人生コンティニューしたら内浦在住のチートゲーマーになった (巌の上にも千年)
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プロローグ

はじめまして!今回初めて投稿する巌さんです。

初めてかつ思いつきで始めた投稿なので文章がとてつもなく拙いですが、それでも見てくれる方はお慶び申し上げます。


............世の中ってのは、つくづく愚かだなと思う。一流企業に入るために大学に行く、大学に行くために中高一貫校へ入るとか。そんなものは人間の造物そんなのゲームと大差ないじゃないか。要はクソゲーだ。止めることのできないクソゲー。そんなものをご丁寧に攻略するってことはまさに『時は金なり』という言葉を身に染みてわからせるほどのことだ。

 

 

 

 

 

 

そっか—————()()()()()()()って手があったな...........

 

コンティニューする方法なら———いくらでもある..........!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

—————※——————

 

 

 

目に刺さる広い輝き。この純白の輝きが、俺の目を覚醒せよとしつこく語りかけてくる。

 

訴えに負けた俺は、ようやく目を覚醒と判定できるほどの大きさに開く。

 

目に広がる真っ白な世界。目の錯覚なのか、白の密閉空間のようにも感じられる。妙な高揚感に包まれていたのが一転、突然自分が取り返しのつかないようなことをしてしまったのではないかと怖気ずく。

 

 

 

「お前は————確かに命を粗末にした......だが、決して悪いことだとは言い切れん。」

「えっ!?」

 

 

突然現れた発言に感嘆の声が出る。これが死んで初めて出した言葉なんて恥ずかしいものだ。

 

声の主は————そう、『ライダー』と描かれた覆面を付けた者。だが、覆面よりもその豪華な装飾に目がいった。黄金の勲章を左肩からかけ、全身は金と黒の踊り竜のようなスーツ。腰には黄金のベルトを携える者。

 

 

「えっと......ライダー?」

「私のことを知らないのか?ならば教えてやろう。私はオーマジオウ————過去と未来をしろしめす時の王者だ。」

「—————あっ!思い出した!確か、ライダー最強論を終わらせたライダー話題になってた奴か。」

「お前たちの世界ではそのような話題で盛り上がっていたか—————だが、私は実在する。並行世界の秩序を維持するために存在する。」

 

 

「で?オーマジオウ様が俺になんか用?」

「ああ、実は最近新たな時空ができたのだが........どうやら、色々と問題が起こっているのだ。」

「問題って?」

「その世界はお前たちの世界と同じように異能な世界ではないのだが、時空の歪みで最近仮面ライダーの敵が現れはじめたのだ。お前には......原因を探ると同時にその敵から仮面ライダーとなって人類を救って欲しい。」

「その世界って、どんな世界なんだ?」

「本質的にはお前たちの世界と同じなのだが、違うところと言えばスクールアイドルなる物が存在することだ。」

「それって、μ'sとかAqoursのことか?」

「なんだ、知っているのか?」

「俺らの世界ではムーブになってるアニメに出てくるアイドルだ。」

「そうか...実は、お前にはそのAqoursのマネージャーを務めてもらおうと思っている。」

「はぁ.........は!?」

「お前には、仮面ライダーエグゼイドムテキゲーマーの変身者になってもらう。転生後の人間的なスペックは私に任せておけ。」

 

「ちょちょ、待て待て!まだ話は——————」

 

 

 

 

 

次の瞬間には、話すこともオーマジオウの姿も消えていた。

 

 




やっぱり文が拙すぎる!


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第1期  サンシャインと内浦の秘密
1話 輝く完全無敵の仮面ライダー


プロローグと期間が空いてしまってすいません!




 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

............覚醒の予感。誰もが体験したことがあるだろう。意識が完全に覚醒しきっておらず、ただ薄明な光が目に入ってくる。

 

 

 

 

 

 

「.......き.......ま......」

 

誰かの声が聞こえる。あれが本当なら—————————

 

 

 

 

「起きてよ!才くん!」

「.........................................................」

 

 

聴覚が本調子を取り戻したと同時に、大声が視界の霧を晴らしてゆく。

 

霧の先には、和室でよくある檜の天井があった。見えてすぐに、蜜柑色の少女が視界の半分を占めてきた。

 

 

 

「やっと起きたよ〜明日は才くんの初登校日だから、早く帰そうと思ってたのに。」

「えっと.......誰?」

「まだ寝ぼけてるの?千歌だよ?()()!」

「.....千歌?」

 

 

 

 

どうやら本当に転生してしまったみたいだ。俺はゲームばっかりしてたから、アニメは殆ど見ていないがラブライブについては一時期大ブームだったからなんとなくキャラの名前は朧げながら覚えていた。

だけど、彼女らがこれからどんな運命を辿るのかを俺は知らない。

 

 

「ああ〜!もうこんな時間だよ才君!」

「えっと......曜?」

「いつまで寝惚けてるの!?早くしないと終バスなくなっちゃうよ!」

「終バス?」

 

 

この灰色の髪にスカイブルーの瞳のこの少女は、記憶に基づくなら渡辺曜という名前の筈だ。どうやら、俺の家はこの娘と同じ方向のみたいだ。

だったら、これからこの娘に案内してもらおうかな。

 

 

 

「もう!グズグズしてないで、早く行くよ!!」

「え、あ、ちょっと!」

 

 

 

曜に引っ張られた俺はそのままバス停に泊まって発車直前だったバスに直行した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

——————※——————

 

 

バスに揺られる中で、俺は頭の中にある困惑を整理しようとしていた。

 

 

クールダウンしたことでわかったことだが、名前は同じ伊口才のままだということ。そして、さっきの高海千歌と隣にいる渡辺曜は俺の幼馴染っぽい。どうやら、身近な人に関することや学んだことの記憶は俺の頭の中にしっかり存在していた。だけど、肝心のそれ以外の記憶がない以上我が性格を突き通すしかない。

 

 

 

「なぁ、曜?」

「ひゃいっ!?(やっ、やっぱり呼び捨て!? 何時も()()()付けなのに…なんだか恥ずかしい.........)」

「俺なんか変なこと言ったか?」

「そういうわけじゃ......それより、どうしたの?」

「いや、俺の家ってどこかなぁ......って。」

「それ.....本気で言ってるわけじゃないよね?」

「いや、本気。」

「もぅ!本当にどうしちゃったの?——————わかった。才君の家なら近いし、途中までなら連れて行ってあげる。」

「マジで!?サンキュー!」

 

 

 

 

 

 

 

 

俺は曜に途中まで連れられて、自宅なる家までやってきた。

 

「でっけぇ〜!」

 

 

一戸建てなのだが、豪邸と言えるほどに大きい家屋。塀は俺の背丈よりも高く

その防犯セキュリティの高さを窺わせる。

 

どうやら顔認証での鍵解錠だったようで、家にはすんなり入れた。

 

家の清潔度は極めて高い。残った記憶によれば、自分が作ったロボットで家事や警備システムを充実させているそうだ。

 

自分の部屋に入ると、前の自分なら嫌悪感で吐きなほどの光景だった。

広がっていたのは、参考書や辞書の並木林。勉強がとことん嫌いであった前の俺には毒だが、今ならそうでも無くなっていた。

 

 

並木林の中でも特に医学系と経済学系の分野が目立った。開業医でもするつもりだったのだろう。

 

 

 

ピリリピリリ

 

 

ナースコールにも似た音が鳴る。音源は多機能型腕時計だった。これもどうやら、オーマジオウの贈り物のようだ。見た瞬間に自分の位置情報とそうでない位置情報が映し出される。

 

『本棚棚の上とポケットの中だ。』

 

 

「えっ?」という声も返すこともできずに、消える音声。ポケットの中には

「MIGHTY ACTION X」と書かれたガシャット(?)があった。

 

本棚の上を見ると、まずこのガシャットが挿せそうなドライバーとライダーが正面に描かれた2倍サイズのガシャット。

 

そして、形状が明らかに他のものとは違う「HYPER MUTEKI」と書かれた()()()()()()()()

 

 

 

「これで変身しろってことか。」

 

 

 

部屋を颯爽と飛び抜けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

—————※—————

 

 

 

 

「この辺りか.........?」

 

 

腕時計の指し示す場所までやってきた。すでに太陽は沈み込んで、月が頂点に来る時間帯である。人を襲うんなら、不適応な時間だが.......

