にじさんじ高校の日常 (あんこてんてー)
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第1話 初登校

桜が咲き始める3月下旬に私たちメイフ3人はにじさんじ中学校を卒業した。

そして桜が満開になる4月はじめ、にじさんじ高校に入学する。

 

 

「教室、教室」

 

そう言いながら私は教室を目指した。

 

私は今年からにじさんじ高校の1年2組に通うことになった。

事前にふれんとムーさんにどのクラスになったのか聞いてみたところ2人とも2組だと言っていた。

 

「今年もメイフで仲良くできそうだな~」

 

メイフとは、中学生の時によく3人で話していたところを周りの友達からメリッサのメ、イブラヒムのイ、フレンのフでメイフと呼ばれていたのだ。

 

あれ?どこだろうここ。

投稿初日からもう迷子だ。

あたふたしていると、後ろから声をかけられた。

 

「あれ?新入生?迷子かな?」

 

振り返るとそこには黒髪が腰ぐらいまでのびていて私より少し背の低い女性がいた。

 

「はい、すいませんちょっと迷ってしまって...」

「よし、(わたくし)が教室まで連れて行ってあげよう!で、何組なんだい?」

「2,2組です」

「わかった!ついておいで!」

「お、お願いします」

 

よかった...これでなんとか教室に行ける。

そのままその人の後ろをついて行くと。

 

「ここだよ」

 

見るともう教室の前まで来ていた。

 

「ありがとうございました」

「うん、じゃあ!」

 

そう言って来た道を戻っていった。

 

ドアを開けて中に入ると、10人ぐらい人がいた。

 

「あ、メリー!こっちこっち!」

 

その中にふれんとムーさんもいた。

フレンのいる方に言ってみる。

 

「おはよう、フレン」

「おはよう、メリー」

「メリーの席、私の後ろだよ!」

「ホント!?やった~」

 

なんとフの後がメだったらしい

 

「よお、メリッサ」

「あ、おはようムーさん」

「結局またこの3人で同じクラスになっちまったな」

 

中学2年生から同じクラスだったのでこれで3年目というわけだ。

 

「そうだね、また楽しくなりそうだね」

 

ふと黒板を見ると入学式までの予定が書いてあった

8:45~ HR

8:55~ 体育館移動

9:00~ 入学式

 

時計を見るともう8時42分だった。

 

「ムーさん、もう席つかないとじゃない?」

「ん?あぁ、席もどるわ」

 

そう言ってムーさんは席に戻っていった。

次は前から声をかけられた

 

「メリー、先生どんな人だと思う?」

「んー、変な先生じゃないといいな~」

 

ガラガラァァ

音がした方を見ると先生と思われる人が入ってきた。

 

「はーい、ホームルームはじめるから席ついてー」

 

話していた人たちが席に戻っていった。

 

「今日からあなたたちの担任になりました数学教えてる郡道美玲です、よろしくね~」

 

綺麗な先生だ。

 

郡道美玲の素顔を知るのはまた後のお話

 

そのまま今日の予定などをざっと話した後

 

「じゃあ体育館移動まで時間あるから楽にしてていいよ~」

 

と言われたので遠慮なく話させてもらうことにした。

 

「フレンは部活か委員会入る?」

「私はね、部活はまだ悩んでるけど、委員会は入ろうかなって思ってるよ」

「ないなに?どの委員会?」

「図書委員会だよ、楽しかったし」

 

ふれんは中学生の頃に図書委員会に入っていたのだ。

 

「メリーは?」

 

と聞かれた。

 

「私はね、全然考えってなかったなぁ」

「そっか、なんかいいの見つかるといいね」

 

すると

 

「はーい、じゃあ時間なんで移動しまーす。廊下に出席番号順でいいんでそのまま並んでくださ~い」

 

と、郡道先生が言った。

教室中で「いくか~」「緊張する~」などと聞こえてきた。

 

「フレンは入学式緊張する?」

「いや全然、むしろ楽しみだよ!」

 

 

 

どうやらフレンは緊張していないらしい、私はちょっと緊張しているのだけれど...

 

「はーい、行くよー、私語しないでね」

 

そう言われ静かになった。

先生の後ろをついていくと体育館の入口まで来た。

先生の前の方を見るともう1クラスいたようだ。

 

「それでは、新入生が入場なのだ~」

 

と体育館の中から聞こえてきた。




果たしてあの声の正体は...?


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第2話 入学式

「新入生の入場なのだ~」

 

!?

私は必死に笑いをこらえた。

フレンを見ると肩が震えていた。

ムーさんを見てみると口を手で抑えて肩を震わせて笑ってるのがわかった。

周りの人も同じように肩を震わせたり、口を抑える生徒が多かった。

そして今これが郡道先生が言っていた笑ってはいけないという事だったのだろうとわかった。

 

「1組の入場なのだ」

 

そう言われて1組は歩き始めた。

その中にはまだ肩の震えている人もいた。

 

「2組の入場なのだ」

 

ついに私たちの番だ、真顔を取り繕いながら歩いていく。

笑うのをこらえるのに大変で気付かなかったが吹奏楽部が演奏していた。

さっきの声は誰なのかと思い顔を動かさず目だけで探すとマイクの前にひとりの少女が立っていた。

よく見ると両目の目の色が違う...オッドアイってやつかな?

