小さな暴君の頭脳になりました!? (テアイチ)
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新入生募集中!

はじめまして!今回この小説を書きますテアイチです!遂に手を出してみしたガルパン!!一度書いてみたいと思ったんですよね〜これから出来るだけ早く投稿していきますのでよろしくお願いします!


戦車道、古くから『乙女の嗜み』として存在していた武道の事である、礼節のある、淑やかで慎ましく、凛々しい婦女子を育成することを目指した武芸とされている為女子に非常に人気がある。女子が戦車に乗り戦う事で今後の進路を有利に進める事ができるらしいが、それは極一握りでしかない、殆どが乙女の嗜みとしてやっている事が殆どだ。

 

では何故女性に人気なのか?これは諸君らが一番気になっている事であろう、昔々日本に戦車が輸入された当時、武士道精神を重んじる男性には「戦車は非力な者が操るもの」という流れが広まっていたため男子は余り戦車道をやる者が少なくなっていた、しかし現在ではその風潮も薄まり、戦車道に興味を持つ男性も多く存在している!

 

「そこで!我らプラウダ高校戦車道部への新人を募集しています!是非興味のある方は挙手を!」

 

殊の外説明会は上手くいき挙手する男子、女子生徒がチラホラいた。やはり女子の方が多いが男子もそこそこの人が挙手してくれている。

 

「ちょっと待ちなさい!!!男子の諸君!!我がプラウダ高校戦車道部に入るのは歓迎するわ!でも、今後の試合で負けた場合シベリア送りにしてあげるから覚悟しなさい!」

 

金髪のショートボブの背の小さい我が戦車道部の隊長カチューシャが鋭い目つきで男子生徒を見る。

 

「げっ!?カチューシャ新入生にそれ言ったらまずいだろ!?」

「現にアナタ、この前の試合で作戦をミスって負けそうになってその責任でシベリア送り10ルーブルだったでしょ?」

「それは言わない約束だろ?」

 

それを聞いた新入生男子生徒達は手を下ろしてゾクゾクと体育館を後にした。結局残ったのは女子生徒だけである。

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜*〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

「ったく〜結局今年も男子生徒を一人も入部出来なかったじゃねーか!」

「それはアナタの説明不足ね、カチューシャは悪くないんだから」

「ふ〜んそこまで言いますか?なら今後夜中トイレに行きたくなっても同行しないからな?」

「ちょ!?それと、これとは別よ!」

「カチューシャ、またタイチと喧嘩してるのですか?」

「だってコイツが!!」

「お前はどう思うノンナ?」

「私はどっちも悪いと思いますが?」

 

カチューシャと言い合いになっている所に副隊長であるノンナが午後のティータイムの時間の為、紅茶とコーヒーも持ってきて優雅なお茶会が始まった。

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜*〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

おっと、この物語を読んでくれてる人にはコイツらの事は知らない人がいるはずだな?軽くだが説明しよう!

 

さっき男子生徒に鋭い目つきで威圧したこの金髪のショートボブの小さな女の子が我がプラウダ高校戦車道部隊長カチューシャだ、背は俺よりも圧倒的に小さい、がこの事に関しては彼女は相当なコンプレックスだから声に出してはいけないぞ!

 

こんな小さな女の子なんだが、中身は恐ろしい暴君だこの間の試合も俺のミスで危うく負けそうになったけど何とか勝つことが出来たが危険な目に合わせたという事で10日間シベリア送りにさらていた、まぁ読者が思っている様なシベリア送りではないからな!ただ単に暗くて雪が降り注ぐ窓もない教室で勉強するだけだ、だがこれは死ぬほどヤバい俺も何度も死にかけたからな。

 

話は戻るがコイツには驚く事に戦車道になったら人が変わるほど戦闘が上手い隊長になってからは指揮を取っても崩れる事なくチームを引っ張るカリスマ性を持っているそのお陰で去年の全国大会は優勝する事ができた。他校の奴らからは恐れられていて「地吹雪のカチューシャ」なんて呼ばれている。使用戦車はt34/85 好きな戦車はkv-2

 

次にカチューシャの隣にいる彼女より遥かに背が高い彼女の名前はノンナプラウダ高校戦車道部の副隊長をしている。クールな性格で髪の毛は黒髪のロングヘアー顔も可愛くスタイルも抜群に良い!常にカチューシャと一緒に行動していて移動の際は何故かカチューシャを肩車している、本人も内心喜んでいるらしい。

 

カチューシャには絶対的な忠誠心を持っておりいかなる時もカチューシャの命令を聞いている。俺とは一年生の頃から戦車道を共にやっているため仲は良い共にカチューシャを支えているため良く相談相手になっている。

 

試合では主に車長兼砲手を担当している、砲手は特に上手く正確な射撃が得意だこの前の試合も撃破車両12両中8両は彼女だ。常に冷静に物事を判断し、その正確な射撃で相手を撃破する姿を他校の奴らは「ブリザードのノンナ」で恐れられている。

使用戦車はIs-2 好きな戦車はSU-100

 

そして俺はこの戦車道部唯一の男子タイチだ!性格は…まぁ…明るい方だと思う少しおっちょこちょいな部分があるけど…髪の毛の色はノンナと一緒の黒髪だ、プラウダ高校戦車道部での俺の役職は参謀総長、主に対戦相手の選手の特徴、使用してくるであろう戦車の予想、試合会場のマップを把握して作戦を立案する事を主な仕事だ、さっき話たノンナは副参謀として共に勝利の為に戦っている。

 

元々戦車が好きでこの部に入ったんだが…もう一つ理由がある。実は俺タイチはカチューシャの世話係をやっている。カチューシャとは小学校の一年生から一緒で常に彼女と同行していた。無論彼女の無謀な命令も遂行してきた。高校生になってからは学校ではノンナが色々とやってくれているが家、プライベートでは俺が面倒をみている。家、プライベートもって?って思うだろ?俺は世話係の為カチューシャの家に半ば居候している。何年もやっているからなれたが…そろそろ自立して欲しいと思っている。

 

使用戦車はkv-1S 好きな車両はkv-1

 

 

そんな所かな?今後こんな感じに間に解説してくからよろしくな!

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜*〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「所でタイチ?」

「ん?」

「今年の入部する生徒は何人だったの?」

「えーっと50人だな卒業した先輩方と人数は一緒だから戦力としては変わりなしって所だな」

「ノンナ」

「はい?」

「今年も新入生のポジション決めはノンナがやってね」

「わかりました」

「んじゃあ俺はそれのサポートに入るわ」

「分かったわ私はこの後お昼寝するからあとよろしくね〜」

「ノンナ、カチューシャの事は頼むな」

「わかりました」

 

そう言うとカチューシャとノンナは部室を後にした。

 

「さて…俺は次の試合の作戦でも立てようかな。」

 

 

 




次回もお楽しみに!

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ポジション決め!

二夜連続です!


