鉄華団全員生存ルートRTA 【参考記録】 (オールF)
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ほんへ
キャラメイク〜悪魔復活


書き掛けを投稿しようとして、それを消そうとしたら間違えて本編全部消してしまったのでガチの再投稿です。
2話以降はバイトが終わり次第再投稿します。


 結局、みんな居なくなるガンダムのゲーム、は、じ、ま、るっ、よ〜。

 

 今回は『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ 鉄華の絆』でラスタル陣営壊滅ルートやバエル無双ルートよりも難しい鉄華団主要メンバー全員生存ルートを簡単かつ最速でプレイしていきたいと思います。

 

 え? 鉄華団全員じゃないのかって? おっぱいに埋もれて死にたい少年はどうしても生存させるの無理でしたんで……(15敗)

 人生、時には必要な死もありますあります……。

 

 さて、このゲームのいいところは、プレイング次第で某動画サイトやSNSでネタにされ続けた彼の死や、脚本の玩具とか言われたりもしたバエルおバカなどにも脚光を浴びるチャンスがある事ですかね。

 まぁ、そんなの関係ないですけどね! 

 

 ちなみにタイム開始はキャラメイク終了後からエンディングまでです。キャラメイクが1番時間かかるってこれ1番言われてるから(大嘘)

 

 てことで、【はじめから】を押して早速キャラメイクしてイクゾ〜! オープニングがゲーム起動時に観れるからぜってぇ観てくれよな! 

 

 はい。まずは性別です。ここはぶっちゃけ好みでいいんですが、後々の所属に当たっては難易度変わるので男にするのが1番無難ですね。

 キャラステータス的には最初は同じですが、男の場合は筋力とか体力が伸びやすく、女の場合は運や技術が伸びやすいです。

 けど、鉄華団全員生存させるには男じゃなきゃダメです。そもそも女だとCGSに入れないです。いや、アトラくらいの信頼度があれば社長から団長に変われば可能なんですけど、そこまでの信頼関係を築いてる時間はありません。そんなことしてたら2期になってからでビスケットォ! が死んでしまいます。(10敗)

 

 なので、今回は男でいきます。名前はおまかせでもいいんですが先人に倣ってホソヤ……【星原・モーリノ】……略してホモにしました。

 これなんの意味があるんですかね? 星原とか完全に苗字じゃねぇかとか野暮なツッコミはなしね。

 

 名前も決まったので容姿や年齢です。追加DLC買えばもっと細かく調整できるからみんな買いましょう! 今回は年齢だけ22くらいにして見た目はランダムにしました。するとあらまビックリ、紫髪のマフラー野郎になりました。追加DLC買うとアクセサリーとか着けれるけどマフラーは使ったことないですねぇ……。

 

 あとはステータスですが、ここはほとんどいじるとこもないというか、ランダムで決まってしまうので……。大人だと体力も筋力も初期値からダンチに高いですが、レベリングでは伸び悩むのでバトル後に得られるエクストラエクスペリエンス(EEX)によるステ振りでカバーしましょう。

 ちなみに子供なら運ゲーで阿頼耶識システムの恩恵が受けられますが、下手すると初手からゲームオーバーなのでやめとくのが良識ある判断です。ビルスくんオツカレ! 

 

 最後に所属志望を出します。志望って書いてるから通らないのでは? と思われがちですが、しっかり通ります。ただ役職が不明瞭なんですよねぇ……。

 鉄華団だと思った通りのところにいくんですが、タービンズやギャラルホルンのような組織だと重役やセブンスターズの血縁者になったりすることもあれば、ペシャン公の部下とかランダムになります。

 でも、(今回は鉄華団なので)関係ないですけどね! あとはこれでメカニックになれれば完璧です。

 このゲーム唯一のガバと言ってもいいのは、所属が決めれても役職までは決めれないことですかね。大人にすればデクスターさんがいるので経理とかの裏方になることはありませんが、メカニックかパイロットかは選ぶことが出来ません。メカニックは雪之丞さんいるだろ!! 優秀なメカニックなど2人も要らぬ……!! (ヤマギとかの子供は別)

 

 これにてキャラメイク終了。では、はい、よーいスタート。

 

 CGS所属なので舞台は火星。しかも男臭い武装組織が主人公がいる会社です。クリュセガードセキュリティというらしいです。知ってるよォ! 何度目だよ! 

 で、場面変わって前髪ブーメランでまだ団長じゃないオルガを三日月が起こすところからはじまります。ここは飛ばせないので、その間に今回のチャートの説明をしちゃいます。

 鉄華団主要メンバー生存ルートということで、これを見てる方はアニメのあの最期をご存知でしょう。私もガンダム作品を結構見てきて、主人公が精神崩壊したりメタル化したりと色々な変化を見せつけられても「生きてるだけでも勲章モノですよ!」とおおらかに受け止められましたが、好きな主人公だっただけにあの最期は心に来ました。

 なので、このチャートでは彼らが笑って辿り着くべき場所へと行けるようにボクが導いてあげるよ……という訳です。ちなみに鉄華団主要メンバーで、オルガと三日月、ユージン、シノ、ビスケット、昭弘がマクギリス事件終了時、または事件発生が無くなるかして生存していれば『辿り着くべき場所』というトロフィーが獲得できるのでこれも狙っていきます。

 

 そうこう言ってる間に革命の乙女が三日月くんと握手出来ずに変な空気になりました。さて、そろそろ始動です。

 CGSは警備会社とか言ってますけど、その実は傭兵組織なので野球の一軍、二軍みたいな序列があります。

 オルガや三日月などの鉄華団発足時のメンバーはおやっさんとデクスター抜いたら参番組ですね。まぁ大人二人は裏方仕事なので序列に組み込まれてないんですがね! 

 そして、主人公はどこにいるのかな〜とムービーが終わったところで画面が切り替わり……お、これは……モビルワーカーの溜まり場……ってことは? 

 

 

「おい、何寝てやがる」

 

 

 は? 誰だお前!? ここは雪之丞さんが起こしに来てモビルワーカーの整備の流れダロロォ!? 

 

 まぁ、知らないなんてことは無いです。名前は知りませんが、三日月にパンパンパン(意味深)される本隊のオッサンです。さっきまで社長の横にいた人じゃん! その横には同じくパンパンパンされる人もいます。出番が少ないから名前も出てこないカワイソスな人達ですね。

 それで何の用なんでしょうか。

 

 

「とっとと、仕事しろや! ちょっと腕がいいからって調子に乗りやがって!」

 

 

(乗って)ないです。けれど、おっさんの言い方からしてモビルワーカーの操縦者みたいですね。メカニックが良かったのになー! ここで叩き起されたことで主人公が仕事を始めます。と言っても、ここしばらくは仕事もないようで、トレーニングばかりのようですね。昭弘のガチムチはこの期間に……? 

 まぁ、ギャラルホルンの襲撃まで時間もそうないので、会話を終えたところでステータスチェックです(スクショ)。参番組は今、地雷設置訓練だったりモビルワーカーの運転中ですね。

 とりあえず、三日月やオルガなどの参番組との友好度を見るために食堂を目指しながらステータスを確認します。

 

 まぁ、概ね予想通りですね。身体のヒョロさ通りの筋力と体力に、知力と器用が高い女型のステータス配分ですね。これで調子に乗れるほどの腕なのか……たまげたなぁ。

 あとはスキルですね。初期なのであるかないかだし、大抵ごみなのですが一応。期待はしませんが……スキルウインドウがクリックできる? ……(スキル)ありますねぇ! あります! 

 初期でスキルあるのは強みになります。できれば『幸運』とか『カリスマ』あたりが欲しいですね。

 

 

 

『占い』

 

 

 

 …………なにこれ(ハッシュくんの腕を掴む三日月くん)。

 初めて見たぞオイ! 効果は……軽い未来予知……強くない……? 

 文面見てるとタロットカードっぽいですね。なんでも会話を振られたり、イベント発生時に任意で発動できて、その後の結果をある程度言い当てれるみたいです。でもこれ初めてなので強いかは分からないですね。

 

 

 さて、こうしてる間にもとっくに食堂に到着です。ここで参番組の皆様が愚痴っております。本隊の皆様は僕と違って仕事してるみたいなんでいませんねぇ……。タカキも見習ってね! 

 

 

「あ、星原さん!」

 

 

 とか言ってたら、まさかのタカキに声をかけられてしまいました。その声にオルガや三日月の目が向きます。

 

 

「あんたまたサボりか?」

 

 

 おや? 結構フランクですね。これは割と友好度高いのでは? 

 

 

「ったく、これで壱番組のエースかよ」

 

 

 とか思ってたらユージンくんからはあまり不評のようですね……。

 いや、彼はこれがいつも通りですね。にしても我エースなのん? ホントォ? 

 昭弘はまだ無口なので分かりませんが、タカキから話しかけてきたことやオルガ達の反応からして結構いい感じっすね。

 あとは雪之丞との友好度の確認ですが参番組との関係性を見るに悪くはなさそうです。これは幸先が良さそうですね。

 

 

 こっからクーデリア・藍那・バーンスタイン(長ぇ)を狙って夜戦突入するまで、暇なので死なないようにミサイルが当たらないところにいるか、ベッドに沈みましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 はい、起きたらギャラルホルンとの戦闘が始まってるよ〜〜。

 多分今頃は本隊の皆様方が「(あとで合流するからお前ら)あくしろよ!」って参番組の皆様を騙してる頃でしょう。

 

 今回は自分の出番はないので静観していましょう。ここで一番安全なのは悪魔様が眠る機関室なので向かいましょ〜。あそこにいれば生存しか有り得ないので是非とも行きましょう。イマスグ。

 やはりいましたね! バルバトスを起動させようと走り回る雪之丞さんが! 自分を見るなり目を見開いて怒鳴ってきました。

 

 

「あ!? なんでおめぇここにいやがる!」

 

 

 コミュニケーションウィンドウが出てきました。ここは素直に選びましょう。

 寝てました〜

 

 

「他の奴らは!?」

 

 

 本隊のこと? 知りません〜! 

 

 

「はぁっ!!? ……ちっ、もういい! お前も手伝え!」

 

 

 はーい! ……んで、何を? 

 なんの説明も無く言われてもなぁ……と困っていると優しいタカキきゅんが教えてくれます。

 

 

「あ、あれを起動させるとかで」

 

 

 知ってるよォ!! (2回目)

 知力と器用が高いのでメカニックじゃなくてもこれくらいは出来るでしょう。文字も機材も分からないまだ頑張ってないタカキくんは他のところで頑張ってきて! 

 

 

「あの、俺よくわかんないんで頼みます!」

 

 

 任せろォ! ここでタカキきゅんと変わってホモくんがバルバトス起動のお手伝いをします。外の状況は逐一、トランシーバーから流れてきますので整備ミニゲームをやりながら確認が出来ます。

 このミニゲームはメカニックじゃなくても出来て、器用度もあがるので参番組でパイロットじゃないならやっときましょうね〜。

 とりあえず、一軍が信号弾打ったり、敵が地雷に引っかかったりして……あややモビルスーツも出てきたってことはそろそろですね。

 

 

「おやっさん来たよ!」

 

 

「おう待ってたぞ!」

 

 

 ミニゲームが終わると三日月くんがやって来てモビルワーカーをバルバトスにぶち込む作業ムービーに入ります。ここはスキップできるのでキング・クリムゾン! 

 

 

 すると、唐突にムービーが綺麗になります。

 賊の頭領であるオルガにトドメを刺そうとアックスを振り上げたグレイズニキの前に現れたのは地より這い出た白い悪魔。

 

 

「はぁ……っ!」

 

 

 黒い鈍器を振り下ろして……ドシャオンッ(グレイズが潰れる音)。

 はい、この後の戦闘もスキップできますし、原作通りなのでスキップします。今回はここまで。ご視聴ありがとうございました。

 

 

 

 

 ###

 

 

 ギャラルホルンの襲撃を押し退けてからしばらく。多くの者が死体処理や消耗品などのチェックを行う中、参番組隊長であるオルガ・イツカは雪之丞と並んでタブレットに目を向ける青年を見つけ闊歩して近づき口を開いた。

 

 

 

「俺らがドンパチやってる間にアンタは寝てたってのは本当か?」

 

 

「まぁな」

 

 

 睨みつけるように言い放ったオルガに対して星原から返ってきたことは淡白なものであった。その答えには隣で聞いていた雪之丞も顔を顰めるほどであったが、オルガにはいつも通りのことであり「そうか」と身を翻した。

 

 

「モビルスーツの整備、助かった。あんがとな」

 

 

「あぁ」

 

 

 去り際に零した感謝も青年には些事であり、再び雪之丞と消耗品の確認へと戻ろうとした、その時オルガは一度立ち止まると再び星原の方へと身体を向けた。

 

 

「なぁ、アンタのお得意の占いで俺達がやろうとしてることは……どう出てるんだ?」

 

 

 一切何も話してはいないが、占いとはそういうものだと以前聞いたことがある。相手の情報を得てからそれっぽいことを並べて語るバーナム効果を使って性格診断などを行うことはあれど、未来の事業や出来事に関しては当人の性格やらは関係ない。

 それにこれから『CGSを乗っ取る』なんて話を一番組の人間にする訳にもいかない。そういうわけで何も言わず、彼の占いという特技を試す意味合いで問いかけたオルガに星原はポケットから1枚のカードを取り出した。

 

 

戦車(チャリオット)の正位置……まぁ、上手くいくんじゃないか?」

 

 

 

「……そうかい。ありがとよ」

 

 

 2度目の礼を言ってこれから帰ってきた壱番組に制裁を受けるであろうオルガの後ろ姿を尻目に見ながら雪之丞は星原に尋ねた。

 

 

「そのカードってどういう意味なんだ?」

 

 

「戦略的勝利……といったところだな」

 

 

 聞いてもピンとこない雪之丞に対して、小さくなっていく後ろ姿を見やりながら星原は微笑んだ。面白くなりそうだと。

 

 

 

 

 

 

 

 




何やってんだ〜〜〜〜!!!(自分に)


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出発〜初戦闘

5連勤の疲れがとれないので再投稿です。色んな方に心配やらご迷惑をかけたことをお詫びします。最新話に目が触れた方は再び投稿されたら思う存分感想をよろしくお願いいたします。


 再試走するつもり無かったのに結果的に再試走みたくなってるRTA、はじまってんだよなぁ……。

 

 

 前回はバルバトス起動からの一軍粛清前までで終わりました。

 占いの効果を確かめるべく、使ってみましたが、結構いい感じですねー。確かに子供たちの反乱は戦略的勝利としか言いようがないですし、間違っては無いですね。

 

 さてさて、オルガや三日月がオッサン達をパンパンパン(意味深)してる間にやることを進めましょう。前回の会話でエース様なことが確定したので、弟分を守って腹部を貫かれないためにも自衛手段を手に入れましょう。初期装備は壱番組なのでハンドガンと専用モビルワーカーがありますが、宇宙では使い物にならないのでちゃんと使える武器を手に入れます。

 そのために夜でも働いてるおやっさんのところに行きましょう。深夜から戦闘があって今も働いてるとか火星に労働基準法はないんですかね〜。

 

 

「なんだまたおめぇか……で、どうしたこんな時間に?」

 

 

 おう、また俺だよ。壊れよ(暴言)。そんなことよりオッスオッスおつかれっす! ところでその緑のどうにかなりそ? 

 

 

「あーダメだなこりゃ。コクピットが綺麗に潰されてやがる。エイハブリアクターは生きてるから売り物くらいにはできるが」

 

 

 てことはやっぱり次のクランク二ーのグレイズ貰うしかないですね。みんな助けるためにはどうしてもモビルスーツは必要です。漂流者などであれば、入社時に持ち込んで初期装備に入ってるんですけどね、今回はないので戦闘での戦利品頼りになります。

 まぁ、火星を出る前に火星の地下深くでおねんねしてる連中を掘り起こせればいいんですが、フラウロスくんは2期からじゃないと無理ですし、他のモビルスーツは部分欠損が激しいので今見つけてもテイワズにいくまで役立たずで、しかも時間がかかるのでRTA的には旨味ないので無視です。

 ここは昭弘くんの出番を奪ってでもグレイズをいただきましょう。

 てことで、おやっさんに戦利品のリストをもらって大人の皆様の寝床に行きましょう。ちょうどそろそろ無駄な屍が転がってる頃でしょうし。

 

 

「げっ、星原」

 

 

「あ?」

 

 

 真っ先に気付いたのはユージンくんでした。そんな嫌そうな顔しても名前呼んじゃって……やっぱり好きなんすね〜。それよりもオルガはなんで威圧的なの? と思ったら、銃口を向けようとしたミカニキ制してますね。危ねー殺すとこでした。

 

 

「いやコイツはいい。ちょうど良かったアンタには話があったんだ」

 

 

 俺も俺も! これでCGSはお払い箱!

 社長が資産を持ち逃げしたので、銀行にあるお金しかないっていうクソみたいな状況ですが、ここからは有能しか残らないのでRTA走者としては言うことなしですね。例外のトドも後々、(上司が)めちゃくちゃ使えるようになりますしね。

 

 

「で、あんたはどうする?」

 

 

 一夜明けて、辞めていく社員達に退職金を渡しているデクスターを見ながら、突っ立ってるとオルガに訊かれます。トドが残ることにしたぜと言ったらユージンくんは「マジかよ……」と項垂れてましたが、ホモくんが残るって言ったらなんて言うんですかね……。とりあえず、タロット使えるんで使っておきましょうか。

 星の正位置……なんだこれ。あ、でも、イメージ的に良さそうっすね。

 

 

「面白そうってお前なぁ……」

 

 

「まぁ、理由はなんでもいい。アンタは他のクズと違って信用してる。よろしく頼むぜ」

 

 

 はえ〜。星の正位置って面白そうって意味なんですかね。いや、ぜってぇ違うぞ?? これで上手く鉄華団(名称決定前)に入団できたし、何故かは分かりませんがオルガからの信頼も厚すぎて熱くなってきたのでバルバトスの調整に加わりましょう。

 クランク二ーが来るまではホモくんにすることと言えば、オルガに次の戦利品でモビルスーツを手に入れたら乗らせて乗らせて! と頼むだけです。エース様なので降りろォ! (迫真)されることはないでしょう。

 

 

「ん? あぁ、ギャラルホルンに目ェ付けられてんだ。そん時は頼むぜ」

 

 

 こいつ頼んでばっかだな……(ブーメラン)。

 モビルスーツに乗車できるようになったのでバルバトスの整備を手伝いに行きます。知力と器用高くてパイロットでもメカニックの真似事できるのでいいっすね〜。女型のステータス配置とか言ってめんごめんご〜。けど、この筋力と体力の無さは一期終盤で響いて来そうなのでしっかり上げていきましょうね〜。

 

 EEXを得るために整備ミニゲームをこなしてクランク二ーが来るのを待ちます。ミニゲームで得られる経験値なんてたかが知れてるので、別にやらなくてもいいですが、休憩しすぎて体力満タンで寝れないため、これ以外やることがないのです……。睡眠時間には気をつけよう! 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ありが……」(←パンパンパン!)

 

 

 

 

 はい、お茶の間を戦慄させたありがパンパンパンを終えたので戦闘終了です。ちなみにホモくんが未関与のイベントはだいたい飛ばせるのでアニメとか見すぎて飽きたという人はガンガン飛ばしていきましょう。でも、なんでこのシーンはスキップ出来ないんですかね?

 

 この後経験値獲得画面に移って、ステータスに振ることができます。ですが、ホモくんは今回はメカニックの真似事しかしてないので勝手に器用度全振りになります。EEXはまだ使わなくてもいいので温存します。

 

 

 んでぇ、こっからフリーになるのでグレイズをホモくん色に染め上げてあげましょう。

 通常なら器用度が一定値を超えるとカスタマイズの項目が追加されるんですが、まだありません。あったところで戦利品がグレイズと通常装甲Aしかないので何もできません。つっかえ。

 カラーリングくらいなら任意で変えれるので適当にぱぱっと変えちゃいましょう! 色変え無しでもピンクでも、クランク二ーの識別反応を発してると結局アインくんに狙われるので好きに塗っちゃいましょう。自分は黒と黄色っていう雀蜂みたいな色にしときました。

 雀蜂……いいよね……(プロは多くを語らない)

 

 あとはこれをデクスターや昭弘達と先に宇宙へと運んじゃいます。バレないようにそっとだぞ、そっと! 運び終わったらオルガ達が来るのを待ちます。それまでかなり時間があるので船員に話しかけて友好度上げやらしておきましょう。

 

 

「なんだあんたか。……相変わらず細い身体してるな」

 

 

 お前がガチムチすぎるんだよなぁ……。昭弘くんはオルガに仲間と認められて嬉しいみたいで、今は友好度に関係なく結構話してくれます。

 にしても、何見てんのよエッチ! 身体が細くてもアンタより腕は上なんだからね! と息巻いておくと勝手に火がついてトレーニングに向かいます。これでグシオンリベイクに乗る時にステータスが通常よりも上がるので煽れるだけ煽っときましょう。

 次は肩で被弾することに定評のあるチャドですね。団長が死ぬ度に肩を撃たれてる人と言えば分かりますかね。

 

 

「あぁ、ホシさん。どうしたんですか?」

 

 

 こいつは意外にもホモくん敬ってますね。どう森みたく「話に来た」と「なんでもない」と出ましたが、馬鹿正直になんでもないって言ってもなんにもないので「話に来た」を選択しましょう。

 

 

「ようやく、俺たちだけの仕事が始まるんですね。ワクワクする反面、不安もあるけど……オルガ達とならできそうな気がするんですよ」

 

 

 出来るよ出来る(太いのが死ぬけど……)。

 まぁ、死なせないためにホモくんがいるので大船に乗った気でいろよ! 

 あとは電子戦に強いダンテなんですが、彼もチャドと似たような事しか言いません。ごく稀に栄養バーとかくれるんですけどね。今回はくれませんでした。何がいけなかったんでしょーか? 

 デクスターさんは既に本部に戻ってるので声をかけられないので、オルガのピンチに駆けつけられるようにコクピットで待機しておきましょう。大人に振り回されたくないって言いながら(言ってない)トドやギャラルホルンに振り回されて、蜂の巣にされる鉄華団を蜂の色に塗装されたグレイズでワイが解決する……完璧やな! 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ホシさん! 大変だ! 団長達が!』

 

 

 はいはいきたきた。もう待ちくたびれましたよ。

 ここでようやく初めての戦闘です。武装が破損しているアックスとメイスと少し心もとないですが、火星のぬるま湯に浸かってるだけのカス共ならこれでどうとでもなります。

 モビルスーツハンガーのロックを外してもらい、イクゾー! デッデッデッデデデ!! 

 

 

 船に風穴を開けようとしている角の生えたグレイズはミカニキが無慈悲にゼロ距離射撃でコクピットをぶち抜いてくれるので、自分は他の奴の相手をしておきましょう。早めに減らさないと特務サンサー! がやって来てしまうので、メイスとアックスでこちらも慈悲などなくコクピットを叩き潰していきます。そうしてると通信が入りましたね。増援でしょうか。

 

 

『ねぇ、そっちのデカいの貸してよ』

 

 

 あぁ、どうやらミカニキがちまちま撃つのだるくてメイスをねだってますね。初期ミカだと射撃はあまり当たらないので、交換してあげましょう。

 

 

『あんがと』

 

 

 そうしてちまちまから豪快に敵を屠っていくミカニキの露払いをしているとなんかこちらに向かってくるグレイズがいますね。

 

 

『貴様ッ! その機体はクランク二尉のグレイズッ! なぜ貴様たちがァ!』

 

 

 奴さん死んだよ。俺が殺した(大嘘)。

 

 

『貴様ァァァァァ!!!!』

 

 

 HAHAHA! 楽しいなぁ! グレイズによる、グレイズのためのどデカい戦闘はよォ! ……いや、これ結構地味っすね。アインくんは殺しても生きてても、鉄華団主要メンバー誰も殺さないんで、殺さなくてもいいんですよね。殺してしまうと良くわからないやつがマクギリスの玩具、もとい阿頼耶識の餌食になるので動けなくして武器とか奪ったらボロ雑巾のように捨てて……ん? ピビピ……? 

 

 

『新たなエイハブウェーブを観測! ホシさんの方に来るよ!』

 

 

 えぇ……(困惑) 狙うなら俺よりも敵殺してるミカでしょ……。

 なんて言ってもCPUは我の感情を理解してくれないので、ある程度ボコってボロ雑巾になってもらったアインくんから真新しいアックスとミカニキから受け取った滑腔砲で紫色のシュヴァルべと戦闘です。

 今回の目標はあの右手を切り落としてランスユニットを手に入れる事なんですが……アックスと滑腔砲じゃムズいんだよなぁ……。

 1番いいのはコクピット潰して機体ごともらうことなんですが、ガリガリ君にはマクギリスぶっ殺すマンに覚醒してもらう必要があるので、最悪左手のワイヤークローだけいただきましょう。

 

 

『投降すれば然るべき手段でお前たちを処分してやるぞ』

 

 

 あ、そういうのいいんで(ローキック)。

 

 

『やるな! だが! これでどうだ!』

 

 

 ワイヤークローが左手に! お相手氏は阿呆ですか? そんなことしたら拙者から逃げられませぬぞ? (おたがいさま)。上手く距離を保ちながら右手を執拗に撃ちまくりましょう。

 

 

『ちっ、貴様ッ!』

 

 

 ふははは怖かろう! 痛かろう! だから早く右手もげろ! こっちも左手がもう限界だからさぁ! 

 

 

『しまった!?』

 

 

 はい、これでノルマ達成です。左手は肩関節から下をパージして、ガリガリの意表を突きましょう。これで油断したガリガリのカメラアイに一発打ち込めば追いかけてきません。急いでイサリビへと帰還しましょう。

 あとは回収したシュヴァルべの右手をつけてもらって……って、これじゃ両方右手になるやん!? (ガバ)

 

 

 J・ガイルの旦那になったので今宵はここまで。ご視聴ありがとうございました。

 

 

 

 ###

 

 

 

 オルガの機転と三日月や星原のおかげで危機を脱した鉄華団の船【イサリビ】は祝福ムードに包まれていた。今まで大人に振り回されるがままだった子供たちが、ついに大人達に一泡吹かせることに成功したのだから。

 モビルワーカーから降り立ったユージン・セブンスタークは仲間達に賛辞を受けながら食堂へと向かうと、個人的に嫌な顔にあった。

 

 

「げっ」

 

 

 それは先程まで三日月と共にギャラルホルンのモビルスーツを屠った上に敵から武装を奪い取って帰ってきたという元一軍のエースであり、その男が戦闘後に関わらず涼し気な顔で三日月と共に食事をしていた。

 

 

「あ、おかえりユージン」

 

 

「お、おう」

 

 

 ユージンの存在に気付いた三日月にそう声をかけられて反応を返した彼は視線だけを寄越してすぐさま食事に戻った星原に眉をピクリと上げた。

 

 

「……」

 

 

 しかし、彼の対応に別段怒ることは無い。恐らく逆の立場なら自分も同じことをしただろうからだ。それに星原がいなければあの強行突破も出来なかったかもしれないというビスケットの言葉も考えると嫌味のひとつ言うのもはばかられた。

 

 

「そういやアンタ、阿頼耶識もないのにモビルスーツの操縦上手いよね。なんで?」

 

 

「……さぁね」

 

 

 ふと、そう尋ねた三日月に星原は興味なさげに答えると食べ終えた皿をアトラへと返しその場をあとにした。淡々とした返しをされた三日月は別に思うところもなく「そっか」と1人でつぶやくとこちらも皿に乗っていたモノを平らげ、ユージンの方を見た。

 

 

「あれ? ユージンは食べないの?」

 

 

「いや……今はいい……」

 

 

 断ったユージンは食堂を通り過ぎると星原と同じ廊下を歩いた。確かに三日月の言う通り、モビルスーツに乗るのは初めてでしかも阿頼耶識もないのに堕としたモビルスーツの数はあまり変わらない。壱番組の頃からモビルワーカー乗りとしての腕の良さは知っていたが、それがモビルスーツでも変わらないことにユージンは少し苛立ちを覚えた。

 読み書きも出来て、モビルスーツの整備もできて、さらには乗ることも出来る。ついでに占いも。おそらく、この船の中では一番の多才なのではないだろうか。対して自分は……と、考えたところでユージンは頭を振った。

 

 

「んなこと考えても仕方ねぇ……」

 

 

 そうだ、俺はさっきみんなのために命を張った大仕事をしたんだと自らに言い聞かせたユージンは、踵を返して再びブリッジの方へと向かっていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一方、鉄華団により煮え湯を飲まされたギャラルホルンはというとかなり殺伐としていた。火星支部本部長のコーラルは死亡。また、彼と共に出撃した兵士もアイン・ダルトンを除いて全員死亡と散々な結果であった。

 おまけに監査に来ていたガエリオ・ボードウィンも機体の装備が一部奪われるという失態を犯してしまい、船内の空気は彼の怒りで張り詰めていた。

 

 

「クソっあの黄色のグレイズめ! よくも俺をコケにしてくれたなッ!」

 

 

「まぁ落ち着けガエリオ。少々、彼らを舐めすぎたようだ」

 

 

 火星宇宙ステーションの執務室の壁を怒りに任せて殴ったガエリオに対して、微笑を浮かべたマクギリス・ファリドは彼を宥めると共に先程の戦闘を振り返った。

 まず、彼が目を奪われたのは厄災戦を終わらせたとされる禁忌のモビルスーツ、ガンダムフレームであった。此度の戦闘に参加する気のなかったマクギリスが出撃したのもそれが理由であり実際に対峙した彼は名も知らぬパイロットに高揚感を覚えた。まるで、アグニカ・カイエルの英雄譚のような。

 加えて、腕の立つパイロットであるガエリオを蹴散らしたグレイズのパイロットにもまた興味が湧いた。ボロ雑巾のように機体をズタズタにされ負傷したアインという兵士によれば、その力はまさしく本物であり、おそらく相手は自分を殺せたというのだ。恐らく、それはガエリオも同じで、的確に右手だけを狙うスキルがあるのならコクピットを撃ち抜くのも容易かったはずである。

 

 

「コーラルが死んだおかげでやることは山積みだ。彼らを追うのは少し先になるだろうな……」

 

 

 マクギリスのつぶやきにガエリオは静かな怒りを灯したまま、部屋を去っていく。気持ちの整理をつけるか、あるいは自分だけでも彼らを追う手筈を整えるつもりだろうか。いくらセブンスターズの息子でも無理な話であるが、それだけ今のガエリオが怒り心頭であることが窺えた。

 

 

「それにしても……」

 

 

 クーデリアを乗せた少年騎士団に、それを守るガンダムフレームと謎のパイロット。大人になれない子供であるマクギリスにはそれらのワードは心をときめかせるには十分であった。誰もいなくなった部屋で透けたガラス越しに見える火星を見下ろしながら、彼は薄く微笑んだ。

 これから起こるであろう革命の瞬間を楽しみに待ちながら。




作品削除には気をつけよう!
今まで投稿してた分のブルワーズ戦①までは5分毎に投稿予定です


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タービンズ戦

 ハンマーヘッドシャークみたいな艦とエビみたいな艦のデットヒート、はじまるよ〜。

 

 まぁ、まだ始まってないんですけどね初見さん。

 

 前回は火星から離れたところで終わりましたので、今回はタービンズ戦前からですね。

 火星を出発した疲れからか地球までの案内役を失った鉄華団団長のオルガ・イツカが不幸にも元社長を乗せた艦とスレスレすれ違いからの艦内制圧をするまで時間がありますが、しばらくは身動き取れないのでウインドウひたすら見ときましょう。

 フミタンの名前がフミタンだとわかる重要なシーンが目白押しなので見とけよ見とけよ〜。

 

 

「案内役か……」

 

 

 ここで団長はミカをチラって見て(いきがって最高にかっこいいこと言わないと)とか思ってますが、無視でいいです。基本的に団長の決断が裏目に出たのはバエルバカとの協力と火星の王になるくらいなので、ビスケットが生存してればホモくんと上手く阻止できるので今しばらくはだんまりしておきましょう。

 

 

「アンタはどう思う?」

 

 

 と、静観を決め込んでいたら急に話を振られてしまいました。ここはロスなく答えるために1番上の「お前に任せる」を選択しておきましょう。タロットを使ってもいいんですが、出るカードによっては未来変わりそうなのでやめておきました。

 これで団長は木星圏を牛耳るテイワズの事で頭がいっぱいです。後々、兄貴とかオヤジのこと大好きになることかんがえたらもう既に恋は始まっていた……って感じですね。違うか? 違うな(即答)。

 

 

「任せるって……」

 

 

 何か言いたげな未来の副団長様ですが、そんな彼を遮るようにして彼よりも長くうつくしい金髪が揺れました。ついでに胸も。いくつでしたっけ? (年齢)

 

 

「あの、失礼ですがこの方は……?」

 

 

 火星では見なかった気がするのですがと言ってくるお姫様。いたんだよなぁ……アンタがおやっさんと三日月に阿頼耶識は非人道的だの言ってた時にせっせと働いてたんだよなぁ……。経験値はなかなかに美味くて馬になりました。

 

 

「え、いたよね?」

 

 

「えっ、そうなんですか?」

 

 

 そうだよ(便乗)。同じくあの場にいた三日月くんは気付いてくれていたみたいです。凄まじいなその感覚……(モンターク並感想)。

 

 

「そうとは知らず、すみませんでした。私はクーデリア……」

 

 

 知ってるよォ! これ何回言わせんだよォ! そろそろ飽きてきたぞオイ! 火星でも地球でも彼女は良い意味でも悪い意味でも有名人なのでホモくんが知っててもおかしくはありません。むしろ、知らない三日月達がおかしいんです(責任転嫁)。

 

 

「あ、ご存知でしたか……すみません」

 

 

 なんだコイツめっちゃ謝るじゃん。謝罪の大安売りかな? 他力本願寺の団長といい勝負だぞ? 

 ここは友好度のために「気にするな」とクールに決めて、おまけに自己紹介もしておきましょう。

 

 

「星原・モーリノ……」

 

 

 そう名前を呟いたお嬢様はぺこりと一礼するとこれからよろしくお願いしますと丁寧丁寧丁寧丁寧に言ってきます。そのままステップ踏んでどうぞ。あと、ファミリーネームは自分でつけといてあれですが忘れてましたね。気軽にホモって呼んでくれよな! 2期では重要な資金源になってくれることもあるので、今のうちに媚びを売っておきましょう。

 

 

「はい! こちらこそよろしくお願いします」

 

 

 これで少し友好度が上がりました。上げすぎるとガンダム・バルバトスルプスレクスがラブホテルにならないので話しかけられたら話す程度でいいです。こちらから積極的にいくとウブな女性はすぐにコロッと堕ちますからね……。おかげでクーデリアを嫌う過激派に代わりに殺されるとかあるので気をつけましょう(5敗)。

 

 

 さて、ブリーフィングも終わって自由行動出来るかと思いきや、ここでモビルスーツハンガーに強制的に移動させられます。なんでかって? そりゃあまあ……。

 

 

「おめぇなんで左手を捨ててくるんだよ! 両方右手になっちまったじゃねぇか! おまけにバルバトス用のナノラミネートアーマーも使いやがって!」

 

 

 はい、宇宙に上がっていきなり怒鳴り散らされます。理由は全部雪之丞さんが言ってくれました。両方右手のJ・ガイルの旦那は売却用のグレイズから左手持ってくれば解決するのでOKです。

 ナノラミに関しては追加DLCなので黒のとこはナノラミではないんですが、さすがに防御力に乏しい状態で望むにはこの後のタービンズ戦はキッついので塗れるとこはナノラミ加工しておきました。

 ホモくんの生存率は上がりましたが、おやっさんのストレス値がマッハで上がりました。でも、どうせタービンズ戦終わったら未来の嫁さんが来て、2期にはきれいさっぱり消化されているのでほっといてもいいです。けれど、ホモくんのせいで歳星着くまではバルバトスくんの黄色かったとこは剥き出しか白になります。ごめんな三日月くん。

 

 

「ったく! おめぇ、どうせ暇だろ! さっさと手伝え!」

 

 

(言われなくても)やってやろうじゃねぇーか!!!! (逆ギレ)

 そういう訳で売り物のグレイズから左手パチりますね〜。こいつは色替えしてる暇もないし、そのままの方が好都合なので左手だけ緑色になりました。加工済みのグレイズに適当にミキシングしたガンプラ感凄いっすね……。全部同じ機体のパーツだから、ダサくはないけど違和感は半端ないって。出せるならそう言うといてや! (塗装)

 

 

「おい! ホシお前!」

 

 

 うるせ────ー!!! と、おやっさんと戯れてると船に警報が鳴ります。どうやらボクのモビルスーツ保管庫がやってきたみたいです。

 グレイズからおさらばするために、ほどよくボッコボコにしてやりましょう! 

 しばらく待ってれば、団長が名瀬のアニキ(まだ違う)に舐められないためにも威勢を張って、ドンパチやろうとします。ミカニキよりも早く出て姐さんとアジーさんを足止めしちゃいましょう。

 ラフタは流石にこのグレイズじゃいい的だからね……。

 

 

 

 

 

 

 

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 警報が鳴り響いてからすぐに回線を開けばそこから聞こえる怒号はオルガ・イツカが憎むべき相手にして、彼をここまで食わせてきた恩人と呼べる男、マルバ・アーケイであった。彼の会社を乗っ取り、今は社長ではなく団長としてイサリビで地球を目指すオルガにとっては今更何をしに来たのかという感想しか湧いてこなかった。

 けれども、彼に「どいてろよオッサン」と言った青年を見て、彼の名を聞いてオルガはおそらく本当の本当にマルバ・アーケイに感謝をした。

 

 自分たちを見捨てて逃げた男が、地球へ行くための綱をこちらに寄越してくれたのだ。チャンスの前髪は掴んで離すな。ただ頼むだけではダメだ。実力を見せつけなければ、また自分たちはいいようにこき使われて捨てられるだけだ。

 そう考えたオルガは慎重なビスケットに対して、やや挑発的に名瀬という男に対して食ってかかった。ただの子供ではないことを見せつけて、クーデリアを地球に送り届ける。鉄華団始まっての大仕事を達成するためにも、彼は既に自分の相棒よりも早くモビルスーツのコクピットに乗り込んだ青年に口を開いた。

 

 

「多分、モビルスーツが出てくる。悪いが、蹴散らしてくれ」

 

 

 オルガの通信にその男は無言であったが、数秒後には敵の船に向かってスラスターを吹かせながら進んでいく黄色と黒に塗られたグレイズが見える。その後に続けて三日月とバルバトスも発進し船は臨戦態勢となる。

 そして、オルガは考えた。彼ら二人でもなんとか出来るだろうが、それではダメだ。死人を出してはタービンズとしては話に応じても、その後ろ側の組織は応じてくれないと。

 

 

「シノ! ダンテ!」

 

 

 彼は古くから付き合いのあり、共にここまでやってきた信頼出来る仲間を呼びつけると、ある事の準備に向かわせた。全ては自分達がここでは無いどこか。辿り着くべき場所へと着くために……。

 

 

 

 

 

 

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 団長の命令がなくてもあっても出撃、出撃〜!

 無言にしましたが選択肢のもう1つが「命令するな」と反抗的だったので、仕方ないね。

 さて、後ろからミカニキが着いてきてくれてますが、ここはメニュー開いて【作戦】で船周辺で待機にしておきましょう。これでラフタの初撃で船の耐久値が減ってさらには作戦の進行が早まります。と言っても、自分が女二人を船から遠ざけないと意味ないんですけどね。

 

 

 今回の敗北条件はイサリビ、ホモくんのグレイズ、敵のモビルスーツ3機いずれかの耐久値がゼロになったら終了。勝利条件は『???』になってます。は? なんだこのクソゲー。やーめた。

 なんて言わずに10分経過するか、ある条件を満たせば7分くらいに短縮できます。それでも長い方なんですけどね、ここはスキップ出来ないので上手く立ち回って少しでもタイムを縮めましょう。そのためのモビルスーツ待機でしたし。

 

 

 敵艦との距離がイサリビから半分の地点で百錬が2体出てきます。

 ピンクが強いので、青がまぁまぁです。けど、姐さんは手抜きでアジーさんくらいしかガチがいないので、グレイズでも何とかなります。頭とか肩装甲にバックパックをヤマギきゅんに強化してもらったグレイズ改ならやれる!

 

 まずは青いのが牽制で撃ってきます。それを船の射線から外れるようにかわしましょう。次にどっちかがイサリビへ行って、残った方がこっちに来るんですが、行かせる訳には行かないので行こうとした方に肉薄していきます。

 

 

『アジー、ここは任せるよ』

 

 

『はい、姐さん』

 

 

 今回は姐さんみたいですね。親切仕様なのか、割と敵の通信は聞こえちゃったりします。たまに聞こえないです。システム側のガバかな? 

 そんなことは置いといて、百錬は百里と違って加速性はありませんのでバックパックを追加したグレイズ改なら普通に追いつけます。

 この辺にぃ、ハンマーヘッドシャークの屋台あるんすけど、焼いてかない? (勧誘)

 

 

『なんだい、船には行かせないって?』

 

 

 そうだよ(適当) 。

 こっちはイきたくてうずうずしてますが、ここではイけないので鍔迫り合いを装って船から遠ざかりましょう。

 

 

『ふん、そうはいかないよ……アジー!』

 

 

 の開き! と後ろから撃ってくる青いのから逃れるように一旦離れます。ちょっとでもダメージ受けるとこっちは一般塗料を塗装したせいでへなちょこなのですぐにくたばります。今ならマリオに踏まれて即死するクリボーの気持ちめっちゃわかる……。どんな気持ちだろ。

 

 フレンドリーファイアも狙いつつアジーさんに撃たせて、アミダの攻撃をランスユニットで受け止めながら船から引き剥がしましょう。

 そうこうしてる間にラフタと三日月が接敵したようです。あちらにも船からラフタを離すように言っておきましょう。あとはオルガ達が船に侵入してハンマーヘッドのブリッジに辿り着いたら無事に戦闘終了です。

 

 

 ここから3〜5分くらい持たせないといけないとか死にたくなりますよ〜。なんか姐さんちょっとずつ本気になってるし、アジーさんも当たらないとわかって近づいてくるし。あぁ、これダメなやつですね。

 けど、クッキーとクラッカー、桜ちゃんにフウカ。それにまだ仲間にしてない鉄華団の関係者を救うためにも俺は死ねないんだ──ッ! 逃げるんだよ〜〜! 

 

 

『待て!』

 

 

 待てと言われて待つアホがいるのか? いいえ、いません(反語)。

 ナイフを突きつけてくるアジーさんをかわして、今度は低威力のランスユニットについてるハンドガンで牽制します。この間にアミダが離脱して全速力でイサリビへ向かおうとしますが、ここまで来れば別にいいですかね。

 

 

『なんだいこれは!?』

 

 

 閃光弾とチャフって言うらしいですよ〜。飛竜種だと地面に落とせて部位破壊狙いやすいから使いましょうね〜。え? チャフはなんだよって? チャフは多分ペイントボールだよ(適当)。

 ここで怯んだ姐さんに追いついて、ハンマーヘッドに飛び移ったモビルワーカーに気付かせないためにもこちらから武器を振るいましょう。ここからはコクピット以外のダメージはガン無視でいいです。

 

 

『あんた! ただのガキじゃないね!!』

 

 

 さっすが、太陽の姐さんなだけありますねぇ! そうですよ俺は玉も竿もでっけぇ大人ですよ! (ホモくんのはどうか知ら)ないです。

 

 

『チマチマと鬱陶しいねぇ!』

 

 

 当たり前じゃんアゼルバイジャン。何のために遠距離と近距離を両立出来るランスユニット手に入れたと思ってんだ? このためだけだぞ? こんなクソ火力で間合いも微妙な武器、遠近に対応してなきゃ使わんぞ! 

 テイワズのモビルスーツパチったらゴミ箱行きだぞ!

 激昴して突貫ランス攻撃でもしてやろうかと思った矢先、唐突にモビルスーツの動きが止まります。何だこの力は私の知らない新システムか……? (すっとぼけ)

 

 

『もういい2人とも! 話は済んだ!』

 

 

 どうやらここまでのようです。本来はイサリビに戻るべきですが、ここは不躾にも程があってもタービンズの船で補修を受けてシノか昭弘に回してあげましょう。

 百錬にくっついてハンマーヘッドの中に入り、リザルト画面に映ってから、タービンズとの交渉に入ります。

 

 

 今回はここまで。ご視聴ありがとうございました。

 

 

 




見返してみるとホモくん強く見えるけどやってることはチキンプレイなんだよなぁ……


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シミュレーター戦闘

シュミレーターは誤字なので、みんなは間違えないように!
simulator! イェア!!!!


 木星圏で1番怖い男の所へ向かうRTAは、じ、ま、る、よ〜。

 

 前回は男より女の方が多いノンケの船に乗ったところで終わりました。逆にアトラしか女がいない鉄華団はホモ。はっきりわかんだね。

 

 

 前回のコメント見てたらフミタン人気スギィ! 何歳か全くわかんねぇけど、少なくてもホモくんより上、名瀬よりは下の25くらいですかね。

 早く貰ってあげないと! まぁ、その前に死ぬんですけどね〜(無慈悲) 団長より「汝は鉄華団! 罪ありき!」と鉄華団属性が付与されれば主要メンバー判定が入って救済処置が取れるんですが……? 

 

 

 

 さて、グレイズ改から降りたところで、アミダさんと話す名瀬がこちらを見てるので話しかけてくるのを待ちましょう。間違っても「ナズェミテルンディス!!」とか言ってはダメです。こちらから話しかけると好感度を下げるような選択肢しか出てきません(経験談)。

 

 

「アイツがお前に手を焼かせた男か?」

 

 

「あぁ。でも、坊やかと思ったら結構いい男じゃないか」

 

 

 ちょっと姐さん、何言ってるですか。ホモくんよりもいい男が隣にいるでしょ! 名瀬の兄貴も姐さんもこれからめちゃくちゃお世話になるのでその恩はたっぷり2期に出てくるペシャン公とケツアゴの首を持って返してあげましょう。あの2人いなきゃ死なないからねこの2人。

 

 

「おいおい、俺の前で口説かないでくれよ」

 

 

「ふふっ、冗談だよ。あんたよりいい男なんていやしないよ」

 

 

 んん……? 我は何を見せられているのだ……?

 まぁ、本編でも終始こんな感じなので気にはしませんが、とりあえず我が団長の所に案内してくれよォ、頼むよォ。

 

 

「あぁ、俺達も今から行くとこだったんだ。一緒にどうだ?」

 

 

 お願いします! センセンシャル! 

 ここで別行動を選択すると自分の脚での移動になるので少しだけ時間をロスします。名瀬の兄貴についていくと自動的にシーンが変わるのでタァイムを縮めたい人はこれ一択です。

 でも、ラフタやアジー、エーコなどのタービンズの面々との仲を深めたいなら押さないのもありです。ラフタとアジーは歳星に着くまでシミュレーター訓練で勝手に友好度とか上がるんですけどね。エーコは地球に降りるまで接点がないので、エーコ推しの方はここらで話しかけておくと後々美味い汁(意味深)が吸えます。

 

 

「マルバはウチの資源採掘衛星に放り込むことにした。今回かかった金はあいつの身体で返してもらうさ」

 

 

「そちらに預けた話です。お任せします」

 

 

 そんなこんなで会談? 交渉? おれよォ馬鹿だからよォ、わかんねぇけどよォ、これだけはわかるぜぇ? 名瀬兄貴のハーレムを見せつけられてる(憤怒) 名瀬兄貴はノンケだから仕方ないっすね。ウチにも男に好かれるノンケとしばらくしたら素人童貞になるノンケもいるんで、どっこいどっこいですね。

 

 

 ハーレムを持つノンケは心が広いので、マクマードさんとの交渉の場を設けてくれます。これで歳星行きが確定です。自分は別にここにいなくても交渉が進むのですが、モビルスーツハンガーにいてもグレイズ改を押し込んだことでおやっさんばりに文句を言われる可能性があるので逃げてきました。

 でも、あのグレイズはもう誰かに譲る予定なのでもう捨ててもいいっすよ(投げやり)。

 

 あ、そうだ(唐突)

 

 

「ん? どうした?」

 

 

 今までずっと黙ってたやつが急に話し出すと周囲の目が向く現象……あるあるだよね。ホモくんが話すと首を傾げられます。ここで1つイベントを潰しておきましょう。まぁ、ホモくんがシミュレーターで激しくしてる間にオルガとビスケットが済ませてくれるのですが、解放したいコマンドのためにもホモくんがやります。

 

 

「モビルスーツの売却? まぁ、できなくはねぇが……」

 

 

 名瀬さんがそう言うとホモくんに向けて大きく口を開けるオルガとビスケットがいますね。

 

 

「おい、あのグレイズ売る気なのか?」

 

 

 いや、アレは売らないっす。左手とコクピットのないグレイズとか他の戦利品売りましょうよ。ね、ね、ね? 火星の資金も底を尽きる頃ですよ? 

 

 

「いや、けどまだもう少し……」

 

 

 ねぇんだよ! (タロット) 運命の輪の逆位置……! 

 

 

 ───────誤算と出ました。

 

 

 

 まぁ、この後にイサリビに報告に戻った時に火星から連絡来るので、ビスケットォ! が僕の選択を賞賛する運命が見える見える……。

 

 

「へぇ、あんた面白いモン持ってるね」

 

 

 ありがとうございます。これこそ完全に誤算だったんですけどね。

 今となってはホモくんコレなしじゃ話せなくなってますね。つまりタロットは麻薬。

 

 

「なんだお前ら、そんなに金に困ってんのか?」

 

 

 僕は勝手にモビルスーツとか回収して売り捌いて新しいパーツが欲しいだけです。だから早く売却コマンド追加して♡

 ビスケットが頷くと、なんであの時に俺の話を受けなかったと名瀬の兄貴に聞かれますが、オルガはホモくんやユージン、お嬢様がいるので本編でのセリフを吐くのが難しいようです。では、こちらから代わりに代弁してやりましょう。

 

 

「離れられない? なんでだ?」

 

 

 なんでだろ〜なんでだろ〜鉄華団のなんでだろ〜! 

 と、ふざけるのはここまでにして真面目に答えましょう。俺たちの血が混ざって固まって鎖みたいに繋がって……そんでもって、ほらまぁ、あれだよ……。

 主が言葉にできない力説をゲームの選択肢を上手く選んで兄貴を説得していきます。

 

 

「……なんだそりゃ」

 

 

 言葉の割にはちょっと意外そうな顔してます。周りもホモくんが割と熱いこと言ってて呆然としてますね。まぁこれ全部団長が言ったことをクールに言ってるだけだからね。

 ただこの関係の答えを名瀬から貰うのではなく、こちらから言っておくと「ほう……」と名瀬さんの好感度が上がります。

 

 

「家族……アンタそんなふうに……」

 

 

 思ってないよ(真実は残酷である)。建前って知ってる?

 団長らが感動して好感度が上がってる隙に売却の話を進めましょう。金さえあればガンダムフレーム in 阿頼耶識パイロットにも優位が取れるんだよ! だから、あくしろよ(豹変)

 

 

「分かった。売りたい物のリストをまとめといてくれ」

 

 

 ヨシ! (現場猫)

 

 これで売却コマンドが追加されます。ここまで得た戦利品は全て鉄華団の持ち物として売られるので、ホモくんには何にもないです。けど、こっからはホモくんが手に入れたものは全部ホモくんの物です。当たり前だよなぁ? 

 ブルワーズやギャラルホルンとの戦いでたくさん回収して売り捌いて新しい武器や装甲を買いまくりましょう! 勝ったな! ガハハ! (フラグ)

 

 目的は果たしたので歳星に着くまでお姉様方と戯れてましょう。シミュレーター訓練で得られる経験値は非常に美味シー! ですし、タービンズの機体を扱う練習にもなります。

 さーて、お兄さん頑張っちゃうぞ〜! 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ###

 

 

 

 珍しくエーコ・タービンは怒っていた。

 それは自分の船が子供に制圧されたからとか、最近自分の夫が相手をしてくれないからとかそんなありきたりな理由では無い。

 

 戦闘から戻ってきた同僚達に会おうとモビルスーツハンガーに赴いてみれば一機見慣れない色をした機体が「ここを実家とする!」と言わんばかりに立っていたのだ。

 

 しかも、カラーリングも見慣れた暗めの緑ではなく、歳星でも見られるスズメバチのような色をしていた。まぁ、そのカラーリングセンスに関しては特に言うことはないが、どうしてここにいるのかという疑問が尽きない。

 ここでの整備を受けたいから? あっちに戻るのがめんどくさかったから? 考えても答えを持っているパイロットはここにはいない。機体がここにいる以上、待っていれば来るであろうがそれまでに納得できる答えを見つけておきたいという女心があった。

 

 そこでブリッジからこのグレイズと戦闘していた同僚のアジーなら知っているのではないかと尋ねてみたところ、彼女は「あぁ……」と口を開いた。

 

 

「あっちに戻るほどの燃料がないからってこっちに無理矢理来たんだよ」

 

 

「そんな理由!?」

 

 

 さほど距離もないのにねと苦笑したアジーに対して、エーコは驚きのあまり大声を上げてしまった。しかし、まぁ理由としては真っ当であり深く追求する気も起きない。

 

 

「まぁ、あたしと姐さんを相手にしたんだ。ガス欠になるのもわかるけどね」

 

 

「珍しいじゃん。アジーがよそのパイロット褒めるなんて」

 

 

「褒めてはないよ」

 

 

「でも、笑ってたよ?」

 

 

 言われてアジーは「そう?」と首を捻る。鏡がなければ自分の顔は見られないので、実際どうかわからないアジーにウンウンとエーコが頷く。

 

 

「……確かに腕はいいかもね」

 

 

 この辺のギャラルホルンの兵士なら、簡単に落とせていただろうが、あの男は自分の弾に当たることなく姐さんと自分をあしらってみせた。その事は評価に値する。

 

 

「なになに何の話ー?」

 

 

 そんな話をしていると百里のパイロット、ラフタ・フランクランドがこちらに近づいてきた。ラフタはバルバトスと接敵していたため、グレイズ改のパイロットに関しては知っていることは少ないものの、共有ライブラリーに上げられていた戦闘データには既に目を通していたので、エーコとアジーから話を聞くと「あー!」と声を上げた。

 

 

「確かにすごいよね。姐さんとアジーを相手取ってガス欠くらいで済むなんて……ん?」

 

 

「どうしたの?」

 

 

「いや、さっき整備班が言ってたけど、燃料結構余ってたみたいな話聞いたんだけど……」

 

 

「え?」

 

 

 ラフタの話に2人は首を傾げると、すぐさま近くに居合わせた整備班に話を聞いた。名瀬と鉄華団がこれから共に歳星に向かうという話が決まってすでに棒立ちしているグレイズも緊急事態に備えて応急処置などを施そうとしたが、弾薬と燃料の補充程度であまり手を出していないという話であった。

 

 

「その時推進剤ってどうだった?」

 

 

「半分くらい余ってたけど」

 

 

 ならば、どうしてここにいるのか。別にハンマーヘッドの格納庫にまだまだ空きがあるとはいえ、まだ頭領同士が盃を交わしあってもいないのに、嘘をついてまでここに余所者のモビルスーツがいるのはエーコにとっては腹に据えかねることであった。

 

 

「あ、来たよ」

 

 

 アジーが目を向ける先を見てみれば、アミダに連れられて紫色の髪を逆立てた男がおり、ラフタが「へー、結構イケメンじゃん」

 と関心しているとエーコは地面を蹴ってその男の元へと駆けていた。

 

 

「ちょっとキミいいかな?」

 

 

 そばにいるアミダや周りにいる整備班のことも考えて、なるべく優しく怒りを見せない声で男に話しかける。

 

 

「あ?」

 

 

「あれってキミのモビルスーツだよね? なんでこっちの船にいるのかな?」

 

 

「理由はさっき青いのに乗ってたヤツに言ったんだが」

 

 

「うん、聞いたよ。でも、推進剤は半分くらい残ってたって言ってたよ?」

 

 

 どうしてすぐにバレる嘘をつくのかな? とピリピリしているエーコの前に「まぁまぁ」とアミダが割ってはいる。

 

 

「あたし達とやり合って疲れてたから、早く降りたかったんだろうよ」

 

 

 ねぇ? と同意を求めるアミダに男は小さく頷く。それにエーコはまた異議を唱えようかと思ったが、アミダの手前もあるのでそれに関しては口を噤んだ。

 

 

「そう。それでここには何しに来たの?」

 

 

「シミュレーターがあるって聞いてな。借りに来た」

 

 

「それって白いのに乗ってた子も来るの?」

 

 

 青年にラフタが前のめりに訊くと無言で首肯する。

 

 

「よし、じゃあその子が来る前に私が相手してあげるよ」

 

 

「いや、先にあたしがやる」

 

 

「えー、アジーはさっきやってたじゃん」

 

 

「タイマンでやってみたいんだよ」

 

 

「なら、あたしも久しぶりにやろうか」

 

 

「姐さんも!?」

 

 

 と、シミュレーターの相手を決めるためにジャンケンをし始めた女3人を腕を組みながら眺めている青年を見やり、少し彼らのシミュレーター訓練の戦闘を見ていこうと思ったエーコはその場の壁にもたれかかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「何アイツ……やば……」

 

 

 すると、どうだろう。百錬についたシミュレーターで3連戦を行ったところ、アミダには1歩及ばず負けていたが。

 

 

「あーもう! なんなのよあいつ!」

 

 

「いつの間にか間合いに入られてるね。参ったよ」

 

 

「久しぶりに本気出しちまったよ」

 

 

 いけ好かない青年は初めての機体にも関わらず、それを感じさせない動きでラフタとアジーを倒し、タービンズのエースパイロットであるアミダには本気を引き出させるほどの力量を持っているときた。

 それに動きもトリッキーで、敵の意表を突くようなスタイルはまるで奇術師のようで観ていたエーコは魅了されてしまった。

 同時にグレイズも百錬も彼の戦闘スタイルに合っていないと、メカニックの観点からも理解出来た。もし、彼が最高のスペックを発揮出来る機体に乗れば、姐さんすら……と考えたところでラフタ達に囲まれて話す青年の声が聞こえてきた。

 

 

「そういえば名前言ってなかったよね。私はラフタ」

 

 

「アジーだ」

 

 

「アミダ・アルカ。あんたは?」

 

 

「……星原・モーリノ」

 

 

 これからよろしくねと手を出すラフタに青年は渋々といった感じに握る。パイロットとして心を通わせた3人と違って、ファーストコンタクトに難があった自分にはどうにも仲良く出来なさそうだと思ったエーコはその場を後にした。

 

 

 

 

 

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 はい、なぜかタービンズのパイロットと3連戦でしたが経験値が激ウマだったので全然OKです。対あり。GG。

 やっぱり本気になった姐さん強いっすね。そりゃ、ジュリエッタじゃ勝てねぇわけだわ。多分、阿頼耶識解放ミカでも手こずるんじゃないですかね? (大袈裟)

 

 

 初めてにしてはすごいとか褒められましたが、初めてではないんだよなぁ……。 百錬はオールラウンダーで近接も射撃もいい感じなんですが、二期よりルートによっては搭乗可能な辟邪の方が扱いやすいです。クセがあるから難しいって? そこがいいんですよ。そこが。

 まぁ、テイワズ製の機体はモーションの挙動がバグかな? ってレベルでやばい時あるんで初心者さんはギャラルホルン製モビルスーツを勧めておきます。ガンダムフレームは個性が様々なので…………その目で確かめろ! 

 

 

 とりあえず意図しないうちにテイワズの女性陣との友好度が上がりました。エーコは残念ながら下がってしまいましたが、テイワズの整備長と仲良くなればいいだけなので問題ないです。

 

 そういえば、タービンズのメインキャラでちゃんとタービン姓名乗ってるのエーコだけなんすよね。

 そういうこともあってか、エーコは恋人には出来ません。できなくはないですがNTRは趣味じゃないので……。どうしてもタービンズの女の子と付き合いたいなら、難易度の低いアジーにしておきましょう。

 タービン姓を名乗っていないのと、恋にウブなこともあってこちらからグイグイいくと思ったよりも早く恋人になれます。ですが、今回の目的は主要メンバーの生存で、【新たな生命の誕生】のトロフィーは必要ないので無視します。

 なお、アミダは言わなくても分かりますが、ラフタは他にくっつくべき相手がいるので……。

 

 

 メカニックの友好度上げとけばメカニックにしかできない開発コマンドが使えるようになりますが、整備長だと歳星でしか出来ないというデメリットがあります。エーコなら地球降下後からモビルアーマー戦までいるのでその間はやりたい放題です(言い方)

 けど、やっぱりどうしても資金がいるのでネオジオング級の機体作るなら二期終盤まで機体の強化とかはしない方がいいですよ(1敗)

 

 

 さて、シミュレーターで時間を潰してる間に簡単チャートの説明をしておきましょう。まずは主人公を男でヤングな大人にしましょう。これで能力レベリングの手間が省けます。だいたい20~35がオススメです。ちなみに35だと高確率でガラン・モッサもびっくりな戦闘狂が出来ます。お前はどこの藤原啓治だ。

 

 メカニックでもパイロットでも、あとでジョブチェンジできるので初めの役職は気にしなくていいです。容姿は特にいじらなくていいです。デフォルトでもランダムでも、ビスケットやオルガ達を生存させるにはプレイングがあれば十分です。

 ただリア充したいなら普通より少し上にしておくと、タービンズの女の子かギャラルホルンの兵士が釣れます。前者はエーコなどの名ありキャラなこともあれば、ゲームオリジナルキャラなこともあります。ギャラルホルンはルートによっては、ジュリエッタやカルタ、赤髪整備長と恋仲になれますが、ハードモードなのでオススメはしません。こちらもオリジナルキャラで我慢しましょう。

 簡単チャートではホモ(独り身)のままいくので関係ないですけどね! 

