魔法少女育成計画magnificent 無印ねむりんルートトロコンRTA (輪日錆)
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第1回

 夢と魔法が詰まったゲームのRTA、はーじまーるよー。

 

 

 この動画は20$X年〇月△日に発売された、「魔法少女育成計画magnificent」無印モードのねむりんルートトロコンRTAになります。

 タイトルから『魔法少女育成計画』を選択し、ニューゲームを押したらタイマースタート。

 

 

 まずはキャラメイクです。RTAなのでこのまま初期装備で決定……といきたいのですが、いくらか弄ります。

 体装備と足装備に攻撃力が上がり防御力が下がるパピヨンドレス、パピヨンブーツを選択。そして、頭装備はオクシモロンの冠を選択します。オクシモロンの冠にはある隠し効果があり、その効果はこの次の性格・特性チョイスで発揮されます。髪型とアクセサリーはそのままでいいので、次に進みましょう。

 

 

 では、先程も言った通り性格と特性を設定します。性格は『温厚』を選びます。10種類ある性格の中で、『温厚』と『溌剌』以外はねむりんルートに入ることすらできないので、ねむりんルートをプレイする予定の兄貴姉貴は気をつけよう!

 性格を選んだら次は特性を決めます。数十種ある中から3つ選んで付けるのですが……ここでさっき言ったオクシモロンの冠の隠し効果が発動します。オクシモロンの冠を装備していると、なんと設定した性格では本来選べないはずの特性が選べてしまうんです!一例を挙げると『臆病』で『勇気ある先導』が選べますね。これを利用して、温厚な殺人鬼を作り出します。お前精神状態おかしいよ……(恐怖)

 

 

 改めて特性設定に移ります。選ぶのは『渇望』『深紅のゆらめき』『エシクストリガー』です。『渇望』は自分の仕掛けた戦闘限定で、戦闘中に体力が微量ずつ回復していくというものです。この温厚狂人チャートの戦闘はほとんど自分から仕掛けたものなので、ほぼ常時リジェネ状態です。まぁ1回だけ相手から仕掛けられる戦闘があるのですが 、1戦くらい誤差だよ誤差!

『深紅のゆらめき』は戦闘中体力が半分以下なら、確率で受ける攻撃をブロックしてくれます。体感15〜20%くらい……普通だな!ですがここぞという時に結構ブロックしてくれる気がします。それにしてもRTAに運ゲーを自分から組み込んでいくとか、こんなチャートを作ったのは一体どこの誰なんですかね?

『エシクストリガー』は今までのスキルとはちょっと違います。端的に言うと、倫理感壊れちゃ〜う!どういうことかよく分かってないであろう画面の前の兄貴姉貴達に説明します。このゲーム、無抵抗の魔法少女や一般人を手にかけようとするとストッパーが入るんですよ。『こんなことはできない……』って感じに。でもこの特性があれば、そんなのおかまいなしに好きなことができます。魔法少女とチームを組んだ瞬間その子の首をはねる、なんてこともやれてしまいます。ちなみに性格『狂気』だとエシクストリガーがなくても倫理感をぶっちぎれます。1度狂気チャートで別ルートのRTAをしようかと思っていたのですが、コミュニケーション面がお釈迦になるのでチャート構築が難しい所さん……

 

 

 特性選択が終わったので、次は名前と年齢ですね。

 まず魔法少女名から。入力速度を加味して、『ノンファ・ケティ』にします。略してノンケです。続いて本名。こちらは『礼門 瑞(れいもん ずい)』略してレズです。

 年齢は24歳。(意味は)ないこともないです。大人だろうと子供だろうと土日以外の昼間は行動できないのですが、大人だと夜中の行動に制限がつかないので大人の方がいくらか楽だと思います。

 表向きはノンケを装いながらも本性はレズの礼門ちゃんをどうか応援よろしくお願いします。

 

 最後に魔法です。魔法少女には一人一人自分だけの魔法が与えられます。早い話がユニークスキルです。この魔法によってRTAの、ひいてはクリア難度が左右される位に重要です。それほど重要なのに何が選ばれるかはランダムです。誰だよこんな仕様にした奴!カス魔法を引いたらリセットなので祈りましょう。

(スリザリンは嫌だ、スリザリンは嫌だ、スリザリンは嫌だ……)

 

 

 お?おお?おおおおおおおおおお!?