『コンコン』 と部屋をノックする音が聞こえる。

 

「ノンナです」

「どうぞ〜」

 

許可を出すとノンナが入ってきた。

 

「カチューシャは寝たか?」

「直ぐにグッスリと夢の世界へ行きました」

「相変わらず寝かすのは上手いな〜俺でも寝付くのに30分位はかかるぞ」

「寝かし方にコツがあるのですよ」

 

互いにカチューシャの話をすると話が止まらない、二人ともカチューシャを思う事は同じ証拠だ。

 

「よし、んじゃあ新入部員の人達は既に講義室に集まって貰った感じか?」

「はい、既に全員集まっているとの事です」

「よし!それじゃあ行こうかな」

 

これからの作戦をメモしてあるパソコンを閉じてノンナと共に講義室へと向かう。

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜*〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「ニーナさっきの隊長ニーナより小さかったっぺ〜」

「んだ〜アレはちびっ子隊長だな〜」

 

田舎の訛りが強い二人の女の子がカチューシャの事を話している、そりゃ初めて彼女を見た人は大体そう思う、同級生、一つ下の後輩も同じ思いだ。

 

新入部員生がガヤガヤと喋っていた時にタイチとノンナが入ってきた。

入ってきた途端に教室が静かになる。

 

「では改めてようこそ、プラウダ高校戦車道部へ!私が先ほどプレゼンを行なっていました、戦車道部参謀総長のタイチです今回の流れは俺が私が説明します!今日はよろしくお願いします!」

 

俺がが頭を下げると座っている新入生も俺に向けて礼をする。

 

「私が副隊長のノンナです、本日はタイチのアシスタントをするのでよろしくお願いします」

 

俺と同様頭を下げると座っている新入生もノンナに向けて礼をした。

 

「早速ですが戦車に乗っていただきます!皆さん外のグラウンドに向かってください!」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜*〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

場所は変わってグラウンド、既にチームメイトにお願いしてt-34を10両を車庫から持ってきてもらった。

 

「では50人居ますので5人1組でチームを作ってください」

 

とりあえず最初はチーム決めだ、一つの戦車を5人で動かすのだから知り合、友達などコミュニケーションを取りやすい人と一緒になるのは大切な事だ。仲の悪い人とチームを組む事になると互いに戦闘に集中しにくく、せっかく楽しい部活動が無駄になってしまうからな。

 

 

チーム分けは意外にもすぐに終わった。俺の世代の時は結構悩んでたもんだぞ!そもそも俺だけしか男がいなかったんだから皆遠慮しちゃって中々チームが決まらなくて後で話すが今組んでるチームが無かったら戦車道はやってなかった。

 

「では次は5人の中から車長、砲手、装填手、通信手兼機銃手、操縦手を決めて下さい」

 

チームが出来たら次は役割決めこれが一番重要、人それぞれ得意不得意があるから一先ず自分達で決めて練習戦をやってから再び役割を変えるってのがプラウダ流。ちなみに俺は最初から車長ではなかった。

 

 

「各チーム決め終わったとの事です」

「よし、では各車両の車長は集合!」

 

役割を決め今度は各チームの車長を呼んで戦車の操縦方法、砲弾の狙い方、撃ち方、装填する砲弾の種類、装填方法、通信機器の使い方、暗号の打ち方、解読の仕方、車長の戦闘での立ち回り方、が載っているマニュアル本を車長に渡す、貰った車長はチームメイトにコレを配りある程度理解したうえで集合地点へと向かってもらう。

 

「では各車両準備ができ次第この地点に向かってください」

『了解しました!』

「じゃあノンナ集合地点で」

「はいタイチも道中気をつけて」

 

以上の事を車長に伝え俺とノンナは各自車両に向かい集合地点へと先に向かう。道中には同級生、一つ下の後輩らが万が一の時に備えて待機している為事故をしても大丈夫だ。

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜*〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

ノンナと別れて俺は自分の車両に向かう、既にチームメイトが準備しているので直ぐに向かうことができる…がウチのチームメイトは面倒な奴らが多くてね〜

 

「遅いよ!どんなけ待たせるのよ!」

「まぁまぁジーナそんなに怒らないで♪」

「タイチ君こっちは準備できてるよ……!」

「目的地は何処タイチ?」

 

 

まぁ…こんな感じだ、ついでに俺の乗る戦車とチームメイトを紹介しよう!

 

俺が乗っている戦車はkv-1sだ、そこそこある機動力と威力の高い122m m砲を乗せている。基本プラウダは重火力の戦車が半分軽火力の戦車が半分の編成になっている為その間の戦車が足りないためウチのチームだけこの戦車を使っている。

 

「早くいくわよ、タイチ!」

 

この強い口調で俺に怒ってくる子の名前はジーナ、通信手を担当している、髪はオレンジ色のセミロングで性格は本人以外は分かっているがツンデレだ何かしら文句を言うがチームの中では一番みんなの事を気に掛けている。過去に車長をやっていた経験がある為俺がカチューシャらに会いにいく際等に変わりに車長をやってくれている。通信手としては最高レベルで暗号製作から他校の暗号解読を瞬時にやってくれる、ウチのチームには勿体ない人物だ。

 

「タイチ君…言われたとうり、HE弾を多めにしたよ…!」

 

この引っ込み事案な女の子の名前はリーネ、装填手を担当している。性格はおとなしく引っ込み事案、髪は銀髪のポニーテール、初めて会う相手にはあまり喋らないが慣れてくると普通に話してくれる良い子です!チームの中では1番の頑張り屋さんで相手の戦車の装甲の厚さに合わせて砲弾を変えて常に装填第一を掲げている、装填の速さは学校1位でかなり早い、しかし力が余りない為連続での装填が苦手で頑張って装填している姿は可愛い!

 

「タイチ君!今日の相手は新入部員でしょ?ここは私がカッコ良く決めたいわね!」

 

このお姉さん系な口調で話してくるこの子の名前はカリーナ、砲手を担当してる、性格はお姉さん系でジーナ並みに皆んなの事を気にかけている。髪は茶髪のロングヘアー、本人は皆んなから頼られる存在になりたいらしいが実は重度のおっちょこちょいである、この前の試合もパンツァージャケットを忘れてくる始末な為チームの皆はあまり頼っていない。しかし彼女凄いところは射撃である。ノンナと一位二位を争うほどの実力の持ち主である、この前の試合ではノンナには負けたが撃破車両12両中3両は彼女である。この事が悔しかったようで毎日射撃の練習をしている。

 

「早くいこタイチ、帰ってアイス食べたい…」

 

このクールな口調で話してくる女の子の名前はアーニャ、操縦手を担当してる、性格はさっき言ったようにクールだメンバーの話を聞くと的確なコメントを返してくれるのだが面倒そうに言う為もう少し感情を入れて欲しいと言われている。本人もそれに困っている様で自分の家の鏡で笑顔の練習をしているらしい。操縦手としての働きは良くどんな地形の道でも止まらず普通に操縦している、それには理由があり彼女はとてつもなく頭が良い、そのためこの車両の操縦マニュアルを見た途端に操縦をマスターしていた。

 

以上の四人がチームメイトだ俺は4人とも仲は良い、たまに5人で焼肉に行くほどだ。

 

「よし、じゃあアーニャ集合地点までたのむ」

「了解〜」

 

俺の呼びかけでエンジンをかけて戦車を発進させ集合地点へと戦車を向かわせた。

 

「ところでタイチ、今年のチーム分けは意外と早かったわね?」

「それは俺も驚いたよ!まさかあんなに早いとは思わなかった」

「もしかしたら意外と団結力が高いかもですね!?」

「そこなんだよな今問題なのが」

「大丈夫よ、タイチなら出来るわ!」

「カリーナに言われてもな〜」

「そんな〜…」

 

大体試合でも目的地まではこの様にたわいもない話をしながら楽しんでいる。

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜*〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「ふぁ〜…さてカチューシャも行こうかな〜車を!」

 

お昼寝から覚めたカチューシャも車に乗り集合地点へと向かった。

 

 




次回も楽しみに!

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演習!

