インフィニット・ストラトス ~無声多重の操縦者~ (バアル・ペオル)
しおりを挟む
1話
それでも良い方はゆっくりしていってね!
一番古い記憶は何かの液体の中に居たと言う記憶だった、白い服を着た人が沢山居て、自分は液体の入った透明な容器の中で色んな機械を付けられていたとそんな記憶。
「おい…………の調子は…………だ?」
「はい……以外に特に異常は……れま……が……」
外で白衣を着た人達何かを見て此方を観察してきた
「しかし……何が……のか……」
「やはりこの子も………なのでしょうか」
「まぁ……この後……時にこの個体の……を」
「わかりました、では……ように……」
その後の事はよく覚えて居なかった、次に記憶に有るのは何処かの路地で、ぼろぼろの服を来た状態で寝ていたことそして喋ることが出来なくなっていたと言うことだけ。
そしてその後俺の親代わりになるとあるサーカスの座長に拾われそこで15歳ほどまでお世話になっていた。
芸を覚え、文字を覚え、数学を覚え、体を鍛え。
拾ってくれた座長さんに恩返しをするために必死にいろんな事を覚え鍛えていった。
そしてこのままこのサーカスで他の座員と一緒にやっていく…………そう思っていた。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
なぁーんでIS学園に入学することになるんだろうなぁ……
どうも初めまして蟲神(むしがみ) ニスロクと言います、別にハーフとかじゃなくて、座長の苗字が『蟲神』と言うらしく。
拾われた時にネームプレートに『ニスロク』と付いていた事からだそうです。
身長149cm、体重42kg、黒のセミロングで国籍日本!
顔立ちは座員の女性達からはかわいいとよく言われてました(解せぬ)
因みに性別は男です……えぇ!男、♂、漢、おとこです。
女性にしか反応しない世界最強の兵器「インフィニット・ストラトス」、通称「IS」(アイエス)の出現後、男女の社会的な立場が完全に一変、女尊男卑が当たり前になってしまったこの肩身の狭い時代で!
しかも何故かそのIS操縦者を育成する『女子』高同然の学校に入学するはめになりました、解せねぇ!
まぁこんなところで突っ立っててもしょうがないしとりあえず案内の通りに行くとしますか。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
まぁ入学式なんて半分眠りながら聞き流しながら乗り越え、無事指定された教室まで来ることが出来た。
(えっと俺の席は……此処か)
自分の名前が書かれたネームプレートが置かれた机の席に着き、ボーッとしていると周りの女子の視線がとある方向を向いていた。
何があるのかと見てみると、そこには最近ニュースにあげられていた『世界初ISを操縦できる男子』こと『織斑 一夏』が席に座っていた……青い顔をして。
「これは…………キツイな……」
クッッッソわかり味溢れる、俺は座員いわく「ニスロクちゃんは女の子よりの顔立ちだから、多分男だと言われなければ女の子と勘違いされると思うよ?」と言われているが周りの反応を見る限りそうなんだろうな……(認めなくねぇ!)
とまぁ話が逸れた、要するに異性が沢山居る場所に放り込まれるってのは滅茶苦茶ストレスなんですよね。
なんて考えていると教室の扉が開き眼鏡をかけた女性が入ってきた。
「皆さん入学おめでとう! 今日から皆さんの副担任を勤めることとなりました!『山田 真耶』です!」
シーーーーーーンっと静まりかえる教室、未だに織斑一夏に視線を向ける女子達、なぁにこれぇ?お前らは男にでも飢えてんのかいな?
そんな空気にいたたまれなくなったのか、山田先生が五十音順に自己紹介をするように促してきた。
『あ』から始まった自己紹介『お』に入り織斑一夏の番になった時女子の視線は再び織斑一夏の方に向けられていた。
『えっと……織斑一夏です。……以上です』
ズテ━━━━━━━━━ン!!
おいィ!?紹介それで終わりかよぉ!?見ろ!女子の何人かは椅子からずり落ちてんぞ!?
そして再び教室の扉が開くとそこから黒いスーツの女性が入ってきて出席簿で頭を叩かれていた。
「イッテぇ!?……って千冬ねぇ!?」
「まったく……満足に自己紹介もできんのかお前は……」
「いや千冬ね「『織斑先生』だ、呼び方を改めろ!」」
再びガツン!と出席簿で叩かれる織斑一夏、うわっ……痛そう…
「きゃぁ!千冬様!本物の千冬様よ!」
「私貴女に憧れて来たんです!北九州から!」
うっさ!?うるさい!?
女子の黄色い歓声は爆音の如く響き俺はたまらず耳を塞いだ。
「お前らも静かにしろ!…まぁ良い次の奴自己紹介をしていけ」
織斑先生がそう言うと、女子の歓声は静まり再び自己紹介が続いていき俺の番になった。
俺は机の上でスケッチブックに書いていた自己紹介文を前に持ち、なるべく皆に見えるように見せた。
『初めまして、俺の名前は『蟲神(むしがみ)ニスロク』って言います!
こんな顔立ちですが一応俺も2人目のISを操縦できる男子です!
あと、何故筆談なのかは自分が失声病で声が出せないからです、迷惑をかけると思いますがよろしくお願いします!』
「え?男!?」
「嘘でしょ!?だって明らかに顔立ちが女の子じゃん」
「でもよく見ると男子の制服着てる!」
「失声病なんだ何かあったのかな?」
「はい!えっとニスロク君ありがとうございます、
それでは自己紹介も終わった事ですし早速授業を始めましょう!」
そう言うと山田先生の授業が始まった。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
授業が終わり休み時間に入った
(パッシブ・イナーシャル・キャンセラー…ハイパーセンサー…カスタムウイング…コアネットワーク…はぁ…基礎でも覚えること多いなぁ…)
一応入学前に送られて来た参考書は読んでたけど、専門用語が多過ぎて眠くなる。
「なぁ?ちょっと良いか?」
『はい?どうしましたか?』
っと素早くスケッチブックを見せた相手はなんとも織斑一夏だった。
「えっと一応さっきの自己紹介で名乗ったけど、俺の名前は織斑一夏、2人しか居ない男子同士、折角なら仲良くしようぜって思ってな。」
あぁなるほどなぁ、わかるわかる二人しか居ない中で仲良くしない理由も無いしな。
『はい!よろしくです!因みにニスロクと読んでもかまいませんよ?俺も一夏と呼ばせて(書かせて)もらうので』
「あぁ!もちろん此方こそよろしくな!」
と話していると。
「ちょっとよろしくて?」
突然金髪のいかにもお嬢様といった見た目の人に話しかけられた。
俺は前もって何パターンか書いておいた定型文をその相手に見せる。
『何?』
「まぁ!何ですの?そのお返事この私が話しかけて差し上げてるのだから、もう少し敬意を見せてもらえますこと?」
あっ……(察し)コイツ面倒くさい奴だ、適当に返して関わらんとこ
『あぁすみません、俺あんたの事知らないのでそんな事言われても困ります。
ご用があるのであれば手短にすませてください』
「!?私を知らない!?このセシリア・オルコットを!?イギリスの代表候補生にして入試首席のこの私を!?」
『いや知らん』
「少し良いか?」
一夏がそう言い遮ると真剣な表情で。
「代表候補生って何だ?」
ズコ━━━━━━━━━━ン!
まただよ(笑)例の如く他の生徒は転けたり、椅子からずり落ちたりしてるし。
「信じられませんわ!日本の男性と言うのは、皆これ程までに知識に乏しいものなのかしら!?常識ですわよ!?」
『いや俺を混ぜんなし、それと一夏、一応この金髪の言うとおり代表候補生は常識だから覚えとけ』
そして俺は代表候補生の事を速筆でスケッチブックに書き一夏に見せる
『国家代表IS操縦者のその候補生。実戦データの取得や操縦技術の向上を目的として国から専用機が与えられる。
ISを扱うに当たって,本国であらゆる訓練を積んできていて、その能力は旧世紀の一軍隊にも匹敵する。単純な格闘能力だけなら、一般男性以上、軍人であっても対等な条件であれば限りなく互角に渡り合える程と言われる。
国家代表および候補生は、国家公認アイドルという立場にもあり、モデル、タレントといった仕事も兼任している。国によっては俳優業などもする場合がある。
まぁ簡単に書けばエリートってことだね』
「そう!エリートなのですわ!本来ならば私のような選ばれた人間とクラスを同じくするだけでも奇跡!幸運なのよ!その現実をもっと理解していただける?」
(あほくさ……)
キーン コーン カーン コーン
と運良くチャイムが鳴った、あぁやっと解放される。
「話の続きはまた改めて!よろしいですわね!」
いやもう来ないでください。
目次 感想へのリンク しおりを挟む
しおりを挟む
クラス代表決めるんじゃ!オラァン!
プラモって作るの楽しいよね?(あらすじ書けよ)
「これより!再来週に行われる、クラス対抗戦に出るクラス代表者を決める」
授業開始と共に開幕放たれた言葉がこれだった、ってかクラス代表者って何ぞや?