 

 次にギャラルホルンとの戦闘では機関室に逃げましょう。初めは自分の生存だけを考えてればいいです。最初の戦いで団長やビスケット、三日月などの主要メンバーが死ぬことはありません。これは一軍も同様です。

 

 まぁ、一軍はこの後死ぬんですけどね! 

 自分の部屋にいるとパンパン! される危険性がないことも無いので、おやっさんのいる倉庫などにいてやり過ごしましょう。

 今回のように初期から友好度が高いと殺されはしませんが、35歳は5回中2回くらい殺されてます。

 

 

 クランク二ーをパンパンパンしてもらったら、グレイズを貰いましょう。機体が無い場合、宇宙に出てからはプレイヤーが出撃しない戦闘ではミカとか昭弘を操作することになって、主人公には何の利益もないからです。

 タイムを縮めるなら自分でやった方が早いです。

 

 アインくんやガリガリ戦は武器などを奪えたら奪うってくらいでいいです。最悪殺してもいいですが、一期のボスが変更されて挙動が読めなくなったりすると面倒なので、なるべく殺さないようにチマチマやりましょう。

 殺しちゃった場合はミカと協力してバエルマンも殺しましょう。お前さえ居なければ!! 

 

 

 説明してる間に、アジーとラフタを、昭弘を2回。ミカを1回倒しました。ミカとのシミュレーター戦闘で得られる経験値は本調子ではないからか少ないので、昭弘かタービンズのメンバーとやり合うようにしましょう。

 

 

 さて、タービンズ戦は前回と今回で紹介したので省略しますね。で、こっからなんですけど……

 

 

『歳星を捉えました!』

 

 

 おっと、ここで着いたみたいです。説明も途中ですがキリもいいですし、このくらいにしておいてやるよ。

 

 ご視聴ありがとうございました。

 




倒した(ノーダメ、最速ではない)


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歳星

やっぱりこのRTA進むの遅くない?(困惑) 比較対象がないからギャラルホルンルート開拓しましょうねぇ〜。


 木星圏でおじいちゃんとしこたまさかりあうRTA、はじまるよ〜

 

 

 

 シミュレーター訓練も終わってキマリスくらいならグレイズ改でも倒せる程度には強くなりました。強くなりすぎじゃない? 

 ステ振りをしていませんが、現状一期だとアミダと阿頼耶識ミカと阿頼耶識アイン! 以外には勝てるようになりました。阿頼耶識もないのにアミダさん強くない……? 人間か? 

 

 マッキーとは戦う予定はないので含めてはいませんが、グリムゲルデなら多分勝てるんじゃないですかね(鼻ほじ)。

 そういうわけ(どういうわけだってばよ)で、交渉が終わるまで自由行動です。歳星でやっと回復アイテムやスタミナ補給のアイテムが買えるので、さっさとうろつきましょう。資金がなくて買えなくてもマッピングしたいので行きましょう。

 ブリッジから出ようとしたところで、団長に声をかけられました。お小遣いをくれるんでしょうか。

 

 

「悪いがクーデリアの護衛だ。アンタにも来てもらうぜ」

 

 

 そんなこと無かったぜ!

 チッキショーーーッ!!!! 

 友好度とステータスが高いとランダムで発生します。おかげで自由行動はドルトにつくまで無理になりました。チャートの変更はありませんが、単純にムカつきます。悪いと思ってんなら呼ぶなよコノヤロウ! 

 

 

 

 

 

 画面がブラックアウトして皆で仲良くマクマードさんのところへ向かいます。歳星、いい星だ。まるでピクニックに来た気分だ。

 名瀬さんの後ろに続いて、オルガやビスケット達と共にマクマードの屋敷に入ります。てか、三日月いるならホモくんいらなくない? 対人戦ならミカの方がまだまだ強いはずなんですよね……。

 それにしてもーすっごいでっかい門……え、マクマードさんこんなにでかいの……? (困惑)

 

 

 

 

 

 

 

「おう、来たか名瀬」

 

 

 何だこのオッサン!? ……なんてな。

 

 はい、言わなくても分かりますね。テイワズのボス、マクマード・バリストンさんです。名瀬やジャスレイ・ドノミチコロスの養父ですね。

 今回はこの人の面前でタービンズと鉄華団が義兄弟の契りを交わすことの承諾と、クーデリアの進める火星のハーフメタル利権の交渉ですね。相変わらずですが、ホモくんにやることはありません。

(団長が気にするようなヒットマンの襲撃とかは)ないです。他人の心配より自分の心配してください。

 

 

「オヤジ、俺はコイツらと義兄弟の盃を交わしたいと思ってる」

 

 

「ほう」

 

 

 そう言って、鉄華団の面々をチラチラ見てくるマクマード(ガン見)。やっぱりノンケの名瀬ニキが男に興味を持ったことに興味を持ってるようです。新しいホモの目覚めかな? 

 名瀬ニキは本編通り鉄華団を気に入っており、五分の関係。つまりはどっちが上もない関係でいたいと話しますが、マクマードは僅かに眉を顰めます。

 

 

「お前が良くても周りが許さんだろう。せめて4分6にしておけ」

 

 

 それでもケツアゴが許さないだろうから33-4にしておきましょうよ。あ、ダメっすか。

 とりあえず、鉄華団がタービンズと盃を交わすことは決定しました。クリームたっぷりのカンノーリを頂くためにさっさと退出しましょう。

 

 

「アンタは護衛だろ。ミカと2人で残ってくれ」

 

 

 は? カンノーリは? アレ食べるとストレス値減るんですけど? まぁ食べなくても夜にある大人向けの乾杯の際に減るんですが。それまで歳星の街の中の散策しに行きたいんですよね。

 金さえあればいくらでも遊べるんですけどね〜(所持金ゼロ)

 

 

「あんたがクーデリア・藍那・バーンスタインか。時の人と会えるとは光栄だ」

 

 

「時の人だなんて……そんな……」

 

 

 こっからホモくんは本格的に空気です。ミカニキは話を振られますが、ホモくんはなんもないです。カスですゴミです生きてる価値のないちんちくりんです。ほんと生きててキモティカ? 

 

 

 ホモくんが暇そうに突っ立ってるとハーフメタル利権の話になって、クーデリアがミカに視線で助けを求めます。これはお前の最期を決めるような決断だからお前が決めろ的なことをミカが言うと、おじさんが興味を持ってくれます。多分マクマードさん若い男の子が好きなんすね〜。ショタコンかよォ! (違う)

 

 

 お嬢様が答えを出すのが翌日なので、この場を去ります。出やすいようにホモくんが先導して消えてやりましょう。

 

 

「おい、そこの紫の兄ちゃん」

 

 

 あれ? ミカニキじゃない? これホモくんへのアクションなので振り向くくらいの反応はしましょう。

 

 

「てめぇがアミダやアジーを足止めしたっていうパイロットで合ってるか?」

 

 

「うん、そうだよ」

 

 

 なんでミカが答えるんですかね。いや選択肢押さなくていいから助かる。

 

 

「そうか。 いや、なに声をかけたのはちょっと面白い話を聞いてな。男にしては変わった特技があるらしいな」

 

 

 あータロットのことですかね。ここは頷いておきましょう。特技というかスキルなんですが、あります。

 

 

「ほう。じゃあ、聞きてぇことがあってな。なに、タダで占えとは言わねぇよ」

 

 

 おっ、これは美味しそうな話です。ヤバいですね!

 利益しかなさそうなので、占ってあげましょう。

 

 

「ありがてぇ。……まぁ、聞きてぇことって言っても大したことはねぇ。普通に占ってくれや」

 

 

 選択肢が3つ出てきました。おそらくこれでマクマードさんの占って欲しい内容を決めれるっぽいですね。

 1つは鉄華団とタービンズの義兄弟の契りについて。2つ目がテイワズがハーフメタル利権を得ること。3つ目がテイワズのことと、最後だけ抽象的ですね。1つ目2つ目に関しては現在の状況から考えると特に問題なさそうなので、ここは3つ目にしておきましょう。

 

 

「おぉ、なんだ占い師ってのはこっちの考えてることまでわかるのか? あぁ、そうだ。今んとこウチは将来も安泰なんだが、いつ何が起こるか分からねぇご時世だからな。テイワズのこれからってのをおめぇに見て欲しい」

 

 

 よし来た! 任せろぉ!

 運命のドロー! モンスターカード、月の正位置を墓地へ! 

 

 

「月とは聞こえがいいカードじゃねぇか」

 

 

 お、そうだな(適当) ミカニキもクーデリアさんもどういう暗示か気になってるみたいだから早く言ってほらほら。

 

 

 

 

 近いうちかは分からないが家庭の裏切りに予期せぬ危険?

 

 

 

 

 

 全部ジャスレイのことやないか!! 

 

 

 

 

 

 

 

「ほう……。まぁ、組織がこれだけでかくなりゃそういうこともあるかもってことか……。ありがとよ、参考にさせてもらおう」

 

 

 顎を擦りながら頷くマクマードさん。どうやら家族に不届き者が出ると聞いても心象は悪くないようです。

 

 

「……で、占い料だったな。お前らモビルスーツ乗りのやつだな?」

 

 

 問いかけられてミカがこちらに目を合わせてきます。共に頷くとマクマードの旦那が笑います。君の、名前はぁぁぁぁぁぁぁ! と訊かれるので名乗っておきましょう。そこからは原作通りのセリフです。

 

 

「三日月。お前のモビルスーツをウチで見てやろう。ウチの職人は腕がいいぞ」

 

 

「は?」

 

 

「取って食ったりしねぇよ。じじいの気まぐれだ」

 

 

 そうやって朗らかに笑う顔はとてもじゃないけどヤクザのボスには見えませんねぇ……。あれ? 俺は? と困り果ててるとマクマードの目がこちらに向きます。

 

 

「お前さんの方は名瀬の方から打診があってな。お前専用のモビルスーツを用意してやる。詳しいことはウチの整備長かエーコってのに聞くんだな」

 

 

 あ、これは! (突然の閃き)

 マクマードやバエルマン、肉おじに気に入られると低確率で発生するモビルスーツ譲渡イベントですね。

 あからさまに喜ぶと気分屋のホモたちは手のひらクルックルッするので無言で唖然としておきましょう。

 

 

「料金にしては高いってか? 気にすんな。ウチでも持て余してるのがあってな。名瀬に話してみたら、お前さんなら操れるんじゃないかって言われてな」

 

 

 文脈からしてテイワズの機体ではなさそうですね。おそらく、売却品かどっかの回収物の中にモビルスーツがあったんでしょうか。まぁ、貰えるなら病気と怪我以外は貰っておきましょう。

 承諾すると一旦、クーデリアをイサリビに返してミカと共にテイワズのモビルスーツ格納庫に行きましょう。

 ホモくんの愛機がどんなものなのか楽しみですね……。できれば機動性のあるヴァルキュリアフレームがいいんですけどね。ヘキサやロディも悪くは無いんですが……ビスケット救出するには足が速い方がいいので……。

 

(ガンダムフレームは)ないです。このゲームには書き下ろしで72機のガンダムフレーム全てが搭載されていますが、入手条件が複雑過ぎて未だにwikiでも発見できてない機体があるくらいです。そんなのが、こんなガバガバ運要素たっぷりな条件で出てくるわけないです。

 

 

「ホシの機体、どんなのか楽しみだね」

 

 

 ホモくんよりもワクワクしてるミカニキ可愛いけど、どうせろくなもんでもないから…………。きっとロディフレームってオチだぜこれ。

 

 

 

「おう、来たか2人とも」

 

 

 モビルスーツ格納庫に行くと既にバルバトスがバラされてフレーム剥き出しになっています。おやっさんが気さくに声をかけてきて、更にはその場に居合わせたタカキとヤマギも寄ってきます。

 

 

「うわ、なにこれ」

 

 

「俺が来た時にはこの有様だ」

 

 

 妙にテンションの高い整備長を見ながらミカが呟くとおやっさんが困ったように頭を掻きます。

 バルバトスのオーバーホールが終わるまではここに泊まり込みになり、その後はバルバトスが厄災戦時のスペックに戻ってめちゃくちゃ強くなります。おまけにおやっさんとヤマギもここで職人のモビルスーツの修理や整備を間近で見ることでメカニックレベルが上がるのでホモくんの器用度を上げるためにも、こちらにいましょう。

 

 

「はいはい、キミはこっち」

 

 

 あ、おい待てい(江戸っ子)。

 俺にはこれから鉄華団の白い悪魔の誕生を目にしなければいけないんだが……。

 

 

「自己紹介してなかったよね。私はエーコ・タービン。よろしくね占い師くん」

 

 

 あ、はい……(コミュ症)。あのボクパイロットであって占い師ではないんですが……。知らないですかそうですか。

 ホモくんのタロットカードのせいでなんか根も葉もない噂が広がってますねクォレワァ……。まぁ、自業自得ですし、名前で呼ばれないのは友好度が低い証です。

 ここは整備長に媚売っておきましょう。

 

 

 

「それで君の機体なんだけど……」

 

 

 

 おう、あくしろよ。もう待てねぇぞおい(ホモはせっかち)。

 一体どんな機体なんでしょうか。機動力あって武器が殺意の塊みたいな鈍器なら嬉しいんですが……。

 

 

「整備長ー!」

 

 

「お、待ってたぞ! 君が占い師くんか!」

 

 

 だから違うんだよなぁ……。まぁいいや(投げやり)。

 ホモくんの名前はいいから、あく見せろよ。タブレット持ってんのか。

 

 

「昨日採掘資源衛星から出てきてね。調べてくれって言われたんだけど、どうにも古い機体みたいでね……」

 

 

 そう言われて、画面が移り変わったその先にいたのは───────。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ###

 

 

 

 テイワズの格納庫の奥にて、多くの整備員に囲まれて土埃を被り、見たことも無いモビルスーツが光の灯っていない瞳で整備長や星原、エーコを見下ろしていた。

 そのモビルスーツの姿に星原は思わず目を見開いた。外装の形状はやや違うも、腕の関節や肩のシリンダー、装甲の下に垣間見えるフレームは自分の所属する鉄華団の保有するモビルスーツの一機にとても酷似していたからだ。

 

 

「照合結果が出たよ! ASW-G-18……機体名はガンダム・バティン!」

 

 

 やはりこの機体もガンダムフレームか! と興奮を露わにする整備長とは違い、星原は静かにバティンと目を合わせて見つめあっていた。

 

 

「すごいよこの機体は! 300年前の厄災戦を終わらせたバルバトスと同じガンダムフレーム! しかも破損箇所も少なくて老朽もしてない! 武装も装甲もほとんど当時のままだ! これは貴重なものだよ!」

 

 

 大声で早口に語る整備長に釣られて、バルバトスを眺めていた雪之丞や三日月もこちらにやってきた。

 

 

「なんかバルバトスとは雰囲気違うね」

 

 

「おぉ、こいつは中々に禍々しいな」

 

 

 雪之丞の言う通り、白がメインカラーのバルバトスとは違い、バティンは黒く尖ったシルエットをしており、まさに悪魔の名に相応しい見てくれをしていた。

 エッジの効いたツノに血涙を流してるような赤い目元、禍々しくも鋭く伸びた各部アーマーや金色の流線形の肩よりも目を引くのは、バルバトスには無い青と紫が入ったトゲトゲした悪魔らしい翼であろう。

 公爵の位にあり、ルシファーの側近であったという言い伝えのあるバティンをモビルスーツに憑依させたかのようなデザインに見る一同に高揚と同時に、どこか不気味さを感じさせた。

 

 

「ヒッ……!」

 

 

 ふと、エーコがパイロットになる星原を見てみるとその口元は機体のように禍々しく笑っており、彼女から小さな悲鳴を引き出した。

 

 

「どうだい? ボスからはこれを君の要望通りに改造してくれと頼まれてるんだけど」

 

 

「あぁ、頼む」

 

 

 整備長が話を振ると、星原はその笑みを崩さぬまま頷き、誰にも聞こえないような小さな声で呟いた。

 

 

「コイツは俺のモンだ……!」

 

 

 

 星原が悪魔に魅入られた愚かな人間に成り下がるか、それとも悪魔と契約し己が野望を果たすかはまだ誰にも分からない。

 けれど、この場でただ1人、新たな力を手に入れたと喜ぶ鉄華団の面々とは違って、先程の呟きが耳に届いていたエーコ・タービンだけには星原・モーリノという男に対して言葉にできない感情が湧き上がっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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 なんと、ホモくんの愛機はガンダムフレームでした。アイエエエナンデ!? ガンダムナンデ!? 

 予想外にも程があんだろ! こっちはガンダムフレーム出ないと思って阿頼耶識のつけれない大人なんだぞ! しかも本気のチャートじゃなくて簡単チャートで来るんじゃねぇよ! 

 

 

 ……取り乱しました。少し落ち着きましょう。

 まぁ、阿頼耶識がなくてもガンダムフレームという機体のアドバンテージは大きいです。

 単純な機体スペックの高さに加えて、機体によってはフラウロスのような唯一無二の専用機構があったりします。

 バティンにも何かしらの能力があるのでしょう。例えばコレを見たやつは全員死んじまうとか。

 って、それだとここにいるやつ全員死ぬやん!? ……ウーン(絶命)

 

 

「とりあえず、起動テストからやっちゃおうか」

 

 

 ウッスウッス、オッケーっす! 

 パッパッとやって終わり! まぁ、コクピット周りの改造とホモくんに合わせたチューンナップをしたらすぐ終わるでしょ! 

 

 

「じゃあ、エーコちゃん。よろしくね」

 

 

「えっ、あっ、はい」

 

 

 なんだそのコミュ症みたいな反応は!? そんなにホモくんのこと嫌いか!?

 って、なんでかは分かりませんがさっきより好感度が落ちてませんかね? しかもストレス値も上がってる……。あっ、ふーん……(察し)

 

 まぁ、どんなに嫌いでもしっかりと仕事はしてくれるでしょう。予定外ではありますが、ガンダムフレームは美味すぎるのでこのまま続行します。

 阿頼耶識パイロットとの差もレベリングやステ振り、最悪ハシュマル戦でカバーできますしね。

 整備長がバルバトスの方へと向かって、ホモくんがエーコちゃんと2人きりになりました。けれど、好感度が低いのとホモくんがホモなこともあって会話がありません。高校の主かな? 

 

 

「……ねぇ、さっき笑ってたよね?」

 

 

 笑うしかねぇよ! 資源衛星採掘現場の従業員の頑張りすぎだ! 

 だって、今作においてRTAするならガンダムフレーム、ダインスレイブ、モビルアーマーの三冠王のうちの1つをゲットしたんやぞ!? 

 これが笑わずにいられるかよ! 

 

 

 と、普段クールに決めてるホモくんが情熱には語れなかったので、「欲しかったんだよねガンダムフレーム」(ニチャァ)と言わせておきましょう。

 

 

「……なんで?」

 

 

 えっ……それは……言わなくても分かるダロロォ!? (半ギレ)

 エーコちゃんからすればガンダムフレームがなくてもあんなに強い(当社比)のに、どうして力を欲するのかとかそんな感じですかね。

 まぁ、グレイズフレームでもヴァルキュリアフレームでも良かったんですけどぉ……男の子に必要なのは金! 暴力! ガンダムフレーム! の3つですからね。そうとしか言えない……。

 とりあえず、力が欲しかったから的なことを言っておくとエーコちゃんの言葉を遮るようにしてバティンのカメラアイが緑色に光りました。

 

 

「はいこれ、武装のデータ」

 

 

 渡されたデータをすかさずスクショ(パシャ)。

 ふむふむ、主武装は大鎌に腕部搭載型機関砲だけっぽいですね。二期の改修後ガンダムフレーム見た後だとなんか足んねぇよな? けど、モビルアーマー倒すための兵器ならこんなもんでしょう。

 膝からドリルとかテールブレードはありませんが、それは開発とか進めて強化していきますよー。

 

 

「修理と調整はこっちでやっとくから、一旦イサリビの方に戻っても大丈夫だよ」

 

 

 は? 俺も作業するんだよ! と思いましたが、資金もないのでパーツの追加などはできません。それに色も黒と僕の好きな色ですし、特にいじるとこもないですね。機動力も申し分ないし……。

 そういえば、特殊機構とかあるんですかね。できればフラウロスみたいなやつじゃなくて使いやすいのがいいんですが……。

 まぁ、それはまた戦闘前に確認するとしましょう。

 

 

 ひとまず、エーコちゃんの言う通りにイサリビに戻ろうとすると、オルガから歳星のお店に招集がかかります。オルガが調子乗って嘔吐する展開ですね。

 鉄血世界の成人の基準がわかりませんが、オルガ達が飲んでるのでホモくんが飲んでも全く問題なんて何も無いよ。(お酒)けっこーけっこーいけるもんね?

 

 

 

 知wらwなwいwよw

 

 

 

 アルコール耐性はキャラのステータス関係なくランダムなので、1杯目で泥酔とかされても困るのでジンジャエールでも飲んでおきましょう。

 

 

 

「おいおいあんた酒飲めねぇのか?」

 

 

 おっと、これみよがしにユージンがアルコールマウントを取ってきました。この後風俗に連れてかれる男は違いますね。

 明日のタービンズとの盃を考えて控えていると話しておけば、周りも納得するので1人すみっコで飲んでいましょう。

 

 

「まぁ……確かにアンタの言う通りだな」

 

 

 すると、近くで聞いていた団長が1杯目をイッキ飲みするだけに留めました。これで団長がゲロ吐くイベントは無くなりました。

 そんなイベントいらないから(良心)

 

 

「それでアンタ用のモビルスーツどうだったんだ?」

 

 

 あれは悪魔だ……(正論)

 デザインもドンピシャで言うことないですね。これでダインスレイブ反射装置とかついてれば肉おじに対策無しで完封できるんですが。

 

 

「そうか。ミカと2人で頼むぜ」

 

 

 2人? いやいや、今後のことも考えたら1人足んねぇよなぁ!? 

 

 

「ん? 昭弘にグレイズを……?」

 

 

 ガンダムフレーム2機いてもギャラルホルンの物量半端ないって! なんであんな量おるん!? 作れるんやったら言うといてやもー! 

 いや割とマジでデモの鎮圧だけにしては過剰戦力だと思うんですよね。殺しても殺しても出てくるとかゴキブリかよ。

 

 

「俺からも頼みたい」

 

 

「昭弘」

 

 

「俺も……家族を守る力が欲しいんだ」

 

 

 乗りたきゃ乗らせてやるよ……。2回くらい乗ったらシノのモンになるけどな……(原作知識)。

 昭弘は過去のトラウマとかで、家族を守ることに執着的になるのと、ミカやホモくんに競争心を持ってるので勝手に強くなってくれるのでシノよりも早くモビルスーツに慣れさせておきましょう。

 シミュレーターもこなしているので、即戦力になることは保証しよう。

 

 

「わかった」

 

 

 オルガの了承ももらったのでこれでOKです。能天気ピンクが「でけぇ乳ぶら下げてんのによ!」とかノンケ発言をしてますが、お前ブルワーズで仲間が死んでから鍛えてもアインくんに負けるくらいつっかえだからあく危機感持て。

 まぁ、ガンダムフレームを手に入れた以上は誰も死なせないので……(ホモくんが死なないとは言ってない)。

 

 

 団長の嘔吐イベがなくなるのでメリビットさんとのファーストコンタクトがなくなりますが、特に問題ないのでスルーです。

 あとは家族の晴れ舞台を見て宇宙に上がりましょう。

 

 

 今回はここ───────ん? どうした整備長? イサリビまで来て。まさか、俺と結婚するのか……? (唐突)

 

 

「あぁ、バティンの最終調整済んでないからエーコちゃんと残ってね」

 

 

 ───────ええぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!? 

(ご視聴ありがとうございました)

 

 




完結させたらギャラルホルンルートも書きてぇなぁ……(届かぬ祈り)


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ブルワーズ戦①

ホモくんとエーコちゃんのフラグがビンビン? うるさいですね……!


「行っちまったな……」

 

 

「うん」

 

 

 鉄華団とタービンズが晴れて義兄弟の盃を交わして、イサリビとハンマーヘッドは商業コロニー群であるドルトをめざして出航した。

 だが、バルバトスの調整が残っている三日月と雪之丞はあとから追いかける形となった。

 

 

「寂しいか?」

 

 

「うん」

 

 

 雪之丞の問いかけに即答した三日月に、めちゃくちゃ強いって言ってもまだガキだしなと思った雪之丞だったが「でも」と三日月がまた口を開いた。

 

 

「ホシもいるし、帰ったらまた会えるから、平気だよ」

 

 

 そう言って後ろを振り向けば、バティンの最終調整のために居残りを宣告された星原とエーコ・タービンが何やら話しながらこちらへ歩いてきていた。

 

 

「だから、大丈夫だって。ちゃんとキミに合わせた調整はしといたから」

 

 

「何勝手なこと言ってやがる。俺の機体なんだから俺がやるって言っているだろ」

 

 

「それはもう済んだんだって! 今から行けばクタン使わなくてもみんなに追いつけるんだから」

 

 

「じゃあ、お前だけ先に行けばいいだろう。俺はまだ残る」

 

 

「もうわがまま言わないでよ! 大人でしょ!」

 

 

 どうやらバティンの最終調整は終わったようだが、調整の仕上がりに星原から文句があるらしく、それで揉めている様子なのは雪之丞には分かったが、三日月は首を傾げた。

 

 

「どうしたの?」

 

 

「どうしたもこうしたもない。俺のバティンの調整をコイツが勝手にしやがったんだ」

 

 

「勝手にって、メカニックでもないキミには出来ないでしょ?」

 

 

「ふん、俺を舐めるなよ。それくらい2日もあれば十分だ」

 

 

「それじゃあクタン使わなきゃ無理になるって言ってるの!」

 

 

「だから、お前だけ輸送機か何か使って行けばいいって言ってるだろ!」

 

 

 ぐぬぬと啀み合う2人であるが、不思議と三日月も雪之丞も2人を止める気にはなれなかった。続く彼らの言い合いを聞いていると、奥から顔を出した整備長に三日月が呼び出される。それに続くように雪之丞が1歩進んだ際に星原に声をかけた。

 

 

「挙動が気になったら俺がイサリビでなんとかしてやっから、おめぇは嬢ちゃんと早く行ってきな」

 

 

「……ちっ」

 

 

 心底嫌そうに舌打ちした星原に「こっちもしたいくらいだよ……」と項垂れるエーコに雪之丞は苦笑しながら三日月の後を追ってモビルスーツ格納庫へと姿を消す。

 

 

「確かにここでお前と言い合っていても時間の無駄か……」

 

 

 そう呟いた星原は踵を返して更衣室でパイロットスーツに着替える。

 その後、モビルスーツ格納庫へと戻り、調整を終えたばかりのバティンに乗り込もうとする。

 

 

「ちょっと待ってー!」

 

 

「あ?」

 

 

 今度はなんだと怪訝に顔を出した星原は目の前に現れたエーコの格好を見て、より顔を顰める。

 

 

「まさかお前……」

 

 

「うん、乗っけて」

 

 

 そのためにちょっと広くしたんだからとパイロットスーツに着替えたエーコが補助席を展開して星原の横に腰掛ける。

 何食わぬ顔で座るエーコに対して星原も何か口にしようとしたが、言ったところで時間の無駄だなと考えると「しっかり掴まってろよ」とヘルメットのフェイスカバーをかけた。

 

 

 

 

 

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 バティンの恐ろしさを教えてやるRTA、は、じ、ま、る、よ〜! 

 

 

 前回は鉄華団とタービンズがズッホモ協定を結んでオヤジの前で盛りあったところで終わりました。

 そっからはバティンの調整のために居残りだったんですが……なぁにこれ? 

 ホモくんの知らない間に機体調整が行われてしまいました。パッと見変わってないけど、脚がハイヒールになってるんだけど?

 何勝手にやってくれちゃってんの? まぁ元は華のガンダムフレームですし、エーコちゃんが手を加えたのなら間違いはないでしょう。

 好感度が低いのをいいことに声だけ迫真でキレておきましょう。そしたら、次回おやっさんの改造がタダで出来ます。勲章ものですよこれは……(ゲス顔)

 

 

 さて、イサリビとハンマーヘッドに追いつくシーンは早送りです。見ててもおそらく、エーコちゃんからバティンの機体説明をされます。別画面で把握済みなので、読み飛ばしていきます。

 イサリビに到着したらすぐに出撃の用意をしましょう。哨戒に出た昭弘とタカキきゅんがボコられそうになる頃です。

 バティンの調整が詰まっていたおかげでミカニキがオールフェーン! でやってくるのが遅くなるのでホモくん自ら足を運ぶためにもエーコちゃん降ろしたら、スタートユアエンジン! しましょう。振り切るぜ! 

 

 

「ちょ、ちょっと、推進剤は!?」

 

 

 俺に質問するな……! んなのなくてもエイハブリアクターでどうにかなんだよ! (ならない)

 推進剤が切れても、あとからやってくるおやっさんのクタンかラフタの百里をタクシー代わりに帰還できるので補給なしでいきましょう。最悪補給してる間にタカキが死にます。

 

 

「は、離れてろって……えぇ〜〜! もうなんなのキミ!」

 

 

 通りすがりのホモだ! 覚えておけ! カメンライドォン……!! ホホホホモ!!! 

 これでまたエーコちゃんの好感度が下がってストレス値が上がったので、もう彼女の攻略は無理です。する気もなかったですけど完璧に脈ナシになると心に来ますよこれは……(血涙)。さよならエーコ……多分、初恋だった(優しい嘘)。

 

 

 この怒り誰にぶつけようか……。あ、そうだ(唐突)。この先にぃ、やたら硬いモビルスーツわんさかいるらしいっすよ。じゃけん、切り刻んでやりましょうね〜。

 

 

 ついでにこのモビルスーツの特殊能力を使ってボコボコにぶちのめしてやります! オルガからの通信です。出前館はやってないよ! 

 

 

 

『アンタ何やってんだ! 今すぐ戻れ!』

 

 

 ハァ、ハァ、ハァ……敗北者? (言われてない)

 戻れと言われたらついラップを刻みそうになりました。個人的に戻れといえば、Wii版ポケトレのモドレ!! なんですけどね(隙あらば自分語り)。

 ここはタロットカードオープン! 塔の逆位置! 家族の窮地だ! 三日月だけにいい格好はさせませんよ! 

 

 

『……わかった! 昭弘達にも連絡をいれて───』

 

 

『大変だ、団長! 』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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 周りが和気あいあいとしていた。

 周り、って言ってもほんの僅かでそいつらが持つタブレットにはそいつらの家族からのメッセージが届いていたらしい。

 

 

 家族。俺が守りたくて守れなかったもの。

 俺が弱くてガキだったから、親は殺されて、俺はヒューマンデブリになって、弟は……。

 

 

 強くならなきゃ。そう思った。

 自分だけでも守れるようにと。CGSのやつらは大人を除けばいいやつばかりだ。けれど、明日も隣で笑ってるこいつらが一緒にいるかは分からない。

 ただの同僚を守るだけの余裕は俺にはなかった。

 

 

 けれど、そんな俺にも家族が出来た。鉄華団というオルガ・イツカが、みんなが俺を家族だと迎えてくれたんだ。

 嬉しかった。まだ俺にもこんな心があったんだとじんわりと胸が熱くなった。学もねぇから、この気持ちを表わす言葉が思いつかなかった。

 でも、嬉しい。この言葉がシンプルでわかりやすいと思った。

 

 

 そして、俺は家族を守るための力を受け継いだ。脳筋でもせいぜい上手く使えよとか、また嫌味なことを言われたが、最近アイツの考えてることが少しわかってきた。

 アイツは俺を奮い立たせたいのだ。過去の境遇は誰にも話してないはずだが、どうしてかアイツには見透かされてる気がする。

 多分あいつはこう言いたいんだろう。何もしなければまた失うぞ、と。

 

 アイツとシミュレーターでやりあって、盗めるとこは全部盗んだ。そうしてモビルスーツを託されて、哨戒任務に出た。

 妹からのメッセージを受けて張り切ってるタカキと一緒に。

 

 お互いに舞い上がっていたんだろう。

 

 

「タカキ! 掴まってろ!」

 

 

『は、はい!』

 

 

 前方からやって来たモビルスーツの発見が遅れて、旋回して全速力でイサリビを目指す。俺一人なら何とかなるかもしれない。けど、今はタカキがいる。モビルワーカーじゃ、あの分厚い装甲のモビルスーツは倒せない。

 三日月もアイツもいない以上、俺がみんなを守らなきゃなんねぇ。

 

 

『逃がすわけ……ないのよ!』

 

 

 毒蛇のような男の声が耳障りにも俺たちの通信に割り込んできた。反応が増えて、さらに3機モビルスーツが増えた。そのうちの1機は他の奴と同じく分厚い緑色の装甲をしていたが、一回り大きく背中にはモビルスーツを一撃で潰せそうなハンマーを背負っていた。

 

 

「くそっ……!」

 

 

 本能的にまずいと悟った。アレには勝てない。アイツから譲り受けたランスユニットでもマシンガンでもあの装甲はぶちぬけない。

 

 

『あ、昭弘さん!』

 

 

「!?」

 

 

 そして、とうとう先行して回り込んできたモビルスーツが俺とタカキに向かって手に持った剣を振り下ろそうとしたその時、俺は目を閉じてしまった。

 

 

 まただ、また何も守れなかった……! 

 

 

 

 

 そう思ったその時だった。

 

 

 

『あ、昭弘さん!』

 

 

「…………なん、で」

 

 

 

 まだタカキの声が聞こえる。目を開ければ、俺たちの目の前にいたモビルスーツは上半身と下半身が真っ二つにされていて、その真横には身の丈もある大きな鎌を握った黒いモビルスーツがこちらを見下ろしていた。

 

 

『どうやら間に合ったみたいだな……』

 

 

 安心したかのようなため息とともに、徐々に敵に向かって殺意を向けるかのような低い声。

 マントのような翼をはためかせていきなり俺たちの目の前に現れたモビルスーツに俺達も含めて、敵も驚いているようだった。

 

 

『昭弘、タカキ。お前らは三日月が来るまでここを動くな』

 

 

『え、でも……』

 

 

『いいから大人しくしてろ。こんなところで死にたくはないだろ?』

 

 

 こんな状況でもいつもの挑発するかのような声音に、震えは収まって身体の底から熱が湧き上がってくる。

 

 

「相変わらず嫌味なヤローだ!」

 

 

『敵、来ます!』

 

 

 自分を鼓舞するために吠えた俺に、顔は見えないがアイツが小さく笑う声が聞こえる。タカキも先程の焦りや不安はなくなったかのように敵が動き出したことを知らせてくれる。

 俺に留まるように指示を出したアイツは金色の大鎌を回すと、回線を開いて敵に向かって怒りをぶつけるようにして言い放った。

 

 

『全員冥府に送ってやるよ!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ###

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 祝え! ソロモン72柱の1柱が力を受け継ぎ、時代を越え厄災戦と現代をしろしめす機動戦士! その名も”ガンダムバティン”! まさに爆誕の瞬間である

 

 

 

 決まったァ……! (ご満悦)

 ライダーネタが多い? パイロットはライダーだってトロイア戦争の英雄が証明してくれたよなぁ? (QED)

 

 

 

 

 

 バティン特有のスピードを使ってフルスロットルで来たら昭弘とタカキがもう死にそうでめちゃくちゃ焦りました。けど、それもこのバティンの特殊機構『ステルス』で音もなく近づいて阻止してやりますよ! 

 ボクにはどう動いたか見えてるんですが、昭弘や敵からしたらいきなり現れて「なんだコイツ!?」って感じでしょうね。

 

 

 

 このクソでけぇ羽根の不思議なシステムでバティンの信号を途絶させるばかりか、視界ばかりか、あらゆるレーダーから消えるというミラージュコロイドやハイパージャマーもおったまげー! な性能してます。

 厄災戦時の技術がロストテクノロジー扱いだからってやっていいことと悪いことがあるだろ! (褒め言葉)

 こいつ作ったやつとびっきりの変態っすよ? 

 

 

 めちゃくちゃ強いんですが、1回の戦闘に1度だけの能力だったり、敵に触れた瞬間に解除というデメリットがあったりと初見殺しな一撃必殺寄りの能力ですね。ただし制限時間というのがないので、戦闘に参加せずに消えてるままなのもありです。

 

 

 早速能力をつかってあのマンロディのフレーム腹部を悪・即・斬ッ してやったわけですが。さすが、バエルソードと同じ金属で出来ている鎌。野菜と一緒にまな板ごと、なんなら台所ごと切りそうな斬れ味です。

 ただ大きいので若干取り回しが悪いですが機関砲と切り替えて上手く隙を減らせばいいかな?

 

 

『いい気になりやがって!』

 

 

『望み通り全員で相手してやりな!』

 

 

 敵のヘイトをこちらに集めて昭弘とタカキの生存率を高めて戦闘開始です。敵はグシオンとマンロディというクソ硬ぇダンゴムシ達です。HPを削りきるか、さっきみたいにフレーム部分を上手く切断して戦闘不能にしましょう。ただ、プレイングに自信がある人に限ります。さっきはステルスでノーガード状態だったのでうまくいきましたが、普通にやるとコクピットに直撃して死にます。ご臨終だァ……(4敗)

 

 

 グシオンは露出しているフレーム部分が少ないので、時間がかかるのでマンロディに集中します。けど、アストンや昌弘、デルマのこともあるので、殺さないように少しずつ攻撃します。

 HPを削りきると爆散します。なんでぇ? 

 鹵獲ついでに昭弘の弟とか、アストンも見つけて上半身と下半身をわけわけしてあげれれば、早い段階でオルガの鉄華団勧誘を受けて鉄華団となります。団長お心広すぎない? 

 

 

 

 でも、主のプレイングでは難しいのでちまちまやりましょう。

 

 

 

 マシンガン攻撃がプチプチ痛いので遠距離の敵から潰したいところですが、昭弘から離れるとタカキを人質にされてタービンズ到着まで待つ必要があるので近づいて来た敵から落としましょう。

 僕が敵なら全員で一斉掃射するんですが、挑発されて血が上っているのかめちゃくちゃこっちに来ますね。

 

 

 この戦闘の終了条件はゲームオーバーを除けば3つあって、1つはグシオンのHPを半分削ることなんですが、無理ゲーなので無視します。ここでは徹甲榴弾とか使ってこないので怖くないです。

 次はマンロディを半分仕留めることなんですが、殺すと同義でその中に昌弘がいるとブルワーズを殲滅しないといけなくなるのでRTA的にはNGです。グシオンがいなければ、出来なくもないんですがね。

 プレイングに自信がなくて、アストンや昌弘殺しちゃいそうな人は素直に三日月達を待ちましょう。

 

 

『うわぁ!』

 

 

 機関砲で牽制しつつ、鎌でHPバーを黄色まで減らしていきます。狙えそうならカメラアイを潰して転がしておきましょう。バティンのモーションの理解がタイムを早める鍵となります。ジャストアクションなどを決めて、部位破壊も狙って無力化していきます。ただし、音ゲーが苦手な主には無理です。ほら外した。

 

 

 試走で使い慣れたヴァルキュリアフレームの方が楽なんですけど……コイツはいい! 戦争のしがいがあるってモンだ! そうだろ!? マンロディさんよぉぉぉ!!! (豹変)

 

 

『なんだよアイツ……バケモノかよ……』

 

 

 バケモノ……? 違う、俺は悪魔だ……。

 

 

『うがぁっ!?』

 

 

 岩盤に叩きつけてあげたいところですが、この場から離れられないので機関砲で威嚇して、それでも近づいてきたところを血祭りにあげてやる……。

 

 

『てめぇよくも!!』

 

 

 誰だぁ……お前は……? デルマじゃねぇな? じゃあ死ねぇ! (峰打ち)

 ここで殺すと鉄華団に帰ったあと、昌弘やアストンからのヘイトがえぐいので、殺すに殺せないんですよねぇ……。なんでこっちに死人が出ても良くて、あっちはダメなんでしょうか。殺し合いって恨みっこなし! そういうものでしょう? (確認)

 

 

『ちっ、なに手こずってんだい! さっさとやりな!』

 

 

 全国おまいう選手権の会場はここですか? そんなにいうなら、いいよ! こいよ! 

 まぁ来たところで、勝てんぜお前は(フラグ)。

 

 

 また誰が乗ってるか分からないモビルスーツをいなして蹴り飛ばして近くのデブリに叩きつけます。運が良ければ気絶して戦闘不能になるんですが、そうは問屋が卸さない。正面からだと硬すぎて斬れなかったり、序盤の敵にしてはマンロディってめんどくさいの極みです。

 ナイフとか鉞があればマッキーがやってたみたく装甲の下を切り上げたりできるのになー!

 

 

『うがぁっ!!?』

 

 

 あ、ミスった(素)。

 

 

 関節じゃなくて思いっきりコクピット周りの装甲に当ててしまいました。あーでも、死んでません。大丈夫です。殺さないようにって難しいな……。ミカの気持ちがわかるわかる……。

 

 

『……そうかお前、後ろの2人を……! お前ら!』

 

 

 あ、やば。気付かれましたね。逆にいつ気付くんだろうって思ってたんですが。さてはクダルの知力5だな。ゴミめ。

 しかし、これは不味いことになりました。囲まれて一斉砲撃でもされたらいかにガンダムフレームといえど、そう耐えられるものではありません。どうすべきか。

 

 

『ォォォォォォォォォォォォォォ!!!!?』

 

 

 ん、なんだこのおっさんの声。

 と思ったら、近くのマンロディに天から剣が落ちました。てことは……つまり? 

 

 

 

『お待たせ』

 

 

 

 アイスコーヒーでいいかな? (違うだろぉ?)

 ミカニキ到着です。これにより戦闘が終了となります。

 

 

 

『ちぃッ! どいつもこいつも使えないねぇ!! ……タービンズか……! 引き上げるよ!!』

 

 

 

 は、挿入りました……! 戦闘終了です。

 タカキも昭弘も怪我を負ってないですし、こちらもマシンガンやらのダメージを少なからず受けていますが、これくらいなら問題ないです。

 

 

 リザルトに入って今回の経験値と戦利品を獲得できます。戦利品は敵が回収し忘れたというよりは、タービンズも来たので回収出来なかったマンロディ3機です。このうち1人はミカが殺してしまいましたが、遺体が昌弘くんでないことを祈りましょう。

 

 

 

 船に戻ったら、マンロディのパイロットを捕虜にできます。けど、ヒューマンデブリなので捕虜としての価値は微塵もないです。この人間のクズが……!

 でも阿頼耶識持ちというのは貴重なので、仲間にしちゃいましょう。仲間にしたそうにこちらを見てくれないので、この辺は同じくヒューマンデブリのチャドやダンテに言い出しっぺになってもらいましょう。

 

 

「……あっちでどういう扱いだったかは知らねぇが、お前らが望むなら鉄華団はお前らを歓迎する」

 

 

 さっきまで殺りあってたのに団長お心ひろーい! しかも、捕まった2人は死んだペドロのこともあってか、まだ戸惑ってるようです。

 

 

「だ、だったらさ、昌弘も……他のみんなも頼むよ!」

 

 

「なに? 昌弘……だと?」

 

 

 ここでブルワーズに弟がいることを知ってしまったお兄ちゃんがさらに闘志に燃えます。お前さっき死にかけたばっかりなのもう忘れてんな? いいことだけどよ。

 

 どういうことだよとチャドに説明を求められ、昭弘が過去のことを話し始めます。昔に海賊に襲われて家族を色んな意味でバラバラにされたこと。そして、その家族が敵の船にいることを。

 

 

「昭弘の家族なら、俺達鉄華団の家族も同様だ。そうだろ! みんな!」

 

 

「だね」

 

 

 事情を聞いた団長がそう言うといつの間にか戻ってきていたミカを初めとして他のメンバーも拳をあげます。いい話だなー。これで昌弘も鉄華団判定が入ったのでクダルを殺してハッピーシュガーライフです。ところがぎっちょん! 

 

 

 クダルをホモくんが殺すとテイワズ戦後の衝撃のオールフェーン! ナミダーと共にミカニキがクーデリアにキスするシーンが無くなるんですよね。なくてもいいかと聞かれれば、キスシーンでオルフェンズの涙流れないんでなくてもいいんですけど……。

 

 

 

 とりあえず時間的にもこの辺りがキリどころなので、ここまでにしておきましょう。ブルワーズ戦2回目でお会いしましょーシーユー〜!! 

(ご視聴ありがとうました)

 

 

 

 




ブルワーズ戦②は手直しして明日に再投稿します。
ほんと、マジで……気をつけような!(戒め)


感想欄に残してたバティンの見た目(想像しやすいようにこんな感じだよとしてますが実際はちょっと違います)

顔 運命(目だけT字 顎はルプス)
身体 ルプス
羽根(バックパック) デスサイズより大きめ
腕 肩以外デスサイズ
腰 脚 ラブファントム
武器 大鎌 機関砲
全体的にトゲトゲしてます


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ブルワーズ戦②

これの投稿ミスって作品が全部消えたのでブルワーズとノブリス・ゴルドンに対しての殺意を高めて初投稿です(大嘘)

Q.ダンボール戦機と鉄血のオルフェンズのクロス小説RTAはここですか?

A.(ダンボール戦機の要素は)ないです。


 

 

 いっちょ俺たちの道理ってやつを教えるRTAは、じ、ま、る、よ〜! 

 

 

 

 前回は奇襲をかけてきたブルワーズのモビルスーツ部隊を追い返したところで終わりました。今回はその仕返しをさせてもらおうかな……! 

 一方的にこちらを捕捉してるブルワーズを探している間にパイロット組はモビルスーツの調整を行います。格納庫にいくと、呆れ顔のおやっさんにタブレットを渡されました。なんですかこれ? 覗き込むを選択します。

 

 

 

『もう! なんで勝手に出ちゃうの!?』

 

 

 モビルスーツの整備を行いたかったんですが、行うことは……(スゥー)できませんでした……。何がいけなかったんでしょーかね(すっとぼけ)

 偏にエーコちゃんの前で無理やり出撃をやったからですかね。

 ていうかこの人、確かオルガや名瀬ニキと一緒にブルワーズをどうやって見つけ出すかの会議に参加してるはずなんですが……。仕事しろよオイ! 

 

 エーコちゃんにくどくど怒られた後は強制的にブリッジに連れてかれます。そこでエーコちゃん不在の会議で決まったブルワーズの船発見法について説明されます。

 宇宙ネズミならやってやれねぇ事はねぇとか言われてますが、ホモくんは普通の人間なのでそんなことは出来ません。てことで、三日月と斥候変わっていいですかね? あ、ダメですか。そうですか……(諦め)。

 

 

「アンタは昭弘が弟さんを説得出来るように道を切り開いてやってくれ」

 

 

 久々にミッションが更新されました。けれども、これだと原作通りに昭弘を庇って昌弘が死にます。どうすっかな〜。クダルとの戦闘はミカの成長に必要なことですし、かと言ってバルバトスではグシオンのトンデモ推進力には追いつけません。かといって間違った太刀の扱いに慣れて「こいつは死んでいいやつだから」するまで待つとタイム的には美味しくないです。

 バティンでフォローしてもいいんですが、それだとタービンズの皆様の負担が増えますし……。

 やっぱり手っ取り早いのはブルワーズの船長ブルック・カバヤンを落とすことですね。そのためにはシノの速さにかかっていますね。

 

 

 そうと決まれば早速行動あるのみです。ブルワーズ戦でシノの部隊の人間が死ぬんですが、出来れば犠牲者は減らしたいです。

 決して、鉄華団犠牲者ゼロを目指してる訳では無いので、あくまで減らすだけです。

 

 

「うおぅっ!? ビックリしたぁ!? 」

 

 

 こちらからシノに話しかけるとこんな反応をされます。

 既に作戦のブリーフィングは終わっているので、その際に子供だからって容赦はするなと伝えておきます。

 

 

「子供? なんでだよ」

 

 

 そりゃあ、こっちにも少年兵がいるようにあっちにもいるからだよ……(呆れ)

 子供だからと油断して後ろから撃たれて仲間が死んだの知らねぇのかよ!? あ、知らないんでしたね。死がお前らを呪っているぞとタロットを牽制がてら見せてやりましょう。

 最近、ホモくんが長い厨二病を患っているように思えてきたのはワイだけ? 

 

 

「わーったよ……気ぃつける」

 

 

 お、頼んだぞ! これだけでタイムは縮みます。試走では1分縮みました。RTAにおいて1分は大事です。

 

 

 次にミカと昭弘の3人で作戦を詰めましょう。この後、ミカはラフタと斥候で出撃になるので早めに済ませます。

 

 

「俺がデカい緑のを? 別にいいけど」

 

 

 ミカにはグシオンの足止めをお願いしておきます。ホモくんの方がいいんじゃないの? 的なことを言われますが、太刀とメイスのあるミカの方がグシオンに対してアドバンテージが高いことを言っておけば応じてくれます。

 

 

 昭弘は弟と仲良く喧嘩しな! 

 

 

「分かった……頼む」

 

 

 おいおい頭上げろよ照れるぜ(棒読み)。

 

 

 

 

 これで全ての条件はクリアされた! あとはイレギュラーさえなければ我々の勝利だ! フハハハハハハハ!!!!!! 

 

 

 

「あの……」

 

 

 

 ん? なんでアトラとクーデリア以外の女の子がここに? おっと、そういえばタービンズと兄弟分になったのでメリビットさんが加わったんですね。完全に忘れてました。

 一切合切チャートに必要ないので……。鉄華団全滅ルートでも死なないし、どうやったら死ぬんだろう……? っていうキャラです。まぁ殺す理由もないんですがね。

 

 

「団長さんから聞いているかもしれませんが、メリビット・ステープルトンです。よろしくお願いします」

 

 

 おっす! オラホモ! 悪魔の名を冠するガンダムフレームを操るタロットねぇと喋れねぇ愛想のねぇクソ野郎だ! よろしくな! 

 ───じゃ、まずは年齢をおしえてくれるかな? 

 

 

「えっ、あの……」

 

 

 ───言えないの? あっ(察し)ふ〜ん……(軽蔑)

 まぁ他人の女になる予定の人に興味は無いです。困惑させて好感度下げたらすぐに去りましょう。なんで下げる必要があるんですか?

 ホモくんに好感度が集中すると鉄華団重要メンバー生存ルートに加えてホモくん修羅場ルートに入るのでそれを避けるためです。

 ノンケはお断りだよ。

 

 女性に年齢を訊くのは失礼に当たるそうなのでこれで好感度が下がるはずです。ホモくんが去った後のメリビットの独り言を聞いてしっかりと確認しておきましょう。

 

 

 

「……仲良くなりたかったのかしら」

 

 

 え、なにそのポジティブ拡大解釈……(困惑)。見習いたいね。好感度は上がらず下がらずと当初の目的からはズレましたが……まぁええやろ(適当)。

 

 

 

 三日月とラフタが出撃したので、ブルワーズの船に名瀬の兄貴の船の名前がなんでハンマーヘッドって言うのかを教えてやるために、デブリ帯にイサリビを突うずるっ込んでやります。その間は船が大きく揺れますので、ご注意ください(運転手並注意)。

 

 

 バティンはブルワーズへの奇襲が成功すると同時に出撃です。船の護衛にはアミダさんがついてくれるのでホモくんは昭弘と昌弘を守りつつ、敵を減らしていく方向ですね。

 ブルワーズはクダルを除けば全員ヒューマンデブリですので、阿頼耶識持ちということもあって中々に面倒なんですが、バティンとホモくんのステータスならそこまで手こずらないので焦らずにやりましょう。

 

 

 

 ハンマーヘッドが突貫に成功後、イサリビからモビルワーカー侵入用のワイヤーを敵艦に固定したら戦闘開始です。

 この時点ではグシオンは敵艦の中にいて、マンロディ部隊はミカやラフタの方にいます。ミカがこちらに来るまではホモくんがグシオンの相手をしましょう。

 

 

 命をかけた試合を行おう! (SGT)

 

 

 

 

 

 

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 ブルワーズ船長、ブルック・カバヤンは焦りと不安を感じずにはいられなかった。ギャラルホルンからの仕事で成功すれば大きな後ろ盾が得られるからと受けたが、彼は敵を舐めすぎた。

 初めに仕事を持ってきたトド・ミルコネンによればブルワーズならば楽な仕事だというから受けたが敵の保有戦力の中に1つ見慣れない機体があった。

 エースパイロットであり、ガンダムフレームの一機のグシオンを操るクダル・カデルからヤバいのが1機いるという話を聞いていたが、今その敵を目の前にしているブルックは息を呑んだ。

 

 

 

『チキショー! またお前かよ! なんなんだよお前は!』

 

 

 そして、クダルは出撃した直後に襲いかかってきた鉄華団の保有する黒いガンダムフレームと交戦していた。

 全身を分厚い装甲で覆ったグシオンと違って、敵のガンダムフレームは黒く禍々しいシルエットから伸びた翼を広げて、この状況も相まってブルックには自分達の喉元を搔き切りに来た死神にしか見えなかった。

 

 

「クソ……ッ! おい! 中に入ってきた連中は!?」

 

 

「わ、わかりません!! 艦内のシステムが次々とハッキングされていて!」

 

 

「なにぃ〜〜〜!!?」

 

 

 タービンズはいい。彼らは木星圏を牛耳るヤクザの傘下に入っている武闘派企業だ。しかし、鉄華団にこんな戦力があるとは聞いていない。子供の集まりではなかったのかとブルックは流れる汗が止まらない。

 ブルワーズはタービンズには程遠いとは言えど、ここまで生き残ってきた海賊だ。鉄華団というぽっと出の弱小企業とは違う。なのに、なのにだ。死神に魅入られた哀れな子羊のように、彼はブリッジの船長席でただ蹂躙されていくのを見ているしかなかった。

 

 

『クソっ! オイ! 誰か! どいつもこいつも使えねぇ〜〜!!!!』

 

 

 

 クダルの怒りの叫びが通信越しにブリッジに響くも、艦内は鉄華団の少年兵達に次々と制圧されていき、モビルスーツ部隊は鉄華団やタービンズに足止めを食らっている最中であった。ヒューマンデブリの彼らは何故か生きながらえているが、クダルのみ2機のガンダムフレームに明確な殺意を向けられており、彼にしては珍しく戦場を逃げ回っていた。

 

 

『逃がすわけないだろ』

 

 

『ヒイィッ!?』

 

 

 黒いモビルスーツから鈍器と太刀を手に持った白いモビルスーツに相手が変わったが、それでもパイロットから発せられる殺意にクダルは思わず声をうわずらせる。

 では、黒いのはどこに行ったのか。ブルックが気づいた時には既に遅く、甲板上部に取り付く機体があった。T字の目を光らせたその機体は黄金の鎌の剣先をちょうど自分達の真上に突き立てており、振り下ろせば自分達の命はない。ブルックはそう直感し、恐怖のあまり座っていた席からずり落ちた。

 そして、後ろの扉が勢いよく開け放たれ、銃を持った鉄華団の少年兵達がブリッジにいる全員に銃口を向けていた。

 それに開いた口が塞がらず、命乞いをしようとしたその時、ブラックアウトしていた画面から褐色の肌に特徴的な前髪をした少年の顔が映し出される。

 

 

『ブルック・カバヤンさんよォ、チェックメイトってやつらしいぜ?』

 

 

 トドメに鉄華団の団長からの勝利宣言を受けたその頃、宇宙では太刀を刺し込まれた1人の男の最期にしては空虚な慟哭がコクピット内に響いていた。

 

 

 

 

 

 

 

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 作戦は成功だ! (勝利宣言)

 グシオンが硬すぎて嫌になりかけましたが、上手くミカニキとバトンタッチしてトドメを譲ることが出来ました。しかも、シノに慢心がなくなったことで艦内制圧をスピーディに済んだのもポイント高いです。

 これならホモくんは普通に昭弘達の護衛についても良かったですね。

 

 

 モビルスーツで船も落とせたんですが、そんなことしたら武器が鈍らになるのと、地球降下作戦時に影響がでたり、船の中にいるシノ達が死ぬので出来ませんでした。

 ここはどう動いても艦内制圧作戦を取るしかないので、大人しくモビルスーツはモビルスーツ同士で仲良くしましょう。

 

 

 これでミッションも成功して報酬の経験値やマネーが手に入りました。美味すぎる! もっと食わせろ! (強欲)

 戦闘終了後はコロニー到着まで自由行動です。団長はブルワーズのヒューマンデブリ達をこちら側に迎え入れたら豚ァ! から船とかモビルスーツを巻き上げにいくのでいなくなります。名瀬の兄貴も一緒ですね。

 昭弘は昌弘と感動のごたいめーんとなっているので邪魔しないようにイベントの発生率が少ないモビルスーツデッキに行きましょう。

 

 

 そういえばシノに慢心がなくなったせいか、鉄華団側の死人は出ませんでした。怪我人は結構出たんですが、名前のわからない連中ばかりで……。

 でも、シノがモビルスーツに乗る決意をしたのが自分の不甲斐なさのせいなので、仲間の死がなければ発生しません。もうしばらく見送りですね。

 

 

 モビルスーツデッキはすっからかんとまではいきませんが、閑散としていた景色が鹵獲したマンロディやらで埋め尽くされています。邪魔なので売り飛ばしたいところですが、団長がブルワーズの船を手に入れた後に売却するか残すかの判断をするのでホモくんには関係ないです。

 

 

 さて、単にお邪魔虫にならないためだけでなく、2戦ほど戦闘して気づいたんですよ。

 そう、バティンの武装の乏しさに(今更感)。

 今回は敵のレベルが低かったからいいのですが、今後に出てくるア〇ルホルンのアリアンロッド艦隊戦や面壁九年・堅牢堅固はそう簡単にいきません。

 防御力という点ではブルワーズが勝りますが、それだけです。攻撃力や連携、数などのあらゆる点で劣っているので、ここで慢心していて開発に手を出さなければ死んでしまいます(1敗)。

 

 

 なので、ブルワーズ戦で得た報酬や素材で近接用のナイフ、あるいはソードを製作しましょう。購入だと開発よりもお金がかかる他、受け取りがドルトコロニーでのイベントの関係上、地球に降りてからになるので少し遅いです。

 開発なら遅くても地球降下作戦前には出来ているので、積極的に活用していきましょう。

 ナイフなら設計図なしでも作れる他、1期のメカニックレベルの低いおやっさんでも作れますのでオススメです。

 ということで、ナイフを2本製作依頼出しておきます。ドルトにつくまで戦闘はないので、おやっさんがしっかり作ってくれるはずです。

 

 

 さてそろそろ、昭弘は昌弘と和解してる頃でしょうか。ミカとクーデリアがオールフェン! するのはもう少し先なので廊下は通っても大丈夫ですので、昭弘達のところに行きましょう。

 

 

「あぁ……モーリノか」

 

 

 いくと、昭弘のところにブルワーズの元ヒューマンデブリが集まっているようです。あれ? でも、昌弘以外みんな泣いてるんですが……。 まさか! 昭弘が!? 

 

 

「い、いや、ちがう……これには訳が……」

 

 

 即否定して逆に怪しい昭弘に代わって弟の昌弘が事の次第を話してくれます。

 

 

「みんな姓がないから、俺達の姓をつけないかって兄貴が言ったらこうなった」

 

 

 なるほど……。まぁ試走の時にもあったんで、そうだろうとは思ってたので驚きはないです。やったね昭弘ちゃん! 家族が増えたよ! アルトランド兄弟からお礼の言葉を貰ったのでこれで昭弘の問題は解決です。では次に向かいましょう。

 

 

「モーリノさん……はい、なんでしょうか?」

 

 

 お次はドルトコロニーでクーデリアを庇って死ぬ予定のフミタン・アドモスさんのフラグ回収です。

 

 

 

「それでお嬢様に何か御用でしょうか? 要件があれば伝えておきますが」

 

 

 おめぇに言ってんだよ! (声だけ迫真)

 自尊心が低いのかは知りませんが、話しかけたらだいたいこんな反応です。まぁ、クーデリアのメイドですし、無理はありません。

 

 

 

 

 

 

 

 ずっと隠してたんですけど…………実はこの人、クーデリアの活動への出資者であるノブリス・ゴルドンの間者なのです。

 

 

 

 

 

 

 誰だ? それは? (パンパンパンパンパン!!!!!)