集合地点なら着くと既に先にノンナ達がまっていた。

 

「遅かったですね?」

「ゆっくりと来たからな、んで新入生の子達はグラウンドを出たか?」

「ちょうど今グランドを出たらしいです。」

「そうか…ならまだ時間があるな俺は作戦を考えるから時間になったら教えてくれ」

「わかりました」

 

ノンナに別れを告げ俺は自車両に戻る。

 

「ジーナいつも通り頼む〜」

「はいよ〜、アンタ達も手伝いなさい〜」

「わ…わかりました!」

「は〜い♪」

「ん〜」

 

ジーナは車内から小さなテーブルを取り出し、リーネは今回使用する場所のマップを持ってくる。ジーナが出した畳んであるテーブルをカリーナとアーニャが広げて、机の上にリーネが持ってきてくれたマップを広げる。

 

 

「さて、今回は相手は初心者やし特に作戦はないけど…何があるかわからないし、一応立てるだけ立てとくか」

「別に、相手は初心者やし別に無しでも良いんじゃないの?」

「ジーナちゃん!相手は初心者かもしれないけど、以外にもタイチ君みたいに変な攻撃をする子も居るかもしれないよ!」

「確かに…そうですね…それはあり得ます…」

「第一、中学校にも戦車道部があったんだから経験者もいるはずだ」

「流石アーニャ、ビンゴだウチの学校はソコソコ戦車道の強豪校だから意外にも怪物が居るかもしれないからな」

 

中学校でも戦車道をやっていた子は意外にも頭の回転が良い子がいる、ジーナもその一人だった、ここは先輩としてカッコ悪い所は見せたくないなからな。

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜*〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

ある程度作戦を立てた所へノンナから連絡が入る。

 

「タイチ〜」

「ん〜、どうしたジーナ?」

「ノンナさんから連絡来たわ〜着いたらしいよ」

「よし、では行こうか」

 

俺たちは急いでテーブルを畳みマップを絡んで車内に戻し戦車のエンジンを始動させてノンナの所へ向かう。

 

「あらタイチ今回は手加減してあげなさいよね?」

「カチューシャ来てたのか?」

「今来たところよ気になってね」

「気になって?」

「あの三号車の装填手かなり手強いと思うわ」

「成る程な…少し注目してみるよ」

 

お昼寝していたはずのカチューシャも見物にきて場の空気は緊張している。だが新入生は来ている事は知らないのでプレッシャーに負けずに試合を進めれるだろう。

 

「では模擬演習を開始する!ルールは殲滅戦、どちらかのチームが全滅した方が負けだ、マップ内であれば何処へ行っても良いが範囲外から出た途端に敵前逃亡と判断し強制退部となる、以上の事を把握した上で試合に臨んで貰いたい、試合開始は10分ご合図の空砲が鳴り次第試合開始だ各車両全力で戦え!」

 

 

俺の合図で各車両は戦闘へ構える、10分たち、合図の空砲が鳴り響く、それと同時に操縦手のアーニャはエンジンをかけて戦車を動かす。

 

「よし、行くぞ!Танки вперед! (戦車前進!)」

 

俺の掛け声でkv-1sは前進し最初のポジションへ向かう。隣ではノンナのIs-2が別のポジションへと進む。

 

チーム分けは簡単、相手は新入生率いる10両、こっちのチームは俺のkv-1sとノンナのIs-2の2両だけだ、まぁ初心者に同じ車両数で戦うのは大人気ないからな。

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜*〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「着いたぞ〜」

「よし!まずはここの地点だなカリーナ準備しとけよ〜リーネ砲弾はAPで」

「はいっは〜い♪任せといて〜!」

「了解です…!」

 

俺たちが来たのは山道、この場所は俺たちの陣地へ向かう唯一の橋の為一両以上は必ず通行する為そこを狙い撃ちする。別の橋には既にノンナが待ち伏せしている。

 

「来たぞ………」

 

向かってきたのはt-34三両、周りに警戒しているがこっちには気付いていない様子だ。

 

戦闘のt-34が橋を渡りかけ真ん中へ移動した所へ

 

「砲撃開始!」

 

俺の声と同時にカリーナは引き金を引き砲弾を発射させる。

 

撃った砲弾は見事t-34の側面に貫通し、貫通したt-34は爆発を起こした。行動不能になった戦車はその印として白旗が上がる仕組みになっている。今撃破したt-34も白旗が掲げられる。

 

「リーネ、次弾装填!ジーナ、後ろの車両に機銃射撃で牽制、アーニャいつでも下がれる様に準備!」

「りょ…了解です!」

「あいよ!」

「んー」

 

一人一人に確実に指示して次の行動に移るこれが俺の車長でのやり方。

 

「装填完了!」

「撃て!」

 

カリーナの射撃はまたも命中して2両目も撃破する。3両目はジーナが機銃で牽制してくれた為立ち往生していたので3両目もカリーナが簡単に仕留めた。

 

 

「ノンナさんから連絡よあっちも3両撃破だって!」

「流石ノンナさん、やりますね!」

「よし、次だ!」

 

ノンナからの撃破の通信が入り別の地点へと向かおうとした時。

 

『バン!』

 

「うわ!どうした?」

「砲弾だ」

「くそぉ!何処から?」

 

双眼鏡で森林の方を見かけると、t-t34が隠れていた。元々夏季迷彩を施していたので森林の葉っぱに紛れて狙い撃っていた。

 

『バァン!』 

『カキン!』

 

t-34は再び発砲する。発砲された砲弾はkv-1sに命中するが、運良く砲塔で弾いてくれた。車体に命中していたら絶対やられていた。

 

「一発だけ撃ちます!」

 

『バァン!』

 

カリーナの放った砲弾ははt-34の前へ落ちた。

 

「一旦引くぞ」

「頼む!」

 

アーニャの咄嗟の判断で下がるが敵のt-34が再び発砲しその砲弾は履帯に命中行動不能になった。

 

「装填が早いまさか!カチューシャの言っていた!?」

「来るわよタイチ!」

「リーネ次弾装填早く!」

「は…はいっ!」

 

リーネはパニックになっていて装填が少し遅れている、多分あと一発撃ってくる、そうなると弾けるかも分からない…ここまでか…

 

敵のt-34は中戦車の為機動力が早い、そのため気づいた時には山に登っている最中だった。

 

「や…やばい!」

 

やられると覚悟したその時…

 

『バァン!』

 

急に発砲音が聞こえ前を向いたら既に敵のt-34が撃破されていて白旗が掲げられていた。

 

「大丈夫ですかタイチ?」

「あ、あぁ…助かった…」

 

敵のt-34を撃破したのはノンナだった、ここから400メートル離れた所から狙って倒したのだ、しかも残りの4両も倒していた。

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜*〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

「終了ね、タイチあなた随分三号車にやられたわね?」

「あぁ…面目ない…」

「ノンナさっきの3号車の装填手を呼んできて?」

「はい、わかりました」

 

カチューシャに命令されノンナはさっきのt-34の装填手をよんできた。

 

「お呼びでしょうか〜?」

「んだ〜」

 

「二人?俺らが呼んだのは一人だけだぞ?」

「そうですよ〜先輩方が呼んだのは装填手ですよね〜?アタシ達二人で装填手やってたげす〜」

「んだんだ!」

 

まさかあの小さいt-34で二人が装填手をやっていたとは驚きだ本来なら信じがたい事だが…本当の事だから信じざる得ない。

 

「アナタ達!戦車道の経験はあるの?」

「ありますべぇ〜!田舎の中学校で私らやってました〜!」

「装填には自信あっちゃ!」

 

彼女達は経験者らしい、なのでめんどくさい話は抜きだ。

 

