黎明卿inオバロ (Tomo Tomo)
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設定集

精神隷属機にデメリットを追加
カートリッジの謎の体力回復能力の設定も削除
謎の尻尾追加
スパラグモスは世界級に変更
ステータスの多少の上下

注意 
ここの設定とはゲームでの設定です。転移後の変化については書いておりません
著者自身が一回まとめていきたいがために書いたものですのでわかりにくい可能性があります



ボンドルド

 

100lv

 

HP 85

MP 40

攻撃 80

防御 80

素早さ70

魔攻 20

魔防 80

総耐 80

特殊 70

 

若干低めなのは生産職の職業もとってるから

 

種族レベル

成れ果て   10lv

強力な再生力とデバフ、魔法への耐性を持つ

 

職業レベル

黎明卿     15lv

白笛      15lv

探窟家     15lv

科学者     15lv

ファウンダー  10lv

ゴッドハンド  10lv

シェイプシフター10lv

 

ボンドルド第二形態

 

100lv

 

HP 95

MP 40

攻撃 95

防御 85

素早さ80

魔攻 20

魔防 90

総耐 80

特殊 90

 

カートリッジを三つ使用すると形態変化

みんな大好きもふもふな黎明卿

これでやっとたっちみーと互角に戦える

 

装備

 

今作での設定

特級遺物 世界級

1級遺物 神器級

2級遺物 伝説級

3級遺物 聖遺物級〜遺産級

4級遺物 最上級〜最下級

 

 

明星へ登る(ギャングウェイ) 神器級

ボンドルドのつけている仮面

レーザーが撃てる宝石であった「光の階段」を改造したもの

神器級である理由は「光の階段」が再入手不可能の1品ものだから

改造したことによって少々威力は落ちたがそのホーミング性は健在

多数の目標だろうが射線が通っていなかろうが反射しながら追尾する

 

 

暁に至る天蓋 神器級(上記の基準の例外)

ボンドルドがアビス第5層を攻略した際にゲットした戦闘鎧

大量のデータクリスタルを使用したことによってたっちみーの鎧と同等の性能を持つ

この戦闘鎧は少々特殊でパワードスーツのようにアイテムを装着することができる

後述の遺物はこの鎧に装着されている。

 

つけられている装備

呪い針(シェイカー) 伝説級

曉に至る天蓋と一緒にゲットした

アビスの第5層のモンスターからのレアドロップである呪い鋼を加工したもの

大量のデバフと継続ダメージを与えてくる

しかも面倒なことにアビスの上昇負荷を再現しているのでただの耐性だと無駄

後述するカートリッジをつけていると無効化できる

 

月に触れる(フォーカレス) 伝説級

曉に至る天蓋と一緒にゲットした

アビスの第4層のモンスターからのレアドロップである黒触手を打ち出す

当たると大幅な移動速度低下と多少のダメージ

と言ってもこれは後述の枢機へ還す光(スパラグモス)を使う際の準備として使われることが多い

 

 

枢機へ還す光(スパラグモス) 世界級

ボンドルドの持つ武器でも最高火力

レーザーの刃を作り出す

防御に関するステータスや耐性を全て無視

当たるとリスポーンするまで体力が回復しなくなる。

圧倒的高火力の多段ヒットで下手なボスキャラならば瞬殺が可能

ただし光の刀剣が出るのは一瞬、扱いは非常に難しい。

後上手いプレイヤー相手だと1撃入った瞬間に逃げられる

 

謎の尻尾 神器級

データが何もない

あれ遺物だってことも最近知った

誰か詳しい人教えて…

 

カートリッジ

背中に背負っているボンベのようなものに入っている

黒いジェラルミンケースのような見た目をしている

これを装備することでアビスの上昇負荷の無効化だけでなく祝福(バフ)を付与したり形態変化ができる

 

もちろん材料は生きた人間種

通常のモンスターを利用したものだと装備している間移動速度低下のデバフがつくが

年齢が低いとおもわれるモンスターを利用するとノーリスクで使用可能。

 

存在するだけで耐久値が減少し、三日で自然消滅する

もちろん上昇負荷の無効化や祝福(バフ)を付与したにも耐久値は減少する

 

形態変化の際は即死。多少ダメージがあっても使用可能

 

前線基地(イドフロント)

 

大量のモンスターとアビス産の資材が詰め込まれてる

 

 

ゲームでは設定でしかなかった絶界行(ラストダイブ)は… お楽しみに!

