五等分のヤンデレな姉 (ノムリ)
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1話

 私、中野六華(ろっか)には五人の姉がいます。

 普段は優しかったり、ちょっと抜けている所が可愛い普通の姉だけど、私の事になるとちょっと……いえ、かなり可笑しくなります。

 私が学校の友達と話しているだけで、私たち以外の人と喋っちゃ駄目!と言ってきたりします。でも、私だって、友達と遊んだりしてので黙って遊びに行くとキツいお仕置きが待っています。

 

「六華お薬の時間だよ」

 一花姉さんが笑顔のまま手に二粒の白い薬を持って近寄ってくる。

 

 一歩、一歩と後ずさる

「やだ、やだ!お願いだからそんなもの飲ませないでよ!」

 私は必死に叫びながら抵抗する。だって、一花姉さんが持っている薬は……即効性の媚薬なんだから

 

「もう我儘言わないで、六華が悪いんだよ。私たちがいくら注意しても私たち以外の人とお喋りするから」

 そう言いながら、一花姉さんは光の無い真っ黒な目で私を見つめる。

「言うこと聞かないなら、聞くようになるまで調教しないと。私たちの命令は絶対だって体に教え込ませてあげるね」

 可愛い笑顔のまま、恐ろしい事を口にする一花姉さん。

 

「いや!」

 私は叫びながら逃げ出した。

 幸い、一花姉さんより玄関に近い位置に立っていたこともあって玄関まで逃げ切る事ができ。あとは、扉を開けるだけだった。

  

 助かった、と喜んだ瞬間、希望は一瞬にして絶望に染まった。

「わぷっ!」

 柔らかい何かに全身がぶつかり、私の歩みは止まって。

 

「六華」

 私を受け止めた、誰かが私の名前を呼ぶ声が聞こえてくる。

 顔を上げて、誰なのか確認すると頭に大きなリボンをつけた、私の五人居るうちの一人の姉、四葉姉さんだった。

 

「…よ、四葉姉さん」 

「六華?何処に行くの、貴女の家はここでしょ?」

「四葉姉さん、お願い!離して!」

 私の肩を強く掴み、もがいて逃げようとしても逃げられないでいると。

 

「六華ー、逃げちゃダメでしょ?」

 四葉姉さんの腕の中でもがいている間に、家の中から一花姉さんが出てきてしまった。

 

「一花?六華がまた何かしたの?」

「それがさ、お仕置きしようとしたら逃げちゃってさ。四葉も混ざる?」

「混ざる~!」

「じゃあ、決まりね。それじゃ始めよっか、六華」

 

 私を見る二人の目は、いつも私を虐めて楽しむ目をしている。

 

「ご、ごめんなさい…もう他の人と喋らないから許してください…」

 思わず、敬語が出てきて泣きながら謝ったけど。

 

「だーめ!、もう泣いたって遅いんだから」

 一花姉さんはそう言って、四葉姉さんに抱きしめられている私の腕を取った。

 

「だ、誰か助けて…」

 四葉姉さんが閉めて、扉の隙間から外の光が見えて無意識にその光を掴もうと手を伸ばすけど、手は空を掴むだけだった。

 

 

@ @ @

 

 

 玄関から私の部屋に移動して、お仕置きが始まった。

 ベッドに押し倒され、一花姉さんが部屋から取ってきた媚薬の入った瓶を見せながら、お仕置きの準備を始めた。

 

「それじゃ六華、服ぬぎぬぎしましょうね」

「だね、脱がせよっか」

 一花姉さんと四葉姉さんが、私の服を掴みシャツとスカート、下着を脱がされあっという間に全裸にされてしまい。一花姉さんと四葉姉さんも服を脱いでいく。

 身に着けていたのもを全て脱ぎ捨て、生まれてままの姿になった二人。

 自分よりも女らしい体つき、大きな胸に、腰のくびれ、スラッと長い脚が女という部分を強調していた。

 

「お薬、飲もっか。もう一つは四葉が飲ませていいよ」

 二つあるうちの一つを、四葉姉さんに渡し。もう一粒を自分の口に放り込み、私と唇を重ねた一花姉さん。

 抵抗として、歯を噛みしめて媚薬を拒んでも、慣れた舌使いで歯を舐められて、歯茎を舐められて、結局最後には、口の中を舐め回される。

「んぅ!ぁあ、んぁあ!んぐ!?」

 最後の抵抗として、自分の舌を動かして頑張ったけど、一花姉さんの唾液と一緒に媚薬を喉の奥に押し込まれて飲み込まされちゃった。

 