「では早速だがお前らに辞令だ!諸君ら二人はKV-2の装填手に任命する!」

「え〜!?」

「入ったばっかなのにこの学校の主力戦車の装填手をやってもええんですか!?」

「頼むわよ!期待してるから、カーヴェーたんは私のお気に入りなの頼りにしてるから!」

「「ほぇ〜!?」」

 

まぁただ単にKV-2の装填手が砲弾の重さに耐えきれなくて腰を痛めた為だからだ、彼女達には秘密だがな。

 

「では明日から頼む帰ってよし!」

「では!」

「失礼します!」

 

そう言うと二人は嬉しそうに帰っていった。カチューシャも満足そうな顔をしているのでお気に入りになってそうだ。

 

「じゃあタイチ帰るわよ〜」

「そうだな、腹減ったー!」

「ん?」

 

疲れたカチューシャは両手を広げて目を瞑って俺の方をみる。

 

「おんぶよ、疲れたわ」

「ったく〜しゃーねーな〜じゃあノンナ後頼む!」

「わかりました、ではカチューシャまた明日学校で…」

「また明日ねノンナ…」

 

カチューシャはウトウトしながらノンナに別れをつげる。

 

「ジーナあと事は任せたぞー!」

「仕方ないわね〜わかったわ!」

「タイチ君また明日です!」

「タイチ君明日ね〜」

「おう!」

「タイチ行くわよ〜」

「はいはい〜」

 

ジーナ達に別れをつげてカチューシャをおんぶしながらタイチは一人ソ連こっかを鼻歌で歌いながら家に帰った。

 

 

 

 




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暴君の家の日常

お久しぶりです


「すぅ……すぅ…」

 

学校の帰りカチューシャをおんぶしながら俺はカチューシャの家に向かっている。大体カチューシャは帰る時には眠ってしまうので毎回俺がおんぶして家に帰っている。

 

家は学校から歩いて15分程で着く意外と近いのだ。カチューシャの家はそこそこ大きな屋敷で幾つもの部屋がある。

 

「ふぅ…ただいま〜」

「お帰りなさいませお嬢様、タイチさん」

「ただいまアドリアンさん」

「今日もお疲れ様でした。」

 

玄関に入るとカチューシャの家の羊であるアドリアンが出迎えてくれた。

 

この人は、カチューシャの家の羊で主に家の家事全般を担っている。俺がカチューシャの面倒見係になる前は彼がカチューシャの面倒見係をしていた。白髪で何処にでも居そうなお爺さんだがこう見えて羊なので家事は完璧にこなし指示される前に動き要望に応えるスピードがエゲツないくらい早い。

カチューシャからは歳なのだから無理はするなと言われたらしいが本人はその気はないらしい。

元プラウダ高校戦車道部副隊長だったらしく色々とカチューシャと俺にアドバイスをしてくれる。頭の回転が良い為か沢山の作戦、妙案等を教えてくれるため、俺は彼を師匠のように尊敬している。実際試合でも彼の作戦を使って見事勝ったこともある。

 

「今日は確か……新入生が入部する日ではなかったですか?」

「そうですよ、それが?」

「その様だと今年も男性の入部希望者が居なかったと言うわけですな」

「流石アドリアンご名答」

 

このように頭がさえている為、今日学校で何があったかなんて彼には余裕に想像がつくのだろう。

 

「お嬢様は寝て居られてますな、まずは寝室にお連れしましょう。」

「俺がやるからアドリアンはお風呂の準備を頼みます」

「かしこまりました」

 

寝ているカチューシャを部屋のベットに寝かせて俺は自分の部屋へと戻る。カチューシャの部屋の前の廊下を少し歩くと後ろから声がした。しかも二人の子の声は間違いなくアイツらだ。

 

「どうしたんだお前ら?」

「兄さん!聞いてくれよラージンのヤツが」

「タイチ聞いてください!ショウヤが私の作戦に反対するのですよ!」

 

やってきたのはカチューシャの妹のラージンと俺の弟のショウヤだ。この二人は俺らの二歳年下で現在中学三年生、俺たちと同様中学校の部活で戦車道をやっている。

 

ついでにコイツらの紹介をしよう。ラージン、カチューシャの妹でさっき言ったように俺らの二歳年下の中学三年生、中学の戦車道部隊長である。的確な判断と臨機応変に対応できる所は姉と違う。髪はカチューシャと同じで金髪のロングヘア―で耳辺りで髪を錨型の髪飾りでまとめたおさげが特徴である。身長は姉のカチューシャと同じくらいの身長かと思えば全く違いカチューシャより遥かに高い俺の肩くらいはある。性格は真面目で後輩から熱い信頼を寄せられているが、意外と寂しがりやでお姉ちゃん子である。

 

次に隣に居る男の子は俺の弟であるショウヤだ、ラージンと同じく中学三年生で戦車道部で俺と同じ参謀総長を担当している。主に作戦を立てて実行するのだが何処か抜けていて失敗することが多々ある。俺と同様ラージンの面倒見係をしている。性格は俺と真逆でラージンより真面目な性格である。身長はラージンより少し小さく、本人曰く伸びない慎重にコンプレックスを抱いている。

 

この二人は喧嘩を頻繁にするが大体理由はしょうもない。喧嘩するほど仲が良いとはこのことだ、いざ試合になると二人は激変しあっという間に敵を殲滅している。

 

「んで?喧嘩の理由は分かった、互いの作戦を教えてもらおうかね」

「兄さんなら賛同してくれるよ!!」

「あら、残念ですが私の方が良いに決まっています。」

 

二人に付いて行き着いた部屋は外の暗さで何も見えない、ラージンが電気を付けるとそこには様々な地形の模型と様々な戦車の資料が置かれた本棚が置いてある。

 

ここは作戦立案室兼俺とショウヤの部屋だ。基本は試合に向けて念入りな計画を立案する場所なのだが何せ俺とショウヤは居候の身の為ここの部屋を使わしてもらっている為半分くらい俺とショウヤの私物が入っている。

 

「よし、じゃあ作戦を聞かせてもらおう」

「では僕から……」

 

先手はショウヤから、中央の大きなテーブルの上に地図を広げる、使われた地図は山岳地帯だ真ん中に周りを見渡せる山があり、両者のスタート地点があるところにその山と同じくらいの高さの丘がある、中心の山の西側は市街地が密集してあり、そこに占領基地がある。反対の東側には大きな川が流れており、その川を渡ると中心の山を横から見渡せる丘がある。すでに俺は試合でこのステージは何回か使用した経験があるので敵がどの様に出てくるか大体だが予想することができる。

 

「では作戦の説明をします。まず、このステージの重要地点は中心の山です、その為すべての車両をこの山に進めさせ山頂から麓の敵戦車を破壊します。これが俺の作戦です。」

「ありがとう、次はラージンの作戦を聞こうか」

 

ショウヤの作戦を聞き終わり今度は自信満々のラージンが作戦の説明をする。

 

「では私が考えた作戦を説明します。ショウヤと同じようにすべての部隊を市街地に進めて拠点の占領によるポイント勝ちを狙います、一両だけで拠点の占領を任せて、残りのすべての車両は占領中の車両の護衛です。これが私の作戦です。」

 

ラージンの説明が終わりタイチは双方どちらかの勝者を言い渡す。

 

「二人の作戦は良くわかった、だが俺や他の高校戦車道部の作戦立案者は絶対に初手ではその作戦は選ばない。」

『え~!!なんで!?』

 

「まず双方ともある一つのことに注意を背けている」

「それはなんだよ!?」

「簡単なことだお前達は自走砲の存在を忘れている」

『!?』

 

タイチの一言で二人は何かを悟った様だ。

 