 よっしゃあああああぁ!!!

『ゴミに触ると消滅させられるよ』きたあああああ!!

 ……すみません。つい興奮してしまいました。この魔法、戦闘でも経験値稼ぎでも超優秀で文句なしの大当たりです。リセマラ筆頭。マジでこれ出た時雄叫びあげましたよホント……魔法の詳細は追って説明します。

 

 さて、魔法ガチャに大成功した所で確認場面に移ります。確認するまでもないのでカーソルを動かしてOK!を押します。

 早速魔法少女の世界にイクゾー!デッデッデデデデ(カーン)

 

 ここから少し長めのムービーが入るので、魔法少女育成計画をよく知らない視聴者兄貴姉貴達に少し説明を。

 この『魔法少女育成計画magnificent』には『無印』『restart』『limited』『JOKERS』の4つのモードがあります。それぞれ原作を忠実に再現しつつオリジナルの展開も埋め込んでてそれはもうファン興奮物です。ゲームジャンルは今流行りのVRアクションRPG。みんなもレズになって戦えるよ!やったね!

 では今回RTAを行う『無印』についてお話します。

 舞台は日本某所にあるN市。魔法のソーシャルゲーム『魔法少女育成計画』で選ばれた16人の魔法少女達は思い思いに活動していたが、ある日マスコットキャラクターのファヴから「増えすぎた魔法少女を半分に減らすぽん」という無慈悲な通告が届く。最初こそ和気藹々としていたが、1人目の犠牲者を皮切りにサバイバルバトルが加速していく……

 という感じです。これを機にまほいくを知らなかった視聴者兄貴姉貴達も原作を読もう!アニメもあるから!先っちょだけほらずずいっと……

 

 

 あ、話してたらムービー終わりますね。ムービーの終了と同時にトロフィー『夢と魔法の世界へようこそ!』を取得します。これはゲーム開始時に自動的に入手できるトロフィーです。

 

 

 今回はここまで。ほんへ突入は次回になります。

 ご視聴ありがとうございました!



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第2回

 かわいい女の子が活躍するハートフルなゲームのRTA、はーじまーるよー。

 

 

 前回はキャラメイクを終えた所までですね。ではやっとほんへにイクゾー!デデデデデドン!(カーン)

 とはいえまずはチュートリアルです。N市の屋根という屋根、鉄塔という鉄塔を飛び回って先輩魔法少女を探します。調子に乗って走りすぎると、屋根から落ち一般人に発見されるイベントが起きてロスなので気をつけましょう(1敗)。

 最初に出会う魔法少女はスノーホワイト、ラ・ピュセルの思春期コンビです。スノーホワイトは無印における主人公ポジですが、真の力が発揮されるのはrestart以降です。この頃はまだ可憐で純粋なただの魔法少女に過ぎません。

 ラ・ピュセルはスノーホワイトのリアル顔見知りで、魔法少女(少年)です。魔法少女は男でもなれるそうですよ。視聴者兄貴姉貴達も応募してみてはいかがでしょうか?僕はしません。

 っと、説明してる間に2人がいる場所に着いたので話しかけていきましょう。

 

 

「あれ、君……見ない顔だね。もしかして新しい魔法少女?」

「ファヴが先週言ってた子かなぁ?はじめまして、私はスノーホワイト!魔法少女やってます!」

「あぁ、そうか……初めまして。私の事はラ・ピュセルと呼んでくれ。早速で悪いが、君の名前を教えてもらってもいいか?」

 

 

 ここの選択肢はどれを選んでも変わらないので、適当に連打して1番目の名乗る選択肢を選びます。これからこの街をめちゃくちゃにするノンケですオナシャス!

