星の少女たちとキラキラを求め (カット)
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プロローグ

初めましての方は初めまして、カットです。
この度、バンドリ作成の小説を作成することとしました。これからよろしくお願いします。


「久しぶりだな東京」

 

俺の名前は山本優弥。小6の2学期途中まではこっちに住んでいたが、親の仕事の都合で岐阜県に引っ越していた。それが今日こっちに戻ってきて、荷物の整理を済ませて今は外を出歩いている。

 

「ここが花咲川学園か〜」

 

外に出た俺は1度これから通う学校を見に来ている。経路の確認も含めて…たしか2年前に共学になったんだよな…となると男子はまだ少なそうだ。

 

「とりあえず学校は見たしぶらぶらすっか」

 

久しぶりにこの街をぶらぶらとしてるけど、3年ちょっといないだけで結構変わってるな…さすが東京…

 

「そういえばあいつ……元気かな」

 

アテもなく歩いていると公園にたどり着いた。公園に来てふと思ったのだが…俺には幼馴染がいる。そいつが今どうしてるのか急に気になりだした。まぁあいつのことだから元気だろうけど…

 

「うぅ…」

「紗南しっかり!?」

 

「なんだ?」

 

公園の中から泣いてる声が聞こえて中を見てみると、子ども2人がいた。子どもは男女1人ずつで女の子の方が泣いているようだ。

 

「君たち大丈夫か?ってそれ!?転んだのか?」

 

「一緒に遊んでたら妹が転んじゃって…お兄ちゃん誰?」

 

「それは後!まずは…水道あるな、そこまで運んで怪我した部分洗おう。えっと……歩くのは難しいと思うし俺が運んでもいいかな?」

 

「う、うん…紗南、このお兄ちゃんにしっかり捕まって」

 

「ぐすっ……う、うん……」

 

水道まで運んで血が出てる部分を洗うとやっぱり痛そうにしている。

 

「少し我慢してね」

 

「痛いよ……」

 

「紗南我慢だぞ」

 

「とりあえずこれくらいかな、ちょっとじっとしててね」

 

軽く洗い流すと持っていた絆創膏を貼ってあげた。持っててよかったな。とりあえずほっとけないし家まで送ることにした。

どうやら女の子の方は紗南ちゃん、男の子の方は純君、それにこの子たちには姉がいるみたいだ。

 

「ここだよ」

 

「やまぶきベーカリー?パン屋?」

 

「そうだよ、ただいま〜」

 

「おかえり純、紗南は……って紗南!?」

 

「お姉ちゃん…ただいま」

 

「おかえり……じゃなくてどうしたの!?それと貴方は!?」

 

「ゆーやお兄ちゃんが助けてくれたの」

「凄かったよ〜たまたま来たのに助けてくれたんだもん」

 

「俺はたまたま通りかかっただけだ。俺は山本優弥だ」

 

「私は山吹沙綾です。ありがとうございました」

 

やまぶきベーカリーの扉を開けて中に入ると同じ歳くらいの女子が出てきた。俺が紗南ちゃんを背負っているのを見るとやはり驚いていた。

 

「気にしないでください。それじゃ」

 

「待ってください!何かお礼を!」

 

「いやいや、見返り求めて助けたわけじゃないんで」

 

「っ!?そ、それでも…」

 

「いいからいいから、それじゃあ」

 

これ以上いるとどうしても何かしようとすると思い、やまぶきベーカリーを後にした。

この後は商店街をぶらぶらとしていろいろ店を把握してから帰った。

 

そして、日が経ち花咲川学園入学の日を迎えた。ここで幼馴染の香澄、そして山吹さんと再会することになるとは、この時まだ思っていなかった。

 

 



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1期編
1、2人の少女との再会


まさかもうお気に入りが入ってるとは…お気に入りしてくれた方ありがとうございます。


 

「やっぱり男子少ないな」

 

今日は花咲川学園の入学式。今は学校の校門にいるが、女子はかなり多いが男子は数人しか見ていない。これだとクラスの男子も少なそうだ。とりあえずクラス確認しに行くか。

 

「A組か、すぐ見つかるとは……ん?戸山香澄と山吹沙綾……同姓同名?それとも俺の知ってる……」

 

張り出されているクラス分けの紙を見て自分がどのクラスになるのかすぐ見つかった。そしてそのクラスに知ってる名前が2人分あった。山吹沙綾は最近知り合った女子、もう1人の戸山香澄は俺の幼馴染だ。偶然同じ名前だろと思って俺は自分のクラスに向かった。

 

……この時はまさかなと思いつつも、偶然同じ名前だろとしか思っていなかった。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「今日からよろしくお願いします!」

 

 

花咲川学園の校門の所に立ち、校舎に向かって挨拶をしている生徒がいる。その生徒こそ、優弥の幼馴染である戸山香澄である。他の生徒から見られていたが、当の本人は全く気にしていなかった。そのまま自分のクラスを探しに張り紙が貼ってある場所まで進んでいった。

 

 

「えっと…戸山戸山…」

 

 

ドンっ

 

 

「あ、ごめん」

 

「こちらこそ」

 

 

自分のクラスを探していた香澄は1人の生徒とぶつかってしまった。その生徒は先日優弥が会った山吹沙綾だった。沙綾からパンの匂いがしたため、その事で話し出した。

 

 

「パンの匂い!」

 

「家パン屋だからそれでかな」

 

「おお〜……あ、朝食べてなかった」

 

「ふふ、パンはないけど飴ならあるよ?いる?」

 

「いいの?いるー!」

 

「どうぞ」

 

「ありがとう」

 

 

2人は初対面なはずなのに普通に話している。これは2人の持ち前のコミュニケーション力だろう。

 

 

「何組?」

 

「A組、私は山吹沙綾」

 

「私は戸山香澄!あ、私もA組だ」

 

「一緒だ、よろしくね」

 

「うん!」

 

「あ……」

 

「どうしたの?」

 

「知ってる名前が私の前にあって……」

 

「どれどれ〜……えっ」

 

「え?」

 

 

2人は自分たちが何組か話し合っていると、2人とも自分が知っている名前が同じクラスに

あった。

 

 

「ゆーくん……なのかな?」

 

「戸山さん知ってるの?」

 

「香澄でいいよ、うん。私が知ってるゆーくんならだけど幼馴染なんだ〜そういう山吹さんは?」

 

「私のことも沙綾でいいよ。私はね、最近知り合ったんだ〜1回しか会ってないけど」

 

「そっか〜」

 

「とりあえず教室行こっか」

 

「あ、そうだね」

 

 

2人が見つけた名前は山本優弥。2人とも知ってる名前だが偶然同じ名前なのか、それとも2人が知ってる優弥なのかこの場では分からない。とりあえず2人とも教室に向かうことにした。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「やっぱし男子そんないねぇな」

 

「山本君?」

 

「ん?」

 

教室を見渡して見ると男子は俺を含めて10人くらい。しかも男子は既に…いや女子もだが仲良い人で固まっている。中等部もあるからそこから一緒なんだろうなとは思うが、あの中に入って行きにくい。

そう思っていると後ろから声をかけられた。って最近あった山吹さんじゃん!?

 

「「同い歳だったんだ……ぷっ、あははは」」

 

同じタイミングで言ったためか、俺たちはおかしくなって笑いだしてしまった。大声で笑ってたら注目されてたな。

 

もう1人はひょっとして……

 

「よろしくね山吹さん」

 

「うん、よろしくね山本君」

 

「おう。それと……香澄か?」

 

「やっぱり……ゆーくんなんだね……ゆーくん!!」

 

「うわっ!?香澄!?」

 

山吹さんと挨拶した後にもう1人に声をかけた。やっぱり香澄だったけど……いきなり抱きつかれたのはびっくりだし他の生徒から見られてるって!?

 

「香澄……1回離れようか?」

 

「えぇ〜久しぶりに会ったんだしいいじゃん!」

 

「香澄……山本君の言う通り1回離れた方がいいんじゃないかな?みんなに見られてるよ?」

 

「……あ///」

 

「びっくりしたな〜つーか久しぶりだな香澄」

 

「う、うん、久しぶり///私席行くね///」

 

「へ?……どうしたんだあいつ?」

 

香澄のやついきなり顔赤くなったと思ったら自分の席行ったけど……どうかしたのか?ん〜よくわからん

 

「なぁ山吹さん、香澄のやつどうしたんだ?」

 

「う〜ん、私にもわかんないかな〜」

 

「絶対わかってるだろ……」

 

「知らな〜い」

 

うわ〜この反応絶対わかってる反応だ〜問いただそうとしたら時間になったのか、このクラスの担任がやってきて、入学式に出るために体育館に向かった。終わった後はクラスに戻りHRをして、みんなの自己紹介や翌日以降の日程を話して終わりとなった。

 

この時はまだ、幼馴染の香澄が新しいことを始め、そしてそれに俺が巻き込まれることになるとは思いもしていなかった。

 




今回はここで終わりです。不定期ながらも投稿していくつもりなのでよろしくお願いします。

感想の記入はいつでも歓迎しています。


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2、始まりの直前

タイトル思いつかない……


ーーーー放課後ーーーー

 

「ゆーくん!」

 

「っ!?お前は普通に話しかけられないのか!?」

 

「普通だよ?」

 

「……」

 

放課後になると香澄が呼びながら抱きついてきた。いちいち抱きつくのが普通かい…ついてけねぇ…しかも周りの目が痛いし後ろからの山吹さんの視線が怖いんだが…

 

「そんなことより部活見に行こっ!」

 

「そんなことって……つーかなんで俺まで?」

 

「暇でしょ?」

 

「あのな〜別に予定はないけど俺は部活入る気ないの、だから1人で行けっ」

 

「ええ〜ゆーくんも〜せめて水泳部だけでも〜」

 

「いやなんで水泳部!?」

 

『もしかして山本君って女子の水着見たい人なの?』

 

『本当にそうなら嫌だな〜』

 

いやいやいや!?なんか変な誤解されてる!?

 

「香澄そろそろ黙ろうか、俺変な誤解されてるし」

 

「だって水泳部あっちゃんいるんだよ?」

 

「あっちゃん?明日香ちゃんか?」

 

「そうだよ」

 

「それで水泳部か〜別に部活中に会う必要ないだろ?じゃあな〜」

 

「あ、待って山本君!」

 

「ん?どうした?……っておい香澄!?」

 

部活見学一緒に行かないかとしつこかった香澄。水泳部だけって言ったのは香澄の妹の明日香ちゃんがいるからみたいだな。おかげで変な誤解は解けたけど……

 

帰ろうとしたら山吹さんに呼び止められたけどなんだろ?そうしたらいきなり香澄が走ってきて腕を引っ張られて走ることに……って強引すぎだろ!?

 

「行くよゆーくん!」

 

「さっきの話聞いてたか!?」

 

「いいからいいから!」

 

「よくねー!」

 

「山本君後でお店来てね!待ってるから〜」

 

「わかった、後で行く」

 

結局香澄に引っ張られて水泳部のところに行くことになっちまった……明日香ちゃん嫌がらないかな……

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「見学させてくださーい!」

 

「どうぞ〜見学は2人かな?」

 

「いえ、俺は見学じゃなくて…」

 

「あ、あっちゃんいたー!」

 

「お姉ちゃん!?」

 

おい香澄…対応してくれてる先輩無視かよ……

 

「えっと……すみません、見学に来たのはそいつだけで俺は……」

 

「ゆーくん来て来てー!」

 

「いいよ、行っておいで」

 

「す、すみません」

 

いい人でよかった…普通ならこれ怒られるパターンだよな……とりあえず2人のとこ行くか。

 

「ほんとにゆー兄……なの?」

 

「まぁな、久しぶりだな明日香ちゃん。あとごめんな?ほんとは部活中に会うつもりなかったんだけどさ」

 

「私も…できれば水着姿で会いたくはなかったけど…大丈夫だよゆー兄、お姉ちゃんが無理矢理連れてきたんでしょ?」

 

「よ、よくわかってる…」

 

「まぁね……はぁ、お姉ちゃんってば……」

 

「部活見学は香澄だけだし明日香ちゃんは部活頑張ってね」

 

「ありがとうゆー兄」

 

「ええ〜ゆーくんも一緒にあっちゃんのこと見ようよ〜」

 

「お前は部活見学であって明日香ちゃんのことだけを見に来たわけじゃないだろ!?」

 

「お姉ちゃん……先輩に追い出してもらっちゃうよ?」

 

「はい、大人しくします」

 

「「はぁ……」」

 

香澄1人を残して大丈夫かという不安はあったが、俺は部活に入るつもりはなかったため帰ることにした。まぁ山吹さんとの約束もあるし家じゃなくて山吹ベーカリーに向かうことにしたが……

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「いらっしゃいませ〜あ、山本君!やっと解放された?」

 

「ほんと香澄の強引さには困ったぜ…それより何かあるのか?」

 

「うん…」

 

「ちょっ!?山吹さん!?」

 

店に入ったら俺以外には客はいなかった。だから今の山吹さんの行動を見る人はいない……香澄と同じくいきなり抱きつくという行動を……

 

「前にいいって言われてるけどやっぱりお礼させてよ。私の大事な妹を助けてくれたんだから」

 

「……はぁ、ったく、頑固だな山吹さん。分かったよ」

 

「ありがとう。それで私に何ができるかな?」

 

「そうだな〜それじゃあ今から買うパンタダにしてくれるか?」

 

「……え、そんなことでいいの?なんでもするよ?」

 

「いやいや、男になんでもするとか簡単に言うなよ……とにかくさっき言ったことでいいから」

 

「むぅ〜つまんないの」

 

「つまんないって……」

 

まったく、何言ってんだか……しかしなんでもいい……か、惜しいことをしたか……とは思わない。別にお礼が欲しくて助けたわけじゃなかったからな。

 

「それじゃあ……あ、じゃあこれは私が勝手にすることだから気にしないでね」

 

「……え?」

 

今頬に何か柔らかい感触が……

 

「えへへ///これはこれで恥ずかしいね///それじゃあレジで待ってるから欲しいパン持ってきてね」

 

「お、おう…」

 

やっぱりさっきのは頬にキスされたんだよな?山吹さんの言う通り恥ずかしいな。とりあえずパン選ぶか…

 

「そうだな、メロンパンとカレーパン…あとチョココロネにするかな」

 

「チョココロネ選ぶとはわかってるね〜1番人気のパンだよ」

 

「そうなのか?それは楽しみだ」

 

「絶対ハマるから楽しみにしててね!それと…朝ちゃんと挨拶出来なかったけどこれからよろしくね山本君」

 

「おう、よろしくな山吹さん」

 

へぇ〜チョココロネ人気なんだ。普段あんま食べないパンだけどこれは食べるの楽しみだな。さっきお願いした通り今日の代金はタダになった。

 

朝香澄のせいでちゃんと話せなかった俺たちはお互いに挨拶をして、俺は店を後にした。この後香澄がまたおかしなことを言い出すことを知らずに……

 

 




今回はここで終わりです。
私の勤めてる会社は休みになってないので忙しいままです。できるだけ早く投稿できるようにとは思っています。

次回までお楽しみに


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3、見つけちゃった

タイトル1期みたくしてみた。ようするに遊んだだけ。


 

「これはたしかに美味いな」

 

山吹ベーカリーを出た後、歩きながら買ったパンを食べている。メロンパンやカレーパンは美味い、だがそれ以上にチョココロネが美味い。これはオススメされるのもわかる。

 

「こりゃあ何度も食いたくなるな」

 

「コラー!ギター返せー!」

 

「なんだ!?ギター泥棒か!?って香澄!?」

 

ギター返せっていう声が聞こえてそっちを見ると香澄がギターを持っていた。ケースに入れずに……たしかあのギターランダムスターだったっけ?つーかそのギターどうしたんだよマジで……

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

香澄side

 

 

「星のシール?こっちにもある」

 

 

部活見学をしていた香澄は今帰宅中だ。その帰宅途中、星のシールが貼ってあるのを見つけた。その星のシールを辿っていくと流星堂という質屋を見つけ、その奥に倉庫があるのを見つけた。完全に不法侵入になっているが、香澄は普通に進んでいった。

 

 

「両手を挙げろ!」

 

「っ!?はい!?」

 

 

倉庫に入り星のシールが貼ってある何かのケースを見ていると、香澄の後ろに1人の少女が回り込んでいた。驚いた香澄は言われた通りに両手を挙げている。

 

 

「誰だお前!?名前!!」

 

「戸山香澄です!」

 

「その制服花咲川…同じ学校か」

 

「そうなの!?何年生?」

 

「う、うるせ〜それよりこっちはただの蔵だ!質屋はあっち!」

 

「質屋?それよりあの星のマークのケースって何入ってるの?」

 

「それよりってなんだよ!?お前には関係ねー!」

 

「いいじゃん!見せて見せて〜」

 

「こいつ……人の話聞かないやつか……」

 

 

近付いた少女は香澄の名前を確認すると、制服で花咲川学園であることに気が付いた。少し気付くのが遅い気もするが……

香澄はその少女の言っていることよりも、蔵の中に見つけた星のマークがあるケースの中身を見たがっている。

香澄に声をかけた少女は、諦めて中身を見せることにした。

 

 

「触ったら出てってよ〜」

 

「うん……星のギター……鳴った!」

 

「ちっさ……もう終わり!」

 

「ええ〜もうちょっと!」

 

「ダメだ!そんなに弾きたいなら楽器店やライブハウス探してそこ行けばいいだろ!」

 

「わかった、探してみる!」

 

「……っ、泥棒!!ギター返せー!」

 

ケースを開けた香澄はギターを取り出して音を鳴らしてみた。音が鳴って嬉しそうにしている香澄だが少女の方は興味無さそうにしいる。そしてもう終わりだと言ったが、香澄は物足りない様子でもっと弾きたがっている。楽器店やライブハウスを探すように言ったら、香澄はギターを持ったまま外に出てしまい、本当に泥棒みたくなってしまった。

 

香澄side out

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「おい香澄!?」

 

「あ!ゆーくん!」

 

「そのギターどうしたんだよ!?」

 

「あ、これ?弾きたいなら楽器店かライブハウスで弾くように言われたから借りてきたんだ〜」

 

「それ……絶対嘘だろ……」

 

今香澄が持っているギターは明らかに香澄のではないし借りてきたのも嘘だろうな。だってギター返せって叫び声聞こえたし女子が1人追いかけてたし……

 

「はぁ……はぁ……誰も許可してねー!」

 

「楽器店かライブハウスで弾くように言ってたじゃーん」

 

「いや香澄……そう言っただけで誰も貸すとは言ってないってことだろ……

えっと……ごめんね?こいつ俺の幼馴染なんだけど迷惑かけたみたいで……」

 

「まったくだ!不法侵入するわギター勝手に持ってくわ!」

 

おい香澄……擁護できねぇぞこれ……

 

「とにかく香澄、返すんだ」

 

「ほ、ほんとにダメだったの?」

 

「はぁ……今日はもういいよ。その代わり次同じことしたら警察に通報するからな!」

 

「やったー!」

 

「えっと……ほんとごめんな?あ、俺山本優弥、よろしくな。えっと……」

 

「山本君が謝ることじゃ……私は市ヶ谷有咲です」

 

「市ヶ谷有咲……同い年か」

 

「なんで歳わかるんだよ!?」

 

「え?だって新入生代表の名前で呼ばれてたから」

 

「……あ」

 

市ヶ谷さん……自分が新入生代表のこと忘れてたのか?とにかく香澄のことは許してもらえたけど普通は許してもらえないよな?

 

「2人とも早く早く〜」

 

「「はぁ……」」

 

こいつはほんとに悪かったって思ってんのか?

 

「市ヶ谷さん……」

 

「苦労してるんだな山本君……」

 

「中学の間親の仕事の都合で引っ越してて今日久しぶりに会ったけど……前以上に手が付けられないかもしれん」

 

「た、大変だな……」

 

なんか初めて会った市ヶ谷さんに同情されたぞ。それは置いておいて……香澄や市ヶ谷さんが向かってる方向はたしかにライブハウスはある。でもそのライブハウスは練習用じゃないんだよな……

 

「ライブハウスSPACE……」

 

「ここ?」

 

「ここライブハウスだ。でも……」

 

「2人とも行こっ!」

 

「話聞けよ……」

 

「戸山さん……いつもこうなのか?」

 

「まぁな……あ、市ヶ谷さんに先言っとくけどここ練習用スペースないから」

 

「そうなのか?」

 

どうやら市ヶ谷さんはSPACEに練習用スペースがあることを知らなかったみたいだ。当然香澄も……

 

話を聞かなかった香澄は中に入ると練習用スペースがないことを聞かされていた。

 

「そっちのあんたは知ってんだろ?」

 

「いやいや〜そいつが聞かずに先こっちに来ちゃったんですよ〜」

 

「そうかい、ここまで来たんだ。観ていくだろ?」

 

「そうっすね、せっかくなんで」

 

「私も!」

 

「でも頭振ったりとかするんじゃ……」

 

「え?何そのイメージ……そんなことないから大丈夫だ」

 

市ヶ谷さん面白いイメージ持ってんだな。実際に振ってるやつなんか見たことないぞ。案の定オーナーに見てないのに「そんなこと言うんじゃないよ」って言われるし、高校生なのに高校生じゃないって答えて大人料金払わされるし見てて面白かったな。

 

「こんなに人入るのか」

 

「始まる前から盛り上がってるね」

 

「ライブハウスだからな〜……ちょっと久しぶりだなこの雰囲気」

 

「?ゆーくんライブハウスだからの後に何か言った?」

 

「ん?別になんでもねぇよ、それよりそろそろだぞ」

 

「楽しみ〜」

 

「市ヶ谷さんも?」

 

「楽しみっていうか…どんなのか気になるって気持ちの方が大きいかな」

 

「そっか」

 

香澄や市ヶ谷さんたちと話しているとライブの開始時間となった。出てきたバンドはGlitter☆Green、人気のバンドなのかわからないが見に来た人はみんな盛り上がっている。そして香澄も

 

「凄い!凄いね!」

 

と言っている。市ヶ谷さんに関しては…この場所に慣れていないせいか耳を塞いでいるが、最後の方になるとそれもやめて見惚れるようにライブを見ていた。

 

「これだ……これだ!!」

 

香澄の方からこんな声が聞こえた。

 

……ん?まさか香澄バンドやるとか言うつもりなのか?ってなると……なんか色々巻き込まれそうな予感……

 




今回はここまで……というかようやく1話終了かな。次回からは2話に入っていきます。投稿日は未定……


もうお気に入り2桁行くとは思ってませんでした。ありがとうございます。これからも頑張って書いていきますので感想もご自由に書いてください。仕事休みになってなくて基本忙しいので返せるか分かりませんが……


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4、見つけたキラキラドキドキ

休みになった日で時間がある時ほど書く気力出ないのなんでだろ……


「まさか香澄がバンドに興味持つとはな〜……あいつ……元気かな」

 

予想外の出来事からSPACEでバンドのライブを観て、帰ってからいつも通りギターを弾いている。俺の場合バンドの練習じゃなくて趣味でやってる程度だが……

 

ギターを弾きながら俺は岐阜に行ってた頃に一緒にギター弾いてた女子のことを考えていた。無意識に……

 

「まぁあいつのことだ、元気でいてくれるだろ。それより市ヶ谷さんの方が心配だな。香澄に付きまとわされそうで……」

 

ギターを弾くのを止めて片付けているが、明日からの市ヶ谷さんのことが心配になっていた。

 

 

-----次の日-----

 

「山吹さんおはよ〜」

 

「おはよう山本君」

 

「昨日パンありがとな、マジで美味しかった」

 

「そう言ってもらえると嬉しいよ……あれ?」

 

「どうした?……ん?」

 

「「市ヶ谷……さん?……え?」」

 

朝学校に着くと山吹さんを見つけたから挨拶と昨日のパン美味かったこと伝えたんだが……その横を市ヶ谷さんが走り去っていった。というより逃げてる?ってことは……

 

「はぁ……香澄か」

 

「え?2人とも市ヶ谷さんに会ったの?」

 

「あの後な……」

 

「あ、さーや〜ゆーく〜ん」

 

「やっぱりか……」

 

市ヶ谷さんが走り去っていった後、程なくして香澄がやってきた。聞かないけどどうせ香澄から逃げてたんだろうな。不安だったことが現実になってるよ……

 

香澄が走って校舎に入っていき、山吹さんと俺は歩いて入っていった。市ヶ谷さんがいるクラスの前にいくとちょうど市ヶ谷さんが廊下に出てきた……まではいいんだが、出たと思ったらすぐに走り去ってしまった。これには俺も山吹さんも声を上げて驚き、出てきた香澄も驚いていた。

 

「2人とも市ヶ谷さんのこと知ってるの?」

 

「昨日ライブハウスに行ったんだ〜」

 

「ライブハウス……へぇ〜市ヶ谷さんもライブハウス行くんだ」

 

今一瞬顔曇ったような……

 

「うん、SPACEってところ!」

 

「実際は許可なくギター持ち出したところから始まってるけどな」

 

「うっ」

 

「そうなの?」

 

昨日山吹ベーカリーを出た後のことを話したら山吹さんは笑いながら「そんなことあったんだ〜」って言ったけど下手したら笑い事じゃ済まないんだよな〜

 

「後でまたこっち来るとして、今は教室行こっか」

 

「「く、来るんだ」」

 

俺と山吹さんは同時に突っ込んだ……というより呆れ気味に同じことを言った。その後香澄は走って教室に言ったから山吹さんと2人になった。これは良い機会だな。

 

「山吹さん、答えたくなければ答えなくていいんだけどさ」

 

「……やってたよ」

 

「そっか……詳しいことは聞かないけどもしバンドが嫌になったわけじゃ無ければ香澄と一緒にやってあげてくれ……って香澄が言ってきたらだけどさ」

 

「多分……私がやるって時は来ないと思う」

 

「それなら友達でいてやってくれればいいさ。あいつすっげぇ嬉しそうにしてたし」

 

「ふふ、香澄思いだね」

 

「まぁ……一応幼馴染だし?」

 

予想通り山吹さんはバンドをやってたみたいだ。でも表情の曇り具合から俺が聞いてもいいことじゃない気もするし、やってた時のことは聞かないことにした。

 

この後普通に過ごしていると、香澄から市ヶ谷さんが早退したことを聞いて、放課後様子を見に行くことにした。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「市ヶ谷さん大丈夫かな…」

 

「やっぱり心配?」

 

「まぁな〜朝走ってたのってどう考えても香澄から逃げてたと思うし……そのせいでどっか悪くなったのかって思っちまうな」

 

昼休み、香澄から市ヶ谷さんが早退したと聞いたことを伝えられた。朝の様子から香澄が何か無茶なことしていたのかって思って気になっている。

 

「優しいね山本君」

 

「そんなこと」

 

「あるよ。紗南のことだって…本当に助かったんだよ」

 

「ちょっ!?山吹さん!?//」

 

「本当にありがとね//」

 

「そ、そのことはもういいから手…//」

 

「えっ……あ、ごめん!?//」

 

ああ〜びっくりした。いきなり手を重ねてくるんだからびっくりするわ……

 

「そういえば香澄遅いね」

 

「ん?そういえばそうだな、また誰か巻き込まなければいいけ……ど……」

 

「山本君?」

 

「おーい!」

 

「あ、香澄〜……って」

 

香澄のやつまた変なことしてないだろうな?飲み物買いに行ったと思ったら、同じクラスの牛込さんをつれてきてるし。

 

「牛込さん大丈夫?香澄に変なことされてない?」

 

「ゆーくん酷い!」

 

「うん、実は……」

 

「りみりん!?」

 

「あはは、冗談だよ香澄ちゃん」

 

「りみりんってば〜」

 

香澄がこんな状態なの珍しいな〜いつもは香澄が振り回す側なのにな。

 

「牛込さんも一緒に食う?ってかそれで香澄に連れて来られてると思うけど」

 

「う、うん。私もいいかな?」

 

「「「もちろん!」」」

 

「ありがとう」

 

「りみりんすごいんだよ〜」

 

「すごいって?牛込さん何かやってるの?」

 

この流れだとバンド関係かな?

 

「えっと……なんだっけ?」

 

「そこわかんないんかい!」

 

「ベースだよ」

 

「そう!ベース!」

 

「ほんとにわかってるのか?」

 

「実はあまり……」

 

やっぱりか……

 

「そういえば昨日もライブハウスいたよな?」

 

「うん。お姉ちゃんを……あ、グリグリにいるんだ〜」

 

「そうだったんだ」

 

それは驚きだな。まさかGlitter☆Greenにいたとは思わなかったわ。それは見に行くよな。

 

つーか

 

「牛込さん……もしかして香澄とバンドやるのか?」

 

「うん!」

 

「お前に聞いてねー!」

 

「え、えっと……」

 

「牛込さん、嫌なら嫌って言っていいんだからね?」

 

「さーや酷い!?」

 

「いや、酷くないな。嫌なもんをやることはないからな」

 

「ゆーくんまで!?」

 

「い、嫌ってわけじゃ……」

 

「まぁ本気で香澄とやりたいって言うなら止めないけどさ。香澄、無理矢理やらせんなよ」

 

「むぅ……わかってるよ〜」

 

「ほんとか〜まぁいいや、牛込さん、どうしても嫌ならやらなくていいからな?」

 

「う、うん」

 

まさか牛込さんがベースやってるとは思わなかったな。もしバンド組むなら香澄がギターで牛込さんがベースってなりそうだな。もしかしてボーカルも兼任?まぁやるならだけど……1番の問題は香澄が無理矢理誘わないかだな……そこは止められる時なら止めよう……

 

昼休みも終わり、午後の授業も終了。山吹さんは店の手伝いがあるから無理だったが俺と香澄で市ヶ谷さんの家に行くことにした。早退したのは気になるし……

 

 

 

 




今回はここで終了。なんか会話多い気がする……

今回の話の冒頭に出てきた「あいつ」はそのうち登場しますのでお楽しみに〜って言っても勘のいい人なら誰かわかりますよね?感想で名前出すのはやめてくださいね?

それでは次回までお楽しみに


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5、もらっちゃった!

やっとできた……


 

「市ヶ谷さんいるか?」

 

「不法侵入!!」

 

「いやいや、ちゃんと許可もらったから!香澄と一緒に」

 

「そうだよ〜おばあちゃんにちゃんと許可もらったよ!」

 

放課後になり、俺と香澄は市ヶ谷さんの家にやってきていた。おばあちゃんに聞いたら蔵にいると聞いたからきたけど……いきなり不法侵入扱いされたな。

 

「それより早退したって聞いたけど大丈夫か?」

 

「自主休校……」

 

「なんだ〜」

 

いやなんだじゃねぇだろ香澄……そんなん許されんのか!?でもま、いっか

 

「どこか悪いってわけでもないんだろ?」

 

「まぁな〜」

 

「ならよかった。てっきりどこか悪くなったのかって心配になってさ」

 

「そんなんじゃねぇ!///」

 

具合が悪くなったんじゃないならいいや。何故か赤くなってるけど。

 

「それより何してるの?」

 

「見りゃわかんだろ?蔵の整理だ」

 

「へぇ〜そんじゃ手伝うか。今いることだしな」

 

「そうだね!何すればいい?」

 

「帰ってくれたらいいかな。特にお前!」

 

「私!?なんで!?」

 

「まぁ香澄だし?」

 

「ゆーくんまで酷い!?」

 

市ヶ谷さんは香澄には帰って欲しいみたいだけど何したんだ?

 

「なぁ香澄?何したんだ?」

 

「何もしてないよ!?」

 

「朝人の家に来たと思ったら部屋にまで入ってその上朝ごはんまで食べて…」

 

「お、お前よく何もしてないって言えたな……」

 

香澄のやつ朝そんなこと……そりゃあ帰って欲しくもなるわ。仲良いやつなら別だけど会ったばかりのやつにそんなことしてらさすがにな……

 

「まぁ香澄の行いは仕方ないとして……せっかくだし今日は手伝わせてもらうな」

 

「……勝手にすれば?」

 

「うん!勝手に手伝う!」

 

「お前じゃねぇー!」

 

なんだかんだで俺と香澄の2人で手伝うことになったけど……結構大変だな。学校終わりからやってたんじゃ何日かかることやら……

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「それで毎日蔵に行ってるんだ〜」

 

「香澄がな」

 

「山本君は?」

 

「俺はたまに行くくらいかな。今日はせっかくだし差し入れ持ってこうかなって思ってな」

 

今日の学校帰り、俺は山吹ベーカリーに来ている。香澄からもう少しで終わりそうって聞かされたし差し入れも兼ねて行ってみようと思った。すると

 

「あれ?ゆーくんがいる」

 

「香澄?」

 

香澄が山吹ベーカリーに入ってきた。なんで?

 

「せっかくだし市ヶ谷さんに美味しいパンでも持って行こうかな〜って思って」

 

「香澄〜褒めても割引しないよ〜」

 

「ケチ〜」

 

「つーかもう俺買ったし」

 

「……えっ!?」

 

美味しいパンと言うのは否定しないがもう俺が買っちゃってるんだよな〜まさか同じ目的で来るとはな……やっぱり幼馴染?

 

「今日は俺も行くぞ。パンも買ったし行くか」

 

「終わりそうって聞いたからでしょ〜」

 

「まぁな〜毎日香澄とやってる市ヶ谷さんは大変かな〜って思ってさ」

 

「それわかるかも」

 

「2人とも酷い……」

 

俺と山吹さんの2人で香澄を弄ってから市ヶ谷さんの家に向かいだした。向かいながら聞いた話だが、その日の作業が終わった後に香澄はギターを見せてもらっていたみたいだ。よっぽど気に入ったんだな。

 

「おじゃましまーす」

 

「すっげぇ友達感覚で入ってる……」

 

市ヶ谷さんの家に着いた俺たちだが、香澄がものすごく友達感覚で入って行ったのに驚いている。もうそんなに仲良くなったのか?

 

……ないだろ

 

「今日も来たのか……って!?」

 

「よっ、今日は俺も手伝いに来たぞ」

 

「呼んでねー!」

 

「そりゃあ勝手に来てるからな」

 

「ったく、とにかく始めるぞ」

 

「おう!」

「はーい!」

 

案の定俺が来たことに驚いたけど……香澄を見た時またかって感じで見てたよな?まぁそれは置いておいて始めることになったけど……

 

蔵整理を始めて約1時間経ち、ようやく片付け終わった。

 

「終わったー!」

 

「……」

 

「市ヶ谷さんどうした?」

 

「……別に」

 

「ん?まぁいいや、それより差し入れ!山吹ベーカリーのパンだ」

 

「わーい!」

 

「市ヶ谷さんも食べるだろ?」

 

「……そ、それじゃあ……ありがと///」

 

蔵整理が終わった俺たちは手を洗った後にみんなで山吹ベーカリーのパンを食べた。相変わらず美味いな。

 

「市ヶ谷さん…」

 

「はぁ……好きにすれば?」

 

「もしかして香澄……いつも?」

 

「……まぁな」

 

ほんと苦労してたんだな市ヶ谷さん……すると香澄の方から「あっ」という声が聞こえて見てみると、ケースの取ってが外れてしまった。つまり……ケースは床に落ちて壊れ、ギターの弦も切れてしまった。

 

「香澄!?」

「怪我は!?」

「ごめん……ごめんなさい」

 

香澄は謝っているが、俺と市ヶ谷さんは香澄に怪我がないかの心配をしている。だが香澄は壊してしまった責任からか、声は届いてない。

 

「見た感じ香澄には怪我無さそうだ」

 

「それならいいけど……」

 

「言い方悪いかもしれないけど、これだけなら楽器店で治してもらえる……

 

おい香澄!香澄!!」

 

「戸山さん……戸山香澄!」

 

「っ!?」

 

「行くぞ!山本君案内お願い」

 

「おう!外雨だからギター濡れないように何か巻いていこう。ケースは多分無理だけど一応持って行くぞ」

 

ギターに布を巻いて濡れないようにした。これで多分大丈夫。俺の案内で江戸川楽器店に向かい、到着したらすぐに修理を始めてもらえた。客がいなかったんだな。

 

「お待たせ〜ケースはもう無理だけどギターの方は修理完了したよ」

 

「いくらですか?」

 

「学割もあって3000円!」

 

「私払う!」

 

ケースは案の定無理だったけどギターの弦の方は無事直してもらえた。料金は学割のおかげで安くなってるみたいだ。市ヶ谷さんや俺が財布を出そうとしたが、香澄は自分が壊した責任からか自分で払うと言い出した。これは俺が払うって言っても聞きそうもないからな、香澄に払ってもらうことにした。

 

お金を払った後香澄がギターを大事そうに持ち、俺はケースを持つことにした。

 

「ギター…持って帰れば?」

 

「えっ、いいの!?」

 

「大事にする?」

 

「もちろん!」

 

「市ヶ谷さん本当にいいの?香澄にあげて?」

 

「出品も取り下げたし大事にしてくれるなら……」

 

「市ヶ谷さん……ありがとう!」

 

「但し、540円な!」

 

「「えっ!?」」

 

帰り道、市ヶ谷さんが香澄にギター持って帰ればと提案した。どうやら香澄に譲ろうとしてるみたいだが……540円ってマジ?

 

「それマジで言ってる!?」

 

「大マジだ!送料の30万はおまけ」

 

その送料は高すぎる気がするが……まてよ?出品取り下げって言ってたけど30万ってその金額じゃ……

 

「あ、あと300円しかない」

 

「じゃあ出品する!」

 

「わぁー!?ダメー!?」

 

「ったく…今回は俺が払ってやるから」

 

「ありがとうゆーくん!やったー!」

 

「蔵着いたらでいいか?」

 

「いい……けど」

 

「ん?」

 

「なんでもねぇ!」

 

540円もないって……まぁさっきの修理代で使っちゃったし仕方ないか。今回ばかりは代わりに払ってやったが……次はないぞ香澄……多分。

 

蔵に着いてランダムスターの代金540円を市ヶ谷さんに渡して帰ろうとすると

 

「山本君……ちょっとだけいい?」

 

市ヶ谷さんに呼び止められた。香澄を帰して2人で話すこととなった。

 

 

 

 

 




忙しすぎてなかなか書けません。更新は不定期ですがなるべく早めに仕上げていきたいと思っています。

次回までお楽しみに


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6、呼び方

 

「話って?」

 

香澄が落としてしまったギターを店に修理してもらい、蔵に戻ってから香澄と一緒に帰ろうとしたら話があるということで俺だけ残された。

 

ちなみにギター……ランダムスターは香澄が市ヶ谷さんからまさかの金額で購入し、蔵に置かせてもらっている。ケースもないしな……というか蔵で練習すればって言うとは思ってなかったぞ。

 

「なんで戸山さんの為にあんな動けるんだ?」

 

「香澄のため?」

 

「違うのか?」

 

「別に香澄のために……というか誰かの為に動いてたつもりはないんだけどな」

 

「そうなのか?あれはわざとじゃないのは分かってるけどケースが壊れて落ちて弦が切れたりとか、戸山さんの代わりにお金払ってあげたりとか……というかケースに関しては私がちゃんとチェックしてなかったのも問題だったけど……」

 

「そんなことか。別に俺は香澄のためにそうしたわけじゃないぞ?」

 

俺も趣味とは言えギター弾いてるからな。直るかどうか見ればわかることもある。今回は見てわかるパターンだっただけ……

金の問題に関しても、香澄がギターを大事にしそうだと思ったから払ってあげただけで、そうじゃなかったら払わなかった。

 

そのことを伝えたら市ヶ谷さんも納得したみたいだ。

 

「むしろギターを540円で売ったことの方が驚いたんだけど?」

 

「あ、あれは!?……その……大事にしてくれるって思ったからで///」

 

「なんだかんだで、市ヶ谷さんは香澄のこと信じてるんだな」

 

「そんなんじゃねぇ!!///というかさん付けしなくていいぞ!!///」

 

「それならそうするけど……あ、俺の事も君付けいらないからな?

大切にしてくれるって信じたから市ヶ谷は香澄に譲ったんだろ?」

 

「うぅ///」

 

素直じゃないやつだな。でも市ヶ谷はオークションに出品しようとしてたランダムスターの出品をやめて香澄に譲ったんだ。そんなの大切にするって信じてなきゃしないよな。

 

「と、とにかく!話はおしまい!明日からその……山本もお昼一緒に……///」

 

「おう!つーかいつも香澄とあと他に山吹さんって子と一緒に食ってるから俺も一緒になるって」

 

「そ、そうか///」

 

市ヶ谷のやつさっきからずっと赤くなってるけど……あ、照れ屋か。まぁそれは置いておいて、明日から市ヶ谷も一緒に飯食うことになった。

 

それと忘れずに、ケースないのにギター持っていったら没収されることであろうことを市ヶ谷に伝えておいた。明日の朝も香澄はここに来ると思うし……多分

 

それを伝えて今日は帰ることにした。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「うぅ……ゆーく〜ん」

 

「ど、どうしたんだ香澄?」

 

「ギター没収された〜」

 

え?コイツギター持ってきてたの!?ケース持ってないってことはそのまま手で持ってきたってことだよな!?

 

「なんで没収されたんだ?持ってきたってことはケースに入れてたんだろ?」

 

「ううん?弾きながら来てただけだよ?それで没収されたんだよ……」

 

こいつほんとにそのまま持ってきたのかよ……

 

「なぁ香澄?お前市ヶ谷にそのギター大切にするって約束したよな?」

 

「うん……って呼び捨て!?昨日までさん付けだったじゃん!?」

 

「そんなことはどうでもいいんだよ。大切にするって言うなら持ち運ぶ時ちゃんとケースに入れて運べ!ないならちゃんと買えるまで待て!」

 

「っ!?ご、ごめん……」

 

「ったく……まぁ今はそれはいいや。それより気になったんだが……」

 

教室にいると香澄が入ってくる直前に牛込さんがカーテンに隠れていた。まぁ実際はバレバレだが……

そこに香澄が向かって何か話していたから気になっていたのだ。

 

「朝ね……一緒にバンドできないって言われたの。それで理由が知りたくてね」

 

「そっか……何か理由があるんだろうし無理に聞き出そうとすんなよ?」

 

「うん……」

 

教室で話すと牛込さんに聞こえるのはまずい可能性もあって廊下で話している。理由は分からないけど一緒にバンドはできないことを伝えていたみたいだ。香澄のことだから無理に聞き出さないといいが……

 

 

-----昼休み-----

 

 

「あれ?市ヶ谷さん?」

 

「有咲ー!」

 

「お、来たか市ヶ谷」

 

昼休みになり中庭で香澄や山吹さんと弁当を食べていると市ヶ谷がやってきた。昨日ギターを譲る代わりに、昼一緒に食べることが条件だった……つーか一緒に食べたかっただけだろ?

 

「一緒にお昼食べたいって!」

 

「そんなこと言ってねぇ!!」

 

「言ったよ〜」

 

「そんな言い方してねぇ!!」

 

「でも一緒に食べたいんだろ?」

 

「うぅ///」

 

「つーかなんで俺の隣?」

 

「香澄の隣だと疲れる気がする」

 

「「あぁ〜」」

 

「みんな酷い!?」

 

ほんと素直じゃないな〜

 

俺の隣に来た理由を聞くと香澄の隣は疲れそうってことだった。うん、正解だな。そういえば朝また香澄と一緒だったのかな?

 

「なぁ市ヶ谷、今日も朝香澄と一緒だったのか?」

 

「まぁな〜没収される時もいたぞ」

 

「言った通りだったろ?」

 

「そうだな」

 

「山本君……いつの間にそんな仲良くなったの?」

 

「へ?自然と?」

 

「仲良く!?///」

 

そういえば市ヶ谷とは自然とこんな感じに話してるな。考えたこともなかったけど……なんで赤くなってるんだ?

 

「いいな…私も呼び捨てで呼んで欲しいな///」

 

「そう?ならそうすっか。いいんだろ山吹?」

 

「できたら名前で///」

 

「?わかった。じゃあそうするよ沙綾」

 

「っ///うん、ゆーや///」

 

?さーやまで赤くなった?なんで?

 

「じゃあゆー君!有咲のことも苗字じゃなくて有咲って呼んだら?」

 

「そ、それでもいいぞ///」

 

「オッケー、じゃあ有咲って呼ぶわ」

 

「お、おう///」

 

沙綾に続いて有咲も顔赤くなったな。なんでだ?名前で呼ばれたからか?よく分からん。

 

この後は色々話をしながら一緒に弁当を食べていた。沙綾も有咲も最初は名前を呼ぶのに時間かかっていたし何故か赤くなっていたが、だんだん慣れていったのか、自然と呼ぶようになっていた。

 




本当はもう少し書くつもりでしたが時間が取れそうもなかったので1度ここで投稿します。
次回までお楽しみに。


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7、できないわけ

お待たせしました……なかなか時間取れなくてようやくできました。


 

香澄side

 

「確保ー!」

 

「ええ!?」

 

りみりんにバンドはやれないって言われた次の日、私と有咲で山吹ベーカリー前で待ち伏せをしてみた。りみりんいつもここのチョココロネ買ってるみたいだからね。さーやの家のチョココロネ…だけじゃないけどパンすっごく美味しいから買いたくなる気持ちはわかるよ。

 

あ、話逸れちゃったね。それで理由を聞きたくてりみりんを捕まえたの。

 

「ごめんりみりん。やっぱりちゃんと聞きたくて」

 

「え?」

 

「やっぱりできないって言われただけじゃ諦められないの。言いたくなかったらいいの。でもやっぱり私は理由を知りたい!」

 

「ごめん……私……」

 

「りみりんごめんね!?言いたくなかったらほんとにいいの!?」

 

「そんなこと……ごめん!」

 

「りみりん!?」

 

理由を聞こうと問いただしたらりみりん泣いちゃった……言いたくなかったんだね……

 

りみりん……本当にごめんね

 

香澄side out

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「今の香澄と有咲?なんか元気なさそうだけど……何かあったのか?」

 

今日は事情があって弁当用意出来なかったから前に気に入った山吹ベーカリーのパンを買いに来たんだけど……ここに来たら香澄がしょんぼりしながら歩いていくのが見えた。有咲は香澄と一緒に歩いてる感じがしたが……沙綾に知ってるか聞いてみるか。

 

「いらっしゃいませ〜ってゆーや!?」

 

「よっ、パン買いに来たけどまだある?」

 

「うん、まだ色々あるよ。珍しい……というか初めてだね、朝買いに来たの」

 

「今日は弁当用意出来なくてさ、それでめっちゃ美味いここのパンを買いに来たってわけ」

 

「そんなこと言っても割引ないよ〜」

 

「え〜」

 

「ふふ」

 

「まぁおふざけはここまでにしてっと、何買おうかな〜」

 

聞きたいこともあるけどまずはパン選び。チョココロネが他より少ないってことは牛込さんが来たのかな?

 

「それじゃあこれお願いしまーす」

 

「はーい…って前買ったパンだね」

 

「美味かったからな」

 

俺が選んだのはカレーパンとメロンパンとチョココロネ、元々カレーパンとメロンパンは好きだったが、チョココロネはここのを食ってから好きになった。

 

袋に入れてもらってる間に話をするか。

 

「なぁ、さっき香澄がしょんぼりしながら歩いて行ったけど何か知らないか?」

 

「っ!?」

 

俺がそう聞くと沙綾の手が一瞬止まった。だがそれも一瞬で直ぐにパンを袋に入れて俺に渡してきた。

 

「話してる内容はわからなかったけど……香澄が牛込さんに何か聞いてる感じで、突然牛込さんが泣き出しちゃったんだよね……」

 

「そうなると……バンド関係の話か……」

 

「バンド……」

 

「あ、ごめん、沙綾の前でする話でもないか…」

 

「わ、私は大丈夫。でも2人が心配だよ」

 

事情は知らないけど沙綾はバンドをやめている。その沙綾の前でバンドの話をしちゃったけど……沙綾は大丈夫って言ってくれた……本当に大丈夫かわかんないけど……

 

とりあえず2人のことを先に解決させないとだな。

 

「とりあえず2人のことは何とかできればしてみるよ」

 

「ふふ、できればって、何とかするとは言わないんだね」

 

「確実に何とかできるとも限らないしな。それよりもうすぐ手伝いも終わるんだろ?一緒に行かないか?俺待つよ」

 

「……へ!?///私と!?///」

 

「他にいる?」

 

「そ、そうだね///じゃあちょっと待ってて///」

 

「オッケー」

 

店の中だと他の人に迷惑になるかもしれないし外で待つことにした。そして少しすると沙綾が出てきた。

 

そういえば……さっき誘った時沙綾赤くなったけどどうしたんだ?

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「香澄ー!おーい!香澄ーーー!」

 

「気付いてないね」

 

学校に着いてクラスに到着すると香澄が席に座っているのが教室に入る時に見えた。俺と沙綾は荷物を自分の席に置いて香澄のところに来たんだが……香澄が呼んでも返事しない。まるで俺たちがいることに気付いていないかのように。

 

牛込さんは……やっぱり暗い顔してるし今話せる雰囲気じゃないな。後で話してみるとして……隣のクラスに行ってみるか。

 

「たしか有咲の席は窓側の……って……マジか!?」

 

隣のクラスを覗いて有咲に聞いてみようとしたんだが……行動読まれてた?俺が教室を覗くと同時に廊下に出て一目散に走ってった。これじゃあ聞けねぇや。

 

「ゆーや……行動バレてたね?」

 

「み、みたいだな……さすが新入生代表……」

 

「それ……関係あるかな?」

 

どうやら沙綾も様子を見に来ていたみたいだ。朝のことを聞けないとわかったし教室に戻り自分の席についた。

 

 

-----昼休み-----

 

「……っ!?ゆーくんお昼食べよ〜!」

 

「……無理してテンション上げなくていいぞ香澄。授業終わってることにも気付いてなかっただろ」

 

「うぅ……」

 

昼休みになってから香澄が無理にテンションを上げて声をかけてきた。何故無理にとわかったのか……それは授業終了後10分、香澄は前を向いて座ったまま動いていなかった。まぁ授業中も集中できてない感じだったが……

 

「とりあえず中庭行こうぜ、沙綾も有咲も待ってくれてる」

 

「うん」

 

「話はそこで聞かせてくれ」

 

「うん……」

 

こんなに元気ない香澄見ることは滅多にないな。それだけ朝の牛込さんとの出来事がショックだったのか?事情が分からないから何も言いようがないけど……

 

「あ、香澄〜ゆーや〜」

 

「おう!」

 

中庭に着いたら沙綾と有咲の2人だけがいた。俺たちの姿が見えると手を振ってきてくれたけど……なにあれ可愛いんだが。

 

「お待たせ」

 

「遅せぇよ」

 

「ごめんね有咲……私が授業終わったの気付かなせいでゆーくんまで巻き込んで」

 

「まぁ……そこは山吹さんに聞いてたけど」

 

「それより話は食いながらだ、腹減った」

 

「そうだね、私もお腹空いたよ〜」

 

「香澄が言うかそれ……」

 

沙綾と有咲もどうやら食べるのを待っていてくれたみたいだった。みんなで食いながら朝のことを聞くと、無理矢理聞いたわけではないみたいだ。でも牛込さんは何か訳ありみたいでないてしまった……ということみたいだな。

 

とりあえず無理矢理聞こうとしてないことはよかったかな……

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

放課後

 

 

「あれ牛込さんじゃね?」

 

「ほんとだ、って外国人だ!」

 

「おい香澄!?」

 

放課後香澄と帰っていると牛込さんを見つけた……のはいいんだが外国人に何か話しかけられている。そこに香澄が駆け寄ったのだが……

 

「ハロー!アイム香澄!アイムギタリスト!」

 

「「What's?」」

 

訳の分からんことを言い出して外国人の2人も何のことを言っているかわかっていなかった。まぁわかるやつの方がおかしいか……

 

とりあえず道が聞きたかったみたいだから俺が伝えておいたが……

 

この後は3人で公園に移動することにした。

 

「よかったね〜案内できて」

 

「お前のは案内になってなかったけどな」

 

「でもありがとう。私すぐに固まってテンパっちゃって」

 

いやまぁ……外国人にいきなり話しかけられたら普通はそうなるって。隣にいるやつがおかしいだけで牛込さんは普通だって……言うのはとりあえずやめておくか。

 

「香澄ちゃんがバンドに誘ってくれたのは嬉しかったの。でもみんなに見られてるって思うと頭真っ白になって動けなくなっちゃう」

 

俺も香澄も今は黙って聞いている。牛込さんが自分で話そうとしてくれてるからな。

 

「お姉ちゃんみたくカッコよくできない。間違えたらみんなに迷惑かけちゃうしガッカリさせちゃう」

 

「そっか」

 

「ごめんね」

 

「ううん、りみりんとまた話せてよかった!じゃあ私有咲の所行くね!2人ともまたね〜」

 

「……え?」

 

「……は?」

 

また牛込さんと話せて嬉しかったのは見てればわかる。ずっと落ち込んでたからな。でも有咲のところ行くって……急に言い過ぎだしマイペースすぎだろ!?