「クラス代表者とは、対抗戦だけでなく生徒会の会議や委員会への出席等、まぁクラス長と考えてもらって良い。
自薦他薦問わない誰か居ないか?」
「はい!織斑君を推薦します!」
「私は蟲神君を推薦します!」
止めてください、恥ずかしくて死んでしまいます。
一夏はわかるが俺はわからねぇ!?
「他には居ないのかぁ?居ないのであればこの二人の多数決で……」
『ちょっと!待ってください俺はやらないッスよ!?』
バン!
「納得行きませんわ!」
うわっ…まためんどくさい奴が起動しやがった。
異を唱え始めたのは明らかにめんどくさそうな金髪ロールことセシリア・オルコットだった。
「そのような選出認められませんわ!男がクラス代表だなんて良い恥さらしですわ!このセシリア・オルコットにそのような屈辱を1年間味わえと言うのですか!?」
味わえば良いじゃん、人生山あり谷ありが楽しいんじゃん、まぁそんな事スケッチブックに書くのも勿体ないから書かないけど。
「大体!こんな文化も何もかも後進的なこの国で暮らさなくてはならないと言う事が、私にとっては耐え難い屈辱ですのに!」
『少なくともテメェの国のメシまずよりはましだっつうの!メシまず世界ランキング万年一位wwww』
イギリスの人ごめんなさいだけど我慢できなかった、もちろんフィッシュ&チップスやステーキ、ローストビーフ等美味しい物があるのは知ってますが、この女の言動に流石の俺もぶちギレですよ!
「んな!?美味しい料理は沢山ありますわ!貴方!私の祖国を侮辱しますの!」
『お前が先に言い始めたんだろwwwスターゲイジー・パイぶつけんぞ!』
それともパンジャンドラムでもぶつけてやろうかオラァン!?
にらみ会う俺と金髪ロール、慌てふためく女子と一夏達。
「決闘ですわ!」
『望むところだ!白黒ハッキリ付けてテメェのピノキオみたいに伸びた鼻を叩き折ってやらぁ!』
「いや、お前ら落ち着けよ!?」
「貴方は黙ってなさい!」 バン!
『一夏は黙っててくれ!』 カン!
俺と金髪ロールの口喧嘩(俺は文字喧嘩?)で、熱くなっているところに宥めに入る一夏、悪いがそれは悪手だ!
熱くなった俺は止められない!
「千……織斑先生、なんとかしてください」
「なんだ止められないのかだらしない……
お前らそこまでにしておけ!」
「………………」『 』
そりゃ黙るしかないじゃないですかぁ、千冬先生を敵にまわしたら間違いなく死ぞ。
「勝負なら次の月曜日、第3アリーナで行う!織斑、お前もこれに参加しろ」
「なっ!?俺も参加するのか!?」
「当たり前だ馬鹿者」
『(*ノ゚Д゚)八(*゚Д゚*)八(゚Д゚*)ノイエーイ!ナカーマ!』
何だかんだ推薦されておいて、空気で逃れそうになってたから素直に嬉しい!
んまぁそんな事よりも。
『ハンデはどうする?』
「あら?早速お願いですの?」
『俺じゃねーよメシまず、一夏へのハンデだ俺にハンデはいらない』
この高慢ちきはハンデ無しで叩き潰す!
「いや、俺もハンデはいらない」
「えーそれはなめすぎだよ」
「話はまとまったか?それでは蟲神、オルコット、織斑はそれぞれ準備をしておくように」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
さてはて……どうしよっかなぁ!
時刻は放課後現在職員室に向かって移動中です。
(どうしようかなぁ……なんか熱くなって一夏巻き込んで決闘なんて書いちまったが、正直IS素人の俺じゃどう準備するかもちんぷんかんぷんなんだけど……)
「あ……蟲神、ちょっと良いか?」
うーんうーんと悩んでいる所に話しかけられ、誰かと思えば巻き込んでしまった織斑一夏と黒髪のポニーテールの女の子であった。
『一夏、さっきは巻き込んでごめんね(-人-;)』
「あぁ気にすんな、お前が言わなきゃ俺が喧嘩売ってたかも知れないからな」
ありがてぇ…ありがてぇ…やはり持つべきは友達か(その友達を巻き込んだわけだが)
「まぁそんな事よりも蟲神は訓練とかどうするんだ?」
『うーん(;>_<;)とりあえず何処かの訓練施設と訓練機の打鉄が使えないか、先生辺りに相談しようと考えてるんだけどね』
流石に動きを1通り見ておきたいからな、実際に本体とのラグがどれくらいあるかとか感覚を掴んでおきたい。
『そう言えば一夏はどうするんだ?準備とか訓練とか』
「俺は箒から教えて貰うことになったから、その辺はなんとかなると思う」
箒?ってあぁ隣に居る女の子か。
『やーやー初めまして蟲神 ニスロク君だぜ?気軽にニッスン(本音さん命名)とでも呼んでくださいな?』
「……先程の自己紹介とキャラが違くないか?ほう?独り身の俺に彼女紹介か、一夏お前が月曜日覚えとけよ?まぁ良い。
…私の名前は篠ノ之 箒、一応は一夏の幼馴染だ」
ほっほーんなるほどなるほど、篠ノ之って苗字は何処かで聞き覚えあるが、この際どうでも良い。
いやぁ一夏さんはもう既に彼女さんが居るんですね。
『ほう?独り身の俺に彼女紹介か、一夏お前が月曜日覚えとけよ?』
「い、いや!?私は今幼馴染だと言ったはずだぞ!?」
「そうだぞ?あまり箒をからかわないでくれないか?」
そのわりには声がうんずってんぞ、まぁ書かないけどさ、そして一夏気づけよ。
『まぁ冗談は置いといて、まぁ俺の事は気にしないで訓練に行ってきなよ』
正直さっさと織斑先生に許可を取りに行きたいのよな。
まぁ別れの挨拶も適当に済ませ職員室に再び歩みを進めた。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
職員室に付いたぁ!さぁて織斑先生は居るかなぁ?
『失礼します!』
ガラッと職員室の扉を開けて中に入ると丁度良くと言って良いのか、織斑先生が机に座って書類仕事をしていた。
「ん?何だ蟲神か、いや丁度良いところに来た着いてこい」
織斑先生はそう言うと俺の襟を掴み俺をドナドナしていった。
そんなー(´・ω・`)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
黒塗りの車に乗ってしばらくすると。
『ONIGUMA COMPANY』
此処が俺がISを操縦出来ると知った場所、IS学園何ぞに入らなくてはならなくなった元凶に再び来ることとなったのである。
目次 感想へのリンク しおりを挟む
しおりを挟む
始まりは何時だってギャグみたいなもんだろ?
専用機の名前考えるのに時間かかったorz
すみません本人がクソダサネーミングセンスで(白目)
お気に入り登録をしてくれている皆様ありがとうございます。
俺は『ONIGUMA COMPANY』と書かれた看板を見て軽くため息を着き、織斑先生を見てスケッチブックを見せる。
『まさかと思うんですけど、『専用機』ですか?』
「察しが良いな、その通りだ。
先程私の所へ『蟲神ニスロクを鬼熊カンパニーの専属パイロットに指名したい』と連絡があってな。」
『そんな連絡でよく俺を此処に連れてきましたね?』
怪しすぎて普通は相手にしない、まぁ問題ない会社だって事は俺は知ってるんだが。
「まぁ最初は私も怪しいとは思ったんだが、お前に関しての資料にIS適正発覚のきっかけが、鬼熊カンパニーであることを思い出してな。」
『それで俺を此処に連れてきたと?』
「そう言うことだ、話はこれくらいにしてさっさと行くぞ」
織斑先生はそう言うとビルの入り口に向かって歩いて行った、俺はそれに追従するようについていく。
中に入ると広々としたエントランスサラリーマンやOLさん特有のスーツを来た人たちが時間を気にしながら行き交っていた。
「蟲神は少し待っていろ、私は受付で用件を伝えてくる。」
織斑はそのまま受付に向かっていった。
さて、此処に来るのも久しぶりな訳だが何か変わってるか……な…
俺の視線の先白衣を着た黒髪ロングの女性が、資料片手に同じく白衣を来た男の人に、色々と指示をしているところだった。
否、問題はそこではなく。
「ん?」(あ……やべ…)
問題なのは今その女性と目が合ってしまった事である。
女性は持っていた資料を男性に預けると、猛スピードで走ってきたのである。
「ニッくーん!」
(ぐべぇ!?)
