闇の帝王殺害RTA any% ホモチャート (舞空術)
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 はい、よーいスタート。

 

 ホモの嫉妬でスリザリンの血統をタァーッツ! RTA、はぁじまぁるよ〜!

 

 こちらはまだ日本語版がリリースされていないので有志の日本語化MODを適応しております。スピードランでは一切のMODを認可しておりませんしレギュレーション違反となってしまいます。なのでスピードランドットカムでは正式な記録としては認められません。あくまで参考記録となります。なので日本のニゴニゴRTAウィキで確認したところ、any%はなぜか先駆者がいませんでした。これが世界最速と言い張ります。ちなみに後日レギュレーション準拠の中では最短となる中国語版で走った私の公式記録は世界8位(投稿時現在)となっています。概要欄にリンク貼ってあるので気になる人はどうぞ。

 

 さて、計測開始はキャラクリエイト後のスタートを押した瞬間からなのでキャラクリエイトはじっくりねっとりとやってイきましょう。

 クリアデータを読み込むと引き継ぎになりキャラクリエイトのポイントも増えますが、これはRTAなのでキャンセルだ! 

 

 開始年は1938年で、年齢は11歳を選択しましょう。そうすると魔法学校からのお手紙を梟が持ってやってくるOPになります。

 

 まず出身の項目は人間、純血のドイツ系を選択します。ここは基本イギリスでなければどこでも大丈夫です。もし原作関係の生まれになってしまうと血縁関係のイベントが増える可能性があるので、意図しないイベントによるロスが生まれます。恩恵はもちろん多いのですが……悲しいけどこれってRTAなのよね。なるべく原作と関係がない場所にしましょう。あ、特にこのホモチャートに関してはドイツ系にする意味があります。ここは後々解説します。

 

 家名を記入すれば生まれを決定できます。ウィーズリーだろうがペベレルだろうがどんな家だろうと問答無用で選択できるので、アホみたいにキャラクリエイトの必要ポイントが太ぉい!箇所です。なので家名は無記入のランダム採用になります(完全ランダムとは言っていない)

 

 個性(Personality)はデフォルト二枠からの選択で、それ以上はポイントで決めるか開始後にランダムで追加されます。追加されたのはプレイ次第で増えたり減ったりします。メリットとデメリットを兼ね備えた個性や、デメリットしかないような個性も多いです。開始後のランダム追加には悩まされますので、引き継ぎプレイの場合はポイントを振ってとりあえず埋めておくことをお勧めします。

 

 個性は同性愛者と早成を選択します。同性愛者はネタでもなんでもなく本チャートの要になる最重要項目です(今更繕えもしないLGBT配慮)

 

 早成は20代からの成長率が馬鹿じゃね(嘲笑)ってくらい落ちますが、未成年時代に集中するプレイなら癖がなく使いやすいです。ステータスは大体ホグワーツ時代で完成しますからね。反対の晩成は開始年齢が30代以降のプレイだと恩恵を受けやすいです。魔法族特有の長寿命を生かせるのが強みですね。闇払いチャートでは熟練なのに成長し続ける衰えを知らぬ老兵を誕生させる為にお世話になります。ですが幼年期から始めて老成を選択すると、最悪魔法ぱわーの成長が低すぎてスクイブ扱いになるので、通常プレイで選択するなら気をつけましょう。

 

 能力(Ability)の追加項目は原作だと蛇語(‪Parseltongue‬)や七変化などが有名です。ここは引き継ぎ前提のポイント配分なのでRTAでは……んにゃぴよく分かんないです。開始後ランダムに追加されることが微レ存かもしれない。大人しく基礎ステータス補正欄に振りましょう。精神力4、魅力6、パパパっと振りしましょう。

 

 通う魔法学校をホグワーツに設定して……よし、ポイント配分はこれでバッチリ! 

 

 ああっと一番大事なことを忘れてた。最後に男性を選択して、名前はホルスト君に決定。

 

 いざ鎌倉! 

 

 イクゾー! デッデッデデデデ!(カーン)デデデデ! ‬

 

 

 OPスキップして、開幕カッチャマから親子会話という名のタイムロス強制尋問連打を上下上上真ん中真ん中下と選びます。(親が居なかったり仲違いしてるとここの会話は)ないです。

 

 そして操作できるようになりましたらまずステータスを確認。稀にある天才型かを確認します。彼は普通のホモみたいですね。リセットしましょう。

 

 ……はい。これを妥協できるラインのホモ君が誕生するまで繰り返します(114514敗)

 

 幸いながらタイトルに戻ってもキャラクリエイトの入力したデータは消えていないので、リセマラとしてはまだ楽な部類です。でもここから先リセットポイントが山のように待ち構えていますので、ある程度の妥協は必須です。

 

 ここから10倍速でお送りしますがこれでは退屈になってしまいますね。こんな画面を見続けるなんて無理無理無理!見れない!

 

 というそんなしちょうしゃのみなさまのためにぃ〜

 

 ……。

 

 

 とっておいた解説をやっていきます。

 

 

 名前がホルスト君じゃホモが入ってないやん! どうしてくれんのこれ!? という察しの良い兄貴。まま、そ焦んないで。それをこれから解説していきましょう。

 

 家名は基本ランダムですが、今回は強制的に歪みねぇガチガチ♂の純血主義であるモシットー家になります。ホルスト・モシットー──略してホモ君の誕生です。

 

 さて、なぜホモ君にできるかと言いますと、家名が無記入の場合キャラクリエイトと矛盾しない範囲の中からランダムに家名が決定されるんですね。今回は1938年、純血、ドイツ系、ホグワーツ魔法学校に通う子供という選択肢によってモシットー家一択となりました。ヒントは1930年代後半のドイツです。

 

 あっ……(察し)

 

 はい、ナチ真っ盛りの時代ですね。魔法族の存在を知ってる国の上層部がよし、じゃあケツ出せ! と迫ってきて魔法族はやだ怖いやめて下さい……(忘却術(オブリビエイト))と盛り合ってる時代です。ただでさえグリンデルバルドが暴れて世界魔法大戦が巻き起こってるのにマグル側からの魔法秘密維持国際法違反はマズいですよ! というのが世界各地で巻き起こってるわけです。まあプレイ次第で魔法族の存在を明かし全てを巻き込んだ第二次世界大戦もできるんですが。とにかくこの時代のマグルと魔法族の関係はかーなーり荒んでます。

 

 特にマグル寄りであるほど悲惨です。ナチ真っ盛りの中魔法族特有の怪しい行為をしようものならマグルにとっ捕まって人生の大幅ロスまたは死亡もあり得る。

 

 ドイツ系の魔法族は軒並み田舎に引きこもるか友好国へ亡命せざるを得ない状況になってるんですねぇ。ミュンヘン会談前であり、イギリスとは開戦もやむなしというような緊張状態の真っ只中に9と4分の3番線から行くイギリスの魔法学校なんて通うわけないんだよなぁ。

 

 その前提の上で唯一、モシットー家はせっかちなホモの如くそそくさとイギリスへお引越しした純血の一家だからホグワーツへ通えるんですね。

 