 

 

 

 

 火星の武器商人で、OO風にいえば世界の歪みです。ギャラルホルンにクーデリアの話をリークしたのもこいつで、1期の戦端の原因のほとんどはこいつです。2期でも鉄華団を犯罪者に仕立て上げるように世論操作に協力したので、ラスタルよりも厄介です。

 登場シーンがサウナだったり、その後はアイス食べたりしてます。最期はトイレでライドに撃たれて死にます(ネタバレ)。日曜日のケジメとしても話題を呼びましたね。

 そんな人に使われているフミタンですが、回想を見る限りクーデリアが10歳代の時からメイドをやってると思われるので、おそらく三十路です。こんな情報はどうでもいいです。

 

 

「え? お嬢様ではなく、私に? なんでしょうか?」

 

 

 ここはタイム的にも早めに会話を切り上げつつ、フミタンの意識をクーデリアやノブリスではなくホモくんに向けます。

 そう考えたらアレしかありませんね……。ホモくんの性格からしたらやるわけないんですが、互いに秘密を抱えてる者同士仲良くしようや……♡

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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 フミタン・アドモスにとって、星原・モーリノという男は謎に包まれていた。聞いた話ではCGS本隊のエースであり、タロットカードを用いた予言じみた発言以外は口を開かないという話であった。

 そんな奇妙な男がどうして鉄華団の子供達に慕われているのか、彼女には全く分からない話であった。単なる戦闘力の高さを評価しているのか、あるいはまた別の部分に惹かれるものがあるのか。

 

 通信・戦況オペレーターとしてブリッジにいることが多いフミタンと彼との接点は通信越しにしかなく、艦内ですれ違っても会釈も会話もない。知り合いよりも希薄な関係性であったが、そんな関係性の男が自分を訪ねてやって来た。

 

 まさか自分がノブリス・ゴルドンと繋がっていることがバレたのかと思ったが、すぐさまそれはないと断定できた。自らオペレーターをかってでたのは、ノブリスとの交信を誰にも悟らせないためであり、過去のログは全て消去してある。交信も全てメール上で済ませ、1人の時にしか閲覧していないのでこの男が知ることは出来ないはずである。

 

 だが相手は謎の多い男。阿頼耶識の施術もないのにガンダムフレームを巧みに扱い、タロットカードで真実に近い答えを出す男だ。油断は出来ないと彼女は心理を悟られないように、いつも通り気持ちの乗っていない語気で彼の話を待った。

 

 

「……それで、何の……」

 

 

 中々、用件を言い出さない彼にしびれを切らしたフミタンが口を開こうとしたその時、その口は強引にも目の前の男によって塞がれてしまった。

 

 

 

「───────なっ!」

 

 

 あまりに突然の事で反応が遅れたフミタンは両手を突き出して彼を引き剥がすと、妙に温かい口元を拭いながら自分と違って全く動揺のない星原を睨みつけた。

 

 

「────何を、するんですか」

 

 

「……まぁ、気にするな」

 

 

「───────は?」

 

 

「じゃあな」

 

 

 勝手に意味不明なことをしたというのに、やけに平然とした様子で独り言を呟いた後に踵を返すと来た方の道へと戻っていき、フミタンだけ取り残される形となってしまった。

 

 

「……なぜ?」

 

 

 わからない。何が目的だったんだあの男はとフミタンはため息を吐く。女としての尊厳など、真の主の手下になってからはとうの昔に捨て去っていた。けれど、歳下の男に好意にしろ茶目っ気にしろ、そのような気持ちを抱かれることに悪い気がしないというのは何故だろうか。普段何を考えているか分からない男の行動というのもあってその理由を深く考えてしまうが、自分をからかったりするような意味は含まれていないのは何故か容易に想像できた。

 

 

「わからない……」

 

 

 この気持ちにもあの男の意思も。理由を探すも明確な答えは得られない。どうせなら誰かに尋ねてみようとも思ったが、誰も信じないだろうし、どうしてか今は人と顔を合わせづらい。誰にも会わないように気をつけながら部屋に戻ったフミタンは部屋に用意されたベッドに背中から倒れ込むと、唇に右手で触れながら先日、自分をメイドと信じてやまない女性から貰ったプレゼントを見ながら瞼を閉じた。

 

 

 

 

 

 

 

 ###

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 はい、これでフミタンの意識を少しはこちらに向けられたはずです。歳下のイケメンからのキスだぜ? イチコロに決まってんだろ(キメ顔)。

 まぁホモくんはやっぱりホモだからただの気まぐれぐらいなんでしょう。女性だろうが男性だろうが、至近距離まで近づけばキスコマンドが出現するのでどうやって使えばいいのかと思ってましたが、こうやって使うんですね〜!!! やろうと思えば(王者の風格)でオルガやタカキにもキスできますが、好感度激落ちするのでやめておきましょう。

 

 

 エーコちゃんとかにすると通報されてゲームオーバーになると思います。したことないからわからんけど……まぁ、なるやろ! 

 

 

 これだけではまだ足りないので、フミタンを死なせないためにもドルトコロニーでの行動に鍵がかかっています。引き締めていきましょう。

 

 

 

 今回はここまで。ご視聴ありがとうございました。

 

 

 

 

 




お前ほんとに独り身貫く気あんのか? 年上好きにしても差がありすぎんだろォ!? アンケートも消えちゃったけど、鉄華団関係者(名前ありに限る)とフミタンも助ける難易度??? のRTAはここです。

感想返しは「安心しました」系は「FF外から失礼するゾ〜! このコメント嬉しスギィ! 自分Goodいいすか? 淫夢好きそうだから、淫夢のリストにぶち込んでやるぜ〜! い、いきなり返信してすみません! 何でもします許してください! (なんでもするとは言ってない)」としか言えないので、今回以降のコメントかつ安心しました系以外とします。申し訳ない。

意図してない再試走記念にホモくんのフィアンセには誰がふさわしいのかのアンケートするから良かったらやっててね! 1番票が入ったからヒロイン、彼氏にするとかはないです。人気投票みたいな感覚でどうぞ。


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ドルトコロニー

コメント見てたらホモくんがホモだったり、ノンケだったり、ヒトヅマニアだったり、年増好きだったり……ストライクゾーン広すぎんか??
ロリコンも追加しよう(提案)

急いで編集して誤字脱字があると思われるので初投稿です。


 幸せなキスして終了したRTA、再開するゾ〜

 

 

 前回は文字通りの終わり方でした。誰彼構わずキスできるホモくんはバイ。なんだコイツもうわかんねぇな……(呆れ)。

 

 

 ついにドルトコロニー到着となるのですが、その前にやっておくことがあります。

 グシオンを筋肉仕様に改造してもらうのです。こいつがいるかいないかでは地球降下ミッションの難易度が段違いです。

 こちらは昭弘とおやっさん、オルガに声をかければすぐに終わります。原作では弟くんの死で乗ることを決意していましたが、今回は生きてるので乗る理由がありません。適当にハッパかけて乗せてやりましょう。

 マンロディの阿頼耶識を移植して昭弘が乗れるようにしてもらうついでにグレイズ改もシノが乗れるように阿頼耶識コクピットを移植します。こちらはヤマギに頼んでおきましょう。

 これで本来荷降ろし組にいたシノ、ヤマギがイサリビ待機になります。昭弘はグシオン改修のためハンマーヘッドへ。タービンズはドルト6のテイワズの支店に顔を出すのでそちらに行くでしょう。

 

 

 イベント消化後はすることがないのでブリッジに向かいましょう。

 

 

 それまでに今後を説明しておきます。

 テイワズ経由でドルトコロニーへと輸送を頼まれてるコンテナは鉄華団側にはただの物資だとしか聞かされていません。ですがご開帳すれば、中身は荒野行動でもすんのかってくらいに武器が入っております。

 これよりドルトを戦場とする! に鉄華団が巻き込まれます。

 

 荷物の確認をさせて名瀬の兄貴に相談したところで、物資を送り届けた時点でギャラルホルンがノブリスのリーク情報からすぐに到着するため戦闘は避けられません。

 サインだけしてもらって、組合の皆様とは会話しないで急いで出航しようとしても、試走でもここは避けられなかったです。おそらく団長達がイサリビに戻ろうとする or 時間経過で強制発動するイベントなので放置です。

 

 

 ブリッジにつくと、ドルトコロニーが見え始めて和気あいあいとしてるところです。まぁそんな時間ももはやないんですけどね?

 ビスケットくんによるドルトコロニーの解説が入ったところで、アトラが買い物に行きたいと言うので警護役に回りましょう。

 理由としては、買い物のあとにビスケットがお兄さんと会うイベントがあるのですが、そこでアトラとビスケットが捕まらないようにするため。もう1つはフミタンの死を妨害するためです。

 この2つをやり遂げるためにはホモくんのわりと少ない体力で頑張ってもらうしかありません。

 

 

「女だけってのもアレだな。ミカ、ホシ。頼めるか?」

 

 

「うん」

 

 

 おう、やってやんよォ! アトラを暴漢の手から守り、フミタンをフミタンじゃない状態に陥らせないように頑張るぞい! ちなみに呼ばれなかった場合は自己主張激しく「イクッイクッイクッイクッンアアァァァァ!!」と叫べば、団長の好感度と引き換えにイクことが出来ます。

 

 

「み、三日月もですか?」

 

 

「……その人も来るんですか?」

 

 

 おや? おやおやぁ? お嬢さんのこの反応からするにしっかりとオールフェン! はしたようですね。まぁ、アレはミカが名瀬さんとアミダさんの大人なキッスを見る。バブみを感じてオギャりたい鉄華団の子供がフミタンにバブみを感じてオギャるイベントをクーデリアが見るというのがあって発生するものなんですが。性の喜びを知ったようでおじさん嬉しい。ところでなんでフミタンはホモくんが来ることに拒否反応してるんですかね? 

 

 

「あぁ、こっちは人数要らねぇだろうしな」

 

 

「……そうですか」

 

 

「アンタがいりゃ大丈夫だろうが、一応な」

 

 

「分かりました」

 

 

 渋々ではありますがフミタンも了承しました。これで勝つる! ドルトコロニーに降りたら任務開始です。原作知識というアドバンテージを存分に活かして、イクゾー! デッデデデデデ!! 

 

 

 

 スペースランチでイサリビからドルトに入港したら、サッサと買い物を済ませましょう。クーデリアにお風呂に最後に入ったのはいつかと聞かれますが、んなもん稽古があった日にはしっかり入ってると言っておきましょう。

 他の2人は3日前か5日前かも分からない程に入っていないようですが、ホモくんは入浴後の冷えてるビールが生きがいなのでばちこり入ってます。

 

 

 女性陣が鉄華団の着替えや洗剤などを買いに行ったら男組は3人で仲良く会話ターイムです。3人はどういう集まりなんだっけ? 

 

 

 話しているとビスケットにとってドルトコロニーは憧れだったりとか、ここでお兄ちゃんが働いてるなどの話が聞けます。問題はここからです。

 

 

「会っていかないの?」

 

 

 アトラにそう言われて急に来たら迷惑じゃないかと頬を掻くビスケットに兄弟なんだから嫌がるわけないだとか言いくるめられているサマはまさに滑稽ですね。

 さらに兄弟水入らずをアトラがくっついて行こうとするのですが、すかさずホモくんが止めに入ります。

 

 

「え、どうして?」

 

 

 キョトンとした顔も可愛いなぁ! こんな可愛い子が10年も経たないうちに未亡人になるとは……これが若さか。

 ビスケットにはホモくんが同行することを伝えて、三日月達にはホテルに戻ってもらうように告げます。その際に三日月くんに3人に近づく不審者に気をつけることを言ってから、あるものを借りておきましょう。

 

 

「……いいけど。なんで?」

 

 

 そいつはァ言えねぇなぁ。さっきからフミタンがチラチラ見てるし。……なんで見る必要があるんですか? 

 

 

「ちゃんと返してね」

 

 

 三日月くんの懐から物騒なものを受け取ったら、お兄さんに電話をかけて合流地点を決めたビスケットについていきましょう。

 オルガ団長の言葉によるとビスケットのお兄ちゃんなら、鉄華団の家族も同然らしいのでサヴァラン兄さんをこちら側に引き入れましょう。

 

 

 

 

 どんな手を使ってでも。

 

 

 

 

 

 冷酷! 残忍! 今の主のテンションは試走でミスりまくった時に戻っています。鉄華団主要メンバーのためならこの手を汚すこともいといません。

 

 

 

 それが、RTAのためならね☆

 

 

 

 

 

 

 

 ###

 

 

 

 火星にいるはずの弟から連絡が来た。どうやら弟は仕事でこちらに立ち寄ったらしい。

 

 

 ナボナさん達の組合に武器を流した鉄華団という連中もこのドルトコロニーに来ているようだし、あいつがデモに巻き込まれてはいけないと上司に休憩を貰って会社を出た。

 ビスケットと会うのは何年ぶりだろうか。こちらも、おそらくだがあちらも忙しくて連絡は取り合えていなかったので、久しぶりの再会に心が踊っていた。

 クッキーやクラッカ、桜ばあちゃんは元気だろうか。ビスケットも何不自由なく暮らせているだろうか。会ったら何を話そうか。

 今、コロニーで起きている会社と労働者の軋轢を何とかしようと躍起になっているオレにとってはビスケットとの待ち合わせ場所に向かうのがとても心地よいものになっていた。

 

 

「サヴァラン兄さん」

 

 

「おぉ、ビスケット……大きくなったな」

 

 

 名前を呼ばれて、その先を見れば多少ふくよかになってはいるが、あの顔を忘れたことは無い。言葉は意外にもすんなりと出てきて、ビスケットに近づくと自然と笑みが零れていた。

 

 

「お前ちょっと太ったか?」

 

 

「はは、うん、まぁね」

 

 

 火星の暮らしが窮屈で、やせ細ってるのではないかと思ったが杞憂だったらしい。きっといい食事を摂っているのだろう。

 再会を喜びあったところでビスケットと同じジャケットを着ている青年について尋ねた。

 

 

「あの人は俺の同僚です」

 

 

 紹介された星原・モーリノという紫髪の男はオレに一瞥するとすぐに視線を外した。常に何かを警戒しているような様子に怪訝に思うも、何か言いたげな弟へと目を戻した。

 

 

「それでビスケット、話ってなんなんだ?」

 

 

 電話で話があると言っていた。どんな話かは分からないが、こいつの表情からいい知らせなんだろう。

 

 

「俺、会社に入ったんだ。いや、会社って言ってもまだまだ名も上げれてないんだけど」

 

 

「おぉ……そ、そうか。良かったな」

 

 

「うん、良かった。今やってる仕事が終わればクッキーとクラッカを学校に通わせれるし、おばあちゃんにも楽させてあげれると思う」

 

 

 どうやら弟はオレ以上に立派になっていたらしい。頭がいいからとドルトコロニー幹部の家に養子として招き入れられたオレだが、エリート街道を歩んでいるとはいえやっていることは会社と労働者の仲介役。一触即発の状態を何とか収めようとしているけれど、どうにも上手くいかない。

 対して弟は置いていった妹達や祖母をしっかりと守っていてくれているらしい。本当に良かった。

 

 

「ありがとうビスケット。オレの代わりに」

 

 

「ううん、いいんだ。俺が鉄華団に入れたのも兄さんのおかげだし」

 

 

 

「……なに? 鉄華団だとっ!?」

 

 

「えっ、サヴァラン兄さん?」

 

 

 まさかこいつが鉄華団に!? 動揺したオレに顔を覗き込むようしてくるビスケットに悟られないように「なんでもない」と表情を変えたオレはとある女のことについて尋ねた。

 

 

「ビスケットはクーデリア・藍那・バーンスタインっていう女の人を知ってるか?」

 

 

「え? 知ってるというか、俺達が今やってる仕事がクーデリアさんの護衛なんだ」

 

 

「なっ!?」

 

 

 なんということだ……。いや、けれどこれはチャンスだ。クーデリアの身柄を確保してギャラルホルンに突き出せば……!

 

 

「そうなのか! いや、火星独立運動の旗印の女性には1度でいいから会ってみたかったんだ!」

 

 

「え? それなら近くのホテルにいるから会えるけど……」

 

 

「本当か!? ぜひ頼むよ!」

 

 

 良くもまぁこんな嘘が出てくるなと我ながら感心する。だがせっかくビスケットが運んできてくれたチャンスだ。ここで物にしなければ、ナボナさんを初めとした組合のみんなに、オレやビスケットも助かるんだ。

 

 

「じゃあ車を回してもらうから、ビスケットはお嬢さんに連絡をしてくれないか? 2人で会いたいって」

 

 

「う、うん、わかったよ。兄さん」

 

 

 オレはそう言って立ち上がると、ビスケットが使う電話から2つ離れた外からは中が見えないボックス電話に入り仲間に連絡を取ろうとした。

 

 

 その時だった。

 

 

「動くな」

 

 

 腰にスーツ越しでもわかるくらい冷たくどす黒いものを突きつけられた。

 

 

「な」

 

 

「喋るな」

 

 

 先程の無機質な声とは違う。従わなければ殺すという明確な殺意を向けながら、先程までオレ達に目もくれていなかった男はいつの間にか、オレの背後に回って拳銃らしきものを突き付けていた。

 

 

「いいか。今から俺の言うことを聞けば、お前の望みを全て叶えてやる」

 

 

 オレの望みを? 何を言っている? 

 

 

「労働者の理不尽の解消。家族や仲間を大切に、堅実で幸せな人生を送らせてやる」

 

 

「なっ!?」

 

 

 何故それをと声を出そうとしたらより強い力で拳銃の銃口を押し付けられる。どうして今日会ったばかりの男がオレの夢やナボナさん達のことまで知っているんだ? 

 一刻も早く、この男から離れないといけないというのに、大声で叫んだとしてもオレを殺してこの男はすぐに逃げるに違いない。

 そうなれば、こいつがナボナさん達を助ける理由はなくなって、もしかしたらこいつがナボナさん達を殺すかもしれない。

 

 

「ほ、本当に叶えてくれるのか?」

 

 

「あぁ、俺と契約すればな」

 

 

「け、契約?」

 

 

 まるで悪魔の囁きのように、心臓を掴まれる。

 

 

「どんな行為にも代償は付き物だ。違うか?」

 

 

「うぅ……! わ、分かった。従うよ」

 

 

 オレは彼の言うことを仕方なく了承すると誰にも見られないように用心しながら、電話ボックスを出た。開けた普通の電話なら、彼に脅されずに済んだのにと自らの行動を悔やんだのもつかの間、ビスケットが急ぎ足でこちらにやってきた。

 

 

「た、大変だ! ってアレ、モーリノさんは?」

 

 

「ここだが、どうした?」

 

 

「あぁ、実は!」

 

 

 するりと、同じボックスから出てきたというのにビスケットにそんなことを気にしてる余裕が無いのか、あるいはこの男が平然とし過ぎているのかはわからないが、何のツッコミもなくビスケットは話を始めた。

 

 

「フミタンとクーデリアが?」

 

 

「うん、三日月とアトラが目を離した隙にいなくなったらしいんだ!」

 

 

 クーデリアというワードに思わず反応しそうになったが、オレは押し黙ると彼らの会話に耳を傾けた。

 

 

「分かった。2人はオレと三日月で探す。お前は兄貴を連れてホテルに行け」

 

 

「え、でも、兄さんは……」

 

 

「いいから早く行け。市街地はこれから危なくなる」

 

 

 モーリノという男はそう言って足早にこの場から離れると、オレ達兄弟だけが置いてけぼりとなった。

 

 

 

「……悪い兄さん。こんなことになって」

 

 

「え? ……あぁ、いいよ。見つかるといいな、2人とも」

 

 

「うん、きっと大丈夫だよ。モーリノさんなら」

 

 

 ビスケットは彼を心底信用しきっているような目で彼の小さくなっていく後ろ姿を見つめていた。オレもみんなの命の手綱を彼に握られている以上、彼を信じるしか無かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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 ミカから借りた拳銃でビスケットブラザーを脅してたら、クーデリアとフミタンが行方不明になってました。アレ!? 丘ピーポー!? 三日月が着いてたからあの不審者仮面との接触はなく、あったとしても「なんでチョコの人が?」となるはずだったんですが……。目を離した隙に……って、まさか。

 

 

 エッチなことしてたんで(パンパンパン!!)

 

 

 

 はい、約束通り労働者側の理不尽労働条約を解消するため、さらにはクーデリアとフミタンを助けるべくホモくんの単独行動開始です。

 ただし、ナボナさん達を助けるとは言ってません。あくまで労働者の不当な労働環境の改善しかしません。

 ナボナさんは礎になるのだ。そう、ドルトコロニーがさらに羽ばたくためのね……(センチメンタル)。

 

 

 さて、今ミカがいてもいなくなった2人に、オルガ達から労働者側の手に渡った火器。答えはひとぉつ! アトラとビスケットが捕まっていない以外はおそらく原作通りです。

 

 

 なのでクーデリアはミカとフミタンに任せてホモくんは仕事を済ませに行きます。

 ただ単にサヴァランを脅すためだけに拳銃を借りるわけがないです。ちゃんと借りた理由は他にあります。まぁ、なくても裏路地にある闇市で買えば良かったんですが、マネーと時間がロスになるのでミカから借りる方がいいです。時は金なりってね! 

 

 

 フミタンが死ぬのは確定なのかと聞かれれば、不確定です。原作通りのムーブなら勿論死にますが、原作にはホモくんはいません。それを上手く活用します。

 

 

 原作では、フミタン逃亡。それをクーデリアが追いかける。見失ってデモの中心へ。祭り上げられて、ギャラルホルンが殲滅工作して、デモ隊が死にゆく中彼女だけが生き残ります。どんな強運なんだよ。

 それで、悲劇のヒロインのようになっている所をカメラに映され、そして……パァン! 

 と、撃たれそうになったのをフミタンが庇って、フミタンがフミタンじゃなくなります。

 

 

 要するにフミタンを救うには、クーデリアがデモに巻き込まれないようにするか、スナイパーの攻撃に対して対策を講じておくかの2つです。

 1つ目は今回はスルーです。なぜならドルトの労働環境を整えるには、クーデリアに労働者達の実態を知っておいて貰う必要があるからです。覚悟の準備はしてもらってませんが、フミタンが死ななければ精神状態も悪くないので、どうにかなります(適当)。

 

 

 なので、2つ目のスナイパーの皆様のためにぃ〜。

 スナイパーのいるビルは固定なので、目的地へ進んでいきましょう。これぞ数々の敗走と試走を乗り越えて不敗の男がなせる技です。

 この世界においてヒットマンは阿頼耶識パイロットを下すダインスレイヴの次に強いのですが、それ故に慢心が凄いので、ビル内はおろかドア前にも警備がいません。アホなの? (直球)

 こんなんだから、団長のガバエイムでも1人当たっちゃうんですよねぇ〜。

 

 

 さて、ここで突入してもいいんですが、少し待ちます。時には待つことも大事です。外からばくおん!! が響いたら、突入しましょう。

 

 

 

 あ、聞こえましたね。あとはスナイパーの皆様がクーデリアに気を取られるまで待ちます。

 ちなみに6発しかないので、しっかり狙い撃ちましょう。1発くらいなら外してもいいですが、狙撃手じゃない方(入って右)が拳銃を持ってるので先にそちらを狙います。

 

 

 

「クーデリアはあそこか」

 

 

「カメラを見ている民衆の前で華々しく散ってもらおう」

 

 

 ガチャ。

 入って、どうぞ(空耳)。

 

 

 

「ん? なんだきさ」

 

 

 アイスティー(弾丸)しかないんだけどいいかな? (パンパンパン!!)

 

 

「お、おま」

 

 

 んこぉ〜(気さくな挨拶)(と共に発砲)

 

 

 ヨシ! (現場猫)

 外の喧騒もあって、ここでの殺害は鉄華団が出港するまで気付かれません。やったぜ。

 気付かれたところでなんですけど。

 にしても、試走時の途中保存のデータでしっかり練習した甲斐がありました。今のところノーミスです。これはFPSゲーでトップ取れますよ(とれない)。

 

 

 

 それにしてもホモくんの基礎能力高くない? (体力は除く)

 これは1期終了時に判明する経歴が楽しみになってきましたね。

 

 

 

 これでフミタン生存ルートに入りました。一応、この後マクマードのおじ様からノブリスに連絡が入って、クーデリアは生かしておいた方が金になる的なことを唆されるので追っ手もやってきません。なので、今はさっさと逃げてしまいましょう。

 

 

 その前にタブレットと右の人から拳銃を奪い、ついでにスナイパーライフルは貴重なのでいただいておきます。ちょっと待って! 弾薬が残ってないやん! ライフル使いたかったから拾ったのに! (そこの端末から)親方に連絡させてもらうね? 

 

 

 

 とおるるるるるるるるん。

 

 

 

『おお! アンタか! いま、どこにいるんだ?』

 

 

 私、メリーさん。いま高いところにいるよ。

 

 

『そうか、無事か! クーデリアはミカが見つけたんだが、フミタンの方が……』

 

 

 あ、そっちはホモくんが行きます(素直)。

 

 

 

『分かった! 頼んだぞ!』

 

 

 頼まれたので仕事をしに行きます。ホモくんの残り少ない体力! 持ってくれよ! 3倍界王拳だりゃぁーっと、出してきた〜! (過去形)

 

 

 移動シーンは語ることもないので4倍速です(ホモはせっかち)。セリフシーンもオートにして当然カット。こういうことするとガバになるんですが、試走時には「あくしろよ」しか言わなかったんで大丈夫です。

 

 

 クーデリアの近くにいたフミタンと合流して、お米様抱っこでミカと一緒にいるお嬢様とも無事に会えました。

 これでサヴァラン兄さんがナボナさん達の死を知って阿鼻叫喚して暴走してなければ、万事OKです(してそう)。

 

 

 オルガ達と合流するとユージンに背負われてるサヴァラン兄さんがいました。頬に傷があるあたり、ナボナさんが死んだのを聞いたか見るかして発狂したのをユージンかオルガに殴られて気絶させられたのでしょう。ビスケットのストレス値が上がってるのがなによりの証拠です。

 

 

 ランチが使えないため脱出できませんが、オートで動けばテレビ局の人達のランチで脱出出来ます。けど、原作よりも人数が多いので嫌な顔をされていますが、これくらいどうってことねぇだろ! オッス、お願いしまーす! (陽気)

 

 

 お嬢様がドルトコロニーで働いてる人のこと知らないLove、教えてLoveしてもらってる間にクタンでバルバトスを送り届けてもらいます。そして、ミカに護って貰いながらイサリビを目指しましょう。

 ここではホモくんにすることはありません。ただ戦闘中なので4倍速が使えないので、みんなの好感度チェックを……って、なんでフミタンからの好感度が倍近くになってるの? 

 おかしくない? えぇ……(困惑)。

 

 

 イサリビに戻ったらバティンに乗って、すぐに三日月の援護に向かいましょう! アリアンロッドの士気も練度も高いギャラルホルン兵士なので、倒せば得られる経験値は芳醇です。さぁ、蹴散らしましょう! 

 

 

 

 …………って、ちょっと待って!? バティンがおらんやん!!!?? 

 

 

「おう、星原か! アレならおめぇの注文通りの機体にするためにって嬢ちゃんが持ってったぜ?」

 

 

 

????????????? 

何してくれてんの? 

????????????? 

 

 

 

 戦闘シーンがないのでこれまでです。ご視聴ありがとうございました(キレ気味)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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 私は何をやっているのだろうか。

 

 

 

 ドルトコロニーでのクーデリアの死を以て労働者達の反乱を拡大させる。

 

 

 それがノブリス・ゴルドンの書いたシナリオであった。私はそうなるように彼の言う通りに動くしかない。

 なぜなら、私はノブリス・ゴルドンの間者であり、いつでも真っ直ぐで穢れを知らない彼女が汚れてしまえばいいと思うくらいに嫌いだから。

 

 

 けれども、長年一緒にいたせいもあるのか、あるいは彼女にあの本の少女のようになって欲しいという願いがあるからか、死んで欲しくないと思う自分もいる。

 

 

 自分のような、不幸な女を生まれさせないように、この腐った社会を変えて欲しいと。

 あの真っ直ぐさがあれば出来るはずだと、心のどこかで信じている自分がいる。

 

 

 本当に嫌になる。仮面の男に自らの正体を看破されて、逃げてきて。それでも結局彼女がいる所へと戻ってきてしまった。デモ隊の真ん中で革命の乙女と祭り上げられる彼女はおそらく、ギャラルホルンの弾丸の雨に晒されて死ぬのだろう。それでは私に助けようなどあるわけが無い。

 

 

 だが、彼女は生き残った。運がいいのか、悪いのかはわからない。でも、彼女を庇ったデモ隊の女性を看取りながら、その場から動こうとはしない。早く逃げろと叫ばなければ、彼女は今度こそ死ぬ。

 

 駆け出したい、叫びたい気持ちを抑え込んでいると……何も起こらなかった。驚く程に。何も。

 三日月くんが彼女に駆け寄って、動こうとしない彼女を米俵のように抱えるとホテルの方へと走り出す。

 

 

 ───────これでお別れか。ふと、寂しい気もしたが、どうせ私はここで彼女と決別する運命だったのだ。だから、これでいいと思ったその時だ。

 

 

 私の手に再び悪魔の手が伸びてきたのは。

 

 

 

「あ、貴方は……」

 

 

 肩で息を弾ませて、普段の涼し気な顔はどこへいったのか。星原・モーリノは私の目の前に現れるとゲホゲホと荒んだ息を整えると背筋をまっすぐと伸ばして私を見下ろした。

 

 

「帰るぞ」

 

 

「……どこにですか」

 

 

「はぁ? 決まってるだろ」

 

 

 そう言いながら彼は私の手首を掴み、私を引き寄せると……またキスをするのかと思いきや、タロットカードを見せつけてきた。

 

 

「ホイール・オブ・フォーチュン。完全なる勝利のためにはお前が必要だ」

 

 

「……!」

 

 

 

 必要。そんなことを言われたのはいつ以来だろうか。

 所詮は殺しのための間者。情報収集以外では、メイドの役職どおりの身の回りの世話しかできない自分に対して必要と言ってくれた人間は果たして今までいたのだろうか。

 思い出せないということは、そんなこと言われたことはなかったということだろうか。

 

 

 今まで道具として生き、道具として死ぬことを強いられたフミタン・アドモスを正面から見据えて必要だと言う人間は現れないと思っていた。

 

 

 そんなことを言ってくれるのは、きっと、こんな無愛想で何を考えているか分からない行き遅れの私と同じ、無愛想で何を考えているか分からないこの男くらいなのだろう。

 

 

「はい。必要とあらば」

 

 

 私はそう言って、彼に引かれるがまま元来た道を引き返していった。

 

 

 久々の駆け足も、服装や息が乱れるのも。

 幼少期に味わえなかった青春の一端のようで。

 戦火に見舞われるこんな街の中でもいいから───────。

 

 

 

 

 

 

 

 永遠に続けばいいと思ってしまった。

 

 

 

 

 

 




【速報】主の知らぬところでフミタンが堕ちる。
これはいけませんね(GUESS顔)
タロット使う厨二病が「あくしろよ」なんて言うわけないやん。アホなの?(ブーメラン)

クーデリアに「フミタン、無事でよかった!」と抱きつかれても、何の感情もわかないくらいにはゾッコンです。そりゃ好感度倍になるわ。


明日は私情で投稿できません。許してください! なんでもするから!(なんでもするとは言ってない)



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地球降下作戦

投稿はしないと言ったな……アレは嘘だ。
ホモは嘘つき。よってホモくんはホモなので初投稿です(支離滅裂な発言)


 生まれ変わったバティンの力、見とけよ見とけよ〜なRTAはーじーまーるーよ〜。

(今回は淫夢要素は)ないです。

 

 

 前回はホモくんのバティンがいなくなって憤慨したところで終わりました。いや、エーコネキほんまに何してくれてんの? いくら好感度が低いからってそんな嫌がらせはなしやで? 

 

 

 ナボナさんが死んだことで労働者達のうちの武装してるけど武装できてない勢力がアリアンロッド艦隊にボコられてるのをミカが助けつつ、応戦しています。

 会話スキップしてる間に虐殺ダメ絶対と鉄華団で意見が一致したのでしょう。ボードウィン家の蔵から骨董品を持ち出されたキマリスと復讐に燃えるアイン! にミカが防戦一方です。

 

 

 戦闘に下品な色(ピンク)に染められたクランク二ーのグレイズこと、シノ様の流星号が出撃しました。おそらく、もう少ししたらグシオンリベイクに乗った昭弘もやってきて、トクムサンサ!! がピンチに陥ります。

 

 

『あぁ、悪ぃ!』

 

 

「何やってんだ! おめぇのツメがあめぇんだよ!」

 

 

 あ、シノのミスでイサリビに被弾しました。まぁ、これも原作通りなのでどうでもいいです。彼の能力の低さはここから露見してたのかも……? シノアンチでは無いんですが、ミカや昭弘と比べるとどうしても戦果に乏しい気がするんですよね。けれども、制圧戦ならば群を抜いて勝るので、ダイジョブダイジョブ。

 この後、アリアンロッド艦隊の本隊……つまり焼肉大好きおじさんの部隊が出てくるのですが、クーデリア様の高貴なるご演説でここは見逃して貰えます。

 なので、ここで得られる経験値なんて微々たるものだったので、戦闘に参加できなくても別に良かったのです……(強がり)。

 

 

 クーデリアちゃまがドルトコロニーの真実をノブリス・ゴルドンを通じて報道することで、しばらくすると労働者達の不当な労働環境は解除されます。この演説が行われると確定で、戦闘回避とサヴァラン兄さんの願いは叶えられます。

 ナメック星の神龍ならもう1つ願いが叶えられるんですが……バティン返せ。

 

 

 

 三日月が1匹1匹プチプチ潰してたやつがクーデリアの演説で止まるので、早めに戦闘から抜け出してもらいましょう。

 

 ここからは、地球降下作戦まですることがありません。タービンズと合流して作戦を練りましょう。

 ホモくんはその間にサヴァラン兄さんのストレス値チェック、フミタンからの好感度チェック、改修されたバティンを見に行きましょう。やること多くない……?

 

 

 消耗した体力自体は移動中の時間に仮眠を取って回復してありますので、胡散臭い仮面男が来る前に済ませておきます。

 

 

「……あぁ、キミか」

 

 

 まずはナボナさんが死んでストレス値が自殺スレスレのサヴァラン兄さんです。折角、首吊りを回避したのに船内で自害とかたまったもんじゃありませんからね。

 

 

「キミは約束を破ったばかりか、オレをこんなところに拉致して……」

 

 

 こんなところで悪かったな。

 約束に関しては結果が出るのはモンタークが来てからになるので、まだなんとも言えません。ルイスが敵になって、姉が死んだ時の沙慈くんみたくなっててめんどくさいのですが、彼はビスケット生存や2期で楽するのに必要なので死なせる訳にはいきません。

 

 

「結果はまだ分からない……だって? …………ふざけるな! ナボナさんも! 他のみんなも! みんな、みんな……死んだじゃないか! そんな中でオレだけ生きても……生きても……」

 

 

 

 泣けば許されると思ってる男が1番女々しいよねぇ……(ド外道)。彼のSAN値チェックは済みました。ビスケットを寄越して、生きる理由を作ってもらいましょう。

 ビスケットがいる限りは死なないので、ストレス値が減らないようなら地球に降下させればOKです。

 

 

 次に好感度が異常な上がり方してるフミタンです。コイツはマジで何があったんだ……? 

 あ、もしかしてホモくん、なんかやっちゃいましたか?? (名推理)

 これは困りましたねぇ。フミタンはクーデリアのメイドとして君臨して欲しかったのですが……いや、けど原作と違って演説の時の衣装は彼女が見繕ったようですし、まだちゃんとメイドしてますね。

 うーん、これは今チェックしなくても良さそうですね。むしろ、今すると悪効果な気がしてきました(走者の直感)。

 

 

 

 なので、今はスルーです。ランチでタービンズに移動しましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、来た来た」

 

 

 

 おう、来てやったよ。出迎えてくれたのは最近愛しのダーリンが構ってくれないことに不満を持つラフタです。安心しろよ、2年くらいしたらお前からめちゃくちゃギューってしたくなるような恋人作ってやっからな! 

 で、ホモくんのバティンですが……? 

 

 

「いいタイミングだったね、ちょうど終わったところみたい」

 

 

 視点を変えて少し見上げてみると、確かにバティンがいました。大まかに見た目は変わっていませんが、なんか赤くない? 黒一色だったのが主体が赤に変わって所々に黒が残っていてオシャンティな機体になってますね。

 

 

「エーコ! 来たよー!」

 

 

「ちょっと待っててー!」

 

 

 エーコ・タービン。貴方を詐欺罪と器物損壊罪で訴えます! 理由はもちろん、お分かりですね! 貴方が私のバティンを奪って色替えと改造をしたからです! 覚悟の準備をしておいて下さい! 近いうちに訴えます! 裁判も起こします! 名瀬・タービンにも来てもらいます! 慰謝料の用意もしておいて下さい! いいですね!? 

 

 

 

 

 ふぅー(クソデカため息)。

 で、何してくれてんの?? 

 

 

「言われた通りに近接武器の追加しといたよ。ナイフは左腕のスモールシールドの裏とバックアーマーに仕込んでるから。それと羽根にもスラスター足して加速性も上げといたよ」

 

 

 ふむ、殺人的な加速で殺す気かしら? まぁ、ここはホモくんの耐久を上げればOKです。スモールシールドは頼んでませんが、メカニックの勝手な改造はホモくんの財布は痛まないので大丈夫です。

 で、他に何したん? 

 

 

「武器が少ないって言うからテイワズ製のサブマシンガンを改造したのと、さっき言ったスモールシールドにナイフ2本。それと大鎌は壊れたらアレ1本だから予備で似たようなの作っといたから」

 

 

 は? お前有能かよ!? 憤慨してごめんな。俺お前のこと誤解してたよ。どうだ? 甲板に上がって太陽の軌道上で焼いてかない? あ、行かない……そっかぁ……(諦め)

 それでこの色は? 

 

 

「黒一色だと味気ないし、なんか味方なのに敵みたいじゃん? ……嫌だった?」

 

 

 うーん、これもう俺にもわかんねぇな。悪くないからいいんじゃないすかね(ホモは寛容)。

 

 

「そっか! よかった! あ、名前とかどうする? バティンのままでもいいけど」

 

 

 おっと、ここで名前に付け加えが出来るようになりました。リベイクとかルプスみたいな感じで機体が強化、改修される度に新しく名前を変えることができます。当たり前ですが、バティンの後ろにつける形になるので汚い名前とかはやめておきましょう。

 とりあえず無難に『MK-2(マークツー)』にしておきました。

 ちなみに何も打ち込まずに決定を押すとエーコちゃんか整備長などが勝手に決めてくれますので面倒な人は決定一択です。

 

 

「おっけー! じゃあ、それで登録しとくね」

 

 

 はい、これでバティン MK-2の詳細が更新されました。スクショして画面端に置いておきます。新しい鎌は両鎌のようです。コンボの派生を狙いやすいので良きです。メインウェポンに固定しときましょう。

 

 

 やることは終わったので、あとは地球降下作戦まですることはないです。なので、地球降下作戦までの流れを説明しておきましょう。

 ホモくんが仮眠を取ってる間に、既に演説から数日経過しており、もうすぐで地球に到着します。しかし、アナ〇ホルンに尻を付け狙われている鉄華団は当初の予定とは違う形で地球に降りることになります。

 

 そこで、地球降下船の用意をしてくれるのがバエル大好きの名を捨てて、今はモンターク商会の頭領として現れるマクギリス・ファッ!? リドくんです。彼と鉄華団の癒着はここから始まったと言っても過言ではないどころか、その通りなんだよなぁ……。

 マクギリスのせいで鉄華団は色々と面倒事に巻き込まれるんですが、正式に手を結ぶ前に団長を説得すれば回避できるので、ホモくんのアツゥイ信頼を信じます。

 

 話を戻して、地球降下船の用意をしてもらっても、地球の周りにいる地球外縁軌道統制統合艦隊という名のお飾り組織が妨害してくるので彼らを足止めしなければなりません。

 陽動は最高にカッコイイユージンがやってくれるので、彼にお任せです。

 ホモくんのお仕事はギャラルホルンの虐殺になります。さっき戦闘に出れなかったお返しをたっぷりさせてもらいますよ。

 

 

 

 

 

 生まれ変わったバティンの力……ゆっくり見ていってね! (4倍速)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 おっと、イキスギ、イキスギィ! (停止)

 

 

 

 

 

 テイワズの下部組織として名の売れてるタービンズは今回の戦闘にあからさまには参加出来ないので、イサリビから離れたところでホモくんは出撃となります。

 あとから偽装装備した漏影に乗ってラフタやアジーも来ます。ホモくんは先行してグレイズを撃ち落としましょう。

 

 

 性能が上がって、モーションが若干変わってますが誤差の範囲です。今回は殺しアリの戦闘なので何の気負いなく敵を殺れます。うれちー!! グレイズは俺のおもちゃでいいんだ上等だろ。

 

 

『見つけたぞ!!!!』

 

 

 アレ? 見っかっちゃった? 誰に?

 紫色のシュヴァルべってことは……アイン! 

 おかしいですね。この戦闘ではミカがキマリス対策してガリガリをボコって、そのピンチにアインくんが馳せ参じるはずなのですが。

 画面端でブースター付けたキマリスがビュンビュンしてることからまだそのシーンではないという事でしょうか。

 

 

『クランク二尉を手にかけた罪深きお前を! 俺は絶対に許さない!』

 

 

 殺してないんだよなぁ……被害妄想乙! 

 どうやら初戦時に言った発言を真に受けてるみたいですね。クランク二ーを殺したのはミカなのですが、真実の分からないアインくんはホモくんの方へと銃撃してきます。

 前回の怒り心頭状態ならわりと簡単に倒せたのですが、真面目でコツコツと努力を積み重ねていくアインくんのステータスは火星でやり合った時よりも上がっています。

 油断してかかると痛い目を見るので、ほらいくどー。

 

 

 

『貴様ァッ! ……ちっ!』

 

 

 

 ガンダムフレームとグレイズフレームじゃそもそも機体性能の差が違うんだよ!! (イキリ) アインくんがどんなに強くなろうとも、阿頼耶識手術を受けなければ、俺には勝つことは出来ぬ! 

 しかし、ここで殺すとチャートにガバが出るのでガエリオがピンチになるまで引き付けておきます。新造の両刃サイス……武器名は「バティンマカサー」っていうので切り刻んでやりましょう。コマタナ! 

 

 

『ぐうぅっ……!』

 

 

 相変わらず取り回しは悪いですが威力は十分です。迫撃されてもスモールシールドのおかげで防御力も上がっています。勝ったな、ガハハ! 

 

 

『……ッ!? 特務三佐!?』

 

 

 ガエリオお坊ちゃんを助けに向かいました。これで次に現れる彼は生まれ変わってることでしょう。機械仕掛けのバケモノにね……(哀愁)。

 

 

 ある程度敵を減らすと大気圏に入っちゃうので、降下船の上に取り付いて危機を脱しましょう。ミカがまだ大気圏上でグレイズと交戦してますが、あのグレイズがサーフボードになって無事に大気圏突入できます。

 ねねねね〜、サーフィンってたのしい? 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 さ〜て、無事に地球に降下成功です。オセアニア連邦の領地内で、3日くらいまでならギャラルホルンの追撃もありません。そこを過ぎると、セブンスターズっていうギャラルホルン創設時からいる……まぁ歴史とかしがらみに雁字搦めにされた哀れな家系ですね。これも厄災戦とアグニカってやつの仕業なんだ……! 

 そんな哀れな家系のひとつであり、地球外縁軌道統制統合艦隊の艦長を務めるイシューの一人娘が、宇宙での腹いせに我々鉄華団に攻めかかってきます。

 この戦いがビスケットの死亡地点なのですが、お兄ちゃんも生きてるし、オルガとの確執もないので死亡フラグは今のところありませんが、それでもやはり死の運命から免れるにはイレギュラーが必要です。そう、ホモくんっていうね! 

 

 

 

「これが地球……初めてきた……」

 

 

「え、兄さんも?」

 

 

「あぁ、オレはデスクワークで会社にいてばっかりだったからな」

 

 

 おっ、サヴァラン兄さんのストレス値が先程に比べるとかなり減ってます。ビスケットも些か減っていますので、2人が自殺を選ぶことはなくなりました。それでも死なれたらリセット案件です。ビスケットも分岐によっては自殺するから気をつけてね! 

 

 

 子供達が初めての海水に驚いてる間に、蒔苗東護ノ介というおっちゃんがきます。やっぱりガンダム作品におっさんというのは付き物なんすね。可愛い女の子よりもおっさんが多い気がします。その中でもガンダムUCのおっさん達はみんなかっこいいから見とけよ見とけよ〜(宣伝)

 

 

 翌日になって、団長達が蒔苗じいちゃんの所に行ってる間ですが、ホモくんは休憩です。スタミナがすっくないので隙を見て、程よく回復しなければなりません。またここから先は戦闘の連続なので、ちゃんとした休憩が取れるのは今しかないのでしっかり回復しておきましょう。

 

 

 

 

 

 休憩後はすぐに戦闘になるのでキリがいいので今日はここまで。ご視聴ありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

 

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 地球に降下して、鉄華団の面々ははしゃいだり、積荷を蒔苗という男がオセアニア連邦に連絡して使わせて貰っている倉庫へと運び込んだりとそれぞれの時間を過ごしていた。

 ひとまず、クーデリア・藍那・バーンスタインを地球に送り届けるという当初の目的を果たした鉄華団は、漠然とこれからのことを考えていた。

 

 そんな折にオルガやビスケットは蒔苗東護ノ介というクーデリアと交渉を行う予定であった老人に降下した次の日である今日。彼の屋敷へと呼び出されて、メリビットやフミタンを伴って彼の屋敷へと行くことになった。

 

 

「行ってくるよ兄さん」

 

 

「あぁ」

 

 

 色々とあってくたびれたスーツの裾に海水を染み込ませた元エリート商社マンであったサヴァランは弟に手を振り、彼の姿が見えなくなると脱力してその手を下げた。

 悪魔との契約。星原・モーリノとの契約はサヴァランの理想とは違うものであったが成し遂げられた。ナボナの死はあったものの、ドルトコロニーで働く者たちの環境は整備され、良い方に向かっていることを聞いた彼の心中は些か複雑であるものの、穏やかであった。

 

 会社に連絡を入れようにも、鉄華団はギャラルホルンに目をつけられており、通信を傍受されて居場所が特定されるようなことは避けねばと控えていた彼は砂浜に腰掛けると闇を照らす三日月を見上げた。

 

 

「綺麗だな……」

 

 

 地球に来るのは初めてで、それがまさか自分の忌むべき組織と共に降りてくることになるとは思わなかった。イサリビやハンマーヘッドに残る選択肢もあったが、久しぶりに再会した弟との時間を埋めたいと思ってしまったのかここまで付いてきてしまった。

 それもこれもモーリノという男のせいなのだが、どうしてか文句を言う気にはなれない。

 

 

「仲間と家族と共に堅実で幸せな暮らしをか……」

 

 

 そんなものが自分に訪れるだろうかとドルトコロニーでは思い悩んでいたものの、あらゆるしがらみから解き放たれた今の気持ちは清々しい。

 辞表を提出出来ていないが、もしかしたら会社の人間は自分がデモに巻き込まれて死んだと思っているかもしれない。その方が自分には好都合だと自嘲地味に笑った。

 

 

「火星に行ったら彼に仕事でも探してもらうか……」

 

 

 契約者なのだからそれくらいはしてくれるだろうと呟いたサヴァランの顔に愁いや気負いはなかった。それも、これから直ぐに再び戦火が灯ると知れば曇ってしまうものであったが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ─────── 一方で。

 タービンズとして動くことの出来ない名瀬は、弟分のオルガを心配してか3人の人間を地球に降下させていた。パイロットのラフタとアジー、そしてエーコもまたオセアニア連邦の用意した倉庫にいた。

 名瀬の頼みということもあるが、何かと鉄華団と関わることの多かった3人なだけあって、今回のことには協力的であり、作戦が完了して手持ち無沙汰な彼女らは暇そうに足を伸ばしていた。

 そんな時だった。ふと、ラフタが唐突に話を切り出した。

 

 

「2人とも、鉄華団のメンバーで彼氏にするなら誰にする?」

 

 

「はぁ?」

 

 

「……どしたの急に」

 

 

 彼女の突拍子もない話にアジーは怪訝な顔になり、エーコは大丈夫かこいつという目を向ける。

 

 

「名瀬に不満でもあるの?」

 

 

「あるわけないじゃん。……いや、ないこともないけど」

 

 

 最近出来た弟分のせいで構ってくれてないことが今回の話を出した遠因でもあるのだが、単純な興味というのもある。

 名瀬がいなければ自分はここにはいなかっただろうし、生きてもいなかったと断言できるラフタにとっては彼は愛する男であると同時に生きる希望をくれた光でもある。

 そんな名瀬を嫌うなど彼女達にはありえない話、ではあるが妄想は個人の自由なのでこの場では関係ないこととした。

 

 

「こういうのは言い出しっぺじゃない?」

 

 

「確かにね」

 

 

 エーコがそう言うとアジーも頷いてラフタの方を見る。

 

 

「うーん、誰だろう」

 

 

 腕を組みながら考えるラフタに、人に振るだけ振っといて考えてなかったのかと顔を見合わせて呆れる2人。そんな2人に気付かずラフタは考えを整理するために、口を開く。

 

 

「ダーリンの次に私を熱くしてくれるのは三日月なんだけどー、なんか違うし」

 

 

 しかも彼が熱くしてくれるのはモビルスーツ戦闘の一点に限る。それに彼には以前から心を寄せられている幼なじみやウブなお嬢様もいる。彼も自分とは付き合う気がないだろうしと自然と除外した。

 

 

「彼氏、というかほっとけないって言う点では昭弘かな」

 

 

「あーたしかに」

 

 

 同意するようなエーコに、アジーは「そうか?」と首を傾げる。

 

 

「弟分が沢山できて張り切ってるじゃないか」

 

 

「それが空回りしそうだって話」

 

 

 ブルワーズの少年の中で姓を持たない者たちにアルトランド姓を与えてからというもの、昭弘は彼らに本当の兄のように慕われ、ハンマーヘッドでリベイクの調整に入るまでは実の弟である昌弘と共に筋トレに励んでいたのをこの場にいる全員がみている。

 

 

「今はイサリビにいるんだっけ?」

 

 

 ラフタの問いにアジーが首肯する。いきなりあれだけの弟が増えれば頑張りたくなるのも男のサガというやつなのだろうかと考えながら、ラフタは本来の話に戻そうと笑顔を向ける。

 

 

「はい、私は言ったんだし、次は2人の番」

 

 

「私は別にいないかな」

 

 

「私も」

 

 

「えー!? それはズルくない!?」

 

 

 私だけ告ったみたいじゃん!! と声を荒らげたラフタはぐぬぬと身を震わせると、何か思い出したようにそういえばとエーコの方を見た。

 

 

「最近どうなの星原と?」

 

 

「……はぁ!?」

 

 

 急に振られて今度はエーコが大きな声を上げるが、それが返ってラフタの好奇心をより高めてしまった。

 

 

「結構2人でよくいるくない?」

 

 

「それはバティンの整備とかあるからだよ」

 

 

 いたくているわけじゃないと唇を尖らせるエーコに「ほんとかなぁ〜?」とニヤニヤしながら顔を寄せるラフタに、アジーが「その辺にしときな」と間に入る。こんなところで仲間同士の喧嘩など見たくない。それも名瀬以外の男の話で。それがアジーの思いであったが、彼女も「あ」と声を出す。

 

 

「アンタらこの前歳星から2人でバティンに乗ってきたんだよね? 何も無かったの?」

 

 

「何も無いよ!?」

 

 

 逆にあったらまずいでしょと言うエーコにそれは確かにと2人とも動きを揃えて頷いた。姓をタービンズと名乗っているのはエーコのみだが、3人とも名瀬の奥様なのだ。

 

 

「まぁ、アイツ私達になんか素っ気ないしね」

 

 

「そう? 普通じゃない?」

 

 

 というか鉄華団のほとんどはそうではないかとアジーは思う。団長や参謀のビスケットを初めとして、女に免疫がないせいでマグロのように固まっている男の方が多いように見える。シノは別だが。

 

 

「悪いやつ、ではないよ……」

 

 

 モビルスーツの整備の話はちゃんと聞いてくれるし、いい所は褒めてくれるし、意外とロマンチストで、補助席が揺れないように気を遣って操縦してくれてたしと、エーコは2人の知らない星原・モーリノの良さを知っている。

 マグカップを両手の手のひらで包むように持ちながら呟いたエーコだが、その小さな声は2人の耳には届いておらず、違う話へと移行していた。

 エーコは仲間の会話に相槌を打ちながら星のマークのついたマグカップの残り少ない中身を飲み干した。




おや? エーコの好感度の様子が……?
ホモくんの受難はまだまだ続く……?





バティン MK-2
ガンダムバティンを星原用に一部強化した機体。本体の見た目の変化は色のみであるが、内部に関しては駆動系や関節、各部スラスターの調整を行っており、ウイングにも新たにスラスターを追加して加速性を上げている。
武装も追加しており、大鎌である『バティンサイス』に加えて両鎌の『バティンマカサー』を製造した。任意で、刃部分がタガーとして分離することが可能。
さらにバティンの攻撃の隙を補うために百錬のスカートアーマーを加工したスモールシールドを装備しており、裏には専用ナイフを1本携えており、バックパック下に同じものをマウントしている。
ライフルは百錬用のマシンガンを改造しており、威力を落とした代わりに弾数の増加に、速射性のブレの軽減に成功している。




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ミレニアム島戦

コロナ騒動で暇かと思われますが、そんな方には動画配信サイトの無料お試し期間で鉄血のオルフェンズかダンボール戦機を観ることをオススメします。さらにプラモデルも合わせて購入すると、よりいいかと思われます。そんなわけで初投稿です。


 あえて危険な道を選んで前に進むRTA、始まるザマス! 行くでガンス! ふんが〜! 

 

 

 真面目にやります(真顔)。

 

 

 前回は地球降下完了後に睡眠をしてホモくんの体力をばっち回復しておきました。ホモくんの体力は昭弘の半分と、オルガ並なので気をつけないと使い物にならなくなるので気をつけましょう(1敗)。

 

 

 さて、つかの間の休息の後は、蒔苗のじいさんをアーヴラウまで届けなければなりません。まぁ、そんなのバティンのステルス機能でちゃっちゃっと終わらせれるんですが……試走ではちゃんとイベント完遂したし、他の人がバティンを引き当てれる確率なんてソシャゲで最上位レアリティ当てるよりも低いので、ここは当初のチャート通りに行きます。

 下手に楽しようとして、2期での鉄華団団員の経験値が低くて夜明けの地平線団やハシュマルに殲滅されるのも困りますからね。

 

 

「……あぁ、アンタか。どこいってたんだ?」

 

 

 ホモくんが起き上がってくると、オルガとビスケット、それにクーデリアとフミタンにメリビットさんで何やら話し合っていました。どうやら蒔苗のじいさんに脅迫まがいな命令をされたので、それについて話し合っていたのでしょうか。

 一応、寝てたことははぐらかして何かあったのかと聞いてみるとビスケットが全部説明してくれます(有能)。クーデリアは火星の自治独立のために、火星のハーフメタル利権を手に入れようとしていました。その後ろ盾のために蒔苗東護ノ介を頼ってきたんですが、贈収賄疑惑をかけられてこのおじいちゃん議員やめてここまで逃亡してたんですねぇ……。

 なので、おじいちゃんを次のアーヴラウの代表指名選挙の会場に送り届けなければならないのです。

 

 

「ですが、その必要はありません。蒔苗先生は私が送り届けます」

 

 

 

 そうだな。無理かもしれないけど、出来るか出来ないかはやってみてから言うもんだな。

 結論、出来るわけないだろ……! (1敗)

 クーデリアとご老体と秘書の3人でこの島を抜け出すなんて無理です。抜け出す前に捕まってしまいます。しかも、鉄華団も捕まって破滅ENDまっしぐらです。ありがとうございました。

 

 

「アンタはどう思う? この話」

 

 

 全員の視線がホモくんに集まります。なんで見る必要があるんですか(当然の疑問)。どう思うかって聞かれたら、ここで拒否るとクーデリアとメイドであるフミタン、さらに蒔苗も死にます。秘書は割とどうでもいいですが、この3人に死なれると困るのでタロット引きます(意味不明)。

 

 

 力の正位置。ニヒルにホモくんが笑います。やっぱり好きなんですねぇ、力。

 

 

「危険を恐れない勇気を持つなら実行に移すことが出来る……」

 

 

「ンなもんあるに決まってんだろ!」

 

 

 ホモくんの意見を聞いて団長は蒔苗の話に乗ることにしてたみたいです。ビスケットも兄が生きてるので特に反対する気配もなく、ちょっと困り顔なだけです。問題ありませんね! 

 島からの脱出船はクーデリアがモンタークからチャーターしているので万事準備が整いました。

 

 

 あと、ちょっと気になっただけなんですけど、ちょくちょくフミタンからの熱視線を感じるんですが……? これやっぱりフミタンルート入ってません? けど、今は事態が事態なので放置です。焦らしプレイ……興奮するんでしたよね? (初耳)

 

 

 

 

 

 

 

 索敵はミカや昭弘に任せて、ホモくんはオルガやビスケットと作戦の立案です。海上に3隻のギャラルホルンの戦艦を捕捉してますので、蒔苗の隠居先を囮にしつつ作戦を立てます。しかし、原作では空からグレイズリッターが7機飛来します。こちらでもそうなると思われますが、MK-2になったバティンならどうにか出来るのでモーマンタイ!

 気にせず作戦を進行しましょう! 

 

 

 ですが、1つ問題があるのが団長とビスケットの乗るモビルワーカーの位置です。作戦指揮官ということもあって、2人は島内を動き回りますので位置の把握が困難です。それで、カルタに見つかって殺されてりゃ世話ないです。

 出来れば動いてもらわず、その場で指揮して欲しいのですが、そうもいかないのでしっかり見守ってる必要があります。それもRTA的にはロスになるのでそのまま動いてもらうことにします。

 危なくなったらホモくんの体力を引き換えに奥の手を使えばいいだけです。

 

 

 

 作戦会議終了後、オルガに話しかけると作戦開始まで時間がスキップされます。さぁ、思い出してもらいましょう! バティンの恐ろしさを! 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 夜明けから数時間、予定していた時間に降伏勧告に応じなかった鉄華団に向けて、ギャラルホルンの艦隊が砲撃してきたら戦闘開始です。

 ここでのイベントは時間経過、もしくは敵モビルスーツの撃破数で進行します。RTA走者としては如何に早くモビルスーツを倒すかにかかっています。

 

 

 と言っても、ホモくんには昭弘のリベイクのような照準機能や射撃に対するスキルもありませんので、敵が来るまでは時間経過を待つしかありません。

 

 

 ホモくんがぼーっとしてても、筋肉が遠距離から戦艦を狙い撃てば、敵が『戦いの作法も知らないやつらが!』とキレてモビルスーツを出撃させてきます。

 ここは、海岸沿いにいるラフタやアジーに任せましょう。彼女たち2人でも十分抑えられますし、いざとなれば昭弘が援護に向かいます。

 

 

 

 

 では、ホモくんはどうするのか。上陸部隊が来たならそろそろでしょうか……? 

 

 

『うぉっ!? なんだありゃ!?』

 

 

 シノのこの声が合図です。麻呂眉のカルタ・イシュー率いるグレイズリッター7機が降下してきます。下からだと、モビルスーツ用のフライングボードのせいで弾丸を無駄に消費します。かと言って、降りてくるのを待ってるのも時間の無駄です。

 

 

 

 

 なら、どうするかって? 簡単ですよ。

 

 

『ホシ?』

 

 

『おぉ、マジかよ……』

 

 

 こっちも同じ舞台に上がるまでです。なにやらミカやシノが言ってますがMUSHI☆です。ポツダム宣言レベルに無視しましょう。

 バティンMK-2になったことで増した推力をそのまま使うとホモくんがミンチになるのですが、滑空や滞空程度であれば問題ありません! 

