シンフォギアの世界に転移 (キーホルダー)
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原作開始前
気づけばシンフォギアの世界


初投稿なので
黒歴史を作ってるよこいつwww
という生暖かい目で見てもらうと助かります。


俺の名前は、霧崎サクラ( ♂)

高校2年 身長165cm

好きなもの ゲームやアニメ

嫌いなもの 勉強

なぜ、急に自己紹介しているのかと言うと

 

「死ぬ!絶対に死ぬぅ!」

 

ノイズに追われていて現実逃避をしているからだ。

なんで事になったのか一切理由がわからない

丁度走馬灯を見ているのでこうなった理由を思い出すとしよう

 

いつものように日常を謳歌するために学校に行って、

友達と遊んで午後5時に帰路につく

歩きスマホしながら帰っていると

 

( XVも終わってたし、アプリのシンフォギアも勢い落ちるだろうし

 アプリ消そうかな〜)

 

と『戦記絶唱シンフォギアXD UNLIMITED』を起動してログインボーナスを受け取ろうと

開いたら、お知らせ欄に

 

「キャロル参戦‥‥だと‥‥⁉︎」

 

続けないといけない(使命感)

お知らせ欄を閉じようとした途端スマホの画面が消えた。

 

「あれ、なんで消えたんだ?

 学校で充電してるから余裕があるはずなんだけど?」

 

電源ボタン長押ししたり、何度も押したが起動しなかった

 

「やばいアプリのバックアップしていないのにこれで起動しなくなったらどうしよう(絶望)」

 

と落ち込んでいたら、画面に

バージョンアップをしています。再起動まで二分と表示された。

 

「なんだ、本体のバージョンアップか

 心配して損した」

 

ほっとしてスマホをポケットに直して顔を上げると

 

「あれさっきよりも明るい?

 太陽が真上にある?

 え、どういう‥‥こ‥‥と‥‥」

 

周りを見ると見慣れない町並みがあった。

「え、どこだここ」

 

と状況が掴めず周りを見渡していると大きな音町中に響き渡った。

周りの人が必死の形相で走っていく

 

「ノイズだ!急いで避難するんだ!」

「おいそこの坊主早く走れ!」

「ママ 大丈夫?」

「大丈夫だからね、シェルター行けば安全だからね」

 

「え、ノイズって、え?」

「おいボーッとするな走れ」

と隣に来たおじさんが俺の腕掴んで走り始めた。

転びそうになったが、なんとか走れた。

 

走りながら、怒濤の展開に困惑していた。

(ノイズってあのシンフォギアで出てくるやつか?え、本当に?)

(いやいや、そんなことが現実にあり得るわけがない!)

(というかここどこだろう?ドッキリとかか?)

(おじさんに聞けばわかるはず)

 

「あのおじさん!」

「なんだ、坊主!!! いいから走れ!!話なら後でいくr」

 

おじさんの声が途切れた

上から降ってきたカラフルな物がおじさんにぶつかったと同時、黒くなって崩れた。

 

前の方に沢山のカルフルで様々な形をした物がいた。

見たことのある物がこちらに近づいてくる

奇声を上げこちらに近づいてくる。

 

人間を炭素に変える災害 ノイズ

 

それが俺にゆっくりと迫ってくる

その光景を見て思わず、立ち止まってしまった。

止まってはいけないのに止まってしまった。

 

ああ死ぬそう思ったとき

声が聞こえた。

 

「バージョンアップが完了しました。」

 

止まった思考が動き出した俺は、視界に入った裏路地に慌てて走った。

後ろを振り返ったら立っていたところにノイズが殺到していた。

飛んでこなかったノイズがこっちに向かってくる。

俺は裏路地を突き進んだ。死なないために。

 

 

 

ここで冒頭の走馬灯に戻る

(どう考えても意味不明な状態だし、もう無理足がガクガクしてきた。これ以上走れない)

(でも死にたくない)

(親孝行もしてない 友達と遊び足りない キャロルイベをしてない 今期のアニメをまだ見てない

美味しいものをたくさん食べたい)

(まだこんなにもしたいことがあるのに死ねない死にたくない)

 

「でもどうしようもないだろぉぉぉぉぉぉ」

だんだん走る速度も遅くなる絶望に

思わず下を向いた時にポケットが、光っているのに気付いた。

何かないか縋るおもいで、スマホを見ると

『戦姫絶唱シンフォギアXD UNLIMITED Gjallarhorn system version⒈1』

と表示されていた。

 

「‥‥‥は?」

 

画面が切り替わり

 

ノイズとの戦闘準備を開始します。

現在変身可能な装者は、天羽奏 風鳴翼

自分で選択をする。 おすすめで選ぶ。

 

「意味不明だし、ノイズと戦えるのはありがたいけど!

 いや選びたいけど!後ろから来るノイズが怖いからおすすめでお願いします!

 というか変身って何⁉︎」

 

おすすめ選択 天羽奏を選択しました。

これよりノイズとの戦闘を開始します。

スマホを掲げてください。

 

「掲げる?ええい、ヤケだぁぁ!お願いです何か起こってぇぇぇぇ!!」

 

後ろからノイズが飛んでくる

疲れ切った体ではもう逃げきれない。

思わず目を瞑った。

 

(何もおきない?)

 

恐る恐る目を開けると読めない文字が書いてある膜?のような物が覆っており、

ノイズが膜に当たった瞬間崩れていた。

 

「どういうことだ?」

 

よく見るとスマホから文字が出てきており俺の体を覆っていく

 

「え?え?」

 

完全に体を覆い切って、光が弾けると俺の手にはスマホの代わりに変わった形のホウキが握られていた。

そして少しだけ、目線が上がった気がする?

「なにがどうかわ‥‥声が違う?」

 

認めたくはないが感じたことない感覚も下から感じるので

目線を下げると2つの立派なお山がありました。

「嘘だろぉぉぉぉぉぉ」

 

とショックを受けていたら、追いついてきたノイズが飛んできたのを

体が勝手に動きノイズをホウキで叩き落した。

 

「体が勝手に動く⁉︎」

 

次々とノイズを体が勝手に倒していく。

そして裏路地から最初の道に出ると店のガラスに映った自分を見て、さらにショックを受けた。

 

「女性になっただけでもショックなのに、メイドギアってなんでだぁぁぁぁ」

「ってまた勝手に体がぁぁぁ」

 

体が、バックステップをすると上から鳥型ノイズが急降下してきてるのを避けて、

そのまま、ホウキで倒していく。

その後もとてつもない高さを飛んだり、敵にかなりの速度で近づいたりと一切立ち止まらずの戦闘で、

ジェットコースターに乗っている気分だった。

正直辛い

どれぐらい時間が経っただろうか?もしかしたらそんなに経っていないかもしれない

気づけばノイズはいなくなっていた。

 

「良かった、おわったぁ」

 

座り込もうとしたら、頭に声が響いた

 

WAVE2が始まります。

会敵まで後30秒

 

歌が空から聞こえた

 

Croitzal ronzell gungnir zizzl

 

Imyuteus amenohabakiri tron

 

(この詠唱は⁉︎ まずい今すぐ逃げないと!)

俺が後ろを振り返って逃げようとすると大きな音を立てて壁が出来ていた。

 

「‥‥壁?」

「剣だ!」

 

ズ‥‥ズバババン、ズバババンじゃないか

やばいまだ乙女よりの防人が来ちゃった(恐怖)

そして後ろから何かを突きつけられる音が聞こえた。

 

「よー私の偽物さん

良かったらすこーーーーーしだけ話をしたいんだけど?

いいよなぁ(半ギレ)?」

「本当に奏にそっくりね。この人」

「似ているだけさ、翼

 でお前はどこの誰だ」

 

ズババンが降りてきて剣をこちらに向けてきた。

そして後ろの奏さん(本人)がかなり怒っていらっしゃる。

 

どうしようか考えているとまた勝手に体が動き始めた

体を回転させてとホウキをガングニールと天羽々斬にぶつけて

そのまま2人を弾き飛ばし、ホウキに跨った。

あーうん、こりゃやばい。

 

DEIMOS∞WITCH

 

ホウキが火を拭いてそのまま空へと飛んだのである。

そして出鱈目な軌道を描いて俺は海に落ちたのだった。

 

 

飛んで行った奏(偽物)を眺めていた2人は、受け入れがたい光景を目の当たりに

して放心していた。そこに通信が入り、

 

[2人とも無事か⁉︎ もう一つのガングニールの反応が急速に離れていったが、何があった⁉︎]

 

2人ともハッと正気に戻り

 

「司令すみません、取り逃してしまいました。

 敵は‥その‥‥予想外の方法で逃走を」

「あんな逃げ方できるとか普通予想できるわけないだろう?

 すまない旦那うまく逃げられた」

[そうか、念のため周囲を警戒しつつ、生存者の救助にあたってくれ報告はその後で聞こう]

[報告に戻ってきたら、念入りにじーーーっくりと体の隅々まで調べてあげるから早く帰ってらっしゃい。]

 

「了解、ノイズが残っていないか確認をします。奏行きましょう」

「ああ、それにしてもあのふざけた野郎次見つけたら絶対捕まえてシメてやる。」

「そういえば奏は、どうして偽物にそんなに怒っていたの?

 やっぱり、自分と同じ顔をしているのが気に食わなかったとか?」

「ああそうだよ!気に食わなかったよ!何より一番腹が立ったのが監視カメラの映像で見た

 私と同じ顔でマヌケ面で戦ってたのが、イライラしたんだよぉ!

 なんだあの顔は!途中から白目剥いて鼻水垂らしながら戦ってる姿とか

 もう私を舐めてるとしか言いようがないよなぁ!!!」

「あれは‥‥うん‥‥ひどいと思ったよ。(言えない笑いそうになったなんて)」

「だから次にあいつにあったら絶対4分の3殺しにしてやる!!!!!!!」

 

 

海から上がった俺は急に酷い悪寒に襲われた。

 

「え、なんだろうすごく嫌な感じがあったんだが?

 気のせいかな?海に落ちたせいだなきっと、うん

 そうに違いない」

 

(それにしてここどこだろう

体もいつの間にか元に戻ってるし、どうしたら良いんだろうか(悲しみ)

行くあてもない お金もない ないない尽くしで泣きそう)

 

スマホは充電が切れましたマーク出てるし、詰んだ。

でも生きてる

ノイズからよく分からない力で、生き残れた。

とりあえず明日を迎える為に、雨風を凌げる場所を探そう。

 

こうして全く知らない土地で、俺はホームレスになった。

 

そしてこれからこの世界で様々な出来事に巻き込まれる

色々な人と繋がりながら明日を俺は懸命に生きていく

元の世界に帰る為に

 

 

 

 

 

 




誤字脱字があれば宜しくお願いします。
戦闘描写がかなり難しいのと
文章書く人はすごいんだなと思いました。


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チュートリアル 前半

説明回になります。
長くなってしまいました。


海から上がった俺はとりあえず汚れた服とベタベタする不快な感触を落とそうと

近くに更衣室が見えたので、シャワーがないかを覗いて見た。

 

「シャワーは、っとある。使えるかな?」

 

中に入って蛇口を捻ってみると水とお湯が出てきたので、遠慮なく使用することにした。

更衣室の入り口に置いてあった、忘れ物箱に

シャンプーとこっちの世界のアニメ?キャラクターが描かれている子供用ボディソープがあったので、

心の中で謝罪をしてし使うことにした。

 

制服を脱いで、忘れ物のハンガーで広げて干す

シャワーのお湯を出して浴びていく少しだけ不快感がなくなった。

シャンプーで髪を洗いながら、

 

(とりあえず、現状の確認だな。

気がついたら、戦姫絶唱シンフォギアの世界にいた。

ノイズに襲われ、スマホにいつの間にか入っていた謎機能で天羽奏になり戦う

気づけばノイズ殲滅 その後この世界にいる本物の天羽奏と風鳴翼と出会った

 

天羽奏

姉御肌の面倒見のいい女性

ツインボーカルユニット『ツヴァイウィング』の片翼

ガングニールの装者であり、

アニメでは、コンサートで絶唱を歌い死亡する。

 

風鳴翼

防人

部屋の片付けが苦手な寂しがり屋な女性

ツインボーカルユニット『ツヴァイウィング』の片翼

天羽々斬の装者)

 

髪についた泡をシャワーで流し、ボディソープを手につけて体を洗い始める。

 

(というか、俺がこっちの世界に来たときの荷物どこに落としたんだっけ?

まぁ教科書と中身のない財布しか入ってなかったし大丈夫だろう

まぁ元の世界に帰った時に教科書無くしたことは怒られそうだけど)

 

背中になかなか届かなくて苦戦するがなんとか洗い終わり、シャワーで体の泡を落としていく

 

(怒ると言えば、奏さんめっちゃくっちゃ怒ってたな。

やっぱり自分の姿をした偽物が、ノイズと戦ってるのは琴線に触れたのかもしれない。)

 

ついでに服も水洗いして少しでも汚れを落とす為に

Tシャツを手に取り、手洗いしていく

 

(謝ろうにも、男が変身してるだけでも気持ち悪がられるだろうなぁ。

でも謝らないことには話は進まないけど、体が勝手に動くからなぁ)

 

パンツも手洗いをしていく。

 

(そもそもゲームのアプリを起動して変身するとか意味不明なんだよなぁ

メイドギアの理由もわからないし、スマホの充電が切れてなかったら

調べることができるけど、充電切れてるしなぁ)

制服も水洗いできるかケアラベルを確認する

 

(あ、水洗いできる。家庭科の先生ラベルの見方教えてくれてありがとう。

充電しようにもケーブルもバックの中に入ってたな。

全然落として大丈夫じゃなかった ort )

 

あらかた水洗いが終わり、服を絞っていく。

 

(生乾きだけど、外はまだ太陽が出てるしそのうち乾くだろう)

 

そして借りていたものを忘れ物箱に戻し、更衣室を出た。

 

「喉渇いたし、水が飲める場所探そう」

 

公園か神社を探すことにした。

それから太陽が沈み始めたぐらいのところで、公園を見つけたので、

水飲み場が探してみることにした。

 

「オアシス!オアシスがあった!」

 

水飲み場に向かって走る。

ご飯も食べていないのもあり、空腹をごまかす為に飲みまくった。

 

「あの、お兄さん、大丈夫ですか?」

と声をかけてきた子がいた。

口元を拭ってから、そちらの方を見ると小日向未来がいた。

 

小日向未来

戦姫絶唱シンフォギアの主人公の幼馴染みであり、

主人公に対する愛が深い人物で、ラスボスを務めた少女

神獣鏡の適合者

 

(393と出会えるとかすごい嬉しいのだが、なにもこんな情けない状態の時に出会いたくはなかったなぁ)

「いや、大丈夫だよ。そんなに顔色悪く見えたかな?」

「それもあるんですけど、なんだか困ってるような雰囲気だったので、

 よければお話を聞かせて貰えてれば、何か力になれると思うんです。」

「流石に、初対面の子にそこまでは迷惑かけれないよ。」

「でも服からその‥‥変な匂いがしますし、所々汚れてるのも気になります。

 本当に困ってませんか?」

「大丈夫だよ。家に帰れば解決することだから気にしなくていいよ」

「本当に大丈夫ですか?」

「友達と馬鹿騒ぎして川に落ちただけだから問題ないよ。

 じゃあね俺は、このまま帰るから」

「え、あ、はい、さようなら」

俺は全力疾走で393から遠ざかり公園を出た。

(あの公園には二度近づかないようにしよう。絶対面倒ごとになる)

 

 

この辺りでは、見たことない学校制服を着た男の人が走っていくのを見送った私は、

親友がトイレから戻ってくるのを待つ為、ベンチに座り直した。

 

(さっきの人強引にでも引き止めたら良かったのかな?

でも本当に困ってなかったのかも?

男の子って突拍子もない行動とるって聞いたことあるからそういうものなのかな?)

 

「ごめーーん 未来お待たせー」

「響、ううん待ってないよ。さ、家に帰ろう」

 

響が差し出した手を握って、そのまま手を繋いで家路に着く

 

「そういえば未来、さっき難しい顔してたけど悩み事?

 私で良ければ聞くよ?」

「うんさっきね。この辺りじゃ見たことない制服を着た男の人がいてね」

 

 

 

暗くなり街灯で照らされた俺は道を歩いていた。

 

「どこで寝よう」

 

とりあえず、トイレは人に見つかりそうだし寝れなさそう。

公園のベンチは風が寒くて寝れなさそう。

それにどっちかで寝たとしても警察きそう。

 

とふらふら歩いていると空き家と書かれた看板を見つけ、

覗いてみると雑草が至る所に生えてツルが屋根まで伸びていた平家があった。

 

(もしかして開いてないかな)

 

と思い扉の取手に手をかけてノブを回すと

 

「開いた。ラッキー、今日はここで寝させてもらおう」

 

家の中に入ると、床の埃がすごかったので靴は履いたまま中に入った。

居間の方にいくと畳の部屋があり、何故か埃一つない綺麗な状態だった。

 

(誰かがこの家を買う為に見にきてた?

でも廊下は埃で汚くて俺以外の足跡はなかったけど?

まぁ今日寝るだけだし気にしないほうがいいか)

 

制服をたたみ枕の代わりにする

 

(1日も経っていないけど、色々ありすぎて疲れた。

少しでも寝ないときつい。)

 

瞼がゆっくりと降りて、深い眠りについた。

 

 

 

「ではこれより、

 戦姫絶唱シンフォギアXD UNLIMITED Gjallarhorn system version⒈1の

 チュートリアルを始めていきます。」

「ねぇ俺寝たはずなんだけど?というか君はエルフナイン⁉︎」

 

気づけば真っ暗な空間におり、何故かサイズの合っていないダボダボの白衣を着たエルフナインがいた。

 

「あなたは現在も寝むっており、夢を見ている状態です。

 そして私はエルフナインではありません。エルフナインの姿を借りているだけです。

 名前は、ドットと言います。このチュートリアルだけですがお見知りおきを」

「これはご丁寧にどうも霧崎サクラです。

 ってそれよりも色々聞きたいことがあるんだけど、いいかな?」

「質問についてはチュートリアルが終わった後に受け付けますので、その時にお願いします。」

「あっはい」

「ではチュートリアルを開始します。」

 

すると真っ暗な空間が切り替わり、

どこかの室内におり、その直後大きな音が聞こえ部屋が揺れた。

 

「うわ、びっくりした!」

「ではいきましょう。あちらに向かいながら説明をします。」

「え、向かって大丈夫なのってもう行ってるし」

 

ドットがスタスタと歩いていくのを慌てて追いかけた。

 

「まず、霧崎サクラ様のスマートフォンに入っているアプリ

 『戦姫絶唱シンフォギアXD UNLIMITED Gjallarhorn system version⒈1』に

 ついての簡単な概要について説明を行います。

 

 このアプリは、ありとあらゆる並行世界のシンフォギア装者の力を引き出し

 使用することを可能にしております。

 力の引き出し方は、主に2つ 『変身』と『再現』になります。」

 

「変身って俺が奏さんになったあれ?」

「はい、その通りです。

 変身は、シンフォギア装者の肉体を寸分違わず同じものになることで、

 戦い方の完全再現を可能としており、これにより別人が同じ動きをしたとき、

 性差や体格によって生まれる誤差で発生する隙を完全になくすことを成功しております。

「凄いね。だから俺の体は勝手に動き回ってたのね。」

「それは、オートプレイが起動していた為だと思われます。」

「オートプレイとかあるんだ」

「戦いを知らないものでも戦えるように組み込まれております。

 ただしオートプレイにも細かい設定があるので後ほど確認をしてください。」

「わかったよ。ごめん、充電が切れてて、見れないんだけどどうしたらいい?」

「では、スマートフォンの残り少ないバッテリー残量で、充電器を呼んでおきます。」

「ありがとう‥‥ってバッテリー残ってるの?」

「はい、このチュートリアル用に残しておきたかった為、強制的にスマートフォンの電源を落としました。」

「まぁ聞きたいことも聞けるしいいとするか」

 

「では、話を戻します。

 変身については、肉体変化による完全再現を行うことで戦闘能力の向上が見込めます。

 ですが、デメリットが3つあります。

 

 まず1つ目が、5分以上変身できないこと

 5分以上変身した場合、肉体が元に戻らなくなるので、

 安全に使用できるよう4分30秒で強制的に変身解除されるようになっているので、

 時間には気をつけて戦ってください。

 

 2つ目が、スマートフォンのバッテリーが50%消費されるということです。

 これはスマートフォンに入っているギャラルホルンを強制起動させる為に

 必要なものになりますので、50%以下だと変身出来ないので、

 バッテリーの確認を怠らないでください。

 

 3つ目が1日一回しか変身できません。

 理由は、1つ目と同じで2回目変身した時点で肉体が戻らなくなるので

 1日経つまでは変身機能が凍結されるので気をつけてください。」

 

(なんか色々今すぐ聞きたいことがあったけど、後で聞かないといけないな。)

「変身についてはなんとなく分かったよ。」

「変身に関して分からないことは、アプリのヘルプを確認ください。」

「ヘルプとかあるんだ⁉︎」

 

説明を聞きながら廊下を進んでいくとごつい扉をドットが手をかざすと扉が開き進んでいく。

「今カードキーを使う扉に見えたんだけど?」

「問題ありません。セキュリティの甘い扉がいけないだけです。

 目的の場所までもう少しです。計算に間違いがなければ、

 着く頃には説明は終わります。」

 

「次は、再現だっけ?」

「はい、再現とは

 シンフォギア装者のギアをあなたが、アプリで集めた和装型ギアや水着型ギアに変えることで

 装者がペンダントを持っていなくても戦うことができるようになります。

 完全再現を行うと再現前の傷や疲れをなかったことにして、

 ベストコンディションで戦うことが出来ます。再現人数は3人まで可能です。」

「やっぱりデメリットがあるんだよね?」

「もちろんあります。

 こちらも3つあります。

 

 1つ目が、サクラ様以外の人間が対象になることです。

 ちなみに変身しながら、再現はできないので注意してください。

 逆も同じですね。再現しながら変身はできません。

 

 2つ目は消費電力が、10%で1分戦えることです。

 1分戦えるのは、1人を再現したときの消費になります。

 2人再現した時は、1分が分割されて1人30秒になります

 3人になるとさらに分割されて、1人20秒になります。

 なので充電の状態をしっかり確認したうえで、再現人数を決めてください。」

 

「3つ目は、再現した装者とサクラ様が100M以上離れた場合、再現が解除されます。

 解除される距離になれば、警告アラームが鳴るようにしてあるのでそこは安心してください。」

「そのアラームは何処からなるの?離れた装者にどうやって知らせるの?」

「アラームは、スマートフォンと装者の頭の中で響き渡りますので知らせる必要はありません。」

「それ、100M離れたら爆発しないよね?」

「? 爆発しませんよ

 再現されたギアが解除されるだけです。着きましたここです。」

 

と最初よりも大きく体の芯に響くほどの音が聞こえる扉の前に着いた。

「ここで何をするんだ?」

「変身はすでに体感していらっしゃるので、

 今回は『再現』のみで戦っていただきます。」

「まぁ変身して実際戦ったしね。分かった、やり方は教えてくれるんだよね?」

「もちろんです。その為のチュートリアルです。

 では中に入りましょう。」

 

扉を開けると火の海が広がっており、

そして見たことがある大きい白い生き物が暴れていた。

 

「やはり、歌を介さずの強制起動では、

 完全聖遺物を制御できるものではなかったのですね‥‥」

「わたし‥‥唄うよ」

「でも、あの歌はーーー⁉︎」

 

 

(まさかここって⁉︎)

俺は、ドットの方を見ると

 

「では、チュートリアルを開始します。

 セレナ•カデンツァヴナ•イヴで、再現を行い、アルビノ•ネフィリムを倒してください。」

 

難易度の高いチュートリアルが始まった。

 

 




誤字脱字があれば、報告よろしくお願いします。



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チュートリアル 後半 Bad Endルート

打ち切りではございません。
なんとなく思いついたので書きました。
なるべくグロい表現をなるべく控えめになるよう頑張りました。
やっぱり戦闘シーンは難しいウゴゴ


「では、チュートリアルを開始します。

 セレナ•カデンツァヴナ•イヴで、再現を行い、アルビノ•ネフィリムを倒してください。」

 

「わたしの絶唱で、ネフィリムを起動する前の状態にリセット

 出来るかもしれないの」

「そんな、賭けみたいな‥‥‥‥ッ!

 もしそれでもネフィリムを抑えられなかったらーーーー」

 

 

「アルビノ•ネフィリムを倒せって⁉︎

 難易度高すぎない?」

俺は暴れ回るネフィリムを指差す。

「大丈夫です。落ち着いて状況と人を見れば勝てます。

 まず、右ポケットに入っているスマートフォンを出してください。」

 

俺はポケットからスマホを出して、起動させてみると動いた。

「今回チュートリアルなので、充電は100%の状態にしてあります。

 では、彼女たちに接触をしましょう。」

「分かった、行ってくる。」

 

覚悟を決めて、セレナたちに近づいていく。

 

 

「ギアを纏う力はわたしが望んだモノじゃないけど、この力で、

 みんなを守りたいと望んだのは、わたしなんだから」

「ーーーセレナッ!」

 

すごく声がかけにくいです。

(空気が読めない人にこの瞬間だけはなりたかった。

いや、今ならねば!!)

 

「あの〜すみません、お取り込み中のところお時間ありますか?」

「あなたは、何処から入ってきたかは知りませんが早く避難してください。」

「あの、ここは危ないので、早く避難してください!」

「あなた今すぐここから逃げなさい!ここは危険なのよ!」

 

全員から逃げろと言われた。

普通このタイミングで話しかけて来る人間を怪しいとか思わないんだろうか?

いい人たちすぎる。知ってたけど

 

「いや、俺にはネフィリムを倒すための力があってその力を使う為に

 彼女の力が必要なんです。」

 

セレナさんを指差して言った。

 

「セレナに何をさせる気」

マリアさん凄い睨んできて怖いです。

「俺の力で、彼女をサポートすることで絶唱しなくても

 ネフィリムを止めることができます。」

「そんな言葉信じられるわけーー」

「マリア落ち着きなさい。

 もしそれが、本当なら具体的なことを教えていただいてもいいですか?

 内容次第では、こちらからセレナを説得します。」

「これを使う事で完全聖遺物ギャラルホルンを使用することができます。

 ギャラルホルンは並行世界の自分の力をベストコンディションで使用することができます

 この力を使って並行世界でネフィリムを倒したセレナの力を再現すれば、」

スマホを見せながら、精一杯のキメ顔をする。

「勝てるというわけですね。」

「はい、あとは信じてもらうしかありませんが」

「セレナ、信じちゃダメよ。いくらなんでも都合が良すぎる。」

「ですが、マリア彼がこの状況で嘘をつく理由もないのは事実です。

 セレナどうですか?あなたが嫌なのであれば、今すぐ全員で避難をしたうえで、

 対策を立てましょう。」

「ううん、大丈夫だよ。私はマリア姉さんもマムの事も助けたい

 それにここでネフィリムを放っておけば、どんな被害が出るか分からないから

 ここで止めたいの。

 だから私の大切な人を守る為に力を貸してください。お願いします。」

 

セレナがこちらに頭を下げてきた。

(覚悟決めすぎて凄い)

「俺からもお願い、君の力を貸してほしい。

 ネフィリムを止める為に」

手を差し出して言った。

セレナはそれを見て、微笑みながら手を取り握手を交わしたのだった。

 

「そういえば、自己紹介してなかったね。

 俺の名前は、霧崎サクラ

 短い間だろうけどよろしく」

「はい、霧崎さん!

 私はセレナ•カデンツァヴナ•イヴですよろしくお願いします。」

「じゃあ早速始めようか!」

「待ちなさい!セレナだけ戦わせるわけにはいかないわ!

 並行世界の私にギアを纏った可能性があるのならその力を使えるはず、

 だから私もセレナと一緒に戦うわ!!」

「マリア姉さん‥‥」

「どうなの!出来るの出来ないの⁉︎」

 

なんて答えたらいいんだ? ーーーーーここから分岐します。

 

俺は最初の条件を思い出していた。

 セレナ•カデンツァヴナ•イヴで、再現を行うようにいわれている

つまり、セレナだけという意味なんだろう。

ここで嘘をつくことにした。

 

「すまない、セレナだけしか無理なんだ。本当にすまない」

俺は頭を下げて精一杯謝罪をした。

「そんな‥‥」

「大丈夫だよ。マリア姉さん。絶対勝って見せるから。」

「セレナ‥‥分かったわ。信じるけど、霧崎サクラ!

 もしセレナに何かあったら、分かってるわね」

「わかってる、だから2人はここを早く避難して

 すぐに追いつきますから」

サムズアップをして決めてみた。

と叫ぶ声が聞こえた。

暴れ回っていたネフィリムがこちらを向いてゆっくりと歩いて来るのが見えた。

 

「ネフィリムがこっちに来る。セレナさん、構えて!」

「はい、わかりました!

 マリア姉さんは、マムを連れて早く避難を!」

「セレナ、絶対帰って来るのよ!」

「セレナ信じていますよ。サクラさん、セレナの事をよろしくお願いします。」

 

マリアさんとマムが扉から出ていくのを確認した後、

スマホを起動、シンフォギアのアプリを起動した。

いつの間にか後ろにいたドットに驚き声を掛けようとすると

「では、チュートリアルを開始します。

 まず、アプリの画面の戦闘を選び、再現をタッチしてください。

 そして使用したいギアを選んでください。」

「分かった!(エクスドライブが選べる!)ならこれで!」

「選んだら、セレナ様にスマホを向けるだけです。」

「セレナさんいきます!」

「はい、いつでも準備できてます。(独り言?)」

 

スマホをセレナさんに向けると俺が変身した時と同じように

文字の膜がセレナを覆い、膜が弾けるとエクスドライブしたセレナさんがいた。

「凄い、力が溢れてきます。これならいけます!」

 

エクスドライブを纏ったセレナさんが、空を舞いネフィリムの周りを飛びながら、

アガートラムで切っていく。

「はぁぁぁぁ!(これなら勝てる!)」

ネフィリムが叫び声を上げながら腕をふるい、セレナを叩き落とそうとするが

空中に上がり回避し、急降下をして背中に斬りかかる。

ヒット&アウェイを繰り返していく。

慣れてきたのか、最初は間一髪避けていたのが今は余裕をもって避けるようになっていた。

「今なら!行ける!」

 

GREMLIN†ROYALE

 

両翼の羽を広げ、ネフィリムに近づきギアの両翼で刻んでいく。

「綺麗だ。」

まるで踊っているかのように戦うので、思わず見惚れてしまっていた。

 

「これで最後です!」

そしてビームが発射される。知ってたけど実物見ると眩しくて目が開けられない

「うぉあああああ」

ビームの着弾と同時の余波で俺は吹き飛ばされ、壁にぶつかった。

「あぁぐぅぅうぅ」

(痛ぁぁぁい、夢の中なのに痛み⁉︎なんでダァ?)

 

「それよりも戦いは⁉︎」

 

慌てて立ち上がって見るとボロボロになって動かなくなったネフィリムと

こちらに慌てて来るセレナの姿があった。

「霧崎さん⁉︎大丈夫ですか⁉︎」

「大丈夫背中打っただけだから、それよりもネフィリムは?」

「あれから動きがないので、倒せたと思います。」

「そうかよかったぁぁ」

俺は右手に持っていたスマホを確認してみると

(バッテリーは60%っとよかったぁ〜、問題なく終わったな)

 

スマホを直そうとしたところで、何かが俺のすぐ横を通り過ぎて

壁からとてつもない衝撃がきて吹き飛ばされた。

俺とセレナは吹き飛ばされて、地面を何度か転がった。

砂埃がひどく、見えづらい。

暫くして視界が晴れると衝撃のあった壁の方を見ると穴が開いていた。

「何が起きたんだ⁉︎」

慌てて周りを見るとセレナさんが、起き上がるところだった。

「良かった、セレナさん体は大丈夫?」

顔を青くしたセレナさんが言った。

「霧崎さんの方が、重症です!!

 み‥‥右腕からたくさん血が出てます!!」

「‥‥‥え」

俺は右腕を見ると血がたくさん出ており、俺の制服と地面を赤く染めていた。

「うぁぁぁああああああぁぁぁぁ」

「霧崎さん、落ち着いてください!」

「腕がぁぁ、腕がぁぁああ」

痛みはないが、受け入れがたい現実にパニックを起こした俺は自分の腕を探した。

見つけただが、もっとも最悪な状況だった。

スマホを握ったままの右腕をネフィリムが口に入れるところが見えた。

 

腕ごとスマホを食べたネフィリムの傷が癒され先ほどよりも大きくなり、

隣にいたセレナさんの再現が解除される。

 

セレナさんが慌てて詠唱をし、ギアを纏う。

「霧崎さん、早く逃げて!

 逃げる時間を稼ぎますから!」

「だ‥‥ダメだ一緒に逃げるんだ!

 ここまで大きいサイズになると勝てない。勝てないんだ!」

「それでも、やらないといけないんです!!

 〜〜〜♩」

「絶唱⁉︎今のネフィリムにはそれ効果がない!」

止めようと近づくと

ネフィリムが暴れ回ったせいか、ボロボロになった天井から瓦礫が降ってきて、

足を止めてしまった。

「〜〜〜♩」

絶唱が続くセレナさんにネフィリムが近づいていく。

「ダメだ!!セレナさん逃げてぇ!!!!!!!」

ネフィリムがセレナさんを思いっきり掴む

助けようにもスマホがない

ドットを探す何処にもいない

スマホが壊れたせいでいないのか?それとも見捨てられた?

何処で間違えた?何処で間違えたんだ?

わからない

 

それでも現実は容赦なく進む。セレナさんを掴んだネフィリムは口に入れ思いっきり、

噛んだ。

中途半端に放り込んだのか、体のパーツだったものがそこら一帯に飛び散る。

 

膝を折った。現実を受け入れられない俺のところに飛んできたものを見た。

セレナさんの絶望に染まった顔がメノマエニ

 

「うぁぁぁああああああぁぁぁぁ!!!!!!!

 あぁあああわあああああああぁああああがぁあああああああああ!!!!!!!」

 

そして俺は逃げようと扉に向かうが、壁が崩れ道が塞がれる。

「いやダァぁぁぁ、出してぇぇぇぇぇ!!!!!!!」

ネフィリムが俺を掴む。雑につかまれたからだろうか

身体中からバキバキボキボキという音がなった後、口や鼻から血が出てきた。

ネフィリムが口を開けて掴んだ手を近づけていく。

「ばぁなじでぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛!!!!!!!

 あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁぁぁ」

そして俺はそこで意識が途絶えた。

 

それから1週間後空き家を買いに下見にきた人が、身元不明遺体を見つけるのだった。

 




ちなみに主人公とセレナが吹き飛んだ理由は、
ネフィルムが最後悪あがきで近くにあった瓦礫を投げたからです。

バッドエンド書くと筆のノリが違うw
誤字脱字有れば、よろしくお願いします。


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チュートリアル 後半

とりあえず続きです。
分岐までは文章は、一緒です。


「では、チュートリアルを開始します。

 セレナ•カデンツァヴナ•イヴで、再現を行い、アルビノ•ネフィリムを倒してください。」

 

「わたしの絶唱で、ネフィリムを起動する前の状態にリセット

 出来るかもしれないの」

「そんな、賭けみたいな‥‥‥‥ッ!

 もしそれでもネフィリムを抑えられなかったらーーーー」

 

 

「アルビノ•ネフィリムを倒せって⁉︎

 難易度高すぎない?」

俺は暴れ回るネフィリムを指差す。

「大丈夫です。落ち着いて状況と人を見れば勝てます。

 まず、右ポケットに入っているスマートフォンを出してください。」

 

俺はポケットからスマホを出して、起動させてみると動いた。

「今回チュートリアルなので、充電は100%の状態にしてあります。

 では、彼女たちに接触をしましょう。」

「分かった、行ってくる。」

 

覚悟を決めて、セレナたちに近づいていく。

 

 

「ギアを纏う力はわたしが望んだモノじゃないけど、この力で、

 みんなを守りたいと望んだのは、わたしなんだから」

「ーーーセレナッ!」

 

すごく声がかけにくいです。

(空気が読めない人にこの瞬間だけはなりたかった。

いや、今ならねば!!)

 

「あの〜すみません、お取り込み中のところお時間ありますか?」

「あなたは、何処から入ってきたかは知りませんが早く避難してください。」

「あの、ここは危ないので、早く避難してください!」

「あなた今すぐここから逃げなさい!ここは危険なのよ!」

 

全員から逃げろと言われた。

普通このタイミングで話しかけて来る人間を怪しいとか思わないんだろうか?

いい人たちすぎる。知ってたけど

 

「いや、俺にはネフィリムを倒すための力があってその力を使う為に

 彼女の力が必要なんです。」

 

セレナさんを指差して言った。

 

「セレナに何をさせる気」

マリアさん凄い睨んできて怖いです。

「俺の力で、彼女をサポートすることで絶唱しなくても

 ネフィリムを止めることができます。」

「そんな言葉信じられるわけーー」

「マリア落ち着きなさい。

 もしそれが、本当なら具体的なことを教えていただいてもいいですか?

 内容次第では、こちらからセレナを説得します。」

「これを使う事で完全聖遺物ギャラルホルンを使用することができます。

 ギャラルホルンは並行世界の自分の力をベストコンディションで使用することができます

 この力を使って並行世界でネフィリムを倒したセレナの力を再現すれば、」

スマホを見せながら、精一杯のキメ顔をする。

「勝てるというわけですね。」

「はい、あとは信じてもらうしかありませんが」

「セレナ、信じちゃダメよ。いくらなんでも都合が良すぎる。」

「ですが、マリア彼がこの状況で嘘をつく理由もないのは事実です。

 セレナどうですか?あなたが嫌なのであれば、今すぐ全員で避難をしたうえで、

 対策を立てましょう。」

「ううん、大丈夫だよ。私はマリア姉さんもマムの事も助けたい

 それにここでネフィリムを放っておけば、どんな被害が出るか分からないから

 ここで止めたいの。

 だから私の大切な人を守る為に力を貸してください。お願いします。」

 

セレナがこちらに頭を下げてきた。

(覚悟決めすぎて凄い)

「俺からもお願い、君の力を貸してほしい。

 ネフィリムを止める為に」

手を差し出して言った。

セレナはそれを見て、微笑みながら手を取り握手を交わしたのだった。

 

「そういえば、自己紹介してなかったね。

 俺の名前は、霧崎サクラ

 短い間だろうけどよろしく」

「はい、霧崎さん!

 私はセレナ•カデンツァヴナ•イヴですよろしくお願いします。」

「じゃあ早速始めようか!」

「待ちなさい!セレナだけ戦わせるわけにはいかないわ!

 並行世界の私にギアを纏った可能性があるのならその力を使えるはず、

 だから私もセレナと一緒に戦うわ!!」

「マリア姉さん‥‥」

「どうなの!出来るの出来ないの⁉︎」

 

なんて答えたらいいんだ?

まぁ正直答えるのが一番か。

「はい、お姉さんも戦うことが出来ますよ。」

「なら結構、私も戦うわ!

 セレナを1人で戦わせたりなんてしない!」

 

するとあれだけうるさかった音が聞こえなくなり、

ネフィリムの方を見るとこちらを見てゆっくりと歩いて来るのが見えた。

「話は決まりましたね。霧崎サクラさんの力を借りて、ネフィリムを待機状態まで

 追い詰めることが勝利になります。3人とも気を付けて戦いなさい。」

「分かったわ。マム

 それと霧崎サクラ、私の名前はマリア・カデンツァヴナ•イヴよ

 お姉さんとは呼ばないで頂戴。

 少しでも怪しい動きをしたら分かるわね?」

「その信頼を裏切らないように頑張ります。

 それじゃあ、始めようか」

「では、チュートリアルを始めていきます。」

「うぉ、びっくりした。

 ごめんドットの存在を忘れてた。」

「いえ、気にはしていないので大丈夫です。

 それに周りの人から私の姿は見えていませんから。」

 

「1人で何をぶつぶつ言っているのかしら?」

「きっと気合入れてるんだよ。マリア姉さん」

 

2人からかわいそうなものを見る目で見られてる

急いで準備しなければ、

「ではスマートフォンのアプリを開き、戦闘を押し、再現をタッチしてください。

 再現するギアを選んでください。」

 「(エクスドライブが選べる)マリアさん、セレナさん準備ができました!行きます!」

 

「はい、いつでもどうぞ」

「ええ、大丈夫よ!」

 

「では、スマートフォンを2人に向けてください。」

「再現開始!」

 

2人を文字の膜が覆い、膜が弾ける。

そこには、アガートラムのエクスドライブの格好をした2人がいた。

 

「凄い、力が溢れて来る。

 マリア姉さんこれなら!」

「ええ、行けるわ!

 霧崎は、マムを連れて下がってて」

「分かった。マムさんこっちに」

「2人とも気を付けて戦いなさい」

 

俺はマムの手を取って壁際まで下がった。

「霧崎サクラさん、貴方に感謝の言葉を送らなくていけませんね。

 ネフィリムを止めるための力を与えてくれたことに。」

「いえ、自分にできる事をしただけですから

 それにここで見ていることしかできませんし。」

「それでもです。貴方がしたことはきっと良き未来につながるでしょう。」

(良い未来ね‥‥、元の世界に帰れるといいんだけど。)

「2人の戦いに巻き込まれてはいけないので、

 ここに居るよりもこちらの物陰に隠れましょう。」

「はい、わかりました。(ドットはアレ?いない?まぁ大丈夫かな?)」

 

セレナが、空中からアガートラムで背中に回り込み、斬りかかる。

ネフィリムがそれを振り払おうと左腕を振るった瞬間に

 

「はぁぁぁぁこれで!」

マリアが、懐に一気に飛び込み、お腹に切りかかった。

切られたことに気づいたネフィリムは、マリアを叩き潰そうと右腕を振り上げる

「させない!マリア姉さんは、私が守る!」

 

GREMLIN†ROYALE

 

ネフィリムの右腕をギアの両翼で切り刻み、ビームは放ち吹き飛ばす。

吹き飛ばされた衝撃で、バランスを崩し倒れそうになるネフィリムの足に向かって

 

DESPAIR†BREAK

 

マリアが、目では追えない数の斬撃を放ち、足を切り落とす。

そして完全に倒れたネフィリムに、

「セレナとどめを刺すわよ!」

「うんマリア姉さん!」

 

2人周りに大量の剣が出てきて、ネフィリムに向かって殺到する

刺さり切り刻み、嵐のようの通り過ぎていく

切り傷が深いのだろう。残っていた手足もボロボロになっており、

もうネフィリムは動けそうにない。

けれどまだ終わらない

2人の周りに剣が集まり、

 

「これで最後です!」

「眠りなさい!」

 

TWINKLE†RIVERRAY

 

大量の剣が流星のように降り注ぐ

ネフィリムは防御できずただ受けることしかできずに、活動停止した。

「セレナ油断しないで、もう一度攻撃をぶつけましょう。」

「でも動かないし倒したんじゃ?」

「念のためよ。死んだふりをしているかもしれないし。」

「分かった。もう一回攻撃してみる。」

 

セレナがもう一度ビームを放つとネフィリムが、無造作に掴んだ瓦礫を投げてきたが

マリアがこれを破壊

ビームがネフィリムに当たり、爆発した。

「どうなったかな?」

「煙が晴れるまで、油断しちゃダメよ」

煙が晴れるとサナギ型になったネフィリムの姿があった。

 

「やったよ!マリア姉さん!!」

「ええ、やったわね!」

セレナがマリアに抱きついて来るのを優しく受け止め頭を撫でる。

「サクラさんのお陰で助かったね。」

「ええ、そうね。」

 (でも彼は何処から来たのかしら?あんな力を持っているんだもの

 何処かの組織の人間?)

「ん?セレナ今彼を名前で呼んだ‥‥のかしら」

「うん、絵本に出てくるような王子様みたいにピンチになったら助けに来てくれた。

 とってもかっこよくて素敵なお兄さんだから、名前で呼んでみたいな〜、なんて」

少し恥ずかしそうにセレナは言った。

私は思わず、セレナの肩を掴み、

「ダメよ!素性もわからないような男の人なんて、私が認めないわ!」

「大丈夫だよ。マリア姉さん、これから知れば良いんだよ」

 

 

上で姉妹仲良くしてるのほんのちょっと前

ネフィリムの投げた瓦礫が邪魔で俺もマムさんも動けなくなっていた。

しかも瓦礫が危なかったからマムを守るために押し倒したら

瓦礫の隙間にきれいにハマり、体が動かなくなっていた。

(マムもなんか押し倒してから、独り言言い始めて話しかけても

返事してくれないし、早くネフィリムを倒して助けに来てくれぇ!)

 

「私には可愛い子供達がいるのにこんな、最近は若い子は年上好きだと研究者たちも言っていたけれど、まさか押し倒されるような魅力が私にあると?もしそれが本当なら、マリアやセレナに新しい妹を作ってあげられると言うもの。とうに女の幸せを捨てたと思っていたけれど、こんな形でまた拾うとは思っていなかった。もし子供ができたら、名前はなんと名付けようか?彼は顔立ちからアジア系の人間さらに霧崎サクラという名前から、日本人である可能性が高い。なら彼に合わせて日本人の名前をつけるのも良いかも知れない。そうなれば、日本の花の名前をつけるのもなかなか素敵だと思う。赤ちゃんが生まれた季節の花の名前をつけよう。花言葉も幸せを呼ぶような名前にしてあげたい。そして家族でピクニックに行ったりしたいものだ。だがサクラがこちらの生活が合わないと言ったら、サクラに合わせて私が子供たちを連れて日本に住めば良い、そうすれば、彼も幸せというものだ。サクラは何人子供が欲しいのだろうか、それによっては体力の衰えもあるからサクラの望む人数を産めないかも知れないその時は体外受精やいろんな方法を取ればいい、考えてみれば、日本に住めば色々なメーカーの醤油を買うこともできる。サクラの好きな日本食を作ってあげることも可能だろう。彼の親にも挨拶に行かなくてはならないだろう。その時は、反対されるだろうか?それでも私とサクラの愛を止めることはできない。なら、愛を貫き通す事を声を大にして家族を貫き通せばいい。それなら‥‥‥‥‥」

 

 

「マム、霧崎無事⁉︎」

「ああ、マリアさん、無事だから早く助けてぇ!!!!!!!」

(なんか知らないが悪寒が止まらない!!)

「サクラさん今助けます!」

と瓦礫が吹き飛ばされ、なんとか体が動くようになったので、慌てて立ち上がった。

 

「ありがとう、助かったよ(いろんな意味で)」

「サクラさんがご無事なら私は嬉しいです!」

「あれ?なんで名前で?」

「嫌でしたか?」

「ぜんっぜん、嫌じゃないよ。セレナさん、むしろ嬉しいよ」

「それはよかったです。よければ、その‥‥サクラさんも呼び捨てで、‥‥お願いします。

「ぇ、あぁ、うん‥‥よ‥‥よろしくね。セ‥‥セレナ」

名前を呼んだら眩しい笑顔が帰ってきた。照れる。

 

「マム!マム!大丈夫なのねぇ⁉︎返事をして、マム!」

「ですが私の方があまりにも年上で旦那様よりも先に死んでしまう事を考えるとやはり不老不死の研究をしなく

 ては (ぶつぶつ)

 ! マリア、ネフィリムを止められたのですね。」

「え‥えぇ、そうよ。マム 霧崎のお陰で私もセレナも助かったわ」

「そうですか、旦n‥‥コホン、霧崎さん本当に感謝してもし足りません。

 お礼なら、私が(強調)できる範囲で色々しますよ」

 

なんかお礼を言われるのは嬉しいな

なんか若干冷や汗が止まらないのはなんでだろう?

 

「とりあえず、先ほどの戦闘でボロボとになっているので、早めに外に出ましょう。

 サクラさん、2人のギアはあとどれだけ維持できますか?」

 

俺はスマホを取り出し、バッテリーを確認  残量40%

「あと2分しか維持できない。」

「わかりました。ネフィリムは待機状態なので、建物が崩れても掘り起こせばいいだけです。

 では、マリアとセレナが私とサクラさんを運んでもらいますが、よろしいですか?

「はい、サクラさん運びますね〜」

「ダメよセレナ!私が彼を運ぶわ!彼を運ぶときにセレナに何かするかも知れない!」

「マリア姉さん、サクラさんはそんなことしません!

 ねぇ〜、サクラさん」

「あっはい」

「二人とも急いでください。いつまでもつかわからないんですから」

「くっ、霧崎サクラ!セレナに何かしたら!分かってるわね!」

「も‥‥もちろんであります」

思わず敬礼してしまった。

 

「ではサクラさん失礼します。」

と俺はなぜかお姫様抱っこをされて、

「では、行きます!」

 

物凄い速さだったという事を書いておこう。

 

外に出たら、先に避難をしていた者たちがいた。

「ナスターシャ博士、よくぞご無事で」

「ええ、マリアやセレナ、サクラさんのお陰でたすかりました。

 一応怪我がないか皆、見てもらいなさい。

 サクラさんもそれでいいですね?‥‥‥サクラさん?」

「セレナ、霧崎は何処に行ったの⁉︎」

「え、さっきまでそこで寝転がってたんだけど?‥‥え?」

「急いで、周辺を探しなさい!男の子がいるはずです!」

「はっ!」

 

 

 

吐く一方手前の俺がなんとか復活すると、最初の真っ暗な部屋にいた。

「これでチュートリアルは終了になります。

 再現については、理解できましたか?」

「うん、なんとか

 ちなみにさっきのは夢?現実?」

「それについては、禁則事項です。」

(まさかの黙秘)

 

「ではチュートリアルが、終わったので質問があれば受け付けます。」

(色々と聞かないとな)

 

なんとかチュートリアルが終わったのだった。

 




ヒロインは未定、これ大事

誤字脱字あれば、よろしくお願いします。


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確定の負けイベント

そろそろ原作に入りたいと思いながら、筆を進めてます。
今回も雑な文章で、すみません。


チュートリアルが終わり、質問をしていいという事で

同じ質問をしてみた。

 

「でさっきのは夢?現実?」

「現実です。」

「普通に答えた⁉︎ なんで禁則事項とか言ったんだよ!」

「上から、アニメオタクなら一度は言われて嬉しいだろうから言うようにと

 お達しがあったので、今言いました。」

「えぇ(困惑)

 って、上?上司がいるのか?」

「はい、私は、貴方に必要最低限のことを教えるように上からの命令があり、

 ここにいます。」

「その上司は、俺になにをさせたいんだ?」

「『ウロボロス』の残党が、シンフォギア装者を亡き者にし、

 組織の復活そしてベアトリーチェの復活を目論んでいます。

 これを阻止すべく作り上げたのが、『Gjallarhorn system』になります。」

「つまりこの世界の何処かに残党がいるのか?」

 (というか、ギャラルホルン編第1章しか知らないんだが、大丈夫なんだろうか?)

「いえ、過去への干渉は容易ではないのでまだいません。

 ですが、近い将来必ず出会うと思います。」

「ちなみになんで、俺なんだ?他にも適任な人がいそうな気もするが?」

「それに関しては、まだその段階ではないため、お答えできません」

「うん分かった。その時になったら教えてね。

 あと、ギャラルホルンシステムを作ったって言ってたけど、

 スマホにギャラルホルンそのものが、入ってたりはしないよね?」

「入っています。古代文明の遺産を使いギャラルホルンを電子化させ、プログラムとして

 使えるようになっております。なので今後も便利に使える様に変えていく予定なので、

 その都度Version upしていくよう、よろしくお願いします。」

 

(なんか色々ついていけてないが、とりあえず今聞きたいことは聞けたかな?)

「色々答えてくれてありがとう。質問は今のところもうないかな?」

「分かりました。これで全て終了となります。

 では、未来が変わらないよう全力を尽くしていただけるとありがたいです。

 そして未来を守れたら、貴方を元の世界に返す事をお約束します。」

「それは本当に?」

「はい、もちろんです。」

(今は、この言葉を信じるしかないかな)

「それと貴方が強くなれるよう、再現と変身でのエクスドライブは全て使用禁止になりますので、

 ご注意ください。では、私はこれで」

「えっ、ちょっと待てぇぇぇぇぇ」

 

そうしてドットが急に輝き、あまりの眩しさに目を瞑り、

光が治ったのでゆっくり目を開けるとそこには不法侵入をした家の天井が見えた。

「知らない天井だ」

 

一度は言ってみたいセリフを言えた俺は満足をして、固まった体を無理やり起こした。

スマホを起動させてバッテリーの確認をしたところ残り10%と表示されており、

今すぐ充電が必要な状態だった。

 

「とりあえず、水を飲みにいくか。

 ついでに公園で充電できるかもしれない」

 

そう思い玄関を出て、周囲を確認

393と遭遇しないために別の公園を探しに歩き出した。

公園を見つけ、水を飲んだあと充電できる場所を探して見つけたので

ポケットに入ってた、充電ケーブルで充電を始めた。

人目から隠れられる場所にコンセントがあったので、

誰かに話しかけられることもなく出来た。

 

充電しながら、変身したときの設定を見ていると

(戦いながら変顔する機能?なんだこれ、しかもONになってるしOFFにしとこう)

と色々意味不明なものもあったが、概ね設定できたと思う。

 

(エクスドライブが使えないのは、痛いがなんとかするしかないな。)

ちょうど充電が終わって、今度は廃墟にでも行こうかなと立ち上がった瞬間、

警報が聞こえた。

遠くから悲鳴が聞こえる。

 

「あっちにノイズが出たのか。‥‥行こう。出来ることするために」

 

悲鳴の多い方にくるとノイズが見えたので、周囲にカメラがないかを確認してから

メイドギアの天羽奏に変身をした。

何故これに変身したかと問われると飛んで逃げられるからという安直な理由だった。

 

そしてノイズの集団に突っ込み、ホウキで倒していく。

昨日と同じで、体が勝手に動くが意識が飛ぶほど負担は感じない。

設定を色々弄ったおかげかもしれない。

視界の右上に残り時間3分46秒と時間が表示されていた。

(これも設定でONにしてみたがやっぱり、時間がわかる方がいいな。)

 

そうして残り1分2秒になった時には、ノイズを殲滅できた

(俺tueeeeを我が身を持って体験することになったが、ものすごく気分がいいな。)

と感動していると

 

Croitzal ronzell gungnir zizzl

 

Imyuteus amenohabakiri tron

 

奏さんと翼さんが来た。

「おい!偽物覚悟しやがれ!!」

「すまないが、一緒に来てもらおうか。もし、拒絶すならば力づくでも連れて行く!」

 

 

俺はホウキに跨り、空へ飛ぼうとした瞬間、

 

「逃すか!!!」 STAB∞METEOR

 

竜巻が後ろに迫ってきたので、慌てて空を飛んだ。すると

 

「ここだ!」 蒼ノ一閃

 

「やっば⁉︎」

青い斬撃にあたり吹き飛ばされ、地面に転がる。

時間を見ると残り30秒

 

(どうにか隙を作って逃げなければ、まずい状況になるぞこれ!)

ホウキで地面に攻撃をし、砂埃に紛れる。

 

「そんなんで隠れたつもりか!」

「なら、逃げ場がなくなるよう制圧すれば!」

 

千ノ落涙

 

無数の剣が降り注ぎ、視界が晴れて行く。

「いない‥‥だと」

「おい、旦那そっちはどうなんだ!」

『すまん、こちらでも目標を見失った。』

「クッソ!」

 

 

 

 

「すみません、こちらにサインをお願いします。」

「あっはい。」

あの後、煙に紛れて、なんとか離脱は出来たものの途中で変身が解け、

へたり込んでいたら後ろからNINJAに声をかけられ、生存者としてここにつれて来られた。

 

「書き終わりました。」

「ありがとうございます。今日の事は、他言無用でお願いします。」

「分かりました。」

サインが書き終わり、すぐに離れようとしたら、

 

「あったかいものと飴をどうぞ、少しは落ち着きますよ。」

「あったかいものありがとうございます。」

笑顔が可愛いいオペレーターさんから、飲み物と飴をくれたので、

休んでいると、

 

「逃げられちゃったね。奏」

「ああ、すぐに逃げる用意しやがって、しかも今度はどんな手で逃げたのかが、

 わからねぇ。でも、次こそは捕まえてやる。」

「うん、その時は、私も協力するね」

「頼りにしてるよ。翼」

 

後ろでなんか、聞こえちゃいけない声が聞こえたような

 

「それにしても翼はかわいいなぁ」

「きゃっ、いきなり抱きつかないでよ。驚いちゃうじゃない」

「ごめんごめん、でもこうしてると落ち着くからさ」

「もう奏ったら」

 

(よし飲んだし、逃げよう。万が一、バレる可能性もあるしな。

この姿だとすぐボコボコにされちゃうしな。)

 

容器を捨てるために動こうとすると

「おい、あんた」

「ひゃい、なんでしょうか」

 

後ろをゆっくり振り返ると奏さんがこっちをみていた。

(バレたのか?いやそんなはずは?いやでもそんな‥‥)

「首のところ怪我してるぞ。向こうで手当てしもらってきなよ。」

「え、あ、ありがとうございます。今すぐ行きますね!」

 

手当てをしているテントに走って行く、男の子を見送る

「元気なやつだな」

「でもここに座ってた時からずっと震えてた。きっと怖かったんだよ」

「あんな気弱そうな奴が巻き込まれないよう、私たちも頑張らないとな」

「ええ、二人で、ツヴァイウィングだもんね。」

「その通り、二人でならどこまでも飛べるさ。」

 

 

手当てをしてもらいあの場から離れた、霧崎は廃ビルを見つけたので

途中で拾った新聞紙に身を包んで寝るのだった。

(寒いけど寝れなくはないな)

 

 

それからは、朝早くに起きて、公園で充電

公共施設に侵入シャワーを拝借、ノイズ被害があり復旧の進んでいない家に侵入、

食べ物をもらい逃げる。

ノイズと戦う。ツヴァイウィングからなんとか逃げる

廃ビルで寝る。

 

これが約3ヶ月ぐらい続いた

 

 

雲が少し出ているが、満月がよく出ており、月明かりだけでも地面が見えるぐらいの夜

いつものようにメイド奏さんで、今回は公園に現れたノイズを退治し終えたところだった。

(よし、今日もノイズ退治終了、っとあとは逃げるだけ

時間も2分あるし今回は余裕があるな。)

と、ものすごい風が吹いた。風が止み、吹いてきた方を見ると

 

「すまないが、今日は二人が来れない代わりに俺の相手をしてもらおう。」

屈強な筋肉を携えた益荒男がいた。というか、OTONAがいた。

慌ててその場を離脱しようとしたら、何故か体が動けなかったので、

もしかしてと思い、なんとか首を動かし足元を見るとクナイが霧崎の影に刺さっていた。

 

影縫い

 

「すみません、手荒な事はしたくはないので、大人しく投降をしていただけると助かります。

背後にNINJAがいた。

 

前門のOTONA、後門のNINJA

 

(無理じゃね?)




誤字脱字有れば、よろしくお願いします。



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確定の負けイベント2

前話、OTONAとNINJAに遭遇した場所について
抜けていたので追加しました。

今回は短めです。


前回のあらすじ

OTONAとNINJAから2分以内に逃げろ

(捕まれば、奏さんに怒られる!なんとか、なんとか逃げねば!)

 

「俺の名前は、風鳴弦十郎 特異災害対策機動部二課の司令をしている。

 今、君が様々な組織から狙われていることが分かったのでな、

 こちらで保護をするために、俺が出てきたというわけだ。」

「僕は、部下の緒川慎次と言います。

 安心してください。僕たちはあなたの敵ではありません。」

 

(いい人だと分かってるから、余計付いて行きたくなるけど

奏さんが怖いんだよなぁ

しかも、他の組織に狙われてるとかフィーネの手先が混ざってそうだしなぁ。)

 

「我々の言葉が、信用できなくてもいい

 だが、君を汚い大人に利用されないよう、せめて事が終わるまで

 監視下にいてくれるだけでもいい。どうだろうか?」

「とりあえず、逃げないから、これを外してくれないか?」

 

残り1分32秒

 

「分かった。慎次、解いてやれ。」

「分かりました。これで動けるようになるはずです。」

 

クナイが抜かれ、は体の力を抜いて、OTONAの方を見る

 

「ありがとう。でも、あんたもその汚い大人の可能性があるから信用できないんだけど」

(いい人だと分かってると、罪悪感がぁぁ)

「言葉ではなく行動で示したいが、この場では言葉と誠意でしか示せないんだ。

 頼む、俺を信じて守らせてほしい。」

「僕からもお願いします。信じてください」

 

二人の大人が、怪しさしかない子供に頭を下げている。

(ここで捕まるとフィーネにバレるのも確実だけど他にも来そうだからなぁ

機会を見て、後日こちらから会いに行こう。うん。決して、奏さんが怖いわけではない。)

残り1分2秒

 

「すまないが、信頼できない。じゃあな。」

俺はいつもお通り、砂埃を起こし紛れて逃げる。

 

「そうか、残念だ。では、力づくで連れて行かせてもらう!」

俺は、公園の入り口を越えようとした瞬間、

向こうの煙が晴れると同時に弦十郎が真っ直ぐこちらに飛んでくる。

「はぁぁぁ!」

 

距離を離したつもりでいた霧崎は、弦十郎の声が近いことに

驚いて後ろを振り返ってしまった、霧崎の目の前に拳が迫る。

 

「っっ⁉︎」

体を思いっきり捻り、拳を避けるが、風が巻き起こり

抵抗する事もできず吹き飛ばされる。

 

吹き飛ばされた先で、緒川が縄を構えているのが微かに見えた、

霧崎は、ホウキの炎を出し強制的にバランスを取る。

 

そのまま緒川に向かって、ホウキを振り下ろすと

左右に分身を作って、避けられる。

 

そのまま体勢を戻し、走ろうとすると左腕にロープが結び付かれており、

体が後ろに倒れそうになるが、

ロープを炎で焼き切ると同時に弦十郎の拳を振りかぶる。

 

「ふんっ!!」

「グゥおおお!」

 

なんか拳を逸らそうとするが、間に合わず、腹に拳をモロに受け壁に叩きつけられた。

 

「手加減はしているが、そのダメージでは動くのは辛いだろう。

 大人しくてもらえると助かるんだが」

 

(ものすごくいっっったい!あれで手加減とか勘弁してくれ)

なんとか立ち上がったと同時に

 

DEIMOS∞WITCH

 

飛んだ。弦十郎が急いで手を伸ばすが、空を切る。

残り34秒

 

「逃げられたが、藤尭、友里。今すぐ場所の特定を頼む。」

『はい、そこから北西800Mのところで降りたのをヘリから

 発見したとの報告がありました。』

『着地地点の生きている監視カメラを調べてみたところ、

 元大型ショッピングモールの廃墟ビルに入っていくのを確認できました。

 廃墟ビル周辺のカメラには、不審な人影は発見できず。

 廃墟ビルにとどまっている可能性が高いですね。」

 

「分かった。俺と慎次は今すぐ現場に向かう。行くぞ!」

「はい!」

 

 

「なんとか、逃げれたけど、ものすごくいてぇ」

残り11秒

(ここまで痛いのは初めてだ。くぅ、今日は寝れそうにn‥‥‥)

 

天井が壊れ、

「見つけたぞ。もう逃がさん!」

 

ヒーロー着地をしたOTONAが立ち上がるのが見えた。

なんとか逃げようと右手の窓を見るとNINJAが拳銃を構えてるのが見えた。

(あっちからは逃げられない!)

左手の階段と階段下の非常口にNINJAがそれぞれ一人づつ、待ち構えていた。

(あ‥‥あれ?さっきも見たような?気のせいだよ‥‥ね?)

もう一度右の方を見る。NINJAがいる。

左を見る。NINJAが2人いる。

正面、OTONA。

OTONAの後ろの扉を見るとNINJAが1人

 

「すでにこのビルの外も部隊が展開し包囲している。諦めろ。」

残り0秒

無慈悲なアナウンスが鳴る。

『変身を解除します。』

 

霧崎の体が元に戻る。

 

「男‥‥‥だとぉぉ!!」

「きみは‥‥‥あの時の⁉︎」

 

(ああ、終わった。ならやるべきことは一つ!)

 

「ほんっっとうにすみませんでしたぁぁ!!!!!」

土下座をして謝ることだった。

 

2人が驚いてさらに反応が遅れたところに畳み掛ける。

「よければぁ!人にぃ言えないよぉうなぁ、

 話をぉするのでぇぇ通信をぉ切ってぇ!

 話をぉ聞いてぇぇぇ頂けるとぉぉ嬉しいですぅぅ!!!」

 

「あ‥‥ああ、分かったから土下座はやめてくれ」

「そうですよ。話は聞きますので、顔をあげてください。」

いい人達すぎる(涙)

 

それから、しばらくしてから話がついたのだろうか

耳につけていた通信機を外した2人が、

霧崎に対面してから地面に座った。

 

「聞かせてもらえるんだな。」

「はい、霧崎サクラの知ってることを包み隠さず話します。」

 

俺が、この世界にきてからのこと、スマホのことを全部話した。

 

「では君は、これを使って奏に変身していたと?」

「はい、その通りです。」

「1日一回しか変身できない話は、この3ヶ月、

 確かに1日2回ノイズが出現した時は現れなかったこともありましたね。」

「了子君が推測していた通り、戦える時間が4分30秒も当たっていたな。」

「その了子さんというのは?(櫻井了子だよな?)」

「櫻井了子、聖遺物の専門家であり、俺たちの頼もしい味方だ。」

「その人すごいですね。変身時間を当てるなんて」

「ええ、サクラ君。君が逃げ始める時間、戦う時間から4分から4分30秒と

 推測されていましたね。」

「なにそれ、怖い」

「はっはっは、そのお陰で君を捕まえることができたしな。」

「それと‥‥その奏さんがかなりお怒りなのが、怖いのですが」

「あれだけ、変顔をしていれば、怒るだろうな」

「変顔?」

「サクラ君が、初めて戦ったときにかなり変顔をしながら、

 戦っていたのですが?覚えてますか?」

「身に覚えはありませんが、思い当たるものはありますね。」

 

まさかあの変顔機能のせいだったか(悲しみ)

色々と話をして場の雰囲気が少し柔らかくなったので、

 

「あの、色々とご迷惑をかけました。

 事後処理とか現場を混乱させたことも本当にすみませんでした」

もう一度土下座をした。

 

乱暴でゴツゴツしているけども温もりを感じる大きな手が、頭に置かれ、撫でられていた。

 

「子供が、そんなに気を使うんじゃない。

 大人は子供に迷惑をかけられるのが仕事で、そこから導いていくものだ。

 君がしてきたことは、一部褒められたものではない。だが、

 ノイズと戦っていた君を責めるような真似なんて、みっともなくて出来るかよ。

 君が戦うようになってから、ノイズ被害による犠牲者はかなり減っているんだぞ?

 だからこそ、お礼を言わせて欲しい。

 見知らぬ世界で、心細かっただろう。

 それでも誰かの為に戦ってくれてありがとう」

 

「僕からもお礼を、あなたが戦ってくれたおかげで、

 ノイズに追われて自分の時間がなかった

 奏さんや翼さんの休める時間が増えたことで、

 余裕を持って、日常を過ごせるようになりました。

 心から感謝をしています。ありがとうございます。」

 

迷惑をかけるだけかけた俺に2人が頭を下げてる。

公園でのお願いで下げた時とは違う。

突然の感謝の言葉に俺は頭が真っ白になり、思考が戻ると

久々に声を出して、泣いた。

 

俺が泣き止んで、しばらくしてから

「あの‥‥え〜と」

「どうした?遠慮せず言っていいぞ」

「奏さんにその謝りたいので、その‥‥場を設けてもらえると

 嬉しいなぁ〜って」

「フッ、なんだそんなことか任せろ。

 謝って殴られば、終わりになるさ。」

「はい、奏さんなら、それで許してもらえますよ」

 

(殴られること確定なのね。まぁ、半殺しよりはマシかな?)

 

「よし!戻るか。歓迎会も盛大に行うから、楽しみしているといい」

「楽しみしてます!」

 

すると入り口に、黒服の人が慌てて入ってきた。

「大変です!ノイズg」

ノイズによって、赤い灰になる。

 

「っ、慎次周辺は!」

「どうやら、囲まれたようですね」

「逃げ場が!」

 

窓や階段からノイズが現れ、囲まれていく。

外から警報が聞こえ始める。

通信機をつけた弦十郎が、

「状況はどうなっている⁉︎」

『何者かによってノイズが放たれ、

 包囲していた部隊を全滅しました。

 ノイズは今、司令達を囲むように動いています。

 装者を出撃させましたが到着まで、5分ほどかかります!」

「分かった、装者が来るまで生き残らないといけないが、

 逃げ場がないな。

 慎次!俺が道を切り開く!!サクラ君を連れて逃げろ!」

「了解!サクラ君すみません。抱えますね。」

「でも弦十郎さんが、危険です!」

「そんなのは百も承知さ!それでも守れる命は守ると決めてるんだ!」

 

飛んでくるノイズをアスファルトをひっくり返し、ノイズを迎撃していく。

だが、少しずつノイズの包囲網が狭まっていく。

(どうにか、2人を逃したいが、数が多すぎる。このままでは!)

 

俺は、元に戻れなくなる覚悟で、設定の一番最後にある二度目の変身をできるようにしようと

スマホを起動すると

『対象と接触、再現可能なものが増えました。』

 

(もしかして、あれか!

選べる対象は、やっぱり!)

 

「今の俺はノイズと戦えません!

 でも、弦十郎さん、緒川さんに戦う力を与えるができます!

 お願いします。俺を信じてください!」

「ああ、信じているとも!」

「ええ、もちろんです!」

 

「再現開始!」

 

2人の体が光が覆い、弾ける。

 

 




誤字脱字が有れば、よろしくお願いします。

大人ってなんだろうなぁっと思いました。


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接敵

シンフォギアxd
新しいイベントが始まりましたね。
メインだと思ったらイベントだったのには驚いた。


弦十郎と緒川を光が包み再現を行う。

ノイズが、霧崎達に向かって、突撃をしてくる。

 

(間に合わない⁉︎)

「いや、間に合った!」

 

迫ってきていた、ノイズが全部赤い灰に変わり消える。

その中心には、

右手にガンドレットをつけた風鳴弦十郎と

忍装束に身を包みその手には小太刀を構える緒川慎二がいた。

 

シンフォギアが成立しない世界に置いて、

唯一のノイズに対抗できる手段にして、

理論上誰でも聖遺物を強制起動させることのできるそれが、

『RN式回天特機装束』

 

「ノイズに触れられるだけでなく、倒せるとはな、

 今までの鬱憤を晴らさせてもらおうか!」

「そうですね。触れられるので有れば、選択肢が増えますからね。」

「2人共、戦える時間は、残り1分48秒

 自分から100メール以上離れると再現が解けてしまうので、

 気をつけてください!」

「分かった、慎次、サクラ君を守りながらに敵の包囲網を崩し、

 ここから離脱するぞ!」

「はい、いきます。」

 

ノイズが一気に赤い灰に変わっていく。

さっきまでの絶望的な状況が嘘のように塗り替えられていく。

 

2人が纏う『RN式回天特機装束』は、

それぞれ特徴があり、

 

まず、RN式ガングニール

本来の武器は己の肉体のみでどうにかしないといけないデメリットがあるが、

 

「破あぁぁ!!!、フゥン!」

拳を振るう。正面にいたノイズの集団が消し飛し、

そのまま回し蹴りを行い、周辺も赤い灰に変えていく。

 

規格外の肉体を持つ弦十郎だからこそ扱えるので問題は解決している。

そして、再現なので想いを力に変える機能と

ガンドレットを当然のように使用できる

 

 

そして、もう一つのRN式天羽々斬

「これで」

ノイズの攻撃が当たる瞬間、分身をして、

動けない霧崎に殺到するノイズを小太刀で切り裂いていく。

「さっさと片付けさせてもらいます。」

巻物を口に加えて、印を結び、煙が上がる。

煙が晴れると大きなガマガエルが現れた。

カエルの口からノイズの集団に向かって、泡を吐き、

さらに印を結び、ノイズに触れる瞬間大爆発が起きた。

 

こちらも基本的には、RN式ガングニールと同じデメリットはあるものの

再現で、小太刀を出している。

‥‥‥‥‥‥カエルとか巻物、分身は、自前である。

 

「ノイズがいなくなった事で道ができたな。

 サクラ君、走れるか?」

「すみません、お腹が痛くて満足に動けそうにないです。」

「なぜ、お腹が‥‥って俺が殴ったせいか

 慎次抱えてやってくれ。まだ、ノイズがいるかもしれん。

 俺が2人を責任持って守るとしよう!」

「はい、サクラ君背中にどうぞ」

「すみ‥‥‥いえ、ありがとうございます。」

「どういたしまして。では飛ばしていきますので、しっかり捕まってください。」

「わかりましたぁぁぁ」

 

霧崎を抱えた緒川と弦十郎が、廃墟の入り口に続く扉の方へ

一気に走っていく。

残り1分2秒

 

廊下を走りながら、

「俺の知っているノイズの形状と戦い方が違ったが、

 サクラ君何か知っているだろうか?」

「あれは、アルカノイズ

 人の手によって生まれたノイズです。

 性能は、普通のノイズと変わらないのですが、

 有機物に加えて、無機物を赤い灰に分解されます。」

「人の手によって生まれたノイズとは、

 しかも炭素化ではなく分解ですか。」

「つまり、先ほど報告のあった不審人物が放った可能性が高いが、

 今は探している時間はない。ここまま離脱するとしよう。」

 

廊下の先に扉が見えたが、弦十郎がそれを破壊し進む。 

廃ビルの扉を越えて外に出ると広場があった。

広場の中心には何かのショーをするためのステージがあり、

ローブを被った人物がいた。

 

「特異災害対策機動部二課の風鳴弦十郎だな?」

「ああ、そうだが、貴様何者だ?」

「我らは、ウロボロス!我らが主人を取り返す為、

 貴様にはここで死んでもらう!」

(ウロボロス?このタイミングで⁉︎)

 

ローブの男が、黒い結晶をいくつか投げ、

アルカノイズを出していく。

「貴様がアルカノイズを放った不審者か、

 すまないが、拘束して、色々と聞かせてもらうとしよう。」

「サクラ君すみません。少しの間だけ、下ろしますね。」

「大丈夫です。残り時間がそろそろ来ます。

 気をつけてください。」

 

と弦十郎と緒川が、戦闘態勢になり、

フードの男を睨む。

すると

「まだ、自分たちの状況が掴めてないようだな。貴様を確実に殺すために

 これを用意したのだぁ!

 この世界の貴様では、倒せないものをな!

 出てこい!」

 

黒い霧が発生し、そこには黒いノイズ1体いた。

「今度は、カルマノイズ⁉︎」

「あのノイズは、なんだ!」

「あれは普通の物と違い性能がとても高く、

 周りに破壊衝動を植え付ける呪いを振り撒き、

 人間を無制限に炭素化させることのできるノイズです!」

「さぁぁぁ、風鳴弦十郎を殺せ!」

 

アルカノイズの集団とその後ろからカルマノイズが迫ってくる。

 

「慎次、周辺のノイズを頼む。

 戦える時間も少ない。最速最短でカルマノイズとの決着をつける。」

「では、道を切り開きます!」

 

何処から取り出したかはわからないが、

ロケットランチャーを担ぎ、空中に飛ぶ。

そこから、幾重にも分身を行い、ノイズの集団に打ち込んでいく

そこから小太刀を構え、一気に急降下し

 

「これで、トドメです!」 忍法、無尽爆連殺

 

カルマノイズ以外のノイズを斬り捨てる。

 

「すぅぅぅ、はぁぁ‥‥‥

 いくぞ!想いが拳に力を与えるならば!」

 

右手に今まで以上の力を込め、カルマノイズに距離を詰める。

 

「稲妻を喰らい、雷を握り潰すように打つべしっ!」

 

右手で、カルマノイズに拳を打ち込み怯ませる。

怯んだ隙に、

「これがぁ!俺のぉ!全力だぁぁ!!!」 俺式 断空裂破掌

 

もう一度右拳を引き、上に向かって突き上げる。

空間が割れ、衝撃が空へと舞い、カルマノイズが再生することなく

消滅する。

 

「さて、ノイズは片付けた。

 あとは、貴様だけだ。」

「は?は?はぁぁぁ⁉︎あ、ありえない!あり得てなるものかぁぁ!!

 この並行世界では、ノイズと戦う力はなかったはず!

 それなのになゼェ!」

 

ローブの男が霧崎の方を見る。

 

「貴様がぁぁぁいるせいかぁぁぁ!!!」

もう一度ポケットから、結晶を出そうとした時、

 

「すみませんが、それを使わせるわけにはいかないので、

 眠ってもらいますね。」

緒川が、ローブの男の首を軽く叩き気絶させた。

(首トン始めてみた。)

 

再現できる時間が終わり、2人の格好が元に戻る。

「なんとか時間一杯で倒せたな。サクラ君怪我はないか?」

「2人のお陰で怪我はしていません。疲れはしましたが、」

「そうか、すまないがもう少しだけ付き合ってくれ。」

「はい、あのフードの男ですね。」

「俺を狙った理由も聞かないといけないからな。

 拘束して話をきかn」

「司令、先ほどまでここに倒れていた男が消失しました!」

 

ステージの中央にいた緒川さんが、声を上げて言った。

「な‥‥‥なんだと!」

 

先ほどまで、ステージの上で気絶していたフードの男はいなくなり、

全員で、周囲を見渡すが、見つけることができなかった。

 

「今回の件で、片付けないといけない仕事が出てきたな。」

「ウロボロスという組織についてですね。」

「ああ、だが今は、サクラ君」

「はい」

「情けない大人だと罵ってもらっても構わない。

 ノイズとこれから戦っていく上で、君の力を借りていきたい、

 この通りだ。頼む」

 

(これで弦十郎さんが、頭を下げるのは三度目だ。

そして今度こそ、俺はこの手を取る。)

 

「はい、俺の方こそお世話になります。」

霧崎が手を出すと弦十郎は笑顔で、その手を取り握手を交わすのだった。

 

そのあと弦十郎さんが、通信をして迎えがくるまで待つことになった。

「なんかもうクタクタです。」

「迎えが来るそうなので、それまでの辛抱ですよ。」

「はい、それまでなんとか起きて‥‥‥ま‥‥‥‥‥s‥‥‥‥Zzz」

「迎えのヘリが来るまでは寝かしておくとしよう。

 ‥‥それでだ。ウロボロスについては、俺は上の方にそれとなく当たってみるとしよう。

 サクラ君からは、疲れが取れたときぐらいに聞くとしよう。」

「はい、僕の方もツテを」

 

 

 

 

 

気づけば、サクラはまた真っ黒な空間にいた。

「お久しぶりです。」

「え?ドット?久しぶりだね。」

「はい、今回はお知らせにきました。」

「お知らせ?」

「Version upのお知らせに参りました。

 内容は、

 変身時間が、50%のバッテリー消費で、

 4分30秒から、5分30秒と1分時間を伸ばして戦うことが、

 できるようになりました。再現の方は変更なしです。」

「それって少しは安全に変身できるようになったってこと?」

「はい、研究が進んだ事とサクラ様の体が馴染み始めたのが理由になります。」

「そっか、前より時間の余裕があるのはいいな。

 ちなみにエクスドライブの解禁は‥‥」

「まだできません」

「ですよねぇ」

 

「それとウロボロスの残党に出会ったようですね。」

「ああ、倒してもらったけど、

 捕まえようとしたところで消えたんだけどどうして?」

「過去への干渉は、前も言った通り、容易なものではありません。

 ですが、彼らは干渉するための道具を作り上げ、

 不安定ではあるものの干渉出来るようになりました。

 過去にいる時間は短くすぐに元の時間に戻されるため

 消えたのように見えたのです。」

「それって未然に防げないの?」

「残念ながら、現状は難しいです。

 ですが、私たちの組織が残党を追い詰めているので、

 それまでは、なんとか食い止めてもらえれば、助かります。」

「分かった。こっちでもできる範囲で頑張ってみるよ。」

「よろしくお願いします。そろそろ朝になります。

 いい日になるよう、心から願っております。」

「ありがとう」

 

 

 

俺が目を覚ますと

「また、知らない天井だ」

「あら、起きたのねぇ〜

 どうかしら?具合の方は?」

 

ああ、いろんな意味で見知った女性がいた。

 

「すこぶる調子が良くて、お腹が空きました。」

「ふふっ、元気がいい事で結構。

 けど、残念ご飯は検査が終わるまで我慢してねん?」

 

お腹の虫がなると、女性はお腹を抱えて笑った。

 

「あははははははは、

 ごめんなさい、笑う気はなかったけど

 不意打ちだったものだから、ふふっ」

「はずかしい」

 

顔が一気に熱くなる。

 

「さて、気を取り直して、自己紹介させてもらうわ。

 私の名前は櫻井了子、よろしくね」

「俺の名前は、霧崎サクラです。よろしくお願いします。」

「じゃあ、霧崎君が空腹で飢え死にしないよう

 検査をまきでしてくわね?」

「はい、早めにお願いします。

 っとそれとここは、何処でしょうか?」

(もしかしたら、普通の病院の可能性もあるし聞いておかねば。)

 

「そういえば、あなたぐっすり眠ってて、覚えていなかったのよね。

 コホン、ようこそ特異災害対策機動部二課の本拠地に。

 完全聖遺物ギャラルホルンの適合者さん?」

 




誤字脱字が有ればよろしくお願いします。


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歓迎会

クロスオーバー物を考えていたけれど、
今書いているのをおろそかにしそうなので、
こっちにもうしばらく集中して書きます。


あの後色々な検査をした俺はぐったりしていた。

 

「お腹が空いてるのもあるけど、検査が多くて辛い」

「仕方ないじゃない?貴方は変身すると肉体そのものが変わるんだもの

 例え安全装置がついていたとしても今の体に異常が、

 今後でないとも限らないしね。」

 

了子さんが、タブレットでデータの確認が終わったのだろう

顔を上げて、霧崎の方を見る。

 

「今日できる分の検査は終わったわ。ご苦労様。

 それじゃあ、大望のご飯を食べに行きましょうか」

「本当ですか⁉︎やったあぁぁぁぁ」

「シェフに連絡するからここで待ってて頂戴」

「はい!」

 

(久々にまともな食事が取れる。

この3ヶ月、菓子パンや缶詰を盗んで食べてたからな。

ご飯とかお肉の味を思い出したい!おっと、よだれが)

 

「準備ができてるみたいだから、こっちに着いて来て」

「今行きます!」

 

食事ができる嬉しさに鼻歌を歌いながら

廊下に出て、まっすぐ歩いていく。

ある程度進んだところで扉があり、

 

「パーティー会場はここになるから、先に入っててね。

 それとこれは、返しておくわ。

 バージョンアップがしてあったみたいだけど、

 内容はわかるかしら?」

「え?ああ、確か戦う時間が、1分伸びたはずです。」

「そう、分かったわ。教えてくれてありがとう」

了子さんがウインクをしながら、スマホを俺に手渡しをして

奥にあったもう一つの扉に入る。

 

スマホの日付が、2日経っているのに気づいた。

(時間経ちすぎだろ。通りでいつも以上に空腹を感じてたのか。

だが、俺は知っている。みんなでクラッカーを鳴らして歓迎して

料理が用意してあることに!)

案内された扉を通ると、何もない広い部屋に出た。

 

「よう、きたな。」

「え?奏さん?」

 

部屋の中央に仁王立ちした奏さんがいた。

「ってあれ?あの〜パーティー会場だって聞いたのですが?」

冷や汗が止まらない。まさかと思い聞いてみたが、

「ああ、ここがパーティー会場だ。私とあんたとの‥‥な」

(だ‥‥騙されたぁぁ)

 

『来たか、サクラ君。目が覚めたばかりだが、

 体の調子はどうだ?』

「え、弦十郎さん?はい、空腹以外大丈夫そうです。」

壁に設置されている、スピーカーから弦十郎さんの声が聞こえる。

 

『そうか、なら早速で悪いのだが、

 君の願い通り、本当なら歓迎会で謝る場を設けようとしたところ、

 奏自身から申し立てがありこのような形になった。』

「奏さんが?」

 

「あんたがあの変顔について謝りたいってのを旦那から聞いてな。

 謝罪を受け入れても良いかなとは思ったんだ。

 アンタのお陰で正直助かった時も多かったしな。

 でも、頭では分かっても、感情の方ではダメだった。

 やっぱり、一発ぐらい殴らなきゃ気が済まなくてな、」

 

 Croitzal ronzell gungnir zizzl

 

詠唱をし、ギアを纏った奏さんがいた。

槍をこちらに向ける。

 

「あんたも変身しな。一度は本気で戦ってみたかったんだよ。

 勝とうが負けようが、今まででのことを水に流してやるよ!」

 

あまりの気迫に思わず、一歩下がってしまったが、

表情を見ると、清々しい程笑っていた。

(どんだけ男前なんだよ。全力でやらないと失礼だな!)