 

「な、なんかごめんな?香澄自分勝手で」

 

「ふふ、香澄ちゃんらしいね」

 

お、おい香澄……お前いないところで笑われてるぞ。

 

「さっきの話なんだけどさ、別に牛込さんのお姉さんみたくやる必要もないんじゃないか?」

 

「え?」

 

「牛込さんは牛込さんなんだからさ。自分がやりたいようにやればいいんだよ。まぁみんなに見られると頭真っ白に……っていうのは簡単にどうにかできるとは限らないけどさ」

 

「私がやりたいように……できるかな」

 

「やりたいって気持ちがあればな。もし牛込さんがバンドやりたいって思ったら香澄に声掛けてあげてやってくれ。あいつ喜ぶだろうからさ」

 

「うん。山本君はやらないの?」

 

「俺はパス、趣味でギターやってるだけでバンドをやるつもりはないんだよ。まぁセッションくらいならできるけどさ」

 

「そうなんだ」

 

香澄が帰った後少し牛込さんと話してから俺たちも帰路についた。帰りながら山吹ベーカリーのパンについて話していると、牛込さんはそこのチョココロネについて暑く語り出した。めっちゃ美味いのは分かるけどそこまで語れるとは思ってなくてかなりびっくりしたのは内緒だ。

 

 

 




今回はここで終わります。なるべく早く投稿したいと思っているので次回もお楽しみに。

そして評価10をしてくださったスクイッドさん。ありがとうございます。嬉しいと同時に、これからの励みにもなります。


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8、変わる時

お待たせしすぎて申し訳ない。忙しくてなかなか進められなかったのと前回のRoseliaのイベント走ってたのもあってようやく投稿となります。

ついにガルパにRAS実装しましたね!


香澄side

 

「はぁ?」

 

「だから〜グリグリのライブだって!次の日曜日16時半からやるから一緒に行こう!」

 

「なんで私が」

 

「行かないの?」

 

「行かないとは言ってない」

 

ゆーくんやりみりんと分かれてから有咲の家に来てりみりんから聞いたグリグリのライブのことを有咲に話したけど…有咲難しいよ〜でも一緒に行ってくれるみたい!

 

「さーやとかも誘ってみる?」

 

「あ〜はいはい、任せる」

 

「有咲〜」

 

「ゆ、優弥は誘わないのか?」

 

「ゆーくんも行くよ!」

 

「そっか」

 

「有咲嬉しそう」

 

「そんなんじゃねぇ!///」

 

有咲ってば〜さーやの名前を出した時は適当に対応してたのに〜ゆーくんのことになると対応変わったね。否定してるけど顔赤くなってるし嬉しそうにしてるのわかるよ有咲。私も嬉しいもん!

 

「それじゃあ日曜日ね〜」

 

「はいはい」

 

日曜日に来ることを伝えて私は帰ることにした。せっかくだし色々なもの見たいな〜そうだ!早めに行っちゃおう!

 

香澄side out

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

-----ライブ当日-----

 

 

「まだ2時半なんですけど……」

 

「早く行って色々見よ!」

 

2時半頃、俺と香澄は有咲の家にやってきた。有咲を見つけて声をかけたんだが、どこか迷惑そうにしてないか?

 

「香澄?有咲の家に2時半って俺に言ってたけど実際の集合時間違ったのか?」

 

「ううん?早く行って色々見たいな〜って思ってたよ?」

 

「おまっ!?それ聞いてねー!」

 

「そうだっけ?ごめ〜ん」

 

「はぁ……ごめん有咲」

 

「い、いや、優弥が謝ることじゃ……」

 

たしかに俺が謝ることでもないな。まぁ今は置いておこう。

 

「ったく…有咲ごめん、準備できる?」

 

「まぁ……ちょっと待っててもらえれば」

 

「もちろん待つって、だよな香澄?」

 

「もちろん!」

 

有咲が準備してる間座って待たせてもらうことになった……俺だけ。

香澄が「有咲ひど〜い」って言ってたがこれは仕方ないことだ。

準備ができた有咲がやってくるとライブ会場のSPACEに向かいだした。

 

「こんにちは〜ライブ見に来ました〜高校生です!」

 

「こ、高校生です…」

 

「すみませんいきなり騒がしくて…高校生です」

 

「1人600円だよ」

 

SPACEに到着して中に入るとすぐに、受付にいるオーナーにチケット代を払ってライブチケットとドリンクチケットをもらった。有咲が前回の使わなかったということを言ったが…こういうのはな〜

 

「有咲、たいていこういう場所のはその日限りだぞ、だから多分…」

 

「ここも当日限りだ」

 

「ですよね〜ってことで有咲、もらっとけ」

 

「まぁ…それなら仕方ないか」

 

今貰っても使うのは後だな。まだライブまで時間ありまくるし。リハーサルの様子を受付のところにあるモニターで見てるけど香澄が早くも盛り上がっていて有咲に早いと言われている。うん、たしかに早すぎる……というか結局色々見るっていうのはリハーサルの様子を見ることに変わってるし……

 

ライブが始まると香澄のテンションがめちゃくちゃ上がっている。いつも高いがそれ以上に高い。対照的に有咲はそんなにテンションが高くない。まぁバンド見始めたばかりだし仕方ないか。

 

「次グリグリだよー!」

 

「はいはいわかってるって」

 

「……あれ?」

 

「違くね?」

 

「……間違いなくなんかあったな。じゃなきゃオーナーが順番変えるわけないだろ。ま、こういうこともあるってことだ」

 

次はGlitter☆Greenの番……と予定通りならなるはずだったのが別のバンドグループが出てきた。つまり何かトラブルがあったってことだ。それは仕方ない。

 

だけど……

 

「あれ?2人がいねぇ……まさか」

 

気が付いたら2人がいなくなっていた。まさかと思って控え室の方に行ってみたら香澄も有咲もそこにいた。

 

「お前ら何してんだよ」

 

「ゆーくん大変だよ!Glitter☆Greenまだ来てないって!」

 

「順番変わってることでそれくらい想像できるって。それよりなんでお前ら2人がここにいるんだ?」

 

「だって気になるもん!」

 

「私は香澄に連れられて…」

 

案の定2人とも控え室にいた。なんで関係者でもスタッフでもないのにここに入っちゃうかなぁ……

 

「気になるじゃねぇよ、ここはライブ関係者以外入る所じゃないんだよ。だから戻るぞ、邪魔になる」

 

「でも」

 

「でもじゃない!その子の言う通り邪魔」

 

「うぅ……」

 

やっぱしオーナーに怒られた。まぁ当然か。

 

「戻る前に1つだけ!来るまで待てないんですか!」

 

「ダメ!どんな理由があろうと客を待たせることはあっちゃいけない!間に合わなかったら今後一切ここでライブさせないよ」

 

「ま、ライブを運営する立場ならと当然だな。戻るぞ」

 

「うん」

 

「有咲も」

 

「お、おう…」

 

戻る前に香澄が待てないか聞いたが無理に決まってる。ギリギリまでMCとかで引き伸ばすことはできると言っても限度がある。待って結局間に合わないなんてことだってありえる。待てるわけない。

 

香澄と有咲を連れて観客戦の方に戻りライブを見ることにした。グリグリ以外の全バンドができるだけ引き伸ばしながらやって終わったが……結局グリグリは間に合わなかった。

 

「ダメだったか、まぁ間に合わないんじゃ仕方ないな。2人とも帰るぞ……あれ?」

 

帰ろうと思って2人の方を見たが……いるはずの2人がいなくなっている。まさかと思いスタッフ通路を通って舞台袖の方まで急ぐことにした。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

香澄side

 

「いいのかよ香澄!優弥に黙ってきて!」

 

「やっぱり気になもん!ゆーくんに言ったら絶対止められる!」

 

「だからって」

 

ゆーくんにはダメって言われてたけどやっぱりじっとしてられない。そう思ってライブの舞台袖まで言って様子を見ることにした。後で怒られるよね…その時は有咲も一緒になっちゃうのかな…

 

「ああもう!怒られても知らねぇからな!」

 

「覚悟はできてるよ」

 

「そんな覚悟いらねぇー」

 

「そろそろ舞台袖だから静かにね」

 

「お、おう」

 

これスタッフさんに見つかっても怒られるよね?でもいいや。舞台袖についてライブの様子を見てるけどどのバンドも引き延ばそうとしてくれてる。

 

それでもグリグリ以外の予定してる全部のバンドのライブは終わっちゃった。

 

「ダメだったみたいだな」

 

「……」

 

「香澄?」

 

「……」

 

お客さんたちの声がここまで聞こえてくる。みんなやっぱりグリグリのライブ楽しみにしてたんだね……なんとかしたいけどどうしたら……

 

マイクが出てる……よしっ

 

「おい香澄!?」

 

「こんにち……っ!?」

 

ステージに出ていって挨拶しようとしたら凄い音なっちゃった。もう1回……落ち着いて……

 

「こ、こんにちは、戸山香澄です。

 

き、きーらきーらひーかーる」

 

今できることはわからないけど……とりあえず歌って時間を稼いでみよう。リピートしながら歌えばなんとか持つかな?

 

香澄side out

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

ステージから香澄の声……あいつまさか勝手に……

 

「有咲」

 

「ゆ、ゆーや……」

 

「念の為聞く……許可もらったのか?」

 

「んなわけないだろ。香澄が勝手に……」

 

「何やってんだよ……」

 

やっぱり許可取らないで勝手にやってんのか。オーナーのことだから許すわけないとは思ってたけど……無理矢理止めることは可能だけどそれだと騒ぎになるし……

 

「すみませんオーナー、俺の友達が勝手にこんなこと……」

 

「まぁ…そのことに関する説教は後だ。時間を稼ぎたい気持ちは伝わるしお客さんはただ見てるだけだ、どうする?」

 

「そこなんですよね〜自分のギターが手元にあれば俺も乱入できるんですけど……生憎家なんですよね……」

 

「おいっ!?」

 

「ん?……は?」

 

オーナーに謝り、今の状況について話していると突然有咲の方から声が聞こえた。何事かと思って見てみると香澄が無理矢理連れ出していた。有咲の手にカスタネットを乗せて……ってカスタネット!?どこから!?

 

「え、えっと……もう無茶苦茶だな……あいつらしいけど」

 

「香澄ちゃんすごい……」

 

「牛込さん?」

 

気がつくと牛込さんがすぐ近くまで来ていた。こんな事態の中出ていける香澄のことを凄いと思ってるみたいだ。

 

……スタッフからすれば客の身勝手で勝手にステージに上がってるって思ってるはずだけど。

 

仕方ない……のっかるか。

 

「どうする牛込さん」

 

「え?」

 

「この無茶苦茶なライブにのっかるか?」

 

「でも……私……」

 

「ベースを持ってるってことは迷ってるんだろ?」

 

近くに来ていた牛込さんはベースを持っている。おそらく出演者の誰かに借りたんだろう。

 

「やりたいなら行ってこい」

 

「い、いいのかな…怒られたり…」

 

「大丈夫!一緒に怒られてやるから!」

 

「……ふふ、それ大丈夫って言わないよ。ありがとね山本くん、行ってくる」

 

「おう」

 

まだ不安そうにして震えながら歩いているが、牛込さんもステージに上がった。最初音量調整に失敗していたが、香澄たちが歌っているきらきら星に合わせてベースを弾き始めた。

 

「あんた」

 

「は、はい……」

 

「あんたも後で一緒に説教受けてもらうよ」

 

「ははっ、わ、わかってます」

 

うん……こうなるよな。

 

……でも

 

「お待たせー!」

 

Glitter☆Greenが到着したしよしとしよう。

 

香澄たちが急いでステージから降りようとしたらグリグリの人達に止められた。なんで?って思ったらきらきら星をやり始めたからだ。そこで香澄、有咲、牛込さんの3人もライブに参加することになった……ってマジかよ

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「すごかったね…」

 

「うん…」

 

「たしかに凄かったけど牛込さん来なかったら大変なことになってたからな!」

 

突然乱入した香澄たちのライブが終わると別室に通されモニターグリグリのライブを見ている。まぁ実際は説教待ちだろうが……

 

そして有咲の言う通り牛込さんが加わらなかったらどうなっていたことやら……

 

「私も怖かった……でも優弥君が"やりたいなら行ってこい"って言ってくれたからそれで私も出ていけたの」

 

「「優弥君?」」

 

「俺は別に何も、牛込さんが勇気を出して出ていっただけだよ」

 

「りみでいいのに」

 

「そっか?そんじゃりみ、香澄や有咲と一緒にバンドやってみるか?」

 

「はぁ!?私も!?」

 

「りみりんやろ!」

 

「うん!迷惑かけるかもだけどよろしくね!」

 

「大丈夫、りみの迷惑より香澄の迷惑の方が大変だも思うから」

 

急に名前で呼ばれたのはなんでかわからないけど、りみも一緒に香澄や有咲とバンドをしていくことになった。有咲は私もとか言ってるけど照れ隠しだろうな。

 

ちなみに…………

 

言うまでもなく、俺たち4人はオーナーに怒られた。

 

 

 

 




これで3話までの話は終了です。次は早く投稿したいけど……いつになるかわからないのでそれまで待っていてくれると嬉しいですね。それでは次回までのお楽しみに!

……あ、ロックもチュチュもちゃんとゲットしました。


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9、ちょっとした衝突

またこんなに期間が空いてしまいました……


 

「私って変態なのかなぁ……」

 

「どうしたんだ?いきなり」

 

とある日の昼休み、いきなり香澄が涙目で食事しながら言ってきたけどマジでどうしたんだ?

 

「じ、実はね優弥君」

 

りみの説明によると、どうやら朝教室でギターを弾いていて、朝花園さんがギターケースを背負ってるのを見つけて寄った時に変態だと言われたらしい。ランダムスターを持ってるのを見てから……

 

「まぁそうだろうな」

 

「有咲!?」

 

「まぁ変ではある」

 

「さーやまで!?うぅ……」

 

「えぇっと……ちょっと変だけど凄く変じゃないよ」

 

「はははっ、りみそれフォローになってねぇよ。事実だけど」

 

「みんな酷い……」

 

みんな香澄のこと変であると思っているらしい。まぁまともではないよな。

 

「まぁまぁ、事実だから仕方ないさ香澄」

 

「ゆーくんが意地悪〜」

 

結局みんな香澄のことが変態ではなくても変ではあるということでこの話は終わった。午後の授業は家庭科で袋を作ることになったのだが……

 

「居残りは戸山さんと花園さんね」

 

香澄と花園さんは授業中に終わらなかったため居残りとなった。まぁ2人ともギターケースの袋を作ろうとしてるし仕方ない。

 

しかし、このことが揉めるきっかけになることはこの時誰も予想していなかった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「え?香澄来ないの?」

 

「香澄ちゃん終わったら行くって」

 

「そっか……」

 

「寂しそうだな有咲」

 

「そ、そんなんじゃねぇ!///」

 

放課後になり、有咲が俺たちのクラスの方に来た。一緒に蔵に行くつもりだったんだろうが、あいにく香澄は家庭科の居残りで今日は行けない。どうせ終わらないだろうし。

 

「りみは行くんだろ?」

 

「うん、有咲ちゃんいいよね?」

 

「大丈夫」

 

「俺もいいか?」

 

「っ///い、いいぞ///」

 

「サンキュ」

 

りみは蔵に行くみたいだし俺も行っていいみたいだから行くことにした。さすがにりみが行かないと男女で2人きりになっちゃうし有咲としてとそれは避けたいはずだしな。何故か許可してくれた時赤くなってたけど。

 

「そんじゃ後でな〜俺1回家に帰ってから行くわ」

 

「直接でもいいんだぞ?」

 

「でもりみベースの練習するだろ?」

 

「う、うん。そのつもりだけど」

 

「ギターあった方がいいんじゃないか?」

 

「ギターと合わせることできるから……え!?もしかして優弥君!?」

 

「そのもしかしてだ」

 

「「えぇ!?」」

 

俺がギター持っていくことを話したら2人とも驚いていた。あれ?ギター趣味で弾いてること言わなかったっけ?それはともかく一旦別行動することにした。ついでに沙綾のところでパン買ってくか。

 

 

「いらっしゃいませー……ってゆーや!?」

 

「よっ、店番お疲れ様」

 

「あ、ありがとう……その背負ってるのって……もしかしてギター?」

 

「もしかしなくてもギターだ。香澄どうせ今日終わらないだろうしりみの練習用にって思ってな」

 

「な、なるほど。香澄のことよく分かってるね」

 

「一応付き合い長いしな」

 

「そっか…………いいな」

 

「ん?最後なんか言ったか?」

 

「っ!?ううん、なんでもないよ!?」

 

「そうか?」

 

ギターケース背負って山吹ベーカリーに入ると沙綾が店番中で、俺がギターケース背負ってるのを見て驚いていた。ギターのこと話さなかったかな?気のせいか……それに最後何か言ってた気がするが……なんでもないって言ってるし詮索はやめとくか。

 

「それでゆーやは何を買いに来たのかな?」

 

「とりあえずチョココロネだろ?あとは……メロンパンとコロッケパン……かな」

 

「3つでいいの?」

 

「どうせ今日3人だし大丈夫だろ」

 

俺が買おうとしてるパンは3つ、沙綾にそれでいいのか聞かれたけど……どうせ香澄来ないし大丈夫だろ。

 

蔵について差し入れのパンを出した時、りみがめちゃくちゃ喜んだのは言うまでもない。ついでに有咲も照れながら「嬉しくねぇ」って言ってたけど照れてる時点で嬉しいのがわかる。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

あれから数日経つが未だに香澄は蔵に顔を出さない。まだ終わっていないみたいだが遅すぎる。まぁ毎日花園さんの話をしてることから話すのに夢中だったり、ギターに夢中だったりするんだろうな。毎日の会話内容的に……

 

「か、香澄ちゃん、今日は来るん……だよね?」

 

「終わったら行くつもりだけど」

 

「終わんねーよ」

 

「そんなことないよ〜」

 

「絶対終わんねー!」

 

りみが今日は来るのかと聞いたら終わったら行くつもりだと……有咲が不機嫌な様子で絶対終わんないって言って先に行ってしまった。香澄は反対したけど……俺も有咲に同感だな。終わらせるつもりあんのかって感じだし。

 

「香澄、はっきり言って俺も有咲に同感だぞ?」

 

「ゆーくんまで!?」

 

「どうせ花園さんとギターでも弾いてるんだろ?前にギターケース持っての見たことあるし」

 

「なんでわかったの!?」

 

「はぁ……わかるさ」

 

「あはは……たしかに」

 

「りみりんまで!?」

 

いやいや、バレバレだろ。そもそも香澄…ついでに花園さんが作ってる入れ物は1日じゃ終わらなくてもちゃんとやれば2日か、かかっても3日で終わらせられる。ちゃんとやれば…

 

この日の昼休み、みんなで弁当を食べている時に花園さんを見つけると香澄が駆け寄っていってしまった。明らかに不機嫌だった有咲はさっさと教室に戻っていった。

 

「有咲どうしたのかな?」

 

「え!?ほんとに香澄なんもわかんないのか!?」

 

「私!?」

 

戻ってきた香澄が有咲に何かあったのか聞いてきたが、原因が自分のせいだと言うことに気が付いていなかった。

 

-----その日の放課後-----

 

「優弥くんの言う通り香澄ちゃん来たね」

 

「だろ?さすがに昼にあんな態度されたら普通は気になるさ」

 

香澄が久しぶりに蔵にやってきた。だけど有咲が怒っているのが中にいても聞こえてきている。まぁ約束破ってたわけだし怒られても仕方ないよな。

 

「ゆーくーん!りみりーん!」

 

「「香澄(ちゃん)!?」」

 

いきなり入ってきたと思ったら俺とりみの方に抱きついてきた。ああ〜びっくりした、つーか香澄、男子に抱きついてる自覚あるのか?

 

「相変わらず騒がしいな!」

 

「でも有咲ちゃん嬉しそう」

 

「たしかに」

 

「はぁ!?///」

 

「有咲喜んでくれてるの?あーりさ〜!」

 

「ちょっ!?///抱きつくなー!?///」

 

「めっちゃ顔赤いな有咲」

 

「いいから早く引き剥がせ優弥ー!///」

 

「はいはい」

 

香澄が来ただけで騒がしく、これもいつも通りに戻ったって感じだな。

この後部屋の方に行くと何故か花園さんがいた。いやまぁ……香澄についてきたってところまでは予想できていたけど……

 

「おかわりお願いします」

 

「はいどうぞ」

 

なんでこいつ人の家で勝手にご飯食ってるんだ?これじゃあ香澄だろ。

 

「おかわりじゃねぇ!?何人の家で勝手に食べてるんだー!?」

 

「有咲、すっごく美味しい」

 

「私も食べるー!」

 

「香澄が2人いるー!!」

 

「有咲……これは諦めるしかないぞ……香澄1人でも厄介なのに2人となると俺も無理」

 

「うぅ……そうするしかないか……2人も食べていくだろ?」

 

「「いいの(か)??」」

 

「私1人にこの相手させる気か?」

 

「目的そっちか!?」

 

花園さんが食べているのを見て香澄も食べると言い始めた。有咲の許可も取らず……

1人で香澄2人分を相手にするのが大変なのか、俺とりみにも一緒に食べるように行ってきたし、ここで食べさせてもらうことにした。

 

……たしかに美味いな。

 

この次の日、香澄も花園さんも居残りでやってた作業も終わってついに解放された。まぁ……ギターを弾かないで集中してやってれば今回みたいな衝突はなかったけどな。

 

この日の帰り道、香澄と花園さんの会話であることが決定していた……それを知るのはさらに次の日となる。

 

 



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10、ライブ決定

なかなか時間取れないけど1ヶ月に2話目投稿できるとは…

もうすぎちゃったけど香澄&ロック誕生日おめでとう。


 

『もしもしゆーくん?』

 

「香澄?こんな時間にどうした?」

 

『ゆーくんには先に言っておきたいことがあって』

 

「言っておきたいこと?」

 

香澄が久しぶりに蔵に顔を出した日の夜遅く…つってもまだ21時だけどこんな時間に電話がかかってきた。言っておきたいことってなんだ?

 

『今度ね〜私と有咲とりみりんでライブするの!』

 

「ライブ!?これまた急だな」

 

『帰りにおたえと話しててスペースのオーディション受けるって話になったんだけどね、おたえを震わせられないんじゃ無理ってなったの』

 

「うん、まずスペースのオーディション受けるって話は初耳なんだけど?」

 

『だって今初めて言ったもん!』

 

「今初めて言ったもん!……じゃねぇよ!?それ有咲やりみと受けるつもりだろ?」

 

『他に誰がいるの?』

 

何の用かと思ったらライブの話、しかもスペースのオーディションもそのうち受けるつもりだったとか。しかもこの様子じゃ2人にも言ってないだろうな。

 

「はぁ……お前それちゃんと明日言えよ?」

 

『スペースのことも?』

 

「当たり前だ、そのうち受けたいってことちゃんと伝えろ」

 

『はーい。あ、それで今度のライブ手伝ってね〜じゃあね!』

 

「……は?おい香澄!?って切れてるし……」

 

何の用かと思ったらライブするから手伝え?しかも俺の返事聞かずに電話切るし……って1度やるって決めたらこいつ止まらないんだった……仕方ない、時間がある時は手伝ってやるか。練習を……

 

 

prrrr

 

 

ん?また香澄?じゃないみたいだな

 

「もしもし」

 

『こんばんは優弥先輩』

 

香澄からの電話のあと今は遠くに住んでるアイツから電話があって1時間くらい話してから寝ることとなった。明日香澄の話聞いてみんなどんな反応するかな?

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

-----次の日-----

 

「はぁ!?ライブ!?」

 

「気持ちわかるぞ有咲。俺も昨日の夜初めて聞かされたからな」

 

「いきなりすぎるだろ!?」

 

うん、有咲の反応はごもっとも。しかも練習をあまりしていない状態だ。こんなんでどうやってやるのやら。

 

「それで?おたえを震えさせる?ってのが出来なかったら解散か?」

 

「ええ!?」

 

「そこまでは花園さんも思ってないんじゃないか?スペースのバイトスタッフとして花園さんの心を動かさないと合格は無理って話だろ?」

 

「優弥の言う通りだよ。それとさん付けしなくてもいいしみんなを呼んでるみたく名前で呼んでも大丈夫だよ」

 

「そっか、じゃあたえで」

 

「ちょまっ!?優弥今合格がどうとかって!?」

 

「あ、これも昨日香澄から急に聞いた話だ。香澄よろしく」

 

有咲はたえを震えさせる…まぁ震えさせるってよくわからんが、それができないと解散になるのか気になっていたみたいだ。それが気になるってことは有咲もやるってことか?

 

スペースの合格云々の話を俺がした時に有咲がまた突っ込んだが、そういえばまだ話させてなかったな。香澄に説明させるとこれまた案の定、有咲とりみの2人は驚いていた。

 

「す、スペースでライブ…」

 

「マジか…」

 

「な?驚くだろ?」

 

「「当たり前だろ(よ)!!」」

 

「わぁ〜2人息ピッタリ〜」

 

「「お前が言うなー!!」」

 

「ま、またピッタリ…」

 

有咲とりみが2人揃って言った後、俺と有咲も揃って言っていた。みんな思うことは一緒みたいだな。

 

「頑張ろうね、りみりん!有咲!」

 

「う、うん!」

 

「はぁ!?なんで私も!?」

 

「ゆーくん手伝ってくれるよ?」

 

「……はい?」

 

「そ、そうなのか?そ、それならやろうかな///」

 

「そう言ってくれるって思ってた!」

 

「ちょっ!?香澄!?お前昨日返事言う前に切ったけど手伝うとは一言も!?」

 

「優弥…」

 

「有咲?」

 

「て、手伝ってくれないのか?///」

 

「うっ…わ、わかったよ」

 

んだよその表情。そんなんで言われたら断れないだろうが、香澄の場合以外……

 

「ゆーや///」

 

「沙綾!?」

 

いきなり手を重ねられてビックリなんだけど!?

 

「差し入れの分のパン母さんにお願いして私が作るね///」

 

「お、おう…楽しみにしてる」

 

「(山吹さんももしかして)」

 

「(有咲もやっぱり)」

 

「(優弥のこと)」

 

「(ゆーやのこと)」

 

俺はこの時、何も気付いていなかった。有咲や沙綾がお互いに気付いていることについて。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「楽譜持ってきたよ〜」

 

「りみりんありがとう」

 

りみがライブ用の楽譜を持ってきてくれた。有咲はキーボードだし前にピアノやってたみたいだから楽譜は読める。でも香澄は……

 

「りみりんここは〜」

 

「えっと……」

 

「りみは自分の練習してくれ。香澄には俺が教えるから」

 

「ありがとう優弥くん、助かるよ」

 

「それじゃあビシバシいくぞ!」

 

「ええー!?りみり〜ん、有咲〜」

 

「あはは……」

 

「羨ま…じゃなかった、頑張れよ〜」

 

「今羨ましいって言おうとしなかった?」

 

案の定香澄はコードがわかなかったため、りみには自分の練習をしてもらい、俺が香澄に教えることにした。つーか有咲、俺にも羨まって聞こえたけどどうしたんだ?

 

「……うん、コードはこれからも覚えてもらっていくとして、まずは楽譜にドレミ書くからちょっと待ってろ」

 

「はーい!」

 

ったく、元気だけはいいんだからな〜とりあえず書いていってみてるけど、そんなに難しくない曲だし初心者の香澄でもなんとかなりそうだな。

 

「よしオッケー、できたぞ香澄」

 

「ありがとー!えっと……どの弦で弾けばいいの?」

 

「……そっからか?」

 

「えへへ〜」

 

「えへへじゃなくて……まぁいいや、教えていくぞ」

 

まさかどの弦がどの音かわからないなんて……それくらいは調べておいて欲しかったな。とりあえず教えていったが……意外とこいつのみこみ早いな。

 

「はい、じゃあ休憩!」

 

「「疲れた〜」」

 

「さすがにブランクあるな〜」

 

「みんなお疲れ様〜沙綾のとこでパン買ってきてあるから食べてくれ」

 

ある程度やったし休憩を入れることにした。みんなの分のパンが入った袋を取り出すとりみが真っ先にチョココロネを取った。香澄も有咲もわかっているのかチョココロネを取ろうとはしなかった。

 

「ねぇゆーくん」

 

「ん?どうした香澄?」

 

みんなのパンが入った袋と別の袋に入ったパンを取り出すと香澄が何か気になったみたいだ。

 

「なんでゆーくんだけ袋別なの?」

 

「たしかに」

 

「そういえば優弥君だけ…」

 

「ん?なんか沙綾が俺のはこっちの袋って言われたんだよな〜なんでだろ?」

 

「なんでだろ〜」

 

「う〜ん…」

 

「私たちが知るか…(きっと手作りなんだろうな)」

 

「だよな〜」

 

みんなが知るわけないか。ただみんなの分のパンより形がちょっと違う気がするな。微妙に整ってない部分があったりする。その辺の細かいことは気にせず、休憩後はみんな集中して練習していた。俺は香澄メインで見てたけど時々りみや有咲の方も見ることはできた。

 

ただ……始めたばかりだから仕方ないがもっと練習しないと全然ダメだな。

 

 




とりあえず今回はここで終わります。次回以降もできるだけ早く投稿したいと思います。


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11、クライブ

更新遅くなってすみません。遅いのに文字数少なめ


 

「ゆり先輩が来る!?」

 

「うん、お姉ちゃんが見に行くねって…それで場所聞かれたんだけど…」

 

「あ、場所決めてなかったな……蔵でいいか?」

 

「家の蔵か!?」

 

「有咲がダメなら他なんとか探してみるけど……」

 

ある日の昼休み、りみが姉のゆり先輩が来ることを突然告げた。そういえば場所決めてなかったことを思い出して有咲にいつも練習してる蔵でいいか確認した。だがみんなの前で聞いたのが悪かったみたいだ。なぜなら……

 

「蔵でライブ…クライブ」

 

「クライブ!いい!」

 

有咲の許可が出る前にたえと香澄の2人で盛り上がってしまっていた。

 

「すまん有咲……俺が余計なことを……」

 

「いや……2人が勝手に言ってるだけで優弥が謝ることじゃないぞ……あと家で大丈夫だから。というかこうなったら止められないだろ?」

 

「ま、まぁな……」

 

ライブの場所は有咲の家の蔵でいいみたいだ。場所は決まったしゆり先輩も来ることになったし変なライブは見せられないな。

 

「そういえば山吹さん、この間優弥の分の差し入れだけ袋違ったけどあれなんでなんだ?」

 

「え?///そ、それは別に…なんでもないよ///」

 

「へぇ〜そういうことにしておくよ」

 

なんか沙綾は赤くなってるし有咲はニヤニヤしてるしよくわからん。まぁ…気にしなくていいか。

 

「あ、そうそう、俺今日と明日は練習手伝えないから」

 

「え?ゆーくんなんでー!?」

 

「俺にだって用事あるわ!」

 

「ゆーくんの教え方上手くて助かるのに〜」

 

そんなこと言われたってな〜俺にだって用事あるし必ず手伝えるわけじゃないって……しかもこの後何故かたえが手伝うことになった……なんで?

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

----ライブ当日-----

 

「りみりんおはよう!もう来てたんだ」

 

「おはようりみ、早いな」

 

「おはよう、早く着いちゃった」

 

有咲の家に行くと既にりみが来ていた。いたのはりみだけではなくゆり先輩も一緒にいた、まぁ当然か。

 

「おはようございますゆり先輩」

 

「おはよう山本君。りみがお世話になってます」

 

「そんなことないですよ」

 

「先輩!?」

 

「明日香ちゃんもおはよう」

 

「お、おはようございます」

 

「あれ?香澄、明日香ちゃんにゆり先輩来ること言ってなかったのか?」

 

「忘れてた〜」

 

「さすが香澄」

 

「えへへ〜」

 

「褒めてないから」

 

ゆり先輩がいることに驚いた明日香ちゃん。てっきり香澄が伝えてると思ってたけどそうでもなかったらしい。しかもさすがって言ったら褒められてるって勘違いしてるし。

 

「あとは沙綾とたえか」

 

「先に中で準備しながら待ってよう」

 

「だな」

 

まだ来てないのは沙綾とたえ、とりあえず準備するために中に入ろうとした。すると、

 

 

ビリッ

 

 

という音がし、その方向を向くと明日香ちゃんが香澄のギターケースを下から支えていた。どうやら袋が破れたみたいだ。明日香ちゃんナイスキャッチ。中で準備していると沙綾とたえが来て、たえも家庭科で作った袋が破けたみたいだ。なんかそれで盛り上がってるけど……

 

「ゆーくん捕まえて!」

 

「は?」

 

いきなり捕まえてって言われてもなんの事か……あ、たえが連れてきた兎が動き回ってるのか。俺の膝に来た兎は明日香ちゃんの膝の上にちょこんと座りじっとした。これは下手に捕まえようとするよりこのままがいいな。

 

「香澄、兎は明日香ちゃんの膝の上でじっとしてるしライブの方始めて大丈夫だ」

 

「わかった」

 

「あれ?」

 

「なんかたえも一緒にライブやるみたいだぞ」

 

「お姉ちゃんの話だとてっきり観客側だと思ってた……」

 

「それが普通だ」

 

ライブを始めるため、香澄と有咲とりみ、ここまではいいのだがたえも前にいたために、明日香ちゃんが疑問に思った。たえをドキドキさせるのが1番の目的だから明日香ちゃんの疑問はもっともだった。

 

「こんにちは。今日は私たちのライブ、クライブに来てくれてありがとうございます。今日はおたえとあっちゃん、さーや、ゆり先輩、おばあちゃん、ゆーくんをドキドキさせたいと思います。ドキドキしてくれたら嬉しいです。聴いてください」

 

『私の心はチョココロネ!』

 

ライブの曲は"私の心はチョココロネ"、りみの鼻歌を元にして作った曲だ。ギター初心者の香澄でもそんなに難しくはない曲である。みんな楽しそうにライブしていて、あっという間にライブは終わった。

 

 

パチパチパチ

 

 

蔵には拍手が鳴り響く。そしてたえは何か思ったことがあるのか、そんな表情をしている。

 

「たえ、どうだった?」

 

「香澄、有咲、りみー!」

 

「「「うわー!?」」」

 

たえがいきなり3人に抱きついたけど……俺の質問は無視?

 

「おたえ、一緒にバンドやろ?」

 

「うん!よろしくね香澄!有咲!りみ!優弥!」

 

……あれ?今俺の名前出さなかった?

 

「うん!でも残念ながらゆーくんはまだバンドのメンバーってわけじゃないんだよ〜手伝ってくれてるだけだよ」

 

「じゃあいずれ優弥も震えさせるように頑張ろう!」

 

「おー!」

 

「おい、有咲、りみ、この2人の暴走止められないか?」

 

「「無理(かな)」」

 

「だよな〜」

 

バンドのメンバーは増えたけど厄介なメンバーも増えた。これからさらに大変になりそうだ。まぁ香澄の近くにいると大変にならないことの方がないか。

 

 

 




次回は最初ちょっとオリジナル要素入れてから文化祭編入ります。


高評価を押して下さった
よろうあ さん
斎藤努 さん

ありがとうございます


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12、出し物

いつもよりは投稿感覚短いはず……


 

「沙綾どうかしたか?」

 

「え?どうかって?」

 

「ライブが終わって香澄たちが盛り上がってるところくらいから微妙に表情違ったから気になってさ」

 

「そ、そうなんだ…(バレてる、それって私のこともちゃんと見てくれてるってことだよね?こんな時でもちょっと嬉しいな)」

 

クライブが終わってみんなはまだ蔵で騒ぐみたいだから俺と沙綾は先に帰ってる。俺は帰るより先に沙綾を送ってるって感じだけど。ちょうど2人きりだし気になったことを聞いてみた。やっぱり何かあるな。

 

「優弥には話したことあるよね?私がバンドやってたこと……」

 

「ああ、その時のこと思い出したのか?」

 

「うん…それだけだから優弥が気にしなくていいよ」

 

「まぁ沙綾がそういうならな、でももし何か話したい時は言ってくれよ?力になる……とは約束できないけど話聞くくらいなら俺でもできるからさ。頼りないだろうけど」

 

「ふふ、頼りにしてるね優弥」

 

「っ!?いきなり抱きつくとか香澄かよ!?」

 

「香澄みたく色んな人にこんなことしないよ〜///」

 

どうやら沙綾は自分がバンドしてた時のことを香澄たちを見て思い出したみたいだ。それで思うところがあったんだろうな。気にしなくていいと言ってるし今はこれ以上は聞かないでおこう。必要な時は聞けばいいし……

 

つーかなんで沙綾はいきなり腕に抱きついてきたんだ?香澄みたく……まぁ腕に柔らかいの当たってて気持ちいいしよしとするか。まぁ……

 

「ねぇ…今気持ちいいって思ってる?///」

 

とバレてたことは気にしないでおこう。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「文化祭実行委員になりました戸山香澄です。クラスの出し物はキラっとしていてシュッとしていて可愛い物がいいかな」

 

出た香澄語。今俺たちのクラスは文化祭でやるクラスの出し物について話し合う時間だ。それで実行委員の香澄がいきなりみんなに伝わらない内容で言い出した。

 

「お〜い香澄〜まずは副委員長決めないとだろ〜男女1人ずつ必要なみたいだしそっち先決めようぜ」

 

「あ、そうだね!さすがゆーくん!じゃあゆーくんと〜」

 

さすがって……普通はそういう考えになるはず……うん?俺と?何勝手に決めてるんだ?いつものことだけど

 

「さーや!」

 

「私!?」

 

もう1人は沙綾が指名された。まぁ俺としては助かるけど……

 

『香澄の暴走止められるのは2人だけだもんね〜』

 

『山本君と沙綾なら香澄の言ってることわかると思うしいいんじゃないかな?』

 

『山本頑張れ〜』

 

『応援してるぞ〜』

 

香澄が俺と沙綾を指名すると急にクラスのみんなが勝手に言い出した。つーか香澄の暴走止められるやつなんているのか?

 

「優弥…私優弥となら一緒にやりたい…かな///」

 

「沙綾まで……まったく、わかったよ。でもこれだけはみんなに先に言うけど……香澄の暴走は俺でも止められないから覚悟しとけよな?」

 

沙綾まで俺とならやりたいって言うしもう断れそうもなかった。みんなに香澄の暴走は止められないことを先に言っておいて副委員長を引き受けることにした。

 

つーか誰かわかんねぇが応援してるって言った奴、絶対嘘だろ。

 

「それじゃあ副委員長も決まったことだし何するか決めてくか。えっと……なんだっけ?キラっとしてて……」

 

「シュってしていて可愛いもの!」

 

「うん、みんな分からないよな?」

 

香澄語でやりたいことを言われても俺以外のみんなに伝わるわけない……と思ったら1人だけ伝わった人がいたみたいだ。

 

「多分だけど…………こんな感じかな?」

 

「そうそう!これだよさーや!」

 

「沙綾やるな〜それじゃあみんな、これをふまえて何かやりたいものある人意見出してくれ」

 

沙綾には香澄の言っていることが伝わったみたいだ。黒板に書き出し、それに基づいてみんなも意見を出してくれている。

 

出してくれてるのはいいんだけど……

 

「全部に採用って言ってどうするんだよ!?」

 

香澄が出た意見に対して全部"いいね"とか"採用"って言ってる状況だ。全部は無理に決まってんだろ……

 

「は、はい!」

 

「りみ?何かあるのか?」

 

「沙綾ちゃんの家のパン」

 

「家!?」

 

『たしかに、あそこのパン美味しいもんね〜』

 

『俺もパン買うならそこのパンだな』

 

りみが山吹ベーカリーのパンが良いという案を出すとみんな一斉に食いついた。ってか何この一体感!?

 

「みんなストップ!今の様子見てるとみんな賛成って感じがするからとりあえず第1候補にするけどもう1つ何か考えておこう」

 

「なんで?」

 

「もし沙綾の家でダメって言われたらどうするんだ?」

 

「あ、そっか」

 

「沙綾、今日放課後俺と香澄で行っていいか?大丈夫かどうか直接聞きたいし」

 

「うん、大丈夫だよ」

 

とりあえず放課後沙綾の家に行って大丈夫なら山吹ベーカリーのパンを出すことに決定した。念の為もう一個の案も決めておいたが……

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「ただいま〜」

「「「こんにちは〜」」」

 

放課後、俺と香澄とりみで沙綾の家である山吹ベーカリーにやってきた。まぁりみはパン買いに来たのだが……俺と香澄は文化祭のことでやってきていた。

 

「沙綾おかえり、それと3人ともいらっしゃい」

 

「今日は大事な話があって来ました」

 

「あ、私はパン買いに来ただけです」

 

「大事な話?沙綾と付き合いたいとかかな?」

 

「父さん!?///」

 

「そういう話じゃないですって、仮に付き合うにしても相談には来ませんよ〜」

 

「それもそうだね、それで話ってなんだい?」

 

ここでいいのかって思ったけどりみ以外今買いに来てる人いないしいっか。つーか沙綾の父さん普通にボケてきたな……

 

「実はもうすぐ文化祭があるんですけどそこで俺たちのクラスはカフェをやることになったんです。そこで山吹ベーカリーのパンを出したいっていう話になりました 」

 

「私たちは実行委員と副委員なので代表してお願いに来ました。山吹ベーカリーのパンを出させてください。お願いします!」

「お願いします!」

「私からもお願いします!」

「父さん、クラスのみんなが満場一致で賛成してたの。もう1つ候補は出してるけど私も出したい。だからお願い!」

 

香澄と俺、りみや沙綾も一緒にお願いしてくれた。ってかりみは買いに来たのに一緒にお願いしてくれてるよ。

 

「いいでしょう」

 

「ほんとですか?」

 

「恩人の優弥君の頼みだし今回は許しましょう」

 

「恩人だなんて、俺は特に何もしてないですよ」

 

「いやいや、紗南の時は本当に助けられたからね、あの時は本当にありがとね」

 

「私からも、本当にありがとね優弥」

 

今更あの時のことでお礼言わなくていいのに……まぁ許可してもらったし気にしないでおくか。

 

「こちらこそ、今回許可していただいてありがとうございます」

 

「さっすがゆーくん!」

 

「あの時はたまたま通りかかっただけだって…今日いきなりは無理だと思いますけど今度またお時間いただけますか?パンの大きさとかどんな形や味にするかとか打ち合わせもしたいので」

 

「もちろんだよ、その時は沙綾を通じて日時教えてもらえるかな?」

 

「分かりました。それでは今日はパン買ってからこれで失礼します。文化祭で出すパンよろしくお願いします」

「「よろしくお願いします!!」」

 

「任せておいて」

 

文化祭で出すパンは山吹ベーカリーに出してもらうことが決定した。明日またクラスで文化祭のこと話す時間あるしその時に味とか大きさとかその辺全部決めていこう。

 

 

 




今のところ最新話投稿した後必ずと言っていいほどお気に入りが増えて嬉しく思います。これで評価や感想がもっと増えれば……あ、低評価は増えて欲しくないですね。

次回もできるだけ早く出せるように頑張ります。


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13、それぞれの想い

なんとか今日中にできたー!

今回優弥は最初の方にちょこっと出るだけです。


沙綾side

 

「クラスで出すパンだし大きさはこれくらいでいいだろ」

 

「そうだね、香澄たちが来て見てもらってから決定って感じかな」

 

今日は香澄たちが家に来る日。前に話した文化祭のクラスで出すパンの試食会みたいな感じだね。

 

「今日は優弥君の分は自分で作るとは言わないんだね」

 

「なっ!?///な、なに言ってるの父さん!?///」

 

「我が娘ながらわかりやすい。彼いい子だし沙綾とも上手くやっていけると思うけどな〜」

 

「もぅ〜そういうのいいから///」

 

父さんってば、いきなり何言い出すの///たしかに優弥のこと好きだけど……バレバレなのかな?///

 

「沙綾〜来たよ〜」

 

そんなこと考えてたら香澄たち来ちゃった。大丈夫だよね?顔赤くないよね?

 

「いらっしゃい、ちょうどパンも出来たところだよ」

 

「ありがとうございます、本当に助かりますよ」

 

「ゆーくんの言う通りです。ありがとうございます!」

 

「ははは、元気いいね〜どうぞ上がって」

 

香澄たち来たしちゃんと案内しないとだね。

 

「みんないらっしゃい。こっちだよ」

 

「あ、沙綾〜」

 

「わぁ!?もぅ〜いきなりなんだから〜」

 

香澄ってばいきなり抱きついてきて〜あ、でも前私も優弥に…///

 

「沙綾?なんか顔赤いけど大丈夫か?」

 

……ん?優弥の顔がこんな近くに……優弥の?……っ!?

 

「近いよ!?///」

 

「へぶっ!?」

 

び、びっくりした〜///気がついたらいきなり優弥の顔が目の前にあるんだもん、びっくりするよ///

 

……あ

 

「優弥ごめん大丈夫!?」

 

「平気平気、そんだけ元気なら風邪とかじゃないんだろ?」

 

「う、うん」

 

「ならよかった」

 

「優しすぎるよ///」

 

ほんとなんでこんなに優しいんだろ?もっと優弥のこと……はっ!?今はこんなこと考えてる時じゃないね!?

 

「ふふふ、優弥君、沙綾のことお願いね」

 

「?は、はぁ…(何をだ?)」

 

「もぅ父さん!!///そんなことよりパンでしょ!?」

 

「今持ってきたからみんなで食べてもらえるかな?」

 

『ありがとうございます』

 

父さんにまたからかわれた〜これ以上この話だともっと何か言われそうだから強引に話を逸らすことにしたよ。みんなでパンを食べたけど大きさもちょうどいいって結論になって、味はお店イチオシのチョココロネ、他にはカレーパンとメロンパンとカレーパン、クリームパンとあんぱんの6種類になったよ。

 

……そういえばクラスのことで集まってるけど市ヶ谷さんも普通にいるね。

 

沙綾side out

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

有咲side

 

「う〜ん……」

 

今は文化祭準備時間……なんだが私はみんなに任せてるから階段のところでバンドのグループ名を考えている。少し集中しすぎてたのかな、だから……

 

「い〜ちが〜やさん」

 

「うわぁ!?なんだ山吹さんか」

 

山吹さんがそばに来ていることに気がついていなかった。

 

「なにしてんの?」

 

「グループ名考えてる、香澄に任せたらキラキラなんとか、それかドキドキなんとかになりそうだし」

 

「あはは、それは言えてるね」

 

そこは山吹さんも同感みたいだ。ほんとあいつは何考えてるんだか…

 

「でも楽しそう」

 

「はぁ!?」

 

「じゃなかったらバンド名必死になって考えないと思うよ」

 

「うぅ…」

 

山吹さんに楽しそうと言われたけど否定できない。たしかに香澄は無茶ぶりしたりするけど一緒にいても飽きない。迷惑かけられることも多いけどそれと同じくらい楽しい。それに…優弥も手伝ってくれるし///

 

「これ…ポッピンっていいと思うよ。可愛くて」

 

「そう?」

 

「うん!」

 

そっか…じゃあこの"ポッピン"はグループ名に入れてみようかな。

 

……今他に人いないし聞いちゃおうかな。

 

「ね、ねぇ山吹さん」

 

「なに?」

 

「山吹さんは…いつからその…優弥のこと好きなんだ?」

 

「……えぇ!?何いきなり!?///」

 

「いきなりだけど…山吹さん優弥のこと好きだろ?」

 

「うぅ///でも有咲もでしょ?」

 

「ふぇ!?ま、まぁな///」

 

せっかくだからいつから優弥のこと好きなのか聞いてみた。見てたら山吹さんも優弥のことが好きなのはわかる。私が優弥のこと好きなのもバレたみたい///

 

「優弥と初めて会ったのって妹が怪我して応急手当てしてくれたのがきっかけなんだよね。それで家まで妹を連れてきてくれた時に初めて会ったの」

 

「そんなことが……」

 

「何も欲とかなしにただ人のために動くだけしてたんだもん。それから入学式の日に優弥と席が前後って教室行ってから知って驚いたよ。私の方が前だから授業中は無理だけど、それ以外ではいつも目で追っちゃってたんだ〜///」

 

「私も目で追っちゃうからその気持ちはわかる///」

 

「だよね、ずっと見てたからわかるけど優弥がいつも自分から動く時って誰かの為に動いてるんだよね。ちょっとは自分の為に動いてもいいと思うけどね」

 

「それは同感」

 

「でも、そんな誰かの為に動ける優弥だから…そんな優弥をずっと見てたらいつの間にか好きになってたんだよ///」

 

「なるほど」

 

山吹さんの気持ちわかるな〜私もずっと見てるけどいつも自分のことより誰かのために動いてるもん。

 

「い、市ヶ谷さんは?」

 

「私!?///」

 

「私のだけ聞くのズルいよ///」

 

やっぱり言わないとダメ…だよな///私だけ聞くなんて卑怯な気がするし…

 

「うぅ///私が最初に会ったのは香澄が家に置いてあったギターを勝手に持ち出した時なんだよ」

 

「ああ〜そういえば勝手に持ち出したこと聞いた事ある」

 

「その時に優弥と会って、優弥はまったく関係ないことなのに謝ってきたんだよ」

 

「優弥らしいね」

 

「そうなんだよ。最初は自分は関係ないのに知り合いだから…まぁ香澄だけど香澄の為に動いてるんだろうなって思ってた。でもそれから事あることに香澄だけじゃなくて他の誰かの為にずっと動いてる。そんな優弥を見てたら…優弥と一緒になれたらその……し、幸せになれるだろうなって///」

 

「やっぱり私たち…他の人の為にずっと動いてるってところに惹かれてるのかな」

 

「他にも細かいところあるけどそのことがほとんどだろうな」

 

昔からなのかな?そうだとしたら幼馴染でずっと一緒にいた香澄もやっぱり……

 

「ゆーくんは昔からそうだよ」

 

「「っ!?!?」」

 

ずっと山吹さんと話してたから全然気付いていなかった。香澄が…それとりみとおたえが近くに来ていたことに…

 

有咲side out

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

香澄side

 

りみりんやおたえとクラスの準備に必要な物を取りに行って階段を上ろうとしたら有咲とさーやがゆーくんの話をしてるところに出くわした。そうしたら2人がゆーくんのどこが好きなのか言い合ってたところで、2人とも同じところを言ってるみたい。

 

……やっぱり2人もゆーくんのこと好きだったんだね。これで私が何も言わないのは卑怯かな?でも気付いてるよね?それでも立ち止まってるわけには行かなかったから2人の方に歩いて行った。

 

「ゆーくんは昔からそうだよ」

 

「「香澄!?」」

 

2人は私が聞いてたことに驚いてるみたい。そうだよね、いないと思って…実際話し始めの時は居なかったからこの話してるんだもんね。

 

「ごめんね?2人の話聞いちゃってた。でもやっぱり2人も同じ気持ちだったんだね」

 

「やっぱり香澄も…」

 

「うん、ゆーくんのこと…好きだよ///」

 

「そうだよね、高校から出会った私や市ヶ谷さんが好きになるってことは、ずっと一緒だった香澄が好きになっててもおかしくないもんね」

 

「たしかにな〜というか隠してるようで隠せてなかったからな?」

 

「うぅ…そう言われるとちょっと恥ずかしい///」

 

やっぱり隠せてなかった〜///

 

「私とゆーくんが幼馴染なのは知ってると思うけどだからなのかな、他の人よりも一緒にいること多くて私の為に動いてくれたことも多かったんだ〜」

 

「まぁ…」

 

「必然的に多くなるよね」

 

「でもね、私や私だけじゃなくて他の人が困っててもゆーくんがそのことを把握したら動ける時はいつでも動いてたの。自分のことなんてお構い無しに…そんなゆーくんのことずっと見てたから私もゆーくんのこと好きになってたの。その時はまだ小学生だったのに恋愛の方の意味でゆーくんのこと…///」

 

「ずっとそういうの見てたらそうなるよね」

 

「たしかに…私ももしその時から一緒ならもっと早く好きになってたと思う」

 

さーやも有咲も、私の言ってることに納得している。それもそうだよね、その時から何も変わってないんだもん。

 

「だからね有咲、さーや」

 

「「??」」

 

「もちろん私のこと選んで欲しいよ。でも私はゆーくんがもし私を選ばなくても素直に祝ってあげるつもりだよ」

 

「それは私も…それに市ヶ谷さんもでしょ?」

 

「もちろん。それと…もし私たちから1人を選べなくてみんなとってなっても香澄や山吹さんならそれでもいいかなって思ってる」

 

「私も2人なら…」

 

有咲もさーやもそこまで…でももしそうなってもゆーくんならみんなを幸せにしてくれそうだね。

 

「でもさ〜」

 

「「「おたえ?」」」

 

「もし優弥にもう彼女いたらどうするの?」

 

「「「……あ」」」

 

おたえの言う通り彼女がいたら…魅力的なゆーくんだからいてもおかしくない…でも、それでもやっぱり

 

「気持ちだけでも伝えるかな」

「「私も」」

 

「そっか、それなら何も言わないよ」

「私もおたえちゃんも、みんなのこと応援するね」

 

おたえもりみりんも応援してくれるみたい。

 

「それじゃあ約束だよ有咲、さーや。もし誰か1人を選んだとしても選ばれた人を恨まないって」

 

「わかってるよ」

 

「そんなことしないよ。すぐにはおめでとうって言えないかもしれないけど恨んだりはしない」

 

「うん。約束!」

 

こうやって好きな人のことを話し合うのって初めてだったね。これからもこうやって話していけたらいいな〜もう隠す必要ないもんね……って、隠せてなかったか。

 

ゆーくんの話は"今は"これくらいにして文化祭の準備を頑張るために教室に戻ることにした。

 

「あ、そうだ有咲!グループ名楽しみにしてるね!」

 

「このタイミングで言うことかー!!」

 

なんとなくこのタイミングで言ってみたけど、楽しみなのは本当だよ。

 

 




もしかしたらこの作品で1番文字数多かったかも?

