弟もヨーソロー? (光星)
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僕とAqoursとの馴れ初め

曜ちゃんはブラコンだという設定にしてます。たまにヤンデレっぽくもなってるかも…?



「ここが浦の星女学院…」

僕は渡辺奏。今お姉ちゃんの通っている高校の門の前に立ってます。

なぜここにいるのかというと、それは朝食を食べている時のこと…

 

 

 

 

「そうだ!奏くん、今日浦女に来てくれない?」

 

「浦女ってお姉ちゃんの高校だよね?なんで?」

 

「いいから!これ!鞠莉ちゃんに貰った入校許可証!これ出せば入れるから!じゃあ時間だから行くね!全速前進、ヨーソロー!」

 

「あ!ちょっと、お姉ちゃん!」

どうやら僕に拒否権はないみたい…

 

 

 

とりあえず中学校が終わった後に来てみたけど、なんか緊張してきたなぁ 。本当に入れるのかな?

すると、門の前にずっといる僕を見て、制服を着た人達が話しかけてきた。

 

「君、どうしたの?」

 

「かわいいねー」

 

「ちょっと!怖がっちゃうでしょ?」

 

「もう、2人とも。ごめんね、それで、何かあったの?」

家族以外の女の人と話した経験がほとんどない僕は固まってしまう。は、早く何か言わなきゃ。

 

「え、えーっと、お、お姉ちゃんに呼ばれて」

 

「お姉ちゃん?君、名前は?」

 

「渡辺奏です。」

 

「じゃあお姉ちゃんって曜ちゃんかな?」

 

「は、はい」

 

「そっか、じゃあ今は屋上だね、練習してると思うよ」

 

「ねぇねぇ、2人とも。私たちが連れてってあげようよ」

 

「あっ、いいかも!ね!奏くん、場所わかんないでしょ?」

 

「は、はい」

 

「じゃあ、お姉ちゃん達と一緒に行こっか!」

 

「は、はい」

 

「よーし、行くよー」

そのまま手を繋がれて僕は屋上へ連れてってもらうことになった。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーー

ーー

曜side

「あれー?奏くん遅いなぁ」

Aqoursの練習中、この後来るはずの弟がなかなか来ないことを少し気になっていると、千歌ちゃんが大声で反応してきた

 

「奏ちゃん!?奏ちゃん来るの!?」

 

「わわっ、千歌ちゃん。声でかいよ」

 

「あはは、ごめんごめん。でも、奏ちゃん来るってホント?」

 

「うん、今日の放課後来るように行ったんだけど、ちゃんと来るかなって、迷ったりしてないかな?あっ!もしかしたら事故に…!」

 

「曜、落ち着いて。大丈夫だよ、奏はちょっと遅れてるだけでしょ」

 

「果南ちゃん…そうならいいんだけど…」

 

「あら、曜はbrotherが大好きなのねー!」

 

「ま、鞠莉ちゃん!そ、そんなこと…//」

 

「恥ずかしがることじゃないわ。下の子をかわいいと思うのは当然のことよ。ね、ダイヤ、」

 

「な、なんですの突然?」

 

「ダイヤはルビィちゃんのこと大好きでしょ?」

 

「そ、それは当然ですわ」

 

「ね?普通のことなのよ?」

 

「曜ちゃん弟いたんだ。ルビィ男の人苦手だから、仲良くなれるか心配…」

 

「マルもちょっと不安ずら」

 

「ヨ、ヨハネにとっては1人リトルデーモンが増えるだけ。ぜ、全然問題ないわ!」

 

「善子ちゃんも緊張してるずら」

 

「してない!あとヨハネ!」

 

「だいじょーぶだよ!3人とも!曜ちゃんの弟はすっごくかわいくって、私がスクールアイドルに誘ったぐらいなんだから!」

 

「そういえば梨子ちゃんを誘う前に話してたね」

 

「そんなにかわいいの?」

 

「うん!もうだきしめたくなっちゃうくらい!…って、梨子ちゃんなんか顔赤くなってない?」

 

「き、気のせいよ!気のせい!」

 

「そっか、まぁ練習しながら待ってようよ、曜ちゃん」

 

「そうだね、じゃあそろそろ練習再開しよう、千歌ちゃん!」

 

「うん!」

 

 

 

 

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ーーー

「もうすぐ着くからねー」

手を引かれてる僕は屋上に向かっていた。

 

「それにしてもほんっとにかわいいねー。さすが曜ちゃんの弟…はっ、このまま私の家に連れて行けば私の弟に…」

 

「いや、犯罪だから」

 

「2人とも、おかしなこと言わないの!」

 

「「はーい」」

 

「はい、着いたよ。このドア開けると屋上だから、お姉ちゃんに会えると思うよ」

 

「あ、あの、ありがとうございました。」

 

「ぁーよくできた子だね。曜ちゃんが羨ましいよ」

 

「じゃあそろそろ行きな?お姉ちゃん待ってるよ」

 

「あ、はい」

 

「また会おうね、奏くん」

お辞儀をしてドアを開ける。

 

 

 

 

 

 

ガチャ

ドアを開けると手拍子とリズムを刻む声が聞こえてきた。多分練習中なんだろうな。ちょっと様子を見てみようと顔を出した瞬間だった。

 

「あっ!奏ちゃんだ!!!奏ちゃーーーーん!!」

ハグッ

「うわぁっ、千歌お姉ちゃん!き、急にやめてよ」

 

「えへへーよくきたね!奏ちゃん!」

スリスリ

 

「ちょっと千歌ちゃん!奏くんは私の弟だよ!」

 

「わかってるよぉ、でももうちょっとだけ、えへへ。相変わらずかわいいねぇ。なでなでしてあげる!」

ナデナデ

「や、やめてよ。僕もう子供じゃないんだよ!」

 

「千歌ちゃん!」

 

「あっはは、千歌は相変わらずだねー」

 

「ちょっと果南お姉ちゃん!見てないで助けてよ!」

 

「か、かわいい……」

 

「ルビィ、あの子なら大丈夫な気がする」

 

「マルもずら」

 

「Wow!曜に聞いてた以上のかわいさね!」

 

「そ、そうですわね…」

 

「あ、そうだ奏ちゃん、部室にみかんあるけど食べる?」

 

「だ、だから僕はもう子供じゃ…」

 

「い、いい加減にしろぉぉぉーーー!!」

 

「わぁ!曜ちゃんが怒ったぁ!」

 

「千歌ちゃん!何回言ったら分かるの!奏くんはわ・た・し・の弟だよ!」

 

「あの曜がこんなに怒るだなんて…!」

 

「昔から曜は奏のことになると必死になるんだよねぇ。まぁ、それだけ大事ってことだよね」

お姉ちゃんが怒ったから僕は千歌お姉ちゃんから開放された。その後30分くらい千歌お姉ちゃんは正座で怒られてたけど

 

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ーーー

「じゃあ改めて紹介するね。私の弟の奏くんだよ」

 

「わ、渡辺奏です。いつもおね…姉がお世話になってます。」

その後、お姉ちゃんのグループの人達が自己紹介をしてくれた。お姉ちゃんがスクールアイドルをしてることは知ってたけど、メンバーとかグループ名は知らなかった。Aqoursっていうグループらしい。

 

「よろしくね、奏くん。ところで曜ちゃん、どうして奏くんを呼んだの?」

 

「あぁ、そうそう。その事なんだけどね。前から第三者の意見が欲しいって言ってたじゃん?奏くんは私の高飛び込みのフォームとか見てくれてたから、そういうアドバイスならピッタリかなって思って」

 

「なるほど…そういうことでしたのね。でも奏さんにちゃんとそのことは言ったのですか?」

 

「へ?も、もちろんだよ!ね!奏くん!」

 

「一言も言ってなかったよ。お姉ちゃん今日の朝いきなり浦女に来てって行ってきたんじゃん」

ジトー

 

「ご、ごめん!今日の朝に思い出して…」

 

「ふーん、ここに来るまで大変だったんだけどなぁ」

 

「ごめんって!謝るからー」

 

「んふふっ、拗ねてる奏ちゃんもかわいいっ」

 

「…それで、僕はどうすればいいの?」

 

「え、えーっと私たちの練習を見て、感想教えてくれればいいんだけど」

 

「えーどうしよっかなぁ」

 

「お願い!奏くん!」

 

「えへへ、冗談だよ。」

 

「それじゃあ…」

 

「うん、僕で良ければ…」

 

「良かったぁー、引き受けてくれないかと思ったぁ」

 

「それは曜さんが事前に言っておかないからでしょう」

 

「それでは皆さん、よろしくお願いします」

とりあえず今日は見学することになってみんなの練習を見てた。

 

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ーーー

段々日が落ちてきた頃、

「よーし、じゃあ今日の練習は終わり!みんなおつかれ!」

千歌お姉ちゃんの声で練習が終わった。

「疲れたずらぁ」

 

「花丸ちゃん、汗拭かないと風邪引いちゃうよ?」

 

それぞれの反応をする中、僕に話しかけてきた人がいた。

 

「どうだった?奏くん」

 

「え、えーっと…」

名前ななんて言ってたっけ?えーっと確か…

 

「梨子よ」

 

「あぅ、ごめんなさい」

 

「ふふっ、気にしないで。それより、練習見ててどうだった?」

 

「えーっと…楽しそうだなって思いました。」

 

梨子さんは一瞬キョトンとしたけど、すぐに優しい笑顔になって言った。

 

「そうね、すごく楽しいわよ。でもね、楽しいだけじゃダメなの。だから奏くんの力を貸してね。」

 

「はい!」

 

「頼もしいわね」

と言って、頭を撫でてきた

 

「もー、梨子さんまで。僕もう子供じゃないんですよ?」

 

「ごめんなさい、つい。あ、そうだ」

そういうと少し梨子さんは顔を赤くしてなんかモジモジしてきた

 

「?なんですか?」

 

「その、私もお、お姉ちゃんって呼んでくれてもいいのよ?」

 

「………へ?」

 

「だから、そのー…ほら!私って曜ちゃんと同い年じゃない?千歌ちゃんのこともお姉ちゃんって呼んでるみたいだし、私も呼んでほしいっていうか…仲間外れはいやだっていうか…その…」

 

「あははっ、かわいいところあるんですね、梨子お姉ちゃん!」

 

梨子は驚いた表情をした後、すぐに僕に抱きついてきた

ハグッ

「わぁっ、なんですか!?梨子お姉ちゃん!」

 

「こうしたかったからいいの!よろしくね!奏くん!」

 

「はい!」

 

これからAqoursのみんなと楽しい日々が過ごせると思うとすごくワクワクしてきた。明日から僕も力になれるようにがんばるぞ!全速前進!ヨーソロー!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…梨子ちゃん…?何……してるの?」

 

梨子お姉ちゃんにハグされてると、背後からゾクッとするほど低い声が聞こえてきた。その瞬間、梨子お姉ちゃんの体が強ばる

 

「…ねぇ、梨子ちゃん。私言わなかったっけ?奏くんは私の弟だって」

 

すぐに僕を離す梨子お姉ちゃん。しかし、時すでに遅し。一瞬で梨子お姉ちゃんに詰め寄るお姉ちゃん。

 

「お、落ち着いて曜ちゃん。これは違うの!その…そう!軽いスキンシップというか…」

 

「軽いスキンシップ…?へぇー梨子ちゃんにとってお姉ちゃんって呼ばせてハグすることは軽いスキンシップなんだぁ。ふぅん」

 

こ、こんなお姉ちゃん見たことない…

この後、梨子お姉ちゃんはさっきの千歌お姉ちゃんと同じように正座で叱られてました。

 

この事件の後、Aqoursの中では僕のことでお姉ちゃんを怒らせてはいけないという暗黙のルールが出来たそうです。

 

 

 

 

 

 

 




読んでいただきありがとうございます。いかがでしたでしょうか?面白く思ってくれたら幸いです
ここで、奏くんのプロフィールを書こうかなと思います。
名前:渡辺奏
年齢:14歳
性格:少し人見知り
身長:145cmぐらい
渡辺曜の弟で、姉の曜とは反対に少し人見知りで、引っ込み思案なところがある。前髪が少し長めで顔も童顔のため、千歌にはとてもかわいがられている。

どうでしょう?身長低めのかわいい感じの男の子ですね。これからAqoursとどんどん関わらせていきたいと思っています。
それでは、今回はここまで…





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曜ちゃんにとっては大事件!

~曜side~

 

今日は朝からAqoursの練習。

今日から奏くんもついてくるって言ってたけど、起きてるかな?起こしに行ってあげよっと♪

コンコン

ガチャ

「おじゃましまーす」

えへへ、なんか悪いことしてる気分になるね

さてと、奏くんは…ふふっ、まだ寝てる。かわいいなぁ

ずっと見てたいけど、そろそろ時間だし起こさなきゃ…

毛布をめくって…ん?

奏くんはぬいぐるみをギューってして寝ていた

か、かわいすぎる………!!!

パシャ

よし、保存完了。今度こそ起こさなきゃ

 

「奏くーん、起きてー。もう朝だよー。今日からAqoursの練習に来るんでしょー?」

 

「んん……まだ…眠いよぉ…」

 

「だーめ!起きて!」

 

「うぅ、お姉ちゃんのいじわる…嫌い…」ボソッ

 

そ、そんな…もしかして私…奏くんに嫌われちゃったの!?

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーー

ーーー

お姉ちゃんに起こされて思い出したけど、今日は朝からAqoursの練習があるんだった。

準備をし、お姉ちゃんと一緒に家を出る。バスを待っている間、何か話そうかと思ったけどお姉ちゃんがなんか静かだったから結局何も話さないまま学校に着いた。

 

「まず部室行くから…」

 

「う、うん」

 

お姉ちゃんどうしたんだろ今日は珍しく元気がない

心配です。

そのままなんの会話もなく部室に着いた。

部室には千歌お姉ちゃんと梨子お姉ちゃんの2人以外は全員揃っていた。

 

「おはようございます。曜さん、奏さん。」

 

「おはよう、2人とも。」

 

「あら、2人ともグッドモーニング!」

 

「おはようずら」

 

「2人ともおはよぉ」

 

「ふっ、このヨハネから朝の福音を授けよう。」

 

「善子ちゃん長いずら」

 

「うるさいわよずら丸!あとヨハネ!」

今日も元気だなぁ

 

「おはよう…」

 

「「「「「「?」」」」」」

 

「お、おはようございます。今日からよろしくお願いします。」

 

「よろしくねー!奏!じゃあマリーとよろしくのハグ、しましょ?」

ハグッ

「ま、鞠莉さん。苦しいです…」

 

「ちょっと鞠莉、そういうことすると曜が怒るよ」

 

「そうずら。この前の梨子ちゃんを見なかったずらか?奏くんのことになると曜ちゃんはすっごくおこ…る…ずら?」

 

「あれ?曜ちゃんが…」

 

「怒らない!?」

 

「……あれ…?どうしたのみんな…私のこと見て…」

 

「曜、何も思わないの?」

 

「…?何が…?」

 

ガッ

そのまま僕は部室の端に連れてこられた。

 

「ちょっと奏!今日の曜おかしいってもんじゃないよ!?」

 

「そうですわ!いつもの曜さんと全く違うではありませんの!一体何があったんですの!?」

それには僕も気付いていた。朝からお姉ちゃんはずっとなんか凹んでる?感じがするのだ。

 

「ぼ、僕もわかんないですけど、朝からお姉ちゃんあんな感じで…学校来る途中もほとんど話してないですし…」

 

「まさか、終焉が近づいて…」

 

「善子ちゃんは1回黙ってるずら」

 

「ヨハネ!」

 

「でもルビィも心配だよ…いつもの曜ちゃんらしくないよ」

 

ガチャ

「みんなおはよーーー!ごめんねちょっと遅れちゃった」

 

「千歌ちゃんが寝坊したからじゃない!」

 

「あれ?みんなどしたのー?そんなすみっこにかたまって」

 

「えーっと…それは…」

チラッ

「って!曜ちゃんが机に突っ伏してるんだけど、なんかあったの!?」

 

「え、えーっとそれは…」

 

「ちょっとわかんなくて…」

 

「練習よりもそっちが大事だよ!曜ちゃん!どうしたの!?」

 

千歌お姉ちゃんと梨子お姉ちゃんが来て、練習がはじまると思いきや、お姉ちゃんの元気がない理由の調査が始まった。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーーー

ーーー

「それで?曜ちゃんは何があったの?」

 

「それが、私達にもさっぱりで…奏さんも分からないと…」

 

「奏ちゃんも?」

 

「うん、朝からこんな感じで・」

 

「うーーん…なんだろう…」

 

「曜ちゃん、今日体調悪い?」

フルフル

梨子お姉ちゃんの質問に首だけで答えるお姉ちゃん。喋らないって相当だなぁ

 

「じゃあ、何か悲しいことでも?」

ピクッ

 

「あ!一瞬反応したよ!曜ちゃん!悲しいことがあったの?」

コクコク

「衣装が破けちゃったとか?」

フルフル

「天界からの…」

フルフル

「まだ全部言ってないんだけど!」

 

「じゃあ、奏のこと?」

 

「えっ!僕!?」

何も身に覚えがないんだけど…

コクリ

 

「曜、話してみて?」

 

「……今日の朝…」

ぽつりぽつりとお姉ちゃんは話し始めた。

 

「奏くんを起こしに行ってあげたんだけど、そこで…」

 

「「「「「「「「そこで?」」」」」」」」

 

「「お姉ちゃんのいじわる、嫌い」って…だから私嫌われちゃったんだと思って…」

 

「へ?」

 

「あー、これは…」

 

「奏に責任があるかな」

 

「ええ!僕そんなこと言った!?」

 

「言ってたもん!」

 

「それで?奏は曜のことどう思ってるの?」

 

「へ!?…それ言わなきゃダメですか?」

 

「オフコース!曜が元気になるためデース!」

 

「ぅぅぅ…お、お姉ちゃんはいつも元気で、僕の面倒を見てくれて…えっと…だ、大好きだよ…///」

 

「奏くん…!奏くん!」

ハグッ

「うわぁっ!お姉ちゃん!」

 

「良かったぁ、私、奏くんに嫌われちゃったらどうしようって…」

 

「僕がお姉ちゃんを嫌いになるわけ…ないじゃん///」

 

「とりあえず解決…かなん?」

 

「そうですわね」

 

「じゃあ曜ちゃんも元気になった事だし、早速練習するぞーーー!」

 

「「「「「「「「おおーーー!」」」」」」」」

 

「屋上に向かってー!全速前進、ヨーソロー!」

 

「わぁ!曜ちゃん早いよぉ」

 

「後を追いかけるずら!」

 

「ギラン!」

 

「あ、ちょっと!転びますわよ!」

 

元気そうに走っていくお姉ちゃんを見てほっとしたけど…

 

「奏?もしかして、申し訳ないって思ってるんじゃない?」

 

「…はい。知らなかったとはいえ、僕のせいでお姉ちゃんに心配をかけちゃって…」

 

「ふふっ、そしたら今日はもっと素直になりなさい?」

 

「素直に?」

 

「ええ、いつもは恥ずかしくて甘えてないんじゃない?」

 

「そ、それは…」

 

「図星ね。今日ぐらいはいいんじゃない?さあ、屋上に行くわよ!」

 

素直に…か…

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーー

ーーー

~曜side~

あの後はいつも通り練習して、部室で話して、別れた。

にしても奏くんったら紛らわしいこと言うんだから、後でちゃんと話しておかないと。

そんなことを考えながら衣装の作業をしてると、もう夜も遅くなってきていた

明日も練習あるし、もう寝なきゃ…

コンコン

「?はぁい」

ガチャ

そこには枕を持った奏くんがいた

「お、お姉ちゃん」

 

「そ、奏くん!どうしたの!?」

私が困惑してると、奏くんが口を開いた

 

「そ、その今日はお姉ちゃんと一緒に寝ても…いい?」

その発言に私は硬直してしまった。だって!奏くんからこんなこと言うだなんて!いつもは恥ずかしがって断ってさえくるのに…!それにしても奏くんがこんな時間にこの部屋に来るのは…

なんて考えて冷静になろうとしてたのに…

 

「ダメ…かな?」

なんて上目遣いで言われたら断る理由がないよ!

 

「ヨ、ヨーソロー!もちろんオッケーだよ!」

 

「へへへ、良かったぁ」

そう言ってにへらっと笑う奏くんは昔から何も変わらないかわいさで、なんだか懐かしい気持ちになってくる

 

「ところで、突然どうしたの?」

奏くんを私のベッドまで連れてきながら尋ねる

 

「その…今日ぐらいは素直になれって言われて」

 

「?誰に?」

 

「鞠莉さんに」

鞠莉ちゃん…!ありがとう!今度しっかりお礼をしないと…

 

「じゃあ寝よっか」

2人でベッドに横になる。このベッドも昔は2人入っても余裕があったのに、今はちょっとくっつかないと少し狭い。2人とも大きくなったんだなぁ

 

「あ、そうだ。奏くん!あんまり紛らわしいこと言わないでよ」

 

「…もしかして朝のこと?」

 

「そう!」

 

「でも覚えてないんだもん」

 

「むっ、ちゃんと反省してるの?」

 

「はーい、次から気をつけまーす」

 

「ちゃんと反省しろーー!」コチョコチョ

そう言って奏くんの体をくすぐる

 

「ひゃぁっ、ちょっぁははっ、お姉ちゃんっ、くすぐったいよぉ!」

 

「反省したぁ?」

 

「したした!凄いしたぁ!あははっ、だからやめて〜」

 

「もうしないでね」パツ

そう言ってくすぐる手を止めた

 

「ハァ…ハァ…わかったよぉ」

 

「へへっ、なんか昔に戻ったみたいだね」

 

「懐かしいね」

 

「うん………もう寝よっか?」

 

「そうだね…おやすみ、お姉ちゃん」

 

「うん、おやすみ、奏くん」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

~翌朝~

いつもよりも少し早く目が覚めた。奏くんはまだ寝てるみたい

気持ちよさそうな寝顔…ふふっ、かわいい

こうやって寝る癖も変わってないね

奏くんは昔から何かにギューっと抱きついて寝る癖がある。今は私の胸に顔を埋める形で寝てる。

 

「もう、かわいいんだから」

そう言って頭を撫でてあげる。起きちゃうかな?でもこれで起きて照れちゃう奏くんも見たい

 

「うぅん、んぁ?」

 

「おはよう、奏くん」

 

「ふぁ、お姉ちゃん。おはよ…う!?」

一気に目が覚めた奏くんは顔を真っ赤にしてすぐ離れようとしたけど、そうはさせない。私が抱きついてるから

 

「お、お姉ちゃん!離して!」

 

「えへへ、昨日の罰だよ!」

 

「それは昨日謝ったじゃん!」

 

「あれ〜?そうだっけ?」

 

じゃれあっていると、あっという間に時間が過ぎてもう起きる時間だった。奏くんは今日も来るらしい。気合いが入るね!

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

あの後はいつも通り支度して家を出た。お互い顔は赤かったけどね

そして一緒にバスに乗って学校へ。

部室のドアを開けるなり…

「!曜さん!今日は大丈夫ですの!?」

 

「あはは、だ、大丈夫大丈夫。」

 

「今日は朝から元気そうだね」

 

「うん!元気全開でいくであります!」

朝の挨拶を済ませ、言うべきことを言いに行く。

鞠莉ちゃんにだ。

 

「あの、鞠莉ちゃん」

 

「あら、曜。どうしたの?」

 

「奏くんから聞いたんだけど…ありがとね。奏くんに話してくれて」

鞠莉ちゃんはにっと笑って答えた

 

「いいのよ。やっぱり2人は仲良くなくちゃね。」

 

「何かお礼がしたいな」

 

「お礼?別にだいじょう…いや!1ついいかしら?」

鞠莉ちゃんはハッと閃いたようにそう言った。

 

「!いいよ!なんでも言って!私にできることならなんでもするよ!」

 

「じゃあ…」

その後の言葉に私は驚きが隠せなかった。

 

 

 

「奏を今日1日貸して?」

 

 

 

 

 

 




2話目読んでいただきありがとうございます!
質問を頂いたのですが、「奏」の読み方は「そう」です。曜ちゃんと母音が揃えたかったので、この名前にしました。

さて、次回は鞠莉ちゃん回ですね。1日奏くんと会えない曜ちゃんはどうなってしまうのか…
次回も読んでいただけると嬉しいです!





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今日は鞠莉ちゃんがお姉ちゃん!

~曜side~

「鞠莉ちゃん、どういうことか説明してくれる?」

練習が終わった後、私はすぐに鞠莉ちゃんに聞いた

お礼がしたいって言ったけど、奏くんを貸してだなんて、簡単に返事はできないよ!

 

「もーそんな怖い顔しないで?school idolは笑顔が大事よ?」

 

「…」

 

「わかったわ。本当のことを話すわね。」

 

「うん…」

 

「マリーはね、一人っ子なの。それで考えてたの。私に弟や妹がいたらって。」

 

「それで奏くんを…?」

 

「うん。少しでいいから体験してみたいの。弟がいる生活を。めいっぱい甘やかしてあげたいの…!」

 

「そっか……」

 

「ダメ…かな?」

 

「ちょっと奏くんにも聞いてみよっか」

そう言ってルビィちゃん達と話していた奏くんを呼ぶ

テテテッと走ってくる奏くんに愛らしさを感じながらも、ことの成り行きを話す。

 

「つまり今日は鞠莉さんのお家にお泊まりってこと?」

 

「そういうこと。どうかしら?」

 

「うーん。どうしようかなぁ。ウチから離れてますか?」

 

「そうね、結構離れてるかしら」

 

「お家どこなんですか?」

 

「ホテルオハラよ」

 

「へ?」

 

「だからホテルオハラよ」

 

「お姉ちゃん、どういうこと?」

そういえば奏くんに伝えてなかったなぁ

 

「鞠莉ちゃんはホテルオハラのお嬢様なの。この学校の理事長もやってるしね。」

 

「えぇぇぇぇぇ!?!?!?そういうことは早く言ってよ!!!」

 

「あはは、ごめんごめん」

「なになにー?どーしたの?」

奏くんの大声にみんなが集まってきた

みんなにも話をした。すると、千歌ちゃんが

 

「絶対泊まってみた方がいいと思う!鞠莉ちゃん家すごいんだよ!」

 

「で、でも…明日は学校あるし…」

だいぶ行きたいって思ってきてるなぁ…寂しいけど、ここはお姉ちゃんとして行かせてあげようかな

 

「奏くん!行きたいんでしょ?」

 

「え、えっと…それは……うん…」

 

「よし、じゃあ行っておいで!鞠莉ちゃん奏くんをよろしくね?」

 

「サンキュー曜!奏をめいっぱいかわいがってあげるわ!じゃあ奏、行きましょう?」

 

「あ、あの、制服とかは?」

 

「あぁ、後で家の者に取りに行かせるから大丈夫。さぁ、行くわよ!」グイッ

 

「わぁぁ、ちょっと待ってくださいよ!鞠莉さん!」

 

行っちゃった…これで良かったんだよね…?