 

下がった足を前に出し、スマホを構える。

「分かりました。行きます!」

「ああ、手を抜いたりなんてするなよ!」

 

変身する対象を選び、スマホを掲げる。

光が弾け、そこには心象変化していない

ガングニールを纏った天羽奏がいた。

 

『両者、準備できたみたいだな。では、始め!』

 

開始の合図とともに、奏が距離を詰めて、槍を振りかぶる。

霧崎も同じように槍をぶつけるが、後ろに少し飛ばされてしまう。

先手は天羽奏から始まる。

 

 

 

この光景をもう一つの部屋で、戦いを見ているグループがあった。

弦十郎率いる、2課の人間である。

「霧崎サクラの変身を確認、これより変更された変身時間の

 カウントダウンと戦闘データを取っていきます。」

「しかし、すごいですね。

 ガングニールの波長パターンも

 寸分違わず同じデータを出してますよ。」

「ああ、サクラ君の話では、変身する対象の

 体格、技量を完全再現するらしいからな。」

「ええ、こうやってみると全く同じ人間にしか見えないわね。」

「しかし、装者のギアを使って訓練できるように作っている途中の部屋を

 使用しても良かったのでしょうか?」

「いいじゃない、いつかは使うんだもの。

 今使ってみて、問題あればまた作りなおせばいいのよ」

「それもそうですね。」

(奏‥‥‥‥大丈夫かな)

 

『おらぁ、どうした!守ってばっかじゃ勝てねぇぞ!』

『っ!』

奏の猛攻を霧崎が捌き、カウンターを入れようとした瞬間に距離を取られ、

攻撃を外した瞬間に奏が、距離を詰め攻める。この繰り返しになりつつある。

霧崎の戦い方に疑問を持った、了子が、弦十郎に話しかける。

 

「サクラ君の戦い方は、奏ちゃんを再現しているのだから、

 もっと荒々しい戦いになると思ったけど、

 えらく防御に徹するわね?」

「多分だが、動きを見るに嵐が過ぎ去るのを耐えている所だろうな。」

「嵐?、奏ちゃんの攻撃がそれほど激しいってことね。」

「ああ、さらには先手も奏に取られ、あれほどの攻撃だ。

 隙が見つからず、攻めあぐねているのだろう。」

「流れを変えるために耐えてるってことか」

 

『チッ、いい加減にしやがれぇぇぇぇぇ!』

奏が痺れを切らし、思わず大振りで振りかぶってしまった。

霧崎がそれを上へと打ち上げ、奏のバランスを崩し、

攻めてようとしたところで、

『うぉぉぉ!!!』

『させるかぁ!』STAB∞METEOR

 

竜巻を真正面から食らった霧崎は、壁に打ち付けられるが、

すぐに起き上がり、接近してくる奏に向かって、

 

『グゥうう、ならこれだぁ!』STARLIGHT∞SLASH

 

斬撃を3つ、奏に向かって放つ。

ガングニールをふるい、全て迎撃

『オラァ!こんなm』

 

斬撃でほんの一瞬姿を隠していた、霧崎が突きを放ち、

奏を吹き飛ばす。一気に距離を詰め、追撃しようとしたところで、

「司令時間です。」

「そうか」

 

スイッチを押し、マイクを手に取る

「そこまでだ!サクラ君の変身が切れる時間だ!」

映像には、弦十郎が声をかけたと同時に

霧崎は急に変身が解けたせいなのか、転んだところだった。

 

 

 

「時間を気にする余裕がないくらい激しい攻撃だった。

 はぁ‥‥はぁ‥‥」

「くそ、時間切れか!少し、納得はいかないが、

 まぁいいか。」

 

と奏さんが、ギアを解除してこちらに歩いてくる。

「大丈夫か?盛大に転んだみたいだが?」

こちらに手を差し伸べてくるので、

呼吸を整えてからその手を掴む。

「はい、少し顔が痛いでぇぇすが、大丈夫です。」

話してる途中で一気に引っ張り寄せられたので

 変な声が出てしまった。

「そうか、なら良かった。んじゃ、

 これからよろしくな。霧崎サクラ?」

「はい、こちらもよろしくお願いします。

 天羽奏さん」

「ちなみにサクラって呼んでいいよな?

 それと私のことは呼び捨てでいいよ。」

「分かりました。か‥‥奏」

「敬語も必要ないからな。今後一緒に戦っていく

 仲間なんだからさ」

「ああ、うん、よろしく。え〜奏」

「よろしくな!」

(奏の笑顔が眩しい)

 

扉が開き、弦十郎さんと翼さんが入ってくる。

「奏、お疲れ様。

 それとこうして、

 顔を合わせて話をするのは初めてね。

 風鳴翼それが私の名前、覚えておいてね。」

「霧崎サクラです。よろしくお願いします。翼さん」

 

翼さんとも握手をする。

 

「奏や翼とも親睦を深められそうで良かった。

 さて、了子君から話は聞いている。空腹なのだろう、

 歓迎会の準備は、慎次の方からいつでもいいとの連絡があった。」

「そうだよ!戦いで忘れてたけど、空腹でもう限界が近いんですよ。」

「色々用意してあったみたいだし早く行こうか」

「腹が減っては戦はできぬ。常在戦場の気持ちを持たないとね。」

「常在戦場って」

 

(やっぱり、翼さんは防人なんだろうなぁ。

そんなことよりもご飯!)

そして本当のパーティー会場に移動を始めた。

 

一番前に弦十郎、真ん中霧崎、

後ろが、奏と翼の順で歩いていると

「翼〜、さっきみたいなこと言ってると

 ま〜た眉間にしわが寄って

 可愛い顔が台無しになっちゃうぞ」

「そ‥‥そんなことはない。私達はいつ戦場に

 行くか分からないんだ。

 常に気持ちを高くたm‥‥ひゃ!」

「ひゃ?」

可愛い声が聞こえたので、後ろを歩いていた2人の方を見る。

顔を真っ赤にした翼さんがいた。

「な‥‥何をするのよ!奏」

「いや〜後輩ができて、嬉しそうにアドバイスを送りたい、

 翼先輩につい意地悪したくなっちゃった。」

「だ、だからって、今このタイミングじゃなくてもいいじゃない⁉︎

 うぅ〜奏の意地悪」

 

「とても可愛いですね(本音) 」

「だろ?私の翼は可愛いからなぁ」

「ふ‥‥2人共恥ずかしいからやめて!」

「仲が良くて結構、さぁ、ついたぞ」

 

全員で中に入り、クラッカーの音が聞こえ、

横断幕には、

『ようこそ!2課へ!熱烈⭐︎歓迎!霧崎サクラ様』

と書かれており、弦十郎さんが俺の方を見て、

「ようこそ、人類最後の砦、特異災害対策機動部二課へ

 改めての自己紹介だ。

 ここの責任者を務める、司令の風鳴弦十郎だ!」

(原作で見たことあるとはいえ、生で聞くと感動するなぁ)

「はい!よろしくお願いします!」

「うん、いい返事だ。さぁパーティーを始めよう!

 お腹が空いただろう。好きなものを食べるといい

 俺も腕によりをかけたからな!っと聞いてないな」

 

霧崎は弦十郎の食べていいと言う言葉聞いた瞬間に

料理のある一角に向かっていた。

「これは美味しいので、是非食べてみてください。」

「ありがとうございます。えぇと」

「友里あおいです。主にシンフォギア装者の

 オペレーターをしています。何かあったら、相談してね?」

「霧崎サクラです。はい頼りにしてます。」

「そして彼が、」

「俺は、藤堯朔也、同じくオペレーターを

 務めているのでよろしく。」

「霧崎サクラです。よろしくお願いします。」

「っと、お腹が空いてたのよね?話は後でも

 出来るから今はいっぱい食べていいからね?」

「はい!遠慮なくいきます!」

 

皿いっぱいのチャーハンを平らげ、

別の料理にも手を伸ばしていく。

 

「って、ものすごい勢いで食べ始めたぞこの子」

「よっぽど、我慢してたのね」

思わず苦笑してしまう2人

 

そしてそれを眺めていた奏も翼も呆気に取られていた。

「す‥‥すごく食べるのね。

 あれだけ並んでた料理の半分がなくなったけど」

「ってボッーと眺めてたら私らの分がなくなるじゃん!

 行くぞ、全部食われちまう前に!」

「え、ええ!そうね。既にここは戦場!

 遅れを取るわけにはいかないわ!」

 

「司令想定以上の速さでなくなるので、

 我々の食べる分までなくなりそうですね。」

「フッ、問題は無い。慎次!」

「はい、既に準備できています。」

「なら結構、ここからは俺も作る!」

「あら、それは私も楽しみね?」

「任せろ、了子君を唸らせる料理を作ることを約束しよう!」

 

それから、歓迎会は色々な催しがあり、

この世界に来てから一番楽しい日になったのは間違い無いと思った。




誤字脱字有りましたら、よろしくお願いします。


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新たな日常

ヴァネッサのクエストすごく難しいです。(白目)


楽しかった、歓迎会から1週間たった。

 

朝、ベットから体を起こし、少し回らない頭のまま洗面台へ向かう。

顔を洗い、冷蔵庫から昨日の残りを出して、

レンジで温める。

 

事前にタイマーをセットしていた炊飯器を蓋を開けて見ると、

美味しそうに炊き上がってるのを確認した霧崎は

お茶碗にご飯をよそう。

 

チンっと音が聞こえたので、おかずも温まったようなので

取り出す。

 

お盆にご飯とおかず、箸を乗せて居間へ運ぶ。

テーブルに置いて、

「あれ?テレビのリモコンどこだっけ?」

台の上、ソファーの上、台の下の順に見る。

「あ、あった」

 

リモコンを手に取り、テレビをつける。

『おはようございます。ニュースの時間です。昨日未明‥‥‥』

「いただきます」

テレビをぼんやりとみながら、ご飯を食べ進める。

『ノイズによる被害が出た地域住民へのインタビューを行いました。

 赤野さん』

『はい、赤野です。こちら、ノイズの被害に遭い、

 生還した方にインタビューを行いたいと‥‥‥』

ご飯が食べ終わった俺は、この世界の携帯を見ると弦十郎さんからメールが

来ており、内容が、

 

[急ぎでは無いので、本部に昼頃には顔を出してもらえると助かる。

少し話したいこともあるのでな。]

 

(話したいこと?ウロボロスは俺の知ってる限り話したし、

ドットのことも一応話してあるけど?)

「まぁ、いっか」

[了解しました。13時ごろに伺います。]

スマホをスリープ状態にし、窓を見る。

(まだ、ここに住んでる実感ないなぁ)

 

俺の生活がホームレスから、一変

マンションの5階、3LDK、お風呂、トイレ別の

街が一望できる景色がいい場所に住まわせてもらっている。

 

家具も色々用意してもらった上に、お給料も

働いたことがないので、分からないがとりあえず

見たことない額が通帳に記入されていた。

 

籍の方もあっさりと出来上がり、

この世界で生きていくには十分過ぎる援助を受けていた。

 

(これだけ、期待されてるってことだよな?頑張らないと)

俺は、ジャージに着替え

『それでは、あなたの1日がいい日でありますように

 ジャンケン』

「パー」

『ポン、チョキでした。また来週』

(このジャンケン一度も勝てたことないんだが)

 

俺はテレビを消して、扉に鍵をかけて外に出る。

外に出た俺は、軽いストレッチをしてから、走り始めた。

 

(戦いが、原作以上に激化するのは間違いない。

体力づくりから始めたけど、その時に間に合うんだろうか?

ウロボロスの残党によるアルカノイズ、そしてカルマノイズ

最悪、世界蛇が出てくる可能性もある。

どういう経緯で倒したのかが、分からないのが痛い。

せめてギャラルホルン編完結してからこの世界に連れてきて

欲しかったなぁ。)

 

走り始めて、40分ぐらいの十字路で、

曲がり角から、見知った顔が見えた。

「おはようございます。霧崎さん」

「はぁ‥はぁ‥‥、おはよう、小日向さ、はぁ、ん」

 

そう、6日前に体力づくりを始めよっかなぁ〜

と走っていたら、393と遭遇

 

「今日も一緒に走っていいですか?」

「ここ最近は、一緒に走ってるんだから

 聞かなくてもいいのに。」

「いえ、親しき仲にも礼儀あり、ですから

 ちゃんと聞かないといけないと思って」

「そっか、なら一緒にいつもの公園まで行こうか」

「はい、じゃあ行きましょう。」

 

一緒に走るぐらいには親しくなった。

393と合流してから30分かけて運動公園へ

 

公園についてから自動販売機で、スポーツ飲料を2つ買い、

ベンチで休んでる393に渡す。

 

「はい、冷たい物どうぞ」

「本当にいつも貰ってばかりですけど、いいんですか?」

「ゴクッゴクッ、はーー

 ん?ああ、いいよ別にいつか俺が困ったら、

 助けてくれると嬉しいかな。それはその前払い」

 

ジト目で、俺を見てくる393

「本当に困ったら言ってくださいね?

 3ヶ月前に初めて会ったときは、言ってくれませんでしたし。」

「それについては、本当にごめんなさい

 でも手を伸ばしてくれて、ありがとう

 とても嬉しかったよ。」

「あの時、本当は迷惑じゃないかなってずっと思ってたんです。

 でも霧崎さんからお礼を聞いて、スッキリしました。」

「そっかそれはよかった。そろそろ時間だし、

 また折り返し走って帰ろうか?」

「ちょっとだけ待ってください。ゴクッゴクッふーー

 じゃあ行きましょう。」

 

ペットボトルをゴミに入れ今度は家に向かって走り始めた。

 

「今日は学校が休みなので、響とお出かけする予定なんです。」

「はぁ、はぁ、じゃあ、遅れない、はぁ、ようにしないとね。はぁ」

「いえ、響は、寝坊するので起こしに行く所からなんです。

 この前なんて、学校でですね、‥‥‥」

 

(未だ会えない主人公、

知ってはいたが、この時点で既に甲斐甲斐しく世話してもらってるとは。)

そのあと合流した場所まで、393の響、可愛い自慢が続くのだった。

 

393と別れたあと、家に帰りシャワーを浴びる。

時間を見るとまだ余裕があるので、スマホのタイマーをセットして、

この世界のゲーム機を起動して遊び始めた。

(学校に行かなくていいから、すげ〜楽だわ。)

 

それからしばらくして、お腹が空いたなと思い時間を見ると11時半

(ちょっと早いけど、お昼食べてから本部に向かうか)

 

近くのファーストフード店に行き、食べた後本部に向かう。

途中レンタルショップを通り過ぎたぐらいで、

「サクラ君じゃないか、奇遇だな。」

「弦十郎さん?こんにちは、

 本当に奇遇ですね。そういえば話したいことがあるってメールに

 書いてあったのは一体?」

「ここで話す内容ではないからな。

 目的地が同じことだし、着いてから話すとしよう。」

「分かりました。」

 

歩き始めたぐらいでふと気になったので聞いてみた。

「その袋は、なんですか?」

「ん?ああ、そこの店で傑作映画を借りていたのさ。1人の格闘家が己が身一つで

 悪の組織と戦う話さ。

 今度、君も一緒に見てみないか?」

「そうですね。確かに面白そうですし、今度一緒に見ましょう。」

「そうかそうか、その時を楽しみしているぞ!」

この時、俺はどうして、一緒に見るなどと言ったのか

のちに後悔することになる。

 

そして他愛もない話をして、本部に着き

リディアンの校舎から慣れないエレベーターに乗る。

 

「うぁぁぁああああああぁぁぁぁ」

 

それからいつもの指令室に来た。

「こんにちは〜」

「あら、いらっしゃい、司令と一緒に来たのね。」

「ああ、そこで偶然あったのでな。」

「今日は友里さんだけですか?」

「彼、今日は遅番だかもう少ししたら来るわ」

「大変ですね。」

「最前線で戦う君よりは大変じゃないわよ。

 はい、あったかい物どうぞ」

「あったかいものありがとうございます。」

 

(既に切り返しが、カッコいい

大人になったら使おう。)

 

「さてサクラ君、話というのは」

「話というのは、君のから預かってたスマホについてよん。」

「って了子さん、俺のスマホですか?」

「了子君、話を遮らないで欲しいんだが」

「ごめんなさいね、私の方から説明したかったから」

「む、そうかなら頼む」

「ええ、頼まれたわ

 さて君の聖遺物を使うにはスマホのバッテリーを使う。

 これは、この1週間ノイズとの戦いで、データを取ったわけだけど

 変身に関しては、どうしようもないとしても

 再現に関しては時間制限を増やせるかもと思ってね。」

「え?でもどうやって増やすんですか?バッテリーが消費され続けるには

 変わりないと思うんですけど?」

「簡単なことよ?充電しながら戦えばいいのよ」

「充電しながらって、それができた‥‥

 ああ!モバイルバッテリー!」

「そう、で試作品がこれよ。

 10分から30分は戦えるようになるはずよ。」

「あれ?思ったより短い?」

「仕方ないじゃない。そのスマホを分解しようにも硬いし、

 スキャンにかけてみたら、見た目よりも内部がかなり複雑化さらには、

 一部はブラックボックスになってるしバッテリーの改造も出来ないから

 外付けのバッテリーになるのだけど、この映像を見て頂戴。」

 

映像が出て、コンビニとかでよく見るモバイルバッテリーの

コードを霧崎のスマホに挿す。

するとコードが弾き出され、モバイルバッテリーが燃えた。

 

「は?え?」

「つまり、このモバイルバッテリーがやっと、弾かれずに

 充電できるってことよ」

「ありがとうございます。」

 

俺は勢いよく頭を下げて感謝した。

きっと何回も作り直してくれたのだろう。

 

「じゃあ、念のため挿してみてちょうだい?」

「挿してみますね。」

了子さんから預けていたスマホと

試作モバイルバッテリーを受け取り、指してみると

充電開始マークが出て、特に何も起きなかった。

 

「大丈夫なようね。それは渡しておくから、不調があったら言いなさい。」

「はい、ありがたく使わせてもらいます。」

「ええ、大事に使ってね。」

「他に用事とかは?」

「今のところはないから、家に帰ってゆっくりすると」

 

警報が鳴り響く。

「ノイズが現れた模様場所は、」

「場所は向かいながら聞く。サクラ君行くぞ!」

「はい!」

 

最近では、弦十郎さんと一緒にノイズ退治に行くことが増えた気がする。

倒し終わり、本部に帰ってくると

 

「お、サクラじゃん。出撃お疲れさん」

「ごめんなさい、私たちの代わりに」

「奏と翼さん、お疲れ様です。

 翼さんそんな気にしなくても。」

 

奏と翼さんが、自動販売機のソファに座ってゆっくりしていた。

 

「そうだぜ。翼、戦ってるのは旦那だしな。」

「しかし、再現を行えば、その身を守るものはいないと聞く

 例え、司令でも100%守れるというわけではない

 何かあれば」

「心配してくれてありがとう。逃げるだけは上手な

 俺だから心配しなくてもいいよ」

「け‥‥けど」

「心配性だなぁ。翼は〜そこが可愛いんだけど」

「そうだね。何があっても生き延びる覚悟なので、

 心配しないで」

「そう、ならこれ以上言うのは無粋ね」

「ちなみにサクラ、このやりとりは何回目だっけ?」

「似たような会話も含めて3回目じゃなかったでしたっけ?」

「ふ、2人とも!もう知らない」

 

「やっぱり、翼は可愛い」

「そうだね。翼さん悪ノリが過ぎました。

 謝るので許してください。この通り」

「べ、別に気にしてないから大丈夫よ。」

「そういえば、サクラはこの後どうすんだ?良かったら、

 私たちと一緒に食堂行かないか?お腹すいちゃってさ。」

「いいよ。付き合う」

「私も少しだけなら付き合うわ」

「じゃあ、いこうか。翼、サクラ」

 

 

これが俺の新しい日常、この日常が変わらないことを願うのだった。




誤字、脱字が有れば、よろしくお願いします。


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不変の未来 前編

かなり強引に進めていきます。l


新しい生活に慣れて、さらに3週間が経った頃、

日常生活にノイズと戦うが追加されつつあるのが、

すごく悲しい。

と本部のソファで黄昏ていたら、

 

「ここにいたか」

「翼さん?どうしたんですか?」

「司令が全員集まるよう言われてな。

 霧崎を探しに来たのだ。」

「分かった。今行くよ。」

 

 

指令室に翼さんと入ると

「来たな。では、始めるとしよう。

 了子君、頼む。」

「ええ、まずこれを見てもらおうかしら」

 

なんらかの化石?のような画像が出た。

(これって、まさか⁉︎)

 

「第4号完全聖遺物 ネフシュタンの鎧

 これの起動実験について話していくわ。」

 

「ネフシュタンの鎧を起動させて解析することで、私の櫻井理論を

 さらに発展させて、ノイズへの対抗手段をより効率化

 できるかもしれないんだけど」

「ネフシュタンの鎧を起動するためのフォニックゲインが、

 確保出来ていないのだ。」

 

「じゃあ、どうやって起動させるんだよ?」

「それなんだけど、奏ちゃんと翼ちゃんにお願いしたいの」

「私たちに、ですか?」

「私か翼がネフシュタンの前で歌えばいいのか?」

「残念ながら、2人が歌ってる時にこっそり試したけど

 多少反応はするけどフォニックゲインが足りないのか、

 起動に至らなかったわ。」

「こっそり、試したのかよ!」

「そういえば、ここで気持ちを込めて歌って欲しいって

 言われた時があったわね。」

「あ?ああ、2週間前の!」

「そうあの時よ」

 

「あれ?じゃあ、私たちは何すればいいんだ?」

「丁度2週間後にライブをするでしょう?

 そこで、2人の歌で観客を盛り上がれば、盛り上げるほど

 フォニックゲインが高まり、起動できるって寸法よ!」

「つまり、君たちのライブ成功が人類の未来を決めると言うことだ。」

「私たちの」

「歌が、未来を」

 

「あの〜、俺は何をしたらいいんでしょうか。」

サクラが手をあげて聴く。

「あなたにもちゃ〜んと役目があるわ。

 はい、これ」

サクラは、コンサートチケットを了子から手渡された。

「え?」

「サクラ君もライブを楽しむことが、私達のお手伝いになるわ」

「君もこちらに来てから戦うことが多いからな。

 少しでも休みになると思い用意したものだ。」

「わ、わかりました。」

 

「そういえば、ツヴァイウィングの歌を生で聞くのは、初めてかも」

「そうなのか、じゃあ、しっかり聞いておけよ。」

「なら、霧崎に無様な姿は見せられないわね。」

「楽しみにしてます。」

「じゃあ、このProjecーーー」

 

(このコンサートこのままいけば、奏が死ぬどうしたらいいんだ?

実験自体をやめてもらおうにも、ネフシュタンが暴走するとか

フォーネをどうこう言っても信じてもらえるわけがない。

むしろ警戒されるだけ、

しかも原作知識とか話すわけには行かないからな、

俺は元の世界では、ノイズはいたが、二課があったかはわからない

と答えちゃったんだよな。)

 

「‥‥‥い」

(なら、コンサートで現れたノイズを変身してら倒しつつ、

途中から変身を解いて、奏を再現すれば、

絶唱させなくても済む‥‥はず‥‥)

 

「おい!」

奏に思いっきり肩を掴まれ、思考から戻される。

「ぇ、あ、ごめんなに?」

「聞いてなかったのか。はぁ〜

 まだ、了子さんが話ししてる途中だぞ。」

「ご、ごめん、コンサートはじめてだからちょっと嬉しくてね。」

「そこまで、楽しみにしてくれるのは嬉しいが

 その気持ちは後にとっておけ。今は桜井女史の話を聞く時だ。」

「そうだぞ、後で感想を聞くいてやるかな」

「フッ、君の浮かれる気持ちも分かるが後少しだ。

 がんばって聞いてくれよ

「すみません」

 

「いいのよ〜、楽しめって言ったのは私だもの

 じゃあ、聞き逃したサクラ君の為に

 もう一度だけ言うわ

 今回の『Project:N』を成功させるよう頑張りましょう」

 

この後、奏と翼さんに散々揶揄われた。

 

 

(何にも、対策が立てれないまま時間が過ぎていく)

今日も393と走り、公園で休んでいると

「そういえば、私ツヴァイウィングのチケットが当たったんです。

 それで、響と行く予定なんです。」

「そうなの?それはよかったね。俺もチケット手に入れたから、

 現地で会えるかもね。」

「はい!楽しみだなぁ」

「そういえば、座席はどこなの?もし近くかも?なんて」

「ええと確か、ステージから遠くの方でした。」

「俺は、ステージの中心付近だね。」

「いいなぁ、そんなに近いなんて羨ましいです。」

 

(いや〜ノイズ出ること確定だからなぁ。

こっちもどうすることもできない。未だ見ぬ

響ちゃんをどうにか守ろうにも座席めっちゃ遠いよ!)

 

「あの、何か悩み事があるんですか?」

「うん?ああ、ちょっとね。

 コンサートの時なにをしたらいいんだろうなぁって」

「私もはじめてなので、何をしていいか分からないですね

 響は、歌を楽しみたいって言ってましたけど」

「楽しむのなら、ペンライトも必要かなテレビとかでよくみるしね。」

「確かにそうですね。うう、待ちきれなくなってきました。

 響と早く一緒に見たいな。」

「そろそろ行こうか?時間だし」

「はい」

 

(くよくよ迷っても仕方ない。やれることをやるしかない!)

393と途中で別れ、決意を固めて家に帰る

 

コンサート前日の夜、コンサートの準備をしていた。

「チケットよし、財布よし、スマホよし、モバイルバッテリーよし」

(大丈夫なんとか出来るはず。いやなんとかしなきゃ)

ベットに入り、眠る

 

ドットの姿が見えた

「こんばんわ、お久しぶりです。サクラ様

 Version upと今後についてお知らせに参りました。」

「お久しぶり!丁度よかった、色々と困ってたんだ

 でどんなヴァージョンアップなんだ」

「はい、内容は再現の更なる機能拡張です。

 分類され、『完全再現』と『断片再現』に

 『完全再現』は今までと同じものであり、

 『断片再現』が追加となります。」

「その断片再現で、なにが出来るんだ」

新しい機能で希望が見えてきそうな俺はテンションがあがり続けている。

 

「『断片再現』の対象は、サクラ様のみになります。

 装者の武器のみを再現することが可能で、

 RN式回天特機装束と同じ機能だと思っていただければ、大丈夫です。」

「つまり、武器だけ再現してあとは、自分の肉体で戦うってこと?」

「はい、その通りです。」

「なんだ、状況打開には繋がらないな。」

 

ガッカリした俺に更なる追撃が来る。

 

「そして、上からの伝言です。明日のコンサートでは、『断片再現』以外の機能を凍結

 それだけで、戦って欲しいとのこと。」

「は?なんで?」

「『断片再現』に慣れてもらうにはおあつらえ向きの戦いがある。

 それを利用して欲しいと」

俺はドットの両肩を掴み、慌てて聞く

「いやいや!ここで断片以外使えなくなると困るんだ!

 どうにか上に掛け合って、使えるようにしてくれないか!」

「残念ながら、サクラ様、上は決定を覆すことはありません。

 諦めてください。」

「なんでこのタイミング!なんだよ!

 俺に!何をさせたいんだよ!」

「世界に希望をもたらす存在になっていただく為です。」

「世界に希望?」

「そうです。その為の試練です。」

言っていることが、理解できず、手を離してしまう。

 

(意味が分からない!どうする明日どうしたら!」

「では、伝え終わりましたので、明日、いえ今日の戦いに

 ご武運があること」

「待て!待ってくれ!」

 

手を伸ばした状態で目を覚ますと、

悪夢を見たせいだろうか、体の汗がシャツを濡らし不快感を感じる。

カーテンを開けると憎たらしいぐらい晴天だった。

もしかしたら本当に夢じゃないかと思いスマホを操作するが、

『断片再現』以外の操作画面をどんなにタップしても反応しなかった。

 

俺はスマホを投げつけ、壁に当たり

地面に落ちる。

 

「はぁ‥‥‥はぁ‥‥‥クソがぁ!」

 

「ただでさえ!今の機能でどうにか出来るか分からないのに!

 どうして!どうしてだよ!なんで今なんだよ!」

 

俺は手元にあった、もう一つの携帯を起動して弦十郎さんに電話をした。

何回か呼び出し音の後に出た。

「もしもし、朝早くにすみません。聞いて欲しい相談がありまして。」

『ああ、どうした、って落ち着け』

「っ、これが落ち着いて‥‥‥いえ、すみません。実は」

 

ヴァージョンアップで今日中は断片再現しか出来ないこと

敵が襲撃してくる事を伝えた。

 

『確かに君が戦いに参加しにくくなるのは、痛手だな。

 だが、コンサートが襲撃されるのであれば、

 今から中止にできないか上と掛け合ってみるとしよう』

「すみません、急にこんな話をして」

『いや、むしろ君一人で抱え込まずによく相談してくれた。

 上の人間が動くかは俺次第だ。

 すまないがすぐに動くから電話は切るぞ』

「はい、お願いします。」

 

俺は、寝汗気持ち悪くなったシャツを脱ぎ、シャワーを浴び、

体を拭いた後、着替えてパンを食べる。

そしてコンサートに行く支度を始めた。

(この目で、中止になるかを見ないと!)

電車に乗り、会場行きのバスに乗り目的地へ向かう。

現地についた俺は、周りを見渡すと人がいっぱいおり、

会場に入っていくのが見えた。

「中止に、‥‥‥出来なかったって事だよね」

(何があったかは分からないが、もうやることは決まってる!

覚悟を決めろ霧崎サクラ!)

 

 

霧崎が、電話をしてすぐに

弦十郎は、指令室から上へ連絡を取りしばらくしてから、

政治家の重鎮たちが、顔を揃えていた。

「広木防衛大臣の姿が見えないようですが?」

『彼なら今、海外出張に出ているよ。

 何故か連絡は取れないようだがね?

 それとも我々では、力になれないと言いたいのかな?』

「‥いえ、そんなことはありません。

 話というのは、Project:Nについてのことです。

 先程、我々が保護している少年からコンサートが襲撃される可能性

 が高いと報告があり、被害が出る前に一刻も速い中止を要請したところです。」

『その彼の言うことは信用できるかね?もしかしたら、

 ネフシュタンの鎧を起動させなくて言ってるかもしれないね?』

「彼が嫉妬で、そんな妄言を吐いたと言いたいのですか」

『もしかしたらの話だよ?

 それにだ、たとえ襲われたとしてもネフシュタンの鎧さえ起動できれば

 今後救われる人間も増えるだろう。

 ならば必要な犠牲と言えなくはないかね?』

弦十郎の拳が怒りで握り締められる。

「我々の目的は、ノイズや様々な脅威から人々を守ることのはずです。」

『そうだとも、だが今コンサートを中止にした時の

 途方もない費用とツヴァイウィングの人気がどれほど落ちると思うかね?

 それが、後にネフシュタンの鎧が起動出来なかった時、

 君はどう責任を取るのかな?』

『それにだ、現場には装者が3人もいるじゃないか

 ノイズによる被害も資料を見る限りかなり減ってるところを見ると

 優秀な子達のようだから、被害はかなり抑えられると思うがね?』

『というわけだ。君の要請を通すわけにはいかないな

 いつも通りコンサートを行いなさい。皆の意見も

 同じようだし、多数決は取らなくていいだろう』

『というわけだ、コンサートの成功を祈っているよ』

 

通信が切れたと同時に机を叩く

指令室にいた誰もが言葉を失っていた。

「クソ!兄貴に頼りっぱなしになりたくはないが」

携帯を取り出し、風鳴ハ紘に電話をするが繋がらなかった。

何度か掛けるも繋がらず、

「くっ、ならば、全責任は俺が取る。コンサートの中止を」

「落ち着いて、弦十郎くん

 あなたが辞めたら、あの子たちを守れなくなるわ。

 そしたら、二課はおしまいよ。」

「‥‥‥‥‥‥すまない、少し冷静さを欠いていた。

 今すぐ現場にいる、慎二に連絡を取り、

 避難しやすいように観客の立ち位置の変更、

 避難経路をできるだけ確保、

 出来るだけ入場客に不審な人間を徹底的に

 調べるようにとも伝えておいてくれ。

 俺と了子君はすぐに現場へ行く。」

「ええ、急いでいきましょう。」

 

友里がすぐに緒川に連絡を取る

「緒川さん、緊急のお話が」

弦十郎は出来ることをするために動き出す。

(サクラ君、すまない。

だが俺にできることを全力で全うさせてもらう。)

そして弦十郎の後ろを歩く、桜井了子は、

(悪いが、私の計画を遅らせるわけにはいかないからな。

なんとしてでもコンサートはしてもらうぞ!)

それぞれ連絡を取る少し前

 

海外では、

「通信妨害の術式設置が完了

 そちらに合流する」

 

風鳴邸にて、

「本日1日の通信妨害術式と迷宮化の

 妨害術式設置準備終わりました。

 次の段階に移ります。」

フードの男が、空気に溶けるように消える

 

様々な思惑がひしめく、コンサートが始まろうとしていた。




誤字脱字有れば、よろしくお願いします。


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不変の未来 中編

ビッキーの勝手なイメージ
永遠と喋ってそう。

今回は短め。


覚悟を決めた俺は、第一歩を踏み出そうとしたら、

目の前を歩いていた女の子が、大人の人にぶつかり、

転んだ。

「あいた!」

「大丈夫⁉︎」

女の子に駆け寄り、声をかける。

ぶつかった人を探すが、人が多いためすぐに見失った。

女の子を起こし、

「怪我はない?大丈夫かな?」

「はい!大丈夫です。」

助け起こした女の子の顔に見覚えがあるなぁ(現実逃避)

「そっか、それはよかった。それより家族か友達は?」

「未来‥‥あ、いや友達と見に来る予定だったんですけど、

 急用で来れなくなって、一人で来たんですけど

 ぶつかって転んじゃうし、私呪われてるのかも」

「そっか、それはなんというかご愁傷様」

 (未来、うん、これは確定だよね?)

「君が今言った、友達の名前って、

 小日向未来って名前じゃない?」

「え、未来のこと知ってるんですか⁉︎」

393の前を聞いた瞬間、一気に距離を詰めてくる。

「ああ、うん、知ってるから、

 ちょっとだけ距離を離してくれると嬉しいな。」

「え、ご、ごめんなさい。つい」

「自己紹介からするね。霧崎サクラって言います。よろしく

 朝、小日向さんと一緒に走ってる、え〜、顔見知り?です。」

「ああー、未来が言ってた朝、一緒に走ってくれるお兄さんですよね。

 やっと会えたぁ〜、いや〜朝弱くていつも寝坊しちゃうので、

 いつかは未来と走って、挨拶できたらなぁと思ってて、

 あ、私の名前は、立花響って言います。よろしくお願いします。」

 

やっと、主人公と遭遇、思った以上に喋るなこの子。

会場に入る、列に並びながら、響ちゃんの話を聞く

 

「未来からよく話は聞いてたんですよ!

 優しいお兄さんといつも走ってるって、話してみてる感じ、

 きっと、私と気が合うかもしれないって言ってたんですけど、

 お兄さん見てる確かにそうだなぁってなんでか思うんです。

 いや〜私も早く、お兄さんとお知り合いになっておけば、

 ライブを一緒に見に来来れたんで‥‥いや、

 来てるってことはお兄さんツヴァイウィングのライブを

 見に来たんですよね!!座席どこですか!

 もし近くなら途中まででもいいからついてきてくれると嬉しいです!」

「お、おう」(勢いがすごい)

「ありがとうございます。じゃあ早速いきましょう!

 ちなみに私、ペンライトを買いたいんですよ!

 未来がライブならペンライトって言ってたので、一緒に買おうねって

 約束してたんですけど、どこで買うか分からなかったので、

 あ、グッズも買えたら買いたいなって思ってて、

 ペンライトと一緒に買えますかね?きっと売店も一緒ですし、

 買えますよね!あ、サクラさんって呼んでもいいですか?

 私のことも響って呼んでください!未来もそろそろ仲良くなったし

 名前で呼んで欲しいって言ってたので今度呼んであげてくださいね!

 それでですね。サクラさんツヴァイウィングの歌は何が好きですか?

 私はですね。逆光のフリューゲルが好きでして、」

「あ〜響ちゃん」

「特にツヴァイウィングは、え?どうかしましたか?」

「横のおじさん見て、チケットいつ出てくるか、待ってるよ。」

「うわ!ご、ごめんなさい〜」

(俺、ほぼ喋ってない。)

先にチケットを確認してもらい、身体検査を受けた俺は、

響ちゃんがくるのをベンチに座って待っていた。

向こうから走ってくる響ちゃんが見えた。

 

「すみません〜。お待たせしまた。

 いや〜未来からは響は、よく話に夢中になることがあるから

 気をつけなきゃだめだよ〜って言われたのをよく忘れちゃうんですよね。

 でも、お話しするのが好きだから、夢中になっちゃうんですよ。

 あ、向こうに売店がありますよ!ペンライトを買いにいきましょう!

 ライブ始まるまでには買いたいですし、うわ〜人がいっぱい並んでますね!

 でもこの待ってる間も好きですよ。サクラさんとお話しながら、

 待つことができるので、私嬉しいです。今日の朝の占いで、

 大凶だったので、一人で見るのも寂しいなぁって思ってたんですけど、

 いい日になりそうでとても嬉しいです!

 あ、順番が、回ってきましたよ!サクラさん!すみません、ペンライトとぉ〜

 うう、色々あって迷っちゃうよ!サクラさんはどれがいいと思いますか?

 私はこのキーホルダーかタオルが欲しい、って高い!ど、どうしよう

 うう、よし決めた!キーホルダーをください!

 あれ?サクラさんは、ペンライトだけなんですか?もったいないですよ!

 折角なんですから、何か他に買いましょうよ!

 これ!これなんかどうですか!Tシャツいいと思うんです!

 なんで首を横に振るんですか?はっ!すみませんサクラさんも男の人

 ですもんね!こ‥‥‥こっちの写真集のほうがよかったですか?

 え、そっちのTシャツでいい?なんだ〜照れてただけなんですね。

 ライブ始まるまで時間がありますね。少しお話ししませんか?

 そうだ、さっきサクラさんが座ってた所でお話ししましょう!

 サクラさんは学校とか、どんな感じですか?

 私はですね。よく授業中とか寝ちゃって、先生に怒られちゃうんですよ!

 席が窓際なので、お日様が心地良くてぽわ〜ってした後気づいたら

 授業が終わってるとかよくあるので、未来からはいつも

 『また寝て、今度寝たら、宿題忘れた時に見せてあげないよ?』

 って注意されちゃってそういえば未来が、この前、

 家庭科の授業で作ってくれたご飯が美味しくてですね。

 あ、未来とは小学校、中学校ずっと一緒の幼馴染みの親友なんです!

 ダメダメな私をよく支えてくれて、感謝しても足りないくらいですよ!

 この前も授業でわからないところ教えてもらってですね、

 英語の授業だったんですけど、英文とか意味不明なものを

 最後まで付きっきりで教えてもらったおかげで、テストで52点も取れたんですよ!

 それで、あ、そろそろ始まるって放送がありましたね!

 座席の場所は、かなり離れてますね。あ、そうだ!

 連絡先交換しましょう、ライブが終わった時に

 お互いの感想言いながら帰りましょう!」

 

携帯を取り出し連絡先の交換をする。

 

「私の連絡帳に男の人の連絡先が!

 ってライブが始まっちゃう!サクラさんまた後で会いましょう!」

 

と響ちゃんが走っていくのを見送る。

『間もなく、ツヴァイウィングのライブが開始5分前になりました。

 早めの入場をお願いします。

 ライブ中は、携帯はマナーモードではなく、電源をお切りください。

 撮影•録音などはーーーーー」

 

「す‥‥‥凄かったな。響ちゃんってこの時からあんな感じだったのか?」

 

なんか緊張が緩んでしまったが、もう一度引き締め直して、

会場に入る。

自分の指定席に着くと会場が暗くなる。

 

 

 

 

サクラが響ちゃんと遭遇するちょっと前。

「すまない、今着いた。会場の方はどうだ。慎次?」

「今の所、観客に怪しいものの持ち込みはなく、周辺に不審人物はいなかったと

 報告がありました。」

「そうか、それと避難経路の確保はどうだ?」

「はいそれも滞りなく、すでに入り口を前の企画時

 していたときよりは数は確保できました。」

「急で色々とすまなかったな。」

「いえ、司令の苦労に比べたら、このくらいなんとも無いですよ」

「フッ、言ってくれるじゃないか。

 了子くん、ネフシュタンの準備の方はどうだ?」

「ええ、暴走しても大丈夫なよう、安全弁もつけたわ。

 これで、実験は滞りなくできるわ。」

「分かった。このまま実験を行うとしよう。」

(だが、穏便にはいかないだろうな。)

 

 

舞台裏

隅っこに座っている翼を見つけた、奏が話しかける。

「私さ、開演するまでのこの時間が苦手なんだね。

 こちとらさっさと大暴れたいってのにさ

 そいつもままならねぇ。」

「そう‥‥‥だね」

「もしかして?翼、緊張しちゃってる?」

「当たり前でしょ?櫻井女史もこのコンサートは大事だって言ってるし、

 それに霧崎も楽しみにしてるって言ってるから余計に」

「はぁ、真面目だなぁ。翼がそんな顔してると私まで楽しめないだろ?」

「私たちが楽しめないのに、ライブに来た人たちはもっと楽しめないものね」

「分かってるじゃないか、それにサクラに私らはこんなもんかって思われたくないし」

「ふふっ、霧崎はそんなこと言わないと思うけど?

 でも奏となら、なんとかなるかもしれない。そう思えるの。」

「ああ、私ら両翼揃ってのツヴァイウィングだ。」

「2人でなら、どんな壁も乗り越えられる!」

「行こう!」

 

奏と翼は手を繋ぎ、ステージへ向かう

そして舞台の幕が開く。




誤字脱字有れば、よろしくお願いします。


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不変の未来 後編

今回は少し長め


会場が暗くなり、ライブが始まる。

俺は何が起こってもいいようにスマホを構える。

 

ツヴァイウィングが、ステージに舞い降り、スポットライトが当たる。

曲が流れ、歌いが始まる。

他の観客が一緒に歌い、ペンライトを振る。

俺はこの光景全てに目が離せなくなり、聞き惚れてしまった。

警戒心をこの瞬間だけ忘れてしまっていた。

 

 

ライブ会場直下、ネフシュタン起動実験場

「フォニックゲイン想定内の伸び率を示しています。」

「成功かしらね。まぁ、まだ油断はできないんだけど、」

「そうだな。敵の襲撃がいつ、来るかだな。」

その時、警報が鳴り響く。

「どうした!」

「エネルギーが想定以上の数字を出し始めました、

 このままでは、セーフティが持ちません!」

「このまま上昇を続ければ、起動いえ暴走してしまいます!」

 

 

 

歌が終わり、

「みんなーー、まだまだ行くぞ!」

 

「凄い!これが、ライブ飲み込まれてしまった。」

(気づけば、ペンライトを振ってた。これが2人の)

その瞬間、爆発が起きた。

 

「っ!来た!」

スマホで断片再現を行う。

断片再現で使える聖遺物は、

槍のガングニール

天羽々斬

アガートラーム

使うものはすでに決めてる。

 

なるべく攻撃範囲が広い、鞭のようなるもの

「アガートラーム、断片再現!」

手には短剣を握っており、爆発した方へ行く。

爆発した穴から芋虫型のノイズが2体現れる。

「ノイズを生み出す前に!」

一体に向かって、アガートラームを振るう。

ノイズの足を切り落とし、バランスを崩した所を

頭と思わしき部分を切り飛ばすと灰に変わった。

「もう一体が、間に合わない!」

もう一体の芋虫型ノイズが、口から液体を出し、

人型や蛙型のノイズを大量に生み出す。

生み出されたノイズは、観客へと向かって走り出す。

残りが霧崎へ接近してくる。

「今もノイズを生み出し続けてる芋虫型の首を落とさないと

 これ以上はまずい!」

なんとか迫ってくるノイズを倒し、芋虫型に全力で走り始める。

「邪魔するなぁ!」

 

 

ステージ上では、この惨劇を2人が見ていた。

「見ろ、今この場で戦ってるのはサクラだけだ。

 飛ぶぞ翼!今あいつと観客を助けられるのは

 槍と剣を携えてる私たちだけだ!」

「けど、司令からなんの連絡も」

 

Croitzal ronzell gungnir zizzl

 

ギアを纏い、歌いながら、ステージから飛び降りる。

アームドギアを槍を構え、一気にノイズの集団へ突撃する。

ノイズを斬り、刺し突き進む。

高く舞い上がり、投擲準備をする。

 

槍を投げると幾つにも分裂し、ノイズに降り注ぐ。

STARDUST∞FOTON

槍が着弾したと同時に奏が走り抜け、

それに翼が続く、ノイズを切り裂き、前と進んでいく。

 

「〜♩」(あの芋虫型まで一気に!)

竜巻を起こし、一直線にぶつける。

LAST∞METEOR

竜巻に吹き飛ばされ、芋虫型は灰になる。

(これで終わりだ!)

 

 

ノイズの集団に足止めを食らったがなんとか突破した俺は、

芋虫型に近づこうとしたところで、逃げ遅れた観客が見えたので、

生きて帰すために、防衛戦を強いられていた。

「はぁ‥‥はぁ、あの芋虫をどうにかしたいのに!」

空から鳥型が観客へ突っ込む。

「ああ!鬱陶しい!」

蛇腹剣に変え、鳥型ノイズを切り落とす。

「落ち着いて避難してください!

 必ず守りますから!」

「い、急いでぇぇぇぇぇ、死んじゃう!!」

「お、押すな。危ないだろうが!」

「ママぁぁぁ、ママぁぁぁ!どこぉぉ!」

観客が我先にと押し合い、先に進もうとする。

(このままじゃ!奏のところに行けなくなっちゃうだろうが!)

するとこちらを見てノイズをまた生み出そうとしていた

芋虫型が竜巻で吹き飛ぶのが見えた。

(芋虫がいなくなった!これで少しは生存率が上がる!)

観客に迫るノイズを捌くが、残っているノイズの数が多く

霧崎をする抜けて、観客へと

 

(間に合わな)

「はぁぁぁぁ!!!」

翼さんが、ノイズを灰に変える。

「ごめんなさい、遅くなったわ」

「いえ、十分間に合ってます!」

「皆さん、落ち着いて避難をしてください!」

「風鳴翼⁉︎」

「守ってくれたのか?」

「みんな落ち着け!風鳴翼が守ってくれるぞ!」

さっきまでのパニックが嘘のように収まっていく。

(えぇ〜、カリスマ性の違いというやつかな。)

 

ノイズから守りながら、翼さんに聞いた

「奏は?」

「向こう側で戦ってるわ!

 人がいないから派手に暴れられるって!」

(あれ?薬の効果がそろそろ切れるはずじゃ?

でも、向こうでまた竜巻が上がってるし、

何処かで何かが変わったのか?まだ、断言できないけど!)

すると途中から黒い灰に赤い灰が混ざり始めた。

「霧崎!アルカノイズが来たということは」

「はい、ウロボロスの残党がいます。でもどこに⁉︎」

「向こうを見て!ローブを着た男が見える!」

 

ローブの男が2人、黒い結晶を投げて、

アルカノイズを生み出しているのが見えた。

しかも出したアルカノイズを大半を奏に向かわせていた。

 

「奏に?させない!」

接近しようとするといつの間にか、

もう1人のローブ男がおり、アルカノイズを出す。

「悪いがぁ、行かせるわけには、行かないなぁ?

 それにぃ?ここを離れるとぉ?

 いっぱい人が死んじゃうと思うなぁ?」

「なら、ここのノイズと貴方を倒して奏のところに向かうわ!」

 

 

 

 

「オラオラ、数だけか!」

黒い灰と赤い灰が途中まで混ざっていたが、今は赤い灰のみが舞っている。

何体か、後ろの壁に当たり、客席が崩れ落ちる。

「はっ、どこ見てん」

「きゃあああ、うぐ」

声が聞こえ、後ろを振り返ると女の子が瓦礫の中で蹲っていた。

「さて?都合がいい、ノイズよ。アレを狙え」

ノイズが、女の子に向かって、飛びかかっていく。

「はぁぁぁぁ」

女の子の前に立ち、槍を回し、ノイズを蹴散らす。

「走れ!立ち止まるな!」

女の子が立ち上がろうとするが、顔をしかめてまた座り込む。

(足を怪我してるのか?このままじゃ、守りきれない!)

飛んでいくノイズを切り捨てるが、もう1匹の迫ってきた

ノイズの攻撃をギリギリでかわし、突き刺した瞬間

ローブの男から氷槍が打ち出され、避けきれず、

ギアの一部破壊され、吹き飛ばされる。

「やってくれるじゃないか!」

「いいのか?俺たちに構って?周りを見てみるといい」

「周りだって?それは‥‥どう、いう」

先程まで、座り込んで動けなかった女の子が

胸から血を流して、倒れていた。

急いで近づこうとするとノイズが邪魔をするが、

すぐに切り伏せ、走り寄る。

目がゆっくりと閉じようとする女の子に

「死ぬな!生きるのを諦めるな!」

「ぅ、あぁ」

僅かに目が開き返事を聞いて、

少しだけ安堵をしてローブの男を睨む。

槍を強く握った所で、ギアの光が点滅を始め、

破壊された部分のギアが形を維持できずに一部崩れた。

(このタイミングでか。だけど丁度いい)

「心を空っぽにして一度は歌ってみたかったんだ。

 オーディエンスは、たった2人なのがまぁ、心残り」

「安心しろ何をするかは知らんが、まだまだいるぞ?」

アルカノイズをまた大量に出す。

「まぁ、これで打ち止めだがな。我々が得た情報では、

 貴様は途中でギアが解除されノイズに殺されたそうだ。

 今から同じことをしてやるから覚悟しろ。」

「なんだ、まだいっぱいいるじゃねぇか。でも打ち止めか

 なら、私も出し惜しみなしで行く。とっておきの歌で」

 

 

「どうやらぁ、向こうは、もうそろそろ終わりそうだなぁ」

「こんのぉぉ!!!」

「おっとぉ、危ないなぁ。」

「そこだ!」

「これはぁ、予想外ぃ、ごはっ!」

ローブの男を吹き飛ばし、

「翼さんは早く!奏のところへ!」

「分かった!」

「俺が相手だ!」

「おっとぉ、勇ましいぃ

 だがぁ、目的はすでに達成済みぃ

 撤退させて貰うよぉ〜。ただでさえ、僕たちの味方は数

 が一気に減ってきてるからねぇ」

(ドットの仲間のお陰か?だが今は!)

「おとなしく捕まって貰うぞ!」

「残念ながら、すでに目標は達成済みぃ。

 君になるべく介入させないことがねぇ?」

「それってどういう意味だ!」

ローブの男の体が消え始めたので、

慌てて切りかかったが、空を切った。

 

「奏の方は⁉︎」

歌が聞こえた。とても綺麗な声が

その瞬間、衝撃が体を襲い吹き飛ばされる。

壁に当たり、そのまま気を失った。

 

 

 

 

 

俺が次に目を覚ますと、病院のベッドの上だった。

壁のデジタル時計を確認すると午前10時43分お表示されていた。

「そうだ、か‥‥‥奏は⁉︎」

扉が開くと頭に包帯を巻いて、フルーツバスケットを持った

弦十郎さんが入ってきた。

「む、目が覚めたか。サクラ君。

 体の方は大丈夫か?」

と近づいてきて、お見舞い品を置く。

「だ、大丈夫です。そ‥‥‥それより奏は!」

俺は、軋む体を無理やり起こし聞く。

「落ち着け、順に話す。

 まず、君は3日間眠っており、体の傷は殆ど軽く

 2週間ぐらいで退院できるそうだ。」

「そうですか。」

「そして、奏の方だが、絶唱の影響により

 重症、体の至る所が、壊れてはいたが、

 手術を受けなんとか一命を取り止めた。

「よかった。生きてるんですね。」

生存報告を受けた俺は、気が抜けて、ベットへ倒れ込む。

「だが、絶唱をしたことにより、LiNKERの副作用が悪化

 余命1ヶ月だそうだ。」

「は?」

「言った通りだ、余命1ヶ月だ。」

「俺のせい、なんですか?俺が役に立たなかったからですか?

 だから、奏の命を完全にまも、あだぁ!」

俺に拳骨を落とした、弦十郎さんをみる。

「あまり、あいつの覚悟を無碍にするような言い方をするな。

 それにだ。君が普段から奏を守っていたから、

 今も生きていられるんだ。」

「俺が、守ってた?」

「そうだ。君がきてから、俺や慎次がノイズと戦えるようになってから、

 奏は、LiNKERを使う回数が減ったんだ。

 了子君が調べたところ、君が戦った回数を奏に当てはめると

 絶唱した時点で死んでいたらしい。」

「そう、なんですね。」

「君はコンサートの戦いだけでなく、ずっと前から奏の命を守っていたんだ。

 奏の命を守ってくれて、ありがとう。」

「‥‥‥ちなみに奏は今どうしてますか?」

「中庭で、翼と話していたぞ。

 いい加減君に起きてもらって、話をしたいってな。」

「じゃあ、今すぐ行き、あいたぁ!」

起き上がろうとしたら、弦十郎さんに肩を掴まれ止められた。

「何を言っている。今すぐ会いに行きたいと、はやる気持ちもわかるが、

 検査を受けてからでも遅くはない。

 確実に無事だという姿を見せるのが、最初に君が奏にしてやれることだ」

「分かりました。」

 

それから検査を受け、終わったのは午後4時12分だった。

(ここだよね?)

病室のネームプレートを確認すると『天羽 奏』と書かれていた。

扉をノックする

「あーい、いるぞー?」

「あーー、サクラです。はい、失礼してもいいですか?」

「ブフッ、なんだその喋り方。入ってきていいよ。」

「失礼します。」

扉を開けて、中に入ると身体中包帯塗れの奏がいた。

「よう、見た感じ元気そうだけど大丈夫かぁ?」

「うん、さっき検査が終わって、数週間したら退院できるってさ。

「そっか、それはよかった!

 そこに椅子があるからそこに座れよ。」

「ああ、うん、‥‥‥えーーと」

椅子に座りどう切り出すか、言葉に詰まっていると

「私は、あと1ヶ月だってさ」

「うん、聞いた。というかサラッと言ったな。

 どう切り出そうと迷ったのに、」

「そりゃあ、死ぬつもりで歌った結果だからな受け入れられるさ。

 でもさ、ギリギリでさ、翼やサクラ、旦那とかまだ話したいこと

 があったな。って思ったらさ、

 こうして生きてるし、儲けもんだなって」

「‥‥‥なんて言っていいかわかんないけど、

 えっと、よかったね?」

「ああ、よかったよ。それに旦那や了子さんから説明もあったんだ。

 サクラが作ってくれた時間だってのもな。」

「お、れは」

「ありがとうよ。あたしを助けてくれて。」

「俺は、助けられたのかな?戦いでは助けに行けなかったのに?」

「ああ、あんたのおかげで、助かったよ」

「ほ‥‥‥本当に?」

「しつこいぞ、ずっとそう言ってるだろ?」

涙が出る。でも悲しみはない嬉しさが勝った。

自分のしたことが無駄じゃないと言ってもらえたのだから。

「でだ、一番最初に聞きたいことがあるんだけど、

 私たちのライブどうだった?」

「ああ、うん凄かったよ。言葉にはできないぐらい凄かった。」

「あはははは、そうか、そう言ってもらえると嬉しいよ」

「あとは、あの絶唱は綺麗な声だと思った。」

「文字通り命をかけた歌だったしな。

 やっぱり、こうして感想を聞けるのは嬉しいな。」

 

夜まで話をして、その日は解散になった。

その後も翼さんと一緒に見舞いに行ったり、

弦十郎さんが持ち込んだビデオを見たり、

緒川さんが、持ってきたツヴァイウィングの

初ライブ映像を見て過ごした。

了子さんの恋バナを聞いたりした。

 

それから、3ヶ月後、

天羽奏の葬式が執り行われ、

その時に見た、表情はとても穏やかなものだった。

 

 




誤字•脱字有れば、よろしくお願いします。

次から原作に入れるといいなぁ


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原作 無印
ダイジェストで、2年後


やっと、入れたような入れてないような第一期に突入です。


「サクラさん、ちょっと右に行ってください!」

「右だな、よいしょっと!これぐらいか?」

「はい、そのままでお願いします。

 猫ちゃんこっちだよ〜」

 

今俺は、響ちゃんを肩車して、木に登って

降りれなくなった猫を助けていた。

警戒心が強いのか、近づけば離れ、追いかければ、

元の位置に戻る。

かれこれ5分は、この調子である。

 

猫の説得に時間がかかりそうなので、

ここ2年の記憶を思い出すことにしよう。

 

奏の葬式が執り行われた後、

夢にドットが出てきて、断片再現しているときに完全再現を行える人数が

2人になるとの事。

変身と完全再現の対象から奏が無くなった事

(ドットの所は、あんまり楽しい思い出じゃないな。)

 

その後、翼さんは芸能界復帰ソロ活動が始まる。

奏としっかり話をした上で、お別れできたお陰か、

一人でどうにかしようとする気持ちはあまり持っていないようだ。

「翼さん、仕事復帰してから調子はどうですか?」

「サクラ、大丈夫よ。緒川さんが調整してくれてるおかげで、

 無理なくこなせてるわ。仕事が忙しくて、

 ノイズのとの戦いが殆ど手伝えてないから、

 サクラの方が心配だけどね。」

「そっちはあれです。緒川さんと弦十郎さんが戦ってますから

 楽ですよ?」

「本当なら防人として戦いたいんだけど。」

「今は、歌女なのでそっちに集中してくださいね。」

「そうね、落ち着いたら必ず戦場に戻ることを誓うわ!」

 

ちなみに翼さんが、俺のことを名前で読んでるのは、

奏が、この際、名前で読んでやったらどうだ?っと

言われてからは、名前で呼ばれるようになった。

 

(翼さんとは、一気に距離が縮まった気がしたなぁ)

 

 

その何ヶ月後に、男子学生5人が、響ちゃんと未来ちゃんをいじめている所に遭遇

その光景をみんな見て見ぬフリして通りすぎていくか、

立ち止まって響ちゃんに軽蔑の目を向ける人達も見つけた。

「け、警察を呼ばないと」

と携帯を出したときに

「この人殺しが!笑ってよく歩けるよな。

 自分だけ幸せになってさぞ楽しんだろうよ!」

「最低だよなぁ。人殺してまで生き延びるってさ」

「俺ならみっともなくて自殺するな

 どんな神経してたら、学校に来れるんだよお前」

 

「わ‥‥‥わたしは、そん、なことしてない。」

「嘘つけよ!この人殺し!」

「響はそんなこ」

未来ちゃんの前に響きちゃんが立つ

「未来、わたしはへいき、へっちゃらだからね」

と未来ちゃんに笑いかけると

学生の一人が響ちゃんの胸ぐらを掴み、

「てめー、人殺しの分際で舐めてんじゃないぞ!」

拳を振り上げた学生に俺は思わず、飛び蹴りをかましてしまった。

「女の子を集団でいじめてんじゃねぇ!」

「グホッ」

蹴られた衝撃で手を離す。

 

「テメェ、人殺しを庇うのかよ!」

「ああ、庇うね。俺もあのコンサートを生き残った、

 お前たちの言う人殺しだ。

 だから、俺に殺されたくなかったら、さっさと失せろ。」

(ここまで、脅せば逃げていくはず。さぁ怯えて逃げ帰れ!)

「なんだ、人殺しが増えただけかよ!」

「なら、二度と人前に出れないようにしてやるよ!」

 

現実は無情でした。

5人には勝てなかったよ。ボコボコにされ、地面に転がる。

(でも二人は怪我がなかったからいいかな)

「情けねぇ。ほらほら、俺たちを殺すんじゃなかったのか〜」

「「「アッハッハ」」」

周りから

「ザマァみろ、人殺し」

「あの情けない姿をSNSに上げてやろう」

「さっきまで、カッコつけてたのに情けない」

「関わらなきゃいいのに」

 

2人が俺に駆け寄ってくる。

「霧崎さん、大丈夫ですか⁉︎」

「サクラさん、ごめんなさい、わたし‥‥のせいで」

「ああ、うんだいじょ」

「そうだぜ、お前のせいで怪我したんだぜ?この人殺し」

イラッときた俺はまた殴りかかる。

ボコボコにされる。殴りかかる。ボコボコにされる。

これを繰り返す。

名付けて「ドラえもんが安心して帰れないんだ」作戦(ヤケクソ)

 

意識が戻ったときには、いつの間にか公園におり、

2人が泣きながら俺の傷の手当てをしてくれた。

「あいつらは?」

「サクラさんが殴られても立ち上がるので最後の方は逃げて行きました。」

ジャイアンを倒した作戦だからな、有効に決まってる。

響ちゃんが、泣きながら聞いてくる。

「なんで、ここまでして助けてくれたんですか?」

「そりゃあ、俺がそうしたかっただけだよ。」

「でも、こんなに傷だらけになってまでする必要はないですよね?」

「友だちを守るために体を張っただけだよ。」

「友‥‥だちですか?」

「そう、一緒にコンサートに行って、観て。

 命懸けで、生き延びた仲じゃないか。

 共通の友人もいるしね。あ、え〜と未来ちゃんと言うお友だちが。」

未来さんが、驚いた顔でこちらを見てくるがあえて無視

今は響ちゃんだ。

「お節介の人助けしただけだよ。

 だから、罪悪感を感じる必要はないんだけど。」

「そう言うわれても難しいです。

 な‥‥何か私にできる事はないですか?」

「え、あーそうだ。

 本当は見返りを求めちゃいけないけど、お礼に感謝の言葉を送って欲しいな。

 俺はそっちの方が嬉しいから」

「そんなので、いいんですか?」

「それが良いんだよ。」

「わ、分かりました。その、助けてくれて、

 ありがとうございます。」

「私からもお礼を言わせてください!

 ありがとうございます。」

「どういたしまして。」

3人で顔を合わせた途端、笑みが溢れ、声を出して笑った。

その後は、2人とはよく会うようになり、親睦を深めていった。

 

(あの後も何度かいじめの現場遭遇、その都度突撃

「ドラえもんが安心して帰れないんだ」作戦(ヤケクソ)をしまくったら、

未来ちゃんの話だと何故かいじめが減ったらしい。)

※怪我まみれで、職場に来るサクラに心を痛めた、弦十郎が色々手を回してくれた。

 

(まぁ苦い思い出も、今思い返すと笑い話には‥‥‥まだならないな。)

 

 

「あの〜サクラさん」

「猫はどうなったの?」

「普通に木から降りて逃げちゃいました。あはは〜」

「そっか〜」

この時間はなんだったんだろうと言う結末だった。

 

響ちゃんを肩から下ろした。

「でもよかったですよ。猫ちゃん降りれなくなったわけじゃなくて、

 もしかしたら、お腹捨てるかもとか思ってたんですけど、

 あれだけ、元気に動けるって事は大丈夫だったんですね。」

「まぁ、響ちゃんが大丈夫じゃないけどね。」

「え?それってどういう事ですか?」

携帯の時間を見せる。

「時間?あ!あーーーーー!完全に遅刻だぁぁ!

 サクラさんごめんなさい。この埋め合わせは絶対するので!」

「ああ、事故に合わないよう気を付けろよ〜」

「はーーーい」

と入っていく響ちゃんを見送り、2課に向かう。

 

 

2課についた俺は、中を除くと

藤堯さんしかいなかった。

「こんにちは、1人ですか?」

「ああ、司令はレンタル返しに、緒川さんはマネージャーの電話に

 了子さんは研究室、あおいさんは遅番だよ。」

「そうなんですね。」

「それにしても、こんなに早く来なくても良いのに

 司令からも遅くきて良いって言われてるだろ?」

「いつノイズがくるかもわからないですし、それになんか落ち着かないですよねぇ」

「‥‥‥ワーカーホリックじゃないよな?」

「そこまで、仕事人間になったつもりはないです。多分、きっと」

「なんか趣味とかないのか?」

「ゲームも最近しなくなりましたね。なんでか?」

「まぁ無理はしないでくれよ。」

「それに関しては楽出来てるので」

 

談話しているながら、夕方まで本部に待機していたが、

途中で帰ってきた司令に家に帰って良いと言われたので帰ることにした。

 

帰る途中警報が聞こえ、

通信が入る。

『サクラ君、聞こえる?』

「はい聞こえます。場所は?」

『場所は現在地から、工場地帯に向かって、ノイズが移動してるいるわ。』

「分かりました。すぐに向かいます!」

(とうとう来た。響ちゃんがいるはずだ!)

 

 

断片再現で、アガートラームを出し、工場を突き進んでいく。

ノイズが上から降ってきた。

「うお、危ねぇな!」

ノイズの集団を切り裂きながら進むと歌が、聞こえた。

 

 

Balwisyall nescell gungnir tron

 

歌が聞こえた方向を見ると女の子を抱え、

ギアを纏った響ちゃんが飛び降りてきた所だった。

「ど‥どいてぇーーーーー」

「きゃああぁぁぁ」

「嘘ぉぉぉぉぉぉ」

なんとか避けた俺は、響ちゃんの方を見る。

 

「すみません、って逃げ遅れた人ですか⁉︎

 早くここから逃げましょう!」

「ああ、うん大丈夫だから落ち着いて」

「って、サクラさん⁉︎」

 

驚いている響ちゃんに迫るノイズを切り裂きながら、話す。

「まぁ色々思考が追いついていないだろうけど、今はその子を守ることに集中して」

「え?は、はいわかりました!」

 

するとバイクのエンジン音が聞こえた。

 

 

Imyuteus amenohabakiri tron

 

 

ギアを纏った翼がバイクから飛び降り、無人のバイクはそのまま

ノイズにぶつかって爆発した。

 

「サクラ、ガングニールの反応があったので急いできたが、

 あなたの仕業では、ないようね。」

(この子のギア、形状一部違うものの、紛れもなく)

「先にノイズを叩く。サクラはその子の守りを任せたわ!

 あなたは、その子を守ることに集中しないさい、良いわね。」

「ああ、任された。」

「は、はい」

 

蒼ノ一閃

 

千ノ落涙

無双しまくる翼さんを眺めるだけに、なってしまったわけではない。

こっちに向かってくるノイズを倒し、近づけさせないようにしていた。

 

「おねちゃん、お兄さん大きいのが!」

「っ、私だって」

「大丈夫だよ。翼さんがいるからね。」

巨人型ノイズが、迫ってくるが

 

天ノ逆鱗

 

巨大な剣が、突き刺さり倒される。

 

翼にサクラが近づいていく

「お疲れ、翼さん」

「うん、サクラもお疲れ様。

 それよりも、あのギアは?」

「後で調べて貰えば分かるさ。」

「それも‥‥そうね。早く原因がわかれば、

 あの子が、戦いに巻き込まれずに済むものね。」

 

そして響は翼の戦いを見て思い出していた。

(やっぱり、あの時見たツヴァイウィングは、

幻じゃなかったんだ!)

 

 

こうして、運命はまた動き始める。

 

 




誤字•脱字有れば、よろしくお願いします。


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あの背中に憧れて

本編に入ってから書きたいことが増えて、
長くなりそうだったので、削っていきます。




ノイズが片付き、私が抱えていた女の子と

自衛隊が保護していた母親が泣きながら抱き合っていた。

 

(良かった、お母さんと会えたんだね。)

 

女の子を守れたことに安心していたところ

「あったかいもの、どうぞ」

「あったかいもの、どうも」

女性から飲み物を貰って、一息ついた途端、

変身が解けた。

「え、変身が、とけ、おぅわ」

急な変身解除に驚いて転びそうになるのを

腕を掴まれ、助けられた。

「あ、ありがとうございます。」

そちらを見ると風鳴翼がいた。

 

 

 

響ちゃんが転げそうになったので、助けに行こうとしたら

既に翼さんが行っていた。

「あっ!ありがとうございます‼︎

 助けられたのは、これで2回目なんです!」

「2回目?それはいつのこt」

「お姉ちゃん、助けてくれて、ありがとう!」

「体は、大丈夫?怪我してないかな?」

「うん!お姉ちゃんが守ってくれたから!

 バイバイ」

「うん、じゃあね。良かったぁ〜

 じゃあ、私も帰ろうかな?」

「響ちゃんも体は大丈夫だった?」

「はい!私も大丈夫です。

 ってそういえば、サクラさんさっきのなんだったんですか?

 帰りながら、教えてください!」

「あーー、残念ながらそうは、いきそうにないね?」

「へ?」

二課のエージェントさん達が、響を逃さないように包囲する。

「サクラの言う通りよ。貴方をこのまま帰すわけにはいかないの

 特異災害機動部2課まで、同行してもらいます。」

「え?え?ええええええ!いつのまにか手錠が!」

響の隣に緒川さんがいつから居たのか立っていた。

「すみません。身柄は拘束させてもらいますね。」

「サ、サクラさん、助けてぇぇぇぇぇ」

「大丈夫だよ。みんないい人だから、

 落ち着いて」

「ほ、本当ですか?」

「では、車で移動するので、乗ってください。」

「じゃあ、俺はあっちに乗るから、」

響ちゃんが乗せられる車とは別の車に乗ろうとしたら、

「一緒に乗ってください!お願いします。」

捨てられた子犬みたいな目で訴えてくる響ちゃん

(良心が痛い!)

 

 

 

緒川さんが運転をして、俺と翼さん、響ちゃんを乗せて走る

車にいるが、凄く空気が重い。

この空気を壊したのは、翼さんからだった。

「さっき、聞きそびれてたんだけど、

 助けられたのは2回目ってどういう意味かしら?」

「え?はい、2年前のコンサートに参加した時に

 ツヴァイウィングの2人にノイズから

 守って貰ったことがあるんです。

 その時に奏さんに助けてもらって、

 『生きるのを諦めるな』って言われてからずっと

 それを支えに生きてきました。」

「そう、奏が‥‥。なら尚のこと、

 このまま放っておくわけにはいかないわ」

「うぅ、そうだ。サクラさんはなんでここにいるんですか?」

「俺?俺は、ノイズと戦うことができるから、かな?」

「でも、翼さんや私みたいに変身してないですよ?」

「色々特殊なんだよ」

「サクラそれ以上はダメよ」

「というわけで、後は着いてから説明があるよ。」

「わ、分かりました。(気まずい)

 ‥‥‥‥‥‥‥えっと、あの、私翼さんのファンで、

 新しく出た翼さんのCD買いました!」

 

流石の翼も不意打ちだったのか、

「え⁉︎ああ、ありがとう

 それは、今じゃないとダメかしら?」

「す、すみません、間がもたなくて」

「響ちゃん無理に話そうとしなくても

 大丈夫だよ。」

「で、でも私これからどうなっちゃうのか不安なんですよ?」

「安心していいよ。さっきも言ったけど悪いようにならないから、

 ちょっと体を解剖させて、アイタァ!」

 

翼さんからスネを蹴られた。

 

「貴方のその冗談は、怯えさせるだけよ。

 それに無理して慣れない冗談を言わない方がいいわ」

「いや〜、響ちゃんと同じでこの空気がどうも苦手で」

「ですよね〜。私も何話していいかもうわからなくて

 あはは」

「普通は怯えるものだと思うんだけど?」

「サクラさんのことをよく知ってるので、

 本当に悪い人たちはいないとは思ってます」

「‥‥そうなのね」

「着きましたよ。車を降りての移動になります。」

「響ちゃん、降りようか。」

「はい、ってえぇぇぇぇぇ⁉︎

 ここ、私たちの学校で、先生のいる中央棟ですよね?」

「惚けてないで、歩きなさい置いていくわよ」

「あ、置いて行かないでください〜」

「元気な子ね」

「あれが、響ちゃんのいい所だから」

 

中に入りある程度進んだ所で、

「このエレベーターよ。危ないから、手すりに捕まりなさい。」

「え、危ないってどういう

 というか、サクラさんはどうして、足が震えてるんですか?」

「下へ参るんですが、速度がまぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

「ドゥあぁぁぁぁぁぁ⁉︎(ジェットコースターみたいに落ちて!)」

 

すると様々な模様が描かれている壁が見えた。

「凄い、学校の地下にって、サクラさん大丈夫ですか⁉︎」

サクラが手すりに抱きつき、全身を震わせていた。

「体が天に登る気分だ」

「サクラ、地下へ向かってるんだが」

「そうですよ。それなら地獄ですね!」

「今その地獄を味わってるんだよね」

サクラの顔色がなんとも言えないものになっていた。

(サクラさん、凄い顔色が悪い)

(もう何回も乗っているはずなのに、慣れないものかしら?)

「サクラさん、エチケット袋をどうぞ」

「ありがとうございます。緒川さん。

 ウボォ」

 

 

そのあとエレベーターから降りる時に、

緒川さんがサクラをおんぶしてから

さらに奥に進む。ある部屋で止まり、

「ここよ。さぁ入りなさい。」

響が扉を開けて入ると、

 

クラッカーの音

横断幕には、

『熱烈⭐︎歓迎!立花響様』

「ようこそ!人類守護の砦、特異災害対策機動部二課へ!

 俺はここの責任者を務める、風鳴弦十郎だ。」

「知ってたわ。緊張感がないことぐらい」

翼から哀愁が漂い始める。

 

そして、響にカメラを持って近づいてくる女性がいた。

「はい、立花響ちゃん笑って〜?

 うんうん、可愛いわよ。

 私の名前は、櫻井了子よ。よろしくね」

「了子、さんですね。

 って、皆さん初めて会うのに私の名前を?

 あ、サクラさん私のこと話しましたね!」

死にかけたサクラが返事をする。

「話したことないけどなぁ。俺」

「我々二課は、特務機関なのでな。調査などお手の物さ!」

(まぁ、本当にサクラ君のおかげで知る機会があったのは確かだな。)

「というのは嘘よ。貴方が落としたバッグの生徒手帳を見ただけよ〜。」

「な〜にが調査はお手の物ですか!返してください!」

「すまない、君を呼んだ理由は、協力してほしいことがあるからさ」

「だから〜まずは脱いでみましょうか?」

「な、なんでぇぇぇぇぇ」

 

そのあと響は了子さんにメディカルチェックの為に連れて行かれた。

「サクラ君大丈夫か?いつもは違う入り口から入ってくる君が

 あっちを使ったのは驚いたよ。」

「一応、ついてきてくれって言われたので、

 あとなんとか復活できそうです。いい加減あれをどうにか」

「すまんな。設計上難しいから諦めてくれ。」

「そんなぁ。」

 

それからしばらくして、ぐったりした響ちゃんと

ツヤツヤした了子さんがきた。

「お楽しみでしたね。了子さん」

「ええ、存分楽しんだわぁ。サクラ君も体はどうかしら?」

「会話できるぐらいには復活しました。

 響ちゃん大丈夫?」

「だ、大丈夫で‥‥す。へいき、へっちゃ、スゥ」

「って危ない!」

倒れそうになった響ちゃんを支える。

「フッ、疲れているようだな。話は後日するとしよう。」

「じゃあ、俺が背負うので、翼さん案内お願いできますか?」

「はぁ、仕方ないわね。こっちよ。」

 

 

背負って、翼の案内でリディアンの寮に来た。

流石に中に入れば、不審者として通報されそうなので

「その子を起こして、自分の部屋へ向かってもらいましょう。」

「いや、なんか不安なので、響ちゃんの同室の子を呼びますね。」

「分かったわ。サクラ、私は先に戻るわね。

 少し気持ちの整理をつけたいの」

「はい、任せてください。」

 

翼さんが本部へ向かっていくのをみて、近くのベンチに響ちゃんを下ろして、

膝枕をする。

携帯を出して、未来ちゃんに電話する。

「あ、もしも」

『サクラさん、響そちらにいませんか!

 まだ、帰ってきてなくて、ニュースでも近くにノイズが出たって!』

「大丈夫、今響ちゃんと一緒にいて、ノイズの被害にも合わなかったよ。

 ただ、今日もいつものお節介で力仕事したらしくてさ、

 疲れて寝てるんだよね。寮の外にいるから迎えにきてくれると助かるよ。」

『そうなんですか。よかったぁ、今すぐいきますので、

 待っててください。』

「ゆっくりでいいからね」

かなり罪悪感に駆られるが必要な嘘だ

そう自分に言い聞かせる。

 

電話を切り、寝ている響を見て、頭を撫でる。

「ウェヘヘへ」

(今日1日お疲れ様でも、これからもっと大変な目に合うと

考えると元の世界に帰るまでの間だけでも出来るだけ手助けをしよう。)

 

「はぁ、はぁ、こんばんわ」

「急がなくて、よかったのに。」

少し息の上がった、未来がこちらに駆け寄ってくる。

「いえ、すぅ、はぁ、響が迷惑かけちゃったみたいで

 急いできました。」

「迷惑とか思ってないよ?友達だからね。

 出来ることをしただけだよ。そのかわり

 俺が困ったら、助けてね?」

「ふふっ、はい。その時は言ってください。」

「じゃあ、早速だけどいい?」

「はい、なんですか?」

「そろそろ太ももが痛いので、連れて行ってくれると助かる。」

膝枕していた響ちゃんの頭をつつく。

それをみて未来が笑いながら、

「はい、連れて行きますね。

 響起きて」

「うぅーん、未来ぅ?もう朝ぁ?」

「まだ夜だよ。寝るならお布団で寝よう?

 ほら、頑張って立って。」

「うん、がんばるぅ」

「サクラさん、おやすみなさい」

「ああ、2人ともおやすみなさい」

 

2人を見送った後、二課に連絡を入れて家に帰るのだった。

 

 

後日いつものように二課で待機してたら、響が入ってきた。

「あの〜、呼ばれてきました」

「すまないな、貴重な時間を取らせて、」

「いえ、それよりも昨日のことを聞きたいです!」

「ええ、順番に話していくわ。

 まず、貴方のメディカルチェックの結果は、ほぼ問題なしよ。」

「ほぼってことは?」

「ええ、響ちゃんの心臓部分に、摘出不可能な多数の破片があって、

 調査をしてみた結果、奏ちゃんがかつて身に纏っていた聖遺物

 ガングニールだと分かったわ。

 ‥‥‥奏ちゃんの置き土産ね。」

「聖遺物?」

 

了子さんと弦十郎さんが聖遺物について、説明していると

 

「サクラ、あれは奏のガングニールということでいいんだよね。」

「みたいですね。そして、起動出来てるところを見ると

 数少ない適合者になるということになりますね。」

「そうね。あの子が悪いとは思ってないわ。

 でも奏が命をかけて、手にしたのを覚えてると余計にね」

 

話が終わったのか、響ちゃんがこちらに駆け寄ってくる。

「あの、サクラさん、翼さん。

 私決めました!この力で戦います。良かったら握手して下さい。」

物凄い笑顔の響ちゃんがこっちにきて手を出してきた。

「あーー、俺はまぁ、うん」

隣の方がお怒りです。

「貴方、分かっているの?本当に戦うということが、

 その場に流されて、選んでいないかしら?」

「わ、私は、それでも人を助けたいんです。

 あの時の翼さんや奏さんみたいに」

「っ!なら余計に」

響に掴みかかりそうになった翼を慌てて押さえる。

「落ち着いて翼さん。」

「‥‥ごめんなさい。」

翼さんと響ちゃんの間に入り、

何が起こったか分かっていない響に聞く

「とりあえず、響ちゃんは、本当にそれでいいんだね?」

「はい、私に出来ることをしたいです!」

 

こっそり後ろを見ると悲しそうな顔をした翼が見えた。

(昨日覚悟を決めたからな、出来ることをする。)

とそこで警報が鳴る。

「ノイズが出たようです。座標を確認、ここから近い場所です!」

「分かりました。今すぐ迎え撃ちます。」

「俺はサポートに回ります。」

現場に向かう2人を追おうとする響を

弦十郎が、引き止める。

「待て、君はまだ!」

「私の力が、誰かの助けになるのなら、

 このシンフォギアで、行きます!」

 

そして、響は走り出す。

憧れに近づくために。

 

 

 




誤字•脱字有れば、よろしくお願いします。


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星の涙

悩みは、サブタイトルが浮かばなくなること。


「サクラ背中は任せた!」

「はい任されました!」

断片再現で、アガートラームを出し、

前を走る翼さんを追う

いつも通り、翼の死角から迫るノイズに向かって、

刃を振るうと

「おりゃああああ!」

振るった先のノイズを響が倒す。

 

「ってあぶな!」

俺は、無理やり刃の軌道を変える。

「やった、倒せた。

 サクラさん、翼さん私手伝います!」

「‥‥‥分かったわ。サクラ頼めるかしら。

 私は向こうのノイズを一人で、やるわ」

「じゃあ、響ちゃんのフォローに回るよ。」

翼は、サクラに響を任せて戦場に戻る。

「あの、わたしも一緒に!」

「貴方はあっちよ。」

翼は数のノイズの少ない方を剣で、指示した後

密集している方へ掛けて行った。

「響ちゃん、行こうか」

「はい!足を引っ張らないよう頑張ります!

 うぉおおおおおおお」

「って早いな!」

響がノイズに拳を打つとノイズが灰に変わる。

(これなら!)

後ろから迫るノイズを俺は、切り倒す。

響は目の前のノイズしか見えていないのか

一直線に進んでいく。

俺は、離れないように慌ててついていくが、

いろんなところに移動するので、

すごく疲れた。

 

ノイズを倒し終えると

「はぁ、はぁ、すぅ‥‥はぁ、お疲れ様」

「はい!お疲れ様です。」

「ええ、お疲れ様」

「あの、今後も一緒に戦っていければ、

 嬉しいです。」

「一緒にね‥‥。残念だけど、

 今の貴方とは一緒に戦えそうにないわ。」

「え?‥‥なんでですか?」

「今日の戦いを見て、判断したことよ。」

 覚悟もなく、遊び半分で戦場に出てくる

 今の貴方には、奏の何を受け継いでいるのか

 が分からないのよ。」

「そ、それは‥‥‥」

「これで話は終わりよ。私はいくわ。」

「待ってください!

 それでも、ダメダメな私でも、

 奏さんの代わりになれるよう頑張ります。」

「っ⁉︎響ちゃん、それを言ったら!」

乾いた音が聞こえた。翼さんが涙を流しながら、

響ちゃんの頬を叩いていた。

「‥‥‥‥え?」

「サクラ後は頼むわね。」

翼はそう言って、走って行ってしまった。

 

「えっと、大丈夫?」

「サクラさん、私、何か間違えちゃったんでしょうか

 翼さん、泣いてました。」

「今日は疲れたでしょ?

 家に帰って、お風呂浴びてゆっくり寝るといい

 そのことは明日答えるよ。」

「はい‥‥‥」

落ち込んだ響ちゃんを寮まで送り、家に帰る。

 

シャワーを浴びながら考える。

(さて、どうしようかな?

一番早いのが、響ちゃんに自覚してもらうことが一番

後は、翼さんのことだよね。

思ったより、響ちゃんと会話してたな。

うーーーーーん、考えても仕方ないか。なるようになれ!)