休み今日までだったので頑張って書きました。この後はまた投稿間隔空いてしまうと思いますができるだけ早めに仕上げていきたいと思ってはいるのでお待ちいただけると有難いです。ちなみに今回のこの話は文化祭編になったら書こうと思っていました。
いつもより長くなりましたが次回までお楽しみに。


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14、泊まり

オリジナルで話組み込みながら今回の話を書いたので展開はあまり進んでいません。


「本当にいいのか?香澄のこと任せちゃって」

 

「うん、任せておいて」

 

とある日の夜、沙綾の家の前に香澄たちと集まっている。目的はライブでやる曲の歌詞作りをするために香澄が沙綾の家に泊まる。本当に沙綾に任せて大丈夫なのか確認中だ。

 

「寝てたら引っぱたいて起こしていいからな〜」

 

「有咲酷い!?」

 

「そんなに心配なら市ヶ谷さんも泊まればいいのに」

 

「なっ!?い、いきなり泊まりなんて…」

 

「なに照れてるの?」

 

「そんなんじゃねぇ!私はそんな軽い女じゃない!」

 

有咲が心配するように言うと沙綾が有咲も泊まればと言うが有咲は照れている。多分友達と泊まりってことしたことないんだろうな……軽い女じゃないって言って走り去っちゃった。ついでにたえやりみも一緒に帰っていった。

 

「そんじゃ俺も帰るわ。沙綾、香澄のことよろしくな」

 

「「帰るの!?」」

 

「……へ?」

 

俺が帰るって言ったら2人揃って驚かれたけどなんで?

 

「ゆ、優弥も…泊まっていっていいんだよ?///」

 

「ゆーくん歌詞作り手伝ってよ〜それで…一緒に泊まろ?///」

 

いやいやいや、女子の家に泊まるって…普通断るだろ!?

 

「優弥君なら構わないよ?」

 

「そこ止めるとこでしょ!?」

 

「君以外の男子なら止めてたさ」

 

断ろうとしたら家の中から沙綾の父親が来て、あろうことか泊めるのを許可してきた。構わないよじゃないだろ!?

 

「ゆーくん!」

「優弥!」

 

「はぁ…わかったよ」

 

「「やったー!!」」

 

なんで2人揃ってここまで必死に…香澄なら分かるけど沙綾まで…

結局俺も泊まることになり夕飯もご馳走になった……美味かったな。

 

でもこの後ある事件が起こることになる。その事は今の段階では予測できていなかった。

 

 

 

「優弥〜お風呂空いたよ〜」

 

「悪いな沙綾」

 

「ううん、大丈夫だよ」

 

香澄たちが風呂から上がるまで俺は沙綾の部屋にいた。一応彼女はいるけどそいつの部屋に上がるってことはなかったからちょっと落ち着かなかったな。

 

「じゃあ風呂借りるわ」

 

「行ってらっしゃい、私は香澄見てるから」

 

「ゆーくんが戻るまでに仕上げられるように頑張る」

 

「いやいや、それができるなら泊まる必要ないから」

 

香澄は俺が戻るまでにって言ってるけど無理だね。それができるなら泊まる必要はない。つーか沙綾の家に泊まる必要となくなるな。とりあえず風呂を借りて入ることにした。

 

だけどここで予想外のことが起きた。

 

「優弥、湯加減大丈夫だった?」

 

「大丈夫だ、こっち来ないで香澄についてて大丈夫だぞ。今から身体洗うしまだ時間かかるぞ」

 

「それならちょうどいいタイミングだね」

 

……ん?何がちょうどいいんだ?

 

 

ガラガラ

 

 

「…………へ?」

 

「私が洗ってあげる///」

 

「いやいやいや!?いいって!?」

 

沙綾さっき風呂入って服来たよな!?なんでまた脱いでタオル巻いて入ってきてんの!?

 

「いいからいいから///香澄には戻るのにちょっと時間かかるって言ってあるから大丈夫///」

 

「いやそういう問題じゃないだろ!?つーか親にバレたら俺が危ないって!?」

 

「大丈夫、許可済みだから」

 

……いや、それはある意味大丈夫じゃないよな?沙綾の両親、何許可してんだよ。

 

「自分で洗うから沙綾は香澄の手伝いしてくれ!むしろそっちの方が重要だって」

 

「私がしたいの!」

 

「いやその発言良くないから!?とにかく自分で洗うから」

 

 

もにゅ

 

 

「もにゅ?」

 

「はわわっ///」

 

「すまん沙綾!」

 

「もぅ…優弥のえっち///」

 

今のは事故だ。でも事故とはいえ追い出そうとした手で沙綾の胸触っちまった…つーか揉むように掴んじまった。沙綾怒るよな…

 

「本当にごめん沙綾」

 

「優弥なら別に触っても…///じゃあお願い聞いてくれる?」

 

「聞けることなら」

 

「じゃあ優弥のこと…洗っていい?///」

 

「ったく…それじゃあ背中だけな?他は自分でやるから、その条件ならいいぞ」

 

「うん!」

 

これ以上言い合うとまたさっきみたいなことになりそうだからな、仕方ないしここは背中だけってことで譲歩しよう……これあいつにバレたらヤバいな……何言われるか、まぁ別の県だから沙綾が言わない限り大丈夫だな。

 

「ちょっとあったけどさっぱりしたな〜」

 

あの後背中は沙綾に洗ってもらって、洗い終わると約束通りすぐに出ていった。ちゃんと香澄の方手伝いに行ってくれたかな?

 

「山本君」

 

「あ、沙綾の母さん」

 

「どうだった?」

 

「いい湯加減でした。急に泊まることになったのにありがとうございます」

 

「ふふふ、それもだけど、事故とはいえ沙綾が胸揉まれたって言ってたのよ?そっちのことよ」

 

「そこ親としては怒るところですよね!?というか沙綾のやつ何言ってんだよ!?」

 

沙綾め、何故あの事故のことを母親に話したんだ…

 

「いいのよ君なら、他の子だったら怒るけどね」

 

「いやいや、俺も普通は怒られますよね?まぁ気持ちよかったですけど……って何言ってんだ俺は!?聞かなかったことに……」

 

「ふふ、内緒にしてあげる」

 

思わず本音が出ちまった。というか本当に内緒にしてくれるんだろうな?

 

とりあえずお茶もらって部屋に行くことにした。香澄の手伝いもしないとだしな。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「お待たせ〜」

 

「あ、ゆーくんお帰り〜」

 

「おう、沙綾、風呂ありがとな」

 

「どういたしまして」

 

部屋に戻った俺は声をかけるが、風呂であったことに関しては触れないでおいた。沙綾もそのつもりみたいだしこのままそっとしておこう。

 

「どうだ?進捗具合は?」

 

「ちゃんと進めてるよ〜」

 

「お、ほんとだ。沙綾の見張りのおかげかな?」

 

「いや〜それほどでも」

 

「ええ〜2人とも酷いよ〜」

 

「「冗談」」

 

「もぅ〜」

 

冗談もあるけど香澄にしてはちゃんと進めてるな。途中沙綾が離れてたのに関わらず。でも香澄いきなり作詞始めてよくここまでできてるよな。

 

「香澄休憩したか?」

 

「まだだよ?」

 

「じゃあ少し休憩すっか?」

 

「それがいいと思うよ、香澄結構続けてやってたし」

 

「じゃあそうしようかな」

 

「ちょっと待っててね〜飲み物取ってくる」

 

「さーやありがとう」

 

作詞は一旦休憩にして休むことにした。この後もまだ続けるんだし。沙綾が飲み物取ってきてくれる間2人きりになった。そういえば最近香澄と2人になってなかったな。

 

「ねぇゆーくん」

 

「ん?どうした?」

 

「さーやとお風呂……どうだった?」

 

「……ぶっ!?」

 

いきなりなんだ?って思ったら……なんで香澄がそんなこと知ってるんだよ!?

 

「さーやが胸揉まれちゃったって言ってたよ?何してたの?」

 

「なんで言うんだよ!?追い出そうとしたら偶然そうなっただけだよ!?」

 

「へぇ〜実は嬉しかったんじゃない?」

 

そこは……否定は出来ない。男だし仕方ないよな?アイツにバレたら何言われるか分からないけど……

 

「まぁとにかく、わざとじゃないから!」

 

「ふふ、そんな必死にならなくてもいいのに〜ゆーくん変なの」

 

「そんな必死か?って香澄!?お前何して!?」

 

現状を説明しよう。まず話してたら急に香澄が寄ってきた。まぁ香澄だからそこはいつも通りだとして……

 

なんで俺の手を取って自分の胸に当ててるんだよ!?

 

「さーやだけずるいもん…」

 

「ずるいって…」

 

「ジャンケンで負けなければ私が行ってたのに…」

 

「あ、なるほど、それで知ってたのか〜って胸の件は普通言うか?」

 

「あれは…予想外だったみたい」

 

そういうこと、沙綾が来た理由がやっと納得。いや待て、香澄じゃなくて沙綾が来た理由は分かったけどなんで俺が入ってる時に来た理由はなんでだ!?

 

「そこは……秘密かな///」

 

「心読むなー!ついでになんで赤らめてる!?」

 

「どうしたの?」

 

「あ、さーや!」

 

「あ、元に戻った」

 

「カフェオレ入れてきたよ〜あとお父さんから差し入れ」

 

「可愛い!」

 

完全に普段通り戻った。問い詰めるのは面倒だしいいや。

 

とりあえず少し休憩してから歌詞作りを再開することになった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「難しいよ〜」

 

作詞を再開してからの香澄は少し行き詰まってきたみたいだ。でもそれも当然だよな、普段やらないんだから。

 

「そんなすぐにできないって、きっと慣れてるやつでも時間はかかるって」

 

「うぅ…」

 

「香澄、お前…もしかして上手く書こうとしてるか?」

 

「え……それは……まぁ」

 

「ふふ、香澄。上手く書こうと意識しない方がいいんじゃないかな?」

 

「え?」

 

ここは沙綾に任せても良さそうだな。さすがバンド経験者。

 

「まずは自分の気持ちを書いてみたらいいんじゃないかな?そうしたらそこからみんなが整えてくれるよ」

 

「お願いします」

 

「私もか」

 

「ゆーくんも」

 

「俺もか。でも香澄語さーやも翻訳できてきてるし俺の出番あるかな?」

 

「「あるよ!」」

 

「2人揃って言うか…でもま、なるべくはみんなに任せるよ。やるのはみんななんだからさ」

 

「はーい」

 

「その理屈だと……私もなるべくみんなに任せていいってことだよね?」

 

「あ、そうなるな」

 

さすが沙綾。いいこと言ってくれる。香澄は沙綾と俺も手伝ってくれることを当てにしてるな。でも沙綾も俺もメンバーに入ってない。俺がなるべくはみんなに任せるってことに沙綾も乗っかって来たけど間違ってないか。

 

「でも私、さーやとも一緒に歌ってみたい。ゆーくんとも!」

 

「「え?」」

 

沙綾はともかく俺もっていうのは難しいんじゃないか?まぁ小さいステージならなんとかいける?

 

「いつか…いつかね」

 

「っ、うん!ゆーくんも!」

 

「俺もか〜まぁ大きなステージとかはさすがに無理だけどクライブみたいな小さいステージならそのうち…」

 

「やったー!」

 

「ったく、調子いいやつだ」

 

「はい!休憩終わり!」

 

「ええ!?」

 

「いやもう充分休んだろ!?」

 

「は〜い」

 

「ふふ、私も優弥も手伝うから」

 

沙綾もいつか歌ってくれるみたいだ。まぁその"いつか"がいつになる分からないけど…ついでに俺の方にも振られたから俺も小さいステージなりそのうちってことにしておいた。

 

休憩を終わりにして作詞を再開することにした。話してて休めたし問題ないよな?再開後はキリのいい所まで進めたから今日は終わりにして寝た。

 

俺は布団を敷かせてもらってベットの横で寝てたのに………何故か起きたら香澄と沙綾まで同じ布団にいたのは謎だった………

 

 

この時の俺はまだ、バンドのポスターが出来上がっていることも知らなかったし、まさかとある人の名前が書かれていることは知るよしもなかった。

 

 

 

 




今回はここまで、次回もなるべく早く投稿します。

作中に「アイツ」とちょくちょく出てきますが、誰のことか知りたい人は読み続けて下さい。そのうち名前で出します。

小説の形式は今のままいきます。前回出したアンケートで今のままが多かったので…

そして評価をして下さった北野真桜さん、ありがとうございます。

それでは次回までお楽しみに。


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15、沙綾の過去

評価バーに色がつきました。評価してくださった方ありがとうございます。これからも頑張って執筆していきますね


「じゃーん!」

 

「Poppin'Party?」

 

「そう!有咲が考えてくれたの!」

 

沙綾の家に泊まった翌日、学校にバンドのポスターが張り出されていた。いつの間にやったんだ?

 

「や、山吹さんがいいって言うから」

 

「そうなのか?」

 

「うん、poppinって可愛くていいかなって。その時はまだpartyまではなかったけどね」

 

「そっか……ん?」

 

「優弥?」

 

ポスターに書かれてる名前……香澄、有咲、りみ、たえはわかるけどなんで……

 

「なぁ香澄?なんで俺がマネージャーになってるんだ?」

 

「みんな満場一致で賛成だよ!」

 

「俺の意思無視なのはこの際どうでもいい、どうせ香澄が言い出しっぺだろうし」

 

「えへへ〜よくおわかりで〜///」

 

「うん、照れる要素ないからな?マネージャーというよりサポートって感じでやるのは構わない。でも問題はそこじゃないんだよ」

 

「え?ちゃんとゆーくんだけじゃなくてさーやの名前も入れてあるよ」

 

「……え……あ、ほ、ほんとだ……」

 

「そこが問題だよ……」

 

「?」

 

なんか満場一致で俺がマネージャーになるの賛成されてたみたいだ。どうせ香澄だろって思ったら本当に香澄だった。でも俺が問題にしてるのは沙綾の名前が書かれてることだ。いつか一緒に歌うとは昨日約束してたけど、まだバンドグループに入るとは沙綾は一言も言っていない。つまり勝手に名前を入れてるってことだ。

 

「あ、ゆり先輩!」

 

「おい香澄!」

 

怒ろうとしたら香澄たちはグリグリを見つけてそっちに行ってしまい、俺と沙綾が残された。

 

「沙綾……」

 

「ほんと……香澄らしいね」

 

「怒っていいところだぞ?」

 

「そうなんだろうけど……悪気があるわけじゃないし」

 

「沙綾」

 

「……ナツ」

 

沙綾は優しいな。普通なら怒るところなのにさ、後で説教を……とでも思っていたら1人の女子生徒が沙綾に声をかけていた。どうやら知り合いみたいだ。

 

「なんか……久しぶりだね、同じ学校なのにおかしいけど」

 

「うん……」

 

「あ、バンドやるの!?よかった〜私たち「やらない!」……え」

 

「友達が間違って書いちゃったみたい……ごめんね」

 

「「沙綾!?」」

 

ポスターの件は間違って書いたとその子に説明したと思ったら走り出してしまった。

 

「……もしかして沙綾とバンドやってたって子?」

 

「知ってたの?沙綾がやってたこと……」

 

「そっか……そうだよ」

 

「まぁ今の会話からしたらそうだよな……ひとまず沙綾のことは今は任せてくれ」

 

「う、うん」

 

初対面の女子と少し話してから沙綾に追いかけた。中庭にいたからすぐ見つけられたのはラッキーだった。

 

「沙綾」

 

「ゆう……や?」

 

「いきなり走り出すから心配したぞ」

 

「ご、ごめん」

 

「いやまぁ謝るのは香澄の方だしいいけどさ、大丈夫か?」

 

沙綾が心配で追いかけて追いついたら謝られたけど……沙綾が謝ることじゃないんだよな〜

 

「うん……ナツに……あ、さっきの子なんだけど一緒にバンドやってたんだよね」

 

「追いかける前に聞いた。まぁ一緒にやってたってことだけだけどな」

 

「それでもうバンドはやるつもりなかったのにあんなふうに言われちゃったからつい……」

 

相当辛いことあったのかな?自分から話すまではこっちなら無理に聞くこともないか。どうしてもの時以外……

 

「私は大丈夫だから……先戻ってて」

 

「そんな泣きそうな顔してて先戻れるかよ」

 

「ちょっ!?優弥!?///」

 

「これなら誰にも見られなくて済むだろ」

 

「っ……うん///」

 

先戻って欲しいって言われたけど泣きそうになってるのに先戻れるわけない。抱きしめて他の人に見られないようにしてたけど……沙綾俺の胸で泣きながら耳まで赤くなってたな。落ち着いたら一緒に戻っていった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「あ、楽器店だ!寄っていこうよ」

 

「ちょまっ!?誰も何も言ってないのに先に入るな!?」

 

帰り道に楽器店の前を通ると、いつも通り香澄がみんなと違う行動をし始めた。有咲の言うことももっともだけど香澄にはそんな常識は効かない。

 

中に入るとグリグリのひなこ先輩がいた。するとよく分からないことを言い出し香澄もそれに乗っかった。声が小さいと言われて大きくしたら「お店に迷惑だー!」って言い出したけど先輩……あんたも充分迷惑だからな?

 

「市ヶ谷さん?」

 

「え!?んん、……ごきげんよう」

 

あ、さっきのやつか。つーかごきげんよう?

 

「ごきげんよう?」

 

「お前じゃねえ!?……はっ!?」

 

「ふふふ、市ヶ谷さんそっちが素なんだね」

 

「逆にクラスだとこんな感じなのか?」

 

「あ、さっきの!そうだよ〜」

 

意外……でもないか、有咲なら普段は猫かぶっててもおかしくないな。ちなみに有咲と同じクラスのこの子は海野夏希って言うみたいだ。

 

「ゆーくんさっきのってなんのこと!!」

 

「どうした香澄?」

 

「私も気になる、なんのことだ?」

 

「香澄と違って常識人の有咲まで!?どうしたんだ2人とも!?」

 

2人ともほんといきなりどうしたんだ?

 

「ただポスターの前でお前らがゆり先輩のところに行った後に会っただけだぞ?」

 

「そうだね」

 

「「なぁんだ〜」」

 

こいつらなんだと思ったんだ?

 

「そうだ!ひなちゃん先輩だ!」

 

「私がどうしたの?」

 

いきなりなんだ?香澄のことだからよからぬことを考えてるんだろうけど……

 

「ドラムひなちゃん先輩にやってもらおうよ!」

 

「もらおうよってお前な〜」

 

「いいよ〜」

 

「いやいいのかよ!?」

 

「って言いたいけど……君たちの周りには私よりいい人がいると思うけどな〜ねぇなっちゃん」

 

俺たちの周りにいる……それって

 

「もしかして……ドラムやってたのか」

 

「パートは知らなかったんだね、うん。沙綾……ドラムだったよ」

 

「「「「えぇ!?」」」」

 

やっぱりか、他に俺たちの周りで関わってる人思い浮かばないからな。沙綾だと思ったよ……

 

「ちょっとゆーくん!?なんでさーやのこと教えてくれなかったの!?」

 

「沙綾……話したくなさそうだったからだよ。だからバンドやってたことしか知らないし、パートもやめた理由は俺も知らない。話したくないことを無理矢理聞きたくもないからな」

 

「むぅ〜あ、なっちゃんなら…」

 

「…………わかった、そっちに座ろっか」

 

「いいのか?」

 

「うん……多分この子……無理矢理聞きそうじゃない?」

 

「「たしかに……」」

 

「ゆーくん!?有咲まで……」

 

案の定沙綾がバンドやってたことを俺が知ってたと分かると問い詰めようとしてきた。まぁ俺もやってたことしか知らなかったんだけどな。夏希(お互い挨拶したら夏希でいいと言われた)が話してくれるみたいだ。

 

「私もね、沙綾がやめた理由まではわからないんだ、言ってくれないから……私たちは4人で楽しくバンドやってたの。それでとあるライブが始まる前に沙綾のお母さんが倒れちゃって……お母さんは命に別状はなかったけどその後からだったかな。沙綾……早く帰るようになったのは……」

 

親が倒れたらそりゃあ心配になるよな……純君も紗南ちゃんもまだ対応できる年頃じゃないし……

 

「それで何日かした後に沙綾から突然やめるって……理由は言ってくれなかったけど私たちも止められなかった……」

 

「そっか……夏希もやめた理由知らないのか」

 

「うん……」

 

「まぁ親の体調が原因って予想はできるけど……多分それだけじゃないだろうな。誰にも言えない気持ちもあったんだと思う」

 

「そう……かもね。山本君、沙綾のこと……お願いね」

 

「俺か…まぁ、あいつが話してくれるなら俺も何か行動起こすかもだけど…俺からなんでやめたのかとか聞かないからな?夏希からドラムやってたことを聞いた…とは言っておくかもだけど」

 

「うん、それでいい。他の人に話してなかったのに山本君にはバンドやってたこと話してたみたいだからね。もしかしたら話してくれるかも……」

 

話してくれたって言うよりは俺が様子おかしいのに気が付いて俺から聞いただけなんだよな……やってたかどうかだけだけど……

 

夏希から聞けることは聞いておいて俺たちは店をあとにした。蔵に行ってライブの練習を……と思っていたら香澄が突然走り出していった。多分沙綾の家だろうから有咲とりみとたえと一緒に俺たちも向かうことにした。

 

 

 

 

 




今回はここまで、次回までお楽しみに。

そして高評価をしてくださった

むら24さん

ありがとうございます。


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16、喧嘩

更新遅くてすみません。


沙綾 side

 

「沙綾〜お友達来てるわよ」

 

「はーい」

 

誰だろ?今日特に約束とかしてないけど…

 

「待て待て待て〜」

 

「逃げろ〜」

 

「香澄?」

 

「あ、さーや!」

 

母さんに言われて外に出たら、香澄が私の弟と妹と一緒に遊んでたけど……なんでいるの?明日本番なのに……

 

「どうしたの?明日本番なのに練習しなくていいの?」

 

「うん……そうなんだけど……」

 

「?」

 

ほんとにどうしたんだろ?いつもの香澄じゃない感じがするけど。

 

「実は今日……聞いちゃったんだ……さーやがバンドやってたこと……」

 

「っ!?」

 

そっか……それで香澄の様子が……

 

外で話したくないことだったから私は香澄を部屋に上げることにした。そこならあまり他の人には聞かれないと思うから……

 

沙綾side out

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「こんにちは〜」

 

「あら優弥君、有咲ちゃんたちもいらっしゃい」

 

「こっちに香澄来てますか?」

 

「来てるわよ?今沙綾の部屋にいるみたい」

 

やっぱりここに来てたか。俺も部屋に……いや、ここは香澄に任せてみるか。とりあえず今は下に居させてもらうとするか。

 

「今はここに居させてもらってもいいですか?」

 

「もちろんいいわよ。今日泊まっていく?」

 

「いえ、今日有咲の家に泊まることになってるので」

 

「あら?女の子ばかりのところに泊まるのかしら?」

 

「ま、まぁ結果的にそうなりますね」

 

沙綾の母さん言い方……たしかに女子4人に対して男は俺1人だけどさ……

 

「また香澄がいきなり言い出したんですよ。"泊まるならゆーくんも一緒だよ"って、まぁ私は別にどっちでも良かったですけどね//」

 

「うふふ、そういうことにしておくわ」

 

「有咲実は嬉しいって思ってたりするんじゃない?」

 

「はぁ!?//」

 

たえのやつ何言ってるんだ?嫌じゃないって思われるのは泊まる側としては助かるけど……

 

「香澄ちゃんには驚いたけも優弥君なら私たちが嫌がることしないって信じてるし私たちは大丈夫だよ」

 

「りみ〜なんて良い子なんだ、後でチョココロネ奢ってやろう」

 

「そ、そんなつもりで言ってないよ〜」

 

りみは嬉しいことを言ってくれる。ほんとにチョココロネ買ってやろうかな?でもみんな、香澄の無茶ぶりにみんなも慣れてきたのかな?

 

リビングでのんびりさせてもらってると

 

「そんなことない!!」

 

と大きな声が下まで聞こえてきた。純君は驚いて店の方に行ってしまい、紗南ちゃんもびっくりして涙目になってしまっていた。これはもうそろそろ上に行った方がよさげかな?

 

「バンドを嫌いになるわけないよ!」

 

うん、これはもうちょっとこのままでいよう。もしかしたら沙綾の本心も聞けるかもだし。

 

「上……行かないのか?」

 

「もう少し、もう少し聞かせてくれ。沙綾が本音で言ってるところだしもう少し聞いていたい」

 

「そうか」

 

「バンドを嫌いになるわけない!でも!バンドを続けてもみんな私に気を遣う!それで楽しいの?楽しいわけない!だからやめようとしたのに……」

 

そっか……沙綾も苦しんでたことはだいたい予想ついてたけどこんなこと心に秘めてたんだな。

 

「わかんないよ!」

 

ん?

 

「なんでも1人で決めるのずるい!ずるいずるいずるい!私にも悩ませてよ!なんでも1人で決めるなんてずるいよ……」

 

香澄らしいな。あいつ……人のことも自分のことのように悩めるのはしばらく会えなくなってた間でも変わってないんだな。

 

静かになったし上行くか。

 

「そんじゃ行ってくるわ、ちょっと待っててくれ」

 

「おう」

「うん」

「わかった」

 

有咲たちに上行くことを伝えてから向かうと、紗南ちゃんが泣いていて、香澄が泣き止ませようとしていた。喧嘩してると思ったのかな?

 

香澄が泣き止ませるとみんなが待ってる下に降りていった。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「お疲れ〜」

 

「みんな…来てたんだ」

 

香澄や沙綾と一緒に下に降りると、香澄たちはみんなが来ていることに驚いていた。まぁ香澄が向かった後追いかける形でここに来たからな。

 

「それじゃあ帰るか」

 

「え!?でも!?」

 

「こんな状態じゃ話できないだろ?」

 

有咲の言う通りこと状態じゃ話できないだろうな。りみりんは驚いていたが俺も有咲に同感だ。たえは何も言わないけど……

 

「まぁ私はどうでもいいんだけど……知らない人より山吹さんと一緒の方が……私はいいかな」

 

「私も、沙綾ちゃんと一緒にできたらいいな」

 

「曲のデータ送ったよ」

 

「無理だって…」

 

「待ってる…待ってるから!」

 

「だから無理だって……」

 

みんな沙綾とやりたいみたいだな。りみはできたら嬉しいと言い、たえは何も聞かずに曲のデータを送っていた。特に何も言わずに送るあたりやってくれるって信じてるんだな。香澄も信じてるみたいだし、有咲も素直じゃないけど一緒にやりたがってるようだな。

 

「沙綾、俺も沙綾が一緒にやってくれたらっていうふうには思ってる。でも決めるのは沙綾だ。沙綾がちゃんと考えて自分の正直になってやらないって選択したなら俺はそれを尊重したい。でももし、まだやりたいって思うならまた声かけてくれ」

 

「優弥……」

 

「俺も待ってる。でもみんなが待ってるとか気にしないで自分に正直になって考えてくれ。どんな意見でもその場合は絶対尊重すっからさ、じゃ、また明日な」

 

「うん」

 

俺も言いたいことを言って香澄たちを追いかけていった。有咲の家に着くと香澄が何か書き始めたが、俺を含めてみんなそのことについて何か言うなんてことはしなかった。

 

 

 

 

 




忙しくて2ヶ月も空いてしまいました。これからも更新遅くなることもあると思いますが待っていてくれたら嬉しいです。

次回までどうかお待ち下さい。


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17、文化祭スタート

更新遅くて申し訳ない……


 

文化祭当日朝

 

「ん……うん?」

 

朝有咲が起きると隣にたえがいることについてすぐに疑問に思わなかった。寝起きだからかな?みんなで泊まって何故か俺まで同じ部屋にされたのに……

 

「うわー!?おまっ!?花園たえー!?」

 

「ぐはっ!?」

 

有咲は驚いてベットから落ちた……のだが俺の鳩尾に肘が入った。めちゃくちゃ痛てぇ……

 

「ん?有咲何してるの?朝から優弥襲おうと?」

 

「は?何言ってるんだ?つーかなんでお前までベットにいるんだよ!?布団で寝てたはずだろ!?」

 

「けほっ、けほっ、あり……さ」

 

「有咲ちゃんまずどいてあげないと!?」

 

「どくって?……うわっ!?ごめん優弥!?」

 

「だい……じょう……ぶ……」

 

有咲は完全に気が付いてなかったみたいだ。たえが言ってることが分かってなかったしりみに言われて慌ててどいてくれた。

 

大丈夫とは言ったけど結構辛い。

 

「本当にごめん優弥」

 

「……ふぅ、やっと呼吸楽になった。わざとやったわけじゃないんだし気にすんな」

 

「っ///あ、ありがとう///」

 

「朝からイチャつくの?」

 

「はぁ!?///」

 

悪気があったわけじゃないし許してあげた。撫でたら赤くなった。たえが言ってることはよくわからんが……

 

「あれ?それより香澄はどうした?」

 

「俺が起きた時はもういなかったぞ?まぁ行先はだいたい予想着くし遅れることはないだろ」

 

「そうだな」

 

「ふふ、有咲ちゃん香澄ちゃんのこと心配なんだね」

 

「はぁ!?そんなんじゃねぇ!?///」

 

起きたら香澄はいなかった。沙綾の家にでも行ってるんだろうな。昨日何か書いてたし。俺らも朝ごはん食べさせてもらってから学校に向かいだした。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「沙綾ちゃん来ないね」

 

「香澄…家行ったんでしょ?」

 

「うん…」

 

「その様子だと会ったわけじゃなさそうだな」

 

「さすがゆーくん、よくわかってるね」

 

もうすぐ文化祭開始の時間、俺たちはクラスの準備をしているが何故か沙綾が来ない。

 

……まさか沙綾になにか……いや、もしかしたら沙綾の母親の具合が

 

「ゆーくん何か知ってるの?」

 

「いや、何も知らないぞ?」

 

「でも今何かわかったような感じが…」

 

「あ〜違ってたらいいんだけどさ、沙綾がバンドやらなくなった理由に母親の具合がってあっただろ?まさかって思っちゃってな」

 

「そっか…うん、違うといいね」

 

香澄たちと話してると他のクラスメイトがパン届いたという報告を受け何人かでパンを受け取りに行った。沙綾の父親が持ってきてくれるし、運んでる間に何かあったのか香澄に聞いてもらえばいっか。

 

「おはようございます」

 

「はい、おはよう。暑いから気をつけて」

 

「ありがとうございます。パンは俺らで運ぶから伝票のサインとか色々頼むぞ香澄」

 

「色々?……あ、わかった」

 

色々って言葉が最初はよく分からなかった香澄だったけどすぐになんの事か分かったみたいだ。こっちは香澄に任せておいて俺を含めたパンを取りに来た人で教室に運んで準備を進めることにした。

 

「みんなー!」

 

『?』

 

香澄が戻ってきたと思ったら急に何か言い始めた。まぁ香澄がいきなり何か言い出すのはよくあることだけど…

 

「文化祭盛り上げていこう!」

 

『おー!』

 

「いくよー!1Aえいえい…」

 

「やー!」

 

「……そこは"おー"じゃないか?」

 

「そう?」

 

「でもいいんじゃない?」

 

いや、いいのか?

 

「それじゃあいくよ!えいえい」

 

『やー!』

 

まぁ…みんな1つになってるしいいか、とにかく文化祭がスタートした。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

文化祭がスタートしクラスのカフェも人気だ。オススメを聞かれた香澄が全部のパンを答えたり、りみがラテアートに失敗したのをゆり先輩に撮られたりと結構盛り上がっている。ひなこ先輩はちょい暴走気味だけど。

 

「それじゃあ文化祭他のクラスも見に行こっか」

 

「どこ行くの?」

 

「う〜ん…まずはあっちゃんのところ行こう!」

 

「有咲のところじゃないんだ、あっちゃんってクライブの時にいた子?」

 

「そ、香澄の妹だ」

 

「ゆーくんも喜ぶと思うよ?」

 

なんでそこで俺が喜ぶになるんだ?そこは明日香ちゃんって言うところだろ?普通…相変わらず香澄の考えはよくわからん。

 

「あっちゃんみっけ!」

 

「なんでいきなり見つかるかな〜」

 

「よかったね」

 

「よくない!」

 

明日香ちゃんのクラスに行ったけどこんなに早く見つかるとは……めちゃくちゃあっさり見つけたな。

 

「明日香ちゃん似合ってるじゃん」

 

「っ///そ、そういうのはお姉ちゃんに言ってください!///」

 

「あっちゃん!?///」

 

なんでここで香澄?この姉妹似た者同士?というか何故か香澄も赤くなってるし。

 

「も、もぅ〜写真撮るよ!///」

 

明日香ちゃんや明日香ちゃんの友達を入れてみんなで写真を撮った。けどなんで俺が真ん中?しかも香澄と明日香ちゃんに挟まれてるし……

 

写真を撮ったあとは有咲のクラスに向かった。

 

「そういえば有咲自分のクラスの出し物把握してなかったんだよな?」

 

「うん、有咲ちゃん知らないって言ってたよ?」

 

「自分のクラスのことくらい知っておかないとだろ」

 

「あはは……」

 

有咲のクラスのことを話しながら進んでいると有咲のクラスに到着した……あれ?そういえば隣のクラスだし先こっちでもよかったんじゃね?

 

「あぁ〜またしてもダメか〜誰か姫を笑わせられることができる人はおらんか〜」

 

教室に入るとこんな声が聞こえた。その方向を向くと有咲が姫の格好をして椅子に座っていた。なるほど、姫役の有咲を笑わせようとするのがこのクラスの出し物か。

 

「有咲いたー!」

 

「み、見るなー!」

 

よかったな有咲のクラス、笑わなくても有咲の素の表情が見れてるぞ。

 

有咲のクラスの出し物が終わり、有咲も合流して校内を回っていたら3年の教室の前に来ていた。すると

 

「うわぁぁぁ!?」

 

有咲の目の前に突然おばけの格好をした人が出てきた。どうやらこのクラスはお化け屋敷みたいだな……ってひなこ先輩じゃん!?

 

つーか有咲?さりげなく抱きついてきてるの気付いてる?

 

「先輩のクラスお化け屋敷なんですね」

 

「そうなんだよ〜女子と一緒にいる男子にとつては嬉しいんじゃない?」

 

「は?なんで?」

 

「優弥くん…ひなちゃん先輩だよ?」

 

「……あ」

 

思わず敬語抜きで返しちゃったけどこの人先輩じゃん。

 

「今の有咲がしてることを男子が喜ぶってことですよね?」

 

「さすがたえちゃん」

 

「私が?……うわぁ!?///」

 

「有咲ずるい……」

 

いや有咲、お前……気付いてなかったのか?それはそれで……というかお化け以上に驚きだわ。つーか香澄、ずるいって何がだ?

 

「もう帰る!どうせ文化祭のお化け屋敷なんて」

 

「……たいしたことない?」

 

「「うわぁぁぁ!?」」

 

「ちょっ!?」

 

有咲が引き返そうとしたら今度は顔の半分か血だらけになっている生徒会長が現れた。血糊だろうけどこの姿でいきなり出てこられるとちょい怖い……まぁそれ以上に有咲が抱きついてきておまけに香澄まで抱きついてきた。つーか香澄、お前の声はわざとらしかったぞ。

 

お化け屋敷を出たあとも何故か抱きつかれたままなのはなんでだ?腕は特に有咲側が気持ちいいけど離れないのか?

 

「ねぇおたえちゃん」

 

「なに?」

 

「香澄ちゃんはわざとだよね?」

 

「そうだね、有咲は普通に怖がってたけど」

 

「やっぱり好きな人とはああいう風にしたいのかな?」

 

「う〜ん……分からない」

 

「あはは……」

 

後ろの方でりみとたえが何かヒソヒソ話してたけどなんだろ?内容は聞こえん。というかそろそろ2人離れてくれ……

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「やっと楽になった」

 

「わ、悪かったよ優弥///」

「ごめんね〜♪」

 

「香澄はごめんって思ってないだろ!?」

「そんなことないよ〜」

 

ようやく2人が離れてくれた。有咲は悪いと思ってそうだな。照れてるのは俺から見てもわかる。香澄は……うん、絶対思ってない。

 

「まぁいいや、それでどこ行く?」

 

「私お腹空いた〜」

「大声で言うな香澄!というか私も…」

「私もお腹空いちゃったな」

「私もだよ、優弥何か奢って?」

 

「腹減ったのは同感だけどたえ、奢らないぞ」

 

「ケチ」

 

みんな腹減ったみたいだし何か食べることにした。たえは俺に奢らせようとしてたな?男女一緒だからって奢るとは限らないぞ。

 

食べた後も色々回っていた。けど香澄が笑ってるけど笑いきれてない…って言うべきか?微妙に曇ってる。まぁ理由は分かってるけどな。そう思ってたら有咲たち3人が少し離れていった。

 

……今だな

 

「香澄」

 

「なに?ゆーくん?」

 

「沙綾が心配なら電話してもいいんだぞ?病院だから出られるか分からないけど留守電に入れるくらいならできるだろ」

 

「……ゆーくんにはバレてたんだね」

 

「途中離れてたとは言え、何年幼馴染やってると思ってるんだ?」

 

「ふふ、さすがゆーくんだね……うん、電話するね」

 

 

そう言って香澄は俺のそばで電話し始めた。沙綾の心の方も香澄からの電話で何か変わってくれるといいけど……その辺は香澄の好きにさせておけば多分大丈夫だな。

 

…………多分

 

 

 




いや〜ほんと更新遅くて申し訳ないです。今年中に8話の分は終わらせたいですけど……どうなるか分からないので気軽に待っていてください。


更新遅くて話忘れた〜って思ったら読み返してもいいですから楽しんで読んでくれたらこちらも嬉しいです。

それでは次回までお楽しみに


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18、集まったメンバー

今回はいつもより短い期間でできました。

前回投稿してからお気に入りが8くらい増えてビックリしてます。


沙綾side

 

今日は文化祭の日……だけど昨日香澄と喧嘩しちゃったせいで行きにくいな……でも優弥は優しく言ってくれたしみんなもこんな私を……正直バンドのことはどうしたらいいか分からないよ。

 

「おはよう沙綾」

 

「おはよう母さん……」

 

「今日文化祭でしょ?早く食べちゃいなさい」

 

「うん……大丈夫?」

 

「大丈夫よ、後で純や紗南と一緒に行くから」

 

「無理しないでよ?」

 

「心配しなくても大丈夫よ」

 

いつも通り母さんは普通に話してる。でもやっぱり心配……バンドのことはひとまず置いておいてとりあえず今日は文化祭楽しもう。

 

家を出る時にドアから何かが落ちてきた。手紙みたいだけど……香澄……かな?母さん何か知ってるかな?

 

「母さんこれ……え」

 

振り向いたら母さんが頭を抑えていた。嘘でしょ!?また!?

 

「母さん!?」

 

「大丈夫よ、ちょっとくらってしただけだから」

 

「大丈夫じゃない!病院行くよ!」

 

「でも……」

 

「いいから!父さん!!」

 

私は母さんや純や紗南と一緒に病院に行くことにした。文化祭より母さんの方が大事だから……父さんには香澄たちに伝言を頼むことにした。

 

『文化祭成功しますように…ライブ……成功しますように』

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「本当に大丈夫なのに…」

 

「ちゃんと検査してもらうの!」

 

「強情なんだから…」

 

なんて言われてもいいよ。母さんが倒れるのはもう嫌…純や紗南が悲しくて泣いちゃうのも嫌だもん……

 

「文化祭本当によかったの?」

 

「いいって…優弥がいてくれるしそれに……香澄たちもいるから」

 

「本当に好きなのね」

 

「な、なに言ってるのこんな時に!?///」

 

「母さんあの子なら任せられるって思ってるわ」

 

たしかに優弥のこと好きだけどこんな時に言うことじゃないよ……///

それに優弥のこと好きなの私だけじゃないし……

 

ってそれは今いいよ!?

 

「そういうこと今は考えなくていいから!まずは身体のこと考えてよ!」

 

「はいはい」

 

まったく……

 

母さんの順番が来て診てもらうことができた。結果としては今回はただの貧血だったみたいだからよかった……

 

ゴミ箱に飲み終わった缶を捨てた後携帯を見たら3件留守電が入ってた。なんだろ?あ……優弥からも来てる……心配してくれたのかな///

 

『沙綾来なかったから心配したぞ〜、来てない理由パン届けて貰った時に香澄に聞いてもらった。事情は把握したから沙綾がそっちについていたいって思ってるならそうしてくれ。こっちは俺たちでなんとかすっから。

 

それと最後に……1人で抱え込むなよ?それじゃ』

 

優弥……ありがとう。でも家族のことだし優弥に迷惑かけたくないな。

 

あとの2件は……どっちも香澄だ。1件目の方は途中でみんなの声が入ってきて騒がしくなったと思ったら切れちゃった。みんなにも心配掛けちゃったね。

 

2件目は……

 

『お母さんの具合大丈夫?じゅんじゅんやさーなん泣いてない?沙綾……大丈夫?

 

こっちはなんとか大丈夫。ライブ、沙綾に届くように歌うから。声は届かなくても気持ちは届くように。歌詞……沙綾の家に届けておいたよ』

 

「香澄……優弥……」

 

香澄からの留守電を聞いた後今朝ポストに入っていた手紙を取り出した。これ歌詞だったんだね……

 

「沙綾」

 

私はその場で泣いちゃった。泣いてるところに母さんたちが来たみたい。

 

「沙綾は優しいからね。でも、その優しさをもう少し自分にも向けていいのよ」

 

「……できないよ」

 

「沙綾ならできる。貴方は1人じゃないんだから」

 

「俺もいるぞ」

 

「紗南もいるよ」

 

みんな……優弥が言ってた1人で抱え込むなよってこういうことだったんだね。

 

「私ダメダメだね」

 

「行ってらっしゃい」

「「行ってらっしゃい」」

 

「うん、行ってきます」

 

母さんたちに見送られて私は学校に走り出した。送ってもらった曲を聴きながら…私も一緒にできるかな……ううん、一緒にやりたい!

 

沙綾side out

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「今やってるCHiSPAが終わったら出番だな。みんな準備大丈夫か?」

 

「うん」

「大丈夫」

「大丈夫だよ」

「ああ」

 

もうすぐ香澄たちのライブの出番。みんな準備は問題ないようだな。ここに沙綾もいたらよかったけど仕方ない。

 

「じゃあ俺は客席の方で見てるけど1つだけ……楽しんでこい!」

 

「「「「うん!」」」」

 

みんな大丈夫そうだし俺は客席の方に向かった。壁際の方に立ってステージの方を見るとちょうど香澄たちが出てきた。

 

出てくると少し音を出すと言って音のチェックを始めた。だけど香澄はドラムの方を見ている。誰もいないドラムを……

 

「香澄!」

 

「あ、こんにちは!私たちポッ……」

 

「待て待て待て!いきなり自己紹介だっけ?」

 

「え?あ、そっか!」

 

 

アハハハハ

 

 

観客からは笑いが飛んでるけど香澄慌てすぎ、まぁ香澄らしいって言えば香澄らしいけどな。

 

「文化祭、楽しんでるかー!」

 

 

オー!

 

 

「最初の曲聴いてください!私の心はチョココロネ!」

 

さすが香澄、普通に持ち直してライブを始めた。見に来てくれてる人たちも盛り上がっている。順調に1曲目が終わりもう1曲、新曲の疲労だ。

 

「次に歌う曲はこの日のために作った曲です。今日は1人いないけど…いつか、いつか一緒に立ちたい。そう思って作りました。聴いてください……」

 

 

ガラガラガラ

 

 

「さーや!」

「沙綾!」

「沙綾ちゃん!」

「…」

 

2曲目の曲名を言おうとした瞬間に体育館のドアが空き、そこには沙綾がいた。有咲以外沙綾の名前を呼び、有咲は呼びはしなかったが微笑んでいた。きっと来てくれるって思ってたんだろうな……俺もだけど。

 

沙綾の手にはドラムスティックがある。きっとCHiSPAのメンバーから借りたんだろうな……偶然会って。

 

「来ると思ったよ沙綾」

 

「優弥」

 

「楽しんでこい」

 

「うん!」

 

俺とすれ違う時にハイタッチをして送り出した。ステージ前まで行くと香澄が手を差し伸べてくれていた。

 

「それでは聴いてください!

 

STAR BEAT!〜ホシノコドウ〜」

 

香澄が曲名を言うと2曲目が始まった。沙綾は大丈夫か心配だったけど問題無さそうだな……って思ったら一瞬ドラムスティックすっぽ抜けてるし。でもま、本人は楽しそうだしいっか。

 

「ありがとうございました!それじゃあメンバー紹介します!

 

青いギターのおたえ!」

 

2曲目も無事終わりみんな盛り上がっている。そこで香澄がメンバー紹介を始めた。

 

「ベースのりみりん!あっちが有咲!」

 

「キーボード!!」

 

 

アハハハハ

 

 

たえやりみの紹介はちゃんとしたのに有咲のは適当かい!まぁみんな受けてるけど

 

「ドラムの〜さーや!ランダムスターの戸山香澄!

 

そして最後に……」

 

沙綾と香澄の紹介が終わり最後に……最後?

 

「証明係さん!あっちの壁際に立ってる男子を照らしてください!」

 

……香澄が指さした壁際の……俺か!?眩し!?

 

俺かって思った瞬間に照らされたよ!?

 

「私たちのことを手伝ってくれて一緒に活動してるゆーくん!

 

ゆーく〜ん!こっち来て〜!」

 

えっと……拒否権なし?

 

…………なしだよね〜香澄だし。

 

「今ステージち上がってもらったゆーくんを合わせて6人で私たち」

 

『Poppin’Partyです!』

 

ったく…こういうことは事前にちゃんと言ってくれよな〜まぁ香澄だしこういう流れを予想できてなかったのも悪いか。香澄が普通のわけないし…

 

でもま、沙綾も加入して無事にPoppin’Partyのライブを終えることができてよかったな。

 

 

 

 




今回はここで終わりです。今年はこれがラスト、もしくは間に合えばあと1回投稿します。次の投稿は9話に入りません。

高評価をしてくださったpepepe-さんありがとうございます。

それでは次回までお楽しみに


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19、告白(前編)

間に合った


「みんなお疲れ様」

 

『ありがとう!』

 

香澄たちの…いや、Poppin’Partyのステージが終わり、俺たちは今ステージ袖にいる。

 

「みんなありがとう。私を受け入れてくれて」

 

「当然だよ!ね!みんな!」

 

「「「うん!」」」

「言っただろ?俺もお前が一緒にやってくれたら嬉しいって」

 

「ゆーや///みんなも…本当にありがとう」

 

沙綾はいきなり来たのにみんなが受け入れて嬉しく思ってる。まぁこいつらが断るわけないけどな。

 

あ、そう言えば

 

「なぁ沙綾、そのスティックどうしたんだ?」

 

「あ、これ?ナツたちのグループに入った新しいドラムメンバーに借りたんだよ。返しに行かないと」

 

全グループが終わってPoppin’Partyは体育館の外でCHiSPAのメンバーと会っている。沙綾が借りたスティックを返すためだ。

 

「さとちゃん…だったよね?これありがとう」

 

「い、いえ」

 

「沙綾さすがだね〜Poppin’Partyのみんな、沙綾のことよろしくね!」

 

「「「「うん!」」」」

 

「ナツ…みんな…ありがとう」

 

ナツさんたちと沙綾が俺たちと一緒にやることに反対しないみたいだ。

 

「沙綾のことは俺たちに任せておけ」

 

「うん、別の意味でもよろしくね!」

 

「っ!?///ナツ!?///」

 

「別の意味?」

 

別の意味ってなんだ?

 

「ふふ、じゃあね!機会があったら一緒の会場でライブしようね!」

 

「もぅ〜///でも、そうだね!」

 

CHiSPAと別れて俺たちも文化祭を回ることにした。今度は沙綾も一緒に…

 

「有咲、さーや、ちょっといい?」

 

「「??」」

 

と思ったんだけど急に香澄が有咲と沙綾を連れて少し離れたところで話し始めてしまった。

 

なんだ?