 

 

 

 

 

 

「曜ちゃん、今日私たちもお泊まり会する?」

 

「千歌ちゃん…うん!やろう!」

 

「わーい!じゃあ梨子ちゃんも!」

 

「えぇ、行くわ」

私も切り替えて楽しまなくっちゃ!

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーー

ーーー

「うわぁ…おっきいホテル…」

あの後は…なんかよく覚えてない。気がついたらもう着いてた。呆然としていたら後ろから鞠莉さんに抱きつかれた

 

「もう!ホテルの前で何してるの?早く行くわよ?」

 

「ちょっと鞠莉さんあんまりくっつかれると…///」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「ここがマリーの部屋よ」

ガチャ

「…!すごーい!」

 

「さぁ、入って入って…と言いたいところだけど…」

入ろうとしたら鞠莉さんに止められた。なんで?

 

「この部屋に入るには、一つだけ条件がありマース!」

条件…?ハッ!もしかしてお金…?こんなホテルに泊まるようなお金なんて持ってないよ…

 

「ご、ごめんなさい…お金は持ってないです…」

 

「へ?何勘違いしてるのよ?そんなんじゃないわ」

 

なーんだ良かった。お金って言われたらお小遣い何ヶ月分前借りしなきゃいけないかわかんないもんね

 

「じゃあ、なんですか?」

 

「今日は1日私のことをお姉ちゃんだと思うこと」

 

「…はぁ、分かりました」

 

「それも禁止!」

 

「?それって?」

 

「敬語!お姉ちゃんなんだから敬語は使わないでしょ?」

 

「わかりま…わかったよ」

 

「よろしい!じゃあ入ってちょうだい」

やっと許しが出たので部屋に入る。外から見るよりもずっと豪華に見えた。僕は今日こんなすごいとこに泊まるんだ

 

「早速で悪いけど、シャワー浴びてくるわね。練習で汗かいちゃって」

 

「は、はい」

 

「もう、そんなかしこまっちゃって。今日は私がお姉ちゃんよ?」

 

「あ、ごめん。慣れなくって…えへへ」

 

「と、とにかく浴びてくるから、部屋で待っててくれる?あぁ、それとも…一緒に入る?」

 

「!何馬鹿なこと言ってるの!早く行ってきて!!」

 

「はーい」

 

全く…鞠莉さんったら…あ、ここだとお姉ちゃんって呼べって言われてるんだった。待っててって言われても、特にやることはないのでベランダに出てみた。

 

「すごいなぁ、僕の家はあっちの方かな?」

家のベランダより高いところから見る町は普段と違って見えた。お姉ちゃんに写真撮って送ろうかな

実は僕、スマホ持ってるんです!僕は特に欲しいって訳じゃなかったんだけど、お姉ちゃんが危ないから持った方がいいってお母さんに熱弁して…

 

パシャリ

「よし、結構上手く撮れた」

早速今撮った写真をお姉ちゃんに送る

 

奏:【⠀ベランダからの写真撮ったよ〜】

 

ピコン!

返信早っ!

 

お姉ちゃん:【奏くんが楽しそうでなによりです。でもお姉ちゃんは奏くんに会えなくて寂しいです。早く帰ってきて】

 

「あはは…お姉ちゃん…」

 

お姉ちゃんは今何してるのかな…なんてね

 

ーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーー

ーーー

曜side

 

奏くんは今何してるんだろうなぁ。

 

「よ…………ん!」

 

鞠莉ちゃんと楽しくやってるのかなぁ。

 

「ね……よ…ちゃん!」

 

さっき写真送られてきたけど…早く帰ってきて欲しいなぁ…

 

「曜ちゃんってば!!」

 

「わぁぁ!千歌ちゃん!?どうしたの!?」

 

「どうしたのって、ずっと呼んでも返事しないから」

 

「え!嘘!ごめんね、ちょっと奏くんのこと考えてて」

 

「もう!奏くんは今日鞠莉ちゃんの家でしょ?じゃあ心配ないじゃん」

 

「そうじゃなくて、奏くんがいないっていうのが落ち着かなくって」

 

「ずっと一緒にいるんだものね、しょうがないのかも」

 

「じゃあ今日は私が奏ちゃんの代わりになってあげる!」

 

 

…千歌ちゃんは何を言ってるんだろうか

 

「ち、千歌ちゃん…?それは難しいんじゃない?」

 

「えぇ!」

 

「ふふっ、あははっ!」

 

「「!!どうしたの!?」」

 

「あはっ、なんでもない!ごめんね、ぼーっとしてて。さぁ、今日は楽しもう!」

 

「おーーー!」

 

「お、おー!」

 

奏くんに負けないぐらい私も楽しんでやるんだから!

 

 

ーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーー

ーーー

あれからずっとベランダにいるのもなんなので、部屋に戻ってソワソワしながら座ってスマホで勉強してた。最近の技術はすごいよね

 

「…ら?な………の?」

イヤホンをしてたので僕は後ろの気配に気が付かなかった

 

ムギュ!

「!ふぁ!」

いきなりの衝撃に変な声が出ちゃった。それと同時にイヤホンが耳から外れる

 

「もう!話しかけてたのに!」

どうやら鞠莉お姉ちゃんが後ろから抱きついてきたらしい。そ、それにしても…

 

「何してたの?Oh!勉強してたのね!」ナデナデ

 

み、耳元で話されると、ゾクってする…

 

「ま、鞠莉お姉ちゃん!急に来るとびっくりするじゃん!」

 

「Sorry!でも奏が聞いてくれないから…」

ビクッ

「どうしたの?」

ビクッ

「?………!ふぅー」

何かに気づいた鞠莉お姉ちゃんが耳に息をかけてくる

 

「ふぁぁ!」

変な声がまた漏れてしまう

 

「へ〜、奏って耳が So weakなのね…いいこと知っちゃった!」

知られてしまった…僕は耳がすごく弱い。お姉ちゃんに

もたまにいじられる。その度にすっごい反応しちゃうから面白がってもっとやられちゃうんだよね…最近は千歌お姉ちゃんからも…

 

「は、離して!」

未だにハグをしている鞠莉お姉ちゃんに離すように言うけど…

 

「えー?いいじゃない、今日は姉弟なんだし」

フゥ

 

「んん!だ、だからぁ!」

 

パッ

「ふふっ、ごめんね。奏がかわいかったからついからかっちゃった」

 

「むぅ」

 

「さぁ、奏もシャワー浴びてきたら?」

 

「あれ?もうそんな時間?」

スマホを見ると、時間は6時を過ぎていた

 

「じゃあそうする。あ、でも着替えとかはないんだけど」

 

「心配しないで!後で持っていくわ!」

 

「な、ならいいけど」

妙に元気だった鞠莉お姉ちゃんが少し怪しかったが、早くさっぱりしたかったから移動する

 

ーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーー

ーーー

~鞠莉side~

「さてと…」

奏がシャワーを浴びている間に、私は用意していたものを取り出す。

「これ、奏に会った一昨日につい買っちゃったのよねぇ…」

ネットでいい服を見つけ、いつか奏に着せたいと思ってたけど、その日がまさかこんなに早く来るだなんて

 

「ふふっ、これを来たら絶対かわいいわ…!」

 

奏がシャワーを浴びに行って少し経った頃に服を置きに行く

 

「奏ー、着替えここに置いておくわねー」

 

「あ、ありがとう、鞠莉お姉ちゃん」

 

奏が出てくるのが楽しみだわ…!

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーー

ーーー

「な、なにこれ!!」

 

シャワーを浴び終わって体も拭いて、服を着ようと鞠莉お姉ちゃんが持ってきてくれた服に手をかけると…それは…

 

「こ、こんなの恥ずかしくて着れないよ…!」

今僕の手の中にはクマの着ぐるみパジャマがある。これを着ろって言うの?でも他に服もないし…

 

「しょうがない…」

 

若干苦戦しながらも着ぐるみを着た

ふと、見えたのはクマの格好をした鏡に映った自分だった。

 

「は、恥ずかしい…」

でもいつまでもここにいてもどうにもならない

しょうがない…部屋に戻ろう…

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ドアを開けて顔だけ出すと、部屋にいた鞠莉お姉ちゃんと目があった

 

「あ、出たのね。」

 

「鞠莉お姉ちゃん、服間違えてない?」

 

「あら、本当?ちょっとしっかり見せてくれないと分からないわ」

鞠莉お姉ちゃんはニヤニヤしながら言ってくる。やっぱり確信犯だ…!

仕方ないので洗面所から出た

 

「Oh,my God!!!なんてかわいいの!!!さぁさぁこっちにおいで?」

僕はできるだけ不機嫌な顔をして近づいた。

そして近くに行った瞬間、勢いよく抱きついてきた

 

「やっぱり私の見立ては正しかったのね!」

そう言って頭を撫でてくる鞠莉お姉ちゃんは何かに気がついたようだった

 

「あら?奏、あなたまだ髪が濡れてるじゃない」

 

「へ?いつもこうなんだけど」

 

「ダメよ。風邪ひいちゃうわ。乾かしてあげるから、ここに座って?」

言う通りに座っていると、鞠莉お姉ちゃんがドライヤーを持ってきた。

 

ゴォー

ドライヤーで頭を乾かしてもらうなんて…なんか子供扱いされてる感じがする…

 

「奏は曜と違ってStraight hairなのね」

 

「あ、うん。だから寝癖が目立ちやすくて。いつもお姉ちゃんに治してもらってるんだ。」

 

「そうなのね。じゃあ明日は私が治してあげることになるわね!」

 

「そうかも…」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「はい、乾かし終わったわよ」

ワシャワシャ

「んんぅ、あ、ありがとう」

 

「どういたしまして!さぁ、そろそろご飯食べましょ?」

 

「!うん!」

そういえばお腹ぺこぺこ。どんな料理が出てくるんだろう…楽しみ…!

 

「じゃあ、ちょっと持ってくるわね。」

そう言って鞠莉お姉ちゃんが1回部屋から出た。

そしてすぐにホテルのスタッフさんと一緒に帰ってきた。

 

「さぁ、召し上がれ!」

 

「うわぁ!おいしそう!」

てっきり高そうな料理が出てくると思ってたら、出てきたのはハンバーグだった。どうやら僕のために作ってくれたらしい

 

「い、いただきます!」

早速ハンバーグに手をつける。

パク

「!!お、おいしい!」

 

「そう、良かったわ」

それから夢中になって食べた

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

お互いに食べ終わり、食器も片付けられた

 

「ふぅ、お腹いっぱい」

 

「それは良かった。あ、奏、口にソースついてるわよ?取ってあげる」

 

「あ、ありがとう」

 

「いいのよ。この後どうする?何か映画でも見る?なんでもいいわよ?」

 

「うーん…」

 

「あ、そうだわ!ちょっと待ってて!」

タタタッ

思いついたように棚に何かを取りに行った。

 

「これよこれ!」

そう言う鞠莉お姉ちゃんの手には…耳かきが握られていた

 

「え!?耳かき!?僕苦手なんだけど…」

 

「心配いらないわ!絶対に痛くしないから」

 

「そ、そうじゃなくて…」

 

「お姉ちゃんを信じて!」

 

「ちょっとくすぐったくって…」

 

「あ〜、そういうこと…なるべく頑張るわね!さぁ、ここに頭乗せて?」

僕が反応する前に頭を太ももに乗せられてた。膝枕ってやつだね。気持ちいいけど、恥ずかしい…

 

「じゃあ始めるわね〜」

鞠莉お姉ちゃんは語尾に音符が付きそうなほど上機嫌だった

 

サワ

「んんっ!」

 

サワサワ

「んひゃっ!」

 

「ちょっと鞠莉お姉ちゃん!!くすぐったい!」

 

「S,sorry.ちょっと見えづらくて」

 

「もう!」

 

「そんなに怒らないでよ〜」ナデナデ

 

「むぅ」

 

「今度こそ始めるわ」

 

スッ

今度こそ耳かきが耳に入ってきた。

カリカリ

耳の中で耳かきの音が響く。

「気持ちいいかしら?」

 

「え、えっと…」

カリッ

「っ!」

 

「声、我慢しなくていいわ。気持ちいいならそう言いなさい?」

 

「き、気持ちぃ…」

 

「ふふっ、良かった。でも、そんなに汚れてないのよね…きちんと掃除してるのね。えらいえらい」ナデナデ

 

「うん、定期的にお姉ちゃんに」

 

「やってもらってるんだ」

 

「強引にね…」

 

「ふふっ、いいじゃない。」フゥ

 

「んひゃぁ!ちょっと!いきなりやらないでよ//」

 

「あれ?言ってなかったかしら、Sorry。じゃあ反対向いて?」

 

ゴロン

 

 

 

 

 

 

「それで?曜はいつもどんな感じでやってくれるの?」

 

「えーっと…普通にやってくれて、すごく気持ちいいんだけど、最後に…」

 

「最後に?」

 

「しつこいくらい耳に息をふぅってしてくるから…しかも頭を押さえつけて」

 

「それがくすぐったいのね…こんな感じかしら?」

ガシッ

「へ?鞠莉お姉ちゃん?もしかして…」

 

フゥー

「んん!ちょっと!」

 

「もう1回行くわよ!」

 

フウー

 

「ひゃぁぁ!」

 

「最後!」

 

フゥー

 

「も、もうひゃめへ…」

 

「おまけにもう1回!」

 

フゥー

 

「んにゃぁぁ!」

 

「どうだったかしら、慣れればこれも気持ちよく…」

 

「もう…無理…」

 

「Oh!目がトロンってしてるわ!気持ちよかったのね!」

そう言って耳元に顔を近づけて囁いた

「またいつでもやってあげるわ」

 

「ひゃ、ひゃい」

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーー

ーーーー

~鞠莉side~

耳かきの後、2人で学校のこととか、Aqoursのこととかいろいろ話してたらもう寝る時間になっていた

 

「奏、眠そうね」

 

「うん、このぐらいの時間には、寝てるから…」

 

「そうだったのね、じゃあそろそろ寝ましょうか」

 

「うん」

ウトウトしてる奏をベッドに連れてくる。目を擦ってる様子が可愛らしさ満点で、キュンとくる。

 

余程眠いのか口数も減ってきた

私もベッドに入って奏を迎える

「さぁ、こっちおいで?」

 

「ん」

眠そうにベッドに入ってくる奏は、そのまま私に抱きついた

「そ、奏!?って、もう寝てるし…」

やっぱりこういう所は子供ね、かわいい

 

「今日は私に付き合ってくれてありがとうね、奏」

チュッ

眠っている今日1日だけの弟の頬に口付けをする

 

「あーあ、ますます曜が羨ましくなってきちゃうわ」

でも、関係なく甘やかしちゃえばいっか!

そう考えると、これからの練習の楽しみが増えた気がした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーー

ーーーーー

~梨子side~

「そういえば曜ちゃん」

 

「どうしたの?千歌ちゃん」

 

「奏ちゃんは今日鞠莉ちゃんの家なんでしょ?」

 

「うん」

 

「また会えるのはいつなの?」

 

「それは明日の朝でしょ?」

 

「学校あるのに?」

 

「…」

 

「ち、千歌ちゃん!その話はここまでに…」

 

「そうだ…!奏くんにまた会えるのは放課後…!そんなの耐えられない!奏くんに会いに行ってくる!」

 

「今から!?」

 

「よし!千歌もついてくよ!」

 

「待って!この時間だともう船がないわ!」

 

「なら泳いで行くまで!この渡辺曜、奏くんに会うためならなんでもできるのであります!」ビシッ

 

「そのいきだよ!曜ちゃん!よーし!じゃあ行っくよー!全速前進!」

 

「「ヨーソローーー!!!」」

 

まずい!2人ならほんとに行きかねない!ここで何としても止めないと…!

 

「お、落ち着いて2人とも!」

 

「なぁに梨子ちゃん?あ、もしかして梨子ちゃんも一緒に行きたくなった?」

 

「そうじゃなくて!その…今から行くよりも明日まで我慢してから会った方が…その…もっと嬉しいと思うの!」

自分で自分が何を言っているかわかんなくなってきたが、少し落ち着いてきた2人に畳み掛けるなら今だ

 

「それに…えーと…そ、奏くんが本当に好きなら奏くんの好きにさせることも大事なんじゃないかなぁ!」

ほんとに何が言いたいか分からないが、伝わるかな?

 

「……その通りだね、梨子ちゃん…」

 

「曜ちゃん?」

 

「そうだよ、弟を見守ることこそ姉の仕事…!」

 

「つまり、今の私たちがするべきことは…」

 

「明日奏くんに元気な顔で会うために早く寝る!」

 

「よし、寝よう!おやすみ!」

 

「おやすみ!」

 

わかってくれたのかよくわからないけど、とりあえず2人の暴走を止めることは出来たみたい…

立ったままの私を他所に2人はすぐに電気を消して寝てしまった…元気というか…自由というか…

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

翌日、曜ちゃんは授業中ソワソワしてたけど、特に事件もなく放課後に。

私のせい?なのかは分からないけど、いつもより曜ちゃんのスキンシップが多くて奏くんが少し鬱陶しそうにしてた。私のせいなんだったらごめんね、奏くん。

 

あと、鞠莉ちゃんが曜ちゃんに耳打ちして、曜ちゃんが鞠莉ちゃんにグッって親指を立てるシーンも見ました。何があったんだろう…?

何はともあれ無事に終わって良かったです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回も読んでいただき、ありがとうございます。
さて、今回は鞠莉ちゃん回でした!それとは関係ないんですが、自分が書く曜ちゃんと千歌ちゃんがなんかアホの子みたいになってる気が少しするんですが、奏くんのことになるとこうなるって考えてください。
それでは次回でお会いしましょう。



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宿題からの大事件?

鞠莉お姉ちゃんの家にお泊まりしてから数日、僕はいつもの生活にすっかり戻っていた。

今日も学校が終わってから浦女に向かっている

あ、今日はいつもより早く着きそう。先に部室に行って宿題でもやってようかな。今日英語の宿題があるんだよなぁ…

 

いつも通り許可証を見せて学校に入り、部室に向かう

いつもより早いので、学校が少し静かに感じてなんかいけないことしてるみたいでワクワクしてくる

考えているうちに部室に着いた

 

ガチャ

…あれ?

ガチャガチャ

部室の鍵開いてない…とりあえず誰か来るのを待ってようかな

暇つぶしにと持っていた本を出した瞬間安心する声が聞こえた

 

「あれ?奏。今日は早いんだね」

 

「あ、果南お姉ちゃん!」

 

「あー、鍵持ってなかったのか…ごめんね、待たせちゃって」

 

「ううん、全然待ってないよ、今来たとこ」

 

「そっか、じゃあ今開けるから入って入ってー」

 

ガチャ

果南お姉ちゃんに続いて部室に入る。

 

「今日はダイヤと鞠莉が仕事があるから少し遅れるんだって」

 

「それまで待つってこと?」

 

「そういう事だね、しばらくここでゆっくりできるかな」

 

「そっか、じゃあ宿題やろうかな」

 

「お、偉いねー」ナデナデ

果南お姉ちゃんに頭を撫でられる。昔から果南お姉ちゃんに撫でられるとすごく落ち着く。

 

「どれどれ、じゃあお姉ちゃんが教えてあげようかなん?」

 

「ほんと!?」

果南お姉ちゃんが教えてくれれば宿題なんて一瞬で終わっちゃうよ!

そして僕は英語の宿題を取り出した

すると…

 

「!!あ、え、えーっと…ちょ、ちょっと待ってて!」

ガチャ

 

あれ、果南お姉ちゃん出て行っちゃった。どうしたんだろ?

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーー

ーーーーー

~果南side~

 

まずい、まずい、ひじょーにまずい!

まさか奏の宿題が英語だったなんて…私英語すごく苦手なんだよなぁ…

中学生レベルなら何とかなるかもしれないけど、間違ったこと教える訳にもいかないし…

あーーどうしよう!あんなに自信満々で教えてあげようかなんて言って、あとからやっぱりわかりませんってなったら………

 

「え……果南お姉ちゃん…こんなこともわかんないの…?」

 

なんて軽蔑されちゃうよ!あ、そうだ、鞠莉かダイヤに聞いてみようか…

いやでも仕事の邪魔しちゃ悪いし…

 

「果南さん?どうしたんですか、部室の前で」

 

「梨子ちゃん…!」

 

「あ、千歌ちゃんと曜ちゃんはちょっと提出物があるから遅れるって…」

 

梨子ちゃんが言い終わる前に私は梨子ちゃんに詰め寄った。結果的に壁際まで追い込んでしまったけど

 

「梨子ちゃん!」

 

「ひゃ、ひゃい!」

 

「英語できる!?」

 

あ、これいわゆる壁ドンってやつかな。ってそんなことどうでもいい。今はとにかく梨子ちゃんだけが頼りなのだ

 

「え、えっと…人並みには…//」

 

「ほんと!?」

 

「え、ええ、授業はちゃんと聞いてますし///」

 

「じゃあ奏に英語教えてくれないかな」

 

「奏くんに?」

 

体勢を戻し、私は詳細を梨子ちゃんに話した。

 

「なるほど、そういうことならいいですよ」

 

「よ、良かったぁぁ」

 

「さぁ、奏くんを待たせちゃいますし、部室に入りましょう?」

 

 

ーーーーーーーーーーー

ーーーーーー

ーーー

果南お姉ちゃん遅いなぁ、どこいっちゃったんだろ…

さっきドンって音も聞こえたし…なんか不安になってきちゃうよ

 

ガチャ

あ、果南お姉ちゃん帰ってきたのかな

「もう!遅いよ果南お姉ちゃん!」

 

「ふふっ、こんにちは、奏くん」

 

「あれ?梨子お姉ちゃん?果南お姉ちゃんは?」

 

「ごめんね、遅くなって。外で梨子ちゃんに、偶然会ってね。奏の宿題のこと話したらどうしても教えたいって言うから、今日は梨子ちゃんに教わってね!」

 

「は、はぁ…」

 

「と、ということだからよろしくね?」

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「だから、ここは…」

 

「なるほど!わかった!」

 

梨子お姉ちゃんの授業はすっごくわかりやすかった。

これなら宿題もきっとすぐ終わるよ!

と、それはいいんだけど…

 

「ふむふむ」

 

さっきからずっと隣で果南お姉ちゃんが相槌打ってるのはなんなんだろう?まさか分からないとか…?まさかね…

さっきはあんなに自信満々だったし、きっと梨子お姉ちゃんの教え方が上手いから認めてるって感じなのかな?

 

ムギュッ

「ちょっと奏くん!聞いてるの!?」

ちょっと目線を逸らしてたら梨子お姉ちゃんにほっぺを両手でムギュってされた

 

「ご、ごへんなひゃい」

 

「もう!罰としてこのままほっぺぷにぷにしちゃうんだから!えへへ、奏くんのほっぺやわらかいねぇ」プニプニ

 

「ひゃ、ひゃめへぇ!」

 

「うーん…でもなにか足りない…あ!そうだ!」

 

なにか思いついた梨子お姉ちゃんはほっぺから手を離した。もうやめてくれたと思っていたら全然違った

 

「はい、ここ座って?」

そう言って梨子お姉ちゃんが提示した場所は梨子お姉ちゃんの膝の上だった

 

「え、なんで…?」

 

「いいから!」

ぐいっと体を引かれ、結局梨子お姉ちゃんの膝に座ることになってしまった

 

「ふわぁ、奏くんかわいいねぇ…ずっとこうしてたいよ」

 

そう言って僕のほっぺを触っている梨子お姉ちゃんは僕をぬいぐるみみたいに抱っこする体勢を取っている

 

「ねぇ、梨子ちゃん、宿題は終わってないし、このぐらいにしておいた方が…」

 

「ほとんど終わってますし、大丈夫ですよぉ。それより果南さんもどうですか?奏くんのほっぺ、すごく気持ちいんですよ」

 

「ええ!私も!?うーんじゃあちょっとだけ…」

 

果南お姉ちゃんまでこうなったら誰も止めてくれる人がいないじゃん!

 

「昔から奏のほっぺはもちもちしてて、かわいいんだよね。最近は触ってなかったし…ちょっとならいいよね」

 

「よくなーい!」

 

「まぁまぁ、そう言わずに…えい」プニ

 

「やっぱり気持ちいいねぇ」

 

「ずっと触ってたいですよね!」

 

誰も止める人がいない…

「誰か助けてーーー!」

 

僕が助けを願ったその時だった。

 

 

ガチャ

「遅れちゃってごめんなさい!」

「ちょっと図書室に用があって」

「待たせたわね!リトルデーモン達!ヨハネ、こーりん!」

 

そこに来たのは1年生の3人だった。もしかしたら助けてくれるかも…!

 

「た、たしゅけへ」

 

「な、何してるんですかぁ?」

 

そこで話の流れを説明する梨子お姉ちゃん

 

「そ、奏くんのほっぺずらか…」

 

「ええ、とっても気持ちいいの」

 

「じゃ、じゃあちょっとだけ…」

 

あ、終わった…助けてくれる人は誰一人いないんだ…

希望を失ったところに手が伸びてくる

 

プニ

 

「ピギィッ!」

 

プニプニ

 

「ずらぁっ!」

 

プニプニプニプニ

 

「こ、この感触は…ヨハネをも魅了するとは…」

 

人数が増えたため、僕の顔はもみくちゃにされる。そんな時はなまるちゃんがすごいこと言い出した

 

「マルも膝の上に乗せたいずら」

 

もう諦めてはなまるちゃんの座る所まで移動し、はなまるちゃんの上に座った。

 

「ずらぁぁぁ!すっごくかわいいずらぁ!」

 

その調子でほっぺを触るペースが上がる

 

 

「も、もうひゃめへーーー!」

僕の悲痛な叫びは誰も聞いてくれないのかな…

 

 

 

 

その時…

 

 

 

ガチャ

 

「ごめんね!遅くなっちゃって…提出物があってさぁ!」

「千歌ちゃんがなくしちゃってたから時間かかっちゃったよ」

「あ!それ言わない約束じゃん!」

「あ、ごめんごめん!言っちゃった…って、みんな、何してるの?」

 

その2人が入ってきた瞬間、みんなの顔がみるみる青ざめていくのがわかった

 

部室に入ってきたのはお姉ちゃんと千歌お姉ちゃんだった

 

「あーー!奏ちゃんのほっぺた触ってるの!?いいなぁ私も後で触ろっと」

 

「全員正座」

 

お姉ちゃんの号令で触っていた全員が床に正座した

 

「で、どういうことか説明してくれる?」

お姉ちゃんが超怒ってる!このままじゃまずい!

