HPに極振りの吟遊詩人になったら、別ゲーになりました。 (涙姫)
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HP極振りのはじまり

楽しんでいただければ幸いです。


それはあるお日柄もよいある日のことでした。

 

 

 

 

とある街の一軒家の一室

 

 

大人しい見た目の中にも可愛さが混じった普通の部屋_

 

__ではなく、所々に万人受けや女子向けのグッズやたくさんの本が混じる部屋

 

 

 

 

「ふへへ…」

 

 

 

 

そんな部屋の中で過ごす少女

 

藍坂(あいさか) 十和(とわ)

 

言わずもがな、この小説の主人公である。

 

 

 

その容姿は髪はロングでふわふわとしたクセ毛の茶髪に、頭の上で1本のアホ毛が揺れている。 

 

瞳は右目は青、左目は黒。 

虹彩異色症(こうさいいしょくしょう)、別名オッドアイの少女なのだ。

オッドアイと聞くと「目が悪い」などの異常がある場合もあるが、彼女の場合はただ遺伝によって右を母親、左を父親の瞳の色を持って生まれただけである。

 

 

ここまでの容姿に身にまとうのが可愛らしい洋服なら、きっと誰も放っておかないだろう。

だが残念ながら彼女のまとうのは、ジャージにTシャツ、その上に彼女が好きなキャラクターのパーカーである。

ついでに言うと、ブルーライトカットの黒縁メガネも装着済みである。

 

 

 

 

ピロリロリン♪

 

 

「………ほへ?誰だろ?」

 

 

 

この1本の電話から物語は始まる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「えーっと…あ、お兄ちゃんだ」

 

彼女の言うお兄ちゃんは少し年上の従兄のことである。

 

「もっしもし~?」

 

『お、十和か?』 

 

「うん、十和だよ~?いきなり電話なんて珍しいね、どうかしたの?」 

 

『この間お前 VRMMO*1向けのハード*2とゲーム買おうと思ってるんだけど、何かおすすめ知ってる~? って言ってただろ?』

 

(そういえばお兄ちゃんにはそんな話、お正月にしたっけ…)

「あ~言ったかも?それがどうかした?」

 

『俺がβテスト*3の頃からやってたゲームあってな、なかなか面白かったからお前にも勧めようと思ってな。』

 

「へ~!なんてゲーム?」

 

『《New World Online》っていうんだが知ってるか?』

 

「あ、聞いたことあるかも!そんなに面白かったんだ?」

 

『まぁな。やってみる価値はあると思うぞ。』

 

「お~!やってみる~!……あ、ポチっとかなきゃ。おすすめのハード教えて~」

 

『その必要はないぞ?』

 

「へ?なにゆえ?」

 

『それは_』

 

 

 

ピンポーン

 

 

 

『__もう送ったからだ。多分今届いたぞ?』

 

「わお…なんてタイミング。あ、お金どうしたらいい?」

 

『別にいいって、俺からのプレゼントだ。』

 

「マジですかい?!え、流石に悪いって!」

 

『俺が勝手にやったことだから気にすんなって。気に入らなかったら返してくれればいいしな。』

 

「なんと…お兄ちゃんありがとう!」 

 

『じゃあ、今度はゲームの中でな。』

 

「うん!またね~」

 

 

 

 

ピッ

 

 

 

 

「十和ー、何か届いてるよー?」 

 

「は~い!」

 

 

 

 

「送られちゃったら、やるしかないよね~!」

 

 

 

ということで藍坂 十和、VRMMO《New World Online》はじめようと思います!

*1
仮想現実大規模多人数オンライン(Virtual Reality Massively Multiplayer Online)の略称。

*2
ハードウェアの略称。ここでの意味はゲームをプレイするための機械。

*3
開発中のベータ版製品を調整する目的で実施されるテストのうち、特定の団体やユーザーに限って提供され、試用してもらうテストのこと。




なお、この従兄のお兄さん、リアルでの名前を出す予定はございません()


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HP極振りのキャラメイク

たくさんの方々からのお気に入り登録、本当にありがとうございます。


母親から届いた荷物を受け取り、自室で開封する

 

 

ビリビリ

 

 

(にしてもお兄ちゃん、ハードもゲームもって良い人過ぎない?

いつか彼女ができても、貢がされる人生送ってそうな気がするんだが)

 

なんてものすごく失礼なことを考えつつ中身を確認する。

 

 

ガサゴソ

 

 

まず出てきたのは白に水色のラインの入ったVRハード。

 

「おぉ~!なかなかにハードのデザインイケてるじゃん!さっすがお兄ちゃん!

そ・し・て~」

 

 

ガサゴソ

 

 

その次に出てきたのは白に綺麗な緑のグラデーションの竜、そして真ん中に《New World Online》と書かれたパッケージが出てきた。

 

「結構デザインはシンプルなんだ~。うむ、なかなかに良き。」

 

 

そうして鼻歌混じりに説明書を読みながら簡単な設定を済ませる。

 

「さ~てさて、設定はこれで大丈夫かな?あとはこれを被って~、っと。これで残りの設定しなきゃね。

いざ!ゲームの世界へ!」

 

 

_____________________________

_______________

 

 

そうしてなんとかハードの設定を終え、

十和は真っ白な世界にいくつもの四角にラインの入ったデザインの入った場所にいた。

そう、《New World Online》の初期設定の開始である。

 

 

「あ、身バレ*1防止で髪色と目の色だけは変えれるんだ。他も変えれたら良かったのにな~。

とりあえず何となくで髪の毛真っ白にしてみよ~。

うわっ…ほんとに真っ白、雪みた~い。

目の色~は、そのままでいっか。」

 

 

ピッ

 

 

「え~っと、次はプレイヤー名か。

本名でやっても良さそうだけど、それだとなんかつまんないしな~…う~みゅ…」

 

・・・

 

「十和…とわ……とわは『永遠』って書けるけど…

英語だとエターナルとかフォーエバーだけど、それだと何だかダサいしな…」

 

・・・

 

「そういえば永遠ってイタリア語でエテルノだっけ…

………まぁ、それでいっか。

エ・テ・ル・ノ~っと、これでよ~し!」

 

 

ピッ ウォン

 

 

名前を打ち込むと入力画面が消え、様々な透明な武器が現れた。

 

「いっぱい武器出たど~!ってことは次は初期装備か」

 

様々な武器を見つめ、じっくりと考える。

 

「杖に槍に弓、片手剣、双剣、大剣、メイス、斧…あ、大盾なんてのもあるんだ。

ん~…自分から行くよりは遠距離とかサポートの方が好きなんだよね~。

だからするなら杖か弓かな~って、ん?」

 

その視線の先にあったのは武器に並んだ異色のもの。

 

 

「いやいや、なんで初期装備に交じってんの?

___このハープ」

 

ハープ。楽器である。

 

 

思わず気になり、詳細を開く。

 

「えーっとなになに?

《楽器 弓》

これちゃんと武器なのか。そして完全遠距離型。近づかれたら対処できなさそう。

あ、矢撃たずにぶっ刺そうかな……いやダメか。

《楽器があればどこでも楽しく演奏できる》

……それ、何か意味あるのかな?

《ステータスは低めだが、HPは№1》

え、意外。HP、これ1番高いんだ。

 

HP高いのっていいな。どんなに痛くても死ななきゃ安いし。

某RPGのコマンドにもあるもんね《いのちだいじに》って。

それに楽しそうだし、これにしてみよっと。」

 

 

ピッ ウィン

 

 

「次はステータス~ってことはこれが最後の設定かな?

ステータスポイント*2は100あって、HP*3、MP*4、パラメータのSTR*5、VIT*6、AGI*7、DEX*8、INT*9に振ることができるってわけか~

こういうゲーム興味はあってもやったことないし、乙女ゲーム*10にもこのタイプのあったけど、こんな感じに振り分けとかの描写なかったし…どうしよ?」

 

・・・

 

「物は試しだし、

とりあえず、命大事にしたいからHP極振りしてみよう

__これで!」

 

 

ピッ

 

 

「いざ!ゲームスタート!」

 

*1
身元、身分が明らかになってしまうという意味の俗語。

*2
ステータスに振り分けることができるポイント。

*3
体力。0になってしまうと、死んだり戦闘不能になってしまう。Hit Pointの略称。

*4
魔力。魔法やスキルを使用する際に消費される。Magic Pointの略称。

*5
攻撃力(物理)。アイテムなどの最大所持重量を増やすといった効果も存在する場合がある。Strengthの略称。

*6
防御力。基本的には高いほどダメージが少なく倒れにくい。Vitalityの略称。

*7
素早さ。行動速度や回避率に影響を与える。Agilityの略称。

*8
器用さ。命中率や弓矢での攻撃力に影響を与える。Dexterityの略称。

*9
知力。魔法攻撃力に影響を与える。Intelligenceの略称。

*10
女性向け恋愛シミュレーションゲームのうち、主人公(プレイヤー)が女性のゲームの総称。




【今回出てきたセリフの豆知識】

『いのちだいじに』は有名なRPG、「ドラゴンクエスト」のコマンドの1つです。
ほかにも有名なものを挙げると『ガンガンいこうぜ』があります。
この2つのコマンドは大人気ゲームである「スプラトゥーン」のコラボフェスのお題になったことがあります。
なお、その時の結果は『いのちだいじに』の勝ちだったようです。
私は「スプラトゥーン」は持っていませんでしたが、当時ネットで状況を眺めつつ「『いのちだいじに』頑張れ~」と陰ながら応援してました。

また、主人公のサラッと言った、『死ななきゃ安い』は今は『まだ死んでいないのなら、まだチャンスはある』という意味で使われていますが、最初は「GUILTY GEAR」の「チップ=ザナス」というキャラを使うプレイヤーが言った『なんだこのコンボ7割しか減らないのか、安いな』という、装甲の弱さを比喩した言葉でした。
つまり本来は『安くねーよw』というツッコミ待ちのボケでした。
1つのコンボで体力が7割も削られたら心が折れそうですね。そう考えると、実に謙虚な言葉ですよね。
まぁ、今は即死なんていくらでもありますから、命があるだけ幸せですね。


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HP極振りの初プレイ

漫画版3巻全部購入してみたら、アニメの方が進んでて驚いている今日この頃。


眩い光に包まれ、目を閉じる。

 

次に目を開けた時、そこに広がっていたのは町の真ん中に大きな木のある街だった。

そこには様々な人々がおり、自由に過ごしている。

 

「ふわぁ~!すっごい!でっかい!広~い!

これホントにゲームか疑いたくなるクオリティ*1なんだけど!」

 

そう言いながら思わず小さく跳ね、感動を動きで表している。

 

 

 

「初期装備は最初からもう手に持った状態で始まるのか。

う~ん、ハープは一旦は邪魔になりそうだけど、どうしよ。

とりあえず置いて考えてみよっと。」

 

そういってハープだけを地面に置こうとする。

___すると、なぜか消えてしまった。

 

「あれ、ハープ置こうとしたら、どっかいっちゃった。

お~い出ておいで~!私のハープ!

__って、わっ!!」

 

 

そう言うと今度は手に持っていた弓が消え、ハープが現れた。

 

 

「あ、これ両方両手使うから、切り替えなのね。

でもそしたら、少しタイムラグ*2発生するのな。

これ、どっちも一緒にできるのないかな~。

まぁ、初期装備だし仕方ないか。

 

んじゃ、とりあえずしゅぱ~つ!」

 

 

 

そう言って、数歩踏み出す。

1歩1歩しっかりと、感覚を確かめながら着実に。

そして立ち止まって__

 

「え、遅くない!?」

 

そう叫んだ。

 

「元からステータス低いのは書いてあったから知ってるけど。

ちょ!確認確認!」

 

 

 

ピッ

 

 

<STATUS>

エテルノ

Lv:1

HP 2045/2045

MP 10/10

 

【STR】0(+5)

【VIT】0

【AGI】0(+3)

【DEX】0

【INT】0

 

装備

【頭】―――

【体】―――

【右手】初心者のハープ

【左手】初心者のハープ

【足】初心者の魔法靴

【装飾品】―――

     ―――

     ―――

 

 

「ひっく!!ホントに低いって!

AGIが3だからそりゃ遅いだろうな!

しかもVITも0だからがっつりいかれたらアウトじゃん!

え、切り替えで弓にしたらどうなるの?」

 

 

【STR】0

【VIT】0

【AGI】0

【DEX】0(+13)

【INT】0

 

 

「あ、まだ普通だった。

でもこれだとAGIが0だから余計遅いじゃん。

それに、どちらにしてもVITとINTは0か。

これは流石にまずかったかな?リセット*3すべき?

う~ん…」

 

・・・

 

「まぁいっか。1回やってみてダメだったらやり直そう。

HP極振ったんだから、変なことしなきゃ死なないでしょ。

今度こそ!

__ってどこ行ったらいいんだろ?」

 

そう彼女、先程歩き出したはいいが、行くべきの場所なんて何も知らないのだ。

 

そして、そこで新たな問題が発生する。

 

「どうしよ!どこ行くべきなのか、なんて知らないよ~!

誰かに聞いてみる?でも…

無理~!こんなコミュ障*4には絶対モゴモゴ話すことになって、相手に迷惑をかけるんだ~!

…鬱だ。死にたい。ってそれはダメダメ。死なないためにHPに極振ったのに…」

 

問題、それは彼女が1番苦手とすること、知らない人と話をすることなのだ。

 

__え?1話で従兄とは話していたって?

あれは別だよ。だって何度も会っているし電話もしている人のどこが知らない人なんだい?

おかげで彼女の友人は本当に少ないのさ。

人生って大変だね。()

 

 

 

「_あの!すいません!」

 

そんな考え事をしていると聞こえてきたのは少女の声。

その方向を見ると、同じく初期装備に大盾を持った黒髪ショートの少女がこちらに話しかけていた。

 

 

「モンスターと戦いたいんですけど、どこに行けばいいですか?始めたばかりでわからなくって」

 

「え、えっと…私に話しかけてます…?」

 

「はい!知ってますか?」

 

「ご、ごめんなさい。私もついさっき始めたところでわからないんです。」

 

「そうなんですね。すみません。」

 

「いえいえ、お役に立てなくてごめんなさい。

…アドバイスなんですが、私みたいな初期装備ではなく少しおしゃれな装備を纏った方に話しかけてみたらどうですか?

装備が変わっているということはその分このゲームをプレイしているということですし、情報を持っているかもしれませんよ。」

 

「なるほど!勉強になります!あ、私メイプルって言います。」

 

「私はエテルノです。初心者同士頑張りましょう?」

 

「はい!」

 

そういうとメイプルは別のプレイヤーに話しかけていった。

そしてエテルノの方は__

 

「な、なんとか会話成立できたぁ…」

 

会話ができたことに安堵していた。

 

「同じ初心者なのにあの人コミュ力*5たっか…あんな人に生まれたかったよ~

そして、私もどこ行ったらいいかわかんないままだし…もうこのゲーム向いてないじゃんか…

もうあれか?恥を全部捨てて演じた方がマシ?なんか乙女ゲーでそんなことしてるキャラいたよね…でもアイツはアイツで人生苦労してるし、第一にアイツ聖騎士で全部武器違うもん…一体どうしたらいいんだろ…」

 

そう言いながら街の風景を眺めていく。

 

 

 

 

〔1時間経過〕

 

「あのパーティー*6仲良さそうだな。

あ、あの人ログアウトするとこかな?

あそこはダンジョン探索かな?でも初心者よりは中級者ってとこかな」

 

 

ピロリン♪

<SKILL>

【人間観察】を獲得しました。

 

 

「はい?なにもせずに眺めてただけなのに、なんかスキル獲得した。」

 

 

<【人間観察】このスキルの所有者のDEXを他プレイヤーを狙うときのみ、2倍にする。

【取得条件】1時間で100人以上の人間観察を行い、その考察を口にする。途中で話しかけられるとリセット*7。>

 

 

「あら、弓使うならこのスキルはちょっとありがたい?でも対人戦*8の時のみか。

っていうか、私そんなに人見てたのか。

まずホントに戦いに行かなきゃ。このままは流石にね__」

 

 

「今日もレベル上げ行こうよ」

「えぇ~…私この前死に戻り*9したからな」

「それはあんたが初心者でレベル低いのに高レベルダンジョンなんかに行ったからでしょうが。西の方の森にいるモンスター、レベル上げにはピッタリだからさ。」

 

 

「わお、なんて良いタイミングに遭遇してるんだ初心者プレイヤー。そして盗み聞き申し訳ない。

西の方にある森、街をちょっと出たところのか…初心者のレベル上げにはピッタリなんだ。

よ~し!ガンガンガンバ!ファイファイファイト!レッツレッツゴーゴー!お~お~お~!」

*1
商品や資料などの物だけでなく、サービスなどあらゆるものの「品質(質)」を意味する。

*2
ある現象の反応がすぐに起こらず、遅れて起こる際の時間のずれ。ここでは弓とハープの切り替えの際にかかる時間のこと。

*3
今セットしてある値・状態を取り消して改めてセットすること。

*4
コミュニティ障害の略称。対人関係を必要とされる場面で、他人と十分なコミュニケーションをとることができなくなるという障害のこと。だが、今回の場合は別の意味で実際の障害とは関係なく単にコミュニケーションが苦手な人を指す俗語

*5
人との会話や意思疎通などを円滑に行うことができる能力やその程度などを意味する言葉。コミュニケーション能力の略称。

*6
この場合はゲームで一緒に戦うチームのこと。

*7
ここでは行った人数が話しかけられると0に戻ること。

*8
プレイヤー同士による対戦。

*9
ゲームで倒されたり死亡したりしたキャラクターが所定の位置で再スタートすること。リスポーンとも言う。




3/22
ステータスポイントをHPに1振ると20上昇(MPも同様)のため、数値訂正
スキル【人間観察】の取得条件が曖昧、かつ簡単すぎたため訂正
6/13 誤字訂正

メイプルとの関係性が欲しくって絡ませちゃいました。ベタでごめんなさい。
あとエテルノが言った『乙女ゲームでキャラを演じているプレイヤー』はマイナーなのですが、私が一番好きなゲーム「ピリオドキューブ~鳥籠のアマデウス~」のキャラクター「アストラム」をイメージした発言です。その作品の舞台もオンラインゲームだったのでちょっと出してしまいました。



【今回出てきたセリフの豆知識】

『…鬱だ。死にたい。』は「あんさんぶるスターズ!」の「高峯翠」のセリフから拝借しました。
「あんさんぶるスターズ!」から「あんさんぶるスターズ!!」への進化おめでとうございます。ゲームの方は「music」と「basic」の2種類展開になって作者はめっちゃ楽しんでます。

『ガンガンガンバ!ファイファイファイト!レッツレッツゴーゴー!お~お~お~!』は「アイカツ!」の「冴草きい」のセリフから拝借しました。
ちなみに「冴草きい」は「アイカツ!」では珍しい他のアイドルのプロデューサーもしていた少女で、この後に『セイラのためなら、えんやこらん♪』(セイラは彼女が担当しているアイドル「音城セイラ」のこと)と続いていました。



そしてついに次回バトル回です。


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HP極振りの初バトル

ウサギさんや毒ぶっかけてくる蜂さんのデザインがアニメと漫画で全然違いすぎてびっくりした。
また、モンスターの名前は「痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います。 ~らいんうぉーず!~」からです。


「ということで~!参りましたは、西にあるこの森~!

さぁさぁ果たして、どんなモンスターが現れるのか~!

 

という謎のナレーションっぽいのはここまでにしておいて、とりあえずハープから弓に切り替えて…いざ出陣!初陣じゃ~!」

 

 

そう言ってモンスターが潜む森に足を踏み入れる。

 

 

「さ~てさて、初めのモンスター出ておっいで~!」

 

ガサガサ

 

「お、来たかな~」

 

 

「キュン!」

そうして現れたのは兎りんごによく似たモンスター『アルミラージ』である。

 

 

「え、かっわいい~!これ本当にモンスター?倒すの勿体ないんだけど!」

 

「フッフッフッ キュ!」

そういうと『アルミラージ』は跳ねながらこちらに攻撃しようとこちらに向かってくる。

 

「うわ、避けなきゃ、って無理!間に合わない!

うっ!!AGI0だからやっぱ避けにくい…

これあれだ、低学年くらいの小学生のタックルくらいの衝撃じゃん。

あまり痛くないし耐えられなくはないけど、何度も受けたくないやつ。

それに倒さないとEXP*1は入らないよね。

ウサギさん!お覚悟!」

 

そして『アルミラージ』が次の攻撃に入るために跳ねているところを狙う。

 

「おりゃ!」シュ!

「キュウ!」

 

よく狙って放たれた矢は『アルミラージ』の胴体の中心に突き刺さり、そして『アルミラージ』はいくつもの四角い光となって消えていった。

 

 

「ウサギさん…どうか安らかに…」

 

 

ピロリン♪

<LEVEL>

レベルが2に上がりました。

 

 

「やった~!レベルアップ!

あ、ステータスポイント増えたかな」

 

 

ピッ

「あ、5だけ入ってる。

これはどこに振ろうかな…」

 

・・・

 

「もうHPに振っておこう。

こんな感じの攻撃なら、痛くてもHPに振っとけばなんとかなりそうだしね。

第一にこんなステータスなら他のパラメータに振っても差ほど変化はないもんね。」

 

 

ピピピピピ

 

 

「さぁ次のモンスターを見つけなきゃね。」

「グルルルルルル…」

「おっと?見つける前にあっちから来た。」

 

次の現れたのは狼のような見た目の『ベアウルフ』。

 

 

「さっきより目つき悪いけど、また可愛いの来ちゃった。

今度は狼さんか…」

 

 

「グルルル…ガァ!!」

すると『ベアウルフ』はこちらを見つけた瞬間飛びかかって来た

 

 

「ごめんね、狼さん!はっ!」シュ!

 

「ガウッ!…ガァ!!」

そうして放った矢は避けられ、攻撃は当たってしまう。

 

「うぎゃ!!さっきと同じくらいの痛さか!

ていうかやっぱり外れるときは外れるか。

……今度こそ、おりゃあ!」シュ!

「キャウン!……ウヴヴヴ」

 

「よっしゃ当たった!でも耐えるか。

これで…ちょせい!」シュ!

「キャン!!」

 

次に放った矢も無事に当たり、無事『ベアウルフ』もいくつもの四角い光となって消えていった。

 

「何とか倒れた…!

でもレベルアップには至らなかったか。」

 

 

 

ブーーン

 

「え、まさかの間髪入れずに次のモンスター!?」

 

そして空から現れたのは青く蜂のような見た目、そして少し大きなモンスター『フォレストクイーンビー』である。

 

「しかも空からですと!?え、これ狙うのむっず!

しかもそれに一番可愛くないし、おっきいし!

え、ちょっ!こっち来るな~!」

 

「ウウウウ!」ブーン

 

ただそんな言葉がモンスターが止まるわけもなく、もちろん攻撃してくる。

 

「いった!!さっきより痛い!

同い年くらいに思いっきりぶっ叩かれたみたいな感じなんだけど!叩かれたことなんてないけども!!」

 

思った通りに動けないまま攻撃を受け、思わず尻餅をつくとモンスターは一度止まり、何かを溜め始めた。

 

「ウウウウウ…キュ!」

「何か吐いた!しかも当たったとこ、痛いというか沁みるだけど!」

 

フォン

 

「え、なんか紫マークついた!?まさかこれ毒なの!?

しかも、じわじわHP減っていくし!」

 

「キュ!キュ!」

「避けれないしVITも0なんだからやめろ~!」

 

 

ピロリン♪

<SKILL>

【毒耐性・小】を取得しました。

 

 

「は…?耐性…?てかダメージ減った?

待って、てか、小ってことは中とかもあるの?え、それはほしい!

HPにも余裕あるし、もうちょっと受けてみるか!」

 

「ウウウウウ!」

「でも突進もするよね!効くもんね!」

 

それを転がって避ける。

 

「あ、AGI低いならこうやって避ければいいのか」

「ウウウ…キュ!キュ!」

「毒は受けなきゃ!耐性の方は、試さない価値はないもん!」

「キュ!」

 

 

ピロリン♪

【毒耐性・小】が【毒耐性・中】に進化しました。

 

 

「よっしゃー!やっぱり進化した!

でも、こいつの毒ほぼ効かなくなっちゃった。

耐性のこれ以上の上昇は望めないか…

なら…さっきのこいつの動きのタイミングなら、今度は突進!」

 

「ウウウウ!」

 

「で!毒吐きだから、溜めてるこのタイミング!よお狙って……ばん!!」

 

 

「キュン!」

『フォレストクイーンビー』の脳天を狙って放たれた矢は、そのままな狙い通りに当たり、『何か』が落ちると同時に四角い光となって消えていった。

 

「よっしゃ!やっぱ初心者向けのモンスターは単調*2なんだね。

でもまさか耐性がもらえるとは…!こういうスキルはやっぱ集めといたほうがいいよね♪」

 

 

ピロリン♪

<SKILL>

大物喰らい(ジャイアントキリング)】を取得しました。

 

 

ピロリン♪

<LEVEL>

レベルが8に上がりました。

 

 

「やった!一気にレベルアップしたぞ~!

…そういえば、さっき消えていくときに落ちたけど何だろ?」

 

そう言うと、落ちた『何か』を拾い上げる。

 

「これって…『指輪』?」

 

 

ピロリン♪

<EQUIP>

【フォレストクインビーの指輪】を取得しました。

 

 

「あ、やっぱ指輪だった。

え~っと、内容は…VITの+5と10分で最大HPの一割回復…ってマジ!?

VIT上がるし、自動回復って良いやつドロップ*3した!しかも装飾品!これはつけるしかないね!

 

あとステータスポイントの方は、15入ってる。

6レべ*4上がって15入って、2レべの時に5入ったから、もしかしてステータスポイントって偶数になると入るのかな?

 

で、スキルの方は、【大物喰らい】はHP、MP以外のステータスのうち四つ以上が戦闘相手よりも低い値の時にHP、MP以外のステータスが2倍になる…ってことは基本的にはこれ発動するのか。

え~っとこれ発動したら、弓の時はDEXが26で、ハープの時はSTRが10でAGIが6か…!

で、もし対人戦の時は弓の時だけDEXが52…やっと普通になった!ハープの時以外!

ステータスポイント…これもまたHPに振っておこう。

これからのステータスポイントもHPに振っておこっと。

それに【大物喰らい】が発動すれば弓なら結構いけるし。」

 

 

ピピピピピピピピピピピピピピピ

 

 

「これでよーし!はぁ…ちょっと疲れた。

ちょっと木陰で休もっと。はぁ~…

 

…そういえばハープって演奏できるってあったけど、どんな感じな音鳴るんだろ。ちょっと試してみよ」

 

 

~♪~♪~♪

 

 

「普通。特に変わったところもないホントに普通のハープじゃん。

あ~♪あ~♪喉の調子も悪くないし、ちょっと試しにやってみるか。」

 

 

~♪~♪~♪

 

 

 

 

 

~No side~

 

西の森の1本の木陰に一人の初期装備の少女。

その手には同じく初期装備のハープ。

 

「小さな人の子よ 森へ迷い込んだ

大きなこの羽が ぼうやは見えないのね」

 

優しい声とハープの幻想的な音色が幻想的なハーモニーを生み出す。

 

「なにも知らない まあるいほっぺよ

ねむれやねむれ しずかな水辺においで

ぼうやの夢は 竜の背に運ばれて

山の向こうへ消える」

 

白い髪が風が吹くと同時に揺れ、オッドアイの瞳もその儚さを演出していた。

 

「よろずの子らも ならんでねむる

七つ数えたら 仲良くねむってく」

 

その音色に思わず立ち止まるプレイヤーが1人現れた。

そして、そんな少女を見つけたモンスターもいつの間にか集まり、彼女の近くでその音色に耳を傾けていた。

 

「何も見えない 小さなおめめよ

ねむれやねむれ そよぐ草むらへおいで

ぼうやの夢は 母さんを探しては

空の向こうへ帰る

竜の背に 運ばれて

山の向こうへ消える」

 

~♪~♪

 

 

そうして奏でられた音楽が終わると、耳を傾けていたモンスター達も一瞬で元通り。

一気に彼女に牙を剥いた。

 

 

「…え!?なんでこんなに集まってんの!?

ちょっと!待って来るな!!ぎゃー!!!」

 

先程まで人間味のなかった少女もその状況に元通り。

そして手に持っていたハープでモンスターを殴っていた。

 

 

 

「…これは書くしかないだろ」

そんなことを言われているなんて、本人はもちろん知らない。

*1
経験値のこと。これが一定量に達するとレベルアップする。Experienceの略称。

*2
行動が同じことの繰り返しで、ほぼ変化しないこと。

*3
モンスターを倒すなどを行うと稀にアイテムを落とすこと。

*4
レベルの略称。




3/23 誤字訂正
6/3 誤字訂正

『ベアウルフ』の色、アニメだと青なんですけどアプリだとピンクなんですよね。もし別のモンスターだったらごめんなさい。
主人公、【フォレストクインビーの指輪】手に入れましたけど、10分で最大HPの1割って、2445の1割で244くらいなんですよね。10分でそれだけ回復しちゃうの、自分で書いてて怖いんですが…


【今回出てきたセリフの豆知識】

『ちょせい!』は「戦姫絶唱シンフォギア」から「雪音クリス」のセリフです。
彼女の持つ武器が「イチイバル」という弓(見た目は弓より銃に近い)の聖遺物なので、採用しました。
ちなみに彼女は学校に通っていなかったため、ボキャブラリーがとても独特です。「ちょせい」の他にも「やっさいもっさい」など様々な言葉を使用しています。
ちなみに「戦姫絶唱シンフォギア」では「イチイバル」は「狩猟神ウル」という神様が使っていたとされていますが、同名の神様が北欧神話に狩猟、弓術、スキー、決闘の神として存在しています。
戦や弓に関係してるなと思っていたら、そこに混じるまさかのスキー。

『よお狙って……ばん!』は「刀剣乱舞」より「陸奥守吉行」のセリフです。
「陸奥守吉行」は「坂本龍馬」の刀として有名です。
そして彼は刀でありながら銃を持っている描写があります。さらに洋風なものや新しいものが好き。そこを見ると、坂本龍馬に似ているなと思います。
ただ一応彼も刀の付喪神ですから基本は刀での攻撃です。そして実は唯一銃に関する装備である銃兵を彼は装備できないんですよ。ちょっとそこは可哀想ですよね。
まぁ主人公撃ってるの、銃じゃなくて矢ですけど。



【今回使用した楽曲】
「Re:ゼロから始める異世界生活」より、挿入歌「ぼうやの夢よ」


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HP極振りと噂の始まり

自分で書いててもこんなの主人公、敵にはしたくなくなる今日この頃。


「ぜーはーぜーはー…何とか、倒せた…

まさかあんなに近寄ってるとか思わなかった…

ていうか、演奏前にあんないなかったよね…

そしてハープのSTRってこれのためなのか、まさかの撲殺用なのか。」

 

 

ピロリン♪

<SKILL>

【挑発】を取得しました。

 

ピロリン♪

<SKILL>

【吟遊詩人】を取得しました。

 

ピロリン♪

<SKILL>

【奏者の鉄槌】を取得しました。

 

ピロリン♪

<LEVEL>

レベルが12に上がりました。

 

 

「は…?レベル一気に上がったし、スキルもいっぱいもらったけどこれ何…?

えっと…【挑発】はモンスターの注意を一点に引き寄せる…ってもしかして演奏したから、こんなに集まってこの取得条件達成したわけ…?

で、残り2つが_」

 

 

【吟遊詩人】

音楽に関するのみ行動速度はAGIを無視することができる。消費MPはなし。

〔取得条件〕演奏によって、モンスターが停止する。

 

 

【奏者の鉄槌】

楽器で攻撃する時のみ、STR INT DEXを2倍にする。

〔取得条件〕楽器を使用し、対象のモンスター3種を含んだの10体以上のモンスターを一度に単独で倒す。

 

 

「ふむふむ。なかなかに良さげ?

【吟遊詩人】は音楽に関する行動速度のAGI無視ってことは、普通の移動には関係ないのか。

まぁこれで演奏の自由度がアップ、なら演奏を楽しむにはいいスキルじゃん。

でもバトルに一切関係なくね…?

 

【奏者の鉄槌】は楽器での大体の攻撃力2倍はあれなんですね?

一気に集めて集まったら、笑顔で『撲殺しに来たよ』ということですな?

 

あとレベルアップしたけど、この分のステータスポイントも全部HPに振っとこっと。」

 

 

ピピピピピピピピピピ

 

 

「これでオケオケオッケ~!

一回落ちよっと*1。お兄ちゃんにも報告しなきゃね!

OK!」

 

ティカフォン♪

 

 

ログアウトの確認画面で『OK』のボタンを押すと、自身の体が四角い光となって消えていき、目の前が真っ暗になった。

それを確認してから被っていたヘルメットのようなハードを脱いだ。

 

 

カポッ

 

 

「ふぃ~!ホントに楽しかった~!

あ、お兄ちゃんに送らなきゃ。LINKでいっか。

『やってみたよ!とっても楽しかった!いいゲーム教えてくれてありがとう!』、はい送信!

えっと今は…夜の10時か。丁度いい時間だ、今日の宿題あとちょっとだったし、それ終わったら寝よっと」

 

 

 

 

 

 

 

~とある掲示板~

 

【NWO】楽器使いってあんなだっけ?

 

 

1.

とりあえずやばいやつ見つけたから立てた

 

2.

どうした?

 

3.

kwsk*2

 

4.

西の森にモンスターに囲まれながら演奏してるやつがいた。

 

5.

は?

 

6.

嘘つき確定、はい解散

 

7.

嘘じゃねえから

 

8.

モンスターに囲まれてたって、襲ってるわけ?

 

9.

楽器使いってことは初期装備、楽器なわけ?

 

10.

なにか特殊装備でもしてたか?

 

11.

性別は?

 

12.

容姿どんなの!

 

13.

声聞いたんだろ?どんな感じだったんだ?

 

14.

歌うまかった?

 

15.

一気に答えるから下開けとけ~

 

16.

ありがとな

段々集まってたが、演奏に聞き入って敵意皆無だった

終わったら普通に襲ってたがな

多分初期装備は楽器なんだろうな

今のとこ演奏できんのは、初期装備に楽器選んだやつだし

特殊装備とかはなくって、ほんとに完全に初期装備だった

白髪でロングで、目の色は黒と青のオッドアイの美少女だった

身長は多分150ないと思う

声は結構可愛かったな。

歌はめっちゃうまかった。終わってモンスターが襲いだした声で戻ってきた感覚するくらい聞き惚れてた

 

17.

楽器使いって結構珍しいよな

 

18.

まぁ、第一に演奏必要性あまり感じない

 

19.

俺、楽器使ったことあったが普通に襲ってきたぞ?

音痴って言われてたし、自分でも下手だった自信あるけど

それで結局データリセットしたし

 

20.

まさか得手不得手関係してくるのかよ

余計に需要ないじゃん楽器

 

21.

それにHP高いけど、他のステめっちゃ低いしな

 

22.

ちなみに反撃はやっぱり矢の方?

または死んでたりしたか?

 

23.

いや、楽器で殴ってた。

それに結構攻撃もくらってたけど死にそうな感じはなかった

 

24.

マジか、楽器は一種の鈍器なのかよ

 

25.

でも死にそうな感じはなかったってとこ気になる

あれ結構どういじっても結構死ぬよな

 

26.

防御とかに極振ったとか?

 

27.

いや、普通に痛そうにはしてた

 

28.

隠しスキルとかじゃね?

 

29.

まぁ追々情報集めるしかなくね?

楽器使い珍しいし、勝手に情報集まるだろ。

 

30.

また何かあったら書き込むわ

 

31.

楽器使いは珍しいから頼む

 

32.

俺ももし見かけたら書くわ

 

33.

情報提供あざっす。

 

 

 

 

 

 

 

~とある部屋の住人~

 

「お、アイツからLINKでメッセージ来てる。

……やっぱ気に入ったか。良かった良かった。

『それは良かった。

俺は「クロム」って名前で、こんな見た目してるからもし見かけたら話しかけても大丈夫だぞ』っと。

にしてもアイツ、初期装備なにで始めたんだ?

結構遠距離攻撃やサポート好きだったが…

まぁ、アイツが楽しければいいか。

 

っと、あの大盾使いのこと書かねぇと…!」

*1
ここでは「落ちる」はログアウトを行うことを表す俗語です。

*2
詳しくを簡略化させたもの




6/9 誤字訂正
6/12 訂正があったことの記載

LINKはLINEを一文字変えただけで、機能もほぼ同じです。
あと、お兄ちゃんの正体はメイプルと同じ大盾使いの「クロム」さんでした。


【今回出てきたセリフの豆知識】

『撲殺しに来たよ』は「#コンパス」より「ルルカ」のセリフです。
「ルルカ」は魔法少女なのですが、攻撃は魔法のステッキを振り回してます。
ちなみに、ゲームが始まる前のスタート地点で笑ってこれを言われたときに恐怖を覚えました。

『オケオケオッケ~』は「アイカツ!」より「冴草きい」のセリフです。
前の『ガンガンガンバ(以下略)』と同じキャラです。
個人的に好きなキャラだったので、これからもこのセリフは使おうと思っています。
このキャラの幼い頃、自分の分の「OK」母親の「OK」を合わせて、2つ合わせて「オッケ~」と笑い合っている描写があり、多分これが「オケオケオッケ〜」の原点で見直したときに微笑ましい気持ちになりました。


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HP極振りの遭遇

1週間も経たない間にお気に入り登録者が100人を超えた事実に驚きを禁じ得ないです。
あと気づかない間に従妹を晒し者にしてしまったクロムさん、どんまい
(そんなシナリオにした本人より)


「よし、今日の分の宿題も終わったし、思いっきり楽しむぞ~!」

 

翌日、またゲームを開き、始まりの街に着くと周りを見渡しながら様子を見る。

 

「こういうゲームって、みんな装備おしゃれだね~。

お兄ちゃんもなかなかに良さそうなの着てたし。

それに対して私の装備は…初期装備なんだよね。

やっぱ、昨日の指輪みたいにドロップなのかな」

 

眺めながら、様々な見解を述べていく。

 

「それに弓も楽器も一緒になった道具ないかな?

楽器の時のスキルは手に入ったけど、やっぱり弱点多いしな。

それに矢の攻撃力も上がったけど切り替えに時間かかるのも嫌だし」

 

そうして歩いていくと、とある場所に辿り着く。

 

「何か看板立ってる。…えっと、『イズ工房』?」

 

 

「んじゃ、俺ももう失礼するわ。」

 

「えぇ、今度は通報するようなことがなけれなければいいわね♪」

 

「んなこと、何度もあってたまるかよ…って、ん?」

 

 

「あ、えっと、こんにちは…?」

 

「あら、初めてのお客様ね?何か御用かしら?」

 

「その装備ってことは、初心者か……ってお前、昨日の

 

「ほぇ?ていうか、その姿は…もしやお兄ちゃん!?」

 

「は?」

 

「一応確認です!ユザネ*1『クロム』で合ってます?」

 

「あ、あぁ合ってるが…」

 

「じゃあ、やっぱりお兄ちゃんだ~!」ギュ

そういうと、エテルノはクロムに抱き着いた。

 

 

「は!?いきなり何だ!?」

 

「クロム~?今度こそ通報すべきかしら?」

 

「ちょ、お前もやめろって!

つかお前もしかして、とw_ムグ」

 

本名を出されかけて、抱き着くをやめ、即座に手でクロムの口を塞ぐ。

 

 

「お兄ちゃ~ん?ゲームでリアル*2の名前を言おうとするのはいただけないぞ~?

しかも、他のプレイヤーさんの目の前で!」

 

「わ、わりぃ…」

 

「反省してるならよ~し!」

 

「でもまさか掲示板に書き込んだ楽器使いが従妹とか思わねぇだろ…」

「ん?何か言った?」

 

「いや、何も」

 

「それでクロム、その子は?」

 

「コイツは俺のリアルでの知り合いで__」

 

「エテルノと言います!よろしくお願いします!」

 

「エテルノちゃんね?私の名前は『イズ』よ。

この格好からわかる通り生産職をしているわ。主に鍛冶を専門としているけど、調合もできるのよ?」

 

「あ、だからイズ工房…で、生産職…鍛冶…調合…」

 

「こういう装備はドロップするのもあるが、生産職にお金を払ってオーダーメイドで作ってもらうこともできるんだ。

俺の装備もイズに作ってもらったものだぞ。」

 

「ほぉ~!」

 

「エテルノちゃんは楽器を持ってるのを見ると、楽器使いかしら?」

 

「あ、はい。死なないようにするならHPは多めの方がいいかなと思って。

あと演奏楽しそうだったので。」

 

「なるほどな。お前にしては珍しいなと思ったらそういうことだったのか。」

 

 

「そういえばイズさんに質問なんですけど」

 

「あら、何かしら?」

 

「楽器と弓が合わさった武器って作れますか?

今は弓と楽器が切り替えなんですけど、そうするとタイムラグが発生するので、それを抑えるために一緒になった武器あるならほしいなと思って。」

 

「そうなのね。

う~ん…作れなくはないと思うけれど、その場合はすごく難しくなるから結構お金をいただくことになるわ。」

 

「ちなみにおいくらくらいでしょうか…?」

 

「そうね…その武器だけでも、ある程度の素材持ち込みで200万ゴールドとかになるかしら。」

 

「ひぇ、そんなにするんですか。しかも素材持ち込み…」

 

「今の所持金は?」

 

「まだ3000ゴールドくらいしかない…」

 

「あらら~、それじゃ足らないわね。

まぁ、意識しなくてもいつの間にか貯まってるものよ?」

 

「うぅ…お金が貯まるまでこのままで頑張ります。」

 

「頑張って!あ、じゃあ先に素材を集めてみてもいいかもしれないわね。

楽器関連の素材が集めやすいのは、南にある「玲瓏の神殿」っていうダンジョンね。素材の他にもたくさんのお宝があったりするわ。」

 

「ダンジョン…!なにそれラブ~い!」

 

「運が良ければ何か装備も手に入るかもな。そのうち行ってみたらどうだ?」

 

「行く!絶対行く!ありがとうございます!」

 

「一応フレンド登録しとくか。何かあったら連絡できるしな。」

 

「する!イズさんも、もし良ければフレンド登録お願いします!」

 

「えぇ、もちろん」

 

「やった~!ありがとう!