 キャラクリエイトの幅の広さが膨大なランダム要素にも繋がってるので、ある程度の固定化はRTAをする上で必須です。モシットー家にした理由はぶっちゃけホモ君にしたいだけです。固定化できる純血の家ならなんでもいいと思います。現在世界一位の兄貴はスペインの純ケツで走ってましたね。ボーバトンやダームストラングだとランダム採用に別の家も選ばれる可能性もあるので操作を間違えないように。

 

 

 おおっと、操作の手が止まりましたね。等倍に戻します。このホモ君で走るか悩んでるようです。ステータスは子供らしからぬ化け物じみた数値。やっと天才型を引けたようですね。本来は問答無用で走る場面なのですが、個性欄にくっついた猜疑心の項目が気になってますねぇこれ。猜疑心自体はそう悪くもないのですが、直前に研究していたレギュラス君よいしょチャートの終盤で土壇場仲違いからの決闘共倒れを生んだ個性なのも相まって嫌な予感がビンビン来てます。しかし猜疑心は同性愛者の場合出現率が上がってるので致し方なし。とっとと始めて、どうぞ。

 

 再び母親に話しかけて、ホグワーツに通うための買い物の約束を取り付けましょう。その後マップを確認しつつ自室に向かいます。初期所持アイテムの確認ですね。現在の手持ちは真っ白ですが、そこそこ立派なお家なので自室に使えるものがあったりします。家に置いてある物なら拾えますが、タイム短縮に繋がるようなアイテムはだいたいちゃんとしまっているので、取ると親に怒られる上に取り上げられます。当たり前だよなぁ? ネグレクトされている場合は大丈夫なので、開幕の母親との会話の有無で判断しましょう。

 

 ホモ君の自室には本が結構ありますね。天才型特有の知識欲が遺憾なく発揮されているようです。確認しておきましょう。う〜ん、ホグワーツに持っていくほどの書籍はありませんね。教科書でこと足ります。おこづかいは……チャートに書いてあるアイテムを購入しても結構余裕ができますね。クォレは親に愛されてるな?

 

 それではオートモードとなるスキップを使用してガンガン飛ばしましょう。

 

 オートモードでも能力値は上昇しますし、強制イベントの消化もしてくれます。しかし能力値の上昇は手動の方が上となり、うまあじは薄いです。それにステータスに基づいて行動を選択しますので、あんまり頼りきることはできません。FEのオート然り気づいたら死亡してることもあるので。

 

 スキップは買い物がオリバンダーの杖に差し掛かった時に止めます。別に買う杖を選択できるわけではないです。しかし杖の購入場面で見られる杖の選定作業が、現在非表示のステータスを推し量る要素になります。具体的には魔力の質や、得意科目、まだ発現していないままの個性、これから起こるランダムイベントもたまに分かります。オリバンダーは予言者か何か? 

 

 それでは相棒となる杖を買いましょう。オリバンダーが頻繁に杖を取っ替えてますね。でも店を破壊しまくる訳ではないので、杖が折れた際の代用品に苦労することはなさそうです。

 

「黒檀、29cm、一角獣のたてがみ、思慮深く義理堅い」

 

 おっ見つかったみたいですね。黒々としてご立派ァ!な杖です。Wikiを横に置いて参考にしつつ判断しましょう。

 魔力のバイオリズムは安定ぎみで……長さも悪くないですね。ホモくんのメンタルは相当強いってことが判明しました。これなら取れる行動も広がりますね。戦闘と変身術が得意なのも嬉しいですね。うん、美味しい!特にホモチャートでの変身術得意は短縮要素です。ご同類の好感度が上がりやすくなるので。

 

 ちなみに最強は言うまでもなく魔法薬学得意です。ステロイドをセルフでキメてぶん殴ればトロールだろうと殴り殺せます。魔法の使用判定には入らないので未成年からジャンキーになれるのも大きな利点です。

 

 ですが得意補正はかなり強いので、今回は戦闘全般と変身術を中心に伸ばしていきましょう。ホモ君の自習項目に咥えて差し上げろ。

 

 まだノクターン横丁に行けないので自費での買い物は後回しです。親の脛を齧っておきましょう。

 

 あとはスキップが止まる帽子の寮分けまでオートします。オートオートオートオート、オートばっかで恥ずかしくないの? って感じですが序盤はこんな感じです。リセ要素はまだ先にたっぷりとありますので。なんたってラスボスとの楽しい学校生活が待ってますから。

 

 ホグワーツ急行に乗り込んでトム・リドルの最初のお友達になろう!なんてことはやってはいけません。ホモ君は生まれてこのかたマグルとは関わりのない純血主義の知識だけを備えた子供です。マグルたちの世界から来たリドル君には原作マルフォイみたいなツンデレムーヴしか取れる選択肢がありません。好感度は下りこそすれ上がりはしません。そしてリドル君の好感度は一度マイナスに入ると態度が警戒に変化して二度と上がりません。あっぶぇ!こんなとこでラスボスに目をつけられるかもしれないとかやめたくなりますよ〜RTA〜。

 

 スリザリンになれば主人公がどんな生まれだろうが同じ寮のよしみで好感度が上がるコミュニケーションが取れるようになります。それまでは引き継ぎプレイでもない限りは触れてはいけない(O-05-47)

 

 そして態度が警戒になるよりも恐れなければならないのは、下手にリドル君にすり寄った選択肢を取り続けて逆に利用されることです。友好的な愚者は操り人形にちょうど良いんですね。好感度の稼ぎ方を間違えるとリドル君からの態度が「道具」に変化します。こうなってしまうとゲームオーバーです(79敗)

 

 

 帽子が頭に乗っかり、強制イベントの突入でオートが止まりましたね。ですがホモ君の寮は血筋、性格から言うまでもなく決まっているのでお願いするまでもなく判断されます。これは猜疑心の効果です。ホモ君は魔法のお帽子にも猜疑心を向けている状態となり、狡猾判定として処理されます。でなければどの寮にしたいのか聞かれるのでスリザリンを選びましょう。

 

「そう警戒せずとも頭から食ってかかりはしない。だが君ほど適性が分かりやすい者もいないだろうな。スリザリンッッツ!」

 

 てちてちスリザリンのテーブルに歩くホモ君かわいい……かわいくない?(ショタコン)

 

 キャラクリエイトの時にたくさん振った魅力は、初接触の時に好感度上昇効果を発揮するよう計算しています。とにかくスリザリンの先輩に愛想を振りまいて好感度を荒稼ぎしておきましょう。それだけでホグワーツの道や授業のアドバイスが貰えるようになります。特に近道は人から聞いたり忍びの地図などを見たりしない限りは滅多に解放されない要素です。ホグワーツの複雑な敷地関連のランダムイベントは邪魔なのでこうして消しておきます。疎かにしていると教室と教室の距離が離れすぎているという理由で、三年次からの選択授業の組み合わせに選択不可能な教科が発生することも。それはタイムターナーを持っていても変わりません。時は遡れても物理的な距離は変わらないからね。

 

 早速スリザリンの先輩から道を教わりました!基本的な授業の近道みたいです。よしよし。これで迷子になるランダムイベントは消滅しましたね。さらに言えばピーブスのちょっかいで遅刻になるイベントの発生も抑制してくれます。ロスしか生まないポルターガイストを許すな。早ければ早いほど嬉しいですが、ここで教わらなくてもそのうちこのイベントは起きるで大して気にしなくて大丈夫です。

 