 

 

 

 そこのグレイズいいボード持ってんな! 俺のもんな! (ジャイアニズム)

 

 

『き、貴様何をっ!?』

 

 

 悪いなのび太、このボードは1人用なんだ(SNO)。

 ここで殺す必要はありません。蹴り落とすだけでいいです。そしたらミカ達がミンチにしてくれます(外道)。

 あとはフライングボードに乗りながら、マシンガンで敵にダメージを溜めていきましょう。残念ながら改造マシンガンではグレイズリッターの装甲は突破できません。あくまで、上陸を早めるための牽制程度に使います。

 

 

『ええぃ! なんということを!』

 

 

(カルタ様が吠えたところで意味は)ないです。せいぜい、遺言程度でしょうか。カルタはここで殺しておかないと、ビスケットを殺害する上に、この後また邪魔をしてくるので確実に仕留めます。

 カルタに専念するために、のび太は既にレンチメイスの餌食になってたので、ミカとシノに他の5機を任せて手早く終わらせましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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 セブンスターズの第1席、イシュー家の一人娘であるカルタ・イシューが地球ではお飾りと罵られる地球外縁軌道統制統合艦隊の艦長に就任して以来、初めての大仕事。それが鉄華団討伐とクーデリア・藍那・バーンスタインと蒔苗東護ノ介の身柄の確保であった。

 

 

 此度の作戦はカルタの後見人であり、また彼女の想い人マクギリス・ファリドの父親であるイズナリオ・ファリドの命令で、作戦成功のために彼女はいつにも増して気合いをいれ、連携の確認を念入りにしていた。

 面壁九年・堅牢堅固というイシュー家に代々伝わる合言葉を持って、敵を圧倒し世間に自分達の偉大さを、誇らしさを証明するつもりが。

 

 

「こんな、はずでは……!」

 

 

 始まりは部下のモビルスーツが赤いガンダムフレームと呼ばれる機体に蹴り落とされたところからだ。T字の双眼を輝かせながら仲間の乗っていたフライングボードに乗りながら、弾丸を放ち、地上に降下したあとは陣形を作る間もなくその忌まわしき悪魔のような機体が自分に向かってきた。

 

 

 部下の仇を取ろうと3対1に持ち込もうとしたが、白いガンダムフレームとピンク色に塗られたグレイズの改造機に阻まれて、1対1という状況に持ち込まれていた。

 ガンダムフレームとグレイズリッターでは性能差に隔たりがあるものの、カルタは持ち前の操縦テクニックを駆使して敵と渡り合っていた。しかし、敵もヤワではなくそう簡単に打ち崩せるものではなかった。

 空からの奇襲が失敗に終わった以上、クーデリアと蒔苗の身柄を確保する他に自分達が優位に立てないことを悟ったカルタは通信を開いた。

 

 

「上陸部隊は何をやっている!」

 

 

『たった今、蒔苗の屋敷に突入したとの事です!』

 

 

「よし! そのまま2人の身柄を」

 

 

 拘束なさいと命令しようとしたその時、2つの爆発音が響いた。1つは視界の端で敵の仕掛けたであろう地雷にモビルスーツごと吹き飛ばされる部下。もう1つはここから離れた場所……蒔苗の屋敷があるとされていたところからであった。

 

 

『上陸部隊との通信途絶しま……ァァァァッッ!?』

 

 

「どうっ……!?」

 

 

 

 また、仲間が敵の手にかけられコクピットごと潰されるのを見た。次々と殺されていく部下達を見やり、カルタは憤りを顕にした。

 

 

「悪魔め……!」

 

 

 敵は機体の身の丈よりも長い両鎌を器用に振るい、カルタの攻撃をいなすと隙を見てダメージを与えてくる。

 仲間が残り2機となり、ピンク色のグレイズは他の場所へとスラスターを吹かせて行ったが、白いガンダムフレームの強さは破格であり、このままでは全滅にされるのも時間の問題と思った時、焦りからナイトブレードを振りかざすと易々と大鎌の柄で受け止められてしまう。

 

 

『ミカ! 海上の敵は全部叩いた! あとはその3機だけだ!』

 

 

 接触回線により聴こえた通信にカルタは眉を動かした。そして、グレイズリッターのカメラを拡大すれば、森林近くに停滞するモビルワーカーを発見した。それを見てカルタは直感した。

 

 

「奴が……賊の頭目か!!」

 

 

 気付いたカルタは、敵から一時離れてフェイントをかけて、グレイズリッターのスラスターを全面開放しそのモビルワーカーへ突進する。

 

 

「よくも! 私の可愛い部下を!」

 

 

 モビルスーツの、ましてやスピードのあるグレイズリッターからモビルワーカーが逃げることなんて出来るはずがない。

 それを理解したモビルワーカーの操縦手、ビスケット・グリフォンは上に乗っている団長のオルガだけでも助けるべきだと死を覚悟する。

 

 

 

『オルッ……! ……消えた?』

 

 

 オルガを助けようと動こうとしたミカであったが、自分より先に動いた星原がいたはずの地点を見るなりそう声を出した。確か、バティンにはステルス機能があると聞いたことはあるが、それとは少し異なるようなと感じたミカはその先で起きている状況に目を見開いた。

 

 

『逃がさないよ』

 

 

 だが、ビスケットの覚悟も、オルガの焦りも、カルタの怒りも。ガンダムバティンを操る彼の前では、無意味となった。

 

 

 

「なっ!?」

 

 

 ビスケット達の乗るモビルワーカーにダメージを与えないようギリギリの場所で踏みとどまりながら、バティンMK-2がグレイズリッターの剣を受け止める。

 

 

『ビスケット! 早く!!』

 

 

『わ、わかった!』

 

 

 固まっていたビスケットもオルガに怒鳴られ、すぐさまモビルワーカーで安全圏まで逃げ出す。それを確認した星原は、バティンの右脚でグレイズリッターを思いっきり蹴り飛ばす。

 

 

「ぐふぅっ!?」

 

 

 蹴り飛ばされ、後ろに飛んだカルタはそんな悲鳴を上げるとこちらに歩み寄ってくる赤いモビルスーツに戦慄を覚えた。グレイズリッターは通常のグレイズよりも機動力を上げ、さらには地上戦用のカスタマイズを行った機体だ。その機体がスピードで負けた? カルタにはそれが信じられずそんなことは無いと、再び逃げたモビルワーカーを追おうとしたが、当然のように目の前のガンダムはそれを許さなかった。

 

 

「き、貴様っ! どこまで邪魔をっ!!」

 

 

 どう振り払おうとしても着いてくる機体にカルタは怒りを滲ませた叫びを零す。その間に三日月・オーガスはカルタ最後の部下を仕留めると星原に回線を繋いだ。

 

 

『ねぇ、手伝った方がいい?』

 

 

『……いや、俺一人でいい。もしもの時のために団長の近くにいてくれ』

 

 

『りょうかい』

 

 

 オープンチャンネルで行われた通信であったためにそれはカルタにも筒抜けであり、自分を1人で仕留めようと言い放った男にとうとう堪忍袋の緒が切れた。

 

 

『許さん! 許さ───────』

 

 

 続きの言葉を紡ごうとしたその時、カルタの視線はいつの間にか空をあおいでいた。

 鎌で股間部からかちあげられた機体は地球の重力に従って落下する。その衝撃でカルタの口の中に鉄の味が広がる。

 だが、敵の攻撃はまだ終わらない。

 

 

「がぁッ!?」

 

 

 薙ぎ払うように振るわれた鎌で装甲が1枚、また1枚と剥がされていく。

 

 

「や、やっ、やめっ、がぁッ!! うがっ!?」

 

 

 どんなに言葉を紡ごうとしても振り下ろし、薙ぎ払い、振り上げられる鎌の一撃の重みでかき消されていく。空から雨が降り始めた頃、カルタの意識は段々と薄くなり、光を失い始めた瞳には意中の人物が浮かび始めていた。

 

 

「マク……マク……マクギリ、ス……」

 

 

『……フィナーレだ』

 

 

 全て試したいことが終わったと言わんばかりに、無駄な斬りつけを終えたバティンのパイロットはそう呟くと装甲がほとんど無くなりフレーム状態となり幾分か軽くなったグレイズを空に投げた。

 それをスラスターを絶妙に吹かせて姿勢制御を行いながら一回転切りを決めると、グレイズのパイロットは断末魔や遺言を残すこともなく、静かに散っていった。

 

 

 

 

 

 

 ###

 

 

 

 

 

 戦闘終了。所詮はカスだったな! まぁ、ミカやシノが頑張ってくれたおかげでもあります。ヨシヨシ……(褒めて伸ばす)。

 カルタをゆっくり殺すつもりはありませんでしたが、オルガが船に着くまでカルタを殺したところで作戦終了にはならない。なので、じっくりいたぶってやる必要があったんですねぇ。

 おかげで色々と試したいことも試せたので、彼女の死は無駄ではありませんでした。一応、気絶だけさせて鉄華団の捕虜としてホモくんとの真実の愛を育むなんてルートもあるんですが、RTA的にはイベントが増えて邪魔なだけなので殺しました☆

 井上喜久子さん演じるピュアピュアなカルタが見たい方はぜひ走ってみてください。まぁ、ガエリオからホモくん庇って死ぬというバッドエンドまっしぐらですが(現実は非情である)。

 

 

 カルタをここで仕留めたので、これで1期は残すところエドモントンでの戦闘のみです。生きているとマクギリスがカルタに死んで欲しいからと差し向けてきます。自分で殺さない人間のクズ。コナンの犯人見習って♡

 そんなことはともかく、MK-2の性能テストに最大加速でのホモくんへのフィードバックや、回転切りも試せたばかりでなく、大幅な時間の短縮が出来ました。

 これは美味すぎて馬になりますよ! 

 

 

 次の戦闘はもっと苛烈を極めます。なので、いざという時のための奥義を使ってもホモくんが死なないようにステ振りをおこないます。耐久にBAN! BAN! 爆発しても耐えきれるくらいに振っておきましょう。ただし、全ポイント使うと2期で必要な時に使えない! なんてことになるので気をつけましょう(5敗)。

 

 

「あの、少しよろしいでしょうか」

 

 

 あ、ホモくんが何かやらかして、好感度がオルガの次に高いフミタンではありませんか。いや、なんでオルガの方が高いの……? (困惑)

 まぁいいや。それでなんでしょうか。船での移動はイベントを2つ消化しないと終わらない仕組みなので、ここはフミタンのイベント消化にします。

 本来ならビスケットが死んでオルガがピギュするのと、弔い合戦の下りをやるだけで終わるんですけどね……。

 

 

「先程はお疲れ様でした。それで、あの、痛むところなどはありませんか?」

 

 

 んー? 財布かな? (激寒ジョーク)

 ジョークじゃなくてマジなんですけどね。でも、グレイズリッターの装甲とフライングボードを売却してウハウハのホモくんはその限りではありません。

 ここはないと答えておきましょう。

 

「そうですか……。いえ、無事なら結構です。また用があれば呼んでください」

 

 

 あれ? もう終わり? 今のでイベントひとつ消化出来ました。なんだったんでしょうかね。

 多分、ぬわああああんもう疲れたもおおおおおんとか言えばもうちょい延びたんでしょうかね。だとすれば、万々歳です。てか、フミタンはクーデリアのメイドでは……? (今更)

 

 では、次のイベントを消化しましょう。こういう時はミカに限ります。彼なら火星ヤシ1個食べるだけで終わります。その代わりランダムでストレス値が増減するので、紙メンタルのキャラには注意が必要です。

 

 

「あ! いたいた!」

 

 

 ひょ? どうやらホモくんを探していたエーコネキと目が合ったようです。コォレワァ……強制イベント突入ですね。内容によっては美味いんですが、メカニックは絡んでくると話が長いのでRTA的にはロスが大きいです。

 

 

「三日月くんに聞いたよ! 君、アレ使ったでしょ?」

 

 

 例のアレはこの動画にはありません。ないって言ってんだろ!! (憤怒)

 

 

「……まぁ、確かに身体は大丈夫そうだけど、ホントにアレはやめときなよ! じゃないと身体壊れちゃうから」

 

 

 ンなもん搭載しといて何言ってるんですかね……。アレというのはアレであり、相打ち覚悟の秘密兵器以外のなんでもありません。けれど、耐久が阿頼耶識パイロットに並んだホモくんなら使用毎にホモくんのHPの5分の1くらいのダメージを負うだけで済みます(かなり大きめ)。

 強化前だと死んでしまいます。オルガ達を助けようと最大加速しただけでホモくんのHPが半分削られましたからね。

 

 

 

 

 そのままエーコネキとバティンの整備をしたら船内イベントが終了しました。ここからは列車に乗り換えてエドモントン直行を目指します。

 今回はここまで。ご視聴ありがとうございました。

 

 




回転斬りはリスペクト元の初登場戦闘イメージ。誰がわかるんだ……?
あとさりげなくエーコネキの好感度チェック忘れてますが、100あるうちの55(初期値50)になってます。まだまだ知り合いレベルですね。ぺっ!(反吐)

明日はもしかしたら投稿できないかもです。先輩! 好きっす。今度は嘘じゃないっす(SKRG HNMT)


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#鉄華団

エドモントン議事堂突入作戦かで悩みましたが、やはり偉大なる原作様に倣って1期終了回のタイトルから。
自分で書いたくせに設定ガバってて失踪しようか悩みましたが、それを直して急ぎで仕上げたので拙い出来かもしれませんが許してクレメンス。
(1万字超えてるのでゆっくりと時間がある時に)どうぞ。


 

 目の前に立ち塞がるやつは全員ぶっ潰すRTAはじまるよー。

 

 

 前回は麻呂眉貴族のカルタ・イシューをプッピガン! して船でアーヴラウを目指すところで終わりました。

 マクギリス・ファッ!? リドのおかげでギャラルホルンの衛星監視網から逸脱できているので、補足される危険もありません。

 腐敗ここに極まれりだな……(どの口が言うんだ)。

 

 

 原作ではカルタが生きていると保険のための移動手段である電車で襲いかかってくるわけですが、コクピットごと一刀両断したので来ることはありません。私怨にこだわって友情を捨てた愚かな奴とは違うのだよ! 

 おかげで貴重なガリガリ君グレープ味の乗るキマリストルーパーのお披露目も無くなりましたが、元々戦闘するのは1回だけやしええやろ(適当)。

 

 

 船内イベが完了したら列車に乗り換えと言ったな。あれは嘘だ(ホモは嘘つき)。

 最後のイベントである団長からのありがたいお言葉を甲板にて聞きましょう。

 ビスケットが死んでないので弔い合戦のくだりはなくなってます。ギャラルホルンに鉄華団を潰そうとする奴がいるのと邪魔するやつは全部敵だは変わっていません。

 最初からそのつもりなので聞かなくてもいいです。RTAの邪魔するやつは全員ぶっ潰す(邪悪なる精神)。

 

 

 団長からの話を聞いて電車へと移動している間、エドモントン議事堂到着までの最短チャートについてお話します。

 確実なルートである川の水が引くまでの時間経過を待ってると原作通りとなってしまって、カルタ2戦目を省いた意味が無くなってしまいます。

 やはりバティンに乗せるのが一番……てことはないです。やりようはあります。

 ギャラルホルンはエドモントン市街地に入るための橋を全面封鎖しており、そこのモビルワーカーが邪魔で議事堂に行くことができません。

 モビルスーツを市街地に持ち込めない以上、モビルワーカーを潰すにはモビルワーカーしかないんですが、それだと3日かかります。ゲームだと30分以上はかかりますね。はっきり言ってクソゲーです。もう辞めたくなりますよ〜。

 

 

 けれど、原作ではいないはずのビスケットが居ることで作戦プランがスメラギ・李・ノリエガ並に完璧なものになり、大幅な時間短縮が見込めます。なので、ビスケットをしっかりばちこり生かしておく必要があったんですね。

 でも、助ける気があったビスケットと違って、ここではまだ死なないと分かっていたから助ける気のなかったオルガの好感度の上がり具合がエグいです。今なら「団長! 好きっす!」って言ってリボルケイン刺しても許されます。しませんよ? 

 

 

 ビスケットがいるだけでも磐石な鉄華団ですが、宇宙のイサリビにいるユージン達を地球に降ろしてミサイルコンテナ付きのモビルワーカーに乗せればさらにパーペキ。確実にこちらに風が吹いてきます。そう黄金の風がね。

 副団長はこのユージンだ! という破竹の活躍を見せてくれるので期待しておきましょう。また、このルートなら戦力として申し分のない昌弘達も加わるため、作戦の成功率はさらに高まります。

 

 

 エドモントン突入戦での死亡者は……かなり多いです。その中に今まで助けたメンバーが入る可能性はありますが、こちらはかなり低いです。このゲームでは一度死亡フラグを切り抜けたキャラは死ににくくなるという補正がかかります。なので、ビスケット、フミタン、サヴァランはモーマンタイです。

 オルガはミカとビスケットがいれば死ななくなるようになるので、無視です。フュージョンすれば完璧では? すげぇよミカケットは……。

 一番死亡フラグがビンビンなのは……ホモくんです。

 

 

 調子に乗った主がアインくんを挑発したせいで、おそらくクーデリアよりもホモくんの始末を優先する危険性もあります。ミカに首を締められたガエリオにも因縁がありますが、こっちは親友が相手してくれるはずなので大丈夫でしょう。

 それで完全なる阿頼耶識とやらを施されたアインをどう対処するかなんですが、タイムを考えれば三日月と共にやるのが一番早いので手っ取り早く済ませちゃおうか。

 

 

 全ての準備を整えて、オルガに話しかけると例に漏れず作戦開始シーンまで飛びます。

 

 

 

 

 ###

 

 

 

 エドモントン市街地より外れた廃駅へあと1時間足らずで到着する。全ての作戦の最終打ち合わせや準備も終えて、確認作業を残すところになった鉄華団の団員達は慌ただしい。

 はじめての海、レールの上を走る列車の中だと言うのに、彼らはその忙しさから嬉々として海原を見ることも外の景色をじっくり眺めることも乗り物酔いを催すこともなく、手足を動かし、自分達ができる最善のことを行っている時、彼らの長で鉄華団の団員達の命を預かるオルガ・イツカはとある男の元へと足を運んでいた。

 

 

「ちょっといいか」

 

 

 それは長年連れ添った相棒でもなく、自分と共に団員達を牽引してきた参謀でもない。出会いは自分達がCGSに入隊した際に行われた阿頼耶識手術後の模擬戦。破竹の勢いで当時の一軍を倒していた自らの相棒に黒星をつけたキレ者。

 まるでその手に持つタロットカードで全ての未来を見通してるような、見る者が見れば不気味さしかないような男にオルガは声をかけていた。

 

 

「……なんだ?」

 

 

 雪国を抜けてもまだ少し寒いのか、火星以来着けているのを見なかったマフラーに口元を埋めた星原・モーリノが顔だけを向けてオルガを見やった。

 

 

「なに、用って程のものじゃねぇんだけどよ」

 

 

 そう言って星原の隣に立つと、彼が見ていた景色を見た。オルガにとっての兄貴分である名瀬・タービンが寄越した彼の妻であり、タービンズの誇るメカニックのエーコ・タービンがせっせと赤く血塗られたようなモビルスーツの整備を1人で行っていた。

 同じくアジーやラフタも来ており、その2人の機体はどうしたのかとバティンよりも向こうにある機体へと視線を動かすとオルガの疑問を見破ったかのように星原が口を開いた。

 

 

「漏影はもう終わったそうだ」

 

 

 相変わらず人のことをよく見ているなと、今更気持ち悪いという感想も出てこないオルガは「なるほどな」と頷くと、星原と共にバティンを見上げた。

 

 

「アンタは今回の作戦、上手くいくと思うか?」

 

 

「どうした急に」

 

 

「アンタの意見が聞きてぇだけだよ。作戦会議の時は何も言わなかっただろ?」

 

 

「言わなかったってことは、意見はないってことだろ」

 

 

「つめてぇな」

 

 

 軽くあしらうように言い放つ星原にオルガは苦笑するとその顔から笑みが消える。

 

 

「はっきり言って怖ぇんだ。この作戦が上手く行けば鉄華団はでかくなる。けど、逆に上手くいかなければ終わりだ」

 

 

 鉄華団はギャラルホルンに捕まって、蒔苗もクーデリアも反逆罪やら何かしらの罪を着せられて牢屋に入れられるだろう。そうなれば、これまでにやってきた全てが無駄になる。

 

 

「もちろん、失敗するだなんて思ってねぇ。ただ、景気づけにいつものアレが欲しくてな」

 

 

 オルガはそう言うと星原がいつもアレを出すポケットを見た。彼の意図を悟った星原は溜息を吐くと、口角を上げていつものようにカードを1枚取り出した。

 

 

世界(ザ・ワールド)

 

 

「意味は?」

 

 

 尋ねたオルガに星原はニヒルに笑うと『世界』のカードについて語り出した。全てのタロットカードの頂点にして、最高の位置にいる。正位置の意味することはポジティブであり、このカードが出れば失敗することはないだろうということを。

 話を聞くにつれてオルガの顔にあった僅かな緊張は取れていき、そのカードが指し示した暗示を聞くために自然と口は開いていた。

 

 

「それはつまり……」

 

 

「約束された成功だ」

 

 

 だから、気負うな。お前を信じる俺達を信じろと彼は団長に背中を向けて、バティンの方へと歩みを進める。その言葉と背中に勇気を貰ったオルガは軽くなった足取りで、自分がするべきことをするために自分を待つ家族の元へと向かっていった。

 

 

 

 

「何話してたの?」

 

 

「何も」

 

 

「嘘だ」

 

 

 最近、妙に絡んでくるなと怪訝に思いながらも星原はエーコの言葉を返しながら、スラスターのガスがしっかり補充され、武器の斬れ味も最高の状態に仕上がってるのを確認した星原は満足そうに薄くであるが笑っていた。

 

 

「……そういう顔もできるのか」

 

 

「俺だって綺麗なものを見れば綺麗だと思うし、良いものを見れば良いと思える心はある」

 

 

 心底意外そうな顔でエーコがそう言うので、星原もムキになったのかそんなことを言ってしまう。これから戦場に赴くというのに軽口を叩けるのは彼に余裕がある証拠なのか──エーコには分からない。けれど、この男ならどんな手段を取ってでも帰ってくることは予想出来た。

 

 

「じゃあ、キミから見て私はどうなの?」

 

 

「なんだ藪から棒に」

 

 

 怪訝な顔を向ける星原にエーコは「いいから」と強く押すと、言ったところで大したこともないし、言わずにむくれられるのも癪だと言われた通りに答えることにした。

 

 

「メカニックとしての腕は申し分ない。オッサンに比べれば、誇れるレベルだろうな」

 

 

「そういうことじゃないんだけどな……」

 

 

 ちなみにオッサンとは雪之丞のことであり、聞いた事とは少しニュアンスの違う答えを返されて、むくれるエーコに星原はまた溜息を吐くとどうしたものかと思い悩んだ。

 

 

「容姿の話なら、悪くはないんじゃないか?」

 

 

「ホント!? ……って、なんで疑問形?」

 

 

「俺の主観だからな」

 

 

 他はどうか知らんと吐き捨てた星原にエーコは複雑な気分と眉を寄せる。彼なりに夫がいる女だからと気を遣ったのだが、女心は難しいと心の中で呟いた。

 

 

「まぁ、いいや。……頑張ってね」

 

 

「お前も頑張るんだよ」

 

 

「はいはい」

 

 

 少し間を開けて言ったエーコに星原は特に何も思うことなく、雪之丞の手伝いに向かったのであろう彼女の背中から視線を外すとパイロットスーツに着替えるためにマフラーを解き始めた。

 すると、カツンカツンと鉄の床を鳴らす音が聞こえて今度は誰だと視線を寄越した。

 

 

「アトラさんから水分補給用のボトルと非常食です」

 

 

 来たのはこちらもここしばらく自分に声をかけてくるフミタン・アドモスであった。彼女から受け取ったボトルと非常食の入っているのであろう箱を雑にコクピットへと放り投げた星原は解いたマフラーを床へ落とそうとするが、それはフミタンによって防がれる。

 

 

「ここは汚いですよ?」

 

 

 フミタンの言う通りモビルスーツハンガーと整備庫を兼ねているここは油や塗料などで地面が汚れている。

 

 

「あぁ、そうか。じゃあ預かっといてくれ」

 

 

「え……あ、はい」

 

 

 ポンと軽く畳んでマフラーを渡した星原は手際よくパイロットスーツの袖に腕などを通していく。そんな彼の姿を見ながらフミタンが口を開いた。

 

 

「そういえば、先程エーコさんと何やら話していましたね」

 

 

「まぁな」

 

 

「何を?」

 

 

「私をどう思うかだそうだ」

 

 

 別にどうも思っていない。メカニックとしての腕は認めるし、他の2人に比べれば穏やかな部類だ。ラフタは絡みが面倒だし、アジーは根っこに気性が荒い部分がある。

 苦手ではないが、自分よりも女に飢えているシノやユージン辺りに構ってやればどうだろうとは思っているが、言うと四者揃って面倒くさそうなので黙っている。

 

 

「それで、なんて答えたんですか?」

 

 

「メカニックとしては悪くないと言っておいた」

 

 

「そうですか。では、女性としては」

 

 

「どうも思ってねぇよ」

 

 

 口には出さないが可愛い部類だとは思う。女性との付き合いは不得手で面倒臭いと分かっているから好意などは持っていないし、持ったとしても相手は人妻である。さらに夫はギャングの傘下におり、いくらバティンにステルス機能があるとはいえこの歳で日の下を歩けなくなるのは非常に困る。

 

 

「なるほど」

 

 

 フミタンが頷いた時、パイロットスーツに着替え終えた星原はヘルメットもまた適当にコクピットへと放り投げると彼女の方を見た。

 

 

「そろそろ、着く頃だろ」

 

 

 お嬢様のところに戻ったらどうだと言う星原にフミタンはまたも首肯すると「それでは」とまた鉄の床を靴で鳴らして去っていく。

 彼女とすれ違うように昭弘やシノもやってきて、各自モビルスーツに乗り込んでいく。

 列車が着けばすぐさま待ち伏せているギャラルホルンのモビルスーツ達との戦闘が始まる。

 

 

 彼らが辿り着くべき場所まで、あともう少し。

 

 

 

 

 

 ###

 

 

 

 

 作戦開始と共にギャラルホルンのモビルスーツが待ち受けてるエリアへと移動しましょう。スピードではバティンが鉄華団内で最優なので、タイムを縮めるべく率先して前に出ます。

 

 

 今回の勝利条件は蒔苗とクーデリアが議事堂に無事到着すればOKとなっていますが、ストーリー進行はこちらのモビルスーツ撃破状況で決まるので早めにグレイズを仕留める必要があります。

 

 

 また、全てのモビルスーツの撃破は必要ではありませんが、しないと後々出てくるグレイズアイン戦で邪魔になります。

 

 

 十分なレベリングをしていれば、ガンダムフレームでなくても、テイワズ製モビルスーツや強化グレイズでも地球のギャラルホルンは一対多数を相手にできます。RTAではいかに空いた時間でシミュレーターに篭ったり、経験値の多い敵を倒したりするかが鍵になっております。

 

 

 乱戦になると敵は撤退しようとします。一回目は見送りましょう。こちらは立て直す必要がありません。

 阿頼耶識使いに歴戦のパイロットガール達。勝てんぜギャラルホルンは。

 撤退した敵は弾薬やスラスターの補給などをしているので、そんな時間を与えてやるほど我らがホモくんは甘くはありません。

 

 

『えっ? ちょ、ちょっと!?』

 

 

 1人だけ現中域からギャラルホルンの補給部隊がいるところへ向かいましょう。1人で多数に勝てるわけないだろ! って? 

 

 

『俺も行く』

 

 

『俺も付き合うぜ!』

 

 

 ホモくんが逸脱行動をとっても好感度が高いとこのようにミカやシノはもちろん、昭弘も無言で付いてきてくれます。ただし、好感度が低いとミカくらいしか着いてきてくれないので気をつけましょう。

 まぁ、ミカが来てくれれば負けることはありません。太刀の扱いに慣れてないミカですが、メインウェポンのレンチメイスの攻撃力は鉄華団最高クラスです。特別なモビルスーツでなければ、クリティカルに頼らずともコクピットに当てれば一撃で敵を倒せます。ミカたんマジ悪魔たん。味方でよかった。

 

 

 しばらくもしないうちに、敵拠点地があるので、モビルスーツの破壊はミカ達に任せて、ホモくんは速射性の高いマシンガンで生身のギャラルホルン兵士を撃ち抜いていきます。

 迎撃部隊が出てきた場合は大鎌では対応が遅れるのでナイフで対処します。

 そうしていると遅れてラフタとアジーがやって来ました。

 

 

『うわーグロ……』

 

 

 遊びでやってるんじゃないんだよ!! (ギャラルホルンに)一方的に撃たれる怖さと恐ろしさを教えてあげるよ! ははは! ざまぁないぜ!! と精神異常者ムーブをかましておきましょう。

 勝つためならなんでもすると思われているため、これくらいでは好感度は下がりません。というか、タービンズからの出向組の好感度なんてホモくんからすれば必要ありません。

 

 

 赤子の手をひねるようにギャラルホルンを虐殺していると、グレイズとは違うエイハブウェーブが観測されます。これは敵を一定数撃破すると時間に関係なく現れます。

 

 

『見つけたぞ! 貴様が! 貴様がカルタを!!』

 

 

 ガリガリ君グレープ味くん! なんでソーダグレープかというとキマリスと彼の髪が紫だからです。説明するまでもなかったね。

 どうしてホモくんが麻呂眉を殺したか知っているのかはさておき、彼は地上戦に適応したキマリストルーパーで突っ込んできます。

 トルーパーは射撃も可能な槍は相変わらずで、攻撃力と機動力、加えてシールドも装備しているためかなりの強敵です。

 盾がなければもう少し優位に立てましたが、装備しているのはわかっていたことなので文句は言いません。

 バティンが勝っているのはスピードのみなので、それを活かして立ち回りましょう。ただし、ここでスラスターのガスを使いすぎるとこの後に降りてくるバケモノに対処できません(5敗)。

 キマリストルーパーと相性がよいという理由だけで、私怨の全くないグシオンリベイクに乗っている昭弘をぶつけましょう。

 

 

『分かった! 任せろ!』

 

 

 近遠に強く、盾持ちでタフネスも持っている昭弘の方がガエリオを上手く対処してくれます。

 

 

『違うッ! お前ではない! そこを退け宇宙ネズミ!!』

 

 

『うるせぇ! 俺は任されたんだ!』

 

 

 ガリガリも怒りで冷静さを欠いてヒットアンドアウェイ戦法ではなく、力押しに走ります。筋肉の塊である昭弘には効きませんし、おまけに恨みもないのでステータス補正がなくなり、技量にマイナス補正がかかるので昭弘はまさにガエリオキラーといえます。

 しばらくはガリガリVSムチムチの構図にしておいて、ホモくんは露払いを行います。

 ガエリオが来たってことはそろそろなんですが……? 

 

 

『……何、あの大きいの』

 

 

 おっ、噂をすればなんとやら。呼ばれて出てきたあの黒くてデッカイの(直喩)はグレイズと一体化したアインくんこと、グレイズアインくんです。機体に自分の名前つけるのが許されるのは小学生までだよねー! 

 

 

『見た事ない機体だけど、いくよ!』

 

 

『了解!』

 

 

 ファッ!? ちょ、ちょっと待って!? どういう機体なのかも見破れんのか……!

 このまま美女2人が突っ込んでも、おじさんと貴族のお坊ちゃんが好きなホモのアインくんには届きません。せいぜいアックスとドリルキックの餌食になるだけです。好感度を犠牲にしてでも止めましょう。

 やメロン! か、勝てるわけが無い! 相手は伝説のスーパーグレイズなんだぞ! 

 

 

『じゃあ、誰がやるの!?』

 

 

 ホモくんとミカで相手してやるよ(震え声)。ここは俺たちにまかせて先にいけ! 

 

 

『で、でも……』

 

 

『……わかった。ラフタ、いくよ!』

 

 

 そう言うと2人が他のグレイズの所へと向かおうとしますが、それをアインが防ごうとしてくるので今度はこっちを止めます。

 お前は誰を見ている! 俺を見ろぉー!! (大告白)

 

 

『……その声、その機体! そうかッ! お前かッ!! クランク二尉を手にかけた罪深き男ッ!!』

 

 

 そうだよ(適当)。働き者のおっさんと死ぬまで盛りあったぜ(三日月が)。

 

 

『貴様ァッ!! それ以上あの人を冒涜するなッ!!!』

 

 

 あぎゃ──!!? え、えっ、えっ!? ちょっとタンマ!! アインくんめちゃくちゃ強ない!? 試走の時よりも動きよくない!?? なんで!!? 

 

 

『アイツやばいな』

 

 

 ヤバいってレベルじゃねーぞ!! 攻撃力は試走時の1.5倍増しくらいで、シールドがあったからいいものを……! なかったら即死とは言いませんがバティンのHPが3分の1も減りました。頭おかしいんでないの? 

 

 

『ふふふ、すごい。考えなくてもわかる! これが阿頼耶識の本当の力……!』

 

 

『本当の阿頼耶識……?』

 

 

 分からない人のために言っておくと、三日月達が受けてるのはアインくんからすれば紛い物。わかりやすく言えば他国製です。リスクが高い上に三日月のように3回成功させて漸くオリジナルと並んだスペックが出せます。昭弘が2回で、他メンバーが1回ですが受けた人の4割が何かしらの後遺症を患ったりしてます。

 で、アインくんが受けたのが一応オリジナル……なんですが、顔と胴以外をホルマリン漬けにして生体端末としている、まさに非人道的なシステムに仕上がっております。ですが、これが後々こうなるように仕組んだ大人になれない子供やホモくんに多大なる影響を及ぼしてくれるので悪いことは言いません。

 けど、殺すね(無慈悲)。まぁ、実際に殺されかかってるのは何もしてないホモくんと他国製のミカなんですがね。

 

 

『動きが読まれてる……? いや、単純な速度でこっちの上をいってるのか……』

 

 

 ミカと2人がかりでやっていますが、どうしても決定打に欠ける上に敵の回避が早すぎィ! 早漏もビックリなレベルです。

 これは、やっぱり、使うしかないようですね……!

 本来これは正式な阿頼耶識手術を施した上で行うのが正解なのですが、残念ながらホモくんは竿も玉もデカい大人なので今は無理です。

 なので、耐久をカンストさせてできるだけフィードバックを抑えましたが、それでもぶっちゃけ微妙です。けれど、ミカには五体満足でこれからもアトラやクーデリアとよろしくして欲しい(他人の幸せを願う善人の鑑)。

 だったら、答えは1つです。見たきゃ見せてやるよ(震え声)。バティンの本当の恐ろしさを! (いつも見せてんな)

 

 

 

 

 

 

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 クーデリア・藍那・バーンスタインと蒔苗東護ノ介をエドモントン議事堂まで送り届けるというミッションを遂行すべく、エドモントン市街地から僅かに離れた廃駅を利用し弾薬の装填、エネルギーの補給などを行う鉄華団は団長と参謀の立てた作戦を滞りなく実行し、早くもエドモントン議事堂へと到着するビジョンを見据えていた。

 それは参謀の慧眼と彼の作戦プランを遵守して動く団員達のおかげであろう。

 数では劣りながらも確実に1歩ずつ攻めてくる鉄華団に敵対するギャラルホルンは少しずつ恐怖を覚えたであろう。その原因はモビルワーカー部隊の手柄だけではなく、後方の広大な土地で行われている一方的な蹂躙も起因しているだろう。何百年もの間にギャラルホルンが培ってきた兵力がたった6機のモビルスーツにより破壊されていき、その通信を受け取った兵士たちは己の身を案じた。

 特に生身の人間をモビルスーツ用のマシンガンで撃ち殺したという赤いガンダムフレームと呼ばれる機体に乗ったパイロットがいると知った兵士達はその場から逃げ出したくなったことであろう。

 

 

『なんて事だ、お前の罪は止まらない! 加速する!』

 

 

 だが、彼らはその悪魔と呼ぶべきモビルスーツに対して優位に戦闘を行う自軍の黒い巨体のグレイズにも戦慄を覚えた。大きな斧を2本振るってかの厄災戦を終わらせたと呼ばれる2機のガンダムフレームを相手取っていた。

 

 

『罪深き者達……! クランク二尉はお前達と戦う気はなかった!』

 

 

 ただ1人で憤るように、怒りをぶつけるようにアックスを薙ぎ払う。2体のモビルスーツはそれを受け止めるも反撃の糸口は見えず、ただ装甲に傷が増えていく。

 劣勢な状況でどうにかしなければと白いガンダムフレームのパイロットである三日月が乗機へと何か言おうとした時、赤いガンダムフレームのパイロットが口を開いた。

 

 

『三日月、突破口は俺が開く。そのあとは任せるぞ』

 

 

『え?』

 

 

 返答も聞かず1人飛び出したガンダムバティンにアイン・ダルトンは不敵に微笑んだ。

 

 

『貴様程度が本物の阿頼耶識に適うはずがないッ!』

 

 

 正面から無策にもこちらに向かってくるモビルスーツにグレイズアインは大斧を振り上げると、一気に振り落とす。言葉通り、相手が何か小細工を弄したところで完全な阿頼耶識を施した自分に勝てるわけがないという自信に満ち溢れているアインだったが、目の前で起きたことに思わず目を疑った。

 

 

『なっ、ど、どこだ!? どこに消えた!?』

 

 

 自らと一体化したモビルスーツのカメラアイをギュルンギュルンと動かして先程叩き切ったと思った忌まわしき相手の影を探す。

 

 

『そこかッ!!』

 

 

 自分から遥か後方で鎌を肩にかけて余裕そうにしているその姿を見て、血が昇ったアインはすぐさま距離を詰めると再び斧を振るう。しかし、また手応えはなく、驚きの声を漏らす。

 その光景は味方である三日月・オーガスから見ても異常であり、またも姿を消したバティンの姿を目で追うとさらに驚くべきことが起きていた。

 

 

『な、なんだ! 貴様はッ!? な、何故……』

 

 

 狼狽えるグレイズアインの周りには全く同じ姿のモビルスーツが3機。真紅と黒の機体色にT字に光る双眼、各部に配置されたスラスターに禍々しく広がる翼の形は全て瓜二つであり、アインと三日月を驚愕させるには十分であった。

 

 

『……さぁ、味わってもらおうか。俺のイリュージョンを』

 

 

 通信機越しに聞こえるその声は、今までのお返しをさせてもらおうという怒りと、何か痛みに耐えるようなうめき声にも聞こえる。そして、遠くの廃駅にてその通信を聴き取ったバティンの整備を担当したエーコ・タービンは「まさか!?」と声を上げた。

 彼女がバティンのパイロットを止めようと通信機に手を伸ばしたところで、既に彼は動き出していた。

 

 

『があっ!? うっ……ううっ!!』

 

 

 3機のバティンから繰り出される連撃に今まで優勢であったアインは翻弄され、斧を振り回すも華麗に避けるバティンには一切当たらず、当たったとしてもそれは残像であり、本体からの切り上げを受けてその機体を宙に舞わせる。

 

 

『き、貴様ァッッッ!!』

 

 

 吼えるも、バティンの攻撃は止まらず、しかもその速度は加速していき、3機の行動は同一ではなく、1機が正面から切り上げ、他の1機が横から鎌を振り下ろし、もう1機が背後から大鎌をフレームのシリンダー目掛けて薙ぎ払う。

 

 

『……さすがのお前でも、3機に勝てるわけないだろ?』

 

 

『舐めるなぁッッッ!!!』

 

 

 アインを挑発し平静さを失わせてより攻撃を確実なものへとしていくバティンに、肩から機関銃を四方八方に撃ちまくるグレイズアインの本来なら正確無比であるはずの射撃もデタラメなものとなっていた。

 

 

『すごい……』

 

 

 仲間のイリュージョンと称したその動きに、三日月は感嘆の言葉を漏らした。まさに奇術師の手品のように魅せられた三日月だったが、そんな彼に通信が入る。

 

 

『悪いがっ、そろそろ……がはっ』

 

 

『ホシ!?』

 

 

 

 血反吐を吐くような息苦しさがこちらにも伝わってきて三日月は星原の言わんとすることを理解すると、目を鋭くギラつかせると彼に向かって言い放つ。

 

 

 

『こっからは任せて』

 

 

『……あぁ、頼む』

 

 

 バティンが分身を解除し、元通りの1機に収束した時、コクピットにはパイロットの身体から吐き出された血溜まりが出来ており、その朦朧とした意識で三日月とバルバトスが自分の代わりに幾分か傷つけたグレイズアインへと反撃を開始していた。

 そして、さらに遠方では昭弘・アルトランドが相対していたはずのキマリストルーパーが紅い兎のような機体に切り刻まれているのが視界に入る。けれど、そこで星原の意識は徐々に沈んでいき、彼は常闇の眠りにつくはずであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「何やってんだ〜〜〜!!!!」

 

 

 

 

 だが、それを鉄華団の団長、オルガ・イツカは許さなかった。

 

 

「あぁ……クソ……」

 

 

 もはや力を入れれば全身が痛んで、動かしたくもない身体を無理に起こすと星原・モーリノは息を荒らげながら、バティンの特殊機構を発動させる。

 

 

「これが、一番、早いな……」

 

 

 リミッターを外したスピードを出せば間違いなく自分の身体は今度こそ砕け散る。でも、あらゆるレーダーや視界から消えるバティンの機能ならば、スピードを出さずとも音もなく敵へと近付ける。

 

 

『ネズミが! 同じ手が何度も!』

 

 

 まだ一歩グレイズアインには届かなかったのか、攻めあぐねている三日月がまたもバルバトスにとある命令を下そうとした時、倒れ伏して以降視界からも思考からも外していたはずの機体がグレイズアインの真後ろに現れた。

 

 

『───────なぁッ……!!?』

 

 

『どうやら、先に、死神に魅入られたのは、お前みたい、だな……!』

 

 

 隙だらけの背中を研ぎ澄ました一閃で斬りつけた星原は掠れた声で笑いながら、グレイズアインの背骨フレームを一刀両断した。

 阿頼耶識手術によりグレイズアインと一体化しているアイン・ダルトンにとってはこの一撃は致命傷であり、彼は事切れると怒りの咆哮もなく、腰と離れた上半身は地球の重力法則によって何も無い地面へと落下した。

 

 

 

 

 

 

 

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 団長の「何やってんだ〜〜〜!!!!」のおかげでホモくんの全能力が15パーセントアップに加えてHPも全体の1割回復し、ジョーカーとして取っておいたバティンのステルスを使ってギリギリ勝利です……。

 いや、ほんと良かった。オルガが来なくてもミカがリミ解すれば勝てたんですが、そうするとホモくんが身体張った意味が無くなるからね。仕方ないね。

 というか、オルガがこちらに来た時点で勝ちでしたしね。でも、犠牲がホモくんの血液や骨たちだけで済んで良かったです。コクピットからオルガと昭弘に引っ張りだされて、みんなで夕日を見ながら、リザルト画面に移ります。

 経験値がおいし──ー!! やっぱり敵に対して経験値の割があってるのは……最高やな!! 

 

 

「ねぇ、オルガ。ここが俺たちの本当の居場所なの?」

 

 

「あぁ、ここもその一つだ」

 

 

「……綺麗だね」

 

 

 ミカのこのセリフと共に鈴華ゆう子さんの『戦火の灯火』をバックに1期エピローグに入ります。

 1番の歌詞まで聴いたらスキップできるのでそれまで待ちます。ボロボロになったホモくんは昭弘とシノに支えられて帰還し、何やら出向組に怒られ、フミタンの甲斐甲斐しい処置を受けているようです。めちゃくちゃ嫌そうな顔してますが。

 ホモくんには帰ってくる場所があるんだ……! こんなに嬉しいことは無い……! 

 まぁ、あんだけ思考回して身体使って死亡フラグへし折ってやってるのに、それを仇で返すようなことされたら、こちらから鉄華団破滅ルート入ってやりますけどね。

 

 

 これにて1期は終了です。オルガとフミタンの異常な好感度やアインの執着やら色々ありましたが、バティンを入手したことで試走より早く駆け抜けることが出来ました。

 ここまで投稿出来たのも皆様のおかげなので、次回から入る2期も見守っていただけたらなと思います。では、スキップできるようになったので今回はここまで。

 ご視聴ありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




オワオワリ! 見事1期まで書き切りました! 褒めて! 褒めろぉぉぉぉ!!!!!(承認欲求の塊)
本編でも述べましたが、読者の皆様の感想や評価のおかげでここまで辿り着けました。途中で団長とBLルートや鉄華団男性団員攻略ルートなどに進みかけましたが、本来のチャート通りに進むことが出来ました。

明日から2期! と行きたいところですが、こちらは録画(プロット)だけで編集作業が完了してないので、ほんの少しお待ちいただければ幸いです。流行病のせいで自宅待機なこともあって時間はありますので、やる事やりながら書いていきたいと思います。

必要とあらば、1期終了後から2期開始前までのホモくんの話も書きたいですね。リハビリとか周辺とか。必要とあらば(大事な事なので2回言いました)


では、また次回。


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きっと宇宙で繋がっている。

RTA関係ないので主のモノローグとかはないです。
アーヴラウ代表指名選挙終了から3日後〜2期突入3ヶ月前くらいの話です。


 鉄華団がエドモントン議事堂に蒔苗東護ノ介を送り届け、彼は無事にアーヴラウ代表指名選挙に当選した。さらに彼に同行したクーデリア・藍那・バーンスタインにより、ギャラルホルンとアンリ・フリューの癒着が明らかとなった。これにより各経済圏はギャラルホルンへの信用を無くして、独自の防衛軍事力を保有することを決断。その内、アーヴラウは防衛軍設立とともにその軍事的支援を鉄華団へと依頼する運びとなった。

 

 

「今回の仕事も上手くいって、おまけにこの先の仕事も出来た。これから鉄華団は忙しくなるぜ」

 

 

「……そうかい」

 

 

 嬉しそうに語る鉄華団団長の前にはモビルスーツ戦において多大なる戦果を上げた星原・モーリノがテイワズ系列の医療施設の回復カプセルで横たわっていた。

 最新の医療技術ということもあって、折れていた骨のほとんどは強固に繋ぎ直され、吐血による血液の減少も輸血によって回復している。けれど、退院はまだ少し先の話で星原は既に動ける身体が動かせないことに鬱憤を感じながらオルガの話に耳を傾けていた。

 

 

「アンタの完治まで報酬とは別に蒔苗の爺さんが宿泊施設を用意してくれたから、ゆっくり治してくれ」

 

 

 そう言って、「じゃああとはよろしく頼んます」と窓際で星原の世話をする女性に一礼して彼は病室を出ていく。

 

 

「よかったね、鉄華団のみんなキミが治るまで待ってくれるみたいだよ?」

 

 

 そう声をかけたのは、名瀬・タービンの妻であるエーコ・タービンなのだが、星原には未だにどうしてここにいるのかが理解出来ていなかった。

 何度理由を聞こうにも、手が空いてるのは自分しかいないからと宣うのだ。星原はタカキかライドに替わってもらうよう見舞いに来た団員に話している。

 初めは「わーったよ」と言っていた面々も目の前で修羅でも見たかのように怯え声を上げたと思うと「いや、やっぱり女の子に世話してもらった方がいいんじゃねぇーの?」と言って足早に部屋を去っていくのだ。ちなみに今のはユージンの反応である。

 

 今まで多くの見舞い人が訪れたその病室は再び静寂に包まれた。ビスケットやサヴァラン、三日月と昭弘にシノやおやっさんなど、事後処理で忙しいだろうに暇を見つけては星原の病室にやって来ては彼とたわいもない話をした。その中でも三日月は「また分身やってよ」と無茶ぶりをしてきたのは記憶に新しい。

 他にも名瀬がやってきた時には柄にもなく畏まってしまった。けれど、名瀬は「気にするな」とヒラヒラと手を振って笑っていた。こういう人柄だから、多くの女性に好かれてその愛を一身に受け取れるのだろうかと星原は考えているとオルガが出ていってからもたらされた平穏もわずか1分で破壊された。

 

 

「というかキミほんと無茶しすぎだからね」

 

 

 星原が世話役を替えて欲しかった理由はエーコが嫌いとかではなく、人妻で思ったよりよく喋りかけてくるからであり、食事も1人で摂れるのに執拗にあ〜んを強要してくるからである。

 最近は慣れてきて、文句も言わなくなったがやはり異常なのでは? と度々考えるようになった。

 そして、何より面倒なのが説教である。バティンのスラスター出力のリミッターを勝手に外したことに対して未だに怒っており、エーコがそのことを思い出す度に怒られている。だが、これが彼女なりの優しさなのだろうと思いつつ、ついでに名瀬の気苦労を痛感していると部屋の扉がノックされた。

 

 

「あ、どうぞー!」

 

 

 それに返事したのがエーコであるが、今更なんでお前がという気にもならない星原は開かれたドアから入ってきた客人を一瞥した。

 

 

「失礼します」

 

 

 金色の美しい髪をなびかせながら、クーデリアはそう言って花束を手に星原の病室へと入ってくる。その後ろにはメイドであるフミタンの姿もある。

 

 

「どうですか身体の具合は?」

 

 

「結構平気みたいだけど、退院は明日か明後日になるってさ」

 

 

「そう、なんですか。それはよかったです」

 

 

 少し言い淀んだクーデリアに星原は目を細めたが、野暮なことは聞かないことにした。恐らく、自分が治ったら三日月やアトラは火星に帰ることになる。彼らと離れるのが寂しいのであろう。

 そんな彼女の心を慰めることが出来るのは自分ではなく、あの二人しかいないだろうと結論づけた星原は何も言うことなく、ただ首肯で返した。

 

 

「クーデリアはどうするの? 火星に帰るの?」

 

 

「いえ、しばらくは蒔苗先生のところで勉強させてもらうつもりです」

 

 

「そっかー」

 

 

 クーデリアが蒔苗の元を訪れたのは火星の自治権独立のためであり、まだその目的は果たしていないため、彼女は地球に残る決意をした。それが自分にやれることであり、幸せにすると彼女が彼に約束したことでもあるからだ。

 

 

「フミタンさんは?」

 

 

「……私はお嬢様のメイドですので、共に残る予定です」

 

 

 当然といえば当然だろう。クーデリアはもはや火星のご令嬢ではなく、火星独立の旗印。彼女に付き人は必須であり、それは長年彼女の身の回りの世話をこなしてきたフミタンにこそふさわしいだろう。

 

 

「エーコさんはどうされるのですか?」

 

 

 不意にフミタンの放った質問にエーコは悩んだように顎に手を添える。

 

 

「それなんだよねー。名瀬のとこに帰ってもいいんだけど、どうせモビルスーツの整備とかで鉄華団とは関わりがあるだろうし」

 

 

「今回の戦いでバティンやバルバトスもかなりダメージを受けていましたしね」

 

 

「そう! だから、一旦は歳星かな?」

 

 

 特にスラスターを焼き焦げるまで使用したバティンの修復は急務であり、今はオルガ達の仕事完遂の祝いや、出向組として死線をくぐり抜けたラフタやアジーを労っている名瀬の船に載せている。

 おそらく、タービンズはマクマードへの報告も兼ねて歳星へと向かうことは明白であり、その事に対して「寂しくなるね」と呟いた。

 しんみりとしたムードになる病室で、本来は話すべきであるはずの男が珍しく口を開いた。

 

 

「どうせ宇宙で繋がってるんだ。会おうと思えばいつでも会えるだろ」

 

 

 クーデリアからすればこんなことも言えるのかと驚きであったが、彼の優しさについて理解のある2人はぶっきらぼうにこぼしたその言葉に頬を緩めた。

 

 

「そうですね」

 

 

「うん、私達の宇宙は繋がってる」

 

 

 そう返したフミタンとエーコに、クーデリアもまた自分の大切な人と離れていても、宇宙という大きな空があればいつでも会えるし、今や違う惑星にいても連絡が取れるご時世だ。そう別れは辛くないだろう。そう考えると今まで沈んでいた気持ちがどんどん晴れやかになってくる。

 

 

「ええその通りですね。私も頑張っていきます」

 

 

 それではと部屋を出ていった2人を見送り、エーコもまた名瀬の所へと戻っていくと星原に1人だけの穏やかな時間が流れる。だが身体は動かせずすることもないので眠りにつこうと思ったが、面会時間も終わりという頃にドアをノックされる。医者か看護師かと思ってドアに目を向けていると入ってきたのは、黒い装束に白く長い髪をした金色の仮面をした謎の男であった。

 

 

「失礼するよ。君がガンダムバティンのパイロット、星原・モーリノで間違いないかな?」

 

 

「……そうだが」

 

 

 何者だと問いかける前に外見的特徴からオルガの言っていた地球降下の手段を提供してくれた男だと思い至った星原は「何の用だ」と問いかけた。それに男は薄く微笑んで口を開いた。

 

 

「ふっ、用というほどのものでもないが。そうだな、礼を言いに来た」

 

 

「あ?」

 

 

「君達のおかげでギャラルホルンの腐敗は明るみになり、その信用は失墜した。ありがとう」

 

 

 礼を言われるようなことはしていないはずだが、自分の知らないところでこの男に何かしらの利益をもたらしたのだろうか。判断するには材料が少なすぎるため、星原は眉を顰めるしかない。

 

 

「言葉だけでは信用できないか。では、何かあれば私を頼るといい。ガンダムバティンに乗る君になら力になってもいいだろう」

 

 

 どうしてそんなに上から目線なのか訝しんでいると、男は踵を返して部屋を出ていく。あまりの唐突さになんなんだったんだと言葉を紡ぐ暇もなかったが、無駄な会話をしなくて済んだからいいかと星原はため息を吐いた。

 こんな身動きも取れない状態もあと数日の辛抱だと、瞼を閉じると彼は今度こそ眠りについた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「俺に地球支部を?」

 

 

「あぁ」

 

 

 無事に退院し、火星へと戻った鉄華団は地球に行く前では考えられないほどの忙しさに見舞われていた。その仕事のひとつに鉄華団を軍事顧問として雇いたいというアーヴラウからの打診により、オルガはビスケットと相談して地球に支部を作ることを決定した。そして、その支部長に星原・モーリノを推薦した。

 打診側の1人である蒔苗もこれに賛成し、支部設立の業者に力を入れて作らせようと大いに喜んでいた。

 

 

「別に構わんが……」

 

 

「じゃあ、決まりだな」

 

 

 特に断る理由のない星原がそう言うと、オルガはすぐさま地球支部の人員配置についての話に移った。星原の補佐としてチャドとタカキ、実働隊としてブルワーズで実戦経験があるアストンと昌弘などを人選し、その他にもモビルワーカーの操作経験がある者を中心に選んでいく。

 そんな中である人物から事務職に立候補があがった。

 

 

「オレも地球支部のメンバーに加わりたいんだけどいいかな?」

 

 

「アンタは……」

 

 

 そう申し出たのはサヴァラン・グリフォン。火星に戻ったことで実家へと帰属し、姓も戻したビスケットの兄であり星原との契約者である。久々に帰れば、自分のことなどもう覚えていないかと思われた妹達には抱きつかれ、祖母には笑顔を向けられたのは記憶に新しい。

 色々あってやや痩せ細っていたが、祖母の家庭の味というやつで健康的と呼べるほどに身体も回復した彼は自ら地球支部の事務職へと名乗り出た。

 

 

「……事務職の方はテイワズの人間が来ることになってはいるが」

 

 

 言ってちらりと星原の方を見る。どうすると暗に問いかけたオルガに星原は口を開いた。

 

 

 

「別にいいんじゃないか。それに事務職が1人だと回らないだろう」

 

 

「……だそうだ」

 

 

「ありがとう。それでいつ出発するんだい?」

 

 

 サヴァランに尋ねられて、今度は星原がオルガの方を見た。詳しい日程はまだ決まってないが決まり次第連絡すると言ったオルガにサヴァランは頷くと早くも荷造りをしてくると踵を返した。

 

 

「なんであんなに張り切ってんだ?」

 

 

「桜さんに身を固めろとしつこく言われてるんだとよ」

 

 

 それから逃げるためだろうと推測した星原にオルガは「なるほど」と相槌を打った。

 契約者である星原にはその手の情報が本人からだけでなく、弟や姉妹、さらにはそう言った祖母からも寄せられている。家族睦まじくて何よりだが、他人を巻き込まないようにして欲しいと切に願う。

 

 

「確かにビスケットの兄貴はいい歳だもんな。そういや、アンタはどうすんだ?」

 

 

「俺はいい」

 

 

 即答した星原にオルガは苦笑すると「そうかい」と言葉を返した。理由に関して訊かないのはオルガも聞き返されたら面倒だからであり、そこまで踏み入る気もなかったというのもある。

 鉄華団も一躍急成長して、色んな輩に目をつけられる可能性はあるものの、オルガには星原という頼れる家族がいる。自分達の進むべき道を指し示してくれる名瀬とは違う兄貴分が。

 

 

「他のメンツについてはどうする?」

 

 

「お前に任せる。こっちに支障が出ない程度にな」

 

 

「ああ」

 

 

 そう言って星原はオルガに背中を向けると腹が減ったため食堂へと向かうことにした。そして、そんな彼を見てオルガは立ち上がると、地球支部への転属希望者などを募り、またあらかじめ決めた人員については自ら打診しにいくなどして動き回っていた。

 

 

「それ私も行ってもいい?」

 

 

 ある時、たまたま整備庫にいたチャドへと地球支部の事を話していると首を突っ込んできたのはエーコであり、オルガは「アンタが?」と首を傾げた。

 

 

「うん。ホッシーがあっちにいくならバティンの整備で腕利きが必要になるでしょ?」

 

 

「まぁ、確かに」

 

 

 軍事顧問をするだけならマンロディだけでも事足りそうだが、あの男のことだ、バティンも持っていくのは間違いない。それよりもオルガはエーコの星原へのあだ名が気になった。

 

 

「それよりなんでアイツのことをホッシーって……」

 

 

「え? あぁ、なんとなく?」

 

 

 疑問を漠然とした答えで返されたオルガは面食らい、それを近場で見ていたチャドも苦笑いしていた。

 

 

「……兄貴に聞いてみる。あとはおやっさんだな」

 

 

「あ、どっちも私が聞いとくよ」

 

 

 あとで通信機借りるね〜とヒラヒラ手を振りながら、目に見える距離にいた雪之丞へと話しかけるエーコを見てオルガは肩を竦めた。

 

 

「なんか星原さんとエーコさんって仲良いよな」

 

 

「そうかぁ?」

 

 

 クーデリアを送り届ける仕事の時は一緒にいるのをよく見た気がするが、病院での世話役以降はすっかり見ていないように思う。それは星原が戦いがなくなりバティンに乗らなくなったことと、エーコがこちらに出向してきてメカニックとしての務めをしっかり果たしているからだと思われるが。

 

 

 

「俺もいい人見つけたいなぁ……」

 

 

 

 チャドの呟きにオルガは特に何か返すことはなく、地球行きの件頼んだぜと一声かけるとタカキやアストンを探しに足を進めた。

 そして、またその途中でえらく大荷物を持ったフミタン・アドモスを見かけた。クーデリアは既に火星に戻ってきており、ノブリス・ゴルドンの支援金やハーフメタル資源の利益もあって商会を立ち上げたのはつい先日聞いたばかりだ。そこにはフミタンの姿もあったはずだが、と疑問の声は自然と出ていた。

 

 

「アレ? アンタなんでこんな所に」

 

 

「……あぁ、団長さん。実はお嬢様のメイドをクビになりまして」

 

 

「はぁ!?」

 

 

 なんとなくで話しかけたオルガだったが、その話を聞いて思わず手に持っていたタブレットを落としそうになるも間一髪でキャッチすると顔を上げた。

 

 

「クビって……」

 

 

「えぇ。お嬢様からではなく、バーンスタイン家からですが」

 

 

 理由に関しては伏せられていたが、念の為クーデリアに尋ねると本当らしく、彼女は設立した会社のスタッフとして雇用を考えていのだが、フミタンの方から首を振ったらしい。彼女にも理由を聞いたが自分からは言い兼ねるとの事で、オルガの頭を悩ませた。その際の表情が暗くなかったことから喧嘩別れなどではなさそうなのだが、考えてもそれらしい理由は思い浮かばない。

 断る理由もないので、応接室にて彼女の配属先を練っているとそういえばと、オルガは頭に豆電球が浮かんだかのように閃いた。

 

 

「そういや、アンタ、メイドってことは家事全般とか出来るんだよな?」

 

 

「えぇ、まぁ。他にも出来ますが……」

 

 

 出来ることをある程度書き出してもらうと、オルガは目を見開いた。こんな人材をバーンスタイン家は手放したというのか? という程にただのメイドが持つには多すぎる資格に瞬きを繰り返したが、これならと口角を上げた。

 

 

「分かった。アンタに頼みたいことがあるんだ」

 

 

「なんでしょうか」

 

 

 オルガはそう切り出すと、鉄華団が地球に支部を作ること。そこの人員を募集してることを話して、フミタンにこう言った。

 

 

「アンタには支部長の……補佐はいるし、秘書ってのはどうだ?」

 

 

 秘書が必要なほどの仕事はないだろうが、あの男の無茶さ加減にはビスケット曰く、心臓がいくつあっても足りないとの事なのでブレーキが欲しいと思っていたところだ。チャドやタカキは何かと甘いが、エーコにフミタンと女性陣の言うことなら彼も聞くのではないかとオルガは自分の考えに大いに頷くとフミタンを見た。

 

 

「雇っていただけるなら構いませんが……」

 

 

「決まりだな!」

 

 

 地球行きが決まるまでは桜農場に寝泊まりするように頼んだオルガにフミタンが首肯すると、送りを団員に任せて、オルガはどかっと社長用の椅子にもたれこんだ。

 星原・モーリノは頼りになるが家族のためなら無茶をするクセがある。それも自分や三日月並に。この前など治ったばかりの身体で、鉄華団の急成長が気に入らないと息巻くゴロツキ5人組を素手で相手して帰ってきたのは記憶に新しい。

 

 

「まぁ、あれはアイツがやってなきゃミカがもっとやってただろうが……」

 

 

 まだ加減を知っているだけ星原の方が利口なのだが、無茶のし過ぎでこの前のように入院されては困る。なので一応首輪をつけておくことにしたオルガはバレたら呪われねぇかなと思いながら大きく息を吐いて天井を仰いだのであった。

 

 

 

 




次回から2期ですのでこんなもんかなと。
RTAとは関係ない部分でマクギリスに気に入られるホモくん。主はここ飛ばしてるのでマッキーに久しぶりとか呼ばれても「は? 初対面やぞ?」となる他、エーコやフミタンが地球支部にいる理由も分からないので大困惑することになります。やったね(愉悦)。

なお、サヴァランが来る理由は契約主だしホモくんの近くの方が安心だからで、好意はありません。


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鉄華団再び(夜明けの地平線団戦①)

無人島で魚釣りをしていたら卵しか釣れなかったので失踪します。
(23:56に書き上げたのでいつもの如く誤字脱字や設定矛盾あるかもです。ごめんなせぇ)


 勢いに乗った火星一番の躍進企業で働くRTA始まるよ〜。

 

 

 前回は1期終了時点で終わりましたので、今回から2期に突入します。アトラちゃんにより1年経っての世界情勢の説明がオープニングとなり、飛ばせないので語ってもらっている間に2期からの難所、見所さんを説明します。

 まず、1年経って名の売れた企業として成長した鉄華団はその規模を拡大して地球支部が出来ます。新しい団員も入ってきて、さらに鉄華団はマクマード・バリストンと盃を交わしてテイワズの直系団体となります。

 

 ウハウハの鉄華団ですが、逆に今までとは違った敵が多く現れるわけです。例えば巨大規模の海賊団とか、髭の傭兵に、ケツアゴコワレトルとか。面倒なのにモビルアーマーという天使とラック極振りのイオク・クジャンがいます。最終的にはギャラルホルンの超実力派集団と戦うとか……やめてくれよ……(懇願)。

 

 しかし、なんてことはありません。ギャラルホルンとの対決はルートによっては避けられます。ただそれ以外は全部潰さないと団員が死ぬので、あちらから来る前にこちらから殺してあげます。特にケツアゴとペシャン公は確実に息の根を止めないと悲惨なことになります(2敗)。

 

 

 オープニングが終わりました。敵についての説明しか出来ていませんが、見所田所さんについては……また今度やな! 