 

 

刹那、助命嘆願にも聞こえる大声が俺の耳に届く。

 

 

「あっちか—————!」

 

 

声の主を探して、来てみればまさに創作物に出てくるような怪人の集団が1人の男性を追いかけている最中だった。

 

 

「おい、待て!」

 

 

普通の人間ならば、そんな面倒事に首を突っ込みたくはないだろう。だが、奴を倒さないといけないという使命が与えられている俺には、問題に突っ込むことは義務であるからな。

 

 

「暴れたいなら、俺が遊んでやる。」

「ほう、この()()()()に挑むというのか?」

 

 

腕時計にその怪人についての情報が現れた。奴はソルティという仮面ライダーエグゼイドの怪人だそうだ。オーマジオウの話によれば、俺は仮面ライダーエグゼイドに変身する。ならこの怪人は持ってこいってわけだ。

 

 

≪MIGHTY ACTION X!≫

 

 

ここからはゲーマーとしての勘。ガシャットの起動スイッチを押して、ドライバーを装着。

 

「変身!」

 

 

ガシャットをドライバーに思いっきり挿す。そして、レバーを引く。

 

 

≪ガシャット!≫

 

≪ガッチャーン!レベルアップ!≫

 

≪マイティジャンプ!マイティキック!マイティマイティアクション!X!≫

 

 

ピンク色の二頭身の戦士のパネルを右手でセレクトし、等身大の柄のついたシルエットが現れて、自分と入れ違う。

 

 

 

 

ピンク色の光に刹那、包まれたと同時に等身大の仮面ライダーに姿を変えた。

 

 

 

 

 

彼こそは転生したチートゲーマー、伊口才。またの名を仮面ライダーEX-AID(エグゼイド).......

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

———————※———————

 

 

 

 

≪ガシャコンブレイカー!≫

 

 

 

 

召喚されたガシャコンブレイカーのハンマーモードで三下のバグスターを薙ぎ倒して、ソルティの元へ進む。

 

 

 

フライパンを持った三下の攻撃をするりと交わして、カウンター。そんなことを続けてはいるものの一向に数は減ってはいない。

 

 

 

「多いな.......だったら!」

 

 

そばにあるエナジーアイテムなるものを2つほど取る。取得したのは、『マッスル化』『分身』だ。このゲームシステムは極めて単純明解で、ゲーム依存症と診断されたゲーマーであるこの俺にはこれほど易しいゲームはないと心で思った。

 

 

 

文字通り、マッスル化して分身した俺は一気に三流バグスターを殲滅した。

 

 

 

 

 

 

「あとは、お前だけだ!ソルティ!」

「いいだろう!このレベル99(ナインティナイン)の私に勝てるものか!」

「えっ..........?」

 

 

ソルティから発せられた言葉に、攻撃の手が止まってしまう。

 

電撃を纏ったナックルが俺の体に正面衝突し、大きく吹き飛ばされた。

実際、今のが致命的だったらしく体力が一気に3分の1まで削られた。

 

 

 

「ハッ、レベル2のお前など取るに足らん!」

 

 

いや、そりゃレベル99だもんな.......レベル2が勝てるわけがねぇ。

 

 

 

 

そういえば—————俺にもレベル99の力を..........!

 

 

持っていた『MAXIMUM MIGHTY X』と書かれたた巨大ガシャット。これなら奴と同じレベルだ。だが、例えば同じレベルになったとしても長期戦になってしまうかもしれない。

 

ん?接続部分?———そうか、そういうことだったのか!

 

 

 

 

これなら、誰にも負けない!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

≪マキシマムマイティX!≫

 

≪マキシマムガシャット!≫

 

≪ガッチャーン!レベルマーックス!≫

 

 

 

レバーを一旦閉めてから、開ける。そして、流星の如く輝くガシャットの起動スイッチを押した。

 

 

≪ハイパームテキ!≫

 

 

ムテキガシャットなるものを接続部分に連結させる。

 

 

≪ドッキーング!≫

 

 

そして、描かれていたAボタンと星形ボタンを同時に————押した。

 

 

≪パッカーン! ムー!テー!キー!≫

 

 

≪ 輝け!流星の如く! 黄金の最強ゲーマー! ハイパームテキエグゼーイド!≫

 

 

全身に星屑が纏わり付き、黄金の輝きを放ちながら現れたその完全無敵の仮面ライダー。仮面ライダーエグゼイド————ムテキゲーマー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

—————-※—————-

 

 

 

 

≪ガシャコンキースラッシャー!≫

 

 

 

 

「さぁ、続きを始めようぜ!」

「調子に乗るな!我が拳で砕いてくれよう!」

 

 

ガシャコンキースラッシャーを片手に、一気にソルティの射程範囲に入る。だが————

 

 

「あれ?」

「何?いつの間に背後へ!?」

「これが————ムテキの力.........」

 

 

俺のスピードは、俺の想像すら超えてソルティの背後に回っていた。

 

 

「何を小癪な..........!」

 

 

飛んでくる電撃の拳が、俺の胸部にクリーンヒット。だがムテキの力でダメージが無効化された。殴られれば、多少ながら疲労するものだがそれが全く感じられないのがその証拠だ。

 

 

相手がたじろぐのと同時に、斬撃の乱舞をお見舞いする。自分には自分が大して速く動いているとは感じないが、相手が完全に止まって見えるのは自分が限りなく光に近い速さで動いているからなんだろう。

 

 

 

 

ソルティの残り体力は、視認できるのがやっとな程の量になった。

 

 

 

「さーて、これでフィニッシュだ。」

「まだまだ.........!」

 

 

 

 

 

 

ガシャコンキースラッシャーを捨てて、星形のボタンを————いや、やっぱりやめた。

 

 

 

 

 

再度召喚したガシャコンブレイカーをマイティアクションXを挿す。

 

 

≪ガシャット! キメワザ!≫

 

 

≪MIGHTY CRITICAL FINISH!≫

 

 

 

ピンク色に輝く刃をつけたガシャットブレイカーを、棒立ちのソルティの腹部を脇腹から切りつけた。

 

 

≪PERFECT!≫

 

 

完璧な技と共に、慟哭を上げながら消滅するソルティ。いくらレベルマックス言えども、ムテキには勝てるはずはない。

 

 

 

 

≪ガッシューン! ガチョーン≫

 

 

 

ガシャットを抜き出して、レバーを閉める——————-黄金の装甲は、星屑となって自分から消えていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「見事な戦いぶりだった!」

「!?——————」

 

 

 

声をかけたのは、先程ソルティに追いかけられていた男性。熱中していてわからなかったが、大卒臭が匂う好青年だった。

 

 

「お前のおかげで助けられたよ。まるでスーパーヒーローじゃないか。」

「(実際そうだけど....) そんなこと......ないですよ。もともとは、これも勝手に与えられた力で敵を倒さなきゃいけなかっただけです。」

「自分の年下ながら、すごいと思うな。それに—————!」

「?」

「お前は、俺を助けるつもりはなかったのかもしれないけど『助けられた』事実に変わりはない。それで俺の心が、運命が動いたんなら立派なスーパーヒーローだろ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そっか、助けて運命を変えるってこういうことだったのか。なんか、とっても清々しい感じだ。他人が変わることで、自分も変わるのか。

 

 

1つの誓いが俺の中で生まれた。絶対に誰かを傷つけさせないこと。

 

 

 

 

 

オーマジオウ、このクエスト一生懸けて攻略させてもらうぜ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




最初の敵がソルティしか思い浮かばなかった...............


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2話 浦の星に最強ゲーマーと竜がやってくる


最遅投稿のプロ参上!


