渚はやってのけた、つまり、渚には…………暗殺の才能がある

 




お気に入りが段々と増えてきて嬉しいです。この調子でドンドン書いていきたいのですが、来週から忙しくなりそうですので、更新ペースが落ちる可能性が高いです…出来るだけ頑張ります!


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ACT.19 甘味の時間

どうも、作者の穂井田秀元です。

今回は、烏間先生の臨時報酬の話です


 

 

鷹岡に勝った渚に俺達は駆け寄った、前原は渚叩いてた…そりゃ信じられんよな、日頃おとなしい渚が大人、しかもプロを倒したんだから。

俺も頬をつねった……痛てぇ、夢じゃないな。鷹岡は座り込んで呆然としている。あの様子じゃプライドズタズタだよな……しばらくワイワイやっていると、いつの間にか鷹岡が渚にの背後に来ていた、怒りで筋肉が膨らんでる、どこぞの伝説のスーパーサイヤ人かよ

 

「このガキ、父親も同然の俺に刃向かって、まぐれの価値がそんなに嬉しいか、もう一回だ!今度は絶対油断しねぇ、心も体も全部残らずへし折ってやる!」

 

「確かに、次やったら絶対僕が負けます、でもはっきりしたのは鷹岡先生、僕らの『担任』は殺せんせーで、僕らの『教官』は烏間先生です、これは絶対に譲れません、父親を押し付ける鷹岡先生よりも、プロに徹する烏間先生の方が、僕はあったかく感じます、本気で僕らを強くしようとしてくれてたのは感謝します、でもごめんなさい、出ていって下さい。」

 

 

鷹岡が切れて渚に襲い掛かる、しかし、それは烏間先生によって止められた、早すぎ、人間のなせるスピードじゃない……

 

「俺の身内が迷惑かけてすまなかった、後のことは心配するな、俺一人で君達の教官を務められるよう上と交渉する、いざとなったら銃で脅してでも許可を貰うさ」

 

「烏間先生!!」

 

「そんなこと…させるかよ…俺が先に掛け合って」

 

鷹岡が悪あがきをする、というか、動けんのかよ、烏間先生の一撃クリーンヒットしてたのに…一般人だと下手すりゃ死ぬぞ…アレ

 

「交渉の必要はありません」

 

理事長先生!?わざわざここまで登ってきたのか?

 

「経営者として、様子を見に来ました、新任教師の手腕に興味があったのでね、でも、鷹岡先生、貴方の授業はつまらなかった、教育に恐怖は必要です、一流の教育者は恐怖を巧みに使いこなすが、暴力でしか恐怖を与えることができないなら、その教師は三流以下だ、自分より強い暴力に負けた時点で、それの授業は説得力を完全に失う………解雇通知です、以後あなたはここで教えることはできない、ここの教師の任命権は防衛省には無い、全て私の支配下にあることをお忘れなく」

 

そう言って理事長先生は去っていった、正直あの人恐ろしすぎる

 

「くそくそくそくそくそくそ、くそぉ~!」

 

鷹岡も同時に走り去っていった。

 

「鷹岡、首…」

 

「ということは今まで通り烏間先生が…」

 

「よっしゃあ!!」

 

俺達は喜んだ

 

「ところで烏間先生さ、生徒の努力で体育教師に返り咲けたんだし、なんか臨時報酬あってもいいんじゃない?」

 

「そうそう」

 

「鷹岡先生、そういうのだけは充実してたよな」

 

中村に三村と岡島が続ける

 

「フン、甘いものなど俺は知らん、財布は出すから食いたい物を街で言え」

 

とっさにビッチ先生が烏間先生から財布を奪い取り、烏間先生の臨時報酬は確定となった。殺せんせーは今回何もしてなかったので、皆は無視していたが…

 

皆と街に行こうと歩き出した俺は立ち止まった、いや、立ち止まざるを得なかった、別にトイレに行きたかったとかそういう訳ではない、俺は腕を掴まれていた。

 

 

 

 

 

 

倉橋side

広俊君にまた助けてもらった…これで二回目だ、今度こそちゃんとお礼を言わないといけない、だから、私は皆と一緒に街に行こうとする広俊君の腕を掴んだ。

 

「………倉橋?」

 

「どうして助けてくれたの?」

 

「女の子の顔を傷つけるような奴を、俺は許せねぇ、しかも、なんか、倉橋のことを……守りたかったんだよ、あのときは、ケガ…してなくて、良かった」

 

そう言って彼は笑顔で言ってくれた、『守りたかった』その言葉が何よりも嬉しかった、だから私も笑顔で

 

「助けてくれて、ありがとう!」

 

と言った、広俊君は少し照れくさそうに頭をかきながら私に言った

 

「やっぱ、倉橋の笑顔は最高だな……あっ、皆もうあんなところまで、倉橋、行こうか」

 

「うん!行くよー!」

 

「うわっ、はやいって、転ぶ転ぶ」

 

そして私は広俊君の腕を掴んだまま皆の所へ急いだ。

 

 

広俊side

側で守りたい、笑顔でいて欲しい、そう思った、そして俺は確信した。これが俺の『好き』と言うものなのだろう。今まで俺が気付かなかったものは、これだったんだな、倉橋は俺の腕を掴んで皆のもとに歩いていく、話も弾んで楽しい、横には好きな人がいる。そう思うとつい、恥ずかしくなってしまった。

 

 

移動中…

結局、殺せんせーは街までついてきた、土下座したまま走ってた殺せんせーには、正直、黒くてツヤツヤしたあの虫みたいな印象を受けた。

 

「では、このショッピングセンターの食品売り場で決定だ、俺がショッピングカートを押すので、食いたいものを入れて欲しい…何でもいいが、一人一品で頼む、あと、お前は外で留守番だ」

 

「「「「「はーい!」」」」」

 

「しくしくしく…」

 

結局、殺せんせーは外で留守番をすることとなった。泣いてるけどまあ、こんな人の多いところで巨人が歩いてたら騒ぎになるわな…

 

「広俊君、何にするの?」

 

「く、倉橋!えーとそうだな……コレにするかな(桜餅 関西風と関東風二つずつの4つ入り)」

 

「へぇー、和菓子好きなんだね」

 

「ああ、緑茶に合うからな」

 

「じゃあ、私はこれかな?(ふんわりワッフル4つ入り)」

 

(広俊君と、陽菜ちゃん…楽しそうだな、残念だけど、これからは応援しないとね…)

 

仲良くスイーツを選ぶ二人を見て、矢田はそう思うのだった。気になるがラブに変わってしまう前に身を引く、それが矢田の決断だった。

 

「い、12310円になります………20000円お預かり致します……8690円お返しします…ありがとうございました」

 

烏間先生……お疲れ様です、腕プルプルしてる…

 

「それでは、あそこの公園で食べましょう」

 

いつの間にか現れた殺せんせーが、食べる場所を指定した、俺は渚に誘われたので(カルマは居ないのでカルマ以外の)4班のメンバーと食べることにした……倉橋と食べたい気持ちは少しあったが、中村が先に誘っちまったからなぁ…

 

四班の皆と談笑していると、殺せんせーが突然俺達の前に現れた

 

「皆さん、先生に何かお菓子を恵んでくれませんか?烏間先生に頼んだら『お前にはやらん』って言われてしまいまして…」

 

俺達は烏間先生の方を見た……カロリーメイト食ってる……あれってお菓子か?

 

「カラスマ、ハイ、口開けて!」

 

「断る」

 

ビッチ先生は平常運転だな…

 

「別にあげてもいいけどさ、俺らエクレアとかロールケーキだからもう口つけてるぜ」

 

と、杉野が言うと、殺せんせーはじーっと俺の桜餅を見てきた

 

「広俊君…その…先生に一個恵んでくれないでしょうか?」ダラダラ

 

「わーったよ、だから涎出すなよ、殺せんせー」

 

「ありがとうございますぅ!」

 

「「「「「アハハハハ」」」」」

 

 

倉橋side

莉桜ちゃんと桃花ちゃんと凛香ちゃんと食べることになった私は、莉桜ちゃんに質問責めにされた、やっぱこうなっちゃうよね…

 

「陽菜乃ちゃーん、さっきは楽しそうだったじゃないか~」

 

「うん…///」

 

「もうそろそろ、アタックしちゃってもいいんじゃないかな?ね、桃花?」

 

「えっ?あ、そうだね…」

 

「はうぅ…桃花ちゃんまで…」

 

「…………………」

 

凛香ちゃんはそんな私達を見ていただけで、特に何も言わなかった、その後しばらくして解散となった。今日は色々とあったけど、広俊君と買い物を少しの間だったけど楽しめて、私はしあわせだった。




次回、オリジナルエピソードを一回挟んで、球技大会突入です!よろしくお願い致します!


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ACT.20 配達の時間

どうも、作者の穂井田秀元です。

今回は広俊が配達に行きます。

少しいろいろ有りますが、どうぞご覧ください。




休日、俺はやることが特に無かったので自室にて律と武器の相談をしていた。

 

「広俊さん!この前、エアガンのシミュレーションをしたのですが、改良点を見つけました、レバーをもう少し軽い力で引けるように改良するのはどうでしょうか?」

 

「わかった、やってみようか」

 

「はい!」

 

「あと1つあるんだが、いいかな?」

 

「はい、何でしょうか?」

 

「○○○○○を作ってくれないか?」

 

「でも、火薬はダメじゃ…」

 

「違う、そっちじゃない、こっちだ」

 

「そちらなら簡単に作れますよ!でもなぜ?」

 

「俺…近接苦手なんだよな…」

 

「リーチの強化と言うわけですね!了解しました!」

 

「広俊ー!配達の電話だ、行ってきてくれ!」

 

「わーったよ」

 

「この住所のところの二軒に頼むぜ」

 

 

 

オヤジから住所の紙を貰ったが、一つが明らかにおかしい……学校だ……しかも旧校舎……こんなところから注文するのは一人しかいないな…二件目はよくわからない、見た感じ、一見さんだ。

 

 

旧校舎に上がるには、学校を通り抜けなければならない、俺は制服に着替えると、配達する品物をクーラーボックスに入れ、それを自転車の荷台に置いて自転車で行こうとした……が、俺は自転車での登校は禁止されてるし、路上駐輪なんて論外だ、結局俺は徒歩で行くことにした。

 

 

っと学校に着いた、すると、目の前に殺せんせーが現れた

 

「ヌルフフフフフ、遠路はるばるご苦労様で…にゅやぁっ!」

 

「何でウチに買いに来ないんだよ!(ナイフ装備)」

 

「いや、だって先生読書してましたしー…」

 

「エロ本だろ、どうせ」

 

「にゅやっ! 流石は広俊君、勘が鋭いですねぇ」

 

「取り敢えず、640円ね」

 

「どうぞ スッ」

 

「はい、ちょうど、毎度あり、殺せんせー、また明日。」

 

「はい、また明日」

 

次は二軒目……住所によると……この先を曲がればいいよな、ここ、なんか見覚えがあるな……そうか、ここ、倉橋と初めて会った所だな…懐かしいなぁ、ここで倉橋と会わなかったら、俺は殺せんせーにも会ってなかったし、渚や磯貝達にも会うことは無かったんだよな…

 

さて、着いた…結構綺麗な家だな…

 

ピンポーン

 

「ごめんください、笹井豆腐店です、商品、お届けに参りましたー」

 

ドタドタドタ…

 

いや、どんだけ急いでるんだ…夕飯が早い家なのか?

 

そう思ったのも束の間、ドアを開けた相手に、俺は驚愕した。

 

「倉橋!?」

 

「広俊君!?」

 

その後、俺は倉橋に誘われて、倉橋の家でお茶をしていくことになった、豆腐は倉橋の母親が頼んだもので、その母親はいま外出しているらしい……ヤバい、心臓がバクバクしてる…

 

 

倉橋side

お母さんが外出している間、私は配達の受け取りが来るかもしれないからそのときは受け取ってねと頼まれた。まさか…広俊君だなんて…嬉しいけど、心臓がドキドキする///

 

「も、もう少しで紅茶出来るから、待っててね!」

 

「あ、ああ!」

 

「お、お待たせ、お菓子はどら焼しか無かったんだけど…」

 

「大丈夫、お菓子が出てくるだけでも嬉しい、ご馳走になるよ!」

 

そう言って広俊君は笑顔で答えてくれた。私は、彼の『どんな存在とも分かり合えるような力を持った笑顔』が好きだ。その気持ちを伝えよう。

 

「広俊君、実は私、広俊君にどうしても伝えたいことがあって…」

 

 

広俊side

 

倉橋が言おうとしていることは、分かる、俺もそれに答える準備は…いや、覚悟はできた。

 

「ど、どうした?」

 

「私、倉橋陽菜乃は、貴方の事が好きです、こんな私で良ければ、付き合って下さい。」

 

 

倉橋side

伝えちゃった…広俊君は真剣な表情でこっちをしばらく見ていた…そして彼は口を開いた

 

「倉橋陽菜乃さん、自分も貴方が好きです、付き合って下さい。」

 

そう言って彼は私の大好きなあの笑顔を浮かべてくれた。だから、私は彼の手を取って

 

「これからもよろしくね!広俊君!」

 

と、満面の笑みで彼に言った。彼は真っ赤なって

 

「こちらこそよろしく!くら「陽菜乃じゃ…ダメ?」」

 

 

広俊side

 

倉橋……いや陽菜乃は上目遣いで俺の方を見てくる、だから俺もその気持ちに答えないと

 

「……これからもよろしく……陽菜乃…」

 

「うん!」

 

それから俺達はお菓子を食べながらしばらく談笑していた。

 

「そう言えば、陽菜乃はいつから俺のことを好きになったんだ?」

 

「……修学旅行の時かな、あの時、広俊君達が助けに来てくれて、本当に嬉しかった、あと、あの飲み物につけてたメッセージかな、あれで私は広俊君の事が好きになったんだよ!広俊君は?」

 

「(俺あの時ほとんど何もしてないんだけどな…不良を手入れしたぐらい…)俺も…気になり始めたのは、修学旅行だな、でも、きっかけを作ったのは俺じゃないんだ…速水だよ、速水が陽菜乃の気持ちを教えてくれたんだ」

 

「(凛香ちゃん、だからちょっと遅かったんだ…)じゃあ、明日凛香ちゃんにお礼言おうよ!」

 

「ああ!……ごめん陽菜乃、そろそろ帰らないとオヤジが心配するから…」

 

「ううん、いいよ!広俊君、また明日!」

 

「やっぱり陽菜乃の笑顔は最高だな、また明日!」

 

「カアッ…///…うん!」

 

 

広俊帰宅中

 

「オヤジ、ただいま」

 

「あいよ、やけに遅かったじゃねぇか、どうした?」

 

「いや…配達の帰り担任とばったり会って…話し込んでた」

 

「そうか、じゃあ、さっさと風呂はいって、飯にするか」

 

「わかった」

 

(広俊の奴…やけに嬉しそうだったな)

 

 

俺は飯を食った後、オヤジに散歩に行くと伝えてある場所に向かった。

 

「……お袋、俺、彼女ができたんだ、俺、頑張るから、俺達を…見守って欲しい…」

 

俺はお袋の記憶はほとんどない、オヤジ曰く『性格と目と髪の色に面影がある』らしい…俺がまだ乳離れしてばっかの時にお袋は死んだ、工事現場から落ちた工具が当たりそうになった、赤ん坊を抱えた女性を庇ってその工具が頭に直撃したらしい。オヤジが知らせを聞いて病院に駆けつけた時には、もう既に虫の息だったそうだ。お袋は最後の力を振り絞って、オヤジに「あの子の進みたい道を、進ませてあげて」と言って事切れたらしい…

 

 

俺は多くの人に支えられて、今ここにいる。お袋の分も頑張って生きないとな。

 

そう思いながらおれはお袋の墓前に手を合わせた。




やっと二人をくっつけることが出来ました!
次回はいよいよ、球技大会編です。
どうぞお楽しみに!

広俊が律に頼んだものとは...?


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ACT.21 球技大会の時間

どうも、作者の穂井田秀元です
今回はオリジナル描写も入れてみました!
どうぞ、お読みください!


 

 

広俊side

今日は陽菜乃はビッチ先生とお茶に行くらしく、俺は杉野と渚とカルマと一緒に帰っていた………ヤンキーにカツアゲをするとかいう物騒な会話をしながら

 

「なんだ、杉野じゃないか、久しぶりだな」

 

ああ、そっか、杉野は元野球部だったな、じゃああの人だかりは杉野の元チームメイトか、会話を聞く限り、来週の球技大会についての話題か、そういやそんなのが予定表にあったな。

 

「……しかし、いいよな杉野は」

 

「E組だから、毎日あそんでられるだろ?」

 

「俺ら、勉強も部活もやんなきゃだからヘトヘトでさ」

 

会話が不穏になってきた、あ、主将が入ってきた、確かB組の進藤か…なんか腹立つこと言ってんな

 

「へぇーすごいね、まるで自分等が選ばれた人間みたいじゃん」

 

「うんッ、そうだよ」

 

カルマの発言も、進藤は気にしていないようだった

 

「気に入らないか?なら来週の球技大会で教えてやるよ、人の上に立つ選ばれた人間と、そうでない人間、この歳で開いてしまった大きな差をな」

 

その発言を引き金に野球部の奴らは見下したようなポーズを取る、そう言えば、何人かは見たことあるな、まあどうでもいいが

 

翌日、球技大会の説明が行われた

 

「………トーナメント票にE組が無いのはどうしてです?」

 

「俺らは本戦にはエントリーされないんだ、1チーム余るって素敵な理由で」

 

「その代わり、大会の〆のエキシビションに出なきゃなんない……ま、要するに見世物さ、全校生徒の前で、男子は野球部の、女子は女バスの選抜メンバーと戦らされんだ」

 

なるほど、いつものE組いじりか、だけど、俺らは暗殺で基礎体力がついてる、勝つかどうかは分からないけど、善戦ぐらいはできそうだな

 

「俺ら晒しもんとか勘弁だわ、お前らで適当にやっといてくれや」

 

寺坂組が出て行った、まぁ、そう思うのも無理は無ぇが

 

「野球となりゃ頼れんのは杉野だけど、何か勝つ秘策ねーの?」

 

「………無理だよ、最低でも3年間野球してきた進藤達と、ほとんど野球未経験の俺ら、勝つどころか勝負にならねー、それにさ、かなり強ぇーんだウチの野球部、特に今の主将の進藤は豪速球で高校からも注目されてる…俺からエースの座を奪った奴なんだけどさ…勉強もスポーツも一流とか、不公平だよな、人間って」

 

皆の空気が重くなる、確かに進藤は野球部の主将という忙しいことやっててB組だものな…

 

「……だけどさ、殺せんせー、だけど勝ちたいんだ殺せんせー、善戦じゃなくて、勝ちたい、好きな野球で負けたくない、野球部追い出されてここに来て、むしろその思いが強くなった、こいつらとチーム組んで勝ちたい!!」

 

「……まあでも、やっぱ無理かな、殺せんせー」

 

そう言って杉野にあわせて教卓の方を見ると、殺せんせーはユニホームに着替えてすぐにでも練習をせんという感じだった…スポ根物の熱血コーチをやりたかったらしい…

 

「最近の君たちは目的意識をはっきりと口にするようになりました、殺りたい、勝ちたい、どんな困難な目標に対しても揺るがずに、その心意気に応えて、殺監督が勝てる作戦とトレーニングを授けましょう!!」

 

 

その日の帰り道、俺は陽菜乃と一緒に帰っていた。

 

「陽菜乃、バスケの方はどんな感じ?」

 

「メグちゃん中心で作戦立ててるよ~、律が入りたがってたけど、ちょっとね…」

 

「まぁ、律はあそこから動けんからなぁ、モバイルモードで応援だな」

 

「広俊君の打順とポジションはどこなの?」

 

「えーと、打順が杉野の次だから五番で、ポジションはファーストかな。」

 

「へぇー、こっち終わったら応援いくね!」

 

「ありがとう!……こういうときは、こうすればいいのか………?」

 

俺は自問しながら陽菜乃の頭を撫でた、陽菜乃は恥ずかしそうにしながらも嬉しそうな顔をしていた。

 

「三日後かぁ…広俊君、頑張ってね!」

 

「おう、陽菜乃も頑張れ!」

 

その後俺達は速水を見つけて修学旅行の時のお礼を言った、速水は「倉橋のためだから」って言ってたが、なんだか嬉しそうだったな

 

 

三日後…

 

『それでは最後に、E組対野球部選抜のエキシビションマッチを行います』

 

あのメガネの放送がおわると、野球部がグラウンドにやって来た、完全に戦闘モードだな、あいつら………また進藤が杉野に何か言ってる

……二度と表を歩けない…か、お前ら負けたらどうすんだよ、俺ら一応練習はしたからな

 

殺監督は、遠近法でボールに紛れている、顔色を変えて指示を出すそうだ。あ、変わった、青緑、紫、黄土色だから…

 

「渚、殺監督は何て言ってる?」

 

「えーと、青緑、紫、黄土色の順番だから“殺す気で勝て“ってさ」

 

よし、戦らせてもらおうか、殺す気で。

 

 

試合開始……

 

こっちの一番は木村…初球からストライクか…早い…のか?でも、こちらには秘策がある。

 

『さあ、進藤…2球目…投げたッ!』

コオンッ

『あーっと、バントだ、良いところに転がしたぞ!! 内野、誰が取るかで一瞬迷った!!』

 

『セーフ!これは意外、E組、ノーアウト一塁だ!!』

 

木村は俺達の中でも一番の俊足だ、しかも、暗殺の訓練とアレで動体視力は鍛えられてる。続いては渚か…三塁の方にバント成功、ノーアウト一二塁だ、野球部も、外野も動揺している、恐らく『何故バントがこんなに出来る?』とでも思っているだろう

 

「へっ、予想外だろうな、まさか俺らがこんなにポンポンバントを打つなんて」

 

「そうだな前原、でも、こちとら…怪物達相手に練習してたんでな」

 

『殺投手は300kmの球を投げ!!』

 

『殺内野手は分身で鉄壁の守備を敷き!!』

 

『殺捕手はささやき戦術で集中を乱し!!』

 

『殺打者代理の烏間打者は砲弾のような地獄の千本ノックを行う!!』

 

(殺打者は打ったボールが訓練装置に直撃して粉々にしたので怒った烏間先生により解雇されました、と言うか殺打者の打球、当たったら多分身体が木っ端微塵になる)

 

そして竹林の偵察により相手の情報もしっかり入手

 

それらのお陰で俺達は進藤のストレートに対してのバントは修得できた…俺は特別メニュー付きだったが

 

「広俊君、君はE組の中でもトップクラスの動体視力を持っている、杉野君の後に君を配置するので、バントではなく、打撃をして欲しいのです」

 

「気付いてたのかー…殺せんせー」

 

「中距離射撃の精度を見れば判りますよ」

 

俺は中距離の移動目標への射撃精度に限れば、速水と肩を並べることができる……遠距離はムリだが(色々あったので、まだ広俊は例のライフルを御披露目してない)

 

 

……磯貝がバントを決め、つぎは杉野だ、頼んだぞ…杉野

 

杉野はバントと見せかけて打撃の構えに戻し、3ベースヒットを決めた、いきなりの三点先制、野球部が、特に進藤の動揺が激しい、チャンスだ。

 

『5番、ファースト、笹井君』

 

『さあ気を取り直して、進藤1球目…投げたッ!!』

 

……行けるか?