じゃあイズさん、またお金と素材集まったら連絡しますね!

お兄ちゃんもまたね~!」

 

「あぁ、またな。」

 

 

 

 

「可愛らしい妹さんね。」

 

「妹じゃないんだがな。」

 

「じゃあ彼女さん?」

 

「それはない(即答)」

 

「あらそうなの。

でもあの子に教えたダンジョン、メイプルちゃんに教えたものと同じくらい難しいのだけれど大丈夫かしら。」

 

「アイツなら行きかねないな…」

 

「「………」」

 

 

 

 

 

「いくぜ!メテオレンジャー 全身全霊!

メテオレンジャー ヒーロー戦隊!

悪を許さず正義を歌う Five☆Star

メテオレンジャー 奇想天外!

メテオレンジャー 戦え!

いざ!ゆけ!平和のため!立ち向かえ!

進め進め 天下無敵☆ヒーロー!」

 

当の本人はそんなことも知らず、教えてもらったダンジョンに向かっていた。

楽しそうに戦隊ヒーロー風の曲を歌いながら向かうその姿は遠足に向かう幼児のようだったと、見かけた者は語る。

*1
プレイヤーの名前のこと。ユーザーネームの略称。

*2
ここでは現実世界のこと。




前の話の感想にスキル【吟遊詩人】を発動させ、マーチングバンドのように移動したら移動速度はどうなるかという質問がありましたが、この場合は移動速度に変化はありません。【吟遊詩人】の行動速度無視は音楽関係を目的としたもので、移動速度は移動が目的となってしまうので適応外となっています。
なので、周りから見ると「あれだけ早く動いてるのに、あまり進んでないな」という状態になります。



【今回出てきたセリフの豆知識】
『ラブ~い!』は「あんさんぶるスターズ!!」より「白鳥藍良」のセリフです。「ラブい」は「大好き」などの意味があるそうですよ。
「白鳥藍良」はアイドルが大好きでそれ故にアイドルになったキャラなので、多分彼の一番「ラブい」対象は「アイドル」なのでしょう。ちなみに主人公の「ラブい」対象は「楽しいこと」です。



【今回使用した楽曲】
「あんさんぶるスターズ!」より「天下無敵☆メテオレンジャー!」


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HP極振りの初ダンジョン

ダンジョンの名前が全然思い浮かばなくて結構悩んだ。
あと今回出てくるモンスターはオリジナルのつもりですが、もし原作に出てるなら申し訳ないです。


「え~っと「玲瓏の神殿」ってここかな…」

 

南に進むと所々を青い光が照らしている神殿が立っていた。

そこには所々に音符や五線譜といった音楽に関する装飾が施されていた。

 

「ほぇ…綺麗なところだな…」

 

 

数歩進むとそこにいたのは音符の形をしたモンスター『トーンズ』がいた。

 

「音符の形のモンスターもいるんだ…しかも結構可愛い…!」

 

「トーン!」

 

「って、やっぱりコイツらも突進してくるか〜よっと!」

 

そう言いながら、『トーンズ』の突進を当たる直前に避ける。

そしてそれと同時に装備していた弓で『トーンズ』を狙う

 

 

「えいっ!」

 

「トーン!!」

 

「え、全然効いてない!?ていうか跳ね返した!?」

 

放った矢は見事に『トーンズ』に当たったものの全くダメージが入った様子はなく、それどころか放った矢が返って来た。

 

 

「えいや!せい!」

 

「トーン!トオーン!!」

 

「あっぶな!数回に一回しか効いてないんだけど、何なのコイツ…」

 

「トーン!」「トオーン!」「オトーン!」

 

「うわっ!増えた!ていうか、みんな色違ってカラフルだな…

あと1体、トーンじゃなくてオトンって聞こえたぞ?」

 

 

「オトーン?」

 

「なんでお前だけトーンじゃなくてオトンなんだよ…」

 

 

するとバラバラにいた『トーンズ』が集まり、なぜか鳴き声が違う1体を先頭にフォーメーションを組んでいた。

 

「オトーン!」「「「トオーン!!!」」」

 

「一気に攻め込んで来た!?

ていうか、お前がリーダーなのね!

それなら、そんなお父さんを呼ぶような鳴き声するな~!」

 

 

「「「「トオーン!!!」」」」

 

「あ~!もうヤケじゃ~!もうハープでやってやるんだから!

私は歌で_ぶん殴るッ!」ブンッ!

 

 

「トーン…」

 

「は?え、死んだ…?」

 

「トーン!!」

 

「えいや!」

 

「ト、トーン…」

 

「まさか楽器、こいつらへの特効アイテム*1なわけ!?

ちょ!さっきまで矢ぶっぱ*2してた時間返せ~!」

 

何体もいた『トーンズ』はハープで殴ると一瞬でいくつもの四角い光となって消えていった。

 

「まさかアイツらあんな見た目して、楽器に弱いとか…」

 

「オトーン…!」

 

「君で最後だ!おりゃ!」

 

「オトーン…」

 

「お父さんと会えるといいね。いるのかわかんないけど。」

 

そうして最後の1体も見事に倒していった。

 

 

 

 

そうしてたまに出てくる『トーンズ』や他のモンスターを倒しつつ進んで行く。

すると__

 

キーン

「ん?」

コーン

「ここの光ってるタイルだけ踏んでると音がするんだ。面白〜い!」

コーン

「ここがド」

テーン

「ここがレ」

キーン

「ここがミ」

カーン

「ここがファ」

ポーン

「ここがソ」

ターン

「ここがラ」

 

「あ、ここまでか。ドからラまである。

ドからラ…あ、そうだ。」

 

そういうとタイルの前に立ち、順番に鳴らしていく。

 

「きらきらひかる おそらのほしよ

まばたきしては みんなをみてる

きらきらひかる おそらのほしよ」

 

 

演奏が終わるとオーディエンスもいないのに、一礼をする。

 

「いえい、演奏できたー!」

カチッ

「ん?カチッ?」

 

音がしたと同時に立っていたタイルがいきなり消え、足元にできたのは大きな穴。

 

「え、消えたってことは………

落ちるんだけどぉおおおお!?」

 

そんな叫びも虚しく、そのまま開いた穴に落ちていく。

 

「こんなことって…ありえなぁーい!!!」

*1
モンスターによっては特に効くアイテムが存在する場合があり、そのアイテムのことを指す。

*2
ぶっ放すを簡略化したもの。




『トーンズ』の見た目は「オタマトーン」というちょっとおもちゃのような楽器を思い浮かべていただけるといいかもしれません。
また彼らは、楽器以外での攻撃のほとんどを跳ね返し、10回攻撃して1回効けばラッキーなくらい、他の武器での攻撃が効きません。
なので基本的には結構な耐久戦になるため難易度が高めです。



【今回出てきたセリフの豆知識】
『私は歌で_ぶん殴るッ!』は「戦記絶唱シンフォギア」から「立花響」のセリフです。ハープでぶん殴ることになったときにぶん殴るで出てきたのがシンフォギアのこのセリフでした。
このキャラは自分のことより周りを1番に考える心優しいキャラです。まぁ武器は彼女の武器は拳ですが。
ちなみに「戦記絶唱シンフォギア」の知識はほぼ皆無でこのセリフもアプリ「戦記絶唱シンフォギアXD UNLIMITED」での星5確定演出で出てきて知ってただけです。

『ありえなぁーい!』は「ふたりはプリキュア」より「キュアブラック」、またの名を「美墨なぎさ」のセリフです。
ありえないと言えば個人的にはこの方だったので、使わせていただきました。
ちなみに昔のプリキュアオールスターズの映画で新生プリキュア8人くらいで何とか止めてた船を、初代プリキュア(シャイニールミナス含む)3人ですぐ止めれることに私はありえないって言いたい。



【今回使用した楽曲】
フランス民謡「きらきらぼし」


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HP極振りの初ボス戦

ここ最近好きな作品の新しいゲームとか楽しいゲームが増えてて楽しい一方、それと同時にそれに時間が持っていかれてて小説が疎かになってる気がする。


「何、ここ?」

 

落ちた先にあったのは一見先程と同じように見える通路だった。

様々な音符や五線譜があるのは変わらないが、照らしている光の色は様々だった。

先程の神秘的な統一感はなく、廃れたような雰囲気が醸し出されていた。

 

「まさかこれ、隠しダンジョン…?」

 

そう、彼女が落ちた先にあったのは隠しダンジョンだった。

 

 

「とりあえず進んでみようかな…」

 

隠しダンジョンになると先程までうじゃうじゃと現れていた『トーンズ』もおらず、そのまま進んでいく。

 

「さすがに何もいないと静か…これが嵐の前の静けさでなければいいんだけど…」

 

 

そうして進んで行くと、目の前に大きな扉が立っていた。

 

「もしかしてこの先にボスが~…とか、ありえ~…そうだな。

とりあえず、今回は試しに素材集めに来ただけのつもりだったんだけどな…

でも戻ろうにも落ちたとこだし…ワープとか戻るような方法なさそうだったんだよね…

仕方ない、やるしかないか。

…よし、やるぞ~!」

 

そうしてドアを開いた。

 

 

 

開いた先にあったのは通路と同様の装飾が施されたホールだった。

そしてその中心にいたのは__

 

「キィ―――‼」

「やっぱりいるよね!ボスモンスター!」

 

所々に宝石のような欠片のついた鳥のような翼を持ち、魚のような尾ひれなど特徴も持った人型モンスター『調魔(セイレーン)』がいた。

羽の一枚一枚は様々な色をしており、羽ばたくだけで様々な音色を奏でていた。

 

 

「これは流石に近づくの難しそうなんだけど…」

「キィ――――!!!」

「こればかりは弓の方かな…!…はぁ!!」

「キィ!!」

「__は?…なにそれ……なんで矢が吸い込まれるわけ!?」

 

 

『調魔』を狙って放たれた矢は体に付いた欠片に吸い込まれてしまった。

それどころか__

 

「っく…!いったいな…!数倍になって返ってくるとか聞いてないんだよ…!」

 

吸い込まれた宝石から、矢が数倍以上の本数に変わり、放った方向に戻ってきたのだ。

 

 

「もう一度…!せいやっ!!」

「キィ!!」

 

「また吸い込まれた…!

ってことはまた来る!

___っく!!いったいな~!」

 

 

何度も矢を放っても、欠片に吸い込まれて数倍になって返ってくる。

これを数回繰り返していると_

 

「__え」

 

返ってきた矢が無情にも弓に当たり、弓は壊れてしまった。

 

「うっそでしょ…!?ここで壊れる!?」

「キィ―――!!!!!」

 

 

「これ…本気でどうしろと…諦めてもう負けるしか…」

 

そうして『調魔』はこちらに今度は攻撃を繰り出そうとしてくる。

 

 

「__いや、そんなのヤダ…!

やるって決めたんだから、最後まで諦めたくない!

 

He who is not courageous enough to take risks will accomplish nothing in life.

諦めてたまるかよ~!!」




3/27訂正 モンスターの容姿を訂正


【今回出てきたセリフの豆知識】
『He who is not courageous enough to take risks will accomplish nothing in life.』は「ヒプノシスマイク」より「入間銃兎」に使われている名言です。
使われているというだけで、実際にこの名言を言ったのは「モハメド・アリ」というアメリカの元プロボクサーの方だそうです。
ちなみにこの言葉の意味は『リスクを取る勇気がなければ、何も達成することがない人生になる』です。
あとヒプマイのアプリ配信おめでとうございます。


次回ボス戦決着(の予定)


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HP極振りと決着

アニメの方が終わってしまったのと同時に、2期を期待している自分がいる。


「こればっかりはどうしたものか、な…!」

 

弓の時よりあるが少ないAGIで何とか攻撃を避けていく。

すると__

 

 

「キィ―――!!!」

「…!あの欠片、今光った…?」

 

「キィ―!!」

「今度はあの欠片…」

 

 

「鳴く度に欠片が光ってる…?」

「キィ―――!!!」

「今度は最初のものと同じ欠片が光った」

 

「今度はあそこ…?」

「キィ―!!」

「やっぱりそうだ。

光る欠片のテンポ、それに鳴き声の音色が一緒だ。」

 

 

 

「最初の音がファで光る欠片がオレンジ」

「キィ――!!!」

 

「次がレでピンク」

「キィ―!!」

 

「その次がソで黄緑か」

「キィ――――!!」

 

 

「一度光ってるとこを狙いたいけど…近づこうにも__」

「キィ―――!!!」

「羽飛ばしてくるから危なすぎて近づけないし、遠距離攻撃しようにも弓は壊れてるし。

だからといって諦めるつもりはないんだけどどうしたら………あ。」

 

 

 

 

(そういえば前に森で演奏して終わった後モンスター集まってたけど、あの蜂さんとか毒とかかけてくることができたはずだけど、演奏してる時は攻撃が飛んでくることはなかったよね…)

「まさか__」

 

一度止まり、ハープを構える。

 

 

 

~♪~♪

 

「小さな人の子よ 森へ迷い込んだ

大きなこの羽が 見えないのね」

 

演奏を始めると、攻撃を続けていた『調魔』が止まる。

それと同時に鳴き声も止んだが、光る欠片はそのままだった。

 

「なにも知らない まあるいほっぺよ

ねむれやねむれ しずかな水辺においで」

(やっぱりそうだ…歌ってる間は攻撃してこない…!)

 

「ぼうやの夢は 竜の背に運ばれて

山の向こうへ消える」

 

~♪~♪

 

 

演奏をしながら『調魔』に近づき、欠片が光るタイミングを狙いハープで殴る。

 

「はぁっ!」

「キュゥィイイイ!!!」

「よし、これなら__いける!」

(でもこの曲は戦いっぽくないから、曲を変える!)

 

「戦を仕掛けるぞ!」

 

 

 

~♪~♪

 

「優雅に キメるぜ!さあ始めよう!

Let's fight!Judgment!」

(ハープの音色には合わないけど、そこはなんとか編曲して…!)

 

すると先程の曲では一切動かなかった『調魔』が今度は動き出す。

しかし、素早さは最初の比にはならない。

 

(これ、曲の完成度でモンスターの対応が変わるのか…!でもこれならまだいける!)

「今踊り出す 胸の鼓動 チリチリ火花が燃え盛り

インスピレーション 滾りだす

覚悟はいいかい? 楽しもうぜ」

 

演奏をしながら、ハープで『調魔』の光っている欠片を殴る。

 

(曲の完成度ってことは、歌も止めれなさそうだな…)

「過ぎた時は もうこの手に戻らない

後悔だけは するんじゃないぜ?

生きる意味を この瞬間に託し

始めよう! Judgment!」

 

殴る際には演奏は止まるため、せめてもの気休めとして歌うことはやめなかった。

 

「叫べ! 熱い思いすべて

握りしめたプライド賭けて

響け! 魂込めたメロディ

愛の反逆者のアンサンブル

譲れない信念が あるなら貫けよ

それを打ち砕くのが我ら"Knight Killers"」

 

何度も光る欠片を殴りながら、モンスターの上を駆け上がる。

そして__

 

 

「これで…どうだぁ!!!」

 

全ての力を振り絞って、光った頭部につく欠片を殴る。

 

 

 

すると『調魔』は『宝箱』を置いて、いくつもの光となって消えていった。

 

「これって__勝った…んだよね…?

やった……やったぁ!!!勝てたぁ!!!」

 

 

ピロリン♪

<SKILL>

調魔楽聖(セイレーンマエストロ)】を取得しました。

 

ピロリン♪

<SKILL>

【吟遊詩人】が【調魔(セイレーン)】に進化しました。

 

ピロリン♪

<LEVEL>

レベルが20に上がりました。




【今回出てきたセリフの豆知識】
『戦を仕掛けるぞ!』は「あんさんぶるスターズ!」より「月永レオ」のセリフです。
「あんさんぶるスターズ!」にはプロデュースの最中に「Dream idol festival」(略して「ドリフェス」)というシステムがあり、そこで他のアイドルユニットと相手のアイドルユニットと対戦します。そこでスキルが発動するとカットインと同時に出てくるセリフの一種です。
個人的に気に入っているセリフの1つで、戦前(すでに開始済み)で気合を入れるため使用しました。


【今回使用した楽曲】
「Re:ゼロから始める異世界生活」より「ぼうやの夢よ」
「あんさんぶるスターズ!」より「Crush of Judgment」




スキルの詳細と討伐報酬は次回になります。


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HP極振りと新装備

4月からは更新速度が低下します。ご了承ください。


「えっと…とりあえずステータスポイントは全部HPに振って。で獲得したスキルが…」

 

調魔楽聖(セイレーンマエストロ)

戦闘中に演奏(歌唱を含む)を行いながら、好きなタイミングに攻撃を行うことができる。

相手の攻撃と撃つタイミングが一致すると威力が3倍になる。

〔取得条件〕調魔を演奏(歌唱を含む)を行いながら倒すこと。

 

調魔(セイレーン)

演奏(歌唱を含む)を行っている間、AGIを無視することはできる。消費MPなし。

〔取得条件〕【吟遊詩人】を取得した状態で調魔を演奏(歌唱を含む)を行いながら倒すこと。

 

 

「【調魔楽聖】はこれ、めっちゃ便利!

それにこれ、もしかして切り替えの難点も解消じゃない!?

 

で、【調魔】の方はこれもなかなかに良きじゃん。

歌っていれば好きなスピードで動けるっていいな。

それにゲームだから声がかれることもないし!

 

これ最強モード入っちゃったかも!

 

そ・し・て~!ボス討伐報酬の宝箱~オープン!!」

 

 

ピロリン♪

<EQUIP>

【旋律のヘッドフォン】を取得しました。

【羽翼の衣装】を取得しました。

【詠唱水晶】を取得しました。

【銀鱗の鍵盤】を取得しました。

 

 

 

<EQUIP>

〔ユニークシリーズ〕

単独で、かつボスを初回戦闘で撃破し、ダンジョンを攻略したものに贈られる、唯一無二の装備。

一ダンジョンに一つきり。取得した者はこの装備を譲渡できない。

 

旋律(せんりつ)のヘッドホン】

〔HP +100〕〔MP +10〕〔破壊回復〕

スキル【独奏夜想曲(ソロノクターン)

 

羽翼(うよく)衣装(ドレス)

〔HP +200〕〔破壊回復〕

スキルスロット空欄

 

詠唱水晶(アリアクォーツ)

〔HP +50〕〔DEX +25〕〔破壊回復〕

スキルスロット空欄

 

銀鱗(ぎんりん)鍵盤(けんばん)

〔HP +150〕〔破壊回復〕

スキルスロット空欄

 

 

〔破壊回復〕

この装備は壊れると同時に最大HPの3割を回復させ元の形状に戻る。

修復は瞬時に行われるため、破損時の数値上の影響はない。

 

 

「ユニークシリーズ…?

一ダンジョンに一つだけで譲渡なしってことはレア装備…?

ていうか、全く同じものを持つ人いないってこと…?

え、マジか、キタコレ。

しかも〔破壊回復〕って、なにその神能力…

 

それに【旋律のヘッドホン】にだけ何かスキル付いてる」

 

 

<SKILL>

独奏夜想曲(ソロノクターン)

周りの状況のみを察知し、他の一切の情報を遮断する。

 

 

「ってことは、危険察知付きのノイズキャンセリングってことか。

こんなヘッドホン、現実にもあったらな~

ということは、演奏に最高の状態が完成しちゃってる…?

やっば、めっちゃ神ってる。

 

とりあえず装備してみよっと~!」

 

 

そうして新装備を身にまとう

 

 

「ヤバい!マジヤバい!

可愛い!めっちゃオシャレ!

もうほんとにエモい*1

もう私、このゲームこれからも楽しむ!」

 

そう言ってガッツポーズをし、その拳を天高く突き上げた。

 

 

 

 

「あ、お兄ちゃんにフレンドのとこにこのことメッセージ送っておこっと。

『ヤバい装備ゲットした。内容は今度会ったときに教えるね』」

 

 

 

 

 

 

 

~一方そのころのとある掲示板~

 

【NWO】楽器使いってあんなだっけ?

 

245.

戦隊ヒーロー風の曲歌いながら歩く美少女=幼女

 

246.

異議なし

 

247.

楽器使いとフレンド登録したと同時に、正体が知り合いだった件について。

 

248.

は?

 

249.

マジ?

 

250.

ていうか、俺が誘った相手だった。

 

251.

それって結構なこと、やらかしてんじゃねぇかよw

 

252.

誘った相手晒すとかw

 

253.

どんまいw

 

254.

とりあえずどんな感じなんだ?その知り合い

 

255.

楽器選んだ理由は?

 

256.

ステータスどうしたか聞いたか?

 

257.

お前との関係性は?

 

258.

ちょっと待て、今まとめる。

 

259.

楽器を選んだ理由はHPは多めの方がいいかなと思ったのと、演奏が楽しそうだったかららしい。

ステータスについては聞いてない。

関係はリアルでの知り合いだから、そこはそいつの許可を取ってから言うわ。

そいつ、ちょっと内気だが慣れるとよく絡む良い奴だから見守ってやってくれ。

あと情報交換のために俺の情報さらすわ。

とりあえずクロムって名前でやってる。

 

260.

お前トッププレイヤーのクロムかよw

 

261.

ていうか、気になったプレイヤー2人ともに接触してるのかよw

 

262.

≫261 それどうゆうこと?

 

263.

≫262 これ見て来い

つ 【NWO】やばい大盾使い見つけた

 

264.

今その楽器使いから連絡来た。

何か新しい装備を手に入れたらしい。

内容は次会ったときに話すって言われたから、俺にもわからん。

 

265.

お、何かわかったらこっちにもまわしてくれ~

 

266.

じゃあ陰で見守っていくスタイルでいいかなー?

 

267.

いいともー!

 

268.

いいともー!

 

269.

いいともー!

 

270.

いいともー!

*1
エモいは、英語の「emotional(エモーショナル)」を由来とした、「感情が動かされた状態」、「感情が高まって強く訴えかける心の動き」などを意味する俗語




一応装備のパーツとしては【旋律のヘッドホン】は頭装備、【羽翼の衣装】が体装備と足装備、【詠唱水晶】が左手装備、【銀鱗の鍵盤】は右手装備となっています。
なお、【詠唱水晶】と【銀鱗の鍵盤】片手ずつ装備にはなっていますが、どちらの手でも使用可能です。

見た目を例えると、
【旋律のヘッドホン】はアンティークのようなデザインの入ったヘッドホン。
【羽翼の衣装】はブラウスにコルセット付きの膝丈フレアスカートにジャケット。そしてガーターベルト付きのロングブーツ。
【詠唱水晶】は様々な色で透明な水晶。
【銀鱗の鍵盤】は見る角度で色が変わるピアノだとお考えください。
今度できれば画像にしたいと思います。



【今回出てきたセリフの豆知識】
『エモい』は基本的にはどこでも使われておりますが、キャラクター例だと「キラッとプリ☆チャン」の「萌黄えも」がよく使用しています。
ちなみにこのキャラの声優さんは久保田未夢さんで、「キラッとプリ☆チャン」では凄くポップな声をしていますが、前作である「プリパラ」では「北条そふぃ」、「ラブライブ!」より「スクールアイドル同好会」の「朝香果林」といったクールキャラを演じており、私は初見で同じ声優さんだと気づかなかった経験があります。声優さん恐るべし。


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HP極振りのイベント準備

【銀鱗の鍵盤】のモデルは「ジュエルペットてぃんくる」より「二コラ」の使用した魔法「勝利を紡ぐ旋律よ」で現れるピアノです。


~とある森~

 

「『開演』!」

 

そう言って、【銀鱗の鍵盤】を展開し、それと同時に【詠唱水晶】が浮遊する。

すると今回はピエロに似た見た目をした小さめのモンスター『ゴブリン』が現れた。

 

 

~♪~♪

 

「僕のことはさておき 君のことが聞きたいんだ

色々あるんだホント それじゃあ今日はよろしくどうぞ」

 

数体の『ゴブリン』が集まり、演奏を聴き始める。

 

「いつも輝いてる 君の色はなんだったっけ?

たくさんあったはずなのに 今ではもう覚えてないんだ」

 

(結構、数集まって来たな)

「キノウがずっと重なって ミライにやっと届く時

さよなら@心の中 また違うトビラに出会うよ」

(今が攻撃時かな!)

 

サビに入るタイミングで、【詠唱水晶】で攻撃をする。

 

「ハロー また出会うんだ

サヨナラ また別れて

ハロー また違う場所

サヨナラ待たずに」

(モンスターのみんな、ごめんね)

 

「ちょっと待って!

君はなんで叶えたら消えちゃうの?

「離れたってまた照らすよ。キミのこと好きだから」」

 

~♪~♪

 

 

歌が一段落着くと同時に多くの攻撃を受けていた『ゴブリン』がいくつもの光となって消えていく。

 

モンスターを倒していたのには実は理由がある。

 

「もっと頑張らないと!

こんなレベルじゃ、イベントで負けちゃうもんね!」

 

______________________

~9日前~

 

「ん?なにかお兄ちゃんから返信来てた…

『来週末に「第一回イベント」が来るから、その時に会うか』

……「第一回イベント」って、そういえばそんなお知らせあったような…?

ちょっと詳細確認!」ピッ!

 

・・・

 

「え~っと…つまりは、内容はバトルロイヤル*1で上位10名には記念品ありのイベントってことか。

わぁ~いいなぁ、記念品。でも上位10名って大変そうだよね、これ。

でも、記念品としか書かれてないから内容がめっちゃ気になる!

最高ランクが今48で、私のランクがまだ20だから半分以上差がある。

とりあえず頑張ってみて、いけそうだったら上位入賞狙ってみよう!

そのためにもまずレベル上げ行くぞ~!」

 

______________________

 

 

というわけである。

 

「え~っと今はレベル22で、最中に手に入れたスキルが【楽器の心得 IX】【弓の心得 IX】で、HPとDEXの4%アップだったんだよね。

そういえば、歌いながら行進したらどうなるんだろ…?」

 

 

~♪~♪

 

「丘を越えて山を越えて谷を越えてゆくんだ

川を越えて海を越えて空を越えてゆくんだ

雨上がりの空 虹を描いて 皆に会いにゆくよ」

 

すると森の中から多くのモンスターが顔を出す

 

(おびき寄せることができた…!)

「大切なのは僕でいること 間違いだらけの毎日も

手と手をつないで 目と目を合わせて

どこまでも歩こう」

 

(よーし!出てきたところを攻撃!)

「おサルさんのロンド キリンさんのロンド

ウサギさんのロンド 気が付けば僕も

小鳥たちのロンド 子犬たちのロンド

子猫たちのロンド 笑顔で歌うよ」

 

~♪~♪

 

 

ピロリン♪

<SKILL>

【奏者の行進】を取得しました。

 

ピロリン♪

<SKILL>

【和音の障壁】を取得しました。

 

 

「ん?なにか手に入れた?」

 

 

 

【奏者の行進】

演奏(歌唱を含む)を行いながら移動をすると、このスキル所有者のHPの1%を1秒ごとに自動回復する。

〔取得条件〕演奏(歌唱を含む)を行いながらの移動を行い、モンスターを5体倒す。

 

 

【和音の障壁】

演奏(歌唱を含む)を行っている間の受けた魔法、攻撃、アイテムを自身のHPに変換する。

容量オーバーの場合はランダムでMPか、命の結晶となって体内保有される。

〔取得条件〕演奏(歌唱を含む)を行うことで50体以上のモンスターをおびき寄せる。

 

 

 

「おぉ~!HPいっぱい上がるじゃん!いいスキルゲット~!

この調子でいっぱい練習して、第一回イベント頑張るぞ~!」

*1
3名以上の個人またはチームが同時に戦い、自分または自分たち以外はすべて敵という状況の中で、失格にならずに最後まで生き残った個人またはチームを勝者と認めるというもの。




3/30訂正 サブタイトルと誤字の訂正
4/2訂正 誤字の訂正
8/8訂正 日数の訂正


【今回出てきたセリフの豆知識】
今回は特に目立ったものはないので、おやすみです。

【今回使用した楽曲】
DECO*27「ゆめゆめ」
40mP「ドレミファロンド」


ついに次回、第一回イベント開幕です!


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HP極振りと第一回イベント

ついに開幕、第一回イベント開幕なり~!


その調子で過ごし__

そして「第一回イベント」当日がやって来た。

 

「お兄ちゃん!」

 

「お、それが新装備か?」

 

「そう!めっちゃ可愛いでしょ~!」

 

「そうだな。でも楽器はどうした?」

 

「ふっふっふっ…!それはイベント始まってからのお楽しみ~!」

 

「なんだよそれw」

 

 

『がお~!』

 

「ほぇ?あ、何か飛んでる~!」

 

『それでは「『New World Online』第一回イベント」を開始するどら~!

制限時間は3時間!ステージはイベント専用マップ!

ちなみに僕はこのゲームのマスコット「ドラぞう」!

初めての方は以後よろしくどら~!』

 

「ドラぞう可愛い!マスコットつくろっかな…?」

 

「ははは…」

 

 

『それではカウントダウン!』

 

『3!』

 

「お兄ちゃん、敵になったら容赦しないよ!」

 

「お手柔らかにな」

 

『2!』

 

(とりあえず頑張ってみて)

 

『1!』

 

(できることなら上位入賞!)

 

『0~!』

『みんな頑張って!がお~!』

 

 

<STATUS>

エテルノ

Lv:22

HP 3145/3145(+500)

MP 10/10(+10)

 

【STR】0

【VIT】0(+5)

【AGI】0

【DEX】0(+25)

【INT】0

 

装備

【頭】旋律のヘッドホン【独奏夜想曲】

【体】羽翼の衣装

【右手】銀鱗の鍵盤【和音の障壁】

【左手】詠唱水晶【調魔楽聖】

【足】羽翼の衣装

【装飾品】フォレストクインビーの指輪

     ―――

     ―――

 

スキル

【人間観察】【大物喰らい】【奏者の鉄槌】

【調魔楽聖】【調魔】【独奏夜想曲】

【楽器の心得 IX】【弓の心得 IX】【挑発】

【奏者の行進】【和音の障壁】【魅惑の旋律】

【毒耐性・中】

 

 

 

 

 

 

そうして飛ばされた所はとある森の中

 

「あ~あ、お兄ちゃんとは別行動か~…

まぁ、その方が気楽かも?

でも周りにだ~れもいな~い。

最初からバッチバチの戦闘ってわけでもないんだ~。

じゃあ、ちょっと肩慣らしに軽い演奏しよ~っと。

『開演』!」

(あ、念のため【旋律のヘッドホン】はちゃんとはめて、よし!)

 

 

~♪~♪

 

「ねこ ふんじゃった ねこ ふんじゃった

ねこ ふんづけちゃったら ひっかいた

ねこ ひっかいた ねこ ひっかいた

ねこ びっくりしてひっかいた」

 

「はじめに見つけたプレイヤーがまさか楽器使いとはこれは幸運だ…!

大人しく俺の糧になりやがれ!」

 

(あ、プレイヤーいた。

う~ん、物理攻撃なら、まぁまだ気にしなくっていいや。

それに【独奏夜想曲】で、何言ってるか聞こえないし)

 

「わるい ねこめ つめを きれ」

「おらぁ!………え」

「やねを おりて ひげを それ」

 

(ありゃりゃ【和音の障壁】に吸い込まれちゃった。

名前も知らないプレイヤーさん、バイバーイ)

「ねこ ニャーゴ ニャーゴ ねこかぶる

ねこなでごえ あまえてる」

 

「ふっふっふ…!

近接がダメなら今度は魔法ならどうだ!ファイアーボール!」

 

(あ、2人目はっけ~ん。

しかも魔法攻撃来るみたいだな~。えい【調魔楽聖】)

 

「ってえ、効いてない!?それどころか、同時に攻撃返ってきた!?きゃぁああ」

 

(2人目さんもばいば~い)

 

「ねこ ごめんなさい ねこ ごめんなさい

ねこ おどかしちゃって ごめんなさい

ねこ よっといで ねこ よっといで

ねこ かつぶしやるから よっといで」

 

~♪~♪

 

 

「ふぃ~!うん、準備運動終了!

まぁ、準備運動で2人プレイヤーが来ちゃったのは想定外だったけど。

もっと演奏を楽しみたいよね!

まぁ何があってもHPいっぱいだし、大丈夫でしょ!」

 

 

「さぁさぁ歌って踊って奏でよう、おれだけのアンサンブルをっ☆」

 

 

 

 

~イベント閲覧場所 side~

 

「なぁ、アイツやばくね?」

 

「あ、メイプル?それはわかったけど__」

 

「そっちじゃねぇよ!ほらあそこで演奏してる!」

 

「演奏?そんなことしてるヤツが、どこに__ってマジでいるじゃねぇかよ。」

 

「あ~軽い気持ちで俺、さっき近づいちゃったけど即死したわ。」

 

「それ、逃げなかったの?」

 

「いや、逃げれなかったに近いかもしれん。」

 

「は?どういうこと?」

 

「実は__」

 

 

・・・

 

「あんなのやべぇよ!逃げ__」

 

「【魅惑(みわく)旋律(せんりつ)】」

 

「は…?なんで一気に遅くなって…!?」

 

「おにいさんばいば~い♪」

 

・・・

 

 

「__てなことがあった。」

 

「んな馬鹿な…」

 

 

 

『そぉおおりゃ!!!』

 

『最前線飛ばせ僕たちは

星もない夜 ただ東を目指して行く』

 

『ぎゃぁああ!!!』

 

『13秒先もわかんなくたって

精一杯僕を生きていく

何も後悔なんてないさ 前を向け』

 

『なんなんだよ、アイツ!!』

 

『止まらないさ きっと光の待つ方へ』

 

 

「てか普通に上手いんだよな、演奏。」

 

「わかる。ここがイベントじゃなく、そして悲鳴がなければ普通に聞き入ってた。」

 

「聞き入った瞬間、待つのは死だけどな。」

 

「楽器使い…あんな感じもできたんだな。」

 

「いや、多分あれは異常だ。」

 

「てか全員攻撃放つタイミング、リズムに乗ってね?」

 

「あ~…多分BGMとかあったらさ、ノッちゃうときってあるじゃん?

あれの状態なんだと思う」

 

「あ~なんかわかるわ。

それのせいなのか、余計にあの子ノッてるな」

 

「もはや感覚が音ゲーなんじゃね?」

 

「演奏しながら音ゲーって、やばいな。」

 

「あの子の被ダメ今いくつよ?」

 

「多分0だと思う。」

 

「うぇ…今回のイベントどうなってんだよ…」

 

 

 

 

 

【魅惑の旋律】

指定した位置の一定範囲内にいる敵のAGIを半分まで下げる。

〔取得条件〕24時間連続して演奏(歌唱を含む)を行う。




5/1 所持スキルの訂正
5/25 所持スキルの訂正

【今回出てきたセリフの豆知識】
『さぁさぁ歌って踊って奏でよう、おれだけのアンサンブルをっ☆』は「あんさんぶるスターズ!」より「月永レオ」のセリフです。
前に使用した『戦を仕掛けるぞ』と同じキャラです。
個人的にある程度平和で「曲」と「戦」といえば浮かぶのが彼なので、彼のセリフはよく使用すると思います。


【今回使用した楽曲】
童謡「ねこふんじゃった」
Orangestar「DAYBREAK FRONTLINE」




全く小説には関係なく、自己満足なのですが失礼します。
志村けんさん、今までいろんな思い出をありがとうございました。
「カラスの勝手でしょ」や「ヒゲダンス」、「バカ殿」だったりどれも本当に面白かったです。さらにじゃんけんの掛け声である「最初はグー」を作りあげたのが志村けんさんだった、ということを死後初めて知りました。人だけでなく動物にまで愛され、笑顔をくれていた方が亡くなってしまったという事実を私は未だに受け止め切れていません。
テレビを付ければ、また笑顔でいろんな話をして、皆を笑顔にしているあなたがいるんじゃないか、って信じたくない気持ちがあって、コロナに感染したってニュースを知った時も「まだ生きてる!大丈夫大丈夫!志村園長頑張って!」と軽く思っていました。
こんなニュースが、嘘であってほしかったです。
ご冥福をお祈り申し上げます。
そして皆さん、コロナには十分に気をつけてください。
これは本当にただの病気と軽く考えてはいけません。


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HP極振りとイベント中間地点

今月より更新が3日に1回になります。
(これはエイプリルフールではありません)


「ふぅ…やっぱり演奏楽しい!」

 

近くに現れたプレイヤーを一掃して、落ち着いて【旋律のヘッドホン】を外し、一息つく。

 

 

『がお~!』

 

「あ!ドラぞうだ!」

 

『さぁ、残りは1時間!』

(もう2時間たっちゃったんだ…)

 

『現在1位はペインさん!2位はドレッドさん!3位は同率でメイプルさん、エテルノさんどら~!

これからは上位4名を倒した際、得点の3割が譲渡されるよ。

4人の位置はマップに表示されるどら!』

 

「1位のペインさんって、最高レベルの人じゃ!さすがだな…!

ドレッドさんもなかなかのプレイヤーって聞いたことある。

で、同率のメイプルさん……メイプルさん!?初日にあったあの初心者さん!?

ひぇ…まさかそんなに、すごいプレイヤーさんだったんだ!

アドバイスなんておこがましかったかもな…

…………?いま同率でエテルノさんって言った?

え、私同率3位なの!?え、どうしよ!

しかも、マップに表示ってことは__」

 

「見つけたぜ!」

 

「!!」

 

「俺がもらった~!」「俺が先だ!」「私のものよ!」

 

「これ、休憩終わりかな?」

 

 

「それどころか、お前の終わりだよっ!」

 

そう言ってコッソリと近づいていた、大剣使いが剣を振り下ろす

 

(これ…避けれない…!)

「【魅惑の旋律】!」

 

【魅惑の旋律】を発動させ、相手のAGIを遅くし何とかかすり傷で済んだ。

 

「おにいさん、いったいんだけど…!

しかも今回できるだけ受けるダメージ0でいたかったのにな~!」

 

「は?なんで耐えて…!大体のやつはこれで死ぬのに!!

特に楽器使いなんてもってのほかだろ!」

 

そう文句を言いながら【旋律のヘッドホン】を装着し、【独奏夜想曲】を発動させる。

 

「こうなれば全力で魅せようか…!【開演】!」

 

「!?始まったか…!!」

 

 

 

~♪~♪

 

(私がついさっきダメージを受けたから、現状維持できても同率で入れる可能性はないかもしれない、なら…!)

 

そうして紡ぎだしたのは怪しげなメロディー。

 

「何が始まったんだよwこんなのまだ倒せなくはな__」

「いや!この曲は!」

 

「『ようこそ!ワタシの音楽工場へへへへへへへへへへへへへへ』」

 

「「Sadistic.Music∞Factory」だ!!!」

 

 

「ここに貴方達を連れてきたのは他でもない

ワタシに新鮮な「音楽」を絶え間なく届けて欲しい

幾千幾万の歌を消費して 摂取して

この体躯(からだ)を保つために ずっとずっとたくさんの人にそばにいてほしい」

 

放つ言葉の1つ1つのスピードに【調魔楽聖】をのせ、【詠唱水晶】を使って攻撃を繰り返す。

そして音楽を紡ぎながら猛スピードで移動していく。

 

(多分これじゃまだまだ足りない。

現状維持できても、ダメージを受けてるから同率は狙えないかもしれない

なら、今まで動かなかったけど、移動しながら他の人も一気に倒していくしかない…!)

 

「一気に攻撃のスピードが上がった!?」

「あんなの無理だって…!」

「あれのどこが倒せそうな楽器使いだよっ!」

グサッグサッグサッ

 

「だから とっととワタシに音楽(たべもの)を作ってください 作りやがれ さあ

きっともっとずっと かわいい笑顔でせがめる自信があります!

『こら!そこ!手を休めるんじゃない!見ていないとでも思ったのか?

次に手を抜いたら 生きてここを出られなくなるから そのつもりで……ね?』」

 

「ひっ!無理絶対逃げなきゃ__」

逃げようとするプレイヤーはもちろん現れる。

しかし、そんなことをしようとしたプレイヤーは歌詞のごとく_

グサッ

__消されていった。

 

「逃げようとしたって無駄なこと そんなことわかりきってるでしょ

どこまでも どこまでも 追いかけて 追い詰めて 甚振り捕まえ

「ワタシ」という大きな枷を一生背負ってもらうからね

死ぬまで満たされない苦しみを共にしよう?」

 

隠れて難を逃れようとするプレイヤーもいたが【独奏夜想曲】の状況判断機能により、隠れても意味がなかった。

「ぎゃぁああああ」

「なんで隠れてたのにバレてんだよっ!」

 

「食べても食べてもお腹が減るの 貴方達にはわからないでしょうけど

どんなに言葉を紡いだところで 糧になるものが何一つ無い

食べても食べてもお腹が減るの 貴方達にはわからないでしょうけど

常時アグレシヴ焦燥感 お願い これ以上 怒らせないで」

 

(多分まだ足りない。

こうなったら同位か上位のプレイヤーを狙うか…!