「では自走砲の存在に気付かなかった場合で話してみよう、まずはショウヤから、確かにこのステージの重要な要所は中心の山だ、確かにここをとれば山頂から麓の敵に対して有利に攻撃することが出来るだろう、しかしお前は一つ過ちを犯している、一つ目は言ったとうり自走砲だ、山頂という隠れる場所が少なく一つの場所に味方が固まってしまう為相手の攻撃にさらされる可能性がある。尚且つ全ての部隊が山頂へ登れば下から敵に包囲されれば負けるのは濃厚だ。」

「あっ……!」

「次にラージンの作戦も悪くはない、だがショウヤと同様同じ過ちを犯している。」

「どこかダメなんですか!?」

「だから自走砲がいたら完全に良い的だぞ!確かにポイント占領作戦は悪くはない、だが一点に味方を集めると包囲しかねる事を二人とも考えなくてはならない」

「だったら兄さんはどうやって相手と戦うのさ!?」

「うんうん!」

 

二人とも欠点を率直に言われた為、納得がいかず答えをタイチに求めている。だがココで答えてしまえばこの子達の為にはならない、あえて答えないのがタイチのやり方だ。

 

「そこは自分で考えるんだな、答えが出ない限り優勝なんか夢のまた夢だ」

 

二人に厳しめに言い太一は朝を流す為お風呂場に行く。

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜*〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

「あれ?電気がついてる…アドリアンさん消し忘れたのかな??」

 

お風呂場の電気が付いていた事に気付いたタイチは何も考えずにお風呂場に入り脱衣所で服を脱いで浴場に入る。

 

「ふぅ〜今日も疲れたー!明日からまた作戦を練らなきゃな〜そう言えば…カチューシャが未だに起きてこないのは珍しいな…」

 

普段のカチューシャならこの時間帯には既に目を覚ましているのだが、今日はやけに遅い。

 

「ん?まてよ…アイツ、起きたらまず俺と同様汗を流しにここに来るはずだよ……な」

 

その瞬間、浴場からサウナ室へ続く扉が開く。

 

「は〜…やっぱりサウナよね!サウナに入れるようになったから、また大人へ一歩近づい……!!!!???」

 

 

 

そこには生まれた姿でサウナ室から出てきたカチューシャがいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日、彼は学校に来なかった。

 

 

 




次回もお楽しみに!

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番外編 KV1-s 女子会!その①

今回はKV1-s四人組の回です!果たしてカチューシャの裸を見てしまったタイチは一体何処へ!?

今回の話は4回バラバラにに分けて不定期に追加していきます!そこだけご了承を!


新人歓迎会兼特別演習から半月が経った、新入生は少しづつだが自分の乗る戦車の動かし方などにようやく慣れてきて、二年生、三年生は大会優勝を目指して日々鍛錬に励んでいた。

 

中でも三年生にとっては最後の年になる為、全てを掛けて大会に臨んでいる。

 

 

 

「撃て!」

 

ジーナ達KV1-s組の四人はタイチ抜きのなか練習をしていた、タイチ抜きでも彼女達は自分のするべき事を知っている為何も支障なしで普通にこの日も練習を終えた。

 

 

 

 

戦車道部女子ロッカー室

 

 

 

「今日も疲れた〜!」

「日に日に練習キツくなってますね…!」

「私は特に何も思わなかったけど…」

「やっぱりタイチ君がいないと寂しいわね〜」

 

今日もタイチが姿を表さず四人で練習をしているため四人とも退屈していた。

 

「もう!どうしてアイツは来ないのよ!!」

「きっと作戦室に篭ってるのよ〜♪大会が近いから」

「確かにそれはあるわね…」

「タイチ君の事だから大丈夫だと思うよ…!」

「無理してなければいいけど…」

 

ジーナは心配性なのでタイチの事をかなり気にかけているが周りの人たちから見ればまるで彼女のようだ。

 

「ジーナ、タイチの事になるといっつも大げさになるわね」

「なっ!そんなこと無いわよアーニャ!どうしてアイツの事なんか心配しなきゃダメなのよ!」

「私もそう見えちゃいますジーナちゃん♪」

「リーネ!あなたまでそんな事…うぅぅぅ…」

 

二人がジーナをいじっている中カリーナはスマホで何かを調べていた。

 

 

「カリーナも何か言ってよ!」

「じゃあ、これでどう?」

 

カリーナは3人にスマホの画面を向ける、そこにはスイーツ食べ放題の店の広告が出ていた。

 

「こ…」

「れ…」

「って…」

『スイーツ天国!?』

「今から行かない?」

 

カリーナは3人に食べに行かないかと誘う、無論3人の答えは…

 

『行きます!!』

 

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜*〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

4人がやってきたのは期間限定でプラウダ高校学園艦に来ていたスイーツ天国だ、船の中心部に位置する巨大ショッピングセンターに展開している為、船の女子高生はこぞってお店に来てお店は超満員だった。

 

 

「相変わらずの人気を誇っているわね…」

「去年は満員で入らなかったから今年こそは入って食べる」

「私も、今日は張り切っちゃいます!」

「3人とも食べる気満々ね♪」

「当たり前よ!何の為に交通費まで払ってここまで来てると思うの!?」

 

 

ジーナ、リーネ、アーニャの3人は去年満員で食べる事が出来なかったので尚更楽しみにしていた為闘志に燃えている。

今日は練習が早く終わった為、混み合う前に入店できた。

 

 

「さぁ〜今日は食べるわ!」

「ジーナちゃん沢山持ってきたね…」

「当たり前よ!普段のストレスを発散しなくちゃ!」

「また太ってタイチに怒られてもしらないわよ?」

 

四人はテーブル一杯に沢山のスイーツを並べた。ジーナはケーキを、リーネは蜂蜜バターたっぷりのホットケーキ、アーニャはパフェ、カリーナは紅茶とクッキーだ。それを皆んなで分け合ってシェアするのが流行っているらしい。

 

「ん〜!流石学園艦一のスイーツ店!!来た甲斐があっとわ!」

「本当ですね!」

「美味しい」

「皆んなに満足してもらってよかったわ♪」

 

スイーツを食べ始め彼女たちのガールズトークが始まった。

大体彼女達のガールズトークの内容はタイチの事だ。

 

「ジーナちゃんタイチくんこの前どうだった?」

「相変わらずよ」

 

 

 

 

 

 

〜帰り道〜

 

 

眠っているカチューシャをおんぶしながらタイチはジーナと帰っていた。沈みゆく太陽の光で辺は赤くなっていた。

 

「相変わらずタイチはカチューシャ隊長のお守りなのね?疲れない?」

「もう何年もやってるから慣れたけどな、でも悪くないぞ、こうしてると何故か落ち着くんだ」

「そ…そっか…!!」

 

 

するとジーナは少し早歩きしタイチの前に立つ。

 

「ね、ねぇ…」

「ん、どうした??」

「あ…あのね…」

「.あ…あぁ…」

 

少しづつジーナはタイチに近寄る。至近距離で体に触れてしまう位に。

 

 

「じ…実は…」

「実は…!」

「私…!」

「あー!!!」

「!?な…何よ…!」

 

ジーナが緊張しながらタイチに喋り掛けようとした時タイチは大声で叫ぶ。

 

「分かったぞジーナ!」

「まだ…私まだ何も言ってないんだけど…」

「言わなくても分かるぞ!」

「言って見なさいよ」

 

「お前また俺に今夜の夕食代奢れって言うんだろ!?」

「え?」

 

 

タイチが言った言葉は予想とは180度違う言葉を言った。俗に言う鈍感だ。

 