あの人がさっきの...?

席までつくと先生が合図をだし、座った。

 

「ご起立なのだ、ただいまより令和2年度にじさんじ高校入学式を始めるのだ、着席するのだ。」

 

あの先生は語尾に「のだ」を付けるしイントネーションが面白いなぁ。

 

「まず最初に1年生の担任を紹介するのだ。1年1組郡道美玲(ぐんどうみれい)先生、郡道先生は数学を教えてくれるでよ」

 

すると郡道先生は立ち上がり一礼した。

 

「次に1年2組神田笑一(かんだしょういち)先生、神田先生は国語を教えてくれるのだ」

 

神田先生も郡道先生と同じように立ち上がり一礼した。

 

「以上で担任紹介は終了なのだ、続いて校長先生のお話です」

 

なんとステージに登壇したのはコアラにツノが生えたような浮いているひとが来た」

 

「うむ...新入生諸君おはよう、にじさんじ高校校長の魔界の悪魔でびでび・でびるだぞ」

 

 

魔界の悪魔?

 

「本校は最近できたばかりの新しい学校で歴史もほとんど無いが、その分沢山の新しいことをしている。例えば知っている人もいると思うが本校はeスポーツ部もある、扱っているpcのスペックも高いんだぞ、とまぁ最新の物が沢山ある、そして『文武両道』これが本校の教育方針なので頑張るように、以上」

 

全校生徒が拍手した。

やっぱり降壇するときも浮いていた。

とりあえずこの学校がすごいらしいのがわかった。

楽しそうな部活入りたいなぁ。

 

「以上をもちまして入学式を終了します、1年生退場」

 

すると入場と同じように吹奏楽部の演奏が始まった。

私たち2組が座っている方に郡道先生が来て合図を出し私たちは体育館を退場して教室に戻った。

 

「は~い、お疲れさまでした。では配布物を配って今日は下校です」

 

そう言って先生はプリントなどを配り始めた。

 

「じゃあ今日は終わり、起立、礼、さようなら~」

 

「「「さようなら~」」」

 

そうして今日の学校は終わった。

 

「メリー」

「ん?」

「帰りカフェよっていかない?」

「いいよ!」

「じゃあイブちゃんも誘うか」

 

そう言って2人はイブラヒムの方へ行った。

 

「イブちゃん今日カフェよってかない?」

「ん?いいぞ」

「で、どこ行くの?スタバ?」

 

と私は聞いた。

 

「んーとね、登校してくるときに見つけたんだけど『とこカフェ』ってのがあったんだけど、初めて行くんだけどいい?」

「いいよ!」

 

そんな話をしながら3人は昇降口に行った。

学校を出てフレンが言った。

 

「多分学校出て3、4分ぐらいなんだよね」

 

学校は駅から10分程度なので学校からは近いようだ。

しばらく歩くと。

 

「ここだよ」

 

どこか古風な雰囲気があるカフェだ。

 

「じゃあ入ろっか」

 

内装は木を使った和風のような感じで、席はバーカウンターのような席とテーブル席の2種類あるようだ。

 

「いらっしゃいませ~、ご注文はお決まりですか?」

「じゃあ私はこの苺クレープで、メリーとイブちゃんは?」

「私は紅茶のアイスで」

「んー、俺はカフェオレのホットで」

「かしこまりました、合計650円です」

「付き合ってもらったし私が払うね」

 

と言ってフレンが支払った。

 

「650円ちょうどお預かりします、番号札1番を持ってお待ちください」

 

フレンが番号札を持ってテーブル席へ向かった。

後ろから「とこちゃーん苺クレープと紅茶アイスとカフェオレホット~」と聞こえた。

少し待っていると「1番のお客様~」と呼ばれフレンが立ち上がった。

 

「私行ってくるね」

「ありがと~」

「頼んだ」

 

と2人は言った。

 

「番号札お預かりしますね、ご注文の品です、ほな、ごゆっくり」

「ありがとうございます」

 

と言って受け取り席に戻ろうとした。

 

「ん?その制服... にじさんじ高校の制服?」

 

そう言われ戻ろうとして背を向けた体を戻して言った。

 

「はい?そうですけど」

「やっぱりなぁ、うちもそこ通ってるんだよ~」

「そうなんですか!?」

「うん、うちは戌亥とこ2年生、あんたは1年生かな?」「はい!フレン・E ・ルスタリオって言います!」

「そうかフレンって言うのかちなみにさっき接待したのもうちと同級生だよ」

「そうなんですか」

 

2人の会話が進むなか席で待っているメリッサとイブラヒムは...

