東方魔導伝 (宵闇の魔神ゼノン)
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超簡単な登場人物 その1

かなり簡単なキャラ説明です。
一部ネタバレも含んでおります。
ネタばれ気にしないよーという方だけ、お進みください。


アヴェルダ・ラフォード

 

 

年齢:不明(見た目年齢10歳)

 

 

能力:「魔導を使う程度の能力」

   「闇を喰らうたびに強くなる程度の能力」

 

 

住んでる場所:特になし(理由は魔法で作れるかららしい)

 

 

 

種族:人間?

 

 

 

近作品の主人公。

最強の魔導士であり、自らを「魔導王」と名乗るほど。

魔法に関しても気を失う前にすべて極めており『魔導王』と名乗るきっかけとなっている。

別作品に登場する作者個人の作品である「最強魔神の封印解除」の主人公ゼノラル・ラフォードの本当の父。

ゼノンが生まれて間もないころに行方不明になっている。

長く生きている割に意外と見た目相応の子供っぽい言動をする事がある。

笑いのネタは全くわからない。

 

 

 

能力説明

 

 

 

 

「魔導を使う程度の能力」

 

 そのままの意味でアヴェルが使う魔導を使うための能力。

別能力の「魔法を使う程度の能力」の上位互換であり、魔法を極めその上の魔導を極めたものだけが扱うことが出来る。

 なお、魔導を極めきれずに力におぼれて魔王となるものが多く、魔導をすべて極めたものはアヴェルか初めて。

 

 

 

 

「闇を喰らうたびに強くなる程度の能力」

 

 

 そのままの意味で相手の闇を喰えば喰うほど強くなっていく。例えは不の感情あたり。

 闇であれば何でもいいらしく、不の感情を喰らうと相手に会った負の感情は消える。

 

 

 

 

 

 

 

滅符「メドローア」

 

滅符「メガンテ」

 

滅符「ネクロキャノン」

 

滅符「サイコブレイク」

 

滅符「ブレイクキャノン」

 

滅符「サタンネイル」

 

滅符「滅龍破断法」

 

滅符「グランドキャノン」

 

魔導「ゴッドキャノン」

 

魔導「ダークネメシス」

 

魔導「メラガイア」

 

魔導「マヒャデドス」

 

魔導「ジバルンバ

 

魔導「バギムーチョ」

 

魔導「イオグランデ」

 

魔導「ギガグレイド

 

魔導「ドルマドン」

 

魔導「女神の祈り」

 

魔導「回復(ヒール)

 

魔導「超回復(ハイヒール)

 

魔導「完全回復(パーフェクトヒール)

 

魔導「自動回復(オートヒール)

 

魔導「超自動回復(オートハイヒール)

 

魔導「完全自動回復(パーフェクトハイヒール)

 

魔導「精神回復(スピリットヒール)

 

魔導「瞬間移動」

 

刀剣「剣の舞」

 

刀剣「獄炎乱舞」

 

刀剣「灼熱斬」

 

刀剣「滅影衝牙」

 

刀剣「終焉魔衝」

 

刀剣「王家の財宝」

 

刀剣「覇王斬」

 

刀剣「爆炎斬」

 

刀剣「氷雷斬」

 

刀剣「月光王冥斬」

 

刀剣「魔神斬」

 

刀剣「夢想斬」

 

投影「夢想封印」

 

投影「無想転生」

 

投影「マスタースパーク」

 

投影「ファイナルマスタースパーク」

 

投影「スピア・ザ・グングニル」

 

投影「レーヴァティン」

 

投影「フォーオブアカインド」

 

投影「ザ・ワールド」

 

投影「エターナルミーク」

 

投影「天地乖離す開闢の星(エヌマ・エリシュ)

 

投影「王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)

 

投影「無限の剣製(アンリミテッドブレイドワークス)

 

投影「月牙天衝」

 

投影「ギャリック砲」

 

投影「ファイナルビックバン」

 

投影「ビックバンアタック」

 

ラストスペル:終焉「千本の夜桜吹雪」



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魔導王と古代都市編
魔導王の目覚め


 ここは⋯⋯⋯⋯どこだ? 俺は、誰だ? 何故俺は寝転がっている?