俺はさっき杉野がやったように打撃に構え直し、ボールを打った。

 

『ファール!』

 

…よし、次でヒットは出せるだろう、もし上手くいかなくても、打たれたというショックは大きいだろうな、進藤が相当動揺しているな…

 

『進藤2球目…投げたッ…おおっと…暴投だ、ズレたぁ!』

 

その投球は、スピードはそんなに無かったものの、真っ直ぐ俺の頭に向かってきた、俺は頭をずらして避けようとしたが、間に合わない

 

ガンッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな鈍い音が頭の中で響き渡った…

 

「広俊!」

 

「広俊君!」

 

 

その声は…杉野と…渚か

 

「だ…大丈夫…だ、杉野…勝ってくれ」

 

 

 

 

 

 

そして、マウンド上にへたりこむ進藤の姿を認めた後、俺の目の前は真っ暗になった。




これから色々と忙しくなりますので、更新スピードが落ちるかもしれませんが、今後ともどうか、『笹井広俊の暗殺教室』をよろしくお願い致します。


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ACT.22 事故の時間

どうも、作者の穂井田秀元です

つい先日学校が始まりまして、やっと投稿出来ました

それでは

本編に、どうぞ!


杉野side

 

あの進藤が暴投をした……そのボールが広俊の頭に当たった…頭へのデッドボールは命に関わることもある、試合は一時中断となり、俺はすぐに烏間先生を呼んだ

 

「烏間先生!広俊が!」

 

「ああ、俺が見てみる………大事に至ってからでは遅い、すぐに担架を、安静にして運ぶぞ!竹林君、手伝ってくれ!」

 

烏間先生が適切に対応してくれたので、広俊はすぐに担架で運び出されていった……もう一つ担架が?

 

何故か野球部の監督席に理事長がいる、運び出されていたのは、監督の寺井だった。理事長は野球部に円陣を組ませている………野球部の気配が変わった…さっきの広俊のこともあり、皆動揺している、広俊ならきっと大丈夫だろう、俺が上手くまとめていかないとな

 

 

 

陽菜乃side

 

メグちゃんが一人で30得点したり、ひなたちゃんが軽快な動きで相手を翻弄したりして善戦したけど、結局私達は女バスの選抜に負けてしまった、でも、全校生徒を盛り下げるという目的は果たせた、広俊君達…どうなってるのかな?

 

皆で色々と話しているうちにグラウンドに着いた、すると放送が聞こえてきた

 

『いま入った情報によりますと、野球部顧問の寺井先生は試合前から重病で、野球部員達も心配で試合どころではなかったようです、それを見かねた理事長先生が急遽野球部の指揮を執られることになりました!』

 

じゃあ、さっき聞こえた救急車の音は、野球部の先生が搬送された音かな…でも理事長先生が…?あの人多分野球やったことないんじゃないかな、あと、烏間先生がいない、どこ行ったんだろ?

 

「さて、男子はどうなってるかな?」

 

「すげぇ!野球部相手に勝ってんじゃん!」

 

莉桜ちゃんの言葉にすぐ近くにいた三村君が反応した

 

「お、中村、お前らどうだった?」

 

「メグ達の活躍もあっていいとこまで行ったんだけどねぇ…負けちったよ」

 

「こっも勝てるかわかんねーよ、さっき放送で言ってたように相手の指揮官が理事長になったし、それに…」

 

「それに?」

 

「広俊がデッドボールでダウンして救急車で運ばれた「広俊君が!?」」

 

私はつい大きな声を出していた。

 

「三村君!広俊君は大丈夫なの!?」

 

「分からないよ…でも、大事に至っちゃ遅いから病院に運んだんだと思う、今はあいつの無事を祈ってやるしか出来ないな…」

 

それを聞いて私は言葉が出なかった…結局、皆の活躍もあって男子は試合に勝ったけど、私の胸の奥は不安でいっぱいだった。

 

 

 

 

広俊side

 

「…………し、…………とし、広俊!」

 

「……………お、オヤジ?…ここはどこだ?」

 

「病院だよ、やっと目ぇ覚ましやがったか、お前がデッドボールを頭に食らったってんで、店閉めて飛んできたんだよ」

 

「心配かけたな、ごめんオヤジ」

 

「へっ、気にしちゃいねぇよ、まあ、お前は昔っから頑丈だったし、大丈夫だとはおもったがな」

 

オヤジ、強がってるけど心配してるのが顔には出てるな、やっぱ頑固だな、うちのオヤジは。

 

「気が付いたか、広俊?」

 

「涼介さん!?お久しぶりです」

 

「運が良かったな、垂直に直撃してたら、多分死んでいたぞ」

 

「あぁ、そっか、俺、あの時避けようとして顔をずらしたから、跳弾みたいな感じになったんだな…」

 

「そういうことだ、球威も低かったみたいだしな、それでも俺は驚いたぞ、頭の方には、何の異常も見られない、倒れたのも多分頭に食らったショックによる気絶だ、」

 

「はぁ…良かった」

 

「笹井君、無事で良かった」

 

「烏間先生!試合は?試合はどうなりましたか?」

 

「心配無い、杉野君がうまくまとめてくれて、野球部に勝つことができたらしい」

 

「そんなら良かった…」

 

「んじゃ、俺は帰るからま、取り敢えず安静にしとけ、広俊」

 

「…わかったよ、オヤジ……って俺置いていくのかよ!」

 

「明日の朝、もう一度検査を行う、それで異常が無かったら、退院だ」

 

「わかりました、涼介さん」

 

「…その様子だと、もう大丈夫そうだな、それでは俺も帰ることにしよう」

 

「ありがとうございました、烏間先生」

 

そうしてオヤジと烏間先生はかえり、俺は病室で涼介さんと二人っきりになった。

 

 

 

 

 

 

 

しばらく眠った後、涼介さんが俺を起こした…俺は時計を見る……5時か、二時間ほど寝たな

 

「どうしました、涼介さん?」

 

「広俊、お前に面会希望の人が一人いるらしい、通してもいいか?」

 

「………杉野か?、わかりました、お願いします」

 

「わかった、俺は外で待っておく、話を楽しんでくれ」

 

そうして涼介さんは出ていった、すると、しばらくしてから勢いよく病室のドアが開き、オレンジ色の弾丸が俺の胸に飛び込んできた

 

「広俊君!広俊君!良かった………無事だった!」

 

「心配かけたな…陽菜乃…」

 

「本当に、じんぱいじたんだからぁ…」

 

俺はしばらく陽菜乃の頭を撫でていた。陽菜乃が落ち着いたところで俺は陽菜乃に聞いた

 

「そういえば、俺の代わりは誰がやってくれたんだ?」

 

「えっとね、菅やんがやってくれたよ、最後、トリプルプレーで勝ったんだけど、ちゃんとボールもキャッチしてた」

 

「そうか…後で菅谷にはお礼を言っておくか…あ、陽菜乃…ありがとう、陽菜乃が来てくれてすっげぇ嬉しい…」

 

「広俊君の彼女なんだから、当然だよ!」

 

陽菜乃は笑顔でそう返してくれた、だから俺も笑顔で返した

 

 

ドアの外………

 

渚side

 

僕達は学校が終わったら烏間先生に電話して広俊君が搬送された病院の場所を教えてもらい、4班のメンバーでそこに向かった

 

「カルマ、中どうなってんだ?」

 

「んー、まだ入れそうにないね、倉橋さんと二人っきり、まさか、もうあの二人が付き合ってたとはねー」

 

「「「「「「!!!」」」」」」

 

 

カルマ君は冷静そうにしているけど、その手にはしっかりスマホが握られている。また広俊君を弄る気だ。

 

「あ、話が終わったみたい、皆、そこの通路に隠れて」

 

倉橋さんは僕達には気付かずに帰っていった

 

 

 

広俊side

 

陽菜乃が帰った後、少しして渚と杉野達4班のメンバーが入ってきた。

 

「お、皆、お疲れ様「広俊!大丈夫か!」」

 

「あ、ああ杉野、当たったショックで気絶しただけだってさ、明日もう一度検査して、大丈夫だったら、退院だ………進藤とは和解できたか?」

 

「ああ、大丈夫だぜ、次戦り合うときは高校だってさ……高校まで地球があればな…」

 

「良かった良かった…で、カルマは何でさっきからニヤニヤしてんだ?」

 

「え、これに決まってんじゃーん」

 

そう言ってカルマが俺に見せたのは、俺が陽菜乃を撫でている写真だった

 

「いつからいたんだよ………」

 

「まぁ、そんなことはいいとして、まさか、倉橋さんと広俊が付き合ってたとはねぇ」

 

「あ、ああ、まぁここ数日は球技大会の練習とかしててほとんど話せなかったからな」

 

「ふーん、あ、そうだ広俊、今度の休み、あのラーメン屋のおじさんの店行こうよ」

 

「わかったわかった、カルマのラーメンはおごりだろ?覚えてるよ」

 

「あ、でも俺替え玉するかもよー」

 

「冗談じゃねぇよ………」

 

そんな感じで談笑しばらくして、4班の皆は帰っていった、その後は大変だった、入れ替わり立ち替わりにクラスメートが来てくれたからだ、でも俺は幸せだった。ホントにこのE組は最高だな。

 

「広俊君、調子はどうですか?」

 

「………窓から入って来るなよ…殺せんせー」

 

「その調子だと、大丈夫そうですね」

 

「頭がバカになってないといいけどな…」

 

「その時は先生がまた教えますよ」

 

「ホント、先生って教師バカだよな…」

 

「ええ、当然です、先生ですから」

 

殺せんせーは真剣にそう答えた、本校舎の教師がここまで俺を心配するとは思えない、その点、殺せんせーはしっかりと生徒一人一人を見て、育てようとしてくれている。とても来年、地球をぶっ壊そうとする人には思えない。

 

もしかすると、殺せんせーは自分の意思で地球をぶっ壊そうとしているのではないのかもしれない、でもその答えは、暗殺でしかわからない、勉強も暗殺ももっと頑張って、刃を磨いていかないとな。




実際にデッドボールを頭に食らうとどうなるんですかね…死ぬこともあるらしいですが、それ以上私は知りません…野球やったことがありませんので…





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ACT.23 射撃の時間

広俊「今回から作者に代わり、前書きを担当することになりました、主人公の笹井広俊です、よろしくお願いします!」

陽菜乃「同じく前書き担当になりました!倉橋陽菜乃です、よろしくお願いします!」

二人「「それでは、どうぞ!」」




広俊side

あれから一晩病院で過ごした(風呂には入った)俺はもう一度頭の検査を受けることになった。

 

「………よし、異常無しだ、おめでとう、退院だぞ、広俊、ただし、二週間後、一応もう一度検査しよう」

 

 

「ありがとうございました!涼介さん!」

 

そう言うわけで俺は烏間先生にメールし、午後から投稿することになった。

 

 

丁度いい時間になったので、俺は学校に行こうとした、しかし、涼介さんに呼び止められた

 

「広俊、ここから学校まで、結構な距離があるぞ、どうやって行くんだ?」

 

「……まぁ、お金はありますし、バスでも使おうかと」

 

「……俺はこれから昼休憩まで仕事が無い、つまり暇なんだ、良ければ、俺が学校まで連れていくが…」

 

「乗せて貰えるんですか? 涼介さんのFCに!?」

 

「ああ」

 

「是非お願いします!」

 

こうして俺は涼介さんのFCに乗って学校の前まで送ってもらった。(飯は病院の売店で買って車の中で食った)

 

 

 

 

俺が学校についたのは昼休みの最中だった、教室に入るなり陽菜乃が俺の方に走ってきた

 

「広俊君!大丈夫だったんだね!」

 

「ああ、陽菜乃が心配してくれたお陰だよ!」

 

「えへへ…」

 

(((((((な、名前で呼んでる!?))))))) 

 

 

そんなやり取りを俺達はしていたが、皆の視線が…岡島なんてヤバい形相してるし、殺せんせーはニヤニヤしてるし…

 

 

 

この後すぐに、広俊と陽菜乃が付き合っていると皆が確信したのは言うまでもない

 

 

 

 

 

 

 

昼休みも終わり、午後の訓練は射撃訓練だった。

 

「烏間先生、あの銃、使ってもいいですか?」

 

「ああ、分かった」

 

こうして俺はあのライフルを取りに一端教室に戻った。

 

 

 

渚side

 

一端教室に戻った広俊君は、何やら妙な銃を持ってきた。長さはスナイパーライフルより少し短いけど、弾を込めるハンドルがない、その代わり、トリガーの近くにレバーがついていた

周りの皆が集まってくる、千葉くんと速水さんは興味深そうにそれを眺めていた

 

「広俊君、その銃は何?」

 

「これはレバーアクションライフルって奴だ、大分前から律と烏間先生と相談しながら作ってたんだ」

 

「でも、コレ、どうやって撃つの?」

 

「まず、マガジンに弾を込めて入れて、ここのレバーを引くんだ」ガチャ

 

「後は引き金を引いて撃つだけだ」パン

 

広俊君の撃った弾は訓練用の風船に見事命中した

 

「まだまだ、コレのいいところはあるぞ、渚、アサルトライフルのスコープを外して貸して欲しい」

 

「うん……………はい、広俊君」

 

僕からスコープを受け取った広俊君はそれをライフル上部のレールに取り付けまた構え直して風船を狙った

 

「このライフルは、普通のスナイパーライフルのようなボルトハンドルは無い、レバーで装填するからな、だから、スコープを覗いたまま装填し続けることができる、俺の場合はスコープから目を離すと集中力が途切れるからな、コレを試して見たかったんだ」

 

広俊君はそう言うとスコープを覗いて一発撃った、覗いたままもう一発、またもう一発と撃っていった………すごい、全弾命中だ。

 

「広俊君、スゴいよ!全弾命中だよ!」

 

「いや、もう一つあってな、渚、アサルトライフルのマガジンを貸して欲しい」

 

「アサルトライフルのマガジンも使えるの?」

 

「一応な」

 

そう言うと広俊君はスコープを外してライフルのマガジンをアサルトライフルのものに変え、的を狙った

 

「よし」バンバンバンバンバンバンバンバン

 

僕達は驚愕した、広俊君は、手首を高速で動かしてリロードと発射を繰り返していた、それもかなりの精度だ。

 

「すげーな広俊!」

 

「ありがとう磯貝、コレなら俺も今以上に暗殺に貢献できそうなんだが、どう思う?」

 

「ああ、頑張ろうぜ!」

 

 

広俊side

 

ライフルのテストは大成功だった、精度も高くて扱い易いな、そう考えていた俺に烏間先生が話し掛けてきた。

 

「笹井君、どうやら武器のテストは無事に終わったようだな、どうだ、そのライフルを使って遠距離射撃の測定をやってみないか?」

 

「はい!」

 

こうして、烏間先生は俺の射撃能力を再測定してくれた。結果は上々だった。

 

「………精度が上がっているな、これなら、暗殺への更なる貢献も期待できるだろう、しかし、苦手を克服することも忘れないで欲しい」

 

「分かりました」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

放課後、追加訓練を終え、俺は陽菜乃と一緒に帰っていた……陽菜乃、ちょっと怒ってる?

 

「広俊君…律と仲良しなんだね…」

 

なるほど…こんな感じなんだな…

 

「心配ないよ陽菜乃、E組で一番大切な人は、陽菜乃だよ、律には俺の暗殺に協力してもらってるだけだ、安心して欲しい」

 

そう言って俺は陽菜乃の頭を撫でた

 

「えへへ…大丈夫なんだね…あ、そうだ広俊君、律と一緒に私にも何か作ってよ! ハンドガンだと、どうしても中距離より先が狙いづらくて…でもアサルトライフルはちょっと大きいし…」

 

「わかった、律と相談してみるよ」

 

「ありがとう!広俊君!」

 

「やっぱり陽菜乃の笑顔は最高だな!」

 

「広俊君もね!」

 

そうして俺達はそれぞれの家へと帰っていった

 

 

 

 

 

その夜、俺は律を呼び出した

 

 

「はい、広俊さん、何かご用でしょうか?」

 

「律……何で水着なんだ?」

 

「学校は明日からプール開きですから!他のバージョンもありますよ!広俊さんもコスチュームチェンジ機能を使ってみて下さい!」

 

「水着は目のやり場に困るからな……じゃあ、小袖に裳袴で…」

 

「了解しました!それで相談とは何でしょうか?」

 

「陽菜乃が射程距離が伸ばせて取り回しのいい銃が欲しいらしいんだ」

 

「なるほど…サブマシンガンはどうですか?」

 

そう言って律は俺にいくつかサブマシンガンの画像を提示した…俺の好きなやつは…無いな、律はその中から1つ選び、拡大して表示した。

 

「この銃はどうですか?軽い上に、安定性も高いですよ!」

 

「……よし、律、作れるか?」

 

「はい!お任せ下さい!」

 

そうして俺は律に陽菜乃用の武器を頼んだのだった




次回、プールの話(の予定)です


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ACT.24 プールの時間

広俊「どうしてこんなに更新が遅かったんだ?陽菜乃、何か知ってるか?」

倉橋「なんか、新学期のストレスで頭痛とかに悩まされてたらしいよ~」

広俊「春休みの不摂生が祟ったな……」

広俊・倉橋「それでは、どうぞ!」


広俊side

さあ、いよいよ夏に入る、期末テストに向けて勉強……と言いたいところだが

 

 

「あっちぃー」

 

「今日びクーラーの無い教室とか…」

 

「干からびそうだぜ…」

 

「クーラーで快適な本校舎が羨ましいな…」

 

「……温暖湿潤気候で暮らすのだから諦めなさい、ちなみに先生は放課後には寒帯へ逃げます」

 

「ずりぃ!」

 

「俺らも連れてってくれよ殺せんせー」

 

「分かりました…と言いたいところですが、マッハ20でも出来ないことは有るんです!!」

 

「でも今日プール開きだよね?楽しみ~」 

 

陽菜乃はそういうものの、プールは本校舎にある、行きはともかく、帰りに暑さと登り道とプールの疲れで力尽きかねない、白骨街道まっしぐらだ。岡島も同意見のようだな

 

「仕方ありませんね、裏山に小さい沢がありますのでそこへ涼みに行きましょう、全員、水着に着替えて着いてきなさい」

 

俺達は着替えて外に出た

 

「裏山の沢って言っても、あそこ、足首あるか無いかぐらいの深さだぞ…」

 

「お前もあそこ行ったことあるんだな、広俊」

 

「千葉もよくあそこ行くのか?」

 

「たまにな、まあ、教室やグラウンドよりかは涼しいだろうな」

 

もうそろそろ沢だが、妙な音が聞こえる、が流れ落ちる音か?でもそんな水量は無いぞ…

 

そう思っていた俺の目の前に大きな池……いやプールが現れた

 

「何せ小さな沢を塞き止めたので、水が貯まるまで20時間、水門で水量も管理できるので、冬には魚も飼って観察できます、製作に1日、校舎から1分、あと1秒あれば飛び込めますよ!」

 

 

「「「「「い、いやっほおおおおおおう!」」」」」

 

俺たちはプールに飛び込んだ、こういうことされると、殺しづらくなるじゃねぇか、殺せんせー

 

「広俊君、泳がないの?」

 

「泳ぎたいのはやまやまだけど、一つ問題があってだな…」

 

「?」

 

「足を………………つった………」

 

「殺せんせー!広俊君が足つったみたい、助けてあげてよ!」

 

「広俊君、片足は動きますか?」

 

「ま、まぁ、動くけど…」

 

「では倉橋さんに支えて貰って上がってきて下さい」

 

「そういや殺せんせーは入らないのか?気持ちいいよ」

 

「せ、先生は放課後に入りますよ」

 

「成る程、じゃあ………陽菜乃……頼む」

 

「うん///」

 

こうして俺は陽菜乃に支えられてプールサイドに上がった、周りがニヤニヤしていたのは言うまでもない。それよりもなんで殺せんせーは入ろうとしないんだ?それが結構気になるな…

 

 

 

 

俺がプールサイドで足をほぐしていると、近くを走っていた木村が殺せんせーに注意された、その後も殺せんせーは立て続けに注意していく、こ、小うるせぇ…

 

 

「カタいこと言わないでよ殺せんせー、水かけちゃえ!」

 

「きゃんっ!」

 

え、殺せんせー、何なんだ…今の悲鳴…もしかしたら殺せんせー…プールに入りたがらなかったのは、放課後に入るからじゃなくて、水がダメだからだったのか?