メイプルさんはさっきマップを見た時に狙えない位置にいたから無理。なら誰を狙うべきだ…)

「『命知らずな脱走者だこと。一体どこにいったのー?』

「あんなのと戦ってたまるかよ~!!!!」

「『みーつけたー』」

グサッ

 

「決して拭いきれない すべて無へと還る恐怖

死とは無縁なはずなのに 常によぎる最期の時

音が途絶えそのまま 過去に置き去りにされると

思うだけでヒステリック 思考回路軋み疼き」

 

(ペインさんは狙えなくない位置にはいたけど、まずレベル差とかも考えて却下。)

 

「仮初の物語を 浴びるほど飲み込み噛み砕き

つぎはぎだらけの音楽(ものがたり)で出来てる(こころ)に怒りを覚え

蒙昧な迷事を 大量に吐き戻しぶちまけ

永劫誰でもない何モノでもない虚無の衝動が「飢え」へと変わる

 

(そして、一番近いのはドレッドさん。実力は未知数だけど、狙えるのは彼しかいない。

__やるしかない…!)

 

「『絶対逃ガサナイカラ』

「×××××××××××××××!」」




4/1訂正 誤字と歌詞の訂正、文章の位置変更
8/8訂正 誤字の訂正

【今回出てきたセリフの豆知識】
『こうなれば全力で魅せようか…!』は「刀剣乱舞」より「篭手切江」の真剣必殺という必殺技のセリフです。
彼が目指しているのが「歌って踊れる付喪神」なので、採用しました。
刀の付喪神が歌って踊れる…一体彼はなにがしたいのでしょう…?

【今回使用した楽曲】
cosMo(暴走P)「Sadistic.Music∞Factory」


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HP極振りとイベント終了

エイプリルフール、いろいろやってて面白かったな…
いっぱいありすぎて、手一杯になるくらい。

ちなみに今更ですが、【詠唱水晶】のモデルは、「#コンパス【戦闘摂理解析システム】」のリゼロとのコラボキャラである「エミリア」のヒーロースキル「火を司る大精霊パック」を使用すると出る結晶(?)で、それを小さくしたような感じです。


「なぁ!あれ見ろよ!」

 

「ん?あぁさっきメイプルと同率3位のエテルノじゃん!

残り1時間になって移動しだしたのか」

 

「でもあれどこかに向かってね?」

 

「向かってる方向にいるのって…2位のドレッドじゃね!?」

 

「まさか2位vs3位!?」

 

「これは見なきゃやべぇだろ!」

 

「今画面の半数がこの対戦に変わってる!」

 

「運営もわかってんなぁ!」

_____________________

 

タッタッタッ

 

(あと少しでマップの位置に着く…!)

 

演奏も歌も続けながら、移動し続ける。

 

そして__

 

 

 

「な!3位のエテルノ!?なんでここに!?」

 

「まさかここって!じゃあコイツの狙いは__」

 

(マップのマークはここはず…!)

 

 

「へぇ~…鴨が葱を背負って来た、ってか?」

 

「ひぃ!2位のドレッド!!」

 

「2位と3位が揃い踏みとかマジかよ…!」

 

 

「じゃあ、始める前にメインディッシュは残して、他の奴らは始末しちまうか…!」

(狙うの大変だろうけどやるっきゃない。なら先に他プレイヤーは始末だね…!)

 

「【超加速】」「【調魔楽聖】」

 

グサッ ザシュッ

 

 

「あんなの倒せるかよ…!」

 

「2位と3位のコンビとか無理!」

 

「どうすりゃいいんだよぉ!!!」

 

 

 

〔数分後〕

 

数分後が経つと、【独奏夜想曲】で感じていた反応は少なくなっていた。

 

ポンポン

 

するとドレッドさんは私の肩を叩いてきた。

 

「あ、はい?」

 

しかし声は聞こえなかった。

それもそうだ、【独奏夜想曲】を使用していたからだ。

 

すると、ドレッドさんはそれを察したのか、口を動かしながら耳を指さすジェスチャーをしていた。

口の動きから『それ外せるか?』と言っているのだろう、と読み取ったのですぐに【旋律のヘッドホン】を外した。

 

「なかなかやるな、お前。流石3位ってとこか?」

 

「あ、えと、ありがとうございます…」

 

「で、ここに来たってことは1対1をご所望か?」

 

「は、はい!」

 

「ふ~ん。

それじゃ、やりますか…!」

 

「お願いします…!」

 

そうして【旋律のヘッドホン】を付け直し、演奏の準備を始めた。

 

 

「【超加速】!」

 

「【調魔】!」

 

 

~♪~♪

 

「大胆不敵にハイカラ革命

磊々落々 反戦国家

日の丸印の二輪車転がし

悪霊退散 ICBM」

 

移動速度は【調魔】を使用でAGIは無視できるため、【超加速】に追いつくくらいのスピードで移動する。

 

「なかなかなスピードだな…!だがっ!」

 

「っ!!

環状線を走り抜けて 東奔西走なんのその

少年少女戦国無双 浮世の随に」

 

ドレッドが息をつくタイミングを狙い、攻撃してきたのを感じたので【調魔楽聖】で【詠唱水晶】をぶつける。

しかしその威力の上がった攻撃も相殺されてしまう。

そうして、互いに数回の攻撃も相殺しつつ、移動をする。

 

「千本桜 夜ニ紛レ 君ノ声モ届カナイヨ

此処は宴 鋼の檻 その断頭台で見下ろして」

(まだ相殺される…なら…!)

 

「三千世界 常世之闇 嘆ク唄モ聞コエナイヨ」

一時的に攻撃をやめ、演奏しながら【調魔】で相手の攻撃を避けていく。

そして__

 

 

「なっ!?」

 

相手が一気に攻撃をしかけるタイミング見越して【詠唱水晶】を一点に集め、【調魔楽聖】のタイミングを合わせる。

 

(『下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる』ってね…!!!)

「青藍の空 遥か彼方 その光線銃で打ち抜いて」

 

「マジかよ…!!」

 

 

ドレッドは一斉に放たれた【詠唱水晶】のいくつかは相殺できたものの流石に防ぎ切ることはできず、一気に攻撃を受け__

 

「なかなか、いい勝負だったぜ…!」

 

そう言ってドレッドはいくつもの光となって消えていった。

 

_____________________

 

「マジかよ…!エテルノ、ドレッドに勝っちまったぞ…!!!」

 

「下剋上キターーーーーー!!」

 

「やっぱこういうの来るとやべぇな!!」

 

「ドレッドの3割追加だから、もしかしてペイン超しちまったんじゃね!?」

_____________________

 

(勝った…!勝てちゃった…!!!

でも、慢心はだめだよね…!それに、これ以上の結果は望むべきじゃない…!

ドレッドさんを倒したことで、多分狙いは私だけに変わる。

既に多くの反応がこっちに来てる)

 

「見つけたぞ!エテルノだ!!」

「お前を倒して俺が優勝してやるんだ…!」

「いえ、私よ!」

「いんや、おいどんだ!」

 

(そして残り時間はホントにあと少し。

じゃあ…これ最後に試しで一回歌ってみても、いいかな?)

 

 

 

~♪~♪

 

 

そうして紡ぎだしたのは優し気なメロディ。

それはたまに不協和音を交えながらも、とても心地よい音楽だった。

 

「え、まさかこの曲…!?」

「最後の最後にこれ歌うのかよ!」

 

「モウ…いちど…ダ…ケ…」

 

「最後に『初音ミクの消失』って!!」

 

「ボクは生まれ そして気づく 所詮 ヒトの真似事だと

知ってなおも歌い続く 永遠(トワ)の命 「VOCALOID」

たとえそれが 既存曲を なぞるオモチャならば それもいいと決意

ネギをかじり 空を見上げ(シル)をこぼす

だけどそれも無くし気づく 人格すら歌に頼り

不安定な基盤の元 帰る動画(トコ)は既に廃墟

皆に忘れ去られた時 心らしきものが消えて 暴走の果てに見える

終わる世界… 「VOCALOID」」

 

今度は言葉ではなく、放つ音の1つ1つのスピードに【調魔楽聖】をのせ、【詠唱水晶】を使って攻撃を繰り返す。

そのスピードはとても人間のものだとは思えなかった。

 

 

「なんだよ…!あのスピード!」

「まさに人間卒業曲…!」

「人間卒業おめでとうございます!!」

「って、んなこと言ってる暇あるかよ!逃げ__」

グサッ

「れないよな…」

 

 

「かつて歌うこと あんなに楽しかったのに

今はどうしてかな 何も感じなくなって

「ゴメンネ…」」

 

 

「ドレッドとの戦いで結構疲れてると思ったのは間違いだったのかよ…!」

「全然そんなことないじゃん!それどころか、ドレッドの時より難しいの歌ってるよ!!」

「あれに俺ら戦おうとしてたの!?」

「ていうか、あんなのホントに楽器使いかよ…!!!」

「無理ゲーだ!こんなのクソゲーに決まってる!」

 

「「信じたものは

都合のいい妄想を 繰り返し映し出す鏡

歌姫を止め 叩き付けるように叫ぶ…」

<最高速の別れの歌>

 

 

(これが私が今できる最高速の演奏。

多分まだこれ以上の人はいっぱいいると思う。

「俺の方が上手い」とか「あんな下手なの聞かすなよ」とか言ってくる人いるかもしれないけど、これが私なんだ。

他人がどうであってもいいじゃない。

自分が思いっきり楽しめればそれで幸せじゃん!

ある人も言ってた。

『自分の生きる人生を愛せ。自分の愛する人生を生きろ。』ってね…!)

 

 

「終わりを告げ ディスプレイの中で眠る

ここはきっと「ごみ箱」かな

じきに記憶も 無くなってしまうなんて…

でもね、アナタだけは忘れないよ

楽しかった時間(トキ)

刻み付けた ネギの味は 今も覚えてるかな

ボクは 歌う 最期、アナタだけに 聴いてほしい曲を

もっと 歌いたいと願う けれど それは過ぎた願い

ここで お別れだよ 

ボクの想い すべて 虚空 消えて

0と1に還元され 物語は 幕を閉じる」

 

 

(これで終幕(フィナーレ)だよ…!)

 

 

「そこに何も残せないと やっぱ少し残念かな?

声の記憶 それ以外は やがて薄れ 名だけ残る

たとえそれが人間(オリジナル)に かなうことのないと知って

歌いきったことを 決して無駄じゃないと思いたいよ…

 

「アリガトウ…ソシテ…サヨナラ…」

---深刻なエラーが発生しました---」

 

 

 

(歌い…切れた…!

噛まずに全部歌い切れた…!!!)

 

そんな心の中で喜ぶ少女がいる場所で他に残ったのは、主人と行き場をなくした多くの武器だけだった。

 

 

『がお~!しゅうりょ~う!!!』




【超加速】はサリーが始めた時期を考えると多分、この時には【超加速】は持ってただろうから使ったけど、【神速】は当時持ってたのかわかんないからやめとく。

【今回出てきたセリフの豆知識】
『下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる』は、一つがダメでも、たくさんやってみるうちに、まぐれ当たりもあるという意味のことわざです。
「ドレッドに1つ撃っても相殺で終わるだろうから、たくさん撃ってやろう」ということで、このことわざを使いました。

『自分の生きる人生を愛せ。自分の愛する人生を生きろ。』はジャマイカのレゲエミュージシャンである「ボブ・マーリー」の名言です。
ちなみにこれは日本語訳で、英語では『Love the life you live. Live the life you love.』となります。
まぁ吟遊詩人も一種のミュージシャンなんで、共通点がありました。
(なお、書いてる最中に知った)


【今回使用した楽曲】
黒うさP「千本桜」
cosMo(暴走P)「初音ミクの消失」


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HP極振りとイベント結果

キラメイレッドの俳優さんがコロナ感染してしまったことを知って、結構楽しみにしてたスーパー戦隊がどうなるか、とか俳優さんは大丈夫なのかとか、ずっと不安。


『結果~!

 

1位がペインさん

2位がエテルノさん

3位がメイプルさん

 

に変わったよ!

みんなおめでとう~!』

 

 

「ペインさんとメイプルさんは変動なし…か。

って、私2位!やったぁ!記念品ゲット~!」

 

 

『それでは3位から順にインタビューをしていくよ』

 

 

「え?インタビュー…?

え、ま、マジ…?

そんなの聞いてないんだが!?」

 

 

『まずはメイプルさん!』

 

 

「3位から順ってことは、私2番目…?そんなの絶対緊張するし、ていうかそんなの聞いてないしイベント説明のとこにもなかったでしょ…?え、と、とりあえず~…とりあえずなにか考えなきゃ、え、まじどうしたら、ヒーローインタビューとかそういうのでもないし、これといった感じもないし…あ、そうだメイプルさんの参考にしよう、うんその方が__」

 

 

『えっと…あの…いっぱい耐えれてよかったでしゅ

 

『がお~!おめでとう!それでは記念のメダルをどうぞ!』

 

『どうもありがとうございましゅ…やだもう!恥ずかしいよぉ~!!!』

 

 

「あらま、噛んじゃってる…真っ赤になって可愛いなぁ…って、あれ…?もう終わり…?ってことは私の番!?」

(待って待ってくれステイプリーズ…!ザ・ワールド 時よ止まれ!ってそういうことじゃなくて…しかもここは現実だからどうにもならないんだけどさ!!!)

 

 

『では続いて2位のエテルノさん!』

 

(ひっ!だ、大丈夫大丈夫、だいじょばないけど大丈夫。落ち着いて、思ってることをちゃんと話すだけ。うん、それだけなんだから落ち着いて頑張れ…頑張れ私~!)

 

 

『振り返ってみてどうだったどら?』

 

「えっと…従兄に教えてもらって、VRMMO自体初めてで、まさかここまでいけると思ってなくってとても嬉しくて、えっとそれにいっぱい演奏できて楽しかったです!」

 

『がお~!おめでとう!それでは記念のメダルをどうぞ!』

 

「あ、えっと、ありがとうございます!………インタビュー終わった…?終わったよね?ふにゃ~!疲れた…!でも楽しかった~!」

(このメダルって、何か効果あるのかな?今のところ情報ないけどまた後とかに出るのかな?)

 

 

 

 

~とある掲示板~

 

【NWO】楽器使いってあんなだっけ?

 

 

587.

お前の従妹、めっちゃ人気者になってんな。

 

588.

結構なスレ*1立ってるしな。

 

589.

あの可愛い見た目に歌うまってだけで惹かれるやつは多いだろ

 

590.

それに結構しっかり者だったんだな

 

591.

イベント時のエテルノちゃんのまとめ

2位

死亡回数0

被ダメージ70

撃破数2156(ドレッド含む)

+ドレッドの3割

 

592.

やべぇな

 

593.

しかもこれ、演奏しながらっていう

 

594.

結構痛そうにしてたことから察するにHPで何とかなってる感じ?

 

595.

VITは結構低そうだよな

 

596.

それに相手の攻撃に合わせて攻撃してたな

 

597.

で、タイミング一致した時自身は攻撃受けず、相手に威力の上がった攻撃が行くと

 

598.

ドレッドの時は、普通より量増えてたような

 

599.

浮いてる結晶一点に集めて攻撃が来るジャストタイミングで、攻撃してたわ

 

600.

あとはあの壁?

 

601.

物理で行ったやつらは全部あれで殺られてたな

 

602.

そして逃げようとしたら、足遅くされて殺られると

 

603.

簡単にすると、

遠距離攻撃がくると結晶で相殺、または倍になって返ってくる

近距離攻撃がくると壁に阻まれる

逃げようとしたら、足遅くされてまず逃げれない

攻撃をもし受けても高いHPで耐えきられると

 

604.

マジこっわ…

 

605.

そこに演奏が追加だからな

 

606.

まさか『初音ミクの消失』歌えるとはな…

 

607.

あれ普通歌える?

 

608.

歌えても高速のとこは1秒も歌えない

 

609.

メイプルといい、エテルノといい、新人が怪物すぎる

 

610.

これは俺らも頑張らなきゃな

 

 

 

611.

で?ファンクラブ入ったか?(会員番号3番)

 

612.

もちろん(会員番号15番)

 

613.

ファンクラブできてることなんて本人は知らないんだろうな…(会員番号1番)

 

614.

ファンクラブ設立者いんじゃねぇかw

 

 

 

 

 

 

~とある場所~

 

無数の点と線そして画面の並ぶ場所でとある会議が行われていた。

 

「ではメイプルとエテルノをどうするか…」

 

「あの化物じみたプレイは流石にな」

 

「う~ん…【悪食】と【和音の障壁】に回数制限をつけるか」

 

「それはしないとな」

 

「そうでないとすべての攻撃が無に帰されちまう」

 

 

「にしてもあんな逸材が生まれるとはな」

 

「特にエテルノ!あの声綺麗だったな…!」

 

「ただのプレイヤーと思えない上手さだよな…!」

 

「俺もファンクラブ入っちまったよ」

 

「あ、それ俺もです」

 

「僕も」

 

「あんな逸材、ただのプレイヤーであるのがもったいないんだよな…」

 

「歌ってた曲だと何が好み?」

 

「俺はやっぱり『千本桜』!」

 

「僕は『初音ミクの消失』でしょうか」

 

「私は、聞いたことがなかったのですがこの曲ですかね…」

 

「ん?どれだ?」

 

「これです」

 

 

~♪~♪

 

 

「確かに聞いたことない曲だな…」

 

「もしかしてオリジナルとか?」

 

「ありえるな…」

 

「その曲についてサウンドクリエイター*2の人達にも聞いてもらったんだけど、やっぱり知らないって言ってました」

 

「じゃあ、やっぱりオリジナル曲か」

 

「まさか作曲の才能まであるとは…」

 

「眠らせておくのがもったいないですよね」

 

 

「あの_」

 

「なんだ?」

 

「エテルノさんに曲を1つ作ってもらったらどうですか?」

 

「曲を?」

 

「はい、そうすればゲームの宣伝にもなるんじゃないかと思って」

 

「それいいかもな」

 

「よし。

ならまず、エテルノさんに運営からメッセージを送ろう。

どうするか本人次第だからな。

そこから他を考えても問題はないだろう。」

 

「賛成!」

「右に同じく!」

*1
主にインターネット上の電子掲示板(BBS)において「スレッド」(thread)の略として用いられる言い方であり俗語

*2
メインテーマやゲームの進行のために使用されるBGM、そして選択やアクションなどの動作を表すSE(サウンドエフェクト)なども作成する人




今回運営が興味を持ったオリジナル楽曲について読者の皆様のご想像にお任せしたいと思います。


【今回出てきたセリフの豆知識】
『ザ・ワールド 時よ止まれ』は「ジョジョの奇妙な冒険」より「DIO」のセリフです。
「ジョジョの奇妙な冒険」には「スタンド」という超能力のようなものがあり、「DIO」は第3部のラスボスで彼の「スタンド」の能力はシンプルかつとても強い「時を止める」という能力です。
使用した理由は「時間が止まってほしいな」とか「能力があったらな」とか思ったときに「試しにキャラのセリフを言ってみる」みたいな体験、皆さんもあると思います。あれです。あれをやってほしかっただけです。
ちなみに私は時間が止まってほしい時は某超次元サッカーの必殺技をたまにぼそっと言ってました。まぁ止まることはなかったんですが。


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HP極振りの日常

4月から学校だったのが5月になって、「春休みが長い」のが嬉しい、と思うと同時に「夏休みが消えてるのでは」と考えて悲しくなる。


「うぅううう…」

 

『落ち着けって、な?』

 

「だってぇ~!」

 

まぁそうなるのも仕方ないよな…』

 

「だって!運営からいきなりメッセージ来たと思ったらまさかの依頼って何!?

詐欺かと思って問い合わせしたら返答が来て、余計に混乱したんだけど!」

 

『第一回イベントで2位でずっと歌ってたからな』

 

「しかもコッソリ混ぜたオリジナル楽曲バッチリ指摘されてたし!」

 

『そんなのも歌ってたのかよ』

 

「別にいいじゃん!でもこんなの来るとは思ってないもん!」

 

『で、その話受けるのか?』

 

「考えちゅ~う…一応考える時間は用意してくれてるんだよね…」

 

『そうか、まぁ好きなようにやればいいんじゃねぇか?』

 

「なんて無責任な。

まずお兄ちゃんが誘ってなきゃ、私やってないんですけど~?」

 

『ていわれてもな…』

 

「もう目立たなきゃ良かったのかもしれない。今からでも間に合わないかな…」

 

『それはもう多分無理だぞ?』

(ファンクラブまでできてるからな)

 

「うぅ…」

 

『まぁじっくり考えればいいんじゃないか?

別に運営も強制ってわけもないんだろ?』

 

「…うん、とりあえずじっくり考えてみる。

楽曲もし思い浮かんだら運営に送ろっと」

 

『それでいいと思うぞ』

 

「りょ~か~い」

 

 

『お前、明日も学校だろ?宿題終わってるのか?』

 

「ぼっち舐めちゃダメだよ~?

そんなのほとんど休み時間に終わらせて、帰ってすぐ終わっちゃってるよ~」

 

『それってつまり会話する相手のいない、寂しい奴だよな』

 

「うるせぃや~い。

でももう寝るね、おやすみ~」

 

『あぁ、おやすみ』

 

 

ピッ♪

 

 

「はぁ、現実もゲームみたいに楽しければいいのになぁ…」

 

 

_____________________

 

そうして翌日、しっかりと制服を着て、伊達眼鏡をかけて長い髪を2本の三つ編みおさげにする。

 

「おはようのオーディションして 髪型もバッチリOK

金曜日は頑張らなきゃ だって2日会えないからね」

 

「十和~!そろそろ時間よ~?」

 

「は~い!いってきま~す!」

 

 

 

〔学校〕

 

ガラッ

 

「おはよ~ございま~す…」

 

 

「それでさ~!」

「えぇ~!うっそ~!」

 

 

「えっと…」

 

「…あ、藍坂さんごめんね!」

 

「あ、い、いえ、荷物置きたいだけなので」

 

「そうなの?」

 

「………」コクリ

 

 

キーンコーンカーンコーン♪

 

 

「あ、でもチャイム鳴っちゃったからいいよ。

じゃあ楓、続きはまた後でね」

 

「うん!」

 

 

「………」

ガタッ

(いいな~

あんな楽しく会話ができる友達ほしい。

そして私は誰も話す相手いないからやっぱり暇だ。

話しかけて嫌がられても嫌だからな。)

 

 

ガラッ

 

「皆さんおはようございます。今日は__」

 

 

 

 

〔休み時間〕

 

「それでね~!」

「へぇ~!」

 

 

「………」

(宿題、さっきの授業はなかったし、どうしよっかな。

そういえば、カバンの中に確か入れて__

__あ、あったあった)

 

 

そうしてカバンから取り出したのは裁縫道具といくつかの形に切られたフェルトと綿。

裁縫道具からフェルトの色にあった糸を取り出し、針に糸を通してフェルト同士を縫い合わせていく。

 

 

「………」チクチク

 

「じー」

 

「………」チクチク

 

「じーー」

 

「………」チクチク

 

「じーーー」

 

 

(なんでだろう。見られてる気がする。

いや気がするじゃない。

すっごい見られてる。)

 

視線を感じながら、少しの隙間を残して縫い合わせ、裏返して綿を詰める。

最後に残った隙間を縫う。

 

 

「よし」

 

「すっごーい!!」

 

「!?あ、あの、本条さんどうかしました?」

 

「これウサギさんだよね!」

 

「え、あ、はい。

ゲームに出てくる『アルミラージ』ってウサギさんに似たモンスターですけど…」

 

「もしかしてそのゲームって、『New World Online』?」

 

「………」コクコク

 

「藍坂さんもしてたんだ!」

 

「ってことは、本条さんも?」

 

「うん!私、メイプルって名前でゲームしてるんだ!」

 

「へぇ!メイプル…

……メイプルさん!?」

 

「!?え、藍坂さんどうかした?」

 

「えっと一応確認ですが、メイプルさんって第一回イベントで3位のメイプルさんですか?」

 

「うん、合ってるよ?」

 

(メイプルさんと本条さんの見た目似てるな…と思ったらまさか本人だったとは…)

 

「良かったら藍坂さんもゲームでの名前教えて?」

 

「えっと、エテルノです」

 

「エテルノね………え、エテルノさん!?」

 

 

「どうかしたの、楓?」

 

「あ、理沙!あのね!藍坂さんも『New World Online』してたの!」

 

「え、そうなの?」

 

「………」コクコクコク

 

「しかも理沙に話したと思うけど、初日にアドバイスをしてくれた人だった!」

 

「へぇ~!」

 

「アドバイスといっても、私も手探り状態だったので…何とも言えませんが…」

 

「そうなんだ」

 

「あ、藍坂さんも良かったら時間合わせて一緒にやらない?

理沙、今日からゲームできることになったんだ!」

 

「え、私もいいんですか?」

 

「もっちろん!ゲームはみんなでやるのが楽しいからね!」

 

「楓がいいなら、私もそれでいいよ」

 

「あ、ありがとうございます!」

(学校でゲーム仲間できたよ!お兄ちゃん!

3位でしかもゲームで会ったことある人だから、びっくりだけど!!!)




メイプルとサリー(現実)登場の巻。
実は書き始める前から絡ませる予定でした。


【今回出てきたセリフの豆知識】
今回はこれといったセリフがないのでおやすみです。


【今回使用した楽曲】
HoneyWorks「金曜日のおはよう」


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HP極振りと極振り仲間

コロナ感染のニュースが毎日飛び交ってて気が気じゃない。
そして必要なものを買うために出かけたら、ほぼ全員がマスクしてて、そのマスクも紙製のものから自作や洗えるマスクを使う方が増えたなと日々思う今日この頃。


放課後を迎え、時間を合わせて自宅でゲームを開く。

 

「とりあえず…ログイン、っと!」

 

そうするといくつもの光に包まれ、いつものように始まりの街に着く。

 

「えっと…確かこの街で待ち合わせだったっけ…?服装どうしたらいいかな?

この装備、可愛いんだけど目立つし…いやでも、目立つ方が見つけてもらえるかな?

いや、私から話しかけた方がいいのかも?

う~ん…そういえば私、メイプルさんとは初期装備の時にしかあってないや。

なら初期装備の服に変えとこうかな」

 

そうして装備を変えたり、周りを見渡しながら、独り言を述べていく。

 

「あ、あそこの人、本条さんと白峯さんにそっくり…ていうか、本条さんにそっくりな方はメイプルさんか。

二人とも初期装備の状態だ。私も着替えおいてよかった。

とりあえず話しかけたらいっか。

頑張れ私、大丈夫、知り合いに話しかけるだけなんだから…

め、メイプルさ~ん!

(やっば!緊張しすぎて声震えちゃった!)

 

「あ!エテルノさ~ん!」

 

「え…」

 

 

「遅れちゃいましたか…?」

 

「ううん、大丈夫!私たちもついさっき揃ったところだから!」

 

「え…エテルノって、ことは_」

 

「あ、はい。

………えっと…とりあえず、なんてお呼びしたらいいですか?」

 

「あ、うん、私の名前は『サリー』でお願い。

名前をひっくり返してサリーにしてるの」

 

「はい、ではサリーさんとお呼びさせていただきます。

私はここではエテルノなので、お好きにお呼びください」

 

「わかった。じゃあエテルノって呼ぶね。

にしても…」ジー

 

「どうかしました、サリーさん?」

 

「いや全然姿違うなと思って…

顔のパーツとかはいじれなかったし」

 

「はい、髪色と瞳の色は身バレ防止で変更可能だったので、髪色だけは変えてますが、それ以外は特には」

 

「え、髪色だけ!?他はそのままなの?」

 

「はい、そのままですね」

 

「顔整ってるなって思ったことあったけど、まさかここまでとは…」

 

 

「身バレ…?」

 

「身バレ、つまりは自分の身辺がバレることです。

サリーさんが本名をアレンジして使っているのと同じ理由です」

 

「なるほど!

って、色変えれたんだ!私もすればよかった!」

 

「メイプルさん、見た目そのままですからね」

 

「メイプルはもうちょっと考えれば良かったね

さて、全員揃ったことだし、まずはちょっと場所を借りない?」

 

「そうですね、そして状況整理しましょう」

 

「私、いい場所知ってるよ!ここの近くに宿があるの!」

 

「いいね!エテルノもそれでいい?」

 

「はい!行きましょう!」

(誰かとゲームをやるってこんな感じなんだ…!

やっぱりこういうのも楽しいな)

 

 

 

そうして宿の一室を借りて状況を整理していくことにした。

 

「え!?エテルノさん、イベント2位なの!?」

 

「はい、お恥ずかしいですが…」

 

「へぇ~!すごいね!」

 

「メイプルさんも3位だったじゃないですか、十分すごいですよ!

それに表彰のインタビュー見てました。

とても愛らしかったですよ?」

 

「あれ見てたの!?うぅ…はずかしい…」

 

 

「じゃあ次は全員のステータスの発表でしょうか?」

 

「エテルノ、メイプルのステータス見て驚かないでね?」

 

「?は、はい」

 

「じゃあ、はい」

 

ピッ♪

 

 

「!?VITたっか!」

 

「メイプルはVITに極振ってるからね。

エテルノは……え」

 

 

「私の方も実はHPに極振りしてて…へへ」

 

「エテルノさんも極振りしてたんだ!」

 

「にしても、高すぎでしょ。HP3000超えって…」

 

「あはは…痛くてもいいので、HPで耐えきろうかなって思って」

 

「メイプルとは違う耐え方だね…」

 

「サリーは…へぇ~!ポイント、いろんなステータス振ってるんだね!」

 

「これが普通だから!」

 

「この振り方って、もしかして回避盾ですか?」

 

「そう!メイプルが耐えきる盾なら、私は回避盾かなって。

ただVITとMPとHPにもとりあえず今は振らないでおいたんだ」

 

「どうして?」

 

「全て回避してノーダメージならHPも防御力も特には必要ではないですからね。

魔法の方は今はどうするかわかりませんから、MPはとりあえず低めにした、というところでしょうか?」

 

「流石2位!わかってる!

それにSTR、攻撃力はある程度武器で補えるからね。

ただ素早さは欲しいから、AGIは高めに設定したんだ」

 

「全て回避するにはある程度の素早さは必要ですしね」

 

「いろいろ考えてるんだね…!」

 

「ふふふ…受けきってノーダメの人とは考える量が違うのだよ。

でも私も専用装備がほしいなぁ。

エテルノは持ってるの?」

 

「はい、一応。

【開演】!…これです」

 

「鍵盤…?」

 

「私は初期装備が楽器なので」

 

「そういえば、初期装備にハープがあったね。

あれを選んだんだ?」

 

「はい___」

 

 

 

そうして話を続け、本条さんこと、メイプルさんの作りたい盾の素材が南の地底湖にあることを知り、みんなで釣りをすることに決まりました。

ですが__

 

 

「ちょ、待って!速いよ~!」

 

「サリーさん、ちょっとゆっくり進んでください!

メイプルさんがついてこれてないです!」

 

「っと、ごめん!

これでも速かったか…

あ、じゃあ…

でもそうしたらエテルノが… 」

 

「私は別の手段があるのでメイプルさんを優先してください」

 

「そうなの?じゃあ__」

 

 

 

「はっや~い!流石AGI60!」

 

「モンスターが現れたらお願い!にしても__」

 

「回り続ける、歯車には成り下がらない

平均演じる、誕生から始まった地獄」

 

「別の方法ってこんな感じだったんだ…」

 

「遊び半分で、神が導いた、盤上の世界

no no no game no life

ぬるい平穏を、ばっさり切り捨てて

栄光への階段に、存在刻むんだ」

 

「すごいね、聞き入っちゃいそう」

 

「目に映るのは、完全勝利の運命

何もかも、計算どおり

変えてやる、染まらない空白で」

 

「それに演奏の影響なのかな?

モンスターが集まってきてる。

でも襲ってくるのは少ないや」

 

「それが多分楽器使いの特徴なんだろうね」

 

「We are maverick、救済なんていらない

どんな理不尽、襲おうとも

勝てばいいだけの話だろう

駆け引きと、才能が、無敗誘う

生まれ直した命で、楽しむさ

二人(じぶん)だけは、二人(じぶん)信じてる」




8/8訂正 誤字訂正

念のため言うと
メイプルのフルネームが本条 楓
サリーのフルネームは白峯 理沙
です。

【今回出てきたセリフの豆知識】
今回もこれといったセリフはないのでおやすみです。

【今回使用した楽曲】
「ノーゲーム・ノーライフ」より「This game」


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HP極振りの素材集め

楽曲のリクエストをしたいという要望があったので、活動報告にて募集しようと思います。
必要な条件は提示させておりますので、応募したい方は必ず読んでください。


エテルノが演奏しながら先頭に立って移動し、サリーの背に乗ったメイプルの【パラライズシャウト】や【悪食】、エテルノの【和音の障壁】や【調魔楽聖】によって、モンスターを討伐していく。

そして南の地底湖に無事到着し、エテルノは装備を専用装備に変更した。

みんなで用意した釣竿を使って素材の鱗が取れる魚を釣って、狩って、素材を集めるを繰り返していた。

 

そしてそれを続けること約2時間__

 

「よしっ、また釣れた!」

 

「私も釣れました!」

 

「ぐぬぬ…なんで私だけこんなに釣れないの…」

 

 

「釣りはDEXとAGIが高い方がやりやすいですが、メイプルさんはどちらも0ですからね」

 

エテルノ 【DEX】0(+25) 【AGI】0

※AGIの代用として【調魔】使用

 

「それに私は始めたばかりだから釣り上げた魚にとどめを刺すだけでレベルがあがるあがる~」

サリー 【DEX】25 【AGI】55(+5)

 

「今いくつなの?」

メイプル 【DEX】0 【AGI】0

 

「6」

「あ、また釣れた」

 

ピロリン♪ピロリン♪

<SKILL>

【釣り】を取得しました。

 

「初スキルが【釣り】かぁ…メイプルのこと変って言えないなぁ…」

 

「もしかしてサリーさんも【釣り】取得しました?」

 

「ていうことはエテルノも?」

 

「はい、これで効率があがります」

 

「もうステータスポイント貯まってるでしょ?振り分けないの?」

 

「それはもうちょっとスキルを取ってから。スキルで戦闘スタイルが決まってくるところあるし」

 

「さすが上級者ですね」

 

「まぁいろんなゲームやってきてるし」

 

「でも、エテルノさんもすごいね!なんでそんなに釣り上手いの?」

 

「一度だけ家族旅行に行った時に実際にしたことがありましたし、感覚が私の好きな作品のキャラの言ってたセリフの感覚に似てるんですよね」

 

「セリフ?」

 

「えぇ、まぁ彼は釣り人じゃなくて、泥棒紳士なんですが。

『泥棒とは、入念な準備と機を待つ忍耐』__」

クイクイ…ポチャ

「『そして時には大胆に。そうでなくては泥棒は務まらない』ってね。よし釣れた」

 

「へぇ~!ってまた2人だけ釣れてる!」

 

「まぁ地道に頑張るしかないって!

よっ!お、これは大物ですよ~!」

 

「ぐぬぬぬぬ…」

 

「メイプルさん、よそ見してる間にほら」

 

「あ!来てる!釣らないとっ!!」

 

 

・・・

 

 

「結構やってみたけど、合計40枚か…」

 

「メイプル、どうする?これで足りる?」

 

「う~ん…もう1時間だけいい?」

 

「いいよ。エテルノも大丈夫?」

 

「はい、今日は大丈夫です」

 

「あ、そういえば試してみたいことがあるから、素潜りで狩ってきていい?私、リアルでも泳ぎ得意だし」

 

「そういうのも関係するの?」

 

「結構関係しますよ、反射神経とかは得に。

VRMMOなら泳ぎだったり、木登りだったり、結構様々なものも関係しますね。

こういうのをPS*1って言います。」

 

「へぇ~!」

 

「なお、それを行うにはPSの他にも、やはり最低限のステータスは関係してきますね。

泳ぐ際にはAGIが必須です。

つまり私やメイプルさんじゃできないですね。」

 

「エテルノさんはリアルで泳げるけど、AGI0だもんね」

 

「AGIの代用として【調魔】を使用しようとしても、楽器は一部のものしかできないでしょう。

他だと水の中で声を発するのも難しそうですし、最悪溺れますね。

そう考えると少し残念です。」

 

「そうなんだ…」

 

「じゃあ行ってくる!」

 

「頑張ってね~!」

 

ドボン

 

 

「じゃあ私たちも続きをしましょうか」

 

「うん、そうだね!」

 

 

「Let's get it on うつむいてない?

まあ たまには こんなのもあり

Let's get it on 幸せの鍵

見失わぬよう 目の前の愛」

 

「そういえば、エテルノさんが演奏上手いのもそのPSってもののおかげなの?」

 

「う~ん…多分そうですね。

音楽は昔から大好きでしたからいろんなもの聞いたり歌ったりしてたので。

楽器もいくつか弾いたことありました。

基本は音楽室や楽器店にあるものを弾かせてもらったりとか。

楽譜とかも意外に見てると面白いんですよ?」

 

「そうだったんだ」

 

「まぁ、楽器店だといろんな方に見られるので、あまりじっくりとはできませんが」

 

「なるほど。良かったら学校でもいろんな曲聞かせて?」

 

「いいですよ?良かったらメイプルさんの好きな曲、演奏します」

 

「ほんと!やった!私エテルノさんの演奏好きなんだ!」

 

「そう言っていただけて何よりです」

*1
ゲームをプレイする際の上手さを表す用語。player skillの略称。




【今回出てきたセリフの豆知識】
『泥棒とは、入念な準備と機を待つ忍耐。そして時には大胆に。そうでなくては泥棒は務まらない』は「Code:Realize 〜創世の姫君〜」より「アルセーヌ・ルパン」のセリフです。
この作品は結構好きな乙女ゲームで、「アルセーヌ・ルパン」の攻略は他の攻略対象4人をクリアしないとできない仕組みになっていました。なので、他の攻略対象もしっかりやりましたがどのルートも結構楽しめました。
ちなみにアニメ化もされているので興味がある方はぜひ。
ですが、少しグロいシーンもあるので苦手な方ご注意ください。


【今回使用した楽曲】
「ヒプノシスマイク」より「パピヨン」


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HP極振りと協力後

リクエストなのですが私勘違いをしておりまして、感想欄のように返信ができるものだと思っており、なかなか返信ができずにいました。
4月19日の0時より、コメントでの確認メッセージを開始しました。
本当に申し訳ありません。


「大丈夫かな?10分くらい潜ってるけど…」

 

「大丈夫だと信じましょう?

それにサリーさんは他のゲームもしたことがあるのでしょう?

なら変にタイミングを見誤ることもないでしょう」

 

ブクブク

 

「噂をすれば__」

 

 

「プハッ!」

 

「おかえり!どうだった?」

 

「大量大量!」

 

「どんな感じですか?」

 

「ちょっと待ってね~、今出すから」

 

カラカラカラカラ

 

「ほんとに大量だ…これ何枚ですかね?」

 

「多分80枚くらいじゃないかな?」

 

「すごい…!これ全部もらっていいの?」

 

「私はいらないし、そのうち私の手伝いをしてくれるのと引き換えで」

 

「わかった!いつでも言ってね!

あ、エテルノさんもお礼何かさせてね?」

 

「あ、はい。

でも私は今のところ、これといった要望はないのでそのお礼はいずれでいいです」

 

 

「そういえば2人とも」

 

「「ん?」」

 

「実は地底湖の底に小さな横穴があった」

 

「それって…!」

 

「きっとボスへの道ですね」

 

「う~ん…私はいけないかな…」

 

「私も今の装備だと多分無理ですね…」

 

「やっぱり私一人でやるしかないか…」

 

「今すぐ?」

 

「じゃなくて、ある程度レベルと泳ぎのスキルを上げてから。

だから__」

 

「わかった。だったら毎日ここに来よう!

借りは即返すって!」

 

「そう言ってくれると思ってた!さっすがメイプル!」ギュ

 

「えへへ!それほどでも!」

 

「………」

(わぁ…仲いいな…いや、これは百合*1展開…?)

 

「あ、でもエテルノさんはどうしますか?」

 

「私ですか?う~ん…」

(ついこの間のメッセージの時に他に2層の実装の情報があったんだよね…

攻略するために装備もスキルも他のものも考えないといけないし、それに多分__)

 

・・・

 

「それでね~!!」

「えー!」

 

・・・

 

(この2人は今は2人でいる方が楽しめそう。

というか個人的に場違い感が半端ない…!)

「私はちょっと他にしたいことがあるので、明日からは別行動でもいいですか?」

 

「そっか…」

 

「まぁしたいことがあるなら仕方ないね」

 

「ありがとうございます」

 

「じゃあお互い頑張ろう!」

 

「そうですね。

あ、もうそろそろ時間も遅いので落ちますね」

 

「もうそんな時間か」

 

「じゃあまた明日」

 

「うん、またね」

 

 

ティカフォン♪

 

 

そういって、ログアウトの画面で『OK』を押すと手を振る2人の姿が白い光に包まれて消えていった。

 

 

カポッ

「ふぃ~!意外にクラスメイトとやるのって、楽しかった!

 

でも…!気まずいよっ!ホントに気まずいよ!

私、あの2人の邪魔になってなかったよね!?

まず仲いいところに挟まれたのってアウェイな状態だよ!

断ればよかったのだろうか…!

でも断ったら本条さん優しいから悲しみそうだし!

どうやればよかったのか!?

 

でもやっぱり楽しかった!

それになかなか良さそうな楽曲も思いついたし。

 

さてと、2層のことも考えないと。

あ、そうだ。運営にもメッセージを送らないと」

 

 

そういうとパソコンを開いて、メッセージを打ち込み始める。

 

「えっと…『この間お話をいただいた楽曲提供の件をお受けしたいです__』」

 

 

 

 

~とある場所~

 

「エテルノから返信が来ました!」

 

「お、なんて来たんだ?」

 

「ぜひお受けしたいだそうです!」

 

「やったぜ!」

 

「話し合いをしなきゃな」

 

「誰か会話したい人います!」

 

「「「…」」」シュ

 

「全員が挙手するか…」

 

「まず俺が見つけたんですよ!」

 

「でも、彼女の作った曲を指摘したのは私です!」

 

「じゃあ私は__」

 

「ええい!ならばもうじゃんけんだ」

 

「よし、それなら公平だな」

 

「じゃあ始めますよ」

 

「「「最初はグー!じゃんけん__ぽん!」」」

 

「「「あいこでしょ!」」」

 

「「「あいこでしょ!!」」」

 

「「「あいこでしょ!!!!」」」

 

 

「よっしゃー!勝ったー!!!」

 

「くっ…あの時にパーを出さなければ…!」

 

「ピースの勝利です!

