FGO<妖艶なる百合花>獲得攻略 (ほわいとぬう)
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キャラクタークリエイトと目的

 多くの兄貴たちの動画を拝見致しまして感銘を受けましたので、初SSチャレンジです。
 読みづらい部分もあると思いますが温かい目で見守って頂ければ幸いです。



  今回走るのはFate/Grand Order RPGをプレイしていきます。

 先駆者兄貴たちは様々な称号を獲得しながらのプレイとなりますが

 今回挑戦するのは<妖艶なる百合花>の獲得してのクリアです。

  RTAとしていきたいところですが残念なことに走者の実力では頑張っても

 現在の兄貴たちの記録には到底追いつけないと思われるので今回は通常プレイです。

 淫夢要素は、にわかなのでないです。

 

  まず、最初にこの称号の獲得条件ですが、女性主人公で

 女性サーヴァント7人以上とおせっせすることにより獲得できます。

 その内容からこの称号はPC版限定となります。ですがシーンはカットします。

 称号獲得上の注意は後程説明していくのでとりあえず

 イクゾー!  デッデッデデデデ! (カーン)

 

 

  さっそくキャラクタークリエイトのお時間です。

 まずは男女を選ぶわけですが、当たり前のごとく女です。

 ここで男を選ぶと今回の趣旨と反してしまいますからね。

 

  体系や顔に関してはランダムでにしときます。このRPGはランダムでも

 最低限の顔立ちは保障されるのであしからず。

 あ、主人公は高校生にしておきます。

 

 

 名前は本田 陽子 (ほんだ ようこ) 略してほよにします。

 

 

 それではゲームスタート

 

 

  このゲームをプレイした皆様はお判りでしょうが、主人公は魔術師家系と

 一般人家系のどちらかでスタートします。今回は旦那1号との仲を早めに深めるために

 一般人を狙います。

 ちなみにこの旦那ですが、本RTAもどきでほよちゃんと関係を持った及び

 走者が狙っていく女性鯖を今後このように言っていくのでお願いします。

 なので称号獲得までに最低限旦那は7号まで居ることになります。

 一夫一妻制に反抗していくスタイルです。ええ。

 

 RTAを投稿されている先駆者兄貴の説明にもありますが、男なら隠しステータスの筋力、

 耐久値に補正がかかります。

 対して女の場合は敏捷と魔力に補正がかかるので微々たるものですがその魔力上昇に

 助けてもらいます。

 そもそも一般人なら魔力なんかあってもと思われる方も多いと思いますが、たまーに

 一般人とは思えないほどの魔力を持つ場合があるので旦那の無茶に耐えられます。

 

 

  もう一つ一般人を狙う理由としましては初期技能の選別を行いたいからです。

 ここで狙うのは所謂歴女ですね。ワンちゃん初期から触媒があるので。

 

 

 >カーテンの隙間から差し込む光で目を覚ます。目が覚めてしまったが、まだ眠たい。

  昨日夜遅くまで本を読んでいたせいだろう。

 >ベッドから体を起こし、時計を見ると登校までにはまだ余裕がある。自分の部屋から

  出て母親が居るであろう1階のリビングへ向かう。

 

  ここまでの導入だと大富豪のお嬢様という線は消えますね。ただ、まだ魔術師の家系

 が完全に消えたわけではありません。ただ、本を読んでいたという文章から何かしらの

 勉学に関する技能があることは確定しました。

 

 >リビングに居る母親に挨拶をすると呆れたような顔をされる。

  「陽子、あなたまた夜遅くまで歴史の本読んでたでしょ。勉強が好きなのは良いけれど

   ほどほどにしなさいね。」

 

  やりました。歴女です。自分の運の高さに惚れ惚れします。

 嘘です。このほよちゃんを出す前にここで10回はリセを挟みました。

  さて、朝食を食べてる間に初期技能とアイテムを確認。

 初期技能は歴史好き、勉強家、策士の3つですね。これは嬉しいオマケが付いてますね。

  まず、勉強家ですがこれは読んで字のごとく他人から何かを教えて貰うときに

 習得の確率が高くなります。また、相手からの印象もよくなります。

  次に歴史好き、これは相手の真名が看破出来る確率が申し訳程度に上がるのと

 その人物に対する知識が多少持っている設定になります。

  そして嬉しいオマケの策士。これはそこそこの知力がないと手に入らないスキルでして

 戦闘面で味方に対して多少ですがバフがかかります。さらには王様や将軍といった鯖から

 優秀な軍師として扱われる事があるので好感度を稼ぎやすくなります。

 ただ、ネチネチと言いすぎると口うるさい奴として抹殺されます。

 アイテムに関しては、触媒は無いですね。

 

 >ゆっくりと朝食を食べてから身だしなみを整える。

  鞄の中を確認して忘れものがないことを確認して外へと出る。

 

 

  学校に行くパートに入りますがここで今後の難易度を左右する運ゲーが待ってます。

 一般人ルートを通った兄貴達を大いに苦しめた幼馴染の存在です。

 高確率で藤丸立香と幼馴染となるわけですが、それは仕方ないとして問題は好感度です。

 今回ほよちゃんは女ですのでぐだ男と幼馴染になると思いますが好感度が高いとですね

 ほよちゃんは自分の旦那(鯖)とイチャコラするのでぐだ男君の精神がすり減ります。

 下手すると勝てもしない旦那に喧嘩を売ってコロコロされます。

 そうするとクリアは絶望的です。なので好感度は低めでお願いしたいところです。

 

 >外へ出ると丁度家の前でインターフォンを推そうとしていた男と目が合う。

  ちょっとツンツンとした黒い短髪の男の子、底抜けにお人よしといった顔

  私の顔を見るなり笑顔で手を振ってくる。

 

  「やあ、陽子。眠そうな顔してるね。努力家なのはいいけど、もっと自分を大切にしなよ。」

 

 >どの口が言うんだ。と思いつつ私は幼馴染の言葉に気を付ける。と返し学校へ向かうのであった。

 

 

  どうしよう、好感度が高い(こなみかん)

  そして、現実は非常である。

  なら、これ以上好感度を稼がない方針で進めて行くしかないですね。

 

 

「そういえば、陽子が好きそうな歴史の期間限定での博物館のチケット手に入れたんだけど

 週末どうかな?」

 

  このぐだ男、優秀である。その女の子の好きなものをしっかり覚えといてデートに誘う。

 ギャルゲーなら攻略までの選択肢を的確に最速で選んでくる。

 これをされると好感度を稼がれる他、週末の予定も埋まるので

 リカバリーをしていかなければ....

 

 今後の展開が辛いですが今回はここまでとさせていただきます。

 ご視聴ありがとうございました。

 

 




 SSの文章量ってこのぐらいでいいんですかね。
 更新ペースは遅いと思います。
 R-18シーンは書けないのでカットします


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カルデア入り前の育成方針

 お気に入り登録していただいた方ありがとうございます。
 お陰様でモチベーションアップ致しましたので続けます。


 

 

  前回、ぐだ男がほよちゃんを攻略しに来ました。

 しかもパーフェクトコミュニケーションです。

 ちなみに好きなものをちらつかされているので

 ほよちゃんに断わる選択肢はないです。(無慈悲)

 

 >せっかくの彼の好意を無駄にする訳にも行かず、誘いに対して首を縦に振る。

  渡されたチケットの内容はアーサー王伝説に係るものだ。

 

 

 .....。すみません少しフリーズしていました。ぐだ男が有能すぎるので。

 

  えーと、お先に話しておきますとこの展示会は当たりの部類です。

 展示会で触媒を手に入れることは不可能に近いですが、今回は勉強家があるので

 気持ち程度ですがその鯖に対する召喚確率が上がります。気持ち程度ですが....

そして今回はその本人を狙いに行くので嬉しい誤算です。

 一応円卓の騎士全員の確率が上がるのでデメリットでも少なからずありますが、

 お目当ての鯖への確率が上がるなら問題ないです。

 

 >私たちは他愛もない話をして学校へ向かう。いつも通りと変わらない日常だ。

 

 

  流石に登校パートではイベントが起きるときついので何もなしでOKです。

 学校に着いてからはぐだ男と別れたところを見るとクラスは違うみたいですね。

 授業に関してはほよちゃんは勉強家なので真面目にしていますね。

 

  さて、とりあえず今後の育成方針についてお話していきたいと思います。

 まずは、学校生活ですが放課後は基本的に図書室に引きこもります。

 そこで色々と漁ることによりほよちゃんに追加の技能獲得を狙います。

 具体的には応急手当、交渉人の2つです。技能の獲得については完全に

 ランダムですのでここで取れなくても致命的ではありません。

 とりあえず、今回は知識面でのアプローチで未来の旦那を手にする方針にします。

 まあ、前回も少しお話ししましたが策士があるので軍師としてほよちゃんを

 可愛がってもらう作戦にします。

 なくても勉強家があればなんとかなりますので参考までにどうぞ。

 後は、期限の長い食料(お菓子)の調達とランダムで起きる触媒の

 確保でしょうか。

 

>1日の終わりを告げるチャイムが鳴る。さて、これから私はどうしようか。

 

  はい、放課後になりましたのでぐだ男君に見つかる前に図書館に逃げ込みます。

 私の予想が正しければぐだ男は好感度が高いからこそ勉強中のほよちゃんに

 話しかけて来ないと予想します。

 ほよちゃんは勉強好きだから邪魔しちゃ駄目だと思うはずです。

 そうと決まれば図書室へ駆け足で向かいます。

 

 しっかし、先駆者兄貴達の動画を見た後だとほよちゃん遅いですね。

 この速さだと、高速ローリングは夢のまた夢ですね(ダクソ感)

 ぐだ男にまた予定を詰め込まれる前にどこかに遠出して

 少し鍛えておきましょうかね。

 後はぐだ男とエンカウントしないことを祈るばかりです。

 

 

 >図書室についた私はいつも通り、教科書とノートを広げる。

  まずは今日の復習だ。

  そのあとは興味のある本を読んでいくことにしよう。

 

 

  よし、無事にぐだ男から逃げ切りました。もし出会って一緒に帰ることになれば

 また好感度調整が大変になります。

 下手に断わることでもすれば、ぐだ男が精神的ダメージでほよちゃんに

 近寄らなくなって結果、カルデアに行けない場合もあります。(3敗)

 ほんとこのRPGは良くも悪くも何が起きるか分かりませんからね。

 下調べが足りないのも確かですが、そこはご愛敬でお願いします。

 ちなみにこの図書室ですが、天文学的な確率でいあいあな本を

 見つける人いるらしいですね。私は見つけられたことありませんが。

 

 

 >気が付けば図書室の窓から見える景色はすっかりと暗くなってしまった。

  時計も午後7時を過ぎている。図書室が閉まる前に帰る事にしよう。

 >今日は自分でも達成感を感じる出来だった。

 >体力が減少した

 >ストレス値が微増した

 >知力が上がった

 >器用さが上がった

 >器用な手先の技能を獲得した。

 

 

  ほよちゃん。君なんの本読んだの?本を読んだだけで器用になる本って何?

 まあ、なんにせよ技能の獲得は喜ばしいことです。

 色々と出来た方が優秀な軍師になれますからね。

 この後も色々と行きたいところはあるのですが、ほよちゃんは体力がないので

 家に帰って母親のご飯で回復しましょう。

  帰り道ですが低確率で街の不良に絡まれるとほよちゃんの能力だと負けます。

 なんならその後襲われて男性恐怖症になってぐだ男を遠ざけてGame Overです。

 スタンガンか痴漢撃退スプレーがあれば戦えますが普通のJKがそう都合よく

 持っていないので結局遭遇しないようにお祈りです。はい、いつも祈ってます。

 

 >家に帰るために曲がり角を曲がると走ってきたのであろう人と

  ぶつかってしまった。

 >ごめんなさい。と謝るがその人は私を見るなり走り去ってしまった。

  ただ、黒ずくめのその人はゆうに190cmを超えるであろうその姿に

  私はしばらく立ち上がることが出来なかった。

 

 

 あ、イベントが発生しましたね。敵では無さそうなので問題無いのですが

 なんでしょうね。

 

 

 >その人が走り去った後、私は自分の足元に何か落ちているのに気が付く。

  小さな布袋に入った何か。袋の入り口は厳重に縛ってあって開きそうにない。

 >落とし主を探そうとしてももう走り去ってしまった後だ。警察に届けようとも

  思ったが、なぜかこの布袋を手放そうという気になれない。

 

 >謎の布袋を入手しました。

 

 

  これは、多分何かの触媒ですね。ただ、怖いのが袋に入っているのが何かという

 ことですね。本当にランダムなので召喚してみるまで分からないんですよ。

 うーん、とりあえずこれが女性鯖の触媒と信じてここは続行します。

 これで最初の鯖が男性ならリセットすればいいだけの話ですし

 

 触媒も手に入ったことですので今回はここまでにしておきます。

 ご視聴ありがとうございました。

 





 全然お話が進まなくて申し訳ありません。次回でカルデア入り前までは行きたいと
 思っています。


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カルデア入り前最後の日常

 まだ、投稿に慣れていないのでぐだぐだな部分もありますが
 頑張りたいと思います。


 前回触媒的なものを拾って、それが何かを確かめるすべがないので

 残りの日常で出来ることをやろうというところで行きましょう。

 

 

  さて、ひたすら勉強を続けても悔しいことに技術習得できず

 見どころがないので週末のぐだ男イベントまでカットします。

 ここで皆様に1つ謝罪があります。ここでのイベントでアーサー王関連の

 人たちの召喚確率を気持ち程度上げると申しておりましたが、

 触媒を手に入れてしまった今、かなり無意味になりました。

 大事な1体目の鯖がこれで確定しているためです。

 つまりこれから始まるイベントはぐだ男との好感度が上がるだけのイベント

 ガバガバのガバです。ちなみに本人がこれに気づくのは特異点Fに行ってからです。

 ですのでこれから好感度上昇を最小限にとどめようとするほよちゃんの雄姿を

 ご覧ください。

 

 

 >今日は休日。いつもならば昼過ぎまで寝てしまおうかと考えるけどそうもいかない。

  彼に前々から誘われてしまっているのだ。1度行くと言ってしまったからには

  当日のキャンセルなどは出来ないし、するつもりもない。

 

 >それに私自身、最近はことあるごとに図書室に行っていた気がするし

  この外出はいい気分転換になるかもしれない。

  身だしなみを整えて鏡で自分の姿を映す。変じゃないよね?

 

  ほよちゃんは意外と乙女でした。だけど男にドギマギするのは今の内だけです。

 好感度は上げたくないですが糞ダサジャージで仕掛けてぐだ男にドン引きされて

 献血イベントが無くなるのはNGなので我慢です。

  さて、おめかしして集合時間に遅刻することによって悩んだアピールも

 良いですがほよちゃんは多分時間前にきっちり来る女の子だと思うので

 集合時間の10分前ぐらいには着いておきましょう。といってもぐだ男が迎えに来るんで

 玄関開けて外に出るだけでいいんですけどね。 

 

 

 >少し早いとは思うが家を出る。玄関を開けるとそこには同じく早く来たのであろう

  彼の姿があった。さらに言えば私の家のインターフォンを押そうか悩んでいるみたいで

  指を近づけては時計を見て戻している。そんな姿が心なしか可愛く見えてくる。

  

 >もう少し見ておこうかと考えはしたが、彼が私に気づき、慌てて挨拶をしてくる。

  「お、おはよう! 陽子。えっと、いい天気だね!」

 

 >空を指さす。あいにく今日は曇りなのだ。過ごしやすい気候なので気にはしないが。

 

 

 >空を見てまた慌てる彼。全く幼馴染なのだからそんなに緊張しなくてもいいと思うのだが。

  「立香、今日はよろしくね。」

  とりあえず私は彼に道案内を頼むことにした。

 

 

  博物館に向かう前での間ですが、ぐだ男のいい笑顔を前に

 少々申し訳なさを感じてしまいますね。

 なぜなら博物館に着いたが最後、ほよちゃんはお勉強してもらいますからね。

 職員さんは勿論、追加で音声案内のオプションまであれば万々歳です。

 さあ、ぐだ男よ。本気のほよちゃんを見るがいい。

 

 

 >博物館に着いた私たちは、係員にチケットを見せて中に入場する。

  入り口の案内図を確認し彼と見学するルートを決める。

  さらに500円で音声案内のオプションまで付けられるようだ。

 

  はい、来ました。ここは迷うことなく500円払います。ついでに勉強家のほよちゃんは

 基本的にメモ帳とペンをセットしているので取り出します。

 というわけで、見学を始めるわけですがぐだ男的にはほよちゃんが勉学モードに入っても

 いい顔が見れるはずなのでそれで満足してもらいましょう。

 ぐだ男、君の作戦は半分正解だが、半分は不正解だ。相手がガチだと案外入る隙がない。

 とは言ってもぐだ男もぐだ男で楽しんでもらいましょう。

 なんたって剣のレプリカや鎧のレプリカを見て興奮しない男の子は居ないからね(偏見)

 合体ロボとドリルが男の子のロマンですし、これもきっと男の子のロマンです。

 

 

 >しばらくして、ふと時計を見ると丁度正午を指していた。空腹が私の集中を邪魔してくる。

  彼の方を振り返ると、丁度彼も私に休憩を提案しようとしていたみたいだ。

  「ごめんね。気を使わせちゃって。」

  ただ、これまでの時間はすごく充実した時間になったのは確かだ。

 

 >知力が上がった。

 >兵装見識の技能を獲得した。

 

 あ、いい技能を獲得しましたね。この兵装見識ですが、相手の武器や防具を見たときに

 それがどういった物かを認識することが出来ます。そのまんまですが案外役に立ちます。

 解り易い例を挙げると2章セプテムでローマ兵を見たときに剣とか槍の大体のリーチが

 理解できるとかですね。あ、勿論ですが鯖達が持つ武器は無理です。解りません。

 聖剣とか魔槍といった物には常識が通用しませんからね。あくまで常識が通じる武器だけです。

 

 >私の謝罪に対し、彼は笑顔で応えてくれる。

  「俺なら大丈夫だよ、確かこの建物は中にカフェがあるしそこで何か食べようか。」

  言われるがまま彼の言うカフェで私たちは昼食をとることにした。

  ついでにご飯を食べたら今度は立香が楽しめそうな場所でも行こうか。このままだと彼に

  流石に悪い気がしてた。

 

 

 一応こうなった場合ぐだ男を無視することは出来ますが、無視しない方がミニゲームが発生する

 可能性が高まりますのでここは選択肢でぐだ男にも楽しんでもらいましょう。

 正直技能が一つ増えた時点で勝ちですし。

 というわけでぐだ男に気を使った結果バッティングセンターに連れてこられました。

 ミニゲーム発生ですね。さて、先に言っておきます。ほよちゃんじゃ勝てません。

 元々一般人女性という筋力の値がかなり低いスタートに加え

 図書室への逃げ込みで確信しました。

 ほよちゃんは筋力と耐久値がほぼ最低値に近いです。ですのでこのミニゲームはどうやったって

 クリアできません。下手にタイミング合わせてバットにボールを当てると腕を怪我します。

 ですので、やることはただ1つ。全力で空振りします。

 

 >彼とバッティングセンターに来て球を1セット分のお金を払う。

  打ち出される球に対して、思い切り腕を振るが当たる気配がない。

  「陽子、次はもう少し早く振ってごらん!」

  彼のアドバイスを聞き頷く。次はもう少し早く振って....当たらない。

 

 

 というわけで1セット25球全て空振りしたほよちゃんの雄姿でした。

 交代でぐだ男ですがアイツめっちゃ打ちますね。普通にすごいですね。

 ミニゲームは惨敗ですが、筋力がほぼ最低なほよちゃんですと

 

 >彼との勝負に負けてしまった。普段慣れないことをしたので疲れを感じる。

 >スタミナが激減した。

 >スタミナの最大値が少し上がった。

 >筋力が上がった。

 

 

 とこのように色々と上がってくれます。ただ、上がったといっても男性の最低値には

 まだ勝てません。解り易く言うと一般人男で文科系で始めたとしても今のほよちゃんより

 筋力はあります。ほよちゃんを軍師にするための弊害でもありますね。

 それに比べて今回のぐだ男はかなり優秀ですね。ぐだ男の能力は大体平均的な形になるんですが

 この感じだとフィジカル面は大丈夫そうですね。

 むしろ下手に誰かを庇ってダメージを負いそうです。

 まあ、その辺はカルデアに入ってからにしましょう。

 後は見どころがないので倍速で進めて帰って風呂入って寝ましょう。

 

 

 

 >朝、いつもの時間に目を覚ますと腕に痛みが走る。昨日はしゃいだせいだろう

  筋肉痛だ。腕を上げるのも辛い。

 

 

  はい、ここまでは予想通りです。この日は大人しく学校行って帰り際に

 先駆者兄貴の走りに従い食料調達(お菓子)をしに行きましょう。

 というよりこの日が自由行動の最終日になりそうなのでそろそろ買っとかないと不味いです。

 ここで武器は調達しないのか。と思われた方もいらっしゃると思います。

 結論から言います。武器は調達しません。理由としましては、ほよちゃんが武器買ったところで

 この筋力ではまともに扱えません。ただのナイフぐらいなら扱えるでしょうが、

 そんな武器と能力じゃ勝てる相手なんていません。なんだったら下手に武器を持ったせいで

 遅い動きがさらに遅くなります。というわけでカットです。

 武器を買わない分、食料の買いこみが出来るので、多めに色々と買っていきます。

 

  まずは、ゼリー。こちらは先駆者兄貴の動画でも述べられたように自分用です。

 次に、和菓子と焼き菓子。こちらは日持ちしないんで好感度調整用に使います。

 そして、今回自分でプラスするのがこちらの飴袋です。ミント系は選ばずに

 フルーツ系を選んでおきます。こちらはゼリーと違ってすぐ体力は回復しませんが、

 ゆっくりと消化してリジェネのような感覚で使うのと、精神安定剤代わりに使います。

 ただし、袋のままだとアイテム欄を圧迫するのでレイシフト先で使う際にはポケットに

 最大5つぐらいを仕込む程度ですね。使いどころの難しいアイテムですが優秀です。

 

 会計をすました辺りでほよちゃんが何かに気づきましたね。

 あ、ぐだ男からメッセージが来てますね。

 内容は、献血ですね。危なかった。明日だと思ってましたが、1日ずれましたね。

 下手に買い物を明日に回してたらそれこそ丸腰でした。

 というわけでぐだ男にOKを出してカルデアに拉致されに行きましょう。

 

 キレがいいので今回はここまでにします。




 次回カルデアに拉致されたところから始めます。
 沢山の方からお気に入り登録していただいて非常に嬉しく思っております。
 


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カルデア入りレイシフト直前

 ようやく本編に入ることが出来たので失踪せずに続けます


  前回献血に行きましたので、今回は無事にカルデアに拉致られたところからスタートします。

 ぐだ男とは別々に拉致られるので単独行動です。さっそく行動をするわけですが

 なんで視界が悪いんですかね。

 ステータスを確認して見ましょうか。あれ、なぜかストレス値が異常に高くなってる。

 初期位置はカルデアの食堂。端っこの席で一人もそもそご飯を食べるほよちゃん。

 食べてもストレス値が減らない。あんまり美味しくなさそうにしている。

 これは、あれですね。ほよちゃんカルデアに馴染めてない! 

 さらにこれは不味い事になりました。普段カルデアは拉致された次の日から行動できますが

 低確率でこういった数日経った状態からのスタートになります。

 wiki調べですとその確率約2%! どうしたもんですかねこれ。

 多分ですけどそこら辺の三流魔術師に色々言われてるんでしょうね。

 適性があるだけの一般人ですしこちらは。まあ、人理修復するんですけどね。

 ああ、ご飯食べたらほよちゃんが食器を片付けた後歩き出しました。

 しかも操作が出来ないですね。あれ、これ詰んだ? 

 

 

 >ここに来てから毎日が楽しくない。周りの人間はやけに偉そうだし、

 何だったら変な男たちに声をかけられる。気持ち悪い。

 いきなり魔術とか言われても私にはわからない。本当に嫌だ。

 いっそのことこの後の集まりもさぼってしまってここを歩き回ろうか。

 

 これは不幸中の幸いかもしれません。サボれば爆破テロに巻き込まれませんから。

 問題は真面目でお勉強好きなほよちゃんがそんなこと出来るかという話です。

 ほよちゃんが部屋に入りましたね。あれここって確か。

 

 >「ようこそ、ダヴィンチちゃんの工房へ! おや、君は確か?」

 たまたま入った部屋に居た1人の女性。彼女は今なんて言ったのだろう? 

 ダヴィンチ? あの天才画家の? 

 

 神は見放していませんでした。こんな序盤で彼女と会えるのは豪運です。

 というわけでみんな大好きダヴィンチちゃんとの会合です。

 多分ですがほよちゃんの旦那4号か5号になる女です。

 私が確認出来てないだけかもしれませんが彼女は6章キャメロットまで同行

 してくれません。ですが好感度を稼ぐことは出来ますので早めに稼いで

 来るべき時にぐだ男と契約しないようにします。

 というわけでここはダヴィンチちゃんと沢山お話してさぼりましょう。

 

 

 >目の前の人物に目を奪われる。栗色の髪に整った顔立ち

 同性の目からでもわかる、綺麗な笑顔。

「思い出した。君は確か本田 陽子ちゃんだね。して何用かな?」

 

 >とりあえず私は間違えて入ってきたことを謝ることにした。

 そして、彼女に名前について尋ねてみることにした。

 

 >彼女は私の問いかけに対してその顔を更に笑顔へと変える。

 まるで待っていたと言わんばかりの顔で

「ああ、レオナルド・ダ・ヴィンチは確かに男だよ。そこで陽子ちゃんに問題。

 彼の作品で現代にも伝わる有名な作品を挙げてくれないかい?」

 

 はい、この問題は素直にモナ・リザと答えておきましょう。

 ここは凡人アピールをしましょう。ダヴィンチちゃんも喜びます。

 

 >私の答えに彼女は満足そうに頷く。

「うん、正解だよ。だから私はあの美しさに心酔してこの姿で現界したんだ」

 言われてみれば彼女の顔には見覚えがある。ということは目の前に居るのは

 まさかなのだろうか? 

 

 はい、現時点ではほよちゃんは鯖ことサーヴァントの事を何も知らないのでここで

 ダヴィンチちゃんに教わりましょう。

 ついでにほよちゃんには兵装見識がありますのでその話題で盛り上がりましょう。

 

 >ふと机に目をやるとそこには色々な設計図のようなものが散らばっている。

「これ、火炎放射器だよね。こっちは自動車。これは突撃銃。このボウガンは

 うわ、確かに合理的だ。こんなの見たら貴方本当にダヴィンチなのね」

 改めて彼女に向き直るとその唇を指で制される。

 

 >「ダヴィンチちゃんと呼んでくれなきゃ嫌だよ、陽子ちゃん。

 さて、今度はこちらの番だよ。魔術師でもない一般人の君に何故適性があるのか

 それを調べてみたいんだよね」

 

 

 まさかのダヴィンチちゃんからのアプローチですね。これにも快くOKを出しましょう。

 先程からダヴィンチちゃんと話してる内に視界の悪さが無くなってますね。

 ストレス値が減っているのは勿論ですのでついでに調べてもらいましょう。

 なんなら襲って貰えれば条件の1/7が終わるので襲ってください。

 ほよちゃんがダヴィンチちゃんに弄られてストレス値を減らしてる間にこれから

 起こる爆破テロについての対処法についてお伝えします。

 といってもダヴィンチちゃんと一緒に居るので基本的に安全です。

 他にはDr.ロマンとマシュのどちらかと行動してると無事なんですが、

 魔術を使うと速攻でかのお方に気づかれて終わりです。

 

 あと、マシュとこの時点で好感度を稼ぐのはお勧めできません。

 万が一こちらに懐いて色彩を穢すことになれば難易度はインフェルノです。

 ぐだ男も死にやすくなりますし、死んでしまったらほよちゃんの精神も即死です。

 こちらは後付けですがストレス値をためた状態でフォウ君に会いたくありませんでした。

 後、マシュにはぐだ男君とくっついて貰わないとこちらも旦那と事に及べませんからね。

 簡単に言ってしまえば、マシュはほよちゃんの事を忘れてもらうための盾です。

 エレンに振られたユリアンの前に現れたモニカ様みたいなもんです(ロマサガ脳)

 

 

 >なんだか触り方が少し変な気もするけど、まあいいか。

 ただ、英霊と言われる彼女と居られるのは楽しい。ここでの楽しみが1つ出来たんだ。

 

 >突如部屋の明かりが消える。瞬間爆音が鳴り響く。

 目の前に居る彼女は私を庇うように抱きかかえる。

「これは、普通の事じゃないね。ここからだと、中央管制室も近いからね。

 様子を見に行くよ」

 

 >彼女に手を引かれるままにドアの外に出ると、そこはまるで火事でも起きたかの

 ような煙。口元を手で押さえながら、横にいる彼女を見ると、その表情は

 険しいものだった。

 

 >異常な世界で異常なことが起きている。ただ、ここにいるだけで息が苦しい。

 

 ここでストレス値がまた上がってきましたね。今度は過呼吸とかになると

 避難できない可能性が出てくるんでなんとか、ほよちゃんには動いてもらいたいですね。

 

 >「悪いけど、今は急がせてもらうよ」

 

 >半ば引きずられる様に私が行き損ねた中央管制室への扉を開ける。

 そこには真っ赤になった管制室の機器。鳴り続けるアラート。

 

 >私とダヴィンチが来てからすぐに、1人の女の子が立香と共に部屋に入ってくる。

 彼は私を見るなり目を丸くしている。多分私も同じような顔をしているのだろう。

 

 

『中央隔壁封鎖します。館内洗浄開始まであと180秒です』

 

 さて、ここでイベントが始まるのですが、この時点でマシュとDr.ロマンとの

 初対面となります。まあ、ロクに自己紹介出来ないまま飛ばされるんですけどね。

 はい、今コフィン内マスターのバイタル基準値が足りないとか言ってぐだ男と

 ほよちゃんをマスターに再設定しました。

 

 >「...あの、せん、ぱい...手を、握ってもらって、いいですか?」

 

 はい、ほよちゃんが居ますがマシュとぐだ男でいちゃつき始めました。当たり前ですが

 ほよちゃんは初対面なので名前すら呼んでくれません。(勘弁してくれよ)

 まあ、これを走っている時は気づかなかったんですが、この時に2人と面識がないと

 ほぼ100%の確率でレイシフト先で別々になるんですよね。ほよちゃんだけ.

 まあ、今回はそれが狙いなのでここでセーブしておきます。

 運ゲーで何回死ぬかわからないんで。

 

『全行程完了 ファーストオーダーを開始致します』

 

 

 今回はここで終わらさせて頂きます。

 次回は旦那の召喚まで行こうと考えております。




 ペースアップを試みましたが遅筆なのは変りません。
 一応誤字脱字は確認してはいますが、ありましたら申し訳ございません。


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運命の出会い

 誤字報告、感想およびお気に入りありがとうございます。
 ご紹介しました先駆者兄貴達のRTAの他に新たなる兄貴達の
 RTAを楽しませてもらっていますので続きを開始します。



 前回レイシフトを行ったところで終わりました。

 今回は特異点Fに行ったところからスタートとなります。

 とはいってもロマンとマシュの好感度を稼いでないので

 合流するまではソロプレイでございます。しかもリスポーン地点も

 ランダムなのでまずは現状把握から。

 ぐだ男とマシュの位置は固定なのでそこには行かないようにして

 尚且つ目的地まではそこそこ近い位置なのでリセなしで行きます。

 ついでにアイテムを確認します。おそらく回復アイテムを

 全部ではないと思いますが置いてきているのでその確認です。

 飴玉3つとゼリー2つ。謎の布袋ですね。

 あ、ここで操作が止まりました。気づきましたね。触媒持ってるなら

 前のデート無意味なことに。ぐだ男の好感度を無駄に上げたことを後悔してますね

 まあ、行かなかったら兵装見識手に入ってないんで最初の召喚が運ゲーに

 なることを非常に不安を覚えていますね。

 

 >目が覚めるとそこは地獄だった。辺り一面に広がる炎。遠くを見渡せば更に

  色濃く炎が燃え盛る場所も見える。

  「立香もあの子もいない。はぐれてしまったのね私。」

  今すぐ叫びたい気持ちを抑える。だけど今はこらえなきゃ。

  そして、彼らと合流するんだ。

 

 

 ありがとうダヴィンチちゃん。君と会わなきゃこの時点で試合終了だったよ。

 ということで操作に入りますがとある場所を目指します。

 聖晶石の回収はまだしなくていいです。というよりこの時点ではしてはいけません。

 目的の召喚方法が出来なくなりますので。

 というわけでエンカウントしないように祈りまして歩きます。

 現在位置ですと1km先ぐらいにあると思うんですよ。

 半分歩いた辺りでまた、ストレス値が少し増えてくるのでゼリーを食べます。

 生ぬるくなっているので少し効力は落ちますが多少は緩和できます。

 体力は減ってないですが、甘いもので少しは落ち着けます。

 頑張れよーほよちゃん。もう少しで旦那と会えるからなー。

 

 

 >偶々ポケットに入れておいたゼリーを一つ食べる。

  少しぬるくなってしまってはいるが独特の触感と甘さは健在だ。

  歩き回ってはみたが、まだ彼らの姿はない。

  きっと彼らも私の事を探してくれているはず、だから私が諦めるなんてことは、

  絶対にしてはいけない。

  俯いた顔を上げ、私はまた歩き出す。

  ふと、先にある1軒の建物が目に入る。和風の屋敷のような建物

  周りを囲む塀は少し壊れているが建物自体は綺麗に見える。

  もしかしたら誰かいるかもしれない。

 

 はい、ほよちゃんが遠くに衛宮邸を見つけました。今回の目的地です。

 もう、エンカウントしてもいいですよ。いや、してください。

 まずは中に入りまして、解り易く竹刀が落ちてますね。

 拾ってもほよちゃんには当たり前の様に使いこなせないので拾いません。

 さて、ここで蔵に向かいながら軽く外観を調べてもらいます。

 偶に軽い武器が落ちているので拾いたいところですが、今回は無いようです。

 さて、蔵に着く前に今度は居るはずのない生存者の確認をしてもらうために

 大声を出します。勿論通常こんな事をすれば普通にエンカウントです。

 今回もそうです。でもこれで準備完了です。

 

 >屋敷の明りは消えている。人がいないのかこの災害とも呼べる中

  電気が通らなくなったのかわからない。だけど、もし人がいるならば

  「誰か!誰かいませんか!」

  あまり体力を消耗する行為はしたくないのだが誰か居て欲しい。

  その願いから私は大声で呼びかけることにした。

  帰ってきたのは声ではなく足音。振り返るとそこに居たのは

  決して現実の世界には存在しない。歩く骸骨だった。

 

 

 さて、初のエンカウントです。今回の相手はスケルトン3体。

 内2体は剣で残りの1体は槍ですね。そして皆さんお気付きだと思いますが

 ほよちゃんにはこの後運命に出会ってもらいます。

 そしてこの条件が聖晶石を持っていない。戦闘に敗北しかけている。

 主人公が一般人で1人の状態であることが条件なんですよね。

 あ、魔術師ですと遠坂邸や間桐で似たようなこと出来ますよ。

 ただ、今回は好感度を基本的に稼ぎやすいモードレッドを除く

 アルトリア顔を狙うのでここにしました。ここでの大当たりは下乳上ですね。

 ズボラなんで通い妻プレイしているだけで勝手にこっちを襲ってものにしてきます。

 さらに、他の鯖と致しても特に嫉妬されません。むしろ致した鯖との好感度上がる

 まであります。ただ、基本的には彼女第一で考える必要があるのですがそれは

 この召喚で呼んだ鯖全員に当てはまるので別に苦になりません。

 ただし、ランスロットと致すと殺されます。当たり前ですね。

 今回は触媒のせいで運ゲーですけど。

 まあ、仮に失敗してもこの召喚で来た旦那は最初から絆レベルが高いので

 リカバリーは利きます。

 

 話を戻して、戦闘に戻ります。スケルトン相手ですがほよちゃんは勝てないので

 蔵の方向に向かってお世辞にも早いとは言えない全力ダッシュ。

 お、4秒もダッシュできましたね。えらいぞほよちゃん。

 槍持ちのスケルトンが攻撃してきますのでここを回避します。

 これでほよちゃんのスタミナが激減します。あと、回避しても近いのでスケルトンの

 連撃で柄の部分で薙ぎ払われます。これは回避できないので貰います。

 ついでにこの攻撃でほよちゃんを蔵の中にシュゥゥゥーッ!!超!エキサイティン!!

 これで勝ち確です。イベントを見ましょうか。

 

 

 >殺される。直感的に感じたそれに従い全力で走り出す。

  相手はそんなに早くない。だけど私はそれ以上に遅い。

  逃げ切れない。手を考えなければ。

  振り向き彼らを観察する。武器はカットラスに近いものを持ったのが2体

  槍をもった奴は形状的にはスピアが近い。手入れもされていないのか

  刃の部分は若干土色だ。攻撃してきた時に避けて後ろの建物にでも刺されば

 >時間が稼げるかもしれない。集中するんだ私。

  槍の先端が私へと向けられる。瞬間、近づいてくるそれを体をひねって躱す。

  当たったわけじゃないけど一瞬の動きに体が悲鳴を上げている。

  視界の端に何かが映る。それが柄の部分だと気づいたときには遅かった。

  鈍い痛みが全身を襲う。ああ、そうか柄の部分か。それで殴られたのかな。

 >背中からドアを破り受け身も取れないまま床に体が叩きつけられる。

  ああ、体全部が引きちぎられたかのように痛い。

  息を切らしながら、ろくに立てないまま目の前に居る骸骨を見上げる。

  私はこれに殺されるだろう。誰も知らないまま、ここでひっそりと

  だけど、そんなのは嫌だ、死にたくない。

  叶うのなら、どんな手を使ってでも生き延びたい。

  それの持つ獲物が私に向けて振り下ろされる。体は動いてくれない。

  人は死の直前になるとスローモーションになると聞いた事があるけど

  それはまさしくそうだった。

  私目掛けて振り下ろされる。矛先が私に.....

 

 

 

 

 >すべてが光に包まれる。私の視界を奪うと同時に金属と金属がぶつかる音が鳴る。

  何が起きたのかはわからない。それでも私の体は新たな痛みを覚えることなく

  視力の回復を待つだけだった。

 

 

 >ゆっくりと目を開ける。目の前に立つのは甲冑の騎士。兜には角と思われるものが2本。

  銀色の鎧の中に入れられた赤い装飾。月明かりに照らされた私とその騎士。

  余りにも突飛であり、幻想的であったこの空間は世界から切り離されてしまったのだと

  考えてしまった。

 

 >騎士の兜がゆっくりと形を変え鎧と一体化する。晒された素顔は私より幼い少女の顔。

 

  「我が名はモードレッド。騎士王アーサー・ペンドラゴンの唯一にして正当なる後継者。」

 

  「さあ、問おうか。お前がオレの。マスターか?」

 

  その日私は運命に出会った。

 

 

 さて、組み立てたチャートが壊れた悲しみと触媒ガチャに勝った喜び

 そしてほよちゃんが無事に旦那に会えたので今回はここまでとします。

 ご視聴ありがとうございました。

  




 ほよちゃんの能力が低すぎて縛りプレイみたくなってるかもしれませんが
 人理は愛と絆で救えるはずなので大丈夫です。タブンネ。


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合流

 誤字脱字報告、並びに感想ありがとうございます。
 この場を借りて皆様に感謝を!
 というわけでガバだらけでチャートがすでに崩壊したRTAもどきの続きを始めます。



 前回、特殊召喚を行いアーサー王を狙ったら息子が出てきました。

 この時点で特異点Fの攻略が全てアドリブになります。

 ですが走り出したガバは急には止まれないのでこのまま突撃します。

 

 

 >モードレッド。確かに目の前にいる少女はそう名乗った。

  アーサー王伝説に登場する王の息子。裏切り者として残された者の名前。

  だけど、目の前に居る彼女はそのイメージとはかけ離れた存在だった。

 

 

 >ふと、彼女の後ろに先程の骸骨の姿が映る。

  「危な「邪魔だ」」

  私が言葉を発するより先に彼女はその剣で一蹴する。凄い、これが伝説に残る

  騎士の力なんだ。

  「おい、答えろ。お前がオレのマスターなのか?」

  少し苛立った声に正気に戻される。思わず頷いてしまう。

 

 

 >そういえばダヴィンチちゃんがマスターには令呪という

  模様があると言っていた。

  確か、サーヴァントと契約する際に必要なものだったはず。

  右肩の辺りにジワリとした熱さを感じその場で確認する。

  そこには羽のような模様がくっきりと浮かび上がっていた。

 

 

 >「あー別に脱いで見せろとは言ってねえだろ」

  見せたつもりはないのだがどうやらモードレッドにはそう伝わってしまったらしい。

  「ごめんなさい。えっとモードレッドでいいんだよね。私は本田 陽子。よろしく」

  助けてくれたお礼もかねて右手を差し出す。そして手を差し出したあと後悔した。

  彼女は騎士だ。それも高貴な。それに対して私は一般人。無礼に当たったらどうしよう。

  「まあ、ちょっと頼り無いけど仕方ねえか。よろしくな陽子!」

  だけど彼女はそんな私の思いと裏腹にこの手を握り返してきたのだ。

 

 

 はい、見てください。扱いづらいと言われているモードレッドことモーさんですが

 特殊召喚して絆レベルが初期から高いとこのようにフレンドリーです。

 更に絆効果でほよちゃんはモーさんが近くに居るだけでストレス値の上昇が防げます。

 なんならさっきその強さを見たので心強い味方が出来たと思って

 ストレス値が減るまであります。後はぐだ男達との合流ですね。

 追加の鯖も召喚したいんですけどまだモーさんとの好感度が

 足らない気がするんですよ。そして好感度不足で他の鯖を召喚すると

 口もきいてくれなくなります。ですが好感度を稼ぎつつ

 特異点Fをクリアした後にはきっと許してくれるはずです。

 幸いモーさんはアルトリア顔に特攻があるのでボス戦は苦戦しません。

 その前のシャドウアーチャーが実質のボスですね。モーさんとの相性も良くないので。

 というわけで行動を起こす前にモーさんに相談です。

 相談しないと拗ねてしまうので仕方ないね。

 やっぱり扱いにくいじゃないか! 数十秒前の自分を殴りたい。

 

 >私はモードレッドが居る限り無事だろう。でも立香達はどうだろう。

  早く見つけてあげないと。でもまずはモードレッドに相談しよう。

  「モードレッド。ちょっと相談があるんだけどいいかしら。この後についてなんだけど」

  私は手短にはぐれてしまった立香達と合流したいという事を伝えた。

  「ああ、それなら合流した方がいいな。方向はあっちでいいか?」

 

 

  流石モーさんですね。直感持ちは伊達じゃない。普通なら闇雲に歩くのは駄目ですが

 この直感に従えば100%ぐだ男と合流できます。

 やっぱりモーさんでよかった! (手のひら回転)

 というわけでここはモーさんの言う方向に行きましょう。

  道中エンカに関してもシャドウサーヴァント以外はワンパンで沈みます。

 せっかく策士があるのでそのバフの効力を感じたいのですがそれが見れるのは

 シャドウアーチャーまでお預けです。ボスの黒王戦は多分モーさんが暴走するので

 自身が魔力切れで死なないようにお祈りです。

 なので申し訳ありませんがオルガマリー所長は助けられません。黒王戦後のほよちゃんは

 1割が立っているのが精一杯。6割の確率で気絶。残りの3割が魔力切れで死亡です。

 他人の事を助けてる場合じゃないですね。

  あ、所長で思い出しました。ちょっと合流後が怖いんですよね。

 ぐだ男は居眠りで集会から退場。ほよちゃんに至っては集会を完全にサポタージュしているので

 所長からの印象は最悪です。所長からお叱りの言葉は貰うのは確実として

 問題はモーさんがいきなり切りかからないか不安です。頼りないとか言ってきてますけど

 最初から絆があるのでほよちゃんを貶されると怒りますからね。

 まとめると現在のモーさんはほよちゃんの事を気に入っている。

 サーヴァントは俺が居れば十分だろ? って感じです。

 

 あ、説明をしていたらまたスケルトンとエンカウントしましたね。

 正面から3体。見所さんがないのでカットです。素材だけもらっておきしょう。

 しっかし、ほんと頼りになりますねこの火力。これがまだ強くなるなんて信じられませんよ。

 

 

 >骸骨たちを倒した。モードレッドがつまらなそうに剣を担ぐ。

  「なあ、陽子。お前が言ってたやつは2人だよな」

  いきなりの問いかけ。もしかして見つけたのだろうか。

  「この先だが、今わずかな魔力反応があった。だけど人数は2人じゃねえ。4人ぐらいか?」

  仮に立香達だとすると残りの2人は誰だろう。立香も私と同じようにサーヴァントを召喚

  しているのだろうか。その場合は2人もということになる。

  それともあのマシュって子が召喚したのだろうか? 

  「モードレッド。立香達と信じてこのまま進みたいけど、いいかしら?」

  私の問いかけに彼女は笑って応えるのであった。

  

  きちんと指差し確認じゃなくてモーさん確認しましたね。4人ということは既に所長と

 槍への未練が残る術兄貴ことクーフーリンと合流してますね。

 ぐだ男、頼むから術兄貴との絆を稼いでくれよ。

  このゲームの特徴として、ストーリー報酬のキャラは攻略中に好感度を

 稼いだ方に来やすくなります。その鯖との繋がりを深めたってシステムですね。 

 そしてクーフーリンというかケルトの兄貴達に共通して言えることなんですが主人公が女性だと

 かなり攻略されやすいです。特に致すルートを取っている場合は腹を空かせた狼の群れに

 羊を投げ込むのと同じ速度で食べられます。下手するとケルト兄貴達共通の性奴隷にされます。

 かっこいいし強いし攻略してくれるなんて乙女ゲーかな? 

  通常プレイなら仲良くしたいところですが今回はなるべく遠ざける方針で行きます。

 あ、ついに4人を見つけましたね。目立った外傷はないですね。とりあえず感動の対面と行きましょう。

 

 

 >10分ほど歩いただろうか。瓦礫の山を越えた先に人影が見える。

  1人は服装こそいつもと違うもののツンツンとしたあの髪型は忘れられるものではない。

  「モードレッド。あれ、言ってた立香達だよ。直感だけで場所がわかるなんてすごいね」

  立っている場所のせいか足元が不安定で体がぐらぐらする。

 ここまで来たんだ、安全を確認して降りなければ。

  「ったく。どんくさいなお前」

  体がふわりと宙に浮かぶ。いや、モードレッドにお姫様抱っこの形で抱きかかえられる。

  「落ちないようにしっかりと掴まれよ!」

  飛んだ。いや正確にはジャンプしたんだろうけどこの高さは人間のそれじゃない。

  ああ、サーヴァントだからこのぐらい普通なのかな? じゃなくて私より小柄なその体の

  どこにそんな力があるんだろう。って違う。冷静になるんだ私。

 

 

 

──────────────────────────────────────

 

  俺に出来ることはなんだろう。レイシフト先とやらに着いたら陽子とはぐれていて

 目の前に居る所長にはさっきから叱られてばかりだ。

 マシュにも迷惑ばかりかけている。だけどマシュは何故か俺の事を信じてくれている。

 それに途中で合流したキャスターのサーヴァントには大分助けられている。

  だけど俺にはまだ何も出来ていない。陽子を探そうと提案するもこの状況下

 生きている方が奇跡だと言われた。それだけじゃない。早くこの特異点とやらを

 修復しないと俺たちの日常は帰ってこない。

 「坊主、休憩は終わりだ。何か来るぞ」

 何回目かの襲撃。今度もあの骸骨だろうか。それともシャドウサーヴァントと

 呼ばれる存在だろうか。駄目だ。不安を表に出せばそれが皆に伝わってしまう。

 しっかりするんだ俺! 

 「っ! 先輩、上から来ます!」

 マシュの声に反応して空を見上げる。あれは人? 

 着地と共に辺りに砂ぼこりが舞い上がり、思わずむせてしまう。

 「おい、陽子着いたぞ」「も、もうちょっとマイルドに出来なかったの?」

 1つは効き慣れない声。だけどもう1つは探していた彼女の声。

  俺はこの地獄の中わずかな希望を見出した気がした。

 

──────────────────────────────────────

 

 というわけで合流に成功したので今回はここまでにします。

 次回はシャドウアーチャー戦までと考えております。

 




 ほよちゃんの容姿についてお話を頂いたのですが個人的に考えていたのは
 身長は高い160cmぐらい?発育はそこそこ良い。ぐらいしか考えてなかったので
 後の特徴は皆様の想像にお任せしようかと思います。


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影との闘い

 まさかの先駆者兄貴から感想及び誤字脱字コメントを頂いたので
 一度宝具で消し飛んでから再生したので続けていきます。
 毎回皆様の感想を楽しく拝見させて頂いてます。視聴者兄貴姉貴の
 皆様ありがとうございます。


 前回ぐだ男と合流しました。そしてモーさんのイケメンムーブが見れましたね。

 ほよちゃん、早くモーさんとの好感度上げて。そして襲われて。

 

 

 >モードレッドに降ろしてもらい彼女にお礼を言う。怖くなかったと言えば嘘になるが

  それでも彼女なりに考えてくれたのだろう。いや、そう信じたい。

  決して私の歩くペースに合わせるのに飽きたとかじゃありませんように。

 「立香、マシュさん。無事でよかった。ところでそちらの男性は?」

 

 

 さりげなく所長について言及しませんでしたね。これは初期好感度がお陀仏してそうですね。

 術兄貴が気になるのは仕方がないけどまずは所長の無事を喜んでほよちゃん! 

 さもないと後々面倒だから! 

 

 

 >「本田 陽子! その前にわたしについて何か言う事があるでしょう」

  美しい銀色の髪。如何にもお嬢様と言った風貌。

  そして私を視線だけで殺すと言わんばかりの眼光。

  私の名前を呼ぶ彼女もそういえば初対面だけどカルデアの関係者なのだろうか。

 

 

 お前数日間だけとはいえ、ぐだ男より前にカルデアに居たのに所長の顔覚えとらんのかい! 

 いや、でもこれならばお叱りは最低限で済むかもしれません。

 

 

 >「陽子さん。彼女はオルガマリー所長です。集会で顔を拝見されていると思いますが」

  マシュさんに説明されて思わず彼女から目を逸らしてしまう。

  その集会はダヴィンチちゃんと話し込んで出てすらいないのだ。

 「マシュ、言っても無駄よ。こいつはその集会すら出てこない怠け者よ」

  確かに集会に出なかった事は全面的に私が悪い。

  ただ、カルデアに居てからの数日間で魔術師という人たちの評価は私の中ではかなり低い。

 「申し訳ありません。ただ、同じマスター適性があると思われる男性の方に魔術を教えて

  やるから体を売れと言われ、それが嫌で逃げていたところを偶然ダヴィンチさんに保護されて

  ほとぼりが冷めるまで匿ってもらうつもりでした」

 

 

 というわけで言い訳タイムです。ほよちゃん、死人に口なしをいい事に脚色しましたね。

 実際は休眠状態ですけど変わりないな! もしくは始まる前に言われてたのかな? 

 あのストレス値を考えるとあり得るから怖いですね。

 あと、ここで重要なのはダヴィンチちゃんと一緒だったということですね。

 もしかしたら所長は一連の犯人があの時いなかったほよちゃんだと思い込んでいる可能性が

 あるのでアリバイ確保と証人が居ることを伝えておきましょう。

 

 

 >私の返しにオルガマリー所長はそれ以上言及してこなかった。

  マシュさんも立香もただ、どう声をかけていいかわからないと言った風だった。

 「暗い話はそれまでにして、嬢ちゃん。後ろにいるのはあんたのサーヴァントでいいんだよな」

  そんな空気を割いてくれたのは先程気にしていた長身の男性。

 「セイバーだ。お前はキャスターのサーヴァントか」

 

 >振り返ると彼女は出会った時と同じ兜を身に着けていた。降りたその瞬間までは確かに

  その顔を私に向けていたはずなのに。

 「セイバー!? 貴方まさかなんの助けもなしにサーヴァントを召喚したの!」

  その目に映るのは嫉妬。ああ、この人は多分魔術師なんだ。それも私に話しかけてきた

  人たちとはレベルの違う。だけど彼女は理由があってサーヴァントを召喚出来ない。

 「オレがマスターと契約したことに何か問題があるか魔術師」

  モードレッドが剣を向ける。まずい。

 「セイバー。いいの。所長は悪気があった訳じゃないから」

  彼女の名前を呼ばないこと。そして所長の意図を組むことが今私がすべきことだろう。

 

 >「自分のマスターを貶されて怒る気持ちはわかるが敵を間違えるなセイバー」

   男性が2人の間に入る。よかった。この人ならモードレッドを止めてくれるかもしれない。

  「坊主、現状を説明してやりな」

 

 

 はい、というわけでぐだ男から大空洞に向かうこと、マシュの事、術兄貴の事を聞いている間に

 シャドウアーチャーとの戦闘について説明しておきます。基本的にぐだ男、ほよちゃんなどの

 非戦闘員はマシュの後ろに隠れます。モーさんには牽制をしつつ接近するタイミングを

 伺います。なので術兄貴の攻撃がメインです。ぺちぺちやれば勝てるので大丈夫です。

 なんなら相手の行動がガバればモーさんで急接近して切り伏せておしまいです。

 相性は良くありませんが序盤の敵なんで何とかなります。

 お、ぐだ男がマシュの宝具の話をしましたね。どうやらもう術兄貴によって

 使えるようにしてもらってるみたいですね。

 しかしモーさんが真名を隠すのは珍しいですね。しかも他人の前ではマスターに呼び方が

 変わっている事から...ほよちゃんを特別扱いしている! 

 

 

 >長身の男性。いやキャスターの案内の元私たちは洞窟へと足を進めた。

  マシュさんもこの洞窟には興味を持ったらしい。勿論私もだ。

 「この洞窟、天然なのか人工かわからないけど良いわよね。こんな状態じゃなきゃ

  観光地としても使えそうだとは思うけど、無理よね」

  私のそれを冗談と捉えたのか彼女がほほ笑む。立香も心なしか表情が落ち着いて見える。

 「陽子、ここは魔術師が長い時間をかけて作った工房よ。そんなことに使おうとは思わないで」

  所長に怒られてしまう。魔術師の工房ってこんなところにも作るのか。

 

 >「それより、キャスターのサーヴァント。大事なことを確認していなかったのだけど」

  所長がキャスターに向ける目が険しくなる。

  「相手のセイバーの真名は知っているの? 何度か戦っているような口ぶりだったけど」

 

 あ、所長。待ってくれ今その話をしないでくれ。ほよちゃんのサーヴァントが暴走しちゃう! 