「頭痛い.........」

 

 

朝起きてからずっとこんな感じだ。いや、そもそも()()()と表現すること自体間違っているのかもしれない。

 

 

 

「大丈夫?」

「ああ大丈夫だ、曜。」

 

 

 

訂正。全然大丈夫じゃない。実はあの後家に帰ってから自分の部屋をゲーミングルームに改造してから、眠りについたら夢の中にオーマジオウが現れたわけ。そのあと、夢の中でエグゼイドの全話と仮面ライダーの劇場版全部を見せられて、見終わると同時に目が覚めた。頭が全然眠っていないから、頭が痛いというわけだ。こんな状態にさせるまで仮面ライダーの講習を受けさせるとか、俺をなんだと思ってるんだオーマジオウ様は。

 

 

 

 

 

 

「夜に夢ばっかり見てたから頭があんまり休めてない。」

「そっか........................なんか————才君、雰囲気変わったよね?」

「そ、そうか?」

「一昨日まではなんていうかその————優柔不断でハッキリしない感じだったけど————より男らしくズバッと判断できるようになったっていうか.......」

「なんか俺を半分disってない?」

「そう、それ!前まで自分のこと僕だったのにいつの間にか俺になってるし」

 

 

 

 

大体昔の人格がわかってきた。昔の俺は、要は気が弱いけど生真面目な男だったわけだ。そういう面では俺と正反対だ。顔こそ同じではあるが、転生前俺はみずほらしい風貌であったのでその面でも対立している。

 

昨日のことがあってから自分に自信がついたからというのも一つの理由だろう。あれ.......俺と昔の俺ってベストマッチじゃね?

 

 

 

『次は〜十千万旅館前〜』

 

 

 

バスのアナウンスで、旅館前に着くことを知らされる。そうつまり———

 

 

 

「才くん、曜ちゃん、おっはよー!」

「千歌ちゃん、おはヨーソロー!」

「来たよ、問題っ娘。」

「むっ、問題っ娘ってどーゆーこと!?」

「五月蝿すぎるのが問題なんだよ。いや、妙にテンションが高いところか。」

 

 

 

今言ったように、昔の俺は千歌の事を認識していたが曜の話が本当ならそんなことは言えなかったのだろう。

 

 

 

「曜ちゃん!やっぱり、昨日から才くん変だよ!」

「昔の優柔不断な俺からのイメチェンさ。今までが甘過ぎたのさ!」

「あっはは.......(乾いた笑い)」

 

 

 

『次は〜浦の星女学院〜おっと、間違えた。浦の星学院〜』

 

 

 

 

 

 

「えっ?—————女学院ってどういうこと?」

「忘れたほうがいい事実かもしれないんだけど........浦の星は、もともと

 

 

 

 

 

 

 

 

         女子校だったの。」

 

 

 

 

 

 

 

 

曜によって語られた事実、いや昔の俺が目を背けていたことなのかもしれない。どっちにせよ、俺にとっては絶望的な事柄だ。聞いたときに一気に視界が広がったもその証拠だろう。

 

 

 

 

「イィヤァァダァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!!」

 

 

 

1人の学生の慟哭が、バス中に響いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

——————※———————

 

 

 

「──────というわけで新しいクラスメイトの伊口くんです」

 

 

 

しーーんと静まり返る2年生教室内。そりゃそうだ、もともと女学院だったのなら男などそうそう転校してくるはずもない。救いだったのは、千歌と曜が同じクラスだったことだ。

 

聞くところによると、俺の祖父(じい)ちゃんは日本医師会と日本医療財団という組織の会長、即ち医療界のトップだ。そして、この学院の経営者と俺の父さんが同級生かつ友人だったこともあって、共学化するときに初めての男子生徒として俺を指名したことで今に至る。

 

オイ!とんでもないことしてくれたな!祖父ちゃん!父さん!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ここで、このクラスの新しい担任の先生を紹介します。」

 

 

 

 

ガラガラ

 

 

ドアが開く。————————現れた人は、自分の目を疑う者だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おはよう!みんな!今日からこのクラスの担任になる————浦江竜介だ。この学校に新任でやってきたから、頼らせてもらうぜ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

あの時俺が助けて、俺にヒーローの自信をつけさせてくれたあの男。まさかこの学校の、このクラスの担任になるとはどんな運命だろうか?

 

 

 

 

 

俺は、驚愕すると共に安堵した。だって—————この学校に男は俺だけじゃなくなったからな!

 

あの男もとい先生は頼ると言ったが、俺も頼らせてもらうぜ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

——————※———————

 

 

 

 

 

 

 

「いや〜先生とはいえ、男が居てくれて助かった〜!」

「この地域は定住してる男の人の人口は数えられるくらいだもんね〜」

 

 

 

曜の言う通りこの町の男は漁師などがほとんどを占めている。即ち、1週間に1回の頻度でしか帰ってこないと言うのである。そのため、内浦に定住している男は極端に少ないのである。こうして、昼間の内浦を下校しているだけでその内情がよく分かる。

 

 

 

 

「ねぇねぇ!曜ちゃん、才くん!これ見てよ!」

「いきなり話に割り込むな!」

「どれどれ———————」

 

 

 

突発的に話に割り込む無礼者はさておき、千歌のスマホに写っていた動画は、スクールアイドル————μ'sのライブ動画だった。

 

 

 

 

「あぁ、スクールアイドルの—————」

「才くん知ってるの!?」

「え、あ、まぁな。」

 

 

 

スクールアイドルとしてのμ'sは転生前の世界でも有名であった。だが、そんな事を言ったところで到底信じてもらえないだろう。

 

 

 

「それがどうし—————まさか、お前!」

「そのと〜り!私はスクールアイドル部を設立する!」

「お〜千歌から『設立』っていう難しい言葉が聞けるとは........(感激の涙)」

「もう!また馬鹿にして!私!本気だからね!!!」

「........そうか、頑張れよ。」

 

 

 

 

 

 

 

なんでだろう。オーマジオウがマネージャーになれと言っているのに、どうしても自分からそれを言う事ができないのは何故だろう。多分、そのときの千歌が『太陽(サンシャイン)』のような輝きを放っていたからだろう。その輝きに目を隠してしまった。ただそれだけのこと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

——————※——————-

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『グウウゥルゥゥゥゥゥ‼』

「えっ!?」

 

 

 

背後から聞こえる猛々しい唸り声。明らかに人ならざるものだった。

振り返れば、やはり予想は的中。しかも()()()()()()()()()()()()()だ。

 

 

 

「ストロングスマッシュハザードね............」

 

 

 

仮面ライダービルドの中に搭乗するスマッシュという怪人の1人。普通に強い方のだがこの世界に現れる怪人は何故かパワーアップしているとオーマジオウからの助言があった。

ここで千歌たちを危険に晒すことは、俺の昨日立てた()()に反する。

 

というわけで今現れたのはとてつもなく厄介だ。

 

 

だが待てよ......普通怪人が何処かで現れれば、腕時計が鳴るはずだ。それが鳴らなかったということは————————

 

 

 

「すぐそこで現れたってことか........」

「ねぇ、千歌ちゃん。アレって.........」

「最近現れてるっていう怪人!?」

 

 

 

オーマジオウ曰く怪人が現れるのは現時点では突発的だそうだ。そう、突然どこに現れてもおかしくはない。だが、()()()()()()()()()()()()可能性も捨てきれない。

 

 

今はそんなこと考えても仕方がない。千歌たちを安全な所へ......

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

≪ヒッパレー!ヒッパレー!≫

 

 

 

≪ミリオンヒット!≫

 

 

 

 

 

 

 

多重に見える斬撃と共に放たれる轟音。その数瞬でスマッシュ軍団が掃討された。

その斬撃の出所は————————仮面ライダー.............?

 

 

 

『お前ら!早く逃げろ!』

 

 

「あ、ああ。オイ曜、千歌。早く逃げるぞ。」

「えっ、でも........」

「いいから!お前らは自分の命を第1に考えろ。」

 

 

 

 

突如現れたライダー(?)の促しに従って俺たちはその場を後にした............

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

——————※———————

 

 

 

 

 

「一時はどうなるかと思ったよ〜。急に怪人が現れるんだもん!」

「最近よく未確認生命体とか怪人が沼津に現れるって噂があったけど、本当にいるとはね〜」

「——————————」

 

 

 

さっき助けられたのは仮面ライダー、仮面ライダークローズで間違いはなかったはずだ。だけどこの世界には仮面ライダーは存在しないはずだ。だったら、何故仮面ライダーが............