 

 

本部に来ると弦十郎さんに

「響のフォローに入って欲しいですか?」

「ああ、昨日の戦いで分かった通り、

 響くんは、戦場に慣れていない。

 故にサポートに特化している君に頼みたい。」

「分かりました。できる限りやってみます。」

「ああ、頼んだぞ!」

警報が鳴る。

「ノイズ出現、場所は町中です!」

「今すぐ行きます!」

「あの〜、サクラさんはいますか?ってあれ

 何かあったんですか?」

「響ちゃん、行くよ!」

「うぇ?ノイズですね!行きます」

 

 

移動した俺は、昨日のことを踏まえて、

サポートしやすいよう変身することにした。

「変身!」

光が弾けると

翼さんのトレジャーハンター型を纏った姿に変わる。

「うぇええええええ!翼さんはサクラさん

 だったんですか⁉︎あれでも、

 昨日二人ともいたから双子だったんですか?」

「うん、それも後で話すからさっさと倒すよ!」

「は、はい!」

 

戦いが始まり、響のサポートに入る。

建物に腕のギアから出したロープを張り巡らせて、

ロープの上に立つと脚が固定され、脚に付いている

ローラーが動き移動を始める。

(これなら上から見渡せて守りやすいはず?)

「うぉおおおお!」

響が、飛んでくるノイズに拳をふるいその

まま進もうとした場所に待ち構えてるのが見えたので、

短剣を投げて倒す。

空から奇襲しようとしたノイズを同じように倒す。

これを繰り返して、全滅させることができた。

 

「なんとか終わったね。お疲れ様」

「はい、お疲れ様です。つば、サクラさん!」

変身が解除されると元の姿に戻る。

「あ、元に戻った。」

「そういえば、昨日のことで聞きたい事あったんだよね?

 本部に戻ってから話をしようか。」

「はい、聞かせてください。」

 

 

本部に戻ってきて、休憩スペースに来ていた。

自販機で買ったジュースを渡す。

「響ちゃん、どうぞ」

「ありがとうございます。

 それで、あの、

 翼さんはどうしてあんなに泣いていたんですか?」

俺は、あらかじめ考えていた内容を話すことにした。

(まぁ、未来での緒川さんのセリフを今言っても説得力は皆無、

でも聞かれたからなぁ)

「あー響ちゃん、

 ツヴァイウィングのことはもちろんしってるよね?」

「はい、」

「ツヴァイウィングの片翼 天羽奏は、

 2年前のコンサートで、絶唱を歌ったんだよ。」

「絶唱‥‥‥サクラさんそれって一体」

「絶唱、シンフォギア の限界を引き出すもの

 でも、装者への負荷がかなりかかる。それも命を

 掛けなきゃいけないほどにね。」

「その歌を歌ったんですか。」

「ああ、結果的には寿命を減らして

 絶唱を歌った3ヶ月後に亡くなった。

 お別れを言う時間もあったでも、

 翼さんの心を奏が締めていた割合は大きい。

 だからだろうね。

 響ちゃんの言葉は、とても心にきちゃったんじゃないかな?」

「私酷い事言っちゃたんですね。奏さんの代わりになる‥‥なんて」

「それと俺は、君に奏の代わりをして欲しいなんて思ってないよ?

 誰もそんな事思ってないよ、

 それにどんなに形を取り繕うとね、誰にもその変わりは務まらない。

 だからこそ、君は君のやり方で翼さんの手を取って欲しい。」

「手を、取る」

 

その後は、悩みながら歩いて行ってしまった。

(うーん、やってしまった。いろんな意味で)

頭を抱えてたら、

「結構話したのね。」

翼がジュースを買ってたところだった。

「え、あーーーー聞いてたんですか?」

「ええ、最初からね。意外と口が軽いと思ったわ。」

サクラの横に腰を下ろす。

「サクラの言う通り、奏がいない寂しさはあるわ。

 でもね、私が防人としても歌女としてもいられるのは、

 貴方や二課のみんなが居たからよ。

 だからこそ、奏が守ったあの子には戦場とは無縁で居て欲しいのよ」

「それは、本人に言ってあげたほうがいいのでは?」

 

顔を少し逸らして言う。

「昨日叩いちゃって顔が合わせづらいのよ」

「あーまぁ、そうだね

 でもその内、謝る機会が来るよ。」

「そうかな?」

「そうだよ」

その後は談話してから家に帰った。

 

 

寝床について寝ると、

2年ぶりの真っ暗な空間にいた。

「お久しぶりですね。サクラ様」

「うん本当に久しぶり」

「この度大規模なVersion upを行う為、

 お知らせに参りました。」

「大規模?」

「はい、この2年で、色々な観測ができましたので

 変身と再現の追加になります。」

「そんなに増えるの?」

「はい、なので時間を1週間ほど頂きます。」

「け、結構かかるね。」

「2年分なので、それと次のお知らせです。

 ウロボロスの残党が数の少ないカルマノイズを使う

 作戦を立てているようです。

 これで、最後になります。」

「いつ来るかは分かってるの?」

「いえ、ですが、過去へ干渉できる力が弱まっているので、

 重要な場面で来ると思われます。

 これが撃退できれば、問題はーーーーーーー」

ノイズが走り、消える。

「え?おーーい、ドットさんやーい」

それからしばらくして、ドットが出てきた。

「すみません。問題はありません。

「本当に大丈夫?」

「はい、通信用の機材に不具合があっただけですので、

 では、作業は明日から行うのでよろしくお願いします。」

「ああ、うんよろしく。」

 

 

目が覚めてスマホの確認

画面には完了まで、1週間と表示されていた。 

それから本部に報告し、

弦十郎さんから、今日から1週間休みを言い渡された。

「しし座流星群?」

「はい、来週見られるそうなので、

 未来と一緒に見に行く約束したんです。」

落ち込んでいたのかと思ったけど、

元気になった響ちゃんの話を聞く

「そっか、見に行けるといいね。」

「はい!」

(そろそろクリスちゃんが来るって事だよね。)

 

それから、1週間たち

まぁ、弦十郎さんの話では、

響と翼は会話はあまりないものの、

戦場では、翼がフォローに入ると言う感じになってるらしい

そして俺は、空を遮ることのない丘に来ていた。

本当は本部に行きたかったが、

「休みを言い渡してるんだ。明日から働いてくれればいい」

と弦十郎さんに本部を追い出された。

俺は、せっかくなら星が綺麗に撮れる機材を

用意して流星群を見にきていた。

(流星群とか前の世界でも滅多に見れないから

映像に残しておきたい)

 

機材を組み立てていると

「サクラさん?」

「あれ?未来ちゃん。こんばんは、

 どうしたのこんなところで?」

未来が向こうから、歩いてきた。

「こんばんは、今日は流星を見にきたんです。」

「寒くない?そこの自販機でなんか奢るよ?」

「え、その悪いですよ。」

「大丈夫、報酬は俺と一緒に星を見て欲しいな

 寂しかったんだよね。ここで一人で見るの」

少し驚いた後、

「ふふっ、はい一緒に見ましょう。」

ジュースを渡し、他愛もない話を始める

俺はカメラを起動して、見てみると星空がしっかり写っていた。

(良かった、写ってる)

「わざわざ用意したんですか?」

「うん、滅多に見れないからね。

 どうにか残そうと思っってね。」

二人で、星空を眺めながら、流星群を待っていると

「響も来れたらよかったのに」

「そういえば、約束してたんだっけ?」

「はい、一緒に来ようって約束してたんですけど

 急な用事で来れないって、」

「まぁきっと大事な用事なのかもよ?」

「それは、分かります。でも、

 最近怪我をして帰ってきますし、

 何か隠し事をしてるみたいですし」

「隠し事なら、そのうち話してくれそうだけど?」

「でも聞いても答えてくれなくて」

「もし話したら迷惑かけちゃうって思って話さないのかもね。」

「それでも迷惑をかけて欲しいんです。

 心配させて欲しいんです。そして、最後に笑い合えたら」

 

お互い星空を二人で、静かに眺め続けた。

(ああ、こんな時になんて言っていいのかわからない自分が嫌になる。)

すると星が流れ始める。

 

「綺麗、ですね。」

「ああ、生まれて初めてみる。」

 

二人でその光景に目を奪われてしまった。

「‥‥‥響とも一緒に見たかったなぁ」

 

その願いが、響ちゃんの事をどれほどに

想っているのか分かってしまう。

だからこそ、言わないといけないと思った。

「ありきたりなセリフだけど、友人として出来ることをして、

 助けるからね。」

「ふふっ、その時はお願いします。」

 

そして空は、隣で泣く事を我慢している友人の

代わりに星の涙を流し続ける。

 




誤字•脱字有れば、よろしくお願いします。


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特訓

家から出られないのはストレスになる
故に妄想が捗る。


未来ちゃんを寮に送り届けた後、家に帰り寝たら

 

いつもの真っ暗な部屋

しかしいつも見えるドットの姿がなかった。

それからしばらくして、

体にノイズが走るドットが現れた。

「‥‥‥‥ver‥‥up‥‥が、完‥‥し‥‥た。」

「え?なんて言ってるかわからないんだけど?」

「ウロボ‥‥‥の‥‥@#党は‥‥全%#‥‥‥

 自作‥‥‥で@#」

「上‥‥アダ‥‥‥によ#@画‥‥さ‥‥も‥‥」

「???えバグってるの?」

「全‥‥‥はシェ‥‥‥に

 対@#¥す‥‥‥‥で‥」

「気を‥‥‥く‥‥‥その世‥‥‥‥は

 神@#¥‥‥い‥‥‥ん」

「あれ?また機械の調子が悪いのかな?」

「時‥‥ませ‥‥‥、シェ@#¥

 ‥‥‥向か‥‥‥‥い‥‥ます」

完全に途切れた。

 

けれど真っ暗な部屋から出られずにいると

ノイズの走っていないドットが現れた。

「申し訳ございません。機材の調子がどうしても

 悪いようで、通信に不備がありました。」

「大丈夫ならいいんだけど、

 それで、さっきは何を言おうとしてたの?」

「はい、Version upの完了をお伝えします。

 前回も説明しましたが、変身と再現対象が増えたのと

 こちらでは確認できなかった機能がありましたね。」

「確認できなかった機能?」

「はい、取り出そうにもギャラルホルンそのものに

 忌々しいことに拒否されました。

 なので、何かは確認できませんでした。」

「ああうん(なんかイライラしてるな)」

「それとウロボロスの残党は、フィーネに接触もしくは、

 利用するために気を伺ってることが分かりました。」

「そっか、それがわかれば、十分だよ。」

「これで終われば、約束通り元の世界に戻します。

 それで、この件は終わりです。」

 

「さっきから、なんかイライラしてるけど、大丈夫?」

「ええ、上の人間に少し厄介ごとを抱えていたので、

 それを解消するために走り回って、

 今さっき、終わったところです。

 かなり手間をかけさせられましたけどね。」

「く‥‥‥苦労してるんだね。」

「ええですが、これで終わりました。

 サクラも残り少ない時間楽しんでくださいね?」

(‥‥‥サクラ?)

「ああ、後悔がないように頑張るよ」

「ええでは、これで終わりです。」

 

目が覚めるが夜更かしをしたせいか、眠気は取れない

「なんかいつもより乱暴な喋り方だったな

 どんだけ厄介な問題があったんだろう?」

(でも後少しで帰れるのなら頑張らないと!)

朝ごはんを食べて、シャワーを浴びて、

着替えを終えたところで、インターホンが鳴った。

『おはようございまーーす』

「この声、響ちゃん?」

一階のマンションのドアを開けて、しばらく待ってると

今度は玄関のインターホンが鳴った。

出てみると

「やっぱり、響ちゃんだね。おはよう

 こんな早くにどうしたの?」

「おはようございます。サクラさんに弦十郎さんの家の

 場所を教えて欲しいんです!」

「え?弦十郎さんの家に?」

「はい!」

「いいよ、暇だから一緒に行くよ。

 ちょっと準備するから待っててね。」

荷物を持ち、響ちゃんと一緒に弦十郎さんの家に行く

なんか顔つきの違う響ちゃんを見て、ちょっと驚いた。

「昨日何かあったの?」

「‥‥はい、昨日、私を連れ去ろうとした子が現れて」

 

響ちゃんの話を纏めると流れは大体、原作と一緒だったようだ。

 

奏の代わりではなく、自分の意思で助けたいと伝えたこと

それを聞いた翼が、今後行動で示して欲しいと言われた後

叩いた事を謝ってくれた。

そこに『ネフシュタンの鎧』を纏った女の子が現れた。

自分を誘拐することが目的だとの事

なんとか共闘して戦うが、ノイズに捕まり、動けなくなる。

シンフォギアの性能が違うためこのままでは、

響を連れ去られると考えた翼は敵を撤退させるために

絶唱を歌い、重症を負い、意識不明の状態

 

「昨日は大変だったんだね。」

「はい、それに私の守りたい物の為に強くなるって決めたんです。」

「でもなんで、弦十郎さんなんだ?」

「サクラさんのようにサポート出来ないか、

 過去のものを見せてもらったら、

 弦十郎さんがとても強かったから、もしかしたらって」

「なるほどね。ってここだよ。」

「お、大きいですね。」

「えぇと、インターホンは?」

 

インターホンを探そうと動こうと瞬間

「たのもぉぉぉぉぉぉ!!!!!」

「み‥‥‥耳がぁ!」

「なんだなんだ、こんな朝っぱらからって、君たちか

 どうしたんだ?」

「俺は、響ちゃんの案内にk」

「私に戦い方を教えてください!」

「この俺が?」

「はい、弦十郎さんなら色んな武術を知ってそうなので!」

腕を組み、少し考えた源十郎さんが、口を開く

「俺のやり方は、厳しいぞ。」

「はい!望むところです!」

「時に響くん、君はアクション映画とか見るのかな?」

「‥‥はい?」

「じゃあ、俺はこれで」

嫌な予感がしたので、この場から離れようとしたら、

肩を弦十郎さんに捕まれる。

「まぁ待て、何時ぞやの約束もある一緒に映画を見ようじゃないか」

「俺はこの後忙しいので、また今d」

「サクラさんもさっき暇だと言ってましたし、

 一緒に強くなりましょう!」

「なら、決まりだな!」

(ああ、忘れてた。この人と映画見るって、こう言う事だよね。)

 

そのあと映画で見た、拳法の真似をしたり

「違うぞ、サクラ君もっと腕を上げ、こうだ!」

「こ、こうでしょうか!」

「師匠どうでしょうか!」

「うん、二人とも様になってるぞ!」

 

何故か夜中にランニングしたり、

「ゼェ‥‥‥ゼェ‥‥‥うぇ」

「はぁ‥‥はぁ‥‥‥」

「二人共、スピードが落ちているぞ!」

「ゼェ‥‥はぁ、は‥はいぃぃ」

「はぁ、すぅぅぅ、うぉおおおお」

「そうだその調子だ!あと3キロだ頑張れ!」

 

立てた丸太の上に足を乗せて腕立て伏せ

「う‥‥腕がぁぁ上がらないイィィい」

「はぁ‥‥45ぉぉ‥‥はぁ‥46ぅうう」

「サクラ君、まだ20回しか上がってないぞ!

 頑張れ!」

「はいぃ、フゥン!にじゅぅぅいちぃぃぃ」

「そうだ!限界を超えろ!」

 

昼間の公園で弦十郎さんとスパーリング

「さぁ、俺をノイズだと思って打ってこい!」

(ノイズが弦十郎さん並みだった場合、

装者は誰も勝てないんですが。)

「行きます!うぉぉぉ、はぁ!」

「フッ、思いは乗っているがワキが甘い」

「わぷッ」

響の顔にパンチングミットが当たる。

「交代だ!さぁ、こいサクラ君!」

「(ええい、ヤケクソだ!)おりゃあ!」

「そんなヤケクソな拳では、俺は倒せん!」

俺は、気づいたら地面に倒れていた。

「さぁ、サクラ君もう一度こい!」

「なら思いっきり、殴り飛ばす!オラァァ」

「さっきよりもいい拳だ!もっと打ってこい!」

「うぉおおおおおお!」

お腹や顎に向けて拳を放つが、全部防がれたあと

「次は響君と交代だ!」

「ごほぉぉ」

俺の顔にミットが当てられる。

 

何故か、胴着を着て空手を始める

「そうだ!二人ともいい声が出ているぞ!

 もっとだ!」

二人で、正拳突きをしていた。

「はい、セイ!ハッ!」

「フッ!ヤァぁぁぁ!」

 

日曜日には、まさかの山をランニング

山にいくまで走り、山上りも走る。

帰りも下りも走る。

「ゼェ‥ゼェ‥クッソまだ着かないのか!」

「はぁ‥‥はぁ‥‥あの山まであと、えっと‥‥はぁ」

「うむ、あと10キロだな。山の頂上も合わせて、

 18キロだな。」

「はぁ‥‥ウッソだろぉぉ‥ゼェ‥」

「フッ、話す元気があるんだ。まだいけるぞ!」

「がんばりまぁぁす!はぁ‥‥はぁ‥‥」

 

サンドバックを使った特訓

サンドバックに響ちゃんが拳を打ち込んでいる。

「フッ! ハッ!」

「違うそうじゃない!

 稲妻を喰らい、雷を握り潰すように打つべし!」

「言ってる事、全然分かりませんが!やってみます!」

「やってみるのか?」

「すぅぅぅ、‥‥‥‥‥はあぁぁぁぁ!!!」

サンドバックが高く打ち上がる。

「やった。やりましたぁぁ」

「なんで、できるんだろう?」

「さぁ、次は君だ!」

「えぇと、出来そうに」

「頑張りましょう!サクラさん!」

頑張りましたが、出来ませんでした。

 

 

特訓を始めてから数日経った

「自分から言っておいてなんですが、

1日がハードスケジュールすぎます」

「目指せ!世界チャンピオン!」

「それはどこを目指してるんでしょうか?」

「はい、二人ともお疲れ様。

 スポーツドリンクよ。」

あおいさんから、飲み物をもらう

「「ありがとうございます」」

「司令!緊急通信です!」

 

それからしばらくして、

了子さんが帰ってきた。

「ふむ、無事だったな了子君」

「良かったぁ、無事だったんですね。了子さん」

「ええ、無事だけど、どうしたの?」

「広木防衛大臣が暗殺された。移動中に襲われたらしい。」

「私が、報告に行った後に殺されたのね」

「ああ、いま調査中だが、

 詳しいことが、わかっていないのが現状だな。」

「だからみんなで、了子さんの心配をしていたところです。」

「はい、心配してたんですよ?」

「ありがとう、サクラ君、響ちゃん

 それなら、任務遂行することが、弔いになるわね。」

「そうだな。これより緊急ブリーフィングを行う!」

 

「まず、ノイズの発生が、二課の近くで多発していることから

 政府は、ここに保管している

 デュランダルの強奪を目的と判断」

「ああ、そして今回の任務は、

 より安全な場所へ移送せよと上からの指示だ。」

「作戦の詳細は、こちらの資料を用意しているから、

 読んでおいてね。」

「開始時刻は明朝5時、それが作戦の開始になる。

 そして護衛として、

 サクラ君と響君の二人を任命

 作戦開始まで二人はしっかり休むようにな」

「はい」

「分かりました!」

 

(フィーネの狙いを知ってるから、邪魔できると思う。

それにやっと、クリスちゃんと出会えるってことだよね?)

こうして、波乱のデュランダル護衛を受けることになった。




誤字•脱字有れば、よろしくお願いします。


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番外編 特訓 没ネタ

書いてみたけど、なんか微妙だったものです。
でも消すのも勿体なかったので、別口で投稿しました。



昼間の公園で弦十郎さんとスパーリング

「さぁ、俺をノイズだと思って打ってこい!」

(ノイズが弦十郎さん並みだった場合、装者は誰も勝てないんですが。)

「行きます!うぉぉぉ、はぁ!」

「フッ、思いは乗っているがワキが甘い」

「わぷッ」

響の顔にパンチングミットが当たる。

「次は、サクラ君だ!」

「はい!」

この時の俺は度重なるトレーニングの疲れ

酸欠で脳が回っていない状態だった。

(あれは?未来ちゃんか?」

向こうの木からこちらを心配そうに見ている未来ちゃんの姿が見えた。

 

すると空からアナウンスが聞こえた。

『これよりノイズが発生した時の警報の作動状況を確認します。

 しばらくの間御協力をお願いします。』

サイレンの音が鳴り響く

 

「ウェエエエエエエエイ」

「うん、いい拳だ!もっと打ち込んでこい!」

「ミクサン、ナズェミデルンディス!」

「敵を前に立ち止まるな!」

サクラの顔にミットが打ち込まれる

すぐに起き上がり、弦十郎へ向かう

「ウェア、オンドゥルルラギッタンディスカー!!」

「そうだ!何を言ってるか聞き取れないが、その怒りをぶつけてこい!」

「グァァ、アンダドーゥレハ!アカマジャナカッタンテェ゙」

「ふん!」

「ゴエァ、ンナヅェダァ!ンナヅェダァ!ナヅェダァ!」

記憶が朝から抜けており、いつの間にかベンチの上にいて、

弦十郎さんから途中で倒れたとの事

「今日はゆっくり休んで、明日また頑張ろう!」

「そうですよ!あ、でも無理はしちゃダメですよ?」

 

後日どんなに掛け声を意識して変えようとしても

変わらなくなってしまった。

腕立て伏せしている時、

「ウェエエエエエエエイ!」

「フッ!いい声だ!もっと声を出していくんだ!」

「私もサクラさんに負けられません!

 うぉおおおおおおおおおお!」

 

サンドバックを使った特訓

サンドバックに響ちゃんが拳を打ち込んでいる。

「フッ! ハッ!」

「違うそうじゃない!

 稲妻を喰らい、雷を握り潰すように打つべし!」

「言ってる事、全然分かりませんが!

 やってみます!」

「やってみるのか?」

「すぅぅぅ、‥‥‥‥‥はあぁぁぁぁ!!!」

サンドバックが高く打ち上がる。

「やった。やりましたぁぁ」

「なんで、できるんだろう?」

「さぁ、次は君だ!」

「はい!」

拳を握ると不思議と力が湧く!

「ウェエエエエエエエイ!」

サンドバックを打つと同時に手から電撃が出て

固定していた鎖が壊れて、吹き飛ぶ

「え?」

「サクラさんすごいですよ!本当に電撃出すなんて!」

「俺にも出来ないことをするとは

 俺もまだまだということか!」

「師匠、まだ私はやれます!」

「ああ、俺も参加するぞ!特訓の量を増やそう」

「え、休みた」

 

特訓の量が、昨日の3倍になった。

 




誤字•脱字有れば、よろしくお願いします。


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デュランダル護衛

星5配布
神かな?


次の日の明朝

本部の廊下で、

「あ、おはよう、響ちゃん」

「おはようございます。サクラさん」

「今日は大丈夫?俺はかなり緊張してる。」

「うぇ、サクラさんが緊張してるのに、

 私が緊張しないわけ無いじゃないですか!」

「いや〜、緊張してなさそうだなぁと思ってね」

「サクラさん、ひどい〜」

「お二人共、おはようございます。」

「「おはようございます。緒川さん」」

「息ぴったりですね。それなら今日は大丈夫だと思います。

 二人に良いお知らせがありまして、

 翼さんが先ほど目を覚ましたようです。」

「本当ですか!」

「良かった、翼さん目を覚ましたんですね。」

「はい!あとはお見舞いに胸を張っていけるよう

 頑張るだけですね!」

「良い心意気です。ですが、今はあまり肩の力が

 入りすぎないように抜いても大丈夫ですよ。

 いざと言う時に動けなくなりますからね。」

「はい!」

「サクラ君も頑張ってください。」

「ええ、俺にできることをします。

 っと、そろそろ時間ですね。

 緒川さん、行ってきます。」

「緒川さん、私も張り切って行ってきます!」

「はい、二人ともお気をつけて」

緒川さんと別れ、指令室へ向かう。

 

指令室にはみんなが揃っていた。

「すみません、遅くなりましたか?」

「あれ?私とサクラさん時間間違えちゃいましたか?」

「いや、時間通りだ。気にしなくて良い。

 さて、作戦の要も来たところで、作戦を始めるとしよう。

 防衛大臣殺害の検挙を名目に、検問を配置

 デュランダル輸送先まで、一気に駆け抜ける!」

「名付けて、天下の往来独り占め作戦よ」

「輸送の途中、ノイズによる妨害があると推測される。

 その時は、サクラ君、響君、君たちを頼らせてもらう」

「はい!」

「分かりました!」

「フッ、良い返事だ!では、作戦開始だ!」

「じゃあ、サクラ君と響ちゃんは、私が運転する車で移動よ

 ついてらっしゃい。」

「行きましょう。サクラさん。」

「うん、行こうか。」

(さぁ、覚悟を決めろ。霧崎サクラ!)

 

ピンクの車の周りを囲うように走る護衛車と一緒に走る。

了子さんが運転するピンクの車に乗って高速道路を進んでいると

助手席に座ってる、響ちゃんが窓の外を見回していた。

「響ちゃん、どうしたの?

 そんなにキョロキョロして?」

「いや〜、ノイズがいつ出ても良いように

 見てたんですよ。」

「響ちゃん、そんなに緊張してると

 後がもたないわよ?

 私たちが考えた襲撃ポイントはもう少しさーーー」

 

その時、前方の橋が、崩れ落ちる。

「了子さん!‥‥‥ま、前が崩れて!」

「これは、敵がきたってことだね。」

「二人ともしっかり捕まって!

 私のドラテクは‥‥かなり乱暴よ!」

車の方向を一気に変えた瞬間、俺は、窓にぶつかった。

「ふげッ、」

 (シートベルトがなかったら、いろんな意味で死んでたわこれ)

護衛車の左側にいた車が橋の下に落下、爆発する。

「あわわわ」

響ちゃんが突然のことに戸惑っている間にも

状況は目まぐるしく変わる。

そのまま高速を下りて街中を走っていく。

「これは、想定よりも早い襲撃ね!」

『こちらでは、まだ確認できていないが、

 ノイズの襲撃だと考えられる。』

目の前のマンホールが爆発し後方の車が吹き飛ばさる。

『下水道だ!ノイズは下水道を使って攻撃してきている!』

「えらく器用なノイズもいるもんですね!」

前方にいた護衛車が飛ばされ、俺たちのほうに向かってくる。

「そうね。きっと指示を出した人間の性格が悪いのかも‥‥‥ね!」

 

車を避けて、進んでいく

『回避ルートを出した!そちらに向かって欲しい!』

「けど、弦十郎君、このルートだと薬品工場があるわ!

 ここで大爆発でも起きたら、デュランダルがーー」

『分かっている!ノイズが護衛車のみ狙ってくるということは、

 デュランダルを傷つけないように制御されているからだと

 考えられる、それならあえて危険な場所に行き、

 デュランダルを無傷で確保したい者の攻め手を

 封じるって算段だ!』

「勝算は?」

『思いつきで数字が語れるかよ!!』

「弦十郎さんは、色んな意味ですごいこと言いますね。」

「師匠ですから!」

「はぁ、分かったわ。弦十郎君のこと

 信じてあげるわよ!」

 

逃げるルートを変えて、工場の方へ進んでいく。

「ノイズは、やった。師匠の言う通り、追ってきてません!」

「このまま逃げ切れるのが一番だけど」

「そうね。世の中そんなに甘くないものね。」

前方の護衛車にノイズが組み付く

中の人が飛び出して、なんを逃れる。

車はそのまま工場の壁にあたり爆発する。

そして、こちらの車はなんらかの段差で横転車がひっくり返る。

「うぇ、わわあああああ回るぅう!」

「うぉおおおおおお」

 

なんとか車から這い出る。

「サクラ君、響ちゃん無事かしら?」

「はいなんとか。首は少し痛いですが。」

「はい私も無事です。あの子は‥‥‥」

(ネフシュタンの鎧を纏った雪音クリスとやっと会えて、

テンション上がるかと思ったけどノイズのせいで上がらないな。)

工場のタンクの上から見ているのが見えた。

その手には、ソロモンの杖が握られており、

今でもノイズを発生させていた。

「響ちゃん、それよりもデュランダルを!」

「は、はいって、うぅ、重いぃです」

「なんなら、いっそ、ここに置いて私達は逃げる?」

「それはダメです!」

「出来たら、苦労はしませんね。」

「それもそうね。って前来るわよ。」

「え、ノイズが!」

俺は迫るノイズに対処するためにスマホを取り出そうとした瞬間

手から滑り落ちて地面に落ちる。

(しまーーー)

 

了子さんの手からバリア?みたいなもので

ノイズの攻撃を防いでいた。

「仕方ないわね。二人ともやりたいことを

 やりなさい。」

「はい!私、唄います!」

「これよりデュランダルと了子さんの護衛を開始します!」

スマホを拾い、アガートラーム再現を行う

 

Balwisyall nescell gungnir tron

 

響ちゃんがギアを纏う。

拳を構えるとノイズが飛んでくる。

避けた瞬間バランスを崩す。

「〜♩(ヒールが邪魔だ!)」

ヒールを蹴り飛ばす。

その間にノイズに囲まれるが、サクラが蛇腹剣で、一部を吹き飛ばす。

響は近づいてきたノイズに掌底を打ち込むと内部から破裂

そして迫ってくるノイズに拳を振り下ろす。

回し蹴り、肩と背中での突進、投げ飛ばし

敵の攻撃を最低限の動きで回避する。

 

その光景を見ていたサクラは、

「強くなりすぎじゃないか?」

と俺は、背中に迫っていたノイズを見ずに倒す。

その後は、遠距離にいる敵を倒し、数を減らしていく。

(前よりも息が上がらないな。特訓の成果が出てるのかな?)

 

クリスは驚いていた。

「あっちのやつは初めて見るが、

 あいつ前よりも戦えるようになってるのか⁉︎」

ノイズの数も殆ど居なくなったのが見えたので、

「‥‥だからどうした!

 次はあたしが相手だ!!!」

 

響が飛び蹴りをしようとしと空中に上がると

「今日こそはあたしのものにし、がぁ!」

「させるか!」

無防備な響に蹴りを放とうしようとした

クリスをサクラが、吹き飛ばす。

「助かりました。サクラさん」

「油断しない!くるよ!」

「てめぇ、邪魔してんじゃねぇぞ!」

「俺はこのままサポートに入る。

 前は任せた!」

「はい、任されました!」

 

響が拳を振るうために一気に近づく、

「そんな、分かりやすい動きでぇ!」

(鞭の速度が速い!避けきれない!)

すると鞭は、途中で弾かれ響とは違う方向に飛ぶ。

後ろからサクラが蛇腹剣で妨害し続ける。

「真っ直ぐに走れ!」

「うぉおおおおおお!(サクラさんを信じて走る!)」

「チッィ、洒落臭い!」

クリスに近づき、拳を打ち込むが、

避けられ、お腹に蹴りをもらい追撃しようとしたところに

「オラァ!」

「クソがぁ!」

サクラの攻撃を避けたと同時に響が一気に迫り、お腹に一撃を加える。

「おりゃああ!(浅い!)」

「舐めんなぁ!」

「ぐあぁ」

「響ちゃん!」

「てめーもだ!」

響が、蹴りとばされ、

響に意識を向けてしまったサクラは鞭で投げられ、

壁にぶつかる。

「ぐ、がぁ」

「多少戦えるよーになったからって、

 対等になった気でいるんじゃねぇ!」

(なら、変身して戦って)

 

「デュランダルの封印が!」

了子さんの声に反応してそちらを見ると

大きな錆びた剣が空中に止まっていた。

「あれが、デュランダル‥‥」

「響ちゃんのフォニックゲインに

 反応して覚醒したというの?

「そいつは私が貰う!」

「させるか!」

「させない!」

 

空中にあるデュランダルに向かって飛ぶクリスに

アガートラームをぶつけ、妨害する。

「また、てめぇかぁぁ!」

「悪いね」

そして響が、デュランダルを手に取る。

「よし、取った‥‥え?」

 

着地した響の様子がおかしい

「う、うううううううううううう

 ああああああああああああああああ!!!!!」

手に持っていたデュランダルを掲げると

先ほどまで錆びていたのが、綺麗な金色の剣に変わる。

剣からは綺麗な光が天をまで貫いていたノイズ

響は目線をクリスの方に向ける。

(あれをまともに受ければ⁉︎)

クリスがその場から逃げていくが、

それに向かって振り下ろそうとしていた。

(暴走状態!確か、ガングニールに支配されて、破壊衝動に駆られてる状態

なら対処法は!)

 

俺は、スマホを急いで操作

(響ちゃんの破壊衝動を少しでも逸らせられれば!)

「再現開始!」

響を振袖型ギアに変える。

剣を振り下ろす直前で破壊衝動は一気に治り、

それと同時にデュランダルから出ていた光も収まる。

「あ‥‥あれ?私は何をしようと?」

痛む体をひきづって、響のところに向かう

「とりあえず、デュランダルを地面に置いたら?」

「え?あ、はい。ってなんですかこの格好!

 手に猫ちゃんついてる!可愛い」

「ごめん、選んでる時間なかったから、その格好なんだけど」

(あれ?あの猫の手でどうやってデュランダルを握って?

いや深く考えないでおこう)

 

俺は響ちゃんが置いた、デュランダルを手に取る。

(重いな。俺が握っても暴走しないし大丈夫かな?)

「了子さんは大丈夫ですか?」

「ええ、あなたたちのおかげでね。

 それにデュランダル起動なんていいものも見せてもらえたしね?」

「それなら良かったですけど」

「っと、通信が回復したみたいね。

 了解、移送作戦を一時中止、撤収作業に入ります。

 というわけで、二人ともお疲れ様」

「はい、お疲れ様でした。」

「お疲れ様でした!」

 

帰ろうとした二人を了子が引き止める。

「待ちなさい。サクラ君はそのまま病院よ?」

「ですよねー」

「え、どうして、わぁぁ!頭から血が出てますよ!」

「うん壁に当たった時に出たみたい」

「じゃあ、救急班を呼ぶからここで待っててね。」

「私はサクラさんについてます」

「ありがとう、響ちゃん。」

「それと、結局サクラさんの力について

 教えてもらってないです!」

「翼さんの話で頭がいっぱいみたいだったからね。

 また今度でいいかなぁって」

「じゃあ、今がその今度ですね!

 教えてください」

 

俺は響ちゃんにギャラルホルンについて説明をした。

その後病院に運ばれ、全治2週間の怪我を負い入院

病室は翼さんの隣に入れられた。

 

こうして、デュランダル護衛は幕を閉じた。

(これで終わらないんだから厄介極まりないよなぁ)




誤字•脱字有れば、よろしくお願いします。


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お見舞い

コラボのガチャを引く、石がないのが、
悲しい


入院してから明日退院なのだが、お医者様から動くなと言われ

かなり暇である。その間翼さんがお見舞いに来てくれた。

「サクラも入院したって報告があったから来てみたけど、

 元気そうでよかった。」

「元気ですよ。翼さんも思ったより元気そうで良かった。」

「体の方はリハビリをしてるから、もうすぐにでも復帰可能よ。

 それに死の淵で、奏にまだ早いって言われちゃったから」

「そうですね。翼さんがいなくなると寂しいですからね。」

 

少し顔を赤らめた翼さん

「そ、そうなのね。あなたが寂しくないようにしないとね。」

「ええ、そうしてもらえると助かります。」

翼が、サクラから目を逸らす。

「何か不快な思いをさせちゃいましたか?」

「いいえ、あなたに落ち度はないわ。私の

 気持ちの問題だから」

お互い何故か無言になる。

(なんだ、この空気。落ち着かない。)

(こうして、二人っきりで話すのは、久しぶりよね。

わ、話題はどうしましょう?)

 

お見舞いで、貰ったであろう果物が見えた。

「く、果物、剥いてあげようか?」

「え、ああ、うんお願いしようかな?」

りんごを一つ取り、果物ナイフも翼に渡すと

テーブルの上にリンゴを置き、

翼さんがナイフを逆手に持って、突き刺す。

「え、あの、翼さ」

「ふん!」

林檎を真っ二つにした。

「出来たよ、サクラ」

「ああ、うん、ありがとう」

その後も色々あったが、

コメントは控えさせてもらいたい。

無残にも一口サイズになった、翼が林檎を手にとり、

 

「はい、口を開けて?」

「いや、自分で食べれ、」

「いや?」

「嫌じゃないです。あーん」

「はい、どうぞ」

口に入り食べる。

(うん、りんごは美味しいのですが。)

「美味しいですよ」

「そう、良かったわ。今度は上手に切れるようにするわね。

 ここまで難しとは思ってなかったから。」

「ソウデスネ!」

この後も二人でゲームをしたり、

他愛もない話をした。

 

いつも翼さんがくるのでたまには、こちらから

行こうかと思って、向かうと入り口の扉に衣類が

挟まってるのを見つけた俺は回れ右を、

 

「あ!サクラさん、もう動いても大丈夫なんですか?」

「響ちゃん、なんか久しぶりな気がするね?」

「何言ってるんですか?一昨日あったじゃないですか〜。」

「そうだっけ?今日はどうしたの?」

「はい、緒川さんに荷物を持っていて欲しいと頼まれたので、

 持ってきました。」

「そうなんだ、今翼さん、居ないみたいだから、

 俺がわたして」

「サクラも立花、二人ともどうしたの?

 こんな所で話をして?」

「ああ、翼さん、響ちゃんから届け物だって」

「はい、緒川さんから届けて欲しいって、

 言われて持ってきました。」

「届けにきてくれたのね。ありがとう」

「部屋もすぐそこですから、持っていきますね?」

「ええ、お願いするわ。」

 

響が部屋のドアを開ける。

サクラは、部屋の惨状を知っているので、

自分の病室に戻る。

(片付けを手伝うのがめんど、じゃなくて女性用下着とか

見ないようにしなくては)

 

扉の向こうから声が聞こえる

『翼さん!今すぐに警察に!』

『え?何かあったの?』

『何があったのって、この部屋の惨状

 強盗が入った‥‥‥とし‥‥か』

『ごめんなさい。その‥‥‥片付けができないの』

『あ、なるほど、じゃあ片付けちゃいましょう!

 サクラさんもてつd、いない!』

『サクラなら、病室に入っていくのが見えたけど』

(よし、寝たふりをしよう)

 

すぐにベットに入り、布団をかぶる。

その直後、扉が開く音が聞こえた。

「サクラさん!翼さんのお部屋の片付けを

 って寝てるんですか?」

「Zzzzzzz」

「疲れてたんですね。じゃあ、わたし一人で」

「立花あれは、ただの狸寝入りだ。」

「え?サクラさん起きてるんですか?」

「(びくっ)Zzzzzzz」

何故か無言で、いる二人に冷や冷やしていると

扉が開き、閉まる音が聞こえたので、

「ふぅ、やっと出て行った」

布団から体を起こすと

「あなたは、なんというか」

「あっさり引っかかりましたね。」

呆れて顔の二人がいた。

響が近づいてきてサクラの手を取る。

「一緒に頑張りましょう!」

「あ、はい」

逃げられなかった。

 

 

「それにして意外でした。

 翼さんは、なんでもできるってイメージだったので」

響ちゃんと二人で、部屋の片付けを終えて、話をしていた。

ちなみに下着は、響がサクラから見えないように片付けた。

「現実はその逆ね。

 戦うことや歌うことしか知らない私は

 こういうのがどうして苦手で」

「まぁ、奏から聞いてたから知ってた。」

「うぅ、奏そんなことまで話してたの」

翼の顔が真っ赤になり、話を逸らすために

 

「それよりも報告書は読ませてもらってるわ。

 ありがとう、私が抜けている間も頑張ってくれて」

「いえいえ、サクラさんが手伝ってくれたおかげです!」

「うれしいこと言ってくれるなぁ、このこの」

「わぷ、頭撫でないでください〜

 髪が乱れちゃいますぅ」

俺は嬉しさで思わず、響ちゃんの頭を撫で回す。

 

「サクラ、揶揄うのもそこまでにしてあげたら

 立花が困ってるわよ。」

「おっとごめん」

「いえ、むしろ嬉しかったです。

 未来に撫でられたときと違う感じがしました。」

(なんかお父さんに撫でられたときと同じ感じで、良かったなぁ。)

 

 

次の日、退院した俺は、ブラブラと散歩していた。

(昨日クリスちゃんが、襲撃に来る日だったような?

やっぱり、記憶があやふやだなぁ)

「あ、サクラさん、おはようございます。」

「おはよう、未来ちゃん。

 一人で、どうしたの?」

「響を遊びに誘うおうと思ってたんですけど、

 朝から特訓に行くって」

「ああ、最近何かしてるもんね」

 (俺も弦十郎さんに、特訓は明日からだ!って言われたな。)

「はい、だから街を見て回ろうかなって」

「ねぇ、俺と一緒に食べ歩きしない?」

「食べ歩きですか?」

「そ、昨日まで味の薄いもの食べてたからさ。

 色々食べたいものがあるんだよね?

 どお?一緒に」

「はい、一緒に行きます。やけ食いしたい気分なので!」

 

スマホでお店の情報を見ながら、

「この時間なら、パンケーキとか美味しそうじゃない?」

「いいですね。行ってみましょう。」

パンケーキのお店に来ると人が少しだけ並んでた。

「今並んだら、すぐに入れそうだね。」

「待ってる間にメニューが分かれば、良いんですけど。」

スマホを操作して、店が公開している料理の写真を見せる。

「この期間限定の苺のパンケーキとか美味しそうじゃない」

「美味しそう、あ、でもこっちの方も美味しそうじゃないですか?」

「このキウイの奴?」

「はい、クリームと食べると絶対美味しいですよ!」

「次のお客様どうぞ」

「サクラさん、順番が回ってきましたよ」

「っとじゃあ、入ろうか」

 

店の中に入り、テーブルに案内される。

そのまま定員に注文する。

「すみません、苺とキウイのパンケーキをそれぞれ一つずつ

 お願いします。」

「飲み物はどうしましょうか?」

「じゃあ、メロンソーダで、

 未来ちゃんは?」

「あ、私はアイスコーヒーをください。」

「はい注文承りました。

 しばらくお待ち下さい」

定員がそのまま厨房へ入っていく。

 

注文して未来ちゃんと談話していると

「響がですね、授業中に猫を連れ込んでて、ふふっ」

「なんというか、響ちゃんらしいな」

「お待たせしました。」

定員が、料理を置いて別のテーブルへ向かう

目の前には、白いお皿に

パンケーキの上には、苺のクリーム、その周りには

苺がふんだんに盛りつけられ、

鼻腔をくすぐる甘い匂いが、食欲をそそる。

「じゃあ、食べようか」

「はい、いただきます。」

「いただきます。

 あむ、んん!、うまっ」

「美味しい、サクラさんこのパンケーキすごく美味しいです。

 一口食べてみてください!」

未来が一口サイズに取り、サクラに向ける。

「え?」

「どうかしましたか?」

未来ちゃんが、心底不思議そうにサクラを見ている

「ああ、いやなんでもないよ。あーん」

「はい、どうですか?美味しいですよね?」

「うん、美味しいよ?」

(多分、異性として見てないからこの行動なんだろうなぁ、

悲しい)

 

俺も一口分を取り、未来ちゃんへ向ける。

「はい、俺の分もどうぞ。あーん」

(仕返しだ。恥ずかしがれ!)

「あーん、んく、」

目を大きく見開き、

「こっちも美味しいですね!また来たら食べたいです。」

「じゃあ、また来ようね。」

(ダメージ0‥‥‥だと⁉︎)

「すみません、ちょっとお花を摘みに行ってきます。」

「行ってらっしゃい。」

席を離れる未来ちゃんを見送る。

 

個室に入り、赤くなった顔を抑える。

(ああああ、やっちゃたぁ、

いつも響にしてる感じでやっちゃったぁぁ

引っ込みつかなくなっちゃうし、

サクラさんも躊躇わないし、あうあうあああ)

復活するまで5分

 

戻ってきた未来ちゃんと無言で食べて、

会計へ行くと

「現在、恋人フェアでお安くなりますので、

 会計は、2000円丁度になります。」

お互いまた、顔を赤くして、お支払いを済ませた。

 

店の外に出て、

「あーー、次に行こうか?」

「‥‥‥はい、行きましょう」

 

その後も、食べ歩きをしたら、

夕方になっていた。

「最後にふらわーで食べたら、お腹いっぱいです。」

「いつも以上に食べたからね。お互い」

「おばあちゃんのところで貰ったお土産

 響と食べたいけど、食べちゃったかな?」

「メールか電話で聞いて見たら?」

「そうですね。そうしてみます。」

未来は携帯を取り出し、響へ電話をかける。

繋がったのか、会話が始まる。

「あ、響もうご飯食べちゃったかな?」

 

サクラに声をかける人物がいた。

「よう、会えたなぁ!」

「え?俺?」

ネフシュタンの鎧を纏ったクリスがいた。

「てめぇ以外誰が居るんってんだ?」

「それもそうだね。で、何か用かな?」

「フィーネが、お前を連れて来いって

 命令があったんでな!」

その言葉と同時に攻撃してくる。

「未来ちゃんごめん!」

「え、きゃああ!」

未来ちゃんを抱えて、横に飛ぶと

鞭が地面にあった衝撃で吹き飛ばされる。

「っ⁉︎、あいつ以外にも人がいたのか!」

 

俺は、スマホを構え、

(すぐこの場を離れないと未来ちゃんを巻き込む!)

「変身!!」

 

俺は翼さんに変身、ムラクモ型を纏う。

「フォーネが言ってた、変身ってやつか、

 上等だ!きやがれぇ!」

「え?え?サクラさんは翼さんだったんですか?」

『未来!今の音は何⁉︎大丈夫なの!』

 

状況は混沌としているが、やるしかない!

 




誤字•脱字有れば、よろしくお願いします。


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クリス戦

明日の祝日から始まるイベントが、
多すぎて楽しみすぎます。


変身した俺は、未来ちゃんから離れるために

「こっちに来い!」

近くの公園へ向かって、走り出す。

残り5分21秒

「はっ!、一丁前に挑発のつもりかよ!」

クリスは、そのままサクラを追っていく。

 

俺は、公園の木を利用しながら、

攻撃に当たらないように走っていくが、

「見え見えなんだよ!」

サクラに目掛けて鞭を振るうが、鞘から抜いた剣で弾かれ、

木の影に隠れて、姿を見失う。

「チッ、どこに隠れやがった!」

「はぁぁ!」

「後ろかぁ!」

慌てて後ろに向かって攻撃するが、弾かれ、

いつの間にか握られていたもう一刀で斬り付けられる。

「がぁ!」

「このまま追撃を!」

連続で剣撃を加えていくが、鎧はすぐに再生して

斬撃が届かない。

(ならば!)

刃のある面から、峰に変え、叩きつける。

「これで、大人しくしろ!」

 

鎧を通して生身に衝撃が伝わる。

クリスは余りの痛みに少し仰反るが、

(あたしはなぁ、痛みになれてんだよ!)

サクラが追撃しようとしてるのを鞭で防ぐと

「そんな、見えすいた攻撃で!」

もう片方の鞭で作った、エネルギー体をぶつける。

 

NIRVANA GEDON

 

サクラが、剣で受け止めるが、後ろに吹き飛ばされる。

「グッ!」

体制を崩したのを見て、

つかさず、クリスが畳みかけてくる。

「オラオラ、どうした!」

「っ!(まだだ。慌てるな!)」

残り4分42秒

 

二振りの剣で、躱したり、受け流すことで、

猛攻を捌いていくが、力負けしているのか

徐々に後ろに追いやられ、木にぶつかる。

「まずっ⁉︎」

「いい加減、おねんねしやがれ!」

先ほどよりも強い力で、攻撃され受け止めるが、

衝撃が重く、左手の剣を落としてしまう。

「吹っ飛んじまいなぁ!」

無防備になった脇腹を足で蹴られ、とてつもない痛みが走るが、

そのまま左手で足を掴み、

「‥‥なっ⁉︎」

「これでぇぇぇ」

右手の剣の峰で、クリスの左腕を叩く。

「がぁああ!」

 

叩かれた、痛みで鞭から手を離したと同時に、

ネフシュタンから、鞭を斬り落とした。

左手を離し、クリスを蹴り飛ばす。

残り2分23秒

 

追撃しようとした歩みを痛みで止められてしまう。

(時間に余裕はない、攻めようにも脇腹のダメージ

が思った以上にあって動けない!)

すると情けをかけられたと思ったクリスが、

立ち上がり、

「てめぇ、‥‥舐めてんのか

 なんで追撃してきやがらねぇえ!

 馬鹿にしてんのか!この雪音クリスを!」

「馬鹿にはしてないよ。

 何が君をそこまで駆り立てているのか知りたいんだ。

 それに話してくれたら何か

 力になれるかもしれないからね?」

「やっぱり、馬鹿にしてんじゃねぇか!」

「苦しそうにしている君を

 放っておくことができないだけだ。」

「ふざけた、妄言はいてんじゃねぇ!」

残り1分53秒

 

クリスが、怒りに任せて鞭を飛ばしてくる。

痛みで、動けないサクラに当たる直前で止まる。

「そっか、雪音クリス。

 クリスちゃんって言うんだね。」

鞭を横から、響が掴んでいた。

「名前を教えてもらったから、お返しに自己紹介するね?」

「は?何言ってんだ。てめぇ」

「私の名前は、立花響 15歳

 誕生日は、9月の13日で!

 血液型はO型

 身長は、この間の測定で157cm!

 体重は、もう少し仲良くなったら教えてあげる!

 趣味は人助けで、好きなものはご飯&ご飯

 彼氏いない歴は、年齢と同じ!!」

「な‥‥‥何とち狂ってやがる!」

「話し合おうよ!ノイズと違って、言葉が通じるんだよ!

 なら、話し合おうよ!」

「‥‥‥てめぇら纏めて、嘘くせぇ、あおくせぇ!!

 何もしらねぇ、くせに!

 わかったような口を聞くんじゃねぇぇぇぇぇ!!」

 

クリスが掴まれている鞭を無理やり引き戻す。

「フィーネにどっちも連れて来いって言われたが、

 もう知ったこちゃねぇ!

 お前達の全部を叩き潰してやる!」

響に向けて、エネルギー体を投げる。

 

NIRVANA GEDON

 

「持ってけダブr‥‥ウッ!」

左手に痛みが走り、もう一撃放つことが出来なかった。

響はなんとか耐えたのか構え直す。

「はぁあああああああああああ」

手を揃え、エネルギーを溜めるが、爆発する。

「‥‥きゃあ⁉︎」

(あいつ何を⁉︎‥‥‥まさか!)

「翼さんみたいに上手くいかない!」

「響ちゃん! エネルギーを固定することを

 考えなくていい!そのままぶつけろ!」

「はい!やってみます!」

「それ以上、させるかぁ!」

攻撃をするが、受け止められる

響はそのまま思いっきり引き寄せる。

(この思いを、伝えるために!)

「雷を、握り潰すようにぃ!」

腰のブーストから火を吹き、クリスへ急接近していく

「最速で、最短で、まっすぐにぃぃぃぃぃぃぃぃ!

 おぅりゃああああああああああ!!!!」

「まずっ⁉︎」

 

響の拳がクリスのお腹に突き刺さり吹っ飛ばされ、

そのまま壁に当たる

(ネフシュタンの鎧を、‥‥砕いただと⁉︎)

「グゥ、あいつらを踏みにじる前に

 ネフシュタンの鎧に食い破られる!」

「大丈夫⁉︎クリスちゃん!」

「どうもこうもしねぇ!」

クリスちゃんが、周りを一瞬確認した後

「吹っ飛べ、アーマーパージだ!」

 

周りで爆発が起きる。

それと同時にサクラの変身が解ける。

 

Killter Ichaival tron

 

「‥‥この歌って」

「第二ラウンド‥‥だね。」

「‥‥‥唄わせたな。私に!歌を唄わせたな!

 あたしの大っ嫌いな歌を!」

「歌が、嫌い‥‥?」

 

両腕で持っているガトリング砲で、

サクラと響を攻撃してくる。

 

BILLION MAIDEN

 

「お前らの戯言をかき消してやる!」

「やめて、私は戦いたくない!」

「今は!それを聞いてくれそうにないよ!」

アガートラームを断片再現し、響の前に立ち

防御に徹する。

 

「サクラさん、どうにか出来ませんか!」

「攻撃が激しくて、隙を作るのも難しい!

 この防御もいつまで持たない!」

「亀みたいに殻にこもりやがって!ならこれだ!」

 

MEGA DETH PARTY

 

腰のギアから大量のミサイルを撃ってきた。

(これは防ぎ切れない!)

 

爆発により煙が上がる。

「はぁ、はぁ、これでどうだ!

 あんだけ叩き込めば⁉︎」

煙が晴れると壁があった。

「‥‥‥壁?」

「剣だ!」

巨大な剣の上に翼さんがいた。

「はっ、死にていで、眠ってるって聞いたんだがな」

「フッ、仲間の危機に間に合わずして

 何が防人か!」

「翼さん!」

「助かったよ。翼さん」

「無事なようだな。

 二人共、満身創痍のところすまないが、

 私も十全ではない。二人の力を貸してほしい」

「はい!」

「もちろん、出来ることをするよ!」

 

全員で、クリスの方へ向く。

「うっとおおしんいんだよぉおおおおお

 お前らはぁぁぁ!!」

クリスが、ガトリング砲を無茶苦茶に撃ってくる。

翼さんが、弾の間をすり抜けていく。

「震える指で引き金を引こうとも、狙いは定まらず」

(弾幕の間をすり抜けて、接近戦に持ち込んでくるだと⁉︎

舐めんな!)

弾幕が、翼に密集し、回避できない状態になるが

翼が涼しい顔をしている。

(なんで、こいつはこんな余裕そうにして⁉︎)

 

サクラが間に入り、銃撃を全て防御をする。

「こういうときは、なんとか入り込めるんだよってね。」

「すまないな。」

「気にしなくていいですよ。」

「クッソが!邪魔してんじゃ」

その瞬間響が一気に接近してくる。

「うおおおおおおおお!」

「近づくんじゃねぇ!」

ガトリング砲で、拳を逸らし撃つ。

「くぅう⁉︎」

響が引き離される。

「あいつらは⁉︎」

クリスの顔の横から剣の刃が見えた。

「‥‥これで、王手だ」

「翼さん‥‥」

「案ずるな、私も聞きたいことがあるからな」

「余裕ぶってんじゃねぇ!」

クリスはそのまま、回し蹴りを放ち、

翼と距離も取り直す。

 

「また、あたしの距離だな。今度こそ!」

ガトリング砲を構えた瞬間、上から鳥型ノイズが

クリスのギアを破壊する。

「‥‥な⁉︎」

「ノイズが、イチイバルのギアを破壊しただと!

 一体どこから?」

「翼さん、上だ!」

もう一体の鳥型ノイズがクリスに目掛けて攻撃する。

響が、クリスを庇う為に、押し倒し覆い被さる。

サクラは蛇腹剣に変えて、ノイズを切る。

「危なかった。響ちゃんと雪音さんは大丈夫?」

「立花、あなたも怪我はないか?」

「はい、サクラさんのお陰で

 私もクリスちゃんも怪我はないです。」

「お前達は、何やってんだよ⁉︎

 なんで庇ったりなんかーー」

「ゴメンね。クリスちゃんに当たりそうだったから」

響がクリスの手を繋ぎながら、立ち上がらせる。

 

「二人共、新手のノイズが来る。構えるんだ!」

空には沢山のノイズが飛んでいた。

「疲れてるので、来ないでほしいんですけどね。」

「それには同意ね。」

 

何処からか声が聞こえる。

「命じたこともできないなんてね。

 何処まで私を失望させるのかしら?」

クリスが空に向かって声を上げる。

「こんな奴がいなくったって、

 戦争の火種は、私一人でも消せる!

 そうすれば、人は呪いから解き放たれて

 世界は一つになるんだろ!」

「もう、あなたに用はないわ。」

「なんだよ、それ!」

 

いつの間にか、公園の入り口に

全身真っ黒な女性がいた。

「あなたが、フィーネさんかな?」

「ええ、そうよ。ギャラルホルンの装者さん」

フィーネの周りに光が集まる。

(あれは、ネフシュタンの鎧か!

それにフィーネを名乗るものの手に握られてるのは

ソロモンの杖⁉︎)

 

「今日のところは、ノイズが相手を務めてくれるわ。

 また会いましょう?ガングニールと

 ギャラルホルンの装者さん?」

ソロモンの杖で、大量のノイズを出して、

フィーネは姿を眩ませる。

 

「待てよ!フィーネェェェェ‼︎」

クリスはそれを追って、この場から走り去る。

「クリスちゃん、待」

「立花、追うのは後だ!」

「このノイズをどうにかしないと被害が出る!」

「は、はい!」

 

ノイズとの戦いを始めると

「サクラさん、僕に再現をお願いします。」

「うぉ⁉︎いつの間に!でも百人力です!」

緒川さんがいつの間にか後ろにいたが、

状況も状況なので、緒川さんに完全再現を行う。

残り1分30秒

 

「では、参ります。」

「って、えぇぇぇぇぇ!

 緒川さんがいっぱいで⁉︎ノイズが一瞬で!」

「そのワザマエいつ見ても流石の一言につきます。」

 

ノイズの殲滅を実質、緒川さん一人で行った後、

「クリスちゃんを追わないと!」

「落ち着いて響ちゃん、お互いボロボロなんだから」

「いいから休め。彼女の追跡は、司令達に任せるんだ。」

「分かりました‥‥」

響は、そのままへたり込んでしまう。

「サクラも休んでいいのよ?」

「うん、疲れた上に身体中が痛いから休ませてもらうね。」

 

その後迎えのヘリが来て、病院に行った。

また怪我をしており、入院ほどではないが、

お医者さんから、安静にするようきつく言われた。

(また怪我してるな。俺)




誤字•脱字有れば、よろしくお願いします。


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クリスとの対話

会話パートが、いまだに難しい


病院から家に帰り、ご飯を食べようと冷蔵庫を見ると空だった。

(そういえば、無くなってたんだっけ

‥‥‥今日は疲れたし、なんか買ってきて済ませよう。)

 

俺は財布とスマホを持って外に出る

しばらく歩いていると公園から

「弱いものをいじめるな!」

「この声、雪音さん?」

俺は公園に入ると兄妹を泣かせているクリスを見つけた。

「子供を脅してるのかな?」

「な、何でてめぇがいやがる!

 って脅かしてねぇ!」

「怒鳴り声が聞こえたから、慌てちゃったよ。」

「あたしはそこまで、落ちぶれちゃいねぇ!」

男の子がおどおどしながら、声をかけてくる。

「僕たち迷子で、お姉さんが声をかけてくれたの」

「そうだったんだね。(あったなぁ、こんな話も)

 いいお姉さんだね。」

「誰がいいお姉さんだ!

 バカにしてんのか」

 

俺は兄の方に目線を合わせる為にしゃがむ。

「それで最後に親御さんと一緒にいた場所は?」

「最後は、えぇとケーキ屋さんの近く」

「じゃあ、まずはそこへ行ってみようか。」

「無視してんじゃねぇよ。‥‥はぁ

 なら、あたしは用済みだな。じゃあな

 って、手を離しやがれ。」

女の子が、クリスの服を掴んで離さない。

「‥‥‥だって、だって〜‥‥‥うわああああん!」

「ああもう、わかったから

 一緒に探してやるから、泣くな!」

 

そして、兄妹を連れて公園の近くにある

ケーキ屋さん付近を回ることにした。

「えへへ、おねえちゃんのてがあったかい。」

「な、なんだよ。それより、ちゃんとお父さんを探せよ。」

「見つからないね。そうだ、肩車してあげようか?」

「なんで?」

「目線が高くなるからね。お父さんを見つけやすくなるかも。」

「お、お願いします。」

 

男の子を肩車して探すのを再開する。

「〜♩」

クリスが鼻歌を唄い始めた。

「おねえちゃん、うた、すきなの?」

「‥‥‥歌なんて嫌いだ。」

「雪音さん」

「あんただって聞いただろ、

 あたしの歌は、壊すだけしかできない歌なんだよ。」

「それは、いや、そんなことはないよ」

「なんでそう言い切れる!」

「だって今、その子を笑顔にする歌を唄ったからだよ。」

「は⁉︎そんなわけ」

「うん、おねえちゃんのうたがね。

 きれいだったからもっとききたーい。」

クリスはそれを聞いて、言葉が出なくなる。

「ねぇ、お兄さんはお姉さんと喧嘩してるの?」

「え?あーーまぁ、ある意味喧嘩中だね。」

「ダメなんだよ。ケンカはダメって

 おとうさんがいってたもん」

「二人共、仲が良いもんね。」

「うん、いつも仲良しだよ。」

「ケンカしちゃうけどね。なかなおりするから

 なかよしなんだよー」

 

男の子が父親を見つける。

「あ、お父さん!」

「良かった、無事でってこの人達は?」

「おとうさんを、いっしょにさがしてくれたの!」

サクラは、男の子をおろす。

「ありがとう、お兄さんお姉さん」

「ありがとう、おにいちゃん、おねえちゃん」

「ありがとうございました」

合流できた家族と別れる。

 

クリスは、そのまま立ち去ろうとする。

「じゃあな、あたしはこれで行くぞ」

「ねぇ、良かったら少し話だけでもしない?」

「はぁ?敵同士だぞ。

 そんな呑気にお茶できるわけないだろ」

「話がしたいんだ。なんならご飯とか奢るけど?」

「誰も腹はへってn」

お腹の虫が聞こえた。

顔を赤くして、こちらを睨むクリスが目に入る。

「‥‥‥何食べたい?」

「‥‥‥あそこのファミレスだ」

「じゃあ、行こうか」

 

クリスとファミレスに入り

メニュー表を手渡すと乱暴に取られた。

「なんでも良いんだな?」

「お金なら、あるからね」

「なら軽くなるように協力してやるよ。」

憎まれ口を叩くが、顔はすごく嬉しそうだった。

店員を呼び注文していく。

「ドリンクバーは使う?」

「あ?てめぇに任せるよ」

「じゃあ、ドリンクバーをつけてください。」

「かしこまりました。もうしばらくお待ちください。」

 

「飲み物取ってくるけど、何か飲みたいものある?」

「いい先に取ってこいよ。後で自分で取りに行く。」

「分かった」

ドリンクバーからコーラを取って席に戻る。

クリスは入れ替わりで、取りに行った。

戻ってきたクリスとはしばらく無言だった。

(流石に気まずい。何か話題を振らねば)

「‥‥‥ええと、そういえば自己紹介してなかったね。

 霧崎サクラ、完全聖遺物ギャラルホルンの適合者です。

 よろしくね。」

「あたしは、雪音クリスだ。よろしくしなくて結構だ。」

「ああ、えーーと、好きな食べ物とか」

「アンパンだ。」

「アンパンかぁ、あ、なら今度アンパンが美味しいって

 評判のお店があるから行ってみない?」

「お生憎様、てめぇみたいな胡散臭い奴と行く機会はないだろうな。」

「そ‥‥‥そっかぁ」

またお互い無言になる。

(か、会話がもたない!何か話題を

地雷を踏まずにいける話題がないか!)

 

何かないか考えているサクラにクリスが話しかける。

「なぁ敵である、あたしになんで構うんだよ。」

「理由は、戦ってる時に言ったことと同じになるかな。

 ただ苦しんでる君をどうにかしたいと思っただけだよ。」

「あたしは苦しんでなんかいねぇ。

 見当違いもいいところだ。」

「攻撃してきた時に無関係な人が、巻き込まれたことに

 気づいた時は、すごく苦しそうだった。

 それにアーマーパージするときも、

 多分人がいないか確認してたから」

「っ⁉︎‥‥‥それは、たまたまそう見えただけだろうが!」

「それに戦争の火種を無くすって言ってた

 どんなことがあれば、そんな覚悟を抱くのか俺にはわからない

 だから雪音さんのことを教えて欲しいんだ!」

 

すると店員が料理を運んできた。

「あ‥‥えーとお客様、料理をお待ちしました」

サクラの前にハンバーグとクリスにはスパゲティが、

素早く並べられ、すぐさま立ち去った。

「‥‥とりあえず食べようか」

「‥‥そうだな」

料理を食べ始める。

食べ始めて分かってはいたが、

(うん、凄いです。もうはい、

服が汚れてないのが奇跡です。)

 

クリスの口周りがソースで汚れ、テーブルには

食べ物の残骸が飛び散っていた。

食べ終わり、クリスの方を見ると食べ終わっていたようだ。

「あたしについて知りたいんだったな。

 飯の礼だ。教えて、わぷ、むぐぐ」

ソースで汚れた口のままで会話しようとしていたので、

未開封で置いたあったおしぼりで、クリスの口を拭く。

「って何しやがる!!」

「いや、口の周りが汚かったから

 それにそんな状態だと気になって話が入って

 こなさそうだったから。」

「ガキじゃねんだから、それぐらい自分で拭けるわ!

 後で拭こうと思ったんだよ!」

「なら余計なことをしたね。ごめんね」

 

呆れた顔をしながらも話を始める。

「別に、ああ、あたしの話だったな

 あたしのパパとママは、夫婦揃って音楽家でな

 歌で世界を救おうと夢を持って、

 難民救済をしようと活動してた。その時

 小さかったあたしを連れて行ったんだけどよ。

 紛争に巻き込まれて死んじまってからは、

 捕虜として捕まって生かされてたんだ。

 まぁ、奴隷同然だったがな。

 けどその時に分かっちまった。

 歌じゃ何も変わらない。

 いい大人が夢なんか見てんじゃねぇってな。

 だから、私は圧倒的な力で、

 戦争の火種をかき消してやるってな。

 どうだ、これがてめーの聞きたかったことだ。

 感想ぐらいなら聞いてやるよ。」

 

とても寂しそうな顔で聞いてくる。

けれど、両親の話をする時だけは温かみがあった。

「えぇと、かなり壮絶な人生だったんだなぁって感じだね。」

「ふ〜ん、同情的な感想だったら、

 ぶん殴ってやるところだったよ」

「でも一つだけ言えるのは、

 ご両親や歌のことをどれだけ悪く言ってても

 嫌いじゃないことだけは伝わってきたよ」

「‥‥‥はぁ⁉︎てめぇ、今の話のどこにそんな要素があったんだ!」

「話をしてる時、とても寂しそうにしてたからだよ。」

「そんな事ありえねぇ、ありえねぇ!!!」

クリスは、ファミレスを出て行ってしまった。

 

サクラはテーブルに突っ伏していた。

「もっと、言い方はなかったのかなぁ」

(OTONAじゃないから、上手く言えないなぁ。

もっとこう、なんか、こう、うーーん)

内心でどうしたら良かったのか悶々と

考えて、店員に声をかけられるまで続いた。

 

それから数日経ち、

病院から、ある程度動いてもいいぐらいには

治っていると驚かれた。

(まさかとは思うけど、人間やめ始めてる?)

病院を出て、本部に報告へ向かうことにした。

学校のエレベーターの前に来ていた。

(これを使いたくないけど、早く着くんだよなぁ

ううん、いや、急ぎじゃないし大丈夫かな)

遠回りしていくために、立ち去ろうとしたら

エレベーターが開くと、弦十郎さんがいた。

 

「む、サクラ君か、どうしたんだ?」

「怪我がある程度治ったので、報告しに来ました。

 弦十郎さんは、どこかに行くんですか?」

「ああ、クリス君を見つけたのでな。

 今から個人的に会いに行く所だ。」

「個人的にって、気を付けて行ってきてくださいね。

 俺はまた‥‥‥余計なこと言っちゃいそうなので」

「ああ、報告は受けているから知っているが、

 フッ、余計なお節介、結構じゃないか

 人はそうやって距離の詰めかたを図るものさ」

「そういうものですか?」

「そういうものさ、次に生かす糧とすればいいさ

 というわけでだ。その糧を生かすために行こうか!」

「へ、あ、ちょっと待てェェェェ」

サクラは弦十郎にお米様抱っこをされて、連れ去られた。

 

途中で、買い物をしてクリスのところへ向かう

「あれ?ここって、俺が寝泊まりしていた廃ビルの近くですね」

「ある意味似たもの同士かもしれないな。君たちは」

サクラが寝泊まりしていた廃ビルよりも先に進む

「ここだ」

「もう一度話をしないとですね。」

 

(まさか、こんな形でもう一度来るとはね。

今度こそ、気持ちを伝えないと)




誤字•脱字有れば、よろしくお願いします。


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何かを探して

「ULTRAMAN」コラボに、グリッドマンギアを
出したいなぁとか考えてたけど、
いつになるんだろうという絶望もあった。
出せるように頑張ります。



廃墟になったアパートに入り、階段を上がる

段を踏むたびに、足元から軋む音が聞こえる。

そのままある一室にまで歩いていく。

「ふむ、ここだな。じゃあ、開けるぞ」

ドアノブに手を掛けて、扉を開けると

クリスがいた。

 

弦十郎は、中に入り、クリスに買った袋を見せる。

俺はそのまま部屋の隅へいく。

「ほらよ。差し入れだ。」

「え?‥‥‥あ。」

「応援は、君と面識のあるサクラ君だけだ。

 君の保護を命じられていたものは、俺一人だがな。」

「‥‥どうしてここが分かった?」

「何、慣れた仕事を淡々とこなした結果だ。」

「‥‥何が目的だ!」

「腹が減っているんじゃないかと思って持ってきたんだ。」

「そいつが何か仕掛けてくるかもしれないだろ?」

クリスが部屋の隅で、じっとしていたサクラを指差す。

俺は、クリスのもとに歩いていき、

警戒するクリスにスマホを渡した。

「はい、信用できないなら渡しておくよ。

 俺は、外で待ってるから」

「って、出ていかなくていいんだよ。

 あたしがこれ、持ってるだけで十分だ。

 お前も何か話があってきたんだろうが!」

「ふっ、随分と仲がいいんだな」

「どこをどう見たらそう思うんだよ。

 節穴か、てめぇ!」

 

弦十郎は、袋から食べ物を出し、食べる。

「何も盛っていないから安心しろ。」

クリスは、袋を乱暴に取り、食べ始める。

食べ物が無くなったのか、俺が持っている

袋に目を向ける。

「何持ってきたんだよ。お前は、」

「あ、いえ、とても些細なものでして

 出すのはとても躊躇うもn」

「なんで、そんな気持ち悪い話し方してんだよ。

 ほら、さっさとよこせ」

袋の中からアンパンを取り出し、

「この前のレストランで言ってた

 美味しいって評判のところ。

 一緒に行くことはないって言ってたから、

 俺が持ってきた。」

 

近づいてクリスの手に乗せる。

包みからアンパンを取り出し、食べ始める。

「あむ‥‥‥うめぇ」

そのまま、夢中で食べていく。

「‥‥あ」

無くなったのを少し残念そうにしてるクリスに

俺は、残りのアンパンを渡す。

「どうぞ、君のために買ってきたものだからね。」

「そんなに食えねぇよ。‥‥お前も一緒に食え。」

「え?うん、分かったよ。」

黙々と食べている途中で俺は覚悟を決めて、

謝ることにした。

「‥‥‥この前はごめん。

 気持ちを考えないで、あんな無責任なことを言って」

「‥‥‥あの後、お前に言われて、色々考えて、

 自分の気持ちが、余計分かんなくなっちまった。

 ‥‥‥けど、お前が謝る事はねぇよ。」

「そう‥‥なの?」

「ああ、気にすんな。」

そこからお互いに無言になるが、

不思議と居心地の悪さは感じなかった。

 

二人でアンパンを食べ終えると弦十郎さんが、

話を始めた。

「お腹も膨れただろうから、話をするとしよう。

 音楽家のご両親が紛争で巻き込まれて死亡したのが8年前、

 そして残された娘が行方不明となったが、

 国連軍により保護され、輸送されることになった。」

「‥‥‥よく調べてるじゃねぇか

 そういうの反吐が出る。」

「当時の俺たちは、適合者を探していてな

 そこで音楽界のサラブレッドに注目していてな

 身元引き受け人として名乗りを上げた。

 ところが帰国直後、少女は消息不明、俺たちは慌てたよ。

 君を探すために相当数の捜査員が駆り出されたが、

 ‥‥‥多くのものが死亡もしくは行方不明という

 最悪の結末を迎え、幕を閉じた。」

「‥‥‥何がしたい!おっさん!」

「俺がしたい事は、君を助け出す事だ。

 引き受けた仕事を最後まで、やり通すことが、

 大人とてしの務めだからだ。」

「大人の務めだと、

 いつも何もしてくれない大人が偉そうに!」

「弦十郎さんは、そんな人じゃ」

「悪いけど、あんたが言っても信じられない!」

クリスは、そのまま詠唱をして、ギアを纏い

窓から出て行った。

 

クリスが、出て行ってから少しすると雨が降り始めた。

「行ってしまったか」

「そうですね。」

「俺も君も伝えたい事は伝えたんだ。

 あとはそれを行動で示すのみだ!」

「はい!」

二人は笑顔でうなずき、部屋から出て

いつ迎えを呼んでいたの、待っていた車に乗り、

本部に帰って来ていた。

 

本部の自販機に買いに来ていると

響、未来、翼がいた自販機のベンチに座って、

話をしていた。

響ちゃんは、未来さんから黙っていた事を

こっぴどく怒られたらしいというのを

聞いてから、逃げ回っていた。

「よし、回れみg」

「サクラさん、お話があるので

 こちらにきませんか?」

未来さんに、声をかけられた。

「い、いえ、少し忙しいので」

「大丈夫です。さっきここに通った弦十郎さんが

 サクラ君は、このあと予定がないぞって

 言ってましたから時間はありますよね?」

響ちゃんが、近づいてきて耳打ちする

「もう、観念した方がいいかなぁなんて、

 あの状態の未来は怖いですよ。」

「響?何を話してるのかな?」

「何も話してません!」

響ちゃんは、未来さんの後ろへ下がる。

助けを求めるように翼さんを見ると

「観念するといい」

苦笑いで言われてしまった。

 

俺はそのまま未来さんのところへ行き、

土下座をして謝った。

「本当に申し訳ありませんでした。」

「何が申し訳なかったんですか?」

「えぇと、響ちゃんと一緒に戦ってた事でしょうか?」

「違います。」

「じゃ‥‥じゃあ、秘密を隠してた事でしょうか?」

「違います。」

「響ちゃんを戦うのを止めなかった事でしょうか?」

「それは少し、ありますけど、

 違います。」

(少しはあるんだ。)

「えぇと、流星群の時に戦いを変わってあげれなかった事?」

「事情は、聞いてるのでその日の事は恨みはしますが、

 違います。」

「恨むんだ」

「何か言いましたか?」

「すみません、何も言ってないです。

 ‥‥あの、もうわからないので教えてください。」

未来さんは、少し怒った声で話しかけて来た。

「そもそも、怒ってません。

 だから、顔をあげてください。

 私は、お礼が言いたいんです。」

「え?お礼?」

 

地面から顔をあげて、立ち上がり未来ちゃんの顔を見る。

「はい、響や翼さん、二課の人たちから聞いてます。

 響を守ってくださり、ありがとうございます。」

未来さんが、頭を下げる。

「私じゃあ、響を助けられなかった。

 そして、サクラさんは前に約束してくれたこと

 を守ってくれてました。」

「俺は、出来ることをしただけだよ」

「はい、だからこれからも友達として

 響を助けてあげて欲しいんです。」

「うん、任せて!」

「はい、それはそれとして、

 逃げ回っていたことに関しては許してませんよ?」

「あれ?怒ってないって?」

「思い出したら、降って湧いて来ちゃいました。」

笑顔で未来さんが答える

サクラは黙って正座をした。

未来のお話が始まった。

 

それを見ていた翼と響は、

「何というか小日向はたくましいな。」

「はい、未来のああいうところに助けられてます。」

 

それから未来さんの話が終わり、談話していると

警報が鳴る。

「ノイズ!サクラ、立花、戦場へ向かうぞ!」

「はい!」

「分かった!」

俺はポケットに手を入れて、

スマホを取り出そうとすると空を切る。

「‥‥‥あれ?」

立ち止まったサクラに異変を感じたのか翼と響が聞く。

「サクラ、どうした!」

「サクラさん、どうしたんですか?」

「スマホがない⁉︎」

「な⁉︎すまないが、探している時間はない。

 立花、先にいくぞ!」

「サクラさん、後で一緒に探すので待っててください!」

二人が走っていく。

未来さんから冷たい目線を感じる。

「‥‥‥一緒に探しますね。」

「‥‥‥ありがとうございます。」

 

その後、本部内を探したが見つからず、

ノイズを倒した二人が手伝ってくれたが

それでも見つからなかった。

「サクラさん、こっちも見つからないですね」

「流石にここまで探しても見つからないなら

 別のところに落とした可能性があるわね。」

「サクラさんは、いつから無くしたんですか?

 響ならいつも部屋に忘れていくことが多いですが、」

「ひどいよ〜。未来〜、何で言っちゃうんだよぉ」

俺は考える。今日スマホを手放す事はなかったはず

俺が考えていると弦十郎さんが通りかかる。

「君たちまだ帰ってなかったのか?」

「あ、弦十郎さん

 すみません!スマホを無くしちゃいました!」

俺は、思いっきり頭を下げる。

「ん?サクラ君、スマホならば、クリス君に

 信用してもらうために渡していたではないか」

「え?‥‥‥あっ」

「サクラさん、クリスちゃんと会ってたんですか⁉︎」

「うん、会うことがあったからね。」

「それよりも、渡したままなのか?」

「ど‥‥‥どうしよう⁉︎」

「次にあった時にクリスに聞いたらいいじゃないな?」

「って、未来、クリスちゃんと知り合いなの⁉︎」

「私も会うことがあったからって、響近いよ」

「あ〜とりあえずだ、

 サクラは次にあった時に雪音クリスに

 返してもらうように頼むといい。」

「そうします。」

 

解散になり帰ろうと入り口に向かっていると、

翼がサクラを追いかけて来た。

「ごめんなさい、色々あって忘れてたけど、

 これをサクラに渡し損ねてたわ。」

翼が、チケットを見せてくる。

「見に来てくれると嬉しいけど、どうかな?」

「うん、もちろん行くよ。」

チケットを受け取った。

「その、心を込めて歌うわね。」

「それを聞くと余計楽しみになるよ。」

(ノイズくるけど、どうしよう)

 

 

それから数日

翼さんのコンサートが始まるまで、

後少しという時に、ノイズが現れたと連絡があり、

響にお姫様抱っこされながら、一緒に現場に来ていた。

「翼さんのコンサートに間に合うようにしないとね!」

「はい、そしてクリスちゃんからスマホも返してもらうように

 お願いすることですね!」

「そうだね。ちゃっちゃと終わらせよう。」

「って、響ちゃんあれ!」

倒れていたクリスにノイズが迫っていた。

「たぁああああああああ!」

ノイズを蹴り飛ばし、灰にする。

「な⁉︎‥‥‥おまえら!」

「クリスちゃん、一緒に戦おう!」

響がサクラを下ろし、拳を構える。

サクラは、クリスの方を見て、手を取り起こしあげる。

「雪音さん、俺が渡したスマホ返してくれると嬉しいな。」

「え、ああ、ほらよ。」

「ありがとう」

スマホを受け取ったと同時に通知が入る。

 

『雪音クリス』を変身と再現の対象に追加しました。

 

そのまま、スマホにモバイルバッテリーを挿し込む。

「二人共サポートに回るからよろしく!」

「はい、背中は任せます!」

「チッ、前は任せたからな!」

俺は断片再現で、イチイバルと天羽々斬を再現する。

 

響ちゃんが前へ行き、ノイズを倒していく。

俺は、動き回り、ノイズを撹乱

イチイバルで撃ち、天羽々斬で一気に接近して倒していく。

響ちゃんと俺の死角から迫るノイズを雪音さんが、倒していく。

「これで、貸し借りはなしだ!」

「うん!」

「二人共、でかいのがくるぞ!」

いつぞやの芋虫型が現れ、大量のノイズを生み出す。

響が腕のアームドギアを伸ばしていく。

その隙を狙うノイズの大群をサクラとクリスが倒していく。

「うおりゃあああああ!」

限界まで伸ばされたギアを地面に叩きつけると

衝撃が芋虫型まで一気に行き消滅させる。

 

残ったノイズを倒し終える

「やった、やったよ!クリスちゃん!

 って、あれ?」

「どうやら、また何処かに行っちゃったみたいだね。」

「はい、でも、一緒に戦えたので、

 少しだけ気持ちが伝わったってことですよね?」

「うん、きっと伝わってるよ。」

「それだと、嬉しいです。

 ‥‥あ、翼さんのコンサート間に合いますか⁉︎」

時計を確認すると

「今走っていけば、ギリギリ間に合うよ!」

「行きましょう!」

 

コンサート会場に入り、翼さんの歌が

始まったところだった。

「はぁ‥‥はぁ‥‥間に合いましたね。」

「ゼェ‥‥ゴホッ、ゴホッ、そうだね。」

二人で慌てて買ったペンライトを振るう。

「あの時のことを思い出しますね。」

「そうだね。あの時は別々で見てたけど、凄かったね。」

「今もあの時と負けないぐらいすごいです!」

「ああ!テンションが上がってくるよ!」

 

歌が終わり、翼さんの想いを語り出した。

「ありがとう、みんな!

 今日は思いっきり歌を唄えて、気持ちよかった。

 ‥‥‥こんなにも思いは、久しぶり、

 改めて確認できたの。私は歌が好きだったんだって!

 聞いてくれるみんなの前で唄うのが、大好きなんだ!」

翼が会場を見渡す

「みんな知っているかも知れないけど、海外で唄わないかと

 オファーが来ているの。

 私は言葉が通じなくても、私の歌がだれかの助けになるのなら、

 世界中の人たちに歌を聞いてもらいたい

 だからみんな、私のわがままを許してほしい」

会場からは、みんなの温かい応援が翼さんに届けられる。

「‥‥‥ありがとう、みんな」

涙を流しながら、感謝の言葉を伝えた。

 




誤字•脱字有れば、よろしくお願いします。


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共闘

もうそろそろ、第一期が終わる。
がんばります。


コンサートが終わった次の日、

公園で、響と未来と合流していた。

「昨日のコンサート凄かったですね。」

「うん、私ペンライト振るの忘れちゃうぐらい

 見惚れてたよぉ〜」

「俺も久しぶりに気分が高揚したな」

「サクラさんペンライトを思いっきり

 振り回してましたもんね。

 ‥‥‥あ!未来、その時の写真があるんだよ。」

「なんであるのかな⁉︎」

「あ、見たいな。どれ?」

響が携帯の写真を未来に見せる。

「ふふ‥‥ふふふ、ごめんなさい

 笑っちゃいけないと思うんだけど

 うふふ」

笑わないように堪えているが、声が漏れてしまっている。

(そんなにひどい顔なのだろうか?)

「響ちゃん、写真見せて」

「え゛‥‥い、いや〜見ないほうがいいですよ?」

「大丈夫、怒って写真消したりしないから見せて?」

俺は最大の笑みを浮かべて説得する。

「うわ、あ、いえいえ、どうぞ」

「ありがとう」

写真を見るともう表現できない表情をしていた。

何とか復活した未来に写真を見せる。

「あははははははは、や、やめて下さい!」

今度は声をあげて笑ってた。

携帯を響に返す。

「返すね」

「お、怒ってますか?」

「オコッテナイヨ?」

「ほ、ほんとですか?」

 

響とサクラの通信機に着信が入る。

「あ、師匠からだ。はい、響です。」

『翼です』

『サクラ君はどうした?』

「すみません。今、通信機出したところです。」

この通信は、指令室でまとめて会話を行なっている。

 

『そうか、無事ならいいんだ。

 ‥‥‥了子君だけか連絡がつかないのは』

『連絡が取れないのは、心配ですね。

 以前の事件のこともありますし。』

「了子さんなら、大丈夫ですよ!