 

「なぁ、メリッサ」

「ん?」

「フレン長くねぇか?」

「そうだね、なんか店員さんと話してるみたいだけど」「まだ話すのかぁ?じゃあスマブラしよ」

 

そう言ってカバンからswitchを取り出した。

 

「あー!ムーさん学校にゲーム持ってってたんだ~」

「いいじゃねーかよ入学式ぐらい、別に学校でやったわけじゃないんだし、メリッサもやるか?」

「うん!やるやる」

 

しばらくやっていると。

 

「いや~、お待たせお待たせ、店員さんが先輩らしくってちょっと話しちゃった、はい、メリーの紅茶、イブちゃんのカフェオレ」

 

フレンは2人の前にそれぞれ置いた。

 

「「いただきます」」

「美味しい」

「うま」

「へ~、じゃあ私も食べよ」

 

フレンがクレープを一口食べた。

 

「美味しい!あ、そうだ2人は部活か委員会は入るの?」「俺は~、eスポーツ部見学しに行こうかなって考えてる」

「ムーさんゲーム好きだもんね」

「おう、どんな強いやつがいるのか楽しみなんだよな、メリッサは?」

「私はまだ考えてないやフレンは?」

「私は中学の時もやってた図書委員会入ろうかなって思ってるけど」

「そういやバイトとかするか?俺は一様やろうと思ってるけど」

「え?なになに?ムーさん何やろうとしてるの?」

「いや、俺は近くのマックでバイトしようと思ってる」「いいね、ムーさんがシフト入ってるときに私たち行くよw」

「なんで笑うんだよ、それより2人は?」

「んー、私はここでバイトしてみようかな?とこ先輩もまだバイト募集してるって言ってたし」

「私も!ここの紅茶美味しいし」

「いいね!2人でお願いしてみるか」

 

その後も世間話に花を咲かせた。

 

「結構時間たったね、今日は帰ろうか」

 

とフレンが言った。

 

「そうだね」

「そうだな」

 

荷物を持って店を出た時には青かった空が茜色の空に変わっていた。

駅に行った3人は電車に乗り3つ隣の駅で降りてそれぞれ帰った。

 

 

「ただいまー」

 

家に入るなりそう言ったが、返事は返って来なかった、その代わり飼っている猫が迎えに来てくれた。

 

「ただいま~、にゃんレンカ~」

 

と頭を撫でた。

にゃーお

「お帰り」と言われた気がした。

にゃんレンカを抱き抱えたまま部屋に向かった。

にゃんレンカをベッドに下ろして私は制服から部屋着に着替え、椅子に座りpcを起動させた。

別にゲームをしようとしているのではなく、歌を歌うのだ、最近は自分が歌った歌を、動画サイトにupすることも度々ある。

 

「今日は何を歌おうかな?」

 

そんな独り言を呟いていたらにゃんレンカが膝に乗ってきたので撫でた。

 

「今日はこれ歌うかな」

 

日が暮れ、星が見えるような時間になるまで歌った。

 

「ふ~、疲れた~」

 

歌い終えた喉を潤すために冷蔵庫にお茶を取りに行った。

ガチャ

玄関のドアが開いた。

 

「ただいまぁ~」

 

お姉ちゃんが帰ってきたようだ。

 

「お帰りー」

「メリッサまた歌ってたでしょ」

「うん」

「喉のケアちゃんとするんだよ」

「承知!」

「ご飯作るからちょっと待ってて」

「うん」

 

なんで歌ったのわかったんだろ...

それから少したってから呼ばれた。

 

「メリッサご飯だよ~」

「はーい」

 

今日のご飯は麻婆豆腐だった。

 

「「いただきます」」

「お姉ちゃん」

「ん?」

「私バイトしてもいいかな?」

「カフェだよ、今日初めて行ったところなんだけどね、楽しそうだったんだよね」

「ふーん、いいんじゃない?もう高校生だし自分の好きなことすれば?あ、でめハメ外すのはダメだからね?」

「承知!フレンもいるから大丈夫だよ」

「フレンちゃんもいるんだね、イブラヒム君は?」

「ムーさんはマックでバイトするって言ってたよ」

「そっか、楽しくなりそうだね高校生活も」

「うん」

 

そんな話をしていたら食べ終わってしまった。

 

「ごちそうさまでしたー!」「お皿私が洗っとくからお風呂入ってきな」

「はーい」

 

ふ~、今日は面白かったな、メイフでまた同じクラスになるし、入学式の司会の人語尾とイントネーション面白いし、校長先生はなんかコアラみたいだし、これからどんな楽しいことがあるかな?

ふぁぁ

あくびが出た。

お風呂上がって今日は寝よう。 

ドライヤーで髪を乾かし、よくとかして髪は下ろしたままにした。 

 

「お姉ちゃんおやすみ」

 

リビングでテレビを見ていたお姉ちゃんに言った。 

 

「おやすみ~」

 

そのまま部屋に行ってこの日は終了した。




投稿するといってだいぶたち申し訳ない...


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第3話 初授業①

カーテンの隙間から差し込む光を感じて目が覚めた。

チュンチュンと外からは小鳥のさえずりも聞こえてくる。

んー

と一度のびる、そのまま二度寝をしたくなるのを抑えてカーテンを開けた。

んっ

反射的に目を閉じた。

今日の天気は晴れだ、とても春の感じがする。

 

「さて、朝ごはん作るか、の前に顔洗お」

 

洗面所で顔を洗い寝癖をちょちょっと直して後ろに一つにまとめて台所に向かった。

 

「今日は何作るかな」

 

冷蔵庫を開けながらそんなことを呟いた。

 

「今日は目玉焼きとベーコン焼いてパンでいいかな?」

 

冷蔵庫から卵2つとベーコンを取り出して閉めた。

 