 

 

 いや、俺の名前は憶えている。私はアヴェルダ・ラフォード。それ以外で覚えいる事と言ったら、すべての魔法を極め、それを魔導書に残したぐらい。

 

 

 まぁ、そんなことは今はどうでもいい。今はここがどこなのかを考える必要がある。

 

 

 仕方なく起き上がった俺は、キョロキョロと周りを見てここが荒野だということに気づく。

 

 

「ふむ。本当にどこだここは? とりあえず俺の姿を確認しておくか」

 

 

 魔法で作り出した大鏡で自分の姿を見る。

 

 

 腰まで届く手入れのされていないぼさぼさの黒髪、月の光のような黄金の瞳、十歳くらいの肉体のくせに妙についた筋肉、日に焼けていない白い肌。

 

 

 うん。ひとこと言わせて? なにこれぇ?

 

 

 いやまあさぁ、俺は起きる前の事は憶えてないからなんも言えないけど、さすがになぜ子供の姿なの?

 

 

 俺が子供だったのか大人だったのかは知らんけど。

 

 

 もともとこんな姿だった覚えもあるようなないような。

 

 

 何言っているのか自分でもわかんないけど、とりあえずこの荒野を抜けるか。

 

 

 あっちには森があるのか。少し腹も空いたし、何か探しに行くか。

 

 

 

 

  ~少年移動中~

 

 

 

 

 さて、森に来たのはいいものの、たいしてめぼしいものは何もないな。

 

 

「どうしたものかぁ」

 

 

 最悪果実だけでなんとかしようとも考えたが、さすがに何もないと困る。

 

 

 なぜか薬草とかはあるんだけどな。

 

 

 なんか疲れた。

 

 

 そんなことを考えていたら

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「きゃあああああああああああああああっ!」

 

 

 

 

 

 

 俺の入ってきた反対の場所からまだ幼い女の声が響いた。

 

 

 声の感じから何かに襲われているのだろう。

 

 

「向かったほうがいいな」

 

 

 そう呟きながら風魔法を使用する。

 

 

 

 

 

 

   ~急いで移動中~

 

 

 

 

 さて、急いできたのはいいものの、俺が向かった先では、恐らく十六歳ぐらいの女の子が熊と狼を混ぜ合わしたような妖怪に襲われている所だった。

 

 

 妖怪は木に縋り付く女の子にジリジリと近づき、口元からだらだらと涎を垂らしている。

 

 

「創造錬成魔法⋯⋯⋯⋯天衝剣!」

 

 

 最後の空間にいくつもの魔方陣を描き出した俺は、魔法陣から剣を投影して妖怪に向かって放つ。

 

 

 俺の魔力に気づいた妖怪が後ろに飛ぶけど、ばかだなぁ。

 

 

 なにせ、俺は妖怪の後ろのほうから魔法を使っているのだから、後ろに富んだらどうなるのか魔力の方角で分かりそうなのに。

 

 

 それとも、こいつは魔力氏言う存在を知らないのか?

 

 

 それは別にどうでもいいとして、俺はどうして魔法の使い方がわかるんだろうか?

 

 

「グウウウゥゥ⋯⋯⋯⋯」

 

 

 あっ、すっかり忘れていたけど、妖怪に向かって投影した剣で何本も刺したんだった。

 

 

 妖怪は絶命しかけで体をピクピクしていた。

 

 

「ま、いっか」

 

 

 妖怪の事を早々に切り捨てた俺は、いまだに木に縋りついている少女のもとによる。

 

 

「お前、大丈夫か?」

 

 

「もういやああぁぁ」

 

 

 だめだこれは。恐怖で心が安定していない。仕方ない。

 

 

「回復魔法⋯⋯⋯⋯精神回復(スピリットヒール)

 

 

 手のひらを少女に向けて魔法を使う。すると、俺の手のひらから暖かい光が放たれ、少女の体を包み込む。

 

 

「あ、あれ? ボク、確か妖怪に襲われて⋯⋯⋯⋯貴方誰っ!?」

 

 

 怖がったりキョロキョロしたり驚いたりと、ずいぶんと忙しい人だなぁ。

 

 

 俺? 人のこと言えない自覚はちゃんとあるよ? そう言ったことはすべて無視しているだけで。

 

 

「あの妖なら俺が殺した」

 

 