 何があっても、私やサクラさんを守ってくれた時のように

 どかーんとやってくれますよ!」

『いや、戦闘訓練もろくに受けていない

 櫻井女史にそんなことは』

「けどこの間は、了子さんのおかげで、

 俺と響ちゃんは助かったんだよね。」

「だから、師匠も了子さんも人間離れした特技

 持ってるんじゃないんですか?」

「というか、二課にいる大人の皆さんが既に

 人間離れしてる気がする。」

 

すると櫻井了子から着信があった

『ごめんねぇ〜寝坊して通信が

 きていたことに今気づいたわぁ』

『‥‥‥無事だったか。了子君

 何か問題はなかったか?』

『寝坊したからゴミが出せなかったぐらいで、

 何もなかったわ〜。‥‥‥何かあったの?』

『ああ、聞きたいことがあってな。

 「カ•ディンギル」この言葉の意味は知っているか?』

『‥‥「カ•ディンギル」とは、

 古代シュメールの言葉で、「高みの存在」

 転じて、「天を仰ぐほどの塔」を意味しているわね。』

『そんな塔を建造したとして、

 何故俺たちは見過ごしてきたのだ?』

「確かに、それ言われちゃうと」

「スカイタワーよりも大きいものもしくは、

 それと同サイズなら見落としようがないもんね。」

『だがようやく掴んだ、敵の尻尾、

 このまま情報を集めれば、勝利も同然

 敵の隙をつき、全力を叩くことで、

 最終決戦になるだろう。仕損じるな!』

「了解です!」

『了解です』

「はい、頑張ります」

『じゃあ、私は野暮用を終わらせて、

 すぐにいくわね。』

通信が切れる。

 

「カ•ディンギル、誰も知らない塔」

「うーん?検索してもゲームの攻略サイトしか出ないよ。」

「案外、地下にあったりしてね。」(本部がそうだしなぁ)

「サクラさん、そんなわけないじゃないですかぁ」

「そうですよ。真面目に考えて下さい」

「すみません」

するとすぐに通信があった

『飛行型の超大型ノイズが4体出現

 今は、人を襲わずに移動している模様』

「人を襲わずに、はい、今すぐに向かいます!」

「俺も現場へ向かいます」

『了解、今すぐ追いかけます!』

未来ちゃんの方へ顔を向ける。

「未来は今すぐに学校に戻って」

「リディアンに?」

「もしかしたら学校にあるシェルターを解放して、

 この辺の人を避難させないといけないからね。

 その時の避難誘導を未来ちゃんにお願いしたいんだ。」

「うん、未来にも手伝ってほしいんだ。」

「響、サクラさん。‥‥‥分かった。」

「ごめんね。巻き込んじゃったね。」

「ううん、巻き込まれたなんて思ってないよ?

 リディアンに戻るのは、響の帰る場所を守る為なんだから。」

「私の‥‥‥帰る場所」

「そう、だから行って。私も

 大切なものを守れるぐらい強くなるから!」

「小日向未来は、私にとっての陽だまりなの!

 未来の近くが私の絶対帰ってくるところ!

 だから、私は絶対帰ってくる!

 それに一緒に流れ星を見る約束もまだだしね。」

「うん!待ってるからね!」

「行ってきます」

「じゃあ、俺も行ってくるね。未来ちゃん!」

「はい、サクラさん、 

 響のことをお願いします!」

 

未来ちゃんと別れて現場へ向かう。

(確か緒川さんに保護されるから大丈夫なはず

それよりもノイズで襲われる人を減らさないと!)

「それで、大量のノイズはどこに向かってるんですか?」

通信先の弦十郎に聞く。

『東京スカイタワーだ!』

「何で、東京スカイタワーに向かってるんでしょうか?」

響の質問に藤堯が答える。

『カ•ディンギルの塔の意味を考えると

 スカイタワーそのものだと思われます!」

『スカイタワーには、二課の時に使用している映像や

 更新といった電波情報を制御する役割も担っている。

 三人とも、東京スカイタワーへ急行だ!』

「ですが、弦十郎さんここから

 東京スカイタワーは遠い」

突風が吹き、大きな音が聞こえたので上を見ると

ヘリコプターが降りてきていた。

「うわっぷ、ってヘリコプター⁉︎」

『君達を現場へ送り届けるのが、俺たちの仕事だ!』

「行こう、響ちゃん!」

「はい!」

ヘリコプターに乗り、東京スカイタワーへ向かう

 

現場に着くと

超大型のノイズ4体が飛んでいた。

「でっかいな」

「はい、止めないとたくさんの被害が出ます!」

「お二人ともノイズの上に行く

 そこから攻撃するんだ!」

「ありがとうございます。」

ノイズの上にヘリが止まる。

 

Balwisyall nescell gungnir tron

 

ギアを纏いそのままヘリコプターから飛び降りる。

拳で超大型ノイズを灰に変える。

そのまま、落下していく。

「‥‥よく飛び降りれるよね。

 響ちゃんすごい」

俺は、断片再現で、イチイバルを出し撃っていく。

 

すると道路の向こうからバイクが走ってくる。

 

Imyuteus amenohabakiri tron

 

翼さんが、バイクから飛び降り、

超大型ノイズに向かって、

 

蒼ノ一閃

 

だが、その周辺にいた小型のノイズで届かない

俺は、ヘリコプターに近づいてくるノイズを撃ち落としていた。

「ものすごく来るんだが?そんなに目立ってるのかな?」

「多分、私達を狙ってきてるんだと思います!」

「とりあえず、逃げ回ってくれたら何とかします。」

すると響ちゃんと翼さんが、飛び乗ってきた。

「すみません!上の大きいノイズを

 もう一体倒すので上がってください!」

「すまないが、頭上を取られては、

 戦うこともままならないのでな」

「まぁ、こんだけ!数がいたら邪魔ですもんね!

 反対側お願いします!」

ノイズを撃ちながら反対側を翼にお願いする

「ああ、任せてくれ!」

「あれ?私することがないですよ!」

「響ちゃんはいつでも、殴る準備しといて」

「‥‥はい!」

 

俺と翼さんで、小型ノイズを蹴散らしながら空へ上がる。

「よし、いいポジション!響ちゃん!」

「はい!行きます!」

響ちゃんはまた飛び降り、大型ノイズを倒す。

「やりましたああぁぁぁぁ!」

だんだん小さくなる響ちゃんを見送り、

翼さんがパイロットに声をかける。

「すまないが、もう一度降りてほしい

 後2体をたおーーー」

ヘリコプターにノイズが刺さり、爆発する。

爆発する瞬間に翼がサクラをお姫様抱っこして、

脱出した。

「嘘だろ⁉︎」

「ーーよくも!」

落下している二人にノイズが一気に突撃してくる

「まずい!これじゃ避けられない!」

「だが、退くわけには!」

 

迫っていたノイズが全部爆発する。

そのまま地面に翼が着地し、サクラを下ろす。

「サクラさん、翼さん、大丈夫ですか⁉︎」

「ああ、サクラもこの通り無事だ。」

「うん、翼さんのおかげで助かったけど、

 パイロットの人は‥‥」

「今は悔やんでも仕方ない。

 それよりも先ほどのノイズが爆発したのは?」

「はっ!こんな雑魚に手間取ってんじゃねぇよ。

 この通信機がうるせぇから出張ってきてみたが、」

頬を少し赤らめながら、

「‥‥‥勘違いするなよ。

 お前らの助っ人になったつもりはねぇ

 そいつのスマホで勝手に飲み食いした

 分の借りを返しにきただけだ。」

通信機から弦十郎さんの声が聞こえる。

『第二聖遺物「イチイバル」を纏う戦士、雪音クリスだ。

 助っ人としての到着は遅くなったがな。』

その話が聞こえたクリスがさらに顔を赤くする。

「余計なこと言ってんじゃねぇぞ!おっさん!」

「クリスちゃん、ありがとう〜

 助けに来てくれて」

響がクリスに抱きつく

 

「な⁉︎、話聞いてなかったのかよ!」

「助っ人がきたのだ頼らせてもらうとしよう!」

「じゃあ、雪音さんには5427円分働いてもらわないとね。」

「細けぇなおまえ!

 まぁいい、勝手に動くって言いたいところだが、

 あたしに変身できるかお前?」

「え、うんできるよ」

「なら、変身して手伝え。あの数は骨が折れる。」

「分かったよ。雪音さん」

「では、空中は、サクラと雪音に任せて

 地上のノイズは私たちで倒すぞ

「はい、翼さん!」

 

翼と響が走っていく。

俺は再現を解除して、変身を選ぶ。

この間無防備になるが、クリスがサクラを守るように動く

変身項目を選んでいく。

 

スマホを掲げて、変身する。

 

光が弾けると雪音クリス『ヴァンパイヤハンターギア』に変身する

残り時間5分30秒

「そんなのもあんのかよ!

 まぁいい時間もないいくぞ!」

「ああ、まかせろ!」

 

俺は、クロスボウの形をしたイチイバルから、

弓を射出

1本の弓が分裂して、空中のノイズを倒していく。

「負けられるかぁ!」

クリスも負けじと

ガトリング砲で撃ち落としていく。

 

BILLION MAIDEN

 

腰のギアから、ミサイルを空中に打ち上げノイズの数を減らしていく。

 

MEGA DETH PARTY

 

クリスは、上からの攻撃を避けるために後ろに下がろうと

したところで、ノイズが背後から迫っているのに気づいた。

(っ⁉︎しまった!)

背後から迫るノイズを翼が横から切り捨てる。

「ッ!何しやがる。一人でも大丈夫だったんだ!

 邪魔すんじゃねぇ!」

「危機のようだったから助太刀に入ったのだが、」

「ふざけんな!あたし一人でも十分戦えるんだよ!

 あんたらと馴れ合う気はない

 大体、おかしいだろ。この前まで敵だったんだぞ!

 そう簡単に人と分かり合えるはずがーー」

「‥‥‥できるよ。」

 

建物の下では、青春を謳歌している彼女達に

ノイズが迫らないようにサクラが動き回っていた。

 

QUEEN'S SILVERRAIN

 

さっきよりも矢を大量に射出

大量に分裂をして地上と空中の小型ノイズを

貫いていく。

(まぁ、会話する時間ぐらい稼いで見せる‥‥さ!)

建物の間を飛び、三人のところに行かないよう

クロスボウを撃ちながら囮を続ける

残り2分55秒

 

話が終わったのか、動き回るサクラに翼が近づく

「雪音が、大型ノイズを倒すためにギアの力を蓄える。

 その間無防備になるから」

「守ればいいんだね。任せて」

クリスが立っているところにノイズが向かい始めていた。

すぐに乱射しながら、守りやすい位置につく。

力を溜めているクリスの近くに立つと話しかけてくる。

 

「なぁ、あんたも、そのあたしと手を繋ぎたいと思ってるのか?」

「ああ、思ってるよ!だからさっさと片付けちゃおう!」

「はぁ、あいつらもお前もお人好しばっかだな!」

「当然さ!信じてるよ。だから、君にーーー」

「「「託した」」」

俺も響ちゃんも翼さんも同じ想いをクリスに託す。

「ああ、託されてやる‥‥‥よ!」

それに応えるようにギアの輝きが増していく

そして、巨大なミサイルが展開され、

全ての武装が、発射される。

 

MEGA DETH QUARTET

 

大型も小型も全てを吹き飛ばし、灰に変える。

残り32秒

 

急いで、ノイズの残党を倒した。

「やったのか?」

「翼さんそれフラグになっちゃうから」

「ったりめぇだろ」

「やった〜、クリスちゃんのお陰で勝てたよ!」

響はまた、クリスに抱きつく。

「ってバカ!抱きついてくるな!

 いいか、今回はたまたま利害が一致しただけで、

 お前達の仲間になったわけじゃ!

 フィーネと決着つけたら、見つけた夢を果たしたいんだ!」

「夢?クリスちゃん夢があるの!聞かせてぇ!」

「ああもう、お前ほんとバカ!!」

 

変身の解けたサクラが来た。

「体は大丈夫か?サクラ」

「はい大丈夫です。さてと

 ‥‥‥さっきの約束を果たそうかな?

 雪音さん、これからもよろしく!」

手を差し出すと、クリスがオドオドしながら、

サクラの手を掴み、握手する。

「そ、そのあれだ、これでおしまいだ!」

「ごめん、なんか嫌な思いさせちゃったかな?」

「だぁーーー!いちいち謝んな!

 別に嫌だとは言ってねぇ!」

「二人は本当に仲がいいな」

「誰が、こんな奴と仲がいいかよ!」

「だが、私や立花と話す時よりは、楽そうに見えたんだがな。」

「何処をどーーー」

響ちゃんの通信機がなり出たところ

「‥‥はい、もしもし」

『大変なの、響!

 学校が、リディアンがノイズに襲われーー』

「‥‥‥え?」

通信がそこで切れた。

 

 

 




誤字•脱字有れば、よろしくお願いします。


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フィーネ戦

長期連休でテンションが上がり、
エイムズショットライザーに、ゴリライズ。
その時にプログライズキーが壊れてテンションが下がり、
昨日投稿予定が遅くなりました。


未来ちゃんからの連絡が途切れた後、急いでリディアンに向かう途中で

ノイズが襲ってきた。

 

「何かねぇのか!車とかヘリとかよ!」

「今は、自力でどうにかするしかないが」

「ノイズが多くて進めないね!」

ノイズを迎撃しながら、話をしていく

「フィーネはよっぽど、

 あたしらに来て欲しくないんだろうな!」

「スカイタワーを『カ•ディンギル』と誤認させて、

 その上に執拗な足止め、更に小日向からの連絡

 ‥‥‥リディアンもしくは、二課本部が狙いだと

 見て間違いなだろうな。」

 

「‥‥‥未来」

「響ちゃん、未来ちゃんのことは、

 弦十郎さんや緒川さんがいるから、

 きっと大丈夫だよ。」

「立花、サクラの言う通りだ。

 ‥‥‥小日向は、大丈夫だ。」

「サクラさん、翼さん

 ‥‥‥はい、今は目の前のノイズに集中します!」

「要は目の前のやつぶっ飛ばして、進むってことだろうが!」

「雪音さんも未来ちゃんのこと心配してるみたいだし、

 急ごう!」

「だ、誰が心配してるだって

 助けられた恩があるだけだ!」

 

クリスが顔を赤くして声を上げる。

「クリスちゃん、ありがとう、一緒に助けに行こうね!」

「お前ら本当に人の話を聞かねぇな!」

倒しながら、進んでいく。

ノイズをなんとか倒し走って向かうが、

「やっぱり、遠いこのままでは間に合わない!」

「どうしたら良いんでしょうか!」

「ギア出しっぱなしはキツいんだぞ!

 おい、あんたは何か案はねぇ‥‥っていねぇ!」

クリスがサクラに話を振るがいないことに気づいた。

「なに⁉︎まさかフィーネの魔の手がここにも!」

「そんな⁉︎サクラさん何処ですかぁ!」

するとエンジン音が聞こえ、一台の車が

響達の前で止まる。

警戒している響達に窓が開き、運転手が顔を出す。

「ごめん、遅くなっちゃった

 動かせそうなのを探してたら遅くなったよ。」

いなくなったサクラが顔を出す。

 

「サクラさん、急にいなくなるから

 心配したんですよ!」

「いなくなるなら一言言って欲しいわ」

「ごめんやっぱり、こっちの方が速そうだったからね。」

「で?てめぇは、運転できんのか?」

「フッ、安心して良いよ。

 この前仮免通ったばかりだ!」

「心配の要素しかねぇ!

 ってなんでお前らは普通に乗っていくんだよ!」

翼と響がギアを解除して、車に乗って行く。

「ほら、クリスちゃん早く!」

「雪音早く乗れ、間に合わなくなるぞ!」

「‥‥‥ああもう乗れば良いんだろ、乗れば!」

クリスが解除して助手席に座る。

「よし、出発!」

車は、進まなかった

「あれ?」

「どうしたんですか?進んでないですよ。」

「おかしいな。さっきは」

「サクラ、ニュートラルになってるぞ。」

「あ、本当だ。よし今度こそ!」

Dギアに入れ、走り始める

スマホをカーチャージに接続して道案内アプリを起動して

リディアンへ向かった。

 

なんだかんだで、無事にリディアンについたが、

学校は所々崩壊していた。

「すごく、ボロボロだな。」

「ああ、油断せずに進もう。」

「未来ーー!未来ーー!

 みんなーー!」

「あれは、了子さんだね。」

学校の瓦礫の上で佇む、了子さんを見つけた。

俺は、いつでも動けるようにスマホを構える。

「櫻井女史⁉︎」

「フィーネ!お前の仕業か!」

「フ、フフハハハハハハハハ!」

「その笑いが、答えでいいんですね。

 了子さん」

「あいつこそ、あたしが決着をつけなきゃいけない、

 フィーネだ!」

「‥‥‥嘘ですよね?了子さんは、私達を助けてくれました。」

フィーネが、ネフシュタンの鎧を身に纏い、こちらを見る。

「あれは、希少な完全聖遺物を守っただけだ。」

「じゃあ、了子さんは?

 フィーネになる前の了子さんはどうなったんですか!」

「ああ、12年前にその意識を乗っ取らせて貰った

 今では櫻井了子の意識は残っていない。

 『超先史文明期の巫女』フィーネは自分の遺伝子に己が自我を封印

 アウフヴァッヘン波形に反応して、その身をフィーネに置き換える

 仕組みを施していた。

 そして、私が目覚めたと言うわけだ!」

「‥‥‥まるで、過去から蘇る亡霊」

「あなたが、了子さんを塗り潰した‥‥‥」

「そして世界に散らばった私たちは、常に

 パラダイムシフト 技術の転換期にいつも立ち会ってきた。」

「ーッ!シンフォギア •システムか!」

「そのような玩具など、為政者からコストを絞り上げるだけの

 副次品に過ぎない。」

「奏は、お前の戯れで命を落としたと言いたいのか!」

「あたしを拾ったり、アメリカの連中とつるんでいたのも!

 そいつが理由かよ!」

「そうだ、全てはこの時のために!」

 

地面が揺れ、学校が更に崩れて大きな塔が地面から出てくる。

「これこそが、この大地から天にも届く一撃を放つ荷電粒子砲

 ーーー『カ•ディンギル』!!!」

「そいつで、バラバラな世界が一つになるのかよ!」

「ああ、‥‥これで月を穿つことによってな!」

「月を穿つ?なんでだよ!」

「果てしなき罰‥‥‥『バラルの呪詛』

 これにより、人類は相互理解を妨げる呪いを月が放っている!

 月を破壊することでこの呪いを解き、

 そして再び、世界を一つにしてくれる!」

カ•ディンギルが輝き始め、撃つ為のエネルギーを溜め始めたようだ。

 

(それを解くと神様復活、人類補完計画完了になる流れだねそれ。)

「‥‥‥安い、安さが大爆発だ!」

「余人如きが、永遠を生きる私を止められると思うな!」

 

Balwisyall nescell gungnir tron

 

Imyuteus amenohabakiri tron

 

Killter Ichaival tron

 

断片再現で、左手にイチイバルと右手にアガートラームを再現

フィーネとの戦いが始まる。

 

クリスが、フィーネへ向けて撃つ

「でりゃあああああ!」MEGA DETH PARTY

「はっ!」

鞭をふるい、ミサイルが届く前に爆発する。

爆発によって生まれた煙から翼と響が飛び出し、

攻撃して行く

 

「おりゃああ!」

「フッ!」

響の拳は振るうが、全ていなし、躱していく

そこへ一気に翼が斬りかかる。

「はぁあああ!」

「そんな玩具で!」

フィーネは鞭で受け止め、足止めをする。

そこへサクラと響が、一気に攻める。

「こんのおおおおお!」

「そこだぁぁ!」

 

響の拳を開いている手で受け止めるが、

吹き飛ばされ、その先にいたサクラがイチイバルで

撃つが鞭で弾かれ。

弾いている、その横から蛇腹剣で攻撃するが、

鎧が硬く通らなかった。

「通らないのか⁉︎」

「当たり前だ。貴様のそれはただの玩具の模倣品

 何処までも本物に近かろうと玩具以下など恐るに足らん!」

「それでも足止めぐらいは出来る!」

サクラは、そのまま攻撃され吹き飛ばさる。

「がぁああ!」

「こっちが、本命だ!」

 

クリスが、巨大なミサイルを2つ構えていた。

「喰らいやがれ!ロックオン、アクティブ!スナイプ!!!」

MEGA DETH QUARTET

1つ目のミサイルをフィーネに向けて撃つが躱される。

「デストロイィィィ!!!」

2つ目のミサイルをカ•ディンギルへ向けて放つ

「させるかっ!」

鞭でミサイルを撃ち落とすが、

「もう一発は⁉︎」

探すと天に向かって飛ぶミサイルがあり、

クリスがそこにいた。

 

「‥‥‥クリスちゃん?」

「雪音、何のつもりだ!」

「ふん!足掻いたところで、

 玩具にカ•ディンギルの発射を止めることなど!」

絶唱を唄っていた。

「この歌は‥‥‥!」

「絶唱!」

オレは何とか立ち上がり、空を見る

「ゆき‥‥‥ねさん!」

そのまま衛星軌道まで上がり、カ•ディンギルの射線場に入る。

ミサイルから降りて、イチイバルのリフレクターを展開して行く。

「〜♩」

背中に大きな羽のようなものができ、銃を取り出すと

砲身が伸び、大きなキャノンへと変わる。

歌が終わり、カ•ディンギルへ銃先を向ける。

 

カ•ディンギルから発射されたエネルギーを

クリスが一点に集めたビームで押し留める。

「バカな⁉︎一点収束!

 ‥‥‥押しとどめているだと!」

クリスのギアがあまりの負荷に耐え切れず、ひび割れ壊れて行く

(ああ、あいつの言う通りだよ。

あたしは、パパとママの事が、大好きだった!

だから、あたしがその夢を引き継ぐんだ!

パパとママの代わりに歌で、平和を掴んで見せる!

あたしの歌はそのために!)

 

カ•ディンギルのビームがクリスを飲み込み月へと当たる。

月は少しだけ欠けるが、それ以外の被害は見当たらなかった。

「仕損じただと!僅かに逸らされたのか!」

クリスが空から落ちてきて、森へ落ちる。

「‥‥‥あ‥‥ああ‥‥ああああああああああああ」

その光景を見た響ちゃんが絶叫を上げ、

膝を突く。

「もっとお話ししたい事、いっぱいあったんだよ

 いまよりも仲良くできたかもしれないんだよ

 クリスちゃんの夢まだ、聞いてないよ。」

「自分を殺して、直撃を避けたか

 ‥‥‥ハッ!無駄なことを!

 しかも自分の夢を見たまま叶えられないとは、

 とんだ愚図だな。」

「‥‥‥笑ったか?命を燃やして、

 大切な物を守り抜こうとしたことを

 ーーお前は無駄だと笑うのか!」

「無駄じゃない、それだけは絶対に言わせない!」

すると隣にいた響の様子が変わる。

「笑うナ、夢をイノチごと握りツブシタ奴が笑うナ!!

 ああああああああああ!」

響がフィーネへ殴りかかるが避けられる。

 

「融合した聖遺物の欠片が暴走しているのだ。

 制御出来ない力にやがて、意識は塗り潰される

 最早、そこにいるものは人にあらず

 人の形をした破壊衝動」

「まさか、立花で実験を!」

響ちゃんが暴走状態になり、フィーネへ殴りかかる。

「ふん」ASGARD

鞭でバリアを貼るが、砕けてフィーネの体を引き裂いていた。

「‥‥‥フ、フフ」

 

(あれで生きてるとか、完全聖遺物怖いな。

そんなことよりも響ちゃんをどうにかしないと!)

「もう一度、再現すれば戻るはず!」

俺はスマホを構えた瞬間に、響ちゃんがこちらへ飛びかかってきた。

急なことに反応できず、頭を掴まれ投げ飛ばされ地面に叩きつけられる。

「サクラ!‥‥‥やめろ立花!」

 

意識が戻ると影縫いをされた響ちゃんと

フィーネと戦う翼さんが見えた。

俺は何とかイチイバルを再現し、震える手で狙いを定める。

フィーネは先ほどのバリアを何重にも貼り、

天ノ逆鱗を迎撃する。

巨大な剣で、押し潰そうと力を込め剣の向きが真上に来る。

翼さんが飛び立ち、カ•ディンギルへ向かって炎を上げて飛翔する。

 

炎鳥極翔斬

 

「初めから、狙いはカ•ディンギルか!」

翼へ向けて鞭を飛ばし、接近する。

それをイチイバルで撃ち妨害する。

(サクラか?助かる!)

「貴様ぁぁぁ!」

「すみませんね。嫌がらせしかできない玩具で!」

翼は青い鳥となり、カ•ディンギルを破壊に成功する。

カ•ディンギルのエネルギー暴走し、爆発しながら塔が壊れる。

 

「どこまで!どこまでも忌々しい!

 バラルの呪詛を解くと同時に重力崩壊を起こし、

 天変地異に人類は恐怖し!

 そして聖遺物の力を使う私の元に帰順するであった!

 痛みだけが人を繋ぐ絆!たった一つの真実なのに!

 それをお前たちはぁぁ!」

ギアが解除された響の元へフィーネが向かって行く。

だがその歩みを止めた。

「ああ、お前にはまだ先ほどの借りを返してなかったな!」

断片再現をしたサクラが、

天羽々斬を手に足を引きづりながら来ていた。

「響ちゃんから離れろ」

「ハッ!そんな体で守り切れると思ってるのか!」

「それでもやる。出来ることをするんだ。」

「くだらん」

無造作に放たれた鞭を天羽々斬で防ぐが

完全に防ぎ切れず、吹き飛ばさる。

「グゥ、あああ」

震える体を無理矢理立たせる。

何とか走れそうなので、走って近づく

「悪あがきにも程がある!」

何故かさっきよりも攻撃が遅く見える

攻撃を避けて一気に接近し、斬るが、

避けることもせずに鎧に弾かれる。

「ああ、やはりそんなものか。

 まぁ分かっていたことだがな!」

俺は蹴り飛ばされ、そのまま腹部を貫かれる。

あまりの痛みに声が出ない。

 

「ふん、手間をかけさせるな」

もう一度響の方を見る

「‥‥‥さて、お前には役に立って貰ったわけだが、

 生体と聖遺物の融合症例

 その先例があったからこそ、我が身を

 ネフシュタンの鎧と融合する事ができた。」

響が蹴り飛ばされる。

「‥‥かはっ

 サクラさんも翼さんもクリスちゃんもいない。

 学校も壊れて、私は何のために、戦っているの?」

動けない響に、鞭で貫かんと近づける。

「さて、融合体であるお前は、興味深い研究対象ではあるが、

 もはや、お前で実験しようとは思わん。

 新霊長は、私一人でいい、

 私に並ぶものは、全て絶やしてくれる!」

 

響を貫こうとしたその時、歌が聞こえた。

 

 

 

 




誤字•脱字有れば、よろしくお願いします。


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フィーネ戦 決着

やりたい事を書いたら、
うん、どうにでもなれと思いました。


歌が聞こえた。

お腹から出ている血が多く、意識が薄れゆく中

聞こえた。

 

「‥‥‥チッ、耳障りな!何が聞こえている!」

地面に落ちていたスピーカーから歌が聞こえる。

「何処から聞こえる!この不快な歌

 ‥‥‥『歌』だと⁉︎」

 

歌が聞こえた瞬間響の目に光が宿る。

「聞こえる‥‥みんなの歌が!

 良かった。まだ私を支えてくれるみんなが、

 そばにいる!」

大地から光が溢れる。

日が昇り、夜が明ける。

「みんなが唄ってるんだ!だから、まだ唄える!

 頑張れる!

 戦えるーー!」

 

響ちゃんの体を光が覆う。

俺の体も光が覆い、傷が治っていく。

さっきまで無くなってた、力が湧いてくる。

(立ち上がれる!)

俺は立ち上がり、二人の行方を見守る。

 

「‥‥‥まだ戦えるだと?何を支えに立ち上がる?

 何を握って力と変える?鳴り渡る不快な歌の仕業か?

 ‥‥‥そうだ、お前が纏っているものは何だ?

 心は確かに折り砕いたはず!なのに何を纏っている!

 それは私が作ったものか?お前が纏うそれは一体何なんだ⁉︎

 何なのだぁぁぁ!」

天に3つの光が昇る。

三人が空を舞い、響ちゃんが叫ぶ!

「シンフォギアァアアアアア!!!」

そこには、エクスドライブを纏った三人がいた。

 

(ここは空気的に飛んで欲しかったけど、

どこかで見たことあるデザイン)

自分の姿を確認すると左腕に黒いグローブが装着、

肘まである大きなスマホがくっ付いていた。

それ以外変化はなかった。

空中にディスプレイが表示される。

「新機能追加ってーー」

「みんなの歌声がくれたギアが、

 私に負けない力を与えてくれた!

 クリスちゃんや翼さんに

 もう一度立ち上がる力を与えてくれる!

 サクラさんの傷に癒しを与えてくれる!

 歌は、‥‥‥命なんだ!」

「2年前に意趣返しというわけか。」

「んなこたぁ、どうでも良いんだよ!」

フィーネが、ノイズを呼び出す。

「また、ノイズか!いい加減芸が乏しいんだよ!」

「ノイズの災禍は、貴様の仕業なのか!」

「ノイズとは、人が人を殺すために作り出したものだ。

 今は見ないが、アルカノイズがいい例だろ?」

「‥‥‥人が、人を殺すために?」

ソロモンの杖を出し、街を埋め尽くすほどのノイズが放つ

「すごい数」

「ハッ、どいつもこいつまとめてぶちのめしてくれる!」

「翼さん、私」

「気にしなくていい立花、私の呼びかけに答えてくれただけで

 嬉しかったよ。だから一緒に戦うぞ!」

「‥‥‥はい!」

 

 

俺は、瞬間的にどういう使い方ができるかを頭に叩き込まれていた。

「頭痛いが、行ける!」

増えた機能は二つ

1つ目は、何らかの異常もしくは、壊れた時の修復機能 他人にも可能

ただし、開放状態の時のみ。

2つ目は、変身対象者の意識を宿すことの出来る憑依変身(常時可能)

「今は、どっちも使うタイミングじゃない。

 変身もまだ出来ない。けど、再現なら!」

 

完全再現で、クリス、翼、響を選ぶ。

すると本人がいないにもかかわらず、そこにエクスドライブを纏った

三人が現れた。

「ノイズを頼む!」

全員が頷きノイズへ向かって飛んでいく。

俺は、そのままフィーネと対峙する。

 

ノイズを倒しながら、街を飛んでいると

「そういえば、サクラさん来てなかったですね。」

「まぁ、空飛んでなかったからな」

「だが、フィーネと一人で戦っているはずだ!

 早く加勢しに‥‥いかねば?」

翼の横をもう一人の翼が通り過ぎていく。

「え?今翼さんが通って、でもここにいるって事は?

 あ、サクラさんが変身してるんですね!」

「いやそれだとおかしいだろ⁉︎あれ見てみろばか!」

クリスが、向こう側の空を指で指しているので、

見てみると

「うぇ?ええええええええ⁉︎

 私がもう一人って、クリスちゃんも⁉︎」

「あいつ何かしやがったな?」

「だが今は、早めに決着をつけたいからな、

 戦力があるのはありがたい。行くぞ!」

「なら、もう一人のあたしに倒した数を負けるわけにはいかねぇ!」

「サクラさん待っててください!すぐに行きます!」

 

 

「貴様は本当に何者だ?ギャラルホルンにそんな機能は

 存在しない。貴様のそれは‥‥‥いやもう構うものか。

 ここで、消えてもらう!」

「悪いけど、俺もやりたい事があるんだ。

 ここで、死ぬわけにはいかない!」

盾を構えて、フィーネへ突撃する。

鞭を盾で逸らしながら接近していく。

「ならば、これを使うとしよう。」

ソロモンの杖でノイズを出し、

黒い結晶を投げてアルカノイズを出す。

「ウロボロスの残党から、

 奪ったものだが使わない手はないだろう?」

(ウロボロスについて聞きたいけど、今は!)

サクラはノイズで足止めされる。

断片再現を頭で念じると、手の中に召喚される。

アガートラームで敵を切り裂き

腰にイチイバルのミサイルを作る。

MEGA DETH PARTY

「あっつい!ギア纏ってないと熱い!」

次に天羽々斬を出し、蒼ノ一閃で、

フィーネが飛ばしてきた鞭とノイズを吹き飛ばす。

「今なら!」

 

道が切り開かれ、、フィーネへの道が一直線にできた。

足にガングニールを展開し、足のバンカーを引き絞り

地面に突き刺すと同時に一気に跳ぶ。

「フィーネェエえええええ!」

「舐めるなぁぁ!」

 

一直線に向かってくるサクラに鞭を飛ばすが、

盾に防がれる。だがそれでも勢いが落ちずに迫ってくる。

「近寄るな!」

バリアを展開するが、サクラは右手に拳のガングニールを展開し、

「行くぞ!オラァああああああ!!!」

思いっきり殴りつけると、バリアは砕け

フィーネの顔にそのまま叩きつける。

「ぐ、がぁああああ」

「吹っ飛べェ!」

 

フィーネは、何度も地面に激突しながら止り、

すぐに立ち上がる。

顔にできた傷は、すぐに再生を始めていた。

「やっぱり、再生するよね。」

「馬鹿な、傷を負わせることすらできなかった

 お前に傷をつけられるだと⁉︎」

「今は、みんなの歌があるからね。

 ‥‥‥それに向こうのノイズも片付きそうだし、

 これで終わりだ。あんた一人じゃ、

 俺たちの相手をするには辛いと思うけど?」

するとフィーネは、急に落ち着いた表情になる

「フッ、ふふはははは!

 私も舐められたものだ。もう勝った気でいる

 貴様の顔を歪ませてやるとしよう。」

フィーネはそう言って、自分のお腹に

ソロモンの杖を突き刺した。

「ウッ、ふっぅうう」

その瞬間、周辺にいたノイズがフィーネへ飛んでいく。

 

(‥‥‥何が起きようとしているんだ?)

するとどこから現れたのか、血塗れの男がいた。

「霧崎サクラ、これが最後の試練だ。見せてみろ

 貴様の力を!」

「ウロボロスの残党⁉︎それはどう意味だ!」

「これを乗り切れれば、知る事ができるだろう!」

そう言って男は大量のアルカノイズと

4体のカルマノイズを出し、そのノイズ達もフィーネへ飛んでいく。

他にも飛んできたノイズを避けることもせずに当たり、灰になる。

「乗り切ったらって、うぉあ」

突然の地鳴りが起きたと同時にフィーネがいた所を見ると

所々黒い色をした赤い竜がいた。

 

ノイズを倒し終えた三人は、学校に戻ってくると

赤い竜がおり、口付近に大量のエネルギーが集めていた。

「何だよ、あのエネルギーは⁉︎」

「っ⁉︎あの向きには街が!」

その瞬間、街に放たれた力は街を消しとばした。

「そ‥‥‥そんな」

「っておい、バカ!くるぞ!」

響は急いで回避するが、

(間に合わない!)

その瞬間、もう一人の響が押すことで間に合うが

再現響は光に飲まれ消えた。

「逆さ鱗に触れたのだ。相応の覚悟があるだろうな!」

「立花、大丈夫か!」

「はい、でももう一人の私が」

「影法師のようなものだ。気に病む事はない

 それよりも今は、あれを止めねば!」

 

クリスが、大量のビームを赤い竜に撃ち込む

「再生力が上がってるだと!」

赤い竜の表面を削るだけのダメージしか与えられず、

すぐに再生されてしまう。

再現クリスも同じぐらい撃ち込むが、

同じように再生する。

「ならば、すまないが力を貸してくれ!」

翼と再現翼による攻撃を加えるが、

フィーネが見えるまでの傷しかできず、

すぐに塞がってしまう。

赤い竜から大量のビームが放たれ、回避を余儀なくされる。

その攻撃に再現体二人が倒される。

「手数がたりねぇ!

 おい、あいつに頼んでもう一度呼んでもらえば!」

「どうやら下もそれどころではないようだ!」

 

俺は下から攻撃しようとしていたが、

大量のビームから身を守ることで手いっぱいになっていた。

「多いよ!何で俺にこんな集中砲火してくるんだ!」

するといきなり、響に抱えられビームの雨から出た。

「サクラさん大丈夫ですか⁉︎」

「ありがとう響ちゃん!あのまま出れないかと思ったよ。」

翼とクリスに合流する。

 

「サクラ何か手はあるか?」

「今のところないね。再現体を出してもあっさり倒されそうだしね。」

「ふははは!いくら限定解除されたギアであっても、

 所詮は、『聖遺物の欠片』から作られた玩具!

 『完全聖遺物』対応出来るなどと思うてくれるな。

 それにこの湧き上がる破壊衝動抑える必要もない!

 全て破壊し尽くしてやる!」

 

その言葉に響以外の全員が気づく

「雪音、私が道を切り開く。頼めるか?」

「ああ、わかってる。もういっぺんやってやる!」

「しかし、そのためには」

二人は響を見る

「なんだか、わかりませんがやります!」

「何かあれば俺がサポートするよ。」

 

「何をごちゃごちゃとぉおおおおおお!!!」

大量のビームをまた撃ってくる。

「響ちゃんもう一度地面に下ろして!

 そっちの方が動きやすいでしょ!」

「分かりました。なんとか下ろしますね!」

「ありがとう、

 それとガングニールによる破壊衝動に飲まれたら、

 頑張って耐えて、俺がなんとかする!」

「はい!信じてます!」

 

俺をなんとか下ろした響ちゃんは、また空へと戻る。

邪魔にならないところまで下がり、

空中にディスプレイを出した。

(何で、忘れてたんだ!

黙示録の赤き竜、さらにカルマノイズによる汚染

その汚染は、デュランダルにも及んでたはずだ。)

「つまり響ちゃんが、掴んだ瞬間の破壊衝動は、

 原作以上!」

そしてこのタイミングでお誂え向きのものがある。

(修復機能、これでデュランダルを直せば!)

修復機能を使うために起動すると

左手のスマホが変形

俺の体よりも大きなライフルになる。

「‥‥‥え?って重い!」

体制が崩れそうになるもなんとか支え、構えると

地面に向かってアンカーボルトが打ち込まれる。

それにより、なんとか重心が保てるようになると、

ライフルから、バイザーが出てきてサクラにつけられる。

「使った事ないんだけど、大丈夫か?」

 

バイザーを覗いて見ると響ちゃんが、

丁度、所々赤くなったデュランダルを手に取るところだった。

「そんなことを言ってる時間がない!一発本番で行くしかない!」

左手の手元にあるレバーで、距離と向きを合わせていく。

「測定による距離算出、誤差を修正して!

 ええ?弾を装填⁉︎無いよそんなの!」

すると支えている左腕の上方に四角い穴が開く。

「四角い!四角いものなんて持って」

俺は、右のポケットからモバイルバッテリーを取り出し、

まさかと思い入れて見ると、弾が装填されたましたの文字が出た。

「これでいいのか?弾の装填確認

 あとは外さないようにすれば!」

(俺の横で大きい音が聞こえたけど、気にしない!

響ちゃんの手が震えてるせいか狙いが!

もう一度調整を!)

 

 

凄まじい勢いで響を黒い悪意が飲み込もうとしていた。

(真っ黒い気持ちが押し寄せてきて、ダメだ!

この衝動が抑え込めない!!)

下で弦十郎が、シェルターを破壊して出てくる。

そこから、二課のみんなや友達の姿も見えた。

「ここが正念場だ!踏ん張りどころだろうが!」

「強く自分を意識してください!」

「昨日までの自分を!」

「これからなりたい自分を!」

(‥‥‥みんな!)

クリスと翼が響の手を取り、声をかける。

「屈するな立花、

 お前が見せた胸の覚悟をもう一度私に見せてくれ!」

「お前を信じて、全部賭けてんだ!

 お前が自分を信じなくてどうする!」

「グう、ううウウウううウうう!」

 

「あなたのお節介を!」

「あんたの人助けを!」

「今日は、私たちが!」

「姦しい!黙らせてくれる!」

響達に向けて、フィーネが触手を伸ばしてくるが、

バリアに阻まれる。しかしゆっくりとだが、

バリアが分解され始める。

「アルカノイズかカルマノイズのせいか!」

「だが、何があってもこいつは守る!」

クリスが響の手を握ったまま、触手を攻撃する。

 

「グウウウウウウウウウウウ、

 アアアアアアアア!!!」

「立花!」

「おい!飲まれるな!」

響の意識が完全に飲まれるその瞬間、

未来の声が聞こえた。

「響ぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!」

(未来?ごめんもう、思うように頭が回らなーーー)

その瞬間デュランダルに暖かい光が、当たる。

デュランダルを元の黄金の色に戻し、

響の意識を持ち上げる。

(暖かい光‥‥‥そうだ、今の私は、

この力は私だけのものじゃ無い!)

「響ちゃん、あとは任せた!」

(そうだ!この胸の衝動に塗り潰されてなるものかぁぁ!!!)

 

響が持つ、デュランダルから天に向かって光が伸びていく。

「‥‥‥なんなのだ?その力、『何』を束ねた!?」

「響き合うみんなの歌声がくれた!!

 シンフォギアでええええええ!!!!!」

デュランダルを黙示録の赤き竜へ振り下ろす。

 

Synchrogazer

 

「‥‥‥完全聖遺物同士の対消滅、

 っ!どうしたネフシュタン⁉︎再生だ!

 この身砕けてなるものかああああああ!!!」

 

黙示録の赤き竜は、爆発を起こし消滅した。




元々修復機能は、写真撮るだけのお手軽さでしたが、
ブラックバレル見たら、したくなっちゃいました。

誤字•脱字有れば、宜しくお願いします。


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帰還 Normal End

急に気温が暑くなりすぎて、扇風機を出しました。
今回は短め。


なんとか、一発本番を外す事なく

フィーネとの戦いに勝利した。

(良かったぁ、弾を外さなくて〜)

修復砲(仮)は、腕のスマホに収まり元に戻ると

同時に腰が抜けて倒れそうになるのを緒川さんに支えられる。

「大丈夫ですか?」

「ありがとうございます。急にフラついちゃって。」

「ああ、大役だったな。」

弦十郎がお腹に包帯を巻いた状態で、こちらにきた。

「弦十郎さん、そう言われると照れますね。

 って、お腹は大丈夫なんですか?」

「フッ、鍛えていればどうって事ないさ。」

「えぇ、嘘でしょう。」

「サクラさん、響を助けてくれて

 ありがとうございます。」

「できる事をしただけでおれ‥‥い‥ガハッ」

サクラは口から血を吐きながら、意識がなくなる。

 

いつもの真っ暗な空間

「初めましてだね。こうして会うのは?」

この世界にきてから聞いたことない声

だが、前の世界ではよく聞く声が聞こえたので、

振り返ると、全裸の男がいた。

「‥‥‥‥‥」

絶句である。全裸よりも無愛想だがドットの方が

可愛げがあるものである。

「‥‥‥チェンジで」

「それは出来ないんだよ、残念ながら。

 今はいないからね。ドットは、

 まだだったね。自己紹介が、

 アダム。僕の名前は、

 呼んだのはこの僕だよ。霧崎サクラ君、君をこの世界に、」

「‥‥‥え?ええええええ!?

 なんで呼んだんですか!?」

「ああ、話していくよ。順序立てて、

 疲れるだろう。立ち話は、

 椅子に座るといい」

何処からともなく椅子がサクラの目の前に現れた。

座ってみると紅茶の乗っているテーブルがあった。

「飲んでみるといい。この紅茶はとっておきなんだ、」

俺は紅茶をもらい飲む。

(なんでもありだな。あ、美味しい)

「じゃあ、理由からだね、君を呼んだ。

 ギャラルホルンを使って呼ぼうとした数さ。5438人これが僕がこの世界に

 君一人というわけさ。そのうち来てくれたのが、」

「俺が、この世界にきた経緯はわかりしました。

 何かさせたくて呼んだんですよね?」

「そうだとも、本題だね。ここからが、

 対抗策が欲しかったのさ。シェム•ハへの」

「‥‥‥うん?ウロボロスの残党は?」

「話すよ。これからーーー」

 

話がかなり長かったので、纏めると

この世界の未来でシェム•ハが復活した

人類は抵抗することもできずに支配下に置かれ、

アダムは、先史文明が使用していた遺跡にこもり抗う手段を模索

近くの海にS.O.N.Gが使用していた潜水艦の残骸を発見

 

奇跡的に無傷だった、ギャラルホルンを対抗する力に変えようとしたが、

上手くいかなかった。

だが他の世界の観測ができることがわかり、

量産したオートスコアラーを使い観測を行う。

対抗手段は見つけたが神殺しの力を持つ響は、極めて低い確率のようで

この世界は神殺しに至る前に死ぬという。

 

ならば、神殺しの代わりを作るしかない

だがシェム•ハの影響を受けていない世界もしくは、

そもそもシェム•ハそのものが関与していない世界を探した。

本当にたまたま、サクラのいた歴史の全く異なる世界を観測

 

その世界には、物語としてシンフォギアがある事を知る。

ならば、話は通じやすいと踏みこの世界へ召喚するために

先史文明の残した力を使いギャラルホルンを電子化

それぞれのスマホへギャラルホルンを電子化させたものを転送

この世界に来れる人間に一縷の希望を見出すことにした。

だが、戦い方を知らない人間を戦場に出しても無駄死にする。

 

戦い方を覚えてもらうしかないという理由で、

サクラの世界で書かれていたウロボロスの名前を利用

カルマノイズは形と性質を似せて作れるが、全くの別物であり

量産ができない難点があった。それ故に

 

「遭遇する数が少なかったんですね?」

「不甲斐ないことにね。

 危うかった状況だったのでね。作るための施設すら、

 戦力がいる時のみ襲わせてたのさ。だからこそ君の周りに」

「ウロボロスの残党も全部自作自演ですか?」

「ああ、その通りさ。

 そして、

 期待以上に応えてくれた。ギャラルホルンの未知のシステムを発現したことで

 だからこそお願いしたい。

 助けてくれないだろうか?この世界を」

「俺は‥‥‥」

「無理にとは言わない。

 帰す為の手段はある。君を元の世界へ

 尊重することを保証しよう。どのような答えを出しても」

「‥‥‥考えさせてください。」

 

俺は椅子から立ち、アダムから顔が見えないように後ろを向く。

(世界のために戦ってくれって、いや規模が大きすぎる!

しかも今の話だと俺一人でシェム•ハと戦う確率がかなり高い

無理無理この2年色々な経験したけど、そんなの俺一人じゃ無理だろ

そもそも‥‥‥俺には荷が重すぎる)

 

それから、どのくらい時間が経っただろうか

色々考えた俺はアダムと顔を突き合わせる。

 

「‥‥‥色々考えて、すみません。俺には荷が重すぎます

 本当にすみません」

頭を下げて謝罪するしかなかった。

「‥‥‥無理矢理この世界に連れてきて。僕もすまなかったね、

 ギャップを無くすために記憶は消させてもらうからね。

 それと元の世界に帰った時の、」

「‥‥‥わ、分かりました。」

 

 

 

 

俺はスマホをポケットにしまうと学校から家に帰る途中

「ん〜〜〜?何か忘れてる気がする?」

家に帰ってきたので玄関を開ける。

「ただいまぁ」

玄関先を掃除していた母に遭遇した。

「お帰りってどうしたの?泣いてるけど?」

「え?うわ!本当だ!なんでだろう?」

手で目元を拭うと涙が出ていた。

「大丈夫?涙が勝手に出るなら明日眼科にいきましょう?」

「明日まで様子みてダメならいくよ」

「無理はしないでね」

「うん」

自分の部屋に戻ったときには、

涙は収まりその日以降勝手に涙が流れる事はなかった。




誤字•脱字有れば、よろしくお願いします。


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俺の戦いはこれからだ! Gルート

いつぞやのように前半は一緒なので、分岐まで飛ばして構いません。


なんとか、一発本番を外す事なく

フィーネとの戦いに勝利した。

(良かったぁ、弾を外さなくて〜)

修復砲(仮)は、腕のスマホに収まり元に戻ると

同時に腰が抜けて倒れそうになるのを緒川さんに支えられる。

「大丈夫ですか?」

「ありがとうございます。急にフラついちゃって。」

「ああ、大役だったな。」

弦十郎がお腹に包帯を巻いた状態で、こちらにきた。

「弦十郎さん、そう言われると照れますね。

 って、お腹は大丈夫なんですか?」

「フッ、鍛えていればどうって事ないさ。」

「えぇ、嘘でしょう。」

「サクラさん、響を助けてくれて

 ありがとうございます。」

「できる事をしただけでおれ‥‥い‥ガハッ」

サクラは口から血を吐きながら、意識がなくなる。

 

いつもの真っ暗な空間

「初めましてだね。こうして会うのは?」

この世界にきてから聞いたことない声

だが、前の世界ではよく聞く声が聞こえたので、

振り返ると、全裸の男がいた。

「‥‥‥‥‥」

絶句である。全裸よりも無愛想だがドットの方が

可愛げがあるものである。

「‥‥‥チェンジで」

「それは出来ないんだよ、残念ながら。

 今はいないからね。ドットは、

 まだだったね。自己紹介が、

 アダム。僕の名前は、

 呼んだのはこの僕だよ。霧崎サクラ君、君をこの世界に、」

「‥‥‥え?ええええええ!?

 なんで呼んだんですか!?」

「ああ、話していくよ。順序立てて、

 疲れるだろう。立ち話は、

 椅子に座るといい」

何処からともなく椅子がサクラの目の前に現れた。

座ってみると紅茶の乗っているテーブルがあった。

「飲んでみるといい。この紅茶はとっておきなんだ、」

俺は紅茶をもらい飲む。

(なんでもありだな。あ、美味しい)

「じゃあ、理由からだね、君を呼んだ。

 ギャラルホルンを使って呼ぼうとした数さ。5438人これが僕がこの世界に

 君一人というわけさ。そのうち来てくれたのが、」

「俺が、この世界にきた経緯はわかりしました。

 何かさせたくて呼んだんですよね?」

「そうだとも、本題だね。ここからが、

 対抗策が欲しかったのさ。シェム•ハへの」

「‥‥‥うん?ウロボロスの残党は?」

「話すよ。これからーーー」

 

話がかなり長かったので、纏めると

この世界の未来でシェム•ハが復活した

人類は抵抗することもできずに支配下に置かれ、

アダムは、先史文明が使用していた遺跡にこもり抗う手段を模索

近くの海にS.O.N.Gが使用していた潜水艦の残骸を発見

 

奇跡的に無傷だった、ギャラルホルンを対抗する力に変えようとしたが、

上手くいかなかった。

だが他の世界の観測ができることがわかり、

量産したオートスコアラーを使い観測を行う。

対抗手段は見つけたが神殺しの力を持つ響は、極めて低い確率のようで

この世界は神殺しに至る前に死ぬという。

 

ならば、神殺しの代わりを作るしかない

だがシェム•ハの影響を受けていない世界もしくは、

そもそもシェム•ハそのものが関与していない世界を探した。

本当にたまたま、サクラのいた歴史の全く異なる世界を観測

 

その世界には、物語としてシンフォギアがある事を知る。

ならば、話は通じやすいと踏みこの世界へ召喚するために

先史文明の残した力を使いギャラルホルンを電子化

それぞれのスマホへギャラルホルンを電子化させたものを転送

この世界に来れる人間に一縷の希望を見出すことにした。

だが、戦い方を知らない人間を戦場に出しても無駄死にする。

 

戦い方を覚えてもらうしかないという理由で、

サクラの世界で書かれていたウロボロスの名前を利用

カルマノイズは形と性質を似せて作れるが、全くの別物であり

量産ができない難点があった。それ故に

 

「遭遇する数が少なかったんですね?」

「不甲斐ないことにね。

 危うかった状況だったのでね。作るための施設すら、

 戦力がいる時のみ襲わせてたのさ。だからこそ君の周りに」

「ウロボロスの残党も全部自作自演ですか?」

「ああ、その通りさ。

 そして、

 期待以上に応えてくれた。ギャラルホルンの未知のシステムを発現したことで

 だからこそお願いしたい。

 助けてくれないだろうか?この世界を」

「俺は‥‥‥」

「無理にとは言わない。

 帰す為の手段はある。君を元の世界へ

 尊重することを保証しよう。どのような答えを出しても」

「‥‥‥考えさせてください。」

 

俺は椅子から立ち、アダムから顔が見えないように後ろを向く。

(世界のために戦ってくれって、いや規模が大きすぎる!

しかも今の話だと俺一人でシェム•ハと戦う確率がかなり高い

無理無理この2年色々な経験したけど、そんなの俺一人じゃ無理だろ

そもそも‥‥‥俺には荷が重すぎるけど)

 

分岐

 

脳裏に浮かぶのは、この世界で関わり、

手を握ってくれた人の顔が浮かぶ。

(でも、あの人たちが困ってるのに何もできないなんて嫌だ!)

 

俺は、アダムの顔を見る。

「俺に出来ることをします。いえ、させてください!」

俺は頭を下げてお願いをした。

「‥‥‥僕の方さ。お礼を言うのは、

 ありがとう。‥‥‥さて、

 今後のことを話したいのでね。もう一度座るといい、」

「あ、分かりました。」

俺はもう一度椅子に座る。

「頼みたいのさ。神殺しを守ることを、」

「響ちゃんをですか?」

「ああ、小日向未来を依代にしているからね。神はどの世界も、

 だからこそ、必要なのさ。立花響という存在は、」

「この世界の響ちゃんは死んでしまうって言ってましたけど、

 どのタイミングかは分かりますか?」

「いや、不明だね。

 全ての死因が違うということさ。正確には、」

「全部違う?」

 

両手で抱えきれない書類を取り出し、アダムは読み上げていく。

「ああ、僕が確認したものでも

 ノイズによる死亡。コンサートで、

 庇い死亡。子供をノイズから、

 想定以上に早く心臓が潰れ死亡。ガングニールの浸食速度が、

 化学工場の爆発に巻き込まれ死亡。デュランダルの暴走により、

 小日向未来を庇い死亡。雪音クリスが投げた車から、

 実験され続けた結果死亡。フィーネにさらわれ、

 高台から足を滑らせ死亡。寝不足により、

 負けて死亡。フィーネに戦いを挑み、

 シェム•ハ復活により支配される。カ•ディンギルが発射され、

 全てを破壊し自らの命を壊し死亡。デュランダルを制御できず、

 限定解除が解けて大気圏で燃え尽き死亡。月の破片の破壊に成功するも、

 月の破片が落ちて死亡。フィーネの言葉に騙され、

 聞くかい?まだあるが、」

「いえ、多い事はわかりました。」

 

まだ1ページの半分も行っていないが、

見て聞いているだけで憂鬱になりそうなので断った。

「俺がしなきゃいけない事は、響ちゃんを守る事?」

「それもあるが、

 探して欲しい。可能ならば君も、

 シェム•ハへの対抗手段を。」

「俺もですか?」

「ああ、別の視点を持つ君にね。

 そろそろ時間だね。

 切り上げるとしよう。話を、」

「分かりました。頑張ります!」

「頼んだよ。霧崎サクラ

 ‥‥‥ああそれと、伝え忘れていたよ。大事なことを

 既に協力を取り付けてある。この時代の僕には、 

 頼ってもらって構わないよ。」

「あ‥‥‥ありがとうございます。」

アダムが、消えて真っ暗な部屋に光が差し、

目を開けると病院の天井が見えた。

 

体はうまく動かないので目線だけ動かすと、

右腕に点滴が、刺さっているのが見えた。

他のところを見る。窓はカーテンで見えなかった。

アナログ時計を見つけので確認、3時24分を指していた。

他の患者が見当たらないので、個室なのかもしれない。

お見舞いのお花だろうか?が花瓶に入っていた。

だんだん頭が回ってくるとさっきのアダムの言葉を思い出す。

(あれ?協力してくれるって事は、AXZ無くなったんじゃ?)

 

アダムの言葉に悶々と考えるとカーテンの隙間から日の光が差し込んできた。

そのあと看護師さんがきて、先生が呼ばれた。

そのあと色々な検査をして外を眺めていたら、

病室の扉がノックされる。

「サクラさん、失礼します。」

「え?あ、はい、どうぞ。」

「失礼します。え?‥‥‥サクラさん意識が戻ったんですか!?」

制服を着た未来が、花とバックを手に入ってきた。

 




誤字•脱字有れば、よろしくお願いします。


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Gまでの幕間

CSMダブルドライバーver⒈5が届いて、
テンションがアガライズしてしまいましたね。


返事があった事、意識が戻ってることに未来は驚いた。

「見ての通り、怪我?したっぽいけど無事に意識が戻ったよ。」

「本当に、‥‥‥本当によかったです。

 もう2週間も目が覚めなくて、二度と目を覚まさないじゃないかって」

未来は、泣きながらも微笑み俺の手を取る。

「ごめんね。その、心配かけさせちゃったね。」

「謝らないでください。心配するのはともだちとして当たり前です。」

「‥‥ごめ、ああいや、ありがとう。」

「ふふ、はい、どういたしまして。」

少し気恥ずかしくなった二人は顔を逸らす。

 

「あ、お花と水を変えときますね。」

「え?ああうん、ありがとう」

「そういえば、響ちゃんたちは大丈夫だった?」

作業をしていた未来の手が止まる。

「‥‥‥‥‥響は、」

(あ、またやってしまった。

この時響ちゃんは、死亡扱いだった。)

未来ちゃんが泣きながら、クリス、翼さんは今も

行方不明で来週には響ちゃんは、死亡という扱いになり、

機密保持のため葬式もあげることができず、

お墓にも名前は刻むことができないとのこと。

「そっか、体が治ったら、一緒にお墓参り行こうか?」

「ありがとうございます。きっと響も喜んで、

 ぐすっ、くれます。」

 

ちなみに2課の人達は、お見舞いに誰も来てくれなかった。

それとスマホは、手元になかったのでそれも聞くために

弦十郎さんへ電話する。

『サクラ君か、よかった目を覚ましたんだな。』

「はい、昨日目を覚ましました。

 それでスマホとか色々聞きたいことがありまして」

『すまない、今は些細な情報も漏らせないために

 スマホの件も教えることができな「未来に会いたいよー」

 あー今のことも内密に頼みたい。

 早くこの件を片付けて見せる。それまで待って欲しい!』

「分かりました。」

(それって、機密保持のためってことだよね?

というか今聞こえた声、響ちゃん?)

 

その後も未来ちゃんがお見舞いに来て色々話をした。

弦十郎さんたちは、フィーネの後始末で忙しくて、

お見舞いには来れないとのこと

「なんか難しい話が多かったですね。」

「そっか‥‥‥、まぁしっかり教えてくれる時が来ると思って待とうか。」

「はい、それまで待とうと思ってます。」

俺は、嘘をつく罪悪感に駆られていた。

(心苦しいにも程があるわ!)

「‥‥‥サクラさんもショックなんですね。

 顔色が悪いですよ。」

「え?ああ、うん、(嘘をついているに)ショックだね。」

二人とも雰囲気がまた悪くなる。

(話題を、話題を変えねば!)

 

「えぇと、あ!そうだ。学校はどうなったのかな?

 あれだけ、壊れてたけど?」

急な質問に戸惑いながらも答えてくれる。

「え?えっと、学校は政府の人が買いとって

 今建て直しが始まった所ですね。」

「へ〜、ん?授業はどうしてるの?」

「授業は、仮設校舎が用意してあってそこで受けてるんですけど、

 何というか違和感がすごいですよ。」

「違和感?」

「なんか、狭く感じちゃって」

「仮設だからなんか狭そうなイメージがあるね。

 人との距離が狭いとか?」

「あ、それあるかもしれません。

 そういえば、この前ですね。ーーー」

なんとか話題を逸らし、話に花が咲いた。

 

それから1週間後、身体の傷がなくなり、

リハビリになると思ったら、一切問題なく体が動くところを

医者に見せたら大いに驚かれた。

そのまま午前中に退院できた。

(未来ちゃんはまだ授業中だよね。なら、メールをしておこう。)

「『退院できたよ。』っとよし帰るか。」

約1ヶ月振りの家に帰った。

 

家に入ると

「うわ!埃まみれじゃないか!」

(今の2課がどこにあるかわからないし、掃除しよう。)

掃除が終わり、ゴロゴロしてると未来ちゃんから電話があった。

『もしもし、私です。退院おめでとうございます。

 早く退院できてよかったです!』

「うん、ありがとう。

 わざわざ、電話しなくてもよかったのに」

『いえ、そういうわけにはいきません!

 何かお祝いを、あ!ご飯まだなら作りますよ!』

「え?いいの?」

『はい、それぐらいしかできませんけど』

「丁度、家の掃除も終わってるから合流しようか?

 材料費は出させてもらうからね。」

『私も今月はピンチだったので助かります。』

 

財布を持ち、待ち合わせ場所に行く。

「早いね、未来ちゃん。遅くなっちゃかな?」

「私が早くきちゃっただけなので、気にしなくていいですよ。」

「分かった、じゃあ行こうか。」

「はい!」

スーパーへ行き、買い物をしていく。

「サクラさんは何が好きですか?」

「そうだなぁ、唐揚げとかカレーとかかな。」

「でしたら、両方作っちゃいましょう。

 サクラさんは一人暮らしなので、残ったらそれを食べたらいいので」

「確かにそれだと、ありがたいかも。」

「じゃあ、鶏肉を見に行きましょう。」

唐揚げとカレーの材料の会計を済ませて、家に行く。

買った物を持ちながら、考える。

(今更だが、家にこんな可愛い子が料理を作りにくるとか

前の世界じゃ、一生考えられない物だったなぁ。)

 

家に帰ってきて、料理をする未来を眺める。

「あ〜なんか手伝うことあるかな。

 落ち着かなくて。」

「そうですね。でしたら、野菜を切ってもらってもいいですか?」

「うん、お安い御用だよ。」

手を石鹸で洗い、水で流す。

そして包丁を手に取り、人参から切っていく。

切っていく様子を横目で見ていた未来が声をかける。

「サ、サクラさんって、その、不器用とか言われませんか?」

「え?う〜ん、あんまり記憶にないけど、どうして?」

「いえ、その人参の大きさがバラバラなので、」

「あ〜〜気にしないようには‥‥‥出来ないよねえ。」

「はい、とても気になります。」

ジト目で見てくるので、頑張って同じ大きさになるように切った。

その後もまぁ、色々やらかしはしたがなんとか完成した。

「「いただきます」」

カレーから食べてみると、

「うん、美味しいよ。」

「ふふ、それは良かったです。‥‥‥ただ、

 この人参大きいですね。」

「それについては本当に申し訳ない」

「サクラさんの苦手なことがしれて良かったです。」

その後は食べ終わり他愛無い話をしながら、片付けをしていく。

 

片付けが終わり、夜になっていたので、

未来ちゃんを家まで送り届けている所だった。

「サクラさん、明日お時間ありますか?」

「あるけど、どうしたの?」

「響のお墓参りに一緒に来て欲しいんです。」

「いいよ。俺もそろそろ行こうかなって考えてた所だしね。」

「サクラさんが来てくれるなら、きっと響も喜んでくれます。」

「うん、‥‥‥そうだといいね。」

未来ちゃんを送り届け、家に帰ってきた。

(響ちゃんが無事だってものすごく言いたいです!)

 

次の日バス停の近くの公園で待ち合わせをしていたので、

行ってみると丁度公園に入ろうとしている未来ちゃんと合流

バスに乗車、しばらくして墓場の近くで停車

バスを降りて、歩いて響ちゃんのお墓に着いた。

「‥‥‥響、今日はサクラさんが来てくれたよ。

 昨日はね、サクラさんの退院祝いでカレーを作ったんだよ。」

「不器用って初めて言われたなぁ。」

「ふふ、切った大きさ全部違ったんだよ?

 ‥‥‥響は、私やサクラさんと話すことが好きだっ‥‥

 ぐすっ、うう、会いたいよ。響

 約束まだ守ってもらってないよ!」

未来ちゃんは泣き崩れた。

今まで我慢していた思いが止められず涙が溢れてくる。

「うう、ああああああ」

サクラが、ハンカチを未来に渡す。

(すごく、心が痛いです!)

「ありがとうございます。

 ううう、響ぃ響ぃ、ぐすっ、あああああ」

すると大きな音と悲鳴が聞こえた。

「きゃあああああ!!!」

「う、悲鳴!?」

悲鳴で、未来は涙が収まり周りを見る。

「未来ちゃんはここで待ってて、俺が見てくる!」

(原作通りなら、ノイズが来た!)

俺が走っていくと未来ちゃんが一緒に来た。

「って、なんで来たの!」

「いえ、私も行きます!

 何かできることをしたいんです!」

悲鳴が聞こえた所に来てみると女性が、ノイズに追われていた。

(まずい、スマホが手元にないのに!)

倒れそうになった女性を慌てて支えて走ろうとすると

反対の道からもノイズが来た。

 

「サクラさんこっちです!」

女性を背負い、未来ちゃんの案内についていく。

「もう‥‥‥無理よ。彼に振られるし、

 ノイズに襲われるし、私はここで死ぬんだわ!」

背中からすごいネガティブなことを言ってる女性に未来が、

「生きるのを諦めないで!!

 私はどんな人生だろうと諦めたりなんてしない!」

すると前からもノイズが来て、引き返そうにも背後からも来た。

俺は女性をおろし、未来ちゃんと女性の前に立つ。

「未来ちゃん、

 俺が囮になるからその隙を見てその人と逃げて!」

「それだと、サクラさんが!」

「なんで?なんでそんなにあなたたちは頑張れるのよ!?」

俺はノイズから目を離さずに答える。

「‥‥‥そんなの決まってる!俺にはまだやらなくちゃいけないことがあるんだ!

 こんなところで死ねるか!!!!!」

俺がノイズに向かって走ろうとしたところで、灰に変わる。

「助かった〜。来ないじゃないかと思った。」

俺はそのまま地面へへたり込む。

「ごめん、機密とかを守らなくちゃいけなくて、

 未来にはまた本当のことが言えなかったんだ。」

 

響、翼、クリスが、

その後ろには、車が止まっており弦十郎さんと緒川さんが立っていた。

「響?‥‥‥響ぃ!」

未来ちゃんが、響ちゃんの胸に飛び込む。

「響!響!響!」

「ごめんやっぱり、心配かけちゃったね。」

未来は、響の胸を叩き始めた。

「響!響!響!響!響!響!響!響!響!」

「はは、ちょっと痛いかな?いや、ちょっとどころじゃない!」

 

翼さんが、へたり込んでいた俺に手を貸してくれる。

「大丈夫?無茶しようとしているように見えたんだけど?」

「大丈夫だよ。みんなのお陰で助かったよ。

 雪音さんもありがとう。」

「ふん、別にお前を助けるために急いできたわけじゃ」

「現場にサクラがいると知った瞬間、ギアを纏って

 走って向かったのにか?」

「よ、余計なこと言ってんじゃねぇ!

 そういうテメーだって、あたしよりも先にすっ飛んで行っただろうが!」

「そんなことはない。私は常在戦場を心掛けている

 そのため戦う力がないサクラのために急がねば、っと思っただけだ。」

「二人が心配してくれたのは嬉しいよ。ありがとう。」

「まぁ、無事でよかったよ。」

「ええ、急いできた甲斐があったわ。

 それよりもあれは、どうしましょうか?」

翼が、響と未来の方を見る。

 

「響!響!響!響!響!響!響!響!響!響!響!響!響!」

「痛いやめて止めてやめて止めてやめて止めてやめて止めてやめて止めて」

響の胸を叩く速度が上がっていた。

「‥‥‥放置でいいんじゃないかな?」

クリスは顔を赤くしながら、

「いや、放置って!?だって、あれは!」

「そうだな、触らぬ神にという奴だ。」

俺は、今も叩かれてる響ちゃんの横を通ろうとしたら、

「サクラさん、未来を止めてく!

 ってあいたたた、さっきよりも重くなった!

 未来やめて止めてやめて止めてああああああああああ!」

「響!響!響!響!響!響!響!響!!!!響!!!!!!」

「あ〜ご愁傷様とだけ言っておこう。

 お久しぶりです。弦十郎さん、緒川さん」

女性を保護し、落ち着いたのか眠っている

のを介抱していた、二人に挨拶をした。

 

「はい、お久しぶりです。

 サクラ君も元気になってよかったです。」

「ああ、久しぶりだな。君が元気になったのはわかっていたが、

 いかんせん、手が離せない案件が多かったのでな

 遅くなってしまった。すまない」

「いえいえ、気にしてませんよ。大変だったみたいですし、

 それよりもスマホは返してもらえないんでしょうか?」

「ああ、少し気になることがあり預かっている。

 そちらは少し待って欲しい」

「気になること?」

「ああ、君が使ったあの大型ライフルについて調べたいことがあったのでな。

 だが良子君がいない為、なかなか進まないのと

 通常の聖遺物とあり方が違うのでな。余計にかかってしまっているというわけだ。」

「じゃあ、まだまだかかりそうですか?」

「いや調査結果はまもなく、出るはずだ

 近いうちに返せるだろう。」

「分かりました。それまで待ちます。」

そのあと、翼とクリスと話をしていると夕方になっていた。

(やっと終わったんだね。お疲れ様響ちゃん。)

 

「うぅ、ぐすっううう、ひびき」

「ごめん、まじごめん、ごめんなさい」

「許さない、だから離さない。」

未来は響を抱きしめる。

「‥‥‥うん」

「許すまで、離さないんだから。」

「‥‥‥うん」

響は未来を抱きしめ返す。

「‥‥‥バカ」

 

俺は無性にブラックコーヒーが飲みたくなった。

「いやはや、現代っ子ってのはみんなこうなのか?」

「流石に家でやって欲しいですね。」

赤い顔で、叫ぶ。

「家でならいいってのか!?やっぱりおかしいぞ!突起物!」

「まぁ、あの二人は場所関係なくあんな感じだしね。」

「嘘だろ?」

「嘘じゃないよ?」

流石に困惑しているクリスだった。

 

夕日を眺めながら、

(次は2期か。セレナにマリアさんと会うのか

嬉しいような悲しいような‥‥‥でも頑張らないと!)

俺は決意を新たに

 

「サクラさん、もしかして響が無事だって知ってましたか?」

「え、ああうん知ってたよ。ん?」

「少しお話をしましょう?」

俺はゆっくり振り返るといい笑顔の未来さんがいた。

 




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原作 G
G編 開始 前編


モンハンワールドを久々にプレイ
どハマりしてしまう。
お陰で投稿が遅くなってきた。


目の前にいるマリアさんが、四つん這いのまま叫ぶ。

「…あれが!その筋では有名な日本政府のサキモリとニンジャ…!

 間近で見た、とんでもない迫力!

 あんなのと、やり合わなきゃいけないなんて無理よマム…。

 ううん!高級食材食べて、ちょっとばかり強気で高飛車になれた気がするけど、

 その気になれただけで、どうにかなったら誰も苦労しないわよぉ~!」

セレナがマリアを慰める。

「大丈夫だよ!マリア姉さんの気迫に

 二人とも押されていたんだよ!自信を持って!サクラさんも早く!

 マリア姉さんに慰めの言葉を!」

「え?! ええと、俺は元気なマリアさんが、いいです。」

「ほら、サクラさんもマリア姉さんが元気な方が、

 愛らしくて素敵だって言ってますよ!」

 

何故、俺はこのマリアさん元気つけよう会に

参加させられてるんだろうか?

どうして、あの時あんな選択をしたのかを後悔しながら、

マリアさんを元気付けるために頑張るのだった。

 

こうなった約3ヶ月前に遡る。

響ちゃん達の行動制限が解けた後、

リディアン校舎移転に伴い、学生寮引っ越しのお手伝い

弦十郎さん仏壇7回職質事件

翼さんクイズバラエティにて、笑いを取る。

サクラの特訓の量が増える。

 

スマホから出た修復砲(仮)について調べたが、

わからないことが増えただけらしい。

何かあれば、すぐに報告するように言われた。

 

色々あり、気付けば今日に至る。

最大規模の音楽祭『QUEENS OF MUSiC』の会場に俺は来ていた。

 

響ちゃんがコンサートをとても楽しみにしていたが、

『ソロモンの鍵』の護送任務が回って来たため、

クリスちゃんと同伴出勤で、山口県へ行っているので、

来れないと言っていた。

 

俺は一緒にいかなかったのか?と聞かれると弦十郎さんから

コンサートで何かあったときに対処できる人材としてサクラ

が適役ということで、翼さんの護衛として配置されていた。

 

翼に挨拶しようと控室にくると、中から声が聞こえた。

『今日はよろしく。せいぜい私の足を引っ張らないように

 頑張ってちょうだい。』

『一度幕が上がれば、そこは戦場…。

 未熟な私を助けてくれるとありがたいわ。』

『フッ‥‥‥、続きはステージで、

 楽しみにしているわ!』

『申し訳ありません。次の挨拶があるので、

 これで失礼いたします。』

控え室のドアが開く直前、俺は慌てて物陰に隠れた。

「いくわよ。セレナ」

「はい、マリア姉さん。」

美人のマリアさんとセレナは幼さを残しつつも、

マリアのような大人の魅力が出ていた。

(セレナちゃん美人になったな。)

二人が向こうへ歩いていく。

 

(翼さんへの挨拶は後で、でも大丈夫だし、追いかけてみるか)

二人をこっそり追いかけると人気のない場所で

四つ這いで、ネガティブなことを言っているマリアと

慰めているセレナを見てしまい、関わらないように逃げようとしたら、

何故か足元に落ちていた木の枝を踏み、気付かれてしまった。

(いや!なんで木の枝が!?)

「誰ですか!‥‥‥って、サクラさん!

 お久しぶりです。感動の再会はまた後で!

 今はマリア姉さんを元気付けるのを手伝ってください!」

「え?‥‥‥え!? 」

 

そして現在に至る。

「サクラありがとう。久々にあなたに会えたけど、

 やっぱり優しいのね。でも、無理なのよ!

 セレナがマネージャーしてくれてるお陰で、

 精神的にはなんとかなっているけれど!いまさら

 へっくし、ああ!世界のどこかで私の

 悪口がまかり通っている!」

「元気出してマリア姉さんは、

 世界に通じるトップアイドル!悪口じゃなくて、

 褒め称えてるんだよ!サクラさんもそう思いますよね!」

「さ、最高の歌手だと思いますよ!

 マリアさん!」

 

「そう?そうかしら?」

「うん!私は知ってるよ!

 マリア姉さんは世界一だって!!

 ですよね。サクラさん!」

「綺麗な歌に、とても酔いしれてます。」

(実際、聞き惚れちゃうし)

マリアさんが勢いよく顔を上げる。

「本当に!?」

「はい!」

「ほら、マリア姉さん自信持って!

 サクラさんが聞き惚れちゃうぐらい好きだって、

 言ってくれてるんだよ!」

マリアさんが勢いよく立ち上がる。

 

「ええ、そうよ!私は今日世界を変える!」

「その調子だよ!マリア姉さん!

 そろそろ本番だよ。控室に行かなきゃ!

 サクラさんまた後で迎えに行きますね!」

「サクラ見ていなさい。世界は今日変わるわ!」

二人はそのまま、行ってしまい呆気に取られていた。

「‥‥‥えぇ〜」

 

サクラは、翼の控え室に戻って来て

今日の護衛の話を翼としていた。

「おじさまが、護衛にサクラを付けてくれたのね。

 私もあなたが、そばにいるだけでも心強いわ。」

「そう言ってもらえると嬉しいですね

 その期待に答えられるように頑張ります。」

「肩肘張らなくても大丈夫よ。私だって防人としての

 覚悟もあるんだから、あなたと一緒に戦うわ。

 それに緒川さんや他のスタッフもいるんだもの

 みんなで頑張りましょう?」

サクラは肩の力を抜いて、決意を改める。

「そうですね。みんなと一緒に頑張ります。」

「よろしい。そうそう、サクラ聞いて欲しいの

 さっき、マリア•カデンツァヴナ•イヴと挨拶したんだけどねーー」

本番が始まるまで、翼さんと話をして時間を過ごした。

 

コンサート開始開始時刻が近づいて来たので、

「俺は、そろそろ客室に戻りますね。」

「もうそんな時間なのね。サクラ楽しみにしててね。

 絶対いいものにしてみせるわ。」

「‥‥‥ええ、楽しみにしてます。」

複雑な心境で、翼を見送った

 

それから、会場内部を見て回る。

(調ちゃんや、切歌ちゃんがいるかなと思って見回ってるけど

まぁ、そうはうまく行かないかな?)

外から大歓声が聞こえる。

(マリアさんが、ノイズを出す前に会場へ行こうかな)

「調、見つけたデスよ!」

「うん、写真の人と同じ顔だね。

 すみませんあなたの力が必要なんです。

 一緒に来てはいただけませんか?」

曲がり角から、金髪の可愛い天使と

その後を追うように黒髪ツインテールの大人しめな天使が来た。

俺は天使の姿を確認した瞬間に涙が溢れた。

「ううう、ぐすっ」

「切ちゃん、この人なんか泣いてるよ?」

「ど、どうして泣いているんデスか!?

 な、何か悩み事があるんデスか?」

(天使が優しくて辛い)

 

それから泣き止むまで待ってもらった。

(なんでか感情が荒ぶってしまったが、二人に会えたのは幸運だったな。)

「そういえばついて来て欲しい?」

「はい、世界を救うためについて来て欲しいんです。」

「そうデス、このままじゃ世界が!」

「ええと、流石に力のない俺に出来る事はーー」

「ギャラルホルンの力を借りたいんです。」

 

(流石に警戒しないといけないらしい)

歓喜に震える感情を抑え、スマホに手を伸ばす。

「‥‥‥どうして力を貸して欲しいのかな?

 それとどうして、ギャラルホルンについて知って」

「私たちが、マリアとセレナの仲間だからデス。

 あ、名前を言ってなかったデスよ。

 私の名前は、暁切歌デス!」

「月読調と言います。」

「俺の名前は、霧崎サクラよろしく。

 二人がギャラルホルンを知ってた理由はわかった。

 それで、力を貸して欲しい理由は?」

「月の落下、そしてセレナを助けて欲しいんです。」

 

誰も言葉を発さない。外の歓声が聞こえてくる

脳が理解できない状態だったが、感情は追いつく。

「‥‥‥‥‥‥‥デーーーーーーーーース!?!?!?」

「それは私のセリフデーーーース!!!!!」

「セレナに何があったの!?」

俺は思わず、調ちゃんの肩を優しく掴む。

「‥‥‥セレナには今、ネフィリムの因子が

 体に入れ込まれているんです。」

「‥‥‥なんでそんなことを!?」

「私たちの計画に必要なことだと

 宿六が、適合率の高いセレナに入れたんデスよ。」

「適合率が高かったの?」

「なんでか、高かったの」

「そう‥‥‥なんだね。でも俺は何をしたらいいの?」

「報告であった、え〜〜と

 なんでしたっけ、調?」

「ルナアタックだよ。切ちゃん。」

「それデスよ。その時に使った修繕砲カッコリオンを使って、

 セレナを治して欲しいのデス!」

「修復砲(仮)だよ。ごめん、あれは限定解除した時しか使えないんだ。」

「それでも使える瞬間でいいのデス

 力を貸して欲しいのデス!」

「私からもお願いします。」

二人が頭を下げてお願いをしてくる。

 

「お、俺は」

すると静かなことに気付いた。

そして、スピーカーから

『狼狽えるな。うろたえるなっ!

 ‥‥‥そう大人しくしていれば、ノイズには手出し

 させないわ。風鳴翼さん、あなたもよ。』

(セレナちゃんのことはとても気になるけど、

今は翼さんを!)

「ごめん、その話はまた今度!」

俺は会場に向かう。

「あ!待って!」

「待って欲しいデスよ!」

二人がサクラを追いかけて走り出す。

 

後から追いついた二人と扉を開けて入ると

会場には人はおらず、ステージに翼さんとガングニールを纏ったマリアがいた。

ノイズはまだ会場にいたので、

断片再現でイチイバルとアガートラームを出し、ステージへ向かう。

 

Zeios igalima raizen tron

 

Various shul shagana tron

 

二人の詠唱が聞こえると

「少し驚いたけど、手伝う」

「ノイズを早く倒すデスよ!」

「え!?うん、ありがとう」

ノイズを倒していきステージに着くと翼さんもいつの間にかギアを

纏いマリアと戦っていたが、

「話はベッドで聞かせてもらう!」

 

風輪火斬

 

「これでとどめ、っく」

体勢を崩されたマリアに追撃しようとする翼を

調ちゃんが、大量のノコギリで邪魔をする。

俺は、翼さんに駆け寄ろうとした時にマリアさんが、目の前に着地する。

「サクラ?助けてくれるのね。ありがとう。」

「え?あ、いやちが」

「そうなんデス!セレナを助けてくれるって、言ってくれたデスよ!」

 

「装者が‥‥‥三人だとっ!

 それにサクラ、何故そちら側にいるんだ!?」

「いや、今そっちに」

「みんなに助けてもらわなくても、

 あなた程度に遅れを取る私では、ないんだけどね。

 さて、これで4対1いや、5対1よ

 あなたは、どうするかしら?」

(さらっと数に、入れられてる!?)

焦った俺は、弁明をしようとした瞬間に

アガートラームを纏うセレナに抱きしめられる。

「サクラさん、私のためにありがとうございます。

 ‥‥‥やっぱり、私の王子様ですね。」

「‥‥‥サクラ、いまは何も聞かん

 説明は後で、ベッドの上で聞くがいいな?」

翼の怒りが、セレナに抱きつかれたサクラを見て、さらに上がる。

 

それでもどうにか弁明しようとしたら、上から

「どしゃぶりな!十億連発!」

クリスが大量の弾を乱射しながら、降りて来た。

俺は巻き込まれないように避けると余計に、翼さんから離れてしまった。

 

マリアの上から響が拳を振り下ろす。

「はぁあああああ!」

「くっ!?」

「避けられた!」

「お返しをさせてもらう!」

槍をふるい、響を遠ざける。

「立花!」

「翼さん!」

「これで5対3、数の不利は否めないが二人がいれば心強い!」

「はい!って、サクラさんを数に含めないんですか?」

「あいつは、敵なのだ。立花!」

「え?サクラさん‥‥‥どうして?」

「おいなんかの冗談だろ?テロをするほど思い悩んでたのかよ!

 なんでなんも言ってくれなかったんだ!」

 

「いや、だから」

「あなた達とは歩む道が違っただけのことよ!!」

(頼むから弁明をさせて欲しい!!!!!)

 




誤字•脱字有れば、宜しくお願いします。


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G編 開始 後半

勢いで描写が難しい一番大変なルートを選ぶ。
おのれ勢い恨めしや。


響が、言葉での説得を始める。

「初めて会う私たちが争う理由はないんだよ!話し合おうよ!

 サクラさんも抱えていることがあるなら教えてください!

 言ってくれないとわかりません!」

「響ちゃん、落ち着いてごか」

「そんな綺麗事を!」

「綺麗事で戦う奴の言うことなんか、信じられるものデスか!」

(何故割り込まれちゃうんだろうか?)

 

「そんな‥‥‥、話し合えば分かり合えるよ!

 戦う必要なんか!?」

「‥‥‥偽善者。

 この世界には、あなたのような偽善者が多すぎる!」

「‥‥‥え?」

響に大量のノコギリが、降り注ぐ。

さっきの言葉にショックを受けているのか避けようとしない

響を守るように翼がすべて切り落とし、クリスがガトリング砲で

撃ってくる。

「何をしている立花!」

「オラァ!十倍返しダァ!!!」

「調は、やらせないデス!」

ガトリング砲を鎌で弾くが、跳弾してセレナへ向かってくる。

「ッ!危ない!」

セレナを抱きしめ引き寄せる。

アガートラームで、防御にする。

「え?」

「大丈夫?怪我はない?」

「はい!」

いつまでも抱きついて離れないセレナへ声をかける。

「‥‥‥え〜とそろそろ離れて欲しいんだけど?」

「いえ、まだ怖いのでこのままがいいです。」

「イチャイチャしてんじゃねぇ!!!!!!」

クリスが、サクラとセレナに向けて乱射する。

 

セレナは回避をするとマリアと翼の戦闘に巻き込まれる。

「悪いが、ここで足止めをさせてもらう!」

「セレナ、いまは力を貸して」

「‥‥‥うん分かった。マリア姉さん」

(サクラさん、後で助けに行きます!

それまでは無事でいてください!)

 

セレナと離れたサクラは同じように防御して

いるとクリスが接近

サクラはぶつかると思い、防御を解除すると

襟を両手で思いっきり掴まれる。

「ぐぅ!?」

「なんでだよ!なんであんたがそんなことしてんだよ!

 パパとママへの想いに気づかせてくれたあんたが、

 テロなんかに手を貸してんだよ!」

「ま、まってくるし、ぐぇ」

クリスの手の力がさらに強くなり首がさらに絞まる。

感情が高まってるのか力が入っていることにクリスは気付いていない。

 

「あたしじゃあ、あんたの力になれないと思ってたのか!?

 それともあんたの中じゃ、あたしはそんなに信用できないのかよ!

 舐めるんじゃねぇ!あんたがどんなに重い事情を抱えてようと

 あんたと繋いだ手を振りほどくわけがないだろ!」

「‥‥‥‥‥」

「傷つくことに我慢し慣れてると思ってたのに、あんたが敵に回ったら

 胸が痛かった!心が痛かった!我慢出来なくなってた!