 

「ま、待ってお姉ちゃん!」

 

「どうしたの奏くん」

 

「その、僕が宿題を教えてもらってたの、その流れで」

 

「宿題を教えていてどの流れでほっぺをあんなふうに触ることになるの?」

 

「うぐ…そ、それは…」

な、なんて答えればいいんだろう…

 

「…ごめんね、奏くん。今は梨子ちゃん達に話があるんだ」

 

ぼ、僕じゃ止められない…誰か助けを…

 

僕がアワアワしてるとお姉ちゃんはついにお説教モードに入ってしまった

 

ど、どうしよう…千歌お姉ちゃんもこうなったらどうにもできないし…だ、誰かぁ…

 

 

ガチャ

 

「遅くなって申し訳ありません」

「シャイニーーー!さぁ、早速練習するわよ!って、あら?お取り込み中かしら?」

 

ダイヤさんと鞠莉お姉ちゃんが来てくれた。お姉ちゃんはお説教中で気づいてないみたい

 

「ダ、ダイヤさん!」

たまらず僕はダイヤさんに抱きついた

 

「そ、奏さん!?どうしたんですの!?」

僕はダイヤさんに簡潔に話した

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「ぶっぶーですわ!!!!」

お姉ちゃんのお説教はダイヤさんが止めてくれた

今は後から来た千歌お姉ちゃんと鞠莉お姉ちゃん以外の、お姉ちゃんを含むみんなが正座してる

 

「全く…ファンの皆さんを笑顔にするスクールアイドルが身近な人を笑顔に出来なくてどうするんですの!奏さん涙目でしたわよ!」

 

「返す言葉もございません」

 

「それに、曜さんも曜さんです。この位であんなに怒らなくても良いではないですか。何も怪我をした訳でもないのですから」

「えへへ、奏くんのことになるとつい…」

 

「とにかく!これからはスクールアイドルだという自覚を持って………」

 

ダイヤさんのお説教は長かった…お姉ちゃんが怒った方が短く済んだかも…

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

「それでは、少し休憩しましょう」

ダイヤさんの号令でいっせいにみんなが緩んだ

 

「あぁー疲れたよぉ、奏ちゃん。ほっぺた触ってもいーい?いいよね」プニプニ

 

「よくなーい!!!」

 

 

 

 

「曜ちゃん怒らないのね」

 

「さっきダイヤさんに言われちゃったからね…」

 

ちょっとは怒ってくれないと僕の体が持たないよ…

 

「あの…少しいいでしょうか?」

 

千歌お姉ちゃんにほっぺを触られて抵抗している時、ダイヤさんが僕達に近づいてきた

 

「ほえ?ダイヤさん?珍しいね。休憩中にこっち来るなんて」

 

「ダイヤさんなんか顔赤いですよ?どうしたんですか?」

 

「その…私も奏さんの…」

 

「僕の?」

 

「ほ…ほ…」

 

「あぁ!奏ちゃんのほっぺですね!いいですよ」

 

「ちょっ!」

 

僕の許可もなしにぐいっと僕を差し出した千歌お姉ちゃん。もうちょっと僕のことも考えてよ…

 

「で、では…失礼します。」

 

恐る恐るといった感じで僕のほっぺを触ってきた

すごく優しく触ってくれるから気持ちいい…

 

「はぁ、なんと柔らかく気持ち良いんでしょう…それに奏さんも愛らしくて…あぁ!もう我慢できませんわ!」

 

ハグッ

ダイヤさんがブツブツ言ってると思ったら急にハグしてきた

 

「わわっ、ダイヤさん!?」

 

「奏さん、黒澤家に来ませんか?」

というところで我慢できなくなったのか、お姉ちゃんがついに口を開いたと同時に僕の体を引き寄せる

 

「ちょっとダイヤさん!奏くんはわ・た・し・の弟だよ!」

 

お姉ちゃん、さっきあんまり怒んないって決めたばっかりじゃ…

 

「それに!みんな奏くんの触り方をわかってない!」

 

触り方って…僕は動物かなにかなの?っていうかみんなそんな真面目に聞かないでよ!

 

「いーい?奏くんは顎の下が弱いの。だからそこをわしゃわしゃってするとすっごく気持ちよさそうにするんだよ!」

ワシャワシャ

 

「ふわぁっ!お姉ちゃん…だ、だめぇ」

 

お姉ちゃんにこれをされると力抜けちゃう…

 

「ほれほれ〜もっといくぞ〜」

 

「ふぁぁ…んん…えへへ…」

 

ちょっとくすぐったいけど気持ちいいんだよね、これ

 

「な、なんかこれって…」

 

「ピ、ピギィ…」

 

「ぶ、ぶっぶーですわ!!!!これはルビィの教育によくありませんわ!!」

 

その後、これを学校でやるのは禁止され、お姉ちゃんもあんまり怒らなくなった。雰囲気がピリピリしなくなったのはいいけど、僕の危険が増えるんだよなぁ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

~練習後~

 

「そういえば、奏は果南と梨子に宿題を教えてもらってたんだっけ?」

 

「うん、果南お姉ちゃんが教えてくれるって言ってたんだけど、梨子お姉ちゃんが教えたいって言ってくれたみたいで」

 

「それで梨子に?うーん…ねぇ奏、教科はなんだったの?」

 

「教科?えい…」

ガバッ

言おうとした瞬間に後ろに引っ張られた

「奏!それぐらいにしとこうか、さぁ果南お姉ちゃんと帰ろう!」

 

「なんでそんなに慌ててるずら?」

 

「べ、別に慌ててなんかないよ!」

 

「そういえば、私から奏くんに教えたいって言ったわけじゃなかったんですが」

 

「梨子ちゃん!?今それ言わないでよ!!」

 

「そういうことね、奏、宿題って英語でしょ?」

 

果南お姉ちゃんが口を封じている手をどけて鞠莉お姉ちゃんの質問に答えた

「ぷはぁ、そうだよ?」

 

「やっぱり」

 

「そういうことだと思いましたわ」

 

「なになに〜?どういうこと?」

 

「果南さん、英語苦手ですもんね」

 

「えぇー!?そうだったの!?そうなら言ってくれれば良かったのに」

あんなに自信満々だったのにできなかったんだ…

あ、そういえば僕が解いてる横でふむふむ言ってたもんね

 

「ぅぅぅぅぅぅ……」

 

「果南ちゃん英語苦手だったのぉ?千歌と一緒だね!」

 

「千歌ちゃんは全部苦手なんじゃ…」

 

「と、いうわけだからこれからわかんないところがあったら果南じゃなくてマリーのところにいらっしゃい?」

 

「わ、私のところでも構いませんわよ?」

 

「わ、私だって奏に教えられることぐらいあるもん!」

 

「例えば?」

 

「…体育とか」

 

「筆記関係ないじゃない!」

 

「もう帰る!!」

 

涙目で帰ろうとする果南お姉ちゃん。そんなに英語苦手って知られてショックなのかな

 

「あっ、待って果南お姉ちゃん!」

 

「…なに、奏」

 

「えっと、わかんないところがあったら一緒に勉強しよ?」

 

「奏…!そうだね!」ハグッ

 

「あ、今奏ちゃんとそうを、かけた…」

 

「千歌ちゃん、ちょっと黙ってた方が…」

 

「一緒にって言っても中学生レベルずらが…」

 

「は、花丸ちゃん!言っちゃダメ!」

 

「ずらっ!」

 

 

 

みんながひそひそ話すせいで果南お姉ちゃんは結局走って帰っちゃいました。上手くまとめたと思ったんだけどなぁ…

 

 

 

 




今回は奏くんの宿題から物事が発展していきました。
果南ちゃんが英語苦手っていうのは完全なる想像です。そして今回から曜ちゃんがあんまり怒らなくなったかもしれません。このことがこれからどう関係していくか…それではまた次回でお会いしましょう。





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奏くんと仲良くなりたい!1

今回から3話にかけて1年生組と奏くんの話を書いていきたいと思います。


~千歌side~

 

私は今、1年生の後輩達の相談を受けています。千歌も相談されるような先輩になれたんだなぁ…!

 

「それで、なんだっけ?」

 

「聞いてなかったの!?」

 

「奏くんのことずら」

 

「奏ちゃん?」

 

「その、ルビィ達、奏くんともっと仲良くなりたいんです」

 

「ふむふむ、なるほど…」

 

「それで、千歌ちゃんは奏くんと仲良いからなにか分かるかなと思って」

 

「なんで千歌なの?曜ちゃんに聞いた方がいいんじゃないの?」

 

「姉弟と友達の仲がいいっていうのは違うでしょ?」

 

「あぁ、そっかぁ」

 

奏ちゃんと仲良くなる方法か…考えたこと無かったなぁ…昔から一緒に遊んでたし…ん?遊ぶ?そうだ!

 

「奏ちゃんと仲良くなる方法…それはね…」

 

「な、なんずら?」

 

「一緒に遊ぶ!これしかないね!」

 

「「「一緒に遊ぶ?」」」

 

「うん、遊んじゃえばお互いのことが分かるんだよ!」

 

「遊ぶ……私の家でゲームとかかしら…」

 

「奏くんとなにして遊べばいいんだろう…何も思いつかないずらぁ…」

 

「遊ぶ…お姉ちゃんに相談してみようかな」

 

3人はいっせいに悩み出した。先輩にできるのはここまでかな…また、迷える子羊を救ってしまった…

ふふっ、なんてね

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

その後みんなが揃って練習を始めることになった。

練習はいつも通り進んでたんだけど、やっぱり1年生達がなんかソワソワしててみんなに心配されてた。特にルビィちゃんはダイヤさんに…

 

 

 

「奏、ちょっといいかしら」

 

練習が終わって屋上から部室に戻る途中、善子ちゃんが

奏ちゃんに話しかけた

 

「?なんですか?善子さん」

 

「ヨハネ!え、えっと…ぶ、部室で話すー!」

ダッ

あー、今言えなかったかぁ。顔を赤くした善子ちゃんはそのまま走っていってしまった

 

「なんだったんだろう…」

 

みんなはいつもの事かとスルーしてるけど、千歌は応援してるよ!善子ちゃん!

 

 

ーーーーーーーーーーー

ーーーーーーー

ーーー

 

さっき善子さんがなにか言ってきたけどなんだったんだろう。後で聞こっと

 

ガチャ

「奏ちゃん、もう入っていいよー」

 

呼ばれたため、部室に入る

 

「奏も律儀だねー、着替える時部室の外に出るだなんて。私は気にしないのに」

 

「それは果南さんだからですわ」

 

そうだよ、最初の頃僕がいる中で千歌お姉ちゃんが着替え始めた時はびっくりしたんだから

あ、それはそうと、さっきのこと善子さんに聞かなきゃ

 

「善子さん、さっきの話なんだったんですか?」

 

「ヨハネ!ふふっ、奏、待ってたわよ!」

 

「どちらかというと待ってたのは奏くんずら」

 

「ずら丸!今はいいの!コホン、今宵、我が主城にて邂逅を果たそうではないか、リトルデーモン、奏よ!永き儀式にも耐えうる装備で、闇が世を包み始める時、我らの移動拠点にて待っていると良い。我が導いてみせよう」

 

「なーんだ、そういう事だったんですね。ちょっとお姉ちゃんに聞いてみないとわからないです。お姉ちゃん、ダメかな?」

 

「ちょっ、ちょっと待って。何言ってるか分からなかったんだけど」

 

「え?善子さんが今言ってたじゃん。今日この後遊ぼって。お泊まりの準備を持って沼津駅で6時頃に待っててって。」

 

僕は今善子さんが言ってたことを伝えただけなのに、みんながキョトンとしてる。善子さんは目がキラキラしてるけど

 

「奏くんって善子ちゃんが言ってること分かるの?」

 

「みたいだね、あ、奏って確か…」

 

「中学2年生だよね」

 

「あー、だからか…」

 

「いや、そういうことじゃないでしょ!」

 

「でも現にわかってるし…」

 

みんながひそひそ話してるけど、なんかおかしなことしちゃったのかな

 

「お姉ちゃん、それでダメかな?」

 

「へっ?あぁ、うん、大丈夫だと思うけど、善子ちゃんは大丈夫なの?」

 

「当然よ。ってかヨハネ!」

 

「そっか、それならいいや。奏くん、いい子にしてるんだよ?それじゃあ善子ちゃん、奏くんをよろしくね」

 

「ふっ、承知した!」

 

「もう!お姉ちゃん!僕もう子供じゃないんだよ!」

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

その後1回帰って準備をしてから沼津駅に来た。

約束の時間まであと10分くらいあるし、ぼーっとしてると、呼ぶ声が聞こえた

 

「奏っ!ごめん、待った?」

 

「いえ、全然。それより善子さんも早いですね。まだ10分前ですよ?」

 

「待たせちゃ悪いと思って。それに遅刻するより早く来て待ってる方がいいから」

 

いい人だ。やっぱりいい人だ

 

「さぁっ、行きましょ?」

 

「はいっ」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

それから少し歩いたら善子さんの家に着いた

 

「さぁ、入って。今日親いないから、くつろいでっていいわよ」

 

「お邪魔しまーす」

 

中は思ったよりも普通だった。主城って言ってたからてっきりもっとかっこいいものかと思ったけど

 

「じゃあ私の部屋で少し待ってて」

 

ガチャ

 

部屋の中はまさに主城と言っていいようにかっこ良かった。闇って感じがしていいなぁ

 

少し待っていると、善子さんがジュースを持って帰ってきた

 

「待たせたわね。さぁ、ゲームを始めましょう」

 

グゥ〜〜〜〜

 

「!!あ、えっと…」

 

「善子さんお腹空いてるんですか?」

 

「あ…はい…」

 

「そういえば夜ご飯はどうするんですか?何も言ってなかったので、一応お金は持ってきましたけど」

 

「お母さんが食費をくれたわ。奏の分もね」

 

「えっ!?そんな、悪いですよ」

 

「いいの!それよりなにか食べましょうか、コンビニでも行って…」

 

「ダメですよ!栄養が偏っちゃいます!僕が作るので一緒にスーパーに行きましょう!」

 

「へ?そ、奏が?」

 

「はい、早く行きましょう」

 

そして善子さんとスーパーに出かけた

 

ーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーー

ーーー

~善子side~

 

「そうですね、今日は…カレーなんてどうですか?」

 

スーパーに行く途中に奏から提案があった

 

「ええ、いいわよ。私辛いの大好きなの」

 

「そうなんですね、じゃあピッタリですね」

 

そういえば、奏は成長期の男の子だ。コンビニ弁当というのはやはり栄養価が偏って成長に良くないのかもしれない…

先程の反省をしているとスーパーに着いた

 

「えーっと、カレーの材料は…」

 

手馴れた動作で食材をカゴに入れていく奏

やだこの子すごい頼りになる

 

「このくらいですかね」

 

「ええ、そうね…奏はなにか食べたいものとかないの?」

 

「僕は…シュ、シュークリームが食べたいです」

 

「じゃあ2人分買いましょう?」

 

ぱあっと顔が明るくなった。いつもは静かだけどこういう所はまだ子供だなと実感した

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

買い物を済ませて家に帰ってきた

「ただいまー」

 

「じゃあ早速作っちゃいましょうか」

 

「ええ、そうね」

 

「まずは野菜を切らないと、包丁ってどこですか?」

 

「あ、危ないから私がやるわよ」

 

「むぅっ、子供扱いしないでください。僕だって家でよく料理するんですよ?とにかく、包丁を貸してくれませんか?」

 

少しむくれた様子の奏に包丁を渡す。奏は本当に家で料理をしているそうで、その手つきは慣れたものだった

 

「ほ、本当にできるのね」

 

「お姉ちゃんと一緒によく作るんです。お姉ちゃん料理上手だから色々教えて貰ってて」

 

「渡辺姉弟はハイスペックね…」

 

 

 

 

それからあっという間にカレーができた

 

「さぁ、食べましょう!」

 

「「いただきます!」」

 

「ううっ、辛っ。水ー!!」

 

「この程度の辛さで音を上げるとはまだまだね」

 

辛さで涙目になってる奏。やっぱり辛口じゃない方が良かったかしら。私は辛口でも辛いと思わないけど、奏に合わせるべきだったかもしれない

 

「でもおいしいね!」

 

「っ!!」

 

「あっ、ごめんなさい。いつもお姉ちゃんと話すみたいに話しちゃって…」

 

「い、いいわよ…!」

 

いつも敬語で話してくれる奏が心を開いてくれたと思ってちょっと嬉しかった。これは言わないけど

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「「ごちそうさまでした」」

 

「おいしかったですね」

 

「あ、私洗い物するから先お風呂入っちゃっていいわよ」

 

「え、いいんですか?」

 

「お客さんなんだから遠慮しないで」

 

「あ、ありがとうございます」

 

そう言って奏はお風呂場に行った

 

 

 

「弟がいたらこんな感じなのかな…」

 

少し想像してみた…毎日楽しくていいかもしれない

 

「服忘れてた」

 

考えていたら奏が帰ってきた

 

「そっ、奏!!どうしたの!?」

 

「服忘れちゃって…あ、今何て言ってたんですか?」

 

「い、いいから早くお風呂入ってきなさーい!」

 

「えへへ、はーい」

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

善子さんやっぱり優しくって一緒にいて楽しいなぁ

そういえば今日はなんで呼ばれたんだろう…親いないって言ってたし、寂しかったのかな?

とにかく今日はせっかく呼んでくれたんだし楽しもう!

 

僕はお風呂から出てお姉ちゃんが持っていけと言っていた服を取り出した

これ持ってかないと行かせないって言われちゃったからなぁ…

恥ずかしいからあんまりこれ着たくないんだけど…

いつまでもそうしている訳にもいかないので、ちゃんと服を着る。

この前鞠莉お姉ちゃんに貰ったクマの着ぐるみパジャマだ。

 

 

少し躊躇いながら善子さんがいる所へもどる

 

「あ、奏。出たの…ね…」

 

「は、はい」

 

善子さんは僕のことを見て動かない

 

「あ、あの…善子さん?」

 

「な、何よそれ」

 

「ま、鞠莉お姉ちゃんがプレゼントしてくれて…」

 

「へ、へぇ…じゃあ私もお風呂入ってくるから待ってて。ゲームしててもいいわよ」

 

「ゲームは善子さんと2人でやりたいのでここで待ってます」

 

「そ、そう…と、とにかく入ってくるわね!」

 

「はーい」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「お待たせ」

 

しばらくして善子さんがお風呂から出てきた

僕は2人分のシュークリームを持って笑顔で迎えた

 

「食べましょう?」

 

ひとつを善子さんに手渡す

 

「ありがと」

 

「いただきまーす」

パクッ

1口食べるとクリームが溢れてくる。

 

「おいしーい」

 

「おいしいわね。シュークリーム好きなの?」

 

「はい、甘いものが好きで、1番好きなのはシュークリームなんです」

 

「それで買うってなってあんなに嬉しそうな顔してたのね」

 

「ぅ、僕そんな顔してない!」

 

「してたわよ」

 

そのまま2人で話しながら食べ進めていくと、すぐに食べ終わってしまった

 

「「ごちそうさまでした」」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

シュークリームを食べ終わった後、善子さんの部屋に移動した

 

「さぁ、そろそろゲームしましょ?」

 

「待ってました!」

 

善子さんとゲームするのすごく楽しみにしてたんだぁ

どんなゲームがあるんだろう…

 

「普段はゲームとかするの?」

 

「うーん…スマホでゲームはやるけど、こーいう機械のゲームは持ってないから…」

 

「じゃあ操作が簡単な方がいいわね……これなんかどう?」

 

善子さんが取り出したのはレースゲームだった

 

「おもしろそう!それがいいです!」

 

 

その後善子さんに操作方法の説明をしてもらい、早速プレイすることになった

 

「奏が初心者だからって手は抜かないわよ?」

 

「望むところです」

 

3,2,1,Start!!

運転する車が同時にスタートした

 

最初はそこまで差は開かないでしょ…って…え!?

 

「ふふっ、格が違うのよ」

 

善子さんは気がついたら遥か先に行ってしまっていた

 

「は、速っ!!」

 

そしてそのまま1位を独走して善子さんはゴールした

僕は6位だった

 

「最初だし、まぁそんなもんよ」

 

悔しい!悔しい悔しい!!!

 

「もーいっかい!!」

 

「へ!?」

 

「もーいっかいやりましょ?」

 

「ええ、何度でも相手になってあげるわ」

 

「でもこのままじゃ勝てないからなんかハンデください」

 

「えぇ?ハンデ?いいけど、どうするの?」

 

「うーん…そうだなぁ…」

僕は少し考えてから動き出した

 

「ここに僕が座れば操作しづらいですか?」

 

そう言って僕は座ってる善子さんの上にもたれ掛かるようにして座った

 

「え、ええ。多少は…」

 

「じゃあこれで」

 

再びレースが始まった

今度はさっきみたいに置いてかれることはないみたい

やっぱり操作しにくいのかも

 

レースも終盤に入ったところで善子さんがボソッと一言を放った

 

「弟っていいな」

 

弟…僕が善子さんの弟…なら善子さんはお姉ちゃんだ

 

「善子お姉ちゃん?」

 

「ヨハネ!」

 

お互いに操作しながら会話を交わす

 

「ヨハネお姉ちゃん…ヨハネ…あ!ヨハ姉!」

 

といった瞬間僕の前を走っていたヨハ姉が一気にコースアウトした

そして僕が1位になった

 

「あ、1位だ!やったーー!ヨハ姉に勝った!」

 

「ちょ、ちょちょちょっと!そのヨハ姉って何よ!?」

 

「え、ダメ?いいと思ったんだけど」

 

「べ、別にダメじゃないけど…」

 

「じゃあこれからヨハ姉って呼ぶから、よろしくね?」

 

「う、うん」

 

「ヨハ姉、もっとゲームやろ?」

 

 

 

ーーーーーーーーーーー

ーーーーーーー

ーーー

~善子side~

 

あれから色んなゲームをやって、気がついたらもう日をまたいでいた

奏はいつもはこの時間に寝ているのだろう。さっきから目をこすっている

 

「奏、眠い?もう寝る?」

 

「ね…眠く…ない…」

 

「無理しなくていいわ、またいつでも遊べるんだし」

 

優しく頭を撫でてあげる

 

「うん…」

 

「じゃあもう寝ましょう?奏は私のベッド使って。私は布団で寝るから」

 

そう言って布団を取ってこようとしたとき、服の袖を引っ張られた

その方を見ると、奏が眠そうに見上げていた

 

「いっしょにねよ…?」

 

「っ!!」

 

このままじゃあ離してもらえないだろうし、しょうがないから今日は奏と一緒に寝よう。奏が言うのだから私は悪くない

 

そのまま奏をベッドに寝かせる

その隣に私も横になった

 

「おやすみなさい、ヨハ姉」

 

「おやすみ、奏」

 

すぐに奏は私に抱きつきながら気持ちよさそうに眠った

相当眠かったんだと思う。ゲームがおもしろくてついつい夜更かししちゃったのね

 

「今日でだいぶ仲良くなれたかな…これからもよろしくね、奏」

 

頭を撫でてあげてから私も眠りについた

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

~翌朝~

 

なにかがモゾモゾしているのに気がついて起きた

 

「んん?」

 

「あ、ヨハ姉おはよう…」

 

「奏、おはよ」

 

「あの…離してもらえますか?」

 

「へ?」

 

私は奏を抱きしめる形で寝ていた

 

「ごっ、ごめん」

 

「い、いえ」

 

奏は先に起きて私を起こさないように抜け出そうとしていたのだろう

 

「じゃあ起きて準備しよ?今日も練習あるんでしょ?」

 

奏の言うことにしたがって準備を始める

朝はお母さんが帰ってきていて、私と奏の分の朝食を作ってくれていた

それを食べてから2人で学校に向かう

 

「1日お世話になりました」

 

「またいつでも遊びに来てね。あっ、それと…」

 

最後にお母さんが奏になにか話してたけど、私には聞こえなかった

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

いつも通りバス停まで奏と話ながら歩く。

すると奏が突然すごいことを言ってきた

 

「ねぇ、ヨハ姉…手、つなご?」

 

「ど、どうしたのよ急に」

 

動揺が表に出ないように落ち着いて返す

 

「なんか繋ぎたくなっちゃって」

 

「し、仕方ないわね」

 

そう言って手を繋ぐ。少し恥ずかしいけど、優しい気持ちになった

 

それからバスに乗り、いつも通ってる学校へ

バスの中でも会話は尽きなかった

主にゲームの話をして、たまに私の趣味のことも

 

バスを降りても奏とは手を繋いだままだった

そのまま部室に行く

 

ガチャ

「おはようございまーす」

 

「おはよう」

 

私たちが来た時にはもうみんな揃っていた

しかし、私たちが挨拶をしても反応は返ってこなかった

みんなは私たちの手を見てびっくりした様子だった

 

「善子ちゃんと奏ちゃんが手繋いでる!?」

 

「ちちち、千歌ちゃんおおおお、落ち着いて!?!?」

 

「曜ちゃんも落ち着いて!?」

 

「そんなに驚くことないじゃない!!」

 

「そーだそーだ」

 

私が言った後に奏も反論してくれる

 

「ただヨハ姉と仲良くなっただけだもん」

 

「「「「「「「「ヨハ姉!?!?」」」」」」」」

 

全員がまたいっせいに驚く

 

今度はヒソヒソと話始めた

 

「ねぇ、奏ちゃんって天然の女たらし?」

 

「そうかも…」

 

 

ーーーーーーーーーーー

ーーーーーーー

ーーー

 

みんなやっぱりびっくりしてた。僕とヨハ姉がすっごく仲良くなったことに

さっき家を出る時にヨハ姉のお母さんに言われたんだ

これからも仲良くしてあげてねって

お姉ちゃんには恥ずかしくて甘えられないけど、ヨハ姉には甘えられるんだ

 

だから…

 

 

「じゃあみんな練習行こー!!」

 

「ヨーソローーー!!」

 

「あっ!2人とも、走ると危ないわよ!?」

 

「シャイニーーー!!!」

 

「鞠莉さん!待ってくださいまし!!!」

 

「あはは、鞠莉は相変わらずだねー」

 

「花丸ちゃん、行こ?」

 

「今日も頑張るずら」

 

「奏、行きましょ?」

 

「うん!頑張ろうね、ヨハ姉!」

 

 

これからもよろしくね、ヨハ姉

 

 

 

 

 

 

 

 




最初は善子ちゃんでした。遊びに誘うところのセリフが少し中二病っぽくしすぎたかなと思いましたが、後悔はしてません。また、善子ちゃんは奏くんの前だと堕天使キャラじゃなくて、ちゃんとお姉ちゃんキャラになるという設定にしました。
それでは次回でまたお会いしましょう


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奏くんと仲良くなりたい!2

~花丸side~

 

今日の練習で奏くんと善子ちゃんがすごく仲良くなってた

羨ましい

マルもなにか行動を起こした方がいいずら…?

