ロックマンZX Re: (イオ・りん)
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ロックマンZX Re:File①

独自に加えて変更点に注目してください。


「はぁ・・・・はぁ・・・・かぁさん、エール・・・・どこにいったんだ」

 

燃え盛り破壊される遊園地、暴走するイレギュラーから逃げる幼い少年ヴァン。母親と幼馴染のエールを探しながら走っていた。

 

そんなヴァンの前に紫色のメカ二ロイドガレオンに囲まれてしまったヴァン、恐怖のあまり倒れ込んでしまう。

 

「誰か・・・・俺の事はいいから2人を助けてやってくれ・・・・」

 

銃を突きつけられ引き金を引こうとしたその時―――――――――――1体のガレオンが真っ二つに斬られる。

 

「なっ・・・・・なんだ!?」

 

ヴァンの目の前に現れたのは目がバイザーで隠れた赤い戦士だった。一本の剣を振るい次々とガレオンを切り裂いていく。

 

「いっ・・・今のうちに」

 

その隙を突いてヴァンはその場から逃げた。

 

「あっ、エール!」

 

走り続けているとそこには1人の女の子、エールの姿を発見し彼女の元へ走りだす。

 

「ヴァン・・・・ヴァン・・・・」

 

エールの目の前には女性が倒れ込んでいた。背中には撃たれた跡があり既に息をしていなかった。

 

「そんな・・・・・・母さん・・・・・ウソだろ・・・・」

 

「私を・・・・庇って・・・・・」

 

倒れている女性、ヴァンの母親はエールを庇ってイレギュラーに撃たれてしまった。

 

エールは酷く怯えており泣きじゃくれていた。

 

「ちくしょう・・・・・・ちくしょう――――――――――!」

 

やがてセルパン・カンパニーの警備隊が出動しイレギュラーの襲撃は収まった。

 

それでもヴァンとエールの失ったものは返って来る事はなかった・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あれから10年、俺はあの日を忘れた事はない、母さんを失いエールも心に深い傷を負ってしまった。

 

それでもイレギュラー現れ続けている。こんな事、早く終わって欲しいと強く願っている。

 

「おはよう、エール」

 

「あっ、ヴァン・・・おはよう、今日も配達?」

 

「ん?あぁそうだよ、お前の方は?」

 

「今日はコレの修理」

 

俺は運び屋の仕事を、エールは機械の修理をやっている。あれ以来エールは俺達の住んでいるエリア以外から出る事はなくな

 

った、イレギュラーに襲われた事がトラウマになってしまったんだ。

 

エールが手にしていたのは鳥が飛び出る時計だった、今じゃ中々見ない代物だ。エールは手先が器用だから色んな物を直せる

んだ。

 

「これから先輩とエリアAに向かうから帰りは遅くなるかも」

 

「そうなの、気を付けてね」

 

俺は支給されたマシンを走らせエリアAへと向かった――――――――――

 

 

 

 

 

エリアAにて・・・・・・・・・・・

 

 

「ハイハイ!以来とあらばどんなとこにも何処にでも!こちら「運び屋」ジルウェ・エクスプレスでございます!」

 

『「運び屋の」・・・・・・ジルウェさんですね?』

 

「その声はガーディアンの・・・・・いや、今は依頼主と呼んだ方がいいんでしたっけ?」

 

『遺跡の調査隊から以来のニモツは受け取りましたか?』

 

「えぇ、確かに」

 

『こちらの舞台を先程指定したポイントに向かわせました、予定より早いですが合流しましょう』

 

「分かりました」

 

あの人はジルウェ、運び屋「ジルウェ・エクスプレス」の社長で俺の雇い主だ。

 

イレギュラーに襲われたあの日、俺はセンパイに保護されてここで働くこととなった。

 

元々エールも一緒に働くつもりだったけどイレギュラーに遭遇する事を怖がってたのもあって別の仕事を紹介してもらった。

運び屋って仕事柄危険な地帯にも向かいどんなモノを運んでいる、それがなんなのか俺にもよく分からない。

 

「おーいヴァン、そろそろ行くぞー」

 

「・・・・・・・・・」

 

「おいヴァン、聞こえてるのか?」

 

俺は遠くから見えるセルパン・カンパニーを見つめていた。

 

大型エネルギーを供給、保有している大企業でイレギュラーから街を防衛も受け持っている。

 

街の人達からは感謝が絶えず、英雄視されているそれでも・・・・・・・・・・

 

 

 

「セルパン・カンパニーのビル、こんな所からも見えるのか、あの会社のおかげてこの国も随分と救われたもんだ」

 

「だけどあの時・・・・・・セルパン・カンパニーの警備隊がもっと早く来ていれば・・・・・母さんや・・・・エールがあん

な目に遭わずにすんだのに」

 

「そういや、お前とエールはイレギュラーの襲撃で家族を失くしたんだったな、辛いのは分かるがあんまり公にセルパン・カンパニーを悪く言うなよ。エネルギー不足やイレギュラーの問題もあの会社のおかげで助けられているんだからな」

 

「そんな事分かっているさ・・・・・」

 

「おっと、そろそろ行かなきゃな、依頼主さんは既に合流ポイントに着いているそうだ」

 

「そういやさ、その今回の依頼主のガーディアンって一体何者なんだ?この荷物が何なのかも教えてもらってないしさ」

 

「ガーディアンっていうのは、イレギュラーに対抗するための組織さ。世界各地を回ってイレギュラー発生の原因を調べているんだ、どうせ荷物の中身もイレギュラーに対抗する「何か」なんだろう、関わるとロクな事にならなさそうだ」

 

セルパン・カンパニー以外にもイレギュラーに対する組織っているんだな。

イレギュラーに対抗する「何か」か・・・・・コイツで少しでもイレギュラーがいなくなればいいいんだけどな、そうすれば・・・・・・

 

「なっ・・・・・なんだ!?」

 

ヴァンとジルウェの前に突如とイレギュラーが現れた。

 

「イレギュラーか!何でこんな所まで・・・・・・まさか、俺達の荷物を狙っているのか!!」

 

イレギュラーの攻撃はヴァンの乗っているマシンに直撃、爆発の衝撃でヴァンは下の方へ吹き飛ばされてしまった。

「うわああああああああああああああ!」

 

「ヴァン!!」

 

 

 

 

 

 

「うっ・・・・うぅ・・・大分落ちたな」

 

上を見上げると先輩の姿が見えないぐらい距離まで落ちていった様だ。でも上から煙は見えた。

 

俺が立ち上がったと同時に通信機から連絡が入った。

 

『ヴァン、大丈夫か?依頼の荷物がお前の近くにあるはずだ、そこにから見えるか?』

 

「えぇっと・・・・・・」

 

俺は後を振り返った。そこには青い彫刻みたいのが浮かんでいた、もしかしてアレなのか?

 

「アレか?」

 

『お前は荷物を回収したら、その先のガーディアンとの合流ポイントへ向かうんだ。俺もコイツ等を何とかしたら合流する』

 

「分かった、向かえばいいんだな」

 

センパイ・・・・・・・・無事だといいんだけど、考えてもしょうがない、俺は前へと進んだ。

 

「誰だ!こんな所で何をしている?」

 

前へ進んでいると目の前にいた男に突然銃を突きつけられ、俺は立ち止まった。

 

「待って」

 

銃を突きつけた男の後ろからピンクの服をきた金髪の少女が前に出てきた。

 

「もしかして・・・・・運び屋の方・・・・ですか?」

 

「あぁ・・・・そうだけど」

 

あんな女の子もガーディアンなのか?見た所エールとあんんまり年も変わらなそうだけど・・・・・・・

 

「えぇ、突然爆発する音が聞こえて様子を見に来たのですが・・・・・・」

 

「そうなんだ、実は・・・・・・・」

 

俺が離そうとした時、後ろから突然ヘビみたいなイレギュラーが現れた。

 

「なんだこいつは!?」

 

「まさか・・・・・・さっきのイレギュラーの仲間か!?」

 

1人のガーディアンの男がヘビ型のイレギュラーに向かって銃を撃つがビクともしない、それどころか尻尾で反撃されて吹き飛

ばされてしまう。

 

「ぐあああああああ!」

 

「しっ・・・・しっかりして!」

 

「早く・・・・・ライブメタルを・・・・・」

 

ライブメタル?この荷物の事なのか?やっぱりコイツを狙って・・・・・

 

「オイ、さっさと逃げるぞ!あんなモンに構ってたら狙われるに決まってる!!」

 

「ダメよ!アレはお姉ちゃんが・・・・・・お姉ちゃんが私達に残してくれた大切なものだから・・・・・」

 

少女は強がりながらも、涙ぐんでいた。ライブメタルは彼女にとってそれほど大切なものなのだろう・・・・・・

 

「もう・・・・あんな思いはたくさんだ!!でも、どうすれば・・・・・・」

 

俺は咄嗟に彼女の前で立ち止まった。あんな悲しい顔をしている人を放っておけるか!!

だけど、このままじゃ無事じゃすまない、だけど・・・俺には何も・・・・・俺に力があればあんな奴・・・・・・・

 

『大丈夫、僕が力を貸してあげる』

 

「なんだ!?」

ライブメタルが突然俺の元に近づいた、それに惹かれる様に俺も手を伸ばした。

そしてライブメタルに手が触れた瞬間、俺は突如と光に包まれた――――――――――

 

「シャアアアアアアアアアア!!」

 

ヘビ型のイレギュラーが少女に襲いかかろうとしたその時――――――――1発のエネルギー弾がヘビ型のイレギュラーに命中した。

 

「まさか、ライブメタルと・・・・・」

 

少女が振り返ると、そこには青い鎧の様なものを纏ったヴァンがいた。

 

「ハァ・・・・・ハァ・・・・・」

 

この力は一体・・・・・・・・・・・・・

 

その時、俺はどんでもない事に身を投じていくだなんて知りもしなかった・・・・・・・・・・・




今回の変更点:エールが大人しい性格になっており過去のトラウマに悩まされている。


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ロックマンZX Re:File②

勢いって怖いですよね、勢いが終わった後の虚無感?はとてつもないです(笑)


「ハァ・・・・・ハァ」

 

ヘビ型のイレギュラーに襲われた俺は突如と青い鎧の様な物を纏っていた、手に装備

された銃みたいな武器でイレギュラーを無我夢中で撃ち続けた。やがてイレギュラーは奥の方へ逃げ出した。

 

「何なんだコレは?一体何がどうなって・・・・・・・・」

 

『恐れないで、僕はライブメタルモデルX』

 

俺の頭の中から声が聞こえた、あのライブメタルが話しかけているのか?

 

『このままじゃ、あの女の子を戦いに巻き込んでしまう、ここを離れて戦うんだ』

 

「俺が・・・・・・イレギュラーと?」

 

未だに信じられない状況だ、またイレギュラーに襲われたと思ったら俺がイレギュラーと戦うって?

でも・・・・・この力があれば俺は・・・・・・・

 

「ライブメタルが・・・・・彼を選んだというの!?そんな偶然が・・・・」

 

金髪の少女は驚いていた、目の前でライブメタルの力で変身した少年がいると言う事に。

 

「なぁお前、このライブメタルってのを合流ポイントまで無事に届ければいいんだっ

け?そこで待っててくれ、俺が助けを呼んでくるから」

 

ヴァンは少女の腕を掴みながら彼女を立ち上がらせるとイレギュラーが逃げた方へ走り出す。

 

「待って!」

 

少女はヴァンが行くのを止めた。

 

「お前じゃなくてプレリー、私の名前はプレリーよ」

 

「プレリーか、俺はヴァン、運び屋のヴァンだ。安心しろついでにイレギュラーも倒してやる!!」

 

互いに自己紹介を終え、ヴァンは再び走り出した。

 

 

 

 

 

 

 

「なぁ、何で俺達を助けようとしたんだ?」

 

移動する最中、ヴァンはモデルXに尋ねた。

 

『誰かを助けるのに理由なんてないだろ?君だって彼女を助けようとしてたじゃないか』

 

「そうだな・・・・・・また目の前で誰かが傷つくのは見たくないからな」

 

ヴァンは少し悲し気な顔をしながら走っていた。

 

「うわっ!?」

 

走っている最中、ヴァンの目の前に空中に浮く懐中電灯みたいな形の青いメカニロイドが超音波の様な攻撃を仕掛けて来た。

 

「っぶねぇ・・・・・・道中にもイレギュラーがいやがるのか」

 

『腕のバスターにエネルギーをチャージするんだ、そうすれば一気に敵を貫通して倒せる』

 

モデルXはヴァンに戦い方を教えた。ヴァンは言われた通り、右腕のバスターにエネルギーのチャージを始める。

 

「チャージして・・・・・・・」

バスターの銃口に蓄積されたエネルギーが青から黄色に変わった瞬間、ヴァンはメカニロイドに向かってバスターを放った。

バスターは一体のメカニロイドを貫通し後ろにいた2体のメカニロイドに直撃し爆散した。

 

『初めてにしてはいい腕だ、先へ進もう』

 

「あぁ!」

 

凄い力だ・・・・・・・これがライブメタルの力なのか!?俺はとんでもない物を運ぼうとしてたんだな・・・・・改めて実感が湧いた。

 

 

 

 

 

 

そしてしばらく先へ進んでいるとだだっ広い森の中心部へと辿り着いた。

目の前にトランスサーバーのある扉を発見した。

 

「やっぱりここにいたな・・・・・・・・」

 

木の間から突如とさっき現れたヘビ型のイレギュラーが俺の前に立ちふさがった。

 

「やっぱりコイツを倒さなきゃ先へは進めない様だな!!」

ヴァンは右腕のバスターを連射しイレギュラーに先制攻撃を仕掛ける、しかしあまり大きなダメージは与えられていない様だ。

 

「これじゃダメか・・・・・そうだ、チャージなら!!」

より大きなダメージを与える為に、ヴァンはバスターのチャージを開始した。

 

『来るよ!!』

 

イレギュラーが尻尾を地面に叩きつけたと同時に岩が吹き飛んでヴァンの上空に降り注ぐ。

 

『ダッシュだヴァン!一気に走って!』

 

「こうか!」

 

モデルXに言われるままにヴァンは岩を避ける様にして一気に走り抜け降り注ぐ岩を回避した。

 

「すげぇ・・・・・・こんな距離まで走ってるなんて・・・・・・」

 

ヴァンは自分の走った距離に驚いていた。

 

『感心してる場合はないよ、次がくる!!」

 

休む間もなくイレギュラーの口から緑の回転弾が発射された。

 

「こういう場合は・・・・・ジャンプすればいいんだな!」

 

回転弾が自身に直撃しようとすると同時にヴァンは一気にジャンプした。

 

「これで・・・・・・・どうだ―――――!!」

 

イレギュラーの頭部に狙いを定めヴァンはチャージショットを2発一気に放った。

 

「キシャァァァァァァァァ―――――!!」

 

チャージショットはイレギュラーの頭に直撃、そのまま胴体へ貫通し全身を粉砕させ

た!!

 

見事にヴァンは勝利した。安心したのかその場に座り込んだ。

 

「ふぅ・・・・勝ったんだな・・・・俺」

 

『あぁ・・・・お見事だったよ、ヴァン』

 

「ありがとうな、モデルX、先へ急ごう」

 

すぐさま立ち上がりヴァンはトランスサーバーがある扉の中へ入っていった。

 

 

 

 

 

 

中には緑色の服を着たガーディアンの男性2名と青い服を着てゴーグルを掛けた小さな老人がいた。

 

「俺は依頼を受けた運び屋の者だ、荷物も持って来た。向うで仲間達が待っている、

助けにいってやってくれないか」

 

「なんだって?今すぐにプレリー様を助けに行くぞ!!」

 

ヴァンの話を聞いたガーディアンの男性2人はすぐさまプレリーのいる所へ走り出した。

 

プレリー様?アイツ随分と慕われてるもんだな~

 

「これは驚きました、まさかライブメタルの力が使えるとは、でも無事で何よりです」

 

小さい老人がヴァンの方へ近づいた。

 

「そういや、俺と同じ運び屋の仲間がこっちに来ていないか?」

 

ヴァンはジルウェが来ていないかと尋ねた。

 

「いいえ、ここにはアナタしか来ていませんよ」

 

どうやらジルウェは来ていない様だ。するとトランスサーバーから通信が入った。

 

『こちら救護班、プレリー様達を発見しました。これからガーディアンベースへ帰還します』

 

どうやらプレリー達と合流できたみたいだな。よかった・・・・・・・・と俺はホッとした。

 

「待って下さい、もう1人の運び屋の行方が分からないようです、そちらで何か確認できませんか?」

 

小さな老人はジルウェの行方が分からないかを尋ねた。

 

『アレは・・・・・エリアBで煙が発生しています、どうやらあっちで何かあったみたいです!』

 

まさか・・・・・・先輩があそこにいるんじゃ!?こうしちゃいれない・・・・・・・・

 

「このライブメタル、もうちょっとだけ借りるぞ、先輩を助けないと・・・・・」

 

「なんですって!?アナタもライブメタルもこれ以上危険な目に遭わせる訳には・・・・・・・」

 

ヴァンがエリアBへ向かうのを小さな老人が止めた。

 

「頼む・・・・行かせてくれ!俺はもう・・・・誰かを失うのを見て居られないんだ!!」

 

ここで俺が行かなかったら・・・・・・あの時みたいに・・・・・そんなの嫌だ!ダメと言われても俺は―――――!

 

『フルーブ、ヴァンを行かせてあげて』

 

「プレリーさん!?」

小さな老人をフルーブと呼ぶプレリー、彼女はヴァンをエリアBへ向かう事を許可した。

 

『心配ないわ、彼ならイレギュラーと戦えるわ。ヴァン、あの時アナタは出会って間もない私を助けようとした、その勇気を私は信じるわ・・・・・』

 

「プレリー・・・・・ありがとう!!」

プレリーに礼を言ったヴァンはすぐさまエリアBへ繋がる扉の方へ走った。

 

「やれやれ・・・・・何という行動力」

 

フルーブはゴーグルを磨きながらヴァンが走り出すのを見送った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

エリアB―――――

 

『ヴァン、聞こえる?』

 

エリアBに到着するとプレリーから通信が入った。

 

『私達を襲ったイレギュラーの事なんだけど、ちょっと気になる事があるの。破壊されたイレギュラーの残骸に何か手掛かりがあるかもしれないわ、何かあったら教えて頂戴』

 

「あぁ、分かった!」

 

通信が終わりヴァンはメカニロイドを倒しながら進んでいく。すると・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「コレは・・・・・コンピューターチップ?」

 

足元に小さなチップが落ちておりそれをヴァンは拾った。

 

『多分、イレギュラーに内蔵されていた部品ね。ガーディアンベースで解析すれば何

か手掛かりが掴めるかも、他にもあるかもしれないから出来るだけ集めて頂戴』

 

「コレがイレギュラー発生の手掛かりになるのか・・・・・・・・・よし!」

 

それから俺は先へ進みながらコンピューターチップを集めた、その数は全部で4つあった。

 

「他にはなさそうだな・・・・・・それにしても、随分派手にやり合ったって感じだな」

 

辺りを見回すとイレギュラー達の残骸でいっぱいだ、どれも切り裂かれた跡がある。

 

「コレってまるで・・・・・・・・・」

 

10年前のあの時、俺がイレギュラーに襲われていたのを助けた奴の攻撃と似ている・・・・・・・・気がする。

 

「気のせい・・・・・だよな・・・・・・・!?」

 

空を見上げると突如としてエイ型のイレギュラーがこちらに向かって来た。

やって来て突然中心部の格納庫から大きな砲台を降ろしてきた。

 

「なんだイキなり!?うぁっ!!」

 

砲台から砲撃が放たれた。突然な事で俺はバスターをチャージしながら避けるので精一杯だった。

 

「この野郎・・・・・・いきなり現れて―――――――」

 

俺は砲台に向かってチャージショットを放った。破壊された砲台の破片がイレギュ

ラーに直撃し片方の翼が破壊された。

 

「効いている・・・・・・よし、これなら!!」

 

俺は再びバスターにエネルギーのチャージを始めた。

撃たせまいとイレギュラーは頭部からミサイルが発射された。

 

「しまっ―――――っ!?」

 

ミサイルは俺の足元に直撃しその衝撃で俺は壁の方まで吹き飛ばされた。

 

「くっそ・・・・・!」

 

『大丈夫かい、ヴァン!』

 

「なぁに、これぐらい・・・・・どうって事!!」

 

俺はすぐさま立ち上がり、イレギュラーの片翼に向かってチャージショットを2発同時にぶち込んでやった。

もう片方も翼も破壊されこれで勝利・・・・・・・・と思ったが―――――

 

「オイオイ、まさかこっちに・・・・・・・」

 

翼を失いコントロールを失ったイレギュラーは俺の方に向かって墜落しだした。

絶体絶命、その時――――――――

 

「たぁ―――――!!」

 

突如と目がバイザーで隠れた赤い戦士が剣でイレギュラーを真っ二つにして左右に分かれ俺への直撃は免れた。

 

「あっ・・・・・・アンタ・・・・・」

 

その姿、今でも覚えている・・・・・・・10年前俺を助けてくれた・・・・・・・・・・あの人だ!!

 

「ヴァン、お前もライブメタルに選ばれた様だな」

えっ・・・・・この声・・・・・もしかして―――――!?

 

赤い戦士は光に包まれ変身を解除した、その姿は・・・・・・・・・

 

「せっ・・・・・先輩!?」

 

ジルウェだった、10年前自分を助けた人物がジルウェだった事に気が付いたヴァンは驚いていた。

 

「まさか・・・・・10年前のあの時、俺を助けたのって・・・・・・」

 

「そうさ、あの時お前を助けたのは俺だ、実は俺は・・・・・ガーディアンのメンバーなんだ」

 

ジルウェはヴァンに知っている事を全て話し始めた。

 

「俺も昔にこのライブメタルモデルZに選ばれてな、それからイレギュラーと戦い続けていた。その時にお前を助けたってワケだ。すまなかったな、お前の母親を・・・・エールを助けられなくて」

 

自分がもっと早く動いていれば犠牲を出さずに済んだはずなのに、今でもジルウェは後悔していた。

ヴァンがセルパン・カンパニーの話をする度にその事が胸に刺さっていた。

 

「先輩・・・・・・俺・・・・・・・」

 

「気にするな、お前がそう言うのも無理はない」

 

ジルウェはヴァンの頭を優しく撫でた。

 

「さて、コレで仕事は完了だ、後はガーディアンベースへ向かってライブメタルを届

けるだけだ、その前に・・・・・・・」

 

「その前に?」

 

「一旦お前はエールの所に戻ってやれ、きっと心配しているだろうからな」

 

「あっ・・・・・あぁ、ところでこれってどうすれば元に戻れるんだ?」

 

ヴァンは変身の解除方法をジルウェに聞いた。

 

「ライブメタルに元に戻れって念じるんだ、そうすればあっという間だ」

 

「そっか、元に戻れ・・・・・元に戻れ・・・・・」

 

「口で言わなくていいんだよ」

 

ジルウェは笑っていた。そうしている間にヴァンは変身を解除していた。

 

「さて、コイツを渡しておく、コレでトランスサーバーでガーディアンベースまで行けるはずだ。じゃぁ、エールによろしく伝えておいてくれ」

俺は先輩から青いカードキーを受け取った。

そして先輩はこの近くのトランスサーバーへと向かって行った。

 

「さて俺も・・・・・・・・・」

 

俺も一旦エリアCへ向かう為歩き出していった・・・・・・・・・・・・・・・




今回の変更点:ジルウェは本編開始前からモデルZの適合者に選ばれており、過去にヴァンを助けていた。


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ロックマンZX Re:File③

エリアC――――――――――

 

「ただいま・・・・っと」

 

エリアBを出た俺は家へと帰っていった。

あの日から俺とエールは共に暮らしている。昔からの仲ってのもあるし何よりアイツを1人になんてできなかった。

 

「アレっ、エールいないのか・・・・・?」

 

玄関を出てリビングを見渡してもエールの姿はなかった。

 

「買い物でもいったのか?」

 

すると洗面台の扉が開いた音が聞こえ俺は後ろを振り向いた。

 

「あっ・・・・・・・」

 

「なっ・・・・・・!?」

 

後ろを振り向くとシャワーを浴びていたのか、タオルを巻いているのエールの姿が目に入った。昔からの仲とは言え風呂上がりの女の子が目の前にいる、いくら何でもコレは目のやり場に困る。

 

「えっと・・・・・・・」

 

エールは状況を理解したのか顔を赤らめ見られたくない所を手で隠してその場に座り込んだ。

 

「なっ・・・・何でこんな時間にシャワーなんて!?」

 

「だって・・・・・油汚れやオイルの臭いが気になったから・・・・・・」

 

そういや、奥の部屋から確かにオイルの臭いがする。どうやらエールが時計を修理した時に付いたものだろう。

まぁそれなら仕方ないか、と俺は納得した。

 

「それにしても早かったね、遅くなりそうって言ってたのに」

 

それからしばらくして着替え終えたエールが話しかけてきた。

 

「あっ・・・・あぁ、ちょっとな、またしばらくしたら戻らなきゃならないんだけどな」

 

「ふーん、じゃぁお昼は食べてく?」

 

「あぁ、そうだな」

 

エールは台所に入り昼ご飯の準備を始めた。

 

「あっ、俺も手伝うよ!」

 

「いいよ、ヴァンが手伝ったらまた爆発しそうだし」

 

うっ・・・・痛い所突いてくるな・・・・・そういやこの間手伝った時にちょっと爆発しかけたような・・・・・・

そうこうしている内にエールの料理が完成した。

 

「おっ、オムライスか、では!」

 

俺はスプーンを手に取り一口頂いた。うん、上手い!こう、卵が口がとろけてご飯がいい感じの柔らかさで・・・・・・・や

っぱエールの作る料理は最高だな~

 

「ねぇ、ヴァン」

 

「ん、何だ?」

 

「運び屋の仕事って・・・どう?」

 

「んおぅ・・・・楽しいよ、先輩も優しいし」

 

エールはヴァンに運び屋の仕事はどうかと聞いてきた。その表情はどこか俯いていた。

 

「そっか・・・・でも危険な時もあるんだよね?」

 

「まぁ・・・そこまで危険ってワケじゃないよ!」

 

こんな状況じゃ・・・・・言えるワケないもんな、ついさっき危険な目に遭ったって。

 

「家族を失って、ヴァンまでいなくなったら私・・・・・・・」

 

エールは震えていた、過去のトラウマに今も悩まされている。また何時イレギュラーが襲い掛かるかという恐怖に・・・・・

そんな彼女の身を案じてヴァンはその手を優しく握った。そして優しく微笑んだ。

 

「心配すんな、俺はいなくならないよ、今度は俺がエールを守ってみせる、約束だ!」

 

そうだ・・・・・今度こそ絶対に守るんだ、俺が・・・・・・・俺が・・・・・・・・・・

 

 

昼を食べ終え、ヴァンがガーディアンベースへ向かおうとした時、エールがヴァンの手を掴んだ。

 

「ねぇ、もう出るならさ、一緒にコレ渡しに行くの付き合ってよ」

 

「おぅ、構わないぜ」

 

俺はエールと一緒に直した時計を依頼主に渡しに向かった。

 

「すいませーん、直した時計返しに来ましたー」

 

「おぉう、すまないねぇ、何時も感謝しているよ」

 

時計を直してほしいと依頼したのは長いひげが特徴のレプリロイドのおじいちゃんだった。よく昔の物を直して欲しいと頼む常連さんだ。

 

「また何か直して欲しい物があったらよろしく頼むね」

 

「うん、それじゃぁね、おじいちゃん」

 

エールも大人しい性格だが感情がないってワケじゃない、たまに友達と買い物にだって行くし笑う時は笑う、こうしてみれば普通の女の子なんだよな・・・・・・・・・

 

「どうしたの?」

 

「あっ・・・・いや、何でもない、それじゃ俺はここで、気を付けて帰れよ!」

 

「うん、いってらっしゃい!」

 

一仕事終えたからかエールは微笑んで俺を送ってくれた。自分で言うのも何なんだがちょっと嬉しい。

 

 

 

 

 

そして俺はトランスサーバーに辿り着き、先輩から受け取った青いカードキーを取り出した。

 

「えぇっと・・・・・・ココにカードキーをっと」

 

トランスサーバーのカードキーリーダーにカードキーを挿入した。

 

『ガーディアンベースへの転送を開始します』

 

いよいよガーディアンベースへ向かうのか・・・・・・どんな所なんだろう?

 

 

 

 

 

 

 

 

転送はすぐさま終わった俺が目を開けると・・・・・・・・・・・・・

 

「ん・・・・・・ってえぇ!?」

 

窓を見るとそこは雲の上だった。突然の事で俺は驚きが隠せなかった。

 

「驚いたか?ここがガーディアンベースだ」

 

後ろを振り向くとそこには先輩であるジルウェがいた。

 

「ガーディアンベースは空飛ぶ船なんだよ」

 

「へぇ~こりゃすげぇな」

 

マジかよ、ガーディアンベースって空飛ぶ船だったのか!

 

「さっ、行くぞ、みんなお前を待ってるぞ」

 

「あっ・・・・あぁ!」

 

俺は先輩の後について行った。トランスサーバーの部屋を出てまっすぐの扉にはいって行った。

 

「お待たせしました」

 

「ごくろうさま、ようこそガーディアンベースへ」

 

そこは作戦指令室みたいなところだった、奥の方にはプレリーが座っていた。

 

「改めまして、私がこのガーディアンの司令官・・・・・・プレリーです」

 

「ふむふむ・・・・・・ってえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」

 

突然の一言にヴァンは驚きを隠せずにいたのであった。




今回の変更点:エリアCでのガーディアンの転送許可のテストのミッションが無しに

ヴァン君はラッキースケベですね~
こんなテコ入れは今後も入れてきますのでお楽しみに


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ロックマンZX Re:File④

物語は動き出す・・・・・・・そして新たなる方向へ加速する・・・・・・・


「驚きました?」

 

まさか、プレリーがガーディアンの司令官だっただったなんて・・・・・・・・

まぁ言われてみれば、一人だけ何だか偉い人って感じの服だからな。

 

「そりゃ、驚くっての!?」

 

「コラコラ、司令官にその口の利き方はよくないだろ」

 

ヴァンの馴れ馴れしい態度にジルウェが注意した。

 

「構いませんよ、あっ、フルーブ!」

 

「これは皆さん、お揃いでしたか」

 

司令室にフルーブが入ってきてヴァンとジルウェの間に入った。

 

「ヴァンさん、ライブメタルを預からせてください、それとさっき入手したコンピューターチップも」

 

「おっと、そうだったな、ハイっ!」

 

ヴァンはフルーブにライブメタル モデルXとコンピューターチップを手渡した。

 

「ジルウェさんも、モデルZのメンテナンスもしないと」

 

「そう言えば最近中々してなかったからな」

 

ジルウェもフルーブにモデルZを渡した。

 

「では解析が終わるまで少々お待ちください」

 

フルーブは司令室をでて研究室の中へ入っていった。

 

「コホン、皆さんはイレギュラーが何故現れるのだと思いますか?」

 

そんな事、考えた事がなかったな・・・・・・ただの故障であんな酷い事が出来るなんて思えないし・・・・・・・・・・

 

「実の所、私にも分かりません、一度はヒトとキカイは争うのをやめました。ですがまたイレギュラーは現れました」

 

「そこで俺達ガーディアンはその原因を調べている所なんだ」

 

へぇ・・・・先輩って運び屋の仕事もしながらそんな事も・・・・・・・・やっぱすげぇや。

 

「そして調べる中で私達はある科学者の研究所を発見しました」

 

「その科学者って?」

 

「ガーディアンの初代司令官、私の・・・・・・お姉ちゃんです」

 

そういや・・・・・始めて会った時も「お姉ちゃんが残した」って言ってったな。

 

「で、その研究所から見つけたライブメタルを運んでたのさ。俺はモデルZを調べていた最中に偶然選ばれたのさ」

 

「その昔、ヒトとキカイの為に巨大な悪と戦った戦士達、彼らの意思を受け継いで完成したのがライブメタルなの」

 

確か授業でもそんな事言ってたな・・・・・・・・レプリロイドを一掃しようとしたネオ・・・・・・なんだっけ?と戦って最後は衛星なんちゃらを破壊して平和が訪れたとか先生が長い話をしていたな・・・・・その事だったのか。

 

「ライブメタルに何か手掛かりがあるかもしれないのです、そしてそのライブメタルに選ばれた者の事を・・・・・・私達はロックマンと呼びます」

 

「ロックマン・・・・・・なんかカッコイイな!」

 

「まぁ、俺もそこに関しては同意だな」

 

それにしても・・・・・プレリーが司令官、あんな女の子がここの皆を率いてるなんて・・・・・・大変だろうな。

よく見ればヌイグルミを抱たりして・・・・・・・本当は不安でしょうがないんだろうな。

お姉さんが行方不明って事だし、一番動揺しているハズなのに・・・・・・・・

 

「ヴァン・・・・・?」

 

「おっ・・・・・オイ!?いくら何でも失礼すぎるだろ!!」

 

ヴァンは無意識にプレリーの頭を撫でていた。突然の事にジルウェはヴァンの肩を掴んだ。

 

「あっ・・・・ゴメン!!何か・・・・・凄いなって思ってさ」

 

「ジルウェさん!気にしないでください・・・・・・・・」

 

プレリーも急な事に帽子で顔を隠しながら下を向いていた。

 

「なんか・・・・・エールの事思い出しちゃってさ、ちょっと似てるんだよな、本当は怖いけど凄い頑張ってる所とかさ」

 

「そうですね・・・・・・確かにいざ現場に向かった時とか、仲間が傷つくのを見るのは辛いし怖いかもしれない、でも、だからこそ頑張らなきゃって思うんです」

 

「本当、凄いんだな」

 

プレリーの笑顔を見てヴァンは顔を少し真っ赤にして横を向いていた。その隣でジルウェは愛想笑いをしていた。

 

「その・・・エールさんって人は、どんな方なんですか?」

 

「俺の小さい頃からの幼馴染でさ、イレギュラーに襲われたのがトラウマになって、エリアの外に出るのを怖がっているんだ」

 

「そうだったの・・・・・・・辛い思いをしたのね」

その話を聞いたプレリーは胸を手で押さえた。イレギュラーによる被害者の現状を聞いて自体の重さを改めて理解した。

 

「でもさ、アイツ凄いんだよ!小さい時計から作業用のマシンまで直すしさ、それに料理も滅茶苦茶美味いんだ!!」

 

ヴァンの奴、何だか楽しそうだな。普段はあんまこういう事人には言わない奴だからな。

 

「そうなの、それなら是非一度ごちそうになりたいわね」

 

プレリーはヴァンの話を聞いて楽しそうに笑っていた。ヴァンも一緒に笑いながらエールの話をするのであった。

 

「あぁ、プレリーならきっと喜んでくれるよ!!」

 

そんな楽しい話をしている束の間――――――――――

 

『エリアDにて、イレギュラー反応発生、戦闘要員は転送後、ベースの指示を待て!繰り返す―――――』

 

「何!?イレギュラーだと!!」

 

「しかもエリアDって・・・・・・セルパン・カンパニーの近くじゃないか!!」

 

エリアDにイレギュラーが現れた、映像が映し出され確認すると既に地獄絵図が完成している様に思える程悲惨な状況だった。

 

「こうしちゃいられない・・・・・・・・」

 

ヴァンは司令官を飛び出しフルーブのいる研究所へ向かった。

 

「オイ、ライブメタルの解析は終わっているのか!?」

 

「えっ・・・・えぇ今さっき終わった所で」

 

ヴァンはカプセルに入ったモデルXを取り出し研究室を飛び出す。トランスサーバーに向かうヴァンをプレリーが止めた。

 

「待ってヴァン!今回のイレギュラーは今までとは違うわよ!!」

 

「違うって・・・・・・どういう事だよ!?」

 

「コンピューターチップの解析から、イレギュラーを任意で操れるプログラムを発見したの、つまりコレは誰かの手で意図的

に起こされたって事なのよ」

 

「まさか・・・・・・黒幕がいるって事か!?」

 

「そうなるわね・・・・・黒幕の狙いは恐らくライブメタル、これは貴方たちをあぶり出す罠なのかもしれない・・・・」

 

罠って・・・・・・そんなの関係あるか!!今もこうしてイレギュラーに襲われている人がいるんだ・・・・・そんなの黙って見ていられるか!!

 

「それでも俺は行く・・・・このままじゃイレギュラーの好き放題だ!!」

 

「ですがヴァンさん・・・・・・」

 

「待てヴァン、まさか1人で行くだなんて言うなよ、俺もいる事を忘れるな」

 

「先輩・・・・・・・」

 

「1人じゃ手一杯になるからな、2人で戦えば1人でも多くの人を助けられる、だろ」

 

「分かったわ・・・・・・2人共、無茶しないで」

 

ヴァンとジルウェがトランスサーバーを使ってエリアDへ転送されるのをプレリーは祈る様に手を握りながら見守った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

エリアDにて――――――――――

 

「街が・・・・・もうこんなに・・・・」

 

破壊される街の光景を目にしたヴァンはイレギュラーの恐ろしさに手が震えていた。

 

「心配するな、イレギュラーも倒すしお前の事も守ってやるさ、先輩としてな」

 

そんな彼の肩をジルウェが優しく叩いた。

 

「あぁ、・・・・・・ってそういやどうやって変身するんだ?」

 

最初の時は無我夢中でやったから・・・・・詳しく覚えてないんだった。

 

「はぁ・・・・ロックオンって叫べばいいんだ」

 

「そっか・・・・・・じゃぁ・・・・」

 

ロックオン――――――――――!!その叫びと共に俺の身体には青いアーマーが装着された。

 

先輩も赤いアーマーを装着し1本の剣を取り出した。

 

「俺が前に出る、サポートを頼むぞ!」

 

「あぁ!!」

 

この時、俺はあんな事になるだなんて知りもしなかった・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

「ククク・・・・・・ロックマンが2人も、これは面白そうな事になるなぁ・・・・・・」

 

鎌を持った男が塔の上で不敵に笑っていた・・・・・・・・・・・・・・・・




次回、いよいよ黒幕が登場、そしてついに・・・・・・・・・・・・・・・
ここからRe:要素がどんどん出てきますよ!


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ロックマンZXRe: File⑤

いよいよ、あの瞬間です!!
ついに黒幕も登場・・・・・・・・・・・・・・ここからがRe:の本領発揮です。


「ウォォォォォォ!!」

 

イレギュラーに向かってバスターを連発し次々と倒していくヴァン。

 

ジルウェが先導しながらZセイバーで目の前のイレギュラーを叩き斬っていく。

 

「油断するなよ!敵は数が多い、あまり飛ばし過ぎると後が大変だぞ!!」

 

既にヴァンとジルウェはイレギュラーに囲まれていた。1体の敵の力は今のヴァン達

の前では大した事ないが、数百のもイレギュラーを前では消耗戦となると思われる。

 

「先輩、どうやら街の人達は殆ど避難したっぽいぜ」

 

あぁ・・・・・その様だな、狙いは当然俺達、しかし妙だ、これだけのイレギュラーが現れるなら操る奴もいるはずだが・・・・・・消耗しきった所を攻めてくるのか・・・・・とにかくここを切り抜けないと!!

 

「ハァっ!!」

 

エネルギーをチャージしたZセイバーの一撃から発生された衝撃波でイレギュラーを粉砕した。

 

「よしっ、俺も!!」

 

ヴァンもチャージバスターを二発同時に放ち無数のイレギュラーを貫いた。

 

「よし、先へ進もう。あの先はセルパン・カンパニーの本社近くだ!!」

 

「おぅ!」

 

ヴァンとジルウェは更に先へと進んだ。エリアを経由するシャッターの近くで倒れているガーディアンの男を発見した。

 

イレギュラーと交戦したのか、身体はボロボロで右腕が破壊されたのか腕からケーブ

ルがむき出しになっていた。

 

「オイ、大丈夫か!?何があった!」

 

ヴァンが男の肩を掴んで尋ねる。

 

「あっ・・・あぁ、気を付けろ・・・・・・恐らく、イレギュラーを操っている奴ら

が奥にいる、とてつもない強さだ・・・・・」

 

あの奥に・・・・・イレギュラーを操っている奴がいるのか!?こんな事をして・・・・・絶対に許さねぇ!!

 

俺は先輩が慎重に行動しろというがそれを振りきって奥へ進んだ。

 

「この先か・・・・・アレは―――――!」

 

「あん・・・・コレは驚いたぜ、もうこっちに辿り着いたのか」

 

「プロメテ・・・・あの子が新たなロックマン?」

 

そこにいたのは鎌を背負った黒い恰好の男と杖をもった白い恰好をした女の子だった。2人共俺達と似たような姿をしている・・・・・・アイツらが黒幕なのか!?

奴らの周りには倒れているガーディアンの仲間達が沢山いた。間違いない・・・・・こいつらが―――――

 

「お前らか!イレギュラーを操っているのは!!」

ヴァンはバスターを突きつけた、男はゆっくりと歩いてこちらに向かって来た。

 

「パンドラ、手を出すなよ。準備運動にも飽きて来た所だ、肩慣らしには丁度いい」

 

パンドラは後ろに下がり杖に座って宙に浮かびだした。

前の方からジルウェが合流した。

 

「ヴァン!!」

 

「先輩!コイツらだよ・・・・・・コイツらがイレギュラーを!!」

 

2対1か・・・・・いいぜ、まとめてかかってこい!!

鎌を構えたプロメテは一気に走り込んでヴァンに向かって鎌を振るった。

 

「危ない!!」

 

その鎌をジルウェがZセイバーで防いだ。

 

「先輩!」

 

セイバーで防いでいるが後ずさる様に押されている。プロメテのパワーはジルウェを凌駕していた。

 

「今の内だ・・・・・バスターを!!」

 

「あっ・・・・・あぁ!!」

 

ヴァンがバスターにエネルギーをチャージしながらプロメテの背後に周り込んだ。

 

「コレで―――――!!」

 

ヴァンがプロメテに向かってチャージバスター放った。しかし――――――――――

 

「バカめ―――――!」

 

プロメテはあっという間に空高く飛んでいった。放たれたバスターはジルウェの方に向かって行った。

 

「しまっ―――――!?」

 

咄嗟にZセイバーで防ぐが、バスターの威力が強力だったため、ジルウェは力負けしてその衝撃で弾き飛ばされてしまった。

 

「うぁっ―――――!?」

 

「先輩!!」

 

ヴァンはジルウェの方に走り出した。立ち上がろうとするジルウェ、しかしダメージが大きかったか立ち上がれずにいた。

 

「何だ、もうおしまいか?だったらコイツで―――――――!」

プロメテがヴァンとジルウェの元に接近しようとした、その時―――――――――――

 

「待ちたまえ、プロメテ」

 

その声と共にプロメテはその場に止まった。

 

「なっ・・・・何だ、アイツは!?」

 

俺達の目の前に現れたのは、赤い髪の巨漢の男だった。あの男・・・・・・どこかで見た事がある気が・・・・・・・

 

「なるほど、モデルX、青のロックマン、モデルZ、赤のロックマン、興味深い奴らだ」

 

ライブメタルの事を知っている!?じゃぁ、アイツもあの2人の仲間なのか!?

 

「その力、もう少し見てみたいものだな」

巨漢の男がライブメタルな様な物を取り出すとそいつは先輩の方へ向かって行った。

 

「なっ・・・・・何を!!」

 

ライブメタルメタルの様な物は先輩に不気味な光を浴びせた。光を浴びた先輩は突然苦しみ始め、赤いオーラの様な物が現れ始めた。

それと同時に巨漢の男達はその場から転送される様にして消えていった。

 

「せっ・・・・・先輩!?今助けて・・・・・」

 

ヴァンが手を伸ばそうとするが、ジルウェはその手を振り払った。

「ヴぁっ・・・・・ヴァン、オレを・・・・・・オレをタオせ――――――――――!!」

 

立ち上がった先輩、その目は赤く不気味に光り出し、セイバーを俺の方に突きつけて来た。

 

「そんな・・・・・何だよ、ソレ・・・・・・」

 

辞めてくれ・・・・・先輩はそんな人じゃない!!あの光のせいか!?あの光のせいでイレギュラーみたいに操られてしまったのか!?

 

「タァっ―――――!」

 

ヴァンに向かってジルウェはZセイバーを振るった。

 

「くっ・・・・・」

間一髪回避して後ろに下がるが、左腕に切り傷が入っていた。

早い・・・・・何て速さだ。暴走している影響で力が増しているのか!

 

「このままじゃ先輩が・・・・・どうすれば・・・・・」

 

俺が考えているとモデルXが声を掛けて来た。

 

『ヴァン、チャージバスターを放つんだ、足元を狙えば致命傷は避けられるハズだ』

そっ・・・・そうか、それなら――――――――――!

 

「ウオアァァァァァァァ―――――!」

 

Zセイバーにエネルギーをチャージしヴァンの方へ走り出すジルウェ。それと同時にヴァンもバスターにエネルギーをチャージし始める。

 

「テェヤアアアアアアアアアアアアアア―――――――!!」

 

チャージされたZセイバーをヴァンに向かって一気に振り下ろす。

 

「チャンスは一回・・・・・」

 

Zセイバーが地面に直撃するギリギリの瞬間、ヴァンはその一撃を後ろに下がって回

避した。

 

「そこだ―――――――!!」

 

ヴァンはチャージショットをジルウェの足元に目掛けて放った―――――――――

 

「グァっ!?」

 

放たれたバスターの衝撃でジルウェは後ろに吹き飛ばされ地面に叩きつけられて倒れた。

 

「ハァ・・・ハァ・・・先輩・・・・」

 

ジルウェを心配すヴァン、彼の元へ走り出すが・・・・・・・

 

「ウッ・・・・・・ウオアァァァァァァァ!!」

 

ジルウェは立ち上がりZセイバーを握り締めヴァンの方へ飛び上がった。

 

「先輩・・・・・目を覚ましてくれ!!」

 

「アアアアアアアアア!!」

 

Zセイバーがヴァンに向かって振り下ろされようとしたその時―――――――――――

 

「ギャアアアアアアアアアア!!」

 

ジルウェの上空から稲妻が発生し、そのままジルウェに直撃し、その場に倒れ込ん

だ。

 

「せっ・・・・・先輩!!」

 

「見せてもらったぞ、お前達の力、大した事はなかったがな」

 

俺達の目の前に巨漢の男達がまた現れた。何なんだアイツは・・・・・・

 

「ガーディアンどもが見つけたライブメタルは鉄クズ当然だった様だな」

 

「ガーディアンの事も知っている・・・・・・お前・・・・・何者なんだ!?」

 

「私か?私の名はセルパン、究極のライブメタル、モデルVのロックマンにして新世界の王となる男だ」

 

セルパン・・・・・セルパン・カンパニーの・・・・・・・・・・・何でそんな奴が!?まさか・・・・・・これまでの事も全部奴の仕業なのか!?