 

 

 >「王を選定する岩の剣のふた振り目。お前さんたちの時代においてもっとも有名な聖剣」

  背中から嫌な汗が流れてくるのがわかる。そして兜越しからでも伝わるモードレッドの殺気

  だけどただの殺気じゃない。複雑な形の感情。

 

 

 >「約束された勝利の剣。騎士の王と誉れの高い、アーサー王の持つ剣だ」

  目の前に現れたのは1つの影。声と見た目からして成人男性であることは解る。

  「アーチャーのサーヴァント!」

  所長の頬に汗が流れる。立香達はサーヴァント同士の戦いを経験したらしいが

  私はまだだ。モードレッドなら大丈夫だろう。だけど私は違う。確実に足手まといだ。

 

 

 

 >「おう、言ってるそばから信奉者の登場だ。相変わらず聖剣使いを護ってんのか、テメエは」

  キャスターが杖を構える。戦いが始まろうとしている。

 「...ふん。信奉者になった覚えはないがね。つまらん来客を追い返す程度の仕事はするさ」

  つまらん来客。その言葉は彼女の全神経を逆なでする。

  瞬間彼女が持つ剣の一閃がアーチャーを捉える。

  すんでのところでアーチャーの双剣がそれを防ぐ。

 「オレが父上に会うのにつまらぬ来客だぁ? テメエどの口が言うんだ」

  その言葉は自分の正体を明かすことになる。だけど今の彼女の頭にはそんなことは

  どうでもいいのだろう。ただ、親と子が会うことを否定された。

  それが気に食わなくて仕方がないのだろう。

 「陽子! お前の魔力をオレに回せ!」

  兜が今一度鎧の一部になりその顔が晒される。私の右肩の辺りがジワリと熱くなる。

  なにが、回せだ。完全に奪い取ってるじゃないか。

 「モードレッド。気が済むまで暴れていいからね」

 

 

 これ、最高のパターンで戦闘に入りましたね。モーさんの位置がシャドウアーチャーと

 近接しているのでこちらを狙撃する余裕はないです。しかも策士のバフがあるので

 これはヌルゲーが加速します。ただ、ほよちゃんはモーさんに無理矢理魔力を奪われているので

 片膝立ちで右肩を抑えたまま動けないですがそこはぐだ男と共に

 マシュに守ってもらいましょう。いい的ですからね。

 術兄貴はマシュに守ってもらわなくてもこの状況なのでやりたい放題です。

 あ、ちなみにターンはかかりませんがもしこの状態でターン数を稼がれるとほよちゃんが

 魔力切れで死にます。ほよちゃんが我慢しているだけで実際は

 スタミナも魔力もゴリゴリ減りますからね。

 今回は2~4ターンと予想しているので1/4ぐらい削れると思います。

 ちなみにこれ次の黒王戦でも同じ事やります。

 

 

 >肩の辺りが熱い。でも他の部位は寒さを感じている気がする。

 立っているよりはこうして膝立ちになっている方がいくらかマシだ。

 立香が私の体を支えて、マシュさんは私の前にその大きな盾を構えてくれている。

「セイバー! 少しは加減しねえと「気にしないでやって!」」

 叫ぶように声を上げる。早く終わるのなら私が我慢すればいいだけの話なんだ。

 額から汗が地面に落ちる。それにキャスターなら魔術での援護もある。

 右腕を肩と水平になるように挙げる。モードレッドはその合図を見逃さない。

 一瞬で距離を離しキャスターの魔術がアーチャーへと直撃する。

 そして騎士はそれを見逃さない。手に持つ剣を投擲しそれがアーチャーの体へと突き刺さる。

「消えろ、アーチャー」

 再び接近したモードレッドが剣を引き抜くと同時にその体を蹴り飛ばす。

 影が揺らめきゆっくりと消失していく。

「なるほど、私の──敗北だな」

 

 今回は3ターンでしたね。いや、ほんま強いですねモーさん。予想通りスタミナも魔力も

 1/4ぐらい減っているのでここまでは予想通りです。そしてこの後は休憩できるはずなので

 飴玉でもなめて落ち着いておきましょう。あとこの休憩時間にモーさんかマシュと話せると

 ラッキーなんですけどね。どうなるかな。

 

 >右肩の痛みがゆっくりと引いていく。予想より魔力を取られるというのはきついものだ。

 「悪かったな、オレの都合につき合わせちまって」

  モードレッドに肩を借り、洞窟の壁まで移動する。どうやら休ませてくれるようだ。

 「陽子を休ませたいんだがいいか?」

  彼女はバツが悪そうに周りに同意を求める。出来れば私としても休みたい。

 「ああ、休ませろセイバー。その嬢ちゃんが無茶してくれたおかげで俺たちの

  消耗はほとんどねぇ。嬢ちゃんが回復するまでの間俺たちは聖剣攻略の方法でも考えとくさ。

  あと坊主。ちょっと付き合ってくれ」

 

 

 これは、術兄貴がぐだ男を連れて行ってくれましたね。男の友情を熱く濃厚に育んでくれ。

 さて、こちらはモーさんが横に居るので安心して好感度を稼ぎましょうか。

 

 

 >少し離れた場所でDr.ロマンの声がする。魔術的なもので会話でもしているのだろうか。

  ポケットの中から飴玉を一つ取り出し口の中に入れる。うん、甘い。

 「なんだそれ?」

  説明するより食べてもらった方が早いと感じ彼女に飴玉を一つ差し出す。

 「甘いなこれ、まあ嫌いじゃない味だけどな」

  私の横に腰掛けるモードレッド。この先にアーサー王が居るらしいがなんて声をかけようか。

 「少し休めばまた頑張れるから」

  さんざん考えて思いついた言葉がそれだった。我ながら情けない。

  それ以降は特に話すわけでもなくただ、飴玉の味を味わい続けるだけだった。

 

 

 なんとなくモーさんとの関係が進んだ気がするので今回はここまでにします。

 次回倒すことは出来るけどほよちゃんの生死が運ゲーになる黒王戦になります。




 誤字脱字、感想ほんと助かります。
 ケルト兄貴性奴隷ルートなどちょっと怒られそうな小ネタなんかを
 感想で拾えてもらえて嬉しいですね。
 最初は2部実装までの鯖だけで考えてたんですが、復帰した際に
 その、気になる鯖が出てきてしまいましてね.....
 出そうか悩んでます。


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黒王との決戦

 目的までの道のりに時間をかけ過ぎている気もしますが
 いきなり目的の鯖が襲ってくるわけでもないので
 気長に待って頂ければ幸いです。


 前回ほよちゃんとモーさんの頑張りで難所だったはずのシャドウアーチャー戦が

 楽に終わりました。ついでにモーさんの好感度稼ぎも多少できたと思われます。

 

 

 というわけでモーさんと2人で飴玉舐めながらぼーっとしてるところからですね。

 ただ、モーさんとこうしてるだけでストレス値が下がるとか

 もうこれはモーさんセラピーとして学会に定説を発表できそうですね。

 おっとオルガマリー所長とマシュもこちらに来ましたね。

 

 

 >「陽子さん、申し訳ありませんがDr.ロマンがお話があるそうです」

   マシュさんの呼びかけに顔を上げる。

   そこには空中に映し出されたDr.ロマンの姿があった。

  「陽子ちゃん!君の戦い方を見させてもらったけどなんて無茶をするんだい!

   バイタルチェックの結果も良くないしあんな戦い方は今後は駄目だからね。」

   私はとりあえず謝ることにした。

  「軟弱男、悪いがそうはいかねぇ。確かに無茶かもしれねえがもう一度やってもらう。

   幸いなことにあのセイバーは聖剣攻略の最適解だ。なんせ一度勝っているもんだからな。」

   キャスターと立香が帰ってくる。2人の顔は何かを決意したように見える。

  「出し惜しみをして勝てる相手じゃないだろ。それに俺も、そっちの嬢ちゃんもいる。

   戦力的には申し分ねぇ。後は覚悟の問題だけだ。

   といってもこの坊主はさっきの戦いで覚悟を決めたみたいだがな」

 

 

 いい流れが続いてますね。この流れだとぐだ男はマシュと自分で

 ほよちゃんの盾になるでしょうね。ただ、死なれちゃ困るんで出来れば

 マシュの指示と術兄貴の指示だけに集中して欲しいですけどね。

 あと、ほよちゃんがモーさんに全部つぎ込んで的になる戦法ですがここで死にかけてくれれば

 次にやるときは動けるぐらいには性能が上がっていると思うのでチャレンジです。

 死にかけて強くなるとか戦闘民族みたいですね。

 お、そういえばいい忘れてました。ほよちゃんの成長には当たり前ですが限界があります。

 基本はマスクデータなので一概にどれくらいとは言えませんがほよちゃんは性能的に

 フィジカル面は成人男性にちょっと劣るぐらいであればいい方です。

 ただ、精神面は進めた感じ高めなので限界値も期待できますね。

 魔力に関しては一般人なのでどれだけ伸びるかはそこまで期待してないですね。

 特異体質だったりするとそれこそ魔力タンクと呼べるぐらいには上がってくれるんですけどね。

 というわけで黒王の元にイクゾー!  デッデッデデデデ! (カーン)

 

 >体調も回復してきたし、皆の言う作戦も理解した。動けなくなるであろう私は

  いざとなれば立香と所長に運んでもらう。

  マシュさんは全力で相手の攻撃を防ぐ。モードレッドとキャスターの2人がメインとなって

  アーサー王を倒す。実に簡単だ。私がどれだけ踏ん張れるか。立香が適切に契約した2人に

  危険にならない程度に魔力を回せるかにかかっている。

  「陽子。準備はいいかい。」

  立香の問いに首を縦に振り歩き出す。

 

 

 

 >洞窟を歩き続け、目の前に現れたのは巨大な空間

  所長はこれを超抜級の魔術炉心と言い驚いている。

  だけど、私はそれよりも先に気になったのは禍々しいオーラを放つ一人の女性。

  黒い鎧に身を包んだ一人の女性。Dr.ロマンの話では何か変質しているらしく

  そのせいであのような黒い姿になっているとの事。

  モードレッドと似たような顔つき。性別に関してはモードレッドの時点で気にならないし

  そもそも歴史を辿れば、その可能性を秘めた人物なんていくらでもいる。

  「-----ほう。面白いサーヴァントがいるな。それに懐かしい顔も。」

  透き通るような綺麗な声。その目線はモードレッドを少し見た後マシュさんに向けられる。

  マシュさんの横に居るキャスターはまず彼女が喋れること自体に驚いているみたいだ。

  「構えるがいい、名も知らぬ小娘。その守りが真実かどうか、この剣で確かめてやろう!」

 

 >アーサー王の剣が。騎士王の聖剣が黒く輝く

  「卑王鉄槌。極光は反転する。光を呑め! 『約束された勝利の剣』!!」

  あれがサーヴァントの持つ切り札。その英雄が英雄であることを証明する切り札。

  「宝具、展開します……!」

  1人の少女が華奢な体で、その手に持つ大盾で受け止める。いや、受け止めているのは

  彼女だけじゃない。直接的ではないが私の幼馴染も全力を尽くしている。

  「行くよ、モードレッド。絶対に勝ちなさい!」

 

 >再び訪れる右肩の痛み。また先程のように膝をつくことになる。

  「アーサー!オレがもう一度アンタの積み上げたものをぶち壊しに来てやったぜ!」

  宝具を受け止めたマシュさんの横から弾丸のようにモードレッドが突撃を仕掛ける。

  だけどアーサー王もそれに劣らぬスピードで彼女の攻撃を受け止める。

  「なんつう魔力放出だよ。ロケット弾同士がぶつかってるんじゃねえんだぞ。」

  アーサー王とモードレッド。その剣と剣がぶつかるたびに起こる空気の揺れが

  私の体に響く。だけどまだ痛みを感じているということは感覚が残っている証拠なんだ。

 

 >「また反逆をするか我が息子よ。変わらぬな貴公も。」

  アーサー王にはまだ余裕があるとでもいうのだろうか。いや、歴史の中で彼女は

  モードレッドに負わされた傷でその命を失っている。だからあれは挑発に過ぎない。

  「逆に父上は御変わりになられましたね。とでもいえば満足かあぁ!?」

  口調は荒い。だけどモードレッドの心は落ち着いている。

 

 >「せめてセイバーの助けになればいいがと打ってはいるがなかなか当たってくれねぇな」

  キャスターの苦々しい声。だけどその攻撃は無駄じゃないはずだ。

  「立香お願いがあるんだけど聞いてくれる?」

  近くにいる彼を呼び寄せる。私の意識がはっきりとしている間に思いついた事を伝えよう。

  多分この戦いの勝利のカギはモードレッドじゃない。いやモードレッドじゃ勝てないと

  思っているわけじゃないけど、今アーサー王の眼中にないものがあるのを見つけた。

  でもそれを通すためには確実にモードレッドの力が必要なんだ。

  軋む体に鞭を打って無理やり立たせる。ふらついた足取りでマシュさんの後ろからゆっくりと

  横にそれる。彼女が私を守れるぎりぎりの距離まで。

 

 

 >私たちの前で斬り合う二人の騎士はそれを見逃さない。最初に動き出したのはアーサー王。

  そうだ、貴方は私を見逃せない。私の死はそのままモードレッドの死に繋がる。

  「迂闊にも動いたな。小娘!」

  相手の動きに対して普通の人間はとっさに行動できるものではない。

  だけどその動きがわかっているなら、そして動くのが人間でなくサーヴァントなら。

  「やあっ!」

  マシュさんが渾身の一撃をその聖剣へとぶつける。地面から足を離しているアーサー王は

  後方へ下がるしかない。目がかすみ始めたがモードレッドに目線を移す。

  私たちの前に一瞬で移動した騎士は改めてその魔剣を両手で握りなおす。

  

 

 >一瞬だが、距離の空いた2人。互いに取るべき行動は1つ

  聖剣が.....魔剣がそれぞれの輝きを灯していく。

  「卑王鉄槌。極光は反転する。光を呑め! 『約束された勝利の剣』!!」

  「是こそは、わが父を滅ぼし邪剣。『我が麗しき父への叛逆』!!」

 

 

 >2つの英雄の証が....赤の光と黒の光がぶつかり合う。

  拮抗する2つの力この状況が作れたのなら私はもう自分の事だけ考えておけばいい。

  流石のアーサー王と言えどこの状態では動けないだろうから。

  「焼き尽くせ木々の巨人。『灼き尽くす炎の檻』!!」

  本命の一撃。残念なことを挙げれば彼の英雄としての一面を見れたのに

  今、それを理解する頭がないことだろうか。

  アーサー王。いくらあなたでもモードレッドの一撃を止めながらこの攻撃を受けきることは

  出来ないだろう。仮に受けきれたとしても今拮抗しているその力はどうだろう。

  そのままでいられるだろうか。

 

 

 >「なるほど、まんまと小娘の罠に嵌められたというわけか。」

   2つの宝具がアーサー王へと襲い掛かる。

   私たちの勝ちだ。そう確信した瞬間私は意識を手放した。

 

 

 よし、黒王に勝ったな!問題はこの画面の暗転の後ちゃんとカルデアの

 医務室にいるかどうかです。ちなみにセーブ忘れてると悲惨です。

 だから運ゲーをする前には必ずセーブをしましょうね!

 魔力切れでほよちゃんがサヨナラになるとタイトルですがどうかな?

 イベント?ああ、ほよちゃんが気絶してるのでこの場合発生しないんですよね。

 いや、正確には発生してるんですけど強制スキップの状態です。

 頼むほよちゃん!生きていてくれ。合流回でも解説したように6割を引けば勝てるんだ!

 

 

 

 

 

 

 >一定の周期でなる機械音で目を覚ます。最初に映ったのは綺麗な天井。

  体を動かすにもだるさが残るので頭だけを動かす。

  「やあ、陽子ちゃん目覚めてよかったよ。」

  私の横に居たのはいつかの天才、レオナルド・ダ・ヴィンチだった。

 

 

 

 

 やりました。運ゲー突破です。というところで今回はここまでにしたいと思います。

 次回はモーさんに襲ってもらうために色々と策を練る会となります。

 




 次回を含め特異点Fは終了とする予定です。
 ここまででもかなり大変でした。
 やはり先駆者兄貴達のチャートの完成度合いには
 追い付けてませんがこちらはこちらで頑張るつもりです。
 


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帰還と目覚め

 そういえば術兄貴から真名教えてもらっていない
 のちに女性鯖から襲われ続ける総受けの主人公が頑張る
 RTAモドキの続きを始めます。


 前回特異点Fを攻略し、ほよちゃんの成長を促すために

 戦闘民族理論で生死の境をさまようまで消耗しました。

 今回は運ゲーでしたが突破できましたので襲ってもらうために色々と策を練ります。

 

 

 とりあえずダヴィンチちゃんから気絶した後の事を聞きます。

 ここでオルガマリー所長死亡の話も聞くのでストレス値が溜まります。

 ですが後回しにして聞かない方向ですと

 気づいたときにこの時とは比べものにならないぐらい色々と持っていかれるので

 早めに聞いた方が得です。ほよちゃん自体は現状点滴がつながっている状態で

 ダヴィンチちゃんからベッドの上で安静にしているよう言われたのでここは素直に頷きます。

 まあ、下手に出歩いた結果倒れてカルデア内でゲームオーバーとか情けないんでね。

 ここは安定を取るために人を使って欲しいものを集めましょう。

 

 

 >「ダヴィンチちゃん。申し訳ないんだけど1日中ベットの上だと退屈だから

   何か欲しいんだけどお願いできるかな」

  あの後の顛末は私にとって非常に悔いの残るものだった。まさか、所長が居なくなるんて。

  ダヴィンチちゃんの説明ではすでに彼女の肉体はこの世には無かったらしいが

  君のせいじゃないと言われても心苦しいものがある。

  「何かな。ここで用意できるものなら用意しよう」

  読書がしたいと彼女に伝える。ただ、欲しい内容のものがあるかどうかはわからないけど。

  「まさかとは思うけど、死人を蘇らせる方法が乗った本とか言わないよね?」

  逆にあるならそれはそれで読んでみたい。まあ、どちらかと言えば今は現実逃避というか

  いつもの日常を少しでも感じたいというのが本音だ。

  「ああ、立香君がそういえば話してたね。陽子ちゃんは確かそういう本が好きなんだっけ」

  彼女は笑顔で了承し部屋を出て行こうとし扉の前で思い出したかのようにこちらへ振り返る。

  「ああ、そうだ忘れてたよ。君のサーヴァントなら今は立香君達と模擬戦闘中だよ。

   終わったらここに来ると思うけど陽子ちゃんは意外とあれだね。私の想像以上に面白いね。

   なんせあのモードレッド卿が訓練以外ではずっとこの場所に居たんだから」

 

 

 好感度もいい具合に高まってますね。それにダヴィンチちゃんと話も出来たのでいいですね。

 さて、ダヴィンチちゃんになんの本を持って来てもらうかというと日本の歴史書です。

 それも戦国時代のやつです。麒麟が来るための準備です。(ステマ)

 信長公記、甲陽軍鑑辺りのコピーなんかを持ってきてくれると助かるんですが、そうでなくても

 教科書レベル以上の事やその人物に関する詳細が書かれてる本が来るといいですね。

 さて、勘のいい方はもうお気づきかもしれません。この本がモーさんに悪い知識を埋め込む

 トラップであり、ほよちゃんが仕掛ける無自覚の策となります。

 

 はい、そうです。この時代だけとは言いませが大体乱世の時代だと主君と部下で致すことは

 珍しくありません。むしろ致せる関係だからこそ絶大な信頼を獲得していたのでしょう。

 実際の歴史でも武田信玄と高坂昌信、ノッブと前田利家、徳川家康と井伊直政は

 そういう関係であったらしいですからね。所説ありますけど。

 というわけでほよちゃんが寝ている間に見舞いにでも来てもらって

 モーさんがなんだこれって読んでくれたら勝ちです。なんならブリテンでも

 騎士たちの間柄でもあったと思うんで知っているという可能性はあるでしょうね。

 さらに言えばこの時代親子で殺し合うのは勿論、反逆なんてそこら辺に転がり落ちてるレベルで

 あるので、モーさんの中にそれに対しても理解が深いことのアピールになります。

 さて、このまま暇そうにしているほよちゃんを眺めても仕方ないので誰か来るまで倍速します。

 

 

 >「陽子ちゃん、入るよ。起きたみたいだし、バイタルチェックしたいんだ」

  少ししてからDr.ロマンの声が聞こえる。返事をして彼を中に入れる。

  そういえば、彼とはあまり話したことがない気がする。

  初対面の時はレイシフト前の忙しい時だしその後は洞窟で休憩しているときだし。

  どんな人なんだろう。

 

 

 お目当ての人物ではなかったですね。ただ、体調管理は大切なので無下には出来ないですね。

 ですがあまり長居されても困るのでバイタルチェックが終わったらアイテムで釣りましょう。

 

 

 >Dr.ロマンの簡単な質問の後、点滴パックを変えてもらう。彼の話だと下手をすれば

  後遺症が残っても仕方のないぐらい、私の体はボロボロだったらしい。

  「あ、そういえばDr.ロマンは甘いもの好きですか?」

  彼の目つきが変わる。誰の目からでもわかる期待の目。

  「私が使わせてもらってる部屋冷蔵庫にお菓子を入れてたんですけど、

   賞味期限がそろそろ危なかった気がするのでよろしければみんなで食べてください。

   あ、過ぎてたら捨ててくださいね」

  Dr.ロマンの話では明日には点滴もいらないそうだ。

  ただ出歩くときは誰かと一緒に居るように強く言われた。

  下手をすれば死んでいたかもしれないのにそれがこうして後遺症もなく

  治っているのだから彼の医者としての腕はかなり高いものなのだろう。

  「それじゃ、陽子ちゃん。お言葉に甘えてお菓子をもらいに行くよ」

  彼は心なしか速足で部屋を出て行った。

 

 

 これはあれですね。1人で食べるつもりマンマンですね。

 まあ、元々好感度を上げる用の物なんで構いませんがね。

 彼のストレス値を下げると同時にこちらの目的を達成しやすくなるので問題なしです。

 

 

 

 >「陽子ちゃん。頼まれていたものを持ってきたよ」

  入れ替わるようにダヴィンチが姿を表す。その手には数冊の本がある。

  「とりあえずはこれだけを置いておけば満足かな。後、これは私からのオマケさ」

  数冊の本の中と共に渡されたのはファイルに入った沢山の設計図。

  「色々と考えてみたんだ。本を読むのに飽きたらぜひこちらも見てくれたまえ」

  バイクに戦車、挙句の果てには航空機。それにこっちはカルデア改造計画書? 

  色々と言いたいことはあるけど、これはとんでもないお宝なのではないのだろうか。

 

 

 >ダヴィンチちゃんのマル秘ファイルを入手しました。

 

 

 うわあ、なんだか凄いことになっちゃったぞ。

 あ、勿論ですが戦車なんかほよちゃんじゃ作れません。

 これは後で読んでおいて知力のブーストにでも使いましょう。

 後悪いなぐだ男。ダヴィンチちゃんはほよちゃんが貰っていくからな。そして襲われるからな。

 さてさて、ダヴィンチちゃんが出て行ったので予定通り本でも読んでましょう。

 体力に関しては回復しきってないので適当に本を読んだら寝ます。

 この読んでる時間にモーさんは来ても来なくてもいいです。むしろ来ない方が

 トラップを仕掛けられるんでそっちの方が良いかもしれません。

 

 

 >本を読み始めてから気が付けば2時間ほど経っていた。目覚めてからまだそんなに経っては

  居ないはずなのに睡魔が襲ってくる。まだ、体調も万全ではないということだろう。

  私は本に栞を挟んで睡魔に身を任せるようにした。

 

 >スタミナの上限値が上昇した。

 >魔力が上昇した。

 >知力が増加した。

 

 ほよちゃんが寝たところで前の戦闘のボーナスが来ましたね。魔力が上昇したってことは

 限界値に到達していないってことですね。一般人だと全く上がらない場合もあるんでこれは

 ラッキーですね。ただ、あれだけ無茶したのに筋力や耐久が上がらないのは不味いですね。

 お前まさかバッティングセンターで上がっただけで限界とか言わないよな? 

 まあ、ほよちゃんに筋力なんて要らんし襲われる時に邪魔になるからいいですけど。

 

 

 

 >...きろ。おい! 

  突如頭を誰かに叩かれ慌てて起き上がる。犯人と思われるモードレッドは鎧を着ておらず

  赤い下着のような恰好をしていた。

  「目を覚ましたと聞いたから来てやったのにまた寝てるなんてな。

  他の奴はともかくオレが来るときは起きてろよ」

  どうやらお怒りらしい。無茶苦茶な理論を展開されたし出歩くなと言われていたのだ。

  だから会おうにも会いに行けないのが現状なのを知っていたのだろうか。

  「ごめんなさい。モードレッドが訓練中だって聞いていたから」

 

 >私の言葉にモードレッドはただ俯く。何だかいつもとは違うようだ。

  「ダヴィンチちゃんから聞いたんだけど、ずっと居てくれたんだってね。ありがとう」

  私の目の前に居る彼女は何も言わない。それどころかその顔持ちはどこか寂しそうだ。

 

 >「お前は何にも聞かねえんだな。オレの事」

  それは性別の事だろうか、それともモードレッドの人生についてだろうか。

  「モードレッドが何も言わないからね。それにこういうものばっかり読んでるから案外

   気にならないのかもね」

  持ってきてもらった本をペラペラとめくる。そりゃ初めて見たときは驚いたかもしれないけど

  今、考えてみればあの時はそれどころじゃなかった。

  「それに話してて思ったけど意外とフランクで助かったわ。個人的に貴族とか騎士とかって

  私みたいな一般人相手に話したくないって思ってる人も居ると思ってたし」

  叛逆の騎士モードレッド。偉大なる父に背いた不忠の騎士というけどね。

  私が好んでいる分野にはそんな話は数えきれないほど出てくるのだ。

  失敗した例も成功した例も。だから気にならない。

  

 >「お前、馬鹿だろ。それも救いようのないほどの」

  今度は呆れたような顔。ここまでころころ表情が変わるともう少し見ていたいかもしれない。

  「そうかもね。だからあんなことするのかもね」

  その結果がこれだ。あ、そういえばどれくらい寝てたのかDr.ロマンに聞くのを忘れていた。

  「ああ、そうだな。馬鹿だからああいうことをする。だから平気でオレを信頼する」

  なるほど、問題はそこだったのか。

 

 

 >「私が居た国でもね。昔は結構あったのよ。親子間での戦争って。だけどそういう人ほど

   部下には優しかったし、モードレッドもそうだろうと勝手に確信しているところはあるよ。

   それにね、本当にモードレッドが血も涙もない人だったら殺してるでしょ?」

  近くにあった椅子に腰かけ深くため息をつく彼女。だけど次の瞬間彼女は

  私の両肩をそれぞれの手で掴んで顔を近づけてきた。

  「なあ、陽子。オレの剣を預け、名誉を預け、命を捧げる。騎士としては三流かもしれねぇが

   ──それでもいいか?」

  それは1人の騎士としての誓いの言葉なのだろう。

  決して未熟な一般人に聞かせることのない言葉。

  「モードレッド。アーサー王に勝利した今。貴方はどんな王国を望むの? そしてそれを

   叶えるため私は必要かしら? 必要なら貴方の手伝いをさせて」

   彼女が私を主と認めるなら私もまた彼女を主として認めよう。それに私の中には

   あの時、彼女と出会ったあの瞬間が忘れられないのだ。

 

 

 >私たちの間にしばらく沈黙が訪れる。先に動いたのはモードレッド。

  ゆっくりと私の肩から手を離し。距離を取る。そして互いに頬の筋肉が緩む。

  「お前...お前本当に馬鹿だな。普通こういう時はだな。いや、もう限界だ」

  互いに可笑しくてその場で吹き出してしまう。私も笑いすぎて涙が出てきた。

  「これ以上いたら笑い死ぬからオレは帰るぞ。また明日な」

  彼女が部屋から出た後も少しの間、笑い声が聞こえてきた。

 

 >モードレッドに起こされて目が覚めてしまったし本の続きでも読むことにした。

  「あれ、寝ぼけて入れる場所、間違えたのかな?」

  栞の位置が私が読んでいた位置より少し前に挟まっていた。

 

 

 やりました。作戦成功ですね。ついでにモーさんに軍師志願もしてやりました。

 キリがいいので今回はここまでとします。そろそろ襲ってくれよー。




 今年の大河ドラマが今のところ面白いのでこのまま頑張ります。
 やっていた信長の野望で明智光秀が天下を前に90歳で寿命を迎えました
 やっぱりバグですね。あのステータスの高さ。
 あと今PCで書いているのですがスマホで見ると多々文章が
 崩れているのでちょっと書き方を変えてみます


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新しい仲間

少し書き方を変えてみたの初投稿です。
優しく見守ってください。


 前回無事にモーさんに悪い知識を埋め込むことに成功しました。ついでにモーさんに軍師として指揮することを望みました。今回はモーさんに襲われることを待ちながらオルレアンの発見まで待ちます。特異点Fをクリアしてから大体1週間でオルレアンは発見されますがほよちゃんは何日か寝ていたので既にタイムリミットが近いです。発見が今日でないことを祈りつつやるべきことをしましょう。

 

>短い時間だったけど眠りから目を覚ます。昨日腕についていた点滴は既になく、代わりに包帯が巻かれている。行動するにも誰かと一緒にと言われているし誰を呼ぼうか。

 

 

 はい、勿論モーさん一択です。昨日あんな話をしたので間違ってもモーさん以外呼んではいけません。襲ってもらうまでは冒険しない方が確実なので。

 

 

>「お、今日はオレが来るまでにきちんとおきてるじゃねえか。」

タイミング良く医務室にくるモードレッド。とりあえずは自室までついてきてもらおう。

 

 

 ここで一度自室に戻るのは非常に重要です。ほよちゃんが病衣でカルデアを動き回るとDr.ロマンをはじめ生き残ったカルデア職員の精神をごっそり削ります。ここにいる人間はぐだ男、ほよちゃんをレイシフト先で危険な目に合わせる事にかなり罪悪感を抱いています。ですのでほよちゃんがこのまま病衣で現れると自己嫌悪して勝手に死んでいる可能性も出てきます。ですので一度自室に戻って私服に戻しましょう。

 

 

>服を着替えて髪を整える。昨日まで怪我人だとしても流石に寝癖が付いたままみんなの前に出るのは恥ずかしい。それにズボラだと思われるのは嫌だ。

「そういえばモードレッド。結局私ってどれほど寝たままだったの?」

振り返るとモードレッドは私の部屋にある飴玉を一つ勝手に食べ始める。なんだ意外と気に入ってるじゃないか。

「3日だな。まあ、その間に色々起きたから驚くなよ。」

 

 

 今モーさんからまだ猶予があることを教えてもらえましたね。3日寝て起きたのが昨日(4日目)ですので今日は5日目となります。多分復帰したばっかりなので訓練は出来ないでしょう。となるとほよちゃんの強化は誰かと話して技能を手に入れるぐらいですね。後は本命の鯖の召喚です。今後致す可能性の鯖は勿論、現在のカルデアにある問題点を解決してくれる鯖を召喚したいのもあります。

 

 

>「あと、今日陽子には他のサーヴァントを呼んでもらうぜ。基本はオレ一人で大丈夫だと思うが、まあ...念の為だ」

さらりとモードレッドに凄いことを言われた気がする。サーヴァントってそんなにぽんぽんと呼び出せるものなのだろうか。そもそも私はどうやってモードレッドを召喚したのかもわからないし。

「その辺りはオレもわからねえ。だけど盾女が居れば出来るみたいだぞ。」

盾女.....。ああ、マシュさんのことだろうか。彼女はそういえばサーヴァントと融合したと言っていたけど盾が有名な英雄なんていたかな。ギリシャ神話の神、アテナは盾というより槍のイメージがある。駄目だわからない。

 

 地味に歴史好きの能力で真名看破しようとして失敗しましたね。ただでさえモーさんがいて危ないのに。こっちは6章のイベントをぶち壊したくないんだ!変に看破すると宝具変化のイベントが無くなってそれまでサクサク進んでいても急に難易度がインフェルノです。じゃあほよちゃんが推理しないようにマシュを探しに行きましょう。多分ぐだ男を起こしに行ってると思うんですがほよちゃんはそんなこと知らないので食堂か管制室ですね。

 

>「とりあえず食堂でも行こうか。私は大丈夫だけどモードレッドは食べたいでしょ?」

何故か返事につまるモードレッド。理由を聞いてみたところレーションばかりで飽きたそうだ。

「陽子、お前何か作れよ。いい加減辛いんだ。ああいう飯ばっかり食ってると故郷の雑な飯を思い出す。」

私も料理が得意なわけじゃないけど善処はしよう。食事は日常生活でも戦場でも大切だからね。

 

 

>食堂に着き周りを見渡す。マシュさんらしい人は居ない。だけど、1人凄い気になる人がいる。

全身青タイツみたいな恰好で長身青髪の男性。なんだかどこかであったような。

「お、嬢ちゃん。今日から復活か。こりゃ頼もしいな。」

私を見るなりまるで知っているような....。いや、まてよ。もしかしてだけど。

「もしかしてキャスター?レイシフト先で出会った。」

彼はご機嫌に指を鳴らして笑顔を作る。あの時とは雰囲気が大分違うような気がする。

「ああ、正解だぜ。ただ今回は本職のランサーとして坊主と契約を結んだんだ。」

 

 

 よし、ぐだ男は立派に兄貴と熱い友情を育んでくれていたようです。この生存性能の化け物がいればぐだ男の死亡確率は更に減ってくれるでしょう。やっぱりケルト出身兄貴は最高やな!ほよちゃんには来ないでほしいけど。

 あ、マシュがぐだ男を連れてきましたね。こんな健気で可愛い後輩に朝起こしてもらえるなんてぐだ男の人生は勝ち組ロードまっしぐらですね。私とは大違いです(血涙)

 では今回の本命である鯖召喚についてですが、特異点クリア報酬で3回分のチャレンジは出来ます。ぐだ男は勝手に召喚したと思われるのでこの後にぐだ男の呼んだ鯖についてでも聞きに行きましょうか。今回のルートですと女性鯖なら誰でもいいんじゃない?と思われる方も居るでしょうが、呼んではいけないのが何体か居ます。まずは玉藻の前と清姫こときよひーの2人です。基本的に彼女たちはこのルートを選択しない限りは積極的に呼びたい鯖です。好感度も上げやすく、主人公の体調管理もしてくれますし甘々なので駄目人間になるぐらいです。また1人に絞って致すルートを取った時の彼女たちは壊れ性能で有名です。ですが少しでも他の鯖と致すと問答無用で殺されます。ちなみに事前にだれかと致している状態で呼ぶと瞬殺で病んですべてを無に帰してくれます。なので出たらリセットです。

 次に即リセットに当たるのはキアラさんです。彼女非常に致しやすいですが致すとソワカソワカの快楽天で一生帰ってこれません。ソワカソワカする場合は主人公に精神耐性EXがないと駄目です。

 準リセット要因だとキュケオーンのキャスターが当てはまりますね。彼女は1人に絞るか誰かと致した後で呼んでその後放置すれば終了は防げるので引いても続行できますがあまりお勧めは出来ません。

さて、そろそろ召喚タイムですね。事前にセーブをしましてっと。

 

 

>食事を済ませた私たちはマシュさんの言う通り召喚ルームへと足を運ぶ。

渡されたのは光輝く石。どうやら聖晶石というらしい。それを中央へ運んでいくとその輝きはより一層強くなる。私の足元に見たことのない模様がいくつも浮かび上がる。

 

>「物好きな人ですね。生贄がお望みでしたら、どうぞ自由に扱って下さい」

最初に現れたのは長身の女性。長くきれいな紫色の髪に恵まれた体つき。顔を隠しているのは意味があるのだろうか。

 

>「ブーディカだよ、よろしく。気軽にブーディカさん、と呼んでもいいよ」

次に現れたのも女性。同じくらいの長身だが.....なんでかな2人とも恰好が際どい気がする。

ただ、短くまとめられた赤い髪の毛とその笑顔は見ているこちらまで元気になりそうだ。

 

>「おやおや、これはこれは奇遇ですな。デュフフフフフ。黒髭、参上ですぞ。緑は敵ですぞ」

最後に変な人。カルデアに不審者が紛れ込んでしまった。モードレッドだって後ろで剣を構えてるし。

 

 

 

 

 ふむライダーとライダーとライダーですか....。次のカーミラ戦の前に聖晶石を集めることが決まりました。ちなみに続行です。何故ならこの3人このルートを取るときに全員救世主のような存在になるからです。

まずはライダーと言えばこの人、メデューサさんですがご存じの通り男性より女性を好みます。

ただ、誰でも良いというわけではなく器量の良し悪しがかなり絡みます。ほよちゃんは見た目的な意味での器量は多分普通なので能力面でのアピールをしていきます。これはオルレアンで見せるから待っててください。ただ初めてはモーさんに渡すからゴメンね。だけどそういう関係が露見すれば襲ってくれます。

というわけで彼女はほよちゃんの旦那(致した鯖)候補です。

 

 2人目のブーディカさんは台所担当兼メイン盾です。台所担当ならエミヤ兄貴でいいだろ?と思う方も居ると思いますが彼はレアです。私の屑運ではそうそう来てくれませんでした。そういう意味では代用です。ですが彼女には別の役割があります。1つはその宝具ですね。色彩を穢さない限りマシュはこちらに来ません。そうなると防御面で不安が残る場面が多くなるので彼女が居るだけでほよちゃんの死亡確率が下がります。そして3つ目はその性格です。ブーディカさんはお姉ちゃん兼ママです。ですのでほよちゃんをめっちゃ甘やかします。致すことは男性、女性どちらで始めても非常に難しいので襲ってくれればラッキー程度に考えますがそこが問題ではありません。彼女が居ることによりほよちゃんを襲おうとしている鯖はその仲の良さから嫉妬してくれます。そしてブーディカさんより深い関係を結べばいいと考え襲う決心が早まります。これだけ聞くと万能キャラに思えるかもしれませんが実際万能キャラです。いっぱい甘えましょう。

そしてまずはモーさんに焦ってもらいましょう。

 

 はい、そして3人目。黒髭です。彼はまずスキルにより女性鯖を回復することが出来ます。これにより戦闘面でもガバが起きたときのリカバリがしやすくなります。勿論それだけではありません。皆さんご存じの通り彼の目的はハーレムの形成です。しかしマスターと鯖、例えばほよちゃんとモードレッドと言った女性同士で致している事を知ると途端に百合厨と化してくれます。なんなら奥手の鯖の為にダヴィンチちゃんに頼みマスターを<致さないと出られない部屋>に閉じ込めてくれます。さらにはほよちゃんを口説こうとする男性に対して百合の間に挟まる男絶対許さないマンとして活躍してくれます。最高に便利です。

尚且つこっちは旦那(致した鯖)とイチャついているだけで好感度が上がって勝手に満足してくれます。まさにこの称号を取るために作られたサポーターです。最強すぎるだろ....

 

 

 さて、物語的にはほとんど進んでませんがキレがいいのでここまでにします。

次回モーさんに襲ってもらえるよう頑張ります。出来れば1章にも入りたいですね。




ここまで書いといてPCとスマホで見る画面の違いに気づけなかったのは本当に申し訳ございません。
ただ、皆様に読んでいただいて感想や誤字脱字報告をもらっているのでこちらも頑張ろうという気になります。
物語は序盤で尚且つ私の文章が未熟な部分もありますがお付き合いして頂ければ幸いです。
アンケートを設置したのでよろしければお答えください。アンケートの結果によって次回以降の書き方が決定します。


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言葉以上の約束

 感想、誤字脱字報告いつもありがとうございます。感想欄での黒髭コメントがすごいですね。やっぱ好きなんすねぇ(申し訳程度の要素)
というわけで続きを始めたいと思います。



 前回新しく鯖を召喚したところライダー×3という通常ならリセ案件ですが全員欲しい鯖でしたのでなんの問題もなく続行を決めたところです。ぐだ男が槍兄貴以外何を召喚しているのか気になるところですがとりあえずほよちゃんには自分の鯖達との好感度を上げてもらいます。というわけでマイルームに所狭しとイクゾー!

 

 

>自分の部屋についてから来客用の椅子を4つ出す。ブーディカさんとメドゥーサさんは素直に椅子に座る。

モードレッドは私のベッドの上に座る。そして残った彼は

「ムフッ!こんな花園にいきなり入れるなんてモてる男は大変ですなぁ。あ、マスター今夜拙者の予定はないですぞ。」

手を握られる。この手つきはなんだかいやらしい。そう思った瞬間、彼の首に見覚えのある剣が付きつけられる。

 

>「おい、髭野郎。手を離すか首を落とされるか選べ。あと陽子、手を洗ってこい。」

青ざめる彼の顔、パット離された手。モードレッドの目は本気だ。私も従って手を洗おう。もしかしたらじゃなくてもこの2人は合わない。私が間で何とかしなければ。

「ひどーい!ちょっとしたジョークなのに!拙者傷ついちゃうでござる。」

口でぷんすかぷんすかと言ってから彼は椅子に座る。この期に及んでまだその態度で居られる肝の据わり方はすごいと思う。

 

>「今のは私も気持ち悪いと思いました」「私も今のは.....ちょっとなー」

追い打ちをかけるような女性陣からの攻撃。申し訳ない。私自身も鳥肌に今気づいた。

「これから一緒に戦う仲間だから貴方たちの事を教えて欲しいの。少しでも私が役に立てるようにしたいからね。」

3人の話を聞いていく。メドゥーサさんはどうやら読書が好きらしい。話が合いそうでよかった。ブーディカさんはかなり活発な女性の様子。それにどうやら料理が得意らしい。これならモードレッドが気にしていた食事の件も改善してくれるだろう。最後に彼だが、案外ムードメーカーとして働いてくれるのだろうか。特に嫌いなこともなさそうだし。それに彼は生前海賊とはいえ、部下を従える立場にいた人間だ。色々教わることはあるかもしれない。

 

 この感じだと3人の初期好感度は女性陣が普通。黒髭は気持ち低めですかね。ちなみにモーさんは襲ってくる直前だと思われます。メドゥーサさんとは一緒に読書すれば勝手に好感度が上がりそうですね。

ブーディカさんはこの後一緒に夕飯でも作りましょうか。モーさんにも何か作れと言われているのでブーディカさんに手伝ってもらいながら作ればカルデアの残り職員も満足ですね。ついでにマシュを巻き込んでぐだ男にアピールもさせたいですね。黒髭は放置プレイでええやん。

 というわけで話している間に良い時間になりましたのでご飯でも食べに行きましょ。ブーディカさんには手伝ってもらうとして他の人たちはとりあえず食う専門でいいぞ。

 

>私たちは食堂へと向かうために部屋を出る。食材がどれだけあるかはわからない。だけど好きなものを作れたらそれは喜んでくれると思うから。だから後ろを向こうと振り返ろうとしたとき、タイミング悪く曲がり角から出てきた人とぶつかってしまった。

「ああ、お嬢さんすまない。怪我はないかい?」

初めて見る金髪の男性。着ている服は職員の服ではなく鎧姿。こちら側もぶつかってしまったことを謝る。私が召喚したわけではないから彼はきっと立香のサーヴァントなのだろう。

「ああ、申し遅れたね。私はアーサー。アーサー・ペンドラゴンだよ。」

 

 

 はいぃ?(杉下右京感)え、ぐだ男。何を召喚してくれちゃってるの?なんなの?モーさんイジメしたいの?あー、ほらモーさんが複雑な顔しだしたじゃないか!ちなみにこのプロトアーサーこと男の父上とモーさんの相性は最悪です。父上や乳上ですとまだ思春期の男子高校生ムーブで済みますが男の父上だとモーさんのストレスがひたすらに上がります。尚且つあちらはモーさんを可愛がるので更にモーさんの負担になります。完全にすれ違い親子です。しっかしぐだ男の召喚運どうなってんの?触媒も無しによく引けますね。

 

>「アーサー王。ここに居られましたか。って、あ。」

マシュさんが慌ててこちらに来ていたのは大体想像がつく。彼が本当にアーサー王なのかはわからない。現に特異点で見たアーサー王は間違いなく女性だったからだ。だが、仮にもアーサー王と名乗る人物がモードレッドと出会ってしまったならと考えればなるべく避けたいものがある。

「ああ、君がこの世界のモードレッドか。うん、可愛らしいね。」

 

 

 はい、これです。男の父上は結構な頻度でモーさんの地雷を踏みぬいてくれます。もしモーさんを召喚していなかったら滅茶苦茶強いしイケメンだし、好感度稼ぎやすいし、最初から最後までスタメンなのですがモーさんがいると途端にぐだ男、自分で呼びたくない鯖になってしまいます。あ、ちなみにリセしてもぐだ男の鯖はほよちゃんが気絶してるときに呼ばれてるので変わりません。あ、でもこれでぐだ男に近づかなくてもいい理由が出来たじゃないか!怪我の功名ですね。

 

 ブーディカさんが来てくれたおかげで食堂ではいつもと違ういい匂いがしている。私も少しは手伝ったが彼女の腕前には遠く及ばない。ここまではいい。皆で食事を囲む中モードレッドだけ1人遠くの席に座って食事をとっている。それもそうだろう。今、この食卓の中心にいるのはあの男のアーサー王なのだから。

 

>「はい、陽子ちゃんの分だよ。」

ブーディカさんから私の分の食事が渡される。私はそれを持ってモードレッドが居る席の向かいに座る。

>「なんだよ、あっち行けばいいだろ。」

そうもいかないのだ。モードレッドに分かるように指で私のサーヴァントを指さしていく。

>「ブーディカさんは配膳に夢中だし、メドゥーサさん賑やかなのが苦手なのかな。あの団欒の端の方で食べてるよ。黒髭はほら、アーサー王に解り易く嫉妬してる。」

どうにもこうにも私が召喚したサーヴァントは皆、彼の作った輪から外れている。それが少し可笑しい。

 

>「あのアーサー王は確かに魅力的な王様かもしれないけど、私はモードレッドの方が好きだからこっちに来たのよ。」

ブーディカさんの作ったご飯を口に入れる。うん、凄くおいしい。今度レシピを教えて貰おう。

2人でご飯を食べていく。洞窟の時と同じ会話はない。だけどモードレッドとこういう形で過ごす時間は私はとても好きなのだ。思わず笑顔で居れるぐらいには。

 

>「食べ終わったお皿、そこに置いといて。私のと一緒に持っていくから。」

私の方も食べ終わり、お皿を片付けようとしたところについでに飲み物も要求される。これじゃあどっちがサーヴァントかわからないや。でも悪い気はしない。それだけ私を信用していると信じよう。

 

 

 

 

>食事の後、私はダヴィンチちゃんからもらった部屋の振り分け表をもらって3人をそれぞれの部屋へと案内していく。また、黒髭のジョークが出たけどその時はメドゥーサさんに助けてもらった。

一通りやることを終えたので私も自分の部屋に帰りくつろぎだす。歩き回れるようになってからの初日、少しハードだったかもしれない。寝るまでの間ちょっと本でも読もうかな。

 

>「おい、陽子。今いいか?」

こちらが答えるより先にモードレッドが部屋へと入ってくる。開きかけた本を元の場所へと返す。そして彼女は椅子を出すより先に私のベッドへと座り込む。

 

>「どうしたのモードレッド?」

横に座り何も言わない彼女に対し、声をかける。帰ってきたのは返事ではなく私の片腕をその手でつかむ行為。私は特にそれに対して振りほどくことはせずただ、そのまま受け入れる。

 

>「ねえ、何か言って欲しいんだけど。」

用事があってきたはずの彼女は何も答えない。さらに言うならば彼女の顔は今までに見たことのないような顔になっている。例えば焦りとか緊張とかそういった形の....

「お前さ、昨日言ったよな。オレが王になるために手伝うってさ。」

勿論言った。そしてモードレッドが私に言ったことも忘れていない。いや、忘れるものか。私からしたらモードレッドからあんなことを言われたのはすごく嬉しかったし返しにあんなことを言ったのは恥ずかしかったのだから。

片方の私の腕を握ったまま残ったもう片方の腕が私の肩に添えられる。そしてそのまま押し倒される。

「悪ぃ、オレ自身もおかしいとは思うんだが、その....な」

腕を掴んでいた手が私の頬をなぞる。くすぐったいと思う反面続けて欲しいと思うのは変だろうか。

「言葉だけじゃなくて証拠が欲しいんだ。」

叛逆の騎士と呼ばれた1人の少女。きっと誰よりも叛逆というものを理解した騎士。そして彼女にとって信頼した人に裏切られるのは最も怖いことなのかもしれない。だからこうして彼女の柄でもないことをしているのだろう。

 

>自由になった片腕で私の頬をなぞった彼女の手を握り返す。これが私の答え。もしかしたら昨日の時点でこうなることを望んでいたのかもしれない。いや、元をたどれば出会ったあの時から私は彼女のモノにされたかったのかもしれない。だから私は彼女の....モードレッドの熱を受け入れた。

 

 

 

 はい、申し訳ありませんが削除対策です。いや、にしてもようやく襲ってもらえましたね。これで目標の1/7が終わりました。ちなみに致すとほよちゃんの属性に愛する者が追加されます。当たり前ですね。あとモーさん色に染められると思うので多分混沌属性にもなると思います。あとは戦闘中のモーさんのステータスが色々おかしいことになります。それにしてもぐだ男は男の父上を引いてくるとか完全にこちらを殺しに来てますね。こうなるとマシュと好感度をあげて応援するスタイルで行くよりはなるべくぐだ男にかかわらないでマシュが頼ってきたときにぐだ男の情報を流す方がいいですね。というわけで今後ぐだ男が来た時には少し厳しく接しましょう。心の隙間にマシュをねじ込んでマシュの事しか考えられない体にしてやるぜ。

 

 キレがいいので今回はここまでにします。レイシフトは出来ませんでしたので次回1章が始まります。軍師ほよちゃんの活躍どころなのでお見逃しなく。




アンケートありがとうございました。意外と気にならないものなんですね。
とりあえずは前回のスタイルを維持しながら多機能フォームで整えようと思います。
何度も書いている事ですが感想ありがとうございます。皆様の感想に励まされたり笑わせてもらったりで書くこちらもかなり楽しくやらせて頂いてます。


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第一特異点へ

 シナリオを読み返してどうするか考えてたので初投稿です。


 前回ようやくモーさんに襲われました。かなりモーさんが依存してきてますけどここで引いてモーさん専用になると目的の称号が獲得できないので頑張って後最低6人には襲われます。今のメンツで襲ってきてくれそうなのはメドゥーサさんですね。じゃあ、さっそく好感度を上げにイクゾー! と言いたいところですがモーさん優先にしないとモーさんに殺されるのでまずはモーさんだ。

 

  

 というわけでほよちゃんが起きました。モーさんは部屋に居ませんね。多分自分の部屋に帰りましたね。とりあえずこのまま外出るわけにもいかないのでマイルームについてる風呂に入ってから行動です。ちなみにモーさんと致して睡眠時間が微妙に足りてないのでスタミナは全回復していません。激しかったんだね////

 

 代わりにストレス値はほぼゼロ。身体能力的にはいつもより高くなります。愛の力ってスゲー。ていうかこれがあるのであんまりほよちゃん鍛えなくてもなんとかカバーできるんですよね。あ、ちなみに嫌がっているのに無理やり襲われると勿論ですがデバフの方になるのであしからず。

 

>お風呂から上がり体を拭いて身だしなみを整えていく。昨日の夜も忘れられないものになってしまった。あの後モードレッドは私に自分の出生について話してくれた。アーサー王のクローンとして生まれたこと。母親のこと。はっきり言ってしまえばその話を全部理解することは出来なかった。だけど私にとってモードレッドはモードレッドであり、決してアーサー王のコピーでないことは伝えた。そうしたら頬をちょっとつねられた。

 

 

>「おい、起きてるか。飯の時間だぞ陽子」

 

丁度着替えを終えたところでモードレッドが部屋に入ってくる。昨日の手前どういう顔をして接していいか解らないけどモードレッドはいつも通りだ。なんだか私だけが意識しているようで悔しい。

 

「ごめんね。今着替え終わったから行こうか」

 

だけど特に何かできるわけでもなく私はモードレッドの後ろをついていく。きっと今日もブーディカさんの美味しいご飯が待っているのだろう。

 

 

 食事ですが昨日と同じモーさんの向かい側に行きましょう。ん? 今日は黒髭とメドゥーサさんもこちらに来ましたね。黒髭はイケメンを見たくないのでメドゥーサさんはこの2人が静かだからでしょうね。さり気に黒髭がほよちゃんの隣に来たことでモーさんがムッとしてますが、ほよちゃんとモーさんは食べ終わりましたのでお皿を片付けて水でも持ってきましょう。あ、水は人数分ですよ。ここは平等にね。

 

 

>「サーヴァントに対して....ありがとうございます陽子」

 

メドゥーサさんがただ水を持ってきただけで随分感心したような声を出す。神話で見る彼女は海の神に愛された女性だ。まあ、その後呪いを掛けられる訳だけど、見た目からしてモデルのような体系に長く綺麗な髪。伝承によればその眼は見てはいけないんだろうけどきっとあのマスクを外した姿は美人なのだろう。何が言いたいのかと言うともう少し人に対して傲慢であっても不思議じゃないと思っていた。

 

 

 

>「ムフフ、何も言わなくてもマスターが拙者に給仕してくれる。やっぱり拙者はあのイケメンに負けてないでござるな」

 

黒髭は相変わらずだった。その後にモードレッドに睨まれて縮こまる姿に思わずクスっと笑ってしまった。あと、気になるのはそのTシャツはどうしたのだろう。彼の体に合ってないのが一目で解るほどピチピチになっているし、そのアニメのキャラクターみたいなプリントはというか情報はどこから仕入れたのだろう。

 

 

 

>「ああ、皆ここにいたのか。すまないがこの後ブリーフィング

 

ルームへ来てくれ。特異点が見つかったんだ」

 

Dr.ロマンが髪を掻きながら現れる。新しい特異点。また、戦いが始まろうとしている。

 

 

 ちょっとまって、まだ1日猶予ありますよね?? 何故に今日見つけるの? 優秀がアダになってるじゃないか! いや、優秀過ぎるからこそのガバを探してそこに付け込みましょう! 