 

「ノンファ・ケティさんかぁ。これからよろしくね!」

「私達は同じ魔法少女だ。共に助け合っていこう」

 

 

 おう、よろしくな!じゃあトロコンのために死んでくれ。

 スノーホワイトの腹に右ストレートをぶち込みます。

 魔法少女を相手のゴールにシュゥゥゥーッ!!超!エキサイティン!!な感じに吹き飛びます。

 戦闘開始です。

 

 

「スノーホワイト!?お前、何を─────」

 

 

 ラ・ピュセルには構わず、そのままスノーホワイトをボコボコにしていきましょう。この場合、突然の事にスノーホワイトは驚き抵抗してこないため本来なら倫理感ストッパーが入ります。が、特性のおかげでガンガン攻撃していけます。だから、エシクストリガーを取る必要があったんですね。

 

 

「いや!やめて!同じ魔法少女同士なのに、どうしてこんな事するの……!」

 

 

 悲しいけどこれRTAなのよね。もうすぐ後ろで呆然としていたラ・ピュセルが立ち直って攻撃を仕掛けてきますが、まだかなり余裕があります。

 ではここで、キャラメイクで取得できた魔法『ゴミを消滅させられるよ』について説明します。

 まほいく世界の魔法は色々とユルユルガバガバで、何でもないような魔法が解釈次第では超強力になったりするんですよね。この魔法もその1つです。これ、恐らく『自分がゴミと認識した物なら何でもOK』だと思われます。

 もちろん、魔法少女も含めて。

 ゲーム内効果で言うと、『体力50%以下の敵を即死させる』ですね。ある程度ボロボロでないとダメということなんでしょうか。また、文字通りの効果も持っているので、この後に行う頼み事クエスト……経験値稼ぎでも大活躍します。

 ここでスノーホワイトの体力が半分を割ったので、魔法を使っていきます。主人公は2人もいらないんじゃい!

 

 

「ひ、やだっ、痛い痛い痛いいたいたいたいいたいあああああぁ────────!!」

 

 

 工事完了です……

 スノーホワイトの撃破でトロフィー「正義は幻想の中に」を獲得できました。ではこのままラ・ピュセルも撃破していきましょう。放置するとノンケちゃんがやべーやつだと触れ回ってみんなに警戒されてしまいますし、街にいる魔法少女が自分だけの時に獲得できるトロフィー『ただ一人』があるので、なんにせよ倒す必要があります。

 続けて戦闘開始です。

 

 

「お前、なんで……こゆきが、死ん、違、僕が守れば、ああ、あ……

 うおおおおおおおぉぉぉ!!」

 

 

 錯乱して襲いかかってきました。そりゃ初対面の人にいきなり友達殺されたら混乱しますよね。今のラ・ピュセルくんの攻撃は力に任せた大振りな物なので、避け放題で隙に攻撃し放題です。ちなみにラ・ピュセルくんの得物である剣は、魔法の力で作られた物なので魔法が効きません。魔法少女も魔法の国から力を授けられて変身しますが、何か違いがあるんですかね?元が人間だからでしょうか。

 

 

「…………食らえっ!!」

 

 

 は?何被弾してんの?ラ・ピュセルはもう完成にパターン化したよね?ただでさえ装備で防御力低下してるのに感情ボーナスでバーサク状態になってる一撃食らうとかどうなってんのあーもう早く起き上がれやオラ!

 ……お見苦しい所をお見せしました。しかし今の攻撃でラ・ピュセルの体力が半分になったので魔法でフィニッシュします。序盤の序盤なのに手こずらせやがって……

 

 

「ぐ──────許さない、お前だけは絶対に……!!殺してやる、殺してやる、殺して─────────あああああぁ!!」

 

 

 はい、開始30分で2人の魔法少女を脱落させることができました。ガバなく。綺麗に。間違いなく。

 2人を倒したら、すぐに魔法の端末を起動してチャットルームに入ります。入ると、ド腐れ外道白黒電脳妖精が話しかけてきて挨拶をするよう促されるので、とりあえず挨拶はしておきます。よろしくな。

 

 

 ファヴ:新しい魔法少女は後もう1人、来週にまた来るぽん

 ファヴ:みんな、仲良くするぽん

 

 

 トップスピード:よろしくな!新人!

 ねむりん:よろしくねぇ〜

 シスターナナ:ノンファ・ケティさん、これからよろしくお願いしますね

 ヴェス・ウィンタープリズン:よろしく

 クラムベリー:♪

 

 

 まぁ、大半はノンケちゃんの餌食になるのですが。あ、挨拶してくれてないだけで生きてる魔法少女は全員チャットルームにいます。これまともに意思疎通できる魔法少女の方が少ないのでは?

 

 

 ねむりん:あれ?スノーホワイトとラ・ピュセルがいないよ?