 

「全部お前が・・・・・お前がやったのか!?お前のせいで母さんは・・・・・エー

ルは・・・・みんな―――――!!」

 

俺は怒りのあまりにセルパンに向かってバスターを構え、エネルギーのチャージを始めた。

 

「腕・・・・振るえてる。怒り?・・・・それとも・・・・恐れ?」

 

「こんなザマならあの赤のロックマンの方がまだやり応えがあったぜ、とんた期待外

れだな」

 

「黙れ・・・・・黙れ―――――!」

 

ヴァンのチャージバスターはセルパンに向かって放たれた・・・・・・しかし。

 

「ヌルいな」

 

プロメテの鎌に弾かれ、そのままヴァンの方へ反射、直撃してしまう。

 

「うあっ―――――!?」

 

バスターの直撃を喰らったヴァンはその場に倒れ、ダメージの影響かアーマーが解除された。

 

「パンドラ、パスコードを吸い出しておけ」

 

「分かったわ・・・・」

 

パンドラの帽子の様な物が2つに分離して、ヴァンとジルウェの持つライブメタルから何かを吸い出し始めた。

 

「さて、コイツらにはもう用はない、ここで始末するか?」

 

「奴らの始末ならイレギュラー共に任せればいい。また何時もの様に私の警備隊がイ

レギュラーを撃破する。何も変わらぬ日常の風景があるだけさ」

 

「パスコードの吸いだし・・・・終わったわ・・・・・」

 

やっぱり・・・・・奴らが・・・・・・ちくしょう、俺は・・・・・・何も出来ないままで!!

 

悔しがる俺を見下す様にしてセルパン達は姿を消した。ダメだ、力が入らない、こもままじゃ・・・・・・・・

 

「ヴァン・・・・・・諦めるな・・・・・・」

 

先輩・・・・・目覚めたのか・・・・・だけで先輩もボロボロだ・・・・・

 

「モデルZ・・・・俺の頼みを聞いてくれないか・・・・」

 

『お前が言いたい事は分かる、だがそんな事をすればお前は・・・・・・」

 

いいんだ・・・・・ヴァンには・・・・帰りを待っている人がいる・・・・・アイツには・・・・可能性がある・・・・・モデルX、Xとは未知数って意味があるんだろ?

俺が生き残るよりも・・・・・ヴァンに・・・・・

 

『お前の覚悟、確かに受け取った。本当にいいんだな?』

 

先輩・・・・一体何を――――――――――!?

 

「ヴァン・・・・・みんなを・・・・頼んだぞ・・・・」

 

「先輩・・・・・先輩―――――!?」

 

モデルZが現れると同時に先輩は光になって消えていった・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

そんな・・・・・俺が・・・・・・俺が無茶したばっかりに・・・・・・・・

 

「ヴァン、こうなったらやるしかない」

 

モデルX・・・・・何をしようと言うんだ?

 

「俺とモデルX、2つのライブメタルを使うんだ。それ以外にお前がこの場を切り抜ける方法はない。お前に覚悟はあるか?」

 

倒れている俺の目の前にイレギュラーが囲んできた。俺は一歩も動けない、このままじゃハチの巣だ。

 

「だけどコレにはかなりの負荷がかかるかもしれない。だけどヴァン、君になら出来る」

 

「後はお前次第だ、俺達はお前を信じる」

 

モデルX・・・・・・モデルZ・・・・・・・俺は守りたい・・・・・・奴らの手から守りたい・・・・・・エールを・・・・・・ガーディアンのみんなを・・・・・・俺に力を・・・・・俺に守る力を――――――――――!!

 

ヴァンがモデルZへ手を伸ばした瞬間、凄まじい衝撃波発生しイレギュラーを吹き飛ばしていく。

彼の両手にはモデルXとモデルZを握り彼の身体にアーマーを発生させる。

立ち上がったその姿はジルウェの変身した時の様に赤く、黄金の髪の様なコードが束になって風でなびいていた。

Zセイバーに似たような剣と握り締め目の前のイレギュラーを切り裂いた。モデルXとモデルZで変身ダブルロックオンした姿、ロックマンモデルZXゼクス。ヴァンの新たなる姿。

 

『ヴァン・・・・・僕達の力を・・・・・』

 

『俺達の力をお前に託す。あの男が残した魂と共に』

 

「ハァ・・・・・ハァ・・・・この力でセルパンの野望・・・・・・を・・・・・」

 

力を使い果たしたのか、ヴァンはその場に倒れ気を失ってしまった・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

「ん・・・・・ヴァン・・・・・ヴァン!!」

 

「っ―――――!?」

 

俺が前を覚まして最初に見えたのはプレリーだった・・・・・ベッドの上で眠っていたのか・・・・・・

 

そっか、俺はあの時・・・・・気を失って・・・・・それでガーディアンベースに回収されたんだな。

 

「よかった・・・・・・」

 

プレリーの目は潤んでいた。心配させちまったな・・・・・・・・・・・・

 

「エリアDのイレギュラーは一掃されました、ヴァン・・・・・・アナタのおかげよ。民間人への被害は今の所0よ」

 

そっか・・・・・民間人の被害はなかったか・・・・・・だけど・・・・・だけど・・・・・・

 

「うっ・・・・・うぅ・・・・・・先輩・・・・・」

 

戦闘機を記録は見せてもらったわ。ジルウェさんが・・・・・・・あんな事に・・・・・・・無理もないわ。その気持ちは・・・・・私には分かるもの。

 

「うっ・・・・・・うああああああああああああああああああ!!」

 

「ヴァン・・・・・・」

 

自分のせいでジルウェを失ってしまった事を悲むヴァン。自分が無茶をしたせいで、自分が無力だったから、自分を責める様にして泣き出した。

 

「せんぱい・・・・・・せんっ・・・・ぱい!!」

 

「大丈夫よヴァン、泣かないで、私達がいるわ」

 

泣き止まないヴァンを、プレリーは抱きしめ彼の頭を優しくなでた。

 

「よしよし、大丈夫、大丈夫だから」

 

子供をあやす様にしてヴァンの背中を優しく叩く。涙を拭い、ヴァンはプレリーの肩を掴んだ。

 

「ありがとう・・・・・・俺、戦うよ、これ以上奴らの好きに何てさせない!」

 

「ヴァン・・・・・アナタの戦いを見て分かった事があるの。全ての原因はヒトやキ

カイを狂わせる力を持つライブメタル、モデルV、それがイレギュラーを発生させる元凶だと言う事が」

 

モデルV・・・・・・確かセルパンが持ってたモノだな・・・・・・・!

 

「ジルウェさんを操ったのは小型化したカケラの様なものだわ」

 

「アレだけでイレギュラーを操れるってのか・・・・・・!?」

 

「おそらく、本体そのものはどこかに眠っていると思われるわ、新世界の王・・・・・・・一体何を意味しているのかしら?」

 

アイツが何をしようとしているかなんて関係ない・・・・・・・俺はアイツを許さない!絶対にアイツの野望を阻止して見せる・・・・・・・・絶対にだ!!

 

時を同じく、ガーディアンベースの最下層では・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「何だ?またイレギュラーが現れたのか?」

 

「言葉に慎め、バリアン」

 

「ハイハイ、けどいいのかよ?俺をこんな所に閉じ込めて、イレギュラーをぶっ潰し

たいのだろう?」

 

ガーディアンの隊員たちとは異なる紫色の服を着た銀髪でゴーグルを首に掛けてそ寝べっている男バリアンが牢屋に閉じ込められていた。

 

「っく・・・・・コイツ・・・・考えている事はイレギュラーみたいだな・・・・・・」

 

目の前にいたガーディアンの隊員はため息を尽いていた。

 

「確かライブメタルってのがガーディアンベースに届いたそうだな・・・・・・」

 

バリアンはニヤリと笑っていた。




セルパンって1000%おじさんと気が合いそうなしますね。
黒幕だし自作自演だしセコイし。

そして遂にオリジナルキャラの登場です。
ガンダムに例えるとスレッガーやムウやウルフに相当するキャラです。
果たしてヴァンにどんな影響を与えるのか?

名前:バリアン

種族:レプリロイド

イメージCV:杉田智和

ガーディアン初代司令官が現役だった頃から活動しているレプリロイド。
高火力の武器を好みエリア構わずイレギュラーを破壊する。
モチーフはロックマXに登場したVAVA(ヴァヴァ)とロックマンゼロ4に登場したクラフト。


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ロックマンZXRe: File⑥

いよいよライブメタルをめぐった戦いが幕を開けます。
原作にはない展開が次々と待ち受けています!


「他にもライブメタルがあるのか?」

 

「えぇ、どうやらモデルVのある場所へ向かうには6つのライブメタルのパスコードが必要らしいの」

 

ライブメタルを解析した結果、モデルVの封印されている場所へ向かうにはモデルX、モデルZを含む6つのライブメタルを手にしなけらばならないらしい。

 

「そういやセルパンの奴ら、俺達からパスコードを吸い取ってやがったな・・・・・・つまりは残りも全部セルパン側が持ってると言う事か・・・・・・・・」

 

「そうなるわね、現在異常なまでにイレギュラーが発生しているエリアが確認されるの、もしかしたらそこにライブメタルも・・・・・・・」

 

「つまり、ライブメタルを手に入れれば何とかなるって事なんだな?」

 

「恐らく・・・・・・・でも私達がやらなければ被害は増え続けるわ」

 

そうだよな・・・・・・・だったら、俺達がやらなきゃ・・・・・・・俺が皆を守る為に!!

 

「プレリーさん、大変です!」

 

「どうしたの?」

 

司令室にガーディアンの隊員達が入って来た。

 

「バリアンが・・・・!」

 

「バリアンが・・・・・どうかしたの!?」

 

一体何があったんだ?プレリーは慌ててガーディアンベースの最下層へ向かって行った。俺もプレリーの後を追いかけた。

そして最下層には・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

「なっ・・・・・なんだこりゃ!?」

 

そこは牢屋みたいな所だった。かなり薄暗く不気味な所だ・・・・・・・・・・

振り返ると牢の鉄格子を揺らしながら手を伸ばしている銀髪の男が目に見えた。

 

「おっ、やっと来たな、二代目司令官さんよぉ」

 

「アナタ・・・・・一体何をしてるんです!?」

 

「なぁに、最近イレギュラーが活発してるんだってな。なんならこの俺を出してくれよ」

 

一体この人は何をしてこんな所に入れられたいるんだ?

 

「私は・・・・・・あの時の事を許したつもりはありません!私達ガーディアンはイレギュラーから人々を守る為に作られた組織です!!それなのにアナタは・・・・・・・」

プレリーは両手を握りながらソイツを責める様にして言い返していた。あんなプレリー・・・・・・・初めて見た

 

「なぁ、コイツは何者なんだ?」

 

俺は近くにいたガーディアンのメンバーの1人に聞いてみた。

 

「あぁ、コイツはバリアン、一応ガーディアンのメンバーさ。ちょっと前まで俺達と一緒にイレギュラーと戦っていたんだけどな・・・・・・」

 

こんな事言うのも何だけど、人を守るって柄な人じゃいよな・・・・・・・・・・・

 

「けどコイツ、イレギュラーを倒す為にエリアをお構いなしに破壊してな、幸い被害は出なかったんだが・・・・・・・その行動に対してプレリー様はコイツを牢に入れたのさ」

 

イレギュラーを憎んでいる・・・・・・・って感じじゃなさそうだな。こんな奴もガーディアンだなんて・・・・・・・・・

 

「ん?何だその坊主は、新人か?」

 

バリアンは俺の方を向いて声を掛けて来た。

 

「えぇっと俺は・・・・・・・・・・」

 

「そうよ、彼は私達の新たな仲間、ヴァンよ」

 

「ヴァン・・・・・・あぁ、ジルウェがよく話していたガキの事か」

 

「アンタ・・・・・先輩を知っているのか!?」

 

「あぁ、一緒にイレギュラーと戦った時期もあるだけだけどな、で奴はどうしたんだ・・・・・・?」

 

「ジルウェさんは・・・・・・・」

 

プレリーは今回の事をバリアンに話した。それを聞いて奴は悲しむ様子なんてなかった・・・・・・・・・・

 

「ほぅ・・・・ジルウェの奴、くたばっちまったか、って事はよぉモデルZは適合者がいなくなったワケだ」

 

「何が言いたいんです・・・・・・・?」

 

「だったらよぉ、モデルZを俺にくれよ」

 

「お前・・・・・・何言ってるんだ!!」

 

ヴァンは心無いバリアンの言葉に鉄格子を掴んで怒鳴り出した。

 

「モデルZは・・・・・・先輩が俺に託してくれたんだ・・・・・・!お前みたいなイレギュラーすれすれみたいな奴に誰が渡すか!!」

 

「ヴァン・・・・・・」

 

けっ、モデルZはあの坊主が持ってるのか・・・・・・・どうせなら俺が使った方がもっとイレギュラーをぶっ潰せるのに・・・・・・・・・

 

「ヴァン安心しろ、ソイツに渡した所で俺を使う事は出来ない、それを奴はよく知っている」

 

「そうよ、第一ジルウェさんが初めてロックマンになった時、貴方はモデルZを使えなかった、でしょ?」

 

「あぁ、その通りだよ、良く分かってるじゃねぇか」

 

何なんだコイツ?こいつもガーディアンなのか!?こんな奴・・・・・・・・・

 

「ヴァン、ゴメンなさい」

 

申し訳なさそうにプレリーはヴァンに謝った。

 

「いや、プレリーは何も悪くないよ・・・・・・・・」

 

そこへバリアンは割って入る様にして話し出した。

 

「そういや、イレギュラー発生の原因はセルパンの野郎だって?あの臆病者のセルパンがねぇ・・・・・・」

 

何だコイツ・・・・・・セルパンの事を知っているのか!?一体何で・・・・・・・

 

「貴方・・・・・・何か知っているんですか!?」

 

「あぁ、何せ俺は初代司令官がいた頃もバリバリ活動していたモンだからねぇ」

 

お姉ちゃんがいた頃にも一緒にいたなんて・・・・・・・・・・よくお姉ちゃんは彼を従えていたものだわ。

私、何も知らなかったわ。

そういえばバリアンは私が司令官になるちょっと前までスリープ状態だったから記憶が中途半端なのかもしれないわ・・・・・

 

「詳しい事は俺も知らないが、奴が裏切ったのは知ってるぜ。何でかは知らねぇけどな」

 

「恐らく・・・・・・モデルVが関係しているのかも・・・・・分かりました」

 

そう言うとプレリーはバリアンのいる牢屋を開けるのだった。

 

「プレリー・・・・・何を!?」

 

「ヴァン・・・・・バリアンと一緒にミッションをやってもらえないかしら?」

 

なっ・・・・・・・何を言ってるんだ!?こんな奴とミッションへ行けって!?何でこんな奴と・・・・・・・

 

「憎たらしいけど彼の実力は本物、それに何かを知っているのだとすれば・・・・・・ヒントが得られるかもしれない」

 

「へぇ~よく分かってるじゃねぇか、流石二代目司令官だぜ」

 

そう言うとバリアンはプレリーの顎を手でクイっと持ち上げた。あまりの行動に俺は奴の手を引っ叩いた。

 

「辞めろよ!俺は認めないからな、お前みたいな奴・・・・・・・」

 

「オイオイ、あんまそう怒るなって、まっ、これから仲良くやって行こうぜ、あ・い・ぼ・う」

 

あっ・・・・・相棒だって!?ふざけるな・・・・・・・・誰が好き好んでこんな奴なんかと・・・・・・・・・・・

でもまぁ、プレリーが言うんだ、仕方がないっちゃ仕方がないか。

 

「それじゃ、まずは何処へ行くって言うんだ?」

 

「そうですね・・・・・・まずはエリアEでライブメタルの反応があったそうです。どうやら発電施設で何かが起きているみた

いだわ・・・・・・」

 

「おっし、まずは発電施設を叩けばいいんだな。久々のミッションだからなぁ・・・・・・震えが止まらねぇぜ」

 

「任せてくれプレリー、俺が何とかして見せるさ」

 

「任せたわよ、2人共」

 

本当はコイツとなんかお断りしたいが・・・・・・・・・・ここは我慢するしかないな。

 

 

 

 

 

 

 

 

ミッションへ向かう準備をするヴァン。そんな中通信機から連絡が入った。

 

「はい、もしもし?」

 

『あっ、ヴァン・・・・・・私だけど』

 

「あっ・・・・・エールか?」

 

そういや、丸1日経ってたんだ・・・・・・・・・・心配させちまったな・・・・・・・・

 

『ニュース見たんだけど・・・・・・大丈夫?ずっと帰って来ないから心配で・・・・・・』

 

エールの声は涙ぐみながら震えてる様に聞こえた。画面越しでも怯えてしまうぐらいだからな。

だけど・・・・・・今は本当の事なんて言えない、そうしたらまたアイツを不安にさせてしまうからな・・・・・・・・

 

「だっ・・・・・大丈夫だよ、別の所経由して時間が掛かってるぐらいだから・・・・・・もうちょっとしたら帰って来るからさ!」

 

『そう・・・・・・なら早く帰って来てね』

 

その言葉を最後にエールとの通信を終えた。

 

「何だ、彼女からか?ませてるねぇ~」

 

「うるせぇ、お前には関係だろ」

 

隣でバリアンが盗み聞きしててやがった。アイツがちょっかい何て出して来たらまた怒鳴ってエールを怖がらせる所だっ

た・・・・・・・・・・

 

「さて、それじゃぁ行こうぜ、相棒」

 

「だから、その相棒はやめろって!」

 

こうして俺とバリアンはエリアEへと向かった――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

エリアE――――――――――

 

「着いたぜ、ってコレは・・・・・・・・・・・・」

 

辺りを見回すと中には球体の様なモノが施設内をめぐっていた。

コレは何だ・・・・・?そういや先輩が消えた時にも同じものが・・・・・・・・・

 

『これは・・・・・・・サイバーエルフ!?』

 

通信越しのプレリーが驚いていた。

 

「サイバーエルフ?何だそれは?」

 

何か聞いた事ある様なない様な・・・・・・・・・えぇっと・・・・・・・・

 

「サイバーエルフってのはプログラム生命体って言う電子妖精なんだよ」

 

バリアンが説明を始めた。コイツ、意外と詳しいんだな・・・・・・・・・ムカつくけど。

 

「なるほどな、このサイバーエルフでエネルギーを作り出してるって事か」

 

『なんて酷い・・・・・サイバーエルフだって、1つの命なのに・・・・・・・!』

 

プレリーは酷く怒っている様に見えた、まるでサイバーエルフに思い入れがあるみたいに・・・・・・・・

 

『2人共お願い・・・・・・・この施設を一刻も早く止めて!』

 

「だとさ・・・・・・しかしセルパンの奴こんな事をしてがった何てな」

 

「アンタ・・・・セルパンとはどういう関係だったんだ?」

 

俺はバリアンとセルパンの関係について聞いてみる事にした。

 

「あぁ・・・・ただの同僚だよ、同・僚。イレギュラーと戦う時は何時も隠れながら皆に任せたりする臆病者の弱虫ちゃんだったよ」

 

あのセルパンが・・・・・・・・・!?そんな風には見えないが・・・・・・・・

 

「まっ、何があったかは知らねぇがセルパンの仕業ってなら計画をぶっ壊して泣きっ面を見るのもいいかもな」

 

それから俺達はイレギュラーを倒しながら先へ進んだ。

 

「ここがゴールみたいだな」

 

中へ入ると外に出た。荒れ果てた砂漠みたいで破壊された機械でいっぱいだ。

先へ進もうとすると上空から緑色の鳥みたいなイレギュラーが立ち塞がった。

 

「お前達・・・・・・ここにいると言う事は、あのサイバーエルフを見た様だな」

 

このイレギュラー・・・・・・・喋れるのか!?こんな奴は初めてだ。

 

「だとしたらどうする?」

 

バリアンが挑発する様に言い返す。

 

「ならば、生かしては帰せんな」

 

「お前も、セルパンに操られているイレギュラー1人か!」

 

「ほほぅ・・・・お見通しというワケだな。なら長話は無用。しかし、俺を他のイレギュラーと一緒にされるのは心外だな」

 

「他もクソも、人々を襲う野郎はイレギュラーに変わりねぇだろうが」

 

「ふん・・・・・随分野蛮だな、俺はライブメタルの力を引き出す為にセルパン様に作られた、いわば疑似ロックマン、モデルHのフォルスロイド、ハイボルト。なぁに、脅える事はない、一瞬にしてお前達は死ぬのだから・・・・・・・」

 

「はっ!コイツをぶっ潰せばミッション完了だとよ!腕がなるねぇ・・・・・・・・・」

 

コイツの中にライブメタルがあるのか・・・・・・・・・・負ける訳にはいかねぇ――――――――――!!




ヴァンとバリアンの初ミッションは上手くいくのか?
一体どうやってハイボルトを倒すのかにも注目?です!


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ロックマンZXRe: File⑦

ハイボルト戦、後半です!
一体どんな戦い方で勝つのか?バリアンとの連携は如何に―――――!


「フッハッハッハッ!!」

ハイボルトは空中から電撃を放ち、ヴァンとバリアンを襲う。

「クソっ!空中からじゃ狙いが定まらない・・・・・・」

ヴァンはZXバスターを構えるが、空を飛ぶハイボルトの前では上手く狙いが定まらない。

「どうした、来ないのか?ではこちらから行くぞ!!」

地上に降りたハイボルトは振るった両腕の翼から真空の刃を発生させヴァンのアーマーに擦り傷を負わせた。

「待て―――――!」

ZXセイバーで斬り付けようとするが、一瞬で空中に逃げられてしまう。

「野郎、これならどうだ――――――――――!」

バリアンはバズーカをハイボルトに狙いを定め発射する、が――――――――――!

「そんなもの・・・・・通用するか!!」

バズーカの弾はハイボルトの翼で真っ二つに切り裂かれ、地面に落下しながら弾は爆発した。

「チっ・・・・・・・・・」

ハイボルト・・・・・・何て強さだ、2人を相手に余裕に構えやがって・・・・・・何か策はあるはずだ!

ん・・・・・アレは――――――――――!

俺は高台に目が入った。

「ん・・・・・?小賢しい!」

高台へ向かって走りだしたヴァン、ガラ空きの背中に電撃の矢を放つ。

「ハァっ!!」

ヴァンはジャンプして電撃の矢を回避し、高台へ登った。

「さてはアイツ・・・・・」

バリアンはヴァンが何を考えているのかが分かっていた。揺動としてマシンガンをハイボルトに狙って撃つ。

「おのれチマチマと・・・・・・・」

「オイオイ、余裕かましていられるのも今の内じゃねぇか?」

誘う様に手を振るって挑発するバリアン、その挑発に乗るかの様にハイボルトは翼をバリアンに向ける。しかし――――――――――

「そこだ!!」

高台に登りジャンプしてハイボルトの背後に接近したヴァンのチャージセイバーがハイボルトの背中を直撃した。

セイバーのダメージでハイボルトの背中の機械が露出しだした。

「なにっ!?」

「っしゃ!やるじゃねぇか、坊主」

ヴァンの戦い方を見たバリアンは、素直に感心していた。

「おのれ・・・・・・この私に傷を・・・・・許さん――――――――――!」

怒りだしたハイボルトは更に上空へ飛び上がった。そして6左右合わせて方向に目掛けて巨大なレーザーを放った。

「我切り札・・・・・・・インペリアル・レイを喰らうがいい!!」

「ヤベっ―――――!?」

「こんちくしょうっ!!」

放たれたレーザーによって、巨大な砂ぼこりが発生した。更には高台や施設も無造作に破壊されていった。

「ハハハハハハハハ!!この一撃を喰らえば奴らも一溜りもない!」

 

「くッそ・・・・・・・・何て一撃だ、アレを喰らったら一溜りもねぇ・・・・・」

何とか俺達はあの一撃をギリギリで回避できた。だけどそう何度も避けられるとは思えない・・・・・・・・

だけどアレをどうにかしないと勝ち目はない、一体どうすれば・・・・・・・・

「なるほどな・・・・・イチかバチか試してみる価値はありそうだな。オイ、坊主」

「なっ・・・・・・何だよ?」

「俺に考えがある」

考えって・・・・・一体何をしようって言うんだ?正直コイツの言う事なんか信用できない。ロクな事を考えてなさそうだが・・・・・・

「信用してないって顔だな、それは勝手だがこのままじゃ仲良くお陀仏だ。ここは乗るってのも利口な判断だぜ」

このままじゃ、アイツに見つかるのも時間の問題、突っ込んで倒せるとは思えない、逃げ続けてもいずれ・・・・・・・・・・・・

「あぁ、もう!!分かったよ!で、どうすりゃいいんだよ」

「それはな・・・・・・・・」

 

「奴らめ・・・・・・残骸一つ見当たらない・・・・・まだ生きているな」

手応えを感じなかったハイボルト。まだヴァンとバリアンが生きていると思い空を飛びながら捜索していた。

「いた・・・・・・オイ、こっちだ!!」

破壊された壁から飛び出すヴァン、ZXバスターを連射してハイボルトを誘う様に走り出した。

「1人だけか・・・・・・まぁいい、まずは貴様から片付けてやる!!」

ハイボルトの両足がビットに変形し、電撃の矢がヴァンを襲う。

「マジかよ!?あの野郎・・・・・・早くしてくれよな・・・・・・」

「コイツを差し込んで・・・・・っし、これで準備は完了だな。後はあの坊主が来りゃ・・・・・・」

瓦礫の山に隠れているバリアン。バズーカに氷のマークが描かれたチップを差し込みヴァンが来るのを待っていた。

「しまった!?」

逃げ続けていたヴァンだが、大きな瓦礫の山で逃げ道を失った。

「もう鬼ごっこは終わりか?ならば・・・・・・・・・・」

ハイボルトのインペリアル・レイを放つためのエネルギーをチャージを始めた。

「この野郎っ!!」

ヴァンはZXバスターで応戦するが、ハイボルトには傷1つも付いていない。

「これで終わりだ――――――――――!!」

エネルギーのチャージが終わり、インペリアル・レイが放たれようとした、その時――――――――――!

「これでいいんだろ!」

「よく誘い込んだじゃねぇか、褒めてやるぜ!!」

「何っ!?」

瓦礫の山からバリアンが現れ、バズーカをインペリアル・レイを撃つために動きの止まっているハイボルトに向かって撃った。

「グアアアアアアアアア!?」

バズーカはハイボルトに直撃、ハイボルトのむき出しとなった機械が凍り出し、暴発して爆発を起こし、両腕の翼は折れて地面に落ちていった。

「ウオオオオオ――――――――――!」

ダメージを負って動きが鈍っているハイボルトに向かってヴァンは走り出しながら飛び上がり、上空からZXセイバーを振り下ろし、ハイボルトを頭部から真っ二つに切り裂いた。

「この私が・・・・・・・こんな奴らに・・・・・・許さん・・・・・許さんぞオオオオオオオオオオオオオオ!!」

断末魔を叫びながら、ハイボルトは爆散した――――――――――

そして破壊されたハイボルトの残骸の中から、緑色のライブメタルが現れた。

「俺の名はライブメタルモデルH、自由にしてくれた事を感謝する」

モデルHはヴァンに礼を言って彼らの元へ移動した。

『モデルH、力を貸してくれ』

『この世界の悪と戦う為に』

「そうなんだ、だから俺達に・・・・・・力を貸してくれ!」

「それで、争いは終わるのか?」

「えっ?」

「それで争いは終わるのかと聞いている」

それは・・・・・・・・・・・・・・本当に終わるのだろうか?

言われてみれば分からない事だらけだ・・・・・・・だけど――――――――――

「んなの知らねぇよ、けどよ、まずはセルパンの野郎は止めなきゃマズいだろ?」

「そっ・・・・・そうだ!俺はみんなを守りたいんだ!!だから・・・・・・力を貸してくれ!」

俺はモデルHに頭を下げた。

「そうか・・・・・いいだろう、お前に力を貸そう、だが・・・・・・・」

「うぎゃっ!?」

モデルHは突然バリアンの額に向かって頭突きをした。

「お前、よくもあんな派手なマネをしてくれたな、おかげで俺のボディに傷がついたぞ」

「んだよ、せっかく助けてくれたのにそんな言い方ねぇだろうが!ちょっとの傷ぐらい大目に見ろって」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「あん、何だよ?」

「あっ・・・・・・いや、その・・・・・・・・」

「お前も俺に文句があるってか?ハァ、悲しいもんだぜ、せっかく奴を倒せたってのによ」

バリアンはため息を吐いて下を向いた。

「そうじゃない、アンタのおかげで・・・・・・・あのフォルスロイドを倒せた。多分、俺1人じゃどうにもならなかったかもしれない、口は悪いが・・・・・・アンタは強いよ、助かった」

素直になりきれないのか、ヴァンは横を向きながらバリアンに礼を言った。

まだ彼の言った事への怒りは収まってないが、考えを改めようと思っていた。

「ははぁ~ん、少しは見直してくれたってワケだな。分かりゃいぃんだよ、さて、ミッションレポートを提出してさっさと帰ろうぜ」

「あっ・・・・・・あぁ」

ハイボルトも倒した事だし、もうこの発電所は機能しないだろ、サイバーエルフも晴れて自由だ。

あれから俺達はトランスサーバーでミッションレポートを提出してガーディアンベースへ戻っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ご苦労様です、お2人さん」

俺達はフルーブの研究室へ入り、モデルHを渡した。

「これは・・・・・随分派手に戦った様ですね、これじゃ本領が発揮できませんね」

バリアンの無茶な攻撃によってモデルHは傷ついていた。

さっきモデルHが怒っていたのはその事だったのか。

「いいじゃねぇか、あのままあのフォルスロイドって奴に取り込まれているよりマシだろ。それにフルーブのじいさんならこんなのあっという間だろ」

「言ってくれますねぇ、少々時間は掛かるかもしれませんが、ライブメタルを修復してみましょう」

「あぁ、よろしく頼む」

モデルHをフルーブに預けて俺達はプレリーのいる司令室へ向かった。

「2人共、ご苦労様。よくやってくれたわ」

「もっと褒めてくれてもいいんだぜ、プレリーさんよ」

「バリアン・・・・・・アナタの無茶なやり方にはまだ納得しかねませんが、おかげでヴァンの助けになった。その事には感謝します」

「素直じゃないな~」

お気楽なもんだぜ・・・・・・・でも、戦っている時のアイツは本気だった・・・・・・気がする。

ふざけている様にも見えなかったが・・・・・・・・・

「あのさ・・・・・あの時はイレギュラーみたいだって言って悪かったな」

ヴァンはバリアンにイレギュラーと言ってしまった事を誤った。

バリアンは頭を掻きながら上を向いた。

「別に最初っから気にしてねぇよ。んなの言われなれてるからな」

「とにかく、2人共これからもよろしく頼みますね」

「お安い御用さ」

「あぁ!」

「それとヴァン、少し休んだらどう?エールさんも心配しているハズよ」

そういや・・・・・・・あれから一度も家に帰ってなかった。すっごく心配しているだろうな・・・・・・・

「そっ・・・・そうだな!ありがとう、プレリー!」

ヴァンは急いで司令室を出た。

「さて、俺も休ませていただきますか・・・・・・・・」

「貴方は自室待機ですよ」

プレリーは怖いくらい笑顔だった。そんな彼女の笑顔を見たバリアンは顔が引きつっていた。

「自室って・・・・・・・牢屋は勘弁だぜ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガーディアンベースのトランスサーバーにて――――――――――

「あっ、エール、俺だよ、ヴァンだよ!」

ヴァンは真っ先にエールに連絡した。

『ヴァン?どうしたの?』

「ようやく帰れる事になったからさ、すぐそっちに向かうよ」

『そうなの、じゃぁ・・・・・・公園前で待ち合わせしない?』

「あぁ・・・・・いいぜ、久しぶりに遊びにでも行くか!」

ヴァンはウキウキしながらエリアCへ転送されていった・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 




何だかんだで迷コンビになりそうな2人、ちょっとはバリアンを見直したかな?
今回は2本続けて投稿いたします、そちらも是非ご覧ください!


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ロックマンZXRe: File⑧

今回はミッションをお休みしてエールとのデート?を堪能します。


「えぇっと・・・・・確かここで待ち合わせなんだよな」

エリアCの公園に着いたヴァン。待ち合わせているエールを探しながら歩き回っていた。

「ヴァン!」

「あっ!エー・・・・・・ル?」

エールの声が聞こえた。

後ろを振り向くとそこにはピンクのワンピース姿のエールが目に入った。

「お前・・・・・その恰好・・・・・・・」

普段と違うエールの恰好を見て俺は少々戸惑っていた。

「よかった・・・・・無事で」

会ってすぐに胸を抑えながらエールはヴァンの方に歩いていった。

「あっ・・・・あぁ、心配かけてゴメン・・・・・」

「うぅん、ヴァンが無事なら・・・・・・」

にしても・・・・・随分決めて来たな・・・・エールの奴。しっかし、よく見ると・・・・・可愛いもんだな。

「あっ・・・・コレ?この間友達と遊びに行った時に買ってさ、中々着れる機会がなかったから・・・」

「そっ・・・・そうなんだ!結構、似合ってるぞ!」

ヴァンは顔を真っ赤にしていた。

「あっ・・・ありがとう」

エールも同じ様に顔を真っ赤にして髪をいじりながら横を向いていた。

「でっ、これからどうするか?」

「えぇっとね、コレ!」

エールがポケットから何かを取り出した。コレは・・・・・・・映画のチケットか?

「前に友達が用事でいけないからって貰ったの。2人分あるし、どうかな・・・・って」

「いいねぇ、早速行こうじゃねぇか!」

 

俺達は公園からそれ程遠くない映画館へ向かった。しかし、どんな映画なのか・・・・・・・?

ちょっとチケット見せてもらったぐらいで全然内容が分からんのだが。

「んでさ、何を見るってんだ?」

「アレだよ」

アレって・・・・・・・「愛の大迷宮」!?オイ、これって・・・・・・所謂恋愛映画って奴じゃ・・・・

「ヴァン、どうしたの?」

「あっ・・・・いや・・・・何でもない」

ヴァンの顔はかなり引きつっていた。まさか恋愛映画を見る事になるとは思ってもいなかった。

「さっ、行こっか!」

「あっ・・・・・・・あぁ」

こうして俺達は席へ座り映画が始めるのを待った。

そして映画「愛の大迷宮」始まった・・・・・・・・・・・・・

『君が好きだ!もう離さない・・・・・・・・・』

『嬉しい・・・・・私も愛しているわ!!』

映画もラスト、2人の男女が愛の告白をして互いに抱きしめあった。そして――――――――――

オイオイ、マジかよ・・・・・!?そこまでしちまうのか!普通に見るならともかく、コレをエールと見てるってのがどうにも気まずくて・・・・・・・・・・

そのエールはかなり釘付けになって、うっとりしながら映画を見て居た。アイツもこういうのが好きなんかな~

「ハァ~!面白かった~」

映画が終わりエールも満足気な様子だ。アイツのあんな楽しそうな顔、久しぶりに見た気がする。

「そんなに面白かったか?」

「うん!思いを寄せていた人に最後の最後に勇気を振り絞って告白する瞬間なんてトキメいちゃうじゃん!!」

エールも・・・・・そういう恋ってのをしてみたいのかな?もしかして、そういう人がいるんじゃ!?

いやいや・・・・・別に俺達はそういうんじゃないし、アイツに好きな人がいようがいまいが俺がどうこう言うもんじゃねぇし。むしろ幸せを願ってやるべきだろ、うん、そうだ。

「ゴメンね、なんか無理に付き合わせちゃったみたいでさ」

「いやいや、全然!」

「ねぇ、屋上の方行ってみようよ」

「もちろん、構わないぜ」

 

ヴァンとエールは映画館の屋上へ向かった。そこはちょっとした遊園地みたいな所だった。

「・・・・・・・・・」

エールは胸を押さえて体が震えていた。アイツ・・・・・何で自分からこんな所に・・・・・?

こうなるって自分が一番分かってたはずなのに・・・

「大丈夫か?無理しなくていいんだぞ」

俺はエールの肩に手を添えた。そんな俺の手をエールは握り返した。

「うん、大丈夫・・・・でもないかも。自分でも分かってるんだ。今でもこういう所に来るとあの時の事を思い出して凄く怖くなるの、でもこのままじゃダメだって思うんだ。だから少しでも踏み込もうって思ってね」

「そうだったのか。まぁ立ち止まってるのも何だから少し座ろうぜ」

「うん」

俺とエールは近くのベンチに座った。目の前では遊具で遊んでいる子供達の様子が見える。

「楽しそうだね」

「あぁ、昔は俺達もこうだったな」

俺達は物心ついた頃から家族絡みで親しかった。よく遊んでは派手に汚れて怒られたり、たまには喧嘩だってしたりして仲直りしたり。今でもよく覚えている。

あの日、イレギュラーの襲撃がある日までは。あの日から何もかも一遍した。だから俺はイレギュラーを許せない。

エールの為にも、他にも傷ついた人はいっぱいいる。俺にはみんなを守る「力」がある、だから俺は・・・・・・・・

「あのさ・・・・エール」

「ん、どうしたの?」

・・・・・・・ダメだ、やっぱり言えない。いくらエールがトラウマから立ち直ろうと頑張いても今の俺には言える勇気何てない、不安にさせてしまうのか?何て言われるのか?正直怖くて仕方がない。

「いや・・・・なんでもない」

「そっ・・・・そう」

エールは何かを期待していたのか、顔を赤くしながらヴァンの方を見つめていた。

「あっ・・・・・もう、夕方か」

気が付けばもう夕方、時間が経つのは早いもんだな。

「帰ろっか、今日は楽しかったよ」

エールの満面な笑みを見て、ヴァンもニッコリ笑っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・・・・・・・・」

自分の部屋のベッドで眠るヴァン。ミッション続きでかなり疲れている様だ。

 

何時かは・・・・ちゃんと言わなくちゃな、本当の事。

 

本当の事、聞きたいな。それとも、私の方から先に言った方がいいかな・・・・・・・・・・・

何時も一生懸命で、優しくて、たまにドジな所もあるけど、カッコ良くて、笑顔の素敵な貴方に。

「でもよかった・・・・・本当、無事でよかった・・・・・」

エールの瞳から涙が一粒零れた。たった1人の家族の様な存在であるヴァンがまた帰って来てくれた事に。

 

 

 

 

そして朝がきた・・・・・・・・・・・・・・・

「おはよう」

「おはよ」

ヴァンはエールにコーヒーを差し出た。息を拭いて暑いコーヒーを冷ましながら一口いただく。

「あのね、ヴァン」

「ん?どうした」

「私、ヴァンが何を伝えたいのかは分からない、けど、ちゃんと言える日が来たら・・・・・・・教えて欲しい。私も・・・・ちゃんと伝えるから」

「おっ・・・・・・・おぅ、分かったよ」

「やっぱり何かあるんだ」

「なっ、お前っ!ハメたな・・・・・・・っ」

エールに一杯喰わされたヴァン。引っ掛かってしまった自分が恥ずかしく、顔を赤らめていた。

「エヘヘ・・・・・今日もお仕事あるの?」

「まっ・・・・まぁな」

「なるべく、早く帰って来てよね」

「分かったよ」

コップを置いてヴァンは玄関を開け外へ飛び出していった――――――――――

 

 




エールもトラウマを克服する日が来るのでしょうか?
アレ、これひょっとして・・・・・・・・・・・・おっと誰かが来た様だ。
次回からミッション再開です!


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ロックマンZX Re:File⑨

今回はいきなりエリアFでのミッションからスタート。更に待ち受けるのは・・・・・・・・・・・・


「救難信号?」

「えぇ、エリアFから救難信号がキャッチしたの。それにあそこにはイレギュラーやライブメタルの反応も確認されているわ」

エリアFって・・・・・・・雪山じゃなかったっけ?だったら早くいかないとマズいんじゃないか!

「分かった、遭難者も救助してライブメタルも回収してくるぜ!!」

 

って言って思いっきり飛び出したのはいいけど、こんなに寒いなんて・・・・・・・・・ハァ、防寒してくりゃ良かった。

と言いたいところだが、ロックマンになっていればそこまで寒さなんて大した事ないし、水の中だって潜れる。

丸腰だったら俺が遭難している所だったぜ。

「さて・・・・・・この辺じゃないな」

プレリーから貰ったレーダーで救難信号を確認しているが、反応を示す緑色の光が点灯しない。

って事は、更に奥って事か・・・・・・・・

それから俺はイレギュラーを倒しながら、湖の中を潜り、寒い中泳ぎながら先へ進んでいった。

 

「ハァ・・・・・・あんな湖まで潜って探索なんて聞いてないぞ・・・・ん?この反応は・・・・・・どうやらここの様だな」

レーダーを取り出して見ると、緑色の光が点灯していた。この辺りか・・・・・・ここに救難信号を出した人がいるんだな。

「オーイ!誰かココにいるんだろ?いたら返事をしてくれー!俺は助けに来た者だ!」

おっかしいな・・・・・確かに近くにはいるはずなんだが・・・・・・・・

俺が辺りを見渡していると、上の方から熊の様なイレギュラーが俺に向かって巨大な雪玉を投げて来た。

「うぉっ!?っく・・・・・・こっちは遭難者救助で忙しいってのによ!!」

雪玉をZXセイバーで真っ二つに斬りながら、イレギュラーの攻撃を掻い潜った俺は逃げた先の扉の中に入り込んだ。

「ふぅ・・・・油断もありゃしねぇ」

さらに奥へ進んでいると、また扉を発見した。レーダーを見ると救難信号の反応が強くなっていた。

急いで俺はその扉を開け中へ入った。

「オイ、大丈夫か!?助けにき――――――」

中へ入ると、そこには誰もいなかった。あるのは古いコンピューター端末だけだった。

「おっかしいな、確かにここであっているハズなんだが・・・・・・・・」

すると、プレリーから通信が入った。

『確かにここで間違いないわ。一体何がどうなっているのやら・・・・・・・・』

プレリーが考え込んでいる間に、バリアンが通信に割って入って来た。

『ひょっとすると、罠かもしれないな。他に何か見当たらないか?』

「って言っても、何処かにイレギュラーが隠れてそうな所はなさそうだし・・・・・・・・って何だ!?」

『どうしたの?何があったの!?』

「わっ・・・・・分からないけど、急にコンピューターが動き出したんだ!!」

俺はどこもイジッた覚えはない。なのに突然コンピューターが起動した。画面にはメッセージと映像が映し出され始めた。

 

【我々ももう長くない、このデータが心優しき善人に託される事を祈って伝える。我々ガーディアンの調査隊はこのエリアで不思議な金属のカケラを発見した。そのカケラはまるで意思があるかの様に私達に語り掛けた。リーダーはそれをライブメタル、モデルVと名付けた。それからライブメタルの研究は続けられたが・・・・・・調査隊の殆どが体の異常を訴えた。そしてリーダーは私達の安全を考慮して調査隊から外し、1人で調査を続けた。しかし、間もなくして調査隊は全滅した。1人の裏切り者の手によって・・・・・・・・・・・】

 

「どうやら、データはここまでの様だな」

データが途切れたと同時に取り出されたデータディスクを俺は手に取った。

『コレって・・・・・・お姉ちゃんの・・・・・初代司令官の調査隊のレポートね!』

『なるほど、初代司令官さんはモデルVの研究を進めていたって事か』

『救難信号はこのデータを発見される為に発せられていたのね・・・・・・でも、まさかお姉ちゃんの調査隊が全滅していたなんて・・・・・・・・バリアン、何か心当たりはあるかしら?』

『よくは分からねぇが、何処か遠くのエリアで調査を行うってのは覚えているぜ、裏切り者か・・・・・・・恐らくセルパンの野郎の事だな』

『って事はお姉ちゃんもその時に・・・・・・・・・』

プレリーは酷く落ち込んでいた。行方不明である初代司令官がセルパン手に掛かっていたのかもしれないと思い、帽子で顔を隠しながら涙を拭っていいた。

「プレリー・・・・・・」

ヴァンは何て言えばいいのか分からなかった。今の自分にどうする事が出来るのか、プレリーに何をしてやれるか。

『オイ、落ち込んでいるヒマはねぇんじゃないか、今の司令官はアンタなんだろ。だったらシャキっとしろ!』

『そっ・・・・・そうね、ゴメンなさい』

バリアンの言っている事はちょっとキツイかもしれないが、正しくも聞こえる。確かに司令官がしっかりしてなきゃ、他のガーディアン達も不安になっちまうからな。

「大丈夫だって、まだダメだって決まったは限らないだろ、希望はある、必ず!」

『ヴァン・・・・・バリアン・・・・・心配かけてゴメンなさい、それと・・・ありがとう。ライブメタルの反応はロックの掛かっている扉の先にあるわ。ロックはこちらでハッキングして開けておくわ』

「あぁ、サンキューな!」

『頼むわね、ヴァン・・・・・・・・・・っ!?』

プレリーは何かの反応を検知した。

「どうした!?」

『これは・・・・・・エリアGで大規模な火災が発生しているわ!!しかもコレはイレギュラーの仕業のだわ!』

「何だって!?」

クソっ・・・・・・・・こんな時に!だけどライブメタルも回収しなけらばならないし・・・・・・・・・・・・・

『坊主、お前はそのままライブメタルの回収にあたれ。エリアGには俺が行く!』

『バリアン、貴方・・・・・・・・』

『なぁに、イレギュラーぐらいなら俺でも充分だろ。それに今はそうするしかないと思うが?』

『分かりました・・・・・・・ヴァンにはそのままライブメタルの回収にあたってもらいます。バリアン達にはエリアGへ向かってイレギュラーの撃退と人命救助を!』

「悪りぃ・・・・・・すぐに終わらせて俺も合流するから!!」

『そんな心配せんでも、お前が来る頃には解決してるから安心しな』

とにかく、そっちの方はバリアン達に任せるしかない・・・・・・・・・このまま何事もなければいいんだが・・・・・・・・

それから俺はロックされていた扉へ向かい、更に先へ進んでいった――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

エリアF最深部にて――――――――――

「この近くだな、ライブメタルの反応は・・・・・・・・・・」

「アレ、アレェ?そのデータディスクは何かなぁー?」

奥の方から頭部の後ろをコードで繋がれている小さい人魚の様なイレギュラーが現れた。

「もぅっ!見つけた者はぜーんぶ私に渡すって約束だったでしょ?っく・・・・・・使えねぇザコばっだなぁ、オイ!!」

何だコイツ・・・・・・・急に喋り方が変わりやがった・・・・・・・・なんかやべぇ奴だな・・・・・・・

「なるほど・・・・・お前の狙いはコレだったのか!コレの続きはどこにあるんだ!!」

「ってアレアレぇ?あー!さてはあなたセルパン様の邪魔をする悪者なのね!」

オイオイ、オレを仲間とでも勘違いしていたのか・・・・・・・・・?ソイツは心外だぜ。

「べーっだ!あなたなんかに教えるワケないでしょーっ!!そんな奴はこのモデルLのフォルスロイド、ルアールが・・・・・・・今からテメェを粉々に噛み砕いてやるから覚悟してけが、このボケぇ!!」

「なっ・・・・・・なんだ!?急に地面が――――――――――」

地面が割れると同時に現れたのは、巨大な魚が現れた。あの魚・・・・・・ルアールってフォルスロイドと繋がれていやがる。こいつもセットなのか・・・・・・!?

「ヒャッハッハッ!!驚いたか!これがこのルアールちゃんの真の姿なんだよ!!」

マジかよ・・・・・・・こんなデカい奴と戦わなきゃいけないのか!っく・・・・・・・こっちは急いでいるってのに――――――――――

「そんじゃ・・・・・いただきまーっす!!」

ルアールは巨大な口を開いて俺に向かって接近してきた――――――――――――!




エリアFのミッションと並行してエリアGでの災害も同時に発生、この事態にヴァンはどう動く?
次回、バリアンは如何に――――――――――!


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ロックマンZX Re:File⑩

巨大なフォルスロイドの前にヴァンはどう立ち向かうのか?
そしてエリアGでは何が起こっているのか・・・・・・・・・?