 

 

 

>「という訳で僕らには休んでいる暇なんてない。今すぐにレイシフトして欲しいんだ」

 

休んでいる暇はないか....でも彼には申し訳ないけどここで頷くわけにはいかない。

 

 

 

>「Dr.ロマン。一つ質問してもいいでしょうか?」

 

気合を入れている立香には悪いけど、そう簡単に納得できない。

 

「Dr.ロマン。時間がないのは解りますが、レイシフト先でのサポートは万全であって欲しいというのは私の我儘なのでしょうか?」

 

私の問いに彼は首をかしげる。彼はもしかしたら急ぎ過ぎているのかもしれない。

 

「Dr.ロマン。私や立香はレイシフトすることは問題ありません。だけど貴方はどうでしょう? 申し訳ありませんがそんな疲れた顔でサポートすると言われても説得力がありません。それとも私たち一般人のサポートなんてそれで出来るなら別ですけど」

 

正直自分でも酷い言い方だと思う。だけど、このくらい言わないと彼は自分の疲労に気づかないんじゃないだろうか。なんたって彼とたいして話したことの無い私だってわかるレベルなんだ。

 

「ドクター。私も陽子さんに賛成です。一度貴方に休んでもらって万全の状態でのサポートを希望します」

 

どうやらマシュさんも私の意図に気づいてくれたようだ。彼女とDr.ロマンの付き合いは長いのだろう。だからこそ無茶はしてほしくないというのがなんとなくわかる。

 

「あと、陽子さんもです。貴方もまだ本調子ではないと思われます」

 

この子は意外と他人の事を見ているみたいだ。まあ、私も彼女の言葉に甘えるとしよう。

 

「おい、陽子。盾女にいいように言われてるな。まあ、事実だから仕方ねぇけどな!」

 

モードレッドが私の脇腹を突いてくる。今日の疲れは一体誰のせいだと思っているんだ全く。ただ、Dr.ロマンも私の調子を気にしてすぐさまの出発は無くなった。

 

 

 

 というわけで数時間ほどオルレアン行きが伸びましたがこの時点ではまだオルレアンに行くことすら解っていないのでダヴィンチちゃんと適当に話したら寝ましょう。何故ダヴィンチちゃんと話すかって? 好感度を稼ぐのともしかしたら何か技能をくれる可能性がありますからね。まあ、今回は駄目だったのでカット!! あと、あんまり行くのが遅れすぎても駄目です。いったら野良鯖が全滅してるとか目も当てられませんからね。だけど早すぎると今度は特異点の無限ループとかに巻き込まれますのでここで5時間ほど時間調節をします。Dr.ロマンに過労で倒れられても困るんでね。ちなみにこういう感じにイベント起こしておくとDr.ロマンの好感度上がりやすいらしいですね。

 

 

 

 さて、今のうちにオルレアンにおけるほよちゃんチームとぐだ男チームの役割を解説します。まずはぐだ男チームですが、これは原作と同じくフランスを旅してもらいます。情報収集→野良鯖と合流をメインに動いてもらいます。これをしないと清姫こときよひーがぐだ男の事を安珍様だと思いません。下手にほよちゃんが先に出会うとほよちゃんの事を安珍様と思い込むので今の状態だと焼かれて死にます。

 

 ではほよちゃんはどうするのかと言いますと、モーさんと砦を一つ乗っ取ります。そこでワイバーンをひたすら迎撃し続けてフランス兵の士気を高めると同時に敵鯖の攻撃対象をこちらにします。この状態で勝ち続けると聖人カメラマンとすまないさんがこちらに救援依頼を早い段階でくれます。ですのでぐだ男を向かわせて回収します。これにより野良鯖が合流前に欠けることはほぼないというわけです。

 

 

 

 これだけ聞くと完璧なプランに聞こえますが勿論欠点もあります。一つはジャンヌの好感度はぐだ男に取られます。それどころかほよちゃんとジャンヌは互いに嫌いじゃないけど微妙な関係ぐらいになると思います。フランス兵を殺さないとはいえ砦を1つ乗っ取るわけですからね。仕方ないです。

 

 2つ目は砦の管理をほぼほよちゃん1人で行うのでほよちゃんの疲労がマッハで貯まります。砦のフランス兵はモブでほとんど管理なんてしてないので要塞化するまではほよちゃんに安らぎの時間はありません。北伐の孔明ぐらい働いてもらいます。というわけでほよちゃんがレイシフトするところまでカットします。あと飴玉補給も忘れずにしておきます。

 

 

 

>「では、改めて立香君、陽子ちゃんにはレイシフトしてもらうよ。準備はいいかい?」

 

今度は私も彼も力強く頷く。Dr.ロマンの言う通りレイシフトしたらまずは拠点の確保だ。そうしなければ他のサーヴァントを呼ぶことも出来ないしカルデアからの物資も受け取れない。

 

 

 

>「では、こちらは私と先輩で。そちらは陽子さんとモードレッド卿で」

 

マシュさんの指示に従いレイシフトの準備をする。大丈夫、今度は前回の様な無茶はしない。

 

 

 

 レイシフト開始まで あと3、2、1

 

 

 

 

 

>意識が戻る。上を見上げると雲一つ無い晴天。辺りには砦が見えるがそれを除けば広々とした草原が広がっていた。

 

「おう、目覚めたか」

 

横にはモードレッド。だけどマシュさんや立香は居ない。またなのか。

 

「もう少し寝てても良かったんだぜ。バカみたいな顔して寝てるのは見てて面白かったしな」

 

意地悪だ。だけどこの言葉の裏側に優しさを感じるのは変かもしれないけど。

 

「さて、さっそくだがあいつら相手にひと暴れするか」

 

近くの砦に向かってくる3体の骸骨達。こんなところまで居るのかっ! 嫌な思い出が蘇る。だけど、今度は違う。まずは一番近い骸骨に向かってモードレッドが飛び蹴りを入れる。一撃で粉砕される骸骨。骸骨達も反撃を試みるが最早相手ではない。邪魔にならないように私は後ろに下がる。悔しいけど私自身が強くなったわけじゃない。

 

「おうおう、ちゃんと隠れてるな。えらいぞ」

 

瞬く間に3体を倒したモードレッド。暴れ足りないといった感じだがとりあえず私の行動には満足のようだ。

 

 

 

 

 

>「あんた、アイツら相手によくやるなぁ」

 

砦から出てきた兵士と思われる人にモードレッドが声をかけられる。勿論私は見ているだけなのであちらから興味はないようだ。

 

「それにこのご時世に女を連れて旅なんてアンタどこの騎士だ?」

 

モードレッドの見た目でそう判断してくれているならまあいいか。旅人だと勘違いしているのもありがたい。

 

「あの、このご時世とはどういうことでしょうか?」

 

 

 

 ぐだ男達とどれだけ離れてるか気になりましたがこれはそんなに離れてませんね。ここで兵士からジャンヌが竜の魔女として蘇ったこと。現在百年戦争中であることを教えて貰えます。この後にワイバーンに襲撃されることが確定していますがこの場合だとジャンヌとぐだ男達が合流した状態でこっちに来てくれます。あ、ちなみにこの砦を乗っ取るにあたってどう頑張ってもジャンヌの誤解を解くことは出来ません。

 

 

 

>「来た! 奴らだ!」

 

怯えるような兵士たちの声。次にやってきたのは竜のようなものが5匹ほど。なるほど、これの襲撃を何度も受けてここの士気は下がりきってしまったということか。

 

「モードレッド。お願いがあるんだけど」

 

モードレッドはアレに対して特に驚いた様子はない。むしろ面白いものが来たぐらいの顔だ。だから私はお願いする。翼や頭のどちらかを狙って欲しいと。

 

「砦にボウガンか、ジャベリンってありますか?」

 

寄ってきた兵士に声をかける。彼が答えるには武器はまだあるという。

 

「我が王がアレの足を止めますからとどめはお願いします」

 

モードレッドが私を抱えて砦の上まで飛び上がる。突如現れた騎士と私の姿に兵士たちは戸惑いの色を隠せないでいる。

 

「さあ、テメエら! オレがあいつ等をぶっ潰してやるから見てろ! あと、陽子。お前の策は今回は面倒だからナシだ」

 

馬鹿はどっちだ。ここで協力して倒せば拠点らしいところが出来るじゃないか!! 

 

 

 

>大きく飛び上がったモードレッドが1体目の竜? の背中に剣を突き立てる。予想以上に血が噴き出て少し気分が悪くなるが今はそうじゃない。1人でも大丈夫なのはわかるけど、万が一を考えて欲しかった。器用に敵を足場にして倒していく姿は素敵だけど、私の考えに乗っかってくれてもいいじゃないか。

 

そんな事を考えていたから私は気づけなかった。死角から襲ってきた6匹目の敵に。

 

 

 

>口を開けた竜。炎のような揺らめきというか炎そのものを吐き出そうとしている!? 

 

「させません!」

 

謎の人影が竜の口を上から旗付きの槍で蓋をする。そして遅れて竜の首に刺さる魔剣。

 

「オレには見えてたんだがな」

 

どちらにせよ助かったけど、今の人影の正体を私はまだ目撃できていない。

 

「陽子! 大丈夫か!」

 

聞き覚えのある男性の声。立香だ。なら謎は更に深まる。マシュさんの武器はあの大盾だ。槍じゃない。モードレッドも剣を回収して私の前に現れる。

 

「私は大丈夫。ところで立香。聞きたいことがあるんだけど」「私の事ですね」

 

現れた旗付きの槍を持った女性。その旗の柄。ここの砦とあるものとすごく似ている気がする。

 

「ああ、そういえばDr.ロマンが言ってたけどここ1431年のフランスらしいよ」

 

1431年フランス。歴史的に有名な女性。でも先程の兵士の話じゃ既に彼女は死んでいて、でも目の前にいる彼女はそれらしいオーラがある気がする。というより魔女という概念からかけ離れている気がする。

 

「頭痛がしてきたわ」

 

 

 

というわけで今回はほよちゃんが頭抱えたところで終わりにします。

 

次回本格的にこの砦を中心にほよちゃんが頑張ります。




 今更ですけど身体能力の低い主人公はどうしても物陰に隠れなきゃいけませんね。
だからこそ今後は頭で見せる展開を用意したいですね。うん。


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拠点の確保

戦闘の才能ゼロの主人公が人理修復を目指すRTAモドキの続きを始めます。


 前回のあらすじ、現地のフランス兵と仲良くなって拠点代わりにしようとしたらモーさんが一人で倒してしまいました。あと、ジャンヌと出会いました。というわけでジャンヌと話すところから再開です。

 

 

>出来れば気づいて欲しかった。この時代、このフランスで象徴とも言える彼女の正体を。そりゃ復活して魔女になりましたなんて話は現地の人に聞かないと解らないけどその雰囲気や旗から多少なりとも彼女の事を推察して欲しかった。

「あ、貴方は....いやお前は!」

恐れていた事態が起こる。ここの兵士たちは理解していない。本当に彼女が魔女ならばあそこで私を助ける事なんてしなくていいんだ。それどころか助けるふりをしてあの竜みたいなのに私を殺させた方がまだ解り易いだろう。

 

>騒ぎが大きくなる前に聖女であろうその人が立香の手を引く。マシュさんもそして私もモードレッドもそれに続く。

「私たちが見てきます。貴方たちは怪我人や破損個所を何とかしといてください」

あくまで彼らの味方を装う様にして彼女の後を追う。処刑されたとはいえ彼女がここにいる可能性は確かにある。それも生前の姿で。横にいるモードレッドがいい例じゃないか。

 

 

>近くの森で彼女は足を止める。私たちもそれに合わせて周りに誰も居ないことを確認する。

「先程はありがとうございました。サーヴァントクラスはルーラー。真名をジャンヌ・ダルクと申します」

マシュさんが目を見開く。そうなるのも仕方ない。この時代のジャンヌ・ダルクは処刑された。だけどこんなにも早くにサーヴァントとして召喚されているんだから。私だって驚いている。それにルーラーのクラスなんてダヴィンチちゃんの説明には無かった。

「こちら助けていただきありがとうございます。聖女様。私は本田 陽子。こっちはモードレッドです」

モードレッドは特に挨拶もしないでただ、彼女を見ている。もしかしたら敵か味方か見定めてくれているのかもしれない。理詰めで考えてもいいが最終的にはモードレッドの直感に頼りたいと思ってたし丁度いいや。

「早速ですが聖女様。状況確認をしたいのですが先程の戦闘からして貴方は竜の魔女じゃないと考えています。だけどこの時代に貴方の名前を騙ってる者が居る。それに対して心当たりは?」

 

 この時点では当たり前ですけど邪ンヌの情報は解りませんね。先駆者兄貴の動画ですとリスポン地点が邪ンヌの前とかありましたがあれは特殊な事例だと信じたいです。ほよちゃんには普通に情報収集でその真実にたどり着いてもらいます。あとここでついていくのはぐだ男グループだけにしておくことを伝えると同時にマシュに鯖を召喚してもらいましょう。ここで呼ぶのはメドゥーサさんと黒髭です。

 

 

>「では、貴方があの砦を守ってくれるのですね」

首を縦に振る。正直この時点で私は彼女が怖くなってきた。仮にも彼女は魔女として処刑されたのだ。その事実からして彼女の名前を騙るのは非常に有効的だ。だけど彼女本人はフランス兵に対して何も恨み言を言わない。それどころか今でも愛おしいそうな目線を向ける。それこそが彼女が聖女と呼ばれるに相応しいのかもしれないがちょっと人間離れしすぎている気がする。

 

>「今の時点では貴方の無実を晴らせませんので少し強引なやり方になることは申し訳ありませんがやれるだけの事はしてみます」

マシュさんに頼みカルデアに居るメドゥーサさんと黒髭を呼んでもらう。勿論立香のサーヴァント達もだ。

「じゃあ、立花。なるべく聖女様にご無礼の無いようにね」

ついでにマシュさんに立香の事を頼まなければ。主に勉学の面で。流石にジャンヌ・ダルクを知っていないのは不味いと思う。

 

>「さて、モードレッド、メドゥーサさん、黒髭。私たちはやることやりましょうか」

砦に戻る前に軽く自分の顔に土汚れをつけておく。こうした方が信頼感が出やすいからだ。

「何してんだお前」

これからの準備かな。とだけ返しておく。

 

 

 はい、これから砦へ戻ります。前にも言いましたが現時点においてジャンヌに対する兵士たちの誤解は解けないのでそのままです。ですが、先程のモーさんの活躍でこちらへの信頼度は高いはずなのでそれを理由に砦を乗っ取ります。ではではほよちゃんが土汚れで戦った雰囲気を出して乗っ取るさまをご覧ください。

 

 

>「アンタら、無事だったか。それで魔女はどうなった。ってうわ! そっちの奴らは?」

 

 

 フランス兵、まあ驚くよね。メドゥーサと黒髭にさ。ここはぐだ男達は追撃、2人は合流した仲間と嘘をついておきます。きよひーが居たら殺されますね。

 

 

>「追ってたにしてはアンタだけ、土汚れが酷いな。まあ、アンタあっちの騎士に比べたらどんくさそうだもんな」

 

 

 おう、そうだよ。ほよちゃんも絶対気にしてるよ。でも言うんじゃねえよフランス兵さんよぉ。正直もう技能の習得でしか強化されないんじゃないかと不安なんだよ。

 

 

>「なあ、アンタら。もし行くところを決めてなかったら俺たちを助けてくれよ。次にあのワイバーン共に襲われたらこの砦はおしまいなんだ」

さて、このまま首を縦に振ってもそれは協力関係のままだ。申し訳ないけど今欲しいのは自分たちが好きか勝手しても許される場所。

>「王よ、この提案には乗らない方が良いかと。申し訳ないですが彼らは自分たちの象徴を助けず見殺しにした過去があります。我々も都合が悪くなれば今は魔女と呼ばれる彼女と同じ目にあう可能性はあります」

ここは駆け引きだ。これを指摘されて彼らは動揺の色を隠せていない。申し訳ないけど低姿勢でこちらに条件を出してもらう為なんだ。

 

>「そうだな、陽子がそう言うならやめた方が良さそうだな」

モードレッドが背を向ける。お願いだこちらにもっと縋ってください。

「あれについては仕方がなかったんだ! だけど今アンタらに見捨てられたら俺たちは死ぬしかないんだ! お願いだ助けてくれ! 俺たちに出来ることならするから!」

言質はとった。これでここを私たちの拠点として作り変えられる。

 

>「では、こちらの砦の全権を我が王にください。先程の話ですと国王も既に魔女の手にかかっているようですし問題ありませんよね?」

助けてもらったとはいえ私たちはどこの誰かもわからない異邦人。国王が居ないとはいえ彼らは国に忠誠を誓って戦った兵士たち。それに砦を渡すのは彼らにとってもかなりの賭けになるはず。

「わ、わかった。でも皆に相談させてくれ。必ず説得して戻るから居なくならないでくれよ?」

フランス兵に姿が見えなくなってからほっと胸をなでおろす。

 

>「いやーマスターは案外やり手でござるな。拙者ちょっと関心したでござる」

黒髭が驚いた顔をこちらに向けてくる。まだだ、まだ始まったばかりなんだ。

「陽子、大の男相手に素敵でしたよ。優秀なマスターに召喚された私は幸せ者ですね」

メドゥーサさんの口元から笑っているのが解るけどなんだか急に彼女との距離が近くなった気がする。その、一方的に。だけど褒めてくれるからいいのかな? 

 

 

 お、メドゥーサさんがほよちゃんの事を気になりだしたね。ただ、まだ興味あり程度なのでこれからです。モーさんもほよちゃんから砦をプレゼントされたので満足気なご様子なのでここまではいいですね。

 

 

>「モードレッド。とりあえずここが貴方の城になる訳だけどどうかしら」

無骨な小手に包まれた手が私の頭をわしゃわしゃとなでる。嬉しいけど意外と痛い。

「ああ、完璧だ。とりあえずこっからフランス全土を俺の国にするか!」

目的が違うよモードレッド。あくまでは私たちはこの特異点の修復に来たのだ。あと聖杯とやらの回収も。

 

 

 というわけで無事にモードレッド城(砦)が出来ました。でもここからが本番です。まず、この城は防衛用の兵器もショボければ既にワイバーンの攻撃を受けて城壁もボロボロです。尚且つ兵糧もそこまでありません。たまに大砲がある場合もあるんですが今回は大砲もありません。大砲を作ってもいいのですが時間、物資が足りません。なのでこれからほよちゃんには軍師として内政に励んでもらいます。FGOはシミュレーションゲームだった!? 

 

 

>兵舎に案内された私たちは近くにあった椅子にそれぞれ座っていく。

「まず、黒髭はなるべくここの兵士と協力して城壁を直して。ジャンヌ・ダルクならまだしもここの人たちも男性だし、私の指示に従いたくない人も居るだろうから。貴方に頼むわ。後この砦の地図も貰ってきて」

ダヴィンチちゃんに貰ったファイルの中身を確認する。これは天才にしか作れないけど。この中にある兵器の内いくつかはその天才の発想をそぎ落として凡人用にすれば作ることが出来るはず。

「メドゥーサさん。力仕事で申し訳ないんだけどなるべく多くの木材とそこそこ大きめの石が欲しいんだけど頼める? 人手が居るなら黒髭と協力して何人かの兵士と協力して」

サーヴァント。それも女性に頼む仕事ではないが彼女の力強さは神話を読んでいれば、その、わかってしまうのだ。

「わかりました。ですがそれなりの報酬は期待しますよ」

英雄が喜ぶものなんてわからないけど、それ相応の何かはしよう。さて、後はモードレッドだ。

「モードレッド。貴方は大将なんだからなるべく堂々とこの砦を歩いておいて。貴方が落ち着いていればここの人たちの不安も少しは取り除けると思うから」

身体的な能力で言えば私は全然役に立たない。だけど、私にはここの人たちにはないものがある。それはこの時代以降の約600年先の知識だ。限られた材料で尚且つあのワイバーンと呼ばれた竜みたいなのにここの兵士でも対抗できるであろう兵器。

「ダヴィンチちゃんの資料の中だと.投石器かな。火薬の作り方なんてわからないし」

 

 

 というわけでこれからほよちゃんは兵装見識のスキルと器用な手先のスキルだけで投石器の設計図と実物を作ります。運よくダヴィンチちゃんのマル秘ファイルという名の参考資料があるとはいえ素人。かなり時間がかかります。普通に完徹になります。戦闘以外でもほよちゃんは自ら精神と体力をすり減らします。空腹は飴とカルデアに通信して携帯食料を送ってもらいそれで誤魔化しましょう。ストレス値は減りませんが如何に早くこの投石器をそろえるかが鍵です。何故なら出来たら最後これを砦から撃っているだけで敵鯖とファブニール以外は倒せます。そうするとほよちゃん達は動かなくても素材が勝手に手に入るので最高です。

 

>始めたときにはまだ太陽が出ていた。そこから偶に差し出される食料を食べてひたすら紙とにらめっこを続け、一度夜になったのは覚えている。だけど完成した今、再び外は明るくなっていた。

「マスターって起きてたでござるか。昨日は集中してて話しかけ辛かったでござるけど大丈夫でござるか?」

起きていたというよりは寝ていない。黒髭の要件は城壁の修理が思う様に進んでいないらしい。

「それなら型の中に土を入れて焼いて。確か版築だっけかな。そういうんだけどそれで内側を覆って外側はレンガで覆えばいいと思うわ」

昔読んだ本でそんなことをしていた気がする。確かあれは200年頃のでも確立されていたしこの時代のフランスにもあるはず。黒髭にそれを伝えるとマスターもジャンルは違えどオタクであったでござるか。と言われた。余計なお世話だ。

「あと、メドゥーサ殿が大方の材料を揃え終わっていたでござるよ」

予想よりかなり早い。彼女には悪いけどこのまま手伝ってもらおう。

 

 

>技能 器用な手先が道具作成[D]に変化しました。

>陣地作成[D]の技能を獲得した。

 

 

 あ、ほよちゃんがいい技能を習得してくれましたね。本家のキャスターですと戦闘中にも効果があるのですがほよちゃんは鯖ではないので本当に言葉通りの性能になります。というわけでメドゥーサさんに協力して組立に行きましょう。

 

>「メドゥーサさん ありがとう。ごめんね力仕事なんてさせちゃって」

彼女の肉体労働に比べたら私なんて椅子に座ってただけだ。もう少し頑張ろう。

「お願い続きで悪いんだけど次にこの設計図通りに集めたこれを組み立てたいんだけど。まずは加工から....あれ?」

見れば木材は綺麗に整えられている。しかも私が思っていた以上に綺麗に正確に。

「昨日の時点で何度か陽子の書いているものを見たのでその通りにしておきました」

全く持って気配なんか感じなかった。いや、私が集中していたということにしよう。

 

 

 うっそ。メドゥーサさん優秀過ぎへん? これなら今日中に量産体制が出来ますね。1個出来ちゃえば後は兵士に渡しとくだけで勝手に作ってくれるので。あとほよちゃんの体力が減ってきてますが続行です。

 

 

>「ここをこうしてはめ込めば」

試作1号が完成した。あとはこれのテストをしてもらえばいい。そのあたりは私たちじゃなくて現場の人に任せよう。後はメドゥーサさんにお礼を言ってモードレッドに現状を聞こう。

「ありがとうメドゥーサさん。後は他の人にお願いするから休んどいて。いつ敵が来るかわからないし」

次の目的地へ向かおうとしたときに彼女に腕を掴まれる。

「駄目ですよ。そんな疲れた顔でどこに行く気ですか。まずは休んでください」

もう少ししてから休むのは駄目だろうかと私は提案してみる。まだ、やりたいことも残っているし。

「では力づくで休ませます」

 

 

 あ、メドゥーサさんに気絶させられましたね。うーん。もう少し行けると思ったんですが鯖によるドクターストップがかかりましたね。予想ではモーさんにかけられると思ってたんですけど意外とメドゥーサさんの好感度が稼げているようです。投石器は勝手に量産されていることを祈ってここはほよちゃんが起きるまで我慢しますか。

 という訳で今回はここまでします。ありがとうございました。




ジャンヌ・ダルクって史実では大砲をばかすか撃ってたらしいですが記述によってはフランス軍が大砲を使い始めたのって1453年の説もあるみたいですね。
色々調べてたら遅くなりました。申し訳ありません。


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防衛戦

本家の貰える星5鯖に気になっていた子が居たので初投稿です。



 前回のあらすじ。ほよちゃんが駆け引きの末、モーさんを城主にして砦を奪いました。ワイバーンに対抗するために投石器を徹夜で設計したらメドゥーサさんからドクターストップが入り無理やり休憩に入りました。

GameOverになってないので多分起きたところからスタートできます。

 

 

>「何してるの」

目が覚めた時、メドゥーサさんの顔が目の前にあった。というより現在彼女が私の上に跨っている状態だった。

「顔に汗を掻いてましたので拭っていました。嫌でしたか?」

いや、拭いてくれるのは嬉しいけどどうしてその状態だったのか。それとも彼女の時代と今の時代の常識が違うのだろうか? 

「あの、メドゥーサさん。なんで私の服の前、こんなに空いてるんですか?」

少なくとも起きていた際に第3ボタンまで開けた記憶はない。それにこんなに開けたら下着が見えてしまっている。

「寝苦しそうだったので開けておきました。嫌でしたか?」

きっと気遣いだと信じたい。うん、神話でも彼女は確か海の神に愛された女性だ。私が考えている事なんかないはずだ。それにこんな考えは違ったら彼女に大変失礼だ。

「そろそろモードレッドが様子を見に来ると思うので私は退散します。とりあえずは満足しましたので」

背筋が凍り付いた。私何かされた? いやいや、きっと彼女なりの冗談なのだろう。そう、冗談だ。この場を和ます為の冗談のはずだ。

 

 

 はいこれ、実はこれ本当に冗談なんですよね。ただ、メドゥーサさんがこちらの事を気にかけていると発生するのでほよちゃんの良さに気づき始めた証拠です。頑張る女子は好物ですからね彼女。あとは、黒髭に城壁の修理状況を確認したかったのですが、モーさんが来るんで砦の状態を確認しましょ。

 

 

>「ぶっ倒れるまで仕事してたって、やっぱりアホだろお前」

投石器の設計図作り、籠城するための食糧管理、試作品の開発、そこまでオーバーワークのつもりはなかったんだけど、慣れない環境で慣れないことをしたせいかな。

「ワイバーンやスケルトンならオレと髭野郎。あとデカ女で十分だろ?」

そうなのだ。確かに今までの敵なら3人の力があれば十分なのだ。だけど

「うん、でも敵のサーヴァントが居るならモードレッド達にはそっちに集中して欲しいかなって。私やここの人たちは無理だからね」

私たちでも出来ることはしないといけない。頼りすぎて敵のサーヴァント前にして本調子じゃないなんて最悪のパターンだし。

「あと、カルデアから通信があったぞ。どうやら盾女達がこっちのサーヴァントと合流したみたいだ。確かライダーとキャスターって言ってたか」

 

 

 

 お、早いですね。マリーとモーツァルトと合流しましたか。ぐだ男が仲間を集めて目的を達成する王道RPGしてるのに対してこっちは戦略シミュレーションゲーム、モーさんの野望となっていますがこれでいいんです。ぐだ男が居ないなら見られる心配もなく安心して鯖と致せますからね。今の段階だとまだほよちゃんの事気にしているはずですからね。というわけでモーさんと砦内でも見て回りましょうか。ほよちゃんの努力の成果を見たいですからね。

 

 

>何時間自分が寝ていたかはわからないけど、砦の中を見て思った。人が増えている気がする。あっちに煙が上がっているが、特に慌てた様子もないことから炊き出しでもやっているんだろうか。

「デカ女がこの砦の周辺にある村に色々としたみたいでな、兵士以外も増えた。だからそいつらにお前が作ったあれを作らせてる状態だ」

砦の上に上がってみれば10数機の投石器が出来ている。勿論その横にもきちんと石が積み重ねてある。ということはテストは終わったということだろう。

「よし、繋がった。陽子ちゃん聞こえるかい?」

 

>ふいに目の前にモニターのようなものが映し出されDr.ロマンの顔が映る。とりあえず聞こえるということを伝えておく。

「うん、起きててよかった。でもダヴィンチから聞いたんだけど現地の砦を乗っ取って要塞化してるんだって? 無茶するなぁ」

乗っ取った訳ではない。交渉してモードレッドを城主にしただけである。いや、この場合は指揮官と言った方が良いのかな? 

「彼女大笑いしてたよ。よくやるもんだってさ。まあ、拠点を確保しろって僕は確かに言ったけどここまでするとはね」

ああ、そうだせっかく目の前に医者がいるのだ。聞いておかなければ。

「Dr.ロマン。せっかくだから教えて欲しいんですけど、衛生面でちょっと気になるところがあるんで教えて欲しいんですが、この当時はそういった技術があんまりないでしょうし、フランスって衛生面が発展するのは確か結構後だった気がするんですよ」

だからフランスで香水の技術が発展したのはそうなんだけど、私だって女なんだ。その匂うのとか汚いとかは嫌だ。それに疫病とかがここで発生するのも嫌だ。

「陽子ちゃん。君、本当にここからフランスを征服するつもりかい?」

そんなつもりは断じてない。ただ、私は手の届く範囲でやっているだけだ。

 

 

 いや、良いタイミングでDr.ロマンが来てくれましたね。ついでに応急手当とかの技能も教えてくれると嬉しいんですけどね。今回はほよちゃんが衛生面が気になってるみたいなんでそこから直していきましょう。ぐだ男達が鯖を見つけるのに時間がかかるとインフラ整備も出来るなこれ。

 

 

>「モードレッド殿! ワイバーンとスケルトンが来ました!」

突如、兵士の声で砦内の声が騒がしくなる。Dr.ロマンとの通信も切れてしまった。もう少し話を聞きたかったんだけどな。

「落ち着いてください。黒髭を中心とした兵士たちに投石器は任せます。後は何時でも出陣できるように何人かを門に待機させてください。武器はジャベリンを主体にあるなら槌を何名かに持たせてください。こちらで動きを止めた骸骨を砕いてもらいます」

ワイバーンは目視では3体、骸骨達は10体程度か。

「モー.我が王は投石器で止められなかったワイバーンを仕留めて頂きたい。よろしいでしょうか」

メドゥーサさんにはモードレッドと同じことをしてもらうけど、基本的には私の守りにあたってもらう。悔しいけど私の身体的能力は足手まといにしかならないから。

 

 

 お。餌が来ましたね。十数とはいえこんなん投石器があれば楽勝なんで素材変えてやりましょう。

 

 

>「そういえばマスター殿。これは景気づけでござる」

合流した黒髭とメドゥーサさんの手に握られているのはレンガ。景気づけ? 何をするつもりなんだろう。

「どうもモードレッド殿に比べると拙者達の信頼度が低い気がするYO! というわけで拙者達の力の1割でも見てもらおうとメドゥーサ殿と話していたでござる」

そんなつもりはないのだが、うん、まあモードレッドとは色々あったし絶対的な信頼を置いているのは確かだけど。

「唸れ! 拙者の投球スピリット!」

黒髭の右腕から投げられたレンガが高速で飛んでいく。当たり前だが人間の投げるスピードではない。文字通りの弾丸と化したそれはワイバーンの頭に綺麗に直撃し落下していく。

「YES! 拙者の抜群のコントロールを見たでござるな」

上機嫌に笑う黒髭。いやいやいや、その言動とその恰好からは想像もつかない力だ。やっぱりサーヴァントの力は桁違いだ。侮っていたわけじゃないけどまだまだ低く見ていたようだ。

「では、陽子。これは私からです」

次に投げられたメドゥーサさんのレンガが黒髭が落下させたワイバーンとは別のワイバーンの頭に直撃させる。そしてそのまま綺麗に頭が無くなる。ここまでくると敵に同情を覚えるレベルだ。

 

>「では、皆の者。拙者に続いて攻撃を開始するでござる」

投石器によって放たれた石がスケルトンの集団に降り注ぐ。数が少ないから一斉に撃つしかないけどもう少し数を増やせば弾幕として機能してくれるだろう。それにしても外した兵士たちに対してすぐさま角度の修正を行えるのは流石、海の男。

 

>「投石止め! 門を開けて残存したスケルトンと黒髭が落としたワイバーンにとどめを!」

私の合図と共に兵士たちが声を上げながら飛び出していく。最後に残ったワイバーンは横にいる。いや、もう城壁から飛び出したモードレッドに任せよう。ほんと、少しは我慢して欲しいけど今回は他の2人にあんなところを見せられたんだ。我慢できなかったんだろう。

 

>残ったスケルトンに対して槍を持った兵士たちが足止めをしている間に槌を持った兵士の一撃で文字通り体を砕かれていく。やっぱりああいうのは剣や槍で戦うより砕いた方が早いのかもしれない。モードレッドなんて蹴って粉砕していたし。残る槍兵たちも黒髭が落としたワイバーンに的確に槍を刺していく。やっぱり士気が低かっただけでここの兵士たちはかなり練度が高い。

じゃあ、この勝ち戦の最後はモードレッドに任せようかな。

 

 

>「オレ達の勝ちだ! テメエら声を上げろ!」

その日、現実に存在しないはずの生物に押されていたフランス兵は勝利の雄叫びを心ゆくまで唄った。

 

 

 短いですがキリがいいのでここまでにします。本編とは全く違うルートを取ってますがRTAモドキだし多少はね?




絆上げするのでまた更新が遅くなります。すみません。はよ正規加入させたいんです....


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戦力増強、戦支度

無事に正規加入できたので初投稿です。


 前回のあらすじ、砦の防衛性能を上げてワイバーンとスケルトンを一方的にボコしました。もう少し投石器の増産が進めば全自動で素材回収が出来ると信じて続きを始めます。

 

 

敵の数は少ないですが死傷者も出てない完全な勝ち戦でしたので現在砦は完全に戦勝モードで宴会してますね。ほよちゃんとサーヴァントは強制参加させられてますがほよちゃんに酒を出すのはNGだ。いや、しっかし周りはがぶがぶ飲んでますね。ほよちゃんは端っこでお水でも飲んでようね! あとこれはゲームだけど現実世界での未成年をお酒の席に呼ぶのはやめようね! 

 

>周りのフランス兵達が酒臭い。当たり前だ。先程から皆浴びるように飲んでいるのだから。黒髭も彼らに勧められて上機嫌だ。しかも髭殿なんて呼ばれてるし。それじゃ中国の武将になってしまうぞ。一方でメドゥーサさんは彼らから口説かれているようだがそれをすいすいと躱していく。まあ、あのマスクの下を見たことは無いけど絶対に美人だろうし気持ちは分からないでもない。それにしても暑い。一度外にでも出ようかな。

 

 

 うん、ほよちゃん偉いぞ。下手にお酒飲まされて尚且つ酒に弱くて次の日に2日酔いとかで動けないとかそういうガバは起こしたくないからな。さて、辺りは夜ですがとりあえず簡単に投石器のチェックでもして時間を潰しましょうかね。あ、もう徹夜はしないです。この後の量産は勝手にやってくれるので。

 

 

>「なんだ、こんなところに居たのか陽子」

投石器のチェックを行っていたらモードレッドが私を見つける。私はともかくあの宴会の主役とも言える存在が抜け出してもいいのだろうか。

「ハッ、何考えてるか知らないがそっくりそのまま返しておくぜ」

まだ、何も言ってないけど多分顔に出ていたのであろう。手招きされたので近くに寄ってみれば座れと言われる。

「ほら、戦勝祝いだ。飲め」

渡されたコップには透明な液体。特に変な臭いもしないし水だろう。こういう事は気が利くんだから。

「いつもより美味しく感じる」

その言葉に満足したのか、モードレッドが私の隣に座りそのまま頭を私の膝の上に乗せる。

「この調子で頼むぜ。オレの軍の頭脳としてな」

全くこの我儘な王様には困ったものだ。いや、でもこのままでいいか。

「仰せのままに、王様。ふふっこれでいいかしら」

思わず笑ってしまう。所詮私の思いつくことなんて先人たちの猿真似に過ぎないけど、それでも役に立っているならそれでいい。積み重ねられた歴史の暴力とでも言うべき私のこれはきっと必要なんだ。

 

 

>モードレッドの髪の間に指を潜り込ませる。手櫛でゆっくりと金色の髪を梳いていく。嫌がる様子もなくそれを受け入れていく。ここが戦場であることを忘れてしまいそうだ。

「ああ、いいでござる。尊いでござるなぁ」

私の手が動きを止める。モードレッドは目つきを細める。立ち上がるモードレッド。拳が黒髭の鳩尾の辺りに入る。

「寝てろ髭」

同情はしたくない。倒れる彼の横を無言で通り過ぎていく。通り過ぎる時にお酒の匂いがした。サーヴァントも酔っぱらうんだ。これは新しい発見。

「明日も早くなりそうだし寝ることにするわ」

モードレッドは何も言わなかった。

 

 

 ありがとう黒髭、君の事は忘れない。じゃなくて黒髭がこちらの関係に気づいたのでこれからは百合厨と化してくれるでしょう。というわけで一度ほよちゃんを寝かせましょう。起きてから今度は砦内を捜索をして聖晶石があったら拾いましょう。このままだとカーミラ戦が辛いのでライダー以外を召喚しておきたいのです。多分セットでヴラド3世もついてきますがそっちはモーさんに1人でもなんとかなります。霊脈的にはここでも行けると思いますがマシュが居ないので召喚に関してはかなり運です。召喚失敗の可能性もありますがライダー以外のクラスであれば誰でも良いのでここで何とか引いておきたいですね。あ、ブーディカさんはカーミラの餌食なので倒してから呼びます。メドゥーサさんもキッツいなぁ。どうにかして戦闘から外さないと普通に負けます。黒髭は相性は悪いですがカーミラの思考パターンからタゲは黒髭じゃなくてほよちゃんに来ますので参加させても大丈夫です。というわけで起きたら石集めだ! 

 

 というわけで起きたほよちゃんですが午前中を使って石集めをします。しっかし数日で砦の整備が随分進みましたね。兵士という名の数の暴力すごいな。あと、砦内に避難してきた人たちの話は聞いておきましょう。場合によってはこちらに攻めてくる敵鯖の情報が手に入ります。最初は狂化されているせいでご自慢の技量が残念になっているアタランテ、デオン辺りが来てくれると比較的楽なのでそのあたりの情報が欲しいですね。あ、いきなりランスロが来るパターンは多分ありません。それにジャンヌも男の父上もぐだ男側に居るので勝手にそっちに行くでしょう。ちなみにこっちは初手カーミラじゃなければ大丈夫ですよ。

 

 

>「あら、あんた確かあの騎士様の...思っていたより地味だねぇ」

ふいに避難民と思われる老婆にそんなことを言われる。当たり前だ。私はサーヴァントのように英雄ではないのだから華やかさはない。しかしそこまで初対面の人間にそこまで言うか。

 

 

 なんだかフランスの人たちはほよちゃんに厳しいですね。一応この砦のブレインなんでもっと優しくしてくれませんかね。とりあえずこの老婆に話を聞きましょうか。

 

>「わし等の村を襲ったやつ? ああ、覚えとるよ。変な仮面をつけて若い女ばかりを狙って殺しおった。隣にいた男もわざと残虐に人殺しをして、思い出すだけで背筋が凍り付くわい」

 

 

 はい、運ゲーに負けました。これで高確率でカーミラとヴラドに攻められます。石集めの余裕も減りました。さっさと集めて次の運ゲーをしましょう。

 

>「そういえば道中こんなものを拾ったんじゃ。よければ使っておくれ」

>聖晶石を1つ手に入れました。

 

 

 サンキュー老婆。というわけで午前中に聖晶石を求めてほよちゃんには砦をさまよってもらいましょう。勿論勝手に召喚するとモーさんに怒られるのでモーさんに許可を取ってカルデアと連絡しながら行うことにより成功率を上げます。その後は賭けですがメドゥーサさんをぐだ男に伝令として遣わせます。カルデアの通信はすぐ不安定になる可能性があるのでそれもありますが盛大に他の砦にここの噂を流してもらって残るフランス軍の士気をあげておきます。特に剣ジルにこの噂が届くとかなり頑張ってくれるので最終局面で邪ンヌに突撃しやすくなります。あ、集め終わったんで再開しますね。

 

 

>「サーヴァントを召喚したい? 盾女がいないと無理じゃねえのか?」

そこは解らない。だけど出来るなら戦力面の強化は必要だと思う。だからダヴィンチちゃんに聞いて試しながらにはなることを伝える。

「あと、メドゥーサさんには別に仕事をしてもらうから一回砦から離れてもらおうと思ってるの」

モードレッドに簡単に説明するとすんなりと提案を受け入れてくれる。お前のしたいようにしろと言ってくれた。

 

 

 

>「陽子ちゃん、考えたね。確かに霊脈的にもそこは相性が良さそうだけどそうだね。成功する確率はあると思うよ」

メドゥーサさんを呼んでもらった森でダヴィンチちゃんと連絡を取って今の考えを説明する。マシュさんはあの大盾を霊脈と合わせることによって召喚を安定させていた。あの盾の力なのかはわからないが、それこそ安定させる基盤が英雄の持つ物ならば<燦然と輝く王剣>があるじゃないか。

 

>「足りない魔力はモードレッド卿と陽子ちゃんの令呪で補えば良さそうだね。なに、成功の前には多くの失敗を重ねることが普通さ。私も興味があるからやってみたまえ」

ダヴィンチちゃんはどこか楽しそうだ。ただ、天才に失敗と成功の話をされてもあんまり説得力は出ない。勿論彼女が私の発想を認めてくれているのは非常に喜ばしいことだ。

 

>モードレッドを中心にダヴィンチちゃんに説明を受けながら通り陣を描いていく。集めた聖晶石を陣の中に投げ入れると陣が鈍くだが光出す。

「陽子ちゃんなるべくモードレッド卿と密着してくれないかな。2人の息が合わないと成功する確率も下がるよ」

そういう恥ずかしいことを言わないで欲しい。モードレッドの方に目線を向けると早くしろとでも言いたい顔だ。私だけ恥ずかしがってバカみたいじゃないか。

 

>私より小さな体に後ろから体を密着させる。その剣を握る小手の上に私の手を乗せる。カルデアより伝えられた言葉を紡いでいく。鈍く光っていた陣がその輝きを増していく。前に来たような痛みが肩に、いや令呪が反応しているのだろう。

「抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ──―」

光が私たちを包んでいく。眩しさで目を開けていられない。

 

 

>「私はガレス。───円卓第七席、アーサー王に仕えた騎士でってモードレッド!?」

なんだか明るい子が来た。いや、ガレスと名乗った彼女はモードレッドの姿に驚いている。一方でモードレッドは明らかに嫌そうな顔をしている。

「おい、陽子。今すぐこいつとの契約を切れ。お前の考えで召喚は出来たがコイツは駄目だ」

それは流石に酷いのでは? 本人に言うのもなんだが一応異父弟にあたるのだから。

 

>「いや、大成功だね陽子ちゃん。見事モードレッド卿に縁の深い人物を呼び寄せるなんて」

ダヴィンチちゃんが悪い笑みを浮かべている。さては私が気づかなかっただけで最初からこうなることを予想していたな。

 

 

 これ、プレイ中には気づかなかったんですがかなり勝っている状態なんですよね。まず召喚が成功したこと自体が運ゲーを制しているんですが、モーさんに縁のある人物が呼ばれるとしても、父上はモーさんが反抗期の息子ムーブをするのでダメです。ガウェイン、トリスタンも一方的にモーさんが嫌っている状態なので扱いづらいです。ベディヴィエールはまだ英霊になっていないので召喚不能です。ランスロットを召喚したらほよちゃんの身が色々な意味で危ないのでここでガレスを引けたのは豪運でしかないんですよね。しかも他の円卓組とちがってマシュと合わせても6章のマシュ強化イベントが消えないんですよね。ただ、この時はカーミラ戦のことしか頭にないのでかなり困ってますが。

 

 

>自己紹介を済ませて現在の状態を簡潔に伝えていく。彼女が頷くたびに金髪の中に紛れる黒髪が揺れて犬の耳みたいだと思ったのは失礼だから言わないことにした。

「わかりましたマスター。この私の力存分にお使いください!」

なんというか本当にモードレッドと血のつながりがあるのか疑うレベルである。なんというかその純粋というか、ひねくれた部分がないというか、私には少し眩しい存在な気がする。

「いつまで遊んでるつもりだ。帰るぞ陽子」

モードレッドの不機嫌そうな声。悲しいことに私には少し面倒な方があっているのかもしれない。

「ガレス、砦に案内するからついてきてね」

 

 

 ガレスちゃんが可愛いので今回はここまでにします。




本家の方で意識して絆上げしたのは今回が初めてですね。
普段意識してなかったけどいざやると大変でした。普段からやっている人凄いですね。


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吸血鬼襲来

カーミラにさんをつけろよデコ助野郎と言われた気がするのでさんをつけての初投稿です。


 前回のあらすじ、近いうちにカーミラさんとヴラドに砦が攻められることが解りました。ライダーが多いと勝てない可能性が出てきたので召喚を行ったらガレスちゃんが来てくれましたが女性特攻なので辛いのは変わりなさそうです。しかも今回は狂化してるのがまた辛いところでして、ヴラドは元からバーサーカーでパンチ力が高いのに狂化でそれが更に強化されていますのでほよちゃんが殴られると20回分ぐらい死にます。カーミラさんもこのゲームをプレイした兄貴達はご存知でしょうがアサシンのクラスは名ばかりでガチガチのインファイターです。気配遮断能力はほぼないので偵察なんて出来ません。そんな彼女が狂化してるんですから歩く暴力です。つまり近いうちに攻めてくるであろう2人は簡単に言えば暴力と暴力です。

あ、ちなみに2人が率いてくるワイバーン軍団とスケルトン&ゾンビの群れは勝手に投石で死んでくれるのでそこは気にしてません。

 

 

 

>メドゥーサさんに頼みもう一度この砦の状態を各地に噂として流してもらう事を提案する。余裕があれば立香達と合流して様子を見てもらう事も頼んでおこう。

「私が寝ている間にもやってくれていたみたいだし、この砦の状況を見れば一回は成功してるし頼めるかしら?」

一時的にこちらが抱えるサーヴァントの数が減るにしても情報は大事だ。それにこの令呪を使えば一瞬で呼び戻すことも可能らしい。ならばメデューサさんには色々と動き回ってもらいたい。

「わかりました。陽子の頼みならば聞きましょう」

というより、噂を流したり情報を集めたりする行為がモードレッドやガレスは苦手そうだ。いやそれが重要だとは知っているとは思うんだけどね。

「通信がいつでも繋がればいいんだけど、この感じだと不安定なのは変らないみたい」

ダヴィンチちゃんやDr.ロマンに連絡を取りたいときに取れないというのは不便で仕方がない。とりあえずはこの砦の防備にあたるしかないんだけど怖いのは今来ている骸骨やワイバーン達以外だ。まずはジャンヌ・ダルクを名乗る竜の魔女。フランス兵の話を聞く限り見た目も彼女に近いらしい。だけどそう都合よく同じ人物に成りすませるものだろうか。

「ごめんメドゥーサさん。急いで皆を集めて。仮説だけど確認を取りたいの」

今、カルデアに通信が繋がらないのが本当に悔やまれる。もしこれが正しければヒントは目の前に、いや、ここに来る前からあったじゃないか。

 

 

 お、もしかしてほよちゃんが自力で邪ンヌの存在に気付けるかもしれませんね。知力ビルドは無駄じゃなかったんだ! 

 

 

>モードレッド、ガレス、黒髭に集まってもらう。実際に確認を取るにはモードレッドに聞くのが早いだろう。

「モードレッド。前にレイシフトした時に戦ったあれ、アーサー王で間違いないよね?」

何を今更という顔をしている。そうだ、あの時Dr.ロマンも何か変異していたとは言っていたけどあれはモードレッドの知っているアーサー王なのだ。

「じゃあ、モードレッド。立香が召喚したあのセイバー。あれもアーサー王だと思う?」

性別は違ったがあれも本当にアーサー王だとモードレッドが認識できるなら繋がるかもしれない。ガレスの顔からして頭の上には疑問符が浮かんでいるようだがモードレッドは私の意図を察してくれたかもしれない。

「そうだな、アイツはオレの知っている父上とは違う。断言は出来ないが父上と、アーサー王と似たところはあるな」

モードレッド。血縁が言うのだから多分そうなのだろう。そうなれば話は早い。ジャンヌ・ダルクを騙る竜の魔女はもしかしたらジャンヌ・ダルク本人かもしれない。

 

 

>「マスター殿。何が言いたいか拙者にはわからないでござる」

黒髭ももう少し解り易い言葉で説明してくれと言って来てる。メドゥーサさんは私の答えを待っている。

「今、このフランスに2人のジャンヌ・ダルクが居る可能性があるのよ。1人は立香達と行動を共にしているジャンヌ・ダルク。もう1人は竜の魔女と名乗って全部を滅ぼそうとしているジャンヌ・ダルクってこと」

前のレイシフトで出会った変異したとはいえモードレッドの知っているアーサー王。ということは変異していないアーサー王も居るはず。それに立香の召喚したアーサー王。この時点で3人のアーサー王が確認できるのだ。

「処刑されても聖女として居続けるジャンヌ・ダルクがいるなら処刑されて聖女で居ることをやめたジャンヌ・ダルクが居てもおかしくないと思わない?」

我ながら苦しい考えだと思う。だけどそうすればフランス兵の証言にも処刑されてもなお愛おしい視線を彼らに向けていた聖女の態度にも納得できる。

 

 

>「つまり、聖のジャンヌと悪のジャンヌが居るってござるか? うーん燃える展開なので拙者的にはヨシ!」

最後の感想はどうでもいいけど黒髭の言っていることが正解だ。そしてDr.ロマンの言葉を借りれば、竜の魔女を名乗っているジャンヌ・ダルクが特異点の原因なのだろう。ああでもこれ、間違ってたらすごく恥ずかしいな。

「では、私は陽子に言われた通り色々と周ってきます」

 

 

 はい、ほよちゃんが自力で邪ンヌの存在に気付きました。満点の回答ではないですが合格ラインには到達してると思います。ではでは次の襲撃が来る前にメドゥーサさんは砦を旅立ってもらいましょう。メドゥーサさんがいるとカーミラさんの攻撃対象がほよちゃんに集中しませんからね。あ、ガレスちゃんは大丈夫です。女の子ですけど鎧を着こんでいるのでカーミラさん的には殺すまで面倒なので無防備なほよちゃんを狙ってくれます。貴族だからね。面倒なのは嫌なのは仕方ないね。あと、カーミラさんがポンコツだとガレスちゃんが女の子だと気付きませんがこちらは運です。あ、ちなみにこの日はいつも通りスケルトン軍団に投石しただけで見所さんがないので適当に寝て次の日まで行きます。

 

 

 

>何度目かの襲撃。砦の兵士たちも撃退できることが解ってから随分と落ち着いて対応するようになった。投石器の数も増えてきたし、彼らの練度も上がってきている。

「黒髭、今日のワイバーン達はやけに統制がとれている気がしない?」

投石部隊を指揮する黒髭が指を1体のワイバーンに向ける。

「あれに、人が乗っているでござるな。相手方も本腰を入れてきたということでござるかな?」

黒髭が言うには2人。1人は厳格な雰囲気の男性。もう1人は顔を仮面で隠してはいるが恰好からして女性との事。竜の魔女か、それとも魔女の元に集まったサーヴァントか。どちらにせよここにいる人達では太刀打ちできない。サーヴァントの相手はサーヴァントしか務まらない。

「黒髭、優先的にそのワイバーンを落とすように伝えて。地上から来ているあの骸骨とワイバーンはここの人たちに頑張ってもらうけど、黒髭が見つけた人たちはガレス、モードレッド、貴方じゃないと倒せない」

あと、砦に乗り込まれたら最悪だから私たちは打って出なければならない。武装も練度も士気の高さもこちらの方が上なのにただ、2人だけでその状況を覆される。しかも敵陣に私という弱点を持っていかなければならない。

「何考えてるか知らねえが来い陽子!」

走ってきたモードレッドに荷物を担ぐように担がれそのまま城壁を飛び出す。ああ、持ち方は違うけどこれ前のレイシフトでもやったっけ。ただ、今回は立香のところに向かうんじゃなくて敵に向かうんだけど。

 

 

 確実にカーミラさんとヴラドに襲撃されましたね。まま、前から言ってた通りヴラドはモーさんに任せれば何とかなるのでカーミラさんに対して黒髭とガレスを使えばいいだけです。確かに現在の彼女は歩く暴力ですがほよちゃんにタゲが集中する状況を作り出しているのでガバがなければ負けることはありません。

 

 

 

>「わざわざ敵陣に来るとは、まあいい2人いや4人とは言え上質な獲物だ」

着地した先でワイバーンから一組の男女が下りてくる。黒髭の言ったとおりの特徴。ただ、男性はそれなりにお歳を召しているようだけど。

「王様、私はあの娘にしようかしら、若いし肌に染みわたりそうじゃない?」

仮面をつけた女性からのいきなりの指名。困ったものだ。

「じゃあ、テメエとオレがやり合えば良さそうだな。それに互いに王だ。文句はねえよな?」

モードレッドが男性の方へと剣を向ける。

「我が名はモードレッド。あの砦の王にしてお前を討つ者の名前だ」

私たちより遅れてガレスと黒髭が到着する。まさかとは思うけどモードレッド。一騎討ちとかしないよね? 