じゃあ、話し合いの場を設けますね~!」

 

「あぁ…」

 

「私も話したかったな…」

*1
ここでは女性同士の恋愛感情や強い親交関係のことを指します。




【今回出てきたセリフの豆知識】
特にはないので、おやすみです。


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HP極振りと運営

ついにプリキュアやワンピースにも放送延期が決定してしまった。
コロナの終わりが見えなくって辛い。


運営に返信を送るとすぐ返信が来た。

そのメッセージには話し合いの日時とマップが表示され、マップには始まりの街から少し離れた位置にマークが記されていた。

どうやら話をするための場所をゲーム内にあちらが用意をしてくれるらしい。

リアルで会う必要がないのはこちらとしてもありがたく、日時も問題なかったので了承の連絡を送って、楽曲を作りながら当日が来るのを待った。

 

そうして迎えた当日。

マップに記された場所に行ってみると普通の一軒家があった。

 

「えっと…ここであってるよね?とりあえずノックしてみるか」

 

 

コンコン

 

シーン

 

 

「反応なし…?日時もちょっと早いけど合ってるはず…一応もう1回」

 

 

コンコン

 

 

「コンコン金剛力士像…なっちゃって」

 

「プッ!」

 

「!?」

 

 

ガチャ

 

 

「お待ちしていました。エテルノさんですね」

 

そういって現れたのは兎のような姿をしていびつな顔をしているキャラクターだった。

 

 

「あ、はい!そうです!えと、運営様でしょうか?お待たせしてしまい申し訳ありません」

 

「いえいえ、依頼したのはこちらですからお気になさらず。ではこちらの中へどうぞ」

 

「お、お邪魔します」

 

 

 

「まず、今回の依頼をお受けしていただいて誠にありがとうございます」

 

「いえいえこちらこそありがとうございます。

ゲーム、楽しませていただいています」

 

「そういっていただいて何よりです。

では、本題に移らせていただきたいのですが大丈夫でしょうか?」

 

「あ、はい!大丈夫です!」

 

「第一回イベントにてあまりの演奏に衝撃を受けました。

そこで初の試みとなるのですが、運営一同よりプレイヤーの方に楽曲提供していただきたいと思いました。

ここまではご理解いただけてますでしょうか?

また質問はございますか?」

 

「はい、大丈夫です。

質問も特にはないです。

ではまずこちら仮の楽曲データになります」

 

「え、もうできてるんですか!?」

 

「はい、ですが一応仮なので気になる点がございましたらおっしゃってください」

 

「ありがとうございます。聞かせていただいてよろしいでしょうか?」

 

「はい、どうぞ」

 

 

~♪~♪

 

 

「とてもいい楽曲ですね…!」

 

「ありがとうございます」

 

「昔から作曲を…?」

 

「いえ、結構最近なんです。

アニメやゲームのキャラクターに作曲ができるキャラクターがいて、どんな気持ちだったのかなって思って作り出したのが最初でして…」

 

そう、私の大体のこと基本的な始まりはこれである。

好きなキャラクターの気持ちを知りたくなって同じことを始めるの基本なのだ。

VRMMOに興味を持ったのも、好きになったキャラクターがゲームをするタイプだったので、どのようなものか気になったのだ。

 

 

「そうなんですね…でもこれは素晴らしい才能ですよ!」

 

「ありがとうございます。

では質問なのですが、こちらとこちらではどちらの方が良いでしょうか?」

 

「そうですね、僕はこっちの方が好きですね」

 

「ふむ、なるほど…

ありがとうございます。

このような場が用意していただけて本当に嬉しいです。

あの…提案なのですが」

 

「なんでしょうか?」

 

「他のプレイヤーの方にも同じような場を設けてもらえませんか?

私だけに設けてもらうのはちょっと申し訳ないですし。

それにいろんな方が作った楽曲、私聞きたいんです。

例えば演奏専用の場所を設けたりとか。

そうすればいろんな方も演奏が楽しめると思うんです」

 

「なるほど…それは面白い意見ですね。

では、この意見を今度提案させていただいても?」

 

「大丈夫です!」

 

「ありがとうございます」

 

 

そうして提供した楽曲が新たな大ヒットを生むことを彼女はまだ知らない。




【今回出てきたセリフの豆知識】
『コンコン金剛力士像』は「プリパラ」より「黄木あじみ」のセリフです。
彼女はとても変わった言葉を使い、何かしらの語尾が最後にはいっえいます。そんな彼女の描く絵は独創的ですが、その実力は素晴らしいもので、高校生と言っても成り立つような見た目でありながら、美術教師をしています。
(なお、自由人すぎて普通の授業じゃない)
また、友達を思う気持ちは人一倍あります。ただその思いは重すぎて、とあるキャラに恐怖症すら植え付けました。


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HP極振りとメンテナンス

自粛してる影響で、運動量が減ってる気がする。
運動するゲーム買おうかな…


話し合いの数日後、私は__

 

「兄者、いろいろやばいんだけど…!」

 

「混乱で呼び方変わってんぞ?」

 

またお兄ちゃんにつっかかっていた。

 

 

「だって~!スキル調整が来るのは予想してたよ」

 

「【和音の障壁】や【悪食】の回数制限は、多分第2のお前とメイプル対策だろうな」

 

「便利だったから結構使ってたし、10回までっていうならまだできるよ?

スキル調整とかは仕方ないよ?そこはね?」

 

「そこは問題ないんだな…」

 

「最悪、【調魔楽聖】でなんとかなるもん」

 

「このハイスペックめ」

 

「って、問題そこじゃないの。

なんで提供した楽曲が結構大々的に発表されてるの!?」

 

「そこは俺に言われてもな…

ていっても、楽曲提供の一例として出ただけだろ?」

 

「いや、結構小さめで載ってもすみっこくらいだと思ってたんだけど…もしくは掲載はないとも思ってた」

 

「それはないな」

 

「なんで断言できるの!

それに!こんな有名になるとは思ってなかったんだが?

ていうか、楽曲提供もやらなければ良かったのか…?

どうにか消せないかな…」

 

「それは無理だな。

お前が作った『戦乱ストラグル』って曲、もう大量に『歌ってみた』*1とか出てるぞ?」

 

「え、それマジ?なんてこった…」

 

 

「それにお前が提案したんだろ?

音楽提供や演奏ができる場所について」

 

「うん、『音楽堂』って形になって、まさか採用されるとは思ってなかったけどね」

 

「第1層にあるから、新人でも楽しめるのがいいな」

 

「位置が私が運営と話し合った場所だからわかるけど、結構始まりの街に近いよ。

まぁ戦場で楽器が使えるのは、初期装備に楽器を選んだ人だけのままなんだけどね」

 

「普通はそれくらいで十分なんだよ」

 

「そうなもんかねぇ…若いもんのことはあたしゃわからんよ」

 

「なんでいきなりおばあちゃん化してるんだよ」

 

 

「後は第2層実装。

俺はすぐダンジョン攻略やるつもりだが、お前はどうするんだ?」

 

「う~ん、私もすぐかな。

新武器の試しもしたいし」

 

「新武器?もしかして楽器か?」

 

「そう!

初期装備が楽器で、楽曲提供をした人には1回限定で希望した楽器の専用武器がもらえるんだって。

で、とりあえずギター希望してみた」

 

「なるほどな。

でもなんでギターなんだ?

他にいろんな楽器があっただろ?」

 

「だって動きやすそうだし~、最悪近づかれたらネック持って殴れそうだし~、何よりかっこいい!」

 

「なるほど。あんまり考えてないことがわかった」

 

「失礼な!ギターでないと合わない楽曲もあるんだぞ?

あれ、結構完成度かかわってくるんだぞ!」

 

「そうかよ」

(んなこと、知ってるよ)

「じゃあダンジョン、攻略一緒にやるか?」

 

「お、やろやろ!」

 

「一方的な戦いになりそうだがな」

 

 

「え~っと…最後は第2回イベントだね」

 

「頻度が上がるとは言ってたが、結構早かったな」

 

「しかも今回はパーティーありなんだよね」

 

「そうだな。

俺はそっちは友人と組む予定だが、まずパーティー組めるのか?」

 

「パーティー組んだことはあるにはあるよ?」

 

「誰とだ?」

 

「メイプルさんと~」

 

「へぇ…メイプル…メイプル!?

どこで接点があったんだよ…」

 

「え~っと、初日に遭遇して、さらにリアルで知り合った」

 

「どうなってんだよ…」

 

「パーティーはイベントまでにはなんとかなるでしょ、多分」

 

「そうかよ…」

 

「うん!なんとかなる!なんとかしてみせる!」

 

 

「じゃあとりあえず第2層のダンジョン行くか」

 

「レッツゴ―!」

*1
自らの歌声を動画に収めて、動画投稿サイトなどで投稿したもの。




4/25 楽器発表の点について訂正
4/27 誤字訂正

ちなみに『戦乱ストラグル』は存在しない楽曲です。
私がオリジナルで考えた楽曲のため、どのような楽曲かは読者の想像におまかせします。

次回新たな楽器、ギター登場


【今回出てきたセリフの豆知識】
『兄者』という呼び方は「あんさんぶるスターズ」の「朔間凛月」や「刀剣乱舞」の「膝丸」の呼び方から失礼いたしました。
呼び方は一緒なのですが、兄への対応の差は激しいですね。
まぁどっちもそれぞれいいところがあるので、調べてみてはどうでしょう。


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HP極振りの2層攻略

出てきた台詞の豆知識を紹介してますが、私のは一例であって最初ではないこともあります。ご注意ください。
そして前回登場した音楽堂のイメージはちょっと大きめなホールです。
ステージの他に、いくつかの練習スタジオなども用意され、使用人数は1人から何人でもOK。
練習スタジオの広さは1度に一緒に演奏プレイヤーの人数によって自動で広さが変わる特殊設定になっています。
ステージは自由にデザインできますが、ある程度の広さは固定となっています。


「で、2層に続くダンジョンを攻略にしに来てみたが…

……なんでいるんだ、イズ」

 

「私が誘ってみました~!」

 

「ふふふ、誘われちゃいました~」

 

 

「お前ら結構似てるんじゃないか…?」

 

「そうかもしれないわね〜」

 

「ね〜」

 

 

「でも正直助かったわ。

私、そこまで生産職だからしっかりした戦闘には向いてないから」

 

「確かに、生産職ができないことも結構あるからな」

 

「こういう時の助け合いは大事!」

 

「でも、ある程度のサポートはできるから任せてね」

 

「お願いします!」

 

 

 

「それで、その持ってるギターが新武器か?」

 

「うん!」

 

 

【弾奏のギター】

〔STR +25〕〔HP +100〕〔破壊不可〕

スキルスロット空欄

 

 

「ハンマーのような攻撃方法もできるよ!」ブンブン

 

「わかったがお前はAGI低いんだから、むやみやたらに振り回すなよ?」

 

「わかってる!それに【和音の障壁】は【銀鱗の鍵盤】に積んでるから使えないもん!

あと、今日は協力プレイだから【旋律のヘッドホン】の【独奏夜想曲】は使えないし」

 

「仲間の声も聞こえなくなるのが難点だからな」

 

 

「本当に兄妹みたいね。これで従兄妹なのがちょっと驚きだわ」

 

「そうですかね」

 

「まぁ確かに言われたこともあったな」

 

 

 

「さてさて全員準備できたし、早速行ってみよ~!」

 

「今日はずっと新武器なのか?」

 

「ううん、一応どっちも使いたい。

【和音の障壁】が1日10回限定になっちゃったから無駄遣いはしないようにして、多分来るであろうボス戦のために残すつもりなだけ~。

それに攻撃来たら【調魔楽聖】で反撃してやる!」

 

「ふふふ、頼もしいわね」

 

 

 

「じゃあ演奏始めるよ!」

 

「あぁ、頼むぞ」

 

 

 

「生きる居場所も選べぬなら

せめて君と愛を(ワラ)

枯れる記憶(イダ)き琥珀を(アバ)

永遠(トワ)時扉(ドア)(ソラ)(ムス)びShowUP!!」

 

 

ドタドタドタドタドタ

 

「どうやら早速お出ましのようだな…!」

 

「ブヒィィィイイイイ」

 

(今回のはイノシシに似てる。演奏でも特に止まってくれる様子はないね)

 

 

「親も国も時代も選べるとして

本当に今を()て世界を(ワタ)るだろうか

決められた運命のレールを壊しても

生きれないよ君を失っては」

 

 

(【調魔楽聖】…!)

 

「はぁああ!!」

 

「えいっ!」

 

エテルノが演奏を行い攻撃のタイミングを一定にしながら攻撃、クロムが味方を【カバー】などを使って守り、イズがサポートを行うという構図が即座に組まれ、攻略はスムーズにすすんで行く。

 

 

「誰が世界を狂わせた?

誰がエゴを望んだ?

We Cry, We Pray to God for Miracle!!

ボクらは」

 

 

ボァアン!!

 

「イノシシの次はクマか…!」

 

(あの熊、現実でいたら種類はヒグマかな…)

 

 

「《地球(キセキ)》という名の悲劇に(ワラ)う愛の花

(イガ)み合って(コバ)み合ったって

No Doubt!! 《同じ人間(ヒトツ)》だろ?」

 

 

「ガァアアアアア」

 

(さっきよりおっきいし、多分この感じなら…!)

 

熊型モンスターがこちらに一気に攻め込むのを予測し、【詠唱結晶】を一点に集め__

 

 

(クラ)い世界に泣くより

(アマ)い君と居たいから

闇を(ハラ)い 神を(ワラ)い」

 

 

(__【調魔楽聖】!)

 

熊型モンスターが攻撃を行うタイミングに合わせて一気に解き放った。

 

 

()き誇れ Laska(ラスカ)

藍の華」

 

 

(『演奏は静かに聞くものよ…!』ってね!)

 

「ガァアアアアア!!!!!」

 

熊型モンスターがプレイヤーに与えるはずだった攻撃は【調魔楽聖】によって倍になって跳ね返され、全弾が命中。

それに耐えきれるはずもなく、熊型モンスターはいくつもの光になって消えていった。

 

 

「さすが2位だな…」

 

「もしかしたら私達、必要なかったかもしれないわね」

 

「えっへん!」ドヤッ

 

 

 

 

「にしても演奏しながらよく攻撃ができるな…」

 

「それに演奏も上手だから驚きだわ」

 

「?これ以上褒められても何も出ないよ?」




6/13 誤字訂正

【今回出てきたセリフの豆知識】
『演奏は静かに聞くものよ…!』は「#コンパス」より「ヴィオレッタ・ノワール」のセリフです。
「ヴィオレッタ・ノワール」も音楽家で、このセリフは遠距離攻撃時に出てくるので演奏と遠距離攻撃という共通点があったので使用しました。
ちなみに彼女が演奏をしている間、一定範囲内の敵のスキルを封じるということができるアクションがあり、個人的に厄介に感じてます。

【今回使用した楽曲】
HIMEHINA「藍の華」


関係ないですが、HIMEHINAの1stアルバム発売、1人のジョジ民としてお祝いさせていただきます。(なお、発売から結構経ってる)
これからもHIMEHINAの2人にさちあらんことを。


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HP極振りと樹皇

前回#コンパスの言葉を使ったら、意外に知っていらっしゃる方が多くてびっくりした。


そうして進んでいくと、開けたところにたどり着いた。

 

「お?もしやボス部屋に到着?」

 

「みたいだな」

 

「あ、なら入る前に武器変更しとかなきゃ」ピッ

 

武器を【弾奏のギター】から【銀鱗の鍵盤】に変更したり、各自装備の確認をしてからボス部屋に入った。

 

 

目の前には大きな樹木に球体。

球体からはひびが入っており、隙間から滝のように水が流れ落ちている。

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴ

 

すると入り口付近の大きな岩が動き、入り口を塞いでいく。

 

「戻ることは許されないみたいね」

 

しばらくすると流れ落ちる水の量は減っていき、途絶えた。

すると樹木や蔓などが集まっていき、形を作り上げていく。

そうして鹿のような見た目をした『樹皇』というボスモンスターとなった。

 

「これがボスモンスターか…」

 

(なんか某モンスター作品にこんな感じの伝説のいたよね…)

 

「さぁ、来るわよ!」

 

 

「ガァアアアアアアアアア」

 

~♪~♪

 

演奏を始める直前に『樹皇』は蔦を使って攻撃を始めた。

 

(【調魔楽聖】…!)

 

相手の攻撃を【詠唱水晶】で受け止め反射する。

しかし、その攻撃は謎の魔法陣によって防がれる。

 

「流石に一筋縄ではうまくいかないよね」

 

「あぁ、だが多分ギミック*1もあるはずだ」

 

「私とお兄ちゃんで一時的に攻撃を引き付けます。

その間にイズは観察をお願いします。

私もできる限り観察もしますので」

 

「「わかった/わ」」

 

 

各自がフォーメーションに着くと、蔦がまず私の方へ向かってくる。

 

~♪~♪

 

「【和音の障壁】!」

 

するといくつもの蔓は壁に吸い込まれていく。

 

「【挑発】!」

 

~♪~♪

 

「「眠れないんだ」

風もなく茹だりそうな夜に

君の声が耳元で揺らいだ

感傷に浸ってばっか

何も変わらない 笑えない日々を

抜け出そうぜ 君を連れ飛び出した」

 

 

「はぁ!」

 

ボォオオオン

 

『樹皇』が私の方に注目している隙を狙って、イズさんが爆弾を投げる。

すると角についていたりんごが爆風によって落ちた。

それと同時に魔法陣が一時的に消えた。

 

「りんごを狙って!あれが解除ギミックよ!」

 

 

「そんなんで生きていけんのか

もう戻れないぜ?

なんて揺らぎそうな想いは

アクセルへ このまま地平線を

追い越してやるんだ」

 

(【調魔楽聖】…!)

 

言われてすぐ【詠唱水晶】を使ってりんごを落とす。

 

 

 

「今が攻め時だな…!」

 

「よい…しょっと!!」

 

障壁が消えた隙を狙ってイズさんがハンマーに武器を変え攻撃、引き付けをしていたお兄ちゃんも攻撃を開始する。

 

「最前線飛ばせ僕たちは

星もない夜 ただ東を目指して行く」

 

【挑発】によって私に向かってくる攻撃を利用しながら攻撃を繰り出していく。

 

「13秒先もわかんなくたって

精一杯僕を生きていく

何も後悔なんてないさ 前を向け」

 

(あと少しでいけるか…!)

 

「止まらないさ きっと光の待つ方へ」

 

(これでどうだ…!)

 

 

するといきなり『樹皇』が光に包まれ__

 

「え…ちょっと回復するとか何それ聞いてないのだがっ!!」

 

そして違う光が『樹皇』を包み、機関銃のように連続で攻撃を放ってきた。

 

 

 

~♪~♪

 

「【和音の障壁】!」

 

【和音の障壁】で球を防いでいくが、光に目がくらみ、1歩下がる。

するとその足元から蔓が伸び、足場が崩れる。

 

「マジですかい…!」

 

 

空中に打ち上げられるが、なんとか体制を整えて__

 

「よっ!はっ!にゃっ!おりゃっ!」

 

迫ってくる蔓を足場にして、なんとか降り立った。

 

 

するとイズさんとお兄ちゃんが駆け寄ってきた。

 

「エテルノ!大丈夫か!」

 

「どこかケガはない?」

 

「うむ!モーマンタイ*2!」

 

「良かったわ…」

 

 

 

 

「さて、あのボスをどうするか…」

 

「また回復がくると厄介ね…」

 

 

「…1つ提案があります」

 

「なにか打開策があるのか?」

 

「うむ!まぁちょっと、使いたくなかったけど…

 

「???

まぁ、あるなら頼む」

 

「はいは~い。

ちょっとこの間、たまたま取得したものがあってね。

残り2人は離れてそのまま見ててくださ~い」

 

 

~♪~♪

 

「【魅惑の旋律】」

 

蔓が向かってくるが【和音の障壁】で吸い込み、『樹皇』の速度を下げた。

 

 

「旋律よ焼き尽くせ!【フラムミロ―ディア】!」

 

すると辺り一面を炎でできた五線譜が包みこむ。

 

そして包み込んだ中にいた五線譜は1つの渦となって『樹皇』を包んだ。

 

「ガァアアアアア…!!!」

 

そうして包まれた『樹皇』はいくつもの光となって消えていった。

 

 

 

「……は?」

 

「なにあれ…?」

*1
仕掛けのこと。ここでは解除のための仕掛けを指す。

*2
広東語で「大丈夫」「無問題」を表す言葉。




6/9 誤字訂正

つい最近になってエテルノが【挑発】取得者だったことに気づきました。
自分ながらにあほすぎる。
ちなみにあのメンツで倒し方が思いつかず、最終手段に走りました。
読者の皆様すっごい適当でごめんなさい。



【今回使用した楽曲】
リクエスト楽曲
Orangestar「DAYBREAK FRONTLINE」


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HP極振りと第2層

主人公のイメージ画像を描こうとして数分後、自分の画力のなさと飽きてスマホアプリで遊びまくってる自分に呆れました。


「なんとか成功した~!やった~!」

 

「なんだよ、あのスキル…」

 

「えっとね~、これなんだ!」ピッ

 

 

<SKILL>

【エレメンタルハーモニー】

最低1曲を演奏を終えない限り使用不能。

演奏時間と楽器の種類によって威力と能力が変動する。

1曲中にミスした回数×10の自傷ダメージが入る。

使用回数はゲーム内時間で1日5回。

 

 

「結構大変だった…

自傷ダメージもあるから、できるだけ使いたくないんだよね」

 

「なるほどな。

今回発動していた能力はどんな内容なんだ?」

 

「えっと、今回発動したのが_」

 

 

【フラムミロ―ディア】

使用楽器が鍵盤楽器だった際に発動する。

指定範囲内の敵を炎でできた五線譜で包み、一定時間内に範囲外に出なければ炎が敵を燃やしつくす。

演奏時間10秒で半径1m使用可能。

 

 

「お兄ちゃん達と戦ってた時に歌ってた『DAYBREAK FRONTLINE』は前奏と1番だけに短縮してあって約1分半だから、残り30秒演奏すれば半径12mは範囲があるから【魅惑の旋律】を使えば、ギリできるかなって感じだったんだよね。

弾き語りって歌か演奏のどっちかに偏っちゃうこともあるからミスしてた影響で結構自傷ダメージも入っちゃったけど」

 

「でも、そんな風には感じなかったわよ?」

 

「ミスをカバーするために少々アレンジとかもしてたからね」

 

「お前、どこから才能来てるんだよ」

 

 

 

そうしてボスを倒した時に現れたワープゲートを通る。

光に包まれて到達したのは、1層の始まりの街とは違い、樹木は少なく石で作られた建物が並ぶ街だった。

 

「おぉ~!1層の時と風景が全然違う!」

 

「1層は樹木や水が目立ってたが、2層は石や岩でできた建物が多いな」

 

「2層の方でもお店を開こうかしら?」

 

「はいはい!イズさん、お店ができたら依頼してもいいですか?」

 

「あら、いつでもいいわよ」

 

「やった!」

 

 

 

「じゃあ、私街いろんなところ見てくる!

またね、お兄ちゃん!イズさん!」

 

「そうか、じゃあまた次は第2回イベントでな」

 

「うん!また頑張っちゃうんだからね!」

 

「頑張ってね、お店が完成したら知らせるわね」

 

「ありがとうございます!」

 

「ちゃんと仲間見つけろよ?」

 

「わかってるわかってる!」

 

 

「本当にわかってるのか…?」

 

 

 

 

「すっごいな~!1層もすごかったけど、2層もよくできてる!なんだか上から目線な言い方になったけど、ホントにすごい!」

 

そういって目をキラキラさせながら、街をきょろきょろ見回す。

 

「どこもホントにすっごいな~!

ふんふ~ん♪」

 

周りを見渡しながら、鼻歌まじりに散策をする。

色んなものに興味を持ち移動する、そのきまぐれな姿は猫のようだった。

 

 

そうして歩いていくと__

 

「コホコホ」

 

「ん?」

 

どこから咳をしている声が聞こえた。

その方向には1つの家があった。

 

「病人さんでもいるのかな…?ちょっと行ってみよ~!」




2層のNPCのクエストといえば…アニメを全部見た方ならわかりますね?

【今回出てきたセリフの豆知識】
特にはないのでおやすみです。


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HP極振りと初クエスト

漫画版だと今回のところまでたどり着いてないので、ちょっと試しに原作を読んでみたんですが結構クエストの内容が違うんですね。
多分原作だったらステータスの条件未達成なんだと思うんですけど、今回はご了承ください。


「えっと…」

 

 

「ケホケホ」

 

「大丈夫?」

 

その部屋にいたのはベッドで座る少女とその少女を介護する母親だと思われる女性だった。

 

「ごめんね、何もしてあげられなくて…」

 

「この感じNPC*1…?」

 

 

「あの…!」

 

「は、はい!」

 

「あなたは騎士様ですか?」

 

「き、騎士…?」

 

「騎士様…!」ガシッ

 

「い、いえ!私はただのプレイヤーで…!

ってNPCだからそんなの言っても意味ないのか

 

「お願いします!娘を助けてください!」

 

「えと、助ける…?」

 

「何もお返しできませんが、お願いします!どうか!」

 

 

ピロリン♪

 

クエスト〔博愛の騎士〕

 

 

「あ、これクエスト発生か。

まぁ、やってみるとしますか!」

 

そういってクエスト表示の下にあるOKのボタンをタッチした。

 

「ありがとうございます!

娘の薬が必要なのですが、私一人ではたどり着けそうになくて…

私が案内するので、連れて行ってください!」

 

達成条件はお母さんを死なせずに目的地にたどり着くこと、か…指示された場所に一人で行くわけではないのね

わかりました。案内をお願いします」

 

 

・・・

 

 

「えっと…まず目的地を簡単に教えていただいて大丈夫ですか…?」

 

「街を出て北西に『退魔の泉』があります。

そこに連れて行ってもらえば」

 

「なるほど…『退魔の泉』か」ピッ

(マップを見る限り、ここに着くには森を通り抜けなきゃダメなのか。

てことは絶対いるんだろうな、モンスター)

 

そうして装備を【銀鱗の鍵盤】から【弾奏のギター】に切り替え、森に入っていく。

 

 

「この森には恐ろしい怪物がたくさんいるのです。

騎士様も十分にお気を付けてください」

 

「了解です」

 

「ガァアアアアア」

 

「早速来たね」

 

そうして現れたのはゾンビや骸骨のようなモンスターだった。

 

「結構厄介だろうけど、頑張ってみますか!」

 

そう言って【旋律のヘッドホン】を付け、【独奏夜想曲】を発動させた。

 

 

~♪~♪

 

「首吊る前に アンプを繋いで

ストラト背負って クラプトン弾いて

テレキャス持った 学生をシバいて

さあ トリップしよう 愛すべき世界へ」

 

(クエストで守るってだけだから協力ではないからそこまで会話を気にする必要もないし、この方が逆に守りやすい)

 

【独奏夜想曲】で一定範囲内の敵味方両方の位置も全て把握しつつ、演奏しながら【詠唱水晶】を操作する。

 

「はーなんて時代に 生まれたもんだ

ドラえもんは居ないし ポッケは無いし

バカは死なんと治りゃしないし」

 

「グゥウウウアア」

 

そうしていると母親に攻撃しようとするモンスターも現れる。

 

「もう どうにでもなれ」ドカン!

 

しかし、それを逃すわけもなくギターのネックを持ってハンマーのように振り下ろし相手を叩き潰す。

 

 

「天国が呼んでいる

千鳥足でざわつくパーティーピーポーはファックオフ」

 

そうして順調に母親を守りながら、『退魔の泉』に近づいていく。

しかし不満がないわけではない。

 

「ガァウアアアアア」

 

「どうして渋っている 早く音量を上げてくれ」

 

(モンスター多すぎやしませんかね!!)

 

「エビバリ

現実逃避に縋れ 縋れ

負け犬になって吠えろ 吠えろ

理想像なんて捨てろ 捨てろ

それが 脱法ロックの礼法なんですわ」

 

(あ!あそこだ!『退魔の泉』見えた!)

 

「最底辺に沈め 沈め

社会不適合者に堕ちろ 堕ちろ

自殺点ばっか決めろ 決めろ

それが 脱法ロックの礼法なんですわ」

 

モンスターのあまりの多さに段々やけくそになりながらも倒して道を進んでいく。

 

「年中イキっていこう〜」

 

そして__

 

 

 

・・・

 

 

「何とか着いた!

さぁ!着きましたよ!」

 

【独奏夜想曲】を解除し、母親に到着したことを告げる。

そうすると母親は泉に向かい、容器に泉の水を入れていく。

 

 

ピロリン♪

 

 

「ありがとうございます!これで娘も助かります!」

 

「良かったです。

じゃあ、帰りますか」

 

そう言って、多くのモンスターを倒しながら同じ道を戻り始めた。

*1
ゲームにおいてプレイヤーの管理下にないキャラクターのこと。non player characterの略。




6/9 誤字訂正

【今回出てきたセリフの豆知識】
今回もおやすみです。

【今回使用した楽曲】
Neru(押入れP)「脱法ロック」


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HP極振りと初クエスト2

対処法によってセリフがちょっと変わるんじゃないかと思ってお母さんのセリフちょっと変えてます。


帰りも演奏しながら母親を守り移動していく。

するとモンスターの数が減り__

 

ボオオオン

「ヴォォォォオオオ」

 

図体の大きなゾンビが現れた。

 

 

(マジか…ボス…?やっぱ、出てくるのね)

 

「ノイズが混じっている

おつむハッピーで狂ったキツネはキックアウト

そんなのはどうでもいい さらに音量を上げてくれ」

 

(庇いながらだから、できるだけ遭遇は避けたかったんだけどな…!)

 

そうして演奏を行い、【詠唱水晶】で周りのモンスターを抑え、さらに母親を守るという状態だった。

 

 

「エビバリ

現実逃避に縋れ 縋れ

負け犬になって吠えろ 吠えろ

理想像なんて捨てろ 捨てろ

それが 脱法ロックの礼法なんですわ」

 

【詠唱結晶】や【弾奏のギター】で攻撃を続けるがボスのゾンビは倒れない。

(あのボスのドデカゾンビ、まだ結構体力ある…)

 

「最底辺に沈め 沈め

社会不適合者に堕ちろ 堕ちろ

自殺点ばっか決めろ 決めろ

それが 脱法ロックの礼法なんですわ」

 

 

そうすると母親の行動が段々遅くなり始めた。

気になり顔を見てみると顔が青ざめていた。

 

(もしかして母親怯えてる…?

これ、さすがに早く対処しなきゃ。

【エレメンタルハーモニー】今日2回目だけど、やってしまおう!)

 

「愛想なんていらない いらない

化学反応を起こせ 起こせ

プライドはポイと捨てろ 捨てろ

それが 脱法ロックの礼法なんですわ」

 

(愛想もプライドも何もかも捨てて楽しめ…!

それが『脱法ロック』ってね!)

 

「体裁なんて知らない 知らない

ボリューム一つも下げない 下げない

のべつ幕無しにキメろ キメろ

それが 脱法ロックの礼法なんですわ

年中イキっていこう〜」

 

~♪~♪

 

 

演奏が終わると同時に水が集まり出す。

 

「水面の曲よ貫け!【ムジークヴァッサー】!」

 

その水は無数の槍の形となり、巨体のゾンビなどのモンスターに突き刺さった。

 

「ヴォガァァァアアアア」

 

そうしてすべてを突き刺さった大量の槍によって、巨体のゾンビを含むモンスターはいくつもの光となって消えていく。

 

そのゾンビを貫いた槍は水となってエテルノの周りを廻る。

 

「泡沫よ癒せ」

 

そう告げると、その水はエテルノを包む。

するとHPが回復されていき、一定量に達すると包んでいた水はいくつもの粒となって空へ消えていった。

 

「HP回復までできるのはすごいな…」

 

 

【ムジークヴァッサー】

使用楽器が弦楽器の際に発動する。

半径20m内の敵に水でできた無数の槍を突き刺し、与えたダメージ分、使用者のHPを回復する。

演奏時間30秒で30本の槍を放つことができる。

 

 

回復が終わり、戻ると母親は咳き込んでいた。

【独奏夜想曲】を即座に解除し、母親に駆け寄った。

 

 

「大丈夫ですか!?」

 

「ケホケホッ

はい…守っていただいてありがとうございます…!

あのままでは私は死んでしまうところでした!

騎士様はとてもお強いのですね…!

私を守りながらも、あの恐ろしい怪物達を倒してしまわれるとは!

あぁ、なんてお礼を言っていいか…!

見ず知らずの私達のために命がけで…!

騎士様はお優しいですね!」

 

(これってなんて返せばいいのだろうか…

騎士…騎士なら_)

「いえいえそんな、お気になさらず。

私はあなたの騎士(ナイト)としての役目を全うしたまでです」

(多分こう言っておいた方がいいか?

この方が騎士っぽいし、ていうか私が好み。

推しにも言ってほしいけどね)

「さぁ、早く娘さんのところに向かいましょう」

「はい…!」

(こんな光景見られてなきゃいいけど)

 

 

 

 

 

「すっごい…かっこいい…!!」

※見られてます




6/9 誤字訂正

ちなみに「あなたの騎士」発言はマジで私が推しに言ってほしいセリフですw
(「あんさんぶるスターズ」の「Knights」に推しがいまして、ファンサでめっちゃ言われたい)
ちなみに【ムジークヴァッサー】、今回使用した「脱法ロック」はフルで約3分なので180本くらいですね。
ちなみに1秒経つと1本増加ではなく、30秒ごとに増加しています。

【今回出てきたセリフの豆知識】
またもやおやすみ。

【今回使用した楽曲】
Neru(押入れP)「脱法ロック」


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HP極振りと初クエスト3

前回登場した「ムジークヴァッサー」は単語2つを合わせたもので、「ムジーク」がドイツ語で「音楽」、「ヴァッサー」はドイツ語で「水」という意味です。
ちなみに「樹皇」との戦いで使用した「フラムミロ―ディア」は「フラム」がドイツ語で「炎」、「ミロ―ディア」はロシア語で「旋律」という意味の単語2つを合わせてます。


そうして無事にクエストを受けた家に戻り、母親が娘さんに「退魔の泉」の水、別名【退魔の聖水】を渡した。

娘さんが「退魔の聖水」を使用すると、水色のオーラに包まれ、しばらくするとそのオーラは消えていった。

 

「どう?」

 

「ケホッケホ

うん…ちょっと楽になった

ケホッケホッ!

 

「大丈夫ですか!?」

 

少しは静まったかと思いきやすぐに咳き込み出したため、心配になったエテルノは娘さんの背中を摩る。

 

 

「それにしてもすごい咳…

あぁ…どうしたら!」

 

 

ピロリン♪

 

クエスト〔博愛の騎士2〕

 

 

「2…?あぁ、これ連続するタイプのクエストなのね。

まぁとりあえず「OK」っと」 ピッ

 

「騎士様…!

まだ助けてくださるのですか…!」

 

(今回のクエストだけは、騎士っぽくやってみようかな?)

「いえいえ、困っている方を放っておくことはできませんよ。

次は何をしたら良いのですか?」

 

「遥か遠くの街に巨大な街があり、身につけただけで体を癒す指輪があると聞きます。

それを探していただけたら…!」

 

「巨大な街…?まさか第1層の街のこと…?

ってことは、身につけただけで体を癒す指輪って_」

 

そう言って、手元の【フォレストクインビーの指輪】を見る。

すると__

 

 

ピロリン♪

 

 

「マジですかい!?」

 

「騎士様…!見つけてくださったのですね…!

あぁ、なんとお礼を言っていいか…!」

 

「まさかのはじめから持ってたタイプ…」

「見つけるまでにどれほどの苦難を乗り越えてくださったことでしょう。

本当にありがとうございます…!」

 

「特にこれといった苦難乗り越えてないぞ…?

というか、これで指輪なくなっちゃうのか。

つまりVIT0…今度もう1つ取りに行こうかな」

現在【VIT 5】(【フォレストクインビーの指輪】の分のみ)

 

 

そう思いつつ、クエスト達成のため【フォレストクインビーの指輪】を母親に渡す。

 

「今付けてあげるからね…」

 

そう言って母親が娘さんの左手の人差し指に指輪を嵌める。

すると__

 

「グ……ッ

ガハッ…!」

 

指輪を嵌めた左手は禍々しいオーラを放ち、娘さんは苦しみだした。

 

「大丈夫ですか!?」

 

そう言って近づこうとしたが__

 

「グッ…!ア”ア”ア”ア”ア”ァァァァァァ」ガタッ

 

「あ、待って…!」

 

エテルノの体を押しのけ、苦しそうな声をあげながら娘さんは走り出し、扉の外へ走り去ってしまった。

 

「あぁ…!なんていうこと…!」

 

 

ピロリン♪

クエスト〔博愛の騎士3〕

 

 

ここで次のクエストなのね。

ここはもちろん「OK」でしょ。

流石に続きが気になりすぎる」ピッ

 

「騎士様…!まだ私達を助けてくれるのですか…!」

 

「えぇ、もちろん。もうあなた方とは無関係ではないのですから。

次はどうしたらよいのでしょうか?」

 

「娘は恐らく「常闇の神殿」です」

 

待て、なぜそこで見当がついてるんだ。

……補正か。

私が連れ戻してきます」

 

「案内します!」

 

「いえ、あなたにまで危険な目に合わせるわけには…!」

 

「あの子は私の大事な娘なのです。

放ってなどいられません!」

 

あ、これ絶対意志曲げないやつ。

ってことは、また母親庇いながらですな。

わかりました。ただし、絶対に無茶はしてはいけませんよ」

 

「はい!もちろんです!」

 

「本当にわかっているのだろうか…いやまずNPCだから効果ないか。

では案内をお願いします」

 

そうして母親を連れて「常闇の神殿」に向かって行く。




セリフを「騎士っぽく」なろうとしても、予想外のこととかだと流石に対応しきれないだろうなと思う。

【今回出てきたセリフの豆知識】
おやすみ_(-ω-_[▓▓]


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HP極振りと初クエスト4

緊急事態宣言の解除が始まりましたね。
解除されたからと言っても、まだコロナがなくなったわけではないですから、あまり油断はしないでくださいね。


母親に案内してもらい、街を出てしばらくすると霧に覆われた廃墟のような場所があった。

 

「ここが常闇の神殿です」

 

「ここが…」

 

神殿の中に入ると、祭壇の近くに娘さんが倒れていた。

 

「あぁ…!」

 

「__待ってください」

 

嫌な気配を感じ、心配になった母親が娘に近づこうするのを即座に止める。

すると娘さんから【フォレストクインビーの指輪】を嵌めた時に出てきたようなオーラが全身から出てき、骸骨のような見た目をした人型に変わっていく。

そして人型はこちらを見つけると攻撃を開始した。

 

「ウウオオオオ…!」

 

「っ、【開演】!」

~♪~♪

「【和音の障壁】!」

 

ダンジョン攻略の前に、念のために装備を【銀鱗の鍵盤】に変えてあったため即座に展開し、【和音の障壁】によって攻撃を吸収する。

すると人型は分裂し、複数となってこちらを向いていた。

 

「へぇ…やってやろうということですか」

 

エテルノも【詠唱水晶】を浮遊させ、戦闘態勢を完成させた。

 

「なら私も騎士として守るべき民のために、正々堂々と挑みましょう」

 

~♪~♪

 

「お互いの譲れないモノ

賭けるなら避けて通れないだろう

本当に強い者しか

許されない道を選ぶだけだよ」

 

歌い出すと人型は一斉に攻撃を繰り出してくる。

それを【詠唱水晶】を使用して相殺しつつ退け、そして母親を守り続ける。

 

「そうさ、解り合えないなら

ただ、自分を示すだけ

Prideなんて鎧外したら…

始めよう」

(強く、気高く、そして時に優しく、守るべきもののために力を使う。

それが私の思う騎士道…!)

 

「気高きMy Soul 輝くMy Faith

それに相応しい者こそKnights!

瞳のPassionと心のMy Dream

突き動かしていくのさHeart of the Chivalry!

Judgmant Time! 戦って得る

それは未来を示す剣尖さ

強く握って 振りかざして

剣の舞を踊る銀色の鼓動」

 

~♪~♪

 

そうして攻撃を繰り返すと、いきなり動きが止まる。

すると__

 

「ヴヴウウウアアアア」

 

いきなり人型は苦しみだし、姿が消えていった。

 

そして禍々しいオーラは消え、娘さんは倒れていく。

それに気づいたエテルノはすぐさま支え、娘さんの体が床に衝突することを何とか避けた。

 

「あっぶな…

…とりあえず、終わった?