「っそ!!食われてたまるか!!」

 

巨大な魚の方のルアールの巨大な口で食べられそうになった所を、俺は咄嗟にジャンプして回避した。そこを見据えた様にして小さい方のルアールが氷の矢を3本俺に放った。

 

「ほらほら~油断していると氷漬けになっちまうぜぇ!!」

 

「こんな所に氷漬けにされてたまるか!!」

 

俺は氷の矢をZXセイバーで弾き、小さい方のルアールの胴体にセイバーの一振りをお見舞いした。

 

「いった~い!よくもやりやがったな!クソ野郎が!!」

 

ヴァンの一撃を喰らったルアールは激怒し、巨大な口を展開する。その中にはミサイルが搭載されていた。

 

「オイオイ、あんなの喰らったら一溜りもねぇじゃねぇか・・・・・・!?」

 

「さぁ・・・・・木端微塵に吹き飛んでしまえ――――――――――!!」

 

ミサイルが口から発射する直前、俺は急いで上へ飛び上がった。ここが水の中だった事が幸いだぜ、おかげでかなりの距離まで飛べるんだからな。

 

「アレアレェ~飛んで避けられるなんて思ったら・・・・・・大間違いだぜ!!」

 

ミサイルは放たれ、イレギュラーの残骸の山に直撃し大爆発を起こした。

そしてその残骸は火山の噴火の如く吹き飛び、上の方から隕石みたいに降り注いできた。

 

「ぐっ!?この数じゃ避けきれねぇ・・・・・・・」

 

残骸を掻い潜ろうとしたが、数が多すぎるあまり、剣の様に尖った残骸が俺の腕をかすった。

 

「ってぇ!」

 

俺はかすった腕を押さえた。

痛がる俺の姿を見て、ルアールは高らかに笑っていた。

 

「アヒャヒャヒャヒャ、痛がっちゃって可愛い~けど、こんなもんじゃルアールちゃんは満足しないもんねっ!」

 

さらに追い打ちを掛ける様にして、ルアールは氷のレーザーを俺の方に向かって放った。

 

「この野郎・・・・・・これ以上好きにやらせるか!!」

 

俺はZXバスターを連射してレーザーを押し返そうとするが、威力が違いすぎる。これじゃとてもじゃないが押し返しきれない。

 

「うああああああああああああ―――――!!」

 

バスターの力がビームに押し負けてしまい、俺はルアールの放った氷のビームを喰らってしまった。

 

「なっ・・・・・なんだ?体が・・・・・・・動かない」

 

ビームを喰らった影響か、俺の右手と両足が氷漬けにされてしまった。

 

「あ~らら、氷漬けになっちゃったね。それじゃ、遠慮なく潰させてもらいますか――――――――――!!」

 

巨大な魚の方のルアールが雄たけびを挙げると同時に、俺に向かって口を大きく開いて急接近した。

 

「くそっ・・・・・・このままじゃ―――――!」

 

やられる訳にはいかない・・・・・・・・・・こんな所で・・・・・・・こんな所で俺は――――――――――!!

 

ヴァンは咄嗟に目を瞑った。精神を研ぎ澄ませ、心を落ち着かせた。

 

「アレェ?目なんて閉じちゃって、もしかした諦めたぁ?でもやーめないっ!このままテメェはパクリと逝っちまうんだよ――――――――――!!」

 

そして身動き1つも取れないヴァンはそのままルアールに一口で一気に食べられてしまった。

呆気なく終わった事に、ルアールはため息を吐きながら怒りを露にしていた。

 

「あ~あ、こんなに呆気なく終わっちゃうなんて・・・・・・・・こんなにつまんねぇ奴だったなんてガッカリだぜ!」

 

だがその時――――――――――

 

「うっ!?なっなぁに?急にお腹が・・・・・・・苦しくなってきた・・・・・・・・・」

 

胸を押さえルアールは苦しみ出した。

そして巨大な魚の方のルアールの背中から剣の様な物が突き出て来た。

 

「なっ・・・・・・コイツっ、まさか中から攻撃してやがるのか!!」

 

ハハッ、その通りだぜ。イチかバチか、そのデカい体の中から攻撃する事に掛けたのさ。

食われた衝撃で凍った部分も破壊されて、更には中の構造まで丸見えだ。

 

「このクソ野郎・・・・・・・・・・これでテメェも道連れだ!!」

 

ルアールの体内からミサイルが生成されだした。

そこにヴァンはエネルギーをチャージしきったZXバスターを構えた。

 

「それも読んでいたぜ」

 

そしてヴァンはZXバスターのトリガーを引き、チャージバスターが放たれた――――――――――!

放たれると同時にさっきZXセイバーで空けた穴から、ルアールの体内から脱出した。

 

「うぐっ・・・・・そんな・・・・負けちゃうの、こんな・・・・・・こんな・・・・・・クソガキにイィィィィィィ――――――――――!」

 

断末魔を挙げながらルアールは体内のミサイルの誘爆によって爆散した。

間一髪、俺は無事、中から脱出が出来た。そして爆発と同時に飛び出て来たライブメタルを手に掴んだ。

 

「助かったわ、アタシは氷のライブメタル、モデルL。やっとあんな醜いボディから解放されたわ」

 

そりゃ、あんなブサイクな魚みたいのに取り込まれてたんじゃ、溜まったもんじゃないからな。

モデルLの不満に苦笑いしながら俺は反応した。

 

「ところであなた、データディスクの続きが見たいのよね?残念ながらもうココにはないわ、誰かがどっかに運んでしまったわ。やっと戦争が終わったと思ったら、またこんなに世界は騒がしくなっているなんてね」

 

「それは、セルパンがモデルVを目覚めさせようとしているからなんだ。俺はそれを止めたいんだ、だから力を貸してくれ、モデルL!!」

 

「フフッ・・・・・いいわよ、あなたの力になってア・ゲ・ル」

 

モデルLは俺の頬にキスをする様にして自分のボディを近づけた。

ライブメタルでも、こんな性格の奴はいるもんだなぁ、と俺は不思議に思った。

 

「他にも強い奴と戦えるのなら、なんだかゾクゾクするわねぇ」

 

なんかちょっと変な奴だな・・・・・・・・おっといけない、早くミッションレポートを提出しないと!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから俺は奥にあったトランスサーバーからプレリーに通信を入れた。

 

『お疲れ様、ライブメタルは無事に回収できた様ね』

 

「あぁ、ところでバリアン達はどうなったんだ?」

 

戦っていたおかげで考える暇がなかったが・・・・・・・・・まぁバリアンの事だ、そう簡単にはやられてなんか・・・・・・・・

 

『ヴァン、大変よ!バリアン達と連絡が付かないわ!!』

 

「なっ・・・・・何だって!?」

 

『しかもエリアGにライブメタルの反応が・・・・・・・・さっきまでなかったハズなのに・・・・・・・・』

 

まさか・・・・・・そこにフォルスロイドもいるってのか!?だとしたら・・・・・・・・・

俺は考えたくもない事を想像してしまった。そしてあの時の事、先輩を助けられなかった事を思い出してしまった。

 

「プレリー・・・・・・・早くオレをエリアGへ転送してくれ!早く!!」

 

『わっ・・・・・分かったわ、すぐに転送するからちょっと待ってて!!』

 

俺はトランスサーバーから転送され、エリアGへと向かった――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

エリアG――――――――――

 

「くっ・・・・・何てことだ・・・・・・」

 

辺りを見渡すと、街が火の海と化していた。次々と爆発が起こり、建物が崩壊していった。

 

「おっ・・・・・・オイ、大丈夫か!?」

 

先へ進むと、ガーディアンの隊員の1人が倒れてるのを発見した。

ボロボロの状態だが何とか彼は立ち上がり、俺に現状を伝えてきた。

 

「ヴぁっ・・・・・ヴァンか・・・・取り残された民間人は無事救助できた、ただ・・・・・・・バリアンが急に奥の方へ向かって行って・・・・・・・・」

 

「バリアンが・・・・・・・なんでそんな・・・・・・・」

 

アイツ・・・・・1人でイレギュラーを倒しに行ったのか!?馬鹿野郎!!何でそんな事・・・・・・・・・・・

俺はアイツの無事を願いながら、炎の中を突っ込んでいった。

 

「バリアン・・・・・・何処にいるんだ・・・・・・・」

 

走り続けていると、俺の足元に1匹の子犬がくっついて来た。

 

「くぅ~ん・・・・・・・」

 

「おっ・・・・・お前もここに取り残されちまったのか?」

 

俺は子犬を抱き上げプレリーから貰っていた簡易転送装置で子犬を転送させようとしたその時・・・・・・・・・・・・・・

 

「よぅ・・・・・・・遅かったじゃねぇか」

 

「ばっ・・・・・・・バリアン――――――――――!!」

 

すぐ近くでバリアンが倒れていた。傷だらけで足からコードが露出して、額からは血が流れていた。

一体何でこんな事・・・・・・・誰がここまで・・・・・・・・

 

「フフフ・・・・・・貴様か?2つのライブメタルを使うロックマンというのは」

 

俺達の目の前に獅子の様な頭に炎を纏った屈強なフォルスロイドが立ちはだかった。

コイツがバリアンをやったのか!?

 

「こヤツを助けに来たのか?しかし遅かったなぁ。既にこのフィストレオの拳の前に敗れ去ったわ!」

 

「けっ・・・・・・情けねぇ所お前に見られちまったもんだ」

 

「お前・・・・・何で逃げなかったんだ!!」

 

「ソイツも馬鹿な真似をしおる、そこの子犬を助けようとわざわざ炎の中に突っ込んでこんな所にまで来おるのだから」

 

バリアンは・・・・・・・あの子犬を助けようとしてここまで来たのか?どうしてそこまでして子犬を・・・・・・・・・・・・

 

「あまりに弱すぎて肩慣らしにもならならんわ、貴様なら、このモデルFのフォルスロイド、フィストレオを満足させてくれるだろうな――――――――――!」

 

フィストレオは両腕に炎を纏って拳を高くつき上げた。

 

「っ・・・・・・まだ腕が・・・・・・」

 

俺はルアールから受けた腕の傷が痛み、腕を押さえながらセイバーを構えた。

アイツも倒して・・・・・・・バリアンも子犬も無事に連れて帰って見せる!!

 

 




一難去ってまた一難、フォルスロイドの連戦がヴァンを襲う。
果たしてどう切り抜けるのか?


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ロックマンZX Re:File⑪

アニメだと1クール目のラストに近づく所。
果たしてヴァンはどうこの状況を乗り切るのか?
バリアンの意外な一面も明らかに?


「掛かって来るがよい、我が拳の餌食にしてくれよう!!」

 

っ・・・・・・ルアールとの戦いを終えたばかりですぐに来たから体力が回復しきれてない。それに腕の傷もまだ痛む・・・・・・けど、立ち止まってはいられない。

 

「ハァ―――――っ!!」

 

俺はフィストレオに向かって前進し、ZXセイバーを頭の上から振り下ろした。

 

「フッ、その程度の動き、見切るまでもないわ!」

 

「うあっ――――――――――っ!?」

 

フィストレオにZXセイバーを素手で掴まれそのまま俺は身体ごと持ち上げられ瓦礫の山の方に投げつけられた。

 

「っ・・・・・まだだぁ!!」

 

俺は瓦礫を払いながら立ち上がり、ZXバスターをフィストレオに向かって連射した。

 

「その程度か、ロックマンとは?とんた期待外れだな」

 

バスターを素手で弾きながら、フィストレオはヴァンの方へ向かって行く。

 

「ダメだ・・・・・これじゃビクともしない・・・・・・」

 

フィストレオがゆっくりとヴァンに向かって歩いていく所を、バリアンは倒れながら見ているしか出来なかった。

 

アイツ・・・・・さっきのミッションで結構手こずったな。だからあんなに余裕がなさそうなのか・・・・

コイツのパワーはヤバい・・・・・・あのままじゃ坊主も・・・・・・・そういや――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

それは遡る事、バリアンがエリアGへ向かう前の事だった・・・・・・・・・・・・・・

 

「さて、坊主が戻って来る前にとっとと終わらせねぇと」

 

出撃する準備を終えたバリアンは、エリアGへ向かう為、トランスサーバーへ向かおうとしていた。

 

「待って、バリアン!」

 

「あぁ?何だ?」

 

「コレを」

 

プレリーはバリアンに何かを手渡した。ライブメタル、モデルHだ。

 

「オイオイ、俺じゃライブメタルは使えないって分かってんだろ」

 

「もしもの為よ、恐らくヴァンはミッションを終えてこっちに戻って来る事なく貴方達と合流するはハズよ」

 

なるほど、確かに坊主なら急いで駆けつけて来やがるかもな。まっ、そうならない様に終わらせるつもりだけどな。

 

「分かったよ、後で敵に取られても俺にせいにするなよ」

 

「えぇ、頼みましたよ、バリアン」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あぁ、そうだった・・・・・・・このワンちゃんを助けるので夢中でコイツを忘れていたわ・・・・・・・・

 

バリアンはポケットからモデルHを取り出した。

 

「ワンワン!」

 

「わぁってるよ、お前の事も無事に助けてやるから待ってろって」

 

バリアンは子犬を撫でながらヴァンの方を見つめていた。

 

「とんた期待外れだったな、これで終わりにしてやろう」

 

ヴァンの元へ近づくフィストレオ。両手に炎をエネルギーにしてチャージを始めた。

 

「ハァ・・・・・ハァ・・・・マズい・・・っ!このままじゃあの炎の餌食になっちまう・・・・・・・・・」

 

避けようにも息が乱れダッシュする余裕もないヴァン。そんな彼の事を呼ぶ様にして、バリアンは叫んだ。

 

「オイ、ヴァン――――!!コイツを受け取れ!!」

 

バリアンはヴァンに向かって、モデルHを投げた。モデルHを受け取ったヴァンはバリアンの方を振り返った。

 

「炎には電気だ!ソイツを使え!!」

 

「あっ・・・・・・あぁ!!」

 

ヴァンはモデルHを前に突き出すと同時に光に包まれた。

 

「小細工をした所で我が霊王券を喰らうがいい――――――――――!!」

 

フィストレオはヴァンに向かって走り出し、炎を纏ったパンチを繰り出した――――――――――!

 

「なっ・・・・・・・何て強さだ!?」

 

パンチが直撃した壁は一気に粉砕した。だがそこにヴァンの姿はなかった。

 

「バカなっ・・・・・・・・奴がいない、一体どこに―――――!?」

 

「こっちだよ」

 

「何っ!?」

 

フィストレオが後ろを振り返ると、そこにはモデルHとモデルXでした緑色のロックマン、モデルHXに変身したヴァンが宙に浮かんでいた。

 

「アイツ・・・・・・やってくれるじゃねぇか!」

 

「これなら・・・・・・お前に負けない!!」

 

背中のバーニアを噴射させ、一気にフィストレオの方に飛び込み、ダブルセイバーで切り裂いた。

 

この速さ・・・・・何てスピードなんだ。!まるであのハイボルトの様だ。アイツもこのスピードにはついてこれない様だな。

 

「ぐっ・・・・・小賢しい真似を・・・・・・ウオオオオオオオオオオ――――――――――!!」

 

怒り出したフィストレオは赤いオーラを纏い、エネルギーのチャージを始める、しかし――――――――――

 

「ワンワン!!」

 

「グっ!子犬如きが・・・・・・・」

 

バリアンが助けた子犬が、フィストレオの顔に向かって砂賭けでエネルギーのチャージを妨害した。

 

「ハハッ・・・・・ナイスだぜ、ワン公!」

 

「今だ――――――――――!!」

 

その隙を突いたヴァンは、フィストレオの懐にダッシュしてダブルセイバーで押し出す様にしてフィストレオを上空へ飛ばした。

 

「これで・・・・・・止めだ――――――――――!!」

 

雷のエネルギーを纏ったヴァンのダブルセイバーの両振りでフィストレオを斬り付け、X字に切り裂いた。

 

「がぁっ―――――!?このワシが・・・・・・・こんな坊主に敗れるとは・・・・・・・フォルスロイドとなった・・・・このワシがぁ――――――――――!!」

 

そのままフィストレオは爆散した。それと同時に、埋め込まれていたライブメタルが降り注いで来た。

 

「へへっ!サンキューな!俺様は炎のライブメタル、モデルF、さぁ、次は誰が相手だ?ウズウズして堪らねぇんだ!」

 

なっ・・・・・何か好戦的なライブメタルだな・・・・・・・・・・

 

「まっ、待てって!俺はまだ何も言ってないだろ」

 

「みなまで言うなっての!セルパンとか言う野郎がモデルVを使って何か企んでるんだろ?」

 

そこまで知っているのか・・・・・・・・・案外勘のいい奴なんだな。

 

「俺にとっちゃぁ、そんな難しい話はどうでもいいんだよ。俺様の力を利用しやがったのがムカつくんだよな。お互い利害は一致してるんだ。文句はねぇだろ?」

 

「何だよ、話が分かる奴じゃねぇか、よかったな」

 

「あっ・・・・・あぁ」

 

バリアンが俺の肩を叩いた。ちょっと荒っぽい奴だけど・・・・・・力になってくれるのは嬉しいもんだ。

 

「そんじゃ、よろしく頼むぜ!」

 

俺はモデルFを掴み取った。連戦で疲れたのか、俺はその場に座り込んだ。

 

「はぁ~流石に連戦はキツイぜ・・・・・・・」

 

「ワンワン!」

 

「ははっ・・・・・ありがとな」

 

子犬が俺の頬を舐めながら尻尾を震わせていた。

 

「それにしても・・・・・・・何でこの子犬を助けようとしたんだ」

 

「あぁ、実はな・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

イレギュラーを倒しながら民間人を救助している中、俺は1人の子供を助けていた。

 

「大丈夫か?安心しろ、助けにきたからな!」

 

子供は怖いあまりに泣いていた。まぁ、こんな目にあっちゃ、仕方のねぇ事だ。

 

「おじちゃん・・・・・ボッシュが・・・・・ボッシュがいないの!」

 

「ボッシュ・・・・・?誰だそりゃ?」

 

「僕の大切な家族なんだ!でも、何処にも見当たらないんだ・・・・・・・・・・・」

 

なるほど・・・・・・っく、面倒な事になっちまったもんだ。けど・・・・・・・・・

 

「心配すんな、この俺がそのボッシュって奴を助けに行ってやるよ。だからお前は先に避難してるんだ」

 

「本当?じゃぁ・・・・・・・お願いおじちゃん、ボッシュを・・・・・・無事に連れて来てね!!」

 

子供は救助用の簡易転送装置で光に包まれる様に安全地帯まで転送された。

 

「はぁ・・・・・・おじちゃんじゃなくて、お兄さん・・・・・・だっての。さて・・・・・・・・・」

 

そして俺は炎が囲む建物の中に突っ込んであの子供の愛犬のボッシュを助けに行った。

 

 

 

 

 

 

 

「んで、あのフォルスロイドと遭遇してこのザマよ」

 

そんな事になっていたのか・・・・・・・・・・・

 

「けど、お前・・・・・・何でそこまでして・・・・・・・・」

 

コイツは・・・・・・イレギュラーを倒す為ならエリアなんてお構い無しだろ?何でそんな奴が子犬や子供の為に・・・・・・・

 

「へへっ、子供に泣きつかれたんじゃぁ、ほっとくワケにはいかねぇだろ。それに、助けられるなんら助けてやりてぇもんだろ」

 

そっか・・・・・・・・・別に誰かを傷つけてまでイレギュラーを倒すだけじゃないんだ・・・・・・・ちゃんとこうして民間人を・・・・・・子犬を助け出そうとして、俺もプレリーもコイツの事を誤解してたかもしれない。

確かにムカつく事を言う奴だけど、こんな一面があったとはな。

 

「アンタ、意外といい奴なんだな」

 

俺はバリアンに手を差し伸べた。

 

「オイオイ、意外とは余計だぜ」

 

バリアンは俺の手を掴み立ち上がった。

 

「さて、コイツをあのガキん所に連れてって俺達も戻ろうぜ」

 

「あぁ!」

 

「何だ、何だ!熱いモンを見せてくれるじゃねぇか!!」

 

モデルFが突然飛び出し、俺達の周りをクルクル回り出した。

 

「アハハハ・・・・・・・・・・」

 

俺は苦笑いをした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして俺達はエリアGの外である安全地帯まで戻って来た。

 

「さてと・・・・・何処にいるのかな・・・・・・・」

 

俺達は子犬の飼い主を探していた。まだこの辺りにいると思うんだが・・・・・・・・・・・・・・

 

「ワンワン!」

 

子犬は一気に走り出した。走り出した向こう側には、帽子を被った小さな男の子が同じように走って来た。

 

「ボッシュ・・・・・・・・!!よかった・・・・・よかったよぅ・・・・・」

 

男の子は子犬を抱きしめながら泣いていた。俺達も男の子達の方へ歩いていった。

 

「ありがとう、おじちゃん!ボッシュを助けてくれて!!」

 

「気にすんなっての、でも、俺はおじちゃんじゃなくておにいさんなっ!」

 

バリアンは男の子の髪をワシャワシャしだした。その光景を見た俺は笑いが止まらなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして俺達はガーディアンベースへ戻り、プレリーに事態の報告をした後、俺達は医務室へ連れていかれ、治療に入った。

 

「ご苦労様、2人共、おかげで取り残された人達は全員無事だったわ」

 

「いや、今回はバリアンのおかげだよ。アイツが子犬を助けてなかったら多分全員助かってなかったと思う」

 

「そうだったの・・・・・・・・・・」

 

「あのさ、プレリー・・・・・・・バリアンは、俺達が思う程悪い奴じゃないと思うんだ」

 

俺は今回バリアンが取った行動をプレリーに伝えた。

 

「えぇ、私もそう思って来たわ。それで彼がエリアを破壊した時の状況を改めて確認したの」

 

プレリーは俺にタブレット端末の映った映像を見せて来た。

そこには森のエリアでバリアンがイレギュラーと戦っている姿が映っていた。

 

「これは・・・・・・・・・」

 

イレギュラーと戦っているバリアンの他に、森に迷い込んでしまった老夫婦が一緒にいた。

バリアンは老夫婦を守るのに必死だったのか、木を破壊してイレギュラーの進行を防ぎ、1つに固まったイレギュラーに向かって手榴弾を投げていた。

 

「お前・・・・・・何でこの事プレリーに黙ってたんだよ!」

 

「何でって・・・・・・俺のやった事は事実だからな、言い訳するつもりはなかったのさ」

 

バリアンの奴・・・・・・1人で背負い込んでやがったのか。っく、不器用な奴だぜ・・・・・・・・・・

 

「バリアン・・・・・・・ゴメンなさい!こんな事になっていたの私知らなくて・・・・・・司令官失格だわ」

 

プレリーはバリアンに頭を下げて謝った。それに合わせる様に俺もバリアンに謝った。

 

「俺も悪かった・・・・・あんな風に怒鳴ったりして・・・・・」

 

「辞めろって、こっぱずかしい・・・・・・あっ、でもどうしてもってなら司令官様が付きっ切り看病してくれるなら・・・・・・・・」

 

バリアンはニヤリと笑いながらプレリーの方を見つめた。

 

「もぅっ!調子に乗らないで!!」

 

頬を膨らませて怒るプレリー。それを見た俺とバリアンは思いっきり笑い始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同じ頃・・・・・・・・・・・・・・・

 

「ありがとう、お姉ちゃん!僕の自転車直してくれて!!」

 

少年の壊れた電気自転車を直していたエール。満足気に自転車を漕ぎながら帰ってく少年にエールは手振って見送った。

 

「さて・・・・・・これで今日の分は終わりかな~」

 

「あの、ちょっとよろしいでしょうか?」

 

腕を伸ばして帰ろうとした時、後ろから1人の女性に声を掛けられた。

スーツを着た緑色の髪に眼鏡を掛けた赤い目をした女性だった。

 

「はい・・・・・何でしょうか?」

 

エールは女性の方を振り返った。

 

「先程の自転車を直していた所を見ていまして、とても素晴らしい技術力ですね。よければ少しお話をと思いまして」

 

「はぁ・・・・・・・」

 

「あっ、申し遅れました、私の名は・・・・・・パトラです」

 

一体・・・・・・・・何の話だろう?

 

 




バリアンは根は優しいレプリロイドなんです。ただちょっと不器用なだけなんです。
こういったキャラは僕大好きなんですよね~
そしてラストに現れたパトラは何者なのか?その目的は?
次回、エールの身に――――――――――


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ロックマンZX Re:File⑫

エール前に現れたパトラは何者なのか?
更なる展開が2人に待ち受ける・・・・・・・・・・・・・・


「私に・・・・・一体何の用ですか?」

 

突然話しかけられた私は、ちょっと戸惑っていた。パトラさん・・・・・だっけ?

私には心当たりが見当たらなかった。

 

「ここじゃ、何ですし、あちらのカフェでお話ししましょうか」

 

私とパトラさんは近くのカフェへ移動し、テラス側の席に座った。

パトラさんは座るとすぐにコーヒーを2杯注文していた。

 

「お構いなく、私の奢りです」

 

「あっ、どうも・・・・・・それで話って何ですか?」

 

私は置かれたコーヒーを飲みながら尋ねた。

 

「実は私、こういう仕事をしていまして」

 

「えぇっと・・・・・・・・・」

 

私はパトラさんに渡された名刺を受け取った。

名刺には・・・・・・・・・んっ、セルパン・カンパニー?この人、セルパン・カンパニーの人なの!?

 

「セルパン社長の秘書をしていまして、失礼ながらエールさん、あなたの修理の腕を拝見させて頂きました」

 

自分で言うのも何だけど、私の修理屋としての腕は街では評判はそこそこ自信はある。

噂を耳にするのもおかしな事はないけど・・・・・・・・・・

 

「そこでエールさん、是非その技術力、我々セルパン・カンパニーに力を貸していただけませんか?」

 

えっ・・・・・・・えぇ!?私に・・・・・・・・・・?

でもセルパン・カンパニーって・・・・・・イレギュラーに対抗する兵器とか作っているんじゃ・・・・・・・・

 

「1日でもイレギュラーを撲滅する為、是非あなたの腕を見込んでいるんです!」

 

パトラさんは私の手に握って迫ってきた。

腕を見込まれるのは嬉しい、けど・・・・・・・・・・・・・・

 

「ごっ・・・・・ゴメンなさい!!私・・・・・イレギュラーと関わるのは嫌なんです!ですから・・・・・・」

 

私は立ち上がって申し訳なくパトラさんに頭を下げた。

イレギュラーと言う言葉を聞くだけで、私は少し怖くなってきた。確かにイレギュラーが撲滅してほしいとは思っているけど・・・・・・

やっぱりそんな事は私には出来ない。

 

「そうですか・・・・・それは残念ですが・・・・・気が変わったら何時でも返事を下さい、私は何時でも待っていますから」

 

それに対してパトラさんは笑顔に応えた。

そして私は一礼をしてその場を立ち去った。

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

笑顔だったパトラは一変、目を鋭くし、携帯式端末機を鞄から取り出した。

 

「プロメテ・・・・・・彼女が行ったわ。予定通り頼むわ」

 

『へへっ・・・・・・・誘いは失敗した様だなぁ・・・・・パンドラ』

 

通話の相手はプロメテだった。そしてプロメテはパトラの事をパンドラと呼んでいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ・・・・・一体何だったんだろう?私にセルパン・カンパニーに入ってほしいなんて・・・・・・」

 

気持ちの整理が付かなかった。パトラさんの視線・・・・・・・ちょっと怖かった。

私に何を作らせたかったんだろう・・・・・・・・・

 

「アイツだな・・・・・・パンドラがしくじった小娘は」

 

通り道の暗い路地にクリーム色の作業着を着た水色の長い髪に赤い目の男が、エールを待ち伏せる様にして陰から様子を見ていた。

 

「ヴァンが帰ってきたら・・・・・・・ちゃんと相談しよ、早く帰ってこな――――――――――!?」

 

エールは路地に隠れていた水色髪の男に腕を引っ張られ、路地裏へ連れこまれた。

 

「ん――――――――――!ん―――――!」

 

大声を出させない様に、水色の髪の男はエール口をハンカチで押さえた。

 

何―――――!?誰なの?誰か――――――――――!嫌だ・・・・・・・怖い!

助けて―――――!ヴァン・・・・・・・・ヴぁ―――――ン・・・・・・・・・・・・・

 

ハンカチに薬が含まれていたのか、エールはそのまま気を失ってしまった。

男はエールを担ぎながら通った道とは反対側の方向に向かった。

 

「案外楽だったぜ、ほら」

 

男が向かった先には、黒塗りの高級車が止まっていた。男は後ろの扉を開け、気を失ったエールをそのまま放り投げた。

その隣には緑色の髪に赤い瞳の女性・・・・・・・・パトラが座っていた。

 

「オイ、とっとと行くぞ、さっさと走らせろ!」

 

男は助手席の方に座ると、運転手のメカニロイドの頭を叩いた。そして車は動き出した。

 

「しかしセルパンの奴、モデルXの適合者の身辺を調べてこいとは・・・・・・・随分姑息な事をさせるな」

 

「この子・・・・・怖がっていた、震えて、戸惑って、焦ってた」

 

エールに膝枕をするパトラ、眠る彼女の頭を優しく撫でた。

 

「だが、おかげで面白い事になりそうだ・・・・・ククク、さぁて、奴はどう動くかな?なぁ、パンドラ」

 

「そうね・・・・・退屈しのぎには丁度いいわね・・・・・プロメテ」

 

2人の正体はプロメテとパンドラの変装だった。

セルパンの命令でヴァンの身内の事を調べており、そこでエールの事を知った。

そしてプロメテ達が向かった先とは――――――――――!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、ガーディアンベースでは・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「っし!おかげで傷も癒えたぜ!」

 

フォルスロイドとの連戦でダメージを負っていたヴァンは治療を終え、ベッドから起き上がった。

 

「なぁ、俺の方はまだなのか?」

 

ヴァンが完治する一方でバリアンはまだ腕の修復が済んでいなかった。

 

「貴方の方が傷が深いんですよ、もう少し安静にしていて下さい!」

 

治療を担当しているナースがバリアンに釘を刺す様に言った。

 

「ハァ・・・・・あ~あ、どうせなら司令官さんがナース服でやって来てくれたらもうちょっと大人しくするのによ~」

 

バリアンは愚痴をこぼしながらベッドに寝転んだ。

 

「そんな事言ってると・・・・・・またプレリー様に説教されますよ!」

 

「別にいいだろ?なぁヴァン~お前も司令官さんのナース服、見てみたいだろ?」

 

えっ!?俺に振るなよ・・・・・・・・・っと言ったものの・・・・・・・・

 

「まっ・・・・・・・まぁ、見たくない、ってワケじゃないけど・・・・・・・・」

 

「ほら~なっ、ヴァンからも言って来てくれよ~この通りだからさっ!」

 

「ハイハイ、覚えていたら言っといてやるよ」

 

俺はため息を吐きながら治療室を出た。そしてプレリーのいる司令室へと向かった。

 

「プレリー!」

 

「あっ、ヴァン!丁度いい所に、フルーブ!」

 

「ヴァンさん、こちらを」

 

フルーブがこちらへ向かい、俺にライブメタル、モデルLとモデルFを渡してきた。

 

「チェックは完了しました。これで何時でもモデルHの時の様に変身できますよ」

 

「おぅ、サンキューな!!」

 

「ヴァン、お疲れだった様ね、次のミッションプランを練るまでしばらく休んでいなさい」

 

「あぁ、そうさせてもらうぜ」

 

さてっと・・・・・・・とりあえず家に戻って・・・・・・・・それから・・・・・・・・・・ん?

通信機から連絡が入った、相手はエールかな?

 

「はい、モシモシ?」

 

『ねぇ、ヴァン?調子はいかが?』

 

「なっ・・・・・・お前・・・・一体誰だ!?」

 

この声・・・・・・どう考えてもエールじゃない。気持ちの悪いオッサンみたいな声だ。

エールの番号から通信が入ってきている・・・・・・・アイツの身に一体何があったんだ!?

 

「ヴァン!一体どうしたの!?」

 

「分からない・・・・・・けど、エールの番号から変な奴が・・・・・・・・」

 

『へっ!こんなんじゃ誤魔化せれねぇか!!よく聞けよクソガキ!お前の愛しいお嬢ちゃんはこの俺様の手の中だぜ』

 

「なっ・・・・・・何だと!!お前・・・・・・一体何者なんだ!?」

 

『来りゃ分かるよ、いいか、今からエリアHにお前1人で来い。さもなきゃ、このお嬢ちゃんがどうなっても知らねぇからな!』

 

なっ・・・・・・・・エリアHに来いだと!?確かあそこは・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「お前・・・・・・一体、何が目的なんだ!?」

 

俺は電話越しの相手に怒鳴り付けた。エールが連れ去されたと聞いて黙っていられる訳がない。

 

『んなのどうでもいいだろうがよぅ!俺様もプロメテの野郎共に頼まれてやってるんだからな!』

 

プロメテ・・・・・・・?確かセルパンと一緒にいた奴か!アイツ・・・・・・・何て卑劣な!!

 

『そうかっかすんなって、ホラ、愛しいお嬢ちゃんの声を今から聞かせてやるからさ』

 

『ヴぁっ・・・・・・・ヴァン?ヴァン―――――!助けて・・・・・・・たすけ―――――』

 

会話はそれで途切れた。エールが何かを足で叩く音が聞こえた。エールは何処かに閉じ込められているのか?

早くしないと・・・・・・・・エールが!!

 

『もう一度言うぞ、お前1人でエリアHに来い!さっさと来いよ、今すぐ!!』

 

「っ―――――!?」

 

そこで通信は途切れた。俺達の話を聞いていたプレリーは心配する様な目でこちらを見ていた。

 

「ヴァン・・・・・・一体なにが・・・・・・」

 

「エールが・・・・・・さらわれた」

 

「えっ―――――!?」

 

「セルパン・カンパニーの奴らが・・・・・・エールをさらったらしい・・・・」

 

「何てこと・・・・・すぐにガーディアン達にも知らせるわ!!」

 

プレリーがベース全体に通信しようとしたのを、俺は彼女の肩を掴んで止めた。

 

「待ってくれ!!俺1人で来いって話なんだ!もしガーディアンが出撃したら・・・・・・・」

 

「ヴァン・・・・・・コレは貴方を誘い出す罠なのかもしれないのよ!!」

 

「分かってるよ!!でもエールが・・・・・・エリアHに囚われているんだ!あんな所にいたらアイツが・・・・・・・」

 

「落ち着いてヴァン!エリアHに何があるの?」

 

プレリーは俺に聞いて来た。何時か話さなきゃならない、そう思っていた。だから俺はプレリーに正直に話す事にした。

 

「エリアHが、今は使われていない遊園地ってのは知ってるだろ?」

 

「えぇ・・・・・確かあそこもイレギュラーの襲撃に遭ったって・・・・・・まさか―――――!?」

 

「あぁ、そのまさかだよ。あの時、俺とエールもあの場にいたんだ。あの時のイレギュラーのせいでエールは・・・・・・・」

 

俺は拳を強く握った。許せない・・・・・・・・エールにまた辛い思いをさせようとする奴らを・・・・・・・・・俺は――――――――――!

 

「そうだったの・・・・・・ジルウェさんが駆け付けた時にはもう・・・・・・・」

 

「・・・・・・・そういう事だ」

 

あの時・・・・・・先輩は俺を助けてくれた。でも・・・・・・・でも――――――――――

 

「分かったわ、けどヴァン、怒りに囚われ過ぎないで。敵はそれを利用しているかもしれないわ」

 

「あぁ・・・・・・絶対にエールを助け出して見せる!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それはヴァンがエールが連れ去られた事しる少し前・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「うぅ・・・・・・ん?」

 

ここは・・・・・・どこ?確か、私は誰かに襲われて・・・・・・・・・・何だか狭くて・・・・・・怖い。

目を開いて見えた先には・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「よぅ、やっとお目覚めか?お嬢ちゃん!」

 

「えっ・・・・・・・・・・」

 

私は観覧車の中に閉じ込められていた。そしてガラス越しには・・・・・・・・

紫色の腕の大きい猿みたいな・・・・・・・い・・・・・・い・・・・イレギュラー!?

どっ・・・・・・どうして・・・・・・・いや・・・・・・・・

 

「ヒャハハっ!そんなに怯えちゃって・・・・・・・・・・・・・・興奮しちまうじゃねぇか」

 

「いやああああああああああああああ――――――――――!」

 

エールは酷く怯え悲鳴を挙げた。

それを見た紫色のイレギュラーは高らかに笑い、観覧車の上に登った。

 

 




パトラの正体はパンドラだった。
プロメテとパンドラの変装出来た理由はいずれ明らかになる・・・・・・・・はず。
エールがイレギュラーに誘拐され、どうなってしまうのか?
次回はかなり好き嫌いが分かれるかもしれません。


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ロックマンZX Re:File⑬

囚われたエールを助けるべく、エリアHに向かうヴァン。そこに待ち受けるものは・・・・・・・・・


「へへへ、いい声で悲鳴挙げるねぇ嬢ちゃん。俺様嬉しくて堪らねぇぜ・・・・・」

 

紫色の猿みたいなイレギュラーは涎を拭う様にして手で口を拭いた。

 

「いや・・・・・・なんなの・・・・・・どうして・・・・・・・私が・・・・」

 

頭の中で過去の出来事が過ぎっていた。私の頭の中をグルグルと回り嫌な記憶ばかり浮かんでくる。

私は知っている・・・・・・・あのイレギュラーの事を・・・・・・・・

 

「覚えてるか?俺様の事、まぁ10年も前の事だしお前は小便臭い小娘だったろうしな・・・・・・・」

 

私の事を知っている・・・・・・・・!?やっぱり・・・・・・・・あの時の・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それは遡る事10年前――――――――――

 

「おーい、母さーん!」

 

「ほら、ヴァン、こっち向いて~」

 

メリーゴーランドに乗っている幼い頃のヴァン、カメラを向ける母親に手を振っていた。その後ろに幼い頃のエールが一緒に乗っていた。

 

「ほらエールもこっちを向いて」

 

「うっ・・・・・うん!」

 

ヴァンの背中にくっつき、ヴァンの母親の方に顔を向ける。

 

「あ~面白かったー、なぁ、エール」

 

「うん!次はあっちに乗りたいな」

 

エールが指さしたのは、トロッコで恐竜の群れの中を冒険するアトラクションだった。

 

「恐竜か~うん!次はアレにしよう!!」

 

恐竜を見たヴァンは目を光らせて飛び上がった。

 

「ほらほら、ヴァンったらはしゃがないの」

 

「よかったわね、エール。ずっと行きたがってもんね」

 

エールの手を繋ぐのは、彼女の母親。エールは楽しそうに笑顔で笑っていた。

 

「うっ・・・・・俺、トイレ」

 

ヴァンは急にお腹を押さえた。

 

「大丈夫?あっ、丁度あそこにあるわよ」

 

「本当だ!いってくる!」

 

「1人で大丈夫?」

 

「平気だよ、すぐ戻って来るから!!」

 

ヴァンは急いで近くのトイレまで走ってい行った。

 

「もぅ、ヴァンったら~!」

 

「ウフフ、いいじゃないの、エール」

 

頬を膨らませるエールの頭を、母が撫でる。

 

「また、こうやってみんなで遊びに行きましょ」

 

「えぇ、あっ、でもあの子たちが大人になったら私達はお邪魔じゃないかしら?」

 

「そうかもしれないわね」

 

母親同士、2人の将来の事を話しながら楽しく話していた。

周りの家族連れ、恋人同士達も皆楽しそうだった。何時も通りの日常、変わらない平和がそこにあった。しかし―――――――――――――――

 

「ふぅ~スッキリした~」

 

「あっ、ヴァン!遅いよ~」

 

「ゴメン、ゴメン!今い――――――――――」

 

ヴァンが走った瞬間、爆弾の様な物が突然投げつけられ、次々と爆発の連鎖が起こった――――――――――

 

「うっ・・・・・おかあ・・・・・・・さん?お母さん!!」

 

気を失っていた所、目覚めて立ち上がったエール。最初に目にしたのは・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「いや・・・・・・お母さん・・・・・お母さん!!起きてよ!!」

 

瓦礫の下敷きとなり、既に息絶えていたエールの母親の姿であった。母の手を揺らすエールを発見し、彼女を抱えてヴァンの母親は走り出す。

 

「おばさん・・・・・・お母さんが・・・・・・お母さんが―――――!!」

 

「エール、今は逃げるのよ!ヴァン・・・・・・何処へ行ったのかしら・・・・・・・」

 

ヴァンとはぐれてしまい、エールを抱えながら必死に探し出す母。その背後には紫色の手の大きい猿の様なイレギュラーが爆弾を持って高らかに笑っていた。

 

「ウヒャヒャヒャ!!ニンゲンどもの悲鳴・・・・・・・・いい響だぜぇ・・・・・・おん?」

 

そこに逃げるヴァンの母親を目にし、彼女のいる方向に向かって、イレギュラーは爆弾を投げた。

 

「きゃ――――――――――っ!?」

 

爆弾が爆発し、その衝撃で母親は吹き飛ばされた。かろうじてエールを抱きかかえて、彼女を守った。

 

「おばさん・・・・・・大丈夫!?」

 

「えぇ・・・・それよりあなたは・・・・・・・」

 

母親は足に鉄の破片が刺さり、まともに歩ける状態ではなかった。そんな彼女の目の前にメカニロイドが迫って来た。

 

「いや・・・・・・いや・・・・・・」

 

エールは酷く怯え、足が動かなかった。そしてメカニロイドは銃をエールの方に向けた。

 

「エール――――――――――!!」

 

銃口から弾が放たれる瞬間、ヴァンの母親は彼女を庇い、背中を撃たれてしまった。

 

「あ・・・・・・・・・あぁ・・・・・・・・いやだ・・・・・・・」

 

母親はその場に倒れ二度と起き上がる事はなかった・・・・・・・・・

膝を抱え込み怯えて一歩も動けないエールの前に、紫色のイレギュラーが飛び込んで来た。

 

「ハハハハハ!!いい顔で怯えるじゃねぇか・・・・・・そういったガキの表情は見ているだけで体が震えちまって溜まったもんじゃねぇ・・・・・・・」

 

「だれか・・・・・・・だれ・・・・・か・・・・・・」

 

エールは全身を震わせ、瞳から涙が止まらなくなっていた。そんな彼女の頭を握りつぶそうと、紫色のイレギュラーが手を近づけ様とした時――――――――――

 

「チっ・・・・・・とんた邪魔が入ったな・・・・・・・・」

 

「コイツっ・・・・・随分カッテェイレギュラーだな!!」

 

その後ろから薄紫色の服を着た銀髪の男がマシンガンを撃ち、イレギュラーを振り向かせた。

 

「今いい所だってのに邪魔すんじゃねぇよ――――――――――!!」

 

イレギュラーはその男の方へ飛び出していった・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「あっ、エール!」

 

そこへイレギュラーから逃げていたヴァンがやって来た。

怯えるエール。倒れている母を目の当たりに、ヴァンは動揺していた。

 

「ちくしょう・・・・・・・・・・・・ちくしょう―――――――――――――――!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

なんで・・・・・・・何であの時のイレギュラーが・・・・・・・・・いや・・・・・・怖い・・・・・・・!!

でも、どうしてヴァンを・・・・・・・・辞めて・・・・・・ヴァンまで失ったら、私・・・・・・私――――――――――っ!!

 

「おっと、やって来て様だぜ~お前を助けに来た王子様が」

 

「どこだ・・・・・・・どこにいるんだ・・・・・・」

 

エリアHへ到着したヴァン。エールが何処にいるのかを探し回っていた。

ヴァンは気づいてない様だが、エールはヴァンの姿を発見していた。

 

ヴァン・・・・・・なの?何、あの恰好・・・・・・・?一体ヴァンは何で・・・・・・・・・・・・・

 

ロックマンとなっているヴァンの姿にエールは驚きが隠せなかった。

ただでさえ、どうしてこんな事になっているのか分からないのに、次々と分からない事ばかりで困惑していた。

 

「どこかに閉じ込められているんだ・・・・・・・・・頼む・・・・・無事でいてくれ!!」

 

ヴァンが観覧車の方を振り向く、するとそこには、紫色のイレギュラーが頂上に立っていた。

 

「ヒャハハハハハハハ!!待っていたぜ!お姫様を救いに来た王子様よぅ!!」

 

「お前か・・・・・・・エールに一体何をした!?」

 

観覧車の上の方に、エールが閉じ込められているのを発見したヴァン。ZXセイバーをイレギュラーに突きつけ問い詰める。

 

「まだ何もしてねぇっての・・・・・・・・まっ、お前がもうちょっと遅かったらたっぷり可愛がろうと思っていたがな・・・・・・・・」

 

紫色のイレギュラーは手で柔らかいモノを触る様にして手を動かした。

 

「ふざけるな・・・・・・・これ以上、エールを傷つけさせたりさせねぇ!!お前達のせいで・・・・・・・どんなにアイツが苦しんだのか・・・・・・・」

 

ヴァンの手は震えていた。目の前でエールが囚われている事に、とてつもない怒りで溢れていた。

紫色のイレギュラーは観覧車から降りてヴァンの方に近づいた。

 

「そう怒るなって、せっかくの思い出の場所なんだ、盛り上がっていかねぇとな」

 

「思い出の・・・・・・場所?」

 

「あぁ、10年前のあの時、ここを襲ったのはこの俺様なのさ」

 

それを聞いたヴァンの怒りは最大値を超えようとしていた。

 

「お前が・・・・・・お前が母さんを・・・・・・・エールの事も・・・・・・」

 

「暴れまくった俺様はセルパン様の目に止まって、今じゃライブメタルの力も取り込んだ大幹部になったってもんだ!」

 

コイツにも・・・・・・・ライブメタルが・・・・・・・・いや、今はそんな事どうでもいい・・・・・・・・早くエールを・・・・・・・エールを助けないと!!

 

「なぁに、仲良くあの世に送ってやるから安心しろよ、このパープリル様が今からお前をぶっ潰してやるからよぉ!!」

 

「覚悟しろよ・・・・・・・・・このエテ公!!」

 

怒りに満ちたヴァンはZXセイバーを握り締め、パープリルの方へ走り込んでセイバーを振るった。

 

「おぅおぅ、力任せじゃねぇか~嫌いじゃぁねぇけどな」

 

ZXセイバーを掴まれ、そのまま力強く握られ、セイバーが折られてしまった。

 

「何っ!?」

 

「今度はこっちからいくぜぇ!!」

 

パープリルはタイヤの様な形をした爆弾をヴァンに向かって投げつけた。

 

「こんなもの!!」

 

ZXバスターを撃って誘爆させようとするが、爆発は硬く、破壊されなかった。そしてどんどんヴァンの方へ近づいていく。

 

「クソっ!ビクともしねぇ・・・・・・・・・」

 

ヴァンはジャンプして爆発寸前の所、直撃を免れた。

しかし、柱の方で爆発し、エールの閉じ込められている観覧車が揺れ始めた。

 

「キャ――――――――――っ!?」

 

観覧車の中でエールは、振り落とされない様に手すりに掴まっていた。

 

「えっ・・・・・・エール!?」

 

クソっ・・・・・・うかつに避けたらエールに・・・・・・・・

こんな姿・・・・・エールに見せたくなかった。きっとイレギュラーと戦っている事にも気づいているよな。

きっと、俺のせいなんだ・・・・・・・・俺がプロメテ達に目を付けられたからエールは・・・・・・・俺が巻き込んだから・・・・・・

 

「もしかして、自分のせいだと思っちゃってんのか?ヒャハぁっ!!その通りじゃねぇか、お前がロックマンとして戦っているせいでお嬢ちゃんが巻き込まれたんだろ!ゼ・ン・ブ、お前が悪いんだよぉ!!」

 

動揺しているヴァンの隙を突いて、パープリルは自身の身体を回転させ周りに刃を発生させながら、突撃した。

 

「ぐあああああああああああああ!!」

 

攻撃はヴァンに直撃し、そのまま壁突き刺さる様にしてに押し込まれ、回転による摩擦と刃がヴァンを襲う。

 

「ヴァン・・・・・・・・!?」

 

いや・・・・・このままじゃヴァンが・・・・・・・やめてよぅ・・・・・・これ以上・・・・・・ヴァンを傷つけないで・・・・・・・・・

 

「あっ・・・・・・・あぁ・・・・・・」

 

パープリルが離れ、ヴァンはそのまま落下して倒れた。

 

「あ~あ、こんな簡単にやられちまったよ。っく・・・・・プロメテの野郎が「油断してたら痛い目みるぜ」とか言っていたのに、こんなんじゃつまらねぇぜ・・・・・・・ん、待てよ・・・・・・」

 

パープリルは観覧車の方へ向かい、エールのいるゴンドラを外して、彼女を外に出した。

 

「キャッ!?」

 

「へへへへ・・・・・・丁度いいや、アイツの目の前でお前を滅茶苦茶にしてやるぜぇ!!」

 

エールの両手を掴んで、彼女の顔を舌なめずる様にして顔を近づけた。

そしていやらしい手つきで彼女の腹部に触れ始めた。

 

「いや・・・・・・・辞めて!!」

 

「無駄だよ、お前が抵抗できるワケねぇだろう」

 

抵抗できずパープリルの好きにさせてしまう所を、ヴァンは倒れながら見る事しか出来なかった

 

「やめ・・・・・ろ・・・・・てめ・・・・・・ぇ!!」

 

「ヒャハハっ!さぁて・・・・・・・」

 

パープリルはエールの服を掴んで、引き剥がそうとしだす。

 

「ダメ・・・・・・・そこは―――――!?」

 

クソ・・・・・・目の前でエールがあんな目に遭ってるのに・・・・・俺は・・・・・・・何も出来ないのか?