 トップスピード:本当だ。あの2人がいないとかめっずらしー

 シスターナナ:何かあったのでしょうか?

 ファヴ:重要な連絡だから来て欲しいって言ったぽん

 ファヴ:…………………………あれ

 ファヴ:まあいいぽん

 ファヴ:それじゃ重大発表ぽん

 ファヴ:端的に言うと、魔法少女を8人まで減らすぽん

 ファヴ:魔法少女の増えすぎで、ここの土地の魔力が足りなくなっちゃってるぽん

 ファヴ:ほんとのほんとにごめんなさいだぽん

 

 

 衝撃の発表にチャットルームは大騒ぎのてんやわんや。罵詈雑言が飛び交いますが、ド腐れ外道白黒電脳悪魔に同情などできません。当たり前だよなぁ?

 

 

 ファヴ:ちょっと落ち着いて欲しいぽん

 ファヴ:お願いしますぽん

 クラムベリー:皆さんお静かに

 クラムベリー:魔法少女を減らすのは分かりました

 クラムベリー:ではそれをどのように行うのですか?

 ファヴ:それをこれからお話するぽん

 ファヴ:みんなは普段人助けをして『マジカルキャンディー』を集めてるはずだぽん

 ファヴ:1週間に1回、キャンディーを持ってる数が1番少ない子から脱落していくぽん

 ファヴ:だから、みんな人助けをいっぱいしてほしいぽん

 ファヴ:頑張ってぽん

 ファヴ:それじゃあまた1週間後

 

 

 ☆ファヴさんが魔法の国からログアウトしました

 

 

 という訳で血で血を洗うサバイバルバトルの始まり……とはいきません。1人目の犠牲者が出るまではみんな危機感がありません。本当に死ぬなんてみんな思ってもいない、ふわふわムードをまだかろうじて維持しています。

 そしてここがねむりんルートへの分岐ポイントです。ファヴがログアウトしたあと、ねむりんにしつこく……具体的には10回話しかけましょう。他のルートでは1つの例外なくねむりんが第一犠牲者になってしまいます。ですがここで性格が『温厚』か『溌剌』であればスーパーコミュ力でキャンディー集めの約束を取り付けることができます。

 

 

 ねむりん:魔法少女を減らす、かぁ〜……

 ねむりん:君、入ってきたばかりなのに大変だねぇ

 ねむりん:ねむりん?ねむりんは……多分今週で脱落かなぁ

 ねむりん:魔法少女もそろそろ潮時かなーって思ってた所だしね

 ねむりん:リアルでも魔法少女でもだらだらばっかりだったから……せめてリアルくらいはがんばらないとなぁって

 ねむりん:……魔法少女も頑張ろうって?うーん……どっちも頑張るのは疲れちゃうからなぁ〜……

 ねむりん:ノンファちゃんと一緒にキャンディー集め?えーっと、どうしようかな……

 ねむりん:ん〜、ごめんね、ねむりんはいいや……他の人を誘ってみて

 ねむりん:……え、どうしてもねむりんがいいの?えへへ、そんなに言われたら断れないなぁ

 ねむりん:分かった、今度一緒に行くよ

 ねむりん:じゃあ……今日の23時、東地区の鉄塔で

 

 

 はい、ここでねむりんルート突入決定しました。このように、根気強く何度も話しかけることでねむりんルートに入ることができます。ねむりんルートに入ったことでトロフィー『微睡みから覚めて』も取得できましたね。

 

 

 今回はここまで。ご視聴ありがとうございました!



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第2回・裏

自分でも書いてて気分悪くなるくらいノンケちゃんがガチクズド畜生サイコパスになってしまった……
こんなつもりはなかった……悲しいなぁ


「ん〜♪ふんふふふ〜ん♪」

「機嫌いいね、スノーホワイト」

「うん!さっきね、ちっちゃい女の子が迷子になってて、お家まで連れていってあげたら、『ありがとう!だいすき!ぎゅ〜!』って抱きついてきたの!それがすっごくかわいくて!」

「ふふ、微笑ましいな」

 

 

 日付が変わろうとする頃。僕達はいつもの鉄塔の上で、いつものように談笑していた。魔法少女の事はもちろん、リアルの事から将来の事まで……話していると時間はあっという間に過ぎてしまう。姫河小雪……もといスノーホワイトと話すのが、最近の1番の楽しみになってきている。