「これは失礼した。余は、解り易くヴラド3世と名乗ろう。そしてこちらはカーミラ」

なんてことだ。現代でも漫画に出てくる吸血鬼。勿論フィクションであることは解るけど、それのご本人が目の前に登場とは。サーヴァントってのは何でもありなのだろうか。ということはあのカーミラと呼ばれた女性が私を指名してきたのは必然ということか。

「ガレス、髭野郎。陽子を連れてなるべくここから離れたところであの女と戦え。こいつの相手はオレがやる」

本当に一騎討ちするつもりか。止めたら怒られるだろうな。多分信頼しているからこそ3人で戦えってことなんだろうと思う。

「先に倒したら勝手に参加するからよろしくね」

ガレスに抱えられてカーミラとの距離を離す。彼女も私より小さいのに軽々と担ぐことが出来るのはやはりサーヴァントのなせる業なのだろう。

「黒髭、ガレス。ちょっといい?」

もし、あのカーミラが私が知っている通りなら彼にはあまり興味を示さないはず。私はともかくガレスはどうだろう。いや、弱そうな方から狙うか普通なら。

 

>考えの全てを2人に伝えていく。なるべく早く倒してモードレッドと合流するならこれしかない。

「無理でござる! 失敗したら拙者達もアウトですぞ。それにちょっとでもマスターが怪我したら拙者がモードレッド殿に殺されてしまうでござる」

「その通りです。マスターは安全な場所で私たちに指示を出してもらわらないと」

意外と二人とも保守的な考えをするみたいだ。うーん焚きつけるようで悪いけど今は手段を選んでられないから困った。

「モードレッドは打ち合わせなしでやってくれたけど? それもアーサー王相手に」

ガレスも黒髭も私に心底呆れたような顔をする。うん、言いたいことは解るけどどんなことにも最適解はあるのだ。

「ガレス殿、拙者ようやくモードレッド殿がマスターの事をバカという理由が分かったでござる」

馬鹿とはなんだ馬鹿とは。そりゃ私だってやりたくないけど、まあ元を正せば私が戦えないのが悪いんだけど。

「ガレスは苦手だったら私の言う通りにしてもらえばいいけど、黒髭。貴方の演技には期待してるわ。前に言ってたよね。モードレッドと同じくらい信頼して欲しいって」

というより元から信頼はしている。あの投石部隊への指揮を見ていれば十分だ。

 

 

 

キリがいいので今回はここまでにします。次回カーミラ戦からとなります。




RTAモドキ要素が少なくなっている気がしますので頑張って増やして続行します。
チャートだけじゃなく構成もガバり出しましたが書いてて楽しいので許してください。


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伯爵夫人と踊る

本家の方でぐだぐだしていたので初投稿です。実は復刻前は忙しくてできなかったので初めてなんですよねあのイベント。


 前回までのあらすじ。カーミラさんとヴラドが攻めてきました。ヴラドはモーさんに任せたのでガレス、黒髭を使ってカーミラさんを攻略していきます。前回で暴力の塊と表記しましたが大丈夫です勝てます。戦法は簡単です。ほよちゃんお得意のマスター囮戦法です。

 

 

>モードレッドの邪魔にならないよう遠くまでカーミラを呼び寄せる。実質2対1なのだがこうも簡単に乗ってくるのは自信の表れなのか、それとも獲物しか目に入っていないのか。

「黒髭、任せたわよ」「綺麗なお姉さんとくんずれほんずれ出来るなら大歓迎でござる」

掴みかかろうとする黒髭がさらりと躱される。黒髭には目もくれずそのまま彼女はこちらに突撃してくる。私に向けてその腕が向けられる。

「させません!」

私とカーミラの間にガレスが挟まる。凶器とも言えるその腕と盾がぶつかり鈍い音が戦場に響く。そして返しと言わんばかりのシールドバッシュ。鎧を着こんだ彼女の一撃はカーミラの体を後方へ飛ばす。そして後ろに構えているのは先程大振りをした黒髭。距離を詰めてからの右ストレートがカーミラの体を捉える。

「目障りよ!」

その手に持つ杖で薙ぎ払う様に攻撃を仕掛け黒髭はそれを後ろへ避ける。確かに黒髭の拳はカーミラを捉えた。だけど思っていたよりダメージがない。確かダヴィンチちゃんもサーヴァントには相性が存在すると言っていたし黒髭とカーミラがそうなのかもしれない。

「ガレス、このまま作戦続行。彼女が本当に吸血鬼カーミラなら正面からの打ち合いは貴方に分があるわ」

私の記憶が正しければ吸血鬼カーミラ、そのモチーフになった人物は確か貴族。戦争や殺し合いの経験はないはずだ。サーヴァントとして呼ばれている以上一般人である私では太刀打ちできないがガレスや黒髭は違う。戦場を経験してきた者たちとの差はどこかしらにあるはずだ。

 

 

>「何か考えているようだけど無駄よ。どうせ遅かれ早かれ私に殺されるんだから早い方がいいでしょ?」

状況的には挟み撃ちになるのに顔は涼しいまま。少し困った。もう少し焦ってくれた方が作戦を決行しやすいのだけど。

「貴方、よく見れば好みの顔をしてるじゃない。そうね、いきなり殺すのもなんだしゆっくりと虐めてから殺してあげるわ」

嫌な気に入り方をされてしまったものだ。心底楽しそうな口元がカーミラという存在を私の中で怪物にしていく。

「貴方のような身なりの男に触られるのは屈辱だわ。勿論触るのも嫌だけど」

後ろにいる黒髭は完全に無視してもう一度こちらへ向かってくる。ただ、今度の標的は私じゃない。

「黒髭! ガレスの援護して。懐に入られないようにして」

実際ガレスの槍がどんなものかは私にはわからない。だけど一般的にあの槍の形は刺突用で斬るのには向いていない。だから下手に近づかれると武器性能を十分に発揮できなくなる。

ガレスが構え槍を突き出す。その突きを躱しその先端が地面にめり込むよう彼女の一撃が槍に加えられる。そのままカーミラが体を回転させまるで背もたれのようにガレスの盾に背中を預ける。

「黒髭! いったん引いて!」

同士討ちを狙われている。単純な方法だけど実に合理的だ。嘘か本当かはわからないが鋼鉄の処女を開発したのはこの人だと言われているし戦いの経験はなくても頭の回転で勝負できるのかもしれない。あくまで黒髭を倒すのに自分の手は汚させない。そして狙いを私に絞っているなら話は早い。

 

 

>自身の体に急ブレーキかけるように黒髭の足が止まる。それに反応してカーミラが踊るようにガレスの盾を軸にして体を回転させる。その方向は私。左右に後ろ。どこに避けようとしても私の運動能力じゃ避けることは出来ずに殺されるだろう。ならば私がとる行動は1つ。

 

 

>姿勢を低くしてカーミラへと飛び掛かる。彼女にとって私は狩られるだけの獲物。だからこうやって反撃してくることなんて想像もしていない。1秒だけでも反応が遅れてくれればいい。その1秒がサーヴァント同士の戦いにおいては生死を分けると言っても過言ではない。

 

 

>杖から離された右手が私の右肩をかすめた後そのまま頬へと到達する。だけど私の命を奪うまでには至らず、そのまま投げ出した体が地面にぶつかり両手はしっかりとカーミラの長いドレス裾を掴むことに成功する。こうなれば彼女に勝ち目はない。後ろからくるであろうガレスの槍を避けるためには私が邪魔だ。そして先に私を殺そうにも時間が足りない。貴方のプライドからして私を蹴り上げて盾にするのは貴方自身が許さないであろう。

 

 

>目を瞑りこの後起こるであろうことを見ないようにする。背中に落ちてくる水のような感触。鉄のような臭いがゆっくりと鼻に到達する。

「まさかね。私の血で貴方を染め上げるなんてね」

声と共に背中に衝撃が走る。のしかかられたような感覚。いや、正確にはガレスの槍に貫かれたカーミラが倒れこんできたのだろう。

「でも最後に味わいたいわね」

私の左頬にぬるりと手の感触が伝わる。そちらに傷は無いけど彼女にはもう見えていないのだろう。

「あら、左右を間違えるドジをするなんて」

ゆっくりと私にのしかかる重さが消えていく。なんとなくだけど最後までカーミラは笑っていたのだろう。そんな気がした。

 

>「マスター! 私としたことがすみません。手を煩わせてしまって」

ガレスに引っ張ってもらい体を起こす。目を開ければ服のあちこちが赤い。勿論私の血ではないのだけど。

「いや、短期決戦に持ち込めたのも2人のおかげよ。それにガレスじゃなかったら私かすり傷じゃなくて死んでたかもしれないわ」

右頬と肩はじんじんと痛むけど、アーサー王と戦った時ほどじゃない。まだ、戦える。

「やばいでござる。マスターの顔に傷がついてるでござる。拙者、モードレッド殿に殺されるでござる」

黒髭は別のことが気になっているようだけど、今はそれどころじゃない。

「ガレス、黒髭。こっちは終わったからモードレッドを手伝いに行くわよ」

さよなら、私の血を狙った吸血鬼。できることならもう二度と私の敵として現れないでほしい。この短い時間で貴方は私の心に残りすぎた。

 

 

 というわけでカーミラさん撃破です。しっかしかすっただけでほよちゃんのHPが3割削れてるんですけど君、体力無さすぎとちゃう? あ、モーさんの元には無茶して帰る必要はありません。致した鯖の強さはかなりのもんなんで負ける要素はないです。ですのでほよちゃんのペースで帰りましょう。なんならガレスか黒髭に肩でも貸してもらって好感度を上げます。今回はガレスに肩でも貸してもらいましょうか。

 

 

 

>遠くからでも聞こえる武器同士がぶつかり合う音。モードレッドはまだ戦っているみたいだ。むしろ終わっていたら私たちのメンツが立たない。終わったら勝手に参加するとは言ったけどモードレッドの戦い方は他人を寄せ付けないというかどうやって援護すればいいんだろう。ロケット弾みたいなんて言われてたし。

「黒髭は先に砦に戻って。ワイバーン達に砦が落とされていたら元も子もないわ」

先に黒髭を走らせて砦へ向かわせる。モードレッドなら負ける心配はないのは解っているだからゆっくりと向かおう。

「マスターは本当にモードレッドの事を信頼しているんですね」

まあ、信頼はしている。出会った期間でいえばまだ短いのは解っているのだがモードレッドには私の全てを渡してしまったからというのもあるのだろう。

「やっぱり、ガレスは許せないの?」

かなり意地悪な問いかけだと思う。そもそも彼女はその前にモードレッドよりランスロットの方が課題になりそうだけど。

「許す、許さない以前にもう少しモードレッドとお話がしたいです」

帰ってきた答えは意外なものだった。聞いてみれば彼女、召喚されてからモードレッドと話すタイミングを伺っていたようだが機会に恵まれなかったみたいだ。

 

 

>私たちがモードレッドの姿を捉えたとき、既にヴラド3世の姿はなかった。

「おう、来たかって陽子お前...」

私の姿を見るなり不機嫌な顔でこちらに歩いてくる。顔を掴まれたと思った瞬間、視界が揺らぐ。

「痛い! なんで頭突きしてくるの!」

頬だけじゃなく頭もジンジンする。あまりの痛さに目がしらが熱くなってくる。そんな私の反応に対して彼女は私の胸ぐらを掴んでくる。

「テメエは馬鹿か! 父上の時も今回の砦の設備もそうだが、簡単に命を懸けるな! お前はオレ達に比べたら弱いんだから...」

私を掴む手は震えている。言葉は荒々しいけど私を心配しての事だろう。ゆっくりとその手に自分の手を重ねていく。

「ごめん、確かに迂闊だったかもね。心配してくれてありがとう」

モードレッドが手を離し砦へと凱旋していく。私もついていきたいところだけど

「モードレッド。今ので緊張から解放されたせいか腰が抜けちゃって...」

なんとも情けない自分であった。

 

 

 今回はキリがいいのでここまでにします。オルレアン攻略まであと何part必要なんだろう。




 改めて織田家について調べてたせいで投稿遅くなりました。申し訳ない!
ところでノッブが家督を継いでから常に序列3番に居たノッブの弟の信包って何者なんですかね。序列3位に居るぐらいの優秀な人であったことは確かなんですが資料が少ない....


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騎士は主を呼ぶ

戦国武将はまだまだ鯖化しやすそうだなと思ったので初投稿です。


前回のあらすじ、吸血鬼コンビを撃破しました。モーさんの中でほよちゃんの無茶が過ぎるので頭突きをもらいました。

 

 

 今回は砦の復興からです。と言っても鯖はこちらが倒したのでワイバーンから攻撃された分の被害だけになります。無傷とはいきませんが被害的にはそこまで大きくないので2日ぐらいあれば修復可能でしょう。まあ、修復しきれなくても狂ランスロットが単身乗り込んでこちらの鯖で隔離が失敗するぐらいの事がなければ全然大丈夫です。デオンやファントムさん、サンソンでは砦を陥落させるほどの指揮力はありません。アタランテとマルタさんは基本的に鯖とほよちゃんしか狙いに来ないのでこちらが砦の外に出れば大丈夫です。というよりマルタさんは野戦に持ち込まないとタラスクぶつけられて砦が壊れます。(1敗)

 

 

>ガレスを召喚してから繋がらなかったカルデアとの通信がようやくつながる。便利なように見えて魔術も意外と不便なところがあるみたいだ。場合によっては科学は魔術に勝てる部分もあるんじゃないかな。

「ああ、陽子ちゃん。ようやく繋がっ!」

私の姿を見るなりDr.ロマンの顔色が変わる。驚くのは仕方がない。なんだって変えの服なんてないのだから傷の部分は手当てをしてもらってるが後は全部真っ赤なのだから。

「Dr.ロマン。これ返り血なんで私の怪我はほとんどないですよ。まず最初に変えの服とか送れません?」

Dr.ロマンはすぐに手配させると言ってくれた。後は近況報告かな。まずは敵のサーヴァントを2騎倒したこと。後は竜の魔女についての個人的な見解。それに今の砦の状況を伝えていく。

「驚いたなぁ。まさか自力でそこまで気づいているなんて。実は立香君たちがその変異していると思われるジャンヌに会っているんだよ」

話を聞けば立香達は変異したジャンヌ・ダルク達と一度交戦し撤退しているらしい。その時は撤退したものの敵サーヴァント、ライダーのクラスとして召喚された聖女マルタを撃退。その後もこのフランスに召喚されたサーヴァントを探しているらしい。

「確か今は君のメドゥーサが集めてきた情報を元にセイバーとライダーのサーヴァントと合流しに行ってるみたいだよ」

流石メドゥーサさん。私が考えていたことよりも一歩先へ進んでいる。この砦の情報だけを流しておけば必ず相手は目障りなここを落としに来るはず。そうすれば他の町や砦が襲われる心配も少しは減るだろう。ここに攻めてくれた方が私としてもありがたいし援軍を寄こせなんて他のところに言われたら流石にこの砦も持たない。

「立香君の方にしか通信が繋がらなかったといえ、君の方への補給をおろそかにしたのは僕の責任だ。すまない」

この人はなんというか責任感の強い人なのだろう。大人としての責任と人類を救わなければならないとう責任。その責任の重さは私ごときでは計りきれないだろう。

「責任を感じてくれるのは嬉しいんですけど、それは全部終わってからにしましょう。それに私にはモードレッド達が居ますからそう簡単には死なないと思いますよ」

送られてきた服にさっと目を通す。なんだこれ。学生服? Dr.ロマンの趣味かなにか? いや、でもこの状況でふざけることは出来ないだろうしそういう服なんだろう。

「すまない、陽子ちゃん。僕に出来ることがあったら言ってくれよ」

じゃあ、さっそくお願いなんですけど。

「着替えたいので見ないでもらえますか?」

流石にこんな血濡れの服のままでは居たくない。早く着替えたいのだがDr.ロマンの視線は先程から私に注目したままだ。

「え? ...うわぁ! ゴメンゴメン! すぐに切るね!」

先程までの真剣さはどこに行ったのだろう。確かに情報交換は必要だが、最初に服を求めたのだ。こちらの着替えたいという意思は察して欲しかった。

 

 

 お、ほよちゃんの恰好が魔術協会制服になりましたね。何もない私服に比べたら当たり前にスキルも使えるし防御力もあるのでこれが支給されたのはラッキーです。あ、ちなみにキャラの年齢や性格によっては着れない場合もあるので気をつけましょう。多分ですがほよちゃんの性格的にカルデア戦闘服は多分着れません。そもそも性格も活発でないし体のラインがはっきりする系はなかなか難しいんじゃないですかね。

現時点ではモーさん辺りに着ろって言われたら着るかもしれないですが支給されてないので考えるだけ無意味です。

話は変りますがぐだ男の方もかなり順調なようですね。特にマルタさんを倒してくれたのはうま味です。これで事故要素がまた減りましたね。それに今回ぐだ男は男の父上を召喚しているのできっとランスロットもそっちに行ってくれるでしょう。つまり残る敵の鯖はデオンとアタランテ、サンソン、ファントムさんってところですかね。邪ンヌと術ジルドレはもう数の暴力なんで勝てます。

 

>「ただ今戻りました」

着替え終わったと同時にメドゥーサさんが私がいる部屋の仕切りとなるカーテンを開けてくる。私の姿を見るなり彼女は自分の顎に手を当てて私を見てくる。

「悪く、ないですね」

何だろう私は年齢的には学生服を着ていても大丈夫な歳なのに今こういわれてからこれがただのコスプレに見えてくる。

「やっぱりカルデアから別の服を」「せっかくです。皆に見てもらいましょう」

抵抗して見せるけど彼女のというよりサーヴァントの力に叶うはずもなく引っ張られるような形で砦の中を歩かされる。道行く兵士たちも私の事を変な目で見てくるし、でもこれ以外服なんてないわけで.現地の人から服を借りればよかったじゃないか! 戦闘の方ばかりに頭を使いすぎたせいかこんなことにも気づかないなんて。

「マスター殿ってムフッ! コスプレでござるか~。拙者達の士気を上げるためにこんなサービスをしてくれるなんて素敵ですぞ。というより黒タイツとホットパンツの組み合わせは中々に凶器でござるな」

ああ、もう消えてしまいたい。この場合はDr.ロマンを恨むべきか簡単なことにすら気づけなかった自分の頭を恨むべきか。

「それにしてもマスター殿はこう見ると本当に学生みたいですな!」

いや、私。ついこの間まで学校に通ってたんだけど。献血が出来る年齢になっていってみたらこんなことに巻き込まれてるんだけど。それとも何? 黒髭から見たら私はそんなに歳をとっているように見えるのか。

 

 

>「マスター! 着替え終わったんですね」

黒髭に対して色々と呪詛の言葉を投げつけてやろうかと考えていたらガレスの声で我に返る。振り返ればガレスとモードレッド、珍しい組み合わせで来ていた。

「モードレッド、見てください! マスターが凄い可愛いですよ」

今はガレスの裏表のない言葉すら辛い。この一連の騒動が終わったら絶対に現地の人から服を借りよう。

「馬子にも衣裳とは言ったもんだな。まあ、お前いつも病衣か地味な格好だし偶にはいいんじゃないか?」

意外にも好評だった。ていうかモードレッド。普段の服装が地味って思ってたのね。後病衣は好き好んで着ていたわけじゃない。

 

 

 なんだかんだほよちゃんの羞恥心を犠牲に鯖との好感度が上がったみたいですね。まあ防御力が私服と比べてダンチなのでこのままで居てもらうとして特にすることもないですし夜戦もする必要ないんでこの後は速攻で寝ましょうかね。手当てしてもらったとはいえ、ほよちゃんの体力は少ないですし。

 

 

 

>「Arrrrthurrrrr!!!!!」

2人の吸血鬼の襲撃からそれほど時間は経っていない。日が沈んで今、まさに私も休もうとしたときそれは突然に訪れた。声だけでも全てを消し去ってしまうような狂気。確実に恐ろしい何かが来ている。

 

 

>「マスター殿! 敵襲でござる!」

黒髭の声に足を走らせ砦の上に急いで駆け上がる。他の3人も既に戦闘準備は出来ている。

「黒髭! 敵の数は?」

今度はどれくらいのワイバーンが来た? それとも骸骨か? 

「それが、あそこで叫んでいる黒い騎士が一人でござる」

闇夜の中、月に照らされて映し出されたのは一人の騎士。全身を纏う黒い瘴気、兜から除く赤い光。手に握られた棒も赤く脈打つように光を灯す。

 

>「おい、ガレス。聞いたか? アイツ父上の名を叫んだぜ?」

モードレッドの目つきが鋭くなる横でガレスはゆっくりと顔を伏せていく。まさかと思うけどあれは円卓の騎士なのだろうか? それにしては見た目が禍々しいというかあんな騎士の伝承なんて私は知らない。

 

 

>「そうですね。あの日...私を殺した時の禍々しさ。ランスロット様」

嘘だと信じたいけど、それを知る二人がそういうのだ。間違えはない。私たちの目の先居る単身で攻めてきた騎士。あれは円卓の騎士最強と言われた騎士なのだろう。

 

>「吸血鬼ご本人様の次は円卓最強の騎士。大人気にもほどがあるわねここ」

とりあえずは砦に近づけてはいけない。あんなのがここで暴れまわったら皆死んでしまう。そうなれば夜戦といったところだけど、どうしたものか全く浮かばない。

 

 

>「陽子、ここから出て迎え撃つぞ。オレが言えた義理じゃねえがアイツは許せねえところがあるからな」

まるで米俵でも運ぶように私を担ぎ、砦を飛び降りる。ほんと返事は待ってくれないのがモードレッドらしい。

「Arrrrthurrrrrrr!!!」

モードレッドの顔を見るなり更に叫ぶ黒騎士。あれは本当に人間なのだろうか疑いたくなる。あれがバーサーカーのクラスで呼び出されるということだろうか。文字通りの狂戦士じゃないか。

 

 

 

 ランスロットが男の父上じゃなくてアルトリア顔を優先してこちらに来たので今回はここまでにします。




 最初の方にぐだ男視点を少しだけ書いたけどもう少し書いた方が良いのかわからないので迷走します。


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私が最も敬愛する貴方へ

左手を2日連続で怪我してただでさえ遅い筆が更に遅くなったので初投稿です。


 前回のあらすじ。魂が似ている(マシュ談)のジャンヌと性別は違えどアーサー王があちらに居るはずなのになぜかこちらにランスロットが攻めてきた。なんで? モーさんとガレスのせいなの? という訳でランスロットが戦からスタートです。

 

 

 

>ランスロットと呼ばれた黒騎士の前にメドゥーサさんに抱えられながら降り立つ。全身からくる威圧感、それにあの声だけで殺されてしまいそうな圧迫感。アーサー王とはまた違った強者の風格が緊張感を走らせる。

「さて、オレ一人でもいいんだがどうする陽子」

久しぶりに見るモードレッドの兜姿。口ではああは言っているけど相手が相手だ。少しでも勝率の高くなる方法を取らなければ。

「黒髭の除く3人を主体にして迎撃、火力の軸に添えるのはモードレッド。時点でガレスに。メドゥーサさんはかく乱を主にお願いできるかな? 黒髭はなるべく近づかないで、危ないと思った時に何かを投げて注意を逸らすぐらいでいいから」

私の言葉に黒髭が不満そうな顔をする。前線に出れないからだろうか? といっても

「黒髭、あれと素手で戦いたい?」

彼の不満に対して問いかけてみる。ちなみに私は戦いたくない。仮に黒髭ほどの力があったとしてもね。せめて武器が欲しい。なるべく長めで距離の取れる獲物があると良い。あと、私が狙われたら避ける自信なんてあるはずがない。せめて一人、私を抱えて走れる人が欲しいのだ。

 

 

>「Aaaaaaa!!!」

震える足をたたいて気合を入れなおす。大丈夫、私が死ななければ勝てる。そしてそれを実現できるサーヴァントを私は召喚している。

 

>相手の狙いはモードレッド。狂戦士となってもアーサー王、いや的確に息子を狙う辺り本能が求めているのだろう。でもそれなら話は早い。

「ガレス! メドゥーサさん! モードレッドの援護に回って!」

獲物を使った戦いだけならモードレッド一人でも十分かもしれない。だけど肉体での力押しはどう考えてもこちらが不利になる。相手もサーヴァントならマスターが存在するのだろうがモードレッドにとって私はただの足枷でしかない。

 

>みたところ、ランスロットが持っている武器は剣ではない。彼が持つ剣がどこにあるかは解らないが無いなら無い方が良い。あの棒の様なものじゃ燦然と輝く王剣より武器の性能は劣るはず。

「ガレス! 援護が遅いぞ!」

ガレスの動きが遅い? モードレッドのいつもの愚痴がここで来るとは思えない。ということはガレスの調子が悪い? いや、相手はランスロットだった。

「黒髭! ガレスの様子見て! 1つは槍捌き、もう一つは表情」

私としたことが忘れていた。ガレスは生前ランスロット卿に殺されているんだ。彼女が信頼していた彼に。

「拙者から見ても動きは鈍いでござる。それに様子もおかしいでござる。ガレス殿も攻めあぐねてるし相手もまるでガレス殿が居ないものとして2人に攻撃を集中してますな」

ランスロットがガレスを殺した時、彼女は普段の鎧ではなく喪服で丸腰であったと聞く。それに彼女を殺した後、ランスロットは後悔の念を忘れなかったという。そう考えるとたとえ正気を失っても彼女の死は本能として打ち込んでいる可能性があるってことか。

 

 

>「モードレッド! 私の魔力持って行って良いから一回そいつを引き連れて距離取って! 作戦は後で伝える!」

右肩への痛みと同時に戦場から2つの姿が消える。さて、ガレスには申し訳ないけど相手の古傷はえぐった方がいい。こちらが楽に勝てるならそれは取らなきゃいけない。

「ガレス、メドゥーサさん。作戦は2つあるから聞いて。1つ目はガレス、貴方がランスロットと戦えるなら使うわ」

相手が見えてないなら丁度いい。死角からでも正面からでもその槍をランスロット卿に叩き込んでもらう。ただ、これは心の整理がつかないなら出来ないからやらない方が良い。下手にこの作戦で行って彼女に何かあればこの戦いの先にある竜の魔女との戦いに響く。

「もう一つはどうするおつもりですか陽子」

その前に彼女に1つ聞いておきたいことがある。私の非常に頭の悪い作戦に必要なことだ。

「貴方の宝具って相手に近接するタイプ? それとも遠距離から一方的に打てるもの?」

彼女の答えは前者。となればモードレッドの宝具の巻き添えには出来ない。ガレスの召喚に使った令呪は回復するとは言ってたけどまだ回復はしていない。となれば使える令呪は後1画。最後の令呪を切るにはまだ怖い。

「2つ目は簡単。メドゥーサさんとモードレッドの2人に死なない程度に私の魔力を吸ってもらって近距離で宝具をぶつけてもらう。どちらが先かは2人に任せる。メドゥーサさんが先ならたとえ防がれても第2波としてモードレッドの宝具を令呪でゼロ距離発射してもらう」

また気絶かもしれないけど手段は選んでられない。モードレッドにもまた怒られる。でもまた覚悟を決めなきゃいけないかな。

「モードレッドが先に宝具を打つなら私の魔力をフルパワーでメドゥーサさんに使ってもらうから」

肩から熱さが消えていく。モードレッドがこちらに近づいている証拠かな。ガレスの方に顔を向けるといつものような明るい顔ではない。戦闘中だから仕方がないのは解る。ただ、この顔は戦えそうにないかな。

「陽子! 時間は稼いだ。作戦を言え!」

兜が変形しモードレッドの顔が見える。その額には汗が浮かんでいることを見るとこの短い間でも随分と時間を稼いでくれたようだ。

「モードレッドとメドゥーサさんの二人。私の魔力を使ってあれを上回るパワーで潰すわ」

握りこぶしを作り精一杯の笑顔で応える。帰ってきたのは私の胸ぐらを掴む行為。そのままモードレッドの顔が近づいて....

 

 

>「戦場でのラブロマンス.初めて見たでござる」

口内をモードレッドの舌が蹂躙する。突然のことで頭が凍り付く。今はそんなことしてる場合じゃないでしょ。というよりみんなの目の前で何してるの!? 

「うし、魔力補給完了。陽子、お前は少し敵の事を過大評価しすぎだ。確かにお前一人は弱い。でもお前の総合力はオレ達なのを忘れるな。という訳でその作戦は却下! オレとデカ女でタイミングを掴んで適当に宝具をぶっ放して倒す!無茶はすんな」

胸ぐらを掴んでいた手が離されそのまま尻餅をつく。これは一本取られたかもしれない。

「では私も使う準備だけしておくとしましょう」

後ろから首に手が回され、そのまま右頬にある絆創膏がはがされる。ざらりとした感触が傷跡をなぞりぴちゃりと音がなるたびに傷口の痛みが頬を襲う。抗おうにも私の力ではメドゥーサさんの力に勝てるはずもなくただ、悶えるしかなかった。

「すみません。唾液よりは血の方が魔力の吸収が良いもので」

モードレッドが兜をかぶりなおしたのを見るとあれはそうとう不機嫌だ。対する彼女の顔は非常に満足そうだ。彼女の目も初めて見るけど綺麗な目を...え? 

「おや、何も魔術的なものを使わなくても石化せずに動きが止まるだけなんて私は愛されていますね」

呪いを受けたメドゥーサの目を見ても石化しなかった二人の姉。確かに二人の姉はメドゥーサに愛情を持っていたからというのが私が読んだ神話ではあったけどまさかね? 

「嘘つけ、大方オレかガレスの魔力に対する防御が陽子に流れてるだけだろ。あと来るぞデカ女」

 

 

 なんだこのイベント...確実にメドゥーサさんに狙われている。好感度稼ぎは順調ですねこれ。だけど戦場のラブロマンスは死亡フラグだからやめて欲しいゾ。嘘です。こういうの大好きです。さて、こうなるとほよちゃんの無茶戦法は使えないので戦闘にはロスが発生しますが勝てるので問題なさそうです。ただ、ガレスがこのままだといけないのでメンタルケアしましょう。戦闘中ですがそこはモーさんとメドゥーサさんに任せてガレスのメンタルケアです。黒髭は今のラブロマンスで気合十分なので放置プレイでええやん。

 

 

>モードレッド、メドゥーサさん。黒髭の三人の姿が消える。ガレスの方へ顔を向けると今も複雑な顔持ちだった。

「ランスロット卿の事今でも尊敬しているのね」

あの聖女様といい、この子といい人間が出来過ぎている。殺された相手、見捨てられた相手に対してどうして生前と同じような態度で居られるのだろう。

「マスターはモードレッドと戦えますか?」

考えたこともなかった。もしもモードレッドと戦うことになったらか...

「多分腰も引けて手足も震えて結局足手まといになるだろうけど戦うよ」

自分でも恐ろしい速さで回答が出た。ガレスももう少し回答までの時間があると思ったのか私の顔を何度も見返している。

「好きな人に見てて欲しいと思うのは仕方ないじゃない? 結局敵になってもそういった欲を持つのはいいと思うの」

さて、そろそろモードレッド達のところに合流しなければ怒られてしまう。人には適材適所がある。ここで戦わなくても彼女の評価が下がる訳じゃない。むしろモードレッドが吹っ切れすぎているのだ。

「ガレス、あれは私たちで何とかしてみるから貴方は砦に向かって。忘れてたけどランスロット卿自体が囮の可能性もあるから帰ってきたら拠点がない。なんていうのは勘弁して欲しいわ」

しまった。私一人で向かってもスピードは遅いままだ。誰かに運んでもらえばよかった。メドゥーサさんは周りに合わせられるタイプだから大丈夫だと思うけどモードレッドは我が道を行く。黒髭も自分の趣味が

合う人間じゃないと合わせられなさそうだし。タイミングを掴むとは言っていたけど周りを巻き添えにしてなければいいけど。

 

 

 ほよちゃんがおっそい足で戦場に向かっている間にちょっと気づいた事があるので確認を。メドゥーサさんの傷跡ぺろぺろ。モーさんの濃厚キッスでの魔力補給から案外ほよちゃんの魔力は多いのかもしれません。まあ、モーさんの場合は見せつけもあるかもしれませんがイベントで出てくるって事は高いって事やろ? (調査不足)

これでようやくキャラクリ時の女性メリットが出てきましたね。まあ敏捷はこれでも補正かかってるらしいんですけどね。この遅さは悲しいなぁ。

 

 

>息を切らせて戦いの中心地へ向かう。つばぜり合いの音も聞こえてきた。まだ、宝具の使用も確認出来てない。

「Gaaaaaa!」

相変わらず声なのか叫びなのかわからない声に体全部が揺さぶられている。でもこの声の先にあれと戦っているモードレッド達が居る。勿論私が居なくても勝てるだろうけど、私が居ることによって更に安全に勝てるならそちらの方が良い。

 

>ついに目視でモードレッド達を捉える。やっぱりあのランスロットはモードレッドを中心に攻撃を仕掛けている。メドゥーサさんは主に進路の妨害、黒髭は決して近づかず、投擲での牽制を繰り返している。あそこまで近接していると宝具の展開は難しそうだ。令呪を使ってモードレッドに距離を離してもらってからメドゥーサさんにお願いするのが堅実かもしれない。

 

>モードレッドと黒騎士の間に人影が入り込む。先に気付いて剣を止めたのはモードレッド。黒騎士はそのまま獲物を振るうがその人影が行った攻撃に後ろへと後退する。その人影の乱入に戦場がまるで時を止めたかのように動きが消える。

 

>「うそ...」

あの盾には見覚えがある。それにあの綺麗な金髪の中に混じった耳のような黒髪も。だけどあれは戦闘時には兜に隠されている。それに私の知っている彼女は青銅色の鎧に身を包んでいたはずなのに、そこに居たのは白を基調にちりばめられた金の装飾。この暗い夜を照らさんとする輝きが今だけ全てを支配していた。

「円卓第七席、ガレス。ランスロット様と一騎討ちを望み参上しました。ぜひお相手を!」

彼女は槍を構え黒騎士へと微笑む。ただ、尊敬と期待の念を込めて。

 

 

>ガレスのその言葉は私が立てた作戦とは違う。それどころか一対多の状況を活かさない行為だ。だけどあの顔を見ていたらそんな事を考えているのも馬鹿らしい。それにモードレッドを始め皆が手を出さない。黒騎士に至ってはガレスとの距離を置き棒のようなものを構え直している。

 

>「どうなってるのよ。さっきまで見えていない風だったんでしょ?」

ガレスも黒騎士、いやランスロットも何かを待つようにそこから動きはしない。そもそも狂戦士なら対話すら不可能ではないのだろうか。

「だから、本能のままに動いてんだよ。騎士としてな。多分相手がガレスだって今だってわかってねえよ。ただ、一騎討ちを申し込まれたから受けただけだろアイツは」

この戦いに飽きたといわんばかりにモードレッドが私の傍に来る。そのままカルデアに居たような赤い下着のような姿になり私の横に座りだす。

「いつまで待たせる気だよ。さっさと始めの合図をしてやれ」

モードレッドは止める様子もないし遠くのメドゥーサさんも戦闘態勢を解除している。私こういうの当たり前だけどしたことないんだけど。

「始め!」

なかば叫ぶような声で合図を送る。互いに見合う二人の騎士が歩を進めて行く。先手を打ったのはランスロット。大振りの一閃から入る一撃をガレスが大盾で受け止める。対するガレスは手数で攻めていく。その正確な攻撃をランスロットは武器と小手でいなしていく。武器はまだしも小手なんて一歩間違えれば自分の腕が貫かれるはず。それをああも軽々しくやっていくなんて。

 

 

 

──────────────────────

 初めて貴方を見たときはどこにでも居そうな女性だと思った。そのときはモードレッドが目の前に居ることの方が私には驚きだった。なんの因果かもう一度会うことになるなんて思っても居なかったからだ。その後砦を案内されても私はモードレッドとどう話そうかとばかり考えていた。

 

 貴方への認識が変わったのはあのカーミラと呼ばれた敵サーヴァントとの戦いだった。突然出された作戦。自分自身を囮にして相手を打つといったあの言葉は正直な話無茶だと思った。だけどモードレッドは打ち合わせなしでやったという言葉に少しカチンと来て乗せられてしまったけど。

結果は成功した。いや、貴方が最後の最後で敵のサーヴァントを抑えてくれなければ私の槍は相手を捉えられなかった。問題はその後。ボロボロになった貴方を見てモードレッドの怒り具合。誰から見てもわかる彼女への心配。生前では見ることの出来なかった顔。モードレッドにその顔をさせる貴方は何者なのだろうか。

 

 そして先程。自分でもわかるほど鈍った槍の動き。貴方の提案でモードレッドが時間を稼いでくれた。周りの目も気にしない、まるでマスターは自分の物だと言わんばかりの接吻行為。私たちの母親の事を考えるとモードレッドがそういう行為をするとは思ってもいなかった。だけど目の前に起きた事実は変らない。

好きな人に見てて欲しい。ただ、恋する女性の顔で貴方はそう私に言ってくれた。そういう欲を持つのも仕方がないとも言ってくれた。ただ、貴方と違うのはこの感情は恋ではない。だけど私はランスロット様の事が好きなんだ。兄様たちと同じような好き。だから私の事を見て欲しい。

 

 貴方が騎士にしてくれた私は生前も、今も周りに恵まれている。今でも騎士として成長している。円卓の騎士の名に恥じぬような活躍をしている。そして今でも貴方を尊敬している。それを知って欲しい。今もあの時と同じ私の事など目に入らないなら。無理やりにでも認識させてやる! 

 

 大振りの一撃を盾で受け止め、槍で攻撃を加えていく。一撃一撃がいなされていく。彼の一撃はどれも重く鋭い。それを防いで攻撃してまた防がれて。楽しくて仕方がない。私は今円卓最強の騎士と戦えてるんだ。

「楽しいですね! ランスロット様!」

そんな言葉を思わず口にしてしまう。帰ってきたのは鉄棒による一撃。ふざけずに真面目に戦えと怒られているみたいだ。ええ、ふざけていません。だって私は貴方に勝ちたくてこうして試合を挑んでいるのだから。ふざけて勝てる相手でないことを知っているから。

 

 彼の口からはもう陛下の名前は出てこない。ただ、目の前に居る敵を打ち取るために鍛え上げられた全てをぶつけてくれる。手加減されていない。それがまた嬉しくてたまらない。

「Oooooa!!」

彼の攻撃が更に勢いを増していく。私の技量では捌ききれない。だけどこのまま負けるわけにはいかない。盾を捨て両手に槍を構えなおす。狼は早いだけの生き物ではない。その牙は必殺の一撃にもなる。

 

 

 雨の様に降り注ぐ攻撃を防げるものは防ぐ。それ以外は致命傷にならないように受けていく。ただ、一瞬。その牙をぶつける時を待ち続ける。もし、彼が言葉を交わせる状態ならその時は訪れないかもしれない。だけど今の貴方なら一瞬だけでも隙が出来る。

 

 

 ほんの一瞬、だけど私には見えた。攻撃をかいくぐり懐に潜り込む。槍を握る手に力を入れ直し、その一撃に全てを込める。

「縛鎖全断・過重湖光!!!」

勿論、それは真似できるものではない。だけど彼へ届く一撃を私はそう叫んでいた。

 

────────────────────────────

 

 ガレスの槍が黒騎士を捉える。彼女の叫びと共に放たれたその槍は黒騎士の体を弾き飛ばす。地面への受け身を取ることなく騎士は地面へと落ちる。それは致命傷ではないことは誰の目にも明らかだった。まだ黒騎士は動ける。だけど動こうとはしない。

「私の勝ちです。ランスロット様」

黒騎士の何倍もボロボロになったガレスがそう呟く。仰向けのまま黒騎士は何かを悟ったように手を夜空へと掲げる。

「叶うなら次はお話出来る姿で会いましょう。私はまたランスロット様と楽しくお話がしたいですから」

黒騎士は何も答えない。ただ、ゆっくりとその身を粒子に変えてこの場から消えていくだけであった。




傷は癒えてきているので更新ペース戻るといいなぁ


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甘い嘘

怪我は治ってきているので初投稿です。


前回のあらすじ。ガレスがランスロットを倒しました。カーミラ、ヴラド、ランスロットと強敵を次々倒しているのでそろそろオルレアンはヌルゲーと化して欲しいです。ぐだ男方面もマルタさんを倒してくれてますし、多分だけどマリーの脱落もなく邪ンヌに行けそうだと信じています。

 

 

 さて、無事に砦へと帰還するわけですがマジでランスロット1人で乗り込んできたみたいですね。暴走もいいとこですがそこら辺に助けられているのでもっと舐めプしてください。

 

 

>「あの、マスター。お願いがあるのですが」

砦に帰るなりガレスに声を掛けられる。疲労感はあるが、今回の戦いのMVPとも言える彼女の頼みだ。出来る限りで聞いてあげたい。

「非常に申し訳ないのですが、先程の戦いで少し消耗しすぎてしまいまして、その、魔力を分けて欲しくて」

申し訳なさそうな顔を向けてくるが彼女はどちらを所望しているのだろう。血だろうか、それとも。駄目だ考えただけで顔が熱くなってくる。

「流石にあの二人のような魔力供給をしろと言っている訳ではありませんからね! ただ、ちょっとマスターの体に負担をかけてしまうので、疲れがですね」

慌てて説明する彼女に少しほっとする。どうせこの後出来ることは少ないのだから別に構わない。むしろ疲れている分よく眠れるかもしれない。なるべくこちらへの消耗を抑えるために霊体化とやらで私への負担を減らすようにしてくれるらしい。モードレッドからはそんなことが出来るなんて聞いた事なかったし嫌なのかな? 

「ではマスターおやすみなさい」

そう言うと彼女は私の前から姿を消す。同時に先程より体にけだるさを感じるようになる。なるほど、モードレッドほどじゃないけど取られている感じは解る。私も早く休むことにしよう。また無理をして倒れるわけにもいかないし、この感じだとまた敵サーヴァントの襲撃、下手をすれば竜の魔女本人が攻め落としに来るかもしれない。だから私自身の体調はせめて良くしておかないと。

 

 

>兵舎に戻り仕切られているカーテンを開ける。多分今なら横になっただけでも寝れる気がする。まだ考えなければいけないことは多いのだが今は駄目だ。多分ロクな考えにたどり着かない。

「お待ちしていました陽子」

私のベッドに、当然のように腰かけているメドゥーサさん。カーテンを開けるまで気づけなかったのは彼女が気配を殺していたからなのか、それとも私が鈍感なのか。

「就寝前で申し訳ないのですが少し言いにくい相談がありまして、嫌でなければ外でお話しませんか?」

先に戦略的な話であるかどうかは聞いておく。戦略的な話ならこの状態だと満足のいく答えが出せる自信がない。

「ええ、戦略的な話ではありません。ただの私事ですよ」

 

 

おや、メドゥーサさんとの好感度が高くなったのかイベントが起きましたね。現状メドゥーサさんに嫌われることはしてないので更に好感度が上がるイベントか何かでしょうか。とりあえずここはイベント鑑賞しましょうか。

 

 

 

>そのまま彼女に連れられ兵舎、そして砦の外へ出る。流石にこの時間に城門を開けることは出来ないので彼女に抱えてもらいそのまま飛び越えることにした。あれほどせわしい戦いの後ではあるが一度砦を出てしまえば静かなものだった。聞こえてくるのは近くを流れる小川の音ぐらいだろうか。

「最近は忙しかったからこういう時間も悪くないわね」

元々図書室へ引きこもって本を読んでいることが多かったせいか静かな空間は好きだ。話を聞いてもらう為とは言え、癒される場所を用意してもらったのはありがたい。それにしても彼女が私になんの相談だろうか。地面に座り込んで彼女からの言葉を待つ。モードレッドもガレスもそうだ。英雄である彼女たちでも私たちと同じように悩みや不安を持っていた。それにメドゥーサさんも私に相談があるみたいだ。それを私に言ってくれる。それが嬉しい。私も彼女たちと肩を並べられる存在だと錯覚してしまいそうになる。

 

 

>「陽子、相談の件ですが」

他人のぬくもりが私の背中に広がる。右手が私の頬をなで、左手は体をなでる。

「そんなものはありません」

振り返ろうとしたが、彼女の腕が動きを止める。腕を抑えられてるわけじゃないけど、抵抗したところで勝てるはずはない。

「これ、どういうつもり?」

裏切り。という言葉が最初に浮かんだけど彼女からしてみれば私を殺す理由はないはず。むしろ殺してしまうことによるデメリットの方が多いはずだ。

「どうもこうもこういうつもりですよ」

若干私の体を抑える力が緩められ彼女の方へ体を向ける権利が与えられる。ゆっくりと体を彼女の方に向けると甘い匂いが鼻をくすぐる。マスクの外された美しい顔が私を捉えその手がゆっくり私の頭をなでる。

「戦場であれほど策をめぐらせて勇ましく戦う女性が今こうして何もできないというのは本当に愛おしいですね」

体を地面に寝かしつけられ彼女はそのまま私に覆いかぶさる。言いたいことがあるのに体は固まったまま、口を動かすことすら出来ない。

「このまま襲ってもいいのですが陽子と居る時間は長い方が良いのでお話を聞きましょうか」

目を閉じ、頭を私の胸の上に重ねる彼女。しばらくしてようやく体が動くようになる。だけど私の上に彼女が居る今、結局のところ動かせるのは口だけだ。

 

 

>「どうして?」

ふり絞って出した言葉がこれだけ。ただ、私は疑問だった。モードレッドの時も私はただの一般人で何も英雄に好まれる要素は一つもない。それなのにどうしてこう段階を飛ばして私に好意を寄せてくるのか。

「貴方が私たちにとって心地よい汚れだからとでも言っておきましょうか」

心地よい汚れという言葉に違和感を覚える。私が汚れか。でも今私の体を触れる彼女の手は決して汚いものを触れるような手つきではなく、自意識過剰かもしれないが大切な宝物を触るような手つきだ。

「この地に来る前にせっかくですので陽子と契約を結んだ他のサーヴァントの事を調べていました。そして知りました。貴方が最も愛している騎士のことを」

 

 

>信頼しているではなく愛した。鋭い彼女は私たちの関係に気付いているのだろう。それとも私の行動が表に出過ぎていたのかもしれない。

「親の国を滅ぼした不忠の騎士を愛し王と仰ぐ。私のような怪物にも分け隔てなくその優しさをふりまく。それどころか信用までしてこのようなことになっている。本当に愚かで愛おしい人」

だとしたらトンデモない愛情表現を私は今されている。一応モードレッドの時は合意の上だったのだけど。

「貴方は無自覚に私たちのような日陰者の心に汚れをつけていく。だから彼女も私も貴方を汚したい。貴方の心に私たちという汚れを残したい」

そこまで言われると恥ずかしいものがある。だけど私が今彼女を受け入れてしまえばそれはモードレッドへの裏切りになってしまう。

「メドゥーサさん。気持ちは嬉しいけど貴方ならわかってるんでしょ? 私はモードレッドが...」

モードレッドがの名前を出した瞬間、私の口が彼女の手によってふさがれる。

「私の覚悟を理解していますか? なるべく貴方に抵抗されないようこういった場所を選んで、丁度良く疲弊したあの子に貴方から魔力を分けてもらうように唆したり、なるべく邪魔が入らないように考えたんですよ」

目を瞑ったまま彼女はどこから取り出したかわからない白い布で私の目を覆う。視覚を奪われたせいか私の上に彼女がいるという感覚がよりハッキリとしてくる。

「これから10秒時間をあげます。本当に私を拒むなら令呪で自害を申し付けてください。そうすれば私も諦めがつきますから」

 

 

>つまりはそれ以外の方法では諦めがつかないというのが彼女の意思。私も頭では受け入れてはいけないと理解している。だけど、短い間とはいえ戦ってきた仲間に死ねと言える訳がない。それに彼女は私の事を何度も気遣ってくれた。そこに邪な考えはあったかもしれない。だけどそのおかげで私はこうして生きている。私の命の恩人はモードレッドだけじゃない。それは解っている。

「うぅ」

とっくに時間は過ぎていたと思う。だけど私の体はまだ動く。止めなきゃいけないだけど彼女に死んでもらう以外の方法が思いつかない。仮に令呪を使って彼女を止めたとしても同じことは起こる。だけど解決策が浮かばなくて結局泣くことしかできなかった。

「そういうところも陽子の素敵なところですよ」

体の動きがもう一度止まる。結局私は彼女を止めることが出来なかった。

「貴方は蛇に騙されただけ。自らの王を裏切る行為はしていません。ただ、この目の前では抵抗できなかっただけです」

言葉の通り動かない体は女神の寵愛を拒むことが出来なかった。




次回修羅場なので遅くなりそうです。


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宣戦布告

ついに今回から修羅場が始まろうとするので初投稿です


 前回のあらすじ。メドゥーサさんに襲われました。拒む権利は(ルート上)無いので修羅場が発生します。こっからなんとかしてこの修羅場をやり過ごしていきます。普段の走りは先駆者兄貴にかけらも及びませんが修羅場を納める練習は何度もしてきたので見てろよ~

 

 嘘です。修羅場になっても納めやすい鯖を選んで致そうとしてます。つまりこれからのプレイもガバガバ! いつも通りです。ではイクゾー!  デッデッデデデデ! (カーン)

 

 

 

>目が覚めるとそこはベッドの上。ここ数日間で見慣れてしまった天井。体は当たり前だけと動く。不自然なほど整った衣服。そして不自然に残された頬を伝う涙の痕。昨日のあれは夢ではない。現実であることを改めて理解させられる。

 

 

 まあ、今回は合意ではないのでほよちゃんのストレス値がマッハです。メドゥーサさんとの事で多分罪悪感を感じてるんですね。ほよちゃんはモーさん大好きだもんなー。だけどなーこの修羅場を乗り切らなければ人理なんて救えないぞー。

 

 

>私はモードレッドにどういう顔をして会えばいいのだろう。誤魔化す? いや絶対にばれてしまう。正直に言う? でもそれはモードレッドにとって裏切りでしかない。そもそもメドゥーサさんを止められなかった私が悪い。でも彼女は自害を命じられなければ諦めないとまで言っていた。

「私は結局どうすればよかったの?」

今は誰とも顔を合わせたくない。いっそのことこのまま消えてしまいたい。

 

 

 うんうん、逃げたいよなー。気持ちは分かるぞー。でも現実は非常だから敵の襲来か、君のサーヴァントに無理矢理引っ張り出されるかの2択だから逃げ切ることは不可能だゾ。さーて今回はどちらでしょうか。敵襲だとほよちゃんにストレスから何らかしらのバッドステータスがある状態での戦いになるので鯖に引っ張り出してもらう方がいいです。

 

 

>「あの、マスター。起きてますか?」

カーテン越しに聞こえるガレスの声。今だけは返事をしたくない。

「その、マスター。起きてくれないと多分砦が無くなります」

布団にくるまったままカーテンを開ける。我ながら被害者面をして情けない。ああ、こうしてガレスにも迷惑をかけてしまっている。

「マスターすみませんが来ていただけますか。私じゃあの二人を説得することは出来なさそうなので」

ここで動かないと本当に駄目なんだ。彼女の手を取り震えた足をそのまま、地面へと付ける。

「メドゥーサ殿の話。といっても少しだけですがそれで大体の予想はつきました。その、責任の一端は私にもあるので一緒に行きましょうか」

返事の代わりに彼女の小手に触る。謝ろう。彼女にしっかりと謝ろう。メドゥーサさんにもしっかりと私の気持ちを伝えなけらば。

 

 

 はい、という訳でこれからモーさん、メドゥーサさんの修羅場を治める時間です。失敗したら切り殺されるんで気合入れて行きましょう。ついでにチキンセーブも挟んでおきます。ガバガバなプレイの中でも輝く一筋のプレイヤースキル。見せてやるぜ! 

 

>ガレスに連れられモードレッドの居る場所まで行く。椅子に座るモードレッドの対面にはメドゥーサさんの姿もあった。今にも殺し合いの起きそうな雰囲気の中黒髭は2人が殺し合わないように必死に会話をつないでいる。彼には後でお礼を言おう。後があればいいんだけど。

 

 

 という訳でモーさんに対しての謝罪ですが絶対にやってはいけないことがあります。それはボディタッチからの謝罪です。手を握ったりしたりすると100%殺されます。いわゆる魔女認定ですね。というわけで誠意を込めてきちんと謝りましょう。例えこっちが悪くなくてもね! 

 

 

>「デカ女。テメェさっきの事本当なんだな」

重い空気の中先に口を開いたのはモードレッド。私が居ない間に昨日の事を話したならモードレッドが暴れていないのが少し不思議かもしれない。

「ええ、私は昨日の夜、陽子を誘い出して無理やりに関係を持ちました。理由は勿論。愛したからですよ」

あの目で見られている訳ではないのに体がこわばる。昨日一日で随分と印象が変わってしまったものだ。

「丁度、昨日なら魔力の大半をガレスさんに渡されていたので楽でした」

淡々と話していく彼女。今にでも切りかかりそうなモードレッド。

「まるで自分の物でも取り上げられた子供みたいな顔してますよ。まあ、陽子はそもそも貴方の物ではありません」

彼女がモードレッドに何を伝えたいのかが私にはわからない。ただ、その姿はモードレッドの事を煽っているようにしか見えない。

「テメェに何がわかる!」

ささやくようなモードレッドの声。俯く表情に映るのは怒りと焦り。

「私にわかるのは貴方も私と同じ日陰者ということだけ。そしてそんな日陰者をなんの疑いもなく受け入れる彼女が心地よかったのでしょう?」

 

 

 めちゃくちゃモーさんに攻撃しますね。ただ、このままだとほよちゃんからの謝罪フェイズが消えてしまいそうなのでさっさと謝らせてください。

 

 

>「ごめんなさいモードレッド。私は貴方を裏切ってしまったわ」

彼女を拒めなかった事実。それをモードレッドはどう罰するだろうか。やはり処刑が妥当だろうか。

「なあ、陽子。本当にアイツの言ってることは本当なのか?」

素直に頷く。しっかりと真実は伝えなければいけない。

「拒むなら令呪で自害を命じて欲しいって言われたんだけど、私にそれを命じることは出来なかったわ」

マスターとサーヴァント。主従関係であっても私に英雄と言われた存在に自害を命じるのは無理だ。結果としてそれが大切なあなたへの裏切りになってしまった。

 

 

>「いや、メドゥーサ殿重すぎやございません!? マスターにどんな選択を迫ってるでござるか!?」

今は黙っておいて欲しい。私だって色々と考えたのにこんな結果しか出せなかった。

 

>「おい、デカ女。その話は今聞いたぞ」

ん? 話をもう聞いていたんじゃないのかな? モードレッドの声が何かおかしい。

「ええ、言っていませんからねそこは」

ああ、彼女のやりたいことがなんとなくだけど理解できた気がした。一部の情報だけをモードレッド達に話して混乱させる。対する私には全部を話しているように見せかけた。

「適度な情報だけでモードレッドが陽子を見捨ててくれたら嬉しかったんですけどね」

困った。私はとんでもない女神に愛されてしまったみたいだ。

 

 

>「中々悲しいものですね。愛した人の思いを寄せる相手が自分の嫌いなタイプというのは」

思わずその場にへたり込む。英雄というのはやはり難しい存在だ。扱いきれるものだとは思ってもいないが、改めて私の手に余る存在だというのを思い知らされる。

「あまり言いたくありませんが、モードレッド。貴方は自分が思っている以上に陽子に愛されていますよ。まあ、私も負けるつもりはないのでそこはよろしくお願いします」

これは解り易い宣戦布告。誰もが夢見る多くの男性が自分に恋をする物語。今回は男性ではなく女性だけど、そんな物語の主人公になってしまった気分だ。ただ、多分私に決定権なんてなさそうだけど。

「正直モードレッドに陽子を奪われるぐらいなら貴方の方がまだマシです。という訳でガレスさんも陽子と関係を持ってみてはどうですか?」

赤面し慌てて首を横に振るガレス。私だって困る。ガレスが嫌いとかじゃなくて拒んでも拒まなくても次はモードレッドに殺される気がする。

「テメェはいい加減にしやがれ!」

ついに叫びだしたモードレッド。正直その言葉には賛成だ。ちょっと前まで私は誰かとそういう関係になったことすらなかったんだ。それがここ急に2人、しかも同性と関係を持ってしまった。下手に考えれば頭がパンクしそうだ。というよりここに居る皆にはバレてしまったがこれ以上この関係を知られたくない。

 

 

>「では、陽子。今回も頼みますよ」

メドゥーサさんが私へと笑みを向ける。今回も? 急に何のことだろう。私何かメドゥーサさんに頼んでいたかな? 

「ああー、そのマスター殿。これは敵襲でござるな」

敵は待ってはくれない。それは解る。でももう少し空気を読んで欲しかった。誰の目から見ても解るいらついたモードレッド。目的に失敗したとはいえ確かにその爪痕を残し上機嫌なメドゥーサさん。顔を赤くしたまま俯き続けるガレス。何か期待した目で私たちを見る黒髭。そして既に疲れ切った私。こんなんで大丈夫なのだろうか。




少しリアルが忙しかったので遅くなりました。次はもう少し早くできると思います。


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それぞれの欲望

AP半減中なので種火周回が捗った結果初投稿です


 前回のあらすじ。修羅場中に敵の襲撃が来ました。もう敵より修羅場による内部分裂の方が怖いです。正直今回来る敵はストレスの溜まったモーさんのサンドバックです。可哀そう? 空気を読めない敵が悪いんです。

 

 

>砦の階段を上がり、上部から敵の軍勢を見る。綺麗に整列し一定のペースで進んでくる骸骨。カバーするように上空を守るワイバーン軍団。多分だけど敵サーヴァントが指揮を執ってると見て間違いはないと思う。だけど

「敵の数が少ねぇな」

モードレッドも同じことを感じているなら話は早い。全体を見ても数はこの前攻めてきたヴラド三世の軍より少し多い程度だ。城攻めは最低でも城兵の3倍の戦力は必要と聞いた事があるし、そもそも前の敗戦からして同等の戦力で挑むのは悪手としか思えない。仮にも前にあの戦力での敗北しているのだから別の手段を用いてくるはず。

「マスター、敵に何か策があるとしてもまずは対処しないと」

ガレスの言うことも確かだ。まずは投石部隊に頼んでいつも通りここに取りつかれる前に倒せるだけ倒してしまおう。ワイバーンを見ても人が乗ってる気配がない。別動隊がいるのか、それともサーヴァントに指揮をされなくてもあれらには一定の軍隊行動が出来るようにされているのだろうか? でも、そうなるとこの砦に入った時の無秩序なあの骸骨達の行動が解らない。

 

 

 んん? なんか敵のパターンもよく分からないのが来ましたね。まあ、規律のとれた行動してるんで多分鯖は居ると思います。予想ではこういうよくわからない作戦を取ってくるのは大体デオン君ちゃんだと思うので後はそこに何騎の鯖がくっ付いてるかですかね。残るはファントムさん、サンソン、アタランテですので.全員で来ても勝てそうかな? 邪ンヌに関してはほよちゃんがほとんど関わってないので多分存在すら認知されてないんじゃないでしょうか? なんか陥落しない砦がある程度な気がします。

 

 

>「大変ですモードレッド殿。砦の南門に難民が助けを求めています!」

伝令からの焦り声。このタイミングで来るなんて。砦の中に入れるタイミングで部隊を進めるのが目的? 違う。そもそもこの砦の存在からして難民の受け入れはしなければならない。下手に受け入れ拒否をすれば兵士たちや他の難民たちの信用を失う。ああ、そうか

「難民は受け入れるしかないけどそこに敵のサーヴァントが紛れている可能性が高いわ。もしそうなら目の前の部隊は完全に囮ね」

サーヴァントの力があれば一人で砦を制圧することなんて簡単。それを考えると相手の方が一枚上手か。それで潜入したサーヴァントはどう行動してくるか。私の暗殺か、それともここの人たちの虐殺か。後手に回るのは仕方がないけど、こっちだって負けてられない。

「難民の受け入れ準備をしてください! 投石部隊はワイバーンの迎撃を第一に! 外した石でも骸骨は倒せますしあれが城門を破るにはかなりの時間が必要です!」

出来る限り大声で叫ぶ。私はここでなるべく目立とう。そうすれば敵の目に留まってくれるかもしれない。後は皆になるべく近づいて貰ってこちらは小声で伝えておく。

「多分敵サーヴァントが狙うなら私だから守ってね。その代わり出来る範囲での作戦指揮は全部私がやるから」

行っては見たもののこれは相手に理性が残っている場合の話。狙いが非戦闘員なら私を狙いに来る前に多くの犠牲が出てしまう。だからこれは相手がこの砦を効率的に攻略することを前提の作戦。

 

 

>投石部隊の練度は流石に高くなってきている。同時に打つわけではなく石の雨が途切れぬように発射するそれは相手が人間なら攻め込みたくない砦となることだろう。この囮部隊を撃破するまでにはそこまで時間はかからないとは思う。あとはどのタイミングで敵サーヴァントによる攻撃がくるかだ。この囮部隊が壊滅する前にはしてくるとは思うけど正確な敵の数が解らないのは不安が残る。ただ、こんなことをしている辺り相手サーヴァントの数はこちらの4騎を下回っていると思う。

「私たちが何もしなくても敵軍を倒せるというのは楽が出来ますが、ここまで順調だと少し怖くなりますね」

ガレスの言う通りだ。私自身も何かあるんじゃないかと睨んではいる。何をしてくるのかが解ればもっといいんだけど。

「お、アンタら手伝ってくれるのか。じゃあ頼むぜ」

声のする方へ振り返り口を開こうとする。だけど私の目に入ったのは無骨な剣で首を切り取られた兵士と冷酷な目でその兵士を見下ろす男性。あれが今回の敵.