女性の身長は俺よりも高く、尚且つもの凄い速度で走って来て抱きついてきたのだ。
その衝撃は凄まじく、胃の中の物が逆流するのではないかと思うほどであった。
「いやぁ!会いたかったよニスロク君!元気にしてた!?相変わらず可愛いね頬っぺたプニプニだよ!はぁ、癒される!あぁ、そう言えばウチの方でニスロク君を専属パイロットに指名したいって、連絡したんだけどそれで来たのかな?任せてね!飛びっきりの機体を作ってあるから絶対ニスロク君が気に入る……「しゃ……社長……」何かな?今ニスロク成分を補給してる所なんだけど!」
「いえ……その、ニスロク君ダウンしてますよ?」
「………………………………」 チーン
「ニッくーーん!?」
絶対こうなると思ったよ……ガクッ
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
鬼熊カンパニー社長室
鬼熊社長の激しいタックルによりダウンした俺は、受付から戻ってきた織斑先生と共に社長室に案内されたのであった。(俺はスタッフさんに運んで貰いました)
「いやぁ!ごめんね?久しぶりにニスロク君に会えると思ったらテンション上がっちゃって!
あ、先程連絡させて貰いました鬼熊カンパニー社長
『鬼熊(おにぐま)雪華(せっか)』と言います。」
「大丈夫です、私は蟲神のクラスの担任を勤めてます、織斑千冬と言います。」
あれぇ?織斑先生そこまで動じてない?なんか凄く慣れてる感じがする。
「先程蟲神をこの鬼熊カンパニーの専属パイロットに指名したいとの連絡でしたが?」
「織斑さんはおそらく調べているでしょうが、私と蟲神座長…ニスロク君の育ての親とは昔からの親友でして。」
そう、俺の育ての親である蟲神座長、本名「蟲神 七罪(なつみ)」は顔がやたらと広いようで、雪華さんとも親友らしく、俺はよく雪華さんに勉強を教えてもらっていた。
因みに俺にIS適正が有ると知ったのは今年の3月、知識はあっても損はないと座長に言われて鬼熊カンパニーのIS部門を見学させてもらっていた時の事だった。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
鬼熊カンパニーIS部門研究&保管施設
俺はこの時少し自由に見ていても構わないと、言われたので施設の中を見ていた時だった。
(ふーん……流石は世界最強兵器……色んな技術を使ってんだなぁ)
なんて基本的に武装とかどういうタイプの機体があるのか、とかそんな所しか見てはいなかったのだが。
(?此処保管室だよな?鍵が空いてる?)
まぁ普通に考えたら悪いことなんだが自由に見ていても良いと言われ、最悪迷い混んだとでも言って置けば良いやと思い中に入った俺。
中には様々なフォルムの機体、武装の映像及び設計、それらの待機時アクセサリーの姿等、普通であれば見ることの出来ない物ばかりだった。
「誰か居るの?」
(やっべ!?)
中に入ったのがバレてしまった、慌てたがもう遅い、隠れれる場所も無ければ既に入って来てしまったのである。
俺は腹をくくり振り向くと。
「に……ニスロクくん?」
(あっ……(察し))
「ニッくーーん!」
(ゴフッ!?)
まぁ、あとギャグと言うべきか、嘘のような喜劇と言うべきか、体当たりの衝撃でぶっ飛ばされた俺は、偶然にもISのコアが搭載された機体に激突、立ち上がろうと触れた途端にISコアが光だすは、他の研究員が入ってきて軽く拉致られ質問責めに遇うわでさぁ大変。
2日間ほど拘束されたのち戻れば座長から
「あ…ニスロク、さっき政府からの通達で今年からIS学園に入学ね」
『はぁ!?』
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
『なんて事がありまして』
「いやぁ、あれは驚いたよね。」
「………………はぁ…」
あ、流石の織斑先生も呆れてるわ、まぁ普通に考えたらどんなご都合主義だっつう話だけど、現実は小説よりも奇なりってよく言うやん?
「まぁ、そんなわけで、昔からの知り合いと言うのもありますし、この子に合った機体を作るのに私達の会社程適した場所は無いと思う訳です、勿論それだけでなく鬼熊カンパニーへの男性操縦者としての戦闘データ、及び機体の戦闘データが欲しいと言うのもありますけど。」
「なるほど分かりました、しかし専属パイロットになるかはやはり本人の意志が必要です、蟲神お前はどうだ?」
『俺からしたら願ったり叶ったりですね、元々雪華さんにはお世話になってましたし、それで恩が還せるならやらせてもらいたいです。』
それからは契約内容の細かい所を話し合い詰めていき、使用する機体の保管場所まで案内された。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
IS整備倉庫
とまぁやって来ました、専用機(予定)が置いてあると言われた倉庫、因みに一応乗って動きを見るためと専用スーツに着替えさせられました。
雪華さんが首から提げた職員パスを装置に掲げるとピー!と言う音と共に、倉庫の扉のロックが外れる音がした。
扉を開け中に入ればそこには一機のISが佇んでいた。
カラーリングは白をメインに黒のラインの入ったツートンカラー、レッグは二本の爪に獣の様な趾行(しこう)型、アームの見た目は一般的なフォルムで曲線的な腕部装甲、手甲によりそれなりにスマートな見た目になっている。
腰部背面にそれぞれ2基のスラスターが付いていた。
「さぁさぁ!ニスロク君これが君の機体その名も『マルチプルソウル』だよ!」
『ビーストソウルの間違いじゃねえの?』
いや何が複数の魂だよ明らかに獣イメージだろ、あ!目を逸らして吹けない口笛吹いてる真似してやがる、名前適当に付けやがったな。
「そんなことないよー間違いなく複数の魂だよー」
「因みに最初の名前はニスロク様の言うとおり『ビーストソウル』でしたが、ニスロク様の専用機にするなら名前は雪華社長が決めると駄々をコネたのでこうなりました。」
早速秘書さんから暴露されてて草、この見た目で『マルチプルソウル』はねぇよ、百歩譲っても『ビーストソウル』だわ。
「んー!良いの!私が作って私が名付けたから『マルチプルソウル』なの!」
「社長……正直そのネーミングセンスは…恥ずかしい思いをするのは、この会社とニスロク様なんですよ?」
いや秘書さん言い方!?容赦無さすぎでしょ!?
「んー!んー!じゃあ!分かった!『レギオン』!『インビシブル・レギオン』!はい決定!異論反論認めないから武装紹介へGO!」
プンスカと擬音が入りそうな感じで次に進めようとする雪華さん。
「はぁ……まぁ良いでしょう、では『インビシブル・レギオン』で登録しておきます、さてニスロク様早速ですが初期化、及び最適化を致しますので搭乗してもらってもよろしいでしょうか?」
さていったいどんな機体なのか乗って見るとしますかね?
機体のイメージと言うか
レッグパーツはガンダムバルバトスルプスレクスの足
アームパーツはルプスの腕から200㎜砲を取り払った感じで
カスタムウイングはガイアガンダムのMR-Q17X グリフォン2ビームブレイドを付けて、それらのカラーリングを白をメインに黒のラインが入っているって感じです。
説明下手くそか!?
目次 感想へのリンク しおりを挟む
しおりを挟む
専用機試して見たったー
そして一昨日(2020/3/28)はデュエル・マスターズの新シリーズの第1弾発売日ですね!
作者は6箱買ったのにゴウケン斎が一枚も当たらずマックーレとズーラシマがそれぞれ三枚とかになってました、解せねぇ!?
鬼熊カンパニー所有実験場
どうも蟲神です、現在『インビシブル・レギオン』(以下)の動作テスト中です、いやぁ!やっぱり4基もスラスターが有ると速いね!
「ニスロク君!次
なんてスラスターの動作、レッグの運動性能、瞬時加速の注意点、カスタムウイングとPICによる飛行動作等々諸々の動作確認を行った後、いよいよ武装の確認となった。
「じゃあ先ずは基本的な武装となる『センティピード』から見ていこう!