 さて、好感度荒稼ぎでホモ君は一瞬の間にスリザリン寮全体からの評価が「新入生」から「我らスリザリンの寮生」へと変化します。こうすると毎月スリザリン寮に属するキャラクターからの好感度がほんの少しですが上がります。そのための魅力。あとそのための純血?ですよ。キャラクターとの好感度上げ以外で寮からの評価を上げようとすると、授業の加点やクィディッチでの活躍などとなり完全な安定は望めません。あ、もちろん大量減点されたりすると下がりますよ。原作準拠のてのひらクルクルをされたくないなら、くれぐれも行動には気をつけましょう。

 

 寮の部屋割りはモブとモブの三人部屋のようです。ちょっと普通(失笑) 平穏な部屋割りですね。軽く会話をして、これからよろしく、と無難に流します。これが名家相手となるとまたイベントが挟まったりします。荷ほどきをしてとっとと寝ましょう。やっとホモチャートが本腰を入れて始まります。

 

 

 授業の初回は必ずイベントが起こります。原作に登場する教師は固定ですがそれ以外はランダムなので、対応した媚びの売り方をチャートでちゃーんと確認しておきましょう。教科書購入リストの時点で大まかに判別可能ですが、どうせ初回授業は強制イベントなので確認するだけ時間の無駄ですね。全部操作して教師にホモ君の存在感をアッピルしましょう。

 

 呪文学の授業で当てられましたね。素早く正解の「 ウィンガーディアム・レビオーサ(Wingerdium Leviosa)」を選択しましょう。スリザリンに3点!答えるまでの時間でも評価が変わりますので、ちんたらWikiを見てる時間はありません。チャートに用意してありますが、なるべく暗記しておきたいところですね。間々プレイヤーのリアルハリポタ知識が求められるので、コアなファンなら楽しめるかと思います。

 

 授業で目立ったのでリドル君からの視線を感じます。テキストの無駄なので目を合わせないように教科書に視線を移しておきます。これと変身術で起きるフラグを回収すると週末にイベントが発生します。

 

 魔法史のビンズ先生のお経は他授業と違って、寝落ちしようとするホモ君にがんばれ♡がんばれ♡するミニゲームが展開されます。一度でも最後まで耐えるとビンズ先生から名前を覚えてもらえるので、初回のうちにミニゲームをクリアしましょう。次からは他教科のレポートを完成させる時間になります。ホラホラホラホラ、クッキー☆よりマシなんだから我慢してホモ君。スリザリン生徒が総員うとうとしてる中、唇を噛んで授業にかじりつくホモ君は学生の鑑。ビンズ先生も起きてるホモ君にご満悦のようです。

 

 さて、待ちに待った変身術のお時間です。授業自体は普通に面白いんですが、たまにダンブルドアが野獣の眼光をリドル君に向けています。真面目に授業を受けていれば野獣eyesに違和感を持ちます。持てないならリセットです(14敗)

 

 授業中ダンブルドアに当てられたので、真ん中を選択。変身術は危険だからお遊びはやめようね!といった内容をホモ君が答えます。天才型なので知識による補足もつつがなく、完璧な回答ができましたね。スリザリンに5点!

 

 ……。あれ、すいませ〜ん、RTAですけど、ま〜だ時間かかりそうですかね〜?

 

 

 〈ダンブルドア教授はあるスリザリン生をしきりに気にしていた……。たしかトム・リドルという生徒だったか。ホルストはその視線が一生徒に向けるような穏便なものではないことに気づき、違和感を感じた〉

 

 ホッ。無事フラグを回収しましたね。残る授業ではリセ要素もないので、焦らずガバらず落ち着いてぇ〜やりましょう。どれも天才型で誕生したホモ君の敵ではありません。早成があるので、授業の経験値でなぜか授業以上のことを学んでいます。呪文はウィンガーディアム・レビオーサだけでなくフリペンドにエクスペリアームズに……天才型で早成の上に戦闘得意だと実戦用の呪文をドバーッと取得しますね。ンギモチィィィィッ!

 

 まあ使わないんですけどね初見さん。決闘だと豊富な呪文の応酬で楽しいんですけど、殺し合いだとステューピファイとアバダ・ケダブラしか使いませんし。なんだこのクソゲー!?プロテゴが息してないんだよなぁアバダのせいでよぉ!?

 

 RTAでは闇の陣営とガチ戦闘=アバダリセチャレンジなので、基本ありません。というかそうならないためのホモチャートです。豊富な知識は授業で良い点を取るために活用されます。当たったら即敗北の呪文を飛ばし合う戦闘においては、各授業の能力値なんて飾りです。ホモ君にはそれが分からんのですよ。スラグホーン先生の授業を斜め上に聞いてウィゲンヴェルド薬の作り方を覚えてどこに行こうというのかねホモ君。どれだけ優秀だろうがスラグ・クラブはタイムロス要素だから参加しないよホモ君。こんなとこで無駄運を使わないで。

 

 

 授業が一通り終わったタイミングで、週末となり自由行動が選択できます。まだ散策しか選択できないので連打で散策へ。

 

 建てておいたフラグのおかげでイベントが発生します。お利口さんなリドル君に純血のスリザリン馬鹿2人がやっかみを言うイベントです。オイオイオイ、死んだわアイツら。もう生きて帰れないねぇ。

 

「リドルだっけ?君の家」

「純血にそんな家あったっけ?マグル生まれの"穢れた血"じゃないのか?」

「トムって名前も平凡で、ますますマグルらしいじゃないか!」

 

 ここでホモ君が取れる選択肢は二つ、無視するか介入するかですね。無視をすると後日禁じられた森に入り全身複雑骨折の上に記憶処理を受けた馬鹿2人の噂を聞きます。そしてリドル君を早くから警戒できるようになります。介入だと好感度だだ下がりの上にオブリビエイトされてリドル君を警戒できなくなりますがしかし……?

 

 まあわざわざフラグを建てたのでどちらを選ぶのかはお分かりでしょう。

 

 ホモ君は懐から杖を出して、馬鹿2人を先日授業で習った呪文の練習台にします。

 

 〈ホルストがウィンガーディアム・レビオーサを唱えると、2人は足元のバランスを取れなくなり頭から転んだ〉

 

 これで馬鹿2人をヴォルデモートの魔の手から救いました。しかしリドル君からは物凄い形相で睨まれます。自分で対処できるのに手を出されたからですね。上から目線のお節介をするのは傲慢でしかないってそれ一。

 

 このイベント中、実は廊下の奥からダンブルドアが通りがかります。ホモ君は他者を手助けすることにより光の陣営ポイントを貯めつつ、ダンブルドアからも好感度を稼げます。しかし反対にリドル君からの好感度は下がります。え?リドル君の態度が警戒になったら詰みじゃないのって?

 

 そんなんじゃ甘いよ。恋愛は駆け引きが大事だってはっきりわかんだね。好感度は具体的にはこの後、「施しのつもりか?」と半ギレリドル君に話しかけられ、なにを選んでも下がる選択肢を選ぶと実数値が下がります。なので話しかけられる前にリセットをポチりましょう。

 

 

 ショータイ!