先輩の時みたいに・・・・・・・俺は・・・・・・このまま・・・・・・・・・

 

ヴァンは悔しがるようにして地面を拳で叩きつけた。

エールを守れない自分に涙を流していた。

 

「ヒャハハっ!別に手荒な真似はすんなとは言われてねぇからな~恨むならそこの小僧を恨むんだな」

 

舐め降ろす様にしてエールの全身を見渡すパープリル。

抵抗できず今されている事に恐怖し、脅えていた。

 

ダメだ・・・・・・力が入らない・・・・・・・このまま・・・・・・・じゃ・・・・・・・・・

 

意識が朦朧とするヴァン。そんな彼の元に通信が入る。

 

『何、呑気に寝てやがるんだ!!ヴァン!!』

 

「ばり・・・・・・アン?」

 

バリアンからの通信だった。

ガーディアンベースのモニター越しにヴァンの姿を目の当たりにし、いても立ってもいられなかった。

 

『こんな事になったのはお前のせいだぁ?何寝ぼけた事いってやがる!そんな言葉に惑わされてるんじゃねぇぞ!!お前は守るんだろ?みんなを・・・・・・その子をよぉ!!』

 

「そうだ・・・・・・俺は・・・・・・みん・・・・・な・・・・を」

 

「っく、何てムカつく野郎だ、もう見ていられねぇぜ!」

 

倒れている俺の元にモデルFが飛び出した。

 

「言ったろ、力を貸してやるって、その為に俺様はここにいるんだからよ」

 

「ありが・・・・とう、バリアン・・・・・・モデル・・・・・・F!」

 

残った力を振り絞ってヴァンは立ち上がった。そしてモデルFを掴み取った。

 

「やってやれヴァン!俺達の力でアイツをギャフンと言わせてやれ」

 

「あぁ・・・・・・俺は行くぞ!モデルF――――――――――!!」

 

モデルFを突き出したヴァンは光に包まれた。

そんな事に気づかないパープリルは泣きながら必死で抵抗するエールの頬に手を触れていた。

 

「ヒャハハっ!そろそろクライマックスだ――――――――――!!」

 

ダメ・・・・・このままじゃ・・・・・助けて・・・・・・・助けて・・・・・・・ヴァン―――――――――――――――!!

 

「あぁ・・・・・絶対お前を助けてやる!!」

 

エールの心の叫びが聞こえた様にヴァンが叫んだ。

 

「コイツ・・・・・・まだやるって――――――――――!?」

 

ヴァンが手に持つバスターを放った。

まっすぐに直撃すればエールにも当たってしまうが・・・・・・・・・・

 

「どこ狙ってんだよ!ホラ、コイツにあたっちま・・・・・・・・・!?」

 

バスターは軌道を変え、パープリルの背中に直撃した。その衝撃で吹き飛ばされたエールを、ヴァンはお姫様抱っこする様にして抱えた。

 

「ヴァン・・・・・・」

 

「エール。もう大丈夫だ・・・・・・すぐ終わらせてやるからもう少し待っててくれ」

 

ヴァンはエールの頭を優しく撫でた。安全な場所であるコーヒーカップの裏側に避難させた。

 

「テメェ・・・・よくもやってくれたなぁ!!今から本気出すから覚悟しやがれよ!!」

 

炎の様な赤色のアーマーに両手に持つナックルバスターを構えるヴァン。モデルFとモデルXの力を持つ、ロックマンモデルFXにダブルロックオンしていた。

 

「エールにあんな真似しやがったお前を・・・・・・・俺は絶対許さねぇ!!」

 

ヴァンはナックルバスターをパープリルに突きつけた――――――――――

 

 




パープリルの好き放題やらされるエールにヴァンの怒りが爆発。次回、遂に決着!!


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ロックマンZX Re:File⑭

パープリルとの決着はいかに・・・・・・・・?
エールとの進展もちょっとあったりなかったり?


パープリル・・・・・10年前にも・・・・・・・今もエールを傷つけたお前を俺はぜったに許さない!!

怒りに満ちた俺は、モデルFXの武器のナックルバスターをパープリルに向かって放った。

 

「へっ、チョロい、チョロい!!」

 

弾を軽々と避けるパープリルだが、弾は軌道を変えてカーブしてパープリルの両腕に直撃する。

 

「ウギャアアアア!!いでぇ・・・・・・・痛ぇじゃねぇか!!」

 

コレは俺と・・・・・・エールの母さんの分・・・・・・そして!!

 

「ハァっ!!」

 

ヴァンはパープリルの頭上へ飛び上がり、ナックルバスターから炎のバスターを放つ。

 

これはエールの分――――――――――!!

 

炎はパープリルを包み、傷口から炎が入り込み、苦しみだした。

 

「コレで終わると思うな!!」

 

炎をナックルバスターに纏い、パープリルの顎に目掛けてパンチを放った。

 

これは・・・・・・・あの場にいた人達の分―――――!!

 

空中に吹き飛ばされるパープリル。地面に落下した所に、ヴァンがゆっくりと近づいて来た。

 

「うげっ!?ヒィィィィィィ・・・・・・許してくれよ・・・・・俺もプロメテ達に言われて仕方なくやったんだよぉ・・・・・・」

 

ヴァンに向かって土下座をし、震えながら命乞いをするパープリル。それを見たヴァンは・・・・・・・・・・・・・・・

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

下を向きながら、ナックルバスターを構えるのを辞めた。その瞬間、パープリルはニヤリと笑った。

 

「バ――――――――――カ!!んな真似するワケねぇだろ!!そのままくたばれ――――――――――ぇ!!」

 

動きを止めたヴァンに、パープリルがダッシュして拳をヴァンの頭上から振り下ろそうとする、が――――――――――!

 

「そんな事だろうと思っていたよ、最後は・・・・・・・・・俺の分だ――――――――――!!」

 

炎を纏ったナックルバスターの一撃がパープリルの腹部に直撃、そのまま身体ごと貫いた――――――――――!

 

「何でだよ・・・・・・何でこの俺様が・・・・・フォルスロイドの大幹部なんだぞ・・・・・・俺様は強ぇんだよ・・・・・・・・俺様はなぁ・・・・・ヒャハハハハハハハ!!」

 

最後の最後まで高らかに笑いながら、パープリルは爆散した。

これで・・・・・・・10年前の借りを返せたんだ・・・・・・・・これでいいんだ。

 

パープリルの残骸から紫色のライブメタルが現れ、ヴァンの元へ向かった。

 

「陥れた者に敗れる、外道に相応しい最後だな。拙者の名は影のライブメタル、モデルP。今の戦い、見事であったぞ」

 

「いや・・・・・見事なもんじゃ・・・・・俺はただ、アイツが許せなくて・・・・・・・・」

 

「しかし、許せない気持ちよりも、彼女を守りたいという気持ちの方が強かった、違うか?」

 

あぁ・・・・・・その通りだな、これ以上、エールを苦しませたくなかった。俺は・・・・・・・アイツの為に出来る事をやった。だけど・・・・・・・・

 

「モデルX様、この男に力を貸していると言う事は、ついに時がきたと」

 

モデルXに様をつけるモデルP、主従関係だったのだろうか・・・・・・・・?

 

『あぁ、モデルVが掘り起こそうとされているんだ、力を貸してくれないか?』

 

「長きの時を超え、ヒトと世界を守護するのが我ら、ライブメタルの使命。今一度、弱気者の刃となりましょう」

 

「あぁ、よろしく頼む、モデルP!」

 

「うむ、ヴァン殿、よろしくたの・・・・・・む」

 

モデルPは急に地面に落ちた、地面に直撃しかけた所を俺が受け止めた。

よく見ると・・・・・・・・モデルPにはヒビが入っていた。

 

「ごめん・・・・・・俺があんな攻撃をしたばかりに・・・・・・・」

 

怒りに身を任せて、ライブメタルの事なんて考えないで攻撃してしまった、そのせいでモデルPは傷だらけになってしまった。

 

「気にするな・・・・・それよりも、あの娘の元へ行ってやれ」

 

そうだ・・・・・エール、大丈夫・・・・・・・のハズがない。あのフォルスロイドに酷い目に遭わされたんだから・・・・・

俺は急いでエールの元に向かった。膝を抱えて顔を埋めていた。

 

「エール、もう大丈夫だ。さぁ・・・・」

 

「ヴァン・・・・・・」

 

俺はエールへ手を差し出した。その手を掴んでエールは立ち上がった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それからしばらくして、エリアHを出て、少し落ち着こうと俺達は森の大樹に座り込んだ。

 

「ほら、飲めよ」

 

「・・・・・・うん」

 

 

俺はエールにガーディアンから支給された栄養ドリンクを渡した。

ドリンクを握ったまま、飲む事はなかった。

 

「・・・・・・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・」

 

俺はエールの隣に座って彼女の方を見た。

は何て言えばいいか分からなかった。今のアイツに何て声を掛ければいいか?俺が何をしてやれるか・・・・・・・・・・

頭の中では考え続けた。

エールも一言も喋らなかった。そんな時、モデルLが俺に話しかけて来た。

 

「バカね、アンタも。こんな時こそ優しくしてあげなきゃ。アンタが支えてやんなきゃでしょ」

 

そっか・・・・・そうだよな。こんな時だからこそ・・・・・・俺が慰めなきゃいけないんだ。

 

「エール・・・・・怖かったよな・・・・・大丈夫だ。俺がいる、俺が・・・・・・お前を守るから」

 

俺はエールの事をそっと抱きしめ、優しく頭を撫でた。

身体からエールの震えが伝わって来た。今でもさっきの事が脳裏に浮かんでずっと怖いんだと。

 

「ヴァン・・・・・・・・ヴァン・・・・・・・・・」

 

エールは泣いていた。俺の服を握り、俺の胸で泣き続けた。

そんな彼女の背中を優しく抱きしめ、不安を取り除こうとした。

 

「俺がいる・・・・・・・・俺がここにいるから安心してくれ」

 

「ヴァン・・・・・・・・・・」

 

「エール・・・・・・」

 

エールの潤んだ瞳、赤くなった表情を見た俺は吸い寄せられる様に惹かれていた。

自分でも拒む理由はなかった。今こうしている事で彼女が安心できるなら・・・・・・・・・・

目を閉じて、自然とそのまま互いの唇を重ね合っていた。俺にとって、エールにとって、これがファーストキスであった。

キスって・・・・・・・柔らかく、暖かい、そしてほんのりと甘い、なんか不思議な感じだ・・・・・・

そのまま俺はエールを抱きしめ続けていた。

 

「・・・・・・・・・・」

 

唇が離れた瞬間、俺は我に返った。いくらなんでもコレはやり過ぎだろ。だって俺達は・・・・・・・・・・・

だけど・・・・・顔を赤くして俺を見つめてくるエールを見ていると、心臓の鼓動が高鳴ってくる。

キャシャで細いエールの体を見ているだけで自分でもよく分からない感情に襲われる。ずっと一緒にいたのに・・・・・・・初めてだった。彼女がこんなにも可愛いと思うのが。

 

「えっと・・・・・その・・・・・」

 

「全く・・・・・誰がそこまでしろって言ったのよ?見せつけてくれるじゃない」

 

目を細くする様にして、モデルLがこちらを見て来た。よくよく考えれば・・・・・・・ライブメタル達にずっと見られてたんだよな・・・・・・・・

 

「ヴァン・・・・・・・」

 

エールは俺の手を、自分の頬に当てた。肌から直接熱さが伝わってくる。なんだか俺もドキドキしてきた。

だけどこれ以上は・・・・・・・・今の俺には出来なかった。

 

「・・・ゴメンね、ヴァン。いきなりこんな事して・・・・・・・」

 

エールも我に返ったのか、顔を隠しながらヴァンに謝った。体の震えは止まり、逆に胸の鼓動が激しくなっている。

 

「あっ、いや・・・・・・俺の方こそ・・・・」

 

ヴァンもエールの顔を見れなかった。互いに気まずい空気になっているが、2人は互いの手を握っていた、ヴァンの通信機から通信が入る。

 

『コホン、あまり関心しませんね、ヴァン』

 

「ぷっ・・・・・プレリー!?」

 

ひょっとして・・・・・・ライブメタル達だけじゃなくプレリーにまで見られていた!?

あんな所を見られてしまうとは・・・・・・・穴があったら今すぐにでも入りたい気分になった。

 

『その様子だと・・・・・・無事に終わった様ね。ガーディアンベースに戻ってきてくれないかしら?』

 

「あっ・・・・・・あぁ!そうだプレリー、エールも連れてってもいいかな?このまま1人にさせたくないんだ・・・・・・」

 

俺の事も知られてしまっている。だったらちゃんと話すべきだ。だけど俺一人じゃ不安だからプレリーにも立ち会ってほしいと思い、エールをガーディアンベースに連れていこうと提案した。

 

「そうね・・・・・確かに放っておけないわね。いいわよ、一緒に連れて来て」

 

「よし・・・・・・エール、一緒に来てほしんだ」

 

「えっ・・・・・何処に?」

 

「来れば分かるよ」

 

俺はエールの手を繋いで近くのトランスサーバーまでやってきた。

 

「大丈夫だよ、怖い所じゃないから」

 

「うん、ヴァンがそういうなら・・・・・・」

 

エールはヴァンの背中にくっつきながら顔を寄せていた。そのままトランスサーバーでガーディアンベースへ転送されていった―――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さぁ、着いたぞ」

 

「ここは・・・・・・?」

 

「ガーディアンベース、空飛ぶ船だよ」

 

ヴァンはエールに窓の外を見せた。空に浮かんでいる船と知り、エールは空を眺めていた。

 

「おっ、戻って来たか。ほら、司令官様がお呼びだぜ、ヴァン」

 

出迎えて来たのはバリアンだった。バリアンの後に付いて行きながら、俺達はプレリーのいる司令室へ歩いていった。

状況が良く分からないエールは、俺の後ろに隠れていた。

そんな時、バリアンが俺の耳元で小さな声で話しかけて来た。

 

「なぁ、ヴァン・・・・・お前結構やるじゃねぇか、ガキにしちゃ、ませてるもんだな~」

 

「いっ・・・・・・言うなよ!」

 

俺は顔を真っ赤にして小さな声で言い返した。そういや、バリアンもモニター越しに俺に声を掛けて来た。

つまりはアイツもアレを見ていた・・・・・って事だろう。よりにもよって一番見られたくない奴に・・・・・・・・

 

「司令官様はちょっと怒っていたぜ~」

 

クスクス笑いながらバリアンは前へ進んだ。そして司令室へ入ると・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「ヴァン、ご苦労様」

 

プレリーが頬を膨らませてこちらを見て来た。バリアンの言ってた通り、大分ご立腹な様子だ・・・・・・・・・・・・・

 

「プレリー・・・・・あの~アレはその・・・・・・・・・」

 

何て言っても弁解する余地はない。ありのままを見られてしまったのだから・・・・・・・・・・・・・

 

「ヴァン・・・・・この人達は?」

 

隠れていたエールがひょっこりと顔を出してきた。エールの顔を見たプレリーは膨らませた頬を落ち着かせた。

 

「あなたが・・・・・エールさんね」

 

「エール、俺、ちゃんと話すよ。本当の事」

 

「本当の・・・・・・事?」

 

俺は決めた。エールに今まで起こった事を、また不安にさせてしまうかもしれない。だけど、そうなったとしても俺が何度でも守ってみせる。そう決めたんだ。

 

「俺さ・・・・・・・ガーディアンとして、ずっとイレギュラーと戦って来たんだ」

 

「え・・・・・・・・・・?」

 

エールは突然の事で驚いていた。だけど、あの戦いを目の当たりにし、薄々気づいていた様にも見える。

 

「あの日・・・・・このモデルXを手にした日から、俺は今日までずっと戦い続けた。だけどその中で先輩が・・・・・・」

 

「ジルウェが・・・・どうしたの?」

 

先輩の話をする時、俺は多少躊躇っていた。自分の口でも言う勇気が未だにないのだから、だけど・・・・・・・・・・・

 

「命を・・・・・落としたんだ」

 

俺は拳を握り絞めていた。あの時の事を思い出すと悔しくて・・・・・・・・仕方がなかった。

そんな俺の手を、エールは握ってきた。

 

「ヴァンも・・・・・・ずっと辛い思いをしていたんだね」

 

「エール・・・・・・・」

 

「ヴァンには感謝しているわ、彼のおかげでイレギュラーによる被害者は少なくなってきている。彼の手で何人のも人が救われているの」

 

「オイオイ、俺達ガーディアンも頑張っているんですけど~」

 

プレリーの会話にバリアンが水を射す様に入って来る。

 

「もちろん、バリアン達にも感謝してます」

 

「そうだったんだ・・・・・私、知らなかったなぁ」

 

エールは何処か寂しそうに窓の外を眺めていた。ヴァンの背中を見て、エールの瞳から涙が零れ落ちていた。

 

「ゴメン!!今まで黙ってて」

 

「いいの、私がイレギュラーを怖がっていたの知ってるから、だから言えなかったんだよね」

 

俺がずっと黙ってた理由を、エールは何処か感じていた。

 

「でも・・・・・ありがとう、ちゃんと話してくれて」

 

その時・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「なっ・・・・何!?」

 

「こんな時に何が起こってやがるんだ!?」

 

突然、ガーディアンベースが揺れた。そして緊急シグナルが鳴り響いた。

 

「これは・・・・・・セルパン・カンパニーの飛行艇がこちらに向かっているわ!!」

 

何だって!?こんな時に・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「ヴァン・・・・・また・・・・・イレギュラーなの?」

 

「いや・・・・・・プレリー!エールを安全な場所に匿ってくれないか?俺が迎撃に行ってくる!!」

 

ヴァンは急いで司令室を出て外の方へ走り出していった・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「心配すんなよ、アイツなら大丈夫だ、ささっ、嬢ちゃんはこっちの方で待ってな」

 

バリアンにエスコートされ、エールは医務室の方へ入っていった。

 

「ヴァン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

胸に手を当て、エールはヴァンの無事を祈っていた・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 




無事エールを助けられてよかったです・・・・・・・しかしヴァン君以外に大胆。むしろうらやま・・・・・・・・・何でもありません。
ピンチは何度もやって来ますね、次回、新たな展開が巻き起こる!!


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ロックマンZX Re:File⑮

ガーディアンベースにセルパン・カンパニーの飛行艇が襲撃、この危機をどう乗り越えるか?


「プレリー!甲板に出た!空にはセルパン・カンパニーのメカニロイドで囲まれている!!」

 

『何ですって!ヴァン・・・・・何としても彼らの侵入を阻止して・・・・・』

 

空を見渡すと無数のメカニロイドが空を飛んでガーディアンベースへ攻撃を開始していた。

 

「この・・・・・・ガーディアンベースはやらせない!!」

 

ヴァンはモデルHXに変身し、エアダッシュで空を飛びながら、ダブルセイバーでメカニロイドを斬り裂いていく。

 

「あの飛行船か・・・・・・あそこからメカニロイドが現れているんだな・・・・・・・」

 

ガーディアンベースの近くを飛ぶ黒い飛行船を発見したヴァン。

 

「アレを落とさないと、次々とメカニロイドが増え続ける・・・・・・・何とかしないと!!」

 

飛行船のエンジンの方へ回り込み、ダブルセイバーでエンジンを斬り裂いた。

 

「まずは1機・・・・・・・!!」

 

エンジンを斬られた飛行船は、ゆっくりと墜落していく。

 

「クソっ!これじゃ埒が明かない!!」

 

あまりの数の多さにヴァンは手が回らなかった。

 

『ヴァン!今武装を発射するわ。これで飛行船を撃墜して!!』

 

プレリーの通信と共に、甲板の格納庫からビームランチャーが射出された。

 

「サンキュープレリー!!これなら――――――――――!!」

 

ビームランチャーを受けっとたヴァンは、複数の飛行船のエンジンを目掛けてビームを発射させた。

発射されたビームは、と飛行船のエンジンを破壊、次々と飛行船は墜落していった。

 

「フゥ・・・・・これで何とか・・・・・・」

 

飛行船を墜落させ一安心するヴァン・・・・・・・・・・だが

墜落する間際の飛行船の1機からメカニロイドがガーディアンベースへ侵入した。

そしてその中には・・・・・・・プロメテとパンドラも共にガーディアンベースへ侵入するのをヴァンはヴァンは辺りにした。

 

「アイツら・・・・・・・!!」

 

『敵がガーディアンベースに侵入したわ!恐らく最深部にある動力炉を狙っているんだわ・・・・お願いヴァン、中に戻って動力部を守って!!」

 

「あぁ・・・・・・絶対に奴らの好きにさせてためるか!!」

 

エアダッシュで加速しながら、ヴァンはガーディアンベースの中へ戻っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、ガーディアンベースの医務室では・・・・・・・・・・

 

「なっ・・・・・何!?」

 

揺れるガーディアンベースを前に、エールは両手で抱え込んで不安になっていた。

 

「何、心配すんな。ヴァンの奴がいるんだ、それにアンタにはこの俺が付いているからな」

 

「はっ・・・・・・はぁ・・・・・」

 

バリアンが冗談交じりに、エールを落ち着かせようとしていた。

今何が起こっているのか、エールは戸惑いを隠しきれなかった。

 

「ヴァン・・・・・・・・・」

 

今、ヴァンがどうしているのか、それが気になって仕方なかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「邪魔だ!!」

 

モデルZXに変身したヴァンは、ガーディアンベースに侵入したメカニロイドを破壊しながら、先へ進んで行った。

そして、動力部のある最深部へと辿り着き・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「プレリー!!」

 

「ヴァン・・・・・」

 

動力炉を破壊させまいと、プレリーもまた動力部に来ていた。そしてその前には・・・・・・・・プロメテとパンドラが立ちはだかっていた。

 

「来ると思ったわ・・・・モデルXと・・・・・モデルZと融合した・・・・・ロックマン」

 

「つまる所、モデルZX(ゼクス)って所だろうな。セルパンの奴はここで始末しろと言ってたが・・・・・殺すにはもったいない奴だな」

 

「お前ら・・・・・・よくもこんな事を!!パープリルが言ってたな・・・・・エールを誘拐したのも・・・・・お前らの差し金だって!!」

 

ヴァンは忘れるはずもない、エールを連れ去れさらい、パープリルのいるエリアHまで連れて行ったのは他でもない、プロメテとパンドラなのだから・・・・・・・・

 

「あぁ、そんな事もしたっけな?あの小娘、随分と怯えていたもんな・・・・・・」

 

とぼけた様にヴァンの言葉に言い返すプロメテ。ZXセイバーを突きつけ、ヴァンは怒りを隠せなかった。

 

「どれだけ苦しい思いをしたのか・・・・・・お前達に分かるか!!」

 

「さぁ?だがモデルVもさぞ満足する程の恐怖ではあっただろうな・・・・・・・・」

 

モデルVが?一体何を言ってやがるんだ・・・・・・・・

 

「俺も丁度お前と戦ってみたかったんだ。どれだけ強くなったのか、試させてもらおうか」

 

「プロメテ・・・・・・ずるい」

 

「なぁに、お前の分の楽しみも残しておいてやるよ。ただし、コイツが生き残ればの話だがな」

 

戦う場をプロメテに取られ、拗ねた様な表情をしながら、パンドラは転送される様にして消えていった。

 

「ヴァン・・・・・大丈夫なの?」

 

「あぁ・・・プレリー、下がっていてくれ。ここは俺がなんとかする」

 

「えぇ、頼むわね・・・・・」

 

プレリーもまた、動力炉から離れていった。

 

「さぁ・・・・・・楽しもうじゃぁないか!」

 

鎌を構えたプロメテ、警戒する様にヴァンは後ろに下がっていく。

 

「俺をこれまでのフォルスロイドの様に戦えると思ったら大間違いだぞ―――――!」

 

「そんな事―――――!!」

 

プロメテの鎌から出された衝撃波を、ZXバスターで弾き返そうとするヴァン。しかし・・・・・・・・・・・・

 

「何っ!?」

 

「言ったろ?甘く見るなと・・・・・・・・・」

 

バスターは衝撃波によって2つに分かれ、そのまま衝撃波はヴァンに直撃した。

 

「うぁっ!?」

 

「何だ、少しはやる様になったと思ったがこの程度か!」

 

そこへ追い打ちを掛ける様にして、プロメテが迫って来る。

 

「ちっ・・・・・・・」

 

モデルHXに変身し、エアダッシュで迫るプロメテから回避した。

 

「ほぅ・・・・・モデルHの力か・・・・・」

 

「コレならどうだ!!」

 

ヴァンはダブルセイバーを高速で振るい、ソニックブームを発生させた。

 

「ぐっ・・・・・・・・・!」

 

鎌でソニックブームを受け止めようとするプロメテ。しかし、力で押し負け、そのまま地面に叩きつけられた。

 

「なるほど、少しはやるみたいだな。だがこんなモノじゃモデルVには及ばない」

 

「だったら・・・・・これならどうだ!!」

 

モデルFXに変身し、炎を纏ったナックルバスターでプロメテに突撃するヴァン。プロメテはニヤリと笑い、その場に立ち止まった。

 

「このおおおおおおおおおおお!!」

 

ナックルバスターがプロメテに直撃しようとした瞬間、プロメテは瞬間移動するかの様に消えてしまった。

 

「何・・・・・・何処だ!何処にいる!?」

 

前後を回りながら、ヴァンはプロメテが何処に行ったかを探す。そこへ・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「しまっ―――――!?」

 

ヴァンの周りに紫色のドクロが発生し、火の玉がヴァンを襲う。

 

「うあああああああああああ!?」

 

火の玉の集中砲火を喰らい、ヴァンはその場に倒れ、変身が解除されてしまう。

 

「ヴァン!?」

 

プレリーが飛び出し、ヴァンを庇う様にして全身で彼を覆った。

 

「もうちょっと楽しめると思っていたが・・・・・・とんた期待はずれだった様だな。残念だったなパンドラ、お楽しみは訪れないようで・・・・・・・・・・」

 

鎌をヴァンとプレリーに向けるプロメテ。その時・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「ヴァ・・・・・・ヴァン!?」

 

そこへ、エールが飛び出す様にして動力部の中へ入っていった。

 

「エール!?何で・・・・・・・・・・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それは少し前の出来事だった・・・・・・・・・・・・・

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

揺れるガーディアンベースの中でただ座り込むエール。すると突然、彼女は立ち上がった。

 

「ヴァン・・・・・・・」

 

医務室から出ようとする所を、バリアンが彼女の腕を掴んで止めた。

 

「オイ!何処へ行くって言うんだよ!?」

 

「お願い・・・・・私をヴァンの所に行かして!!」

 

「何言ってやがるんだ!?アンタが出て何になるってんだ?」

 

エールがイレギュラーに恐怖している事は、バリアンも理解している。だからこそ、彼女を医務室から出す訳にはいかなかった。

 

「分からない・・・・・でも・・・・・・ヴァンが戦っているんでしょ?私・・・・・ずっと怖くてヴァンがいないと何もできなかった。だから・・・・・・」

 

もう嫌なの、ずっと怯えているなんて、でもずっと怖くて・・・・・・・・・私、ヴァンにずっと助けれれてばかりだった。

そんな自分が嫌で嫌で、もし私に出来る事があるなら・・・・・・・・・・・

 

バリアンの忠告を無視して、エールは医務室を出て、動力部の方へ走り出していった。

 

「オイオイ・・・・・・俺が出したワケじゃないからな!」

 

頭を掻きながら、バリアンもエールの後を付いて行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「エール!離れろ!!ここにいたら危険だ!」

 

エールを動力部から離れさせようとするが、エールは一歩も下がる事はなかった。

 

「ワリィ・・・・・この嬢ちゃんがどうしてもって言うからよ」

 

バリアンはヴァンに謝り、事情を説明した。

 

「何だ?みんな仲良くまとめて葬って欲しいのか?いいだろう、このまま全員ぶった斬ってやる!!」

 

プロメテは飛び上がり、ヴァンに目掛けて鎌を振るおうとする。

 

「ダメ――――――――――!!」

 

そこへ、エールが飛び出していった。

 

本当は怖い・・・・・・・・でも・・・・・・・・ヴァンがいなくなるのは・・・・・・・もっと怖い、だから――――――――――!!

 

「これは・・・・・彼女に惹かれている?」

 

「アラ、丁度いいんじゃない、モデルX。彼女に力を貸してあげましょ」

 

エールが飛び出そうとすると共に、モデルXとモデルLが輝きだした。そして彼女に力を与える様に、エールの元へ飛び出した。

 

「コレは・・・・・・・・」

 

「マジかよ・・・・・・」

 

「エー・・・・・・・ル!?」

 

エールの姿はヴァンが初めてモデルXと変身した時の様に光に包まれ、青いアーマーを纏い、両手にハルバートを握っていた。

エールはモデルXとモデルLで変身した姿、ロックマンモデルLXへと変身していた。

 

「ヤァっ!!」

 

ハルバートから氷の壁を発生させ、プロメテの鎌の一撃を止めた。

 

「ハァ・・・・・ハァ・・・・・・」

 

何・・・・・・・?私・・・・・・・一体どうなって・・・・・・・?

 

エールは自分に何が起こっているのか分からなかった。ただヴァンを助けたい。その思いでいっぱいなだけであった。

 

「はっ・・・・・・ハハハハハ!コイツは驚いた!!まさかコイツもロックマンになれるなんてな!」

 

プロメテは突然の事に驚いているどころか、高らかに笑っていた。

 

「エール・・・・・お前も・・・・・・・」

 

ヴァンも驚きを隠せなかった。エールもロックマンになれる事に。

 

「始末するのは辞めだ。お前達はもうちょっと楽しめそうだからな・・・・・・」

 

そう言い残して、プロメテは消えていった。

 

「助かった・・・・・・のか?」

 

「どうやら、その様ね・・・・・・・・」

 

「終わった・・・・・・の?ヴァン・・・・・よかっ・・・・・・・た・・・・・・・・」

 

安心したのか、エールは変身を解除した後、膝から倒れる様にして気を失った。

 

「エール・・・・・・エール!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何があったのか、自分でも分からなかった。でもこれだけはハッキリ言える。私の中に力が溢れていた。ヴァンを助けたい、自分を変えたい。そんな気持ちが私に勇気をくれたんだと・・・・・・・・・・・・・・

 

「あれ・・・・・・」

 

目が覚めると、私はさっきまで隠れていた場所のベッドに寝ていた。そしてヴァンが私の手を握っていた。そして心配そうな目で私を見ていた。

 

「エール!よかった・・・・・・怪我はないか?」

 

よく見ると・・・・・・・ヴァンの方が酷い傷だった。手足に包帯を巻いていて、そっか・・・・・ヴァンはずっとこうして・・・・・みんなを守る為に戦っていたんだ・・・・・・・・・・・

 

「おっ、目が覚めた様だな。ヴァンの奴が死ぬほど心配していたぜ~」

 

ヴァンともう1人、紫色の服を着た銀髪の男の人が立っていた。アレ・・・・・・?あの人何処かで・・・・・・・・・・・・

 

「またお前に・・・・・・大変な目に遭わせちまったな・・・・・・・・」

 

「うぅん、私が自分で向かって行ったの。ヴァンの事が・・・・・・心配で・・・・・・・・」

 

そうだったのか・・・・・・・・・・何か情けない所見られちまったな・・・・・・・

俺だって男だ、カッコつけたい部分だってある。

 

「どうやら目が覚めたみたいね」

 

医務室にプレリーが入って来た。ベッドの近くの椅子に座りエールの方を見つめた。

 

「改めましてエールさん、私はこのガーディアンの司令官、プレリーです」

 

「はっ・・・・・・はぁ・・・・・」

 

「んで、コイツはバリアン。ムカつく奴だけど案外いい奴なんだぜ」

 

「オイ、ヒトをおまけみたいに紹介してんじゃねぇって!」

 

バリアンはヴァンの頭をクシャクシャにしながらツッコミを入れた。

 

「突然こんな事に巻き込んでゴメンなさい。けど私達も貴方に聞きたい事があるの」

 

「私に・・・・・・・・・・・?」

 

「えぇ、何故あなたがイレギュラーに誘拐されたのかを」

 

本当は思い出すだけでも手の震えが止まらない。だけどこの人達はイレギュラーと戦っている。私が話す事でなにか手掛かりが掴めるなら・・・・・・・・・・・・・

 

「詳しくは分からない・・・・・・・・だけど、あの場所に連れて来られる前に、ある人と会ったの、それがこの名刺」

 

私はパトラさんに会った時に貰った名刺を、プレリーに差し出した。

 

「パトラ・・・・・・・?これって・・・・・セルパン・カンパニーの社長秘書!?」

 

プレリーは名刺を見て驚いていた。

 

「なるほど・・・・・・恐らく、彼女はエールさんに近づいてエリアHに連れていかせるように仕向けたんだわ!」

 

「えっ?どうして・・・・・・・セルパン・カンパニーの人がそんな事を?」

 

「そうだった・・・・・・まだちゃんと話してなかったわね。落ち着いて聞いて、イレギュラー発生の元凶は・・・・・・・セルパン・カンパニーの社長である、セルパンの仕業なのよ」

 

「え・・・・・・・・・・・・・・・・・!?」

 

私は何が何だか分からなかった。色んな事が起こり過ぎて・・・・・・・・・・・・胸を押さえて気持ちを整理した。




エールも遂にロックマンに変身。この先彼女はどうするのか?

物語も中盤に入ります、次回から2話は戦闘はありません。
ここから大きく原作と異なる展開が巻き起こります!


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ロックマンZX Re:File⑯

ロックマンに変身できたエール、果たして彼女の出す決断は?


私は未だに信じられなかった。セルパン・カンパニーがイレギュラー発生を引き起こしていたなんて・・・・・・・・

世界から英雄視されているものがまさか黒幕だった。ヴァンもこの事は知っいたんだな・・・・ずっと・・・・・そんな大きな組織と戦い続けていた。

それを知ったからなのか、私にはヴァンの背中が大きく見えた。

 

「それで、その人に何を言われたの?」

 

プレリーは私とパトラさんが話していた事を聞いて来た。

 

「その・・・・・私をセルパン・カンパニーに来ないかって・・・・・・」

 

「そんな事が・・・・・・・・・」

 

「その時も、何が何だか分からなくて、少し怖くて、ヴァンが戻ってきたら相談しようって思った時に、顔は覚えてないけど誰かに襲われて・・・・・・・目が覚めた時には・・・・・あの観覧車に閉じ込められていて・・・・・」

 

エールはシーツを掴んで涙を流していた。そんな彼女の肩を、プレリーが優しく添えた。

 

「ゴメンなさい、また辛い事を思い出させてしまったわね」

 

「うぅん、まだちょっと怖いけど・・・・・・・私にも協力させて!!」

 

「えっ・・・・・・エール!?」

 

俺はエールが言ってた事に驚いた。まさかエールがそんな事言うなんて・・・・・・

でも、正直俺にとっては・・・・・・・

 

「私・・・・ヴァンみたいに出来るか分からないけど・・・・・ずっとイレギュラーに怯えている自分が嫌だった。変わりたいって思ってた。ヴァンに、胸を張れる様になりたいって思ってた・・・・・・」

 

「お前・・・・・・」

 

ずっと、そんな事を思っていたのか・・・・・・エールなりに頑張ろうとしているんだ、だったら俺はそれを応援してやりたい。

あの時も・・・・・・自分なりに勇気を振り絞っていたんだ。やっぱりエールは凄いな・・・・・

 

「まっ、本人がそうしたいなら、俺は別に構わねぇがな」

 

バリアンは賛成だった。プレリーの返事は・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「まさかあなたからそう言ってくれるなんて・・・・・・ありがとう、私からもお願いするわ!」

 

賛成だった。受け入れてくれた事に喜んでいるのか、エールは笑顔になっていた。

 

「けど、肝心のヴァンの意見がまだないが」

 

「あっ、えっと・・・・俺は・・・・・」

 

勇気を出しているエールの気持ちを無下にしたくない。けど心の何処かで彼女をこれ以上、危険な目に遭わせたくない自分もいる。

 

「どうやら俺達はお邪魔の様だぜ、さっ、プレリーさん、俺達は退散しますよ」

 

「ちょっと、バリアン!何をっ・・・・・・」

 

バリアンはプレリーを連れて行って医務室から出ていった。

 

「ヴァン・・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・・」

 

何で俺はこう、肝心な時に何も言えないんだ。俺がしっかりしなきゃならないのに!

 

お互いに何を言わない状況、その状況から口を開いたのはエールだった。

 

「あねのヴァン、私感謝してるんだ。あの日から、ずっと支えてくれて、凄く嬉しかった。だから私も少しずつ頑張れた。ヴァン、本当に何時もありがとう」

 

「あっ・・・・・・」

 

何だろう、そんな事言われると・・・・・俺まで泣きたくなっちまったじゃないか。嬉しいって言うか、ずっと悩んでたのが馬鹿らしくなってくるぐらいに。

 

「俺さ、正直に言うと賛成したくなかった。お前の事を危険な目に遭わせたくないって、だけど、エールだって頑張ろうとしてるんだ、だったら俺は全力で力になる!」

 

よかった・・・・・・ダメだって言われたらどうしようかと思ったけど・・・・・・ヴァンの口からそう言われると・・・・・・凄く嬉しかった。

 

「ありがとう、それと・・・・・・これからよろしくね」

 

「あぁ!俺の方こそ!!」

 

これからはエールもガーディアンとして一緒に行動するのか・・・・・・・何だか信じられないな、こんな事になるなんて・・・・・・・・

 

勢いあまってか、俺達は互いの手を握っていた。

 

「あっ・・・・・・・ゴメン!」

 

「うぅん、私こそ・・・・・・・・」

 

ヤバい、あの時キスした事を思い出してしまった。多分エールも同じ事思っているのだろうか・・・・・・・?

あの時は、雰囲気っていうか・・・・・・・互いに何かを求めていたってのもあった。

 

「・・・・・・・やはり心配です!」

 

「まぁまぁ、いいじゃないか~健康的な証拠じゃないか」

 

ドアの近くでプレリーが様子を窺っていた。ヴァンとエール2人ッきりでいると何か起きるんじゃないかと心配でしょうがなかった。

 

「バリアン!ガーディアンベースにも風紀ってものがありまして!」

 

「細かい事は気にすんなって、アイツらもそこまで度は過ぎねぇって」

 

バリアンはヴァンを信頼している様だ。流石にそれ以上の事はないと思っている。

 

「・・・・・ゴメン、もちょっとこうしててもいいかな?」

 

エールは俺の胸に体を寄せて来た。きっと疲れてるんだろう。

 

「っく・・・・・しょうがない奴だな」

 

何だかんだでまだ不安がいっぱいなんだろう。だけど体の震えはなかった。

こうやって過ごせる日々を守りたい、それもまたいいかもな。

こうしていると自分でも分かってしまう。俺はエールの事・・・・・・・・・・・・

 

「やっぱ可愛いよな・・・・・」

 

「ん?何?」

 

「あっ・・・・・いやっ!何でもない!」

 

俺は誤魔化した。流石に言うには早すぎるもんな。

 

「おっと、もうそろそろいいか?お2人さん」

 

そこへバリアンが扉から入って来た。

 

「あっ・・・・ワリィ!」

 

「なぁに、気にすんな。それよりプレリー様がお話があるとよ」

 

「ここでいいわ」

 

同時にプレリーもドアを開けて入って来た。

 

「ヴァン、ライブメタルを預けてもらえないかしら?」

 

「構わないけど、なんでだ?」

 

「4つのライブメタルを揃えた所だし、フルーブに頼んで解析したいの。モデルPのリペアもまだでしょ?」

 

「そういえば、そうだった!頼んだよ!」

 

俺はプレリーに持っているライブメタルを全て渡した。

 

「それと、ガーディアンベースも襲撃で大分ダメージを負ったから、しばらく港に止まる事になったの。それまではしばらくお休みね」

 

そっか・・・・・・ライブメタルの解析もあるし、俺もずっと戦い続けてたからな~久々に長い休みが得られるかもな。

 

「それが、ライブメタル?」

 

そっか、エールはライブメタルを見るのは初めてだもんな。珍しい物を見る様にして目を光らせていた。

 

「えぇ、今からフルーブの所に行って解析と修理をしてもらうの」

 

「あっ、じゃぁ私も手伝うよ!」

 

そう言うと、エールはベッドから起き上がり、プレリーと一緒にフルーブのいる研究室へ向かった。

 

「フルーブ、ライブメタルの解析と修理をお願い」

 

ヴァンから受け取ったライブメタル達を、プレリーはフルーブに渡した。

 

「分かりました、この数だと結構時間が掛かるかもしれませんが、出来るだけ早く終わらせるよう精進します」

 

ライブメタルの解析を始めるフルーブの前に、エールが声を掛けて来た。

 

「そのライブメタル・・・・・かなりボロボロだね」

 

傷ついたモデルPを手に取ったエール。そこでフルーブに提案した。

 

「ねぇ、この子の修復、私にやらせて欲しいんだけど、ダメかな?」

 

「手伝って貰えるのは嬉しいのですが、ライブメタルは普通の機械ではないのすが・・・・・」

 

エールの腕前を知らないフルーブ。彼女は胸を張ってフルーブに答えた。

 

「解析とかは出来ないかもしれないけど・・・・・・傷ついたボディを修復するぐらいなら任せて!」

 

「そうですか、ではよろしくお願いいたします」

 

モデルPのメンテナンスをエールに任せ、フルーブは残りのライブメタル、モデルX、Z、H、F、Lの解析に入った。

 

「ゴメンね、すぐに治すからね」

 

研究所の工具を使い、エールはモデルPのメンテナンスを始めた。

 

「なるほど・・・・・コレは興味深いわね・・・・・」

 

ライブメタルをメンテナンスする中で、未知の部分が多くエールは深く感心を抱いていた。

 

「これは凄い・・・・ライブメタルを修理していくなんて・・・・・」

 

その腕に、フルーブは驚いていた。プレリーもまた、驚きを隠せなかった。

 

「よし・・・・・コレで傷は治った・・・・・ハイ!」

 

モデルPのボディの傷の修復を完了したエール。モデルPは浮かび上がりエールに礼を言った。

 

「かたじけない、感謝するぞ、エール殿」

 

「うぅん、私のせいであなたが傷ついちゃったものだから、これぐらい当然だよ!」

 

エールは気づいていた。モデルPが傷ついたのは、ヴァンがパープリルに容赦のない攻撃をしたから、そうなったのは自分にも責任があると。

 

「ありがとうございます、ではモデルPも含め、解析を行います」

 

「頼んだわよ、フルーブ」

 

そうしている間に、港に到着し、ガーディアンベースは止まった。

 

「さて・・・・・しばらくはガーディアンベースの修理も兼ねて、物資を調達しなければなりません」

 

「そっか・・・・・それも大事だもんな」

 

世界中を飛び回るガーディアンベースでは物資の調達を行う機会は中々少ない。そこで港に止まっている間に調達を行うのであった。

そんな時、バリアンがニヤリと笑っていた。

 

「ほほぅ・・・・・だったらこういう機会に司令官さんもお買い物に付き合ってはどうでしょう?」

 

「バリアン!何を言って・・・・・・・」

 

私は司令官なんですよ!それにこんな時に船を離れるワケには・・・・・・・・・・・

 

「少し力が入り過ぎてるんだよ、ほら、ヴァン達もエスコートしてやれ、な」

 

えっ、俺達が!?でもまぁ・・・・・・それもいいかもな。プレリーってずっと司令官として頑張って来たんだ。これぐらいバチは当たらねぇだろ。

 

「そうだな、一緒に行こうぜ!」

 

「うん、それがいいよ!!」

 

「ヴァン・・・・エール・・・・・ではお言葉に甘えて・・・・・」

 

よしよし、司令官様にも羽を伸ばしてもらわないと・・・・・・・・・・

 

『あの子の事を・・・・・頼んだわよ・・・・・バリアン』

 

俺のメモリーの中に古いデータが過ぎった。俺はカプセルの中で眠っていて、外から誰から見ていた。

コイツはひょっとして・・・・・・あぁ、そう言えばそうだったな。

 

「しっかし・・・・・流石にこの格好じゃぁ、目だってしょうがないよな」

 

「わっ・・・・・・分かりました。では着替えて行くから少し待って下さい」

 

そう言ってプレリーは司令室の近くにある自身の部屋へと入っていった。

 

「なぁ?何か企んでないか?」

 

「まさか、俺は良かれと思ってプレリーにあぁ言ったんだよ」

 

ふ~ん、何かバリアンが言うと怪しい気もするが・・・・・・・

 

「お待たせ・・・・・2人共」

 

「おぉ~随分いい服持っているじゃねぇか~」

 

「プレリー・・・・・凄く可愛いよ!!」

 

プレリーが部屋から出て来た。緑色のニットに白いロングスカート姿だった。なんだか大人っぽいって言うか、何時もと雰囲気が違って見える。

 

「そうかしら?実はこれ、初代司令官・・・・・・・お姉ちゃんのおさがり何だけど」

 

プレリーは笑いながらエールに言った。女の子同士の会話って、何だか楽しそうに見える。

 

「それじゃ、行きましょう」

 

「だな」

 

そして俺達はガーディアンベースを出て、街の方へ向かった・・・・・・・・・・・・・・




次回は軽い総集編です。
ヴァンとエールの進展もあったりなかったり・・・・・・・・・


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ロックマンZX Re:File⑰

今回はお買い物&総集編。
ちょっと甘い展開もあったり、なかったり。


俺とエールとプレリーの3人でガーディアンベースの物資を調達する為に、街へ出た。大勢の人で賑わっていて活気が良い。

 

「大分賑わってるよな~」

 

「そうね、えっとまずは・・・・・・・・・」

 

最初に俺達は、修理などに必要な機械の部品を買いに行った。細かいパーツがズラッと並んでいて、俺にはよく分からなかった。

そんな中、エールは目を光らせながらパーツを眺めていた。

 