そう言われ目の前のウィンドウを操作すると、一覧表と思われる物が現れた。
・センティピード
・ラビットリーパー
・ビーストアヴェンジャー
俺は指示通りに拡張領域から『センティピード』を選び展開、粒子状の光が右手に集まり右手に黒い円錐形の槍に緑で
「それが『センティピード』!一見するとこれと言った機能は見れないけど、その柄の方に引き金が付いてるんだ!これを引くと…「カチッ!」……あっ…」
ん?引き金を引いた途端ヴァンプレイト(笠状の鍔)から4機の小型スラスターが突出しジェット噴射を開始した。
お約束と言うべきか、油断していた俺はジェット噴射により飛ぶ槍に引っ張られ宙を舞っていた。
「ニスロク君!?引き金!引き金を離して!」
通信により少し冷静になれた俺は指示通りに引き金から指を離すとスラスターの勢いが弱まりなんとか事なきを得たが。
『あーびっくりした』(メールによる通信)
「びっくりしたのは此方だよ!?」
「次から最後まで聞いて!」と言われ反省しながら槍を拡張領域に戻した。
「全くもう…えっと次は…『ラビットリーパー』!」
今度は拡張領域から『ラビットリーパー』を取り出すと右手には青と黒のツートンカラーで塗装された機械チックな大鎌が握られ……
『ねぇ?何で続けて長物なの?しかも大鎌とか上級者向けだよね?』
漫画や小説とかの物語じゃポピュラーだけど、リアルに使うとクセが強すぎる上級者武器筆頭だと思うんだけど。
「あーほら、ニスロク君一応『あの子達』も戦うでしょ?それは『ラビちゃん』用の装備、あの子なら使いこなせると思うし、一応それ変形機構があって大鎌形態とアサルトライフル形態に使い分けられるから。」
……アイツ等も戦う事を想定でって事はさっきの槍もアイツ用って事だな…
とは言いつつ一応変形の動作、アサルト形態で射撃、大鎌形態での素振り等一通り行い拡張領域へしまった。
「OKじゃあ最後の武装『ビーストアヴェンジャー』ね!」
展開すると今度は右腕だけでなく左腕にも光の粒子が集まり、発光が治まると左腕にはスマートなガントレットから、大きく無骨で何処か獣を思わせる見た目になり、左手の部分は肥大化し、指を一本ずつ覆う様に鋭利な爪が両手の指にそれぞれ付けられていた。
「今度のは武器と言うより追加装甲かな?多少重さが増したけど装甲の強度も増してあるからより近接戦闘に特化した形だよ!更に肥大化した左手には小型の衝撃砲が内臓されてるから近接戦での不意打ち、ゼロ距離射撃で使えば効果は絶大だよ!」
なぁんで雪華さん、こんなピーキーと言うか、全体的に近接に特化し過ぎじゃね?どうすんのさ相手が遠距離とかだったら……あっ…そのためのラビットリーパーのアサルトモードかってそれだけで対処しきれるかーい!
(まぁ、何だかんだでこう言う機体の方が、性に合ってるから言わないけどね。)
俺はしばらくの間紹介された武装を使って手に慣らしていった。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
鬼熊カンパニーエントランス
『今日はありがとうございました』
しばらく動作確認と使い勝手を見ていたら
「うぇぇん!もう行っちゃうの!?泊まってっていっても良いんだよ!?」
『いや、それは駄目だよ!?』
「すみませんが、そう言うわけには行かないので失礼します」
なんて雪華さんは相変わらずだったが規則だしね!けっして身の危険を感じたとかそんなんじゃないからね!?
「あ、それとニスロク君!拡張領域に例のやつ入れておいたよ、あれ位なら全然余裕で入ったから」
『ありがとうございます、『アイツ等』もこれで戦闘参加できるようになります』
俺は再びスケッチブックでお礼を言いつつ、織斑先生の車に乗せてもらい学園へと無事戻ることが出来た。
何で2000も届いてないのに1日かかるんだよ……
目次 感想へのリンク しおりを挟む
しおりを挟む
とりあえず主人公の設定
3話と4話の補足的なところがあります。
4話と同時に投稿したので1ページ戻って4話を読んでからを推奨します。
追記、これISの設定よく見たらカスタムウイングってスラスターだからレギオンは計6基登載って言うことに(白目)エネルギー消費エグいだろ。
主人公の身長が頭の中より高かったので縮めます。
オリジナル主人公
名前:
年齢:15歳 身長:149cm 体重:42kg
国籍:日本(拾われたのが日本のため)
黒のセミロング、黒の猫目
女性よりの中性的な顔立ち
男子制服に大きめのウエストポーチを付けている
使用機体:『インビシブル・レギオン』
とりあえずオリジナル主人公、5歳の時にサーカス一座の座長(蟲神
おそらく5歳より前に何かあったのか発声気管に異常は無いものの喋る事が出来ないでいる。
拾われた後色々とあったのだがそのシナリオは別の時に。
(多重人格要素の部分だけど、シナリオに突っ込みきれなかったから、せめて番外的にシナリオを入れたい)
喋られない故に、スケッチブック等に文字を書いて筆談する術を憶え、今では速筆速度に研きがかかり瞬時に書きたいことが書けるようになったもよう。
世の中受験シーズンと言うのに七罪に言われ、七罪の親友である『鬼熊
その時IS保管庫に入り機体等を見ていたところを雪華に見つかりスキンシップ(と言う名のタックル)をくらい、ISに触れたところISが起動、ISの適正があることが判明する。(その際2日間ほど拉致られ質問責めに遭う)
その後、政府からの通達でIS学園への入学が決まり晴れて春から入学することとなった。
基本的に人と接する時は穏やかに接するがキレると口(もとい筆談)が汚くなる。
因みにセシリアの事を『メシまず』『金髪ロール』『高慢ちき』と呼んでいる。
使用機体『インビシブルレ・ギオン』
元の名前は『ビーストソウル』又は『マルチプルソウル』(雪華命名)
第三世代型のIS
獣を思わせる趾行型レッグパーツ、腰部、背中にそれぞれ2基、カスタムウイングで計6基のスラスターが付いており、
ただスラスターの量のせいか『ビーストアヴェンジャー』の小型衝撃砲との組み合わせでエネルギー消費がエグいと言う欠点(欠陥)がある
待機形態は三本の爪が付いた民族風ネックレス
武装
『センティピード』
黒い円錐形の槍に槍身に緑でムカデが描かれ、幾つもの突起が付いた槍、柄には引き金が付いており、引き金を引くことでヴァンプレイト(笠状の鍔)から小型スラスターが4機突出する、槍の石突き部分にエネルギーが充填されたカードリッジ式バッテリーが内臓されており、スラスターを起動させることにより突撃時に加速を行うことができる、IS本体のスラスターと一緒に起動することで超加速、擬似的な
『ラビットリーパー』
上記の『センティピード』程複雑な武器ではなく変形機構が付いた大鎌、変形させることにより中距離の大鎌形態、中遠距離のアサルトライフル形態の2種類に使い分ける事ができる。
ニスロク本人は大鎌の扱いはそこまで得意ではないが、ニスロクのとある人格が得意であると言う理由で拡張領域に保存された。
おそらく拡張領域内で一番容量を食っていない武器。
『ビーストアヴェンジャー』
武器と言うより追加装甲としての役割の強いガントレット
両の腕が大きく無骨で何処か獣を思わせる見た目になり、左手の部分は肥大化し、鋭利な爪が両手の指をそれぞれ一本ずつ覆う様に装着される、全体的に肥大化したことにより機動性能は低下するものの近接戦闘はより安定する。
更に肥大化した左手には
余談?
『ラビちゃん』
もうぶっちゃけるとニスロクの別人格
余談
雪華さんは天災さん程ではないけど身内贔屓で七罪やニスロクに対して無邪気でその人の為には手段を選ばない
この辺の設定はまた後で作ろうと思います
目次 感想へのリンク しおりを挟む
しおりを挟む
寮は1人部屋だから特に無いんで試合だぁ!
あと二連加速の部分仕様を勘違いしてたので瞬時加速に変更しました。
試合のは日が来ました。
イエイイエーイ!(スパークリング)
まぁ最初の試合は俺と金髪ロール(セシリア)の試合。
あの高慢ちきをぶっ潰す!(過激派)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
第3アリーナピット
「やっほ~ニッスン~調子はどうかな~?」
そう言いながらピットに入ってきたのは眠たげな瞳に茶髪のセミロングにハーフツインテール、入学初日から俺に『ニッスン』と言うあだ名を付けてきた女子生徒『
『のほほんさん整備とか手伝ってくれてありがとね?』
実は専用機を手に入れてから整備の際にのほほんさんに手伝ってもらってたんだよね、本当に整備の腕が凄いんだ
あっという間に終わっちゃったの。
「いいよ~専用機を整備する機会ってそんなに無いからね~」
のほほんさんマジのほほん、いやマジで癒し効果半端ないです。
なんてほのぼのとしていると、じっと顔を見てきたと思ったら、ちょいちょいと手招きしてくるのほほんさん。
「ちょっと後ろ向いてもらえるかな~?」
少し疑問に思いながらも後ろを向く、するといきなり俺の髪を櫛で梳かしてヘアバンドでまとめてくれたのである。
「えへへ~ニッスン男子だけど髪長いからね~
これなら邪魔にならないよ~」
のほほんさんの癒し力がヤバい、本人曰く「何かニッスンは見た目が女の子だし~私より若干背が低いから妹みたい~」との事(複雑)
そうこうほんわかしている内に時間となり千冬先生からの連絡が入る。
『蟲神、準備は出来ているか?』
俺はのほほんさんにグッとサムズアップをすると、意図を呼んでくれたのか。
「大丈夫だそうで~す!」
それと同時に定位置に着き、三本の爪が付いたネックレスに触れ
(行くぞ!レギオン!)