 

すると、カルマがこっちを見て、殺せんせーが座っている椅子を指差しながら目配せをしてくる……成る程、揺らせってことか、俺とカルマはさりげなく殺せんせーの椅子に近づいていき、それをおもいっきり揺らした。

 

「きゃぁっ、ゆ、ゆらさないでカルマ君、広俊君!水に落ちる!」

 

「いや、そんなに慌てること無ぇじゃねぇか殺せんせー、ビート板あるからそれで浮けるだろ?」

 

「これはビート板じゃありません広俊君!ふ菓子です!」

 

 

「「「「「ふ菓子かよ!」」」」」

 

水か…結構有効な暗殺手段になりそうだな…

 

 

「あ、やば、バランスが! うわっぷ!」

 

そう俺が考えていると、茅野がバランスを崩したらしく、浮き輪から落ちた、背が低いから立てないようだ……マズイ、溺れかけてる

 

すると、片岡が飛び込んで茅野を救助し、事なきことを得た、片岡は泳ぎが得意なんだな

 

 

 

その日の放課後、俺達はプールに集合して水を利用した殺せんせーの暗殺についての作戦を立てた。

 

「皆、私の考える計画はこう、この夏の間、どこかのタイミングで殺せんせーを水中に引きず込む、それ自体は殺す行為じゃないけど、ナイフや銃よりは確実に防御反応も遅れるはず、そして、ふやけて動けない殺せんせーを水中で待ち構えてた生徒がグサリ!水中にいるのが私だったらいつでも任せて、バレッタに仕込んだナイフで、いつでも殺れる準備はしてる」

 

「おお~、昨年度の水泳部クロール学年代表、片岡メグ選手の出番ってわけだ」

 

「まず大事なのは、殺せんせーに水場の近くで警戒心を起こさせないこと、夏は長いわ、じっくりチャンスを狙っていこう!」

 

片岡は皆をまとめる能力がものすごく高い、さらに日頃の面倒見の良さや颯爽として凛々しい姿は皆の模範となる存在だ。でも、イケメグってなんなんだろ…?

 

「矢田、イケメグってどういう意味なんだ?」

 

「ほら、メグって文武両道で凛々しくて、さらに面倒見がいいでしょ?だからイケメンのメグ、略してイケメグって呼ばれてるんだよ。」

 

「成る程」

 

「メグは本校舎の女子からラブレターをもらうこともあるらしいよ、私もE組来たばっかの頃に結構メグに助けてもらったんだよ」

 

「…………片岡に惚れそうにでもなったのか?」

 

俺は小声でそう聞いた

 

「………うん……広俊君はそういうの、嫌いかな?」

 

「俺は別になんとも思わないが、それだけ片岡は徳の高い人間という何よりの証拠だな、でも、なんで優秀な片岡がE組に?」

 

「苦手科目の成績が落ちたって聞いたけど…努力家のメグにそんなことってあるのかな…」

 

「……何かしら事情が有るんじゃないか?」

 

「そうだろうね…」

 

そんな会話をしながら俺達は帰った、片岡はどうやら泳ぎの練習をするらしい。プールに残っていた。

 

 

このプールがある騒動の火種となることを広俊達はまだ知らない…




どうも、作者の穂井田秀元です、投稿遅れて申し訳ありませんでした!これからも頑張って参りますので、どうか応援宜しくお願い致します!


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ACT.25 再来の時間

広俊「今回はイトナとシロ再来のエピソードです」

倉橋「作者さん曰『ほとんど原作に沿ってる』らしいよ~」

広俊「成る程、それでは」

二人「本編へ、どうぞー!」


「プールが出来て、体育の授業が一段と楽しくなったね~!」

 

「ああ、しかも、沢の水を使ってるから本校舎のプールと違ってすぐにぬるま湯にならないし、最高だよな!」

 

「うんうん、しかも、あのプールの上流、そこそこの大きさの池があるらしいよ!今度いきもの探しに行こうよ、広俊君!」

 

「ああ、何がいるのか楽しみだな!」

 

俺が教室で陽菜乃と一緒にしゃべっていると、岡島と前原が何やら慌てた様子で教室に入ってきた

 

 

「皆、大変だ!」

 

「プールが!」

 

 

俺達がプールの方に急いだ、プールはコースロープが切られ、ゴミが捨てられ、イスが壊されて何ともひどい状態となっていた。岡島と前原は、ビッチ先生の水着写真を撮ろうとしたときに、これを発見したらしい。

 

「ひどい…一体誰がこんなことを…」

 

寺坂、吉田、村松の3人が不適な笑みを浮かべている、証拠は無いが、やったのはおそらくこいつらだろう

 

「渚、広俊、なんだその目は?証拠も無いのに俺ら疑うなんてつまんねーことしてんじゃねぇよ!」

 

「寺坂君の言う通りです。犯人探しなどつまらない事は必要無い」

シュババババ

 

「ほら、元通りです。皆さん元気に遊んで下さい」

 

殺せんせーによってプールは一瞬で元通りになった。俺は寺坂達が一瞬した悔しそうな表情を見逃さなかったが、殺せんせーが犯人探しは必要無いと言ったからな。

 

 

プールからの帰り、俺はカルマと話していた

 

 

「カルマ、さっきのことはどう思う?」

 

「プールを壊したのは多分寺坂達の犯行だろうね、何か気になることでもあるの、広俊?」

 

「何か嫌な予感がしてな、当たらないといいけど…」

 

「広俊の勘はよく当たるからね~」

 

 

 

放課後、帰ろうとした俺と吉田は殺せんせーに呼び止められた。

 

「どうしたんだ?殺せんせー?」

 

「ヌルフフフフ…実は君たちに見せたいものがありましてね」

 

そう言うと殺せんせーは修学旅行の時に持っていたデカイリュックを持ってきて、机や椅子をどかし、教室の真ん中に置いた、なにするつもりなんだよ…

 

シュババババ!

 

「おお!スゲェ!」

 

殺せんせーは一瞬でリアルサイズのハヤブサ(バイク)と1/3ぐらいのスケールのS13シルビアを組み立てた……ヤバい…めっちゃ嬉しい!吉田も興奮している

 

「コレどうしたんだよ殺せんせー!」

 

「この山に捨ててあった廃材やプールの廃材を集めて作りました、ガラスは流石に無かったので、先生の脱皮の皮を使っています、出来ればクルマの方もフルスケールにしたかったのですが、材料に限りがありまして…」

 

「いやいや、リアルだし問題ないよ、なぁ!吉田!」

 

「広俊の言う通り、まるで本物じゃねーか!」

 

俺達がバイクとクルマに興奮していると、教室に寺坂が入ってきた

 

「………なにしてんだ吉田」

 

「あ、寺坂、い、いやぁ…この前こいつと広俊とでバイクとクルマの話で盛り上がっちまってよ、うちの学校こう言うの興味あるやついねぇから」

 

「ヌルフフフフ、先生は大人な上に漢の中の漢、この手の趣味も一通り齧ってます、しかも、このバイク、最高時速300km出るんですって、クルマの方はバイク程ではありませんが、何せスポーツカーなので、そこいらの車とは段違い、先生一度本物に乗ってみたいモンです」

 

 

「アホか、抱き抱えて飛んだ方が速えだろ」

 

「それに本物買うとなると、先生免許からとらないといけなくなるし、何よりカネが足りないと思うぜ、理事長に土下座して前借りでもするのか?殺せんせー」

 

「アハハハハハ!」

 

バキィッ!

 

ドゴォォォン!

 

寺坂が唐突にバイクを蹴り倒し、シルビアに蹴りで大穴を開けた。

 

「「何てことすんだよ寺坂!」」

 

「謝ってやんなよ、大人な上に漢の中の漢の殺せんせー泣いてるよ!?」

 

 

「テメーらブンブン虫みたいにうるせぇな、駆除してやんよ!」

 

そう言った寺坂は殺虫剤のスプレーを床に叩きつけた

 

「うわっ、何だコレ?」

 

「殺虫剤!?」

 

殺虫剤にしては違和感を感じる…殺虫剤の香りがしない…

 

「寺坂君!ヤンチャするにも限度ってものが…」

 

「さわんじゃねえよモンスター、気持ちわりーんだよ、テメーも、モンスターに取り込まれて仲良しこよしのテメーらもよ!」

 

「何がそんなに嫌なのかねぇ…気に入らないなら殺しゃいいじゃん、せっかくそれができる教室なのに」

 

「何だカルマ、テメー俺にケンカ売ってんのか?上等だよ!、だいたい………ムグッ!」

 

「ダメじゃん寺坂、ケンカするなら口より先に手ェださないと」

 

「くだらねー、離せ!」

 

 

そう言うと寺坂は教室から出ていった。何もなければいいんだがな…

 

「…何なんだアイツ」

 

「一緒に平和にやれないもんかな…」

 

まさしくそのとおりだった。

 

 

 

 

 

次の日の昼休み、俺達が飯を食っていると寺坂が教室に入ってきた………遅刻しすぎだ

 

「おお、寺坂君!今日は休むのかと心配でした!昨日のことはご心配なく!もう皆気にしてませんよね?ね?」

 

「う、うん、汁まみれになっていく寺坂の顔の方が気になる……」

 

「それより鼻水とまらねぇのか?殺せんせー、寺坂顔中せんせーの鼻水まみれだぞ…」

 

「自分の体調よりはまず寺坂君のことからです、悩みがあるなら後で聞かせてもらえませんか?」

 

「…………おいタコ、そろそろ本気でブッ殺してやんよ、放課後プールへ来い、弱点なんだってな…水が」

 

「テメーらも全員手伝え、俺がこいつを水ん中に突き落としてやっからよぉ!」

 

クラス内に沈黙が訪れる、それを破ったのは前原だった。

 

「………寺坂、お前ずっと皆の暗殺に協力しなかったよな、なのにいきなり手伝えなんて命令されて皆が皆ハイやりますって言うとおもうか?」

 

「ケッ、べつにいいぜ、来なくても、そん時ゃ俺が賞金百億独り占めだ」

 

そう言って寺坂は出ていった

 

「何なんだよアイツ………」

 

「もう正直ついてけねーわ」

 

「私行かなーい」

 

吉田、村松、陽菜乃がつづける、千葉や岡野も同意見のようだ。

 

「皆さぁぁぁん、行きましょうよぉ……」

ドロドロドロ

 

「うわあっ」

 

「粘液で固められて逃げらんねぇ!」

 

殺せんせーが大量の粘液を出して俺達の足元を固めた、まあ…気持ちは分かる、殺せんせーだって寺坂ときちんと向き合いたいんだろうな

 

「皆で一緒に暗殺して皆仲直りです」

 

顔がドロドロになってなければ説得力あるんだけどな…

 

 

 

 

 

 

その後、俺たちはプールに行き寺坂の指示の下プール全体に散らばっていた、唯一寺坂に反論した竹林も無理矢理落とされた……コレじゃ完全に暴君だ

 

 

 

 

 

寺坂は全員が均等にプールに散らばったのを認めると、殺せんせーに向けて拳銃を構えた…何だか変だ、こんなので殺せんせーをプールに落とせる筈がない………ん?なんだあれ

 

 

 

プールの水門に何かが付いているのを発見した俺はプールから急いで上がってそれを確認しようとした……木やゴミじゃなさそうだ

 

 

「おい広俊! テメー何やってんだ!」

 

「水門に何か引っ付いてる、見てくるぞ」

 

「どうせ木かなんかだろ!とっとと戻れ!」

 

 

 

 

俺は喚き散らす寺坂を無視して水門に向かった

 

 

 

なんだコレ…小包…上になんかついてる……まさか!!

 

「寺坂!撃つな!爆弾だ!」

 

俺がそう言ったのは寺坂が引き金を引いたのと同時だった

 

 

ドガァァァァァン

 

 

ヒュン  ガッ!

 

「ぐっ!」

 

「皆さん!」

 

予想通り、それは爆弾だった、しかも、思ったよりかなり強力で、俺は爆発で飛び散った水門の破片の一つを頭に食らった、皆流されていく…この先は岩場だ、叩きつけられて死ぬ、急いで助けないと…

 

 

 

「奥田さん!不破!掴まれ!」

 

俺は近くを流れていた奥田さんと不破を救助し、その後矢田も救助した、殺せんせーの方を見ると、もうあらかた助けていた。

 

 

「ひ、広俊君…大丈夫ですか?その……血が」

 

奥田さんに指摘されてはじめて気づいた…少し切れてんのかな

 

「大丈夫だよ奥田さん、怪我には慣れてる」

 

「広俊!プールがなくなってんだけど、何があったの?」

 

「カルマ!実はな……」

 

俺はカルマに事情を説明した、するとカルマは放心状態で震えている寺坂の所に向かい、言い訳をする寺坂をおもいっきり殴った

 

「流されたのは皆じゃなくて自分じゃん、他人のせいにする暇あったら、何がしたいか自分でかんがえたら?」

 

俺は皆と一緒に岩場の方に向かっていた、殺せんせーは…イトナと戦っていた…おかしい、ふやけた状態で原さんを守りながら戦っているとはいえ、いくらなんでも劣勢すぎる

 

俺は寺坂の話を聞いていた、今回の爆破はシロの計画によるもので、クラスに馴染めていなかった寺坂を利用したらしい。やはり、シロは他人を道具としか見ていない、アイツは今得意気そうに殺せんせーとイトナの戦いを観戦している。何故シロはそこまでして殺せんせーを殺したがるんだ?

 

すると寺坂が下におり、トレアドール(闘牛士)の要領でシャツを構えた

 

「おいシロ!よくも俺を騙してくれたな!」

 

「寺坂君か、まあまあ怒るなよ、ちょっとクラスメイトを巻き込んじゃっただけじゃないか、クラスで浮いてた君にとっては丁度良いだろ?」

 

「うるせぇ!テメェらは許さねぇ!イトナ!テメェ俺とタイマン張れや!」

 

「やめなさい寺坂君!君が勝てる相手じゃない!」

 

「すっこんでろふくれタコ!」

 

「健気だねぇ…黙らせろ、イトナ」

 

「カルマ!」

 

「カルマ君!」

 

「問題ないよ二人とも、シロは生徒を殺すのが目的じゃない、生きてるからこそ殺せんせーの注意を削げるんだ、原さんも一見すると超危険だけど、イトナに狙われることは無いだろう、たとえ下に落ちても、殺せんせーが見捨てないのは体験済みだし、だから寺坂にも言っといたよ、気絶する程度の一撃は喰らうけど、逆にスピードもパワーもその程度、死ぬ気で喰らい付けって」

 

シロが次の一撃をイトナに指示した瞬間、イトナは花粉症になった人のように、涙やくしゃみや鼻水を出した、同時に触手からも粘液がドロドロと出てくる

 

「寺坂のやつ、昨日と同じシャツ着てるんだ、つまり、あの変なスプレーの成分を至近距離でたっぷり浴びてるって事だ、あれで殺せんせーの粘液はダダ漏れになったから、イトナもただで済む筈がない、で、イトナに隙が出来たら、原さんはあのタコが助けて暮れる」

 

そう言いながらカルマはハンドサインを出し、俺達は飛び降りれる場所に並んだ

 

「殺せんせーと弱点一緒なんだよね、じゃ、同じことやり返せばいいわけだ」

 

「ま、まずい!」

 

シロが気づいたものの、もう遅い、俺達は下に降りてイトナに水を掛けまくった、イトナの触手は膨れ上がった。

 

「ずいぶん水吸っちゃったね、あんたらのハンデが少なくなった、で、どーすんの?俺らも賞金持ってかれると嫌だし、そもそも皆あんたの作戦で死にかけてるし、ついでに寺坂もボコられてるし、まだつづけるなら、こっちも全力で水遊びさせてもらうけど?」

 

「……してやられたな、積み上げた策が、たかが生徒の行動によってズタズタにされてしまった……ここは引こう、触手の制御細胞は感情に大きく左右される危険な代物、この子らを皆殺しにでもしようものなら、反物質臓が同暴走するのか分からん、帰るよイトナ」

 

「…………………」

 

「イトナ」

 

「どうです?皆で楽しそうな学級でしょう?そろそろちゃんとクラスに来ませんか?」

 

「クッ!」バッ

 

「何とか追っ払えたな」

 

「よかったね殺せんせー、私達のお陰で命拾いして」

 

「ヌルフフフ、勿論感謝してます、まだまだ奥の手は有りましたが、ところで広俊君、君は怪我をしてるみたいですね」シュババババ

 

殺せんせーは少しぎこちない動きだったが、俺の怪我を縫合してくれた。

 

「ありがとう殺せんせー」

 

「そーいや寺坂くん、さっき私のこと散々いってたね、ヘヴィだとかふとましいとか」

 

「い、いやあれは状況を冷静かつ客観的に分析してだな」

 

「言い訳無用!動けるデブの恐ろしさ、見せてあげるわ!」

 

原さん怖ぇ……あの寺坂がビビり上がってる…

 

 

「あーあ、ホント無神経だよね寺坂は、そんなんだから人の手のひらで転がされんだよ」

 

「うるせーカルマ!テメーも一人高いところからみてんじゃねぇ!」

 

「はぁ!何すんだよ上司に向かっ「誰が上司だ!触手を生身で受け止めさせる上司がどこにいる!大体テメーはサボり魔のクセに美味しいところは持っていきやがって」」

 

「あーそれは私も思ってた」

 

「この機会は泥水もたっぷり飲ませようか」

 

寺坂の弁に片岡と中村も便乗する、その後は皆でカルマに水を掛けまくった、色々とトラブルはあったものの、寺坂はクラスに馴染んできた、恐らく皆それは嬉しいだろう、俺もそうだ。

 

 

 

 

 

 

 

その後、俺は陽菜乃に縫合部分にデカイ絆創膏を張られた。陽菜乃は少し怒っていた…本気で心配しててくれたんだな




どうも、作者の穂井田秀元です。

次回オリジナルエピソード挟んで、期末テストにいこうと思います!


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ACT.26 ラーメンの時間

広俊「今回は修学旅行の時にお世話になった京一さんとの話です。」


倉橋「京一さん?広俊君、その人ってだれ?」


広俊「修学旅行の時に、陽菜乃達さらわれただろ?その時陽菜乃達を捜索するのに協力してもらった人だよ」


倉橋「じゃ私もお礼いわないとね!  では!」


二人「本編へ、どうぞー!」








広俊side

 

イトナとシロを追っ払った週の休日、俺達四班は京一さんのラーメン屋に行くことになった、本来は四班水入らずだったが、殺せんせーと村松が付いていくことになった。俺は京一さんに電話して予約をとり、相談の結果皆と駅に集合して電車で市ヶ谷に行くことになった。(ちなみに殺せんせーは目立つので電車では行かずに飛んで行く)

 

 

 

 

 

当日、皆より早く駅に着いた俺はスマホをいじりながら皆を待っていた

 

 

奥田「あ、広俊君、おはようございます」

 

 

広俊「あ、おはよう奥田さん、奥田さんが一番乗りだな」

 

 

杉野「おはよう広俊!」

 

 

神埼「おはよう広俊君」

 

 

広俊「おはよう杉野、神埼さん。多分もう少ししたら渚たちも来ると思うから、皆で待っていようぜ」

 

 

村松「よう広俊、今日はよろしくな」

 

 

広俊「お、村松も来たか、あとは渚と茅野とカルマだな」

 

五分ほど待つと、渚と茅野とカルマがやって来た。俺達は電車に乗り、都心に向かった。皆が持ってるSu◯caってやつ、便利だな…わざわざキップ買わなくていいのか…あんなに便利だとは、大誤算だぜ…

 

電車を乗り継ぎ、市ヶ谷駅に着いた。ここから防衛省まで2分、さらに少し歩くと京一さんの店『ラーメン屋 エンペラー』に着く

 

 

村松「そういや広俊はそのラーメン屋の常連なんだろ? なんかオススメあったら教えてくれよ」 

 

 

広俊「うーん…全部うまいからなぁ…まあ、俺の一番のお気に入りは『豚骨醤油ラーメン』かな?スープが麺によく絡んで美味しいんだよなぁ」

 

 

村松「じゃそれを食ってみるか」

 

 

殺せんせー「そうですねぇ、では、先生もそれを食べましょう!」

 

 

全員「こ、殺せんせー!いつの間に!?」

 

 

殺せんせー「皆さんが駅を出発したときぐらいからですかねぇ、ラーメン、楽しみですねぇ…」

 

 

そう言うと殺せんせーは涎をだらだら出した。流石に目立つのでタオルを渡した

 

 

杉野「広俊、あの店か?」

 

 

広俊「そうそう、あの店だ、あ、白のエボもある、清次さんもいるな」

 

 

神埼「清次さんってだれなの?広俊君」

 

 

広俊「清次さんは京一さんの幼なじみだよ、一緒にラーメン屋を切り盛りしてるんだ」

 

 

俺達は道路を渡り、京一さんの店に入った。

 

 

ガラガラガラ

 

 

京一「ごめんねお客さん、今日は予約が…って広俊か!久しぶりだな! よし、清次、お前はもう上がって良いぞ」

 

 

清次「ホントに一人で大丈夫なのか?京一、まあ、上がらせてもらうぜ、皆!エンペラーの味、楽しめよ!」

 

 

広俊「はい!楽しませてもらいます!」

 

 

京一「お、デカイ先生と赤色の坊主!久しぶりだな!元気にしてたか?」

 

 

殺せんせー「はい、修学旅行の時はお世話になりました、今日はお礼も兼ねてこの店のラーメンをごちそうになります」

 

 

カルマ「おじさんも元気にしてた?ラーメン楽しみだなー」

 

 

京一「二人とも元気みてぇだな、よし、それじゃ注文は?」

 

 

俺達はそれぞれの希望メニューを注文した

 

 

広俊 村松 渚 殺せんせー 豚骨醤油ラーメン

 

杉野 神埼 奥田 茅野 あっさり鶏ガララーメン

 

カルマ 豚骨チャーシュメン(モヤシ増量、味玉追加)

 

 

メニューを一通り注文し終えると、村松がある一点を見つめていた

 

 

広俊「どうした?村松?」

 

 

村松「いや、あのスローガンが気になってよ」

 

 

村松が指差した先を見ると移転前の店にもあった、京一さん直筆のラーメンの極意があった。

『コシのある麺プラスよく麺に絡むスープ、この条件にあらずんばラーメンにあらず』と筆で豪快に書いてある

 

 

村松「うち、ラーメン屋なんだけどな、いくら言っても親父はレシピを変えようとしねぇんだ」

 

 

村松が俺にそうぼやくと、京一さんが会話に入ってきた

 

 

京一「坊主、お前は将来、ラーメン屋継ぐのか?」

 

 

村松「まあ、そうっすけど…」

 

 

京一「なら、今のうちに練習しまくって、お前さんの親父をひっくり返らせるようなラーメンを作ってみることだな、」

 

 

村松「分かりました、今日勉強させてもらいます」

 