 

祈手(アンブラハンズ)

 

強さとしてはそこそこ

 

AIが優秀なため多いと面倒

ヘイトの管理なども行ってくれるため味方にいると優秀、敵からすると厄介

それよりもこいつらは使役したモンスターと同じ扱いなのでレベルアップが可能

これが1番いいところかもしれない

残念ながらキャラビルドは不可能

自動で設定されます

 

祈手(アンブラハンズ)の特殊技術:祈手

効果

精神隷属機(ゾアホリック)の所有者(ボンドルド)が死んだ時に効果発動

同じワールドの中で一番レベルが高く、近くにいる祈手(アンブラハンズ)と入れ替わる

その時装備は死んだ時の精神隷属機(ゾアホリック)所有者の装備を引き継ぐ

レベルは祈手(アンブラハンズ)のレベルに依存

そのため祈手(アンブラハンズ)が100lvの時にはデスペナなしでリスポーンができる

 

精神隷属機(ゾアホリック)

簡単にいうと人間の精神をコピーアンドペーストできるアイテム

ググってくれるとよくわかると思う

今作品では精神隷属機を母機として次に今のボンドルドがあり、そのまた下に『祈手』があるという設定にさせていただきます

 

ゲーム内での効果はモンスターやプレイヤーを捧げることで上記の『祈手』を生み出すというものだった

もちろんこれらの『祈手』に時間制限などは存在せず、死なない限り存在しつつけます。

ちなみにプレイヤーを捧げた場合そのプレイヤーのプレイヤーデータは消えます

 

追記 大きなデメリットを追加

このアイテムを使用した後にはリスポーンが不可能になります

つまり祈手が本当に意味の残機に…

 

 

 

アビス

みんな大好きクッソでかい大穴

下に行けば行くほど難しくなる

もちろん上昇負荷もあるよ!やったね!

1層 視界不良のデバフ

2層 軽度の継続ダメージと反応速度の低下

3層 幻覚、幻視、軽度の継続ダメージ

4層 重度の継続ダメージ

5層 視界不良、反応速度低下、重度の継続ダメージ

6層(箱庭) 死 カートリッジ、または前線基地のエレベーターを使用した場合は『成れ果て』へのクラスチェンジが可能となる。

 

ちなみにユグドラシルのアビスは5層まで

(黎明卿の箱庭はあるから6層と言ってもいいけど正式なのは5層まで)

 

第5層なんかは正気では行けない

最低でも100lv6人は必要

 

 

ちなみにボンドルドは大量のアイテムとゾンビアタックを敢行してごり押しした

運営は白目をむいた

(脳内設定としてはもともとアビスは運営がアップデート内容の確認する場所としてよく使う場所だったという設定がある。

暁に至る天蓋なんかはパワードスーツのチェックとしての意味合いもある)




どんどん質問やら提案ください活動報告にそれ用の場所を作っておきます
設定がころころ変わるかもしれないというデメリットはありますが皆様が納得できるような設定で書きたいので。
あなたたちの意見をぜひ聞きたい


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夜明け

ボンドルドがかっこよ過ぎた

息抜き


西暦2126年とあるゲームがこの世に生まれた

 

YGGDRASIL(ユグドラシル)

 

このゲームは200を超える職業(クラス)と変幻自在の外装(ビジュアル)、9つの世界からなる広大なマップによって日本国内で爆発的な人気を誇った。

 

しかし、時間の流れとは非常である

 

 

 

祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす。奢れる人も久からず、ただ春の夜の夢のごとし。猛き者も遂にはほろびぬ、偏ひとへに風の前の塵におなじ。

 

 

 

約1000年前に気づいていた事実ではあるが永久不変のものなどはほとんどなく、ユグドラシルも例外ではなかった

 

————————————————————————

 

「またどこかでお会いしましょう」

 

 

 

ユグドラシル最終日に来てくれた3人目のギルドメンバーの姿が消える

 

静寂が部屋を包み込むと同時に陰鬱とした気持ちでいっぱいになる

 

 

ギルマスとしてずっとこのギルドを最終日まで維持してきた

 

ついにきてしまったサービス終了日ギルドメンバー全員にコンタクトを取ったにも関わらずきてくれたのはわずか数名という現実がもうすでにこのギルドが過去の遺物と化していることを如実に示していた