 投影剣は魔力が尽きない限り何本でも作り出せるから便利な魔法だな。

 

 

「俺はアヴェルダ・ラフォードという。もし言いにくい場合は、アヴェルとでも呼んでくれ」

 

 

「は、はぁ。ボクは黒木環奈(くろきかんな)で、です」

 

 

 今更だけどこいつボクっ娘だったんだな。

 

 

 そんなすごくどうでもいいことを考えながら、環奈の手を取って立たせる。

 

 

 ずっと座り込んだままだったから。

 

 

「ところで、お前はどうしてあのような場所に?」

 

 

「お前じゃなく環奈です。ここにきていたのは、八意様の命で薬の材料を探しに」

 

 

 なるほど。察した。

 

 

「その最中にあのような妖に襲われたということか。なんともまあ、面倒なことを」

 

 

「そう思うかもしれませんが、ボクにとって八意様は命の恩人なんです。身寄りのないボクを助手として拾ってくれたから」

 

 

「だから多少の無茶は聞いている、そういうわけだな?」

 

 

 環奈は小さく頷く。

 

 

「とにかく、いつまでもここにいるのは危険だ。その八意というものの場所まで案内してくれ」

 

 

 妖がまた来ないとも限らないしな、そう付け加えた俺は、魔法で投影した剣を右手に持つ。

 

 

「ボディーガードしてやる。だから案内してくれ」

 

 

「わかりました」

 

 

 環奈は頷く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

    ~少年少女移動中~

 

 

 

 

 

 環奈の案内によってやってきた俺は、今とても驚愕した顔をしていたかもしれない。

 

 

 それはなぜか?

 

 

 そんなの簡単だ。なぜなら、

 

 

「すごい大きな家だな」

 

 

「家ではなく、都市ですよ」

 

 

 わーお。でっかい家かと思ったけど、そんなわけないよねー。

 

 

 環奈はクスクスと笑いを噛み締めているが、普通こんな大きい都市を見たら驚くのは仕方ないと思われます。

 

 

「取り合えず行きましょう」

 

 

 環奈に笑われたことが妙に恥ずかしかった俺は、顔を赤くしながらも後ろをついていく。

 

 

 だけど。

 

 

「ふむ、環奈殿ですか。おかえりなさい。時間を過ぎていたので八意様が心配されておらましたぞ」

 

 

 おそらく門番であろう男性は、環奈に挨拶を済ますとジロッと俺のほうを見てきた。

 

 

「それで、この都市で一、二を争う可憐さを秘める環奈殿についてきた貴殿は何者だ」

 

 

「そのセリフ、良く本人がいる前で言えるな」

 

 

「フ、当たり前だ」

 

 

 知らんがな。

 

 

 こいつ一発殴りたいけど、とりあえず我慢だ。

 

 

 このにやけ顔がうざいからって無闇に殴ってはいけない。

 

 

「この人はアヴェルダ・ラフェ、ラフォ、ラフォードさんです。ボクの命の恩人さんですよ」

 

 

「おい、本人の目の前で名前噛むってどういう了見だこの野郎」

 

 

 全く失礼にもほどがある。

 

 

 おいそこの門番。コソコソ笑ってんじゃねー。

 

 

「まあ、いい。環奈殿が恩人だというのであれば事実なのだろう。通っていいぞ」

 

 

 なんか、ものすごく遠回りした感があるけど、ようやくこのバカでかい都市の中に入れるみたいだ。

 

 

 さてさて、楽しみとさせていただくとしようか?

 

 

 この世界は、俺を満足させられるかどうか、な。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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魔導王と月の神

はいどうもー。皆様おはようございますこんにちはこんばんは。
毎度おなじみゼノンです。


 今回は月といえばの神様登場します。もう一人も⋯⋯⋯⋯。


 

 

 

 

   ~環奈視点~

 

 

 

 

 

 ボクは今、妖怪に襲われていたところを助けてくれた恩人ーーアヴェルダ・ラフォードもといアヴェル君を案内しているところ。

 

 

 アヴェル君はこのように大きな場所に来たのは初めてらしく、まるで知らない来てワクワクしている子供のように瞳を輝かせている。

 

 

 その姿を普段の雰囲気と違っておかしくなる。

 

 