 

「香澄どうかしたのか?」

 

「多分優弥に関係することだと思うよ」

 

「俺か?」

 

「あ、私もわかっちゃった」

 

俺に関係することか〜そういうこと、あいつら意外とバレバレだし多分予想当たってるはず……

 

……これ外れてたら俺恥ずかしいやつじゃん。

 

「ゆーくん、着いてきてもらえないかな?私たち3人から大事な話があるの///」

 

「ん、わかった」

 

香澄たちと一緒に別の場所に移動した。どうやら誰も来ない場所で話したいみたいだ。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

-----屋上-----

 

俺は香澄たちに屋上に連れてこられた。俺の前には香澄、有咲、沙綾の3人がいてその近くににりみやたえもいる。

 

「ゆーくん、私たちどうしてもゆーくんに伝えたいことがあるの」

 

「俺に?」

 

「本当は1人ずつの方がいいかもしれない」

 

「でも香澄や有咲と話し合って3人で伝えることにしたの」

 

どうやら俺に伝えたいことがあるみたいだ。ここなら他に人来ないだろうしいい場所かもな。

 

「私たちね、ゆーくんのことが好き///」

 

「いつも自分のことより他の人のことばかり優先に動いててそんな人と一緒になりたいって思った///」

 

「私も優弥が好き///最初に会ったのは紗南を助けてくれた時だったけどその時からずっと優弥のこと見てた///」

 

「私たち3人で話し合ったよ」

 

「できたら1人で付き合いたいけど」

 

「選べなかったら3人全員でもいいって」

 

3人とも…やっぱりこの話か。バレてないって思われてたかもしれないけど結構バレバレなんだよな。

 

でも俺……

 

「それともし複数で付き合う場合だけど…もうゆーくんに彼女いてもいいって///」

 

「え!?」

 

「ま、まぁ普通驚くよな?でも///」

 

「それだけ優弥と付き合いたいった思ってる///」

 

「あ、沙綾!?///」

 

「えへっ///」

 

「だからゆーくん///」

「優弥///」

「ゆーや///」

 

「「「私と付き合ってください!///」」」

 

予想していたけどやっぱり告白だったか。とは言え3人同時にとは思ってなかったけど……

 

「3人とも、まずはありがとう。俺の事好きになってくれて」

 

「「「っ///」」」

 

「でもごめん…今はまだ、お前たちと付き合うことができない」

 

「「「そっか…」」」

 

3人とも落ち込んじゃったか、人の話最後まで聞けよな〜

 

「俺さ、3年ちょっと岐阜に行ってただろ?そこに彼女いて今も電話で話したりしてるんだよ。それでその彼女も他に付き合う人ができてもいいって言ってはくれてるんだよ」

 

「「「じゃあ!?」」」

 

「話は最後まで聞けって、付き合うにしても俺が本気で好きになったらいいって言われてる。まだ3人に対してそういう関係になりたいとは思えてないんだ」

 

「それじゃあゆーくん、もしゆーくんをその気にさせたら」

 

「ああ、そうなったらその時は…俺から言うよ」

 

「「「うん」」」

 

「よーし!ゆーくんを絶対振り向かせるぞー!」

「おー!///」

「お、おー///」

 

うわっ!?なんか3人ともすごいやる気になった!?

つーか有咲照れて"おー"って言うのなんか可愛いな。

 

「あ、ねぇゆーくん。ゆーくんがその彼女と付き合うことになったきっかけ知りたいな」

 

「っ、い、いや〜岐阜に引っ越してからめっちゃ寂しくてさ。それまで香澄といて賑やかだったのがすごい楽しくて…まぁ迷惑かけられたことの方が多いけど」

 

「ゆーくんってば…///」

 

「香澄には言ったことなかったけど小学生の時から趣味程度でギター弾いてて中2の時にとある1年生と会ったんだよ。そいつギター始めたばかりだけどやっててさ。そいつと一緒にギター弾くようになっていったんだ」

 

「そうなのか」

「ゆーやも寂しいって思うんだね」

 

「そりゃあな、それで俺の寂しさをそいつが埋めてくれてたんだ。一緒にバンドもしてた」

 

「ゆーくんがバンド!?」

 

「まぁギター上手かったからな」

 

「ええ!?」

 

「あれ?香澄知らなかったんだ?」

 

「みんなだけずるい!!」

 

「悪い悪い、お前が家庭科の居残りしてる間代わりにギターやってたんだよ」

 

そういえば香澄は知らなかったままだった。知られた騒がしくなりそうだったし。

 

「まぁ話戻すけど寂しさ埋めてくれて一緒にやってるうちにそいつのことばかり見てた。まぁ簡単に言えば…惚れちまってたんだよ。それで俺から告白して付き合うことになったんだよ。両想いだったみたいだ」

 

「そうだったんだ」

「いいな…そいつ」

「でもゆーやも振り向かせたら私たちもいいってことでしょ?」

 

「まぁな」

 

つーかすごいことだよな。彼女が他の人とも付き合っていいって言うなんて。でも3人も事情わかったしこれから色々アピールされそうだな。

 

-----その日の夜-----

 

「もしもし?」

 

「もしもし優弥先輩!今日は早いですね?」

 

「たしかに、今大丈夫だったか?」

 

「はい!いつもより早く優弥先輩の声聞けて嬉しいです///」

 

「お、おう、照れる///」

 

ったく○○は、こういう時はハッキリ言いやがって…

照れるけどまぁいいや。早く電話したのは香澄たちのこと伝えるためだ。

 

「○○、今日さ、3人に告白された」

 

「もぅ〜優弥先輩ってば相変わらず女子を惹きつけるんだから〜」

 

「相変わらずって…」

 

「こっちでも人気だったんですよ?」

 

「ええ!?」

 

マジか。知らんかったわ。

 

「まぁそれはいいや、3人には俺がその気になったらってことにしておいた」

 

「ふふ、優弥先輩ならそう言うと思ってました」

 

「さすがだな〜俺の事わかってくれてるな」

 

「はい!いいって言ったの私ですから。それでも優弥先輩は簡単に彼女を増やしたりしないって思ってましたから」

 

「サンキューな」

 

伝えるべきことは伝えたしあとはいつも通り色んな話をして寝るまでを過ごしていた。

 

ついでに……この日以降香澄たち3人から"おやすみ"というメールが毎日来るようになった。朝の"おはよう"も…

 

 




後編はまた別の機会です。今回名前隠していますが察しのいい人は誰だかわかってますね?そのうち登場するのでその時までお楽しみにしていてください。

最高評価をして下さったshida_0001さんありがとうございます。

今回で今年の投稿は終わりとなります。来年もまたよろしくお願いします。


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20、失われた歌声

いや〜物凄く空いてしまいましたね…忙しい日が続いて全然書けませんでした…

ええ〜今更ながら今年初投稿となってしまいましたがこれからもよろしくお願いします。


 

「ここに理想の花園ランドを作るでしょ〜こっちはおっちゃんの部屋で〜」

 

「お、おたえちゃん…」

 

「み、見事に壊れてる…」

 

いつも通りPoppin’Partyのメンバーは有咲の家に集まっているのだが……

 

たえの様子がおかしくなっている。というか目に生気がない……理由は予想ついてるけど

 

「やっぱりSPACEのことショックだったんだろうな」

 

「うん、そうだよね」

 

俺たちは最近SPACEの手伝いにいった。スタッフがほぼ全員ダウンしたためたえに連絡がきた。一緒にいた俺たちはそのまま手伝うことになり、そこでの経験からやっぱりSPACEでライブしたいという気持ちが強くなり、そこでライブをするためにオーディションを受けに行った。SPACEでライブをするにはそのオーディションに合格しないといけないからだ……

 

でもそのオーディションは不合格、そしてホワイトボードに予定が書いてないことを気にしていたたえが聞いてSPACEをたたむことを聞いた。

 

「香澄も来てないし…」

 

「有咲寂しいのか?」

 

「なっ!?///そんなんじゃねぇ!?///」

 

顔赤くして言っても説得力ねぇぞ?まぁそれは置いておいて香澄がいないのは珍しい。

 

って思ってたら

 

「遅れてごめーん!」

 

と香澄が入ってきた。どうやらSPACEのライブで着る衣装のデザインをしていたみたいだ。全員揃ったし苦手な部分を重点的に練習していき一段落ついた。

 

「まだSPACE最後のライブまで日にちもオーディション受けるチャンスもある。合格してそこでライブしようぜ」

 

「うん!ゆーくんの言う通り!それじゃあさっそくオーディション受けに行こう!」

 

「「「「え!?」」」」

 

……はい?今なんて言った?

俺は今すぐなんて言ってないぞ?今のままじゃ受からないし…

 

結局香澄が言ったら止まらないことを知ってるみんなはSPACEへ向かった。だがオーナーにオーディションを受けさせてもらえず、後からやってきたCHiSPAのオーディションをモニターで見ることとなり、合格の瞬間を見ることとなった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「どこが違ったんだろ?ちゃんと返事できたから?」

 

CHiSPAの合格を見た俺たちはみんなのことすごいと言っていたが、そこでたえがどこが違っていたのかという疑問を口にした。俺はだいたい予想できてるけど…自分たちで考えてもらいたいし今は分からないフリしとくか。

 

「ひゃっ!?」

 

「ん?」

 

みんなで考えていると急に沙綾が悲鳴を上げた。どうやらひなこ先輩が沙綾の耳に息を吹きかけたようだ。

 

「グリグリも来たんですね」

 

「うん、私たちにとっても刺激になってるからね。みんなのオーディションも見てたよ」

 

「そうなんですね」

 

「あの!」

 

「たえ?」

 

グリグリのみんなと挨拶がてら話していたらたえが声をかけてきた。多分さっきのことかな?

 

「私たちに何が足りなかったんでしょうか…」

 

「そうだな〜教えてあげてもいいけどその代わり…」

 

その代わり?何言うつもりなんだ?ひなこ先輩のことは予想できないからな〜

 

「有咲っちがデートしてくれたらいいよ!」

 

「はぁ!?」

 

「有咲出番だよ」

「有咲責任重大だね〜」

「有咲頑張って〜」

「有咲ちゃんよろしくね」

 

「と、止めるやつがいねぇ……」

 

何を言い出すと思ったら有咲とデート…まぁこの場合遊びにってことだろうけどたえも沙綾も香澄もりみも誰も止めないとはな…

 

「優弥っちでもいいよ」

 

「「「ダメー!」」」

 

「そこは止めるんかい!」

 

俺の方に来たと思ったら香澄と沙綾と有咲が許さないみたいだ。まぁ……理由は予想できるけど……

 

「優弥っち人気者だな〜」

 

「あはは…」

 

「まぁデートは今度にするとして……

 

いーーーーっぱい考えること!」

 

「急に話戻しやがった……」

 

「でも優弥君、ひなこにしてはまともなこと言ってるよ」

 

「いや扱いひでーな!」

 

でもま、ひなこ先輩の言ってることは今回は当たってるかもな。どうしてもダメならヒントくらい教えてやることはできるけど自分たちで気付いてもらうか。

 

今日はここで解散にしてそれぞれで何が足りないのか考えていくことにした。

 

「あ、考えるのも大事だけど練習もしっかりな?無理して声出せなくなったり指が動かすのが大変になるまでやったりはしないこと!」

 

『はーい!』

 

一応注意もしておいてここで解散にした。あとはみんな次第だ。

 

 

-----それから数日後-----

 

「オーディション受けさせてください!」

 

「……入んな」

 

練習をしてSPACEのオーディションを再び受けに来た。今回は受けさせてくれるみたいだけど……

 

香澄の表情が気になる……何かあったのか?練習では普通にやってただけに心配だ。

 

「準備できたら始めな」

 

みんな準備はできたみたいだけど……やっぱりおかしい、みんな気付いてなさそうだけど香澄の手が震えてる……

 

「た…………あれ?」

 

「香澄?」

 

「ごめん…さーや、もう1回合図お願い」

 

「……わかった、いくよ。1.2.3」

 

「っ………」

 

香澄の声が出なくなってしまった。

 

「オーナー……今日は無理ですね」

 

「……そうみたいだね」

 

どうして急に……それを考えるのも必要だが今はオーディションを受けられる状態じゃなくなったため今回は辞退することとなった。

 

 

 



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21、香澄の復活(前編)

 

「すまなかったね」

 

「え?なんでオーナーが謝ってるんですか?」

 

「実はね…」

 

香澄が歌えなくなったことでオーディションは辞退、みんなで出ていこうとしたらオーナーに俺だけ呼び止められた。みんなを先に受け付けで待たせて話を聞こうとするといきなり謝られた。

 

実は何日か前の夜に香澄が1人でここに来ていたらしい。その時にオーナーが香澄に

 

「見えてないよ。周りも、自分も、あんたが1番できてなかった」

 

と言っていたみたいだ。そのせいで歌えなくなったのかとオーナーは思ったようだ。

 

「別にオーナーが謝ることじゃないですよ。遅かれ早かれ気付くことになる……と思ってましたし。それが早かっただけです。教えてくれてありがとうございます」

 

「あの子の声が戻ったらまた受けに来るのかい?」

 

「そのつもりですけどね、まぁあいつら次第です。それじゃあ失礼します」

 

オーナーから前に香澄と話したことを教えてもらった後みんなを待たせている受け付けに戻った。みんな落ち込んでいるが香澄は特に酷かった。

 

「お待たせ、帰るか。香澄は俺が送ってくよ」

 

「オーナーとの話はなんだったんだ?」

 

「それはまた今度、今は帰ろう」

 

有咲にオーナーとの話のことを聞かれたけど今度話すことにした。今言ったらまずい気もするし……

 

 

-----香澄の家-----

 

「お邪魔します」

 

香澄を送った俺はこのまま香澄の家に上がらせてもらった。声が出なくなったことは俺から話していいと香澄に許可もらったからだ。ただ……中から反応がないけど誰もいないのか?

 

「うわぁ!?お姉ちゃん足音立ててよ!?」

 

明日香ちゃんの驚いた声が聞こえた。たしかに静かに歩いてたな。自分の部屋に戻っていくのを見て俺は明日香ちゃんたちがいるところに向かった。

 

「こんばんは」

 

「ゆー兄!?」

 

「あら優弥君、いらっしゃい」

 

「ちょっと香澄のことで話があって来ました」

 

香澄の母さんと明日香ちゃんに今日オーディションで起こったことを伝えると2人ともびっくりした。まぁ当然か、オーディション前まで普通に話してた俺たちでも驚いていたんだから。

 

「それで香澄練習のしすぎとかありましたか?」

 

「私はどれくらいが練習しすぎっていうのは分からないわね、ギターの音は聞こえてたけど……」

 

「私お姉ちゃんの部屋の隣だけど歌いすぎってことはなかったかな、ギターはよく弾いてたけど」

 

「そっか、ありがとう明日香ちゃん。そうなると原因は別にあるのか……」

 

とりあえず練習のしすぎではなかったみたいだ。そうなると原因は何か考える必要は出てくるけど…

 

「ごめんなさいね?香澄のことで迷惑かけて…」

 

「いえいえ、練習のしすぎじゃないってことは何か原因があったはずです。それに気付けなくてこちらこそ申し訳ないです」

 

「優弥君が気にすることじゃないわ」

 

「そうだよゆー兄!早くお姉ちゃんの声戻るといいけど…」

 

「そうだな、バンドのこと関係なしに早く戻って欲しいな。静かな香澄は香澄らしくないし」

 

「「たしかに…」」

 

わぁ〜2人に納得された〜

 

でもみんな思ってるし仕方ない。とりあえず香澄は明日病院に行ってから学校に行くことになった。病院の方は香澄の母さんに任せるしかないか。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「香澄どうだった?」

 

「病院行ってから来るし来てからじゃないとなんとも……ただ歌いすぎて声が出なくなったわけじゃなさそうだ。家と蔵以外で声出すような練習してなければだけど」

 

「そう…」

 

「あ、香澄ちゃん…」

 

香澄のことが心配でみんな階段に集まっている。香澄が来ないと状態が分からないから今はなんとも言えないな。

 

すると香澄がちょうど来たみたいだ。

 

「馬鹿!声出るまで練習すんなよ!歌えなくなったら意味ねぇじゃん!」

 

「有咲…」

 

「っ…」

 

「いやいや!?今歌いすぎじゃないって言ってたばっかだろ!?」

 

「わ、悪い…」

 

さっき歌いすぎじゃないって言ったんだけどな…まぁそれだけ香澄を心配してるってことか。

 

「とにかく香澄は治るまで練習の参加は禁止な!」

 

「……ぇ」

 

「ギターだけならって思うかもだけど今は休め。家で少しくらいなら弾いてもいいけど歌の練習は絶対ダメだ。いいな?」

 

厳しい言い方をしたかもしれないけど香澄は俺が言ったことに対して頷いた。香澄なら守ってくれるって思うし大丈夫だろ……真っ直ぐ帰るか別として……

 

その日の放課後明日香ちゃんから電話が来て水泳部のところにいるって聞いた。真っ直ぐは帰らないとは思ったけどまさか水泳部の方に行ってたとは……ゆり先輩と話したみたいだけど何話したか今度ゆり先輩に聞いてみるか。何か香澄のためにできることあるかもしれないし……

 




今回はここで終わりにします。次回までお楽しみに。


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22、香澄の復活(後編)

期間空いてすみません。色々やることやっていたらここまで投稿感覚空いてしまいました。


 

「あー…あーー!あっちゃんあっちゃーん!」

 

最近の朝の恒例になってる出来事、声が出なくなってから起きる度に声出るかなって思ってやってるんだよね。いつもは出ないんだけど今日は声が出たの。嬉しくなってあっちゃんの部屋に突撃したらうるさいって言われちゃった。

 

あ、ゆーくんにも教えないと!

 

 

prrrrr

 

 

『もしもし香澄?もしかして声出るようになったのか?』

 

「うん!ゆーくん正解!」

 

『そりゃあ電話してきたしわかるよ。でもよかったよ、もっと話してたいけど後でな』

 

「うん!」

 

朝から電話して怒られるかなって思ったけど怒らないでいてくれた。やっぱりゆーくん優しいし大好き!あ、それは今言うことじゃないね。でも声出るようになってよかった。

 

……歌う時声出なくならないよね?

 

香澄side out

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「ご迷惑をおかけしました」

 

教室に着くと香澄がポピパのみんなに頭を下げて謝っている。みんな怒っていなく、声が出るようになって安心している。

 

「みんな怒ってないから大丈夫だ、練習はいつから参加する?」

 

「今日から!」

 

「うん、そう言うと思った」

「「「「たしかに」」」」

 

「ええ!?」

 

「ただし、どこかおかしかったらすぐ休むんっぞ?」

 

「うん…」

 

練習は今日から参加するつもりみたいだ。まぁそう言うと思ってしみんなもそう思ってたみたいだ。

 

どこかおかしくなったらすぐ休むことを約束させたけど……どこか本調子じゃない感じがするんだよな。今は普通に話してるけど歌う時になったら……って可能性はある。そうなったら香澄自身がどんな気持ちでいるのか聞くか。今聞くよりその時の方が正直に答えてくれそうだし。

 

 

「香澄がいない間有咲が引っ張ってたんだよ」

 

「そうなの?ゆーくんじゃなくて?」

 

「優弥も沙綾も何もしないし……」

 

「どっちかって言うとサポートしたいタイプだから」

 

「嘘つけ!」

 

「有咲、ずっと俺を頼るつもりか?」

 

「うっ……た、たまにはいいだろー!?」

 

「まぁな」

 

学校が終わり蔵に向かいながら香澄がいなかった時のことを話しているけど……なんだろ、有咲弄るの楽しい。

 

色々話してるうちに蔵についたから、早速みんな準備をしてすぐに終わらせた。香澄はどうなるか……

 

「香澄準備いい?」

 

「……うん」

 

「じゃあいくよ」

 

沙綾が香澄に準備いいか聞いた。準備はできてるみたいだけどすぐに答えられなかったな。表情もこの前のオーディションの時と同じ……いや、その時よりも……

 

沙綾の合図で始まった……と思ったが香澄は歌えなかった。

 

「っ……ごめん、まだだった、みんなは練習してて」

 

「待て香澄!」

 

「っ!?離して!?」

 

「離さねぇよ!」

 

「きゃっ///」

 

歌えなかった香澄はギターを片付けて蔵から出ていこうとしたがそれを俺は許さない。腕を掴んで逃がさないようにしようとしたが、振り払われそうになったから抱き寄せた。そうしたら小さな悲鳴を上げた。

 

……香澄でもこんな声出すんだな。

 

「ゆ、ゆーくん///」

 

「逃げるな香澄」

 

「で、でも今の私がいても迷惑に……」

 

迷惑なら逃がさないようにしないって……とりあえず香澄のことは離した。出ていこうとはしないからこのまま話すか。

 

「香澄、お前今何考えてる?」

 

「何って……」

 

「歌うのが怖くなってるのか?」

 

「っ!?」

 

「お前の表情が気になるんだよ。オーディションの時も今も……歌い出す前怯えてる感じがらするんだよ」

 

「怯えてるのかな……私が1番できてないから……」

 

1番できてない?香澄なんでそんなこと……

 

「香澄、誰かに何か言われた?」

 

「オーナーに……」

 

「あのばあちゃんか…」

 

オーナーが俺に謝ってたな。

 

「私が1番できてないって……周りも自分も見えてないって……」

 

「はぁ……香澄、お前が1番できてないなんて分かってただろ」

 

「……ぇ」

 

「有咲お前……いや、任せる」

 

有咲がオーナーが言っていたことを肯定した。まぁ間違ってないしここは有咲に任せるか。

 

「他のみんなと違ってお前は今年から楽器を始めたんだぞ。1番できてなくてもおかしくない」

 

「オーナーが言ってた見えてないって言うのはどこがダメなのか、何が足りないのか自分で理解できてないってことだと思うよ、優弥はどう思う?」

 

「ここで俺にふる?まぁでも、有咲や沙綾の言う通りだと思うぞ」

 

ここで俺にふってくるとは思わなかったけど2人の言ってることはあってると思う。でもこれで香澄に足りないことが自覚できるはずだ。

 

「でもこれで見えてなかったこともわかったんじゃないかな?」

 

「りみりんの言う通りだよ」

 

「みんな…」

 

俺出る必要なさそうだけど……いるだけっていうのもあれだしちょい提案してみるか。

 

「ちょっと提案なんだけどさ……」

 

「みんなで歌おう!」

 

「……たえわざとだろ?」

 

「あ、バレた?」

 

「コーラスとか以外もってこと?」

 

「うん!みんなで歌う場所決めてさ!」

 

俺が提案しようとしたことを遮ってたえが提案した。つーかわざとやってるし……でもまっ、いっか。

 

反対する人はいなかったためすぐに歌う場所を決めて歌い始めた。そして今度は香澄も歌うことができた。

 

「歌っちゃった」

 

「よかったな香澄」

 

「うん!みんなありがとう!」

 

香澄も歌えることになって無事解決

 

 

 

…………そう思ってたら

 

「ところで優弥」

 

「どうした沙綾?」

 

沙綾にいきなり話しかけられたけどなんだ?

 

「抱きしめるのは香澄だけなの?」

 

「えっ」

 

「さーや!?改めて口に出されるの恥ずかしいよ///」

 

「私にもして欲しいな///」

「沙綾ずるいぞ!私も…///」

 

え、なにこれ?って前なら思ってたけど沙綾と有咲の気持ちも知ってるし疑問には思わない。思わないけどみんなの前でしないとダメなのか?

 

「みんなの前じゃないとダメだよゆーくん!私だってみんなの前でされたんだから!」

 

おい香澄、俺はまだ口に出てないのに何故考えてることわかったんだ!?香澄のくせに!?

 

結局沙綾と有咲の2人もみんなの前で抱きしめることとなった。

 

…………改めてするのはさすがに恥ずいわ!

 

 

 

 



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23、最後のチャンス

物凄く期間空いて申し訳ないです。

忙しくてなかなか取り掛かれませんでした。

微妙にオリジナル展開混ぜてます。


 

「ここ……ラーメン屋?」

 

「マジで美味いから!」

 

「俺が誘うならともかく有咲からラーメン屋紹介されるとは思わなかったな」

 

香澄が歌えるようになった日の夜、せっかくだしみんなで食べていこうってことになって有咲の紹介でラーメン屋に来ている。正直有咲にラーメン屋に連れて来られるとは思ってもみなかった。

 

そして中に入ってみると……

 

『あ……』

 

「あら?」

 

なんと生徒会長がいた。どうやら有咲は生徒会長にここのことを教えてもらったようだ。それにこのラーメン屋だけでなく……

 

「市ヶ谷さん。キーボードまた教えてもらいたい時はいつでも来てね」

 

「は、はい、ありがとうございます…」

 

キーボードも習っていたようだ……いつの間に?

 

「有咲キーボード習ってたんだ〜」

 

「ど、どうでもいいだろ!///」

 

「有咲照れてるな?」

 

「優弥まで!?///」

 

やっぱり有咲を弄るの楽しいな。

 

弄るのをやめにしてラーメンを食べたけどたしかに美味いな。有咲がオススメするだけはある。そして話している流れで体力作る為に走ることになった。これには有咲がマジかという顔をしたけど

 

「テスト勉強も忘れるなよ〜」

 

「「……」」

 

この有咲の言葉には香澄もたえも黙ってしまった。

 

「おい香澄、俺を頼ってもそんなに教えないからな?」

 

「ええ!?ゆーくん意地悪ー!」

 

意地悪ってなんだよ!?まぁよくそう言いつつ……結局教えちゃってるからこいつに甘いんだろうな。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「いっちばーん」

 

「にばーん」

 

とある休みの日、ラーメン屋で話してた通りポピパのみんなでランニングしている。ゴール地点として決めた場所にたえが1番、香澄が2番、沙綾が3番でゴールしたようだ。

 

ちなみに俺は1番後ろにいてりみや有咲の後ろから走っている。

 

「「はぁ…はぁ…」」

 

「2人ともなんとか走りきったな」

 

3人から遅れてりみと有咲もなんとかゴールした。3人と違ってかなり疲れてる様子だ。特に有咲が……

 

「ゆーくん余裕だね〜」

 

「俺は1番後ろで何かあれば対応できるようにしてたからな」

 

「ゆ、優弥だけトレーニングになってねぇ……ぜぇ……ぜぇ……」

 

「お、おう……有咲はまず休んで息整えろ……」

 

そりゃあ余裕さ。普通に走れば多分1番でゴールできるし。普段走らないこいつらに何かあった時用にあえて1番後ろで走ってただけなんだからな。

 

「もう1周くらいいけそうだね」

 

「おたえすごーい」

 

「いやたえ?有咲の様子見て言おうな?」

 

「もう帰ってシャワー浴びて寝る!」

 

「へ?有咲も何言ってるんだ?」

 

たえにしろ有咲にしろ何を言ってるんだほんとに……

けどこの後まさかの発言が出ることになった。

 

「じゃあ先に着いた人からシャワー浴びる?」

 

「ふざけんなぁ!私とりみ不利だろ!」

 

「じゃあ先に着いた人はゆーくんと一緒に入るとか?」

 

「いや香澄何言ってるんだよ!?俺最後でいいし……ん?つーか自分の家に帰ってからでいいし」

 

「これは負けられないね」

 

「負けられないな」

 

「お、おい……沙綾も有咲も……ってか有咲さっきまでへばってたろ!?」

 

香澄のまさかの発言で沙綾とさっきまでバテてた有咲がめちゃくちゃやる気に……香澄も含めて3人ともランニング始める前よりやる気出してるし……

 

「それじゃあみんな戻るよ!よーいどん!」

 

 

ダダダダダッ!

 

 

「「「………………」」」

 

あ、あいつら……

 

「完全に俺ら無視して走ってったな」

 

「これは私でも追いつけない」

 

「あはは…私も無理」

 

「とりあえず戻ろう、2人は自分のペースでいい。りみもな?俺が後ろからついてくから他の人のことは気にしないでいいからな?」

 

「うん、ありがとう優弥君」

 

「じゃあ私先行くよ」

 

「うん」

「おう」

 

とりあえず残された俺らも有咲の家に戻ることになり、ペース的にたえは先に走っていき俺とりみが最後尾を走っていくことになった。

 

 

ちなみに……

 

 

香澄と沙綾と有咲の3人はまさかの同着だったため「それなら4人で」って香澄がまさかの発言をしたけど俺は自分のペースで走ってないからもう一往復すると言って一緒にシャワー浴びる浴びることから逃れた。

 

……有咲よく2人と同着したな。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「来たね」

 

「はい!」

 

あれから日が経ちついに最後のオーディションの日を迎えた。香澄の声が出なくなりみんなのおかげで歌えるようになった後、みんなでランニングしたり一生懸命練習したり俺もちょくちょくギター弾いたりと今日まで色々やってきた。

 

まぁ……一緒にシャワー浴びるとか変なこと言われたり(実際に一緒に浴びたことはない)テスト勉強で香澄やたえがぐったりしたり……ってこともあったが……

 

 

「準備ができたら始めな」

 

「はい!」

 

いよいよ最後のオーディションが始まる。ロビーにいたGlitter☆Greenからエールももらった。あとはもう自分たちがやれることを精一杯やり切るだけだ。

 

 

「頑張れ…みんな」

 

俺ができることはもう信じて見守るだけだ。円陣をしてライブを開始した。

 

 

 

そしてライブが終わると有咲が涙を流してしゃがみこんでしまった。

 

「ごめん…ミスった」

 

「私も……指が固まっちゃって……」

 

有咲が涙を流してる理由はミスをしたからだ。俺は練習に参加してるからミスしたことは気付けたけど知らない人からすれば気付くの無理じゃないかって言っていいほど些細なミスだった。りみもミスしたみたいだったが有咲と同じだ。

 

「でも…最後までやり切ったよ!有咲ちゃんも!」

 

「りみ」

 

「そうだな、2人だけじゃなくて沙綾やたえもな」

 

「山本の言う通りだ。だからそっちの4人には聞く必要はないね?あんたは?」

 

「やり切りました!今できること全て!」

 

香澄もやり切ったとしっかり言えた。俺の目から見てもやり切ってたと思う。というか練習から見てる俺からするとその時以上にできてるって印象だ。

 

「音楽ってのはね、やりたい人がやればいいんだ……

 

いいライブだった、合格だ」

 

オーナーから合格が言い渡された。ステージ上でみんな泣きながら抱き合ってる。

 

そこに……

 

「あんたも行ってやんな」

 

「え?いいんですか?」

 

「あんたもPoppin’Partyの一員だろ?構わないさ」

 

「オーナー……ありがとうございます!」

 

オーナーから俺もステージに上がっていいって許可貰えたから俺もステージに上がった。

 

「ゆーくん!やったよ!」

 

「わかってる、みんなやったな!」

 

位置的に香澄と沙綾の肩を抱き寄せる形になったからか有咲が頬を膨らませて正面から抱きついてきた……可愛いな

 

「それじゃあみんな、グリグリのみんなも見てるから」

 

「そっか、じゃあみんなでカメラに向かってピースしよっか」

 

最後にステージの上からカメラに向かってピースサインをした。

 

 

ちなみにだが

 

 

後で聞いたんだが合格したのがわかるとゆり先輩が泣いてくれてたみたいだ。

 

 




次回は1期最終話に入ります。

先に言っておくと最終話分の話の後にオリジナル展開の話を入れてその後にOVAの内容をやって行く予定です。多分OVAの話も入れると思います。


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24、最初で最後のSPACE

お待たせしました。1期13話です。


 

「ついにこの時が来たんだね」

 

「まだ着いたばかりで時間たくさんあるけどな」

 

今日の学校は1学期終業式の日、早く終わりポピパとCHiSPAは一緒に今日ライブをするここSPACEにやってきた。って言っても俺は客席から見るんだけどな。

 

到着した俺らはそこで写真を撮っていると

 

「騒がしいね」

 

と言って中からオーナーか出てきた。

 

「オーナー!準備手伝います!」

 

「香澄何言ってんの!?」

 

出演者が手伝うなんて聞いたことないぞ!?トラブルで順番早めるとかはあったけど。

 

「出演者だろ?いいから早く準備しな。手伝うことあれば山本使うから」

 

「ん?」

 

別に手伝うのはいいんだけど……

 

なんか勝手に決められてない?

 

「じゃあ入ろっか」

 

「そうだね」

 

「そんじゃみんなは準備してくれ。俺はとりあえず受付にいるわ」

 

『はーい!』

 

みんなには準備してもらって俺は暇だし中で座って時間を潰すことにした。そうしてるとリハーサルの時間になったのか香澄たちがライブスペースに入っていきCHiSPAの人たちが出てきた。

 

「リハ失敗とかあるのかな?」

 

「ええ!?どうしよう、緊張してきた」

 

どうやらリハーサル失敗したらと不安になってるみたいだ。そこまで心配することないのにな。

 

「別にそんなに不安がることないだろ」

 

「え?」

 

「本番で失敗しないためにリハーサルするんだ。そこで上手くいかなければどうすればいいか、それを考えるためのリハーサルでもあるんだしさ」

 

「山本」

 

「はい?」

 

「私のセリフ取るんじゃないよ」

 

「え?あ、なんかすみません」

 

俺が言ったらオーナーから呼ばれたけどまさかの理由!?つーかオーナーそういうこと気にすんのか!?

 

「あんたは自分たちのバンドの心配したらどうだい?」

 

「えっと…俺が心配してることって香澄がステージ上がってきてとか変なことを言わないかとかそっちの心配だからリハじゃどうしようもなかったり……」

 

「あの子たちは有り得るのかい?」

 

「有り得るから心配してるんです。文化祭の時実際ステージに上げられたし」

 

「まぁ最後だし許可してあげてもいいんだけどね」

 

「えぇ…」

 

「でもダメだ、バンドのライブ中はね」

 

「ん?」

 

俺が心配してるのは文化祭の時みたくポピパのライブ中に俺をステージにあげること、予想通り許可されないけど……バンドのライブ中はって?出演バンド終わったら何かするのか?

 

気になるけどオーナーも準備で忙しいから聞くことはできなかった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「あ、山本君」

 

「沙綾のお母さん、こんにちは」

 

「こんにちは」

 

出演者だけじゃなくて一般の人が入れる時間になると沙綾のお母さんが来た。1人ってことは気付かない間に純や紗南はもう中に入ってたのかな?

 

「山本君、沙綾のこと本当にありがとうね。山本君がいなかったら今もバンドやってなかったかもしれないわ」

 

「それは…どうでしょう?香澄がいますし」

 

「沙綾はいい友達持ったのね。沙綾の恋人になってくれていいのよ?」

 

「ぶっ!?いきなりそう来ます!?」

 

俺がいなくても香澄がいればいれば結局バンドやってたと思う…

 

そう言ったら突然恋人になってくれていいって…唐突すぎだろ。

 

「沙綾から告白したって聞いたわ。あなたなら特別に複数の子と付き合っていいわよ。お父さんも優弥君ならって言ってるし」

 

「普通許さないところでしょ!?」

 

普通許されないようなことを平然と許すって……なんじゃそりゃ……って

 

「あれ?その告白したことを聞いたのって……」

 

「もちろん香澄ちゃんや有咲ちゃんと一緒にってことも聞いてるし既に彼女がいることも聞いてるのよ」

 

「それで許すって……」

 

うん、まさかの沙綾の親からは複数と付き合うの許可出されてた……って普通出さねぇだろ!?

 

でもま、信頼裏切らないようにしないとな。

 

「あ、ゆーやお兄ちゃん!」

 

「純君?」

 

「あら?純、紗南は?」

 

「姉ちゃんたちのところにいるよ」

 

なるほど……

 

「さては純君、着替え中に遭遇したな?」

 

「バレたか」

 

「それで有咲あたりにエロいなとか言われたとかかな?」

 

「なんでバレてる!?」

 

あ、当たりなんだ

 

「ふふ、優弥君みんなのことよく分かってるのね」

 

「毎日見てますからね」

 

「そう……やっぱり沙綾を任せられるわね」

 

「なんで急に!?」

 

なんか唐突に沙綾を任せられるって言われた!?どんな流れだよ!?

 

とりあえずライブの時間まで沙綾のお母さんや純君、それに戻ってきた紗南ちゃんと一緒に過ごした。

 

ミーティングには俺も呼ばれたからそこに参加したけど……

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

ライブが始まりグリグリやCHiSPAなどライブをしていきついにポピパの順番となった。

 

「ポピ『パ!』ピポ『パ!』ポピパパピポ『パー!』」

 

え?何今の?新しい円陣?俺知らないぞ?

 

みんな可愛いって言ってる中、袖から5人が出てきた。

 

「せーの!」

 

『Poppin’Partyです!』

 

「こんにちは!初めましての人は初めまして!ギターボーカル戸山香澄です!」

 

「リードギターの花園たえです!」

 

「ベースの牛込りみです!」

 

「ドラムの山吹沙綾です!」

 

「キーボード市ヶ谷有咲です!」

 

5人が自己紹介が終わったな。

 

「5人で……って言いたいところなんですけど実は5人じゃないんです!」

 

お、おいまさか……

 

「私たちにはもう1人メンバーがいます。とても頼りになって」

 

「いつも誰かのために動いて」

 

「いつも見守ってくれる6人目のメンバーが!」

 

香澄の5人じゃないと言った後有咲、沙綾と続き、再び香澄が話し出す。

 

そして

 

「それではステージから見て右側の壁際を注目!」

 

香澄が俺が立ってる位置を注目するように言うとスポットライトが当てられた。

 

やれやれ、みんな黙ってたな?俺がスポットライトに当たると

 

 

男子だ!

かっこいい!

 

 

みたいな声が聞こえてきて……って俺は別にかっこよくねぇぞ!そこに更に

 

 

優弥先輩!?

 

 

もう1つ声が聞こえた。他の観客の声に混ざってたけどたしかに聞こえた。俺の彼女の声が……なんでいるんだ?って思いながら声がした方を見るとたしかにいた。

 

 

「皆さんの言う通りかっこいいですよね?今スポットライトに当たってるかっこいい男子が私たちの6人目のメンバーゆーくんこと山本優弥君です!」

 

香澄が紹介するからとりあえず会釈だけしておいた。まさかこんなことオーナーが許すとは思わなかったぞ。

 

さてと、全部終わったらあいつのところに行こう。絶対行こう。

 

「私たちは学校の友達同士で組んだバンドです」

 

「バンドを始めて2ヶ月!」

 

『え?』

 

さーやから始まり香澄が言うとみんな『え?』って反応した。

たしかにバンドを始めてってなるともうちょいあるもんな。

 

「5人揃ったのはそうだけど…」

 

「香澄がバンドバンド言い始めたのは4月だから3ヶ月くらいじゃね?」

 

「そっか、じゃあ3ヶ月くらいです!」

 

あ、言い直した。しかもみんな笑っちゃってるし。

 

「初めてここでライブを見た時、絶対ここでライブをしたいって思って今日、その願いが叶いました!」

 

 

おめでとうー!

 

 

今の声はナツかな?

 

バンドを始める時からSPACEでライブしたいって言ってたもんな。

 

「今日はよろしくお願いします!」

 

『よろしくお願いします!』

 

そろそろ始まるかな。

 

「聞いてください!

 

"夢みるSunflower"!」

 

MCもちゃんと出きついに曲が始まった。最初で最後のSPACEでのライブだけど緊張しないでちゃんとやってるな。

 

会場中盛り上がり、曲が終わると拍手が鳴り、オーナーも笑みを浮かべて拍手をしていた。

 

 

最後に絶対またライブをやると宣言してPoppin’Partyのライブは無事成功した。

 

 

 

みんな輝いてたぞ。

 

 




これで13話分終わりです。

次回はオリジナル回にしてその次に海に行く話を書くつもりです。それまでお楽しみに。


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25、告白(後編)

今回はオリジナルの話です。


 

-----全バンドライブ終了後-----

 

「今日はSPACE最後のライブに来てくれてありがとう。ここまで続けられたのは出演してくれるバンド、そしてここに足を運んでくれたお客様のみんなのおかげだ」

 

全ての出演バンドがライブを終えるとオーナーが挨拶を始めた。

 

「ここでのライブによく参加してくれたバンドや初めて出演したバンドもある。SPACEは無くなるけどこれからも他のライブ会場でやり切って欲しい。今まで本当にありがとう」

 

オーナーの挨拶が終わると会場中から拍手が鳴り響いた。

 

俺は小学生の時から(中学は他県にいたから来てないが)顔を出したりしてたからここが無くなるのは寂しい。でもどんなことにもいつか終わりがあるからそれは仕方ない。これからは別の場所でやっていくだけだ。って言っても俺はサポートだけど

 

「ライブに参加したバンドの人は30分後にここに集合。今日来てくれた人の中でここでライブをしてくれたことがある人もいてくれて構わない。打ち上げをする。それととある人にギターを弾いてもらうつもりだ。1人で弾くか誰かと弾くかは任せるけどね」

 

へぇ〜ここで打ち上げをするんだ。

 

……ん?とある人?そういえばオーナーバンドのライブ中ではダメって言ってたけど

 

……まさかそんなことないよな?

 

「それじゃあ一旦解散だ」

 

オーナーの挨拶が終わると来てくれた客は順番に出ていく。俺も一旦外に出ようとしたが

 

「山本」

 

「はい?」

 

オーナーに呼び止められた。まさか……

 

「ギター持ってきてただろ?頼んだよ」

 

はい、そのまさかでした〜

 

「バンドのライブ中はダメっての引っかかってたからまさかとは思ったけど……オーナー、一緒に行く人ってここでライブやった人じゃないとダメですか?ここでやったことない人がギター貸してもらってもよければ一緒にやりたいやつがいるんですけど。腕は俺が保証しますよ?まぁ曲はカバー曲になっちゃいますけどね」

 

「そんな人がいるのかい?本人にやる気があるなら特別に許可してもいいよ」

 

「ありがとうございます。じゃあちょっと外出てきます。」

 

オーナーの許可貰えたしちょっと聞いてみるか。俺が出て行った後

 

「オーナー!ゆーくんと話してたけどまさかギター弾いてもらうのって」

 

「察しの通り山本だよ。一緒に弾きたい人がいるみたいだったけどね」

 

「「「え?」」」

 

オーナーと話してた香澄、有咲、沙綾の3人が外に出てきていることに気が付かなかった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「ロック!」

 

「優弥先輩!お久しぶりです!って電話では毎日のように話してますけどね」

 

「でも直接話すのはほんと久しぶりだよ、ずっと会いたかった」

 

「私もです」

 

俺が外に来た理由は俺の彼女、朝日六花に会うためだ。ロックって呼んでる。岐阜からこっちに来てることは聞いてなかったから中で見た時はびっくりした。まぁロックも俺がSPACEにいることに驚いたと思うけど……

 

「優弥先輩こっちでもバンドやってたんですね」

 

「やってるって言ってもちょくちょく教えてる程度で基本みんなのやりたいようにやらせてるんだけどな」

 

「ギター一緒に弾いてるんですか?」

 

「ん〜そういや教える目的以外は一緒にはやってないな」

 

今思えば香澄が困るとお手本に弾いてみせる……みたいなこと多いな。どんだけ甘やかしてるんだ俺は……

 

「また優弥先輩と一緒にギター弾きたいです。私来年東京の学校受験します!」

 

「マジか!?」

 

「はい!優弥先輩とまた一緒にやりたいっていうのもありますけどPoppin’Partyさんのライブを見てっていう気持ちが大きいです!それくらい好きになりました!」

 

なるほど、香澄たちに聞かせてやりたいな今のセリ…………フって思ったけど何してるんだあいつら?

 

SPACEの方がを見たら香澄と有咲と沙綾が隠れてるつもりだろうけど隠れられてないのを見つけた。いつから?まぁ今はいいや

 

「なぁロック、打ち上げでギター弾いてもらうってオーナー言ってただろ?」

 

「?はい」

 

「それ俺みたいなんだ。それでさ、一緒に弾かないか?オーナーに聞いたら貸してもらえるってさ」

 

「い、いいんですか!?」

 

「ああ、オーナーに許可取った」

 

「やります!」

 

「よし、やろう!」

 

「はい!」

 

迷うことなくやるって言ってくれて嬉しい。ロックも嬉しそうにしてくれてるし。

 

準備の為に中に……って思ったけどどうしてもこれだけは言わないとな。

 

「それと……前に3人から告白されたって電話で話しただろ?

 

それで俺……」

 

「優弥先輩……先輩の顔見たら何を言いたいか分かりました。私は大丈夫ですよ。ちゃんと私のことも愛してくださいね」

 

「分かってる。ありがとうロック」

 

「どういたしまして…んっ」

 

中に入る前に香澄たちのことを言おうとしたら言葉にしなくても伝わってくれたみたいだ。ほんと俺のことよく分かってくれてるんだな。

 

ロックとここでキスをしてから俺たちは中に戻った。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

香澄side

 

「ゆーくんいたよ」

 

「ほんとだ」

 

「一緒にいる子が彼女かな?」

 

オーナーからゆーくんが一緒に弾きたい子がいるって聞いてこっそりついてきた私たち。外に出たらゆーくんが女の子と話してるのを見つけたけど多分あの子が彼女だよね?

 

「凄く嬉しそうに話してるね」

 

「優弥も会えて嬉しいんだと思うぞ」

 

「そうだね……あ」

 

「どうしたのさーや?……あ」

 

「2人ともどうし……バッチリ目合ったな」

 

楽しそうに話してるゆーくんたちをこっそり覗き見てるつもりだったけど……

 

ゆーくんとバッチリ目があっちゃった。

 

それでもずっと見てたら

 

「「「//////」」」

 

2人がキスしちゃった。私たちがいるの分かっててやるなんてゆーくんってば///

 

でもいいな///

 

「こっち来る」

 

「私たちも戻るぞ」

 

「うん」

 

2人が私たちの方に……って言うのもおかしいかな?中に戻ろうと向かってきたからその前に私たちも先に中に戻った。後であの子に告白したこと伝えようって3人で話しながら……

 

香澄side out

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

打ち上げ終了後

 

「どうだった?」

 

「やっぱり優弥先輩と弾くのでら最高です!」

 

おぉ〜久しぶりに生でその方言聞いたわ〜ってのはいいか、打ち上げでギターを頼まれた俺はロックと一緒に1曲ライブをやった。カバー曲だしギターと俺のボーカルだけだったけどそれでもみんな盛り上がってくれてた。

 

ちなみにやった曲は「ロストワンの号哭」

 

「俺もロックとやるの最高に楽しかったよ」

 

「中学にやってた頃に戻ったみたいでしたね」

 

「ほんとだよ、まぁ当日いきなり言われてびっくりしたけどさ」

 

「事前に言われてたわけじゃないんですね」

 

「ギターを持ち歩くようにしててよかったわ」

 

ほんとにオーナーは……ステージに上げてくれるのは嬉しいけど事前に伝えて欲しかったっていうのは今でもあるな。文化祭以降隠す必要なくなって持ち歩くようにしてたからよかったけど。

 

そういえば途中で香澄たちと数分抜け出してたな。

 

「なぁロック、もしかして香澄たちに……」

 

「はい、3人に言われました。私たちも好きになっちゃったってこと、それと彼女が……まぁ私がですけど他の人とも付き合うことになってもいいって聞いて告白する以前よりも振り向かせようとしたことを謝られました」

 

やっぱり話してたか。たしかに告白した後からめちゃくちゃスキンシップ多くなってたな。

 

「あと優弥先輩の好きなところが一緒になって少しの間盛り上がっていました」

 

「うん、そこは予想外。つーか短時間でよく盛り上がったな」

 

「それだけ優弥先輩が素敵だからです!」

 

「っ///」

 

そんなはっきり言われると流石に照れる。しかも照れてますねってからかわれたし。

 

色んなことを話しているとあっという間に駅に着いてしまった。

 

「夏休みの間に顔出しに行くよ」

 

「本当ですか?」

 

「おう」

 

「ギター持ってきてくださいね」

 

「もちろん。それでその時…泊まっていいか?」

 

「優弥先輩が私のお部屋にお泊まり///いいですよ///」

 

夏休みの間に会う約束をし……まぁ夏休みとしか決めてないけど改札口でロックを見送った。何度も振り返って手を振ってきて可愛かった。

 

さてと……

 

「3人とももう隠れなくていいぞ」

 

「「「っ!?」」」

 

香澄たちが後ろからついてきてるのに気付いていたが気付いていないフリをしていた。まぁ香澄たちも声をかけるつもりなかったんだろうけどな。

 

「話したいことあるし場所変えよっか」

 

「話したいこと?」

 

「ここじゃダメなの?」

 

「他に人がいない方がいいかな」

 

「時間あるしいいぞ」

 

流石にここで話すわけにはいかないから俺たち4人は場所を移動することとし、近くの公園にやってきた。誰も人がいないしちょうどいい場所が見つかった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「ここなら人いないしちょうどいいな」

 

「ゆーくんの話したいことって?」

 

「もうだいぶ遅い時間になってるし前置き無しで要件言うぞ」

 

スペースでライブ、そこから打ち上げやってロックを駅まで送り…色々やってたからもう高校生にしては遅い時間になっている。

 

だからもう単刀直入に要件を言うことにした。

 

「前にお前たちに言ったこと覚えてるか?文化祭で初めてライブした後お前たち3人が俺に告白して、俺が本気になったら…って言ったことを」

 

「「「っ、そ、それって…まさか///」」」

 

「見事にハモったな…そのまさかだ」

 

3人ともやっぱり覚えてるよな。

 

「香澄、沙綾、有咲、お前たち3人のことを本気で好きになった。他の誰にも渡したくない、3人全員…」

 

「ゆーくん」

「3人全員」

「それって」

 

「選べなかったら3人全員でいいって言ってもらえた。もう既にロックと付き合ってるのに最低だと思うけど…

 

香澄、沙綾、有咲、3人とも俺の彼女になってくれ!」

 

「「「はい!!」」」

 

「早っ!?」

 

3人に告白したがその瞬間に返事が来た。驚きすぎてつい「早っ」って言っちゃったよ。

 

「私たち待ってたんだよ、ゆーくんから改めて告白してくれるのを」

 

「待たせて悪かったな」

 

「でもちゃんと言ってくれて嬉しかった」

 

「ほんとに選ばすに3人全員にしちゃうとはな」

 

「嫌だったか?」

 

「嫌なわけないだろ。嫌だったら私たちも断る。だから…」

 

「ゆーくん」

「「優弥」」

 

「「「大好き!///」」」

 

「うわっ!?///」

 

3人全員一斉に抱きつかれるとちょっと厳しいけど3人全員抱きしめた。3人とも目に嬉し涙を浮かべてる。告白してからかなり時間経ったし不安にさせてたんだろうな。ロックだけじゃない。こいつらのことも絶対幸せにしないとな。

 

 

後日たえやりみにもちゃんと報告した。その時みんなと話したが、付き合うことになったけどバンド活動中は今まで通りにするけど休憩中はイチャついたりしちゃうかもってことで話がついた。2人の前でっていうのはどうかと思ったが2人とも気にしないみたいだ。というより2人は早く付き合えばいいのにって思うくらいイチャついてるみたいだったから今更らしい。

 

 

……そんなにイチャついてたのか

 

 

 




告白シーン短くてすみません……

次回は海行きます。つまりRoseliaも登場、優弥と絡みあるかは……まだ考え中ですが多分あります。

次回までお楽しみに、なるべく早めにできるように頑張ります。


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26、海へ(前編

忙しくなりそうなので前後編分けました。香澄、有咲、沙綾がちょっと変な方向に……




 

カリカリカリ

 

 

今日は有咲の蔵に集まって練習中……というわけではなく、いやまぁ集まってはいるけど夏休みの宿題をやっている。俺や有咲は終わってるからソファに座ってのんびりしてるけどな。

 

「ゆーく〜ん」

 

「どうした香澄?どこが分からないんだ?」

 

「分からない前提!?」

 

香澄は何を驚いているんだ?当然の反応だろ?

 

「はいはい、それでどうした?」

 

「やって〜」

 

「そう来たか!?」

 

予想外の発言が飛んできたせいでソファから滑り落ちるところだった。とは言え驚いたのはみんな一緒で有咲は携帯を落とし他の3人はペンを落として香澄を見ている。

 

「自分でやれ」

 

「ええ〜彼女からのお願いだよ〜」

 

「聞けるお願いと聞けないお願いがある」

 

「服脱いであげるから〜」

 

「脱ぐのは勝手だが自分でやれ」

 

香澄たちと付き合い出してから3人からのスキンシップは今まで以上に多くなった。今みたく変な方向性で言ってくることもあるが……

 

「ケチ〜」

 

「おいおい……」

 

香澄は机に突っ伏してしまった。ったく

 

「1時間くらいやってるし休憩するか?香澄だけじゃなくて沙綾たちも」

 

「私はあと1問でキリがいいしそこまでやっちゃおうかな」

 

「私はキリがいいしちょっと休憩しようかな、おたえちゃんは?」

 

「私も休もうかな」

 

「たえちゃんと進んでるのか?」

 

「……少しは」

 

……たえと香澄は同じくらいだけどちゃんとやってるし良しとするか。

 

沙綾もキリが良くなって休憩したからみんなで雑談を始めた。

 

「どっかいきたい……」

 

『え?』

 

「どっか行きたくない?!」

 

「まぁみんなで出かけるのはいいけど宿題終わらないとか無しだからな?」

 

「そんなことしないよ〜多分」

 

「おい」

 

「ゆーくんとはデートして出かけるけどポピパのみんなで遊びに行くことってそんなにないじゃない?だから行きたい!」

 

これはアレだ。もう止められないパターンだ。

 

「優弥今もう止められないパターンって思ったでしょ〜?」

 

「そんでもって止めるつもりもないんだろ?」

 

「沙綾も有咲もよく分かってる。ただどこ行くんだ?」

 

みんなそれぞれ行きたい場所をあげたが沙綾だけ何も言わなかった。

 

「沙綾は何かないのか?」

 

「う〜ん…遠いかもしれないし」

 

「どこどこ?北海道?」

 

「それとも沖縄?」

 

「まさか海外?」

 

「海外!?」

 

県内を言った香澄やりみはまだ分かるがたえ…海外はないだろ…常識人の有咲が驚いてるぞ。

 

「具体的な場所とかじゃないんだけど…」

 

「いいから言ってみろよ。俺とのデートの時はよく言ってくれてるだろ?」

 

「もぅ///えっと…海」

 

「海?」

 

「うん、海、めっちゃ行きたい!」

 

おぉ〜沙綾のこんなキラキラした顔レアだな。みんなも賛成みたいで海に行く日を決めた。

 

もちろん

 

「宿題終わらせるかある程度やっておくかしておけよ〜」

 

「「鬼ー!!」」

 

釘をさして置いたが香澄、たえ…鬼じゃないだろ?