 だから言ってくれよ‥‥‥!

 あたしは、いや‥‥‥あたし達が力になるからさ!」

クリスは顔を伏せ、サクラが何かを言ってくれることを待つだが、

「‥‥‥‥‥‥‥」

返事がない

「‥‥‥なんでなんも言ってくれないんだよ。

 なぁ!!」

クリスが目尻に涙を溜めて、見ると

顔色が真っ青になって口から泡が出ているサクラが見えた。

クリスは慌てて手を離すとそのまま地面へ倒れる。

 

「ゴホッ!ゴホッ!じぬがどおもっだ。」

なんとか息を吹き返し、座り込むサクラにクリスが慌てて近寄り、

サクラの背中をさする。

「わ、悪いつい力がはいちまって‥‥‥」

「大丈夫だよ。気にしてないから

 それだけ、心配かけたってことだもんね。」

「本当に悪かった。‥‥‥なぁ教えてくれないか?」

「ああ、それなんだけど、ごか」

 

響と戦っていた切歌と調が、サクラの間に入る。

「サクラさんから離れるデース!」

「離れて!」

「クソ!いま話を聞けそうだってのに!」

クリスは急な攻撃に膝をついている響のところまで吹き飛ばされる。

それと同時に会場の真ん中に緑色の大きなノイズが現れた。

「って、あんなの使うなんて聞いてないデスよ!」

「‥‥‥増殖分裂タイプ」

マリアとセレナが合流する。

「マムからの命令よ。撤退しましょう。」

「‥‥‥ん」

「はいデス」

「分かったよ、マリア姉さん。

 サクラさん動けますか?」

「え?いや足に力が入らないけど、

 俺のことは置いて行ってもいいよ?」

「それはダメよ。仲間を置いてはいけないわ!」

「そうですよ!せっかく会えたのに

 動けないのならあの時みたいに抱えますね。」

 

セレナは、体に一切力の入らないサクラを嬉しそうに

お姫様抱っこするとマリアは、ノイズへ攻撃する。

「アームドギアを温存していただと!」

「自分たちが出したノイズだろ!?」

「‥‥‥このまま撤退するわ」

ノイズがそこら一帯に散らばり、集まっていく

それに乗じて、全員でコンサート会場の天井から逃げる。

 

抱えられながら、セレナが聞いてくる。

「サクラさん気持ち悪くないですか?」

「いや、快適だよ。うん」

「ふふ、あの時よりも上手に扱えるように頑張りましたから。」

「‥‥‥そうなんだ。なんかありがとう。」

 

そしてビルの上に立つと

虹色の竜巻が会場から上がる。

「なんデスか!あのトンデモはッ!」

「‥‥‥綺麗」

「‥‥‥あれが私たちの戦う相手」

「マリア姉さん‥‥‥」

「大丈夫よ。セレナ絶対世界も‥‥‥あなたも救ってみせる。

 そのための希望も私たちに手を貸してくれたんだもの」

「うん」

その希望であるサクラは、絶望していた。

(やべぇよ、どうしよう。世界救う前に俺は死にそうです。

仮に手を貸すとしよう。

2課を敵に回す。この時点で無理ゲー

ウェル博士がいる。既に無理ゲー)

サクラは現実から背けるようにS2CAの衝撃波を見て、

「本当に綺麗だね。」

 

 

 

そのあと、隠れ家にしている廃病院に連れて行かれる。

体の調子が戻るまで、ベッドで寝ていいと言われ、

寝ているとウェル博士が入ってきた。

「Zzz」

「おや?寝ているのですか?

 ふむ、英雄の手伝いをしてくれる少年と

 挨拶したかったのですが、

 ここまで豪胆に寝れるのですから期待できますね。

 起こしてはいけませんし、出るとしましょう。」

そのまま出て行く。

 

そのあと大きな音が聞こえ、慌てて起きると

切歌と調がこちらを見ていた。

「あ、起きたデス!」

「良かった。1週間も寝ていたから心配しました。」

「え?あ、うん心配してくれてありがとう

 え?1週間?

 って、それよりも今の音は!」

「ああ、ネフィリムが暴れたんデスね」

「大丈夫セレナが静かにさせてるころだと思う」

「セレナが?」

二人が暗い顔になる。

 

「セレナにネフィリムの因子が入ってることは話しましたよね?」

「うん、聞いたけどそれがどう関係するの?」

「その因子を入れることで、

 ネフィリムの制御できるようになるそうデスよ。」

「でも、制御する回数が多ければ多いほど

 その因子が広まって行くそうなんです。」

(ちょっと知らない展開すぎてついていけないんだが!?

ウェル博士が使うならわかる。まさかのセレナちゃん!?)

俺が驚いている間も説明が進んでいく

 

「その因子は、融合症例と同じように心臓に入れたらいいと

 入れられてるんです。」

「そのせいか、セレナが時々胸を押さえて痛みを堪えることが増えたんデス」

「でも、よく言ってたんです。

 サクラさんに会えるなら我慢できるって」

「‥‥‥セレナちゃん」

(覚悟を決めろ。霧崎サクラ!

頼られたのならなんとかしなきゃ!

例え2課を敵に回しても

やらなきゃいけないことができた。)

覚悟を決めたサクラはベットから起き上がり、

 

「二人共、挨拶に行きたいから案内してくれるかな?」

「分かった」

「こっちデスよ!」

何故か二人はそれぞれサクラの手を取り

暗い廊下を歩いて行く。

ある程度進んだところで扉を開けて入ると

モニターがたくさんある部屋だった。

その中心には、車椅子の女性

「‥‥‥久しぶりですね。ナスターシャさん」

「ええ、お久しぶりですね。

 サクラさん。約6年ぶりになりますね。」

「はい、いきなりですみませんが

 聞きたいことがあります。

 世界を救うって何があったんですか?」

「はい、実はーーー」

 

説明をざっくりまとめると

ルナアタックの時にバラルの呪詛に不具合発生

不具合で月が落下する

それを知った各国のお偉いさんが、どうにかしようとせず

逃げるための準備を始めたことに疑問を抱き

可能な限り守る命を増やすために行動を移す。

 

フィーネの魂が宿るマリアを中心に

武装組織『フィーネ』を立ち上げる。

そして、適合者がギアを纏うための『LiNKER』

を作ることのできるウェル博士を引き入る。

 

ネフィリムを起動した時に暴走しては意味がないので

制御できるように因子に適合出来るセレナに注入

フィーネ(櫻井了子)が残したデータにあった、フロンティアの

封印を神獣鏡で解きそれで世界を救うとのこと

後々の計画も色々あるが、

目下の目標はフロンティア解放とのこと

 

「それで、今必要なのがネフィリムの成長と

 神獣鏡の適合者ってことですね?」

「ええ、時間がないので計画はかなり稚拙ですが、

 それでもしなくてはいけないのです。

「その通り!英雄たるものどんな絶望的な状況であろうと

 諦めてはいけない!

 世界は英雄を!求めているのです!」

「でたデスよ」

「切ちゃん思ってても言っちゃダメ」

後ろから大声が聞こえ思わず耳を塞ぐ。

「びっくりするので、急に後ろから話しかけるのはやめてください。」

「おっと、申し訳ない

 はじめまして。ギャラルホルンの適合者

 霧崎サクラ君

 私はジョン・ウェイン・ウェルキンゲトリクス。

 好きに呼んでもらって構いませんよ。」

ウェル博士が手を出して握手を求めてくる。

「じゃあ、ウェル博士で」

「ええ、ええ、構いませんとも」

握手を交わすと嬉しそうに笑顔を浮かべる。

 

すると警報が鳴り始める。

「ふむ、餌がかかったようですね。」

「餌?」

「ええ、ネフィリムの餌を呼んだんですよ。」

ウェル破壊はモニターの表示を変えて俺に見せる。

「みんな!」

「そう、2課の奏者を呼んだんですよ!」

モニターには、クリス、翼、響、弦十郎が写っていた。

(うん?弦十郎さん!?何故に??????)

 

俺は真っ先に名乗りあげる。

「と、とりあえず皆さんが逃げる時間は稼ぐために

 対処してきますね。」

「分かりました。では必要な機材だけ持って移動をしましょう。」

「ふふ、英雄の手伝いを率先して行うとは

 なんて優秀な子なんでしょう!

 安心してください僕もノイズを出して手伝いましょう。」

「私たちも行くデス!」

「うん、私も行く」

 

マリアとセレナが入ってくる。

「今の警報は!?」

「何があったんですか?」

「二人共丁度良かった。逃げる準備をします。

 その他は、侵入者の迎撃をお願いします。」

それぞれ与えられた役目を果たすために動く

「了解、マム!」

「分かった。急いで動くね。」

「やったるデス!」

「いってきます」

「では行きましょう!世界を救うために!」

「うん、頑張ろう」

 (いきなりラスボスが乗り込んで来てるんですが)

 

俺はただでさえ、重い足取りが更に重くなるのだった。

 




誤字•脱字有れば、宜しくお願いします。


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負けイベントは二度刺す

エルザがまさかの高難易度クエスト
交換じゃないのかよ!!!!!!

今回はかなり短めです。


侵入した響ちゃん一行を迎え撃つために

動き出したのだが、ナスターシャさんからの連絡で

どうやら二手に分かれたらしい

 

翼さんと響ちゃん、

クリスちゃんと源十郎さんに別れたようだ。

 

俺は、源十郎さんと戦いたくないので

翼さんペアを希望したら、

「あの二人なら付き合いが長いかので、

 戦い方を心得ている方に行きます。」

「安心してください!

 シンフォギア奏者をいともたやすく倒す策を

 用意しているので、君にはあちらの男がいるほうを

 お願いします。それにエサが多いほうが、

 ネフィリムもうれしいと思いますしね。」

「………わかりました。そちらに行きます。」

「サクラさん、私たちもついてるから大丈夫」

「そうデスよ。何かあったらすぐに守るデス!」

「………ありがとうとても心強いよ」

 

ということがあったため、今病院のロビーで

源十郎さんペアを待ち伏せている。

俺が恐怖で体が震えていると、

「体が震えているデスよ?」

「少し肌寒いもんね。」

「そうだね。寒いね。もう暖かいお布団にもう入りたい。」

「じゃあ、手を繋ぐですよ。そしたら、暖かくなるでデス。」

切歌ちゃんが、サクラの手を握る。

「うん、私がこっちの手を」

調ちゃんが、空いている手を握る。

「サクラさんの手、大きくてあったかい」

「デスね〜。」

「‥‥‥うん、暖かいね。」

 

俺は二人の温もりを感じながら、考える。

(とりあえず、ここで捕まるわけにはいかない。

何故かギャラルホルンの対象外になっている未来ちゃんに

神獣鏡を渡せば、響ちゃんもセレナちゃんも助けられるはず!

そのためにはここを乗り切らないと!!)

すると向こうから足音が聞こえたので、見ると

ギアを纏ったクリスちゃんと弦十郎さんがいた。

「どうやら、本命に会えたようだな。」

「ああ、あんたを無理矢理にでも連れて帰る!」

「サクラさんは、渡さない!」

「行くデスよ!調!」

 

Zeios igalima raizen tron

 

Various shul shagana tron

 

「悪いがテメーらも、話聞くために連れて行くからな!」

「そういうことだ!ここでなら暴れても問題ないからな」

クリスが銃を撃ち、切歌と調が迎撃

そのままクリスとの戦いを始めた。

 

「悪いけど、連れて行かれるわけにはいかない!」

サクラが断片再現をし、アガートラームを構えて弦十郎を睨むが、

(弦十郎さんの眼力強すぎませんかね?)

かなり腰が引けていた。

「‥‥‥こうして、戦うのは二度目だな。」

「‥‥‥そうですね。だけどあの時とは違います。

 逃げる戦いではなく、譲れないもののために

 戦います。」

「‥‥‥そうか、我々は君に聞きたいことが

 沢山ある。そのためにもまだ引き返せる位置にいる君を

 ここで確実に止めてみせる!!!!!」

震脚をした弦十郎の周りの地面が砕け、壁に大きな亀裂

が入り、天井の一部が崩れ落ちると同時に配線がちぎれ火花が散る。

さらに水道管が砕けたのか至る所から水が出ている。

 

衝撃的な光景に切歌と調の手が止まる。

「なんデスか!?本当に人間デスか!?」

「人間業じゃない!」

その隙をクリスが狙う。

「オラぁ!!よそ見してんじゃねぇ!」

「あわわ!?」

「切ちゃん、危ない!」

 

 

「フンッ!!!!」

「ッ!!!!!」

弦十郎の拳を躱すと同時におこる突風を切り裂く

「そう同じ手は!」

「甘い!!」

弦十郎は、もう片手の指二本で剣を止める。

(う、動かない!)

「はぁぁぁ!」

弦十郎がそのまま蹴りを放つ

サクラは再現を解除して慌てて避けると、

壁が砕け散った。

サクラは、次にイチイバルを出し、

手にガトリング砲と腰にミサイルポッドを展開して撃つ。

「くらえぇぇぇぇぇ!!!!!」

「ふん!ふん!はぁぁ!!!!!!」

弦十郎がミサイルの軌道を変え、

ガトリング砲の弾にぶつけ、煙で姿が見えなくなる。

「ッ!?ーーしま!?」

何処にいるか探していると気づけば下から拳が迫り、

腹に叩き込まれ、天井に打ち上げられ地面に落ちる。

「グッ、ゴハァ!!」

「これで、トドメだ!」

「な、めんなぁ!!!」

俺は再現を解除、変身をして口元をマフラーで隠したグレ響になる。

そのまま弦十郎の拳にサクラの拳をぶつける

「こんのぉおおおおおお!!!!!」

「おおおおお!!!」

少しずつ弦十郎の拳に押され始めるが、

腕のハンマーパーツが自動で引かれ

エネルギーを形成、弦十郎の拳に叩きつける直前に

気づいた弦十郎が、サクラに蹴り飛ばすことで

直撃を避ける。

 

壁にぶつかると同時に腕から放たれたエネルギーが壁を砕く。

空振りに終わり悪態をつく。

「クソ!」

「悪いがここまでだ。あとはベッドの上で聞かせてもらおう。

 ん?ああ、俺だ」

どうやら藤堯か友里さんから通信が入ったようで、

そちらの対応を始める。

俺はなんとか動こうとしたが、

思った以上にダメージがあるのか動けずにいた。

 

ノコギリが弦十郎に向かって飛ばさるが、

「させるか!」

クリスの手によって阻まれるが、

切歌と調がサクラへの接触に成功する。

「逃げるデスよ!これ以上はまずいデス!」

「うん、これ以上は難しい」

「それよりも二人は早く逃げて」

サクラを抱えようとしたところで、通信が終わったのか

弦十郎が三人へ話しかけてくる。

「すまないが、三人とも来てもらおうか」

「そういうこった、これ以上あたしに引き金を

 引かせないでくれよ。」

 

「仲間の危機に駆けつける僕はとても英雄と

 言えるのではないでしょうか?」

サクラたちを弦十郎やクリスから守るようにノイズが現れ、

ウェル博士がソロモンの杖を持ってこちらに向かって歩いてきていた。

「貴様は!」

「てめぇ、生きてやがったのか!」

「すみませんが、彼らの逃す時間ぐらいは稼がせてもらいますよ。

 さぁ、逃げてください。

 まだまだ君たちには役割があるのですから。」

「分かった。サクラさん肩を貸します。」

「‥‥‥了解デス」

「ごめん二人共、‥‥‥ウェル博士は大丈夫ですか?」

「ええ、まだやることもあるので」

サクラは二人に抱えられてその場を

ウェル博士に任せて後にする。

 

 

そのあとなんとか逃げ切れたようで、

追手がいないことを確認しながら合流地点にくるとセレナが出迎えてくれた。

「サクラさん!?お怪我は大丈夫ですか!?」

「‥‥‥ごめん思ったよりきつい」

「サクラさん途中で意識なくなりかけてた。」

「早くベッドで寝かせてあげたいデスよ!」

「分かりました。ここからは私が運びます。

 お二人は休まれててください!」

「へ?ここまできたら最後まで運ぶデスよ?」

「私が運びます。いいですね?」

「切ちゃん、セレナにあとは任せよう?」

「そ、そうデスね。あとはお願いするデスよ!」

「はい、任されました!」

セレナは、ギアを纏いサクラを医務室へと運ぶ。

 

俺は医務室のベッドに寝かせられるとそのまま深い眠りに落ちた。

目を覚ますとマリアさんがいた。

「良かった。起きたのね。」

「ええ、まだ体が重いですけど」

「怪我が酷いから、もうしばらく起きないと思ってたけど

 本当によかったわ。」

「ご心配かけました。」

「気にしなくていいのよ。

 それより何か食べたいものはあるかしら?

 まぁ、逃げ出したおかげでまともなものはないけどね。」

「すみません、喉が渇いたので飲み物が欲しいです。」

「分かったわ。取ってくるから

 待っててね。」

マリアが飲み物を取りに部屋から出ていく。

 

(どれくらい寝たんだろうか?今どれくらい進んだんだろうか

‥‥‥最近寝てばっかりな気がする。)

マリアがペットボトルを持って戻ってきた。

(とりあえず、色々と聞かないとね。)




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迫られる覚悟

登場するキャラが増えると会話が増えて
大変だなぁと感じるこの頃


マリアさんが、持ってきたペットボトルを受け取る。

「これしかないけど、どうぞ」

「ありがとうございます。ゴクッ、ンク

 はぁぁ、あの今ってどういう状況ですか?」

「そう慌てなくても、

 もう少し休んでからでもいいのよ?

 3日も目が覚めなかったのだから。」

「3日!?

 いえ、今のところは大丈夫です。

 お願いします。」

眠っていた時間に驚きながらも

マリアの説明に耳を傾ける。

「そう‥‥‥分かったわ。

 今私たちは使用していたアジトを破棄、

 フロンティアが封印されている土地まで拠点

 を移しながら向かう予定よ。」

「‥‥‥そうですか。」

「ここは、拠点の一つになるわ。

 この調子で計画を進めていくことを考えると

 少し憂鬱にはなるけどね。」

マリア苦笑しながらそう言った。

 

空気が少し重くなったので、話題を変えることにした。

「そ、そういえば今日は3人はいないの?」

「セレナ達なら、何かやる事があるって言って出ていったわね。」

「やる事?」

「ええ、私のためにって言ってたわね。」

(なら、学園祭に遊びにもとい潜入に行った時か。)

「マリアさんのためにって何ですか?」

「‥‥‥そういえば言ってなかったわね。

 私はギアを纏えば纏うほど、フィーネの魂が強くなり

 最後は塗り潰されてしまうのよ。」

「‥‥‥マリアさん」

(ものすごく申し訳ないのだけれど知ってます。

しかもマリアさんじゃなくて、調ちゃんの方でしたね。)

「そんな悲しそうな顔をしないで、

 大丈夫よ。まだ私は私よ。」

「マリアさん、何か力になれ」

 

そこで警報が鳴る。

「警報!?」

するとスピーカーからナスターシャの声が聞こえる。

『聞こえますか?マリア本国がここを嗅ぎつけたようです。

 今すぐにガングニールにて迎撃を』

「ッ!?相手は生身の人間

 ガングニールの一撃でも当たったら!」

「死ぬ‥‥‥でしょうね。

 ギアはそれ程に強力です。」

「あなたも分かっているなら!」

「でも、戦いながらでしか

 解決策も浮かびませんよ?」

「戦いながらでしか」

 

俺は体を起し、痛みもなく問題なく体が

動くことを確認しながら話す。

「ええ、殺すのではなく

 大怪我させるなり、骨を折るなりして

 撤退させましょう。」

「それは、何の解決になってもいないと思うのだけれど?」

「それでも問題の先送りはできますよ。」

俺は震える手を見えないように隠しながら

表情を変えずに言う

(そういえば、戦った相手がぶっ飛んでた人が多かったけど

今回はそうじゃない。

一歩でも間違えば殺してしまう。

考えろ、立ち止まらずに考えろ!

出来ることをするんだ!)

 

「じゃあ、先に行きますね!」

サクラが扉を開けて、走っていくのを追うのを躊躇う。

(問題の先送りはできるか。‥‥‥セレナあなたを助けたい

そのためにも!)

「‥‥‥私は迷わない!」

マリアはサクラを追うために走り出す。

 

2人が現場に来ると灰が舞っていた。

「おや、目が覚めたのですね。

 良かった、まだ手伝ってもらう事がありますからね。」

「お陰様で、たった今目が覚めたので出来ることを

 しに来ました。」

「仕事熱心で結構、それに新生フィーネも来たのですか。

 でしゃばりだとは思いましたが、この程度の相手なら、

 ガングニールを使用するまでもないですからね。」

ウェル博士がノイズを操りながら、工作員を灰に変えていく。

俺はアガートラームを断片再現をし、ノイズと工作員の間に立つ。

 

「さて、気合を入れて行きますか!」

ノイズを切り裂き、後ろから撃ってくる工作員に蛇腹剣で

武器を切り裂くと同時に腕に深い傷を負わせる。

「ぎあぁぁぁ!!」

俺は耳に入る悲鳴を聞かないように攻撃をしていく。

すると普段よりも繊細な戦いを求められるせいで、

死角が疎かになり、ノイズが突撃してくるが、

「はぁぁ!」

ガングニールを纏ったマリアに助けられる。

お互いが背中を合わせながらノイズと工作員を

倒していく。

「あがぁああああ!」

「いでぇえぇぇええ!!」

「ごめんなさい。あなたの手を血で汚してしまって。」

「気にしなくていいですよ。既に似たような事してますし。

 マリアさんも血が嫌ならノイズだけを任せましょうか?」

「いいえ、あなただけに背負わせない!

 私も背負うわ!」

 

工作員の方は戦える状態ではなくなったのか、

そのまま逃げていった。

それを追うノイズを倒していく。

(これを逃すと子供の危険が危ない!!)

 

その後、ノイズを倒し終えると

「‥‥‥ふむ、何故逃したのでしょうか?

 ノイズで倒せば、飛ぶ鳥跡を濁さずといけたのですが?」

ウェル博士が当然の質問をしてくるとマリアが、

「簡単なことよ。奴らに私の手で、恐怖を刻みたかったからよ。

 私たちに手を出せば、どうなるかを知らしめるためにね。」

「なるほど、フィーネの権威を示したかったと!

 それは考えていませんでしたね。

 これで、追手が減ると思いますか?」

「減らなかった時は、

 その時こそソロモンの杖の出番だと思うのだけれど?」

「ええ、もちもんその通りですね。

 どうやら本当にでしゃばってしまったようですね。」

「謝罪よりも早く移動しましょう。

 ここにいては今度は、2課がくるわ。」

「また俺が怪我させられそうなので、早く移動しましょう

 そうしましょう。」

「ええ、その通りです。

 既に3人には合流地点を伝えてあります。

 必要な資材を持って移動しましょう。」

ナスターシャが車椅子でこちらに近寄ってくる。

「分かったわ。マム」

「了解、今すぐ動きますね。」

「‥‥‥マリア、少しは覚悟ができたみたいですね。」

マリアは、向こうで荷物を運ぶサクラを見て

「彼のおかげでね。」

 

 

その後、資材を飛行機に積んで合流地点へ移動をしていた。

飛行機の窓側の席に座り、空の景色を見ながら、

(人を傷つけた。血の‥‥‥匂い

肉を引き裂く感覚、悲鳴全てこびりついて離れない。

‥‥‥死んでないよな?全員走って逃げてたし

大丈夫なはず。」

「‥‥‥何が大丈夫なのかしら?」

「うぉ!?マリアさんかびっくりしたな。」

「ええ、ばんやりとしているあなたが見えたから、

 つい声をかけてしまったわ。」

マリアはそのままサクラを抱きしめる。

「‥‥‥ふぁ!?」

「ごめんなさい、謝りたかったのあなたを巻き込んだこと」

「え、あいや、気にしてな」

「私に心配かけないように、強がらなくてもいいのよ。」

 

自然と涙が溢れてくる。

「‥‥‥初めてかもしれないんです。

 人を殺すかもしれないって思ったのは、

 今日は運良く殺さずに済みました。

 けど、悲鳴が何かを斬った感触が全部残ってて。」

「私もよ。全部残っているわ。

 きっと消えない傷として残るのかもしれないわね。」

「‥‥‥‥でも、後悔だけはしていません。

 これだけは間違っていないと思いたいです。」

「私も覚悟を決めたの。大切なものを守るために

 躊躇うことを今日捨てるわ。」

(私がもっと早く覚悟を決めていれば、こんな優しい子の手を

汚さずに済んだのに!)

それから合流地点に着くまでに間、俺は泣き続け

マリアは優しく受け止め続けた。

 

「合流地点って、ここだったなぁ」

俺は泣いた恥ずかしさから飛行機を降りたあと

先に合流地点のカ•ディンギル跡地にいた。

(ここで響ちゃんはネフィリムに左腕を食べられて

浸食が加速したはず、ならやることは決まってる。

それを阻止すること!)

向こうから三人が駆け寄ってくる。

「サクラさん、もう動いても大丈夫なんですか!?」

「良かった。目が覚めたんですね。」

「なら今日は奮発していいものを食べるデス!」

「ありがとう、それとごめんね。

 心配かけちゃったね。」

「いいんです。仲間なんですから、当たり前です。

 そ‥‥それに、うう、恥ずかしくて言えません。」

「セレナ後一歩だったのに」

「腰が引けちゃったデスよ。」

「みんな無事だったのね。」

3人の無事を確認できたマリアの表情が和らぐ。

ナスターシャが、すぐ後に合流した。

 

3人の話を聞くと

聖遺物のペンダントを奪いに学校の学園祭に潜入

なんやかんやあって、決闘を申し込んでしまったらしい。

それを聞いたナスターシャが、

3人の頬を平手打ちする。

「私たちは、遊びでやっているわけではないのですよ!」

3人が無言になるなか、

いつのまにか来ていたウェル博士が口を開く。

「少し良いでしょうか?

 その子達が約束してきた決闘に乗りたいのですが?」

 

俺は、作戦内容を聞くために質問をする。

「一応、何考えてるか聞いても良いですか?

 俺にできる事があればしますけど?」

「ええ、君にだけ頼みたい事があります。」

「‥‥‥俺だけ?」

「その通り!君だけにしか出来ない事です!

 この作戦に必要なのは彼だけなので、

 皆さんは後方へ下がって大丈夫ですよ。」

「サクラさんを1人になんて!」

「そうデス!元はと言えば私たちが原因デス!」

「うん、私たちが残ります。」

「残念ながら、君たちは甘い

 ですが先の戦いで、表情一つ変える事なく

 人を切ることのできる彼の方が適任なんですよ。」

「そう言うわけです。

 皆さん下がりますよ。」

「分かったわ、マム

 さぁ、行きましょう。」

マムの命令で全員後方へと下がっていく中、

マリアさんが悲しそうな顔で、

こちらを見ていた。

 

ノイズを出すウェル博士と並びながら、

作戦を聞く。

 

マリア達には後方にいてもらう。

前線に出るのは、ウェル博士とサクラの2人

そして、2課の装者を足止めして

ネフィリムの餌を確保するとの事

 

「えらく、シンプルですね。」

「ええ、ですがシンプルな作戦ほど相手は

 深読みをしてしまうものですよ。」

「そういうものですか。」

「ええ、そういうものです。」

 

それからしばらくして、

2課の3人が来た。

響がギアを纏い疑問をぶつけてくる。

「サクラさん

 セレナちゃん、切歌ちゃんと調ちゃんは!」

「彼女達なら、謹慎中だよ。」

「ええ、その通りです。

 なので彼と僕がこうして出張ってきたのですよ。

 お友達感覚で計画に支障を出されては困りますからね。」

 

ウェル博士が、3人にノイズを襲わせ、

俺はイチイバルを断片再現して襲い掛かる。

「今は、いない3人よりも!

 サクラを止めることに集中するぞ!」

「当たり前だ!あいつをどうにか連れて帰る!

 あそこはあいつの居場所じゃない!」

「サクラさん!手加減無用で行きます!」

「‥‥‥こい!!」

 

戦いが始まる。

 




誤字•脱字が有れば、よろしくお願いします。


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身代わり

ゼノ•ジーヴァ可愛い。どんな行動してても可愛い。
ちなみに一番可愛い行動は、口からブレス吐いてる瞬間ですね。
あんなに可愛いのは、ヤンクック以来ですね。

サブタイトル抜けてました。すみません


俺はイチイバルを撃ちながら、響ちゃんへと向かう。

色々食べられない対策を考えたけれど、これしか浮かばなかった。

(響ちゃんをボコボコにして撤退させる!)

脳筋な考えでノイズと戦っている翼やクリスを無視して、

響に向かっていく。

 

「覚悟しろ!立花響!」

「ッ!ウォオオ!!」

響は、近づいてきたサクラに拳を振るうが避けられ、

懐に入られゼロ距離でイチイバルを撃たれる。

(弦十郎さんの拳よりも遅い!!)

「離れないと、ああぁあ!?」

響のお腹に撃ち込み離れたと同時に

腰のミサイルを叩き込む。

 

全弾当たり、後ろへ吹き飛ぶ響に追い討ちかけよう

とするとクリスからミサイルを撃たれる。

「お返しだ!!」

「くっ!?これで!」

ミサイルをガトリング砲で全て撃ち落とすと

体勢を整えた響ちゃんが一気に接近してくる。

「うおおおお!」

「舐めんな!」

足をガングニールに変え拳を蹴り上げると

クリスがつかさず攻撃してくる。

「オラオラ!くたばれぇ!」

「くたばってたまるか!!」

イチイバルをアガートラームに変え防御する。

響はその隙を逃さず、

「これでぇぇぇ!!」

響の拳がサクラの脇腹に突き刺さる。

 

「間に合え!!」

当たる直前でもう片方の腕をガングニールに変えなんとか受け止めるが、

勢いを殺しきれずに体勢が崩れる。

そこをクリスから、ガトリング砲を撃ち込まれ

回避できずに直撃する。

「がぁああああ!?」

(本当に手加減無用かよ!!)

反撃するために立ち上がろうとすると体が動かなかった。

 

「すまないが、これで動きを封じさせてもらう。」影縫い

いつの間にか背中に立っていた翼に動きを止められてしまった。

「おのれ、忍者め!」

「私は防人だ。頼む大人しくして欲しい

 なるべくならサクラを傷つけたくない。」

「悪いけど、今だけはそのお願いは聞けない。」

「そう‥‥‥なら寝ていてもらおう。」

 

天羽々斬の峰をサクラに当てようとしたところで、

「おっと、それは困るので邪魔をさせてもらいますね。」

ウェル博士が大量のノイズを飛ばしてくるが、

「はぁ!ふっ!でやぁああ!」

「先輩の邪魔はさせるかよ!」

「これ以上好きにさせるものか!」

「流石、ルナアタックの英雄達といったところでしょうか?」

 

クリスと響、翼によって阻まれる。

「何をくわだてる!F.I.S!」

翼の問いにウェル博士は笑いながら答える。

「くわだてる?人聞きの悪い!

 我々が望むのは、人類の救済ですよ!

 月の落下にて損なわれる

 無辜の命を可能な限り救い出すこと!」

「月の公転軌道は、各国機関が3ヶ月前から計測中!

 落下などと結果が出たら、黙って」

「黙ってるに決まってるじゃないですか

 対処法の見つからない極大厄災など

 さらなる混乱を招くだけです。」

 

地面が揺れる。

「対する僕たちの答えが、ネフィリムです!!」

クリスの真下から地面からネフィリムが出てくる衝撃で

空に舞い上げられ、そのまま地面に落下する。

不意打ちだったのか受け身をとることもできず気絶する。

「クリスちゃん!」

「雪音!しっかりしろ!」

翼が慌てて駆け寄りクリスに呼びかける。

「クッ‥‥‥気を失ったか、おのれ!」

ウェル博士はソロモンの杖から

ノイズを出しトリモチを射出させる。

「これでは動けない!」

 

動けない2人にネフィリムが接近それに響が蹴り飛ばし、

2人から意識を響へと向ける。

「わたし1人でも!」

 

ネフィリムのお腹にストレートを打ち込むと

下がってきた顎にアッパーを決める。

頭が上がる事で無防備になった脇腹に蹴りを入れる。

その衝撃で体がくの字になり、

頭がもう一度下がってきたので、側頭部に蹴りを入れ、

体勢が崩れたネフィリムのお腹を蹴り飛ばす。

 

だが少し怯んだだけで、反撃を許してしまう。

ネフィリムの攻撃を逸らし、カウンターを3連撃決め

間合いを離す。

「ルナアタックの英雄よッ!

 その拳で何を守るッ!!」

 

両腕のハンマーパーツを上げて、右拳をネフィリムに打ち込み

吹き飛ばすと地面に倒れる。

腰のブーストが火を噴き、左拳を構え一気に接近する。

ウェル博士は、ノイズを出し響の邪魔をする。

「そうやって君はッ!誰かを守るための拳でッ!

 もっと多くの誰かをッ!!ブッ殺してみせるわけだッ!!!」

出てきたノイズを一瞬で片付けるが、ウェル博士の言葉に立ち止まってしまう。

 

「わ‥‥‥私は」

「隙ありぃぃ!!」

「サクラさん!?ってうわああ!?」

俺はネフィリムが出てきたときの衝撃で、影縫いから脱出した後、

誰からも意識されなくなるこの瞬間を狙っていた。

俺はイチイバルのミサイルを大量に響ちゃんへ撃ち込む。

狙いを受けずに撃ったせいで、煙が上がるが、

響ちゃんの位置は大体そこだろうと目安をつけて、

煙の中へ突っ込む。

 

そのあと煙の中からは金属音が何回かしたあと静かになる。

煙が上がると左のハンマーパーツを上げたままの響だけが立っていた。

「あ‥‥‥あれ?サクラさんは?」

「立花向こうの岩陰を見ろ。」

「へ?」

翼が指を指した方を見ると

上半身は岩陰で見えないが、サクラが着ていたズボンと

履いていた靴を着用した人物が岩陰に倒れていた。

「多分だが、追撃しようとして失敗したのではないか?」

「‥‥‥サクラさん、ッ!!!」

サクラに対して残念な気持ちになっていると

背後から迫る気配に、響は左拳を振るうと

拳がネフィリムが口の中にあった。

「え?」

そのまま腕に噛み付かれ、食いちぎられる。

響は目の前の光景に思考が追いつかない。

ネフィリムは、咀嚼していく。

(あ、血が出てる。止めないと、あれどこから出て)

思考が追いつく

「あ、う、あぁああぁあああああ!!!!!!!!」

「立花あああああ!!!」

 

ネフィリムが響の腕を食べている光景に

ウェル博士は狂気に笑う。

「イッタァアアアアアア!パクついたァ!!

 シンフォギアをォオッ!!これでェエエエエ!!!」

響の腕を飲み込むとネフィリムの体から発光していた

光が、黄色から赤色に変わり体が大きくなる。

「完全聖遺物ネフィリムはいわば自律稼働する増殖炉ッ!

 他のエネルギー体を暴食し取り込むことでさらなる出力を可能とするッ!

 さあ始まるぞッ!聞こえるか、覚醒の鼓動ッ!

 この力がフロンティアを浮上させるのだッ!!」

 

すると光を発光しているのがネフィリムだけでなく、

響も発光していることに気付いたウェル博士の顔つきが変わる。

光が強くなり響を包み込み、光が収まると

「ウウウ、ガァアあアアあああアああ!!!」

翼は知っている今の響の状態を

「‥‥‥そんな、まさか暴走‥‥‥だと!?」

「な、そんなバカな!?」

暴走した響は左腕を再生、ネフィリムへと向き合う。

「ギアのエネルギーを腕の形に固定!?

 まるでアームドギアを形成するかのように!」

 

衝動のままに暴走響は、ネフィリムに襲いかかる。

先ほどまでの武術を使用した戦いでなく、獣のような暴力が

ネフィリムを襲う。

「止めろー! 止めるんだー!

 成長したネフィリムはこれからの新世界に必要不可欠なものだ!

 それを!それをォオオ!!」

暴走響がパワーを上回っているためか、ネフィリムが傷を負い始めた。

「いやぁあああああッ!!」

ノイズを出し、ネフィリムを守ろうとするが一瞬で灰に変わる。

この余波で、翼達を拘束していたノイズも消えた。

ネフィリムは響から逃げようとするが、すぐに距離を詰められ

背中を蹴られ馬乗りになる。

暴走響はネフィリムの体内に拳をねじ込む。

 

体内から手を引き抜くとネフィリムの心臓が握られていた。

「ひいぃいいいいいいい!!」

ウェル博士は途中から暴走響に対して、

恐怖しか感じなくなっていた。

ネフィリムの心臓はそのまま何処かへと投げたあと

体の方を槍で貫く。

 

その光景を見たウェル博士は逃げ出すが、

それを追いかけようとした翼とクリスに羽交い締めにされ

止められる。

「うウウウ、はァ、ハぁ、はぁ」

「よせッ! 立花ッ! もういいんだッ!」

「お前、黒いの似合わないんだよッ!」

響の体を光が多い弾けるとズボンを履いていないサクラがいた。

 

「は?」

「ど‥‥‥ど、どいうことだ?」

「翼さーん、クリスちゃーんよかった2人とも

 無事だったんですね!私気付いたら岩陰に倒れてたんですけど!

 しかもサクラさん?のズボンとか靴を履いてましたけど、

 どうしてだか分かりますか?」

向こうから響が笑顔で手を振ってこっち駆け寄ってくる。

「響ちゃんに途中から変身してたからね。

 それに響ちゃんの腕が食べられなくてよかったよ。」

「え?あ!私食べられたのに治ってる!?」

「治ってよかったね。

 さてと俺は行かなきゃ、じゃあまた明日。」

 

だが、2人とも拘束を解いてはくれなかった。

「‥‥‥離して欲しいなぁ〜なんて」

「ちょうどいい機会だと思わないか?」

「な‥‥‥何がでしょうか?」

「そりゃあ、散々心配かけられたんだ。

 仕返しぐらいは覚悟してるよなぁ?」

「ひっ!?‥‥‥響ちゃん助け!?」

「ヒグッ、グスッ、よがっだです。

 ザグラざんがかえってぎでぐれて。」

響ちゃんが泣いていた。

「あれを見てもまだ、何か言うか?」

「‥‥‥男らしく罰を受けます。」

「ああ、覚悟しろ!」

 

全員から一発ずつ良いものをもらい許してもらいました。

ちなみに通信では弦十郎さんからのゲンコツも覚悟しておけとのこと

(帰りたくないなぁ。)

 

こうして俺は、2課に再び合流するのだった。




調べて知ったどうでもいい知識ですが、人肉は豚肉と仔牛の間のような味がするらしいですよ?

誤字•脱字有れば、よろしくお願いします。


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知らないと困惑しかない

3人娘の口調難しいよね。


2課へ向かうヘリコプターに乗っていると

響がサクラに質問していた。

「結局私は、腕を食べられたと思うんですけど?

 痛みもありましたし」

「ああ、それに関しては私も見ていた。

 どういうことなんだ?」

「あたしは気絶してたから分からないんだけどよ。

 食べられたのは、そいつじゃないのか?」

「順番に話すと、俺は煙の中で響ちゃんを気絶させて

 俺のズボンと靴を慌てて履かせて憑依変身したんだよ。

 流石に響ちゃんが2人いるとか意味不明な状況になっちゃうからね。」

翼が、とてもシンプルな質問をしてきた。

 

「普通に立花と共闘したらよかったんじゃないか?

 もしくは、私達を助けるかあったはずだが?」

「‥‥‥‥‥‥‥‥‥あ」

「あって言ったぞ!こいつ!」

「すみませんでした!

 敵対してたからその事は念頭になかったです。」

思いっきり頭を下げて謝罪をする。

 

「いいですよ。こうして、

 サクラさんが帰ってきてくれましたから!」

「響ちゃん‥‥‥ありがとう!」

サクラは、響の手を取り感謝を伝えるのだった。

「それよりも憑依変身?について聞きたいです。」

「そういえば初めて聞いたな。」

「うん、ごめん報告するのをすっかり忘れてた。」

「おじさまに報告することが増えたわね。」

ジト目で、サクラを翼が見る。

俺はすぐに頭を下げて嘆願する。

 

「お願いします。内緒にしてください。」

「それは後ででいいだろう、どうせ殴られるんだから。

 で結局何ができるんだよ。」

「殴られるのか‥‥‥

 えっと憑依変身っていうのは、

 変身した対象の魂を体に宿して、

 その人本人になる‥‥‥らしい」

「えらく、曖昧な言い方ですね。」

 

サクラは、頭を掻きながら困ったように答える。

「いや〜今回初めて使ったんだよねぇ。

 本当は、俺だけの変身の予定が慌てて操作したから

 こうなっちゃった。

 しかも変身解けるまで、俺の意思じゃ体も

 動かせないからどうすることもできなかったね。」

「あ、じゃあ私はサクラさんの体で、

 食べられちゃったんですね。」

「そうなるね。」

「そうか、なら帰ってすぐに私も含めて、

 すぐにメディカルチェックがあるだろうから

 診てもらわないとね。」

 

みんなで話をしながら、2課の潜水艦近くのヘリポートに着くと

降りてすぐに緒川さんに手錠をかけられ、

簡単に解けないように体にはロープが巻き付けられて、

潜水艦へ向かっていた。

ちなみに一緒に来ていた3人は、病院に先に向かうとのこと

「すみません、我慢してくださいね。」

「もしかしなくても怒ってますか?」

「僕は、そこまで怒ってはいませんよ?

 ただ司令はどうかは分かりませんけどね

 君を連れてくる時も絶対に逃すなと厳命されるぐらいですし。」

「‥‥‥‥行きたくないなぁ」

 

潜水艦の中こうなってるんだなぁとか、

そんな感想すらも浮かばないぐらいには心の余裕がなくなっていた。

そうこう考えている内に指令室と思わし扉の前に着いた。

「‥‥‥帰っていいですか?」

「残念ながら、ここが帰る場所ですよ。

 さぁ、入ってください。」

 

緒川さんに催促され、扉を通ると脳天に星が散らばる。

「ふん!!!!!」

「ぐうぇ!?」

そこには拳を構えた弦十郎さんがいた。

「久しぶりだな。サクラ君」

「お゛、お゛久しぶりです。」

(頭がグワングワンする。)

 

痛みに悶えながらも返事を返す。

「うむ、色々聞きたい事はあるが、

 メディカルチェックを受けてからでもいいだろう。」

「え?何故呼ばれたんでしょうか?」

「決まっているだろう。

 心配をかけた罰を与えるためだ。

 翼やクリス君、響君が、

 君の力になれなかった事を後悔していたからな。

 もちろん我々もだ。」

 

黙っていた藤堯さんや友里さんも会話に入ってきた。

「そうだぞ。もしかしたら

 言いたくてもいえない空気にしちゃったかなとかな」

「サクラ君が、助けを求めた瞬間があったのに

 気づかなかったかもって色々考えちゃったりね。」

「‥‥‥本当にすみませんでした。」

「ああ、今度はしっかりと相談してくれよ?」

「ええ、私たちは戦う事はできないけど、

 一緒に悩んであげる事はできるからね?」

「はい‥‥‥ありがとうございます。」

それを見守っていた弦十郎がまとめる。

「さて、落ち込むのはまた今度だ。

 今は君の体を見てもらおう。

 こちらでも腕が食べられたのは見ていたからな」

「はい、行ってきます!」

 

サクラが、走って外に出ていくのを見送る。

「本当に帰ってきてよかったですね。」

「ええ、けど問題も山積みになってしまいましたね。」

「ああ、だがサクラ君がなんらかの情報を得ているはずだ。

 それで先手を打てればいいのだがな。」

「これ以上F.I.S.の暴走を許すわけには行きませんからね。」

この後、拘束が解けていないことが病院から連絡があり、

サクラの拘束を緒川が、解きにいくのだった。

 

次の日

 

2課にメディカルチェックで、特にも何もない事を報告に行ったら、

翼さんと一緒に響ちゃんの体の浸食について説明があり、

あまり戦わせてはいけないとのこと

サクラがもたらした情報の確認をしてみるとのこと

と弦十郎さんから、そのまま謹慎処分を言い渡されました。

スパイとして送り込んだと表向きにしてはいるが、

本当はただの敵対行為なので、罰として与えるとのこと。

 

家でぼんやりしていると響から電話があり、

『サクラさん、今からお昼食べにふらわーに行くんですけど

 一緒にどうですか?

 ついでに未来が話したいことがあるって言ってます。』

「え?うーーん?弦十郎さんに確認して良かったら行くよ。」

『分かりました。連絡待ってます!』

 

弦十郎さんに電話をして聞いたら、

『うーーーーむ、君の周囲に監視をつける

 それが条件だ。』

「あ、じゃあお願いします。」

 

響ちゃんに、連絡をして集合場所に行くと

「はじめまして、あの時以来ですね!

 好きなアニメとかありますか?

 あ、名前は板場弓美、

 好きに呼んでもらっていいからね。」

「私の名前は、寺島詩織と言います。

 よろしくお願いします。」

「私は、安藤創世です。

 よろしくね。」

「霧崎サクラです。よろしく

 後敬語じゃなくていいからね?」

3人娘と遭遇したのだった。

 

「なら、遠慮なくいかせてもらうわ!」

「それなら、気疲れしなくて済むもんね。

 じゃあ、今日はご馳走になります!」

「え?それは初耳」

「未来が、サクラさんなら奢ってくれるよ

 って言ってたんだよね。」

「未来ちゃん、それって」

 

未来ちゃんが、いい笑顔でこっちを見ていた。

響がサクラに耳打ちする。

「サクラさん、あの未来は怖いですよ?」

「よーーーし、サクラお兄さんがいっぱい奢っちゃうぞ!!!」

「よ!色男!」

「ナイスです!」

 

そうしてふらわーに向かっていると

スマホから久々に通知音が聞こえたのでみると

 

『対象と接触 ギャラルホルンによる並行世界を観測

 未知のシステムを解析‥‥‥完了

 安藤創世 メックヴァラヌス

 板場弓美 メックヴァラヌス

 寺島詩織 メックヴァラヌス

 変身と再現に追加しました。』

(‥‥‥‥‥‥‥‥‥メックヴァラヌスって何!?)

 

俺の知らない何かが、追加された事に困惑していると

横を通り過ぎた黒い車が、曲がり角で爆発を起こした。

「今のって!」

「とりあえず、俺だけ行くからみんなは!」

「怪我した人の避難とか手伝います!」

響達は、既に走って行っていた。

「いや、早いな!」

 

みんなに追いつき、曲がり角を見ると

壊れた車と至る所に灰が舞っていた。

そして、大量のノイズとボロボロのウェル博士がいた。

(手に持ってるのは、布で見えないがネフィリムの心臓を持っているのだろうな。)

「誰が追いかけてきたって、コイツを渡すわけには……」

「ウェル‥‥‥博士!」

「なッ!? 何でお前がここにッ!?

 ひ、ひえぇええええッ!?」

ウェル博士が、怯えて反射的にノイズを差し向ける。

その先には、未来ちゃん達がいた。

響は守るために走る

「Balwisyall nescell ガングニール トロン!!!!!」

変身し切れていない生身の状態で、ノイズを殴る。

「響ッ!」

「ヒトの身で、ノイズに触れて……?」

「うおおおぉおおおおおおぉぉぉおおおッ!!!」

だが響は、炭化せずギアを纏いノイズが崩れ去る。

俺はその光景に戸惑っていた。

(‥‥‥確かに浸食は、弦十郎さんが進んでるって言ったけど

腕云々関係なく殴れるぐらいには侵食が進んでるのか?

そういえば、アダムが言ってたな。早く浸食した時間もあるって、

ならそういうことか?)

 

「この拳もッ! 命もッ!シンフォギアだッ!!」

すると響の体から熱が出始め、

その熱気によって落ち葉が燃える。

「なッ!? 何だとッ!?」

 

ウェル博士がパニックを起こし、ソロモンの杖から沢山のノイズを出す。

「いつもいつもッ!

 都合のいいところでこっちの都合をしっちゃかめっちゃかにしてくれるッ!

 お前はァッ!!」

「はぁあ!フッ!でやぁああ!」

響は出てくるノイズを片っ端から倒すが、

体から出る熱気がさらに増していく。

「はぁ‥‥‥はぁ‥‥‥」

最後には、膝をついて動けなくなる。

「響!」

「ビッキー!」

「立花さん!」

「ちょ、無理しちゃダメだって!」

「響ちゃん今行く!」

 

俺はすぐに水着クリスになり、思いっきり水を吹っかけると

響ちゃんの変身が解除される。

「いひひひ、アハッッハッハハ!

 このまま、死ねぇ!」

ノイズをさらに出し、ノイズを倒すが、意識のない響ちゃんを運ぼうとしている、

みんなを守りながらも限界が出てくる。

「クソ!」

「ごめん、私達のせいで!」

「気にしなくていいから!

 それよりもいつでも逃げる準備を!」

「逃すわけがないじゃないですか!」

するとウェル博士が、ノイズを四方八方に出してきた。

「う、嘘」

「ここまでなの?」

(唯一この場を切り抜ける方法はある

でも、無関係な人達を戦いに駆り立ててしまうんじゃ?)

未来ちゃんが、俺をみる。

「何か手は、ありますか。

 あるなら言ってください!」

「サクラさん、何か私たちにできることがある?」

「私たちだって、いつまでも立花さんに

 守ってばかりじゃいられないんです!」

「私だって、怯えてばかりじゃいられないんだ!」

「何かありませんか!サクラさん!」

 

ノイズの包囲網が少しずつ狭くなっていく。

(迷ってる時間は、ないか)

「安藤さん、板場さん、寺島さん、

 力を貸して欲しい!!!」

「はい!」

「任せてください!」

「大丈夫いけるよ!」

俺はアーマーパージと共に変身を解き、

再現を選ぶ。

「何をするかは分かりませんが、させるものか!!」

「行くぞ!」

ノイズが一斉に突っ込んでくるが、光に阻まれる。

「「「メックヴァラヌス、テイクオフ!!!」」」

 

光が弾けるとそこには、

青色のギアを纏い、剣を持った安藤創世

 

赤色のギアを纏い、弓を持った板場弓美

 

黄色のギアを纏い、槍を持った寺島詩織

がいた。

 

(うん‥‥‥見たことないんだが、ノイズと戦えるのかこれ?)

先の見えない戦いが、始まろうとしていた。

 

 




このネタを書くためだけに小説を書いたと言っても
過言ではない。
まぁ、この後のことは一切考えてませんが。

誤字•脱字が有れば、よろしくお願いします。


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メックヴァラヌス

鬼滅の刃を読んでたら、遅くなりました。

メックヴァラヌスがほぼメイン回です。
相変わらずの強引な展開です。


メックヴァラヌスを纏った3人が、

自分たちの容姿に驚いていた。

「ビッキーみたいに変身しちゃった!」

「なんかアニメの主人公になった気分

 というか、今さっきのセリフもなんか良かった!」

「それに不思議とですが、戦い方が分かるのも変な感じです。」

「3人ともいけそう?」

アーマーパージと完全再現の衝撃で、ノイズの包囲網に

少し余裕ができたので3人娘に聞いてみると

 

「これならいけるよ!」

「うん、ノイズとも戦えるって不思議とわかる!」

「これなら皆さんを守りながら、逃げれます!」

3人が、武器を構えノイズを睨みつける。

「分かった。ここをなんとか切り抜けて

 逃げるとしよう!」

「何をしたか知りませんが、逃しませんよ!

 その小娘はここで仕留めます!!」

「悪いけど、私たちの友達に指一本触れさせるもんか!」

ウェル博士が指示を出し、ノイズが一斉に突っ込んでくる。

 

MOMENTUM GLADIO

 

蒼光が、通り過ぎると周囲のノイズが灰に変わる。

「これで!」

最後にノイズの密集しているところに青い稲妻が落ちる。

「‥‥‥本当にノイズを倒せちゃった」

「やるじゃん!創世!」

「ナイスです!」

サクラ達に近づいてくるノイズを弓美と詩織が、

倒しながら褒める。

「うん、まだ油断は、出来なけどねっ!!」

ノイズを切り裂きながらも会話をしていく。

 

弓に矢をつがえ、狙いを定めて射る。

矢尻にエネルギー溜まる。

ある程度溜まった矢を射ると、射線上にいたノイズが全て灰になる。

(頭の中に技が浮かんでるけど、威力高すぎてみんな巻き込んじゃうから、

派手にいけない)

「技に制限があるとかアニメみたいで、燃えるじゃん!!」

燃えてる弓美や創世、詩織に響を背負ったサクラが話しかける。

 

「燃えてる所、ごめんね。

 流石に拮抗はしてるけど、このままじゃジリ貧だ。」

「だよね。逃げようにも数が多くて無理

 やっぱり、あの白衣を抑えないとダメかな。」

「今3人で防衛してるから、なんとか拮抗できてるけど

 ウェル博士を抑えるために離れたらこの状況が一気に不利になるね。」

「ですが、立花さんの体のことを考えると

 長い時間はかけてられません。」

「それで、提案があるんだけどうかな?」

 

ノイズから身を守りながら、サクラの話を聞くと

「「「その作戦、ナイスじゃないです!!」」」

「サクラさん、流石にそれは怒りますよ!」

みんなから作戦について責められる。

「けど、いまはこれしか手がないんだ。

 みんな頼む!」

「‥‥‥ああ、もうやってやるわよ!」

「ちゃんと帰ってきてくださいね!」

「では、サクラさん

 ここの守りは任せてください!」

 

未来のそばに響を下ろし、創世と詩織が2人を守るように立ち、

サクラが前に出て、その後ろに弓美が立つ。

ウェル博士がその様子を見て、

「おや、諦めたのですか?」

「いいや、一気に決着つけようと思ってね。」

「ほう、守るのが手一杯になっているのにですか?」

「ああ、一気に決める。」

 

弓美がウェル博士の方へと矢を向ける。

「じゃあいくよ!」

「あなたに人を打つ覚悟はないでしょ?」

「いいや、ヒーローはいつだって迷わない!」

ウェル博士に向けて矢を放つ。

「ひぃい、本当に打ってきた!」

矢を防ぐために慌てて、周囲に展開していたノイズを密集させ守らせる。

少しづつ威力が落ち途中で消える。

「ふふ、少し驚いてしまいましたが残念でしたね。」

「いいや、もう一回!」

矢をつがえているのを見たウェル博士は、先程よりも

沢山のノイズを出し、矢に備える。

 

足のギアが地面に展開、固定される。

先程よりも矢尻に多くのエネルギーが集まり、

(サクラさん、信じてるからね!!)

 

IGNIS SAGITTAM

 

多くのエネルギーを溜め込んだ矢を、上に向けて曲射する。

周囲のノイズを一気に倒し、ウェル博士を守るために集めたノイズは全滅していた。

ノイズが全滅させた爆発により、ウェル博士の視界が遮られるが

風が吹いたことにより、所々服の焦げたサクラが迫って来ていることに気づいた。

(クソ、晴れるのが早い!)

「おらぁああああああ!!!!!」

「まさかの特攻とは、ですが生身のあなたにノイズは倒せない!」

ウェル博士がノイズを出そうとソロモンの杖をサクラに向けると

杖に石が当たり、手から弾かれる。

「なっ!?」

「悪いけど使われる前に落とせばいいだけだ!」

 

落としたソロモンの杖を拾おうとしたウェル博士の襟を掴み、

思いっきり背負い投げをした。

「こなクソぉおおおおっ!!!」

「いやぁあああぁあぁああああぁ‥‥グハッ!!」

ウェル博士が受け身を取ることができずに地面に叩きつけられ、

そのまま気絶する。

 

作戦ともいえない作戦とは、

単純に弓美さんウェル博士までに道を切り開いて貰い、

切り開いた道を俺が一気に接近し、取り押さえる。

この間、響ちゃんと未来ちゃんがノイズに襲われないように

創世さんと詩織さんが守る。

(うん、俺が死んだら一気に破綻する作戦だけど成功して良かった。)

 

地面に大の字になっているウェル博士を拘束しようと近づくと

「サクラさん、危ない!!」

「え?」

後ろを振り返ると

鎌とノコギリが迫っていた。

「ぅおおおおお!?」

俺はその場から慌てて避けるが、避けきれず吹き飛ばされる。

起き上がり自分が立っていた所を見るとサクラを睨みつける切歌と調がいた。

「‥‥‥裏切ったのデスか?」

「‥‥‥やっぱり、あなたも偽善者だった。」

「‥‥‥悪いけど、ウェル博士を拘束したいから退いて欲しいな。」

「セレナの事はどうでもいいって言いたのデスか!!!」

「切ちゃん、この人には何を言っても無意味、

 ここで倒すしかない!!」

(この状況じゃあ、何を言っても信じてもらえないよね。)

2人が、斬撃とノコギリをサクラに向けて飛ばす。

俺はそれを無抵抗で受けようと

 

「って、受け止めちゃダメだからね!?」

「帰ってくる約束は守ってください!」

斬撃を剣で弾き、大量のノコギリを連続突きで

突き落とす。

 

EXITIUM HASTAM

 

攻撃を弾かれ、サクラに当たる事はなかった。

「何があったか分からないけど、それは誰も嬉しくない答えだよ。」

「そうですよ。それに約束を守らないのはもっとダメです。」

「私たちとの約束は、ちゃんと守ってよね。」

サクラを守るように3人娘が立っていた。

「‥‥‥そこを退いて、あなた達が庇ってる人や

 あそこで倒れている偽善者にいいように使われているだけ、

 邪魔をしないなら、それ以上の怪我をしないで済む。」

「お生憎さま、友達の趣味が人助なんだよね。」

「あの子の趣味は、本気の趣味

 そしてこの方はその趣味を手伝うようなお人好しですわ。」

「私は!私達は知っている!

 あの時見た2人の覚悟を偽善なんて言葉で片付けさせない!!!」

「3人とも‥‥‥」

 

その言葉に嬉しさが込み上げると同時に、

切歌ちゃんや調ちゃんに俺の覚悟を一度も

言ったことがないことに気づいた。

3人の言葉に動揺していた2人に声をかける。

「‥‥‥2人ともごめん、

 でも、セレナちゃんを助けたいって思いは今でも変わってない」

「その言葉を信じると思う?」

「信じてもらえるとは思ってない。だから、

 これからの行動で全部示す。」

「‥‥‥それでセレナは救われるデスか?」

「ああ、救ってみせる!」

 

サクラは2人から目をそらさずに見ていると

切歌と調は目を合わせ、倒れているウェル博士を担ぎ、

ソロモンの杖を回収する。

「‥‥‥調、ここで撤退するデスよ。」

「‥‥‥うん」

「って逃げるの!?」

「これ以上、ここにいても何もないから」

ノコギリを飛ばし、地面に当たり煙で見えなくなる。

煙が晴れるとそこには誰もいなかった。

 

「逃げられちゃいましたね。」

「けど、助かったよ。

 これ以上は疲れてもう無理そう」

「うん、これ以上はもう動けないや。」

3人娘が全員、地面に座り込む。

「みんな戦い巻き込んで、本当にごめん」

俺は頭を下げて謝罪をする。

 

「気にしなくていいですよ。

 普段から守ってもらってるからね。」

「こういう時、頼ってもらえて嬉しかったですよ。」

「そうそう!それにアニメみたいで、テンション上がったしね!

 それに謝ることなんてないよ!」

「え?なんで?」

3人が笑いながら言う。

「怖い思いはしたけどさ、ビッキーやサクラさんに普段から

 守ってもらってるんだよ?

 これで返せるとは思ってないけどさ、」

「サクラさんは、友達を守る力を貸してくれたんだよ。

 謝られるとこっちが辛くなっちゃうじゃん?」

「そうですわ、だから謝らないでください。」

俺は、謝罪ではなく感謝の言葉を送った。

「‥‥‥ありがとう、助けてくれて」

「「「どういたしまして!」」」

 

3人の再現を解除して、響の看護をしていると

翼とクリスが合流した。

「無事で良かったわ。」

「うん、響ちゃん以外は大丈夫だよ。」

「おい、お前ら無事か!?」

クリスちゃんは、未来ちゃん達のところへ向かい

俺は翼さんに声をかけた。

「それで、響ちゃんはどうするの?」

「救急ヘリがもうすぐ着くわ。」

「そっか良かった」

「‥‥‥立花の浸食は一気に進んだはずよね。」

「‥‥‥そうだね。」

「私は、肝心な時に間に合わないのね‥‥‥。」

「俺なんて、その場にいても守ることもできなかった。

 むしろ、守られちゃったよ。」

(そう唯一の心配はガングニールの浸食、

響ちゃんの体はどれほど持つだろうか?

それにセレナの方は、浸食はしてるか?

ネフィリムだし、浸食はしてそう)

 

 

その後、響ちゃんを救急ヘリで運びすぐにメディカルチェック

戦ってくれた3人もすぐに病院で見てもらったが、

軽い傷以外は問題ないとのこと。

弦十郎さんの話では響ちゃんの体の浸食は、俺が聞いたときよりも進んでおり

話を聞いていた未来ちゃんもかなり落ち込んでいたが、決意を固めていた。

「‥‥‥私が響を守るんだっ!」

 




誤字•脱字有れば、よろしくお願いします。


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蝕む恐怖

最近の悩みは、どんなに食べてもお腹が空くこと



未来ちゃんから、響ちゃんとスカイタワーの水族館に遊びに行きたいから、

連れて行ってもらえないかと電話があったので、

免許を取ったばかりの運転でスカイタワーに来ていた。

2人の邪魔をしないように後ろで見守っていたが、

普段なら楽しみそうな響ちゃんが、あまり楽しそうではない。

水槽をジッと見ているようで、ぼんやりとしている。

それをみかねた未来ちゃんが、ジュースを買いに行った。

 

響は、自分の体についてずっと考えていた。

(死ぬ……戦えば死ぬ。考えてみれば当たり前のこと、

でも、いつかマヒしてしまってそれはとても遠いことだと錯覚していた。

戦えないわたしって誰からも必要とされないわたしなのかな……)

考え込んでいる響に冷えた缶ジュースが頬に当てられる。

「うひゃいやぁああ!?」

響の変な声に周りの一般客が、こちらに目を向ける。

「大きな声出さないで。」

未来が手に缶ジュースを手渡してきた。

「だ‥‥‥だって、こんなことされたら誰だって声が出ちゃうって!」

「響が悪いんだからね。」

「わたし?」

「だって…遊びに来たのにずっとつまらなそうにしてるから。」

「あううう…ごめん。」

「心配しないで。今日は久しぶりのデートだもの…楽しくないはずがないよ。」

「…響」

(ブラックコーヒーが欲しい。

流れは今のところ大きくは変わってないからマリアさんがいるはず、

けど、響ちゃんの体を考えると離れるのは得策じゃない。

ああ、もうセレナちゃんの状態がわからないのが、本当に辛い!)

2人を見守り続けながら、今後のこと考えることにした。

 

その後、スカイタワーの色々なところを見て回る2人の後をつける

変質者という光景が続く。

(ブラックコーヒーが甘い!)

スカイタワーの展望台エリアに来て、外の景色を楽しんでいるようだ。

「響、あれ何かな?」

「うーーん?何かのオブジェかな?

 後でサクラさんに連れて行ってもらおうよ!」

「そうだねって、あれ?サクラさんがいつの間にかいないよ!」

「え!?ずっといた気がしてたよ?」

2人がサクラを探そうとした時、

「あれ、ノイズじゃないか?」

「おい、逃げるぞ!」

周りの人が騒ぎながら我先へと逃げていく。

 

外を見ると鳥型のノイズが、大量に飛んでいた。

それを見た響がノイズを倒すために駆け出そうとするのを

未来が必死に止める。

「行っちゃダメ!行かないで!」

「未来…だけど行かなきゃ。」

「この手は離さない!響を戦わせたくない!遠くに行ってほしくない!」

俺は、はぐれそうになった男の子を親御さんに預けて、

2人に合流する。

「2人とも俺が守るから避難しよう!」

「サクラさん!どこに行ってたんですか?」

「その疑問は後で答えるから、早く逃げよう!」

「サクラさんが守ってくれるから響は戦わなくていいんだよ?」

「‥‥‥うん、そうだね。お願いします!」

「こっちに付いてきて!」

 

再現でイチイバルを出して、2人を誘導して非常口へ向かう。

階段をある程度降りると突然の爆発に襲われる。

「2人は!?」

後ろを振り返ると瓦礫で入口が閉じてしまっていた。

「響ちゃん、未来ちゃん無事か!?」

瓦礫に近づき声を上げて、無事を確認する。

「はい、なんとか!」

「2人とも大丈夫です!」

「他に道がないか探すから待って!」

「はい、信じて待ってます!」

「サクラさんも気をつけて!」

俺は、他に道がないかを周囲を確認すると

スタッフ専用ドアがあり、イチイバルで扉を破壊して

中に入る。

(何も見えないな、スイッチはどこ)

スイッチを探そうとした瞬間、いきなり大きな拳が飛んできた。

なんとか体を動かし避けようとするが吹き飛ばされる。

「ぐがぁああああ!?」

 

そのまま壁にぶつかり、なんとか顔を上げると

扉から挿す光でセレナの顔が見えた。

セレナが、ゆっくりとこちらに歩いてくる。

扉を越え、セレナの体を見たサクラの思考が止まる。

「な‥‥‥なんだ、その姿は?」

「A、サK uラSAン、お久SHIぶりDEす。」

 [あ、サクラさん、お久しぶりです。]

そこには、大きすぎる左腕と胴体、顔の下半分がネフィリムと

思われるものに覆われていたセレナがいた。

「‥‥‥流石にこれは予想外すぎる!」

「アRe?聞コえTeイNAイんでSYOウか?」

 [あれ?聞こえていないんでしょうか?]

「ごめん、聞こえてるよ。

 ‥‥‥久しぶりだね。セレナちゃん。」

「Haい、良かッTA。聞コEテnAイかト思イM Aシた。」

 [はい、良かった。聞こえていないかと思いました。]

「セレナちゃん、その姿は一体何かな?」

セレナが自分の体を見て、俺の方をもう一度見る。

「??????至ッTe、普tsuUでスYo?」

 [??????至って、普通ですよ?]

「そ、そっか」

(全然普通じゃないんですが!

響ちゃんもセレナちゃんも時間の問題とか怖すぎ!)

俺はどうにか、セレナちゃんを連れて行けないか考えていると

 

「そUd Eしタ、ウぇRu博士に連rEテくRuよウに言wAれテまShiタ。」

 [そうでした、ウェル博士に連れてくるように言われてました。]

するとセレナちゃんは、無造作に左腕を俺に向かって振り下ろす。

「うぉおおおお!?」

なんとか回避するが、さっきまで立っていた場所が

崩れた落ち、地上が見えた。

「 Aレ?避らReチゃImAしT a。」

 [あれ?避けられちゃいました。]

「セレナちゃん、これは捕まえるというより

 死んじゃいそうなんだけど?」

「大ZyOう夫でS Uヨ。タdA握ルだKeデすYo?」

 [大丈夫ですよ。ただ握るだけですよ?]

(握るってなんだろう)

 

俺はその場から全力で逃げる。

「あそこで戦うと響ちゃんたちにも危険が!」

「鬼ごッKoでsUか?IイDeすYo。しッカRi捕マえmAすネ!」

 [鬼ごっこですか?いいですよ。しっかり捕まえますね!]

俺は全力で駆け下り、途中で見つけた梯子を登る。

(あの手なら登れないはず!このまま逃げて2人と合流を!)

 

梯子を登り切り、そのまま上を目指す。

下から何かが潰れる音が聞こえたので振り返ると

「追イtsuKiまシたYo!」

 [追いつきましたよ!]

梯子を握りつぶしながら登ってきた。

「やばい!?」

俺は急いで走ろうとした瞬間、背中にとてつもない衝撃が走る。

言葉にならない悲鳴が出る。

「ーーーー!ーーーー!?」

「Y aアあA AあアアあAアAああ!!!!!」

 [やああああああああああああ!!!!!]

そのまま殴り飛ばされ、ガラスに叩きつけられる。

ぶつかった衝撃でガラスにヒビが入り、サクラの口から大量の血が出る。

「グボッ、ガボッ!うぉおえ!」

「やッT O、静KaにナってK Uれm Aシた。」

 [やっと、静かになってくれました。]

セレナがゆっくりとサクラに近づいてくるが、

ガラスが割れ、サクラが落ちる。

落ちている途中で、響ちゃんが落ちないように手を掴む

未来ちゃんが見えた。

(‥‥‥助けなきゃ

体が動かない?なんでだろう?)

 

何もできずに落ちていく。

地面が少しづつ見えてきた。

(ああ‥‥‥死ぬのか)

すると温かいものに優しく抱きしめられる。

「サクラさん!意識はありますか!サクラさん!!」

(こえ‥‥が、聞こえ‥‥‥る)

「絶対助けます!!!

 うぉおおおおおおおお!!!!!」

着地の衝撃が殺しきれずに、サクラと響が地面に転がる。

 

倒れたサクラの口から血がまた大量に溢れる。

「サクラさん!どうしようこのままじゃ!」

スカイタワーの上の方を見ると未来がいたところで大爆発が起こった。

「未来ゥウウウウウッ!!」

無防備な響にノイズが飛びかかるが、届く前に灰になる。

「立花、無事か!?

 サクラ!? 何があった!」

「おい、こいつこのままじゃ、危ねぇぞ!」

助けに来た翼とクリスが、血まみれになっているサクラに駆け寄り、

体の状態を確認すると素人の目でも、わかるぐらい危険な状態だった。

 

響がサクラに近づき、抱きかかえる。

「‥‥‥未来と約束したんだ。サクラさんを助けて

 すぐに向かうってだから!!邪魔をしないで!!」

「ならば、我々はその道を切り開く!」

「目障りだ!今すぐに消えやがれ!!!」

 

ノイズを倒し、2課の面々が来る。

それと一緒に救急隊が来て、サクラが担架にのせられる。

「サクラ君を今すぐに運べ!!何があっても死なせるな!!!」

「サクラさんをお願いします」

意識を失っていたサクラが目を覚ます。

「ま‥‥‥っで、ぐ‥‥ださい」

「サクラ君、無理に喋ってはいかん!」

「サクラさん!聞こえますか!?」

「きこえ‥‥でる。

 ご‥‥れをひ、びきちゃ‥‥ん」

サクラさんが震える手で、スマホを渡してくる。

「え?サクラさん私はこれを使えないよ!」

「完全‥‥ぜいぶつ、だから大丈‥‥夫だよ。

 パスワードは‥‥ごく、ろ‥‥さん」

私はサクラさんの言葉を聞き逃さないようにする。

「変身‥‥をつか‥‥て

 あ‥‥と、未来ちゃ‥‥‥はぶ‥‥‥」

サクラはそのまま気を失い、救急隊が慌てて連れて行く。

 

私は、運ばれるサクラさんを見送った。

(‥‥‥未来、サクラさん、私の大切なものが全部

この手からすり落ちていく。

どうしたらいいの?)

 

響から少し離れたところで、

サクラを見送った弦十郎と緒川は話をしていた。

「…米国政府が?」

「間違いありません。F.I.Sと接触し、交渉を試みたようです。」

「‥‥‥その結果がこの惨状とは。」

「交渉は決裂したと見るのが妥当だが。」

「ただ、どちらが何を企てようと一目につくようなことは

 極力避けたいはず。」

「F.I.Sと米国が結びつくのを良しとしない第三の思惑が横紙を破ったか。」

 

次の日

私は、師匠に呼び出されたので本部に来てみると

翼さんやクリスちゃんも来ていた。

3人で師匠の話を聞くとサクラさんはなんとか一命を取り留めたが

意識がいつ戻るかはわからないとのこと。

 

そして師匠が、通信機を渡してきた。

「師匠、これは…?」

「スカイタワーから少し離れた地点より回収された未来くんの通信機だ。」

「……。」

「発信記録を追跡した結果、破損されるまでの数分間、

 ほぼ一定の速度で移動していたことが判明した。」

「‥‥‥え?」

「未来くんは死んじゃいない。何者かによってつれだされ、

 拉致されたと見るのが妥当なとこだが」

「師匠、それってつまり…!」

「こんなところで呆けてる場合じゃないってことだろうよ!

 さて、気分転換に身体でも動かすか!」

「はいッ!!」

 

師匠とみんなで、ジャージに着替えて走る。

「〜〜♩」

「何でおっさんが歌ってんだよ!

 ってか、そもそもコレ何の歌だ?大丈夫か?」

クリスがツッコミを入れるが、他の2人は慣れているのか

特にリアクションはない。

「‥‥‥ ったく、慣れたもんだな。」

(そうだ、俯いている暇はない!意識がなくなるくらい怪我をしたのに、

力を貸してくれたサクラさんのためにも!私が未来を助けるんだ!)

 

修行の休憩中に、弦十郎が聞いてくる。

「そういえば、響君

 サクラ君のスマホは操作して見たのかね?」

「あ!まだです。師匠!」

「ならば、休憩がてらやってみるとしよう!」

「はい!」

響がスマホを取り出し操作をしていく。

「って、それ休憩でやることじゃねぇだろ!」

「うむ、普段はサクラしか触っていないからな。

 こういうのをみるのは新鮮だな。」

「どうだ、響君いけそうか?」

「‥‥‥準備できました!」

 

響がスマホを空に掲げ、

変身するといつものをギアを纏う響が現れる。

「おお!変身出来ました!」

「体調に変わりはないか?立花?」

「いえ、むしろこう元気が溢れてきます!」

「そんなに変わんのか?」

「クリスちゃんも、やってみたら分かるよ!」

響が変身を解き、クリスにスマホを渡す。

「そ、そんなに言うならやってやるよ。

 え〜〜と、こう‥‥‥か?」

少しもたついたが、クリスも変身をしてみると

「うお!マジか!疲れが一瞬でなくなったぞ!」

「でしょ!すごいよね!

 ‥‥‥まぁ、変身解いたら一気に来るんだけどね。」

「‥‥‥解きたくねぇな。」

「な、なぁ。私もやってみては」

弦十郎が手を叩き、

「よし、響君が変身できることもわかったことだし、

 修行を再開するぞ!!」

「はい!師匠!!」

「はぁ、めんどくせぇ

 ほらよ、特訓バカ。」

クリスが変身を解除して、響にスマホを渡す。

「ありがとう、クリスちゃん!」

「では、もう一度走り直すぞ!」

走り出す弦十郎を追うように響が走り出し、

その後をふらふらしながら、クリスも走り出す。

「はい!うぉおおおおおお!!!」

「ちょ、そんなに張り切るな!」

「‥‥‥私もしてみたかったな。」

翼はできなかった事に少しだけ、ほんの少しだけ残念に思った。

 

私は、自分の体のことを心配しないで戦えることが嬉しかった。

未来を助けるための力がこの手にはある。

(もう少し‥‥‥もう少しだけ待って、未来!)

 

 




セレナの台詞は読みづらいなぁと思い
翻訳をつけました。

誤字•脱字有れば、お願いします。


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フロンティア ??????

シンフォギアxdのコラボ先に驚きました。
魔法少女事変とかで出したいですが、
コラボのストーリー内容が分からないのでまだ当分先ですね。

ただイラストはしゅきでした。

??????に関しては必要な事なので、気にしないでください。


サクラは、目を覚ますと2課が所有する潜水艦の医務室で、

大量の点滴を刺されていた。

(また、寝てるよ。今どんな状況だろう?)

体を起こし、歩いてみる。

(‥‥‥歩ける。けど、喉がすごく痛くて声が出ない。)

壁に手をつたい歩いていく。

(意識は朦朧としていたけど、響ちゃんにスマホを渡せたような気がする。

でもなんでだろう?変身させちゃいけない、そんな気がする。)

 

「サクラ君!?目を覚ましたのですか?

 いえ、それよりも医務室で寝ていないと!」

「あなたは、そんな体で動こうとしているんですか!?」

何故か磯臭い緒川さんと調ちゃんがいた。

(声が出ないから喋れないし、止まると倒れそうだから

止めないでね?)

俺は、2人を無視して歩みを止めずに指令室へ向かう。

 

すると緒川さんが、肩を貸してくれた。

「何を言っても、止まらないのが君でしたね。」

(ありがとうございます。)

声は出ないので、頭を下げるだけにする。

緒川に手錠をされた調は、それをじっと見ていた。

 

指令室に入ると

「あのエネルギー波を利用して未来くんのギアを解除する…だと!?」

「わたしがやります!やってみせます!」

「いくらサクラ君の力を借りているとはいえ、

 戦う時間には制限がある!」

「翼さんもクリスちゃんも戦っている今、動けるのは私だけです!

 死んでも未来を連れて返ります!」

「死ぬのは許さん!」

「じゃあ死んでも生きて帰ってきます!それは、絶対に絶対です!」

「……。」

「時間はごく限られている。勝算はあるのか?」

「思いつきを数字で語れるものかよ!」

 

(あ、出て行く前で助かった。)

「行ってきま、サクラさん!?」

「サクラ君、目が覚めたのか!?」

2人がサクラに気づき声をかける。

サクラは、響の持っていたスマホを取る。

「それをもう一度貸してください!それがないと未来が!」

 

スマホを操作して、メモ帳のアプリを開く。

『声が出ないから、これで話すだけだよ?』

「声が出ない?」

『時間がないんだろ?俺も行くよ』

「だ‥‥‥ダメですよ!体かなりボロボロだって!」

「そうだ!君の体は、まだまともに動かないんだぞ!

 慎次に支えてもらわなければ、動けない体で何ができる!!」

『出来る事があるんです!やらせてください!』

弦十郎は、少し悩んだ後

「慎次をサクラ君の護衛につける。それが条件だ!」

『緒川さんお願いします!行こう響ちゃん!』

「はい!」

「任せてください!」

 

響ちゃんが先に走って行き、緒川さんが俺を抱えて出ようとしたところで、

調ちゃんが声をかけてくる。

「なんで?なんでそんな体で、行くの?」

『誰かを助けるために出来ることをしたいからだよ。』

「出来ることを‥‥‥」

「では、すみません時間がないので!」

緒川が、物凄い速度で走っていった。

 

外に出ると哨戒艦艇の上いる神獣鏡を纏った未来ちゃんに

響ちゃんが大きな声で説得をしていた。

 

「一緒に帰ろう未来!」

「帰れないよ‥‥‥

 だってわたしにはやらなきゃならない事があるもの。」

「やらなきゃならないこと?」

「このギアの放つ輝きはね、新しい世界を照らし出すんだって。

 そこには争いもなく、誰もが穏やかに笑って暮らせる世界なんだよ?」

「争いのない世界‥‥。」

「わたしは響やサクラさんに戦って欲しくない。だから2人が戦わなくていい世界を作るの。」

「だけど未来、こんなやり方で作った世界はあったかいのかな‥‥?」

「それはどういう意味?」

「わたしが一番好きな世界は、未来が側にいてくれるあったかい陽だまりなんだ。

 それにサクラさんだって、未来が戦うこと望んでないよ。」

「でも、響が戦わなくて、サクラさんが怪我をしない世界だよ。」

「たとえ未来と戦ってでも…そんな事させない!」

「わたしは2人を戦わせたくないのッ!」

「ありがとう。だけど私は、‥‥‥戦うよ!」

 

響は、サクラの方を見る。

「サクラさん!お願いします!」

俺は頷き、響ちゃんを再現する。

「ありがとうございます!行くよ未来!!!!!」

 

響は、一気に未来へ接近、右ストレートを放つが

神獣鏡の扇に阻まれるが、怯むことなく蹴り飛ばす。

(最速で、最短で、真っ直ぐに、一直線に、胸の響きを、この想いを伝えるために!)

追撃しようとすると未来からカウンターを貰い、後ろに下がってしまうが、

「うぉおおおおおお!!!」

そのまま未来のお腹へ飛び蹴りを放つ。

 

二人の戦いを見守っていると、

通知音が聞こえたので、スマホを見ると

『対象を確認 ギャラルホルンにて観測

 小日向未来 神獣鏡

 変身•再現対象に追加しました』

(ここで、追加されるのか)

 

「サクラ君、動きます!」

(へ?うおぁあああ!?)

緒川さんが、その場から離れると船の甲板が思いっきり凹む。

「見TsuけmAシた。SaくラsAん着いテKiてクDaさイ」

 [見つけました。サクラさん着いて来てください。]

(声が出ないのが痛いな!けど、選択の幅が広がった今なら!)

 

緒川さんに完全再現と神獣鏡を断片再現する。

「では、僕が抱えて動きますのでよく狙ってください!」

(ありがとうございます!)

セレナの破壊力はとても驚異的だが、

動きが単調なため緒川さんに攻撃が当たらない。

「MuうUウ、sUバしッこイDeスね!」

 [むううう、すばしっこいですね!]

狙おうと扇を構えた瞬間に

セレナが甲板を剥ぎ取り、こちらに投げてくる。

「っ!動きが少しずつですが、速くなって来てますね!」

(え?それってまずい?)

「今のところはまだ、回避できますが

 彼女の体の浸食が思った以上に早いのかもしれません!」

(人間をやめ始めてるってことか!)

攻撃を避けながら、会話を続ける。

(ん?なんで会話ができて!?)

「避ケNaいデk Uだサi!」

 [避けないでください!]

 

それからなんとか隙を伺っていると

突然セレナの右腕が、ネフィルムの大きな口になる。

(浸食が一気に進んだ!?)

「O腹空Kiマしタ」

 [お腹空きました]

セレナの動きが止まったので、扇を展開、攻撃したと同時に

未来が射線上に入る。

(当たれ!!!) 閃光

「私の希望を壊させない!」 閃光

 

二つのビームがぶつかり合うが、サクラの出力が弱いのか、

未来の攻撃が、全てサクラの攻撃をかき消し飛んでくる。

緒川さんが全部回避してくれるが、セレナには当たらなかった。

(なら!未来ちゃんを完全再現して頭のユニットを外せば!)

断片再現を解除しようとした瞬間に響が未来へ肉薄する。

「未来、私から目を逸らさないで!」

「響もサクラさんも私の邪魔をしないで!」

 

2人がセレナの近くで戦いを始める。

(あんなに近いと神獣鏡も使えない!

それにあんなに動き回るんじゃ、完全再現の狙いが定まらない!)

「サクラ君、彼女に接近します!いつでも撃つ準備を!」

緒川さんの提案で、セレナに接近しようとした瞬間

セレナが、響を見る。

「オ腹空KiまシtA。Go馳走が、MeのマえNiあリMaスね。」

 [お腹空きました。ご馳走が、目の前にありますね。]

右手の口から涎を垂らしながら、

未来と鍔迫り合いになっていた、響に近づく。

「いTaダKiマす。」

 [いただきます。]

 

口を開き、響を食べようとしていたのを緒川が

響を抱えることで回避

だが、セレナは響だけを見ている。

「あAアAアあAアAアあああAシtAにはA U AZKImwがぁまjk!まっ」

人の言葉とは思えない言葉でセレナが、響と緒川に襲いかかる。

「響さん、立て直せそうですか?」

「はい!大丈夫です!」

 

俺は、未来ちゃんと対面していた。

「体はもう大丈夫ですか?」

俺はうなずくと同時に、

右手に扇、左手と腰にイチイバルを展開して攻撃する。

「ッ!サクラさんもやっぱり邪魔をするんですね!」

(当たり前だ!ああもう、声が出ないのが痛いな!!)

俺は動く事ができないので、近づかれないように弾幕を厚くする。

 

全て扇で防がれるが、サクラは足に神獣鏡のユニットを展開

「響もサクラさんも戦うなんて間違ってる。

 戦わないことだけが、本当にあたたかい世界を約束してくれる。

 だから、戦いから解放してあげないと」

脚部ユニットからミラーを展開する。

それを見た未来も同じように展開して行く。

(出力が負けてても、狙いを未来ちゃんから後ろのセレナちゃんを狙えば!)

サクラの方が早くエネルギーが溜まり、体の向きをセレナへ向ける。

(いっけぇええええええ!!!!!)

緒川は、サクラがこちらに攻撃することに気づき、響と共に射線上から離脱、

それと同時に影縫いをして動かないようにした。

「狙いは私じゃない!?これじゃ、間に合わない!」

未来はサクラの狙いに気づくが、攻撃を防ぐのに間に合わないことを悟る。

(当たる!!!!!)