 夜風が気持ちいい。願わくば、この時間がいつまでも続けばいいのに──────

(なんて、ちょっとカッコつけすぎかな)

 

 

 そう思っていた矢先、魔法少女の動体視力が遠くに何かを見つけた。風に揺られる装飾過多で華美な服、屋根の上を飛び回る身体能力……十中八九、自分達と同じ魔法少女だろう。どうもこちらに向かってきているような気がする。だが、顔にも服にも全く見覚えがない。

 

「なあ、スノーホワイト───────」

「すいません、あのー……お二人は魔法少女の方ですか?」

 

 

 スノーホワイトに声をかけようとした瞬間──────その魔法少女は僕達の目の前に立っていた。目を逸らしたのはほんの少しだけだったはずなのに、魔法少女といえどこの速度は不自然すぎる。しかし目の前にいるのだから無視するわけにもいかない。

 

 

「あれ、君……見ない顔だね。もしかして新しい魔法少女?」

「ファヴが言ってた子かなぁ?はじめまして!私はスノーホワイト!魔法少女やってます!」

 

 

 あぁそうかと独りごちる。ファヴがしきりに強調していた重大発表とやらに気を取られて、新しい魔法少女が来るのを忘れていた。そういえば来週にももう1人来ると言っていたような。するとこの街の魔法少女は17人になるのか。随分と増えてきたものだ。

 

 

「……初めまして。私の事はラ・ピュセルと呼んでくれ。早速で悪いが、君の名前を教えてもらってもいいか?」

「はい、ノンファ・ケティといいます!まだまだ未熟ですがよろしくお願いします……です」

 

 

 風に吹かれつつ、ノンファはぺこりと頭を下げた。改めてこの魔法少女……ノンファ・ケティの姿をまじまじと観察してみる。紫を基調としたゴシック調のドレスとブーツに、茶色のボブと頭を下げてもずり落ちない冠。確か、この冠はゲーム内最高レアのアイテムだったような気がする。そして、魔法少女共通の可愛らしい整った顔。魔法少女の外見に、変身前の容姿は関係ない。現に自分のような男でも見目麗しい魔法少女になれていることだし。

 

 

「ノンファ・ケティさんかぁ。これからよろしくね!」

「私は同じ魔法少女だ。共に助け合っていこう」

 

 

 スノーホワイトが手を差し出す。しかし、その手が握られることはなかった。

 ノンファが伸ばした右手は、スノーホワイトの脇腹を思い切り殴り付けた。魔法少女の力で殴られた彼女は、遥か遠くへ吹き飛んでいく。

 

 

「スノーホワイト!?お前、何を─────」

 

 

 ノンファが僕の言葉に耳を貸す様子は一欠片もなく、すぐにスノーホワイトが吹き飛んでいった方へ向かった。こちらも向かわなければ。しかし、相手の魔法も何も分からない状態で……

 違う。考えるより先にまずはスノーホワイトの元へ行かなければ。思考は二の次、三の次だ。目線は2人のいる方向。足に力を入れ、鉄骨をつま先で蹴った。

 

 

 スノーホワイトの悲鳴と痛々しい打撃音が聞こえてくる。初対面の魔法少女がなぜこんなことをするのか皆目見当もつかないが、今はどうでもいい。まずはスノーホワイトを助けるのが先だ。

 

 

「いや!やめて!同じ魔法少女同士なのに、どうしてこんな事するの……!」

「……どうして、ですか?うーん……そう言われると、『楽しいから』としか言い様がありませんね。

 アリさんやハエさんを潰すのに理由があります?ありませんよね?それに今私、とってもうきうきしてるんです!新しい力を手に入れて、早く使ってみたかったんですよ!ちょうどいい所にスノーホワイトさん達がいて助かりました!」

 

 

 聞こえてきた会話に愕然とする。自分以外を蟻や蝿と同列に見ているのか。なんにせよ、このままだとスノーホワイトが危ない。速く、もっと速く走らなければ。

 

 

「……ああでも、スノーホワイトさんで遊ぶのはもう飽きちゃいました。

 そろそろバイバイですね」

 

 

 待て、バイバイってそれはどういう────────

 

 