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

そう思ったマルは早速奏くんに話しかけようと決めた

休憩中に話しかけよう。話題は練習のことについて

 

「あの、奏くん…」

 

「ん?あ、はなまるちゃん、どうしたんですか?」

 

「あの…オラ…じゃなくてマルのダンスどうずら?」

 

「あぁ、えっと…はなまるちゃんらしくていいと思います」

 

「あ、ありがとう…」

 

「あ、いえ」

 

「…」

 

ど、どうしよう…!会話が続かない…!こんな時は…

えっと、そうだ!マルの好きな本の話を…って、奏くんは本に興味ないかも…

 

「奏ちゃーん、ちょっとこっちおいでー」

 

「なぁにー、千歌お姉ちゃん」

 

マルが考えてるうちに奏くんは呼ばれて行ってしまった

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

結局、練習が終わるまでそれ以上話せなかった。

なにか別の方法を考えよう

そういえば、千歌ちゃんがよく奏くんにみかんを食べさせてあげてる気がする

マルもなにか食べ物あげるといいのかな

えっと…食べ物…

あ、マルが練習の後に食べようと思ってたパンがあるずら…

これを奏くんにあげる…いや…でもマルもお腹空いてるし…

 

「花丸ちゃん?どうしたの、なんか難しい顔してるけど…」

 

「ル、ルビィちゃん、なんでも…なんでもないずら!」

 

帰る準備をしているとき、隣にいたルビィちゃんが心配して話しかけてくれた

 

「そ、それならいいんだけど」

 

大丈夫ずら。マルはもう覚悟を決めたずら

 

「奏くん!」

 

2年生達(主に千歌ちゃん)とじゃれあっている奏くんに声をかける

 

「なんですかー?」

 

不思議そうな顔をする奏くんにパンを差し出す

 

「これ、あげるずら!」

 

「へ?」

 

動きが止まっている奏くんの手にパンを握らせてマルは部室を出て走り出した

 

「あっ、待ってよ花丸ちゃーん!!」

 

「ちょっと待ちなさいよずら丸!!」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「千歌ちゃんみたいに?」

 

「そうずら」

 

バスの中で、急に出ていったマルのことを追いかけて来てくれた善子ちゃんとルビィちゃんに話す

 

「それでパンを渡したのね」

 

「でも千歌と同じ感じにしたいならずら丸が食べさせてあげないと意味ないんじゃない?」

 

「あ…そういえばそうずら…」

 

ということは…

マルがただお腹すいただけってことずら!?

 

「ぅぅぅぅ……」

 

「は、花丸ちゃん!元気出して!!飴食べる?」

 

「ぅぅ…ありがとうルビィちゃん…」

 

また作戦失敗ずら…なにか他の方法を考えてみよう

 

 

ーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーー

ーーー

 

パク

「あ、おいしい」

 

「それ、花丸ちゃんがくれたやつ?」

 

「うん」

 

「食べすぎるとご飯食べられなくなるよー?」

 

「わかってるよぉ」

 

みんなと別れて、お姉ちゃんと2人でバスに乗っている

はなまるちゃんはなんで僕にパンをくれたんだろう

 

「花丸ちゃんのこと気になってるの?」

 

お姉ちゃんにはなんでもおみとおしだなぁ…

 

「うん、パン渡したらすぐ走って出ていっちゃったし、僕、なにかしちゃったかなって…」

 

「大丈夫!花丸ちゃんはきっと奏くんと仲良くなりたいんだよ!」

 

「そうなの?」

 

「そうだよ!だから奏くんからも話しかけてあげて?」

 

「な、なるべく頑張ってみる…!」

 

 

 

ーーーーーーーーーーー

ーーーーーーー

ーーー

~花丸side~

 

昨日帰ってきてからも奏くんとの接し方を考えていたけど、何も思いつかないまま寝ちゃった

やっぱりマルには無理ずら…?

いや、そんなことないずら!きっと仲良くなれるずら!

とりあえず学校に行ってから考えるずら!

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

何も思いつかない…あと1時間で練習始まっちゃうのに…

もうすぐ奏くんも来て、でもマルの所じゃなくて、千歌ちゃん達のところに行くんだろうな…

 

「はぁ…」

 

「はなまるちゃん」

 

「なんずら?オラ今考え事を…」

 

ん?この声は…

 

「そ、奏くん!?」

 

「えへへ、こんにちは」

 

 

「な、なんでここに!?」

 

今マルは少し早めに部室に来ている。ここなら1人になれると思ったから

 

「はなまるちゃんに会えると思って」

 

「マ、マルになにかようずら?」

 

「うん!はなまるちゃんと一緒に本が読みたいなって」

 

「!!!奏くん、本好きずら!?」

 

「うん、たまに読むよ」

 

この調子なら仲良くなれるかもしれない…

それに奏くんは敬語をやめて話してくれているから話しやすい

 

「じゃ、じゃあ一緒に図書室に行くずら!」

 

「おぉーー!」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「ここが図書室ずら!」

 

「おぉーーー」

 

「さぁ、好きな本読むずら!」

 

「うぅーん…はなまるちゃんのおすすめは?」

 

「そうずらねぇ…このシリーズの作品はすごくおもしろいずら」

 

「じゃあそれにする!」

 

それからしばらく2人で本を読んでいると、奏くんが話かけてきた

 

「僕ね、ずっとはなまるちゃんともっと仲良くなりたいと思ってたんだ」

 

奏くんは本を読んだまま話している

 

「でも、僕もグイグイ行くのは得意じゃないし、だから少し不安だったんだ…でも、こうやって一緒に本が読めて、なんか仲良くなれた気がする!」

 

そう言ってこっちを向いて笑う

 

「マルもずら。これからも仲良くしてね、奏くん」

 

「こちらこそよろしくね、はなまるちゃん!ところで、もうこれ読み終わったんだけど、続きある?」

 

「あるずらよ、でももうすぐ練習が始まっちゃうずら」

 

「じゃあ借りられる?」

 

「うーん…奏くんは浦女の生徒じゃないから借りられないずら…でも、そのシリーズならマルの家にあるずら」

 

「ほんと!?」

 

「うん、じゃあ今度持って…」

 

「じゃあはなまるちゃん家に行く!」

 

「へ?」

 

「はなまるちゃんの家に行って一緒に読む!」

 

「べ、別にいいずらが…」

 

「じゃあ決まり!あ、もうすぐ練習始まっちゃうよ!早く行こ?」

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

~後日~

 

「奏くん、いらっしゃい」

 

本当に奏くんはうちに来てくれた

場所は善子ちゃんにでも聞いたのかな

 

「お邪魔しまーす」

 

奏くんをうちに入れ、そのまま部屋へと案内する

 

「ここで待っててくれる?」

 

「うん」

 

奏くんを座らせ、マルは本とお茶を持ってくる

 

「お待たせ」

 

「あ、ありがとうはなまるちゃん」

 

マルから本を受け取り、早速読み始める奏くん

マルもお茶を置き、すぐに本を読み始めた

 

 

 

それからしばらく読んでいると、奏くんは本を置いて横になっていた

 

「奏くん疲れちゃった?」

 

「ちょっと…」

 

「マ…マルの膝で寝てもいいよ?」

 

「へ?」

 

今までのマルだったら絶対に言わないようなセリフだと思う

でも、奏くんは甘やかしたくなるというか、かわいがりたいというか、そんな気持ちになるから不思議だ

 

「じゃあ…」

 

そう言ってのそのそと動く奏くんはマルの太ももに頭を乗せた

 

そんな奏くんの頭を撫でてあげる

 

「えへへ…」

 

奏くんは少し恥ずかしそうに笑う

そういえば奏くんは顎の下が気持ちいいんだっけ?

ワシャワシャ

 

「うひゃぁっ!?」

 

奏くんが急に大きな声を出すのでびっくりして手を離す

 

「ごっ、ごめんずら!ついやりたくなっちゃって…」

 

「べっ、別にいいけど…」

 

そう言って顎を上にあげる奏くんがかわいくて、少しいじわるしてみることにした

 

「ごめんね、もうやらないから」

 

「えっ?別にやらないでとは言ってない…から…その」

 

「え?ちゃんと言わないとわからないずら」

 

「ぅぅ…はなまるちゃんのいじわる…や、やってください」

 

顔を真っ赤にして言う奏くんはすっごくかわいかった

 

「よく言えました」

 

1回本を置いて、奏くんの頭に片手を、顎にもう片方を置いて、顎を優しくさする

 

「ぅぁ…くふふっ、はなまるちゃん、くすぐったいよぉ…」

 

「奏くんは甘えん坊さんずらね」

 

「ふぁぁ…そ、そんなこと…」

 

「いいんだよ、甘えて。今日はマルにいっぱい甘えるずら」

 

 

 

少しすると奏くんの目がトロンとしてきたので、そこでやめてマルは読書を再開した

 

そこからどのくらい時間が経ったのか分からないが、奏くんは寝息を立てていた

もうすぐ日も暮れそうだし、奏くんを起こさないように曜ちゃんに電話しなきゃ

 

 

 

「あ、もしもし、曜ちゃん?」

 

『花丸ちゃん?どうしたの?』

 

「奏くんのことなんだけど…」

 

 

ーーーーーーーーーーー

ーーーーーー

ーーー

 

体が揺れている感覚で目を覚ました

 

「あれ?はなまるちゃんは…?」

 

「あ、奏くん起きた?」

 

「え?お姉ちゃん?あれ?どういうこと?」

 

目を覚ますと、僕はお姉ちゃんにおんぶされていた

 

「奏くんが寝ちゃったから迎えに来てって花丸ちゃんから連絡があって」

 

「あ…あの後そのまま…」

 

「それにしても、花丸ちゃんにいっぱい甘えたんだって?」

 

「あぅ…そ、それは…」

 

「今度お礼言わなきゃね」

 

「わ、わかってるよぉ…」

 

「さぁっ、早く帰ろっ!」

 

「…ってそろそろ降ろしてよぉー!!」

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーー

ーーー

~花丸side~

 

「はなまるちゃん…その…昨日はありがとう…」

 

翌日、練習が始まる前に奏くんに話しかけられた

 

「昨日?あぁ、奏くんがマルの膝枕で寝ちゃったことずらね」

 

「ちょ!ちょっと声おっきいって!!」

 

わざと大きな声を出したことでみんなが反応する

 

「ちょっとどういうこと!?」

 

「奏ちゃん!私も膝枕してあげるよ!」

 

みんながいっせいに奏くんに詰め寄る

 

「ぅぁ…えっ、えーっと…はなまるちゃん!逃げるよ!」

 

困った奏くんはマルの手を握って部室の外に走り出した

 

「あっ!待てーーー!!!」

 

みんなが追いかけてくる

こうやってからかったり、かわいがったりできるのはマルにとって奏くんだけなんだ

だから、これからも仲良くしてね?奏くん

 

「はなまるちゃん!なんで笑ってるのぉ!!」

 

「ふふっ、なんでもないずら〜」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーー

ーーー

この後からみんなが膝枕を僕にしようとしてくる

疲れたって言ったらすぐに勧めてくるし、最近は何もしてなくても無理やりしてくる

まぁ、悪い気はしないんだけど…気持ちいいし…

でも、恥ずかしいからほどほどにして欲しい

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回は花丸ちゃん回でした。奏くんがすごい本読むの早いと思った方もいらっしゃるかもしれませんが、そこは短編集を読んだとお考え下さい。奏くんはまだ子供なので、花丸ちゃんがそこを考えて勧めたというふうにしております。
さて、ラストはルビィちゃんですね。奏くんとどう絡んでいくか、現在考えております。なるべく早めに投稿できるように頑張ります。
それでは次回でお会いしましょう。





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奏くんと仲良くなりたい!3

遅くなってしまってすみません…m(_ _)m
今回で1年生と遊ぶ編ラストです



~ルビィside~

その日、ルビィはお姉ちゃんに相談した

 

「奏さんと仲良くなる方法…ですか…」

 

「うん、なにかいい方法ないかな?」

 

「そうですわね…あ、うちへ遊びに来ていただくのはどうですか?」

 

「それ善子ちゃんも花丸ちゃんもやってたからだめ」

 

「えっ」

 

「もっと他のがいいなぁ」

 

「ほ、他のと言いますと…」

 

「うーん…デート…とか?」

 

「でっ…!は、破廉恥ですわ!!」

 

「そんなことないもん!一緒におでかけするだけだもん!」

 

「し、しかし…お付き合いもしていないのに、2人っきりで出かけるなど…」

 

「もういいもん!ルビィ、今度奏くんとデートする!」

 

「あっ!待ちなさいルビィ!!」

 

お堅いお姉ちゃんはほっといて、ルビィは自分の部屋に帰って作戦を考えることにした

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

~翌日~

昨日は作戦を考えてて少し寝るのが遅くなっちゃった

ぅぅ…眠い…

 

「ルビィちゃん?眠そうだね」

 

「あ、花丸ちゃん…ちょっと昨日夜更かししちゃって」

 

「なにか考え事ずら?」

 

「うん…花丸ちゃんは奏くんとどうやって仲良くなったの?」

 

「マルは一緒に本を読んだだけずら」

 

「うーん、…どうすればいいんだろう…」

 

「あんまり難しく考えなくていいよ。奏くんと楽しく過ごせばいいんじゃないかな」

 

「楽しく…ありがとう、花丸ちゃん。もうちょっと考えてみる」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

~練習後~

 

今日の練習が終わった。ルビィは奏くんに言わなきゃいけないことがあるんだ

 

「そ、奏くん!」

 

「わっ!な、なぁに?」

 

「あ、えっと…その…」

 

「?」

 

ぅゅ…いざ言うってなったら緊張して言えない…

 

「あの…」

 

早くしないと奏くんも離れていっちゃうよ…

 

「ゆっくりでいいから…」

 

「!!!」

 

そう言ってニコッと笑った奏くんに緊張がほぐれた

 

「日曜日、一緒にお出かけしませんか!!」

 

奏くんは一瞬ぽかんとしていたけど、すぐに返事をしてくれた

 

「もちろん!一緒に行こ?」

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーー

ーーー

 

「えへへ…」

 

「奏くん嬉しそうだね」

 

帰りのバスの中で週末のことを考えてたら、無意識に笑っちゃってたみたい

 

「日曜日、ルビィちゃんとのお出かけが楽しみで…」

 

「そっかぁ…ねぇ!どこに遊びに行くの?」

 

「えっと…沼津駅の近くのショッピングモールだって」

 

「へー、何時にどこ集合するの?」

 

「10時に沼津駅集合だけど…なんで?」

 

「いや、なんでも」

 

「?まぁいいや」

 

なんでこんなに詳しく聞いてきたんだろ。そんなに心配してくれてるのかな?

 

 

 

ーーーーーーーーーーー

ーーーーーー

ーーー

~曜side~

 

週末は奏くんとルビィちゃんがデートするみたいなので、きっちりと見届けてあげたいと思います!

念の為ダイヤさんにも連絡しておこうかな

 

 

 

「もしもし、ダイヤさん?」

 

『もしもし、曜さん?どうしたんですの?こんな時間に』

 

「日曜日の奏くんとルビィちゃんのお出かけについてなんだけど…」

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーー

ーーー

 

ルビィちゃんとのお出かけ当日、なんだか緊張していつもより早く起きた

服もお姉ちゃんに相談して決めた

寝癖もいつもはお姉ちゃんになおしてもらってるけど、今日は自分でなおした。結局最後はお姉ちゃんにやってもらったけど…

 

 

そして今は沼津駅の前にいる

集合の15分前に着いたので、ソワソワしながら待ってます

 

 

「そ、奏くん!」

 

「あ、ルビィちゃん!」

 

「ごめん、待ったかな…?」

 

「い、いや全然…」

 

「そ、そっか…」

 

「…」

 

「…」

 

か、会話が続かない!!

ど、どうしよう…あ、そういえばお姉ちゃんがまずは服を褒めろって言ってた気がする…

 

「ル、ルビィちゃん!そ、その服似合ってるよ!!」

 

「ぅゅ…あ、ありがとぉ」

 

「…」

 

「…えっと、じゃあ行こっか」

 

「う、うん」

 

ぎこちない感じで始まっちゃったけど、今日一日でルビィちゃんと仲良くなれたらいいな

 

 

ーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーー

ーーー

~曜side~

奏くんを家で見送ってからダッシュで駅に来ました

今日一日上手くいくかなぁ

私も緊張してるけど、隣にもっと緊張してる人がいる

 

「ルビィ、頑張るんですのよ…!」

 

「ダイヤさん、そんなにはっきり見てると見つかっちゃうよ!」

 

「はっ!私としたことが!」

 

と、こんな感じで今日は奏くん達にこっそりついて行きます

 

 

ーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーー

ーーー

 

それから少し歩いてショッピングモールに着いた

 

「今日はどこをまわるの?」

 

「うゅ、お姉ちゃんから映画のチケット貰ったんだ」

 

「じゃあそれ見るんだね」

 

「うゅ!」

 

「じゃあ、全速前進ヨーソロー!」

 

「ヨーソロー!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「2人のためにチケットを買いに走ったかいがありましたわ」

 

「ありがとう、ダイヤさん」

 

「いいんですわ、2人のためですもの」

 

「ちなみに、映画のジャンルは?」

 

「それはもちろん…」

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーー

ーーー

 

ルビィちゃんと映画館に来て、ポップコーンとジュースを買って中に入る

 

「ところでなんの映画なの?」

 

「えっと…恋愛映画…かな?」

 

「へ、へぇそうなんだ…」

 

「な、なにかまずかった…!?」

 

「い、いや、なんでもないよ!なんでも…」

 

「ぅゅ…ならいいけど…」

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーー

ーーー

~曜side~

 

「えぇぇぇ!?恋愛映画!?」

 

「はい、なにか問題でも?」

 

「奏くん寝ちゃうよ!!」

 

「なっ、なんですってぇ!?」

 

「前家で一緒に見てたら開始五分で気持ちよさそうに寝ちゃってたよ」

 

「い、今からでもチケットを変えないと…!」

 

「ま、待ってダイヤさん!2人にバレちゃうよ!!」

 

「そんなこと言ってる場合じゃありませんわ!」

 

「大丈夫だって!2人なら何とかなるって!!」

 

「………2人を信じましょうか…」

 

「うん!じゃあ私達も映画見に行こうか」

 

「えぇ、そうですわね。これ、チケットです」

 

「わっ、私の分も買ってくれてたの?ありがとう!!」

 

 

そのまま私達も映画館へ向かった

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーー

ーーー

~ルビィside~

 

奏くんと一緒に映画館に入って席に座る

当然だけど、隣同士

ぅゅ…なんだかドキドキする…

見る映画も恋愛映画だし…

 

 

 

あ、そろそろ始まる…

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

ぅゅ…ド、ドキドキする…

映画もいいシーンになってきた

こういう時、恋人同士だったら手とか繋ぐのかな…?

でも、ルビィと奏くんは恋人じゃないし…

手、繋ぐくらいなら…いいかな…?

で、でも…

 

コテン

 

「!!!」

 

ルビィが考えていると、奏くんがルビィの肩に頭を乗せてきた

急にどうしたの!奏くん!

そして奏くんの顔を見てみると…

 

 

 

 

あ、ぐっすり寝てる…

 

 

ーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーー

ーーー

 

「……くん。起きて、奏くん」

 

「んん?ふぁぁぁ」

 

気づいたら寝ちゃってたみたい

恋愛映画はどうも眠くなっちゃうんだよなぁ

って!ルビィちゃんと映画見に来たのに、寝ちゃったら怒られちゃうよ!!

 

「ご、ごめんなさい!ルビィちゃん」

 

「うゅ…そんなにしょんぼりしないで。ルビィ気にしてないよ?」

 

「ほんと?」

 

「うん、じゃあ次どこ行こうか」

 

ーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーー

ーーー

~曜side~

 

やっぱり奏くんは寝ちゃったみたいだけど、何とかなって良かった

 

「うぅ、ぐすっ…いい話でしたわ…」

 

「ダイヤさん、そろそろ泣き止みなよ…はい、ハンカチ」

 

「ありがどうございまずぅぅ…」

 

「あっ、2人共行っちゃうよ!早く行こう!」

 

「わがりまじだわ…」

 

ーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーー

ーーー

 

それから僕とルビィちゃんはショッピングモールにあったハンバーガー屋さんにやってきた

 

「ルビィちゃん、ポテト好きなんだね」

 

「うゆ、おいしいよ。食べる?」

 

「いいの?」

 

「うゆ!あーん」

 

「あーん…」

 

「おいしいでしょ?」

 

「うん!じゃあお返し」

 

そう言って僕の食べてるハンバーガーを差し出す

 

「え!?」

 

どうしたんだろう。急に動きが止まっちゃった

 

「食べないの?」

 

「た、食べる!」

 

「はい、あーん」

 

「ぅゅ…あーん…」

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

~曜side~

 

「うわっ、2人ともカップルみたいなことしてるよ!」

 

「奏さんなら私は認めますわ」

 

「え?何の話?」

 

どうやらダイヤさんとの間で考えが違うみたい

認めるってどういうこと?

 

「それより、私達もいただきましょう」

 

「あ、そうだね。いただきまーす」

 

「いただきます」

 

「久々に食べたけどおいしいなぁ…あ、ダイヤさんのもおいしそう!ねぇ、一口ちょうだい?」

 

「なっ!私達もルビィ達のようにする必要はありませんのよ!?」

 

「そういうのじゃなくて、単純に食べたいの!むふふっ!スキあり」パクッ

 

「あっ!曜さん!」

 

「おいしい!じゃあはい、私のも一口あげるよ」

 

「し、しかし…」

 

「いいからいいから!」

 

そう言って私はダイヤさんの口にハンバーガーを突っ込んだ

 

「んぐっ!?」

 

「どう?おいしいでしょ?」

 

ダイヤさんの笑顔を期待してたのに、返ってきた反応はその反対だった

 

「うぅ…」

 

「ダ、ダイヤさん!?」

 

「私ハンバーグが好きではなくて…」

 

「あっ!そうだったね、ごめんごめん」

 

「いえ、大丈夫ですわ。それより、2人が行ってしまいますわ!急いで食べましょう」

 

「あ、うん」

 

ーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーー

ーーー

 

ハンバーガーを2人で食べたあと、僕達は服屋さんに来ていた

 

「服かぁ…僕、どんなの着たらいいのかわかんないよ」

 

「奏くんならなんでも似合うと思うな」

 

「ほ、ほんと?」

 

「うゆ!」

 

「えへへ…じゃあルビィちゃんに選んで欲しいな」

 

「うゆ!がんばルビィ!」

 

 

 

ーーーーーーーーーー

ーーーーーーー

ーーー

~ルビィside~

 

奏くんの服を選ぶことになった。どの服にしようかな…

どれも似合いそうで迷っちゃう

奏くんも待ってるし、早くしないと…!

 

『この服中学2年生の身長145センチくらいの男の子に似合いそうだなぁーー』

 

どこかから聞いた事あるような声が聞こえてきた

中学2年生で身長145センチ…?

奏くんにピッタリだ!

ルビィはそこにすぐに向かった

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「すごい!ルビィちゃんに選んで貰ってやっぱり正解だったよ!!!」

 

ルビィが持ってきた服を試着してぴょんぴょんはねて喜ぶ奏くん

喜んでもらえて良かった

 

「うゅ、じゃあルビィ買ってくるよ」

 

「え!?いいよ!僕が買うよ!!」

 

「ル、ルビィの方がお姉ちゃんなんだから、払わせてよ!!」

 

「そ、そんなの悪いってぇ!」

 

「うゅ、じゃあお互いにプレゼントしよ?」

 

「プ、プレゼント?」

 

「うゆ。奏くんがルビィの服を選んで、それをルビィにプレゼントするの。そうすればいいんじゃないかな…?」

 

「わかった!じゃあ選んでくる!!」

 

そう言って奏くんはすぐに走って行ってしまった

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーー

ーーー

~曜side~

 

「ダイヤさん、こっちも似合うんじゃない?」

 

「ほ、本当ですか?普段はこのような服は着ないので、少し不安なのですが…」

 

「絶対かわいいよ!ダイヤさん!」

 

「そ、そこまで言うのならば着ない訳にはいきませんわ。少しお待ちください」

 

今ダイヤさんに私の好みの服を着させてます

ダイヤさん少し褒めると嬉しそうに着るからかわいいんだよねぇ

着たら感想聞きたそうにソワソワするし…

 

 

 

「よ、曜さん…着ましたわ…」ソワソワ

 

お、早速着てくれたみたい

 

「おぉー!すっごいかわいい!!」

 

「そ、そうですか。ありがとうございます」

 

「じゃあ今度はこっち!!」

 

「まだ着るんですの!?」

 

「まだまだだよ!どんどん行こーー!!」

 

 

奏くんとルビィちゃんはこのまま上手くいきそうだし、私もダイヤさんと遊んで帰るよ!!

