Obsolete ship (しらたきの図書室)
しおりを挟む

私は轟沈しました。

ーーーどこかから、轟音がする。ーーー

 

 

 

 そして私は腹部に激痛を覚えた。

 

 

 だが痛みは、一瞬で無くなった。

 

 

 ......寒い

 

 

 私は確実に沈んで行く。

 

 

 ...あんなに好きだった海がとても冷たく感じる。

 

 

 ああ、私は死んだんだ(轟沈したんだ)。...沈んじゃったんだ。

 

 

 今日は...※※※※年の...3月24日...でもそんなことは今はどうでもいい...

 

 

 私の...名前...名前は....

 

 

 そうしていると、私は海の底へ沈んだ。

 

 

 愛していた提督は、私にダメコンを積んではくれなかった...

 

 

 でも...なんだか...海の底はとっても暖かい...まるでお母さんみたい...

 

 

 

「  -  」

 

 

...................

 

 

「 ぉ-  」

 

 

...うるさい...寝させてくれ....

 

 

「 ぉ-ぃ 」

 

 

...ああ、もう...

 

 

おーい

 

「....ッ」

 

「ああ、やっと起きた」

 

「!?」

 

「おい、どうした?」

 

 

 私は目の前の光景に驚いた。なぜなら私の目の前に敵のリ級が居たのだ。

さらに言えば周りにはイ級やへ級。チ級も居る。

 

 

「リ、リリリリ級!?」

 

「落ち着け、新入り」

 

 

 ああ、確かに...まずは落ち着かねば...って私深海棲艦と会話が出来てる!?

 

 

リ級「ひとまずは、ようこそ新入り。深海の世界へ

 

 

 深海の世界...?確かに私は轟沈したが...もしや!

 

 

リ級「疑問に思っているだろう。そうだ、艦娘が轟沈したら深海棲艦となる」

 

「なるほど...ッ!」

 

 

 まてまてまて!という事は...私はイ級に...!?

 

 

リ級「ああ、そうか...実感がないだろうな。鏡を見ればわかる」

 

「...ゴクリ」

 

 

 私は不安を胸にリ級が見せた鏡を恐る恐る見てみた。

 

「.....」

 

 

 鏡に映るのは、艦娘だった時に恐れた..."レ級"("超弩級重雷装航空巡洋戦艦")だった。

 

 

「ええぇーー!?」

 

 

そう、私はレ級になっていたのだ。

 

 

 

レ級「ななななぬ!?」

 

リ級「いやはや、まともそうなレ級が来たよ」

 

レ級「まともなレ級...?」

 

リ級「ああ。お前も元艦娘なら分かるだろ?」

 

 

 レ級はとても好戦的でお子様のような思考回路をしていると確か座学で学んだ。

 

 

リ級「いやな、レ級の力自体が強すぎて轟沈と共に幼児退行してあんな性格になるんだよ。力の代償って奴だな」

 

 

 力の大小に理性を失うと言う事は分かった。

 

 

レ級「でも何で私は...自分で言うのも何だが、まともなんだ?」

 

リ級「さあな?多分姫様達なら知ってるだろ」

 

 

 姫様...姫級の深海棲艦か

 

 

リ級「そんなことよりよ...頼みがあるんだ」

 

レ級「頼み?」

 

 

 リ級の言葉の後に続々と深海棲艦達が跪く。

 

 

リ級「...私らを指揮してくれ!」

 

レ級「...は?」

 

 

 突然の事なので私は声が出てしまった。なぜだ?なぜ私に指揮をしてくれと言う?通常、深海棲艦には艦隊を担う旗艦がいるはず...

 

 

レ級「旗艦が居るはずだろ...もしかして」

 

リ級「思ってる通りだ...旗艦は撃沈された」

 

 

 やはりそうだったか。私の艦隊がやったのかもしれない。

 

 

レ級「今日は...何日だ?」

 

リ級「...27日だ。旗艦がやられたのは昨日だ」

 

 

 違ったようだ。

 

 

レ級「その時にリ級も居たのか?」

 

リ級「ああ。うちの旗艦、ヲ級が水雷戦隊にやられた」

 

レ級「水雷戦隊か...」

 

リ級「だがよ、一隻は道ずれに出来たんだ。駆逐艦だがよ...」

 

 

 なるほど...だとしても提督は新しい艦を配属し練度を上げるだろうな...

 

 

レ級「それで、その水雷戦隊を倒したいから、仲間の仇を討つためと私に指揮を執って欲しいと?」

 

リ級「ああ。一番の上位種はお前だけだからな」

 

 

 つまりは...元仲間を殺さねばならないという事だ。しかし、なぜか殺すことに抵抗が無い。

 

 

レ級「戦力は?」

 

リ級「リ級が私含めて1隻とチ級が2隻。あとへ級が4隻とイ級が5隻の12隻だ」

 

 

 そして、私も居るというわけだが水雷戦隊に対しては十分だとは思うが

 

 

レ級「...ヲ級が居ればとても良かったがな」

 

 

 そう言うと皆が下を見た。

 

 

レ級「...まあ、何とかなるだろうな」

 

 

 一様、私は戦術がとても得意だった。何とかなる...いや、何とかして見せよう。

 

リ級「...では、我々はレ級...いや、レ級少佐に随行します!」

 

レ級少佐「レ級少佐ぁ...?」

 

 

 いきなり少佐...ま、まぁ...一様旗艦だし...それに良い響きだし...

 

 

レ級少佐「まずは情報が欲しい...イ級とチ級でで情報収集をしてほしい」

 

リ級「聞いたか?少佐が偵察任務を指示した。イ級、チ級、偵察に出撃せよ!」

 

チ級「はっ!」

 

イ級「(`・ω・´)(了解!)」

 

イ級とチ級達は浮上して行き、偵察任務に赴いた。

 

 

 彼女らには無線で報告するようにと伝えた。流石に相手は盗聴するレベルの提督ではない。早速無線から応答が来た。

 

 

チ級『こちらチ級。現在、警戒中。敵影無し」

 

 

 チ級も流ちょうに喋るがイ級はそうはいかないようだ。

 

 

レ級少佐「近くの岩場に観測として貴艦達は移動せよ。そこは敵艦隊の出撃ルートの一つだ。そこから偵察せよ。」

 

チ級『了解』

 

 

 私は元々、秘書官だった故どんなルートで出撃するのかは知っている。しかし、どの艦隊が出撃しているかはわかりかねる。

 

 

チ級『こちら偵察隊。敵艦を観測。艦種は軽巡が2。他駆逐艦4隻の水雷戦隊です』

 

レ級少佐「第二艦隊か...」

 

 

 現在、狙っている提督の艦隊は第一艦隊、第二艦隊、第三艦隊の三つで構成されている。そしてその中で現在発見したのが第二艦隊。水雷戦隊だ。恐らくは、練度を上げるための出撃なのだろう。

 

 

レ級少佐「よし、初戦だ。一気に行くぞ」

 

 

 私は、今がチャンスと出撃を決意した。

 

 

リ級「編成はどうすんだ?」

 

レ級少佐「私とリ級。チ級とへ級だ。イ級は残れ」

 

イ級「(´・ω・`)」

 

リ級「おっしゃ、出撃だ!ぶっ叩いてやるぜ!」

 

 

 

ーその頃ー

 

 

 

天龍「おい、遅れんなよー」

 

霞「天龍さんが速いんでしょ」

 

大潮「大丈夫です!どんどん行けますよ」

 

龍田「ふふ、ヲ級を轟沈したから今の所は安全ね~」

 

初春「今の所...確かにそうよなぁ」

 

吹雪「ですね...」

 

天龍「だがよ、へんじゃねえか?」

 

霞「何がよ?」

 

天龍「なんつうか...見られてる感じがすんな」

 

龍田「ふふ、天龍ちゃんも分かった?」

 

吹雪「た、確かに..寒気がします...」

 

天龍「それに...敵艦が全然見えねえのが一番不気味だぜ」

 