 

 

 さて、2期開始のホモくんの状況はランダムです。前述の通り、鉄華団は火星の本部と地球の支部に分かれます。ホモくんが物語開始時点でどちらかに在籍してるかはランダムなのですが、どっちにいても問題はありません。

 

 

「ここからは……最短で行く」

 

 

「うん」

 

 

 RTA走者として激しく同意。ホモくんも最短で行きます。オルガとミカのこのシーンが終わるとやっとこさホモくんの現状を確認できます。肢体切り取られてホルマリン漬けとかにされてないといいのですが……。

 

 

 シーンが切り替わりました。チャドとタカキ、そしてラディーチェがいるのを見るあたり地球支部のようです。ということは、ホモくんはここからのスタートなわけですね。

 どちらでもいいと言ったのは、遅かれ早かれ夜明けの地平線団を壊滅させたら地球に来なくてはいけなかったので手間が省けました。

 それでホモくんの立ち位置は何なんでしょうかね? 1人だけ席が別なんですが、いじめられてるのかな? そして、なんで背後にフミタンがいるんですかね……。

 まだステータス確認できないので、早くイベント終わって欲しいんですが。

 

 

「支部長お疲れ様です」

 

 

 ファッ!? ホモくん支部長なん!!? 

 

 

 

 

 なーんてな! 

 まぁ、予想通りです。団長からの分厚すぎる信頼からこうなることは既定路線でした。団長やほかの団員からの好感度が高いと地球支部の長になることができます。そうなると地球支部のお金や設備は使い放題になり、資金投資を行えば新しい設備も拡張可能になります。

 けれど、RTAでの旨味はありません。投資も施設拡張もしませんからね。

 

 

 声をかけてきたチャドにオルガから通信が入ってることが告げられるので応答しましょう。

 

 

『おう、元気にしてるか?』

 

 

 元気元気ビンビン丸! 団長も背が伸びて赤いスーツ決まってるっすね! いいッスね! 

 

 

『揶揄わないでくれよ……』

 

 

 やはり団長はまだウブなのか褒められると結構弱いみたいです。これは女の尻に敷かれるな間違いない。

 

 

『そっちは上手くいってるみたいだな。タカキやチャドから話は聞いてるぜ』

 

 

 実はそうでも無いんですよね初見さん。ラディーチェさんがいるってことは一悶着あるのは確実なんですよね。まぁ、チャート通りに対処するので問題ありません。

 

 

『こっちはちょっときな臭くてな。いや、まぁアンタに出張ってもらう必要はねぇから安心してくれよ』

 

 

 イカ臭い状況でないなら、ホモくんが出なくても大丈夫です。夜明けの地平線団との戦闘はネームドの死亡者はいませんので、流しても問題はありません。ただ損害を減らしてやることは出来るので、原作知識を活かしてあとで連絡を取りましょう。

 

 団長といくらか会話を交わしたら、自由になれます。後ろにいるメイドさんが気になりますが……いや、ほんとなんでいるんですかね? まさかスキップした1年の間に交際してるとかやめてくれよ……(懇願)。

 やっとステータス確認が出来るので2期になってから判明したホモくんの経歴と新たに解放されたスキルについて確認しましょう。2期からは戦闘だけでなく、政治や口述の能力も必要になってきます。それ故に経歴で得られるステータス補正も重要になってきます。

 まずは経歴ですが……

 

 

 

 

 

『傭兵』

 

 

 

 あっ……(察し)ふーん……(軽蔑)。

 正直戦闘にしか役に立たない死にスキルです。そして何よりこれによる補正は微々たるものなので大したことありません。生身での戦闘に僅かに強くなる程度で、『覚醒者』や『漂流者』などのような特殊スキルや経験値獲得補正もありません。強いて言うなら、後々出てくる傭兵と傭兵出身の狂犬ジュリエッタとの過去に絡みが発生するくらいですが、RTA的にはイベントが増えてタイムが伸びるので不要です。

 けれど、リセ案件という程でもありませんので流していきます。

 

 

 次に新たに解放した新スキルです。タロットは大いに役に立ちましたが、経歴がゴミだったのでスキルはマシなのが欲しいですね。

 例えば攻撃力20パーセント上がる『破壊王』とか、戦闘以外にも使える『心眼』や『読心術』が欲しいところですが……。

 

 

 

 

『指揮官』

 

 

 

 

 往くぞ! 迅雷が如く! (違うだろぉ?)

 狙ってたのとは違いますが、まずまずなスキルです。知力と士気を上げれる他、自軍メンバーの能力に5パーセントのバフがかけれます。いわば、オルガの下位互換ですがホモ君には十分です。

 

 

 次に地球支部の保有戦力についてです。

 鉄華団メンバー主要メンバー生存ルートでは、固定のチャド、タカキ、アストン以外だと誰が配属されているかわかりません。

 なお、ラディーチェは裏切るのでメンバー内に含めていません。当たり前だよなぁ? 

 画面を1度表示してスクショして、移動しながら確認していきます。

 

 え、サヴァラン兄さんいんの? じゃあラディーチェいらなくないか? サヴァラン兄さんは優秀なだけあって、事務処理はメリビットさんやデクスターさん並みにあります。しかも男で若くて体力もある(意味深)と見所田所さんたっぷりです。

 他には、昌弘もこちらにいるようですね。それでフミタンは……支部長秘書みたいです。なぁにこれ? (初見)

 

 

 まぁ、好感度の高さは相変わらずですが関係性に変化はありませんし、特に問題はありません。大丈夫でしょう(希望的観測)。

 

 

 あとは……何故か船持ってますね。小規模ですが、こっちの戦力をギリギリ全部押し込める程度のやつです。名前が未入力なので、あとで入力するイベが待ってますねこれは。

 名前なんてどうでもいいので、おまかせしておきましょう。

 

 

 

 それよりも問題にするべきなのが。

 

 

 

「あ、ホッシー、やっほー!」

 

 

 なんで人妻がこっちにいるんですかね??? 

 いや、地球支部には優秀なメカニックがいなかったので大変ありがたいのですが、人選が謎すぎる。しかも呼び方も変わってる!? 見ていない間に一体何が……? 

 ラブコメの波動なら早急に潰しておかねばなりません。某野球ゲームのように経験値や特殊能力を山のようにくれるならまだしも、今作は乱数が多すぎて、恋人はガバを生む原因にもなります。

 

 

 

 

 

 

 

 好感度は……

 

 

 

 

 

 

 

 

 ───────80!?

 ファ──────wwwwwwww (未来の恋人たちに祝福して死亡)

 

 

 

 

 取り乱しました。オルガとフミタンからの好感度の高さから驚かない自信はあったんですが、まさかここまで上がるとは。ホモくん何したんや……? これは非常に予想外ですが、関係性の欄に何も無いので、まだ付き合いとかはないようです。人妻だから当たり前か。姓がタービンのままなので、彼女は名瀬のママです(激寒ジョーク)。

 コォレワァ……容易にスキップ出来なくなったか? 

 こっちが目を離した隙に「ホッシー! 好きっす!」と告られてもおかしくないけど……? 

 そういう点ではオルガもフミタンもなんですがね。人妻はわりとシャレにならないので、タイムを気にしながら様子を見守りましょう。他の2人も同様です。

 オルガなんて上限の100をぶち抜いてます。何のための上限なんですかね……? 

 もう告ったら拒否されないレベルを超えて、殺しても恨まれないレベルです。愛が重くて死ぬぜ? 

 

 

 オルガの異常な愛は置いておいて、バティンです。確か、1期終盤でスラスターが死んでるんですよね。

 

 

「バティン? それならもうすぐで改修終わるから歳星に取りに行く予定だけど」

 

 

 相変わらずいい仕事と脚してんねぇ! (ノンケ) いや、ほんとアジー以外の出向組って男所帯の前でよくそんな格好できるよなって服装ですからね。ラフタなんてへそ出し脚出しマーメイドですよ。エーコはショートパンツに艶やかな太ももが眩しいぜ! (性癖暴露)

 

 

「どうする? 私が取りに行った方がいいかな?」

 

 

 そうですね……多分夜明けの地平線団討伐後には間に合うでしょうし、行ってこいや! 

 ついでにバティンの追加装備の注文です。機体の強化はエーコや整備長に任せますが、モビルアーマー戦に備えて武器を新造しておきましょう。ジャンルからハンマーを選択して、握りの部分を長めに、ウエイトは中の武器を注文しておきます。

 

 

「オッケー。整備長に伝えとくよ」

 

 

 ヨロシクゥ! これで我が愛機の性能は上がって、阿頼耶識なしでもモビルアーマーはなんとかなります(ほんとぉ?)。 なるって言ってんだろ!! 

 

 

 本部は海賊狩りで忙しいですが、こちらはラディーチェが裏切るまで暇です。どんなにヘイトを稼いでも、裏切るのがアーヴラウ防衛軍結成式典と固定です。好感度をゼロにしてもタイミングは変わらなかったので、それまでは些末な問題を片付けておきます。

 ……って言っても、メンバーが優秀すぎて何も無いな。ホモくんいるのかこれ(困惑)。

 

 

 地球支部ではイベントを起こさなくても、自宅(寮)や自室のベッドやソファでアクションコマンドを押せば、眠りに入って時間が経過します。でも、体力MAXだと基礎能力値が減らされるので退院後でピンピンしてるホモくんには必要ありません。

 

 とりあえず、本部の被害を減らすためにユージン副団長かシノに連絡しましょう。

 

 

『あーなんだあんたか。さっきオルガと話してたんだろ? 何か用か』

 

 

 用がねぇとかけねぇよボンクラ(暴言)。おっと、言いすぎました。出たのがツンデレさに定評のあるユージンでした。

 どちらが出ても言うことは変わらないので、サクッと用件を伝えましょう。

 

 

『あぁ? 地雷設置訓練? なんでそんなこと……。まぁ、わかったよ、シノに伝えとく』

 

 

 やれよ? 絶対やれよ? フリじゃないからな?

 好感度が60といい感じなので、やってくれるでしょう。本来はこのくらいのはずなんです。80とか上限超えが異常なんです。ホモくんはどんな善行積んだらこうなるの? 俺にもおせーておせーて。

 ひとまず、こんなものでしょうか。あとは子供達と戯れて(シミュレーター訓練)イベントを消化して睡眠をとって、夜明けの地平線団狩りが終わるのを待ちましょう。

 それでも暇なので、火星での本部防衛戦に少し知恵を貸しましょう。知力も使えば多少は体力が減りますし、指揮官のスキルで戦闘に参加する団員の能力にバフがかかります。

 こちらも経験値が少量ではありますがゲットできるのでウハウハです。こういう時は楽しいのになぁ……(遠い目)。

 

 

 地雷の設置はもうやらせてますし、あとはガルム・ロディの装甲を獅電でも突破できるようにメリビットさんかデクスターさんに掛け合ってナパーム弾の調達。さらにおやっさんにそれを搭載できるようにモビルワーカーを改良してもらいましょう。

 

 

 

 

 え? 5日はかかる? 2日でやれ(無慈悲)。

 歳下の恋人出来たからって調子乗んな(僻み)。

 

 

 

 

 

 

 

 よーし! 有象無象は有象無象らしく、大人しくさせてやりましょうかね! 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ###

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 夜明けの地平線団。艦艇10隻。団員2500人を超える大海賊。

 神出鬼没であり、その足取りは宇宙を見守るギャラルホルンにも掴むのが難しく、また他の商社や海賊の航路も荒らしており、どこもかしこも手を焼いていた。

 そんな海賊団がとある活動家の依頼で鉄華団という組織に目をつけた。アーヴラウの一件で名を挙げた火星では連日名前を囁かれている躍進企業である。

 

 元々近いうちに一戦交えて、そのまま組織の資金や保有物を強奪しようとは考えていたが、活動家が目の敵にしている"ミクスタ・オーガス商会"の社長であるクーデリアという女が懇意にしているらしく、その活動家の逆鱗に触れて夜明けの地平線団が鉄華団討伐に駆り出されたわけである。

 

 

 夜明けの地平線団の団長であるサンドバル・ロイターは重力下の戦闘に秀でている部下たちを選抜して、鉄華団本部襲撃作戦の指示を出した。多量のモビルワーカーの波状攻撃から、2部隊のモビルスーツ達での強襲。いくら悪魔や死神と呼ばれる存在がいるからと言って、自分達の敵ではない。夜明けの地平線団の誰もがそう思っていた。

 

 

『な、なんだこりゃ!?』

 

 

 しかし、敵はこちらの作戦を全て知っていたかのように、進路に多数の地雷を仕掛けてモビルワーカー部隊の7割をこれで壊滅。さらに空から飛来してくるミサイルの数々に、ロディフレームの堅牢な装甲が傷つけられていく。

 

 

『こんなの聞いてねぇぞ!』

 

 

 さらに追い打ちをかけるように襲いかかってくるのは、テイワズから鉄華団に無償提供された新型モビルスーツ"獅電"であった。

 

 

『いくぜ! 流星隊! 我らが死神様からのご指名だ! 派手にやるぜ!』

 

 

『お、おう! ……ん? 流星隊って俺たちのことか?』

 

 

『さぁ……?』

 

 

 真っ先に飛び出したのは、これまたあらかじめモビルスーツの襲撃ポイントが分かっていたかのように飛び出してきた明るいピンク色の獅電と小豆色の通常のカラーリングである獅電2機である。

 流星隊と名乗る彼らはノルバ・シノ、ダンテ・モグロ、デルマ・アルトランドの3人で編成された斥候部隊であり、戦場に躍り出た彼らは流星の如く先制攻撃に狼狽える海賊団のモビルスーツに武器を振るう。

 

 

『クソっ! どういうことだ! 作戦が漏れたのか!?』

 

 

『バカヤロー! お前らの思考なんてあの人にはお見通しなんだよ!』

 

 

 動きが鈍くミサイルの波状攻撃でダメージを負ったガルム・ロディを蹴り飛ばし、手に持つパルチザンでコクピットを叩いていく。

 

 

『ホントにあの人の言う通りだな、ロディ系の装甲なのに簡単にダメージが通るぞ!』

 

 

 昔、ヒューマンデブリ時代に同じくロディフレームの機体に乗っていたデルマには、軽量かつ柄が伸縮する連撃性に特化し、破壊力には優れないパルチザンで硬い装甲を叩けることに喜びを表しながら、ダンテとのコンビネーションで1機、また1機とガルムロディを無力化していく。

 

 

『ホント怖ぇなあいつの占い。今度俺も女運でも占ってもらうか……?』

 

 

『ンなことに俺を使うな。それより、俺や三日月狙いの部隊がそろそろ来るぞ』

 

 

『聞いてたのかよ!? ……そっちも地雷がある。爆発し次第、モビルワーカー部隊はナパーム弾を一斉発射! ナノラミネートアーマーを溶解させろ!』

 

 

 現場指揮官のユージンの声のあと、ある男が言った通りすぐさま地雷が炸裂し、敵のモビルスーツ部隊は総崩れとなる。続けて昭弘率いるモビルワーカー部隊の対ナノラミネートアーマー用のナパーム弾を撃ち込むと、敵の士気がさらに下がっていくのが目に見える。

 強襲作戦を跳ね除ける電撃作戦に、夜明けの地平線団でこの戦場の指揮をとる男は歯噛みした。

 

 

『チクショウ……! なんてことだ! 悪魔も死神もまだ出てきてないってのにこのザマとは!』

 

 

 団長に言い訳できねぇ! と心の中で叫んでいると既に第一陣を撃破した流星隊が殴り込みにやってくる。

 

 

『オラオラどした!! そんなもんか!』

 

 

『くっ……!!』

 

 

『お前らは既に死神に魅入られてるんだよ!』

 

 

 圧倒的優位に立つ鉄華団を前に夜明けの地平線団はあえなく撤退を余儀なくされ、信号弾を打ち上げると戦域から急いで離れていく。しかし、その数は来た時の半分以下であり、結果は当然ながら鉄華団の圧勝であった。

 

 

「こりゃあ、ミカとおやっさんに急いでもらう必要もなかったな……」

 

 

 ニヤつきながら勝利の美酒に酔うオルガの耳につけているインカムにこの度の作戦立案をした男から通信が入る。

 

 

『ふん、つまらない連中だったな』

 

 

「アンタの占いが異常なんだよ。てか、今回のは占い関係あったのか?」

 

 

『まぁ、多少はな』

 

 

 夜明けの地平線団に狙われているかもしれないという情報を誰が口を滑らせたのか、それを知った星原の行動は早かった。現場指揮のユージンや実働隊のシノ、さらにはメリビットやおやっさんにまで手を回して強襲作戦を妨害しようと地雷やらナパーム弾を買い付けさせて、メカニック達にモビルワーカーへ搭載させた。そして、その目論見は見事当たった。

 失った資金は敵のモビルスーツの残骸を売り払うことで補填するため、鉄華団への実質的な被害はゼロになっていた。

 

 

『でも、これで終わりじゃないぞ』

 

 

「あぁ、分かってる。この先一戦交えるのは避けられなかったからな……」

 

 

 アンタはこっちに来れそうか?

 オルガがそう尋ねると星原は押し黙った。

 

 

『行けないこともないが……俺なしでも問題はないだろう』

 

 

「またタロットか?」

 

 

『戦車の正位置。このまま突き進めば問題は無い』

 

 

 これまで鉄華団の行く末を見定め、導いてきた男のタロットはバカにできず、オルガもこの男に全幅の信頼を寄せているためその言葉に頷くと空から敵の砲撃もなく、大気圏を抜けて降りてくるシャトルを見上げる。

 

 

『……アレ? 終わったの?』

 

 

「あぁ」

 

 

 

 俺たちの勝ちだ。

 オルガは拳を突き上げると帰ってきた家族にそう告げた。

 

 

 

 

 ###

 

 

 

 

 

 

 

 なんだ大したことねぇの。拍子抜けもいい事でしたが、これも指揮官スキルのおかげなのでしょうかね? 

 まぁ、ユージンが地雷設置を指示してくれたり、おやっさん達メカニックが頑張ってくれたおかげですね。タカキもこれから頑張れ♡

 

 

 火星にいるメカニック一同からの好感度は少し下がりましたが、襲撃を免れたことで被害も出なかったのでプラマイゼロに落ち着くはずです。これくらいがいいなぁ(願望)。

 またオルガの好感度が1上がりましたが、無視です無視。

 

 

 宇宙での夜明けの地平線団戦に参加してもいいんですが、地球に戻るまでの時間でラディーチェが動き出す可能性があるので、ちょっと様子見になりますかね……。チャートでは参加しても問題なかったけど……今回は試走の時と色々と状況が違うので……。原作知識をタロットのせいにしたからでは? (真理)

 

 

 とりあえず、楽勝でしたね。2期の序盤はこんなもんです。

 問題はヨクバリス・ファリドが関わってくるあたりです。そこまでにホモくんと彼の間に繋がり、できれば借りを作っておきたいのでヒゲガ・モッサモッサとの戦いでは本気を出すとしましょう。

 

 

 では、今回はここまで。ご視聴ありがとうございました。

 




既にヨクバリス・ファリドには借りが出来てるのを知らない主
(なお、ホモくん本人もよくわかってない模様)


シノくんとテルマはホモくんのこと割とすき。ダンテは普通くらい。



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夜明けの地平線団戦②〜名前のない戦争①

今作最大のガバが起きたので初投稿です。


 さぁみんな集まって! 頭に的のついてるおじさんを生け捕りにしちゃうRTAがはじまるよー! 

 

 

 なお、ホモくんは不参加です(なんでぇ?)

 計算してみたら、ホモくんが火星に着く頃にはアーヴラウ防衛軍結成式典が始まっているので過去最高のガバが発生するので待機です。

 

 

 というわけで今回もホモくんの戦闘介入はなしです。つまんねぇの。やめたら? 

 

 

 ラディーチェとの好感度チェックをしてなかったので、しておきたいと思います(謎の宣言)。

 原作では本部から獅電が送られてくるはずだったのですが、その本部が海賊団狩りのためこちらに獅電を送る余裕がなくてラディーチェさんが「話が違うじゃないか!」と憤慨(やや脚色)して、アーヴラウ防衛軍の大人とアストンが揉めたりと彼の心労が祟ってヒゲガ・モッサモッサに鉄華団を売るわけですが。

 

 

「あぁ、支部長おはようございます。今日もいい天気ですね」

 

 

 ソダネー……って、ん?

 

 

「火星は何やらごたついているようですが、我々は我々で仕事をこなしていきましょう」

 

 

 

 あぁ、うん。ちょっと待ってね……君誰? 

 ラディーチェ・リロトさんですよね? お間違いない……?

 おかしいな、試走では支部長でも経理とかでも「……どうも」と陰キャ丸出しだったんですが。

 

 

「サヴァランさんから聞いてると思いますが、テイワズからの獅電の納入は少し遅れるそうです。まぁ、仕方ありませんね」

 

 

 凛、知ってるよ! かよちんはアイドルになりたいんだよね! (現実逃避)

 きこりの泉にでも入って綺麗なのに変わったのかってくらい聖人君子になってる……?

 いや、良く考えればモビルスーツの戦力はホモくんのバティンにマンロディが4機いますもんね。防衛軍の指導役にしては戦力過多ですしおすし……。

 獅電の納入が多少遅れたくらいでキレないのも当然です。け、けど、防衛軍との軋轢……感じるんでしたよね? (淡い期待)

 

 

「え? それは支部長が解決してくれたじゃないですか」

 

 

 ???????????? 

(自分を35歳係長の国民的お父さんと思っている精神異常者の画像)

 

 全く身に覚えがない件。そして、今見たらラディーチェの好感度が70と高い件(驚愕)。

 このダブルブッキングを対処する方法の思いつかない我々探検隊(1人)はアマゾンの奥地へと向かった……(現実逃避その2)。

 

 

 

 こ、これは……裏切らないのでは? 試走とは態度が全然違っていて、加えてこの好感度……さてはおめーホモくんに心酔してるな? (名推理)

 どうやらこの綺麗なラディーチェ、略してキラは裏切る気配がないです。まぁ、裏切ったところで謀殺滅殺絞殺銃殺刺殺あらゆる殺戮をここに顕現させますが。

 

 

 やめてよね。本気で殺りあったら、キラがホモに敵うはずないだろ(至言)。

 

 

 チャート変更の可能性が出てきましたが、まだ慌てる時間じゃない。

 もしかしたら、ガランが他の鉄華団団員を懐柔してる可能性もありますしね(地球支部の団長の平均好感度61)。

 

 

 ────低くても58って教祖になれるぞ、オイ! 

 

 

 けど、困ったなガランが動いてくれないとキリギリス・ファリドに恩を売れないんですが……。2期始まっていきなりのガバ。俺じゃなきゃ見逃しちゃうね。

 経過観察しつつ、本部の行う夜明けの地平線団狩りの支援をしてあげましょう。鉄華団だけではどうにも出来ませんが、キリギリスの懐刀である石動の部隊と後から地位と運しかない男の大部隊がやってくるのでとことん利用します。

 ここは原作通りでも問題はありませんし、なんなら参謀にビスケットがいるのでより被害を抑えられるはずです。

 

 

 夜明けの地平線団壊滅作戦までお暇ですので、子供達の相手をして寝てを繰り返して時間経過を待ちましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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 鉄華団の地球支部が出来るにあたって、テイワズのボス、マクマード・バリストンから言い渡された条件はテイワズから1人監視役をつけることであった。その監視役がラディーチェ・リロトという人間である。

 彼は理屈や論理が通らない人間が好きではなく、それに多くの者が該当する子供が非常に嫌いであった。子供はリスクリターンを考えず感情で動く生き物であり、また子供が故の自己中心性を持っているため対話するのは困難である。

 そんな子供の多い鉄華団という職場はラディーチェの心のストレスになること必至であったのだが、まず救いだったのは自分と同じくらい事務職ができる大人がそこにいたからであろう。

 

 

「え、ドルトの企業に?」

 

 

「はい」

 

 

 デスクも隣で職種も同じなら会話を交えるのは当然の理であり、休憩時間のほとんどはサヴァラン・グリフォンと過ごしていた。元々はドルトコロニーの企業に勤めていたというサヴァランの話を聞いてラディーチェは思わず聞き返してしまった。

 自分と同じく出向でこちらに来たのかと尋ねれば、目の前の男は首を振った。

 

 

「契約したんです。支部長と」

 

 

 何を言っているのかよく分からなかったが、つまりはヘッドハンティングだろうかと憶測を立てたラディーチェは支給されているお弁当のほうれん草の胡麻和えを咀嚼した。

 サヴァランとは年齢は少し離れていたが、互いに程よく距離を保ちながら接する同僚としては理想的な関係であったために、彼の心は出向を言い渡された時と違って僅かに穏やかになっていた。

 だが、それでも職場は子供ばかり、アーヴラウ防衛軍の指導役として雇われている鉄華団が彼らにモビルワーカーやモビルスーツの操縦指導をするのは当たり前である。けれど、授ける側が子供で受け取る側が大人という世間的に見ればややおかしな状態に、アーヴラウ防衛軍との軋轢はすぐさま生じた。

 

 

「ンだとこのガキ!」

 

 

「事実を言ったまでだ」

 

 

「偉そうに!」

 

 

「教えられる側が上だなんて聞いたことがない」

 

 

 頬に傷を負っている少年、アストン・アルトランドが言うことは正しい。でも、大人には大人のプライドというのがある。もっと上手く伝えられるやり方があるというのにそれが出来ないのは子供だから仕方がないことなのだろうとラディーチェは初めのうちは思っていた。

 しかし、それがわかっていても、何度もアーヴラウ防衛軍との衝突を起こして、事務員であるラディーチェにしわ寄せが来ると話は別だった。

 

 

「あんたアイツらの上司だろ! どうにかしてくれよ!」

 

 

 そう何度も自分の机が叩かれればラディーチェも頭にきて、感情の制御できる大人らしく苛立ちを隠して立ち上がると件の少年兵達の元へと向かおうとした時、その背中に声をかけられた。

 

 

「おい、お前はいつからアイツらの上司になったんだ?」

 

 

 後ろを振り向けば紫色の髪を逆立てた男が背後に眼鏡をかけたメイドを従えてこちらに歩いてきていた。

 背丈はあるものの、兵士に比べるとやや細めという印象を受けるその男を見てラディーチェは閉じていた口を開いた。

 

 

「支部長」

 

 

「支部長だぁ?」

 

 

 ラディーチェより上でしかも支部長となれば、この組織内のトップでありそうと分かったアーヴラウ防衛軍の兵士はオラついた顔を支部長に向けると先程と同じ文言を叩きつけた。

 

 

「あんたがアイツらの上司か!」

 

 

「そうだが?」

 

 

「アイツらにどういう教育してんだ! 俺ら大人をバカにしやがって! 操縦しか取り柄のないガキのくせによ!」

 

 

 兵士が怒鳴るように喚き散らすと支部長は窓の外を見ており、耳障りな声が聞こえなくなったと思うと「終わったか?」と再び目を向けた。

 

 

「て、てめぇ舐めてんのか!?」

 

 

「持つ者が持たざる者に教授するのは当たり前だよな?」

 

 

「あぁ!? 何の話だよ!!」

 

 

「……アイツらも言ってただろ? 教えてもらう側が下なのは当然だって」

 

 

 それとも教育を受けるのは今回が初めてかと嘲笑うように言い放った支部長に、我慢の限界を迎えたのか兵士は拳を振りかぶると彼の顔に目掛けて振り抜いた。

 しかし、それは当たることなく後ろのメイドに手首を掴まれることで防がれてしまう。

 

 

「支部長どうしましょう、この男……!」

 

 

「あがががが! いてぇ! いてぇ! な、なんなんだこの女!?」

 

 

 そのまま掴んだ手首を鮮やかに兵士の背中に持っていったメイドに兵士は当然の疑問を口にする。

 

 

「ラディーチェ」

 

 

「は、はい」

 

 

「ガキ共の躾は俺がやる。お前はアドモスとこの男の処理を頼む」

 

 

 そう言うとアドモスと呼ばれた女性の肩をポンと叩くと支部長は外へと出ていった。残されたラディーチェは目の前で起こった事態に未だ驚きを隠せずにいたが、メイドからアーヴラウ防衛軍本部へ兵士の暴行未遂とどちらが上か下かを理解した上で軍事演習に来るように伝令するよう言われて、その通りに行った。

 

 

 すると、どうだろう。翌日から外を歩いても大人と子供の言い争いはなくなり、ラディーチェのデスクが乱暴に叩かれることも無くなった。また煩わしいと感じていた子供達も積極的に関わってくることはなくとも、すれ違いざまに挨拶をしてくるようになった。

 予想していた労働環境と違い、与えられた仕事をこなせば定時に帰宅出来て、関係性は良くも悪くもなく、無理矢理パーソナルスペースに踏み込んでくる者もいない。上司も以前の職場の上司のようにガミガミと口うるさくなく、承認印を貰いにいけば一通り目を通し、さらにメイドとのダブルチェックにより抜かりなく印が押される。不備があっても特に咎められることなく、直してくるように言われて終わりとラディーチェにストレスが溜まることは無かった。

 なんならたまに「これくらいならこっちでやっとく」と仕事を減らしてくれる始末だ。

 こちらがホワイトなのか、異常なのかはラディーチェには図りかねたが、職場としては悪くないの一言であった。

 

 

 鉄華団地球支部の経理の役職を任されてから一月経った頃、この仕事にも慣れてきて彼は職場にいる人間の誰もが信頼を寄せる支部長の星原・モーリノという人物がどういう人間なのか興味を持った。

 

 

 これまでの印象としては、外出時以外は常にメイドであるフミタン・アドモスという女性を侍らせて、問題事には彼自らが仲裁に入っており、停滞のない業務遂行に勤しんでいるように見える。

 

 

「支部長? あぁ、星原さんのことか。どんな人かですか……うーん」

 

 

 初めに尋ねたのは地球支部の中では付き合いの長いチャド・チャダーンという男であった。支部長は星原だが、現場指揮はほとんど彼に一任している。それだけ信頼を寄せるに足る人物かと問われれば、まだ印象の薄いラディーチェからは首を傾げるしかないのだが。

 

 

「いい人ですよ。俺たちのこと家族だって言ってくれたのもあの人だし」

 

 

「ほう」

 

 

 それは意外だとラディーチェは自然とそんな声を漏らしていた。普段支部長の席ではタロットカードをシャッフルしているかバティンに似合うカスタムパーツを検索しているところしか見ていないが、そんな熱い人物だったとは。

 

 

「優しいですよ! 妹の学費のことで相談に乗ってくれたり、この間は奨学金っていうのについてサヴァランさんと一緒に教えてくれたんです!」

 

 

 2番目に聞いたタカキ・ウノという少年にも彼は好印象であった。最近、ラディーチェと同じく出向で来ているエーコとサヴァランを相手にトランプのババ抜きで無双して高笑いしていた彼がそんなことをするなんて。

 

 

「支部長……? あの人、周りには死神とか言われてるけど、俺たちにとっては神様みたいな人だよ」

 

 

「うん、俺と兄貴を引き合わせてくれたし、ヒューマンデブリって枷を取り払って、家族として接してくれるし」

 

 

 最近、シミュレーターで大人気なく少年兵の団員達に指導と称して、一方的な戦いをしていると思っていたが、それでもかなり支部長は好かれているらしい。

 誰に聞いても「いい人」「優しい」「たまにゲスみたいな顔してるけどそれがいいんだよ」「私には必要な人です」などと、ごく稀に凄く個人的な意見を聞いたが、概ね好印象であることは間違いなかった。

 そうして、支部長の話を聞いてるうちにラディーチェもまた彼に惹かれていった。1度、彼の趣味だというタロットで占いをしてもらった。買うか悩んでいた電化製品について占ってもらうと"節制の逆位置"で無駄に終わるということだった。そして、彼の言った通り、数週間後、その商品がとある海賊団の詐欺商品であったことが報道された。

 

 

「あ、支部長お疲れ様です。どうされました?」

 

 

「オルガから連絡あったって聞いてな」

 

 

「どうぞ。イサリビとホタルビへの通信体制は整えてあります」

 

 

「ん」

 

 

 支部長はそれから、火星近くの宙域で夜明けの地平線団の本隊と戦闘を行うオルガやユージンに指示を出して、なんとあのギャラルホルンを利用して危なげなく勝利を収めさせたと言うのだ。

 

 

「お見事です支部長」

 

 

「……まぁ、こっちは楽させてもらってるんだ。これくらいはな」

 

 

 勝利しても決して驕らないその勇猛さにラディーチェは心を打たれてしまった。彼女達が彼に惚れるのも頷けた。ぶっきらぼうかと思えば、たまに優しさを垣間見せてくれる。さらに顔は整っており、趣味もタロットと占いの類が好きな傾向にある女性からモテるのも頷ける。それを、まぁ、本人は気付いてるのかあえて知らないふりをしてるのか知らないが。

 

 

 

 あれだけ来る前は悲壮な顔であったラディーチェも、今ではこの職場に来た時の自分が見たら信じられないくらいに今の職場を気に入っていた。テイワズからの呼び出しがあるまで耐えぬこうと思っていた故の無表情さは既に解消されており、少しずつではあるが朗らかな笑顔が出てくるようになった。

 そのおかげか、彼に不信感を持っていた少年団員たちとも徐々に蟠りがなくなってきて、テイワズからこちらに転職しようかと悩むレベルとなっていた。

 

 

 そして、そんな時にあの男が現れた。行きつけのバーで、結婚相手も恋人もいないラディーチェが1人で飲んでいると隣の席にどかっと大柄の男が座り込んだ。

 

 

「やぁ、お兄さん。ちょっと失礼」

 

 

「え? ……あぁ、どうぞ」

 

 

 そういうのは座る前に言うべきではないかと思ったが、今は同僚に勧められた酒に舌鼓を打っているところなので別段気にしなかった。その姿が隣の男には物憂げに見えたのだろう。

 

 

「……何かお悩みかな?」

 

 

 

「……はい。そうなんです。少し職場のことで」

 

 

 

 ラディーチェの反応を見て、男は思った、コイツは使えると。

 

 

 彼の隣に座った男、今はガラン・モッサと名乗っている男は月外縁軌道統制統合艦隊アリアンロッドの総司令、ラスタル・エリオンと繋がりを持っている。

 今回、ラスタルの政敵であるマクギリス・ファリドが夜明けの地平線団狩りを進行している裏で、密かに彼が手を結んでいる鉄華団の戦力を削ごうとラスタルは盟友であるガランにその仕事を頼んでいた。

 そして、ガランは早くも行動を開始し、鉄華団に不信感やストレスを抱いているであろうラディーチェに接近したのだった。

 

 

「ほぉ、他人だからこそ聞けることもある。話を聞いてもいいかな?」

 

 

「はい……まさかあんな職場だとは思わなくて……どうすべきかと……」

 

 

「ほぉ……そいつは……」

 

 

 

 やはり思った通りだと、ガランは内心で微笑んだ。こいつはガキの集まりである鉄華団の無秩序な論理のない環境に苛立ちを感じていると。そこに付け入る隙があると。

 

 

 

 ─────事実は全く違うのに。

 

 

 

「そういうことなら、俺が力になれるかもしれない」

 

 

「……本当ですか?」

 

 

「あぁ、もちろん」

 

 

 もしどうしても耐えきれなくなったら連絡してくれと渡された名刺をラディーチェは度数の高い酒を飲んでまともに思考できない頭で受け取ると、習慣としている名刺入れに収納しお返しに自分の名刺を手渡す。

 

 

「じゃあな、いつでも待っているぞ」

 

 

 そういうと男はお酒を一滴も飲むことなく席から立ち上がり、店から出ていく。その時は特に不審に思うことも無く、いい人がいるのだなとラディーチェは思っていたのだが……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ###

 

 

 

 

 はい勝ちましたー! (パフパフ〜)

 額にあんな的当てしてって感じのタトゥー入れるからだよぉチミィ。さて、ミカが殺さないように戦う難しさを痛感して、ギャラルホルンの面々を上手いこと使って、鉄華団はけが人のみで死人はなし! うん、おいちー! 

 また団長からの評価が上がってしまった。けれど、彼のミカを思う気持ちには勝てないのだ(驚異の150)。

 

 

 これで運と地位だけのイオクが死ねば万々歳なのですが、彼の護衛がハチャメチャに優秀なので生きてるようです。隙あらば趣味の悪い色のレギンレイズを狙うように言っても良かったんですが、仮にもセブンスターズの人間を殺意マシマシでやっちまうのもねぇ……。

 

 

 さて、あくまで指揮はオルガ、現場監督をユージン、参謀をビスケットがやっており、ホモくんのしたことと言えば、敵の海賊団が3隻と見せかけて10隻いるよーとか、サンドバルの機体はヘキサフレームだよーくらいしか教えられませんでした。あとは石動とは別働隊のギャラルホルンが来るかもとか。

 ビスケットに「いつもそういう情報ってどこで仕入れてるんですか?」と訊かれたけど、秘密にしておきました。リビングでなんてとても言えないよね。

 

 

 これにて2期の鉄華団チュートリアルは終わりです。以後は新参者も立派な鉄華団の一員としてゴリゴリ働いてもらいます。殺さないようにって難しいんだよなぁ……(労基)。

 

 

 本部の問題が片付いたので次はこちらなのですが……ラディーチェの好感度が高くて裏切りイベが発生しませんね……。これだと何にもわかんないうちにSAUとアーヴラウの名もなき戦争に巻き込まれちゃうパターンになります。

 バティンは既に小型艦に乗って到着しているので、いつ開戦しても問題はないんですが、チャートと大分変わるのでどうなるか分からないんですよね。オリチャーいっとく? いっちゃう? 

 

 

「あの、支部長、少しよろしいでしょうか?」

 

 

 ええよ(寛容)。どしたの? 

 

 

「実はこのような方から名刺を頂いたのですが、どうにも信用ならないというか……」

 

 

 どうも話を聞いたら、1人でお酒を飲んでるところに分かった気おじさんが来て、名刺を渡してきたようです。おやぁ? これはもしかして……? 

 

 

 

「ガラン・モッサという名前なのですが、支部長は聞いた事ありますか?」

 

 

 ありますねぇ!!!!! (クソデカボイス)

 ありますあります……(小声)

 

 とは、現状言えないので首を振っておきます。元傭兵ならワンチャン知ってるんですが、知らない可能性もありますし、というか偽名ですから知ってたらおかしいです。

 外見も整形はせずとも戦場ごとに変えてるでしょうし、特徴を言われてもピンとは来ないはずです。裏稼業の人間にもある程度詳しいフミタンにも髭のオジサンは多すぎるとの事で分かりかねるようです。

 

 

 

「そうですか……一体何者なんでしょう……」

 

 

 髭のオッサンまさか存在を暴露されるとは思ってなかっただろうな(愉悦)。しかし、相手に連絡する手段があるということなら使わない手はありません。利用できるものはなんでも使いましょう。

 とりあえず、ラディーチェさんにはおじさんにどのように相談に乗ってくれるのかを聞いて、話を聞いてきてもらいましょう。その際になるべく無表情でいるようにお願いして、イッテイイヨー! します。

 

 

 ラディーチェがどうしようが、ガランがこちらにつこうがつかまいが、戦争は確実に起こるので……。

 今度はほんとだよ? SAUに好感度もクソもねぇよ! (逆ギレ)

 元々SAUとアーヴラウは睨み合いをしていて、そこにガソリンばら蒔いて大炎上させようとけしかけたのはアリアンロッドのアライグマラスカル・エリオンの命令を受けたガランなのですよ。つまり、ラディーチェが関与しない今回の戦闘は100%ジジイ共が悪いです。まとめて成敗してくれるわ! (邪剣夜逝斬魔性根(じゃけんよるいきましょうね)

 

 

 

 元々スパイになる予定だった男が逆スパイになって帰ってきたので情報共有です。当然のようにガランは鉄華団をぶっ潰そうとしてきましたね。それで経理の男を操って思い通りにしようとするなんて笑止千万!

 バエル柱 バエルの呼吸の使い手であるマクギリス・ファリドに代わって、野獣の呼吸 810の型しか使えないこのホモくんが目にもの見せてあげましょう。

 

 

 狡猾な男(笑)のガランくんですが、ラディーチェに盗聴器や発信機の類をつけてないので、こちら側とバレることはなさそうなのでそのまま間者として動いてもらいましょう。

 何? どうやって動けばいいかわからない? 後ろに元間者のエキスパートがいるので彼女に聞くといい。力になってくれるだろう。

 

 

 それで次に死神と名高いホモくんがいるとガランはこちらと手を組もうとタカキ達と接触してこないので、偽情報を流してもらいます。ホモくんは歳星に自分のモビルスーツを取りに行くために、最高責任者をチャドに委譲。あと、バティンがここにあるとガランがスペースキャット状態になると思うので、名称未定小型艦にぶち込んでやりましょう。あ〜^ もう、たまんねぇぜ!! 

 ついでにラディーチェ以外の大人がいると警戒しそうなので、フミタンにサヴァラン、エーコもちょっと付き合えと引っ張りましょう。

 みんなで船の名前決めようぜー! と支部からそう離れていないホモくんのお家でパーリー! しましょう。チャドにはガス抜きも必要だからとか、信用してるぞとか言っておきましょう。あとでちゃんと助けてやっから安心しろ。

 

 

 じゃあ、早速、サヴァランとエーコをお誘いしましょう。おーい、エーコ! お泊まりしようぜ! お前枕な! (冗談) ホモくんは言ってませんよ? (念の為)

 

 

 

 

 

 ───────え? なに? 着替える? いつものパーカーとショートパンツでいいでしょ。泊まるかもしれないから? あぁ、じゃあそだねうん。……フミタンも? その格好でも……ん? 買い出しも行っときたい? おけおけ。で、なんでサヴァランはそんなウキウキしてるの? ……誰かの家で遊んだり泊まったりするのは初めて?

 

 

 

 

 

 …………そうか、楽しもうな!! 

 

 

 

 

 

 

 開戦まで大人はパーリーするので今日はここまで。

 ご視聴ありがとうございました。

 

 

 

 




ホモくんの家でお泊まりで大人たちはウキウキワクワク! こんなんで戦争に行けるのかって? いっちゃうんだなこれが……!!






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名前のない戦争②

(みんなが期待してるような展開は)ないです。
投稿が遅れた理由はあとがきにてするので初投稿です(意味不明)


 

 タカキ達の名前のない戦争をサックリ終わらせるRTAはじまるよー!

 

 前回はホモくんの家でのパーリーナイトするところで終わりましたね。

 

 戦争が始まって、ガランモッサモッサが現れるまでには少し時間がかかるのでそれまではお泊まり楽しみランラランなサヴァラン兄さんとミニゲームに興じます。

 お泊まりの予定ではありませんでしたが、サヴァラン兄さんは勘のいい男なので、ホモくんの見てないところで殺される可能性があります。な〜の〜で〜、ホモくんの目の届くところにいさせる必要があったんですねぇ。女性二人も支部内にいると、イレギュラーなことを起こす可能性があるので手元に置いておきました。決して他意はない(断言)。

 好感度の異常に高い2人ですが、サヴァランもいるのでこちらには手を出してきません。てか、出すな。特にエーコ。

 このゲームは原作が夕方の5時とかにやってたのにも関わらず戦闘描写や銃殺、ラブホテルルプスレクスの関係でR15指定をくらっています。それを良い事と捉えた開発者達が、思春期から成熟した大人の皆様まで楽しめるようなシステムを導入してたりするのですが、本RTAには一切関係ありませんのでこうして一般視聴者向けの動画サイトに投稿出来ています。けれど、エーコやフミタンの行動によってはどうなるか分かりません。R18じゃないのにR18スレスレなこのゲーム、頭いってんねぇ! (褒め言葉)

 

 

 サヴァラン達と引きこもりながらポーカーやスピードなどのトランプを楽しんだり、彼が1度でいいからやってみたいと思っていたという人生ゲームをタイムのこともあるのでスキップ操作で行います。

 知力や運のステータスを上げたいなら、しっかりやるべきですがホモくんは知力は高めで占いスキルの副次効果で運にもプラス査定が入ってるのでオートでも勝率は5割は超えますので、問題ありません。むしろ、こっちが操作してないのにトランプでほぼ完勝してるコイツおかしいぜ(賞賛)。

 

 

 そんな感じで時間経過を見守っていると、画面が切り替わりました。この家にまで届いた爆発したかのような音にエーコが何事かとテレビをつけます。

 すると、アーヴラウ議事堂の一室が爆破されたというニュースが飛び込んできたので、ここから作戦開始です。

 一応、チャドにはパーリーナイト前に控え室の不審物には気をつけろと言っておいたんですが、爆発したのを見る限り蒔苗のじいさんが触っちゃって、2人仲良く負傷したんですかね。秘書さんも巻き込まれてますが、死んでないのなら問題はありません。てか、ここで死が確定してるのは鉄華団側だと、アストンとラディーチェ、ルートによってはタカキなんですがホモくんへの分厚い信頼と軍事顧問特有の異常戦力があるのでこちらもなんてことないです。

 

 

『あ、支部長、お疲れ様です』

 

 

 なんてことを言ってたらラディーチェさんから連絡です。疲れるも何も、大人4人で人生ゲームしてただけなんですがね。言わぬが花でしょう。

 

 

『貴方の予想通り、敵が仕掛けてきました。恐らく、開戦は3日後だろうとガラン・モッサが』

 

 

 この口ぶりだとラディーチェニキはしっかりと間者の役割を演じてくれていたようですね。ほんとフミタンの教鞭スキルの高さよな。バレずに上手くいってるようなので、そのまま続けてもらい、また本部や自分との連絡はラディーチェのみがやるように言います。おそらく、ガランとの契約に情報統制もあったはずなので、そこを守らせないと怪しまれるんですよね。

 

 

『分かりました。火星から連絡があった場合はどのように……』

 

 

 あ、全部ガン無視でいいよ。

 

 

『分かりました。では、また』

 

 

 いや、いいわけがないんですが……(困惑)。反論も意見もしてこないなんて、犬より従順だな。ワンって鳴けよと命令したら鳴いてくれそう(小並感)。

 さて、それではこちらは3日後の開戦に向けて用意を始めましょう。パーティーはお開きだ! 働くぞオラ! 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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 旧知の友からの頼みで、マクギリス・ファリドと協力関係にあるという鉄華団の戦力を削ぎ落とすためオレはアーヴラウとSAUが冷戦状態にあることを利用し、ある策を講じた。

 アーヴラウとSAUの戦争に鉄華団を引き込み、更には地球内での戦争行為を阻止する役割のあるマクギリスを戦場へと引きずり出し、鉄華団諸共殺害するというものだ。

 友から聞いたところによれば、マクギリスは若く、モビルスーツの操縦に長けている。そんな男が膠着状態に陥っている状況で何もしないわけが無い。自らが出て状況打破を試みる。そこを鉄華団の少年兵が仕留めれば、任務完了というわけだ。セブンスターズの人間を殺したとなれば、故意でなかろうと鉄華団側への責任は大きく、こちらの手を汚さずに済むだろう。

 

 傭兵として何十年も戦場を駆け抜けてきたが、やはり自分の思うように事が進むというのは楽しくてたまらない。間者として仕上げたラディーチェに情報統制をさせて、本部にいるオルガ・イツカ達との連絡を遮断。さらに好都合なことに地球支部長も主要メンバーを連れて木星へとモビルスーツを取りに行っているらしく、俺の邪魔をする者は誰一人いない。

 

 

 あとは鉄華団の少年兵の力を取り込めば、作戦は磐石。マクギリスが出てくるのを待ちながら、じっくりと内部から鉄華団の戦力を削ぎ落とすとしよう。

 

 

「それでは私は、地球支部の代表者を呼んできます」

 

 

 そう言ってソファから腰を上げたラディーチェは静かに扉を開くと、支部長も支部長代理もおらず、今は古参のメンバーであるという理由だけでリーダーを任されているタカキ・ウノという少年を呼びに向かった。

 内通者がいるというのは、実にやりやすい。議員の蒔苗やチャドとかいう支部長代理の男もこちらからの贈り物で死にはしなかったらしいが重体のようだ。何の気兼ねもなく戦場を支配できるというのは本当に気持ちがいい。

 支部長と呼ばれる男の趣味かは知らないが、決して安くないであろう紅茶の旨味に座り心地のいいソファとここを新たなる拠点にしても悪くないという気にさせる。まあ、この戦場が片付けばまた違う戦場へと向かわなければならないのだが。ラディーチェに出された紅茶を飲みながら、彼を待っているとドアがノックされる。ようやく、宇宙ネズミの少年との対面だ。これから自分の手となり足となってもらうのだから、第一印象は悪くない方がいいだろうと笑顔に努めたその時、扉が開かれると同時にパンッという聞きなれた銃声が耳に届いた。

 

 

「ッッッ!!!?」

 

 

 殺気もなく、いや元からなかったのだろう。弾丸は俺の心臓や頭ではなく、左脚に突き刺さり、歯を食いしばって痛みで転倒するのを防いで第二波に備える。

 えらく手厚い歓迎だと無理して作った微笑みを向けようとしたが、ラディーチェの隣で銃を握る男を見て、俺は思わず言葉を失ってしまった。同時にこの作戦の失敗を決定づけられて、かわいた笑いが込み上げてくる。

 

 

「……なる、ほど、な……俺はお前の書いたシナリオに踊らされてたわけか」

 

 

「そういうことになるな」

 

 

 互いに本当の名前は知らずとも、顔だけは知っている男は銃をラディーチェに預けると、昔のようにポケットから洒落たタロットカードを引き抜いた。

 

 

「ジャッジメントのカード。詰みだ」

 

 

 不敵な笑みを浮かべながら、俺にそう宣った男と視線を交錯させる。支部長含め鉄華団団員の名前には全て目を通したが、顔写真を見なかったことを後悔をしたのは生まれて初めてだ。久方ぶりに見る顔は少し大人びていたが、本質的な部分では変わっていないらしい。

 

 

「まさかお前がここの支部長とはな……」

 

 

 逃げ道を模索するために適当に言葉を口走るとそいつはズカズカと1人で部屋に入ってくる。ラディーチェや控えていた女は外で待機してるのを見るに、人質を取られるのを避けたか。相当、頭がキレるやつではあったが、全然衰えてないらしい。味方であると安心感しか無かったが、敵に回すとここまで厄介だとは。

 

 

「ほら、止血剤」

 

 

 奴は俺の質問にも答えずに、そう言って止血剤と包帯を投げてくる。どういうつもりだと顔を見たが、早くしろと急かされたため止血剤を打ち、穴の空いた皮膚を包帯で包む。

 

 

「弾は?」

 

 

「貫通してたよ」

 

 

「そうか」

 

 

 弾丸は綺麗に肉だけを抉って貫通しており、とても止血剤と包帯だけでは足りないのだが、文句を言っても仕方がない。今は俺が下で、アイツが上だ。

 

 

「……なんでオレがギャラルホルンに推薦してやったのにこんなところにいるんだ?」

 

 

 止血し、包帯も巻いてソファにかけ直して俺は開口一番に尋ねた。俺のチームを離れる時に、ラスタルの下につけるように話してやったのにまさか火星の宇宙ネズミばかりがいる会社に入っているとは思わなかったため、少々悪態づいてしまった。けれど、奴はそれを気にしない素振りで「かしこまった組織は合わない」と吐き捨てた。

 

 

「なるほど、確かにお前みたいなのは居づらいだろうな」

 

 

 腐敗したとはいえ、ギャラルホルンには明確な序列関係が存在している。いくら指揮能力や戦闘能力に秀でているとはいえ、新米の何処の馬の骨か分からない男にあのプライドの高い地球やアリアンロッドのギャラルホルン兵ではコイツの言うことなど聞くはずもない。

 

 

 

「それで? 俺を殺さなかったのには何か理由があるんだろう」

 

 

「当たり前だろ」

 

 

 殺気を放っていれば俺も避けることは出来たというのに、はじめからコイツに殺意などなかった。おかげで俺はのこのこと餌に釣られて、捌かれるのを待っている哀れな魚になったわけだが。

 

 

「ラスタル・エリオンと話す場を設けろ。それだけでいい」

 

 

「……何?」

 

 

 それだけの為に俺は左脚を撃たれたのか? 

 そう思うと馬鹿らしくて、大きな笑い声が出た。それを奴は相変わらず「うるせぇな」という顔でため息を吐いた。

 

 

「ハッハッハッハッ! ……いいだろう。どうせ俺のゲイレールのデータも盗られてるだろうしな。それを返してもらえるなら、俺から話を通しておこう」

 

 

 ひとしきり笑ったあとで、そう伝えると奴は計画通りと口角を上げた。昔からちっとも変わらないゲスの極みのような顔だ。

 ジュリエッタがこいつみたいに無駄に頭が良くて性格の悪い人間でなかったことに心から安心出来る。

 

 

「だが、どうする? 俺のせいでアーヴラウとSAUは交戦状態に入ったが」

 

 

 国家間の戦争を終わらせるのは容易ではない。それが闘争でしか己の矜恃を表すことのできない子供の集まりであってもだ。鉄華団はアーヴラウ側についているが、新設のアーヴラウ防衛軍というお荷物を抱えて、統率力のあるSAUを圧倒できるとはとても思えないが。

 

 

 だが、そいつは断言した。

 

 

「問題ない」

 

 

「……それはお手並み拝見といこうか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして、そいつの言う通りに俺とラスタルの仕組んだ名前のない戦争は予想に反して1ヶ月もかからないうちに終息した。

 

 

 

 

 

 ###

 

 

 

 

 終わってみると呆気ないものだったな(マクギリス並感想)。

 

 

 ガランは殺すとラスタルやジュリエッタからのヘイトが凄いので、会談の場に誘ってもらうために利用させて貰いました。試走では2回ほど殺して、狂気と化したジュリエッタとダインスレイブ放ておじさんになったラスタルにボコられたのを教訓にしました。

 でも、なんで俺はダメで昭弘はいいの? おかしくない? (当然の疑問)

 

 

 さて、名前のない戦争も終わらせて、地球支部での問題も片付きました。指揮官モードだと時間短縮も見込めますので、時短プレイにはオススメです。ただし、重要な場面(小隊長や多対1の時)はこちらで操作してあげましょう。

 まぁ、阿頼耶識というアドバンテージがあって、ホモくんの指揮官スキルでバフのかかった鉄華団が負けるわけないんだよなぁ……。役に立たないアーヴラウ防衛軍の皆様の代わりにガランの優秀な部下も使わせてもらったので思いの外サクッと終わりました。

 ガランは足を負傷してるのでホモくんと仲良くお茶を飲みながら、共に作戦指揮を行いました。彼も傭兵団のリーダーを務めるだけあってかなり優秀なスキルを持っていて、戦場に出なくても部下にはバフ入るし、トラップ類の知識は彼の方が豊富だったのでばちこり活用させてもらいました。

 おかげでホモくんのスキル欄に『トラップLv2』が増えてる──!? やるやん! コイツは殺さなくても良かったやつだから。

 にしても、ガランが一時的に仲間になった時に好感度見たんですが……87!? 正気かあんた(驚愕)。まぁ元々はガランの傭兵団に入ってたみたいなので……それにしたって高いんだよなぁ……。

 これは恐らく同じ傭兵団にいたジュリエッタとの好感度にもガバが発生しそうですが、会うのもラスタルと会う時にランダムでいるかいないかなのでそこまで問題ではありませんね! いや、頼むぞホントに……(祈願)。これ以上はホモくんがホモでなくなってまう……。なんでこんなにガバが生まれたんかな? 真面目にやってきたからよ! ホンマやなぁー、はっはっはっ! (現実逃避)

 

 

(ここからは目立ったモビルスーツ同士の戦闘は)ないです。ラスタルとの交渉が上手くいって、マクギリスの火星の王への勧誘を断ればというクソみたいな条件ですが。試走では割と上手くいったんですが、バエルだいすきマンには「バエル乗ってもギャラルホルンのトップにはなれないゾ!」と言っても、乗っちゃうマンになるので。マクギリス! バエルには乗るなよ! 了解! バエル! という流れが黄金ルートです。

 こちらに支障はあまりないのですが、オルガの好感度が低ければ説得できずにマクギリス側につくことになりますし、高くてもラスタルから高い金で傭兵として雇われて戦闘は避けられませんが、RTA的にはやるならラスタル側の方がいいです。だってこっちにはダインスレイブがあるからね! 

 それにバエルマンには復讐に燃える謎の男ヴィダールが「俺を見ろー!」 とヤンホモばりに襲い掛かります。一体誰リオ・ボードウィンなんだ……?