 

 

 

 

「才く〜ん、気は確かですか〜!」

「あ〜!俺だって考え事しててもいいだろ!?」

「だって、才くんにも聞いてほしいんだもーん。」

「それで、さっきの続きか?」

 

 

 

俺は厄介そうにしながらも、その話を聞こうと努力する。

 

 

 

 

「うん!私、高海千歌は今からスクールアイドルをはじめます!」

「それはさっき聞いたよ..........」

「それでね..........私、ずっと考えてたんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

    才くんが私たちのマネージャーをやってくれないかなって。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

太陽が自分の目の前にいるようで、緊張と同時に複雑な喜びと不安感が自分の体を吸収した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





早速1つのタグが作動しましたね。

もちろん仮面ライダーの変身者は.........?

ひょっとしたら、この仮面ライダーを知らない人もいると思いますので詳しい説明はまた後日。


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3話 スクールアイドル計画始動?

本編の1話あたりの話になります。


 

 

 

 

 

 

 

「私ね、ずっと考えてたんだ。——————才くんがスクールアイドル部のマネージャーになってくれたらって。」

 

 

 

 

 

複雑な感情。やらなくてはいけないという使命感を吹き飛ばされて戸惑う感じ。今まで、それに締め付けられていた俺とは違い千歌は本当にやりたいと真に思って言っているのだろう。その千歌が俺を誘ってくれたことは、誇らしいことだ。だけど——————

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

——————※——————

 

 

 

 

 

「う〜ん。やっぱり、朝は十千万のモーニングに限るな〜」

「常連みたいな口癖だけど、通い始めたのは昨日からでしょ?」

「いや〜一度言ってみたかったんですよ〜!あ、でもここのモーニングが美味いのは本当ですよ。」

「そう言ってくれると嬉しいわ〜」

 

 

 

ここのモーニングは冗談抜きで美味しい。昨日から通い始めたおかげで志満さんや美渡さんとも世間話できるのも、メリットの1つだ。

 

俺は鞄から、ゲーミングノートPCを取り出して起動する。

 

 

 

「さーて、腹ごしらえも済んだところでゲームでもしますか!」

「「ゲーム!?」」

「え、ああ。俺最近始めたんですよ、ゲーム。」

「驚いた———あの開業医志望でバカチカと違って成績超優秀で文武両道な才が無縁そうなゲームって......頭でも打ったのかと思った〜」

「もともと興味はあったし、それにゲームやってると空間把握能力が上がるとかetc.....」

「才くんゲームやってるの!?」

「出たよ、バカチカ........」

「むっ、美渡ねぇだけじゃなくて才くんまで私にそんなこと言うの!?」

「お前が馬鹿なのが悪い。」

 

 

 

この雑談をしながら、バトロワで20キルをする俺ってまさに天才ゲーマーじゃね?

 

 

 

「やっぱり、才君話し方変わったよね〜大人っぽくなったっていうか。」

「あっ、それ私も思います。」

「ほーんと、何処ぞのバカチカと違ってね〜」

「もう、また言ってる!」

 

 

 

そんな話をしている最中に曜が俺のPCを覗き込んだ。その様子を見て、曜は驚きを隠せなかったようだ。

 

 

 

「22キルって、才君めっちゃ上手じゃん!ていうか、動きがプロゲーマーを超えてるよ!」

「そうか?このくらい普通だろ?」

「いやいや、ノースコープでスナイパーライフルを連続で当てまくるのは普通ではないよ........」

「———————よし、25キルビクロイ!」

 

 

 

ビクロイしたところで、千歌がパソコンを閉じて標識のようなものを見せてきた。

 

 

 

「それより、これ見て!」

「おい、勝手に閉じるなよ!!——————ぷっ」

 

 

 

次には俺は大笑いしていた。何を隠そう、『スクールアイドル部』の部の字が『陪』になっていたからだ。いやいや、スクールアイドルにお供するのか?ってんだ。

 

 

 

「お前、その間違いはないだろwww」

「やっぱりバカチカがこんな田舎じゃスクールアイドルは無理だって!」

「無理じゃないもん!才くんも笑い過ぎ!」

「それはそうと、千歌ちゃん。そろそろバス来るんじゃない?」

「「「あっ..........」」」

 

 

 

志満さんの読みは見事命中し、バスは停車し今にも出発しそうである。

 

 

 

「「「急げ〜!!」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

——————※——————

 

 

 

「スクールアイドル部でーーーーーーーーす!」

 

「春から始まるー!スクールアイドル部ーーーーーーーー!」

 

「あなたも!あなたも!スクールアイドルやってみませんか!?」

 

「スクールアイドルーーーーーーー!!!!!!!!!」

 

 

 

春の陽気が漂うという状況が実感できるのと対照的に、千歌の周りから人が消え孤独という寂しさが残った。

 

 

 

「はぁ..............」

「全然だね〜」

「なんか......お疲れ様だな。」

 

 

 

初日は、失敗かな。————————————そうでもなかったようだ。

2人で登校してくる少女たち。1人は茶髪のセミロングヘア。もう1人はルビー色のツインテールで瞳はエメラルドグリーンのような宝石色。

 

明らかに他の娘達とはまったく違うオーラ。輝く宝石の源のような可愛さ。これを千歌が見逃すはずが———————ほらやっぱり。

 

 

 

「スクールアイドルやりませんか!?」

「ずらっ!?」

「ずら?」

「い、いえ?」

「大丈夫、悪いようにはしないから。あなた達ならきっと人気が出る!間違いない!」

「でもマルは......」

 

 

 

この娘は方言が抜けてない少女ってわけか。まぁ、俺たちが理解できれば全然大丈夫だが。

ネガティヴな反論をしようとしていたその方言っ娘を他所に、千歌はルビー色の少女がじっくりとパンフレットを見ていることを確かめるように、パンフレットを右往左往させていた。

 

 

 

「興味あるの?」

「ライブとか、あるんですか!?」

「ううん、これから始めるところなの。だからあなたみたいな可愛い娘にぜひ!」

 

 

 

その言葉を聞いた瞬間、彼女の顔が一瞬で青ざめるの同時に方言っ娘は耳を塞いだ。千歌は頭に?マークが浮かんでいる。 これはまさか—————

 

 

 

「ピギャァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!!」

 

 

 

耳がぁ、耳がぁ!と某大佐の断末魔を叫びたくなるような声だ.......いや、これはもう爆音波だろ!ゲームかってんだ!

 

 

 

「ルビィちゃんは究極の人見知りずら........」

「いや、人見知りであの声はダメだろ.............」

 

 

 

不幸(?)は重なるものなのか、今の爆音波で桜の木からゴソゴソという音と共に——————————少女が堕天(?)してきた。さらに、鞄がその頭の上に堕天するという不幸。

千歌は気遣って、そのお団子頭の彼女に声を掛ける。

 

 

 

「ちょ、色々大丈夫?」

「んっ、フッフフフフ。ここはもしかして地上?」

「大丈夫じゃ......ない?」

「ということは、貴方達は下劣で下等な人間達というわけですか?」

「うわっ(ドン引き)」

「?入らないぐらい大丈夫じゃなさそうだな........」

「あの〜、足大丈夫?(ツンツン)」

「くっ。い、痛いわけないでしょう?この体は単なる器なのですから。ヨハネにとってはあくまで仮の姿.....おおっと、名前を言ってしまいましたね。堕天使ヨハネ........」

 

 

人格が変わったように、振る舞ったと思えば堕天使もとい厨二キャラ全開できたな......うーん、名前といいまだまだ中学生感が抜けきっていないってことなのか?