 

 

レ級少佐「...各艦、我に続けぇッ!」

 

 

 私が先頭で敵艦隊を強襲する。

 

 

天龍「...ッ!敵だ!」

 

霞「な、何よ!なんで...ッ?」

 

吹雪「あ、あれは...レ級!?」

 

初春「この海域では現れんはずじゃろ!?」

 

大潮「レ、レ級なんて...やっつけちゃいましょう!」

 

天龍「(いや...俺達だけじゃレ級に勝てねぇ...)」

 

龍田「ふふ、天龍ちゃん。ちゃんと報告は済ませたわ」

 

天龍「逃げるしかないか...」

 

霞「無理よ!間に合わないわ!」

 

天龍「ッ!戦うしかないのかよ...ッ!全艦、戦闘配備!」

 

レ級少佐「さあ、ショー(殺戮)を始めようじゃないか...」

 

 

 

ー開戦ー

 

 

 

レ級少佐「まずはお前だぁ!」

 

 

 開幕魚雷は初春へと向かった。

 

 

天龍「初春!」

 

初春「きゃあああっ!」

 

 

 避ける暇もなく魚雷が命中し、初春は大破した。

 

 

初春(大破)「うっ...くぅ...」

 

レ級少佐「まだもう一つ...」

 

 

 なんとなくで操った艦載機を押しかける。

 

 

吹雪「きゃぁッ!」

 

 

 艦載機の攻撃により吹雪は大破した。

 

レ級少佐「ふん...やっぱり低レベルの駆逐艦達だったか」

 

天龍「く...撃て!砲雷撃戦だ!」

 

レ級少佐「貴様...遅いぞ」

 

天龍「なっ!」

 

 

私が放った砲弾は天龍を大破まで落としこんだ。

 

 

カンッ!

 

 

レ級少佐「おっと」

 

龍田「ふふ、天龍ちゃんを傷つけたからには...キッツーいお仕置きが必要のようねぇ」

 

レ級少佐「安心しろ...貴様らはは轟沈する

龍田「ふふ、簡単に行けると思って?」

 

リ級「てーッ!」

 

龍田「!」

 

 

 後ろからリ級達の砲撃が龍田に当たる

 

龍田(大破)「ふふ...それはちょっと卑怯じゃないの?」

 

大潮「たーーー!」

 

 

 大潮はレ級に対して積極的戦闘を繰り返しているが、

 

 

レ級少佐「さあて...お前から葬ってやろう」

 

 

 全てレ級少佐は避けている。

 

 

大潮「いやぁ...いやぁ!」

 

レ級少佐「...」

 

 

ズンッ!

 

 

大潮「ッ!」

 

レ級少佐「さらばだ...少しは楽しめたぞ」

 

 

 大潮の腹部に砲撃し、霰は...轟沈した。

 

天龍(大破)「霰ッ!クソ...ッ!」

 

霞「うっ、嘘...嘘だよねぇ...ウソだって言ってよ」

 

レ級少佐「そうか...貴様は姉妹だったか?...これは慈悲と受け取れ」

 

 

 霞の腹部へ砲撃。

 

 

霞「....」

 

 

 霞。轟沈。

 

レ級少佐「...予定より、少し長引いてしまってるなぁ...最後に...雷撃のプレゼントでもいかがかな?」

 

天龍(大破)「...ッ!ふざけやがって!」

 

レ級少佐「まあ、いい...簡単な事だ。全艦雷撃を開始せよ。一気に沈めるぞ」

 

リ級「了解。雷撃よーい」

 

レ級少佐「網目も無いようにな...発射ッ!」

 

 

 全艦から魚雷が発射され、逃げることが出来ずに...彼女たちは撃沈された。

 

 

リ級「...敵艦隊撃沈!私らの勝利だ!」

 

オオオオーッッッ!

 

 

 皆が歓声を上げた。仕方がない、最近は艦娘側が勝利を連ね我々深海棲艦達は負けていったのだ。初戦勝利、だが・・・この勝利は約束されたものであったのだった。

 

 

 だが今は、勝利を祝おう。

 

 

 そして、仲間を迎えよう。

 

 




轟沈した「私」は深海棲艦のレ級、レ級少佐となり深海棲艦を支持する「司令官」となりました。

......おや、また誰か来たようですね


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第二次戦闘に備え、戦闘配備。

※※※※年、3月28日。

 

 

 鎮守府には悲劇の知らせが響き渡っていた。

 

 

暁「...天龍さんが轟沈!?」

 

木曾「それどころか第二艦隊全滅か...」

 

響「...なんという事だい。前は雷と電が轟沈したばかりなのに...」

 

木曾「骨までも拾えないなんてな...悔しいぜ」

 

 

 

ー提督執務室ー

 

 

 

長門「提督...すまない。練度不足なばかりに...」

 

提督「...確かに失ったのは痛いんだが...どうせ練度の低い駆逐艦だ。しかし...なぜあの海域でレ級が居たんだ...?」

 

陸奥「それにつきましては現在情報を収集中です」

 

提督「ふむ...早急に頼むぞ」

 

長門「だが提督。あの海域にレ級が生息している事でレベリングの速度が...」

 

提督「ああ、ひとまずは練度が高い第一艦隊をレ級討伐に向けるか...」

 

陸奥「了解しました。第一艦隊に出撃準備を命じます」

 

 

 

ー食堂ー

 

 

 

赤城「あら^~いけますねぇ」

 

加賀「赤城さん。提督から出撃命令です」

 

赤城「ちょっと待ってください...あとあんみつだけ...」

 

加賀「わかりました。待ちます」

 

 

 

ー艦娘のお部屋ー

 

 

 

金剛「今日の紅茶はストレートの気分デース!」

 

比叡「姉様!提督から出撃命令です」

 

金剛「ノンノン、まだティータイムは終わってないネー!」

 

 

 

ー堤防ー

 

 

 

木曾「利根殿、提督から出撃命令だ」

 

利根「...どうせレ級を狩れって言うんじゃろ?わかっちょるわ」

 

木曾「...天龍と龍田達の仇を取ろう」

 

利根「当り前じゃ!」

 

 

 

 

 

リ級「では、勝利を祝って‥.かんぱーい!」

 

()()()()()!()!()!()

 

レ級少佐「かんぱーい‥.」

 

 

 私の名はレ級。レ級少佐と言われるものだ。

 私は鑑娘だったのだが、前に戦闘中に轟沈。そして、深海棲艦のレ級として生まれ変わったらしい。

 

 

 もともとは鑑娘として建造され、つまりは再利用されたのだろう。

しかし、だ。なんだこの戦勝気分溢れる感じは?確かにこの海域では練度をあげるために戦闘演習のような海域だったが、たまにヲ級が出る程度の場所‥.つまりは‥.

 

 

リ級「よくやったなー!少佐ぁ~」

 

レ級少佐「だッ‥.抱きつくな、離れろ‥.」

 

 

 酒、というよりは油を飲んでいるという感じだ。

 

 

リ級「おおっとわりぃわりぃ‥.」

 

レ級少佐「こんなに浮かれて大丈夫なのか?」

 

リ級「まあ‥.仕方ねぇよ‥.ずーっとこの海域はまるで演習場みてぇに狩られてたんだ‥.」

 

 

 やはりか‥.知っていたはものの、こっちから見てみると凄惨なものだ‥.