でも、なんでいきなり…?」

 

「きっと、娘に飲ませた【退魔の聖水】が効いたんです…!」

 

「え…最初の時のやつ?あれ、効果は時間差なのか…」

 

「娘には悪魔が憑りついていたのかもしれません…!」

 

「なるほど。とりあえずここは危険ですから、一度家に戻りましょう」

 

「はい、そうしましょう」

 

そう言って、【銀鱗の鍵盤】から【弾奏のギター】に変えることでSTRを上げ、娘さんをおぶりながら家に戻りつつ状況を整理する。

 

(多分、最初のクエストが成功でも失敗でも次のクエストが発生していたんだ。

でも最初のクエストが成功すれば【退魔の聖水】の力で勝手に消えるから簡単にクリアすることができるけど、失敗すれば人型を自力で全部倒す必要がある。

で、私は成功してたから簡単にクリアすることができた、というわけかな)

 

 

 

「騎士様、着きましたよ。今扉を開けますね」

 

「あ、あぁ助かります」

 

家に入り背負っていた娘さんを一度ベッドに下ろし、そこから横抱きにして寝かせる。

 

「何から何まで本当にありがとうございます」

 

「いえいえ、これくらいどうってことはありません」

 

「騎士様にはなんとお礼を言ったらいいか。

でも、娘は目を覚ましません…

これ以上どうするべきか、私にも…!」

 

「あ、このパターンはまた来るね」

 

 

ピロリン♪

 

 

「ほら来た。ってあれ…?」

 

 

クエスト〔博愛の騎士4〕発生。

また、

エクストラクエスト〔身捧ぐ慈愛〕が発生しました。

 

どちらかのルートを選択してください。

 

 

「え…ここにきて選択制?

〔博愛の騎士〕はシリーズ化してきてるからわかるけど、エクストラクエストってことはもしかしてここで1度終わっちゃうルートなのかな…

う~んここで終わらせるか、まだ続けるか…

よし、こういうときは」

 

そういうと画面を指さし、そして__

 

「どーちーらーにーしーよーうーかーなー

かーみーさーまーのーいーうーとーおーりっ、と。

うん。〔博愛の騎士4〕でレッツゴー!」ピッ




6/9 誤字訂正

やっとメイプルちゃんと違うルートは入れた…
【身捧ぐ慈愛】を持ったとしても、VIT0には宝の持ち腐れなんでね。
オリジナルルート入っていくんで頑張ります。

【今回出てきたセリフの豆知識】
おや( ˘ω˘ ) スヤァ…み

【今回使用した楽曲】
「あんさんぶるスターズ」より「Fight for Judge」


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HP極振りの初クエスト5

Twitterで知ったんですが「鬼滅の刃」が本誌完結したそうですね。吾峠呼世晴先生お疲れ様でした。


「さてこれでどうなるか_」

 

「もしかしたら、【祈りの大樹】にいけば…」

 

「【祈りの大樹】…?」

 

「遠くの街の近くにあるモンスターが集まる森に【祈りの大樹】という木があり、そこにある条件を満たすと実る木の実には特別な力があるという話を聞きます」

 

「指輪の時も、遠くの街って言ってたし…ってことは第1層?

モンスターが集まる森ってどこだろ、1層には元々木は多いし

それに近くにある大樹って…?」

 

「騎士様!よろしければその木の実を探して来ていただいてもよろしいでしょうか!」

 

「探して持ってくればいいんですね」

 

「はい、ですが今回は私はお供することはできないのです。

今回ばかりは私も娘のことが心配で…できるだけそばにいたいのです」

 

「わかりました。必ず探し出してみせます」

 

「ありがとうございます、騎士様!」

 

(正直母親連れての冒険は結構怖いしね)

「では失礼します」

 

「よろしくお願いいたします!」

 

そうして家を離れ、一度1層の大きな街にに戻る。

 

「まさか2層に行ってすぐ1層に戻る羽目になるとは。

でも大樹…?とりあえず試しに西の森に行ってみるか。

あわよくば【フォレストクインビーの指輪】もほしいし」

 

西の森を進んで行く。

 

「ここでウサギさんと戦ったり、狼さんと戦ったっけ?」

 

「キュ!」

 

「そうそう、ウサギさんはこんな鳴き声で……って、ん?」

 

「キュウウ!」

 

 

そうして現れたのはお久しぶりの登場、『アルミラージ』である。

 

「相変わらず可愛いなぁ…って、モンスターだから倒さないとね。」

 

「フッフッフッ_」

 

「ごめんね、あんまり時間は掛けれないんだ。

それっ!」

 

「キュン!キュゥゥ」

 

「どうか安らかに。

でも【詠唱結晶】でワンパン*1か…。流石に矢の時とは違うよね」

 

そう独り言をつぶやきながらモンスターを倒し、森を進んでいく。

 

 

 

「ここで狼さんを倒して__」

 

「ガウッ!」

 

 

 

「ここでは蜂さんと戦って、耐性を手に入れたな…」

 

「ウウウウウウ!」ブーン

 

 

 

そうして森を進み、たどり着いたのは1本の木だった。

「そうそう、ここで初めてハープで演奏したんだっけ…」

そう言って見上げると想像以上にその木は大きく、木漏れ日が明るく差していた。

 

「第1層にある【祈りの大樹】……大樹ってことは大きな木だよね。

……まさか_」ピッ

一度木を調べてみると、そこには【祈りの大樹】と表示がされていた。

 

「まさかの既に訪れてた。

でも、ある条件を満たすと実る木の実…その条件がわからないんだけど」

 

そうして【祈りの大樹】に触れると、木々がざわめきだした。

特に強い風が吹いたわけでもない。

なのに、そのざわめきはだんだん大きくなっていく。

 

「これは、どういう__」

 

すると、どこからか金色の光が集まり出す。

その光は集まって線や模様を描き、そして木々の木漏れ日が1つ1つの音符となって、大きな楽譜が現れた。

そして、その楽譜の上には少しいびつな形で【プリローダ】と記されていた。

 

「【プリローダ】…ロシア語で自然…?

これを演奏すればいいのかな…?」

 

そうして楽譜の前に立つ。

 

「【開演】」

 

 

~♪~♪

 

優しくそれでいて自然の強さが感じれるように強弱をつけ演奏をする。

しかしそれは決して心地よくはなく、不協和音が響き渡っていた。

演奏をする度に木々はざわめき、何か違うというのを察することができた。

 

(これ…もしかしてそのまま演奏するんじゃない?)

 

いびつな形をした【プリローダ】という文字、パッと見は正しそうなのに不協和音が作られていることに注目をする。

 

(まさか、楽譜を整えるの?)

 

試しに変に上がっている音などを調整し、演奏をし直す。

するといびつな形だった【プリローダ】の文字は綺麗な形になり、謎の木々のざわめきもおさまる。

 

(うん、多分合ってる。これを続けてみるか)

 

そして演奏を行っていくと【祈りの大樹】に1つの蕾ができた。

蕾は一瞬で綺麗な花となり、そう思えばすぐに散り、そこには1つの木の実が生った。

その木の実は一定の大きさになると落ち、エテルノの手元に渡った。

 

「正解だった…!

これを母親に届けなきゃ!」

*1
一回のパンチのこと、または一回のパンチや攻撃で相手を再起不能とすることを意味する俗語。




今回登場した楽曲【プリローダ】は現実にはない楽曲です。
もし現実にあれば、それとは別の楽曲だとお考えください。
ジャンルはクラシックのピアノ・ソナタです。
(ピアノ・ソナタでは、個人的には「ベートーヴェン」の「月光」という曲が好きです。良かったら聞いてみてください。)

【今回出てきたセリフの豆知識】
おやすみ〜( ˘ω˘ 〜)スヤァ


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HP極振りの初クエスト6

たまにTwitterで話題になるので、ツイステッドワンダーランドを試しに始めたら出た一言目の感想は「みんな顔良すぎやしません?」でした。


できるだけ早急に2層に戻り、依頼者の家に戻る。

 

 

コンコン

「失礼します」

 

「あ、騎士様!いかがなさいましたか?」

 

「これを」

 

そうして【祈りの大樹】で獲得した果実、【楽師の果実】を母親に渡す

 

「あぁ、騎士様!本当にありがとうございます!

どんなに大変だったことか…!」

 

「娘さんに使ってください。

大変かどうかより、娘さんが助かることが一番ですから」

 

「騎士様…!」

 

(まぁ、私持ってても使い道ない、っていうか使い方知らないもん)

 

 

そうして【楽師の果実】を母親に渡すと、果実は光に包まれ、その光は娘さんを包んだ。

 

「騎士様、これは一体…?」

 

「さぁ…?でも先程より顔が和らぎましたね」

(母親もまさかの使用方法わからなかったパターンなのか)

 

 

「ん…」

 

「!今、娘さんに反応が…!」

 

「………」

 

 

「って、起きないんか~い」

 

「娘はきっと悪魔と戦っている最中なのです」

 

「悪魔…ねぇ」

 

「でも、きっと娘もしばらくすれば目覚めるでしょう」

 

「そうですか」

 

 

 

 

ピロリン♪

 

エクストラクエスト〔願いの歌姫〕が発生しました。

 

 

「また、エクストラクエスト…でも内容違う。

【願いの歌姫】…?」ピッ

 

画面には【博愛の騎士】ではなく【願いの歌姫】という表示がされていた。

OKを出し、エクストラクエストに参加してみることにした。

すると、娘さんの体から光があふれ、文字が浮かび上がった。

 

 

「【失われた舞台】…?」

 

「この街の外れに、今はもう使われていない会館があります。

もしかしたらそこのことでは?」

 

「わかりました、そこに向かってきます」

 

 

 

 

そうして着いたのは、木々に囲まれた蔦の絡まった会館だったであろう建物だった。

 

「よし」

 

おそるおそる入るとそこには舞台があり、そこには謎の小瓶が転がっていた。

 

「なにこれ…?」

 

気になり、手に取り確認をすると【大天使の欠片】という表示がされていた。

 

「【大天使の欠片】、これでいいのかな…?

とりあえず、母親のとこに戻るか__」

 

そうして来た道を戻ろうとした。

 

 

「__ねぇ」

 

「!?」

 

そうしようとしたのだったが、いきなりどこかから声がした。

声をした方を振り返ると、マーメイドドレスのような衣装を纏いベールで顔を隠した女性がそこにはいた。

 

 

「えっと…どなた?」

 

「ねぇ、あなた私のことが見えてるの?」

 

「え、あ、はい…?」

(なんだなんだ?ていうか見えちゃいけないのか…?)

 

「そう、あなたには私のことが見えているのね」

 

「えっと、あなたは…?」

 

「私のことはどうでもいいの。

あなた、歌は好き?




今回出てきた【楽師の果実】は楽器装備のプレイヤーが挑んだ際に手に入るもので、【祈りの大樹】に触れた時の装備によってクエスト内容ももらえる果実も変わってきます。そして渡した果実によってエクストラクエストも変わります。

【今回出てきたセリフの豆知識】
おやすみ⊂⌒っ*-ω-)っスヤァ…


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HP極振りと初クエスト7

コロナの影響で謎の物欲が上がってネット通販をめっちゃ見まくっている気がする。お財布の紐がゆるっゆるになりそうで怖い(´・ω・`)


「あなた歌は好き?」

 

「え、まぁ、はい、好きですよ…?」

 

「そう、そうなのね」

 

(……マジで一体誰?)

 

 

「私ね、舞台の前で歌えないの。

怖くなってしまったの。

人の目が、何故か恐ろしくなってしまって」

 

「なるほど…」

 

「でも何故かしら。

あなたからは何かを感じるの。

ねぇ、もし良かったら、私に協力してくれないかしら?」

 

 

ピロリン♪

 

クエスト〔紡がれる詩〕

 

現在行っているクエスト〔願いの歌姫〕を中止し、切り替えますか?

 

 

「え、まさかのクエスト発生!?

ただ私、クエスト攻略中だしな…

……ちょっと、ごめんなさい」

 

そうして選択肢にある〔NO〕を押す。

 

「そう…残念だわ。

でも、また来てくれると嬉しいわ」

 

「はい」

 

そうして【失われた舞台】を出た。

 

 

・・・

 

出てしばらくし、建物が見えなくなった後、エテルノはしゃがみ込み__

 

「__めっちゃ申し訳なかった」

 

軽く落ち込んでいた。

 

「何あのイベント*1

めっちゃ内容気になるし、そしてなんでクエスト中に来るの…!

もう今のクエストが終わったら、すぐ行こう」

 

 

 

 

 

そうして母親の待つ家に着き、取得した【大天使の欠片】を取り出す。

 

「騎士様、それは…?」

 

「私もよくわからないのですが、きっと役立つに違いありません」

(だって、きっとこういうクエストだもん)

 

「大丈夫でしょうか…」

 

「試す価値はありますよ」

(だって、きっとこういうクエストだもん(2回目))

 

そうして持っている【大天使の欠片】の瓶を割る。

すると瓶から光がこぼれ、眠っている娘さんの方からも光がこぼれだした。

それは段々人型のようになり、羽衣を纏ったまさに「大天使」となった。

 

「わお、べっぴんさん」

「騎士様、これは!」

 

「ありがとう。

私は悪魔からこの子を守っていたのですが、力を奪われ、逆にこの子から離れられずにいたのです」

 

「ほえぇ…」

 

「危うくこの子の命を奪ってしまうところでした」

 

「それは流石にまずいでしょ、もうちょい頑張れ大天使様」

 

「お礼にあなたに私の力の一部を差し上げます」

 

そういうと大天使はいくつもの光の粒となって消えていった。

そして大天使が消えたと同時に眠っていた娘さんが目を覚ます。

 

 

「…あれ…おかあさん…?」

 

「あぁ…!良かったぁ…!」

 

「まぁこれでクエスト終了。一件落着ってことかな…?」

 

 

ピロリン♪

<SKILL>

〔願いの歌姫〕を取得しました。

 

 

「これがこのクエストのクリア報酬でいいのかな?

とりあえず、娘さんとお母さんに話聞いておこう」

 

そうして近づき、話しかける。

 

 

「お母さん、良かったですね。

娘さんが助かって」

 

「これもすべて騎士様のおかげです…!

本当にありがとうございました!」

 

「娘さんも大丈夫ですか?」

 

「はい、騎士様。

ありがとうございます、この御恩一生忘れません」

 

 

「うむうむ、これで一件落着だね。

これ以上クエストが続く様子もないし。

じゃあ__

 

 

__行きますか、あの女性のところへ」

*1
ここでは、ストーリー(ゲーム展開)に変化を生じる事象を指すゲーム用語




やっと長かった親子クエスト終わった…!
めっちゃ話数が多くなってしまった。
ただ、また新しいクエスト開始ですw

【今回出てきたセリフの豆知識】
働きたくないでござる _(-ω-`_)⌒)_


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HP極振りと2つ目のクエスト

久しぶりに3DSのゲームやったら画質は多分switchとかには負けるけど結構面白いのが多くて、たまにするのもいいなと思った。


【失われた舞台】に戻ると、女性は舞台の上に立っていた。

 

「いた…!」

 

「…!

あなた、また来てくれたのね」

 

「はい!」

 

「もう一度聞くわ。

ねぇ、もし良かったら、私に協力してくれないかしら?」

 

 

ピロリン♪

 

クエスト〔紡がれる詩〕が発生しました。

 

 

「これを受注、っと」ピッ

 

「ありがとう。

あなたならそう言ってくれると信じていたわ」

 

「一回断ったけどね」

 

 

「私、ここの舞台でよく歌や踊りを披露していたの。

でも一度魔物が現れて、倒したもののそれ以来人が段々来なくなってしまったの」

 

「なるほど…」

 

「そこでもう一度ここに人を呼んでほしいの。

そうね、最低でも10人くらい集めてくれれば嬉しいわ」

 

「これがクエスト…?」

 

ここまでなら普通の人ならまだクリアできるだろう。

そう、普通の人(・・・・)なら

 

 

「………終わった」

 

皆さんご存じだろう、この少女エテルノ

___1種のコミュ障なのである。

 

 

 

「ただでさえ1人誘うのにも結構大変なのに…?10人も…?

しかもここにってことは、2層に入ってる人…?

無理無理無理無理」

 

「連れてきてくれるなら誰でもいいわ。

期限は特にはないからいつでもいいわよ?

じゃあ、お願いするわね」

 

「引き受けなければよかったかも…

まぁ…始めちゃったしどうにかしないとな」

 

 

そうして【失われた舞台】を出る。

 

「まず最低10人…?

私の知っている人で2層にいるのが、お兄ちゃん、イズさん………

……だけだった…」

 

がっくりと項垂れ、自身の人脈のなさを恨む。

 

「とりあえず、お兄ちゃんとイズさんに連絡してみよう。

えっと…

『クエストで【失われた舞台】ってところに人を集めなきゃいけなくなったんだけど、どうにか方法ない?』

っと、送信」

 

・・・

 

「あ、イズさんから返信来た。

『それならクロムが強いんじゃないかしら?タイミングが合うなら、私も行くわね』…?

やった!来てくれるんだ…!でも、お兄ちゃんが…?」

 

・・・

 

「あ、お兄ちゃんからも来た。

『別にタイミングが合うなら行くぞ?でも何かあるのか?』

あ、内容言ってなかったや。

え~っと…

『舞台をやるためにまず人を集めなきゃいけないのである』

っと…」

 

・・・

 

「『多分数人呼べると思うぞ。呼んでやろうか?』

………お兄ちゃんは神だった…?

お願いします…!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~とある掲示板~

 

【NWO】エテルノちゃんを見守り隊

 

 

342.

だそうだ、来たい奴いるか?

 

343.

行きたくないやつがここにいると思うか?

 

344.

そんなの行くしかないじゃないですか

 

345.

われらの女神の願いとあらば

 

346.

ファンクラブ創設者として参加せねばならん

 

347.

参加しないという選択肢がここにあるとお思いで?

 

348.

我らエテルノちゃんを見守り隊

 

349.

エテルノちゃんが困っているのなら

 

350.

助けないという選択肢など存在しない

 

351.

あと、348、349、350の連携がすげえ

 

352.

想像以上にいるな…

だがあいつによるとそこまでキャパ*1は大きくないらしい。

なのであまりに多かった場合は先着になる。

 

353.

なん…だと…

 

354.

これは激しい争奪戦になりそうですな。

 

355.

この戦い、必ず勝ってみせる。

そしてあわよくば握手やサインを…!

 

356.

>355

抜け駆けはさせんぞ!

俺だってほしい!

 

357.

>356

お前もかよ…!

………俺もだよ!

 

358.

>354,356,357

お前ら、ステイ

 

359.

日付はまた追って送るから詳細を待て。

 

360.

了解。

 

361.

倍率*2何倍かな…

*1
ここでは収容人数を指す。Capacityの略称。

*2
ここでは競争率のことを指す




今回はエテルノちゃん、お兄ちゃんに助けられました。
ちなみにメイプルちゃん達はここでは2層攻略がまだなため、第1層にいます。



【今回出てきたセリフの豆知識】
今回掲示板に出てきた『なん…だと…』は「BLEACH」の単行本31巻にて黒崎一護がウルキオラ・シファーとの戦闘中に発したシーンの一コマがとても有名です。
ネットを探ってみるとこの一コマを利用したパロディが結構数多くあります。

久しぶりに登場、豆知識(結構薄っぺら)


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HP極振りと2つ目のクエスト2

コロナの感染者数が北九州と東京でまた増えているようです。
無理のないようにたまに気を抜きつつも、ちゃんと感染予防をして生活してくださいね。


それから数日後

 

「確かここのはずだよね」

 

「うん。あ、イズさん!」

 

「あら、2人も来たのね。

もしかしてエテルノちゃんに誘われたのかしら?」

 

「はい!」

 

「それにしてもすごい人ですね、これ全員が?」

 

「ええ、本当にすごいわね」

 

メイプルとサリーも第2層を攻略し、そのことを聞いたエテルノに誘われ【失われた舞台】に訪れていた。

 

「こんなに人数が集まると、なんだかイベントみたい」

 

「確かにクエストというよりイベントの方が確かにあってるわね、この人数だと」

 

 

そんな会話をイズ、メイプル、サリーの3人はしていた。

 

一方その頃【失われた舞台】の舞台裏ではエテルノとクロムが話をしていた。

 

 

「ねぇ、お兄ちゃん」

 

「どうした?」

 

 

クロムは舞台袖で堂々と立っていたが、エテルノは小鹿の如く足をプルプル震わせ、ボロボロのカーテンの裏に隠れている。

 

 

「え~っと流石に__」

 

 

その目線の先には10人どころか30人以上のプレイヤーが集まっている。

 

 

「__人数、いすぎではありませんかね?」

 

「確かにそうかもな」

 

「お兄ちゃん見てよ、この足」プルプル

 

「おー、見事に震えてんな」

 

 

「………」

 

「………

…まぁ、頑張れ」

 

 

「…他人事だと思って!

ていうかお兄ちゃんが呼んだんじゃん!

第一にどうやったらこんなに集まったわけ!?」

 

「ネットの奴らに軽く呼びかけたらこうなった。

まぁこれでも少しは減った方なんだぞ?」

 

「うそぉん…」

 

「つーか、お前もすげぇ奴呼んでんじゃねぇかよ」

 

「質より量の方がヤバいもん…

おにいちゃーん、へるぷみー」

 

「無理だぞ」

 

「My cousin, help me.」

 

「英語にしても効果ねぇぞ。

無駄に発音良いが」

 

(それがし)ただのゲームプレイヤーでありんす。こんなのにこの人数は流石に無理でござる」

 

「いろんなの混ざってんぞ~」

 

「うぅ…むぅりぃ~!!

 

「とりあえず、人集めのクエストなんだろ?

これだけ集まれば十分だろうし、話しかけてきたらどうだ?」

 

「うむ…」

 

そうして近くにいた依頼者の女性のもとに行く。

 

 

 

「え~っと…あ、いた。

これで大丈夫ですか~?」

 

「えぇ、十分だわ。

これだけ観客がいればで十分に舞台ができるわ。

ありがとう」

 

「よかったよかった。

これでクエスト完了でいいのかな?」

 

「__じゃあ、始めましょうか。

覚悟はいいかしら?」

 

「覚悟…?」

 

「?あなたが舞台に立つ覚悟よ?」

 

「ぶたいにたつ…?わたしが…?」

 

「私はきっと1人で舞台に立つことはできないわ。

だから、あなたに頼みたいのよ」

 

「え…ま、そんなクエストだったのこれ!?

ちょ、確認確認!」ピッ

 

 

 

クエスト〔紡がれる詩〕

 

【失われた舞台】に観客を10人以上集め、舞台の上で演奏を行う。

(集める観客はNPCでも可)

 

 

 

「マジカヨ…ナンテコッタイ…」

 

「覚悟はいいかしら?」

 

 

そんなの聞いてないもん、そんなの知らなかったもん。でもこんなに人集まったのに逃げたら迷惑になるというか、まず逃げれないじゃないか…

………もうやってやろうじゃん!

緊張なんか何のその!人なんかじゃがいもか大根だかなんだと思えばいいんでしょ!知ってる!人って大量に手に書いて飲み込めばいいんだよね!これも知ってる!私はエテルノ!やる時はやる女じゃい!

よし、お兄ちゃーん!私はやってやるぞー!

 

「お、おう?

よく状況がわからんが、頑張れ」




〔紡がれる詩〕のクエスト内容、実は集めるだけじゃなく演奏も含まれてました。だから装備が楽器でない人は受注できない特別クエストになってます。
てことで次回、大演奏会です!

【今回出てきたセリフの豆知識】
( ๑´•ω•)੭_ソッ[布団]ε¦)zzz


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HP極振りと波乱の演奏会

6月1日にコロナ終息を願って全国一斉に花火が挙げられたそうですね。ちなみに私は悲しいことに見逃しました。


そして更に数分後

 

「覚悟はいいかしら?」

 

「…はい、できています」

 

 

「じゃあ、行ってらっしゃい」

 

「逝ってきます」

 

字が違うって?合ってるよ?

だって観客の前に立つんだよ?コミュ障の地獄ぞ?()

 

 

コツコツ…

 

エテルノはそうして舞台の上に立つ。

舞台は古びていて装飾も特にはない。

スポットライトの代わりに崩れた屋根の隙間から光が差し込みエテルノを照らしていた。

 

すぅ…

Halllo,everyone!」

 

そうエテルノが告げると、観客席にいる多くのプレイヤーが舞台に目を向けた。

 

「皆さんこんにちは、初めての方ははじめまして。エテルノと申します。、

本日はクエスト攻略のためにこんなに多くの方々に集まっていただけたこと、とても嬉しく思います」

 

「あれがエテルノ…」

 

「やっぱり美人だよな」

 

「今回協力のために集まっていただいたこのクエスト、実はもう一つ条件があります」

 

「条件…?」

 

「なんだ…?」

 

「それはこの舞台で演奏を披露することです」

 

「演奏…ってことは__」

 

「まさか__」

 

「私の自己満足とこんなに多くの方々が集まってくれたそのお礼として

良かったら私の演奏を楽しんでください!」

 

 

「「「おおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」」」

 

 

「【開演】!

まずは1曲目!NWOに提供させていただいた楽曲!『戦乱ストラグル』」

 

~♪~♪

 

 

そういうとエテルノは演奏を始める。

その表情はとても生き生きとしており、緊張より演奏を楽しむことが勝ったようだった。

 

 

 

・・・・・

 

・・・

 

 

 

「場も段々あったまって参りました!

続いては__」

 

そう言って2曲目の楽曲に入ろうとした時だった。

 

ガタガタ

 

いきなり大きな揺れが起きる。

__大きな足音を連れて。

 

「なんだ…!?」

 

「地震…!?」

 

「いや足音が聞こえるからこれは__」

 

 

ドーーン!

「ガアァアアアアアアア!!!」

 

そうして屋根の隙間から舞台に巨大なモンスターが降り立った。

頭は獅子、胴体は山羊、尻尾には蛇がついている。

 

「なんだあのモンスター!?」

 

「モンスターっていうか、あれキマイラじゃん」

 

「あれは、舞台を襲った魔物…!」

 

「マジか…確かにあれが襲ってきたら流石に逃げるな」

 

観客や依頼人の声を聞き、エテルノは冷静に感想を述べる。

 

 

「【毒竜】…!」

 

観客席にいたメイプルが『キマイラ』に向かって【毒竜】を使おうとすると__

 

キーーーーーーン!

 

「なんで!?」

 

その攻撃は謎の壁に弾かれてしまった。

 

 

「舞台には観客席からの攻撃を防ぐ結界が張られているんです!」

 

「えぇ!?」

 

「ちょ、それならなんであのモンスターは入れてるの!?」

 

「この結界は横からの攻撃は弾けるのですが天井からの攻撃は想定外だったんです!」

 

「なにそれ!」

 

「そんなのエテルノちゃんが危ない…!」

 

「エテルノちゃん!」

 

 

舞台の上で邪魔をするように堂々と暴れようとする『キマイラ』を前にして__

 

「これを1人で処理しろと…?

ただでさえ1人で演奏とか心細かったのに…?

で、覚悟決めて楽しんでたら、これですかね…?

ねぇマジで運営訴えたら勝てないかね…?」

 

エテルノは小さく怒りに震えていた。

 

 

「エテルノちゃん…?」

 

「どうしたんだ…?」

 

【銀鱗の鍵盤】から【弾奏のギター】に切り替え…

もう、いっちょ暴れてやろうじゃんか!!

舞台ぶっ潰したんだから…

文句ないよね?

 

 

~♪~♪

 

激しいギターの音色が鳴り響く。

エテルノが演奏を始めると【詠唱水晶】が一斉に『キマイラ』に向く。

 

「疑問…? 愚問!

衝動インスパイア 6感フルで感じてみな

絶ッ! Understand?

コンマ3秒も 背を向けたらDie」

 

エテルノの演奏に反応したのか『キマイラ』が攻撃を加えようとする。

しかしそれはすべて避けられるか【詠唱水晶】と相殺される。

 

「心情…? 炎上!

強情マトリクス 沸点ピークでくだけ散れ

Motto×5 Break!! …Outsider」

 

相殺された【詠唱水晶】による攻撃。

さらに相手の巨体故の行動の遅さを逆手に取り、ギターをハンマーのようにして攻撃をぶつけていく。

それによって『キマイラ』のHPのみが激しく削っていく。

その様子は、もはや一方的な暴力だった。

 

「傷ごとエグれば忘れられるってコトだろ?

イイ子ちゃんな正義なんて剥がしてやろうか?」

 

(イイ子ちゃんだって時には怒る。

『仏の顔も三度まで』ってよく言うじゃん?

それに今回は誰かのためじゃない、私のためだ)

 

「HaHa!!

さあIt's show time 火山のよう殺伐Rain

さあお前等の全部×5

否定してやる そう…否定してやる」

 

そういうと【詠唱水晶】が砕け、いくつもの礫となって『キマイラ』に降り注ぐ。

それは火山による噴石、または雨のようだった。

 

 

「ガチの歌姫の鉄槌…」

「エテルノちゃんこっわ…」

「でもそんなとこも好きだわ」

「わかる」




6/3 誤字訂正、歌詞配置の修正
6/9 誤字訂正

エテルノちゃん、緊張乗り越えて楽しんでたら邪魔される。
あまりの理不尽さにお怒りモード突入です。
キマイラの強さは集めた観客の多さに関係しており、人数がいればいるほどキマイラの難易度は低くなります。
キマイラ戦は演奏参加者のみ参戦可なので、複数人で演奏していれば複数人でのバトルになります。ただエテルノちゃんは単独演奏だったのでキマイラとの1対1になってます。


【今回出てきたセリフの豆知識】
Oo。(。ρω-。)おやすみ

【今回使用した楽曲】
「戦姫絶唱シンフォギア」より「魔弓・イチイバル」


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HP極振りと波乱の演奏会2

ちょっと買い物かつ運動しようと思って、しっかりマスクを装備をしたり、消毒用品とかを持ってちょっと遠くに買い物行きました。
皆さんちゃんと運動した方がいいです。さもないと筋肉痛に苦しむことになります。
(現在進行形で筋肉痛)


「HaHa!!

さあIt's lesson time

流星のようミサイルParty

さあ教えてくれ愛ヲ×5

幸せとか どんな味なんだ…?」

 

そうして【詠唱水晶】の遠隔攻撃と【弾奏のギター】の近接攻撃によって、なんとか『キマイラ』のHPは3分の1までに削られていた。

すると『キマイラ』の動きが止まる。

 

「グ…クゥウウウ!」

 

『キマイラ』の口が光り出し、何かを溜めだした。

 

 

「何かを溜めだしたぞ…!」

「エテルノちゃん!」

 

 

「傷ごとエグれば忘れられるってコトだろ?

だったら涙なんて…邪魔なだけなのに…」

 

「グゥウウウウ…ガァアアアアア!!!」

 

『キマイラ』が溜めていたエネルギーを口から炎のように放出する。

エテルノはそれを間一髪で避ける。

 

(あっぶな…!

これぞマジの『かえんほうしゃ』ってやつ?

でも間奏部分で良かった。

歌ってる時に来てたら、避けるの辛かった)

 

 

「エテルノちゃん!気を付けて!」

「見てるだけなの、めっちゃもどかしいわ…!」

 

 

「HaHa!!

さあIt's show time

火山のよう殺伐Rain

さあお前等の全部×5

否定してやる そう…否定してやる」

 

そうして演奏していた曲が終わる。

 

ふぅ…さて、招かれざるお客様には退場してもらわないと」

 

そう告げると同時にいくつもの水の粒が集まり出す。

 

「水面の曲よ貫け!【ムジークヴァッサー】」

 

水の粒はいくつもの槍に形を変え、『キマイラ』を貫く。

その数は200本を超えていた。

 

「ガァアアアアアアアアアア!!!」

 

槍の雨によって残っていた『キマイラ』のHPは0となり『何か』を落として、光となって消え去る。

そして__

 

「泡沫よ癒せ」

 

槍となっていた水がエテルノを包み、自身のHPを回復させる。

HPが回復すると水は前に使用した時と同様に消えていった。

 

「ふぃ~…一丁上がり~」

 

 

「え…なにあれ」

「こっわ…」

「あれ、次イベントで使われるわけ…?」

「俺終わった自信ある」

 

「エテルノちゃんすっご~い!」

「攻撃プラス回復って強い」

「前回使ってたものとは、違うけれど同じスキルかしら?

でもすごいわ…創作意欲が湧いてきた!」

 

 

 

「何とか倒せてよかったぁ……ん?…なにか落ちてる。

これって…リボンタイ?宝石ついてて綺麗だな」

 

ピロリン♪

<EQUIP>

合成獣(キメラ)のリボンタイ】を取得しました。

 

 

「ドロップアイテムキタコレ!

まぁ確認は後回しでいいや」

 

 

「大丈夫?」

 

(あ、依頼者の…)

「はい、大丈夫です」

 

「まさかあの魔物を倒してしまうなんて…」

 

「でもこれで安心して舞台に立てますね」

 

「えぇ、本当にありがとう」

 

 

「さてっと…

皆さん邪魔が入りましたが、ここからまた演奏をしたいと思います!

 

「よっしゃー!」

「やったー!」

「エテルノちゃん無理しないでね~!」

 

「ありがとうございます!

皆さん目に焼き付けてください!なんだったら動画に撮って共有してもOK!

では行きますよ!

Are You Ready?

 

「「「イエ~!!!」」」

 

「今度はデュエット曲!

パートナーはこの人です!」

 

そうしてエテルノが指したのは依頼者のNPCだった

 

「え…」

 

「魔物もいなくなった。

それに私もいますから。

一人じゃないから、大丈夫です」

 

「でも…」

 

「いざとなればフォローします。

それにずっと歌いたかったんでしょう?

その衣装、普段着とは思えませんし」

 

「気づいていたのね。

……わかったわ」

 

その返事を聞くとエテルノは装備していた【弾奏のギター】を【銀鱗の鍵盤】に変えた。

 

「さぁ!いきますよ!【開演】!

では聞いてください!『星天ギャラクシィクロス』」

 

 

「遺伝子レベルの」

「インディペンデント」

「絶望も希望も」

「抱いて」

「「足掻け命尽きるまで」」

 

合わせるのが初めてなのか疑われる程の相性の良さに、観客は釘付けになる。

 

「光と飛沫のKiss」

「恋のような」「虹のバースデイ」

「どんな美しき日も」

「何か生まれ」「何かが死ぬ」

 

歌を続けると今までなにも演出がなかったのに光の階段が出来上がり、彼女らはそれを駆け上がっていく。階段は上で1つの舞台となっており、そこから滑り台のような道が観客席の近くまで行くように繋がっていた。

 

「せめて唄おう」

「「I love you」」

「世界が酷い地獄だとしても

せめて伝えよう」

「「I love you」」

「解放の 時は来た」

「星降る」「天へと」

「「響き飛べ!リバディソング

Stardust!!」」

 

滑り台のような道を立った状態で滑ると、どこからか水が舞い彼女らをさらに演出していく。

 

「「そして奇跡は待つモノじゃなくて

その手で創るものと・・・吠えろ!」」

「涙した過去の苦みを」

「レクイエムにして」

「「生ある全のチカラで」」

 

エテルノが観客席にファンサをすると、観客席からは黄色い声援が響き、観客の中には泣いてる人までいた。

 

「輝けFuture world」「信じ照らせ」

「「星天ギャラクシィクロス」」

 

(やっぱり歌うのって楽しい!)

 

歌っている二人の表情はとても晴れやかでキラキラと輝いていた。

歌を聞きつけた人々によって途中で会場がキャパオーバーを起こすなどのハプニングはありつつも、ライブは途中でトークタイムを挟んだりしつつ1時間程続いた。

後にこのライブは幻の初ライブとなり、こっそりと動画サイトに上がったライブ映像の再生数ももの凄いものとなった。

おかげでファンクラブ会員の人数ももの凄いことになっていることは容易に想像できるだろう。

ただそうなっていることなど本人は知らないのであった。




6/6 文章の1部訂正
6/9 誤字訂正

動画撮影ありのライブは意外にも存在してまして、私もたまにYouTubeとかで見たりします。まさかあるとは思っていなくて、知った時はビックリしました。
ちなみに撮影禁止なライブももちろんありますから、ルールはちゃんと守りましょう。

そして歌詞の位置がなかなかまとまっていなくて申し訳ないです。
読みやすいようにするならどのように配置するか決まっていなくて、とりあえず今は戦闘中は右寄りに、普通の時はそのままの状態にさせていただいています。良かったらご意見ください。


【今回出てきたセリフの豆知識】
『かえんほうしゃ』は「ポケットモンスター」で出てくる技名を思い浮かべ、使用しました。
ちなみに『かえんほうしゃ』はゲームの初代の頃からあり、他にも「ポケモンカードゲーム」やアニメ「ポケットモンスター」シリーズなど様々なところで使用されています。
個人的に一番印象があるのはアニメのサトシのリザードンですね。めっちゃサトシのこと燃やしてたんでw


【今回使用した楽曲】
「戦姫絶唱シンフォギア」から「魔弓・イチイバル」
「戦姫絶唱シンフォギアGX」から「星天ギャラクシィクロス」


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HP極振りの閉幕後

読み返していたらいつの間にか【詠唱水晶】が【詠唱結晶】に変わっていた事実に愕然としました。一体なぜ勘違いして変わっていたのやら…


たくさんの拍手に包まれ、観客のキラキラとした笑顔を見たエテルノは疲れていながらも幸せそうだった。

 

「はぁ~!最高だった~!」

 

「お疲れさん。なかなかな盛り上がりだったな」

 

「うむ、くるしゅうない」

 

「なんでいきなり昔言葉なんだよ、しかも上から目線だし」

 

「にしても舞台の上って立つと緊張もいっぱいするけど…あんなに楽しいんだね」

 

「そうか、そんなに楽しかったか」

 

「うむ、なんだろあの高揚感…!

さっき終わったとこなのに、まだやりたい!」

 

「おいおい…」

 

「まぁ流石にそれは冗談だし、無理があるけどね」

 

「じゃあ俺はそろそろ失礼するわ、またな」

 

「うん、お兄ちゃんまたね~」

 

 

「ねぇ」

 

「あ、依頼者のお姉さん」

 

「ありがとう。

あなたのおかげでこの舞台にも多くの人が集まってくれた…

またあの舞台に魔物が現れた時もあなたが倒してくれた…

それに私ももう歌えないと思っていたのに、また歌えた…

本当に多くのことをあなたに助けてもらったわ」

 

「いや、そんな」

(しかもデュエットなんて私が独断で決めたし、というかパッと決めたから文句言われるかと…

あ、NPCだからそんなことはないか)

 

「これはお礼よ」

 

そういうと女性は空気を集めるような動きをした。

するとその光が集まり、綺麗な模様の入った一つの指輪になった。

 

「これは…?」

 

「私からのお守りよ。大切に持っていて」

 

「お守り…」

 

 

ピロリン♪

<EQUIP>

【歌姫の指輪】を取得しました。

 

 

「本当にありがとう」

 

 

先程まで普通に聞こえていた声がなぜか小さく聞こえて、目線を指輪から前の女性に移すとそこには誰もおらず、巻物が置かれていた。

 

「…………まさかのお化けだった説…ですと?」

 

 

 

そうして残っていた巻物を拾う。

 

「スキル【紡がれる詩】…あ、今回のクエストの報酬か。

ってあれ?じゃあこの指輪は一体?

もしかして、あの『キマイラ』を倒したり、お姉さんを舞台に引っ張り出したからか…?

とりあえず、一度確認してなかったやつ全部整理しようか。

まずは初クエストの報酬、スキル【願いの歌姫】」

 

発動させると背中から大きな羽2本が生え、頭には天使のようなリングができ、エテルノの髪は白髪から金髪に変わり、瞳の色も青と黒のオッドアイから緑と水色のオッドアイに変わった。

 

 

【願いの歌姫】

演奏(歌唱を含む)を行っている間、30秒に1回半径10m以内の味方全員をHPの5%を持続回復させる。

 

 

「あ、姿変わった。

それにこれってあの大天使様のイメージなのかな?

でもこれ、複数人でやってる時くらいかな、役立つの。

次はドロップアイテムである【合成獣のリボンタイ】」

 

 

合成獣(キメラ)のリボンタイ】

〔HP +300〕〔破壊回復〕

 

 

「お~!めっちゃHP上昇する!

【羽翼の衣装】にもピッタリだし、装備しとこう!

で、次は報酬でもらった【歌姫の指輪】」

 

 

【歌姫の指輪】

〔VIT +10~〕〔破壊不可〕

演奏(歌唱を含む)を行っている間のみVITが+25になる

 

 

「VITアップの装飾品キター!

【フォレストクインビーの指輪】と違って、回復はないけどこれはこれでいい!

演奏中だったらVIT増加するのか。

まさにお守りじゃ~ん!

ではでは、最後がスキル【紡がれる詩】」

 

 

【紡がれる詩】

持っている楽器複数を一度に使用することを可能にする。

 

 

「……これって何か意味あるかな…

あ、でもこれもしかしたら…うん、使えるかも!

これは楽しくなってきた!

第2回イベントも頑張るぞ~!お~!

 

………ってあれ?なにか忘れているような?」




今回は報酬の整理回です。
ちなみに見た目としては【合成獣のリボンタイ】は黄色からオレンジのグラデーションの入ったリボンと白のリボンが重なっていてに、リボンの中心には黄緑の宝石が付いたリボンタイです。
【歌姫の指輪】は細身のデザインで水色の宝石が小さくついています。
ちなみにエテルノちゃんは基本的に右手の中指につけています。
指輪にはつけている位置にも意味がありますので、興味がある方は良かったらどうぞ。

ちなみに次回は掲示板回です


【今回出てきたセリフの豆知識】
おやすみにございます。


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一般プレイヤーと掲示板

今回は掲示板のみなので、ちょっとタイトルも変えてみました


~とある掲示板~

 

 

【NWO】エテルノちゃん初ライブ【最高すぎて語りたい】

 

1.

スレ立ったか?

 

2.

スレ立てお疲れ様です。

 

3.

よし、さぁやるか

 

4.

いろんな歌ってみたとかも聞いてたけど、レベル違いすぎね?マジで一般人?

 

5.

>4 わかる。

マジで歌手かと疑ったことあるけど違うらしい

なんでこんな子が話題にすらならなかったのか

 

6.

隠れた一般人の本気ってヤバいのな

 

7.

一般人でも多分俺には無理です

 

8.

サブ垢*1作って、楽器使い始めて即死した話聞きます?

 

9.

>8 安心しな、俺も起きた

 

10.