「んっ、ぷは!やっとお薬、飲んだね。次は、四葉の番だよ」

「わーい!さあ、六華、私とキスしよ!んちゅ!」

 一花姉さんと同じように、自分の口の媚薬を放り込み、唇を重ねてきた。

 姉さんたちにも、それぞれキスやプレイがあって、四葉姉さんは特に舌を絡めるキスが好き。

「んぅ、よつぅばねぇさぁん」

「ほら、ちゃんと、薬飲まないと、あむ♡」

 私の頬を抑えて顔を逸らせないようにしているけど、強引にじゃなくて、優しくキスをしてくれる四葉姉さん。

 四葉姉さんの舌が、私の舌を絡みとってきて、喉の奥に媚薬を飲まされた。

「くぅ!ぃや!ごく…ぷはっ…」

 結局、二粒の媚薬を飲まされ、口を好きなだけ味わわれただけだった。

 

「はぁ、はぁ、はぁ、ぁ、熱い、いよぉ…ふー♡ふー♡」

 熱が出たみたいに体が熱い、心臓の鼓動が頭に響く。子宮がぞくぞくってする。

 無意識の手が、胸とおまんこに伸びいく。

 一人でオナニーするみたいに、指で乳首を擦って、まだ処女のおまんこに指を出し入れしてしまい。

 勝手にじわり、とおまんこが愛液で濡れていく

 色っぽい吐息を吐き出す六華の姿に我慢の限界を迎えつつある一花と四葉は、六華の着ていた服を脱がすべく手を伸ばした。

 

「それじゃ、始めよっか」

「そうだね、お仕置き始めようっか」

 二人の姉が獲物を見つけた肉食動物のような目で、私を見つめ。絶対に逃げられない手が伸びてくる。

 

「あ…やぁっ♡」

 一花姉さんと四葉姉さんの指が身体を這いまわる。

 

「即効性の媚薬なだけあって、すぐに効果出たね」

 むにむに、と一花姉さんが胸を揉みながら乳首が勃つと、あむ、と乳首を口に含んだ。

 生暖かい口の中で乳首が舐め回され、時には噛まれ痛みすら走る。

「ちゅぷっ、ぢゅるる、ちゅぱ、甘い、あむ!」

「はっ♡あぁあっ♡」

 手を恋人繋ぎで握られて逃げることも許されず、ただ一花姉さんが満足するまで乳首を舐められるのを耐えることしか出来ない。けど、それでお仕置きが終わるほど優しくなかった。

 

「一花ばっかりずるい!じゃあ、私はこっち」

 一花姉さんが一人で、私を弄んでいると四葉姉さんが面白くないという顔しながら、私の太ももの手を置き、閉じていた脚を広げようと力を入れ。抵抗しようものならこれよりも酷い目に合う事を分かっているから抵抗せずに、四葉姉さんの手に従って足を広げていく。

 流石に、姉妹であっても陰部を見られるのは恥ずかしい。

 

「やっぱり、六華は肌、綺麗だね」

 M字開脚された見せつけるような体勢で、おまんこをじっくりと見つめられる。

「うぅ~、四葉姉さん。あんまり見ないで……恥ずかしいよ」

「ダメだよ、こんなに濡らして、六華は変態だね、ペロ♡」

 

 垂れてきた愛液を四葉姉さんは舌で舐め取り。そのまま、おまんこに口をつけると音を立てて膣内に溜まった愛液を啜っていく。

 

「じゅる♡じゅるる♡ぅんくぅ!んくぅ、ぷはっ!やっぱり、六華の愛液は美味しいよ♡」

 

「ひぃ!よつば!ねぇさん!そんな強く吸わ、あぁ!クリトリズ!ずっだら゛!ぃ、イグ!イっちゃうぅぅ!」

 

クリトリスを吸われて絶頂に至り、体を弓なりにしていると。

 

「四葉だけズルい!私も六華をイかせたい!」

「んむ!」

 一花姉さんは、四葉姉さんが私をイカせたことに嫉妬して、キスをしながら両胸の乳首を痛いくらいに摘まんだり、引っ張ったりしてきて、その度に声を上げちゃう。

 