 

 

ーーーーーーーーーー

ーーーーーー

ーーー

 

「今日は1日ありがとう、ルビィちゃん」

 

「うゆ、こちらこそありがとう」

 

ルビィちゃんの服を選んで、お互いにプレゼントしあった

そうしてたらもう遅くなってしまったので、今日は帰ることに

 

「奏くん…また一緒に遊ぼうね…!」

 

「うん!」

 

そう言って僕達は別れた

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「ただいまーー」

 

「お、おかえり。奏くん…」

 

「?お姉ちゃんどうしたの?」

 

お姉ちゃんは汗びっしょりで息切れしていた

 

「い、いや…練習!練習してたの!!」

 

「そ、そっか…お疲れ様」

 

「それより今日はどうだった?」

 

「うん!えっとね…」

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

~翌週~

 

「奏ちゃんその服似合ってるねぇ!」

 

「奏くんらしくていいわね」

 

「えへへ…」

 

ルビィちゃんに選んでもらった服を着ていくと、みんなに褒めて貰えた

 

みんなに囲まれている中、ルビィちゃんと目があった

僕がルビィちゃんに笑いかけるとルビィちゃんも笑ってくれた

 

もっともーっとルビィちゃんと仲良くなりたいな

また一緒に遊ぼうね、ルビィちゃん

 

 

 




今回で奏くんと1年生全員とが仲良くなりましたね。
1年生はAqoursの中で見ると妹ですが、奏くんから見ると十分お姉ちゃんなんですよね。奏くんと接する時はちゃんとお姉ちゃんしてる1年生組はすごくいいなと思ってます。

次も投稿が遅れてしまうかもしれませんが、読んでいただけると嬉しいです
それでは次回でお会いしましょう







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夏合宿1日目!

今回はアニメの内容をなぞる形で書かせていただきました。少し違う所もありますが、ご了承ください。m(*_ _)m






~曜side~

今日から待ちに待った夏休み!!

色んなことして遊びたいなぁ!あー!今からたのしみすぎるよ!!

今日は夏休み初日!…なんだけど、練習があります!

今は部室で準備中

 

「そういえば奏ちゃんは?」

 

「あぁ、奏くんの中学校は今日終業式だから、遅れて来るよ」

 

「そっかぁ、中学校は夏休み遅いんだぁ…」

 

 

 

「さぁ、練習行くわよーー」

 

千歌ちゃんと話していると、みんなに声がかかった

今日も暑いけど、がんばろう!

 

 

ーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーー

ーーー

 

「あ、暑い…」

 

バスから降りた瞬間溶けそうになった

もう真夏。世界にクーラーがついてたらもっと平和になるんじゃないかって考えちゃう

早く屋上行こう

 

 

学校に入ると、いくらか涼しかった

でもこの後また外なんだよねぇ…

いやいや、みんなも頑張ってるし、僕も頑張らなきゃ…!

 

覚悟を決めて屋上のドアを開けた

 

 

 

 

「遅れてすみません!」

 

練習中のみんなに声をかける

 

「あ、奏ちゃん!ここまでおつかれさま!」

 

「奏くん、暑かったでしょ?はい、お水飲んで?」

 

「あ、ありがとう梨子お姉ちゃん」

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて、では奏さんも揃ったところでお話しましょうか」

 

改めてみんなを集めてダイヤさんが話し始めた

 

「話って?」

 

「みなさん、もう夏休みに入りましたわ。さて、夏休みと言えば!?」

 

夏休みと言えば…?急になんだろう…?

 

みんなが次々と答えていく

ヨハ姉の夏コミ…?ってなんだろう…

 

「ぶっぶーですわ!!!」

 

なにか違ったみたいでダイヤさんが怒っちゃった

どうやらラブライブがあるって言いたかったみたい

 

 

 

 

 

 

 

 

「ということで、合宿をやりますわよ!」

 

「合宿?」

 

屋上から部室に戻ってきてすぐダイヤさんが口を開いた

 

「合宿!楽しそう!!」

 

「うん…でもその貼ってあるものはなに…?」

 

それは気になってた

ホワイトボードになんか丸いものが貼られてるのだ

 

「これは私が独自のルートで手に入れたμ'sの練習メニューですわ!!」

 

「みゅーず?みゅーずってなに?」

 

「奏ちゃん、μ'sって言うのはね…すっごくキラキラしたスクールアイドルなの!」

 

「その通りですわ!μ'sというのは…」

 

「ダ、ダイヤさん!それで合宿は!!?」

 

「へ?あぁ、そうでしたわね」

 

ダイヤさんのことを焦っているように止めた梨子お姉ちゃん

なにかいけないことしちゃったのかな?

 

「ダイヤさんの前ではμ'sって言わないようにしてね」

 

何故か釘を刺された。なんでか気になるけど聞くのはやめておこう

それよりホワイトボードに貼ってある紙に目を移す

うへぇ…凄い厳しそう…みゅーずっていうのはこんなにすごいことやってたんだ…

 

「まぁ、何とかなるかな」

 

果南お姉ちゃんなら大丈夫そうだけど、他のみんなは死んじゃうんじゃ…

そんな時千歌お姉ちゃんが大声をあげた

 

「あーー!そういえば海の家手伝うように言われてるんだったーー!!」

 

「あ、私達も言われてるね、奏くん」

 

「あ!そうだった!」

 

「私もだ」

 

「そんなぁ…」

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「それでは明日の朝4時に集合ということで」

 

結局みんなでお店を手伝って、朝と夕方に練習するという鞠莉お姉ちゃんの案が採用された

朝4時だなんて起きれるかなぁ…

ちなみに練習時間確保のために千歌お姉ちゃんのお家で合宿だそうです

楽しみだなぁ…

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

~翌朝~

 

目覚ましがなっている音で目を覚ました

今何時…?まだ3時じゃん…

あっ、そうだ今日は朝4時に集合…お姉ちゃんのところに行こう

 

 

 

ガチャ

「お姉ちゃん朝だよ…」

 

 

まだ寝ているお姉ちゃんを揺すって起こす

 

「んん…?まだ3時じゃん…」

 

「でも今日は4時に集合って…」

 

「そんなの誰も来ないよ…ほら、おいで?」

 

僕は両手を広げたお姉ちゃんに抱きついた

そのまま寝てしまい、気づいたらいつも起きている時間だった

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「海だーーーーー!!!!」

 

「うぉーーーーー!!!!」

 

バシャーン

 

千歌お姉ちゃん達が海へ飛び込んでいく

僕も早く遊びたい!!

 

「奏、こっちおいで?」

 

「なぁに?鞠莉お姉ちゃん」

 

僕も行こうとしたところで鞠莉お姉ちゃんに止められた

 

「日焼け止め塗ってないでしょ?塗ってあげるからこっちいらっしゃい?」

 

「えぇー?いいよそんなの」

 

「だめよ、奏の肌は女の子みたいに綺麗なんだからちゃんとしないと」

 

「むぅ…」

 

早く遊びたいけど、仕方なく鞠莉お姉ちゃんの所へ行く

 

 

 

 

 

 

「はい、これでよし。じゃあ一緒に行きましょう?」

 

「やっと終わったぁ…」

 

 

 

 

その後しばらくみんなで海で遊んだ

そういえばなんのためにここに来たんだっけ…?

あ、そうだ。海の家のお手伝いに来たんだった

午後かららしいし、それまでは遊べるかなぁ

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「それでは各々仕事を始めてください。そして今年こそ隣の店の売上を超えてみせるのですわ!!」

 

「「「「「「「「おーーー!!!」」」」」」」」

 

午後になってダイヤさんがそれぞれに仕事を割り振った

 

客引きは千歌お姉ちゃんと梨子お姉ちゃん。変な格好してて面白いって言ったら怒られちゃった

 

料理はお姉ちゃんとヨハ姉と鞠莉お姉ちゃん。3人なら美味しそうなものが出来そう!後で味見させてもらお

 

はなまるちゃんとルビィちゃんは出来た料理を運ぶみたい

 

そして果南お姉ちゃんがチラシ配り。ダイヤさんは監督?かな?

 

「……僕は!?!?」

 

そう、僕の仕事がない!やる気満々で来たのにぃ!!

 

「そ、奏さんは…そうですわね…暑いのでそこで休んでてください」

 

「嫌だ!僕も働く!!」

 

「し、しかし…」

 

「もう、ダイヤ?奏にはピッタリの仕事があるじゃない」

 

「「ピッタリな仕事?」」

 

ダイヤさんと2人で聞き返す

すると鞠莉お姉ちゃんは小さい声で言ってきた

 

「果南と一緒にチラシ配りしてきてくれる?配る時は上目遣いを絶対にやること。いい?」

 

「?よく分からないけどやってみる!」

 

僕はすぐに果南お姉ちゃんの所へ走っていった

 

 

 

 

 

 

「鞠莉さん、奏さんに何を言ったんですの?」

 

「ん?奏に向いてる仕事を紹介しただけよ。奏のかわいさを活かせる仕事をね」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「お、奏も一緒かぁ、頑張ろうね」

 

「うん!」

 

果南お姉ちゃんと合流してチラシを貰った

鞠莉お姉ちゃんが上目遣いって言ってたけど、上目遣いってどんな感じ?果南お姉ちゃんに聞いてみようかな

 

「ねぇ、果南お姉ちゃん。上目遣いってなに?」

 

「上目遣い?うーんと…目だけを動かして上を見る感じ…かな?」

 

「えーっと…こんな感じ?」ジー

 

「っ!そ、それでいいんじゃない?じゃあお互い頑張ろうね!」

 

そう言うと果南お姉ちゃんは走って行ってしまった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なにあれ…かわいすぎるんだけど…あんなの甘やかしたくなるに決まってるじゃん…」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

果南お姉ちゃんは積極的にチラシを配ってる…

僕も頑張らなきゃ…とりあえず誰かに話しかけよう

 

「あ、あの!!」

 

「はい、なんですか?」

 

「こ、これ…海の家やってます。よろしくお願いします!!」ジー

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「ということで、本日のお仕事お疲れ様でした。奏さんがお客さんをいっぱい連れてきてくださったので、このままいけば明日はもっと繁盛するでしょう」

 

「そうなんだ、奏くんすごいよ!」ナデナデ

 

「えへへ…」

 

お姉ちゃんに頭をなでてもらっちゃった

 

「さて、ということでこれから練習を始めますわ」

 

「えーー!!もう疲れたよーー!」

 

「ちょっと休もうよーー!」

 

「し、しかし…」

 

みんな本当に疲れてるみたいだし、少し休憩した方が良さそう

 

「ダイヤさん、僕も少し休んだ方がいいと思う」

 

「そ、奏さんが言うなら仕方ありません。では1時間程休んでから練習を始めましょう」

 

「ダイヤって奏にはとんでもなく甘いよね」コソコソ

 

「ええ、あまあまよ」コソコソ

 

「そこ!何を話しているんですの!!」

 

 

 

その後ちゃんと練習はしました

みんなヘトヘトだったけどね

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

海でついた砂を落としてから夜ご飯ということになった

でも…

 

「自分達で作ったご飯は自分たちで食べろって」

 

「お姉ちゃんは料理上手だからいいけど、鞠莉お姉ちゃんとヨハ姉は…」

 

「何よ!失礼ね!」

 

「そうよ!私たちだって料理ぐらいできまーす!!」

 

「まぁまぁ、とりあえず食べてみようよ」

 

 

 

 

「「召し上がれ!!」」

 

そう言って2人が出してきたのは黒くて丸いものと高そうなものがいっぱい入ったスープ?だった

 

「大丈夫なんですの?」

 

「じゃあ食べてみようか」

 

「「「「「「「「いただきまーす」」」」」」」」

 

恐る恐る鞠莉お姉ちゃんの作ったものを口に運ぶ

 

「…お、おいしい!!」

 

「そうでしょ〜?シャイ煮は私が集めたスペシャルな食材で作った究極の料理でーす!!」

 

本当においしい!いくらかは考えたくないけど

 

「ちょっと!堕天使の涙も食べてよ!」

 

そういえば誰も手をつけてない…なんか抵抗があるんだよね

 

「奏!奏なら食べてくれるわよね!?」

 

「善子ちゃん、あんまり無理強いしちゃだめずら」

 

「なによ!ちゃんとおいしいわよ!ほら、奏、あーん」

 

「えっ!あ、あーん…」

 

差し出されたからつい食べてしまった

味は………

 

「そ、奏くん?大丈夫?」

 

ジワッ

 

「「「「「「「「!?!?」」」」」」」」

 

「ちょっ!善子ちゃん何入れたの!」

 

「タコの代わりにタバスコ入れたのよ。これぞ、堕天使の涙!」

 

「奏くん大丈夫?辛かったね。ほらここにぺっ、していいよ」ナデナデ

 

「…ありがとう梨子お姉ちゃん」

 

「聞きなさいよ!!」

 

ヨハ姉は説明を遮られて怒ってるけど、もっと怒ってる人がいた

 

「善子ちゃん?私の弟になに食べさせたの?」

 

「ひっ!よ、曜さん…?」

 

「ちょっとお話しようか」

 

「えっ!ちょっとまっ!あーーーー!!!!」

 

そのまま店の外に引きずられていきました

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ご飯を食べて、お風呂にも入って、歯も磨いて、あとは寝るだけになった

なんだか今寝るのはもったいない気がしてまだ寝たくない

千歌お姉ちゃんもそう考えていたみたいで、遊ぶことを提案してきた

 

「王様ゲームやろう!」

 

「王様ゲーム?」

 

「私たちは遊びに来た訳ではありませんのよ。明日もありますし、もう寝るべきですわ」

 

「えぇー?ちょっとぐらいいいじゃないですかぁ!」

 

「ダメです、さぁ、電気を消しますわよ」

 

本当は遊びたかったけど、ダイヤさんの言う通りだし、仕方ないよね

僕も諦めようとしていたとき、耳打ちをしてくる人がいた

 

「奏、今よ。今こそそのかわいさでダイヤをメロメロにするのよ!!」

 

「何言ってるの、鞠莉お姉ちゃん」

 

「なんて半分冗談だけど、遊びたいなら奏から言ってみたら?案外許してくれるかもよ?」

 

「本当?」

 

本当は僕も遊びたいし、やってみるだけやってみようか

 

「ねぇ、ダイヤさん」

 

「はい、なんでしょうか、奏さん」

 

「僕も遊びたいなぁ…」

 

「!!!!し、仕方ありませんね、少しだけですわよ!」

 

「本当!?ありがとうダイヤさん!」

 

「おぉー!奏ちゃんナイス!じゃあ王様ゲームやろ!」

 

ということでダイヤさんに許して貰ったので王様ゲームをやることになりました

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

千歌お姉ちゃんが番号の書いてある割り箸を持ってきてルールの説明をした

 

「早速始めよう!まず1回戦!王様だーれだ!」

 

僕は2番だった。王様じゃなくてざんねん

 

「あ、マルが王様ずら」

 

最初の王様ははなまるちゃんみたい

どんな命令をするのかな…

 

「じゃあ…4番の人はマルにのっぽパンを持ってくるずら」

 

「げっ!4番私じゃないのよ!」

 

4番はヨハ姉だったみたい。がんばれヨハ姉

 

「じゃあ善子ちゃん早く行くずら」

 

「うぅ…覚えてなさいよーー!!」

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ…はぁ…ほら、のっぽパンよ」

 

「わぁ!善子ちゃん、ありがとうずらぁ!」

 

しばらくして息切れしたヨハ姉が帰ってきて、2回戦を始めることになった

 

「じゃあ次いこう!王様だーれだ!」

 

「Oh!マリーがキングよ!!」

 

うげっ…鞠莉お姉ちゃんかぁ…なんだか怖い…ちなみに僕は3番です

 

「そうねぇ…じゃあ、まず6番の人が4番の人を拘束してぇ…」

 

「あ、6番私だ」

 

「4番は私ですわ」

 

命令の通りダイヤさんを果南お姉ちゃんが拘束した

次はなんだろう…

 

「そして、3番の人が4番の人を…Tickle!」

 

あ、僕の番号だ

 

「てぃっこーってなに?」

 

「え?あぁ、くすぐるってことよ」

 

「じゃあぼくがダイヤさんをこちょこちょするってこと?」

 

「そういうこと、さぁ、早くやっちゃいなさい!」

 

鞠莉お姉ちゃんに言われたように動けないダイヤさんの前に座った

 

「くっ、奏さん!あなた今から何をしようとしているかわかっていますの?今もし私をくすぐるなどしたら、後で私も奏さんのことを…」

 

話が長いので途中で始めた

 

コチョコチョコチョコチョ

 

「ピッ!そ、奏さん…?話を聞いてください」

 

あれ、脇腹じゃあんまり効果ないみたい

もうちょっと上かなぁ…

 

「そ、奏さんそれ以上はダメですわ。くひひっ!今ならまだ許しますのでやめてください」

 

ダイヤさんはやめてほしいみたいだから上にたどり着く前に手を止めた

 

「ダイヤさん、やめて欲しい?」

 

「え、えぇ、わかっていただけましたの?」

 

「えへへっ、だーめ!」

 

コチョコチョコチョコチョコチョコチョ

僕はダイヤさんの脇の下に手を当てて思いっきり動かした

 

「ピッ、ピギャァァァァァァはははははは!!!くすぐったいですわぁぁぁぁ!!!」

 

「うわぁ…くすぐったそう…ダイヤさんがんばって」

 

「そ、そう思うのならぁぁぁぁやめてくださいましぃぃぃぃぃ!!!!!あはははははははは!!!」

 

 

 

 

 

 

「うわぁ…私4番じゃなくて良かった」ヒソヒソ

 

「奏ちゃんってSなのかな…」ヒソヒソ

 

「なんだか奏くんが怖くなってきたずら…」ヒソヒソ

 

「うゆ…お姉ちゃん…」ヒソヒソ

 

 

 

 

「も、もう限界ですわぁぁぁぁ!!!」

 

「ストップ、奏」

 

楽しくなってきた時鞠莉お姉ちゃんにぎゅってされて後ろに倒された

 

「これ以上やったらマリーが奏をくすぐっちゃうわよ?」

 

「むぅ…わかった」

 

「ふふっ、いいこいいこ」ナデナデ

 

なんだか鞠莉お姉ちゃんに撫でられると眠くなってきちゃった

 

「さて、ダイヤも疲れてるみたいだしそろそろ寝ましょうか」

 

「い、一体誰のせいでこうなったと…!」

 

「まぁまぁダイヤさん、奏ちゃんも少しやりすぎただけだから、ね?」

 

「じゃあ奏はマリーと寝ましょうか」

 

「「「「ちょっと待って」」」」

 

鞠莉お姉ちゃんが一緒に寝るという提案に声をあげた人が4人いた

 

「ここは千歌の部屋だよ。なら奏ちゃんは千歌と寝るべきだよ」

 

「それを言うなら私の家は隣よ?場所は関係ないんじゃないかしら?」

 

「奏くんのお姉ちゃんは私だよ。そしたら私が奏くんと寝るのが1番自然じゃないかな?」

 

「いや、私だって昔から奏の面倒見てきたんだよ?なら私も奏のお姉ちゃんなんじゃない?」

 

みんな真面目な顔してなに話してるんだろう…

僕は早く寝たいのに…ていうか1人で寝ちゃダメなの?

と思ったけど鞠莉お姉ちゃんに抱っこされてるから動けないし…

 

結局じゃんけんで決着をつけることになったらしく、

勝ったのは梨子お姉ちゃんだった

 

「えへへ、じゃあ奏くん、一緒に寝ようか?」

 

「あ、梨子お姉ちゃんが勝ったの?もう1人で寝ようかと思ったよ…」

 

「ごめんごめん、ほら、おいで?」

 

布団に入って手を広げる梨子お姉ちゃんに抱きつくと、頭を撫でてくれた

 

「あ、えへへ…」

 

「奏くん、おやすみなさい」ナデナデ

 

「おやすみ、梨子お姉ちゃん」

 

 

 

 

「ここは千歌の部屋なのに…」

 

「お姉ちゃんは私なのに…」

 

「私だって…」

 

数名は悔しそうでした

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーー

ーーー

~梨子side~

じゃんけんで勝って奏くんと寝る権利を勝ち取ったはいいんだけど…

 

「すぅ…すぅ…」

 

かわいすぎない?この子

いつもかわいいなと思ってはいたけど、無防備な寝顔はいつもの数倍かわいい

しかも私にギューって抱きついて寝てる

こんな状況じゃあ寝れないよ…

とりあえず奏くんを撫であげると、こころなしか笑っているように見える

はぁ…かわいいなぁ…

私が寝られずにいると千歌ちゃんに起こされた

なにか話があるみたい

ごめんね奏くん、少し抜けるよ

 

離れようとしたら奏くんが私の服をキュッて掴んでる様子を見て千歌ちゃんと2人で悶えました

 

 




今回はアニメ1期の10話の内容を書きました。本当は1話分で出そうと思ってたんですが、思ったよりも分量が多くなってしまったため、2話に分けて出そうと思います。なので早く出せると思います。
それではまた次回でお会いしましょう。



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夏合宿2日目!

前回の続きでアニメの内容を書かせていただきました。
次回まではアニメの内容を書きたいと思います。
また、2日目というタイトルですが、最終日まで書いてあります。分かりにくくてすみません…m(_ _)m





~千歌side~

「千歌ちゃん起きて。朝だよ」ユサユサ

 

「ほぇ…?ぅぅん…」

 

だんだん目を開けると曜ちゃんの顔が見えてきた

でも、周りまだ暗いからきっといつも起きてる時間に起きちゃっただけなんだと思う

 

「曜ちゃん…私はまだ眠いよ…」

 

「仕方ありませんわね。それなら千歌さんはお留守番ということで…」

 

「へ?お留守番…?」

 

「今日は朝練やるんでしょ?」

 

「あーーー!!そうだった!!」

 

「千歌ちゃん静かに!奏くんが起きちゃうでしょ!」

 

梨子ちゃんが小声で注意してきた

梨子ちゃんを見ると、奏ちゃんを膝枕しているみたい

 

「じゃあ早く準備して出発しよー!」ヒソヒソ

 

「奏はどうする?まだ梨子ちゃんの膝でぐっすりみたいだけど」

 

「うーん…まだ寝かせてあげようか。昨日頑張ってくれてたし…」

 

「そうですわね。では各自準備をして行きましょう」

 

「あ、マリーは奏の寝顔見てるから先行ってて」

 

「い・き・ま・す・わ・よ!」

 

「はーい…じゃあ写真撮っちゃお」パシャ

 

「奏くん、ごめんね。行ってくるね」

 

そう言って梨子ちゃんは奏ちゃんを膝からそっと下ろした

 

さぁ、今日もがんばろーー!!

 

 

ーーーーーーーーーーー

ーーーーーーー

ーーー

 

 

「んぁ…?あれ…みんな?どこ行ったの?」

 

目を覚ますと一緒に寝ていたはずのみんなはいなくなっていた。とりあえず部屋の外に出てみると、しまねぇがいた

 

「あら、奏くん起きたのね。おはよう」

 

「あ、しまねぇおはよう。みんなどこに行ったの?」

 

「みんななら朝練に行ったわよ」

 

「朝練!?なんで起こしてくれなかったの!?」

 

「奏くん昨日お仕事頑張ったんでしょ?だから寝かせてあげようって」

 

「そんなぁ…」

 

「そんな顔しないで?みんなもうすぐ戻ってくるから、ちゃんとお話しようね」ナデナデ

 

「うん…」

 

ーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーー

ーーー

 

「なんでみんな僕を置いていったの!!」

 

「い、いやぁ…奏ちゃん気持ちよさそうに寝てたから」

 

みんなが帰ってきてからすぐに問い詰めた

 

「むぅ…もう知らない!!今日1日許してあげないもん!」

 

「あれ?今日の奏はご機嫌ななめかなん?」

 

「そうみたいですわねぇ」

 

「angryな奏もかわいいわねぇ…」

 

「聞いてるの!!?僕怒ってるんだよ!!」

 

話してもちゃんと聞いてくれない3年生組

僕だって怒るんだよ?

 

「わかったわかった。ごめんね、奏。お姉ちゃんたちが悪かったから。ね?そんなに怒らないで?」ナデナデ

 

「なっ、なででれば機嫌が直るって思ってるでしょ!そんなことないからね!」

 

「じゃあどうすればいいの?」ナデナデ

 

「し、知らない!!」

 

ずっと撫で続けてくる果南お姉ちゃん

嬉し…くない!怒ってるんだから!

 

「マルに任せるずら!」

 

そこではなまるちゃんが急に声をあげた

 

「奏くん、こっち来るずら」

 

「な、なぁに…?」

 

僕は少し警戒しながら近づいた

 

「いいこいいこずら」ナデナデ

 

「むぅ…はなまるちゃんまで…」

 

やっぱりやることはみんな同じ…みんな僕のこと子供扱いするんだ…!

と、思ってたら…

 

「ふぁ…」

 

僕は急いで口を塞いだ

 

「奏くん?今の声はなんずら?」

 

はなまるちゃんはいじわるな顔でこっちを見てくる

頭と…顎の下をなでながら…

 

「奏くん、マル達も悪気があって置いていったわけじゃないずら。許して欲しいな」ナデナデ

 

「で、でも…んん!」

 

だんだん力が抜けてきた…も、もうたってられない…

 

ポフッ

 

僕ははなまるちゃんにもたれかかった

 

「ふふっ、奏くん、許してくれるずら?」

 

「んぅ…わかったぁ…許す…」

 

「ありがとう…奏くん」

 

 

 

 

 

「随分平和的に解決しましたわね」

 

「そうだねぇ、それにしても奏かわいいなぁ…」

 

「ええ…癒されるわ…」

 

 

 

その後しばらくはなまるちゃんに撫でてもらった

気持ちよかったんだけど…みんなにニヤニヤした顔で見られて少し恥ずかしかった…

 

ーーーーーーーーーー

ーーーーーーー

ーーー

 

「さて、今日こそ隣のお店に勝てるように皆さん頑張りましょう!!」

 

「「「「「「「「「おーーー!!!」」」」」」」」」

 

今日もお仕事が始まった

とは言っても僕は今日はチラシ配りじゃなくって、はなまるちゃんとルビィちゃんと同じ。ウェイターだって言われた

お客さんとちゃんと話さないといけないのはちょっと緊張する…

 

「すみませーん」

 

あ、呼ばれちゃった…

 

「はーい…ご、ご注文お伺いします!」

 

「えっと…このヨキソバと…あと…」

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「ふぅ…疲れたぁ…」

 

とりあえず一区切りがついたから、休んでていいと言われ、今は海の家の裏で休憩中

 

「お疲れ様です」ピタッ

 

「ひゃぁっ!?」

 

急にほっぺに冷たいものが触れてびっくりした!

 

「あっ、ごめんなさい」

 

「ダイヤさん!びっくりするじゃん!」

 

「す、すみません。つい…」

 

「えへへ、別に怒ってないよ」

 

「もう…調子がいいんですから…隣いいですか?」

 

「うん」

 

ダイヤさんも僕の隣に座った

 

「これ、差し入れです」

 

「あ、ありがとうございます」

 

ダイヤさんがジュースをくれた。この暑さだとすっごくおいしく感じそう

それにしても…

 

「き、今日は暑いですわね〜」

 

「へ?あ、うん。そうですね」

 

なんかダイヤさんがいつもと違う…なにかあったのかな

あ…!僕昨日ダイヤさんのこと…

もしかして仕返しに…?