「確かに月末だからバイトの給料がなくなって困っているのは仕方ないが……何とかならないのか?」

「ち……違うわよ!」

「え?何がちがうんだ?」

「それは……」

「あれぇ……タイチまだ家じゃないの??」

 

話を再びしようと思ったらカチューシャが目を覚ました。

 

「あっ!カチューシャ起きちゃったか?もう少しで着くからな」

「じゃあ……もうひと眠りする……」

「すまんジーナ今日はこれで勘弁してくれ!!」

 

そう言うとタイチは財布を取り出しジーナに千円札を渡した。

 

「じゃあまた明日学校でな!!」

「あ……また明日……」

 

ジーナに別れを告げたタイチはカチューシャをおんぶしたまま走って帰った。

 

 

 

 

「……バカタイチ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~~~~~※~~~~~~

 

 

 

「そんなことがあったの!?」

「あれ?カリーナは知らなかったけ?」

「全然知らないわよ!!」

「私とアーニャちゃんは教えてもらったけどその時居なかった??」

「違うカリーナはその時運悪く寝ていた。起こそうと思ったけどめんどくさくて辞めた」

「あーん!せっかくジーナちゃんの恋話を聞こうと思ったのに急に眠たくなってそのまま寝ちゃったの~!!起こしてくれればいいのに!!」

 

一人で軽く怒りながらどさくさに紛れてリーネに抱き着く。ちょうどその時ジーナの携帯に電話が鳴り響く。

 

「あれ誰かから電話?ジーナちゃん??」

「そうなんだけど……」

「どうした?」

「出ないの?」

「そ……それが……」

 

その電話の相手は非通知であった、恐らく公衆電話で誰かが電話しているのであろう。

 

「でるわ……もしもし……」

『もしもしジーナか!?俺だタイチだ!!』

「タイチ!?」

「「「!?」」」

 

まさかの電話の相手はタイチだった、しかしタイチは自分の携帯を持っている為、故公衆電話を使っているのか四人は疑問に思った。

 

 

「あなた最近どうしたのよ!?学校に全く来ないし、今どこ!?」

『今俺はシベリアだ!』

「はあぁ!?何でそんなところにいるのよ!?」

『い!当分そっちに戻れる自信がない!!』

「ちょっ!?練習どうするのよ!」

『お前らだけでやってくれ!!』

「えええ!?それはないわ!」

『頼む!!やべぇ!?もう追手が来やがった!じゃあまたすぐ連絡する!!」

 

そう言い残しタイチは電話を切った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




また次回のガールズトークで会いましょう!!

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夏季全国大会予選抽選会

今年も始まった全国大会予選、一体一回戦は何処に??


梅雨が明け蒸し暑い季節になった7月、ついに全国の戦車道部員が待ちに待った全国大会が迫ってきた。当然我がプラウダ高校も出場する。  

 

 

「今年も始まるわね、まぁ今年もカチューシャ達の勝ちよ!」

「おっしゃるとうりです」

「まぁ今年は新入生がかなり優秀な子達が多いからなだが他校も同様この日のために大幅に戦力を強化したようだ」

「そうかも知れないけど今年は絶対カチューシャの優勝よ!」

「抽選は午後からでそれまではこの部屋で待機だそうです。」

「暇だな.,,,」

 

流石去年の準優勝の我がプラウダ高校、待機室はそこそこ綺麗でなんなら机の上には少なからず紅茶袋とお菓子、ポットが置いてあって旅館なんじゃないかと思うくらいだ。

 

「すまん少しトイレに行ってくる」

 

用を足す為部屋を出てトイレに向かう。大きな大会の為会場は大きい、迷いそうだ。

 

「え~っとトイレは.,,,うわっ!!」

 

歩いていると突き当たりで誰かとぶつかり合い、相手の持っていた書類が飛び散る。

 

「すまない!!」

「こちらこそ、怪我はないか?」

「君こそ大丈夫なのか?」

 

相手は女の子で、胸に付いている校章を見た感じ黒森峰の生徒だろう、互いに怪我をしてないか確認し、無いことを確認し散らばった書類をまとめる。   

 

 

「書類は全てありましたか?」

「問題ない、感謝している」

「それは良かった!」

「私はこれで失礼する、では.,,,」

「気を付けて!」

 

一言礼を言って彼女は去った、それを見届けたはいいが、尿意がやばい!!急いでタイチはトイレを探すのだった。

 

 

 

 

~~~~~~~※~~~~~~

 

「ふぅ.,,,スッキリした~」

 

ハンカチで洗った手を拭きながらトイレから出るとタイミング良くカチューシャとノンナがやって来た。

 

「いよいよ抽選の時間よ!」

「もうそんな時間か.,,,」

 

二人と共にタイチも会場に向かう。

 

大きなホールにたどり着き自分達の学校の指定されている席に座る。一応前大会準優勝しているため、椅子の質も良い。

 

『さぁやって参りました!第100回全国戦車道大会抽選会を始めます!!』

 

司会の進行が始まり抽選が開始される。やはり長く続いている大会なので、メディアも沢山きている。無論世間の声が気になる為、タイチはコソッとだが耳にインカムを付けてラジオを聞いている。

 

『抽選順番は予め我々が決めてあります!名前を呼ばれたら代表者は登壇をお願いします!!』

 

 

『トップバッターは前回優勝者の黒森峰女学院!代表者は登壇をお願いします!!』

 

最初の抽選者は前回優勝校の黒森峰女学院、代表者はチームの隊長らしい。

 

「前回の優勝に貢献した隊長であり西住流の次期当主西住まほ選手!です!!」

 

「あっ!あの娘は!?」

「あらタイチ、まほと知り合いなの?」

「いや.,,,さっきトイレの近くですれ違って.,,,」

「まさか.,,,あの娘が、隊長か.,,,」

 

番号が入っている箱に手を突っ込み中のボールを取り出す。 

 

番号は13番だ。

 

「13番か.,,,」

「出来れば1~8までの番号を引きたわ!!」

 

『では西住さん!一言だけお願いします!』

「今年は大会10連覇が掛かっている大事な大会です、通常道理全力を出し、優勝します」

『ありがとうございました!』

 

彼女の一言が終わり、次の学校に移る。だんだんとトーナメント表に学校名が載ってきた、そして遂に最後の二つになった。

 

『次は前大会準優勝プラウダ高校です!』

「遂に私達ね!」

「カチューシャ頼むぞ!優勝するには8の番号しかしないぞ!!」

「頼みますカチューシャ」

「任せなさい!」

 

代表で隊長であるカチューシャが舞台に登壇する、前回準優勝であった為、マスコミも一斉にカーチューシャにカメラを傾ける。

 

『カチューシャ選手前回は惜しかったっですが、今年の目標は勿論優勝ですね』

「当然よ!!この日の為に日々練習をし、戦力を今日を強化したわ!まず負けるはずがないわ!」

『おっと!早くも優勝宣言です!』

 

カチューシャの一言でカメラマンが一斉にカメラを切る。

 

『では、カチューシャ選手ボールをお取りください!!』

「頼むぞカチューシャ!!」

「頼みますカチューシャ……」

「これよ!!」

 

カチューシャが取り出した数字とは……

 

 

 

 

 

 

 

 

~~~~~~~~※~~~~~~~~~ー

 

 

プラウダ高校学園艦

 

 

「……今年は負けだな……」

「おいっ!声に出すな!密告されたら終わりだぞ!!」

 

校内では一回戦の対戦相手を見て絶望の声を上げていた。それを見ていたカチューシャは耐え切れず久しぶりに涙目になっていた。

 