「ん゛ぅ゛、いちふぁ、ねぇふぁん!まっ!んぅん!」

唇を塞がれてまともな言葉も発せずに、ただ自分の欲を満たす為だけにイカされる。

 

 ビクゥ!ビクゥ!と体が痙攣して、一花姉さんが私をイカせたことに気づけば、さっきと同じように四葉姉さんが嫉妬して、おまんこから口を離してまだ、処女膜を傷つけない深さまで指を出し入れする。今まで何度もしてきたことだけあって、勝手が分かっている姉さんたちは、私の何処をどう責めればイクのかを理解している。

 

 なにより、連続でイカされてている私は、もう多少の痛みも快楽に変えてしまう。

 

 鉤爪のように細い指が膣壁を削り、快楽を生み出す。

「ッ!ぉお♡あ゛ぃああ♡!よつば、ねぇさん!ゆび!ゆびぃとめでぇ!けずれでる♡おまんこ、けずれでる♡」

 

 フシュ!と潮を噴きけばそれを羨ましいと思った、一花姉さんがまた責め方を変えてきこの繰り返しが無限に続き、私はただの肉人形にまで堕とされしまう。

 

「い、いや!やめて!もうイキたくない!もうやだ!」

 嫌だと叫んでも、一花姉さんと四葉姉さんが手を止めてくれることはなく、寧ろ、嫌がるほど楽しそうにより責めてくる。途中で私の意識は途切れ途切れになりつつあった。

 絶え間なく襲ってくる快楽に意識が飲み込まれ、最終的にはイったと同時に意識は途切れた。

 

 

 

 

「……ぅう…あれ、手が動かない?」

「やっと起きたのね、一花と四葉ったら気絶するまでヤルなんて、まったく」

 

 意識を失ってからどれだけの時間が経ったのか分からないけど、分かっていることと言えば、一花姉さんと四葉姉さんは部屋に戻り、代わりに二乃姉さんがやってきて、私の手足をアダルトショップの通販で購入した手錠で拘束していることは分かる。

 

 そしてこれからどうなるのかも。

 

「聞いたわよ。調教されるのが嫌で逃げだしたらしいわね」

 拘束した私に覆いかぶさる体勢で見下ろしてくる光の無い真っ黒な目のニ乃姉さん。

 

「あ、えっと…」

 予想していなかった質問に答えられない。

 

「まぁ、いいわ。これからそんなことも考えられなくするんだから」

 

「ごめんなさい!これからはいい子にするから!ちゃんと姉さんたちの言う事聞くから許して!」

 

 あれだけされたのに、続けてされたら壊れちゃうよ!

 

「だ~め」

 舌なめずりしながら私を見つめる二乃姉さん。

 思わず逃げ出そうと拘束している手錠を外そうと目一杯、動かしてみるけど外れる様子ない。

 

「あら、抵抗するなんて生意気ね、ならコレを使っても問題ないわよね」

 二乃姉さんが取り出したのはピンク色のオモチャ“ローター”。

 リモコンのダイヤルを捻るだけで強弱のある振動がコードの先端にある卵型部部分から伝わってくる。

 

「もうヘロヘロの体だもんね、一番強い振動を当て続ければ泣き叫んでくれるよね」  

 

 笑顔は笑顔でも恐怖すら感じるくらいの笑顔で指に持ったローターをゆっくりと私のおまんこに近づけてくる。

 二乃姉さんは五人いる姉さんの中でも一番Sっ気がある。私が快楽に溺れている姿よりも、泣いている姿を見ている方が良い笑顔で笑うくらいだもの。

 なにより、今日は数時間前に一花姉さんと四葉姉さんに絞られてばっかりだ、そこに二乃姉さんの調教なんて加わったらもう地獄しか待っていない。

 

「い、いや!それはいや!」

「大丈夫だから、六華の泣き顔を私に見せてよ♡」

 二乃姉さんの手の中にあったローターは、私のクリトリスに押し付けられ。

 

「やぁああああっーーーっ!」

 数時間前の限界を迎えて体に再び強烈な刺激が走る。

 寝起きだった脳は無理やり覚醒させられ。手足を縛られて私はただ二乃姉さんが満足するまで虐められ続ける以外の選択肢は無かった。

 