 

 

 本RTA初めての招待です。オートセーブから再開しましょう。これによりリドル君からの態度は変わらないまま、週末行動したという結果が残ります。

 

 本来はそのままイベントの続きとして繋がる、リドル君からの呼び出しが週の初めに起こります。ああ逃れられない!呼び出しのままに空き教室で逢瀬しましょう。本来のイベントでは警戒の態度に突入したリドル君からオブリビエイトされ、化けの皮が剥がれかけたリドル君の姿を忘れてしまいます。

 

 しかし空き教室で会話が発生したタイミングでリドル君との初接触判定も発生してしまいます。速攻魔法発動!ホモ君の魅力によりトムはポジり、好感度の植え付けを行う!本来ならマイナスの好感度から入るはずなのに、好感度がプラスになってしまいます。

 

 

 

 堕ちろ!

 

 

 

 

 

「ホルスト、君はどこか僕と似ている気がする」

 

 

 

 

 

 墜ちたな(確信)

 

 

 好感度がプラスのまま2人きりになったので、友好イベントが割り込んで発生しました。ここの台詞は主人公のステータスに応じて変化します。未来のヴォルデモート卿の観察眼が光りますね。ホモ君の場合は天才型として平均より突出したステータスと、猜疑心の項目による台詞が見られました。秘密主義の場合でも同様の台詞が見られます。なんの突出した点もないとそもそもイベントが起きません。

 

 ここら辺のチャートはヴォルデモート化阻止RTA(通称トムリドルフォーエバー)の旧チャートでよく使われていたものを流用しています。今ではメローピー陥落させてから入る足長おじさんルートのほうが早いので使われていませんね。

 

 トム・リドルの上っ面は真面目で純粋な学生なので、仲良くなるにしても他のキャラクターと同様の手順では「道具」扱いになってしまいます。所定のイベントを起こし懐に潜り込みましょう。

 

 さて、リドル君は天邪鬼なので会話の選択肢もミスると一発アウトです。正解の位置は固定なので素早く手が滑らないように入力しましょう。

 

 

 〈「似ている? 俺が?」〉

 

「そうだ。優れた君は他の同級生の奴らがトロールにしか見えない。……そして他者を欺き、瞳の奥の本性を上手く隠している」

 

 〈「それは君が裏でなにかを企んでいるという自供にしか聞こえないな」〉

 

「君とは実りのある会話が望めそうだね」

 

 〈「そいつはなによりだ」〉

 

「僕のようなマグルの孤児院出身の男は御免かい?」

 

 大胆な告白は闇の帝王の特権。ここでマグル生まれとか関係ないよって言ったらなんか逆ギレされます。は?(威圧)

 

 〈「優秀な君がマグル生まれなどとは到底思えない。スリザリンに選ばれたんだ。きっと尊い血を引いているのだろう?」〉

 

「ふぅん……。やはりそこら辺の凡百な人間とは違うようだ。君とはいい関係を築いていけそうだね」

 

 なんか跡部様みたいなこと言ってますねこいつ。これで本当にマグル生まれだったらどうするんだお前。

 

 リドル君からの態度が友好的に変化しましたね。ただ挨拶を交わせるようになるだけなのにまわりくどすぎる。

 

 お察しの通り、リドル君と仲良くやっていくのは周回プレイで作ったぼくがかんがえたさいきょーの主人公でやるのが正攻法です。目にも留まらぬ身体能力でサーッ!と愛の妙薬盛ったり魅力天元突破したヴィーラを用意したりしておもちゃにされた動画がアップされていますね。かわいそう。おすすめです。

 

 

 キリがいいので今回はここまで。

 では、サラバダー!

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それは夜盗と同じように。決して悟らせてはいけない。なにも見せず、闇に溶けよ。

 

 ふだんは心の奥底へと閉じ込めて、鍵をかけて、まるでそんな感情なんて存在しないかのように振る舞え。

 

 見たかよ?あの女の子イイ感じだよな?

 ——ああ、俺もそう思うよ

 

 アイツの姉は美人で羨ましい!

 ——君の姉も綺麗じゃないか

 

 可愛い子から告白されたからって最近調子乗りすぎだよな、付き合いも悪いし

 ——俺が考えてやるよ。あの2人の仲を"穏便に"引き裂く方法を、さ

 

 

 生まれて初めて心を許したトモダチは、年ごろになると可愛らしい女の子を横に置いた。当たり前のように。いや、事実それが当たり前なんだ。なのになぜこのような感情が生まれるんだろう。

 

 かまってくれなくなった友達に対する寂しさだとか、そういう穴の開いた感情を伴うものではなくて。

 

 抱えていたことすら知らぬ、トモダチには抱くことの許されない下劣な、嫉妬と呼ばれる女々しいものだった。

 

 この身に流れる血は祖先が脈々と紡いできた歴史そのものだ。魔法族が保つべき誇りだ。この感情は、純血を背負う一人息子が持つことは許されていない。それどころかマグルの世界ですら。だからこの世界のどこにも居場所なんてない。隠していればせめて存在を見逃してもらえる。己が身の浅ましきを自覚してからは、世界が絶望に満たされていた。

 

 人より少しばかり回る頭は、いつだって警告を発する。俺が異端であることを。魔女裁判を生き抜いた祖先のように、抜かりなく隠して生きよと。

 

 

 ホグワーツからの手紙には両親共々喜んだ。両親はホグワーツで出会い、苛烈な純血主義者にしては珍しく恋愛によって結ばれた。両親にとってホグワーツとは第二の故郷のようなものなのだという。両親はいたくこの地を気に入り、荒れた世情を鑑みてそのまま故郷へは戻らず居を移した。

 

 本当はダームストラングに行きたかった。たとえ両親の時代から世界を脅かす闇の魔法使いを生み出していたとしても、だ。それにグリンデルバルドは放校されている。言ったところで説得材料にはなりはしないが。

 

 闇の魔術を拒絶しない校風が、グリンデルバルドを表向きにだけ歓迎している両親には耐えがたいらしい。愛しい愛しい——本当はできそこないの我が子を行かせる訳にはいかなかい。グリンデルバルドと対を成すように名声を響かせるダンブルドアの元でなければ、我らモシットーの血は脅かされるのだと信じてやまなかった。

 

 聞き分けのいい自慢の息子を演じてきた。今にも卒倒しそうな青白い顔で説得されれば、頷くほかなかった。なのに産みの親というものは聡い。

 

「ほんとうにホグワーツでよいのね?」

 

もちろんだよ、母上(今更何を)

 

「ダームストラングは純血の子ばかりですものね。親戚も通っているし、行きたい気持ちは分かるわ」

 

「ホグワーツも素敵な場所なんだろう?俺は父上と母上の出会いを聞いて育ったからね。だったら間違いはないさ (知った風な口を聞くな。俺がダームストラングに通いたいのは、純血だとか親戚とかではなく、両親が華々しく過ごした場所で惨めな自分を見つめたくないエゴイズムからだ)」

 

「そう言ってくれると嬉しいわ」

 

「覚えてしまってもホグワーツの話は飽きないんだ。きっと行っても初めての気がしないね (憎らしいほど脳に焼きついたよ。きっと行っても生きた心地がしないね)」

 

「じゃあホグワーツに手紙を書かなきゃいけないわね。ディーナ!用意して」

 

 一声かけると、姿すら見せない屋敷しもべ妖精により全てが欠けなく出現する。小慣れた様子で羊皮紙に羽ペンが走り、文字が紡がれていく。

 

「そんなに見つめなくてもきちんとお返事を出しますよ、ホルスト」

 