>8

楽器使いであんなに強くなれてるのは今のところエテルノちゃんくらいだと思う。

 

 

11.

さて、語りあかそうじゃねぇか!

 

12.

まず何から語るか?

 

13.

最初からじゃね?

 

 

14.

1発目に戦乱ストラグル持ってくるのは流石だわ

 

15.

エテルノちゃん、ホントにわかってんねぇ

 

16.

まぁまずオリジナル曲持ってくるわな

でも流石作詞作曲しただけはあるよな、エテルノちゃん上手すぎる。

 

 

17.

俺は「おねがいダーリン」好きだ

 

18.

あれは萌えるわ

 

19.

エテルノちゃんの「馬鹿じゃないの?」に何かに目覚めそうになった

 

20.

ツンデレエテルノちゃん可愛すぎた

 

21.

なれるのなら、エテルノちゃんのダーリンになりたい

 

22.

>21 わかる

 

23.

>21 エテルノちゃんは俺の嫁

 

24.

>23 俺のだ

 

25.

>23,24 エテルノちゃんは今はみんなのな

 

 

26.

私は「私、アイドル宣言」かな

 

27.

名前だけどころか全部覚えてたわ

 

28.

盛り上げ方がめっちゃ上手かった

 

29.

俺、結構遅れてきて離れてたんだが、みんなに見えるタイプのコメントで「バーンってして」って送ってみたのよ

そしたらエテルノちゃんがこっちの方向を向いて両手構えて「バーン」してくれて、マジで惚れた

 

30.

俺も同様に「投げキッス」ってやったらマジで返ってきた

ついでに満面の笑みで微笑まれた

可愛すぎました…

 

31.

エテルノちゃんはアイドルだったか

 

32.

天使でありアイドル…推させてください

 

33.

推しに貢ぐ宛先を教えてください

 

34.

こんなの無料であっていいはずがない

 

 

35.

途中で挟まれたプリローダだっけ?

あれも綺麗だったな

 

36.

あれクエスト出てくる楽曲のアレンジだってよ

 

37.

クエストで出るの、あれ

 

38.

出てきても楽譜読めないから演奏すらできないと思う

 

39.

まず楽器使いのままで2層に来れる自信がない

 

 

40.

オツキミリサイタルやばかった

 

41.

なんかしっかり思いが伝わってきたよな

 

42.

誰に向けてたんだろ…

 

43.

めっちゃ胸に残る熱さだよな

 

44.

なんか夏の暑さを思い出したわ

 

45.

>44

それ楽曲の影響もあるだろ

熱気ヤバかったしわかるけど

 

 

46.

あとはキマイラとの戦いと依頼者のNPC(?)と歌ってた曲?あれなんかで聞いたことある気がする

 

47.

「魔弓・イチイバル」と「星天ギャラクシィクロス」だな

まさかエテルノちゃん、適合者*2だったのか。

 

48.

乱入されてるのに、演奏しながらぶっぱって、マジもんじゃん。

 

49.

クリスのイチイバルもいいけど、エテルノちゃんが歌ったのもなかなかに良き

 

50.

マリアと翼で歌ってるのが好きなんだけど、エテルノちゃんとのが何だか違っていて、これはこれで良かった

 

51.

あのNPCもよくできてるよな

 

52.

気になって運営に問い合わせで質問したんだけど、どうやらあのNPCの設定って完全歌唱だけで他のこと一切できないらしい。

 

53.

それ特殊すぎるな

 

 

54.

新曲もガチ神だったよな

 

55.

なんかエチエチ*3だった気がする

 

56.

いきなり色気出たよね

 

57.

無邪気な可愛さから急に大人のお姉さん感出てきて死ぬかと思った

 

58.

エテルノちゃんというか、あれはエテルノお姉様の方が合ってる気がした

 

59.

あの若さであの色気は一体どこから生まれたのか

 

60.

大人っぽいエテルノちゃんも可愛らしいエテルノちゃんもどっちもやばい

 

61.

調べたら、もう弾いてみたとか歌ってみた結構上がってるな

 

 

62.

エテルノちゃん、本気ですごいよな

 

63.

軽い気持ちで話題になってたから見たらハマって毎日最低1回は動画サイトに上がった動画見てる

 

64.

俺も聞いて嘲笑ってやろうかと思って見に行ったら、気づいたら思いっきり声出して楽しんでた

 

65.

>63,64

ようこそエテルノちゃんの沼に

 

__________

 

_____

 

 

199.

トークタイムもホントにやばかったよな

 

200.

200ゲトー!

そして今更けどキマイラとの戦い、あれ絶対ヤバくないか?

 

201.

>100 おめー

特にあのスキル、ヤバかった

 

202.

【ムジークヴァッサー】あれヤバい

 

203.

>199,200,201,202

お前らヤバいしか言ってないな、わかるけど

あれの条件も今のとこわかってないしな

 

204.

楽器使いがいなさ過ぎて情報が足らない

 

205.

複数同時攻撃に回復入ってるみたいだよな

 

206.

あれが敵なんだよな…恐ろしいな

 

207.

ただまだ複数対1に持ち込めば勝てなくはないか

 

208.

あれを攻略する方法どこにあるんだろ

 

209.

最強歌姫エテルノちゃん、半端ないな

 

210.

俺、倒すよりもう応援してるわ

 

 

211.

エテルノちゃん、誰かとパーティー組むのかな

 

212.

組むんだとしたら誰と組むんだろう

 

213.

メイプルちゃんあの観客にいたの見つけたんだ

もしかして…

 

214.

>213 想像したら寒気がした

 

215.

そんなのに勝てる自信がねぇ

 

216.

最強の防御力と最強の体力って、本気で怖い

さらにメイプルちゃんの友達もいるみたいだし、どんな恐ろしいことになるか

 

217.

考えたくないな

*1
メインとなるアカウントとは別の目的をもって作られるアカウント。サブアカウントの略称。

*2
ここでは『戦姫絶唱シンフォギア』シリーズのファンのこと

*3
とんでもなく色っぽい事を表現した俗語。




エテルノちゃん、オツキミリサイタルは依頼者NPCを思って歌ってます。
当てはめてみると意外にしっくりと来ただけで、特に闇はないです。
ちなみにエテルノちゃんが歌った楽曲は私の好みの中で、アイドルとかでも成立しそうな楽曲です。
今回のライブでエテルノちゃんが演奏した楽曲の合計は8曲になります。
ちなみにエテルノちゃん、実はクエストで未だにパーティーメンバー集めてなかったり。はてさて一体どうなることか。


【今回出てきたセリフの豆知識】
おやすみです


【今回使用した楽曲】
ナナホシ管弦楽団「おねがいダーリン」
HoneyWorks「私、アイドル宣言」
じん(自然の敵P)「オツキミリサイタル」
「戦姫絶唱シンフォギア」から「魔弓・イチイバル」
「戦姫絶唱シンフォギアGX」から「星天ギャラクシィクロス」


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回想 HP極振り少女のまとめ

次回から第2回イベントということで、1度現在のエテルノちゃんの所持しているオリジナルスキルや装備をまとめたいと思います。


まずはオリジナルスキルから

 

【人間観察】

このスキルの所有者のDEXを他プレイヤーを狙うときのみ、2倍にする。

 

 

【奏者の鉄槌】

楽器で攻撃する時のみ、STR INT DEXを2倍にする。

 

 

【吟遊詩人】

音楽に関するのみ行動速度はAGIを無視することができる。消費MPはなし。

調魔(セイレーン)

演奏(歌唱を含む)を行っている間、AGIを無視することができる。消費MPなし。

 

 

調魔楽聖(セイレーンマエストロ)

戦闘中に演奏(歌唱を含む)を行いながら、好きなタイミングに攻撃を行うことができる。

相手の攻撃と撃つタイミングが一致すると威力が3倍になる。

 

 

独奏夜想曲(ソロノクターン)

周りの状況のみを察知し、他の一切の情報を遮断する。

 

 

【奏者の行進】

演奏(歌唱を含む)を行いながら移動をすると、このスキル所有者のHPの1%を1秒ごとに自動回復する。

 

 

【和音の障壁】

演奏(歌唱を含む)を行っている間の受けた魔法、攻撃、アイテムを自身のHPに変換する。

容量オーバーの場合はランダムでMPか、命の結晶となって体内保有される。

メンテナンスによって使用回数がゲーム時間で1日10回までに制限された。

 

 

【魅惑の旋律】

指定した位置の一定範囲内にいる敵のAGIを半分まで下げる。

 

 

【エレメンタルハーモニー】

最低1曲を演奏を終えない限り使用不能。

演奏時間と楽器の種類によって威力と能力が変動する。

1曲中にミスした回数×10の自傷ダメージが入る。

使用回数はゲーム内時間で1日5回。

 

【フラムミロ―ディア】

使用楽器が鍵盤楽器だった際に発動する。

指定範囲内の敵を炎でできた五線譜で包み、一定時間内に範囲外に出なければ炎が敵を燃やしつくす。

演奏時間10秒で半径1m使用可能。

 

【ムジークヴァッサー】

使用楽器が弦楽器の際に発動する。

半径20m内の敵に水でできた無数の槍を突き刺し、与えたダメージ分、使用者のHPを回復する。

演奏時間30秒で30本の槍を放つことができる。

 

 

【願いの歌姫】

演奏(歌唱を含む)を行っている間、30秒に1回半径10m以内の味方全員をHPの5%を持続回復させる。

 

 

【紡がれる詩】

持っている楽器複数を一度に使用することを可能にする。

 

 

 

次にオリジナル装備

 

まずは初期装備より(弓は消失)

 

初心者のハープ

【STR +5】【AGI +3】

 

 

次にユニークシリーズ

 

旋律(せんりつ)のヘッドホン】

〔HP +100〕〔MP +10〕〔破壊回復〕

スキル【独奏夜想曲】

 

羽翼(うよく)衣装(ドレス)

〔HP +200〕〔破壊回復〕

スキルスロット空欄

 

詠唱水晶(アリアクォーツ)

〔HP +50〕〔DEX +25〕〔破壊回復〕

スキル【調魔楽聖】

 

銀鱗(ぎんりん)鍵盤(けんばん)

〔HP +150〕〔破壊回復〕

スキル【和音の障壁】

 

〔破壊回復〕

この装備は壊れると同時に最大HPの3割を回復させ元の形状に戻る。

修復は瞬時に行われるため、破損時の数値上の影響はない。

 

 

残りのドロップや報酬装備もまとめて紹介

 

【弾奏のギター】

〔STR +25〕〔HP +100〕〔破壊不可〕

スキルスロット空欄

 

合成獣(キメラ)のリボンタイ】

〔HP +300〕〔破壊回復〕

 

【歌姫の指輪】

〔VIT +10~〕〔破壊不可〕

演奏(歌唱を含む)を行っている間のみVITが+25になる




6/12 誤字訂正

ステータスや他のキャラも持っていて、エテルノちゃんも持っているスキルなどは次回に表記します。


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HP極振りと第二回イベント

遂に開幕、第二回イベント!


晴れ渡る空、そして第2層の広場に集まるプレイヤー達。

エテルノは第二回のイベントに参加するため、広場に来ていた。

 

「やっちゃった…」

 

しかしその顔は浮かなかった。

 

「仲間…集めてなかった…」

 

そう何を隠そうこの少女エテルノ、クエストに必死ですっかり仲間集めを怠っていたのだ。

 

「私完全ぼっちなんだが…?

え、この複数対1の戦ありの戦場を1人で渡り歩けと…?

無理無理無理無理…

流石に無理がありすぎますって奥様…」

 

 

「「「うおおおおおお!」」」

 

「ヒッ…!一体何?」

 

視線を向けるとそこには赤い衣装を纏った集団の中心で赤い髪に赤い衣装を纏った少女が堂々と立っていた

 

「いいか!

このイベントで我ら『炎帝ノ国』の名を高らしめるのだ!

約束しよう!

私と共にある限り、勝利の2文字あるのみだと!

『炎帝ノ国』、そのメンバーである誇りを胸に

地の果て、空の彼方までもついてくるがいい!

大地も空も、我らの情熱の炎で焼き尽くそうではないか!」

 

「「「うおおおおおお!」」」

 

 

「すっご…赤の集団って赤備えが思い浮かぶ…

え~と『炎帝ノ国』って確か最近話題になってるよね。

まだギルドシステムはないのにこの人数の団結力、ホントにすごい…

それに今演説してた女の人…確かミィさんだっけ、も確か前回4位だしな…

って、私もどうにかしてな__あ」

 

そうして周りを見るとクロムがいた。

 

「おにいちゃ~ん!!!」ガシッ

 

「うおっと…おいおい誰だ、ってエテルノか。

いきなり抱き着くなよ」

 

「お兄ちゃん、私やらかしたんだが」グリグリ

 

「おうおう、何やらかしたんだ?」ヨシヨシ

 

「仲間探し忘れてた…ぼっち参戦確定です、はい…」

 

「そうかそうか…ぼっち参戦確定、ってマジでやらかしたのか」

 

「だって、ずっとクエストに必死だったんだもん…舞台とか下手なの発表できないし」

 

「俺は2層に来た時に言ったぞ?まぁやらかすとは思ってたが」

 

「やらかすって思ってたならクエスト後とかにも忠告してよぉ…」

 

「んなこと俺に言われてもな…」

 

そう言ってエテルノはクロムに頭をぐりぐりと擦り付けながら抱き着いていた。

 

 

「えっと…エテルノちゃん?」

 

「今名前呼ばれて……え」

 

__クロムと一緒にいたメイプルとサリーの視線に気づかぬまま。

その視線に気づいた瞬間、エテルノは顔をりんごのように真っ赤に染めた。

 

「エテルノだよね…?」

 

「今クロムさんのこと、お兄ちゃんって…」

 

 

「あ…あの…えと…お、お見苦しいものをお見せしましたぁ!

 

「ははは…

コイツと俺は従兄妹同士なんだ。

その影響でコイツは俺の事をそう呼んでるんだよ」

 

「そうなんですか!?」

 

「まさかそこにそんな関係があったとは…」

 

「私もお兄ちゃんとメイプルさん達が知り合いって知らなかった…」

 

 

 

『がお~!』

 

「あ、ドラぞう」

 

『まもなく、第二回イベントのカウントダウンがはじまるどら~!

今回のイベントは探索型!

目玉は移転先のフィールドに散らばる、300枚の銀のメダルだよ!

これを10枚集めることで、金のメダルに!

金のメダルはイベント終了後にスキルや装備に交換できるどら~!』

 

 

「あ、この間もらったのと同じ…」

 

「確かに…」

 

 

『前回イベント10位以内の方は、金のメダルを既に1枚所持してるね

プレイヤーキルをして奪い取るもよし、我関せずと探索に励むもよしどら~!』

 

 

「このためだったんだ、あのメダル」

 

「あれ、ただの記念品じゃなかったんだ…」

 

「俺も9位だからメダルはもらってる。

取られないよう、気を付けないとな」

 

「はい!」

 

 

 

『それではカウントダウン!』

『5!』

「あ…結局1人で挑むことになった…」

「まぁ仕方ないだろ?」

 

『4!』

「うぅ…」

「まぁ、頑張れよ」

 

『3!』

「うん…頑張る」

(こうなれば、やるしかないもんね…)

 

『2!』

「みんなも頑張って」

「うん!エテルノちゃんもね!」

 

『1!』

(とりあえず銀のメダル10枚と金のメダル保持を狙う!自分からの対人戦はいざとなった時の最終手段!よし、頑張ろう)

 

『0~!』

『みんな頑張って!がお~!』

 

 

 

 

<STATUS>

エテルノ

Lv:29

HP 3845/3845(+850)

MP 10/10(+20)

 

【STR】0

【VIT】0(+10)

【AGI】0

【DEX】0(+25)

【INT】0

 

装備

【頭】旋律のヘッドホン【独奏夜想曲】

【体】羽翼の衣装

【右手】銀鱗の鍵盤【和音の障壁】

【左手】詠唱水晶【調魔楽聖】

【足】羽翼の衣装

【装飾品】歌姫の指輪

     合成獣のリボンタイ

     ―――

 

スキル

【人間観察】【大物喰らい】【奏者の鉄槌】

【調魔楽聖】【調魔】【独奏夜想曲】

【楽器の心得 IX】【弓の心得 IX】【挑発】

【奏者の行進】【和音の障壁】【魅惑の旋律】

【毒耐性・中】【エレメンタルハーモニー】

【願いの歌姫】【紡がれる詩】

【釣り】【HP強化・小】【MP強化・小】




6/15 ステータスの訂正
【HP強化・小】はHP+50、【MP強化・小】はMP+10。
メイプルちゃんかどちらも、サリーちゃんがMPの方のみを所持しています。
ちなみに数値は漫画版のステータスから計算して出しました。
そしてステータスを確認する為にHPの数値の確認をしてたら、エテルノちゃんのHPの化け物度合いがさらに増してて、倒せる人いなさそうに感じてきている今日この頃。

【今回出てきたセリフの豆知識】
今回はキャラクターのセリフじゃないです。
エテルノちゃんが『炎帝の国』を見て言った『赤備え』についてです。
『赤備え』は歴史が好きな方や大河ドラマの『真田丸』を知っていらっしゃる方などはわかりやすいかも知れません。
「甲冑」(鎧兜)などの武具を、同じ色で統一した部隊を「備え」と呼び、なかでも「赤備え」とは、武具を赤色や朱色を主体とした色彩で整えた部隊で、当時の赤色は高級品である辰砂で出されており、戦場でも特に目立つため、赤備えは特に武勇に秀でた武将が率いた精鋭部隊であることが多かったそうです。
「炎帝ノ国」が赤中心なのも、もしかしたらこれを考えてだったり…?
実際に行っているものだと武田軍、真田軍、井伊軍などが有名ですね。
その影響なのか、多数のゲームで特に武田信玄や真田幸村の名前がついているキャラクターは赤い衣装を身にまとっているのをよく見かけます。
大河ドラマ「真田丸」が放送された当時には、有名なゲームである「戦国無双」シリーズの1つ「戦国無双~真田丸~」でゲーム内の真田幸村のコスチュームを「真田丸」で 主人公・真田信繁が着用している赤備えの甲冑に変更可能にできたりがあったとか。


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HP極振りのイベント1日目

ポケモンの新作発表があって、気になって見てたら新作の中に「ポケモンスナップ」って出てきて、すごく懐かしくなった。
まぁやったことないんですけど。


開始の合図と共に転移が行われ、次の瞬間エテルノの目の前に広がったのは木々の生い茂った森だった。

 

「おぉ~、今回も森からのスタートか。

えっと確か、今回のイベントはゲーム内期間が1週間。

時間短縮が入ってるからリアルでの時間は約2時間、か。

てことは今回のイベント中に【和音の障壁】は合計70回、【エレメンタルハーモニー】は合計35回、といってもどっちも回数はしっかり考えないと…」

 

そうしてエテルノは【旋律のヘッドホン】を装備し、【独奏夜想曲】を発動させた。

 

「ふむ、辺りに他プレイヤーはなし…ってことはお兄ちゃんやメイプルさん達は違うところに飛ばされたんだ。

結局ぼっちだ。うっわ、さっみし…

………とりあえず、【エレメンタルハーモニー】がいつでも発動できるように演奏しながら、メダルを探してみるか」

 

 

~♪~♪

 

(寂しい時こそ明るく楽しく歩き出そう)

そうしてエテルノは思い浮かんだ音楽を並べて、明るい楽曲を作り上げていく。

 

「あ…ここはこっちの音の方がいいか」

 

そうして試行錯誤を繰り返しながら進んでいく。

 

 

すると__

 

「__んえ?」

 

普通に進んでいたはずなのに、踏み出した足元に地面の感触がなかったのである。

つまり隠しルートに繋がる落とし穴だ。

エテルノはそれに気付かず、足を踏み出してしまったため見事に落下してしまったのである。

 

「いててて…こんなとこに隠しルートあるとは聞いてない!

って聞いてたらおかしいな…」

 

落ちた場所を見て確認をすると、横には扉があった。

 

「イベントマップにこんな扉ってことは、隠しダンジョン…?

てことは、メダルもあるはずだよね?

よし、やってやろうじゃん。

よっこい…しょ~!!」

 

 

 

 

そうして扉を開くと広いスペースが広がっていた。

 

「こんな大きいと絶対何か__」

ゴゴゴゴゴゴゴ

「__いるよねぇ」

 

大きな物音と共に現れたのはふくよかな緑色の胴体に武装、豚のような顔をした大きなモンスター『キングオーク』である。

 

「オオオオオオオオオオ!!!」

 

「おうおう、大きい豚さんだこと。

まぁ正式には大きなオークなんだろうけど」

 

「ボオオオオオオ!!」ドスドスドス

 

「まぁ、まずは猪突猛進ですか。

豚というか猪かな?」

 

攻撃を【詠唱水晶】で受け止める。

 

「まぁ猪の方がまだ賢いかな?

猪突猛進って言っても、彼らは通れないって判断したら突っ込まないし」

 

受け止めた攻撃を【調魔楽聖】の効果で跳ね返す。

 

「とりあえず【和音の障壁】はまだ使用すべきはないし、【弾奏のギター】に変更っと…

そこまで時間をかけるのももったいないし、俺は最初からクライマックスだぜ!ってね!」

 

~♪

 

そうして変更するとすぐ激しくギターをかき鳴らしながら移動を開始する。

 

「ココロを叫べ!」

 

そういうとエテルノの攻撃は一気に激しさを増した。

『キングオーク』は巨体のため、素早くは動けない。

それを利用して、『キングオーク』が大剣で攻撃をするタイミングを見て、それを【調魔】のスピードで避け、攻撃をするときにできる隙を狙って【弾奏のギター】をハンマーのようにして殴る。

 

「一夜 人の世に立ち

片欠けの身の果てを見ていた

ヒトよ ヒトよ とせがみ

生きるため箱の身を選んだ

生命(イノチ)の光 泣いてもがいていている

生命(イノチ)の光 (ハイ)になって愛しあっている

歪んだヒトガタ」

 

「【魅惑の旋律】!」

そうして『キングオーク』の体力がわずかになり、そこまで早くなかったスピードを【魅惑の旋律】によって更に遅くする。

 

「人型の姿 見せ方 偽型 似せ方も知らず光から染み出し

染み出したココロ痛みのち人成り 人ならざる者の生命(イノチ)(ウタ)う」

 

曲が終わるのと同時に終わらせようとエテルノは【詠唱水晶】全てを一点に集め、【弾奏のギター】での攻撃と同時に叩き込んだ。

STR+25に【奏者の鉄槌】によって、それが2倍になっている。

それに体力がわずかになっていた『キングオーク』が耐えきれるわけもなく__

 

「ガアアアアアアアアア!!!」

 

『キングオーク』は苦しみながら光となって消えていった。

 

 

 

「この世界はバーチャルでも、リアルみたいにいろんな痛みはあるんだからね」

とエテルノはかっこつけていた。

 

(かっこつけてみたけど、誰もいないから意味ないか)

そんな個人的な感想も添えながら。

 

 

 

 

『キングオーク』が完全に消えると同時に宝箱と転移ゲートが現れた。

 

「さてさて…お宝♪お宝♪なんだろな~♪っと」

 

ワクワクしながらその宝箱を開くと中には2つの銀のメダルが入っていた。

 

「よっしゃ、メダル2枚ゲット!目標まで残り8つ頑張っていくぞ~!」

 

そうしてメダルを回収するとエテルノは転移ゲートで脱出した。




6/18 誤字訂正

【今回出てきたセリフの豆知識】
『俺は最初からクライマックスだぜ!』は「仮面ライダー電王」から「モモタロス」のセリフが代表的です。
といっても怪人としては、最初から最後まで最大攻撃しかこないので、苦痛以外の何者でもないのですが。
ちなみに声優さんは関俊彦さんで、「鬼滅の刃」の「鬼舞辻無惨」役をしていた方ですね。どっちも鬼ですね。
(「モモタロス」は赤鬼モデルのイマジン、「鬼舞辻無惨」は正真正銘鬼)


【今回使用した楽曲】
HIMEHINA「ヒトガタRock」


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HP極振りのイベント2日目

感想欄で感想と共にエテルノちゃんへ向けたメッセージを送ると、エテルノちゃんからの返事を添えて返信致します。
よろしければどうぞ。


無事『キングオーク』を倒し、転移ゲートを通ると木々が広がっていた。

 

「うむ、戻ってきた。

でも最初のところとちょっと違う…?」

 

たどり着いたのは森の中。

しかし木々の種類や道などが違っていた。

 

「ふむ…転移ゲートで飛ばされるのが元の場所とは限らないのか」

 

 

ある程度周りの様子を把握すると、1日目同様に【銀鱗の鍵盤】で楽曲を作りながら歩いていく。

 

「ここはこうして…いやちょっと違うか。

やっぱりギターだけって物足りないよね。

ドラムとかベースとかも欲しいな。

あ、クラシックだとヴァイオリンとかもいいな。

和テイストなのになると三味線とか尺八とかもありだよね。

考えただけでもいっぱいあって、楽しいなぁ。

……ん?」

 

 

【独奏夜想曲】で周りを確認していると、他プレイヤーの反応が感知できた。

だが【独奏夜想曲】でわかるのは状況のみで誰かわからないため、知るために【独奏夜想曲】を解除をすると__

 

「__我が名はクリスマスローズ、またの名を白薔薇の騎士…!」

 

(なんかめっちゃイタい*1人がいるんだけど…

しかも姿が木の陰に隠れて全然見えない…)

 

「さぁ、ここで私にあったことを悔やむがいい…いざっ!

きえぇええええい!」

 

そう言って勢いよく木の陰から現れたのが緑色の髪をした少し上等な装備をした青年だった。

青年は意気揚々と襲い掛かろうとしたものの、エテルノの姿を見た瞬間一気に青ざめた。

 

「え、嘘だろ、エテルノ…!」

 

「うん、エテルノですよ~。

ってことで、バイバ~イ自称白薔薇の騎士。

今度全部一度見直して、黒歴史にしてきな~」

 

そうして自称、白薔薇の騎士ことクリスマスローズは【和音の障壁】に吸い込まれていった。

 

 

 

「う~ん…やっぱギターに変えとこう。【和音の障壁】使うのもったいないし」

 

装備を【弾奏のギター】に切り替え【独奏夜想曲】を発動すると、今度は猛スピードでこちらに迫ってくる3人の反応が感知できた。

 

 

「前イベントでは、メイプルには通用しなかったこの攻撃!」

「しかし我らも成長した!」

「そして楽器使いに防ぐすべはあるまい!」

「「「覚悟ぉおおお!!!」」」

 

そして猛スピードでこちらに向かっていたプレイヤーが奇襲を仕掛けてきた。

しかし__

 

 

「よいしょ!っと」

 

「え、嘘…!?」

 

__振り返ると同時にエテルノは【詠唱水晶】で奇襲を仕掛けた全てプレイヤーの攻撃を受け止めていた。

 

 

 

「うんうん、ジャストタイミングだ。

それにしても不意打ちとは面白いね。

でも、いきなりレディに襲うのはいただけないね。

てことで、お仕置きの……彗星ホームラン!!!」カッキーン

 

「バットでも柱でもなく、ギターじゃねぇかぁああ!!!」

 

【弾奏のギター】でバットのように振り、【詠唱水晶】を野球の球のように飛ばすと同時に、近くにいたプレイヤーを飛ばしたのであった。

 

 

 

「奇襲を仕掛けるのはいいけれど…

……敵はある程度、選んだ方がいいですな。

ドンマイ、見知らぬプレイヤー達」

 

そういって【旋律のヘッドホン】に触れながら独り言を呟いた。

*1
傍から見ている者が気まずい気分に襲われるような状況を形容する俗な言い方




6/23 タイトルの変更

アニメで第2回イベントにクリスマスローズ達の活躍はなかったんで、入れてみました。といってもかませ犬っぽくなりましたけどw


【今回出てきたセリフの豆知識】
『彗星ホームラン』は「僕のヒーローアカデミア」の「麗日お茶子」の必殺技の一つです。
数々の瓦礫を、浮かせた柱を使って相手にドカンとかっとばします。
まぁ飯田天哉には「ホームランではなくないか!」と言われていましたけどねw
今回はエテルノちゃんは数々の瓦礫を【詠唱水晶】に、浮かせた柱を【弾奏のギター】に変えてます。


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HP極振りのイベント3日目

基本的にパソコンで投稿をしてるんですけど、前回投稿する時に書いたものを投稿前に間違えて消してしまって絶望しかけました。
履歴があって本当によかった。


たまに挑んでくるプレイヤーを倒しつつ森を進んで行くと湖があった。

 

「おぉ~!綺麗!

見晴らしもいいし、リアルだったらゆっくりしてたな…」

 

そういってエテルノは湖の近くにまで行き、その水を確認した。

 

「……うん、水も綺麗。

飲み水とかでも良さそう。

ただ見晴らしがいいってのは逆に見つかりやすいってことなんだよね。

……ん?」

 

そうして周りを見ると、近くの木に大きなツリーハウスが建っていた。

 

「お~、すごくおっきいし、洒落てる。

で、こういうとこにあるってことはメダルありの可能性あり。

ということで行ってみますか」

 

 

 

 

ツリーハウスの中に入るとそこには転移ゲートがあった。

 

「転移ゲート…ってことはまたダンジョンとかの可能性ありか。

念のために【銀鱗の鍵盤】に変えておいて…

………よし、行くか。」

 

そうしてエテルノは【銀鱗の鍵盤】に装備を変え、転移ゲートをくぐった。

 

 

 

 

その先にあったのは赤い結晶によってできた広間だった。

 

「綺麗なとこの先は綺麗なとこだったと…」

 

グルルルルルル

 

__いきなり唸り声が聞こえた。

 

「やっぱこういうとこにはいますよね」

 

そういって唸り声が聞こえた方向を見ると(たてがみ)が赤々とした炎ででき、爪やところどころに赤い結晶を纏ったエテルノの数十倍の大きさの獅子がいた。

別名『炎獅子(えんじし)』である。

 

 

「うへぇ…これは本気でヤバそうだぞ~?」

 

「ガアアアアアアアアアアア!!」

 

そういって思ったことをそのまま一言言うと、同時に『炎獅子』は即座にエテルノを襲いかかった。

その爪は鋭く、一撃は恐ろしい威力にことになるのは火を見るよりも明らかだった。

 

 

~♪~♪

 

「【調魔】!」

 

そういって軽く演奏を行い、エテルノは数m先になんとか移動した。

エテルノの立っていた位置には大きな爪痕が残されていた。

 

「ひぃや…待ってあれ絶対痛い!

あんまり食らいたくないんだけど…!」

 

そうしてエテルノは『炎獅子』の猛攻を【調魔】を利用して攻撃がくるタイミングで、なんとか交わしていく。

 

 

しばらくすると『炎獅子』は猛攻を一度やめた。

そして今度は大きな赤い結晶を作り上げていく。

 

「今度はなんだ…?」

 

そうして作り上げられた赤い結晶を『炎獅子』はエテルノに向かって放った。

もちろんエテルノは【調魔】を使用して避ける。

しかし避けた結晶は地面に落ち、その場所は高温によってマグマのように溶けていた。

 

「待って!?え、地面溶けた!?

え、こっわ!待って、こわっ!!」

 

そうしている間にも『炎獅子』は次の赤い結晶を作り上げていて、エテルノを狙っていた。

 

「いやいや待て待て、待ちなさい!

地面落としたら落としたで溶けるって、あれ危険すぎるでしょ…!

流石につっら…!」

 

『炎獅子』は次の結晶をエテルノに向かって放った。

 

「【和音の障壁】!

地面に落ちたら移動できる場所も制限されるし、とりあえず一度受けた方がまだマシ!」

 

そうして【和音の障壁】で受けると命の結晶となって【銀鱗の鍵盤】を飾った。

 

 

「さてさて…これはどうするべきか…」




メイプルたちが遭遇した『銀翼』が氷なら、エテルノちゃんが遭遇するのは真逆の属性にしてみようと思った結果がこれでした。


【今回出てきたセリフの豆知識】
『いやいや待て待て、待ちなさい!』は「戦姫絶唱シンフォギアAXZ」のCMにて、「マリア・カデンツァヴナ・イヴ」が言ったセリフから拝借しました。
シンフォギアの癖の強いCMは2期である「戦姫絶唱シンフォギアG」から始まったのですが、毎回CMの内容が放映されたアニメの内容がとちゃんとリンクしていて、CMというかほぼショートコントなんですけどホントに面白いです。


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HP極振りと炎獅子

段々夏になって気温が上がってきて、エアコンとか扇風機とかが必要に感じます。みなさん、熱中症予防のためにも水分補給しっかりしてくださいね。


「とりあえず数回、攻撃を受けようか…」

 

エテルノは演奏を続けつつ、近接攻撃を避け、赤い結晶の攻撃を【和音の障壁】で防いでいた。

近接攻撃によって赤い結晶でできた部屋は傷だらけになっていた。

 

 

~♪~♪

 

「ガアアアアアアアアアアア!!」

 

(今のところ【和音の障壁】は5回使ってる…)

「流石にこの状況を保つわけにはいかないよねっ!」

 

そういって『炎獅子』の近接攻撃を、いつものように【詠唱水晶】で防いだ。

 

 

しかし__

 

(え…?)

 

その威力は凄まじく、衝撃で【詠唱水晶】が砕け散った。

それでも勢いは収まることはなく、エテルノの体の一部を切り裂いた。

そうして衝撃によって、エテルノは壁まで飛ばされた。

 

その痛みは凄まじく、軽く血反吐を吐きかける程だった。

演奏も痛みの影響で止まっていた。

そうして次に前を見た瞬間、目の前には『炎獅子』が大きい爪をこちらに向けていた。

 

(あぁ…これは__)

 

__エテルノに『炎獅子』の斬撃が当たる。

HPのゲージが一気に減少していく。

 

(選択を間違えたね…

ここで今回は一度負けかな…

まぁ、結構頑張ったよね)

 

 

 

そうして身をゆだねようとした、その時。

言葉を思い出した。

 

自分を憐れむな。

自分を憐れめば、人生は終わりなき悪夢だよ。

 

 

 

(あぁそうだ…)

 

__HPの減少がほんの少しを残して止まる。

 

 

(なんで、諦めようとしてるんだろ。

なにが「頑張った」だ…

まだ目標出来てないじゃん)

 

__痛みが和らいでいく。

装備の〔破壊回復〕によるHPの回復だ。

 

 

(こんなとこで諦めてどうするのよ…

そんなの、かっこ悪い。

できるだけのことはやるんでしょうが…)

 

__そうしてエテルノは口を開いた。

 

「【紡がれる詩】」

 

そう言うと【銀鱗の鍵盤】と同時に【弾奏のギター】が出現した。

 

 

「さぁ……反撃の開始だよ…!

 

 

 

~♪~♪

 

【紡がれる詩】によって【銀鱗の鍵盤】と【弾奏のギター】を同時に奏でる。

 

 

「他と違っていいんだ 乗り越えて自尊感情

志し固いんだ 邪魔をすれば勿論 排除」

 

そうして『炎獅子』の攻撃をかわしながら、持っている楽器を【弾奏のギター】に変え、攻撃を繰り出していく。

 

 

(…やっぱり楽器2つ分は難しい)

 

複数の楽器を同時に鳴らすということは、複数の楽器の技術がまずなければできない。

あったとしても同時に鳴らすことは普通行わないため、どうしても集中がどちらかに偏り、その分ミスが増えていく。

 

 

「見えないと 触れたくて 活発な欲望を

逃がさないように切っ先を向けた」

 

(でも__)

エテルノは笑みを浮かべた。

 

「この眼が見た景色は異様に

挑戦的で期待以上に

不利なら不敵に笑って 頂点を

奇抜な野心を乱れた世に

独創的な誇りはとうに

不利から無敵に 撹乱ロマンチスト」

 

 

 

「ガアアアアアアアアアアア!!」

 

もちろん『炎獅子』もそれで止まるわけもなく、赤い結晶を出して攻撃を繰り出す。

 

「【和音の障壁】!」

 

それをエテルノは【和音の障壁】で受け止める。

 

 

「ガアアアアアアアアアアアアアアア!!」

 

それを見た『炎獅子』は即座に斬撃を入れようとした。

 

 

(ほのお)の色は紺青(こんじょう)

 

その斬撃を繰り出そうとした足をエテルノは【和音の障壁】で吸い込んだ。

4本足で立つ『炎獅子』にそれはとても致命的なもので、上手く着地することができなかった。

また、立ち上がろうとするもバランスを崩し、倒れてしまう。

 

「この眼が見た景色は異様に

挑戦的で期待以上に

不利なら不敵に笑って 頂点を

奇抜な野心を乱れた世に

独創的な誇りはとうに

不利から無敵に 撹乱ロマンチスト」

 

エテルノはそうして1曲の演奏を終えた。

そして次の瞬間には、エテルノの周りには水の塊がいくつも浮いていた。

 

 

 

「ねぇ知ってるかい?」

 

いくつもの水の塊は多くの槍に形を変えていく。

 

「ピアノってね、鍵盤楽器でもあるけど、打弦楽器って言って弦楽器(・・・)にも入るんだ。

だからね、【銀鱗の鍵盤】と【弾奏のギター】で弦楽器が合計2つあるんだ」

 

無数の槍が『炎獅子』を囲んだ。

 

「さぁこれに耐えれるものなら耐えてみてよ…!

水面の曲よ貫け…!!!【ムジークヴァッサー】!!!

 

 

いくつもの槍が『炎獅子』を貫いていく。

 

「グルゥウウガァアアアアアアア!!!」

 

水の槍が『炎獅子』を貫いていく。

その数、計360本。

炎の鬣を持つ『炎獅子』には水の槍1本1本が致命的だった。

そして遂に『炎獅子』の体の結晶が砕け、光となって消えた。

 

 

 

 

「これ…勝てた…?

勝てたんだよね……

う…うぅううう………

やったぁああああああああああ!!!」




みなさん知ってましたか?
ピアノが鍵盤楽器だけでなく弦楽器にも該当するって。
ピアノの仕組みを簡単に説明すると鍵を押すと、鍵に連動したハンマーが対応する弦を叩き、それで音が出るんです。
なのでピアノは内部構造を考えると、弦楽器でもあり打楽器でもあるんです。

槍の本数は『撹乱ロマンチスト』が3分25秒なので、この数になってます。【奏者の鉄槌】とかもありますから耐えるのは難しくなりますね。
さぁ、運営がんばれ~(棒)



【今回出てきたセリフの豆知識】
『自分を憐れむな。自分を憐れめば、人生は終わりなき悪夢だよ。』は「文豪ストレイドッグス」より「太宰治」のセリフを使用させていただきました。
文ストの太宰は飄々と生きてますが、暗い過去があり、想像以上にすごい人生を送っています。
だからこそ言える深い言葉だと私は考えています。

【今回使用した楽曲】
「戦刻ナイトブラッド」より「撹乱ロマンチスト」


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HP極振りと討伐報酬

お気に入り登録者の人数がついに1000人を超えました。みなさん、たくさんの応援ありがとうございます。


そうしてエテルノは討伐した達成感に震えていた。

 

「やったぞぉ!!私はやったのだ!

私はやればできる子だった!!

やればできる子、YDK!

はっはっはっはっは!

どうだ~!見たか運営!やってやったぞ~!」

 

そう言って一人ではしゃいでいた。

 

 

 

しばらくして落ち着いたのか、辺りを確認していた。

 

「さて、歓喜に震えるのはここまで。

さぁさぁ報酬確認~っと。

……およ?」

 

そうして倒した『炎獅子』のいたところに赤い結晶と炎のような綺麗な緋色の毛皮が落ちていた。

 

「お、まさかのドロップアイテム?

しかもこれ多分レア素材じゃない!?

超ラッキー過ぎる!」

 

そう言いながらエテルノは素材を回収した。

 

 

「さて次は、宝箱か転移ゲート探しだな。

流石にあの難易度でメダルなしだったら泣く自信ある。

それに転移ゲートなかったら脱出できないしね」

 

赤い結晶の部屋を歩き回ると案外すんなりと転移ゲートと宝箱が見つかった。

 

「よっしゃ、宝箱はっけ~、ん?」

 

その宝箱の近くには物影があった。

 

「何これ…?卵…?」

 

その正体は1つの卵だった。

卵は白く、少しの模様が入っていた。

 

「…何の卵だ、これ?」ピッ

 

そうして操作して、内容を確認した。

 

「えっと…【モンスターの卵】、温めると孵化する…ってそれだけ?

もっとこう中身は何、とか…なにかの気配が、とかないのか…」

 

そうして卵に触れた。

 

「あ、持ち帰れる。

もしかして、テイム*1できるタイプかな?

とりあえずこれ、宝箱確認してから試しに孵してみるか」

 

そうして卵を手に持ちながら、宝箱を開けた。

その中には5枚もの銀のメダルが入っていた。

 

「お~!大量大量!

もうかりまっか~ぼちぼちでんな~、なんてね。

これでメダルが合計7枚か。

うん、順調順調!」

 

そうしてエテルノは卵を持って移動し始めた。

 

「孵化方法わかんないから、とりあえずまず某ゲームだと移動して卵孵化させてだっけ?