 

京一「へっ、いい目だな、気に入ったぜ………これが俺の電話番号だ、ラーメンの事で相談がありゃ相談に乗るぜ」

 

 

殺せんせー「おお…生徒のために…有難うございます、小野寺さん!」

 

 

村松「有難うございます」

 

 

京一「礼には及ばねぇよ………よし、そろそろ麺がいい感じだな……………はいよ、ラーメンお待ち!」

 

 

全員「おお~美味しそう!」

 

 

 

杉野side

 

ラーメンが運ばれて来ると、俺たちは早速いただきますをしてラーメンを食べた、目茶苦茶うまい

 

 

神埼「美味しいね、杉野君!」

 

 

杉野「あ、ああそうだな、神埼さん!」

 

 

村松「親父にもこれ食わせてやりてぇよ」

 

 

奥田「美味しいです!こんな美味しいラーメン初めてです!」

 

 

茅野「うんうん!」

 

 

カルマ「俺もだよー、また食べに来よっかなー

ねぇ渚君」

 

 

渚「うん、そうだね!」

 

 

京一「ありがとよ、こっちのモチベーションも上がるってもんだ」

 

 

他の皆もそれぞれの注文したラーメンを楽しんでいるようだ。でも一人……

 

 

 

殺せんせー「ふーっ ふーっ ふーっ」

チュルチュル

 

 

京一「先生、ひょっとしたら猫舌か?」

 

 

殺せんせー「はい、そうなんですよ…」

 

 

京一「ま、安心しな、俺のラーメンはのびにくいからよ」

 

 

カルマ「おじさーん、替え玉ってできる?」

 

 

広俊「カルマァ…」

 

 

京一「ドンマイだな、広俊、替え玉ならできるぜ、満足行くまで食べてってくれよ!」

 

 

杉野「広俊も大変だな…」

 

 

神埼「そうだね…」

 

 

渚 茅野「アハハハ……」

 

 

 

広俊side

 

ラーメンを食べ終わり、俺達はお会計を済ませた。大分財布が寂しくなった…だが、皆も楽しんでいたようだし、結果オーライだ

 

 

 

村松「今日はありがとな広俊、俺、頑張ってみるわ」

 

 

広俊「頑張れよ村松、応援してるぞ」

 

 

殺せんせー「ヌルフフフ、村松君、将来家業を継ぐつもりなら、そろそろ経営の勉強に少しずつチャレンジしてみませんか?」

 

 

村松「分かったぜ殺せんせー、やってみるわ」

 

 

村松がそう答えると、殺せんせーは顔に丸をうかべた………目立つからやめとけよ…

 

 

 

その後、俺達は電車に乗って椚ヶ丘まで帰り、解散した、俺が家に向かって歩いていると、殺せんせーが俺に話しかけてきた。

 

 

殺せんせー「さて、次はいよいよ期末テストですよ!頑張りましょう、広俊君」

 

 

広俊「うん、そのつもりだよ、殺せんせー、で

も、一つ心配があるんだよ」

 

 

殺せんせー「にゆっ?」

 

 

広俊「カルマだよ、あいつ、この前のテスト勉強の時間の時に、少しサボり気味な感じだったからな、ひょっとしたら、なんか油断してるんじゃねぇかって思ってな」

 

 

殺せんせー「君も気付いていましたか、しかし、まず自分の心配からですよ」

 

 

広俊「そうなんだよなぁ…」

 

 

殺せんせー「ヌルフフフ、今回は君たちにもっとやる気を出させる秘策があるのです、広俊君にもチャンスがあるモノですよ」

 

 

広俊「それは楽しみだな、んじゃ、もっと気合い入れるか!」

 

 

殺せんせー「その意気込みです!」

 

 

 

その後も殺せんせーと色々な話をした。話をしていると、家に着いたので俺は殺せんせーにさようならを言って帰宅した。

 

 

明日でテストまで二週間を切る、頑張ってあいつらに一泡吹かせてやらないとな




どうも、作者の穂井田秀元です!


「」の横に発言者の名前を追加しました!


次回は期末テストの話です!オリジナル登場人物も登場しますのでお楽しみに!


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ACT.27 期末の時間


広俊「今回は期末テストの話です!」

倉橋「さらにオリキャラも登場!」

広俊「それでは」

二人「本編に、どうぞ!」


広俊side

 

今日は期末テスト当日、俺達は一学期の間に基礎をしっかり身に付けた。中間のようにはいかない、さらに今回は教科トップには触手破壊の権利がある、さらにA組との賭けもある、負けるわけにはいかない……!

 

 

倉橋「広俊君、今回はどう?自信ある?」

 

 

広俊「まあ…一応殺せんせーの授業で力はついてきてるからな…社会も磯貝と一緒に勉強してスキを無くせるよう努力したし…磯貝と一緒にアフリカにも連れていかれたしな…陽菜乃はどう?」

 

 

倉橋「数学が不安だねー、でも、出来る限りのことはやってみるつもりだよ!」

 

 

広俊「よっしゃ、頑張るか!」

 

 

倉橋「うん!」

 

 

その後、校門の所で磯貝と片岡と岡島に会ったので、俺達は一緒にE組用の試験教室に向かった

 

 

広俊「成る程、A組との賭けのいきさつに、そんな事があったのか…」

 

 

磯貝「ああ、ごめんな、巻き込んで」

 

 

広俊「いやいや、A組や本校舎の奴らにギャフンと言わせるいいチャンスじゃねぇか、やってやろうぜ、磯貝」

 

 

???「ほぉ…広俊、俺達に勝とうなど、いい度胸だな」

 

 

???「お前らE組が負けると、更にツラくなると思うぜ」

 

 

???「まぁ、俺達と五英傑がいれば、お前らなんて余裕だろうがよ」

 

 

???「ずいぶん無謀な賭けをしたものよね」

 

 

???「うんうん」

 

 

片岡「あんたたち、急にゾロゾロ出てきていきなり何?」

 

 

岡島「広俊、こいつらお前の事知ってるみたいだけど、誰だ?」

 

 

広俊「……………こいつら全員、2年のときに同じクラスだった奴らだ、最初に発言したリーダー格が山内 孝、次に発言した奴が石川 敬、3番目が雨森 高 コイツら3人でトリプルたかし、通称A組の三羽烏、五英傑には多少劣るものの、結構な実力はあると思う」

 

 

磯貝「三羽烏か……」

 

 

広俊「んでんで、あとの二人が、男子の方が尾瀬 春夫、女子の方が宮本 絹代だ、まぁ三羽烏の取り巻きかな?」

 

 

尾瀬 宮本「雑!」

 

 

山内「まぁ、せいぜい頑張りなE組の諸君、でも、勝つのは俺達A組だ。」

 

 

そう言い残して、三羽烏達は去っていった

 

 

 

磯貝「なんなんだあいつら…大丈夫か?広俊」

 

 

倉橋「なんかすごくウザいねー、広俊君、大丈夫?」

 

 

広俊「あ…うん大丈夫だ、ありがとう、陽菜乃、皆」ニコッ

 

 

((((え、笑顔の破壊力が半端じゃない…))))

 

 

俺達は試験教室に着いた……変な律がいた。髪はリアルなんだけどな………顔が似ても似つかない、律は漫画の登場人物のようなパッチリした目だが、この人は細め………

 

 

烏間「律役だ、交渉の末、替え玉を使うことで決着した。直属の上司の娘だ、口は固いし、索もしない寡黙な性格だ、心配はない」

 

 

広俊「烏間先生………どうしました?」

 

 

俺は烏間先生の様子が少し違うことに気付き、烏間先生に質問した

 

 

烏間「………交渉のとき、理事長に『大変だなぁコイツも』という、哀れみの目を向けられた俺の気持ちが、君らにわかるか?」

 

 

広俊達「頭が下がります!」

 

 

烏間「律からの伝言も合わせて俺からも、頑張れよ」

 

 

広俊「はい!」

 

 

 

キーンコーンカーンコーン

始業のベルが鳴った

さあ、戦いの始まりだ

 

 

英語

 

難問が多い……だが、渚に教えて貰ったコツが活かせてる、しかし、難易度が中間とダンチだ、これじゃ問題じゃなくて、問スターだな。

 

最終問題、渚が読んでた小説から出てるな……くそっ……満点まではいかなかったな、隣を見ると五英傑の瀨尾と三羽烏の雨森も△みたいだ、すると、中村と渚が飛び上がって問スターの眉間に一撃……スゲェ、満点回答だ

 

 

中村「お堅いねぇ!力抜こうぜ、優等生!」

 

 

理科

 

小山「そぉらーっ!理科は暗記だ!」

 

 

石川「暗記屋の力見せてやる!」

 

 

理科は暗記の鬼である小山や石川が暴れまくっていた。しかし……

 

小山 石川「何!装甲が剥がれない!」

 

あの二人、解答が文章形式の問題でつまづいてるな………一方こっちは…

 

問スター「アハハハハ!アハハハハー!」

 

自ら鎧を脱いで裸になった問スターが奥田さんを乗せて走り去って行った………

 

 

社会

 

広俊「食らえぇぇぇぇ!」

ガキィィィン!

 

 

問スター「グォォォォォ!」

ドサッ

 

 

広俊「磯貝!そっちはどうだ?」

 

 

磯貝「危なかったけど、倒せたぜ、アフリカ開発会議の首相の会談の回数、一応覚えといて正解だったな」

 

 

広俊「備えあれば、憂いなしだな!」

 

 

荒木「き、貴様らぁ!」

 

 

広俊「俺らの家、お世辞にも金持ちとは言えない、寧ろ貧乏な方だ、だからアフリカの貧困に興味があったんだ」

 

 

磯貝「そしたら実際に現地に連れてかれて、更に興味が広がっただけだよ」

 

 

広俊「でもアフリカの人たちにとって、俺達の貧乏は貧乏なんかじゃなかったんだ、もっと勉強しないとな」

 

 

国語

 

榊原「思った以上にやるようだな、E組!顔だけでなく言葉も中々美しい!」

 

宮本「でも、ただ一片の会心の解答でテストの勝敗は決まらない!」

 

 

神埼さんの髪の毛を触った榊原と宮本が問スターを倒していく……国語は俺も自信がある、古文も殺せんせーの教えによって強化されてる、行くぞ!

 

 

数学

 

正直自信は無い、うちのクラスでA組とタメを張れるのは、カルマぐらいだが、今回は心配だな。

 

 

 

 

テスト終了より3日後……返却の時がやって来た

 

 

殺せんせー「さあ、皆さん、テストの結果が帰って来ました、まずは英語からです」

 

 

殺せんせー「英語…E組一位は中村 莉桜!そして学年では…………素晴らしい!学年一位も中村莉桜!」

 

 

中村「フフン、どうやー!」

 

 

殺せんせー「完璧です、君のやる気はムラッ気があるので心配しましたが」

 

 

中村「何せ百億かかってっからね、触手一本忘れないでよ!殺せんせー」

 

 

殺せんせー「もちろんです………渚君も健闘でしたが、肝心な所でスペルミスをしてしまう癖が、まだまだなおっていませんね……しかしまだまだ触手一本、どうなるかは全教科帰って車で分かりませんよ」

 

 

殺せんせー「次は国語です、E組一位は神埼有希子!んがしかし、学年一位はA組、浅野学秀と宮本絹代!しかし神埼さん、大躍進です!十分ですよ」

 

 

前原「やっぱ点取るな、浅野は」

 

 

三村「強すぎ、英語だって中村と一点差の二位だぜ」

 

 

磯貝「流石全国模試一位、全教科隙無しか、あと広俊の言ってた奴もいるな…」

 

 

広俊「あいつらは総合点では五英傑に劣るけど、得意教科なら五英傑に勝るとも劣らないんだ」

 

 

木村「五英傑なんて言うけど、結局は浅野一人、あいつを倒さなきゃ、トップは取れないんだ…」

 

 

殺せんせー「続いて社会、E組一位は磯貝悠馬と笹井広俊、そして学年では……おめでとう!浅野君を押さえて一位です!」

 

 

磯貝「よし!」

 

 

広俊「よっしゃあ!」

 

 

殺せんせー「マニアックな問題が多かった社会で、よくぞこれだけ取りました!」

 

 

不破「これで二勝一敗!」

 

 

菅谷「次は理科……奥田か!」

 

 

殺せんせー「理科のE組一位は、奥田愛美…素晴らしい!学年一位も奥田愛美!」

 

 

全員「やったぁ!」

 

 

不破「三勝一敗!」

 

 

杉野「数学の結果を待たずして」

 

 

三村「早くもE組が勝ち越し決定!」

 

 

岡島「仕事したな、奥田!触手一本、お前のモンだ!」

 

 

木村「てことは賭けのアレも頂きだな!」

 

 

倉橋「楽しみー!」

 

 

竹林「あとは……数学だけですね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺の予感は的中した、数学の一位は浅野、カルマは数学で勝つどころか、トップ5からも弾き出された

 

 

皆で勝利の喜びを分かち合っている間、カルマは一人で外へ出ていった……

 

 

倉橋「広俊君!アレ、楽しみだねー!」

 

 

広俊「そうだな、俺の家、あまり裕福な方じゃないから、海とか島とか、殆ど行ったこと無いんだよな……」

 

 

椚ヶ丘は海に面していないからな……海にいくことは難しい、チャリでも結構かかる、かと言って海に行けないわけではない、行こうと思えば一人で行ける、ハイリスクと背中合わせだけどな………

 

 

すると、カルマが帰ってきた、少し悔しそうな顔してるな……

 

 

 

殺せんせー「さて皆さん、素晴らしい成績でした、五教科と総合点のなかで、皆さんがとれたトップは3つ、さっそく暗殺の方を始めましょうか、トップ4人の方はどうぞご自由に(まあ、3、4本は余裕でしょう、6本はヤバかったですがね)」

 

 

寺坂「おい待てよたこ、5教科のトップは4人じゃねぇぞ」

 

 

殺せんせー「四人ですよ寺坂君、国、英、社、理、数すべて合わせて…「はぁ?アホ抜かせ」」

 

 

寺坂「五教科っつったら国、英、社、理…あと、家だろ?」

 

 

殺せんせー「か、家庭科ぁぁぁぁぁぉぁ!」

 

 

寺坂「だーれもどの五教科とは言ってねぇよな?」

 

 

狭間「クックックッ、クラス全員でやりゃよかったこの作戦」

 

 

殺せんせー「か、家庭科のテストなんてついででしょ!」 

 

 

殺せんせーがそう言ったのでおれはカルマのそでをちょんちょんとつついた

 

 

広俊「カルマ、殺せんせーに言ったれ」

 

 

カルマ「ついでとか家庭科さんに失礼じゃね?殺せんせー、五教科の中じゃ最強と言われる家庭科さんにさ」

 

 

前原「そうだぜ先生!約束守れよ!」

 

 

広俊「家庭科できないと、生活出来ねぇもんな」

 

 

木村「一番重要な家庭科さんで4人がトップ!」

 

 

倉橋「合計触手はっぽーん!」

 

 

「はーっぽん! はーっぽん!」

 

 

クラス全員の8本コールの中、磯貝が口を開いた

 

 

磯貝「それと殺せんせー、これは皆で相談して決めたんですが、この暗殺に、今回の賭けの戦利品も使わせてもらいます」

 

 

 

戦利品とは、俺達が賭け勝った際の条件として要求した沖縄離島リゾートの2泊3日の国内旅行だ、楽しみだな……

 

 

 

 

その頃A組では…

 

瀬尾「ま、あんなシケた国内旅行くれてやるよ!」

 

 

山内「俺だって大会でネパールまで行くしな!」

 

 

宮本「私も今年は北海道の別荘で暑さを忘れて勉強できるし、大丈夫よ」

 

 

小山「余裕あるやつは俺らみたく海外旅行だしな!」

 

 

「………皆が皆海外行けると思うなよ!」

 

 

「肝心な勝負で勝てなくて何が五英傑と三羽烏よ、お笑いだわ!」

 

 

「トリプルたかしも地に落ちたものね!」

 

 

「勝ててるの浅野くん一人じゃない!」

 

 

浅野「黙っててくれないかな?負け犬に口無しだ、次に僕がリードを引くまでお座りしてろ……(この借りは必ず返す、父より先にまずはE組、ターゲットはお前らだ……)」

 

 

 

広俊side

 

テスト返却も終わり、俺と陽菜乃は一緒に帰っていた

 

倉橋「広俊君、スゴいね!社会一位、学年でも24位、おめでとう!」

 

 

広俊「理科の苦手な範囲を陽菜乃が教えてくれたお陰だよ」ニコッ

 

 

倉橋「……カアッ///」

 

 

広俊「陽菜乃、どうした?顔が……」

 

 

倉橋「大丈夫だよ!そうだ!夏休みに入ったらさー、一緒に校舎の回りの森に虫用のトラップ仕掛けにいかない?」

 

 

広俊「おっいいな!久しぶりに童心に帰ってみるのも面白そうだな!」

 

 

倉橋「うん!楽しみだね!」

 

 

それから俺は帰宅して二階への階段を上がろうとすると、オヤジが声をかけてきた

 

 

和広「広俊、そういや、もうすぐで学校は夏休みだったよな?」

 

 

広俊「ああ、そうだけど……まさか」

 

 

和広「ああ、そのまさかだ、お前には夏休みアレをやってもらうぞ」

 

 

広俊「あ、ああオヤジ、分かったよ(バレたらやべぇよ……)」

 

 

どうやら夏休みも濃くなりそうな予感がした




どうも、作者の穂井田秀元です。

和広の言う「アレ」とは何なのか?(多分イニシャルd知ってる人にはわかります)


次回、一学期編終了です!



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ACT.28 終業と秘密の時間

広俊「いよいよ、一学期編最終回だな」


倉橋「長いようで、あっという間だったよね~!」


広俊「夏休みも楽しんでいきたいな!それでは」


二人「本編に、どうぞ!」




期末テストが終わると、程なくして終業式…式の度にE組いじりをするのがこの学校の電灯だが……

 

 

校長「みなさんも……い、E組のようにはならないように……」

 

 

本校舎生徒「…………………」

 

 

五英傑「……………………」

 

 

三羽烏「…………………………クソッ!」

 

 

いつものE組いじりも受けが悪い、当然だ、エンドのE組とエリート中のエリートのA組が、トップ争いをしたんだからな。だから俺達は、自信をもって、胸を張って、前を向いて立っていられた。

 

 

 

 

麦は踏まれて踏まれて育つ、麦のようにどんなに厳しいときでも諦めない、その結果、今の俺達E組がいる。二学期でもっともっと伸びて、成果という名の立派な穂を実らせないとな、それがターゲットである殺せんせーにできる恩返しだ。

 

  

 

殺せんせー「一人一冊です」

 

 

殺せんせーはそう言って皆にしおりを配って行った、一冊というよりは、一本の方が合ってそうだな

 

 

 

殺せんせー「暗殺の方ですが、触手を破壊する権利を使うのは、ここではなく、離島の合宿中でしたね…………触手8本の大ハンデでも満足せず、四方を先生の苦手な水で囲まれたこの島も使い、万全に貪欲に命を狙う、正直に認めましょう、君たちは侮れない生徒になった。」

 

 

そう言って殺せんせーは照れ臭そうに頭を書いた

 

 

殺せんせー「親御さんに見せる通知表は先ほど渡しました。これは、標的から、暗殺者への通知表です。」

 

バッ! パラパラパラ…

 

教室いっぱいに、桜吹雪のように舞い落ちる二重丸、ターゲットである殺せんせーからの、嬉しい評価だ

 

 

殺せんせー「一学期で培った基礎を存分に活かし、夏休みも沢山遊び、沢山学び、そして沢山殺しましょう!」

 

 

殺せんせー「暗殺教室、基礎の一学期、これにて終業!」

 

 

 

その後、俺は殺せんせーとお茶をする約束をしていたので教室に戻って準備をした。

 

 

広俊「律、クレイモアを出してくれ!」

 

 

律「了解しました!」

 

ポンッ!パシッ

 

 

ガラガラガラ

殺せんせー「やっときましたか広俊君「にゅやッ!」」

 

 

広俊「終業の日だからって油断するなよ、殺せんせー」

   

 

殺せんせー「ヌルフフフ、まだまだ遅いですが

侮れませんねぇ、君はよく律さんに武器の相談をしていますね、その片手剣もですか?」

 

 

広俊「そうだぜ殺せんせー、備えあれば患いなし」

 

 

殺せんせー「ヌルフフフ………君も変わりましたね、ここに来てすぐの時は、君は暗いオーラが漂っていた、しかし、今の君は違う」

 

 

広俊「殺せんせーと皆のお陰だよ」

 

 

殺せんせー「おやおや、倉橋さんのお陰じゃないのですか?」

 

 

殺せんせーは顔をピンク色にして俺を弄った

 

 

広俊「まぁ、陽菜乃が元気をくれたから、俺もここまで頑張れたんだろうな……」

 

 

殺せんせー「ヌルフフフ、夏休みの島ではカップル成立を狙いますよ!」

 

 

広俊「何でこんなゲスいんだ…」

 

 

殺せんせー「そう言えば理事長から聞いたのですが、君は2年の時に暴力事件を起こしていませんか?」

 

 

広俊「あぁ、まだ俺がサッカー部にいたときかまぁ、こんなことがあったんだよ…………」

 

 

 

 

 

 

先輩A「マジかよ、お前E組の女子言いなりにしてんのかよ、E組の女子、顔のレベルだけは高いから皆狙ってるんだぜ?」

 

 

先輩B「まぁな、これからいろいろ仕込んでやるぜ」

 

 

先輩C「仕込むってナニをだよ?」

 

 

先輩B「勿論、アレだよ、この前なんか裏山の人気の無いところに呼び出して………」

 

バンッ

 

 

広俊「いい加減に止めろよな、そんな話!」

 

 

先輩C「なんだ広俊」

 

 

先輩A「それが先輩に対する口のききかたかよ」

 

 

同輩A「やべえよ広俊」

ガシッ

 

同輩の一人が俺の腕を掴んだが、俺はそれを振り払った

 

 

広俊「聞いててムカつくんだよテメェら!!」

 

 

先輩B「なんだとオラァ!」

 

 

俺はクソッタレのパンチを掴んで背負い投げをし、仰向けで呆然としている相手にパンチをどんどんしていく、力は強い方ではないから一撃は弱いので何度も何度も

 

 

殴る

 

 

殴る

 

 

殴る

 

 

殴る

 

 

殴る

 

 

 

夢中になって殴っていると、同輩が四人係で俺を押さえつけた。

 

 

 

 

 

 

 

 

結果、俺の拳の骨にはヒビが入り、俺自身は二週間の停学となった。相手がどうなったかなんて、知らない、俺はサッカー部をやめたからだ

 

 

 

 

殺せんせー「成る程……それでE組行きにはならなかったのですか?」

 

 

広俊「そのクソッタレ先輩がやってたことが近隣の住民に見つかって警察沙汰になりかけたらしい、普段から素行がいいとは言えない奴だったらしいけど、多分理事長先生がなんか言ってそうなるのを防いだと思う……で、俺の処分はうやむやになった感じだ、停学は食らったけどな」

 

 

殺せんせー「成る程……君にそんな過去が……学校中の噂になったのでは無いのですか?」

 

 

広俊「先輩がヤバイことしてたからな、サッカー部の中でのトラブルで揉み消された………でも俺は後悔したよ、自分を守るための力を、他人をボコボコにするのに使っちまったからな」

 

 

殺せんせー「今の君なら心配要りませんよ、君はここでの勉強と暗殺を通して大きく成長している、しかしそれでも、悩みがあるのなら、いつでも言いにきて下さい、どんなことがあっても、先生は動じないでしょう」

 

 

広俊「ほんと、凄いよな殺せんせーは、ホントに来年地球をぶっ壊すつもりなのか疑問に思えてきたぜ」

 

 

殺せんせー「ヌルフフフ、ご心配なく、地球は木っ端微塵になりますよ」

 

 

広俊「それまでに学べることは学んで、殺すだけ殺さないとな」

 

 

殺せんせー「ヌルフフフ、殺せるといいですねぇ、卒業までに」

 

 

広俊「ああ………こんな時間か、そろそろ帰るか、それじゃさようなら!殺せんせー!」

ガラッ!