「ええ、分かっています母上。 ……つい……そんな紙切れ一枚で俺は家から遠く離れてしまうのだと思うと寂しくて (紙切れ一枚で色んなしがらみも簡単に切れてしまえば楽なのに)」

 

「そんなことを言わないで、愛しい我が子。ホグワーツに行かせたくなくなるわ」

 

「すみません」

 

「でも言ってくれて嬉しいわ。いつも良い子でいるから、心配だったのよ」

 

「言うほど俺は良い子じゃないですよ、母上」

 

「そんなことないわ。貴方は私たちの自慢の息子よ」

 

 我儘で、自分勝手で、いい加減な己に腹が立つ。甘ったれのまま、せめて俺を愛してくれた人が何も知らないで済むことだけを祈っている。未熟児にしては欲望に溺れたおぞましい寄生物のような生き物が俺だ。

 

 ああ、こんな人生なぞ早く終わってしまいたい。

 

 




自分用メモ
ホルスト・モシットー
【杖】エボニー、一角獣のたてがみ、29cm
【得意科目】戦闘、変身術
【個性】同性愛者、猜疑心

 強硬な純血主義として名高いモシットー家の嫡子。生まれながらにして他者より優れた能力と精神力を持っている。初対面の人から必ず好感を持たれる程度の魅力を備えている。両親には深く愛されており、息子のためなら金に糸目はつけない。


主人公視点を強めにしたRTA形式の小説ってねぇなって思って書いたらクッソ重くなったゾ……なんだこれ(ドン引き)


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 語録を入れるのに苦労してるRTA、もう始まってる!ババババ

 

 

 画面では勤勉な学校生活を映しつつこれからの行動の方針を大雑把に解説していきます。中盤に差し掛かるころには閉心術の熟達にかかりきりになり、キャラクターを育成する余裕がなくなるので下級生で基礎ステータスの育成を済ませます。

 

 ホモチャートでは基本的に戦闘は発生しないのでステータス上げは一見ロスの塊のような行動です。しかしリドル君とのユウジョウ!を育むのは引き続きプレイを前提として組まれています。成績が悪いと容赦なく切られます。それに将来的に就職する死喰い人も実力がないと闇の魔術に呑まれて死にます。

 

 なので一年次のうちに最高効率レベルの育成環境を整えましょう。リドル君は自分の生まれについて探し回っている期間のみ、友好関係にあると共に切磋琢磨して勉学に励むことができます。貧しいけど優秀な模範生ですからね。たまに選択肢に即死トラップが埋まってますが、そこら辺の教師なんて目じゃないくらいの経験値をゲットできます。リドル君がこの勉強会を通して他者に魔法を教える才能を自覚し、DADAの教師を目指すようになる道もあるくらいです。ですが何もしないと勉強会は4年生を終えたタイミング強制で終了してしまいます。ヴォルデモートとして動くようになるからですね。

 

 そもそも闇の帝王と仲良くする意味は?ってところですが、その説明をする前に闇の帝王殺害RTAの状況を理解する必要がある。少し長くなるぞ。

 

 ぶっちゃけると、どこからが闇の帝王か問題ですね。ヴォルデモートが勢力を拡大する前に——特に分霊箱を作る前に殺害してしまいたいところですが、彼はまだトム・リドルであり、ヴォルデモートと名乗りだしてはいますが厳密にはまだヴォルデモートとは言えません。トム・リドルというホグワーツの生徒に過ぎません。

 

 どこからを闇の帝王とするのかは意見が分かれています。ヴォルデモートと名乗り始めてからという人もいれば、第ニ次魔法戦争をもって闇の帝王の誕生と考える人もいます。

 

 でも今回はRTAのレギュレーションがここって言ってる所さん!?で即座に殺害します。それはダンブルドア校長がヴォルデモートの求職を蹴った時です。

 

 その段階ですと分霊箱は5つです。それでもバリキツいコレ。

 

 ですがナギニ、ハリー・ポッターはまだ作られていませんし、レイブンクローの髪飾りは必要の部屋にない、スリザリンのロケットはまだ洞窟に隠されていない、ハッフルパフのカップはまだ金庫にはない。

 

 分かりますか?分霊箱の存在を知り、探し、破壊するという一連の流れのうち、探す手間が大幅にカットされているんですよ。まだ不死鳥の騎士団と闇祓いにストーカーされてないので積極的に分霊箱を隠す段階にはないんです。

 

 信頼を勝ち取った上で裏切れば分霊箱など恐るるに足りぬ!アホみたいなステータスの闇の帝王を想定したステータスを用意しなくていいんです!もし光の陣営で分霊箱を壊すならまずバジリスクの毒を用意するためにバジリスク討伐とかいうパーセルタングor分霊箱所持必須クソ高難度コンテンツがあるんですが無視出来るんです!

 

 闇の帝王の信頼を勝ち取るのに必要なステータスなら先程述べた勉強会にて好感度を稼ぎながら用意できます。これが同級生の強み。そしてなぜ主人公をホモにするのかと言いますと山より高く海より深い理由があるのですが、まあそれはまた追々。

 

 よし、好感度も充分なので、リドル君一緒にお勉強しようぜ!と誘います。……了承してもらえました!これで屈指の効率を誇るお勉強会が始まります。

 

 寮監のスラグホーン先生に許可を得て空き教室に入り浸りましょう。

 

 勉強会中に老け薬を調合しておきます。素材は学内で手に入るものなので気にしなくて大丈夫です。これはノクターン横丁に入るための薬ですね。純血なら親同伴で入れるのですが、親が忙しかったりそもそも親がノクターン横丁に用事がないと付き合ってくれなかったり、とにかく乱数に左右されてしまいます。もし使わなくても経験値は手に入るので微ロスですが安定を取りました。

 

 リドル君がいると魔法薬の調合にも補正が入るので、確定で作れるのがいいですね。

 

 今回は魔法薬学得意ではないので魔法薬の作成はこれっきりです。二人で覗き込みながら教科書を手に鍋を回す様子は微笑ましいですね。ここだけ見ればただの真面目な学生二人って感じなんですが。

 

 さてクリスマス休暇に入りました。ホモ君はお家に帰ります。じゃあな!

 

 帰ったらクリスマスプレゼントの購入を理由にダイアゴン横丁からノクターン横丁に行きましょ。ん、親は同伴してくれるみたいですね。老け薬を飲んだときに見れる主人公の老人グラフィック割と好きなのですが、今回は見れませんでした。

 

 わざわざノクターン横丁に行って買いたいのは透明マントでもキャビネット棚でもなく、魔法界の脱法モンエナ魔法薬ことバルッフィオの脳活性秘薬です。

 

 ここまで来て魔法薬ってマジ?って感じですが、下級生のうちに必要経験値を稼ごうとしたら必須です。バフはRPGの基本ですよ。これRPGじゃないけど。

 

 経験値を上げるドーピングアイテムは作るより買ったほうが圧倒的に早い、安い、うまあじ。それにノクターン横丁なので違法スレスレのドーピングをキメれます。ダイアゴン横丁で買う奮起薬はデカビタでノクターン横丁のはガチ魔剤です。ここぞとばかりに純血の坊ちゃんの資金力を見せつけてやりましょう。

 

 親はホモ君が買い占めているのを栄養ドリンクを買ってる感覚で勉強頑張ってるのねってのほほんとしてますね。節穴すぎる。そのままの親でいて。

 