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「海だー!!」

 

「香澄テンション高っ!?」

 

今日はポピパのみんなで海に来ている……んだが香澄のこのテンションの高さはなんだ?

 

まぁでも

 

「声に出してないだけでもう1人テンション上がってるよな〜沙綾」

 

「えぇ!?もぅ〜言わなくていいのに///」

 

朝沙綾の格好見た時は驚いた。既に有咲に弄られた後だったみたいだからその時はいじらなかったがあえて今ちょっと弄ってみた。まさかサングラスまでしてくるとは思わなかった。

 

「みんなは海来たことある?」

 

「小さい頃に家族で来たかな」

 

「私も〜」

 

香澄の問いに沙綾が最初に答えたえが続き、その後にりみや有咲も続いた。みんな小さい頃来たみたいだ。俺もだけど…

 

そういえばその時…

 

「私小さい頃海で溺れちゃって〜」

 

あ、自分で言い出した。

 

「ええ!?」

 

「じゃあ香澄ちゃん泳げないの?」

 

「うん…でもその時ゆーくんが助けてくれたんだ〜」

 

『さすが』

 

「なんでみんなハモる!?」

 

香澄が俺が助けたことを言うとみんな一斉に"さすが"って言ってきた。何故かハモったし……

 

「それよりここで喋ってないで早く行こうぜ」

 

「そうだね」

 

せっかく来たのにいつまでも喋ってるわけにも行かないし行くことにした。みんな急に走り出したから追いかけるように俺も走ることになったけどな。

 

「香澄待て、ギター預かる」

 

「大丈夫だよ〜」

 

「いや、落とす未来が見えてる」

 

「有咲かっこいい〜」

 

「なっ///」

 

「言い方はかっこいいな有咲。とりあえず香澄、あとたえもギター預けに行くぞ」

 

「「え?」」

 

「ここの海の家は預かってくれるんだ」

 

香澄がギター背負ったまま海に入ろうとしたから有咲が預かるって言い出したけど、ここの海の家は預かってくれる。事前に調べておいたって言いたいけど最近ロックと来た場所だから知ってた。まぁその時は預けられる場所調べたんだけどな。

 

「そうなんだ、おたえ行こっ」

 

「うん」

 

「ゆーくんも!」

 

「なんで!?」

 

なんで俺まで!?絶対海の家の人に…

 

「お?兄ちゃん今日は別の女の子とかい?」

 

「あはは、そうなんです。またギター2人分お願いします」

 

「はいよ」

 

「さ、2人とも……ん?」

 

「ゆーくん、後で聞かせてね♪」

 

「あはは…」

 

まぁこうなるよな。ロックとって言ったらみんな納得したけどさ。

 

「それじゃあ荷物見てるからみんな着替えてこいよ。俺はその後着替えるから」

 

「分かった、荷物お願いねゆーくん……っておたえ!?」

 

「おい!?」

 

みんなを更衣室の方に行かせよう……としたらたえがいきなり脱ぎ出した。急だったからバッチリ見ちゃったけど……下に水着着てきたみたいだ。びっくりさせやがって

 

「おたえ下に着てきたんだ。それじゃあ私も…」

 

「待て待て待て!お前は着てないだろ!?」

 

「きゃっ///」

 

「きゃ?……ん?この柔らかいのって」

 

「揉まないで///」

 

絶対下に水着着てないだろう香澄も脱ごうとしたから服を……ってつもりだったんだけど何か服より柔らかいのを掴んだ気がした。力を入れてみてから香澄の言葉で正体がわかった。香澄の胸だ……柔らか……じゃなくてやばっ!?

 

「悪い香澄!?」

 

「もぅ///着替えてくるね///」

 

香澄が走って行くとりみも追いかけるようについていった……ってか香澄の荷物も持って

 

「優弥のすけべ」

 

「たえ!?事故だ事故!?」

 

「香澄だけずるいぞ優弥///」

 

「あとで私たちにもね///」

 

「へっ!?」

 

2人が変なこと言った後走って更衣室の方に向かっていった、

 

たえに言われるのは仕方ないとしても……俺より有咲や沙綾の方が……

 

「2人の方がすけべだった」

 

「たえ……思ったこと言い過ぎ……とりあえず荷物任せていいか?俺も着替えたいし」

 

「任せて」

 

まぁそれは置いておいて水着を着てたたえに荷物を任せて俺も着替えにいった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「お待たせ〜」

 

「お、きたきた」

 

先に着替え終わってた俺やたえがみんなを待ってると4人とも更衣室から戻ってきた。

 

すげぇ似合ってるな

 

「ゆーくんどう?///」

「私たちの水着///」

「に、似合ってるか?///」

 

みんな恥じらいながら聞いてきた。答えはもちろん

 

「みんな似合ってる!お前たちを彼女にできて嬉しいよ」

 

「「「っ///」」」

 

あ、みんな赤くなった。

 

「もぅ〜///それじゃあ行こっ!」

 

「引っ張るな〜」

 

「優弥が有咲みたいなこと言ってる」

 

「私か!?」

 

「あはは…沙綾ちゃんの言う通りかも」

 

「りみ!?」

 

「間違ってないね、私たちも行こう」

 

「おたえまで!?」

 

俺が引っ張られた後で有咲が弄られていたみたいだ。

 

しばらく水を使って遊んでいると沙綾が砂に埋めてもらうのやってもらいたいって言い出した。夢だったみたいだし叶えてやろう。

 

沙綾以外のメンバーでやり動けなくなるくらいまで埋めることができた。

 

「すごい。ホントに動けない」

 

「夢叶ったか?」

 

「うん!」

 

なんていい笑顔で言うんだ。

 

「じゃあ私もやってやって〜」

 

「お腹空いた〜」

「そろそろ何か食べるか〜」

 

「ええ!?」

「私も…」

 

香澄もやって欲しそうに横になるとそれを無視するかのように有咲もたえも何か食べにいった。そして沙綾も何か食べたいみたいだ。

 

「そんじゃ沙綾救出といきますか」

 

「手伝うよ優弥君」

 

「私もー」

 

「じゃあやるか」

 

残った俺と香澄とりみで掘り出していった。もう少しで終わりそう……そうなった時に

 

 

むにゅ

 

 

「ひゃっ///」

 

「さーや?……あ」

 

「すまん沙綾!?」

 

「いいよ///」

 

「え!?」

 

砂をどけようとしたら沙綾の胸を触ったみたいだ。慌てて手を離そうとしたら沙綾が離さないように手を掴んで胸を掴むように触らせてきて……って手は自由になったのか。

 

いやいやそうじゃなくて!?なんで沙綾の方から触らせる!?ここ外だぞ!?

 

え、そういう問題じゃない?

 

「直接でも…///」

 

「ちょっとゆーくん!?」

 

「香澄、止めてくれ……「私にもして!」止めないんかい!?」

 

「3人とも他の人に見られちゃうよ?見られないところでやらないとだから今はダメだよ?」

 

「いやりみ、ダメなのは分かるけど注意の仕方……まぁいいや、2人とも、こういうのは2人きりで他に人いない時にな?」

 

「「う、うん///」」

 

とりあえずなんとかなった?から俺たちもご飯食べに海の家の方に向かうことにした。

 

そうしたら……

 

「あれ?ポピパじゃん!」

 

「あこちゃんに燐子先輩」

 

Roseliaの2人と会って一緒に海の家に向かった。どうやらRoseliaもこの海の近くに来ていて気分転換に海に足を運んだみたいだった。

 

向かう途中に……

 

「ゆーくん、後で私のも触ってね///」

 

とこっそり言われた。1人だけ服越しで嫌だったみたいだけど……

 

お前ら付き合った後からちょっとおかしいぞ?

 

 

ちなみに……

 

この後みんなの傍から抜け出して香澄と2人きりになり、岩陰で……

 

 

 

 

 

 




今回はここまでです。付き合い出した3人は変な方向になっちゃいました。

優弥が香澄を襲った話は別の機会に……
優弥「そんな機会ねぇ!」

と言いますがあるかも?

次回をお楽しみに


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27、海へ(後編)

なんとか年内に間に合った〜ε-(´∀`*)


 

 

「いたいた、有咲、たえ〜」

 

「リサせんぱーい、紗夜せんぱーい」

 

海の家に来たポピパ組とRoselia組は自分たちのメンバーと合流した。と言っても状況的に今井先輩が何か奢ろうとしてるみたいだ。

 

つーか紗夜先輩のトレイ……ポテトすごっ

 

「お?残りのポピパメンバー揃ったね、やっほー」

 

「こんにちは紗夜先輩、今井先輩」

 

「こんにちは山本君」

 

「やっほー…ってちょっとちょっと〜なんで紗夜だけ名前呼びなのさ〜」

 

「え?いやまぁ名前で呼んで欲しいって学校で…燐子先輩もですけど」

 

「私のこともリサでいいよ、私も優弥って呼んじゃうからさ」

 

「分かりましたリサ先輩」

 

「い、意外とあっさり呼んだね〜もっと恥ずかしがるかと思ったよ〜それより呼んで欲しいって……まさか2人に手を出してたり?」

 

紗夜先輩や今井先輩に挨拶したら何故か名前呼びの話になった。まぁいいって言うしリサ先輩って呼べばいいか。

 

……ってなんで手を出したってことになる!?

 

「出してませんよ!?」

 

「そ、そうですよ今井さん、山本君は…そんな人じゃありません」

 

「白金さんの言う通りです。おそらく白金さんもですけど山本君に助けられてるだけです」

 

「そうなんだ、あの紗夜や燐子がこんなに男子と仲良くしてるからてっきりね〜」

 

「え?俺ってどういう印象持たれてるの?」

 

「周りにいっぱい女の子がいてそのみんなと親しい関係…みたいな?もしかしてポピパみんなと付き合ってたり?」

 

わ〜凄い印象持たれてる〜まぁ学校違うし仕方ないか…でも最後は違うけど意外と当たってる。

 

「ですが今井さんの印象通りかと…それに山本君の人柄の良さからしてメンバーみんなと付き合うことになってもおかしくないですね」

 

「た、たしかに」

 

「燐子先輩まで…それに待ってください紗夜先輩、ポピパメンバーみんなと付き合ってるのは外れてますから」

 

「「え?」」

 

ん?なんで2人揃ってえ?って反応してる?

 

「山本君…ほ、ほんとにみんなと付き合ってるわけじゃないんですか?」

 

「違いますよ燐子先輩!?」

 

「それでは学校でのメンバーみんなと付き合ってるという噂はデマと言うことですね」

 

「「「「「えっ?」」」」」

 

「なにその噂!?」

 

俺ってそんな噂立てられてたの!?まぁ3人+1人で4人と付き合ってるのは事実だけど

 

「割と有名ですが…」

 

「はい…」

 

「あはは〜優弥モテモテ〜」

 

「優弥先輩すごい」

 

「いや…そういう問題ですかリサ先輩あこちゃん」

 

「でもゆーくんと私、有咲、さーや、それにSPACEでゆーくんと一緒に弾いた子は付き合ってますよ」

 

「わざわざ言うことじゃないだろ!?」

 

「そ、そうだぞ香澄///私たちが特別ってだけなんだから」

 

「そうだね、私たちはお互い納得してるけど普通はそんなことないんだから」

 

「大丈夫…ですよ山吹さん市ヶ谷さん…それくらいいい人…ですから」

 

「白金さんの言う通りです。それに山本君のことですからちゃんとみんな平等に接しているはずです」

 

「お、おう…なんか否定されないことに驚いてる。とりあえず何か食べません?」

 

『あ』

 

同じ学校の紗夜先輩や燐子先輩が事実を知っても問題視しない、それにリサ先輩やあこちゃんも何故か問題してこない。2人のことを信頼してるからこそかもしれないけどこっちからすれば驚く。

 

とりあえず話題を逸らす為に何か食べることにした。とは言え……

 

食べながらもこの話題を話すことになっていた。ロックや香澄たちと付き合うことになった経緯を聞かれたり紗夜先輩や燐子先輩とどういう経緯で知り合ってここまで打ち解けるようになったのかとか……主にリサ先輩がめちゃくちゃ聞いてきた。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「いたいた、友希那〜」

 

「リサ……あら?貴方たしか山本君……?何故リサと一緒に?」

 

「こんにちは湊先輩」

 

「こんにちは」

 

リサ先輩と一緒に湊先輩のところに行ったら案の定驚かれた。まぁいきなり一緒にいたらビックリするよな。

 

「さっきまで他のRoseliaのみんなと昼食べてたんですよ、ポピパのみんなも一緒でしたよ」

 

「そうなのね」

 

「はい友希那、これ美味しいよ」

 

「かき氷?はむっ」

 

簡単に一緒にいる理由を話したところでリサ先輩がかき氷を湊先輩に食べさせた…って急だな。返事待たずだったし

 

「甘くて……美味しい」

 

「リサせんぱーい」

 

そうしてると香澄と沙綾が来た。何かあったのか?

 

「リサ先輩さっきは奢ってくれてありがとうございました」

 

「いいっていいって〜このかき氷だって優弥の奢りなんだから」

 

「そうなの?……名前呼び?」

 

「別にリサ先輩に何かした訳じゃないですからね!?」

 

「ふふ、慌てなくて平気よ。リサの性格は知ってるもの、他のメンバーにも名前呼びしてるのかしら?」

 

「そうですね」

 

「優弥凄いんだよ?紗夜や燐子が凄い褒めててね〜同じ学校なんだけど2人が名前呼びしてるくらいにね」

 

「それは凄いわね」

 

ええ……俺そんな凄いことしてないんだけどな〜

 

「私のことも名前でいいわよ優弥君……何か変ね、優弥でもいいかしら?」

 

「構いませんよ友希那先輩、それで香澄たち何かあったのか?」

 

「あ、そうだ忘れるところだった!」

 

「実は一緒にビーチバレーしようって話になって呼びに来たんです」

 

「なるほど、いいね〜」

 

なるほど、そのために2人が来たのか。リサ先輩は乗り気だし友希那先輩も特に断ることがなかったから一緒に行くことになった。リサ先輩と友希那先輩は一旦別行動をして俺たちは先に海の家に戻った。まぁ理由は予想つくけど

 

「たっだいまー、みんなOKだって〜」

 

「やったー」

 

「あこちゃん嬉しそうだな」

 

「だって別バンドとこういう風に遊ぶの初めてだもん」

 

たしかに……

 

「お待たせ〜」

 

「湊さん……その格好は……」

 

リサ先輩たちが戻ってきてそれを見た紗夜先輩が驚いた。なぜなら……

 

「ビーチバレーは水着でするものと聞いたから」

 

友希那先輩が水着に着替えてきたからだ。まぁリサ先輩と別行動した時点でだいたい予想ついてたけど。

 

「やるんですか!?」

 

「香澄?みんなでやるって決めたんじゃなかったのか?」

 

「水着でやるって思わなかったんじゃない?」

 

紗夜先輩驚いてるけど……そういうものか?

 

「それに紗夜〜優弥にも見てもらえるよ?」

 

「なっ!?///別に私は見て欲しいわけじゃ……

 

着替えてきます」

 

「優弥ちょっといいか?」

 

「有咲?」

 

いや着替えるんかい!?つーか何故俺の名前出す!?

 

紗夜先輩が着替えに言った後有咲にTシャツの裾を引っ張られた。可愛いな……じゃなくてどうしたんだ?他の人に聞かれたくないみたいだったから物陰に移動することにした。

 

「友希那先輩水着に着替えてたけど更衣室の近くで待ってたのか?」

 

「あ〜いや……な、3人で岩陰に行ってた……誰にも見られないところだし」

 

「香澄も沙綾も顔少し赤かった……まさかその……ぇ///」

 

その先恥ずかしくて言えないんだろうな。多分有咲の思ってる通りだと思う。

 

「え○ちなこととか///」

 

「バレちゃうか……有咲もしたいよな?」

 

「なっ!?///好きな人としたいの……あ、当たり前でしょ///」

 

「だよな、俺も有咲とそういうことしたいし、一応言っておくけど本番まではしてないからな?さすがにそこまで外でする勇気ないしそれに……お前たちのこともっと大事にしたいし///」

 

「優弥…///」

 

何気に恥ずいけど嘘は言ってない。

 

「今は紗夜先輩戻って来ちゃうし後で抜け出そ?///」

 

「まさか有咲からそう提案してくるとは…怪しまれないようにしないとな」

 

「うん///」

 

紗夜先輩が戻って来る前にとんでもないこと約束しちゃったな。香澄や沙綾は抜け出す時察する可能性あるけどまぁいいか。

 

そろそろ紗夜先輩も戻って来る頃だと思いみんなのところに戻るとちょうど紗夜先輩も戻ってきた。

 

「お待たせしました。これで準備バッチリです」

 

「それじゃあPoppin’Party vs Roseliaはっじめよー♪」

 

「香澄ノリノリだな、コートまで行ってから……って香澄じゃ無理か」

 

「無理だな」

「無理だね」

『たしかに』

 

「ええ!?」

 

早くもテンション上がってる香澄、コートまで行ってからでもいいけど香澄だし無理だと俺や有咲や沙綾、それにみんな思ってるみたいだ。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「ええ〜それじゃあPoppin’Party vs Roseliaの試合を…」

 

「は、始めます」

 

それぞれのバンドチームに分かれてビーチバレーを始めることにした。何故か有咲と燐子先輩が審判側にいるけど2人も入ればいいのに

 

「さーや」

 

「ルールは?」

 

「普通のバレーボールと同じで…」

 

「落としたら…負け!」

 

香澄のサーブ……というよりパスになってるけど沙綾→りみと続いてたえがスパイクを打ってRoseliaコートに落ちた。

 

だけど……

 

「なぁ有咲、これってツッコミ待ち?」

 

「そこは考えたら負けだぞ優弥」

 

「あの……市ヶ谷さん……優弥君……普通のバレーボールと同じなら……普通サーブは…」

 

「大丈夫です燐子先輩、私たちもそう思ってますから」

 

「だけどリサ先輩たちも気にしてないみたい」

 

俺もよく知らないけど普通のバレーと一緒なら香澄のサーブは直接相手コートに入れないといけないはず……でもリサ先輩たちも気にする余裕がない…なぜなら

 

「なるほど、落ちたらダメなのね」

 

「あはは〜実は私もあまり詳しくなくて」

 

Roseliaサイドも分かってないみたいだから。

 

「それじゃあ次はあこの番!」

 

普通のバレーなら点取った方がまたサーブだけど気にしない。楽しめればそれでいい。

 

そう思ってるとあこちゃんが燐子先輩にと何か相談してるけどなんだろ?

 

「えっと……一応聞くけど何してたんですか?」

 

「必殺技のネーミングです」

 

「「必殺技??」」

 

必殺技ってなんだろ?って思ってたらあこちゃんが何かいいながらサーブをした……けど空振りして砂浜に顔から落ちてしまった。大丈夫か?

 

「「あこ(ちゃん)!?」」

 

「うぇーん、口の中ジャリジャリするよ〜」

 

すぐさまリサ先輩と燐子先輩は駆け寄る。一方で友希那先輩や紗夜先輩はというと……

 

「く、ビーチバレーとはここまで過酷なスポーツだったんですね」

 

「油断できないわね」

 

「おーいお2人さーん?」

 

見当違いなことを言っていた。

 

「あこちゃんは休んでて、私が交代します」

 

そう言うと勢いよくパーカーを脱いで投げた。水着姿になった燐子先輩、無意識だろうがかなり力を入れて投げたんだろう。

 

ぷるんと揺れるのを間近で見てしまった。あれ?なんか3人ほど冷たい視線送ってきてるの感じるな…

 

「わぷっ」

 

なんてことを考えてたら燐子先輩が投げたパーカーが頭上から落ちてきて変な声出しちまった。

 

「…………!?ごめんなさい優弥君」

 

「大丈夫ですよ燐子先輩」

 

「ゆーくん…」

「「優弥…」」

 

「「「見とれてるからだよ……」」」

 

「ハモって言うな!?」

 

事実だから否定はしないけど……

 

「ほんとにごめんなさい優弥君」

 

「何度も謝らなくて大丈夫ですよ燐子先輩」

 

むにゅ

 

「ひゃっ///」

 

…………柔らかってちげぇ!?

 

「すみません燐子先輩!?」

 

「い、いえ///大丈夫です///」

 

パーカー被ってたままとはいえ伸ばした手が燐子先輩の胸を掴んでしまった。燐子先輩は許してくれたけど香澄たちからは冷たい視線を浴びていた。当然か……

 

予期せぬハプニングあったがあこ(呼び捨てでいいと言われた)は口の中に砂が入ったから1度水道がある所まで行き、あこと燐子先輩が入れ替わって再開された。戻ってきたらあこと有咲の2人も入って5vs5になったり、途中で左手だけってことで俺も参加することになり一緒に楽しみ、みんな点数のことを忘れるくらい楽しんでいた。

 

…………何がとは言わないが揺れすぎる人多くてやばい。

 

「少し休憩にしましょう」

 

しばらくやっていると香澄が休憩しようと……香澄が!?

 

驚いたけど休憩を提案してみんな了承した。休憩になると……

 

「優弥」

 

「有咲?」

 

「向こうの岩陰で涼みたいんだけど着いてきてくれないか?///変な人に声掛けられたくないし///」

 

「お、おう」

 

有咲が顔を赤くして岩陰で涼みたいから一緒に来て欲しいと言ってきた。目的は違うことは分かってたけどついていくことにした。

 

 

そのまま何をしたかというと……………

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「楽器預かってくれてありがとうございました」

 

Roseliaとのビーチバレーを終わりにして香澄たちは帰るために預けている楽器を受け取った。

俺は今少し離れたところでRoseliaと一緒にいる。この後の展開予想できるから。

 

「お嬢ちゃんたち音出しを兼ねて1曲どうだい?」

 

「いいんですか?」

 

そう、俺とロックが預けた時も1曲やることになってこのことが予想できていたからRoseliaのみんなにも聴かせようと思ったからだ。

 

「もちろん。あそこの兄ちゃんも前来た時1曲やっていったんだよ」

 

「それじゃあ私たちも…」

 

「ただドラムはまだ用意できてないんだ」

 

あ、ドラムはないんだ。

 

「じゃあ……私も歌う!」

 

沙綾も歌うのか。

 

「優弥は弾かないのかしら?」

 

「え?友希那先輩聞きたいんですか?」

 

「ええ」

 

「たしかにまた聞いてみたいかも〜」

 

「へ?」

 

友希那先輩が聞きたいと言うとリサ先輩や他のRoseliaのみんなも同意した……って言っても今日ギター持ってないぞ?

 

「まぁその話は後にして今はみんなの見ましょう、もう始まります」

 

これ以上続けるとマジでやりかねないからな、まぁやりたくないわけではないけど。

 

「みんな準備いい?」

 

香澄たちは準備できたみたいだ。海にいる他の人も香澄たちを見ている。

 

「八月のif」

 

香澄たちが選んだ曲は【八月のif】

 

いつもドラムをやっている沙綾が香澄と一緒に歌っているのは新鮮だ。でも違和感ないし楽しそうにしてる。

 

ライブは急にやることになったが無事成功した。

 

「友希那先輩、いい息抜きになりましたか?」

 

香澄たちのミニライブが終わると友希那先輩の表情が柔らかくなってるしいい気分転換になれたと思ってる。

 

「…聞いていたのね」

 

「詳しいことは聞いてないですよ?ただなかなか納得いかなくて困ってるからリサ先輩の提案で海に来るって聞いただけです」

 

「そう。大丈夫よ、最初はリサに横暴みたいな感じで来ることになったけど貴方たちと過ごして戸山さんたちのライブを見て……いい時間を過ごせたわ。ありがとう」

 

「いえいえ、お礼は最高のライブをってことでいいですよ」

 

「言われなくてもそのつもりよ」

 

これは次のRoseliaのライブが楽しみだ。

 

あ、これは言っておかないと。

 

「友希那先輩、やり方はバンド毎に違うと思いますけど1人で作曲が大変ならみんなに相談するのもありですからね。詳しくないからこそ面白い発送あるかもしれません。俺たちもそうですから」

 

「そうね。その時は仲間を…Roseliaのみんなを頼るわ」

 

友希那先輩ももう大丈夫そうだな。

 

「そこの兄ちゃん、ギター貸すぞ?」

 

「へ?」

 

「ゆーくん一緒にやろう!それに友希那先輩も!」

 

「え?」

 

俺はともかく友希那先輩も?またいきなり言い出しやがって……

 

でも……

 

「やりますか?」

 

「そうね、それに……戸山さんが言い出したらもう止められないわよね?」

 

「ははっ、よくわかってる」

 

友希那先輩も香澄のことよくわかってるみたいだ。俺だけじゃなくて友希那先輩も一緒に参加して海の家でのライブを盛り上げた。

 

 

ちょくちょくハプニング(まぁ俺的にはラッキー)あったけどポピパみんなで海に来れてよかった。ロックと来た時もだったけどみんなといい思い出を作れた。

 

これからも香澄たちだけじゃない。他のバンドのみんなとも最高の思い出を作っていこう。

 

 

 

 




せっかくなので後編にもラッキースケベ展開を入れてみました。

今年の投稿はこれで終わりとなります。読んでくださってる方本当にありがとうございます。来年もよろしくお願いします。

それでは次の投稿お楽しみに。次回からは2期に入ります。


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2期編
28、初めての……


投稿月1、しかも月末になりそうです。

今回は2期1話……のつもりだったけど途中からオリジナルです。


3月春休み中

 

「そろそろかな」

 

4月から2年へと進級する。その準備も必要だけど俺は今駅に来ている。とある人を迎えにだ。

駅の入口の上にあるスクリーンでは彩先輩たちPastel*Paletteのライブ映像が流れている。そこでは大ガールズバンド時代到来と映し出されている。まぁその中には香澄たちポピパも入ってるけど。

 

「大ガールズバンド時代」

 

そのスクリーンを見て呟いた声が聞こえた。その声の主は俺が迎えに来た彼女

 

「ロック」

 

「優弥先輩!会いたかったです!」

 

「俺もだよロック」

 

朝日六花ことロックだ。

 

「迷わず来れたか?」

 

「はい!……って言いたら良かったんですけどこの駅の中ちょっと複雑で……」

 

「ああ〜たしかにこの駅はな」

 

今日待ち合わせしてる駅はあまり使わない人だと迷ってもおかしくない駅だ。だから岐阜から来たロックが迷ってもおかしくない。

 

「お世話になる家までちゃんと行けるかどうか…」

 

「地図はもらってるだろ?俺も一緒だし大丈夫さ」

 

「っ///はい、でも人がたくさんいる中で抱き寄せられると恥ずかしいです///」

 

「おっと、ごめんごめん、久しぶりに会えて嬉しかったからつい」

 

「も、もぅ///」

 

久しぶりに会えて嬉しいせいか抱き寄せちゃったな。周りにたくさん人いるのに……

 

「さてと、なんか注目されてるし行くか」

 

「はい!でも注目されてるの優弥先輩のせいですからね///」

 

「ロックが可愛いのがいけない」

 

「もぅ///」

 

間違ったことは言ってないぞ。それに注目されてるのは事実だしこの場を離れることにした。東京を……特によく行くところを案内しても良かったけど先にお世話になる家に挨拶したいってことでそっちに向かうことにした。

 

もちろん組んだ腕は離さずにな。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「この辺に……あったぞロック、旭湯だ」

 

「ありがとうございます優弥先輩、1人じゃ迷ってましたね」

 

慣れない場所だし迷っても仕方ない。学校始まるまでまだ少し日があるしその間に覚えてもらうか。とりあえずは駅までと学校までを…

 

「それじゃあ入りましょう」

 

「だな」

 

「こんにちは〜」

 

そう言うと扉を開けてロックと一緒に入ると番頭に1人いた。

 

「こんにちは、ごめんなさいまだ準備時間で」

 

「あ、いえ、俺たち客としてじゃなくて……ロック」

 

「はい、岐阜県から来た朝日六花です」

 

「あなたが六花ちゃんね、聞いてるわよ。それであなたは?」

 

「俺は山本優弥です」

 

「私の自慢の彼氏です。ここまで案内してもらいました」

 

「ちょっ///」

 

ロックのことは既に親から聞いてるみたいだった……って当然か。

 

つーか自慢の彼氏って紹介の仕方はさすがに照れる。

 

「あらあら、仲良いわね。それじゃあお部屋案内するわね。彼氏さんも一緒にどうぞ」

 

「いいんですか?」

 

「もちろん」

 

まずは部屋に案内された、結構狭く感じたけどロックは問題ないって言うから気にしないことにした。実際に暮らすのはロックなんだし俺がとやかく言うことじゃないな。

 

部屋の下はボイラー室になってるみたいで冬場は良さそうだけど夏暑そうだな、エアコンはついてるけど

 

「案内はこんなところかな。ここの仕事も手伝ってもらうってことは聞いてるわよね?」

 

「はい、聞いてます」

 

「荷物整理もあると思うし明後日からやってもらおうかな。少しずつ教えていくからね」

 

「ありがとうございます」

 

一通り案内してもらったけどいい人そうで良かった。

 

……と思ったけどこの後の爆弾発言に驚くことになるとはこの時思わなかった。どんなことかというと

 

「せっかくだし入るかい?時間あるし今なら貸切状態で入れるよ?」

 

「ありがとうございます。でもまだついたばかりで少し荷物整理もありますし…」

 

「俺も今日は…」

 

「道具なら貸し出せるよ?それに普段は男女別れてるけど…特別に今は2人で入っていいのよ?」

 

「貸してくれるのか……ってええ!?」

 

「入ります!」

 

「ちょっ!?」

 

タオルとか持ってないから断ろうとしたら貸し出せるみたい…まぁそれはいいとして一緒に!?しかもさっき断ったロックまで!?

 

「優弥先輩と入っていいんですよね!」

 

「ええ、今日だけ特別ね」

 

「断る理由ありません!」

 

「いやあるだろ!?」

 

ロックが暴走しだした…

 

「優弥先輩……私とじゃ……ダメですか?///」

 

「うっ///」

 

か、可愛すぎる。上目遣いで見つめてくるなんて……こんなの断れるはずないだろ。

 

「わ、わかった、入ろう///」

 

「はい///」

 

結局断りきれず入ることになった。この可愛さで断ることなんてできるわけない。まさか一緒に入れるとなった途端こうなるとは……

 

何をとは言わないけど気を付けないと……

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「どうですか優弥先輩、気持ちいいですか?」

 

「ああ」

 

ロックがお世話になる旭湯の人に一緒に入っていいと言われ実際にそうしてる俺たち2人。今はロックに背中を洗ってもらってる。

 

うん……学生になんてこと勧めてるんだろうな。

 

「前も洗いますね」

 

「へっ!?いやそれは自分でやるって!?」

 

「任せてください///」

 

「っ!?」

 

背中終わったから前もって思って言ったんだと思うけどそれはさすがに……って思って断るつもりが既に抱きついて手が前に回ってきていた。タオルの感触はない……俺の理性もつかな

 

「恥ずかしいですねこれ///」

 

「自分からやっておいて何言ってるんだよ///」

 

「久しぶりに会えたからか…色々抑えられなくて///先輩と同じです///」

 

「っ」

 

そう言われると言い返せない。

 

「あとは……下……ですね///」

 

「それはさすがに自分でやるから!!」

 

手が下に伸びてきてたけどそれはさすがに止めた。そうじゃないとマジでヤバい。

 

「そうしないと襲いそう…」

 

「優弥先輩になら……襲われてもいいですよ///」

 

「っ、そ、そうか…///」

 

これ以上はやめてくれ、ホントに襲いそうだ。何とかその衝動を抑えて残りを洗った。

 

「洗ってくれてありがとなロック、その…よかったよ」

 

「はい///」

 

さっきからお互い赤くなってるけど風呂のせいじゃないな。言わないけど……

 

「じゃあ今度は俺が洗ってあげる番だな」

 

「お、お願いします///」

 

今度は俺がロックを洗うことになったからロック同様タオルを使わないで手で洗っていくことにしたけど……ロックの背中綺麗だな。見蕩れながらだけど洗ったし……前もやるか

 

「それじゃあロック、前も洗うからな」

 

「っ…はい///」

 

ロックと同じように抱きつくようにして前に手を回した。抱きつかないのは訳ありだけどそれはまぁ……黙っておこう。

 

「もっとくっついていいですよ?」

 

「これでも洗えるから問題ないかな」

 

「むぅ……えいっ!」

 

「ちょっ!?」

 

「あっ///そ、そういうことでしたか///」

 

いきなり手を引っ張られて倒れないように抱きついたけどそのせいでバレてしまった。ロックの背中に当たっちゃったからな……

 

バレてしまったなら仕方ない。このままの状態で洗い続けた。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「いい湯ですね」

 

「そうだな」

 

少し気まずくなったが洗い終わったから一緒に湯に浸かっている。顔赤いままだが……

 

「たまにはここ来ようかな、そうすればロックに会えるし」

 

「でも一緒に入れませんよ?」

 

「それ目的で言うなよ。まぁ入りたいって気持ちはあるけど」

 

「もぅ〜優弥先輩ってば」

 

「俺と一緒に入れるってなった時のロックに比べたらな〜」

 

「あ、あはは///」

 

ロックに会いにここに来るのはあり、まぁロックの言う通り一緒に入るのは無理だけどな。

 

「あの優弥先輩……」

 

「どうした?」

 

「私の身体洗う時……特にむ、胸の時ですけど///」

 

「お、おう…」

 

なんとなく何を言おうとしてるかわかった。

 

「慣れてませんでしたか?」

 

やっぱりか……

 

「そうかも、実は時々香澄たちが俺の家で泊まる時に…」

 

「そう…ですか」

 

「でも」

 

「?」

 

「最後まではしてないからな」

 

「……え、最後までって……っ///」

 

お、おう、最後までって言うだけで赤くなるってことはなんの事か分かるんだな。

 

「初めてはロックじゃなきゃ俺が嫌だからさ。たしかにみんなのことは平等に愛してる……でもさ、1番最初に付き合ったのはロック、お前なんだよ」

 

「優弥先輩…」

 

「だから大切なことの1番最初はロックがいいんだ//」

 

「ありがとう…ございます…えへへ、でら嬉しい///」

 

ロックのその喋り方久しぶりに生で聞いたな。電話ではちょくちょく聞いてるけど

 

「それなら…」

 

「ん?」

 

「いい…ですよ///」

 

「……え、いいってまさか……」

 

「私の初めて……もらってください///」

 

まさかだった。

 

「いいのか?」

 

「はい///ここならすぐに洗い流せますしそれに……もう我慢でませんよね?」

 

「っ」

 

どこでこんな誘い方を……ロックの手が俺の大きくなってるとあるモノに触れたのがスイッチになったのか、もう我慢出来なくなった。

 

「ロックの言う通りもう我慢無理だ。ロックの初めて……もらうからな」

 

「はい///んっ」

 

そう言うとロックにキスしながら湯船の外に連れ出しそのまま…………

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「お風呂ありがとうございました」

 

「気持ちよかったです。時々になりますけど俺もここ使いに来ますね。今度はちゃんとお金を払って客として」

 

お風呂入らせてくれたお礼を伝えた。本来は営業時間じゃなかったからな。

 

「待ってるわよ。ただ1つ聞きたいんだけど…」

 

「「?」」

 

なんだろ?

 

「気持ちよかったのはお風呂の方かしら?それとも…」

 

「「っ///どっちもです///」」

 

「あらあら」

 

バレてた。しかもつい2人揃ってどっちもって言っちゃったよ。

 

「ふふ、仲良いのは間違い起こさないように気をつけるのよ?」

 

「「は、はい」」

 

「それじゃあ山本君はまた来るの待ってるわね」

 

「はい」

 

「六花ちゃんは明後日からやってもらうから荷物整理も必要だけどしっかり休んでね」

 

「はい!よろしくお願いします」

 

挨拶をして俺は旭湯を後にした。いい人そうだしここならロックも大丈夫だな。同じようなミスを何度も繰り返さなければ追い出されるようなことないだろ。

 

ロックが行く羽丘はRoseliaのメンバーもいるしあこや明日香ちゃんも入るから同じクラスになれば仲良くなりそうだな。

 

 

 

 

 

 




ふぅ…やっとできた。今回の話はうん、18に行かない程度に抑えました。

投稿時間かかりすみません。なかなか時間が取れなくて……次回からはちゃんと2期の内容にはいっていきます。

それでは次回までお待ちください


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29、入学式

前話で月1になりそうと言いつつ今月2話目、月末はちょっと余裕あること多いです。





 

 

花咲、羽丘入学式当日

 

「ゆーくんおはよう!」

「おはようゆー兄」

 

「おはよう香澄、明日香ちゃん」

 

香澄の家の前で2人と合流した。というのも、今日は花咲川と羽丘2つの高校で入学式、香澄や俺は花咲川の入学式の手伝い、明日香ちゃんは羽丘の入学式だ。羽丘に通うらしい。

 

「ゆー兄、ゆー兄からでも男子にちゃん付けされるのちょっと恥ずかしいし呼び捨てがいいかな」

 

「そうか?じゃあ明日香って呼ぶよ」

 

「うん//」

 

「あれ〜?あっちゃん嬉しいの?」

 

「なっ!?そ、そんなんじゃないし!///」

 

はは、明日香と可愛いとこあるな。

 

「ゆー兄も笑ってないでお姉ちゃん止めて!」

 

「俺でも止めるの難しいぞ?」

 

「たしかに」

 

「ええ!?」

 

「「ふふ」」

 

割と間違ったことは言ってない。香澄を止めるのは難しい。いやまぁ2人きりなら方法はあるけど人が見てる前だとさすがにな。

 

香澄が驚いたからおかしくなって明日香と一緒に笑っちゃったよ。

 

「とりあえず行こうぜ、電車に遅れたらまずいし」

 

「「はーい」」

 

はは、姉妹揃って同じ反応か。

 

「でも学校近くてよかったよ、また一緒に通えるね」

 

「お姉ちゃん、そんなこと言ったらゆー兄沙綾さんや有咲さんばかりと行っちゃうよ?」

 

「それは嫌だよ〜」

 

「おっと、唐突に抱きつくなよ。ってか2人で行く日ローテーションで決めてるんだし俺と行かない時に明日香と2人で行けばいいだろ?」

 

「それもそっか」

 

「あ、私授業始まったら少し早めに行くよ?」

 

「「え?」」

 

腕にとはいえ電車の中で抱きつかれるのは正直恥ずかしいところがある。それは置いておいてなんで明日香早めに行く必要あるんだ?部活でも入るのか?

 

香澄が気になって聞いたら

 

「羽丘は進学校だからね、早めに教室行って勉強したいの」

 

と答えた。真面目だな〜でも紗夜先輩から聞いたけど生徒会長日菜先輩ってなんだよな〜真面目な雰囲気にならない気がする。

 

「もう卒業後の大学とか考えてたりするのか?」

 

「それはまだだよ?」

 

「そっか、勉強もするのはいいけど無理すんなよ?」

 

「そうだよあっちゃん、息抜きは必要だからね!」

 

「香澄は勉強の量増やそうか」

「たしかに…お姉ちゃん勉強の時間少ないね」

 

「ええ!?」

 

とりあえず勉強するために早く行くだけみたいだな。

逆に香澄は少なすぎるけど……

 

その後色々話をしていたら明日香が降りる駅に着いた。

 

「明日香」

「あっちゃん」

 

「?」

 

「「高校入学おめでとう」」

 

「//ありがとう」

 

明日香に入学祝いの言葉をかけたらちょうど扉が閉まった。最後ちょっと照れてたな?

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

花咲川

 

 

「おはようござ……なんだ香澄か」

 

「俺もいるぞ」

 

「おはよう優弥」

 

「ええ〜有咲私には?」

 

「あ〜はいはい」

 

学校に到着すると校門入ってすぐのところに有咲がいた。まぁ受付とかやってるかいて当然か。

 

それと……

 

「燐子先輩もおはようございます」

 

「ひっ!?」

 

「えっ……」

 

有咲の横にしゃがみこんでたから挨拶したけど……なんで?

 

「あ〜ゆーくん燐子先輩怖がらせた〜」

 

「いやそんなつもりじゃ」

 

「だ、大丈夫…です、おはようございます優弥君。あと戸山さんも」

 

「えっと…何してたんですか?」

 

「す、スピーチの練習…です」

 

あ、入学式のか。

 

燐子先輩は生徒会長をやってる。だから入学式で挨拶するんだけど……人前苦手だけど大丈夫かな?

 

「有咲も?」

 

「いや有咲は書記だししないだろ」

 

「そうだぞ香澄。私が人前に出て喋ると思うか?」

 

「ま、新入生代表挨拶すっぽかしてたもんな」

 

「ちょっ!?優弥!?///」

 

あれ?赤くなったけど改めて言われるの恥ずかしかったのかな?4人で集まって話していると

 

「おはようございます」

 

「「おはようございます紗夜先輩」」

 

と、校舎の方から紗夜先輩がやってきた。

 

「今日はよろしくお願いします」

 

「はい!」

 

「手伝えることあれば何でも言ってくださいね」

 

「「ふふ」」

 

「ん?」

「「?」」

 

俺がそう言うと燐子先輩も紗夜先輩も顔を見合わせて笑いだしたから俺たちはなんだ?って思った。ほんとにどうしたんだ?

 

「すみません突然」

 

「今年もまた…たくさん助けられちゃいそうで」

 

「白金さんの言う通りですね、なるべく自分たちでなんとかしますけど」

 

「「あ〜」」

 

「なんか2人に納得されてるんだけど!?」

 

なんか香澄と有咲にまで納得された。まぁいっか。

 

「それより戸山さん、リボン曲がってますよ」

 

「あ、すみません」

 

「行儀が悪いわよ」

 

「っ!?はい!!」

 

話していると紗夜先輩が香澄のリボンが曲がっていることに気がついた。治してあげてる間有咲が肘をついていたからそれは注意された、まあ当然か。

 

……とうとう香澄は自分で気が付かなかったか。

 

「これでよし、先輩になるんですから下級生のお手本になるように身だしなみから気をつけてください」

 

「はーい!」

 

「それにしても……優弥君なら気付くと思ったんですが……ひょっとしてわざとですか?」

 

「正解、さすが紗夜先輩」

 

「ええ〜ゆーくんひどーい!」

 

酷いか?

 

「制服の身だしなみくらい自分でちゃんとしないと〜」

 

「ぶぅ〜」

 

「それに…」

 

「?」

 

「自分で身だしなみきっちりして可愛い香澄見せて欲しいからな」

 

「っ///うん///」

 

本心だけどこう言った方がちゃんとしそう。

 

「相変わらず……ですね」

 

「えぇ」

 

「ゆ、優弥、私はちゃんとしてるぞ///」

 

「偉いぞ有咲」

 

「ん、えへへ///」

 

香澄に対抗してか有咲も入ってきたから撫でてあげた。そうしたら嬉しそうにしてくれてる。2人とも可愛いな。

 

「さてと、そろそろ新入生来るし俺たちも準備手伝うか」

 

「あ、そうだね」

 

この場から離れ俺も香澄も役割を果たすことにした。ちなみに有咲は少しの間赤くなったまま固まっていたそうだ……まぁ紗夜先輩がいたから問題ないけどな。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

明日香side

 

羽丘

 

 

私が通うことになった羽丘学園、ここもお姉ちゃんたちが通う花咲川みたく数年前に女子校から男女共学なってる。今は入学式で生徒会長の氷川日菜さんが挨拶で立って挨拶をしている……んだけど

 

「え〜新入生のみなさん入学おめでとうございます。勉強も大事ですが生徒会長的には……

 

るんってしよう!」

 

生徒会長の挨拶なんだけど原稿を投げ捨てちゃった。それをほかの生徒会のメンバーだと思うけど必死に拾ってるけど……いいのこれ?

 

生徒会長挨拶が特殊だっただけで他は他と変わらなさそうなことを進行して問題なく終わった。

 

その後クラスが貼り出されてるから見て教室に向かったら……誰か前でよく分からないこと言ってる。

 

「入るところ間違えたかな……」

 

って思うくらいなんだよね。

 

そう思ってたら

 

「わあっ!?」

 

「わっ!?」

 

後ろから来た人とぶつかっちゃって持ってるプリントが散らばっちゃった。私が立ち止まってたのも悪かったね。

 

「ごめんね入口前で止まってて、手伝うよ」

 

「い、いえ、こちらこそごめんなさい。ありがとうございます」

 

ぶつかった子すごい枚数持ってるけどこれひょっとしてクラスの人数分?

 

「私も持つの手伝うよ。1人じゃ大変でしょ?」

 

「あ、ありがとう」

 

「先生に頼まれたの?」

 

「うん、出席番号1番だから持って行ってって」

 

「マジ?」

 

「マジです…」

 

1番だから持って行ってって、ドンマイとしか言いようがないね。せっかくだし名前聞いてみよっと。

 

「名前"あ"からとか?」

 

「はい、朝日六花です」

 

「朝日六花……あれ?どこかで聞き覚えがあるような」

 

「え……」

 

朝日六花、どこかでこの名前聞いた覚えあるんだけどどこだっけ?

 

「あ、ごめん聞いておいて私言ってなかった。私はと…」

 

「みんな席ついて。HR始めます」

 

「もう来たの!?ごめん後で」

 

「は、はい」

 

名前言おうとしたら先生が来ちゃった。でもほんとどこで聞いたんだろ?

 

自分の席についてると黒板の前でよく分からないこと言ってた子が

 

「ああ!前に優弥先輩とギター弾いてた子だよね!?」

 

って叫んで……思い出した!お姉ちゃんから聞いたんだ!

 

「え!?そ、そうだけど」

 

「宇田川さん後にしなさい?」

 

「あ、ごめんなさい」

 

HR始めるというタイミングだったから怒られてた。まぁ当然だけど……

 

HR終わったらまた話に行こっと。

 

 

HR終了後

 

 

「朝日さんちょっといい?」

 

「うん、私も話したかった」

 

「あこも話したいことある!」

 

「「わあっ!?」」

 

HRが終わって朝日さんのところに行って話そうとしたら宇田川さんもいきなり来たから2人で驚いちゃった。

 

「さっきの自己紹介の時に私のこと驚いて見てたから予想できてると思うけど私のお姉ちゃんPoppin’Partyのギターボーカルなんだぁ」

 

「「やっぱり!」」

 

「宇田川さんも知ってるの?」

 

「あこでいいよ、あこはRoseliaってバンドでドラムやってるの」

 

「そうなんだ、それで……六花でいいかな?」

 

「大丈夫だよ」

 

「私も明日香でいいからね。六花ゆー兄と弾いたってほんと?」

 

「「ゆー兄?」」

 

あ、つい癖で。

 

「お姉ちゃんとゆー兄って幼馴染なんだけど私もよく一緒に遊んでたんだ〜」

 

「「へぇ〜」」

 

「あ、弾いたのは本当だよ。SPACEの最後のライブの後に出演者で集まって…」

 

「あ、そう言えばオーナーの人そんなこと言ってたっけ、私もその時お姉ちゃんのライブ見に行ってたよ」

 

「そうなんだ、それで優弥先輩が弾くことになったんだけど私も一緒でいいって言ってくれたみたいでそれで一緒に弾いたの」

 

「優弥先輩もだけど六花も凄ったよ!」

 

「見てみたいな〜」

 

そういえば私ゆー兄がギター本気で弾いてるところ見たことないかも

 

「明日香見たことないの?」

 

「うん、家に来てお姉ちゃんに教えるために弾いてるのは見たことあるけど本気で弾いてるところは見たことないからね」

 

「そうなんだ」

 

「私もまた家に来てもらおうかな、こっちに引っ越した時家まで着いてきてもらったけど」

 

「岐阜からってさっき言ってたね」

 

「うん、知り合いが銭湯やっててそこで暮らしてるよ」

 

銭湯か〜行ったことないな〜

 

というよりあこがいると話したいこと話せないな〜複数人と付き合ってること知ったらどんな反応するか分からないし……

 

でもさっき家に来てって言ったのに何も反応無かったし六花自身は気にしないのかな?

 

「あなたたち」

 

「「「!?」」」

 

「仲良くなるのはいいけど今日はもう下校時間です」

 

「「「す、すみません!」」」

 

話してたら下校時間になってた。帰りながら2人になれたら聞けばいいかな。

 

「あっ、そうだ!」

 

「「?」」

 

「明日香の聞きたいことって優弥先輩が六花の他に香澄先輩たちとも付き合ってることどう思うかでしょ?」

 

「「!?」」

 

え、あこ知ってたの?というか六花も驚いたってことはあこがそのこと知ってるの知らなかったってことかな?

 

「あこちゃん知ってたの!?」

 

やっぱり……

 

「うん、海に行った時にポピパのみんなと会った時に知ったよ」

 

「そういえばお姉ちゃん海でRoseliaに会ったって言ってたっけ。

 

それと私が聞きたいことはそれだよ。ゆー兄の人の良さは知ってるけど六花は本当に同時で付き合うことになっててもいいの?もし実は嫌とかだったらお姉ちゃんに……」

 

「大丈夫だよ明日香ちゃん。私からいいって言ったんだから、心配してくれてありがとね」

 

「わかった。本人がいいなら私からは何も言わないよ」

 

本人が納得してるんだしそれなら何も言うことないね。将来どうするかは知らないけど……

 

その後3人で色々話しながら校門まで行くといるとは思わなかった人がいたからびっくりしたよ……

 

明日香side out

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

花咲川

 

「今日は本当にありがとうございました。生徒会と風紀委員だけじゃ手が回らなくて」

 

「いえいえ」

 

「困ってる時は助け合わないと」

 

「香澄がちゃんとやるとはな〜」

 

「有咲ひどーい」

 

『あははは』

 

入学式も無事に終わり生徒会や風紀委員、それに有志の手伝いのやることが終わったため生徒会室で集まって話している。

 

ただ……

 

「燐子先輩……大丈夫……ですか?」

 

「いつまでそうしてるつもりですか白金さん」

 

「だって……」

 

燐子先輩が落ち込んでいる。入学式の挨拶で緊張したのか全然喋れず終わったからだ。

 

「だいたい、人前に出て話すのが苦手なのになんで生徒会長を……」

 

「あ〜紗夜先輩、前の生徒会長にお願いされたというか押し付けられたというか…」

 

「有咲も?」

 

「私はその……生徒会やってたら内申点上がるからって聞いて……///」

 

うん、赤くなってるし別の理由あるなこれ。まぁいいや

 

「いえ、それもありますけど1番は自分を変えたくて……

 

今まで苦手なことから逃げてきました。だから逃げずにやっていきたいと、そう思って生徒会長に」

 

「そうですか、手伝えることあればいつでも言ってくださいね」

 

「いいことだと思いますよ。ゆっくりやっていきましょう?暇なら俺も手伝いますし」

 

「ありがとうございます氷川さん、優弥君」

 

生徒会の問題にはだからなるべくは関わらないようにするけどな。

 

「それじゃあ戸山さんと優弥君はここまでですね、後は生徒会と風紀委員で片付けます」

 

「手伝うのは……無しですよ」

 

「無し!?」

 

「たくさん……手伝ってもらいましたから」

 

「これ以上は申し訳ないですし」

 

「別に大丈夫ですよ?ね、ゆーくん」

 

「去年から色々手伝ってるし今更感あるけど……じゃあ俺は先に失礼しますね、羽丘の方に行きたい理由ありますし」

 

『羽丘に?』

 

わぁ〜みんなハモった。ロックが来てることはまだ秘密で今度サプライズで蔵に呼ぶつもりだから理由バレないようにしないとな。

 

「じゃあそういうことで、香澄!有咲待つなら迷惑かけないようにな!」

 

「かけないよ〜じゃあ後で蔵でね!」

「終わったら私たちも行くから……は、早く来いよ///」

 

「有咲可愛いな、おう!」

 

「なっ!?///」

 

俺が出た後有咲を弄る声が聞こえたけど俺は気にしない。まだ間に合うと思うし走るか。

 

 

電車まで、それと電車から降りてからも走って羽丘に着いたらちょうどロックが出てきていた。明日香やあこと一緒に……

 

 

 

 




5000字超え珍しい


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30、久しぶりのライブ

うん、投稿不定期すぎる。

今回で2期1話分は終わりです


「ロック!」

 

「「優弥先輩!?」」

「ゆー兄!?」

 

花咲川から羽丘に来たらちょうどロックが出てくるところを見つけた。明日香やあこも一緒ってことは仲良くなれそうなのかな?