「このパーツ・・・・・こんな所に売っているんだ~初めて見たわ!」

 

「かなり充実しているわね・・・・これだけあればしばらくは安心して活動出来るわ」

 

思い切って、プレリーは大量の機械のパーツを買っていた。こんな大量の荷物を持って移動するのか、と俺は背筋が凍る様に驚いていたが、レジの後ろに小型のトランスサーバーが設置されており、そこからガーディアンベースまで買った物を転送出来た。

何て便利なんだ!俺は感心した。

 

「これなら荷物を持たずに買い物が進められるわ」

 

「へぇ~こんな便利なものがあるんだね!」

 

それから俺達は食料調達の為に、市場へと移動した。

 

「うひゃ~かなり広いな、迷子にならない様にしないと・・・・・」

 

市場もかなり人が多い、俺も流石に目が回ってしまうぐらいに。

 

「見てください!どれも新鮮でとても美味しそうですよ!!」

 

プレリーは市場の野菜を見て目を光らせていた。

 

「あそこのお肉も!この量があれば、みんなもお腹一杯食べられるわね・・・・・・」

 

ガーディアンベースも人が多いし食料も大量に必要だろう。しかしまぁ、プレリーも中々こういう機会がないのだろう。とても楽しそうだし、こうして見てると普通の女の子だな、と思った。

 

「ふぅ~これだけあれば十分ですね。2人共、どうもありがとう」

 

「いや~俺達大した事してないって」

 

「でも、珍しい物が見れて私も嬉しかったわ!」

 

小型トランスサーバーを見ているとそんなに人は必要か?と思ってしまうが、言わない事にした。

 

「さて、時間も少しあるし、せっかくだしどっか見てくか?」

 

「いいのかしら?それなら・・・・・・」

 

プレリーが指さした先は・・・・・・大型ショッピングモールだった。あそこはブティックや家電量販店など多くの店が並んでいる。

 

「いいじゃねぇか、行ってみようぜ!」

 

「そうだね!」

 

俺達はその足で大型ショッピングモールへ向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、ガーディアンベースでは・・・・・・・・・・・

 

「ニシシ、一度座ってみたかったもんだ」

 

ガーディアンベースに残っているバリアンは、何時もプレリーの座っている、司令官の椅子に座り込んだ。

 

「ふぅ~随分、いい眺めじゃないか。司令官さんは何時もこんな風にしているのか」

 

「全く・・・・・バリアン、サボっているとプレリー様に怒られますよ」

 

オペレーターの1人が、バリアンに忠告した。手を頭の後ろに組んで、椅子を後ろに倒した。

 

「な~に、もうちょっとしたら働きますって、さて・・・・・・アイツら楽しんでいるだろうか・・・・・」

 

バリアンはヴァン達がどうしているか気になっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてショッピングモールでは――――――――――

 

「おぉ・・・・・こんなに広いお店は初めてです!」

 

プレリーは感激していた。何か何もかも初めてって感じだな~やっぱガーディアンの司令官はとても忙しいんだな。

 

「ねぇ、まずはあのお店に!!」

 

「いいね~行こう、行こう!!」

 

プレリーとエールが向かった店は、女の子に大人気のブティックだった。真っ先に店の中に入っていた2人を俺は店の外で見守った。

 

「何やってるのヴァン、アンタも入るの!見てくれる人がいないとつまんないじゃん!!」

 

「ちょっ・・・・・!?俺はいいって!」

 

女の子の店に入るのはちょっと俺にとっては恥ずかしかった。なんだか周りに見られている気がした。

 

「ねぇ、これなんでどう?」

 

「いいわね・・・・早速試着してみましょう!!」

 

服を選んだのか、2人は揃って試着室へ入っていった。俺は少し離れて2人が着替えるのを待った。

 

「ふぅ~アイツらまだかな~」

 

「へぇ~コレは可愛いかもね~」

 

「フフフ~ン」

 

2人が楽しそうに着替えてくるのが聞こえてくる。

 

「ヴァン、お待たせ」

 

まず先に試着室のカーテンを開けたのはエールだった。選んだのは黒とピンクの服に黒いスカート姿。

その恰好を見た俺は胸がドキドキしていた。

 

「どう・・・・・かな?」

 

「あっ・・・・あぁ!結構似合ってんぞ!凄く」

 

「エヘヘ、ありがと!」

 

「お待たせ、私も終わったわ!!」

 

プレリーも試着室から出て来た。青と白のドレスみたいな服に青いロングスカート姿。

何だかちょっと大人っぽい雰囲気だった。

 

「何だか大人っぽく感じるな~」

 

「うん、とっても似合ってるよ!!」

 

「そっ・・・・・そうかしら!」

 

プレリーはとても嬉しそうだった。2人共試着した服を買い、次に行く場所を考えていた。

 

「ん?なぁ、エール。久しぶりに・・・・・・・」

 

俺はゲームセンターの方に目がいった。

俺とエールは昔からゲームセンターにあるブロックゲームで対戦していた。だけどエールはめっちゃ上手すぎて何時も俺が負けてばかりだった。

 

「へぇ~ヴァン、私に今まで勝った事なかったよね?」

 

「まぁな、けど、今度こそ勝ってみせるぞ!」

 

今日こそエールに勝って見せる!実は結構練習してたんだよな~

 

「さて、やりますか」

 

パズルゲームの席に座り、対戦が始まった。プレリーは何が起きるのかをじっくり見る為、エールの方の画面を見つめていた。

 

「よし!これなら今度こそ勝てる!!」

 

最初は俺の連鎖が決まり、エールの方にブロックが集まっていく。しかし、エールは焦り1つ見せない。

悪いがこの調子で勝たせてもらうぜ・・・・・・・・・・

 

「うん、前よりは上手くなってる・・・・・・だけど!」

 

「なっ・・・・・・何だって!?」

 

大量のブロックを次々と動かし、コンボを決めていくエール。そして遂には俺の画面のブロックが枠を超え、ゲームオーバーとなった。またエールに勝てなかった・・・・・・・・

 

「ちくしょう・・・・・また負けた~!」

 

「どう?凄いでしょ!」

 

「何だかよく分からないけど・・・・・・・凄かったわ、エール!」

 

プレリーも興味を示す様にエールのプレイを見ていた。

 

「でも、ちょっと危なかったかな」

 

「悔しい~けど、次は負けないからな!」

 

またもっと練習して次こそは・・・・・・・・・

そんな中、プレリーがクレーンゲームの方に目がいっていた。見つめていたのは・・・・・・・・・

 

「ん、ヌイグルミか・・・・・・・・」

 

小さな熊のヌイグルミだった。

 

「プレリー、コレ、欲しいのか」

 

「えっ・・・・えぇ、可愛かったもので・・・・・・」

 

恥ずかしそうに顔を俺の方とは反対側の方に向けていた。へぇ~そういやプレリーって肩に何時もヌイグルミを背負っていたな。こういう可愛い物が好きなんだな、よし・・・・・・・・・・・

 

「せっかくだから、俺が取ってやろうか?」

 

「えっ・・・・・いいのかしら?」

 

「当たり前だろ、まぁ見てなって」

 

俺はコインを入れてクレーンを動かした。

 

「確かここにハメる様にして・・・・・・ここだ!!」

 

クレーンが掴んだ先は、ヌイグルミのお腹の方だった。これじゃ取れないんじゃないか、とプレリーは首を傾げていた。

 

「よし!これなら・・・・・・・・」

 

クレーンの爪先は、ヌイグルミのタグの輪っかに引っ掛かり、ガッチリヌイグルミを掴んで見事一発でゲットした。

 

「凄い・・・・こんな一発で取れるなんて・・・・・・・・」

 

「ヴァンって、クレーンゲームは得意だもんね」

 

「ハイ、これだろ?」

 

ヴァンから熊のヌイグルミを受け取ったプレリーはとても喜んでた。

 

「ありがとう・・・・・ヴァン!」

 

ヌイグルミを抱きしめ、プレリーは子供の様にはしゃいでいた。

 

「おっと・・・・・バリアンからだ」

 

そんな中、バリアンから通信が入った。

 

『お楽しみの途中悪いが、そろそろ戻ってきた方がいいんじゃないか?』

 

気が付けば夕方になっていた。夢中になり過ぎて時間なんて気にしていなかった。

 

「そういや・・・・・ワリィ!すぐ戻るわ!!」

 

『なるべく急げよ~』

 

「2人共、そろそろ暗くなるし、戻らないと!」

 

「もうそんな時間なのね・・・・そうね、戻りましょう」

 

こうして俺達はショッピングモールを出て、港に止まっているガーディアンベースに戻っていった。

 

「今日はありがとう、とっても楽しかったわ」

 

「いやいや、俺達も楽しかったぜ、なっ!」

 

「うん!またこうやって遊ぶのもいいかもね!!」

 

「えぇ・・・・・イレギュラー発生がなくなれば、いつでもまたこうして遊べるわね」

 

そうだな・・・・・・こんな平和な日々を守る為に、1日でも早くセルパンの野望を止めないと・・・・・・・俺が・・・・・・俺達の手で!

 

「ふぅ~仕事が忙しくて腹減っちまった~」

 

バリアンはお腹を押さえて座り込んだ。

 

「何言ってるんですか、貴方、大分サボってた様子でしたが?」

 

オペレーターの1人に言われたことが刺さったのか、バリアンは背中を丸めていた。

 

「酷いな~俺だってちゃんとしたじゃないか~」

 

「プレリー様の席に座って私達を眺めているのが仕事ですか?」

 

「全く・・・・・バリアン、しっかりしてください!貴方にも頼りにしているんですから」

 

「へぇ~何だかんだで俺の事認めてくれちゃってるのか~」

 

まぁ、バリアンもガーディアンとしてイレギュラーと戦ってるワケだし、ちょっとは俺も関心している方だ。

 

「それより腹減ってよ~飯はまだか?」

 

「もしかしてご飯まだなの?だったら私に作らせてよ!」

 

エールは立ち上がった。そういや、前にプレリーもエールのご飯を食べてみたいと言ってたし・・・・・丁度いいんじゃないか?

 

「ヴァンから前に聞いて、一度あなたの作る料理を食べてみたかったの!お願いしてもいいかしら?」

 

「うん!任せて!!」

 

エールは張り切って食堂の方へ向かった。

時間が経つ度に、食堂からいい匂いがしてきた。これだけでお腹いっぱいになるぐらいに。

それから1時間が経過した・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「お待たせ~ガーディアン全員分となると、かなりの量だったから、作り甲斐があったよ~」

 

エールが作っていたのは、カレーだった。確かに、みんなで食べるんならカレーは持ってこいだ。

 

「フルーブ!少し休んで食事にしましょう」

 

「はっ!もうそんな時間でしたか。今行きますよ」

 

研究室に籠っていたフルーブも呼び、食事に入った。

 

「ん~~~~!!とても美味しいわ!」

 

「おぉ~こりゃ絶品なもんだ」

 

プレリー達が一口カレーを食べると、頬を抑えながら幸せそうな顔をしていた。

 

「うん、コレは美味い!」

 

「こんな美味いモンは久しぶりだ!!」

 

他のガーディアンのメンバー達も大満足だ。あぁ、やっぱエールの作るご飯は最高に美味しい!!

 

「なんだか、嬉しいなぁ。こんなに大勢の人に喜んでくれるなんて・・・・・・」

 

エールは笑みを浮かべながら、目が潤んでいた。

食事も終わり、今日はガーディアンベースで一晩を過ごす事にした。プレリーが用意した隊員達の空き部屋に入ろうとした時、エールが声を掛けてきた。

 

「ねぇ、ヴァン。明日、行きたい場所があるんだけど、大丈夫かな?」

 

「ん?あぁ~しばらく船は止まってるし多分大丈夫じゃないか?」

 

エールが行きたい所、一体どこなんだろう・・・・・・・・・・・?

 

そして、1日が過ぎ、朝を迎えた・・・・・・・・・・・

 

「おはよ」

 

「ヴァン、寝ぐせが凄い」

 

鏡を見て見ると、俺の寝ぐせはとても跳ねていて凄かった。よく見れば、エールも大分髪が跳ね上がっているけど。

 

「そういうお前も、随分寝ぐせが酷いぞ」

 

「あ・・・・・ホントだ」

 

互いの寝ぐせを見て、俺達は笑った。あまりにも可笑しかったものだから。

 

「それで、行きたい所ってどこだ?」

 

「えっとね・・・・・・」

 

寝ぐせを直し、エールが向かった先はトランスサーバーだった。

 

「トランスサーバーで一体、何処へ行くって言うんだ?」

 

「実は・・・・・・・・・」

 

トランスサーバーを起動させ、俺達は転送されていった。その場所は・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ここは・・・・・・・エリアA?」

 

広い森、聳える高い山、ここは俺が初めてモデルXと出会ったエリアAだった。

エールはここに何をしに来たんだ?

 

「見ておきたい場所があるの」

 

そう言うと、エールは山の方へ登っていった。しばらく登ると、頂上に辿り着いた。ここは・・・・・・・・・・

 

「あそこから見えるんだね、セルパン・カンパニーって」

 

あぁそうだ、ライブメタルを運ぶ時、俺はこの場所でセルパン・カンパニーを眺めていた。

あの日から、俺はロックマンとして戦う事になったんだ。

 

「俺も、ここからセルパン・カンパニーを眺めてたんだよな、あの日」

 

プレリー達ガーディアンと出会い、先輩がモデルZの適合者としてずっと戦い続けて来た事も、あの日俺は全てを知った。

そして先輩は・・・・・・・・・・・・・・

 

「今思うと懐かしいもんだな、俺、こっからイレギュラーに落とされたんだよ」

 

「そうだったんだ・・・・・・・大丈夫だったの?」

 

「まぁ・・・・・そういや何で無事だったのか、自分でも覚えてないな」

 

先輩からモデルZを託され、俺はガーディアンとして戦う事を決めた。最初にバリアンに出会った時は先輩を悪く言ったり、乱暴的な奴で腹が立ったが、何だかんだ機転が利く奴で、子供や子犬を守る為に危険な所に飛び込む所もあって、俺達は互いに認め合っていった。

そして・・・・・・エールがプロメテ達にさらわれて・・・・・・・あのフォルスロイド、パープリルに酷い目に遭わされた。

 

「エール、ゴメンな。俺がちゃんと話してなかったから、お前をあんな目に・・・・・・・・・」

 

「大丈夫だよ、あの時、ヴァンが助けてくれて・・・・・・・・私、嬉しかった」

 

でも、まさかエールもロックマンになれるなんて思いもしなかった。これからは一緒に戦うんだよな。

セルパンの野望を阻止する為にも、モデルVを奴らより先に見つけなければ・・・・・・・・・・・・・

 

「ねぇ・・・・あの時の事・・・・・・」

 

あの時の事・・・・・・・?まさか、ひょっとして・・・・・・・・・

 

「えっと・・・・・あの時は・・・・・・」

 

「ヴァン・・・・・・・・・」

 

エールが俺に顔を近づけてきた。これってもう一回・・・・・・・って事なのか?俺は目を瞑った。もちろん、受け入れるつもりだ。

 

「・・・・・・・エイっ!」

 

すると、エールは俺の額に自分の額をぶつけて来た。拍子抜けした俺は尻餅を着いてしまった。

 

「エヘヘ、引っ掛かった?」

 

「った~お前な・・・・・・・・」

 

俺は何を期待してたんだ?って、そりゃそうだ。だって俺達はそういう関係じゃないから・・・・・・・・・

 

「さっ、戻ろっか」

 

「あっ・・・・・・あぁ」

 

結局何だったんだ?まぁ、エールがこんなに元気な様子を見ているだけで俺はどこか安心していた。

 

はぁ、やっぱりまだ言えないよね。あの時、ヴァンの方からキスされた時、驚いていた。嫌だったワケじゃない。でも、私達はまだそういう関係じゃないから、でも嬉しかった。

全てが終わったら言おうと思う。ヴァン、アナタの事が好きだって・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あの後、ガーディアンベースに戻り、プレリーに呼ばれ、司令室へ向かった。

 

「2人共、もうじきガーディアンベースは出発できる様になるわ。その前に、ライブメタルの解析が終わったからその報告を」

 

「何か、分かった事があるのか?」

 

「えぇ、残念だけど、まだ4つのライブメタルのパスコードを知る事は出来なかったわ」

 

「何だって!?それじゃどうすれば・・・・・・・・・」

 

「落ち着いて、どうやらライブメタルは2つに分けられているらしいの。恐らく、もう4体フォルスロイドがいるって事ね」

 

あんな奴らがまだ4体もいるのか・・・・・・・・・・やはりそう簡単にはやらせないってか。

 

「今、ガーディアンベースでもライブメタルの反応を探している所だわ。それと・・・・・・・フルーブ」

 

「ハイ」

 

司令室にフルーブが入って来た。そしてエールに何かを渡した。

 

「コレは?」

 

「モデルXのコピーです。どうやらエールさんもヴァンさんと同じく、モデルXに選ばれたと言う事なので」

 

モデルXのコピー、見た目は一緒だが、所々が黄色いラインが入っていた。違いはそれぐらいだった。

 

「ただ、オリジナルのモデルXが変身していないと、現状使う事が出来ないんです。もうちょっとデータを集められれば、単独でも使う事が出来るのですが」

 

「ヴァンとエールが一緒に戦える様に、私がお願いしたの。ヴァン、エールの事を頼んだわよ」

 

「あぁ、任せてくれ!何か分からない事があったら、俺が教えてやるよ!」

 

「うん、頼りにしてるね!」

 

「ただ、他のライブメタルは1つづつだけなので、2人が同じライブメタルを使えない事は覚えておいてください」

 

「了解ッ!」

 

つまり俺がモデルZXになっていると、エールはモデルZを使えないって事か。気を付けないとな。

 

「いいな~なぁ、フルーブさんよ~俺の分も作ってくれよー」

 

バリアンがフルーブにせがむ様に言った。

 

「無茶言わないでください!大体あなたはライブメタルに選ばれていないんだから」

 

「ちぇっ、だったらよ、せめて新しい武器が欲しいかな~」

 

「新しい武器ですか・・・・過去のガーディアンのデータベースを辿れば何かいい武器が見つかるかもしれません、ちょっと待っててください」

 

そう言うと、フルーブは研究室に戻っていった。

 

「全く・・・・・けど、バリアンにもしっかり2人のサポートを頼むつもりだったので戦力強化は持ってこいね」

 

「だろ?まぁコイツらのお守は任せておけって」

 

「っく・・・・・・・・・なぁ、エール。少し慣らしておいた方がいいんじゃないか?」

 

「そうだね・・・・・お手柔らかにお願いね!」

 

そう言って俺達はトレーニングルームへ走っていった・・・・・・・・・・・・・・・・・・




次回からミッション後半戦のスタート!
次のミッションは何から始めようか・・・・・・・・・・・


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ロックマンZX Re:File⑱

遂に後半戦のスタート。最初のミッションは何かな?


「ヤァっ!」

 

モデルXに変身しているエール。バスターを撃つ練習をしており、ヴァンがその様子をしっかり見ていた。

 

「もうちょっと、狙いを定めて。集中するんだ」

 

「集中・・・・・集中・・・・・」

 

目を瞑って心を落ち着かせ、軸がブレない様にしてバスターを構え、一気に放った。

 

「おぉ~随分センスあるな」

 

エールの放ったバスターは見事的の真ん中部分である、赤いマークに命中した。

 

「凄いじゃないか!俺が初めてやった時よりも上手な気がするよ!」

 

「そう?何か頑張れそうな気がするよ」

 

ヴァンに褒められ、嬉しそうに笑うエール。それからモデルZX、HX、FX、LXも試してみた。そして・・・・・・

 

「じゃぁ、コレも試してみようか」

 

「うん!」

 

モデルPを受け取ったエールは、そのまま前に突き出し、光に包まれた。

紫色のロックマン、モデルPXへと変身した。

 

「どうだ?俺も見るのは初めてだからさ」

 

「えっとね・・・・・・あっ、あそこに隠し通路がある!」

 

エールは壁の方に指をさしていた。ヴァンは流石にそれはないなと笑いながら、指さす方へ向かった。

 

「まさか~そんなこんな場所にあるワケ・・・・・・・・えっ!?」

 

壁に手を当てると、スイッチを押したのか、突然壁が開き、通路が現れた。

 

「こりゃ、驚いたな。こんな隠し通路を見破れるとは」

 

「この中にセンサーがあるらしくて、隠し扉とかを見つけてくれるの」

 

これがモデルPの力か・・・・・・中々役に立ちそうだな~

俺達が話していると、プレリーから通信が入った。

 

「みんな、集合して!ライブメタルの反応を検知したわ!」

 

俺達は急いで司令室へと向かった。

 

「ライブメタルの反応が出たって本当か!?」

 

「えぇ、場所はここよ」

 

モニタ―が示していたのは、エリアEの近くの古い施設のあるエリアIだった。

 

「それと、この付近で何やら不思議な現象が起きているらしいの」

 

不思議な現象?一体何なんだろうか・・・・・・・・・・・?

 

「この施設から不気味が声が聞こえるらしいの。それにここに訪れた人達が次々と行方不明になっているらしいわ」

 

何だって・・・・・・・・・・それって、イレギュラーによってさらわれているって事なのか!?

だとしたら早く助けにいかないと・・・・・・・・・

 

「オイオイ、それってよ・・・・・・お化けなんじゃねぇか!?」

 

急にバリアンが震えながら体を埋めていた。何やってんだ?

 

「冗談じゃねぇぜ・・・・・お化けのいる所に行くなんて冗談じゃないぜ!!」

 

「オイ、何言ってんだ!そんな馬鹿な事が・・・・・・・」

 

「不気味な声が聞こえて、ヒトが次々といなくなる、そんなのお化けの仕業に決まってるじゃねぇか!!」

 

バリアンは酷く怯えているのか、声が震えていた。

 

「もしかして、バリアンってお化けが苦手なんじゃ・・・・・・・・」

 

「あら・・・・・そんな一面があったのね」

 

プレリーとエールは笑っていた。いや、流石にバリアンがお化けが苦手だってのを聞くと・・・・・・・・流石に俺も笑ってしまう。

 

「何だよ、そんなに怖がって、本当にお化け何ているワケないだろ~」

 

「そうよ、とにかく、何があるか分からないから3人共、気を付けて」

 

「マジかよ・・・・・・・俺も行くのかよおおおおおおおおおおおおおお!!」

 

俺とエールはミッションへ向かうのを嫌がるバリアンの手を引っ張りながら、トランスサーバーまで向かい、エリアIへと転送された――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

エリアI――――――――――――――――――――

 

「うわぁ・・・・・・酷い雨だな」

 

吹きすさぶ暴風雨に錆びれた施設。確かに何がいてもおかしくはないけど・・・・・・・・

 

「ホラ、行くぞ。外になんていたら風邪引いちまう」

 

「うわぁ・・・・・いかにも出そうだよ・・・・・絶対お化けが出そうじゃねぇか!!」

 

だから、お化け何て出るワケないって・・・・・・・・・そんな中俺達は雨の中を掻い潜り、建物の中へ入っていった。

中は暗く、まともに見えたもんじゃない。

 

「暗いな・・・・・これじゃ前に進めたもんじゃない」

 

「待って・・・・・・これなら見えるんじゃ・・・・・」

 

エールはモデルPXに変身した。そのままエールは前が見える様に先へ進んでいった。

 

「うん、良く見える。2人共、着いてきて」

 

「これは頼りになるな~」

 

暗くて見えない以上、エールを頼りに先へ進むしかなかった。バリアンの奴、エールの肩を掴みながら歩いてやがる・・・・・・・全く、本当にお化けが出るワケがないってのに・・・・・・・・・・

 

「うわぁ・・・・・ヤバいって・・・・本当に出るって・・・・・コレは」

 

「お化け何ているワケないでしょ。ホラ、扉が見えた」

 

ようやく暗い所からおさらばだ・・・・・・・・・エールが扉を開け、更に先へ進んだ・・・・・・・・・・

 

「それにしてもやけに静かだな・・・・・・流石に不気味だな・・・・・」

 

イレギュラーもいる様子はない。俺達の足音以外、何も音はしない。こればかりはエールもこれには不安を感じていた。

 

「早く終わらせようぜ・・・・・・・こんな所、いてたまるか・・・・・」

 

「だな・・・・・さっさと終わらせ・・・・・・・・」

 

静かな空間の中、突然、何かが飛び去る様な音が聞こえた。俺は警戒する様にして、後ろを振り向いた。

 

「なっ・・・・・何!?」

 

「分からない、だが何かいる。気を付けろよ・・・・・」

 

「やっぱりいるんだよ!!コイツはお化けの仕業だって!!」

 

そんな事言ってる場合じゃないぞ・・・・・・・やっぱりイレギュラーがいるんだ!

すると、突然何かが飛んでくるのが見えた。ZXバスターを構えるが、上手く狙いが定まらない。

 

「気を付けろ!イレギュラーだぞ!!」

 

現れたのは、ライオンの頭に大きな羽の生えたキメラみたいなイレギュラーだった。

 

「ここは俺に任せろ!!2人は先へ行ってくれ!」

 

俺はあのイレギュラーの相手を引き受ける事にした。

 

「バリアン、エールを頼んだぞ!!」

 

「いっ・・・・・行こう!」

 

「あっ・・・・・・あぁ」

 

モデルFXに変身したヴァンの方を振り返りながら、エール達は奥の扉へ進んでいった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ハァ・・・・・・ハァ・・・・ヴァン、大丈夫かな?」

 

すぐ倒して戻って来るよね?きっと・・・・・・・・大丈夫、私はヴァンを信じている。必ず戻って来るって。

 

「それにしても・・・・・・バリアン、もう大丈夫でしょ?」

 

「あっ・・・・・・あぁ、やっぱりお化け何ているワケないもんな!!」

 

調子に乗る様にしてバリアンは立ち上がった。その瞬間突然雷が鳴り、2人して驚いてしまった。

 

「キャッ!?」

 

「うわぁ・・・・・・っ!?ビックリさせんなよ・・・・・」

 

一息ついて銃を構えるバリアン、雷は鳴り続けている中、何やら影が見えた。

 

「何だい?まさか奥にいる奴らを助けに来たってのかい?」

 

コレは・・・・・・・フォルスロイド!?こんな時に・・・・・・・・・・・首の長い扇風機みたいな奴・・・・・・ここは私がやらないと―――――――――――――――!?

 

「うわああああああああああああああああああああああ!!お化けだあああああああああああああああああああああああああああああ!!」

 

「誰がお化けだ!!失礼なオッサンだね!」

 

バリアンはフォルスロイドをお化けだと勘違いして、驚きながら、腰を抜かしていた。

それを聞いたフォルスロイドもあまりの驚きに怒っていた・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 




バリアンは意外とお化けが苦手、また意外な一面が見られましたね。
ハリケンヌを前にエールはどう戦うのか?お楽しみに!


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ロックマンZX Re:File⑲

ハリケンヌ戦の後半、果たしてどう決着が付くか・・・・・・・・・・・・
そしてお化けは現れるのだろうか?


「誰がお化けだ!!失礼なオッサンだね!」

 

驚くバリアンにツッコミを入れる様にして腕を突き出すフォルスロイド。

ヴァンが来るのを待っている時間もない、私がやらなきゃ・・・・・・・・!

 

「まぁいいさ、このモデルHのフォルスロイド、ハリケンヌ様がアンタ達を切り刻んでやるから覚悟しな!!」

 

「くっ・・・・・来る!」

 

私はクナイを投げつけ、ハリケンヌの様子を窺う。

流石にこの程度の攻撃じゃ大したダメージにはならないと思うけど・・・・・・・

 

「フンっ!そんな攻撃、かゆくもないよ!これでもくらいな!!」

 

ハリケンヌは首から電気を纏った衝撃波を、私達に向けて放った。

間一髪避ける事は出来たが、バリアンは体制を崩し、奥の扉の方まで転がっていった。

 

「ってて・・・・・お化けじゃねぇなら、ぶっ潰すのに限るよなぁ!!」

 

立ち上がったバリアンはマシンガンを、ハリケンヌに目掛けて発射した。

 

「フンっ!ビビッてると思ったら、案外度胸のあるオッサンじゃないか!!」

 

右手でマシンガンの弾を弾きながら、ハリケンヌは電気の球を、バリアンに向かって投げた。

 

「だから・・・・・・どいつもコイツも俺をオッサン呼ばわりするんじゃねぇ!!お兄さんって呼べ!!」

 

いや、ヴァンの話だとバリアンはガーディアンの初代司令官が現役の時代にも活動していたレプリロイドだし、あながちオッサンなのは間違いじゃないのでは・・・・・・・まぁ、見た目は若いんだけどね。

 

「全く・・・・・しつこいオッサンは嫌われるよ!!」

 

「生憎、嫌われモンわ慣れているんでね!!」

 

バリアンが上の方を見た、それに釣られてハリケンヌもバリアンの見ている方を振り向く。

するとそこには、飛び上がったエールが目に入った。

 

「ここなら―――――っ!!」

 

私は数本のクナイを手裏剣型にくっ付けてハリケンヌの腹部に向かって投げた。

 

「くっ・・・・・生意気なんだよ、小娘が!!」

 

「きゃっ!?」

 

ハリケンヌの腕の鎌が私の足を斬り付け、地面に叩きつけられる様に落下した。

 

「うぅ・・・・・・・っ」

 

斬られた足を抑えながら私は立ち上がった。その様子を心配してバリアンが走り出したが・・・・・・

 

「けて・・・・・・・」

 

「なっ、何だ!?今度こそお化けじゃないよな!」

 

バリアンのいる後ろの扉の方から、唸るの様な声が聞こえだした。バリアンってば・・・・・まだお化けだと思ってるの?

でも、この声・・・・・・もしかして!?

 

「お化けなんかじゃないよ!!この声、もしかしたら行方不明になった人達が助けを求めてるのかも!!」

 

プレリーが言っていた。ここに訪れた人達が次々と行方不明になっているって。だとすればあの声はそれしかないよ!!

 

「バリアン、私がコイツを引きつける、だから奥にいる人達をお願い!」

 

「あっ・・・・・あぁ!あんま無茶すんなよ!」

 

「誰が行かせると思っているんだい?そうはさせないよ!!」

 

バリアンを行かせまいと、ハリケンヌは腕の鎌を振り下ろそうとした時、突然動きが留まった。

 

「なっ・・・・足が凍っている!?一体何なんだい?」

 

「さぁ、早く!!」

 

私はモデルLXとなり、ハリケンヌの足を凍らせた。だけど時間は長く持たない。

その間にバリアンは奥の方へ入っていったのを私は確認した。

 

「全く・・・・・やってくれるじゃない!絶対に許さないからね!!」

 

そう言うと、ハリケンヌは自身を中心に大きな竜巻を発生させた。

 

「刻んでやるよ!!」

 

竜巻の周りから、巨大な衝撃波が無差別に発生した。

私はそれをハルバートを回転し、氷の壁を発生させ防ごうとした。

 

「お願い・・・・・・持って・・・・・・」

 

足の傷が痛み、上手く力が入らない、何とか防いでいるが、徐々に氷の壁にヒビが入りだした。

 

「アハハハ!!随分もろい壁だね!そのまま氷事貫いてやるから、覚悟しときな!」

 

もう少し・・・・・・もう少しだけ耐えて!せめて、バリアンがみんなを助ける間だけでも――――――――――!!

氷の壁は徐々に粉砕していった。このままじゃ・・・・・・・・

 

「もう終わりかい?アンタの次はあのオッサン共々、囚われた奴らに恐怖を与えてやろうかね」

 

・・・・・・・・嫌だ、もうこれ以上、私みたいに心に傷を負った人達を増やしたくない!!

だれも悲しませたくない!その為に私は――――――――――!!

 

「なっ・・・・・どこにそんな力が残っているんだい!?」

 

砕きかけた氷の壁は再び凍り出し、再生した。

私は無意識だった。みんなを守りたい、ただそれだけだった。

 

「調子に乗るんじゃないよ!こっちもフルパワーで行くよ!!」

 

ハリケンヌが更に竜巻の威力を上げようとしたその時――――――――――!!

 

「なっ・・・・・・・・!?」

 

「ワリィ、遅くなった」

 

「ヴァン!!」

 

ヴァンがモデルHXのダブルセイバーから発生させたソニックブームがハリケンヌの両足を貫き、切断した。

 

「よかったぁ・・・・・・・・」

 

私は安心してしまったのか、膝をついてその場に座り込んだ。

 

「エール!モデルLを貸してくれ!!」

 

「わっ・・・・・分かった!!」

 

変身を解除した私は、モデルLをヴァンに渡した。

 

「コイツで止めだ!!」

 

ヴァンがモデルLXとなり、竜巻の中に飛び込む様にして落下していった。そして、ハルバートに氷のエネルギーを加えながら、ハリケンヌに向かって突っ込もうとする。

 

「この・・・・・突然現れてこんな事・・・・・・ふざけるんじゃないよ!!」

 

ハリケンヌは抵抗しようと、腕の鎌を突きあげる。しかし――――――――――!

 

「くらえ――――――――――っ!!」

 

氷のエネルギーを加えたヴァンのハルバートは、ハリケンヌの背中を突き刺し、下半身まで貫通していた。

 

「くっ・・・・・・アタシを止めた所で、モデルVの覚醒は止まらないさ。精々無駄な足掻きに励むんだな・・・・・アーハッハッハッハッ!!」

 

高らかに笑いながら、ハリケンヌは爆散した。

モデルHが飛び出し、ハリケンヌの体内のエネルギーを吸い取っていた。

 

「俺の力は完全に戻った。礼を言おう。だがパスコードの復元には時間が掛かる、しばらく待ってくれ」

 

そっか・・・・パスコードを復元すんのに時間が掛かるのか。モデルHを手に取った俺はエールの方に向かった。

 

「エール、大丈夫か?よく頑張ったな」

 

俺はエールの頭を撫でた。顔を赤くしながら、下の方を向いていた。

 

「うん、みんなを守る為だって思ったら力が湧いてきて」

 

俺は安心していた。バリアンもいるけど、1人じゃ不安だったのかもしれないって思って急いで駆けつけたが、ちょっとゆっくりでもよかったかな?

 

「それで、バリアンは何処にいるんだ?まさかお化けが怖くて隠れたんじゃ・・・・・・」

 

「違うよ、ホラ」

 

俺はエールの指さす方を振り向いた。そこにはバリアンと囚われたであろう人達が沢山いた。

 

「ホラ、ちゃんと助けてやったぜ」

 

自信満々に言ってくれちゃって、さっきまでお化けが出るんじゃないかとか言ってビビってたくせに。

 

「ありがとう・・・・・あと少しで僕達もサイバーエルフにされる所だったよ」」

 

眼鏡を掛けた黒い髪の男が俺達に礼を言った。

 

「それは・・・・・・どういう事なんだ?」

 

「アイツら、僕達からデータを抜き取って、サイバーエルフを作ろうとしていたんだ。僕達を酷いくらい怖がらせてね・・・・・・」

 

そんな事をしてやがったのか・・・・・・・・これもセルパンの指示なのか・・・・・でもよかった。この人達を助けられて。

 

「だけど・・・・・・他に囚われていた人達がサイバーエルフにされるのを・・・・・僕達は見ているしか出来なかったんだ」

 

その話を聞いていると、プレリーから通信が入った。

 

『そういう事ね・・・・・・あの発電所のサイバーエルフはここで作られていたんだわ・・・・何て酷い事を・・・・・』

 

「でもまぁ、1人でも多く救えたんだ。それが何よりだろ?」

 

まぁ・・・・・そうだな。だけど助けられなかった人達の事を考えると、胸が痛くなった。

 

「ヴァン・・・・・・」

 

胸を抑える俺の手を、エールが握った。一刻も早く、奴の野望を止めないと・・・・・・・・

 

『この人達は私が街まで転送するから安心して、3人共、ご苦労様』

 

囚われていた人達は、プレリーによって転送された。

 

「さて、俺達も戻ろうぜ」

 

「あぁ・・・・・・・」

 

これでここでサイバーエルフが作られる事もないし、利用される事もない。

これでよかった。よかったんだ。

 

「って、エール、その怪我・・・・・・!」

 

俺はエールの足の傷に気が付いた。こんなに怪我にも気づかないなんて・・・・・・・・・

 

「あっ・・・・さっきね、でも大した事ないよ」

 

俺を心配させまいと元気に歩こうとするが、足に力が入らなかったのか、エールは転びかけてしまった。

 

「オイっ!大丈夫か?」

 

転びかけたエールを俺は手で支えた。

 

「あっ・・・・・ゴメンね。ちょっと我慢していた」

 

俺に笑いながら言い返した。俺がもう少ししっかりしないと・・・・・・・・・

 

「ホラ、さっさと帰って手当すんぞ!」

 

バリアンを先頭に、俺達はトランスサーバーへ歩いていった・・・・・・・・・・・・・・・・




間一髪でヴァンが駆けつけ、見事ハリケンヌを撃破!
そして次のミッションは2つに並行して行われる、その内容とは・・・・・・・?


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ロックマンZX Re:File⑳

今回はヴァンとエール、バリアンに分かれ2つのミッションが並行して行われます。
果たして何が起こるのか――――――――――


「痛いよー!」

 

転んで足を擦りむいたエール。擦りむいた足を抑えながら、泣いていた。そんな彼女をヴァンは背中を向けておぶろうとしていた。

 

「ホラ、乗って」

 

「うん・・・・・・」

 

エールはヴァンの背に乗った。沈む夕日の中、エールを背負いながら歩くヴァン。倒れそうになりながらも、必死に堪えて歩き続けた。

 

「大丈夫?重くない?」

 

自分が重いんじゃないかと、ヴァンを心配するエール。

 

「平気、平気!エールは軽いもん!」

 

自分がしっかりしないといけない、そう思いながらヴァンは歩いていった・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・・夢か」

 

ベッドから起き上がるヴァン。幼い頃の夢を見ていた。頭を掻きながら、ヴァンは起き上がる。

 

それにしても懐かしい夢だな。確かエールと出会ったのも・・・・・・・・・あの日だったな。

 

俺が公園で遊んでいた時、1人で砂の城を作ってたエールを見て、俺が声を掛けたんだ。「一緒に遊ぼ!」って言ったら嬉しそうに立ち上がって一緒に遊んでた時、エールが転んじまったんだっけな。それで俺はアイツをおぶって家まで帰ったんだ。

何とビックリ、家が同じマンションだったんだよな。それを知った俺達はあれからよく一緒に遊んだもんだな。

 

「懐かしいなぁ・・・・・」

 

俺は飾っていた写真立てを手に取った。そこには俺とエール、そして母さん達と一緒に取った写真だった。

あの日以来、俺達はしばらくは先輩の所で世話になった。それからは・・・・・・・・エールと一緒に暮らしてたんだ。

 

「おはよぉ・・・・・・」

 

欠伸をしながら、俺は甲板に入ってった。

 

「あっ、おはよう、ヴァン」

 

エールは俺より早く起きて、準備運動をしていた。

足に包帯を巻いているが、痛みはないと言う。

 

「随分、張り切ってるんだな」

 

「そんな事ないよ、ただ・・・・ちょっと強がってるだけかも」

 

「え・・・・・・?」

 

「本当はね、あの時もちょっと怖かったんだ。だけど私も戦うって決めたんだもん。頑張らなきゃって思って」

 

そうだったんだ・・・・・何か1人で考えてたのがバカみたいだ。エールだってこうやって頑張ろうとしてるんだ。

俺1人が頑張るんじゃない、一緒に頑張るんだ。

 

「そっか、俺も無理してた時があるからさ、分かるよ。だから無理するなら、一緒にしようぜ」

 

「そうだね、そっちの方がちょっと嬉しいかも」

 

なんか照れくさいな、こういうの・・・・・・しっかし、風が気持ちいな~空の上だし、飛んでるんだし、当たり前か。

 

それからしばらくして、俺達はプレリーに呼び出されて司令室へ入っていった。

 

「2人共、ライブメタルの反応を検知したわ。場所は・・・・・・・・・・」

 

プレリーが示した場所、そこはエリアJ。ここはセルパン・カンパニーが開発した海底トンネルのある所だ。

 

「それと、以前エリアFで発見したデータディスクと同じ反応もあったの。とにかく、海の底にあるから、2人共気を付けてね」

 

「2人?今回はバリアンは一緒じゃないのか?」

 

「えぇ、彼には別のミッションを頼んでいるの」

 

一体何のミッションを頼まれたんだろう?まっ、俺達も今あるミッションに専念するだけだ。

 

「海底トンネルまで向かうのに、街の港にボートを手配したわ。情報によると無人島にトンネルへ向かう入り口があるらしいのだけど・・・・・・・」

 

「無人島に行かなきゃいけないんだ・・・・・・かなり骨が折れそうだね」

 

「だな、とにかく、俺達はすぐに向かうよ」

 

「えぇ、気を付けてね」

 

こうして俺達はエリアJへ向かう為、エリアG付近の港まで、トランスサーバーを使って転送して向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

エリアG港付近――――――――――

 

「えぇっと・・・・・・確かこの辺りに・・・・・・・」

 

俺が港の方を見渡していると、ガーディアンの隊員である男がこちらに手を振って呼んできた。

 

「2人共、こっちだ!」

 

「コレで島まで向かうのか・・・・・・・」

 

「海底トンネルのある島は発見できた。このルートまで行くんだ」

 

俺はガーディアンの隊員から、端末機を受け取った。画面には1つの島に赤いマークが示してあった。ここに入り口があるんだな。

 

「結構遠いんだね」

 

「恐らく辿り着く頃には夜になるかもしれない、サバイバル道具はこのコンテナの中にある。とにかく、気を付けるんだぞ」

 

「了解っ!」

 

俺達はボートに乗り込んで、エンジンを起動させ、海の方へ出発した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、バリアンは・・・・・・・・・・・

 

「ふぅ、ここがセルパン・カンパニーか」

 

紫色のスーツを着て、眼鏡を掛けた姿で、エリアDにあるセルパン・カンパニー本社に来ていた。

 

『バリアン、セルパンカンパニーに着いたかしら?』

 

プレリーから通信が入った。首に掛けていたカメラをイジりながら通信機に手を当てた。

 

「あぁ、こんなにデカいとは思わなかったぜ」

 

「それじゃぁ、予定通りに頼むわね」

 

「あいよ、全く、とんでもねぇ事押し付けてくれるぜ」

 

「会見の参加の方、こちらの方に移動してください」

 

本社の裏口の方から、セルパン・カンパニーの社員がカメラを持った人達を呼んでいる。

 

「さて、そろそろお時間ですか・・・・・・・」

 

バリアンもそっちの方に向かって歩いていった。その先は・・・・・・・・・・・・・

 

「それでは皆さん、セルパン様が来るまでしばらくお待ちください」

 

記者会見を行う為の特設ステージだった。バリアンは席に座り、メモを取り出す。

 

「さて・・・・・もう少しでお出ましになるか」

 

今日はセルパンが何やら緊急会見を行うという情報を確認したガーディアンは潜入の為、バリアンを向かわせたのであった。

 

「皆様、お待たせしました。まもなく会見が始まります」

 

扉から現れたのは、緑色の髪に眼鏡を掛けた赤い目をした女性、パトラであった。

 

「アイツが、エールが言ってた女か・・・・・結構いい女じゃないか」

 

バリアンがパトラの方を眺める様にして見つめた。

その時、扉からセルパンが入って来て、ステージ台の方へ立った。

 

来やがったな・・・・・・随分と偉そうになりやがって・・・しかし、こうして面と向かって会うのは何十年ぶりだろうか。

何があったかは知らねぇが・・・・・・・・ロクな事を考えてねぇだろうな。

 

「皆様、大変長らくお待たせいたしました。本日は皆様に見せたいものがありましてお招き致しました」

 

セルパンがリモコンを手に取り、操作した。モニターに映し出されたのは・・・・・・・・・・・・・・・

 

「こっ・・・・・・・コイツは!?」

 

そこに移されたのは、今まで戦って来たフォルスロイド達だった。

セルパンの野郎・・・・・・一体何を考えてやがるんだ・・・・・・・・・・・・・・・・・!?

 

 




セルパンの会見で発表されたフォルスロイドは一体・・・・・・・
エリアJへ向かう所に大幅な変更を行ってます。海底トンネルだし無人島に入り口があっても面白そうですよね。


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ロックマンZX Re:File㉑

セルパンが公開したものとは一体・・・・・・・・・そしてバリアンとセルパン、旧知の2人の再開に何が起きるのか?
また、ヴァンとエールに待ち受けるものは?


セルパンの会見が始まり、バリアンは真剣に話を聞いていた。通信機に手を当てながら、プレリーにも情報を伝えようとしていた。

 

「イレギュラーが現れる日々に、私も心を痛めております。そこでよりイレギュラーの撃退にあたる為、私はこちらの開発の移行を始めたいと思います」

 

何言ってやがるんだ・・・・・・全部お前のせいだってのに。けどまぁ、今そんな事言っても信じてくれるハズもねぇがな。

 

「こちらは対イレギュラー用に開発を行っている、戦闘アーマー、通称フォルスアーマーです。手始めに我が警備隊に配備させ、後に各国の警備部隊にも配備していく予定です」

 

フォルスロイドを模したアーマーってか。なるほど、軍事力でも強化しようって根端か。あるいは・・・・・・・・・・・・・

 

「これらの普及によって、イレギュラーが1日でも早く現れなくなる事を、私は祈ります」

 

その言葉に拍手喝采が絶えなかった。表向きじゃ、セルパンの野郎は英雄様だもんな・・・・・・・・・

しかし、こんなモンを作って大量に出回れば・・・・・イレギュラー騒ぎって所じゃなくなるな。

モデルVと一緒に使って世界征服でも企んでやがるなこりゃ。

 

「ありがとうございます。皆様のご期待に添えるよう、我々も精進して参ります!」

 

さて・・・・・・会見も終わって、解散・・・・・なワケないけどな。

 

「素晴らしい会見でしたね。流石は我らが英雄のセルパン社長ですな」

 

俺はパトラとか言う社長秘書に話しかけ、近づいた。

 

「あなたは・・・・・・なるほど、では後程スイートルームまでお越しください、セルパン様には私が話を通しておきます」

 

彼女は俺に耳打ちで話した。思ったより話が早いな。こうもあっさりだと余計に怪しすぎるが・・・・・・・

 

「お話はセルパン様に伺っております。古い友人だと」

 

既にそこまでお見通しか、全く人気者は辛いぜ。

 

「あぁ、是非会見に来て欲しいと言われてね、古い友人としてゆっくり話をしたくてね」

 

そういう事にしておこう。その方があちらさんにとっても都合がいい、バレようが構わない、俺の目的は中に入り込むワケじゃないからな・・・・・・・・・・・・・・

 

そしてバリアンはパトラの後に付いていき、スイートルームへ入っていった。

 

「こちらを、もうしばらくしたら来ますので、少々お待ちください」

 

「これはどうも」

 

パトラはバリアンに紅茶を差し出した。

 

「う~ん、コイツはいい香りだ」

 

紅茶の匂いを嗅ぎながら、バリアンはポケットの中から丸く小さな機械を取り出し床に転がした。

すると、丸い機械は自動に転がってパイプの中に入っていった。

 

「さて・・・・・社長様はお忙しいのかね~」

 

窓を眺め紅茶を飲むバリアン。同じく窓を見つめていたパトラが振り返った。

 

「その様ですね、では、それまでの間・・・・・」

 

パトラが甘い声でバリアンの方に近づきYシャツのボタンを1個づつ外し始めた。

 

「オイオイ、スイートルームのサービスとはそんな大胆なのか・・・・・・っ!?」

 

ニヤリと笑いながら、3つ目のボタンを外した時、パトラの胸元から小さな金属が見えた。

・・・・・・・・・・・・・・モデルVのカケラだった。

 

「しまっ――――――――――!?」

 

モデルVのカケラが光り出すと共に、バリアンはソファの後ろに隠れた――――――――――!!