 

 

レ級少佐「だが、恐らく‥.次は主力艦隊が来るだろう」

 

リ級「ああ‥.」

 

レ級少佐「そのためには、戦力が欲しい」

 

リ級「それなら任せろ。新しい仲間が来たぜ。勝ったことを聞いて援軍に来たらしい」

 

 

 なんとも勝ち船に乗りに来た感が半端ない。しかしだ...戦力が増えるのはとてもありがたい。

 

 

レ級少佐「それで...その援軍は?」

 

リ級「ああ、ちょうどそこで飲んでるぜ」

 

 

 ※未成年はお酒を飲まないようにしよう。私との約束だ byレ級少佐。

視線の先には、ヲ級が一隻。ヌ級が二隻の空母達であった。

 

 

レ級少佐「ヲ?」

 

ヲ級「ヲ。」

 

リ級「???」

 

 

 私は何語で会話をしたのだろうか。

 

 

ヲ級「お初にお目にかかります。私は近くの海域から派遣されました、ヲ級です。不束者ですがよろしくお願いします」

 

レ級少佐「よ、よろしくな....(おいおい、待て待て。なぜヲ級が来たんだ?しかもヌ級まで...)」

 

ヲ級「この海域の艦隊を指揮をしていましたヲ級は私のに当たりまして、前々から伺おうと思って居たのですが少佐率いる艦隊が勝利した事を受け私共は戦列に係わることに致しました。これより、我々三隻は少佐の艦隊に加わります。どうぞ、お役に立ててくださいませ」

 

 

 とりあえず、一度でもただ勝ち船に乗りに来たせこい奴だと思ったこと私を殴りたい。彼女は妹の仇を討った私の事をどう思って居るのかは知らないが、ひとまず空母が三隻加わったことはとても喜ばしい。

 

 

レ級少佐「ああ...よろしく頼む」

 

リ級「へへっ、嬉しいもんだな。仲間が増えるのってのは」

 

レ級少佐「ああ...そうだな」

 

 

しかし彼女らも私のように轟沈したと思うと...

 

 

レ級少佐「それよりも、私達はずっと深海に居るわけだが」

 

 

 我々深海棲艦の基本的な生活範囲では深海となっていて、我々の拠点も深海にある。

 

 

リ級「仕方ねぇよ...どうせ近くの島に拠点を作ってもバレちまえば終わりだ...あ、ここでも同じか」

 

レ級少佐「ふむ...それもそうか」

 

ヲ級「しかし、敵の鎮守府を殲滅すれば安全に拠点を手に入れられますよ」

 

リ級「...お前はつまり、鎮守府を拠点にってか?」

 

ヲ級「はい。提督もすべて皆殺しにして...」

 

リ級「おい、テメェ。なんつった?」

 

ヲ級「ですから鎮守府の奴らを全員皆殺しに...」

 

リ級「はぁ?ふざけてんのか!」

 

 

 リ級が大声を上げた途端、周りが静かになる。

 

 

リ級「そんなことをしてみろ、生き残った艦娘達は怒り悲しみ俺達を永遠に許さないだろう。俺達は虐殺をするために戦ってんじゃねぇよ」

 

ヲ級「...あなたに何が分かるんですか...(小声」

 

リ級「あ?」

 

ヲ級「あなたに何が分かるんですか!!!」

 

レ級少佐「....」

 

ヲ級「あいつらのせいで私の妹は死んだんだ!はぁ...?怒る?悲しむ?私だって怒ってんだよ!!!」

 

リ級「....」

 

ヲ級「何で復讐したらダメなんだよ...!あいつらを皆殺しにするまで私達の腹の虫は収まらない!私達だって...私達だって...」

 

リ級「...その...ごめん!」

 

 ヲ級は今すぐにも泣きだしそうだ。そんな時にリ級は謝りの言葉を述べた。

 

リ級「そ、そうだよな...私だって前世で姉を失ってんだ...そういう痛みは死ぬほどわかってる...」

 

ヲ級「えっ...?」

 

リ級「...ごめんな...ヲ級の気持ちも考えずに...あんなこと言って」

 

ヲ級「うぅ...」

 

リ級「...妹の代わりになるとは思ってねぇけどよ...少しは...役立たせてくれ」

 

ヲ級「う、うえぇぇぇん!」

 

ヲ級はリ級を抱きしめて泣き出した。

 

レ級少佐「...(兄弟愛...か)」

 

 

 私にも前世に妹が居た。でも...声だけしか覚えていない...名前も顔も思い出せないのに声だけは...覚えている。

そう思いながら少し涙が出た。感動したようだ。

しかし、なんだろうか...普通に姉妹に見えるのは...

 

 

ヲ級「うえぇぇぇん!」

 

リ級「思いっきり泣いてくれ...」

 

 

 リ級はヲ級を優しく撫でた。

 

 

ヲ級「う、うぅ...」

 

 

ヲ級はリ級の胸の中で泣いていた.......

 

 

 

ー数時間後ー

 

 

 

レ級少佐「...とりあえず落ち着いたな?」

 

ヲ級「...すみませんでした」

 

レ級少佐「いや...別にいい。そんなことよりも...敵艦隊への対策会議を行おう」

 

 

 幹部級の艦、リ級とヲ級。そして私の三隻で話し合う事にした。

 

 

レ級少佐「まず、この海域の地図だ。そして、これが敵艦隊の通常ルートになる」

 

 

 模型を用い説明する。

 

 

ヲ級「このルートのほかに進攻してくる事はありますか?」

 

リ級「あとは...このルートだけだから安心しろ」

 

 

 リ級が地図を指でなぞり説明する。

 

 

ヲ級「なるほど...敵艦の編成などは?」

 

レ級少佐「なーに、簡単に編成は変わりはしない...奴らの主力の編成は戦艦2空母2は確定だ。あとは重巡と軽巡だろう」

 

ヲ級「航空機潰し...という事ですか」

 

リ級「だろうな...」

 

レ級少佐「損害は覚悟していなければいけないな...」

 

ヲ級「ひとまず、偵察部隊を送りましょうか」

 

リ級「前の編成でいいか?」

 

レ級少佐「そうだな...あの編成で頼む」

 

 

 前の戦闘で用いた軽巡1と駆逐艦3隻で構成された高速偵察部隊。またお世話になろうか。

 

 

リ級「わかった。今すぐに行かせる」

 

チ級「お呼びですか?」

 

 

 謎にすぐに表れた

 

 

リ級「うわああ!?きゅ、急に出てくるなよ...」

 

チ級「すみません。偵察任務の指示ですか?」

 

リ級「あ、ああ...ここの観測所から敵の情報を送ってほしい」

 

 

私は地図を指す。

 

 

チ級「わかりました。すぐに出撃します」

 

リ級「死にそうになったら逃げろ。いいな?」

 

チ級「心得てます」

 

レ級少佐「頼んだぞ」

 

 

 

ーその頃ー

 

 

 

金剛「ここがレ級の居る海域デースか?」

 

加賀「ええ。そうですよ」

 

比叡「でもレ級ってどんな奴なんですかね?」

 

利根「...どうせは鬼じゃ!仲間を殺した敵じゃ!」

 

木曾「落ち着いてください。利根さん」

 

利根「わしは冷静じゃ!」

 

赤城「嘘ですね、利根さん...」

 

利根「...仲間を殺されてイラつかん奴がおるか!」

 

赤城「...ですから、一度落ち着きましょう。怒りに身を任せてはなりませんよ」

 

利根「.....そうじゃの。赤城の言う通りじゃな。少し頭に血が上っていたようじゃわ」

 

加賀「...(流石赤城さん)」

 

木曾「ああ。そうだぜ。怒りにしは支配されてしまっては"勝利"を逃しちまうからな」

 

金剛「そうデース!みんなで力を合わせて戦うデース!」

 

利根「すまなかったのう...気を取り直して捜索じゃ!」

 

 

 

イ級「(`・ω・´)」

 

チ級「見つけましたか」

 

イ級「( `ー´)ノ」

 

チ級「ええっと...プロファイリングで...」

 

 

 ぺらぺらとファイルをめくっていく。これは深海棲艦が集めた艦娘のデータだ。

 

 

チ級「...今すぐ報告します。無線機の周波数を合わせてください」

 

イ級「(`・ω・´)ゞ」

 

チ級『こちら偵察部隊。応答願います』

 

レ級少佐「こちらレ級少佐。偵察内容送れ」

 

チ級『敵艦隊、6隻。金剛型戦艦二隻と赤城加賀の正規空母二隻。重巡利根と軽巡の木曾を発見しました』

 