 

「ダ、ダイヤさん。あの…き、昨日はごめんなさい!」

 

「昨日?なんの話ですの?」

 

あれ?怒ってない?

 

「だから…その…僕がダイヤさんのことを…その…」

 

「あぁ、そのことですか。そうですわねぇ…ここでお返ししましょうか」ワキワキ

 

や、やっぱり…!

「なーんて、そんなことしませんわ。私は別に奏さんには怒っていませんの。鞠莉さんには…まぁ…」

 

「じゃあなんでここに?」

 

「そ、それは…その…」

 

さっきまでとは違ってダイヤさんはモジモジしだした

 

「なーに?気になるよ!」

 

「いえ…ですからその…」

 

「もう!」 ギュツ

 

「そ、奏さん?」

 

「このまま言わないなら昨日と同じようにくすぐります。ごー…よーん…さーん…」

 

「わ、分かりましたわ!言います!言いますわ!」

 

「じゃあなんですか」ジトー

 

「その…奏さんとちゃんとお話することがなかったものですから…」

 

「僕とお話したかったってこと?」

 

「はい…」

 

「なーんだ…そういうことなら早く言ってくださいよ」

 

「す、すみません」

 

緊張した様子だったから不安だったけど、どうやら心配なかったみたい

 

「じゃあ何について話すの?」

 

「そうですわねぇ…」

 

「あ、その前にひとついいですか?」

 

「はい、なんですの?」

 

「敬語使わなくてもいい?」

 

「ええ、構いませんわ。奏さんはもうAqoursの一員ですし」

 

「えへへ、ありがとう。じゃあもうひとつ」

 

「はぁ、なんでしょうか」

 

「奏さんじゃなくて他の呼び方がいいな」

 

「えっ」

 

「なんか奏さんだと硬い感じがして嫌だなぁ」

 

「しかし、親しき仲にも礼儀ありという言葉がありましてですねぇ…」

 

「むぅ…じゃあいいよ。ダイヤさんが呼びたくなったら呼んでね」

 

「分かりましたわ」

 

 

 

この後安易な気持ちでダイヤさんに「みゅーず」について聞いたことを後悔しました

 

ーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーー

ーーー

 

「奏くーん、ちょっと手伝ってーー」

 

「はーい」

 

今日の仕事も終わって片付けをしているとき、厨房にいるお姉ちゃんに呼ばれた

 

「なぁに?」

 

「このシャイ煮と堕天使の涙をカレーにしようかなって思って」

 

「カレーって…」

 

「うん、パパから教えてもらったカレーだよ」

 

「ほんと!?早く食べたい!」

 

「よーし、じゃあすぐ作っちゃおー!!」

 

「おーーー!!!」

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「ということで、私と奏くんでシャイ煮と堕天使の涙をカレーにしてみました!!」

 

「えへへ…召し上がれ!!」

 

自信満々で言ったんだけど、みんなの顔は明るくはならなかった

 

「あれ?みんなどうしたの?」

 

「いや…いくらカレーにしたとしても…」

 

「むぅ…おいしいのに…じゃあ梨子お姉ちゃん!食べてみてよ!!」

 

「わ、私!?」

 

「うん!はい、あーん!」

 

「あ、あーん…」

 

「梨子ちゃん、羨ましい…私も奏ちゃんに…」

 

「お、おいしい!!」

 

「えへへ〜、でしょ!!」

 

「すごいよ奏くん!こんなことできるなんて!」

 

「ううん、僕はちょっと手伝っただけ。お姉ちゃんがほとんど1人でやっちゃったよ」

 

「そんなことないよ!奏くんが手伝ってくれたから…」

 

「はいはい、そのぐらいにして、2人ともすごいってことでいいじゃん」

 

「「えへへ…」」

 

やっぱり果南お姉ちゃんには敵わないなぁ…

 

「これなら明日は完売ですわ…」ニヤニヤ

 

「ダ、ダイヤさん怖い…」ボソッ

 

気づいたら声にしちゃってた…!

聞こえてないことを祈ったけど、聞こえてたみたい…

 

「奏さん?怖いとはどういうことですか?」

 

「え、えーっと…僕そんなこと言ってない…よ?」

 

「本当ですか?私の目を見てちゃんと言えますか?」

 

「うぅ……お…お姉ちゃーーん!!!」

 

怖くなった僕はお姉ちゃんに抱きついた

 

「わわっ、奏くん!もうダイヤさん!奏くんいじめないでよ!!」

 

「い、いじめていた訳では…」

 

「3人とも、そのぐらいにしないと、マルに全部食べられちゃうよ?」

 

「え?わーー!!はなまるちゃん!食べ過ぎだよー!」

 

「あっ、奏くん!ダイヤさん、ごめんなさい。ちょっと言い過ぎちゃいました」

 

「いえ、私も少し大人げなかったですわ」

 

「えへへ、じゃあ早く食べよう?」

 

「えぇ、そうですわね」

 

ーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーー

ーーー

 

「それでは、スクールアイドルについての講義を始めたいと思います」

 

夜、千歌お姉ちゃんの部屋にて、ダイヤさんがなにかやるみたい。よくわかんないけど

 

「僕、ちょっとトイレ行ってくる」

 

「えっ、それでしたら待っていますわ」

 

「はーい」

 

早めに済ませて帰ってこよう

 

 

 

 

 

「お待たせしましたー」

 

「奏、こっちおいでー」

 

部屋に入るやいなや果南お姉ちゃんに呼ばれた

その声にしたがって僕は果南お姉ちゃんの膝の上に腰を下ろした

 

「あっ!果南ちゃんずるい!!」

 

「ずるくない」ナデナデ

 

「果南ちゃん!奏くんのお姉ちゃんは私だよ!」

 

なんか喧嘩が始まっちゃったみたい…

ど、どうしよう…言い争ってる…

 

「ちょっと!講義を始めますわよ!!」

 

ダイヤさんが止めても聞かない…本格的にどうしよう…

 

その瞬間、部屋の戸が少し開く音がして一気に静かになった

 

「………」

 

襖の奥からこちらを見つめる目…あ、みとねぇだ

 

「きょ、今日はもう寝ようか!!」

 

満場一致で決まった

僕も眠かったしちょうどいいや

 

 

 

 

 

 

 

「奏、今日は私と寝ようね」

 

「えっ…う、うん」

 

今日は果南お姉ちゃんと寝るらしい

らしいっていうのは僕も今聞いたから

 

「なに〜?嫌なの〜?」

 

「嫌じゃないけど…なんか久しぶりで恥ずかしくって…」

 

「恥ずかしいって…昔はあんなに一緒に寝よって言ってきたのに?」

 

「そ、それは言わないで!!」

 

「なになに?その話聞かせて?」ムニュ

 

話していると後ろから鞠莉お姉ちゃんが抱きついてきた

僕は今布団で果南お姉ちゃんに抱きつく形で寝ているから、2人に挟まれてる状況になってる

く、苦しい…

 

「うん、昔の奏は今以上に甘えん坊で、何かあったらすぐ私とか曜とかの所に来てたんだ」

 

「へぇ〜今よりもねぇ…?」

 

「奏くんは昔から甘えん坊だよ!私に甘えるのがすっごくかわいいからつい甘やかしちゃうんだよね〜」

 

お姉ちゃんも話に入ってきた

 

「分かるわ曜。マリーもこの前すごく甘やかしたもの。」

 

「皆さん、その辺にしてもう寝ましょう。明日も朝練はありますわよ。奏さんも、明日は参加するのでしょう?」

 

「うん、明日は一緒に行く!」

 

「なら早く寝ないと置いていってしまいますわよ」

 

「はーい。おやすみなさい」

 

「おやすみなさい」

 

 

 

 

 

「マリーも一緒に寝るわ」

鞠莉お姉ちゃんはそのまま後ろにくっついて寝るらしい

ちょっと苦しい…

圧迫感がすごい…何のとは言わないけど…

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーー

ーーー

~果南side~

 

「おはよう、奏!起きて!」ユサユサ

 

「ぅぅん…なに…?」

 

「奏、朝練行くんでしょ?なら起きて?」

 

「あされん…?あ、そっかぁ…」

 

「もうみんな行っちゃったから、早く行こう?」

 

「んん…ちょっと待ってぇ…」

 

寝起きの奏はまだ寝ぼけてるみたい。いつもはぱっちりしている目も完全に空いてない

なんか心配だからちゃんと連れて行ってあげよう

 

「奏、連れて行ってあげるから。ほら、手握って?」

 

「んん…」ギュッ

 

「じゃあ行こうか」

 

「ぅん…」

 

いつもよりも歩くのが遅い

まだ半分寝てるんだろうな…

このまま手繋いで歩くよりは…

 

「奏、おんぶしてあげるから、乗って?」

 

「ぉんぶ…?んん…わかったぁ…」

 

奏をおぶった後、私はみんなが待つ場所へと急いだ

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「ごめんごめん、遅くなっちゃった」

 

「果南ちゃん、大丈夫だよ!じゃあ早速行こー!」

 

そして練習場所の砂浜へ移動する

移動って行っても全然距離はないけど

 

 

 

「奏くんねてるずら?」

 

「ん?あぁ、そうみたいだね。」

 

「奏、リトルデーモンの癖に寝てるんじゃないわよ」

 

「奏くんはリトルデーモンじゃないずら」

 

「そ、そんなことないわよ!」

 

「2人とも!奏くん起きちゃうよ!」

 

「「あっ」」

 

1年生達と話しているとすぐに砂浜に着いた

 

「さてと、じゃあ早速練習を…と言いたいところだけど…」

 

「奏くんどうしよっか」

 

「いいよ。私見てるから。練習してきて?」

 

「でもそれじゃあ果南ちゃんが…」

 

「私は後でやるからいいよ。それにこのまま奏を放っておく訳にはいかないでしょ?」

 

「な、なら…」

 

「果南ちゃん、弟がご迷惑おかけします!」

 

「ふふっ、なーに?今更。奏にはずーっと手を焼いてるよ」

 

「あはは!そうかもしれないね」

 

 

 

 

 

「じゃあ果南ちゃん、奏ちゃんをお願いね」

 

「うん、ここから見てるから」

 

 

 

 

 

 

みんなが練習しに行ったあと、奏を下ろして膝枕をしてあげることにした

 

「ふふっ、まだ寝てるの?奏のせいで私練習出来ないんだよ?」プニプニ

 

ほっぺをつつきながら悪態をつく

 

「もう…かわいい寝顔だなぁ…怒る気も無くなっちゃうよ」

 

後で奏も一緒に走らせようか。奏はいつも見てるだけだからいい運動になるかもしれない

 

「奏は手のかかる弟だなぁ…そこがかわいいんだけど」

 

「んん……」

 

私がずっとほっぺをつついていたら奏は私に抱きついてきた

 

「全く…いつまで経っても甘えん坊だ…」

 

その後は奏の頭を撫でながらみんなの練習の様子を見ていた

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーー

ーーー

 

目を覚ますと、なんだか明るくって海の匂いがした

そして頭は暖かい。撫でられてる感じがする

モゾモゾ動いてると上から声が聞こえた

 

「お、奏やっと起きた?おはよう」

 

上を向くと果南お姉ちゃんが優しい顔をしていた

 

「お、おはよう果南お姉ちゃん…えっと…なんでここにいるの?」

 

「奏覚えてないの?今日朝練来るって言ってたから起こして連れてきたんだけど」

 

覚えてるような覚えてないような…なんだかぼんやりしてる

 

「あ、そうそう。奏も後で私と一緒に練習してもらうからね」

 

「え!?なんで!?」

 

「だって奏のせいで私練習出来なかったんだよ?当然じゃん」

 

あ、そっか。僕が寝てる間果南お姉ちゃんはずっと僕のこと見ててくれたんだ。今も他のみんなは練習してるし…

 

「へへっ、なんてね。別にい…」

 

「わかった!僕頑張るね!」

 

「…あれ?そっか…うんうん。じゃあやろうか」

 

果南お姉ちゃんは優しく僕を起こして立ち上がった

 

「じゃあみんなのとこ行こうか」

 

果南お姉ちゃんは手を出して言った

 

「うん!」

 

差し出された手を握って2人で歩き出した

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

すっごく疲れた…朝からもうヘトヘトだよ…

あの後果南お姉ちゃんと一緒に練習したんだけど、時間がないからっていつもよりもハイペースで進めてた

汗もびっしょりかいたから朝からお風呂に入りました

…何故か果南お姉ちゃんも一緒に

一応僕は思春期に当たる時期なんじゃないのかなぁ…

 

 

 

 

そしてこれから朝ごはん。もうお腹ペコペコだよぉ…

そこで千歌お姉ちゃんから何か話があるみたい

 

「あのね、この後ラブライブの予選があるでしょ?その予選なんだけど、梨子ちゃんは出られなくなったの」

 

…え?ラブライブに出られない?

 

「ピアノのコンクールに…」

 

「梨子お姉ちゃんなんで!?怪我でもしちゃったの!?それとも病気!?大丈夫!?」

 

「そ、奏くん落ち着いて…」

 

「奏さん、落ち着いてください。話を聞きましょう」

 

「で、でも…!」

 

「奏、大丈夫だから…ね?」ナデナデ

 

「あ…うん…ごめん」

 

鞠莉お姉ちゃんに撫でられてやっと落ち着いた

 

「えーっとね…梨子ちゃんは東京であるピアノのコンクールに出るんだ。それがラブライブの日程と被っちゃったから出られないの。奏ちゃんわかった?」

 

「わかった…」

 

そっか…梨子お姉ちゃんラブライブ出られないんだ…

ずっとお別れって訳じゃないけどなんだか寂しいなぁ…

 

「そんな顔しないで?すぐ帰ってくるから」

 

「うん…梨子お姉ちゃん頑張ってきてね」

 

「えぇ、頑張るわ」

 

それにしても東京かぁ…行ってみたいなぁ…

お姉ちゃん達は僕が知らないうちに行ってたみたいだし…あれ?この中で東京行ったことないの僕だけじゃない?

 

「東京いいなぁ…僕も行きたい…」ボソッ

 

「ならついて行けばいいじゃない」

 

鞠莉お姉ちゃんの発言にみんなが止まった

 

「?ついて行けばいいじゃないの。行きたいなら」

 

「でも…僕そんなお小遣い持ってないし…それに梨子お姉ちゃんの迷惑になるだろうし…」

 

「旅費は私が出すわ。それに梨子も奏がいた方がリラックス出来ていいんじゃないかしら?」

 

「え、えぇ、それはそうですけど…」

 

「奏ちゃんどうする?梨子ちゃんと一緒に東京行く?」

 

「奏くん東京行ったことないもんねぇ…憧れる気持ちは十分わかるであります!」

 

「奏が行きたいなら行ってもいいんじゃない?」

 

「奏くん、東京はすごいところずら!」

 

ど、どうしよう……

すごく行きたいけど…

 

「で、でも…梨子お姉ちゃんの迷惑に…」

 

「奏くん…私少し不安なんだ…だから、本当のことを言うと奏くんについてきてほしい。ダメかな…?」

 

梨子お姉ちゃんがそこまで言うなら仕方がない

「わかった…!僕も東京行く!」

 

「そっか、じゃあ私達もラブライブ予選突破できるように頑張らなくっちゃ!!」

 

「その前に、早くご飯を食べてしまいましょう。話してばかりで誰も箸が進んでいませんわ」

 

「あ…はーい」

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「梨子お姉ちゃん!」

 

「ん?どうしたの?奏くん」

 

朝ごはんを食べ終わって部屋に戻る途中に話しかけた

 

「梨子お姉ちゃん僕のわがまま聞いてくれたんでしょ?ありがとう」

 

「ふふっ、そんなことないわよ。私は奏くんと行きたかったの。だから奏くんのじゃなくて私のわがまま。いい?」

 

「そっか…ありがとう、梨子お姉ちゃん」

 

「じゃあ早く部屋に戻って準備しましょう?」ナデナデ

 

「えへへ…うん!」

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

今日で海の家のお手伝いも最後だから、合宿も最後。

明日からはいつも通り学校で練習だって

でも少ししたら梨子お姉ちゃんと一緒に東京に行くから準備しておかないと…

東京の有名な場所とか…おいしい食べ物とか…

…あっ、遊びに行くわけじゃないからね

梨子お姉ちゃんのサポートのために行くんだからね!

 

でも…楽しみだなぁ…

 




前回から引き続き、アニメをなぞる形で書かせていただきました。早めに出せると思うと言っておきながら遅くなってしまい、すみません…m(_ _)m

さて、次の話までアニメの内容を書きたいと思います
奏くんが梨子ちゃんと一緒に東京へ行きます
どのような行動を取るのか…

それではまた次回でお会いしましょう。










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東京

遅くなってしまい、大変申し訳ありません。m(*_ _)m
今回でアニメの内容は一旦終了です。




「奏くん、梨子ちゃんに迷惑かけないようにね。あとあんまりはしゃぎすぎないように」

 

「わかってるよー!!」

 

「じゃあ梨子ちゃん、奏くんのことよろしくね。頑張ってね!」

 

「梨子ちゃん、がんばルビィ!!」

 

「えぇ、行ってくるわね」

 

「いってきまーす!」

 

そう言ってみんなに手を振り、改札を通った

 

「奏くん、はぐれるといけないから手つなごっか」

 

「なんだか子供扱いされてる気がするけど…」ギュッ

 

その後2人で手を繋いで電車に乗り、空いていた席に座った

 

「梨子お姉ちゃん、東京までどのくらいかかるの?」

 

「うーんと…だいたい2時間半くらい?」

 

「に、2時間半…!長い…」

 

「あはは…ゆっくり行けるからいいじゃない」

 

「うん…あ、そういえば向こうではどこに行くの?」

 

「今日はとりあえず荷物を置いて、ちょっと…私は買うものがあるから奏くんはホテルで待ってて。その後一緒にスタジオに行こうね」

 

「何買うの?僕も行くよ」

 

「え?いや、でもそんな大したものじゃないから…大丈夫だよ?奏くん東京初めて行くんだからあんまり動きすぎても良くないんじゃないかなって」

 

急に話すのが早くなった梨子お姉ちゃんはなんだか焦ってる

 

「僕も行く!」

 

「で、でも…」

 

梨子お姉ちゃんは口に手を当ててブツブツ言い始めた

なんかまずいこと言っちゃったのかな…?

 

「わかったわ、一緒に行きましょう」

 

覚悟を決めたような目で梨子お姉ちゃんは言ってきた

それがまさかあんなことだなんて思ってもみなかった…

 

 

ーーーーーーーーーーー

ーーーーーーー

ーーー

 

~梨子side~

 

「えーっと…ここ…なんだけど…」

 

そう言ってお店を指さす

仕方ないよね、奏くんが行きたいって言ったんだから

そう自分に言い聞かせて、ぽかんとしている奏くんの手を引く

 

「あ、あの…梨子お姉ちゃん、ここって…?」

 

「いいの、いいから行くわよ」

 

「へ!?だからこのお店はぁ!?」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「じゃあ…私は買うもの探して来るから…」

 

なんだか急に恥ずかしくなってきて奏くんから離れようとしてしまった

 

ギュッ

 

「梨子お姉ちゃん、どこ行くの?」

 

離れようとしたのに、私の服の裾を掴む奏くんがかわいすぎて結局一緒に動くことに

 

 

 

「えっとね…?私の趣味…になるのかなぁ…」

 

友達の弟に私は何を説明しているのだろう…

こんなに恥ずかしいことは他にはないと思う

奏くんも良く分からないような顔で見てるし…

 

「た、試しに読んでみたらいいんじゃないかな!?ほら、これとか!!」

 

自分でも訳分からなくなって勧めてしまった

奏くんは黙って私が渡したお試し本を受け取って読み始めた

 

 

 

って!なんで渡してるの私!!

やってしまったと思っていると奏くんの顔は真っ赤になっていった

 

「り、梨子お姉ちゃん…こういう趣味があったんだ…」

 

「ちょ、ちょっと待って…!!」

 

「も、もう大丈夫!僕先にホテル戻ってるから!ごゆっくり!!」

 

「あっ!奏くん!」

 

そう言って店を飛び出して行ってしまった

東京初めてなのに…このままじゃまずい…!

早く追いかけないと…!!

 

ーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーー

ーーー

 

 

 

 

まさか梨子お姉ちゃんが好きなものがえっちなものだったなんて…受け入れられるかなぁ…

 

そんなことよりも、急に飛び出して来ちゃった…

早く戻らないと梨子お姉ちゃんに心配かけちゃう…

 

「あれ?ここ…どこ?」

 

気づいたら大分離れてしまったみたい

 

「どどど…どうしよう!!僕、東京わかんないのに…そ、そうだ!スマホ!スマホがあった!」

 

スマホを出すと、すぐに電話がかかってきた

梨子お姉ちゃんからだ

 

『もしもし!?奏くん!?今どこにいるの!!』

 

「えっと…じ、神社…?おっきい神社!」

 

『神社…?この近くの神社となると…わかったわ…すぐ行くから待ってて。絶対動いちゃダメよ。絶対にね』

 

そこで電話は切れた

大人しく梨子お姉ちゃんを待つことにした

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「奏くん!奏くーん!!」

 

待っているとすぐに梨子お姉ちゃんの声が聞こえてきた

 

「梨子お姉ちゃーん!!」

 

すぐに梨子お姉ちゃんの所へ走っていく

 

「あっ!奏くん!良かったぁ…」

 

梨子お姉ちゃんは僕を抱きしめるように受け止めてくれた

 

「ごめんなさい…勝手な行動して…」

 

「えいっ!」ピシッ

 

「あぅっ!」

 

梨子お姉ちゃんにデコピンされた

 

「これでおしまい。私もその…悪かったし…」

 

「うん…ごめんなさい」

 

「いいの…奏くんが無事で良かったわ」

 

「梨子お姉ちゃん…」ギュッ

 

「さぁ、そろそろスタジオに向かいましょう?」

 

「うん!」

 

その後はぐれないように手を繋いでスタジオに向かった

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「ふぅ…なんだか疲れちゃった」

 

「そうね、ちょっと休憩しましょうか」

 

「そういえば梨子お姉ちゃん、その袋なに?」

 

そう、東京着いた時には持ってなかった袋が増えているのだ

 

「え!?いや、これは…えーっと…お、お土産!」

 

「お土産かぁ…僕も買っておかないと…」

 

「ふぅ…何とかごまかせた…」ボソッ

 

「なんか言った?」

 

「ううん、なんにも!」

 

 

ーーーーーーーーーー

ーーーーー

ーーー

 

ピアノの練習をした後はホテルに戻ってご飯を食べ、シャワーを浴びた

今は寝る準備中

 

「梨子ー」

 

そんなとき、誰かが部屋に入ってきた

 

「お母さん、どうしたの?」

 

「明日のことなんだけど…」

 

2人が話している間、僕はどうしたらいいかわかんなかったからじっとしてた

 

「じゃあそういうことで、あ、奏くん」

 

「は、はい!」

 

急に話しかけられてびっくりして変な答え方をしちゃった

 

「もう、そんなに緊張しなくていいのに…」

 

「あ、あの…突然無理を言ってしまってすみませんでした」

 

「いいのよ、梨子も私以外の支えが必要だしね」

 

「そ、そう言っていただけるとありがたいです」

 

「あら、しっかりしてるのねぇ…それじゃあ梨子のことよろしくね」

 

「は、はい!」

 

「じゃあごゆっくり」

 

バタン

 

ドアを閉めた瞬間なんだか力が抜けてしまった

 

「なんでそんなに緊張してるのよ」

 

梨子お姉ちゃんが笑いながら聞いてきたけど、大人と話すと緊張しちゃうでしょ!

怒った様子で梨子お姉ちゃんを見るけど、あんまり効果はなさそう…

 

「ふふっ、もう寝ようか」ナデナデ

 

「えーもう寝るのー?」

 

「明日もあるし、早めに寝ようよ」

 

「でもまだ眠くないもん」

 

「いいからいいから、はい、おいでー」ポンポン

 

梨子お姉ちゃんが太ももを叩く

多分膝枕してくれるんだろうけど…

今全然眠くないし、そんなことされても寝ないかなぁ…

 

ーーーーーーーーーーー

ーーーーーーー

ーーー

 

~梨子side~

 

「よーしよーし…いいこいいこ」ナデナデ

 

「ん…僕…子どもじゃない…のに…」ウトウト

 

奏くんは膝枕してあげてからすぐにウトウトしだした

もう目もトロンってしてる

 

「奏くん、もう寝ようか」ナデナデ

 

「んぅ…だめ…まだ…眠く…」

 

「寝てもいいんだよ?」

 

「んん…寝ない…もん…」

 

少しだけ睡魔に抵抗する様子を見せたけど、その後すぐに奏くんは寝てしまった

 

「すぅ…すぅ…」

 

「今日東京来たばっかりだし、疲れちゃったよね…おやすみ、奏くん」ナデナデ

 

 

 

 

 

「…」

 

いや、ダメなことは分かってる。そんなことしたら絶対奏くんがぷくぅって膨れて怒っちゃう

でも…

 

「…」パシャッ

 

やってしまった…

寝顔を撮るなんてなんだか変態さんみたい…?

 

 

「か、かわいすぎるわ…共有しなくちゃ…!」

 

写真を撮ってタガが外れた私はAqoursのグループに奏くんの写真を送ってしまった

ついでに文章も添えて…

 

梨子:奏くんが私の膝で寝ちゃった

 

千歌:羨ましすぎるよ梨子ちゃん!

 

花丸:かわいいずらぁ

 

マリー:So pretty!!