「ピュ~ピュ~ピュピュ~」

 

口笛を吹きながら手早くコンロにフライパンを置いて火をつけてちょっと油を入れ、ベーコンを焼き始めた。

ジュ~

ベーコンがそんな音を立てながら焼けるのを待っていると

ガチャ

と、後ろからドアが開く音が聞こえた。

振り向くとニャンレンカを抱えたお姉ちゃんが出てきた。

 

「お姉ちゃんおはよ、もう少しでご飯出来るから食パントースターにセットしといて」

「ん~、わかった~」

 

まだ眠そうだ。

お姉ちゃんは台所に来て戸棚を開けてニャンレンカのカリカリをあげて食パンをトースターにセットした。

そんなうちにベーコンが焼けたのでお皿に盛り付けて空いたフライパンに卵を2つ落とし、ちょっと水を入れて蓋をした。

僕もお姉ちゃんも半熟が好きだから数十秒で焼くのをやめた、それもお皿に盛り付けた。

チンッ

まるで焼きあがるのを待っていたかのように食パンが焼きあがった。

それにマーガリンをちょっと塗ってお皿に盛った。

 

「お姉ちゃんできたよ」

 

とニャンレンカがカリカリを食べるのを見ていたお姉ちゃんに声をかけた。

 

「ん」

 

「「いただきます」」

 

朝食を食べ部屋に戻った。

んー、と一度伸びてから制服に着替え洗面所でいつもの髪型にして準備完了!

 

「いってきまーす」

「いってらっしゃーい」

 

と返されたのを背中で聞きながら家を出た。

んっ

やっぱり今日は晴れてるな。

駅までは5分ぐらいなのでゆっくり歩いていける。

駅のホームに行くとよく知っている人影が見えた。

 

「ムーさん、おはよう」

「ん、おはよ、メリッサ」

「あれ?フレンまだかな?」

「あー、まだ来てねえな、もうすぐ電車来るのに、今頃走ってんじゃねーのか?」

 

その頃フレンは...

 

あー、やばいやばい、入学式の電車は間に合ったからって完全に気抜いてた~。

そう、私フレン・E・ルスタリオは今日寝坊してしまい今、全速力で走っている、あと2分で着く電車に乗らなければならないという事態に陥っている。

間に合え~!

 

場所は変わって駅のホーム

 

「ムーさんは今日部活の見学行くの?」

「あぁー、一応行く予定だけど」

「見学だけど体験とかもできるのかな?」

「わからねぇけど、できるのを期待する」

 

『まもなく電車が駅に到着します』

とホームにアナウンスが鳴り響いた。

 

「あ、電車来ちゃうよ」

「フレンこれ遅刻だな...」

 

と言いながら到着した電車に乗り込む。

バタバタバタバタ...

 

「あぶなーい、間に合った~」

「フレン!」

「遅かったな」

「危なかった~、今日寝坊しちゃってさぁ」

 

プシュー

ドアが閉まっていく。

 

「お前昨日何時に寝たんだよ...」

「昨日は...あ、今日か?」

「えーとね、3時ぐらいだったかな?ずっとマリオやってた!」

「もっと寝ろ!」

「そうだよフレンそんなことしてたら授業中居眠りしちゃうよ?」

「うん、気をつける~」

 

とフレンは決意を決め、電車に揺られ始めた。

電車を降り改札を抜けると見覚えのある人がいた。

 

「フレン、あれカフェの人じゃない?」

「あ、ホントだ!」

 

するとフレンが「戌亥せんぱーい!」と言いながら走っていってしまった。

 

「あ、行っちゃった」

「追いかけるか」

「うん」

 

そう言って少し早く歩いて追いかけた。

 

「フレン勝手に行かないでよ~」

「ごめーん」

「お、あんたがメリッサはんか?」

「はい!」

「うん、おフレから話は聞いてるで、うちでバイトしたいんだろ?親御さんから許可はもらってきたのかい?」

「はい!OKもらってきました!」

「そうかい、ほな今日空いてるかな?空いてたら店おいで」

「わかりました」

「じゃあLINE交換しとくか、今スマホ出せる?」

 

と戌亥先輩がスマホを取り出した。

 

「出せます」

 

私もスマホを出して近づけた。

ふりふり

 

「じゃあ登録しとくで」

「はいよろしくお願いします!」

 

そうして6人で登校した。

 

「ねぇメリー」

「ん?」

「今日の1時限目って国語だよね?」

「そうだよ」

 

今日の授業は

国語

数学を

英語

社会

理科だ

 

「それにしてもさ、ムーさんもバイトしないかって言われた時は面白かったなぁ」

「ねー」

 

 

10分前

「へー、おメリって歌うんか」

 

いつの間にか私の二人称がおメリ変わっている

 

「そうなんですよ」

「あれ?イブラ...ヒム君だっけ?」

「え?はい、そうですけど」

「イブラヒム君はおフレやおメリみたいにうちでバイトはせんの?」

「あー、とこ先輩イブラヒムはいろんな人に笑顔を届けたいからマックでバイトするらしいですよ」

「笑顔ねぇ、いいね、頑張ってな?」

「ちょ、ちょっと待ってくださいよ、マックでバイトしたいのはそうですけど笑顔を届けたいってのは違いますよ?」

「そうなんか?でも笑顔届けたそうな顔しとるけどなぁ」

「戌亥あんまりいじめちゃだめだよ?」

 