セレナに当たる直前にビットが入り込み、ビームの向きを変える。

(嘘だろ!?)

 

空を見ると大量のビットが浮かんでおり、ビームをありとあらゆる角度に変え、

ビームの数がだんだんと増えて行く。

そして未来の方もエネルギーが溜まったのか、サクラに向けて極大のビームを放つ。

(間に合わない!)

当たる直前で、緒川がサクラを連れてその場を離脱した。

響は、追撃しようとした未来を止めるために攻撃を始める。

2人は、そのまま空中戦へと移行していった。

 

緒川さんに抱えてもらいながら、

俺は動けないセレナちゃんに、攻撃しようとするとビームの雨に阻まれる。

(クソ!!!)

「これだけ攻撃が激しいと、これ以上は近づけません!」

 

するとスマホから初めて聞く音が、鳴り始める。

(なんだ!って、響ちゃんが再現距離から離れて!)

スマホを確認すると、再現距離が限界と警告が表示されていたので、響の方を見る。

未来を抱きかかえて、ビームに当たりに行った所だった。

緒川が、ビームを避けると再現距離から離れてしまったのだろう、

響が制服姿になり、2人は光に飲まれた。

 

それと同時に海から遺跡が上がって来た。

「あれが‥‥‥!」

(フロンティア!いや、それよりもセレナちゃんを!)

すると切歌が、影縫いを解きセレナを自由にしていた。

「セレナ、行くデスよ」

「sっくjんっへjぉ」

2人が逃げようとしていたので、阻止するために動こうとすると

「動くな。こいつがどうなってもいいのかよ?」

気絶した翼の頭に、銃を突きつけたクリスが来た。

「な!?翼さん!」

「安心しろよ。気絶してるだけだ

 あたしらを見逃せば、無傷でこいつを返すよ‥‥‥。」

その間に切歌とセレナは離脱した。

 

クリスは、翼をゆっくりと下ろし逃げていった。

「ほらよ。あたしも行くからな。」

緒川は、サクラを下ろし翼へと駆け寄る。

「翼さん、大丈夫ですか!?翼さん!」

 

俺はその光景をぼんやりと見ていた。

(あれ?意識がぼんや‥‥‥り‥‥‥‥‥)

 

サクラは、また倒れるのだった。

 

 

 

 




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ネフィリム戦 前半

石が、ガチャを回す石がない!!!!!

今回は、修復砲(仮)の力が、新たに解放されます。


目が覚めると医務室のベットの上にいた。

(またなのか‥‥‥泣ける。)

落ち込んでいると喉に違和感を感じ、声を出してみる。

「って?あれ?声が普通に出る。」

体を起こし、歩いてみる。

「????普通に動けるし、歩ける!?」

倒れる前までは、支えてもらわないと歩けなかったのに

今は1人で歩ける状態だった。

「とりあえず、考えるのは後だ。

 フロンティアが、上がったまでは覚えてるけど‥‥‥、

 現状は、どうなってるんだ?」

 

サクラは、走って指令室に向かうと

弦十郎がモニターに向かって叫んでいた。

「何をやってるッ!

 響君を戦わせるつもりはないと言ったはずだ!」

「戦いじゃありません!人助けです!」

「減らず口の上手い映画など見せた覚えはないだろ!」

(響ちゃんが、もう出た後か。なら俺も向わないと!)

未来が、弦十郎に想いを伝える。

「行かせてあげてください。

 人助けは、一番響らしいことですから。」

「‥‥‥こういう無茶は、大人の役割だったのにな。

 フッ、ならば子供ばかりにいい格好させてたまるか!」

弦十郎が、指の骨を鳴らし笑みを浮かべる。

「では、俺は行ってくる。

 ここは任せたぞ!」

サクラが立っている方へ体を向けそうだったので、

思わず、物陰に隠れてしまう。

(今見つかったら、絶対戦場に行くのを止められる!)

 

弦十郎が扉を開き、誰もいない廊下を進もうとしたところで、

歩みを止める。

「‥‥‥ここからは、俺の独り言だが、」

未来が、弦十郎の方を見る。

(誰もいない?)

「君の体は、怪我一つない状態だ。

 万全の状態と言えるだろう。

 だが、了子君が残したレポートに記してあった、

 怪我が治る早さは、ギャラルホルンではない別の要因であり、

 その代償をなんらかの形で払っていると」

弦十郎の独り言は続く。

「故に俺から言えるのは、怪我をしないで戻ってくる事が

 一番の理想と言えるだろうよ。

 では、俺は行くとしよう。」

 

弦十郎が、そのまま歩いて行き、扉が閉まる。

(すぐにバレちゃったな。

‥‥‥ギャラルホルン以外の要因で怪我が治ってたの?

しかも代償って、全く身に覚えがないんだけど?)

俺は、物陰から体を出すと未来ちゃんがいた。

「‥‥‥体はもう良いみたいですね?」

「‥‥‥ハイ、イイミタイデス」

「止めても、行くんですよね?」

「うん、行くよ。」

「お願いがあるんです。」

「お願い?」

「はい!セレナさんを助けてあげて欲しいんです。」

「どうして、セレナちゃんのことを?」

「私が捕まったときに響と同じように、ずっと苦しんでました。

 ずっとサクラさんの名前を呼んでたんです。だから‥‥‥」

「‥‥‥分かった。任せて!」

 

俺は、ハッチから出てフロンティアの上に立つ。

(勢いで出てきたけど、セレナちゃんはどこにいるんだ?)

「とりあえず、あの建物に向かうか!」

フロンティアの中央に、建っている建物へ

向かって走り出す。

途中でノイズの妨害はあったが、なんとか切り抜けて、

建物の前に来ると

 

「「大好きだって、言っているでしょうぉおお!!」」

切歌と調が、戦っているのを発見した。

(なら、響ちゃんはもう建物の中!)

2人の戦いを素通りして、建物内へ入る。

 

(どこだ!どこにいるんだ!セレナちゃんは!?)

廊下を走っていると、廊下の壁が砕け、

「Aaaaaaaaaaaaaaaa!!!!!」

上の顔以外が殆ど浸食されたセレナが現れた。

左手は前よりもさらに肥大化、

右手の口は、餌を求め涎を垂らし、

人の形ではない脚、

尻尾まで生えていた。

(顔以外浸食が終わってる!急がないと!)

 

俺は、未来ちゃんに変身して、神獣鏡を纏う。

残り5分30秒

脚部のミラーを展開、ビームを撃つ準備を始めると

セレナがこちらを見る。

「Aaaaa?Gaaaaaaaa!!!」

右手の口を開き、サクラを食べようとしたと同時に

エネルギーが溜まり、すぐに撃つ。

「こんなに狭いなら!当たる!」

流星

右手が溶けると同時に、ネフィルム•セレナが離脱、天井に張り付く。

「‥‥‥は?右手が溶けた?」

上を見ると人間の胴体が、ある部分まで綺麗に消滅していた。

消滅した部分の再生が、すぐに始まった。

「もしかして、浸食され過ぎて、体が聖遺物になってるのか!?」

再生が終わり、上から左腕で叩き潰そうとしてくるのを回避する。

「神獣鏡での攻撃は全部、悪手だな!」

セレナが、尻尾による攻撃をしてくる。

空を飛んで回避をするが、その風圧に体のバランスを崩す。

「Gyaaaaaaaaaaaaa!!!!!」

左手は掴んでこうようとしたのを、体を捻り、なんとか回避する。

「グッ!ここじゃ狭い!外に出ないと!!」

 

残り4分13秒

外に出ると切歌と調がいた。

「2人共!急いでギア纏って!速く!」

サクラの言葉を聞き、すぐにシンフォギアを纏うと

後ろのセレナに気づいた。

「セレナ!?」

「あの宿六、何が症状は落ち着いてるデスか!

 思いっきり進んでるじゃないデスか!」

セレナの攻撃を避け、切歌は悪態をつく。

「サクラさん?で良いんですよね?」

「うん、時間はないから簡潔に伝えるね。

 神獣鏡じゃ、セレナちゃんを助けれそうにない」

「そう‥‥‥なんですか」

「修復砲(仮)があれば、助けられるデスよね!?」

セレナが突っ込んできたのを、全員回避。

 

残り3分27秒

調が、ヨーヨーでセレナの体を拘束

さらに切歌によりに二重拘束される。

「っ、ならマリアがなんとかしてくれるはず!」

「マリアが今、世界に助けを求めてるですよ!」

2人が、上を指さしたので見ると

空に映像が、投影されていた。

そこにはマリアと響が、全裸で写っていた。

(全裸中継‥‥だと!?)

 

残り2分57秒

俺は急いで、顔を逸らし音声に集中する。

マリアが、響を質問責めにしていた。

「これはあなたの歌?胸の歌がして見せたこと?

 あなたの歌って何!?何なの!?」

「撃槍!!ガングニールだぁあああ!!!」

(追い剥ぎが終わったみたいだ。

なら、俺に出来ることをしないとな!)

2人の拘束を振り解き、切歌に襲い掛かろうとしたのを

ビームを撃ち、意識をサクラへと逸らす。

 

セレナを2人の協力もあって足止に成功していた。

残り1分

空からウェル博士の声が聞こえた。

「ひとんちの庭を走り回る野良猫め!

 フロンティアを食らって、同化したネフィリムの力を思い知るがいい!!」

するとセレナが、急に向きを変えて走り始めた。

セレナの向かった方を、見ると巨大な怪獣がいた。

「あれが、ネフィリム!?」

「大きすぎるデスよ!?」

「いや、それよりもセレナちゃんは、なんで向こうに向かったんだ!?」

全員が、セレナを追って行く。

 

なんとか着くと同時に変身が解ける。

巨大なネフィリムと響ちゃん達が戦っていた。

「セレナちゃんは!?」

「あそこ!」

「セレナ!近づいちゃダメデスよ!!!!!」

セレナは、巨大なネフィリムに近づくと

そのままネフィリムの体に入っていってしまった。

「え?ど、どうなったんだ?」

「‥‥‥わからない」

「デ、デーーーーース!?

 もうどうしたら、いいかわからないデスよ!?」

すると巨大なネフィリムが、響に向かって腕を伸ばして攻撃しようとしていた。

「切ちゃん、セレナはサクラさんに任せて、

 助けに行こう!」

「調が信じてるなら、迷わないデスよ!

 セレナのこと任せたデスよ!」

 

2人はそのまま駆け出し、

 

断殺・邪刃ウォttKKK

非常Σ式・禁月輪

 

でネフィルムの腕を切り裂き、響を助ける。

(任されたのは、いいけど修復砲(仮)で治るのか?

セレナちゃんは、ネフィリムに取り込まれたから、

ネフィリムの傷が治るだけになるんじゃ?)

 

「――だけど、歌がある!!」

マリアの声が聞こえた方を見ると

空に浮かぶ岩の上にマリアが立っていた。

(‥‥‥こうやって、実物を見て思うけど、

どうやって登ったんだろう?)

装者のみんなが、マリアのところへ集結する。

 

ネフィリムが、そこを攻撃しようとしたのを

イチイバルを断片再現して、ネフィリムへ一斉射撃

 

MEGA DETH QUARTET

 

「邪魔させるかぁぁ!!!!!」

「Gyaaaaaaaaaaaaa!?!?」

ネフィリムは仰け反る。

「また、お前かぁぁ!!!

 だが、そんな物で何が出来る!

 出来損ないがどれだけ、集まろうと!!!!」

ネフィリムの口からマリア達に向けて、100000000000℃の爆炎が放たれる。

 

Seilien coffin airget-lamh tron

 

放たれた爆炎を、ギアを纏うエネルギーで防ぐ。

「んあッ!?」

「調がいる、切歌がいる、マムもついている

 セレナが、託してくれたアガートラームがある。

 サクラが、セレナを助けるために動いてくれている。

 みんながいるならこれくらいの奇跡‥‥‥

 安いものッ!!」

 

「装着時のエネルギーをバリアフィールドに!?

 だが、そんな芸当!いつまでも続くものではなぁぁあい!!」

ネフィリムが、もう一度100000000000℃の爆炎を放つ。

「S2CA!!!

 フォニックゲインを力に変えてェェェ!!」

S2CAで、爆炎を迎撃、かき消す。

手を繋がずともS2CAを使えるところを見ると、圧倒的なフォニックゲインが

響達に集まり始めているのがわかる。

 

翼が、調に手を差し出す。

「惹かれ合う音色に理由なんていらない」

「‥‥‥ん」

クリスが、切歌に手を差し出す。

「あたしもつける薬がないな」

「それはお互い様デスよ」

切歌は、笑顔でその手を取る。

「調ちゃん! 切歌ちゃん!」

響が、調と切歌の手を繋ぐ。

「あなたやってること、偽善でないと信じたい

 だから、近くでわたしに見せて

 あなたの言う人助けを、わたしたちに」

「‥‥‥うん!」

「繋いだ手だけが、紡ぐもの‥‥‥」

「絶唱6人分ッ!

 たかだか6人ぽっちですっかりその気かァア!?」

みんなを覆う光が輝きを増す。

(あそこに居ないのに、俺にも光が集まってくる。)

「6人じゃない……ッ!

 わたしが束ねるこの歌は‥‥‥70億の絶唱ォオオオ!!」

 

光が弾けるとそこには、エクスドライブになった6人が居た。

「響き合うみんなの音色がくれた‥‥‥」

「「「「「「シンフォギアでぇぇぇぇぇ!!」」」」」」

6人が、ネフィリムに突撃

虹の竜巻が空へと伸びて行く。

 

サクラも限定解除していたので、修復砲(仮)を構えようとして、

固まっていた。

「‥‥‥セレナちゃぁあああああああん!?」

 

竜巻が晴れるとネフィリムが倒れて、動かなくなっていた。

(良かった、消しとんだんじゃないか、ヒヤヒヤしたな。)

俺は安堵はし、修復砲(仮)を出してネフィリムに向ける。

「修復砲(仮)を装備、アンカーボルトセット

 目標との距離算出、誤差修正プラスマイナス0.12

 標準固定、弾を装填

 装填を確認!

 発‥‥‥なにこれ?」

『どこまで、巻き戻しますか?』

突然のアナウンスに戸惑いながらも、答えて行く。

「ど?どこまで?

 そりゃあ、ネフィリムの因子を打ち込む前じゃないかな?」

『了解、肉体•精神を全て一年前の状態まで巻き戻します。

 対象の魂と肉体を捜索‥‥‥発見

 弾に時間逆流概念を付与 リフラックスバレット形成 

 発射準備完了』

「なんだかよくわからないが、行けるみたいだ!!!」

 

弾を発射、光がネフィリムを覆って行く。

光が収まると変わらず大きなネフィリムが倒れていたままだった。

「‥‥‥失敗した?」

すると空を飛んでいたマリア、切歌、調が

ネフィリムへ飛んでいくのが見えた。

「サクラさーーん!」

「サクラ、やったな!」

「やっぱり、それすげーな!」

響、翼、クリスがこちらに来た。

「助けられた?」

「はい!セレナちゃんが、

 ネフィリムの上でギアを纏って倒れてました!」

「‥‥‥そっか、よか‥‥‥んん??

 ギアを纏ってたの!?」

「ああ、マリアと同じギアを纏っていたよ」

(巻き戻すってそこまで、巻き戻したの!?)

 

するとフロンティアが大きく揺れる。

「なんだ、この揺れはよ?」

(あとちょっとだな。ネフィリムの心臓を止めて終わりだ!)

ネフィリム戦、最後の戦いが始まる。

 




誤字•脱字有れば、よろしくお願いします。


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ネフィリム戦 後半

あとちょっとで、G編は終われそうです。



ウェル博士の制御から離れたネフィリムの心臓はフロンティアの船体を食らい、

暴走を始めた。

俺は、揺れるフロンティアから響ちゃんに抱えてもらい、

空へと脱出していた。

 

「‥‥‥すごいな。あれ」

「なにが起こっているんでしょうか?」

フロンティアが赤く溶けていく。中央にネフィリムが体を形成していく。

「司令から説明があった。あれは」

「再生する、ネフィリムの心臓よ。」

翼とマリアが、現状を説明する。

(流石に抱えられたままじゃ、これから先はまずいな。)

「響ちゃん、宙を飛ぶから離してもらっていいかな?」

「はい!分かりました!」

サクラは、ガングニールエクスドライブの翼を断片再現し、

宙を飛ぶ。

「そういえば、セレナちゃんは?」

「意識を失っていたのでな、途中で大岩を砕いていた

 司令に預けてきた。」

「あ、そうなんだ。」

「あれは、どう反応していいか分からなかったわ。」

 

フロンティアが全て溶け、ネフィリム•ノヴァが姿を表す。

ネフィリム•ノヴァが動く前に、調と切歌が先手を取る。

 

調のギアが分離、変形、巨大化、そして合体

巨大なロボットになる。

終Ω式・ディストピア

 

切歌は、巨大な鎌が3つ付いているものを構える。

終虐・Ne破aァ乱怒

 

「はぁあああ!!」

「やぁあああ!!」

ネフィリム•ノヴァを一閃

「あああああ!?」

だが、攻撃した側の切歌と調がダメージを受ける。

「聖遺物どころか、そのエネルギーまでも食らっているのかッ!」

「臨界に達したら地上は‥‥‥」

「蒸発しちゃうッ!」

「しかも止めようにも聖遺物特効持ちとか、相性が悪いときた。」

「けど、方法はある!

 バビロニア、フルオープンだぁあ!!」

 

クリスがソロモンの杖で、バビロニアの宝物庫を

ネフィリム•ノヴァが入る大きさに開く。

「バビロニアの宝物庫を!」

「エクスドライブの出力でソロモンの杖を機能拡張したのか!」

「バビロニアの宝物庫にネフィリムを格納できれば!」

「人を殺すだけじゃないって!

 やってみせろよ!ソロモォォォオオオン!!」

 

ネフィリム•ノヴァが、無造作に腕を振るいクリスを吹き飛ばされ、

ソロモンの杖も、クリスの手から弾き飛ばされた。

「ぐあっ、‥‥‥杖が!!!」

弾き飛ばされたソロモンの杖をマリアが取る。

「明日をォォォオオオオオ!!」

ソロモンの杖を使い、バビロニアの宝物庫を完全に開く。

宝物庫の入り口に、ネフィリム•ノヴァが落ちていく。

だが最後の悪あがきなのか、触手を伸ばしマリアを拘束する。

 

マリアを拘束したネフィリム•ノヴァが、少しずつ落ちていく。

「格納後、私が内部よりゲートを閉じる!ネフィリムは私が!」

「自分を犠牲にする気デスか!」

「マリアぁ!!」

「マリアさん!」

「こんなことで、わたしの罪が償えるはずがない‥‥‥

 だけど、すべての命は、わたしが守ってみせる!!!」

マリアを支えるために響たちが寄り添う

「それじゃ、マリアさんの命はわたしたちが守ってみせますね」

「あなたたち……」

「それに、セレナちゃんを助けるって約束は、

 マリアさんも助かって、初めて果たされる約束なんです。

 だから犠牲になんかさせません!一緒に帰りましょう!」

「‥‥‥サクラ」

マリアは今この場にいないセレナを想う。

「英雄でないわたしに世界なんて守れやしない

 でも、わたしたちはひとりじゃないんだ‥‥‥!!」

 

バビロニアの宝物庫に入ると、入り口が閉じる。

「やっぱりというか、ノイズが多いなぁ。」

「さんざんこの杖が呼び出してきた、

 奴らの住処だからな。」

「切り払うぞ!」

「はい!いっけぇぇぇぇぇええええ!!」

響は手を槍に変え突貫、翼は逆羅刹で薙ぎ払い、クリスはフルバーストで

ノイズを倒していく。

俺は、自分の身を守ることに専念する。

「完全再現っと」

神獣鏡エクスドライブを纏った未来を完全再現

近づいてくるノイズを倒してもらう。

俺もイチイバルを再現し迎撃する。

 

「向こうは、大丈夫そうだね!」

マリアの拘束を調が、解放するのと同時にロボも壊れていった。

ノイズの大群を迎撃していると

ネフィリム•ノヴァが手を伸ばしてきた。

「今度は俺か!!」

その場からすぐに離脱するが、捕まえようともう一つの腕がくる。

「危な!?」

近づいてくる腕を再現未来が、攻撃すると

腕が溶けるも溶かしたエネルギーですぐに、再生を始めた。

(攻撃を続けたら、爆発が早くなるだけだ!)

再現未来を消し、回避に専念する。

 

「サクラ、今助けに!」

「マリアさんはその杖でもう1度宝物庫を開くことに集中してください!」

「外から開くなら中から開けることだってできるはずだ!」

「鍵なんだよ、そいつは!」

「サクラさんは、私達が助けます!」

ネフィリム•ノヴァに追いかけ回される、

サクラを助ける為に響達は向かう。

(かつての敵だった、わたしをここまで信じてもらえるのなら、

その期待に応えたい!)

「セレナァァァァアアアアッ!!」

 

ノイズとネフィリム•ノヴァによって、回避がだんだんと難しくなっていく。

「くそ!マジでまずいこれ!」

触手を避けた瞬間、背中からノイズが迫る。

「避けきれない!」

「はぁあああ!!!!!」

「うぉりゃあああ!!!」

翼と響によって、ノイズが倒される。

「すまない!遅くなった!」

「いや、間に合った上に助かったよ。

「サクラさん!マリアさんが出口を作ってくれます!

 急いでそこから帰りましょう!」

「あっちが逃してくれないね。」

ネフィリム•ノヴァが、またサクラに手を伸ばしてくる。

その手をクリスが、大量のビームで逸らす。

「早くこっちに来い!」

「響ちゃん、マリアさんをお願いしていい?」

「サクラさんはどうするんですか!?」

「俺を狙ってるみたいだから、一緒に行けばあいつも付いてくる。

 その間に囮をしておくから、隙を見て逃げて。」

「ふざけたこと言ってんじゃねぇ!」

「今度はお前が犠牲になるとかいうつもりか!」

「流石に私も怒りますよ!」

「大丈夫、死ぬつもりはないよ。」

 

俺は、響ちゃんとは別の方へ飛ぶ。

「こっちだ!追ってこい!」

ネフィリム•ノヴァが、サクラを追っていく。

触手をまた伸ばして捕まえてこうようとしてきたので、

イガリマを出して、切り払う

次にシュルシャガナを出して、調ロボを作り上げる。

(ロボットは男のロマン!!)

ロボットを操作して、集まってくるノイズを倒していく。

 

「セレナァァァァアアアアッ!!」

マリアの声が聞こえたので、ネフィリム•ノヴァの向こう側を見ると

ソロモンの杖で出口が出ていた。

「サクラ、急いで!」

「サクラさん!」

「急ぐデーーース!!」

調ロボを解除してみんなのところへ行こうとすると

ネフィリム•ノヴァが、さっきまで追いかけ回していたサクラを

追い越して出口を塞ぐ。

 

「迂回路はなさそうだッ!」

「ならば往く道は一つッ!」

「手を繋ごうッ!!」

響達が手を繋いでいく。

調と切歌も手を繋ぎ、

「マリア」

「マリアさんッ!」

響と調の手を差し出す。

マリアは胸からアガートラームのアームドギアを取り出し、手を繋ぐ。

「この手、簡単には離さない!」

 

ネフィリム•ノヴァが、触手をマリア達に向けて放つが、

なんとか追いついたサクラに全て妨害される。

「俺が守っている間に!」

響とマリアが、繋いだ手を上へと掲げる。

「「最速でッ!」」

「「最短でッ!!」」

「「真っ直ぐにッ!!!」」

2人のシンフォギアのパーツが分離、パーツは巨大な手に変化していく。

その巨大な手が、みんなの前に立っていたサクラを包み込み、手を繋ぐ。

「へ?ちょっとま」

「「一直線にィィイイイイイッ!!!」」

「「「「「「うおおおおおおおおお!!!!」」」」」」

全員の心と力が一つに合わさり、ネフィリム•ノヴァに拳が刺さる。

 

Vitalization

 

そのままネフィリム•ノヴァを貫き、出口を通り、

勢いを殺すことができず、全員地面へ叩きつけられる。

だが、バビロニアの宝物庫が開いたままになっており、

「杖が……!

 すぐにゲートを閉じなければ間もなくネフィリムの爆発が……!!」

「まだだ……!」

「心強い仲間は他にも……!!」

「仲間……!?」

「わたしの、親友だよ」

 

未来がソロモンの杖を目指して、走ってくる。

(ギアだけが戦う力じゃないって響が教えてくれたッ!)

「私だって戦うんだ!!お願い!

 閉じてぇええええ!!!」

ソロモンの杖を空に浮かぶバビロニアの宝物庫の入り口へと投げる。

「もう響が、サクラさんが、誰もが戦わなくていいような、世界に!!」

ソロモンの杖は、入り口を通ると同時に閉まる。

「‥‥‥間に合ったの?」

「はい、親友のおかげです。」

(誰もなにも突っ込まないけど、肩の力強すぎませんかね?)

 

その後、弦十郎さんが来て、

月の落下を防げたことが正式に報告されたこと

ナスターシャ教授との連絡は取れていないこと

それとセレナちゃんは、意識が回復はしたが、

ここ一年の記憶が一切ないこと

現在は念のために検査を受けているとのこと

が説明された。

 

(1年巻き戻したから、記憶も一年分無くなったのか‥‥‥)

俺は、助けることはできたが罪悪感にかられた。

 

それを聞いたマリアが空を見る。

(マムが未来を繋げてくれた……)

「ありがとう。お母さん」

響は自分に応えてくれたガングニールを返そうと、マリアにペンダントを

差し出すと

「マリアさん、これを返します。」

「ガングニールは、君にこそ相応しい」

「‥‥‥はい」

「だが、月の遺跡を再起動させてしまった……」

「バラルの咒詛か」

「人類の相互理解はまた遠のいたってわけか」

「でも、世界にマリアさんの歌が届いたんですから」

「そうですよ。歌で世界は、一つになれます。

 だから、へいき、へっちゃらです。」

マリアが、響と向かいあう

「立花響、君に出逢えて良かった。

 サクラもありがとう。セレナを助けてくれて」

マリアと切歌、調は弦十郎についていく。

すると調が、足を止めて響を見る。

「‥‥‥いつか人は繋がれる。

 だけど、それはどこかの場所でも、いつかの未来でもない

 たしかに、伝えたから」

「うん」

そのまま歩いていってしまった。

 

こうして、フロンティア事変は幕を閉じるのだった。

 




誤字•脱字有れば、よろしくお願いします。


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GXまでの幕間

やっとGXまで、いけそうだよ。
これからも頑張っていきます。


俺はVitalizationに包まれ、二度の衝撃が体に与えられた。

一度目はネフィリム•ノヴァに激突した瞬間

拳の中でシェイクされ、

二度目は、地面への激突

 

このたった二度だが、体の骨にヒビが入ったり、

折れたりをしていて、とても痛かったが我慢できた。

みんなが話していた時も痛みが、続いて途中で泣きそうだったのを我慢できた

奇跡の代償が、俺の骨だったとしたら、我慢できる。

「長男じゃなかったら、我慢できなかったな。

 ‥‥‥まぁ、兄弟いないけど」

 

そして現在、病院の上で全身包帯や金属を埋め込まれて

ベッドに固定されている。

いつものお医者様から、

「絶対安静だからね?動いたら僕がトドメを刺すからね?」

と脅しを受けるほど、折れている骨が多いらしい。

 

弦十郎さんがお見舞いに来た時には、

「うむ、サクラ君が入院している理由を

 修復砲(仮)の反動でいいんだな?」

「はい、流石に自分たちのせいで怪我させたなんて

 思わせないようにしたいですし」

「君が、最後まで痩せ我慢をしていたのは、それが理由か。

 分かった。響君達にはそういう風になったと伝えておこう。」

「ありがとうございます。」

「それと彼女達の処遇についてだな。」

 

色々難しい話だったので、ざっくりまとめると

マリア、セレナ、調、切歌は、逮捕・拘束

死刑にしろと米国政府

月落下の情報隠蔽や、F.I.S.の出来た経緯などを問い詰められると

そんなの知らぬ存ぜぬ米国政府。

米国政府は情報開示と捜査を拒否、それ以上の追求ができず。

米国政府に情報隠蔽の事実はなく、F.I.S.などという組織も存在しない

という結論至る。

F.I.S.という組織がそもそもないのだから、捕まっている四人の罪状は消失

四人は現在、国連指導の特別保護観察下にあるとの事。

 

「‥‥‥何というか、死刑が回避できたのはいいんですけど

 モヤっとしますね。」

「‥‥‥そうだな。世の中うまくいく方が少ないからな。

 だが、彼女達の命を守れたことだけが、誇らしいさ。」

「そうですね。無事が一番ですね。」

「ああ、それが一番だ。」

 

それから色んな人が、お見舞いに来てくれた。

「サクラさん!大丈夫ですか!!」

「響、病院では静かにだよ?」

お見舞いのフルーツバスケットを持った響と

花を持った未来が病室に入ってくる。

「大丈夫だけど、大きな声は勘弁願いたい。

 体に響いて痛い。」

「うっ!ごめんなさい‥‥‥」

「でも響ちゃんも未来ちゃん、来てくれてありがとう。」

「それは勿論!でも、大変ですね。

 限定解除の代償が、体が傷つくことなんて‥‥‥」

「この前は、吐血してましたもんね。」

「まぁ、あれだけの力を使うんだ。むしろ、死なないだけマシだよ。

 あ、持ってきたお見舞い品食べたいな?」

「じゃあ、切り分けちゃいますね?

 響は、花瓶に水を入れて来てもらっていい?」

「うん、任せて未来!」

 

響は花瓶を持って、外に出ていった。

未来が、リンゴを切っていく。

「‥‥‥そういえば、お礼を言えていませんでしたね。」

「お礼?」

「はい、私を助けてくれたことです。」

「‥‥‥俺はなにもしてないよ?響ちゃんが、頑張ったおかげだよ。」

「響に頑張れる力を貸してくれたのを知っています。

 私を助けてくれるために、怪我を押して、戦場に立ったのも

 弦十郎さんから聞きました。」

「‥‥‥そっか」

「だから、言いますね。ありがとうございます。」

未来がサクラに微笑みながら、感謝の言葉を述べる。

俺はその笑みの綺麗さに言葉を失う。

(‥‥‥綺麗だ)

「あ、あの?サクラさんどうかしたんですか!?

 どこか痛むんですか!?」

「へ?あ‥‥‥ああ、いや、大丈夫、大丈夫だよ」

「本当に大丈夫ですか?」

「うん、大丈夫だよ。ちょっと考え事をしてただけだから。」

「無理はしないで、いいですからね?」

「大丈夫だよ。それよりリンゴを食べたいな?」

「そうですね。後ちょっとで切り分けられるので、待ってください。」

リンゴを切り始める。

「‥‥‥あ〜それと、どういたしまして。

 また何かあれば、助けるよ。」

未来の手が止まり、サクラを見る。

「その時は、また助けてくださいね?」

「ああ、任せて」

 

その後は、手が使えないので未来にあーんして貰ったり、

車椅子のおばあちゃんを助けてて、花瓶を無くした響ちゃんが泣きながら、

病室に入って来たりと大騒ぎだった。

 

その次の日は、翼さんから電話があり、

看護師さんに耳元に携帯を置いてもらい電話に出る。

電話の内容は、海外に向けての準備でお見舞いに来れないとの事

『本当にごめんなさい。本当は、顔を見て話したかったんだけど。』

「気にしなくていいですよ。それよりも海外に行くんですから、

 そちらの方がもっと大変だと思いますよ?」

『ふふ、そうね。‥‥‥私の歌は、世界に届くかな?』

「きっと、届きますよ。それは、保証します。」

『不思議ね。サクラに言われると不思議と大丈夫って思えるわ。』

「そりゃあ、翼さんの歌を一番間近で聞いていましたから。」

『なら、その期待に応えられるように頑張らないとね。』

「ええ、ですが、頑張りすぎないように頑張ってくださいね。」

『それはもちろん承知したわ。』

翼とは、海外に行ったら何がしたか、何を見た方がいいかを

話して過ごした。

 

さらに次の日

クリスちゃんが、お見舞いに来た。

「よう、思ったよりも元気そうだな。」

「思ったよりも元気だよ。ただ、動けないのが辛いけどね。」

「まぁ、そいつは治ってから、動きゃいいんだよ。」

「うん、それもそうだね。」

お互いに無言になる。

「そういや、聞きたいことがあるんだけどよ?」

「何?」

「あたしだけだよな、苗字で呼ばれんの。」

「‥‥‥あ〜〜そういえば、そうだね。」

「他のやつは、名前で呼ぶからよ。

 なんか‥‥‥あたしだけ、アンタとの距離を感じて、嫌なんだよ。」

クリスが、顔を伏せる。

「‥‥‥ごめん、それに関しては気付かなかった、俺が悪いね。」

「別にアンタが悪いわけじゃね。

 ただ踏み込めなかった、あたしに勇気がなかっただけだ。」

「ゆき‥‥‥クリスちゃん?さん?」

「どっちだよ!」

 

俺も覚悟を決め、

「クリスちゃん、これからもよろしくね!」

顔を赤くしたクリスが、か細い声で、

「こ‥‥‥こっちこそ、その、よろしく‥‥‥」

(可愛い過ぎませんかね?)

 

 

そのまた次の日は、右手の包帯が取れた。

先生の話だと

「‥‥‥右腕は完全に治ってるね?

 驚異的すぎる回復だね?今度解剖されてみないかい?」

と物騒なことを言われた。

(あの医者を他の人に変えてもらえないだろうか?)

 

今度のお見舞いには、三人娘が来た。

「こんにちは!お見舞いに来たよ!」

「こんにちは〜って、すごい包帯!

 アニメでしか見たことないよ。こんなの!」

「こんにちは、体は大丈夫ですか?」

「こんにちは、三人とも。思ったよりも大丈夫だよ。」

「これ、お見舞いの品です。」

食べやすいようにだろうか、ゼリーやらプリンが入ってた袋を持っていた。

「わざわざ、ありがとう。嬉しいよ。」

「こんなことしか出来ないけどね。」

「そうそう、ビッキー達に何があったか聞いても教えてくれないんだよねぇ。」

「それだけ、大変だったのは、察することができますが。」

「俺も言えないだけどね?」

弓美が、病室に備え付けてあるテレビを弄っていた。

「弓美さんは、何をなさってるんで?」

「よし!準備できたわ!入院中、暇でしょ?

 だから、私のオススメのアニメを持って来たんだよ!」

「つまり?」

「アニメ鑑賞会ですわ!」

「じゃあ、ユミ始めようか!」

「OK!じゃあポチッと!」

この後、面会時間が終わるまで、ずっとアニメを見て過ごした。

 

こんな感じで、色んな人がお見舞いに来てくれるおかげで、

退屈な時間を送らずに済んだのだった。

因みにダントツで、お見舞いに来たのは、クリスちゃんだったりする。

 

何日か経ち、体の包帯がある程度取れ、

包帯が巻いてあるのが、右足だけになった。

「‥‥‥腕一本提供してくれないだろうか?

 どうせ、治りそうだしいいだろう?」

(この医者、なんで問題にならないんだ?)

 

この日は、何故か夜は、寝付けなかった。

「目が覚めて辛い。寝たいのに寝れないという

 謎のジレンマが」

「だったら僕は、来たんだね。ちょうど良いタイミングで、」

「へ?」

ベットから体を起こすと

アダム・ヴァイスハウプトが、椅子に座っていた。

「‥‥‥へ?ど、どういう状況?」

「すまないね。困惑しているところ、

 始めるとしよう。自己紹介から、僕はアダム・ヴァイスハウプト、

 初めましてだね。この時代の僕とは、」

「え?あ、はい!初めまして、霧崎サクラです。

 ‥‥‥えっと本日は、どういうご用件で?」

「伝えたいことがあってね。君に、」

「伝えたいこと?」

「キャロル・マールス・ディーンハイム

 持って行ってしまったのさ。完全聖遺物ダインスレイフを、」

「‥‥‥え?えええええええええ!?」

「驚くのは無理はない。

 驚いているからね。僕も、」

「いや!聞きたいことは色々あるんですけど!

 ダインスレイフは、欠片じゃないんですか!?」

「ああ、欠片じゃないね。残念ながら、」

「アダムさんは、何しに日本に!?」

「所長としてね。挨拶に来たのさ、

 S.O.N.Gにね。

 協力関係を結ぼうと思ってね。非公式ではあるが、」

「協力ですか?」

「ああ、今回の件は、

 原因だからね。僕の持ち物を持ち逃げされたのが、

 そして日本だったからね。キャロルの計画遂行の場所が、

 迷惑をかけるからね。僕の部下が、」

「協力って、何をするんですか?」

「派遣するのさ。一番信頼できる部下を、」

(これ、サンジェルマンさん達が、来るんじゃ?)

 

「そして、お願いがあるんだ。友よ、」

「お願い?」

「彼女を君の力で助けて欲しい。

 願いが歪になった。思い出の焼却それにより、」

「修復砲(仮)ですね。」

「唯一救う手段だからね。あの力が、

 僕が動きたいところなんだがね。本来なら、

 錬金術師が関わっている。フロンティア事変には、

 捕まえないといけないさ。今後被害を出せないためにも、」

「なんというか、大変ですね。」

「フッ、そうでもないさ。

 苦じゃないさ。友が少しでも楽しく過ごせるなら、

 ふむ、そろそろ時間だね。

 また会おう。友よ、

 君とって重大なことを話すよ。次に会う時は、」

「‥‥‥重大なこと?」

「ああ、君にしか話せないことをね。」

 

アダムは、そのまま転移して居なくなった。

(俺の知らない展開すぎる。

ダインスレイフが完全聖遺物の上に、

キャロルちゃんがアダムの部下、

そして派遣される信頼できる部下。

もう一つ、俺にまつわる重要なことって一体なんだろう?)

 

次の日、弦十郎から連絡があり、

パヴァリア光明結社と協力体制になったこと。

そして派遣された錬金術師がいるらしく、名前を聞いた。

三人派遣されており、そのリーダーがサンジェルマン。

その部下2人が、カリオストロ、プレラーティ

という名前だそうだ。

(もう、どうなるんだろう。これ)

何もわからない展開にサクラは戸惑い続けるのだった。

 

 

 

 




誤字•脱字有れば、よろしくお願いします。


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原作 GX編
GX編 開始


GX編に入ります。

リリカルなシンフォギアあれは、どこかで使いたいですね。
‥‥‥なんなら魔王召喚でもいいかもしれない。




医者からは完治と言われて、久々に本部に顔を出す事にした。

(サンジェルマンさん達に会えるはず?)

入ってすぐに響と翼に腕を組まれて、俺が歩いてきた方向に引きづられて行く。

「サクラさん!行きましょう!」

「サクラ行くぞ!」

「へ?」

そして現在俺は海外にいる。

海外にいる理由が、

フロンティアの一区画の異端技術とナスターシャ教授の遺体の回収

を行なったシャトルが、帰還時にシステムトラブルを起こし、墜落状態になっていた。

落下予測地点は、人口密集地

落ちれば、甚大な被害が予想される。

 

墜落をどうにかして、ナスターシャさんを無事に地球へ帰還させる。

その手伝いをすることが今回ここにいる理由なのだが、

(いつでもシャトルに追いつけるようにミサイルの中に入って、

移動とか怖すぎる。今すぐに降りたい。)

ミサイルには、響ちゃん、クリスちゃん、翼さんと一緒に収納されている訳で、

「サクラさん、物凄く体が震えてますよ?」

「そういえば、サクラは絶叫系は苦手だったな。」

「フィーネやネフィリムとやり合ってるのにか?」

「怖いものは怖いのさ。永遠にね。

 だから降りたい。」

「大丈夫です!へいき、へっちゃらです!」

「どこにも大丈夫な要素がなーー」

弦十郎の声がどこからか聞こえる。

『安保理の承認が下りた!

 お前達、準備はいいな!』

「全然大丈夫じゃないので、下ろしてください!!!」

『よし!行ってこい!』

体にとんでも無い程の負荷が掛かりながら、飛んでいく。

 

(ああ、もう覚悟を決めろ!霧崎サクラ!!!)

ミサイルが開くと三人が飛び出し、クリスがミサイルを出す。

響と翼は、ミサイルに乗り飛んでいく。

「しっかり掴まってろよ!」

「うん!クリスちゃんよろしく!」

サクラは、自分でミサイルを出しシャトルに向かう。

ミサイルから飛び降り、乗り込むと

響と翼がシャトルに取り付いてギアのブースターを逆噴射させて、

速度を減衰させていた。

 

サクラも断片再現で、

足を赤のメックヴァラヌスでシャトルに固定

太腿付近を天羽々斬にして、翼を伸ばしブースト

腰にイチイバルのミサイルを4つ出して

腕をガングニールにしてブースト

頭をシュルシャガナにして、ノコギリで体が前に飛んでいかないようにシャトルに固定

「ダメ押しだ!!!!!」

 

ガングニールのヤントラ・サルヴァスパギアを断片再現する。

拳の形をしたビット?ファンネル?みたいなものが2つ出てきて、

シャトルの前へ飛んでいく。

2つの拳が合体して巨大な腕になり、手のひらを広げてシャトルを握り潰さないように、

優しく受け止めてブーストさせる。

(なんとか減速は出来てるけど!)

 

クリスも合流してさらに減速させるが、

『減速間に合いません!このままでは!』

『何とか船内に飛び込んで、操縦士たちだけでも!』

『それじゃマムが‥‥‥』

『帰れないじゃないデスか!』

『せっかく、帰ってこれるのに!?』

『くッ……』

「そいつは聞けない相談だ!」

「人命と等しくヒトの尊厳は守らなければならないモノ」

「ナスターシャ教授が世界を守ってくれたんですよ

 なのに帰ってこれないなんておかしいですッ!!」

「という訳で、諦めるにはまだ早いってことですよ!」

『どこまでも……』

『欲張りデスよ……』

『チクショウ……敵わないわけだ……』

『マムを‥‥‥お願いします。』

 

シャトルの真正面には世界標高2位のカラコルム山脈のK2が待ち構える。

「完全にぶつかるコースだね!」

「あたしとあの馬鹿でどうにかする!

 あんたはそのまま、減速を続けてくれ!」

クリスが、響に向かって走り出す。

俺は、さっきよりも噴射を強くする。

「さっさと減速しやがれ!!!!!」

 

クリスが、ミサイルを乱射してK2に撃ち込む。

MEGADETH SYMPHONY

クリスが響に、

「ブン殴れェェエエエエエエッ!」

「ええええ!?

 どりゃあぁああああああああ!!」

殴るように言われ、戸惑うも全力で実行する。

 

響の拳で山を撃ち抜いて真っ正面から突破して、

激突するのを回避する。

『K2の標高を世界3位に下方修正!』

俺は、一部の再現を解く。

『シャトル不時着を強行します。』

シャトルはそのまま地面に不時着したが、勢いは殺すことができず、

滑って進んでいくと森林部が見えた。

このままでは木にぶつかるところを翼が、天ノ逆鱗の応用で、

シャトルの前に展開して、森林の一斉伐採で斬り払う。

森林を抜けると今度は目の前に山のカーブがあるので、

響が殴って軌道変更で切り抜ける。

「立花、次は左だ!」

サクラが響よりも先に再現したガングニールで殴り軌道変更する。

「間に合った!!」

「サクラさん、ナイスです!」

「まだ来るぞ!立花!」

その先はぶつからない為に色々やった。

岩をぶった斬ったり、

シャトルが通れる幅に変えるためにビーム撃ったり、

地形を変えながら降りていく。

(やりすぎている気が、しなくも無い。)

 

最後は、クリスのミサイルで岩山を破壊する。

「この調子で、山の麓まで行ければ!」

「どうも、うまくは行かないみたいだよ。」

「え?」

「やばい!」

「村だ!」

村に気付いた響はすぐにシャトルの下へと降りて、小細工なしの力技で止める作戦に移行。

サクラも再現を解き、ヤントラ・サルヴァスパギアの響に変身をして手伝いに降りる。

「っておい!」

「何を!」

2人と拳ビットで、シャトルを全力で抑える。

「止まれぇええええあああああ!!!!!」

「うぉおおおおおおおおお!!!!!」

シャトルは、村の真ん中を滑っていく。

その眼前には民家が見えてきた。

「サクラさん!シャトルをぶん投げますので!

 1、2の3で行きます!いちにの!!!!!」

「さん!!!!!」

投げたシャトルの勢いを殺し、民家の上を越えていくが、民家に少しだけ当たり、

最後の方でバランスが崩し始める。

このままではロケットが民家を潰す大惨事は、避けられない。

だが、パイロットの最後の一押し噴射で、バランスを取り、ついに着地に成功する。

「よかったぁ‥‥‥」

 

俺はその場にへたり込んでしまう。

「サクラさん、お疲れ様です!」

響がサクラに手を差し出す。

響の手を取り、立ち上がると翼とクリスがこちらに向かってきた。

「任務完了、お疲れ様。」

「お疲れ様です。まさか退院してすぐにこれとか、

 勘弁して欲しいですね。」

「その苦情は、後でおっさんに言ったらいいんじゃねぇか?」

「そうするよ。あ、そういえば、協力してくれる人にあった?

 挨拶しようと思って、本部に来たんだけど?」

「私も話でしか聞いてないんですよねぇ〜」

「司令の話では私たちへの挨拶は、日を改めてになるみたいだ。」

「そっか、なら楽しみしておこうかな。」

 

この事件の後、

マリア、セレナ、切歌、調の四人の行動制限が解除され、

マリアは、今まで通りのアイドル活動。

セレナは、マリアを支える為にマネージャーとしてついて行き、

切歌と調は、リディアンに通うことが決まった。

 

いつものように本部に待機していた、ある日のこと、

(そろそろ定時になるし、帰るか)

帰る支度を始めたサクラに弦十郎が声をかける。

「サクラ君か、丁度良かった。」

「弦十郎さん、何か用ですか?」

「ああ、君に頼みたいことがあってな。

 この手紙を切歌君に返してやって欲しい。」

弦十郎が、サクラにクシャクシャになった手紙を手渡す。

「いいですけど、あのこれって?」

「うむ、F.I.Sの背後関係に繋がる情報がないか、

 この手紙を復元してな、様々な解析をした結果、

 切歌君が、書いたポエムだと判明したので、返そうと思ってな。」

「‥‥‥あ〜、分かりました。渡しておきます。」

弦十郎さんが、そのまま立ち去ったので、普段なら中身を見ずに渡すのだが、

この時はなぜか魔が差してしまい、中身を見てしまった。

「‥‥‥ブフォ、ふふ。おっといけない。さっさと渡しに行こう。」

 

切歌ちゃんと調ちゃんの歓迎会をするので、来て欲しいと響ちゃんから

電話があった。

「分かった。今から行くね。場所は?うん、わかった」

響ちゃんの指定のあった、クリス宅に向かうとしよう。

 

インターホンを押すとクリスちゃんが、ドアを開ける。

「お、あんたも来たかって、色々持ってきたな。」

「流石に手ぶらもどうかなぁ〜って思ってね。」

「そんな気使わなくてもいいのによ。

 ほら、入れよ。」

「お邪魔します。って、誰もまだ来てないんだね。」

「ああ、まだ来てねぇよ。」

「そういえば、なんでクリスちゃんの家で?」

「あの馬鹿が、あたしの家がいいって言ってたんだよ。」

「なんというか、ご愁傷様。」

「慣れたけどな。好きなとこ座って楽してな。」

クリスに言われ、お土産をテーブルの上に置いてソファーに座る。

台所に立っているクリスに声をかける。

「何か手伝おうか?」

「もう準備は終わってるからな。後はあいつらが来るのを

 待つだけなんだよ。」

「そうなのか」

「‥‥‥なぁ、そういえばさ、

 あんたのギャラルホルンを使ったら、他のギアって纏えるのかな?」

「へ?うーーーん、どうなんだろう?

 再現が使えるのなら部分的には、いけなくもない?」

「そのよ、頼みがあるんだけどよ。」

 

クリスの頼みを聞いて、スマホの再現画面を開いて渡す。

「よ、よし行くぞ!」

クリスが、光に覆われ、弾けると

青いインナーの一部が天羽々斬を纏った姿になる。

「おお、なんか新鮮だな!つ、次はこれだよな。」

鏡で自分の姿を確認しながら、イガリマを纏う。

「これは、いい感じじゃないかこれ?

 ただ、鎌は使いづらそうだな。」

次は、シュルシャガナを纏う。

「おお、なんか頭のこれ動かしづらいな。」

「それは、動かそうとするんじゃなくて、動いて欲しいと思うと動きます。」

「お、本当だ。動いた‥‥‥って」

クリスがゆっくりと後ろを振り返ると、

写真を激写する響、微笑ましいものを見る未来と切歌、

首を傾げる調がいた。

「‥‥‥いつからだ。いつからいたんだ?」

「イガリマを纏った時からだよ!クリスちゃん!!!」

クリスはゆっくりと、ギアを纏った拳を構える。

「‥‥‥今すぐその写真を消しやがれ!!!!」

「ちょ!?ギアはダメーー!!!!!」

 

そのあと、写真を消させ三人娘も来て、歓迎会が始まった。

ちなみに響が、すでに翼に写真を送っており、それを

見た翼が感想をクリスに送り、修羅が響を襲うが、それはまた別のお話。

乾杯から始まり、色々な遊びをして、スマホを使ったコスプレ披露会が始まったりした。

(あ、楽しくて忘れてた。切歌ちゃんに手紙渡さないと。)

 

「切歌ちゃん」

「ん、どうしたデスか?」

「はい、これ」

手紙を見せた瞬間取られ、切歌は手紙を守るように壁際まで一気に下がる。

みんなが何事かと2人を見る。

「見たデスか!?」

「ミテナイヨ!!!!!」

「なんか説得力にかけるデス!!!!!」

「サクラさんが、そんな言い方する時は嘘ついてる時だよ。」

響ちゃんが、火に油を注ぐ。

「お前、このタイミングで言うか?普通。」

「それが響のいいところで悪いところだから」

「切ちゃん、何かあったの?」

「‥‥ら‥‥デス。」

「え?」

「見られちゃったデス!サクラさんに恥ずかしいところ全部見られたデスよ!!」

「え!?そんな誤解を招く言い方は!?」

この後、その場にいたみんなから冷ややかな視線の中、必死に弁明して

なんとか復活した切歌ちゃんによって誤解が解けるのだった。

 

お手紙事件から数日後、

翼さんの、ロンドンライブを中継される当日に本部への一日待機が命じられていた。

なんでも突如、横浜港埠頭に未確認の反応を検知したが、即座に消失したらしい。

弦十郎さんが、何かあってはいけないということで、

学校のない俺が本部待機しているのだが、

「すまないが、それを取って欲しいワケダ」

「これですか?」

「それで間違いないワケダ」

休憩室のテーブルに置かれた牛乳を、カエルのぬいぐるみを持った眼鏡女子に手渡す。

眼鏡女子は、牛乳をワイングラスに入れて飲む。

「んくんく、ふぅ、さて、ギャラルホルンの奏者

 早速、自己紹介を始めるワケダ。

 プレラーティ、よろしくするもしないもお前次第なワケダ。」

「霧崎サクラです。よろしくお願いします。」

 

プレラーティと遭遇しました。

 




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始まりの狼煙

魔道師ギアのデザインとても、しゅきです。
今の所、使うタイミングが微妙に見つからない。

キャラの口調が、難しい。


プレラーティと何故か2人っきりというこの状況、

(とりあえず、聞けることを聞こうかな?)

「後2人協力してくれる人が、居るって聞いたのですが?」

「2人は今、局長に呼び出されているワケダ。」

「プレラーティさんは、ついて行かなかったんですか?」

「ついて行きたかったが、局長から、

 協力関係を結んでいるのだから、戦力は残して

 来るようにいわれ、私が残っているワケダ。」

不満そうな顔をしながら、現状をサクラに説明をしていく。

「ふ、不満そうですね。」

「ああ、不満なワケダ!

 本当なら私がついていく予定だったのに

 カリオストロが、行きたいと駄々をこねたワケダ!」

「駄々を?」

「ああ、向こうのケーキが食べたくなったから、

 変わって欲しいといわれたワケダ。」

「‥‥‥マイペースな方ですね。」

「まぁ、もう慣れたワケダ。」

プレラーティは牛乳を飲んで、一息つく。

サクラは、もう少し質問してみることにした。

 

「ちなみにどんな事を協力して頂けるんですか?」

「説明を受けていないワケダ?」

「ええと、キャロルさんを捕まえる手伝いをして頂けるとしか。

 アダムさんから。」

「とても雑な説明を受けたのは確かなワケダ。」

「確かに大雑把ですね。」

「細かく説明していくワケダ。

 まず、キャロルの捕縛なワケダ。」

「捕縛??」

「捕縛する理由は、分からないワケダ。」

(キャロルちゃんを助けたいって言ってたしね。そうなるか。)

 

「次に完全聖遺物ダインスレイフの回収なワケダ。」

「アダムさんも言ってましたね。盗まれちゃったって。」

「管理がいつも杜撰なワケダ。

 そのおかげで、私たちはいつも駆り出されるワケダ。」

「‥‥‥それって、どうにかならないんですか?」

「なっていれば、誰も困らないワケダ。」

(XDでも、アダムさんも管理態勢が杜撰で、服とか盗まれてたなぁ。)

「最後にこれが一番重要なワケダが。」

「それは一体なんですか?」

 

プレラーティの顔が、怒りに変わっていく。

「チフォージュ・シャトーの回収それが最大の目的だ。」

「怒るほどに大事なんですね‥‥‥」

(そういえば、チフォージュ・シャトーって、プレラーティが関わってる

って話があったような気がする。)

「大事に決まってるワケダ!!!私の城を奪っていたワケダ!!!」

「‥‥‥ちなみにそのお城って、何に使うんですか?」

急に真顔になり、

「凡人に言っても、分からぬというワケダ。」

「あ、はい。」

(これ以上は、なんか聞いちゃいけない気がする。)

 

俺は、これまでの話をまとめることにした。

「え〜と、キャロルさんの捕縛、完全聖遺物ダインスレイフの回収

 チフォージュ・シャトーの回収を手伝って貰えるってことですか?」

「それ以外は極力手伝わないようにと、局長から厳命が出ているワケダ。」

「え?なんでですか?」

「あくまでも、この協力関係が非公式なワケダ。

 もし1から10手伝えば、漁夫の利を狙った余計な勢力が、出てくる可能性があるワケダ。」

「余計ややこしい状況になりますね。」

「そういうワケダ。

 あくまでも協力できる範囲には限りがあるワケダ。」

 

他に聞こうと口を開こうとしたら、警報が鳴り響く。

「何事!?」

スピーカーから、弦十郎さんの声が聞こえる。

『サクラ君、第七区域に火災が発生。消防活動が困難なため応援要請があった!

 今すぐに向かって欲しい!』

「了解!今すぐに行きます!」

「‥‥‥私は手伝えないワケダ。」

「うん、分かってる!色々教えてくれてありがとう!

 行ってくるね!!!」

サクラがそのまま、外に出ていくのを見送る。

「‥‥‥局長は何を考えているワケダ。」

プレラーティは、アダムが言っていた事を思い出していた。

『なるべく気にかけて欲しい。ギャラルホルンの奏者を、

 必要だからね。この世界の未来のために、』

 

俺は、現場に響ちゃん達より先に到着したらしく、

断片再現で、水鉄砲のイチイバルとヤントラ・サルヴァスパギアの拳ビットで、

救助活動を行なっていた。

(燃えてる建物が多くて、人手が足りない!拳ビットでなんとか、抱える人数増やせて入るけど!)

外に出て、救急隊に救助者を引き渡すを繰り返していた。

「この方をお願いします!」

「そちらに寝かせてください!」

「分かりました!」

指示があった場所の人は、助けられたので次の場所に行こうとしたら、

友里さんから通信が入る。

『サクラ君!次に向かうマンションに響ちゃん達が到着したわ!

 あとは港の方へ向かって欲しいの!!』

「了解今すぐに行きます!」

 

港に来ると

「あれ?火が消えてる?」

燃えているはずの倉庫が、消火されており、

周囲を見渡しても消防隊が見当たらなかったので、建物の中に入ると

天井が焼け落ちて月明かりで、建物内部が綺麗に見えていた。

「誰かいませんかー?居たら返事してくださーい!」

水に濡れた地面を進んでいくと

「あら、あなた一人なのね?」

声がしたので、そちらを見ると青いドレスを纏った女の子がいた。

(げっ!?一番会いたくないのがいるよ。ガリィ•トゥーマーン何故ここに?)

「ふぅん、あんたが、ギャラルホルンのシンフォギア奏者か。

 冴えない顔をしてるわね。」

「‥‥‥君が、ここの火を消したの?」

「ええ、そうよ。マスターの命令だから仕方なくね。」

「マスター?」

「とぼけちゃって、もう〜本当は知ってるくせに〜」

 

ガリィが笑いながら、ゆっくりとサクラに近づいてくる。

(俺が、キャロルちゃんの事を知ってるって、言いたいのか?)

「さてと、目的を果たすとしましょうか?」

俺は、近づいてくるガリィに警戒をする。

「私の名前は、ガリィ•トゥーマーンよろしくね?」

と名乗ると同時にサクラの眼前に迫る。

咄嗟に、口を手で覆うと同時に、天羽々斬を断片再現してガリィに斬りかかる。

 

ガリィは抵抗する事なく、胴体から真っ二つになる。

だが斬られたガリィが、水に変わる。

「あははははははは、残念〜当たらないわよ?」

後ろから現れ、サクラを組み伏せる。

「くそ!離せ!」

「お生憎様、そう簡単に離すわけには、いかないのよ。」

「俺を、‥‥‥どうするんだ?」

「ガリィは、マスターに言われて、聞きたい事があるだけよ?」

「‥‥‥聞きたいこと?」

「その先からは、俺と話をして貰おう。」

ガリィとは別の声が、聞こえたのでそちらを見ると、キャロルがいた。

 

「初めしてだな。ギャラルホルンの奏者 霧崎サクラ。

 俺の名前は、キャロル・マールス・ディーンハイム

 まぁ、言わなくても知っているだろうが。」

「なんで、俺が知っていると思うんだ?」

「そこまで答える義務はない。さて俺の質問に答えてもらうぞ。

 まず一つ、俺とお前は初対面か?」

「え?うん、そうだね。初対面だよ。」

「マスター、ナンパしたいなら、そう言えばいいのに〜」

「違うわ!次だ!お前は、俺の計画を何処まで把握している?

 既に通信を妨害させてもらっているからな。嘘はつかんでもいい。」

(その言葉を信じるしかないのか‥‥‥、

まぁガリィに捕まってる時点で、選択権はないか。)

 

俺は、覚えている限りキャロルが立てた計画を話す。

その後も事件に関係あることや日常生活など色々聞かれた。

サクラは、キャロルの質問の意図がわからずに困惑していると、

「ふむ‥‥‥、まぁこれぐらいで、構わないか。ガリィ離してやれ。」

「は〜い、お持ち帰りしなくていいんですか?」

「こいつを連れて帰っても、いいことなどないからな。」

「いえ、てっきりナンパするぐらい好きなのかと」

「だから!ナンパではないと!言っているだろう!!

 コホン、ではな霧崎サクラ、せいぜい足掻いてみせろよ。」

キャロルとガリィは、そのまま転移していなくなる。

「‥‥‥あの質問は、一体何だったんだ?」

(そしてキャロルは、何処まで俺のことを知ってるんだ?)

 

サクラが、質問責めになる、少し前に戻る。

響は、ヘリで燃えるマンションに入り、逃げ遅れた人を助けていく

壁を撃ち抜いて、進んでいくと

(あれ?ここだけ火が消えてる?)

すると部屋の奥に気絶している家族を見つけた。

「大丈夫ですか!?全員意識がない!急がないと!」

マンションからなんとか、人を助けた響は他に出来ることがないか周囲を見回していると

高所に子供が立っているのが見えた。

 

サクラと話を終えた後、街が燃えている様子を、キャロルは高所から眺めていた。

「レイアめ、派手にやったな。」

(パパが、処刑された日のことを思い出すな。

パパが残してくれた命題は、世界を識る事

すでにその答えは出ている。

そして、霧崎サクラ貴様との約束も果たさせてもらう。)

「そんな所にいたら、危ないよ!」

「‥‥‥ん?」

声をかけられた方を見る。

「あなたのパパとママは?今お姉ちゃんが、行くから待って!」

そこには、ガングニールの奏者 立花響がいた。

「‥‥‥その必要はない」

「え?でも危ないよ!」

キャロルは飛び降りると風を纏いながら、ゆっくりと降りてくる。

受け止めようと手を広げていた、響の近くに着地する。

「え?え?どうやって降りてきたの!?」

通信機からサクラとクリスの声が聞こえる。

『敵だ!敵の襲撃だ!そっちはどうなってる!?』

『こっちでも、敵襲にあった!響ちゃんは無事!?』

「‥‥‥え?」

響は目の前にいる少女を見る。

「キャロル・マールス・ディーンハイムの錬金術は世界を識るものだ。」

「世界を識る?」

「ああ、その為に世界を壊し、分解する!!!万象黙示録を作る為に!」

「‥‥‥世界を壊す?」

 

キャロルは、風のエネルギーを放つ準備をする。

「世界を壊されたくなければ、シンフォギアを纏え。」

「ま、待ってよ!話し合おうよ!」

「話し合いだと?この期に及んで、何故戦おうとしない。」

「戦う、よりも、世界を壊したい理由を聞かせてよ……

 わ、私は戦いたくなんだ!」

「はぁ‥‥‥、生憎お前に戦う理由が無くても、俺にはある。」

「戦ってでも、世界を壊すって事?」

「ああ、それが俺が戦う理由だ。

 お前にだってあるだろう?その為にその歌で月の破壊を食い止めてみせた。

 その歌で、シンフォギアで戦ってみせたのではないのか?」

「違う!そうするしかなかっただけで、そうしたかったわけじゃない……

 わたしは戦いたかったんじゃない!シンフォギアで、守りたかったんだ!」

 

キャロルは、風の術式を解く。

「それでも、戦え。お前にできることを見せてみろ。」

「人助けの力で戦うのは、嫌だよ……。」

(人助けで、己が身を滅ぼすクチか。‥‥‥パパも同じことを言うのかもしれないな。)

「はぁ‥‥‥、もういい。貴様が、どれほど対話を求めようとも

 俺は一切応じない。俺はどんな犠牲を払ってでも、目的を果たす。

 パパから託された命題を果たす為に。

 お前にも譲れないものがあるのなら、その拳を持って証明せよ!

 貴様のその人助けとやらが、本物か見せてみろ!!!!」

キャロルはそのまま、結晶を地面に投げるとその場からいなくなる。

響はキャロルの一言にショックを受け、膝をつく。

「わたしは、お父さんからもらったモノなんて……何も……」

 

 




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エルフナイン

多い!自分で書いといて何だけど、キャラが多いですね。
口調が至る所、変になってるかも知れません。その時はすみません。

それと謝罪を、前話ファラさんではなくレイアさんでした。
申し訳ございません。


キャロルの質問責めの後、クリスちゃんのところに来たわけだが、

エルフナインを庇い、アルカノイズに全裸にされている場面だった。

俺は、裸を見ないように全力で走り、クリスを庇うようにノイズの前に出る。

 

「そこの君!気絶してるクリスちゃんをお願い!」

「待ってください!アルカノイズに無策で行くのは!?」

「アルカノイズの相手は既に慣れている!!!」

「では、残りの仕事を派手にこなすとしよう。」

レイアが、アルカノイズに襲い掛かるように指示を出す。

俺はアガートラームを出し、ノイズを斬っていく。

何体か切っていると、アガートラームが何かに当たり弾かれる。

「私がいる事を地味に忘れてもらっては困る。」

レイアが、サクラに蹴りを放つ。

「こな!クソぉおおおおおお!!!!!」

無理矢理体の上体を逸らし、蹴りを避ける。

そのままイチイバルを出し、撃とうと構えた瞬間、投げ銭で逸らされる。

「な!?次!!」

シュルシャガナを頭に出し、ノコギリで切り刻もうとしたら

距離を取られ投げ銭が、全てサクラの胴体に叩き込まれる。

「ゴッ、がは!」

倒れそうになる体を意地でも耐えようとした瞬間、

「すまないが、派手に吹き飛んでもらおう」

サクラの胴体に蹴りを入れられ、吹き飛ばされ動かなくなる。

 

レイアは、サクラが動かなくなったのを確認すると

「‥‥‥さて、目的を地味に果たすとしよう。」

ノイズを片付け、サクラに近づこうとしたその時、

「させないデスよ!」

レイアが、声のした上の方を見ると

のぼり旗をマント代わりにした暁切歌がいた。

「‥‥‥派手な登場だな。羨ましい。」

 

切歌が、詠唱をしようとした瞬間に、ギアを纏う。

「デーーーーース!?いきなりイガリマを纏ったデス!!!」

サクラが、ギリギリの意識で再現をしたのだが、気付いていない模様。

切歌が、残っているノイズに大立ち回りをしている間に、

調が、サクラに近づく。

「サクラさん、大丈夫ですか?」

「‥‥‥ちょっと、ギリギリ」

スマホを調にかざすとシュルシャガナを纏う。

「これなら、LiNKERなし‥‥でも‥‥いけるよ。」

「ありがとうございます。」

調は、アルカノイズに囲まれていたクリスとエルフナインを助ける。

 

2人がアルカノイズに意識が向いている間に、レイアがサクラに近づき、スマホに術式を施す。

「な‥‥‥に、を‥‥‥」

「マスターからの命令で、地味に封印を施させてもらう。」

切歌と調が全てのアルカノイズを倒し、サクラとレイアの間に

割って入る。

「離れるデス!!」

「離れて!!」

サクラから離れ、2人の攻撃を避ける。

「ふむ、目的の7割は地味に達成できたのでな。

 これで撤退をーー」

「させる訳がないワケダ。」

プレラーティが、氷を飛ばすが、投げ銭で全て撃ち落とす。

「錬金術師まで、来たか。地味にピンチだな。」

「大人しく従えば、破壊せずにいてやるワケダ。」

「それは、派手につまらない選択だな。」

「なら、破壊して連れて行くワケダ!」

 

プレラーティが、術式を発動しようとした瞬間に上から、

「私も混ぜて欲しいゾ!」

ミカが、圧縮カーボンロッドを取り出し、プレラーティに振り下ろす。

「クッ!?邪魔が入ったワケダ!」

プレラーティは、すぐに回避をして氷の柱を飛ばすが、

全てカーボンロッドに弾かれる。

「ミカ、派手に動けるようになったな。」

「マスターが、え〜と、アダモスフィア?とかを組み込んでくれたおかげで、

 戦いたい放題だゾ!」

「ミカ、アダムスフィアだ。地味に間違えているぞ。」

「お〜〜!それだゾ!」

プレラーティは、アダムスフィアの名前を聞いた瞬間、怒りで体を震わせる。

「‥‥‥局長め!何がダインスレイフだけだ!

 他にも盗られているワケダ!!!!!」

プレラーティが、カエルから宝石を取り出そうとすると

「マスターが帰還するように言ってたゾ。」

「なら地味に帰還するとしよう。」

 

ミカが地面を思いっきり叩き、地面が割れ、煙が立ち上がる。

プレラーティが、風邪を起こし、煙を晴らすが2人の姿はなかった。

「いなくなってるデスよ。」

「正直助かった。」

「2人は大丈夫なワケダ?」

「サクラさんのお陰でなんとか」

プレラーティが、通信機を出して本部に連絡をして、通信を切る。

「連絡入れといたワケダ。もう少ししたら、救急隊が来るワケダ。」

「ありがとうデスよ!」

「ありがとう」

「協力関係を結んでいる以上、最低限のことはさせてもらうワケダ。」

(なら、もう気絶してもいいよね?)

サクラは、そのまま意識がブラックアウトした。

 

次に目を覚ますと

(相変わらず、ベッドの上って)

体を起こし、立ち上がってみる。

「痛みもないし、大丈夫か。」

医務室の扉を出て、指令室に向かう。

指令室の扉を潜ると、海外にいた翼、マリア、セレナがいた。

「サクラさん!怪我はもういいんですか!?」

「セレナちゃん、うん、もう大丈夫だよ。」

「辛かったら、言ってくださいね?」

「その時は遠慮なく言うよ。」

「サクラ、無事でよかった。2日も意識不明だったから心配したのよ。」

「翼さん、心配かけました。」

「目を覚ましただけでも嬉しいわ。」

「ええ、その通りよ。でも、セレナが言った通り無理はしちゃダメよ。」

「無理しない範囲で、頑張ってるので大丈夫ですよ。マリアさん」

「‥‥‥私が知ってる限り、無理しかしていないのだけど?」

「‥‥‥気のせいです。」

マリアが、疑いの目を向けてくるのをサクラは、目を逸らす。

「マリア姉さん、そんな目を向けたら、サクラさんが困っちゃうよ?」

「‥‥‥そうね。何かあったら言いなさいね?」

「はい!」

 

そのあと、俺が寝ている間の話を聞くと

クリスちゃんのギアは、気絶前に見ていた通り、破損

 

海外でファラの襲撃を受けた翼とマリア、セレナはこれを迎撃、

適合係数の足りないマリアは、ギアを纏えなかった。

 

翼とセレナがギアを纏い、ファラと戦うも何故か剣が壊れ、アルカノイズによって、

2人のギアは破壊される。

 

そして、ギアの修復と新しい敵に備える為に帰国したとの事。

 

「なんというか、大変なことになったデスよ。」

「うん、でもサクラさんがいるから、何とか戦えると思う。」

「‥‥‥そうだな。サクラがいれば、戦えるからな。」

みんなが、俺をみる。

「‥‥‥出来る限りのことはするよ!」

(けど、不安はある。ファラが言ってた封印それが気になるな。

そういえば、プレラーティがいないな。)

とみんなで、話をしていると弦十郎が入ってきた。

 

「シンフォギア装者勢揃い‥‥‥とは言い難いのかもしれないな」

モニターに、シンフォギア待機状態のペンダントが映し出される。

「アルカノイズに壊された、天羽々斬とイチイバル、そしてアガートラームです。

 コアとなる聖遺物は無事なのですが、」

「エネルギーをプロテクターとして、固着させる機能が損なわれています。」

友里と藤堯が、説明をしていく。

「もちろん、治るんだよな?」

「櫻井理論で、各国の異端技術は飛躍的に向上しているわ。」

「それでも、了子さんでなければ、シンフォギアシステムの修復は、望めない。」

「なら、サクラさんの修復砲(仮)なら!」

「残念ながら、サクラ君の方も大変な状況だ。」

「え?何かあったんですか?」

モニターにサクラのスマホが映し出される。

「これを見て欲しい。」

 

いろいろな文字が羅列される。

「現在、確認出来ているものは

 変身時間が、3分

 断片再現は、完全封印

 完全再現は、どんなに充電が満タンでも、6分までしか使用できない。

 ブラックボックスの部分、つまり修復砲(仮)も完全封印されているの。」

「これは、ギャラルホルンシステムを設計した協力者のアダム• ヴァイスハウプトにより、確認済みだ。」

「あの時、スマホに施された術式‥‥‥」

「ああ、原因だろうね。その術式が、」

聞き慣れない声が聞こえた奏者は、一斉に振り返ると

そこには、アダムとサンジェルマン達が立っていた。

「こいつら!いつの間に!」

クリス達が身構えるが、弦十郎が止める。

 

「クリス君、彼らが、協力者だ!」

「今の登場の仕方では、警戒するなという方が無理があるわね。」

「局長のサプライズは、正直警戒させるだけだものね」

「それをここで、言ってはいけないワケダ。」

「聞こえているよ。君たち、

 さて、遅れてしまったね。挨拶が、

 パヴァリア光明結社の局長 アダム• ヴァイスハウプト

 よろしく頼むよ。」

「私は、パヴァリア光明結社の幹部、サンジェルマンだ。できうる限りのことをさせて貰らうわ。」

「あーしは、カリオストロよろしくね。」

「私は、プレラーティよろしくするものしないも任せるワケダ。」

 

装者の方も、挨拶を済ませたのを見計らって、弦十郎が本題に戻す。

「サクラ君は、戦力として数えたいが、中々厄介な封印をされているからな。」

「時間が短いことだね。問題は戦える時間が、」

「この封印は解けないんですか?」

サンジェルマンが、説明を引き継ぐ

「残念ながら、色々試してみたけど、解除はできなかったわ。」

「だが、シンフォギアの修理は何とかなるワケダ。」

プレラーティの言葉に、翼が驚く。

「本当か!?」

「だが、時間はかかるワケダ。」

「今戦えるのは、響君とサクラ君のみになるな。」

「だけど、サクラさんがそばにいれば、戦えるデスよ!」

「うん、心強い」

 

弦十郎が、少しばかり険しい顔になる。

「確かに、サクラ君の再現は、戦える力を得られるだろうが、

 サクラ君が、常にそばにいるわけでは無いこと、

 更に普段と違い、戦える時間も殆どないと言っても過言ではない。

 その事を肝に据えておいてくれ。」

「‥‥‥そうだな。こいつが常にそばにいるわけじゃないからな。」

奏者全員の表情が暗くなるが、

「奏者が、抜けた穴を埋めるのがあーし達ってことよ。お馬鹿さんたち?」

カリオストロの言葉に、響が嬉しそうに聞く。

「じゃあ、助けてくれるんですか!」

「モチのロン!あーし達に任せなさい!」

「そういうわけだ。我々のできうる範囲で助力を約束しよう。」

カリオストロの言葉に、サンジェルマンが同意を示す。

 

「今後のことを決めるために、話を聞かないといけない相手がいるワケダ。」

「ああクリス君が、守ったエルフナイン君から話を聞こうと思う。」

「さて、後は任せるとしよう。君たちに、」

立ち去ろうとしたアダムに、サンジェルマンが刺すような視線を送る。

「アダムスフィアの件は、後ほど説明を聞かせてもらいます。」

「ああ、説明するよ。後ほど、」

アダムはそのまま、転移していなくなる。

「すまない。うちの局長が迷惑をかけている。」

サンジェルマンが申し訳なさそうに謝罪する。

「なんというか、大変なんですね。」

「‥‥‥あんた達、苦労してるんだな。」

「しっかり片付けて管理できていれば、こうはならないのにね〜。」

「それは永遠に治らないワケダ。」

「片付けができないのか。大変だな。」

「翼、あなたもよ」

翼の呟きに、マリアが素早く返す。

 

エルフナインが連れてこられ、話を聞く。

エルフナインの姿を見て、サクラは思う。

(‥‥‥ドットのことを思い出すな。

あれ以来会って居ないけど、‥‥‥いや、今は目の前のことに集中しよう。)

「ボクはキャロルに命じられるまま、巨大装置の建造に携わっていました。

 ある時、アクセスしたデータベースより、この装置が世界をバラバラに解剖するモノだと知ってしまい、

 目論見を阻止するために逃げ出してきたのです。」

「世界をバラバラたぁ、穏やかじゃなねぇな。」

「だが、チフォージュ・シャトーなら可能なワケダ。」

「面倒なものを作ったわね。」

「だが、錬金術とはそういう物よ。」

サンジェルマンの言葉に、エルフナインが同意をして話を進める。

「そして、キャロルの目的がチフォージ•シャトーを完成させて、世界の分解する事です。」

「人の研究成果を勝手に完成させようとしているワケダ!!!!!」

「プレラーティ、落ち着きなさいよ!?」

怒り狂うプレラーティをカリオストロが外に引きずっていった。

 

サクラは、エルフナインに話の続きを促す。

「建造に携わって居たのなら、君も錬金術師なのかな?」

「はい、ですがキャロルのように全ての能力を有しているのではなく、

 限定した目的のために作られ、知識をインストールされたに過ぎません。」

エルフナインの言葉に響とマリアが、疑問に思う。

「‥‥‥作られた?」

「インストールとも言ったわね。」

「必要な情報を脳に、転送、複写する事です。

 残念ながら、僕の知識に計画の詳細はありません。

 ですが、完成間近なのは確かです!」

『完成間近だと!?ふざけているワケダ!!!!!』

『ちょ!?あーしを殴らないで!?』

壁の向こうから怒りの声が聞こえる。

それらを無視して話を進める。

「お願いです!力を貸してください!!

 その為にこの聖遺物、魔剣ダインスレイフの欠片を持ってきたのですから!」

「ちょっと待って欲しい。完全聖遺物ではなく、欠片だと?」

サンジェルマンが、欠片になっている事を聞く。

「ぼ、僕が持ち出した時は欠片でした。完全聖遺物だったのですか?」

「‥‥‥いや、エルフナインそれは、あなたの落ち度じゃないわ。

 私たちで、残りを探すわ。」

「ですが、この欠片で錬金術師キャロルの力に、対抗しうる力が得られるのです!」

 

いくつかの話を聞いた後、エルフナインは部屋に戻される。

モニターには、エルフナインのメディカルチェックが出る。

「念のために彼女の……ええ、彼女のメディカルチェックを行ったところ。」

「身体機能や健康面に異常はなく、

 またインプラントや抗催眠と言った怪しいところは見られなかったのですが……」

「彼女……エルフナインちゃんに性別はなく、

 本人曰く自分はただのホムンクルスであり、決しては怪しくはないと……」

サクラ以外の全員の心の声が出る。

「あ、怪しすぎる」

「デース」

「ワケダ」

「我々も、エルフナインの体を調べたけど、これと言った怪しいものは出なかったわ。」

「何か術式が、組み込まれてると思ったんだけどねぇ〜」

「残念ながら何もなかったワケダ。」

「‥‥‥俺は、信じてもいいけどね。」

「その根拠は?」

「‥‥‥勘、かな」

 

いくつか話をした後、その日は解散することになった。

 




誤字•脱字有れば、よろしくお願いします。


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メックヴァラヌスD

イクサベルト迷った結果、予約しました。
後悔はない。


エルフナインの話を聞いた次の日、

未来ちゃんから連絡があり、響ちゃんが元気ないとのこと。

それで、ご飯を食べに行くのだが一緒にどうかとお誘いがあり、行くことにした。

(ガリィちゃんも来るだろうから、行った方がいいよね。)

 

約束の場所に俺は、急いで向かっていると通知音が鳴る。

「へ?」

スマホを見ると

『ギャラルホルンによる並行世界を観測

 メックヴァラヌスの発展を確認。追加します。

 安藤創世 メックヴァラヌスD

 板場弓美 メックヴァラヌスD

 寺島詩織 メックヴァラヌスD

 変身と再現に追加しました。』

(まさか、シリーズ化してるのこれ?)

 

その時、弦十郎から連絡が入る。

『響君が、敵襲を受けている!

 今すぐに現場へ向かって欲しい!』

「場所は、‥‥‥はい!すぐ近くなので、向かいます!」

『応援を送りたいが、他の場所にもオートスコアラー現れ、その対処に追われている!

 すまないが、君に頼りっきりになる!』

「任せてください!出来る事をします!」

俺は、響ちゃん達がいるところに向かって走る。

 

一方、響達はガリィに遭遇、アルカノイズに囲まれてピンチになる。

状況を打破する為に、ギアを纏おうとするが、

「何で……聖詠が浮かばないの?」

胸に歌が浮かばない

(こいつ、歌えなのか?なら、お友達を攻撃すると脅すか?)

とガリィが、響を追い詰めるために思考していると、

 

「あー、まどっこしいなぁ!

 アンタと立花がどんな関係か知らんけど、ダラダラやんのならアタシら巻き込まないでくれる?」

詩織が、大声を出してガリィに伝え、響を見捨てる。

「あなた、この子の仲間じゃないの?」

「冗談、たまたま帰り道が同じだけ、

 ほら、道を空けなよ。」

ガリィが、突然の離反に動揺する。

(この子達、仲良し子良しじゃないの!?)

ガリィは、アルカノイズを下がらせると、

 

「‥‥‥行くよッ!!」

と、警戒が緩んだ瞬間を狙って逃走を開始を始める。

詩織が響を見捨てるのは、演技。

詩織は、創世へ目配せをすると、それを即座に理解、行動に移す。

創世は、未来の手を取り、アルカノイズの隙間を縫って逃げる。

響、弓美、詩織もそれに続いて逃げる。

「アンタって変なとこで度胸あるわよね!?」

「去年の学祭もテンション違ったし!!」

「さっきのはお芝居!?」

「わたしたちがビッキーを助けたっていいじゃない!」

「我ながらナイスな作戦でした!後は、サクラさんと合流できれば!」

ガリィは、それを大人しく見ている訳もなく、

「‥‥‥マスターの命令ですからね。仕方ないですねぇ〜

 脅す程度には、追いかけるとしましょうか。」

 

アルカノイズに、響達を追いかけるように命令を出す。

「少し脅せば、戦う気にはなるかしらぁ?」

アルカノイズが、近くのものを壊しながら、追いかけていく。

そのうちの一体が、触手を伸ばすと未来に直撃する攻撃だった。

「って、誰が攻撃しろって言ったのよ!?」

「未来!?」

「‥‥‥あ」

未来に当たる直前、光に阻まれる。

「これって!」

「サクラさんが、間に合った!」

「ナイスです!」

3人娘が、響と未来を守るように前に出る。

「「「メックヴァラヌス、テイクオフ!!!」」」

 

光が覆い、弾ける。

そこには前のギアとは違い、荒々しい獣ような姿をしたメックヴァラヌスDが再現される。

「って、形が違う!?」

「でも、前よりも体が軽いですわ!」

「こういう展開もアニメみたいで、燃えるじゃん!」

残り時間1人あたり、2分

 

3人が、アルカノイズを倒していく。

「2人とも大丈夫!?」

「サクラさん、ごめんなさい。私が、歌えたら」

「響‥‥‥」

「大丈夫、困った時は、お互い様だよ。

 今度困った時は助けてね。」

「‥‥‥はい」

「とりあえず、2人は避難して。俺は、ここから動けないから。」

「響、行こう!」

「‥‥‥私は」

 

ガリィは、アルカノイズが倒されていくのを冷静に分析していく。

(あれがマスターの言ってた再現、確かに厄介ですね〜。

まぁ封印されて、たった2分しか戦えないなら、逃げに徹すれば)

弓美が、ガリィに向けてビームを放つ。

「当たれぇ!!」

「残念〜、当たらないわよ〜」

ビームをバリアで、防ぐ。

「なら!これで!」

創世が爪を巨大化させ、斬りかかる。

「そんな力任せの攻撃に当たる、ガリィちゃんじゃないのよ?」

体を軽く逸らして、攻撃を避ける。

「これなら!」

回避先を詩織も爪で、攻撃をするが、

バリアで防がれる。

「同じ手が、通じるわけが!?」

詩織のギアに付いていた尻尾が巨大化、槍となり、ガリィを頭上から貫こうとしてくる。

ガリィは慌ててもう片手で、バリアを出して防ぐ。

「お‥‥‥惜しかったわねぇ〜。あと少しで当たっちゃうところだったわ。」

「ですが、両手を使いましたね。」

ガリィの後方で、弓美が両手のギアを合体させる。

「これが!私たちの力だ!!」

 

NEXUS FLAMMA

 

極太なビームが、ガリィに当たり、胴体が真っ二つになる。

「やったじゃん!ユミ!」

「ナイスです!」

「ちょっと!?2人ともフラグ立てたらダメじゃん!」

「そうですよ〜、ガリィちゃんじゃなかったら、粉々でしたよ。」

ガリィが、弓美の後ろに現れ、関節を決めて拘束する。

拘束されると同時に、再現が解除される。

 

「な!?何で無事なの!?」

真っ二つになったガリィを見ると、水になる。

「水を攻撃してたの?」

「そんなことよりもほら、動くんじゃないわよ。この子は、どうなってもいいのかしら?」

とガリィが、不敵な笑みを浮かべた瞬間、黒い槍が顔に当たる。

「大丈夫かしら?」

「は、はい!ありがとうございます。」

「よく、ここまで頑張ったわね。後は私に任せなさい。」

そこには、ガングニールを纏ったマリアが立っていた。

 

「弓美さん、大丈夫!?」

「うん、何とか」

サクラが、弓美に駆け寄る。

「本当に?怪我とかない?」

「我慢はしないでくださいね。」

創世と詩織も駆け寄ってくる。

サクラは、弓美を2人に任せ、マリアの横に立つ。

「マリアさん、フォローはします。」

「ええ、頼んだわ。」

「盛り上がってるところ悪いんだけど、マスターからの命令で、

 ガリィちゃんはこれで帰らせて貰うわ。」

「逃げるのか!!」

「逃げるんじゃなくて、見逃してやってんのよ。」

ガリィは、転移していなくなる。

 

マリアは、変身を解く。

「‥‥‥確かにこれ以上、戦うのは危なかったわね。」

「マリアさん、これを使ってください。」

口から血を吐いたマリアに、ハンカチを渡す。

マリアは口元を拭い、響に達に合流する。

「貴方達、怪我はない?」

「はい、みんな無事です。」

「なら、良かった。君のガングニールーー」

マリアが、響にガングニールを返そうとすると乱暴に取られる。

「わたしのガングニールです!これは、誰かを助けるために使う力!