 じゃあ本来の目的であるクリスマスプレゼント買いましょ。

 

 ホモ君は魅力のせいでオートにしててもけっこうな人数とクリスマスプレゼントを贈る関係になってます。プレイの都合上同級生より先輩のほうが多いので全力ごますり感が否めないですが、実際半分は当たっている。耳が痛い。プレゼントなんて一括で送ってしまいたいですが、リドル君が選択肢に出るまで地道にプレゼントを選びましょう。ブラック、ブラック、エイブリー、ゴイル……リドルはRだからこういう時面倒ですね……マルフォイ、マルシベール、ポッター……ポッター!?ちょ、かなり珍しい名前が出ました。交友関係の欄を見るにグリフィンドールのフリーモント先輩とは、図書館で本探しを手伝ってもらっただけの関係らしいです。変なフラグ踏んでたことになってなくてよかった。お礼を込めてクリスマスプレゼントとか良い子かよお前。RTAの都合でこんなもの!こんな、蛙チョコなんて!しか送れないのが心苦しいですね。

 

〈今年はトム・リドルに随分と世話になった。感謝の気持ちを込めてクリスマスプレゼントを選ぼう〉

 

 今回は資金に余裕があるので迷わず格別の贈り物を選択。

 

〈彼の好みは……魔法具だろうか〉

 

 趣向を凝らした贈り物だと追加で好感度が入るので手を加えてプレゼントしましょう。変身術得意を利用してプレゼントにラッピングを施しておきます。一方リドル君からのクリスマスプレゼントはありません。苦学生にたかるのはやめようね!

 

 ホモ君は家族団欒で休暇を過ごしますがどうでもいいので飛ばします。クリスマスプレゼントも好感度が知り合い〜友人程度ならRTAで使えるものはないので無視だ無視。家のしもべ妖精に処理を頼みます。

 

 ん、オート止まったな……?大丈夫か大丈夫か?強制イベントのようです。このタイミングだと家関連ですがなんでしょう。

 

「お前は立派な男に成長した。私はお前なら家宝を任せられるだろうと判断した。受け取りなさい」

〈モシットー家の家宝、【時詠みの懐中時計】を手に入れた〉

 

 家宝イベントを引いたみたいです。ふざけんな!(声だけ迫真)  36秒のロスです。その上捨てられないので手持ちを圧迫する、呪いの装備みたいなもんです。痛いですねこれは痛い。モシットー家の家宝イベントはノータッチだと4%の確率でしか貰えないので運が悪い。家宝イベントは純血の子息だとたまに発生します。モシットー家の家宝はただの懐中時計なので使える要素はありませんが。

 

 家によっては便利なものを貰えるんですが、ポッターの透明マントぐらい便利じゃないと短縮要素にはなりません。家宝というと原作の呪いの子で猛威をふるったルシウス蒐集後マルフォイは無限の可能性を秘めています……が、それをRTAをやるには求められる運とフラグ管理と判断力が人間の域ではないのでTASさん専用です。まず1週目でマルフォイ関連の人間になってそこから家宝を掘り出さなきゃいけないからね。

 

 さ、ホグワーツに帰ってまたお勉強しようぜ。

今度からは買った魔剤をキメて取り組みます。変態魔剤中毒者だとバレないように自室でこっそり飲んでおきましょ。

 

 あぁ^〜たまらねぇぜ。魔剤で経験値がドバーッと入りますね。

 

 ホモ君にはずっと薬漬け勉強漬けの青春を送ってもらいましょう。ホモ君には青春イベントも季節イベントもなにも関係ありません。オート中に可愛い女の子から告白されてますが断ってます。すまないがホモ以外は帰ってくれないか!同性愛だから勝手に断ってくれるのが指の関節にやさしい。

 

 おやリドル君は決闘の練習がしたいそうです。思いっきり校則違反なんですがそれは……。

 

 あ、いっすよ(快諾)

クリスマスプレゼントで好感度が稼げてる証拠です。

 

 決闘はお辞儀が大事。お辞儀をするのだポッター。

 

 肝心の決闘はどうあがいても勝てないので、経験値のために最初は強く当たって後は流れで。善戦すると調子に乗って……

 

サーペンソーティア(Serpensortia)

 

 よし、使いましたね。そのまま命令のためにリドルが使った蛇語を皮切りに戦闘は強制終了。蛇語に驚いて杖を下げてしまい、リドルの勝利に終わりました。ホモ君のあまりのドン引きに自分から使っておいてパーセルマウスは珍しいの?って驚いた顔をして聞いてきます。

 

「やはり蛇と会話できるのは魔法界でも稀なのか?」

 

〈「得難い才能であることは間違いないだろう。かのサラザール・スリザリンも同じ能力を持っていたという」〉

 

 ってことでリドル君のご先祖探しのイベントですね。蛇語は遺伝だよって言ってしまうと早期に秘密の部屋が開きますので、してはいけない(戒め)

 

 道具にされるような間違えた好感度稼ぎをしていると出ないイベントなので一安心です。2年生の末までに出ないならまずオート中にアカン行動をしてるのでリセットです。

 

 

 学年末試験は全部100点を取ります。リドル君に100点以上の点数を出されるので一位にはなれませんが、ご機嫌取りには効率が良いので点を取っておきましょう。トム・リドルもダンブルドアも優秀な人間を好みます。

 

 試験は呪文を使ったり筆記の選択肢を選んだり、珍しくRTAとしての技量が問われます。

 

 画面だと試験の操作が簡単そうに見えますね。学年末の試験は区間走しまくって、それでもやっぱり世界一位兄貴とは実力の差が大きく出ます。世界一位兄貴が闇の帝王殺害レギュを走った時はトム・リドルを抜いて学年一位を取ってますからね。リカバリも難しいリスクに合わない2F入力を安定とか人間じゃねぇよ。

 

 試験も終わり、一年生が終わりました。試験結果は2位でした。操作ミスがないのに表彰台に上がれないならステータス不足なのでリセットです(8敗)

 

 得意科目の変身術は学年一位を取れたのでダンブルドアからの評価が大きく上がりました。これは嬉しい。学校が再開して早々にイベントが起こせそうです。

 

 次年度の買い物のついでにまた魔剤を補充しておきます。一年生の時はガンマキリでしたが、あんまりキメすぎても肉体が壊れていくので、結果的に購入量はそこそこ止まりです。購入資金が足りない場合は学校で悪戯グッズやらを売って稼ぐこともありますがホモ君は純血の坊ちゃんなんでネグレクトされてない限りは買えるでしょう。ホモチャートではネグレクトされてた場合家の中にタイム短縮に使えるものがないとリセットしてます。

 

 

 二年生が始まりましたがやることは変わりませんね。世間的には二年生に上がって早々に第二次世界大戦が勃発して、マグル生まれの子が騒いだりしてます。なおリドル君は知ったこっちゃないとばかりに過ごしてます。そういうとこやぞ。

 

 

 

 予想通り最初の変身術の授業でダンブルドアに残るよう言われました。ダンブルドアはリドル君とつるんでるホモ君にも疑いの目を持つようになるので、光の陣営に寄せた回答をして疑いを晴らします。こ↑こ↓で最初の時に少しだけ稼いだ光の陣営ポイントがクッソ効いてきます。