「……私の魔法はゴミを消せるって魔法なんですけど……これ、魔法少女にも使えるんですかね?」

「ごめ、なさ……ゆるし……」

 

 

 嫌な予感がする。絶対に止めなければならない。四肢がちぎれそうな程激しく手足を振る。まだか。まだか。まだ着かないのか。永遠とも思える時間の中一心不乱に走り続け、やっとノンファの背中を捉えた。もうすぐ、もうすぐスノーホワイトに手が届く。

 だが──────────

 

 

「スノーホワイトさん、ありがとうございました。

 さようなら」

「ひ、やだっ、痛い痛い痛いいたいたいたいいたいあああああぁ────────!!」

 

 

 間に合わなかった。

 スノーホワイトの体はねじれ、膨らみ、弾けて血と臓物の雨を降らせた。

 だが、それは一瞬にして消えた。破れたコスチュームの切れ端から辺りに飛び散ったスノーホワイトの血、その一滴一滴に至るまで全て。

 守れなかった。もう少し自分が早く駆けつけていれば。もう少し自分が注意深ければ。そもそも今日スノーホワイトを誘わなければ。

 いくら後悔してももう遅い。だが目の前の魔法少女、ノンファ・ケティだけはここで倒さなければならない。許さない。許さない、絶対に────────

 

 

「お前、なんで……こゆきが、死ん、違、僕が守れば、ああ、あ……

 うおおおおおおおぉぉぉ!!」

 

 

 目の前がまともに見えない。しかし、奴は確かにそこにいる。例え道連れになろうとも、あいつを殺す。もうその事しか考えられない。

 僕は即座にノンファ・ケティの前へ駆け、剣を振りかぶった。

 

 ----------------------------------------

 

「マスター、ちょっといいぽん?」

「何ですか」

 

 

 管理者用端末から白黒のホログラムが浮き上がり、金色の鱗粉を撒き散らす。電子妖精に表情などというシステムはないが、どこか嬉しそうな顔に見える気がした。

 

 

「今日新しく入ってきた魔法少女……あいつ相当やばい奴だぽん。ウルトラデンジャーぽん」

「あなたがそこまで言うなんて珍しい。そもそも今日初めて見たばかりなのに、なぜそうだと言いきれるのです?」

「変身してすぐ……チャットルームに来る前に2人殺ってるぽん」

 

 

 天井に伸ばしかけた手が止まる。寝そべった体勢のまま、心臓が高鳴っていくのが分かった。すぐにでも飛び出していきたい欲求を抑えて、ファヴの話に耳を傾ける。

 

 

「体術と身のこなしは達人並、魔法の使い方も手馴れてて……ついさっき魔法少女になったとは思えなかったぽん。

 ───────ああそれと、マスターと同類にも見えたぽん」

「私と……同類?」

「あの魔法少女……ノンファ・ケティは、戦いを楽しみ、戦いを求めているように感じたぽん」

「…………へえ」

 

 

 口を手で押さえても、口角がつり上がるのを止められない。目の前に好敵手となりうる存在が現れた時の興奮は、何にも変え難いものだ。

 そして──────その相手を打ち破る快感も、狂おしい程に心地良い。

 

 

「ノンファ・ケティ────────その名前、覚えました」

 

 

 すっかり目が冴えてしまった。今日もまた、眠ることはできそうにない。




不自然な所が多すぎて納得できない出来です……許し亭許して……


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第3回

※投稿済パートのサブタイトルを変更しました

(短いし説明回&淫夢要素極薄なので面白く)ないです。


 ゴミはゴミ箱へ!なRTA、はーじまーるよー。

 

 

 前回はねむりんルートに入った所までですね。では早速待ち合わせ場所に……とはいきません。今日の23時待ち合わせなので、丸1日待つ必要があります。今日は日曜日なので仕事もありません。要は暇です。この暇を利用して、アイテム収集をしようと思います。

 

 

 トロフィーの1つに『コレクターな魔法少女』という物があり、これはゲーム内アイテム全てを一度でも入手した際に入手できるトロフィーです。このRTAはトロコンが目的なので、もちろんこのトロフィーも入手する必要があります。そしてこのトロフィーの面倒な所は、存在しているのが1週間のみのアイテムが3種類ずつ最終週の5週目まで、つまり15個も逃してはいけないアイテムがあるということです。あーめんどくせマジで……

 ついでにこれらのレアアイテム含めアイテム全般はランダムで街に落ちているため、何度もエリア移動を繰り返して粘る必要があります。運ゲー辛すぎるッピ!