 

 

殺せんせー「はい、さようなら………………………壊さざるを得ない方が、正しいのですがねぇ…」

 

 

広俊が帰った後、殺せんせーは一人そう呟くのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

その日の夜、俺はオヤジに呼び出された

 

 

和広「広俊!明日から夏休みだろ?」

 

 

広俊「あ、ああそうだけど…」

 

 

和広「じゃ、今から30分くらい慣らして来い」

 

 

広俊「え、今からかよ、ちょっと待っててくれよ、準備するからさ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺は準備を終えると外にでて、外にあるボログルマに乗り込んだ「TRUENO GT-APEX AE86」

30年くらい前のクルマだ、俺はサイドブレーキを下ろし、ギアを一速に入れ、クルマを走らせた

 

 

山の頂上の、料金所跡地に着いた、クルマはゲームだと楽しめるが、実車にのっても、あまり気分は上がらない、なので俺は持ってきたCDをセットした

 

 

ユーロビートのSPACE BOYが流れ始める

 

 

よし、行くか

 

 

4ヶ月位こいつには乗っていなかったが、どうやら感覚は衰えていないようだ

 

 

俺はギアを5➡️3➡️2と変化させ、ステアリングを回してドリフトをした、普通に曲がるよりも速い、昔はレースのテクニックとしてあったらしいけど、今は公道レースを行わせないためにキャッツアイ(チャッターバー)とかがそこいらの峠道には沢山あるここには無いけど、逆に言えば近場で無いのはここぐらいだ、

 

 

オヤジ曰く、今公道レースとかをしようとすると、結構厳しいらしい、現代人は騒音にうるさいそうだ 

 

 

律「広俊さん…大丈夫なのですか?」

 

 

律が画面に出てきたので、俺はクルマを路肩に止めて応対した

 

 

律「これって……無免許運転ですよね?いくら家業の手伝いと言っても…殺せんせーと一度は相談するべきだと律は思います、何かが起こってからでは遅いですし………」

 

 

広俊「…………明日殺せんせーの所に行こうか」

 

 

律「はい!」

 

 

 

翌日、クルマでの配達を済ませた俺は殺せんせーの所に行った

 

 

 

広俊「……………んなわけで、俺は今クルマで豆腐の配達をしてるんだ…」

 

 

殺せんせー「……………家業の為とはいえ、無免許運転は、許されるものではありませんねぇ…」

 

 

殺せんせーは顔に×を浮かべた

 

 

広俊「……………………」

 

 

殺せんせー「まずは運転を見てみましょう……配達の際は呼んでください、先生が横に乗ります、先生なら、もし何か起こりそうでもマッハで防げますから、話はそれからです」

 

 

広俊「わかりました」

 

 

 

その翌日、俺は早朝の配達の前に殺せんせーを呼んだ午前四時なので起きてないかもしれないと思ったが、殺せんせーは起きていて電話をすると10秒ほどですっ飛んできた。

 

 

殺せんせー「ほほーぉ、ハチロクですか、珍しいクルマですねぇ!では、行きましょうか!」

 

 

昨日の険しい言葉は何処行ったんだよ………ノリノリじゃねぇか

 

 

俺は別荘地のホテルまで配達を済ませた、豆腐の荷下ろしの時は殺せんせーも手伝ってくれた……ホテルの人が怪しんでいたのは言うまでもない

 

 

殺せんせー「無免許ですが、運転は物凄く上手ですねぇ、教習所の教官になれますよ…なぜでしょう、先生は乗り物酔いしてしまうタイプですが、今日は何故か酔いませんでした」

 

 

広俊「特にこれといった秘訣はないんだけどな…俺はただ、そこのコップの水をこぼさない走りをしてるだけだし……殺せんせー、本気のドリフト体験してみるか?」

 

 

殺せんせー「先生は地球を消せる超生物、ドリフトなんて恐るるに足りません!」

 

 

広俊「分かったよ……行くぞ!」

ギャッ

 

ブォォォォン!

 

 

殺せんせー「にゅやぁぁぁぁぁッ!早いッ!早いいいいい!」

 

 

広俊「先生はマッハ20だろ! ドリフト行くぞ!」

 

 

ガチッガチッ クルンッ キキッ! キュォォォォ!

 

 

殺せんせー「にゅやぁぁぁぁぁッ!おろしてぇぇぇぇ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

10分後……麓の自販機

 

 

殺せんせー「あぁー先生死にそうです……」

 

 

広俊「ごめんごめん、少し攻めすぎた、ジュース買って来たから、これで元気になってよ、殺せんせー」

 

 

殺せんせー「ありがとうございます、暗殺はしないんですね………」

 

 

広俊「乗り物酔いしてても殺せんせーは避けるからな…で、俺の運転はどうだった?」

 

 

殺せんせー「物凄く上手でしたよ……免許のことは烏間先生に相談しましょう」

 

 

広俊「ありがとう、殺せんせー」

 

 

 

 

 

 

 

数日後、俺は烏間先生に呼び出された

 

 

烏間「………これが君の特別免許だ、もし警察などに呼び止められたら、これを見せて、照会してもらうんだ」

 

 

広俊「ご苦労をお掛けしました、烏間先生」

 

 

烏間「いくら運転が上手いとはいえ、万が一のこともあるから、車には乗らないのがベストなんだがな………気を付けろよ」

 

 

広俊「ありがとうございます……」

 

 

 

 

こうして俺は暗殺期間中は(一応)運転をしても大丈夫になった。




次回、第二回オリキャラ紹介です!


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なかがきその2 オリジナル登場人物紹介②

広俊「今回はオリキャラ紹介となっています、どうぞご覧ください!」



笹井 広俊(追記)

 

 

個別能力値(5段階)

 

体力 4

 

機動力 3.5

 

近距離暗殺 3.5(短剣使用時は1上昇)

 

遠距離暗殺 4.5

 

学力 4

 

個別スキル:直感力 5

 

 

作戦行動適正チャート(6段階)

 

実行力 4

 

戦略立案 4.5

 

指揮・統率 4.5

 

政治・交渉 6

 

探査・諜報 4

 

技術力(トラップ等) 5

 

 

好きな食べ物 豚汁

 

 

弁当派or買い食い派 買い食い

 

 

 

 

選挙ポスター:究極のとうふ屋ドリフト

 

 

烏間先生の評価

 

接近戦が若干苦手だが、時には奇策を用いる柔軟性と度々俺を驚かせる類い稀な直感力を持っているため、今後の訓練による各能力の成長が最も期待できる生徒の一人だ、また、日々の豆腐配達で鍛えられているであろう彼の巧みな話術の技術にも注目するべきだろう。

 

 

所属部活動 サッカー部(二年の時に退部)

 

 

解説

 

主人公、二年の時にE組の生徒に乱暴を働いていたサッカー部の先輩を殴ってサッカー部を退部したことと、父親の和広にある別荘地のホテルへの豆腐の配達をハチロクで行わされていることが明らかになった。また、暗殺によってなのかは不明だが、直感力もだんだんと強くなっている模様

 

 

 

小野寺 京一

(おのでら きょういち)

 

 

広俊の知り合いで『ラーメン屋 エンペラー』

の店主。栃木県出身で、上京し、幼なじみの清次と共に『ラーメン屋 エンペラー』を開いた、いつも頭に巻いているバンダナまたはタオルがトレードマーク、声は怖いが気さくな性格でラーメン屋の客をとても大事にしている。しかし、修学旅行の一件で殺せんせーのことを知ってしまったため、椚ヶ丘にある店を防衛省のある市ヶ谷に移すこととなった。これにより、多くの常連を失ってしまったが、監視目的で来る防衛省の役人からだんだんと口コミでラーメンの美味しさが広まり、新たな常連を獲得しつつある模様、なお、愛車は二台あり、一台目は黒のランサーエボリューション3、二台目はトヨタハイエースの4WDモデルとなっている(修学旅行のときはハイエースに乗っていた)

 

 

作者から

モデルは頭文字Dの須藤京一となっています、原作の須藤京一は土木系の仕事をしている説が濃厚ですが、ネット等ではラーメン屋のイメージで親しまれているので、ラーメン屋として出しました。名字の方は東北の戦国大名小野寺氏から取りました。

 

 

 

高梁 涼介

(たかはし りょうすけ)

 

椚ヶ丘市内の病院(原作で松方さんが搬送されたところ)に勤務する医師、球技大会でデッドボールを食らった広俊を診察した。広俊とは彼が小学生のときに出会い、冷静沈着かつ頭脳明晰で広俊には物凄く尊敬されている、またかなりのイケメンで、病院内では患者看護師ともにかなりのファンがいる。今となっては旧式のRX-7 FC3Sを愛車としており、ロータリーエンジンの燃費の悪さから来る燃料費の高さは医者としての収入の他にも株などをやって見事にカバーしている。なお、弟がいる模様。

 

 

作者から

モデルは頭文字Dの高橋涼介です。原作同様、愛車のFCは度々カスタマイズされているという設定です。名字は備中松山城のある岡山県高梁市から取っています

 

 

 

 

山内 孝

(やまのうち たかし)

 

石川 敬

(いしかわ たかし)

 

雨森 高

(あめもり たかし)

 

本校舎A組所属の3人組、通称『A組の三羽烏』または『トリプルたかし』広俊とは二年の時に同じクラスだった、山内は3人の中では一番の秀才で得意科目は数学、所属は生物部、石川はお調子者な性格で得意科目は理科、所属はテニス部、雨森はギョロ目が特徴で得意科目は英語で所属は吹奏楽部である。総合の成績では五英傑には及ばないものの、得意科目であれば五英傑に勝るとも劣らない。

 

 

作者から

三人の名字のモデルは山内(土佐の山内氏)、石川(徳川家臣の石川家)、雨森(浅井家臣の雨森家)のように、戦国時代や江戸時代の武将から取っています。名前の方はドクターX(シーズン5)に登場した3人の外科副部長(海老名、鳥居、猪又)から取っています

 

 

 

 

 

尾瀬 春夫

(おぜ はるお)

 

宮本 絹代

(みやもと きぬよ)

 

三羽烏といつも一緒にいる二人、この二人も二年の時に広俊と同じクラスだった。尾瀬は近眼で、得意科目は保健体育で所属は陸上部宮本は五人中の紅一点で、得意科目は国語で所属は生物部である。

 

 

 

作者から

名字のモデルは尾瀬は尾瀬ヶ原、宮本は宮本武蔵から取っています。名前の方は尾瀬はある作家から、宮本は『ガールズ&パンツァー』に登場した西絹代から取っています。

 

 

 

 

 

 

 

広俊「………………なあ、これって夢だよな?」

 

 

作者「勿論! オチはお前ならわかるよな!」

指パチン

 

 

 

 

ドカーン!

 

 

 

ガバッ

広俊「なんか変な夢を見てたな………まあいいや、配達に行くか…」




どうも、作者の秀元です。
広俊なんですが、いまのところレースをさせる予定はありません……暗殺と恋愛関係のことを増やしていきたいので…
頭文字Dのファンの方々には申し訳ないです。


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夏休み編 ~Vacation Stage~
ACT.29 始めての時間


今回の話は原作の「いきものの時間」がベースになっています

それでは、本編に、どうぞ!


広俊side

 

俺は夕方、自転車での配達を終えて家まで戻って来た、オヤジがいない…どこ行ったんだ?俺が居間に入ると、ちゃぶ台の上に紙が置いてあった

 

 

『衛一と飲みに行ってくる、晩飯とかは適当にすませといてくれ』

 

 

晩飯か……味噌汁でも作るか…殺せんせーも呼ぶか、俺は殺せんせーに電話を掛けた

 

 

 

広俊『殺せんせー、今日俺晩飯一人なんだけど、来る?』

 

 

殺せんせー『喜んで!現在東シナ海上空を飛行中ですのでもうすぐそちらに着くと思います、それでは』

 

 

広俊『はいよ』

 

 

 

暫くすると、殺せんせーがやって来た、俺は豚の生姜焼きと千切りキャベツと味噌汁を作った。

 

 

殺せんせー「おぉ!最高ですねぇこの味噌汁は!特にこの油揚げを千切ったような具がいいですねぇ!」

 

 

広俊「それは松山あげ……いや…少し違うな…まぁ松山あげみたいなもんだ、死んだ俺のお袋の故郷で作られてるらしい、俺の宝物のお袋のレシピに書いてあったよ、ウチとうふ屋だからな、簡単に作れるぜ」

 

 

殺せんせー「なるほど…味噌汁によく合ってますねぇ、この生姜焼きも丁度いい焼き加減です」

 

 

広俊「気に入ってくれて良かったよ」

 

 

殺せんせー「所で広俊君、宿題はどうですか?」

 

 

広俊「宿題は順調だよ、このペースで行けば7月中に終わりそうだな」

 

 

殺せんせー「どこか分からない所はありますか?」

 

 

広俊「あー、数学が少々」

 

 

殺せんせー「では先生が教えましょう!片付けならお任せを!」

 

 

広俊「ハハハ、ありがとう、殺せんせー」

 

 

 

 

一方その頃和広は…「居酒屋 あずさ」で衛一と飲んでいた

 

 

衛一「和広、最近景気はどうだ?」

 

 

和広「まあまあ……ってところだな、広俊も大分上達したしな…」

 

 

衛一「上達って…何だ?最近はサバゲーチームの練習も無いみたいだぞ?いや、でも何か他のチームと交流会やるとは聞いたな、広俊にも手伝って貰うかもな、で、何が上達したんだ?」

 

 

和広「クルマの運転だよ、まだまだ粗削りだがな」

 

 

衛一「ブハッ! 和広、中学生に何やらせてんだ!」

 

 

常連A「おいおい衛一さん、大丈夫か?」

 

 

常連B「中学生で車の運転か……この国では出来ないとはな…」

 

 

常連C「和広サンよ、俺ら秘密にしといてやるから、一杯奢ってくれや」

 

 

和広「ったく…しゃーねぇな」

 

 

梓「ありがとうございます…」

 

 

蛍「あの、これ、顔とテーブル拭くのに使ってください」

 

 

衛一「お、悪ぃな嬢ちゃん、ありがとう」

 

 

和広「しっかし、最近広俊が妙に元気でな、女でも出来たんじゃないかって思ってるんだ」

 

 

衛一「へへっ、それなら良いものが有るぞ俺の家じゃ持て余すからな、和広、お前にやるよ」

 

 

和広「ほぉ…成る程」

 

 

 

 

 

 

広俊side

 

 

俺は殺せんせーを見送った後、風呂を入れつつ居間でテレビを見ていると、壁掛け固定電話が鳴った………もう店は閉めてるぞ…

 

 

 

広俊『はい、笹井豆腐店』

 

 

杉野『広俊か! ケータイにいくらかけても出なかったから心配したんだぜ!』

 

 

広俊『ごめんごめん、ケータイ部屋に置きっぱなしだった』

 

 

杉野『そういうことか、広俊、明日の早朝虫取り行かねーか?』

 

 

広俊『(まあ、配達もあるけど、問題ないか)分かった、行こうか、楽しみだな』

 

 

杉野『サンキュー広俊!じゃあな!』

 

 

広俊『ああ!』

 

 

杉野との電話が終わると同時にオヤジが帰ってきた

 

 

広俊「お帰りオヤジ」

 

 

和広「おう、ただいま、飯は食ったか?」

 

 

広俊「食ったよ、今から風呂入るとこだ」

 

 

和広「わかった、先に入ってこい」

 

 

 

 

 

広俊が風呂から出た後……

 

 

 

和広「広俊、お前に電話があったぞ」

 

 

広俊「どーせ杉野だろ」

 

 

和広「女の声だったな…それに結構可愛いな」

 

 

広俊「(ひ、陽菜乃だ…)な、なんでそんなことが分かんだよ」

 

 

和広「何十年も男やってると、そんくらいはわかるようになるもんだ」

 

 

広俊「なんだよそれ…」

 

 

 

俺はそう言って階段を上り、ケータイを取った

 

 

律「広俊さん!五件の不在着信が入っています、杉野さん四件、倉橋さん一件です!」

 

 

杉野……心配してくれたのは分かるが……

 

 

広俊「陽菜乃にかけて欲しい」

 

 

律「了解しました!」

 

 

 

倉橋『あ、広俊君、何してたの~?』

 

 

広俊『ごめん、風呂入ってた、で、何か用か?』

 

 

倉橋『今から、昆虫採集のトラップ仕掛けに行くんだけど、手伝って欲しくて…』

 

 

広俊『喜んで、よし、チャリでいいよな?』

 

 

倉橋『うん、ありがとう、それじゃあまたね~!』

 

 

 

15分後 E組の裏山……

 

広俊「成る程、ストッキングの中に果物入れて、焼酎で発酵させてるのか」

 

 

倉橋「うん、これをいろんな所に仕掛けて、虫を集めておこづかい稼ごうと思ったんだ♪」

 

 

広俊「今はどんな虫が人気なんだ?オオクワガタはもう古いだろ?」

 

 

倉橋「今はミヤマクワガタが人気高いんだよ~、まだまだ繁殖が難しいからね、さらにアルビノ個体だと、かなりの高値がつくんだよ」

 

 

広俊「で、今回はそのアルビノのミヤマを狙ってる訳か…よし、頑張ろう!」

 

 

倉橋「おーっ!」

 

 

その後、俺達は猪とかに気を付けながらトラップを仕掛けていった

 

 

広俊「おっ、いつの間にか校舎の方に来たみたいだな……誰かいる気配がする」

 

 

倉橋「あれ、三村君じゃないかな……」

 

 

広俊「カラダ反らせて飛び上がってる……腕とかの動きからして……ギター?…エアギターか…あ、帰っていってる」

 

 

倉橋「アハハ……スゴいね………広俊君…渡したい物があるんだけど…」

 

 

広俊「ん、どうしたんだ?」

 

 

倉橋「この前、誕生日だったんだよね?家では何か貰った……?」

 

 

広俊「いや、まだだけど……まぁ、オヤジはおめでとうは言ってくれたな、あ、そう言えば皆には誕生日は言ってなかったけど…どうして知ってんだ?俺の誕生日なんて、渚ぐらいしか知らないぞ…」

 

 

倉橋「この前買い物行ってたときに渚君と会って、そのときに教えて貰ったんだ」

 

 

広俊「そういうことか……」

 

 

俺がそう返すと、陽菜乃は背負っていたリュックから箱を二つ取り出した

 

 

倉橋「開けていいよ!」

 

 

そう満面の笑顔で言う陽菜乃、何が入ってんだろ……

 

 

デカイ箱を開けた………Tシャツが入っている…ニスモのシャツだ!