 

「優弥せんぱーい!んっ///」

 

「おっと……ん!?」

 

「「わぁ…///」」

 

俺のことを見つけたロックがこっちに走って抱きついてきた。香澄みたいなことするな〜って思ったら突然キスされた。俺は驚いたし明日香やあこは顔を赤くしている。

 

抱きとめた時に俺の右手ちょうどロックのお尻のところにある……偶然だけどな

 

「えへへ///嬉しくなってつい」

 

「ったく」

 

「ひゃっ///」

 

「どうしたロック?」

 

「急にお尻撫で回すから///」

 

「も、もぅゆー兄に六花///」

 

「あこたちいるの忘れてない!?///」

 

「おっとそうだった」

 

「……は、恥ずかしいところ見せちゃった///」

 

耐えられなくなったのか2人が声かけてきた。まぁ当然か。突然抱きついてキスした友達とその相手がお尻を撫で回してたんだし。

 

「六花といる時のゆー兄…私が知ってるゆー兄じゃない」

 

「いや、多分香澄たちの時も明日香の知ってる俺じゃないと思う」

 

「優弥先輩海で会った時と違ってる感じがする」

 

「あれから色々あったからな〜」

 

Roseliaと海で会った時からほんと色々あったからな〜香澄たちとめちゃくちゃイチャついてた(時と場所は選べて……たと思う)しロックとも最近シたし……

 

「それは置いておいてロック制服似合ってて可愛いぞ」

 

「あ、ありがとうございます///ってまさか制服見に来たんですか!?」

 

「まぁな」

 

「言ってくれたらお世話になってる家で着替えるところから見せてたのに!」

 

「それじゃあサプライズにならないだろ?」

 

「もう〜」

 

なんか今変なこと聞こえなかったか?

 

「ねぇ今六花凄いこと言わなかった?」

「うん、しかも優弥先輩普通にスルーしてた」

「//////」

 

2人とも聞こえてるぞ?その証拠にロックの顔赤くなってる。

 

「3人で出てきてたけど3人ともクラス一緒なのか?」

 

「はい!」

 

「そっか、もう仲良くなってるみたいでよかった。あこも明日香もロックのことよろしくな。岐阜から来てまだこっちのこと分からないことだらけだと思うし」

 

「はーい」

「任せてゆー兄」

 

ほんとよかった。2人がいるなら安心だ。特に明日香は香澄と違ってしっかりしてるし。

 

「優弥先輩ポピパさんの練習は今日ないんですか?」

 

「あるぞ?でもロックに会いに来てから行こうと思ってたし問題ない」

 

「でら恥ずかしい///」

 

「それと…今度蔵に来るか?急に来たら香澄たちびっくりさせられるだろうし」

 

「はい!ポピパさんに会える!」

 

「じゃあそれまでこっちに来てることは内緒で、明日香も香澄に言わないようにな」

 

「はい!」

「わかった」

 

ロックたちとプチサプライズ計画立てたところで蔵に向かうことにした。今日は3人このまま遊んで帰るみたいだし。

 

ロックを見たみんなの反応楽しみだな

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「悪い遅くなった!」

 

とある日の放課後、有咲以外のメンバーは蔵にいた。そこへ有咲が走ってきたのか息を切らしてやってきた。

 

「しー」

 

練習スペースの入口にいた有咲に向かって香澄が静かにするように促した。理由はたえが寝ているからだ。

 

「ん……」

 

「おたえちゃんおはよう」

 

「眠れた?」

 

「んー……」

 

まだ寝ぼけてるな。

 

「さてと、帰りますか」

 

「えっ……」

 

みんな揃ったし練習……とはならなかった。もう時間も遅いからな。有咲は残念そうにしていたが

 

「私もコンビニ!」

 

と着いてきた。

 

みんなニヤついてるけどな。

 

「ニヤニヤすんな!」

 

「まぁまぁ、落ち着け有咲」

 

「撫でてくれたら落ち着く」

 

「いや……両腕抱きつかれてるから撫でられない」

 

「むぅ〜」

 

有咲が撫でて欲しそうにしたけど右は有咲、左は沙綾が腕を組んでるから撫でるのは無理だな。

 

ってすげぇ可愛いことしてんな。

 

「それにしても6人揃うの久しぶりだね」

 

「たしかにそうだな」

 

沙綾の言う通り最近6人全員揃うこと少ない。たえがバイト行ったりりみが塾行ったり俺がロックのところに行ったり……まぁ昼休みは集まってみんなで食べてるけど。

 

ちなみにクラスはたえだけ別のクラスになってしまっている。

 

「おたえちゃんまだ眠い?」

 

「夢の中でギター弾いてた」

 

「どんだけギター好きなんだよ」

 

「有咲もキーボード弾いてたよ」

 

「え?」

 

「りみがベース、沙綾がドラム、香澄がギター弾いてて優弥も一緒のステージに立ってた」

 

「俺もか」

 

たえが夢で見ていたことを話し出したが俺も一緒のステージに立っていたみたいだ。たしかに一緒にやってみたい気持ちはないってことはないけどさ。

 

「ライブしたい」

 

『え?』

 

その話を聞いた香澄がライブをしたいと口に出した。唐突だけどいつも通りだな。

 

「蔵でもサークルでも場所はどこでもいいんだけどライブがしたい」

 

「はは、香澄らしいな」

 

「でも蔵でやんのか?」

 

今ポピパの知名度そこそこあるし蔵でってなったら見に来てくれる人数人しか入れないな。

 

ライブの話をしていると

 

「ん?電話?2人ともごめん、一旦離れて」

 

「「むぅ〜わかった……」」

 

「いや2人してその反応かい!」

 

有咲も沙綾も離れたくなかったみたいだけど電話だから離れてくれた。

 

ってかロックからだ

 

「もしもしロック?どうした?」

 

ロックというと5人とも顔を見合わせていた。まだこっちに来てることはまだ伝えてないから不思議がってるな。いつもはみんなと一緒の時に電話くることないし……しかも有咲は電話の内容聞こうと耳近付けてるし。

 

『優弥先輩助けてください!』

 

「「えっ」」

 

助けてって、聞いてた有咲も驚いてる……それはいいや、走ってる音……まさか!?

 

「ロック誰かに追われてるのか!?」

 

『え!?あ、ごめんなさい走ってるけど身の危険で助けて欲しいわけじゃないです』

 

「なんだ……びっくりさせんなよ」

 

『すみません』

 

ひとまず安心だ。俺の様子を見て有咲もホッとしてる様子だ。香澄たちに簡単に説明してくれてるし

 

「ん?じゃあ助けて欲しいって何を……って思ったけど直接聞くわ」

 

『え?……あ』

 

なんの事か聞こうとしたけどロックの姿が見えたから直接聞くと言った。そうしたらロックも俺たちのこと見つけたみたいだ。

 

ちなみに俺が向いてる方向を見た香澄たちはめちゃくちゃ驚いてる。

 

「優弥せんぱーい!」

 

「おっと、走って抱きつくの好きだな」

 

「えへへ〜」

 

入学式の日みたく走ってきて抱きついてきた。今度は予想してたけど香澄みたいなことするな。

 

「ちょっ!?ゆーくん!?なんでロックがいるの!?」

 

「いや〜今度驚かすまで黙ってたけど引っ越してこっちの高校に通ってるんだよ」

 

『ええ!?』

 

驚いてくれたしサプライズ成功……でいいのか?

 

「ちなみに明日香と同じクラスみたいだぞ」

 

「そうなの!?じゃああっちゃんが言ってた友達って…そうなんだ、ロック、あっちゃんのことよろしくね」

 

「は、はい、こちらこそ!」

 

「ちなみに明日香やRoseliaのあこには驚かせるまで黙っててって言ってあったけどもう大丈夫って伝えていいからな」

 

「はい!

 

あの……それでPoppin’Partyさんにお願いしたいことが」

 

「私たちに?」

 

「はい、GALAXYのライブに出て欲しいんです!」

 

へぇライブか〜

 

ライブ!?

 

「まさかバイト?」

 

「は、はい…黙っててごめんなさい優弥先輩」

 

「それはまぁいいんだけど……大丈夫か?銭湯の方もあるのに」

 

「大丈夫です、上手くシフト調整してもらってるのに」

 

「そっか、それならいいんだ。

 

それよりライブの話聞かせてくれ」

 

「あ、そうでした」

 

話を聞く限りロックがバイトしているGALAXYってライブハウスでリニューアル記念のライブをするみたいだ。そこで出演バンドを集めているところみたいだ。

 

……こんな時間に外で探す必要ない気もするけど

 

「どうするんだ香澄?まぁ聞かなくてもだいたい想像できるけど」

 

「出る!」

 

「言うと思った」

 

反対する人いないみたいだ。

 

ポピパの出演は無事決まった。

 

「ありがとうございます皆さん!」

 

「あこと同じクラスみたいだしあこに伝えてRoseliaに出てもらえないか相談するといいよ、あと羽丘ならAfterglowもいるしそこにはあこの姉ちゃんの巴もいるから一緒に行けば話しやすいと思う」

 

「わかりました!」

 

ポピパの出演が決まりホッとしてるロック、とりあえず羽丘にいるメンバーをあげてみた……パスパレは事務所所属だからそっちと確認する必要あるしあとはハロハピ……は薫先輩くらいか、美咲が同じクラスだしこっちで相談した方が良さそう。

 

「それじゃあロック、ちょっと話したいことあるんだけどいいかな?」

 

「?いいですけど……何を……」

 

「こっち来て!」

 

「わわっ、香澄先輩!?」

 

「優弥たちはそこにいて!」

「私たち3人どうしても聞きたいことあるから!」

 

香澄がロックを引っ張り沙綾と有咲もついていった。

 

……なんとなく話の内容想像つくぞ。

 

様子を見ているとロックが赤くなっている。多分シたことを聞かれてるのかな?

 

「ロック!?」

 

「ってマジか!?」

 

そうしてると急にロックが倒れそうになって香澄が支えた。見たことないくらい真っ赤になってるし原因はわかるけど。

 

「おい大丈夫か!?」

 

「ごめんゆーくん…」

 

「様子見れば話の内容想像ついてる。恥ずかしくなっただけだろ?」

 

『さすがゆーくん(優弥)(優弥くん)』

 

いやまぁ……春休みのこと考えればな

 

「とりあえずロックは俺送って……というか連れてくよ、今の家の場所わかるし」

 

「うん、お願い」

 

「暗いしみんな気を付けてな」

 

「うん、優弥もね」

 

みんなと分かれ俺はロックをおんぶして旭湯に向かい出した。

 

柔らか……おっとやめておこう

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「ううん……ここは……」

 

「気が付いたか?」

 

「……優弥先輩!?」

 

気を失ってたロックが起きた。この状況はまだ理解できてないかもだけど。

 

「香澄たちと話してたら真っ赤になって倒れたみたいだぞ」

 

「香澄先輩たちと…………っ///」

 

「シたかどうか話してただろ?」

 

「はい///」

 

「責められなかったか?」

 

「そんなことないです、ただ初めてはどうだったのかとか色々聞かれて恥ずかしくなって///」

 

「責められてないならよかったよ」

 

サプライズにしようって言ったのは俺だし文句言われてたら申し訳ないところだったからな。一応俺からもまた伝えておくけど……

 

「っと、ついたぞ。もう閉まってるのか」

 

「あ、いつも裏から入るので右に回ってください。左からは行けないので」

 

「了解」

 

「あら?」

 

「こんばんは」

 

ロックの言う通り裏に回ると途中で銭湯の人が出てきていたのか鉢合わせた。服装からして出かけるのか?

 

「六花ちゃん怪我したの?」

 

「あ、いえ違います、大丈夫です。そういえば背中暖かくてこのままだったけど降りますね」

 

「あ、そうだな」

 

「ふふ、背中柔らかかったのに…って思ったの?」

 

「っ」

 

「そうなんですか?///」

 

「まぁ…な//」

 

く、なんだこの人、俺の思考がバレてる。

 

「これから出かけるから六花ちゃん戸締りお願いね?帰り遅くなるから」

 

「わかりました!」

 

「それじゃあ山本君ごゆっくり。あ、お風呂入ってもいいわよ」

 

「ありがとうございます」

 

風呂入っていいと言われても今日そのつもりで来たわけじゃないんだけどな。とにかくロックと一緒に裏まで回った。

 

あれ?俺もう帰っても平気だよな?何故か着いていってるけど…

 

「優弥先輩、実は鍵首からぶら下げてて服の中にあるんです」

 

「そうなのか?」

 

これは取り出すところ見ない方がいいかも……って思って目を逸らしたんだけど

 

「私の服の中にあります」

 

「?さっきも聞いたぞ?」

 

目を逸らしたら同じこと言われた。なんで?

 

「だから……服の中にあるんですよ///」

 

「っ」

 

耳元で囁くように言うな……ってまさか

 

「俺に取って欲しいのか?」

 

「っ///いいですよ///」

 

ロックも意外と変態か?香澄たちも付き合い出してからちょっと?アレな方向になったし。

 

まぁせっかくだし取ってやるか

 

「ん///少しも躊躇しないんですね」

 

「俺の可愛い彼女が取って欲しいこと言ってるからな」

 

「優弥先輩のえっち///」

 

「お前が言う!?」

 

たしかに鍵取り出すために服の中に手を入れた時に胸揉んだけど……触りたかったし

 

ロックが言えたことじゃない気がする

 

何故かこのまま俺が鍵を開けることになったから(紐でロックが苦しくならないように)開けて一緒に中に入った。

 

「ロックの部屋に入るの引っ越してきた時以来だな」

 

「たしかにそうですね、あまり物増えてないですけど」

 

この部屋の広さで増やすのはあまりオススメしないな。

 

ん?

 

「布団敷いてるけどもう寝るのか?それなら俺帰るけど」

 

「それはですね……えいっ///」

 

「ちょっ!?」

 

布団敷いたから寝るのかと思ったらロックに押し倒された……まさか

 

「運んでもらったお礼……しますね///」

 

これはまさかだな、ロックの手が下に伸びてきて俺の……それなら

 

「ロック!」

 

「え///」

 

押し倒された状態から転がってロックを下にした。

 

「お礼って言うけどこういうことしたかったんだろ?」

 

「っ///今2人きりになったので///」

 

「まっ、俺もしたいった思ってるんだけどな…今日泊まっていいか?」

 

「はい///たくさんしてください///」

 

そのつもりで泊まるって言ったからな。可愛い彼女と2人きりになって何もしない選択肢なんて俺にはない。次の日学校だし朝までは無理だけど……

 

それから俺たちは遅くまで……

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

ライブ当日

 

「Afterglowだ!」

 

控え室に到着してモニターを確認するとAfterglowがちょうどライブ中、【Scarlet Sky】をやっていた。

 

「蘭ちゃんたちかっこいい!」

 

「初めての場所なのに凄い」

 

香澄とたえとりみはモニターでAfterglowのライブを見ている……って説明聞こうぜ

 

「お前ら説明聞け!」

 

「ごめんねロック」

 

「いえ、ポピパさんは最後なのでゆっくりしててください」

 

「って言っても説明聞かないのは良くないだろ」

 

「あはは…」

 

ロックは最後だからゆっくりしててとは言うが説明聞かない行為は良くない。

 

 

バン!

 

「ハッピー!ラッキー!あら?」

 

いきなりドアが勢いよく開いたと思ったらこころとはぐみと薫先輩が入ってきた。うん、控え室をステージと勘違いして入ってきたんだな。

 

「ハロハピさん順番次ですよ!?案内します!」

 

次がハロハピの番ということでロックが慌ててステージまで案内することになった。大変だなロック……

 

モニターを見ながらハロハピの登場するところ見たけど……こころたち観客の上通ってったけどいいのか?つーかロック案内したんじゃ……

 

 

ポン ポン

 

 

「ん?どうした沙綾、有咲」

 

「「ハロハピだし仕方ないよ」」

 

「お、おう、そうだな」

 

どうやら思ってることバレたみたい。そして"ハロハピだから"で納得しちゃう辺りだいぶ慣れてきたってことかな。

 

ハロハピの曲は【えがおのオーケストラ】だ

 

「ふぅ、疲れた」

 

「あ、蘭ちゃん!ステージお疲れ様!かっこよかったよ!」

 

「あ、ありがと///」

 

ハロハピのライブ中にAfterglowが控え室に戻ってきた。それを確認した香澄が褒めると蘭の顔が赤くなった。照れてるな?

 

「おやおや〜蘭照れてる?」

 

「照れてない///」

 

反論してるけど間違いなく照れてるな。弄るの楽しそうだけどやめておこう

 

「こんばんはRoseliaです。今日はよろしくお願いします」

 

そうしてるとRoseliaが控え室に入ってきた。リハにはいなかったけどまぁ問題ないだろ。

 

「リハいなかったけど大丈夫なんですか?」

 

「すぐ突っかかる〜」

 

「リハはこちらで済ませてあるから問題ないわ。それに、ちょうど会場が温まってる」

 

案の定蘭が友希那先輩に突っかかってたけど平然と返したな。友希那先輩らしい。

 

「そんじゃ俺はそろそろ客席の方に行ってるな。みんな楽しんでこいよ」

 

「わかった、ちゃんと私たちのこと見ててよねゆーくん!」

 

「分かってるって。あ、そうだ蘭」

 

「なに?」

 

「ステージかっこよかったぞ」

 

「なっ!?//////」

 

「はは、赤くなりすぎ」

 

「よかったね〜ら〜ん」

 

「う、うるさい!///」

 

やっぱり赤くなった。わざと言ったけどまぁ実際かっこよかったし問題ないだろ。さてと、俺は客席の方に移動してロックの傍にいるか。

 

「こんばんは、Roseliaよ」

 

俺がロックの傍に着くとちょうどRoseliaの出番になった。Roseliaの楽曲は【LOUDER】

 

相変わらず凄い演奏するな〜さすがだ。

 

そして

 

「初めましての人は初めまして!私たち」

 

『Poppin’Partyです!』

 

クジでトリを引いた香澄たちの出番となった。

 

「メンバー紹介します!

 

リードギター花園たえ!

 

ベース牛込りみ!

 

キーボード市ヶ谷有咲!

 

ドラム山吹沙綾!

 

ギター&ボーカル戸山香澄!

 

そしてステージにはいないけどいつも私たちを支えてくれる山本優弥!」

 

メンバー紹介を始めて最後に俺の名前が出されるとスポットライトを当てられたから軽く手を降ってからお辞儀した。打ち合わせにはなかったけどSPACEのライブの時と同じになるだろうと予想していた。

 

「6人でPoppin’Partyです!」

 

またバンド名言ってる。

 

「香澄ちゃんそれ最初に言ったよ」

 

「そうだっけ?」

 

りみにも指摘されてるしお客さんからも笑い声が聞こえる。まぁ馬鹿にした笑いじゃないから気にしないけど。

 

Poppin’Partyの曲は【Happy Happy Party!】

 

大事なトリだけどいつも通りできて盛り上げることができている。

 

全バンド終わっても会場が盛り上がったまま、リニューアルオープンは成功でいいのかな?

 

「最後に告知があります」

 

出演したバンドのメンバーがステージに揃うと紗夜先輩から告知があると言われ友希那先輩が前に出た。内容は

 

「私たちRoseliaは…主催ライブを開催するわ」

 

主催ライブをするってことだった……まじか!?めっちゃ大変なやつだぞ!?

 

「他に告知がある方はいますか?」

 

「はい!」

 

香澄?

 

「私たちもライブします!」

 

……へ?

 

『Poppin’Partyライブします!』

 

「わぁ!」

 

近くにいたロックも嬉しそうにしたし会場も盛り上がった。けど……

 

「絶対今決めたろ!?」

 

今まで主催ライブのことは一切話に出ていなかった。だからRoseliaの告知を聞いて思いつきで決めたんだろうな。

 

-----ライブ後-----

 

「みんなお疲れ様、ライブ最高だったぞ」

 

「ありがとうゆーくん」

 

着替えてきた香澄と合流して帰るところ、簡単にだけどライブの感想は伝えたおいた。

 

「ただライブやるって……絶対思いつきで決めただろ?」

 

「無駄だぞ優弥、こうなった香澄を止めるのはな」

 

「それは分かってるけどどういうことしないといけないか分かってないだろ?」

 

『あっ』

 

「おい!?まぁまた今度学校で話そう。今日は帰って明日も休みだしゆっくりしよう」

 

『はーい』

 

帰ろう……そう思ったら

 

「ん?3人ともどうした?」

 

香澄と沙綾と有咲が掴んできた。

 

「今日有咲の家に泊まろ?///」

 

「ばあちゃん今日用事あって家にいないんだ///」

 

「だから……一緒に泊まりたいなって///」

 

なるほどな、3人とも赤くなってるしだいたい理由わかった。

 

「いいけどいったん家に荷物取りに行ってからでいいか?着替えとか」

 

「うん、あ、ロックー!」

 

「香澄先輩?」

 

スタッフの仕事が終わったロックが来たのを香澄が見つけると大声で呼んだ。まさかとは思うけど

 

「ねぇロック、今日有咲の家に私と沙綾とゆーくん泊まるんだけどロックも来る?」

 

「ええ!?い、いいんですか!?」

 

「もちろん!だって……

 

ゴニョゴニョ」

 

「っ///いいんですか?///」

 

「うん///」

 

どうやらロックも泊まることになったみたいだ。みんな荷物を取りに家に帰ってから有咲の家に向かった。ロックは場所知らないから俺が迎えに行ったけど。

 

ちなみに俺の着替えを取りにというのは口実で何をとは言わないが実際は別のものを……

 

そして4人が有咲の家に揃って風呂を借りた後は明日休みということもあり朝まで4人で……

 

 

 

 




最近R18に繋がるようなイチャイチャ展開増えてきてるけど次から多分減ります……多分

投稿不定期ですが次回までお楽しみに。


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31、主催ライブのために

タイトルが思いつかなかった。


 

「http……ななめ」

 

「……花、六花〜」

 

「わっ!?」

 

朝教室で本を読んでたら明日香ちゃんに呼ばれてることに気付かなかった。だから気付いた時はびっくりしちゃった。

 

「ご、ごめん」

 

「だ、大丈夫、私こそごめん!?」

 

「驚いただけだから大丈夫だよ。それより何読んでるの?」

 

「これ?この間のライブホームページに載せようと思っててそのやり方読んでたの」

 

「ライブ?」

 

あ、いきなりライブって言われても分からないよね。

 

「私GALAXYでバイトしてるんだけど最近ライブがあってそれを載せるんだ〜」

 

「なるほどね」

 

「あこも出たよ!」

 

「っ!?あこちゃんおはよう」

「おはようあこ」

「おっはよー」

 

もうあこちゃん、いきなり会話に入ってきたらびっくりするよ。

 

「六花はバンドやらないの?」

 

「向こうでは優弥先輩や他の子とやってたけど……はっ!」

 

「……え、私!?」

 

私もバンドやりたいけどメンバー集めないと……って思ったら目の前に明日香ちゃんがいた。やってくれるか分からないけど

 

「今ならベース!ドラム!キーボード!ボーカルどれでも!」

 

「いや〜私はやらないかな……受験勉強したくて」

 

「「受験勉強??」」

 

受験ってまだ入学したばかりなのな?どこか行きたいところあるのかな?

 

「どっか行きたい大学あるの?」

 

あ、先にあこちゃんに聞かれちゃった。

 

「ゆー兄と同じようなこと言ってる……そういうのはまだないけどいい大学行っておきたくて」

 

「「おお〜」」

 

 

パチパチパチ

 

 

凄いな明日香ちゃん。私まだそこまで考えてないのに。

 

「だからバンドはね」

 

「うん、無理に誘わないよ。でもやりたくなったら教えてね」

 

「分かった」

 

「私もいつかこんなふうに」

 

「あ、お姉ちゃんだ」

 

私の携帯の画面にはPoppin’Partyのライブ中の写真が表示されてて明日香ちゃんが"お姉ちゃんだ"って、知らなかったら絶対驚いてたよ。

 

六花side out

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「玉子焼き美味しそう〜」

 

「食べるか?」

 

「うん!」

 

今は昼休み中、香澄と有咲と俺は先に中庭に来て弁当を食べている。香澄が有咲の弁当見て玉子焼きを美味しそうと言って食べたそうにしている。たしかに有咲の玉子焼きは美味いから気持ちはわかる。

 

「待った!私も市ヶ谷家の玉子焼き予約済みだよ!」

 

沙綾が来たけど……予約済み?

 

「予約できるの?じゃあ次は私も予約しようかな」

 

「そんなシステムねぇ!」

 

「でも有咲ちゃん家の玉子焼き美味しそうだよね」

 

「実際美味いぞ?りみも食べさせてもらえればわかる」

 

「そうなの?」

 

「食べる?」

 

「いいの?ありがとう」

 

たえも予約しようと言い出すけどそんなシステムは当然ない。りみが美味しそうと言うと俺も同意したら食べさせて貰えることになったから有咲は1つ持ってりみの方に差し出すと……

 

「美味しい」

 

なんとたえが食べてしまった。これには流石に俺も驚いた。

 

「おたえ交換!何かよこせ!」

 

たえが勝手に食べたことより交換で何かくれないとダメみたいなやり取りになってるけど……普通勝手に食べたこと怒るんじゃね?

 

「それじゃあ私は先行くな〜」

 

「生徒会?」

 

「そう。資料整理とか色々やることあって」

 

「それじゃあ生徒会室まで有咲姫を送りますか」

 

「はいはい、よきにはからえよ〜」

 

食べ終わった有咲は生徒会室に行くみたい。沙綾は有咲を送るみたいだけど俺も一緒に行くか。ちょい燐子先輩に聞きたいことあったし。

 

「失礼しまーす」

 

「あら?優弥君?それに山吹さんも?」

 

「どう…しました?」

 

「有咲姫を送ってきました」

 

「まぁ俺は手伝えることあればってのと生徒会の仕事終わった後時間あればちょっと聞いておきたいことあって来ただけです」

 

「「「「(それはだけって言わない気が)」」」」

 

「ん?」

 

有咲を送り届けに来たついでに何か手伝えることないかって思ったのはほんとについで。どっちかと言うと聞きたいことの方がメインかな。

 

「手伝っていただくことはないと思いますけど聞きたいこととは?」

 

「生徒会の方終わってからでいいですよ」

 

「それじゃあ……座ってていいので待っててください。すぐ……終わらせますから」

 

あ、手伝わなくていいのに座ってていいのか。

 

というか自然にやってるけど紗夜先輩風紀委員だよな?ここで作業すんのか。

 

「「ふわぁ〜あ」」

 

「寝不足ですか?」

 

「あ、すみません」

 

しばらくすると紗夜先輩と燐子先輩が同じタイミングで欠伸をしていた。この2人が欠伸するなんて珍しいな。

 

「主催ライブの準備で…寝る時間減ってしまってて…」

 

「マジか…」

 

「Roseliaのライブだから簡単に手伝うとは言えませんけど無理して身体壊さないようにしてくださいね」

 

「ありがとう……ございます」

 

「お2人は大丈夫ですか?ライブの告知してましたけど」

 

うん……体調の方は大丈夫……体調の方は……

 

「正直大丈夫じゃないですね」

 

「自分のことも大事にしてくださいね?」

 

「もし寝不足なら……休み時間なら……寝てていいですよ?私たちだけですし」

 

「優弥勘違いされてるぞ」

 

「「え?」」

 

やっぱり勘違いされたか。まぁこんな言い方したら当然か。

 

「大丈夫じゃないのはライブ準備の方ですね」

 

「その……香澄のいつものやつです!すみません!」

 

「やる気だけはあると…」

 

「戸山さんらしいですね」

 

「Roseliaが主催ライブやるって告知聞いて思いつきでやりたいって言ってましたからね……そのせいでどんなことすればいいのか分からなくて全然準備できてないんですよね。2人の仕事終わったら聞こうと思って俺もついてきてたんですよ」

 

「そうでしたか」

 

「そうですね、私たちの場合はまずメンバー同士の打ち合わせから始めましたね。その後は……」

 

まずメンバー同士の打ち合わせから、まぁ当然のことなんだけど香澄がいきなり言い出したから打ち合わせも何もしてない。その後色々説明してくれたけど有咲の目が回ってる。俺もかろうじてメモできてる状態だ。

 

「ここまでがライブまでにやることです」

 

「「まで!?」」

 

え、までってマジ!?ここからさらにやることあるのかよ……

 

……主催ライブの当日Roseliaに付き添って流れ見ちゃダメかな?

 

「それは湊さんがいいと言ったらですよ?」

 

「え?もしかして声に出てました?」

 

「いえ、何となく考えてること分かっただけです」

 

「マジか〜」

 

そんなに分かりやすかったか〜

 

「それに…優弥君のこと好きだからかもしれません//」

 

「……え」

 

「はっ!?聞かなかったことにしてください!///」

 

「わ、わかりました」

 

って言うしかないけど……

 

無理だろ。

 

「あの…氷川さん…ゲスト枠にもう1枠…増やすことできますよね?」

 

「え、えぇ、湊さんが許可出せばですが」

 

あ、普通に戻るの早い。口走っただけか?まぁ触れないでおこう。

 

……そっか、紗夜先輩も俺の事……ちゃんと言いたいのかもしれないしそれまで待っておくか。

 

「あの…市ヶ谷さん、優弥君。私たちの主催ライブに…出てみませんか?」

 

「「え?」」

 

燐子先輩の提案に俺も有咲も驚いた。たしかに主催ライブの流れ把握出来るのは助かるけど…

 

「香澄たちに相談してみます。さすがに俺らだけで勝手に出るって言えませんし……ただ……」

 

「聞かなくても答え分かってるというか……」

 

「「なぁ(ねぇ)〜」」

 

多分……というより確実に出るって香澄なら言いそうだから出るって言ってもいいんだけどな。

 

「わかりました。今日私たちはCiRCLEで練習しますのでそこでどうするか聞きますね。ただ……戸山さんのことですし……」

 

「やるって……言いそうですね」

 

「ええ」

 

紗夜先輩と燐子先輩の2人も香澄ならやるって言うと思ってるみたいだ。まぁ香澄を知ってる人なら誰でも思うよな。

 

そして放課後

 

「よろしくお願いします!」

『よろしくお願いします!』

 

話を聞いた香澄が案の定やると言った。それで紗夜先輩に言われた通りCiRCLEに来て友希那先輩にお願いしにきたところだ。

 

「Roseliaのライブに半端な熱は要らない。覚悟はある?」

 

『はい!』

 

「分かったわ。Poppin’Partyに正式にお願いするわ」

 

「ありがとうございます!よろしくお願いします!」

 

Roseliaのライブに正式に参加することになったけど凄いあっさり決まったな。

 

「あと友希那先輩にもう1つお願いが、ポピパの出番が近かったりポピパの出番の時は別ですけど当日Roseliaに付き添って流れ見てもいいですか?」

 

「……理由を聞かせてもらえるかしら?」

 

「いや単純に主催ライブってどんな感じでやるか分かってないから見ておきたいだけです」

 

「そう……分かったわ、ただし見るだけで私たちから何か頼まない限り手伝いはしないこと。それでいいかしら?」

 

「大丈夫です」

 

「それならいいわよ」

 

「ありがとうございます」

 

もっと色々聞かれるかと思ったけど案外すんなり言ったな。無茶なことじゃない限りちゃんと頼めば聞いてくれるんだな。

 

あれ?多少無茶なこと言ったか?まぁいっか。

 

 

Roseliaの主催ライブへの参加が決まってさっそく蔵に練習しに行くことにした。帰り際に

 

「うちでも主催ライブやってよ〜学割や常連割りも付けるから〜」

 

とまりなさんが言ってたけど俺らもRoseliaもスルーした。

 

ごめんなさいまりなさん、ちゃんと候補には入れておきます。ここでやるか分からないけど

 

 

 

 

 

 

 

 




今回はここまで、次回までお楽しみに


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32、Roseliaとのライブ

2話分できた。最後オリジナル展開あります


 

「蔵についたらライブのために練習だね!」

 

「ライブ!?」

 

「ん?今の声ロック?」

 

とある日の放課後、みんなで蔵に向かおうとすると校門のところから声が聞こえた。今の声ロックだよな?

 

校門のところに行ってみると

 

「ロック?」

 

「明日香も?どうしたんだ?」

 

ロックがいて何故か明日香までいた。

 

「ロックー!」

 

「わぁっ!?」

 

ロックを見つけた香澄がロックに抱きつくと顔を赤くした。なるほど、この反応は俺に会いに来たというよりポピパに会いに来たってところだな。

 

ただのファンとして

 

「お姉ちゃん、六花苦しそうだよ」

 

「あ、ごめんごめん」

 

「い、いえ//

 

それよりライブって主催ライブのですか?」

 

明日香の言葉でロックを離した香澄。ライブと聞いてこの間告知した主催ライブのことだと思ったみたいだ。

 

まぁ主催ライブは主催ライブだけど……Roseliaのライブでそのゲスト枠として参加だな。

 

「私たちのじゃなくてRoseliaのだけどね。そこに参加するの。この日の土曜日だけど来る?」

 

「行きます!」

 

即答かい!?まぁポピパ好きなロックならそう言うとは思ったけど……

 

明日香どうした?

 

「そうだ!2人とも、チケット取り置きしておくね」

 

「……決め顔で言ってるけどリサ先輩に取り置きの方がいいって言われたからそれ言いたかっただけだろ?」

 

「うん!でもちゃんと取り置きするから大丈夫!」

 

「明日香の名前で2枚取るなよ?ちゃんと明日香とロックので1枚ずつだからな?」

 

「わかってるよ〜」

 

ほんとかよ…香澄ならやりかねない…

 

とりあえず練習あるからロックたちとここで分かれた。ただ俺は気になることがあってロックたちを追いかけた。

 

「いたいた、2人とも!」

 

「優弥先輩?」

「ゆー兄?」

 

2人に追いついたら2人ともどうしたんだろって顔をした、まぁ当然か。

 

「なぁ明日香、ひょっとしてライブの日何か予定あったんじゃないか?」

 

「そうなの?」

 

「ライブの日……私と遊ぶ約束だよ……?」

 

「えっ……ほんとだ!?」

 

おいおい……それは複雑な表情するわけだよ。

 

「どうしよう……」

 

「いいよ、私も行くよ。やっぱり行かないってなるとお姉ちゃんああ見えて寂しがると思うし六花も行きたいでしょ?」

 

「行きたい!

 

いたっ!?」

 

ライブ行きたいかの質問に即答したから軽くチョップしてみた。

 

「ロック、たしかにポピパのライブ来てくれるのは嬉しいけど友達との約束も大事にしろよ?」

 

「は、はい…

 

ごめんね明日香ちゃん」

 

「いいよ、次はどうなるか分からないけどね」

 

「うぅ…気をつける」

 

とりあえずこの件は解決かな?

 

「それじゃあ2人にもう1つ、どっちかの名前で取り置きされてなかったらもう1人の方で2枚取り置きされてるかもだから受付の人に聞いてみてくれ。香澄ならやりかねないから」

 

「わかったよゆー兄、たしかにお姉ちゃんなら…」

 

チケットの取り置きのことは本当に心配だ。明日香の名前で2枚やりかねない。どうやら明日香も同じこと思ってるみたいだな。

 

まぁ伝えること伝えたし俺は有咲の家の蔵に向かうことにした。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

ライブ当日

 

「おはようございまーす!」

 

『ええ!?』

 

今日ライブ会場であるdub。入口前でみんなで写真を撮ってから用意されていた控え室に行くと……Roseliaのみんなが気を失っていた。

 

……疲れて寝てるだけだと思うけど起こさないと。

 

「紗夜先輩しっかりしてください!?リサさん!?」

 

「事件は控え室で起きた」

 

「事件!?警察!?救急車!?探偵!?」

 

おいおい、たえが変なこと言ったせいでりみが混乱してるぞ。つーか事前起きてから探偵呼んでどうする、最初の2つは分かるけど

 

「馬鹿なこと言ってないで起こせ!おい大丈夫か?」

 

有咲はそういうとあこを起こした。他のみんなも苦労の末起こすことができた。

 

……何故か紗夜先輩と燐子先輩は俺が声かけると1発で起きたけど

 

「やっば〜気を失ってたわ〜」

 

「恥ずかしいところを見せたわね」

 

まぁ忙しかったと思うし恥ずかしいって思う必要はないけど…

 

「とりあえずRoseliaの皆さん栄養ドリンク買っておいたので飲んでください」

 

「気を使わなくてよかったのに」

 

「気を使うというより…忙しくていつもより休めてないかもって思いまして…100%以上の力見たいだけです」

 

「そう、ありがとう優弥。期待通りちゃんと見せてあげるわ」

 

「期待してます」

 

俺からの差し入れのドリンク飲んでくれて沙綾も差し入れを渡した。

 

するとリサ先輩に電話がかかってきた。

 

「もしもし、今日はよろしくお願いします。え?入口ですか?はいはーい、今外出ますね」

 

「出演ゲストが集まったらリハーサルを始めましょう。スタッフさんたちに伝えてきます」

 

「お願いするわ。あこ、水とかの準備はできてるわね?」

 

「バッチリです!」

 

やっぱり主催ライブとなると色々やることあるんだな。

 

「何か手伝った方がよくね?」

 

「ん?ちょっとま……」

 

「友希那先輩!私たちも手伝います!」

 

「間に合わなかった…」

 

「これは私たちがやるべきことよ。貴方たちは自分のやるべきことをやってちょうだい」

 

「分かりました」

 

友希那先輩ならそう言うと思った。俺らの時は手伝ってもらってもいいけどそれはバンド次第だ。

 

「それから優弥」

 

「?なんですか?」

 

「関係者パスよ。スタッフが間違えて注意しないように首からかけておいてもらえるかしら?」

 

「なるほど、ありがとうございます」

 

たしかにこれあった方がいいな。助かる。

 

香澄たちが衣装に着替えることになったし俺は紗夜先輩やリサ先輩の様子を見に行った。スタッフさんへの対応や来た人の案内はだいたい想像通りかな。

 

ゲストが集まりリハーサルが開始された。友希那先輩は上から見るらしく俺も一緒に見させてもらったけど…

 

めちゃくちゃ気をつけることあるじゃん。いつもスタッフさんたちにやってもらってるようなことも自分たちで確認する必要あるのか。

 

「リハーサルはこれで終わりね、そろそろ時間だし開場するわよ」

 

全バンド分のリハーサルが終わり開場された。なんの滞りもなくライブが進み残り2バンド、ポピパとRoseliaを残すだけとなりまずはポピパ、練習以上のライブができている。お客さんからも結構好評だ。

 

そしてトリにRoselia。それまでのバンド以上に客が入ってきた。メンバー紹介が終わりRoseliaのライブが始まる。

 

すげぇ……他のバンドと比べ物にならないくらいの完成度。どのバンドより盛り上げ主催ライブを成功させた。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「凄かった〜」

 

控え室に戻った香澄たちはRoseliaのライブの感想を言い合っている。たしかに凄かった。

 

「主催ライブってここまでしないといけないのかな…」

 

「できるかな?」

 

有咲も沙綾も自分たちの主催ライブがここまでできるか不安になってるけど…Roseliaの主催ライブがこの形ってだけなんだし自分たちらしいライブにできればいいと思うけどな。まぁそこは今後話し合っていけばいいか。

 

「お疲れ様。今日は助かったわ」

 

「いえいえ、こちらこそありがとうございました。主催ライブに参加させてもらっただけじゃなくて色々見せてもらっちゃって、助かりました」

 

「……そう」

 

あれ?ひょっとして真似しようとしてるとか思われてる?

 

「戸山さんたちも参考になりましたか?」

 

「はい…でも同じことできるかなって不安で…」

 

「っ!?」

 

「……同じこと?」

 

何言ってるんだ?なんで同じことを?

 

「でもいっぱい努力してライブまでには「その努力に意味はあるのかしら?」……え?」

 

友希那先輩は香澄の言葉を遮って思ってることを言った。俺も友希那先輩には同感だ。

 

「Poppin’Party……貴方たちには主催ライブをする覚悟が足りていないようね」

 

『っ…』

 

あ〜それは当たってるかも、なんの準備もしてない段階で友希那先輩たちRoseliaに影響されてライブするって言っただけだし。

 

これからどうするか話し合っていくとして今言えるのは……Roseliaと同じようなことをする必要ないってだけだ。

 

「優弥は少し残ってもらうわよ?片付けの段取りとか一応見ておいた方がいいでしょ?」

 

「そうですね、お願いします。みんなは先に帰っててくれ」

 

「……うん」

 

みんなは着替える必要あるし一旦外に出た。着替え終わったRoseliaと一緒に片付けに入った。でも友希那先輩の目が言ってた。話したいことがあるって

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「お疲れ様」

 

「お疲れ様です、今日は本当にありがとうございました」

 

「こちらこそ、それで残ってもらったのは片付けの段取りを見せるためじゃないの」

 

「それくらい分かってますよ、それくらいなら事前にスタッフに確認しておけばいいだけですし。それに目が話したいことあるって言ってましたよ」

 

友希那先輩が段取りを見せるためじゃないことくらい分かってる。

 

「貴方は戸山さんたちの言ってたことどう思ったかしら?」

 

「ライブの感想は一緒ですよ、ただ…同じことする必要はないと思ってます。RoseliaはRoselia、Poppin’PartyはPoppin’Partyですから」

 

「そう、貴方はわかってるのね」

 

「優弥君、それをみんなに言ってあげないんですか?」

 

「どうしてもって時は言いますけど多分言うことはないでしょうね」

 

「どうしてかしら?」

 

「?自分で気付く力持ってますからですよ?」

 

すぐには気付かないと思う。でも絶対気付くって信じてる。

 

「それともう1つ、主催ライブをする覚悟が足りないっていうのは当たってますよ。そこは否定しません。正直なところ香澄が突然告知するしどういう風にやればいいのかもまったく分かってませんでしたし。でも今日参加させてもらって少なくとも俺は覚悟出来ました。あとはPoppin’Partyらしいライブにするだけです

 

……俺までステージにあげるとか言いかねないけど」

 

「そう…良かったわ。貴方だけでもちゃんと分かってくれていて、紗夜や燐子が惚れ込むわけだわ」

 

「「湊さん!?///」」

 

お、おう…友希那先輩でもこういうこと言うのか…ん?燐子先輩も?

 

「ライブ楽しみにしてるわ」

 

「ありがとうございます。2人固まってますよ?」

 

「あら?2人ともどうしたのかしら?真っ赤になって」

 

「あはは、友希那無自覚だね」

 

「ですね」

 

「?」

 

わぁ……マジでわかってないのか〜

 

「それとRoseliaの皆さんに1つお願いが、香澄たちに主催ライブの覚悟ができたら…Poppin’Partyの主催ライブに出演してもらえませんか?多分……いや、絶対オファーしに来るので」

 

「その時になったら引き受けるわ」

 

「ありがとうございます」

 

すげぇあっさり引き受けた!?でもまぁそれは香澄たち次第かな。

 

全部の片付けや掃除も終わったし俺も帰るか。今日は本当に助かった。あとはPoppin’Partyの主催ライブをどんな風にやっていくか考えないとだな。

 

 

 

 

 




今回はこれでおしまい。

明日投稿できれば明日中に1話投稿します。いそいで取り掛からないと…


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33、新たな決意

やっとできた


「2人ともお待たせ」

 

「優弥先輩!」

「ゆー兄!」

 

「って言っても香澄たちまだ着替えてると思うからもうちょっとかかるけど」

 

Roseliaと話した俺は先に外に出てきた。香澄たち多分着替えるの遅くなると思うし。

 

「ポピパさん凄かったです!」

 

「お、おう、凄い勢いだな」

 

「ゆー兄の前で言うのはあれだけど私はRoseliaの方が凄かったと思うけどね」

 

「ポピパさんも凄かったよ明日香ちゃん!」

 

……うん、ロックそれRoseliaの方がってところ否定できてないぞ。まぁ否定する気もないけど

 

「みんなお待たせー!」

 

「お姉ちゃん遅いよ」

 

「ごめんね〜」

 

香澄たちようやく出てきたみたいだな。いつもの元気はないみたいだけど。

 

「ライブお疲れ様でした!」

 

「ありがとうロック〜」

 

声にいつもの元気ないけどロックたちには疲れてるだけって思われてるのかな?

 

「ポピパさんたちのライブも楽しみにしてます!」

 

「っ……」

 

「?」

 

「お姉ちゃんたちの、やるんでしょ?」

 

「うん……」

 

明らかに様子おかしくなったな。さすがにロックも気付いた。まぁ明日香はポピパのライブのこと言われてるのが分からないんじゃないかって思ったみたいだけど。

 

「いつやるか決まったんですか?」

 

「まだなんだ…」

 

「やっぱり」

 

「え?」

 

「だってお姉ちゃんだよ?」

 

決まってない理由香澄だからって、気持ちは分からなくないけど……

 

ここで笑いが起こるけどロックも様子がおかしいことに気付いてる感じだな。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「ロック!」

 

「優弥先輩!」

 

「お待たせ、待たせちゃったな」

 

「大丈夫です、この時間利用して一緒にやってくれるバンドのメンバー探してたので」

 

「そうなのか、それでどうだった?」

 

「ギター空いてるところが無くて……」

 

「あらら……」

 

ライブ翌日の放課後、俺は羽丘の方までやってきた。ロックが何か話したいことあったみたいで今日来て欲しいって言われたからだ。

 

俺が来るまでにバンド一緒にやれそうな人探してたみたいだけどギターはもういるみたいでダメだったみたいだ。

 

「あら?あなた確か昨日のライブに来てたわよね?」

 

「こ、こんにちは」

 

ロックが校門の中の誰かに挨拶……まぁ声で友希那先輩ってわかるけどまだ学校にいたんだ。

 

「こんにちは友希那先輩」

 

「こんにちは2人とも…………え、優弥?」

 

「ぷっ、驚きすぎでしょ、羽丘にも俺の可愛い彼女がいるんですし敷地外ならいてもおかしくないですよ」

 

「かわっ///」

 

友希那先輩に挨拶すると返してくれたけどめちゃくちゃ驚いてたのが面白い。

 

俺の一言にロックが顔を赤くしてた。

 

「2人とも昨日あの後……」

 

「ゆっきなー!あれ?優弥にGalaxyでバイトしてた子じゃん!……優弥!?」

 

「ぷっ」

 

リサ先輩も驚きすぎ。

 

「なになに〜?放課後デートかな〜?」

 

「わ、私が呼びました///」

 

「そういうことにしておいて下さい。それじゃあ失礼しますね。行こっかロック」

 

「はい!///」

 

リサ先輩が放課後デートかって聞いてきたらさっきまでよりも赤くなった。まぁ今日はデートというよりポピパの様子について聞きたかったんだろうな。昨日の香澄の様子にロックも気付いてたし。

 

そうだこれだけは言っておかないと

 

「友希那先輩。昨日のことは気にしなくていいですからね〜間違ったこと言われてませんから!」

 

ポピパのこと気にしてたみたいだし一応これだけ伝えておいた。

 

俺たちが離れた後

 

「ほんっとよく見てるね優弥」

 

「ええ、リサみたい」

 

「ええ!?

 

まぁ昨日のこと、言葉は厳しかったかもしれないけどちゃんと伝わってるよ。優弥もいるしヒントだけでもそのうち出すんじゃない?」

 

っていう会話があったらしい。

 

 

 

「昨日何かあったんですか?」

 

「いきなり来たか。

 

まぁな、友希那先輩に主催ライブの覚悟が足りないって言われてな」

 

商店街を歩きながら昨日言われたことを簡単にロックに話した。なんでそう言われたのかは黙っておいたけど。

 

「それで香澄先輩たち様子が……」

 

「友希那先輩が言ってることは間違ってないから否定しなかったけど、ロックはさ、俺らのライブ……って言っても俺はステージに上がらないけどどんなライブが見たい?」

 

「ポピパらしいライブならなんでも見たいです!ポピパにしかできないライブならどんなライブでも!」

 

「そうだよな。俺もそう思う。他のバンドみたいなじゃなくて自分たちにしかできないのをやって欲しい。だから他のバンドみたくやろうと思って欲しくない……ってことを気付いて欲しいから今は黙ってるところだ」

 

「香澄先輩たちなら気付けますよね?」

 

「そう信じてる」

 

ロックも同じこと思ってくれてるみたいだ。ポピパのファンとして言ってくれてる。

 

話しながらGalaxyの近くまで来ると

 

「香澄先輩?なんで?」

 

「あれ?てっきり蔵で待ってると思ったけど」

 

Galaxyの前に香澄がいたのを見つけた。なんで?

 

少しすると俺たちが進んでる方向に香澄も歩き出した。ん?どこ行くんだ?

 

すると唐突に振り返った。何故かロックに引っ張られて隠れることになったけどなんで?

 

前を向いて歩き出したと思ったらすぐに振り返ったせいでロックが見つかった。

 

「確保ー!」

 

「わぁ!?ごめんなさいごめんなさい!?ストーカーじゃないです!」

 

ストーカーって……

 

「とりあえず離れろって」

 

「あ、ゆーくん!」

 

「おっと、こらこら」

 

俺がいることに気が付くとこっちに抱きついてきた。犬かお前は……

 

「あ、もしかしてデートしてたの?それなら…」

 

「いえ、今日はそういうのじゃないです。香澄先輩たちの様子がおかしかったから気になって…」

 

「っ、そっか、ごめんね心配かけちゃって」

 

「い、いえ…」

 

「とりあえず歩きながら話そうぜ。ロックは今日番台の方立つんだろ?」

 

「はっ!?そうでした!?」

 

おい!?

 

「番台?」

 

そういえば家知ってるって話したことあるけど旭湯のこと話してなかったな。

 

「旭湯……銭湯だ!」

 

旭湯に到着すると香澄のテンションが上がった。銭湯でこんなに上がるものか?

 

「ロックここでバイトしてるの?」

 

「というより住み込みで…」

 

「住み込み!?」

 

バイトだと思ってたみたいだけど実は住み込み、そのことを知って驚いてる。

 

そういえば話したことなかったな。

 

「六花ちゃんお友達?あら?いらっしゃい山本君」

 

「「こんにちは」」

 

「先輩です」

 

「六花ちゃん今日はいいから部屋に上がってもらって」

 

「え…でも」

 

「いいからいいから」

 

「ありがとうございます」

 

まさか番台の仕事変わってくれるなんて…相変わらず優しい人だな。

 

俺と香澄はロックと一緒に裏口に向かった……流石に鍵取ってとは言わないよな?