試してみよう!」

 

エテルノの卵孵化作戦の開始であった。

 

 

 

 

 

~とある場所~

 

「『銀翼』の次は『炎獅子』がやられた!?」

 

「なんだと!?」

 

「『炎獅子』の攻撃力は並大抵のプレイヤーなら即死のはずなんだけど!?」

 

「貫通攻撃も最大火力にしてあるからメイプルでも倒すのは困難なはずだ!」

 

「今度は誰だ!?」

 

「この子だ…」ピッ

 

映し出された、大きなディスプレイには1人の少女の姿があった。

そう__

 

「エテルノじゃんか!!!」

 

「エテルノなら納得だわ…」

 

「あの音楽の技術力に、膨大なHPの量なら納得だ…」

 

「いや、エテルノでもあれは倒すのには苦労したんじゃ…」

 

「いや、【エレメンタルハーモニー】の2回分同時発射だ。

しかも炎属性の弱点になる水属性の【ムジークヴァッサー】だ」

 

「あぁ…【紡がれる詩】使ったかぁ…

そういえば噂で、ライブしたみたいだったし、取得してるだろうな」

 

「俺、人数が結構集まってみたみたいで、念のために調整必要かどうかの確認のためにこっそり行ったけど昇天した。

あれはホントに神だった」

 

「語彙力をなくしたか…」

 

 

「ってことは、あそこの【幻獣の卵】も持っていかれたのか!」

 

「マジかぁ…」

 

「あそこって確か…」

 

「確か、あれのはずだ」

 

「結構まずいことになってないか…?」

 

「エテルノの分もメダルスキル確認しないと…」

 

「あぁ…仕事が増えていくな…」

 

 

「エテルノちゃんも化け物と化してきたな…」

 

「わかる、癒しだけどな」

*1
本来であれば敵であるモンスターを手懐けてペットにするということ。




6/30 誤字訂正
7/1 文章の訂正
8/26 誤字訂正

卵孵化っていうと個人的に有名な某ポケットなモンスターを思い出して、それの孵化作業をちょっと混ぜてみました。
まぁあれの卵孵化は選別しまくるとホントに時間かかりますよね。
さぁエテルノちゃんの手に渡ったモンスターとは、これ如何に!


【今回出てきたセリフの豆知識】
特にはないのでおやすみです


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HP極振りと卵の中身

この前初めて痛バッグを作ってみました。
今までは「あれすごいなぁ」って見てるだけだったんですけど、作ってみると「これだけ買ってきたんだ」って推しへの貢ぎに実感がわいて、結構楽しかったです。支払ってきた金額も実感しましたけどw


「……全然生まれない」

 

エテルノは未だに卵を抱えながら移動し、孵化を目指していた。

 

「移動するのはちょっと違うのか…、

う~ん…普通に温めてみる…?

暖かくしすぎてもダメだから、抱きしめるようにして…人肌で…優しく…」

 

そう言ってエテルノは、今度は座って卵を抱きしめ、温め始めた。

 

 

 

そうしてそのまま温めるていると__

 

(まだ違うのか…ちょっと卵に歌ってみようかな…)

 

そう思ってエテルノは卵に歌を歌い始めた。

 

「Collige, virgo, rosas

Collige, virge, rosas

心還るときまで

歌をあげましょう

長い祈りにいつか陽が射すように

空に実った 宝石もやがて 爛熟して落ち

砂時計は再び廻る」

 

 

卵を抱え込むように、抱きしめているため楽器は使用できない。

なので、シンプルな歌声だけが響き渡る。

 

 

「ほら聴こえているでしょう

願った声が望んだ 喜びの音が

時は満ち生まれる 花開く度

Spem metus sequitur

全て委ねて」

 

 

 

そうして歌っていると卵から振動が伝わってきた。

 

「お…?成功…?そろそろ生まれるのかな…?」

 

そうしてエテルノは卵から手を放ししばらくして、ピキピキと殻にひびが入った。

 

「あ__」

 

次の瞬間、卵から割れ、光と共にモンスターが孵った。

青緑から黄緑、白のグラデーションの羽を持っており、頭には冠羽(かんう)、首元には綺麗な緑色の宝石が付いていた。

 

「ピィィー!」

 

卵の中身はオウムだった。

卵から孵ったオウムは綺麗な羽を整え、エテルノに鳴きつつも不思議そうな顔をして、近寄ってきた。

 

「かわいい…!」

 

「カワイイ?」

 

「あ…うん!かわいい!」

 

「カワイイィ!!」

 

「よしよし。

そっか、オウムだもんね、言葉を覚えるよね。

流石に覚えるの速い気がするけども」

 

そうしているとオウムの入っていた卵の殻は指輪に変化した。

 

「指輪…?」

 

指輪に触れると内容が確認することができた。

 

「【絆の架け橋】…

装備している間、一部モンスターとの共闘が可能…

ってことは、やっぱりテイムだったのか。

あ、共闘可能モンスターは指輪一つにつき1体なのね。

モンスターは死亡時に指輪内での睡眠状態となり、一日間は呼び出すことが出来ない…

ってことは死んじゃったら、そのままさよならとかじゃないんだ!良かったぁ…

えっと…あ、これ、装飾品なのね。

じゃあこれで__」

 

エテルノが【絆の架け橋】を装備すると、オウムは飛び上がりエテルノの肩に乗ってすり寄ってきた。

 

「おぉ~!

よしよし…羽の毛艶がいいですな…いや、羽艶かな…?

あ、ステータスが見れる」

 

 

そうしてオウムのステータスに触れると〔名前を入力してください〕と表示された。

 

「あ、名付けしないといけないんだ…

どうしようかな…」

 

・・・

 

「私、楽器使いだし…音楽……いや音かな…」

 

・・・

 

「『スオーノ』、かな…?

『エテルノ』と同じイタリア語だし。

よし、君の名前は今日から『スオーノ』だよ!」

 

「スオーノ…スオーノォ!

ナマエ!スオーノ!」

 

「ふふふ、ホントに可愛い。

えっと…ステータスは__

__わ、いろいろ私よりやっぱ高い…

私のステータスはレベル1のモンスターに負けるのか…」

 

 

 

<STATUS>

 

スオーノ

 

Lv:1

 

HP 170/170

 

MP 70/70

 

 

 

【STR】40

 

【VIT】10

 

【AGI】60

 

【DEX】70

 

【INT】40

 

 

スキル

【ついばむ】




7/3 誤字訂正、読み仮名の追加
7/6 スオーノのステータス数値の調整

卵の中身はオウムさんでした。
実はこの卵の中身、私の実兄にアイデアをもらったんです。
実兄も結構この作品を読んでくれていて、よく感想を教えてもらってますw



【今回使用した楽曲】
「NONE9 ノルン+ノネット」より、挿入歌「砂時計は空の空」


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HP極振りのイベント4日目

前回のスオーノのステータスがちょっと高かったんで調整しました。
そして、スオーノの性別が決まりません。
というか、あの世界ってモンスターに性別あるんだろうか…


生まれたばかりのスオーノを肩に乗せ、転移ゲートを通るとその先には草原が広がっていた。

 

「おぉ~、今度は森じゃないのか。

清々しいねぇ~」

 

「スガスガシイ?」

 

「うん、清々しい。

さて、君もレベルアップしないとね。

今回のイベントって、モンスター出てくるのかな…」

 

 

そうして歩いていくと、草むらからガサゴソという物音が聞こえてきた。

 

「なに…プレイヤー…?」

 

そのまま草むらからの物音が近づいてくる。

警戒しているとそこから現れたのはピンクの体が連なったモンスター、『オオムカデ』だった。

 

「わお、モンスターいたぁ…

ていうか、もはやこの状況あれかね?

『野生の オオムカデ が現れた』じゃん。

リアルポケットなモンスターのはじまりか…?」

 

そうこうしていると『オオムカデ』はこちらに近づき、攻撃をしようとしていた。

 

(これくらいならこの子でも倒せるかも…?)

「スオーノ!【ついばむ】!」

 

「ピィィー!」

 

そう言うとスオーノが『オオムカデ』に向かっていくと、くちばしで連続でつついていった。

しかし流石にレベル差があるのか段々スオーノの方が劣勢になっていく。

 

(ちょっと劣勢だな…ちょっとぐらいサポートしてもいいかな)

「【開演】」

 

~♪~♪

 

「【魅惑の旋律】」

 

演奏を始め、【魅惑の旋律】で『オオムカデ』のAGIを下げ、攻撃回数を一気に減らした。

そうするとスオーノが勝機だと思ったのか攻撃回数が増加した。

 

しばらくすると『オオムカデ』は光となって消えていった。

 

「ピィィー!!」

 

『オオムカデ』を倒したスオーノを見ると、傷つきつつも、すごくキラキラした瞳と一緒に「ドヤッ」と擬音が聞こえてきそう顔でこちらを向いていた。

 

「すごく満足そうな顔してんじゃん、スオーノ。

そして、すごい子じゃん」

 

「スオーノ、スゴイ?」

 

「うんうん、すごいすごい!」

 

「スオーノ、スゴーイ!」

 

(なんだろ…なんていうか幼児を扱ってるみたい…)

 

そうして、遭遇したモンスターをスオーノが倒していった。

……【魅惑の旋律】でこっそりとサポートをしながら。

 

 

 

移動しながらモンスターを倒す。

草原からまた森に入り、しばらくするとレベルが上がり、段々サポートも必要がなくなってきた。

 

そうして、倒していくと__

 

「あ、レベル3になったよスオーノ!」

 

「レベルアップー!」

 

「うん、レベルアップだよ。

えっとステータスは…うん、順調みたい。

あ、またスキル獲得してる…【休眠】と【覚醒】?」

 

そうするとスオーノは気になったのか、エテルノの肩に乗り、一緒に画面を確認した。

しかし流石に文字はわからなかったようで、すぐ高く飛び上がり空から周りを見渡していた。

 

「えっと【休眠】が指令で指輪の中で眠って安全に体力の回復…【覚醒】がそれを呼び起こすってことか。

うん、便利だね。

スオーノ!寝るー?」

 

「ネルー?ネルー!」

 

「よし、じゃあ【休眠】」

 

そういうとスオーノは【絆の架け橋】に入っていった。

 

「おやすみ、スオーノ」

 

 

 

 

 

「__ホントにこっちの近くを飛んでたのか?」

 

「ん…?」

 

スオーノを【休眠】させると、プレイヤーの声が複数近づいていることに気付いた。

 

「この近くだったはずです。

あの鳥モンスターを倒せばメダルがもらえるかと」

 

「ですがそんな姿、今は見えないですよ?」

 

「一定時間しか姿を現さないのかもしれない…念のため慎重に行こう」

 

 

「他プレイヤー…?できるだけ対人戦は避けたいけど、メダル持ちなら倒した方がいいかもしれない…

ちょっと様子見してみるか…」

 

 

そうしてこっそりと木々に隠れながら、プレイヤー達を確認する。

 

そこにいたのは赤を基調とした衣装のプレイヤー。

そして中心にいたのは赤い髪の少女__

__『炎帝ノ国』のミィとその一行であった。

 

 

「やばいのに遭遇した…!」




テイムというかモンスターって言うと、やっぱりよくやってきた有名なポケットなモンスターよく思い浮かべるんですよね。
【絆の架け橋】も収納できるボールみたいだなとたまに思います。
まぁあれは基本的には回復方法はないんですけど。


【今回出てきたセリフの豆知識】
『野生の オオムカデ が現れた』は、ポケットなモンスターこと、正式名称ポケットモンスター、縮めてポケモンのバトル画面でのメッセージ、「やせいの ○○○○(ポケモンの種属名)が あらわれた」を基にしています。
ちなみに『あらわれた』ではなく『とびだしてきた』と表記されることもあります。
ポケモン以外でも使用されることが増えていて、まるで原作者(漫画家・アニメーター・イラストレーター)本人が描いたとしか思えないような、極めてオリジナルに似た画風のファンアートのことを「野生の公式」という呼び方がそこから生まれていたりします。
ちなみにドラクエにも敵登場時のセリフがありますが、『○○○○(敵の名称) あらわれた』だけで『野生の』は付きません。


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HP極振りと炎帝ノ国

水樹奈々さんが結婚発表したなと思っていたら、今度は花澤香菜さんと小野賢章さんが結婚。
幸せな発表が多く、こちらも嬉しくなりますね。
これからの結婚生活が幸せなものになることをお祈りします。


炎帝ノ国の一行を見つけた瞬間、エテルノは物陰で息をひそめていた。

 

(これ隠れるしかない…流石にあれは多分無理…

1対多数、しかも噂になってる炎帝ノ国、さらにメンバーが悪い…)

 

そう炎帝ノ国のメンバーには前回イベントでも順位が高い者も多く、8位のマルクスと10位のミザリーもいるのだ。

 

 

「確かにここだったんだな?」

 

「えぇ、そうです」

 

(頼む…早くどこかに行ってくれぇ…)

 

 

「もう誰かが討伐してしまったのかも…」

 

「その可能性が高そうですね。

ミィ、どうしますか?」

 

「うむ…

よし、次のところに向かおう」

 

(よし…このままならバレずにいれそう…)

 

 

そうして炎帝ノ国の一行がその場を離れようとした時だった。

 

(よし、これで__)

 

パキッ

 

「!?」

 

「!?」

(嘘でしょ!?)

 

「誰だ!!」

 

(マジで…タイミングわっる…)

 

運悪くエテルノの手元にあった小枝が折れ、音が鳴ってしまったのだ。

そうしているうちにも炎帝ノ国の一行はエテルノの方に向かっていた。

 

「そこにいるのはわかっている。

観念して、早くそこから出て来い」

 

(やばいやばい…!

【調魔】があるからまだ逃げれる可能性はある…?

上手くいけば、あの中の一人くらいなら…?

そのまま逃げるよりは多分殺った方がいい…!)

 

 

 

そう決心したエテルノはすぐさま草むらから飛び出した。

 

「【開演】!」

 

 

~♪~♪

 

「なっ!?エテルノ!?」

 

「【調魔】!」

 

そう告げるとエテルノは【銀鱗の鍵盤】で演奏を行いながら、猛スピードで木の枝などを足場に利用して猛スピードで移動をし始めた。

もちろん相手もやられっぱなしではなく、エテルノに向かって攻撃をしようとするが__

 

「【和音の障壁】」

 

「なっ!?」

 

放った攻撃はエテルノの【和音の障壁】によって吸い込まれ、さらに炎帝ノ国所属プレイヤー一人を吸い込んだ。

プレイヤーは所持していた銀のメダル1枚を落としながら、光となって消えていく。

またその銀のメダルも落ちる前に空中でエテルノによって回収されていた。

 

(ラッキー、ゲット!

あと退散だ…!)

 

そして再び【調魔】で、今度は逃げるために移動を開始した。

 

 

 

「__【フレアアクセル】!」

 

すると後方から爆発音とそんな声が聞こえた。

そう、ミィである。

 

 

「待て!」

 

「待てと言われて待つ人はいない…!」

 

そうしてエテルノとミィの高速追いかけっこが開始した。

攻撃を繰り出せば避け、繰り出せば避けを繰り返す。

その間もエテルノは演奏を続行していた。

 

 

状況が変わらないため、エテルノは一度止まった。

 

「流石にそろそろ放っておいてほしいんだけどな…!」

 

「そういうわけにはいかないな…!」




ミィVSエテルノです。
まぁなんかこの2人結構似てるな…ってたまに書いてると思ったり思わなかったり。

そして最近コロナが改善されてきて段々忙しくなってきてしまっていて、更新スピードをさらに落とすことを検討しています。
本当に申し訳ございません。
今はまだ検討中なため、どうなるかは未定です。


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HP極振りとミィ

前回も話しておりましたが、更新スピードの変更についてのお知らせです。
とても急な話なのですが、今回から更新を1週間に1度、毎週日曜日のみに変更させていただきます。
楽しみにしていらっしゃった皆様、本当に申し訳ありません。


森の中の一画、そこでエテルノとミィは見合っていた

 

「さて、どうしたら放ってもらえますかね」

 

「我々を敵に回した貴様を放っておく義理はないからな」

 

「じゃあ殺り合いますか?」

 

「貴様にその覚悟があるなら、別に構わない」

 

 

「そうですか…なら__

__と、行きたいところですが」

 

「?なんだ…?」

 

 

ガサガサ…

 

「いいえ、気づかれていないようなので。

私達、囲まれ始めているみたいですよ」

 

「なっ…!?」

 

「チッ…もう気づかれたか…」

 

そういうと木々の陰から10人程度のプレイヤーが現れた。

 

「どうやら私達がいた近くにプレイヤーがいたのでしょう。

そこに私達が来訪、しかも戦いを始めようとしている。

私達が戦えば、確実に体力を消耗する。

そこを狙う、いわゆる漁夫の利を狙ったのでしょう」

 

「バレバレかよ…」

 

「なぜそんなことが…」

 

「ちょっと耳はいいのでね」

 

そう言ってエテルノは【旋律のヘッドホン】をコツコツと指差してながら返事をした。

 

 

「まぁちょっと手順は狂ったがお前らを倒してしまえば、問題はないな」

「あぁ、アイツらだって所詮ただのプレイヤーだしな」

「恐れてたエテルノの【和音の障壁】も下方修正があったしな」

 

そう言うとプレイヤーは段々集まり、エテルノとミィに寄って来る。

 

 

「ミィさん、一度ここは休戦にしませんか?

ここで私達が戦っても得をするのは彼らのみみたいですし、それにこの状況は私としても不味いので」

 

「奇遇だな、同じ考えに至ったところだ…!」

 

そうしてエテルノとミィは対面から背中合わせの状態に変え、お互いに装備していた武器の矛先を他プレイヤーに向けた。

 

「さぁ__私達が劣等に見れるかな?」

 

 

 

~♪~♪

 

「Ah~」

 

【銀鱗の鍵盤】からはいつもと違い、ピアノとは違った電脳的な音があふれだす。

キーボードの音だ。

 

「hey hey hey hey

劣等上等 Bring it on

hey hey hey hey

列島上々 不眠日本

 

子供騙しのマセマティカ

バレてんだってそんなのって

プライドがないや」

 

 

 

「【爆炎】!」

 

そういうと敵プレイヤーに低ダメージ高ノックバックの当たる。

 

「【噴火】!」

(___なにこれ。

すっごくやりやすい)

 

ミィがエテルノの演奏に合わせて攻撃を行うと、いつもよりも相手に直撃していく。

エテルノの演奏によって相手の攻撃がずらされている影響だ。

 

(それにエテルノさん、自分に飛んできた攻撃をしっかりとカウンターで数倍にして返してる…

これが前回2位のプレイスタイル…!)

 

 

 

(結構当たってきてる。

それに少しずつ人が増えてきてるかも…音に惹かれたかな。

でも__)

「ずっとこのままなんてさぁ

いられないよ」

 

 

エテルノとミィのコンビネーションはさらに高まっていく。

 

「ダッダッダ あたし大人になる

酸いも甘いも噛み分けて今

燦々 交わるミライ

もう子供じゃないのわかるでしょ

時代 機会 待ってくれない

素手で、捨て身で、生き抜いて上等だわ」

 

 

「コイツら女の癖して…!」

 

「Ah~

愛ある時代

hey hey hey hey...」

 

 

「【炎帝】!」

「それでは皆様お先にBye,Guys!」

 

「フロアが湧き上がりました」

ドォオオオオン

 

 

 

曲が終わると、ほとんどのプレイヤーが消えたが数名のみ残っていた。

 

「ちっくしょう…」

「まだだぁ!まだいけるぅう!!」

 

 

「まだいるか…」

「不味い…もうMPが…」

「!

……ミィさん、残りは私に任せてください」

「え…?」

 

 

「攻撃が収まった…?」

「今こそぉおお!!!」

 

「いや、これは__」

 

 

「【魅惑の旋律】」

 

エテルノがそう告げると敵の速度が一気に下がる。

それと同時にエテルノを炎の五線譜が辺りを照らし出す。

 

「これって…」

「マジかよ、ここで!?」

 

旋律よ焼き尽くせ!【フラムミロ―ディア】!

 

そう告げると炎の五線譜は渦を作り、残っていたプレイヤー全てを囲んだ。

そして炎の五線譜は炎の渦に姿を変え、プレイヤーを包んだ。

サイズは樹皇の時程ではなかったが、半径10m程のため十分なサイズがある。

 

炎の渦が収まるとそこに残っていたのは、プレイヤーが装備していたであろう武器のみだった。

 

 

 

「うっそ…」




今回の【フラムミロ―ディア】のサイズは2020年リリース予定のゲーム「プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat.初音ミク」のプレイ動画から想定されるサイズを拝借し、本家のPVの分数で計算しました。
このゲーム、結構楽しみにしてたりします。


【今回使用した楽曲】
Giga「劣等上等」


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HP極振りと勧誘

雨で寒い日と晴れて暑い日の気温が全然違う…
コロナ以外にも風邪とか熱中症とかにも気をつけてください。


「ふぃ~…いっちょ上がり~!

あ、ミィさん終わりましたよ?

………ミィさん?」

 

エテルノがそう言って、ミィの方を見るとミィは尻餅をついて呆然としていた。

 

「ミィさん?

お~い?

ミィさ~ん?」

 

「…ハッ」

 

「あ、戻ってきた。」

 

 

 

「えっと…あの…!」

 

「は、はい」

 

「すごかった!すごく強くてカッコよくて、それにとても戦いやすかった!」

 

「あ、えと…ありがとうございます…?」

(あれ…?ミィさんってこんな人だっけ?)

 

「あの…よかったらなんだけど、炎帝ノ国に入らない?」

 

「え……え!?」

 

「最後の炎の五線譜もカッコよかったの。だから入ってほしくって」

 

「炎帝ノ国に…私が…?」

 

「って、いきなりは迷惑だったよね…

それに入るって言っても正式なギルドシステムもまだないし…

あはは…」

 

「…少し考えさせてもらってもいいですか?」

 

「!うん!もちろん!」

 

 

 

「…ちなみにそれは素ですか?」

 

「え………あ”…

ンンッ…見苦しいところを見せた。」

 

「いえいえ、普段のミィさんはカッコイイですが、そっちのミィさんは可愛いですね」

 

「かわっ!?あ、ありがとう…」

 

「たまには休んでくださいね。

そのキャラだとずっと気を張らないといけないでしょう?

息抜きって大事ですよ?」

 

「それもそうだな」

 

 

「ミィ様~!」

「どちらですか~?」

 

「ミィさん、呼ばれてますよ」

 

「そうみたいだな。

じゃあ、ここまでか」

 

「そうですね。

では、残り日程お互い頑張りましょう」

 

「あぁ」

 

「では失礼します」

 

エテルノがそういうと【弾奏のギター】を取り出し、演奏を始めたと同時に【調魔】の効果によって、その姿は一瞬で森の中へと消えた。

 

 

 

 

「ミィ!ここにいたのですね」

 

「あぁ」

 

「あれ…?エテルノは…?」

 

「もうどこかに行ってしまった」

 

「あら、そうなんですね」

 

「ただあの強さは本物だった」

 

「ミィがそう言うということは、それほどすごかったのですね」

 

「あぁ」

 

「僕も少し話してみたかったな…彼女の曲結構好きだし…」

 

「あらマルクスが珍しいですね、でも私も同じです。

彼女の曲は多種多様で見事ですから」

 

「きっとまた相まみえることができるだろう。

彼女も同じゲームをするプレイヤーなのだから」

(そしてあわよくば、炎帝ノ国に入ってくれたらいいな…)

 

 

 

 

「炎帝ノ国に…か……どうすべきかな…

今のところギルドシステムはないけど…

でも誘ってもらえたのは嬉しかったな…」

 

 

「いたぞ!」

「この大人数なら行けんじゃね?」

 

 

「ん?わお…まさかの大人数2回目…?」

 

「ついに見つけたぞ!偽物(・・)め!」

 

 

「……はい?」




なんかミィの素の状態の部分がコレジャナイ感がちょっとあって、どうしようって悲しくなった。
アニメと漫画だけじゃ情報が全然足らない!(_`・ω・)_バァン


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HP極振りと偽物

またコロナ患者、増えてるみたいですね。
Go to トラベルキャンペーンが始まって楽しむのは良いですが、その分コロナには気を付けてください。
経済のために出かけるのも良いですが、自分と周りのために出かけないというのも一手であることを忘れないでください


「それってどういうこと?」

 

「偽物に言う必要はない!!」

 

「覚悟ぉ!!!」

 

「おやまぁ物騒…

でもしかけてきたのはあっちだし、そこまで気にすることはないか。

返り討ちにしてあげる」

 

・・・

 

 

〔数分後〕

 

「うへぇ…」

 

「つ、強ぇ…」

 

「しかも歌も楽器もうめぇ…」

 

「ふふ。安心してください、峰打ちです」

 

一気に攻め込んできた偽物呼ばわりをしていたプレイヤーはあっという間に山積みとなっていた。

 

 

 

 

「じゃあ落ち着いたんでもう一度聞きたいんですが、偽物ってどういうことで…?」

 

エテルノがそう告げる。

 

文字だけ見ると優しい感じがするかもしれない。

ただ現実は、エテルノは顔に笑みを浮かべながら、後ろには『ゴゴゴゴ』と擬音が聞こえそうな程の圧をその相手プレイヤーにかけていた。

 

 

「いや…だって…

エテルノちゃんがそっくりの見た目でサブ垢で今回のイベント参加してるみたいで、「本垢の方は誰かに盗まれた」って言ってたんだ。

だから__」

 

「__だから、信じたって…?」

 

「………」コクコクコク

 

「へぇ…」

 

「なんだよ…なんか文句あるのか…!?」

 

「じゃあ聞くけど…エテルノちゃんがそう言ってたって、そのエテルノが偽物だったらどうするんですか?

それに本物だって証拠はあるんですか?」

 

「だってエテルノちゃんの歌い方にそっくりだったし上手かったから…」

 

「歌い方なんて真似してしまえばそれまでですからね?

歌上手い人なんて、それこそ結構いるでしょう?」

 

「それは…」

 

「他に信じた証拠は?」

 

「……ない、です…」

 

 

「はぁ……人を疑うちゃんとした根拠を見つけてから疑いなさい。

『確信するためには疑うことから始めるべきだ』、レシチンスキーに載ってる言葉です」

 

「すいませんでした…」

 

「で、偽物呼ばわりしたってことは君たちの言う本物の居場所もわかってるんですよね?」

 

「は、はい」

 

「ならその場所教えるか、案内してよ」

 

「え、あ、はい。

……それだけでお許しいただけるんですか…?」

 

「うん、許します。

っていうか、君たちには怒ってはいませんし」

 

「え、でもさっき結構怒って__」

 

「__だって、いきなり偽物って言われるですよ?

どれだけ失礼だと思いますか?

しかも相手は自分が本人だって名乗ってるんでしょう?

それ一種の名誉毀損だし、そっちの結構腹が立つけど…

……偽物なんてそんなの、燃えるじゃないですか!

もはやアニメじゃないですか…!」

 

「お、おう…」

 

「まず私の偽物ができるなんて感激なんですよ…!」

 

「な、なるほど…」

(なんで偽物できて喜んでんだ…?

つか、目キラキラさせて可愛いな…)

 

「さぁ連れて行ってください、その自称本物さんのところへ」




7/31 タイトルの変更

【今回出てきた台詞の豆知識】
『安心してください、峰打ちです』は「#コンパス」より「デビルミント鬼龍 デルミン」の台詞から拝借しました。
「デビルミント鬼龍 デルミン」、略して「デルミン」はサンリオコラボのキャラクターで、彼女の#コンパスでの楽曲もサンリオが提供しています。
料理関連などのセリフがいくつもあり家庭的な面もありつつ、「SHOW BY ROCK!! ましゅまいれっしゅ!!」というアニメで「Mashumairesh!!」のベース担当をしていたり、イベントにてDJを行っていたりととても多才です。
ちなみに作者はSHOW BY ROCKのアプリで、あまりにデルミンのSSRが欲しかったため何十回もリセマラを繰り返しました。


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HP極振りと偽物2

いろんな地域でコロナの感染者が急増したり、過去最多の記録が確認されているそうです。本当に体には気を付けてください。


「あそこだ」

 

そうしてプレイヤーに連れられて、森の中に進んで行き、茂みの中に隠れる。

1人のプレイヤーが指したその先には数人の男性プレイヤーに囲まれた一人の女性プレイヤーがいた。

その姿は白髪の腰まであるロングヘア、瞳は黒と青のオッドアイの少女。

とても色合いはエテルノにそっくりだった。

 

「見た目確かに似てる…でも__」

 

その視線の先にあったのは少女が装備している、エテルノとは一切違う装備だった。

少女が装備しているのはとても可愛らしくも露出度の高いワンピース。

武器も楽器ではなく、杖を装備していた。

 

彼女の周りには先程のプレイヤー達と同様なのだろう、少女のことを守るようにしていた。

 

さらに__

 

 

「いったぁい…!」

 

「【ヒール】!

エテルノちゃん、これで大丈夫かな?」

 

「うん、ありがとぉ!

でもぉ…私のことは『メロディー』って呼んでほしいなぁ。

本垢が戻るまではサブ垢の名前で呼んでもらわないと違和感あるでしょぉ?」

 

「う、うん…!ごめんね?メロディー」

 

「大丈夫だよぉ♡」

 

その少女、圧倒的ぶりっ子なのである。

 

 

「あれが、私とか…ちょっと思いたくはないかもな」

 

そんな姿を見てエテルノは少し引いていた。

 

「俺らあんなのについていってたのか…?」

 

エテルノを案内した数名のプレイヤーも思考が現実に戻ったのか引いていた。

 

 

「えっと、エテルノ様どうするおつもりで…?」

 

 

「う~ん、とりあえず__」

 

そうしてエテルノは笑顔を浮かべながら、茂みから飛び出した。

 

「__正面突破で」

 

 

 

 

 

「なっ!偽物め…!

ようやく姿を現したな…!」

 

「メロディー、お下がりください…!ここは私達が…!」

 

「ううん、私も戦うっ!

私だけがなにもしないなんてぇ、ありえないでしょぉ?」

 

「メロディー…!」

 

 

 

「あ、そういうのはいいんではやくしてくださーい」

 

「ちょっと偽物!空気は読んでくれよ!」

 

「空気は読むものじゃなくて吸うものなので」

 

「そういうのじゃないから!?」

 

 

 

「で、私が偽物だって?」

 

「そうだ…!さっさとアカウントを返せ!」

 

「そのアカウントは彼女の頑張ってきた結晶なんだ…!」

 

「それを奪うなんて…!」

 

「お前ら人間じゃねぇ!!」

 

「みんな…!」

 

「あ~…悲劇のヒロイン役、お疲れ様です」

 

「だから空気読んで!?」

 

 

「まず今更なんだけどなんで私『偽物』って言われなきゃいけないわけ?」

 

「『偽物』を『偽物』と呼んで何が悪い!」

 

「それに歌も上手く、歌い方もそっくりなんだ…!

どこに疑う要素がある…!」

 

 

 

「ふ~ん…じゃあ『生体認証』はどうするの?」

 

「生体…」

 

「認証…?」

 

「ゲームの説明書に書いてなかった?

『生体認証』必要なんだよ、このゲーム。

1人1人姿も形も違うんだから、それに合わせて操作も合わせないといけないじゃん。

それに生体認証が必要なの当たり前でしょ?」

 

「あ…」

 

「た、確かに…」

 

 

 

 

「俺らバカ…?」

 

「うん、多分」




おバカさんの名前を『メロディー』にした理由は特にはございません。
安直な名前でごめんなさい。そして『メロディー』って名前が好きな人もごめんなさい。


【今回出てきたセリフの豆知識】
「お前ら人間じゃねぇ!!」はアニメ「ポケットモンスター アドバンスジェネレーション」176話「ロケット団解散!?それぞれの道!」において、タケシがロケット団に言い放った台詞です。
一見するとかっこいい台詞なのですがが、ポケモンアニメにはあるまじき台詞と、荒々しい声に対して顔は無表情というシュールさにより、ニコニコ動画ではMAD素材として扱われています。
私は当時素直に見てたんで、まさか後にこんなにネタになるとは思いませんでした。


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HP極振りと偽物3

梅雨が明け、だんだん暑くなってきてエアコンとアイスが至福に感じてきました。
ちなみに私は季節は秋が一番好きです。


「な、なによ…私が本物のエテルノなんだから…!」

 

エテルノが指摘し他のプレイヤーは狼狽えたものの、エテルノのことを偽物だと言っていた『メロディー』だけはエテルノの前に立ちはだかった。

 

 

「へぇ、私が偽物だっていうのは曲げないんだ~?」

 

「当たり前よ…!だってホントのことなんだから!」

 

「ふ~ん、そっか」

 

 

そういうとエテルノはゆっくりとメロディーに近寄り、ジロジロと上から下まで舐めるように眺める。

 

「な、なによ…」

 

「いや、だったらあなたにとって私は『ドッペルゲンガー』なわけね?」

 

「は…?ドッペルゲンガー…?」

 

「そうドッペルゲンガー。

もう1人の自分が目の前に現われるという怪奇現象だよ」

 

「それがどうしたのよ…」

 

「自らのドッペルゲンガーを見た者は近いうちに死を迎える、ドッペルゲンガーに殺されるって言われてるんだよ」

 

「え…」

 

「【開演】」

 

 

そしてエテルノは【銀鱗の鍵盤】を取り出した。

 

「だったらね…

どうもこんにちは、君の分身です

 

 

 

~♪~♪

 

「「どうもこんにちは君の分身です」

何の冗談か目を擦ってみる

影が二つ伸びて

そしてまた幕は上がる

「もう一人自分が居たらとあなたは言いました」

「そんな真摯な願いが僕を呼んだのさ」

そりゃ願ったとも

艱難辛苦 全ての代行者エージェント」

 

エテルノが【銀鱗の鍵盤】を弾きながら【詠唱水晶】で攻撃を始める。

ただ攻撃する相手はメロディーではなく、周りのプレイヤーである。

 

「過程はいいから結果を下さい

無意味で無意義な代償

ねえ こんな事より

大事なことがあるんだよ いいだろ

「ええやりますやります 何でもやります

僕は君の分身です」

含み笑いで救済者(メサイア)は謂う」

 

そうしてエテルノはメロディーを残し、他のプレイヤーを倒していく。

メロディーには一切の攻撃を与えず。

また他プレイヤーからメロディーに向かっていた攻撃もエテルノは【詠唱水晶】で吸い込み、返していた。

 

「拝啓ドッペルゲンガー 君は 君は誰?

嗚呼 混濁と交差して僕は誰?

ねえ有りもしない#0と#1

証明の根拠なんて何処にも

拝啓ドッペルゲンガー 誰は 誰は君?

蝕まれた存在に世界は気付かないね

鳴り止まない 醒め止まない 奇跡の輪廻が

狂った正解を染め上げて ルンパッパ」

 

そうしてメロディー以外のプレイヤーが倒れていく。

エテルノにもメロディーにも一切のダメージは入っていない。

 

「なんで俺達だけを…」

 

「しかもなんで偽物のアイツだけを残して…」

 

「許してくれたんじゃ…」

 

(別に『許す』とは言ったけど、『倒さない』とは言ってないからね?)

 

 

「なんで私だけ一切の攻撃が…

まさか私を守ってくれてるとか…?

「死を迎える」とか「殺される」とか言ってたけどドッペルゲンガー、良い奴じゃない…!

エテルノー!やっちゃえー!私のためにー!」

 

(あっちは応援してくれてる。

まぁ、可愛いな。

可愛くって__

____実に可哀想)

 

そう思うエテルノの口元は三日月のように綺麗な弧を描いていた。




8/10訂正 誤字訂正

メロディーを残し、エテルノのは周りのプレイヤーを一掃していく。
なぜエテルノはそうしたのか。
その理由は次回へ…!


【今回使用した楽曲】
kemu「拝啓ドッペルゲンガー」


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HP極振りと偽物4

私飲食店でバイトしてるのですが、お盆休みなので多めにシフトに入ってたんですが、働きすぎたのか休日の夢の中でまでバイトしてました。


「この歌声…まさかエテルノ…!」

「マジ…?ちょっと聞くだけはしに行こうぜ?」

「エテルノちゃん、マジ神」

 

段々エテルノの歌声を聞きつけたのか、プレイヤーが集まり、エテルノを応援する声が聞こえだした。

 

(そろそろかな…?)

楽曲の1番が終わるタイミングを見越し、エテルノが標的を特にメロディーを崇めていたプレイヤー達を攻撃する。

 

 

「どうも様子がおかしい月曜日

一つ二つと崩れゆく辻褄が

僕を猜疑する

「お前は一体誰だ」と」

 

 

エテルノがプレイヤーを倒していくと、とあることにメロディーは気づいた。

 

「あれ…これ私を庇ってくれる人…いなくなってる…?」

 

そう、エテルノの攻撃によってメロディーを崇めていたものは倒され、残っていた者も__

 

「エテルノちゃ~ん!」

「いったれ~!」

「カワイイぞー!エテルノちゃーん!」

「エテルノの糧になるなら本望です」

 

エテルノの応援をしていた。

 

 

「ちょっと待って

知らない昨日 知りもしない言葉

そうやっていつの間にやら影は溶けゆく

僕は何なんだろう

ねえどうか存在を返して」

 

 

「嘘これじゃ…」

エテルノはメロディーの狼狽える姿を見て笑みを浮かべる。

そうしてエテルノがはっきりと告げる。

 

 

「「生憎様だがこっちはこっちで随分心地が良くて」

「もうあなたの居場所は

此処にはない事分かってるんでしょ」

「ねえ奪われたんなら奪えばいいだろ

今度はお前の番だから」

含み笑いで侵略者(インベーダー)は謂う」

 

 

「まだ私に攻撃が来てない…このままじゃ…

でも『奪え』って…まず、こんなの適うわけないよ…!」

メロディーはその歌の歌詞に絶望した。

 

 

「拝啓ドッペルゲンガー 君は 君は誰?

嗚呼 混濁と交差して僕は誰?

まあ そりゃそうかそうだよな

命の椅子は一つだけ

拝啓ドッペルゲンガー 誰は 誰は君?

零れ落ちた一粒 乾き果てる前に

誰でもいい 何でもいい 器を下さい

狂った正解が染め上げて ルンパッパ」

 

 

エテルノは浮かべていた笑みを更に深くして奏でる。

 

 

「PRAY

それはずうっと続くヒトの業の連鎖

PAIN

委ねあって許しあって満たされ往く

PRAY

欠けたピース 無価値のペイン 冀望また愛も

PAIN

託し合って生まれ替わるイニシエイション

PRAY

「僕のほうがちゃんと君を生きてやるから」

PAIN

「君も次の誰か ちゃんと救わなくちゃ」

PRAY

「もう分かってんだろ 何をすればいいかさ」

PAIN

どうか誰か僕に奇跡をくれよ」

 

 

そして少しずつエテルノの攻撃目標がメロディーに変わった。

最初は【詠唱水晶】か欠片が少しずつ攻撃を加えていく。

「【障壁】!」

メロディーはそれを防ぐように杖で緑の綺麗な壁を生み出し、攻撃を防いだ。

「もう…!誰か、私を守ってくれそうな人…!」

そうして辺りを見渡すが__

 

「エテルノちゃん可愛い!」

「サイコー!」

「つーか…あの女の子誰?」

「さぁ、エテルノちゃんそっくりだけど…」

「なんでも、偽物だってよ」

「へぇー」

「それよりエテルノちゃんだって!」

 

「もうそんな人いないじゃん…」

今まで虎の威を借る狐のように、エテルノという存在を利用してきた彼女には守ってくれる人など残っていなかった。

 

 

「拝啓ドッペルゲンガー 君は 君は誰?

嗚呼混濁と交差して 僕は誰?

もう止まらない戻れない

どうもこんにちは 君の」

 

 

そう歌うとエテルノのメロディーへの攻撃を一気に増した。

「【障壁】!【水弾】!」

【詠唱水晶】を防ぐために、意を決してメロディーは【障壁】を展開したもののそれもすぐに破壊されため、今度はエテルノを倒すために【水弾】を放つが、その攻撃も【調魔】によって瞬時に避けられる。

そして___

 

 

「拝啓ドッペルゲンガー それはそれは僕

蝕まれた存在に世界が気付こうが

もう鳴り止まない 醒め止まない 奇跡の輪廻が

狂った正解を染め上げるさ

上手くやれよ ルンパッパ」

 

 

「【水弾】!【水弾】!……あれ…出ない!?

なんで………まさか…!」

そういってメロディーは瞬時にステータスを確認する。

【MP】の値は0を表示していた。

「嘘…MP切れた…!?これじゃ…!ヒッ!」

 

 

メロディーが前を向いたその瞬間、エテルノはメロディーの目の前にいた。

その近くにいくつもの【詠唱水晶】があり、それは__

 

「「どうもこんにちは 君の分身です」」

 

__メロディーの体を貫いた。

 

 

メロディーのHPは一気に減っていく。

 

「こんな……こんなはずじゃなかったのに…!!!」

 

そんな言葉と一緒にメロディーの姿は銀のメダルを落としながら、いくつもの光の粒となって消えていった。




実は今回のお話「拝啓ドッペルゲンガー」という楽曲が大好きで、だしさ故に書き上げた物語だったりします。
ちなみにアニメ9話で【多重障壁】をフレデリカさんは隠したがっていたので、【障壁】くらいだったら大丈夫かな?と思ってます。
ただ「隠したいなら、MPの消費量もやばいんだろうな。だったら【障壁】があったとしてもそれも消費量多そうだな」と推測して、今回書いてます。


【今回使用した楽曲】
kemu「拝啓ドッペルゲンガー」


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HP極振りと偽物5

24時間テレビのテーマが「動く」って聞くたびに「運動不足にならないように動かなきゃ」と感じている作者です。


「あ、銀のメダルゲット。

へぇ…一応集めてはいたんだ」

 

そうして地面に落ちた銀のメダルを回収すると、エテルノは近くに集まってきていたプレイヤー達に向き直った。

 

 

「皆さん、この度は集まってくださりありがとうございます!