 

 

小さい方の箱を開ける……黒いパワーストーンのようなものが付いた革製のブレスレットが入っていた

 

 

倉橋「そのブレスレット、私のとお揃いなんだよ~!」

 

 

そう言うと陽菜乃は自分の分のブレスネットを俺に見せた…成る程…色は違うけどモノは同じ…あっちにも黒いパワーストーン?があるな

 

 

倉橋「どう…かな?」

 

 

広俊「最高の……最高のプレゼントだ!ありがとう、陽菜乃!」

 

 

 

俺は満面の笑みと共に答えた

 

 

 

倉橋「後一つあるんだけど…いい?」

 

 

広俊「あ、あぁ…(え、もう一つ…?金大丈夫なのかよ…)」

 

 

倉橋「じゃあ…今から………」

 

 

今から…一体何だ…

 

 

 

 

 

 

俺がそう思っていると陽菜乃は俺に近づいてきて……そっと俺に………唇を重ねた

 

 

広俊「!!!」

 

 

…唇と唇が触れるだけのキスだが……一瞬がとても長く感じた

 

 

倉橋「キス……初めてだった?」

 

 

広俊「……あ、あぁ」

 

 

気の動転が収まっていない

 

 

倉橋「なら、広俊君の初めてのキス、私が貰えたんだね!」

 

 

広俊「たはは…そういうことになるな」

 

 

倉橋「良かった!…後ひとつ…これからは…広君って…呼んでもいい?」

 

 

広俊「あぁ…もちろん」

 

 

倉橋「誕生日おめでとう!これからもよろしくね!広君!」

 

 

広俊「こちらこそよろしく…陽菜乃」

 

 

三日月の月光に照らされる陽菜乃の顔は、とても綺麗だった

 

 

 

俺は帰宅して、二階に上がろうとするとオヤジに呼び止められた(プレゼントは持っているリュックに入っているのでオヤジは分からない)

 

和広「どうしたんだ広俊、何か嬉しそうだな」

 

 

広俊「…………」

 

 

和広「へっへーん、さては、女だな?」

 

 

広俊「なっ!?」

 

 

和広「まあ、それはいい、お前に良いものを見せようと思ってな」

 

 

オヤジはそう言うと、引き出しから細長い紙を二つ取り出した

 

 

広俊「それは………?」

 

 

和広「動物園のペアチケット二枚だ、衛一のところじゃ持て余すってんで、貰っといた」

 

 

広俊「それ…俺にくれんのか?」

 

 

和広「やってもいいが……条件がある、お前がたまに助っ人で行くサバゲーチーム、今度そこが青梅の方のチームと交流会をやるらしい、そこで青梅のチームをぶっ倒して来い、そしたらこのチケット二枚はお前にやる。しかも、小遣い五千円のおまけ付きだ」

 

 

五千円か…まぁ今節約中だしな……

 

 

広俊「分かった、行く」

 

 

俺は陽菜乃とのデートのために交流会に行くことを決めた

 

 

 

 

 

翌日……

 

俺は杉野、渚、前原と一緒に虫取りのため、E組の山に来ている。本当は陽菜乃と一緒にトラップ回収をするはずだったのだが、杉野との約束を話すと、『安全のために杉野君たちについていってあげて、合流ならあとでもできるしね!』と言ってくれた……ホントに優しいなぁ…

 

 

広俊「杉野、どうして虫取りなんてしようとおもったんだ?」

 

 

杉野「俺町育ちだからさ、こういう機会、あまりなくて、憧れてたんだ、偶然カルマが虫のいる木見つけたって言っててさ」

 

 

渚「へぇー、広俊君はどうして?」

 

 

広俊「外に出て体を動かすことは大事だろ?それに丁度暇だったし、でも、前原まで来るとはなぁ、小遣い稼ぎか?」

 

 

前原「さすが広俊、ご名答、次の暗殺は南国リゾートでじゃん?そしたら何か足りなくないか?」

 

 

広俊「で、金って訳か……」

 

 

前原「そう!金さ!水着で泳ぐちゃんねーを落とすためには財力が必要不可欠!こんなチビじゃダメだろうけど、オオクワガタ?あれとかウン万円するらしいじゃん?ネトオクで売って大儲け、最低でも高級ディナーとご休憩場所の予算だけは確保するぜ!」

 

 

広俊「前原の奴…」

 

 

杉野「旅の目的わすれてねーか?」

 

 

渚「うん、とても15歳の旅行プランとは思えないね」

 

 

俺と杉野の意見に渚も同意する前原もタラシさえ直ればなぁ…

 

……ん?前原の向かう先に何か人の気配が…陽菜乃かな?

 

 

 

倉橋「ダメダメー、オオクワはもう古いよ」

 

 

前原「倉橋!」

 

 

倉橋「おっはー!広君、皆!」

 

 

渚、杉野、前原(広君!?なんか変わってないか!?)

 

 

広俊「おはよう、陽菜乃、この通り、誰も怪我して無いぜ」

 

 

 

 

 

 

渚side

 

話を聞いてみると、どうやら広俊君は、杉野に誘われたあと、倉橋さんと昆虫採集のトラップを仕掛けに行き、今日一緒に回収しないかと倉橋さんに誘われたそうだ、広俊君は杉野との約束があったので、安全監督も兼ねてこっちの方に来たらしい、広俊君は後で倉橋さんと合流してトラップ回収をする予定だったらしいけど、多人数で数を揃えるのが確実なので、皆で一緒に探すことになった。天真爛漫な倉橋さんは、生物の話題にめっぽう強い、ゲス方向に傾きかけていた僕ら男子パーティーにとっては心強い助っ人だ。

 

 

前原「で、倉橋、オオクワが古いってどういう事だ?」

 

 

倉橋「私達が生まれた頃は凄い高価だったらしいけど、今は人工繁殖方法が確立されちゃって、値崩れしたんだよ」

 

 

広俊「3人ともペットショップとか行ったときに、オオクワガタとかの幼虫が、よくオスメスのペアでボトル入りで売られてるのを見たことないか?それがその証拠だぜ」

  

 

確かに…家のグッピーの餌を買いにペットショップに行くとき、カブトムシやクワガタがボトルで売ってるのを見たことがある

 

 

前原「ま、まさかのクワ大暴落かよ…一クワ一ちゃんねーぐらいかと思ってたのによ…」

 

 

倉橋「ないない、いまはちゃんねーの方が高いと思うよ」

 

 

杉野「詳しいな倉橋、好きなのか?昆虫」

 

 

倉橋「うん、いきものは全部好き~」

 

 

広俊「よし、んじゃ皆でトラップを見て回るか!」

 

 

その後、僕らは広俊君と倉橋さんが仕掛けたトラップの場所に向かった

 

 

渚「広俊君、これがトラップ?」

 

 

広俊「そうだぜ渚、どれどれ……ヒラタ1、カブト雄1、カナブン2……そこそこかな?」

 

 

倉橋「うんうん、あと20ヵ所ぐらい仕掛けたから、うまくすれば一人千円ぐらい稼げるね!」

 

 

杉野「おおー、バイトとしちゃまずまずか」

 

 

前原「この調子で行こうぜ!」

 

 

岡島「フッフッフッ…効率の悪いトラップだ、それでもお前らE組か!!!」

 

 

前原「岡島!!」

 

 

岡島「せこせこ千円稼いでる場合かよ、俺のトラップで狙うのは、当然百億だ。」

 

 

渚「百億…それって」

 

 

岡島「そうさ、この山の中に、殺せんせーを殺すためのトラップを仕掛けた」

 

 

そうして僕らは岡島君に案内され、トラップの位置に向かった………そこには、カブトムシの格好をして、エロ本の山の上に座ってエロ本を読む殺せんせーの姿があった。

 

 

岡島「かかってるかかってる、俺の仕掛けたエロ本トラップに」

 

 

杉野「て言うか、なんだよあのカブトムシのコスプレ、あれで擬態してるつもりかよ…」

 

 

渚「でもすごいよ、スピード自慢の殺せんせーが、あんなにも夢中になるなんて」

 

 

広俊「一心不乱に読み漁ってんな…」

 

 

岡島「この一ヶ月間、いろんな種類のエロ本を置いてみて一日一日、反応をチェックしたんだ。俺だって買えないから、拾い集めてな」

 

 

渚「スゴいよ岡島君!1ヶ月間、違う本を置いて反応を記録してる!」

 

 

岡島「お前のトラップと同じだよ、倉橋、獲物が長時間夢中になるよう工夫するだろ?」

 

 

倉橋「う、うん」

 

 

岡島「俺はエロいさ、蔑むヤツはそれでも結構、だがな…一番エロい俺だから知っている……エロは…世界を救えるって」

 

 

全員「な、なんかカッコいい!!」

 

 

その後、僕は岡島君が仕掛けたトラップのネットの発動役に抜擢された…岡島君のエロの刃が…殺せんせーを貫くかもしれない……

 

 

 

広俊side

 

 

まだ殺せんせーはトラップに夢中だ。あとは渚がロープを切るだけ……すると、殺せんせーは突然斜め上を眺め………目を『みょーん』と伸ばした……

 

 

岡島「なんだ!?データに無いぞあの顔は!」

 

 

殺せんせー「ヌルフフフ……見つけましたよ………ミヤマクワガタ、しかもこの目の色!」

 

 

倉橋「白なの、殺せんせー!」

 

 

広俊「マジかよ!」

 

 

殺せんせー「おや、倉橋さん、それに広俊君まで、ビンゴですよ」

 

 

倉橋「すっごーい、探してたやつだ!」

 

 

殺せんせー「ええ!この山にもいたんですねぇ」

 

 

広俊「やっぱこの山すげぇよ!」

 

 

俺達はハイテンションになっていた

 

 

前原「……何で喜んでんのかさっぱりだが、巨大カブトと中学生カップルがエロ本の上でハイテンションになってんのはすごい光景だ……」

 

 

渚「う、うん…」

 

 

しかし、殺せんせーは渚たちに気付いたようで、急にオロオロし始めた…話を聞くところによると、罠には気付いていたが、本の誘惑に耐えられなかったらしい…

 

 

杉野「それ、ミヤマクワガタだろ?倉橋、ゲームとかだとオオクワガタより安いぜ」

 

 

倉橋「ミヤマはまだ繁殖が難しいからね~、最近はミヤマの方が高いときが多いんだよ、このサイズなら二万は行くかも!」

 

 

杉野「二万!」

 

 

広俊「それと、皆、このミヤマの目…白色だろ?生物でアルビノ個体って習ったろ?クワガタのアルビノは目だけに出るんだ」

 

 

殺せんせー「さらに、天然ミヤマのホワイトアイはとんでもなく希少です、学術的な価値すらある。売ればおそらく数十万は行くでしょう」

 

 

倉橋「一度は見てみたいって殺せんせーに話したらさ、ズーム目で探してくれるって言ってたんだ!………ゲスな皆~!これ欲しい人手ー上げて♪」

 

 

広俊以外「欲しい!!」

 

 

倉橋「アハハ!どうしよっかなー?」

 

 

陽菜乃は駆け出す、皆がその後を追いかける…………………………ん?あれは?

 

 

池に差し掛かったところで俺は何かの気配を感じ、そっちの方に視線を向けた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どうやら俺はとんでもなくヤバイものを見つけてしまったようだ





殺し屋が常連の店で普通に飲む上に殺し屋達と仲良くなってるって……よく考えると和広と衛一はチートですね……



前書きなのですが、また作者が担当することになりました、コロコロ変えてしまい申し訳ありません。




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ACT.30 交流会の時間

※今回は非常に駄文となっておりますそれでもよろしければご覧ください

それでは、どうぞ!


 

 

広俊side

 

 

現在の時刻は夜7時、俺はチャリで衛一さんの経営するカフェ「kunu kaze」に来ていた…

サバゲーチームの交流会(試合もする)に参加するためだ

 

 

広俊「池谷先輩………ケガ、大丈夫ですか?」

 

 

池谷「ああ、まあな…情けねぇ、交流会に向けて猛練習してたら足踏み外してこの様だ……広俊、健二、頼んだぞ」

 

 

健二「俺は不安だよ池谷……だって相手はあの青梅レッドサンズだぜ?いくら広俊が上手でも……」

 

 

広俊「大丈夫ですよ健二先輩、動物園のチケットがかかってるんだから、意地でも勝ちますよ」

 

 

???「おーい、広俊ー!久しぶりだな!」

 

 

広俊「ん?あ!イツキじゃねぇか!久しぶりだな!」

 

 

樹「お前が交流会に出るってんで、飛んできたんだよ、店長に頼み込んでな!」

 

 

広俊「ありがとうイツキ、応援してくれよな」

 

 

衛一「どうやら全員揃ったようだな、守と滋は向こうで合流するらしいから、俺達もそろそろ出発しよう」

 

 

こうして俺達は近くのサバゲーフィールドに出発した

 

 

 

………一週間前

 

 

池谷side

 

あの時、俺達は何時ものように練習をしていた、するとそこへ、ここいらじゃ見ないハイエースが二台止まり中から何人かがゾロゾロと下りてきた。

 

 

???「突然の訪問ですまないが、この椚ヶ丘で最強のサバゲーチームを知らないか?」

 

 

池谷「椚ヶ丘なら俺達『椚ヶ丘スピードスターズ』が最強だ、俺達に何か用か?」

 

 

???「なら話は早い、来週の夜、ここのサバゲーフィールドで、俺達のチーム『青梅レッドサンズ』と交流会をやらないか?」

 

 

????「交流会をやれば、お互いの実力も切磋琢磨して高められるし、情報交換もできるぞ」

 

 

池谷「…………損なら断る理由は無いな、よし、やろう」

 

 

???「それなら俺達もフィールドの下見と練習をさせてもらうぜ」

 

 

それから俺達は練習をしつつもレッドサンズの練習を見ていた、銃の性能も、動きも違う、えらい格上との交流会を受けちまったな……

 

 

 

レッドサンズside

 

 

???「どう思う、アニキ?」

 

 

???「……カスばかりだな、これなら、うちのチームの二軍でも勝てる、俺は交流会パスだな」

 

 

???「アニキがパスするなら俺もパスしようかな…」

 

 

???「いや、啓介、お前は出るんだ、このチームを瞬殺して、レッドサンズの名を轟かせるんだ」

 

 

啓介「アニキがそこまで言うのなら………わかった、出るぜ」

 

 

???「……俺も行く、当日は非番だしな」

 

 

それからレッドサンズとスピードスターズは打ち合わせを済ませ、レッドサンズは帰っていった……

 

 

 

 

広俊side

 

広俊「成る程…そんなことがあったんですね」

 

 

池谷先輩の話を聞いた……レッドサンズか……でもエアガンなら暗殺でも使うから……自信はある。暗殺にはレバーライフル使ってるけど、こっちの武器も使いたいんだよなぁ…

 

 

 

健二「そろそろ着くぜ、皆」

 

 

交流会の会場に着いた……多くのギャラリーが集まっている

 

 

樹「先輩、こんな数のギャラリー、今までの試合じゃ見たこと無いっすよ!」

 

 

池谷「恐らく、レッドサンズが集めたんだろうな…」

 

 

衛一「俺もこんな量は初めてだぜ…観戦してるから、頑張れよ、お前ら」

 

 

広俊たち「はい!」

 

 

俺達がクルマから下りると、レッドサンズも同時に下りてきた………見覚えのある人がいる

 

 

 

 

???「お前…………広俊か?」

 

 

広俊「涼介さんこそ何故ここに……」

 

 

涼介「オレがレッドサンズのリーダーだからだ、まぁ、今日は観戦だがな」

 

 

啓介「アニキ、コイツを知ってんのか?」

 

 

涼介「ああ、俺の知り合いだ、名前は笹井広俊、お前にもたまに話していたはずだが…」

 

 

啓介「……思い出した、アニキと一緒に野球とか見に行ったってのを聞いた覚えがある……オレの名前は高梁啓介、笹井か…アニキが世話になってる、名前ぐらいは覚えとくぜ」

 

 

広俊「はい………………」

 

 

樹「広俊の奴、とんでもない奴と知り合いだったんですね」

 

 

健二「まぁ、高梁涼介はあまり出てこないからな…知らなかったのも無理ないよ…」

 

 

池谷「とりあえず、もうすぐで練習開始だ、準備急ごうぜ…と言うか広俊、お前なんで自転車まで積ませたんだ」

 

 

広俊「家で調べたいことがあって試合終わったらすぐ帰りたいんです」

 

 

池谷「私立は大変だなぁ…」

 

 

どうやら先輩たちもイツキも学校のことだと勘違いしているようだ。俺はこの前見つけたアレについて調べたいだけなんだ'けどな…

 

 

 

 

 

 

健二「おい見ろよ、レッドサンズの方、地形に応じた銃のカスタマイズだけじゃなくて、細かい調整までやってるぜ…」

 

 

池谷「恐らく、あのハイエースに工具類や発電機とかも積んでるんだろうな」

 

 

樹「レッドサンズって…やっぱとんでもないチームっすね……」

 

 

池谷「そろそろ配置につかないといけないだろ?皆、頑張れよ!」

 

 

樹「応援してるぜ!広俊!」

 

 

広俊「ああ」

 

 

 

啓介「勝負は一本勝負、5対5の殲滅戦だ、よろしく頼む」

 

健二「ああ、よろしく頼む」

 

 

メガホン「両チーム配置に付け」

 

 

 

 

武器情報

 

椚ヶ丘スピードスターズ

 

広俊 ステンmk6+ドットサイト

ウィンチェスターm1887

 

健二 xm177+ドットサイト

   Cz75

 

守 M16A4+4倍スコープ

  

滋 ブローニングm1918

 

池谷(負傷で欠場)

 

 

青梅レッドサンズ

 

 

啓介 H&K mp5sd6+ハイパワーモーターとドラムマガジン

 

M9A1

 

健太 ワルサーMPL+ドットサイト

 

村田 スコーピオンvz61+ドラムマガジン

 

山口 ppph-41(ドラムマガジン仕様)

 

樋口 M1カービン+2倍スコープ

 

 

 

メガホン「それじゃあカウント始めるぞ、5,4,3,2,1 スタート!」

 

 

試合が始まった………薄暗いフィールドを俺と健二先輩は進んでいった、守先輩と滋先輩は二人で斥候に出ている

 

 

ドパパパパ!

 

 

守「こちら守、レッドサンズ発見、五人固まってる…滋がやられた!……うっ!ヒット!」

 

 

どうやら守先輩と滋先輩がやられたらしい……いきなりかよ…

 

 

客席

 

ギャラリー1「スゲーぜ、高梁啓介のsd6、ハイパワーモーターとドラムマガジンの組み合わせは伊達じゃねぇ!」

 

 

ギャラリー2「スピードスターズを一気に半分削った、すげぇよ!」

 

 

女性ギャラリー「キャー! 啓介様ー!」

 

 

涼介(………啓介は銃のカスタマイズも最適な上に、身体能力も抜群、対して広俊のステンガンだが…サイトを着けただけであとはどノーマルだ。この勝負……啓介の勝ちか…サプレッサーは警戒すべきだが…)

 

 

 

 

広俊side

 

健二「広俊、二手に分かれよう、そうしないと見つかった瞬間に終わりだ」

 

 

広俊「分かりました、先輩、気をつけて」

 

こうして俺は健二先輩と分かれた………

 

 

 

 

 

 

健二『広俊、こちら健二、レッドサンズに見付かった!一人やった!…うわっ!……後は頼んだぞ……』

 

 

 

健二先輩がやられた……後は……俺一人…隠密行動で一人ずつ倒して行くか……

 

 

 

啓介side

 

 

樋口がやられたが大したことはない、スピードスターズの生き残りはあと一人、しかも一番弱そうな中学生だ…一気にカタがついちゃ面白くはないが、これは殲滅戦だからな……遠慮はしねーぜ!

 

 

 

啓介「山口、村田!お前ら二人は斥候に出てくれ、見付けたらオレに知らせろ!俺がカタをつける!ケンタは俺の後ろを頼む!」

 

 

オレは山口と村田を斥候に放ち、報告を待った………

 

 

山口「こちら山口、見つけたぞ!………うわぁぁぁ!村田がやられた!…うわぁっ!」

 

 

……山口と村田がやられた!?

 

 

 

 

 

涼介side

 

このサバゲーフィールドは、観戦しやすいように何ヵ所かに観戦塔がある、俺はレッドサンズのスタッフを各塔に配置して様子を見させていた、観戦塔にあるモニターに表示が…どうやら村田と山口がやられたようだ。

 

 

レッドサンズメンバー「こちら第二観戦塔!スゲェぜあのステンガン使い、見付かったと見るやすげえスピードで回避して、そこから立て続けに二人連続でたおしやがった!」

 

 

広俊……なかなかやるな…もともとあいつは運動能力は普通のはずだが…

 

 

 

池谷side

 

樹「池谷先輩!広俊がやりましたよ!」

 

 

池谷「まだ二人だ…油断するなよ…広俊」

 

 

健二「はぁーっ……相討ちとはな…」

 

 

池谷「お、健二、戻ってきたか……広俊を信じよう」

 

 

樹「頑張れよ…広俊」

 

 

 

広俊side

 

 

二人片付けた…………あと二人………

 

 

俺は暗殺で鍛えたスニーニキング技術を使い、あと二人を探した……

 

 

 

 

見つけた…だがまだ早い…移動の際二人が一瞬少し離れる、その時がチャンス

 

 

今だ!

 

 

俺はステンガンのトリガーを引いた

 

 

 

 

啓介side

 

 

オレニはケンタに背中を預け、生き残りのあと一人を探していた。

 

 

パスンパスン!

 

 

ケンタ「うわっ!ヒット!」

 

 

啓介「ケンタっ! そこかっ!」

バララララ!

 

 

啓介「クソッ!隠れやがったか!」

 

 

クソッ!俺達レッドサンズがここまで翻弄されるなんて、今までの相手とは違う……コイツはバケモノだ、全く気配を感じられなかった……

俺達は中学生と戦ってるんじゃなくて、この山で死んだ忍者の亡霊とでも戦ってるんじゃないのか?

 

 

ガサッ ビュッ!

パスン!

バララララ!

 

啓介「クッ! また隠れやがった!」

 

 

どうした?今日に限ってやけにsd6が調子悪く感じる、クソッタレ!バッテリー容量切れかけなんじゃないのか?

 

 

 

 

広俊side

 

 

相手はかなり混乱している……油断は禁物だ

 

 

銃の精度は互角だが連射量が段違いだ、こっちが少し移動すると前いたところに射撃がドバッと飛んでくる…でも、コソコソ動いて最後の一人倒したんじゃ、あのクソオヤジ、勝ったとは認めないんだろうな…しょうがねぇ…暗殺の応用で、あれ、やるか…

 

 

俺はステンガンを片手に持ち、もう片方の手でいつでも構えられる位置にm1887をセットした

 

 

啓介side

 

 

バァン!

 

 

啓介「クッ!……何っ!こっちに真っ直ぐ!」

 

 

隠れていたあいつは、ショットガンで牽制射撃をしたあと、ステンガンを片手に撃ってきた、走りながらの射撃はめったに当たらない…ヤケでも起こしたのか?射撃を避けて、弾切れになったら撃ってやる!

 

パパパパパン!ポイッ!

 

 

何っ!ステンガンを捨てたっ!

 

 

俺はそっちに一瞬目が行った、それが命取りだった…

 

 

 

バァン!

 

 

 

俺はショットガンの片手射撃を受けていた…何だ、何が起きたんだ!?