 

 

 

「善子ちゃん..............?」

「えっ.......」

「やーっぱり善子ちゃんだ!花丸だよ〜幼稚園以来だね〜!」

「は、な、ま、る!!......に、人間風情が何を言って———」

「じゃーんけーん———」

「「ポン!」」

「そのチョキ.........俺にはできる気がしない........」

「そのチョキ!やっぱり善子ちゃんだ!」

「善子言うな!いい?私はヨハネ!ヨハネなんだからね〜!!!」

「あっ、善子ちゃーん!」

「善子言うな〜!」

「どうしたの善子ちゃーん!」

「待ってーーーーーーー!!!!!!!!!」

 

 

堕天使ヨハネ(?)を追いかけて花丸ちゃんが、それを追いかけてルビィちゃんがこの場から走り去っていった。

 

 

 

「あの子達......あとでスカウトに行こう!!」

「あっはははは(呆れ)」

「後輩にしては、個性強過ぎだろ.......下手すりゃ役を喰われるぞ。」

 

「貴方達ですの?このチラシを配っていたのは.......?」

「「「えっ?」」」

「いつ何時、この浦の星にスクールアイドル部なるものが生まれたのです?」

 

 

 

背後から威圧感と怖さを含んだ声が聞こえ、一瞬体が硬直する。俺はわからない恐怖に、曜は理解している恐怖に怯えていた。1人を除いて———

 

 

 

「あなたも新入生?」

「............お前の能天気さには、惚れ惚れするよ。」

「千歌ちゃん違うよ、この人は新入生じゃなくて3年生、しかも———」

「嘘っ、生徒会長?」

 

 

 

大和撫子な生徒会長が浮かべる妖しい笑みは、これからどんなことをされるのかが容易に想像できてしまった..........

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

——————※——————

 

 

 

 

「つまり、設立の許可どころか申請もしていないうちに勝手に部員集めをしていたというわけ?」

「悪気はなかったんです、みんな部員集めをしていたのでついでというか、焦ったっていうか..........」

 

 

 

連れてこられたのは、みんなお馴染み生徒会室。悪戯をした子供のように可愛く言い訳をする千歌を生徒会長は少し睨みを利かせて話す。

俺はというと、千歌たちの保護者的存在(?)になりたかったのもあって仲裁をするつもりで生徒会室の扉を後ろにして、曜は窓の縁から生えるようにこちらを見ている。

 

 

 

「部員は何人いるんですの?ここには、1人しか書かれていませんが........」

「今のところ.......1人です......」

「部の申請は()()5()()()()()というのは知っていますわよね?」

「だーから、勧誘してたんじゃないですか〜」

 

 

 

オイと千歌の不真面目とも取れる言動を注意しようと行動しようとしたときには、もう刀は抜かれていた。生徒会長は申請書をドン!と叩きつけて————と思いきや、今ので手を痛めたのかその素振りを見せる。千歌はそれを見て小動物のように、クスッと笑った。もちろん俺が大笑いしないわけないよなぁ?

 

この生徒会長なかなかポンコツですわぁ.........

 

 

 

「貴方達、笑える立場ですの!?」

「うっ、すいません..........」

「ちょ、今ので俺を巻き込まないでくれ!元はといえば、お前がポンコツだk」

「はい(憤怒)?」

「いえ、なんでもないです............」

「どうやら、この学院の男子生徒第一号もしっかりと教育する必要がありそうですわね(恐怖の笑顔).......とにかく、このような不備だらけの申請書は受け取れませんわ。」

「「ええ〜!」」

「千歌ちゃん、いったん戻ろ〜」

「うう〜、じゃあ5人集めてまた持ってきます!」

「それは構いませんが、例えそれでも承認は致し兼ねますがね。」

「どうしてです!?」

「私が生徒会長でいる限り、スクールアイドル部は認めないからです!!」

「そ、そんなぁ〜!!!!!!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

—————※—————

 

 

 

 

「あ〜あ、失敗したなぁ......でもどうしてスクールアイドルだけダメなんて言うんだろう?」

「知ってたら、俺が恐怖を感じることもなかったんじゃ.....」

「嫌いみたい........クラスの子が前に作りたいって言って断られた時に......」

「ええぇ!?———「曜(ちゃん)知ってたの(か)?」」

「ごめん!」

「先に言ってよ〜」

「オイ、俺のあの懸命なる勇気を返してくれ。」

「あっはは。とにかく、あの生徒会長の家網元で古風な家だからあーいうチャラチャラしてるやつは嫌いなんじゃないかって。」

「もうダメだ。お終いだぁ..........あの生徒会長に教育されたら、2度とゲームがやれなくなる..........」

「自分でまいた種じゃ.........」

「うるせぇ!!」

 

 

 

 

 

 

 

そうこうしているうちに、淡島行きにボートは目的地に到着した。俺たちは、即降りて、ある場所へ向かう。

 

 

 

 

 

 

 

「果南ちゃーん!!」

「遅かったね、今日は入学式だけでしょ?まぁ、今日入学した人もここにいるけど。」

「傷口を舐めるような真似をするなよ........担任が、男とはいえそれ以外は女だけっていう事情を考えろ。」

「ふふっ。」

「はい、これ!回覧板とお母さんから。」

「どうせまたみかんでしょ?」

「文句ならお母さんに言ってよ!」

 

 

 

ウルトラマリンブルーの髪に菫色の瞳のこの娘は、松浦果南。記憶では千歌と曜と同様に俺の幼馴染だ。現在はダイビングショップを営む父が怪我をしたこともあって、代わりに店番をしていることもあって浦の星学院を休学中だ。

 

 

 

「それで、果南ちゃんは新学期から学校来れそう?」

「うーん、まだ家の手伝いが残ってるんだよね〜お父さんの骨折ももう少しかかりそうだし........」

「そっかぁ〜果南ちゃんも誘いたかったのになぁ..........」

「誘う?」

「うん!私ね、スクールアイドルやるんだ!」

「......そっか、でも私は千歌達と違って3年生だし。」

 

 

 

今夕焼けの太陽の如く輝く千歌とは対照的に果南はこれから生まれるであろう暗黒の海の如く翳っていた。

それを置いてけと言わんばかりに気を取り直した果南は、千歌に干物を3匹ほど眼前に突き出した。

 

 

 

「はい、お返し。」

「まーた干物〜?」

「文句ならお母さんに言ってよ。」

「というわけで、もうちょっと休学続くから学校でなんかあったら教えて。」

「大丈夫か?これ以上休んだら留年になっちまうぞ〜果南の頭脳なら。」

「ちょっと!縁起でもないこと言わないでよ〜」

「俺は事実を言っただけだ。」

「.........才ってこんな性格だったっけ?私の記憶では、もう少し真面目だったと思ったんだけど.....」

「一昨日の夕方昼寝から起きてからこんな感じ。自分のこと僕から俺になってるし。」

「まぁ、そっちの方が男らしくていいかもね。」

「今までの俺が男らしくなかったってのか!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

——————※——————

 

 

 

 

「アァァァァァ!!!」

「「「「!!!!!!!!!」」」」

 

 

 

突如として、現れた災厄。学生が談話している微笑ましい光景に突如として割り込むように襲った怪人。厄介ったらありゃしない。あのベルトからしておそらくゼロワンに出てくるレイダー......だけど

 

 

 

「スプラッシングホエールレイダーか。でも、あれは人間が変身しないといけないはずだ。そうそう現れるはずが.........」

「また怪人!?逃げなきゃ..........!」

「千歌、曜、才!早く逃げるよ!」

 

 

 

こうも()を狙いに来るのか.......幼馴染達を守り切るには、今ここで変身するしかない——————俺のためにも!!

 

 

 

「果南、店の奥の方に入ってろ。」

「何言ってるの!?才も早く逃げよ!」

「こいつらは俺が目当てだ。俺も逃げれば、追いかけてくる。————————いいか、3人とも。絶対に他の奴らに言うんじゃねーぞ!」

 

 

 

俺は、マキシマムマイティXを挿入してあるゲーマドライバーを装着。そしてムテキガシャットを取り出す。

 

 

≪ハイパームテキ!≫

 

 

「お前の運命は俺が変える!————ハイパー大変身!」

 

 

講習で習ったように、変身の仕方をオマージュする。

 

 

≪パッカーン! ムー!テー!キー!≫

 

 

≪ハイパームテキエグゼーイド!≫

 

 

 

上部から降ってくる黄金のシルエットを潜り、最強ゲーマーが再誕した。自身の触手のような髪を振り分けながら再び、バトル前の合言葉をオマージュする。

 

 

 

「ノーコンティニューで、クリアしてやるぜ!!」

「グルゥゥゥゥ!!」

「今日は急いでるんでね、早めに決着をつけさせてもらうぜ!!」

 

 

 

視認不可なスピードで連続攻撃をお見舞いする。だが、さすがはレイダー。的確な場所に水流攻撃をぶつけられ、その反動でノックバックを受ける。

急いでいるからと言って、舐めプしすぎるのは良くないな..........