と赤毛の人が割り込む。

 

「アハー↑わかっとるてンジュ」

 

あぁ、あの人がアンジュさん、じゃあとなりのずっとニコニコしてる人がリゼさんか。

 

「ごめんな?イブラヒム君」

「いえ、全然大丈夫っすよ」

 

 

「いやー、私のとっさのあの返しは天才だったかもしれない」

 

キーンコーン♪カーンコーン♪

「あ、鐘」

「先生来ちゃうね」

 

そう言ってフレンは前を向いた。

ガラガラガラ

先生が扉を開けて入ってきた。

 

「はい、じゃあホームルーム始めるから席ついてー」

「今日から3日間部活の見学があるので部活に入りたい人は行ってみてくださーい、部によっては体験もあるそうです」

 

そして配布物が配ら今日のホームルームは終わった。

先生がいなくなってしばらくして1時限目が始まった。

 

「はい、えー皆さんの国語担当する神田笑一(かんだしょういち)と言います!今日は初回の授業と言うことで先生への質問をしていいですよ、質問ありますか?ただしアウトな質問をしてしまった場合その時点で質問タイムは終了です」

「じゃあ始めますか」

 

何人かが手を挙げた。

 

1人目

「先生って身長何センチですか~?」

「えー、175cmありますよ」

 

2人目

「血液型は何型ですか?」

「A型です」

 

3人目

「好きな色は何色ですか?」

「緑です」

 

4人目

「彼女はいますか?」

「アウトー」

 

教室中にえー、という声が響いた。

 

「はいはい、静かに、ちなみに彼女はいませんよ」

 

それから授業の進め方を言われ先生のちょっとした雑談も交えて国語の時間は終了した。

 

「ねー、メリー、ノートちゃんと板書取って見やすければ高い評価付くって楽じゃない?」

「そうだね、でもテストの点数、授業態度も結構影響するって言ってたからねぇ」

「あー、ちゃんと授業中寝ないようにしないとなー」

 

チラッとイブラヒムの方を見てみると

 

「あれ?フレン、ムーさんもう友達できてるよ」

「ほんとだ、流石だね」

「あとで紹介してもらおっか」

「そうだね」

 

そんな話をしてたら郡道先生が入ってきた。

 

「はーい、みんな授業始めるから席ついてね」

 

号令をして授業を始めた。

 

「はい、改めましてみなさんの数学を教える郡道美玲(ぐんどうみれい)です」

「基本的なプロフィール教えるわね」

 

そう言って何かを黒板に書き始めた。

 

「年齢は20歳で、身長は168cm、誕生日は6月14日です、みんなからの誕生日プレゼント待ってるわよ?」

「じゃあ質問あるかな?」

 

2回目だからか神田先生の時よりも手が挙がった。

大半が男子。

 

1人目

「先生!20歳って本当ですか?」

「ほ、本当に決まってるでしょう!」

 

あれ嘘だな

 

2人目

「先生は料理できまか?」

「もちろんできるわよ?」

「何作れますか?」

「...焼いた食パン」

 

それ料理じゃないじゃーん

と誰かがつっこんだ。

 

3人目

「好きな動物は何ですか?」

「動物は好きだけどアレルギーが凄すぎてペットも買えないのよね」

 

4人目

「先生は彼氏いますかー?」

「いますんよ??」

 

謎の圧を感じた。

その後神田先生と同じように授業の進行、評価の付け方などの話をして授業終了まで先生の趣味の1つらしい旅行の話になりとても面白かった。

ちなみ授業が終わったあとフレンとトイレに行ったのだが流石新学校、めちゃくちゃトイレが綺麗だった。

手洗い場もセンサーのやつだったし手を乾かすやつもあった。

3時限目はついに英語だ...

 

「英語嫌だなぁ」

「メリー英語の成績よくなかったからね」

「うん...先生面白い人じゃないと英語やる気でないよぉ」

 

キーンコーン♪カーンコーン♪

 

「うわ、もう始まるのか...」

「まあ今日は授業でもオリエンテーションみたいな感じなんだし頑張ろ?」

「うん...」

 

授業が始まった。

 

「夢追い続けて27年、みなさんの英語を担当する夢追翔(ゆめおいかける)です」

「えー、じゃあ早速自己紹介ということで、年齢は27歳、誕生日が6月28日で身長が175cm、血液型がA型です」

「あたしからは以上なんですけど質問はありますか?」

 

手が上がったやっぱり女子が多い、そして今回は僕も手を挙げた。

 

1人目

「先生は独身ですか?」

「残念ながら独身ですね、この学校の先生方は大体独身ですよ」

 

意外な事実が発覚した。

 

2人目

僕が当たった。

「先生、なんで袖が無いんですか?」

「これはですね引きちぎられました」

 

3人目

「好きな食べ物は何ですか?」

「もやしです、安くて美味しいから」

 

4人目

「趣味は何ですか?」

「趣味は歌うことですね」

 

へー

という声がどこかから湧いた

 

「そんな珍しいですかね?」

「じゃあ授業の流れ説明していくね」

 

これまた授業の流れ、評価の基準などを言われその後、授業が終わるまでご飯を食べるのが遅い話をされた。

 

「いやー、夢追先生結構面白いかもね?」

「そうだね、英語頑張れるかも!」

「社会はどんな先生なんだろうね」

 

「Hi ジョー児、授業始めるから席についてくれよ?」

 

この先生キャラ濃そうだな...