 

みんなからいっぱい感想が来た

 

「あっ…」

 

私はその中の1人の返信を見てやってしまったと後悔した

 

曜:梨子ちゃん、お話があります。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

『もう!梨子ちゃんのこと信頼して奏くんを任せてるんだからね!!』

 

「はい、気をつけます…」

 

『奏くんに何か悪い影響があったらヨーソローの刑だからね!』

 

「ヨ、ヨーソローの刑!?」

 

「ぅぅん…」

 

「あっ、奏くん起きちゃった…」

 

『じゃあ今日のところはこの辺で許してあげるよ!』

 

「ありがとう、それじゃあまた今度ね」

 

『ヨーソロー!』

 

そこで通話は切れた

文字で見るとすごく怒ってると思ったけど、そこまで怒ってなくて安心した

それにしてもヨーソローの刑ってなんだろう…

 

「梨子お姉ちゃん…?」グイグイ

 

私が考えていると服を引っ張られる感覚があった

そこには目を擦りながら私を呼ぶ奏くんがいた

 

「ご、ごめんね奏くん。起こしちゃったね」

 

「ん…梨子お姉ちゃん…何してるの…?」

 

「えっと…ちょっと電話してて…」

 

「寝ないの…?」

 

「え、ええ、寝ましょうか」

 

「うん…」

 

寝ると言っても奏くんが服から手を離してくれないから多分一緒に寝て欲しいんだと思う

奏くんが言うんだから仕方ないよね

 

「ぎゅー…えへへ…」

 

寝ぼけているのか奏くんはいつもよりもずっと甘えん坊さんだ

 

「梨子お姉ちゃん…大好き…」

 

「えっ……!」

 

「すぅ…すぅ…」

 

「寝てる…はぁ、全く…甘えん坊さんね…」ギュッ

 

そのまま私も奏くんを抱きしめながら眠りについた

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「ん…もう朝ね…奏くん、起きて」

 

ぱっと目を覚ますと、時刻は朝の6時半だった

昨日は早く寝たし、ちょうどいい時間かな

 

「くぅ…くぅ…」

 

奏くんはまだ私の腕の中で寝ている

ほんとに無防備な寝顔…

いくら甘えん坊とはいえ、まだ出会って1年経ってない人の前でこんなに気抜ける?

この子の将来が心配だわ…

 

「奏くん、起きて?」ユサユサ

 

「んんぅ…あと…ごふん…」

 

「だーめ、ほら、起きて」

 

「梨子お姉ちゃんのいじわる…ふわぁぁぁ…」

 

奏くんはムスッとした顔でこちらを見つめて大きなあくびをした

 

 

「ふわぁぁ…」

 

「あ、移った。えへへ…」

 

今度はいたずらっ子みたいな顔をした

何この子、かわいい

ずっと抱きしめていたい…

 

「あのー…2人とも?」

 

「!?」

 

2人で朝から抱き合ってるの見られちゃった…!!

ま、まずい…なにか言い訳しなくちゃ…

 

「あなたたちそんなに仲良かったのね」

 

「ち、違っ…その…」

 

「うん…僕、梨子お姉ちゃんのことだーいすき」

 

「ちょっ!奏くん!?」

 

多分寝起きで頭が働いてないんだと思う

 

「あらそう…ごめんなさいね、邪魔しちゃって…もうちょっとで朝ごはんだから、早めに準備しなさいね」

 

「はぁーい…」

 

「…」

 

そのままお母さんは部屋から出ていった

私と奏くんに誤解を持ったまま

 

ーーーーーーーーーーーー

ーーーーーー

ーーー

それから少ししてコンクールの日がやってきた

梨子お姉ちゃんもすっごく練習してたし、きっと大丈夫…!だけど、少し心配…

僕は関係者のところには入れないから、梨子お姉ちゃんのお母さんと一緒に客席で見ることになった

 

「梨子お姉ちゃん大丈夫かな…」

 

「大丈夫よ。奏くんがずっとついててくれたじゃない」

 

「でも僕は素人の感想しか言えないし…ほんとに役に立ててたのかなって…」

 

「…梨子はね、奏くんがついてきてくれるってなってすっごく喜んでたわ。多分あの子不安でいっぱいだったと思う。でも奏くんのおかげでその不安もなくなって今日まで練習してこれた…感謝してるわ。私じゃその役目は果たせないから」

 

「そ、そんな…僕はただ…梨子お姉ちゃんと一緒にいたかったから…」

 

「あら?告白かしら?」

 

「ち、違っ…!そうじゃなくて!!」

 

「ふふっ、分かってるわよ。さぁ、そろそろ始まるわよ」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

少しして梨子お姉ちゃんの引く順番になった

緊張してるみたい…がんばって!!

梨子お姉ちゃんは深呼吸をしてピアノを弾き始めた

 

すごい…練習してた時よりもさらに気持ちが伝わってくる

ピアノのことはよく分からないから上手く言えないけど、梨子お姉ちゃん、輝いてる…!

 

 

ーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーー

ーーー

~梨子side~

 

出場者全員の発表が終わり、結果発表も終わった

楽屋に戻ってきた私は達成感に満ちあふれていた

 

「梨子お姉ちゃん!」

 

座っていると、聞こえるはずがない奏くんの声が聞こえた

 

「梨子お姉ちゃんってば!」

 

気のせいだよね。奏くんここには入れないはずだし

 

「むぅぅぅ…梨子お姉ちゃん!!」ギューッ

 

「きゃぁ!!」

 

急に後ろから抱きつかれた

どうやら本当に奏くんが来ていたみたい

 

「なんで無視するの!!」

 

奏くんは少しほっぺが膨れてる

かわいい…

 

「ご、ごめんね。まさかここにいるとは思わなくって…」

 

「むぅ…まぁ別にいいけど…そんなことより!梨子お姉ちゃん!おめでとう!!」

 

「ありがとう、奏くんのおかげよ」

 

「ううん、梨子お姉ちゃんが頑張ったからだよ。それに、お姉ちゃん達も予選突破だって!やったね!」

 

「えぇ、さっき千歌ちゃんから聞いたわ」

 

「よかったぁ…ほんとによかったぁ……」

 

奏くんの目からポロポロと涙が落ちる

 

「僕、すごく不安で…ついてきちゃって梨子お姉ちゃんがダメだったらどうしようって…Aqoursも…予選突破出来なかったらどうしようって…」ポロポロ

 

今までそんな素振りは1度も見せなかったけど、心の中ではずっとかんがえていたんだと思う

自分のせいで迷惑がかかることを

 

「もう…バカね…奏くんのせいで、なんてそんなことあるわけないじゃない」

 

「へ?」

 

「みんな奏くんに力を貰ってるの。だから奏くんのおかげでみんな成功できたのよ?」

 

「梨子お姉ちゃん…ひぐっ…ふぇっ…うわぁぁぁぁぁぁん!!」

 

「きゃっ!」

 

勢いよく抱きついてきた奏くんを何とか受け止めた

涙目の奏くんは何度か見たことあるけど、ここまで泣く奏くんは初めて見た

 

「ここまでありがとう。これからもよろしくね?」

 

奏くんを抱きしめながらお礼を言った

 

「ぐすっ…うん!」

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーー

ーーー

 

ピアノコンクールも地区大会も終わって、これからはさらに練習が厳しくなるのかなぁ…

僕も見て感想を言うだけじゃなくってもっとなにかできることを探さなくちゃ

うーん…あっ!そうだ!

マネージャーだ!僕がAqoursのマネージャーになればいいんだ!!

よーし、そうと決まれば…………

マネージャーって何すればいいんだろ……

後でお姉ちゃんに聞いてみよっと

 




今回も読んでいただきありがとうございます。
そして投稿が遅くなってしまい、大変申し訳ありませんでした。次の話も投稿が恐らく大分遅くなると思いますが、次は2年生か3年生のどちらかとの話を書こうかなと思っています。
できる限り早めに出せるように努力しますので、お待ちください。
それでは、また次回でお会いしましょう。


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恥ずかしさを乗り越えて

まず、投稿が非常に遅れてしまって申し訳ありません。
あと、前回の次回予告的なものとは全く異なるものになっていることにも謝罪させていただきます。m(_ _)m


「奏くん、起きて?今日は朝からAqoursの練習だよ?」

 

「ぅ〜ん…あと…ごふん…」

 

お姉ちゃんが体を揺すって起こしてくれてる

けど…まだ眠いからもう少しだけ…

きっとお姉ちゃんのことだからちょっと早めに起こしてくれてるはず…

 

少しするとお姉ちゃんは僕の部屋から出ていった

と思ったらすぐ戻ってきて僕の上に乗った

 

「奏くん…早く起きないと…女の子にしちゃうよ?」

 

「!?」

 

僕は予想外の言葉に目を見開いた

 

「あ、起きちゃった…おはヨーソロー!奏くん!」

 

「お、おはよう…お姉ちゃん」

 

よく見るとお姉ちゃんは手にメイク道具を持っている

 

「お、お姉ちゃん…?なにをしようと…?」

 

「ん?奏くんが起きないからこっそりメイクしてあげようかなって」

 

「ぼ、僕男なんだけど…?」

 

「うん、知ってるよ?だから言ったじゃん。女の子にしちゃうよって。あっ、そうだ。奏くん、ちょっと今日1日みんなを騙してみない?」

 

「だ、騙す…?」

 

なんだか嫌な予感しかしないけど、一応聞いてみよう

 

「うん、私がこれから奏くんをかわいい女の子にしてあげる。それで今日1日Aqoursのみんなにバレなかったら欲しいものなんでも1つ買ってあげるから、ね?」

 

どうしようかな…正直悪い条件ではないと思うけど…恥ずかしいし…

 

「悩んでるね。じゃあとりあえず変身してから考えてみよっか。ちょっとこっち来てー」

 

「ちょっ、僕まだやるって言ってないんだけど!!」

 

そのままお姉ちゃんの部屋に連行された

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「はい、目開けていいよ」

 

目を開けると、目の前の鏡に映るのはいつもとは違う自分だった

 

「すごい、いつもと違う」

 

「ふふっ、思った通り。奏くん元からかわいい顔してるからちょっと手を加えるだけですっごくかわいくなったね。どう?みんな気付かないと思わない?」

 

「うん…いける気がする」

 

「よーし!じゃあ服は…私の服でいいかな?ちょっと大きいかもしれないけど…はい、これ着てみて」

 

「うん」

 

「絶対似合うと…ん?誰だろうこんな時間に…善子ちゃんからだ。もしもし?」

 

『もしもし、曜?あんた今日どうしたのよ。』

 

「へ?何が?」

 

『何がって…もうバス来ちゃうわよ?一緒に行くって言ってたじゃない』

 

「あーーーー!!!そうだった!!ごめん善子ちゃん!先行っててもらっていいから!みんなにもちょっと遅れるってこと伝えておいてくれる?ほんとにごめんね!急いで行くから!それじゃ!」

 

『えっ、ちょっとまっ…』ブツッ

 

「奏くん!遅刻だよ!!」

 

「うん、聞いてたよ。お姉ちゃんが夢中になっちゃうから…」

 

「ごめんー!とりあえずその服着て!早く行くよ!」

 

「わ、わかった!」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「ふぅ…何とか次のバスには間に合ったね」

 

「ギリギリだったけどね」

 

結局僕はそのまま女の子の格好で練習に行くことになった

 

「それで、奏くんの設定なんだけど、月ちゃんの妹ってことにしておこうか」

 

「えっ、でもみんな月お姉ちゃんのことは知らないんじゃないの?」

 

「あ、そっか…じゃあいとこってことにしておこう。名前は…読み方を変えてかなでちゃんにしよう。それで、偶然泊まりに来てて、Aqoursのことを話したら興味を持ってついてきちゃったっていう感じで。それと喋り方も変えてね?イメージは…梨子ちゃん!」

 

「うん、頑張ってみる」

 

「ちなみに奏くんは何が欲しいの?」

 

「ん?何の話?」

 

「最初に言ったじゃん。バレなかったら欲しいものなんでも1つ買ってあげるって」

 

「あー…そういえば言ってたね…どうしようかな…」

 

「じゃあ終わるまでに決めておいてね」

 

「はーい」

 

「あ、もうすぐ着くよ。みんな部室で待っててくれるって」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「おはヨーソロー!みんな、遅れてごめん!」

 

「曜さんが遅れるとは珍しいですね。なにかあったのですか?それにそちらの方は?」

 

ダイヤさんにはバレてないみたい

ほんとにいけるかも…?

 

「いやー…ちょっとこの子が練習を見てみたいっていうもんだから…紹介するね、いとこのかなでちゃんだよ」

 

「き、今日はよろしくお願いします」

 

「曜ちゃんいとこいたんだ」

 

「知らなかったずら」

 

「So pretty girl!」

 

「ふふっ、かなでちゃん…か」

 

「ん?どうしたのよ果南」

 

「おもしろいこと考えるよね、あの二人は」

 

「何の話?」

 

「なんでもないよ。それじゃあそろそろ練習しようか…と言いたいところだけど…」

 

「千歌ちゃんが来てないね。梨子ちゃん、千歌ちゃんは?」

 

「起きないから置いてきました」

 

「あはは…」

 

「全く…千歌さんは成長しませんわね」

 

「まぁまぁ、じゃあ先に練習始めちゃおうか。千歌ちゃんには連絡入れておくね」

 

「ん、それじゃあ屋上行くよー」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

みんなで屋上に向かっている途中、果南お姉ちゃんがこそっと話しかけてきた

 

「ねぇ、かなでちゃん」

 

「は、はい。なんですか?果南さん」

 

「みんなには言わないでおいてあげるからね」

 

ま、まさか気付かれた…?

 

「な、何の話ですか?」

 

「誤魔化さなくていいよ。奏」

 

「な、なんで…」

 

「んー?ちっちゃい頃からずっと見てきたんだよ?気付かないわけないよ」

 

「はぁ…」

 

「ん?もしかしてバレたらまずかった?」

 

「うん…お姉ちゃんと約束してて、バレなかったら欲しいもの買ってくれるんだって」

 

「そっか…じゃあ協力してあげるね」

 

「え?どういうこと?」

 

「それは後でね。あんまり一緒になってると怪しまれちゃうから」

 

「う、うん…」

 

「それじゃあまたね、かなでちゃん。」

 

「なかなかかわいいじゃん…」ボソッ

 

「もう…」

 

果南お姉ちゃんのいじわる…

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「よーし、まずはストレッチからね」

 

屋上に来たらいつもとやることは簡単だった

みんなが練習している所を見ているだけ

…だと思ってたのに…

 

「ねぇねぇ、かなでちゃん。かなでちゃんはどこに住んでるずら?沼津ずら?」

 

「へっ!?えっと…」

 

どうしよう…そんなこと決めてなかったよ

 

「かなでちゃんはもうちょっと内陸の方だよね」

 

か、果南お姉ちゃん…!

 

「は、はい、そうです」

 

「なんで果南ちゃんが知ってるずら?」

 

「昔一緒に遊んだことあるんだ。ね、かなでちゃん?」

 

「は、はい」

 

「へー、そうなんずらね」

 

「ほら、マル?そろそろ練習始めるよ」

 

「あーちょっと待つずら〜」

 

果南お姉ちゃんおかげで何とか切り抜けられた

ありがとう、果南お姉ちゃん…!

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「よし、ちょっと休憩にしようか」

 

「はい、お水」

 

「ありがとう…かなで…ちゃん…?」

 

あっ!つい癖でいつも通りみんなにお水渡しちゃった

 

「か、かなでちゃんは優しいなー!バスの中で奏くんの話したから手伝ってくれてるんだねー!!!」

 

お姉ちゃん…焦ってるのバレバレだよ…

っていうかお姉ちゃん的にはバレほうが利益があるんじゃないのかな

 

「ありがとうございます。今日は奏さんがいらっしゃらないので…」

 

「そうよ、なんで今日は奏来てないの?」

 

「善子ちゃん、寒いずら…」

 

「違っ、ダジャレじゃないわよ!」

 

「でも奏くん来てないね」

 

「曜ちゃん、なにかあったの?」

 

「え、えーっと…その…あの…」

 

ダメだ、お姉ちゃん混乱してる

ここは僕が行くしかない

 

「そ、奏くんは今日いきなり学校の友達に誘われて遊びに行きましたよ」

 

「そう!そうなんだよ!」

 

お姉ちゃん…

 

「なるほど…それは仕方ありませんね」

 

な、何とか切り抜けられた…

 

 

 

「みんなー!!遅れてごめーん!!!」

 

「千歌ちゃん!」

 

「遅いですわ!もうとっくに練習は始まってるんですのよ?」

 

「えへへ、ごめんごめん。昨日は遅くまで作詞してて…」

 

「もう、千歌ちゃんったら…」

 

そこで千歌お姉ちゃんと目があった

 

「あれ?」

 

「どうしたの?千歌っち」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「今日はなんでそんな格好してるの?奏ちゃん」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「え…な、何の話ですか?わ、私は…」

 

「奏ちゃんだよね?今日は女の子みたいだけど」

 

「「「「「「えぇぇぇぇぇぇぇ!?!?」」」」」」

 

「嘘…この子が奏…?もしや新しい魔法を使ったの…?」

 

「信じられないずら…」

 

「なんで千歌ちゃんはわかったの?」

 

「んー?なんとなく?奏ちゃんだなって」

 

「すごいわ千歌っち!マリー全く気付かなかったわ!」

 

「ふっふーん!どんなもんだい!奏ちゃん、千歌を騙すのは100年早いのだ!!」

 

「…………か」

 

「ん?なぁに?」

 

「千歌お姉ちゃんのばか!なんで気付いちゃうの!!!ばかーー!!!!」ポカポカ

 

「うわわっ!痛いよ〜奏ちゃん!」

 

「うるさいっ!千歌お姉ちゃんのばかーー!!」ポカポカ

 

「えぇーー!なんでこんなに怒ってるのー!」

 

「奏の欲しいものがかかってるんだってさ」

 

「うんうん…ってなんで果南ちゃん知ってるの?」

 

「奏から聞いたよ」

 

「え…もしかして果南ちゃん、最初から分かってた?」

 

「当たり前だよ、幼なじみを舐めないでほしいね」

 

「そ、そっかぁ…」

 

「あぁ…果南が言ってたのはそういうことだったのね」

 

「うん、部室に入ってきた時から奏が今日は女装してるんだなって。どっちが考えたのかはわかんなかったけど、発案は曜ちゃんかな?奏が自分から言うとは思えないし」

 

「うぅ…全部正解…良くわかったね」

 

「そ、奏ちゃん〜!そろそろやめてー!!」

 

「んーーー!!!!」 ポカポカ

 

 

ーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーー

ーーー

 

練習が終わった後、みんなに事の経緯を話した

 

「で、なんで曜ちゃんも凹んでるの?」

 

「悔しいの!千歌ちゃんと果南ちゃんにバレたのが!奏くん、今回は欲しいもの買ってあげるよ」

 

「ほ、ほんと!?」

 

「うん、今回は私の腕が足りなかったからね…でもその代わり奏くんも私のお願い聞いてね」

 

「え?」

 

「私が着てほしい服を着てもらうよ!」

 

「あ、みんなじゃあうちでご飯食べてから奏ちゃんのファッションショーすれば?」

 

「あら、よろしいのですか?」

 

「うん、志満姉に連絡したらOKだって」

 

「マリーも賛成だわ!」

 

「じゃあうちで奏ちゃんのファッションショーだー!」

 

いつの間にか着る服が複数になっている

あんまり釣り合ってなくない?

 

ーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーー

ーーー

~曜side~

 

「それでは奏くんによるファッションショーを始めたいと思います!まずは…私たちの制服から!奏くん、入ってきていいよー!」

 

「うぅぅぅぅぅ…は、恥ずかしい…」

 

奏くんは顔を真っ赤にして部屋に入ってきた

 

「きゃーー!!かわいい!!こっち見てーー!!奏くーーん!!!」

 

「よ、曜ちゃん落ち着いて!」

 

「ゴホン…取り乱しました。じゃあ奏くん、次の衣装に着替えてきてくれる?」

 

「おい、お前ら何やってるんだ?」

 

「み、美渡姉…どうしたの?」

 

「いや、隣の部屋から大声聞こえたんだから来るだろ…ん?奏、お前…」

 

美渡姉は奏くんを見て目付きを変えた

な、なにかまずいことでもやっちゃったかな…?

 

「相変わらずかわいいなぁ!!」ギュゥ

 

「み、美渡姉苦しいよ…」

 

「な、何が起こってるんですの?」

 

「美渡姉は奏のこと大好きなんだよね」

 

「うん、奏ちゃんかわいいーっていつも言ってるよ。千歌には厳しいのに奏ちゃんにはあまっあまだからね」

 

「あはは…」

 

その後も色んな服を奏くんには着てもらった

みんなかわいいって盛り上がってた

なんなら美渡姉が1番盛り上がってて志満姉から怒られてた

 

 

 

ーーーーーーーーーー

ーーーーーー

ーーー

 

「ふぅ…楽しかったぁ…!」

 

「曜ちゃん満足そうね」

 

「うん!ずっと奏くんに着せたかったものが着せられて大満足だよ!いや〜奏くんを女の子にして良かった〜」

 

Aqoursのみんなは喜んでるけど、僕は恥ずかしい思いをしたんだよ?お姉ちゃんにはちょっと反省してもらおうかな…?

 

「お姉ちゃん、覚えてる?欲しいもの買ってくれるんでしょ?」

 

「え?あぁ、うん!もちろんだよ!奏くんは何が欲しいの?」

 

「僕、ヨハ姉が持ってるゲームが欲しい」

 

「善子ちゃんが持ってるやつ?」

 

「うん、この前遊んだやつ」

 

「善子ちゃん、どういうゲーム?」

 

「ヨハネ!!この前と言うと…最新版のやつかしら?」

 

「うん」

 

「へぇ〜そうなんだ。いくらぐらい?」

 

「そうね…ハードだけじゃなくてソフトも必要だから…5万ぐらい?」

 

「ごっ…そ、奏くん…か、考え直してくれたりとかは…?」

 

「やだ」

 

「ですよねぇ…うわぁーん!私のお小遣いがぁ!」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「はい、欲しがってたゲームだよ…」

 

「わぁぁ!!お姉ちゃんありがとう!!」

 

本当にお姉ちゃんは買ってくれた

ちょっとびっくり

 

「ねぇ、お姉ちゃん。」

 

「ん?なぁに?奏くん…」

 

お姉ちゃん…相当ダメージ大きかったんだね

いつもより元気ないもん

 

「ごめんね。僕のわがまま聞いてもらって」

 

「ううん、もともとは私のお願いから始まってるんだし、自業自得だよ…」

 

「それでね、このゲーム、もちろんヨハ姉とやってて面白かったからっていうのはあるんだけど…これ、2人プレイできるんだ。だから…その…お姉ちゃんと一緒に遊べたら嬉しいなって思って…」

 

お姉ちゃんはぽかんとした顔で見つめてる

と思ったら一瞬で笑顔が戻って僕に抱きついてきた

 

「奏くん!奏くん!奏くん!!ありがとう!!私のことそんなに考えてくれてたんだね!!奏くんのためならこのくらいなんてことないよ!!さぁ!お姉ちゃんと遊ぼう!!」

 

結果的には女の子になって良かった…かな…?

 




今回も読んでいただきありがとうございました。
前回まで次どんなことを書くかと言うのをここで書いていましたが、今回みたいに全く違うものになる可能性が高いため、これからは次回予告はしないでおきます。反省してます。前回予告してたものはどこかで出せるように頑張ります。
それではまた次回でお会いしましょう。


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甘すぎるのよ!

遅くなりました。m(_ _)m
今回は1年生組と奏くんのイタズラ回です


~千歌side~

 

「ない…ない…どこにもないですわ…!!!」

 

「どうしたの?ダイヤさん」

 

「私のプリンがどこにもありませんのー!!!」

 

「はぁ…ルビィ、白状しなさいよ」

 

「ルビィじゃないよ善子ちゃん!」

 

「ヨハネ!!じゃあ誰よ、ずら丸?」

 

「マルじゃないずらぁ…そういう善子ちゃんこそ怪しいずら!」

 

「なっ!ヨハネは食べてないわよ!!」

 

ダイヤさんが叫んでから部室は大騒ぎ

1年生組がわちゃわちゃしだした

練習終わってのんびりしようと思ってたのに、まさかこんな事件が起こるだなんて…

 

グイグイ

 

急に服を引っ張られる感覚があった

振り向くとそこには奏ちゃんがいた

 

「ち、千歌お姉ちゃん…」

 

私達はダイヤさんが叫んでいるうちに気づかれないように部室から出た

 

 

ーーーーーーーーーーー

ーーーーー

ーーー

 

「どうしたの奏ちゃん」

 

「…言わない?」

 

「へ?何を?」

 

「…ダイヤさんに言わない?」

 

あー…奏ちゃんだったのか…

 

「うん、言わないよ。だから話してくれる?」

 

「じ、実は…」

 

そう言って奏くんはからになったプリンのカップを出した

 

「お姉ちゃんから部室の机に僕の水置いてあるからって言われてて…一緒にプリンも置いてあったから…これも僕のために買ってくれたのかなって思って…」

 

「そっか…」

 

「ご…ごめんなさい…」

 

涙目で謝る奏ちゃんかわいい…

じゃなくて、ちゃんと怒らないと…

 

「こ、こらー…ダメだぞー!」

 

「…」

 

ダメだ…上手く怒れないや

 

「これからはちゃんと食べていいか確認してから食べるようにね?」

 

「うん」

 

「あとは…ダイヤさんに謝ろうか」

 

「うっ…」

 

「千歌お姉ちゃんも一緒に謝ってあげるから…ね?」

 

「うん…」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「ええい!もうこうなったら1人ずつ荷物検査を致しますわ!カップの残りが部室のゴミ箱から見つからないということは誰かが持っているということです!もし持っている人が居ればそれはそれは凄惨な罰を加えますわ。今名乗り出れば少しは軽くして差し上げますが…名乗り出る方はいらっしゃいますか?」

 

あぁー、ダイヤさん激おこだ…

手には木刀持ってるし…ていうかいつ持ってきたのそれ

奏ちゃん震えまくってるよ…涙目だし…かわいい…

 

 

「奏ちゃん、今言おう」

 

「む、無理!無理無理!だってダイヤさんすっごく怒ってるもん!怖いよ…」

 

「あー…ダイヤさん。ちょっといい?奏ちゃんから」

 

「ちょっ!千歌お姉ちゃん!!」

 

ごめんね、奏ちゃん

 

「なんでしょうか?千歌さん。それに奏さんも。今忙しいのですが」

 

ダイヤさんがギロっとこちらを見る

怖っ。女の子がそんな目しちゃダメでしょ…

 

「あの…ダ、ダイヤさん…」

 

「なんですか?奏さん」

 

「ご、ごめんなさい!!」

 

勇気を出して奏ちゃんはプリンのカップを前に出し、謝った

 

「ダイヤさん、奏ちゃん気づかないで食べちゃったみたいで…わざとじゃないんだ。許してあげて?」

 

「ご、ごめんなさい!次から気をつけるから…!」

 

奏ちゃんは怯えながらもしっかりとダイヤさんを見る

ダイヤさんはずっと黙って俯いてるけど…まさか奏ちゃんにもせいさんな罰を…?