 

 

 説明してる間に事後処理も終わったことですし、さっさとラスタルに交渉に行くとしましょう。これはオルガやマクギリスが地球に降りてくるまでに済ませておきます。オルガは別に問題ないんですが、マクギリスは確定で邪魔をしてきますし、なんなら暗殺も狙ってきます(3敗)。どんだけホモくんとラスタルを会わせたくないんですかね。

 

 

 

 立場的にラスタルと繋がりがあるとバレるとまずいためか、変装したガランに連れられて、ヴィーンゴールヴと呼ばれるギャラルホルンの本部に来ました。洋上に浮かぶ施設なんですが、ぶっちゃけこんなにデカくなくてもいいだろってくらいデカいです。まぁ、モビルスーツの生産工場と保管庫とかありますし、あとは権威を示す役割を持つ以上は仕方ないんですかね。やっぱりデカいのが好きなんすね(意味深)。

 

 

 デカい上に太い(広い)施設なので、1人だと迷いそうになりますが、足取りに躊躇いもなく動くガランについていくと、それはまぁ立派な部屋に着きます。

 

 

「入るぞラスタル」

 

 

 入って、どうぞ(空耳)。

 特に返事も待たずに堂々とガランが入ると、そこには鉄華団とマクギリスにとっての最大の敵にして、味方にするとマクギリスよりも頼りになる男、その名もラスタル・エリオンです。月なんとかかんとかのトップであのアリアンロッドの総司令なんですよこのおっさん。

 1対1の対話を望んだので、いつも彼の周りにいる声と運のいい男と仮面を被った謎の男にホモくんとの過去が怖いくらいに気になる女の子もいません。やるやんガラン褒めたるわ。

 

 

「君が鉄華団地球支部のリーダーの星原・モーリノか。彼から話は聞いているよ」

 

 

 どんな話なんですかねぇ(興味津々)。どうせタロット使いながら高笑いしてこっちをなぶってくるゲスみたいな評価でしょうから、やっぱりどうでもいいです(手のひらクルクル)。

 ガラン(偽名)に席を外してもらい、ラスタルと本当の意味で対話を試みます。まぁ、こっちはフミタンとエーコが入手した彼(本名不詳)との癒着のデータがあるので、無理やりにでも話すんですけどね。

 

 

「それで私に頼み事があると聞いたのだが何かな?」

 

 

 お、話が早いですね。早漏は嫌いじゃないですよ。ちょっとイオク・クジャンの動きを止めてくれませんかね? 

 

 

「イオクの? 何故だ?」

 

 

 理由としては、ホモくんが地球の平和を守ってる時に火星ではモビルアーマーが見つかったんですよね。で、それは地球での問題片付けたらマクギリスの立ち会いの元で処理することになってるんですが、そこに「マクギリスに謀反の気配あり!」とか頭のおかしなこと言ってやってくるのが日曜日のたわけことイオクです。

 しかもモビルアーマーの起動条件である、エイハブリアクター搭載型モビルスーツの接近なんですが、無知な彼は見事にそれを果たしてくれます。そこからは皆さんご存知の通りの関係のない人間が死んで、さらにはミカニキが半身不随になって、付随効果でタービンズが窮地に陥るわけです。文字にするとイオクのやった事やべえな。もちろん、全てが彼のせいではありませんが、8割くらいはこいつのせいです。なので、その動きを封じます。

 

 

「なに? 火星でモビルアーマーが?」

 

 

 ホモくんにとっては未解禁情報だったりするのですが、歳星の整備長伝手にモビルワーカーもどきとモビルスーツよりでかいのが見つかったという情報から統合して判断したと伝えると、ラスタルは顎に手を添えます。

 

 

「それにイオクに何の関係が?」

 

 

 は? アニメ見ろ(暴論)。

 肉おじさんの言うことももっともで、未だ何もしてないイオクに対して、ホモくんが警戒するのおかしい話です。試走の時は理由、何にしたっけなと考えていたら、選択肢にタロットが出ましたので、これを使います。

 

 

「ほう、それが噂のタロットカードか。いやはや、まさか目の前で見れるとは」

 

 

 ……なんでテンション上がってんだこのおっさん(困惑)。まぁいいか。出ました。愚者の正位置。悪魔じゃないんですね。未熟さ故の愚かな行動っていうのはかなり的を射てる気がしますね。

 

 

「なるほど。確かにイオクは未熟故に失敗もするだろうが……」

 

 

 まだ納得がいってないようです。そりゃそうだわな(冷静)。初対面の人間にタロット見せられて信じる方がどうかしてるぜ(嘲笑)。

 仕方ないので、オマケ程度に持ってきたイオク様の華麗なる誤射記録をあげましょう。こんなのがモビルスーツに乗って火星に来て、モビルアーマーを起動させたら一溜りもないぜおい!

 

 

「………………確かに」

 

 

 ギャラルホルンのドンも認めるくらいの誤射具合。イオク様誇ってもいいですよ?

 

 

「しかし、マクギリスと一緒というのがな……」

 

 

 あ、じゃあその人なしでいいですよ。

 

 

「なんだと?」

 

 

 ぶっちゃけいらないんであの前髪いじいじ男。アビリティ高いくせに、やることが子供だからね、仕方ないね。

 

 

「そうか? 最近大人びて来たと思うんだが……」

 

 

 いや貴方、後で「所詮やつは大人になれない子供だよ」って言いますからね。交渉も成立したのでウキウキ気分で地球支部へ戻りましょう。ガランのこともなかったことにするし、もし次喧嘩売ったらスペックの上がったバティンでカチコミすると吐き捨てたらさっさとトンズラしましょう。

 

 

「おう、終わったか」

 

 

 ぬわああああんもううう疲れたもおぉぉぉん! (ジュリエッタと会わないうちに)あく帰ろうぜ! (ホモはせっかち)

 

 

「そう焦るな。せっかくだ、お前に会わせたい奴がいるんだ」

 

 

 ファッ!!? えっ!? ちょっ、ちょっと待って! やめて!! 

 

 

「覚えているだろ? お前がチームから抜ける前に、世話してた女の子のことだ」

 

 

 知らない! 我そんなやつ知らないもん! どうやって登ったかも分からない高い所から降りたり、蝶々を食ったりするヤベー奴なんて知らねぇよ! 

 

 

「どうしてそんなに嫌がるんだ? そう冷たくするな。アイツはお前のことを悪く思ってないんだ」

 

 

 やめて! 許して! お願い! これ以上ホモくんの知らないところでガバを生まないで!! 

 ───────こうなったら! 

 

 

「あ、おい! どこにいく!!」

 

 

 逃げるんだよ〜〜〜〜!!! これが我が逃走経路だ──ーッ!!! ヴィーンゴールヴには(試走で)何回も来てるから帰り道くらい覚えてるんです。ホモくんの少ない体力で全力疾走すればいいだけです。もう少しで送迎担当のフミタンの所に着きます。勝った! RTA完! 

 

 

 

「おや? もうお帰りですか」

 

 

 そうだよ!!! (食い気味)

 あくだせよ! 

 

 

「……? 分かりました。では」

 

 

 スゥ──────ッ。はい、勝ちました。ガラン逃走RTAのタイムは24秒でした。階段やエレベーターでは移動時間がカットされるので逃げ切る時は是非活用しましょう。なお、エレベーターだと階段で先回りされて足止めを食らうので気をつけよう! (1敗)

 ハシュマルもイオクの出番を頑張って削ったので大丈夫でしょう(慢心)

 次回は安心してモビルアーマーを解体できます。

 

 本日はここまで。ご視聴ありがとうございました。




投稿が遅れたのは5月6日まで外出自粛を言い渡されて、仕事もお亡くなりになって、今まで買うだけで積んでたガンプラとダンボール戦機プラモデル、フレームアームズ・ガールを作りながらアニメとドラマ、映画を消化してました。あとは神を撃ち落としたり、麻雀にハマったりで、下書きだけ完成させて止まってました。すみません。


本編に関してはRTAなので、戦闘はできるだけ回避しました。ガランから情報抜くには本人を行動不能にして、もぬけの殻になったゲイレールからデータ抜く方が早いです。自爆スイッチは押さなきゃ自爆しない(名言)。
モビルアーマー戦も、しない方が早いのでは?(極論) ということもあってイオクとマクギリスを遠ざければ発生しないという結論に至りました。
そんなわけでハシュマル、ケツアゴワレトルを済ませたら、マクギリス事件を残すのみとなりました。これはかなり速いタイムが出そうです。最後まで見守ってどうぞ。


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地球から火星へ

オッス! オラ、オールF! 1週間おきに投稿しようとして、下書きだけで終わってたドジっ子だゾ!
やることがあるのにする気がなくて、ギリギリになって睡眠時間を削られるのってあるあるですよね。HAHAHA!!


 共にかけ上がらないRTA始まるよー(ローテンション)。

 

 

 前回はガラン・モッサにア〇ルホルンされそうになったところで終わりましたね(捏造)。ほんとあのおっさんなんなんですかね一体(困惑)。

 

 

 あそこで逃げたのはRTA的にジュリエッタとの過去捏造が怖かったのと、ホモくんの好感度ガバからして、ジュリエッタもホモくんの愛の巣のメンバー入りしそうだったので……。

 

 

 このままじゃホモくんがホモでなくなる!!? (迫真)

 

 

 ハーレム系のトロフィーは狙ってないので、今回はスルーです。RTAじゃなかったら面白そうだから残ったかもね。

 

 

 さて、ホモくんが帰還するとオルガ達が到着しています。しかもなんか支部の前に黒塗りの高級車が止まってますね……。やはり来たか。

 

 

 原作では、ガランの策略で膠着した戦況を打破しようとマクギリス自ら殴り込みに来ます。マッキーもグレイズリッターも決して弱くないけど、阿頼耶識使いに2人がかりで前も後ろも取られてはどうしようもないです(意味深)。

 今回はホモくんが華麗なる戦略で早期解決してしまったので、彼はお礼を言いに来た感じですかね。いや、なわけw(反語)

 それなら黒塗りの高級車でモンタークとしてではなく、マクギリス・ファリドとして来るはずです。バレバレな変装をしてでもやってくるということは、個人的な用件もあるんでしょう。

 

 

「支部長お帰りなさいませ」

 

 

 真っ先に出迎えてくれたのがタカキやエーコ、サヴァランでもなくラディーチェなんて笑っちゃうよね(真顔)。

 

 

「応接室で団長達がトランプをしながらお待ちです」

 

 

 いや、それ待ってないよね。もう一生興じてろ。ホモくんのせいなのか、トランプという遊戯を覚えた鉄華団は原作ルート進むよりも知力が若干上がってるんですよね。火星の新入りはその限りでは無いんですけど。

 自分の拠点だし、トランプ中ならどうでもいいかとノックもせずに部屋に入ります。すると、あらまびっくり。団長とモンターク、ミカとクーデリアとわけのわからないメンバーでババ抜きをしてました。

 

 

「おう、待ってたぜ」

 

 

「久しぶり」

 

 

 そう声をかけたのは手札が2枚のオルガと既にあがっている三日月です。誰がジョーカーを持ってるのかは知りませんが、早く終わってくれない? (RTA的に)

 

 

「やぁ、1年ぶり……かな?」

 

 

 は? (威圧) 誰だよあんた。

 怪しげな金色の仮面と白髪をしたガタイのいいイケボを発するお兄さんはホモくんにとって初見なロリコンさんなはずなんですが、選択肢的にこれはどこかで1回会ってますね……。どこだ……? 多分、オート操作中か、キンクリした部分なんでしょうが、僕には心当たりがありません。ホントにガバが止まらねぇからよォ……。やめてくれよォ……(懇願)。

 

 

「じゃあ、まずは俺からの話だ」

 

 

 トランプも終わって、最後までババを握ってたオルガから話を切り出されます。一般的なルールだと負けだけど、世界の運命をかけたババ抜きだったら勝ちだったから誇っていいよ(意味不明)。

 団長からの話というのは、地球支部が巻き込まれたアーヴラウとSAUとの戦争のことです。なんで報告しなかったとか、連絡を絶っていたのかなど根掘り葉掘り聞かれます。

 だけど、終わり良ければ全てよし! 好感度の良さを利用してはぐらかします。

 

 

「……まぁ、そりゃそうなんだが」

 

 

 納得するのか(唖然)。普通は情報共有大事だとか、報連相を大切にとか言うのが社長(団長)の務めだと思うんですが。

 すると、アストンや昌弘が死んでたら腕も組まずに終始ブチ切れてる筋肉君がラディーチェさんへと視線を向けました。

 

 

「チャドや蒔苗のじいさんの怪我も大したことないらしいし、こっちの被害はほとんどねぇんだろ?」

 

 

「えぇ、使った弾薬や燃料も支部長の命令で終戦前にSAUの前線基地から奪いましたし」

 

 

 サラッと言ってるけど相当やばいことしてるねホモくん。それを実行するアストンやタカキもおかしいんですけどね。ともかく、小言を言われる筋合いはありません。少し納得出来ないようですが、団長は「わかった」と頷きます。

 

 

「では、私から」

 

 

 続いて謎のマスクマンです。

 

 

「まずは今回の戦争の手早い終息に感謝する。キミの手腕がなければこうもいかなかっただろう」

 

 

 これはセブンスターズのマクギリス・ファリドとしての言葉でしょう。ぶっちゃけ、この戦闘のせいで日曜日のたわけに会議で調子に乗られるわけですから。けど、逆に今度はマッキー何もしてないことで言いがかりされそう。やっぱりあいつ殺さなきゃ……! 

 

 

「……それで、アーヴラウ側に加担していたという傭兵について何か知っていることは無いだろうか」

 

 

 ないです(即答)。

 こっちのことを思い切り利用しようとしてきたので鉛の玉をお見舞して海に捨ててきました。

 

 

「む……そうか……」

 

 

 嘘は言ってない。来た瞬間に脚に1発あげたし、先程海の上にある施設に放置してきたので。別に言ってもいいんですがね、肉おじとの契約もあるので、あちらが不利になるカードは切りません。それにそういうのは使わずに持ってるだけでも効果がありますからね(GUESS顔)。

 話は終わりですかね? 一応聞いておきます……まだあるみたいですね。仮面を取ったのを見るあたり結構真面目な話ですね。火星の王への勧誘とかやめてくれよ〜。

 

 

「君たちの力を見込んで頼みがある」

 

 

 アッ、ヤメ、ヤメロォー! (本音)

 

 

「オルガ団長と三日月・オーガスには話しているが、私は今のギャラルホルンを変えたいと思っている。しばらくの目標はラスタル・エリオンより上にいくことだ」

 

 

 昭弘やユージンは肉おじについて知りませんが、クーデリアやラディーチェにはその名前に聞き覚えがあります。

 

 

「アリアンロッドの総司令。ギャラルホルン最大戦力の指揮官ですね」

 

 

 クーデリアが呟いてマクギリスが頷きます。

 

 

「その男を倒し、革命を起こすために君たちの力を借りたいと思う」

 

 

 マクギリス曰く、夜明けの地平線団の討伐と今回の戦争の早期決着の実績から鉄華団の力を借りることは最大の利になると判断したようです。そして、マクギリスの敵がこちらの敵にもなることを指摘したユージンに彼はこう言うのです。

 

 

「それについては安心するといい。デメリット以上のメリットを君たちに与えよう」

 

 

「メリット? 例えばなんだよ」

 

 

「……火星の王、というのはどうだろうか?」

 

 

 なんで団長とホモくんを見るんですかね。「王」という響きに男の子心をくすぐられているのか団長が目を輝かせています。子供ねー。

 さて、今回の話ですが当たり前のように断ります。言葉の響きやイメージに惑わされてはいけません。この話デメリットしかありません。

 

 

「おや、君は反対か。星原・モーリノ」

 

 

 当たり前だ! (ド ン!)

 

 団長も意外な顔しないで。クーデリアやラディーチェはしっかり気付いてるみたいです。

 鉄華団が火星の王……火星の全ての権利を握るとどうなるか。まず権力が親子の盃をかわしているマクマードより上になります。あっちは木星圏を牛耳っているだけで、実質的な権利はありません。なので、鉄華団が惑星1つの権利を全て手に入れると、自然とマクマードより立場が上になってしまいます。これはマクマードや名瀬の兄貴が許してくれても、他の幹部がいい顔をしないでしょう。

 

 

「……確かに」

 

 

 次に余計な敵が多く増えます。なんなら、今まで火星の権利を握っていたギャラルホルンや資産家、活動家が手を組んで攻めてくる可能性があります。それを火の粉を払うように倒すのは無理です。マクギリスやクーデリアの力で黙らせたとしても、今度は外から火星の権利を得ようとハイエナのように海賊団やよく分からない連中もやってきます。

 なので、火星の王になってもいいことなんてありません。

 

 

「そんなもの私がギャラルホルンの改革を済ませればどうとでもなる」

 

 

 お前がそれやってる間はどうするんですかねぇ……。それに偶像に縋って革命を起こそうとしてる人間に、真の世界を作れるわけがないんだよなぁ……。

 具体的にどのように改革を進めるのかを聞くと彼は必ずこう言うのです。

 

 

「バエルだ……」

 

 

 アグニカ・カイエルの魂ィ! ギャラルホルンの理想はここにあるッッ!!! 

 

 

 わけないです。はい(無慈悲)。

 理想と現実は違うんです。

 

 

「バエル……?」

 

 

 首を傾げる三日月にギャラルホルンを作った男が乗っていたガンダムフレームということを教えてあげるとマッキーが笑みを浮かべます。

 

 

「知っているのか。さすがだな」

 

 

 あ、好感度が上がる音〜〜! (フロア大盛況)

 こいつの好感度が上がってもいいことないので、無視です。話を聞いていくと、マクギリスがバエルを奪ってギャラルホルンを従えるというファンタジーを語りだします。これには博識ある大人達は「えぇ……(困惑)」となります。

 本人曰く、改革を急ぐならとの事ですが。なので、今のところ急ぐ気はないようです。

 

 

「この話はまたゆっくりするとしよう。今日はここで失礼するよ」

 

 

 ホモくんがアグニカを知っていたので、それを嬉しく思ったのかマクギリスの気持ちは穏やかなようです。ヲタクかよ。

 さて、ようやく邪魔者が帰ったので、やっとこさモビルアーマー退治です。もっとも、乱入者さえいなければ直ぐに済むのですが。

 歳星の整備長にモビルワーカーもどきの起動をやめさせるようにエーコに指示します。

 

 

「おっけー」

 

 

 これでテイワズ側の被害を減らせます。まぁ、プルーマが暴れたくらいじゃ屁でもないんですけどね、一応ね。

 あとは火星に戻って無稼働のハシュマルを起こさずに仕留めます。簡単なお仕事だね!

 

 

「支部長、お電話が入ってます」

 

 

 誰でしょうか。

 

 

「やぁ、鉄華団地球支部長。ギャラルホルンのラスタルだ」

 

 

 あ、切りたい(切実)。

 でも、ここでブッチッパ! するとラスタルの好感度が下がって今後のストーリーに影響が出ますのでちゃんと対応します。

 

 

「先程ぶりだな」

 

 

 そうっすね。で、何用で? 

 

 

「モビルアーマーの件だ」

 

 

 まさかイオクに話したとかじゃねぇよなぁ……?

 

 

「いや、奴には私の手伝いを命じる予定だ。キミの危惧するようなことは無いと約束しよう」

 

 

 ほんとぉ? まぁ、肉おじはヤルとなったらヤル男なので大丈夫でしょう。そうでなかったらハシュマル連れて地球にでもいきましょう(人間のクズ)。

 

 

「そちらこそ、マクギリスの方はどうなったのかね」

 

 

 あ、忘れてた! ……いや、でも今回の戦闘の後始末で来れないのでは? 来ても准将ォー! って叫んでる石動くらいでしょ。もしくは、そちらで縛り付けてくださいよ。

 

 

「ふむ……まぁいいだろう」

 

 

 わぁい、やったぁ。流石、肉おじ話が早い。また今度トランプでも送ってあげましょう。

 

 

「それで話を戻すが、モビルアーマーの件でこちらの人間に同行させることにした」

 

 

 ん? まぁ、ギャラルホルンからしたらモビルアーマーなんて代物を火星の一企業に安心して任せられないからわかりますが……? チョットマッテ……スゴクイヤナヨカンガ……。

 

 

「私の部下2人を連れてモビルアーマーの対処に当たってくれ。名目上の監視だ。やり方は君に任せるから口出しはしないように言ってある」

 

 

 そんなことよりその2人って……。

 

 

「あぁ、1人はヴィダールと言ってな。顔に大きな傷があって、それを隠すために仮面をしているが気にしないでやって欲しい」

 

 

 いや気にするだろ(正論)。でも、既に白髪仮面やモビルスーツと一体化マンに会ってるホモくんには恐れるものはありません。ただ1人を除いてはね……! 

 

 

「そして、もう1人は君がよく知っている人物だ」

 

 

 ヤメロー! ヤメテクレェー! タノムー! シニタクナーイ! 

 

 

「では、健闘を祈る」

 

 

 ………………………………(RTA)やめたくなりますよォ。ホモくんの経歴とヒゲおじの発言的にもう一人の子と何かあるのは確定なんですよねぇ……。メガトン好意だけはやめてくれよ頼むよ頼むよ……。

 

 

 願っても仕方ないので、観念して火星に行く準備を進めましょう。アーヴラウ防衛軍の育成も終わったので、地球支部の仕事はもはやありませんがタカキに頑張ってもらうには必要な施設なので残しておきましょう。警備や力仕事くらいならホモくんナシでも出来るので、ラディーチェとカンフル剤のためにフミタンとサヴァラン兄さんを置いていきます。

 

 

「私も行きます」

 

 

 いや残ってよ。元気でわんぱくで年頃な子供達のところに中年のおっさん2人が残っても仕方ないだろ!! 男の子は無意識的に母性を求めてるんですから、塩顔でも母性に溢れてるフミタンが残るのは至極真っ当だと思うんだけど、どう思います? 

 

 

「うーん、ボクはなんとも」

 

 

「サヴァランさんが残ってくれるなら私も休めますし、大丈夫ですよ」

 

 

 突然の裏切りにホモくんもびっくり。しかもそこにクーデリアも「いいんじゃないですか。私もしばらくはこちらにいますし」とか言ってます。お前は蒔苗のじいさんの見舞いとかあるからだろ……! 

 ここでああだこうだ言っても時間の無駄です。RTAの基本は押してダメなら諦めろです。

 

 

 よって、地球支部から連れてくメンバーは原作通りのチャド。加えて、フミタンとエーコとなりました。エーコは出向組ですし、モビルアーマー戦が終われば、タービンズに戻ることになってるのでここらで地球支部から離れてもらいましょう。

 

 

 

 火星に行くまでもはや何も無いので、今日はここまで。ご視聴ありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

 

 ###

 

 

 

 

 ギャラルホルンのヴィーンゴルーヴのモビルスーツ格納庫で2人の人間が立っていた。1人はフルフェイス型のマスクで顔を覆った男、もう1人は金髪のショートヘアと少し垂れたように下がった瞳が特徴の女である。どちらもギャラルホルンの兵服を着ており、アリアンロッド総司令であるラスタル・エリオンの部下である。

 

 

「……火星か」

 

 

 マスク越しにくぐもった声でヴィダールはそう呟いた。先程、ラスタルから言い渡された火星でのモビルアーマー回収作業を行う鉄華団への同行任務。正直言って彼らと因縁浅からぬ彼は乗り気ではない。しかも、その因縁が初めて生まれた場所が火星である。

 1人は自分の首を締め、部下を1度殺した。そして、もう1人は自分の顔に泥を塗り、蘇った部下にトドメを刺した。

 しかし、彼らを殺すよりも自分にはすることがあると、ヴィダールは自らと同じ名前をつけられたガンダムフレームを見上げる。

 

 

「今回の任務にはモビルスーツは必要なさそうだな」

 

 

「……そうですね」

 

 

「どうした。元気がないようだが」

 

 

「貴方には関係の無い話です」

 

 

 無愛想にそっぽを向いた女性兵士に、ヴィダールは心の中でため息を吐く。ここしばらくよく話すようになったので、心を開いてくれていると思ったのだが、どうやらそうでも無いらしい。

 

 

「そうか」

 

 

 ならば、聞かない方がいいのだろうと思い再び自分のモビルスーツへと目を向ける。呪詛のように繰り返してきた「待っていろ……マクギリス……」という言葉を心中で言いながら、その復讐心を滾らせていく。でないと、許してしまうかもしれないから。

 

 

「はぁ……」

 

 

 隣で復讐に燃えている男とは他所に、ジュリエッタ・ジュリスは久しぶりに会った恩人の言葉を思い出していた。

 

 

『え、あの人も来ていたんですか!?』

 

 

『あぁ、お前に会わせてやろうと思ったんだが、大事な用があるからと帰ってしまってな……』

 

 

 ポリポリと申し訳なさそうに頬をかくヒゲのおじ様に、ジュリエッタは露骨にしゅんと肩を落とした。それを見たヒゲのおじ様はその下がった肩に手を置いた。

 

 

『ラスタルに頼んで、また会えるように場を整えてもらった。詳しい話はアイツに聞いてくれ』

 

 

『え……』

 

 

『ではな!』

 

 

 笑みを浮かべながら、次の戦場を求めて再び動き出した恩人の背中を見やって、ジュリエッタはドキドキと心を高鳴らせて自分が敬愛するラスタル・エリオンの部屋へとヴィダールと共に入った。そこで告げられたのが、火星でのモビルアーマー回収・解体作業への同行である。そこにはヒゲのおじ様やラスタルと同じくジュリエッタにとっては恩人と呼ぶべき人物がいるというのだ。

 

 

『今の名前は星原・モーリノだったかな』

 

 

 傭兵は仕事の度に名前を変える。例えば、ガラン・モッサと名乗っていたヒゲのおじ様のように。次の戦いではまた別の人間になる。それが傭兵というものだ。だから、その星原・モーリノという名前が本当の名前なのかはジュリエッタには分からない。けれど、ヒゲのおじ様のように、彼女には彼女だけの彼を指し示す呼び名があるのだ。

 

 

「待っててください、お兄様」

 

 

 火星への出発を明日に控えるジュリエッタ・ジュリスの手には古びたハートのチャームが握られていた。




これでホモくんを囲う3人の乙女が出揃いました。ちなみに歳上のフミタン、同い歳のエーコ、歳下のジュリエッタと隙のない布陣です。ただし好きはある。上手い!(自分で言っていくスタイル)

ちなみに現在の好感度ランキングトップ5
聞かれそうだったので参考までに。
(最終上限300)(基礎値は100まで)(値は今回の話時点)

1位 オルガ・イツカ 161
2位 ジュリエッタ・ジュリス 130
3位 フミタン・アドモス 127
4位 サヴァラン・グリフォン 102
5位 エーコ・タービン 100(名瀬と結婚してるため100で自動で止まる)

ちなみに85で恋人になれて(同性なら90)、100で結婚できます(同性なら105) 。ちなみに告るかは選べますが、告られるかはランダムになります。100超えたら、異性ならほぼ確実に告ってくるので走者はコレを恐れています。同性は完全にランダムですが、エンディングまで主人公に恋人がいない時は告ってきます。


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モビルアーマー討伐

討伐って書いてるのに倒してないRTAはこちらになります。


 

 

 天使を起こさずに狩るRTA、よーい、よーい、ドーンだYO! 

 

 

 前回は地球から火星に行くところで終わりましたね。終わったよね? (確認)

 出航前にマッキーから「私はイけないが代わりに石動をイかせる(要約)」という伝言があったらしく、スキップしたらいきなり隣にいる石動くんに驚きましたが、まぁ誤差だよ誤差。

 

 

 火星につけばもっと恐ろしい爆弾が待ってるからな……(戦慄)。そんなわけで地球から火星にパパっとイッちゃいます。ヒュ──ーっ!! 

 

 

 

 

 

 

 着いてました(事後報告)。実際は1ヶ月以上かかりそうなところをゲームだとあっという間なの……最高やな! 

 なお、こちらが操作してない間にホモくんが変なイベントを起こしてないかイベントログで確認しましたが、大丈夫なようです。(重要なイベントが発生する場合はスキップ出来なくなるので無くて)当たり前だよなぁ? 

 

 

 火星到着後はすぐにモビルアーマー狩りではなく、本部へと行きます。理由は久しぶりなこともあるので顔見せですね。ここで新人たちは初めてホモくんの勇姿を見ることになります。

(新人たちと言っても原作で名有りのキャラは3人と少ないので、そこまで顔合わせをする必要性は)ないです。あちらの認知も「タロットの人」くらいでしょうしね。

 

 

「どうだ、久しぶりの火星は」

 

 

 なんか上機嫌なオルガに聞かれたので、「興味無いね……(イケボ)」で答えておきます。こういうノリはオルガにはいつも通りなので「そうか」と言いながら笑ってくれます。好感度トップランカーは伊達じゃない! 

 

 

「おう、久しぶりじゃねぇか。元気そうだな」

 

 

 本部に着くとおやっさんがこちらにやってきます。オッスオッス、元気ですぅ〜〜。おやっさんも元気すぎてハメ外すなよ! まぁ、この人がメリビットさんとあんなこといいな出来たらいいなするのは原作終了後なんですけどね! 

 夜明けの地平線団戦の時にこき使ったことで軽く愚痴られましたがンなの気にしない! また使える時はいつでも使ってやっからな〜! 

 

 

「あ、星原さんお久しぶりです!」

 

 

 アトラちゃんは可愛いな〜〜〜! これでハーレム推奨派とかデビルーク星の第3王女かな? ちなみに走者はIT企業の社長の娘が好きです(隙あらば)。

 

 

「あの、エーコさんやフミタンさんと何かありました?」

 

 

 何も起こしてないから、何も無いです。お泊まりしたくらいじゃないですかね。

 

 

「お、お泊まり!?」

 

 

 サヴァランもいたよと伝えると露骨にテンションダウンします。この子は疎いようでそういうのには興味津々なので、からかいがいがありますね。

 あとは新人たちに軽く挨拶しておきましょう。ハッシュドポテトくんや声がジャイアン、ZAQくんチッース! 

 

 

「あ、お、お疲れ様っす!」

 

 

「なんでそんな畏まってんだザック」

 

 

「ばっか! お前この人の事知らねぇのか!?」

 

 

「地球の支部長だろ?」

 

 

「それだけじゃねぇよ! 鉄華団の誇る知将にして、死神様だぞ!」

 

 

 オーバーリアクション気味のZAQに、ハッシュドポテトとジャイアンはぺこりとこちらに頭を下げてきます。まぁこんなもんでしょう。そういえば、アーヴラウとSAUの戦争がなかったからハッシュドポテトくんまだ戦闘未経験でしたね。成長の場を奪って申し訳ないので、また機会があれば模擬戦くらいならしてあげましょう。

 

 

「え? あ、はい。ありがとうございます……?」

 

 

 

 これであとのイベントは付いてきたチャドがおやっさんがおばさんとお付き合いしてるのを知るくらいでしょうか。

 

 

「えっ、支部長も知ってたのか……?」

 

 

 当たり前じゃんアゼルバイジャン。

 

 

「嘘……あの、俺たち仲間ですよね?」

 

 

 いや、聞かれなかったから(真顔)。

 

 

「あ、そうですか……」

 

 

 チャドのテンションが下がりましたが、何の影響もないのですが、一応ユージンやダンテに励ましてもらいましょう。彼らは仲間だからね。

 

 

 

 

 

 翌日にホモくん主導でモビルアーマー狩りを開始します。モビルスーツを持ってくとエイハブリアクターに反応して、モビルアーマーがおっきっきしちゃうので、必要最低限のメンバーを乗せる車とモビルワーカー、あとはおやっさんに大型車を運転して持ってきてもらいます。おやっさん色んな免許持ってるし、持ってなくても運転できるからかなりできる人です。それは本編見てても分かるから驚きはありません。

 

 

 

 イベントを3つ消化してベッドに寝転んで、画面がブラックアウトして光が灯れば翌日になってます。

 ハーフメタル採掘場に行く前にギャラルホルン火星支部に行きます。理由はもちろん……お分かりですね!? イオク・クジャンを遠ざけようとしたら、今作最大のガバが来ちゃったんだよ……。何を言ってるか分からないと思うが俺にもわからん(語録無視)。

 火星支部に行くと、まずはギャラルホルン火星支部の兵士と石動がいます。さらにその奥には謎の鉄仮面と金髪ショート女がいます。

 

 

「ん?」

 

 

「どうかされましたか?」

 

 

 謎の鉄仮面を見てミカが首を傾げるのに石動もまた首を傾げますが、なんでもないと首を振りましたね。ミカは『看破』スキル持ちなので、1度見たり、戦った相手はどんなに変装したり戦闘スタイルを変えてもバレてしまいます。凄まじいなその感覚。

 だから、ガリガリがマスクを被ってるのに違和感があったのでしょうが、マクギリスという前例を見てるので「あいつもか」程度の認識でしょう。

 

 

「では、参りましょうか」

 

 

 用意が済んだら石動に話しかけて、ハーフメタル採掘場へと向かいます。乗り込んだ車は鉄華団用の黒塗りの高級車です。そこで石動がマクギリスから聞いたモビルアーマーの情報を聞くわけですが、長いので人類が産んだ人類を殺戮するための兵器という解釈でOKです。

 てことで、スキップします。ジュリエッタがいつ絡んでくるか分からないという恐怖に怯えながらモビルアーマーを処理します。採掘場についたら、ハシュマルが眠っている地帯を見下ろします。

 

 

「ホントに大きいね」

 

 

「だな」

 

 

 小学生並みの感想というか見たまんまですね。埋まってるのにミカとオルガもその大きさに多少驚いてるようです。

 

 

「それでどのようにして対処を?」

 

 

 聞いてきた石動に答えるための選択肢を押します。ここで間違ってもモビルスーツによる撃破とかはしてはいけません。フラウロスのダインスレイヴにミカの半身不随など、後々に重くのしかかるイベントが満載になるので、絶対に避けます。

 動かないモビルアーマーならリアクター解除すればもう動かなくなるので、あとは本部で部品ごとに解体すれば終わります。イオクが来ないとこんなに簡単に済んだんですよ。

 リアクターの解除及び切除はおやっさんとエーコにギャラルホルンのエンジニア達に任せてホモくんは現場責任者として立ち会うので、ほかのメンバーとはフヨウラ! 

 こうすることでイベント発生率を下げたかったのですが。

 

 

「いや、何かあるといけねぇからな、俺は残るぜ」

 

 

「オルガがいるなら俺も残るよ」

 

 

「私も准将より最後まで見届けるようにと言われておりますので」

 

 

 くぅ〜〜〜!!!! 人生思いどおりにはいかないものですね!!!!

 まぁ、残ってるならトランプとかして時間つぶしましょうか。紙だと風で飛んでくとかいうクソイベがありそうなので、パッドでやりましょう。

 

 

「あ、あの!」

 

 

 あ、あ、あ、あ…………(意気消沈)。とうとう来てしまいましたか。いつ話しかけて来るんだろうかとヒヤヒヤしてましたが、まさかこのタイミングとは……。

 

 

「ん、なんだ?」

 

 

「いや、貴方ではないんですが……」

 

 

 反応したオルガにジュリエッタが答えると、今度はミカが自分を指さします。それも違うと首を振ると、では残ったのはと全員の目がこちらに向きます。

 

 

「あの、私のことを覚えていますか……?」

 

 

 愛・おぼえていますか(ないです)。

 ここでやってきた走者も知らないイベントですが、過去の因縁やら繋がりがあると高確率で発生します。こういう場合、忘れたと選択すると面倒なことになるので、覚えていると選択しておきます。

 

 

「では、これも覚えていますか……?」

 

 

 え、なにそれは(ドン引き)。ハートのチャームなんてそんなの……ホモくんなら渡すな(確信)。しかし、走者には覚えがありません。けれども、ホモくんの選択肢には「もちろん」とあります。

 

 

「私、これを肌身離さず持ってて! ラスタル様の元に行ってからもです! お兄様が覚えててくれて嬉しいです!」

 

 

「お兄……」

 

 

「様……?」

 

 

 そばに居たミカとジュリエッタの後ろにいるガリガリが反応します。まぁ、口には出さずとも作業班以外はみんなこちらを向いてます。

 聞きたいのはこっちだってばよ!! (憤慨)

 どうやらホモくんは髭のおじ様のところにいた時にジュリエッタのお兄様ポジションだったようです。ははは、何の冗談だ? 

 

 

「ちょ、ちょっと待ってくれ。アンタはその、アイツの妹なのか?」

 

 

「いえ、血縁関係はありません。親も兄弟もいない天涯孤独の身。そんな私を髭のおじ様は拾ってくれて、お兄様は私を育ててくれました」

 

 

 お兄様と呼んでるのは、元傭兵なので本名がなく名前がコロコロ変わるからという説明もありますあります……。おかげでホモくんが傭兵だったことも明るみになりましたが、それを聞いて初期メンバーは納得してるようです。下手な弁明をしなくてもよさそうですね。

 

 

「そういえば、今日はお兄様に渡したいものがあるのです」

 

 

 ん? なんでしょうか。ゴミと病気とイオク以外なら貰ってあげますが。

 そう言って出したのは1枚の紙切れ。どれどれと見てみると、そこに書かれていたのは……。

 

 

「結婚しましょうお兄様!」

 

 

 

 

 

 

 ###

 

 

 

 

 火星のハーフメタル採掘場で作業班がモビルアーマーの解体作業を進める中、それを見守る星原・モーリノの周りは慌ただしくなっていた。その原因は共にラスタル・エリオンの指令でやってきたジュリエッタ・ジュリスによってもたらされたものである。

 鉄華団の死神と評される男をお兄様と呼んで、周りを困惑させたかと思うと、彼が元傭兵であることも暴露した。けれど、そう聞いて妙に納得もした。自画自賛ではないが、ギャラルホルンで訓練を受けた自分やカルタ、アインを退けるほどの腕前と、知略を持つ男だ。元傭兵ということであれば、それくらいやってのけるだろう。

 しかし、過去にジュリエッタの世話をしていたというのは意外であった。おそらく、この仮面がなければ口を開けて呆けていた事であろう。だが、ジュリエッタのある発言に俺はさらに面食らうことになる。

 

 

 

 

 

「結婚しましょうお兄様!」

 

 

 そう意気揚々と婚姻届と書かれた紙を死神に渡して言ったジュリエッタにあくまで傍観していた俺は思わず身体と口が動いてしまった。

 

 

「な、何を言っているんだジュリエッタ!?」

 

 

「む、なんですか、ヴィダール。貴方には関係ない話でしょう」

 

 

 そう言われれば確かにそうだ。まだ彼女と俺が出会ってから日は浅い。けれども、ラスタルからいわゆる依怙贔屓というやつを受けてる者同士、肩身の狭さを味わってきた者だからこその親愛はあると思っていたのだが。

 

 

「それで、どうですか、お兄様!?」

 

 

 俺から視線を外して、婚姻届を見て瞬きを繰り返す死神に再び問いかけたジュリエッタは決して大きいとは言えない胸元に手を当てた。

 

 

「私は成長して結婚出来る歳にもなりました! 保証人は整備長と髭のおじ様に頼みました! あとはお兄様のサインだけです! さぁ、結婚しましょう!!」

 

 

「ちょっと待ってくれ……」

 

 

 頭痛を抑えるかのような声でそう言った死神は何が起きてるんだと言わんばかりに狼狽えていた。彼の傍にいる鉄華団の団長とあのガキも死神の婚姻届を見ては絶句していた。いや、あのガキは何故か興味津々だな。

 さらにその後ろにいたメイドらしき女もしばらく固まっていたが、ようやく再起動したらしい。

 

 

「お待ちください。支部長ほどの人物であれば、もっと慎重に婚約者を決めるべきです」

 

 

「……そ、そうだ。フミタンの言う通りだぜ」

 

 

 メイドの言うことに団長も同意のようだ。けれども、ジュリエッタとの婚約は鉄華団にもメリットがあるように思える。彼女を引き取った義理の父親はラスタル・エリオン。それと義理でも親子関係になれれば、鉄華団が得られるメリットも少なくないだろう。でも、ジュリエッタはその事は口に出さず、自らの想いだけであの死神を説き伏せようとしている。おそらく、奴ならばジュリエッタと結婚すれば自然とラスタルの後ろ盾が手に入ることは考えるに至っているだろう。

 

 

 

「さぁ! お兄様! 私と一生添い遂げましょう!!」

 

 

 まるで話を聞かない暴走機関車のようなジュリエッタを止める術はなく、全ての決断は星原・モーリノに握られていた。カルタを殺し、アインを殺したこの男に、殺意や復讐心といった感情は多く存在する。けれども、今この時だけは彼にものすごく同情した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ###

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ヒェッ……ジュリエッタの愛が重すぎてやばやば……。まぁ、丁重にお断りするんですが。今は誰とも付き合ったり結婚する気は無いと言っておきましょう。こうすることでフミタンやオルガへの牽制にもなります。なんで、オルガにも牽制せねばならんのだ(正論)。

 

 

 

「そうですか……。じゃあ、今日は諦めます」

 

 

 は? 今日は? ちょっと待って……これ会う度に婚姻届突きつけられるの? 何の暴力? てか、ジュリエッタ文字書けるんだね。

 

 

「それはお兄様が教えてくれたからじゃないですか」

 

 

 あ、俺か〜〜〜! そっかぁ〜〜〜!!!! 

 HAHAHAHAHAHAHAHAHA!!!!! リセ案件かな。

 しかし、今回はジュリエッタが引き下がってくれたので、イベントスキップが出来ます。結婚の話はエンディングまでにまともな恋人が出来なければ後ろ向きに検討しておきましょう。元間者に人妻に歳下狂犬とかよりどりみどりですね(白目)。

 

 

 

 ハシュマルのリアクターを切除出来たので、これでモビルアーマー編は終了となります。えらくあっさりしてますが、イオクが来なければ原作もこうなっていたんじゃないですかね(鼻ほじ)。暫定で残す敵はケツアゴだけとなりました。肉おじかバエルマンも敵対する可能性はありますが、今の状態を続ければ、ケツアゴ排除後にエンディングに行けるのではないでしょうか。唯一の不安要素はイオク・クジャン、おめーだけだ。

 

 

 本部に戻って、テールブレードはバルバトスへ持っていったらあとはシステム周りをいじってもらってコクピットを搭載、爪も農作業に適したものに替えたら、あらまびっくり農作業用モビルアーマーの誕生です。人類を滅ぼす兵器から、桜ちゃんを助けるロボットになれて良かったなハシュマル。

 ちなみに改造費用はプレイヤーの実費になるので、無闇矢鱈にパーツを買い込むのは厳禁です(2敗)。

 

 

 

 今回はここまで。ご視聴ありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

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「くそ、鉄華団のガキ共が! 調子に乗りやがって!」

 

 

 

 テイワズの本部がある歳星のとあるビルにて特徴的な顎をした男が声を荒らげた。その理由は口に出した通り、最近テイワズのボス、マクマード・バリストンと盃を交わしてからというもの、鉄華団の躍進は止まることを知らなかった。

 テイワズの航路を荒らす海賊団やならず者の撃退に、夜明けの地平線団の壊滅。さらに国同士の戦争を終わらせ、厄災戦を招いたと呼ばれるモビルアーマーの討伐にも成功したという話が舞い込んできた。

 それを聞いてマクマードはご満悦であり「また褒美をやらにゃならんな」と趣味の盆栽の手入れをしながら笑っていた。

 それを共に笑えるほど、テイワズのNo.2 ジャスレイ・ドノミコルスの器量は広くない。何とかして鉄華団を、加えて鉄華団の兄弟分である名瀬・タービンに身の程を知らせることは出来ないものかと部下たちを集めて話し合いをしていた。

 

 

「けどよ、ダンナ、鉄華団に正面から手を出すのは分が悪いぜ」

 

 

 何故か鉄華団にはテイワズ以外にもそのバックにはクーデリアに火星の大金持ちのノブリス・ゴルドン、アーヴラウ議員の蒔苗、さらにはギャラルホルンのセブンスターズのマクギリス・ファリドやラスタル・エリオンもいるのではないかという噂も立っている。露骨に手を出せばこちらもただではすまない。

 

 

「たしかにな。けど、それなら他に使える手を使うまでよ」

 

 

「というと?」

 

 

「あっちにセブンスターズの伝手があるように、こっちにもあるんだよ」

 

 

 クジャン家も今年になって病床に伏した父に代わり、息子が当主をやっているという話も聞いたが、若くてもセブンスターズの1人。しかも、若く無知ならばジャスレイからすれば使いやすいことこの上ない。

 

 

「だけど、何のネタもなくセブンスターズが動いてくれますかね」

 

 

「情報屋や探偵を雇って粗探しをしてますが、何も見つかりませんよ」

 

 

 違法兵器を保有してることもなく、モビルアーマーも農作業ロボットに改造してしまい、後ろめたいことが何も無くなってしまった鉄華団に、ジャスレイが付け入る隙はなかった。

 

 

「……クソ、なんでもいいから何かないもんかね」

 

 

 苛立ちも隠さずに呟いたジャスレイに部下の1人が何か思いついたように声を上げた。

 

 

「そういえば、鉄華団は義理と人情に溢れてるらしいですし、誰か1人くらい殺せば何かしら動いてくれるんじゃないですか?」

 

 

 ガキですしと笑った部下にジャスレイはため息をついた。

 

 

「それじゃ、暗殺者を雇う時にこっちに足が付いちまうだろ」

 

 

 無論、そんなことはないように徹底はするが、勝ち筋もないのに危険な橋を渡る必要性はない。鉄華団にはなくとも、タービンズにでもネタがあればいいのだが。

 

 

「仕方ねぇ。あの手でいくか」

 

 

 

「あの手と言うと?」

 

 

「まぁ見てなって」

 

 

 過去にゴロツキの海賊団にタービンズの航路を渡した時のように、内部組織ということもあって、彼らに何かしらの細工を施すのには危険性は少ない。ネタが無いならこちらから作ってやればいいと、ジャスレイは口角を吊り上げるとくつくつと酒の入ったグラス片手に微笑んだ。

 




戦闘シーンなくなったらえらくあっさりしてた。


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婚約爆弾事件後(実況パート無し)

今回の話にはRTA要素はありません。オルガと三日月がホモくんと出会う話とハシュマルを農作業ロボットに変えたあとの話になります。


 

 

 星原・モーリノは俺にとって憧れであり、いつかは超えなければならない人間だった。あの男と出会ったのは、俺とミカがCGSに入って間もない頃。当時の一軍が参番組に歓迎と評して行う躾だった。体格差もある大人と組手をやらされたり、まだ乗ったことの無いモビルワーカーに乗せられてペイント弾ではあるがボコボコにされて、一軍の大人共が笑っていたのをよく覚えている。

 けれども、俺達と同期のメンバーが辱めを受ける中で俺はミカに言ってやったんだ。

 

 

「やっちまえミカ」

 

 

「……いいの?」

 

 

 俺の言葉にミカは「無理」とも「なんで」とも言わずに、「できる」と暗に意味して首を傾げた。阿頼耶識の手術を3回受けたミカならば、調子に乗る大人共を倒すことは出来ずともいいとこまでは持っていけるだろう。俺はそう思っていた。

 

 

「あぁ」

 

 

 頷くとミカも同じく首肯して自らモビルワーカーに乗り込むことを言うと、大人共は下卑た笑いを浮かべた。

 

 

「威勢がいいなガキ」

 

 

「遊んでやるよ」

 

 

 しかし、結果はミカの圧勝だった。阿頼耶識によって初めて乗るモビルワーカーでも、何不自由なく大人を蹴散らすとヤツはコクピットから身体を出すと「もう終わりなの?」と、ヤツからすれば自然と出た言葉なんだろうが大人達にはただの煽りにしかならないだろう。

 

 

「ちきしょう! やってやらぁ!」

 

 

 だが、他の大人達にもミカは倒せず、ペイント弾を3発受けたら負けというルールが功を奏して死人は出なかったが、蛍光色に彩られたモビルワーカーがどんどん量産されていった。

 

 

「クソが! 宇宙ネズミが!!」

 

 

「いい気になってんじゃねぇぞ!!」

 

 

 吠える大人共だったが、誰もミカを倒せない現状を考えれば、負け犬の遠吠えってやつにしかならない。そして、大人の1人が全員で袋叩きにしてやると言ったその時、ヤツは現れた。

 

 

「子供相手にみっともないねぇ」

 

 

 上がった声の先を見てみれば、紫色の髪を逆立てた男がいた。身長は見渡した大人の中では真ん中くらいだろうか。顔も体付きも臭そうなガタイのいいおっさん共とは違って、俺らと余り変わらず少し細いように感じた。

 

 

「なんだよおまえ、歓迎会来ねぇんじゃなかったのか」

 

 

「俺も来る気はなかったんだがな。……おやっさんから頼まれてな」

 

 

 耳に届いた話では、これ以上ペイント弾が付いたモビルワーカーを増やさないでくれとモビルワーカーの整備を担当している人間に懇願されてやってきたらしい。

 

 

「アレがお前らが手を焼いてるガキか」

 

 

 ソイツは未だにモビルワーカーのコクピットから身を乗り出して次の相手を待っているミカを一瞥すると、今度は俺たち参番組を見た。

 

 

「歓迎会はオレで最後だ。コレが終わったら、全員仕事に戻れよ」

 

 

 そう言って「いいな?」と一軍と参番組の面々を交互に見たソイツに不服そうな一軍の1人がずかずかとがに股で近づいていった。

 

 

「てめ、何仕切って……ッッ!!?」

 

 

「あ? なに寝転んでんだ?」

 

 

 文句を言おうとつかみかかった一軍をサラリと躱して、さらには足を引っ掛けて地面とキスさせたソイツは嘲笑うような表情で倒れた男を見下して、直ぐに視線を外した。仲間じゃねぇのかと訝しんだのもつかの間、ソイツは俺たち子供に目を細めると、胸元のポケットから1枚のカードを取り出した。

 

 

「ジャッジメントのカード。とっとと、裁いてやるか」

 

 

 

 意味深なことを言ったソイツはポケットにそのカードを仕舞うと、星のマークのあしらわれたモビルワーカーに乗り込んだ。モビルワーカーに搭載されているのであろうマイクでヤツはミカに問いかけた。

 

 

『ガキ、名前は?』

 

 

「……三日月・オーガス」

 

 

『よし、やるか』

 

 

 ルールは他の大人たちとやった時と変わらず、先に3発被弾した方の負けでコクピットに当たった場合は被弾数に関わらず戦闘終了。簡単でわかりやすいルールだ。無茶しなきゃ、怪我もしねぇし、モビルワーカーの破損もねぇ。ただ、負けた方のモビルワーカーはペイント弾まみれになるわけだが。

 けれど、俺はここで気づくべきだったんだ。恐らく、この模擬戦は何度も行われている。武装組織であるCGSなら、俺たちの歓迎会以外にも日常的にペイント弾でやり合ってるはずだ。そのたびに蛍光色の塗料が機体に付いて、洗い落としていたとしても、ミカに負けた大人が乗っていたモビルワーカーを見れば装甲の角やフチに目立ちはしないが所々に残っているのが見える。つまりはあのモビルワーカーに乗っているヤツらは少なからず、訓練で誰かにやられたことがあるやつだ。逆にそんな汚れもなければ、星のマーク以外に目立った傷もないソイツのモビルワーカーは異常だった。

 そして、俺がそれに気づいた時には。

 

 

 

『チェックメイトだ、ガキ』

 

 

 

 ミカがモビルワーカーの左右の車輪に1発ずつ、コクピットに1発、ペイント弾を受けていた。

 この日、俺とミカは思い知ったんだ。俺たちは、社長……マルバ・アーケイや一軍のヤツらを打ち負かせたとしても、絶対にコイツを超えなければいけないと。

 

 

「……ねぇ」

 

 

「あ?」

 

 

 モビルワーカーのコクピットから降りてすぐにミカは俺に頭を下げてから、自分を負かしたその男のところに駆け寄っていた。

 

 

「あんたの名前は?」

 

 

 聞いてなかったよね、と人のことは言えないが随分と不躾な態度だったと思う。多分、他の大人にやったら顔面に腫れ跡が残るような言動だ。それにキレたのか右手を出すと、その腕は握られて殴るわけでもなく、ミカの頭にポンと乗せられた。

 

 

「星原・モーリノだ」

 

 

 くしゃくしゃと乱雑に髪を乱れさせ、ミカの頭から手を離したソイツは俺の方を見るわけでもなく、モビルワーカーの整備をしてるオッサンに声をかけに行った。そんなヤツの姿を見ながら、ミカは俺に言ったんだ。

 

 

「……オルガ」

 

 

「なんだ」

 

 

「俺、アイツを倒したい」

 

 

「……そうだな」

 

 

 でも、俺たちがそうするにはまだ早い。もっと強くなって、アイツを超えて、そんでもって俺の部下にしてこき使ってやるんだ。

 最初はそう息巻いていた。一軍達の理不尽な仕打ちに耐えながら、身体を鍛えて、モビルワーカーの訓練にも励んだ。けれど、そんな中で星原・モーリノだけは俺たちを道具やただのガキとしてでは無く、1人の人間として扱ってくれた。

 

 

「三日月、鍛えるのはいいがちゃんと食っとかねぇと筋肉つかねぇぞ」

 

 

「え、そうなの?」

 

 

「あぁ」

 

 

 頭の回転は早いが、知識の面では頭がいいとは言えないミカには身体の鍛え方について教えていた。後からマルバにヒューマンデブリとして買われた昭弘も一緒に聞いては実践していたのを覚えている。

 仮にも倒したいと思った相手に教えを乞うのは、ミカもあまり乗り気ではなかったが、多分話を聞いて一緒にいるうちにアイツに惹かれていったんだろう。

 

 

「おい、ビスケット。お前また太っただろ」

 

 

「チャドは細すぎる。もっと食っとけ」

 

 

「なんだユージン、またお前のモビルワーカーをピンク色にして欲しいのか? シノは後でしてやるから落ち着け」

 

 

 ミカ以外にもアイツは一軍や世間から虐げられていた参番組のヤツらにも好意的に接してくれた。CGSで頼れる大人と言えばおやっさんと星原・モーリノと言われるくらいにコイツの存在は俺たちの中で大きくなっていった。

 そうして、いつしか俺とミカの中からはアイツを倒したいという感情は消えていた。それでも越えたいという気持ちはずっとあった。だから、ミカはモビルスーツに乗ってくれたんだろうし、俺も鉄華団を作るのに前向きになれんだと思う。

 でも、結局今の今まで、俺たちはアイツに助けられてばかりだ。きっと、今も、これからも。どこかで恩返しをしてやりてぇと思うが、何をすればいいのかがピンと来ねぇ。

 

 

「どうしたのオルガ?」

 

 

「おぉ、ミカか」

 

 

 農作業を終えてタオルで汗を拭いながらこちらに歩いてきたミカに気付く。

 

 

「いや、なに、アレが昔戦争を引き起こしたのかと思うとな」

 

 

「あぁ、マルのこと?」

 

 

 厄災戦を引き起こした天使の名を冠されたモビルアーマーと呼ばれたシロモノは、今や桜農場の働き者として生まれ変わり、鉄華団との共有農場の区域を広げていた。元々は『ハシュマル』と呼ばれていたモビルアーマーは農作業用機動ロボットになるにあたって、クッキーとクラッカにより『マル』と命名された。物騒だったビーム砲が出る頭部やナノラミネートアーマーを簡単に引き裂く爪や四方八方に伸縮すると言われていた尻尾はおやっさんとアイツの意見で取り外されて、今や掘り出された時の姿とはあまりにも変わり果てている。ただエイハブリアクターを動力源とし、また便利だからと小型農作業用ロボット『プルーマー』を生み出す機能は残されて、栽培されたトウモロコシを倉庫へと運び込む役目を担っていた。

 

 

「もしかしたら、俺らはアレとやり合ってたのかもな」

 

 

 そうしたらどうなっていただろうか。最近は学校からこちらによく帰ってくるクッキーとクラッカを両隣に座らせて2人にマルの扱い方を教えるアイツを見ながら考えてみるが、どうにも最悪な結末というのは思い浮かばない。それはミカも同じなのか、こう口にした。

 

 

「大丈夫だよ。俺とホシやみんなが居るんだから」

 

 

「あぁ、そうだな」

 

 

 海賊団退治も終わって、俺の知らない間にひとつの戦争が終わり、そして古き時代に戦乱を巻き起こしたバケモノも手懐けた鉄華団にもはや怖いものは無い。火星の王の件も、なっちまえばそれなりにいいこともあるんだろうが、アイツの言う通り色んな連中を敵に回して仲間が死ぬことになったらたまったもんじゃねぇ。

 マクギリスには断りをいれて、オヤジや名瀬の兄貴にも事後報告になっちまったが、ちゃんと伝えに行くつもりだ。

 

 

「そういえば、そろそろなんだよね」

 

 

「ん? 何がだ?」

 

 

 不意に口を開いたミカに俺は顔を向ける。

 

 

「ラフタ達がタービンズに帰っちゃうの」

 

 

「…………あぁ」

 

 

 

 寂しくはなるが、一応はタービンズからの出向ということになっている。そのため、アイツらは兄貴が仕事で火星に寄る時に帰ることになっている。

 

 

「どうするんだろうね、エーコとラフタ」

 

 

「ん? 何の話だ?」

 

 

 呟いたミカの言葉に俺はあまり理解もできないまま首を傾げていたが、座りながら会話ができるくらいに今の鉄華団は凄く平和だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ###

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一方、三日月の言った通りタービンズへと帰るのが近日に迫った出向組はバタバタするのが面倒だと、自分の荷物をまとめはじめていた。荷物と言っても、家具や寝具は鉄華団に提供してもらっているので、持って帰るのは服や小物とあまり多くはない。

 むしろ、鉄華団であったことや、彼らと共に戦場を駆けた思い出の方が多いくらいだろう。

 

 

「みんなともあとちょっとでお別れか」

 

 

「寂しくなるね」

 

 

 ある程度荷物をまとめ終わり、外へと出た3人は先月よりは幾分か慌ただしさの減った鉄華団の面々を見ながらしみじみと口を開いた。ラフタのつぶやきにアジーが返すとエーコもまた頷いた。

 

 

「メカニックのみんな大丈夫かな……」

 

 

「大丈夫でしょ。雪之丞さんやヤマギもいるんだし」

 

 

 不安そうに吐いたエーコにラフタがそう言うと、そんなことよりもとエーコに詰め寄った。

 

 

「アイツのことはどうすんのよ?」

 

 

「ふぇ?」

 

 

「あー、モーリノね。なんかギャラルホルンの子にプロポーズされたんでしょ?」

 

 

 星原がジュリエッタに婚約を申し込まれたという話は既に鉄華団中に知れ渡っており、なにやら彼女を心配したヴィダールの報告によりギャラルホルン火星支部及びアリアンロッド全体に知れ渡っており、ついでにハシュマルが農作業ロボットに作り替えられたことも伝わっている。

 一民間企業が巨大な兵器を所有するのはどうかとセブンスターズ内で問題に上がったのだが、軍事利用ではなく人々の暮らしを豊かにするものであれば構わないのではないかという珍しく意見の合ったエリオン家とファリド家の当主の意見により、今も尚働き続けている。

 そんなことは置いておいて、今は星原・モーリノの話である。セブンスターズ内で地位を持つ、アリアンロッド総司令の義娘との結婚は鉄華団にとっては僥倖以外の何でもないのだが、海賊退治や戦争を止めたこともあって、莫大な報奨金の振り込まれた今の鉄華団には別段急ぐことでもないのではというオルガの意見と、本人の意志を尊重すべきではないのかと愛をごり押すユージンと団長、副団長の意見で保留となった。

 けれども、鉄華団の中でも三日月と並ぶエースパイロットであり、子供たちばかりの組織を支えてきた大黒柱的存在である。そんな男の婚約話に興味を示さぬ者はおらず、あれから3日も経ったというのに鉄華団内ではその話題でもちきりである。

 その話をしていた時はハシュマルのリアクターの解除作業をしていたエーコも、終了直後にユージンから聞き及んでおり、婚約爆弾を投下されたオルガやフミタンと似たような顔をしていたが、今では普段と変わらない様子で動いている。

 

 

 なお、その渦中にいる男は現実逃避なのか、あるいは気分転換なのかマルの使い方を教えるためとグリフォン家に泊まっており、ここ暫くは鉄華団内では顔を見せていない。

 オルガやユージンに頼まれて観察がてらビスケットに実家へと帰ってもらっているが、どうやら妹2人が彼に懐いたようで2日間の休みは彼とトランプやマルの運転や桜おばちゃんの手伝いをしていたようだ。ちなみにクッキーとクラッカが星原に懐いているという話を聞いたユージンは「流石にあの歳は犯罪じゃねぇのか……」と零していたという。

 

 

「あぁ、うん。断ったらしいけどね」

 

 

 また話は戻って星原とジュリエッタの話である。

 

 

「まぁ、いきなり昔の妹分に結婚してくれって言われても困るよねー」

 

 

 髪をくるくる弄りながらラフタが言うと、アジーはふと気になったことを口にしてみた。

 

 

「そう言うけどアンタはどうなの」

 

 

「ん? 何が……って、ちょっと! それは言わない約束でしょ!?」

 

 

「あー筋肉くんか」

 

 

「ええっ!? なんで分かるの!?」

 

 

 エーコをいじろうと思っていたラフタだったが、思わぬことになり動揺し声が上擦ってしまう。アジーには「最近昭弘とよくいるけど好きなの? (要約)」と聞かれた時にバレており、それ以後は気をつけているつもりだったが、2人のことを知る団員からはほぼ察せられており、最近ラフタが構ってこなくなったことに昭弘が何かしたのだろうと鉄華団内では噂になっていた。

 ちなみに気づいていないのは本人とオルガくらいのものである。弟や義弟達は早く義姉が出来ないものかと待っているのだが、恋愛に疎い昭弘と一応は人妻であるラフタとでは進展することがない。

 

 

「……まぁ、私は相手がアレだけどさ、星原の場合は多分気づいているでしょ」

 

 

「……だねぇ」

 

 

「やっぱり……?」

 

 

 またもラフタの言葉にアジーが首肯すると、エーコは唇を尖らせる。というか、こちらも周囲にはとっくに気付かれており「人妻だけどどうすんだろ」と地球支部内ではエーコを応援するのが半分くらいいた。

 それで地球で何も進展はなかったのかと2人が尋ねるとエーコは首を横に振った。

 

 

「お泊まりはしたけど、サヴァランさんとフミタンもいたし……てか、私、名瀬の妻だし!」

 

 

 そうじゃなかったらどうしていたのかという言葉に自分も立場的に同じ位置くらいにいるので口を噤んだラフタだが、アジーは違う。鉄華団内の男性に恋心と呼べるものは抱いていない。そんな彼女だからこそ口を開けた。

 

 

「妻って言っても私ら側妻みたいなもんだけどね。名瀬も愛してくれてはいるけど、姐さんや歳星にいる他の嫁さんとは違う気がするんだよね」

 

 

 愛されてはいるが欲されてはいない。こちらが愛を求めるからそれに応じて返しているという感じが拭えないアジーは思ったままを言うと、それには2人とも心当たりがあるのか反論はしなかった。

 

 

「確かにダーリン、本番まではしないもんね。もっと大人になってからとか言うし」

 

 

「うん。けど、それだけ私たちを大切にしてくれてるからじゃないのかな」

 

 

 

 そんな2人の言葉を聞いてから、アジーは1年前にアミダがアトラに言っていたことを思い出した。男の愛ってのは1人の女にしか注がれない。けれど、器の大きい男なら複数の女に彼女達を満たせるだけの愛を注ぐことができると。多分、ラフタとエーコは複数の1人ではなく、たった1人の男のオンリーワンになりたかったのだろう。

 

 

「まぁ、どうあれ、私たちの居場所はあそこなわけだし一旦は帰らないとね」

 

 

 他のみんなも会いたいだろうし、自分も会いたいしと口にしたアジーに2人は笑顔を綻ばせた。

 

 

 




名瀬の兄貴はある程度歳いって(だいたい25くらい?)、互いの合意があったらパンパンパン!!!(意味深) するけど、そこまでは自分以外の奴を好きになったら構わねぇよって送り出すタイプだと思うの(個人的願望)。最近構ってくれないってのは、多分普通に遊んでくれないとかその程度でしょ(鼻ほじ)

現在のホモくんへの評価(一部抜粋)

三日月→超えなきゃいけない相手から、隣に並んでみんなを守ることに決めた。原作より知力が増してる。

オルガ→超えて従わせる相手から、本当の兄のように慕っており、他の人間の前では見せない素の姿を見せれる数少ない人物。ホモくんに嫁が出来そうで嬉しいような、何か変な気持ちがするようなと揺れてる。

ユージン→ウザイけど実力あるから言い返せない。でも、信用も信頼もしてる。一時期タロットを覚えようとして、シノにからかわれてやめた。周りに女性が多くて羨ましいと思っている。

昭弘→自分を2度救い、弟達も救ってくれた人生の恩人と言うべき存在。煽られたりけしかけられても、自分のために言ってくれてると思うくらいにポジティブ思考。実際原作よりも強い。

シノ→戦闘能力の高さや武器の知識量の多さに加えて、作戦の立案ができるホモくんを尊敬してる。でも、女性関係は自分の方が上手くやれると思っているがヤマギには懐疑的な目で見られている。

ビスケット→オルガを止めるブレーキが欲しいと思っていたが、ホモくんのおかげでなんとかなる気がするし、実際なってるので別にいいやと思い1年経った。何かと気にかけてくれるホモくんを慕っているが、最近妹達が彼に好意的なのを見てどうしようか頭を悩ませている。

雪之丞(おやっさん)→メリビットとのことで結構相談に乗ってもらっている。乗りすぎて相談料としてパーツや新しい地雷などの発注と支払いをさせられている。

クーデリア→初めは怖かったが、今は優しい人だと知ってるので好意的。けど、やはりミカのことが好き。フミタンをよろしくと思っている。

アトラ→ホモくんが三日月とご飯を食べてる時に行くと、適当な言い訳を作って三日月と2人きりにしてくれるのでいい人だと思っている。最近三日月に「婚姻届ってどこでもらえるの?」と聞かれるきっかけを作ったことで、より好印象になった模様。ただ女性関係に関しては苦笑している。

エーコ→好き。けど、夫がいるからそうは言えずやきもきしてる。バティンの整備を理由に彼に地球に着いてきたが進展がなく、しかも年下の女の子に言い寄られてるのを聞いて諦めようとしている。

フミタン→男性としてではなく、純粋に人として好意と尊敬の意を抱いている。だが、もう少し若ければアタックしていた。今はホモくんの右腕となり地球支部で手腕をふるい、さらには彼のために護身術を覚えた。付き合いたいとかは思ってないが、年下の女の子が婚姻届を彼に突きつけてるのを見てめちゃくちゃ動揺した。

サヴァラン→契約主。会社の上司としてはアレな気がするが、やる時はやってるし、待遇も悪くないし、お泊まりも楽しかったので初めよりは悪い気はしてない。それどころかホモくんの下で永久就職しようとしてる。

マクギリス→本物の阿頼耶識に阿頼耶識システムのないガンダムで対抗するその姿にアグニカ・カイエルの後ろ姿を見てしまった。ハシュマルを農作業ロボットに変えた時は驚いたが、すぐにふははと笑い石動を困惑させた。鉄華団との協力がなくてもホモくんがいればラスタル倒せるのではと思ってるので、是非とも懐柔したい。

ノブリス→敵に回してはいけないやべーやつ。腕利きのヒットマンを2人も殺され、自分の間者を懐柔してメイドにしてるのを、自分に対する牽制かと思っている。

マクマード→面白いやつ。将棋をやらないかと誘っているが、ホモくんがルールを知らないので出来ないでいる。仕方ないので暇な時間はチェスを覚えることにした。

名瀬→オルガを支える屋台骨にして、鉄華団を導く星。次会った時に上手な女性の扱い方を教えようとしていたがアミダにバレて止められた。

ラディーチェ→鉄華団というかホモくんの下で働くことに快感を感じて、ホモくんが火星に向かって2日後にテイワズに辞表を出して、鉄華団に永久就職することを決めた。

ラスタル→義娘の意中の相手で、親友の教え子ということで気にはなっていたがモビルアーマーを農作業マシーンに作り替えたことを聞いてますます気に入った模様。自分の跡を継いで欲しいので是非ともジュリエッタと結婚して欲しいと思っている。

髭のおじ様→急に消えたと思ったら急に現れて足を撃ち抜いてきたぜ! はっはっはっは!! と陽気に仲間に語れるくらいには悪く思ってない様子。育てた者同士仲良くくっついてくれないかと思っている。

ヴィダール→倒すべき仇だが、とあることがあってからは可哀想になって復讐の気持ちは失せてきている。代わりにもう1人の復讐対象に憎悪を燃やしている。

ジュリエッタ→お兄様♡お兄様♡お兄様♡。とても良くしてもらった上に、ハートのチャームを貰って嫁にしてもらおうとしたら姿を消してしまった。それからより気持ちが増幅し、裸の付き合い(入浴)をしてるし結婚しかありませんね! と16になってすぐにラスタルとヒゲのおじさまと婚姻届を作った。






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ジャスレイ戦①

感想返せてませんが全て見てますので初投稿です。


 

 ケツアゴをかち割るRTA始まるぞ〜!