 

しかしそれを受け止められるかは別だ

 

「どうして…」

 

わかっていた

 

すでにこのギルドがが過去の遺物であることも過去の栄光にすがりつくだけのこの行為が愚かであることも

 

コンタクトを取っている時もこの結果は予想ができていた

 

それでもショックは大きかった

 

 

「もうそろそろ時間か」

 

時間を確認すると時計は12時10分前を示している

 

そんな時だった

 

《 ボンドルド さんがログインしました》

 

「えっ」

 

驚いて円卓を見ると確かにそこに彼はいた

 

全身に黒い強化外骨格を纏い、縦の細いスリットが一本入った黒い金属製のフルフェイスの仮面を被った彼が

 

「ボンドルドさん!」

「申し訳ないことをしました。もっと早く来る予定だったのですが少々問題がありまして」

「いえいえ、来てくださっただけで十分ですよ!」

 

 

「最近インしてなかったようですがなんかあったんですか?」

「ええ、実は研究がやっと進みまして、今日やっと新型の薬の開発が終了しました。明日から世界中の病院で使用が開始されることでしょう」

 

 

「本当ですか!おめでとうございます!いやーただの会社員の私には想像がつきませんよ」

「とんでもない。こうして話していられるのもこのギルドをモモンガさんが管理してくださってくれたおかげです。モモンガさんには沢山のお礼が言いたい。」

 

さっきまでの重い空気は吹き飛び和気藹々とした会話が続く

 

それもそのはずこの二人はギルドメンバーの多くが去って行った後もこのゲームを続けていた数少ないメンバーだからだ

 

 

「ボンドルドさん、一緒に玉座の間に行きませんか」

「ええ、構いませんよ」

 

「最後くらいギルド武器使ってみますか」

「ああ、いいのではないのですか」

「では失礼して、うわっ…作り込みこだわりすぎ」

 

 

こうして玉座の間に行く間もすれ違ったメイドの服の作り込みや

作り飽きたという理由で数が足りないままのゴーレムを見て過去のことを思い出し、二人の話題の種は尽きない

 

 

 

そうして二人と途中で加わったプレアデス達はついに玉座の間にたどり着く

 

「おおぉ…」

「素晴らしい。」

 

あまりの存在感に言葉が出ないモモンガと感嘆の意を表すボンドルドはゆっくりと着実に玉座へと進んでいく

 

申し訳なさそうに玉座に座るモモンガにボンドルドは

 

「そこにはギルド長であるあなたが座るべきです。そんなに申し訳なさそうにしないでください」

と玉座に横からモモンガを説得する

 

手持ち無沙汰になったモモンガは玉座の横に立つアルベドの設定を閲覧すると

 

「…え、なにこれ?」

と素っ頓狂な声を上げる

 

 

「どうしたのですか」

ボンドルドが不審に思い声をかけるとモモンガは無言でいじっていたコンソールをボンドルドに前に持ってくると一番下には『ちなみにビッチである』の文字。

 

「それも彼なりの彼女への愛。私は否定はしません。」

コンソールを元に戻しモモンガは少し悩むとごそごそといじった後、そのコンソールを消した

 

楽しい時間はすぐに過ぎていく

 

残り1分となりモモンガが声を掛ける

「ボンドルドさん、楽しかったですか、この世界(ゲーム)は?」

 

するとボンドルドは間髪入れずにいう

「もちろんです。様々な未知との遭遇、仲間との出会い。私は幸せでしたよ」

 

「それなら良かったです」

 

 

残り30秒

 

 

「…私も楽しかったですよ。」

 

 

「それは良かった。是非ともまた会いたいですね」

 

「ええ、また会いましょう。ボンドルドさん」

 

 

残り0秒

 

 

 

そして夜明けは訪れた

 




続かせるように頑張る


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始まりのひ

なにがむずいってタイトルだよね

あとボンドルドさんの狂気と空気感

正直手に余る

だけど頑張ります


モモンガは困惑していた

 

「…どういうことだ」

 

ゲームが終わらない

 

時計はすでに0時を超えている

 

本来であったらサーバーダウンによって強制排出され、いつもの家の光景が広がっているはずだ

 

「…どういうことだ!」

 

モモンガは終わりを綺麗に迎えられなかったことへの苛立ちを隠せず声を荒立てるが

 