 

 

 

レッドサンズside

 

 

レッドサンズメンバー『こちら第三観戦塔!啓介が負けちまった!よく分からないけど一瞬でドバーンって…』

 

 

浩史「それじゃあまるっきりわからん!もっとちゃんと説明しろ!」

 

 

レッドサンズメンバー『……啓介はショットガンでやられたけど…あの中学生…啓介を撃つ前に牽制でショットガンを撃ったんだ…ショットガンってのは基本的には一発一発リロードが必要だからな…ステンガンの方はショットガンを撃つ前に捨ててたし…』

 

 

浩史「り、涼介……」

 

 

涼介「誤算だったな……椚ヶ丘、しかも俺の知り合いに…こんなバケモノがいたとは…」

 

 

スピードスターズside

 

 

樹「池谷先輩!広俊の奴、勝ちましたよ!」

 

 

池谷「あ、あぁ…鳥肌立ったぁ……………でも」

 

 

全員「やったぁぁぁぁぁ!」

 

 

広俊side

 

俺はレッドサンズに勝った…控え所に戻ると…イツキが抱きついてきた…先輩たちも俺のことを目茶苦茶褒めてくれた…

 

広俊「池谷先輩、俺、急ぎの用事があるんで帰ります!」

 

 

池谷「わかった、相手には話を通しておく、気をつけてな」

 

 

こうして俺はスピードスターズのメンバーに見送られ、急いでチャリを走らせた。

 

 

啓介side

 

試合が終わって俺はあのステンガン使いが気になり、すぐにスピードスターズの所へ行った…ヤツはいなかった……ヤツは自転車で直帰したらしい、俺はその後ろ姿を見ることしかできなかった…

 

 

 

 

 

 

広俊side

 

 

和広「おっ、帰ったか広俊」

 

 

広俊「チケットと五千円…約束だからな」

 

 

和広「……」

 

 

広俊「約束だからな」

 

 

和広(広俊の奴…勝ちやがったか…へっ、まっ、やる前から分かってたけどな…)

 

 

そう和広はほくそ笑むのだった



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ACT.31 保護の時間

どうも、作者の秀元です。

前回があまりにも駄文でしたので今回、二話連続投稿とさせて頂きました…


広俊side

 

俺はサバゲーの翌日の早朝、配達から戻った後に急いで朝飯を食べ、学校に向かった、目指すはあの池……カワウソらしき動物を目撃したところだった。

 

 

岩の上に動物の糞を見つけた俺はモバイル律のスキャニング機能を使ってそれを調べた

 

 

律「ニホンカワウソは岩の上や草の上など、珍しい所に糞をする習性があります、さらに、泊まり場と呼ばれる生活拠点を作ります…他にも証拠が無いか探してみましょう!」

 

 

広俊「それは賛成なんだが…律、この池の水深分かるか?」

 

 

律「はっきりとは分かりませんが…この面積なのでおそらく結構深いですね、もしもの時のために誰かに手伝ってもらうのがいいかもしれません」

 

 

広俊「……陽菜乃と殺せんせーを呼ぶか……」

 

 

こうして俺は陽菜乃と殺せんせー電話で呼んだ、カワウソのことを話すと二人ともとても興奮した様子だった

 

 

倉橋「広君!ホントなの!?カワウソ見つけたって?」

 

 

広俊「うん、でもニホンカワウソかどうかは分からないな、でも、カワウソだってのははっきりわかったぜ」

 

 

殺せんせー「では広俊君がカワウソを見つけたという場所に移動して張り込みましょう、先生はズーム目がありますから二人はこれを、律さんはスキャニングの準備を」

 

 

そう言うと殺せんせーは俺と陽菜乃に双眼鏡を手渡した

 

 

 

 

 

 

 

 

俺達4人は30分ほど張り込んでいた…………暑い……一応水分補給をしているし、日陰にはいるもののやはり暑い…殺せんせーがうちわで扇いでくれているが、焼け石に水な気がする

 

 

 

ガサッ……ガサガサッ!

 

 

倉橋「広君!殺せんせー!あそこ!」

 

 

陽菜乃は池の対岸を指差した。俺達も急いでそちらを見る。俺はモバイル律を起動してスマホを構えた。

 

 

 

 

 

すると…茂みの中からカワウソが一匹スッと出てきた。律は即座に分析を行う

 

 

律「…………………頭骨部分に特徴発見…99.99%の確率で………ニホンカワウソです!」

 

 

俺は心の中で「よし!」と叫んだ…陽菜乃も殺せんせーも口には出さないものの、律の分析結果に興奮しているようだ。

 

 

カワウソは俺達に気付かず、岩の上に糞をして茂みの中に消えていった

 

 

 

その後、殺せんせーは糞を回収し、ケースに詰めた

 

 

陽菜乃「スゴい……スゴすぎるよ!まさかこの目でニホンカワウソを見れるなんて!」

 

 

広俊「もしホントにニホンカワウソだとしたら、大発見だな!」

 

 

殺せんせー「……しかし、ニホンカワウソは絶滅種、どうしたものですかねぇ…」

 

 

倉橋「あ、そしたらいいアイデアがあるよ~ー」

 

 

広俊「?」

 

 

俺と殺せんせーは頭の上に?が浮かんだような顔をした

 

 

倉橋「烏間先生に相談してみるのはどうかな?」

 

 

広俊「なるほど!烏間先生なら口も堅いし、政府にもパイプがある、なにかいいアイデアを考えてくれるかもな!」

 

 

殺せんせー「確かにそれがベストかもしれませんねぇ、烏間先生に電話をしてみましょう!」

 

 

殺せんせー『…………もしもし、烏間先生ですか?私です!  え、はい、実はかくかくしかじかで…………………………………え、知り合いに照合してもらうからサンプルを寄越せ?はい、分かりました』

 

 

倉橋「どうだったの?殺せんせー!」

 

 

殺せんせー「知り合いに照合してもらうからサンプルを持ってこいとのことです、では先生行ってきますね」

 

 

バシュン!

 

 

そう言うと殺せんせーは飛び立っていった。

 

 

すると陽菜乃はこっちを向いて目をキラキラさせながら言った

 

 

倉橋「ワクワクするね、広君!」

 

 

広俊「ああ、でも、画像だけだからまだ分からないな…でも、信じよう…」

 

 

倉橋「うん!」

 

 

 

 

 

二日後、俺と陽菜乃は烏間先生に呼ばれた

 

 

烏間先生の隣にはスーツを着た殺せんせーと眼鏡を掛けた黒髪の男性が立っていた……政府の人?でも白衣着てるぞ…

 

 

烏間「紹介しよう、俺の高校時代の同級生で、現在はSCP財団日本支部絶滅危惧種調査課所属の仁科春生(にしな しゅんせい)だ、ああ、心配無い、こいつは奴のことを知っている」

 

 

仁科「よろしく、笹井広俊くん、倉橋陽菜乃さん、友人の烏間が迷惑かけてないかい?はい、どうぞ。」

 

 

そう言うと仁科さんはニコニコしながら名刺を差し出す、恐らくこの人は陽気な人なんだろうな…何だこのマーク?円みたいな形の図形に矢印が三本突き刺さっている…これがSCP財団…ってとこのマークなのか?

 

 

倉橋「すいません!このSCP財団って何なんですか?」

 

 

仁科「その質問待ってました!SCP財団って言うのは、世界中で活動している生物研究団体なんだ、SCPっていうのは search(捜索) containment(収容) protection(保護)の頭文字を取ったものだよ」 

 

 

倉橋「へぇー、そうなんですね!」

 

 

広俊「活動とはどのようなものを?」

 

 

仁科「新種生物の捜索や外来生物の駆除や在来種の保護活動、他にも警察などと連携して動物園から脱走した動物などの捕獲もやってるね、外国の支部だとその国の政府と協力して武器を持って密猟者から野性動物保護区を守ったり、アマゾンの開発監視なども行っているよ、」

 

 

倉橋「でも、ニュースとかで見たことない…」

 

 

仁科「当然さ、私たちの財団の存在は極秘だからね、平時の職員は民間の一般企業の社員と何ら変わらない格好をしているんだ。」

 

 

烏間「仁科、そろそろ本題に入ってもいいんじゃないか?」

 

 

仁科「あ、悪いな烏間、それでは本題に入ろう、君たちが回収したサンプルを分析してみたんたけど……………我々は目を疑ったよ、まさか、ニホンカワウソのものだったとは思わなかった、正直、脱走したコツメカワウソだと予想していたからね…」

 

倉橋「と、言うことは……この山には、ニホンカワウソが生き残ってたってことですか?」

 

 

仁科「うん、そうだよ、「「やったあ!」」」

 

 

俺と陽菜乃はハイタッチをした。

 

 

 

烏間「実は…政府と財団が協議した結果、この山でカワウソ捜索を行い、財団の管理する施設に収容することに決定したんだ」

 

 

広俊「やはり…それしか、ないんですかね?」

 

 

仁科「もしもカワウソが見つかってしまったら大騒ぎになるからね、マスコミがきて君たちの学業と暗殺に支障が出ると困るからね」

 

 

倉橋「でも、施設ってどんなところなんですか?」

 

 

仁科「私達財団は政府に土地を提供してもらって、そこを保護林のようにしたり、地下にビオトープを作ったりしているんだ。もちろん偽装も完璧だよ、たとえば沖縄の施設だと不発弾注意区域に偽装してるんだ。」

 

 

倉橋「それなら安心ですね!」

 

 

烏間「しかし仁科………ここまで話しても良かったのか?」

 

 

仁科「この子たちなら大丈夫さ、烏間、それに、絶滅したと思われていたニホンカワウソを見つけてくれたんだ、このくらい、どうってことはない……それと殺せんせー、もちろん貴方にも感謝しています、烏間からスイーツ好きだということを聞きましたので、保護の際に持っていきますね!」

 

 

殺せんせー「ありがとうございますぅ…仁科さん!」

 

 

さらに二日後………

 

E組校舎には、「電気会社」の制服を着た職員達が終結していた、俺と陽菜乃、殺せんせー、烏間先生はそれに立ち会った

 

 

仁科「これより、ニホンカワウソ保護作戦を開始する!いいか!決して傷つけずに保護するんだ!」

 

 

職員「ハッ!」

 

 

倉橋「なんか…軍隊みたいに素早い…」

 

 

烏間「彼らは沖縄でマングースの捕獲にあたっていたらしい…しかも網を持ってだ…仁科本人も、身体能力は高めでな…俺も防衛大学校に誘ったんだが…あいつはこの道を選んだな…でも、あいつに合っているな…この仕事は」

 

 

俺も烏間先生も先生が似合ってると言いたかったが、言わないでおいた。

 

 

一時間半後……

 

仁科「笹井くん、倉橋さん、こっちへ、ほら、本物のニホンカワウソだよ…」

 

 

倉橋「わぁぁぁぁ!スゴい、スゴい可愛いね!広君!」

 

 

広俊「ホントに……癒されるなぁ…」

 

 

仁科「君たちの協力もあって、六匹のニホンカワウソを保護できた、これから、この子達は財団の施設に送られて、種の再生の希望になるんだ。」

 

 

倉橋「ニホンカワウソ…復活するといいですね」

 

 

仁科「うん、私達が頑張ってみせる、君たちも、大きな目標、暗殺があるんだろう?私からはエールしかおくれないけど…頑張れ!また会おう!」 

 

 

二人「はい!」

 

 

俺達は仁科さんと、堅い握手を交わした

 

 

 

財団の皆さんが帰ったあと、帰ろうとしていた俺達は烏間先生に呼び止められた。

 

 

烏間「ニホンカワウソの件だが…国家機密になることになった君らなら心配は不要だと思うが…頼んだぞ」

 

 

二人「はい!」

 

 

 

帰り道………

 

 

倉橋「まさかホントに“アレ“だったとはね~」

 

 

広俊「ああ、俺も信じられないよ、夢でも見てんのかな…」

 

 

倉橋「大丈夫♪夢じゃないよ!」

 

 

広俊「ホントかな…実感が………っ!!!」

 

 

倉橋「……ぷはっ!……ね!夢じゃないでしょ!広君!」

 

 

広俊「うん…あったかいな…」

 

 

……二回目のキス……少しだけ…深かった

 

 

倉橋「南の島も楽しみだね!広君!」

 

 

広俊「ああ!」

 

 

陽菜乃はそう笑顔で言う、俺も笑顔で答えた…

南の島か…何か起こりそうなのは…杞憂か、否か…

 




どうも、作者の秀元です
SCP財団ですが、もちろんあのSCP財団がモチーフです。この小説の世界では、危険な物の取り扱いはしていないホワイトな団体になっています


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ACT.32 作戦会議の時間

どうも、作者の秀元です。
今回はあとがきに用語解説を書いています

また、登場人物の容姿なのですが、容姿はアニメ版を想定してこの小説は書かれています

それでは

本編に、どうぞ!


広俊side

 

南の島の暗殺まで、あと少し…ロヴロさん監督の元、俺達は訓練に明け暮れていた。渚はロヴロさんとなんかしてたけど…なんだろうな?もう一つ不思議なこともある、ロヴロさんの弟子の殺し屋3人と、傭兵時代の戦友からの連絡が途絶えたらしい。

 

 

 

 

 

訓練終了後、俺達は教室に集合して作戦の調整を行っていた

 

 

磯貝「………今のところ、作戦はこんな感じだ、皆、何か不安な所は無いか?」

 

 

広俊「ん」

 

 

俺は手を上げた

 

 

磯貝「広俊か、どこが不安なんだ?」

 

 

広俊「ここの一斉射撃で囲むところだ、俺達は基本的にアサルトライフルとハンドガンぐらいしか使わないだろ?アサルトライフルはいいとして、ハンドガンだと連射が遅いから、どうしても弾幕の薄いところが出来そうなんだ。」

 

 

烏間「確かにな…律がいるとはいえ、弾幕で囲むのには少々不安が残る…」

 

 

片岡「律、何かいい方法ある?」

 

 

律「お任せ下さい!………3つほどアイデアがあります!一つ目はハンドガンをサブマシンガンに変えることです!」

 

 

そう言うと律は三種類程のサブマシンガンを出した……mp5kとステンガンとmac11か

 

 

菅谷「へぇ…すげぇな…」

 

 

律「広俊さん、説明お願いできますか?」

 

 

広俊「了解…………えーとまず一つ目、これがmp5kだ、これはたぶん一回は皆見たことあるよな」

 

 

矢田「あ、思い出した!確か陽菜ちゃんが一斉射撃の時に使ってた!」

 

 

広俊「そうそう、一回律に作ってもらって陽菜乃に試作品を使ってもらってたんだ。陽菜乃、どうだった?」

 

 

倉橋「アサルトライフルより軽いから使いやすかったね~、グリップがあったからしっかり握れたし、安定性がスゴかったよ!」

 

 

広俊「まあ、mp5はこんな感じだ、次、ステンガンだ。これはマガジンが横についてるから伏せ撃ちがやりやすい、俺もサバゲーで使ってるがスゴく使いやすいし、何よりカッコいい、オススメだぜ」

 

 

中村「ちょっとまって広俊」

 

 

広俊「ん、どうした?中村」

 

 

中村「それ…“ステン“ガンって言うの?“stench“(悪臭)ガンじゃないの?」

 

 

広俊「“ステン“ガンだ、間違えないでくれよ…」

 

 

三村「綴りはともかく…ソレ、水道管じゃないよな?」

 

 

広俊「銃だぞ三村………気を取り直して次にいこうか」

 

 

ステンガンの受けは悪かった…いい銃なのに…

 

 

広俊「mac11はこの三つの中では一番軽くて連射速度も早い、その分弾切れも早いけど、二丁持ちとかがスゴくやりやすいな」

 

 

岡野「狙うよりもばら蒔く感じってことなんだね」

 

 

広俊「その通り……以上で解説は終わりだけれど…皆、どうする、取り敢えず実物触ってみるか?」

 

 

俺がそう言うと、皆席を立って銃の所に来た。試しに構えたりしている…

 

 

その後、満場一致でサブマシンガン導入が決定し、どれを使ったら良いのか投票が行われた結果は…

 

mp5k……21票

 

ステンガン……1票(俺だけ)

 

mac11……6票

 

 

結局サブマシンガンはmp5kになった…悲しいな…

 

 

不破「律、二つ目は?」

 

 

律「二つ目は、私の射撃速度を再現することです!」

 

 

原「律、ソレってどう言うことなの?」

 

 

律「これを使います!」

 

 

そう微笑んで答えた律が取り出したのは………MG42だった…

 

 

千葉「ずいぶんとデカイな…」

 

 

律「これはmg42という、第二次世界大戦で用いられた機関銃です。実銃だと毎分1200発の速度ですが、このエアガンだと毎分2000発の速度となっています。連射しすぎるとモーターがオーバーヒートを起こすのが玉に傷ですが、今回の暗殺ではそれは問題になりません。シミュレーションによれば、2、3挺ほど用意しておけば、殺せんせーの動きを封じ込めるのにかなり有効なはずです」

 

 

磯貝「よし、ソレも使うか!」

 

 

皆も首を縦にふる

 

 

片岡「でもその武器…重そうよね…寺坂君、吉田君、村松君、これ使える?」

 

 

片岡がそう言うと寺坂達三人は苦もなくMG42を持った

 

 

寺坂「行けそうだぜ」

 

 

磯貝「じゃあ頼むぞ、三人とも!」

 

 

カルマ「二つ目はこれでokってわけね、律、三つ目は?」

 

 

律「三つ目は…正直、実現できるかどうかは分かりません…」

 

 

すると律はコードの繋がったヘッドギアと、同じくコードの繋がったドローンを出した

 

 

カルマ「律、それは?」

 

 

律「ドローンにエアガンを着けて、脳波でコントロール、発射をできるようにしました。もし実現できれば、南の島での暗殺で大きな戦力になるはずなのですが…」

 

 

カルマ「その機械は適正がないと使えない…ってこと?」

 

 

律「はい、皆さん、テストに協力してくれますか?」

 

 

律が皆に問うと、千葉が席を立った

 

 

千葉「俺は今回狙撃だけど、試してみたい」

 

律「それでは千葉くん、これを頭に被ってください、被ったら空き缶を置いてるので、その空き缶を撃ってください、考えるだけで操作はできるので簡単だとは思いますが…」

 

 

千葉「………ふっ!……」

 

ウィィィィィィン!

 

 

全員「おおっ、動いた!」

 

ポトッ…

 

 

奥田「あれっ……」

 

 

菅谷「千葉、どうした?」

 

 

千葉「動かせるには動かせるんだけど…結構体力持ってかれるな…」

 

 

菅谷「カルマの言う通り、人によって適正なのかそうじゃないのかがかあるのかもしれないな…よし、次は俺がやろう」

 

 

15分後………

 

 

俺はまだ試してないが、クラスのほとんどがギブアップした。全く飛ばせなかった奴もいる。渚、陽菜乃、矢田は少し動かせたものの、頭が痛くなってリタイアした。装置を外したら頭痛は収まったらしい

 

 

渚「次は…広俊君だね、気をつけてね、結構疲れるよ…」ヨロヨロ

 

 

広俊「あ、あぁ…怖ぇな…」

 

 

渚達のことを案じながら俺は装置を頭に被り、取り敢えず『飛べ』と念じてみた

 

 

ウィィィィィィン!

 

 

前原「すげぇ…飛んだ…」

 

 

岡島「俺達なんて全く動かせなかったぜ…」

 

 

取り敢えず飛ばせた…動かせる気がする…よし、次はジグザグ機動だ

 

 

シュン! シュン! シュン!

 

 

速水「……凄い」

 

 

吉田「あんな動きもできんだな…」

 

 

よし…撃ってみるか…………頭の中にターゲットを思い浮かべて……

 

 

広俊「そこかっ!」

 

ドパパパパン!