 元々、割れてるんだよなぁ……。

 

 

 前回は世界を混沌に陥れた天使様を農家に転身させるべく分からせた(意味深)ところで終わりました。戦争のために生まれてきた兵器が血を流さず人間のために役立ってる……これ勲章ものですよ……? 

 

 

 さて、ハシュマルは名前を改めて「マル」という、ちゃん付けしたら美味しいと評判のインスタント麺や国民的おカッパ少女のようになる気がしますが、スルーします。

 火星の王案件がなくなったので、ヨクバリス・ファリド事件は先延ばしになり、恐らく本RTA内では起きないと思われます。てか、起きるな(命令)。

 けれども、メンヘラなのかヤンデレなのかよく分からない誰リオ・某ドウィンが残っていますが、ホモくんには関係ありません。結婚爆弾のおかげでホモくんへ向いていたヘイトも緩和されました(無くなったとは言ってない)。

 なので、残すところは1度も遭遇してないからコミュニティリストには入ってないけど、鉄華団へのヘイトマシマシなケツアゴに我らが鉄華団のヒリヒリとした生き様を、そのために死ねる何かをあのアゴに叩きつけてやるだけです。

 

 

 と、その前にケツアゴと一度は接触しておかなければなりません。火星の王案件がなくても、海賊団潰しで名を挙げて、さらにはテイワズのハーフメタル採掘場も鉄華団が貰い、オマケに先日戦争を終わらせて、負の遺産を平和的活用して知名度がどデカくなってしまった鉄華団に彼は嫉妬の炎をメラメラさせてます。

 加えて、兄弟分の名瀬には鉄華団を引き入れた功績が評価されて若頭としての座を用意するなんて話も出てるそうです。なんで知ってるかって目の前にいるんだよなぁ……。

 

 

「困ったもんだぜ。全部お前らの功績なのに、俺がやったみたいになっててよ」

 

 

「俺たちの仕事は兄貴がいなけりゃ出来なかったんですから、当然でしょう」

 

 

 モビルアーマー戦が終わったので、出向組をタービンズに返すついでに、前述したことを全てマクマードのおやっさんに話すべくタービンズと団長とで歳星に向かいます。他のメンバーは? となりますが、団長の護衛としてホモくんがいます。1人で十分とかすげぇ信頼度。でも、その護衛にフミタンがいるってよくわかんねぇなぁ……。

 まぁ、今回歳星に行くのはマクマードに会うだけでなく、これから血祭りにあげる人に会うためでもあります。何故か兄貴や団長がいる時に毎回いるので、ホモくんが居たとしても居るでしょう。No.2は暇なんですかね(煽り)。

 

 

 歳星に着いたら早速、マクマードの親父ィのところへ行きます。余計なイベントはスキップだ(RTA走者の鑑)。

 

 

 

 

「おう、久しぶりじゃねぇか3人とも」

 

 

「ども、お久しぶりです」

 

 

「ご無沙汰してます」

 

 

 兄貴が帽子をとって挨拶するとオルガも軽く頭を下げます。ホモくんはコミュ障なのでオルガに倣って頭を下げるのみです。

 んでもって……やっぱいんねぇ! (ケツアゴ)

 お前、やっぱり暇なのか……?

 

 

「そういえば、星原とは初対面だったな。ウチの直系企業のJPTトラストを取り仕切るジャスレイだ」

 

 

「ジャスレイ・ドノミコルスだ。テイワズのNo.2をやらせてもらってる」

 

 

 は? これが? No.2? ハァ──ン(嘲笑)。

 おっと、失礼取り乱しました。この時点でホモくんは初対面のため、ジャスレイに悪感情を持っていません。なので、普通にこちらも自己紹介しておきましょう。

 

 

「地球支部の……へぇ」

 

 

 うわ興味なさそう。まぁ俺もお前には興味無いんでどうでもいいんですけどね! 大したことなさそうに言うジャスレイにオルガの眉根がピクっと動きましたね。こんなところに無駄なグラ使わなくていいから(良心)。

 

 

「お前らと会うのを楽しみにしてたぞ。今日は時間もたくさんある。この道楽のない老人にお前らの活躍を聞かせてくれ」

 

 

 マクマードさんは自慢の葉巻を灰皿に擦り付けると兄貴やオルガにソファに腰掛けるように促してきます。この状況でジャスレイがなにかするとは思えませんが、一応ホモくんは護衛なので立っておきたいんですが……。

 

 

「お前らも寛いでくれ。遠慮することはないぞ」

 

 

 部屋の主にそう言われて立ってるほど無粋でもないので、ドアに近い方に座ります。つまりはジャスレイやその部下が行動を起こした時に直ぐに動けるようにですね。

 

 

「じゃあ、聞かせてもらおうか。まずは───────」

 

 

 

 

 あ、長くなりそうなやつですね。スキップで! 

(スキップ連打)

 

 

 

 

「───────なるほどな」

 

 

 時を飛ばしたら顎をさすりながら微笑むマクマードおじさんがこちらを見ています。まぁ、今回の手柄のほとんどはホモくんのおかげと言っても過言でないことが多いので当たり前といえば、当たり前です。それは団長や名瀬の兄貴も同じみたいなのでホモくんを見つめる視線がアァツゥイ!! 火傷しちゃいますよ……(恍惚)。

 けれど、その中で1人怖いのがジャスレイの叔父貴ですね。叔父貴の歳は分かりませんが、ホモくんよりも長く生きてるのに、ホモくんに比べれば大したことない成果しかあげれてないんだから当然だよなぁ? (煽り)

 しかも、名瀬の兄貴に取り仕切っていた輸送部門も取り上げられてご愁傷さま! ざまぁないぜ!

 なんて調子乗りながら話を流していきます。多分このあとはおじいちゃんからお小遣いを貰って1日歳星で遊ぶことになるので、そこでそこのケツアゴがどう動くかをじっくりばっちり観察ですね。

 

 

「そうだ、星原。地球支部での仕事が無くなるんならウチに来ねぇか? 武闘派で通ってるウチもそろそろ有効な自衛手段を用意しときたくてな」

 

 

 えぇ……(困惑)。思い出したように爆弾を投下しないでくれよォ……。ホモくんが驚くよりも早く発言したのはケツアゴに声帯ついてそうな人。

 

 

「何言ってんだよ親父。確かにそいつがテイワズにもたらした利益は大きいぜ。けどよ、だからって俺らを差し置いてウチの戦闘班を任せるのはどうなのよ」

 

 

「口を挟むが叔父貴。星原本人もその部下も有能で、義を通せる信頼出来る奴らだ。それにポストに見合った成果はさっきの話を聞いても明らかだ」

 

 

「あぁ俺もそう思うぜ。でも親父、さすがにちょっと急すぎるぜ」

 

 

「ん……まぁ確かにな。けど、前々から思ってたことなんでな……」

 

 

 本人が発言する間もなく話が進んでるような……。でも、団長のおかげでこちらに視線が向けられます。フミタンもなにか言いたげでしたが、ただの護衛なので控えたようです。

 

 

「よし。どうせお前ら明日までこっちにいるんだろう。その間に決めてくれや」

 

 

 で、出た〜! マクマードの親父のせかし攻撃! 俺は老い先短い年寄りだから早めに決めてくれって奴〜〜〜!!! 

 これはホモくんにとってこれからの全部を決める決断だから、ホモくんが決めないとダメなんだ。いや、全部は決まらんけど……。ちなみに鉄華団ルートでハチャメチャに武勇を打ち立てるとこういうことはよくあります。

 話に乗ると鉄華団破滅ルートから外れることも出来ますし、鉄華団壊滅後に個人的私怨でラスタルに復讐する機会もあるのですが……。

 

 

 今回はお断りですね。ホモくんが鉄華団を抜けるともし日曜日のケジメが発生したり、前髪いじいじとガリガリ君の喧嘩に鉄華団が巻き込まれた時に援護にいけなくなります。戦闘班というよりは、基本的にはマクマードの側近になってしまうので……(戦闘班とは一体)。

 ひとまず明日まで猶予があるので、ここは保留にして立ち去ってしまいましょう! あばよとっつぁん! またあしたな! 

 

 

 

 

 

 

 ###

 

 

 

 

 

 名瀬がオルガと星原、フミタンを連れてマクマードの部屋を出ていった後、すこぶる機嫌が悪いという様子でジャスレイは口を開いた。

 

 

「親父、さっきの話本気なんですかい?」

 

 

「冗談を言ったように聞こえたか?」

 

 

 質問を質問で聞き返したマクマードにジャスレイは口を噤む。確かに星原・モーリノの武勇にはジャスレイも驚きを隠せなかったが、その武勇が自分の下で打ち立てられたものならどれほど良かったか。自分が連れてきたのがアレだけ優秀な男であれば、ジャスレイの鼻も高く、名瀬ではなく自分が若頭の候補として名前が挙がっていただろう。

 けれど、現実は女・子供を使ってのし上がってきた気に入らないその名瀬が連れてきた男であり、それで名瀬の評価が上がるのはやはり納得がいかない。このままいけば、近いうちに他の幹部や部下に聞いた噂通り、テイワズのNo.2であるジャスレイを差し置いて、名瀬・タービンがテイワズの若頭になることは必定であった。何とも面白くない現状になんとかしてヤツらを引きずり落とさなければと考えたジャスレイは閉じていた口を再び開いた。

 

 

「じゃあ親父。テストさせてください」

 

 

「テスト?」

 

 

「はい。星原・モーリノが本当にテイワズを守る剣になり得るのかを」

 

 

 ジャスレイの言葉にマクマードは目を細める。

 

 

「なんだおめぇは俺の判断が気に入らねぇのか」

 

 

 ドスの効いたヤクザの頭領らしい声にジャスレイは心の臓を掴まれたかのような錯覚に陥る。その後はジャスレイは何も言えずに憤りを隠したまま部屋を出ると廊下をずんずんと足音を鳴らして歩いていき、そして自分のナワバリ……部屋近くにたどり着くと、思いっきり壁を蹴った。

 

 

「ちくしょうッ! あの耄碌ジジイめ! 俺はテイワズのNo.2だぞッ!! その俺を差し置いて女子供を使ってのし上がってきたクズとただ運良く海賊を片付けただけのガキ共を贔屓しやがって!!」

 

 

 クソ! クソ! クソが!! と、思わず飛び出してきた部下たちが後ずさる程度には怒り狂っていたジャスレイは怒鳴り終わると、荒らげていた息を整えて自分に付き従う信用出来る部下たちに言い放った。

 

 

「どんな手を使ってもいい。星原・モーリノってのを殺せ! 最悪、植物状態でもいい! ただ運が良かっただけのヤツに分からせてやるんだ! このジャスレイ・ドノミコルスの恐ろしさを! 」

 

 

 

 

 

 

 

 ###

 

 

 

「で、どうするんだアンタ」

 

 

 イベントスキップしようとしたらさっきの話の答えを言わないといけないイベを引いて、男3人とメイドの4人で昼間のカフェで屯してるRTAはここです。

 

 

「まぁ、オルガも言った通り急な話だからな。そう早めに決めることもないと思うが」

 

 

 どうするもこうするも答えは決まっているので、私から言うことはありません。兄貴の奢りで飲むキリマンジャロの美味しさを味覚で十分に感じます。

 

 

「それより俺個人としては、エーコ達なんだがな」

 

 

「どうかしたんですか?」

 

 

「いや、なにちょっとな。アイツらもお前らといる時間が長かったせいだろうが、物憂げでな」

 

 

 

 あー、2名は見当つきますねぇ。アジーさんは特にフラグ建てなかったので知りませんが。好感度も仲良い同僚くらいでしたし。まぁ、それでも告れば恋人になれちゃうんですが(生粋の人たらし)。

 

 

「確かにこっちもあの3人に抜けられると戦力や技術的にも厳しいですけど、まぁコイツが戻ってきてくれるんで大丈夫だと思います」

 

 

「まぁ……そうだな……」

 

 

 あ、これは……(察し)。ふーん……(冷や汗)。

 エーコやラフタが鉄華団の誰かに気があることバレてますね。てか、帰って即姐さんが看破してましたしね。ラフタはまだ分かりにくいにしても、地球支部までホモくんを追いかけてたエーコネキは確実にバレてるでしょうし……。これはジャスレイの叔父貴よりも先に対処した方がいいか? 

 

 

 しかしタイム的には必要ないので無視です(無慈悲)。パンケーキを食べたら歳星の街へ繰り出しましょう。兄貴と団長とは別行動です。なんでって、そりゃあ1人じゃないと知らない人からお小遣いを貰ってホモくんを殺しにくるヒットマンと会えないからですねぇ。メイドは何言っても勝手に付いてくるので知りません。

 当たり前ですがヒットマンは死角からこちらを狙ってきます。その場所はランダムなので発見が難しいのですが、 ここでゲームオーバーになってもホモくんの残した意志によりジャスレイは死ぬので数々の不安要素を残しつつもRTAを達成したいなら敢えて死ぬのもありです。

 

 

「あれ? ホッシーとフミタンじゃん」

 

 

 は? なんでお前ここにいんの??

 

 

「なんでって名瀬が今日は自由に動いていいって。だから、アジーとラフタと買い物」

 

 

 指差す方にいるのはいつもの。

 え、ちょっと待ってくださいよこれ。もしかして、こんだけ人いたらヒットマン手を出してこない説が微レ存……? そんなのまずいですよ!! 

 ヒットマンもこの人数見たら「えっ、狙いにく……」と狙い撃てないんで乱れ撃つぜぇ! してくることもなきしにもあらず……? 

 

 

「ありゃ、星原とフミタンどしたの?」

 

 

 店からラフタとアジーも出てきてこれはもう逃げらんねぇなぁ……。なんか荷物持ちとか頼まれて、揉め始めたし。まぁ、多分ヒットマンに襲われるのは必定なので、彼女達と離れてからでもいいでしょう。

 

 

 あれ? なんかムービー入ったな……。

 

 

 

 

 

 

 

 ###

 

 

 

 

 

 歳星の街中で同じ船で来たとはいえ、向かった方向は真逆だったというのに、昼下がりにこうして出会ったのは偶然か必然かとラフタが楽しそうに語る中、アジーはエーコに気を遣ってラフタを連れ出そうかと思案していた。しかし、あちらにはメイドであるフミタンもいるため、したところでかと思うと星原達との会話に混ざることにした。荷物持ちは男である星原がやるべきだと言うラフタに難色を示した星原に、彼のメイドであるフミタンが自分が持つことを申し出ると、それにラフタが口を開く。

 

 

「ずっと思ってたんだけどさ、フミタンって星原のなんなの?」

 

 

「……ただのメイドですが」

 

 

 その返答にラフタは眉を寄せる。フミタンは口の通りただのメイドとして星原と接している。べったりとすることもなく、過保護でもなく不干渉というわけでもない。それは星原も同じでそばに付いているのが当たり前になってきたためか、特に気にした様子も見せない。

 であるならば、エーコと2人きりにしてあげてもいいだろうとラフタは少し時間をくれないかとフミタンに言う。

 

 

「いや、ちょっと私頼んでないんだけど……」

 

 

 小声でラフタの袖を引くエーコだが、彼女の声は届かない。

 

 

「まぁ、構いませんが……」

 

 

「マクマードといい、なんでお前らで勝手に話を進めてるんだ……」

 

 

 話の中心を蚊帳の外に置きすぎでは無いかと不服そうな星原にフミタンが申し訳ありませんと一礼する。一方でラフタはエーコに「行ってきなよ」と背中を押すも本人は「いいって別に」とこれまた小さな声で反抗する。

 

 そんな和やかな空気をアジーは温かい目で見守っていると視界の端で、名瀬と共に働くようになってからは目にしたことのある黒いスーツに身を包んだ男が視界の端に映った。しかし、この時間帯には似つかわしくない殺気を放っており、それには星原の護衛でもあるフミタンも気づいた。

 だが、フミタンが気づいた時には男の手には鈍く光る黒い拳銃が星原へと向けられていた。そして、男が引き金を引いたと同時にラフタに背中を押されたエーコが、意図せず星原と被さってその弾丸の射線上に入ってしまう。

 

 

「エーコ!」

 

 

「危ない!」

 

 

 弾丸の放たれた音にビクリと思わず後ろを振り向き、斜線上に立ったままのエーコ。男が狙ったのはターゲットの心臓であったが、その位置はちょうどエーコの頭と同じ高さであった。星原はアジーとフミタンの言葉、そして聞き慣れた銃声に即座に反応すると、射線上に立ったままのエーコを庇うようにして抱き寄せる。

 

 

 

「……………………え」

 

 

 

 そして、放たれた弾丸はエーコの頭を撃ち抜くことは無かった。

 

 

「な、なんで…………」

 

 

 だが、エーコを抱く星原の左手には赤い染みが広がっており、その男の顔も普段の凛々しいものから苦痛に歪んでいた。

 血の量からその痛みは尋常ではないことは予見されるも、元傭兵であるその身体が自分を狙い撃ったヒットマンをタダでは帰すはずもなかった。星原は霞む視界ですぐさま自分の拳銃を構えると、自分の心臓を撃ち抜けずこの場から立ち去ろうとするヒットマンの脚に目掛けて拳銃に詰まった弾丸をすべて撃ち放った。

 その弾丸は全てとはいかずとも、ヒットマンの左膝裏と太もも、右足首を撃ち抜いて男を地に伏せさせる。

 星原は乱れた息遣いでフミタンとアジーに男を指差して捕らえるように指示すると膝から崩れ落ちるように倒れる。

 

 

「ちょっ、ちょっと!」

 

 

 それを支えるように膝を曲げて星原を受け止めたエーコはそのまま気を失った星原に何度も声掛けた。

 

 

「しっかりしてホッシー! 死んじゃダメ! ねぇ! 目開けてよ! ねぇ!!」

 

 

 本来はおやつの時間。人々がお菓子やティータイムで舌鼓を打つ時間帯で、歳星の街中で1人の少女の絶叫が街中に響き渡った。

 

 

 

 

 ###

 

 

 

 

 

 

 撃たれたのが利き手じゃなくて良かった(小並感)。

 けれども、さすが鉄血世界のヒットマン。殺しはしなくても気絶はさせられるようですね。しかも命の危機は脱してないですよコレ。ラフタは腰抜かしてないで救急車呼んでどうぞ(震え声)。

 まぁ、ホモくんの傭兵スキルのおかげでHPが12とやばい状態でもヒットマンの足止め(文字通り)が出来ました。これで相手がジャスレイの情報をなんでもいいので持っていれば、潰しにかかる大義名分を作ることができます。

 楽しみにしてろよォ……ジャスレイッッ! 

 

 

 

 

 そんなことよりエーコちゃんのストレス値マッハなんだけど大丈夫ですか? 

 

 

 

 

 

 今回の動画はここまで。ご視聴ありがとうございました。




4月に働けなかった分、5月ハチャメチャに働いたので各時間があまり取れませんでした。すまない……(ドラゴンスレイヤー並謝罪)。
そして、こっちが終わってないのに書きたいなーって思った小説のプロットを練っていました。一応、ギャラルホルンルートはある程度固まったのでキャラリメの所だけ書いてます。
感想でもあったんですが、なんで団長が他の女性ヒロインとレーシングを繰り広げられていたのか。コレガワカラナイ。


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ジャスレイ戦②

ジャスレイ・ドノミチコロスが死ぬところでRTAは終わりそうですね。
(今回はそんなに面白く)ないです。


頭ペシャン公がこんなやつのはずがないという意見をいただいたのでちょいとばかし修正しました。


 ジャスレイ・ドノミコルスが念仏を唱え終わるRTA、は、じ、ま、る、よ〜〜!

 

 

 前回はホモくんがエーコを庇って左腕を貫かれたところで終わりました。撃たれたところが悪かったのか、ホモくんは昏睡。その後に歳星内の病院に担ぎ込まれます。ホモくんのステータスは防御力に全振りしてるのでそう簡単に昏睡するはずもなかったのですが……弾丸に睡眠薬でも含まれていたのでしょうか……? (サーッ!)

 

 

 けれども、さすがは鉄血世界の誇るヒットマン。不意打ちだったり睡眠薬入り疑惑があるとはいえ、ホモくんを一撃ノックダウン。こちらも負けじとお返しにホモくんのスーパーエイムでヒットマンの足をぶち抜いた訳ですが、恐らく得られる情報は少ないでしょう。

 

 

 1年ぶりの医療カプセルの心地は……ナオキです。病室の外ではエーコネキや話を聞いて駆けつけた名瀬ニキと団長ォ! がガラス越しに不安やら怒りの混ざった複雑な顔をしています。ていうか、このシーン飛ばせないんですね。

 深刻な顔でオルガがテイワズの重鎮の担当医にホモくんの容態を尋ねます。……ふむふむ、ホモくんの占い師スキルの恩恵である運の高さで致命傷は避けたようです。左腕に当たったくらいで死ぬわけないと思ってるニキは失血死の可能性も考慮してどうぞ。

 まぁ、背中とか肩を隅々まで撃ち抜かれたのにカウンターで発砲したり、数メートル歩きながら詠唱した団長見るとちょっと信じられないかもですが。

 

 

 とりあえず、オルガ達がホモくんを撃ち抜いたヒットマンの雇い主を探しに向かったところで操作可能になりました。といっても、映画版の刹那みたく起き上がるまでは何も出来ない……わけねぇんだよなぁ。けれど、フミタンとエーコネキがまだいるのでここでは行動を起こせません。

 

 

 なので、時を加速させます(メイド・イン・ヘブン)。時の加速(スキップ)は重要イベントがなければいつでも出来ますので、RTA走者は活用してどうぞ。

 

 

 

 病院が閉まって、夜勤の看護師しかいなくなったらアイテムの欄から戦利品などで入手した回復系アイテムをドバーッと使います。(HPが満タンになって)めちゃくちゃ気持ちがええんじゃ。もう顔中(回復)薬まみれや。

 アイン戦後もこうすれば早めに復帰できたんですが、2期になると勝手に回復したんでね。

 さて、ホモくんが動けるようになったのでさっそく行動開始といくかぁ! と、その前にやることがあるんですよ。ホモくん‪が重傷、軽傷に関わらず殺し損ねると一日目の夜にジャスレイの遣いがトドメを刺しに来るので、寝たフリをして待ちます。

 

 

「……ここか」

 

 

 アサシンのくせに声出すとか、コイツさては3流品だな? 病院内なので、発砲すると警備員や夜勤の方々に駆けつけられる可能性があるので暗殺者はナイフを使用してきます。元傭兵のおかげでCQCのコマンドがあるので、手際よく打ちましょう。そんなに難しくは無いですが、傭兵スキルや対人戦向きのスキルがないとコマンドが多くて面倒かもしれません。

 

 

「なっ!? てめっ、なんでっ!?」

 

 

 はい、アバヨシャバヨ。患者が新しい患者を生み出してしまいましたが、ヤクザの世界で硝煙と血の香りは当たり前なんだよなぁ。さてさて、服を汚さないように気絶させたら身ぐるみを剥いでやります。身体は縛り上げてホモくんの代わりに回復ポッドにぶち込んでやるぜぇ! あぁもう! たまんねぇぜ! 

 彼から話を聞いても、用心深いジャスレイは依頼を部下のそのまた部下くらいにさせてるので、ジャスレイに辿り着くことは難しいのです……。

 

 

 はい、黒スーツとサングラスに着替えたら、外に出ます。すると、ノコノコとジャスレイの部下のそのまた部下がやってきます。

 

 

「やったか」

 

 

 ここで文字ありの選択肢を選ぶとワンチャンホモくんとバレるので「無言で頷く」を選択します。すると、謝礼金が貰えますがそんなものに興味はありません。

 

 

「ん? 少ないか?」

 

 

 違う(真顔)。本当の依頼者は誰なのかを聞きたいんですが、さすがに無言で聞くのは難しいですかねぇ……。

 仕方ないので金だけ受け取って男の視界から消えます。そうしたら、男がジャスレイに報告を入れに向かうのでストーキングして証拠を掴んでやりましょう。

 まぁ、そんなに上手くいったらテイワズでナンバー2を名乗れてはないんですがね? 部下も尾行に気をつけてか同じ道を何度も通ったりしてRTA的には嫌すぎる嫌がらせをしてくるので、つけずに近くの電話ボックスに入ります。

 

 

 

 

 とうおるるるるるるるる、とうおるるるるるるるる 、ガチャり。

 

 

「誰だ? この番号を知ってるのは彼を除けば1人しかいないが」

 

 

 どうもその1人のホモくんです。

 

 

「やはりお前か。その感じだと聞いていたほどの怪我ではなさそうだな」

 

 

 そうだよ(適当)。

 

 

「それで? 何の用だ? まさか自分の無事を知らせるための連絡というわけでもないんだろう?」

 

 

 当たり前だよなぁ? ちょっと調べて欲しいことがあるので裏社会に詳しい傭兵さんにお電話させてもらったんですが。

 

 

「なるほど。わかった、ヤツにも手伝ってもらおう。それはそうとお前が撃たれたと聞いてジュリエッタが」

 

 

 ガチャり。

 ヨシ! (現場猫) これで早くて明日にはジャスレイの部下の部下がヒットマンを雇った形跡が発見されます。雇い主の上司がホモくんや鉄華団、さらにはタービンズに怨みがあると分かれば、報復するには十分でしょう。

 まぁ、こんな回りくどいことしなくても、たった1人の最終決戦みたく、単身殴り込んでもいいのですが、さすがに阿頼耶識ナシで寄せ集めの傭兵やヒューマンデブリに勝てるほど2期は楽をさせてくれないので、時間を有効活用させてもらいましょう。

 

 

 とうおるるるるるるるる、とうおるるるるるるるる 。ガチャり。

 

 

『こちらは地球外縁軌道統制統合艦隊だ』

 

 

 あ、マクギリスの旦那はいらっしゃいますか? 

 

 

『准将に用か? 准将はご多忙故に、お前のような名を名乗らない者の相手はしない』

 

 

 鉄華団の星原・モーリノから電話だよって伝えると出てくれると思うんですけど。

 

 

『星原……? あ、准将っ』

 

 

『部下が失礼な態度をした。すまない星原・モーリノ』

 

 

 マジで出たよこの人。仲間じゃないから好感度分からないけど、愛人くらいにならなってくれそうなくらいには高そうですね。

 

 

『そういえば身体はいいのか? 気を失うほどの出血をしたとオルガ団長は言っていたが』

 

 

 それはアンタが聞いたんだろ。まぁ、知ってるなら好都合です。実はですね、その怪我で腕の調子が悪くて(大嘘)。それでモビルスーツを動かすのに不都合なんでいい治療法があれば教えて欲しいんですけど。

 

 

『なるほど、そういうことか』

 

 

 あるなら治療費とか医療費はいくらでも出すので、なんかないすかね〜。あるって知ってるんですけどね! 阿頼耶識が最良だと言っているお兄さんならきっと言ってくれるはずだ! 

 

 

 

『ならばちょうどいい。私も近々、手術の予定があってね、この前のお礼も兼ねて君にも施してあげよう』

 

 

 この前? 2週間くらいの戦争のことでしょうか。おそらく時期的に阿頼耶識の事で間違いないので乗らせていただきましょう。ちょうど近くにトドの乗るモンターク商会の船が来ているらしいので乗せてもらって地球に向かいましょう。そこでついでに置きっぱなしになっているバティンを回収したら、ちょうどよくジャスレイ・ブチコロスができるようになるのでそれまではスキップでいきます。

 

 

 

 

 ###

 

 

 

 

 星原・モーリノが秘密裏に暗殺者を返り討ちにして病院を抜け出した翌日の朝。

 

 

 

「ひぇぇぇぇぇぇ!!! やめてくれぇ! お、俺は何も知らないんだァ! 気絶してるヤツの首を切れって言われただけで、おっ、お、起きてるだなんて……!!」

 

 

「じゃあアンタに俺の家族を殺すように命令したのはどこのどいつなんだよ」

 

 

「だから知らないって! お金を渡されて殺せたら倍を出すって言ってきたくらいで……! どこのどいつかなんて俺は知らねぇよ!」

 

 

「チッ……! クソが!」

 

 

 星原がいた病室に見舞いにきたオルガはいるはずだった男ではなく、全く見覚えのない顔や首にアザのある男を怒り任せに殴り飛ばすと共に見舞いに来た名瀬とその妻たち、そしてフミタンの方を振り返った。

 

 

「恐らくは星原を襲って返り討ちにあって身ぐるみを剥がされたんだろうな」

 

 

「依頼主を見つけようとしたのでしょうか?」

 

 

 名瀬の呟きにフミタンが口を開くと、部屋にいる全員がそうだろうなと頷いてみせる。

 

 

「全く病み上がりで無茶するよ」

 

 

「ほんとだよね……輸血したとはいえそんな直ぐに動けるのかな?」

 

 

 星原の無茶苦茶ぶりは今に始まったことでは無いので、アジーとラフタは呆れたように言うが名瀬はオルガに殴り飛ばされたパンツ一丁で気絶している男を見る。

 おそらくはどこの組織にも属していないゴロツキだろうと悟った名瀬はあの男から星原を狙った人間の特定は難しいと判断すると帽子のつばを摘む。

 

 

「にしても、星原はどこにいったんだ……?」

 

 

「依頼主も簡単にしっぽ掴ませるほど馬鹿じゃないだろうしねぇ」

 

 

 姿を消したまま行方知らずの男の行先を考える名瀬とアミダであるが、やはり見つかるには早すぎるだろうと思考から離れるとアジーとラフタに指示を出す。

 

 

「とりあえずウチの手の空いてるヤツらに探させてくれ。俺は今からオヤジに連絡してくる」

 

 

「あの、兄貴」

 

 

「わかってる。アイツには知らせはしねぇよ。もしかしたら、お前らにも被害が及ぶかもしれねぇからな」

 

 

 オルガの目を見ながらも名瀬はこれまで黙ったままであるエーコの方を一瞥する。昨日は自分のせいだという自責の念に心が締め付けられているような顔であったが、今は顎に手を当ててブツブツと何かを考えているようだった。今は何も言うべきではないかと名瀬は再び口を開くとオルガに尋ねた。

 

 

「オルガ、三日月達はいつ頃こっちに?」

 

 

 

「昨日の夜には火星を出たらしいんで、早くて半月くらいかと」

 

 

 

 昔はギャラルホルンの航路を使えなかったが、マクギリスとのパイプに加えて、星原のおかげでラスタルとのパイプも手に入れた鉄華団には最速で歳星に向かうための航路があり、そう時間はかからないというのがビスケットとユージンの計算であり、乗り込んだ団員達は自分達の大切な家族を殺めようとした者に報復を下したいと気が立っていた。それは家長のオルガも同じで男へと振り抜いた拳は未だに握られたままであった。

 

 

 そして怒りを燃やすのはオルガだけではなく、月の外縁軌道を漂うイオク・クジャンの船の中にもいた。

 

 

「ダメです! 行きます! お兄様を殺そうとした愚か者を妻が討つのは当然でしょう!」

 

 

「落ち着けジュリエッタ。お前はまだヤツと婚約していない」

 

 

 自分を星原・モーリノの妹で妻と思い込んでいるジュリエッタは仮面の男・ヴィダールの制止を振り切ってモビルスーツデッキにやってくると、彼女専用に改造を施されている白いレギンレイズに乗り込もうとしながら、しつこく止めてくるヴィダールに向かって目くじらを立てる。

 

 

「何を言ってるんですかヴィダール! アレはお兄様の私がもっと素敵なレディになるまでとっておこうという優しさです! だからもはや結婚してるも当然なのです!!」

 

 

「何を言っているか俺には分からないがとりあえずレギンレイズから降りるんだ」

 

 

「違います! これはお兄様とラスタル様を護るための剣、レギンレイズ・ブライドです!」

 

 

「そんな名前じゃないんだけどなぁ」

 

 

 勝手に色と名前を変えられた整備長が零すが、怒り心頭のジュリエッタとフルフェイスのマスクのせいもあって2人の耳には届かない。その様子を垣間見たイオク・クジャンであるが、バカに付き合うほど暇ではないと部下と共に部屋へと足を進めていく。一方で、自分達には止められないと判断したイオクの部下は上司であるラスタルに止めてもらおうと彼のいる部屋に向かう。

 すると部屋からはラスタルが誰かと話している声が聞こえ、部屋に入るのを躊躇うも自動ドアのセンサーが反応して扉が開く。

 

 

「うむ、あぁ。そうか、わかった、連絡は私から行おう。お前も悪いな」

 

 

『別に構わんさ。ところでジュリエッタはどうだ? 大人しくはないだろうが……』

 

 

「あぁ……昨日に引き続きまたのようだ」

 

 

『そうかそうか、あっはっはっはっはっ!』

 

 

 ドアの前で額に汗を浮かべて困ったような顔をするギャラルホルン兵士を見て、大体を察したラスタルは苦笑すると電話の向こう側の人物は愉快そうに笑っている。そのままラスタルは一言なにか告げて電話を切ると、部屋にやってきたギャラルホルン兵士へと目を向けた。

 

 

「すまん、待たせたな。その顔はまたジュリエッタか?」

 

 

 

「えぇ、あぁ、はい……。また歳星に行くと……」

 

 

 

「そうか。ならば望み通りに行くから落ち着けと伝えてきてくれ」

 

 

 

「へ……?」

 

 

 呆気にとられる兵士にラスタルは友と、そしてパイプ作りか、あるいは彼を恐れてかは分からないが、届けられた情報を見て今回の騒動の原因となった人物にアタリをつけるとパネルを操作して先程とは違う人物へと連絡をとった。木星圏で最も恐ろしいと呼ばれている男に。




土曜日が地元で大雨になって外に出れなくなったら続き書いて出しますね。


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ジャスレイ戦③

鉄血見返してたんですけど、2期と1期の矛盾を見つけてどうしたものかと悩みました……。

あと、頑張って感想返ししようとしたけど多くて無理だったよ……(できなかった人ごめんね)。あとたわけがたわけじゃないって意見多かったので前話修正してます(微々たるもの)。


地味にフラウロスが初戦闘の回。ただし、名前しか出ない。



 ジャスレイ・ドノミコルスにとって恨むべき人間というのは複数存在する。しかし、彼は這い上がるためにそういった人間をあらゆる手段で暗殺してきた。時には事故死に見せかけ、あるいは人知れず宇宙服も無しに空気のない宇宙という死地に投げ出したりと方法は様々であったが、確実に葬ってきた。

 

 

 そんな彼が名瀬・タービンを殺さなかったのは現在のテイワズのトップであるマクマードに代わって自分がナンバーワンになった時に思う存分こき使ってやろうと考えていたからである。自分の管轄であった輸送部門を奪った上に女・子供を使ってのし上がるその姿に苛立ち、恨みを募らせたがそれも自分がナンバーワンになれれば晴れるだろうと心の平穏を保っていた。

 

 

 しかし、鉄華団と名乗る子供だけの武装組織が名瀬と義兄弟の盃を交わしてから事態は一変する。一応、その時の話を耳に入れていたジャスレイだが、また子供を使って名前を売るのかと鼻で笑い、あわよくば子供達に足を引っ張られて身を滅ぼせばいいと思っていたためその時は何もしなかった。だが、エドモントンでの戦いを経て鉄華団が急成長を遂げ、ハーフメタル利権という莫大な利益をもたらした鉄華団はマクマードとも親子の盃を交わしてしまう。そこでジャスレイの余裕の笑みは消えた。加えて、ギャラルホルンや他の企業も手を焼いていた夜明けの地平線団を壊滅に追い込み、経済圏同士の戦争を終わらせ、さらには厄災戦の火種となったモビルアーマーを支配下に置くなど多大なる功績を上げていた。

 

 

 おかげで鉄華団はマクマードの覚えもよく多くの優遇を与え、鉄華団との縁を引き寄せた名瀬には若頭の地位を進呈するという話を聞けば今まで俺がナンバーワンだとふんぞり返っていたジャスレイの表情に憤りが現れた。

 どうにかしてその話を霧散させ、弱体化させようとジャスレイは調査を進めるうちに、鉄華団の大躍進に多く関わっているという星原・モーリノを殺すという結論に至った。もちろん、そう決めたのはジャスレイが彼と顔を合わせた時にマクマードから語られた言葉や、気に入らないと思っている名瀬や鉄華団の団長へのヘイトが高まったことも起因する。

 

 

 部下の部下にヒットマンを雇う金を渡したジャスレイは自分は一切関与していないと証明するためにも、自分が顔を出す程でもない適当な仕事を受けて同行し、歳星を離れた。歳星を離れてから数時間後にターゲットを気絶にまで追い込んだと部下から連絡を受けた時、ジャスレイは電話の向こう側にいる部下へと怒鳴りつけた。

 

 

「あぁ!? 気絶じゃ意味ねぇんだよ! 植物状態じゃいつか起き上がるかもしんねぇからよ、もう殺しちまえ!!」

 

 

 あまりの怒りように電話を周りで聞いていた船員もビクビクと顔色をうかがうようにしてジャスレイを見る。さらに、そう言った後に部下からそのヒットマンが逆に下半身不随に追い込まれたという話を聞いてジャスレイは余計に火をつけた。

 

 

 

「あ"あ"っ!? 何やってんだそいつは!! 使えねぇな! ……まぁいい、そいつは後で始末すりゃいい! それより星原・モーリノだ!! ヤツは病院なんだろ!? 起き上がらねぇうちに違うやつ雇って殺せ!! いいな!!」

 

 

 

 そう言って電話を切っても怒気を孕ませたジャスレイだったが、また数時間後にかかってきた星原・モーリノを始末したという電話に顔を綻ばせると、名瀬やオルガの悔しがる姿が目に浮かぶようだとほくそ笑みながら仕事へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 しかし、彼は喧嘩を売る相手を間違えてしまった。もし、こちらの手の者が狙わせたという証拠を掴まれても、巨大な権力と金を使えばもみ消せるからと高を括っていたのだ。

 以前にギャラルホルンのセブンスターズの人間と関わりを持っていたが、その男が息子に権力を譲ってからは仕事を共にしていない。だが、調べてみればその息子はまだ20代のボンボン。長年培ってきた話術を使えば、簡単にこちらに付いてくれるだろうと考えていたのだが、その男の上司と今回のターゲットの間にパイプが繋がっているとは思わなかった。

 

 

 それを知らないジャスレイからすれば、クジャン家の子息への電話が数日繋がらないことには意味がわからないし、違和感を覚える。けれども、ギャラルホルンの力などなくても、テイワズNo.2の権力と金があればどうにでもなるかという慢心が彼の破滅を呼び込むなど予想だにしなかった。

 

 

 

 

 

 ###

 

 

 

 ギャラルホルンで肉体改造が完了したので、トドさんに地球支部まで送ってもらいます。多分、今頃歳星では団長や名瀬さんがドッタンバッタン大騒ぎしてるんでしょうが、問題ないさ。こんだけ好感度高いんなら下がった方がいいよ(半ギレ)。

 

 

 地球支部に行くと歳星で撃たれるわ、行方不明の知らせを聞いているわで本物の死神を見たかのような反応をいただきましたが全部読み飛ばします。その中に「エーコさんに言われて」とか気になる文言を見つけましたが、ログを確認する時間もないので無視です。

 さっさと、バティンを自家用船に乗り込ませて、あのケツアゴから脳天まで真っ二つにしてやりたいんですよ! と思ったら、アレ? もう積み終わってる? 支部長! 船の用意出来ました? (アレ? 急に言った割には用意が早くて)なんか静かですねぇ……。

 

 

 それならば都合がいいのでさっさと行きましょう(詠唱破棄)。何故かアストンやタカキ、いつの間にか船の操縦免許を取っていたサヴァラン兄さんが付いてきてくれました。ラディーチェさんは夫の帰りを待つ妻のようにホモくんを待ってくれるようです。

 

 

 わけがわからないよ(QB)。

 

 

 船での移動中に歳星へと無事を伝える連絡を入れます。すると、団長に「そうだろうと思ったけど、さっさと連絡しやがれ!」と泣きながら怒られます。情緒不安定かな。

 名瀬ニキには「やれやれ」と笑われましたが、帽子で目元を隠してる当たりちょっと泣いてんな? アミダさんも笑顔で我嬉しい。アジーさんとラフタが居ませんし、そういえばそこハンマーヘッドじゃないですかね? なんで船? 名瀬さんから何も知らないのかと訊かれたので首を振ると、割り込みで通信が入ります。

 

 

『それは私から説明しよう』

 

 

 知ってるのか雷電?

 

 

 ではなく、あらいぐまラスタルからジャスレイの不正や汚職に女子供へと与えた陵辱などの証拠がどんどん出てきた上に、ヒゲのおじ様のお調べでホモくんを狙ったヒットマン2人の会社を脅して依頼主がジャスレイの手の者ということが分かったようです。どうやって脅したんですかねぇ……。まぁ、おかげでこちらからジャスレイにカチコミしても問題なくなりました。

 会話をボタン連打で飛ばしつつも、地味にマクマードさんからテイワズの裏切り者ジャスレイ討伐の命令が正式に出たという話が出てるので、マジで心置き無く殺せちゃいますね。

 あぁ、だからパイロット陣の顔が見えないんですねなるほど。あ、そうだ(唐突)。エーコネキかフミタンか分かりませんが、バティンのスムーズな積み込み指示や調整に感謝しましょう。まぁ、背中につけるコネクターは移動中にチョコレートの人からギャラルホルンの整備士さんを借りて付けてますので、またまた生まれ変わったバティンとホモくんの力を見せつけてやれます。

 

 

 さぁ始めようか! (シャキーン)

 

 

 

 

 ###

 

 

 

 この日ほどジャスレイ・ドノミコルスは自分の行動を後悔したことはない。後から悔やむことになるから後悔とはよく言ったものだと思いながらも目の前で繰り広げられる惨状に身体の至るところから汗が溢れ出す。

 高い金を払って雇った傭兵達に、取引先から買い付けた阿頼耶識付きのモビルスーツにヒューマンデブリを乗り込ませて、報復へとやってきたタービンズと鉄華団を迎え撃つつもりが、真っ先に現れた赤い瞳を光らせた黒いモビルスーツによってその算段は崩される。

 

 

 破壊力を高めるために特殊合金で作られた球体を埋め込んだ少し変わった形をしたメイスが、的確にジャスレイの雇った傭兵やヒューマンデブリの乗るコクピットをたたきつぶしていく。機体名も乗り主も分からない不気味な機体にジャスレイは声を荒らげながら、味方に指示を下すも、マクギリスの言うところの統率の取れていない烏合の衆ではとある手術を施して、より正確かつ無慈悲な機体コントロールが可能になった星原に勝てるはずなどない。さらには向こうにも阿頼耶識を搭載したマンロディが2機おり、その2機は黒いガンダム・フレームことバティン・フィアーほどの撃墜量でなくても巧みなコンビネーションでモビルスーツを沈めていた。数時間を経つ前に鉄華団やタービンズが到着する前に、ジャスレイの部隊は既に3分の1が撃墜されていた。

 さらにそんな状況に追い討ちをかけるかのように、白き機影が黄金のジャスレイ号のレーダーを鳴らす。

 

 

「な、なんだ!? 増援か!?」

 

 

「い、いえこの反応は……!!」

 

 

 

 こんな事態にどこの誰がジャスレイに味方するのか。現れたのは肩にあしらわれていた所属のマークを胸に移した鉄華団の悪魔と呼ばれる機体であり、黒いガンダムの近くにいた敵を手に持つメイスで殴りつける。

 

 

『お待たせ……ってアレ? バティンまた新しくなったの?』

 

 

 

『お前のバルバトスもなんか変わってねぇか?』

 

 

 鉄華団の船、ホタルビから飛び出してきたのは火星で眠っていたモビルアーマー、ハシュマルのテールブレードを移植して新たな姿へと生まれ変わったバルバトスであった。パイロットである三日月は阿頼耶識の恩恵でそれをまるで自分に生えてるかのように操りながら敵を屠りながらも、以前に比べて動きの良くなった星原へと話しかける。

 

 

『……もしかして阿頼耶識?』

 

 

『よく分かったな。ちょっと事情があってな』

 

 

 

 ジャスレイの雇ったヒットマンのせいで腕が動かなくなったから受けたというのは建前であったが、本音で便利そうだからと答えてしまえば後で何を言われるか分からないからと理由を伏せながら星原は三日月に建前の理由を語る。すると、三日月は「ふーん」と答えながらも、信頼し尊敬する人物が自分と同じ手術を受けてさらに腕を上げたことに高揚する。

 

 

『あ、昭弘たちだ』

 

 

『お……お? え、なんだあの白いの』

 

 

 三日月がこれまた器用に敵を倒しながらも目線を向けた先には、昭弘のグシオンリベイクフルシティやシノの"流星王"と名付けられたフラウロスやライドの雷電号(獅電)などの鉄華団が保有する戦力でも、主力と呼べる者たちが目に映る。さらにはタービンズの新型機である辟邪にアミダの操る小豆色の百錬がいるのも見える。

 しかし、その中に見慣れない白く他の機体に比べては巨躯なモビルスーツを見て星原は嫌な汗を浮かべる。

 

 

『お兄様ー!!!』

 

 

 その通信を聞いて星原はうげぇと顔を歪める。よく見ればギャラルホルンの新型だと分かるその機体を改修したレギンレイズ・ブライドには星原を兄と呼んで慕い、結婚したいほどに溺愛しているジュリエッタが乗り込んでいた。

 

 

『なんでいるんだ……』

 

 

『ふふん、お兄様のあるところ、花嫁であるこの私がいなくては! さぁ、私のお兄様を傷つけた下賎な輩に私が死より恐ろしい絶望を教えてあげますよ!』

 

 

 一方的にそう言ってレギンレイズのアームに取り付けられたブライドソードで畝らせて敵モビルスーツへと切り込んでいくジュリエッタを見ながら星原は顔をしかめる。

 そんな星原とジュリエッタの会話を聞いていて、ジュリエッタの言動や戦闘スタイルが星原に似ているのをみて、三日月は首を傾げる。

 

 

『アレってほんとに妹なの?』

 

 

『違う』

 

 

『え、じゃあほんとにお嫁さん?』

 

 

『それも違う』

 

 

 即否定を入れながらも、敵が守る黄金のジャスレイ号を目指しながら念入りに頭部やコクピットを潰すバルバトスとバティンに敵のパイロットは戦慄していく。それは味方も例外ではなく、昭弘は「相変わらず容赦ねぇな」と苦笑する。

 

 

 

 

「チクショウ!! なんであっち側にギャラルホルンがいやがるんだよ!! おかしいだろうが!!」

 

 

 ジャスレイ号のレーダーが捕捉した戦艦には鉄華団とタービンズ以外にもギャラルホルンの船も含まれており、ジャスレイはその事に驚きと怒りを隠すことが出来ずに船員にどういうことか調べるように命令するも、エイハブリアクターが戦闘状況に入って稼働している今、まともに情報収集などできる訳もない。

 

 

「お、叔父貴、もうやべぇっすよ! 鉄華団とタービンズだけならともかく、ギャラルホルンを相手にするのは……!」

 

 

 

「ンなことは分かってんだよ!!」

 

 

 何故、自分達の方にいるはずだったギャラルホルンが鉄華団やタービンズの味方をしているのか分からない上に、ジャスレイにとって不条理な現実に歯ぎしりをしながら、この状況を打開するために、再びイオク・クジャンに連絡をとる。

 

 

「叔父貴! 繋がりやした!」

 

 

「よし、モニターに映せ!」

 

 

 

 藁にもすがる思いであったが、繋がったのであればまだ勝機はある。イオク・クジャンは浅知恵で物事を深く考えずに自らの感情に任せる正義感が強いだけのおぼっちゃまと聞いているため、それを利用してこちらが一方的に襲われているからなんとかしてくれと涙ながらの演技で訴えれば、一時的にではあるが停戦に持ち込めるはずだと考えた。

 

 

 

 しかし、モニターに映し出されたのは、若い肌黒の男性ではなく、白い肌に貫禄のある髭を生やした目付きの鋭い男性であり、その姿をジャスレイは知っていた。

 

 

『初めましてになるのかな、ジャスレイ・ドノミコルス』

 

 

 ギャラルホルン最大級の部隊、アリアンロッドの頭領であるラスタル・エリオンは僅かに微笑みながらジャスレイに挨拶をすると、された方は「な、なんであんたが……」と開いた口が塞がらない。

 

 

 

『いや何、私が以前世話になった青年が歳星で撃たれたと聞いてね。私の親友や娘も彼を心配していてね。それで職権乱用とまでは行かずとも、少し乱暴な手段で彼を撃たせた人間を探していたのだが、まさか君だったとはね』

 

 

 笑みは崩さずとも射るような視線は変えずに画面越しにジャスレイを見つめるラスタルは端的にジャスレイの罪状を読み上げていく。殺人、他の企業や海賊、陵辱した相手からの窃盗や不正取引に今回の殺人未遂など。ジャスレイが隠し通したと思っていた罪をひとつ残らず読み上げる。

 

 

「な、なんでそれを……」

 

 

 

『少し乱暴な手段を使ったと言っただろう? まぁ、尤も私はジュリエッタが殴打した後に命と生活の保証を約束しただけなんだがね』

 

 

 脅迫して金で釣るつもりはあったものの、ジュリエッタが殴りかかってしまったのはしっかりと首輪をつけていなかったラスタルの落ち度のため、少し乱暴な手段と表現した。だが、ジャスレイからすれば部下に手を噛まれてこの状況に立たされているため、この場にいない部下で自分の秘密を知っている者を思い浮かべるもラスタルの言葉でその者への憎悪の言葉は断ち切られる。

 

 

 

『安心したまえ。私は君に対して手出しはしない。それが君の部下との約束だからね』

 

 

「え、えっ……じ、じゃあ……」

 

 

『まぁ、私はだがね』

 

 

 雲間に見えた光。ラスタルの言葉にそれを見出したジャスレイは数時間ぶりに笑顔を浮かべるも肩肘をつきながらラスタルがこぼした言葉に身を強ばらせる。

 

 

『ジュリエッタは許してやって欲しい。愛する者が傷つけられたとしたらああなるのは当然だ』

 

 

「いや、おい、あんた……さっきの私は……って、どういう……?」

 

 

『む? あぁ、私は何もしないが、他の者たちが君に危害を加えることに関しては一切目を瞑ろう、ということだよ』

 

 

 

 それだけ言い残して通信を切ったラスタルにジャスレイの身体に再び恐怖が襲いかかる。通信が切れて目の前に映し出されているのは、モビルスーツの繰り広げる戦いであり、その中にはあれだけ大勢いた自分のモビルスーツがもはや数えられる程にまで減っていた。そこでジャスレイは最後の綱としてマクマードに連絡し、繋がった瞬間に安堵の顔を浮かべながら彼へと命乞いをおこなった。アンタの力で宇宙ネズミたちと女子供でなり上がる卑怯者を止めてくれと。

 

 

 

『そいつは無理だな。自分で撒いた種だ。自分でなんとかしな』

 

 

 

 だがそんな都合のいいことはなく、マクマードは愛刀である太刀を磨きながらそう返すと、そういえばと思い出したようにジャスレイへと言葉を放った。

 

 

『おめぇみたいな犯罪者の、義理とはいえ父親とは虫唾が走るんでな。盃はこっちで割らせてもらったぜ。あとのことは、星原やオルガに任せてある。命乞いするならあっちにするんだな』

 

 

 そうして切られた電話に硬直すると、マクマードが最後の最後にかけてくれた情けに、ジャスレイは恥と知りながらも鉄華団の船へと回線を繋ぐ。

 

 

『……なんだお前か、ジャスレイ』

 

 

「なんだその口の利きか」

 

 

「落ち着いてくだせぇ叔父貴!」

 

 

「……ッ!」

 

 

 不敬にも見下げながら口を開いたオルガにジャスレイは噛み付こうとするも、すぐさま部下たちに止められて言葉を飲み込むとオルガへと命乞いを始めた。もう自分への復讐は済んだだろうと、これだけ殺せばもう死んだ星原もうかばれるだろうと。だから、もうやめないかと。いくらでも金を出すと。指も詰めてやると。しかし、オルガはつまらなさそうに息を吐く。

 

 

『……あぁ、わかったよ。オレはアンタを殺さねぇよ』

 

 

「お、おう、そうか……なんだよ話が……」

 

 

 いや待て。こいつはなんと言った? "オレは"だと? このパターンは先程もあったようなと汗の雫が割れた顎から落ちると同時に、黄金のジャスレイ号の甲板に黒いガンダム・フレームが降り立つ。その手にはジャスレイが贔屓にしていた傭兵の操るヘキサフレームのモビルスーツの頭部が握られていた。

 

 

『……よォ、死神がわざわざ地獄から迎えに来てやったぜ? ジャスレイ』

 

 

「……は、はぁ? お、おい、なんかの冗談だろ」

 

 

 

 どうしてその声がするんだとジャスレイは自らの耳を疑った。おかしい確かに死んだという報告を受けたはずだ。この声の主はもう居ないはずだと思いながらも、部下に調べさせた星原の話に"黒くマントのようなバックパックをつけたガンダム・フレームに乗っている姿から死神と呼ばれている"というのがあるというのを聞いたことを思い出す。

 

 

「ま、まさか、ほ、ほんとに……!」

 

 

 

 そんなはずはないと思いながらも、ジャスレイの心には確信が生まれていた。こいつは間違いなく星原・モーリノであると。球体のついたメイスを振りかぶったバティンを見上げながらジャスレイは最期の命乞いを行った。

 

 

 

「わ、分かった! お前がすげえのはよく分かったよ! お前がテイワズに入るのも認める! 鉄華団がハーフメタル採掘場の権利を得るのも認める! な、名瀬が若頭になるのも認めるからよ! だっ、だから! い、命だけは!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ジャスレイを見た事がある者たちからすれば考えられないほどの清々しいほどに惨めで生に縋りつこうとする命乞いに通信を聞くオルガは哀れに思いながらも、この後に彼を襲う衝撃音を聞かなくてもいいようにと通信を切る。

 

 

 

 

 そして、ジャスレイへと言い渡された死神からの判決は。

 

 

 

『それを決めるのはお前じゃないんだよ』

 

 

 

 

 

 最期の最後に、信じてきたもの、利用してきた者たち、自分が恨み妬みを向けたものたちからの正当で真っ当な判決であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ###

 

 

 

 

 や っ た ぜ (黄金のジャスレイ号大爆発)

 

 

 

 

 

 名前も色も悪い船を沈没させることが出来ました。アレハンドロといい、ジャスレイといい大型形を金色に染めるヤツにろくなのがいねぇな! 