「俺を見て笑ってしまうぐらいおかしいことがあったのか?」

 

 

 アヴェル君がボクのほうを見て、拗ねたように頬を膨らませている。

 

 

「クスッ。別に? 君って雰囲気と違って見た目通りの子供っぽいところもあるんだねと思って」

 

 

 ボクの言葉を聞いてアヴェル君は複雑な表情を作る。

 

 

「なるほど。今俺にはほとんど記憶が無いから、こういうのが新鮮に見えているんだろうな」

 

 

「えっ? 記憶喪失なの?」

 

 

 アヴェル君のその言葉にボクは驚いた。

 

 

 だって僕を助けてくれたのが記憶喪失者なんだもん。

 

 

「八意様なら何とかなるかもね」

 

 

「どうだかな」

 

 

 そういって僕たちの間に会話は消えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~アヴェルダ視点~

 

 

 

 

 俺は今都市を環奈に案内してもらって八意という者の家にいる。

 

 

 八意の家に着いた時の印象は、

 

 

 

(なんだこのでかい屋敷は!?)

 

 

 だった。

 

 

 いくらなんでも大きすぎる。

 

 

「とりあえず入ろう? いつまでもそこに突っ立ているつもり?」

 

 

 環奈の声に俺は意識が戻る。

 

 

 俺は一つ頷いて中に入る。

 

 

 

 

  

 

 

   ~家の中~

 

 

 

 

 

 あれから環奈とともに高級そうなソファーに座っている。

 

 

 環奈に案内された部屋の中で10分ぐらい経った時、いきなり扉が開いて赤と青の交互にした服を着た美女が現れた。

 

 

 長い銀髪を後ろで三つ編みにしている。

 

 

「貴方が環奈の言っていた少年ね。私は八意永琳。ここでは研究と医者をしているわ。まずは環奈を助けてくれたことにお礼を言うわ。ありがとう」

 

 

 永琳は礼を言うが、ほとんど偶然といってもいいようなものだ。

 

 

「さて、挨拶も済ましたところだし、貴方には月詠様の所に行ってもらうわ」

 

 

 月詠⋯⋯⋯⋯ね。

 

 

「わかった」

 

 

「私はまだやることがあるからいけないけど、環奈が案内してくれるわ」

 

 

 そう言って永琳は奥の部屋に向かっていった。

 

 

 薬とかの匂いがするから恐らく何かの実験の最中だったのだろう。

 

 

「では、月詠のもとまで案内してくれ。環奈」

 

 

「了解だよ」

 

 

 そう言って俺たちは立ち上がる。

 

 

「では向かおうか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

   ~月詠~

 

 

 

 

 

 突然科学者永琳から「月詠様にお客様が来ます」と連絡があったから急いで迎える準備をしたが、果てして私にお客とはいったい誰なのか?

 

 

 そう思いながら腰まで伸ばした自慢の銀髪の手入れをしている。

 

 

 私の美貌はすべての男を魅了する。

 

 

 話に聞くとお客は男らしいからな、最初が肝心だ。

 

 

 ま、そのような心配しなくてもその男は私の美貌の前に堕ちるだろうがな。

 

 

 すると、突然私の部屋の扉がノックされた。

 

 

 このノックの仕方からして環奈か。

 

 

「環奈か。何の用だ?」

 

 

「はい。八意様の命でアヴェル君を連れてきました」

 

 

「入れ」

 

 

 失礼しますと、環奈の声が聞こえると扉が開く。

 

 

 外からやってきたのは想像通り環奈と、10歳くらいの少年だった。

 

 

 少年が口を開く。

 

 

 ふ、やはり『美しい』という称賛の言葉だろうーー

 

 

「なるほど。お前が月詠ノ命、だな?」

 

 

 と思っていた私に対していきなり本名で呼ぶ少年。

 

 

 これに関して私も環奈も驚いた。

 

 

「ちょ、ちょっとアヴェル君!? 相手はこの都市で一番偉い権力者の月詠様だよ!?」

 

 

「知らん。あ、俺はアヴェルダ・ラフォード。言いにくいと思うから『アヴェル』でいい」

 

 

 慌てて注意する環奈だが、アヴェルダ・ラフォードもといアヴェルには届かなかったようでふくれっ面だった。

 

 

 これはまた面白い奴を連れてきたものだ。

 