 わたしがもらった、わたしのガングニールなんです!!」

響は、悲しげなマリアの顔が見えて謝罪をする。

「‥‥‥ごめんなさい。」

マリアは力を使って、戦うことから逃げようとしている、響の方を掴む。

「‥‥‥そうだ、ガングニールはお前の力だ。

 だから、目を背けるな!」

「目を、背けるな‥‥‥」

その後、緒川さんが呼んだ救急隊に運ばれ、病院に搬送。

マリア以外、全員怪我がなく、その日のうちに退院になった。

 

次の日、エルフナインから

シンフォギアの強化プラン、プロジェクト『イグナイト』が提案された。

これは、サンジェルマン達も協力して完成させるとの事

と弦十郎さんから、連絡があった。

 

その場にいなかったのか?と聞かれると

マリアさん達と一緒に、ナスターシャさんの墓参りに来ていた。

「ごめんね、マム。遅くなっちゃった。」

「ええ、やっと挨拶に来れたものね。」

マリアとセレナが、持ってきていた花をお墓に添える。

「マムの大好きな日本の味デス!」

「わたしは反対したんだけど、常識人の切ちゃんがどうしてもって」

「‥‥‥常識人の言う事なら、仕方ないね。」

 

切歌が、醤油を墓に添える。

(いつ見ても、醤油って)

「マムと一緒に還ってきたフロンティアの一部や月遺跡に関するデータは、各国機関が調査してる最中だって、」

「マムが残してくれた知識のおかげで、研究も進んでるんだって、」

「みんなで一緒に研究して、みんなのために役立てようとしてるデス!」

「ゆっくりだけど、ちょっとずつ世界は変わろうとしてるみたい」

「‥‥‥その研究が、人を助けることに役立てられるみたいだよ。」

「それは初耳デスよ。」

「サクラさん、それは本当なんですか?」

サクラの話に、切歌とセレナが聞く。

「弦十郎さんの話だと、そうらしいよ。

 詳しくは難しくて、分からなかったけど‥‥‥」

「‥‥‥マムはもっと詳しい話が聞きたかったかもしれない。」

調が、ジト目で見てくる。

「うん、詳しく聞いておくよ。ナスターシャさんもそっちの方が安心できると思うし、」

「その時は、私も聞くデスよ!」

「‥‥‥不安倍増、その時は私も聞くね。」

「サクラさんのそういうところも、私は好きですよ!」

「ぇ、あ、ああうん、ありがとう」

セレナの台詞に、サクラは不意打ちを喰らい、顔が赤くなる。

マリアは、その光景を微笑みながら見守りながら考える。

(変わろうとしているのは世界だけじゃない。

 なのに、私だけは……

 セレナを助けるためにネフィリムと対決したアガートラームも、再び纏ったガングニールも、

 窮地を切り抜けるのはいつも、自分のモノではない力――)

「私も変わりたい。本当の意味で強くなりたい」

「それはマリアだけじゃないよ」

「わたしたちだって、同じデス」

「そうだよ。マリア姉さん、みんなで強くなろう。」

 

(‥‥‥俺は、どうだろう?間違えた使い方をしてないかな?)

その時、弦十郎から連絡が入る。

『サクラ君!出動だ』

「はい!場所はどこですか!!」




誤字•脱字有れば、よろしくお願いします。

アンケートの進撃の巨人は、エレンの巨人化したものです。

アンケートのご協力ありがとうございます。
これを元に書いていきます。


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グリッドマンギア

自分をヒューマギアだと思い込んでいる人間という設定のヒューマギアを
妄想するも意味不明すぎて、途中で断念しました。



弦十郎さんから、オートスコアラーがまた各地に現れたとの連絡が入る。

『すぐに現場へ向かって欲しい!』

「はい、今すぐ行きます。

 ごめん、戦場に行くから、みんなも早く避難してね!」

弦十郎の通信を切り、マリア達に声をかける。

「サクラさん、お気をつけて」

「サクラさん、怪我がないように帰ってくるデスよ!」

「戦えない私達の分も、お願いします。」

「あなたが、帰ってくるのを信じて待ってるわ。」

「はい!絶対に帰ってきます!」

みんなの声援を受け、迎えのヘリに乗って、現場に向かう。

 

現場に向かうヘリに乗ると、カリオストロがいた。

「あら、あなたと一緒なのね。よろしくね〜。」

「カリオストロさん、よろしくお願いします。

 敵の場所については、聞いてますか?

 自分は、どこに行くか聞いていなかったので」

「ええ〜と、確かねぇ〜‥‥‥メンゴ、メンゴ、忘れちゃったわ〜」

カリオストロがウインクをしながら、笑って舌を出す。

「‥‥‥えぇ〜」

「もう冗談よ、冗談。場所は港、そこで暴れてるみたいなのよねぇ。

 こっちは徹夜明けだってのに、もうすこし休ませて欲しいわ。」

「イグナイトプロジェクトでしたっけ?」

「そうよ、あーし達全員で手伝ってるんだけど、思ったより苦戦してるのよね〜。」

カリオストロが盛大なため息をつく。

「なんというか、色々して貰って、ありがとうございます。」

「ふふっ、どういたしたしまして、お返しはケーキでいいわよ〜。」

「じゃあ、今度、差し入れにケーキ持っていきますね。」

「あら、それは楽しみね。」

カリオストロと色々な話をしながら、現場に到着する。

 

港の倉庫街に着くも

「ん〜?誰もいないわね?」

「ええ、人っ子一人いませんね。」

「地味に待っていたぞ。」

声があった方を見ると、倉庫の上にレイアが立っていた。

「あら、派手な登場ね。」

「‥‥‥私に地味は、似合わない。」

「ここにいた人達は?」

俺は、一般市民が襲われていないかを確認をする。

「それなら、アルカノイズで派手に脅したら、逃げていった。」

「えらくお優しいのね?」

「マスターから犠牲は、最小限にとどめろと地味に難しい命令が出ている。」

「なんで、キャロルさんはそんな命令を?」

「そこまで、答える義務はないな。」

「そりゃそうよね。オートスコアラーがマスターを裏切る行為は出来ないものね。」

 

レイアは結晶を投げて、アルカノイズを出す。

「そして今回は、錬金術師を倒すために、地味に私の妹も呼んでいる。」

海の中から、巨大なオートスコアラーが現れる。

「でっか!!」

「大きすぎでしょ!?」

「では、派手に潰させてもらおう。」

「お生憎様、そう簡単にはいかないわよ!」

カリオストロは、懐から宝石を取り出す。

宝石が輝き、そこには黄金のローブを纏ったカリオストロがいた。

「ファウストローブはまだ、未完成品だけどね!」

戦闘態勢になり、離れたアルカノイズに拳を振るうと

ビームが出て、アルカノイズを灰に変える。

「派手な技だ。」

「ええ、まだまだ行くわよ!」

レイアに突撃するカリオストロに、船が飛んでくる。

「って、危ないじゃない!」

カリオストロが、飛んできた船を破壊するとレイアが、その隙に投げ銭をしてくる。

「って、あーしだけ、戦ってるんだけど!?

 あの子は、どこにいったのよ!」

 

サクラは、レイアの妹に向かって、全力疾走していた。

「あの船は投げさせちゃ、ダメだ!」

レイアの妹が、今度投げようとしている船に、

人が乗っているのが見えたのだ。

「でも、あの巨体を止める方法は!?」

左手に握っていたスマホが、輝き始める。

「眩しい!!って、あれ?スマホがなーー」

すると左手に、プライマルアクセプターが装着されていた。

「これが、一番良いって事かな!ギャラルホルンの事を信じるよ!

 アクセスフラッシュ!!!」

掛け声と共に、アクセプターのボタンを押す。

 

「助けてくれ!!!嫌だ、死にたくない!!!」

船に乗っていた稲田透は、パニックを起こしていた。

アルカノイズが突然現れ、急いで船に身を隠していると

大きな揺れに襲われたので、船から出てみると包帯を巻いた巨人がいた。

その巨人が、この船を掴み投げようとしていた。

そして、船が投げられる。

「‥‥‥あ。」

(すまない、妻よ。帰れそうにない!)

地面にぶつかるという現実から、目を瞑る。

 

いつまでも衝撃がこない事に疑問を覚えて、目を開けると

「大丈夫ですか?」

先ほどの巨人と同じ大きさの赤、白、青を基調とした

トリコロールカラーの巨人がいた。

「すみません。こちらに降ろすので、早く避難してくださいね。」

船を地上に下ろし、もう一体の巨人と対峙する。

「‥‥‥子供の頃に見たヒーローみたいだ。」

 

S.O.N.G.では、各地のモニタリングをしている友里が、

「サクラ君の反応が、巨大化しました!」

「なんだと!フォニックゲインが高まっているのか!?」

「いえ、物理的に大きくなっています!」

「物理的に‥‥‥だと!?」

「映像出します!」

映像が出ると巨大なオートスコアラーと海で戦う、

巨大な響が映る。

「な!?なにが起こっているんだ!?」

 

残り時間2分30秒、

 

俺は、投げられた船を上手くキャッチした後、

地面に起き、妹さんに殴りかかった。

「うぉおおおおおおおおお!!!」

「!!!」

拳を内側から弾かれ、カウンターを喰らう。

「グゥ!?まだだ!!!」

突き出された腕を掴み、投げ飛ばす。

受け身をとる事なく、海の中に落ちる。

「これなら!」

マウントを取ろうと近づくと、足払いをされ、

倒れる。

 

海に倒れ、

「急いで立たないと!?ガッ!!」

逆にマウントを取られ、妹さんに首を掴まれ、そのまま拘束される。

顔が海に沈められる。

(まずい!息が!)

なんとか拘束を解くために暴れるが、拘束が強くなる一方だった。

「!!!!!」

(このままじゃ!?そうだ!!!)

 

俺は腰のブースターを使い、空に飛ぶ。

空を飛ぶと拘束が緩み、妹さんが海に落ちる。

「ゴホッ、ゴホッ、危なかった。」

海に着水をすると巨大な水柱が上がる。

「時間は、もうないみたいだね。」

エネルギーランプが点滅して、警告音を鳴らす。

 

残り時間1分

 

両手を前に突き出して、妹さんが突っ込んでくる。

俺は、突き出された手を両手で握ると握り返してくる。

最初は拮抗しているが、段々とサクラが後ろに押されてくる。

(力負けしている!このままじゃ!!)

すると後ろから、声が聞こえた。

「負けるな!!ヒィイイイ、ロォオオオオオオオ!!!」

後ろをなんとか見ると稲田が、サクラを応援していた。

「負けないでくれ!ヒーロー!!!!!」

不思議と体に力が溢れる。

「負け、られるかぁぁぁ!!!!!」

妹さんの両手を思いっきり、外に弾く。

無防備になった顔に、拳を叩きつけると大きく後ろに仰反る。

さらに、ドロップキックをお見舞いする。

「おりゃぁあああああ!!!!!」

「!?!?!?」

ドロップキックをまともに喰らい、後ろに大きく飛んでいき、

大きな水柱を上げて、海に倒れる。

俺は、その隙を見逃さず、

左腕にあるアクセプターを前に両腕を交差させるとエネルギーが集まり始める。

「グリッドォォォォォォォ!!」

妹さんが、ゆっくりと立ち上がる。

アクセプターにエネルギーが溜まると妹さんに向けて、

破壊エネルギーを一気に撃ち出す。

「ビーム!!!」

 

我流・グリッドビーム

 

ビームが妹さんに向かっていくと当たる直前で、霧が発生して、姿が見えなくなる。

攻撃は、そのまま空を切り、消失する。

「逃げられた‥‥‥」

俺は、構えを解くと光に包まれる。

目を開けると変身した場所に戻っていた。

「‥‥‥あ!カリオストロさんは!?」

大きくなった余韻に浸っていると、カリオストロのことを思い出す。

「あーしが、なんだって?」

「カリオストロさん!良かった怪我はなかったんですね!」

「ええ、そうねぇ。なかったわよ?ええ、なかったわね。」

「なんか、怒ってませんか?」

「怒るに決まってるでしょう!!!!」

 

カリオストロさんの怒ってる理由を聞くと

巨大化したサクラと妹さんの戦いにより、津波が発生

その津波に巻き込まれ、何とか助かるもレイアに逃げられる。

 

「もう、本当に最悪!お化粧落ちちゃうし!」

「本当、すみませんでした!!!!!」

俺は、頭を下げて謝るしかなかった。

(流石に、津波は考えてなかったなぁ。)

「そうねぇ、今度、持ってくるケーキが高いものなら、許してあげるわよ?」

「気合入れて、良いものを買わせていただきます!!!」

 

その後、津波による人的被害はなかったとのこと。

本部に戻ると弦十郎さんから、

「大きくなるのは、男の夢だ。それで、はしゃぐのも無理はないと俺は思っている。

 だが、どんな状況であれ、人を思いやることを忘れてはいけない。

 これは肝に命じておいてくれ。」

「はい、すみませんでした‥‥‥」

「さて、君にはこれを渡しておくとしよう。」

弦十郎から、分厚い紙袋を渡される。

中を開くと、巨大ヒーローもののビデオが、沢山入っていた。

「あの、これは?」

「フッ、君の今後の戦いで、参考になるものを厳選しておいた。

 それをもとに特訓するからな!」

「え゛、マジですか?」

「ああ、大真面目だとも!」

 

家に帰ると雨が、降り始める。

「雨が降ってる中で、海の戦いとか、考えたくないな〜」

窓をぼんやりと眺めながら、今日の戦いを思い出す。

(今日は、運良く死人が居なかっただけだ。

もし居たら?‥‥‥いや、あの時、人を斬ったあの時に、この迷いは捨てたはずだ。

その時は、必要な犠牲だったって、‥‥‥納得出来ないなぁ。

結局、なんの覚悟もしてなかったんだな。俺‥‥‥)

 

そんな考えが、頭の中を巡っていると

「‥‥‥喉、乾いたな。」

台所に行こうとすると、足に何かがぶつかる。

(これって、弦十郎さんが、貸してくれた‥‥‥)

俺は、水を飲んで借りたビデオを見始める。

 

その日、響ちゃんのペンダントが破壊されたと連絡があった。

 




誤字•脱字有れば、よろしくお願いします。


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休憩回

疲れを癒したいと思ったら、
リリカルコラボ回の最後の方で、テンションが上がって、
疲れが吹っ飛んじゃいました。


チフォージ•シャトーの玉座にキャロルは、腰をかける。

そこから見える自分が、作った変なポーズをとる4体の人形を見る。

(世界の分解をする事が、アイツを救う鍵になるはずだ。

だが、世界を分解をするという事は、世界を識る事も出来るが‥‥‥)

キャロルは、懐から黒い弾丸を取り出す。

 

(リフラックスバレット、これのおかげで思い出エネルギーの問題も解決済み。

そして、ミカに組み込んだアダムスフィアのお陰で、大幅な強化もできている。)

布を取り出し、弾丸を拭き始める。

(だが、あいつが巨大化するのは、想定外すぎる。

一言も巨大化出来るなんて、聞いた事がないな。

という事は、並行世界の立花響に、巨大化して戦う世界があるのか?

‥‥‥さぞ、ノイズも大きいのだろうな。)

 

弾丸を磨き終えると、懐に戻す。

「あいつが放ったエネルギーは、レイアの妹を消し飛ばす事ができる

 威力だったな。ならば、エネルギーを吸収する機能を搭載しておくとしよう。」

キャロルの呟きに、レイアが話しかけてくる。

「そうして貰えると、妹も地味に嬉しいと思います。」

「‥‥‥そうか、なら早めに取り付けておくとしよう。」

「霧崎サクラとの戦いが、派手に嬉しかったようです。

 長く戦えるのなら、妹も満足できると思います。」

ファラも会話に参加する。

「あら?そうなの?」

「ああ、純粋な力比べが、派手に楽しかったらしい。」

「同じ大きさだものね。それは楽しかったでしょうね。」

「なら、私もサクラってやつと戦えば、楽しめるのかゾ?」

 

ミカも話に入ってくる。

「ミカ、楽しめるとしても3分だけだろうな。」

「マスターが、作った封印ですね。」

「ああ、あの封印も必要な処置だ。不完全なのが、気になるところだがな。」

「次に出撃した時に、私が地味に完全な封印を果たしてみせます。」

「いや、今は計画を進めることを優先しよう。」

「じゃあ、これからどうするんーー」

ミカの話を遮り、ガリィが、キャロルに話しかける。

「では、私達はどうすれば良いんですか?マスタ〜?」

「ガリィ〜、話を遮らないで欲しいんだゾ!」

「うっさい、私だって、可愛いマスターと話したいのよ!」

 

キャロルは、その光景に呆れながら、

「はぁ‥‥‥ガリィ、お前には一つ仕事を頼みたい。」

「私にですか?もちろん、ガリィちゃんは、マスターの為なら

 どんな事でもしますよ?」

「ガリィ以外は、しばらく待機だ。

 では、ガリィ、命令下す。」

「はい、ガリィにおまかせです!」

 

 

俺は、借りていたビデオの内容を出来る様に、弦十郎さんと

特訓をした後、響ちゃんのお見舞いに来ていた。

ミカに負けてから、4日も寝たままだった。

(原作だと、1週間眠ってたはず、なら3日後には目を覚ます‥‥‥よね?)

医務室の扉が開く音が、聞こえたので振り返ると、未来ちゃんがいた。

「あ、サクラさんも響のお見舞いですか?」

「うん、そうだよ。いつもは、来てもらう側だからね。」

「ふふっ、いつも入院してますもんね。」

「入院してる時間の方が多いんじゃないかと、

 最近は思ってるよ。」

「そうならないように、気をつけてくださいね?」

「最大限の努力いたします。」

その後は、色々な話をして、時間を過ごした。

 

(そういえば、ケーキ持っていくの忘れてたな。)

未来ちゃんと別れ、食堂の冷蔵庫に置いてたケーキを持って、研究室に向かう。

研究室の扉を開くと、

「やぁ、友よ。久しぶりだね。」

全裸のアダムがいた。

俺は、一度扉を閉めて、部屋のネームプレートを確認する。

『研究室』と書かれていた。

「?合ってるよね?」

もう一度、扉を開くと

全裸のアダムがいた。

「フッ、酷いじゃないか。急に閉めるなんて、」

「いや、なんで全裸なんですか?」

「手伝いに来たのさ。イグナイトプロジェクトのね、」

(全裸の理由になってない!!!)

 

話は終わりなのか、それ以上、アダムは何も言わない

「早く服を着てください。局長。」

「早くそれをしまうワケダ。」

「そうよ〜。あーし達は見慣れてるから良いけど、あの子たちが、見たら卒倒ものよ。」

「むしろ、見惚れると思うよ。僕の体を見たら、」

サンジェルマンが、呆れながら服を手渡す。

「早く着てください。

 霧崎サクラ、何か用があってきたのではないのか?」

「あ、そうでした。この前のお詫びも兼ねて、ケーキ買ってきたんですけど、

 食べますか?」

「あら、この前の約束を守ってくたのね!」

カリオストロが、サクラの持っていた箱を取り、部屋のテーブルに運んでいく。

「すまない、気を使わせてしまったようだ。」

「いえ、気にしなくて良いですよ。普段から助かってる、お礼ですから。」

「そういうわけなら、遠慮なくいただくワケダ。

 ケーキには、紅茶なワケダ」

プレラーティも部屋の奥に行き、紅茶の準備を始める。

 

「霧崎サクラ、君も食べていかないか?」

「え?ああいや、皆さんだけで、どうぞ。」

「ふむ、寄っていくよいい。話したいこともあるしから、」

「話したいこと‥‥‥ですか?」

「ああ、ギャラルホルンについてね。君の、」

「ということだ。局長もこう言っている。それに、エルフナインを休ませる口実にも

 出来るからな。」

「エルフナインちゃん君、休んでないんですか?」

「ちゃん君?ああ今日で、徹夜5日目だ。」

「‥‥‥死にそうですね。」

「無理矢理、休ませるのだが、気づけば作業をしているんだ‥‥‥」

サンジェルマンから、どんよりとした空気が出てくる。

「‥‥‥分かりました。では、お邪魔します。」

 

部屋に入るとケーキと紅茶のいい匂いが漂う。

「エルフナインちゃん君は‥‥‥いた。」

部屋の奥で、黙々と作業をしていた。

「エルフナイン、サクラがケーキを持ってきたから、少し休むワケダ。」

「いえ、時間がありません!少しでも早く完成させないと!」

「少し休んだって、バチは当たらないわよ?」

「しかし」

カリオストロとプレラーティが、説得するが空振りに終わる。

「エルフナインちゃん君、少し休んだ方が、作業効率も上がると思うよ?」

「ちゃん君?サクラさん、けど、僕は、」

「少しぐらい遅れても、俺がなんとかするから、休もう!」

「え?わっ!?」

サクラは、エルフナインを抱えて、ケーキのあるテーブルに連れていく。

サンジェルマンが、苦笑いをする。

「強引ね。」

「強引なぐらいが丁度いいんですよ。」

サクラは、膝の上にエルフナインを乗せて、椅子に座る。

 

プレラーティが、エルフナインにケーキの箱に中を見せる。

「どれが、食べたいワケダ?」

「え?僕からで良いんですか?」

「え〜〜〜、あーしから、じゃないの〜」

「こういう時ぐらい、譲るワケダ。」

「そうよ、大人なんだから、我慢なさしなさい。」

「で、でしたら、カリオストロさんからでも、」

「エルフナインちゃん君は、どれ食べたい?

 ちなみにお勧めは、このチョコレートケーキか、

 イチゴをふんだんに使った、ショートケーキ

 まぁ、他にもあるから、好きなのとっても良いよ。」

「で、では、苺のケーキをいただきます。」

 

それぞれケーキを取って、食べ始める。

「悪くないな。」

「ああ、紅茶にすごく合うワケダ。」

「紅茶も美味しいけど、コーヒーにも合いそうねぇ〜」

「なら、自分で用意するワケダ。」

「サンジェルマンが、美味しそうに飲んでるのを見ると

 飲みたくなっちゃうのよ。」

「‥‥‥私のせいなのか?」

「ふむ、美味しいね。確かに、」

 

とサンジェルマン達が、ケーキを食べながら、感想を言っているなか、

サクラとエルフナインは、

「サクラさん!これは、とても美味しいです!!」

「そっか〜、それは良かったよ。」

サクラは、エルフナインがケーキを食べる姿に癒されていた。

(なんだ、この可愛い生き物は。この姿を見ただけで、明日も生きていけそう。)

 

アダムが、サクラに声をかける。

「すまないね。和んでいるところ、

 話をするとしよう。」

「ギャラルホルンについてでしたっけ?」

「ああ、戦いづらいだろうからね。封印されていて、

 追加しようと思ってね。新しい機能を、」

アダムの言葉に、サクラは固まる。

固まるサクラをよそに、アダムは話を進めていく。

「‥‥‥え?」

「追加するのさ。これを使って、」

アダムは、ハンガーに掛けていたズボンから、

石を取り出す。

「局長、それは!!」

「ラピス• フィロソフィカスなワケダ!!」

「そんな、重要なの渡しちゃうわけ!?」

 

ラピス• フィロソフィカスとは、錬金術師の叡智の結晶、賢者の石とも言われるもの

物質の変成を促す作用の他、万能薬としての一面も持っている。

サクラは、賢者の石を使うと言われ、思考がさらに置いていかれる。

「‥‥‥え?」

「局長、その案は反対させてもらいます。

 錬金術の極意を渡すようなものです。」

「流石に、見過ごせないワケダ!」

「いくら、あーしも局長の友人でも、それはダメだと思うわ。」

エルフナインが状況に困惑して、サクラの顔を見上げている。

(‥‥‥可愛い)

エルフナインの頭を撫でて、状況を整理する。

 

戦う力の大半が、封印されて大変

新しい力として、錬金術の極意、ラピス•フィロソフィカスをあげる。

 

(どうして、そうなったんだ?)

 

アダムが、サンジェルマン達を宥めながら、話す。

「あるのさ。ちゃんとした理由が、」

「理由ですか?」

「ああ、これに入っているのさ、

 新しい力が入っているんだよ。我が友の為に調整を行った、

「いつの間にそんなことをしていたワケダ!」

「局長自らとか、どんだけなのよ?」

サクラが、復活する。

「いやいや!そんな大事もの受け取れません!」

「必要だと思うんだがね?今後の戦いのために、」

「うっ!?それは、まぁ、そうなのですが。」

「返してくれればいいさ。それに全部終わったら、」

アダムが、ラピス•フィロソフィカスをサクラに手渡す。

手渡されたものを触ってみると、

(‥‥‥なんか馴染む?なんでだろう?俺用に調整してあるからかな?」

 

「あーし達のラピス•フィロソフィカスは、未完成なんだけどね〜

 あーし達にも優しい上司が、助けてくれると嬉しいわね。」

「君たちならね。完成するさ、」

「手伝う気は、ないワケダ。」

「未完成と言っても、最終調整の段階にあるじゃない‥‥‥」

「物は言いようというわけだね。なるほど、」

「サンジェルマン、そんなこと言ったら!」

「私達の休みがなくなるワケダ!」

プレラーティとカリオストロの休みがなくなりそうになっていた。

 

そんな騒動をよそに、サクラは、寝息を立てるエルフナインに癒されていた。

(‥‥‥これから、もっと大変な事態になるけど、この寝顔の為に世界を救えそう。)




誤字•脱字有れば、よろしくお願いします。


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特訓回

永遠にテトリスしたい。

ネタに走ってみました。


お茶会の次の日、

もっと強くなる為に朝5時に、俺は、弦十郎さんの家に来ていた。

門を開けて、入るとジャージを着た弦十郎さんとスーツ姿の緒川さんがいた。

「おはようございます。緒川さん、今日はどうされたんですか?」

「おはようございます。サクラさんの特訓のお手伝いに来ました。」

「マネージャーのお仕事は、大丈夫なんですか?」

「ええ、変わりの方にお願いして来ましたので、大丈夫ですよ。」

「慎次を呼んだのは、君の特訓に協力してもらう為に来てもらったんだ。」

「ということは、今日は、3人で?」

「その通り!俺達で、鍛え上げてみせるさ!!」

「‥‥‥マジですか。」

「ええ、一緒に頑張りましょう。」

「じゃあ、早速走るぞ!」

「はい!って、緒川さんは、スーツですか?‥‥‥ってもういない。」

緒川さんが、いつの間にか居なくなっていた。

(‥‥‥忍者すげー)

 

弦十郎さんといつものように、フルマラソンをした後、

山の崖下に来ていた。

「はぁ‥‥‥はぁ‥‥‥、あのここで、何をするんですか?」

「ロッククライミングだ!」

「サクラさん、その前にこちらをどうぞ。」

「ありがとう、ございます。」

緒川さんから、スポーツドリンクをもらい、飲む。

「ごくっ、ごくっ、‥‥‥ふぅ、

 登るのは、その、いいんですけど命綱は?」

「安心しろ!落ちても俺達が受け止める!」

「ええ、安心して登っていいですよ。」

(安心感が、すごい。)

死ぬ気で、登った。

 

緒川さんから、毛布が渡される。

「えっと、次は何を?」

「次は毛布に包まって、この坂を転がって降りてもらいます。」

「この舗装されてない自然豊かな坂を?」

「はい。」

「凄く痛そうな坂を?」

「はい。」

「‥‥‥ヤケクソだ!やってやらぁぁ!!!!!」

転がったら、凄く痛かったです。

 

何回か、転がっていると弦十郎さんが、米俵を3つ持ってきた。

「次は、これを担いで、ウサギ飛びだ!!」

「あの、米俵の意味は?」

「やってみれば、わかるさ!!」

(米俵って確か、60キロだっけ?‥‥‥これを持ちながら、うさぎ跳び?

死ぬな。)

「最初は、一つだけでいいぞ。」

弦十郎は、米俵2つはそれぞれ左右の肩に担ぐと

うさぎ跳びをしていく。

いつの間にか、離れたところに立っている緒川さんに向かってるようだ。

(‥‥‥マジで?)

やってみた結果、死にかけたとだけ、言っておこう。

 

最終的に米俵を3つ担いで、うさぎ跳びをした俺は、

意識が、飛びそうになっていると目の前に瓜坊が現れる。

「プギー!」

(‥‥‥あ、瓜坊だ。可愛い)

瓜坊の頭を撫でようと手を伸ばすと、弦十郎がすぐに気付く。

「む、いかん!サクラ君、今すぐに離れるんだ!」

「へ?それってどういう」

「サクラさん、失礼!」

緒川さんに抱えられ、その場を離れると、

大きな音の後に、木が倒れた。

「へ?」

倒れた木の方を見ると瓜坊の近くに、大きな猪がいた。

(‥‥‥もののけ姫で見たことあるサイズだな。)

「フッ、これも山の醍醐味!さぁ、戦って追い返すぞ!」

「え?生身で戦う相手じゃなーー」

困惑しているサクラに猪が、一直線に体当たりをしてくる。

「油断するな!自然は待ってはくれないぞ!!フンッ!!!」

弦十郎が、猪の突進を真正面から受け止める。

それを見たサクラは、

「‥‥‥ヤケクソだぁぁぁ!!!」

死に物狂いで、追い返した。

 

お昼になったらしいのだが、色々ありすぎて時間の感覚がない。

「運動後の飯もやはり、格別だな。」

「ええ、いい運動になりましたね。」

「もぐもぐ、美味しいですね。」

緒川さんが、いつの間にか用意していた、おにぎりを食べる。

(あの巨大猪との死闘をいい運動で、済ませないで欲しい‥‥‥)

「さて、サクラ君、残りの特訓をして行くとしよう!」

「まだ、あるんですね。‥‥‥がんばります。」

「安心してください。帰りは、車を用意してありますよ。」

「‥‥‥それは、楽に帰れそうですね。」

お昼休憩を挟んだ後、特訓が再開される。

 

ロープが括り付けられてある、大きな岩の前に立っていた。

「あのこれは?」

弦十郎は、ロープの紐を掴み、引っ張りながら、岩を5メートルぐらい動かす。

「今の君なら、これぐらいは、動かせるはずだ。

 目標は、俺が動かしたぐらいだな。」

「‥‥‥マジで」

サクラは、覚悟を決めて、ロープの紐を掴み、全力で引っ張る。

「フゥン、ぬぁぁぁあああ!!!!!」

一寸たりとも動かない。

「うわぁああああああ!!!」

ほんの少し動く。

「こんのぉおおおおおお!!!!!」

なんとか出来た。

 

弦十郎さんから、いつものグローブを手渡される。

「さ!いつもとは、違うスパーリングをしていくとしよう。」

「いつもと違うというのは?」

「今日は、司令ではなく、僕が相手だからですよ。」

手にパンチングミットを付けた、緒川さんが答える。

「緒川さんが?」

「はい、どうぞ打って来てください。」

緒川が、パンチングミットを構える。

「では、遠慮なく!!!」

拳を構えて、打ち込むと緒川が消えて、サクラの後ろに立つ。

「サクラさん、手を止めてはダメですよ!」

「っ!?うおりゃああ!!!」

緒川が、サクラの四方八方に現れ、翻弄されていく。

「どこにいるのか、分からない!!」

(というか、これってマリアさんがオープニングで、してたスパーリングなんじゃ?)

「考え事は、ダメですよ?」

「このぉお!!!!!」

その後は、ずっと翻弄され続けた。

 

「ゼェ、ゼェ‥‥‥今のスパーリング、キツすぎる。」

サクラは、地面に大の字になって、寝転がる。

「今のは敵が、瞬間移動してくると想定して、動いてもらったからな。」

「そんな、動きする敵なんて」

「ガリィと呼ばれるオートスコアラーも、似たような動きをしていたと思うが?」

「‥‥‥確かに、似たようなことしてますね。」

(水の分身に結構、引っかかってるしね。)

「でもスパーリングは、あんまり当たらなかったですけどね。」

「そんなことはないですよ。後半の方は、僕の動きに追いついていましたよ。」

「本当ですか?」

「ええ、次の戦いで、あの動きができるようになれば、

 オートスコアラーの動きに遅れを取ることはないと思います。」

「それなら、いいんですけど」

 

しばらく休憩をした後、水の中が見えるぐらいには、綺麗な川に来ていた。

「今度は何を?」

「次は、俺と川で、模擬戦をしてもらおう。」

「‥‥‥頑張ります。」

色々試したが、勝てませんでした。

 

その後は、もう一度、緒川さんとのスパーリング

弦十郎さんとの模擬戦を交互にした後、休憩になった。

休憩中、座って川を眺めていたサクラは、ふと気になったので

緒川に聞いてみた。

「‥‥‥そういえば、緒川さんって、水の上を走れるんですか?」

「ええ、出来ますよ。」

「あれって、どうやってるんですか?」

「そうですね。コツとしては、左足が水面についた時、反発を受ける一瞬に逆の足

 を踏み出す。これを繰り返すだけです。」

「‥‥‥なんか、説明だけだと、簡単そうに聞こえる不思議。」

「簡単に出来たら、僕の面目が立たなくなっちゃいますね。」

サクラは立ち上がり、川に足をつけると沈む。

足をもう一度上げて、水につけたと同時に二歩目を出すが、

一歩目が沈む。

「‥‥‥沈むのですが」

「水面を後ろに蹴るようにしてみたら、どうでしょうか?」

「おりゃああ!って、あば!?」

三歩で沈む。

 

弦十郎が、バーベキューセットを持って、歩いてくる。

「お!楽しそうなことをしているな。」

「サクラさんが、水面走りを始めたところです。」

「ほう、なら俺もやってみるか!」

何故か、弦十郎も参加して、水面走りを始める。

それからしばらくした後、

「あ、足が、ガクガクするし、難しい!!!」

「ああ、思ったよりも難しいものだ。」

「いや、弦十郎さん、思いっきり対岸まで走ってたじゃないですか。」

ちなみに対岸までの距離、約100メートルぐらい。

「流石に、僕も驚きましたよ。」

「いや、ギリギリで着いたからな。次は余裕持って、

 対岸に行かないとな。」

「まだ、強くなるのか‥‥‥」

(この人、まだ強くなるのか‥‥‥)

サクラが、弦十郎のデタラメさに心の声が漏れている。

「ですが、サクラさんも5メートルは、走れるようになってるじゃないですか。」

緒川は、サクラの言葉に苦笑いしながら言う。

「いやいや、弦十郎さんよりも出来てませんからね。最後にもう一回!」

「なら、サクラ君の最後の一回が終わった後に、バーベキューをしようじゃないか!」

「肉のために頑張る!!!」

「目的が、変わってますね。」

「フッ、やる気が出ることは、良いことだ。」

「そうですね。しばらくは、落ち込んでいましたからね。」

「じゃあ!行きます!」

 

川に向かって走っていく。

そのまま、水面を同じように走っていく。

「うぉおおおおおおおおお!!!!!」

「そのままだ!走りきれ!!!」

「良い調子です!そのまま、足の速度を落としてはいけませんよ!」

「き・あ・いダァああああああ!!!おばぁ!?」

大きな水柱をあげて、川に落ちる。

「さっきよりは、距離が伸びたんじゃないか?」

「ええ、先程よりも1メートル伸びましたね。」

 

川から上がると

「ふふ、あっはっはっはははは、

 ダメ!流石に笑いが止まらないわ!あはは!

 良い年をして、忍術って、あはは!!!」

ガリィが、サクラを指差して笑っていた。

「‥‥‥え?なんでいるの?」

「あ〜笑ったわ。久々に笑わせてもらったわ。」

「それは何よりだ。」

弦十郎と緒川が、サクラの前に立つ。

「それで、何か御用でしょうか?」

緒川が、ガリィを睨みながら、問いかける。

「お生憎様、あんた達の相手をする気はないのよ。

 ガリィちゃんの目的は、そこにいるそいつ。

 それに今は、気分がいいから見逃してあげてもいいのよ。」

「悪いが、サクラ君が目的だと聞いては、退くわけには行かないな。」

弦十郎が、拳を構える。

「ええ、こちらもあなたに聞きたい事があるので、大人しく

 投降して貰えると嬉しいのですが?」

緒川は、サクラにスマホを手渡し、ガリィの方を見る。

ガリィは、二人の気迫に少し驚いた後、アルカノイズを出す。

「ノイズに対抗手段のない人間が、

 どうやってガリィちゃんを捕まえるのか見せてもらおうかしら!!」

 

ガリィとの戦いが、幕を開ける。

 

 

 

次回予告

やめて!サクラの完全再現で、アルカノイズを倒されたら、

OTONAとNINJAを同時に相手にしないと、いけなくなっちゃう!

お願い、死なないでガリィ!

あんたが今ここで倒れたら、キャロルとの約束はどうなっちゃうの?

再現時間は、3分。ここを耐えれば、サクラに勝てるんだから!

 

次回『ガリィ、死す』 デュエルスタンバイ!

 




嘘です。誰も死にません。


誤字•脱字有れば、よろしくお願いします。



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新たな力

周回するゲームが多すぎて、時間が足りない!
人生の時間も足りない!
ああ、人間とは儚い生き物也。


ガリィの出した40体のアルカノイズが、迫ってくる。

サクラは、アルカノイズに対抗するために完全再現を

弦十郎と緒川を対象に行う。

「再現します!」

「ああ、頼んだ!!」

「いつでも!」

二人が、光に覆われ弾け、

RN式回天特機装束を纏った姿になる。

 

残り時間3分

「フンッ!!!」

弦十郎が、震脚をして、一気に拳を振り抜くと

直線上の敵が全て、赤い灰に変わる。

ガリィは、その光景を見て、思考が停止する。

「‥‥‥は?」

緒川は、アルカノイズに接近、隙間を縫うように走り抜ける。

するとノイズが、全て赤い灰になる。

「‥‥‥はぁ!?」

 

残り時間2分51秒

「すまないが、時間がないのでな!一気に行かせてもらう!」

アルカノイズを全て倒し、弦十郎が、ガリィに向かって攻撃をする。

「あ、危ないわね。どんな力を使ってても、ガリィちゃんには、届かないのよ?」

ガリィが、バリアを出して攻撃を防ぐが、

「うぉらぁあああ!!!!!」

「ん?ちょ‥‥嘘でしょ!?」

ガリィが、余裕を見せているとバリアにヒビが入り、

拳が少しずつ迫ってくる。

さらに後ろから、緒川がガリィの後ろから斬りかかる。

「ああ、もう!離れなさい!!!」

ガリィは、弦十郎と緒川の足元から、水柱を出そうとする。

「フン!!!!!」

「なぁ!?」

弦十郎は、震脚で地面を割り、水柱を防ぐ。

緒川は、分身しながら避けていく。

ガリィは、水分身でその場から離れ、川の上に立つ。

(‥‥‥なんなのよ!あいつら!シンフォギア奏者じゃないのに

デタラメにも程があるでしょ!!)

 

チフォージ・シャトーの玉座で、この光景を見ていたキャロルは、

驚き立ち上がる。

「な!?何なんだ!あの二人は!

 いかん!ここで、ガリィを失うわけには!」

(あいつのラピス・フィロソフィカスの力を確認させようとしただけで、

ガリィを失うなど、あってたまるか!)

「ファラ、ミカ今すぐ、俺に着いてこい!」

「分かりました。マスター」

「分かったんだゾ!」

「レイアは、念のために待機だ!」

「地味に了解しました。」

 

残り時間2分12秒

「すみませんが、逃しません!」

ガリィの背後に回った緒川が、斬り掛かってくる。

ガリィは、なんとか避けるが、さらに背後に回られる。

「フッ!!」

「近よるんじゃねぇ!!」

川を凍らせて、緒川の動きを封じようとするも見失う。

「どこに行ったのよ!?」

周りを見渡すと弦十郎が、水の上を走ってくるのが見えた。

「うぉおおお!!」

一直線にガリィに向かって、拳を振るう。

(これは、防げないやつじゃない!)

回避をするが、弦十郎の拳が、ガリィの左腕を掠る。

「なんで掠っただけで、腕が壊れるのよ!」

二の腕の掠ったところから亀裂が腕全体に伸び、肩まで壊れていた。

あり得ない事態に動きを止めてしまう。

 

その隙を見逃さずに緒川が、壊れた左腕を切り飛ばす。

「ッ!これ以上好き勝手にさせるわけないでしょ!」

氷の剣を右腕に纏い、攻撃しようとすると腕が動かなかった。

「な、何で動かないのよ!?」

右腕がロープで拘束されて、動きが止められていた。

なんとか振り解こうとするガリィに弦十郎が、拳を構える。

「すぅぅぅ、雷を握り潰すように打つべし!!」

 

俺式 断空裂破掌

 

「うぉおおおおおおおおお!!!!!」

ガリィの胴体に刺さり、そのまま吹き飛ばされる。

対岸の大岩に当たり、止まる。

 

残り時間1分50秒

胴体に穴が開き、全身に亀裂が伸びていた。

「‥‥‥なんなのよ。こいつら」

「さて、大人しく着いて来てもらおうか。」

弦十郎が、ゆっくりとガリィに向かって歩いていくと

「!、はぁ!!」

上から降って来たカーボンロッドを拳と脚で、砕いていく。

「おお!おっちゃん強いんだゾ!」

「悪いが、今ガリィを失うわけにはいかないのでな。」

「マスターが、助けに来てくれて、ガリィ感激です!」

「そんな状態でも余裕だな、お前‥‥‥

 まぁ、だがお前のおかげで、見たいものが見れそうだ。」

ガリィの前には、キャロルとミカが立っていた。

 

「本命の登場というわけか!」

「なら、ここで捕まえれば!」

弦十郎と緒川が、戦闘態勢を取るが、

「いいのか?俺達に構っていても?」

「どういう‥‥‥、ッ!サクラ君!!」

キャロルの言葉に弦十郎は、サクラの方を見るとファラと交戦していた。

「くっ、今すぐにサクラ君のところに行かねば!」

「行かせるわけにはいかないな。ミカ」

「マスター、任せるんだゾ!!おっちゃん達、遊んで欲しいんだゾ!」

二人が、サクラのところに行こうとする先にミカが、立ち塞がる。

 

弦十郎はすぐに拳を構え、緒川は剣を構える。

「時間が惜しい、最短最速で片付けさせてもらう!」

「ええ、本気で行かせてもらいます!」

キャロルは、ガリィをリフラックスバレットで直しながら、

「バーニングハート・メカニクスの使用も許可する。

 そいつらの力は、侮れないからな。」

「分かったゾ!全力で行くんだゾ!」

 

弦十郎がガリィを殴り飛ばす少し前

サクラは、ガリィとの戦いに一切参加できずに見ていたら、

「お暇でしたら、私のお相手をお願いしますわ。」

「え?なんでいるんだ!」

サクラは、慌てて拳を構える。

その視線の先には、ファラが剣を持って、変なポーズをとっていた。

「マスターが、想定以上の敵が現れたと来てみましたが、

 ‥‥‥ええ、流石に想像以上過ぎて、言葉を失いました。

 ですが、あなたを倒せば、あの二人のデタラメな力も失うでしょう。」

(前の俺なら、抵抗できずに負けたんだろうけど、今はアダムさんから貰った力がある。

今は、これにかけるしかない!)

 

懐からラピス・フィロソフィカスを取り出そうとすると

ファラが斬り掛かってくる。

(翼さんの剣よりも早い!)

「こんの!」

なんとか剣撃を避けていくが、特訓の疲れが残る体では、

完全に避け切る事ができず、切り傷が増えていく。

「動きが鈍いですわよ。」

「分かってるなら!うぉ!!手加減、して欲しいな!!!」

「残念ながら、手加減は苦手なものですから。」

(なんとか距離を取らないと、嬲り殺しになる!!!)

ファラが放ってきたの突きを躱し、手と胸倉を掴み、

背負って投げ飛ばす。

「とべぇえええ!!!」

「甘いですわね。」

ファラは投げ飛ばされながらも、サクラの肩を斬る。

肩を切られながらも、なんとか距離を取ったサクラは、

ラピス・フィロソフィカスを取り出す。

「ここから、反撃開始だ!」

宝石が光を放ち、サクラの体を覆う。

 

光が収まると黄金のローブを身に纏い、

右手には紅いグローブ、左手には蒼いグローブが装着されていた。

そして極め付けは、短かった黒髪が長髪になって、胸が大きくなっていた。

「なんで、俺が使うものは全部女体化するんだ‥‥‥。」

「あら、可愛らしいくなりましたわね。

 もしかして、そういう願望がおありで?」

「ないって、‥‥‥最近は言い切れないかなぁ」

俺は軽口を叩きながら、拳を握らずに猫背になり手刀を前に突き出す。

 

ファラが、また剣撃を放ってくる。

グローブで、攻撃を逸らす。

「あら、やりますわね。ですが、いつまで持つか見ものですわ。」

ファラの剣を、サクラは流水の如く受け流していく。

(さっきよりも体が楽だけど、このグローブの使い方がわからない!)

「では、これも追加してみましょう。」

ファラは竜巻を起こし、サクラに差し向ける。

 

「危なか!?ッ!!」

竜巻を避けたと同時にファラが攻撃を仕掛けてくる。

なんとか避けるが、竜巻に接触する。

「あぁあああぁ!?」

竜巻に舞い上げられ、地面に叩きつけられる。

「がはぁ!!!」

「ふふ、では次、行ってみましょう。」

ファラは、竜巻をもう一度起こし、サクラに向かわせる。

(色が違うグローブが装着されてるんだ!何か意味があるはずだ!)

俺はすぐに立ち上がり、竜巻を回避

また攻撃を加えてくるファラの剣を右手で掴む。

「ええい、ままよ!!!」

グローブから炎が上がり、剣を溶かしきる。

「な!?」

「‥‥‥溶けた!触れば、効果が現れるってことか!」

「では、触られないようにしなくてはいけませんね?」

新しい剣を取り出し、風を纏う。

 

サクラとファラが、もう一度激突しようとした時、

ボロボロになったミカが飛んでくる。

「ふぁ!?」

「な!ミカ大丈夫なの!?」

「おっちゃん達が強すぎるんだゾ。」

ファラが、動けなくなっているミカに駆け寄る。

 

「サクラ君!無事か!」

「サクラさん、ご無事ですか!」

「あ、はい」

怪我一つどころか、汚れてすらいない二人が駆け寄ってくる。

(まさかの完封?)

スマホを確認すると

 

残り時間30秒

 

キャロルが弦十郎達を化け物を見る目で、オートスコアラー達の前に立つ。

「‥‥‥流石に貴様らの存在は、計算外すぎる。

 今回は、そいつのラピス・フィロソフィカスの力が見れただけでも十分だ。

 ここで引かせてもらおう。」

キャロルが、結晶を投げてオートスコアラーも含めて居なくなる。

「逃げられたか。」

「ですが、これ以上戦えば、アルカノイズを出されてたかもしれませんからね。」

二人の再現が、解ける。

俺もローブを解くと男に戻る。

(良かった、男に戻らないんじゃないかとヒヤヒヤしたよ。)

「サクラさん、怪我の手当てをしますので、待ていて下さい!」

緒川さんは、そのまま向こうへ走っていってしまった。

「サクラ君、よく俺達が来るまで耐えたな。」

「本当に自分でも、そう思います。」

手当てをしてもらい、病院に運ばれたのだった。

 

 

チフォージ・シャトーに帰ってきた一行

「おっちゃん達強かったんだゾ!また戦いたいゾ」

壊れたミカをキャロルが直していく。

「え〜ん、マスター、私はもうあの二人とは戦いたくありません!」

「そんなに派手な二人だったのか?」

「ええ、とても刺激的でしたわね。」

ファラの言葉に、ガリィがキレる。

「刺激的すぎるわよ!ガリィちゃんの可愛い体に大穴開けられたんですけど!」

「その事を考えるとあの二人と正面から戦うのは、得策ではありませんわね。

 ミカのバーニングハート・メカニクスを正面から、しかも短時間で、

 打ち破る実力がある以上、私達では厳しいかもしれませんね。」

「あぁ、あの二人が出てこれない状況を作らないといけないな。」

キャロルは今日のことで、頭を悩ませていた。

(あいつが、風鳴弦十郎と忍者か。

サクラの誇張した話だと思っていたが、嘘ではなかったんだな‥‥‥。

‥‥‥今できることは、アイツらとサクラを引き離すだけしかないな。)

 

キャロルは、今後の計画を大幅に修正していくことになった。

 

 




誤字•脱字が有れば、よろしくお願いします。


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進撃!

部屋の掃除をしていたら、PS3とソフトを発見
久々に起動して、スパロボZをプレイ
セツコが可愛い。


ガリィの襲撃から、2日経った。

その2日間で、

ラピス・フィロソフィカスの使い方を調べたり、

イグナイトは出来たが、ファウストローブの力で

連携して戦えないんじゃないか?

という問題が出たので、その対策でさらに時間がかかるとの事

 

今日も、本部の休憩室で待機していると

クリスと翼が、入ってきて、話をしていた。

最初は雑談だったのだが、今は戦えない愚痴を聞いていた。

「ダァあああああ!あたしらは、いつ戦線復帰できるんだよ!」

「まぁまぁ、クリスちゃん落ち着いてよ。」

「そうだぞ、雪音。

 慌てたところで事態は、変わらないぞ。」

クリスが、ジト目で翼を見る。

「そういう、先輩だって、

 何かある度にコイツ探してるじゃねぇか。」

クリスが、サクラを指差す。

「そうなんですか、翼さん?」

「仕方ないじゃない。戦えないのが、ここまで歯痒いなんて思わなくて。」

「二人ともイグナイトの対策が、出来るまでの辛抱だから。」

「けどなぁ、待つってのは、性に合わないからな。」

「それに現状、協力者がいるとはいえ、

 サクラだけに負担を掛けさせているからな。」

「俺は、そこまで負担には思ってませんよ?」

 

サクラのセリフに二人が呆れた目で、

「お前が、思ってなくても周りはそう思ってんだよ。」

「いつも怪我して、帰ってくるから余計に心配してしまうのよ。」

「うっ!?て、敵が強すぎるのがいけない。」

サクラは、ファラとの戦いで、怪我した肩の部分を大袈裟に抑える。

「はぁ〜、コイツは、なんでこうも呑気というか。」

「仕方ないさ。これが、霧崎サクラという男だからな。」

「あれ?褒められてる?」

「褒めてねぇよ。」「褒めては、ないな。」

 

すると休憩室に、マリア達が入ってくる。

「あら、お疲れ様、貴方達いたのね。」

「皆さんお疲れ様です!サクラさん、お隣に失礼しますね!」

「お疲れ様デース。調!みんないるデスよ!」

「そうだね、切ちゃん。

 皆さん、お疲れ様です。」

セレナが、サクラのすぐそばに座ると腕を組む。

マリア達もそれぞれ座る。

「サクラさん、お怪我は大丈夫ですか?

 困ってることはありませんか?何かあれば、私に言ってくださいね!」

「あぁ、うん、ありがとう。今の所は困ってないかな。」

「本当ですか?」

「本当に大丈夫だよ。」

(グイグイくるなぁ〜。)

 

サクラが、セレナに迫られている光景をマリアが、

苦い顔して見ていた。

「なぁ、なんでそんなに苦虫噛み砕いた顔してんだよ。」

「サクラが、良い子なのは知っているのよ。

 でも二人とも未成年なのよ。

 間違いが、起きないとも限らないじゃない!」

「流石にあの二人に限って、それはないんじゃないか?」

「あれを見て、そう言えるの!?

 腕を!腕を組んでるのよ!」

マリアが、二人を指差す。

ちなみに、サクラはセレナに口を開けて、

何処から出てきたか分からないアイスを食べさせてもらっていた。

 

「マリア、腕を組んでるぐらいじゃ、間違いは起きないと思う。」

「そうだな、後輩の言う通りだ。

 腕組んでるぐらいじゃ間違いなんて起きようがないだろ。」

「セレナの好意をサクラが、無碍にできるはずがないじゃない!

 セレナに迫られたサクラは!?あぁ、二人ともいけないわ!」

一人で、頭を抱えるマリア

「いつもこんな感じなのデスよ。」

「なんというか、大変だな。」

「あいつが、押しに弱いのは確かだな。」

「セレナは、とても積極的」

「マリアが嘆いても、あの二人の関係は、時間の問題デスよ。」

「‥‥‥私も積極的に行くべきかな、奏?」

翼が、そんな事を呟いていると

 

クリスは、気になった事があったので、

翼達に聞いてみた。

「未成年で、思ったんだけどよ。

 アイツって、いくつなんだ?

 お前らは知ってるか?アイツの年齢」

クリスは、セレナに死んだ魚の目で、膝枕してもらってるサクラを指差す。

「およ?そう言われると知らないデスよ。」

「マリアと同じ、既に20代?」

「そうだな。車の運転もしているから、

 年齢は、それくらいかも知れないな。」

「けど、あん時の運転じゃあ、仮免って言ってたよな?」

「あぁ、ニュートラルに入れた時だな。」

「‥‥‥今思うと仮免の運転で、よく間に合ったよな。」

 

翼とクリスが、サクラの運転を思い出していると、

マリアが、復活する。

「たとえ、サクラが二十歳超えてても、セレナは未成年なのよ!」

「セレナは、1歳若返ってるから、今は18歳

 結婚できる年齢だから、間違いが起きたら、責任を取って貰えば良い。」

「ダメよ!そんな風に結婚したら、

 お互いに苦労する未来しか見えないじゃない!」

「幸せな家庭を築きあげてそうデスよ‥‥‥」

「切ちゃんの言う通りだと思う。

 あれを見てたら、そう思う。」

セレナは膝枕をしながら、サクラの耳かきを始める。

 

「結局、アイツの年齢は、誰も知らないってことか。」

翼が、ふと思い出す。

「初めて、サクラに会ったのが3年前、

 ‥‥‥うろ覚えだがその時に見た学生証に、確か高校2年と書かれていたはず。」

「へぇ〜、ってことは、高校2年だから、16、17くらいか」

「それに加えて3年前だから、19か20歳?」

「そうなるデスよ。なら、セレナとの結婚も問題ないデスね!」

「お姉さんは、認めないわ!そんな爛れた関係の結婚なんて!」

「お前の頭ん中では、どんな昼ドラが繰り広げられてんだよ。」

「クリス先輩、マリアは置いておきましょう。」

「そうだな。3年前のアイツも学生だったのか。」

「だが、サクラは別の世界から来たからな。

 こちらの学校には、通ってないな。」

「ほへ〜、別の世界デスかぁ〜。それじゃあ、通えないデスよ。

 ‥‥‥って、別の世界ってなんデスか!?」

「ちょっと待て、先輩それはあたしも聞いた事ねぇぞ!」

クリス、切歌、調が詰め寄る。

「ん?おじさまから聞いてないのか?」

「聞いてないです!」

翼の口から、謎でもないサクラの経歴が、今語られる!!

 

 

本人に聞いてくれれば、良いのになぁと思ってる

霧崎サクラ(19歳)は、マリアに睨まれながら、その光景を眺めていた。

「サクラさんが、何処の誰だったとしても、私の気持ちは変わりませんからね。」

「‥‥‥ありがとう。」

「ふふ、ずっとこうして過ごしたいですね。」

セレナが、サクラの頭を撫でる。

(‥‥‥俺は、元の世界に帰る。その事を考えたら、

セレナちゃんに答えをいつかは、伝えないといけないよね。)

 

スピーカーから、弦十郎さんの出撃要請が入る。

『サクラ君、出撃だ!各地にオートスコアラーが出現!

 大型のオートスコアラーの姿も確認できた

 そちらの相手をして欲しい!!』

俺は、すぐに立ち上がる。

「了解!今すぐに行きます!

 じゃあ、行ってきます!」

「サクラさん!お気をつけて!!」

サクラは走って、休憩室から出て行く。

 

現場へ向かうヘリに乗って、現場に来ると

「確か、この辺りにいるって聞いたけど?

 ‥‥‥それに避難も完了してないって言ってたな。」

街中に現れたと聞いて、来たものの一切姿が見当たらないので、

周りを見渡していると、ビルが倒壊する。

「あそこか!!」

妹さんが見えたが、少し、以前と姿が違っていた。

ヘリが、近づいて行くとこちらに気づき声?を上げる。

「!!!!!!!!!!」

「やる気なのは、わかった!」

スマホから、グリッドマンギアを選ぼうとした直前で、

急に切り替わり、別の物を選んでしまう。

「なんで、切り替わってーー!?」

 

残り時間 3分

目の前には、妹さんがいた。

(あ!巨大化してる!でも声が出ない!なんで!)

ビルに映った姿を見て驚く。

(進撃の巨人!?なんでだよ!

‥‥‥どんなコラボをしたんだよ。)

そこには、進撃の巨人という作品に

出てくる主人公が、巨人になった姿があった。

サクラが戸惑っている隙を見逃さず、妹さんが攻撃をしてくる。

「!!!!!」

(うお!?あぶな!)

無造作に振るわれた拳を何とか回避をする。

手首を掴み、そのまま捻り関節技を決めて、拘束する。

何とか、拘束を解こうと暴れる妹さんを押さえつけて、

避難が終わるのを待つ。

 

残り時間 2分30秒

(クソ!拘束し続ける方が体力いるぞ!)

いまだに暴れる妹さんを押さえつけて、耐えてはいるが、

体力が著しく減っていた。

「!?、!!!!!」

(大人しくしてろ!!!

なんか、普段よりも疲れるぞこれ!)

『サクラ君、聞こえるか!あと1分だ!

 1分どうにか耐え抜いてくれ!!!』

弦十郎さんから、通信が入る。

(通信できるんだって、うぉ!あぶな!!)

拘束を振り解かれたので、慌てて抑込技で動けなくする。

(頼む!早く避難してくれ!)

 

残り時間 1分41秒

『サクラ君、避難が終わったぞ!反撃開始だ!!!』

(やっとか!行くぞ!)

抑え込んだまま、顔を殴りつける。

「アァアアアアアア!!!!!」

(なんか、声が出たけど、構うか!)

何度も何度も何度も殴っていくと抑え込みを緩めてしまい、

妹さんにお腹を蹴り飛ばされる。

「グアア!?」

「!!!!!」

そのまま、逆にマウントを取られ、殴り返される。

(何とか、振り解かないと!)

「アァアアアアア!!!!!」

手を硬化させて、殴り飛ばす。

ダメージが思ったよりもあったのだろう、

ゆっくりとしか立ち上がれない。

(硬化能力まで、使えるのか‥‥‥。お陰で助かった。)

 

妹さんもダメージがあったのか、ゆっくりと立ち上がる。

お互いに拳をぶつけ合い、ひたすらに殴り合いをしていた。

関節を決めようとすれば、すぐに放り解かれ、

カウンターで殴られ、吹っ飛ばされる。

それが続くが、サクラの方の時間がなくなってきた。

(向こうもボロボロで、動きが鈍くなってるとはいえ、

時間は向こうが圧倒的有利だ。この技で一気に決めて見せる!!)

 

残り時間 32秒

 

俺は、頭に流れ込んでくるイメージ通りに体を動かす。

右腕をかざすと響ちゃんが、降ってくる。

(ってあれ?響ちゃんの意識はまだ戻ってないはずなんじゃ?)

響の拳とサクラの拳が、ぶつかると巨大なガングニールが装着されていた。

(何でもありか!!!けど、構うか!)

「ウオォオオオオオオ!!!!!」

「!!!!?」

勢いよく突っ込んでくるサクラに、

妹さんの慌てて繰り出された拳を、左手で捌き、その胴体にガングニールを叩き込む。

「グオアアアアアアァァァァァ!!!!!」

(これでぇぇぇぇぇ!!!!!)

我流・進撃巨爆拳

 

拳が当たった瞬間、爆発を起こしながら、妹さんは吹き飛んでいき、

大地に倒れる。

倒れた妹さんの胴体には、大穴が開いていた。

残り時間 10秒

 

止めを刺そうとした瞬間、霧が妹さんを覆い、その姿が見えなくなる。

(また、逃げられた。)

変身が解ける。

「とりあえず、追い返せたし、良しとするか。」

『サクラ君!今すぐに戻ってきて欲しい!』

「何があったんですか!弦十郎さん!』

『オートスコアラーが、発電所を襲っている。

 電気が止まれば、響君が危ない!』

「了解!今すぐに戻ります!」

俺は、急いで向かうために近くに降りてきたヘリに乗りこんだ。

 

 

チフォージ・シャトーで、レイアの妹を回収したキャロルは、

玉座に座る。

「破壊光線対策が、一切意味をなさなかったな。

 ‥‥‥次は、打撃にも強くするしかないな。」

(イグナイトが完成しているようだからな、その力を見せてもらうとしよう。

俺の計画を進めるために。

あと、あの筋肉が出てこれないようにしなくては、)

 




誤字•脱字有れば、よろしくお願いします。


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イグナイト 前半

雨が続くと憂鬱な気分になりますね。


サクラが、ヘリで向かっている時、

発電所では、切歌と調が、アルカノイズと戦っていた。

「何とか戦えてるデスよ!」

切・呪リeッTぉ

鎌が、敵を切り裂く。

 

「LiNKERを使えば、サクラさんがいなくても!」

α式・百輪廻

頭のギアから、大量の丸鋸を飛ばす。

 

二人は、メディカルルームから、

以前奏が使用していたLiNKERを持ち出していた。

『お前たち! 何をやっているのか、分かってるのか!』

無茶をする二人に弦十郎の怒声が飛ぶ。

「モチロンデスとも!」

「響さんを守るためです!」

 

二人は、次々とアルカノイズを倒して行く。

調は、スカートの裾を鋸に変えて、切り裂いて行く。

Δ式・艶殺アクセル

 

「響さんを守るために!」

「発電所は守ってみせるデス!!」

アルカノイズの数が、減ってきたところで、

「おりゃー、だゾ!」

「っ!?」

調が、何者かに攻撃をされて、切歌のいるところに吹っ飛ぶ。

二人はぶつかり、倒れ込む。

「イタタタタ……」

「簡単にはいかせてもらえない……」

二人が起き上がり、攻撃してきた犯人を見る。

「ジャリンコどもー、アタシは強いゾ!」

カーボンロッドを構えたミカがいた。

「オートスコアラーの中でも、最強のオートスコアラー」

「デスが、退くわけにはいかないのデス!!」

切歌と調は、懐からもう一本のLiNKERを取り出す。

 

LiNKERの多重摂取は、適合係数の上昇を促すことが出来るが、

副作用に身体を蝕まれる。

それも、奏が使用していた旧式のLiNKERなら、

相応のリスクを背負うことになる。

 

切歌は調の首に、調は切歌の首に、それぞれLiNKERの注射器を当てる。

「そんなリスク怖くないデスよ。」

「うん、二人でなら、怖くない!」

二人同時にLiNKERを打ち込む。

「うん、何ともな‥‥‥鼻血が出てきた。」

「私もデスよ。」

二人の鼻から血が、垂れ落ちる。

「オーバードーズ」

「鼻血がなんぼのもんかデスか!!」

 

二人は、ミカと向き合う。

「行こう切ちゃん! 一緒に!!」

「切り刻むデス!!」

切歌の鎌が大きく、両刃に変わる。

対鎌・羅Pぅn痛ェる

調の頭の鋸が大きくなる。

 

ミカは、カーボンロッドの上で、ポーズを取っていると

2人のギアが変化した事で、笑顔になる。

「お?準備終わったかゾ?

 なら、あのおっちゃんみたいに楽しませて欲しいんだゾ!」

ミカは、二人に向かって、カーボンロッドを投げる。

二人はそれを避けると、ミカに肉薄する。

切歌が、鎌を振るうとミカは、カーボンロッドで防ぐ。

防いだカーボンロッドにヒビが入る。

「おぉお!思ったよりも重かったゾ!」

「硬すぎるデスよ!!」

そのまま鎌を振り抜き、カーボンロッドを砕く。

 

空から調が、さらに攻め立てる。

γ式・卍火車

巨大な丸鋸を2つ、ミカに向かって放つが、

新しく出したカーボンロッドで、軽々と弾かれる。

 

非常Σ式・禁月輪

ミカの直撃コースで、攻撃するが正面から受け止める。

「こっちは、さっきの奴よりも軽いゾ。」

「まだ!攻める!」

 

二人のユニゾンの効果により、少しづつフォニックゲインが上がってきているものの、

無情にも、ギアを纏っていられる時間が迫って来ていた。

「力押しで、ダメなら!」

「連携で崩すデス!!」

二人が、交互に攻撃を加えて行くが、軽く捌かれて行く。

「よっ!ほっ!軽い軽すぎるゾ!」

「ここ!」

「デーース!!」

イガリマとシュルシャガナでX字を描きながら、ミカを切る。

だが、ミカが両手に持ったカーボンロッドに防がれる。

カーボンロッドが砕けるが、ミカは不敵な笑みを浮かべたままだった。

「この重さ、フォニックゲインの出力なら、

 片方だけでもいいかもだゾ!」

 

ミカは、二人を値踏みする余裕すら見せている。

だが、余裕を見せるミカに二人は退かない。

β式・巨円断

調が、巨大なヨーヨーに鋸の刃を出してぶつける。

ミカは、球体のバリアを出して防ぐ。

さらに切歌と調は、足のギアを鎌と鋸に変形させて、

同時にキックを球体のバリアに向かって、放つ。

「硬い!」

「このまま押し切るデス!!!」

ミカは、バリアを張っていない手の人差し指をバリアに向ける。

「頑張っているところ、ごめんだゾ。

 どっかーん!!」

 

バリアを爆発させて、2人を一蹴する。

2人は、爆発をまともに受け、地面へ叩きつけられる。

「こんなに頑張っても、何も変わらないデスか?」

「このままじゃ、何も変わらない!」

「そんなのは、嫌デスよ!」

切歌は、鎌を杖代わりに立ち上がる。

調は、ダメージが切歌よりもあったのか、

なかなか立てずにいた。

 

ミカは、カーボンロッドを新しく作る。

「まぁまぁ楽しめたゾ。

 二人を倒せば、おっちゃんが、来てくれるかもしれないゾ!」

『二人とも聞こえるか!響君が目を覚ました!

 今すぐに撤退するんだ!』

「響さんが、目を覚ましたデスか?」

「‥‥‥守れたんだ。」

二人は、逃げようにも体が動かないでいた。

「他人の命を守っても、自分の命は守れてないゾ!」

ミカが、切歌に急接近して、イガリマのコンバーターを壊され、全裸になる。

そのまま倒れ、体が動かなくなる。

「バイなら〜!」

「切ちゃん!」

「調だけでも‥‥‥逃げるデスよ‥‥‥」

「切ちゃんも一緒に!」

調は、残りの気力を振り絞り、立ち上がり、

切歌に近づこうとするとミカが、後ろから攻撃する。

「余所見すると痛い目を見るゾ。」

「邪魔をしないで!」

 

調は、裏γ式・滅多卍切を発動させるが、弱々しいその姿は、虚勢を張っているのが

ミカからは丸わかりだった。

「なら、仲好し小好しでお前のギアも壊してやるゾ!」

ミカは、カーボンロッドを構える。

「に、逃げるデス、調……」

「切ちゃんを置いて逃げるなんてできない!わたしの命は切ちゃんに救われた命だもの!

 切ちゃんを救うために、全部使うんだ!!」

 

LiNKERの副作用が、体を蝕み、動きが鈍くなり続ける。

「どうしたかゾ?さっきよりも鈍くなってるぞ!」

鋸をあっさり壊される。

さらにミカによって、ギアが次々と破壊されていく。

「こんのぉぉぉぉ!!」

「無駄な足掻きだゾ。」

「誰か、助けて欲しいデス……、

 あたしの友達、大好きな調を……」

ミカによって、シュルシャガナのコンバーターが破壊され、全裸になり

地面に倒れる。

「もう抵抗できないゾ!、どうしてやろうかゾ?」

ミカが、カーボンロッドを素振りしながら、調に近づいていく。

「誰か調を、誰かぁぁぁああぁあああ!!」

切歌は、誰かに祈るように声を上げる。

「おぅわ!?」

ミカが、横から来た攻撃に飛ばさる。

「二人とも、誰かなんて」

「つれねぇこと言ってくれるなよ。」

調の視界には、刃が写る。

「‥‥‥剣?」

「ああ、振り抜けば風が鳴る剣だ!!」

調の前には、セレナ、クリス、翼が、ギアを纏って立っていた。

「よくも二人を虐めてくれましたね!私は、怒り心頭ですよ!」

「ああ、あたしの可愛い後輩をいじめ倒した礼だ。全部持って行きやがれ!」

「二人とも、逆襲と行くぞ!」

「まずは、様子見だゾ!」

 

ミカは、持っているアルカノイズを全て出す。

「はぁぁぁぁああああああ!」

セレナが、アガートラームで光を飛ばし、アルカノイズを灰に変える。

「先を越されたな。私たちも慣らし運転ついでに片付けるぞ!」

「綺麗に平らげてやる!」

 

セレナが、ノイズの触手を受け止め、切り捨てる。

アガートラームを地面に突き立てる。

「光よ!」

光が、地面を伝いノイズの足元にいくと

光のエネルギーが溢れ、ノイズを消す。

SILKY†RAY

「切り捨てる!」

「フン!ちょせえ!!」

翼とクリスも、BILLION MAIDENと逆羅刹で、アルカノイズを倒していく。

アルカノイズを全て、殲滅すると

蒼刃罰光斬

二刀から、ミカに向かって、斬撃が放たれる。

ミカが、これを避けるとクリスから攻撃が放たれる。

「くらいやがれぇぇ!!」

MEGA DETH FUGA

ミカが、カーボンロッドを素早く投げて、ミサイルを爆発させる。

「残念しょ〜うだゾ!」

「そこです!!!」

FAIRIAL†TRICK

空中を舞う、短剣がミカの右腕を切り飛ばす。

 

「お?おお!斬られちゃったぞ!」

「このまま、追撃すんぞ!!」

「ああ!ここで、切り伏せる!」

「悪いが、ここからは俺の出番だ。」

キャロルが風を起こし、3人を後退させる。

「面目ないゾ」

「いや、良くやった。ミカは帰還、修復はその後行う。

 ここからは、オレの出番だ。」

「ラスボスのおでましとはな!」

「だが、決着を望むのはこちらも同じこと!」

「ここで、すべてを終わらせます!」

ミカは、結晶を使い、この場から居なくなる。

 

「まさかとは思うが、その風体で一人で我々を相手取ろうと言うのか!」

「なるほど、なりを理由に本気が出せなかったなどと、

 言い訳されるわけにはいかないな。

 ‥‥‥ならば刮目せよ!!」

 

キャロルは、別の空間から禍々しい竪琴を取り出す。

竪琴を鳴らすとキャロルが、変身して

大人の姿になり、聖遺物を利用したファウストローブを纏う。

「ふむ、これくらいあれば不足はないだろう。

 ‥‥‥あいつは何故、大きくなるんだと言っていたがな。」

キャロルは、自分の胸を揉みしだきながら、

昔友人に言われたことを思い出していた。

 

「さて、ふけるのは、これくらいにしよう。

 楽しませてくれよ。シンフォギア!」

キャロルが、弦を飛ばし地面を切り裂きながら、3人に向かって攻撃する。

3人は、攻撃を回避する。

「大きくなったところで!」

「張り合うのは望むところだ!」

「負けてなんて、いられません!」

だがキャロルは、威力の強い様々な属性の錬金術を発動させて、

奏者を圧倒していく。

 

(本来の俺なら、思い出を焼却して戦うところだが、問題なく記憶が戻ってくるな。)

キャロルは、翼に向かって攻撃を集中させる。

「先輩!」「翼さん!」

「フン!その程度の歌でオレを満たせるなどと思うな!」

「なら!こいつでどうだ!!」

GIGA ZEPPELIN

無数の弾丸を回転防御で、キャロルはまるで物ともせず簡単に防ぐ。

弦をドリルにして、竜巻を起こしクリスを拘束。

ドリルで、クリスを攻撃して翼のところまで、飛んでいく。

 

「‥‥‥この隙を逃す訳には!」

短剣を空に高く挙げ、キャロルへと急降下していく。

XANA†TEARS

「残念だが、届かんさ。」

弦で、短剣を縛り、キャロルの頭上数メートルで止まる。

キャロルは、セレナを弦で拘束すると

「早く!振り解かなきゃ!」

「遅い」

弦が爆発を起こし、セレナは直撃を受け、地面へ倒れる。

 

「この程度か」

翼が、最初に立ち上がる。

「大丈夫か、雪音、セレナ?」

「アレを試すくらいにはギリギリ大丈夫ってとこかな」

「私もまだ、行けます!」

翼の問いかけに、クリスとセレナが立ち上がる。

「弾を隠しているなら見せてみろ

 俺は、お前らの全ての希望をブチ砕いてやる。」

キャロルが、空から腕を組み3人を見下ろす。

「付き合ってくれるよな。」

「無論‥‥‥独りで往かせるものかよ。」

「何処までも一緒に!!」

「「「イグナイトモジュール‥‥‥抜剣!!!」」」

3人は、コンバーターを取ると変形、刃が飛び出す。

抜剣した刃が、胸を貫く。

 

「グッ、ぐぁああああああ!?」

「がぁああああああああ!?」

「きゃあああああああああ!?」

「はらわたを、かき回すような‥‥‥これが、この力が‥‥‥!?」

「痛い!心も体も!引き裂かれそう!」

キャロルは、その光景を観察していた。

(モジュールのコアとなるダインスレイフは、伝承にある殺戮の魔剣、

その呪いは、心の奥に眠らせる負の感情を増幅、人為的に暴走状態を引き起こす。

その呪いを打ち砕いて見せろ。俺の計画のために!)

 

3人は、呪いの衝動に呑まれようとしていた。

翼は、クリスの手を握る。

「すまないな……雪音の手でも握ってないと、

 底なしの淵に呑み込まれてしまいそうなのだ……」

「おかげでこっちもいい気付けになったみたいだ……

 アイツの方は‥‥‥」

翼とクリスのイグナイトは、不発に終わる。

「‥‥‥不発か。」

「わた‥‥‥私はもう二度と負けない!!

 負けられない!誰かに助けられてばっかりだった!

 自分自身に負けられない!!」

セレナの白かったギアが、黒く染まった姿に変わる。

「‥‥‥成功したのか?」

「ああ‥‥‥あたしらと違ってな。」

「ほう、なら少し試してやるとしよう。

 後ろの二人を守りながら、戦えるか?」

キャロルは、先程と同じように弦を構える。

「守られるだけじゃない!守るために!!」

イグナイトモジュールを纏ったセレナが、

呪いで動けなくなった二人を守る為に戦う。




‥‥‥主人公が出てこない初の回
忘れてた訳じゃないよ?本当だよ?

誤字•脱字有れば、よろしくお願いします。


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イグナイト 後半

セレナちゃんのオリジナルイグナイトを出した結果、
技名を考えないといけないことに気づき、慌てて考える。

変だったら、すみません。





セレナが、イグナイトを纏いキャロルと相対する。

(まずは、小手調べといくか。)

キャロルは、アルカノイズを出し、セレナへと向かわせる。

 

「行きます。やぁあああ!!!」

短剣を二本構えて、黒い光を飛ばし、アルカノイズを倒していく。

「まずは、これです!」

短剣を上に投げると敵の真上で止まり、

大量の光がアルカノイズに降り注ぐ。

BANSHEE†TEARS

 

「はぁあ!!」

短剣から光を伸ばして、回転切りを放つ。

周囲のノイズを横一直線に切り裂く。

キャロルは、奮闘しているセレナを見ていた。

「ふむ、破壊衝動の影響もなく、

 体を巡る、呪いが生み出すエネルギーの流れも思った以上にスムーズだな。

 あのギア自体が、そういうのを得意としているのか?」

「行きます!!」

セレナが、アルカノイズを全て倒して、キャロルへと攻撃する。

バリアを出して、攻撃を防ぐ。

「出力も先程よりも上がっているな。」

「皆さん、お願いします!」

短剣が幾つも現れ、全てが動物に変わり、キャロルへと襲い掛かる。

ALP†CIRCUS

「流石に、かすり傷は負うかもしれないな。」

空から攻撃してくるトンビとタカを弦で、切り裂く。

左右から迫ってくるトラ、ライオン、オオカミ、ドーベルマンを拘束して爆破する。

正面から突撃をしてくるイノシシとカバを氷の槍を作り、頭から貫く。

後ろから迫るウマの蹴りをバリアで防ぎ、弦で首を切り落とす。

「フッ、この程度、造作もない。」

 

セレナの方を見ると短剣の刃先をキャロルに向けて、

持っている短剣を中心に他の短剣が回転、

エネルギーが中心に収束していく。

「これで!貫きます!!!」

一点に収束したエネルギーが、打ち出される。

PHOOKA†IRRITATE

 

キャロルは、バリアを4重に重ねて出すが、

バリアが、2つ同時に砕ける。

「な!?フン!!」

バリアの出力を上げて、攻撃を防ぎ切る。

「‥‥‥そんな。」

「‥‥‥惜しかったな。あと一歩、

 俺に及ばなかったということだ。」

キャロルは、冷や汗をセレナから見えないように拭う。

セレナが膝をつき、倒れるとギアが解除される。

「どうやら、時間切れのようだな。

 戦える時間は、6分前後といった所か。」

「動いて!お願いまだ!戦えるのに!」

「あまり無理はするものではない。」

「ま、だ‥‥‥いけ‥‥‥」

セレナは、イグナイトの影響で意識を失う。

 

「私達は、見ていることしか出来ないのか‥‥‥」

「ちくしょおぉぉぉ!」

翼とクリスが、己の無力に打ちひしがれる。

(これ以上、ここで見るものはもう無いか。)

結晶を出し、ここから転移しようとした所で、

「お待たせしました!」

「‥‥‥死ぬこの移動法は、死んじゃう‥‥‥。」

声が聞こえたので、空を見る。

「‥‥‥まだ、戻るには早いようだな。」

ミサイルから、飛び降りた響と響にお姫様抱っこされた

顔色の悪いサクラが、戦場に降り立つ。

「ようやく揃ったか。」

キャロルは、結晶を懐に戻す。

 

「サクラさん、私は」

「‥‥‥うん、二人の所行ってあげて、俺はセレナちゃんを安全なところに運ぶから。ウップ」

「はい!お願いします!」

笑顔で響は、翼とクリスに駆け寄る。

「翼さん!クリスちゃん!遅くなっちゃいました!」

「立花、すまない。助かった。」

「みっともない所、見せちまったがな。」

響は、すぐに顔を引き締める。

「イグナイトモジュール、もう1度やってみましょう!」

「だが、今の私たちでは……」

イグナイトモジュールの可能性に賭ける響だが、

翼とクリスの表情は暗い。

イグナイトは、心を抉ってくる。克服どころか、

耐えることしか出来ず、二人の心を折ってしまっているのだ。

だが、響は説得を続ける。

「未来が教えてくれたんです!自分がシンフォギアの力に救われたって、

 この力が本当に誰かを救う力なら、身に纏ったわたしたちだって救ってくれるはず!!」

未来の言葉が、響に勇気を与え、翼とクリスに伝播する。

「だから、強く信じるんです!ダインスレイフの呪いを破るのは!

「いつも一緒だった天羽々斬‥‥‥」

「あたしを変えてくれたイチイバル‥‥‥」

「そして、ガングニール!!」

 

それぞれの誇りを胸に

「信じよう、胸の歌を!シンフォギアを!!」

「このバカに乗せられたみたいで、カッコつかないけどな。」

「もう1度行くぞ!!」

「イグナイトモジュール‥‥‥」

「「「抜剣ッッ!!!」」」

再び抜剣を行う。

「う‥‥‥うがぁああああああああ!?」

「あ、あああああああ!?」

「ぐぅううううううぁあああああ!?」

3人の熱い想いをイグナイトモジュールは、呪いの刃となって

冷酷に奏者を貫く。

「未来が教えてくれたんだ……。

 力の意味を、背負う覚悟を、

 だから、この衝動に塗り潰されて‥‥‥」

「「「なるものかッッ!!!」」」

 

3人のギアが黒く染まり、それぞれが禍々しくなる。

「先程の教訓を生かすとしよう。」

キャロルが、アルカノイズの大群を出す。

「さて、アルカノイズ3000体どう凌ぐか、見せてもらおう。」

「たかが3000!!」

響が、ノイズの軍勢吹き飛ばしていく。

「我らの敵では無い!」

蒼ノ一閃

「さっきの借りは、全部返してやるよ!」

MEGA DETH QUARTET

 

「ヘソ下辺りが、むず痒くなるな!」

響を狙うために、弦でアルカノイズごと薙ぎ払う。

響は、弦を握りしめ、引き寄せる。

「っ!?離せ!」

「はぁ!!」

「おらぁ!」

翼とクリスが、キャロルへ攻撃

キャロルは、ドリルを作り防御をするが、

「調子に!?」

「うぉおおおお!!!!!」

響の拳によって吹き飛ばされ、建物に当たり瓦礫の中に沈む。

「舐めるなぁ!!!」

キャロルが、瓦礫を押し除けて出てくるが、

「これでぇぇええええええ!!!!!」

響の蹴りが、キャロルに炸裂。

ダウルダヴラが砕け、元の幼い姿に戻る。

響は、キャロルの戦う力を奪い、対話に持ち込む。

「キャロルちゃん、どうして世界をバラバラにしようなんて‥‥‥」

「最初に言ったはずだ。それが、パパから託された命題の為だ。」

「キャロルちゃんのお父さんが、世界を分解するように言ったの?」

「‥‥‥ああ、そうだ。その為にも俺は負けるわけにはいかないんだ。」

キャロルは、ゆっくりと立ち上がる。

その視界には、サクラが走ってくるのが見えていた。

 

サクラが、気絶しているセレナをS.O.N.G.の職員に預けて、戦場に戻って

くると幼い姿に戻ったキャロルと響達がいた。

「もしかして、もう終わった?」

「ああ、キャロルを拘束して終わりだ。」

「残念だったな。お前の出番はないぜ。」

「いや、霧崎サクラ、貴様の出番はまだある。」

 

サクラを見て、キャロルはこれからする事に自己嫌悪しながらも、

「俺はまだ立ち止まる訳にはいかない!

 故に貴様の忌々しい力を使う!」

キャロルが、風を起こし響を引き離す。

「悪あがきを!」

「サクラに近づくな!」

クリスと翼が、サクラの前に立ち塞がるが、

二人にコインが大量に飛んでくる。

「オートスコアラーか!」

「こんな時に!」

レイアの投げ銭に気を取られた3人は、

サクラの背後から迫ってくるガリィに気づかない。

「後ろがお留守よ〜」

「ちょ、離せ!」

 

サクラにガリィが抱きつくが、振り払うと

「これな〜んだ?」

「俺のスマホ!返せ!」

ポケットに入れていたスマホをガリィに取られる。

なんとか取り返そうとするが、キャロルの手元に転送される。

「させるかぁぁ!!」

響が、キャロルから奪い返えす為に接近するが、

ファラが起こす竜巻に邪魔をされる。

 

スマホにキャロルが、術式をかける。

すると少しずつ何かが、スマホから出てくる。

「あれは!?」

「もしかして、ギャラルホルンを引っ張り出そうってのか!?」

だが、サクラはスマホから出てくる形に見覚えが一切ない。

(ギャラルホルンってあんな形じゃない。)

キャロルが、完全に取り出したものは、鎖で雁字搦めの砂が入っておらず、

所々砕けて、壊れた砂時計だった。

物凄く嫌そうな顔で、砂時計を手に取る。

「‥‥‥本当に見ているだけでも、忌々しいな。

 少し早いが、ピースの一つを揃えた。全員撤退だ!」

次々と転移していくなか、ガリィがサクラに耳打ちする。

「マスターからの伝言よ。あまり、アダムの言うことを信じちゃダメよ。」

「それってどう言う」

既にガリィはいなくなっていた。

キャロルとオートスコアラーは全員、居なくなった。

 

キャロルがいた場所に、スマホが置いてあったので、拾って開いてみるが、

「‥‥‥ない」

スマホから、変身と再現を行うアプリ

『戦姫絶唱シンフォギアXD UNLIMITED Gjallarhorn system version⒉5』が消失していた。

 

全員で本部に戻ると、

S.O.N.G.のみんなとパヴァリア光明結社の3人が揃っていた。

「なんで、全員集合してるんだ?」

「イグナイトの報告を聞きに?」

翼とクリスが、それぞれ気になり聞くとサンジェルマンが答える。

「いや、それは後だ。局長が、

 霧崎サクラが奪われたものについて、話をしたいと言っているのでな。」

「俺が奪われたものといえば、」

「あの砂時計ですか?」

「ああ、アダムは砂時計を見た瞬間に顔色を変えていたからな。

 余程、重要なことなのだろう。」

弦十郎は、その時のことを思い出しながら答える。

 

その時、扉が開き、アダムが入ってくる。

「すまないね。全員呼び出して、」

「いや、サクラ君の今後に関する重要なことなのだろ?」

「ああ、その通りだとも。

アダムが、サクラに謝罪をする。

「友よ。まず謝らないといけないね。

 すまなかった。騙す様な真似をして、」

「え?あいや、謝られることなんて何も!