レ級少佐「了解。そのまま監視を続けろ」

 

チ級『了解。通信終わり』

 

レ級少佐「...偵察部隊からの情報によると金剛型が二隻と赤城加賀に...利根と木曾か」

 

リ級「...戦艦二隻に正規空母が二隻かよ」

 

ヲ級「艦載機の数ではこちらの方が上ですが、戦艦の数で言えばあちらの方が上...すなわち対空能力は秀でていると考えたほうがいいですね」

レ級少佐「ふむ...」

 

 

 こちらの戦力は航空戦艦1、正規空母1、軽空母2、重巡1、雷巡1、軽巡3、駆逐艦5という感じだ。

 

 

 しかし、基本的に偵察部隊は戦闘に参加しないので雷巡と駆逐3隻は除外されるため今回の編成はこのようになるだろう。まず、旗艦は言わずもながら私となるだろう。後はヲ級とヌ級。そしてリ級とへ級という感じで良いだろう。

 

 

 しかし、生半可な戦法を行えば最悪轟沈する艦が出てしまう。航空戦重視の戦いでもし、一掃出来なければ野戦にて私とリ級達がとどめを刺すだけだ。

 

 

 ヲ級達と私の航空攻撃に期待が集まる...私の艦載機は前世で見た資料どうりのいわゆるたこ焼き型の艦載機であった。扱い方を一瞬悩んだが、生まれながらついていた体の一部のようにちゃんと制御出来るようになった。

 

 

 しかし、私の航空攻撃で戦艦を轟沈させることにより他の空母への攻撃が集まるという利点があることは事実ではあるだろう。

この作戦がどこまで通じるかは分からないが、前世でとある提督が「やってみせ」と言う言葉を思い出し私はこの作戦を立案したのだった.......

 

 

 

 

 

 

 

 

 




空母の航空攻撃により敵艦隊を一掃するという作戦を立案したレ級少佐。
しかし、どちらも仇を取ろうと躍起になっていた。









ヲ級とリ級の百合同人増えろ


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

戦闘開始。我に続け

 ...その日。海が騒がしかった。

 

 

それはなぜか......また、沢山の船が沈むからかもしれない。

 

 

 

リ級「‥.いよいよだな」

 

レ級少佐「ああ‥.」

 

 

 大規模な作戦を前に皆緊張している。

 

 

ヲ級「‥.緊張しますね」

 

レ級少佐「そうだな‥.」

 

 

 今回の作戦はこうだ。ヲ級達空母艦隊が制空権を取り、私が弾着観測砲撃を行い、夜戦で一気に片付けるという作戦だ。しかし、敵空母艦隊を侮ってはならない。屈強な第一艦隊が相手だ。被害は少なからずあるだろう。

 

 

レ級少佐「...覚悟を決めよう」

 

ヲ級「...」

 

 

 何とも緊張した空気が流れる。

 

リ級「ははっ、そんなぴきぴきしてんじゃねぇよ。いつも通りにやらぁすむ...全員生きて帰れるに決まってんだろ?」

 

ヲ級「そうですね...ふふ、ありがとうございます」

 

 

 リ級が少し場を和ませた。

 

 

レ級少佐「さあ...敵艦隊が近い。第一戦闘配備だ!」

 

 

 

ー艦娘側ー

 

 

 

利根「...敵が近いのぅ」

 

加賀「やっとですか。航空隊が待ちくたびれてましたよ」

 

金剛「構成は何デース?」

 

利根「...レ級にヲ級、それにヌ級にリ級とへ級じゃ」

 

木曾「...強敵だな」

 

赤城「どんな敵が来ても私達は...戦わねばなりませんよ」

 

比叡「どんな敵でも、負けません!」

 

 

 艦娘達の士気は高まって行った。

 

 

 

ヲ級「...敵艦発見!」

 

レ級少佐「全艦、戦闘態勢。作戦名”渡り鳥”を敢行する!」

 

 

 両方、お互いの存在を確認した。そうして、大規模な空戦が幕を開く。

 

 

ヲ級「艦載機発進。敵艦隊を沈めよ!」

 

ヌ級「(# ゚Д゚)」

 

 

 ヲ級とヌ級。そして私から艦載機による航空戦を挑んだ。

 

 

加賀「相手も出してきましたね」

 

赤城「...大丈夫。第一航空戦隊は制空権を掌握してください」

 

 

相手は敵が誇る第一航空隊。我々は物量と質で押すことしか出来ない。しかし、練度というのは物量も質も跳ね返す事も出来る。トランプで言うところの「ジョーカー」であると感じだ。

 

 

 そして空戦は20分と続き...制空権は

 

 

ヲ級「...制空権、確保です!」

 

加賀「なっ!?」

 

 

 なんと我が深海棲艦の戦闘機隊が勝ったようだ。だが、これだけでは安心は出来ない。戦闘機隊を減らしたとしても、敵の攻撃機隊は残っているのだから。初めに火を噴いたのは比叡、加賀、利根だった。

 

 

比叡「ひえーーっ!」

 

加賀「くっ...被弾しました」

 

利根「ぐわーーっ」

 

 

 三艦は中破した。

 

 

木曾「比叡!加賀!利根さん!」

 

金剛「もう、許さないネー!」

 

加賀「頭に来ました。」

 

 

 しかし、敵も攻撃をしているのは変わらない。まず、損害が出たのは「ヲ級」だった。

 

 

ヌ級「(゚д゚)!」

 

ヲ級「はっ!?」

 

 

 ヲ級にヌ級が中破したのだった。

 

 

リ級「大丈夫か!?」

 

ヲ級「すみません...誘爆を防ぎます。」

 

レ級少佐「別に下がって良いぞ。いや、下がれ」

 

ヲ級「す、すみません...」

 

 

 ヲ級が後衛に周る。

 

 

金剛「敵も同じ被害デース!」

 

レ級少佐「...ここからが正念場だ。潰すぞ」

 

リ級「おう!」

 

レ級少佐「砲雷撃戦...始め!」

 

金剛「こっちも砲雷撃戦デース!」

 

 

 両者の砲撃戦が始まる。

 

 

レ級少佐「...沈めるぞ」

 

金剛「ワオ!」

 

 

 高速で近づいたレ級は砲撃を食らわせる。

 

 

金剛「ぐあっ!...でもこんなんじゃ沈まないデース!」

 

 

 中破してて何を言っているのやら。

 

 

レ級少佐「何を言っている」

 

金剛「へ?」

 

レ級少佐「そんなんじゃ、戦艦とは言わないのだよ」

 

 

私は金剛の腹に拳をねじりこむ。

 

 

金剛「おぅッ!」

 

レ級少佐「こんなので悶えるののじゃぁ...ダメだな」

 

 

ドーン!

 

 

レ級少佐「あ?」

 

比叡「お姉さまは...やらせません...!」

 

レ級少佐「姉妹共々諦めが悪いな...いや、それが最大の形質か・・・」

 

比叡「ひえっ!?:

 

レ級少佐「...私が仲良く、一緒に(深海)に一緒に連れていってやろう」

 

 

 尻尾の冷たい砲塔を比叡の胸に突きつける。

 

金剛「no...no!やめてデース...!比叡を殺さないで欲しいデース...」

 

レ級少佐「君に指図される筋合いは無い。大丈夫だ。後で一緒に送るからな...」

 

 

ーーーー※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

 

 

レ級少佐「---ッ!...無駄話が過ぎた。今すぐに殺す」

 

比叡「ひ、ひえぇぇぇぇ!」

 

 

ドーンッ!

 

 

金剛「OH........omg」

 

 

レ級少佐「お前はネイティブではないだろに...」

 

 

ドーンッ!

 

 

 私は、金剛を撃った。

 

 

ーーーー※※※※※※※※※※※※※

 

 

 何だが、頭痛がした。

 

 

レ級少佐「....ふん。霞かがってるだけ...か」

 

 

 そんなことを少し考えて居たら...