 

「みんなの社会を担当することになった...」

 

カキカキ

黒板に書かれた文字は ジョー・力一

 

「さあ、何と読むかな」

 

じょー・かー?

他の人たちもジョー・カー!ジョー・カーだろ!

と言っている。

 

「正解は...」

 

カキカキ

 

ジョー・力一(じょー・りきいち)って言うんだ、みんなわからなかっただろー」

「自己紹介といきたいところだが、わたくし教師である以前にピエロなんで自分のことはあまり教えられないから、許してくれよ?」

「まあ教えられることだけ教えようかな、誕生日は10月1日で血液型はA型だね...あ、あとたまに悪い子をさらって教育することがあるので教育されたくない人はいい子にするようにね」

 

自分のことをあまり言えない力一先生も同じように進め方、評価を言われ授業が終わるまで生徒から出されるお題で大喜利をやってこの授業は終わった。

 

「んー、終わったねー」

「もうお昼ご飯の時間か、ムーさんのとこ行って食堂行こっか」

 

そう言って2人はイブラヒムの方へ移動した。

 

「ムーさん食堂行こ?」

「おう、あ、こいつらも一緒にいいか?」

 

指を指した方を見るとそこにはさっきムーさんと話していた男子3人がいた。

 

「どうもはじめまして、弦月藤士郎(げんづきとうじろう)と言います」

「はじめまして、甲斐田晴(かいだはる)です」

「はじめまして、だよな?長尾景(ながおけい)だよろしくな!」

「メリッサ・キンレンカですよろしく」

「フレン・E・ルスタリオです、よろしくお願いします!」

「じゃあお互いの自己紹介も終わったところだし食堂いくか」

 

初めて食堂に来たが意外と広かった。

そしてメニューのバリエーションも豊富だった、流石新学校。

 

「じゃあ僕たち席取りしとくんで先に買ってきてください」

 

と藤士郎はそう言って3人は席を探しに行った。

 

「じゃあ素早く買うか」

「そうだね」

「にしてもメニューたくさんあるねー、あ、カルボナーラある僕あれにしよ」

「俺、醤油ラーメンにする」

「私カレーにしよ」

 

券売機で食券を買い、おばちゃんに食券を渡して、受け取り藤士郎を探した。

 

「ごめんね、待たせたね」

「いえいえ、じゃあ僕たちも行ってきますね」

「いってらっしゃい」

 

3分ぐらいしてから戻ってきた。

藤士郎は唐揚げ定食、晴は焼き肉定食、景は豚骨ラーメンを選んだらしい。

お昼ご飯はお互いの話をして盛り上がった、藤士郎達は3人でVΔLZ(ヴァルツ)と呼ばれていたらしい。

 

「よーしあと1時間で学校終わりだー」

「もうちょっとだね」

「最後は理解か」

「フレン理科苦手だったっけ?」

「ちょっとね」

「まあ高校だから理科も面白くなってるんじゃない?知らんけど」

「そうだね、面白かったらいいな」

 

キーンコーン♪カーンコーン♪

 

「どーもみなさんこんにちは!理科を担当する夕陽リリ(ゆうひりり)ですよろしくね!実は私未来人でして自分のことは喋れるんですけど周りのことは喋れないから許してね。じゃあ早速自己紹介といきますかー、年齢は16歳、身長は162cm、誕生日は1月21日です!じゃあ質問タイムします!」

 

1人目

「なんで先生は16歳なのに高校の教師できるんですかー」

「未来の勉強は進むの早いし、ちゃんと教員免許も持ってますからね」

 

2人目

「好きな食べ物はなんですか」

「豆腐です」

 

3人目

「利き手ってどっちですか?」

「両利きけど基本的右を使うかな」

 

4人目

「普段なにを食べますか?」

「前までゼリー飲料で済ませてたけど最近はちゃんと日本食も食べますよ」

 

その後今までの先生達と同じく進め方、評価の基準を言われて少し未来の話をされて終わった。

 

「ねえメリー、先生未来人って面白くない?」

「凄かったね、本当にいるんだね未来人って」

「私理科頑張れそうだよ!」

「頑張ってね?」

「うん!」

 

今日最後のホームルームが始まった。

 

「連絡としては朝も言った通り今日から部活の見学があるので入りたい人は行ってみてください」

 

「「「さようなら」」」

 

高校生活最初の学校が終了した。

なにもしてないけど疲れた気がする。

 

「ムーさん見学行くの?」

「おう」

「明日感想聞かせてね」

「わかった、お前らもバイト頑張れよ」

 

と言って教室を出てフレンとカフェに向かった。




お待たせ、待った?

ごめんなさい、前回投稿から約2ヶ月ほど経ってしまい反省しています。
不定期と言っていましたがこれからは月1、2話を目指して活動していきたいと思います。

次回もお楽しみに...