 むしろ謝らないといけないのは、俺の方です。

 ギャラルホルン取られちゃいました!」

サクラが、思いっきり頭を下げる。

 

弦十郎が、アダムを睨む。

「‥‥‥騙していたとは、どういう事だ?」

「ああ、嘘だったんだよ。君にギャラルホルンと言っていたのは、」

「え?‥‥‥嘘なんですか?」

「ああ、変身や再現する力はない。ギャラルホルンには、

 観測や通り道ぐらいしかないのさ。本来の機能は、」

「なんで、ギャラルホルンなんて嘘を?」

「簡単な事さ。

 それほどまでに強力なのさ。君が所持していた聖遺物は、

 様々な組織に狙われるからね。それを知られれば、

 別の聖遺物の名前を使ってね。だから偽ったのさ、」

「俺が使ってるものが、そんなにヤバい物なんですか?」

 

「クロノスの砂時計、時間に関係する全ての事が出来る聖遺物

 それが、聖遺物の名前さ。君が使っていたね、」

 




50話かけて、やっとサクラ君の聖遺物を明かすことが出来た。
終わるまで、頑張ります。

誤字•脱字有れば、よろしくお願いします。


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クロノスの砂時計

今回は、いつも以上に短めです。
すまぬ。体調を崩して、頭が回らぬ。
文章が変だったら、本当にすまぬ。



「クロノスの砂時計、時間に関係する全ての事が出来る聖遺物

 それが、聖遺物の名前さ。君が使っていたね、」

 

全員が言葉を失う。

だがアダムは、お構い無しに話を進めていく。

「壊れているがね。今は、

 だが、欠片だけでも凄かっただろう?」

「‥‥‥確かに俺や慎次が、ノイズと戦えるだけでも

 すごい事だが。」

サクラは思い当たることがあったので、聞いてみた。

「もしかして、傷の治りが早いのも?」

「ああ、どんな怪我も一瞬で治るさ。本来の力を発揮すれば、」

「もしかして、宿題も一瞬で終わるんですか!」

 

響の質問に全員が、呆れた表情になる。

「ああ、終わるだろうね。」

「響‥‥‥」

「響君、宿題は自分の力でちゃんとしなくてはダメだぞ。」

「おいバカ、ただでさえバカなんだから、

 そんなことしたら余計バカになるだろうが、このバカ。」

「いや、本当にしてもらおうとか考えてないですよ!

 クリスちゃんもそんなにバカバカ言わないでよ〜」

「お前が言うと本当に聞こえるんだよ。」

響とクリスが、じゃれ合っている間に

切歌が大きく手を上げる。

「もしかして、セレナが、若返ったのもデスか?」

「そうですね。私は人間に戻れてるみたいですから。」

「ああ、リフラックスバレットをね。砂時計の力で生み出したのさ、」

 

サンジェルマンから次の質問が出る。

「局長の話で出てきたクロノスという名前は、

 私達は、知らないのですが?」

「え?そうなんですか?」

サクラは聞いたことがない、ということに驚く。

「ああ、私の知識が正しければ、

 クロノスもしくはその名前に類似するものは知らない。」

「そういうワケダ。霧崎サクラのみが、

 その名前に一切疑問を抱いていないワケダ。」

「霧崎サクラが、その名前を知ってる理由として考えられるものとして、」

 

弦十郎がすぐにその答えにたどり着く。

「サクラ君の世界にしか存在しないからか。」

「サクラ、クロノスについて教えて頂戴。

 私たちは、少しでも情報が必要なの。」

マリアの言葉に全員が、サクラを見る。

「え〜と、時の神様の名前です。

 それ以上は知りません。すみません。」

「‥‥‥いや、それだけわかれば十分だ。

 神の名前を冠する時点で、厄介な代物には違いない。」

サクラの答えにサンジェルマンが目頭を押さえる。

 

「さて、キャロルの目的について話をしていこう。」

アダムが、空間から壊れた砂時計を取り出す。

「な!なんでここにそれがあるんだ!」

「どういうこと!?」

「私達の目の前で、奪われたはずでは!?」

「これは、残りの欠片さ。砂時計のね。」

「なぜ、残りの欠片がここにあるのかしら?」

「集めたのさ。僕が世界中を飛び回って、

 元の世界に返す為にね。我が友を」

 

アダムが、自慢げに語る。

カリオストロが、嫌味を言う。

「普段から、自分で動いてくれれば、あーし達も苦労せずに済むんだけどね。」

「何故今、その嫌味を言ったワケダ。」

アダムが、真顔になる。

「休みはいらないようだね。カリオストロは、」

「ああ、ジョーク、冗談なのに〜!」

「今のは、カリオストロが悪いわね。」

「自業自得なワケダ。」

 

話がズレていきそうだったので、サクラが話を戻す。

「この砂時計が、元の世界に帰る鍵なんですか?」

「全く時間の流れが、違う世界だからね。君の世界は、

 必要なのさ。元の時間に帰る為には、」

「どうして時間の流れが違うと分かるんだ?」

「ギャラルホルンで調べたからね。

 君が今のまま元の世界に帰ると30年の誤差があるからね。」

サクラの顔が引きつる。

「‥‥‥誤差がえげつないですね。」

「その為にも取り返さないといけない。残りの欠片をね。」

 

響が、キャロルの言っていたことを思い出す。

「キャロルちゃんも砂時計が目的に必要って言ってました!」

「ああ、父親の願い

 必要なのさ。世界を識る為に、」

「どうして、そいつの砂時計が必要なんだ?」

「過去に行こうとしているのさ。世界を分解して砂時計の残りの欠片を集めて、」

「過去に?」

「先史文明に行く為に必要なのさ。僕たちの文明よりも発達していた」

「なるほど、今は失われた歴史を識る為にか。」

弦十郎が、顎に手を添える。

 

響きを除くS.O.N.G.のみんなが、キャロルの目的に怒りを覚える。

「その為に世界を犠牲にするってか、ふざけんな!」

「‥‥‥かなり身勝手な理由だったわね。」

「そんな理由で、マムの守った世界を壊されるわけにはいきません!」

「セレナの言う通りデス!守ってみせるデス!」

「うん、守ってみせる!」

響が、浮かない顔をしている。

「どうしたの?響ちゃん?」

「キャロルちゃんは、本当にそんな事をしようとしてるんでしょうか?」

「‥‥‥俺も分かんない。でも、響ちゃんは止める為に動くんでしょ?」

「はい、キャロルちゃんともう一度お話をしたいですから!」

「その意気だよ。‥‥‥俺もいい加減、話をしたいからね。」

(なんで、一方的に知ってるか問いたださないとね!)

 

アダムがまとめに入る。

「こちらで保管しておくよ。この砂時計の欠片は奪われないように、

 戦って欲しい。我が友はラピス•フィロソフィカスで、」

「はい、分かりました!」

 

この日は解散となった。

 

家に帰り、サクラはどうにか砂時計を取り返す算段を考えていると

そのまま眠りにつくのだった。

 

 




シンフォギアの世界に転移•裏を別に投稿をします。
裏の方は、本編とは別のストーリーになりますが、
本編のネタバレが、有ります。

ネタバレなんて、気にしねぇ!!
見てやるぜ!ヒャッハーな人が、見てください。

裏の公開は、明日の夕方ぐらいになります。

誤字•脱字が有れば、よろしくお願いします。


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特訓という名の休暇 前編

彼女と海で、デートをしたい人生だった。


弦十郎さんに呼び出されたので、来てみるとみんなが揃っていた。

「あれ?みんなも来てたんだ。」

「全員、おっさんから呼びだされたからな。

 ‥‥‥まぁ、呼び出された理由は、だいたい想像がつくけどな。」

「‥‥‥だよね〜。」

 

弦十郎が、笑顔で入ってくる。

「全員揃っているな。お前達を呼んだのは、

 新たな力の投入に伴いここらで、ひとつ特訓をしようと思ってな!」

「特訓?」

「ああ、特訓をする事で、

 少しでもイグナイトモジュールを使えるようにする為だ。」

響が手を上げる。

「ちなみに師匠、特訓は何処でやるんですか?」

「海だ!!!」

 

というわけで、海に来ています。

みんなよりも早めに着替えたサンジェルマンと一緒に

みんなが着替え終わるのを一緒に待ってもらっていた。

 

サンジェルマンが、ここにいる理由が、

護衛として、一緒に来ていた。

(とりあえず、水着を着た女子は褒めろと

母様が言っていた気がする!)

「えぇと、とてもお似合いですよ。その水着。」

「ありがとう。局長も楽しんでくるようにと言われたからな。

 あの2人に選んで貰ったが、異性の君から言われると嬉しい物だな。」

サンジェルマンが、サクラに少し綻んだ笑みを向ける。

サクラは、気恥ずかしさに思わず顔を背ける。

 

青と白のストライプの水着を着たサンジェルマンと二人で、

みんなが来るのを待っていた。

「あの2人で、気になったんですけど

 カリオストロさんとプレラーティさんは、来ていないみたいですけど?」

「‥‥‥昨日の嫌味が、局長の怒りを買ったみたいでな。

 2人に仕事をいくつかさせていた。」

「‥‥‥マジですか。」

俺は、ここに来れない二人に合掌していると

「サクラさん!この水着どうでしょうか?」

セレナちゃんが、白のフリルの付いたビキニを着て、

サクラの前で、くるっと一回転する。

「‥‥‥とても、はいお似合いです。」

「そうですか!ふふ、頑張った甲斐があります。」

セレナちゃんが、頬を赤く染めサクラの隣に座る。

 

「セレナ、いけないわ!肌色の面積がただでさえ、多いのにサクラに近すぎるわ!」

赤と黒のリングバンドゥービキニに着替えを終えたマリアが、

二人の距離が近いことに気づき、こちらに向かって走ってくる。

サクラは、マリアの走るたびに揺れる大きな胸から顔ごと逸らす。

(‥‥‥あの胸の動きはいけない。童貞の視界に暴力を訴えすぎている!)

「‥‥‥やはり、胸が足りないんですね。私‥‥‥」

セレナのハイライトが消え、マリアの胸を恨めしそうにみる。

「え?セレナ?どうして、そんな目で見るのかしら?」

 

セレナの様子が変わったことに、マリアはたじろぐ。

「マリア姉さんが、羨ましい!」

セレナは、そのままマリアに抱きつき、顔を胸に埋める。

「セ‥‥‥セレナ、甘えたくなったのかしら?」

マリアは聖母の顔になり、セレナの頭を優しく撫でる。

セレナは、ゆっくりと腰に回していた力を強くしていく。

「大きくなっても、甘え坊さんなんだから

 ‥‥‥セレナ少し抱きしめる力が強い気がするんだけど?」

「‥‥‥そんな事ないよ。マリア姉さん。」

「そ、そうかしら。ちょっとずつだけど、上体が、後ろに反れてきたんだけど?」

「気のせいだよ。マリア姉さん‥‥‥」

「もしかしなくても、怒ってるの!?」

 

マリアが、鯖折りされそうになっている間に全員が集まった。

水色のビキニを着た翼が、サクラへと話掛ける。

「‥‥‥セレナとマリアは何をしているんだ?」

「姉妹のスキンシップですよ。」

「過激なスキンシップだな‥‥‥」

翼の疑問にサクラが答え、それを聞いたクリスが、

止めようとしていた二人から距離を取る。

「それよりも翼さん、水着がよくお似合いですよ。」

「え?そうかしら。そう言ってくれると嬉しいよ。」

「あはは〜、なんか照れますね。」

 

二人のやりとりを見ていた見た切歌が、

「サクラさん!調の水着は、どうデスか!」

切歌が、調の背中を押して、サクラの前に立たせる。

調は、全体的にピンク色で、胸には大きなリボンが付いたワンピースを着ていた。

「うん、すごく可愛いよ。」

「そうデスよね!調は、可愛いデス!」

「目に入れても痛くないぐらい、可愛いね。」

「二人とも、揶揄わないないで。」

 

顔が赤くなった調が、反撃に入る。

「サクラさん、切ちゃんも可愛いですよ。」

「へ?調、何を言って、デーース!?」

調は、素早く切歌の後ろに回り込み、

自分がされたようにサクラの前に立たせる。

緑色で、デザインされたビキニを着ていた。

「は、恥ずかしいデスよ‥‥‥。」

切歌はあまりの恥ずかさで、両手で顔を隠す。

「‥‥‥この可愛さなら、世界を守れる。」

「切ちゃんの可愛さは、世界を救う。」

サクラは、あまりの可愛さに先程まであった下心が消失する。

「二人とも揶揄わないで、欲しいデスよ!!」

「切ちゃんの方が、可愛いからサクラさんの視線も釘付けになってる。」

「そんな事ないデス!サクラさんは、調を目に入れたいって言ってたデス!

 それだけ、調の方が可愛いって事デスよ!」

「むっ、切ちゃんの方が、可愛い!」

「調の方が、100倍可愛いデス!」

「切ちゃんがーー」

「調がーー」

二人のイチャイチャをみて、サクラは両手を揃える。

(‥‥‥尊い。)

 

クリスが、サクラに呆れた目線を送る。

「お前、なんで二人を拝んでるんだよ‥‥‥」

「尊くて、美しいから。」

「何気にお前もテンションが上がってるのが、分かったよ。

 ‥‥‥ちなみによ、私はどうだ?一応、その可愛いものを選んでみたんだけどよ?」

クリスが、少し照れながら、自分の水着の感想をサクラに聞いてみる。

サクラは、クリスの方を見る。赤いフリルのビキニを着ていた。

「‥‥‥綺麗だね。」

「え、あ!?‥‥‥ありがとうよ。

 って、なんで顔を逸らすんだよ?」

サクラは、感想を言ってからクリスから顔ごと背ける。

「その、色々と目のやり場に困りました。」

クリスは、羞恥に顔を赤くはするが、

「けどよ。いつも変身してあたし達になってるんだから、

 慣れてるんじゃねぇのか?」

 

いつも女体化することについて、聞いてきた。

「う〜ん、そういう風に見てる時間がなかったからなぁ。

 あんまり気にした事はないかな?」

「変身している時間は、全て戦闘中ですからね。」

エルフナインが、二人の会話に入ってくる。可愛い。

上部が白色のタンクトップの形状にピンクのラインが入ったビキニを着ていた。

「うん、可愛いね。そうなんだよね。基本的に戦闘でしか変身してないね。

 1日1回しか出来ないし。」

「おい、本音が漏れてんぞ。」

クリスちゃんに軽く、肘で突かれる。

 

エルフナインの目が、サクラを研究対象として見る目に変わる。

「ですが、今日は、いっぱい試せますね!」

「ん?いっぱい試す?」

「はい!ラピス•フィロソフィカスなら!」

「‥‥‥あ」

(雲行きが怪しくなる前に話題を逸らさねば!!!!」

「そんなことよりも、水着がよく似合ってるね!

 エルフナインちゃん!!!!!」

突然のサクラの不意打ちにエルフナインが、目を丸くする。

「僕が、可愛いですか?」

「ああ、もうとても可愛いよ!!!」

「そ‥‥‥そうでしょうか?」

エルフナインは照れて、サクラから顔を見られないように

海の方へと体を向ける。

「よし!」

 

話題を逸らすことに成功した俺は、ガッツポーズを取る。

「‥‥‥お前がそれでいいんなら、

 あたしからは、何にも言わないからな。」

「ありがとう、クリスちゃん!!」

「まぁ、どうせ、逃げ切れねぇけどな。」

クリスは、鯖折りの危険域に突入したマリアを助ける為にサクラから離れる。

「え?クリスちゃん、それってどういう!?」

「サクラさーーん!」

「響、走ると危ないよ?」

 

今度は、黄色のビキニを着た響と白いワンピースを着た未来が来る。

「二人ともよく似合ってるよ。」

「ありがとうございます!」

「ありがとうございます。お世辞でも嬉しいです。」

「お世辞じゃないよ。未来ちゃん。」

「そうだよ!未来私もとても似合ってると思うよ!」

「そんな、響‥‥‥」

未来は、赤くなった顔を手で押さえて、身悶えする。

 

響は、サクラの方に目を輝かせながら、

背中に隠してたものを出す。

「サクラさん、これを着てください!」

黒のビキニをサクラに見せる。

「響ちゃん、さすがに男の俺が着るわけには‥‥‥」

「響、もしかしてそういう趣味があるの?」

サクラは苦笑いしながら、響から距離を取り、

未来は、サクラの前に水着を掲げる残念な子を見る。

その騒ぎを見たマリア以外の全員が見守る。

 

ちなみにマリアは、砂浜に腰を押さえてダウンしていた。

「??二人ともどうして距離を取るの?」

「いや〜、ははは、俺はその水着は着れないなぁ、なんて」

「響、それは女性物の水着だよ?」

「うん!!だから、サクラさんに似合うと思うんだ!」

「‥‥‥響さん、サクラさんは、男の人ですよ?」

「デースデース。」

「うん、知ってるよ。サクラさんは男の人だよ?」

全員で、首を傾げる。

「おいバカ、ちゃんと主語を言え。

 『女になった』こいつに着て欲しいんだろ?」

クリスがすごく悪い顔で言う。

「ああ、そう言うことデスか!」

「謎は解決。」

切歌と調は、遊ぶ準備を始めた。

 

「クリスちゃんまさか!さっき言ってたのって!?」

「そうなんですよ!サクラさんが女性になった姿を見て、

 きっと似合うなぁって、思って買ってみたんですよ!」

「響のお金で買ったの?」

「うん、だから着てくれると嬉しいです!」

響が、サクラに水着を差し出す。

サクラは、雲ひとつない青空を見上げる。

(‥‥‥運命からは、逃げられなかった。)

 

しばらくしてから、

胸にラピス•フィロソフィカスのペンダントを掛けて、

死んだ目をして、黒いビキニを着用したサクラが

更衣室から出てきた。

「‥‥‥とりあえず、みんなの感想を聞こうかな?」

サクラを見て、それぞれが感想を言っていく。

「‥‥‥思いの外、似合ってますね。」

「うん、驚くほど似合ってるね。」

響と未来は、驚き、

「ああ、白い肌が、黒を引き立たせてせるな。」

翼は、真面目に考察しする。

 

「似合ってるんじゃねぇか?」

クリスは、笑いを堪えながら、

「サクラさんにも負けてる。」

「大きいデスね〜。」

調は、自分の胸と比較し、

切歌は見たままの感想を言う。

 

「‥‥‥良い笑顔を浮かべれば、

 アイドルもできるんじゃないかしら?」

マリアの頭の中では、サクラのアイドル計画を立て、

「サクラさん!私はそっちでも、行けます!」

セレナは、相変わらずな感じだったりする。

 

「ふむ、悪くはないと思うぞ。霧崎サクラ」

サンジェルマンは、思ったことを伝え、

「はい!僕もとてもお似合いだと思います。」

エルフナインは、顔を真っ赤にして伝える。

 

サクラの目がさらに死ぬ。

「‥‥‥似合ってるんだね。それよりも俺の胸とかのサイズは、

 どうやって割り出したのさ?」

「アダムさんが、教えてくれました!!!」

「‥‥‥アダムさん、絶対楽しいんでるでしょ!!!!」

 

こうして遊び、もとい特訓が始まるのだった。

 

 

 




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特訓という名の休暇 後半

運動不足を感じて、イクササイズを1週間やってみると
体重が2kg落ちました。続けねば!!


水着を着た俺は、3対3のビーチバレーをしていた。

「サクラさん、そっちに行ったデスよ!」

「任せろ!」

正面から受け止め、

ネットの近くにいる調にボールを上げる。

「切ちゃん!」

「いくデス!!」

調が、トスをあげる。

切歌は助走をつけて飛び上がり、腕を振り上げて、

相手のコートにボールを打つ。

「デェェス!!」

「は!甘いんだよ!」

クリスがうまくボールを取り、セレナへボールを上げる。

「小日向さん!お願いします!」

未来へトスをあげ、スパイクを打ち込んでくる。

「通って!!」

 

コートのラインよりも外側に落ちるコースだったので、

サクラは、そのまま見送る。

「これで!」

「勝った」

「デス!」

風で、ボールの軌道が変わり、コート内に落ちる。

「はっ!勝利の女神はこっちに微笑んだみたいだな!」

「勝ちました!」

「ふぅ、運が良くて助かった〜」

「未来!カッコ良かったよ〜!」

響が、未来に抱きつく。

向こうのコートでは、明るい雰囲気が漂う。

 

3人とも肩を落とす。

「そんな、負けた。」

「ごめん、俺が最後に油断したばっかりに!」

「あれは仕方ないデスよ。」

俺は、立っているのもやっとだったので、コートから出て座り込む。

その左右に切歌と調が、座る。

 

次のメンバーが、コートに入る。

次は、マリア、エルフナイン、サンジェルマン 対 響、翼、クリスである。

「クリスちゃん、元気だね。」

「むしろ、あんたは楽した分のツケが来てるな。」

「それは否定しない。」

 

サンジェルマンからアダムの伝言があり、

俺の人間離れした身体能力は、全て砂時計の補正があったお陰で、

砂時計が、失われた今、体力は砂時計を手に入れたときに戻る。

 

そのせいか、サクラはバレーの一戦だけでダウンしていた。

 

「‥‥‥その為に女体化し続けないといけないとか地獄かな?」

「綺麗で、可愛いデスよ!」

「うん、マリアと同じくらい綺麗。」

「男の俺からしたら、複雑」

ラピス•フィロソフィカスで、変身すると女体化する理由が、

女性の方がうまく扱える事と足りない身体能力を補正する為。

 

長時間女体化すれば、賢者の石が勝手に調整をしてくれるようになるので、

なるべくなるようにとの事。

 

手始めに今日一日中、女性として過ごすように言われていた。

「‥‥‥にしても胸が重い。」

自分の胸を持ち上げる。

「これをつけて戦うクリスちゃんやマリアさんの苦労がわかるな〜。」

「私もたま〜に重く感じる時があるデスよ〜」

調が、自分の胸に手を当てた後、サクラの胸を鷲掴みにする。

「え!?ちょ、調ちゃ、ものすごく痛い!!」

「‥‥‥私には、ない!」

「ごめん!そこまで気にしてるとは思わ!伸びる!伸びちゃうから!」

調ちゃんに胸を弄ばれた。

 

ビーチバレーが終わったのか、それぞれが休憩に入る。

サクラが、自分の胸を両腕で、包んでいるのに気づいたクリスは、

胸の重みで肩が凝っていると思い声をかける。

「あんたも肩が凝ったのか?あたしも肩凝るからなぁ。」

クリスは、身体を伸ばす。

サクラは、さっきのことを説明しようと口を開くが、

「いや、さっきーー」

「あら、そうなの?サクラも今後、女性として過ごすなら、

 肩が凝りにくいブラがあるわよ。」

マリアが、会話に入ってくる。

「え?女性としては過ごす気はなーー」

「それなら、あたしも教えてくれよ。

 なかなか合うのがなくてな。」

「えぇ、ここのブランドが、オススメね。」

マリアが雑誌を取り出し、サクラとクリスに見せる。

「へー、この前行こうか迷ったところか。」

「‥‥‥ブラって、どれでも良さそうな気が、」

「ダメよ!」

「何言ってんだ。お前‥‥‥」

マリアは怒り、クリスは呆れる。

「合っていないブラほど、地獄を見るわよ!!」

「そうだぞ。肩は凝るわ、胸がきついわ、揺れるわで大変なんだぞ。」

「そこに座りなさい、サクラ!

 あなたに女性として必要なことを徹底的に叩き込んであげるわ!!!」

「いや、男なんだけど‥‥‥」

「今は、女性よ!」

サクラは正座させられ、二人のブラの苦労話と重要性を教えられるハメになった。

 

その光景を見ていたみんなが、

「ちなみに響、サクラさんのバストサイズって?」

「えぇと、上から91、59、87って、アダムさんが言ってましたね。」

「マリアと雪音の間ぐらいか。」

「大きいデスよ。」

「‥‥‥羨ましい。」

「‥‥‥私もそう思うよ。調さん。」

「大き過ぎては、動くのに不便だと思うんだが。」

「僕にはないので、よく分かりません。」

 

二人から解放され、ゆっくりしていると響が、

「ところでみんなぁ、お腹が空きません?」

「だが、ここは政府保有のビーチ故に

 一般の海水浴客がいないと必然売店の類も見当たらない」

「コンビニ買い出しじゃんけんですね!」

みんなが、集まる。

「あ!サンジェルマンさんは、ゆっくりしてて良いですよ。」

「そういうわけにはいかない。立花響

 私とて、ただその場の状況に甘んじる訳にはいかないのでな!」

「では、全員で!」

全員が、拳を握る。

(ふっ、俺は知っている!原作ではグーを出せば、勝てる!

最近、役に立っていない原作知識もこういうときは、役に立つな!)

「ところでみんなぁ、お腹が空きません?」

 

「だが、ここは政府保有のビーチ故――」

 

「一般の海水浴客がいないと必然売店の類も見当たらない」

「「「「「「コンビニ買い出しじゃんけんぽんッ!!」」」」」」

サクラは、グーを出すと全員パーだった。

「嘘だ。そんなこと!」

(何が原作知識だ!死ね!!)

「先輩なら、チョキを出すと思ったんだけどな。」

「今日たまたま見た占いで、パーを出せば幸運を呼ぶと言っていたのでな。

 そういう雪音もパーではないか。」

「あいつが、力強く拳握ってたんでな。

 グー出すんじゃねぇかなって思っただけだよ。」

クリスが、地面に倒れ込んだサクラを指差す。

「私もサクラさん見てたら、パーかなって思っちゃいました。」

「私もデース!」

「私も」

「実は私も‥‥‥」

響の言葉に、みんなが同意する。

気の毒に思ったサンジェルマンが、

「流石に一人で行かせるのも酷だ。

 もう一回して、残りも送り出すとしよう。」

「そうですね。じゃあ、もう一回!!」

「「「「「「コンビニ買い出しじゃんけんぽんッ!!」」」」」」

 

切歌、調、翼がチョキ、それ以外はグーだった。

「あはははは!!翼さん、変なチョキ出して負けてる!」

「変ではない!カッコイイチョキだ!!」

指をピストルの形にした翼の姿があった。

サクラは、その光景を見て、落ち込む。

(‥‥‥今、原作再現してんじゃないよ!)

「斬撃武器が……」

「軒並み負けたデース!」

 

悔しがる二人にマリアが、買ってくる物に釘を刺す。

「好きなものばかりじゃなくて、塩分とミネラルを補給できるものもね」

マリアは、翼にサングラスをかける。

「人気者なんだから、これかけていきなさい」

「……母親のような顔になってるぞ、マリア……」

「それとサクラは、これを羽織って行きなさい。

 その格好だと色んな輩が寄ってくるからね。」

マリアは、自分用のパーカーをサクラに着せる。

サクラは、さっきの仕返しも込めて、

「ありがとう、お母さん!」

「誰がお母さんよ!まだそんな年齢じゃ!?

 って待ちなさい!」

サクラは、全力疾走でマリアから離れる。

「サクラさん、気づいてるのかな?」

「ここに戻ってくるデスよ‥‥‥」

 

途中で合流した3人とコンビニで買い物を済ませる。

「切ちゃん、自分の好きなのばっかり」

「こういうのを役得と言うのデス!」

サクラが、スイカ以外の荷物を持つ。

「サクラさんは、重くないですか?」

「これぐらいなら、平気だよ。

 ‥‥‥スイカは、持てなかったけど。」

翼がスイカを抱えていた。

「これぐらいなら平気だ。さぁ早く戻ろう。

 ‥‥‥特にマリアが待っているぞ。」

「‥‥‥帰りたくないなぁ。」

「自業自得」

「デース」

 

ビーチに戻る途中、壊れた神社が目に入る。

そこには、野球のユニフォームを着た子供と配達途中であろう大人が集まっていた。

「昨日の台風かな?」

「お社も壊れたってさ」

神社の中を除いて見ると、氷の柱が至る所に立っていた。

(‥‥‥どんな台風が来たら、氷柱ができるんだろう。

そして、あそこにいるのが、響のパパさんか。)

 

すると空に大量の爆発が起こる。

「あれは!?」

「もしかすると、もしかするデスか!」

「まぁ、空中で爆発した時点で、厄介事だね。」

(‥‥‥ガリィの襲撃だね。)

「行かなきゃッ!」

 

翼は、響のパパさんに声をかける。

「ここは危険です!子供たちを誘導して安全なところにまで!」

「冗談じゃない!!どうして俺がそんなことを!」

そのまま、走って逃げていった。

(‥‥‥まぁ、当たり前か。俺だってそうするかもね。)

逃げた大人の代わりに、翼が守る。

「大丈夫!慌てなければ危険はない!」

俺は、端末ですぐに近くの避難所を探す。

「翼さん!こっちに避難所がある!」

「分かった!君たちついて来て!」

「私たちも行きます!」

「送り届けるデース!」

 

サクラたちは無事に送り届け、ビーチでみんなと合流するのだった。

 




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復讐の夜

暑い!暑すぎる!エアコンのある部屋から出たくない!
部屋に引きこもりたい。

あ〜あ、ゴロゴロするだけでお金が貰える仕事ないかな〜。


ビーチにいたみんなから、何があったのかをご飯を食べながら

話を聞いてみると

 

ガリィ襲来

アルカノイズを放ち、周囲の人間を襲わせる。

周辺の人を守る為に戦っているとガリィを見失う。

 

ガリィは、未来とエルフナインを避難させていた

マリアの前に立ち塞がる。

マリアは、アガートラームを纏い戦うも一蹴されてしまう。

イグナイトモジュールを使うも魔剣の呪いに呑み込まれる。

 

サンジェルマンの手によって、暴走状態はすぐに抑えられたが、

ガリィには逃げられた。

 

「‥‥‥というわけだよ。」

クリスが険しい顔をしながら、現状を説明した。

翼は、オートスコアラーの行動を疑問を持つ。

「‥‥‥奴らの目的は何だ?」

調も翼の言葉に考え始める。

「どうして、優位に事を運んでもトドメを刺さずに

 撤退を繰り返しているのだろう?」

「ああ!言われてみればとんだアハ体験デス!」

「いちいち盆が暗すぎるんだよな。」

「その辺りは、我々の方でも調べてはいるのだが、

 彼女の目的に関する情報は、得られていない。」

サンジェルマンは、申し訳なさそうに答える。

「‥‥‥‥キャロルちゃんの目的も気になりますけど、

 マリアさんの様子も気になります。」

未来が、ここに居ないマリアのことを心配する。

「あの力の暴走に呑み込まれると、

 頭の中まで黒く塗り潰されて、何もかも分からなくなっちゃうんだ。」

響は、自分が暴走した時のことを思い出す。

「‥‥‥あ、でも一度だけ、サクラさんに助けて貰ったことも

 ありましたね。」

「そんな時あったかな?」

「ほら、デュランダル護送の時ですよ。」

「‥‥‥ああ、あったね。そんなことも。」

響との会話に、冷たい返事をするサクラを全員が見る。

女体化したままのサクラはここに戻って来てから、ずっと窓の外を見ていた。

 

「なぁ、あいつなんか変じゃねぇか?」

クリスが、未来に近づいて耳打ちする。

「うん、ここに戻って来てから、あんな感じ。」

「虫の居処が悪いのか?」

「でも翼さん達の話だと戻ってくる時までは、

 いつも通りだったって。」

「‥‥‥あいつも、仲間のことで上の空って訳か。」

「そうかも。」

(けどサクラさんのあの表情は、初めて見るな。)

 

俺は、外でマリアを元気付ける

セレナとエルフナインを冷たい目で見ていた。

( セレナが、イグナイトを扱えるんだから、マリアは必要ない。

‥‥あの行動に意味なんて無い。)

サクラは、無意識にペンダントを握りしめる。

「‥‥‥くだらない。」

 

サクラが、部屋から出て行こうとするのを

翼が声をかける。

「サクラ、どこに行くんだ?」

「そこら辺を歩いてくる。」

マリア達とはいる所とは、違う方向へ歩いて行くサクラを

翼が寂しそうに見つめる。

「霧崎サクラを一人にするわけにも行かないだろう。

 私が、追いかけるとしよう。」

サンジェルマンが、サクラを追いかける為に扉に手を掛ける。

「あ、それなら私も!」

響が、付いて行くために立ち上がる。

「‥‥‥分かった。一緒に行こう。」

「はい!じゃあ、みんな行ってくるね!」

「あんまり、あいつの地雷踏むんじゃねぇぞ。」

「すまない。サンジェルマン殿、立花が迷惑かけると思う。」

「‥‥‥響、暴走しないように気をつけてね。」

「ひどいよ、みんな!私だって、ちゃんと空気読めるよ!」

「‥‥‥大丈夫かなぁ」

サンジェルマンは、そのやりとりを微笑みながら見る。

「立花響、一緒に行くとしよう。」

「はい!」

サクラを2人は追いかける。

 

サクラは、夕日が落ち始めた海を眺めていた。

「‥‥‥あそこにいるだけで、反吐が出る。」

「‥‥‥サクラさん」

「その言葉は、普段の貴方から出るとは思えないな。」

振り返るとサンジェルマンと悲しそうな顔をした響が立っていた。

「‥‥‥追いかけて来たんですか?」

「ええ、みんな貴方のことを心配していたわ。」

「そ、そうですよ。心配だから、追いかけて来たんですよ。」

「‥‥‥心配かけて、すみません

 ですが、今は1人にして欲しいんです。」

「悩みがあるなら、私聞きます!」

「‥‥‥悩みか。」

「はい、私に出来ることなら言ってください!」

2人から地面にサクラは、視線を落とす。

「じゃあ、一ついいかな?」

「はい、なんですか?」

 

夕日が完全に沈み、月が顔を見せる。

「今すぐ、ここから居なくなってくれないかな?」

「‥‥‥え?」

サクラが、先程よりも冷たい視線と言葉を響に投げかける。

「さっきから、うざったいんだよ。

 1人にして欲しいって言ってるよね。その頭は飾り?」

 

突然の罵倒に響の思考が、止まる。

「‥‥‥え?」

「お前の存在がずっと、うざくて、気持ち悪いんだよ。」

響が、サクラの言葉に傷つき倒れそうになるのを

サンジェルマンが支える。

「サクラさん‥‥‥?」

響は、いきなりの出来事で感情が追いつけないでいた。

「なぁ、お前なんで生きてるんだよ?」

「‥‥‥え?」

「お前のせいで、俺の人生がめちゃくちゃになってるんだよね。」

「わ、私は、そんな‥‥‥」

「立花響、気をしっかり持て」

サンジェルマンが、優しく声を掛ける。

「で、でも私のせいなら、」

「あれは、あいつの本心では無い。」

「それってどういう事ですか?」

 

サクラがいまだに響に向けて、罵声を浴びせているのを

サンジェルマンが冷静に分析していく。

「胸のラピス•フィロソフィカスを中心に

 謎の魔力が、夕方ごろから微弱だったが霧崎サクラへと流れ込んでいる。

 最初は、局長の言っていた調整するための魔力だと思っていたが、

 月が出てからは流れる量も増えている。

 ペンダントから出ている魔力が、霧崎サクラを狂わせているのだろう。

 故に今までの言葉は、本心ではなく言わされているが妥当だろう。」

「じゃあ、あのペンダントをサクラさんから外せば!」

「ああ、普段の彼に戻るはずだ。」

(局長が調整したものだが、何が起こっている?

それとも‥‥‥、問いただすことが増えたな。)

サンジェルマンは、サクラのペンダントを睨みつける。

 

響は、しっかりとした足取りで

サクラのペンダントを外しに掛かる。

「サクラさん!ごめんなさい!」

「そんな汚い手で、触らないでくれる?」

響の手を掴み、海へと投げ飛ばす。

「わぷっ!?ゴホッ、ゴホッ!!」

響は、すぐに起き上がると

サクラが、ファウストローブを纏っていた。

「もう、めんどくさいな死ねよ。」

氷柱を響に向けて飛ばす。

「させん!!」

サンジェルマンが、銃で全てを撃ち落とし自身もローブを纏う。

「立花響、今すぐシンフォギアを纏え!」

「はい!」

 

Balwisyall nescell gungnir tron

 

ギアを纏い、サンジェルマンと並び立つ。

「相手は、ファウストローブを纏っている。

 イグナイトの使用には気を付けろ。」

「はい!分かりました!

 サクラさん、行きます!」

響が、サクラ?に拳を振るうが、

「汚らわしい手で触れるな!」

炎を纏う手で、ギアを握られると溶け始める。

「ほあちゃあああ!!!」

響はすぐにサクラ?の脇腹を蹴り飛ばし、溶け切るのを防ぐが、

左手のハンマーパーツが、溶接されて動かなくなっていた。

「拳を握れるなら、いける!」

 

サクラ?はすぐに起き上がり、響を睨みつける。

「おのれ◼️◼️◼️!よくも俺に土を付けてくれたな!」

サクラ?は、先程よりも多くの氷柱を響に飛ばすが、

サンジェルマンに全て阻止される。

 

「邪魔をするな!」

サクラが、サンジェルマンの手の平をかざすと足元が凍り始める。

「うおりゃあああ!」

響が、サクラ?の手首に拳をぶつけ、逸らす。

足首まで、覆った氷を砕き、

響の援護に入る。

 

響は、サクラ?に攻撃の隙を与えないよう攻めていた。

「くっ!離れるがいい!」

右手から炎を上げて、響に向かって振り下ろそうとする腕を

サンジェルマンに撃ち抜かれる。

「がぁ!」

「ここだ!!ハッ!ヤァアアアア!!!」

無防備になったサクラ?のお腹に拳を打ち込み、

くの字になって降りて来た顎に向かって、回し蹴りを放つ。

「あがぁ!?」

右手のハンマーパーツを開き、サクラ?のペンダントに向かって、

拳を振るう。

「うぉおおおおお!!!!!」

「調子に乗るな!!」

胸のペンダントから鎌が出てくる。

鎌は、反応の遅れた響の首を跳ねようとしたところで、

サンジェルマンの剣によって、邪魔をされる。

 

サンジェルマンは、響を抱えてサクラ?から距離を取る。

「その魂、何度砕いたとて、我が怒り収まらぬ!!

 死を懇願するまで、何度も殺してくれる!」

サクラ?の纏っていたローブの形が変わり、

黄金のローブは黒くなり、大きなフードが顔を覆い隠し、

手には大きな鎌を持っていた。

そして最も目に入るのが、背中から伸びる機械仕掛けの片翼が出ていた。

 

響は、サクラ?の姿に背筋が凍りつくような恐怖に駆られるが、

サンジェルマンに優しく肩を触られる。

「立花響、恐怖で身が竦むのは当然の反応だ。

 だが、友を救うならば弱気になってはいけない。」

響の目には、力強い意志が戻る。

「‥‥‥はい!サクラさんを助けるために、もう一度力を貸してください!」

「ああ、勿論だ!」

 

サンジェルマンが先行して、攻撃をしていく。

銃剣をサクラ?の鎌と切り結ぶ。

「@#¥)63:@#¥」

「人の言葉すら話さなくなったか。

 だが、それでもまだ救いがあるのなら!」

 

いつまでも粘るサンジェルマンと響に、苛立ちを覚えた

サ?ラ?が、大きく振りかぶるのを二人は避ける。

無防備になったサ???に刀身を消して、魔力を弾丸にこめて撃ち出す。

弾丸は、バールの幻影へと変わり、????を飲み込む。

 

エイドロンバール

 

「@#*-¥@:!?」

????は吹き飛ばされ、かなりのダメージを負う。

機械の羽は壊れ、フードは破れて顔が見えた。

髪は緑色に染まり、胸にあるペンダントが、

サクラの体を少しずつ覆い始めていた。

「立花響、これで決めるぞ!」

「はい!」

銃からサクラに向けて、光が????を撃ち抜くが、

ダメージを与えることなく貫通する。

光が幾重もの術式に変わり展開、響はその反対側から拳を構える。

「これで、砕いてみせる!」

「いっけぇぇぇぇぇ!!!!!」

銃剣と拳を構え、????に加速しながら突撃する。

????は逃げ出そうとするが、体が動かなくなる。

「*@-¥¥#))#//^#%)¥(!?!?」

『ごめん、何言っているかは、

 分からないけど人の身体で好き勝手にしたんだ。

 これぐらいの代償は安いだろ?』

サクラが最後に意識を取り戻し、????から体の支配権を取り返す。

 

シュピーゲルフンケルン

 

二人が交差した瞬間に、ペンダントは砕け????の姿から、

男のサクラに戻る。

倒れそうになるサクラを響が、優しく抱きしめる。

サンジェルマンは、サクラに駆け寄り容態を調べてみるが、

意識はないものの呼吸は、穏やかなものだった。

「大丈夫、気絶しているだけのようだ。」

「よかったぁ。サンジェルマンさん、ありがとうございます!」

「気にしなくてもいい、私は出来ることをしただけだ。」

ファウストローブが砕け、いつもの姿に戻る。

サンジェルマンの手には、大きな亀裂の入った

ラピス•フィロソフィカスが握られていた。

「あの、砕けちゃいましたよ!」

「最後のあれは、今のファウストローブでは、

 出力を大きく超えてしまうからな。こうなるのは当然と言えるだろう。」

「大事なものじゃないんですか?」

「ああ、大事だが命には変えられない。

 ‥‥‥命だけは造れないからな。」

 

 

 

海の上からアダムは、先ほどの戦闘を見ていた。

「目覚めたね。ようやく、

 僕は求めていた。あの方の復活を、」

アダムの笑みが、深くなる。

「これで私の計画が進む。

 私の愛する人と一つになるために、頑張ってもらうよ?

 我が友よ。」

アダムは闇夜に紛れて、その姿を消した。 

 

 




誤字•脱字•感想あれば、お願いします。



今更ですが、
クロノスという名前の神様は、2柱いて、それぞれ逸話が違うのですが、
この小説では、分類がめんどくさいので、同一の存在として扱ってます。



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家族

古戦場を周回していたら、投稿を忘れてしまってました。
反省。

十天衆加入が、難しくて辛い。


俺は、目が覚めると医務室にいた。

「‥‥‥あれ?避難させた所までは覚えてるけど、

 ???、どうして医務室に?熱中症?」

と困惑していると弦十郎さんが、医務室に入ってくる。

「サクラ君、目が覚めたか」

「はい、さっき目が覚めたばっかりですけど、

 あの?なんで俺は、ここに居るんでしょうか?」

「ああ、説明しよう。」

 

弦十郎から、

謎の暴走を起こし、響とサンジェルマンを襲ったことを聞かされた。

 

「‥‥‥かなり迷惑をかけたみたいですね。

 しかも微妙に覚えがあるような、ないような感じです。

「響君たちの話しでは、君は正気を失ってたからな。

 記憶が曖昧になるのは、仕方ないだろうな。」

「後で、二人には謝罪をしないと」

「二人とも許してくれるだろうさ。感謝の言葉も忘れないようにな。」

「はい!」

「さて、君に伝えないといけないことが、まだあるんだ。」

「まだ?」

サクラは、弦十郎の言葉に首を傾げる。

「君が寝ている間にあったことと賢者の石のことだ。」

 

話をまとめると

 

俺が眠っていた期間は、3日

マリアは、イグナイトをうまく扱えるようになり、

ガリィをSERE†NADEして、倒したとのこと

 

響パパと遭遇

響ちゃんの元気なくなる。

 

アダムからサクラに渡されたラピス•フィロソフィカスを

エルフナインとサンジェルマンさんたちが調べると

異物が入っており、暴走の原因として現在調査中。

 

異物について、アダムに話を聞こうとしたが失踪した。

 

パヴァリア光明結社の3人は、アダムを探すために

賢者の石を持たせていないプレラーティを人質として、

S.O.N.G.に身柄を預ける。

 

アダム捜索は、

サンジェルマンとカリオストロで行っているため、

2人は居ないとのこと

 

 

「‥‥‥アダムさん」

「信頼していた者から、裏切られるのは辛いだろう。

 だが後ろを向いてばかりもいられない。」

「分かってます。それでも動かないといけない‥‥‥ですよね?」

「フッ、その通りだ。

 君は今、戦う力を完全に失っている状態だ。

 何かあったら、戦わず生き残ることを考えるんだ。

 いいな?」

「はい!」

 

体を調べ、問題なしということで外に出る。

「とりあえず家に帰るか。」

 

家に向かっていると落ち込んだ様子の響ちゃんと鉢合わせした。

「あ、サクラさんもう起きても大丈ーーー」

「この前は迷惑をかけして、すみません!!!」

響ちゃんに思いっきり、頭を下げる。

「え?えぇ!? サクラさん、顔をあげてください!

 私は気にしていないですから!」

「いや!そんな訳にはいかないんだ!

 俺は、あやふやだけど、酷いことを言った気がするんだ!

 謝っても許してもらえないとは思うけど!

 謝らせて欲しいんだ!!」

土下座をするために膝を曲げる。

土下座に移行しそうな気配を敏感に察知した響は、

サクラの肩を掴んで阻止する。

「私は!気にしてませんから!土下座はやめて下さい!!」

「で、でも」

サクラは力を緩めて、響の目を見る。

響は、サクラの様子を見て少し迷ったあと

「なら、ご飯を奢ってくだい。それで許してあげます。」

「え?そんなのでいいの?」

「はい、それが良いんです。」

 

 

お金を下ろして、ファミレスで響ちゃんとご飯を食べているのだが、

「いっぱい食べるね。」

「はい、今はいっぱい食べたい気分なので、」

テーブルの上には様々な料理が並んでおり、

響は一心不乱に食べ続ける。

 

満足したのか、デザートのパフェを食べてゆっくりしていた。

「お腹一杯になったね。」

「はい、遅くなっちゃいましたけど、

 目が覚めて良かったです。」

「ありがとう、響ちゃんのお陰で、

 こうして動き回れるようになったよ。」

「どういたしまして、けどあの時のサクラさんは、凄かったですよ。

 いろんな意味で」

「そんなに?」

「ええ、それはもう、人間を辞めちゃうんじゃないかって、

 レベルで、」

「うわぁ。マジでか。」

「あれは、マジでやばーー」

「やっぱり、響じゃないか。」

響ちゃんと話していると

響パパさんが、声をかけてきた。

 

「外から見えたからね。もしかしたらって思って声をかけたんだ。

 よかったら、俺も御相伴に預かっていいかな?」

こちらの返事を聞かずに席につこうとしたときに

響が立ち上がり、サクラの隣に座り直す。

「あ、店員さんすみません。ドリンクバーとサンドイッチをお願いします。」

「はい、しばらくお待ちください。」

響パパが座席に座り、店員に注文を済ませる。

 

響ちゃんは、ジュースをじっと見つめ、

自分の父親と顔を合わせないようにする。

「いやぁ、デート中、済まないね。」

「え?ああ、いや気にしてませんから。

 そもそも、デートではないので、お邪魔なようでしたら退せ!?」

退席しようとしたら、何故か、響に足を踏まれたので座り直す。

「‥‥‥デートを邪魔されたぐらいじゃあ、怒りませんよ。

 あはは。」

「良いなぁ。僕も君と同じぐらいの時は

 デートしている所を見られただけで、恥ずかったからね。」

「そうなんですか。あ、自分の名前は霧崎サクラって言います。

 え〜と貴方は?」

「そういえば自己紹介をしていなかったね。じゃあ、俺も名乗っておこうかな。

 立花洸。響の父親です。」

「ああ、響ちゃんのお父さんでしたか。

 何処となく、響ちゃんと面影が重なりますね。」

「ああ、そうだろ?まぁ、俺と違って響は可愛いからなぁ。」

サクラは、響パパと話しながら今すぐ帰りたい衝動に駆られていた。

(響ちゃんが、だんだんと不機嫌になっていく!

‥‥‥今すぐに帰りたいよ〜

響ちゃんに足を踏まれて動けないし、痛いし何この空間!)

 

隣に座ってる響の顔が、段々と険しくなっていくのが

横目でうっすらと確認できた。

「お待たせしましたぁ。注文の品をお持ちしました。」

「お!待ってました。いやぁ、最近はまともなものを食べてなかったから、

 美味しそうに見えるよ。」

「‥‥‥そうなんですね。」

 

響パパが、サンドイッチを食べ始める。

「いや〜、響も彼氏と付き合うなんて、娘の成長を感じちゃうなぁ。

 あ、成長で思い出した。

 前に月が落ちる落ちないと騒いだ事件があっただろ?

 あの時のニュース映像に映ってた女の子が、お前によく似ててなぁ。

 以来、お前のことが気になって、もう1度やり直せないかと考えてたんだ」

サンドイッチを食べながら、

とってつけたような理由で、話し出す響パパ。

(‥‥‥あの全国放送で響ちゃん名乗ってなかったっけ?

たしか音声流れてなかったのかな?

でも、流れてたような?確実にそうだったか?と聞かれると不安だけど。)

 

サクラの疑問を他所に話は進んでいく。

「勝手なのはわかってる。

 でも、あの環境でやっていくなんて、俺には耐えられなかったんだ。」

響パパは、ジュースを飲む。

「な? またみんなで一緒になりたいって、

 母さんに俺のこと、伝えてもらえないか?」

響がスカートの裾を握りしめる。

サクラの足を踏む力がついでに増す。

「‥‥‥すみません、その、家族の問題なのはわかってるんですが、

 口を挟ませてもらいますね。

 一緒に暮らしたいって伝えてから、どうしたいんですか?」

「ん?伝えて欲しいだけだよ。」

「え?それだけ?」

「ああ、それだけだよ。」

(Oh、今の質問で足を踏む力がより増したんjだが?)

立花洸の言葉に続きはなかった。

一緒に暮らしてどうしたいとか、伝えてどうするとかなどについては、

一切出てこなかった。

 

響ちゃんのことを考えると火にガソリンを放り込む行為だった。

「……無理だよ。一番一緒にいて欲しい時にいなくなったのは、

 お父さんじゃない。」

響は怒りに震えながら、なんとか抑えて自分の気持ちを必死に伝える。

ただし、抑えるためにサクラの足が犠牲になる。

 

「あはははは、やっぱ無理かぁ。何とかなると思ったんだけどな~。

 いい加減、時間も経ってるし。」

響パパは、笑いながら軽口で済ませる。

響が、残された立花家が、死ぬほど苦しんだ事件も時間が経ってるで済ませようとした

事に響の拳が、さらに強く握られる。

自身のトラウマをそんな簡単な言葉で済ませようとした立花洸に怒りを抑えるため必死になる。

必死になった結果、サクラにさらなる痛みが襲う。

 

流石に痛みよりも怒りが勝ったサクラは、

「‥‥‥貴方からしたら、たった3年でも、

 響ちゃん達は、まだ3年なんですよ?」

「え?そうなの?じゃあ、まだ時間が必要かな〜。」

顔色変えずにそんなことを言い切った。

(地雷原でタップダンスし過ぎだろ!)

 

響パパは、響の事情をまったく察せず自分のことしか考えていない発言ばかりする。

「覚えてるか、響。

 こういうどうしようもない場面に出会したら、

 どうにかやり過ごす魔法の言葉。小さい頃、お父さんが教えただろ?」

響の口癖の『へいき、へっちゃら』が、逃げの言葉として、

響パパが使った瞬間、怒りを超えて響は店から出ていった。

サクラは、足の痛みから解放される。

 

「あっちゃ〜、怒らせちゃったなぁ。」

「‥‥‥普通、怒りますよ。」

足が想像以上にダメージを受けており、

サクラは立つことができず、追いかけることができなかった。

立花洸は苦笑いしながら、自分の手元にあった伝票をサクラに差し出す。

「ごめんだけど、持ち合わせが心許なくてね。

 出してくれると嬉しいよ。」

(‥‥‥こんのクズぅうううううううう!!!)

「‥‥‥今回だけですよ。」

「いや〜、響の彼氏は心が広くて助かるよ。」

サクラは怒りを少しだけ抑えきれず、伝票を乱暴に受け取る。

痛みを堪えながら、席を立ち、立花洸を見る。

「‥‥‥一つだけ、言いたいことを言っておきますね。」

「え?何かな?」

「どんなに逃げようって考えても、一生逃げられませんよ。

 ‥‥‥いつか貴方の本当の心の声を響ちゃんに言って下さいね。」

「‥‥‥俺には、そんな真っ直ぐには出来ないよ」

「‥‥‥そう、ですか」

サクラは、会計を済ませて外に出る。

(‥‥‥立花家の問題は、

他人の口からどうこう言える問題じゃないって分かってるけどなぁ。)

 

響ちゃんを探すために、色々な場所を走り回っていると

切歌ちゃんと調ちゃんを見つけた。

「おおーい、ふたりとーー」

切歌が、自動販売機で間違えてブラックコーヒーを買っているのが見えた。

「がぁーん!? 苦いコーヒーを選んじゃったデスよぉー!!」

調は、イグナイトを使用した時に暴走しない為には、

どうしたら良いかを考えていた。

「誰かの脚を引っ張らないようにするにはどうしたらいいんだろう」

「きっと、自分の選択を後悔しないよう強い意志を持つことデスよ」

切歌は、間違えてかったブラックコーヒーを後悔しないようにしていた。

「ふたり共!聞きたいことがあるんだけど!」

 

サクラの駆け寄ってくる姿を見て、ふたりは笑顔になる。

「デーーース!サクラさん、目が覚めたデスか!」

「良かった。目が覚めたんですね。」

サクラは、自販機でオレンジジュースを出すして、

「うん、今さっき、目が覚めてね。切歌ちゃんこれと交換して欲しいんだけど?

 コーヒーを飲みたい気分なんだけど、間違えてオレンジジュースを買っちゃてね。」

「し、仕方ないデスね。本当は飲もうと思ったですけど、

 サクラさんがそこまで言うなら、交換しちゃうデスよ!」

コーヒーとオレンジジュースを交換してもらう。

(間接キスフラグを負ってしまった。だが今は、響ちゃんだ!)

「ありがとう!それで聞きたいんだけ、響ちゃん見なかった?」

「見ていないです。」

「私も見てないデス。」

「そっか、ありがとう!」

サクラは、コーヒーを一気飲みして走っていった。

「‥‥‥いつも忙しそうデスよ。」

「そうだね。切ちゃん。」

 

二人に弦十郎から連絡が入る。

『アルカ・ノイズの反応を検知した!

 場所は地下80m、共同溝内であると思われる。』

「共同溝……?」

「何デスか、それは」

『電線を初めとするエネルギー経路を埋設した地下溝だ。』

『先んじて立花を向かわせている』

『緊急事態だが飛び込むのはバカと合流してからだぞ!』

「分かってるデスよ!」

「はい、」

『それとサクラ君と連絡がつかないことが心配だな。』

「サクラさんなら、さっき話をしました。」

「響さんを探してたデス。」

『そうか、すぐに現場付近を調べてサクラ君の元へ向かわせるんだ!

 君たちは、すぐに現場へ向かって欲しい!』

「了解」「デス!!」

 

 

一方サクラは、響を探している途中で、

キャロルと出会っていた。

「‥‥‥久しぶりだな。霧崎サクラ。」

「キャロルさん‥‥‥」

 




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帰還 LOOP END

キャロルちゃんのエレメンタルブレイドが、かっこ良すぎる。


キャロルは、サクラの刺すような視線に悲しくなるが、

その気持ちを誤魔化すように不敵に笑う。

「話があってきた。時間はあるか?」

「いっぱい、あるよ。」

「なら結構、

 今回貴様に接触したのは、協力してもらうためだ。」

「‥‥‥世界を分解する手伝いを?」

「成功すればお前を元の世界に帰すことができる。」

「それは嘘だ。アダムさんの話でキャロルさんは、

 過去に行くことが目的だって聞いてる。」

キャロルが、サクラの言葉に呆れた様子で、深いため息を吐く。

「はぁ〜、過去に行く気など無い。

 世界を壊し、ここにあるクロノスの砂時計の欠片を

 完全に破壊することが、俺の目的だ。」

キャロルは、空間に収納していた砂時計の欠片を取り出す。

「アダムさんの話だと、

 砂時計が完成しないと元の世界に帰れないって!」

「それは違う。

 完成すれば、お前は一生、元の世界に戻れなくなる。」

「どうして、そんなことがわかるの?」

「‥‥‥知っているとしか言いようがない。」

 

キャロルの言葉にサクラは疑問をぶつける事にした。

「‥‥‥ずっと、気になってたんだけどさ。

 どうして、俺の事を知っているの?

 どうして、砂時計の事について知ってるの?」

キャロルは、砂時計の欠片を空間に収納して、

懐から2個の弾丸を取り出す。

「ここにメモリアルバレットとリフラックスバレットがある。

 お前から貰ったものだ。」

「あげた覚えなんてないけど、」

「ああ、お前ではないお前から貰った。」

「俺じゃない俺?」

「俺は、この2個の弾丸のお陰で、未来の記憶を有している。

 未来そして、別の時間では俺とお前は、戦友だった。」

キャロルは懐から2個の弾丸を取り出し、サクラに見せる。

「‥‥‥は?」

「そして、お前は気の遠くなるような時間を

 戦い、苦しみ、最後は砂時計を壊し、元の世界に帰っていた。」

「ちょっと待って!話についていけない!」

 

サクラは、キャロルの話を遮る。

キャロルの語り始めた内容が、あまりにも突拍子もない話に混乱する。

「俺の未来とか別の時間とか何言ってるの!?」

「アダムから聞いたはずだ。砂時計は、時間に関する全てのことができると。」

「言ってたけど!え?でも俺は出来ないよ?」

「ああ、今のお前は出来ない。

 だが、他の時間のお前は違う。完成された砂時計を使っていたんだよ。」

「‥‥‥仮に俺の砂時計が完全だったとして、

 どうして砕けた砂時計がこの世界にあるの?」

「過程は省くが、過去に砂時計を砕く鍵があったのでな。

 過去に行き、砂時計を砕くことに成功はしたが、」

「砂時計の欠片が残ってた?」

「その通りだ。そして欠片を集めて、

 お前をこの世界に呼んだ奴がいる。」

「‥‥‥アダムさん?」

サクラの言葉にキャロルは頷く。

 

「あいつの目的は、砂時計に宿っている神クロノスの復活だ。」

「じゃあ、シェム・ハ討伐は嘘?」

「いや、目的の一つだ。」

「ええと、キャロルさんはこう言いたいわけ?

 アダムさんが俺をこの世界に呼んだ原因で、

 呼んだ目的は、シェム・ハ討伐とクロノスの復活?」

「そして、クロノスの復活には、お前の肉体も必要だがな。」

「俺の体?」

「思い当たる節はあるだろ?」

キャロルに言われ、つい最近あった出来事を思い出す。

 

「‥‥‥暴走した時?」

「暴走ではなく、クロノスの復活の兆候といえるだろう。

 ‥‥‥だからこそ、時間がないのだ。」

キャロルの顔が、不快感で一瞬だけ歪む。

すぐに真剣な表情になり、サクラに手を差し出す。

「だからこそだ!お前に、これ以上負担をかけさせるわけにはいかん!

 俺の手を取れ!

 お前を絶対に元の世界に帰してみせる!だから!」

「‥‥‥俺は」

迷いを見せるサクラを見て、

「この世界の人間に、罪悪感を覚えるか?」

「‥‥‥それもあるし、

 それに今までの話が、本当か分からない。」

「‥‥‥信じてくれとしか言いようがない。」

 

キャロルの悲しそうな顔に

物凄く複雑そうな顔をしたサクラが質問をする。

「‥‥‥あといくつか聞いてもいい?」

「答えれる範囲でならな。」

「ならアダムさんは、クロノスを復活させて何がしたいの?」

「どんなに調べても、理由は分からなかった。」

キャロルが、悔しそうに言う。

「もし協力するとして、何をすればいいの?」

「ことが終わるまで、寝ているだけでいい。」

「寝るだけ?」

サクラが顔を顰めるのを見て、キャロルが補足説明する。

「お前が起きている間にクロノスが目覚めるかもしれないからな。

 寝ていてもらうこと自体が、助けとなる。」

「‥‥‥戻ったときの時間のズレは?」

 

キャロルは、紙の束を出す。

「安心しろ以前、観測に観測を重ねた結果は、

 お前が居なくなってから、たった5分しか経っていない。」

「肉体が成長してるんだけど?」

「リフラックスバレットで、肉体を巻き戻せば解決する。」

「分解したら、この世界はどうなるの?」

「安心しろ。元に戻す手段は、用意してある。

「‥‥‥少し考えさせて。」

「‥‥‥ゆっくり考えるといい。」

 

サクラを頭を抱えて、その場に蹲る。

(‥‥‥どうしよう。

信じていいのか?俺はどうしたらいいんだ?)

 

 

 

それからしばらくして、サクラはゆっくり立ち上がり、

キャロルの手を取る。

「‥‥‥俺は、情けない奴だと思うよ‥‥‥」

「俺は、そうは思わん。

 逃げるにも勇気が必要だろうさ。」

キャロルが、サクラの顔の前に手の平をかざすと

サクラは、意識を失い倒れる。

「すまないな。一つ嘘を言った。

 ‥‥‥世界を元に戻す方法などない。」

 

 

 

サクラは、スマホを片手に立ち止まる。

(キャロルイベの開始‥‥だと‥‥!?生きて、プレイしなければ!!!)

謎の使命感を持ちながら、日課になっている買い食いをするために

商店街のお肉屋さんへ向かう。

(あそこのコロッケが美味しいから、毎日食べないと気が済まないんだよなぁ。)

後少しで、目的地に着く少し手前で、路上販売をしている

幸薄そうなおじさんがいた。

(珍しいな、路上販売なんて。)

そのまま素通りしようとしたら、

「なぁ、そこの少年、

 冷やかしでも良いから、見ていかないかい?」

「え?」

 

運命は、止まることなく回り続ける。

 




シンフォギアの世界に転移・裏に続くエンドでした。

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未来へ

CSMのギャレン一式が、届いてテンションが上がりまくりすぎて、
寝不足気味デス。
童心に返りすぎて、ビックリした日でした。


サクラを頭を抱えて、その場に蹲る。

(‥‥‥どうしよう。

信じていいのか?俺はどうしたらいいんだ?)

 

サクラは、もう一度キャロルを見る。

キャロルは、何かに耐えるようにじっとサクラを見ている。

(‥‥‥あんな顔を見たら、答えなんて最初から決まってるじゃないか。

立ち止まるわけにはいかない。ただひたすら、前へ進む!)

 

サクラは立ち上がり、

ポケットから取り出したスマホをキャロルに向ける。

「‥‥‥どういうつもりだ?」

「俺は、世界を犠牲にしてでも帰りたいとは思わない。

 そして何より、戦友にそんな事させるわけにはいかない!」

「言っても分からぬ馬鹿ならば、力づくで連れて行く!」

「全力で抗って見せる!

 こい!クロノス!俺はここにいるぞ!」

サクラが砂時計を呼び寄せようとするが何も起きない。

「ふん、無駄なことだ。既に封印は完成している。

 貴様の声に反応すらしない!」

「それでも、諦める理由にはならない!」

サクラの行動に呆れたキャロルは、拘束するために近づこうとしたその時、

空間が割れて鎖で雁字搦めなった砂時計がサクラの前に現れる。

「馬鹿な!何故動く!?」

砂時計をサクラが握りしめると鎖が解け、スマホの中へ入っていく。

 

「いくぞ!俺の全部で!未来を変えて見せる!」

「使う時間すら与えるものか!」

術式を展開して、竜巻をサクラに向けて放つが、

「それはもう届かない!」

ネフシュタンの鎧、アガートラーム、イチイバルの

防御を全て出して、防ぎ切る。

「ありえん!操作する時間すら‥‥‥、

 そこまで浸食が進んでいるのか!?」

キャロルは、サクラの姿を見て驚愕する。

 

左手には大きなスマホの盾と機械の片翼が出ており、

構えたスマホには、『UNLIMITED MODE』と表示されていた。

「思ったよりも行ける。意識もまだある。」

「時間をかけては、いられないということか!」

ファウストローブを纏い、弦で切り裂こうとするが

上から迫る殺気に思わず、後退する。

4本の剣が、誰もいない地面を貫く。

翼のヤントラ・サルヴァスパギアをサクラが、いつの間にか展開していた。

「攻め方を変えるのみ!」

氷柱をサクラの頭上と前と後ろに展開

「この狭い場所では、避けることなど出来ないだろう!」

「‥‥‥避ける必要はない。」

ソルブライトギアの槍を地面に突き立てると

爆発を起こし、氷柱は全て砕く。

 

INFINITY†GLANZ

 

「うまく回避するじゃないか?」

「まだ始まったばかりだしね。」

サクラは、場所を変えるために路地裏から出ると

避難が終わっているのか、人が誰もいなかった。

「好都合っていうのは、まさにこの事だね!」

後ろから迫ってきたキャロルの攻撃を逸らし、

ガングニールとイチイバルのヤントラ・サルヴァスパギアも展開して、

キャロルを追撃する。

「手数を増やしたところで!」

周囲に大量の術式を展開して、全て破壊する。

その隙にサクラが一気に接近して、天羽々斬で斬りかかるが

躱され、ドリルで吹き飛ばされる。

「‥‥‥防がれたか。」

「いや全然、防げなかったよ‥‥‥。」

サクラの体に大きな穴が空いていたが、すぐに塞がっていく。

「そんな体でも、相手に大丈夫と言えるのか?」

「言えるよ。むしろ、

 入院ばっかりしてた時のことを考えると心配かけなくて済むからね。」

「‥‥‥呆れて物も言えんわ。」

術式の威力を上げて、炎でサクラを燃やそうとするが

「燃えるのは勘弁願いたいね!!!」

腕に水着ギアのガングニールを纏って、炎を殴りつける。

 

我流・激流飛翔拳

 

炎を消し去り、二人は睨み合う。

「決着はつかないか‥‥‥」

「‥‥‥そうだね。」

「ならば、奥の手を使ってーー」

「サクラ君、無事か!?」

弦十郎が、サクラのもとに駆けつける。

サクラの姿を見て肩を掴む。

「体は、大丈夫なのか!?」

「え!?えぇと、大丈夫です。」

「‥‥‥本当にか?」

「‥‥‥すごく微妙に大丈夫じゃないです。」

弦十郎の心配する目に罪悪感を感じて話してしまう。

サクラの話を聞いた弦十郎は、キャロルの方を向き、拳を構える。

「なら、早めに片付けないといけないな。」

「‥‥‥貴様と戦う気はない。俺は、ここで退かせて貰うとしよう。

 忘れるな、霧崎サクラ。俺は絶対に諦めん!」

キャロルは結晶を投げて、この場から居なくなる。

「絶対止めて見せるよ。」

サクラは決意を新たに空を見ると夕日が出ていた。

(あ、これは暴走するかな?)

サクラはゆっくりと弦十郎と向き合う。

「む?サクラ君どうした?」

 

サクラは、弦十郎に完全再現を行い

RN式回天特機装束を纏って貰う。

「そろそろ暴走するかなぁと思って、ギアも解除できませんし」

「‥‥‥そうか、安心して欲しい。絶対に止めて見せる。」

「ありがとうございます。」

日が落ち、夜になるが、

「‥‥‥なんともないですね?」

「ああ、何か変化はあるか?」

「いえ、今のところは、むしろ調子がいいぐらいです。」

「だがギアが解除出来ないのが、気になるな。」

「そうでーー#@¥34。¥€£〆」

サクラがいきなりクロノスになり、弦十郎に向かって鎌を振るう。

弦十郎は指の力で、鎌を止める。

「€££€〆&※_++!?」

「ふん!!」

鎌を弾き、クロノスの胴体に拳を撃ち込み、吹き飛ばす。

「ふむ、手応えはあるが傷はすぐに癒えるか。」

クロノスが、鎌を再度構えて弦十郎に突撃する。

大振りの鎌を避けるが、弦十郎の頬に切り傷ができる。

(避けたはずだが?いや、時間を操るという事は、

当たる未来でも呼んだか?SF映画でそんな設定があったな。)

裏拳で、鎌を空へと打ち上げる。

「ーーーー?」

クロノスは、鎌を持っていた感触が急になくなったことに

疑問を感じ、手の平を見る。

その隙を弦十郎は見逃さない。

「悪いが、サクラ君を解放してもらおうか!」

 

俺式・剛衝打

 

拳が先程以上の威力で、胴体に突き刺さる。

体が、くの字になり飛んでいくクロノスに追撃する。

「うおぉぉぉぉおおおおお!!!」

 

俺式 断空裂破掌

 

サクラの顎に拳が突き刺さり、空へと打ち上げられる。

(‥‥‥星が綺麗だな‥‥‥)

最初の一撃で、意識の戻ったサクラに追撃が刺さる。

 

 

目が覚めた俺がいたのは、いつもの医務室だった。

「‥‥‥ですよねー。」

体を起こすが、顎とお腹から痛みが全身に走る

「あがぁ!?」

(時間巻き戻して怪我はなくなるのに拳の痛みだけ残るとか!?

どんな拳だよ!!!!)

痛みに悶えていると切歌と調が入ってくる。

「サクラさん、お見舞いに来たデ‥‥‥目が覚めたんデスね!」

「良かった。司令が抱えて帰ってきたから心配だった。」

「あ、ああ‥‥‥なんとかね。」

「なんでそんな姿勢?」

「辛くないデスか?」

顎とお腹を手で抑えて足が、天に向かっている状態だった。

「いや、この姿勢が一番楽なんだ‥‥‥」

二人が、サクラに背を向けて小声で話す。

「私たちも暴走したらあんな風に止められるデスか?」

「その可能性大」

「‥‥‥絶対成功させるデスよ。」

「うん‥‥‥意地でも成功させる。」

「何か用があったんじゃないのかな?」

サクラに声をかけられ、向き直る。

「サクラさんにお願いがあってきたデスよ!」

「イグナイトモジュールを使いこなすために

 私たちと戦って欲しいんです。」

「え、なんで?」

「サクラさんなら、暴走しても止めてくれそうだから」

「デス!」

「‥‥‥俺も暴走したばかりなんだけど」

「司令が、見ててくれるらしいデス!」

「暴走しても大丈夫!」

弦十郎がいるという事を聞いたサクラは、すごく苦い顔をすると

二人の顔が、みるみる落ちこんでいくのが見えたので、

「‥‥‥まぁ、二人がそれで満足するなら、手伝うよ。」

「ありがとうございます。」

「後で迎えに来るデーース!!」

サクラが了承した事で、二人は笑顔で出て行く。

(また、ぶん殴られるのか‥‥‥)

 

サクラはスマホを取り出し、『UNLIMITED MODE』について調べる。

「なになに、『UNLIMITED MODE』は、

 完全再現の対象が、3人から10人に変わり、

 範囲は、100mから40km²になります。

 さらにスマホ操作せずに変更もしくは追加が可能。

 電力消費による時間制限も無くなります。

 ‥‥‥これだけでも十分強い。」

サクラは、下にスクロールすると

「後一個は、‥‥‥怪我の瞬時回復

 傷も痛みもなくなります。

 ‥‥‥痛みに関しては、絶対嘘だ。」

別の画面を開き、

「40km²って、どれくらいなんだろう?」

ネットで調べてみると

「町一つぐらいかな?」

いまいち良く分からなかった。

「とりあえず、広いってのは分かった。うん」

 

スマホを閉じると未来とセレナが入ってくる。

「サクラさん!やっと目が覚めたんですね!」

セレナが、サクラの手を取り喜ぶ。

「もう動いてもいいんですか?」

「うん、痛みはあるけど、大丈夫だよ。未来ちゃん。」

未来が、少し遅れてベッドの近くにあった椅子に座る。

「私もすごく心配したんですよ!」

「うん、見ての通り大丈夫だよ!」

サクラは、元気の証に力瘤を作ってみせる。

「あまり無理はしないでくださいね?」

「うん、ありがとう。」

未来は、サクラが空元気なのに気づき、釘を刺す。

「サクラさん!消化の良いものを持ってきたので、食べてください。」

「え?ありがとう、丁度お腹が空いてたんだ。」

「私と未来さんで、選んだ物です。」

セレナが、紙袋からフルーツゼリーを取り出す。

「美味しそう‥‥‥え〜と、渡して欲しいなぁ〜」

「ダメです。少しでも楽にして貰うために

 あ〜んしてあげます。」

セレナが、ゼリーの蓋を開けて、

スプーンで掬ったものをサクラに向ける。

「はい、あ〜ん」

「あ、あ〜ん」

サクラの口にゼリーが入ってくる。

「どうですか?美味しいですか?」

「んく、うん美味しい、良いやつじゃないのこれ?」

未来も嬉しそうに話を始める。

「はい、みんなで選んだので、お口にあって良かったです。

 ‥‥‥本当は、響にも食べて欲しかったですけど。」

未来が段々と落ち込んでいく。

「‥‥‥未来さん」

「‥‥‥響ちゃんのお父さんのことでかな?」

「‥‥‥はい、とても落ち込んでました。」

「‥‥‥そっか。でも、いつもの元気な響ちゃんに戻るよ。

 きっとね。」

それからの会話は、当たり障りのない日常の話をして過ごした。

 




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模擬戦

お久しぶりです。
書き方こんな感じだっけ?っと思いながら
書いたので違和感あるかもしれません。
そこは申し訳ありません。



模擬戦する為に現在

使用されていない採石場に来ていた。

「うむ、ここでなら暴れても人に

 迷惑をかけることはないからな。」

弦十郎さんが、RN式回天特機装束を

装着した状態で腕を組む。

「確かにここなら」

「暴れても大丈夫デス!」

「誰かを怪我させるよりはずっといいですね。

 じゃあ、始めようか。」

 

サクラは、UNLIMITED MODEを起動して二人と向き合う。

サクラの姿を変わったのを見て二人は慌てて、

ギアを纏い身構える。

 

3人の準備が出来たのを確認した弦十郎が、

「では、両者始め!!!」

ドラを鳴らし開始の合図を出す。

「え?なんでドr」

サクラは、思わずドラに意識を向けた瞬間

切歌の鎌が、サクラの首に目掛けて振るう。

「あぶな!?」

体を大きく逸らして避けると真上から調の大きな鋸が迫る。

「当たって!」

「当たったら大怪我じゃ済まないじゃん!」

天羽々斬を出して、攻撃して弾く。

そこに切歌が追撃をする。

「デーーース!!!」

「はや!」

両腕にガングニールを纏い、白羽取りをして切歌を

調へ向かって投げる。

投げられた切歌を調は、受け止める。

「大丈夫?」

「助かったデス」

「そこ!」

二人にイチイバルのミサイルとヤントラ・サルヴァスパギアで

火力で押し切るが、煙で二人の姿を見失う。

「見えなくなったな。」

「そこ!」

「もらったデス!」

煙から出てきた二人が、

棒立ちになってるサクラを挟み撃ちにして迫るが、

 

天ノ逆鱗

 

二人は目の前に現れた剣にぶつかり止められる。

「っ!?」

「あいた!?」

剣がなくなったと同時にネフシュタンの鞭で、

二人を掴み、投げ飛ばす。

 

3人が戦っているのを弦十郎が静かに見ていると、

見学したいと着いて来た未来が質問する。

ちなみにセレナは、本部待機を命じられている為不在。

「弦十郎さん、この模擬戦は、どちらが勝つと思いますか?」

「ん?そうだな。このまま戦ってもサクラ君が守りに徹して

 時間切れに持ち込まれるだろうな。」

「時間切れですか?」

「うむ、以前のサクラ君なら戦う時間に制限があったが今はない。

 だが切歌くんと調くんの方には、時間に限りがあるからな。

 このまま長期戦になれば、」

「不利なのは二人なんですね。」

「ああ、しかしサクラ君の守りを崩すために二人に今必要なのものは、」

「‥‥‥イグナイトですね。」

「その通りだ。そして、今使う覚悟を決めたみたいだな。」

未来は、弦十郎の言葉に切歌と調のいるところを見る。

 

切歌と調は、何度か攻め方を変えてみたものの全て

サクラに防がれてしまった。

「守りが硬い。」

「そうデスね。崩そうにも調と分断されちゃうデスよ。」

「うん、コンビネーションをうまく潰してくる。」

「‥‥‥使うしかないデスね。」

「やろう。切ちゃん。」

二人は手を繋ぎ、コンバートを手にする。

「イグナイトモジュール、抜剣!!」

「イグナイトモジュール、抜剣デーーース!!」

二人の胸を容赦なく貫く

「ぐぅうう!強く‥‥なるんだ!!」

「がぁあう!?そうデス!強くなって」

「今までしたきた事を謝るんだ!!」

 

二人が黒く染まっていくのをサクラは見守る。

(‥‥‥今、切歌ちゃんを手紙の事で弄ったら、暴走するのかな?)

「‥‥‥‥いや、うん、やめとこう。

 わざわざ面倒を増やす必要はないしね。」

「はぁあ!」

「デーース!」

二人が黒いギアを纏い、正面からサクラへと斬りかかる。

「それは同じことの繰り返しだよ。」

サクラは、ネフシュタンの鞭で分断しようとするが、

「そんなことはないデス!」

「今度は届く!」

鞭を砕かれ、そのままサクラに肉薄する。

「さっきよりも早い!」

さっきまで翻弄されていた二人が、サクラを追い詰めていく。

「逃がさない!」

「もらったデス!」

調に逃げ場を封じられたサクラに切歌が、鎌を振り下ろす瞬間

 

カーボンロッドが、3人を吹き飛ばす。

「あたしも混ぜて欲しいんだゾ!」

飛ばされた3人はなんとか立ち上がる。

「二人共、大丈夫?」

「なんとか大丈夫です。」

「ちょっと痛かったデス。でも」

「オートスコアラーがなんでここにいるのかだね。」

「それは決まってるんだゾ!

 お前達をバラバラにするためだゾ。」

「弦十郎さんもここにいるのに?」

「それは地味に対処済みだ。」

「ん、んーー!!」

崖の上に立っていたレイアの方を見ると布で、

口を塞がれた未来が捕まっていた。

サクラは慌てて弦十郎の方を見るとアルカノイズに囲まれていた。

「すまん!目を離した隙に!」

「いえ、それよりもなんとか助けないと!」

「人質取られたままじゃ、戦えないデス!」

「ミカを突破しないといけないけど、」

 

未来をどうにか助けようと考えていると

レイアが、口を開く。

「小日向未来の解放条件は、ただ一つ

 ミカの戦いに風鳴弦十郎と霧崎サクラが参戦しないこと

 ミカが勝っても負けても無事に解放することを派手に約束しよう。」

「それを信じると思うの?」

サクラがレイアを睨みつける。

「いいや、こちらの要求を地味に聞くしかないだろうな。

 小日向未来の命が大事だろう?」

レイアが、未来の首に手をかざす。

「はぁ〜、で二人の戦いの邪魔をしなきゃいいんだね?」

「ああ、それでいい」

サクラは、切歌と調から距離を取る。

「ごめん、力を貸せそうにない」

「大丈夫デスよ。」

「絶対勝ちます。」

二人は、サムズアップしてミカと相対する。

 

ミカがカーボンロッドを切歌めがけて振り下ろす。

「じゃあ、戦いの始まりだゾ!」

「今度こそ勝つデス!」

「二人で乗り越える!」

カーボンロッドを切歌が捌き、調が切り刻むために

攻撃するが避けられる。

「おお〜前よりもパワーがあって楽しいゾ!」

「まだまだいくデスよ!調!」

「うん、攻めていこう!!」

 

サクラは、激化する戦いを見ていた。

「すごいな。二人とも

 向こうも色々と凄いことになってるけど」

二人から視線を動かすと弦十郎がアルカノイズの大群をものともせず、

消滅させていく。

アルカノイズを新しく召喚されるが、すぐに消滅

召喚、殲滅、召喚、殲滅が繰り返され

とうとうアルカノイズが出てこなくなった。

「‥‥‥あれを見るとやっぱり勝てる気しないよね。」

「だが貴様がいなくなれば、脅威ではないがな。」

「っ!?だれーーー」

急に声をかけられ後ろを振り返ろうとした瞬間に意識が飛んだ。

 

キャロルは、倒れたサクラを見て息を吐く。

「ふぅ、とりあえずあの人間かどうか怪しい男は無力化できるはずだ。

 後はミカとレイヤに任せるとしよう。」

キャロルは結晶を投げて、サクラを連れ去った。




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模擬戦 お手紙ルート

切歌と調は、何度か攻め方を変えてみたものの全て

サクラに防がれてしまった。

「守りが硬い。」

「そうデスね。崩そうにも調と分断されちゃうデスよ。」

「うん、コンビネーションをうまく潰してくる。」

「‥‥‥使うしかないデスね。」

「やろう。切ちゃん。」

二人は手を繋ぎ、コンバートを手にする。

「イグナイトモジュール、抜剣!!」

「イグナイトモジュール、抜剣デーーース!!」

二人の胸を容赦なく貫く

「ぐぅうう!強く‥‥なるんだ!!」

「がぁあう!?そうデス!強くなって」

「今までしたきた事を謝るんだ!!」

 

二人が黒く染まっていくのをサクラは見守る。

(‥‥‥今、切歌ちゃんを手紙の事で弄ったら、暴走するのかな?)

「はいけい、みなサマへ

 えっと、なんといいますか」

サクラは目を瞑り、手紙の内容を思い出しながら

音読を始める。

それが必死に耐える切歌の耳に響き渡る。

「‥‥‥え?」

「切ちゃん、手を離さないで!」

切歌は余りの衝撃に調との手を離してしまう。

「デ‥‥‥デーーーーーーーーーーーース!?!?!!!!」

「切りちゃ‥‥アァアアアアア!!!」

調は黒く染まり、暴走状態に陥る。

暴走した状態で採石場の壁に向かって攻撃を始めた。

 

サクラは突然の轟音に目を開けると

切歌が目の前にいた。

「‥‥‥デス」

「‥‥‥え?」

「流石に怒るのデスよ!!!」

切歌が、怒りに任せて暴走状態になりサクラを殴りかかる

迫る拳に思考が追いつかないサクラの意識はそこで途切れた。

 

目が覚めるとベットの上にいて弦十郎さんが病室に入ってくる。

その顔には静かな怒りを持ち、お説教と拳骨1発

次に本気で怒っているマリアさんが入ってきて、

ありがたいお怒りのお言葉を頂きました。

 

そのあと動けるようになった俺は

切歌ちゃんと調ちゃんに会いに行った。

「本当にすみませんでした!」

サクラは、土下座する勢いで頭を下げる。

「つーーんデス!」

「ぷいっ」

もうそれはご立腹な二人は、サクラを見ることなく

その横を通って行った。

あまりのショックに崩れ落ちた。

(いや、自業自得だったけども‥‥‥)

しばらく口を聞いてもらえなかった。

 

その後も色々と気まずい雰囲気の中、キャロル一行との戦いも

終止符を打ったが、まだ許して貰えなかった。

それから1ヶ月二人に謝り倒して、ケーキバイキングでお許しをもらいました。

 

そしてサクラは、笑顔でケーキを食べる二人に一つの教訓を胸に刻んでいた。

「このケーキ美味しいデスよ!」

「うん美味しいね。」

(人にはどんな時だろうと触れてはならないと物がある。

好奇心は猫を殺す。あんな気まずい思いはもう勘弁だよ。)



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