 

リ級『大変だ!』

 

レ級少佐「どうした?」

 

リ級『そ、それが...』

 

ヲ級『別に良いですよ...私から説明します』

 

リ級『クソッ...!どこだよヲ級!」

 

 

 嫌な予感がする。

 

ヲ級『...すみません。油断していたら敵の攻撃機隊にやられてしまって...』

 

リ級『座標伝えろバカ!』

 

ヲ級『...現在、本艦は航行不能。敵の航空攻撃により、現在誘爆中...燃えている』

 

レ級少佐「...それで貴官はどうするつもりだ?」

 

リ級『少佐...!お前って...!クッ!』

 

レ級少佐「リ級」

 

リ級『で、でもよう...つまりは轟沈まじかだぜ...!?まだ助かる見込みは...』

 

ヲ級『こんな私の為だけにそんなことされても...また犠牲者が増えるだけですよ』

 

リ級『ヲ、ヲ級...』

 

ヲ級『...単刀直入に言います。これより本艦は...自沈を敢行します』

 

リ級『じ、自沈だぁ...!?ふざけてんのか!』

 

ヲ級『ふざけてなんかいませんよ...私は轟沈したら...艦娘になるかもしれない...そうしたら...あなた達を敵に回すんですよ...』

 

レ級少佐「だから自沈か....」

 

リ級『...............』

 

ヲ級『....リ級。ありがとう』

 

リ級『...は?』

 

ヲ級『私を気遣って...一時的ですが妹を演じてくれて...本当にありがとう。』

 

リ級『...バカ姉。ぜってえに死なせるわけねェだろ』

 

 

 その時のリ級の声は泣きそうな声だった。しかし、ヲ級は反対に...何だか落ち着いていた。

 

 

ヲ級『ふふっ...ごめんなさいね...でも...最後に...リ級の声が聴けて...良かったですよ』

 

リ級『うっ...うぅ...』

 

ヲ級『...泣かないで...大丈夫...私は何時でも海と共にある...だから...忘れないでください』

 

ヲ級『...リ級。大好きですよ

 

リ級『...私もだよ...お姉ちゃん』

 

ヲ級『...』プツン

 

 

 プツンと通信が切れたと共に、爆炎が上がった...

 

 

リ級『うぅ...ぐすっ....』

 

レ級少佐「...爆炎のあった場所に向かえ。後は私とリ級でやる」

 

リ級『...な、泣いてなんかいられねぇな...そっち向かうぜ...少佐』

 

 

 この時のリ級の声はとても悲しそうだった。

 

 

 ...私が何で自沈を許したか?それは...

 

 

 いや...これは言葉で釈明出来ないな...何か言ってもどうせ言い訳になってしまう。彼女の思いを無駄にしないために...空母達を狩る。

 

 

赤城「...敵空母、誘爆のようですね」

 

加賀「...やりました」

 

木曾「ああ...でもよ、金剛達は...」

 

赤城「...金剛さん達には申し訳ないです...時間を稼いでもらって...」

 

加賀「...!追手が来てます...!」

 

赤城「大丈夫。艦載機が時間を...」

 

 

 ドォーン!

 

 

 ブゥゥゥン....

 

 

赤城「なっ...」

 

 

 赤城が見たものは、自分の航空機が一隻の...いや、一人の少女の手によって堕とされて行っているのだ。

 

 

レ級少佐「やあ...よくやってくれたな...」

 

赤城「ッ!早く逃げて!木曾さん、利根さんと加賀さんを!....!」

 

 

 加賀が弓を持つ。

 

 

加賀「...まだ...行けますよ」

 

赤城「駄目です、加賀さんも...」

 

加賀「赤城さん。どうせこれも時間稼ぎにしかなりません。だったら...時間稼ぎは多い方がいいです」

 

赤城「...背水の陣と言ったところでしょうか」

 

加賀「...やるべきことはやりましょうか」

 

レ級少佐「...おしゃべりは終わりだ」

 

赤城「...!」

 

 

 先手必勝と言わんばかりに弓を放った。

 

 

 しかし...

 

 

 ギュワァァン!

 

 

赤城「...ッ!」

 

 

 私の艦載機が赤城の放った艦載機を堕とした。

 

 

レ級少佐「...そんなもんか」

 

 

 私が砲塔を向けた瞬間、赤城は顔を見てこんな言葉をを放った。

 

 

赤城「...レ級...もしかして...あなたは...※」

 

 

ドォーン‼

 

 

ーーーー※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

 

 

レ級少佐「....ッ!」

 

 

 まただ。何かの光景が脳裏をよぎる。

 

 

加賀「...赤城...さん...」

 

レ級少佐「...最後くらい、何か聞いてやろう」

 

加賀「...はは...また...繰り返すのね...」

 

レ級少佐「...........また会おう」

 

 

 ドォーン!

 

 

ーーーー※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

 

 

レ級少佐「う...がぁ....」

 

 

 なんだこれは...突然頭に...うっ...私は...私は...誰なんだ...___

 

 

リ級「少佐ぁー!」

 

 

 リ級の声が聞こえた。

 

 

レ級少佐「う...な、なんだ...」

 

リ級「そっちこそ...いや、そんなことより...すまん!二隻逃がした」

 

レ級少佐「そ、そうか....ふぅ....」

 

リ級「...肩貸すぜ」

 

レ級少佐「....すまないな」

 

 

 私はリ級に肩を貸してもらい、拠点に帰還した。

 

 

 

ーその頃ー

 

 

 

木曽「......」

 

利根「......」

 

 

 利根は目から出血していた。

 

 

木曽「クソッ...クソッ...利根さん...」

 

利根「...すまんのぅ...すまんのぅ...」

 

 

 彼女達は生き残り、海域を離脱した。

 

 

 

リ級「.....」

 

チ級「...リ級さん...」

 

レ級少佐「...」

 

リ級「...すまねぇな。私かこんなんじゃだめだな...ハハッ。」

 

 

 強がっているようだが、時間が居ると私は判断出来る。

 

 

リ級「...あいつにも面目立たねぇよ」

 

レ級少佐「.....」

 

 

 私はリ級を休ませることにした。

 

 

 

ー数日後ー

 

 

 

チ級「少佐。新しい艦が来ました。

 

リ級「お、そりゃいい知らせだ」

 

レ級少佐「何隻だ?」

 

チ級「三隻です。しかも中々重量級が」

 

リ級「まじか?そりゃいい。即戦力になるかもな」

 

レ級少佐「今から会えるのか?」

 

チ級「はい。では、紹介します......」

 

 

 その三隻が姿を現す。

 

 

リ級「......!?」

 

レ級少佐「...ほぅ」

 

チ級「.......空母の"ヲ級"です。」

 

ヲ級「...初めまして」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




戦いの最中、ヲ級を失ったレ級少佐達。
しかし、目の前に現れたる艦は....?







チ級ちゃんを忍者にしたい(願望)


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

変化。

ー鎮守府近海ー

 

 

 

 二人の少女が進んでいる。一人は木曾という少女と利根と言う少女。

 

 

木曾「大丈夫だ...あともう少しだ...!」

 

利根「すまんのぅ...すまんのぅ...」

 

 利根の両目は血で塗れ...恐らく失明しているだろう。

 

 

木曾「...こちら木曾。これより帰還する。担架は用意しているか?」

 

医療班『こちら医療班。大丈夫だ、すぐに治療室に放り込める』

 

木曾「...すまない」

 

医療班『貴艦も損傷があれば対応する』

 

木曾「大丈夫だ...片目をやられただけだ」

 

医療班『...あとは到着を待つ。以上』

 

木曾「...利根さん...」

 

利根「...赤城達は...」

 

木曾「....」

 

 

 しばらくして、彼女達は鎮守府に到着した。

 

 

医療班吉田「急げ!運ぶぞ!」

 

 

 到着した後、利根は急いで運ばれて行った。

 

 

医療班本田「木曾さんも手当てを施します」

 

木曾「...頼む」

 

医療班本田「...今後は治療のため入院と検査、その後調査が行われます...」

 

木曾「...レ級...か」

 

 

 

ーその頃ー

 

 

 

リ級「な、なぁー!?」

 

ヲ級「?」

 

 

 そう、私達の目の前にはヲ級が居た。

 

 

リ級「ヲ、ヲ級ッ!」

 

ヲ級「ふぇ?」

 

リ級「ふざけんな...!...生きてるじゃねぇか...」ムギュゥ!