 

「スラグホーン先生が嬉しそうに話してくれるんだが、最近よくリドルと勉強してるそうだね。彼は私が入学案内の手紙を渡した少年でね。マグル生まれということもあって——彼にしてみればお節介だろうが——少しばかり様子を聞きたいんだ」

 

〈「そういえば、スリザリンの同級生に生まれで絡まれていることがありましたね」〉

 

「それは大変だ。そんな生徒がいるなんて、こちらでも注意しておこう」

 

〈「ありがとうございます。驕りの過ぎる純血主義は見ていても不快ですから」〉

 

 かなり際どい回答を選択。もちろんホモ君はガチガチの純血主義の子供ですし、ホモ君自体も例にもれず質問の回答には純血主義者らしい選択肢が並びます。しかし先程異色の選択肢が一個現れましたね?光の陣営寄りかつ同性愛者だからこそ選べる選択肢です。お茶を濁すのにぴったり。

 

「リドルに()()()()()()()()()があったら遠慮なく言ってくれ」

 

〈「()()()あれば、その時は報告します」〉

 

「ああ、そうしてくれると嬉しいよ」

 

 

 はい、やり過ごしましたね。ダンブルドア先生のホモ君への警戒度は下げつつ、リドル君への警戒度は上げすぎないけど下げはしないようにコントロールしましょう。

 

 ちょっと早いですが、今回はここまで。

次回はホモ君がリドル君に惚れるところからスタートです。

 

 


 

 

  未成年の魔法使いが学校の外で魔法を使うことはできない。もし魔法の探究を望むのなら問題になるような行動は慎まなくてはならない。新入生としてホグワーツにやってきたトム・リドルは、常軌を逸した演技力によって持ちうる悪辣な本性を隠し通していた。

 

 しかし、努めて優等生らしく振舞うトム・リドルの栄華を邪魔するかのように注目を集める生徒がいた。

 

 その男は極めて勤勉で教師の覚えもよく、朴訥でありながらも抜け目なく自然とスリザリンに馴染んだ。ただ、トム・リドルの並々ならぬ観察力によってのみ、友を作ろうとはしない態度が違和感として残った。

 

 スリザリンの中には彼の取り巻きを希望するような行動を起こすものもいたが、相手にも気づかれぬようにやんわりと煙に巻いて距離を離す。談話室では同学年よりも上級生と話をしていることのほうが多い。当初、彼の秀でた頭脳では同級生と会話をすることに意義を見いだしていないのではないのかという見解を持ったリドルだったが、最終的にその評価は間違いであった。

 

 それを理解したのは馬鹿な人間がリドルに絡んできた時だ。どうやってうるさいハエを処分しようか考えを巡らせていたリドルを遮って、彼は馬鹿を転ばせた。

 

 まるで、僕が助けられたみたいじゃないか。

 

 リドルは能力なら間違いなく自分のほうが優っているという確信があった。彼が使ったウィンガーディアム・レビオーサの発音もまだ甘い。

 

 なのにトム・リドルの持ちえない生まれという一点で、明確な上下関係を敷かれたような瞬間。彼のしたお節介は、一瞬にして燃え上がるような憎悪に近い怒りをリドルにもたらした。

 

 リドルは感情のままに顔を睨んだ。しかし目線は交わることもなく、彼はそのままこともなげに去っていった。去り際に見えた横顔には義憤も憐憫もない。施しに思えた行動だったのだが何の感情も見えてこない冷たい表情に惑う。

 

 別の足音がして、ダンブルドアがこちらへ歩いていたことに気がつく。そこでやっと彼がこちらを見るダンブルドアに気づいていたということを察した。

 

 無視するのは優等生らしからぬ行為だが、本当の優等生ならばなにか説教じみたことを言い出すだろう。

 

 彼の目は空虚でしかなく、他者を慮る心を持ち合わせているようには思えなかった。優等生の上っ面を整えるための一振りに過ぎなかったのだろう。

 

 よくよく観察すれば年上と話す時——たとえ教師を相手にしていようとも、その男の目は冷めていた。同級生に心を開かないわけではなく、最初から誰にも心を許してはいないのだ。

 

 トム・リドルにはその男が孤独ではなく孤高に見えた。自らの成り立ちに他者を必要としない姿が、どこか自分と似通っているように映った。

 

似ていると他者に感じたのは生まれて初めてだ。

 

 一緒に勉強をするようになるとは思いもしなかった。彼の無駄口を叩くこともない静かで真剣な様子は、寮で上辺としてこしらえた同級生や先輩と暮らす姿とは違っていた。もし彼を知る者がリドルと共に勉強をする姿を見れば、表情の無さに驚いただろう。

 

 彼と共に勉強はするが、定型化した友達のような関係ではない。

 

 会えば挨拶を交わすが共に食事は取らないし、雑談もしない。互いの領域に踏み込ませはしないし踏み込むこともない。共に横に並ぶんではなく共に孤立している。

 

 奇怪だが、悪くはない。そう思えることすら意外だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 魔法界で迎えるはじめてのクリスマスはトム・リドルになんの感傷を与えることもできなかった。ただクリスマスプレゼントとして送られてきたものの中にあった一枚の紙だけが、トム・リドルの口の端を吊り上げさせることに成功した。

 

 真っ白なカードからはクリスマスらしさというものが一切感じ取れない。定型的なメリークリスマスの言葉どころか差出人や宛先の名前すら記載されていない。

 

『親愛なる友へ』

 

 短く金色のフラクトゥールで書かれていただけだった。そのくせ誰からのプレゼントかは即座に理解できた。退屈そうな目をした男が考えそうなことは容易に想像がつく。

 

リドルは杖を当てて、小さく唱えた。

 

スペシアリス・レベリオ(Specialis Revelio)

 

 呪文を使うと、たちまちクリスマスカードからは水が染みだした。水はカードの文字を拐い、文字を閉じ込めながら球状に変化した。残ったカードは厚紙から金属製の丸い台座に色と形を変えて、中央にだけ軸を伸ばし、その上に水の球が収まる。

 

 水の中に浮かんだ文字は地名らしく、その証拠にゴドリックの谷やらアメリカ合衆国魔法議会やらの文字がある。やけに凝った作りの地球儀だった。マグルでの一般的な地球儀と比べるとかなり小さい。中央に鎮座しているのは手のひらほどの大きさだ。水の球はボールのように持つことができて、指を入れても割れたりはしない。

 

 アグアメンティを唱えれば水の球は体積を増す。ブラッジャーほどになったのを浮かせて回し、魔法界の地球儀を眺めた。マグルの地球儀と比べて場所も大雑把で地名も少ない。しかし、面白くないわけがなかった。金の文字を浮かべる水の球は美しく、山脈の凹凸を生む細波は光を絶え間なく反射する。

 

 憎らしいほどに見事なクリスマスプレゼントすら、他者を踏み込ませないくせに取り入るのが上手い彼らしいのだから憎めない。

 

 水で形作られた魔法世界をその手に納めながら、トム・リドルは友を思い浮かべて薄く笑った。

 

 


 

 

 

 おま○け的画面外過去

 

 

 

 

 

 

 

 