「彼だけに目を奪われてはいけませんよ」

目の前に現れる銀色を誰かの武器が受け止める。当たり前のように誰が攻撃してきたのかはわからない。でもこれで2騎、敵のサーヴァントが居ることが分かった。

「僕と君。二段構えにしてみたけど防がれてしまったね」

困ったという様に男性は首を振る。それに同意をするのは.男? それとも女性? どちらかは見た目からでは判断できないが青い帽子に空色の服。獲物と思わしき細剣がその人物の美しさを引き立てているとでも言おうか。その人物をみた人に素敵な異性であることを思わせるには十分だ。

「本来なら闇討ちなどは騎士の誇りに反しますが今回は勝つためです。ご無礼をお許し頂きたい」

敵を目の前にして騎士を名乗る人物はお辞儀をする。このままここで戦うのはあまりにも狭すぎる。せめて砦の外に出られればいいのだが、外は戦場。尚且つワイバーンも数は減ってはいるがまだ処理しきれていない。骸骨は最近分かったけどそこまで脅威じゃない。

 

 

>「マスター殿。あちらの御仁は拙者に任せるでござる」

黒髭が指さすのは騎士を名乗る方。一方でガレスは無骨な剣を持つ男性の方を警戒している。

「黒髭、1人で戦わないでね。モードレッドかメドゥーサさんと協力してほしいな」

考えてみれば黒髭の武器は狭いところでも通用する。むしろ今一番辛いのはモードレッドだろう。あの剣は切れ味が良さすぎるから普通に振っても周りを破壊してしまうだろうし、宝具なんてもっての他、全部を塵に返してしまうだろう。

「私はシュヴァリエ・デオン。フランス王家の為、この戦いに勝ちましょう」

動作の一つ一つが目を引く。フランス王家と言ったあたりこの時代の人物でないにしろこの辺りは庭とでも言いそうだ。

「デオン殿でござるか。拙者は黒髭! 好物は女の娘! でもデオン殿が男の娘だったらそれはそれで興奮するのでお相手するでござる!」

期待した私が馬鹿だった。黒髭め、勝ち目があるとかそんなんじゃなくて相手の見た目で選んだな。

「メドゥーサさん。黒髭がこれ以上変な事言わないようにあの騎士任せて良い?」

正直彼女に今何かをお願いするのは怖い。また昨日のように襲われるのは辛いものがある。でもこれで担当は決まった。

「お嬢さん、安心して欲しい。僕に任せてくれれば苦痛は与えないから。ギロチンがなくても僕にはそれが出来る」

目の前の男性の笑い顔に困惑する。そもそも死にたくないから帰って欲しいとは言ってはいけないのだろう。

「ギロチンってことは貴方もフランス人だったりする?」

処刑人の名前なんて覚えてないけど、ギロチンの名前を出す辺りその時代を生きた人間である可能性は高い。

「おや、中々に聡明なお方だ。うん、僕はサンソン家4代目当主シャルル=アンリ・サンソン。ギロチンを作ったのは僕と言えばわかるかな?」

 

 

 

>「陽子、ギロチンってなんだよ」

モードレッドの言葉に戸惑う。なんて説明したらいいだろうか。私の見解でいいものか。

「処刑用の道具よ。罪人になるべく配慮した当時最高峰の設計と言っても過言じゃないわ」

ギロチンが開発される前は大きな斧とかで罪人の首を切り落としていた。という話を聞いた事がある。だけどその処刑は一撃では罪人は死ぬことなく、処刑場に罪人のうめき声が人々の心にこびり付いたと私が読んだ本には書いてあった。

「そういう言い方をしてくれるのは嬉しく思うよ。僕もギロチンに関してはそういう意志を込めて作成したからね。決めた。聡明なお嬢さん。君の処刑は僕が行う。苦痛も死んだことすら分からないぐらいに貴方を終わらせよう」

英雄というのはどうしてこうも身勝手な方が多いのか。そもそも死にたいといった記憶すらない。

「周りの兵士は退避! ワイバーンの残りはこっちで片付けるから骸骨をお願いするわ! ここに居たら巻き込まるわよ!」

出来れば正面から骸骨とは戦わせたくはないが今は状況が状況だ。

「黒髭とメドゥーサさんはデオンって騎士を抑えて! ここ、2人に任せたから!」

モードレッドへ目線を戻す。戦う舞台も私が用意してあげないといけないなんてほんとに我儘な王様だ。

「処刑人さん。私の首を取りたいならついてきなさいよ!」

走り出し城壁の壁を飛び越える! 下に映るのは骸骨の軍団。正面には後数匹となったワイバーン。だけどこの光景は一瞬だけ。腰からお腹にかけて銀色の小手が抱えるように包み込む。高速で景色が流れていき、敵部隊から少し離れた、そしてひらけた場所へと降りる。

「この方法だと、ガレスは付いてこないけどいいのか?」

私を下ろしモードレッドが武器を構える。近いうちに彼は来る。だけどこの場所なら闇討ちは出来ない。正々堂々正面からモードレッドを突破するしかない。

「ガレスならフランス兵引き連れて、あの骸骨達を突破して私たちと合流するでしょ? それに見てみたいじゃない《いずれ、兄弟全員に匹敵する真の騎士となる》って言われてた騎士の実力」

最も優れた騎士となると言ったらモードレッドに怒られそうだけどそうしたら貴方は騎士ではなく王だと上げ足をとってやろう。

 

 

 

──────────────────────────────-

 

>「面白いことをするね。君たちのマスターは」

私に相対する騎士は楽しそうに、そして羨ましそうに彼女の居た位置に目線を落とす。陽子が処刑人と呼んだ男は彼女の後を追い、残されたのは私ともう一人の騎士、それに先程から敵を嘗め回すように見ている男。

「メドゥーサさん。私、ここの兵士たちと共に表のスケルトンを倒してからマスターに合流します」

ガレスさんの行動に了解する。贅沢を言えば彼女が飛び降りたとき、ここから共に離れるのは私にして欲しかった。ただ、彼女の事だ。私の戦い方ならここでも大丈夫だと信じたのだろう。

「確かにマスター殿は面白いでござる。ここに来た時も拙者にやったことの無い城壁の修理を任せたり、こうして戦うための道具を作ったりと常に慌てて拙者は見てて面白いでござる。それに男性より女性にもてるのも魅力的なところでござるよ」

さらりとこの男は敵になんてことを言うんだ。石化させてやろうかとまで思う。

 

>「仮にサンソンが負けても私が彼女を打ち取るよ。だからまず君たちから倒させてもらうよ」

騎士の持つ剣はモードレッドの持つ物とだいぶ形状が異なる。見た目からして突くことを専門にしているのだろうか。

「いやー拙者も負けられないでござる。なんたってここに居る野郎どもと拙者、酒飲んで好みの女の話をしてしまったのですからなぁ」

私も騎士もこの男が何を言っているのかがわからない。酒を飲んだだけで何が起きるというのだ。

「男は単純な生き物でござる。酒飲んで女の話でもすればもうそれは同士。勿論デオン殿とくんずれほんずれは望むところでござるが、海賊として奪いたいものは奪う。だけど俺からは奪わせねえ!」

あくまで自分の欲望のまま、彼女の元には私を含めこんなサーヴァントばかりが集まるのか。

「頼りにしてますよ」

多分今私は笑っている。そうだ、私も自分の欲望を満たすためにこの砦を守ろう。

 

──────────────────────────────




次回戦闘から始まります。敵も味方も魅力的に書きたいけど中々難しいものですね。


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処刑人

サンソンの事を書くに辺り色々調べてたんですが、彼は死刑の廃止を訴えてたそうですね。
という訳で初投稿です。


前回のあらすじデオン君ちゃんとサンソンが攻めてきました。手強い相手ですが二人ともサーヴァントを倒してからマスターを狙ってくるタイプなので突然の死は注意していれば無いです...無いよね? 

 

 

 ではまず状況確認から行きましょう。ほよちゃんとモーさんは砦から離れたところでサンソンの迎撃。サンソンは正面からも戦える優秀な剣士タイプのアサシンですがこちらとら本職騎士のセイバーです。尚且つほよちゃんとの致した関係なので能力のブーストもされています。不安要素はストレス値が現在、メドゥーサさんとの一件で高いので気持ち攻撃が雑です。まあ、相手も狂化されているのであいこだと信じたいです。

 

 次にガレスです。フランス兵を率いて砦から出撃。敵のスケルトン部隊を蹴散らしながらこちらへ向かっています。ここは心配しなくてもいいです。仮にフランス兵が全滅したとしてもガレスが序盤のスケルトンに負けることは無いです。強いて言うならあんまり兵を失いすぎるとガレスの精神面へのダメージが高くなるのでケアが面倒です。

 

 最後にメドゥーサさんと黒髭のコンビです。ここもまあ負ける心配はないと思って大丈夫です。現状黒髭の士気も高くメドゥーサさんも致したボーナスで強力なバフがかかってます。唯一の心配は気合の入りすぎたメドゥーサさんによって黒髭まで石化したとかぐらいですかね。あ、でもデオン君ちゃんが血迷って剣を捨てて拳で語り合いをしてきたら少しやばいかもしれません。wikiにも載ってないしそんなことないと思うんですけどね。

 

 

 

>辺りを見回しても身を隠す場所はない。敵サーヴァントの目的はあの砦の陥落。その一番楽な手段としては私を殺すこと。そうすればモードレッド達は消え、残った人たちはどちらか一人が居れば文字通り抹殺できるという訳だ。

 

>残った軍をこちらに向ければガレス達に背後をつかれる。それもあるからガレス達との合流をなるべく遅らせるために貴方は一人で来てくれるはず。

「お嬢さんを守る君はデオンと同じ騎士。それに守られるお嬢さんはまるで王女みたいだ。ああでも僕が知っている王女と比べるとね」

彼が知る王女。フランス革命の時代だとマリー・アントワネットかな。肖像画でしか見たことは無いけど、宮中の視線を欲しいがままにした彼女と私を比べるのは流石に失礼だろう。主に彼女に。

「悪いけど王女って柄じゃないからね私。どっちかっていうと目の前にいる王様の頭脳で居たいのよ。やってることは今のところ過去の先人の猿真似だけどね」

シャルル=アンリ・サンソン。私の前に立ちふさがる処刑人が無骨な大剣を構える。本場の人間にこういうことを思うのは失礼だろうが非常に様になっている。

「陽子、アイツを見て分かる事全部言え!」

勿論そのつもりだ。彼の見た目からして身長はゆうに180cmを超えているだろう。あの大剣自体にどんな機能があるかはわからない。

「ぱっと見た感じあの大剣の全長は150cmぐらいかな。剣の先端のあれは切れ味は無いわ。多分叩き潰す用。その代わり側面の切れ味はかなり鋭いはずだから気を付けて」

よくできた構造の剣だと思う。あの剣の形状からして仮に突きの攻撃をしたとしても人は死ににくいと思う。だけど確実に人間相手なら骨を折ることは可能だろう。それが胸なら肋骨。後ろからだったら背骨。戦闘不能にすることを考えれば合理的だ。

「おし、それだけ相手を見てるなら十分だ!」

先に動くのはモードレッド。先行するモードレッドの一撃を受け止める彼の大剣。おそらくモードレッドの王剣とは違い私の常識の範疇に収まったものではあるが、サーヴァントの力がそうさせるのか刃こぼれはしない。彼のクラスは解らないが仮にセイバーじゃない場合は確実にこちらに分があるはずだ。

 

 

>激しい金属のぶつかり合いが続く中。一つ気づいた事があった。あの人はよくよく考えたら私を狙っていない。あの人が首を刈ったのはあくまで砦の兵士。つまりは戦闘員。その後は私を処刑すると言いながらモードレッドと打ち合いを繰り返している。モードレッドの対処に追われている。それを言えば解決してしまうだろうが何か引っかかる事がある。何か私を殺そうという意志を見せながら行動はそれに伴っていない。いや、それに抵抗しようとしてる節がある。

>「テメエ、セイバーじゃねえな? なのにオレと真正面から打ち合うとか随分と舐めたマネしてくれるな」

銀色の一閃を銅色の大剣が受け止める。モードレッドもこのおかしさに気付き始めている。

 

 

>「僕たちは彼女に召喚された時から狂わされている。だけど、心の底にあるものはそう変えられない。ただ、それだけの話だよ」

目の前の処刑人が言う彼女は多分竜の魔女、もう一人のジャンヌ・ダルクの事だろう。ただ召喚された時に狂わされたというのは私にはわからない。

「彼女に召喚されたからにはお嬢さんを殺さなければいけない。だけど君が正義の側なら僕はどうすればいいんだろうね。現に君はあの砦で籠城し、多くの人たちの命を救っている。そして僕らは本能のままに人を殺し続けている」

モードレッドの攻撃に対して彼は今のところ防ぐのが手一杯に見える。このまま行けばモードレッドは勝ってくれるだろう。だけど彼は多分私を秤にかけている。気まぐれなのか、それとも自分が殺す相手の事を知りたいのかもしれない。もしくは自分が殺される相手の事を知りたいのか。

 

 

>燦然と輝く王剣が赤黒く光る。

「貴方が思っている正義が何かわからないけど、私が今していることはそんな正義じゃないわ」

正直なところを言えば、レイシフト先で行われる特異点の修復。そして人理の修復。それが目的と言われても私のような一般人には話が壮大過ぎる。

「そもそもあの砦は、譲り受けたというより私が騙し取ったという方が正しいわ。結果だけ見るなら確かにあの砦の人を守ってるけどね」

モードレッドの剣を受け止めながらも処刑人の顔が険しくなる。なんの為にと聞きたいのだろう。そんな表情をするなら案外この砦の内部事情は知られてないのかもしれない。

「ただ私は目の前に居る、私の王様の為に出来ることをやってるだけよ。今はまだ国もないし民もない。人の砦を間借りしてるだけでもいつかきっと父よりも優れた王になる人。その人と道を一緒に歩きたいのよ」

正直人理を修復して世界を救うなんてこと。なんて言ったらカルデアの人たちに怒られそうだけどそんな雲の上の話よりこっちの方が楽しく感じてしまっているのは内緒だ。

「一つ面白いこと教えてやるよ処刑人。あの馬鹿はオレが反逆の騎士と知ってあんな事言うんだぜ? まあ、オレが父上を超えるのは当たり前だがあんなに楽しそうにするんじゃオレも剣を預けるしかないだろ?」

楽しそうなのはどっちの方だ。なんだかんだで私の純潔まで奪ったくせに。勿論受け入れた私も私なのだが。

 

 

>大剣による正面からの一撃を小手で弾き、返しの刃を彼の左腕へと滑らせる。致命傷にはならないがその攻撃は彼の動きを鈍らせるには十分な一撃。決めるならここで畳みかけるしかない

「陽子、回せ!」「勿論!」

肩にある令呪に手を翳して集中する。まだ、効率的な魔力の回し方とやらはわからない。というより必要な分だけ持って行ってくれた方が助かる。だけどこれも早めに覚えなきゃいけないことなんだ。

 

>ジワリと広がる肩の熱。何度目かになるこれにはさすがに慣れてきた。それに今回は上手くいっているのか痛みに苦しむことは無い。ちゃんと立って居られるし動ける。これなら戦いの後に倒れることもないだろう。

 

 

>「なるほど、眩しいほどの信頼、それに忠義。羨ましい限りだよ。結局僕は忠義を尽くすべき人たちをこの手で終わらせることになったからね」

彼の動きは鈍くなってきている。それもそうか、いくらサーヴァントとは言え、斬られれば死ぬし、そうでなくても傷を負えば痛みが残る。

「モードレッド。なるべく痛くないように終わらせることは出来る?」

私は彼について詳しいわけじゃない。だけど彼が作ったギロチンが罪人にも配慮のあるものなら、その配慮を出来る人間を戦いとはいえ苦しめていいのか。

 

 

>「その言葉が聞けたならこの世界での僕は満足かな」

処刑人が剣を離す。迫りくる王を前に彼の首が、銀の刃を受け入れる。彼の首が宙を舞う。その顔は私を見つめる。先程の言葉通り、満足した表情。だけど同時に私たちのこの先がどうなるのか? そんな疑問を投げかけてきている気がする。

落ちてきた首の前に膝を折り合掌する。サーヴァントは英雄の座というところから来てそこへ還る。確かダヴィンチちゃんがそう言ってた気がするけど、今はただ、彼が自分の主君の元に帰ることが出来ればいいと思うしかなかった。時代も人種も立場も違ったけど彼は間違いなく忠義の士だった。この短い間だけど私は彼に対してそう思いを抱いた。

 

 

>「マスター! モードレッド! 無事ですか?」

遠くから馬に跨りこちらへ向かってくるガレスの姿が見える。こちらに来ているということは敵を蹴散らして突破してきたということだろう。

「急いでください! こちらに正確な数は解りませんが十騎近いサーヴァントの反応がこちらに向かっています!」

この状態でまだ来るのか? それともこちらが本命かだったのか。それにサーヴァントだけで十騎近いなんてとてもじゃないけどあの砦じゃ抑えきれない。

「落ち着けガレス。多分だがそれは敵じゃねえ。お前は会った事は無いが味方だ」

ああ、立香達か。だけど十騎となるとマシュさん。男のアーサー王。今はランサーの元キャスター。それにジャンヌ・ダルク。後は前に話を聞いたライダーとキャスター。私の記憶があるだけでも6人。どれだけサーヴァントを召喚したんだ。それともジャンヌ・ダルクのようにマスターが居ないサーヴァントを数多くいるのだろうか。




歴史の偉人を調べるとまあ、筆が遅くなる。楽しいんでいいんですけどね。
次回はメドゥーサさん視点でデオン戦を描こうとしているのでまた遅くなります。


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白百合と相対す

今回解説パートが無いので申し訳ないのですが短めです。


 前回のあらすじ、サンソンを倒しました。ぐだ男との合流フラグが立ちましたがその前にデオン君ちゃんを倒すところからです。

 

 

>目の前の騎士の剣捌きはどうもこちらのモードレッドのものとはだいぶ違うらしい。こちらの攻撃に対して正面から受け止めるようなことはせずその細身の剣で受け流されている。あまり見せたくはないが鎖が一度絡まってしまえば力づくでも相手に迫ることは出来る。陽子のように武器が詳しいわけでもなさそうではあるがこちらの動きをじっくりと観察していると考えると厄介な相手だ。

あの男も近づこうと努力はしているがあの剣捌きが邪魔で接近戦を仕掛けられていない。互いに攻めあぐねている状態が続いている。魔眼を使うにもこの男が石化したら元も子もない。

 

 

>「困ったでござるな。相手の攻撃を避けることは出来てもデオン殿に攻撃が届く気がしないでござる」

バツの悪そうな顔でこちらに視線を向ける。私の事を頼りにしたいと思っているのかわからないが下手をすれば自分も巻き込まれる事に気付いてないのか。この前の時とは違うのだ。

「拙者はマスターやモードレッド殿、メドゥーサ殿の素敵展開を見届けたいから大丈夫でござるよ。という訳でほらYouそれ外しちゃいなよ!」

その言い方に不快感を覚える。ならば、彼が言い出したことにしていっそのこと石化してもらうぐらいの気合で臨もう。

 

>「貴方が石像になったら投石器で打ち出せますね」

陽子が周りの人間を退避させてくれてよかった。そうしなければ今頃周りが石像だらけになってしまうところだった。いや、よくよく考えればどうでもいいか。彼女が無事ならそれで後はどうでもいい。

 

>足を走らせ獲物を構える拳に力を入れなおす。先程と同じようにまずは近距離での攻撃を試みる。先程と同じような手順での斬撃、器用に細身の剣で直撃を避けては来る。だけど、その手際は先程よりは悪い。つまりは魔眼に関しての抵抗力はそこまで高くはないということだ。

「君が早くなったというよりこれは、私が遅くなっているということだね」

一瞬で自分の体に起こる変化に気付けるのは見事。対応力も悪くはない。強いて言うならこの剣技は人を想定して練られたものなのだろう。だが、今対峙しているのは怪物。

 

 

>相手の腕に鎖を絡ませる。腕を大きく振り上げ鎖につながれたその体を空中に弧を描くように持ち上げそのまま地面へと叩き落す。頭からとはいかないがそれでも受け身を取ることなく叩きつけられたその体は無傷とはいかない。そのままこちらへ手繰り寄せるよう手を動かすもその手が急に動きを止める。

「こう見えても私は力比べなら得意な方なんだ」

ゆるりと立ち上がり鎖を掴むその力は私と同格かそれともそれ以上か。

 

 

>じりじりと力負けしているのか足が引きずられる。この姿で居ても人間に力負けするというのはどうも自分のプライドが許さない。

「デオン殿、拙者の事を忘れちゃ嫌ですぞ」

あの男が騎士に後ろから抱き着く形で背後を取る。ただ、あの男も私の眼のせいで確実に動きは鈍くなっている。

「素敵な臭いと素晴らしい感触と共にそぉい!!」

全力で上半身を逸らし騎士の頭を自分の体ごと地面に激突させていく。同時に鎖を引っ張る力も弱まり少し力を入れればその体が引きずられてくる。あの男にしてはいい仕事をしてくれたと思うことにしよう。

「ははっ、彼ふざけているようでやってくれるじゃないか」

倒れたままそう呟く騎士の眼は焦点がおかしい。今ので強く頭を打ったせいだろう。ならば動きが戻る前にやることをやろう。

 

>手元にあるもう一つの釘を人体の急所へと差し込む。私としたことが困ったことにサーヴァントとはいえ魔術の無い時代の人間に苦戦してしまうとは情けない。これでは陽子にも飽きられてしまう。

「おーいい腕前じゃねえか、お前さん」

先程から敵意は無かったがこちらに協力もする気のなかった気配の主が声を掛けてくる。仮にも味方なのだから手伝ってくれれば早いものを。

「ランサー。見ていているのはいいですが、もし私たちが負けていたらどうするつもりでした?」

眼を隠し彼の方向を見る。赤い槍を肩に背負い。楽し気な表情でこちらを見ているその姿はまるで獣を連想させる。

「ハッ! 負けねえだろ? まだ甘さの残る坊主ならまだしもこっちの嬢ちゃんは色々と考えてるみてぇだし大丈夫だろ」

ランサー自身もこの砦の具合を見て感心するところがあるらしい。

「ああ、そうだ。いい忘れてたけどよ。坊主たちと敵の居所は掴んできたから一度こっちに戻ってきた。そっちは色々と大変みたいだったがまあ、この状況を見れば大丈夫そうか」

ランサーとは別に遠くに感じる気配は全てここで召喚されたサーヴァントか。私も何人かは面識があるがそれ以上に数が増えている。

「そちらのマスターは陽子と違いどんなサーヴァントも引き付ける魅力があるみたいですね」

ところで先程からあの男は何故動かないのだろう。ずっとブリッジに近いような形で止まったまま。私の眼で石化している訳でもなさそうだ。

「まあ、あの坊主は甘いからな。そのせいで何回かヤバい目にはあったが、やりごたえのある戦いは多かったさ」

互いに互いのマスターに不満が無いようで何よりだ。下手に彼などが陽子をマスターに選んだらそれはそれで面倒なことになりそうだ。

「ところで、一つ聞きたいんだが、あの馬に跨って敵を蹴散らしてたランサーは誰だ?」

そういえばそちらの陣営は彼女を見るのは初めてなのか。

「彼女はガレス。モードレッドと同じ円卓の騎士だそうで彼女は異父妹にあたるようですよ」

少し前に陽子から説明されたことをそのままにランサーへと返す。その答えに彼は口を開けたまま動かなくなる。

「私、何か変な事言いましたか?」

いい加減動かないこの男、黒髭の様子を見てみれば彼の頭は綺麗に地面へと密着していた。まさかだがあの攻撃を仕掛けたときに同じように頭をぶつけて気絶したのか。

「いや、嬢ちゃんがあんな純粋な感じのサーヴァントを呼びだすなんて意外だなって思ったからな」

自分が純粋でないのは理解できる。だがその言葉はあまりにも失礼だ。ついでに敵として石化させてやろうか。

「何考えてるかは知らねえが物騒なことは今は無しにしようぜ。いや、そうだよな。オレから見ても曲者が多いんだ。ああいうのが居た方がいいよな」




少しスランプ気味です。次回はぐだ男視点で書こうとしてるので解説パートはまた無さそうです。


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知らない顔

今回はぐだ男視点なので解説パートはありません。


前回のあらすじ、デオン君ちゃんを撃退してぐだ男と合流しようとするところからです。

 

 

 

 砦の様子を見てもらう為に先にクーフーリンを向かわせて俺たちは後から砦へ向かうはずだった。だけど砦に近づくにつれて鉄と鉄のぶつかり合う音が聞こえてくる。戦いが始まっている。陽子が危ない。そう思い皆に声を掛け、足を進める速度を速める。少し前にワイバーンと呼ばれる存在が死人を食べているところを見てしまった。あのときジャンヌは聞いたこともないような悲痛な声でワイバーンを追い払っていた。それからだ自分が置いてきたせいで彼女が.陽子もこうなってしまっているんじゃないかと思う様になってしまったのは。

バーサークライダー、マルタに襲われた時、その後にゲオルギウスとジークフリートが助けを求めていることをこちらに教えてくれた陽子のサーヴァント。彼女が言うには忙しい中で頑張っているというがそれでも今回も大丈夫とは限らない。だから俺たちが行かないと。

「先輩! あちらからサーヴァントの気配が、1つはモードレッド卿のような気もしますがもう1つは誰でしょうか?」

もし敵のサーヴァントなら先に攻撃した方が良いかもしれない。砦の方が攻撃されているならそれはクーフーリンが居れば何とかなるはずだし危ないなら何か合図をすると言っていた。

「マシュ、皆! まずはそっちに行こう!」

足を進めて最初に目に入ったのはフランス兵と思わしき軍団。そして周りには蹴散らされたスケルトン達。これ全部ここの人たちがやったんだろうか? いや、でも陽子のサーヴァントが居るってマシュが言ってたし、彼女がやったのかもしれない。

「先輩、陽子さんとモードレッド卿を確認しました。それにもう一人のサーヴァントの方も」

よかった。陽子は無事なのか。それなら話は早い。とりあえず合流できてよかった。

「マスター、早くいかないとマリーの暴走癖が、いや、もう彼女たちのところに向かってしまったよ」

見ればマリーは既に陽子たちの元に向かっており、陽子やモードレッドの腕を引っ張りキラキラとした目で何かを話している。彼女のコミュニティ能力は流石だ。最初は何を話していいかわからなかったジャンヌとも彼女のおかげで色々と話すことが出来た。

 

 「あの、先輩。私、今気づいたのですがここの人たちはジャンヌさんの事を誤解したままなのでは?」

俺たちは今回の特異点とも言える。もう一人のジャンヌと出会ったのだが陽子たちはそれを知らない。Dr.ロマンとの通信も最近繋がらなかったし一度説明をしなければ。ジャンヌも今は後ろに隠れているような状態だがここは見てきた俺たちが誤解を解かなきゃいけない。

「マリー、陽子が困ってるからそれくらいにしてあげて」

マリー自体はまだ満足はしていないようだが陽子のサーヴァントが気になるようでそちらへと向かう。久しぶりに会う彼女の姿は.制服? だけど俺たちが通っていた高校とは制服とは違うけど。

「立香、いきなり変な目で見ないでよ。これしか服がないから来てるだけで好き好んで着てる訳じゃないのよ」

そういう目で見ていたわけではないのだが気が付けば目線を逸らしていた。これじゃ自分の罪を認めるようなものだ。

 

 「って陽子、その顔の怪我どうしたの??」

目を逸らした先に入ったのは右頬に残る傷跡。傷跡からして時間は経っているようだけど、その傷は見てて痛々しい。俺にも旅をしていた中で危ないと思われる場面は何度もあった。だけどサーヴァントの皆と一緒に乗り越えて、今こうして傷一つ無くここまで戻ることが出来た。でも考えてみれば陽子の傍にいたサーヴァントの数とこちらの数では大分差がある。それどころか情報共有の為あっちは貴重な戦力をこちらに割いて状況の報告をしていた。その結果がこれなのか。

「ちょっと立香、どうしたの?」

気づかない内に俺は彼女に甘えてしまっていたのか。そうだ普通に考えたら彼女と連絡を取るならこちらから人員を派遣しなければなかった。カルデアとの通信だって常にクリアじゃないのも俺は知っていたはずだ。なのに俺はそれを怠った。

 

 頭に軽い衝撃が走る。それが彼女に頭を小突かれたのに気づくには少し時間が必要だった。

「全く、いきなり現れたと思ったらいきなり落ち込んだような表情見せて、命がけで戦ってるんだから傷の1つや2つ負うものでしょう? まあ、これは完全に私が慢心してたんだけど」

当たり前だが自分の未熟さが嫌になる。と陽子は呆れたように言うがこちらとしては何故そんなに落ち着いているのかがわからない。

「お、お前は! 竜の魔女! また来たのか」

フランス兵の声に目的を思い出す。そうだジャンヌの誤解を解かなきゃいけない。今目の前に居るのは竜の魔女になったジャンヌじゃなくてここの人たちが知っているジャンヌだって。

「黙れ、テメエら! あと、陽子。こいつらに説明!」

陽子のサーヴァント。モードレッドが静止をかけ陽子を兵士たちの前に出す。毎回思うけどこの人やることが全部無茶苦茶だよな。陽子だってまだ、竜の魔女であるもう一人のジャンヌの存在を知らないはずだし。

「はいはい、解ってるわよ。では聖女様、こちらに来てもらってもいいですか?」

言われるがままにジャンヌは彼女の傍に近づいていく。一体何をする気なんだろう。

「皆さん、簡単に言いますがここにいるジャンヌ・ダルクは貴方たちが聖女と呼んだその人ですよ。竜の魔女じゃないですよ」

そんな簡単にここの人たちが信じるはずないだろと思わず言いそうになる。もしかして陽子は疲れているんだろうか? 

「そんなわけないだろ! ジャンヌ・ダルクは死んで竜の魔女として蘇った! それに俺は見たんだ! 顔色が死人みたいに悪くて、俺たちを殺そうとしたのを!」

予想通りの回答が陽子に襲い掛かる。だけど陽子にひるんだ様子はない。

「私から見たらこの顔は健康的ですけどどうですか?」

食ってかかる兵士の前に彼女を押し出す。確かにジャンヌの顔はどう見たって健康的だけど今はそうじゃない気がする。

「じゃあ、俺が見たあのジャンヌ・ダルクは何者だったんだよ!」

そうだ、そこを説明しないと彼らは納得しない。そしてそれが説明できるのは陽子たちじゃなくて、実際にもう一人のジャンヌを見た俺たちなんだ。

「ああ、私は見たことないですけど多分ジャンヌ・ダルクですよ。こちらの聖女様と違って、裏切られて復讐を誓ったジャンヌ・ダルクとでも言いましょうか」

そんなに似ているのなら逆に私も見てみたいと口から漏らす陽子。

「そして、こちらは裏切られても尚、フランスの英雄として蘇った聖女、ジャンヌ・ダルクですよ」

何かを言いたげなジャンヌ。だけどモードレッドが彼女に黙っているように指示する。

「同じ人間が2人も居るなんてありえないだろ! アンタついに頭がおかしくなったのか!」

激昂していくフランス兵。確かに普通に考えたら同じ人間が2人も居るなんてありえないことなんだ。

「それですよ。そのありえない現象が今起きてるんです。そもそも考えてみてください。貴方達はなんで人が蘇るなんていうありえないことをそんな簡単に受け入れてるんですか? それに今も相手にしてきたあの骸骨やワイバーン達。簡単に受け入れましたよね?」

今にも陽子を襲いそうな兵士たちの動きが止まる。言われてみて初めて気が付いたのかも知れない。自分たちがとんでもなく混乱していることに。

「死人が蘇る。1人で動く骸骨。竜みたいな生き物。これだけ変な事起きてるんです。ジャンヌ・ダルクが2人居て片方が聖女、片方が竜の魔女。これだけ受け入れられないなんて言わせませんよ」

ここのフランス兵は少し前までの俺たちに似ているのかもしれない。俺たちも少し前に魔術というものを知り、サーヴァントを知った。超人たちが闊歩する中、自分に出来ることは何かを探し続ける。ただ、俺の場合は運が良かった。マシュを始め多くのサーヴァントが好意的に接してくれたおかげで今こうして目立った外傷もなく居られるのだから。

「陽子、砦の方も無事に終わったみたいだ。あのセイバーの反応が無くなった」

モードレッドの言葉に陽子の顔が明るくなる。この状況で更に戦力を二手に分けていたのか。

「良かったわ。じゃあ、みんなで帰りましょうか。あ、皆さん。こちらの聖女御一行も来てもらいますけど文句はありませんよね?」

もう、誰も彼女の言葉に反論はない。陽子は沈黙を肯定として受け取り歩き出す。

 

 

 

 「いや、マスター。オタクのご友人、中々に口が立つようで」

砦に到着し休憩しているとロビンフッドからそんな事を言われる。砦の中も前に来た時に比べると随分立派になっていた。

「前はあんなに人前で喋る子じゃなかったんだけどね」

最後の年はクラス替えで違うクラスになってしまったが基本的に彼女は物静かでいつも本を読んでるイメージだった。勿論話しかければ応えてくれるし、友人と一緒にご飯を食べたりはしていたが自発的に他人と関わるイメージは無かった。

「ロビンフッド。今からもう一人のジャンヌの事、陽子に伝えに行くけど一緒に来てくれないか」

彼は戦う前の準備が重要とよく話しているし陽子と合わせたら息が合いそうだ。いきなり全員は無理だけどここであったサーヴァント達も順次紹介していかなければ

「りょーかい。じゃあ、行くとしますか」

近くに居たフランス兵に話を聞くと兵舎の一角に彼女の生活スペースがあるらしくそこではないかと言われたのでそのまま足を進めて行く。

 

 

 

 兵舎に着き、いつも彼女がいるという場所へ行くと確かに陽子はいた。ただ、モードレッドも一緒に。それだけならよかったのだが、なぜかモードレッドは彼女の膝の上に頭を乗せており、陽子はモードレッドを小さな板で扇いでいた。

知らない。あんな陽子の表情は知らない。2人の相性がいいのはなんとなくだが解っていた。だけど陽子の表情は学校で見た友人同士で見せ合う表情でもなければ、嫌という顔でもない表情。

「ンンッ! 邪魔するぜ」

ロビンフッドが声を掛け部屋に入っていく。モードレッドは片目を開け俺たちの姿を見るともう一度目を閉じる。

「え、あ、立香。来てたの?」

陽子が扇ぐ手を止め、今の状況を見られたのが恥ずかしいのか顔を赤らめる。それに対してモードレッドが風が止まっていると催促をし、陽子が再び扇ぎだす。

「そのままでいいよ。もう一人のジャンヌの事、話しとこうと思って来ただけだからさ」

そのまま自分の見てきた事を言葉にして陽子に話していく。だけど、さっきの光景を見てから今自分でも自分が何を言っているかよくわからない。きちんと話せているだろうか。変なことは言っていないだろうか。

 

 

 陽子はモードレッドと相性がいい。2人とも女性だしタイプが違うとはいえそう言うことはあるだろう。親友のような関係。なのになんで俺はこんなにモヤモヤとしているんだろう。




ほよちゃんのステータスとかやっぱり乗せた方がいいんですかね?


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我が主の真価

ところでガレスはタキシード着ないんですか?という訳で初投稿です。


前回のあらすじ、ぐだ男が邪ンヌの事を多少なり教えてくれました。ぐだ男も無事に合流したのでそろそろ敵陣に攻め込みたいところです。

 

 

 

 

>技能 歴史好き、勉強家が軍略(偽)[C]に変化しました

>神性[E-]を獲得しました。

 

 

あ、ほよちゃんが色々貰いましたね。軍略(偽)ですがこれはほよちゃんが主に歴女なので色々な過去の戦いの戦術をここで試しているので手に入った感じですね。効果量は本家に劣りますがそれでも一般人が鯖の援護を出来るという点では便利なのいいですね。場合によっては今後の行動で(偽)が消えてくれるかもしれないんでどんどん使っていきたいところです。

神性についてですがそもそもほよちゃんは鯖に攻撃することはまずないと思って取れなくても続行してたんですがここで手に入りましたね。え? なんで手に入ったかって? そりゃー神性持ってる人に襲われましたからね。

 

あ、この後ですが邪ンヌのところに殴り込みに行くための準備をしていきます。やることは砦の兵士たちや自分の鯖と作戦会議をするだけですけどね。あ、ぐだ男達は巻き込んでもいいですが野良鯖の皆さんはなるべく話しかけたくないですね。下手に好感度を稼いで縁ができちゃうと困るので。特に今回のプレイでは要注意人物のきよひーも居ますし、これ以上戦力に偏りが来ると流石に困るのでマリーや聖人カメラマンともあまり縁を作りたくないです。まあ、ぐだ男が呼んでくれれば優秀な戦力なんでそっちに任せましょ。エリちゃん? 致せる事は致せますが成長してくれた方が致しやすく尚且つ修羅場コントロールしやすいので未来の姿で仲良くしようね。そういえばぐだ男がロビンフッドをいつの間にか召喚してましたがあれは色々と困りました。ロビンはこちら側で呼んでも修羅場を和らげる技量がありますし、なにより破壊工作のスキルは今後とも役に立ちますからねぇ! 

 

 

 

>立香の話を聞き終わり、また部屋には私とモードレッドの二人だけになった。もう一人のジャンヌ・ダルクが居る場所。この特異点の最後に行くべき場所。敵の本拠地だろうし戦力も多いだろうが立香と私のサーヴァントの数を考えれば突破はたやすいだろう。相手にサーヴァントが居ないならの話だが。

 

>今まで敵の戦力はサーヴァント、ワイバーン、骸骨達だけだった。だが、相手にそれ以外のモノが居るとしたら? それを考えるとこちらとしても戦力はサーヴァントだけでなく現地の彼らにも協力してもらいたい。ワイバーンや骸骨は現地人でも倒せる。彼らも自分たちが無力でない事は解ってくれているだろう。だからこそ彼らは何としても連れて行かなければいけない。彼らもこの砦を出て死地へ向かうことは怖いだろうが私だってそうだ。そもそも私は兵士としての訓練も受けていないし、言い方を悪くすれば生まれても居ない過去の世界を正せなければ死にますと脅されているのだ。理不尽にも程がありすぎる。

「ねえ、モードレッド」

声を掛けるが返事はない。ただ、定期的な呼吸を繰り返している。

 

 

>寝ている。一応先程の話はこの特異点では最重要な情報なのだから聞いていて欲しかった。仕返しといういい方は正しくは無いが私の膝を枕代わりにして寝ているモードレッドの頬に右手の人差し指を当てる。力を入れるわけでもなく、ただ触れる。綺麗な肌だと素直に感じる。普段は強くて私とは別次元の人間を感じさせるのだが、寝ているこの顔は私より幼さを感じさせる。そして私はこの子とどういう因果か関係を持ってしまっている。勿論今はそんなことを考えず、敵の本拠地を攻撃するための準備、作戦を立てなければいけないのだが、この顔を見ていたらそのことに関しては何も浮かばなくなる。モードレッドに立香達の話を聞けと怒ろうと思っていたが、これでは私も同じだ。

 

>私という人間はモードレッドを始めとした召喚したサーヴァントによってどんどん変えられてしまっている。最初の特異点に居たときはあの骸骨に会っただけで恐ろしかった。だけど今はモードレッド達の隣で大人の男性に指示を出して、ワイバーン、骸骨というトンデモ軍団を相手にしている。それどころか吸血鬼カーミラに生身で突進したり、あのサンソンという処刑人が人の首をはねるのを見てどう対処するか、どうすれば被害を少なくして勝てるか、その結果が砦から飛び降りることになった。いや、自分の意思で飛び降りた。多分学校に通っていた頃の私が見れば狂っているというだろう。

 

>モードレッドの頬に置いた指にほんの少しだけ力を入れる。やわらかい感触が指の先を包むがすぐさま寝ているモードレッドの手で振り払われてしまう。それどころか頭を置く位置が悪くなったのか私の膝で頭を動かす。くすぐったい感触に耐えながらも今度は何をしてやろうかを考える。

「本当に...もう」

何とかして私はモードレッドに勝利を渡したい。そのために私がするべきこと、それはきっと綺麗ごとを並べてこの世界に生きる人を死地に向かわせることなのだろう。私は自分の未来の為、自分が生き残るため、仲間を守るために今後、何人の人を犠牲にするのだろう。もし、無事に事が終わった時、私に残るのは英雄などではなく悪女だろう。

「だけど、そうだとしてもやって見せる」

非戦闘員を戦わせるのはモードレッドの評判を下げるから駄目だとして兵士たちを鼓舞する手段。今現在、竜の魔女を恐れる彼らがどうしたら進んで戦うだろうか? 金銭は駄目だ。そもそもそれを払えない。なら竜の魔女以上の恐怖だろうか? いや、寝首をかかれて終わりだ。なら残るのは名誉か。リーダになる人物はいる。だけどそこにどうやって名誉を付随していく? 

 

 

>単純だった。私の膝を枕にして寝ている騎士の絶大なる魅力を忘れていた。モードレッドがその真価を発揮する瞬間。それは

 

 

──────叛逆

 

 

>では、何を対象にそれを行うのか。答えは既に私の中に出ている。そうだ、竜の魔女によって恐怖に満ち溢れたこの世界そのものへの叛逆。モードレッドという反逆の騎士を中心にした、恐怖に満ち溢れた世界への叛逆。これならばそこには名誉が付いてくる。例え倒れようとも、竜の魔女を倒せば彼らは英雄になれる。そうなれば彼らの名前は語り継がれるだろう。勿論それを利用する私は薄汚い。だけどそれが最善の道なら私は、いくらでも石を投げつけられよう。だってこれが今の私に思いついた策なのだから。

 

 

>モードレッドが起きたら少し彼女に甘えよう。そしてその後にモードレッドに作戦を伝えよう。私の汚い手段を全部。人の心を利用する汚いやり方を。それでモードレッドに嫌われたらそれまでだ。その時は綺麗に彼女に裁かれよう。

 

 

 

キリがいいので今回は短いですがここまでにします。




そろそろオルレアンもクリアだと思うんですけどね?どうかな?


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反逆のカリスマ

本家の方の復刻イベントを進めていたので初投稿です。イベント開催時には休止していたのでマジで初見さんでした。


 前回のあらすじ。ほよちゃんがフランス兵を動員して竜の魔女を叩くことを思いつきました。数が多いとワイバーンとかスケルトンとかいちいちサーヴァントで相手にしたくないからね。人で倒せるところは人の力で倒しましょう。ちなみにサーヴァントだけで突っ込んでも高確率で剣ジルが居るので無理はしなくてもいいです。だけど剣ジルが来るからいいやとタカをくくって来なかったときは非常に面倒なのでこういう時は出来る準備をしときます。

 

 

>「モードレッド、立香の話を聞くと竜の魔女、もう一人のジャンヌ・ダルクの本拠地はここ、オルレアン」

あれから更に数時間寝ていたせいで今は、足が微妙に痺れている。だけどこっちの事情もお構いなしに起きたら状況を説明しろと言われて現在に至る。こちらの戦力はサーヴァントを抜けば兵士が約500人。籠城戦は何度も経験しており、野戦の経験は少ないけど私たちが来る前にも生き延びることが出来るだけの技量があった兵士達だ。戦力としては申し訳ない。次にサーヴァント。まず私と契約しているモードレッド、メドゥーサさん、黒髭、ガレス。後はカルデアで待機しているブーディカさん。立香の元にはマシュさん、男のアーサー王、そして名前を未だに聞けていないランサー。先程一緒に居たサーヴァントも含めれば4人。後はここの大地に召喚された聖女ジャンヌ・ダルク、後は合流時に天真爛漫ぶりを見せてくれたマリー・アントワネット。他にもいるのだけど名前は聞けていない人たちが5人ほど。

 

>「申し訳ないんだけど、私の力じゃ竜の魔女を恐れる彼らを動かすことは出来ないわ。だからそこをモードレッドにやって欲しいんだけど駄目かしら?」

モードレッドの目をまっすぐに見つめて私の考えていることを感じ取ってもらう。今度はアーサー王相手ではないが今、私が願っていることはもう一度反逆の騎士として戦えと言っているのだ。それをモードレッドが受け入れてくれるかはわからない。

 

>「完全にオレの得意分野じゃねえか。任せておけよ」

私が考えていた反応とは随分と違った。目の前いるモードレッドはただ笑顔で何一つ嫌な様子は見せてはいない。ああ、私はまだ全然モードレッドの事を理解してはいなかった。今貴方は王ではなく剣を預けた相手として私に接してくれている。

「貴方が今回叛逆するのは竜の魔女によって支配された恐怖の世界。正義はこちらにあるから、好きなだけ暴れなさい!」

私は今不謹慎ではあるがこの状況を楽しんでいる。戦いになれば私なんて役に立たないのは百も承知だ。だけど今こうしてどうすれば勝てるのか、モードレッドを輝かせることが出来るのかそれに全てを費やすこの時間が楽しくて仕方がない。

「モードレッド。私はちょっと自分の身を守れる道具を探してくるから、みんなを集めておいて。時間は丁度1時間後でどうかしら?」

 

 

 というわけで1時間後にモーさんによる演説で反逆のカリスマが見れます。これに参加することによってモーさんとの好感度も稼げます。ですがその前にほよちゃんの身を守るものを探しましょう。といってもほよちゃんが現状武器を持ったところで敵サーヴァントに突っ込む前に殺されます。それこそボロボロの相手にとどめを刺すか、カーミラ戦のように突破な行動じゃないとまず接触できません。じゃあ、何もって行っても無駄じゃんと多くの兄貴姉貴達は思いますが、相手が邪ンヌだからこそ武器になるものがあるんですよ。

 

 

>そういえば立香が言っていた竜の魔女の力。何もないところから対象を燃やすという厄介な能力。立香の場合はマシュさんに守ってもらうだろう。そうすると私はどうしようか。メドゥーサさんに抱えてもらって飛び回るか、ガレスに守ってもらうかが現実的なところだろう。モードレッドはあまり守りに回したくないのも理由だ。しかし燃やす...か。そういえばアレは火をつけると爆発するんだっけ? それをすればいくらサーヴァントとはいえ私を狙うのは後回しにするだろう。頭のおかしい奴として認識するだろうし。

 

 

 はい、では食糧庫に向かいましょう。ちなみに今からやる作戦を本番で実施すると多分ジャンヌ&邪ンヌからの好感度はダダ下がりするので多分ほよちゃんの元には来てくれなくなります。ジャンヌは元から致しにくいキャラなのでぐだ男にプレゼントするつもりでしたが(呼べるとは言ってない)邪ンヌはなかなかチョロインです。ですが、意外とメンタルが脆いので旦那1号として迎えず致すと気が付けばいじけて部屋の隅で漫画書きだしたりゲームしたりしてます。非常に可愛いんですが今回のメインはモーさんなのでぶん殴って、また邪ンヌのメンタルが折れてモーさんのストレスが溜まってを繰り返すので今回はパスです。

あ、でも2週目以降で邪ンヌを嫁or旦那としてやる場合、王道を征く...ツンデレと持ち前のパワーでかなり楽に進めると思われるのでRTAする価値はありますねぇ! (僕は技量が無いので出来ません)

 

 

 話を戻します。食糧庫でほよちゃんが持つべきもの。それは小麦粉です。小麦粉を袋に入れてそれを邪ンヌにタイミングよく投げて粉塵爆発を起こすことが目的です。その後は全力で煽ります。そうすれば邪ンヌはほよちゃんをやばい奴認定して狙うのを最後にしてきます。実際はそれ以上の策はないんですが相手が考えすぎた結果サーヴァントしか狙わなくなります。口ではボロカスに言ってきても心は冷静なのを知ってるからな俺は。あ、小麦粉を詰めた袋は2つぐらいでいいでしょう。元聖女に小麦粉を投げつけた女として名を残すため、そしてこの特異点クリアの為にフランス兵を散々に利用してやりましょ。あ、先に言っておきますが小麦粉粉塵爆発のダメージはサーヴァント相手じゃ0です。

 

 

>我ながら罰当たりな作戦だ。もし、相手が生前の彼女なら間違いなく私は打ち首獄門、いやこの場合は火あぶりの刑かな。ってこんなことを考えている場合じゃない。そろそろモードレッドが皆を集める時間だ。

 

 

 

>ざわざわと人の声が聞こえてくる。人込みでなかなか前に進めそうにないので今回私は後ろから見学することにした。遠くの台らしきものにはモードレッドが、それの左右をガレスと見たことの無いサーヴァントが固める。みたところはセイバーだろうか。とりあえず伝わるか分からないが手で大きく丸を作りモードレッドに来たことを知らせる。

「お前ら! オレ達はこれから竜の魔女討伐に行く! オレと志を共にするものは来い!」

モードレッドが放つ第一声がそれ。兵士たちはどうしようかという形でまたざわめきだす。

「お前たちは悔しくないのか? 自分たちの世界を、国を訳のわからないやつらに荒らされて! もう一度自分の国を走り回ることをしたくないのか!」

怒鳴りつけるモードレッドに兵士たちの顔持ちが次々と変わっていく。たった2言でこうも人の顔つきを変えるのか。この騎士は。

「モードレッド殿! 私たちは何をすればいい? どうすれば竜の魔女に勝てる?」

彼らの心は確実に戦う方に動いている。だけど後一歩。彼らの背中を押す言葉が必要だ。だけど貴方は問題なく答えるだろう。貴方を象徴するその言葉で

「叛逆だ! オレ達はこのクソったれな世界から叛逆するぞ! そして自分たちの国を取り戻す! ただそれだけだ!」

燦然と輝く王剣を掲げモードレッドが叫ぶ。その言葉に兵士たちは次々と雄叫びを上げていく。その光景に私の目頭がふいに熱くなる。やはりモードレッドは王だ。その光景を今私は見せられている。それがあまりにも嬉しくて視界がかすんでいく。ああ、私は幸せ者だ。そんな貴方に剣を預けて貰えたのだから。

「絶対に勝たせてみせる」

涙をぬぐって私は足を進める。私が信じた王を勝利へと導くために。

 

キリがいいので今回はここまでです。そろそろ第一特異点をクリアします。




ブーディカさんの活躍少ない?セプテムでは活躍するから安心してくれよなーたのむよなー


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オルレアンへの出撃

ミーティングの略称でMTGって使われるけど、一昨日本気で某カードゲームと勘違いしたので初投稿です。(FGO関係ない)


 前回のあらすじ。モーさんのカリスマでフランス兵を鼓舞しました。ということで今回はこの軍隊を率いて邪ンヌの本拠地であるオルレアンに

イクゾー!  デッデッデデデデ! (カーン)

 

 

あっ、オイ。軍隊率いるならカルデアからブーディカさん呼んでこっちから1人帰せよ。と皆様思われるかもしれませんが今回はこれでいいのです。もし指揮だけを考えるなら黒髭かメドゥーサさんを返すのが妥当ですが、今回黒髭がフランス兵とそこそこ仲良くなっているので、見知らぬ勝利の女神より見知った変態の方が兵士たちの士気が上がります。ついでにメドゥーサさんはいざとなったら宝具で全部引き潰しながら邪ンヌのおうちにコンニチワーしに行くので必要です。ん? なら最初からブーディカさん呼べばよかっただろ? そうしたらカルデア職員が栄養食しか食べなくなって徹夜ばっかりの不健康な生活送っちゃうだろ! 帰ってきたらカルデアが崩壊してるとか笑えないんだよ! (25敗)

というわけで部隊は基本黒髭に任せます。ガレスでもいいんですが邪ンヌ相手に3人連れて行くならモーさん、ガレス、メドゥーサさんが戦力的にも安定すると思われるのでこれで行きます。その前にガバったら黒髭のスキルでリカバリーしていきますので結論。ほよちゃんが死ななければいいや程度です。ぐだ男側の戦力は色々いますがぶっちゃけ男の父上とマシュが来てくれればまあ、負けないでしょう。イベント的に3人目がジャンヌになりそうなので、こっちは心配いらないです。

 

 

 

>『ああ、ようやく繋がった! 陽子ちゃん、それに立香君も合流できたようだね』

戦支度を進めているとDr.ロマンからの通信が入る。彼の後ろにはブーディカさんの姿も見える。

『この様子からするにまさか君。ここで出会ったサーヴァント達とここのフランス兵で攻め込むつもりかい?』

その通りだと頷いて見せる。というよりここで籠城しててもそのうち食料が尽きて全員餓死の未来しか見えないから攻めるなら今の内だと思う。

『兵を率いるなら私を呼んでくれてもいいんじゃないかな陽子ちゃん』

拗ねています。という演技をブーディカさんが見せてくれる。確かに本物の女王をほっといてこの状況は普通は面白くないと思う。

「私もそうしたかったんだけど、ブーディカさんみたいな人がいないとそこの人たちすぐ無茶するし、ご飯もロクなの食べないでしょ? 私もこの特異点を解決してカルデアに帰ったらみんなが病気になってるなんて笑えないからね。それを考えるとブーディカさんはそっちに居てくれた方がよかったかなーって」

ただ、彼女の美味しいご飯が食べられないのは私も少し悲しかった。確かにここに逃げ込んだ人たちに食事は作ってもらえたけど、なんというか大人数の為に作られた料理とでも言えばいいのか、一度彼女の食事を口にして心の贅肉が付いた状態だとどうも...