俺が頭の中で呼ぶと、ネックレスが発光しISが展開され、俺の体に纏っていた。
「おぉ~相変わらずニッスンのレギオンは動物みたいな見た目だね~」
俺は拡張領域から『ビーストアヴェンジャー』を展開した後、スラスターを起動する、それを見たのほほんさんは。
「蟲神 ニスロク!『インビシブル・レギオン』!行っくよ~!」
とノリの良い掛け声をしてくれたため、俺はそれに合わせて外へと飛び出した。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
スラスターを噴かしながら飛行、辺りを見回せば金髪ロールが青いISを纏い、大型ライフルを携えて空中で待機していた。
「あら?逃げなかったようですわね?」
「………………」
「何かおっしゃったらどうですか?」
すみません、ガチで喋られないので、試合中に話しかけないでください、返事できません。
つかコイツ判ってて言ってるだろ?はっは~ん?どうやらこのメシまずは、俺を徹底的に怒らせたいらしいな?
良いだろうなら……
俺は4機のスラスターでエネルギーのチャージを開始。
お望み通りぶちキレてやんよ!
腰部2機のスラスターのチャージを解放!
「ふふん、そんな動き読めていますわ?」
セシリアはスッと最小限の動きで避けるとすぐに大型ライフルを此方へ向けてくる……が避けられるのは此方だってお見通しだ、先ずは距離を詰めるそのために。
俺は直ぐ様PICで減速、身体を捻りセシリアの方に向き、放たれる青いレーザーを右腕のガントレットで防ぎながら、先程よりも近い位置で背中のスラスターのチャージを解放!瞬時加速で再び距離を詰める。
(こんだけ近けりゃライフルも使えねぇ!一気に叩いてぶっ潰す!)
もう少しで掴める!そう思ったとき、突然ズン!と言う衝撃が背中に走り、視界が回り気がつけば地面に激突していた。
(何だ!?何が起こった!?)
ハイパーセンサーで周囲を確認すると、セシリアの周りを青いビットが4基浮いているのが解った。
(あれにやられたのか……っと!?)
考える暇は与えまいと、ビットによるレーザー射撃が雨の様に降り注ぐ。
(これISに登載された演算機能とか、ハイパーセンサーとか無いと回避キツイだろ!?)
俺は右に左に、前に後ろに、時にはジャンプしながらレーザーの弾幕を避け凌ぐ、しかしと言うか『ビーストアヴェンジャー』で多少と言えど機動力が落ち、肥大化したが故に的になりやすくなった腕の追加装甲が回避の邪魔になり何度か被弾していく。
(……っ!?クソ!『ビーストアヴェンジャー』にしていたのは失敗だったか!?)
「ちょこまかと、潔くやられたらどうですの?」
降り注ぐレーザーの雨だけど『ビースト……』いやもうアヴェンジャーで良いや、アヴェンジャーの装甲で防げば、ダメージはかなり軽減されてるようで、エネルギーのゲージ消費も微々たるものだった。
更に誤算と言うか棚ぼたと言うか、地上においてホバリングもせず、アヴェンジャーの巨腕と獣モチーフの趾行型レッグパーツのおかげで、スラスターを使わずに四つん這いで四足歩行の動物の様に動く事で高機動で地上を駆けめぐり、エネルギー消費を最小限の抑えられていた。
(まぁ言ってもこのままではジリ貧だ、なんとか打開策を考えないと……)
しかし中々隙が無い、ラビットリーパーのアサルトモードで牽制出来れば良いが取り出す暇も無し。
なんて考えながら弾幕避けをしていると、とある事に気づく。
(アイツ……動いてない?)
気づいた事とは、先程からセシリアがあの位置から動いていないのである。
(そう言えば何故なのライフルを使わない、あれと合わせて射てば弾幕は厚くなるし、隙も減るだろ…………はっはーん?)
俺は思い付いた事を実行するために軌道を変更、セシリアの真下へと駆けていき、こっそりとカスタムウイングと背中のスラスターからエネルギーを放出しそれを腰部のスラスターに取り込みつつ、腰部のスラスターもエネルギーの放出と取り込みを続けて行く。
「くっ!また瞬時加速ですか!でもあまいですわ、そこからここまで来るのに長い間貯めなくてはならないでしょう?」
セシリアはビットをしまいライフルからの射撃に切り替えてくる。
俺はライフルからのレーザー射撃を避けながら真下へ到着し、グッとしゃがむような体制になり足に力を入れ左手を地面に添えて、セシリアをロックオン。
「さぁ!来なさい!そのような単調な動き簡単に避けて…………」
瞬間、俺はそれまでのスラスターのチャージ時間に見合わない速度で加速し、左腕の拳でセシリアの腹部を殴り打ち上げたのだ。
戦闘描写難しいです(^q^)
目次 感想へのリンク しおりを挟む
しおりを挟む
無声は眠り百足と変わる
ちょっとずつお気に入り登録が増えてるの嬉しいです。
拙い文章ですがよろしくお願いします。
第3アリーナ管制室
「あの馬鹿者…無茶な使い方をしおって。」
巨大なモニターに映る映像を見ていた黒いスーツを来た女性と緑の短髪で眼鏡をかけた女性、織斑千冬と山田摩耶の二人がモニターに映されている蟲神とオルコットの試合を眺めていた。
「あの、織斑先生?蟲神君はいったい何を?あの加速速度は異常です。」
眼鏡をかけた女性、山田摩耶は映像に映し出された蟲神の加速に疑問を持っていた。
『
IS運用における加速機動技術のひとつで、ISの後部スラスターからエネルギーを放出、その内部に一度取り込み、圧縮して放出する。
その際に得られる慣性エネルギーを利用して爆発的に加速する、簡単に言えば『溜めダッシュ』である。
山田先生はあの加速が、その瞬時加速によるものであるのは気づいたが、どうしても解らなかったのはそのエネルギーをためる時間が短すぎる。
「おそらくだが、蟲神は6基あるスラスターのうち4基をエネルギー放出に専念させ、残りの2基で取り込む…そうすることによって取り込む量と速度を大幅に上げたのだろう」
瞬時加速の特徴はエネルギーを使用すればするほど、その加速力を上昇させる。
それぞれを並列に使って加速するよりも、1ヶ所に集中してエネルギーを取り込ませてためれば、エネルギーの充填速度が跳ね上がり、短時間で超加速することが可能となったのだ。
しかし過剰にエネルギーを取り込み圧縮して使ったのか、モニターに映る蟲神の腰部スラスターは、明らかに損傷しているように見えた。
「大丈夫なのでしょうか?」
「分からん……いざと言う時は即時中止させられるように」
「分かりました」
二人は生徒達の様子を心配に思いながらも、モニターで様子を見ることにした。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
第3アリーナ
うっぷ……どうもニスロクです、どうしようやっぱりチャージし過ぎたかな?
空気抵抗とか圧力とかクッソ辛い、けどセシリアにワンパンかませましたわ!はっはー!ざまぁみさらせ!
なんて考えてる暇も無い、一撃打ち込んだとはいえ衝撃で再び距離が開いてしまったからな、また距離詰めないとキッツいわぁ。
一撃打ち込んだ事で怯んだであろうセシリアとの距離を詰めようとスラスター翼(カスタムウイング)と背中のスラスターを噴かし急ぎ距離を詰める。
クッソ、腰部スラスターが逝きかけてる…この試合中は使えねぇな…雪華さんに怒られるぅ!?
のほほんさん達にも整備手伝って貰ったのに~申し訳立たねぇ。
ただやっぱりムカつくから一発叩き込む為にも無茶な加速をしたかいはあったってもんだね!
なんてまたしても油断していたのだろう、『こっから巻き返せる』『余裕余裕もう一発叩き込んだる』なんて。
「こんな所で……終わるわけがありませんわ!」
途端にセシリアは体制を建て直し、ガチャン!と腰の左右からミサイルの様な物を向けてきた、つうかあれミサイルだ……ミサイル!?
俺は急いで急速旋回して、再び逃げの体制に入るがもう遅い、射出されたミサイルはホーミング性能あるんじゃ……あっあれミサイルビットだ普通に追いかけてきてるわ。
瞬時加速を使いたくてもそんな暇がない、練習してるけどまだ練度低すぎて、ゲーム風に言うとクールタイムがある感じ。(スラスターを個別に使って連続使用ならなんとかできる)
ぎゅんぎゅんとスラスター翼と背中のスラスターで必死に逃げるが、ミサイルとの距離は広がるどころか縮まるばかり。
ヤバいヤバいマジでヤバい!油断した、ビットが4基しか飛んでないから4基しかないと思ってたけど、まだ2基あるんかい!しかもミサイルビッ…「つんつん」……ん?
俺はハイパーセンサーで後部を確認するとそこには。
ミサイル「ヤッホー」
あっ……オワタ/(^o^)\
ドカーーーーン!!
視界は黒煙に包まれ、頭を揺らすような爆音と衝撃が俺を襲う、少し目が回り思考が定まる暇もなく何かに激突衝撃と音がし、今度は白い土煙が視界を覆った。
うっぷ……何が………あぁ…ミサイルで墜とされたのか。
立ち上がり再び向かおうと思えど気力がわかない、墜ちてばかり、這ってばかり、ようやくいけると思えばまた離される。
目の前のエネルギー残量を見れば1/3を切っており腰部スラスターも先程の衝撃で機能が停止しているようだった。
これは…勝ち目はあるのだろうか?