 

「ネクタイ取ったら結ばんと」

 

「鍵?」

 

「はい、肌身離さず持ってなさいって」

 

今回は言わなかった。香澄がいたからかな?って思ってたらロックが

 

「2人きりの時は取ってくださいね//」

 

と囁いてきた。ようするに誰かといる時じゃなければってことだな。

 

「あー!前来た時ゆーくんが鍵取り出したんだね?」

 

「「っ!?」」

 

す、鋭い。

 

こういうことじゃなくて勉強のことにも頭を働かせて欲しいくらいだ。

 

「と、とりあえず中に入りましょう//どうぞ//」

 

赤くなったロックは誤魔化すように中に入れた。まぁなんも誤魔化せてないけど……

 

「狭いですけどどうぞ」

 

「「お邪魔しまーす」」

 

ロックの部屋久しぶりに来たな。香澄はすぐにあるものを見つけた。

 

「それロックのギターだよね?」

 

「はい、実家から持ってきました」

 

「そのうちまた一緒に弾こうな」

 

「はい!」

 

「その時は私も呼んでね!」

 

「「もちろん」」

 

部屋に上げてもらって話していると香澄の携帯に電話がかかってきた。沙綾からみたいだからスピーカーにして出てもらった。

 

『もしもし香澄?今どこ?』

 

「銭湯!」

 

『銭湯!?』

 

『銭湯!?』

 

『どこの銭湯?』

 

「旭湯!ロックの!」

 

沙綾が銭湯って言ったらりみの驚いた声が聞こえてたえが……たえ?

 

「あれ?たえ今日バイトじゃなかったか?」

 

「あ、たしかに」

 

『行ったけど今日シフトじゃなかった』

 

あ、今日シフトだと思ってたわけね。

 

『ちょっ、貸せ!』

 

有咲の声……ってことは俺ら以外いるんだ。

 

「有咲?みんないるの?」

 

『そうだ!あとはお前たちだけだ!早く来い!』

 

「わかった!すぐ行くね〜」

 

電話を切って向かおうとするとロックの様子が変わってるのに香澄も気が付いた。

 

まぁ理由は想像できるけどな。

 

「ポピパさんが…全員いる……」

 

「行く?」

 

「行きます……ええ!?」

 

「ぷっ、完全にファン目線になってるな。でもロックも一緒に行こうぜ」

 

「ええ!?」

 

無意識に返事したみたいで意識をしっかりさせると驚いていた。でも行くことに変わりないみたいだ。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「お待たせ〜」

 

「お、来た来た……って」

 

『ロック(ちゃん)!?』

 

よし、サプライズ成功だ。

 

「全員いるって聞いて来そうにしてたから連れて来ちゃった」

 

「来ちゃったって…」

 

「香澄の相手大変だっただろ?」

 

「い、いえ、優弥先輩もいましたし光栄でした」

 

俺がいたから大変じゃなかったみたいな言い方だな。

 

でも

 

「まぁ香澄に会ったのは偶然なんだけどな」

 

「そうなの?」

 

「ああ、ロックと歩いてたら偶然Galaxyの前で香澄を見つけてさ」

 

「へ、へぇ〜」

「ひょっとして今日……」

 

「違うぞ有咲沙綾、デートの為に会ってたわけじゃないぞ」

 

「「そっか」」

 

まぁロックと会うことまで言ってなかったから不安に思っても仕方ないか。デートの時はみんなで決めて誰とするか決めてるわけだし。

 

「星…」

 

「えっ!?」

 

「ビックリさせんなよ」

 

ジャーン!

 

「っ!?ビックリさせんな!?」

 

唐突にたえがロックのつけてるシュシュに星がついてるのを近付いて見てロックを驚かせ香澄が突然ギターを弾いて有咲を驚かせた。

 

2人ともいつも唐突に何かしでかすからな〜

 

「見てもいいですか?」

 

「いいよ!」

 

「ありがとうございます!

 

ときんときんや〜」

 

「ときんときん?」

 

ロック時々岐阜で言ってた言い方になるよな〜

 

「ロックちゃんたしか岐阜から来たんだよね?」

 

「はい、時々そっちの言葉が出ちゃうんですよね」

 

「旭湯から通うなら花咲川の方が近いんじゃない?」

 

「親に迷惑かけたくなくて特待生制度のある羽丘にしました」

 

「特待生!?」

 

「人生で1番勉強しました」

 

特待生のことは知らなかった。つーかすげぇな……

 

「そういえばちゃんと聞いた事なかったけどロックはなんでこっちの高校受けたの?」

 

「私中学の頃バンドやってたんです。優弥先輩も一緒に…優弥先輩は先にこっちに引越しちゃってましたけど他のメンバーとはその後も続けてました。でも受験勉強もあってだんだん出来なくなって……それでSPACEのラストライブのことを知ったんです」

 

「いや〜あの時はほんとびっくりしたぞ。スポットライト当たった時にロックの声が聞こえたんだからさ」

 

「びっくりしてつい…実はあの時親にも内緒で来てたんです」

 

『ええ!?』

 

そこはちゃんと言っておこうぜ……

 

「それでSPACEのライブでポピパさんを見て、それでまた絶対バンドやりたいって思えたんです。それに優弥先輩もいますし///」

 

「気持ち分かるよ。好きな人とは近くにいたいもんね」

 

「はい!」

 

まぁそこは否定しないな。電話だけじゃなくてもっと沢山会いたいって何度思ったことか……

 

そう思っていると静かなギターの音色が聞こえた。これはたえだな

 

「ぴったりの曲あった」

 

『あ!』

 

「えっと…」

 

ぴったりの曲、みんな同じ曲を思ったみたいだ。

 

その曲は……

 

「キラキラだとか夢だとか〜Sing Girls〜!」

 

やっぱりな。俺を含めて6人みんな同じ曲を思ったみたいだ。

 

曲が終わるとロックの目から涙が零れ落ちていた。色々思い出したんだろうな

 

「あ、あれ?」

 

「わぁ!?大丈夫?」

 

慌てて香澄が駆け寄って撫でてあげてる。俺より早く動くとは流石だな。

 

「大丈夫です、色々思い出しちゃって」

 

「やっぱりか、俺も向こうでのこと思い出しちゃってたし」

 

「優弥先輩もなんですね。すみませんもう大丈夫です。

 

やっぱり私バンドしたい。メンバー集めていつかポピパさんや優弥先輩とも一緒にライブしたいです」

 

改めてバンドがやりたいって思ったみたいだな。

 

「うん、私もだよ。大変だとは思うけどそれでもやりたい」

 

「香澄、Roseliaみたいなライブをやるのは難しいと思う。でもやる必要ない。私たちはPoppin’Partyなんだから!」

 

「腹括るしかないか」

 

「そうだね有咲ちゃん」

 

「うん!私もそう思う!」

 

「主催ライブやろう!私たちらしい…私たちにしかできない主催ライブを!」

 

「うん!」

 

よかった。

 

「みんなちゃんと気が付けたみたいだな。

 

Roseliaみたいにとか考える必要ないさ。沙綾の言う通りPoppin’Partyらしいライブをしよう。その方がポピパのファンも喜ぶしいっぱい盛り上がってくれる。ここにいるポピパのファンもな」

 

「っ、はい !その方が私も見たいです!」

 

俺からヒントも出さないでも思った通り自分たちで気が付いてくれた。主催ライブに向けてこれから本格的にどうしていくか話していくことができる。

 

ただ……

 

「空飛ぶのは無理だからな香澄」

 

「ええ!?」

 

『あはははは』

 

これは流石に実現無理だろう。やれそうなのはハロハピかな?

 

 

 

この時こう思ったことが実現されることになるとはこの時全く思いもしていなかった。

 

 

 

 

 

 




あまり時間取れなくて次いつになるな分からないから3話の話を1話でまとめちゃいました。

これからもそうなることあると思います


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34、空中ライブ

できた、2期4話分です。

やっぱり忙しいから時間かかりますね……


「「「う〜ん……」」」

 

「「却下!」」

 

「ええ!?」

 

とある日の昼休み、昼ご飯を食べ終わった俺たちは主催ライブでやりたいことを話し合っている。そこで香澄が空を飛びたいって前にも言っていたのをまた言っている。沙綾、りみ、たえは唸っていて有咲と俺は却下した。

 

空飛ぶの無理だろ、どうやんだよ?

 

「かっすみ〜!」

 

すると校舎の方からこころが手を振っていた……と思ったら飛び降りてバク転しながらやってきた。

 

「あの高さからなのになんで無傷?」

 

「簡単だぞ優弥」

「だってこころだもん」

「こころだもんね」

「こ、こころちゃんだから……」

 

「お、おう……納得できるあたりが怖い」

 

有咲が簡単だと言い沙綾もたえもりみもみんな全く同じことを言う。そしてそれを納得出来ちゃうあたりが怖い。

 

「みんな揃ってどうしたの?笑顔が足りてないわ?」

 

「主催ライブのこと話してて…」

 

「なかなかこれだ〜ってならないんだよね〜」

 

「これね?あら?面白そうじゃない!」

 

「ほんと!?」

 

「ええ!」

 

沙綾に続いて香澄が言うとこころが香澄からスケッチブックを見せてもらっていた。こころが面白そうと言ったページは空を飛ぼうと思っている絵が書かれているところだ……面白そうでも現実的にできないって

 

他のページも全部面白そうと言ってるし

 

「待って香澄、それは全部無理ってなったやつらでしょ?」

 

「そうだったぁ…」

 

「また笑顔じゃなくなったわね、そうだわ!」

 

こころが面白そうと言ったけど沙綾の一言で無理ってなったことを思い出した香澄、忘れるの早いな〜

 

するとこころがいきなり何かを思いついたのかその場を離れ、少ししたら戻ってきた。美咲を連れて……

 

「ハッピー!ラッキー!」

 

「スマイルー!」

 

「「イェーイ!!」」

 

……誰かこの2人止めてくれ〜あ、無理か

 

「えっと……うちのこころがご迷惑をおかけしたというか現在進行形でしているというか……」

 

「奥沢さんが気にすることじゃないよ。香澄だって一緒になってやってるし」

 

「美咲が気にすることじゃないけど誰も止められないと思うぞ、昼休み終了の時間まで」

 

「「だよね(な)」」

 

俺の言うことに有咲も美咲も同意、そして他の3人も同じように思ってる。

 

「ところでこれ何やってるの?」

 

「空飛ぶ練習だってさ」

 

「……は?」

 

やっぱり常識人の美咲ならそういう反応するよな。

 

「いや何?飛ぶ?」

 

「やっぱそういう反応になるよな」

 

「普通なるでしょ……ってならない2人がはしゃいでるのか」

 

「「そういうこと」」

 

美咲は思いっきり混乱してる。まぁそれが普通だったりするけど……

 

「さすがに無理だから〜」

 

「この2人相手は山本君でも止めるのは難しいもんね」

 

「難しいというか無理」

 

「だよね、それに空飛ぶのもさすがに無理があるよ」

 

「2人ともおかしなこと言うわね」

 

「こころ?」

 

「どうして最初から無理なんて決めつけるのかしら?」

 

いや〜さすがに飛ぶのは無理があるって、何でも決めつけるのは良くないけど今回のはさすがにな〜

 

「そうだわ!美咲!いい事思いついたわ!」

 

「はいはい、チャイム鳴ったから後でね〜」

 

「ミッシェルにも放課後集まるように伝えておいてね」

 

「わかってるよ〜」

 

予鈴が鳴ったから美咲がこころを連れて教室に戻って行った。

 

残った俺たちはというと……

 

「こころ……ミッシェルの中身が美咲ってこと……気付いてないんだ」

 

っていう会話をしていた。まぁこころだし……というか他にも気付いてないメンバーいるんじゃないかな?

 

 

そして後日、ハロハピの招待で船に乗ることになった。

 

そこでライブするのか?

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「す、すごっ」

 

ハロハピの招待でこころの家の船にやってきた……まさかこんな凄い船に乗れるとは思ってなかった。

 

「こちらへどうぞ」

 

黒服さんたちの案内で船に乗り込んだ。中には凄いとしか言いようがないくらい凄い、しかも高そうなピアノも置いてあるしそれに絶対触るなって有咲が香澄に言ってるし…

 

さすが弦巻家……

 

「ようこそ!ハロハピのライブへ!」

 

そうしてると上の方から声が聞こえた。そこにはハロハピのメンバーが出てきていた。今からライブを始めるみたいだ。

 

「ゴーカ!ごーかい!ファントムシーフ!」

 

どうやらファントムシーフをやるみたいだ……ん?そういえば薫先輩は?

 

って思ったら出てきた。怪盗の衣装で……って思ってたら降りてきてりみを攫っていったな……

 

呆気に取られた俺たちだけどすぐに追いかけ始めた。するとプロジェクションマッピング……でいいんだっけ?それを上手く使って俺たちを楽しませるような演出をし、途中でギターのピックがたえに向かって投げられた。そこにはたえが好きなモーティンのサインが書かれていた。

 

……なんだろ?どうやって入手したんだろ?って思うよりハロハピなら……というかこころなら普通に手に入れそう。黒服さんたちの助けも借りるだろうけど。

 

最後は薫先輩がピアノを弾いてこの曲は終わった……ってかピアノ上手い

 

「もしよろしければですがもう一曲付き合っていただけますか?」

 

「はい!」

 

「では…空で!」

 

怪盗衣装の薫先輩が空でって言ったら姿を消した。空?

 

「空でって言ってたよね?」

 

「よくわかんないけど外出てみるか?」

 

『うん』

 

とりあえず外に出てみることにした。空でってどうやるつもりなんだろ?

 

甲板に出て少し待つと少し離れたところに動いているのを見つけた。あれは……えっ、まさかミッシェル?

 

「ピンクの……熊?」

 

「飛んでるね」

 

「はぁ?熊が飛ぶわけ…」

 

「熊だって!ほら!」

 

有咲は信じてないけど…つーか信じる方が難しいけどほんとに飛んでる、ミッシェルの気球だなあれは。

 

「あれって……」

 

『ミッシェルだー!』

 

みんなの驚いた声が揃った。まぁ誰でも驚くなあれは、俺もめっちゃ驚いてる。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

美咲(ミッシェル)side

 

こころから空でライブって聞かされたから何やらされるんだろって思ってたけど現実的なことでよかった。気球でライブって現実的か分からないけど…

 

そんな中薫さんがブツブツと鳥の名前を言ってる、高いところ苦手だからな〜

 

「かーくんそれ全部飛べない鳥だよ」

 

「白鳥なんてどうかな?」

 

はぐみの言う通り全部飛べない鳥、こう言っちゃなんだけどちゃんと分かってたんだね?

そこで花音さんが白鳥はって提案したら薫さんこれだって顔したね。というか花音さんこの状況に順応してるね。

 

そんな中こころがいきなり

 

「それじゃあ飛ぶわよ!」

 

って言い出したけどもう飛んでるよね!?

 

「もう飛んでるよね!?」

 

「まだよ!今から飛ぶんだから!それ!」

 

「ええ!?」

 

さっき現実的って思ったのがおかしかった。こころが飛び降りたよ!?パラシュートは……付けてない!?

 

「奥沢様、これを」

 

「え!?なになに!?」

 

黒服さんまさか私にパラシュートを付けたの!?

 

「こころ様のことお願いします」

 

ってことは私が助けに行くってこと!?でもこのままじゃこころが……

 

怖いけど……行くしかない……よね

 

「飛べない熊はただの熊だー!」

 

そう言って私も飛び降りた。後から思ったけど普通の熊は飛べないよね……

 

まずはこころを捕まえないと……って思ってるのに掴めない!?とりあえずパラシュート開こう

 

…………あれ?

 

「パラシュートが開かないよー!?誰か助けてー!?」

 

ど、どういうことなの黒服さん!?このままじゃ2人とも海に落ちちゃうよ!?

 

助けて……助けて山本君!

 

……ってさすがにこの状況は無理だよね、助けようとしたら山本君も無事じゃ……ってなんで今山本君のこと考えてるの私!?

 

『奥沢様、安心してください奥沢様、ミッシェルにはハッピーフライトモードが設置されています』

 

「なにそれ!?」

 

『モードの起動方法は』

 

スルーされた!?というかほんとになんなのそれ!?

 

『上上下下左右左右BAです』

 

「上上下下左左……」

 

 

ブブー

 

 

『左右左右です』

 

クイズ番組みたいな不正解の音いらないから!?これ失敗したら私もこころも……嫌だよそんなの

 

「どうしてそんな顔してるの?

 

笑顔よミッシェル!」

 

こころ……うん、やらないとだね

 

「上上下下左右左右」

 

この動きをしたら今度は正解の音がした。それから着ぐるみの中の画面にABボタンが表示された、これを押せばいいんだね

 

「いっけぇぇー!!」

 

これを押したら翼が生えたよ

 

「これパラシュートじゃなくて翼だったんだ」

 

「ミッシェル!いい笑顔よ!」

 

「ミッシェルはいつもこんな顔だよ」

 

初めてだけど起動させちゃえば飛ぶのは簡単みたい。こころを抱えてこのまま一緒に飛んだけどこれ結構楽しいね。

 

…………でもいきなりこんな機能つけたの渡さないでよ、失敗したら私たち……

 

怖い思いもしたけどこれでハロハピのライブはおしまいだね。船に着地するとみんなが乗ってた気球も降りてきた。薫さんは牛込さんと何か話した後で気を失った。高いところ苦手だもんね。それに私も安心したせいか足に力入らなくなってきたし意識ももう……これだけは言っておかないとだね。

 

「それでは、ハローハッピーワールドでしたー……」

 

覚えてるのはこの一言で後で聞いたら意識を失ったらしい。

 

美咲(ミッシェル)side out

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「ミッシェル!?ミッシェル!?」

 

「美咲ちゃん!?美咲ちゃん!?」

 

「え?みーくん?」

 

「ふぇぇ…」

 

ハロハピのライブが終わってみんなが甲板に降りると薫先輩と美咲が気絶した。薫さんはたしか高いところ苦手だったはずだからそれでだと思うけど……美咲大丈夫かな

 

ついでにミッシェルの中が美咲ってことを知らないはぐみは花音先輩が美咲って言ってるのに驚いてるな。まぁそれはいいや

 

「2人とも大丈夫かな?」

 

「薫先輩は高いところ苦手だったはずだろ?だからそのうち目を覚ましていつも通りになると思うけど美咲が心配だな、休めるところあるか黒服さんに聞いて案内してもらってくるわ」

 

「うん、分かった」

 

香澄も2人のこと心配してる、香澄だけじゃなくて他のみんなも……って言ってもりみはずっと薫先輩を呼びかけてて美咲のこと気付いてなさそう。

 

「黒服さん」

 

「どうしました山本様?」

 

「船内で休めるところありますか?」

 

「それなら医務室がありますよ」

 

「じゃあ案内してください、ミッシェルを連れていきます」

 

「分かりました」

 

黒服さんに案内してもらえるようにお願いしたし連れてくか。

 

「はぐみ、花音先輩、ミッシェル疲れたみたいだし医務室まで運びますね」

 

「ゆーくんいいの?」

 

「ああ、任せろ」

 

そう言ってミッシェルを背負ったけど……やっぱ着ぐるみだと重い……着ぐるみから美咲出したいけどこの状況じゃだし多分美咲は今中で男に見られたくない服装だろうし無理だな。

 

「待って優弥君、私も行く」

 

花音先輩も一緒か、美咲のこと心配みたいだけど別の心配が出てきたな、そうしたら……よし

 

「じゃあ花音先輩俺の前歩いて下さい」

 

「え?わ、わかったけどどうして?」

 

「まぁいいからいいから」

 

迷子にならないためって言いたいけど言わないで誤魔化しておこう。

 

さてと、医務室までどれくらいかかるか分からないけど頑張るか。

 

 

 

 




2期5話に関してはこの小説では飛ばします。その代わりですが次回はオリジナル回になります。

更新までお楽しみに


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35、繋がる想い

前話で書いた通り今回はオリジナル回です


 

「こちらです」

 

「ありがとうございます」

 

船でのハロハピのライブ……からのまさかの空でのライブ、それが終わった後で美咲が気を失ってしまった。

 

黒服さんに案内してもらって医務室に着いたからベッドにミッシェルの着ぐるみを来たままの美咲を下ろしてとりあえず頭は外した。

 

「この後は花音先輩と黒服さんお願いします、それでこれ着せてあげてください。着ぐるみだし多分俺は見ない方がいいので」

 

「うん、ありがとう優弥君」

 

「分かりました」

 

黒服さんと花音先輩の2人で美咲を出して俺の上着を着させてから横にしてもらった。そこでやっと俺も振り返ることができた。

 

「ありがとね優弥君、美咲ちゃんをここまで運んでくれて。

 

それと……間違えそうになった時教えてくれて」

 

「いえいえ」

 

「前歩いてってそういうことだったんだね」

 

「そうですね、前歩いてくれてれば見えますからね」

 

案の定花音先輩は何回か道を間違えそうになっていた。黒服さんが右って言ったのに真っ直ぐ進みそうになったりっていうまさかの間違いだったし。

 

さてと……

 

「それで黒服さん」

 

「なんでしょうか?」

 

「まさかとは思うけど今回のミッシェルの機能ってぶっつけ本番とかじゃないですよね?」

 

「いえ、ぶっつけ本番でした」

 

「そうでしたか」

 

やっぱりか……あの倒れ方は安心感な気がしたし思った通りぶっつけ本番だったか

 

さすがに許せないな

 

「っ!?」

 

「優弥君!?」

 

花音先輩が驚いてる。そりゃあそうだ、俺がいきなり黒服さんの胸ぐら掴んで壁に押し付けたんだから。

 

「あんたら美咲がパニックになってあんたらの指示が聞こえなくなる可能性とか考えなかったのかよ!!下から離れていたから分からないけどミッシェルの背中にあるのパラシュートだと思われてたかもしれないだろ!!

 

それにあの高さからだと水だってコンクリと同じくらいの硬さになるんだぞ!!失敗してたら2人とも怪我で済まないことくらい考えろよ!!」

 

俺がここまで怒るのも珍しいって自分でも思う。でも今回の件は怒らずにいられない。最悪の場合美咲とこころが死んじまう可能性があったんだから。

 

「そこまで考えてませんでした……申し訳「待った」え?」

 

「謝るのは俺じゃなくて美咲にだろ」

 

「……そうですね」

 

「だから起きたらちゃんと…「起きてるよ」起きてたんかい!?」

 

起きたら美咲に謝らせようと思ってたら美咲が起きた。というより起きてたって言った方がいいみたいだけどいつから起きてたんだ?

 

「ありがとね優弥君、私の為にこんなに怒ってくれて、まぁおかげで私の言うこと無くなっちゃったけど」

 

「いいって……ん?今名前で呼ばなかった?」

 

「それは……うん、呼んだ///」

 

「美咲!?」

 

「美咲ちゃん!?///」

 

名前で呼んだと思ったら今度は抱きついてきた!?びっくりなんだけど!?

 

「あ!?ごめん!?///」

 

「いや無意識かい!?」

 

「あはは///

 

それより黒服さん、本当に今回の怖かったんですからね?」

 

「申し訳ございませんでした奥沢様」

 

「今度から何か新しい機能で危険が及ぶようなことの時は事前に呼んで練習させて下さい。こころ相手じゃ止めるのは無理だと思うので」

 

「はい、この度は申し訳ございませんでした。今後このようなこと無いように致します」

 

「お願いしますね、次は許しませんからね」

 

ちゃんと黒服さんたちも悪いと思って謝ってるし本人も許すみたいだし周りがとやかく言うことはもうないな。

 

「みなさんにはもう少し休んでから戻るとお伝えしますので3人はイチャ……こほん、休んでからお戻りください。

 

それでは失礼致します」

 

「「っ!?///」」

 

おい!?なんか爆弾発言落としていったぞ!?

 

俺らそんな関係じゃないのに!?

 

「な、なんか凄いこと言い残していったな」

 

「そ、そうだね///」

 

「う、うん///」

 

黒服さんってこういう人たちだっけ?

 

「美咲はもう横になってなくて平気か?」

 

「うん…あ、上着ありがとね」

 

「いいって、着ぐるみだったし見られたくない服装だと思っただけだしさ」

 

「他の男の人なら嫌だけど優弥君になら//」

 

「ん?」

 

「美咲ちゃん惚れちゃってる?」

 

「ちょっ!?花音さん本人の前で聞きますか普通!?でも…そうだね…えいっ//」

 

「ちょっ!?」

 

俺にならいいって……それにベッドの中でモゾモゾと動いてたと思ったらいきなり引っ張られて抱きしめられた!?しかもちょっと待て!?顔が美咲の胸に…つーか渡した上着着てない!?

 

「好きだよ優弥君///私も優弥君の彼女にして欲しい///」

 

「美咲ちゃんだけじゃなくて私も優弥君のこと好きだよ///だから私も彼女にしてください///」

 

「っ!?!?」

 

待て待て待て!?なんだこの状況!?美咲だけじゃなくて花音先輩も!?ベッドに入ってきて後ろから抱きつかれて告白されるとは思わなかった。ってか美咲わざとスペース空けてたのか。

 

「美咲ちゃん大丈……ええ!?///」

 

「りみ!?」

 

「美咲ちゃんと花音先輩……ひょっとして優弥君に告白したの?///」

 

「「うん///返事待ち///」」

 

美咲を心配してかりみがやってきた…って黒服さん伝えたんじゃないのか!?

 

中の様子見て顔を赤くしたけど状況を把握したみたい。

 

「2人に返事する前に私からも言いたいことあるんだけど……いいかな?///」

 

「お、おう…」

 

まさかりみも?とりあえず起き上がって聞くことにした、美咲や花音先輩も一緒に起き上がって両隣に座った。ベッド上のままではあるけど…

 

「私も優弥君のこと好きになりました///私とも付き合って下さい///」

 

顔を真っ赤にして緊張で震えながらではあるがりみからも告白をされた。まさか3人から同時に告白されるとは思わなかったぞ……

 

「りみここ座って」

 

「う、うん///」

 

俺が立ち上がってその位置にりみを座らせて俺は3人に向き合った。

 

返事をするために……

 

「3人ともほんとにいいのか?俺既に4人と付き合ってるんだぞ?」

 

「「「もちろん!!!」」」

 

本気……みたいだな。

 

「3人とも正直に答えてくれ。バンド活動中は自分たちのバンドに集中するって約束できるか?」

 

「「「うん!!!」」」

 

「そっか、それが聞けてよかった。それじゃあ改めて俺から…

 

既に4人と付き合ってるけどそれでもよければ俺の彼女になってください!」

 

「「「はい///」」」

 

返事を聞くと直ぐに3人を抱きしめた、3人も抱きしめ返してくれた。そして美咲、花音先輩、りみの順番で口付けを交わした。

 

……のはよかったんだけどこの後でまさかの展開になっちまった。それは……

 

「優弥君…」

 

「どうした美咲?」

 

「えいっ!」

 

「ちょっ!?」

 

美咲にいきなり飛びつかれてその勢いでベッドに仰向けで倒れ込んだ。

 

「コレ……ベッドで抱きしめてる時から気付いてたけど……私のせいだよね///だからなんとかしてあげる///」

 

コレ……とは言わずともわかると思うけどあえて言うなら息子と言おう……そこが反応してしまっている。ベッドに押し倒されてから刺激され続けたと思ったら美咲がいきなり俺のズボンのチャットを下ろしてそして……

 

 

 

結局美咲だけじゃなくて花音先輩やりみにもしてもらうこととなった。何がとは言わないが……

 

あえて一言言うなら……3人にめちゃくちゃ気持ち良くしてもらった。もちろんお返しもしたけどな。

 

みんなのところに戻ると何事もなかったように過ごしたが香澄たちにはちゃんと報告した。もちろん電話でロックにもな。

 

これで彼女が7人になって世間的には問題だけどそこは気にしない。ちゃんとみんなを幸せにするんだから。

 

 

 

 




はい、彼女増えました。

前話の後書きに書いた通り次回は5話飛ばして6話の話になります。

R18の話書こうか迷い中、書けたらこっそり投稿しておきますね。

では次回までお楽しみに


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36、祭りで決定

サブタイトル悩むこと多すぎ…


 

「それでは青年部お祭り委員の会議を始めます!議長は私、羽沢珈琲店の羽沢つぐみです!」

 

ここは羽沢珈琲店、Afterglowのつぐみの家だ。なんでここにいるかって言うと今度商店街の祭りがある。そのための会議で数人集まっているんだけど……

 

「それでは出席を取ります!

 

山吹ベーカリーの沙綾ちゃん!」

 

「はい!」

 

「北沢精肉店のはぐみちゃん」

 

「はーい」

 

「青年部太鼓リーダーの巴ちゃんにその妹のあこちゃん!」

 

「おう!」

「はーい!」

 

「新メンバーとして旭湯の六花ちゃんが来てくれました!」

 

「今日はGalaxyのスタッフとして来ました!」

 

「そして沙綾ちゃんや六花ちゃんの彼氏でありこの間のライブで蘭ちゃんを照れさせた優弥君!」

 

「いや紹介の仕方!?」

 

「以上のメンバーで集まってもらいました!」

 

凄い雑に紹介された気がするけどそれは置いておいて…俺がここにいていいのだろうか?

 

「沙綾が呼んだのこれが目的?」

 

「うん、ダメ…だったかな?」

 

「そんなことないけど…香澄じゃないんだしちゃんと目的くらい言おうな?羽沢珈琲店に来てってだけじゃ全然わかんないしさ」

 

「ごめんごめん…でも来てくれるなんて優しいね」

 

「そりゃあ可愛い彼女に頼まれたら来るに決まってるだろ?」

 

「うぅ///」

 

まぁ手伝って欲しいことあるなら可愛い沙綾じゃなくても手伝いに来てたけどな。

 

それともう1つ…

 

「なんでモカまで?」

 

「それ私も気になってた、なんでモカまでいるんだよ」

 

「ふっふっふ〜山吹ベーカリーあるところにモカちゃんありだよ〜」

 

「モカちゃん山吹ベーカリーの常連さんだから…」

 

そういう理由ならりみも…りみは予定あるから今日は無理か。

 

「それよりすこやかゴーゴー祭り…だっけ?どんなことするんだ?」

 

「はぐみたちはコロッケライブやるよ」

 

「コロッケライブ?」

 

「うん!」

 

……うん、よく分からんけどハロハピのことだし気にすることないか。

 

完全に思考停止してるけど…

 

「巴は太鼓か?」

 

「おう!バッチリ盛り上げるぞ!」

 

「それとは別にライブもやるよ」

 

「そうなのか?」

 

つぐみがAfterglowでライブをやるって言ったけど香澄が知ったら絶対やるって言い出すな。

 

「うん、ちょっと前に商店街会長さんに呼ばれてそうしたらやって欲しいって言われたの」

 

「なるほどな」

 

呼び出されるって凄いな…

 

「ポピパさんはやらないんですか?」

 

「「え?」」

 

ライブの話今知ったばかりだし…まぁこの話した時の返事は予想できるけど。

 

「それいい!沙綾ちゃん優弥くん、聞いてみてもらうことできる?」

 

「それはいいけど……返事はまぁ」

 

「うん、予想できるね」

 

今度みんなで集まる時に聞いてみるってことにしてこの話は終わりにした。そして学校の日の昼休みにこの話をすると……

 

「やる!」

 

って言い出した。

 

うん、予想通り過ぎて驚かないわ。

 

「ゆーくんも一緒にやろう!」

 

「……はい?」

 

「お、香澄たまにはいいこと言うな!」

「そうだね、優弥一緒にやろう!」

「優弥君と一緒に弾きたいな」

「また震えさせて」

 

「ええ!?」

 

この展開にはさすがに驚いた。まぁでも祭りだしいいかな、それに俺もたまには一緒にやりたいし。

 

「わかった」

 

『やったー!』

 

みんな喜んでくれてるな。まぁ俺も正直一緒にやれて嬉しいけどな。ってか有咲さりげなく酷いこと言ってたけど誰も指摘してないな。

 

それとロックからGalaxyの機材借りられることになったって連絡が入ったからつぐみに連絡して前日に運ぶこととなった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

祭り当日

 

「これより…すこやかゴーゴー祭りを」

 

「「「開催しちゃうよね〜」」」

 

商店街会長さんたちの気の抜けるような開催宣言をするとドンドンドンドンと太鼓の音が聞こえた。巴が盛り上げてるみたいだな、いい音だ。

 

商店街の方では羽沢精肉店前でハロハピがライブをしている。

 

そして広場のライブステージでは今からAfterglowのライブが始まろうとしていた。

 

「こんにちは!Afterglowです!今日は……」

 

だけど挨拶の途中で雨が降ってきて…って機材やべぇ!

 

「みんな機材引っ込めるぞ!」

 

『うん!』

 

「私たちも…」

 

「待ったつぐみ!Afterglowはまず自分のを屋根のあるところに!それから頼む」

 

「う、うん!」

 

雨が降ってきてお客さんも離れて行った。ロックはトラックを呼びに行ってくれたから残ったメンバーで機材を濡れない場所に運ぶことができた。ずぶ濡れになったけど借りてる機材がダメになるよりはいいかな。

 

「みんなこれ使って!」

 

「助かるよつぐみ」

 

「いえいえ、優弥君も的確に指示してくれて助かったよ」

 

みんながちゃんと動けたから助かったんだけどな。

 

「そうだ!私からもこれ」

 

「おお!山吹ベーカリー!」

 

「はは、モカ目輝かせすぎ」

 

「わかるよモカちゃん!沙綾ちゃんの家のパン美味しいもん!」

 

「さすがりみだね〜」

 

お、おぉ…りみも目を輝かせ出した。まぁ美味いのは否定しないけどな。

 

「りみ、チョコついてる」

 

「え?あ///ありがと///」

 

美味そうに食べてるりみが口の横にチョコがついてたから指で取ってそれを食べたらりみが赤くなってた。周りで見てる何人かも同じようになってるけどりみほど赤くはないか。

 

「す、凄い自然にやったな〜」

「う、うん…//」

「自然とやっちゃうあたりかっこいい」

「見せつけるね〜」

「い、いつも通り…なの?//」

 

Afterglowのみんなから色々言われたけどつぐみと蘭がこの中では微妙に赤くなってた。俺何か変なことしたか?

 

「あれ?ら〜ん?口の横コロッケの衣ついてるよ〜」

 

「え!?///」

 

「あれ〜赤くなってるけどどうしたのかな〜」

 

「モーカー!///」

 

巴があこからもらったっていうコロッケか。たしかについてるしモカを怒ってるけど取ろうとしないな?って思ってたら

 

「ひょっとして〜蘭も優弥君に取って欲しかったり〜?」

 

「っ/////」

 

こんな会話が聞こえてきた。つーか蘭真っ赤だな。

 

「優弥君おねが〜い」

 

「お、おう…」

 

「っ///あ、ありがと…//////」

 

モカのやつ絶対楽しんでるだろ?ニヤニヤしてるし。まぁ結局取ってあげたけどりみ以上に赤くなってる。可愛いな、弄りたくなる。

 

「蘭先輩可愛いですね」

 

「六花!?///」

 

『わかる』

 

「みんなも!?///」

 

あ、みんな気持ち一緒なんだな。

 

「ふふ、Afterglowのみなさんものすごく仲良しなんですね」

 

「まぁ小さい頃からずっと一緒だからな〜」

 

「Afterglowのみなさんってどんな風にバンドを始めたんですか?」

 

ロックが聞くとAfterglowのみんなが話し出した。小学校の頃からずっと5人同じクラスだったのが中学になって蘭だけ別のクラスになった。それで授業もサボることが多くなったみたいだ、それは良くないけど…

 

それで5人一緒に何かやれることがないか考えた結果つぐみがバンドをやろうと言い出して5人でやることになった。Afterglowの由来はいつも夕方に集まってやるからみたいだ。

 

「蘭」

 

「優弥?」

 

「ずっと仲良くしてた人と離れるのは寂しいよな。分かるぞ」

 

「ちょっ///優弥!?///」

 

「ん?赤くなってるけどどうしたんだ?」

 

「急に手を握られたら///」

 

「え?あ、ごめんごめん」

 

いつの間にか蘭の手を握ってた、赤くなってもおかしくないな。

 

「俺もさ、親の仕事の関係で引っ越すことになって香澄と離れた時あったからさ、気持ち分かるんだよ。ロックのおかげでなんとかなってたんだけどな」

 

「きゃっ///急に抱き寄せないで下さい優弥先輩///」

 

「2人とも見せつけるね〜」

 

「だから大事にしないとな」

 

「う、うん///」

 

『蘭(ちゃん)が素直』

 

「う、うるさい!//」

 

蘭が素直に言うとAfterglowの4人にいじられた。普段有咲みたいに素直じゃないのかな?

 

それは置いておいてAfterglowの目標が武道館でライブをすることも教えてくれた。目標持つことは大事だよな。

 

話してるうちに雨が上がった。

 

「止んだな」

 

「でもステージが…」

 

「つぐみ、商店街の人にモップとか借りられるか?」

 

「大丈夫だよ!」

 

「そんじゃAfterglowのみんなにそれは頼むわ、トラックは使えないし男手もあった方がいいだろ?」

 

「優弥まさか…」

 

「さすが有咲、そのまさかだ」

 

「マジか…」

 

雨が上がったしライブをするためにAfterglowにはステージのモップがけしてもらうことにしてポピパとロックで機材を運ぶことにした。途中ロックが機材の下に入り込んで持つっていう無茶なことをしようとしたのはなんとか止められた…

 

そして機材を運び終えると会長さんにライブをすることをお知らせしてもらいお客さんを集めてAfterglowのライブを始めることとなった。途中ライブをラブと言っていたからロックが訂正させてたけど…

 

「ありがとうございました!Afterglowでした!」

 

「かっこいいな〜」

 

Afterglowのライブ【Y.O.L.O!!!!!】が終わると香澄が呟いた。それは俺や他の人も同感だった。

 

「Poppin’Partyさんお願いします!」

 

「はい!」

 

「行ってくるねロック」

 

ステージに上がる時にみんながロックに一声かけていく。ロックはどうしたんだろ?って顔をしてたけどそれは後のお楽しみ。

 

今回は俺を含めた6人での【Happy Happy Party!】で会場を盛り上げた。普段は見てる側だけどみんなと一緒にやるのも悪くない。

 

さてと、お知らせの時間だな。

 

「香澄」

 

「うん

 

1つ皆さんにお知らせがあります!」

 

そう言うとみんなで1度ロックの方を見た。ロックは首を傾げてたけどな

 

「Poppin’Partyの主催ライブは、この商店街にあるライブハウスGalaxyでやります!」

 

「ええ!?聞いてませんよ!?」

 

「言ってねぇからな」

 

「サプライズでみんな黙ってたんだよ」

 

「サプライズ過ぎます!」

 

もちろん店長には許可取ってある。サプライズしたいからロックには黙っててもらってた。

まぁかなり喜んでくれてたからサプライズは成功だな。

 

「悪かったなロック、黙ってて」

 

「ほんとですよ〜先輩達嬉しすぎるサプライズです!」

 

「俺の彼女としてじゃなくポピパのこと見てくれてたからな。そんなところでやりたかったんだよ。俺も香澄たちも」

 

俺がそういうと5人も頷いていた。

 

「ありがとうございます!スタッフとして全力でサポートしますね」

 

『よろしくお願いします!』

 

主催ライブの会場も無事に決まった。あとはセトリや出演バンドを決めていって他にも色々やることあるけど頑張っていくか。

 

「はい!でも秘密にされてた分は…」

 

「分は?んっ!?」

「んっ//」

 

『えぇ!?』

 

みんなが見てる前でロックにキスされた。しかもかなり激しめに…

 

それと蘭とつぐみ、2人とも「いいな」ってボソッと言ってたの聞こえてたからな?あえて指摘しないけど。

 

最後予想外なこともあったけど無事祭りは終わって解散した。

 

 

そういえば全部終わって家に帰ると見ていたリサ先輩や友希那先輩がポピパや俺のこと褒めてたって日菜先輩からメール来てたけど……

 

俺教えたことないぞ?

 

 

 

 

 




今回はここで終わりです。次回までお楽しみに


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37、明日香の本音

今回は途中からオリジナルです。


 

『羽丘と合同文化祭!?』

 

帰り道…と言っても蔵までの道だが突如有咲からそうなる可能性があると言われた。事の発端は今日の昼休み羽丘から日菜先輩がやってきて文化祭一緒にやらないかと誘いがあったらしい。昼休みなんか騒がしかったし途中で有咲が燐子先輩に呼ばれたけどそれが原因か。その時は決まらなかったけど可能性があるらしい。

 

「いやホント日菜先輩の言ってること香澄以上にわけ分からなくて優弥連れていくべきだった」

 

「俺かよ!?」

 

「ダメだよ有咲、優弥がいたら多分日菜先輩にいじられて話し合いどころじゃなくなるよ、紗夜先輩が」

 

「ああ〜それもそうか」

 

俺を連れていくべきって、香澄以上わけ分からないって…俺でも無理だろ?つーか沙綾の否定の仕方…まぁ紗夜先輩前に口を滑らせてたし可能性はあるか。なんの事かはあえて言わないけど

 

「それより有咲〜私よく分からないこと言ってないでしょ〜」

 

『……え?』

 

「え?」

 

この香澄の発言にはみんながおかしいという反応をしたし香澄も思わず同じ反応した……けどたえも割と言うからな?

 

「まぁそれは置いておいて蔵ついたし主催ライブのこと決めていこうぜ」

 

「うぅ……わかったぁ」

 

「よしよし」

 

「えへへ〜」

 

「「「ずるい……」」」

 

「ったく、みんなもしてやるから」

 

香澄が納得してない感じだったから撫でてあげて元気を出したけどそうしたらたえ以外からずるいって来たから3人にも同じように撫でるにことになった。

 

その後何故かたえまで撫でることになった。なんでだろ?まぁいいや。

 

「それじゃあ主催ライブの会議始めまーす!」

 

『いぇーい!』

 

うん、蔵について早々このテンションにはついていけない。まぁ会議は普通に参加するけど

 

「1番集めやすいのは夏休みか?」

 

「でもこころん旅行だって」

 

「そうなのか」

 

「千聖先輩が言ってたけどパスパレ6月なら大丈夫だって」

 

「パスパレ出てくれるの!?」

 

「事務所の方は?」

 

「掛け合ってくれるみたい」

 

夏休み良さそうだと思ったけどこころが旅行じゃハロハピ呼ぶわけにはいかないな。たえからパスパレ6月なら大丈夫ってことを聞かされた。つーかいつの間に千聖先輩と仲良くなったんだ?

 

「どんな交渉術だよ」

 

「それに優弥にもお世話になったからって言ってたけど何したの?」

 

『え?』

 

たえの発言に俺を含めてみんな驚いた。俺も驚いた理由……それは特に千聖先輩と話してないからだ。バンド繋がりでも…たいしたこと話したことないな。

 

最近だとWIFの時に彩先輩とは話したけど……

 

「なんでゆーくんまで驚いてるの?」

 

「いや〜マジでなんかした記憶なくて」

 

「そうなの?千聖先輩WIFの時助かったって言ってたよ?」

 

「尚更分からん、彩先輩が言うならわかるけど」

 

『なんで?』

 

ハモった。

 

WIFの時彩先輩が千聖先輩とゆらゆらやりたいって時になかなか一緒に歌ってくれなかった時に落ち込んでた。それでちょっと相談乗ってただけのことを話した。

 

『……』

 

「いやなんか言えよ!?」

 

「いやまぁ…」

 

「相変わらずだなぁ」

 

「そうだな」

 

「うん」

 

「いつも通りの優弥だね」

 

「たえそれAfterglowの真似か?」

 

「要するにゆーくん、それでパスパレが今まで以上にまとまったんじゃないかな?それで助かったって言ったんだと思うよ」

 

なるほどな〜

 

「それいつも通りなのか?」

 

『うん』

 

あ、みんなにはそう思われてたんだ。俺はそんなこと特に考えてなかったけど…

 

まぁいいや

 

「それじゃあ日程の方に話すけど6月最後の土曜日に主催ライブでいいか?」

 

「そうだね!後は他のバンドの人達にも伝えないと!」

 

「ちょい待ち!まずはGalaxyで予約取ってからだ」

 

「有咲の言う通りだ、とりあえずロックに連絡して店長に今から行って大丈夫か確認するわ」

 

そう言って電話をかけると3コールくらいでロックは電話に出た。

 

「もしもしロック?」

 

『優弥先輩どうしたんですか?』

 

「今からGalaxyに行って主催ライブの予約取りたいんだけど大丈夫?」

 

『ちょっと待ってくださいね、店長に電話で確認したらすぐかけ直します』

 

「わかった」

 

今Galaxyにいなかったのか、それに電話切る直前明日香の声聞こえたし一緒にいるんだな。

 

 

prrrr

 

 

早いな

 

「もしもし」

 

『優弥先輩大丈夫です、ポピパのみなさんで行くんですか?』

 

「そうだけどなんで?」

 

『私も行きます!』

 

おい…電話の向こうで「えっ」って小さい声で聞こえたぞ。

 

「……ロック、今明日香といるだろ?」

 

『……はっ!?』

 

「ってことで大丈夫だから俺らで店長に話して来るよ」

 

『は、はい……』

 

あからさまに元気無くしたけど前にも言ったはずだ、友達も大事にしろって。それに明日香にも悪いしな。

 

電話を切ると香澄から

 

「ねぇゆーくん、話的にロックも来るって言ってたんじゃないかなって思うんだけどなんで断ったの?」

 

って聞かれた。

 

「ん?だって今明日香と一緒にいるみたいだからさ、Roseliaの主催ライブに参加した日もホントは遊ぶ約束してたみたいだし」

 

「なるほど…ゆーくん優しいね」

 

「普通だろ?」

 

特に変わったことしてないんだけどな〜

 

とりあえずみんなでGalaxyに向かった……んだけど

 

「お、お待ちしてました」

 

なんでロックいるんだ!?

 

「一応聞く、なんでいるんだ?」

 

「ええっと…明日香ちゃんが行ってきていいって…」

 

ロックのことだから嘘ではないと思うけど……はぁ……

 

「そんじゃ香澄、「ゆーくん行ってきていいよ」…いや早いな」

 

俺まだ何も言ってないんだけどな。

 

「こっちは私たちに任せて明日香ちゃんの方行ってあげて」

 

「どうせ行くつもりだったんだろ?」

 

「優弥君意外とわかりやすいもんね」

 

「意外かな?こういう時はわかりやすいような」

 

「ははっ、じゃあみんな頼んだ」

 

こっちのことはみんなに任せて俺は明日香の方に行くことにした。まぁ俺が電話したせいってのもあるし……

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「明日香ー」

 

「ゆー兄!?」

 

意外と近くにいたんだな。公園のところで明日香を見つけることができた。

 

「ゆー兄Galaxy行ったんじゃないの!?」

 

「Galaxyまで行ったけどロックがいたし向こうはみんなに任せた」

 

「ふーん、彼女がいたら任せてくるよね」

 

「みんなってのは香澄たちのことでロックのこと

じゃないんだけど…」

 

「え?」

 

「電話で俺らで店長に伝えるって言ったのにいたからさ、ロックと何かあったか?」

 

「べつに…」

 

いやぁ、すげぇ不機嫌だな、それに寂しそう、まぁ当然か。俺の知る限り2回目だし…

 

「私がいいって言ったんだから気にしなくていいよ……」

 

「そんな不機嫌でいるのに気にしないなんて無理だって、それに俺が電話したせいってのもあるんだし」

 

「別にゆー兄のせいじゃ……ロックがお姉ちゃんのこと好きなこと、あ、これはファンとしてって意味の方ね、ポピパのこと大好きなの知ってるしいいよ。でも……」

 

でも?なんだろ?

 

「でも私と遊ぶ約束の時や一緒に遊んでる時までポピパの方に優先になっちゃって……私のことより……ねぇゆー兄……友達だと思ってるの……私だけなのかなって……」

 

「明日香……」

 

言いながら明日香が泣いた。やっぱり我慢してたのかな。

 

でも庇うわけじゃないけどロックもちゃんと友達だと思ってくれてる。それはちゃんと伝えないとな。

 

「そんなことないよ。これは庇ってるわけじゃない。ロックが本当に言ってたことだけど明日香やあこみたいないい友達ができて嬉しいって本人が言ってたんだ」

 

「グスッ……ほんと?」

 

「もちろんほんとのことだ。だから明日香だけが友達って思ってるわけじゃないから安心しろ」

 

「うん……ありがとうゆー兄……ごめん少しこうさせて」

 

そういうと俺に抱きついてそのまま泣いていた。俺も抱きしめ返してそっと撫でてあげた。どれくらい泣いてたか分からないけどようやく泣き止んだみたいだ。

 

「ありがとうゆー兄、それと…服濡らしちゃってごめん」

 

「これくらい問題ないから気にすんな」

 

「っ、うん//

 

ねぇゆー兄……大好き///」

 

「んっ!?」

 

泣き止んで顔を見せたと思ったらいきなりキスしてきた。不意打ちすぎるだろ。

 

「ゆー兄、私も彼女にしてって言ったら……あり?なし?」

 

「……え」

 

「私もお姉ちゃんと一緒でずっと大好きだった、六花がお姉ちゃんたちとも付き合うの許した時顔には出さなかったと思うけど私のことも彼女にしてくれないかなって思ってた。他の子と付き合っててもいい。だから……

 

私も彼女にしてください///」

 

「本当にいいのか?俺今7人と付き合ってるんだぞ?」

 

「いい。だってゆー兄はちゃんとみんなのこと愛してるんでしょ?だから他にいてもいいよ」

 

「そこまで言うならわかった、明日香、俺の彼女になってください」

 

「はい///」

 

返事をもらうとまた抱きしめて今度は俺からキスをした。触れるだけのキスを、この先はまた今度……って思ってたんだけど

 

明日香の方から舌を入れてきた!?驚いたけど俺はそれを受け入れた。

 

「えへへ、好きな人とのキスってこんなにドキドキするんだね、ゆー兄わかる?///」

 

「お、おう…」

 

俺の手を取って明日香は自分の胸元に当ててきた。たしかに明日香のドキドキは伝わってくる……けどここ外で公園なんだよな〜幸いなことに誰もいないけど

 

「ゆー兄これからもよろしくね」

 

「ああ、もちろんだ明日香」

 

また俺の彼女が増えた。よくみんな許すな……とは思うけどみんな幸せにするからそこは問題ないのかな?

 

それよりも

 

「ロックへのお仕置はどうする?」

 

「そうだね、何か考えて私が実行するよ。だから他の人にはお仕置のことは内緒にしてね」

 

「わかった」

 

明日香が何かするみたいだから俺はノータッチにしよう。俺からするとしたら友達関係のことを注意するくらい、他はしないことにした。新しくできた可愛い彼女の明日香のために。

 

 

 

後で連絡入ったけどGalaxyでの主催ライブの日程は蔵で話してたところで大丈夫みたいだ。その時に明日香とも付き合うことを伝えたら"やっぱりそうなったんだ"って言われた。そんなに俺の行動ってバレバレ?

 

 

 

 

 




次回も最初オリジナル入ります


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38、混合編成メンバー決定

今回もオリジナル多めです。


 

「送ってくれてありがとうゆー兄」

 

「どういたしまして」

 

公園で明日香とも付き合うようになり家まで送ってきた。もちろん手は恋人繋ぎで、その手を離そうとしたら……

 

「ゆーくーん!」

 

「ぐっ、危ないだろ香澄」

 

「えへへ〜あっちゃん」

 

「な、なに?」

 

「よかったね!」

 

「っ、うん///」

 

香澄が後ろから抱きついてきた。勢いあったから前に倒れそうになったのをなんとか踏みとどまった。まだ明日香の手を握ってたし倒れたら明日香まで倒れるからな。

 

香澄が明日香に言った"よかったね"は恋人になれてってことだけど香澄は知ってたのかな?明日香が俺の事好きなこと…

 

「ゆーくん今日泊まってく?ここまで来たんだしせっかくだから!」

 

「私も……泊まって欲しい……かな///」

 

「あっちゃん可愛いー」

 

「お姉ちゃんってば…//」

 

「明日香も香澄も両方可愛いのは知ってるけど泊まりか〜今着替えないしなぁ」

 

「「っ//////」」

 

あれ?2人とも黙っちゃったけどどうかしたのか?