 

 それに。見た目が10歳だからか、どうしても保護欲が湧いてきてしまう。

 

 

「よい。私を神だと知りながらこの態度、気に入った」

 

 

 私はこいつの事が気に入ってしまった。ぜひともこいつを私のそばに置いておきたい。

 

 

 こいつを独占していたい。

 

 

 だからこそ私はこんな提案をしたのだろうな。

 

 

 そう⋯⋯⋯⋯

 

 

「なあ、アヴェルとやら。私の家に住まぬか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

   ~アヴェル視点~

 

 

 

「私の家に住まぬか?」

 

 

 月詠から発せられた言葉に内心驚いた。

 

 

 だってあって間もないのに、家に住むかなんて聞く奴は普通いないだろう。

 

 

 馬鹿なのかこいつは

 

 

「馬鹿なのかこいつは」

 

 

 あ、普通に声出てたわ。

 

 

 見れば環奈がこの世の終わりのごとくと言いたげな表情しているし、月詠は顔を俯かせてプルプルと震えている。

 

 

 これやらかしたな。

 

 

「クククッあーはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっ!」

 

 

 いきなり月詠が笑い出した。

 

 

 どうしたのかな。

 

 

「本っ当に面白いなお前は。ますます欲しくなったぞ」

 

 

「さいですか」

 

 

 もう返事するのも面倒くさい。

 

 

「本当に住む気はないのか?」

 

 

 こいつはしつこいな。

 

 

 全く。もうすごくうぜぇ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

   ~またもや永琳の家~

 

 

 

 というわけで、やってきました永琳の家に。俺こんなキャラだっけ?

 

 

「ボクはかわいいと思うよ?」

 

 

「何がっ!? もしかして心読んだ!?」

 

 

「だってボク、悟り妖怪だし」

 

 

「この都市に妖怪いていいのか!? えっ、いいのか!? ええぇ!?」

 

 

「ボクは特別なんだよ。八意様と月詠様以外の人には内緒だよ?」

 

 

 ウィンクして言う環奈はある意味で可愛いところがあったが、なんだろう。妖怪が妖怪に襲われて泣きじゃくっている姿を思い出して笑えてきた。

 

 

 あーやべ。笑いが⋯⋯⋯⋯。

 

 

「ふん。笑いたきゃ笑えばいいさ。どうせボクは妖怪らしくない妖怪ですよーだ」

 

 

 あーあ、環奈が不貞腐れちゃったよ。

 

 

 まあ、いっか。

 

 

「⋯⋯⋯⋯」

 

 

 すんげぇ瞳で睨んでくる。

 

 

 あのー環奈さん、瞳の色赤いよ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

   ~とある場所~

 

 

「フフフ。ずいぶんと面白そうなのが現れたみたいね」

 

 

 何らかの力で人には見えない黒い球から女の声が響く。

 

 

 黒い球は都市の中で少女と一緒にいる少年を見つめていた。

 

 

「アヴェルダ・ラフォード⋯⋯⋯⋯ね。破滅を意味するラフォードの生き残りかしら?」

 

 

 黒い球がふよふよと少年たちを追いかけていくが、都市の中に結界が施されており黒い球は弾かれてしまった。

 

 

「クッ! あの神が施したのね」

 

 

 一番高い塔を睨みながらつぶやく。

 

 

「待ってなさい。すぐにあなたの運命を喰らってあげるから」

 

 

 そう言って黒い球は人の形をとった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




わかった方はいたでしょうか?

そう。今回出てきた神は月詠ノ命です。永琳も出てきましたね。


はてはて、どうなることかや。


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魔導王と常闇の妖怪

 

 

 

 あれから何かがあったというわけもなく、今は永琳の家にお邪魔している。一晩泊まってみたけど、なんとも住みにくい。

 

 

 いや、ほら。あれだよ。お金持ちは金銭感覚がくるっていると聞くけど、本当みたいだったよ。

 

 

 何かあったら買えばいいって、永琳よ。君はお金に困っている人たちの考えを考えたことがあるのかね?

 

 

 これに対する永琳の回答はこう。

 

 

「そんなの考える必要があるの?」

 

 

 ヒャッハーーーーー! 戦争だぜえいりいいいいぃぃぃぃぃぃぃぃぃん!