機動力は落ち、エネルギー残量も心もとなく、相手との距離は再び開いてしまった、これでは……(なぁ?)
諦めかけた、いや…諦めようとした時と嘲笑う様な声が聞こえた。
(なぁ?諦めちまうのか?高々その程度で?)
だってしょうがねぇだろ?勝ち筋はほとんど無い、上手く行きかけても離される、そんなの諦め……(だったらさ)……
左腕が震え自分の意思とは無関係に拡張領域から、百足の仮面が現れ被せようしてくる。
(だったらさ…どうせ諦めるならさ…俺に遊ばせてくれよ?)
仮面を被った途端肩を掴まれ後ろに引きずられる感覚と共に視界を真っ黒に染まった。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
セシリア視点
あの男、ニスロクが墜落した事により巨大な土煙が上がってしまって何も見えない地上を見下ろし、大型のレーザーライフル銃『スターライトmkⅢ』を構え警戒していた。
(先程は油断していましたわ、まさかあんな無茶な方法で突っ込んで来るなんて……)
しかしもう油断はしない、あの男の戦いかたを見る限り瞬時加速からの近接戦しか出来ないもよう、ならばなるべく距離を置き『ブルー・ティアーズ』のオールレンジで削って行くだけ。
(さて?どう来る……「……か………!」…声?)
アリーナの観客席からではない、皆一様にあの男の墜落した場所を心配そうに見ていて、誰も喋ってはいなかった。
(いえ、そんな事に気をとられてはまた不意打ちを受けてしまいます、気を引き締めなけれは「かかかかかかかか!」何ですの!?)
今度こそ声の方向が解った、土煙の中あの男の墜落した位置!
瞬間爆音と共に土煙は晴れ、男は姿を表した。
それまで獣の様な腕に、右手には黒い槍が握られ、百足の頭の様な仮面を被っていた。
「カカカカカカカカカ!ひっさびさの『センティ』君登場!さぁさぁさぁさぁ!暴れまわって、遊び散らして、食いつくしてやんよ!カカカカカカカカカ!」
何とか捩じ込めた『センティ』君
何でセンティ?百足だからですよぉ!
因みに多重人格達は主人公(ニスロク)のメンタルが弱くなると遊ばせろ!と勝手に交代を余儀なくされます。
目次 感想へのリンク しおりを挟む
しおりを挟む
カカカカカカカカカ!
え?好きじゃない?(絶望)
「カカカ!さぁ遊ぼうぜ!セシリア・オルコット!久しぶりに出てこれて!ウズウズウズウズして仕方ないんだ!カッカカカカ!」
そう狂気じみたテンションで私を指差しカカカと笑う男…本当に先程戦っていた男なのでしょうか?雰囲気どころかそもそも何故喋っているのでしょう?あの男は失声症であったはず。
「なぁなぁなぁ!?考えてないで遊ぼうぜ!カカって来ないのか?なら俺から仕掛けて良いか!?良いよな!?よっしゃそんじゃあ!センティ君行っくぜぇ!?」
ふわりと浮くと同時に男のISから駆動音が聞こえて来る、これは先程から何度も聞いている、
「させません!」
男が瞬時加速を使う前に止めなくては!私はスターライトmkⅢで迅速にしかし正確にレーザーを射ち放つ。
「おっそーい!カカカカ!」
しかし男は左腕でレーザーを払い退けた、くっ…あの腕も中々邪魔ですわね。
「カカカカ!やめられない、止まらない!加速ってすっげぇ楽しいの!楽しいの!ビュン!って視界が変わるの楽しいの!だから止めるな、だから邪魔すんな!それに……お前に近づかなきゃ遊べねぇだろぉ?」
ドン!と言う爆音と共に既に目の前に接近してきましたわ!?
「くっ!?い、インターセプター!」
私は拡張領域から急ぎ近接装備のショートブレードを取り出し、突き出される槍を切り払おうと応戦しますが、槍についた無数の鋭利な突起が迫って来ました。
「お?白兵戦?白兵戦してくれるの?カカカァ!良いね!良ぃいね!やっぱり楽しいよね!白兵戦!切り結びお互いの力と力で競い会う!ハチャメチャ楽しいよね!」
「私は…白兵戦よりも銃撃戦の方が好みですわ!」
つばぜり合い?で押しては返されを繰り返しお互いの力が拮抗する中男は『ニィ』っと笑うと柄ついたトリガーを引き、すると笠状の鍔からスラスターが4基……何で槍からスラスターが出て来ますの!?
「It's show time!カカカカカァ!」
槍のスラスターが起動すれば当たり前の事ですが、私が押しきれる訳もなく。
「セシリア嬢!墜落してみない!?意外と楽しいぜ?」
「ふざけんなですわ!」
この男正気ですの!?いえ、目が逝ってますわね、これで正気なら世の中大変ですわ。
「shooting star!YayYay!」
「喋り方もう少し固定しませんの!?」
なんて話してたら本当に地面近づいてきましたわ!?
「そんじゃあ…瞬時加速と共にぃ!墜落!墜落ぅ!カッカカカカカァ!」
「そんなに墜落がお好きなら……お一人でしていなさい!」
墜落から逃れるために、つばぜり合いをしているインターセプターで槍の軌道を左に逸らすことで、この状況から抜けだ……ガシッ!…あっ……(察し)
「いやいやいやぁ、セシリア嬢から見て左に逸らしたら、こうやって掴めちゃうじゃないですかぁ、それじゃあレッツ墜落ぅ!カッカカカァ!」
回る視界、瞬時加速による空気抵抗と圧力を受けて、考える暇もなく私は地面に叩きつけられる事となったのでした。
セシリアsideout
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
センティside
カッカカカァ!どうも!どうも!はじめまして!センティピードの『センティ』君だぜ!?よろしくなぁ?
今かい?今かい?ついぞついぞ!セシリア嬢と墜落して地面に叩きつけてやったぜ!カカカカカァ!
「カァカカカカカカ!た~のしぃ~!そうだろ!?そうだろ!?セシリア嬢!?」
「ケホッ!ケホッ!むちゃくちゃしますわね貴方!」
むちゃくちゃ結構!楽しいからやってて最高!それにそれに槍とショートブレードは今の墜落の衝撃でぶっ壊れたみたいだし!……そう言えば今左手でセシリアの腹部を掴んでるんだよなぁ……カカカカァ!
俺様俺様良いこと思い付いたから左手の衝撃砲を起動、今体制に的に俺が左手でセシリア嬢の腹部を掴見ながら、上に乗ってる感じなんだぁ!
右手で相手の左腕を、両の足で同じく相手の両の足を抑え、左手の内部に衝撃砲の砲身を作成する。
「えっと!えっと!こういう時なんて言うんだっけ?確かあのゲームなら、あぁ!『絶波滅衝撃』!」
ズドン!とセシリア嬢の腹部に拡散衝撃を零距離で撃ち込まれる。
「ゴホッ!?」
「一撃じゃあ生ぬるいってねぇ!カカカカカカ!」
ズドン!ズドン!ズドン!と何度も撃ち込みセシリア嬢のISのシールドバリアーのエネルギーを削り落としていく。
「これでぇ!しまいだぁ!」
拡散衝撃砲を最大威力で撃ち込み地面に小規模のクレーターを作る、セシリア嬢のISはエネルギーが切れたためかISが粒子化して待機状態に戻った。
『セシリア・オルコット、
「カカカカァ!終わり!終わり?もう終わり?遊び終わってしまったの?ならならならならなら仕方ねえからこれでお開きおやすみなさいカカカ……カッ……」
さぁ!さぁさぁさぁさぁ!遊びはおしまい!俺ちゃん良い子だからこれ以上痛ぶるなんてしないからね!しっかりお休みするんだぜ?
俺は顔に付けた百足の仮面を粒子化させて拡張領域に戻していく、意識は表面から深い所へ戻り、寝ているニスロクを表面へ押し戻しておく、カカカカカカカカカ!あー!楽しかった!
まだまだ遊びは足りないけれど、まぁまぁまぁまぁ遊ぶ機会はあるだろからね!
センティsideout
軽い設定
センティ
ニスロクの勝利欲の人格
ニスロク本人が勝ちたいと思うが詰みだと諦めたりした時に高確率で出てくる人格。
基本的にテンション高めで同じく言葉を繰り返す癖がある。
性格は凄く簡単に言えばバーサーカー
ただ勝ちたいと言う思う欲求が強いために余計な事をして、負けになるのが嫌であるために相手を痛ぶらず、なるべく最短で倒す方法を考えている。
今回は武装全損を狙えなかった為にエネルギー切れを目指してひたすら衝撃砲でシールドバリアーのエネルギーを削り落としていた。
因みに笑うとき『カカカカカカカカ!』と変な笑い方をする。
目次 感想へのリンク しおりを挟む
しおりを挟む
クラス代表?いや、やりたくないが?