「う゛ぁあ…ぁあ」

「ほら、抵抗して!泣き叫んでよ!私の可愛い六華♡」

 ぽろぽろ、と頬を流れる涙を掬い上げるように舌で舐め取られ、イっているのも関係なくローターによって次から次へと絶頂に達する。

 一回目の絶頂が終わっていない中で二回目の絶頂に至り、三回目の重なるように連続してイキ続けてきる。

 終わらない、ただ終わらない。

 

「気持ちいい?」

 

「ぁ…あ…」

 

 二乃姉さんの質問に答える余裕は私にはない。

 

「気持ちいいでしょ?」

 

「ひゃめ、ひゃめ゛で」

 

 二乃姉さんは笑った、嬉しそうに。

 

 いまの私の妹という皮を被ったオモチャ。

 

「それじゃ、再開ね」

 

 身をよじってローターの振動から逃れようとるうが、逃げられるわけがない。

 

 絶頂のし過ぎでまともに呼吸できなくなり息苦しさを感じる。

 息を吸う間もなく押し寄せてくる絶頂に私はただ目で二乃姉さんに助けを求める。

 けれど、そんなこと関係ないとばかりに責め続けてくる二乃姉さん。

 いつしか、意識は薄れ、いまが夢なのか、現実なのかが曖昧となり、ただ絶頂に悶え、泣き叫び最後には意識を手放した。

 



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2話

 意識を失って目を覚ませば既に朝を迎え、カーテンの隙間から朝日が差し込んでくる。

 

 私を挟むようにベッドの下に服と下着を脱ぎ捨てた一花姉さんとパジャマ姿のニ乃姉さんが寝穏やかな寝顔で気持ちよさそうに眠っている

 

「本当に、寝顔だけは良いんだけどな」

 

 二人を起こさないようにベッドから抜け出しす

 一体いつからこんな関係になったんだっけ。

 部屋を出て洗面所に入り扉を閉める、結局、昨日はお風呂に入ることも出来なかったからいまからシャワーを浴びておかないと流石に臭っちゃう。 

 

 ダイヤルを捻るとシャワーヘッドから熱湯が出てくる。

 バスルームを湯気が包み。熱湯を浴びようとしたとき、背後から誰かが抱き着いてくる。

「!?、三玖姉さん!」

「六華がお風呂に入って行くのが見えたから」

 

 そう言いながら、三玖姉さんは私の首に首筋に顔をうめ匂いを嗅ぎ始めた。

 

「三玖姉さん…やめてぇ、昨日お風呂入ってないから汗臭いよ」

 

 この程度なら、と匂いを嗅がれることを抵抗せずにいるとぬるっとした感触が走る。突然の事にビックリしながら首を捻り確認すると、三玖姉さんが首に沿って下を動かしていた。

 

「六華の味、美味しい」

 

「三玖姉さん、やめぇ……やめてよ!」

 

「なんで?一花と二乃にはやらせてあげてたのに、なんで私はダメなの?」

 

 光の無い真っ黒な三玖姉さんの目が私を見つめてくる。

 

「その、三玖姉さんに申し訳なくって、汗臭かったらいやでしょ?」

 

 焦りながら思いついた嘘を言って誤魔化す。

 

「六華は私の事を思ってくれてたんだね、でも私のことは気にしなくていいよ。むしろご褒美だから」

 

 咄嗟に口にした嘘が上手くいき、耐えさせすればお仕置きはされないで済む。

 

 少しの間、肌を舐める舌に我慢していたら何やら首に吸いつかれるような感覚を感じ、三玖姉さんに訊ねた。

 

「三玖姉さん?いま、キスマークつけたの?」

 

 三玖姉さんは首に吸い付いていたままの顔を上げて答える。

 

「そうだよ、六華が私のものって証。もっと付けてあげるね」

 

 そう言うと、三玖姉さんはさらに私の首筋にキスマークをつけようとしてくる。

 

「ちょっと、まって三玖姉さん」

 

「何それ?私を拒絶するの?」

 

 三玖姉さんは光の無い真っ黒な目で私を見てくる。こうなったらどうしたって、止められない、拒否すればお仕置きされるんだから。

 

「いや、首じゃなくて、胸につけて欲しいなーなんて」

 

「そう、六華は我儘だね」

 