 

「すみません!大きい声を出してしまっ…」

 

そう謝罪しながらボンドルドの方を向くとなにやら様子がおかしい

 

ボンドルドはその場で震えていた

 

どうしたのだろうかと思い声をかけようとすると反対側から声がする

 

「どうかなさいましたか、モモンガ様、ボンドルド様」

 

聞こえたのは美しい女性の声

 

モモンガは後ろお振り向くとそこにはこちらを覗き込むように見ているナザリック地下大墳墓階層守護者統括、アルベドがそこにはいた

 

彼女は失礼しますと言ってモモンガに近づくと顔を覗き込み再度何かございましたかと問いかける

 

 

ああ、曖昧な返事を返すと再度思考の渦にとらわれる

あまりにも不可解な事態に頭が考えることをやめてしまっている

 

NPCはあくまでプログラム

会話をすることは不可能なはず

 

もはや理解不能な状況で思考がストップしたモモンガとなにやら震えているボンドルドそしてそれを不思議そうに見つめるNPCたち

 

そんな不思議な状況を終わらせたのはボンドルドだった

 

「アルベド、何か違和感などはありますか」

「いえ、ボンドルド様」

 

「そうですか…セバス、プレアデスの皆さん」

『はっ!』

 

「地下大墳墓の周りを探索してください。半径1キロの範囲で十分でしょう。ユリは残ってください。モモンガさんを部屋にお連れしてください。」

『了解しました』

 

そういうとユリ以外は颯爽と玉座の間を後にする

 

「アルベド」

「何でしょうか」

 

「ナザリックの警戒態勢を最大限引き上げてください。有料トラップも起動させて構いません。あと…そうですね全階層守護者を1時間後に6階層のアンフィテアトルムに来るように伝えてください。」

 

「かしこまりました」

 

そういうとすぐさまアルベドは転移してさっていく

 

「ボンドルドさん…」

 

ボンドルドは顔を耳元に寄せると小さな声で話し始める

 

「モモンガさん、とりあえず自室で考えを巡らせてみてはいかがでしょう。私は11階層の前線基地(イドフロント)に向かいますので何かあれば〈伝言(メッセージ)〉で。大丈夫ですよモモンガさん。」

 

それを聞いたモモンガは少し落ち着いたのかええ、というと立ち上がり

ユリに声をかけ、玉座の間を去っていった

 

 

玉座の間にはボンドルド一人だけが残った

 

彼は一人で呆然と…いや感動して立ち尽くしていた

 

「素晴らしい」

 

「実に素晴らしい」

 

「モモンガさんはどのように動いているのでしょうか。骨格だけでは動けないはずです。運動のエネルギー源は?どう考えても生物の範疇を超えていますね…」

 

「ユリは一体どの器官が神経に指令を出しているのでしょうか…」

 

「シズの体内の構造はどうなっているのでしょうか?あの細い腕で自由自在に動かせるのですから驚きです。」

 

「エントマのあの大型化した虫は明らかに生物の進化の過程を無視しています。実に興味深い。」

 

「アルベドの腰の羽と頭のツノはなぜできたのでしょうか。神経は通っているのでしょうか。痛覚は?実に素晴らしい!」

 

 

 

「まだまだこの世界は多くの未知に満ちています。」

 

 

 

「先に進み、夜明けを見ましょう」

 




二日連続は少し疲れますね

明日も頑張ります


ちょっと改訂
次から少し展開が変わる…かも


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前線基地

疲れた

三日連続ってこんなしんどかったっけ


ボンドルドが《リング・オブ・アインズ・ウール・ゴウン》を利用し訪れたのは玉座の間の更に奥

 

第11階層

 

《リング・オブ・アインズ・ウール・ゴウン》を利用しての転移か第9階層の自室に設置されたワープゲートを利用しなくては来れない場所

そこに存在するのは岩山と底が見えないほど深い海

 

そして少し歩くと光の柱を中心にゆっくりと回り続ける建造物がその姿を見せた

 

あれこそが黎明卿たるボンドルドの誇る彼の元々のプレイヤーホーム

 

前線基地(イドフロント)

 

ボンドルドがアインズ・ウール・ゴウンに所属する前、ヘルヘイムの中心にある巨大な縦穴「アビス」をソロで最深層である第5層を攻略に成功。そこにあった古代文明の遺跡という設定だったこれを改造し作り上げた。