『あはは! 陽子ちゃんならそう言うと思った。そして正解だよ。ほんとすぐ無茶するから私も大変だよ。うん、じゃあ私が言うことは1つ、帰ってきたら美味しいご飯を作ってあげるから無事に戻りなさい』

うん、いい言葉だ。また彼女のご飯が食べられるなら私自身のやる気も更に高まる。

「Dr、俺やマシュも旅をしている間にクーフーリン達に色々生きるためのすべを教わってきたしこの前より上手くやってみせるよ」

立香もどうやら気合はあるみたいだ。クーフーリン? 貴方今クーフーリンって言った!? あのランサー。まさかそんな大英雄だったとはそれを見破れない私もまだまだなんだと思ってしまう。

『陽子ちゃん、立香君。僕たち大人は頼りないかもしれない。だけど君たちは子供だから、出来るだけ僕たちを頼って欲しい。それを僕たち大人の役目だから、君たちが無事に帰れるように全力でサポートするよ』

その言葉が簡単に出てくるだけでも大人としては頼もしい。だけど後ろで彼に悪戯しているダヴィンチちゃんのせいで全部台無しだ。あと、立香の周りをさっきから飛び回っているあの小動物はなんだろう? 猫と兎が合体したような感じだ。

 

 

>「そういえば、竜の魔女と呼ばれる割にはワイバーンだっけ? それだけで肝心の竜が居ないわね」

むしろ竜なら目の前に居る。その竜の息子も。

「いや、相手に竜はいる。さもなければ俺がここに召喚された理由が思いつかない」

私の素朴な疑問に答えたのは先程モードレッドが兵士を鼓舞している時に横に居たセイバーと思われるサーヴァント。

「申し遅れたもう一人のマスター。セイバー、ジークフリートこれより貴方達の指示に従おう」

これは困った。また、とんでもない英雄が私の目の前に現れてしまったものだ。そもそもこちらとしてはモードレッド、メドゥーサさんの2人で頭がパンクしそうなのに今度は竜殺しか。でもすこし分かった。ジャンヌ・ダルクを始めとしたマスターを持たないサーヴァント。それらの存在がその特異点の排除の為に呼ばれたのなら、この世界も破滅から抵抗しているのだろう。つまりは自衛。

「立香から聞いていると思うけど私は本田 陽子。なんの力も持たない私が言うのもアレだけど、活躍に期待してるわ。ジークフリート」

ゆっくりと扉が開いていく。ここからオルレアンまでは案外遠くはない。

「Dr.ロマン。ダヴィンチちゃん。ブーディカさん。行ってきます!」

それだけ伝えると私は歩き出す。軍の戦闘にはこの砦に残り少ない馬になったモードレッドとガレス。それにメドゥーサさん。実に絵になる。美しさと勇ましさ。どちらも申し分ない。

 

 

 

──────────────────────────────────────────

 軍を率いる陽子のサーヴァント。そしてその横を嬉しそうについていく彼女。この状況を傍から見ればやはりサーヴァントは英雄であり、その力を遺憾なく発揮していると言えるだろう。だけど俺はこんな状況でもずっと昔から一緒だった幼馴染を凄いと思ってしまうのだ。

 

 最初は家が近いだけで一緒に居ることが多かった女の子。それだけの印象だった。最初に陽子との差異を感じたのは中学生の時だった。その頃の子供のカースト制度といういい方もアレだが、そういった物は身体能力の高さで決まるものだった。陽子は言わずもがな学校では弱い立場にいた。まあ、決して手を抜いている訳でなく全力で取り組む彼女を見て馬鹿にするものは居なかったけど、このあたりから身体的特徴も出てくるわけで仲間内では偶に話に上がるくらいだった。そして俺はその時に意外と自分の身体能力の高さに気付いた。だから正直なことを言えばクラスではムードメーカーとして人気はあったと思う。

 

 

 その差異が決定的になったのは高校生になってからだった。相変わらずカースト制度に俺は上に居て、陽子は下の方。決して苛めとかがあった訳ではないけどそれでも俺は昔より陽子との会話をする機会がさらに減っていた。さらに言えば中学時代からの同級生でも俺と陽子が幼馴染であることを知る人間はほんの一握りだった。なんだか知られるのが怖くて無意識のうちに陽子を避けていたのかもしれない。その時はまだ気づいていなかったんだ。自分が遠ざけようとしていた人がどんな存在かを。

 

 ある日の事だった。俺はいつもの通り友人たちと学校の屋上で食事をとっていた。その時にたまたま遊んでいたゲームに罰ゲームをつけようという話が出てきた。負けるつもりもなかったしやった。そして見事に勝った。肝心の罰ゲームを考えていなかったのだがそこで出てきたのが、クラスの誰かに告白をしようというアレ。自分が言い出したわけではないのだが気が付けばそういう流れになっていた。

「本田なら、ワンちゃんあるんじゃねえか? 多分彼氏もいないだろうし、妥協点としてもいいだろ?」

その時に背中がゾワリとしたのを覚えている。その時になんて言ったのかは覚えてないけど別の罰ゲームにしようと抵抗した記憶はある。だけど止められなくて、放課後に友人たちと陽子を探した。見つけたくないとずっと思いながら歩いていて、でもそういう時に俺は陽子を図書室で見つけてしまった。

 

 夕暮れ時、1人図書室で本を読む陽子を俺はただ、見ていた。そのうち入り込む日差しが嫌なのかカーテンを閉めるその音で俺は我に返った。ついでに友人にも見つかり、その友人は見事玉砕した。それだけならまだよかったのかもしれない。問題はその後、いつものように友人達と話していた時

「本田ならいけると思ったんだけどな。意外とお高くまとまってつまんねえ奴」

その友人の言葉で俺はそのグループを抜けようと確信したのを覚えている。今になってみれば滑稽だ。なんとなくで陽子との縁を知られたくなかった癖に、彼女が貶されればそれに人一倍怒りを覚えていた。それからは陽子に謝りつつも、交友関係を復活させた。俺は陽子を知りたかった。陽子が笑っているところを見ると俺も嬉しかった。その後に彼女が歴史上の偉人が好きなことも知った。高校最後の年はクラスは別になってしまったけど、俺は陽子の傍に居たかった。

 

 カルデアに来る前の陽子とアーサー王と円卓の騎士達を題材にした展示会に行った。俺はデートのつもりだったんだけど、陽子は一つ一つの展示物をじっくりとまるで一人で来ているかのように見て勉強したのを覚えている。だけど彼女は優しくてその後、俺の得意分野で勝負してくれた。お世辞にも運動神経が良いとは言えない彼女がフルスイングで空振りをしている姿は申し訳ないけど可愛らしかった。そしてその一生懸命な顔に俺は更に惹かれたんだと思う。

 

ここまでは1つ目の後悔。そしてここからは2つ目の後悔。

 

 

 最初にレイシフトした特異点Fと呼ばれた街並み。いきなり死地に放り込まれた俺が全身に恐怖が染み付いていたと思う。でも、マシュに、オルガマリー所長に、クーフーリンに助けられてなんとか無事だった。そして落ち着いて休憩をしていた時に共に来ていたはずの陽子の存在を思い出した。オルガマリー所長は一般人がこの状態で生きている方が奇跡に近いと言っていたし、俺もそれには同感だった。だけど彼女は1人の騎士に抱えられて帰ってきた。そしてそこからは彼女一人に負担を強いて無理矢理に敵を倒してきた。クーフーリンと覚悟を決めて臨んだ変異したアーサー王との戦いも結局俺は活躍したとは言い難い。だからせめて特異点から帰ってきたときに陽子が目を覚ますまで傍に居ようと思った。だけど既にそこには俺の席は無かった。陽子の召喚したサーヴァント。反逆の騎士、モードレッドがそこにいたからだ。

 

一瞬だった。本来なら俺がいるべき位置に彼女は一瞬でそこに入り込んだ。自分のモノでもないくせに奪われたと思った。そして今、陽子はモードレッドに笑いかける。俺が見たことの無い笑顔で、すべての信頼を寄せた瞳で自分のサーヴァントを見ている。嫌だ、そんな顔は見たくない。

 

「先輩、大丈夫ですか?」

マシュの声が俺を現実へと引き戻す。そしてこれは3つ目の後悔。マシュは俺を慕ってくれている。なんども命を助けられて、何度も一緒に戦っているのに俺はまた別の事を考えていた。

 

マシュの期待に応えたい。勿論それはある。だけど、陽子にあの笑顔を俺に向けて欲しい。そう思う俺は強欲なのだろうか? 




後4話ぐらいでオルレアンも終わりかなーって思ってしまうのでした。
とりあえずオルレアンの最後まで突っ走ります。


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空中散歩

M21が発売されたので初投稿です。


前回のあらすじオルレアンに向けて出撃しました。あと、そろそろぐだ男に女の子をあてがわないとヤバくなってきました。そして物語が全然進んでないじゃないか! 

 

 

 

 ちなみにこの後予定調和のごとくファブニールとエンカウントするわけですけど当たり前ですがフランス兵じゃ倒せません。じゃあ、なんで連れてきたんだ! ってなると思いますが スケルトンと一部のワイバーンを相手にしたくないからです。敵陣営にはまだ、ファントムとアタランテが残っていると思われますが正直ここで来ても来なくてもどちらでもいいです。下手すると他の村を襲撃していてこちらに来ないこともある子たちですが、来た場合は.うん。皆様に聞きたいんですがファントム単騎でこちらのフルメンバーに勝てる自信あります? アタランテも然り。優秀なサーヴァントであることは確かなんですがこちらがサーヴァントで数の暴力なので適当に流せます。なんだったらアタランテはガレスをゆっくり進めながらぐだ男に槍ニキ任せて貰えばじわじわと近づいて倒せます。

 

 

 そうなるとファブニールの撃破をどうするかですけど、最適解のすまないさんが横にいるんでこれもまた、そんなに危惧することではありません。適当にモーさんに暴れてもらってすまないさんに後を任せましょ。ん? 仮にもRTAモドキを走っているなら先駆者兄貴達のように邪ンヌが強くなっている可能性を捨てるな? 

ハハッ! 確かにこのゲームを周回してますがそんな簡単に毎回邪ンヌを引けてると思うなよ!! 

おっとすみません。つい熱くなってしまいました。それに丁度良くエンカできましたね。

 

 

>空を覆うのは無数のワイバーン。だけどそれ自体はあまり脅威じゃない。そんなのが気にならないぐらい多くな竜が地上にいる私たちを見下ろす。ワイバーンはこれまでの経験上、攻撃のリーチはそこまでは長くない。だからこちらを狙うならそれこそ下まで降りてこなければならない。つまりは空を飛ぶことによる優位性を自ら捨てに来てくれている。

「4人に聞きたいんだけど、あれに乗れって言われたら乗れる自信はある?」

全員からの答えはNO。多分だけどこれは私の言い方が悪かった気がする。別にあれを手懐けるわけじゃない。

「言い方が悪かったわ。あの竜の上に乗っかって暴れる自信があるのは?」

不敵な笑みを浮かべるのはモードレッドとメドゥーサさん。ガレスは少し悩んでいる顔。黒髭は何考えてんだコイツって顔。うん、しっかりと反応が別れた。まあ、あの竜に関しては私たちで倒す必要はない。適当に2人に暴れてもらったら後はその道のプロに任せればいい。

「マスター! 私と黒髭さんでワイバーンの相手をすればいいですかね?」

ついでに兵士たち指揮もお願いしておく。ガレスの采配はこの前の戦いで経験済みだし、黒髭は多分私たちの中で最もここの兵士たちに好かれている。

「立香! 私たちがあの竜にちょっかいかけるから、ちゃんとジークフリートにタイミングを教えてあげて、あと聖女様を始めとした他のサーヴァントも全部任せたわよ。私より貴方の方が解ってるんだから」

突然話を振られた幼馴染は何かよくわかってなさそうだがそれでも返事だけはしてくれた。ふと思ったのだが彼はこのフランスを旅してこれだけのサーヴァントを集めてきたわけだが、その道中で怪我の一つもしていないなんてコミュニティ力と中々のフィジカルを持っているんじゃないだろうか? 

「陽子! 俺が出来ることはするけど、陽子はどうするんだ?」

黒き竜が少しづつ近づいてくる。あれもあの高さからはこちらへのリーチが届かないという訳か。最高なのは地面におりてくれることだけどそれはしないだろう。

「そうですねもう一人のマスター。これから陽子がすることは空中散歩とでも言っておきましょうか」

体がふわりと持ち上げられる。近くにいた立香の姿がどんどん小さくなっていく。いつかモードレッドに抱きかかえられて前の特異点で合流した時とは逆。

「思ってはいたけどそれ以上に怖いわね!」

半ばやけくそ気味に叫ぶ。当たり前だが私は人間なのだ。それがこんな空の上に何の装備も無しに空の上に来てしまったら怖いに決まっている。

「さあ、もうすぐ着きますよ」

今度地面に映るのは竜の黒い背中。こうも簡単に潜り込めるとなると私たちの事を甘く見ている。それなら好都合。だったら好きなだけ暴れてもらおう。

「ほら陽子。私にしっかりと掴まっていないと落ちてしまうかもしれないですよ」

意地の悪いことに軽く体を揺らしてくる。勿論私は落ちたくない。だから母親に抱っこされる赤ん坊のように彼女に抱き着くしかなくなる。

「はい、陽子。大正解です」

後で覚えておいて欲しい。絶対に何かしてやる。ああ、でも軽くいなされるんだろうな。

「何やってんだテメエ!」「もっと言いなさいモードレッド! メドゥーサさんが意地悪してくるのよ!」

私ごとメドゥーサさんにモードレッドが斬りかかる。1撃目は躱せたものの足場、もとい竜の背中に傷が入る。

「やれやれ、陽子がいるのに乱暴ですね。仕方ありません少し大人しくしてくださいね」

 

 

>彼女が持つ鎖の付いた釘のような武器。それを私の体に巻き付けるとその先の釘を竜の背中へと突き刺す。鈍い私でもわかる。喧嘩するつもりマンマンじゃないか! 

「二人とも待って! 暴れろってそういう意味じゃないから! 後、こんなとこで戦ったら足場が壊れる!」

足元がぐらつくせいでまともに立って居られないし、そもそも鎖でつながれているから動きが自由なわけじゃない。我ながらとんでもない失敗をしてしまった。

「殺すつもりはねえよ。ただ、このアホに一回誰が上かを教えてやらないとな」

じゃあなんでモードレッドを覆う圧とでも言えばいいのだろうか。それが私でも感じられるほど強くなっているのだろうか? 

「陽子、一度あの阿呆に自分の立場というのを思い知らせてあげた方が良いですよ。まあ、ここは私に任せてください」

彼女は自分の目に付けられたそれを外す。2人とも確実に本気だ。今この瞬間、この邪龍よりも、竜の魔女よりも何千倍、モードレッド達の方が怖い。

「ああ、もうわかった! そういう意味で暴れて良いから相手を殺すのは禁止! 満足したらキチンと元の目的思い出すのよ!」

下の竜が動きを変えたのか、それとも上にいる私たちが邪魔なのか体を震わせる。当然私は体制を崩し空へと放り出される。だけど私の体に巻き付けられた鎖が落下することを許さない。

「あーこれ。予想以上に怖いわね」

人間恐怖にさらされ過ぎると逆に冷静になると言うがどうやらそれは正しいみたいだ。だって今の私がそうなんだから。下を見ればワイバーンとフランス兵達が戦っている。後ろを振り向けばモードレッドとメドゥーサさんがぶつかり合っている。

 

>正面からの斬り合いは流石にモードレッドに分がある。だけどメドゥーサさんは武器の特徴を活かし空中で各所に釘を打ち込み、そこから絶対的な有利な位置に立ち続ける。だが、それにモードレッドも翻弄されている訳ではない。持ち前の直感を活かしメドゥーサさんが釘を打ち込みそうな場所をあらかじめ魔剣の力でえぐり取る。足場にされているこの竜からしてみれば同情を向けたくなるが、そもそもこの上で考えた状況とは違えど命じたのは私だ。そう考えれば自業自得なのかもしれない。

「はあ、ガレス。黒髭、どっちでもいいから助けて」

ただ、私がこうしてここにぶら下がっている意味もそこそこあるみたいで下を見下ろせばこの竜がフランス兵を攻撃している様子はない。当たり前だが背中に乗る私たちが邪魔なのだろう。というよりあれほど背中の上で色々とやられたら無視できないというのが普通だろう。

 

 

>「死にやがれ、デカ女!」

モードレッドの1撃をメドゥーサさんは空中へと回避する。そのまま流れるような形で彼女はかかとをモードレッド目掛けて落としていく。ただ、モードレッドもきちんとそれに反応して魔剣でそれを受け止める。2人は手合わせのつもりなのかもしれないがモードレッドの発言やメドゥーサさんが目隠しを取っているところから見ていて不安にはなる。私は直接目を見ていないのだが少しづつ体が動かなくなってきているのだが動かせたところで文字通り地に足がついていない状態なのでどうすることも出来ない。個人的にはそろそろ満足して欲しいのだがと思いつつも視線を下に向ける。自分の事ばかりではなくガレス達の様子も見たい。

 

 

>状況は確実に押している。こちらにサーヴァントが多いことも確かだろう。だけどフランス兵も士気の高さだけなら確実に負けてはいない。先程はこんなに近くでガレス達を見ていただろうか? 

「モードレッド! メドゥーサさん! この竜の高度が落ちてるからそろそろ降りる準備をして!」

結局という言い方は悪いけど、この竜は私たちを振り落とす手段がなかった。そしてゆっくりとだが地面にその体を堕とそうとしている。そして私の体が急にふらつき始める。想像はしたくないがこれはもしかして私の体を支えていた釘が取れかかっている? 

「行きなさい! モードレッド!」

メドゥーサさんの声で片腕に鎖をつけてモードレッドが私を支える釘を掴む。似た者同士、仲は悪くても連携は出来るという感じだろう。

「ガレス! 受け取れぇ!」

例えるなら鞄に付けたストラップが外れるあの感じ。今そのストラップの役が私。単純にどう助けるべきなのか考えるのが面倒だったのだろう。モードレッドは釘を引き抜くとそのまま下にいるガレスへ放り投げた。

 

 

>「────────────」

自分でも何を叫んでいるか分からない声を上げた。その声が届いたのかガレスを上を見上げ事態を把握する。

「マスター!? モードレッドは何をしてるんですか!」

ガレスが馬から降り私を受け止める。今ので死んだら情けなさすぎる。だけど私はここで止まってはいけない。

「立香! こっちの準備は大丈夫だからやりなさい!」

 

>空に一つの光が上がる。青白く、透き通るそれには神々しさを感じる。その光が狙うのは今、傷ついた竜。その背中には既に2人の姿はなく咆哮しその光へと突進してくる。かつての宿敵を打ち果たすために。

 

 

>「邪悪なる竜は失墜し、世界は今落陽に至る。撃ち落とす── 幻想大剣・天魔失墜 』!」

 

>邪竜、その存在を許さぬ光が敵の体を引き裂く。こればっかりは私のサーヴァントがマネできるものではない。勿論モードレッド達があのジークフリートに劣っているとは言わないが餅は餅屋という言葉もある。彼の言う言葉を信じるなら彼が召喚された理由はこの瞬間の為なのだろう。物語でしか見たことの無い竜殺し。その実物を今私は見ているのだ。

 

 

>「モードレッド、ガレス、メドゥーサさんはこのままの竜の魔女の本拠地に突っ込むわよ。黒髭! フランス兵の指揮は貴方が全部引き受けなさい!」

私たちにはまだやることが残っている。ここまでの戦いは順調だと信じたい。まだワイバーンの数は多いがそれにいちいち構っていられるほどこちらの戦力は潤沢じゃない。

「清姫、エリザベート。マスター達と共に行け! ここは俺たちに任せて欲しい」

私たちからはモードレッド、ガレス、メドゥーサさんの4人。立香からはマシュさん、アーサー王、ロビンフッド、聖女ジャンヌ・ダルクの。それに付いてきてくれるという2人の少女のサーヴァント。

クーフーリンをこっちに呼ばない辺り乱戦に優秀なサーヴァントを見極めている。流石に戦場慣れしている人たちは違う。しかし、清姫、エリザベート。私の知識では彼女たちのことは解らない。ただ、エリザベートと呼ばれた少女を見ていると頬の辺りがなんだかチリチリする。

「清姫、エリちゃん! 頼むよ!」

立香の声掛けに頷く二人。随意分と仲が良さそうに見えるが仮にも英雄にちゃん付けで呼ぶのは何ていうか不遜? な気がした。まあ、本人たちが納得しているみたいだしいいか。

「立香、その二人の事私は解らないから貴方がしっかりサポートしてあげて」

というより、私は自分のサーヴァント達の事で手一杯なのだ。あと、先程の空中散歩(仮)で少し気分も悪い。

>「陽子、大丈夫。俺たちは勝てるよ」

なんの根拠があって彼はそんなことを言うのだろうか。だけど、今はその根拠のない自信に乗ってやろうじゃないか。




今回少しギャグ調になってしまった気がします。たまにはこういうのもいいよね?


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少女と炎

投稿に計画性が無いので初投稿です。


 前回のあらすじ。戦場で喧嘩をしだすモーさんとメドゥーサさん。ほよちゃんはなんかぶら下がってた。でも無事にファブニールは倒したのでこのまま邪ンヌの元まで走り抜けます。多分この感じだとアタランテともファントムともエンカウントせずに済みそうです。え、術ジル?数の暴力で押しつぶします。というよりジルとはエンカウントしたいです。理由としましてはイベントで戦闘要員からエリちゃんときよひーが抜けてくれるからです。2人とも性能は申し分ないのですが最初のころだと連携して戦うということが出来ないので結構な頻度で回りも巻き込みます。ぐだ男とか他のサーヴァントはいいんですけどね....こっちはフィジカル最弱の女なので下手にガバると巻き込まれて死にます。ですので何としてでも術ジルと会いに行きます。

 

 

>城の中に入り最初に感じたのは異臭。鼻につくような腐った血の匂い。それに壁もどす黒くなっていることからここで多くの人が殺されたのだろう。

「衛生面で考えるなら最悪ね、この城」

あの砦で私が一番気にしたのは衛生面だった。そもそもあれだけの人が生活する空間でそこを疎かにしたら一瞬にして怪しい病気で皆死ぬだろうと思っていたし、何より私は人間でしかも一応女性だ。だからこそ自分の汗の匂いなんかも兵士たちの匂いというのはどうしても受け入れがたいものがあるのでそこは徹底した。

「陽子、よく平気だね....」

立香の言葉に対して平気だと言えば嘘になる。だけどこの幼馴染が横で青ざめているのを見ていると自分だけでも冷静で居なければという気持ちになる。それにゆっくりと近づいてくる足音の方が気になる。

「ようこそ皆さん。我が主の城へ」

暗闇の中姿を表したのは1人の男性。黒いローブのを身に纏い、青白い肌の色。だけど一番その男の特徴として表れているのはその瞳。私たちを見ているようで見ていない。狂気の色しか見えない瞳。

「ああ、ジャンヌ。相変わらず貴方のお姿は清楚で可憐だ。その周りにいる浅ましい連中と居るのがもったいない程に!」

竜の魔女と名乗るもう一人のジャンヌ・ダルクを主と呼ぶ。彼女に対して異常なまでの敬意。まだ名乗りもされてないのにその正体がわかってしまう。

「ジル・ド・レェ。フランス軍の元帥にしてジャンヌ・ダルクの信仰者。ある意味、そこの聖女様に一番人生を狂わされた男ね」

ジャンヌ・ダルクと共に戦うその姿は聖女と同じぐらいに兵士を鼓舞したことだろう。だけど今目の前に居る彼はその後のジャンヌ・ダルクが処刑されたのち、狂気に染まった姿だろう。

 

 

 あ、噂をすれば術ジルが出てくれましたね。勿論この後に戦闘が始まるわけですが、ぶっちゃけ連れてきているきよひーとエリちゃんがいれば勝てます。なのでここの戦闘は最低限に抑えます。間違っても宝具なんて使いませんし、そもそもきよひーとエリちゃんが術ジルを何回か叩けば相手は逃げ出すので、こっちは邪ンヌの元に向かうだけです。ついでに戦い方を知らず巻き込み事故を起こす2人もジルを追うので安全に邪ンヌと殴り合えます。まあ、こういう安定を取り続けてるからRTAモドキになっていくのはご愛嬌ということで。

 

>「わたくし。あの手の輩は嫌いですわ。だからますたぁ、燃やしてしまいますね」

立香の横にピタリと居た和服の少女が扇子をぱちりと鳴らす。確か彼女は清姫と呼ばれていたサーヴァント。こちらも見た目からして接近戦をするタイプでは無いように見える。キャスター同士の戦いになるのだろう。

 

>雫のような炎が扇子から彼女の足元にポトリと落ちる。何を媒体にしたのかわからないがその炎がまるで生きているかのように成長し、ジル・ド・レェへと襲い掛かる。対する彼はどこから呼びだしたのかわからないヒトデのような生物でそれを防ぐ。

「危ねぇ!」

モードレッドが私を掴み後ろへ下がらせる。その直後私がいた場所が炎に包まれていく。

「清姫。貴方もしかして加減とかわからない人?」

気づけば私だけじゃない。他の人も後退している。もしかしたら彼女はキャスターじゃないのかもしれない。

「わたくし、そういうのは疎くて、でもますたぁ殿だけいればなんとかなりますよね?」

その一言で彼女がキャスターではないことが理解できた。この感じはアレだ。きっとバーサーカーだ。だとするなら

「立香!私たちは先に行くわよ。ここに居ても彼女の邪魔になるだけ!」

表向きの理由はそれ。だけど本当はここに居たら確実に私も彼女に焼き殺される。

「小鹿、1人じゃ不安でしょうから私もあれ止めるの手伝ってあげる」

もう一人の少女。立香がエリちゃんとか言っていた少女。彼女もまたここで戦ってくれると言う。槍のようなものを持っているが正直清姫の事もある。彼女もバーサーカーかもしれない。だったらバーサーカー同士組ませた方が良いかもしれない。

「マスター、先に行ってくれ。オレはあの二人が此処ごと破壊しないようせいぜい頑張るわ」

 

 

 あ、ロビンフッドも抜けますねこれ。まあこれでもぐだ男側はマシュと男の父上、ジャンヌなんで大丈夫でしょ。あと、このままここに居るとエリちゃんに鼓膜破壊されるかきよひーに焼き殺されるかなんでとっとと進みます。

 

 

>「敵の頭を倒せば勝ちなんだから行くわよ」

それにあのヒトデみたいな生物を無限に呼べるようなら3人に抑えてもらった方が良い。なにより早くしないと表で戦わせているフランス兵の命や黒髭たちも危ないんだ。

「マスター、ここは彼女に従うべきだよ」

意外にも私の提案に乗ってきてくれたのはアーサー王。だけどそのおかげで事が進むなら嬉しい限りだ。

 

 

 

はい、という訳でこれから邪ンヌの元へ殴り込みに行きます。作戦ですが今回はガレスをほよちゃんの防衛にしてメドゥーサさんとモーさんに攻めを任せます。理由としましては単純にあの二人のスピードと致したボーナスによるバフが高いからです。ぐだ男に関してはマシュとジャンヌが居るんでまあ、死なないでしょ。逆に火力が男の父上だけですので、こっちが積極的にダメージを与える立ち回りをしないといけません。

 

 

 

>「陽子、この扉の先にサーヴァントが居るな」

モードレッドに言われて足を止める。目の前に広がるのは大層な扉。ならばやることは一つ。

「頼んだわ、モードレッド」

決してこれは不意打ちとかそういうものではない。ただ、この扉を開けたら罠が私たちを襲うかもしれないという考えの元動く保険の行為である。

「ああ、任されたぜ」

王剣が赤黒く輝く。私の体からも取られる魔力量はそこまで多くは無い。

 

 

 

「『我が麗しき父への叛逆』!!」

 

 

 

次回邪ンヌ戦となります。




出来るかどうかわかりませんがとりあえずオルレアンを終わらせたら本家のようなスキルの説明とか書いてみたい。


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空からの一閃

自分をとりまく環境が変化しているので初投稿です。


前回のあらすじ。術ジルをきよひーとエリちゃんに押し付けました。今回は邪ンヌのいる部屋にモーさんの宝具でダイナミックノックをしたところからです。

 

 

>モードレッドの放った一撃に目の前の扉が粉砕される。この様子だと入った瞬間の罠はなさそうだ。出来ることなら今の一撃で竜の魔女を名乗るジャンヌ・ダルクも一緒に倒されていると嬉しいのだが

「そう、上手くはいかないものよね」

土煙の中、1人の女性のシルエットが姿を表す。シルエットから見るその特徴で一番目に入るのはその武器だろう。大雑把に言ってしまえば槍なのだがそれにつけられた旗。そんな槍を武器に構えるのは身近ではないが今この場に一人いる。

「随分と野蛮な敵が来たものね。まあ、いいわ。ここまで来たって事は燃やされる覚悟は出来てるって事でしょ?」

声と共にその姿があらわになる。綺麗な蒼と銀色の鎧ではなく黒と赤色の鎧。そしてフランス兵の言っていた死人を連想させる顔色。綺麗な金髪の髪型ではなく、流れるような銀色の髪。だけどその顔はまさしくジャンヌ・ダルク本人だった。

「今度はまた別の仲間を増やして私を打ち取ろうって魂胆ですか、よくもまあ、自分が信じた国の為に頑張るものですね、何もできない小娘(わたし)

竜の魔女は聖女に言葉をかける。その一言は申し訳ないが私たちの側にいる聖女に比べたら何倍も人らしさが出ている。当たり前の話だ。自分を裏切った人たちを守る理由なんて普通はあるはずがない。

モードレッド(我が王)、よく見ておきなさい。これから私たちが倒すのはこの世界の王。世界に裏切られて世界を信用できなくなった恐怖と死で統治する人の王よ」

私が王と認めた人は未だ国もなければ民も居ない。だけどいつか王になるこの人は多くの王を見なければいけない。最後に自分自身が認める王になるために。

 

>「あれは、オレの目指す王じゃねぇ」

なら、話は早い。貴方が学ぶものが無いと感じるならそれでいい。ちなみに私からは竜の魔女から色々と学ばせてもらった。恐怖というものは人を支配するには有効な手段だ。だけどこの竜の魔女はそれに頼りすぎた。だからこそ、私たちはそこにつけ込めた。もし、彼女が国を乗っ取り、前王、シャルル7世よりいい政治をしたら、自分を裏切ったフランスに対して繁栄をもたらすという最大限の皮肉で復讐したなら、多分ここまで上手くはいかなかっただろう。

「陽子、作戦はどうしましょう?」

メドゥーサさんの口元がほほ笑みの形を取る。私がどのような作戦を提案するかという点で期待されているのだろう。

「貴方はあんまり攻撃に参加しなくていいからなるべく相手が嫌がるように行動して。私を守るのは彼女にやってもらうから」

メドゥーサさんの口元が上向きに綺麗な半円を描く。どうやらお気に召したようだ。ガレスも私の言葉には賛同らしくゆっくりと私の前に出てくれる。

「じゃあ、オレは好きにやらせてもらうぜ」

ああ、仕方ない。どうせこの状況だと何を言っても聞かないだろう。

「ええ、本能のままに暴れたらいいんじゃない?」

令呪のある肩から熱い感覚がこみあげてくるのと同時にモードレッドの姿が消える。同時に竜の魔女が腕を上げる。瞬間、モードレッドの居た場所が炎に包まれる。あれが立香達の言っていた何もない場所から対象を燃やす能力。腕を上げたのは予備動作なのかそれともそれを錯覚させるためのブラフか。いずれにせよメドゥーサさんに狙ってもらう場所が決まった。

「まずは腕の動きを止めて、足に関していえばこっちの方が勝っていると信じましょう」

武器性能に関していえばジャンヌ・ダルクが掲げる槍。あれに神話的な話や伝承を私は知らない。私の無知を棚に上げて考えるなら<燦然と輝く王剣>の方が武器としてのランクは高いはず。だけど竜の魔女の槍はモードレッドの斬撃を軽々しく受け止める。その勢いを殺さぬままモードレッドの剣を弾く。

「あら、案外残念なのね貴方」

突き出された槍の矛先はモードレッドの胸目掛けて放たれる。モードレッドはその一撃を左手の小手で受け流す。かつてあの砦を襲ってきたランスロットがそうしたように。

「始めてやってみたけど案外上手くいくもんだな!」

鎧による重さと、彼女自身の魔力を乗せた回し蹴りが竜の魔女の体を捉える。モードレッドは技量で負けたわけじゃない。相手の油断を誘うためにわざと剣を手放したのだ。

 

 

>距離を置く竜の魔女に対してモードレッドは上から落ちてくる<燦然と輝く王剣>を受け止め構えを戻す。

「普通騎士の命たる剣を自ら手放すアホがいるかしら?」

多分モードレッドに普通なんていう言葉は当てはまらない。多分モードレッドの中にあるのは

「勝てばいいんだよ。勝てばな」

まあ、そうだろう。モードレッドの中にもルールがあるのだろうけど、今の事に関しては許容範囲なのだろう。

「後、あんまり喋ってると下噛むぞ」

竜の魔女に対して今度は空からメドゥーサさんの攻撃、釘を投げ、直撃に入るコース、同時に竜の魔女の行動を制限するために投げられるコース。これだけ考えれば2人の戦闘面での相性は非常にいいのにどうしてそりが合わないのか不思議になるレベルだ。

 

 

>腕を振りかざし竜の魔女が自分に直撃するコースの釘を炎で逸らす。モードレッドによる攻撃は正面から槍で受け止められる。後ろから迫る聖女ジャンヌ・ダルクの攻撃はそちらに目もくれず、もう一人の自分。聖女を蹴り飛ばす。

「力の大半を失ってるくせにウロチョロするんじゃないわよ」

竜の魔女の言葉にまた、知らない情報が出てくる。立香の方のサーヴァントにも加勢してもらおうと思ったが竜の魔女の言葉が本当なら聖女ジャンヌ・ダルクは戦力として期待できない。マシュさんは攻撃に参加させたら立香を守るサーヴァントが居ない。アーサー王はこの戦い以外に気になることがあるのか中々こちらの攻撃に参加しそうにない。攻め手を増やすことが出来ないなら攻めるパターンを変えていくしかない。

「ガレス、そのままでいいから聞いて」

竜の魔女に聞こえないように小さな言葉でガレスへと語りかける。また、賭けになるかもしれないけど、戦況を動かすためなら仕方ない。それに今回は守りを完全に捨てるわけじゃない。

 

 

>「その槍捌き、敵ながら見事!この円卓第七席ガレスが勝負を申し込みます!」

モードレッドと竜の魔女の間にガレスが割り込み巨大なランスの一撃を竜の魔女へと叩き込む。そして私を守る盾となる存在が消えた今、私を狙うのはたやすくなる。

「悪いけど、アンタみたいな能天気と打ち合ってるほど私は優しくないわ」

ガレス、モードレッドとの攻撃を避け、竜の魔女の視線が私へ向く。そうだ、それでいい。

私へと突進しながら不敵に微笑む竜の魔女、その笑みに対して私はそれ以上に不敵な笑みを浮かべる。完全に勘のそれで彼女が腕を上げるその少し前のタイミング。腰にブラ下げていた2つの袋。それの中身をばらまくように投げつける。同時に私のお腹の辺りに硬いものが巻き付行けられる。

「はっ?」

竜の魔女が付けた火が一瞬だけ、更に威力を増し、宙を舞う小麦粉へと引火していく。ただの一瞬だけどその火は使用者本人へ届く十分な量だった。対して私の方はお腹の辺りに巻き付けられた、見覚えのある硬いもの。メドゥーサさんが使うその鎖に引っ張られて地面に文字通り体を擦りながら後退し彼女に助けられる。

「小麦粉は火をつけて遊ぶなって習わなかった?元聖女様」

見たところ竜の魔女にはほとんどダメージは入っていない。それどころかその眼に含まれるのは怒り。

「このクソ女っ!ただの人間の分際で!」

再びモードレッドとガレス。2人の刃が攻撃に加わる。

「ただの人間じゃ正面から貴方達英雄に勝てるわけないでしょ!だからいくらでも狡い事するわよ!要は勝てばいいのよ!勝てば!」

というより竜の魔女。貴方はこの中でも人間の汚さというのを知っている方だろう。それなのに私のようなただの人間がむざむざ殺されに行く行為に走るというのがおかしい。

 

 

>私にちょっかいをかけたその一瞬のスキをモードレッドは逃さない。致命傷にはならなくても彼女の鎧の一部を破損させる。ガレスにわざとらしく名乗らせて突進させたのは良かったのかもしれないが自分が思っていたより隙は出なかった。これ以上やれば今度は自分の身が危うい。

「陽子、そういえばまだ私に大した活躍の場をくれていませんね」

私のお腹に巻かれた鎖を器用に外してメドゥーサさんがそんなことを言い出す。活躍の場というか戦闘面ではモードレッドに任せるのが個人的な最適解としているのは確かだ。だけどモードレッドは他の大抵の事をしようとしない。だから適材適所で色々とやってもらっていたのだが。

「私の魔力を回すから好きにやりなさい」

どうせ私は戦闘では役に立たない。だけどやれることがあるなら全部やってやろうじゃないか。

「では遠慮なくやらせてもらいます」

彼女が自らの武器で首を斬る。温かいものが顔にかかる。肩に襲うそろそろ慣れてきてしまった熱さと痛み。そして何をしているのかと聞きたくなる。好きにやれとは言ったけど自殺しろなんて言ってない。

 

>彼女が目に付けるそれを外すと同時に流した血が宙に模様を描き始める。傷つけたはずの首に既に傷は無い。その血で書かれた模様が何なのかはわからない。だけどそこから出てきた一頭の白馬。普通の馬と比べても美しい毛並みを持ち、中でも目を引くのは背中から生える翼。

天馬、目の前に現れた神話生物。神話ではメドゥーサの首を斬った時に生まれたとされるそれはとてもじゃないけど人間が乗れそうなものじゃない。

「では陽子、行ってきます」

軽々とそれに跨り彼女はこの狭い空間を破り空へと上がる。あのスピード、あの破壊力なら確かに竜の魔女だって無事では済まない。いや、あれに引かれて無事でいる方がむずかしいだろう。

「今すぐ、戻りなさい!ガレス」

こういう時、モードレッドは本能的に危険を察知できる。ガレスも気づいてくれるかもしれないがその前に私がまた狙われては今度は防げる手段がない。

「優しく蹴散らしてあげましょう。とも今回は言ってられませんね。『 騎英の手綱』!」

光の一筋が竜の魔女の横をかすめる。腕の防具を一瞬にして破壊し左腕の機能を確実に低下させる。あの威力なら直撃さえできれば確実に竜の魔女を倒せるだろう。後は味方を巻き込まずにどうやってあの攻撃をぶつけるか。最悪なのは竜の魔女が防御もかなぐり捨ててこちらに突進してくること。ガレスとモードレッドの攻撃は防げないかもしれないがそれが致命傷にならない場合、車は急には止まれない。あれほど高速で動くものがそう都合よく止まれるはずがない。最悪の場合私たちまで巻き込まれてしまう。

「おーし、デカ女。さっきの喧嘩の続きなら買うぜ」

頭の中で全てが崩れている感覚に襲われる。ああ、これはもう私が何を言っても駄目だ。だったら私はもう、自分の身の守りだけを考えよう。

「ガレス、多分あの二人を止められないから私を守ることだけ考えて」

肩の痛みが更に増していく。2人に魔力とやらを強引に奪われてようやく魔力のパスとやらが解ってきた。モードレッドとメドゥーサさん2人の繋がりを今ならしっかりと感じ取れる。

「せっかくだテメエも付き合え、竜の魔女お前なら炎で何とかできんだろ?」

驚いた顔をしているのは竜の魔女と私だけじゃないだろう。口では喧嘩と言っているがその顔はもう、遊びたくてたまらない子供のようだ。今、私の頬や背中、額を伝う汗は焦りなのか、それとも魔力を奪われ過ぎて体が異常を訴えているのかわからない。

「よし、来い!デカ女!まあ、陽子が死なないようにはしろよ」

<燦然と輝く王剣>が赤黒く光出す。正面からは輝く閃光。間に挟まれる竜の魔女。この状態ではもう、誰も逃げ切れない。無理やり巻き込まれた竜の魔女には申し訳ないが覚悟を決めて欲しい。戦うことの出来ない私だってサーヴァント2騎に無理矢理魔力を奪われて死にかけているんだ。モードレッド、メドゥーサさん、竜の魔女、そして私。4人の馬鹿がギャンブルをするわけだ。

「2人とも、死んだら許さないから!」

赤黒い光、輝く一閃、渦巻く炎が一斉にぶつかりだす。

「勝ちなさい。私のサーヴァント達」

右肩にある羽の模様。その1画がまた一つ輝きを失った。




週一ペースを崩したくない。


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百年戦争の終わり

色々悩みながら書いているので初投稿です。


前回のあらすじ、モーさんとメドゥーサさんの2人の喧嘩に巻き込まれた邪ンヌ。

 

 

 はい、というわけで現状確認です。現在進行形でモーさんとメドゥーサさんに邪ンヌが挟まってみんなでフルバースト。傍からガレスの守られているほよちゃんはHPが減らなくても同時に魔力を吸われているのでガンガン消耗していきます。特異点Fではほよちゃんの成長を促すためにサイヤ人戦法を取りましたが、今回はやる予定がなかったので限りなくロスに近い何かです。まあ、これで耐久が上がったり、何度も死の淵を経験して戦闘続行でも手に入れば儲けものなので様子見します。それにこの特異点のラスボスは邪ンヌやから倒せば問題ナシです。

 

 

>3つの光が弱まっていく。最初に目視できたのは鎧が半壊したモードレット。何にも言わないが顔には疲れたという表情を浮かべている。その少し先にメドゥーサさんの姿を捉える。彼女は地面に横たわりもう、動きたくないといった顔をモードレッドへと向ける。

「おい、デカ女。これ、修理すんのに時間かかるぞ」

多分言っているのは鎧の事だろう。そしてその修理するために必要な魔力はまた私から抜き取られるのだろう。そして肝心の竜の魔女は何も言わず立ち尽くしている。その体を少しづつ光の粒へと変えながら。

「悪いけどジル.先に行くわ」

その言葉を聞いた瞬間走り出していた。急いでモードレッドの元に駆け寄り肩を貸すように歩かせる。ガレスはメドゥーサさん方へ向かい彼女を背負う。酷い間違えをしていた。

 

 

────いつから竜の魔女が特異点だと思い込んでいた? 

 

 

>完全にペース配分を間違えた。なんで私はあのジル・ド・レェが特異点だと疑わなかった? 竜の魔女と戦う前に彼には会っていたはずだ。

「ええ、安心して下さいジャンヌ。フランスを滅ぼす役目は私が受け継ぎます」

消えた竜の魔女に代わり現れたのは先の男。

 

 

 

 

 うん? どうしてこうなったん? 基本は邪ンヌ倒してお仕舞のはずですが...(wiki確認中)

 

あ、ここにきよひーとエリちゃんにジルを任せると高確率でその後の戦闘発生って書いてある。へー何回も試走したし、なんなら通常プレイも何回もしたのになんで忘れてたんだろ? まあ、いくらボスといっても邪ンヌより弱いし大丈夫やろ。

モーさんとメドゥーサさんというほよちゃんの2枚看板がもう限界やけど...

 

 

>これ以上2人を戦わせることは出来ない。となればガレスに頼るしかない。のどに違和感を感じせき込んだ瞬間、視界がぐるりと空を向く。

「マスター! しっかり!」

ガレスが叫んでいる。何事かと思えば私、手のひらが真っ赤だ。口の中も鉄の味がする。なんだ、もう限界だったのか。ジル・ド・レェを任せていた2騎のサーヴァントもこちらに来ている。勝てるかもしれないけど私の横にいるモードレッド、その体重の軽さが私の思考を支配する。私よりも背が低くてだけど大きな存在。だけど今横にいるモードレッドはただ、軽い。こうなったのも自業自得と言えばそうなのだが、それでも戦わせてたのは私だ。この体であの剣を振るいいつも戦場の先頭に立って居たのか。

 

 

 

 あ、ほよちゃんも限界ですねこれ。となるとリセかぐだ男頼りかのどっちかですね。まあ、ぐだ男に任せれば勝てると思いますがその前にほよちゃんが狙われないようにお祈りを済ませてっと、ん? イベント始まりましたね。

 

 

>「マスター。君は世界を救うため僕を呼んだ。それに偽りはないね?」

遠くで男のアーサー王の声が聞こえる。いきなり何を言い出すんだろうあの人は。

「ああ、そうだよ。だけど俺には戦う力は無い。それどころか今だって俺より非力な幼馴染を戦わせてしまった。それだけじゃない、マシュにだって守ってもらってばっかりだ!」

頭がぼおっとするけど立香はどうやら自分が許せないらしい。それが彼の悩みだったのか。幼馴染なのに案外私は彼の事が解ってなかったらしい。

「ならば僕が貴方の剣となりまずは目の前にいる巨悪を打ち倒そう」

アーサー王の持つ剣の周りに風が吹いたかと思うと手に握られる剣の形があらわになる。彼は他の全員に後ろに下がるように言うと1人前へと出ていく。

「おや? 一人で戦うつもりですか?」

ジル・ド・レェの横にまた、あのヒトデのような生き物が現れる。そうだ、彼にはあれがあるんだ。いくらアーサー王が強くても数の前では不利な状況になってしまう。

 

 

>「十三拘束解放(シール・サーティーン)円卓議決開始(デシジョン・スタート)!」

彼は慌てる様子もなく剣を構えなおす。その姿はまるで何かに祈りをささげているような、それとも騎士としての誓いを立てているようなそんな姿。

「──承認。ベディヴィエール」

女性の声が円卓の騎士の名を呼ぶ。伝説上では湖の貴婦人に聖剣を返還した人物。

「ガレス」

いつの日かもっとも優れた騎士となる。いずれ、兄弟全員に匹敵する真の騎士となる。とまで言われた悲劇の騎士の名前。

「ランスロット」

円卓最強の騎士。主君の妃と恋に溺れ、結果として円卓の崩壊を導いたとされる男。

「モードレッド」

アーサー王とその姉モルガンとの間に生まれた後継者にして、国を崩壊させた不忠の騎士にして我が主の名前。

「ギャラハッド」

円卓の騎士の中で聖杯を手に入れたとされる円卓最強の騎士の息子の名前。

「──是は、世界を救う戦いである」

彼を中心に光の渦が辺りを覆う。

「アーサー」

彼の剣が光に包まれる。それは前の特異点で見たものとは違う。だけどアーサー王を象徴するその剣であることを証明する光。

「『 約束された勝利の剣(エクスカリバー)』!!」

私にとってみれば眩すぎる光。世界そのものを浄化するような輝きが、相手を飲み込んでいく。その威力は相手を殲滅するというよりは、元からそこに居なかったかのような浄化という表現が正しいのかもしれない。

 

>「敵勢サーヴァントの霊気消滅....」

マシュさんが驚いたような声を上げる。あんなものを見せられて驚かない方がおかしい。現に私だって体の痛みを忘れるほどに驚いているのだから。

「帰ろう、マスター。もう僕たちがここにいる理由は無い」

私たちの体の周りに小さな光の粒子が漂い始める。ああ、これでこの世界での私の役目はおしまいなのか。ゆっくりと眠気が襲ってくる。それが死の為の眠りなのか、カルデアに戻るための眠りなのかはわからない。

 

>私はそんなことを考えながら意識を手放した。

 

 




次回は多分召喚とコミュニティ回です。


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セプテム前の行動方針

久しぶりに前の話との間隔が短いので初投稿です。


 前回のあらすじオルレアンをクリアしました。美味しいところはぐだ男と男の父上に取られました。

 

 

 

 今回カルデアに戻ったところからのスタートですがほよちゃんは相変わらずベッドの上からのスタートです。これはバイタルチェックですね。

 

 

 

 

 

>「陽子ちゃん。僕が言いたい事わかるよね?」

Dr.ロマンが怒っている。理由は彼の手に握られる紙のせいだろう。

「勿論立香君やマシュが完全に健康体と言っている訳じゃないよ。だけど陽子ちゃん。君のこの結果は絶対安静で入院してもらうレベルだからね」

 

 

 

 

 

 あ、やばいですね。ほよちゃんの健康面死んでますね。このままだとセプテムにレイシフトさせてもらえない可能性すら出てきますね。まあ、そうなったらリセなんでそうならないように動きます。具体的には安静にセプテムが見つかるまで絶対安静にしとけばいいだけです。間違ってもモーさんとメドゥーサさんにくっ付いてシュミレーターで訓練なんてしてはいけません。マジで過労で死ぬ可能性があります。つまりセプテムが見つかるまでにやることは

 

 

・自分の鯖との好感度稼ぎ

・ダヴィンチちゃんのところへ通う

・ブーディカさんのご飯を食べる

 

この3つですね。特に3番目は外せません。ブーディカさんのご飯を食べる→美味しい→精神面の回復の流れは勿論、次のセプテムにいる現地のブーディカさんと早めに合流したいからですね。一応こっちからブーディカさんを選んで連れて行けば低確率でたまーに自分の鯖に成り代わっている可能性があるのでそれを狙う事も出来ますけどね。ちなみにこれ仮に失敗しても縁の関係上スタート地点が現地のブーディカさんの目の前とかあるので悪い賭けでは無いです。

 しかしブーディカさんの性格からして現地でも関係がこじれることはまずないのでまあ、狙ってみてもいいですねのレベルです。

 

 

 

 現状、こちらの手持ちの鯖でセプテムに連れて行けるのは黒髭か、ブーディカさんのどちらかです。まずモーさんですが現地にいる鯖を思い浮かべて下さい。笑顔と筋肉が素敵なスパルタクス。お酒と詩を愛する美人アサシン荊軻。そこにモーさんを加えたら.....叛逆3銃士が揃うのでもう、ネロに協力している暇なんてありません。なんだったらブーディカさんの中にある復讐者が呼び起されてローマの全てを滅ぼしてゲームオーバーです。なのでモーさんを呼ぶのはセプテムでも最後の方です。

 

 次にメドゥーサさんです。彼女は安定したムーヴを期待できますが、モーさんとの仲があるので下手するとモーさんに斬り殺されます。なので賭けとしては危険なので見送ります。

 

 では、ガレスはなんで連れて行けないのか?と疑問に考える兄貴姉貴達も居るかもしれません。理由は簡単です。ブーディカさんは現地鯖として召喚されるのでブーディカさんがカルデアから消えます。そこでガレスも連れて行くとなると、カルデアの台所に立つ人がいなくなります。つまりは死です。

ガレスの台所性能はブーディカさんやエミヤ、タマモキャット、でち雀....じゃない紅閻魔の4強に比べれば落ちます。ですが、出来ることとやってくれるというだけで彼女の存在は貴重です。

 

 

 あ、そうだ(唐突)オルレアンの報酬で3回ぐらい召喚できるだろうし、ぐだ男から権利を一回貰って召喚した鯖と行くのもありですね。となれば召喚しにイクゾー!Dr.の事は適当に流しましょ。要は無理しなきゃいいんですよ、カルデアで。

 

  

 

>「マスター。私たちの力だけでは不足でしょうか?」

ガレスが申し訳なさそうにこちらを見てくる。モードレッドなら問答無用で怒ってきそうな場面だけど、彼女の場合こういう反応を見せてくるのか。

「ううん、そういう訳じゃないよ。ただ、戦力は多い方が良いし、何だったらガレスにはガレスの得意な分野を任せたいから、その他の分野で活躍できるサーヴァントを呼べたらなって思っただけ」

 

 

 

 道中でモーさんを誘って召喚ルームに行きたかったんですけどブーディカさんにメドゥーサさん共々お説教されていたので代わりにガレスを連れてきました。という訳でさっそく召喚といきます。

 

まずはぐだ男に2回引いてもらいましょう。内一回はきよひー確定ガチャみたいなものですけどね。

 

 

 

「ますたぁ、お久しぶりです。貴方の清姫ですよ」

 

 

 

「あら、小鹿。私を呼べたのね!なら、私のマネージャーになる権利をあげる!」

 

 

 

ふむ、きよひーとエリちゃんのコンビをセットで引きましたか。まあ、性能については前にお伝えしたので省略します。2人ともマスターにはぐいぐい行くので是非ほよちゃんの事を忘れさせて欲しいですね。

じゃあ、こちらの番と行きますか!

 

 

>描かれた模様に3つの輝く石を投げる。それに呼応するかのように地面に書かれた模様が7色に光始める。

 

 

線は3本!そしてカードは....え?ちょっとこれライダーのカードなんですけど!!もう3騎も居るんで他の鯖がいいんですけど!あ、でも金色のカード!星4以上確定じゃん!マジで誰だろう。

 

 

>「久しぶりね。怪盗『ミストレスC』貴方の大切なものを盗みに来たわ」

鮮血を思わせる帽子とドレス、対照的に雪のように白い肌と銀色の髪。服装の合間にのぞかせる下着は多分水着だろう。だけどそれよりも

「どちら様ですか?」

私の知り合いにこんな人は居ない。というより居たら確実に距離を置いている。

「あら、忘れてしまったの?なら今度は心臓にでも傷をつけようかしら?」

右肩と右頬に謎の寒気が走る。嘘だと信じたい。目の前に居るのがまさかあの吸血鬼カーミラだとでもいうのか。

「思い出したならいいわ、これからよろしくね。確か貴方、陽子よね?あの時一緒に居た騎士が言ってたし」

素直に握手を求められたので恐る恐る応じる。私の手を握るなり彼女は私を抱き寄せる。

「一つ言い忘れてたわ。私、見た目が変わっても悪い女なのは変らないから気をつけなさい」

 

 

 もう、ライダーは3騎いるんだよ?という訳でほよちゃんの記念すべき4騎目のライダー水着カーミラこと女怪盗『ミストレスC』です。ええ、リセしたいです。だけどリセしません。何故かって?今のほよちゃんPTに足りないところを補えるからです。まず戦闘面ですがアサシンのころに比べると一回りぐらい低下しています。現状ほよちゃんが呼んだサーヴァントの中だと最弱でしょう。黒髭は海だと強いのでそういった意味でも戦闘の総合力は最弱です。ただ、彼女の長所はアサシンの頃と比べて桁違いに上がった偵察能力です。ただ、敵地で戦闘を命じるとまず帰って来ないので絶対に戦闘は誰かと組ませます。

 

次に彼女の強みになるのはその宝具です。ぶっちゃけ彼女の宝具に乗って特異点の動きを高速化させるのは有効な戦術です。メドゥーサさんの天馬に比べると空は飛べないですが、魔力の消費量が段違いに少ないので差別化は出来てます。

 

 そして最後に致せます。アサシンの彼女もチョロ....致せますが水着に着替えた彼女は更に致しやすいです。アサシンの方でも主人公が特殊性癖車(誤字ではない)でも結構簡単に受け入れてくれます。私の過去の通常プレイではカーミラさんにスモックを着せてかーみらちゃん5ちゃいにした挙句、おいしゃさんごっこ(意味深)までは結構簡単に出来ました。尚且つ本人もノリノリだったのでこの縛りで来てくれたのはありがたいです。というよりセプテムに連れて行ける最高の札を引いた気がします。

 

 

 

ぐだ男の横にいるエリちゃんの顔が凄いことになってますが今回はここまでします。




次回、鯖との好感度上げですかねぇ....


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セプテム前の行動1

暑い曇りの日に外を歩くと雨に降られたと勘違いされるぐらい汗を掻く体質なので何とかしたいです。


前回のあらすじ、4騎目のライダー女怪盗『ミストレスC』登場。エリちゃん、目こわっ!!

 

 

というわけで今回は主に水着カーミラさん、ブーディカさん、ガレスを3人の好感度を稼いでいきましょう。ガレスに関してはとりあえずマスター呼びから名前呼びにさせてみましょうか。好感度が高ければこちらの事を名前で呼んでくれるはずです。カーミラさんに関しては甘やかしていけば大丈夫です。そしてブーディカさんですがこちらがむずかしい。確かにブーディカさんの好感度は稼ぎやすいです。しかしブーディカさんに甘えてるだけではお姉ちゃんと妹、母と娘の関係が限界です。どうにかして甘えて、甘やかして繰り返して仲を深めていきましょう。ちなみに好感度の上昇はブーディカさんから復讐者の側面があると告白されればかなり上がっている証拠です。

 

 

>「カーミラ、とりあえずこのカルデアを案内するから離してくれない?」

唇を尖らせわざとらしく拗ねる彼女の抱擁から抜け出す。思った以上に簡単に離してくれたけど、立香が呼んだあのサーヴァントはなんでこちらを射殺すような目つきで睨んでいるのだろうか。

「ねえ、アンタ。その恰好なに?」

立香がエリちゃんと呼んでいたそのサーヴァントのこめかみがひくひくと動く。可愛い顔立ちをしているけどそう怒ると台無しになってしまう。

「何って、水着よ。仮にも私の過去なんだからそれくらい理解しなさいよ」

カーミラがサングラスを外し、それを私の顔にかける。過去の私?カーミラの?