 

 

 

「このスピードについてこれるか?」

「グラァァァァァ!」

 

 

 

水流攻撃を振り切るぐらいのスピードで近づき、攻撃のコンボ。当たり判定を調整して多段ヒットも忘れない。一応オーマジオウの特典なのか、バグスター以外の残存体力も見ることができるので見てみると、すでに3分の2を切ろうと

しているところだった。ここで一気に削り切る!

 

ガシャコンキースラッシャーを召喚して、ボタンを2回連続で押す。

 

 

 

≪キメワザ!≫

 

≪HYPER CRITICAL SPARKING!≫

 

 

 

5メートルほどジャンプしてからのキック。そして連打連打連打。相手に攻撃の隙など与えず回避して、最後に一太刀。

 

時間差で襲いくるHITとGREATのカーニバル。最後にPERFECTで締めをくくる。

 

 

≪究極の一発! 完全勝利!!≫

 

 

 

爆煙は晴れ、変身者の姿を露わにする——————お、女の子?

 

 

 

なんとなく罪悪感に苛まれる.............

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

——————※——————

 

 

 

 

「えっと.....千歌、念を押して言うけど誰にも言うなよ!?」

「私は曜ちゃんと果南ちゃんより口が軽いって言うの?」

「うん、圧倒的にな。」

 

 

 

レイダーに変身させられていた女の子が目を覚ますまで、俺と千歌が観ることになった。家の近さ的な話で千歌とやった張本人である俺が。と言う理由だ。

俺は、3人に転生以外の仮面ライダーについての事情を話した。ただ特に果南には詳しいことは話していない。

 

 

 

 

「大丈夫、誰にも言わないから。」

「これは命に関わるからな。お前らだって、事情を知った今危険に巻き込まれるかもしれないんだぞ?」

 

 

 

今更、警告しても後の祭りだ。そんなことわかっている。だけど何故か言葉が出てきた。千歌は少し黙った後に、少し意地悪そうな笑みを浮かべて後を続けた。

 

 

 

 

 

 

「じゃあ、条件を付けようかな。」

「条件?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「——————才くんが守ってよ。私たちを。危険に巻き込まれるって言うんなら、私たちを守ってくれれば済む話でしょ?————」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「だから、スクールアイドル部のマネージャーになって下さい!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「——————俺って、こういうところは変わってないのかもな。」

「え?」

「今も昔も、やりたいことを伝えられない。誰かに代弁してもらわないと喋れなかった。————今だってそうだ。千歌が言ってくれなきゃ、一生できずじまいだっただろうな。」

「それじゃあ—————!」

「ああ、やってやろうじゃないか。最高で最強なスクールアイドル育成ゲームをな!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今の慟哭のような声に目を覚ましたようだ.......瞳を開けてようやく顔の全貌が分かってきた。ワインレッドの髪に、夜の猫の如く琥珀色の瞳の少女。異形のレイダーとは似ても似つかないような存在だ。

 

 

 

「えっ!?ここは........?」

「気が付いたか。ここは海水浴場。淡島で倒れてたから、大陸側に上げてやったんだ。」

「ええ!!淡島ってあの離島ですよね!?行った覚えが........」

「そ、そうか。寝ぼけてたんじゃねーのか?」

「そうかもしれませんね.........」

「心当たりでもあるの?」

「海の音を聴きたくて、海に入ろうとしていたら........気付いたらここにいたわ。」

「いやいやいや!!まだ4月だぞ!?どう考えたら海に入ろうなんて思考が思いつくんだよ........」

「海の音ってことは、海中の音!?」

 

 

 

曇っていた彼女の表情は少し笑いに転じた気がした。

 

 

 

「私、ピアノで曲を作ってるの。でも海のイメージがなかなか浮かばなくて.....」

「ふうん、曲を!作曲なんてすごいね!ここら辺の高校?」

「—————東京。」

「そんな遠いところからわざわざ?」

「わざわざっていうか.......」

「じゃあ、東京とかのスクールアイドルって知ってる!?」

「—————何の話?」

「まさか知らないの!?」

「そんなに有名なの?」

「有名なんてもんじゃないよ。ドーム大会が開かれたりするぐらい、チョー人気なんだよ!—————って、私も詳しくなったのは最近なんだけど......」

「そうなんだ.....私、ピアノばっかりやってきたからそういうこと疎くて......」

「じゃあ、見てみる?何じゃこりゃーってなるから」

「何じゃこりゃ?」

「何じゃこりゃ!—————どう?」

「なんていうかその.......普通っていうか......」

「そうだよね.......だから、すごかったんだ。—————————私ね.....普通なの、普通星の普通星人なんだって.....それでも何かあるんじゃないかって思ってたらいつの間にか高2になってた————まずい!このままじゃ、普通星人を通り越して普通怪獣ちかちーになっちゃう〜って。」

「そんな時————出会ったの、輝きに—————!」

 

 

 

それから千歌は一生懸命μ'sについて語り出した。千歌や——いや、すでに俺にとってもμ'sはレジェンドになっていたんだ。彼女達は伝説を創ったスクールアイドル。だけど、元はと言えば普通の女子高生だ。俺たちにだって伝説へに挑戦権ぐらいあってもいいだろう?

 

 

 

「私、高海千歌!あそこにある浦の星学院の高校2年生!」

「俺も自己紹介した方がいいか?——————俺は、伊口才。浦の星学院の男子生徒第一号だ。———————お前は?」

「桜内梨子.........学校は.....音ノ木坂学院高校——————」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「これから必ず喜劇が始まるだろう.............浦の星学院並びにラブライブの崩壊という喜劇が............100%いや、100兆%だ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




迫りくる黒い影......黒幕は絶対にいる。100%いや1兆%だ。


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4話 竜を暴いて捕まえろ!

キャラの良さが活かしきれてないのは許して.......


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ダイヤさんのところに行って、もう一回お願いしてみる!」

「で、でも......」

「諦めちゃダメなんだよ。あの人たちも歌ってた。『その日は絶対来る』って!」

「曜、千歌は本気だぞ。今回に至っては。だから俺も—————」

 

 

 

1人寂しく書かれた申請書に書かれたもう1人の勇者に名前。—————伊口才という男の存在は確かなものとなった気がした。

 

 

 

「——————本気なんだね。千歌ちゃん。そして———才君も。」

 

 

 

曜は俺が持っていた申請書をパシュっと音を立てて取り上げて、続け様に言う。

 

 

 

「私ねずーっと思ってたんだ。————千歌ちゃんや才君と何か夢中でやりたいなぁって。——————」

「曜(ちゃん).........」

「だから、水泳部と掛け持ちだけど!」

 

 

 

ペンを素早く走らせ、終わったと思うと千歌の前にそれを見せる。高海千歌——伊口才———と続いて、『渡辺曜』と記されたのである。

 

 

 

「曜ちゃん..........よーちゃん!!」

「苦しいよ、千歌ちゃん!」

「よーし!絶対凄いスクールアイドルになろうね!!」

「うん!!」

「——————よかった、よかったな、千歌!—————あれ、申請書は何処行った?」

 

 

 

チャポン

 

 

 

この状況でおそらく、1番聞きたくない音が響く。足元にできた水溜りに申請書はバッチリとダイブしていたのだ。

 

 

 

「「ああ〜!!!!!!!!!」」

「や、ヤベェェェェェェェェェ!」

 

 

 

 

 

この時、夢中に騒ぐ俺たちには知る由もなかった。一機のヘリコプターが内浦上空を飛行していた。鳴り響く轟音が悲劇の啓示になることを予感していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

—————※—————

 

 

 

 

 

「はぁ、これでよく持ってくるという気になりましたわね。しかも、1人が2人になっただけですわよ?」

「え、いや3人だろ見えないのか?」

「実質活動できるのは2人だと言ってるんです。」

「え?それ酷くない?俺、1人として扱われてないよ!?」

「やっぱり簡単に引き下がったらダメだと思って!生徒会長は私たちのやる気を試しているんだって!」

「違いますわ!!何度来ても同じとあの時も言ったでしょう!?」

「え?俺をスルーしないでくれよ!?」

「どうしてですか!!?」

「この学校にはスクールアイドルは必要ないからですわ!!」

「何でです!!?」

「「む〜!!」」

 

オイ!俺を人数に入れるとかいう大事な話題を無視すんじゃねぇ!!!!