 

アインズ・ウール・ゴウンに所属する際に持てる課金アイテム全てを使って移設した正真正銘のボンドルドの本拠地

 

ここには彼がアビスで収集した遺物や様々な原生生物が保管、管理されている。

 

ボンドルドがその本拠地に足を踏み入れると迎えてくれたのは5人のボンドルドと同じような黒い強化外骨格を纏った5人のNPC この基地では祈手(アンブラハンズ)と呼ばれているものだった

 

「旦那、実験の準備が整いました。」

「さすがグェイラ。頼りになりますね。」

 

話しかけてきた祈手は数少ない名前付きのグェイラ

近接戦闘と生産職に向いたスキル持ちの80レベル前半の祈手である

 

「では予定どおりに実験を開始してください。」

「旦那はどうするんですか?」

「私は精神隷属機(ゾアホリック)の実験を行います」

「了解しました」

 

ボンドルドはそこでグウェン達と別れると道を急ぐ

 

階段をいくつも降りエレベーターを使い最深部に向かう

 

そこにあったのは巨大な花のような何か

そこからは太いパイプが何本も伸びておりパイプの横では4本腕の『祈手』が機械を操作している

 

ボンドルドは手元から1冊の本と金貨をを取り出すと1体の錬金生命体(ホムンクルス)を召喚する

 

召喚された錬金生命体(ホムンクルス)はがっしりとした全身鎧を身に纏い両腕には自身の身長ほどの大きさの盾を構えている

 

今回召喚したのは30レベル後半、防御力が早いのが売りの錬金生命体(ホムンクルス):盾兵だ

 

ボンドルドは召喚した錬金生命体(ホムンクルス)を花の下へと向かわせる

 

「あの円の中心に立っていただけますか?」

「了解した。」

 

感情が一切感じられない返事を返すとそのまま命令通りにステージの上に大気を完了する

 

「では実験を始めてください。」

 

 

 

 

 

 

数分後そこにさっきの錬金生命体(ホムンクルス)の姿はなかった

 

全身鎧は黒い強化外骨格へ盾はシールド付きのガントレットへそして

錬金生命体(ホムンクルス)の顔には不思議な模様に青く光る仮面がついていた

 

「どうやら成功したようですね」

「ええ、ちゃんと人格は刷り込まれましたよ」

「なれないですね、この自分が増える感覚は」

「どうやら、今までの記憶もきちんと共有されるようです」

「そのようですね、これでさらに研究が進みます。実に素晴らしい」

 

二人で会話をしているはずなのにまるで独り言のような会話が続く

 

それもそのはず特級遺物、いやワールドアイテム 精神隷属機(ゾアホリック)のテキストにはこうある

 

『決して立ち止まらなかった者達がいる。

たとえ過去が消えようと

たとえ精神が変貌しようと

たとえ命が潰えようと

「憧れ」は何よりも優先される

 

闇すらも及ばぬ深淵にその身を捧げ挑む者たちに アビスは全てを与えるのだ』

 

能力は生贄を利用した自分の分身とも言える祈手のスポーン

ワールドアイテムの名に恥じない強力な能力を黎明卿は存分に利用してきた

事実この前線基地(イドフロント)にいる3桁を超える数の『祈手』は召喚したモンスターやナザリックを襲ってきたプレイヤーを生贄として作られている

 

「自身が死ぬという極限状態の時の記憶もほぼ完璧に覚えているとは実に素晴らしい。どうやら装備以外はさっきと同じようですが…興味深い。やはりワールドアイテムは驚異的です。どうやらだいぶ仕様が変わったようですが…この異常事態による影響も詳しく調べる必要がありますね。」

 

「さあ、実験を続けましょう。次の2000年へ踏みいる準備をしなくては」

 

 

前線基地(イドフロント)はゆっくりと回り『祈手』は活動を開始する

 

夜明けを見るために




多分酷い文になっているのでこのあといろいろ編集が入るかもしれません

次は一回ボンドルドさんの設定についてまとめたのを出そうと予定しています

ちょっと精神隷属機の機能の説明が難しいので設定でまとめて話そうと思うます

感想お待ちしています


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邂逅

カルネ村

 

王国と帝国の国境、アゼルリシア山脈の麓に広がるトブの大森林の恵みと農業によって生計を立てている小さい村

そんな村はかつてない危機を迎えていた

 