 

「……カチューシャ仕方ない、一回戦の相手でも全力で戦うしかない!!」

「そうね…私、今日は帰るわ」

 

そう言い残し、カチューシャは学校を去っていった。

 

「カチューシャ……」

「待てノンナ!」

「しかしタイチ、」

「今は一人にしてあげろ、今の俺たちには他にやらないといけないことがある!」

「…」

 

ノンナの気持ちは分かるが、だからといって諦めるわけにはいかない。ひとまず、授業が始まるので教室に戻る。

 

 

 

 

【第100回全国戦車道大会、一回戦 黒森峰女学院VSプラウダ高校】

 

授業が終わるとタイチはロッカールームに向かい、そこで着替えて部活動を始める。

 

「あら?タイチにしては早いじゃない」

「珍しい.,,,」

「今日は隊長と一緒じゃないんだ?」

「私が恋しくなったのかしら♪」

「それは無い、今日はカチューシャが先に帰ったからだ」

 

相変わらずこの四人は仲が良い、この前もタイチ抜きでスイーツ天国に行ってたらしい。

 

今日もいつもどうり戦車に搭乗し練習を開始する。

 

~~~~~~~~~~※~~~~~~~~~~~~

 

「撃て!」

タイチの指示でカリーナは主砲の引き金を引く、砲身から出た砲弾は目標地点の遥か後ろに着弾した。

 

「あれ?おかしいな…」

 

いつもの練習だと百発百中のカリーナが今の目標を外すのは珍しい。

 

「リーネ次弾装填!……?」

「……はっ、はいっ!?」

 

続くリーネはボーっとして装填が遅れている。

 

「……っ!?」

 

アーニャはリーネと同様、何かにボーっとして移動に少しばかりか遅れている。

 

「……いったん休憩だ、アーニャ移動してくれ」

「わかった……」

 

タイチの指示でアーニャは戦車を動かせ校舎に向かう。道中、誰も喋らず車内は少し暗い空気になっていた。

 

「よし、では数分休憩~あっ!ジーナ」

「何タイチ?」

「ちょっと話がある」

 

ジーナを連れてタイチは車両から少し離れる。

 

 

「何タイチ……話って?」

「あの三人何かあったのか?」

 

タイチはジーナに三人について問いただす。今日のあの三人はあからさまに今までの練習での動きと全く違っていた。

 

「やっぱり気づいていたようね。」

「やっぱりって、何か知っているな」

「プレッシャーかしら」

「プレッシャー?何で今更」

「それは簡単、理由は一つよ一回戦の相手が黒森峰だからよ」

「黒森峰とは何回も戦っているじゃないか!」

「重要なのは相手が黒森峰ってことだけじゃない!!」

「一回戦……最初の敵がってことか……」

 

一回戦の相手が黒森峰と知った瞬間、彼女たちにのしかかった重圧は重かった。古くから我がプラウダ高校は戦車道全国大会に上位に成績を残すことが多く、いつしか戦車道の名門校としてその名を轟かせ戦車道に入部し自分も活躍したいと思い入学する生徒も多い。しかし一回戦の相手になった黒森峰に惨敗しその名の泥を塗り自分たちに責任が及ぶと恐れている。それはあの三人だけではなく戦車道部全員が思っていることだ。

 

「まずはそれがカギだな、ありがとジーナ!俺用事を思い出したから帰る!」

「あっ!タイチ!!……もうっ!!」

 

そう言い残しタイチは急いでロッカールームに戻り着替えを済ませて学校を後に家に帰宅した。

 

「ただいま~」

「お帰りなさいませ、タイチさん」

「ご苦労様です、アドリアン、カチューシャは帰っているか?」

「すでに帰ってきてはいますが、その後直ぐに部屋へ入ったきり出てきません。」

「そうですか……」

 

やはり例のことを相当根に持っているようだ。そのままタイチは部屋に自分の荷物を置きカチューシャの部屋に向かった。

 

「カチューシャ……入っていいか?」

「……」

 

彼女の世話役を務めている為入る前に必ず一声かける、いつもなら何かしらの声が返ってくるのだが今日は帰ってこない。経験上、過去に同じようなことがあったがその時はそのままドアを開け彼女の元に駆け付けた、今回も同じやり方で行く。

 

「入るぞ~」

 

一声かけ彼女の部屋に入る、カチューシャの部屋はとても大きくタイチとショウヤの部屋よりも大きい。家具は沢山の服を収納できる最高級の木でできたタンス、お姫様が寝そうな大きなベット、天井には綺麗な宝石が光る無数のシャンデリア、その他言い切れないほどの家具で埋もれている。

 

その部屋の窓際の所にカチューシャが居た。暖炉の前で前後に揺れる椅子、いわゆるロッキングチェアに腰を掛け、彼女の好きな色である赤色のブランケットを太ももから足に掛けて、飼っている愛猫の背中をさすりながら沈みゆく夕日を眺めていた。

 

「アドリアンがもうすぐ夕食だってよ、何も言わないからあの人心配してたぞ」

「うるさいわね……わかってるわよ、で、何か用?」

「いや昼から元気がないからどうしたかなっと思ってさ」

「……」

 

再びカチューシャは黙り込む、なぜ黙っているかは大体把握できる。

 

「カチューシャ、君もやっぱり責任を感じているな?」

「……当り前じゃない隊長なんだから」

「隊長だから一回戦の相手が黒森峰になったのか?」

「そうよ……そうよ!」

「それは違うと思うな……」

 

そう言った瞬間彼女は急に立ち上がり、膝に乗っていた猫はびっくりして駆け下りた。

 

「はっきり言いなさいよ!」

「何が!?」

「タイチも思っているんでしょ皆と同じで負けるって!」

「俺はそんなこと思っていない!」

「嘘よ!今日の練習を見てればそう思うもん!」

 

今のカチューシャは怒りで我を忘れている。クジで黒森峰と当った事で周りからの反応で自暴自棄になっている。そんな中やはり皆がその様に思っている事の悔しさで怒りながら彼女の眼は泣いていた。

 

タイチは膝を曲げてカチューシャと同じ目線の高さになる。その状態で両腕をカチューシャの後ろに回し包み込むようにカチューシャに抱き着いた。

 

「……っう!?なっ……何してんのよタイチ!はっ…離れなさい!!」

「嫌だねカチューシャの怒りが収まるまで話さない!!」

 

急にタイチが抱き着いてきた為カチューシャの顔は真っ赤に染まった。その効果がったのか段々と我に返り落ち着きを取り戻す。が、やはり顔は真っ赤だった。

 

「ようやく落ち着いたようだな、ふぅ~…」

「ビックリするじゃないそんな事されたら…」

「お前が落ち着いて良かったよ」

 

カチューシャが落ち着いたことでタイチは本題をカチューシャに話す。

 

「カチューシャ聞いてくれ、別に皆が試合に負けるとは思っていない、只、初戦が黒森峰だからプレッシャーに負けてるんだ。」

「だったらどうすればいいのよ?」

「簡単な話だカチューシャはいつも道理に余裕をかましていればいいそしたら自然と皆落ち着きを取り戻す」

「……」

 

今現状、カチューシャ自身が動揺している為、部員全員の士気が落ちてプレッシャーとなって本来のプレーに支障が出てきている。しかし隊長であるカチューシャが自ら練習を指揮して黒森峰恐るるに足らんと余裕にしていれば自然に士気が上がる、それを取り合えず明日から実践する。

 

「それは分かったけど……どうやって黒森峰と戦うの??」

「それは俺の仕事だ、お前は俺に構うことなく俺が言った事を試すんだ!わかったな」

「わかったわ!今回は貴方に作戦のすべてを任せるわ、私の期待に応えなさい!」

「当たり前だ!」

 

カチューシャは自信を取り戻し部員の士気回復に向けて励み、タイチは黒森峰との戦いに備えて作戦、戦術の思考を始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

全国大会まであと半月。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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プレッシャーとの戦い

次の日、戦車道部部員の皆はいつもどうり学校に登校して授業で勉学を習い、午後の授業が終わると同時に部室に入り着替え部活動を始める。

 

『……』

 

皆元気がなく空気が悪い、そんな皆をカチューシャは遠目から見ていた。やはりタイチの言うとうりプレッシャーに負けているからなのか、緊張しているからなのか搭乗している戦車の動きを見れば一目瞭然だった。

 

カチューシャは取り合えず着替え、自分の搭乗する戦車であるT-34/85が近くに来るのを待つ。近づいてきたところで手を挙げる。するとT-34/85はカチューシャの目の前に止まる。

 

「カチューシャ隊長!?どうしたんですか!!」

「あなたたちが情けない練習をしてたから指導しに来たのよ」

 

カチューシャの言葉に他の皆は呆気にとられていた。急に隊長自ら指導するのは珍しい為、搭乗員は驚いていた。

 

「通信手」

「は……はいっ!」

「各車に通達、B地点に集合」

 

通信手は各車に無線で集合を知らせる。隊長命令の為か各車動きが早く直ぐに集合地点に着き、綺麗に列を整え戦車から降りて各戦車の前に横に整列して集まった。

カチューシャは背が低いので車高の高いKV-2の上に上り部員たちを上から見下ろす。

 

「皆、練習ご苦労様、私が練習に顔を出したから驚いているようね。」

「……」

 

「いつもなら私が来ることがないから、あなた達がどの様な練習をしているかは分からないけど今日の練習は見てて動きが鈍いことに、直ぐにわかったわ」

「……」

 

「なぜかしらね……理由がるなら言ってみなさい」

「……」

 

カチューシャが問いただすが誰も口を開かない。

 

「あ……あのっ!!」

「あら?何かあるようね」

「kv-2装填手、1年生のニーナです!!」

 

手を挙げたのは一年生のKV-2装填手のニーナである。一年生の彼女が手を挙げたことで、その場にいた三年生、二年生、一年生の全員が彼女のほうを向く。

 

「何か言いたいようね、言ってみなさい」

「はっ……はいっ!皆さんが思っているのか分からないですが、私は黒森峰と戦うのが怖いです。」

「怖い?確かにあなたは新入生だから最初の実戦が黒森峰だから怖くなるのは当たり前だけど、二年生、三年生は何回も戦っているから、そこまで恐れる事はないけど……」

「恐れながらカチューシャ、一年生のみならず二年生、三年生も同様に思っている者が多いです」

 

そう言ってきたのは遅れて着いたノンナだった、彼女は他校から『ブリザードのノンナ』と言われるほど冷静沈着で物事に動じない、彼女は去年から副隊長になって隊長であるカチューシャを支えてきた。二人は隊長、副隊長としての信頼があり、また同じクラスメイトであり友人でもある。その為カチューシャには何も恐れる事無く、副隊長として自分が思っている事を正直に言えることができる。基本どの学校の戦車道部の副隊長も隊長に進言するのは少し躊躇うものだが、ノンナに至ってはそんなの関係ない、これがプラウダ高校の強いところなのかもしれない。

 

「ノンナ貴方はどう思っているの?」

「事実、例年道理なら黒森峰との戦いは準決勝以上で戦ってきました、今回は初戦です」

「朝タイチに言われたわ、わかっているけど私は隊長なの、あなた達以上に緊張しているのよ!」

「だったらカチューシャ一人で考え込まないで私たちを信じてください」

「そうですよ、隊長!」

「あなた達に言われなくても私は貴方たちを信じているわよ……」

「またまた隊長ったら~」

「うるさいわね!」

 

皆に励まされカチューシャは顔を真っ赤にする、こんなに皆の前で顔を赤くするのは珍しい。部員全員カチューシャの鼓舞で士気が上がっている、さっきとは偉い違いだ。

 

皆にちやほやされるカチューシャを見てノンナは少し笑みを浮かべた。

 

「流石だなノンナ、良くこの状況の解決策を思いついたな」

 

遅れてきたタイチはノンナの功績を褒める。

 

「タイチですか、あなたがここに来たということは……」

「あぁ……」

「タイチ……その様子だと」

 

カチューシャもタイチの存在に気づき声をかける。

 

「作戦の立案が完成した、至急作戦会議を開く、部員を作戦室に」

 