 

「「五月蝿いよ(ですわ)!!!!!!!!!」」

 

 

 

バチン

 

 

 

子供のような争いで俺の言いたいことを曖昧にするアイツらを叱ろうとした途端に、チカ・ダイヤダブルパンチを喰らい、3メートルほど吹き飛ばされる。無視されてこの扱いは酷くない?

 

 

 

「大体、やるにしても曲は作れるんですの!?」

「曲?」

「ラブライブ出場曲は、オリジナルでないといけない......ラブライブに出場する時に最初に引っかかる難所ですわ。—————東京の高校ならいざ知らず、うちのような高校ではそのような生徒は.........」

 

 

 

ダイヤの言ったことは、間違ってない。これは個人的な意見でなく一般的な問題だ。この事実は大きな壁となってしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

——————※———————

 

 

 

 

 

「1人もいない.......ダイヤさんの言う通りだった.........」

「こんな僻地でスクールアイドルやるのも、鬼畜ゲーな訳だ........」

「こうなったら!私が何とかして!」

「できる頃には卒業してると———思う。」

 

 

 

曜の言う通り、今更小学生の音楽から始めたって千歌の場合下手すりゃ一生を費やすかもしれないな......老女系スクールアイドルなんて誰が好き好んで支持したりしないからな。

 

 

 

「おーい、お前達席につけ————って、もうついてるか。今日から、この学校に来た転校生を紹介する!みんな仲良くしてやってくれ!」

 

 

 

竜介先生が案内してきた転校生—————俺の中では男子生徒第二号を希望していたのだが.........現れたのは........

 

 

 

「東京の————音ノ木坂という高校から来ました。桜内梨子です。」

 

 

 

そう、昨日助けたあの娘。東京の音楽好きなあの桜内梨子。こんな巡り合わせがあるなんて、これはまさに—————

 

 

 

「奇跡だよ!!!」

「あ、貴方は!!」

「俺が思っていたことをそのまま言いあがった.........」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

スクールアイドルやりませんか!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ダイヤさんに突きつけられた現実の壁(リアル)をぶっ飛ばす突破口になる彼女こそ—————

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふふっ——————ごめんなさい!」

「「ゑえええええええええ!?」」

 

 

 

思わず俺も声に出ちまったよ。今の微笑からは入るところだろ!?それとも俺の期待し損?定例から外れすぎだろ.........

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

—————※—————

 

 

 

 

 

 

「またダメだったのか?」

「うん、でもあともう一歩。あともう一押しって感じかな。」

「(本当かなぁ.......)」

 

 

 

躍起になる千歌に疑わしい目を向ける曜。多分その疑念は間違ってないと思うぞ。実際、その疑念は確信に変わった——————

 

 

 

「だって、前までは——————————『ごめんなさい。』だったのが————————『ごめんなさい......』になってるし!!」

「それ酷くなってるだろ.........」

「いざとなったら—————」

 

 

 

小学校の音楽の教科書を持ちながら、自信ありげに言う。

 

 

 

「なんとからするし!!」

「それは—————あんまり考えない方がいいと思う.......」

 

 

 

 

千歌と曜がスクールアイドル計画の話をしていることをそっちのけにして、俺はあの仮面ライダークローズのことについて考えていた。

 

前に考えていた時は千歌の突然の提案で話が逸れてしまったのでまとまらなかったが、彼が誰かという疑問でもある。

変身者は俺のように転生したのか、はたまたこの世界に元々いたのか。ただ、この世界にいたとなるとこの世界にライダーシステムが公に存在していることになる。その可能性はゼロに近い。かと言って、俺のように仮面ライダーとして転生した者がいればオーマジオウが知らせてくれないはずはない。た

 

ただ、人間が変身するレイダーやスマッシュが現れたことはこの世界に何か途轍もない異変が起こっているのは確かだ。

 

 

 

「クソッ..........一体誰が..........」

「ねぇ、才君。———————この衣装どうかな?」

「これ可愛い!キラキラしてる!!—————こんなのも作れるの!?」

「もちろん!なんとかなる!!」

「流石だな...........」

「どうしたの、才君?」

「いや、前に俺たちを助けてくれた仮面ライダーは一体誰なんだろうなって」

「確かに.......でも、結局私たちを助けてくれたんだから役目は同じじゃない?」

「それもそうだな。協力プレイも考えなきゃいけねぇな.......」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『全校生徒に連絡!安全な場所に避難してくれ!不審者が学校に侵入した!』

 

 

 

 

 

 

 

 

逃げ狂う女子生徒たち。みんながみんな学校の敷地から抜け出そうと必死であった。声の主は竜介先生だ。みんなからこの短期間で新任を得た先生なだけあって、より信憑性が高まっている。

 

 

 

「才君これって.........」

「ああ、怪人だ—————————」

「グルゥゥゥゥ!!」

 

 

 

そんな話をしているうちに、ご本人が——————って、二体!?

 

いつもは一体とのタイマンだったから、少し裏切られた感じだ。おそらくあれは仮面ライダービルドのスマッシュ。名前は、『スタッグロストスマッシュ』と『ストロングロストスマッシュ』だ。

 

 

 

「2人とは想定外だが.........上等だ、やってやるよ!!」

 

「お前達早く逃げろ!」

 

 

 

変身と思っていたところに、やってきた竜介先生。まさか——————

 

 

 

「って、もう間に合わないか............とりあえずこの場から離れておけ!!」

 

 

 

取り出したドライバーを腰に巻き、蒼竜のフルボトルをミニサイズのドラゴンを折り畳み、背中にある窪みに挿す。

 

 

 

≪ ウェイクアップ! クローズドラゴン!≫

 

 

 

ドライバーに付いているレバーを回すと、透明なパイプに蒼い液体のような物が流れている。そしてそれは、人型を形成した。

 

 

 

 

≪Are you ready?≫

 

 

 

掌で拳を受け止めて戦闘ポーズをとる。

 

 

 

 

 

「変身!」

 

 

 

 

 

 

≪Wake up burning! Get CROSS-Z DRAGON! Yeah!≫

 

 

 

 

 

現れた蒼竜の戦士、どういう状況か教師が変身した仮面ライダー。———————その名も仮面ライダークローズ..........

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

—————※—————

 

 

 

 

 

 

 

≪ビートクローザー!≫

 

 

 

ビルドドライバーからグリップの付いた剣が生成される。

 

 

 

「負ける気がしねぇ!!!!」

 

 

 

合言葉のようなげきをを飛ばして、ストロングロストスマッシュに斬りかかる。筋骨隆々とした斬撃に対応しきれてない。

 

 

 

 

≪ヒッパレー! スマッシュヒット!≫

 

 

 

 

 

蒼炎を纏ったビートクローザーでストロングロストスマッシュ、スタッグロストスマッシュを順に斬りつける。今の斬撃はかなりのダメージが入ったようだ。

 

 

 

スタッグロストスマッシュも負けじと二刀流でクローズに斬りかかる。1本は防ぐが、2本目は当たってしまう。さらにストロングロストスマッシュの強烈なパンチを受けて後退してしまう。だが、気合の強いクローズらしくビートクローザーを乱舞して徐々に二体を追い詰めていく——————俺も負けてらんねぇ!