衝撃砲ってコスパ悪くない武装だったんですね(おい)
色々勘違い多過ぎて恥ずかしい(/-\*)
かなり勘違いしてる箇所多いのでおいおい直しつつ書いていきたいです。
あと、思ったよりも拡張領域の容量が大きい様なので機体設定、武装設定を大幅に変更したいと思います。
保健室
おはようございますニスロクです、何故か保健室のベッド上で目を覚まし、保健室の先生に聞けば俺が試合に勝ってたとか………はっは~ん、センティ君の奴やりやがったな?
とりあえずやることないんで、保健室の先生に一言言って寮に帰還、外はすっかり暗く自分の部屋に入ればさっさとベッドにダイブし、ウエストバックの中から『百足』、『兎』、『狼』の3つの仮面を取り出し、その中の百足を見つめる。
(あ~どうしよう……絶対センティむちゃくちゃやったよなぁ、後でオルコットさんに謝らないとなぁ)
『センティ』……俺の中の別人格、本人はセンティピードのセンティと名乗っていて、ひたすら狂気じみた性格をしている。
こいつは気づいた頃には俺の中に居て、俺がスポーツ試合などで、どうしても勝ちたい試合で負けそうになったり、諦めようとすると勝手に出てくる。
仮面が無くても出てくるが本人曰く『自分のイメージがモチーフになったもの付けてた方がやる気も上がるし、格好いいだろ!?カカカカ!』とのこと。
何じゃそりゃ?と最初の頃は思ったがこいつと接してると保々本能で喋って動いてるみたいだから深い理由は無いのだろう。
(憂鬱だ……寝よう、そして明日オルコットさんに謝ろう)
俺はどう謝ろうかとか、周りの反応を考え、憂鬱になりながらいつの間にか眠りに落ちていった。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
翌日 一年一組教室
「………………」
『あの、オルコットさん?おはようございます』
クッッッソ気まずい、オルコットさん不機嫌そうだし、周りも気まずいに俺らから目を背けている。
『昨日は、ごめんなさい』
「………何の事でしょう?」
『昨日の試合、センティを飛び出させてしまって、試合をメチャクチャにしてしまったでしょ?』
「………………」ピクッ!
うっ……センティって見せたら凄い表情で反応してきた、やっぱり気にしてるよこの人。
「あの、センティとはいったい何なのでしょうか?」
あぁ…やっぱり気になるよね。
『簡単に言えば俺の別人格、俺の中に三人くらい別の人格が居て、たまにああやって出てくるんだ』
スケッチブックを見せた途端、それを見た周りの女子達がざわざわと騒ぎだす、まぁ…当たり前だよなぁ。
『まぁ基本的に無害なんだけどね?勝手に出てくるのもこいつ等の琴線に触れた時だけだし、昨日は俺がセンティの条件満たしちゃって出て来ちゃったけど』
「では普段の生活でその……センティ?とやらは出てこないと?」
毎日出てこられたら流石にツラいわ、基本的に無害だから放置してるけど、度が過ぎたら流石に精神科医に通うよ?
『うん、基本的に自分から呼び出さなきゃ来ないよ』
「そっ…そうですか…と言うより呼び出せますのね。」
まぁ何だかんだ、技術的には俺よりハイスペックな所あるからね、いや話が大分逸れてきたな、伝えたいことは他にあるんだよ。
『それでね?昨日のは俺の実力じゃないから、クラス代表はオルコットさんが良いと思うんだ』
「残念ですが、お断りしますわ」
スケッチブックをオルコットさんに見せると先程と同じように不機嫌そうな表情になり、クラス代表を拒否してきた。
「どんな形であれ、あの試合の勝者は貴方、ニスロクさんです、負けたのに私がクラス代表になったでは良い恥さらしです!」
『いやいや!?あんなの無効試合でしょ!?俺だって自分の実力じゃないのにクラス代表なんで嫌だよ!』
「いえいえニスロクさんが!」
『いやいや、オルコットさんが!』
とお互い一歩も譲らずクラス代表を押し付けあっていると、教室の前の扉が開き、もう一人の男性操縦者の織斑一夏が入ってきたのである。
「おいおい、二人ともまた喧嘩してるのか?」
俺は一夏の右腕に機械的な腕輪が付いているのを見て、それが何なのかひらめくとニヤリと笑みを浮かべ。
俺のその笑みを見てから俺の視線の先に気がついたのかオルコットさんも同じようにニヤリと笑みを浮かべた。
「な……何だよお前ら二人して」
「一夏さん?その腕輪、もしかしなくても専用機ではなくて?」
聞いてくれたのはオルコットさん、そしてその言葉に再びざわざわと騒ぎだす女子達。
「え?あぁ!そうなんだ、昨日の2人が試合をしている最中に届いたんだけど、あの後俺の出番も無しに終わっただろ?とりあえず、『ふぉーまっと』?と『ぱーそならいず』?だけは済ませたんだ。」
俺はそれを聞き、オルコットさんの方を見ると、オルコットさんも此方を見て頷いてきた。どうやら俺達は同じ考えに到ったらしい。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
放課後 食堂
「「「「「織斑君!クラス代表おめでとう!」」」」」
「何で!?何で俺がクラス代表なんだ!?俺は戦ってないだろ!?」
現在千冬先生に食堂の貸し切り許可を貰い一夏のクラス代表就任のお祝いをしていた。
「それは私とニスロクさんがクラス代表を辞任したからですわ!」
「いや、何でだよ?俺は試合してないし、少なくとも二人の方が適任だろ?」
『いやだって、あれはセンティが勝ったのであって俺が勝った訳じゃないし』
「あれは私の負けですから、クラス代表にはなりませんわ!」
もうね?俺とセシリアさんで考えたんですよ、『一夏にクラス代表を
だって俺はどう頑張っても負けてたろうし、センティなんて出したらメチャクチャになって大変だろうし、セシリアさんもやりたくないと言うなら、専用機を持ってて、かつ推薦されてる一夏で良いやんってね!
『いやぁ無事に決まって良かったね!』
「そうですわ!本当に良かったです!」
「お前らそれで良いのか?」
良いんだよ!クラス代表なんてめんど…ん!ん~!面倒臭い事やりたくねぇんだよ!
『まぁ安心してよ、クラス対抗戦まで俺とセシリアさんとセンティで一夏を徹底的に鍛えてやるからさ』
「えぇ!勿論、クラス代表に恥じない立派な選手にして差し上げますわ!」
「何で二人ともこんなに仲良くなってるんだよ……」
良く言うだろ?『昨日の敵は今日の友』ってな!
大丈夫…フラグは立ってない…まだ友達
大丈夫…フラグは立ってない…まだ友達
大丈夫…フラグは立ってない…まだ友達
少しずつハーメルンの機能に慣れないとなぁ。
あと次のページに機体の追加武装とか変更点を書いとこうと思いましたがやっぱり小出しにしよう。
後、オリ主の身長が思ったよりも高くなってたから縮めます(おいィ!?)
目次 感想へのリンク しおりを挟む
しおりを挟む
いいか?見かけで判断するんじゃないぞ?
最低でも福音まで止まりたくねぇ!(頑張る)
機体設定の~更新をしようと考えたら兎と狼さんが出てないし、なんだかんだでエネルギー燃費の悪さが勘違いじゃなかったから、槍の仕様の変更とセンティ用の武装を1つ追加しておきたいと考えてます(もう1つロマン武器を突っ込みたい)
翌朝 自室
おはようございます、ニスロクです。
昨日送ったレギオンが修理されて帰って来ました。(ヤベーイ!ハエーイ!)
因みにISと一緒に『次の休みお前の時間を貰い受ける』とか恐怖でしかない手紙が来たのは、気のせいだと考えたい。
あと何やらセンティ用の武器が
いや、.hac〇//G.Uかよ死の恐怖目指してんじゃねぇよ?つかこれセンティの要望だな?しかも槍の突起無くなってるし。絶対使いづらかったんだな?分かりきってたことだろう?なんて、考えながら教室に向かいました……休日が怖い…
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
一年一組教室
「もうすぐクラス代表戦だね!」
「そうだ、2組の代表が変更になったって聞いてる?」
ほーん?随分と急な話だな……クラス代表戦まで日もないだろうに?
「あー、何とかって転校生に変わったのよね?」
「転校生?今の時期に?」
今の時期に転校生?しかもその子がクラス代表とは……中々の強さなのかな?
「うん!中国からの転校生なんだって!」
『ふーん?外国からの転校生かIS学園とは言え珍しいね?』
「ふん!私の存在を今更ながらに危ぶんでの転入かしらぁ?」
絶対それはねぇな、マーマイト賭けても良いわ。
「どんな奴なんだろ?強いのかな?」
「今の所、専用機を持ってるのは1組と4組だけだから余裕だよ!」
そんなもんかねぇ?量産機だって使い方次第じゃ強いし、油断は出来ないと思うけど…「その情報古いよ!」…そんな考えてた時前の扉が開きツインテールの女の子が入ってきた。
「2組も専用機持ちがクラス代表になったの、そう簡単には優勝できないから!」
誰だコイツ?随分と自信満々だな?このツインテール、言ったれ一夏!簡単に優勝してや「リン?」…って、ん?知り合い?