~~~~~~~~~~※~~~~~~~~~~~~~ー

 

プラウダ高校校舎、5号館の三階の一番淵の教室に作戦室がある。もともと五号館は滅多に授業で使われることが無い、そのため余り人が寄り付かないため情報漏洩の対策としてここに作戦室が設置されている。

 

「では早速、つい先ほど大会組織委員会から対戦マップの場所の通達が来た、場所は相手が前回優勝の黒森峰の為、我々へのアドバンテージとしてマップは我々に有利なところになった。それがこれだ」

 

タイチはパソコンのEnterキーを押してプロジェクターで投影し皆にマップを見せる。

 

「マップは冬の廃線跡になった」

 

冬の廃線跡、雪で覆われたマップ。陣地は中央線路内、やや東に設置されている。中央に鉄道路線が通っており、線路上に放置された列車が複数ある。西側は中央より一段低く、東側は逆に1段高くなっている。中央付近に敵味方の出撃地点があり、東側が空きやすい。

 

「今回は冬の廃線跡、おそらく当日は少々の雪がちらついている事が予想されるため視界が悪い、そのため今回は機動力重視の編成で行く」

「では、序盤の行動を支持して」

 

カチューシャは次に行くように催促する。

 

「まず序盤は二つの部隊に分かれる、これをA部隊、B部隊と呼称する。まずA部隊は主に重戦車と駆逐戦車が担う、この部隊は主に敵主力の足止めが任務になる。B部隊は側面に回り込み敵の別動隊と交戦が任務、この際どちらかの部隊の敵の多さによってはプランが変わる。αプランの場合、A部隊の敵が少ないと判断した場合、A部隊の中から数両の戦車を引き抜きC部隊として別の作戦の任務にあたってもらう。βプランはαプランの任務をB部隊が同じようにする」

 

「敵の戦車は何を持ってくるか分かる?」

「大方の予想はこちらと同じような編成とみている、先に重要ポイントを取った方が戦いを有利に持っていけるだろう」

 

「重要ポイントはどこですか?」

 

後ろの二年生が挙手をして質問する。

 

「重要ポイントはここ東側の丘だ、ここを手に入れれば中央と西側の敵を発見しやすくなり迅速な行動が行える。それは敵も同様だここを占拠するのは、さっきのプランで言ったとうりC部隊が担当する。最悪ここを失った場合、各部隊は数ブロック撤退し防衛戦に移行する。

 

~~~~~~~~~~※~~~~~~~~~~ー

 

黒森峰女学院学園艦

 

「いよいよプラウダ高校戦ですね隊長」

「エリカか、そうだなだが相手にはカチューシャ、ノンナそれに……」

「プラウダの頭脳……タイチ」

「今回の試合の流れは彼にかかっている早急に潰したいな」

 

黒森峰戦車道部隊長西住まほ、副隊長逸見エリカ、大会十連覇をかけた戦いが今始まる。

 

 

 

 

 

 



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