 

 

 

 

 

 

 

 

≪ハイパームテキ! ドッキーング!≫

 

 

 

「お前らの運命は俺が変える。————ハイパー大変身。」

 

 

 

≪パッカーン! ムー!テー!キー!   ハイパームテキエグゼーイド!≫

 

 

 

マキシマムボディが吹き飛び、現れた黄金の最強ゲーマー———————ムテキゲーマー。

 

 

 

 

≪ガシャコンキースラッシャー! ジャジャ・ジャ・キーン!≫

 

 

 

キースラッシャーをブレードモードし、青いキーを2回押す。

星屑を集めたかのようなエフェクトをキースラッシャーに纏い—————

 

 

 

≪HIT! GREAT!≫

 

 

 

ストロングロストスマッシュに飛ぶ斬撃をお見舞いする。体力は先ほどの攻撃の疲労もあってかクリティカルヒットしたようだ。クローズもそれに鼓舞されるようにグリップを3回引っ張る。

 

 

≪ヒッパレー! ヒッパレー! ヒッパレー!  メガヒット!≫

 

 

蒼炎を纏った斬撃が重なり、スタッグロストスマッシュを蜂の巣にする。斬り終わると同時に耐え難い衝撃波が発生し、スタッグロストスマッシュは地に叩きつけられる。

 

 

スマッシュの体力は半分を切っていた。————フィニッシュには頃合いだな。

 

 

 

「行くぞ、クローズ!!」

「お、おう!」

 

 

 

星のスイッチを押す。クローズもレバーを再度回す。

 

 

 

≪キメワザ!  HYPER CRITICAL SPARKING!≫

 

 

 

無数の星を纏ったキースラッシャーを光の速さで二体のスマッシュを斬り裂いていく。100連撃ぐらいしたところで—————

 

 

 

≪READY GO!≫ 

 

 

 

≪ドラゴニックフィニッシュ!≫

 

 

 

ドラゴン———蒼竜のエフェクトが背後に睨み聞かせたかと思うと、クローズはジャンプし、背後の竜とが蒼炎を放つと同時に竜の一閃を思わせる回し蹴りをお見舞いした。

 

 

 

HITとGREATの乱れ打ち、そしてトドメのダブルPERFECT。———初めての協力プレイは成功に終わった。

 

 

 

 

 

 

互いに変身解除し、その顔が白日に晒される。————何か詰まった物が一気に崩れていく感じがした。

 

 

 

 

「2度もお前に————しかも生徒に助けられるとはな.......ありがとな。」

「いや、俺だって仮面ライダーになるってことが竜介先生のおかげでわかったんですから、こちらこそありがとうございます。」

「いや〜お前がこの()女学院に通ってるとは思わなくて.....ここで浦の星の制服着てるお前を見て、今気づいたんだ。」

「遅くないですか!?俺は担任になった時から気付いてたのに.......」

「ていうか、俺たちはって仮面ライダーって名前なのか?」

「えっ!?知らないで変身してたんですか?」

「まぁ、俺の家にもともとあった家宝がこのベルトとこの機械だったかから、5年前に怪人が現れたときに使って————今に至る。」

「そんな.......詳しい話を後で聞かせてください。」

 

 

 

こんな話をしていれば、一時的に退避していた千歌と曜がこちらに戻ってきた。

 

 

 

「まさか、竜介先生も仮面ライダーだったなんて......」

「え、あ、お、お前達見てたのか!?」

「ええ、まぁ.............」

「安心してください、竜介先生。こいつらは俺の事情も分かってますから、下手なことは喋りませんよ。—————————————————そうだ!」

 

 

 

 

俺は、今思いついた妙案を千歌に持ちかける。

 

 

 

 

「竜介先生にスクールアイドル部の顧問になって貰えばどうだ!?」

「————それだよ!それなら私たちだけの秘密にできる!」

「え?俺の意見は求め......」

「ませんよ。断るんなら、秘密を話しちゃおうかな〜」

「条件飲んだ方がいいですよ、千歌はこのスクールアイドルに関しては本気になってるので。」

「わかったよ。挑戦する生徒を手助けするのも、教師の仕事だ!」

「やったー!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

4人目の新たな仲間が、スクールアイドル部に加わったのだった————

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

彼らはまだ気付いていないだろう。————————先ほどの戦いの見物人が

あと4人ほどいたことなど........

 

 

 

 

 

 

 

 

「.........あの人たちが噂の怪人を倒してたんだ.........」

 

 

 

 

「ルビィちゃん、怪人はあの仮面ライダー(?)っていう人たちが倒してくれたよ。」

「ピギィ、花丸ちゃん.......怖かったよぅ........」

 

 

 

 

 

 

 

「仮面ライダークローズ.......これまた邪魔ですねぇ.......」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

—————※—————

 

 

 

「えっ!?作曲してくれるのか!?梨子?」

「ええ!」

「ありがとう————! ありがとー!」

 

 

 

涙目になって喜び、梨子に抱きつこうとした千歌だったが梨子にヒョイと交わされる。

 

 

 

「待って、勘違いしてない?」

「え?」

「私は曲作りを手伝うって言ったのよ? スクールアイドルにはならない。」

「ええ〜」

「そんな時間はないの。」

「そっか.........」

「無理には言えないよ........」

「そうだね............」

「じゃあ、詩を頂戴?」

「し?」

 

 

 

千歌は『し』を探し始める。窓を開け、見回し——————自分の鞄を探す。入っていたのは、大好物のミカン。

 

 

 

「『し』って何〜?」

「多分〜歌の歌詞のことだと思う〜」

「お前ら.........オーケストラ風現実逃避してんじゃねぇよ......」

 

 

「でも誰が作詞するの?」

「それは.........言い出しっぺの千歌がやらなきゃ面子が立たねぇだろ。」

「ええ〜!!でも、確かに言い出したのは私だからやるしかない!!」

「じゃあ、決まりね。早速作詞しましょう?」

「でも教室じゃできねぇぞ?」

「どうして?」

「俺と竜介先生で面談があるからな。」

「そっか.........じゃあ、私の家に行こう!」

「高海さんの?」

「そう、私の家も紹介しておきたいしね。」

「じゃ、進展があったら教えてくれ。」

「「「バイバイ〜」」」

 

 

 

千歌達は俺を背に教室から去って行った。着実に前進している。————そう思うと、希望が持てる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

—————※——————

 

 

 

ここは夢の中、もちろん話し相手は———————

 

 

 

「なぁ、オーマジオウ。話がある。」

「何だ?」

「俺以外の仮面ライダーが現れたのは何故なんだ?」

「なるほど........お前の記憶では浦江竜介という者が仮面ライダークローズに......」

「そいつも俺みたいに転生して仮面ライダーになったのかって。」

「転生という観点では間違ってはいないが、お前とは待遇が違う。」

「待遇?」

「お前は私の斡旋でこの世界に降り立ったのだが、彼は並行世界に転生するべくして転生したんだ。—————そう、仮面ライダービルドの世界の万丈龍我がな。」

「!!」

「そして偶然、生まれた家の家宝がドライバーとフルボトルだったわけだろう。」

「なるほど—————じゃあ、何で人間が変身するようなレイダーやスマッシュが現れたんだ!?」

「おそらく、時空の歪みが加速しつつある。何者かが—————別の時間軸からの産物をこの世界にもたらしているのかもしれない。この世界にだって悪者は星の数ほどいる。それを利用して儲けようと画策しているやつだっているかもしれないな..........」

「そんな————お前はなんとかできないのか?」

「私が直接時空の歪みを直すのは容易い。だが、それはあくまでそっちの世界の話だ。それをどうこう言う権利は私にはない。」

「お前にできる事は、とにかく蔓延る悪を倒すことしかない。—————だが、それ以外にもやることがあるだろう?」

「ああ、俺には守りたいものができたんだ。」

「そいつらのこと守るのも大事だが—————お前自身も楽しまないと意味がない。」

「え?」

「お前自身が楽しむこともそいつらの喜びでもあるのかもしれない。」

「そうか........」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この世界に蔓延る悪意は、そう遠くないうちに顕現するだろうか...........でも、今はスクールアイドル部について専念しないと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





あっさりバレることにストーリー性の薄さを感じさせる........


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