 

 

 とか言ってたら家から追い出された。

 

 

 当たり前だけどな。

 

 

 環奈にもとても呆れられた目で見られた。

 

 

 理不尽な!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

       ビーーーーー! ビーーーーー! ビーーーーー!

 

 

 突然都市の中でけたましい音が鳴り響く。これが何を意味するのか昨日来たばかりの俺でもわかる。

 

 

 

 

 

『侵入者』

 

 

 

 つまりはこの都市に攻め入った輩がいるということだ。

 

 

 俺は力の強い場所を感知するとすぐさまそこに向かって飛んだ(・・・)

 

 

 意味が分からない? そのままの意味だよ。

 

 

 つまり、()()()()()()()()()()()()()()というわけだ。

 

 

 俺だからこそできる芸当だが、失敗したら確実に死にますねはい。

 

 

 そして着きました。

 

 

 腰まで届く金髪に赤い瞳の美人さんがいました。なんか黒くてでっかな大剣を振り回してます。

 

 

 現実逃避はもうやめよ。

 

 

 いや、そりゃあね。16歳くらいの美人さんが笑顔で大剣を振り回して都市の兵隊を薙ぎ倒しているのは結構やばい光景だよ? そんなの現実逃避したくなるよ? みんなもわかるでしょ。

 

 

 誰に問いかけているんだ俺は?

 

 

「あ、ようやく来たようね。待っていたわ。アヴェル」

 

 

「なぜ、俺の名前を知っている? お前は何者だ」

 

 

「あら、私の事を忘れてしまったの? まあ、いいわ。私は常闇の妖怪ルーミア。またの名を常闇ノ神」

 

 

 忘れてしまった。彼女は確かにそう言った。俺が何を忘れているのかはわからない。

 

 

 だけど、今はそんなことはどうでもいい。すごくどうでもいい。

 

 

「お前、ここの人たちを殺したのか? それとも、妖怪らしく喰らったのか?」

 

 

 彼女の周りに散らばる死体と血を見て問う。

 

 

 返答次第ではこいつは殺す。

 

 

「ちょっとだけ味見はしたわ。すごくまずいのね。この都市の人間は。穢れが無いのだから仕方ないと思うけれどね」

 

 

 その瞬間、俺の中でとてつもない闇が放出された。

 

 

 闇は俺を飲み込んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「殺す。お前は殺す。この世に生きることが嫌になるまで」



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魔導王とhazard on

皆様、おはようございますこんにちはこんばんは。
宵闇の魔神ゼノン。


ちょっと早い展開な気がしますが、アヴェル君が大暴走します。




物凄く禍々しい闇がアヴェルの体を包み込んだかと思うと、アヴェルが腕を一振りして闇を消す。

 

 

「どうやら、本来の体に戻れたみたいね」

 

 

 ルーミアが驚きとともに嬉しそうな表情をする。

 

 

 今のアヴェルは175前後の身長になり、黒い髪は少し右目を隠すぐらい長くなった。服も変わり、白いシャツの上に丈の長い黒いコートを着ている。下は少し青っぽいズボンで靴は赤と黒のブーツだった。

 

 

 アヴェルはどこからかベルトのようなものを取り出すと、腰につける。そして、赤い物質のボタンを押すとベルトにつける。

 

 

『ハザードオン!』

 

 

 すると今度は赤いミニボトルと青いミニボトルを取り出して勢い良く振って、蓋を開ける。その二つもベルトにさす。

 

 

『ラビット! タンク! スーパーベストマッチ!』

 

 

 音が鳴るとベルトにレバーを回す。

 

 

『ガタガタゴットン! ズッタンズタン! ガタガタゴットン! ズッタンズタン!』

 

 

『Are you ready?』

 

 

「変身」

 

 

 アヴェルがそう言った直後、彼の体を黒い何かが挟む。そして、白い煙を上げながら扉のように開いた。

 

 

『アンコントロールスイッチ! ブラックハザード! ヤベーイ!』

 

 

 そこには黒い鎧に身を包んだ戦士「仮面ライダービルド ラビットタンクハザードフォーム」が立っていた。

 

 

「あはっ♪ いいよいいよー。その殺気。ゾクゾクする」

 

 