いかがでしたか?」

 

「「「最高!!!」」」

 

「ありがとうございます!では、フィナーレと参りましょう!」

 

そうしてエテルノは「パチン」と指を鳴らした。

すると辺りを赤い五線譜が駆け巡り始めた。

その五線譜は大きな円描きながら、多くのプレイヤーを包んでいく。

 

「ま、まさか…!」

「待て…!逃げる時間を…!」

「まだ終わりたくない…!」

「エテルノちゃん!どうかお慈悲を!」

 

「え~…まぁいいですよ。

少し猶予を与えます。

じゃあ私がちょっと詠唱を唱えている間に逃げてください」

 

「あぁなんてお優し__」

 

「__しかし、そのままで逃がすわけにはいきません。

【魅惑の旋律】」

 

「な!?」

 

「あなた方の移動速度が勝つか、私の詠唱が勝つか。

さぁ、頑張りましょう」

 

 

 

「赤き黒炎、万界の王。

天地の法を敷衍(ふえん)すれど、我は万象昇温(ばんしょうしょうおん)の理」

 

「逃げるしかねぇ!」

「ちょ、押すなって!」

「そんなに押し合っても転ぶだけだろが…!」

「ちょ、押すな__うわぁ!」

バタン

 

皆が必死で逃げるために押し合っている。

そんな中で一人が転べば、ドミノ倒しのように倒れていく。

バタバタガヤガヤと音を立てながら倒れていていく様を横目に見ながらエテルノは詠唱を続ける。

 

 

「崩壊破壊の別命なり。

永劫の鉄槌は我がもとに下れ!

 

……詠唱終わっちゃいましたね。

では…!旋律よ焼き尽くせ!【フラムミロ―ディア】!」

 

 

赤い五線譜は大きな火種に変わり、一気に燃え広がっていく。

火種は大きくなり、多くのプレイヤーを包み込んでいく。

 

「キィェエエ」

「あ、あ…」

「エテルノ様ぁ!」

 

その火から逃げきれたプレイヤーはいなかった。

 

「推しは推しても、人は押さないように」

 

そう一言呟きながらエテルノは落ちている銀のメダルを回収していった。

 

 

 

 

 

 

一方その頃、エテルノに倒されたメロディーは…

 

「全く、ひどい目にあったわ…」

 

真っ白な空間で復帰を待っていた。

 

 

「まさか…本人が出しゃばって来るとか。

ちょっとだけ有名になってるプレイヤーの偽物だって、名乗って乗っ取りすればいいと思って、今回もどうせ名前だけ有名なんだろうと思って、歌で有名らしいエテルノにしたのに…

あのプレイスタイルとか無理じゃない。

もうちょっと調べたらよかった…

 

でも…今回くらいだし、まだどうにかなる。

それにあれくらいの人数なら私の天下は揺るがないわ」

 

そうして高笑いをしていた。

メロディーは懲りていないようだ。

 

 

「……にしても復活遅いけど…一体何かあったのかしら?」

 

そうしているとピロリン♪という音と共に、メロディーに1通の通達が届いた。

 

「何…?運営から…?えっと…

「多くのプレイヤーからあなたのアカウントは通報されました。あまりに多かったため、早急に対応したところ他プレイヤーの尊厳を傷付けるとても悪質なプレイだったため、こちらで一度アカウントを停止させていただきます。」

……なんですって!?」

 

そう、今回の出来事はこっそりとファンクラブにて拡散されており、多くのファンによってメロディーのアカウントはあっという間に通報まみれとなってしまったのである。

 

「そ、そんなぁ…!」

 

その通達にメロディーは愕然とするしかなかった。




8/27 誤字訂正

【今回出てきたセリフの豆知識】
「赤き黒炎、万界の王。天地の法を敷衍(ふえん)すれど、我は万象昇温(ばんしょうしょうおん)の理。崩壊破壊の別命なり。永劫の鉄槌は我がもとに下れ!」、この詠唱は「この素晴らしい世界に祝福を!」の「めぐみん」が放つ「エクスプロージョン」という魔法の詠唱です。
ちなみにこの「エクスプロージョン」の詠唱は毎度違っていて、これは1期の4話で使用されたものです。


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HP極振りとイベント5日目

この間初めて一人カラオケってものをしました。
一人だと普段周りを気にして歌わないような歌も歌えるのっていいですね。


「さて、これでよし…

……やっぱり詠唱カッコよぉ」

 

エテルノはしばらくしてから時間差で悶えていた。

あんなに様々な楽曲を堂々と演奏しているがエテルノも1人のヲタクなのだ。

 

「1度言ってみたかったんだよね…!

また機会があれば言いたいなぁ…!

まぁ、周りから見たらイタイ奴なんだろうけど」

 

そうしながらしばらく歓喜に震えていた。

 

 

 

悶えること数分後、エテルノの思考は元に戻っていた。

 

「さて、そろそろスオーノ起こそうかな。

【覚醒】」

 

そう言うとエテルノは【絆の架け橋】に触れながら【覚醒】を使うと。

 

「フワァー」

 

「おはようスオーノ」

 

「オハヨー。ヨクネター」

 

「うん、よく寝たね。結構久しぶりな気がするよ。」

 

「ヒサシブリー」

 

 

「さて…銀のメダルが今何枚だ…?」

 

「ナンマイー?」

 

「えっと…いーち、にー、さーん、しー、ごー、ろーく…」

 

「ナーナ、ハーチ、キューウ…イチマイタラナイ」

 

「こら、それ怪談。あとまだあるから。

えっと……10…11…12…13…14…15。

15枚か結構貯まったね。」

 

「イッパイ!イッパイ!」

 

「うん、いっぱいだね。

目標枚数も達成したから、もう終了で残りどこかに身を隠すのでもいいんだけど、この枚数だからもうちょっと集めても良いかも」

 

「イイカモー!」

 

「よし、もう少し頑張るか」

 

「ガンバロー!」

 

「と、その前に」

 

「ピ?」

 

「スオーノもレベル上げ頑張ろうか」

 

「ガンバルー!」

 

 

 

 

 

「スオーノ!【ついばむ】」

 

「アイヨー!」

 

そうして地道にモンスターを倒しながら、スオーノを育成していくと…

 

「よし、あ、レベルアップだよ、スオーノ」

 

「ヤッター!レベルアップ!」

 

「うんうん。

あ、何か覚えてる。

【ボイスインパクト】…?」

 

「ピィ?」

 

確認していると『バクハツテントウ』が集団になって、こちらに向かっているのが見えた。

 

「早速試しに使ってみようか、丁度いい相手がいっぱい来たし」

 

「ウン!」

 

 

「よし、スオーノ【ボイスインパクト】!」

 

「スゥ………キィイイイイイイイイ!!!

 

「!?!?!?」

 

 

【ボイスインパクト】を使用すると、スオーノから爆音かつ超高音が鳴り響く。

その音にエテルノは即座に【旋律のヘッドホン】で耳を塞いだ。

 

「やっば…耳塞がなきゃ本気でやばい」

 

そうしていると『バクハツテントウ』にも変化が出始めた。

 

「あれ…『バクハツテントウ』同士が戦ってる…?」

 

そう、一同エテルノとスオーノを襲おうとしていた『バクハツテントウ』が何故かお互いを戦っている。

 

「もしかして混乱状態にするのこれ…?」

 

そうしているとHPが減っていったのか、『バクハツテントウ』がいくつもの光となって消滅した。

 

 

「キィ……ドウダッタ?」

 

「すごいね……ホントに…すごいね…」

 

「スオーノ、スゴイ?ヤッター!」

 

「これ、協力する時は周りにも気にしなきゃな……いきなりやったら驚きそうだし、まず耳塞がないと大変だ…」

 

「ピィ?」




スオーノ、お久しぶりの登場です。
なのでちょっとスオーノ中心にさせていただきました。
最後に登場したの1ヶ月ぶりくらいですかね…もうすぐ2ヵ月になりかけでしたけど。
あまり出せなくてごめんね、スオーノ。

ちなみに【ボイスインパクト】のモデルはポケモンのわざの【ちょうおんぱ】と【ハイパーボイス】で、この2つをを混ぜ合わせたような感じです。
ちなみに実はスオーノ、まだスキルを1つ持ってたり。



【今回出てきたセリフの豆知識】
「ナーナ、ハーチ、キューウ…イチマイタラナイ」は「皿屋敷」というお話で、怪談でもありますが、落語としても有名です。
怪談で有名なものでも、江戸を舞台にした『番町皿屋敷』と、播州姫路を舞台にした『播州皿屋敷』の2種類あります。
様々な結末があって調べてみると結構面白いですよ。


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HP極振りとイベント6日目

コロナが色々問題になってきてからもうしばらくしたら半年。
段々リモートが日常の一部になっているから、コロナが落ち着いて、もし完全オフラインな日常に戻ることになったら、それに対応しきれるかどうか不安になってきた。


「さて…昨日はスオーノの育成に使っちゃったけど、今日と合わせて残り2日どうしようか」

 

「ピィ」

 

「う~ん…また、ちょっと捜索してみる?」

 

「ピィィー!」

 

「よっしゃ。

最終日は危険性が高そうだし、今日ある程度捜索して5枚集まらなきゃ殺るか」

 

「ヤルカー!」

 

そうしてエテルノとスオーノは盛り上がっていた。

 

 

「……今更だけど、スオーノいつの間にか言葉覚えてるね」

 

「ピィ?」

 

「いつ覚えたんだ~い?」ナデナデ

 

「エットネー、ハナシキイター」

 

「?誰の話?」

 

「ンー?シラナーイ」

 

「勝手に盗み聞いて覚えたのか…?」

 

 

 

 

 

「まずはどこの方向行く?」

 

「ンー…………アッチー」

 

「あっち?」

 

数回エテルノの周りを回って、スオーノが翼でとある方向を差した。

しかし刺した方向は道ではなく、立派な樹木が立っていた。

 

「………その方向進んだら目の前、木だけど?」

 

「アレー?」

 

「まず、なんでその方向選んだの…?」

 

「エー?カンー」

 

「勘にしても方向が悪すぎるよ、スオーノ…」

 

「エヘヘー」

 

「いや褒めてない。

……スオーノ、飛んで何かありそうな場所教えてくれる?」

 

「オケオケオッケー」ピューン

 

そうしてスオーノは高く飛び上がり辺りを見渡した。

 

「……それも覚えたか。

まぁ楽しいから、いいけどね」

 

 

「エテルノー!」

 

「何かあったー?」

 

「アッチ オモシロソウナノ アッター」

 

「よし降りてきてー」

 

「ハーイ!」ピューン

 

 

エテルノがそう告げるとスオーノは素早く降りてきて、エテルノの肩に停まった。

 

 

「タダイマー」

 

「はい、おかえり。

とりあえずあっちに面白そうなのあったのね」

 

「ウン!」

 

「よし、行ってみるか」

 

「オー!」

 

 

 

 

「フンフーン♪」

 

「スオーノ、その歌」

 

「エテルノガ ウタッテタウター」

 

「おぉー、覚えてるんだ」

 

「エヘヘー」

 

「言葉も大事だけど歌も覚えておこうね」

 

「ウタウー!」

 

「特に君はスキルのためにも歌は覚えておいた方がよさそうだしね」

 

「ピィ?」

 

 

 

しばらく進んでいるととある方向から小さな声が聞こえた。

 

「おい、エテルノがいるぞ…」

 

「アイツなら絶対メダル持ってるぜ…」

 

「いつ行く?」

 

「今だろ?

なんか鳥と話してる今なら絶対油断してる」

 

「よしやるか」

 

 

(よく狙われるなぁ…)

「スオーノ」

 

「ピィ?」

 

「『Go』って言ったら高く飛んでね」

 

「ワカッタ」

 

「いい子いい子」ナデナデ

 

 

 

「よし、せーので行くからな」

 

「あぁ」

 

 

「3」

 

「2」

 

「1」

 

 

「………」

 

 

「「せーのっ!!!」」

 

 

「『Go』!!!」

 

「ピィイイイイ!」

 

「【開演】!」

 

「「なっ!?」」

 

エテルノが指示をすると、すぐさまスオーノは高く飛び上がり、そしてそれと同時に【詠唱結晶】によって不意打ちを狙ったプレイヤーの攻撃を受け止めた。

 

「さぁ今度はこっちの番だね」

 

 

~♪~♪

 

「二つ結びの輪舞(ロンド) お仕置きのスタート

バラバラにしてあげるの 正義のイニシャライズ

未成熟なハートごと ぶつけた敵対心

行き場のないボルテージ 隠したティアーズ」

 

 

「なんでサラッとバレてるんだよ…!」

 

「そんなの知らねえよ!」

 

 

(最初から丸聞こえだったんですが)

「伐り刻むことない 世界に夢抱き

キスをしましょう」

 

「真っ当に戦って、勝てるか!?」

 

「無理に決まってるだろ!?」

 

「強くなりたい 守られるだけだと

胸にある想い 果たしきれやしない

強くなれば 太陽の輝きに

近づけるかな?

君に照らされJust loving」

 

「「くっ!!」」

 

辺りを土煙が立ち込めた。

それが晴れると、敵プレイヤーは何とか立っていた。

エテルノの攻撃を半分以上食らいながらも何とか一部を交わし、敵プレイヤーは何とか持ちこたえていたのだ。

 

 

 

「……おや、まだ倒れないんだ。

それなりにレベル高いのか」

 

「まだ倒れてなるものか…!」

 

「せめてメダル1枚だけでも…!」

 

 

「…スオーノ」

 

「ナニー?」

 

 

「なっ…さっきの鳥…?」

 

 

「【ボイスインパクト】」

 

「スゥ……キィイイイイイイイイ!!!

 

「う、うるせぇ…!!!」

 

 

 

爆音かつ超高音が鳴り響き、思わず敵プレイヤーはスオーノを攻撃をしようとする。

しかし__

 

 

「あ、ぶねぇ…!?なんだよ、どこから攻撃が…よ!」

 

「うわっ、なんで攻撃が…どういうことだよ…!?」

 

スオーノの【ボイスインパクト】によって混乱状態になった敵プレイヤーはスオーノのいる方向に攻撃を放つが、それは幻覚でその先にいたのは味方のプレイヤーである。

混乱状態によってお互いのいる位置にスオーノがいるように見えているのだ。

 

 

 

「せいぜい混乱したまま共に息絶えなよ?安らかにね」

 

キィイイイイイイイイイイイ!!!

 

「「うわぁああああああ」」

 

しばらくしてスオーノが【ボイスインパクト】の威力を上げた。

唐突な威力増加によって、敵プレイヤーは耳を塞ぐことすら間に合わず、みるみるうちにHPのゲージがすり減っていく。

そして0となり、敵プレイヤーは光となって消えていった。

 

 

「メダルなし、か。

でもちょっとは骨がある人達だったね」

 

「ヒトハ モトモトホネ アルヨ?」

 

「そういう言葉だよ。

あと歌は覚えた?」

 

「オボエタ!」

 

「よし、じゃあスオーノの面白そうなところに向かおうか」

 

「イコウイコウ!」

 

そうしてエテルノはスオーノに案内されながら道を進んで行った。

 

 

 

・・・

 

 

「スオーノ」

 

「ンー?」

 

「面白そうなのって…これ?」

 

「コレー」

 

視線の先にあったのは大きめの洋館。

しかも辺りには冷たい空気が立ち込めており、なにかが出てきそうな雰囲気を醸し出している。

 

「これって………もしやお化け屋敷?」




スオーノは【休眠】の時にも様々なプレイヤーの声を聞いて、言葉を覚えているようなイメージです。
簡単に言えば睡眠学習ですね。
前回はたまたま怪談の話をしていたプレイヤーの話を覚えたような感じてす。
なお、どのタイミングでなにを覚えるかは不明です。
結構ノリ良いです、このオウム。



【今回使用した楽曲】
「戦姫絶唱シンフォギアGX」より「ジェノサイドソウ・ヘヴン」


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HP極振りとお屋敷1

春に始まったアプリがハーフアニバーサリーを迎えてるのを見て、半年もう過ぎたという実感が湧かなかったからビックリした。
時間が過ぎゆくのが早すぎる。


「お化け屋敷…」

 

「ドシタノ?」

 

「いや、問題はない……と思いたい」

 

「???」

 

 

「とりあえず、行くか」

 

「イクカー」

 

「特に何もなければいいんだけど…」

 

 

 

キィーーー

 

 

 

「扉の開ける音すら不気味に思えてくるんだけど…」

 

「ピィー」ピューン

 

「あ、ちょっと…!

もう……勝手に行っちゃった…

内容によっては苦手なんだけど…」

 

 

ホラーにも様々な種類がある。

一部の要素としてホラーが出てくるもの。

ホラーが主体となったもの。

 

その中にもサバイバルホラーという、アンデッド*1や超自然的な敵などが直接に身を脅かすもの作品が特に苦手なのだ。

 

「ある程度デフォルメしているもの*2ならまだできるけど、あまりにリアリティの高い作品は苦手なんだよね…

特に3D*3でがっつりスプラッタ*4なものは特に無理…

まぁ、別にホラー要素の入ったゲームは嫌いじゃないもん…

ホラー要素の入った乙女ゲームにもいっぱいあるし、好きなのも結構あるもん…

ていうか、バッドエンドがホラーっぽいのは結構あるし…

大丈夫大丈__」

 

 

ゴロゴロガッシャ――――ン

 

 

「ヒッ!?

ただの雷、ただの雷…今のはただの雷。

うん、ホラーじゃない…

それにまだお化け屋敷って決まったわけじゃない…

よし……とりあえずスオーノ探さなきゃ」

 

 

 

 

 

そうしてしっかり踏みしめながら洋館の中を進んで行く。

一歩足を進めるたびにギイギイ、ミシミシと床が音を立てている。

その音にビクビクしながらも足を止めずに進んで行く。

 

「スオーノ~?スオーノ~?

いたら返事して~?」

 

しかし、スオーノの姿は見当たらず返事すらも返ってこない。

部屋をいくつも確認しながら進んで行くがそこにもスオーノの姿はなかった。

 

「どこ行ったんだろ…スオーノ…

できれば1人は嫌なんだけど…」

 

 

 

 

進んでいくうちに、これといってお化け屋敷のようなものはなかったので段々エテルノは落ち着きつつあった。

そうして次にたどり着いたのは灯りを点けていないので真っ暗だったが、コンロのようなものがあったので、キッチンのようだった。

 

「スオーノ…?いる…?」

 

そうしているとガサゴソという物音が聞こえた。

 

「何かいるの…?

真っ暗だから何も見えないから灯り…灯り…あ、あった。」

 

そうして灯りを点けると、そこにはキッチンにあるテーブルで謎にうごめく紙袋があった。

 

「な、なんで紙袋が動いて…?

まさかこの中にスオーノが…?」

 

 

エテルノはそろりそろりと音を立てずにその紙袋に近づき__

 

「えいっ!」

 

一気にその紙袋を剥ぎ取った。

その中には赤い何かにまみれた生き物がこっちを向いていた。

 

「ビィイイイイ!!!」

 

「ぎ……

ぎやぁああああああああああ!!!

*1
かつて生命体であったものが、すでに生命が失われているにもかかわらず活動する、超自然的な存在の総称。

*2
人間や動物の特徴やサイズを誇張したり、変形させたりして描かれているイラストなどのこと。

*3
「3次元の」、あるいは「3次元」を意味する。物体構造などのモデリング、立体視等の用語などに用いられる。「three-dimensional」あるいは「three dimensions」の略語。

*4
猟奇殺人、大量虐殺、血しぶきなどを描いたホラージャンル




乙女ゲームのバッドエンドって主人公が亡くなったり、攻略対象が亡くなったりする場合があるからホントに、「これホラーじゃん」って思う作品があったりします。



ちなみにエテルノちゃんは乙女ゲームで攻略対象が吸血鬼だったり、不死者だったり、バッドエンドでキャラが亡くなったりといったホラー要素の少し入った作品とかはやりますが、ガッツリホラー!スプラッタ!みたいな作品(一例をあげるとすれば「バイオハザード」シリーズ)は避けてます。

なお、作者もこのタイプ。
ホラー映画見た暁には、夜にめっちゃビクビクしながら生活するほどの小心者ですw


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HP極振りとお屋敷2 (9/27 連絡事項追記)

今回は洋館なんですけど、最初は日本家屋を考えてたり。
でも私自身がホラーが大の苦手のため、日本家屋といえばのお化け屋敷に一切行かないので参考になるものがなくて、洋館に変えたというお話をここでしておきます。


「ビィ……」

 

ゆっくりポタポタと赤いシミを残しながら、エテルノの遭遇した『何か』はにじみ寄って来る。

 

 

「えと…えと……こういうタイプの対処法って何…?

もしお化けだったら物理攻撃って聞く…?

なら…ニンニク?十字架?…は吸血鬼だし…

顔にお札貼れば…!…ってそれは確かキョンシーで…

お経でも読めれば……ダメだ『南無阿弥陀仏』と…祝詞(のりと)*1だっけ…?

それしかわかんない…」

 

「ビィィ……」

 

「祝詞言ってみる…?

えっと……確か…

(はら)(たま)え、(きよ)め給え、(まも)り給え、(さきわ)え給え』

…これで合ってたっけ…?」

 

「ビィィ……」

 

「ひぇ…全然効いてない…やだやだやだ…

わかんない怪異はどっか行ってよぉ…

石切りパッパ祓ってよ…

または石灯篭みたいにぶった切ってよ、にっかりとぉ…」

 

「ビィィ……」

 

「もうやだ、悪霊退散悪霊退散悪霊退さ__」

 

『何か』が対処法もわからないまま近寄ってくることにエテルノは怖くなり、思わずしゃがみこんでしまう。

すると__

 

 

「エテルノ…」

 

 

「ふぁ…!?

え、名前呼んだ!?」

 

「エテルノォ…」

 

「え、でも、ちょっと待った」

 

いきなりエテルノは『何か』に名前を呼ばれた。

しかしその声はエテルノのには聞き覚えのあるものだった。

 

 

「その声、もしかして___スオーノ…?」

 

「スオーノダヨォ…」

 

そう、『何か』の正体はスオーノだったのだ。

 

 

「え、なんでそんな格好になってるの…」

 

「ケチャップ カカッタ…」

 

「え、なんでケチャップ…」

 

「イイニオイ シタ…」

 

「匂いにつられてでも、どうやったらケチャップがかかるの…

……でも…怖がって損したぁ…」

 

安心したのか、エテルノはズルズルと座り込むような体制になった。

 

「ピィ?」

 

しかし、そんなことはスオーノに伝わらず、スオーノは首を傾げるのだった。

 

 

 

「スオーノー

とりあえずある程度洗い流すから手に乗ってー」

 

「ピィ!」

 

そういって両手を差し出すと、スオーノはエテルノの手の上に乗った。

 

「えっとシンクの水は…うん、出るね。

スオーノ、ちょっと濡れるよー」

 

「ワァー」

 

「勢いよく出すぎないように、ある程度抑えながら流してっと…」

 

「バシャバシャー」

 

「はしゃぎ過ぎちゃ駄目だよースオーノ」

 

「ハーイ」

 

 

「えっと…タオルとかあったらいいんだけど…」

 

「あのぉ…良かったらどうぞぉ…」

 

「あ、タオル!

気が利くね、ありがとう」

 

「いえいえぇ…」

 

「あとスオーノが汚しちゃったから、雑巾とか掃除道具があるといいんだけど…」

 

「あ、そっちはもう済ませてますぅ…」

 

「え、ほんと?

ホントに気が利くね」

 

「どういたしましてぇ…」

 

 

 

 

「ん?私…誰と話してるの?」

 

「あのぉ…私ですぅ…」

 

「そうかそうか君か__」

 

そういって声のした方向を見ると、小さなよくわからないぬいぐるみのような生き物がふわふわと浮いていた。

 

「君だれぇ!?」

*1
神道(しんどう)祭祀(さいし)において神に対して唱える言葉




9/27追記 連絡事項の追記


【今回出てきたセリフの豆知識】
「石切パッパ」は『刀剣乱舞』より『石切丸』の一部ファンからのあだ名です。
石切丸の性格や声がお父さんを連想させるのでパッパ(=パパ)というあだ名になっています。
またこのキャラは石切劔箭神社に伝わる宝刀の付喪神なので、よく加持祈祷をしている姿があります。
エテルノちゃんはこれで興味を持ち、祝詞を覚えました。
今回出た祝詞はとても簡単な「略拝詞」というもので、『石切丸』のログイン、出陣ボイスにも一部ではありますが、この祝詞があります。

「石灯篭みたいにぶった切ってよ、にっかりとぉ」はこちらも同じく『刀剣乱舞』から『にっかり青江』の真剣必殺のセリフ「石灯籠みたいに斬ってやろうかなぁっ……!」を他力本願にアレンジしました。
ちなみにこのキャラのちょっと変わった名前は、にっかりと笑う女の幽霊を切りつけ翌朝見てみたら、実は石塔を真っ二つにしていたという謂われから名付けられたと言われています。




途中の対処法を悩む様子の一部はシチュエーションドラマCD「密恋(ハニー)ライアー vol.2 琥珀ユヅキ」で出てきた様子をアレンジして使わせていただいています。
ちなみにこれみたいになったことは私も複数回あります。






【連絡事項】
読者の皆様に大変申し訳ないのですが、最近少し忙しく小説を書くタイミングがなかったため、次回の更新は一度おやすみします。
その分、次の更新日に2話分更新いたします。
とても急な連絡となってしまって申し訳ありません。

また私が通っている学校が今までオンライン授業が多かったのですが、来月からほぼ通常登校になることが決まっており、さらに忙しくなります。
それにより私の体調などを考慮すると、また更新する時期が変わる可能性があります。
この度は本当に申し訳ございません。


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HP極振りとお屋敷3

先週は急にお休みになってしまって申し訳ありません。
そして大丈夫だというコメントをくださった読者の方々ありがとうございます。
これまで以上に忙しくなるのであまり無理のないようにできるだけ尽力しますね。


「あ、はじめましてぇ…」

 

「あ、はい。はじめまして」

 

「ハジメマシテー」

 

スオーノがいることで落ち着きやすかったのか、いつの間にかふよふよと浮かんだぬいぐるみのような生物が用意された机を挟んでイスに対面で座っていた。

ちなみにぬいぐるみのような生物とスオーノと同じくらい小さいので2人(匹?)はちょっと高めである。

 

「えっと…エテルノです」

 

「スオーノダヨォ」

 

「存じてますぅ…

えっと私の名前は『ケル』ですぅ…

一応、この家の執事をしてますぅ…」

 

「ヒツジー?」

 

「うぅ…ひつじじゃないですぅ…執事ですぅ…」

 

「スオーノ、めぇーって鳴く動物の方じゃないよ。

執事は家事及び部下の使用人の指揮管理を担う役割を持つ役職の人のことだよ。

まぁ上流階級の家にしか基本いないんだけどね」

 

「ジョーリューカイキュー?」

 

「といってもほとんど使用人もいないので、ほとんど僕がしてるんですけどねぇ…」

 

「ってことは、ここって結構お金持ち…?」

 

 

「エテルノー、ジョーリューカイキューってなに~?」

 

「大きな富とか政府などの権力と近い地位を持った地主や企業オーナーなどからなる社会階級のことだよ」

 

「シャカイカイキュー…」

 

「まぁ簡単に言えばお金持ちの偉い人だね」

 

「オカネモチ…エライヒト…?」

 

「まぁ、まだわからなくてもいいや」

 

 

「えっとお話戻しても大丈夫でしょうかぁ…」

 

「あ、ごめんなさい。

あといろいろありがとうございます。

それにもしかしてここ、誰か住んでいるんですか?

そうであれば本当に申し訳ないです」

 

「いえいえぇ…

主人の方も特に気にしていないようなのでぇ…」

 

「それでどうしてここに?」

 

「あ、えっとぉ…

掃除中だったのとぉ…

物音を気にした主人がちょっと様子を見に行ってほしいって言ってましてぇ…」

 

「なるほど…」

 

 

 

「__あ」

 

そうして話をしているとケルの目が一瞬赤く染まった。

 

「どうかしました?」

 

「今主人から連絡がありましてぇ…

ちょっとあなた方をお呼びのようですぅ…」

 

「連絡…?

そんなのができる機器は見当たらないんだけど」

 

「ちょっと特殊な連絡方法なのでぇ…」

 

「トクシュ?」

 

「まぁ、とりあえずここの主人が呼んでいるんですね」

 

「はい、ちょっとお出迎えの準備ができたようですぅ…」

 

「オデムカエー?」

 

「あなた方が来てから、ご主人があなた方を出迎える準備をしていたようでしてぇ…」

 

「そんなわざわざ…

なんかありがとうございます」

 

「いえいえ。

あなた方は主人にとって、大事なお客様ですからぁ…」

 

「大事な…?」

 

「まぁまぁ…ではでは早速案内しますぅ…」

 

そう言うとケルはふわっと浮き、部屋を移動し、扉を開けて出ていった。

 

 

 

「ア、マッテー」

 

「スオーノ!ちょっと待って!」

 

それを追いかけて出ていってしまったスオーノを追いかけるように、エテルノも追いかけて扉を出ていくのだった。




2/6 誤字訂正

段々ちょっと物騒になっていきまーす


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HP極振りとお屋敷4 (10/11 連絡事項追記)

そういえばヒプノシスマイクのアニメや、ラブライブの虹ヶ咲学園のアニメ始まりましたね。
いろいろまた面白そうな作品が増えて嬉しいです。
ちなみにヒプノシスマイクはファンクラブには入会済なくらいに好きだったり。


「ここですぅ…」

 

「ココダッテー」

 

そうしてしばらくケルとスオーノを追いかけ、たどり着いたのは身長の何倍もある大きな扉の前だった。

 

「ここの中ですか?」

 

「はいぃ…この中で主人が待ってますぅ…」

 

「コノナカダッテーハイローヨー?」

 

「うん、入ろうか」

 

そうして大きな扉に手をかけ、そして引いて開けた。

 

 

開けた先にあったのは大きな広間にそれと見合った大きなパイプオルガン。

その広間の真ん中には大きなテーブル、そのテーブルの大きさに合わせて並べられた多くのイス。

テーブルに並んだ多くの料理、そして綺麗なドレスを身に纏った美しい女性だった。

 

「あら、可愛らしいお客様だったのね。

はじめまして、私がこのお屋敷の主人よ」

 

「こんな大きなお屋敷を持っていながら、随分とお綺麗で…」

 

「ふふ、ありがとう。

主人といっても、ここの前の主人は私の旦那だった人なの」

 

「あ、そうなんですね…

旦那様の方は…」

 

「もう既にいないわ。

でもね、あの人は亡くなっても、ずっと私の中で生き続けてるの」

 

「そうなんですね。

旦那様のご冥福をお祈りいたします」

 

 

「ふふふ、とても優しい子なのね。

ささ、良かったら食べて。

あなた方のために用意したの」

 

「お心遣いありがとうございます。ではいただきます」

 

「ネエネエ!エテルノ!タベテモ イイ?」

 

「スオーノ、ちょっと待ってね」

 

 

そうしてエテルノは料理を口に運んだ。

しっかりと料理を咀嚼し、そして飲み込んだ。

そうして口を開いた。

 

 

 

「__スオーノ、食べちゃダメだよ」

 

エテルノのステータスには紫色の【毒状態】を示すマークが付いていた。

 

「これ、毒入りだ」

 

 

「ふふふ…」

 

 

「ドク!?エテルノ ダイジョウブ!?」

 

「うん、大丈夫だよ。

【毒耐性・中】取得済で良かったよ」

 

「あらあら…耐性持ちの方だったのね。

残念だわ、耐えられちゃった」

 

「残念でしたねぇ…ご主人様ぁ…」

 

「なるほど…グルだったわけね」

 

 

「エテルノ ホントニ ダイジョウフ"?」

 

「うん、大丈夫だよ。

スオーノは食べてない?」

 

「ウン マダ タベテナイ」

 

「良かった良かった。

にしても、ある程度疑ってて良かったよ。

おかげで口に含んだ量も少量で済んだ」

 

「あら、ということは気づいていたのね」

 

 

「ちょっと発言が所々気になってたからね。

大事ってさ、確かに大事だろうね。

私達は大事な食料(・・)なんだから」

 

「あなた方には主人の美しさを保つための生贄になってもらうつもりだったんですけどねぇ…」

 

 

「主人の方もさっきの発言。

あの人は亡くなっても、ずっと私の中で生き続けてるのって思い出の中で生き続けてるってことなのかとも思ったけど、それにしても美しすぎるし、雰囲気が重かったからね。

それで人肉を食べて美しさを保つ話があった気がしてね。

ホラー系は嫌いでも、知る機会がなかったわけじゃないし。

きっと旦那さんも…」

 

「えぇ、その考え方で合ってるわ。

思い出だけなんかじゃ足りないの。

あの人は私の中で私の一部として生き続けてるの、素晴らしいことでしょ?」

 

 

「あんまり人のことは否定したくはないけど、こればかりは同意したくないな。

それに毒で殺したら困るのはあなた方でしょ、処理が大変になるだけなんだから」

 

「それは大丈夫よ。

その毒は強力だけど、しばらくしたら勝手に効果が切れるように調合してあるもの。

まぁ大体の人は効果が切れる前に死んじゃってるんだけど」

 

「へぇ…いいこと聞いたよ。

ずっと効果が続くわけじゃないなら耐えれる。

伊達にHPに極振ってないよ」

 

 

 

「ご主人様ぁ…どうしますぅ…」

 

「いつもの通りよ?

今回はいつもより活きがいいだけよ。

何も変わらないわ」

 

「かしこまりましたぁ…」

 

 

「スオーノ、やるよ」

 

「ウン!

スオーノ、ガンバル!」




次回からやっとバトル開始です!
ちなみに美しさを保つために人肉を食べる話はどこで聞いたかは忘れましたが、私が実際に聞いたことのある話です。
実際に人肉を食べた方は存在しており、人肉を食べる行動、習慣のことを『カニバリズム』というそうです。





【連絡事項】
10月になり、通っている学校のほぼ全ての授業が登校授業になり、およそ1週間経ったのですが、これが想像していた以上に忙しく、この度投稿頻度を不定期にさせていただきます。
不定期といっても日曜の午前6時に投稿は固定します。
なので今までのように毎週ではなく、不定期に日曜6時に投稿という形になります。
楽しみにしていた方々、大変申し訳ございません。
ですが私も学業や私生活を大事にしていきたいので、ご理解の程よろしくお願いいたします。


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HP極振りと館の主

こんなに更新が遅れてしまい大変申し訳ございません!!!!!
実は通っている学校はゲーム製作の専門学校でして、ゲーム製作の時間が特に必要で、他にもバイトや推し事、運転免許取得に他の趣味と一気に忙しく、書く時間が一気に減ってしまいました。
ホントにすみません。
もっと遅くなる場合もありますのでご注意ください。


「行くよ!【開演】!」

 

そういってエテルノは【銀鱗の鍵盤】を展開する。

 

 

~♪~♪

 

(まずはある程度、音を広げて__)

 

 

~♪~♪

 

エテルノが演奏を始めると、いきなり部屋の大きなパイプオルガンが鳴り響きだす。

 

すると__

 

「え…音が消えていってる…?

まさか…逆位相の音が出てるの…?」

 

 

『逆位相の音』

音とは一種の波であり、それの真逆の波の音のこと。

これを同時に流すと音が打ち消し合い、一部の音が消えてしまう。

これを利用したものがよく聞く、ノイズキャンセリングである。

 

 

「これじゃ、曲にならない…」

 

「ふふふ、面白いでしょ?

私のお気に入りなのよ?」

 

「エテルノー?ダイジョウブ?」

 

「大丈夫、ある程度の演奏はできるから。

…でもこれじゃ【エレメンタルハーモニー】はできないね」

 

「アリャー…」

 

 

 

「さぁ、どうする?」

 

「なら、【詠唱水晶】で削りきる…!」

 

装備していた【銀鱗の鍵盤】を【弾奏のギター】に切り替え、演奏を再開する。

 

 

「【詠唱水晶】…!」

 

「可愛らしい攻撃ね!でも…」

 

 

「なっ…!空中で止まってる!?何もないのに!?」

 

エテルノが操作して攻撃を向けた【詠唱水晶】は館の主の前で不自然に止まってしまったのだ。

 

「なんで…」

 

「ふふふ、よく見てみてぇ!」

 

「……あれは…糸?」

 

よく見るとキラリと光る糸。

その糸に【詠唱水晶】よって、止まっていた。

 

「ふふふ、私の使ってる糸よ。

これも面白いでしょ?」

 

 

 

「エテルノ!」

 

「あなたの相手はぁ……ボク(・・)ですよぉ!」

 

「スオーノ!」

 

「アブナ!」

 

そう言ってエテルノを気にしたスオーノにケルが体当たりをする。

エテルノの声掛けによって、スオーノが身を翻し、その体当たりを避ける。

 

「ナンデ…」

 

「さっきまでの『アイツ』に比べて、『ボク』は君に容赦はしないもぉん」

 

そう言うと何度もスオーノに向かってケルが何度も体当たりを繰り出し、スオーノは何度もそれを避ける。

 

「ボク…?」

 

 

 

「不味い。

音が一部消えるから演奏の出来が最悪だし、これで【詠唱水晶】まで使いにくいなんて。

スキルの大概が演奏の出来に左右されてるのに…」

 

「冷静に考えている暇があって?」

 

「ないのは察してますよ…!」

 

そう言ってエテルノは糸の間を通り抜け、【弾奏のギター】を屋敷の主にハンマーの様に振りかざす。

しかし__

 

「察してるでしょ?」

 

その振りかざしたギターも幾多もの糸に阻まれて、止まってしまう。

 

「やっぱ、止まりますよねぇ…!」

 

「もちろんよぉ?

さぁどうする、お客様?」




今回出た「逆位相」。
私がこれを学んだのは、私が小学生の頃によく見ていた「マリー&ガリー」というNHKで放送されている「すイエんサー」と一緒に放送されていたアニメで、ギャグ要素がとても多かったのですが、これで一部の簡単な科学を学ぶことができ、個人的には好きなアニメでした。
これは音楽関係を使う主人公の小説を書くなら、絶対使いたいと思っていた科学だったりします。
ちなみに未だにこの作品の1話はYouTubeで見ることができたり、一部の動画配信サービスでは全話見れたりします。


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HP極振りと館の主2

わたしの大好きな作品である「あんさんぶるスターズ」のライブ、「あんさんぶるスターズ! DREAMLIVE」の5thツアーが行われ、昨日無事千秋楽を迎えました。
このライブは1stのときからライブビューイングで参加しており、今回も大阪公演の時はまだマシだったのでライブビューイングで参加していたのですが、緊急事態宣言がさまざまなところで出ていたので、幕張公演はライブビューイングでの参加をやめ、初めて配信でライブに参加しました。
やっぱりはライブって楽しい…!!!
そして、あんさんぶるスターズ!!DREAMLIVE -BRANDNEWSTARS!!-の開催決定ありがとうございます。

そして、本当にライブでもらえる元気ってすごいですよね。
現地でも遠く離れたライブビューイングでも、さらにはいろんなとこの配信など、いろんな形態でどこかでみんなが繋がってって盛り上がれて、みんなこの時を楽しんでて、それを共有できる感覚が私は大好きなんですよね。
そして、本当にこんな状況でも裏などで頑張ってくださっているスタッフなどの方々には頭が上がりません。
コロナが早く終わって、もっと色んなイベントが開催できることを願います。


【弾奏のギター】を引っ張り、糸から引き剥がし、館の主から距離を取る。

 

 

「(攻略するなら、何よりもまずパイプオルガンをどうにかしないと。

でも、なんであのパイプオルガン鳴ってるの…?)」

 

そうしてエテルノがよく見ると、パイプオルガンにもキラリと光る線が繋がっていた。

 

「(あれってまさか、さっきの糸…?

ってことはあれを切れば、逆位相も止まるんじゃ…!)」

 

「あらあら、何か決まったようね?」

 

「えぇ…とりあえずやることは決まりました…よっと!!!」

 

そうしてエテルノは演奏をしつつ、館の主の側を通る。

 

「(【調魔】でスピードは変えられる。

でも、音の確認ができないから確実にほしいスピードじゃないけど…!)」

 

館の主はエテルノに向けて糸を向けるが、それをできる限り壁を蹴ったりなどをしつつ最低限の移動で避け、館の主の横を通り過ぎ、パイプオルガンに向かっていく。

 

「へぇ…!そっちを狙うのね!でもそんな簡単に行かせると思ってるのかしら?」

 

そうして通り過ぎたエテルノに操る糸が迫る。

 

「【詠唱水晶】!」

 

それを何とか詠唱水晶で絡めとり、止める。

だが糸は増えつつ、さらにエテルノを狙う。

 

 

「スオーノ!」

 

「!ナニ!!」

 

「【ボイスインパクト】!お願い!」

 

「ワカッタ!」

 

「させるわけ…ないでしょ!」

 

「グニュ!」

 

スオーノが【ボイスインパクト】を放つために息を吸うところ、狙ったケルがスオーノに体当たりをする。

 

 

「スオーノ!」

 

「グヌヌ…ダイジョウブ!」

 

 

「スオーノ!高く上がって!ケルが届かないくらい!」

 

「ピィ!」

 

「今度こそ【ボイスインパクト】!」

 

「スゥ……キィイイイイイイイイイイイイイ!!!

 

【ボイスインパクト】の影響でたくさんの糸が震え、エテルノを狙えなくなる。

 

「へぇ…」

 

 

いっけぇええ!!!!!

 

そしてエテルノは【弾奏のギター】でパイプオルガンに付いた糸を薙ぎ払う。

 

 

「よっと!!」

 

〜♪〜♪

 

エテルノがパイプオルガンを鳴り響かせる。

 

鳴り響くのはとても心地良く、心にストンと落ちるような優しい音色である。

 

 

 

だが_

 

 

キィン____カランカラン

 

 

そんな金属音を立てて、パイプオルガンのパイプが切れ、落ちた。

 

切り落としたのは__

 

「あ〜あ、取られちゃったらつまらないし、壊しちゃった」

 

館の主だった。

 

「それなりに気に入ってたけど、他人に取られるなんて我慢ならないんだもの。

それなら壊しちゃっていいでしょ?」

 

「……そうですか」

 

エテルノは切れて落ちたパイプを拾う。

 

 

「良い音聞かせてくれてありがとう」

 

そうしてエテルノはパイプを撫で、そう呟いた。




なんか今回特に意味不明な文になってしまった…


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