 三玖姉さんはそう言いつつ微笑みながら私の指に指を絡めてきた恋人繋ぎの状態で私が抵抗できないように抑えてくる。

 

 首は服を着ても隠せないけど胸なら服を着ている限り見られる心配なんてないから、三玖姉さんを上手く誘導できてよかった。

 

 姉さんたちに比べて膨らみの小さい胸の近くに口をつけて、ちゅ~、と肌を吸っていく三玖姉さん。

 これでなんとかなった、と思っていると絡めていた指を解くと二の腕や肩にもキスマークをつけている、胸にって言ったのに……。

 

 腕と首のキスマークをどう隠そうかと考えてるとお腹にもキスマークをつけて舌で肌を撫でながら移動、ヘソにもしゃぶりついてきた。普段、他人に触れられることのない部分を舌で執拗にほじくって舐め回してくる。

 上下に左右に舌を動かして限界まで舌が奥に進み、舌から零れた唾液がにちゃにちゃという音が出る。

 

「んぅんっ!三玖ねぇさん、やめ」

 いつもの体を撫でられる感触とも、おまんこを弄られる感触とも違う感覚が身体を支配する。

 痛いような、痺れるような感覚。

 思わず脚がガクガクと震えて、腰が引けて三玖姉さんの頭にもたれる体勢になってしまう。

 

 それから何分経ったのかヘソを舐め回すことに満足したのかヘソから口を離す。私のヘソと三玖姉さんと口の間に透明な糸が引いていく。

 得も言われぬ感覚から解放されくらくらになった頭のまま立っていると、太ももを掴まれて持ち上げられて壁に寄りかかったまま片足立ちの状態にさせられた。

 

「ぁ…三玖姉さん?」

 

「こっちにもつけてあげるね、ちゅっ」

 

 持ち上げた右足の太ももに唇をつけて強く吸ってくる。

 私の事を自分の物だと主張するように。

 

 脚を上げられていることでおまんこも丸見えになっていることに流石に恥ずかしくなり目を背けていると満足したのか脚から手を離されて解放されて、ほっ、としていると突然、痛みが襲ってきた。

 

「いっ!?」

 

 痛みが走った箇所に目を向けると三玖姉さんが胸に噛みついていた。

 

「痛いよ!三玖姉さん離して!」

 

 私がそう訴えたが三玖姉さんは一向に力を緩めてくれず少しして離れてくれた。

 

「私のとっておき。気に入ってくれた?」

 

 喜んでくれる?とばかりに上目遣いで私の事を見てくる三玖姉さん。

 噛んだ後はくっきりと私の胸に残っている。これはしばらく消えなさそうだ。

 

 胸を掻きむしりたくなる衝動を抑えて慣れた作り笑いをしながら。

 

「うん、ありがと三玖姉さん」

 

「じゃあ、私は先にリビングに行ってるね?」

 

「うん、分かった」

 

 三玖姉さんがバスルームから出て行ったのを確認してから、思わず崩れ落ちてしまった。

 胸につけられて歯型、首、お腹、太ももにつけられたキスマーク。

 擦った所で消えやしない、それは今までの経験で分かってる。

 

「…急いで出て、準備しないと。これを見られるのだけは嫌だ」

 

 ダイヤルを捻り出しっ放しだったシャワーを止めて、湯気で曇った鏡が手で擦る。

 

 自分の体なのに実の姉たちに好き勝手される自分の体。

 私はキスマーク(これ)を見るのも好きじゃないけど、他人にキスマーク(これ)を見られるのはもっと嫌だ。

 見られたら私は姉さんの物って周りから見られるような気がしてたまらなく嫌。

 

 こんな家さっさと逃げ出したいと何度も思ったけど、どんなに逃げても私の行き先が分かっているかのように先回りされ、捕まりおしおきされる。

 絶対に逃げられないと骨の髄まで理解して、体が服従しちゃう。

 

 一度、お父さんに助けを求めた事もあったが、返答は「あの子達には君が必要なんだ。君がいなくてはあの娘たちが壊れてしまう」、そう言われた。

 

 お父さんにとって私は姉さん達を壊れないようにする道具でしかないって言われてるような気がした。

 

  いや、実際そうなのだろう、だって私は出来損ないなんだから……。

 

 




一応、キャラ別にバッドエンドを書けたらと思ってるのですが、そもそもバッドエンドとはなんぞや?と思い返してます。



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