 

 

 リ級は強く抱きしめた。

 

 

ヲ級「ヲう...!?」

 

レ級少佐「お、おい...待てよ」

 

リ級「んぁ?」

 

ヲ級「は、初めましてだと思います...よぅ!」

 

リ級「あ......そうか。すまん」

 

 

 リ級は離れた。

 

 

ヲ級「...ふぅ、何なんですか...もぅ」

 

ル級「あー、すみません。私達の入る隙が無いようですが」

 

タ級「そうそう」

 

リ級「あ...すまん。ちょっとな」

 

ル級「変な御人ですね」

 

タ級「まあ、別に良いんじゃね?」

 

 

 新しく三隻の仲間が増えた。

 

 

レ級少佐「...取りあえずなんだ。コーヒーでも飲むか?」

 

ヲ級「いただきます...」

 

ル級「恐縮です」

 

タ級「あ、特甘でたのんまーす」

 

 私はこう考える。

 

 

 コーヒーの傾向で私は性格が分かるのだと。例えば私は普通にブラックが好きだ。つまりは味覚が大人である。しかしリ級は砂糖を4個入れなければ飲めない子供という事だ。まあ...根拠は無いがな。

 

 

 私はコーヒーを四人分入れて砂糖とミルク、スプーンを置いた。

 

 

レ級少佐「さあ...どうぞ」

 

ヲ級「どうも...」

 

ル級「いただきます」

 

タ級「うぃ」

 

 

 ヲ級は砂糖を二個とミルクを入れた。見た目に反し?いや、見た目相応の味覚という事か。

 

 

 次にル級は砂糖を一つ入れた。中々いい筋をしている。気が合いそうだ。

 

 

 そして...タ級。

 

 

 こいつは砂糖を四個とミルクをたっぷりと入れた。...こいつ、見た目に反してとても甘党...いや、苦いのが苦手...?

 

 

 理解しかねる...。

 

 

イ級「(´・ω・`)」

 

レ級少佐「...またイ級か」

 

イ級「(^ω^)」

 

 

 寄ってくる。

 

 

レ級少佐「....なんとも不思議だな」

 

 

 ちょっと頭を撫でてみる。

 

 

イ級「(*´ω`*)」

 

 

 .........複雑だ。

 

 

レ級少佐「とりあえず....これからどうするか...」

 

 

 現在、我々は善戦中でありこのまま攻め入るというのもいいがそれでは相手が本気になる。いや、もうそろそろ本気だろう...

 

 

チ級「少佐。暗号電文が届いています」

 

レ級少佐「暗号電文...?分かるのか?」

 

チ級「何とか解読したところ...中部海域の本部への出頭命令です」

 

レ級少佐「は?」

 

リ級「全員か?」

 

チ級「はい。文章的にそうなりますね...」

 

 

 こ、これはもしかして...

 

 

レ級少佐「(安全な本部勤務ぅ!?)」

 

リ級「んー、姫さん達がお呼びのようだなぁ...」

 

レ級少佐「ぜ、ぜひ向かおう...それに命令だからな」

 

リ級「...なんか変なこと考えてねぇか?」

 

レ級少佐「いや、何も?」

 

リ級「ま、姫様たち事だ。どーせ最前線に送るんだろうよ、安全な後方勤務みてえなもんはないんだろうよ」

 

レ級「(デスヨネー)」

 

リ級「ひとまず、全員に知らせるぜ。すまねぇ、入ったばっかりに移動でな」

 

ル級「いえ、命令ですので大丈夫です」

 

タ級「まあ、忙しいよねー」

 

ヲ級「ひとまず待機します」

 

 

 そして、全員を集めて知らせた。現在の戦力は私含めた戦艦3隻と空母1隻、軽空母3、重巡1雷巡1、軽巡1と駆逐艦6隻。全16隻だ。新しく加わったのはル級、タ級、ヲ級、イ級が二隻だ。

 

 

リ級「少佐ぁ。全員ってこったろ?いろいろ、編成考えねぇとな」

 

レ級少佐「ああ、大丈夫だ。考えて居る」

 

 

 まず前衛にチ級とへ級、イ級3隻で構成された偵察隊。その後ろから本隊を中心に戦闘艦を配置するという考えだ。私は一番前という事になっている。

 

 

リ級「さすがに大移動だからな、敵艦隊との衝突に備えねえとな」

 

レ級少佐「ああ...二つ横の海域に鎮守府がある。魚雷艇が来るか潜水艦か、警備中の第二艦隊かって感じだ」

 

リ級「魚雷艇だぁ?あんな弱い奴かが?」

 

 

 私の記憶では乙型魚雷艇の...T-14が配備されていたような気がする。

 

 

レ級少佐「だが油断は出来ない。慢心していては死に繋がる」

 

リ級「...だな」

 

レ級少佐「では、出撃するとしよう...武運を祈る」

 

 全員が敬礼をした。

 

 

 

ー本部まで三分の一。

 

 

 

チ級『現在。敵艦は見えず』

 

レ級少佐「ああ。報告ありがとう」

 

 現在、晴天。敵影無し。

 

リ級「まだ着かねぇか」

 

ヲ級「まだ三分の一ですよ」

 

リ級「だーッ...敵も出ねぇし暇だなぁ...」

 

ヲ級「無駄に弾薬を消耗しなくていいんですよ」

 

リ級「んま...それもそうだがよ...暇すぎる」

 

レ級少佐「おい、まだまだ先なのにこれじゃどうなるんだ」

 

ル級「このままがいいんですけどね...」

 

タ級「暇ってのはめちゃくちゃ共感出来るんだよねー」

 

リ級「お、気が合うじゃねぇか」

 

タ級「なんかこう、ばーって出てこないかな」

 

レ級少佐「(もしかして似てる...?)」

 

 

 

ー近海

 

 

 

???「おーっ?平和なのですよ」

 

???「なのですなのです。」

 

???「でも暇なのです」

 

???「確かにそうなのです」

 

???「近くの敵を探すなのです!」

 

???「なのですなのです!」

 

 

 小さい子達の集団。それは確実にレ級少佐の艦隊へと近づいていた...

 

 

チ級『...敵群感知。駆逐艦より小さくて早い...?魚雷艇かと思われます』

 

リ級「おぅ!早速お出ましか!」

 

ヲ級「警戒機を飛ばしてもよろしいですか?」

 

レ級少佐「ああ。頼む」

 

ヲ級「はっ!」

 

 

 魚雷艇だからと言って油断してはならない。速力は30ノットを超え、確実に魚雷を叩き込んでくるのが魚雷艇だ。

 

 

 それに小型の為、砲撃も当たりにくいだろう....

 

 

リ級「戦闘配備だ!おめぇら!チビ共かたずけんぞ!」

 

 

 

???「おー沢山なのです!」

 

???「戦果沢山なのですー」

 

???「にぱー。なのですー」

 

???「まずは上のを注意しながらあいつをやるのですー」

 

???「了解なのですー」

 

ヲ級「...発見!右舷です!」

 

 

 グォォォォン!

 

 

 艦載機による航空攻撃。

 

 

???「避けるなのです!」

 

???「遅い遅いなのです」

 

乙14:1「我ら乙型魚雷艇T-14群!見参なのです!」

 

乙14:2「小さいからって舐めたらだめなのです!」

 

乙14:3「魚雷で一撃なのです!」

 

 

 するすると避けていく。

 

 

リ級「うぉ!?なんだぁ?あの動き...!」

 

レ級少佐「砲撃開始だ。撃て!」

 

ル級「方位修正...距離演算...発射!」

 

乙14:4「ぶち込むなのです!」

 

乙14:5「続くなのです!」

 

リ級「うぉ!?全部避けてやがる!」

 

ル級「なんと...」

 

レ級少佐「おい、来るぞ!」

 

乙14:6「なーのーでーす!」

 

 

シュドン!