「小鹿!私もあれ欲しい!」「何もかもが違うじゃない!」

見た目も姿も似ているとはいい難いし、そもそもカーミラにはあのしっぽのようなものは無い。

「アレの事は気にしなくていいわ。さっ、陽子。私を案内して頂戴」

再びカーミラは手を差し出す。だけど今度は握手の流れではなく貴族の婦人が他人にエスコートを頼む時の手だ。ため息を漏らしつつ彼女の手を取る。しかしまあ、仮にも私とガレスはカーミラを殺した相手なのだ。それに対してこうもフランクに接してくると....自分の矮小さが目立つものだ。

 

 

 という訳で水着カーミラさんをエスコートするわけですがまずは食堂から行きます。ブーディカさんが説教を終えてご飯を作っていたら手伝いという名の好感度上げも出来ますし、ガレスも手伝ってくれると思うので彼女に料理スキルがあることがわかります。ついでに美味しいご飯も食べてストレス値の軽減が出来ますのでやっぱりブーディカさんは万能キャラやな!

 

 あ、その後にダヴィンチちゃんのラボに行こうと思ってます。もしかしたら道具作成の値を上げられるかもしれないんで。

 

 

>「カーミラ、ここが食堂。基本的にはブーディカさんがご飯を作ってくるわ。後はまあ、私もブーディカさんありきの手伝いはするかな」

丁度、包丁の音が小刻みで聞こえてくる。時間も時間だし何か作っているのだろう。

「丁度いいわ。私手伝ってくるからカーミラとガレスは座っといて」

カーミラは嬉しそうに頷くがガレスは自分も手伝うと言ってくれる。ついでに端っこの方にこってりとブーディカさんに怒られたのであろうモードレッドとメドゥーサさんが疲れた顔をして椅子に座っている。ついでに黒髭も。こちらは多分私の事とは別に何かしたのだろう。

 

 

 という訳でお料理パートです。好感度上げないと目的を達成できないからこれはガバじゃないよ!(苦しい言い訳)

 

 

>ガレスの料理の手際は中々に良い。というより私と比べるとかなりいい。これは私も負けていられない。

「そういえば、マスターが料理をするのは少し意外でした」

ブーディカさんの指示に従いながら2人で野菜の下処理をしているとガレスにそんなことを言われる。まあ、オルレアンではそういう姿を見せてないし意外と言えば意外なのだろう。

「その、マスターは先の特異点でも砦の管理に追われていて食事をする時間も惜しいって言って最後は出された食事を全部スープに入れて食べてたじゃないですか。だからあんまり食事に関しては興味がないのかと思っていました」

それは大いなる勘違いである。確かに砦の管理に追われて結果として出された食事の中で肉やパンを片っ端からスープに入れて全部食べていたのは本当だがあれはとにかく時間が欲しかったのだ。私の他には皆砦の管理に関して無関心だったのもあるし。主に現地の兵士たちが

 

>「陽子ちゃん。そんなことしてたの?」

ブーディカさんの声色がいつもと違って気持ち低い。これは私も説教かもしれない。

「あっちで忙しかったのは解るけどそれは作ってくれた人に失礼だよ」

何も言い返す言葉が無い。しかも私自身現地の豆のスープに飽きた。考えていたのだからとんだ失礼だ。

「もし、今度そんなことをしたらご飯作ってあげないからね陽子ちゃん」

ある意味で最高の脅しだと思う。多分だけどこのカルデアに居る人はブーディカさんに胃袋をしっかりと握られている。その彼女から食事を作らないと言われたら事実上の死だ。ある意味でのカルデアの女王には逆らってはいけないだろう。

「ブーディカさん。以後気を付けますのでそれは勘弁して欲しいかな」

聞けばその時の私は死んだ目をしながら砦の報告書に目を通してご飯を食べていたらしいのでフランス兵から変に怖がられていたらしく、あれも一種の魔女なのではと言われてたらしい。うん。もう絶対にしない。

 

>「あ、そういえばガレスに言おうと思ってたんだけどその『マスター』って呼び方疲れない?大体皆は名前で呼んでるし貴方も名前で呼んでいいわよ」

そもそも私は魔術師ではないし、高貴な生まれの人間じゃない。だからマスターなんて呼び方はなんだかむず痒いのだ。さらに言えば私はガレスと黒髭以外にマスターと呼ばれた記憶がない。

「ええっと、じゃあ陽子。よろしくお願いします....少し恥ずかしいですね」

そう、顔を赤らめられるとこっちまで恥ずかしくなるのでやめて欲しい。

 

 

 

 よし、ここで断られないということは確実にガレスとの好感度が上がっている証拠です。やっぱりオルレアンでのランスロット関連で頑張れたのが大きいところでしょうか。ただ、ガレスはあんまり襲ってこないタイプの鯖なので不安なら今後の為に黒髭の目の前でいちゃついて、彼のお節介と言う名の欲望、致さないと出られない部屋に突っ込まれましょう。黒髭が百合厨と化している場合にゲーム中1度だけ使えるイベントなんでなるべく今後のリカバリの為にとっておきたいのですが決断は早めにしときましょう。

ちなみに黒髭に名前呼びを求めても今回はもう無理です。何故ならマスターを下手に名前呼びさせると彼自身がこの百合空間を壊しているのではないかと思い込み自害する確率があるからです。さらに今回ですとガレスに名前呼びをさせているので、ちゃんと女性陣が名前呼びになっていることから黒髭の好感度が上がります。ちなみに主人公がおっぱいのついたイケメンだとマスター呼びのほうが好感度が上がります。

 

 さあ、説明もしている間にご飯も出来ましたのでさっそく目的を果たしましょうか。ついでにモーさんとメドゥーサさんも居るので2人とも話して次のセプテムに連れて行くサーヴァントでも決めときましょうか。まあ、ブーディカさんにお説教食らった後みたいなんで実質の選択肢はブーディカさんか水着カーミラになると思いますが....

 

 

>「2人共随分とブーディカさんに怒られたみたいね。まあ、私も怒られたんだけど、次から気を付ければいいし、次の特異点でも頼むわよ」

配膳を終え、自分の分のご飯を口へ運ぶ。相変わらずの優しい味に思わず心が躍る。

「陽子ちゃん。次は私がついていくからそこの2人は拠点の確保をするまではお留守番よ」

私の横にブーディカさんが腰かける。どうやら議論をするわけでもなく決められていたようだ。なんというか母は強しというやつであろう。

「ところでモードレッドとメドゥーサさんが怒られた理由は解るけどなんで黒髭まで怒られたのよ?」

仮に2人の暴走を止められなかった責任があるのならガレスにもあるだろうし、彼だけを怒るほどブーディカさんが贔屓をする人物だと思えない。

「いや、一応一つの特異点を修復したからマスター殿に酒を持って行こうとしただけでござる。あわよくば酔っぱらって誰かとムフフな展開を期待していたとかそんなん考えてないでござるよ!」

こいつはもっと怒られてもよかったんじゃないだろうか?ともかくブーディカさんは正しかった。

 

 

 プレイ中にこの時戦慄が走りましたね。致さないと出られない部屋もありですが何らかのイベントで酔ったサーヴァントに襲われるも優良な選択肢じゃないかってね!本番中にオリチャーを思いつく走者の風上にも置けないやつでそんなんだからRTA風なんだよ!と思われる方もいらっしゃると思いますが、完全にその通りです。ちなみにこの時点でRTA走者の兄貴達の平均と比べるとゲーム内日数で1週間ほど遅れています。しかも先程の会話からセプテムに連れて行くのがブーディカさんに確定しているのでまたぐだ男達とはぐれてリスポンする確率が高確率になってます。このままじゃぐだ男の心が死んじゃうよ!

 

 あ、ちなみに現状のぐだ男に対してお薬のような人物がセプテムにいるらしいですよ?はい、ネロです。セプテムのネロはサーヴァントではなく尚且つメンタルもなかなかに豆腐ですが、そこに今回のぐだ男のような人物を合わせますとマイナス×マイナスでプラスになります。しかもそっちで縁が出来るのでクリア後は高確率でネロを召喚します。仕上げにマシュを唆せば....工事完了です。

 

という訳で次回ダヴィンチちゃんに会いに行きます。もしかしたらセプテムにも行けるかも

 




もしかしたらそのうち昔やっていたTRPGのシナリオを小説風にリメイクして書くかもしれないです。
そうなるとこちらの投稿が少し遅くなるかも?


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第二特異点へ

前書きに何を書けばいいのかわからんので初投稿です。


前回のあらすじ、会議をする前次のセプテムに同行する鯖がブーディカさんに決まりました。

 

 

 はい、という訳で今回はダヴィンチちゃんの工房に向かうところです。目的はダヴィンチちゃんとの好感度稼ぎ、およびほよちゃんの道具作成が上がればいいなーという淡い希望を抱いていきます。同行者は相変わらず水着カーミラさんです。案内するって言ってんだから当たり前だよなぁ? 

 

 

>軽く扉をノックして部屋の主の返答を待つ。間接的にとはいえ彼女にはオルレアンで随分と世話になったしカーミラを案内するついでにお礼の一つでも言いたい。

「陽子ちゃんだろ? 入りたまえ」

陽気な返事が聞こえてきたので素直にドアを開ける。相変わらず色々と何かした後の形跡が残された部屋だ。

「カーミラ、彼女がレオナルド・ダ・ヴィンチ。カルデアの技術顧問で基本的にここの管理をしてくれてるわ」

ダヴィンチちゃんはまるで私を待ってたかのような笑顔をこちらに向ける。その傍らには見覚えのある投石器の設計図。

「ああ、貴方が新しく呼ばれたサーヴァントか。うん、紹介通り私がここカルデアの技術顧問レオナルド・ダ・ヴィンチさ。見たところ貴方はバカンス中のような格好だね」

カーミラに対して怖じ気ついた様子も驚いた様子も見せず彼女は笑う。というよりダヴィンチちゃんは何故あの投石器の設計図を持っているんだろう。あちらからは持って帰ってきた記憶もないし、まさかと思うがこちらとの通信の際に見ただけで理解したのだろうか? 

「じゃあそう言うことにしておいて頂戴。私たち大人は子供と違って苦労も多いし偶には羽目を外さないといけないし休息も必要だわ」

カーミラの言葉にダヴィンチちゃんはその通りだと笑って返す。まあ、子供の私からしてもここにいる大人たちは何かと苦労が多いと解るし、というよりその苦労の原因としてはその言葉自体が痛い。

「ところで陽子ちゃん。ロマニから聞いているけど、またバイタルチェックの結果が悪いそうじゃないか。このままだと戦闘訓練は出来なさそうだし、どうだい? 私と勉強してみないかい?」

 

 

 このイベントが欲しかったんだよっ!!! 主人公に道具作成や芸術系のスキルがあり、尚且つダヴィンチちゃんとの好感度が一定以上の時に発生するこのイベント。主人公の強化とダヴィンチちゃんとの好感度稼ぎを同時進行で稼げるためにかなりのうま味です。さらに言えば疲労値がかなり高くても無理のない範囲でやらせてくれるのがこのイベントの良いところですので積極的に起こしたかったんですよね。ん? 戦闘訓練? あれはほよちゃんにはほぼ無理です。まあ、クリアまでに一回できればいいですかね。鯖はまだしもほよちゃんに戦闘訓練をさせる余裕は今のところないです。なので戦闘訓練に関してはぐだ男に押し付けます。

 

 

 

>「授業? 内容は何か知らないけど、ダヴィンチちゃんが先生ならお願いしたいわ」

ああ、でも今はカーミラにカルデアを案内している最中だし、ここで投げ出すのも失礼だ。

「いいわよ、別に。私は参加しないけど貴方が楽しんでる様子を見させてもらうわ」

そう言われると少し恥ずかしいが、あのレオナルド・ダ・ヴィンチの授業なのだ。現代人でもお金を積んで受講できるものならいくらでもお金を積む人間が居るだろう。それをタダで、しかも彼女から提案してくれるなんてなんという幸せだろうか。

「じゃあ、さっそく始めようか。まずはこの君がオルレアンで制作した投石機だが、私の設計図から色々とそぎ落として最低限のものとして用意したにしては上出来だ。だけど君の頭ならもう少し出来たはずだからそこの発想力や技術力を鍛えようじゃないか!」

 

 

お、今回は期待通り道具作成の底上げが出来そうですね。あ、ちなみにこのイベント基本的に大当たりで何が来てもいいんですがその中でもクッソ当たりなのが《黄金律(体)》の習得ですね。仮に習得出来たら一般人だろうが魔術師だろうが関係なくやりたい放題です。まあ、確率が低すぎてまず手に入らないのでこれは計算に入れていません。

 

 

>以下の技能が強化されました 道具作成[D]→道具作成[C+]

 

 

 おーええやん。ダヴィンチちゃんの授業はやっぱりプレイヤーの心の休憩ポイントなんだよなー。まあ、この授業は連日受けることが出来るのでこんな感じでセプテムが見つかるまでダヴィンチちゃんの元へ通い続けます。まあ、見所さんは無いので10倍速ぐらいでセプテム発見まで流します。授業が終わったらパパっとご飯食べてお風呂入って寝る!

 

これを数日間繰り返します。理由は戦闘訓練なんかしたら主にバイタル面の問題でDr.ロマンに怒られてレイシフトできなくなります。言ってることが滅茶苦茶ですがあんまり結果が悪すぎると言っても無駄死にさせるだけって言われてマジでお留守番になります。そしてそうなればぐだ男の死亡率がインフェルノです。

 

なのでセプテムが見つかるまでの数日間はダヴィンチちゃんの元にせわしく通いお勉強という名の頭を使う訓練で誤魔化します。

という訳で3日ぐらいたったところで倍速を止めます。この辺でセプテムが見つかると思うので、後なんか朝からイベント起きましたね。

 

 

>いつもと違い寝苦しさを感じて目を覚ます。最初に目に入ってきたのはカーミラの寝顔。条件反射と言うべきか、声を出しそうになるのを彼女の手のひらがそれを止める。

「起きたのね、陽子。あんまりにも無防備に寝てるものだから忍び込んじゃった」

少し眠そうに離すカーミラに対して既視感がある。衣服の乱れは見たところ無さそうだから何もされてないとは思うけど...

「そんなに慌てなくても大丈夫よ。このタイミングで何かしたら貴方の信用を失うし、今度は剣で斬り殺されるわ。ああ、でも今回は見逃しなさい」

カーミラがあくびをして起き上がるとその体が露わになる。なんで上半身は何も身に着けてないのよ。

「ほら、陽子。これ、付けてちょうだい?」

彼女が身に着けていたと思われる水着の上を渡される。こういうハニートラップみたいな行為は私じゃなくてもっと男性とかにするものじゃないのだろうか? ただ、同性でもなんだかいけないことをしている気にさせるのはカーミラの魅力なのだろう。

「私はローラじゃないのよ」

彼女の水着の紐を結び終えた時に、ふいにそんな言葉を口に出してしまう。そして瞬間に後悔した。

「誰よそれ? ああ、忘れていたわ。今日はあの医者から話があるみたいだからきちんと行きなさいよ。昨日の夜に特異点を安定させたとか言ってたし」

そういってカーミラは部屋を出ていく。ローラの話は彼女が気を遣ってくれたのか、それともサーヴァントとして呼ばれた彼女は立香が呼び出したあの子の未来の姿なのか。どちらにしても後で謝ろう。

 

 

 なんかカーミラさんが通常の3倍ぐらい積極的ですがそれはプラスなのでいいでしょう。あと、セプテムが見つかったのでいつも通りの飴でも持ち込んで...あと3つしかねぇ! 

まあ、全部持っていきます。後は道中ブーディカさんを連れて行きます。ここで裏切りは出来ません。

 

 

 

>「次にレイシフトしてもらう先だけど一世紀ヨーロッパだ」

Dr.ロマンが私と立香、マシュさんにそう告げる。ダヴィンチちゃんはどうやら私との勉強の合間にやっていたらしい聖杯の解析とやらで随分と眠そうだ。

「より具体的に言うと古代ローマ。イタリア半島から始まり、地中海を制した大帝国だ」

ブーディカさんと顔を合わせるとやっぱり少し複雑そうな顔をしている。それはそうだ、彼女にとってローマという国は因縁のあるのだ。主に悪い方面での。

「じゃあ、私が陽子ちゃんについていくのはいい選択肢だね」

多分ブーディカさんは無理をしている。だけど彼女はあのあたりに詳しいのも事実。

「うん、陽子ちゃんが英霊ブーディカと契約してくれているのはこちらとしても思っても居ない幸運だ。だから今回は彼女に辺りのナビゲートをしてもらえば特異点が何なのか見極めやすいと思う」

Dr.ロマンは多分私やブーディカさんの心境に気付いていると思う。だけどわざと空気を読まない。だってここでブーディカさんに気を遣えば私たちは土地勘のないまま歩き回ることになる。それは危険だ。だから彼は私たちの事を思ってくれたのだろう。

「ねえ、ブーディカさん。特異点がローマ皇帝だったら合法的にローマを滅ぼせるわね」

私とブーディカさんを除く周りの人たちが絶句する。そしてブーディカさんは我慢できなくなったのか吹き出す。

「あははっ! そうだね陽子ちゃん。元気の出る一言をありがとう。だけど、考え方がモードレッドに似てきたね」

言われてみたらそうかもしれない。まあ、でもこうしてブーディカさんが笑ってくれたからいいか。

 

 

 

>「陽子ちゃん。頼むから自分から歴史を壊すのはやめてくれよ?」

Dr.ロマンが恐る恐る私に声を掛ける。心配はない。あくまで今のは特異点がローマ皇帝だった場合の話だ。

「じゃあ、立香、マシュさん。今回も頑張っていきましょうか」

ぽかんとしている2人の声を掛け、レイシフトの準備をする。今回はブーディカさんが居てくれるから地理に関しては問題ない。早めに霊脈とやらの強いところにみんなで行ってこちら側のサーヴァントを呼びだす。モードレッドとメドゥーサさんもブーディカさんが居る限り無茶は出来ないだろうし、事前準備は前回より出来ている状態だ。

「それじゃあ、行ってきます」

 

 

 

 

 

 

──────────────────────ー

おまけ的なもの

 

本田 陽子 (ホンダ ヨウコ)

身長:160cm程度? 

体重:55kg(カルデアに来てからは増減が激しい)

属性:混沌・中庸・地 (確実に契約したサーヴァントの影響を受けている)

 

 

保有技能

 

軍略(偽)[C]

過去の偉人の軍略を知り、それを模倣するスキル。彼女は天才的な軍師でなければ、魅力あふれる王でもない。ただ、先人に倣う。その精神が技能として昇華したもの。戦場での経験を重ねれば重ねるほどこの技能はやがて本物へと近づくだろう。

 

道具作成[C+]

彼女の道具作成は主に兵器に関するものを中心にその効力を発揮する。天才には遠く及ばないが万人に扱えるものをそれなりの仕上がりで作成することが可能。だが、彼女は魔術師ではないため、作成した道具に特別な力を込めることは出来ない。何かの偶然で何かが宿ることがあることはあるかもしれないが.

 

陣地作成[D]

戦場において自軍に有利な陣地を作成できる技能。彼女の場合元からある陣地に入りそこを改良することに関しては高い効力を期待できるが、0から始める場合ランクは通常のものより下がる。簡単に言えば1+1は得意だが0から1を生み出すのが苦手なタイプ。

 

神性[E-]

普通の神性とは違い彼女の場合の神性は、怪物に転じた女神に愛された証である。いわゆる所有権を表すためのものである。

 

兵装見識

技能とも言えぬ技能。一般的な武装であるならその武装の特徴を掴むことが出来る。ただ、サーヴァントが保有している武器に関しては見た目の情報しか獲得できない。




次回からセプテム本編始まります。


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白き衣の暗殺者

前回の投稿の誤字脱字が酷すぎたので全部夏の暑さのせいにして初投稿です。



前回のあらすじ、セプテムが見つかってそのままレイシフトしました。

 

さて、今回さっそくセプテムの攻略を始めていくわけですが、ほぼ100%の確率でぐだ男達とリスポン地点が違います。これの理由は簡単で同行している鯖をブーディカさんにしているからです。彼女はこの世界ですと現地鯖として既に呼ばれているので、ブーディカさんと契約しているほよちゃんはそちらに引かれるという形ですね。次にこのブーディカさん。現地鯖なのかそれとも契約している彼女なのかの判定があるのですがこれはどちらでも大丈夫です。前にも言いましたが、彼女の性格からまあ、協力してもらえない事は無いと思うので。

 

 

>暖かい陽気が体を包む。目を開けると綺麗な森丘地帯が辺りに広がる。周りを見渡しても立香やマシュさん、そしてブーディカさんの姿は無い。どうしてこう私はレイシフトするたびにはぐれてしまうんだろうな。前回はモードレッドが居たからいいけど、今回は文字通り誰も居ない。意識を集中してブーディカさんとの繋がりを探してみるけど何故だか見つからない。

 

 

 うん、リスポン地点は悪くないですね。ローマの都からそこそこ離れてますし、まずぐだ男と合流することはないでしょう。ブーディカさんとの繋がりを感じないのは現地鯖の彼女になってるからですね。あ、はぐれてますけどブーディカさんはここから近い位置にスパさんと運が絡めば荊軻さんと3人で居るので安心ですね。ちなみにぐだ男側はカリギュラ伯父上との戦闘に入りますが、あれはイベント戦みたいなもんなんで負けないでしょう。というより当たり前ですがマシュと一緒に居るので、危険なのはこちらです。

 

 

>土地勘のない場所を闇雲に歩くのはあまりいい行為とは言えない。だけど、今回は別だ。ここにとどまっても得られる情報は何もないし、レイシフト先にはどんな敵がいるかもわからない。最低限町を見つけてそこを拠点に今後の行動を決めなければいけない。

 

 

 はい、ほよちゃんが迷ってますがこのために作成した自作の地図があるのでこれをガン見しながら北上します。あ、セプテムのエンカウントは先駆者兄貴のような特殊な状況になっていなければほぼゼロです。ただし、セプテムの戦闘は軍隊戦なのでほよちゃんにはまた軍師として過労死してもらいます。

 

 

>あまり賭け事は得意じゃないけど、ここは自分を信じて歩くしかない。こういう時モードレッドが居てくれたらその勘に頼れるんだけど今は1人だ。無いものねだりをしても仕方がない。早く誰かと合流しなければ今は自分の身が危ない。とりあえずは遠くに見える砂ぼこりが待っていると思われる場所。そこへ向かおう。

 

>歩き出そうとしたその時、視界が急に暗くなり、のど元に辺りに冷たい何かが触れる。

「動くな、それに声も上げるな。今から私が聞くことだけを答えろ」

耳元に女性の声がささやかれる。....この状況でのど元に当てられている冷たい感覚は多分刃物だろう。

「まず貴様はどこの者だ?」

下手に誤魔化せば殺される。ただ、私の今の状態を言って信じてもらえるかどうかはわからない。

「カルデアという場所から来たわ」

なるべく相手を刺激しないように、多分だけどこの状態は下手に脱出を考えてはいけない。というよりこうも気づかれずに背後を取られているのだから脱出できるわけではない。

「カルデア....この辺りにそんな地名があったか?」

多分無いと思う。ただ、これで一つ分かった。私を今拘束しているこの人もこのあたりの土地に詳しくない。もし、この辺りの人間だったらすぐさまにカルデアなんて地名がこの辺りにないことを理解して私にさらなる脅しをかけてくるはずだ。

「更に言えば、未来から来たわ。私の恰好、この辺りの人たちと違うでしょ?」

しばらくしてから私の喉に当てられた冷たい感触が消える。相変わらず視界を覆っていると思われる女性の手は外されることは無い。

「敵では無さそうだな。よし手を出せ。とりあえず面白いものを拾ったと報告しに行こう」

女性は器用に片手で私の両腕を縛る。抵抗はしない方が良いと思い甘んじてそれを受け入れる。言い方は悪いけどこのまま人の居る場所に連れてってもらった方が情報も手に入るだろう。それにもしかしたら姿を見れていないこの人はサーヴァントかもしれない。

 

 

 あ、多分ですけどこれ荊軻さんに捕まりましたね。こっちから会いに行くつもりでしたけどこうして迎えに来てくれるなんてなんていい鯖だぁ....。まあ、ほよちゃん縛られてますけど。あら、目隠しもされた。

でもこれで一安心です。なんたって現地鯖と会えましたからね。後はこのままブーディカさんのいる野営地まで連れて行ってくれると思うのでゲームオーバーの危機は回避されました。ちなみに荊軻さんのなすがままにされているのはどう転んでもほよちゃんじゃ鯖に勝てないからです。当たり前だよぁ?

鯖と戦えるようなステ振りにしてたらここでこぶしで解り合うことも出来てたんでしょうけどね?

 

 

 

>「ところで貴様は随分と落ち着いているな」

目を隠され手を縛られ、その状態であるかされている中、そんなことを聞かれる。そんなことを思ってくれるなら私も少しは肝が据わってきているのだろう。

「まあ、貴方が何者か知らないけど逃げることなんてまず不可能だってわかったからね。仲間ともはぐれて人がいるところに行って色々と話を聞きたかったし、そういう意味では丁度良かったのよ」

女性は大したものだと私を笑う。嫌味の含まないその笑い声にこちらまでおかしくなってしまう。ああ、そうだもう1つ確認しておかなければ。

「ねえ、貴方ってもしかしてサーヴァント?」

私の手を引くその動きが止まる。その動きだけで私の問いに答えてくれているのがわかる。

 

 

>「驚いたな、貴様は.....いや君は私と出会ってすぐ、それも姿を見せていないのにそんなことがわかるのか」

人間離れした技でからめとられたのと、カルデアの名前を出した時にここの地名を確認したこの2つの情報で予想を立ててみたのだが相手からしたら意外だったらしい。

「これは思っていたより面白いことになりそうだな。このまま呂布の元へ戻ってもいいが、一度ブーディカのところに行くのも悪くないな」

呂布、その名前には聞き覚えがある。だけど今はそれどころじゃない。今、この人は確かに彼女の名前を呼んだ。

「ねえ、貴方。ブーディカさんがどこにいるか知ってるの?」

ブーディカさんの名前が出るということは彼女がここにいるという証明。だけど私との繋がりが無い今、考えられる可能性は....この時代はブーディカさんがまだ生きている?そう考えれば私との繋がりが無いことに納得がいく。

「なんだ、君はブーディカの知り合いだったのか。なら、そちらへ送ろう」

知り合いと言っても多分一方的なものになってしまうだろうがそれでも今はブーディカさんと合流したい。

「ああ、申し訳ない。サーヴァント、アサシン。名を荊軻と言う。今から君をブーディカの元へ送る者だ。覚えておいてくれ」

視界に光が戻る。私の目の前に1人の女性の姿が現れる。白く美しい衣を纏った。その姿はまるで天女の様。




涼しい場所でしっかり水分とっても熱中症みたいになるってもうどうすればいいんですかね?


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セプテムでの初戦闘

頭の熱暴走が激しいので初投稿です。


前回のあらすじ美女アサシン荊軻さんに目隠しされて、手も縛られました。ついでにブーディカさんの元へ送ってもらえることになりました。

 

 

 思ってたルートとはかなり違いますけどプラス方面に働いてそうなのでこのまま突き進みます。あ、ちなみに荊軻さんの性能ですがアサシン勢の中では丁度中間ぐらいの性能です。どこぞのインファイトに特化した女吸血鬼と違ってきちんと忍べますし、セイバークラスみたいに正面から剣で戦うようなギロチンボーイとは違います。王道に忍んだり、相手を油断させてころころするタイプのアサシンです。ちなみに全部出来る山の翁っていうヤベー鯖も居ますけど、あのお方は次元が違うしそもそも呼べる確率が死んでいるので除外します。

 

 

 

 話を戻します。まあ、現状荊軻さんが横にいるんでブーディカさんの元へは無事に送られます。一応それまでに好感度を稼いでおけばそのままブーディカさんの陣営に残ってくれます。まあ、その場合は呂布陣営が壊滅しますが仕方ないね。仮に荊軻さんが呂布陣営に戻った場合こちらがやることはブーディカさんに猛アタックして襲われる準備をするだけです。

 

  

 

>「ところで腕のこれ、なんで外してくれないの?」

 

目隠しは外してくれたものの腕に関しては今の不自由なまま、むしろ目隠しに使っていたそれを腕の拘束に足して手綱のように扱っている。

 

「なに、ブーディカに渡すにしても少し趣を凝らしたいと思ってね」

 

荊軻、紀元前にその名前は刻まれている。中国大陸初の皇帝を暗殺しようとして失敗した刺客として。ただ、男性だった気もするけど、今更気にしても仕方がない。あの横暴な王様だってそうだ。

 

「ちなみに荊軻さん。ブーディカさんがいる所まではどのくらい?」

 

あと、先程より前方の土ぼこりが酷くなっている。それに人の喧騒に金属の打ち合う音。これは....

 

「戦が始まっているな」

 

音からしてそれほど大規模なものでは無さそうだ。ならば少人数でもこちらに向ければ戦況は傾くかもしれない。そして、一般人じゃサーヴァントには勝てない。

 

「荊軻さん。私が注目集めたら一度に何人刈れるかしら?」

 

この時代、ローマ軍の武器は性能が良かったと聞くけど、まだ銃火器は登場していない。投擲用のランスも樹の幹などを盾にした場合貫くことはないはず、となれば怖いのは戦車で轢き殺されることぐらいかな。

 

「相手が普通の人間なら20人は確実だな。それにしても何か敵を引き付ける方法は君にあるのかい?」

 

そりゃ、古代ローマの時代にこんな格好の女が少し騒げば注目は集められるだろう。後は荊軻さんと位置取りの調整かな。

 

 

 

 

 

 記念すべきセプテムでの初戦闘です。やることは簡単。ほよちゃんにタゲを取ってもらって荊軻さんに入れ食いフィーバーしてもらいます。ほよちゃんは死ななければいいのでぶっとい樹の幹を盾にしたり、木登りして逃げたり、なんだったら川の中にダイブしてでも生き残ります。しかもちょっと時間を稼げば多分スパさんかブーディカさんが加勢してくれるので最初の操作がちょっと大変なだけの戦闘です。今までのサーヴァント戦と比べたら数千倍マシですね!という訳で行ってみましょう。

 

 

 

>手の拘束を外され二人で位置取りを決める。人がぎりぎり登れるぐらいの丘の上、きちんと盾になる木も近くにある。ここならぎりぎり何とかなるかもしれない。

 

「どちらも同じような装備をしてるがあちらだけを狙う。いいな?」

 

小石を何個か拾い集める。重要なのは当てることじゃない。意識を私に向けることだ。というか投げて当てたところで装備を貫通することは出来ない。

 

「じゃあ、死なないように頑張るから後はよろしくね」

 

 

 

>小石を数個手に取り、それを相手の兵士へと投げつける。恐ろしい程に全部、明後日の方向に飛んでいく。これは想像以上にひどい。

 

「このっ!当たれ!」

 

先程より多めに小石を握って放り投げる。ようやく1個当たってくれたがそれよりも出した声の方で注目を集めている感じになっている。過程は違えど結果は同じだ。

 

「かかってきなさい三下共!」

 

3度目の投擲は全て明後日の方向へ。向けられる兵士たちの視線は殺気立っている。近くにある樹の幹に背中を預ける。

 

「あのよくわからない女をぶち殺せ!」

 

背中を預けている樹の幹に鈍い音が何度も鳴り響く。大丈夫だ、そもそも木を切るためにはそれ相応の斧などを何度も打ち付けて倒すんだ。だから、人の投げた槍なんかでそう簡単に倒れたり貫通したりしないはず。

 

 

 

 

 

 さあ、始まりました。ほよちゃん耐久レースです。このままここで震えてるのもいいですが、そうすると死んだと勘違いされて荊軻さんにタゲが行くので応戦はします。もう当てることは考えないで生きてますアピールだけします。後は荊軻さんが最大効率で刈り取りしてくれるはずですから。

 

 

 

 

 

>「ンッ!」

 

足元に槍が刺さり情けない声を上げる。もう振り返る事もせず手元にある小石を後ろへ投げつける。しかし何がそんなに気に障ったのか今度は剣まで飛んでくる。大人なんだから小娘1人の挑発ぐらい受け流せと思いたいがそういう作戦だった。

 

「小娘1人倒せないで、何がローマ兵よ!そんなんだからハンニバルの象部隊に壊滅させられそうになるのよ!」

 

多分ローマの人にとって最高の侮辱。おかげで更に槍が飛んでくるようになった。多分恐怖で顔が引きつっているのだろう。右の口角がひくひくと動く。よくよく考えれば今までの特異点では戦場に出たとしても基本的には安全なところに居ることが多かった。それが今こうして敵の攻撃を一方的に受ける立場になって、その恐怖が今身に染みている。サーヴァントを従えることもないただの兵士。その恐怖はこういうものなのだろう。

 

 

 

>槍の投擲が収まる。私を狙っていた兵士たちの武器が尽きたか、それとも相手にされなくなったのかどちらにせよ、このままでは荊軻さんに最高のタイミングを与えることが出来ない。

 

「自信は無いけどやってみるかな」

 

足元に刺さった槍を掴み引き抜く。想像していたよりも重く振り回せそうには無い。でも今重要なのはそこじゃない。これで戦う振りが出来ればいいのだ。

 

幹から顔を出し辺りを見回せば10数人はこちらを向いている。当たり前のごとく片手には剣を構えもう片方には盾を構えて私をにらみつける。位置取りは私の方が高所に居る分、槍のリーチからしてこちらが有利、それに相手には弓兵も居ない。ただ、私は敵とはいえ人を刺した経験などない。当たり所が悪ければ私自身の手で人を殺す。それが私に出来るのか?いや、戦いに身を投じているくせにそんなことも出来ないなんて駄目だ。

 

 

 

 

 

 んーほよちゃんが物騒なこと考えてるけどまま、エアロ(白魔法感)。人型を倒す訓練をしておかないと後々困るんでこの辺で精神的ダメージを背負ってでも頑張ってもらいましょ。あ、そうだこのローマ兵の槍ですけどほよちゃんだと筋力が足りなくて突きしかできませんし、そのモーションもクッソ遅いんで相手からしたら回避余裕です。という訳でそろそろ荊軻さん、準備を終えてください。

 

 

 

>両腕に力を込めて近くにいたローマ兵へと槍を突き出す。初めての人に対して殺意を込めた一撃は安々と鉄の盾に受け止められ、両腕に電流でも走ったような痺れが襲う。

 

「慣れない事はするものじゃないわね」

 

反撃の一撃が槍の先端にぶつかりいとも簡単に弾き飛ばされる。こんなことならDr.ロマンの忠告を無視してガレスやモードレッドに少しでも戦い方を教わっとくべきだった。

 

「君、それは流石に蛮勇が過ぎるぞ。だけど最高のタイミングをありがとう」

 

するりと声と何かが私の横を通り過ぎる。これが本物の暗殺者。

 

 

 

>まるで踊るように兵士たちの隙間を抜ける1人の女性。彼女とすれ違う兵士たちは何が起こったか分からないままその肌の色を自らの血で赤く染め上げていく。彼女が躍るのをやめる頃には立って居るのは私だけ。遠くにいる兵士たちもこの事態に気付くが、既にこちらの味方と思われる軍団によって退路を断たれていく。

 

「誰かと思ったら荊軻か、こんなところで何してるのって言いたいけど、今は助かった。ありがとう」

 

そしてその軍隊を指揮している女性。燃えるような赤い髪に明るい笑顔。そしてその長身。見覚えのあるその姿はまぎれもなくブーディカさんだった。




アーチャーインフェルノの水着が出るってほんとですか?本当だったら楽しみで夜しか眠れなさそうです。


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もう一人の女王

少し投稿間隔があいたので初投稿です。


前回のあらすじ、セプテムでの初戦闘を終えてブーディカさんと合流しました。

 

 

 さて、これからの方針ですが選択肢は3つあります。1つ目はブーディカお姉さんと合流して彼女に襲われる道を作るルート。こちらを取ればブーディカさんの好感度を上げることが出来ます。そしてぐだ男と早めに合流することによってカルデアから鯖を引っ張って来やすくなります。2つ目は荊軻さんと呂布陣営に行くルートです。こちらはまず呂布の軍師として招かれますが完全に蒼天航路の陳宮状態です。呂布に信頼されるまでは荊軻さんを通して策を提案することが多いです。そしてブーディカさん陣営に比べて敵が強いので苦戦は必至です。ただ、このルートを通せばクリア後に確実に荊軻さんを召喚出来るのと攻略中に荊軻さんに襲われるまでは行けます。ただ、ブーディカさんの陣営が何かの間違えで壊滅するとほよちゃんのストレスがマッハです。

 そして最後、荊軻さん共々ブーディカさん陣営に参戦するです。この場合はブーディカさんに襲われ待ちの状態に持っていきながら荊軻さんの好感度を上げることが出来る最高のルートです。ただ、デメリットは呂布陣営は壊滅するので戦闘の激化は避けられないのと、下手に時間をかけているとローマに攻め込まれてリセット案件です。しかも無双しすぎるとネロがぐだ男よりこちらを気に入ってしまうのでぐだ男のストレス値が上がってしまい、リカバリ不能になるかフォウ君覚醒でoutです。といってもこちらは現状の好感度的に荊軻さんに断わられる確率が高いです。

 

 

>「久しぶりだなブーディカ。この辺りまで偵察をしに来たのだが途中で面白いものを見つけたんで。お前に届けに来た」

背中を押されて転びそうになるのをブーディカさんに抱きとめられる。ごめんなさいと一言謝罪し、顔を見上げるとブーディカさんは私の顔をみるなり、何か納得したような顔をして私に微笑む。

「君が....うん、なるほどね」

頭を撫でられてなんだか恥ずかしくなり顔をそむける。なんだか子ども扱いされている気がして、いや子供であることは確かんだけど。

「あの、ブーディカさん。色々と聞きたい事あるんだけど良いかな?」

恥ずかしいということを悟られたくなくて話題を作る。

 

 

>「まず、私の事わかる?」

一番重要だと思われる事。私がブーディカさんとの繋がりを見つけられない理由が明らかになるはずだ。

「ゴメン、君が誰だか今の私にはわからない。だけど少し前にね、ふと体の調子が良くなったのと同時に誰かを探さなきゃいけない感覚に襲われて....でも君と出会って今それが解決したかな。多分、ここにいる私とは違う私と契約してるんでしょ?」

彼女の言葉に頷く。ただ、契約という言葉を使ったあたり彼女はサーヴァントだ。もう既にこの時代には生きていない。1世紀のローマと聞いていたから彼女もまた前にレイシフトしたオルレアンで出会ったジャンヌダルクのようにすぐに召喚されたのだろう。

「そっか....でも良かったわ。早めにブーディカさんと合流出来て」

立香達とも早めに合流したいところだけで、あちらはマシュさんもいるし大丈夫だろう。きっと早めに霊脈とやらを確保して他のサーヴァントを呼んでいるだろう。

「あと、これすごく気になってるんだけど。なんでブーディカさんがローマ兵を率いているの?後敵味方共にローマ兵の恰好をしてるけど?」

この時代、私の知識が足りないのもあるがローマ内での内乱が起こった記述は知らない。ブーディカさんが既にサーヴァントとして呼ばれている辺り彼女の乱は終わっているはずだし。もし、ブーディカさん本人がこの特異点の原因だとしてもローマ兵がこうも簡単に従うとは思えないし。

 

 

 という訳でこの特異点の事をブーディカさんに聞いている合間にちょっと補足の説明を。今回紹介するのはこのルートを選択した場合に呼ぶ事にメリットのある男性鯖です。あ、言わずもがな呼んでいる黒髭は前に語ったのでカットです。今回私が個人的にお勧めするのは主に二人。1人目はシェイクスピア。言わずと知れた文豪キャスターの1人ですね。戦闘面ではバフ役として優秀なので攻略面でも安定することながら、他の女性鯖との好感度上げの際に彼に色々相談すると主に自分のインスピレーションの為にかなり協力してくれます。ただ、黒髭のように何もしなくてもいいという訳でもなく、彼にネタを提供し続ける必要があるのでそこは大変です。さて、次にもう一人ですが、ここでこの話をしたということは皆さんもうお気づきですね?そうです。スパルタクスことスパさんです。笑顔が眩しい....

彼に関しては一般人で走ると常識からの叛逆という面で比較的簡単に仲良くなれます。そうすると狙った鯖との好感度を上げるために彼、考えているのかそれとも本能的な何かで手助けしてくれることが多いんですよね。なんだかんだ一般人という弱者の為に動くという本能が設定されてるからだと思うんですけど、そのためにちょっと悪者にもなってくれたりします。これだけ聞くと黒髭にも劣らない性能にも見えますが、欠点は勿論あります。バーサーカーなんで勝手に突っ込むことが多いんですが、それを後半にされると結構な頻度でスパさんがやられます。そうなると仲良くなっている主人公にとっては精神的なダメージがでかいんですよね。なんでスパさんを運用するにあたってブレーキ役とセットで居ることを強いられます。まあ、黒髭、シェイクスピアに比べると圧倒的に戦闘面で強いんですけどね。あ、話終わりましたね。

 

 

>「全部理解できたわけじゃないけど、その、連合ローマと皇帝ネロが治めているローマが激突しているという訳ね」

そしてブーディカさんはネロ側にいると。正直意外だけど、それがこの世界の彼女が出した答えならそれを私がとやかく言う権利は無い。それに

「ブーディカさんと約束した通り、ローマは滅ぼせそうだし別にいいか。ローマじゃないローマだけど」

周りの兵士たちはぎょっとした表情を見せるが、ブーディカさんと荊軻さんは笑おうとするその顔を必死に抑える。まあ、冗談半分だとしても周りの兵士には笑えないか。

「いやぁ、そっちの私と君は面白い約束するね。それ、アイツに伝えたら喜びそうだね」

ブーディカさんのいうアイツと言うのは解らないが、こちらのブーディカさんにも気に入って頂けたら何よりだ。

「ああ、本当に面白い。このまま見ていたいところだが、そろそろ私は呂布のところへ帰るよ」

 

 

 あ、オイ待てよ荊軻さん。例え呂布陣営が壊滅したとしてもアンタは欲しいからこっちに来て欲しいんだよ。

 

 

>「うーん、荊軻さん。私としては貴方にはこちら側に居て欲しいんだけど。その呂布の元に他のサーヴァントが居るかどうかは知らないけど、呂布に何か進言出来るのって、陳宮とか張遼とか高順ぐらいじゃないの?」

荊軻さんは私の問いに笑って首を縦に振る。ああ、やっぱりそうなんだ。

「だが、個人的に私は君とどちらが多くの皇帝の首をとれるかを競いたい。だからあえてその魅力的な誘いには乗らないことにするよ」

ただ、と彼女はそこに言葉を付け加えていく。

「もし、ブーディカの軍が危機に陥った時、私は君たちを助けに行こう。そして呂布の制御に失敗して私が危機に陥った時は助けてもらおうかな」

そう、言葉を残して彼女は私の目の前から姿を消してしまう。となれば私のすることは立香達との合流を目指すと共にブーディカさんの軍師として戦うことか。

「ブーディカさん。改めて自己紹介するわ。本田 陽子よ。よろしく」

彼女としっかり握手をして辺りを見回す。煌びやかな鎧に身を包んだ彼らは古代ローマの兵士たち。当時の技術でもその武器と防具は高性能だったとか。

「あともう一人、紹介したいのがいるんだ陽子ちゃん」

ブーディカさんが指さす方向から1人の巨漢が歩いてくる。全身に返り血を浴び、灰色に近い肌はところどころ赤く染まっており、そして歩くたびに地面が揺さぶられるような感覚に襲われる力強さ。そして鼻歌交じりに恐ろしい程の笑顔。

 

>「バーサーカー、スパルタクス。さっそくで悪いが、君は圧制者かな?」

その一言で私はその場にへたり込んだ。




VR新陰流とはいったい・・・・・・うごごご!!


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軍団確認

モチベは落ちてなんですけどとにかく時間が無いので初投稿です。


 前回のあらすじ、セプテムでの初戦闘を終えました。荊軻さんをスカウトしようとしましたが失敗しました。尚且ついきなり皇帝抹殺レースを申し込まれたので呂布陣営に行くことも出来ませんでした。

 

 

 はい、という訳でスパさんに出会ってしまったほよちゃんが腰抜かしてるところからスタートです。大丈夫だぞー見た目も中身もスパさんはいい人だから怖がる必要ないぞー

 

 

>「スパルタクス、彼女は味方だから安心して。それにこの子は私たちに足りないものを補ってくれるかもしれないよ?」

ゆうに2mを超える巨人が私ににこやかな笑みを向ける。ただ、その笑顔がひたすらに怖い。何を考えているかが全く読めないタイプの人だ。それにしてもブーディカさんとスパルタクスはローマ帝国に叛逆した人たち。荊軻さんとこのローマにいるらしい呂布は当時の皇帝やそれに近い最高権力者に牙をむいた人達。それが揃って皇帝ネロの元で戦っているのか。

「えっとスパルタクスさん。よろしくお願いします」

私のたじたじとした挨拶にスパルタクスはさらなる笑顔を見せる。多分だけどこの人バーサーカーのクラスで召喚されたのだろう。なんとなく話が通じていない気がする。

 

 

 さてさて、セプテム攻略で呂布陣営orブーディカ陣営にいると出来るマスコンバットですが、これが中々に面白いんですよね。呂布陣営に行くと、兵士自体はそこまで強くはないんですが、呂布が強いので指揮官突撃戦法を主に使いクリアしていきます。ですが今回はブーディカさんです。ブーディカさんだと指揮官突撃はあまりないですがスパさんの突撃とかなりの高確率で最初からいる戦車部隊で、呂布より早く進める場合があります。あと、ランダムで居る兵科が色々いて楽しいんですよね。ちなみにランダムで居る部隊の中で一番笑ったのは象部隊でした。お前らが使うんかい!ってなりますからね。ちなみに今回は.....

 

 

指揮官:ブーディカ

副将:スパルタクス

軍団:歩兵(剣)、歩兵(剣)、歩兵(剣)、歩兵(剣奴)、歩兵(楽器隊)

 

 

誰だ、戦車隊がいるなんて言ったやつは!ていうか今までテストプレイした中でもかなりキツイ部類だぞ!

また歩兵(剣奴)と歩兵(楽器隊)がいるからリセしなくていいけど歩兵(槍)が居ないのは不味いです。

歩兵(槍)が居ないとこの時代の基本戦術ファランクスも出来ないし、槍投げによる敵部隊への攻撃も出来ません。これは、高所から歩兵に投石が鉄板になるのかなぁ.....

 あ、楽器隊と剣奴は当たりの部類です。楽器隊は近接攻撃は短刀なのでショボいですが、後ろで演奏してるだけで味方の士気が上がって部隊が壊滅しづらくなります。まあ、演奏してるのでヘイトは集めますが、楽器隊に向かってる敵を他の部隊で挟めば即壊滅させられるのでぶっちゃけ攻撃面を除けばくっそ優秀です。

 次に剣奴。こちらはブーディカさん陣営にスパさんが生存してると軍団で高確率で居ます。他の歩兵に比べると防御力が皆無ですが、軍団の移動スピードと攻撃力が他の歩兵とは比べ物にならないので楽器隊とセット使うとお得です。さらに基本的にどんな地形でも優秀なのがほんとにこのユニットの評価を上げています。

 

ちなみに今回引けなかった騎兵(戦車隊)ですが、ブーディカ陣営の目玉と言えます。武器も槍で剣に比べてリーチがあり、そもそも戦車(チャリオット)なので移動速度と防御力がえぐいぐらい高いです。平地だと負けなしです。流石に山で使うと弱いですけど....そんなこと普通はしないんで。

 

あ、ちなみに呂布陣営だと騎兵(槍)と歩兵(斥候隊)が良い性能してます。簡単に言うと斥候隊で敵部隊を混乱させて呂布と騎兵で突撃しておしまいです。ただし、セットで来る確立が低いんですよね。

 

 

>「ブーディカさん。その言いにくいんだけど、あまり兵士の武装が豊富じゃない気がするんだけど....」

なるべく言いたいことをオブラートに包んでブーディカさんに疑問を投げかける。その疑問にブーディカさんは苦笑いを浮かべる。

「まあ、私のしたことを考えれば主力部隊は渡せないよね。会った事は無いけどネロからもそれに付いては謝罪か来たし、あそこの集団はスパルタクスに惹かれて集まった人たちだからね」

つまりは主力部隊ではなく、2軍、3軍と義勇兵と言ったところか。だけど周りを見渡す限り彼女が指揮官で不満そうにしている人は居ない。そして見た目からして剣闘士のような人たちはスパルタクスさんを信頼している。これは案外いい軍団なのかもしれない。下手に精鋭を揃えてもブーディカさんに不満を持ってたらそれこそ宝の持ち腐れだ。

 

 ちなみにこの後ブーディカ隊はカエサルを倒しにガリアに行くのですが、正直カエサル本人と戦うまではチュートリアルです。なんたってカエサルは人がサーヴァントに勝てないことを知っていますからね。連合ローマ兵のプライドを保ちながら無駄死にをなるべくさせない指揮官の鏡ですからね。

 

>「私たちはこれからガリアへ向かうけど陽子ちゃんはどうする?必要なら誰かを付けてローマへ送るけど?」

首を横に振る。せっかくブーディカさんに会えたんだ。だから何もせずに離れるのは一番危険だ。このまま戦うにしてもそっちの方が良い。

「ブーディカさん。足手まといなのは承知だけど、一緒にいさせて。もしかしたら役に立てるかもしれないから」

彼女は少し困ったような顔を見せるがすぐに笑顔に戻る。

「皆聞いて、私たちの部隊についに参謀が付いたよ!」

兵士たちの歓声に体を揺さぶられる。私たちが活躍すれば、この世界にいる立香達も気づいてくれるだろう。だから、私はここでがんばるんだ。




9月の更新は多分これまで以上に亀になります.....


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マッシリアへの行軍

10月になれば投稿ペースも上がると思うので初投稿です。


前回のあらすじ、ガリア進行前に部隊の編成を確認したら戦車隊がいませんでした。

 

 

はい、という訳で今回はガリア進行から始めます。前回でもお話した通りカエサルまではチュートリアルみたいなもんです。なのでゲームオーバーにはならないはずです。ちなみに今回のマスコンバットで気を付けなければいけない事があります。

 

 

....あまりに早く勝つことです。

 

 

こいつは何を言っているんだ?と思う視聴者兄貴姉貴も居ると思います。はい、きちんと理由はあります。確かにマスコンバットを早く済ますことでブーディカさんの好感度をうなぎ上りにさせることは出来ます。ついでに言えば、スパさんとブーディカさんがいればカエサルには勝てます。ですが、ぐだ男達と合流できません。というよりマシュが居ないのでほよちゃんの鯖が召喚できません。そうするとアレキサンダー&孔明のコンビにブーディカさんが捕まって戦闘が終わる前に殺されます。ですので適度に時間をかけてぐだ男とマシュの居るネロ隊と合流します。

ちなみに戦闘自体は頑張れば勝てますが負けからの救出の方が好感度が上がるのでそうします。

 

 

>地図を広げガリアの場所をブーディカさんに指してもらう。今いる位置からなら2日ほどでつくらしい。ただ、それは敵がいない場合の話。ガリアを制圧する前に確実に戦闘は起きる。そしてこちらには相手の指揮官の情報は無い。だが、相手もまたこちらと同じくローマを名乗っている。

「ブーディカさん。誰でも良いんだけどネルウァ、トラヤヌス、ハドリアヌス、アントニウス・ピウス、マルクス・アウレリウス。この中に聞き覚えのある名前は?」

とりあえず出してみるのはローマの5賢帝の名前。確かネロ帝よりは後の人物だけどもしかしたらもあるかもしれない。

「私は聞いたことないかな?一応情報は集めてるけど敵の指揮官に今あげた名前は無いかな。もしかして君の時代でも名前が残ってる皇帝かな?」

素直に頷く。軍事的にというよりは確か統治的な意味合いで優れた皇帝だった気もするけど名前が出てこないなら安心はできる。まあ、私自身全ての皇帝を知っているわけではないから完全に安心するわけにはいかないけど。

 

>「とりあえず、今日はここまで行軍出来たらいいかしら?」

地図に記されたガリア、その下の位置にあるマッシリアへと指を置く。現在の位置を見てもそんなに遠い場所じゃない。

 

 

まあ、現状の位置からして本日はマッシリアへの行軍が出来れば万々歳なのでまずはここを提案します。という訳で倍速で飛ばして.....ん?なんで等速のままなんですか?

 

 

>「ブーディカ総督、前方に多数の人影!あれは....敵です!」

先行していた何人かの兵士たちが戻り声を上げる。気づかぬうちに攻め込まれていたということだろうか。

 

 はい?なんでこんな引いたことないパターンを引きまくるんですかね?しかも敵部隊をよく見ればこちらが持っていない戦車隊がいるじゃありませんか。こっちにもくださいよ.....(切実な願い)

まあ、くださいと言ってくれる相手じゃないので.....奪いましょう。(暴徒感)

 

 

>急ぎ、先程の地図とは別にこの辺りの地図を広げる。先程の森丘地帯を抜けて今私たちがいるのは真っ平な平地。後ろに下がろうにも距離は遠そうだ。

「もうすぐ敵、戦車隊が本体と接近します!」

普通に考えれば戦車隊に歩兵が勝てる通りがあるはずはない。だから勝てる人だけで戦うしかないだろう。

「ブーディカさん。スパルタクスさん!戦車隊の人だけを狙うことって出来る?」

あちらの部隊に比べてこちらの戦力はどうしても貧弱だ。だけど目の前の相手がそれを補うものを持ってきてくれのならば.....手に入れたい。

「まあ、スパルタクス出来るか分からないけど私は大丈夫だよ。だけどまあ、最初に私たちに提示する作戦がそれって中々だよ?」

ああ、これも略奪行為にあたるのだろうか?いや、でも死人から金目の物をはぎ取っている訳ではないし。

「ブーディカさん。それは勘違いだよ。私はただ、相手から永久に借りるだけだと思ってる。そう思うのが嫌なら国の為に戦う。国は違えど忠義の士の意思を受け継ぐでも良いわ」

というよりモードレッドなら前者の方と勝手に理解するだろう。いや、単純に私の思考がモードレッドに引っ張られている気がする。

 

 

 わーお、予想以上に簡単に思いつきましたねほよちゃん。これも全部モーさんのおかげだな!という訳でブーディカさんの繊細で巧みな剣技で片っ端から戦車隊の人を狙いましょう。ほよちゃん?適当に死なない程度に部隊でも動かしましょう。歩兵と楽器隊で後続を倒せばいいんだよ!