 

 

木村「なっ………」

 

 

不破「撃った………!?」

 

 

烏間「…………!」

 

 

俺もまさかできるとは思わなかった、しかも驚いたことに頭痛も体力の消耗も…ほとんど無い……

 

 

倉橋「広君!さっきの…どうやってやったの!?」

 

 

杉野「確かにさっきのはスゴかったな…」

 

 

広俊「いや…フツーに念じて動かしただけだけど…頭痛とかもとくに無い…」

 

 

俺がそう言うと、全員にええっ…って顔をされた…

 

 

律「どうでしたか?広俊さん、暗殺に使えそうですか?」

 

 

広俊「……問題なく使えるんだけど…ヘッドギアをコードレスにして帽子とかに偽装できないか?」

 

 

律「そうですか…では改良しておきます!」

 

 

磯貝「それじゃ、作戦を確認するぞ、まず、精神攻撃で殺せんせーを動揺させ、満潮まで特製のビデオを見せる、その後に俺ら8人が予約した触手を破壊、カルマたちがボートでチャペルの外壁を剥がし、フライボード組が水のオリを作る、そして、律の合図と共に一斉射撃、広俊は例のドローンを不規則に動かしつつ射撃してくれ。倉橋は下から逃げられないようにしてくれ。そして、水中に潜って匂いを消した千葉と速水がとどめだ。殺るぞ!」

 

 

全員「オーッ!」

 

 

岡島「しかしよぉ広俊、お前、何か不思議な力でも有るんじゃねーのか?」

 

 

広俊「いや、そんなことは無いと思うぜ?と言うか、俺が持ってるなら皆持ってるだろ…暗殺してんだからな」

 

 

竹林「なにか心当たりは無いのか?何か特別な訓練をしているとか」

 

 

広俊「えぇ…特に無いな…一応体は鍛えてるが…他にはサバゲーとか豆腐配達でハチロク転がしてるぐらいだけど…」

 

 

神埼「えっ…ちょっと待って広俊君、ハチロクって…クルマだよね?広俊君…もしかしてだけど…運転してるの?」

 

 

広俊「ああ…そうだけど?それが何か…」

 

 

全員「何か?じゃないだろ!!」

 

 

前原「と言うか無免許運転だろ!」

 

 

広俊「問題無いぜ前原、烏間先生と殺せんせーに事情は説明して暗殺期限のみ有効な免許をもらってる」

 

 

前原「そうなんすか?烏間先生」

 

 

烏間「ああ…しかし笹井君の運転技術は凄いぞ、教習所で教官をやれるレベルだ、実際、あいつも酔わなかったらしいしな」

 

 

前原「マジかよ…乗ってみてぇな…」

 

 

広俊「ダメだ前原、もし事故ったときに責任がどうなるか分からないからな…」

 

 

磯貝「まぁしょうがないよな、前原、諦めろ」

 

 

イリーナ「楽しそうな所悪いけど、電話よカラスマ、本校舎からだわ」

 

 

烏間先生は教員室に行き、二、三分ほどで戻ってきた。

 

 

烏間「笹井君、倉橋さん、理事長が呼んでいる、体操服のままでいいのですぐに行ってくれ」

 

 

二人「はい!」

 

 

こうして俺達は理事長室に向かった

 

 

理事長室……

 

 

理事長「…アプサラスがっ…!」 

 

 

広俊「失礼します……何やってんですか?理事長先生」

 

 

理事長「なに、気にしないでくれ、発声練習だ、よく来たね、さあ、かけなさい」

 

 

俺達は理事長に促されるままにソファに座った

 

 

理事長「今日君たち二人にここに来てもらったのは、ある提案をするためなんだ」

 

 

倉橋「どういった提案ですか?」

 

 

理事長「笹井君、倉橋さん、本校舎に復帰しないかい?さらに望むならA組編入も着けてあげよう。」

 

 

倉橋「期末がよかったひろ…笹井君だけでなく、何故私まで?期末の私の順位は47位、ギリギリだと思うのですが…」

 

 

理事長「重要なのは成績だけではないんだよ、倉橋さん、この学校は生徒の功績や生活態度も評価するからね」

 

 

もう、理事長先生の考えていることがわかった気がする…

 

 

理事長「君たちは…これに見覚えが無いかい?」スッ

 

 

そう言った理事長が差し出したのは………仁科さんの名刺だった。

 

 

理事長「この学校の支配者は私だ、大体の事情は把握している…二人は何やら絶滅種を見つけたそうじゃないか、これは我が学校始まって以来の偉業だ、A組に入る資格は十分にある、それどころか、一流大学の推薦まで狙えるよ」

 

 

広俊「でも、財団の活動は極秘ですよ?公には出ないはずです。」

 

 

理事長「成る程、良いところを突くね笹井君、しかし私の予想ではね、あの財団の活動はそのうち公になると思う。仁科さんからあの財団の活動を聞いたが、いつまでも隠しきれると私は思わない」

 

 

広俊「………………」

 

 

倉橋「………………」

 

 

理事長「もう一度聞こう、笹井広俊君、倉橋陽菜乃さん、本校舎に復帰しないかい?強者になれるチャンスだよ」

 

 

広俊「お心遣いありがとうございます、理事長先生…申し訳ありませんが、お断りさせて頂きます。」

 

 

倉橋「……すいません理事長先生、私もお断りさせて頂きます」

 

 

理事長先生はしばらく俺達二人を見ていた

 

 

理事長「………残念だ、今後も『E組』で精進しなさい」

 

 

 

広俊「はい、頑張りたいと思います。……失礼しました」

 

 

倉橋「失礼しました……」

 

 

 

帰り道…………

 

倉橋side

 

私は広君と渚君とカエデちゃんと桃花ちゃんと一緒に帰っていた

 

倉橋「はぁーっ、緊張した」

 

 

矢田「なにがあったの?陽菜ちゃん」

 

 

倉橋「テストが50位以内だったから本校舎に戻って来ないかって言われたんだよ…」

 

 

広俊「でも、他の皆からそんな話は聞いてないから、まず俺達を呼んで試してみたんだろうな」

 

 

財団のことを言うわけにはいかないので、広君はもっともらしい理由をつけていた、だけど、理事長先生、私達に断られたってのにずいぶんと余裕な顔をしてたな…また何か企んでないといいけど…

 

 

茅野「あの人も油断ならないね…広俊君は緊張しなかったの?」

 

 

広俊「いや、三回目だからな…あんまり…」

 

 

渚「三回も!?何があったの?」

 

 

広俊「…えーと、E組の先輩に暴行をしていたサッカー部のクソッタレ殴って一回、自転車で花壇をぶっ壊して一回、さっきので三回だ。」

 

 

倉橋「広君…サッカー部で何があったの?」

 

 

私が聞くと、広君は全て話してくれた。まさかこんな過去が広君とE組にあったなんて…

 

広俊「黙っててごめんな…陽菜乃…皆」

 

 

倉橋「大丈夫だよ、広君は他人のために怒ることができる人だって改めて分かったからね!」

 

 

渚「倉橋さんの言う通りだよ」

 

 

茅野「私は今年に転入してきたから、E組がそんな目にあってたこともあるなんて知らなかったな…」

 

 

矢田「私も知らなかったな」

 

 

広俊「まぁ、警察沙汰になりかけたんだ、学校が全力で隠蔽したんだろうな…」

 

 

渚「あれ?広俊君ってサッカー部だったんだよね?E組に来たとき前原君とどうして初対面だったの?」

 

 

広俊「ウチのサッカー部、いつでも紅白戦が出来るように部を二つに分けて練習してるんだ。俺は多分前原とはちがうグループだったんだろうな、しかも俺自身『注意力散漫』って言われて控えの方が多かったし、先輩殴って退部したのが2年の時だからな…前原の顔を見たとしてもそれで忘れてるだろうな…」

 

 

渚「へぇー、サッカー部ってそんな感じだったんだね」

 

 

広俊「ああ」

 

 

その後、皆はそれぞれの家の方向に帰っていった。もう少ししたら暗殺旅行、暗殺もだけど…南の島も楽しまないとね!




用語解説……SCP財団


概要
オーストラリアの自然環境保護団体を母体とした世界中に支部をおく環境保護団体(所謂NGO)、主に絶滅危惧種の動植物の保護、収容、研究、再生プロジェクトや外来種の駆除、密猟の取り締まりなどをを行っている。各国政府や国連と連携して活動しており、活動する権利をもらう見返りに、財団が独自で開発した技術の供与などを行っている(活動内容からか主に農業系の技術が多いが、工業技術も高い)職員には
Aクラス(各支部に10人いるかいないかの職員、主に支部の存在する国の政府との交渉や保護プロジェクトの計画や認可を担当)
Bクラス(各支部の課長的存在、保護の際の現場監督や保護プロジェクトの計画、雇用の際の交渉を担当、なお仁科はB職員である) 
Cクラス(一般職員、収容施設や保護の現場、様々な所で見かける、偽装のために様々な格好をしている。)
Dクラス(一般職員だが、懲役などで服役している者のなかで、環境保護活動を通しての更生が期待できる者、仕事の無い難民等から雇用される。尚、国によっては死刑囚も雇用した例がある。※日本支部では死刑囚の雇用は行われていない)の4種類が存在し、その職員達は様々な部署に分かれて活動している
さらに、いくつか傘下企業を持っており、職員の一部をそこに派遣してその企業が存在する土地の情報収集に当たらせることもある


雇用方式
財団の活動は極秘のため、一般企業のような形式での職員募集は行わず、傘下企業の募集で落ちた者や、罪を犯して服役中の者、通常の公務員や他の環境保護団体の者、難民などに財団職員が直接接触し、雇用する。なお、雇用の際には部外者に財団での活動を口外しないとの契約をしなければならない、契約違反をした場合は財団に関する記憶を消去され、解雇される(終了とも呼ばれる、尚、日本政府にはこの記憶消去の技術を供与している)


その他
難民や服役者を雇用する関係で、施設には寮が存在しており、一人一室(トイレ付き)が与えられている。活動に際して必要な知識や資格も多いため、財団施設内には教育施設もある。

殺せんせーについては、財団は軍隊ではないため、基本的に手出しできない模様、ただし殺せんせーを殺すための技術開発は検討されている

また、生物兵器の開発が行われていないか常に目を光らせており、そのような可能性がある団体は「要注意団体」として警戒している


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ACT.33 島の時間

やっと南の島に突入です!

それでは

本編に、どうぞ!


 

広俊side

 

 

ピピピピ ピピピピ ピピピピピピピピピー

 

 

カチャン

 

 

広俊「…………んう…もう4時か…」

 

 

今日は南の島に出発する日…だが…相変わらず配達はある。俺は急いで着替え、1階に降りた

 

 

和広「広俊ー!起きてるか、配達だぞ!」

 

 

広俊「起きてるよー、今から行くぜ…」

 

 

俺はハチロクに乗り、オヤジから水の入った紙コップを受けとる…

 

 

和広「いいか?こぼすんじゃねぇぞ、あと、浮かれて事故ってクルマ壊すなよ」

 

 

広俊「わーってるって、行ってくるぜー」

 

 

最初の頃はこぼしまくってたな…こぼしたくなかったんで、水飲んだらオヤジにぶん殴られたこともあったな…

 

 

 

 

 

 

配達から帰り、島に行くための服に着替えた。そして集合場所の駅に向かった

 

 

港に向かう電車の中で、俺は考えていた

 

広俊(殺せんせーを今回の暗殺で殺せるんだろうか?策は積むだけ積んだ、あとは、殺せんせーが何も隠し持って無いことを祈るばかりだ。ああ…眠くなってきた……………………………………………………)

 

 

 

「…………くん?………………ろくん…………広君!」

 

 

広俊「うわぁっ!ビックリした……陽菜乃…どうした?」

 

 

倉橋「広君、ずっと寝てたんだよ!もうすぐ港だから、起きて!」

 

 

広俊「んぅ……………分かった…」

 

 

菅谷「豆腐屋ってのは、大変なんだな…」

 

 

広俊「毎朝四時起きだからな…」

 

 

菅谷「早っ………」

 

 

烏間「………もう少しで埠頭に着く、船に乗るでに各自トイレ等は済ませておくように、あとはあいつだけか」

 

 

その後、殺せんせーもやって来た、いつものアカデミックドレスは着ておらず、アロハシャツとズボンに麦わら帽子という、いかにも夏な格好だった。しかし、相変わらずクソでかいリュックは持ってきていた、あの中なに入れてんだよ…

 

 

陽菜乃は朱色のワンピースにネックレス、白い帽子を被っていた…可愛かった…

 

 

 

 

船上…

 

 

俺はデッキに出て一人海を見ていた、お袋も海が好きだったらしい…その影響なのか、海を見ていると、何か落ち着く…

 

 

 

倉橋「広君?」

 

 

広俊「…ん、陽菜乃か、どうした?」

 

 

倉橋「もうすぐ着くから呼びに来たんだよ、何してたの?」

 

 

広俊「海を見てた、海を見てると落ち着くんだよな、お袋もそうだったらしいしな…不安なこともあるしな…」

 

 

倉橋「不安なこと……?」

 

 

広俊「暗殺が予定通り進むかなと思ってな、あれだけ大規模な計画を立てたら、何処かでズレが生じる可能性が高い、皆の腕を信頼していないわけじゃないけど、それでも心配でな…」

 

 

倉橋「心配し続けてると良いことないよ、前を向いて頑張らなくちゃ!」

 

 

広俊「うん…そうだな、ありがとう、陽菜乃」

 

 

俺は微笑みながら陽菜乃の頭を撫でた

 

 

倉橋「えへへ…どういたしまして!」

 

 

確かに、心配しまくっていてはどうにもならない、だけど何だ……やけにザワつく……

 

 

 

そう考えているうちに島が見えてきた、今は暗殺に集中しないとな

 

 

 

 

ウェイター「ようこそ、普久間島リゾートホテルへ、サービスのトロピカルドリンクでございます」

 

 

広俊「うっ…炭酸か、飲め無ぇんだよな…」

 

 

杉野「じゃあ俺にくれよ!」

 

 

広俊「喜んで、ほい」

 

 

杉野「ありがとな、広俊」

 

 

広俊「どういたしまして」

 

 

杉野「そういやこの後は、班別で殺せんせーと遊ぶんだよな?」

 

 

広俊「まあ、カモフラージュだけどな…」

 

 

殺せんせー「ヌルフフフフフ、折角の南の島、皆さんと楽しみますよ!」

 

 

杉野「今日殺されるかもしれないのに、殺せんせーは元気だよなぁ…」

 

 

渚、広俊「そうだね(だな)…」

 

 

 

数時間後…

 

 

俺達は今陽菜乃と一緒にハンググライダーに乗っている殺せんせーを同じくハンググライダーで追いかけ回していた

 

 

殺せんせー「ヌルフフフフフ!」

 

 

木村「ずりーよ殺せんせー!」

 

 

広俊「動力の差が違いすぎるぞ!」

 

 

(広俊が木村の後ろに乗っているので、矢田は地上で上空監視をしています)

 

 

殺せんせー「ヌルフフフフフ、戦闘機の性能差は、結局のところ、エンジンの差なのです!」

 

 

磯貝「てか何その格好!?」

 

 

殺せんせー「堀越次郎です」

 

 

前原「それ飛ぶ方じゃなくて作る方だろ!!

てかいろいろ違和感ありすぎ!」

 

 

パンパンパン!

 

片岡「ああもうすばしっこい!全然当たらないじゃない!」

 

 

広俊「アサルトライフルかレバーライフルもって来りゃ良かった…」

 

 

木村「広俊…落ちて死ぬぞ…」

 

 

地上…

 

 

ホテル職員A「なあ嬢ちゃん、なんであの一機だけあんな機動してんのかわかるか?」

 

 

矢田「え、経験者の方なんじゃないんですかね…アハハ…」

 

 

ホテル職員B「垂直旋回左捻りこみとか、絶対に不可能なんだが…」

 

 

空中…

 

広俊(ああ…SMGがあればなぁ…)

 

 

しかし、SMGは隠し玉、まだ使うのは早い、更に俺達の目的は陽動、チャペルの細工を行っている渚達の方に殺せんせーの注意を向かせなければそれでいい………………渚達は作業を始めたようだ、取り敢えず、第一関門クリアか…でも俺にはもうひとつ仕事がある。

 

 

一時間後…

俺と陽菜乃はホテルから少し行った所にある堤防で貸しボートを借り、会場に出ていた、波は穏やかだ…

 

 

広俊「陽菜乃、殺せんせーはいまどうしてる?」

 

 

倉橋「えーと…いまは三班と海底洞窟かな?まだまだ時間はたっぷりあるし、じっくりとやろ!」

 

 

広俊「了解、この辺りか…」

 

 

バシャンバシャンバシャン…

 

 

キュルルルル…

 

 

広俊「おっ!結構いるんだな!」

 

 

そう、俺達はイルカを手懐けるためにここに来た、イルカをこんな間近で見るのは人生初だけど………

 

 

倉橋「はーい!イルカさーん!どうぞ!」

 

ポーン! パクッ!

 

 

歯が…怖すぎる……

 

 

倉橋「はい!広君もやってみて!」

 

 

陽菜乃はイルカを撫でながら俺にイワシの入ったバケツを手渡した……陽菜乃は怖くないのか……?

 

 

広俊「よし…それじゃ行くぞ……とりゃ!」

 

ポーン パクッ!

 

キュルルルル!キュルルルル!

 

パシャッ……ゴッ!

 

 

イルカが…ぶつかって来た……?食われてはないみたいだが…取り敢えず怖くてたまらないのでイルカを撫でることにした

 

キュルルルル!キュルルルル!

 

めっちゃ喜んでんな…

 

広俊「ほいほい、もうおしまいだ、海に戻ってくれ」

 

パシャン!

 

言うことまで聞いてくれた……あれ?さっきから陽菜乃が無言だ…

 

 

倉橋「むうーっ…」

 

 

広俊「ん?どうした?陽菜乃……あ、水かかったのか?」

 

 

倉橋「……と……ス…してた…」

 

 

広俊「ん…………?」

 

 

倉橋「イルカと…キス…してた」

 

 

広俊「へ?俺そんなことしてたのか……ごめ…ってえ?ちょっと待て!」

 

 

陽菜乃は無言で俺に顔を近づけてきた

 

 

広俊「ちょっと待って!ここだとバランスが……」

 

ツルッ!

 

 

広俊「うわーっ!」

 

 

バシャーン…

 

 

数分後…

 

 

倉橋「ゴメンね広君!大丈夫?」

 

 

広俊「なんとかな……」

 

 

倉橋「ホントにゴメン…私…つい….」

 

 

広俊「いいよいいよ、服は洗って乾かせばいいし、帽子は濡れなかったからな」

 

 

実はこの帽子はドローンを操るための頭部装着式コントロール装置を兼ねている、一応防水だが、濡れないのに越したことは無いからな

 

 

その後、俺と陽菜乃はイルカ達がホイッスルの合図で飛び跳ねるようにイルカ達を訓練した、その帰り道…

 

 

広俊「ふぃーっ…タオルを被ってるとはいえ、やっぱ日が落ちてくると冷えるな…」ガタガタガタ…

 

 

倉橋「………そうだ!」

 

 

……ギュッ…

 

 

倉橋「こうしたら暖かいよね!広君!」

 

 

広俊「あ、ああ…うん、そうだな…」

 

 

冷静を装ってはみるものの、突然抱きつかれたことによってやはり気が動転しているようだ…

 

 

倉橋「広君…イヤ?」

 

 

広俊「大丈夫大丈夫、ちょっとビックリしただけだよ……………もう少し…お願いします…」

 

 

倉橋「うん!」

 

 

その後、俺達は船上でディナーを食べた、殺せんせーを酔わせて少しでもその力を削ぐためだ、殺せんせーが脱皮を使ってしまうという(殺せんせーにとっての)ハプニングがあったものの、ここまでは順調だ

 

 

殺せんせー「うまいうまいうまい!あ、これもこれも!これが先生最後の晩餐になるかもしれませんからね!」

 

 

杉野「…これから殺されるかもしんねーのに、元気なモンだよな、殺せんせーは」

 

 

広俊「そうだな…あ、三村と岡島って、確かこことは別のとこにいるんだよな」

 

 

渚「うん、そうだけど…」

 

 

広俊「メシ持ってってやんねぇとな」  

 

 

渚「うん」

 

 

 

 

 

 

広俊「三村~、岡島~、メシだ、『腹が減っては戦は出来ぬ』だ、ここに置いとくからな」

 

 

三村「お、サンキュー広俊、よし、仕上げるぞ!岡島」

 

 

岡島「おう!」

 

 

 

その後、俺達は下船し、渚達が細工をしたチャペルに向かった、そこにはテレビが一台ある、まずはこれで精神攻撃だ………

 

 

 

テレビの電源ってどっから引っ張ってんだろな?

 

 

 

 

渚「殺せんせー」

 

 

広俊「まずはボディチェックだぜ、水着なんて持ってたら困るからな」

 

 

殺せんせー「ヌルフフフフフ、そんな野暮はしませんよ!ドンと来なさい!」

 

 

俺達と殺せんせーの距離はわずか数十センチほど、それでも殺せんせーは殺せない、殺させてくれない………

 

 

岡島「さて、ボディチェックも済んだな、殺せんせー」

 

 

三村「楽しい暗殺、まずは映像鑑賞からはじめようぜ」

 

 

そう言って三村はテレビを着けた

 

 

 

 

 

 

 

 

同時刻 SCP財団オーストラリア本部…

 

 

(三人称視点になります)

 

 

仁科は日本支部の代表代理として財団本部の技術開発会議に出席していた、相手は財団の最高幹部『O5』である。

 

 

 

仁科「以上が報告になります」

 

 

財団幹部A「ニホンカワウソの、保護と収容、我々としても大変喜ばしいことだ、日本支部には今後とも精進してほしいものだね、それで仁科君、今日が暗殺決行の日なのかね?」

 

 

O5の一人は、紅茶を飲みながらそう仁科に聞いた

 

 

仁科「はい、防衛省の知人からの連絡ではそのようです、結構入念な計画だそうですが…」

 

 

財団幹部B「入念か、しかし、失敗する可能性も否定はできん、そうだろう?」

 

 

財団幹部C「あの超生物を殺す方法をこちらも模索中する必要があるな、地球が爆破されれば、我々の行ってきた保護活動が全て水の泡となる。」

 

 

財団幹部D「日本支部には暗殺関連の技術開発を許可していたはずだ、成果はどうなっている?」

 

 

仁科「淵田博士を責任者とした研究チームが現在、ロボットによる暗殺を計画しています。」

 

 

財団幹部E「ほう、ロボット、それなら人的資源の節約にはなるな、環境への影響はどうなのだ?」

 

 

仁科「収容施設の大容量バッテリーを流用し、ソーラーパネルで補助を行うため、石油などは使用しません。今からそちらに画像データと、シミュレーションCGを送りますのでご覧ください」

 

 

財団幹部B「……これは…クモかね?人形では無いのだな」

 

 

仁科「はい、人形では駆動系の磨耗が激しく、更に機敏に動けません、しかし、クモのような形にすれば、舗装道路は小型タイヤで、荒れ地等は歩行で対応可能です。また背中にあるドラム缶のようなものは人間が乗り込んで操縦を可能にするポッドとなっています。更にマニピュレーターを搭載することで物を掴んだり運んだりすることと、コミュニケーションAIの搭載によって財団職員とコミュニケーションが可能であり、暗殺終了後はそのまま財団の環境保護活動に利用できます。」

 

 

財団幹部A「ほう…面白い、更に実用性もある…名前は決めているのかね?」

 

 

仁科「淵田式地上用高機動マシーン、略して『フチコマ』と日本支部では呼称しています」

 

 

財団幹部D「可愛らしい名前だな、開発の方はどうなっている?」

 

 

仁科「本体の開発はもうすぐ完了しますが、操作用OSやコミュニケーションAIなどの開発が難航しています」

 

 

財団幹部D「分かった、日本支部では限界も有るだろう、本部のラボを使いたまえ、その方が開発も進むだろう。日本政府との連携も忘れずにな」

 

 

財団幹部A「対超生物用の武装の方は?」

 

 

仁科「固定武装のとしては右腕に内蔵されたBB弾チェーンガンのみです、しかし、腕自体はマニピュレーター以外にも換装可能なため、現段階では一機のみの試作ですが、複数量産すれば暗殺への多きな貢献になるだろうと思われます」

 

 

財団幹部A「成る程、取り敢えず試作一号機の出来映えを見てからになりそうだな、仁科君、開発チームにこの紅茶を、あとこれを頼む」

 

 

仁科「メッセージカード…ですか?」

 

 

財団幹部A「うむ、頼んだよ」

 

 

そのカードには『今後の成果を期待する、精進したまえ  財団本部O5 グリーク=ワイアット』と記入されていた

 

 

仁科「了解です。次の報告をお待ちください」

 

 

こうして財団も殺せんせー暗殺のために動き出したのだった…




どうも、作者の秀元です。
大変お待たせしました

フチコマですが、攻殻機動隊のあの戦車です
グリーク=ワイアットはガンダム0083に登場した核攻撃で乗艦ごと蒸発した人がモデルとなっています


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