光が消えると、そこにはパンドラの姿があった。

 

「そういう事か・・・・・・・」

 

「このまま、生かしては帰せない」

 

さっきまでのパトラの喋り方を一変し、大人しい女の子の様な口調となったパンドラに、バリアンは驚いていた。

 

「まさか社長秘書がモデルVを使って来やがるとはな・・・・・・・」

 

「久しいな、バリアン」

 

額縁のある壁が開き、そこからセルパンがスイートルームに入って来た。

 

「ハッ・・・・・随分デカい態度じゃねぇか、セルパン」

 

かつての旧友を前にするバリアンとセルパン、2人の関係とは・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同じ頃、ヴァンとエールは―――――――――――――――

 

「見えて来た、あの島だな」

 

エリアJへと繋がる無人島までボートで向かう中、遂に島を発見した。

 

「ん?何か反応が・・・・・・・・・・」

 

ボートに搭載されているソナーから、大きな黄色い反応を検知した。その時、波が大きくなり、ボートが揺れる。

 

「なっ・・・・・何だ!?」

 

海の中から、黄色い触手と赤い触手をしたイレギュラーが浮上してきた。

 

「こんな所で・・・・・・・やるぞ!」

 

「うっ・・・・・・うん!!」

 

ライブメタルを取り出し、ヴァンはモデルLXに、エールがモデルZXに変身した。

 

「っ・・・・・デカいわりに随分早い動きをしやがる・・・・・・・!?」

 

触手の連続攻撃に動きが追い付かないヴァン。

2人共敵の攻撃を弾くのに精一杯だ。

 

「このままじゃ前に進めない・・・・・・」

 

防戦一方で先へ進めないヴァンとエール。何とか打開策を練ろうとしているが・・・・・・・・・・・・

 

「せめてボートから引き剥がせれば・・・・・・なら!」

 

エールはモデルHXに変身し、ボートから飛び上がった。

 

「ほら、こっちだよ!!」

 

飛び上がったエールに、触手が集中して襲いかかって来た。

 

「エイっ!!」

 

近づいて生きた黄色い触手を1本斬り落とした。しかし、背後にいた赤い触手に巻き付かれてしまった。

 

「エール!よくも――――――――――!!」

 

ハルバートを振り回し、エールに巻き付いている触手を根元から斬り落とした。

 

触手を失い、狂いだしたのか、海の中で触手は暴れ、渦潮を発生させた。

 

「なっ、コイツ――――――――――っ!?」

 

渦潮に飲み込まれそうになるヴァンに、エールが中に飛び込み手を伸ばした――――――――――

 

「ヴァン―――――――――――――――」

 

「エール――――――――――」

 

ヴァンも手を伸ばしエールの手を掴んだと同時に、渦潮の中に飲み込まれてしまった―――――――――――――――

 

 




一体2人はどうなるのか?

社長秘書って、お色気要素があると最高ですよね。あんなスイートルームのサービスは自分も受けたいです(笑)モデルVはいりません。

次回、無人島には辿り着いているのか?


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ロックマンZX Re:File㉒

ヴァンとエールは無事に無人島に辿り着いたのか?
海底トンネルへは行けるのか?


「うっ・・・・・・・・うぅん・・・・・」

 

目が覚めた時、俺は浜辺に流れ着いていた。そうだ、俺達はイレギュラーが暴れ出して渦の中に・・・・・・・・・・

 

「そうだ、エール!どこにいるんだ!?」

 

起き上がった俺はエールを探した。しばらく歩いていると、浜辺に倒れているエールを発見した。

 

「エール!エールっ!!」

 

俺はすぐにエールの元に走り、肩を持って起き上がらせた。

 

「ヴぁ・・・・・・・ヴァン?」

 

目を覚ましたエールを見て、俺は一安心した。

 

「よかった・・・・・怪我はないか?」

 

「うん、なんとか。それよりも・・・・・・・・」

 

俺はエールが向いた方に目を向けた。そこには壊れたボートを発見した。

 

「あのイレギュラーのせいで、ボートが滅茶苦茶だ」

 

参ったな・・・・・・このままじゃミッションを終わらせても帰れない、全くやられたもんだぜ。

 

「あっ、でもボックスの方は無事みたい」

 

ボートにあったサバイバル道具の入ったボックスは無傷だった。

 

「これだけあれば十分か、さぁ、先へ進もう」

 

「そうだね」

 

俺達は道具の入ったリュックをボックスから取り出し、奥の熱帯雨林の方へ進んでいった。

 

「しっかし、ジメジメして暑いな・・・・・・・」

 

中に入った途端、日差しが強く、熱くなってきた。この島、一体どうなってやがる?

 

「アレは・・・・・・・エール、隠れよう!」

 

「ちょっとヴァン―――――」

 

俺はエールの手を引っ張って、しげみの中に隠れた。先の方にはこの辺りを警備してるであろうメカニロイドがウロウロしていた。

 

「やっぱり警戒しているか・・・・・・さっきのイレギュラーの事もあるし慎重に・・・・・・」

 

気が付くと俺はエールの事を押し倒していた。咄嗟に気づいた俺はすぐさま彼女から離れた。

 

「あっ・・・・・・・・!ごっ・・・・・ゴメ―――――!?」

 

「しっ――!気づかれちゃうでしょ!」

 

エールが俺の口を塞いだ。咄嗟な事とはいえ、危なかった・・・・・・・・

 

「それより、警備がいるってなると厄介だね、迂回してから行こう」

 

「そっ・・・・・そうだな」

 

俺達は警備のいる方とは反対側の方から先へ進んだ。ここは思ったより広い、これじゃぁ隠し通路を見つけるのに骨が折れるぜ・・・・・・・・・・・・

それから何時間歩いたか、警備を掻い潜りながら移動し、行ったり来たりを繰り返していると、あっという間に夜が来た。

 

「参ったな・・・・・何も見つからない、それにもう暗いしこれじゃぁ探すに探せないな」

 

とはいえ、休むにしても警備が徘徊する中でゆっくりしているヒマなんか・・・・・・・・・・・

 

「ヴァン、アレ見て」

 

エールが指さす方を見た、そこには・・・・・・・・・・・

 

「アレは・・・・・滝の奥に洞窟があるな」

 

「あそこに入るしか・・・・・・なさそうだね」

 

洞窟に入るには、あの滝の中に突っ込まなきゃならないのか・・・・・・・・・・・・ああだこうだ言っても仕方がない―――――――――――――――!

俺達は一気に滝の中に走り込み、洞窟の中に入っていった。

 

「ぷはぁっ!何とか入れた・・・・・・・・」

 

だけど滝の中に突っ込んだからか、おかげで俺達はずぶ濡れだ。

 

「寒い・・・・・さっきまで熱かったのに・・・・・・」

 

エールは両手を押さえて震えていた。無理もない、夜は冷えるしこんな状況だ。

 

「もうちょい奥に行ったら休もうか」

 

「・・・・・そうだね」

 

俺達はもう少し奥へ進んだ。そこには休むのには丁度良い洞穴を見つけた。

 

「ここなら、イレギュラーも来ないだろう」

 

俺達は椅子みたいな石に座った。運がいいのか、枝が大量にあったからリュックの中に入ってた着火剤を枝に着け、火を起こして温まった。

 

「ホラ、お互い濡れてるワケだし、コレぐらいしかないけどマシだろ」

 

俺はエールにタオルを渡した。濡れたままじゃ風邪を引いちまうし、タオルを巻いてれば大丈夫だろう。

 

「ありがとう、ヴァン」

 

お互いタオルを巻いて濡れた服を乾かす為、岩の上に乗せた。って言ってもほんの時間じゃまともに渇きはしないと思うけど。

 

「あ~あ、コレぐらいしかないか・・・・・・・・」

 

携帯食料は小さなブロック状の菓子みたいなものと、キャップ付きのゼリーだけだ。これじゃ、明日まで持たない・・・・・・・・かもな。

 

「朝になったらすぐに出発だな。早い所入り口を見つけないと・・・・・・・」

 

「うん、ねぇ、思い出さない?昔、こうやって2人で雨宿りしたの」

 

「あぁ~あったな、そんな事」

 

俺達は幼い頃の話をし始めた。あれは俺とエールが公園で遊んでいる時、急に雨が降って来てドーム状の遊具で雨宿りしてた時の事だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「雨・・・・・止まないな・・・・」

 

「うん・・・・・・キャ―――――ッ!?」

 

突然雷が降って来た。しかも雷まで鳴り始めて、エールは怖がっていた。

 

「おうちに帰りたいよ・・・・・・」

 

「エール・・・・・大丈夫、俺が付いてるから!」

 

あの時、俺はエールの手を握って彼女を落ち着かせた。

 

「ヴァン・・・・・」

 

「ホラ、雷なんて怖くないって~」

 

俺はエールに向かって今でも思い出したくないぐらいの変な顔をした。

 

「・・・・・・アハハ!へっ・・・・・・変だよ~」

 

エールはおかしくなるぐらい笑っていた。

 

「エヘヘ、やっと笑ったな」

 

ヴァンもエールの笑う姿を見てニコリと笑った。その笑顔に応える様に雨は止み、日差しが見えて来た。

 

「おっ、晴れたよ!行こう!」

 

俺はエールの手を掴んで遊具の中から飛び出して、家へ帰って行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あの時も、ヴァンがいたから怖くても大丈夫だった」

 

「それほどでもないって」

 

ヴァンは照れ隠しの様に頭を掻いた。

 

「それより、とにかく今日はもう寝て朝に備えよう」

 

「うん、そうだね、おやすみ」

 

俺とエールはタオルに包まってその場で寝る事にした。

朝になったら、すぐに海底トンネルの入り口を探すのを再開だ。イレギュラーもいるし、気を抜いたらおしまいだ・・・・・・・・・・・・・

早い所、見つけ出せればいいんだけど・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 




行動を共にする中で思い出話を膨らませていましたね。
こういったエピソードも番外編として投稿していく予定です。乞うご期待!


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ロックマンZX Re:File㉓

無人島でのミッションも後半戦、果たして海底トンネルまで辿り着けるのか?
そこに待ち受けているものは・・・・・・・・・・


「よし、朝だな」

 

無人島の洞窟で一晩を過ごした俺達。状況を確認する為に、一足先に着替え、外の方を見た。

太陽が昇り、空が青かった。流石は無人島、こんなにも空が青く見えるなんてな。

 

「警備しているイレギュラーはこの辺にはいない・・・・・・な、よし」

 

俺はエールの寝ている洞穴の方へ走って、彼女を起こし行った。

 

「エール、朝になったぞ!そろそろ出発するぞ」

 

「うーん・・・・・・もう朝なんだ・・・・・・」

 

エールが目を擦りながら起き上がろうとした時、巻いていたタオルが外れて・・・・・・・・・・・・

 

「あっ・・・・・・・・」

 

咄嗟の事だったので、俺ついその光景を目の当たりにしてしまった。幸い、洞穴で暗かったからハッキリと見えたワケじゃない。

小さいながらも指が入りそうな胸の隙間に、俺は目を向けてしまった。

 

「・・・・・・・・・エッチ」

 

「ごっ・・・・・・ゴメン!!」

 

エールは頬を膨らませていた。そして互いに背を向けた。

アレ・・・・何か前にも同じような事が・・・・・・

 

「もういいよ、じゃぁ行こ」

 

着替え終えたエールはそのまま洞窟の奥の方へ歩いて行った。

もしかしたらこの洞窟にあるのかもしれない、そう思いながら海底トンネルの入り口を探していた。

 

「あの・・・・・さっきの事だけど・・・・・・」

 

もしかして怒っているのではないか?そう不安に思いながら俺はエールに聞いてみた。

 

「・・・・・・・・私もゴメン、あんな風に言っちゃって」

 

「いっ・・・・・いや、悪いのは俺の方だし・・・・」

 

怒っているのか、いないのか、俺には分からなかった。

安心すればいいのか、未だに不安は募る一方だ。ダメだ、ミッションに集中としないと・・・・・・・・・・・

 

いくら不可抗力とはいえ、あんな所見られるなんて・・・・・・・・・何だか気まずくなってきた。恥ずかしい、って言えば本当だけど、ヴァンになら・・・・・・・って思う自分がいる。

ダメダメ!そういうのってもうちょっと大人になってからじゃないと!!とにかく・・・・・・ミッションに集中しなくちゃ。怒るのはそれから。

 

「にしても・・・・・こんな所にあるのか?隠し扉なんて」

 

「いかにも、怪しそうな気はするけどね。あそこから外に出れそうだし、一旦出てみる?」

 

エールの指指した方に出口が見えた。これじゃ埒が明かないし一旦戻るか・・・・・・・・と俺が壁に手を付いた時、何かを押した様にへこんだ。

 

「うぉっ!何だ・・・・・・・!?」

 

突然地面が揺れ、壁が開きだした。開いた先には・・・・・・・・・・・・・・

 

「コレって・・・・・・・もしかして海底トンネルの入り口じゃ・・・・・・!?」

 

マジかよ・・・・・まさかこんな偶然入り口を見つけてしまうとはな。

 

「よし・・・・・・行くか!」

 

「うん・・・・・そうだね」

 

俺達は扉を開けて中に入っていった。入るとすぐにエレベーターがあった。俺達はそれに乗り込んで下へと降りて行った・・・・・・・・・・・・

 

ガラス越しで外が見える。下へ降りるにつれ、どんどん海底へ入っていった。

 

「すげぇ・・・・・コレ海の中にあるんだよな・・・・・」

 

敵の施設でありながらも、俺は魅了されていた。透き通った青い海、優雅に泳ぐ魚、とても綺麗だった。

エールもガラスに手を当てながら、魚を見つめていた。

 

「綺麗・・・・・・ココがセルパン・カンパニーの施設じゃなかったらずっと見ていたいって程」

 

それは俺も同感だ。ココを弾圧するって思うとちょっと惜しいって思う程に。

 

「でも、今の俺達はミッションで来てるからな。さっさと終わらせないと・・・・・・」

 

最下層まで辿り着き、俺達は施設の捜索をした。データディスクらしきものは見当たらない。

俺はモデルLXに、エールがモデルFXとなり、現れたイレギュラーと戦いながら先へ進んでいった。

 

「ここ・・・・・怪しそうだな」

 

俺達が向かったのは、巨大なコンピュータールームがある部屋だ。どうにも巨大な水槽にも見えるんだが・・・・・・・

 

「よし、入るぞ」

 

「うん」

 

俺がゆっくりと扉を開け、中に入っていった。なんとそこは水中の中だった。ロックマンになったおかげで息は出来るので、泳ぎながらコンピューターを調べ始める。

 

「コレじゃないな・・・・・・・」

 

漁って簡単に見つかるものじゃない。するとエールが何かを発見した。

 

「コレ・・・・・・もしかしてデータディスクじゃない?」

 

見つけたのはデータディスクが入っているコンピューターだった。

エールが起動させ中を見ようとした時―――――――――――――――!

 

「キャぁっ!?」

 

「エール!!」

 

突然地面が割れ、小さな渦が起こった。飲み込まれかけたエールの肩を掴んで、間一髪助け出せた。

地面から、イカの様な・・・・・クラゲみたいなイレギュラーが現れた。コイツもフォルスロイドなのか!?

 

「こんな所まで侵入するとは、もしや君達がロックマンだね?」

 

何だか紳士的にも思えるが・・・・・・相手はフォルスロイドかもしれない、油断は禁物だ。

 

「しかし残念、その若さでは我らの理想は理解できないだろう」

 

「理解したくもないさ!大方モデルVを使って世界征服でもしようとしているんだろ!!」

 

「全く、口の悪い少年だ。大人の言う事はちゃんと聞くべきだがね?」

 

「私からしたら、見られてくない物を必死に隠そうとする大人って、何だか大人げなく見えるけど?」

 

エールが挑発するみたいに言い返した。それにあのフォルスロイドはカチンと来た様だ。

 

「ファッファッファッ・・・・・・知らなくていい物もあるものだよ、ワシの名はモデルLのフォルスロイド、レグアンカー。聞き分けのない子供には・・・・・・お仕置きが必要だね!!」

 

レグアンカーの4本の手足が伸びて、俺達を突き刺そうとする。

 

「っ・・・・・・・こんなしつけのやり方じゃ、いい子に育てられないぜ!!」

 

俺は2本の足を、ハルバートを回転させ防いだ。

 

「中々腕は経つ様だな、ならばこれならどうだ!!」

 

口から氷の龍の様なものを吐き出したレグアンカー。ハルバートで破壊しようとするが、硬くてビクともしない。

 

「この野郎・・・・何て硬さだ!!」

 

「ヴァン、ここは任せて!」

 

モデルFXのナックルバスターで氷の龍を殴り、粉砕するエール。それと同時に炎を纏ったナックルバスターでレグアンカーのボディにパンチを決める。

 

「んぐっ・・・・・・・!?中々やるね、お嬢ちゃん。ならこれならどうだい?」

 

レグアンカーの一本の足のアンカーが、エールの足に巻き付いた。

 

「いや・・・・・この!!」

 

ナックルバスターで足を破壊しようとするが、非情に硬く破壊できなかった。

 

「フフフ・・・・・・そう簡単にはやらせないよ」

 

絡んできた足は徐々に全身に絡みだす。身動きの取れないエールを助けようと、ヴァンが彼女の元へ向かい、ハルバートで触手の根元を切り、エールの腰を掴んで助け出した。

 

「ハァ・・・・・ハァ・・・ヴァン、ありがとう」

 

「いいって事、それより、あのデカい奴・・・・・早くどうにかしないとな」

 

しかし、派手に戦うとコンピューターを破壊しちまう。一体どうすれば・・・・・・・・・・・・・・

 

「・・・・・・・ヴァン、私にいい考えがあるの」

 

エールは俺の耳元で小さな声で話しかけた。

 

「・・・・・・・・なるほど、俺に任せてくれ!必ずやってみせるさ」

 

そう言い、俺はレグアンカーの周りを移動し始めた。

 

「どうしたんだい?無造作に?追いかけっこがお好みかい?」

 

レグアンカーの手足が俺を追いかける様に襲いかかって来た。モデルLXの水中戦ならこんなスピード楽勝に避けられる。

 

「オラオラ、どうした?そんなモンか?随分遅いな~」

 

俺は挑発する様に手足のアンカーの攻撃を軽々と避ける。

 

「おのれ・・・・・・・チマチマと・・・・・・・・」

 

頭の左右に取り付いているプロペラを回転させ、ヴァンを引き込もうとするレグアンカー。そのパワーにヴァンは吸い寄せられる。

 

「っ・・・・・・コイツはマズいっ!?」

 

ハルバートを地面に突き刺し、何とか耐えようと踏ん張るヴァン。その間に私はレグアンカーの懐から少し離れた所に移動した。

 

「さて・・・・・・・キツイお仕置きといこうか!」

 

レグアンカーが手足のアンカーをヴァン向かって放つ。その瞬間――――――――――!

 

「その行動、待ってたぜ!!」

 

ヴァンは地面に突き刺さったハルバートを抜き、アンカーが近づいた所にハルバートを回転させた。

 

「何・・・・・・・・・っ!?この・・・・・・放さんか!!」

 

「へっ、やーだねっ!!」

 

手足のアンカーはハルバートに絡まり、そのままハルバートを壁に突き刺した。

 

「これなら身動きも取れないな!!エール、やったぞ!!」

 

「後は任せて!!」

 

エールがハルバートを踏み台にして、レグアンカーのボディの真ん中に飛び込んだ。

 

「これで・・・・・・・・終わりよ!!」

 

炎を纏ったナックルバスターのパンチが、レグアンカーのボディを貫いた――――――――――!!

 

「ぐっ・・・・・・・何故そこまで戦える?何故そこまで強くなれる・・・・・・!?これが・・・・・・・・若さなのか?」

 

そのままレグアンカーは爆散した。レグアンカーの体内のエネルギーを、モデルLが吸い取った。

 

「全く・・・・・・何でアタシの力を与える奴ってあんな気味の悪い奴らなのかしら?ゴメンなさいね、パスコードの修復に時間が掛かりそうなの。もうしばらく待ってくれない?」

 

これでモデルLも力を取り戻したか・・・・・・・・・・しかし、派手にやっちまったなぁ・・・・・・コンピューターが殆ど破壊されている。

 

「う~んと・・・・・・あっ、1個だけ起動できる奴があったわ!!」

 

「よし!このデータディスクを起動させよう」

 

俺は壊れたコンピューターに入っていたデータディスクを取り出し、唯一起動できるコンピューターに差し込んだ。

 

「プレリー!調査隊のデータディスクを見つけたぞ!」

 

俺は真っ先にプレリーに通信し、データディスクを手に入れた事を報告した。

 

『本当に?ご苦労様、内容は分かるかしら?』

 

「あぁ、今起動させている」

 

『我々調査隊は、たった1人の仲間の暴走によって全滅した。彼の名はセルパン、もっとモデルVのカケラに興味を示し、全滅させた後、データを全て消去して姿を消した。だがイレギュラーにそこまでの知能があったとは思えない。彼はモデルVの力に魅了させられたのだろう。元々セルパンはイレギュラーの襲撃から生き延びた人物でもある。誰よりもイレギュラーの恐ろしさを知り、誰よりもイレギュラーを憎んでいる彼は求めていたのだろう「力」を。我々は知っている、セルパンが当時ガーディアン中でも一番腕のあるバリアンに嫉妬していた。怒り、憎しみ、恐怖、嫉妬、そこへモデルVに惹かれたのだろう。奇跡的に司令官は全滅の際、脱出する事に成功、その後の事は・・・・・・・・我々にも分からない』

 

『恐らく、セルパンはこのデータが世間に知られる事を恐れていたのね、これが知られれば、問題どころのレベルじゃないものね。後でデータディスクはこちらで預かるわ、まだこの情報は晒すワケにはいかない・・・・・・・』

 

そうだったんだ・・・・・セルパンもイレギュラーの襲撃の生存者。私達と・・・・・・・・・一緒だったんだ。

もしかしたら・・・・・・・って思うと怖くなってきた。

 

「あ・・・・・何考えてるかは大体分かる。俺達がセルパンみたいになるワケないだろ!!俺達にはみんながいる!だから大丈夫だって!」

 

・・・・・・・そうだよね、そんな事にならないよね。

 

『ヴァンの言う通りよ、貴方は自ら恐怖に立ち向かった。もしかしたら、バリアンに何か聞けば分かるかもしれない。ついさっき戻って来た所だし、2人も早く戻ってきて頂戴』

 

「あぁ、行こうか」

 

「うん・・・・・・・・」

 

大丈夫だ、絶対そんな事にはならない。俺達は2人でロックマンなんだ。そんな事ありえるもんか。

それから先へ進んでいると、なんとラッキーな事に、トランスサーバーを発見した。

 

「ボートも壊れちまったし、どう帰るか焦ったけど、これで一安心だ!」

 

俺達はトランスサーバーを使ってガーディアンベースに戻った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

司令室へ向かうと、そこにはプレリーと頬に湿布を、手足に包帯を巻いたバリアンがいた。

 

「バリアン・・・・・・どうしたんだよ!それ?」

 

「あぁ、ちょっとしくじっちまってな。なぁに、あの時よりマシさ」

 

そういや、バリアンは一体何をしていたんだ?俺は聞いてみる事にしてみた。

 

「何をしてたか聞きたい顔だな。今丁度話す所だよ。じっくり聞くんだな」

 

何があったのかを聞いた俺達は・・・・・・・・・・・・驚きを隠せずにいた。

 

 




またもやヴァンのラッキースケベが発動。主人公補正って半端ないですね。
次回、バリアンとセルパンの確執が明らかに。2人に一体何が・・・・・・・・・・


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ロックマンZX Re:File㉔

いよいよ明かされるバリアンとセルパンの過去、果たして何があったのか?


話はバリアンがセルパン・カンパニーに潜入した時に戻る。

バリアンとセルパン、旧知の2人が再開した時。一体2人に何が・・・・・・・・・・・

 

「ハッ!随分偉そうになったな、昔はあんなに俺の後ろにいたクセに」

 

「フフ・・・・所詮は昔の話、今の私はこのセルパン・カンパニーの社長さ」

 

「ほほぅ、ガーディアンを裏切ってまでそんなに欲しかったか?モデルVが」

 

「君には分からないだろう、このモデルVの力を、とても凄まじい・・・・・・この力があれば、私は世界の王になれる!」

 

あれがモデルVのカケラって奴か・・・・・・何か不気味じゃねぇか。こんなモンになんの魅力があるんだか。

あの野郎・・・・・・何も変わっちゃいない。そう、あの頃から・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今から数十年前、イレギュラー撃退していた俺達、そこにはセルパンもいた。

街は破壊され、怪我人が多数出た。ガーディアンがイレギュラーを撃退した事によって、被害は最小限に抑えられた。

 

「テメェ、セルパン!!何であの時行かなかった!!お前が行けばあそこにいた人達は守れただろ!」

 

俺はセルパンの胸倉を掴み、責め立てていた。

建物には人が取り残されていた。崩落するまで時間がもうない。セルパンは近くにいた、アイツが向かっていれば少なくとも助けられる事が出来た、だけどセルパンの野郎は向かわなかった。目の前のイレギュラーにブるっちまって。

仕方なく俺が1人で向かい、何とか助け出せた。だけど、何人かは怪我を負わせちまった。

 

「すっ・・・・すまない、どうしても足が震えてな」

 

セルパンも申し訳なさそうに謝った。それでもバリアンの怒りは収まらなかった。緊迫する中、1人のガーディアンの隊員が割って入った。

 

「その辺にしておけ!こうして助けられたんだし、あんまり悪く言うなって」

 

「っく・・・・・・そんなにイレギュラーにブるっちまうんだったら、大人しくガーディアンベースで司令官の手伝いをしてろっての・・・・・・・・」

 

セルパンへの不満を垂らしながら、バリアンは去っていった。

申し訳なさそうなセルパンであったが、どこかバリアンを睨む様にして見ていた・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「セルパンよぉ、お前は何でガーディアンに入った?イレギュラーを倒したいからか?イレギュラーが憎いからか?市民を守る為か?一体何だんんだろうなぁ?」

 

「そんな事はどうでもいい、今の私にはモデルVがある。もはやガーディアンなの無用、全ては私の計画通りなのだよ」

 

「笑っちまうぜ、お前さてはビビッてるんだろ?ヴァン達に、自分に牙を向く奴らによ!!」

 

言いたい事を俺は全部言ってやるつもりだ。こんな情けない奴、俺はとてもじゃないか放っては置けない。

世界の王になるだか何だか知らねぇが、そんなの止めて見せるさ。って言っても俺の出来る事はヴァン達の後押しぐらいだがな。

 

「フフフ、貴様は所詮ライブメタルに選ばれなかった哀れなレプリロイド。ここで始末してやろう、パンドラ」

 

「分かった・・・・・・・」

 

パンドラが杖から電撃を放った。バリアンは窓の方へ走り出し―――――――――――――――

 

「悪いな、生憎俺はお前程ビビりじゃないんでね!!今にアイツらがやって来るぜ!残念ながら俺には出来そうにないからな――――――――――!!」

 

そう言って俺は窓を突き破って飛び降りた。大分高い所だから流石の俺もビビりそうだったが、セルパンの前だ、強がってやったぜ。

 

「どうする?このまま・・・・・追いかける?」

 

「放っておけ、あんな奴どうにでもなる。それよりも、モデルV本体の眠る遺跡はまだ見つからんのか?」

 

「絞り込めてはいるわ。けど、もう少し時間が掛かる」

 

「ならば早くしろ、奴らがパスコードを集めている内には」

 

「・・・・・・・分かった」

 

そう言ってパンドラは光に包まれて転送されていった。

 

「さて・・・・・・バリアンめ、何時までそんな吠え面を噛ましていられるか・・・・・・・・」

 

セルパンは笑っているのか、それとも怒りに満ちているのか、分からない表情をしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「って事があってな。まっ思いっきり宣戦布告してやったさ」

 

未だに信じられないでいた。あのセルパンが・・・・・・・・・・いや、あのデータディスクの中を見ているから何となく分かって来た。

 

「データディスクに記録されてた。セルパンはバリアンに嫉妬してたって」

 

「あぁ・・・・・そういや、昔もそう噂されてたような」

 

「とにかく、3人共お疲れ様。データディスクを解析すればもう少し情報が得られるかも、少し待ってて」

 

俺とバリアンは司令室を出た。エールはプレリーと一緒に残った。

 

「あのさ・・・・・セルパンがイレギュラーの襲撃の生存者だって知った時、エールが不安がってた、自分も同じ様になるんじゃないかって」

 

俺はエールが不安にしてた事を、バリアンに話した。

そんなアイツが俺の背中を叩いて来た。

 

「何言ってんだ!んな事あるワケねぇだろ。あんな奴とお前らが一緒なんてありねぇって!けどよ、もしもの時はお前が助けてやれよ。何せ俺には出来なかったからな・・・・・・・」

 

バリアンは・・・・・・セルパンを止められなかった事を本当は悔やんでいるんだな・・・・・・・・

けど、バリアンは市民を見捨てかけたセルパンを許せなかったんだろう。

どんな理由があれ、俺達は絶対にセルパンの様にはならない、絶対にだ・・・・・・・・・

 

「そういや、初代司令官はセルパンが調査隊を全滅させた時は何とか逃げることが出来たらしいな」

 

「あぁ、データディスクに記録されてた。それを聞いた時のプレリー、凄くホッとしてた」

 

エリアFで見たデータディスクだとどうなったか分からなかったけど、今回ので無事に脱出したのが分かった。

みんなの前では冷静にふるまってたけど、俺達が出た途端、泣く声が聞こえた。今もどこかで生きているのだろうか・・・・・・・・・?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、司令室では・・・・・・・・・・・・

 

「・・・・・よかった、お姉ちゃん、あの時無事だったんだ・・・・・・」

 

プレリーは涙を流しながら机に伏せていた。そんな彼女の肩を、エールが叩いた。

 

「プレリー・・・・・・よかったね」

 

「えぇ・・・・・・でも、生きていたなら、一度でいいから会いたかった」

 

そうだよね、プレリーもお姉さんがいなくなってずっと1人で頑張って来たんだもんね・・・・・・・・・・・

本当は誰よりも辛いはずなのに・・・・・・・・・

 

「ごめんなさい、エールも疲れたでしょ、今日はゆっくり休んでね」

 

「うん、じゃぁそうさせてもらうね」

 

エールが司令室を後にして向かったのは・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「ふぅ・・・・・サッパリするなぁ」

 

シャワー室でシャワーを浴びていた。壁に背中を付けて、シャワーの方を向いていた。

 

「ハァ・・・・・・・・・」

 

あの時、私がウトウトしていたせいとはいえ、ヴァンにとんでもない所を見られてしまった。

とても恥ずかしい・・・・・・・だけど、凄いドキドキしていた。好き・・・・・・だからかな?

不安になる度に彼を求めてしまう。ダメだなぁ・・・・・・・・・自分でも分かってるのに。

 

シャワー室から出ると、ヴァンと出くわした。何て声を掛けよう・・・・・・・・・・・

 

「あっ・・・・・・・・・」

 

「あのね、ヴァン!何時も言えなかったんだけど・・・・・・ありがとう!!何時も気に掛けてくれて」

 

「べっ・・・・・・別にそんな気にすんなって!当然の事なんだから!」

 

ヴァンは顔を赤くしてそのまま走って行ってしまった。ひょっとして・・・・・・照れてるのな?

何だか可愛いなって思ってしまった。

 

「エールの奴・・・・・・急にどうしたんだ?」

 

咄嗟に言われた事だったから・・・・・・・・つい逃げてしまった。

あんな事言われたの初めてだった。凄い・・・・・・・嬉しかった。もしかしてエールって・・・・・・・・・・・

でも、そういうのは・・・・・・・全てが終わってからだな。うん、そうだ。

 

「さて・・・・・・・次のミッションは何なんだろうな」




何も出来なかったセルパンを責めたバリアン、これがセルパンをモデルVの力の虜になる原因だった。他にも様々な確執があったと思われるがそれはまた別の話。
次回、さらなる脅威がヴァン達を襲う――――――――――!


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ロックマンZX Re:File㉕

エリアKでのミッションスタート。いよいよ終盤に近づいていおります。
次回のデータが消えて萎えてたりしてます。


「ふあ~~~~~」

 

俺は欠伸をしながら部屋を出た。疲れがまだあるのか、何だか眠い。

 

「あら、ヴァン。何だかまだ疲れてそうね」

 

洗面台にプレリーが立っていた。顔を洗って顔を整えていた。

 

「まぁな、それより、あれから何か分かったか?」

 

「もう少し掛かりそうね、それと、新たなミッションの話があるから、準備が出来たら司令室に来てね」

 

「おぅ、分かった!」

 

そう言ってプレリーはその場を後にした。俺も顔を洗い、顔を整えた。鏡を見るあまり、手でVの字を作ってついカッコいいポーズを取っちゃったりする。

 

「・・・・・・・・・」

 

そんな姿をドリンクを飲みながら歩いていたエールに見られていた。

 

「あっ・・・・・・おはよ」

 

「・・・・・・・プっ」

 

エールが口元を押さえて笑うのを必死で隠していた。

 

「笑ったな!!今笑ったろ、絶対!!」

 

あ~なんて恥ずかしい所見られたんだ!!穴があったたら入りたい・・・・・・・・・

俺は顔を抑えながらプレリーのいる司令室へ向かった。

 

「皆さん揃いましたね。ではお話しましょう」

 

話って・・・・・・次のミッションの事か?それともデータディスクについてか?

 

「実は、エリアKでセルパン・カンパニーの部隊が何やら発掘作業を行っているとの情報を入手しました」

 

「なるほど、んでっ、それを叩くって事だな」

 

「えぇ、でも油断しないで。ライブメタルを持ったフォルスロイドが指揮を行っているみたいなの」

 

「それは・・・・・・随分大層な発掘作業だな」

 

「悪いな、俺はこのザマだからな」

 

バリアンは前のセルパン・カンパニー潜入の傷が癒えていない為、ミッションには同行できなかった。

 

「よし、そうと決まれば行こうか!」

 

「だね」

 

俺とエールはすぐさまエリアKへと向かって行った―――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うわぁ・・・・随分熱いな」

 

エリアKは溶岩地帯、地下にマグマがあるとかないとか。どうやらそこで発掘を行っているらしい。

 

「それにしても汚水が凄いね、大分汚染されている」

 

水は泥が混じっており、大分濁っていた。それに火山灰も混じっているっぽい。

 

「とにかく、地下へ行けるルートを探そう」

 

俺はモデルHXに、エールがモデルPXとなって警備しているメカニロイドを撃退しながら先へ進んで行った。

 

「何か見えるか?」

 

「ダメ・・・・・この変にはなさそう」

 

モデルPのセンサーにも反応しないか・・・・・・・・・・・・

 

「ん?コレは・・・・・・・ロープウェイ?」

 

奥の道を通ると、巨大なロープウェイらしき乗り物を発見した。

 

「こっから先はコレを使って行かなきゃ無理っぽいね」

 

「となりゃ、乗るしかないよな」

 

俺達はロープウェイの中に入り、運転開始のスイッチを押した。

ゆっくりと移動を開始し、前へと進んだ。何だか怪しげに置いてあった気もするが・・・・・・・・・・・

 

「っく・・・・・・湯気で何も見えねぇな・・・・・・・」

 

蒸気が発生しており、前は何も見えない状態。エールのモデルPXの力が頼りだ。

 

「もうちょいしたら到着地点に着くよ。何やら壮大に発掘作業をするつもりでいるみたいね・・・・・・・・・」

 

エールが言うには、奥に大量の巨大ドリルが多数置いてあるらしい、そこには発掘作業員やメカニロイドも多数いる。

しかし、そこにいる作業員達はセルパンの目的を知っているのか?もし知らなかったとしたらちょっと心が痛むが・・・・・・・・・・・・・・

 

「ちょっと待って!こっちに高熱源反応が・・・・・・・!?」

 

「何だって!?」

 

何も見えない状態だが、ハッキリと見える。火の玉がこちらに向かって放たれてくるのが――――――――――!!

 

「オイオイまさか・・・・・・・エール!!脱出するぞ!」

 

俺はエールの手を引っ張って急いでロープウェイから降りて、飛び降りた。

火の玉はロープウェイに直撃、一瞬にして爆散した。

 

「ふぅ・・・・・・危なかったな」

 

俺はエールを抱えながら、足のホバーを使ってゆっくりと下に落ちていった。

 

「あと少しで俺達も上手に焼けました状態になったな」

 

「何それ、変なの」

 

エールはからかう様に笑った。何だか今日は笑われてばっかりの日だな・・・・・・・・・・・・・・・

しかし何時まで下に続くんだ?そこが見えやしない。

 

「もしかしてヴァン、私・・・・・・重かったりする?」

 

「えっ・・・・・・そっ、そんな事ないよ!!」

 

ヴァンの手は震えていた。長時間エールを抱えながら移動しているからか・・・・・・・・・・・・・・・

落ちる速度も少し早くなっていたりもした。

 

「ウソ、だって手、震えてるよ」

 

「べっ・・・・・別に大した事じゃないよ!それにこんな状況じゃ仕方ねぇだろ!」

 

「フフッ、別にいいんだよ。気を使わなくても、実はちょっと気にしてるから」

 

なら尚更言えるワケないじゃないか・・・・・・・・・でも、実の所、もうちょっとこうしていたい・・・・・ってのはあるかな。

 

「よかったね、ようやく底が見えて来たよ」

 

「あっ・・・・・・本当だ」

 

ちぇっ、もう少し底が見えなくてもよかったけど・・・・・・・・・・下に向かう度にどんどん熱くなってくる。マグマが近くなってる証拠だな。

 

床に着地した俺は、抱えていたエールを降ろした。

 

「よいしょっと!ありがとね」

 

「それよりも、とんでもない所に落ちちまったみたいだな・・・・・・」

 

辺りを見渡しても先へ進む扉も見当たらない。まだ下が続いている様だけど・・・・・・・上に戻るのも面倒だし・・・・・・何か策を練らないと。

 

「ヴァン・・・・・・アレ!」

 

「ん?何だたった1体じゃないか。こんなのちゃちゃっと片付ければいいだけだって」

 

俺達の目の前に、1体のメカニロイドが歩いて来た。どこにでも現れる普通のメカニロイド、何でたった1体だけでここに・・・・・・・・・

 

「でも何か様子がおかしいよ・・・・普通のメカニロイドじゃないっぽい」

 

よく見ると、左腕には何かを取り付ける装置が装備されていた。そしてメカニロイドの手には、ライブメタルに似た緑色の金属を持っていた。

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

メカニロイドがその金属を、腕の装置に取り付けた。その瞬間「フォルス・オン」の電子音声が発生し、全身が光に覆われた。

 

「なっ・・・・・・何が起こってるんだ!?」

 

メカニロイドの姿は、かつて俺が戦ったモデルHのフォルスロイド「ハイボルト」に似た翼が生え、両腕がセイバーとなった姿になった。

 

「コレって・・・・・・前にバリアンが見たって言う・・・・・・」

 

「フォルス・・・・・アーマー・・・・・・・!?」

 

アレはセルパンが開発したって言う、フォルスアーマー!?まさか既に完成したいたなんて・・・・・・・・油断するな、その言葉は本当になった様だな、プレリー。




中ボス戦の所が、以前セルパンが公開したフォルスアーマーに変更されています。
今後どんなフォルスアーマーが出るのか・・・・・・・・


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ロックマンZX Re:File㉖

お久しぶりです、パソコン買い換えての初の投稿です(ハーメルンでは)
忘れてしまった皆さんもぜひ思い出してほしい限りです。


ヴァンとエールの前に現れたのはかつて戦った1体のメカにロイドがフォルスロイド「ハイボルト」の様な姿に変化したフォルスアーマー。背中の翼と腕と一体化した緑色の剣には電気を纏っていた。

さしずめ[[rb:TYPE> タイプ]]-H-Bと言うべきだろう。

 

「あれがバリアンの言っていたフォルスアーマーか・・・・・・・」

 

「来るよ!!」

 

無言で迫ってくるTYPE‐H、ヴァンとエールが武器を構えると同時に既に後ろに回り込まれていた。

 

「早いっ!」

 

エールが壁に上り、俺はフォルスアーマーの方を振り向いてダブルセイバーを振り下ろした。

 

「・・・・・・・・」

 

「何てパワーだ!?押し負けてやがる・・・・・」

 

俺のダブルセイバーをフォルスアーマーが両腕の剣で防いだ。必死に押し出そうとするが力負けしてしまい後ろに押されつつある。

 

「後ろ!!」

 

背後に回ったエールが手裏剣をフォルスアーマーに向かって投げた、命中する直前咄嗟にフォルスアーマーが振り向き・・・・・・・・・

 

「そんな・・・・・・!?」

 

「嘘だろ、背後からの攻撃を一瞬で・・・・・」

 

両腕の剣でエールの投げた手裏剣を真っ二つに切り裂いた。そのまま飛び上がってエールの方へ近づき・・・・・・・

 

「しまっ――――――」

 

フォルスアーマーは右腕の剣でエールの腹部に向かって振り下ろし、そのまま地面に叩きつけた。

 

「キャっ―――――――!!」

 

「エール!!」

 

俺は咄嗟にエールのが落ちる所まで走りエールを下で受け止めた。

 

「ヴァン・・・・・・ありがとう」

 

礼を言いながらエールは俺の手を掴んで立ち上がる。

 

「礼はいい、それよりも・・・・・アイツをどうするかだ」

 

あのフォルスアーマーはハイボルトをベースにしたやつ、思い出すんだ・・・・・・確かハイボルトを倒した時・・・・・・・・・

 

[newpage]

 

『これで終わりだ――――――――――!!』

 

ハイボルトが切り札「インペリアル・レイ」を放とうとした時、バリアンが氷のエネルギーを込めたバズーカを放ち大ダメージを与え、そこでヴァンがZXセイバーで止めを刺した。

 

「そうだった、奴の弱点は凍りだ!それなら・・・・・・・・」

 

ヴァンはモデルLを取り出しロックマンモデルLXへと変身した。

 

「エール、奴を引き付けてくれないか?奴に一撃を与えるのに隙が必要なんだ」

 

「・・・・・・分かった、やってみる!!」

 

エールがフォルスアーマーに向かって走りした。クナイを連続で投げフォルスアーマーを陽動する。

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

フォルスアーマーが反撃として足をH状に開き電気の球を放った。

 

「なんの!!」

 

エールはジャンプしながらモデルZXに変身しZXセイバーを上空からフォルスアーマーに目掛けて振り下ろした。

フォルスアーマーが両腕の剣で防ぎ鍔迫り合い状態となる。

 

「ヴァン、今だよ!!」

 

「よし来た!!」

 

エールが押さえ込んでいる隙に俺はハルバートから2体の氷の龍を召喚しフォルスアーマーの背中の翼に目掛けて放った。

 

「・・・・・・・・・・・・・・・!?」

 

翼の凍ったフォルスアーマーは動きが鈍くなり膝から崩れた。

 

「これで―――――――!!」

 

「止めだ!!」

 

俺とエールが同時にセイバーとハルバートを振り下ろしフォルスアーマーの胴体を真っ二つに切り裂いた。

そのままフォルスアーマーは機能を停止しバラバラになった。

 

「何とか倒したな・・・・・・・・」

 

「そうだね、かなり危なかったね」

 

俺たちが一安心していると突然床が崩れ落ちた。

 

「なっ・・・・・・何だ!?」

 

幸いそこまでの高さはなく何とか着地に成功した。

 

「さて・・・・・・・・この奥に何かありそうだな」

 

「そうだね」

 

警備しているメカニロイドを倒しながら俺達は奥の扉まで進んでいった。

 

「にしても随分熱くなってきたな」

 

「溶岩地帯だからね、熱くもなるよ」

 

エールが手で扇ぎながら下の方を向いた。その下は溶岩の池みたいだ、こんなんに落ちたら一溜まりもありゃしねぇな・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「よし、行くぞ」

 

「・・・・・うん」

 

俺たちは次のエリアに続く扉を開いた。扉を閉めしばらく進んでいると後ろから大きな音が聞こえ後ろを振り向くと・・・・・・・・

 

「なっ・・・・・・・何だってんだ!?」

 

「こっちに迫ってくるよ!!」

 

後ろから大波の様に流れるマグマがこちらに迫って来ていた。俺達は急いでマグマから逃げるようにして走り出した。

 

「クソっ!!流れが速い!!」

 

俺達と流れるマグマの距離が徐々に縮まっていく。このままじゃマグマに飲み込まれて跡形もなく・・・・・・・・・そんなの嫌に決まってんだろ!!

 

「奥まで距離はまだある・・・・・・・何かここから出る手段は・・・・・・・」

 

エールはモデルPXとなりセンサーを使いながら周囲を見渡す。

 

「コレは・・・・・・ヴァン、こっち!!」

 

エールが指さした方を向いた、その場所は・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「だっ・・・・・・ダストボックス!?」

 

「ここからなら脱出できるかも」

 

確かに他に出れそうな場所もない、奥の方までまだまだ距離はあるし・・・・・・・・・・考えたって仕方ない!!

 

「よし、飛び込もう!!」

 

 

俺たちは急いでダストボックスの中に入って流れるマグマから逃れた。

トンネルの様な仕組みになっており、流れるままに俺達は滑り落ちていく。やがて光が見えて―――――――

 

「ってて・・・・・・・何とかなったみたいだな」

 

尻から着地した俺は立ち上がりあたりを見渡した。大量のスクラップが廃棄されており、そこにはレプリロイドの残骸も無数に散らばっていた。

 

「気味が悪い・・・・・さっさとここを出ようぜ」

 

「そうだね」

 

近くにあった梯子を登り上の方にあったエレベーターを使い上のフロアまで向かった。

 

「ご丁寧な事ね、こんな所に繋がってるだなんて」

 

エレベーターを降りて扉を開くと奥の方に動力炉の様な機械が設置されていた、コンピューターもある、って事はここでマグマを操作しやがっていたのか・・・・・・・・・

 

「なっ・・・・・・何!?」

 

突然地面が揺れた、天井に穴が開きそこからパイプの様な両腕を持つモグラみたいなイレギュラーが落ちてきた。

 

「おめーらか?あちこちでライブメタルを奪いやがるヤツらは、ドリルみたいな気配がビリビリ感じてきたぜ。セルパン様はもっとすげぇライブメタルがあるって言ってけどよぉ、掘れども掘れどもスクラップばかり出てきやがるぜ」

 

もっと凄いライブメタル・・・・・・・・・・?モデルVの事なのか?

 

「こうなりゃこのモデルFのフォルスロイド、フランマールがおめぇらをぶっ潰して、奪ったライブメタル全部取り返せば、オイラの出世間違い無しって事よ!!」

 

コイツがここのフォルスロイドって事か、何としても倒さなきゃな!!




久々の投稿でした。基本は2話構成でミッションを終わらせる予定でしたが、フォルスアーマーの下りや以前書いたデータが吹き飛んだ事からもう1話追加する事になりました。
今回登場したフォルスアーマー、ハイボルトをベースにしたTYPE-H-B、今回はメカニロイドが使用しましたがもしかしたら・・・・・・・・・何て事もあるかもしれません。
中ボス戦を大幅に変更、原作ではマグマから逃げすぐにボス戦なのですがダストボックスを介して移動すると遠回りする事に、もしかしたら大量のスクラップの中にレアアイテムがあるのかも?
次回、フランマール戦突入、無事勝利する事が出来るのか?