 

 

 けど、今度は良い奴に生まれ変われよ! 今度も1VS 多数で戦いてぇ。そんで何度でも地獄に送り返してやるよ(暗黒の精神)。

 

 

 というわけで長くなりましたが、ジャスレイ討伐成功です。(報酬金はありませんが、清々しい気分なので別にいら)ないです。残すは、鉄華団がマクギリス陣営につかないためにランダムイベント扱いになる発生するか分からないトムとジェリーこと、チョコとチョコじゃない人の喧嘩になります。これがなければエンディングになるんですが……これまだわかんねぇな(呆れ)。

 

 

 

 とりあえず、ここがキリがいいので今回はここで終わっておきますね〜。愉快な喧嘩かエンディングかはまた次回! 

 

 

 ご視聴ありがとうございました。




実はアニメ本編よりもジャスレイ側の戦力は多かった。けれど、それに比例して鉄華団側の戦力も大きかったので、か、勝てるわけがない!
ジュリエッタが来るとギャグ調になるのは仕様です。キャラ崩壊のタグ入れた方がいいかな〜? あ、ちなみに大雨はありませんでした……まぁ来たところでマンションの屋上に住んでるのでそんなの関係ないですけどね〜。上機嫌だな。そりゃそうですよ、日焼けしないし、タカキも頑張ってるし! 俺も頑張らないと!


次回でエンディング……? になるのかな? 鉄華団が居ないのでマクギリスがラスタルに喧嘩を売るには早いし、ホモくんのおかげで喧嘩する理由が誰リオ・某ドウィンにしかないし……。

つまりはこれからもどうかよろしくね(適当)



機体解説


・ガンダム・バティン・フィアー
ASW-G-18

新しく生まれ変わったバティン。主にエドモントンでの戦いで損傷の激しかった頭部や肩アーマー、スラスターを中心に改修されている。改修に当たって高感度センサーを内蔵したことにより頭部はバルバトスやグシオンリベイクよりも大きくなり、上が広く下にいくにつれて細くなる扇のようか形になっている。それでも目は従来通りにT字状で赤く、奇術師のような印象を受けるものになっている。
武装は鎌からモビルアーマーとの戦闘を予見して、特殊合金を内蔵した魔法の杖にもメイスのようにも見える武器となり、正確に狙いをつければ一撃でコクピットを叩き潰せるようになった。
さらにパイロットが阿頼耶識システム施術を受けたことにより、バティンの第2の能力である分身をノーリスクで行えるようになった。ちなみに黄金のジャスレイ号の甲板に乗る前にステルス機能で近づいて対空砲火を破壊してから乗り上げるなど、第1の機能も健在となっている。


・バルバトスルプスレクス、グシオンリベイクフルシティに関しては原作通りなので割愛。ただし、ルプスレクスになった経緯だが、ハシュマルのしっぽが余っており、グシオンリベイクフルシティやフラウロスよりもバックパックの機能に乏しいバルバトスに付けようとなったため。



・流星王(ガンダム・フラウロス)


ハシュマルと共に発見されたガンダム・フレーム。ノルバ・シノの搭乗機となるも、初戦闘はジャスレイ討伐となった。星原とヤマギのプランニングで改修されており、射撃よりも接近戦向きなシノに合わせて、バックパックのダインスレイブ発射機は外されて、代わりに禁止条約に触れない程度に弱体化したハシュマルのレーザー発射機を搭載した。シノ曰く「流星砲」と名付けられたレーザー砲は、弱体化したと言え一撃でナノラミネートアーマーを溶解させる威力を誇る。
その他の武装はシノ向けに取り回しのいいフラウロスの基本装備でもあった2丁のライフルとナイフに加えて、変形機構の恩恵を生かしたナックルを付けている。
ちなみに流星王と名付けたのは、歴代でも最高スペックの流星号になるだろうとシノが付けたものである。


・ハシュマルレーザーのナノラミネートアーマー溶解について

1期ではビスケットからナパーム弾などでナノラミネートアーマーは溶解するという発言があり、ナパーム弾以上の熱量と威力をもつハシュマルレーザーでナノラミネートアーマーが剥がれないのはおかしいのでは? となったため、本作品では破壊まではいかないも、ナノラミネートアーマーを溶解させて次の攻撃が必殺になるという設定に。


レギンレイズ・ブライド

本来の名前はレギンレイズ・ジュリア。機体が白と銀と清廉潔白かつ花嫁衣装っぽくなった以外は変更点はない。



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エンディング

なんかあっさりしてる感が否めないけど仕方ないね(慰め)

あとバティンのバティンフィアーのイメージ図(ガンダムブレイカー仕様)をいただきました! こんなのいくらあっても足りないですからね!


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 初めてだから……終わり方がよくわからないRTAはじめるよ……? (上目遣い)

 

 

 

 前回は態度だけのケツアゴを宇宙の藻屑にしてやりました。見なさい! オルガさん! タービンさん! 綺麗な……けっ! 汚ぇ花火だ! (豹変)

 あんな花火になんの価値もありません。さっさと今回の戦利品や経験値などのリザルトを確認したら、バティンはエーコに投げつけ、戦闘後の事務処理はオルガやフミタンに投げつけましょう。その際にお礼と感謝と謝罪は忘れません。エーコには「今回は助かった。いつもありがとう。また面倒をかけるが、戻ったらお礼はする」と言っておけば黙ります。好感度を利用したクソ野郎ですね。でもエーコも「ぜ、絶対だかんね!? 約束だからね!」と嬉しそうなので問題ないでしょう。チョロい女(ボソッ)。

 団長とフミタンにも似たようなことを言ったら、ギャラルホルンの本部へとうかがいましょう。このRTAを終わらせることが出来るかはマクギリスとラスタルの行動ひとつにかかっています。

 まぁ、マクギリスに関してはオルガ含む鉄華団の賛同が得られてない時点でラスタルに勝つなんて無理なんですけどね。なんなら、鉄華団が居ても無理なまである。

 ちなみに今作だとハシュマルがマクギリス管理になってたりとか、その他ガンダム・フレームがマクギリス管轄で発見されてると鉄華団が協力しなくても勝手に動き出すので注意が必要です。一応、今回はそんなことないと思うんですけど……(不安)。試走時はほっといたら鉄華団ではなく、月鋼メンバーを仲間に引き入れていたので……しかも、アスタロトが真っ赤になってたのほんとひで。百錬に勝てるわけないだろ!! いい加減にしろ!! 

 

 

 ちなみにトロフィー【たどり着くべき場所】ですが、マッキー☆が事件を起こさない場合の獲得法ですが、何もしないことが確定しないと入手出来ないためRTA的には苦行です。かと言って、協力すると生存フラグがことごとくへし折られるので……(3敗)。

 

 

 

 でも、待ってても仕方ないので、こっちから行きます。

 

 

 

 

「おや? そちらから来てくれるとは、意外だな」

 

 

 

 そんなこと言うんだったらもっと意外そうな顔してくれませんかね?

 まぁ、さっさと終わらせてしまいましょう。

 

 

 

「それで? なんの用かね?」

 

 

 

 マッキー☆はどっかの色黒ほど頭は悪くないので、ホモくんがなんの理由もなく来るはずもないと考えます。なので社交辞令もなく、普通にラスタルとまだ争う気はあるのかと尋ねます。

 

 

「……あるよ。けれど、キミがこちらにつかない限りは無理そうだ」

 

 

 暗にこちらについてくれたらなー? 来てくれないかなー? アピールですかね? わっかんないよ!

 でも、まぁガエリオの行動次第ですが、マクギリスから喧嘩を売るということにはならなさそうなので、用はありません。

 お、そうか(無関心)と軽く返事をしたら石動くんの痛い視線を受けながら退室しましょう。

 

 

 

 

 ###

 

 

 

「……なんだったのでしょうか、彼は?」

 

 

 

 石動の問いかけに私は明確に答えるわけでもなく、使い慣れた微笑を浮かべて言葉を濁した。それで納得したわけではないのだろうが、こちらの意図を理解した石動は黙って「次の予定ですが」とタブレットを見ながら読み上げていく。

 しかし、その声も今の私には届いていない。

 戦争のない平和な世界、とまではいかないが生まれや育ち、性別に関係なく誰もが笑って暮らせる世界。そんな世界が私の目標であり、たった1人の親友に誓った約束であった。アルミリアを幸せにするには、この腐った社会を変革する必要があると、私は考えていた。そのためには腐敗したギャラルホルンを変え、システムを1から作り替える必要があったのだが、敵対だけが変革の方法ではないことは星原・モーリノに教えてもらった。まさかあのモビルアーマーと戦うでもなく手懐けるとは大した胆力だ。てっきり、アグニカ・カイエルのような武勇を見せつけてくれるかと思えば、いい意味で予想を裏切ってくれる。

 ラスタルは目の上のたんこぶであるが、彼との付き合い方さえ間違えなければ、こちらに仕掛けてくることもないだろう。仕掛けてきたとしても何らかの形で彼が介入してくるのだから、意味が無いというのはラスタル自身も既に理解しているだろう。

 バエルによる威光を示しての変革は残念なことに彼により却下されてしまったし、ここは地道にアルミリアが幸せになれる世界を目指すしかないというわけだ。

 けれども、彼との関係は継続して疎まれない程度にはせいぜい利用させてもらうとしよう。なにせ、彼の周りには優秀な人材が揃いすぎているからな。

 

 

「それにしても、彼は果たして誰を選ぶのか」

 

 

 

「何か言いましたか?」

 

 

 

 石動の問いかけに今度は「いや、何も無いよ」と答えて地平線から昇りゆく朝日を見ながら、今日は早く帰ろうと仕事に手をつけた。

 

 

 

 ###

 

 

 

 マクギリスの方が終わったら次は誰リオ☆某ドウィンこと1期終盤で謎のモンターク仮面によってコクピットを貫かれたはずなのに顔面の火傷程度で済んでいるガエリオ・ボードウィンさんの説得をしたいところなんですが、マクギリスが動かないとなれば、彼も動かないので放置です☆

 モビルアーマーがホモくんの手際のいい処置で何事もなく終わり、マクギリスが火星に降りてこなかったため、マクギリスは彼が生きてる上にラスタルのところにいるなんて知りません。そのため、敵側がマクギリスを破壊する爆弾を所持してることを知らないで「今は地道にやっていこう(意訳)」なんてぬかせてるのですが、これガエリオが生きてるって知ってたら何したんだろ……(未経験)。

 軽く恐怖に戦きながら、その足でラスタル陣営のところに向かいます。

 

 

「やぁ、おつかれ。見事な活躍だったな」

 

 

 なんでヒゲがいるんだ? 君、ラスタルとの繋がりがバレたらまずいんじゃないの? 

 

 

「そんなことは気にするな。ん? それよりジュリエッタは一緒じゃないのか?」

 

 

 ないです。今頃はイオク様の船内じゃないですかね。知らんけど。そんなことよりラスタルの場所を知らないかと尋ねます。

 

 

「あぁ、やつなら整備場じゃないか?」

 

 

 俺も行こうか? と申し出てきますが、好きにしろとぶっきらぼうに答えてさっさと目的の場所に向かいましょう。向かってる際に「狙われたのにもうあのメイドはいないのか?」とか「なら、俺を雇わないか?」とかめちゃくちゃ面倒くさいのでガン無視します。しても「ガハハ! まぁ、お前には必要のない話か!」と勝手に笑って納得してくれました。なんだこのおっさん。

 

 

 

「ん? 星原じゃないか、どうしたこんなところで」

 

 

 ヴィダールやレギンレイズやグレイズといった、アリアンロッド艦隊が保有するモビルスーツがずらっと並べられており、それを見上げながら話していたラスタルがこちらに気付きました。それにつられてガリガリマスクもこちらを振り向きますが、ホモくんと分かって直ぐに視線を逸らしました。

 まぁ、本当はガエリオくんに用があるんですが、ホモくんとは面識がない上にこの前のモビルアーマー調教作業が顔を合わせるのが初めてです。

 ここでミカがいればフルフェイスマスクマンの正体も見破れるのですが、いないのでここはラスタルにいくつかお願いをしておきましょう。

 

 

「なに? マクギリスに反乱や革命の動きはないだと?」

 

 

 

 ないよォ! その気ないよォ! 

 流石のラスタルも怪訝な顔をしますが、ホモくんには関係ないです。でも、ラスタルはそれをなぜ私に? という顔をしてるのでヒゲを使って貶めようとしてたことを突きつけるとなんとも言えない顔をされます。

 

 

「ふむ……なるほど、君がマクギリスを止めてくれたわけか」

 

 

 まぁ結果的にはね? 革命派の動きはわかりませんがね。動いたとしてもこっちには全てをねじ伏せる力の全てが集まってるので簡単に潰せちゃうんだなぁ、これが! 

 

 

 

「待て、それは事実なのか?」

 

 

 おや? 急に喋りかけてきたな……えっと、誰リオさん。事実ですよ。バエルの力だけで世界が変えれるなら戦争なんて起きませんし。

 

 

「ふっ、たしかに」

 

 

 ホモくんの返しにラスタルが失笑すると、某ドウィンは「では、やつの目的はなんだ?」と訊いてきますが……ホモくんに知るよしなどないので、自分で訊けば? と返しておきましょう。

 

 

「……」

 

 

 それが出来たらこんなコソコソしてないわって感じの無言で草。てか、こいつホントになんで生きてるんだ……? 

 でも、これでやることは終わったのでそろぼち火星に帰るとしましょう。ヒゲの人送ってくんない? 

 

 

「ん? あぁ、いいぞ。俺もジュリエッタの顔を見ていきたいしな」

 

 

 

 あわよくば、ホモくんとの挙式も見たいそうです。しねぇよ。まぁ、私が操作してる間はですが。

 

 

「星原」

 

 

 

 去り際にラスタルに声をかけられます。早く帰らせろよ。

 

 

「また暇ができたら肉でもどうだ? 馳走してやろう」

 

 

 お、行けたら行くわ(行かないやつのセリフ)。じゃあ、と軽く手を振るジェスチャーをしてヒゲと共に火星に帰り……おっと、ここでトロフィー獲得です。つまり、エピローグ後も重要キャラの死は回避出来るということか? と言われればそれは分かりません。クリア後もサブストーリーという形で、セブンスターズの若者の喧嘩や、おやっさんのプロポーズ大作戦にラフタのメロメロ大作戦などがありません。大作戦ばっかだな!

 

 

 

 さて、クリアタイムは……21時間10分12秒でした。2期分となればこんなものでしょうか。むしろ、不安要素やガバを抱えながらもよくやった方です(褒めて伸ばす)。しかも、こんな苦行をしたのは私一人なので、私が世界最速。俺がナンバーワンだ。

 まぁ、本当のガバはクリア後からなんですが、RTAはクリアするまでがRTAです。なので、ここからのホモくんの周りで起こる出来事に私はノータッチです。好感度が軒並みホモくん求婚ゾーンに入っているので、ホモくんへの求愛が加速するんですが、ンなの知ったことじゃねぇよ! 

 

 

 

 撮れ高がいいのがあれば、投稿したいとは思いますがね。しかし、ここで終わりというのは時間も中途半端なのでエンディングまで垂れ流しです(手抜き)。

 

 

 

 

 ###

 

 

 

 火星に着いた星原と名前を捨てた傭兵は空港で彼らを出迎えた人間をみてギョッとする。主に星原が。

 

 

「お兄様! おじ様! お帰りなさいませ!」

 

 

 

「おう! ジュリエッタ! 久しぶりだな!」

 

 

 

「はい、おじ様! お久しぶりです!」

 

 

 

 元気に再会を喜び合う2人に対して、星原はうんざりとした顔で車に乗り込むと、ミラー越しに運転手の顔を確認する。

 

 

「お帰りなさいませ、支部長」

 

 

「……まだ帰ってねぇよ」

 

 

 

「そうでしたね」

 

 

 運転手のフミタンにそう言われた星原はため息を吐きながら腕を組む。外で談笑を続けている2人を呼んで乗り込ませるとフミタンが車を走らせた。ジュリエッタに絡まれるのが面倒だからと助手席に乗り込んだ星原であったが、車内という空間上、隣でなくても前後という位置関係であり、ジュリエッタは後ろから星原にあれやこれやと話題を振る。

 

 

「あ、そういえば、挙式はいつにします? お兄様?」

 

 

「挙式も何も、入籍もしてねぇだろ」

 

 

「なんだまだしてなかったのか!」

 

 

 

 オッサンの驚きの声にジュリエッタは頬を染め、星原はシラケた顔で窓の外を眺める。運転しているフミタンはと言うと真顔で安全運転に努めていた。するとしばらくして、星原やフミタンが今ではもはや見慣れてきた農場と、そこを駆け回る巨躯な機体が見える。

 

 

 

「ほぉ、あれが噂のモビルアーマーか」

 

 

 

 聞いてはいたが実際に厄災戦を招いた存在がとうもろこしを栽培している姿は笑えて仕方がない。ラスタルにも見せてやりたいものだと思っていると、地球でも見た赤い華のようなマークが特徴の建物が見えた。

 

 

 

 鉄華団本部はエドモントンの戦いで蒔苗から得た報酬金や海賊退治による懸賞金、アーヴラウからの軍事顧問の要請などから得た金もあって、格納庫などの一部施設の改修に加えて、桜農場やミクスタオーガス商会と提携して事業の拡大を行うなどして、火星の産業に多く貢献していた。これらに加えて、ハーフメタル採掘場の指揮も任されたため、鉄華団の飛躍は止まらない。

 そんな飛躍を疎む者は必ずいるだろう。けれども、今の鉄華団──ここまで団員たちを引っ張ってきた団長、オルガ・イツカに、彼の道を切り開いてきた遊撃隊長の三日月・オーガス、副団長のユージン・セブンスターク、参謀のビスケット・グリフォン、流星隊隊長のノルバ・シノ、筋肉隊隊長の昭弘・アルトランドなどの火星内でももはや知らない者など居ないくらいに有名となった、CGS時代から鉄華団の快進撃に貢献してきた者はもちろん、そんな彼らをタロットカードと戦闘・判断能力で支えてきた死神を擁する鉄華団に喧嘩を売ろうとする命知らずの企業はいない。さらに噂では、セブンスターズ内でも巨大な兵力を持つアリアンロッド総司令のラスタル・エリオンや若いながらも地球外縁軌道統制統合艦隊を取り纏め洗練させたマクギリス・ファリドと繋がりがあり、地球圏にまでその名を轟かせるマクマード・バリストンと火星の武器商人ノブリス・ゴルドンに革命の乙女と名高いクーデリア・藍那・バーンスタインなどと錚々たるメンバーとの繋がりがあるとされており、一度手を出せば死ぬまで追い詰められると言われている。しかも、最近死神にちょっかいをかけた結果、とある企業の重役が揃って消えたという噂は既に周知の事実となっており、今や鉄華団に手を出そうとする者は皆無と言ってもよい。

 

 

 そして、鉄華団をそこまでのしあげた男の帰還に、団長命令で団員たち全員で彼を迎えた。

 他の団員よりも1歩前に出たオルガはすぅと息を吸った。実は星原と直に顔を合わせるのは彼が倒れて病院に運ばれて以来であり、ジャスレイ討伐後も彼は通信で地球に向かうと言ったきりであった。コロニーと地球の連絡線で地球へ行き、よく分からない髭モジャの男と帰ってきた彼にオルガは言いたいことはたくさんあった。

 

 

「よぉ、星原。言いたいことはいっぱいあるが……おかえり」

 

 

 だが、それらを全てを飲み込んでオルガは団員を代表して星原にそう言うと、言われた当人は普段の無愛想な顔から僅かに表情を崩して微かに笑った。

 

 

 

 

「あぁ、ただいま」

 

 

 

 星原の言葉に団員たちは口々に「おかえり!」「おかえりなさい!」と言葉を発していく。オルガはそんな温かい光景を見ながら微笑んでいると隣にこれまで連れ添ってきた相棒が立つ。

 

 

「ねぇ、オルガ」

 

 

「なんだミカ」

 

 

 

「ここが俺たちの辿り着くべき本当の居場所なの?」

 

 

 

「あぁ……そうさ」

 

 

 ミカがいて、ビスケットがいて、ユージンがいて、昭弘がいて、シノがいて、おやっさんがいて、アトラがいて、ヤマギやタカキ、ライドがいて、デクスターとメリビットさんがいて、ハッシュやデインやザックがいる。

 地球に残っているビスケットの兄貴やラディーチェに昭弘の弟達。

 

 

 

「そして、星原・モーリノの全員がいるこの場所が、俺たちの辿り着くべき本当の居場所なんだ」

 

 

 

 きっと鉄華団にはこれからもっと多くの困難が襲いかかってくるだろう。けれども、みんながいるから。みんながいればきっとなんとかなる。オルガにはそんな気がしていた。無論、それは他の団員も同じであり、三日月もまた火星ヤシを齧りながら「そうだね」とオルガの言うことに同意する。

 

 

「何かあっても、ホシのカードでどうにかなるしね」

 

 

 

「……違いねぇ」

 

 

 

 そう言いながら顔を見合せた2人は大笑いした。オルガはそれはもう高らかに。三日月もアトラですら見たことがないような楽しそうな笑顔で。

 それにつられてアトラが笑うと、それは周りの団員にも伝播して大きなバカ笑いが生まれた。部外者であるジュリエッタや傭兵もその様子を見て共に笑うと、フミタンも肩を震わせるくらいに笑っていた。

 そして、星原・モーリノもまた朗らかな笑顔で笑っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それはそうと、これは余談なのだが。

 

 

 

 

「は? 離婚した?」

 

 

 

「うん、そう」

 

 

 

 バカ笑いからしばらくして、バティンの様子をと整備庫に寄った星原は何故かタービンズに戻ったはずのエーコの姿を見かけて、思わず声をかけた。なんでここにいるのかと尋ねてみれば返って来た言葉は淡白であったが、星原には瞬きを数度繰り返すほどには意外であった。

 

 

 

「……確認だが、名瀬と何かあったのか?」

 

 

 

「あったっちゃぁ、あったかな」

 

 

 

 どういうことだと首を傾げる星原にエーコは「言わないっ」と踵を返すとバティンの整備へと戻る。

 分からねぇ……と頭を掻きながらオルガに詳細を尋ねようと整備庫をあとにした星原をちらりと見遣りながらエーコはジャスレイ討伐後に名瀬とアミダに言い渡されたことを思い出す。

 

 

 

『お前らは俺よりもいい男を見つけたみたいだな』

 

 

 

『どっちも一筋縄じゃいかないだろうけど、しっかりね』

 

 

 

 背中を押される形で、鉄華団へやってきた、というより戻ってきたエーコは"名瀬の奥さん"という肩書きを外れて、バツイチという肩書きつきであるが独身という官職を手に入れることが出来た。別に名瀬は悪くないし、むしろ感謝したいくらいで、彼のエールに応えるべく「あとで話すだけ話してみようかな」とエーコは彼に伝えるべき言葉を考えながらバティンの整備を行う。

 

 

 

 

 

 なお、同時刻に昭弘の部屋にラフタが訪ねたのだが、それはまた別の話である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ###

 

 

 

 

 

 oh.ホモくんがノンケになっちゃう〜〜!!? まぁ、フミタンにキスしてる時点でノンケなんですが……。なんだこの魔性の男。いや、私は悪くないですよ? 全部ホモくんが悪い。

 女の子だけでもエーコとフミタンにジュリエッタがいるのに、団長やサヴァランも地味にヒロイン候補とか……ヒロインの定義がこわれるこわれる……。

 

 

 でもまぁ、オルガのみんなでバカ笑いがしたいという夢が叶ってよかったんじゃないかって思いますね。

 

 

 

 それでは、RTAはこれにて。

 また機会があればお会いしましょう。それでは! ご視聴ありがとうございました。




これにてRTAは終了です。今までの愛読ありがとうございました。え? 愛読はしてない? そっかぁ……。

書いたきっかけは、まぁランキングがRTAモノばかりだったのと、本編の終わり方に文句があったのでもう少し良くは出来ないかと思ったのが始まりです。まさかここまでお気に入り登録や評価をいただけるとは思ってませんでした。ありがとうございます。

これにて彼らの物語は終わり! ん? エーコとかフミタンの話はって?
続きが書けなくなったからないよォ! わかんねぇよォ! ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!!!!




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エピローグ

読者も増えて、評価も上がっていたので感謝の気持ちも込めて。
以前書いていたエピローグは消してしまいましたが、書きたかった結論はこの話になりまする。


 

 鉄華団───────決して散らない鉄の華の意を込めて、オルガ・イツカ団長が命名した少年兵達によって組織された民兵組織だ。元は火星の民間警備会社「クリュセ・ガード・セキュリティ(略してCGS)」を前身としていた。

 その中にいた参番組の少年兵達。彼らは非正規兵と言う立場にある事から、CGSの大人達に不当な扱いを受け、時として困難な任務に従事させられていた。

 しかし、彼らに転機とも言える時がやってくる。CGSがクーデリア・藍那・バーンスタインの護衛任務を請け負ったのだ。表向きはクーデリアからの依頼であったが、裏ではクーデリアの父とCGS社長のマルバ、そしてギャラルホルン火星支部の支部長との癒着があったのだが、それは置いておこう。

 ギャラルホルンの襲撃、その混乱から起こった会社幹部や、正規部隊の逃走未遂を経て、オルガ達がクーデターによって使えない大人たちを駆逐した。反抗的な者はオルガの相棒である三日月・オーガスによって射殺され、残りのメンバーは退職金を持ってCGSから離れていった。

 これにより、オルガは会社の実権を握った事で鉄華団を設立。以降、クーデリアを地球に送り届け、その功績が買われてアーヴラウの軍事顧問となり地球支部を設立。また宇宙海賊である夜明けの地平線団を壊滅させた他、経済圏同士の戦争の鎮圧、火星に眠っていたモビルアーマーの従属化やテイワズ幹部の起こした反乱も犠牲者を出すことも無く終わらせた。

 もはや、火星どころか地球でも知らない人はいないという程にまで成長した鉄華団。入団者は続々と増える一方で、彼らへと嫉妬の怨嗟を向ける者もいる。しかし、誰一人として彼らに牙を向ける者はいなかった。何故ならば鉄華団には2人の悪魔がいるから。しかも、その片方のもう1つの異名は"死神"だった。

 

 

 ###

 

 

 一躍有名企業となった鉄華団本部のオフィスにて、鉄華団副団長であるユージンは1人の男を探していた。地球支部を束ねていた長は、アーヴラウからの軍事顧問を解かれたのを機に、休暇をとると火星に戻ってきては経理と参謀の妹たちに占いを教えたり、その祖母の畑で好物であるベビーコーンを育てようとしたり、畑にいる殺戮兵器を手懐けては芸を仕込んだりとやりたい放題であった。

 しかし、有能な人材であることには変わりないため、鉄華団では彼に声をかけるものや、相談をしようとその姿を探す者も多い。ユージン副団長もまたその1人であった。

 

 

「なぁ、シノ、死神さんはどこほっつき歩いてんだ?」

 

 

「三日月と賞金首退治だとさ」

 

 

「またかよ……」

 

 

 流星隊隊長であるノルバ・シノは副団長からの問いかけに簡単に答えた。鉄華団の悪魔と死神は戦いが無くなったというのに、暇だからという理由でお得意のタロットカードで賞金首の居場所を突き止めては2機のガンダムフレームで殴り込みに行っている。おかげで鉄華団は護衛任務や提携している桜農場やハーフメタル採掘場での収入以外にも、お金がわんさかと入ってきている。

 

 

「ったく、俺も行きたかったなー。流星王が出撃したのなんてもう半年前だぜ?」

 

 

 流星王ことガンダムフラウロスはジャスレイ討伐以降の出撃はなく、鉄華団の所有するモビルスーツ保管庫に鎮座したままである。それはシノが新人教育を任されているからであり、あまり手が空いていないことに起因している。

 

 

「ハッシュは三日月についていくし、昭弘はラフタさんとイチャイチャ。タカキは妹のことで忙しそうだしなぁ……」

 

 

 残りの人材でシノの代わりに新人教育を任せられるのはライドくらいなので、シノと交代制で行っているが、如何せん最近の入団者には大人も交ざっているため成長期途中で背の低いライドは舐められがちになる。それも気まぐれな誰かがどうにかしてくれたおかげで新人教育も円滑に行えているのだが。

 

 

「そういや、なんで死神サンを探してんだ?」

 

 

「あぁ、そのまぁ、見合いの話がな……」

 

 

「またかよ」

 

 

 鉄華団が一躍成長を遂げた背景には、地球支部支部長にして、相談役という立場にいる星原・モーリノの功績が大きいとされており、彼との繋がりを持とうとする企業や個人は数多く存在した。自分達の組織が大きくなったことで見聞を広めたユージンは手にした見合いを志願する女性たちの名前や所属企業全てに見覚えがあり、1人くらいくれねぇかなと顔を顰めた。

 

 

「あー、この人おっぱいでけぇしいいんじゃねぇの?」

 

 

「あの人の趣味じゃないだろ」

 

 

「は? 男はみんなおっぱい好きだろうがよ」

 

 

「なんでちょっとキレてんだよ」

 

 

 分からなくもないけどとユージンは首肯しそうになるのを堪えて口を開く。

 

 

「胸がでかい女が好きなら、それこそフミタンさんとかエーコさんと付き合ってんだろ」

 

 

「あー、たしかにな」

 

 

 2人の前では言えないが、あの2人は胸がでかい。ただ片方は星原よりも歳上で、もう片方はバツイチだ。そういう点がマイナスポイントになっているのかと2人は揃って首を傾げた。

 

 

「胸もなくて歳下でまっさらなやつならいるけどなー」

 

 

「ジュリエッタか」

 

 

 自称星原の妹にして、最近ではフィアンセと名乗るようになってきたギャラルホルンでもトップの兵力を持つアリアンロッド総司令ラスタル・エリオンの直属の部下ジュリエッタ・ジュリス。彼女の顔を思い出したユージンはその名を声に出した。

 

 

「たしかアイツからも見合いの話来てるんだよな」

 

 

 それもラスタル・エリオンからの紹介で。鉄華団としては、付き合いはないにしても是非ともパイプを作っておきたい相手ではある。しかし、ラスタルは鉄華団を懇意にしているマクギリスの政敵であり、両者と繋がりを持ってしまうとどちらもいい顔をしないだろうとユージンは思い至った。

 

 

「このおっさん、死神サンとは仲良いんだろ?」

 

 

「あぁ、この前焼肉行ったらしいぞ」

 

 

 しかも、政敵であるマクギリスも連れて。行かなくて良かったと胸をなで下ろしていたオルガの顔は記憶に新しい。

 なお、そのマクギリスも個人的に星原の力を欲しているのか、彼の部下を見合い相手に出してきていた。一体この男何者なのかと思うユージンだったが、大富豪で負かされ続けてからは考えるのはやめた。

 

 

「結局、誰と付き合うんだろうな」

 

 

「全員とくっつくのもありだと思うけどな、俺は」

 

 

 火星には重婚を否定する法律はない。同性婚も一般的であり、地球よりもかなり自由な法制度になっている。そろそろ、鉄華団の悪魔が調理担当と火星でも名の通った政治家と結婚するのではないかという噂も立っている。

 地球支部のメンバーも星フミ、星エーと派閥が分かれており、ラディーチェやサヴァランのような彼らに近しい者はシノのように2人共嫁にすればいいのではと言うものも多い。ジュリエッタ? 勝手についてくるでしょ。

 

 

 ###

 

 

「で、どうすんの?」

 

 

「どうするって言ってもな……」

 

 

 賞金首退治も終わり、ギャラルホルンへと身柄を渡し、低軌道ステーションで一泊することが決まった鉄華団の悪魔と死神は軽食を摂りながら雑談を交わしていた。

 

 

「エーコもフミタンも、ジュリエッタっていうのもホシのこと好きだと思うよ」

 

 

「それは知ってんだよ」

 

 

 見合いの話は三日月の耳にも入っており、それを鬱陶しがってなるべく本部にいないようにしている星原に「早く相手決めれば?」と言ったのが会話の始まりである。

 察しのいい星原は3人の気持ちには気付いていた。生きる理由を作ってやるためにフミタンにキスをしたことや、エーコを褒めるつもりが口説きかけたこと、幼いジュリエッタを甘やかしすぎたことが押し寄せてやってきていた。加えて、他企業や個人からの見合い話も相まって本部にいる時は「どうするの?」とエーコに上目遣いで尋ねられ、「私はいいですよ、別に」とフミタンに拗ねられ、「私こそがお兄様の相手にふさわしいです!」と強烈すぎるアプローチを仕掛けてくるので逃げるために心休まるグリフォン家に訪れたり、賞金首狩りをするという名目で火星から離れていた。

 

 

「結婚? はしたいの?」

 

 

「別に」

 

 

 家事全般は傭兵時代にできるようになっていたし、帰る家に誰かがいようがいまいが寝るだけなので星原には必要のない話だった。彼の趣味であるトランプは鉄華団にいればできる上に、相手も豊富に揃っている。また本部にいれば調理担当に飯を作ってもらえるし、宇宙に上がっておじさんたちにたかりに行けばいいメシが食わせてもらえるのだ。

 

 

「女の人に興味無いの?」

 

 

「ガキの頃に散々楽し……ってお前、今日はなんか色々聞いてくるな」

 

 

「普通でしょ」

 

 

 そう言う三日月のポケットには高そうなチョコレートの包みが多く入っており、誰かに聞くように頼まれたのは明白であったが、星原がいる方とは逆のポケットに入っているため気付かれてはいなかった。

 

 

「楽しんだって何したの?」

 

 

「……本部に帰ったら教えてやるよ」

 

 

 たしか帰る頃にはクーデリアも時間が空く頃だからちょうどいいだろうとトランプをシャッフルしながら呟く。

 

 

「じゃあ、男の人は楽しんだの?」

 

 

「いたぶる方面ではな」

 

 

「今と一緒じゃん」

 

 

 男の趣味はないのかと三日月は記憶するも、いたぶるのは好きそうなので恋人ではなくシノやユージンの言っていたSMならいけるのかと考えた。

 

 

「そういえば、昭弘ってどうしてるの?」

 

 

 この前はいたのに、今回の賞金首狩りには参加しなかった仲間のことを思い出して三日月が問いかけると「それは本部に帰ったらわかる」と星原は言明を避けた。

 

 

「なんか平和だね」

 

 

「さっきまでいつ死んでもおかしくはなかったがな」

 

 

「俺たち2人に勝てるのなんてそういないでしょ」

 

 

「だな」

 

 

 三日月の言葉に答えながらタロットカードを捲り、"運命の輪"の正位置を引いた星原はニヤリと微笑んだ。ステーションからは火星が見え、明日には降りる手筈になっている。帰ればまた見合いがどうだのと言われることを考えると星原は誰かとくっついた方が建設的かもしれないと顎に手を添えた。その様子を見て三日月は口を開いた。

 

 

「どうしたの?」

 

 

「いや、考えてみるかと思ってな」

 

 

「結婚?」

 

 

「あぁ」

 

 

 するとしたら誰とするかを考えたが、めんどくさくなってなんならもう全員でもいいかと星原は肩をすくめた。問題は受け入れられるかと結婚しようと思った理由についてだが、その辺はその時の自分に任せようとタロットをしまう。

 

 

「メシ行こうぜ」

 

 

「うん」

 

 

 これから鉄華団やオルガ、三日月や星原の周りで何が起こるかは分からない。けれども、血よりも深い鉄の絆で結ばれた自分達なら何があっても大丈夫だと鉄華団を始め、彼らと関わりの深い人間はそう思っている。

 何故ならば、止まらずに進み続ける限り、道は続いているのだから。

 

 

 

 

 




止まるんじゃねぇぞ…

流星王は誤字では?→本作ではフラウロスくんは流星王で合ってます


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エピローグ2

RTA違いで進撃の巨人に投稿したのはこの話〜!


 

 火星の鉄華団本部には数多くの従業員が勤めている。発足当時の鉄華団には星原や雪之丞や経理のデクスターを除いては子供しかおらず、全員が自分の役目を全うすることに必死だった。しかし、初期メンバーは上司となり、新しく入ってくる部下たちの育成に奮闘している。

 新人の肉体面を育てるのはシノとライドの仕事で、経理や事務仕事はデクスターや地球支部から帰ってきたサヴァランやラディーチェが補佐を行っている。そして、獅電のパイロット候補たちを育て上げるのは昭弘やチャドといった元ヒューマンデブリたちの仕事となっていた。本来は元地球支部の長と鉄華団の悪魔がやるべき仕事だったのだが、その2人は今は宇宙でギャラルホルンも手を焼く海賊や賞金首をタロットで探し出しては捕まえに行っており、火星にいることが少なくなっていた。

 

 

「よし! 今日はここまでだ!」

 

 

 昭弘が新しく獅電のパイロットに任命された団員たちに一日分のカリキュラムを終えさせる号令をかける。昭弘の指導はやや直線的なところはあるが、しっかりと伝えようという熱意と、死んで欲しくないという想いがひしひしと伝わってくるため、たとえ筋トレだけのメニューがあったとしても反感を持つ団員はいない。

 ただ1つ、言いたいことがあるとすれば。

 

 

「おつかれ、昭弘」

 

 

「あぁ」

 

 

「今日はどうだった?」

 

 

「ん? どうって、いつも通りだが」

 

 

「そうじゃなくてお弁当! 今日は昭弘が好きそうなやつ多めにしたんだけど」

 

 

「いや、いつも通り美味かったが……」

 

 

「いつも通り……?」

 

 

「あ、いや……」

 

 

 新人たちがパイロット候補になるまでに6ヶ月かかっているのだが、その間に見せられたのは隊長の鈍感さと、鉄華団と義兄弟の盃を交わしたタービンズの頭領である名瀬・タービンの元妻であるラフタの猛烈なアプローチを毎日のように見せられていることである。

 昭弘は元ヒューマンデブリのため、女性に対しての免疫が少なく、また鉄華団のメンバーがそもそも男所帯であり、おまけに家族と思っているため、恋愛感情というものが芽生えなかった。それはタービンズの女性たちと関わることになっても相変わらずであり、共に死線をくぐり抜けてきたラフタのことを昭弘は好きではあるが、名瀬の言うところの愛しているという感情は持ち合わせていなかった。

 それに対してめげずに、何度もアプローチするラフタに対して同情したり、いい加減気づけよ筋肉野郎と昭弘に対して荒んだ目を向ける者も少なくはない。だが、まだ入って半年の自分たちが突っ込むべきところではないだろうと、偉大な先輩たちの介入を期待していたのだが、その先輩たちにも色々と難があるため、難しそうだと勘付き始めたのが最近のことである。

 まず、鉄華団に所属する女性団員を紹介しよう。最初期に加わったのは炊事洗濯係のアトラ・ミクスタだ。彼女は鉄華団の悪魔こと三日月を好いている。これには三日月も気付いており、三日月もアトラのことを思っているので問題はない。鉄華団のメンバーではないが、三日月を想う者にアトラの親友であり、火星独立運動の旗印であるクーデリアもいるが、アトラと三日月が受け入れているためなんの問題もない。火星は同性婚も重婚も認められているのである。

 次にタービンズからの出航組にして、ジャスレイ粛清後にそのタービンズから鉄華団やってきたラフタとエーコである。ラフタはモビルスーツパイロットとして、エーコはメカニックとして鉄華団に力を貸している。彼女達は名瀬から庇護を受ける形で妻となっていたが、名瀬以上に好きな人物が出来たため、名瀬とは合意の上で離婚し、鉄華団へとやってきた。彼女らの好きな人物はラフタは前述の通り昭弘で、エーコは星原である。前者は鈍感故に気づいていないが、後者は気付いていながら明確なアプローチがないからと躱している。それでも好意を表し続ける2人には感服の意を表する者は多い。

 他にはテイワズからの出向でやってきたメリビットがおり、子供たちばかりで突き進むばかりの彼らを心配し、その度に1人の大人として整備班のリーダー雪之丞と共に支えていった。なお、その雪之丞はタロットを持つ男性に焚き付けられてメリビットにプロポーズしている。最近、メリビットの姓が変わった。

 そして、フミタンは元々はクーデリアの護衛であったが、クーデリアを謀殺する狙いがあった人物の手駒であったことが露見してからそばに居づらくなったという建前で彼女の元から離れた後、鉄華団一の自由人のお目付け役を欲しがっていた団長のオルガに拾われる形で鉄華団へと入団した。地球支部長秘書であったが、地球支部から離れたため暇を持て余しており、今現在はデクスターたちと共に鉄華団の事務作業を手伝っている。ちなみに彼女も星原に好意を持ってはいるが、歳や身の上のこともあってアプローチなどは行っていないがバレバレである。気付いていないのはチャドと昭弘くらいである。

 

 

「どうして気付かないかなぁ」

 

 

「でも、美味しいとは言ってくれたんでしょ? じゃあいいじゃない」

 

 

「えーけどさぁ」

 

 

 その女性陣たちが夕食が終わったあとの食堂で月1の女子会を行っていた。新婚の1人は欠席だが、ラフタが今日のことを項垂れながら口にするとエーコが口を開く。それにラフタは唇を尖らせて不満を露わにするとアトラは苦笑交じりに言った。

 

 

「確かに感想が淡白だと、なんかこう、本当に美味しかったのかなって不安になりますよね」

 

 

「それ!」

 

 

 アトラの言葉に激しく同意と指を指すラフタ。しかし、エーコは首を傾げていた。

 

 

「えー、別に残さず食べてくれるならよくない? 残されてたら美味しくなかったんだーってなるけどさ」

 

 

「星原さんは美味しかったとか言わないんですか?」

 

 

「あー言わなさそう」

 

 

 どうなの? と星原の食事を作ったことがありそうな2人に視線を送ると、先にフミタンが答えた。

 

 

「言いますよ」

 

 

「言うよ」

 

 

 続いてエーコが言うと、訊いた2人は意外そうな顔をしたが、そのうちの1人が思い出したように口を開いた。

 

 

「あ、私も言われたことあります……」

 

 

「ホントに?」

 

 

 言わなさそうと懐疑的な目をするラフタに、言われた3人はその時のことを語る。

 

 

「なんか食器とか弁当箱渡す時に言うんだよ。タロットカード出しながら」

 

 

「私の時もそうですね」

 

 

「私も」

 

 

「あいつはタロットがないと喋れないの……?」

 

 

 まぁ、美味しいって言われないよりはいいのかなとやや納得はいかないものの話を飲み込んだラフタは話の矛先を三日月へと変えようと思ったが、結果を知っている上に惚気話を聞かされると夜眠れなくなるからと聞くのをやめた。

 

 

「はぁ……どうやったら気付くかな?」

 

 

「うーん、難しそうですね」

 

 

 頭を抱えるラフタに腕を組みながら昭弘がラフタの気持ちに気付く可能性を探るアトラ。

 

 

「普通に言えばいいじゃん」

 

 

 そこに正論をぶつけるエーコ。

 

 

「それはなんか違うかなって。できたら昭弘の方から、言って欲しいっていうか……」

 

 

「なんだお前、 俺のこと好きなのか……って?」

 

 

「いやそういうことじゃなくて!」

 

 

 なんていうのかなー! と言い方に悩んでいるラフタに年長者のフミタンが呟いた。

 

 

「そもそも昭弘さんに恋愛感情があるのかが怪しいと思いますが」

 

 

「えっ」

 

 

「確かに身体触っても最初は恥じらってたけど、最近は気にしなくなったよね」

 

 

「えっ?」

 

 

「鉄華団のことは家族だと思ってるからですかね?」

 

 

「えぇ?」

 

 

 薄々そうだとは思っていたけどまさかそんな……と打ちひしがれているラフタに言葉の出なくなった3人はそっとしておこうと目を合わせると、話題を変えることにした。

 

 

「そういえば、お2人は星原さんから連絡来ました?」

 

 

「えぇ、明日には帰ると」

 

 

「私のところにも来たよ」

 

 

 2人の回答に「やっぱり!」とアトラは嬉しそうに手を合わせた。この様子だと三日月からも来たんだろうなと察した2人は微笑ましげにアトラの話に耳を傾けた。

 

 

「明日は私のご飯が食べたいって。あと、それから星原さんが何か教えてくれるらしいんです」

 

 

「ホッシーが?」

 

 

 何だろうと3人で顔を合わせるも出てくるのがタロット占いのやり方か、トランプの勝ち方くらいしか出てこない。

 

 

「お2人は何か言われましたか?」

 

 

「私はバティンの整備よろしくって」

 

 

「私は報奨金をギャラルホルンから受け取るようにと」

 

 

「えぇ……」

 

 

 なんか思ってたのと違うと顔を顰めたアトラだったが、いつもこんなもんだよとエーコが言うとフミタンも頷いた。

 

 

「食事に関しては元傭兵だからか、食えるだけでもありがたいと思っている人なので」

 

 

「何作っても最後には美味いって言うしね」

 

 

 タロットを出しながら。

 これは社交辞令的なものではとアトラは訝しんだが、そんなことは2人も当然承知の上である。

 

 

「好き嫌いないから助かるし、残さずに食べるから私は気にしてないよ」

 

 

「あっ、三日月は好き嫌いあるから、ちょっと困るかも……」

 

 

 基本的に生物は好まないため、三日月のご飯には割と気を遣うアトラは2人にその苦労がないことを知ると、そっちの方が楽でいいかもと思い始めた。

 

 

「でもあいつの方が料理上手いんだよね……」

 

 

「えっ、そうなんですか?」

 

 

「はい……地球で彼の家で食事をしたのですが」

 

 

「えっ? 星原さんの家で……? 3人だけで?」

 

 

「サヴァランさんもいたよ」

 

 

「あっ……それで、その時に星原さんがご飯を?」

 

 

 アトラの問いに首肯した2人はそれぞれその日のことを語る。

 

 

「お前らは客だから大人しくゲームでもしてろと」

 

 

「それでめちゃくちゃ美味しいカレーが出てきてさ、もうびっくり」

 

 

 また食べたいなと思いつつも、あれを超えられないものかと首を捻る2人の間に金色の髪が揺れた。

 

 

「それはそうですよ! なんて言ったってお兄様のご飯は絶品ですから!!」

 

 

「うわっ!?」

 

 

「ジュリエッタさん……!?」

 

 

 どうしてここにと驚くアトラに、ようやく復活したラフタが顔を上げると「また来たのか……」と呆れ顔で夜になっても自信満々な笑みを浮かべる少女に目を向ける。

 

 

「アンタも食べたことあるの?」

 

 

「はい! 私とお兄様がおじさまのところにいた頃に!」

 

 

 傭兵時代はご飯が食べれる時もあれば、そうでない時があったが、ジュリエッタが加わってからはしっかり食べるようになったという。だが、男性ばかりで味気ない食事にジュリエッタが駄々をこねると、星原が人の気配のなくなった民家などからレシピ本を盗むとそれを見ながら色々作ってくれたという。

 

 

「いい話ですね」

 

 

「なるほど、そんな幼少期からたらしこまれてたのか……」

 

 

 アトラの感想とラフタの感想は違っていたが、愛しの兄が褒められたと解釈したジュリエッタは無い胸を張って得意そうになる。

 

 

「レシピ本を見ただけであんなカレーが? 妙ね……」

 

 

「まぁ、多人数に、しかも子供向けに美味しいものを作り続けていれば上達も早いでしょう」

 

 

 それなのに自分たちの飯を文句も言わずに、最後には美味しかったと手を合わせていくのだからタチが悪いとフミタンはため息を吐いた。それを気にせず、未だに得意げになっているジュリエッタは4人を見下しながら微笑んだ。

 

 

「ふふっ、お兄様はすごいんです」

 

 

「それは知ってる」

 

 

「なっ!?」

 

 

 驚いたジュリエッタだったが、そりゃ私のお兄様ですし? 誰が見てもすごいと思うのは当然ですよねと言い聞かせる。

 

 

「てか、アンタ何しに来たの?」

 

 

「はい、たわけ……じゃなくて、イオク様のお目付け役を免ぜられたので癪でしたけどお兄様と少しでも長くいられるならとマクギリスに手を借りてギャラルホルン火星支部に配属してもらいました!」

 

 

「え? は……?」

 

 

 あのラスタル様はどうしたと4人でジュリエッタを見上げていると、気づかないのかジュリエッタは「ふふん」と鼻を鳴らしている。

 

 

「あの、アリアンロッドはいいんですか? ラスタルさんの矛なんですよね?」

 

 

「はい! お兄様のおかげでアリアンロッド艦隊が出撃するようなことも減りましたし、ラスタル様にはヴィダールと髭のおじ様がいますから!」

 

 

 私が居なくても安心ですと付け加えたジュリエッタに4人は「あ、そう……」とシラケた顔を浮かべた後、チカチカと点滅する蛍光灯を見上げた。

 

 

「もう寝よっか」

 

 

「ですね」

 

 

「うん、私も」

 

 

「では、私も」

 

 

 エーコが切り出すと、アトラが頷き、ラフタとフミタンも席から立ち上がる。4人は食堂の電気を切って、自分達の寝室のある2階へと上がっていく。アトラは戻ってくる三日月に美味しいご飯を作るため、エーコは戻ってくる星原のバティンを整備するため、フミタンもまた星原を出迎えるため、そしてラフタは昭弘に自分の気持ちに気づいてもらうために明日も頑張ろうとベッドに入って目を閉じた。

 そして、ジュリエッタは匂いを頼りに星原の寝室に行こうとしたが、ここしばらく帰ってきてないのと、寝る時はグリフォン家にいるため匂いがあらず、途中で帰った。

 

 




たった数分で感想めっちゃ来てんじゃんって思ったら投稿ミスだった件。またひとつ伝説を作ってしまった。ガハハ。間違えないようにどっちか消すか……(思考放棄)


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#焼肉

眠れないので書きました。寝かせてくれ、俺の身体……!


 

 

 ジュリエッタから彼の話を聞いた時の私は夢や絵本といった架空の人物の話だろうと思っていた。しかし、話を聞いているうちに友が話していた面白い奴と当てはまっていき、私は目を細めていた。

 字の読み書きが出来、家事全般をこなせたのは友の率いる傭兵団の中でも最年少だったからであった。面白い趣味をしていたからという理由で拾った友は、少年に世界を教え、戦場を教えた。そして、わずか数年でモビルスーツを乗りこなし、白兵戦も長期戦にならなければ我が友と並ぶ程の腕前になった少年はある日を境に傭兵団から姿を消したという。

 

 

「あの時は流石の俺も驚いた」

 

 

 傭兵団を抜けるとは言ったそうだが、行き先は言わなかったらしい。行くあてもないだろうからとギャラルホルンに推薦したが、聞いていた名前の人物がギャラルホルンにやってくることはなく私は首を傾げた。

 それから幾許かの年月が流れて、届いたのは火星独立運動の知らせ。厄祭戦を終え、地球や月の統治活動をしているギャラルホルン以外では士気も練度も足りずに、各コロニー内で暴動が起きてしまった。その一部を諌めてもらうために、彼らにも裏で働いてもらった。ギャラルホルンでは手が行き届かない組織や人間の始末。傭兵団に頼む仕事ではなかったが、信頼のおける彼にしか頼めないものだった。

 だが、火星の独立運動は成功した。ハーフメタル利権を手に入れ、クーデリアは地球でも名の通った革命家となった。

 さらにそれから1年、火星独立運動を推し進めるクーデリア・藍那・バーンスタインを地球に送り届けた火星の武装組織、鉄華団。地球にまで活動を広め、私の政敵であるマクギリス・ファリドと知己のある組織。ギャラルホルンに頼らない軍の編成や、夜明けの地平線団を壊滅させるといった活躍はマクギリスとの繋がりがなくとも私にとっては目障りな存在だった。

 しかし、構成員のほとんどは子供。潰すのは容易いが殺すほどでもない。仲間を数人失うことになるが、少々痛い目に遭ってもらって身の程を知ってもらおうと思ったが。

 

 

「まさか、この私が知ることになるとはな」

 

 

 我が友の策略はことごとく外れ、しかもいつの間にか違う人間の立てた脚本にすり替わっていた。その脚本の著者こそが、我が友が育て、ジュリエッタの慕っていた男にして、鉄華団地球支部長、星原・モーリノという男だった。

 友いわく、名前は変えていたが見た目は背が伸びただけであまり変わっていなかったそうだ。しかし、所詮は子供の集まりであり、また間者として利用しようとしたラディーチェから得られた情報では大したことない男だと自らの情報収集を怠ったことが友の敗北だった。

 瞬く間に事態は終息し、その功労者は私の前へとやってきた。細身の体に逆立った紫色の髪。寒がりなのか首に巻かれた長いマフラーが特徴的なキザっぽい雰囲気のある男というのが私から見た彼への第一印象だった。

 1対1で話がしたいと言った星原に、友は薄く微笑んで部屋から出る。頼み事があるとは聞いていたが、なんだろうかと平静を装いつつも私は身構えた。彼には友と私の繋がりを示す証拠が握られており、強請るには格好の好機だろう。しかし、彼は私にイオクの動きを止めて欲しいと宣った。それに私は訝しんだ。理由を聞けば火星でモビルアーマーらしきものが発見されたから。それだけで? と私は彼へと問いかけた。理由としては弱すぎる。モビルアーマーが見つかっただけでイオクが飛び出すとは思えない。だが、彼は1枚のタロットカードを引き抜いた。これが理由だと。未熟で早計なイオクでは何をするか分からないと。バーナム効果と言うやつだろうか、言われてみればそうだがと頷きはするも鉄華団の陰にいるマクギリスの存在がチラついている私はイオクを向かわせないにしても、何かしらの手は打とうと策を巡らせた。しかし、星原はマクギリスにも同行させないと言ってきた。それでいて、イオク以外なら私の部下を来させてもいいと。わけが分からないと瞬きを繰り返す私に、次喧嘩売ったら殺すと遠回しに告げた星原は私に背を向けた。

 なるほどと私は友が見せた微笑みと同じものを浮かべていた。友の言葉も、ジュリエッタの思い出も決して過大評価や空想ではなかった。あの男は間違いない。本物だ。そう確信できた。それは以後の活躍でも見て取れた。生まれる時代が早ければアグニカ・カイエルにも並ぶ英雄にもなったかもしれない。そんな男だった。

 そして、私は決めた。ボードウィン卿のように子宝に恵まれず、ファリド公のように後ろ盾を磐石にするでもなく、ただ次代を残して死ぬ予定だった私にも、手元に置いて見ていたい者ができた。彼なら、星原・モーリノならば、私が作ろうとした社会を、世界を作れるかもしれないと。

 だが、私には子がいない。彼と私を結びつける繋がりがない。養子に迎えようにも、彼は気味悪がるだろう。ならばと、彼に恋慕の情を向けるジュリエッタを娘に迎えて、彼と婚約させればと考えたが……やはり、無理があったかと他の策を練る。

 

 

「あ、おじさま、ラスタル様! 私、結婚することになりました!」

 

 

「ラスタル様!? アァアカチャンッッ!?」

 

 

 月に一度の焼肉会で唐突にジュリエッタにそう言われて、私は持っていた串が手から離れていった。それをイオクが慌てて取ろうとするも、串の先端が刺さって悲鳴を上げるイオクへの心配の言葉よりもジュリエッタの報告が気がかりだった。

 

 

「おっ! やっとか!」

 

 

「はいっ! やっとお兄様も私を1人のレディとして認めてくれました!」

 

 

 話を飲み込めていない私と違って我が友は上機嫌にジュリエッタと杯を交わすと自分の事のように喜ぶ様が見えた。

 

 

「おい、ジュリエッタ」

 

 

「なんですかヴィダール……じゃなくて、ええっと……」

 

 

「ヴィダールでいい。それで、彼は君の婚約者を知ってるようだが、相手は誰だ」

 

 

 マクギリスが動く気は無いと知り、更には星原からバエルを使ってギャラルホルンと世界を変えるという子供の描いた幻想のような計画を聞いたヴィダールは復讐への気持ちも薄れ、公の場以外では仮面を外すようになった。そんな彼もジュリエッタの婚約者が気になるのか、尋ねる。

 

 

「お兄様に決まってるじゃないですか」

 

 

 何を言ってるんですかと真顔で返したジュリエッタに、ヴィダール……いやガエリオは私の方へと目を向けた。

 

 

「私も今知った。……ジュリエッタ、その話はいつ」

 

 

「一昨日の夜です! お兄様が火星支部の宿舎まで来てダイヤのリングをくれたんです!」

 

 

 ほら! と輝くダイヤのついた指輪という見慣れないものをつけているなと思っていたが、まさか彼から貰ったものだったとは。

 

 

「そうか、それは……よかったな」

 

 

「はい!」

 

 

 寝る間も惜しんで彼とジュリエッタをひっつける方法を考えたというのに、まさかあちらから動くとは。まったく、我が友のことを余計に責められなくなってしまった。私の書いた脚本は捨てるしかないようだ。

 

 

「うむ! めでたいなジュリエッタ! それで式や披露宴はどうするのだ!?」

 

 

 痛みが引いたのか復活したイオクが祝辞を述べると、ジュリエッタはパクリと焼きとうもろこしを咥えながら言う。

 

 

「にゃんですかそれ?」

 

 

「なんだ貴様知らないのか。いいか、結婚式というのは結婚したという式のことだ!」

 

 

「ひりょうえんは?」

 

 

「物を食べながら話すな! まぁいい! 新婚だからな許してやろう! 披露宴と言うのは披露する宴のことだ!」

 

 

「まんまですね」

 

 

 字面だけを見ればそうだし、間違ってるとは言えないが……披露宴に関しては他に言い方があっただろうと苦笑してしまう。

 

 

「何はともあれめでたいことだジュリエッタ。おめでとう」

 

 

「ありがとうございます! ラスタル様!」

 

 

 ピョンピョンとその場で跳ねるように嬉しさを表すジュリエッタに微笑みがこぼれる。

 

 

「よし! ならば、今日は祝宴だ! 特上の肉を焼くぞ!」

 

 

「今すぐお持ちしますラスタル様!」

 

 

「では、野菜は俺が焼きましょう」

 

 

「 よし、新郎も呼んでやろう!」

 

 

 一同が盛り上がる中、ジュリエッタは食器を置いて、我々へと口を開いた。

 

 

「あ、お兄様……じゃなくてだーりん? は来ないと思いますよ」

 

 

「む? 何故だ? というか、今日も呼んだのに来てないではないか!」

 

 

 友の言う通り、この前マクギリスと共に招いた時の帰りに今日も来てくれると嬉しいとは言ったが……。賞金首退治で忙しいのだろうと思っていたがどうやらそういう訳でも無いらしい。

 

 

「今日はエーコさんの日ですので! 私は明日なので!」

 

 

「……?」

 

 

 男性一同何を言っているのか分からないと顔を見合わせると、友は合点がいったのか「まさか!」と声を上げた。

 

 

「はい、だーりんは人気者なので、私とあと2人の女性と結婚しました!」

 

 

 下手するともっと増えるかもですけど、まぁ私がナンバーワンなので関係ありませんね! と胸を張るジュリエッタに私の胸中は穏やかではなくなった。誰と誰だという焦りと、それがマクギリスや他のセブンスターズや政治家や活動家などに通じていないかという不安。それらが押し寄せてきてぞわりと背筋に嫌な汗が浮き出た。

 吉報かと思いきや、もしかすると我が人生始まって以来のピンチかと思ったが……そんなことは無かった。そうわかるのは少し先のことである。




おかしい……オルガとの話を書くはずだったのに……なんで肉おじに……? そういえば、感想欄でハーレムはないですって言ったんですけど、ありますねぇ! ありますあります! ホモはうそつき。


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