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第4話 初バイト

学校が終わりカフェに行くためイブラヒムと別れてメリッサとフレンは学校を出た。

カフェに向かう道中先輩とは出会わず目的地に到着してしまった。

 

「フレン、これ僕たち着いたの早かったかな?」

「これは早かったかもね...けど中電気ついてるよ?」

「開いてるのかな?」

 

と言って扉のとってを握りすこし押してみると

 

「開いたよ、フレン行こっか」

 

再び押して中に入ったていった。

カランカラン

入ってみると先輩たちがもう開店の準備にかかっていた。

 

「お、おレン、おメリよーきたね」

「すみません、遅れました」

「えーんやで、うちらも今来たところだから」

 

と言ったものの先輩たちはもう給仕の服に着替えていた。

 

「じゃあ裏行って着替えよっか」

 

とこ先輩に連れられて休憩スペースのようなところに来た。

 

「じゃあこの中から好きなの選んでな?」

「わ、わかりました...」

 

固定のものを渡されるのかと思っていたが違ったようだ。

給仕の服は2種類あった。

1つはとこ先輩、リゼ先輩が着ている和服のようなもの、生地の色はとこ先輩のと同じだがスカートの袖や帯紐の色が1つ1つ違った。

もう1つはアンジュ先輩が着ていた燕尾服のようなもの、これは和服のようなものより生地の色が少し濃い、これは上着の色が違うらしい。

 

「うーん、私これにしますね」

 

そう言ってフレンはとこ先輩と同じタイプの服を手に取る、紐の色はとこ先輩のより少し明るい赤だった。

 

「じゃあ僕はこれで」

 

僕はアンジュ先輩と同じタイプのを手に取った。

裏地の色は明るめの黄緑だ。

 

「ほな、着替えるか」

 

休憩スペースの中にさらに男性を思わせるマークと女性を思わせるマークが付いている扉が2つあった。

 

「こっちが女が使う更衣室なんだけど、どっちが先に着替える?」

 

フレンと目をあわせる。

フレンが早く着たそうな目をしていた。

 

「じゃあフレンからで」

「いいの?」

「うん」

「じゃあおレン、着てた制服はそのハンガーにかけるんだぞ」

「わかりました!」

 

フレンは少し着方のレクチャーをしてもらいるんるんで更衣室に入って行った。

数分後入って行ったよりるんるんで出てきた、よっぽどとこ先輩と同じものを着れて嬉しかったのだろう。

 

「似合ってますかね?」

 

フレンが心配そうに聞いてくる。

 

「似合ってるで」

「バッチリだよ!」

 

そう言われフレンは満面の笑みになった。

 

「じゃあ僕も行ってきますね」

 

そう言って更衣室に入って行った。

一応フレンを待っている間に着方を教えてもらったがこういうのを着るのは初めてだから少し時間がかかってしまった。

制服をハンガーにかけて持ち、更衣室を出るととこ先輩とフレンが目を見開いていた。

 

「どうしたんですか?」

 

とこ先輩は首を左右に振り

 

「いや、ごめんな、あまりにも似合っとったから」

 

するとフレンも

 

「似合いすぎだよメリー」

 

2人から誉められてつい笑顔になってしまった。

 

「ありがとうございます」

「ほな、開店までに色々覚えよか」

 

まず、接客での心がけを教わった。大事なのは『お客様の前では笑顔を崩さず、声は聞き取りやすいぐらいの大きさではっきりと』と言っていた。知らない人の前で自然な笑顔を出すのは大変だと思うけど、やっていくうちに慣れるだろう。

 

「じゃあ次はレジやね」

 

一通りレジでの動き方ついでにフロアでの動き方も教わった。

 

「あ、そうだ、レシート2種類出てくるんやけど、最初に出てくるのは注文の確認用だからキッチンの方まで持って来てな、だから渡すのは2つ目に出てくるレシートとお釣ってわけだ」

「なるほど~」

 

フレンは目を輝かせながら聞いていた。

僕もしっかり聞いていたものの覚えることが多すぎて頭を整理するのが大変だ。

 

「じゃあ今日2人にはレジとフロアを任せるかな、一応ィゼも手伝いとして置いとくから困ったことがあったら聞くんやで」

「「はい!」」

 

開店前までリゼ先輩に手伝ってもらいながらフレンとレジとフロアの動きの練習をした。

 

~開店3分前~

少しずつ緊張し始めてきた、フレンはもうカチコチだ。

 

「フレン、そんな緊張しなくても大丈夫じゃない?」

「いや、でも初めてのことだからさ...」

「そうやで、おレン、緊張したっていいことないんだからもっと気楽にやりな、失敗したって誰も責めへんから」

 

とキッチンから出てきたとこ先輩は言った。

 

「はい!一生懸命やります!」

 

フレンの不安な気持ちが吹っ切れていた。

とこ先輩はフレンの神様だな。

 

「ほな、そろそろ開けよか、まあ開けてもすぐには来ないけどな」

 

そう言って外にでて扉にかかってた札をcloseからopenに変えた。

 

「来るまで若干時間あるから楽にしててええで」

 

言った通り開店してすぐはこなかった。

 

「まだ若干緊張してたけど気抜けちゃったな~」

「僕もそうだわ~、気抜けて楽になったね」

 

カランカラン

音が鳴った方を見ると「(かえで)ちゃんが悪いんですよー」と話ながら女子高生っぽい人が3人来た。

見たことあるような...