 狂ったような笑みを浮かべながら大剣を構える。

 

 

 アヴェルは黒いオーラを放つ剣を取り出し、瞬く間にルーミアの懐に潜り込むと下から上へ一閃する。

 

 

 その一撃は強烈だったらしくルーミアは余波だけでぶっ飛ばされる。

 

 

「すごいわ。すごいわアヴェルっ!!! そうよそのままっ!! その力を私にぶつけなさいっ!!!!!」

 

 

 アヴェルが腰のレバーをぐるぐると高速で回すと、右足に赤黒いオーラが放出される。その後、アヴェルの姿が黒い粒子になりルーミアの前で体が再構築される。

 

 

『ガタガタゴットン!ズッタンズタン! Ready go! ハザードフィニッシュ』

 

 

 いきなり現れたために動作が一瞬遅くなったルーミアめがけて、赤黒いオーラを放つ右足で強烈な蹴りを入れ、都市の外までぶっ飛ばす。

 

 

「がはっ!」

 

 

 口から血反吐を吐いたルーミアはこちらに向かってゆっくりと歩いてくるアヴェルを見てにやりとする。

 

 

 右手を強く握って赤黒いオーラを放出するアヴェルは、その拳をルーミアに振るう。だが、その拳がルーミアに届く前にアヴェルの纏うアーマーから赤黒い稲妻がほとばしる。

 

 

「アアァァアッ! アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァッッッッ!!!」

 

 

 暫くアーマーから稲妻がほとばしり悲鳴を上げまくまったアヴェルの体が耐えられなかったのか、変身が強制的に解かれてその場に倒れる。

 

 

 変身が解かれたアヴェルの体は先ほどと同じ子供の姿になっており、倒れた状態で気絶していた。

 

 

「さすがに完全に解除されるわけじゃないか⋯⋯⋯」

 

 

 そう呟いたルーミアはゆっくりと立ち上がると、都市の出口に向かって歩き出す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

    ~永琳~

 

 

 環奈が連れてきた彼⋯⋯⋯名前は確か、アヴェルだったかしら。彼が私によって家から追い出されてからしばらくした後、妖怪が都市に侵入したことを表すブザーが鳴り響いた。

 

 

 だが、すぐに環奈から防衛兵が全滅したと報告が来た。

 

 

 なんでも今までに見たこともなかった強力な妖怪が現れたみたいで、手も足も出なかったのこと。

 

 

 この都市の防衛兵は依姫直々に鍛え上げているはずなのに全滅するということはよほどの強さなのだろう。

 

 

「はぁ⋯⋯⋯憂鬱になりそうね」

 

 

「永琳様、私の鍛え方が甘かったのでしょうか?」

 

 

 私の目の前で顔を俯かせている少女ーー依姫がそう小さく呟く。

 

 

「大丈夫なんじゃないの? 環奈の能力と私の薬さえあれば⋯⋯⋯さすがに死んでいたら無理だけど」

 

 

 そういう私に「そうですか」と苦笑いする依姫。

 

 

 その時、バダンッ!と勢いよく私の部屋が開かれかなり焦った様子の環奈が泣きそうな顔で入ってきた。

 

 

「どうしたのよ? そんなに慌てるような何かが⋯⋯⋯」

 

 

 最初は笑って出迎えてやろうと思っていた私は、環奈が背に背負っている少年を見て言葉が消える。

 

 

 環奈に背負われているアヴェルが所々血を流しながら気絶していた。

 

 

「どうしたのですかその傷は!? かなり危険な状態じゃないですか!」

 

 

「私だってわかりませんよぉ。 防衛兵はみんな死んじゃっているし、アヴェル君は血を流しながら気絶しているし、都市の出口の方まで血は落ちているし、とにかく大変だったんですよぉ」

 

 

 そう言って環奈は泣き出した。

 

 

 環奈の鳴き声を背に私は様々な薬品を置いている実験室に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「環奈を泣かせたのだから、死んだら容赦しないわよ」

 

 

 




どうでしたか?
永琳の話し方とかよくわかんなかったですが、自分なりに頑張って永琳らしくしてみました。


次回「魔導王と依姫」


お楽しみに。


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魔導王と依姫と親父さん

 

 ~アヴェル~

 

 

 ルーミアが都市を襲撃して二日が立った。

 