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ロックマンZX Re:File㉗

フランマール戦突入、勝つのはどちらか?
いよいよ終盤に近付いていく中更なる動きも?


「ホレホレっ!!」

 

フランマールの両腕から火球が放たれ、ヴァンとエールはひたすら回避した。

 

「熱いの一発かましたるでぇ!!」

 

フランマールの腕から蛇の様に長い炎が放たれた。

 

「っ・・・・・こんな熱いの喰らってられるか!!」

 

ヴァンはモデルZXに変身し、ZXセイバーで炎を防ぐ。

 

「やぁっ!!」

 

エールがフランマールの背後からクナイを投げる。

 

「そんなしょぼい攻撃が通用するか!!」

 

フランマールの放たれた炎がエールの投げたクナイを溶かした。

 

「そんな・・・・・!?」

 

「随分厄介な奴だな・・・・・・」

 

フォルスロイド、フランマールを前にヴァン達は苦戦を強いられている。

 

「この調子ならおめぇら何てすぐに丸焼きにしてスクラップ置き場に埋めてやるよ」

 

スクラップ・・・・・・・?さっきのダストボックスの中の事か?

 

「せっかくセルパン様の為に働かせて様ってのに逃げやがるから仕方なくやっちまったじゃねぇか、まっ人員なんていくらでも補充できるけどな」

 

コイツ・・・・・・あそこにいた人やレプリロイドを無理やり働かせて・・・・・・・何て卑劣な奴だ!

このまま放っておけばまた誰かが・・・・・・そうはさせまいと俺はZXバスターをフランマールの頭上に連射した。

 

「だからそんな攻撃効かねぇって」

 

フランマールの装甲には傷1つ付いていない。余裕そうに頭を掻いていた。

 

「そう、ならこれならどう!!」

 

「っ!?」

 

モデルHXに変身していたエールが頭上に飛び込み、ダブルセイバーから電気を纏った竜巻を起こした。

 

「こっ・・・・・この野郎――――――――――――!!」

 

竜巻に飲み込まれたフランマールは同時に電撃を浴びながら吹き飛ばされた。

 

「おめぇら・・・・・よくもやってくれたな・・・・・」

 

竜巻が収まりフランマールは空中に叩き落された。

怒りが頂点に達し、目が赤く光る。

 

「オラぁっ!!」

 

フランマールが右腕で地面を殴る。すると突然地震が発生した。

 

「なんだ!?」

 

「一体何が・・・・・・・!」

 

「これでおめぇら仲良くあの世行きだ!!」

 

再び地面を殴る、すると地面からマグマの柱が発生しヴァンとエールを発生した柱に吹き飛ばされる。

 

「うぁっ!?」

 

「きゃっ!!」

 

そのまま二人は上空へ飛ばされる。

 

「まだまだ、こんなもんじゃねぇぞ!!」

 

2人が天井にぶつかる瞬間、マグマの柱が発生し、ヴァンとエールに直撃する。

 

「っ・・・・何てパワーだ、このままじゃ・・・・・」

 

「へへっ、もう終わりってか?さっきまでの勢いはどこにいったんてんだ?」

 

地面に倒れるヴァンとエールに近づくフランマール。抵抗しようとヴァンがZXセイバーを振るうがいとも簡単にフランマールの腕に弾き飛ばされる。

 

「安心しな、おめぇらには特別に盛大に墓穴掘ってセルパン様に見てもらうとするからよ」

 

っ・・・・・体が動かねぇ、このままじゃアイツにやられちまう・・・・・・何とか、何とかしないと。

 

「じゃぁな」

 

フランマールが腕から炎を発し、ヴァンに拳を振りかざそうとしたその時―――――――――――――――

 

「なんだ・・・・・・何だってんだ!?この感じ!!」

 

何かに反応したかのようにフランマールは後ろを向いた。

 

「なっ・・・・・何が起こってんだ?」

 

ヴァンとエールには何が何だか分からなかった。

 

「コッチに来んのか!?やるか、やるのか!!」

 

迫って来る何かに怯えるようにフランマールは両腕を構えた。しかし、そこに何かが来る事はなかった。

 

「この感じはモデルV?いや違う、モデルVはもっと禍々しい・・・・・じゃあ一体何だってんだ!?」

 

一体何に怯えているのか、それはフランマール自身にも分からなかった。

 

「なんだか分からないけど・・・・・・今の内なら!!」

 

ヴァンはモデルFXに変身し、ナックルバスターをフランマールに構える。

 

「何に怯えているか分からないけど、隙だらけなんだよ!!」

 

ナックルバスターから放たれた火球はフランマール直撃した。

 

「ぐぁっ!?テッめうよくも!!」

 

「エール!!」

 

「任せて!!」

 

ヴァンに両腕を向けるフランマールの目の前にエールが接近、ダブルセイバーでフランマールの両腕を切り裂いた。

 

「しまっ!!」

 

「これで止めよ!!」

 

エールのダブルセイバーが、フランマールの胴体を貫いた。

 

「おっ・・・・・おめぇらは感じねぇか、このおぞましい気配を?」

 

「コイツ・・・・・何を言って・・・・」

 

「まぁどちらにせよおめぇらはモデルVの前には足元に及ばねぇ・・・・・・精々無様にもがくんだな」

 

そう言い残し、フランマールは爆散した。

その残骸からモデルFがエネルギーを吸い取った。

 

「へへっ、おかげで力が戻って来たぜ!!って言いたい所だけど肝心なパスコードは修復するのに時間が掛かりそうなんだ、悪いがもう少し待ってくれ」

 

「ハァ・・・・・ハァ・・・・・結構手ごわい相手だったな」

 

「うん・・・そうだね。それにしてもアイツが言ってた事って・・・・・・」

 

エールはフランマールが感じていた気配が何のかが気になっていた。

 

「さぁな、モデルV以上にヤバいもんがあるのかあるいは、けど今はモデルVを止めるのが先だな」

 

「そうだね。残るはモデルPのパスコードだけ、あと一歩だね!」

 

あぁ、だがあのフランマールも相当強かった。ってなるの残る一体のフォルスロイドも相当手ごわそうだな・・・・・・・それにフォルスアーマーも待ち構えてるかもしれない。

一層油断はできないな。とにかく今はガーディアンベースに戻ろう。




フランマールが感じていた気配、一体何なのだろうか?原作では倒された後に気配を感じていましたが本作では戦闘中に気配を感じていました。これが一体何を意味するのか?
残るボスは後一体、果たしてどう戦うのか?次回もお楽しみください。


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ロックマンZX Re:File㉘

残るパスコードはモデルPを残すのみ、いよいよ決戦が近づいています!
前回、苦戦を強いられた悩むヴァン・・・・・・・・大丈夫でしょうか?


アトラクション、散りばめられたパンフレット。あの日の光景のままであった。「2人ともご苦労様、今回もよくやってくれたわ」

 

エリアKでのミッションを終え、プレリーに報告を終えたヴァンとエール。今回はかなり苦戦したのかだいぶお疲れな様子だ。

 

「少し休んでくるといいわ、何かあったらすぐに伝えるわ」

 

「あぁ、そうするよ。行こうぜエール」

 

「うん、そうだね」

 

ヴァンとエールは司令室を出た。

 

「さてっと、残るパスコードはモデルPだけか」

 

モデルH、L、F、3つのライブメタルのパスコードのを集める事に成功した。残るはただ1つ、とは言え3つのライブメタルのパスコードの修復にはもう少し時間が掛かるようだ。

 

「えぇ、もう少しでモデルVに近づけるわ」

 

プレリーは残るモデルPの反応があるエリアをくまなく探していた。

 

「・・・・・・・・・」

 

バリアンは顎に手を添えながら考えていた。ヴァンとエールの報告にあったフランマールの感じた気配について。

モデルV以上の存在があるのかと。

 

「これ以上にヤバいモノ・・・・・・・か、そいつがモデルVに対抗出来るモンであればな・・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、食堂でランチを食べていたヴァンとエール、前回のミッションについて振り返っていた。

 

「あのフォルスアーマーってやつ、とにかく脅威になるな。以前戦ったハイボルトって奴をベースにしてるんだろうけどアイツ以上にきつかった」

 

「うん、油断できないね」

 

「・・・・・・・・・・・」

 

「どうしたの、ヴァン?」

 

「あっ、いや・・・・あの時、フランマールが気をそらしていたから勝てた様なもんだった。もしかしたら・・・・・って思ってな」

 

フランマールとの戦いはプロメテ程ではなかったものの、かなり苦戦を強いられていた。

もしあのまま油断されなければ・・・・・・・・と考えていた。

 

「この調子でモデルVどころか最後のフォルスロイドにも・・・・・・・・」

 

珍しくヴァンが弱気になっていた。

そんな彼の肩をエールが叩いた。

 

「何言ってるの、私達なら大丈夫だって!次は絶対に負けないんだから」

 

「そっ・・・・・・そうだな」

 

『ヴァンさん、エールさん、至急司令室へ来てください」

 

オペレーターの1人から司令室に向かう様に言われ、ヴァンとエールはすぐさま立ち上がった。

 

「よし、行こう!」

 

「来たわね、ミッション終わってすぐで申し訳ないけど、次のミッションよ」

 

「それで、ミッションの内容は?」

 

「エリアLで古い研究所が発見されたわ。実はその研究所の構造がお姉ちゃん、初代司令官がモデルXを発見した施設と似ているらしいの」

 

「俺は同行したワケじゃないからよく分からねぇけどな」

 

「そこにライブメタルに関するデータが手に入るかもしれないわ。それと敵も同じ事を考えているらしく既に進軍を始めているそうよ」

 

「それなら一刻も早く奴らより先にデータを手に入れないと・・・・・・」

 

「それとエール、貴方に2つ」

 

「何?」

 

プレリーがエールに声を掛けると研究室からフルーブが出てきた。

 

「エールさん、貴方のコピーX、オリジナルのモデルXが変身せずとも単独で変身出来る様にしておきました」

 

フルーブがエールにコピーXを渡した。

 

「ありがとう!それでプレリー、もう1つは?」

 

「落ち着いて聞いてね、エリアLに向かうにはエリアHを介さなければならないの」

 

「エリア・・・・・・・・H」

 

エリアH、エールにとってトラウマが残る場所、心の底ではもう二度と来る事はないと思っていたけど・・・・・・

 

「大丈夫、アタシやるよ。もう怖がっていられないもの」

 

「ゴメンなさいね、貴方にはちゃんと伝えるべきだと思って」

 

エールの事情を考慮した上で、プレリーはこの事を話した。もしエールが今でも恐怖に脅えていたならば、最悪ヴァンとバリアンだけでミッションに向かわせるという考えも頭に入れていた。

 

「何、ちょっと通るだけだし心配いらねぇって」

 

「それじゃ、行こうか」

 

そしてヴァンとエール、そしてバリアンの3人はエリアLへ向かう為、まず先にエリアHへと向かった。

 

「またここに来る事になるとはな・・・・・・・・」

 

「この扉だ。さっさと行くぞ」

 

「あぁ」

 

バリアンが指差したのは紫色の扉だったパンダの飾りが置いてありとても研究所の入り口とは思えない。

 

「しかし、こんな所に研究所があるなんてな」

 

普通に考えれば遊園地の近くに研究所があるだなんて誰も想像しないだろう。

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

エールはエリアHの光景を眺めていた。イレギュラーがいなくなった事で停止した

 

「ずっと・・・・・このままだったんだ」

 

「オイ、エール、大丈夫か?」

 

「あっ、うん・・・・大丈夫、ただ、ずっとこのままにしておくべきなのかなって」

 

イレギュラーがいなくなったらまた再開する・・・・・・・ってワケにはいかないよね。

 

「ゴメン、行こうか」

 

「んじゃ、開けるぞ」

 

バリアンが紫色の扉を開いた。するとそこは外が遊園地とは思えない殺伐とした施設となっていた。

 

「やはり手が速いな、すでにイレギュラーがいやがる」

 

施設内にはイレギュラーが研究所の捜索を続けていた。

 

「ここは俺に任せてくれ、お前達は先に言ってろ」

 

「分かった、気をつけろよな」

 

前方のメカニロイドをバリアンに任せヴァンとエールは先に進んだ。

 

「これに乗っていこう」

 

「うん」

 

ヴァンはモデルFXにエールはモデルPXに変身し小型飛行ユニットに乗って移動を開始した。

迫るメカニロイドを倒しながら先へ進み、小さい拠点の様な施設を発見した。

 

「あそこに何かありそうだよ」

 

「よし、急ごう!!」

 

2人は飛行ユニットから降りて小さな施設へ走り出したその時―――――――――――――――

 

「ヴァン、上!!」

 

「なっ・・・・・・何だ!?」

 

上空から巨大なサイの様な形をしたイレギュラーが小さな施設の踏みつぶすようにして降って来た。

 

「来たな、ガーディアンに与する愚かなロックマン、残念ながらここのデータは全てこの俺の中に記録した。後は貴様ら諸共この施設を踏みつぶせば全て終わりだ。冥土の土産に教えてやろう、俺様はモデルPのフォルスロイド、プロテクタス!セルパン様の・・・・・・我々の理想を阻むモノはこの俺様が踏みつぶしてくれる!」

 

一足遅かったか・・・・・・・いや、コイツからデータを取り出せるはずだ。早い所コイツを倒してデータを手に入れないと!!

 




いよいよ最後のパスコードを手にするミッションに突入、今の自分の力じゃ勝てるかどうか不安を抱くヴァン、果たして最後のフォルスロイド、プロテクタスに勝つ事は出来るのか?そして次回とんでもない事に――――――――――――
ゲームをやっていて何故遊園地から研究所に繋がっているのか?疑問を抱いており少しそこに触れる要素を追加しました。皆さんは疑問に感じた事はありますか?


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ロックマンZX Re:File㉙

プロテクタス戦、これで全てのライブメタルのパスコードが揃う・・・・・・・・
そして最後に待ち受けるのは――――――――――――


「っ・・・・・・・・何て固い装甲なんだ!!」

 

ヴァンの撃つナックルバスターをプロテクタスの装甲の前ではビクともしなかった。

 

「これならっ!!」

 

エールが頭上に飛び込みモデルZXに変身し、ZXセイバーのチャージセイバーをプロテクタスの背中に直撃させる。

 

「フン、効かんな、そんな攻撃ハエが止まった様に感じるわ!」

 

プロテクタスの両腕からドリル状のミサイルが発射された。

そのミサイルをヴァンはナックルバスターで撃ち落とし、エールはZXセイバーで切り裂いた。

 

「ほぅ、少しはやる様だな。これまでのフォルスロイドを倒しただけの事はあるわ!」

 

「そりゃ、どうも!!」

 

ヴァンはモデルLXに変身し、プロテクタスの足元を凍らせる。

 

「動きを止めればこっちのもんだ、エール今だ!!」

 

「分かった!!」

 

エールは動きの封じられたプロテクタスにチャージバスターを放った。

 

「そんな程度!!」

 

プロテクタスの足元からジェットが噴射し、宙に浮いてチャージバスターを回避した。

 

「小賢しい真似をしおる、貴様らの攻撃なんぞ1ミリも通らんぞ!!」

 

プロテクタスの周りに白く巨大なバリアが張られた。

 

「クソっ!この!!」

 

「エイッ!!」

 

ヴァンとエールはプロテクタスのバリアを破壊しようとするが、攻撃は通らず、バリアは破壊されないままであった。

 

「フハハハハハ!!そんな攻撃で俺様のバリアを敗れると思っているのか!!」

 

2人の足元に赤、青、緑の爆弾が投げられる。

 

「っ・・・・・こんなもの!!」

 

ヴァンの方に投げられた爆弾はハルバートの攻撃で凍らせることが出来たが、エールの方に投げられた爆弾は彼女の足元で爆発、大きく吹き飛ばされた。

 

「キャッ!!」

 

「エール!!」

 

「フン、もはやここまでだな。まずはその小娘から始末してくれよう」

 

マズい、このままじゃエールが・・・・・・・・・・・・考えろ、考えるんだ!!

ますはあのバリアを突破しないと・・・・・・でもどうすれば・・・・・・・

 

ヴァンは考えた、あのバリアを破る方法を。並みの攻撃じゃ破壊されない。だがあのバリアを破らなければプロテクタスにダメージを与えられない。

 

「あの小僧の前でお前を木っ端微塵にしてくれるわ!!」

 

「うっ・・・・・・・・」

 

エールは立ち上がれずにいた。

 

「・・・・・イチかバチかだ!!」

 

ヴァンはある戦法に掛ける事にした。

 

「さぁ・・・・・サヨナラだ」

 

エールの上から数発のミサイルが降って来た。絶体絶命、その時―――――――――――――――!!

 

「あっ・・・・・あれは・・・・・」

 

ミサイルを十字手裏剣が切り裂き、空中で爆破した。

 

「ほほぅ・・・・・・まだやるというか」

 

プロテクタスの背後には、モデルPXに変身したヴァンがいた。

 

「一気に行くぞ――――――――――――!!」

 

プロテクタスの方に向かってヴァンは前進した。

 

「フンっ我がバリアを破れると思うな!!」

 

プロテクタスの腕から発射されるミサイルがヴァンを襲う。

 

「っ――――――――!!」

 

ギリギリのタイミングでヴァンはミサイルを避ける。だが一発がヴァンに直撃しようとするが・・・・・・・・・・

 

「何っ!?」

 

ヴァンがミサイルをすり抜けた。そのまま一気に走り抜ける。

 

「通ってくれ!!」

 

「貴様・・・・・・こんな手を!?」

 

ヴァンがプロテクタスのバリアをすり抜け首元にしがみついた。

 

「貴様っ、離せ!!」

 

「バリアをすり抜けちまえばこっちのもんだ!!」

 

モデルLXに変身し、氷を付与したハルバートをプロテクタスの首の隙間に突き刺した。

どんなに固い装甲でも隙間だけは防御しきれない。最大の弱点を突いた。

 

「ぐぁっ・・・・・・・・・・この俺様の装甲の隙間を狙うとは・・・・・ぐっ・・・・・おおおおおおおお!」

 

プロテクタスはそのまま機能を停止しバリアが解除された。

 

「ハァ・・・・・ハァ・・・・イチかバチかに掛けた甲斐はあったぜ」

 

「やったね、ヴァン!」

 

「あぁ、何とかやってやったぜ」

 

機能停止したプロテクタスからモデルPがエネルギーを吸い取った。

 

「いかなる強固な装甲も、信念という刃に勝るモノはないという事だ。取り戻したパスコードの修復には時間が掛かる、しばし待たれよ」

 

これで・・・・・・・全部のパスコードを手に入れた。後は全ての修復を待つだけだ。これでようやく・・・・・モデルVにたどり着けるのか。

 

「ん・・・・・・・これは?」

 

エールの足元にデータディスクが落ちてあった。

 

「あのフォルスロイドが落としたものかな?」

 

エールがデータディスクを起動した。

 

『ライブメタルレポート:分類ナンバー555913、チカラを受け継ぎし者へ、私が作ったライブメタルを手にするであろう選ばれし者へこのメッセージを送ります。わたし・・・・・・・・・・イレギュラー・・・・・・うみだす・・・・・・・おそるべき・・・・・・・モデルV・・・・・・たいこう・・・・・・・』

 

「駄目だね、あのフォルスロイドとの戦いでデータが壊れたみたい」

 

「んじゃっ、ガーディアンベースで修復してもらおうぜ。バリアンと合流してさっさと戻ろう」

 

「そうだね」

 

「・・・・・・・・・このままでは・・・・・・終わらんぞ・・・・・・・」

 

「何っ!?」

 

機能停止したはずのプロテクタスの目が光った。

 

「モデルVの元へは行かせん・・・・・・・貴様らは・・・・・・・ここで・・・・・・・・」

 

プロテクタスの背中から巨大なミサイルが発射され上空へ放たれると同時にプロテクタスは完全に機能を停止した。

狙った先は・・・・・・・・・・

 

「エール、早く逃げろ!!」

 

「えっ・・・・・・・・・あっ・・・・・・」

 

エールの方へ向かってミサイルが落ちていく。

 

「エール――――――――――――!!」

 

ヴァンがモデルHXに変身し急いでエールの元へ走り出す。

 

「キャ――――――――――――」

 

ミサイルは地面に直撃し大爆発を引き起こした。

 

「・・・・・・・ひどい・・・・・」

 

エールが目を開けると辺りはミサイルの爆発で酷く崩れていた。プロテクタスもミサイルの爆発でボロボロになっていた。

 

「オイ、なんかすごい音がしたが大丈夫か!?」

 

そこへバリアンがやって来た。

 

「わっ、私は大丈夫だけど・・・・・・」

 

エールが立ち上がろうとすると何かが倒れる様な音がした。

 

「ヴァン・・・・・・?ヴァン!?」

 

エールの目の前にはボロボロな姿のヴァンが倒れていた。

 

「エール・・・・・無事・・・・・・か?」

 

ひょっとして、あの時アタシを庇って・・・・・・・あの爆発をもろに喰らって・・・・・・・・

 

「なんてこった・・・・・・早くガーディアンベースへ戻るぞ!!」

 

「うっ・・・・・うん!」

 

バリアンが倒れたヴァンを抱えながら、トランスサーバを介してガーディアンベースへ戻っていった・・・・・・・・




ようやくパスコードを手に入れた矢先・・・・・・・プロテクタスの置き土産でヴァンが重傷を負ってしまった、果たしてどうなるのか・・・・・・・・・・・・・
プロテクタスのバリアってゲームだと結構簡単に敗れちゃうのでもっと強固にしてやりました。実際モデルPのシャドウダッシュですり抜けはできないんですよね、ソニックブームでは貫通できるけど。
波乱の展開で終わり次回はどうなるのか・・・・・・・?


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ロックマンZX Re:File㉚

前回エールを庇い重傷を負ってしまったヴァン。果たして無事なのか!?
そしていよいよ時が来た、終盤戦に入ります!!


ガーディアンベースに戻りすぐさま医務室へ運ばれたヴァン。急いで治療に取り掛かっていた。

 

「ヴァン・・・・・・」

 

エールを庇い、プロテクタスのミサイルの爆風をモロに喰らってしまい、ヴァンは重傷を負ってしまった。

 

「わたしのせいで・・・・・・」

 

自分のせいだとエールは自分を責めた。

 

「お前のせいじゃねぇって、そう思い詰めんな」

 

バリアンがエールの背中を叩き、少しでも不安を和らげようとした。

 

「うん・・・・・・・・・・」

 

気を落としたようなゆっくりとした動きでエールはプレリーのいる司令室へと入っていった。

 

「お疲れ様・・・・・・とは言うべきじゃなわね」

 

エールの方を振り返るプレリー、落ち込む彼女の顔を見て心配そうに見つめた。

 

「ヴァンの事なら心配しないで、ガーディアンの医療チームが全力で治療に取り組んでいるから」

 

「ゴメンなさい・・・・・・私が敵を倒して安心したばかりに・・・・・」

 

「エールが悪いんじゃないわ、それよりも回収したディスクの修復が終わったわ」

 

「確か、ライブメタルに関するレポートだったよな」

 

「えぇ、今から流すわ、エール・・・・よく聞くのよ」

 

プレリーがモニターからデータディスクを起動した。

 

『ライブメタルレポート:分類ナンバー555913、チカラを受け継ぎし者へ、私が作ったライブメタルを手にするであろう選ばれし者へこのメッセージを送ります。私はイレギュラーを生み出す恐るべきライブメタル、モデルVに対抗するべく、英雄達のデータを込めたモデルX、モデルZ達を作りました。けれど・・・・ライブメタルには未知の部分が多く、モデルX達はモデルVの研究データを元にして作らざるを得なかったのです。つまりモデルX達の力を引き出せるのは・・・・・・モデルVの真の力も使いこなす事が出来るという事。貴方は世界を守る事も出来れば世界を支配する事も出来るのです。どうかその力で人々をよりよき世界へ導いて下さい・・・・・・・」

 

「・・・・・・・」

 

エールは自分の腕を抑え震えていた。

 

「つまり、ライブメタルを使える奴ってのは、英雄にも支配者にもなれるって事か・・・・・・」

 

「そういう事になるわね・・・・・・」

 

英雄にも支配者にもなれる・・・・・・・・ヴァンの力になりたい、アタシにも出来る事がある。そんな思いでアタシは戦う事を決めた。でも・・・・・・・あんな事になるなんて・・・・・

怖い、自分がどうにかなりそう。こんな時ヴァンならどうするのかな?

多分いや、絶対にこういうと思う「俺は支配者なんかにならない、この力はみんなを守るための力」だって。だからアタシも・・・・・・・・・・

 

「プレリー、アタシはプロメテ達の様にはならないよ。だってこの力はみんなや・・・・・ヴァンに貰ったものだから」

 

「エール、お前の言葉を聞いて安心した、みんなのパスコードの修復が完了したようだ。これでモデルV本体の眠る遺跡に入ることが出来る」

 

モデルZがエールの言葉を聞いて頷く様に感心していた。

 

「そう・・・・・分かったわ。エール、ヴァンの治療が終わったわよ、また完治には時間が掛かりそうだけど」

 

「よかった・・・・・・でも、敵もモデルVを追っている。アタシ1人でも・・・・・・・・」

 

ヴァンのケガが治りきっていない為、ミッションに参加できない。エールは1人で向かおうとするが・・・・・・・

 

「待てよ、モデルV本体のある遺跡へ向かうんだ。1人でどうにかなるのか?」

 

1人で向かおうとするエールを、バリアンが止めた。

 

「分からない、でも時間がないんじゃこうするしか・・・・・・・」

 

「バカ言え、敵も総力を上げてくるに決まってる。1人でどうにかなるレベルじゃねぇだろ。イレギュラーを倒すのはガーディアンの役目、だろ?」

 

「バリアン・・・・・・」

 

「って訳で、プレリーさん、ガーディアンの隊員何人か借りてくぜ」

 

「勿論よ、みんなそのつもりでいるわよ」

 

「みんな・・・・・・・ありがとう!!」

 

モデルVの眠る遺跡へ向かう前に、エールは病室にいるヴァンに会いに行った。

 

「ヴァン、アタシ行くよ。ガーディアンのみんなも一緒に同行してくれるから安心して」

 

「そっか、悪いな俺がこんなザマばかりに・・・・・・」

 

ヴァンは腕に巻かれた包帯を見つめていた。

 

「うぅん、アタシを助けようとしてこんな事になって・・・・・・凄く心配したんだから」

 

「お前のせいじゃないよ。まぁとにかく・・・・・・頑張って来いよ」

 

ヴァンはエールにモデルXを渡した。

 

「頼んだぞ、エール」

 

「任せて」

 

エールは病室を後にした。エールが去ったのを見るとヴァンはベッドの中に潜り込んだ。

 

「・・・・・・・・・・・・・」

 

心の底では悔しかった。プロテクタスを倒し損ねたせいでエールを危険に晒してしまった事に。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてエール達はモデルVの眠るエリアMまで来ていた。

 

「さて・・・・・・いかにもモデルVが眠ってそうな場所だな」

 

神秘的な遺跡で何かのうめき声の様な音が聞こえる。

 

「あの扉だな、頼んだぞエール」

 

「うん、さぁみんな、パスコードを」

 

「覚悟は出来ているな・・・・・みんな行くぞ」

 

「パスコードの準備を」

 

黄色い扉の周りに「X」「Z」「H」「Ⅼ」「F」「P」そして一番上に大きく「V」の文字が浮かび上がっていた。

 

「我が言の葉は風となり・・・空を巡る【ウェントス・アルス】」

 

「我が言の葉は水となり・・・大地を潤す【グラキエス・パッシオ】」

 

「我が言の葉は炎となり・・・命を燃やす【フランマ・ウィース】」

 

「我が言の葉は影となり・・・忠義を誓う【ウンブラ・プロフェス】」

 

「我が言の葉は光となり・・・無限の可能性を照らす【ルーメン・インフィニタス】」

 

「我が言の葉は勇気となり・・・信念を支える【フォルティトゥード・クレド】」

 

6つのライブメタルのパスコードが光となりそれぞれの浮かび上がる文字に注入される。

そして扉が開く様な音が聞こえた。

 

「さっ、この先にモデルVがあるんだ、お前ら!何としてもエールを辿り着かせるんだ!!」

 

「了解!!」

 

「みんな・・・・・・・・行くよ!!」

 

エールはモデルZXに変身し、彼女を先頭に遺跡の中へと入っていった・・・・・・・・・・・・・・・

そして遺跡の更なる奥、エリアNでは1人の男が立ちはだかっていた。大量の切り刻まれたメカニロイドを踏みながら歩く赤い戦士の姿が・・・・・・・・・・

 

「我は――――――――――――」




いよいよモデルVの眠る遺跡へ突入!!次回大決戦が始まる・・・・・・・・・・・・
最後に現れたのは何者なのでしょうか?皆さんはもうお分かりかも・・・・・・・
バリアンも活躍するから忘れないでね(笑)


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ロックマンZX Re:File㉛

いよいよこの時がやってきました!!この話を書くのをどれほど待ち望んだ事か・・・・・・・
ゲームの展開を遥かに超える出来事が待ち受けています!!ぜひ見てください!!


「前の敵を蹴散らせ!!」

 

エール達の前に立ちはだかる多数のメカニロイド。バリアンの発砲と共にガーディアンの隊員が銃を構えメカニロイドに攻撃を仕掛ける。

 

「何て数・・・・・だけど!!」

 

迫るメカニロイドを斬り倒しながらエールは先へ進む。

 

「随分数が多い・・・・・・」

 

「そりゃ当たり前だろ、敵もモデルVも狙ってるんだからよ!!」

 

そうだ、セルパン達はもう向かっているんだ。早くしないと・・・・・・・・・・

 

「ここの雑魚共は俺達に任せてお前は早く先に行け!!」

 

「うん・・・・・・分かった!みんなも気を付けてね」

 

バリアン達の援護射撃で空いた道をエールは一気に駆け抜けた。

 

「へへっ、俺達じゃさの先の奴らは倒せそうにないからな。この辺の有象無象はいくらでも相手にしてやる!!」

 

バリアン達がメカニロイドを倒している中、空から何かが降って来た。

 

「コイツは・・・・・・そういやコイツには随分やられたもんだな」

 

バリアン達の目の前に現れたのはフォルスロイド、フィストレオを髣髴とさせる2体のフォルスアーマー、さしずめTYPE-F-Lと言うべきだろう。

 

「しかも2体嫌がるとは・・・・・・随分皮肉なもんだな」

 

一度フィストレオに痛手を喰らった事のあるバリアン、手に仕込んでいたシールドを展開しマシンガンを構える。

 

「さて・・・・・セルパンの野郎が作ったフォルスアーマーって奴の力、見せてもらおうじゃねぇか」

 

バリアンは唾を飲んだ。

 

「ハァ・・・・・ハァ・・・・・みんな、大丈夫かな?」

 

一気に走り抜けたエール。後ろを振り替えながら胸を抑えた。

 

「とにかく先へ進まなきゃ」

 

進むたびに不気味な気配が感じだしていく。不安になりながらもエールは先へ進んだ。

 

「この奥に・・・・・・モデルVが・・・・・・」

 

エールは目の様な形をした模様の扉を開けた。するとそこに邪悪な気配が漂った。

 

「アレは・・・・・・!?」

 

エールが目にした物、それは巨大な鳥の様な形をし真ん中に赤い球体のある機械だった。

 

「ほほぉ・・・・君がパンドラの言っていた少女か」

 

「お前が・・・・・セルパン!!」

 

エールはセルパンと対面するのは初めてであった。

大きく手を突き上げ巨大な鳥の様な機械を指さした。

 

「あの時の少年は一緒ではないのか?」

 

セルパンはヴァンがいない事をエールに尋ねる。

 

「ヴぁっ、ヴァンは・・・・・・・」

 

口にしようとするエールだが、それ以上は言わなかった。

 

「そうか、プロテクタスがやったか、それは残念だ。せっかくの光景を目の当たりに出来ないとは。見たまえ、コレが世界を支配する力、モデルVの本当の姿を!」

 

「・・・・・・・・!」

 

エールは震えていた。モデルVを目の当たりにし、その悍ましさに。

 

「感じるかね?このプレッシャーを!君の手にするライブメタルでさえモデルVには及ばんのだからな!!そう、この力が全て・・・・・・私のモノとなるのだ!!」

 

セルパンは大いに喜んでいた。遂に念願のモデルVを手にする事に成功するのだから。

 

「邪魔されては困るからな。プロメテ、パンドラ!」

 

セルパンの声と共にプロメテとパンドラが現れた。

 

「彼女は大事なお客様だ、丁重にもてなしてあげたまえ」

 

「・・・・・分かった」

 

「あの時の小娘がどこまで強くなっているか、楽しみだぜ」

 

「くっ・・・・・・来る!!」

 

プロメテとパンドラが戦闘態勢を取り、エールもZXセイバーを構える、が・・・・・・・・・・・

 

「なっ・・・・・何だ!?」

 

「えっ・・・・何なの!?」

 

突然、後ろの壁が崩壊した。爆発ではない、何かの衝撃で。発生した土煙で周りがよく見えない。

 

『エール!大丈夫!?』

 

通信機からプレリーの声が聞こえた。

 

「だっ・・・・大丈夫だけど・・・・何が起きてるのかよく分からない・・・・・」

 

モニター越しでプレリーがエールの様子を確認する。

 

「・・・・・感じる、モデルVとは違うものを」

 

「コイツは随分面白そうな事になりそうじゃないか・・・・」

 

プロメテ達はモデルVとは違う気配を感じていた。そして土煙が消え、そこに現れたのは・・・・・・・・・

 

「なっ・・・・・・何!?アイツは・・・・・・!!」

 

「我は・・・・・・・[[rb:救世主 > メシア]]なり!フハハハハハ!!」

 

その姿はモデルZの様な赤い姿に金髪、赤い瞳をZセイバーと似たような剣を持つ戦士の姿であった。

赤い戦士が現れたと同時にモデルVが強く共鳴し、激しいオーラが放たれる。

 

『あっ・・・・アレは!?どうしてここに・・・・・・・』

 

モニター越しにその姿を見たプレリーは赤い戦士を見て愕然としていた。

 

「一体何なの?」

 

突然の事にエールは焦っていた。

 

「何者かは知らねぇが俺様達を満足させられるかどうか、見せてもらおうじゃぁないか!!」

 

プロメテは赤い戦士に接近し鎌を振り下ろした。

 

「・・・・・・・・・」

 

赤い戦士はプロメテの鎌を剣で抑え、一気に後ろに回り背中を蹴った。

 

「ぐぁっ!!」

 

プロメテは地面に叩きつけられた。

 

「プロメテ、大丈夫?」

 

冷たい視線でパンドラが声を掛ける。

 

「ククっ・・・・・・ハハハハハ!!とんでもねぇ収穫だぜ!まさかこんな奴に巡り合えるなんてな!」

 

プロメテは高らかに笑う。

その光景を見てエールは立ち止まるばかりだ。

 

「プレリー・・・・・・アレは何なの!?」

 

『あっ・・・・アレは遥か昔に戦争を引き起こした・・・・・・いわば破壊神よ!オメガとでも言っておくべきかしら』

 

「オメガ・・・・・・あのプロメテを赤子の手をひねる様にあしらうなんて・・・・・・」

 

「どこを見てるの?」

 

「っ!?」

 

エールの頭上から雷が発生した。その背後にはパンドラが迫っていた」

 

「予想外だけど・・・・・これもまた一興」

 

「とんでもない事になってる・・・・・・でも、やるしかない!!」

 

エール、プロメテとパンドラ、そしてオメガの三つ巴戦いが今始まる――――――――――――!!




まさかのオメガ登場!!まさかの乱入により一体どうなる事やら・・・・・・・・・・
ゲームではパンドラだけの戦闘でしたが今作ではプロメテも参戦、そこにオメガもいるのでとんでもない状況に・・・・・・・・果たしてエールは勝つ事が出来るのでしょうか?
常々オメガを乱入させるのを待ちわびていました。次回が最終回でもいいくらいです(笑)
この戦いの行方は次回に続きます、お楽しみに!!


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ロックマンZX Re:File㉜

プロメテ、パンドラそしてオメガ戦開幕!!果たして勝負の行く末は・・・・・・・・?
その先に待ち受けるものとは!!ぜひ見てください。


パンドラの杖から放たれる電撃を避けるエール。

避けた先にオメガがいて、セイバーで斬りかかられる。

 

「っ・・・・・・何て力!!」

 

ZXセイバーで受け止めるが、相手の強さに押されつつある。

 

「そら!相手は奴だけじゃないんだなぁ!!」

 

頭上からプロメテが飛び上がり、紫色のドクロを2匹呼び出し、口から火の玉を吐き出す。

 

「オリャァ!!」

 

オメガのセイバーから放たれた衝撃波が2匹のドクロをかき消す。

 

「チっ・・・・・この程度じゃくたばらねぇか」

 

「ハァっ!!」

 

オメガはプロメテに向かってバスターを撃った。

 

「グっ!?」

 

鎌を振るいバスターを防ぐが後ろへ退いてしまった。

 

「何て強さなの・・・・・・とても追いつけない・・・・・」

 

パンドラの攻撃をかわすのに精一杯なエール。反撃しようにもタイミングが掴めない。

 

「まとめて潰してあげる」

 

パンドラが氷だるまを召喚し、エールとオメガを潰そうとする。

 

「っ・・・・・・何の!!」

 

エールがチャージバスターを放ち、氷だるまを破壊する。

 

「意外と・・・・・やる」

 

「それはどうも!!」

 

エールがパンドラの方に飛び上がり、ZXセイバーを振り下ろす。

 

「っと!!」

 

「プロメテ・・・・」

 

そこへプロメテが乱入しZXセイバーを防ぐ。

 

「少しはやる様だな。だがまだ甘いわ!!

 

プロメテが髪を伸ばしエールに連続突きを炸裂させた。

 

「——————っ!?」

 

1つ1つをZXセイバーで防ぐエール。地面に着地すると同時にパンドラの杖の電撃が降り注ぐ。

 

「このっ!!」

 

エールはそれを右に回避する。その方向にはオメガがいた。

 

「滅びよ!!」

 

オメガが左手を地面に付けると光の弾が5方向に放たれ、エールとプロメテ、パンドラに襲い掛かる。

 

「コイツ・・・・・・まともに相手をしてたらキリがなさそうだな」

 

プロメテもオメガの圧倒的力を前に引き目を感じていた。

 

「ハァっ!!」

 

オメガが飛び上がりプロメテに近づく。

 

「何!?」

 

「そう簡単には逃がしてくれやしないか」

 

チャージセイバーを振り下ろしプロメテを地面に叩きつける。その衝撃で落石が発生し、プロメテは落石の下敷きになる。

 

「プロメテ・・・・・・!?」

 

パンドラが杖から電撃を放ちオメガを襲う。

 

「・・・・・・・・・・」

 

オメガはすんなりとそれを回避する。

 

「逃がさない」

 

パンドラのヘッドギアが左右に分裂し、電撃と氷をオメガに向かって放った。

 

「消え去れ!!」

 

オメガは右手を地面に付き、光の柱を発生させ、パンドラのヘッドギアを破壊した。

 

「嘘・・・・・・!?」

 

「フハハハハハ!!」

 

戦いに喜んでいるのかオメガは高らかに笑った。

 

「・・・・・・・!!」

 

エールが戦ってるのを横目にモデルVにZXバスターの標準を定めた。

 

「これで・・・・・・!!」

 

エールがチャージバスタをモデルVに向かって放つ――――――――――――!!

 

「させるか!!」

 

瓦礫を吹き飛ばし立ち上がったプロメテ、モデルVの方に飛び出す。

 

「そんな!!」

 

プロメテがモデルVを庇い、チャージバスターの直撃を喰らう。

 

「ぬあああああ!!」

 

チャージバスターを直撃したプロメテは地面に落ちた。そこへパンドラが手を貸す。

 

「プロメテ・・・・・・大丈夫?」

 

「へっ!こんな攻撃、あのバケモン相手に比べれば大したもんじゃないさ」

 

プロメテは立ち上がった。

 

「オラぁ!!」

 

オメガが回転切りすると同時に周りから衝撃波が発生し、エール達を襲い、モデルVにも直撃する。

 

「クソっ!モデルVまで狙ってきやがるとは・・・・・・」

 

オメガにとってモデルVは眼中にない様だ。だから容赦なく攻撃が行える。

 

「プロメテ、そろそろ・・・・・・」

 

パンドラがプロメテに声を掛けると同時に、モデルVが地上に引き上げられていった。

 

「そんな・・・・・モデルVが!?」

 

「フッ・・・・・もう少し楽しんでおきたかったが・・・・・これ以上は消耗戦になる一方だ。お楽しみは譲ってやるよ。精々モデルVとやりあえるまでくたばらないようになぁ」

 

そう言い残しプロメテ達はどこかへ転送されていった。

 

「待て――――――――――――!!」

 

「ハァっ!!」

 

「キャッ――――――――――――!!」

 

 

 

 

 

 

 

エールがプロメテ達を追いかけようとした時、オメガがセイバーを振り下ろし、直撃を喰らい、オメガが破壊した壁の奥まで吹き飛ばされた。

 

「うっ・・・・・・」

 

エールが吹き飛ばされたのは、エリアMの更に奥であるエリアNであった。

 

「こっ・・・・・これは!?」

 

エールが立ち上がり目にしたモノは、破壊された大量のメカニロイドの残骸であった。

 

「コレって・・・・・アイツが全部やったって言うの!?」

 

あまりの数に、あまりの破壊っぷりにエールは愕然とした。

 

『エール、もういいわ。引き上げて!!』

 

プレリーから通信が入った。オメガはモデルVと関係がなければセルパンの配下でもない。

ここで引き上げたとしても影響はないとプレリーは考えていた。

 

確かに、モデルVとは関係ないみたい。だけど・・・・・・・もしアイツが地上に出てきて人々を襲ったら・・・・・・って考えると怖くてしょうがない。

だから・・・・・・・アイツはここで――――――――――――!!

 

「ハアアア!!」

 

ZXセイバーを握りしめ、エールはオメガに向かって走りだす。

 

「・・・・・・・!」

 

オメガはZXセイバーをいとも簡単に右手で掴んだ。

 

「こんな所で・・・・・・・こんな所で!!」

 

エールはZXセイバーの刀身を仕舞い、ZXバスターに変形させオメガの腹部に狙いを定めた。

 

「この距離なら避けれない!!」

 

何時もより短い時間でエネルギーを溜め、多少威力の低いチャージショットをオメガの腹部に連発して放った。

 

「・・・・・・・・っ!?」

 

チャージショットが直撃したオメガは後ろに後退し、よろけ、腹部を抑えた。

 

「まだ!!」

 

下がったオメガに一気に近づきチャージセイバーを一気にオメガの頭上に振り下ろした。

 

オメガは膝を付いた。そしてエールを見上げた。

 

「ハァ・・・・・・ハァ・・・・・・これで――――――――――――!!」

 

ZXバスターのエネルギーをフルチャージし、最大威力のチャージバスターをオメガに向かって放った。

 

「っ――――――!!」

 

チャージバスターでオメガの上半身は吹き飛び、下半身が倒れた。

 

「ハァ・・・・・ハァ・・・・やった・・・・・」

 

エールは膝を付き、ZXセイバーを地面に突き刺した。

 

『エールが・・・・・・あのオメガを倒した・・・・・・!?』

 

モニター越しにエールの戦いを見ていたプレリー、かつて戦争を引き起こした一体でもあるオメガを倒した彼女に驚いていた。

 

「なんだここは・・・・・?ってエール!?」

 

フォルスアーマーを倒しエールの元へ合流したバリアンとガーディアンの隊員達。倒れかけたエールの姿を発見し、彼女の元へ走り出す。

 

「大丈夫か!何があった?」

 

「ゴメン・・・・・モデルVは・・・・」

 

エールはバリアンにモデルVが持ち出された事を話した。

 

「んな事気にしてる場合か!!」

 

『バリアン・・・・エールは、オメガを倒したのよ』

 

「オメガって・・・・・・あの!?アイツをエールが!!」

 

プレリーの通信を聞いたバリアンは驚いていた。どうやらバリアンもまたオメガの事を知っている様だ。

 

「マジかよ・・・・・・でも、あのオメガを倒せたんだ。セルパンの野郎なんか楽勝だっての!」

 

バリアンはエールの肩を叩いた。すると奥の方で何かが輝いているように見えた。

 

「なんだ・・・・・・?」

 

『どうしたの、バリアン?』

 

「奥に何かある様だ、様子を見てくる」

 

輝く方向に、バリアンは1人向かって行った。

 

「一体何なんだ・・・・・・・?」

 

バリアンが奥へ辿り着いた。そこにあったのは・・・・・・・・・・・

 

「コイツは一体・・・・・・」

 

『バリアン、何があったの?』

 

「分からねぇ・・・・・ただ凄い力を感じるぜ」

 

バリアンが見つけたのはΩ(オメガ)の文字の形をした不思議な力を秘めた石であった。

 

『とにかくそれを持ってガーディアンベースに至急戻って。これからの対策を考えるわよ』

 

「あいよ、さて・・・・・・・どうなる事やら・・・・・・・・」




オメガの圧倒的強さにプロメテも弱音を吐きかけました。パンドラと二人掛かりでも歯が立たないなんてかつてのラスボスだけの事はあります。
しかしそれを1人で倒したエール。彼女もまた更に強くなっていく・・・・・・・・・
そしてバリアンが見つけた謎の石は一体なんなのでしょうか?
今回、エリアMでプロメテとパンドラ、そしてオメガ戦を行った為、エリアOでのボス戦、およびミッションはカットとなります(尺の都合とかではないのでご安心を)
次回から最終章の始まりです。いよいよ終わりを迎える時が来ました。最後まで是非見てください!!