 

「あの…ダ、ダイヤさん?」

 

「奏さん」

 

「は、はい!」

 

「おいしかったですか?」

 

「え?あ、はい。おいしかったです…」

 

「そうでしたか…それは良かったですわ。でも、人のものを勝手に食べたらぶっぶーですわ。気をつけてくださいね?」

 

ダイヤさんは急に笑顔になって奏ちゃんを叱った

 

「ダイヤさん怒ってないの…?」

 

「別に怒っていませんわ。プリンなんてまた買ってくればいいんですもの。でも…そうですわね…奏さんには罰として私と一緒にプリンを買いに行く、ということでどうでしょう?」

 

「うん!一緒に行こ!」

 

一件落着…なのかな?

ダイヤさんほんとに奏ちゃんに甘いなぁ…

それは周りのみんなも感じていたようで、特にいつも怒られてる組は抗議を唱えた

 

「なんで奏はそんな簡単に許されるのよ!いつものヨハネに対する仕打ちはなんなのよ!!」

 

「そーだそーだ!ルビィはいっぱいいっぱい怒られるのにぃ!」

 

「やかましいですわ!それに私はさっきから怒っていませんでした。そうですわよね?」

 

「いやSword持って…」

 

「なんですか?鞠莉さん」ニッコリ

 

「い、いえ…なんでも…」

 

「そうですか。では奏さん、行きましょうか」

 

「あ、うん!」

 

「あ、そうですわ。奏さんの好きなものも買ってあげますわ。一緒に食べましょう」

 

「え?でも僕がプリン食べちゃったから…」

 

「いいんですわ。2人で食べた方がおいしいに決まってますもの」

 

「そっか…えへへ、ありがとう、ダイヤさん!」

 

そのまま2人は部室を後にしてその日は部室に帰って来なかった

 

 

ーーーーーーーーーーー

ーーーーーー

ーーー

~善子side~

 

「不公平だわ!」

 

「どうしたんずら?善子ちゃん」

 

「ヨハネ!あまりにも奏の待遇が良すぎるのよ。この前のダイヤの件で改めて感じたわ」

 

「うゅ…ルビィもちょっと思うかな…ルビィだったらお姉ちゃんのプリン食べちゃうと長いお説教が待ってるもん」

 

「仕方ないんじゃない?だって奏くんすっごくかわいいし…ダイヤさんも甘やかしたくなっちゃうのもわかるずら」

 

「そこでよ!」

 

「うゅ?」

 

「ダイヤがどこまで怒んないか気になんない?」

 

「「…ちょっと気になる」」

 

「でしょ?奏にあっまぁーいダイヤは果たしてどこまで笑って許すのか…それとも奏にガチギレしてしまうのか…今こそ検証の時よ!と、言うことで奏に連絡するわね…」

 

私は予め用意しておいたスマホの画面をタップし、電話をかける

するとすぐに繋がった

 

『もしもし、ヨハ姉?どうしたの?』

 

この子声変わり前だから声までかわいいのよね…

どうやら本人はそれが恥ずかしいらしいけど

 

「えぇ、ちょっと協力して欲しいことがあってね…」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「さて、早速だけど今日の練習から仕掛けるわよ」

 

次の日、教室でルビィとずら丸に作戦を説明する

 

「結構早いんだね」

 

「もうちょっと時間かかると思ってたずら」

 

「ふふっ、ヨハネを舐めないで欲しいわね…」

 

まぁ今回は小道具とか必要ないし、奏の同意が得られれば良かっただけだからなんだけど、これは言わないでおこう

 

「実際のイタズラの内容は本番のお楽しみだけど、一応今回の趣旨を伝えておくわね。ダイヤがどこまで我慢できるか、以上!」

 

「ものすごい単純だったずら」

 

「でもよく奏くんお願い聞いてくれたね」

 

「あの子はお菓子あげれば大抵の言うこと聞くわよ」

 

「将来が心配ずら…」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

奏にお願いしたのは今日の練習の時間にダイヤにちょっとしたイタズラをすること

イタズラの内容は特には指定してないから奏がどんなことをするかは私も分からない

そろそろ練習が始まるから準備しないと…

 

「ダイヤさーん」

 

い、今行くの!?

いや、別に時間も指定してないし、いつでもいいんだけど…

 

「はい、なんですか?奏さん」

 

「えへへ…むにゅぅぅぅぅぅ…!」

 

「ふぇっ!?」

 

奏はいきなりダイヤのほっぺを触り始めた

 

「あははっ!ダイヤさん変な顔ー!」

 

「そ、奏さん!何をして…」

 

「うりゃうりゃうりゃーーー!!!」

 

「ひゃ…ひゃめへくだひゃいーーー」

 

ダイヤめっちゃ嬉しそうじゃん

多分奏から遊びに来てくれたのが嬉しいんだろうな

って!これじゃあ検証にならないじゃないのよー!

 

「そろそろ練習始めるよー」

 

「あ、練習始まるって。行こ?ダイヤさん」

 

そのまま奏は果南の方へ走っていった

 

「ダ、ダイヤ?Are you OK?」

 

「ふふふ…ふふふふふふふ…」

 

「ダ、ダイヤ?」

 

「奏さんが私に心を開いてくれましたわ!!私…感激です!」

 

「Oh…これは別の意味で大丈夫じゃなさそうね…」

 

その日のダイヤはほんとに嬉しそうだった

 

作戦失敗!!

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「こら奏!全然ダメじゃないの!!」

 

「えぇー?そうかなぁ…」

 

練習終わりに1年組と奏で作戦会議を決行した

 

「うゆ…お姉ちゃんすっごく喜んでた。今夜はお祝いですわーって」

 

「うわぁ…ダイヤさんも単純ずら…」

 

「うーん…そうなんだ…」

 

「もう…もっとこう…いきなりひっぱたくとか…」

 

「えぇ…?そんなことできないよぉ…」

 

「そうずら!奏くんにそんなことさせちゃダメずら!」

 

ずら丸が奏を守るように抱きしめて訴えた

 

「う…じゃ、じゃあどうするのよ!」

 

「あ、じゃああれは?膝カックン」

 

「どうだろう…お姉ちゃん多分また奏くんからイタズラされたって喜ぶんじゃないかな?」

 

「ありえるわね」

 

今日ので喜んでたんだから同じような膝カックンではきっと結果は同じだろう

 

「えぇーそんなぁ…っていうか!なんで僕はダイヤさんに怒られるためにこんなに頑張らなきゃいけないの!僕怒られたくないよ!」

 

「それはヨハネと契約をしてしまったから仕方ないわね」

 

「そういえば奏くんはどのお菓子につられたずら?」

 

「…黙秘!」

 

「シュークリームよ」

 

「へぇ…じゃあ終わったら一緒に食べようね。もちろん善子ちゃんの奢りで」

 

「うん!」

 

「ちょっ、ずら丸!なんであんたの分まで買わなきゃいけないのよ!てかヨハネ!!」

 

私達の作戦はまだまだ終わりそうにない…

 

 

 

 

 




今回も読んでいただき、ありがとうございます。
今回は少し短めでした。多分ですがこのダイヤさんにイタズラを仕掛けるシリーズは続くんじゃないかなと…何話か挟んでまた書きたいと思っています。ダイヤさんに対してだけじゃなくて他のメンバーに対してのものも書くかもしれません。
あと誕生日ストーリーの方なのですが、だいぶ止まってしまってますね…すみません…m(_ _)m
続きのルビィちゃんの回からまた始めようと思っているのでそれまでお待ちください。
それではまた次回でお会いしましょう。


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Happy Birthday
8月1日


今回は番外編です
千歌ちゃんの誕生日のことについて書きました
千歌ちゃん目線のことが多いです


~千歌side~

なんだか最近みんながコソコソしている

私になにか隠してるみたいに

私なにかしちゃったのかなぁ…

この前なんて…

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「奏ちゃん、一緒に帰ろ?」スリスリ

 

「うわぁっ!千歌お姉ちゃん!!ごっ、ごめん僕用事あるからーー!!!」

 

「あっ、奏ちゃん!」

 

奏ちゃんは走っていってしまった

そして気がついたらみんないなくなってしまっていて、結局1人で帰ることになっちゃったのだ

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

こんなことが最近多くなってきた

千歌も寂しくなるのだ…

ここは奏ちゃんにじんもんするしかないね…!

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「奏ちゃん、なにか隠してることあるでしょ?」

 

「え、えーっとぉ…」

 

次の日、練習は休みだったから奏ちゃんを私の部屋に呼んだ

奏ちゃんにしたのは1番ポロッと言っちゃいそうだから

 

「最近千歌のこと避けてるでしょ。なんで?」

 

「そ、そんなことないよ」

 

明らかに目が泳いでる。やっぱりなにか隠してるんだ

 

「正直に言ってよ…私怒んないよ?」

 

「ち、違っ!何も隠してないってぇ!」

 

奏ちゃんはなかなか口を割ってくれない

仕方がない、次の作戦に移ろう

 

「そっか、私の勘違いかぁ…あはは」

 

「う、うん!そうだよ!」

 

「ごめんね、変なこと聞いちゃって、ちょっとお菓子持ってくるね」

 

そう言って席を立つ

 

今日のために奏ちゃんの大好きなシュークリームを買っておいたのだ

 

 

 

「お待たせー」

 

「!そ、それって…!」

 

目がキラキラしてる…かわいい

 

「はい、どうぞ」

 

「いただきます!」

 

勢いよく食べ始める奏ちゃん

まだ…まだその時じゃない。自然に言える時を待とう…

 

「もう、奏ちゃん口にクリームついてるよ。取ってあげる」

 

「あ、ありがとう…」

 

「それで?奏ちゃん、隠してることってなに?」

 

「えっとねぇ…千歌お姉ちゃんの…って!ダメだよ!言っちゃだめ!」

 

くっ、作戦失敗なのだ…いいタイミングだと思ったのに

 

「なんでそんなに言ってくれないの!!」

 

「だ、だめなの!言ったらおしおきされちゃうの!!」

 

「お、おしおき?」

 

「うん、お姉ちゃん達に口止めされてるの。でも千歌お姉ちゃんが嫌いになったとか、そういうのじゃないから!安心して!!」

 

「そっか、でも千歌は今聞きたいのだ!!」ガバッ

 

もうきょうこうしゅだんをとるしかない…!

そこで奏ちゃんの上に乗った

そして

 

「こちょこちょこちょこちょーー!!!」

 

「うわぁっ!くっ!あはははははははは!!!千歌お姉ちゃん!!やめてぇ!!!」

 

「やめて欲しかったら早く話すのだ!!!」

 

「いや!言わない!!うぁはははははは!!!!」

 

「むぅ…早く言わないともっとくすぐったくするよ!」

 

「それもいやぁぁぁ!!!」

 

「じゃあ早く!!」

 

「あはははははははははははははは!!!だめぇぇぇぇ!!!」

 

「くぅ…しょうがない…こうなったら…!」

 

「ちょっと千歌!うるさいよ!!」

 

いい所でみとねぇが入ってきた

 

「って、なにしてんのあんた達!」

 

「み、みとねぇ…助けてぇぇ…」

 

そこで私たちの状況を再確認した

あれ?この状況やばくない?

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

あの後しまねぇも呼ばれて2つの意味で怒られた

1つはうるさくしたこと

もう1つは奏ちゃんをいじめてたこと

いじめてなんかないのに…

あれから奏ちゃんは私に近づかなくなっちゃった

そりゃあやりすぎたとは思ってるけどさぁ…

でも気になるじゃん!!

 

この時のことを考えながら今は学校に向かっている

今日は梨子ちゃんも曜ちゃんも早く学校に行くそうで、私はひとりぼっちでバスに乗っている

 

「はぁ…寂しいなぁ…私今日誕生日なのに…」

 

そう、8月1日は千歌の誕生日。特に梨子ちゃんと曜ちゃんと奏ちゃんは朝一で祝ってくれると思ってたのに…

みんな忘れちゃったのかな…

 

悲しい気持ちのまま部室に向かう

このまま練習なんてできないよ…

 

「はぁ…」

 

ため息をついて部室のドアを開けると…

 

パーン!!

 

「うわぁ!?なに!?なに!?」

 

急に大きな音が聞こえた

 

「お誕生日おめでとう!!!」

 

部室は綺麗に飾り付けられていた

昨日はこんなふうになってなかったのに…

きっと今日の朝やったんだ…

 

「えへへっ、千歌ちゃんごめんね、寂しい思いさせちゃって」

 

「曜ちゃん…」

 

「みんなで話し合って、サプライズにしようって決めたからバレる訳にはいかなくって…ごめんね?」

 

「梨子ちゃんも…」

 

「千歌ちゃん、お誕生日おめでとうずら」

 

「ルビィからも!千歌ちゃん!おめでとう!」

 

「ヨハネからも祝福を…」

 

「花丸ちゃん、ルビィちゃん、善子ちゃんも…」

 

「まっ、まだ途中よ!あとヨハネ!!」

 

「千歌、誕生日おめでとう。あれ?千歌泣いてる?」

 

「Happy Birthday!!千歌っち!嬉しすぎて泣いちゃったかしら?」

 

「千歌さん、お誕生日おめでとうございます。日頃の感謝を込めて、盛大に祝わせていただきますわ」

 

「果南ちゃん、鞠莉ちゃん、ダイヤさん…」

 

「千歌お姉ちゃん、お誕生日おめでとう!!この前は言えなくってごめんなさい…あとバレないようにってちょっと逃げちゃってたのも…」

 

「奏ちゃん…」

 

千歌の勘違いだったんだ…みんなずっと千歌のことを考えてくれてたんだ

 

「みんな…私…すっごく嬉しい!!ありがとう!!」

 

今の私は酷い顔してるんだろうな…

でも、それ以上に嬉しいからどうでもいい

私、スクールアイドルで…Aqoursで良かった!!

 

 

ーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーー

ーーー

 

「で、なんでこんなことになってるの…?」

 

Aqoursでの千歌お姉ちゃんのお誕生日会を終えて、千歌お姉ちゃんの家にやってきた

毎年やってるように誕生日をお祝いするために

去年はお姉ちゃんと一緒に参加して、そのままお泊まりの流れだったけど、今年から梨子お姉ちゃんも参加する

みんなでやったみたいに楽しくなると思ってたのに…

 

「え?だって今日は千歌の誕生日だし」

 

「だからって僕に抱きつく理由には…」

 

「いいの!ずっと寂しかったんだから…」ギュー

 

「ま、まぁいいけど…」

 

お姉ちゃんと梨子お姉ちゃんがいない間に、千歌お姉ちゃんに抱きつかれてる

でもいつもと違うのは僕が甘やかす感じになってること

僕の胸の辺りに千歌お姉ちゃんの頭がある

 

「えへへ…ぎゅー」

 

甘えられるってこんな感じなんだね…

なんか今までのことが恥ずかしくなってきた気が…

 

「奏ちゃん…ありがとうね?」

 

「ん?何が?」

 

「誕生日祝ってくれたこと」

 

「毎年やってたじゃん。僕はいつも通りのことをしただけだよ」

 

「えへへ…そっか!ありがと!」

 

「あー!千歌ちゃん奏くんに甘えてるー!」

 

そんな時にお姉ちゃん達が戻ってきた

 

「お風呂空いたよー」

 

そう、お姉ちゃん達はお風呂に入ってきてたのです

僕はまだ…あれ?なんか嫌な予感がする…

 

「あ、曜ちゃんと梨子ちゃん!わかったー。じゃあ奏ちゃん行こっか」

 

「…行くってどこに…?」

 

「…?お風呂に決まってるじゃん」

 

やっぱり…

 

「そ、それはやだ!」

 

「なんで〜?昔は一緒に入ってたじゃん!」

 

「い、今はもう違うの!大人なの!」

 

「今日千歌誕生日なんだけどなぁ…」

 

「それとこれとは話が別!」

 

誕生日だからって許す訳にはいかない…!

 

「奏くん、今日ぐらいは一緒に入ってあげたら?」

 

「お姉ちゃん…それでいいの…?」

 

「あぁもうめんどくさいなぁ!ほら行くよ!」グイッ

 

「わぁっ!?ちょっ!ちょっと待って!お願いだからぁ!」

 

 

 

その後結局お風呂に一緒に入った

洗いっことかしたけど、すごく恥ずかしかった…

千歌お姉ちゃんは全然そんな感じしなかったけど…

僕も男の子なんだけどなぁ

 

 

ーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーー

ーーー

~千歌side~

 

今日はみんなから誕生日をお祝いしてもらった

それまで寂しかったのもあって、泣いちゃった

それに久しぶりに奏ちゃんとお風呂入っちゃったし

少しだけ恥ずかしかったけど、昔とあんまり変わんないしいいよね?

ともかく!私はしあわせです!

 

 

 

 

 

 

 




急に始めましたが、今回の千歌ちゃんの誕生日から、各メンバーの誕生日ごとに書いていけたらいいなと考えています。無理のない範囲で…
アイデアの問題で出すのが遅れる可能性はありますが、自分のペースで書いていきたいと思います。

今回も読んでいただきありがとうございました
それではまた次回でお会いしましょう




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9月19日

今回は梨子ちゃんの誕生日回です
なんとか間に合った…


~梨子side~

 

「ふわぁぁぁ…ちょっと起きるの遅かったかな…」

 

伸びをして頭を起こす

今日は9月19日。私の誕生日だ

あいにく休日で練習は休みだから当日に祝ってあげられなくてごめんねとみんなに言われた

そんなに気にしなくていいのに、とその時は言ったけど、やっぱり当日は祝って欲しいな…なんて…

 

お腹がすいたから朝と昼を兼ねてご飯を食べよう

そしたら午後は新しい曲の作曲でも…

 

「あ、梨子お姉ちゃんおはよー。お寝坊さんだねぇ」

 

「梨子ちゃんおはヨーソロー!!」

 

…ん?

あれ?なんで2人がいるんだろう…

今日なにか約束してたかな?

 

「あの…なんでここに?」

 

「ん?梨子お姉ちゃんの誕生日だから?」

 

「そうそう!今日は梨子お姉ちゃんの家に行くんだーって聞かなくって」

 

「えへへ…ほら見て!梨子お姉ちゃんのためにサンドイッチ作ってたんだよ!」

 

テーブルの上には私の好物のたまごサンドはもちろん、色んなサンドイッチがあった

 

「すごい…こんなに…」

 

「奏くん、ありがとうね。梨子のために」

 

「あ、梨子お姉ちゃんのお母さん。僕がやりたかっただけなので…」

 

「奏くんはいい子ね〜。梨子の弟になっちゃう?」

 

「そ、奏くんは私の弟ですよ!」

 

なんでこんなに馴染んでるの…?

 

「ふふっ、冗談よ。じゃあ私出かけるから、ごゆっくり」

 

「「はーい」」

 

そう言ってお母さんは本当に出かけていった

 

「じゃあ梨子お姉ちゃん、サンドイッチ召し上がれ!」

 

「あぁ、うん。いただきます」

 

少し困惑しつつも目の前のたまごサンドを口に運ぶ

おいしい…しかもこんなに量がある

きっと準備頑張ってくれたんだろうな

 

「奏くん、すっごくおいしいよ!ありがとう」ナデナデ

 

「えへへ…」

 

「今日だけはお姉ちゃんの座を譲ってあげるよ!梨子ちゃん!」

 

曜ちゃんは千歌ちゃんの家に行くみたい

 

「あ、言うの忘れてた。梨子ちゃん、お誕生日おめでとう!」

 

「あ、ありがとう」

 

「えへへっ、じゃあいってきまーす!ヨーソロー!」

 

曜ちゃんは勢いよく飛び出して行った

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「えっと…僕は何すればいいの?」

 

奏くんを私の部屋に連れてきた

いつもなら許されないと思うけど、今日はいいかなって思って

 

「私が作曲してる所を見ててくれる?」

 

「へ?そんなことでいいの?今日誕生日なんだよ?」

 

「いいの!」

 

「そっか…そんなこと…誕生日じゃなくてもいつでも手伝うのに…」

 

奏くんはなにか特別なことがしたかったのかな?

それなら奏くんのために

 

「じゃあ奏くん、ここに座って?一緒にピアノ弾こうよ」

 

「で、でも梨子お姉ちゃんの作曲の邪魔になっちゃうかもしれないし…僕、ピアノ弾けないよ?」

 

「そんなの関係ないわよ。ほら、早く」

 

「う、うん…!」

 

奏くんは恥ずかしそう…だけど嬉しそうな顔で私の前に座った

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

~曜side~

 

「千歌ちゃーん!」

 

「あ、曜ちゃん!どう?上手くいった?」

 

「完璧であります!」

 

奏くんに梨子ちゃんの気を引いてもらってる間に、千歌ちゃんの家でお誕生日会の準備をみんなで進めます

 

「曜さん、早くこちらを手伝ってください。どこかの誰かさんがふざけたせいで遅れているのですわ」

 

「ふざけてないわよ!ヨハネはいたって大真面目なんだから!」

 

「堕天使か真面目ずらかぁ?」

 

「うるさーい!!」

 

「2人とも、口より先に手を動かしてください」

 

「「はい」」

 

「あはは…」

 

さて…じゃあ取り掛かりますか!

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

ーーーーーー

ーーー

 

「そうそう!上手上手!」

 

「えへへ…」

 

みんなが準備をしている間、僕は梨子お姉ちゃんにピアノを教えてもらっていた

梨子お姉ちゃんすっごく褒めてくれるから楽しくなってきちゃった

それに…

 

「奏くん!次はこの曲弾いてみようか!!」

 

梨子お姉ちゃんは嬉しそうに曲を勧めてくる

距離が近いから顔が赤くなってるのが自分でも分かるし…

嫌じゃないけど…心臓がもたないよぉ…

 

「り、梨子お姉ちゃん!」

 

「ん?なぁに奏くん。もしかして自分で弾きたい曲あるの?」

 

「いや、そうじゃなくて…そろそろ作曲した方がいいんじゃないかなぁって思って」

 

「大丈夫よ。そもそもまだ全然時間はあるし」

 

「え?そうだったの?」

 

「ええ、だから心配しないで」

 

「そっか…」

 

その時、僕のスマホに連絡が来た

 

「梨子お姉ちゃんちょっとごめん!」

 

梨子お姉ちゃんに見られたら困るので1回部屋の外に出てスマホを確認する

 

お姉ちゃん:奏くん!準備終わったよー!料理の関係もあ

るからなるべく早く連れてきてね!

 

「あ、終わったんだ…」

 

「何が終わったの?」

 

後ろから梨子お姉ちゃんが覗き込んできた

 

「いいいい!!いや!!!なんでもないよ!!」

 

「どうしたの?そんなに焦って…なにか隠し事?」

 

「そそそ!!そんなことしないよ!!」

 

「そっか…ねぇ奏くん、曜ちゃんからなんて連絡来たの?」

 

「へ!?ななな…なんでそれを!?」

 

「あら、ほんとだったのね」

 

「へ?」

 

「カマかけてみたのよ」

 

「だ…騙したなぁ!!」

 

「騙してないわよ、奏くんがわかりやすいの」

 

「くっ…」

 

どうしよう…こうなったら…

 

「あ、しいたけ!!」

 

「えっ!?どこ!?」

 

今だ!

 

玄関に向かって僕は駆け出した

 

「あっ!待ちなさい奏くん!」

 

梨子お姉ちゃんは追いかけて来るけど、まだ追いつけないみたい

 

「お邪魔しましたーー!!!」

 

ドアを開けて隣のお家へ走る

 

「待ちなさーい!!」ガシッ

 

「うわぁ!!」

 

千歌お姉ちゃんのお家に着いたところで捕まった

 

「もう奏くん!どうしたのよ急に走り出して」

 

ここまで来たらもう仕方がない

梨子お姉ちゃんの手を引っ張って十千万に入る

 

「ちょ!ちょっと!」

 

そのままお誕生日会の会場に連れていく

実はこの前場所は教えてもらってたんだ

 

「奏くん!どこ行くの!!」

 

襖の前に着いて、梨子お姉ちゃんに開けるように言う

 

「え?襖を、開ければいいの?」

 

「うん」

 

「じゃ、じゃあ開けるわね…」

 

緊張した顔で襖に手をかけ、開けた

 

「「「「「「「「お誕生日おめでとう!!!!」」」」」」」」

 

「!!!」

 

その先にあったのは綺麗に飾り付けされた会場だった

 

「嘘…だってみんな当日祝えなくてごめんねって…」

 

「あぁ…やっぱり当日祝わなくっちゃダメだよねって思って…みんなで作戦立てたんだ!」

 

「…」

 

「り、梨子お姉ちゃん…?」

 

「ありがとう…みんなありがとうぅ…」

 

「わわっ、梨子ちゃん!!」

 

「私…このままみんなに誕生日忘れられると思っててぇ…曜ちゃんと奏くんしか祝ってくれないんだって思ってたの…そしたらみんなこんなに素敵なお誕生日会まで開いてくれて…すっごく嬉しい!!」

 

ーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーー

ーーー

~梨子side~

 

その後はみんなでご飯を食べて楽しく過ごしました

さすがに曜ちゃんが用意してくれた本日の主役って書かれた服は着なかったけど…

みんなからプレゼントも貰っちゃって…やっぱり私、Aqoursのこと大好きだって思った

 

 

 

 

 

 

「奏、今回は大変だったんじゃない?梨子の気を引けって、何も具体的なこと言われなくって」

 

「ううん、梨子お姉ちゃんと一緒にピアノ弾いてたから全然!むしろ楽しかったよ!」

 

「奏くーん!! 」

 

その言葉を聞いた瞬間奏くんに抱きついてしまった

 

「奏くんありがとう!梨子…すっごく嬉しいよ!」

 

「り、梨子お姉ちゃん!?うっ…お酒臭い…もしかして…」

 

「千歌ーーー!!!お前間違えてお酒持っていったでしょーーー!!」

 

「あ…」

 

そういえばさっきジュースを飲んでから頭がふわふわしてるような…

まぁいっか!

 

「えへへ〜奏く〜ん…」スリスリ

 

「梨子お姉ちゃん!離れてぇ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

後で自分の行動が恥ずかしすぎて部屋から出られませんでした




さて、梨子ちゃんの誕生日回でした
前回から引き続き、メンバーの誕生日特別回です。
千歌ちゃんの回を投稿してから気づいたんですが、ルビィちゃんの誕生日がものすごく近いんですよね
厳しいかもしれない…
当日出せなかったらすみませんm(*_ _)m
先に謝っておきます

それではまた次回でお会いしましょう。


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