一夏はガタッと席から立ち上がり驚いた表情をしていた。
「お前、リンか?」
「そうよ!中国代表候補生、
ざわざわと騒がしくなる教室、つかコイツが中国の代表候補生で2組の転校生。
「誰ですの?一夏さんと親しそうですが?」
「鈴……何格好付けてんだ?すっげぇ似合わないぞ?」
お前ぇ!一夏かぁ!いくら本当の事だからって言って良い事と悪い事があるんだぞ!ほら見てみろ!顔が恥ずかしさで真っ赤じゃねぇか!ってあっ……。
俺は転校生の後ろに居る
「な!なんて事言うのよあんたは…」
ゴスン!と千冬先生の鉄拳が転校生の頭に叩き込まれた、めっちゃ痛そう……。
「いったぁ!?何すんの!?っふぁ!?」
振り替える転校生、そして顔を青くするまで完璧予想通り過ぎる行動をする。
「もう
「ち、千冬さん!?」
「織斑先生と呼べ、さっさと戻れ邪魔だ。」
「す……すいません。また後で来るからね!逃げないでよ一夏!ふん!」
ツインテールはそれだけ言うと自分のクラスへと戻って行った……なんか捨て台詞みたいな台詞だな。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
昼休み 屋上芝生
今日は屋上で1人飯を食おうとしてた…はずなのに…
『なんでセシリアさんが居るの?』
「あら?友人と食事するのは普通ではなくって?」
『いや普通だけど、普通だけどさ?あの2組に転入してきた『ふぁんりんいん』さん?とか、一夏との関係とか気にならないのかなって』
因みに俺今日は弁当作ってきてるから食堂使わなかっただけ、なんか個人的に弁当持ってるのに食堂で食うのは席とるし悪いなと思って。
「あら?それでしたら一夏さんに聞いておりまして、彼女は一夏さんの幼馴染らしく、一夏さん曰く『セカンド幼馴染』らしいですわ。」
なんだよ、セカンド幼馴染って、そのうちサード幼馴染とかフォース幼馴染とか出てくるのか?そのうち合体してパーフェクト幼馴染になるのか?
「それよりも、まさか貴方がお弁当だなんて、料理できましたの?」
『元々住んでたサーカス一座の座員達の料理の腕が壊滅的だったから、必要にかられて仕方なく覚えた、これでも一座の腹を支える料理長だよ?』
えぇ…幼い頃はヤバかった、外食ばかりだから『料理しないの?』と聞いたら。『この一座で料理は御法度だ、良いな?死人を出したくなかったら座員に料理をさせるなよ?』なんて言ってくるから、何かと思えば錬金術師の方々でしたよ、当時は死ぬかと思った。
『外食するよりも作った方が安かったからね、一座の消耗品費よりも食費の方が高すぎてヤバかった』
「た…大変だったのですね。」
『そう言うセシリアさんもお弁当?』
過去の辛い話から逸らすためにセシリアさんが膝に抱えていたバスケットを見る。
「えぇ!貴方にメシまず万年一位等と言われたので、私がイギリスにも美味しい料理はあるのだと、作って来ましたわ!」
へぇ?セシリアさんも料理出来たんだ、セシリアさんがバスケットの蓋を開けると、そこには綺麗に並べられたサンドイッチが入っていた。
『おぉ!凄く美味しそうだね!』
「お1ついかがかしら?」
やったね!俺は『ありがとう』と書いたスケブを見せてから1つ、ハムとレタスの挟まれたサンドイッチを取り、視界は闇に包まれた。
目次 感想へのリンク しおりを挟む
しおりを挟む
知ってる天井、招かれざる侵入者
(
時間がかかったわりに短いです
保健室
っは!?どこ!?ここ!?保健室!?
気づいた時、そこは保健室のベッドの上で俺は横になっていた。
確かセシリアさんのお弁当のサンドイッチを手にとって食べて……食べて、うっ!?くっそ!思い出せない、いやこの反応は覚えてる、これは座員の手料理を食った時の反応……なるほど、セシリアさんも錬金術師だったか。
まさかのガチなメシまずかよぉ!あんまり綺麗に出来てたから油断した、そう言えば座員の1人に同じように、見映え綺麗なのに食ったら劇物料理を作るやつ居たわ。
俺はベッドから降り保健室の先生一言言って教室に荷物を取りに戻った。つか俺、身体が弱いわけでもないのに保健室に運ばれ過ぎだろ。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
寮
あーくっそ…今日は一夏を鍛え損ねた、話しによるとセシリアさんと箒さんが二人がかりで鍛えてたらしい、お?意味深か?
無事部屋に戻り寝ようとした時だった、遠くから女の子の怒声と扉を力強く閉める音がした。チラッと扉から廊下を覗くと2組の転校生凰鈴音さんが涙目で走っていった。
やべぇ…絶対面倒臭い事が起きた、それも一夏絡みで(直感スキル)、幼馴染とか言ってたしきっと「大人になったら毎日お味噌汁を作ってあげる」的な事を子供の頃に言ってたのを、奢ってあげるとかに勘違いされたに違いない!(疲れてる時の嫌な直感スキル)
………………よし!放置しよう!関わっても絶対良いことない!俺はそっと扉と鍵を閉めてベッドに戻り眠りについた。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
クラス対抗戦当日 アリーナ観客席
やぁやぁ!今日はアリーナ観客席で布仏さん達と一夏の試合を観戦してるぜ……兎の着ぐるみを着て!
「あの、蟲神くん?何で兎の着ぐるみを来ているの?」
「それはね~?前にニッスンがISのスラスターを2基駄目にしたでしょ~?折角整備とか手伝ったのに直ぐ壊したから罰ゲームで着て貰ってるんだ~」
えぇ、朝早くに訪ねて来たと思ったら「ニッスン~前にスラスター壊した罰ゲームね~」とか言って、兎の着ぐるみパジャマを持って来ましたよ、え?拒否しなかったのかって?本音さんに逆らえる分けないじゃないですかやだぁ。
『いやぁ、それにしても一夏の対戦相手がまさかの2組のリンさんか、フラグ回収早いな』
「そうだねぇ~それにあっちのIS強そうだよ~」
あの機体……俺達のレギオンとコンセプトと言うか戦闘距離同じだな。背中にマウントされた巨大な片刃の曲刀、それにあのカスタムウイング、俺のアヴェンジャーに搭載されてる衝撃砲の規格を大きくしたやつが搭載されてる。安定性と燃費を重視した機体ってところか?
『あれには多少無理してでも近接戦闘で行かないと一夏完封されるよ?離れたらカスタムウイングの衝撃砲を射たれて終わる』
「え?見ただけでわかるの!?」
『機体タイプが同じって言うか、使ってる武器種が被ってるからね衝撃砲だったらレギオンの武装にも搭載されてるのがあるよ?』
まぁあっちは近接に見せた中距離って感じだろ、俺のはガチな近接特化、アサルトライフルは無いよりはマシ程度、お守りって感じだからね。
なんて談話してると開始の合図が鳴った。それと同時に一夏とリンさんはそれぞれ動き始める。
「あっ!始まったみたいだよ!」
最初に仕掛けたのはリンさんだった、素早く最初にマウントしていた曲刀と同じ物を拡張領域から取り出すと二刀流で切り結び、ちょっと離れてはつばぜり合いを繰り返していた。
『いくらISでもあの質量で攻撃はエグいね』
「織斑くん!頑張れぇ!」
「いっけ~おりむ~」
もう何度目かの打ち合いをした時、織斑が距離を取り始めた、あっ……(察し)
『まずいあの馬鹿』
瞬間爆音と共に一夏は地面へと叩き落とされていた。
「え!?何!?何で織斑くん落とされたの!?」
「もしかしてあれが衝撃砲?」
『うん、俺のはほぼ零距離で使用するから気づかないけど、本来は砲身も弾丸も見えないのが特徴だからね』
まぁ言うて機体の駆動音で射撃タイミング計れるし避けること自体はできるんだよなぁ、ほら一夏も避けてる避けてる。
「おぉ~!おりむー凄~い」
しかしそこからしばらくは衝撃砲の弾幕により防戦一方の一夏だった。まぁ、距離を詰めようとしても衝撃砲を引き射ちされちゃうしなぁ。と思ってみたが一夏の表情を見ると何かを狙ってる様子。
『多分そろそろ一夏仕掛けるよ、なんかそう言う表情してる』
「え?それってどういう……」
一夏が仕掛けようとした時だった。
バリーーン!っと言う音と共にアリーナの障壁が割れたと思えば、アリーナの中央で巨大な爆発が起き、何かが侵入してきた。
目次 感想へのリンク しおりを挟む