走る

 

まさかこんなことになるなんて

 

走る

 

もう両親は目の前で殺されてしまった

残った家族はこの手を結んだ妹のネムだけだ

今一度手の中の小さな手を強く握る

 

あと少しでトブの大森林だ、そこまで行けば…

 

そんな淡い期待は後ろからの二人分の騒がしい金属音によって裏切られる

 

「見つけたぞ!」

「ネム、走るよ!!」

 

「う、うん!」

 

ネムのことを考えると少しペースを上げるのが精一杯か…

 

いくら地の利があるとはいえ未だ発達途中の女の子二人では追いつかれるのは時間の問題だった

 

足場が悪いところを走ってきたせいか足はもうすでに限界を迎えている

ネムが木の根に足を引っ掛けた

 

「あっ!」

「きゃっ!」

 

こんなチャンスを敵が見逃すはずはない

 

「手間かけさせてくれたなっ!」

 

とっさに体を投げ出してネムを庇う

 

「———っっっ!!」

「お姉ちゃん!」

背中に火に炙られたような感覚を覚え、声にならない悲鳴をあげる

 

まだ意識を失うほどではないが逃げることは不可能だろう

ネムは自分が切られたのを見てパニックになっている

 

「お姉ちゃん!大丈夫!?」

「私のことはいいから逃げて!早く!」

 

「これで終わりだ。」

 

兵士はニヤニヤしながらこちらに近づいてくる

なんとか妹の逃げる時間を稼がなければ

 

切られる瞬間に剣を掴んで離さななければ少しは時間が稼げるはずだ

 

「死ね!」

 

剣が振り下ろされるその時

 

月に触れる(ファーカレス)

「ぐはっ!」

 

茂みから黒い何かが兵士に激突し、兵士は木に叩きつけられた勢いで気を失う

茂みの中を痛みをこらえながら目を凝らすとそこには紫と青色の光

 

それらの光の元は異様だった

 

「子供をいじめてはいけませんよ」

 

全員仮面を着けていた

コートのようなもので身を包み背中には大きな荷物、腕にはエンリには見覚えのない機械のようなものがついている

 

「貴様らは何者だ!」

「おやおや、まだ戦意があるとは…素晴らしい」

 

兵士が剣を構えるが全く気にしていないようだった

 

「耐えてくださいね、呪い針(シェイカー)

「何を…す…る…」

 

紫色に光る仮面の男の左手から針が射出される…といってもエンリの目には左手を向けた瞬間に兵士のお腹に針が刺さったようにしか見えなかったのだが

 

「ふむ…ダメでしたか。どうやら負荷以前にダメージに耐えられなかったようですね…。それよりも貴方怪我をしていますね、すぐに手当てを」

「あ、ありがとうございます。」

 

仮面の男は赤い色のポーションを差し出してくる。恐る恐る飲むと綺麗に傷が癒える

 

「え、うそっ。」

「お姉ちゃん!!」

 

ネムが泣きながら飛びついてくる

 

「よかった!お姉ちゃん死んじゃうかと思った」

「ネム!私たち助かったよ!」

 

「どうやら治ったようですね、良かったです。」

「助けてくれて本当にありがとうございます!」

「ありがとう!」

 

「いえいえ、助けられて本当に良かった。ちなみに他にも彼らはいるのですか?」

「ええ、村の方に20人ほど」

「そうですか…ギャリケー、彼女らの護衛を頼めますか?グェイラと私は村の中心部に向かいます。他の方々はこの場の処理をお願いします」

 

問いかけには何も答えず一人だけいる白いコートを着た人が寄ってくる

「彼はギャリケー、私の探窟隊の中でも優秀な探窟家です。」

「えっと…よろしくお願いします!」

 

ギャリケーと呼ばれた人は頭を少しだけ下げるとまた元の姿勢に戻った

 

「では行きますよ、グェイラ。」

「わかりました」

 

いってしまおうとするのでとっさに声をかける

「あの!」

「どうしました?」

 

「えっと…助けてくれてありがとうございました!是非お名前を教えてくれませんか!」

「おや、自己紹介もまだでしたか。」

彼はゆっくりとこちらを向く

 

「私はボンドルド、奈落の探窟家、『黎明卿』と人は呼びます。」

 

 



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