 幸いにもレアアイテムの出現場所は固定なので、近くでエリア移動を繰り返せばいつかは出ます。いつかは。(ほんとぉ?)通常アイテムの出現する場所はランダムですが、レアアイテム出現を粘っている時や普通に進めている時に拾えるので気にしなくても大丈夫です。

 説明が終わった所で寝ましょう。起床は5時ですが……そこから待ち合わせ時間ギリギリまで粘ってレアアイテム1個出ればうま味ですかね。まぁ1週間あるし大丈夫でしょ。(7敗)

 あ、ちなみにまほいく世界の1分は10秒、10分で1時間です。

 

 

 オッハー!オッハーーー!!

 という訳で朝です。早速レアアイテム出現場所のショッピングモール前に向かいましょう。レズの朝は早い。

 

 

 まだ朝早いので人通りもまばらですね。まぁ人いようといなかろうと今からすることに関係ないんですが。これからレアアイテムが出現するまで粘ります。どうするかと言うと、ひたすらショッピングモールを出入りします。これだけです。本当にこれだけなので解説することがありません。なので……

 

 

 みなさまのためにぃ〜

 

 

 このゲームの大まかな流れについてご説明します。

 現在プレイしている無印モードは5週間でストーリーを1周し、クリアとなります。つまりはクリアまでの時間制限があるわけです。もちろんレアアイテム粘りに多く時間を割きたいのですが、そうもいきません。要所要所に挟まれるイベントがこれを邪魔してきます。イベントは3種類あり、それについてもここで解説していきます。

 まずはストーリーイベント。日数が進むと必ず発生するイベントで、阻止もスキップもできませんが時間を食わないので気にしなくてもいいイベントですね。

 次に固定イベント。特定のキャラや人数が生存していた場合に、指定の日にち・指定の場所へ行くと発生するイベントです。引っかかったら最後、大ロスするだけでなく自由時間を持っていかれてしまいます。ですが発生する日付と場所を覚えておけば問題ありません。(5敗)それに、どうしても邪魔なイベントがある場合はキーキャラを脱落させておけばそのイベントは発生しなくなります。チュートリアル中にスノーホワイトとラ・ピュセルを倒しておいたのはこれが理由です。

 最後にランダムイベント。文字通り、日付場所問わずランダムに発生し時間も消費される極悪イベントになります。やめてくれよ……(恐怖)普通にプレイする分には原作で絡みのないキャラが会話するので見ていて楽しいです。が、RTAにとってはただの障害にすぎません。いつどこで起こるか分からないので、エリチェンする度にお祈りすることに……はなりません。なんとこのランダムイベント、話しかけた事のないキャラのイベントは起きない(チャットは除く)という性質を持っています。これを利用し、ねむりんだけと百合百合らーぶらぶすることでランダムイベントの発生を抑制します。運ゲーはもう十分堪能したよ……(満身創痍)

 

 

 このように3つのイベントがあるのですが、RTAで見るのはストーリーイベントだけです。他のイベントが見たい兄貴姉貴達は魔法少女育成計画magnificent、買おう!(ダイマ)

 

 

 約束の時間1時間前にして、やっとレアアイテム1つ目『魔法少女のキーホルダー』ゲットです。レアアイテムはそれぞれ魔法少女達の私物の思しき物で、これはスノーホワイト……姫河小雪ちゃんの物だと思われます。何度もやっているとはいえ、このタイミングでこれはやっぱり涙が出、出ますよ……

 

 

 レアアイテムを1個入手できたので、ここでアイテム収集は切り上げます。待ち合わせ時間までまだ余裕はありますが、先に待っていることで好感度が微量上昇します。好感度が高いほど、戦闘中の味方のパラメータが高くなります。トロコン自体には影響を及ぼしませんが、こういう小さな積み重ねが大事だと古事記にも記してあります。やって損はないので、好感度は積極的に上げていきましょう。

 では、 魔法少女に変身し待ち合わせ場所へ向かいましょう。

 

 

 今回はここまで。ご視聴ありがとうございました!




グラブるので失踪します。


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