 

 あれから何事もなく目を覚ました俺は、目に涙いっぱい流していた環奈に抱きつかれた。

 

 

 永琳はとてもいい笑顔(黒いって意味)で怒られた。両手に注射器を持って。

 

 

 後なんか知らんけど、環奈を泣かせたということで依姫というらしい少女が刀を構えてぶんぶん振り回してきた。

 

 

 あれは結構怖かった。だって下手したら俺刀で斬られて死んでる可能性あるし、いくら魔導を極めた者だとしても一度死んだ奴を蘇らす事なんて不可能だ。

 

 

 そんなのが出来るとしたら神か天使ぐらいだよ、まったく⋯⋯⋯⋯いたわ、この都市に神様が。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ま、そんなこんなで俺が今どこにいるかといえば

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それで、話は分かったかね?」

 

 

「全っ然わっかりません!」

 

 

 依姫の親父さんによって防衛兵の訓練場に連行されました。

 

 

 なぜか、それは数時間前に遡る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

   ~数時間前~

 

 

 

 刀をぶんぶん振り回してくる依姫から逃げ切った俺は、偶然通りかかった図書館に来ていた。

 

 

 なんでもここには月詠自ら集めた本が貯蔵されているらしく、一般人でも読めるようにいつでもオープン状態らしいです。

 

 

 何気なく気になった俺は中に入って適当に本を選ぶ。

 

 

 月をつかさどる女神が選んだだけはあってなかなか面白い本がたくさんあって、俺は何気にはまっていた。

 

 

 やることが無いときはここに通うのもいいかもしれない。といってもいつもやることないけど。

 

 

 その時、俺の隣に誰かが座った。

 

 

「随分と勉強熱心だな、少年」

 

 

 髪を後ろになでつけた髪型をした50近い男性が話しかけてくる。

 

 

 袖のないコートを着ていて、右腕に黒いドラゴンの刺繍を入れた男性がニカっと笑う。どうやら豪快な人のようだ。

 

 

「最近の若者は自分の好きなことばかりしているっていうのに、月詠様の集めた本を読んで勉強ったぁ、熱い男だねぇ」

 

 

「いや、別にそういうわけじゃないけどな。確かにこの本たちは月詠が集めただけはあってなかなか面白いけど、勉強の為ではないさ」

 

 

「月詠様を呼び捨てするのはやめた方がいいぜ? この都市には月詠様の配下がかなりいるからな。相手が俺だからいいものを、月詠様の配下が聞いてたら打ち首だけじゃすまないぜぇ?」

 

 

 そう言って豪快に「がははは」と笑っている。

 

 

「心配はいらない。俺は強いから」

 

 

「ほぉ? お前さん、名はなんと言う」

 

 

「アヴェルダ・ラフォード」

 

 

「なるほどねぇ」

 

 

 俺の名前を聞いて何かを考えこんだ男は

 

 

「なぁ、悪いんだが、ちょっとばかし家に来てくれねぇか?」

 

 

「はい?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして、俺の了承完全無視で家に連行されました☆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 んで、今に至るってわけ。

 

 

 わかったか? 今これを読んでいるかもしれないそこの読者様。

 

 

 何言ってんだろうか俺は。

 

 

「もう一回言うぜ? 話を聞く限りお前さんは二日前に襲撃してきた妖怪を撃退した。そんな強さを持つお前さんを見込んで、俺と依姫が鍛えている防衛兵たちを鍛え上げてほしいんだ」

 

 

「はぁ⋯⋯⋯まぁ、やるだけやってみるけどさぁ、期待だけはしないでくれよ?」

 

 

「ガハハハハハハッ! お前さんはホント面白いなぁ」

 

 

 話は変わるが、今俺の目の前にいるこの人は綿月(わたつきの)依神(よりがみ)と言うらしい。

 

 

 防衛兵の隊長でもあり、綿月依姫の父親だそうだ。依姫以外にももう一人娘がいるそうだが、その子はかなりのサボり癖があるらしく普段から訓練に参加しないから依神もかなり心配していて、なおかつ頭が痛いことみたいだ。

 

 

 「だいたいわかった」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして俺は、その訓練指導を受ける事となった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 体もつかな俺⋯⋯⋯⋯。

 

 

 



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