 ドイツの山間にひっそりと聳え立つ屋敷が、一年に一度の賑わいを見せている。聖夜を前に小さな子供たちは雪の積もる庭で遊んではしゃぐ声を森に響かせた。おもちゃ遊びという年ではない子供たちは箒に乗っていたが、高く飛びすぎないように言いつけられていたので木々の間を縫うように飛んでいた。

 

 親族だけが立ち入ることを許される屋敷は幾重もの魔法で外界と遮断されている。煙突飛行ネットワークにすら登録されていないので、訪れるにも姿現しかポートキーを利用するしかない。

 

 親族で唯一国外に住んでいる夫婦とその一人息子が、案内役のしもべ妖精を伴って遅れて姿をあらわした。荷物を詰めすぎて少し歪んでいるトランクを玄関に音を立てて置く。到着するや否や夫婦は大人たちが集まっている部屋に駆けた。

 

 いつもは過保護なほど息子に干渉してくる両親だったが、屋敷で好きに過ごすようにとだけ言い残して扉を閉める。皆が真剣な顔をして話をしている様子がちらりとだけ見えた。剣呑な空気に違和感を持ち扉に耳を傾けたが、魔法がかけられているのか音はしなかった。もし杖があれば手段があったかもしれないが、未就学の子供にできることはない。突っ立っているわけにもいかないので踵を返すしかなかった。

 

 

/

 

 

 

 暖炉に近いソファに座るシワだらけの老人が、重厚な目線で一族を見渡した。会合は時間をかけて過熱している。室内もまた蒸し暑くなっていた。杖を振るまでもなく、黙したまま魔法で暖炉の火を緩やかにしながら話の行方に耳を傾けていた。

 

「グリンデルバルドの才覚は本物でしょう」

「彼はその目で未来を識っている。どこまで正確かは知らないが、世情は彼の話が嘘では済まされないところまで来ている」

「マグルにはほとほと呆れたぞ!世界中を焦土にするほど短慮だったとは」

「予見された戦いは近づいている。今度も無事で済むなどという甘い考えを持てるなら、そもそも台頭しては来なかった」

「考えには反対だわ!魔法界が人間界を支配ですって!?なぜわたくしたちがマグルの世話をしなくてはならないの」

「闇祓いの動向はどうなってる?」

「グリンデルバルドどうこうの状態じゃないですよ。人間界のせいで大混乱……魔法省の弟に説明させましょう」

 

 そう言った男は手にした煙管から深く吸い、密度の高い白い煙を吐いた。煙は人の顔と思わしき形になり、怒りの表現を浮かべる。

 

「くそったれ!穢れた血どもめが!この繁忙期に好き勝手魔法を使いやがって!……あれ?そうだ、その、会合の日でしたね……。失礼、お見苦しいところを」

「いいえ、お気持ちはよく分かりますわ」

 

 話の先を促されると、白煙は混乱したドイツ魔法省の様子をありありと語った。国家社会主義ドイツ労働者党がユダヤ人にした行いは魔法界にまで影響を及ぼしている。たとえ人間界基準でユダヤ人に分類されようとも魔法族のユダヤ人は気にも留めないが、それがマグル生まれだと話は変わってくる。不当な扱いを受ける親族を救いたくてインペリオを使用した、マグル生まれの魔法族を捕らえるために闇祓いが出張している有り様だ。

 

 第一次世界大戦以降、マグル生まれや半純血による、そういった人間界への"正義"の行いが後を断たなかった。マグルと関係のある部署はマグル生まれが希望することが多い。今のドイツでは魔法界の存在を秘匿する誤報局の人間が、立場を悪用して正義に酔う始末だ。その義憤のために魔法族全体が危険に晒されるかもしれないのに。

 

 今や魔法事故惨事部だけでなく魔法省全体がマグルの世界に目を向けざるをえない。闇祓いは本業である闇の魔法使いを追いきれないでいた。

 

 自国の闇祓いはあてにならない。現状を言い表した端的な一言で空気がずんと重くなる。

 

「対抗できるのはダンブルドアだけだ……そっちで情報はあるか?」

 

 もっともダンブルドアに近い場所に住む夫婦に声がかかったが、首を振るだけだった。

 

「そちらに広まっているのとあまり変わらないよ。ダンブルドアは裏で手を回すことはあっても表立っては動く気配を見せない。闇祓いが必死になってるけどね。スキャマンダーには同情するよ」

「グリンデルバルドは賢い。利となれば、これまで通り恩恵は望める」

「そうだろうとも!彼は素晴らしい"闇の"魔法使いだ!」

「恐ろしいことですわ……」

「アレが世を支配してみろ!今は手を取り合う兄弟のようなフリをしているが、すぐにでも権力を振りかざして好きに振るまうぞ!その時になってから嘆いても遅い!」

「レストレンジの娘を見なよ、敵対すれば由緒ある純血でも関係なし、容赦なしだろ?彼がマグルを支配するのに飽いたらどうなるか……おお、恐ろしいね」

「だが彼奴に敵対した者の末路は知っておろう」

 

 会合の始まりから口を閉ざしていた老人がひとたび口を開けば室内は静まり返り、一族全ての瞳が一つに向けられた。

 

「モシットー家はグリンデルバルドに味方する。これは覆しようのない決定事項である。嘆かわしいことに信ずるに値するものは血の結束しか残っておらん。もはや正義だ悪だはクソの役にも立たん」

 

 反対の声はなかった。窓から斜陽が差す。外の子供も屋敷へ帰ってくる時間だ。

 

「……しかし、一つだけの結束では脆かろう。それ、やんちゃな末息子はマグル生まれと結婚したがっていたな?」

「教育が行き届かず、恥ずかしながら」

「よい、よい。この時代にはそこまでの貫く意思が必要じゃて。相手の娘は金に困った適当な純血の家に戸籍を移しておこう。しかし人は話をするものでもある。北米にでも就職してもらおうかの」

 

 老人が杖を振ると絵画が横に避け、金庫が現れた。のっそりと亀のように立ち上がり、持っていた杖を鍵穴に刺す。バターのように金庫の扉が溶けて、古書や羊皮紙の丸まったの、高さや大きさの異なった箱たちが、久々に埃っぽい空気から解放された。老人は中にあった箱の一つを抱えるように取り、末息子に授けるよう言いつけて渡した。それから老人はもう一つの小箱を取って、これまでダンブルドアの動向を渡してきたイギリスの夫婦に身体を向けた。夫婦は聡く、言わずとも察した顔をしている。

 

「そなたら一家はモシットーの中で孤立せよ。グリンデルバルドに与せず、ただブリテンの地にて全てを静観し、息を潜めよ。血を絶やすでない。何を言われてもこちらへ来る時に勘当されたと主張せよ」

「謹んでお受けしましょう」

「さて、儂の持つこれを餞別としようかの」

 

 はこから老人が取り出したのは、鈍く金色に光る懐中時計だった。複雑な魔法を秘めた時計は家宝として扱われるにふさわしいものであり、夫婦はそれを恭しい態度で受け取った。男系を重要視している一族の家系図をなぞると、長子の枝先に2組の夫婦が残っている。うち片方は子供に恵まれなかった。次の世代は、夫婦が繋いだ幼い一人息子が背負っている。血を継ぐに相応しいのはこの夫婦とその一人息子だと、懐中時計をもって密やかに告げられたのだ。

 

 時は限りある財産である、という一族の家訓を表すように懐中時計は小さな音をたてて針を動かしていた。

 



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