 

 

 乙14の6隻のうち、三隻から雷撃。

 

 

ル級「魚雷正面!回避!」

 

レ級少佐「間に合わん...」

 

 

ドーン!

 

 

 雷撃が当たり水柱が上がる。

 

 

乙14:5「命中なのですー!」

 

レ級少佐「くっ...」

 

ル級「損害軽微...」

 

タ級「大丈夫ー?」

 

乙14:1「なのですー!」

 

リ級「これが連続で来たらやばいな...」

 

乙14:3「堪えてるなのですー!」

 

乙14:2「私達も続くなのですー!」

 

レ級少佐「く...早すぎて砲撃が当たらん...」

 

 

シュドン!

 

 

レ級少佐「....!」

 

 その時、イ級が目の前に入った。

 

 

レ級少佐「...は!?」

 

 

 ..................水しぶきが水面に落ちた時。新たなる姿へと変貌する。

 

 

イ級改「...ッアーーー!

 

乙14:3「なのです!?なのです!?」

 

 

 すなわち、イ級が突然人型になったのだ。

 

 

イ級改「...少佐ぁー!無事かー?」

 

レ級少佐「...?イ級か...」

 

イ級改「へへっ、何か分かんねぇけど人間体になれたぜ!」

 

 

 わんぱくそうで黒いサラシを巻き白いハーフパンツをはいた少女になっていた。

 

 

レ級少佐「...戦えるな?」

 

イ級改「あたぼうよぅ!」

 

 

 私とイ級...いや、イ級少尉とでも名付けよう。

 

 

イ級少尉「私と少佐で圧雷撃するぞぉー」

 

乙14:5「来るなのですー!」

 

乙14:3「当たる訳ないなのですー」

 

乙14:4「来てみろーなのですー!」

 

レ級少佐「おう、行ってやろうじゃぁないか...」

 

イ級少尉「いっくぜぇー!」

 

 

 一瞬の動きで敵艦三隻に近づく。

 

 

乙14:345「「「なのです!?」」」

 

イ級少尉「くらぇーー!」

 

 

シュドン!

 

 

 完全に直撃コース

 

 

乙14:4「む、無理なのですぅ!避けれないなのですぅ!」

 

 

ドォーン!

 

 

 水柱が上がり、乙14:345は退場した

 

 

乙14:1「なんだと...なのです」

 

乙14:6「なんだぁの速さは...なのです」

 

レ級少佐「なのですなのです、うるさいな」

 

イ級少尉「なのですって、そんなに言いたいんかぁ~?」

 

乙14:2「なのです...!」

 

レ級少佐「じゃあ、終わりにしようか」

 

イ級少尉「おー。終わりにするかー?少佐ぁ~」

 

乙14:1「や、やられる前にやるなのです!」

 

 

シュドン!

 

 

乙14:2「なのです!なのです!」

 

イ級少尉「ほらよっと」

 

 

 避ける。

 

 

乙14:6「よ、避けるななのですぅ!」

 

レ級少佐「お前らこそな...」

 

イ級少尉「終わりだぁぁぁ~!」

 

 

シュドン!

 

 

乙14:126「な、なのですぅぅぅ!」

 

 

ドォーン!

 

 

 避けられずに轟沈した。

 

 

イ級少尉「うぅぅぅー、いぇーい!やったなぁ!少佐ぁ」

 

レ級少佐「...流石だ。心底驚かされたよ...なんともかわいいやつだ」

 

イ級少尉「はぁ~。少佐ぁぁー♪」

 

レ級少佐「うぉ!?だ、抱き付くんじゃぁない!」

 

リ級「おぉ~、なんだぁ。俺も混ぜろ~」

 

レ級少佐「う、うわぁぁ!?」

 

 

 私は散々な目に会いつつもイ級は変化を遂げたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




変化を遂げたイ級少尉。そして向かうは司令本部。そこには何が待ち受けるのだろうか.....























キィン!
カチッ....
???「....ふーっ」
???「あと数時間と言うところでしょうか...」
???「ふ...レ級少佐ねぇ...どんな奴か楽しみだ....」


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

上の存在。

「.....はっ...!」バザッ

 

私は...生き残ってしまった....金剛...比叡...赤城加賀....利根さん

 

調査員「おはよう。木曾殿」

 

木曾「...何時からそこに居たんだ?」

 

調査員「なぁに...入ってきて丁度起きた感じだよ」

 

木曾「ふ...そうか」

 

 

 こいつはおそらく、鎮守府の調査員だろう。

 

 

調査員「さて...何があったか教えてもらうか。軽巡木曾」

 

木曾「...悪魔が出たのさ」

 

 

 

ーその頃ー

 

 

 

イ級少尉「しょーさぁー」

 

レ級少佐「...」

 

イ級少尉「なぁ、しょーさぁー」

 

レ級少佐「...なんだ」

 

イ級少尉「退屈だから遊びたいー!」

 

 

 そう言うのも確かにそうだ。六時間ほどただ進み続けているだけなのだから。

 

 

レ級少佐「駄目だ」

 

イ級少尉「ぇー?」

 

 と言っても、いつ敵艦隊と戦闘に入るのか分からないため遊ぶことなど出来ないのだ。

 

 

イ級少尉「けちー!」

 

リ級「お、元気が有り余ってんだな。俺と遊ぼうぜ!」

 

イ級少尉「おおー!リ級やっさしいー!」

 

 

 おそらくリ級も退屈なのだろう。

 

 

リ級「んじゃ鬼ごっこで遊ぼうぜ」

 

イ級少尉「負けないぞぉー!」

 

 

ブウウウウン!

 

 

 二人が鬼ごっこを始める。

 

 

ル級「よろしいので...?」

 

レ級少佐「まあいいだろう...」

 

タ級「混ざりたいけどもうちょっと違うなー」

 

レ級少佐「ル級。あとどれぐらいだ?」

 

ル級「そうですね...二割といったところでしょうか」

 

レ級少佐「いい感じだな...」

 

 

 この勢いで進み残り二割。おそらくもう敵艦隊は見えないだろう...そろそろ本部の近くだ。そんなことを思って居たら、

 

 

チ級『こちら偵察隊。応答願う』

 

レ級少佐「こちらレ級少佐だ。どうした?」

 

チ級『艦影です。恐らく本部の者でしょう...味方艦から信号。我らは本部近海の第三哨戒隊である。貴官らを歓迎する。我に続け...とのことです』

 

 

 すなわち、迎えが来たという所か。

 

 

ル級「...来ましたね」

 

ヲ級「取りあえず従いましょうか」

 

レ級少佐「ああ、そうだな」

 

リ級「んじゃ先行くぜー!」

 

イ級少尉「おー!」

 

ヲ級「ちょっと、陣形を崩さないでください!」

 

レ級少佐「元気なものだな....」

 

ル級「少し元気すぎるのも困りものですけどね」

 

 

 我々は本部の艦隊に誘導され海路を進んだ。

 

 

リ級『おー!なんか見えるぜ』

 

 

 始めにリ級が発した後にそれは見えた。それはまるで『島』のような物だった。ただし、黒い装甲と赤の蛍光色がたびたび目に入るという事以外は通常の島だと感じた。

 

 

ヲ級「ここが深海棲艦艦隊本部...」

 

タ級「おっきー...」

 

ル級「港湾施設はもちろん、他にもいろいろな設備がありますね...」

 

 

 深海棲艦は基本、このような組織的行動はしないしこれ程知性が無いと思っていたがこのような基地を築いているとは思って居なかった。しかし、今はこちら側だ。どちらかと言うと心強い。司令部に感謝だ。我々が岸へと上がると、迎えが来ていた。