 

「「いらっしゃいませ」」

 

練習したおかげかフレンと声がそろうことができた。

 

 

「あれ?あなた昨日迷子だった?」

「あぁ!あの時の!?あの時はありがとうございました」

「いえいえ、生徒の頂点を治める者として当然のことなので気にしないでくださいね、困ったことがあったらなんでも聞いてくださいね!」

 

生徒の頂点ってなんだろう?

 

「わかりました!」

 

ちょっとわからなかったからなんとなく返事をした。

『美兎ちゃん頂点はおおげさやないか?』

『そうですかね?(りん)先輩はどう思いますか?』

『私はいいと思うけどなぁ、強そうだし』

 

「どうしたの、何かあった?」

 

すこし裏に行ってたリゼ先輩が戻ってきた。

 

「あ、会長!こんにちは」

「リゼさんこんにちは、今日シフト入ってたんですね」

「会長?あ、ごめんなさい!」

「あっ、メリッサさん知らないか、この人は月ノ美兎(つきのみと)先輩私たちの1つ上の3年生で生徒会長をやってる人」

「え?生徒会長だったんですか!?」

「そうなんですよ、まあまだ3年生になってこれといった仕事してませんけどね」

 

それから簡単に自己紹介をして話をして盛り上がった。

カランカラン

美兎先輩達が来店してから5分ぐらいたったところで次のお客様がきた。

 

「「いらっしゃいませ」」

 

次に来たお客様は学生ではなくサラリーマンっぽい人だった。

 

「あ、次の人来ちゃいましたね、注文しちゃいましょうかじゃあ(わたくし)は紅茶で、楓ちゃんと凛先輩はどうします?」

「わたしはクリームソーダで」

「私も美兎さんと同じので」

「合計450円です」

 

金額を言うと先輩たちは向き合った。

 

「どうします?割り勘にします?それともおごりですか?」

 

美兎先輩がニヤリと笑う。

 

「わたしはおごりでええよ」

 

楓先輩もニヤリと笑い目つきが変わった。

 

「私もおごりでいいねすよ」

 

凛先輩はにっこり笑っていたがなんか怖った。

 

「じゃあ正々堂々じゃんけんで、いきますよー」

「「「じゃんけん」」」

「「「ぽん!」」」

 

パー、グー、パー

 

「わたしかー」

「楓ちゃん静かにしてください」

 

楓はしぶしぶ450円払った。

 

「450円お預かりします、1番の札を持ってお待ちください」

 

次のお客様をフレンに任せて私はキッチンの方に確認用の紙を持っていった。

 

「2人ともなれたかな?」

「んー、まあまあですかね」

「僕は結構なれてきました」

「そっか、じゃあフレンさんのカバーはメリッサさんに任せようかな、もうすこしで人が増えてくる時間だから私キッチンに回ろうと思ってるんだけど大丈夫かな?」

 

フレンと目をあわせた、やれそうな目をしているから大丈夫だろう。

 

「わかりました!」

「うん、じゃあよろしくね!」

 

手を振りながらキッチンの方へ向かっていった。

 

「2人で頑張ろうね!」

 

その後リゼ先輩が言った通り来店する人が増えてきた。

時が過ぎ17:30ごろ。

学校や会社終わりの人たちのピークはさったのだろう、人が少なくなってきた。

ざっと30人ぐらい来たと思う。

まるでちょっとした人の波だった。

ちなみに美兎先輩たちはまだおしゃべりをしている。一度飲み物をおかわりに来たぐらいだ。(おかわりは最初は1杯100円)

 

「フレン疲れたね~」

「そうだね、あんなに来るとは思ってなかったよ~」

「なんとか2人で回せてよかったね」

「いやでも注文とテーブルの片付けの連続は大変だったなぁ、私はちょっと仕事舐めてたかもしれない」

「ほんとそれ~、気合入れないと大変だったよ~」

 

すると後ろからとこ先輩たちがきた。

 

「いやー、お疲れお疲れ、初めてなのによー2人で回せたな」

「私が外れても大丈夫だったぽいね」

「私は最初から2人で大丈夫だと思ってたけどね!」

「キッチンにあんなに大丈夫かな~って言ってたのに?」

「いにゅいー!!」

「「「あははは」」」

 

そして6時ぐらいぐらいまでお仕事をして今日のバイトは終わった。

 

「お疲れさまでした!」

「お疲れさまでした~」

「おメリ、おレンお疲れ!またよろしくね!」

 

そう言ってカフェを出て行った。

ちなみに美兎先輩たちはまだおしゃべりをしているみたいだった。

 

「いやー、疲れた」

「ほんとね、まあ疲れたけど楽しかったね」

「そうだねまたシフトいれないと」

「確かにー、よしじゃあ帰るか」

「そうだね、帰るか」

 

そうして今日は終わった。




大変長らくお待たせしましました、あんこてんてーです。
やはり私は執筆ペースにダメなところがあるので日々執筆できるよう習慣をつけます。
次回は少し時が戻りイブラヒムの視点です!
よろしくお願いします!


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