 

 

>「第一歩兵部隊!私が戦車の人を撃つ!それに乗って後に続きなさい!」

ブーディカさんが剣を掲げ声を張り上げる。後ろに続くローマ兵達も負けじと声を張り上げる。

「第二歩兵隊、第三歩兵隊は後続の敵部隊を食い止めて!勝たなくていい。死ななければブーディカさん達が何とかしてくれるから!」

きっと私が前に出れば相手は私を狙うだろう。周りの恰好と違いすぎるのだから.....いっそのこと私の事を指揮官と勘違いしてくれた方が解り易いかもしれない。私は全力で逃げるだけでいいし。

 

 

>「さて、圧制者を倒すとしよう」

灰色の巨人が笑顔で走り出す。止めようとしてもその声は耳に入らないらしく1人で先へ進んでしまう。いや、正確には彼と似たような恰好をした人たちも後に続いてしまう。

「.....あれを戦死させたらどんな結果になっても負けよ。歩兵隊、辺りを警戒しながら進むわよ!」

サーヴァントであるスパルタクスは負けないだろう。だけど彼を慕う人々は人間なんだ。だから無意味に突撃させて死なせるわけには行けない。

 

 

 さあ、始まりました戦闘のお時間です。スパさんは言うことを聞かないので突っ込むとして問題はほよちゃんの指揮力でどこまでやれるかですね。ほよちゃんは作戦を考えることは出来てもモーさん、ブーディカさん、ガレスのような指揮官としての才能は持ってないので最低限の事だけを剣奴隊の消耗を抑えます。

後続の敵は見たところ歩兵(剣)、歩兵(槍)、歩兵(槍)っぽいのでなんとかなるでしょう。

 

 

>「楽器隊は大きく音を鳴らしなさい!ここが、この軍の中心であるように、それがはっきりとわかるぐらいにね!」

そうすれば正面から来る敵はスパルタクスが、左右からくる敵は歩兵隊によって囲めるはずだ。ああでも、武器を向けられるあの感覚はオルレアンで襲われたあの骸骨達やワイバーンといった生物と違った怖さがある。

>楽器隊と共にスパルタクスの後をゆっくりとついていく。彼の部隊を孤立させてはいけない。かといってそのまま追従すれば武装の少ないこちらが被害を受ける。

 

 

 ここで、後ろにいるブーディカ隊を確認します。現状、ブーディカさんはほぼノーダメ。部隊も無事。敵の戦車隊が突撃してくるたびに敵の被害だけが増えてますね。流石サーヴァント。ただの人間が勝てるはずがないですね。まあ、慎重に戦うに越したことはないのでこのままでいきます。ブーディカさんにはひたすら鼓舞してもらって敵戦車隊を倒して奪ってもらいましょう。

 

 

>金属と金属がぶつかり合う音があちこちに響き渡る。正面に立つスパルタクスは自分の身を削る攻撃にもどこか嬉しそうに受け止め、あたりの敵兵を薙ぎ払っていく。出来れば避けることを覚えて欲しいのだが、下手に刺激して私まで彼の言う圧制者に認定されることを考えると何も言えない。

>「全部隊無理はしないで、スパルタクスは多分死なないから自分と周りの仲間の事だけを考えて」

ああ、オルレアンにあったように私たちの身を守るための砦が欲しい。思っていた以上に平地での戦いというのは難しい。いっそのこと戦車の奪取をあきらめてスパルタクスさんに破壊を頼めばよかったのだろうか。

 

 

 

 あ、後ろの戦車隊が壊滅しましたね。流石ブーディカさんだぁ(恍惚)。勝てるのも嬉しいですが何台を奪取してくれてるんでしょうね。.....ブーディカ隊が戦車隊に変わらないですね。これはあんまり奪えてないですね。でも大丈夫!奪えたことが重要だから!

 

 

>「全軍!戦車隊の道を開けなさい!」

楽器隊の曲に合わせてよく通る声が兵士たちに道を作らせる。後ろを振り向くと20台ほどの戦車がこちらに向かって走ってきている。そしてその先頭にいるのはブーディカさん本人だ。

「待たせたね。陽子ちゃん!手を上げて待ってて!」

言われた通り咄嗟に手を上げる。戦車が私の横を通り過ぎる瞬間にその手をブーディカさんが掴み私を引っ張り上げる。ふわりと体が浮く感覚は少し怖かったけど、ブーディカさんの横に居ると不思議と落ち着く。

「全軍突撃!スパルタクスに後れを取らないようにね!」

彼女の一声で兵士たち士気が目に見えて上がる。当たり前だが私にはない指揮官としての魅力。これならもう守りに転じる必要性も無いだろう。後はブーディカさんに任せて私は戦車の隅っこで隠れているとしよう。




次回も9月中に上げられたらいいなって.....


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マッシリアへの行軍2

9月中に投稿が間に合ったので短いですが初投稿です。


前回のあらすじ、そんなに戦車(チャリオット)を奪えませんでした。でも後は敵部隊を壊滅させるだけです。

 

 

 という訳でここからは完全に蹂躙です。ただ、敵の見えざる指揮官がカエサルなので敵部隊は退却すると思われます。そうなると追撃したい気持ちはありますが、下手に追撃するとこちらも痛い目に合うので下手に追わずに今日の野営地を確保することが重要です。ええ、初心者の頃はよくこれで追撃してこっちが壊滅しましたね。

それに追撃と撤退は戦いにおいて一番難しいって聞くし、多少はね?

 

 

>揺れる戦車の中で乗り心地の悪さを感じ戦車の端を握る。正面で手綱を握り縦横無尽に戦場を翔ける彼女はそれを感じさせない。その彼女に魅せられてか辺りで戦う兵士達も先程より果敢に剣を振り上げている。

遠目に見えるスパルタクスさんは相変わらず止まる気配もなく辺りの敵兵を吹き飛ばしていく。今更ながら気づいたのだがあれに何か指示を出して従わせることは無理だ。それどころか下手すると彼の良さを殺してしまっている可能性さえある。

 

>それにしても相手の軍の動きに違和感を感じる。戦車隊をブーディカさんに壊滅させられて負けを悟っているのは解るが、それにしてもこちらの攻撃に対して動じる様子もなく着々と撤退の準備を進めている気がする。

「ブーディカさん。軍隊ってああも簡単に撤退に転じれるものなの?」

 

 

ほよちゃんが撤退に違和感を覚えましたね。これなら無理な追撃に移ることもないのでこの日はきちんとマッシリアまで行ける事でしょう。

 

 

>「訓練された軍隊なら可能だから不思議ではないね。だけど私たちの目的はマッシリアのだから無理な追撃はしなくてもいいかな」

多分私たちの軍より統率はとれてる。彼女はそう付け足す。それが意味する言葉は多分、敵の指揮官はよっぽどの人物だということだ。

「だったら大勝は狙わず堅実な勝ちを狙うのが良いかもね。平地戦闘の要とも言える戦車を奪われてあの

落ち着きようはやっぱりおかしいと思うし」

ああ、だけど当初の目的である。マッシリアには行きたい。流石に当初の目標が達成できないのはこの軍隊の士気にも関わってくるだろうし、ブーディカさんの立場だと下手に控えめな行動を取ると人心が離れる可能性だってゼロじゃない。

「さて、陽子ちゃん。一応現時点でも君の言う堅実な勝ちには届くと思うけどどうする?」

ブーディカさんがこちらに顔を向ける。私がここで出すべき答えは.....

 

ノータイムで追撃を選択します。要は無理な追撃をしなければいいんです。マッシリアまでは行っても問題ないでしょう。マッシリアに入ってネロ隊が合流するまではほよちゃんお得意?の防衛戦を仕掛けます。城攻めは敵兵の3倍は必要ってよく聞くのでそれを信じましょう。まあ、マッシリアは城じゃないんですけどね!

 

 

>「当初の目的通りマッシリアまで行けるなら行きましょ。もし途中で敵の防衛が激しくなったら大人しく引いて野営すればいいし」

ここでブーディカさんの株を下げるわけには行けない。それに今なら戦闘に関する波はこちらへ来ている。この流れに乗った方が後悔は少ない。無茶な追撃さえしなければ大丈夫。

「参謀からの指示が出た!我がブーディカ隊はこのままマッシリアへ進撃する!続け!」

戦闘を進むのはスパルタクスさん率いる剣奴の部隊。あれには正面からぶつかってもらうのが一番いい。ああ、そうだ自分で思って今、気づいた。あの部隊はどうせ制御できないんだからそれを補う様に他の部隊に指示を出せばいいんだ。

「ブーディカさん。戦車隊を3部隊に分けて残りの部隊に向かわせて、部隊間の連携と伝令として使うから。攻撃関してはブーディカさんがいればいいや」

サーヴァントの相手はサーヴァントじゃないといけない。今のところこのルールを崩す必要は無いし、そもそも崩せるとも思わない。

 

 

>「先方のより伝令!マッシリア周囲に敵影無し!」

良い知らせではある。だけどまだ私たちがマッシリアへ入ってから包囲する作戦があることは忘れてはいけない。いや、それを狙っているからこその撤退だろうか?

「うちの軍の食糧はあとどのくらいある?」

仮にマッシリアで包囲を受けた場合、どれだけ籠城が出来るかが問題。

「10日ほどはあると思われます!」

敵の全兵力が解らない今、10日という数字は若干心もとなく聞こえる。だけどこの勢いを今は崩したくない。

 

>「よし、4日もすれば陛下の軍が到着する!だから私たちはこのままいくよ!」

ブーディカさんが今一度声を上げる。なんだ援軍のあてがあるのか。だったらもう籠城しかなさそうだ。

戦車の揺れが一段と大きくなる。同時に自分の気持ちも大きくなった気がする。もしかしたら私は今、この状況を楽しんでいるのかもしれない。

「ああもったいない。なんでモードレッドが居ないのよ」

ぼそりと呟いたその言葉。自分の口角がゆっくりと上がっているのが自分でも理解できた。




10月は....書きたい。次回はぐだ男視点を予定してます。


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マッシリアへの行軍 Ver.ぐだ男

10月に入ったので初投稿です。


 前回のあらすじほよちゃんマッシリアへ進行中。

 

今回はぐだ男側なので解説的なものは無いです。

 

 

 

>『相変わらず陽子ちゃんのレイシフトは思った通りに行かないね。まあ、彼女の事に関しては私たちで追ってみるから君は君で出来ることをしなさい』

ダヴィンチ....ちゃんはそう言ってた。というよりあの人ちゃんをきちんと付けないと目に見えて不貞腐れるから困る。あの人一応大人なんだよな。いや、話が逸れた。ともかく言う通り自分の出来ることをやった。そこに問題は今のところ無いと言えるだろう。昨日もDr.ロマンの言う通りエトナ火山とやらに行って霊脈も確保した。

 

>「ふぁ」

寝不足のせいか情けないあくびが出る。今日は他の総督と合流するとかで早くから出ているのもまた疲れが取れ切ってない体には辛いものがる。

「先輩、よく眠れなかったのですか?」

マシュが心配そうに顔を覗き込んでくる。大丈夫と返してはおくけど彼女がその寝不足の原因だとは思っても居ないだろう。

「ますたぁ。いざとなれば私が膝枕などを....」

俺の寝不足の原因その2。彼女も自分が原因だとは気づいてない。

「まあ、坊主も男だったってことさ2人とも」

同じ男性目線からの一言。クーフーリンは多分、面白がっているのだろう。

 

 

>問題だった昨日の夜。一昨日のような一日中戦いに明け暮れてなかったが、そこそこの疲労感を一応は感じていた。だけど

「んっ....」

問題その1。同じ室内にいるマシュ。近くのベッドに寝ている彼女の顔だ。元々彼女の顔は非常に整っている。そんな彼女の寝顔を見ていると眠れなくなる。こんな状況だというのにそんなことを考えている。本当は人理を救うためにもっと色々としなくちゃいけないのも解ってる。だけど、俺は男なんだ....。

問題その2。俺の後ろにぴったりとくっついて寝ている清姫。振りほどこうにもがっちりと掴まれていて抜け出せそうにない。せめて顔の向きだけでも変えようとしても目の前にはマシュ。後ろには清姫。そんな中目を瞑ってしまえば解決するじゃないかと考えたが、それもまずかった。目を瞑ったせいでしっかりと彼女たちの寝息が聞こえてしまった他、動くたびベッドと衣服の擦れる音が俺から眠気を奪っいったのだ。

 

 

>そして今に至る。陽子がどういう状態かまだ分かっても居ないのに、俺ときたら....。

「フォウ、フォーウ」

突如肩に乗ってきたフォウ君が俺の頬をゆっくりとなでる。なんだか仕方ないと言われてるようだが、それは俺が都合よく解釈をしたいだけだろう。

「ごめん、フォウ君。もっとしっかりするよ。このままじゃ陽子に呆られちゃうからね」

肩からフォウ君を下ろし腕の中へと抱きかかえる。カルデアから連絡が来てない今、まだ陽子は見つからない。だけど悪い知らせも無いということだ。

「ところで、立香達は馬には乗らんのか?」

歩いて移動する俺たちに1人の女性が声を掛けてくる。一目で解る高い位の人間。いや、実際このローマの皇帝、ネロがそちらの方が早いのにという顔をしている。

「私に騎乗スキルはありますが先輩にはありませんので私たちは歩きます」

騎乗スキルというか、そもそも俺は馬に乗ったことすらない。まあ、現代なら乗りこなせる人の方が少ないんじゃないだろうか?

「うむ、それなら仕方ないな。あまり急いで兵を消耗させても仕方ないし、ゆっくりいこうではないか!」

ネロが馬の上から実に楽しそうな笑顔をこちらに向ける。Dr.は女の子であることを驚いていたけど、なんだかんだ俺の驚きはそこまでだった。だってアーサー王が女の子だったり、その息子も女の子だったと思えば、世界線?の違う男のアーサー王まで居たり、そんなことを体験したら、もう誰が女性でも不思議じゃない。そもそも俺は歴史のテストは本当に赤点ぎりぎりの男だったし。

 

>「ネロ陛下!ご報告があります!」

前方から来た兵士が声を上げる。その声色は少し低い。そしてこの場合は確実に良くない知らせだ。

「斥候よりご報告!マッシリアにてわが軍と敵軍が戦闘中!既にマッシリア内を占拠し敵からの攻撃に対し籠城している様子!」

ネロから聞いていた話と違う。予定では合流してからの攻撃と言っていたはずだが.....

「待て!ブーディカの部隊が先行したとでも言うのか?敵戦力も侮れん数は居るだろう!」

ネロの声に焦りが出ている。話を聞いた限りでは敵戦力も多いからこその合流という選択肢だったはずだ。これは急いで助けに行った方が良いのだろうか?

「それが、マッシリアの南門に大量に敵戦車の残骸が、おそらく穴でも掘ったものかと思われます」

状況的にどちらが勝っているのかは解らない。だけど、ネロの困った表情と、兵士のどう報告したらいいかわからない。という顔が俺たちのにも混乱を与えている。

 

>「あの、マッシリアで戦っている軍の中で右頬に傷のある女性はいませんでしたか?服装も私たちのような格好に近いような姿で....」

マシュの質問に兵士は頭を悩ます。そうだ、よくよく考えたらネロがブーディカの話をしていたんだ。そしてブーディカは陽子の連れて行ったサーヴァント。だからそこに彼女が居る確率は低くは無い。

「すまない、私が見た中ではそのような女性はいなかった。というより今戦っているブーディカ総督の軍と思われる部隊は確か歩兵しか居なかったが俺が見る限りだと戦車を持っていたし何があったんだ?」

マシュと2人で顔を見合わせる。そういえば陽子はオルレアンで投石器を作っていたらしいけどまさか!

「先輩、これは確実に陽子さんが絡んでそうですね」

思わず二人で手を握り喜びを確かめ合う。困り顔のネロには悪いがこちらは早く再会を喜びたい。

 

 

>「なあ、清姫。流石に坊主たちは気が早いんじゃないのか?流石にあの嬢ちゃんでも戦車とやらは作れんだろうし、ブーディカが居るならもっと早くにカルデアの奴らが気づいてんじゃねえのか?」

クーフーリンの一言に俺とマシュの体が止まる。確かにブーディカが居るならカルデア側が気づいているはずだろう。

「さあ、私にはよくわかりません。ですが考えるより先に確かめに行けばいいではないのでしょうか?」

確かにそうかもしれない。ネロの目的も合流。俺たちも先にいるブーディカのところに行って陽子の手がかりを見つけたい。

「先輩、私たちの目的やネロさんの目的を考えればここは清姫さんの意見が正しいかと」

清姫の手がするりと俺の手に絡められる。その冷たさに少し手がこわばるのを感じる。清姫の方はそんな事を介さずに俺の手を引いていく。

「なんだか知らんが立香達も行ってくれるらしいし余の隊もブーディカ隊へと合流するぞ!」

ネロの一言で兵士たちの顔持ちが変わる。これから戦争に臨む人たちの顔だ。

「よし、騎馬隊は余と共に先行するぞ!歩兵隊は列を乱さず前進!後々に追いついてくれればよい。立香達は好きに動け!」

ネロが手綱を握りなおし馬を走らす。続く騎馬隊もあっという間に俺の前を過ぎていく。

「坊主、俺も先行して見てくるから後から清姫とマシュの嬢ちゃんと一緒に来い」

クーフーリンも同じように姿を消す。ほんと彼は頼りになる。結局冬木でもオルレアンでも彼の行動力や的確な指示には助けられたものだ。

「マシュ、清姫。クーフーリンの言う通り俺たちは後から合流しよう。その間は頼むよ」

さあ、俺たちもマッシリアへ行こう。




更新ペースをあげたいぃ!


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マッシリアでの籠城戦

なんかすごい掻くのに時間がかかったので初投稿です。


前回のあらすじ、ぐだ男マッシリアへ向かう。前々回のあらすじ、ほよちゃんマッシリアに突入。

 

 はい、という訳で前々回で決めた通り、このままマッシリアへ突撃します。増援に関してはあんまり遅くなるとこちらの兵糧が尽きるので困りますが、一応こっちの兵糧は10日ほどあるのでまあ、そのうちに来てくれるでしょう。

 あ、ちなみにマッシリアのマップは解り易く北と南に門があるのでそこを守ります。と言っても両方の門を守ると操作がめんどくさ....大変ですので、わざと南門を自分たちで使い物にならないようにしておきます。具体的には南門に落とし穴を掘ってそこに敵戦車隊を突っ込ませます。そうすると部隊全部で北門を守るだけでいいのでかなり楽になります。

 

 既プレイの兄貴姉貴達はご存じでしょうがここマッシリアで籠城し、勝利した時のマッシリアの状態によってネロからの印象が変わります。今回の場合ですと....好印象は無理です。ですが、今回の場合だとネロにはぐだ男にちょっかいをかけてもらいたいので何の問題もありません。ちなみに現状行動を共にしているブーディカさんとスパさんは持ちこたえれば好感度が上がるのでむしろマッシリアを多少壊した方が良いまであります。

という訳でブーディカさんに提案をして、イクゾー!!

 

>「陽子ちゃん。このままマッシリアへ突入するわけだけど、何か策はあるのかな?」

ここまで綺麗にマッシリアへの道を開けてくれるとなると100%罠なんだろうけど、引き下がるには少し勿体ない。

「うん。多分私たちが全軍入ったところで囲まれて北門と南門から挟撃が相手の目的だと思うし、どうせ私たちの軍じゃどっちの門を守るのは無理だから、いっそのこと片方は使えなくしちゃおうか」

ちゃんとした軍の参謀ならキチンとした作戦を浮かべるのだろうが、残念な事に参謀は私だ。下手に考えても犠牲が増えるだけだし、だったら相手が来れる入り口も一つにした方が解り易い。まあ、負け始めたら全滅は確実だがそこは援軍を頼りにしよう。

 

>「じゃあ、全軍がマッシリアに入り次第南門はスパルタクスに任せるわ。多分一瞬で壊してくれるでしょ」

ブーディカさんも私の意見に賛成してくれる。と言っても南門は破壊したい訳ではないのだが

「というより南門の内側に大きな穴でも掘ってくれれば大丈夫だから、一応この戦いが終わった後にはちゃんと都市として使わなきゃいけないし」

歩兵相手の籠城ならまだ、経験がある。とってもあの時は動く骸骨だったし、モードレッド達も居たから今よりずっといい環境に居たことも確かだ。それよりはまだいるかもしれない戦車隊を何とかしておきたい。先程の敵の戦車隊の動きを見ていれば何となくだが歩兵で戦うのは無理だ。それこそ一騎当千のサーヴァントでもない限りは....。

 

>「そんな難しい顔をしなくても大丈夫だよ。陽子ちゃんはキチンと参謀としての役割を果たしてるよ。それに君という戦えない女の子がいるだけで兵士たちの士気は上がるものだよ」

ガラガラと音を立てて戦車隊が門を通り、その後に歩兵隊が続く。ブーディカさんの士気の下、手際よく物資が運び込まれる。

「そんなこと言っても顔、それに体に傷がある女にそういう感情抱くかしら?まあ、私自身そんな役目を請け負うつもりはないけど」

その言葉を聞いてブーディカさんが手を横に振る。どうやら私が考えていたことと彼女が考えていたことは違うらしい。

「変な風に聞こえていたらゴメンね。私が言いたかったのは戦えない子が居るとみんな守らなきゃって考えてくれることを伝えたかったの。そういう役目はさせないから安心して。君には大切な人も居るみたいだし」

大人の女性の前には隠し事は出来ないみたいだ。ただ、その相手がアレとはまだ気づいては居なさそうだ。

 

>「さて、参謀さん。そろそろ籠城の準備が出来ますが作戦はどうしますか?」

南門はこの籠城中は潰す。だけどそこを手薄にし過ぎてはいけない。それこそ怪しまれてしまう。

「一部隊だけ南門に配置かな。穴はスパルタクスに掘ってもらうとして、配置する部隊はスパルタクスさんに従う人以外で構成しましょう。多分あの部隊は下手に私の策で縛るより自由にした方が強いはずだから」

北門からくる軍勢にはブーディカさんが指揮してくれれば問題は無い。となると一番安全な位置で簡単な事をやるのは私の役目だ。

「敵に戦車隊が居ればきっと手薄な南門に回り込んでくるはず、逆に北門は激戦区になるはずだから私の指揮じゃ不足。そこはお願いします。ブーディカ総督!」

互いの手にひらを合わせ、そのまま指を絡める。2人で笑顔を作り合う。こんなことを考えるのは失礼かもしれないが少し上の先輩が出来たみたいですごく嬉しい。

「じゃあ、ブーディカさん。ちょっと敵を蹴散らしてきます」

手をゆっくりと離し、戦車から降りる。一部隊を率いて南門へと向かう。そもそも戦車隊が居なかったらどうしようかと考えたが、敵もローマだ。きっとそのぐらい用意してるだろう。

 

 

 

 という訳でこれから籠城戦です。打ち合わせ通りスパさんには一発で穴をあけて貰えますので落とし穴の準備はOKです。ですが、あまりにも露骨な行動をすると相手にばれますのでそこそこ防衛は頑張らなければいけません。

 

>「ふむ、これでよいのかな?」

南門に集められた私たちはただ、茫然としていた。スパルタクスさんが地面に放った1発の拳は地面に強大な穴を広範囲で開けていた。予想の数倍も大きい穴をあけていた。

「いいみたいだな。では私は圧制者を倒しに行くとしよう」

穴から飛び出てくると彼は何事もなかったかのように北門へと向かっていく。その一言で私たちも我に返り準備を進めて行く。

「さて、私も柵の補強ぐらいは手伝わないとね」

近くにある木材を手に取ろうとしたとき、1人の兵士が慌ててそれを止める。流石に立ったままというのは悪いと思ったのだがそこまで素人が手を出すのは良くないものなのか。

「その、参謀殿は筆より重いものを持たせると潰れてしまうとの噂が....」

この短期間でなんでそんな噂が出てきたのか。まあ、ローマ軍の槍を持った時は確かにその重さで振り回そうとして振り回されてたっけ。

「別に潰れるわけじゃないけど、まあ、頼りないしここはでしゃばるのは止めることにするわ」

服についた汚れを払い大きく体を伸ばす。そういえばダヴィンチちゃんからの通信は未だにない。こちらも見つけてもらう為の努力をそろそろしなければならないかな。

 

 

 さーて、そろそろ敵が来ると思うんですけどどうですかね?まだ時間かかりそうですかねぇ?あんまり遅いと大軍が出てきて蹂躙される未来が見えるんでやめて欲しいんですけど。あ、伝令みたいなのが来ましたね。

 

>「伝令!北門から敵部隊の進行を確認。敵戦車隊の姿も多く見えております!」

よし、当初の目的である戦車隊は確認できた。後は南門に誘導するわけだけど。

「敵に南門の守りが薄いと情報流せない?多分距離からして戦車隊が多く来てくれると思うんだけど」

今は目の前の事だけを考えればいい。どうせ私に北の事まで頭は回らない。いや、考えたらこの南門を突破されて全部おしまいだ。

「敵部隊が来る前に外に適当でいいから木材を撒いといて。うまくいけば敵戦車の足をそれでも止められるから」

本当は長い棒を戦車の車輪に突っ込むのが一番良いのだろうけど、今は適当な障害物に乗り上げてくれた方がこちらとしても助かる。

>「ちなみに参謀殿。先程から戦車隊の対策はしっかりとされているようですが敵歩兵はどうされるおつもりで?」

正直な話をすれば何一つ策は無い。ただ、足の速い戦車隊がどれだけ先行してこちらに来てるかが勝負のカギになってるんだ。

「そうね、歩兵に関してはあまりこちらに来ることもないんじゃない?仮に来たとしても頭である戦車隊を潰してなるべく士気を削ぐ。それだけよ」

さて、これから始まる戦いはオルレアンと違って安全な場面は一つもない。

「あ、忘れてた。敵が門に近づくまではこんな感じで石を投げてくれる?飛び道具のかわりぐらいにはなるだろうし」

物資の中にあった小さな布を一枚とり、そこに石を入れ即席のスリングショットとする。ほんと先人の知恵というのは役に立つものだ。

「弓よりは殺傷能力がないのは解ってる。だけど何もないよりはマシだし。上手くいけば少しは相手の戦力を減らせる可能性があるわ」

近くに金属の重なる音と馬の走る音が鳴り響く。予想より早く来たけど問題は無い。

「よし、皆。手筈通りに頼むわよ。防衛も大事だけど、自分達の命も大事にしてもらわないと後々大変だからね」

結局のところ勝っても被害が甚大なら勝ちとは言えないのだ。如何にあの落とし穴に敵をひっかけて敵を減らして援軍を待つかがここの課題。と考えている間にどんどんと車輪の音が大きくなっていく。

 

 

 

>一斉に兵士の手から石が放たれる。一投目は全員による数の見せつけ、二投目からはタイミングをずらしてからの弾幕としての役割。後はガレスやモードレッドならどうするか?それを考えながら動かなければならない。

「さあ、声を高らかに上げてぶん投げなさい!大声でやれば一人でも相手が勘違いして数を間違えてくれるかもね!」

こちらの石の仕返しに飛んでくるのは弓矢。ああ、こんなところでも武器の差が出ている。しかし、盾ならこちらの部隊も装備している。これぐらいの矢なら受けることは出来るはず。

「敵の矢の精度はそんなにいいわけじゃない。投石の手は止めないで」

門の周りはまだ音がしていない。つまりはここまでは近づけていない。意外にもばらまいた木材が功をなしたかもしれない。

 

>突如、壁が轟音を鳴らし破壊される。突撃してきた戦車を見れば片方の車輪が外れておりそれが原因でどうやらこちらに突っ込んできたようだ。少しでも有利に働くようにした木材がまさかこんな形でこちらの首を絞めてくるなんて。

「そこの壁はその戦車で埋めといて、そこを突破されたら色々と面倒だから何人かはそこに待機して敵を寄せ付けないで」

そこを突破されたら全てが駄目になる。どうにかして南門へに注意を引きつけなければいけない。いや、でもここに人を割いたおかげで敵は門の守りが薄くなったと感じてくれるだろうか?

 

>門の方へ顔を向けると同時に飛んできた矢が右腕をかすめる。刺さった訳ではないがじんわりとした熱さが広がる。これが腕に直撃していたら悲鳴を上げていたかもしれない。

「参謀殿!門が破られそうです!」

予想だともう少し持ってもよかったのが、まあ穴を掘っている分こちらも迂闊に門に近づけないのと装備もないのも仕方のないことか。スパルタクスさんの開けた穴は文字通り深いし、これからが本番と言ったところか。

門が開け放たれ、戦車隊が突撃してくる。だが、彼らの目の前に広がるのは大きな空洞。そして当たり前の話をする。車は急には止まれない。

 

>最初に乗り込んできた戦車が穴の中へと姿を消す。後続の戦車も手綱を上げ、馬を静止させようとするが、止まることなく次々と穴の中へと落ちる。辛うじて止まったとしても後ろから追突されまた、落ちる。

目的通り戦車隊と呼べるものは次々と穴の中へ落ちるか、追突により行動不能になっていく。その光景は私にとっては成功したという喜びより、やってしまったという悲しみが覆っていた。

鼻腔に広がる鉄の匂い。馬の悲痛な叫びに人のうめき声。そうだ、あれは敵だから倒さなければ味方が危ない。だけど、オルレアンの時とちがってあれは人だ。人なんだ。

胃の中から何液体が喉の辺りまで逆流する。それを必死にこらえる。自分で考えてやったくせに、こんな光景になったら心がやられるなんて我ながら情けない。

「参謀殿、顔色が悪うございます。それにこの状態になれば後は我々の手で何とかなります」

1人の兵士が気を遣ってくれたのだろう。だけどここで引いたら自分のしたことに目をそむけるみたいで嫌だ。

「私の事はどうだっていい。それより戦車隊を落としたわけだけど敵の他の部隊はどうなってる?」

意識して呼吸を整える。のどまで出かかったものは無理やり押し込めて前を見据える。

「はい、敵歩兵隊は先程の罠に堪えたのか引いていきます。門も使えぬ状態で日も暮れてきたのもあるでしょう」

つまりは守り切ったと考えてもいいのだろうか。しかし、戦場とはいえ、目も前の惨状を作り出してしまった私の罪は重い。

 

>「ごめん、ブーディカさんの方見てきてもらってもいいかな?」

1人の兵士にそう伝えると私はその場にへたり込んだ。




時代考証じゃないですけど、当時の資料を調べると色々と時間がかかりますね。


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星空の下

10月も終わるので初投稿です。


 前回のあらすじ、ほよちゃんマッシリアで籠城。なんとか防げました。

 

 

はい、現状ですが守り切ったのはいいですが、ほよちゃんのメンタルが少し不安です。しかし問題はありません。これから先は一回休憩パート!そしてほよちゃんの近くにはあの方が居ます。という訳でこの時間を使ってほよちゃんの心の疲れを癒しに行きましょう。ついでに好感度を稼げれば万々歳です。

 

>太陽がゆっくりと沈んでいくのをただ、眺める。先程のような喧騒は無く兵士達も疲れが出たのかその場に腰を下ろしている人が多い。

「陽子ちゃん。お疲れ様」

ブーディカさんの声に振り向く。長い戦いで疲れてはいるけどまだ、休むわけにはいかない。

「ブーディカさん。みんな疲れてるところでお願いがあるんだけど」

あんまりこういうことはしない方がいいかもしれないけど、それでも私の気持ちに区切りを付けたい。

「あの落とし穴にかかって亡くなった人たちを弔いたいの。戦争だから殺した、殺されたってのは当たり前なんだろうけど、この状況を作った原因は私だからちゃんとそのケジメはつけたいんだ」

勿論一人ではできないから皆に手伝ってもらわなければならないのがまたあれだが

「わかった。まだ動ける人には声を掛けてみるよ。この状態だと敵も動いては来ないと思うしやろうか」

人が来るまでの間、ゆっくりと穴まで近づく。土のような顔色をした死体と目が合う。今はその目を閉じさせてあげることも出来ない。後悔も謝罪の言葉も次々と浮かんでくるがまだそれを口に出すときじゃない。

「ゴメン皆。疲れてると思うけど、このまま死体を放置しておくと衛生的にもマズいし何より援軍が入れないから手伝える人だけ手伝って」

命令したつもりは無いが私の言葉に次々と人が集まってくる。

「参謀殿、まずは腕の手当てをなさってください。それにこれくらいは私共でやりますので」

傷に関しては既に血が固まってきており、手当の必要はなさそうだ。それにここで彼らの言葉に甘えたら今後戦闘に参加できない気がする。

「悪いけどこれは私も参加させて。私をこの軍の参謀と認めてくれるならね」

ブーディカさんがスパルタクスさんと共に多くの兵隊を連れてくる。この人数なら日没前に終わりそうではある。

「陽子ちゃん。弔い方は君に任せるよ」

当時の葬儀の方法は私にはわからない。ただ、土葬をすればそれこそ疫病の原因になるだろうし火葬がの方がいいかもしれない。だけど死体を燃やす文化がこちらになければ確実に変人扱いかな。

「ブーディカさん。遺体はそのまま土に埋めちゃうとそれこそ病気が流行る元になるから火葬するけど、こっちにその文化はある?」

私の問いにブーディカさんは頷く。後は、墓石になんて刻むか考えておかなければ。

「ありがとう。じゃあ始めようか」

 

 

 はい、という訳でほよちゃんがキチンと相手方の弔いをしている間に私のガバの解説でもしましょうか。といっても半分仕方のないことでしたが、ほよちゃんは今回まで人を相手にした戦争経験が無いのでメンタル面がごっそりと削られました。オルレアンではゾンビとかワイバーンとかスケルトンしかいないので仕方ないね。ですが鯖との好感度を優先しすぎたあまり、自分の作戦がどうなるかの予想がつかなかったのは不味いですね。主にモーさんの影響で変に自信がついてたのは良くなかったかもしれませんね。まあ、モーさんセラピーを提唱した身としては頭の痛い話ですけどね。あ、この後はしっかりとブーディカさんとお話をしてほよちゃんの事、心に刻み込んでやるからな.....。という訳で終わったブーディカさんとお話するまで倍速です。

 

 

>《勇敢なる戦士達、ここに眠る》

何の捻りもない言葉を墓石に刻んでもらう。とりあえずはこれで心の整理が出来た気がする。それにしても相手方も私たちの行為をそれなりに理解してくれたらしく攻撃されなかったのはありがたい。それともこういう場合の戦闘行為は私が知らないだけで禁止されているのかもしれない。

>「全軍、今日はマッシリアで休息を取るから、行くよ」

ブーディカさんの指示で皆次々にマッシリアの中へと入っていく。私とブーディカさんは2人、最後の方にマッシリアの中に入り南門のドアが閉まるのを確認する。それと同時に朝からの疲れが出たのか体が重い。

「ねえ、陽子ちゃん。今日の戦いは怖かったでしょ?自分の考えたことであんなことになってさ」

鋭いことにブーディカさんには見抜かれている。まあ、確かに怖かったのもあるけど私自身がサーヴァントと一緒に居たせいか自分も特別な存在だと錯覚してしまっていた事もある。要は身の丈を考えずに調子に乗っていたとでも言えばいいだろうか。

「うん、怖かったよ。人は簡単に死んでしまう。それを改めて思い知ったかな」

見抜かれているなら無理に隠す必要もない。

「私は気づいたときには遅かったから、君が早めに気づいて私は嬉しいよ」

それは彼女の生前の経験からなのだろうか。だけど私が知る彼女の生前にそんな無茶をした覚えはない。

 

 

>「話は変わるけど陽子ちゃん。サーヴァントには適正クラスっていうのがあるのは知ってる?」

確かその英雄の生前の行いや持っていた武器の伝承によってクラスが決まるってダヴィンチちゃんが言ってたっけ。

「そんな細かくわかってるわけじゃないけど、例えばブーディカさんだと私たちの時代に伝わってる姿が戦車に乗って勇ましく戦ってる姿だからセイバーじゃなくてライダーの適性があるって感じだよね」

後は立香が召喚したクーフーリン。彼は初めて会った時はキャスターとして呼ばれてたけど、その後はランサーだった。

「もしかして、ブーディカさん。私が勘違いしてるだけでライダーで召喚されてないの?」

少し困った顔をしながら彼女は首を横に振る。じゃあ、なんでこの話題にしたのだろう。

「表向きはね。みんなで勝利を勝ち取るために女王になったんだけど、本当はね、ただ、復讐の為に....

全部を壊してやろうって考えてたんだ。でも振り返った時に気付いたんだ。私の復讐のせいで多くの人が犠牲になってしまったことにね」

もしかしてブーディカさんは生前の自分と今の私を重ねているのだろうか。だとしたらそれは申し訳ない。私からしたら英雄と調子に乗ってた一般人はだいぶ違う。

「陽子ちゃん。その怖いって感情は忘れちゃだめだよ」

 

>気が付けば日も暮れ、空は綺麗に星が輝いている。遠くでは兵士たちが篝火を使って辺りを照らす。

「ねえ、ブーディカさんももう一つの適性クラスの話って聞いて良い?」

ブーディカさんは私に目を見た後、私の手を引き、兵士の姿が無い場所へ連れて行く。

「最初はね、なんでこの時代に私がこちら側に召喚されたか解らなかったの。今は....死者が今を生きる時代の人たちの邪魔をするのが良くないっていう理由で戦ってるけどね」

人気のないのを確認して彼女は地面に座ると私を横に座らせる。

「ああ、ゴメンね。私の適正クラスの話だよね。.....1つは今こうして君の前にいるライダー。そしてもう一つは復讐者のクラス。文字通りの復讐に身を焦がして戦うクラスよ。理性が残っている分、狂戦士よりも厄介なクラスとも言えるかな」

最初にダヴィンチちゃんから教えて貰って7つのクラスにその名前は無い。前にオルレアンで出会った聖女。ジャンヌ・ダルクは確か自分の事を裁定者のクラスであると語った。つまり彼女が話した復讐者というクラスはあのジャンヌ・ダルク同様、特殊なのだろう。

 

>「ほんと驚いたよ。いくらライダーとして呼ばれたとはいえ、私の中にはまだあの片鱗が残っている。それなのに人類史を守る為にローマに味方しろっていうのは随分な賭けよね」

膝を丸め両腕でそれを包み込む彼女は私が知っている彼女と違い、小さく見える。自身では答えを出して戦ってはいるが心のどこかでそれに納得しきれていないのかもしれない。

「私はさ、ブーディカさんと同じ立場に居ないからちょっと無責任な言い方になっちゃうけど、ブーディカさんにもそういう面があるって知ってちょっと安心したかな」

私は聖人じゃない。だから故郷を蹂躙された怒り、受けた辱め。それらを許せとか和解しろとか言われて簡単に頷けはしないだろう。

「ブーディカさんには悪いけど、私は怖がっているその側面を大事にしてほしいかな。私は凡人だからさ、完璧な人より、人間臭い人の方が好感が持てるよ」

これは本音。じゃなきゃあんな我儘で横暴で、人の話もろくに聞きもしない騎士にあそこまで惹かれたりはしない。

「私が復讐者になったらきっと陽子ちゃんも傷つけてしまうよ?」

その言葉に思わず吹き出してしまう。だって既に私は自分が召喚したサーヴァント達が暴れたせいで2回ほど死にかけている。

「それでも私は多分生きてるよ」

こうして私は今でも生きている訳だし多分大丈夫だ。それよりは今、ブーディカさんが弱弱しい表情を見るのがただ、辛い。だから私は彼女に笑って欲しかった。例え目の前に居た彼女が私が知る彼女でないとしてもだ。

 

>ここまで話して私自身の言葉がまるでブーディカさんにローマを裏切れと言っているような気がして少し焦りを覚える。ああ、でも捉え方によってはその復讐者のクラスになれとも受け取れてしまう。

「あの、ブーディカさん」

するりと伸ばされた腕が私の背中に回りそのまま引き寄せられる。一瞬自分でも何が起こったのか解らなかったが彼女の腕に込める力は予想以上に強く、そして震えていた。

「少しの間でいいからこうさせてくれないかな?」

思えばカルデアでは彼女に苦労を掛け過ぎていたのかもしれない。サーヴァントとして呼びながらカルデアで待つことを命じて、戦いに参加することは無かった。戻って来たかと思えばボロボロの状態。だからこそ今回彼女は同行を強く願ったのかもしれない。もしかしたらその時の気持ちを目の前にいる彼女は知っているのかもしれない。

「私でよければ満足するまで付き合うよ」

互いに顔は見れないけど私は今、出来る限りの笑みを作って見せたのだった。




凄く関係のない話ですが久々に三国志関連の本を読み漁った結果、張遼とかすごくサーヴァントにしやすそうですよね。


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マッシリアの籠城2日目

思った以上に更新できてないので初投稿です。


前回のあらすじ。ほよちゃん、ブーディカさんと人気のないところで密会。

 

はい、上の文だけみると色々と想像できそうですが実際ブーディカさんの過去話を聞いてほよちゃんのメンタルケアをしてもらっただけです。多分好感度も上がってると信じます。今回は籠城二日目、基本的に援軍は4日目ぐらいに来るのが普通なんですが、ブレ幅がそこそこあり早い場合は今日来る可能性もあります。逆に遅いと7日ぐらい来ないんですけどね....

あ、忘れてました。今回ブーディカさんの好感度を稼ぐために現地の彼女とは契約を結びません。結ばないことはロスに繋がるのですが、繋いでしまうと孔明&アレキサンダーのイベントで彼女が捕らえられるのではく消滅させられる可能性がかなり高まります。だって捕まえても令呪で呼べてしまいますからね。あくまで彼女には一度人質になってもらわないといけません。なんだったらネロをぐだ男に召喚してもらう為にもね、必要なんですよ。

 

 

>目を覚ますと見知らぬベッドの上で寝かされていた。もしかしたら昨日、あのまま寝てしまったのかもしれない。記憶をたどるもブーディカさんと話してからの記憶は無い。もしかしたらブーディカさんはまだ話したいことがあったかもしれないのに....失礼なことをしてしまった。

軽く体を右に、左に捻りベッドから降りる。とりあえずブーディカさんを探そう。

 

ここでステータスを確認しておきます。バッドステータスが何かあったりすると今日の籠城戦にも支障が出てくるのでキチンと体力とメンタル面を回復出来てるかは見れる時に見ておきます。今回はバッドステータスが消えているので大丈夫です。それどころか微妙にバフがかかってますね。ありがとうブーディカさん。

 

>外へ出るなりローマ兵が私に挨拶をしてくる。そこにピリピリとした緊張感は無く、敵の襲撃は無いみたいだ。

「ああ、陽子ちゃんおはよう。昨日は色々とありがとうね。起きたところ悪いんだけどいいかしら?」

私の寝てしまった申し訳なさとは裏腹に彼女は満面の笑みで私を迎える。ただ、この状況で話となると作戦会議かな?

「勿論大丈夫。むしろこっちからブーディカさんを探してたから」

私の言葉を聞くなり、ブーディカさんは手紙を私に手渡す。

「敵将自らのお手紙だよ。まだ何が書かれているかは読んでないから読みましょうか」

 

あ、不味いですねこれは。マスターが参謀みたいなことをしてると偶にこんな感じで敵から手紙が届くんですね。ただ、これが変に煽りだらけの文章だとマスターのストレス値を上げてきます。主人公が魔術師だったり、プライドが高かったりすると逆上して攻め込みだしたりします。ほよちゃんの能力からしてまだ、参謀扱いを受けるには早いと思ったんですが、しかも今回は相手がカエサルですので怖いですね。

 

>手紙を開き中を見る。その文字は綺麗に、そして私の読める言語で書かれている。確かダヴィンチちゃんの話ではサーヴァントはある程度の現代の知識を持っているらしい。そのことを考えれば今敵対している兵の指揮官はサーヴァントで間違いないだろう。

「陽子ちゃん。なんて書いてあるのかな?」

始めは挨拶から始まり、次には昨日の兵士の弔いの件について、これについては感謝の言葉が述べられている。だけど、その後はこの弔いの間に攻められたらどうする。とか兵の動かし方が雑だとか、話を聞く限り参謀たるお前の覇気が無いとまで書かれている。随分な書かれようだが、この手紙の最後に書かれた名前、ガイウス・ユリウス・カエサルの名に思わず吹き出してしまう。

 

>「陽子ちゃん?どうしたの急に」

どうもこうもない。手紙の内容をそのままブーディカさんに内容を伝える。ついでに手紙を渡して名前のところを見てもらう。

「彼の名前ならブーディカさんも知ってるんじゃない?その人が私を参謀扱いして、尚且つ私の動きに点数まで付けてくれてる。この上ない名誉ね」

いや、しかし相手はカエサルか。とんでもない英雄が相手と来たものだ。まるで歌劇のような人生を送った男。発する言葉の一つ一つが伝記になるような男。勿論戦争も強かったらしいけど。

「言葉の先動力とかを考えると案外キャスターとかだったりして」

後は敵にカエサル以外のサーヴァントがどれだけいるかかな。現状は2対1でこちらの有利だけど相手に他にサーヴァントが居ないとは限らない。

「陽子ちゃん。相手はキャスターじゃないと思うよ。もし、キャスターのサーヴァントだったら自軍の兵士を強化してくると思うし、そうだったらここまで進軍は出来てないはずだよ」

確かに言われてみればそうだ。さらに言えばカエサルが相手だとして私の指揮で勝てるはずがない。

「この手紙はアレかもね。これからカエサルが来るから怯えてろっていう本人からの知らせなのかもね」

だけどただの兵士ではサーヴァントには勝てない。歴戦の将とてそれは解っているはず。

 

 

>「ブーディカ総督。敵軍がこのマッシリアを包囲する形で陣を敷いております」

まあ、今は敵からしたらこちらの増援の事は知らないはず。だから包囲してきたのかな?どうせ元から援軍待ちの構えで補給なんかしたくても出来ない状態だし。色々な本で大事なのは兵站って書いてあったから尚更である。仮に包囲を解くために攻め込んだとしてもそこにカエサルがいるとは限らない。スパルタクスさんには多分守りの2文字は無い。つまり城将はブーディカさん。ただ、現状じゃブーディカさんは多分カエサルに勝てない。それは彼女が弱いとかそうじゃなくて単純に私というお荷物を抱えているのが原因だ。流石に私を守りながらサーヴァント同士の戦いに勝てるとは私も思ってない。

 

>「ずっと包囲されていればこちらの士気が下がるからね。打って出て包囲を完成させないのは私も考えてるけどどうしたものかな?」

ブーディカさんも相手の実力を甘く見ていないからこその言葉。

「うん、包囲を完成させるわけには行かないから攻めることは確実。だけど数に劣る私たちがどうやってどちらもこなしていくかが重要だよね」

更に言えば攻め行くスパルタクスさんが果たして適当なところで引いてくれるだろうか。

 

>「こちらに居たのか。これから圧制者を倒しに行くので借り物をしに来た」

現れたスパルタクスさんは私の服の襟をつかみ引っ張っていく。

「何をしてるんですか?」

既に暴走しているんじゃないだろうかこの人。そりゃ敵を蹴散らしに行く姿は頼もしいが何故私が必要なのだろうか?

「弱者の盾となるのが快感でな、そして君は今あの圧制者共に困っている。圧制者に困らされているということは君は弱者、すなわち私が盾になろう!」

満面の笑みを浮かべながらとんでもないことをさらりと言われてしまった。いや、待てよ。もしかしてこの人は....

 

 はい、ほよちゃんの頭が考えすぎによって一周回ったのでついにスパさん、というよりバーサーカーの狂気の行動も完全に策略と勘違いしました。

 

>「ブーディカさん。案外私がスパルタクスさんと行動した方がうまくいくかもしれないね。ブーディカさんはここの守りに集中できるしスパルタクスさんが暴れてくれたら私なんか目に入らなそうだよね」

それにしてもスパルタクスさんには驚いた。出会った時や戦っている時には本能のまま動いているといった感じだったけどそこはサーヴァント。頼りになるものだ。

細かい作戦はもう少し練るとしてもお荷物である私の場所が決まっただけでも十分な進展だ。

「では行くとしよう!圧制者を殺しに行くために!」

スパルタクスさんの咆哮に彼を慕う兵士たちが同じように声を上げる。これはこの場で作戦を考えるのは無理かもしれない。

「じゃあ、ブーディカさん。無理しない程度に逃げ回ってきます」

ブーディカさんにそう伝えると私はスパルタクスさんと共に門を出るのであった。




今月中は後2話ぐらい投稿したい(願望)


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見えざる指揮官

師走の初投稿です。


前回のあらすじ。敵に包囲されそうなのでスパさんと崩しに行きます。

 

はい、今回はブーディカさんに防衛を任せているので使えるのはスパさんとスパさんを慕う剣奴部隊だけです。この段階でカエサルに絡まれることはほとんどないのでやることは敵の一団をスパさんと荒らして帰る。自陣で休んだらまた荒らして帰るの繰り返しです。

 

 

あ、スパさんが基本的にマスターの指示を聞かないから無理ゲーだと思ってる兄貴姉貴達、大丈夫です。スパさんは自身のテンションがMAXにならない限りバーサーカーの中では案外まともです。なのでテンションがMAXにならないように適度に自陣に帰って休憩をはさむ事が必要です。

そして指示を聞いてくれないなら提案を繰り返し続けてスパさんに行動してもらえばいいのです。狂化されているとはいえ彼は将ですからね。高性能なんですよ。というわけで、イクゾー!!

 

 

>北門からスパルタクスさんと私を含めた彼を慕う剣奴部隊が出撃する。

「スパルタクスさん。まずはあそこを襲撃しましょ。目的は敵を倒すこともだけど如何に派手に壊すかも重要だから」

重要なのは速度。この部隊の身軽さを如何に引き出せるかが勝ちにつながるんだ。しっかりとやらなければ。

「俺たちは作戦がよくわからねえからしっかりと頼むぜ参謀さんよぉ!」

声からして元から作戦も聞く気はないらしい。今更だけどこの人たち、実は暴れたいだけなのでは?

「じゃあ、全員突っ込むよ!敵兵との戦闘は基本的にスパルタクスさんに任せて他は陣地の破壊に専念して!」

笑いながらスパルタクスさんが敵陣へと突撃する。さて、この騒ぎに辺りの敵兵がどれだけ早く応援に駆けつけるかも見極めなければ。

「おい!飯とか奪えるものはどうするんだい?」

食料は確かに奪えるなら奪ってしまいたい。籠城に必要なのは確かだし食料が多い方が兵達の士気も上がるだろうが今回は.....

「無視してください。ブーディカさんの下に帰るときはなるべく身軽で居て欲しいから相手の物を奪うことは考えないで!」

下手に色々と略奪して撤退の時に動きが遅くて全滅なんてことは避けたい。それに今回の目的はそれじゃない。

 

>金属同士のぶつかり合う音が主にスパルタクスさんを中心に鳴り響く。

「ふはははは!愛!愛を受け取りたまえ!」

前方からスパルタクスさんのおかしな声が聞こえる。愛って....やっぱりバーサーカーは少し苦手かもしれない。スパルタクスさんの近くではないものの後ろにいるせいか頬に生暖かい何かがかかる。いや、考えれば分かるんだけど今は理解したくない。

辺りを見回して味方の状況を確認する。正面はスパルタクスが暴れており、彼の援護をするように何人かの兵士たちが手負いの者にとどめを刺している。左右には私が指示した通り打ちこわしに徹底する兵士達。周りには援軍らしき人たちも居ない。カエサルの名前から情報網を疎かにしているとは思えない。....罠に嵌められたかな?だとしたら砦か出てきた私たちのどちらを攻撃してくるか。まあ、なんにせよ何か起こる前に逃げた方が良さそうかな?いや、そもそもカエサルは多分サーヴァントだ。ならば普通の人間がサーヴァントに勝てないことは知っているはずだ。なのになんで軍隊を仕向けてきた?

 

>「さあ、圧制者共!この私に殺されるがいい!」

半分暴走しているような気がするがそこは一度置いとおく。そして考えられるのは2つ。1つはカエサルの存在自体が嘘。相手が名前を騙っているだけ。そして相手はサーヴァントの存在を知らないからこうして軍隊を仕向けている。2つ目はカエサル自体はいるが何らかの理由で軍を指揮していない。だからこそこういった綻びが生まれて私のような素人でもその隙をつくことが出来ている。でも、なんで指揮していないんだろう。

「ゴメン皆、暴れてりないとは思うけど、そろそろ帰らないと、最悪帰るところが無くなるから帰るよ!」

スパルタクスさんの説得は他の人に任せて、とりあえずは私の声に耳を傾ける人達に理解してもらう。稀代の軍師ならば何か策を思いつくんだけど、私のは最悪のケースを考えて動くしかない。

「あんまり、離れると防衛部隊の負担が大きくなるからね。そうなれば困るのは私たちだけじゃないでしょ?」

これで大体の人たちは納得してくれる。だけど問題はこの部隊を指揮するあの人。目の前の敵を倒すことしか考えてないあのサーヴァント。強いのは確かなんだけどあの人をどうやって説得するかだ。

「旦那ぁ!俺たちの拠点が敵の攻撃を受けてるらしいからそっちに行こうぜ!」

まるで遊びに誘うかのような兵士の言葉に灰色の巨人は笑顔で振り返る。そんなんでいいのか。

 

>「ふむ、では次はそちらに行こうとしよう!」

乱暴に腕で体を掴まれそのまま片手で抱えられる。私の体力からしてお荷物なのはわかるが流石にガサツすぎる。彼の腕についた赤色が私の着ている服の一部に染み込む。鉄臭い臭いに喉の奥から何かがこみ上げそうになる。いや、ここは戦場なんだしガサツとかそういうのを気にしてる私の方がおかしいんだ。しっかりするんだ私。確かに彼の、いやサーヴァントの身体能力は非常に高い。風のような速さで駆けていくのだから。だけど丁度腹の部分が彼の腕に食い込んで痛い。

 

 

....いや、一応走りの練習はしましたけどここまでスパさんに振り回されるのは初めてなんですけど?なんなんですかねこのゲーム。本番は絶対に新パターンになるようなシステムでも組まれてるんですかね?まあ、なんだかんだスパさんのコントールが出来てるので良しとします。過程が違えど結果が同じなら多分大丈夫です。この後はちょっと休憩&ブーディカさんと話してほよちゃんのメンタルとフィジカルの回復に努めます。あんまり長く居るとスパさんが暴走して1人で敵に突っ込んでしまうので時間との戦いです。通常プレイなら戦闘面でも色々なパートで役に立つバーサーカーですが何か条件の入ったプレイになると途端に使いにくくなってしまうことが多いんですね。スパさんはこれでもマシな方なんですが最終的に狂化が低い方が扱いやすいと考えるのもまあ、無理ないですね。

あ、北門の敵ごとぶち破ってスパさんがゴールインしましたね。あーもう滅茶苦茶だよ。

 

 

>「随分ダイナミックに帰ってきたね。あちら側の敵を蹴散らしてくれたのは嬉しいけど....」

この先に続く言葉は私に言っても仕方がない。ブーディカさんもそれを解っているのだ。だけど、蹴散らされた敵兵。壊れた北門。笑顔の彼。頭を抱えたくなる。

「うん、ごめん。悪いけど少し休んだら、壊した北門からもう一回出て行くよ」

本当は北と南の交互に出て行ってスパルタクス率いる寡兵の恐ろしさを全体に知らしめたかったがこうなってしまったら話は別だ。サーヴァントは人間には負けない。これだけを根拠に北門に引き寄せた敵兵をスパルタクスさんの力で打ち倒していくしかない。

「そういえば聞きたいんだけど、相手の指揮官がサーヴァントの場合。そして敵であるこちらにもサーヴァントが居るのを知ってるとして、なんで敵の指揮官はこちらに戦力をぶつけてくるんだと思う?」

悪戯に戦力を消耗するだけじゃないのか?どうしても私自身はそう考えてしまう。

 

>「色々と理由はあるけど、自分の部下に相手は1人でこちらの部隊と同じ力があるって言われたらどうなるかな?後、相手の攻め方は実に綺麗だよ。なるべく犠牲者が出ないように、だけどこちらにプレッシャーを与えてくる。そんな攻め方をしてきているよ」

なるほど、確かに言われてみればそうだ。無駄に味方の士気は下げる必要はない。それにこちらは現状2騎のサーヴァントが居るのに守りに徹している。それが解り易い答えだ。

「ありがとう、ブーディカさん。じゃあ、もう一度、北門から行ってくるね」

歴戦の指揮官に素人がどこまで食らいつけるのか。あまり良いことではないが、心の奥からふつふつと湧き上がる感情が抑えきれない。

「カエサル。勝負よ」




急に寒くなりすぎじゃないですかね?


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