 

 

 

ー司令本部桟橋ー

 

 

 

 迎えの深海棲艦は軍服を着た.....見た事のない艦種だ。

 

 

ノ級「長旅ご苦労様でした。私はノ級。司令部の補助をしております。司令官がお待ちです」

 

レ級少佐「...リ級とヲ級。ついてきてくれ」

 

リ級「おう」

 

ヲ級「わかりました」

 

レ級少佐「他は待機だ。ゆっくり休んでくれ」

 

ノ級「皆様の宿舎はこちらのゐ級がご案内いたします」

 

 

 ひらひらしたメイド服のような物を着た深海棲艦がお辞儀をする。私ぐらいの背丈をしていた。

 

 

ノ級「では、こちらです」

 

 

 我々三人はノ級の案内で司令部へと向かった。この島には資源集積場の他に飛行場、工廠、宿舎などが完備されていた。福利厚生がちゃんとしている職場のようだ。そうして司令部の施設へと入り、我々はある部屋の前に辿り着いた。

 

 

ノ級「こちらです」

 

 

 

ー執務室ー

 

 

 

コンコンコン、とノ級は三回ノックする。

 

 

???「.....入れ」

 

 

 中から声が聞こえる。

 

 

ノ級「失礼します。司令官」

 

 

 私達三人は入室した。

 

 

リ級「タバコクセ…」

 

 

 執務室にはタバコの煙が立ち込めていた。

 

 

???「ほう…君がレ級少佐か」

 

 

 執務室の奥に座っている人物が私達を見る。まさしく司令官と言える彼女を私は見たことがある気がする。隣にはもう一人、女性が居た。

 

 

戦艦水鬼「私はこの深海棲艦艦隊本部の司令官。戦艦水鬼(せんかんすいき)だ。こっちは…」

 

空母棲鬼「艦隊司令官の補佐をしている空母棲鬼(くうぼせいき)です。どうぞよろしく、レ級少佐」

 

 

 分かっては居たが、どちらも鬼級の深海棲艦だ。しかし、一人は水鬼でもう一人は棲鬼だ。 大物、揃いだと言える。

 

 

 姫・鬼級の説明としては、手っ取り早く言うと我々汎用より上の存在。所見では深海棲艦の指揮系統の一つだと思っている。しかし、そこに居る戦艦水鬼は棲姫・棲鬼よりも上位である。

 

 

レ級少佐「お初にお目にかかります、戦艦水鬼殿。こちらは部下のヲ級とリ級です」

 

戦艦水鬼「ほう…礼儀がなっているじゃないか」

 

空母棲鬼「確かに珍しいレ級だ...」

 

戦艦水鬼「レ級は通常知能が低い種だ。戦闘能力の引き換えで見た目相応の子供の知能になる訳だが、なぜ少佐は知能を持ったまま建造された?」

 

 

 葉巻を吸う戦艦水鬼。

 

 

空母棲鬼「少佐殿の戦歴は存じております。旗艦不在の深海棲艦らを束ね、B海域の水雷戦隊及び第一艦隊を壊滅させたとか....素晴らしい戦果ですね」

 

レ級少佐「お褒め頂き恐縮です」

 

戦艦水鬼「それで…本題なのだが」

 

 

 灰皿に葉巻を置く。

 

 

戦闘水鬼「我が司令部の遊撃部隊として働いてほしい」

 

戦闘水鬼「言わば、司令部直属の独立した遊撃部隊だ」

 

 

 遊撃部隊…戦況によって攻めと守り、目標を変えて戦闘を行う部隊の事だ。

 

 

リ級「つまりよ、好きに動いていいんだろ?」

 

空母棲鬼「ええ。基本的には指揮権は司令部が持ってるが....部隊が独自に動いてくれて構わない」

 

戦艦水鬼「だが、司令部の指示があったら必ずそれに従うことだ」

 

レ級少佐「それはごもっともです。」

 

空母棲鬼「もし、この部隊を指揮するというなら....人事は好きにするといい。物資も必要数用意しよう」

 

 

 つまりは、この部隊の人員は自由にしていいという事だな、

 

 

レ級少佐「感謝致します」

 

戦艦水鬼「では、指揮下に入るか?」

 

レ級少佐「...」

 

 私はリ級とヲ級を見た。リ級は笑って返事を返し、ヲ級は頷いで返事を返した。

 

 

レ級少佐「はい。我々からのご返答ですが…」

 

レ級少佐「我が艦隊は、これより本部直属独立遊撃部隊の任を仰せつかります」

 

戦艦水鬼「よろしい。では、次の任務までは休暇を取ってくれ。」

 

レ級少佐「了解しました」

 

 

 敬礼を行う。リ級とヲ級もこれに続く。

 

 

 コンコンコン。

 

 

 次にノック音が聞こえる。後ろの扉からだ。

 

 

空母棲鬼「後にしてくれ」

 

戦艦水鬼「いいや、構わん。入れ」

 

 

 扉が開く。

 

 

「失礼します。資源調達の結果と保存量ですが…」

 

 

 メガネをかけた女性が入ってくる。

 

 

戦艦水鬼「ああ、ちょうどよかった。彼女達を紹介しておこう」

 

「レ級…それにヲ級とリ級ですか」

 

戦艦水鬼「少佐。あいつの名前は集積地棲姫、この本部の資源調達と管理をしている。後々にいつかは会うだろうからな、今顔合わせをした方がいいだろう」

 

レ級少佐「お初にお目にかかります。集積地棲姫殿。私の名前はレ級、レ級少佐と申します。本日より本部直属独立遊撃部隊の任を承りました」

 

集積地棲姫「…ご丁寧にどうも。噂に聞いていたレ級....確かに知能があるのは珍しいですね。ご紹介に預かりました。資源調達管理をしております、集積地棲姫と申します。どうぞお見知りおきを」

 

 

 何というか、とても冷静沈着という言葉が似合う人だ。資料では一応、知ってはいたが初めて見るものばかりだ。集積地棲姫...味方になると深海棲艦としても心強い。なにより資源が重要。油、弾薬、ボーキ、そう...全て。

 

 

戦艦水鬼「...顔合わせは済んだな。下がって良いぞ」

 

レ級少佐「では...失礼しました」

 

リ級「失礼しました。」

 

ヲ級「失礼いたしました」

 

 

 我々は執務室から出た。

 

 

集積地棲姫「...あれが例の変異種ですか」

 

 

 キィン

 

 

 カチッ...

 

 

 戦艦水鬼がライターを使い葉巻に火をつける。

 

 

戦艦水鬼「...ふー」

 

 

 口から吐き出した煙は室内を舞う。

 

 

戦艦水鬼「...あれは戦況を動かすかもしれないからな」

 

空母棲鬼「あれがどう動くか...見ものですなぁ...」

 

 

 葉巻の煙は、天井まで届いていた。

 

 

 

ノ級「では、皆様はこちらに」

 

レ級少佐「ああ、ありがとう」

 

 

 我々の宿舎へと私達は向かう。

 

 

レ級少佐「........はーー」

 

 

 私は溜まりに溜まった息を吐きだした。

 

 

リ級「いやー、すげえよ。少佐....あの司令官クッソ重圧?っつうか、なんつかがすごくて押しつぶされそうだったぜ」

 

ヲ級「本当に息が詰まりそうでした....流石本部ですね...」

 

 

 あれが水鬼級の威厳というものを思い知らされた。

 

 

 我々三人は道なりに沿って宿舎へと向かって行ったのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




本部に到着し、司令官である戦艦水鬼らと遭遇したレ級少佐達。本部直属独立遊撃部隊(名前は現在未定by戦艦水鬼)の編成に加えられたレ級少佐達の次の戦場とは...?





















ノ級&ゐ級...本部メイド....うっ


目次 感想へのリンク しおりを挟む




評価する
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10についてはそれぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に
評価する際のガイドライン
に違反していないか確認して下さい。