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ロックマンZX Re:File㉝

今回は決戦前日の話になります。
やり残した事の無いようにしないといけませんね・・・・・・・・・・・


ガーディアンベースへと帰還したエール達。

バリアンはフルーブに回収した謎の石を渡していた。

 

「なぁ、コイツがなんなのか解析できんのか?」

 

「分かりません。ですが調べて見る事に変わりません。時間は掛かるかもしれませんが」

 

「そういかい、んじゃっよろしく頼みますわ」

 

そう言い、バリアンは研究室を出てプレリーのいる司令室へと向かった。

 

「バリアン、例のモノはどうなったの?」

 

「あぁ、いまフルーブに解析してもらってる。それともう1つ」

 

バリアンはプレリーの机にある1つの機械を置いた。

 

「コレは?」

 

「例のフォルスアーマーって奴が付けてたやつさ。いうなれば・・・・・ライブメタルに近いもんを使っている」

 

置いたのはライブメタルに似たような形をした機械にそれを取り付けるな腕輪型の機械だった。

 

「なるほど・・・・・フォルスロイドは疑似ロックマン。それをメカニロイドや人間にも扱えるようにする。言うなればフォルスメタルって言うべきかしら」

 

「まっ、そんな所だろうな」

 

バリアン達が話していると治療を終えたエールが入って来た。

 

「おい、大丈夫なのか?」

 

「うん、平気。ヴァンに比べたらこんなぐらい、どうって事ないよ」

 

エールの腕に包帯を巻いており、顔に白い絆創膏を貼っていた。

 

「それで・・・・・モデルVの反応は?」

 

「それが・・・・・モデルVが地上に出た影響でイレギュラーが活発してとても反応が追える状況じゃ・・・・・・」

 

セルパン達の手によってモデルVが回収され、その影響で活動していたイレギュラーが更に活発になり、モデルVの反応が多数検知されており。本体そのものの反応が掴めないままであった。

 

「それじゃ・・・・・今すぐにイレギュラーと止めないと!!」

 

エールはイレギュラーを止める為に司令室が飛び出そうとするが、それをプレリーが止めた。

 

「待ってエール!数がとても多いわ!!それに数多くの場所で反応が検知されてる。貴方1人じゃ身が持たないわよ!!」

 

「じゃあどうしろって言うの!?このまま本体が見つかるのを待てばいいの!!」

 

エールは焦っていた。ヴァンの負傷、オメガの圧倒的強さを目の当たりにし、一刻も早くモデルVを止めなければならないと躍起になっていた。

 

「まぁ、待てよ。ようはモデルV本体を見つければいいんだろ?」

 

焦るエールの肩を掴んでバリアンがプレリーに伝える。

 

「そうだけど・・・・・とても数が多すぎて見つけるのには時間が・・・・・・」

 

「それなら心配いらないぜ。既に手は打ってある」

 

バリアンが端末を起動した。その画面にはセルパンカンパニー本社の映像が映っていた。

 

「コレは・・・・・?」

 

「あの時俺がセルパンカンパニー本社に潜入したときにちょいと仕込みを入れてね。スパイロボットを仕掛けたのさ」

 

以前、バリアンがセルパンカンパニー本社に潜入した際、スイートルームから小さな虫の様な機械を落としていった。それがスパイロボットの事であった。

 

「どうやら破壊されてない様だし、野郎気付いてないみたいだな。俺の知るセルパンは大事なモンは常に自分の近くに置いておく野郎だったからな。今もそれが変わらないとなると・・・・・・・・」

 

スパイロボットは本社の研究室の様な部屋に侵入した。そこには大量のメカニロイドや、フォルスアーマーの外装が置かれてあった。そしてさらに奥に進んでいくと・・・・・・・

 

「コイツは・・・・・如何にも怪しそうな臭いしかしねぇぜ」

 

そこには指紋認証、虹彩認識、生体認識、カードキー、パスコードと何重にもロックされている扉を発見した。スパイロボットはその扉の隙間をくぐって中に入る。

 

「コレは・・・・・・・・」

 

「フゥ、やっぱり。アイツのクセは今も同じって事か」

 

扉の中にあったもの、それは・・・・・・・・・巨大な鳥の様な形をした機械、モデルV本体であった。

 

「モデルVが・・・・・こんな所に!!」

 

モデルVを発見したつかの間、突然画面が砂嵐に塗れた。

 

「おそらく、中の防衛機能が発動したのね」

 

「って所だな。だがこれでハッキリした。モデルVはセルパンカンパニー本社にあるって事がな」

 

「つまりは・・・・・・エリアDって事ね」

 

「そうと分かれば・・・・・・・・」

 

エールはすぐさまエリアDへと向かう。しかし・・・・・・・・・・

 

「待ちなさい、エール!今はまだ行くときじゃないわ」

 

「どうして!もう場所は分かっているんだよ!!早くしないとまた大勢の人達が・・・・・・・・」

 

今もイレギュラーは人々を襲い続けている。エールはそれを黙って見てはいられなかった。

そんな彼女にプレリーは言った。

 

「貴方の気持ちはよく分かるわ。だけど今は耐えてほしいの。イレギュラーの方ならガーディアンに任せて。世界各地で行動している仲間たちにも対応する様に伝えてあるわ」

 

「・・・・・・・・・・」

 

エールはうつむいた表情をしていた。

 

「まっ、お前はあのオメガを倒したんだ。万全な状態で挑めばセルパンの野郎なんざ倒せるって」

 

「・・・・・・・・分かった」

 

「1日だけ、1日待って。作戦開始はそこからよ」

 

「うん、プレリー達を信じるよ。アタシ、ライブメタルのメンテナンスしてくる」

 

エールは司令室を出て、研究室へと走り出した。

 

「・・・・・バリアン、エリアOの防衛戦、頼めるかしら?」

 

「任せとけって。イレギュラーから世界を守るのがガーディアンの使命だろ。あの人なら絶対そう言うね」

 

「そうね、お姉ちゃんなら・・・・・きっとそう言うわ」

 

頭を掻きながら、バリアンは司令室を出た。

 

そして1日が過ぎた。準備を終えたエールが、司令室へ足を運んだ。

 

「アレ、バリアンは?」

 

「彼ならエリアOの防衛戦に行かせてるわ。あの場所には彼の指揮が必要だから」

 

「そっか」

 

エールの表情には昨日程焦っている様子はなかった。気持ちを落ち着かせ決戦に備えていた。

 

「それとね、エール」

 

「どうしたの?」

 

プレリーはエールをじっと見つめた。そして決心したかのように話を始める。

 

「ジルウェさんがガーディアンとして、モデルZの適合者としてイレギュラーと戦った事は、ヴァンから聞いたわよね?」

 

「うん・・・・・・それは聞いてたけど・・・・・・」

 

「彼には・・・・・・私から貴方達の様子を見てもらう様に言ってたの」

 

「・・・・・・・・・・・」

 

エールはプレリーの話を真剣に聞いていた。

 

「貴方達が危険だからじゃない、もちろん、ジルウェさん自身が気にかけていたのはあったわそれはね・・・・」

 

「プレリー、ここからは俺が話そう」

 

「モデルZ・・・・・・」

 

モデルZが飛び出し、プレリーに変わって話を続けた。

 

「お前たち2人は、あの時から俺達ライブメタルを扱う素質を見出されていたんだ。選ばれたものになるのか、はたまた遠ざけるのか、ジルウェ達はずっと考えていたんだ。お前たちをこれ以上巻き込まない為に」

 

「そんな事が・・・・・・・・・」

 

「別に、何も騙してたってワケじゃないの!私もジルウェさんも貴方達を巻き込みたくなかった。これ以上辛い思いをさせたくなかった。モデルXの回収が終われば、何も起こることはない、そう思っていた。その結果、2人に辛い思いをさせてしまって・・・・・・・本当にごめんなさい」

 

プレリーはエールに頭を下げた。その話を聞いたエールは・・・・・・・・・・・

 

「うぅん、ずっと・・・・・気にかけてくれてたんだ。それにね、アタシあのままだったらずっとトラウマを抱え続けてたかもしれない。今こうしているから変わる事が出来た。それは・・・・・・みんなのおかげなんだなって。だから誤らないで、むしろアタシの方こそ、気を使わせてゴメン、それと・・・・・ありがとう」

 

「エール・・・・・・」

 

プレリーの瞳は涙で潤んでいた。エールの「ありがとう」という言葉が胸に来た。

 

「それじゃ・・・・・行くね」

 

「エール!気を付けてね・・・・・・」

 

「うん」

 

エールは司令室を出た。決戦に向かう前にある場所へ足を運んだ。

[newpage]

 

「ヴァン・・・・・・寝てるか」

 

ヴァンが療養している病室だった。ケガがまだ完治しているが、戦うには不十分な状態だった。

今はゆっくり眠っていた。

 

「・・・・・・・・・」

 

ヴァンのベッドの隣の椅子に、エールは座った。

寝ている彼の表情を見つめながら思いを打ち明けると共に最後の決戦に行く事を伝える。

 

「ヴァン、アタシセルパンカンパニー本社に行って来る、そこでモデルVを破壊しに行く。その前にね、伝えたいこ事があるの。アタシね・・・・・・ヴァンが好き。いつも真っ直ぐで優しくて、カッコよくて・・・・・ちょっと子供っぽい所はあるけど・・・・・凄い頼りになる。そんなヴァンが大好き。戻って来たら・・・・・・またちゃんと伝えるね」

 

そう言って、エールはヴァンの頬にキスをして優しく微笑んだ。

優しく微笑んで病室を後にした。

 

「・・・・・・・・・・・・・・・」

 

エールが病死から出ると同時に、ヴァンは枕に顔を埋めた。

寝ている様に思っていたが、ヴァンは気付いていた。エールが言った事に、彼女の想いに。

 

「俺は・・・・・・・・・」

 

その反面、どこか情けなく感じていた。最後の戦いに向かえない事に、今自分が何もできない事に・・・・・・

 

そしてエールはエリアⅮ、セルパンカンパニー本社前まで来ていた。

 

「ここが・・・・・・・セルパンカンパニー」

 

エールにとって、セルパンカンパニーに向かうのは初めて出会った。

ここはヴァンが初めてモデルZXになった場所、そしてジルウェが消えた場所でもあった。

 

「プレリー着いたよ」

 

セルパンカンパニー本社前に来た事を、プレリーに連絡を入れた。

 

『その様ね、エール・・・・頑張ってね』

 

「うん、よし・・・・・・・行くよ!!」

 

そしてエールはセルパンカンパニー本社の扉をZXセイバーで斬り裂き、中へ入っていった・・・・・・・・




いよいよラストミッションの開幕!その先に待ち受けるものは・・・・・・・・・・・・
エリアOでのミッションはバリアンが引き受ける事に、その辺のエピソードは・・・・・・もしかしたらやるかもしてません。
完結まであと・・・・・・・・・・・・・・


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ロックマンZX Re:File㉞

いよいよラストバトルの開幕、結末の行方を是非最後まで見届けてください。


セルパンカンパニー本社へ侵入したエール。そこに待ち構えていたのは大量のメカニロイド。

次々と迫るメカニロイドを倒しながら、上の階へ進んでいく。

 

「ハァ・・・・ハァ・・・・やっぱり敵の本拠地、数が多い」

 

モデルFXに変身しナックルバスターで飛来してくるメカニロイドを撃ち落とす。

しかし2体、撃ち落とせなかったのがエールの方に着地する。

 

「来る・・・・・・」

 

エールの前に現れたのは・・・・・・・かつて彼女を恐怖に貶めたフォルスロイド、パープリルの姿を模したフォルスアーマー、TYPE-P-Lが2体、その姿にエールは少し震えだした。

 

「アレは・・・・・・うぅん、あの時とは違う。やれる・・・・・!」

 

しかしエールは臆することなく足を踏み、ナックルバスターを握りしめた。

 

「・・・・・・・・・!!」

 

フォルスアーマー2体はエールの方に接近し、巨大な腕でをエールに向かって振り下ろそうとする。

 

「ヤぁっ!!」

 

エールは2体のフォルスアーマーの腹部にナックルバスターを突き付け、火球を一気に放った。

 

「・・・・・・・・!?」

 

火球は2体のフォルスアーマーを貫き、上半身と下半身が切り離され、吹き飛ぶようにして倒れていった。

 

「よし・・・・・・!!先へ急ごう」

 

エールは近くにあったエレベーターを使い、最上階を目指そうとしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、エリアOでは・・・・・・・・・・・・・・・

 

「お前ら!!民間人の避難を優先しろ!!誰1人として犠牲を出すなよ!!」

 

「わっ・・・・・分かってます!!」

 

「何て数の多さだ・・・・・・・」

 

バリアン達は街の人達を安全な場所に避難させながら、イレギュラーの排除を行っていた。

 

「キャー!」

 

「危ない!!」

 

2人の少女の前にイレギュラーが迫った所、バリアンが装備したシールドをブーメランの様に投げ、イレギュラーを破壊した。

 

「さっ、早く逃げろ!!」

 

「ありがとう・・・・・おじさん!」

 

少女達はガーディアンの隊員達に連れられ、安全な場所に避難させた。

 

「だからおじさんじゃねぇって・・・・・・・って言ってる場合じゃねえか」

 

空を見上げるとそこにはプロテクタスの姿の様なフォルスアーマー、TYPE-P-Tが投下された。

 

「っく・・・・・・厄介なモン押し付けるぜ」

 

バリアンはマシンガンを構え、フォルスアーマーを迎え撃つ。

 

 

 

 

 

 

「ここまでか・・・・・・」

 

乗っていたエレベーターが止まり、エールは次の階へと続く扉を開いた。

 

「まだまだ上の階がありそう・・・・・急がなきゃ!!」

 

エールが走り出そうとしたその時、突如と地面から触手の様な物が生えてきてエールを襲う。

 

「なっ・・・・・何!?」

 

下を覗くと、そこは水槽だった。その中にはルアールとレグアンカーを模したフォルスアーマー、TYPE-L-R(ルアール)とTYPE-L-A(レグアンカー)が待ち受けていた。

 

「倒さなきゃ前に進めないよね」

 

エールはモデルⅬXに変身し、水槽の中に入っていった。

 

「・・・・・・・・・・!!」

 

TYPE-L-Aのルアール本体の様な形をした右腕を展開し、エールに接近する。

 

「っ・・・・・・・!!」

 

右腕の攻撃をハルバートで防ぎ押し返そうとする、だが――――――――――――

 

「・・・・・・・・・・」

 

TYPE-L-Aの背中の4本の触手がエールに襲い掛かる。

 

「このっ!!」

 

TYPE-L-Rを蹴飛ばし、4本の触手の攻撃を回避する。

 

「ここで足止めされるワケにはいかない・・・・・・」

 

2体のフォルスアーマーから距離を取りながら氷龍を放ち、陽動を仕掛けるエール。

放たれた氷龍を破壊し、TYPE-L-Rがエールに向かって加速する。それと同時にTYPE-L-Aが触手を放った。

 

「今だ!!」

 

エールが1本の触手にハルバートを巻きつけ、TYPE-L-Rの腹部にぶつけ、一気に加速した。

 

「ハアアアアアア!!」

 

更にTYPE-L-Aに近づき、TYPE-L-Rにくっ付け、2体を縛った。

 

「・・・・!?」

 

身動きできなくなった2体のフォルスアーマーに対しエールはモデルPXに変身し、巨大な手裏剣を2体のフォルスアーマーの胴体を真っ二つに切り裂き、爆散した。

 

「ハァ・・・・・次!!」

水槽から上がり、モデルHXに変身し、さらに奥へ進んでいった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、ガーディアンベースでは、バリアンが回収した石の解析を続けていた。

 

「こっ・・・・・コレは!?」

 

「どうしたの、フルーブ!」

 

フルーブの驚く声に反応し、プレリーは研究室へと走った。

 

「プレリーさん!コレを見てください!!」

 

フルーブがデスクにあるモノをプレリーに見せる。

 

「こっ・・・・・コレは・・・・・」

 

「えぇ・・・・・間違いありません、ライブメタルです!!」

 

それはの文字の形をし、真紅と黒色の赤い瞳をした金属、ライブメタルであった。

 

「この形・・・・・あのオメガに似ていますね・・・・」

 

「このライブメタル・・・・・・・モデルOとでも称しましょう」

 

プレリーは新たなライブメタルをオメガに因んでモデルOと名付けた。

 

「どうしますか、コレを・・・・・エールさんに届けましょうか?もしかしたら切り札になるかもしれません」

 

「駄目よ!!あのオメガの力が込められているとすればとても危険よ!!」

 

フルーブはモデルOをモデルVに対抗する切り札と考えていた。しかし、プレリーはオメガの力が込められていると考え、エールに渡すのは危険だと判断した。

 

「ですが、モデルVを倒すためには・・・・・・・・」

 

「フルーブ!!」

 

プレリーの大きな声にフルーブは背筋を凍らせ黙ってしまった。

 

「・・・・・・ごめんなさい、けどもしコレを使ってエールの身に何かあれば・・・・・・」

 

プレリーは机に手を付き、モデルOの危険性をフルーブに訴える。

 

「プレリーさん・・・・・・」

 

「それを使えば・・・・・モデルVを倒せるのか?」

 

「ヴァ・・・・・・・ン?」

 

プレリー達の前に、扉にもたれ掛かったヴァンが研究室に入って来た。




遂に始まったセルパンカンパニーでの決戦。新たなフォルスアーマーを前にするが、徐々に強くなったエールはそれを倒し続ける。そして次回、いよいよ・・・・・・・・・・・・
そしてガーディアンベースで解析された新たなライブメタル、モデルO。遂にそのベールを脱ぐ・・・・・・

ここでお知らせです。
ロックマンZX RE:最終回の後、続編、ロックマンZXAのリメイク、ロックマンZXA RE:の投稿を開始します!!
こちらも変更点などを独自の展開が繰り広げられます。お楽しみに!!


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ロックマンZX Re:File㉟

怒涛のフォルスアーマーとの戦いの先にエールの前に待つものは?
果たしてどうなるのか・・・・・・・


立ちはだかるメカニロイドやフォルスアーマーを倒しながら先へ進んでいくエール。

モデルHXのダブルセイバーでハリケンヌとフランマールを模したフォルスアーマー、TYPE-H-W(ハリケンヌ)とTYPE-F-M(フランマール)と交戦していた。

 

「っ・・・・・・先へ進まなきゃいけないのに!!」

 

TYPE-H-Wが発生させた竜巻と、TYPE-F-Mが地面を叩きつけると共に発生する炎の柱を避けながら、エールは距離を取った。

 

「この距離なら!!」

 

エールはダブルセイバーから巨大なプラズマボールを発生させ、2体のフォルスアーマーを包み、動きを封じた。

 

「これで!!」

 

動きを止めた所でモデルZXに変身し、一気に飛び上がりチャージセイバーを振り下ろした。

 

「・・・・・・・・・!!」

 

2体のフォルスアーマーはバラバラに粉砕された。

 

「これ以上何も出ないわよね・・・・・・」

 

恐る恐るエールは先に進んだ。そしてその先にあったのは・・・・・・・・・・

 

「コレは・・・・バリアンが仕込んだスパイロボットに写ってた場所と同じ・・・・・・サイバーエルフ!?こんなにたくさん・・・・・・」

 

辺り一面にはサイバーエルフを収納したカプセルが大量に設置されてあった。そして下を覗くと、そこには大量のフォルスアーマーやメカニロイドが配備されていた。

 

「まさかサイバーエルフを動力に・・・・・・!なんて酷い!!」

 

エールは怒りを感じていた。人やレプリロイドの形見とも言えるサイバーエルフをイレギュラーの道具として扱う事に。

 

「バリアンの言う通りだったわ。何かあった時の為にコイツを持って行けって」

 

エールが取り出した物、それは1個で船を落とせるレベルの威力を持った爆弾であった。

フォルスアーマーやメカニロイドを配備している格納庫に、エールは爆弾を投げ、リモコンのスイッチを押した。

 

「こんなの・・・・・・・・!!」

 

格納庫は一気に爆発し、配備されていたフォルスアーマー達は次々と爆発の中に消えていった。

 

「この奥ね」

 

何重にも認証を必要とする扉へ辿り着いた。その扉に爆弾を仕掛けZXバスターで爆弾を撃ち、爆発で扉が破壊された。

 

「ようやくだ・・・・・・・・・セルパン!!」

 

エールが扉の奥に入っていくと、そこにはセルパンが待ち構えていた。そこにもサイバーエルフの入ったカプセルが大量に設置され、その中心にはモデルVがあった。

セルパンがエールの方を振り向き口を開く。

 

「何故・・・・・モデルVの覚醒に大量のサイバーエルフが必要だと思う?」

 

何を言っているの・・・・・?こんなに大量のサイバーエルフを利用するなんて・・・・・・どんな事にせよ許される事じゃない!

 

「恐怖、絶望、そう負の感情だろ。いわばマイナスエネルギー、モデルVはそれを求めている。そしてそれが力となるのだよ」

 

人々を散々恐怖に追い込んでサイバーエルフにしてさらにそれをモデルVの力にするですって!ふざけるな・・・・・ふざけるな!!

エールの心の中に怒りの感情がむき出しになっていく。

 

「さぁ・・・・モデルVよ、その恐怖を、絶望を存分に喰らいつくせ!!そして究極の力を我が物に!!」

 

サイバーエルフの入ったカプセルが割れ、次々とモデルVに取り込まれていく。まるで悲鳴の様な音がエールの耳に入っていく。

 

「弱き者は1つとなりその苦しみから解放されるのだ、そして全てを支配する力を手に入れるのだ!!そしてロックマンの・・・・・・私による救済、プロジェクトヘヴンが実行されるのだ!!」

 

「大勢の人達を犠牲にして・・・・・それが救いだって言うの!」

 

「フフフ・・・・君は何時まで自分の力が正義の為にあると思っている?我らは多くの犠牲者から選ばれた存在、新世界の王の器となりうるのだよ!!モデルVがもたらすのは・・・・・・・救済だよ!弱き者に生きる意味を、チャンスを与えようとしているのだよ!!」

 

「アンタは・・・・・・過去の自分に・・・・イレギュラーに・・・・・・自分よりも力のあるバリアンに脅えているだけだ!!だからそうやって人の上に立って・・・・・・それを救済だって、理想だと言い張って・・・・・バリアンなら・・・・・ヴァンならきっとこう言う。お前なんか・・・・・・「裸の王」様だって!!」

 

「理想だと・・・・・・?戯言だ」

 

エールの言葉に、セルパンは苛立ちを感じていた。特にバリアンの名を出された時には顔の欠陥が浮かび上がっているぐらいに。

 

「私はこの国の人々の魂を喰らう事でモデルVの力を得た!!あの少年が赤のロックマンからモデルZを受け継ぎ、そして君もその力を得た。だからここにいるのだろう。犠牲の上に力は成り立つ。それがロックマンであり、進化そのものであるのだ!!」

 

モデルVがサイバーエルフを取り込み終えると、セルパンは持っていたモデルVの欠片を突き出すように構える。するとその姿は白と黒のボディに肩や足、頭にオレンジ色の突起物が目立つロックマン、モデルVに変身した。

 

「あの少年がいないのは残念だが・・・・・・・最後に君の敗北と言う恐怖と絶望・・・・そして私の勝利と新世界への祝福を・・・・・・・・・!?」

 

エールは話を続けるセルパンに最大出力のチャージバスターを放っ。

 

「やっぱり・・・・・・モデルVがどんなに強くたって、ただ魅かれただけのお前に使いこなせるもんか!!」

 

「いきなりとは・・・・・・・随分卑劣な手を!!」

 

セルパンが右絵でを突き出し、5本の指に装備されたバスターをエールに放とうとする、が――――――――――――

 

「どの口が言う!!」

 

エールはモデルLXに変身し、セルパンに近づいて彼の右腕にハルバートを振るった。

エールの表情は鬼神が迫る如く、怒りを露わにしていた。

 

「ぐっ・・・・・何!?」

 

セルパンの右腕は凍っていた。そのままエールはセルパンの背後に飛び移りモデルPXとっなった。

 

「こしゃくな!!」

 

セルパンは左腕からチャージバスターを放った。巨大な球体となったチャージバスターはエールに直撃する・・・・・が

 

「そんな攻撃!!」

 

エールは自分の周囲に紫色のバリアを貼り、チャージバスターを防いだ。

そしてクナイをセルパンの指のバスターの銃口に向かって投げた。

 

「ぐっ・・・・・これでは!!」

 

セルパンの指のバスターの銃口にクナイが刺さり、暴発した。

 

「こんなもんじゃ・・・・・・こんなもんじゃ!!」

 

『エール、落ち着いて!!怒りに囚われている!!』

 

エールの耳に、モデルXの声は届かなかった。セルパンに対する怒りが彼女の闘争心を掻き立てていた。

モデルHXに変身し、巨大な電撃を纏った竜巻の中に、セルパンを飲み込ませた。

 

「ぐっ・・・・!?モデルVの力は・・・・・こんなものじゃ!!」

 

セルパンは竜巻から脱出し、宙に浮くエールに向かって蹴りを入れようとする。

 

「・・・・・・・・・・」

 

蹴りを入れようとするセルパンを前に、モデルFXに変身して、炎を纏ったナックルバスターでセルパンを地面に叩き落した。

 

「ぐぁっ!?こんな少女に・・・・・・私の計画が・・・・・」

 

立ち上がろうとするセルパン、そこへ落下してくると同時に、炎を纏ったナックルバスターを地面に叩きつけ、セルパンの前から火柱が放たれた。

 

「うあああああああああああああああああ!!」

 

火柱を喰らったセルパンは倒れ、変身が解除された。そこへエールがモデルZXに変身し、ZXセイバーをセルパンの首筋に突き付けた。

 

「これで終わりよ・・・・・セルパン!お前はただモデルVに縋りついた。バリアンに勝つ為に頑張った訳じゃない、自分が弱いのを他人のせいにして・・・・・・・それが敗因よ!!」

 

エールはセルパンの弱さを突き付けた。勝利を確信し、セルパンに止めを刺そうとするが・・・・・・・・・

 

「フフっ・・・・・・・ハハハハハ!!」

 

セルパンは笑った。

 

「何がおかしい!!」

 

「プロメテ達が言ってた通りだ・・・・・真のカギはあの少年じゃない・・・・・君だと!今・・・・怒りに満ちている、私に対して深い憎しみを抱いている。そして私に容赦なく攻撃を繰り返した・・・・」

 

セルパンは立ち上がりモデルVの方へと歩いて行った。

 

「その感情は私以上だ!!モデルVに足りなかったもの・・・・・そう、君の怒りだよ!!」

 

「なっ・・・・・何!?急に・・・・苦しくっ・・・・・・!」

 

エールは胸を押さえ、変身が解除された。そして彼女の中から歪んだ様な黒い球体が飛び出し、モデルVの中へと入っていった。

 

「そんな・・・・・・・!?」

 

エールは膝から崩れ落ちた。そしてセルパンはモデルVの中に取り込まれ――――――――――――!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

少し前、エリアOでは・・・・・・・・・・・・

 

「フゥ・・・・・ようやくコイツらを倒せたぜ」

 

バリアンの前にはボロボロに破壊されたフォルスアーマー、TYPE-P-Tがボロボロに破壊され倒れていた。

 

「さすがにこれ以上は・・・・・・キツいかな・・・・・・?」

 

バリアンの目の前に大量のメカニロイドが進軍していた。仲間も長い戦いに消耗し、戦えるのはほんの数人しかいなかった。

バリアンも額から機械が露出し、動きもふらつく様子が伺える。

 

「悪いな・・・・・・無事には帰れそうにないな」

 

バリアンは爆弾を取り出した。そしてメカニロイドがギリギリ自分に近づくまでタイミングを見計らっていた。

 

「お前らはさっさと怪我人引き連れてこっから離れろ。こんな役は俺1人で十分だ」

 

バリアンは残ったガーディアンの隊員達を逃がそうとした。自分1人が囮にメカニロイドと共に自爆しようと試みていた。

 

「何を言っているんだ。お前1人にそんな無茶させてたまるか。どうせだ、最後まで付き合うぜ」

 

残るガーディアンの隊員達もバリアンと最後を共にする事を覚悟していた。

 

お前ら・・・・・・最初は俺の事毛嫌いしてた癖に、まっ・・・・・・好かれんのも悪かねぇか。

今でも思うぜ、もしあの時、セルパンを責め立てなけりゃ、こんな事にならずには済んだのかって。

俺のせいだったのかなぁって、あぁ・・・・初代司令官に合わせる顔がねぇな・・・・・やっぱ俺には紅き英雄みたいにはなれねぇ・・・・・か

 

バリアンとメカニロイドの距離は2m、自爆するには丁度良い距離感。覚悟を決め、バリアンが爆弾のスイッチを押そうとしたその時―――――――――――――――

 

「なっ・・・・・・何だ!?」

 

バリアンが爆弾のスイッチを押す前に、大量のメカニロイドは光の柱に貫かれ、破壊されていった。

 

「悪い、待たせたな」

 

「おっ・・・・・お前は・・・・・・・!?」

 

バリアンの前に現れたのは――――――――――――!!




遂に始まったセルパンとの戦い。最初はエールの怒涛のダブルロックオンの連発で圧倒的力を見せたが・・・・・全てはセルパンの思惑通り。彼女の怒りを取り込んだモデルV、更なる力が覚醒する――――――!!
そしてバリアンの前に現れ危機を救ったのは一体何者なのか?次回、遂に最終回!!
ゲームとは異なる結末が待ち受けています。是非その目で確かめて下さい!!


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ロックマンZX Re:File FINAL

ロックマンZX RE:も今回で最終回!決着は如何に・・・・・・・・そしてゲームと異なる結末が待ち構えています。
あとがきにおしらせがありますのでそちらも是非!


「そんな・・・・・・・・」

 

モデルVに取り込まれたセルパン。その姿は巨大な魔人の様な姿へ変貌し、下半身にも顔があり、巨大な手が浮かんでおり、ロックマンとはかけ離れたイレギュラーと化した。

 

「君のおかげだよ・・・・・・君の憎悪が、悪意が、憎しみがこうさせたのだよ、感謝しよう。礼として世界が生まれ変わるその瞬間をその目で見届けるといい・・・・・・・」

 

アタシの怒りが・・・・・イレギュラーへの恐怖が・・・・・・モデルVを覚醒させたの・・・・?

違う・・・・・違う違う違う違う違う!!アタシは・・・変わりたかった・・・・・・いつまでも怯えている自分を変えたかった!!ロックマンとして戦って・・・・・みんなを守る事が出来れば・・・・・ヴァンと一緒に戦う事が出来れば・・・・・何か変われる気がした・・・・・・コレがアタシの悪意?怒り?恐怖?

それも全部・・・・・・・アレ?それが・・・・・・アタシの中にある怒りなんだ・・・・アタシ・・・・・どうすればよかったの?ずっとあのままイレギュラーに脅えて過ごせばよかったの?あの時、パトラさん・・・・・パンドラの話に乗っかればよかった?どうすればいいの・・・・・・アタシのせいでみんな・・・・何もかも・・・・・・全部・・・・・・・・・

 

「さぁ・・・・・とくと見るといい!!」

 

セルパンが右手を翳し、外に向かって強大なエネルギーを放とうとした、その時―――――――――――――――!!

 

「—————————!?」

 

「えっ・・・・・・・?」

 

セルパンの右手が切り落とされた。地面に何者かが着地した。その正体は・・・・・・・・・・・・・

 

「よっ、待たせたな」

 

「ヴァン・・・・・・・ヴァン!!」

 

ヴァンだった。モデルZXに似た真紅の姿・・・・・・オメガと同じ格好でエールの目の前に現れた。

 

『よぅ、そっちにヴァンが来たか?』

 

「バリアン・・・・?一体何が・・・・・」

 

『あぁ、実はな・・・・・・・・・』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

遡る事少し前・・・・・・・・・・・・・バリアン達の目の前に迫るメカニロイドが一気に破壊された。

 

「お前・・・・・・・ヴァンか?」

 

「あぁ、随分派手にやられてんな」

 

メカニロイドを倒したのはヴァンだった。

 

「お前、その恰好・・・・・・どうした!?」

 

真紅のボディに包まれたヴァンの姿にバリアンは驚いていた。

 

「あぁ、コイツか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガーディアンベースでモデルOをどうするか決めようとしていた時、プレリー達の前にヴァンが来た。

 

「それがあれば・・・・・・モデルVを破壊できるのか?」

 

「ヴァ・・・・・・・・ン?」

 

ヴァンがモデルOを手にしようとした時、プレリーが彼の手を掴んだ。

 

「辞めなさい!このライブメタルはモデルV以上に危険なのよ!!使えば最後・・・・・破壊神になってしまうかもなのよ!!」

 

プレリーはヴァンにモデルOの危険性を伝えた。それでもヴァンの足は止まらなかった。

 

「だとしても・・・・・今エール1人で戦ってるんだろ?そんな時に大人しく寝てられないんだよ!!」

 

負傷して以降、ヴァンはミッションに同行できないのが悔しかった。今もエールがたった1人で戦っているのに自分だけただ見守る事しかできない事に。

 

「頼むよ・・・・・・行かせてくれ!アイツと一緒に戦いたい、カッコつけさせてくれ・・・・・・・」

 

ヴァンはプレリーに頭を下げた。その姿を見たプレリーは・・・・・・・・・

 

「ヴァン・・・・・・フルーブ!」

 

「はっ・・・・・ハイ!!」

 

フルーブがモデルOを手に取り、ヴァンに渡した。

 

「いい、危険性が分かればすぐに解除して、何かあってからじゃ遅いのよ。それと先にバリアン達の援護に向かってあげて。」

 

「分かった、ありがとう・・・・・・プレリー、フルーブ!」

 

「ヴァン・・・・・エールも1人で戦って辛いかもしれない、貴方が助けてくれれば100人力よ。だからヴァン・・・・・・・気を付けて」

 

プレリーはヴァンを優しく頭を撫で、決戦に向かわせた。

 

「あぁ・・・・・・・行って来る!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こうしてヴァンはモデルOとモデルX(コピー)で変身したモデルOXとなり、バリアン達の助太刀に入ってから、エールのいるセルパンカンパニー本社に向かった。

 

「ヴァン・・・・・ごめんなさい・・・・・アタシが・・・・・アタシの感情が・・・・・・モデルVを・・・・・」

 

涙で潤んでいるエールは、自分のせいでモデルVを覚醒させた事をヴァンに誤った。

 

「・・・・・・・気にすんな。俺達でアイツを倒すんだ。そしてみんなを守る、だろ」

 

ヴァンがエールの頭を優しく撫でる。そんな彼の表情をエールは見上げた。

 

「そうだよ、エール」

 

「諦めるにはまだ早い・・・・・だろ?」

 

エールの周りにライブメタルが飛び出した。

 

「我らはお前の復讐の為に力を貸したのではない」

 

「ムカつく奴をブン殴って終わりだなんて、ガキの喧嘩やってるんじゃねぇんだ」

 

「熱くなっちゃダメ、力任せに泳いでも、水を濁すだけよ」

 

「例え闇の中であろうと、目指すべき光を見失ってはならない」

 

「君の力は・・・・・憎しみなんかじゃない。本当の力は・・・・・本当の勇気は・・・まだ・・・君の中にある!」

 

「自分を・・・・・信じろ!」

 

エールはモデルXとモデルZを手に取り、モデルZXに変身した。

 

「そうだね・・・・・・アタシも決めたんだ。アタシは・・・・・全てを守るって!!」

 

「あぁ、俺も先輩からモデルZを託された時、決めた。俺もみんなを守るってな!」

 

「でも、そのモデルZはアタシが使ってるけどね」

 

エールが今自分がモデルZXになっている事をヴァンに突っ込んだ。

 

「あっ・・・・・・そうだった」

 

ヴァンは苦笑いをした。

 

「ならば決めようじゃないか、新世界を支配する、ロックマンの王を!!」

 

セルパンの右腕が再生し、ヴァンとエールを見下ろす様に叫ぶ。

 

「バーカ、んなもん誰がなるか!お前が支配するってなら・・・・・」

 

「そうよ・・・・・アタシは・・・・アタシ達は全てを守るロックマンとして戦って見せる!!」

 

エールはZXセイバーを、ヴァンはOXカリバーを構え、セルパンの方へ飛び込む。

 

「左右同時に行くぞ!!」

 

「分かった!」

 

ヴァンはセルパンの右肩に、エールがセルパンの左肩に着地し、双方の剣でセルパンの頭部の左右にある、オレンジの突起物を切り落とした。

 

「こしゃくな・・・・・・・砕け散れ!!」

 

セルパンは両手から紫の結晶を生成し、握り潰し上空へ投げ、ヴァンとエールの頭上へ降り注いだ。

 

「まだまだ!!」

 

ヴァンは手の平から光の弾を複数放ち、エールはモデルZXの状態でモデルFXの武器であるナックルバスターを装備し、降り注ぐ結晶を撃ち落とした。

 

「まだ終わらんぞ!!」

 

セルパンの頭部、両肩から炎が放たれ、火の鳥の形をした炎がヴァンとエールに襲い掛かる。

 

「そんな炎、消してあげる!!」

 

ヴァンが火の鳥に向かって回転切りをすると同時に衝撃波が発生し、迫りくる火の鳥を消し去り、その隙にエールがモデルHXの武器であるダブルセイバーでソニックブームを放ち、セルパンの両肩のセンサーを貫いた。

 

「ぐぅっ・・・・・こしゃくな!!」

 

「キャッ!?」

 

セルパンが巨大な両手でエールを握り掴んだ。力を強め握りつぶそうとする。

 

「このまま微塵にしれくれる!!」

 

「エール!!」

 

ヴァンが地面に手を付き光の柱を発生させ、巨大な手を貫通させ、エールを解放し、落ちてくる彼女を抱えた。

 

「ありがとう・・・・・・」

 

「礼はいいって、まだまだ行くぞ!!」

 

「うん!」

 

エールはモデルⅬXの武器であるハルバートを装備し、氷の龍を放った。

 

「すべて飲み込んでくれるわ!!」

 

セルパンの腹部が展開し、瓦礫や破片が吸い込まれていく。その中に放たれた氷の龍もすこまれていった。

 

「今だ!!」

 

氷の龍がセルパンの中に入ろうとした時、氷の龍が氷の壁に変化し、セルパンの腹部を凍らせた。

 

「ぐっ・・・・・貴様ら・・・・・・調子に乗るな!!」

 

セルパンの巨大な腕が動き出し、指先からビームが放たれる。

 

「ヴァン、任せて!!」

 

「へへっ・・・・俺にもカッコつけさせろ!!」

 

エールがモデルPXの武器である十字手裏剣を手にし手裏剣でビームを防ぎながらクナイでセルパンの下半身の頭部の真ん中の緑色のクリスタルに向かって投げた。

結晶にヒビが入った所に、ヴァンがOXカリバーを振り上げ、同時に炎の刃が発生し、クリスタルにダメージを与える。

 

「ここで終わらせる・・・・・セルパン!!」

 

「これがアタシ達の・・・・・・2人の力よ!!」

 

ヴァンとエールが互いの剣を突き出しセルパンの胸部に突っ込んだ。

 

「・・・・・・・・・・!?」

 

2人の剣がセルパンを貫いた。巨大な手が気力を失ったかの様に地面に落ちていった。

 

「これでおしまいだ・・・・・セルパン!!俺達はお前とは違う!」

 

「そうよう・・・・・絶対にお前の様にはならない!!」

 

かなりをダメージを受け、セルパンの声にノイズが掛かっていた。

 

「私の様にはならないか・・・・・フフッ・・・・・フハハハハハ!!まだ分からないのか?我らロックマンは・・・・・モデルVを求め、殺しあう、ゲームのコマに過ぎないのだ!」

 

「何・・・・・?どういう事だ!?」

 

「最後に生き残った者が勝者となる・・・・・・あの男が仕組んだ・・・・・ゲームなのだから!!」

 

「あの・・・・・男・・・?一体誰なの・・・・・!」

 

その言葉を最後に、セルパンとヴァン達の間に落石が発生、セルパンの姿が見えなくなった。

瓦礫越しにセルパンの言葉が聞こえる。

 

「君達にも・・・・・あの男の血が流れている・・・・・!モデルVの作り出した・・・・男の血が!!」

 

「なっ・・・・・なんですって!?」

 

セルパンの衝撃の言葉に、エールは愕然としていた。

するとエール達の前に、突如とこれまで戦ってきた8体のフォルスロイドが立ちはだった。

 

「オイ、お前ら!早く脱出しろ!ここはもうもたない!!あんなの相手にしてる場合じゃねぇ!!」

 

破壊された壁の中からバリアンが小型飛行艇を操縦してエール達を迎えに来た。

 

「うっ・・・・・うん!ヴァン、行こう!!」

 

「・・・・・・・・・・・」

 

セルパンの言葉に動揺しながらも、エールはヴァンの手を掴みバリアンの元へ走った。そしれ飛行艇にたどり着いた時、ヴァンはエールの手を振り払った。

 

「悪い・・・・・・・ここは俺に任せてくれ」

 

「ヴァン・・・・・何言ってるの!?」

 

ヴァンは8体のフォルスロイドの方へ歩き出した。ヴァンを止めようと、エールは彼の手を強く掴んだ。

 

「どうして!?ヴァン・・・・・一緒に脱出しよう!!」

 

「悪い・・・・・・プレリーの言う通りだった。俺・・・・・抑えられないんだ・・・・・・ウズウズするんだ・・・・・・・」

 

「えっ・・・・・・・?」

 

モデルOの闘争心がヴァンを蝕み始めていた。プレリーの忠告通り、モデルOの危険性がヴァンに及んだ。

今の状態では自分で変身解除もままならない。一緒に脱出すれば次はエールに・・・・・・と思う事をヴァンは恐れていた。

 

「だから・・・・・・一緒に行けない・・・・・悪いな」

 

「そんな・・・・・嫌だよ!!一緒に帰ろう・・・・ヴァンがいないとアタシ・・・・・・・」

 

さっきのセルパンの言葉でエールは不安を感じていた。ヴァンに傍にいてほしい、それだけだった。

 

「大丈夫だ、あんな言葉に惑わされるな!お前はお前だ・・・・」

 

エールの肩を叩き、不安がる彼女を落ち着かせる。

 

「ヴァン・・・・・」

 

力が抜けたのか、エールの変身が解除される。

 

「・・・・・伝えたい事は伝えなきゃな」

 

「え・・・・・・・・・・」

 

ヴァンはエールの頬に手を当て、キスをした。

そして寄せるようにして彼女を抱きしめた。

 

「ヴァ・・・・・・・ン?」

 

「ゴメン、あの時の話・・・・・全部聞いてた。俺も・・・・・好きだ。愛してる」

 

「ズルいよ・・・・・・・こんな時にそんな事言うなんて!!」

 

エールの瞳は涙で潤んだ。そんな彼女の頭を撫で、ヴァンは優しく笑う。

 

「約束する。今は無理だけどいつか必ず戻って来る。俺を・・・・・・・信じてくれないか?」

 

「ヴァン・・・・・・・・・・」

 

エールは何も言えなかった。ただフォルスロイドに向かっていくヴァンの姿を見守る事しかできなかった。

ただ泣きながら彼の姿を見つめた。

 

「もうもたない・・・・・脱出するぞ!!」

 

ヴァンの元に行こうとするエールを、バリアンが手を掴んで飛行艇の中に入れた。前に進むヴァンの姿がどんどん離れていった――――――――――――

 

「ヴァ――――――――――――ン!!」

 

ヴァンは胸を押さえながら歩いていった。苦しみながらもどこか笑っている様にも見える。

 

「ちょっとカッコつけ過ぎたかな・・・・?いや、これぐらいしないとな・・・・・・」

 

ヴァンの肩を叩く様に、ジルウェの幻影がヴァンの前に現れ、優しく微笑んだ。

 

「先輩・・・・・・俺は約束を守るよ、先輩との約束も、エールとの約束も――――――――――――!!」

 

そしてヴァンは8体のフォルスロイドへ立ち向かう――――――――――――!!

 

それからハイウェイに着地し、駆けつけたプレリー達と合流した。

 

「エール・・・・・・無事なの!?」

 

プレリーがエールの元に駆け寄った。それと同時に、セルパンカンパニー本社が爆発し、崩壊を始めた。

エールはプレリーの目の前で泣き崩れた。

 

「プレリー・・・・・・ヴァンが・・・・・・ヴァンが・・・・・」

 

プレリーの袖を掴んでエールは泣いた。ただ泣く事しか出来なかった。

 

「エール・・・・・・ごめんなさい・・・・・・私が・・・・・・ヴァンにモデルOを渡したばかりに・・・・・」

 

モデルOを渡した自分に責任があると、プレリーはエールを抱きしめ一緒に泣いた。

バリアンはその光景を見る事しか出来なかった。

 

「バカ野郎・・・・・・1人でカッコつけやがって」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから1週間後、セルパンカンパニー本社の跡地で捜索が開始された。バリアンを筆頭に調査は続いた。

 

「随分派手にやったもんだな・・・・・・・」

 

バリアンが調査を行っている途中、瓦礫の中から巨大な機械の残骸を発見した。瓦礫をどけ、見てみると・・・・・・それはセルパンの残骸だった。

 

「っく・・・・・・なんて不細工な格好だよ」

 

変わり果てたセルパンの姿に、バリアンは目を向けられなかった。その時、セルパンの目が光り、バリアンに語り始める。警戒するかの様にバリアンはマシンガンを構えた。

 

「滅びの運命は・・・・・・変わらん・・・・・戦いは・・・・・終わらない・・・・・人々に心があるから・・・・・・」

 

「ハァ・・・・・セルパンよぉ、もういいんじゃねぇか?お前はよくやったよ。あの弱虫がここまでやったんだ。俺も・・・・・もう少しやりようがあったと思うさ。親友になれたかもしれないかもな」

 

バリアンの中にセルパンに対する怒りや嫌悪感はなかった。もしかしたら・・・・・と思う事が頭をよぎる。

 

「憎しみは・・・・・・生まれ・・・・続ける・・・・・それが・・・・・・感情を持つ・・・・・こそ・・・・」

 

そこでセルパンの言葉は途切れ、機能を停止した。

 

「っく・・・・・・最後まで強情な奴だぜ」

 

セルパンの最後を見届けたバリアンは、調査に戻った。

 

「コレは・・・・・・・・」

 

発見したもの、それは8体のフォルスロイドの残骸であった。バリアンは気になる点を見つけた。

フォルスロイドの残骸があってもヴァンの痕跡が1つも見つからない。

 

「あの野郎・・・・・・そういう事か。司令官さん、報告がある。いい事だ」

 

『バリアン、何か見つけたの?』

 

バリアンはすぐさまプレリーに通信を入れた。

 

「あぁ、ヴァンは生きてる。アイツの痕跡が1つもない。つまりは脱出はした・・・・って事だな」

 

『そう・・・・・・すぐにエールに伝えるわ』

 

「あぁ、それがいい」

 

プレリーは急いでエールが休んでいる部屋に走り出した。

 

「エール!いい知らせがあるわ」

 

部屋の中でエールは蹲っていた。あの日からずっとこの調子だった。

 

「プレリー・・・・・?」

 

「バリアンから報告よ、ヴァンは生きているそうよ」

 

「えっ・・・・・・・?本当に!?」

 

「バリアンが言うには残骸もなければ跡が1つもないそうよ。つまりは無事脱出はしたって事よ、どこにいるかは分からないけど・・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

エールはその事が信じられなかった。そんな彼女にモデルXとモデルZが声を掛ける。

 

「エール、彼女達の言葉を信じよう」

 

「お前も未来を切り開くんだ。アイツも同じ様に自分と戦っているハズだ」

 

「モデルX・・・・・モデルZ・・・・・・うん!いつまでもこんなんじゃ・・・・・ヴァンに笑われちゃうもんね」

 

エールは涙を拭いて笑った。その様子を見てプレリーは安心していた。

 

ヴァン・・・・・・アタシも戦い続けるよ。あの男って言うのは分からないけど・・・・・・そんなの関係ない、アタシはアタシ、ヴァンも今も自分と戦い続けている・・・・・・そうだよね?

だから・・・・・・・今度会った時は、次はアタシがヴァンを支える。いや、支えあおう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あれから5年が経過した・・・・・・・・・・・・・・

ガーディアンベースの甲板で風を浴びるエール。あれから髪を伸ばし、細く結んでいた。一段と大人になった彼女は今もヴァンを探している。

あれからモデルVは1つじゃないと発覚した、世界各地を回り、モデルVを捜索、破壊している。

 

「アタシ達がモデルVを探している時にも、モデルVが破壊されていた。つまりはヴァン・・・・・・・貴方だよね」

 

エールはヴァンが生きている事を確信していた。エール達以外にもモデルVを破壊する者がいる、それがヴァンだと信じているから。

 

「オイ、エール!モデルVが発見された。行くぞ」

 

バリアンがやって来て、エールに次のモデルVが発見された事を報告した。

 

「分かった、すぐ行く」

 

待ってなさい、ヴァン。絶対会いに行くからね――――――――――――!!




これでロックマンZX RE:も完結です!みなさんありがとうございました。
最後はヴァンが行方不明となって物語は終わった。生きてるって信じましょう!!
最後にエールがモデルZXの状態で各ライブメタルの武器の使用、基本フォームで別の姿の武器を使う演出をやったみたかったんですよね(笑)

これで終わり・・・・・・じゃぁないんですね~次回からロックマンZXA RE:が始まります!!
こちらもゲーム本編とは異なる展開が繰り広げられます。是非お楽しみください。それでは、またお会い致しましょう。


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