 

「お姉ちゃん、ゆー兄こういう所あるの?//」

「よくあるよ//」

 

おーい2人さーん?ヒソヒソ話さないで〜

 

「じゃあゆーくん、面倒かもだけど家まで着替え取りに行ってきてよ、あっちゃんもゆーくんの彼女になった記念に…お願い」

 

「そう言われると断りにくいな、じゃあ取ってくるから待ってろ」

 

「「うん!」」

 

なんか香澄や明日香の家に泊まることになった。明日学校だし夜遅くまで……ってことは無理だけど3人で風呂に入ることになった。そこで……何があったかは秘密にしておこう。

 

夜は3人で同じ布団で寝た。香澄は最初ベッドで3人でいいって言ってたけど、さすがに狭いし落ちたら大変だから布団出すなら3人でいいって言ったら持ってきてくれた。俺が真ん中になって

川の字で寝たけど……

 

ギリギリ理性保った。まぁ起きた時香澄と明日香に…………

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「とびっきりの思い出を作りたいな、ハート」

 

「うわぁ!?日菜ちゃん!?」

 

 

花咲川の階段でパスパレの彩が座って何か携帯で打ち込んでいるのを、後ろから同じくパスパレの日菜が覗き込んでいた。それを読み上げると彩の隣に座り出した。

 

 

「事務所チェックまだだから〜」

 

「もう読んじゃった♪それでとびっきりの思い出って?」

 

「まだ特に…パスパレでライブできたらよかったんだけど事務所NGだってぇ……」

 

「な〜んだ、てっきり優弥君に告白するんだと思った〜」

 

「ええっ!?なんでそうなるの!?///」

 

「だって好きでしょ?」

 

「うぅ…なんで知ってるの〜///」

 

「だってわかりやすいし」

 

 

彩はライブのことを考えていたが日菜は優弥に告白することだと思っていたみたいだ。日菜曰くわかりやすいと。

 

 

「まぁそれはいいや、それよりパスパレでダメならただの高校生としての彩ちゃんで出たらいいんじゃない?文化祭有志のメンバーでやることもできるよ?もちろん申請は必要だけどね」

 

「ただの高校生として…いいかも」

 

「そうだ!るんってきた!」

 

 

日菜が提案を出すと急に立ち上がって移動を始めて彩は日菜についていった。行先は千聖や花音のクラスだった。教室に着くなり日菜が言ってたことをお願いしている。

 

 

「それで、なんで私たちなの?私もパスパレよ?」

 

「うぅ…2人は友達だしもし良かったらなって…」

 

「花音ちゃんやってみたら?彩ちゃんと同じバイトしてるでしょ?」

 

「花音、嫌なら嫌って言っていいのよ」

 

「むぅ……」

 

 

急に日菜が花音もやってみないかと言ったが千聖が嫌ならって発言で不機嫌になった。まぁ嫌ならやる必要ないのは事実だが……

 

 

「私やってみる!」

 

「ほんと!?」

 

「うん!」

 

「花音!?まさか日菜ちゃんに何か弱みでも握られてるの!?答えて花音!?」

 

「ふぇ、ふぇぇ……」

 

「どんどん行ってみよー!あっ!」

 

 

花音がやると答えると千聖は日菜に弱みを握られてるのかと勘違いしていた。花音が困っていると日菜が何かを見つけた。

 

 

「ちょっ!?日菜先輩!?」

 

「「「優弥君!?」」」

 

 

日菜が見つけたのは優弥だった。そのまま教室に引き込んで優弥も教室にいた3人のことも驚かせていた。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「千聖先輩……何してんだ?」

 

「どんどん行ってみよー!あっ!」

 

花音先輩たちの教室の前にくると千聖先輩が花音先輩の手を握って何か言ってる、何があったんだ?って思ってたら日菜先輩に見つかって教室に引き込まれた。ってか力強っ!?

 

「ちょ!?日菜先輩!?」

 

「「「優弥君!?」」」

 

千聖先輩花音先輩彩先輩の3人は俺が引っ張られて教室に入ってきたことに驚いている。そりゃあそうだ。俺ですら驚いてるんだから。

 

「ちょっと日菜ちゃん!?どうして優弥君を連れ込んで来てるの!?」

 

「偶然見つけたから連れてきた!」

 

いや連れてきたって…

 

「ゆゆゆ、優弥君なんでこの教室の近くに?//」

 

「いや偶然ですけど…彩先輩大丈夫ですか?」

 

「だ、だ、大丈夫…です//」

 

「なんで敬語?」

 

彩先輩どうしたんだ?なんか敬語になってるし。

 

まぁ今は置いておこう。

 

「ところで千聖先輩どうかしたんですか?なんか花音先輩に必死に何か言ってたみたいですけど」

 

「それね、実は彩ちゃんが文化祭でライブをやりたいらしいけどパスパレは事務所が許可していなくて、それでパスパレとは関係ない形で出るためにメンバーを集めてるのよ。それで花音が日菜ちゃんに一緒にやらないか聞いてやるって言ったから弱み握られてるのかと思ったのよ」

 

…………えぇ

 

「いや千聖先輩、さすがにそれは日菜先輩が可哀想ですよ、普段の言動からして仕方ないけどいきなりそんなこと言われたら……」

 

「そうよね、ごめんなさい日菜ちゃん」

 

「むぅ……仕方ないってどういうことー!」

 

「あっ」

 

おっと、つい言っちゃった。けど仕方ないだろ?正直香澄より言ってること分からないこと多いし。

 

「そ、それより花音先輩もやりたいんですよね?」

 

「う、うん!(誤魔化したね)」

 

「(誤魔化したわね)」

 

「(ぜ、絶対誤魔化した)」

 

「(誤魔化された気がする)」

 

「頑張って下さいね」

 

「っ//うん!

 

でもみんなの前では恥ずかしいかな///」

 

「(船じゃもっと凄いことしたのに?)

 

じゃあ今度は2人きりの時にしてあげますね」

 

とりあえず話を逸らしてみんなの前で花音先輩のこと撫でたら照れちゃったな。まぁ可愛いからよしとしよう。

 

「ゆ、優弥君///」

 

「彩先輩?」

 

「私も頑張るから…なでなでして欲しいな///」

 

「「「(可愛い)」」」

 

「いいですよ?俺なんかで良ければ」

 

「やった!えへへ///」

 

成り行きで彩先輩のことも撫でることになった。付き合ってるわけじゃないのに俺に撫でられるのそんなに嬉しいのか?

 

「あ、ってか千聖先輩に聞きたいことあったんだった」

 

「私に?さっきのことじゃなくて?」

 

「あれは偶然見かけたからで…それでたえから聞いたけど俺にお世話になったってどういうことですか?ポピパのみんなには落ち込んでた彩先輩の相談に乗ってそれでパスパレが助かったからとか前以上にまとまったからとは言われてますけど」

 

「その通りよ」

 

「たしかにね、私も今は前よりるんって来てるよ!」

 

るんはよくわからん。

 

「うん。詳しいことは相談に乗ってもらった時に言ったと思うけど、そのおかげで自分が今どうしたいのかはっきりわかったしパスパレのみんなにも励ましてもらってちょっと揉めたみたくなっちゃった千聖ちゃんと本音で話せたの。だからパスパレ全体で優弥君のお世話になってるって感じだね」

 

「そうでしたか、力になれてるならよかったです」

 

「優弥君いつも無自覚でみんなの力になってるんだよ。だから私も好きになったんだよ?」

 

「ありがとうございます花音先輩」

 

ポピパのみんなの言った通りだったな。正直相談に乗っただけって意識だったけど力になってるんだな。意識してなくてもこう言われるのは嬉しいものだ。

 

「その時からだよね?彩ちゃんが優弥君のこと好きになったの」

 

ん?本人の前で言う?つかマジ?

 

「そうなの、だから今こうして話してるのも凄くドキドキしてるの、わかる?」

 

そう言うと彩先輩が俺の手を取って自分の胸に当ててくる。むにゅっと柔らかい感触と一緒にたしかに彩先輩のドキドキは伝わる。ってか彩先輩自分が何してるか分かってる?千聖先輩や花音先輩、それに日菜先輩までポカンとしてるぞ?

 

「……!?//////私ったら何を!?//////恥ずかしい//////」

 

「うわっ!?」

 

「優弥君!?」

 

「ちょっと彩ちゃん!?」

 

自分が何してるかわかった彩先輩はいきなり俺を突き飛ばすと走って教室から出ていった。花音先輩がうけとめてくれたから怪我はなかったけど。

 

するとすぐに今度は涙目で戻ってきた。

 

「ご、ごめんなさい優弥君、怪我ない?」

 

「大丈夫ですよ、花音先輩のおかげですけど…ってか今も離してくれてないですけど」

 

花音先輩がうけとめてくれてたけど頭がちょうど花音先輩の胸でうけとめてもらってるせいで柔らかい感触がずっとしてる。しかも花音先輩分かってて離してくれないし。

 

「うぅ……本当にごめんなさい」

 

「ぷっ、彩先輩面白すぎ」

 

「ええ!?」

 

「嬉しそうだったり慌てたり照れてたり泣きそうになってたり、短時間でこんなに見れるから一緒にいて飽きませんね」

 

「うぅ///」

 

ほんと面白いな、日菜先輩が"彩ちゃん面白い"って言う気持ちわかるな〜

 

「もぅ〜いいから残りのメンバー集めに行こっ!」

 

この状況から逃げるように教室から出ていって俺たちもついていった。それでメンバーはリサ先輩とつぐみが加入してあっという間に集まった。

 

それで羽丘の生徒会室に集まってるんだけど……なんで俺ここにいるんだろ?まぁ日菜先輩に無理矢理連れてこられたからだけど

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「あ、あっという間に集まったね」

 

「日菜先輩凄すぎ…」

 

「失礼します」

 

あっという間に集まったメンバーにみんな驚いている中突然ドアが開けられた。そこにはつぐみ以外のAfterglowみんなが揃っていた。

 

「日菜先輩に話があってきました!これ以上つぐみを振り回さないでください!」

 

「振り回す?」

 

「そうです!つぐみが生徒会のことでどれだけ日菜先輩のこと探し回ってたかわかりますか!学校中探し回ったのに外にいるって聞いて外に行ったんですよ!」

 

「ら、蘭ちゃんいいから…」

 

「これ以上つぐみに負担かけないでください!」

 

「手伝ってくれるってこと?」

 

「「は?」」

 

思わず俺も言っちゃったけどどこをどう解釈したら手伝うって話になるんだ?

 

「じゃあモカちゃんは私と交代ね!」

 

「およ?」

 

「それじゃあボーカル彩ちゃん、ギターモカちゃん、ベースリサちー、ドラム花音ちゃん、キーボードつぐみちゃんで決定!

 

そして手伝いに優弥君とAfterglow!」

 

「いつ手伝うって言ったよ!?」

 

「いいからいいから」

 

ダメだこいつ、全然話通じない。ほんと香澄よりタチ悪いな。さすがに俺もここまで来ると怒るぞ。

 

「優弥ごめん、つぐみの為に手伝って」

 

「蘭ちゃん!?///」

 

「つぐみの為?」

 

「うん、つぐみ頑張り過ぎて倒れることあったから…倒れた後からは気をつけてるけど日菜先輩がこんな感じじゃいつ倒れてもおかしくないから…だからお願い、手伝って」

 

「そっか、わかった。手伝うからもう泣くな」

 

「うん…ありがとう」

 

蘭がつぐみのために泣きながら頼んできたらこれは引き受けるしかないな。大事な友達のためのお願いを断れるわけないし。泣いてる蘭を抱きしめて撫でながら引き受けることにした。

 

まぁ手伝うと言っても…

 

「一応言っておくけどポピパの方で動く時はそっち優先で動くからな?空いてる時に手伝うから。みんなもそのつもりでお願いしますね」

 

さすがにポピパ優先で動く。みんなもそれでいいみたいだ。まぁ嫌って言われたらこっちの手伝い断るつもりだったけどな、俺だって休める時は休みたいし…

 

「ら〜ん?いつまでそうしてもらってるの?」

 

「モカどういうこと?

 

…………わぁ!?ご、ごめん///」

 

あ、気付いてなかったんだ。それだけつぐみのこと心配だったんだな。赤くなって勢いよく離れて後ろにいたひまりとぶつかってるし……ひまりどんまい。

 

「いいって、つーか抱きしめたの俺の方だしさ、」

 

「うぅ……///」

 

「あ、聞こえてないかも

 

とりあえず今日ポピパの方で集まるから俺はこれで、何か必要なことあれば連絡してください」

 

そう言って俺は生徒会室から出ていった。集まるのはほんとだしな。

 

「待って優弥!」

 

「蘭?」

 

羽丘の昇降口を出たら蘭に呼び止められた。いつもの調子に戻ってるし復活早いな、ってそれは今いいか。

 

「どうした?」

 

「その…ごめん」

 

「えっ!?何が!?」

 

本気で驚いてる。何か謝るようなことされたつもりないんだけどな。

 

「優弥だってポピパの方の準備で忙しいよね、主催ライブもあるのに文化祭も出るんでしょ?」

 

「まぁうちのリーダーは後先考えずにやるって言うからな」

 

「香澄らしい。

 

それなのにつぐみの心配ばかりで優弥の忙しさ考えないで手伝いお願いしちゃって…」

 

「気にすんなって、日菜先輩に言われた時は断ろうと思ったけど蘭があんなに真剣に頼んでたんだ。友達のために必死にお願いしてて断れるかっての」

 

「ありがとう優弥

 

その…す、好きだよ優弥///じゃあまたね///」

 

「……え、ちょっと蘭!?」

 

謝った理由そういうことか。まぁたしかに大変にはなるけどポピパ優先って言っておいたし大丈夫だろ、日菜先輩は無理って言っても聞かないかもだけど最悪日菜先輩のは無視して他の人に無理って伝えればいいか。

 

って思ってたらお礼を言われて好きって言われたよ、そのまま校舎なに戻っていっちゃったけど……今日ビックリすること多いな。

 

「相変わらずモテモテですね優弥先輩」

 

「ロックか、その看板…メンバー見つかったか?」

 

「まだです、私も優弥先輩みたく人気あればな〜」

 

蘭が戻っていくと後ろからロックが声をかけてきた。今のも見られてたのか。

 

「焦らずゆっくり探すしかないさ。無理矢理集めてもすぐバラバラになっちゃうしな」

 

「はい、このメンバーじゃなきゃって人と組みたいです!

 

あ、そういえばポピパの練習は…」

 

「だぁ!そうだったいかなきゃ!またなロック」

 

「はいっ!」

 

他に羽丘生がいなかったこともありそこでロックとキスをしてから蔵に向かった。蔵についたら文化祭限定のメンバーの方も手伝うことを伝えたら…

 

相変わらずだねってみんなから言われた。

 

 

 

 

 




彩ちゃんと蘭ちゃんの気持ち発覚です。

今回で2期7話を終わらせるつもりだったけどオリジナル展開作ったら終わらなかった…次回で終わらせます。オリジナル展開入れる予定です。


それでは次回までお楽しみに。


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39、新たな出会い

やっと2期7話終わりです。
オリジナル展開入れてたら3回に分かれるとは……

いつもより会話多めかもしれません。


 

「「「路上ライブ!?」」」

 

俺が混合編成メンバーの手伝いが決まった次の日の昼休み、たえと香澄とりみから路上ライブをやったと聞いて俺と有咲と沙綾が驚いた。

 

どうしていきなり…

 

「私ね、経験の時間が足りてないって思ったの。それでお客さんの反応を見ながらできたら修行になるかなって思ってそれで、香澄とりみはたまたまいたから一緒にやっただけだよ」

 

「なるほどな」

 

「動画あるよ」

 

ってりみ動画撮ってたんだ!?そこには香澄とたえがギターを弾いているのが、そしてりみが歌っているのが映っていた。

 

「りみりん可愛い〜」

 

「でしょでしょ?」

 

「恥ずかしかった//」

 

「でもホントに可愛いなりみ」

 

「ふぇ//////」

 

「あ、りみが真っ赤になった。気をつけろよ優弥〜」

 

「悪い悪い」

 

こんなにすぐ照れるりみも可愛いな、って思ってたら

 

「優弥君ちょっとよろしいですか?」

 

「紗夜先輩?」

 

紗夜先輩が来た、珍しいな。

 

「もしかしてライブの打ち合わせとかしていましたか?」

 

「してませんけどどうしました?」

 

「していないなら良かった。少し優弥君をお借りしてもよろしいでしょうか?」

 

「ゆーくんとイチャイチャしてたのに〜っていうのはまだですけどいいですよ」

 

まだ?

 

「ありがとうございます。それじゃあ優弥君こちらへ」

 

「分かりました、そんじゃ言ってくるわ」

 

紗夜先輩についていって人気の少ない場所に移動した。なんの用だろ?

 

俺が離れた後

 

「あれ?今日優弥君は?」

 

「あ、美咲ちゃん!ゆーくんならさっき紗夜先輩来て連れてったよ?」

 

「そっかぁ…たまには私も一緒に食べたかったのに…もしかして紗夜先輩も?」

 

「ううん、そんな雰囲気じゃなかった。何か大事な話だと思うよ。あ、告白以外のね」

 

「そっか〜戸山さんって意外とちゃんとみてるんだね」

 

「意外となの!?」

 

っていう出来事があったらしい。

 

一方紗夜先輩に連れられた俺はと言うと

 

「昨日はすみませんでした」

 

何故か謝られてた。なんでって思うところだけどリサ先輩とかから聞いたのかな?

 

「一応聞きますけ…「日菜のことです」せめて最後まで言わせてくださいよ…まぁそれは置いておいて紗夜先輩が謝ることじゃないですよ」

 

「それでも日菜は私の妹ですから。羽沢さんから聞きました。手伝いのことを言われた時すごく怒っていたと」

 

「え、顔に出てたのかな…」

 

「そんな雰囲気でしたと。今井さんにも確認してみましたけど同じこと言われました」

 

「マジか」

 

なるべく顔に出さないようにしてたつもりなんだけどな…

 

「それと羽沢さんも蘭ちゃんにお願いされたからだけど私の負担減らすために手伝ってもらうのが申し訳ないって、ポピパは主催ライブもあるのにその上文化祭でもライブをするし文化祭では優弥君もステージに立つのにって」

 

「……蘭と同じこと言ってたんですね。でもその前に1つ、文化祭のこと誰から聞いたんですか?俺つぐみには話してないし羽丘にいる彼女と言えばロックや明日香だけどロックには電話だし明日香には家で直接ですよ?どっからその話が行ったのか気になるんですけど」

 

「そうなんですか?

 

……あ、ひょっとしてRoseliaからかもしれません」

 

「Roselia……なるほど、燐子先輩は生徒会長だから俺がステージに上がることを知っている。休憩中の雑談でその話が出て知ってたってところですかね。それで昨日俺が帰った後をリサ先輩がつぐみにそのこと伝えたのかもしれませんね」

 

「不用意にすみません」

 

「いえいえ、SNSとかでは内緒にしてもらえればいいですよ。その方が当日たくさんの人の驚いた顔見れますから」

 

「ふふ、悪い方ですね」

 

なんで俺がステージに上がること知ってるのかって思ったけどRoseliaから伝わったんだな。一応他言しないように伝えておくか。

 

「それと手伝うことについては気にしないでいいってことも伝えておいてください。昨日みんなに言った通りポピパ優先で動くからって」

 

「分かりました」

 

「それと紗夜先輩も日菜先輩のことで謝らなくていいですからね?無茶苦茶なこと言うのは香澄と同じですけど香澄と違って人の言うこと聞かないのは俺が嫌いなタイプってだけなんで紗夜先輩は気にしないでください」

 

「分かり…ません」

 

「そこはわかって!?」

 

「冗談です、でも明らかに困るようなことしたら止めても謝りますからね」

 

「まぁ妹がってなるとそうなっちゃうか、了解です」

 

紗夜先輩も冗談言うんだな〜って思いつつとりあえずこの話は終わりになった。

 

「そろそろ戻りましょうか、長時間となるとポピパの皆さんに悪いですし」

 

「そうですね、まぁ真面目な話だろうってことは紗夜先輩の雰囲気でわかったと思うし大丈夫ですよ、あの香澄ですら気付いてたんですから」

 

話を終わりにして紗夜先輩と一緒に戻ると美咲が加わっていた。紗夜先輩も一緒にいてもらって昼休み終わるまで中庭で楽しく話していた。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「ここでやるのか?」

 

「うん」

 

放課後、たえが今日も路上ライブをやるってのとで俺もついてきた。まぁ今回は見るだけでギターは持ってきてないけどな。人が集まってきたらたえがギターを弾き始め、その曲が終わると見てた人から歓声があがった。

 

するとたえが携帯を見て俺のことを手招いた。なんだ?

 

「歌詞のテーマだって」

 

「また会える…か、いいんじゃないか?」

 

「うん、また会える…優弥も聞いて、聞いた事ないと思うから」

 

「わかった」

 

そういうと次の曲を弾き始めた。たしかに聞いた事ない曲だな。

 

すると曲の途中から1人立ち一緒に歌い出した。たえもそのまま続けてるし知り合いなのかな。終わると大きな拍手がし、途中から入った人がたえを引っ張っていった。

 

っかギターケースとバック置きっぱだぞ!?仕方ないからたえのケースとバックを持って走って追いかけた。案外すぐ追いつけたけど。

 

「久しぶり花ちゃん」

 

「いつ帰ってきたの?」

 

「最近だよ」

 

「おいたえ」

 

「あ、優弥…ってそれ私のだ。ごめん」

 

「大切な物なんだし置いてくなよな?」

 

とりあえずたえに返した。ずっと俺が持つの面倒だし。

 

「花ちゃん……ひょっとして彼氏?」

 

「違うよ、同じバンドメンバーの優弥だよ」

 

「そうなんだ、私和奏レイ、よろしくね」

 

「俺は山本優弥、よろしく」

 

「レイとは音楽スクールの近くでよく一緒に歌ってたんだ〜」

 

自己紹介したけどまさか彼氏と間違われるとは……まぁ状況的におかしくないか

 

ってかスクールじゃなくて近くなんだ?

 

「レイもバンドやってるの?」

 

「うん、ベースやってる」

 

ベース、たえがギター、なるほど

 

「たえと一緒にやるためか」

 

「すごい、よく分かったね」

 

「別の楽器選んでるしそうかなって思っただけだ」

 

「どんなバンドでやってるの?」

 

「ちょっと前まではサポートで入ってたんだけど……つい最近スカウトされてそこでやることになったの。だからまだライブはしてないかな」

 

スカウトか、凄いな。

 

「さっき山本君が言った通り花ちゃんと一緒にやるためにベースを選んだの。花ちゃん、一緒にやろう」

 

「「えっ」」

 

いきなり何言ってんだ?

 

「どれくらい凄いか、聞けばわかる」

 

そう言ってきたから俺も曲を聞かせてもらった。たしかにこれは凄い。たえも「凄い」って呟いてたし。

 

「和奏」

 

「レイでいいよ?」

 

「そうか?俺の事も優弥でいいぞ。それじゃあレイ、たしかに凄いのはわかった。一緒にっていうのはサポートギターとしてってことでいいのか?」

 

「うん、だけどうちのプロデューサーが気に入ったらスカウトしちゃうかも」

 

「そうか、たえは渡さない。

 

でもサポートで入るかどうかはたえ、お前がよく考えて決めろ」

 

「いきなりドキッてさせないでよ優弥。渡さないなんて言われたら嬉しくなるよ。

 

わかった。レイ、サポートになるかどうかはちょっと考えさせて」

 

「うん。待つよ」

 

ドキってさせたつもりはないんだけどな。

 

「でもちょっと条件はある」

 

「「えっ?」」

 

「たえがもしサポートギターを引き受けるって決めた場合止めはしない。ただしあくまでたえはPoppin’Partyの花園たえだ。あ、俺たちのバンド名な?だからポピパのライブを優先させろ。そっちのライブの日程を決める時ポピパのライブが無いことを確認してから決めるようにしろ。もしそれが破られたらサポートギターをやめさせる。2人ともいいな?」

 

「わかった」

 

「うん」

 

「それとその条件をプロデューサーにも言いたいから引き受けることになった場合合わせてくれ。直接話して約束したいから」

 

「わかった。じゃあ一応連絡先教えてもらえる?」

 

「そうだな」

 

一応レイとは連絡先を交換しておくことにした。俺もプロデューサーやってる人に直接伝えたかったしな。あとはたえがどうするか……これは自分で決めてもらうしかない。まぁでも大丈夫だろ、普段よく分からないこというたえだけど、バンドに関してはちゃんと自分で答えを出せるやつだから。

 

 

 

 




今回7話オリジナル展開入れすぎましたね。

今後ですが外伝の方を数話投稿してから2期8話をやっていくつもりです。次回までお待ちしていてください。


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40、テスト

お久しぶりです。一応2期8話入りました。オリジナル多めですが……
テストは勉強のことではありません。

[ ]→は電話の相手です


一応注意、外伝と間違えたと思う人いるかもですけど大丈夫です。間違いじゃないので読み進めてください。


 

 

-----レイに会った2日後-----

 

prrrrr

 

 

電話…たえか?となると決めたのかな?

 

「もしもし」

 

[もしもし優弥?今いい?]

 

「大丈夫だぞ」

 

とあるホテルの一室でたえからの電話に出ている。花音先輩今シャワー浴びてるしそれまでは大丈夫かな。なんで花音先輩とホテルにいるかって?そこはまぁ……内緒だ

 

[サポートのことなんだけど]

 

「決めたんだな」

 

[うん]

 

やっぱりか

 

「それでどうするんだ?」

 

[私引き受けようと思うんだけどいいかな?]

 

「もちろん。お前が自分で考えて決めたことなら尊重するよ。ただし条件は覚えてるな?」

 

[もちろん]

 

「それならいい。明日蔵で集まれる日だしちゃんと言うんだぞ?」

 

[わかった]

 

どうやらサポートを引き受けることにしたみたいだ。条件も覚えてるみたいだし問題なさそうだな、明日集まった時にみんなに話してもらうことにした。

 

それで電話を切ろうとしたら

 

「優弥君お待たせ〜」

 

花音先輩がバスローブ姿で出てきた。電話中だし待っててくれってジェスチャーをしておいた。

 

[今の花音先輩の声だよね?もしかしてデート中だった?]

 

「大丈夫気にすんな……ちょっ!?」

 

[優弥?]

 

花音先輩がよってきたと思ったらいきなりズボンのチャック降ろして俺のを出して顔を近付けたと思ったら……電話中だからやめてくれ

 

「な、なんでもない、たえ、ちゃんと明日言うんだぞ?」

 

[わかった、邪魔したら悪いからもう切るね]

 

「っ、あ、あぁ、また明日な」

 

とりあえずたえにナニされてるかはバレずに済んだかな?意外と気が付いてたりして?

 

「ちょっと花音先輩?」

 

「えへへ、ごめんね?我慢できなかった♪」

 

そんな笑顔で言われたら怒れない…

 

「それに電話しながらバレないように耐えてる優弥君可愛かっ…きゃあっ、ゆ、優弥君///」

 

可愛いなんて言われても嬉しくないな〜って思いつつ花音先輩を押し倒したら可愛い悲鳴がした。花音先輩の方がよっぽど可愛いな。それに押し倒した拍子にか、花音先輩の身につけているバスローブがはだけているのがまたいい。

 

「可愛いなんて言われても喜びませんよ」

 

「う、うん///」

 

「それじゃあ花音先輩の可愛いところいっぱい見せてもらいますね」

 

「うん、いっぱい私のことを見てね」

 

「もちろん」

 

この後はベッドでたくさん花音先輩の可愛いところを見せてもらい一緒にシャワーを浴びて時間になったらホテルをあとにした。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「練習の前にちょっといいか?」

 

『?』

 

「それじゃあたえ」

 

「うん」

 

たえから電話をもらった次の日、蔵に集まって練習の前に言うとたえ以外のみんなが"なんだろ?"という顔で俺の方を見た。まぁ当然か、みんながこっち向いたところでたえに促した。

 

「別のバンドに行きたい」

 

『え……』

 

「いや言葉足らずすぎるだろ!?」

 

「どういう…こと?」

 

そりゃそうなるわ……

 

「たえちゃんと説明しないと分からないぞ」

 

「あ、ごめん。

 

実はレイ……私の幼なじみなんだけどレイがスカウトされたバンドに私も一緒にやらないか誘われたの。曲も聴いた、凄い痺れた」

 

「そんなに良かったんだ」

 

「一緒にってサポートギターってこと?」

 

「うん」

 

「びっくりしたぁ」

 

「サポートギター?」

 

「簡単に言えばヘルプで入るみたいなもん、前にスペースでスタッフの代わりに手伝ったろ?そんなもんだ」

 

「なるほど〜」

 

りみは納得した感じだが香澄はサポートギターがよく分かってなかったから簡単に説明しておいた。ものすごく簡単に…

 

「デモテープ聴いて私もこんな音弾いてみたいって思った。ここで修行して私もっとギターを上達させたいって、だから…お願いします。行かせて下さい」

 

修行…ね

 

「わかった!私たちももっと上手くなるようにするからおたえはそこで全力で修行してきてね!ポピパのために!」

 

「香澄…ありがとう」

 

「みんなもいいかな?」

 

『うん』

 

香澄の問いかけに反対する人はいなかった。

 

でもこれだけは言っておくか。

 

「たえ」

 

「優弥、約束は覚えてる」

 

「そうじゃなくて……いやそれもだけど向こうのバンドで修行なんて口に出すなよ?レイはスカウトされたって言ってたけど多分他のメンバーもスカウトされてると思う。それだけそこのプロデューサーは本気のはずだ。だから修行したいって思うのはいいけど口には絶対出すなよ?間違いなくやめさせられると思うから」

 

「わかった、やるからには本気でやってくる」

 

「それならいい、ついでに言っておくけどもしかしたらちゃんとやっていけるか試す……簡単に言っちゃえばテストするかもしれないからそういうのあるか聞いておいてくれ、プロデューサーが許可すれば俺も行って話しておきたいことあるからさ」

 

「うん」

 

とりあえず今言っておくのはこれくらいだし練習に入った。

 

そして練習後

 

「そういえばゆーくん聞いたよ〜昨日大活躍したって」

 

「大活躍?」

 

急に言われたけどなんのこと?

 

「花音先輩から聞いたよ〜花音先輩のこと助けたんだって?」

 

「ああ〜」

 

昨日偶然花音先輩に会った。会ったって言ってもチャラい男に声掛けら…まぁナンパしてる奴がいたんだけど"俺の女に手を出すな"って言って睨んだだけなんだよな〜

 

「それでホテル行ったんだって?」

 

沙綾も知ってる…となると他のみんなも…ってか

 

「花音先輩からどこまで聞いたんだよ!?」

 

「全部!」

 

「それでそれを香澄ちゃんからみんなに伝わったんだよね」

 

「そうそう、今日の昼食べてる時にな〜」

 

いやタイミング……ってか口止めはしてないけどまさか全部話してるとはな〜まぁ助けてくれたお礼に……って名目だけどほんとはシたかっただけなんだけどな〜花音先輩も最終的にシたかったって言ってたし。

 

「あ、もしかして電話中何かチャックが動く音してたのって」

 

「っ!?聞こえてたのかよ!?」

 

「うん、そういうことだったんだ」

 

たえに納得された…

 

「電話しながら…今度ヤる時有咲に電話しちゃおうかな〜」

 

「はぁ!?私!?」

 

香澄がとんでもないことを言うと……

 

「私もそうしちゃおうかな〜」

 

「じゃ、じゃあ私も…」

 

「なんでみんな私なんだよー!!」

 

沙綾とりみまで乗っかってきた…つーか乗っかってくるなよ!?

 

「じゃあ私はロックに…」

 

いや有咲もかい!?

 

これ以上話してるととんでもない方向に話が行きそうだから解散した。帰った後たえから明日レイがいるバンドに行くって電話がかかってきたから俺も行くことにした。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「で、でけぇ…」

 

「そ、そうだね」

 

マンションに来くるように言われてたみたいだけどでかすぎないか?

 

「花園たえさんに山本優弥さんですね?」

 

「そうだけど…君は?」

 

「私パレオと申します、どうぞこちらへ、ご案内します」

 

たえと一緒にマンションのデカさに圧倒されていると中からパレオって子が出てきた。案内してくれるみたいだ。

 

「レイヤさん紹介の花園たえさんは中へ、山本優弥さん……でしたよね?」

 

「ああ」

 

「優弥さんはこちらで座ってお待ちください、たえさんはテストをさせていただくのでもし何か話があればその後でお願いします」

 

「わかった、まぁ俺もたえが合格しない限り話すことないからな、頑張れよたえ」

 

「うん、行ってくる」

 

「ちょっと……意外ですね」

 

「何がだ?」

 

案内してくれたパレオの指示に従ってたえが指定された扉の方へ向かっていくと俺に向かって意外と言ってきた。何が意外なのか分からんが……

 

「自分も見せろ〜みたいなこと言われるのかと…」

 

「優弥はそんなことしないよ」

 

「あぁ、テストって言ってもお前たちの曲やるんだろ?だったらライブで聴きたいじゃん。まぁたえがデモテープ渡された時は一緒にいたから聴いちゃったけど……

 

だから俺はたえなら大丈夫って信じてここで待ってるよ」

 

「なるほど、素晴らしい方なんですね」

 

「うん、そうだよ。まぁたくさんの子と付き合ってるけど」

 

「大胆な方ですね」

 

俺が一緒に中に入りたいのかって思われてたみたいだけどそんなことしない。つーかたえ、最後の一言いらないぞ。パレオって子も特に突っ込まないのは驚いたけど。

 

それからパレオもたえと一緒に中に入っていって数分待つと、中から猫耳みたいなヘッドホンをつけた子が出てきた。パレオも一緒に

 

「貴方がユウヤヤマモトね!」

 

「そうだけど君は?」

 

「初めまして、プロデューサーのチュチュと申します」

 

「プロデューサー!?あ、初めまして、たえと同じバンドメンバーの山本優弥です」

 

どうやらプロデューサーみたいだ。あれ?でも学生服着てるな…つーか結構有名な進学校のだったはず…

 

「敬語は無しでいいわ。飛び級で進学してるけど年齢はパレオと同じで中学生と同じ年齢だから。貴方もその方が話しやすいでしょ?」

 

「そこはどっちでもいいけど…それなら敬語は抜くな」

 

「ええ、それでタエハナゾノは合格よ、このまま練習してもらうつもりだけど大丈夫かしら?」

 

「今日はPoppin’Party……俺たちのバンドは休みだから大丈夫。たえもそのつもりで来てるから」

 

「それでレイヤから合格の場合話があると事前に聞いてるわ、そのために私と会いに来たのだけど10分で足りるかしら?」

 

「問題ないぞ、そっちから何か言われたりしなければたけど」

 

「じゃあ聞かせてちょうだい」

 

年齢的には中学生ってことには驚いたけどあえてスルーしよう。10分ってことは多分休憩させてその後練習だと思うし。

 

チュチュにはたえのサポートは許可するけどポピパのライブを優先すること、それとライブの日程を決める時はたえにポピパのライブがないか事前に確認することをお願いして了承してもらえた。これが守れなかったらこのバンドでのサポートギターをやめさせるということも伝えておいた。

 

あとはこれを守ってくれるって信じるだけだ。

 

 

 

 

 

 




今回はここまでです。次回までお楽しみに。


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41、公開リハ

お久しぶりです。2期8話分の話が終わります。


 

とある日の羽丘学院会議室にて

 

 

「それじゃあ改めてメンバー紹介」

 

「ボーカル彩ちゃん!

 

ギターモカちゃん!

 

ベースリサちゃん!

 

キーボードつぐみちゃん!

 

ドラム花音ちゃん!

 

マネージャー的存在優弥君!

 

そしてプロデューサーの私!このメンバーで文化祭までやっていくよ!」

 

ある日突然呼ばれて羽丘にやってきたけど理由は文化祭のバンドについてだった。まぁ今日はポピパの練習はないし生徒会の方は香澄が手伝うって言ってたから俺も参加できてるけど。

 

「じゃあまず彩ちゃんから一言!」

 

「はい!

 

今回は集まってくれてありがとうございます。高校最後の文化祭最高の思い出にしたくてバンドメンバー集めることになりました。ほとんど日菜ちゃんが集めてくれたようなものだけど…

 

素敵なライブできるように頑張りましょう!ライブまでよろしくお願いします!」

 

おお〜1回も噛まなかったな彩先輩。っていうのは置いておいてそっか、つぐみやモカは違うけど他のメンバーは3年生だもんな。日菜先輩に無理矢理メンバーにされたのは今でもムカついてるけどできる限り協力すっか。

 

「でもさ〜バンドって言っても曲どうする?」

 

『う〜ん…』

 

リサ先輩の一言でみんなが悩み出した。まぁバンドしたいってだけで他は特に考えてなかったみたいだし仕方ないか。みんなに共通するテーマあるけど気付くかな?

 

……つーか香澄、何こっそり入ってきて座ってメモ用意してるんだ?有咲の手伝いはどうした?

 

「ポピパって優弥君が作ってるの?」

 

「違いますよ花音先輩、基本みんなに任せて俺がこうした方がいいんじゃないかってところを指摘してみてよくしていってる感じです。それで練習していってまだよくできそうな部分あればそこを直して…って感じで作ってます」

 

「そうなんだ、うちは美咲ちゃんが上手く落とし込んでくれてるから……」

 

前に美咲から聞いたことある。美咲曰くハロハピの3バカ組がよく分からないことを言って花音先輩が"ふぇぇ"って言ってそれを……落とし込むって。どこに落とし所あるのか未だに謎だ。

 

「Roseliaはどうなの?」

 

「ん〜うちは友希那がベッドに横になって…お菓子も周りにちらばってて…いつの間にかできてる……まぁ簡単に言っちゃったら友希那が作ってるね」

 

「か、簡単すぎっすね。ちなみにパスパレは多分事務所で用意してるんだと思うけどAfterglowはどうなんだ?」

 

「おぉ〜」

「あ、当たってる」

 

Roseliaは基本的に友希那先輩か。パスパレは予想通り事務所、あとはAfterglowがどんな感じなのかだ。

 

「私たちは屋上で集まって考えることが多いかな」

 

「よく集まってるの見るよ〜」

 

「私たちにとって屋上は大事な場所だからそこで集まって考えることが多いです」

 

みんなで考える辺り俺らとあんま変わらないのか。

 

「でも〜モカちゃんちょっと気になるんだけど〜」

 

『?』

 

「ハロハピもだけどポピパも作るの大変ってイメージ〜こころほどじゃないと思うけど香澄も時々分かりにくいこと言うでしょ〜?」

 

「!?」

 

モカが気になることを言うと香澄すげぇ驚いてるな。見てて面白い。

 

「そんなことないさ。歌詞はまぁ……みんなに分かるように訂正してるところあるけど……曲のテーマとかはかなりわかりやすいし普段からあまり訂正してないかな。だから……」

 

『?』

 

これから言うことにみんなどんな反応するかな?

 

「これからもこの感じでいいからな、香澄」

 

「え?優弥?香澄今いないよ?」

 

「そんなことないですよリサ先輩、隣見てください」

 

「隣……うわぁぁ!?」

 

『香澄ちゃん!?』

 

ははっ、予想通りめっちゃ驚いてる。

 

「い、いつから隣に!?」

 

「曲どうする?って言ってた頃こっそり入ってきてメモの用意してましたよ」

 

「ゆーくんにいるのバレちゃってたけど曲作りの参考にしたくて…」

 

「気持ちは分かるけど香澄、今日は有咲や燐子先輩たちのこと手伝うんだろ?だったらそっちやらないとダメだぞ」

 

「はーい、ゆーくんはまだここにいるの?」

 

「まだ会議中だ」

 

「わかったー」

 

そう言って香澄は出ていった。いや〜香澄も羽丘に来ることは知ってたけどここに入ってくるのはびっくりだ。

 

「なんかすみません、うちの香澄が」

 

「まぁ香澄らしいって言えば香澄らしいけど……でも優弥ちゃんと教えてよ〜びっくりするじゃん!」

 

「あ、反応見たくて黙ってました」

 

「ちょっと!?」

 

「リサちゃんごめんね?私の優弥君こういういたずらっぽいところあるから〜」

 

「「……そのうち私のにもなってもらいたいな」」

 

……ナチュラルに私のって言ってるの気付いてるかな?

 

それと彩先輩につぐみ?ボソッと言ってるの聞こえてるからな?聞こえないフリしておくけど

 

「まぁそれより、曲のこと決めていきましょう」

 

「むぅ……後で覚えておいてよ優弥」

 

「えぇ……」

 

「でもほんとどうしよう……最高の思い出を作りたいとは思ったけどそこまでは考えてなかったよぉ」

 

「何か5人共通するテーマを決めるといいんじゃないですか?」

 

「共通するテーマ……私たちだとバンドに所属してるってことだけど」

 

話を逸らして曲のことを話し合うことにした。俺が何か共通するテーマっていうとみんな考え出した。日菜先輩はわかってる顔してるから言わないようにジェスチャーしておいた。

 

「ねぇ、優弥君ほんとは何かあるってわかってるんじゃない?」

 

「あ、つぐみにはバレてたか」

 

「いや〜モカちゃんもそんな気がしてるよ〜ただ〜何が共通してるかまでは…」

 

「難しいよね〜勿体ぶらないで教えてよ優弥〜」

 

「お願い優弥君」

 

「私からもお願い優弥君」

 

みんなほんとに思い浮かばないのか。

 

「じゃあ……コンビニにファミレスに珈琲店と言えば?」

 

『え?』

 

いきなりのことにみんな何言ってるんだろ?って顔してるけどこれヒントなんだよな。

 

「あ!わかった!」

 

「つぐみ言ってみな?」

 

「バイトだよ!リサ先輩とモカちゃんはコンビニ、彩先輩と花音先輩はファミレス、私は家の珈琲店、みんなバイトしてるよ!

 

私も珈琲店の手伝いと言ってもバイトの人たちと同じ扱いだよ」

 

『ああ!』

 

「正解だつぐみ」

 

「やったぁ!何かご褒美欲しい……な///」

 

えっと……そんなつもりでもんだみたくしたわけじゃないんだけど……まぁいいや。近くに行って少し撫でてあげたら嬉しそうにしてくれた。

 

そこからどんどん話が進んでいきあっという間にバイトの応援ソングが完成した。

 

……いやテーマ決まってから早すぎだから!?

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「ゆーにいーー!」

 

「うわっ、明日香か、香澄みたいなことするな〜」

 

「だってお姉ちゃんの妹だもん!」

 

「ほんとだな、駅まで一緒に行くか?」

 

「うん!」

 

有志バンドの会議が終わって花咲川に戻ろうと羽丘の校門を出るところで明日香に後ろから抱きつかれた。ちょっと前まではこんなことしなかったのにな、まぁ好きって気持ち隠してたからだと思うけど……

 

とりあえず駅まで一緒に行くことになったから腕に抱きついてきた。

 

「そういえば有咲さんとお姉ちゃん2人とも来る時一緒だったけど出ていくのバラバラだったよ」

 

「あ〜香澄が会議にこっそり入ってきてたから」

 

「お、お姉ちゃん……」

 

「みんなが驚くの面白かった〜」

 

「ゆー兄ってば……」

 

あ、明日香にため息つかれた。でも見てるの面白かったから仕方ない。

 

「あれからロックとはどうだ?」

 

「大丈夫、ちゃんと仲良くできてるよ」

 

「そっか、よかった」

 

「でも……」

 

「ん?」

 

ロックとはあれからも仲良くできてるみたいで良かった。

 

でも……なんだ?

 

「私といるのに他の女の子の名前出さないでよ〜」

 

「そう来たか!?」

 

「なんてね、冗談だよ。心配してくれてたのわかってるもん」

 

「ったく〜でもよかったよ」

 

「好きなことに夢中になるのも六花のいい所だから」

 

「いや夢中になりすぎて友達大事にしないのはよくないことだからな?」

 

「ま、まぁね……そのせいでゆー兄に情けないところ見せちゃったし」

 

「弱ってる明日香も可愛かったぞ」

 

「もぅ///」

 

なんかロックのことで話続きそうだな。無理矢理話題変えとくか

 

「そういえば明日香のクラス何やるんだ?」

 

「セッションカフェだよ、うちのクラス楽器出来る子多いからギター貸し出したり簡単なドラムやキーボードも用意して好きな楽器選んでもらってやることになってる。自分の持ち込んでも平気だよ」

 

「へぇ〜まぁ楽器持ちながら回るのは嫌だから俺も借りるけど……明日香は何かやるのか?」

 

「簡単な曲ならギター少しだけできるようになったよ、きらきら星とか」

 

きらきら星ね〜やっぱり姉妹だな。

 

「じゃあ明日香とやる時何使うか考えとくわ」

 

「わかった、楽しみにしてるね!」

 

駅につき電車に一緒に乗り、俺が降りる駅までずっと話していた。もちろん他の乗客に迷惑かけないように。まぁ最後分かれる時キスしてたからもしかしたら他に乗ってる人に見られてたかもな。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

-----合同文化祭数日前-----

 

「ロック」

 

「優弥先輩!?なんでギター持ってるんですか!?」

 

羽丘に到着するとロックが看板を持って落ち込んだ状態で座っていた。俺が声をかけるとギターを持ってることに驚いていた。俺がここにいるのは驚かないんだな。

 

「今日ちょっと……な、もうすぐ分かるよ。それよりロック」

 

「気になりますよ〜どうしました?

 

……え!?ここ学校ですよ!?」

 

「わかってるけどちょっと休ませて」

 

ロックが驚いた理由。それは俺がロックに膝枕してもらったからだ……勝手に……

 

「優弥先輩……無理してませんか?」

 

「大丈夫、無理はしてないよ」

 

「でも休ませてって先輩らしくないと言いますか……」

 

「ほんとに無理はしてないから大丈夫、ちょっと疲れてるだけ」

 

無理してないっていうのはほんとだ。でも彩先輩たちのバンドの手伝い、燐子先輩たちの生徒会の手伝い、それとポピパの方で動いてるから流石に疲れてる。

 

……ロックの太もも気持ちいいな。他に人が通らないようなところだったら何かしてたな。

 

「それならいいですけど無理しないで下さいね」

 

「わかってる……もっと撫でてくれ」

 

「ふふ、今日の優弥先輩甘えん坊ですね」

 

なんか落ち着くな〜ロックの太ももも優しく撫でてくれてるのもめっちゃ気持ちよくて

 

「それよりバンドメンバーやっぱり見つからないか?」

 

「はい……メンバー集まってないところはあるけどドラムとかベースとか募集してて……ギター募集してるところが……今からじゃ間に合わないし文化祭のライブは諦めるしかないです」

 

「そっか……まぁ仕方ないさ、無理矢理一緒にやってもらってもいいライブなんかできないし」

 

「そうですね」

 

「あれ?優弥と六花じゃん?なになに〜?イチャついてるの〜?」

 

「り、リサ先輩!?」

 

「そんなことないっすよ、イチャつくなら人目のつかないところでしますって〜ロックの膝枕で休んでるだけです」

 

ロックと話しているとリサ先輩がベースを持ってやってきた。ベースを持ってる理由は俺と同じだ。ただ違うのは1つだけ俺にしか聞かされてないことがあるくらいだ。

 

「それは少しイチャついてるとも……え?休んでるってまさか無理してたとかじゃないよね!?」

 

「違いますよ、無理はしてないけど疲れてるだけです」

 

「もう〜人の手伝いはいいけど程々にするんだよ?」

 

「そうですよ優弥先輩」

 

「気をつけまーす」

 

リサ先輩も入れて3人で話をしていると

 

「え〜これより特別バンドによる公開リハが行われまーす!見たい人は講堂までお・か・しで移動してね!おさない、かけない、知らない人についていかなーい!それに今日の公開リハでは当日ステージに立たない人もリハ限定で出るからね〜」

 

と校内放送があった。俺がギターを持ってる理由はまさにこのためだ。

 

「日菜め〜リハとは聞いてたけど公開とは聞いてないぞ〜」

 

「そんじゃリサ先輩行きますか」

 

「そうだね〜……ん?まさか優弥知ってた?」

 

「じゃなきゃギター用意してきませんよ」

 

リサ先輩めっちゃ驚いてるな、まぁその為に誰にも言わなかったし仕方ないか。

 

「優弥先輩リハ限定!?行かなくちゃ!?」

 

「ロック、見ててくれるか?」

 

「もちろんです…んっ//リサ先輩見てますよ//」

 

「……そうだった」

 

「やっぱりイチャついてる……」

 

リサ先輩の前でロックとキスをして講堂へと向かった。講堂につくと花咲川の生徒も何人か来てるのがステージ袖から見えた。サプライズゲストってことで俺はステージ袖で待機してるけどわかる人には誰が出るかわかるよな。

 

今は彩先輩が挨拶してるところだ。

 

「高校最後の文化祭、最高の思い出にしたくて特別なバンドを作りまちた……うぅ……」

 

あ、噛んだ。一緒にステージに立ってる人たちはフォローしている……けどモカの

 

「噛めば噛むほど味が出ますよ〜」

 

ってのはフォローになってない気がする。

 

「え〜それじゃあこの公開リハ限定で一緒に演奏してくれるギタリストの登場でーす!どうぞー!」

 

ここで彩先輩から登場を促された。リサ先輩と一緒にステージ袖に移動してたから彩先輩たちも俺が出ることを知っている。ステージ袖の時は期待通り驚いてたけど。

 

なんか知らないけどステージに出たら凄い歓声してるんだけど!?知ってるバンドメンバーはともかく全然知らない人からも

 

「え、カッコイイ」

 

「イケメンだー!」

 

観客からちょっと聞き取れたのあるけどそんなことはない。

 

「はい優弥君、挨拶挨拶」

 

「ありがとうございます。

 

今回公開リハ限定で一緒に弾く花咲川学園2年の山本優弥です。リハでも盛り上げていくんでよろしくお願いします!」

 

簡単に挨拶するとまた会場が盛り上がった。なんで?

 

まぁそれは置いておいて特別バンドによる曲【ひとりじゃないんだから】を披露して宣言通り盛り上げることができたからよかった。

 

香澄たちもこれを見て文化祭も主催ライブもどっちも頑張ろうってまた気持ちを引き締めていた。

 

 

でもこの時はまだ何も知らなかった。たえの方で重大な問題が発生することを……

 

 

 

 

 

 




とりあえずオリジナル展開挟みながら11話の分まで書いたら外伝行こうと考えてます。変更になるかもしれませんけど……

次回までお楽しみに


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42、できる限りの対策

2期9話関連の話です。

……一応


 

prrrr

 

「ん?もしもしたえ?」

 

[ゆう……や……]

 

「どうしたたえ!?なんで泣いてるんだ!?」

 

夜突然たえから電話がかかってきた。電話に出ると泣きながら俺を呼んでるけど何があったんだよ!?

 

[ごめん……]

 

「ごめんって何がだ?」

 

[サポートバンドと…文化祭のライブ被った]

 

「は?」

 

泣いてる理由は分かった。でもなんで被るんだよ……約束はどうしたんだ!?

 

[被ってることも優弥との約束のこと伝えても知らない聞いてないしか言わなくて……レイも一緒になって言ってくれたけど聞いてくれなくて……私……どうすればいいの……]

 

「……とりあえず明日俺はチュチュに会いに行くからたえはみんなにそのこと伝えろ、話はそれからだ」

 

[わかった……ごめんなさい……]

 

とりあえず明日考えるってことにして電話を切った。まぁこれはもちろん口実で切らないと俺が怒鳴り散らしそうだったからだ。あまりにもイラついたせいで部屋の壁を思い切りグーで殴るように叩いた……いてぇ

 

今できることは……文化祭ライブの順番最後にしてもらうことともうひとつ、ロックにも頼んでみることか。まずは燐子先輩からだ。

 

[もし…もし?]

 

「夜遅くすみません燐子先輩」

 

[い、いえ、どう…しました?(優弥君と電話できてる//)]

 

「実は相談がありまして」

 

燐子先輩にたえのことを正直に伝えた。サポートの方とライブが被り予定していた時間に間に合わないこと。その上でポピパの順番を最後にできないか、それと今から追加でライブをできないか聞いてみた。

 

[協力……したいですけど……私だけじゃ……決められないですね]

 

「このこと日菜先輩からもOK出れば大丈夫ですか?」

 

[はい……大丈夫……です]

 

「分かりました、早速聞いてみます」

 

燐子先輩との電話を切り今度は日菜先輩に……って言いたいところだけど番号知らないから紗夜先輩に電話して代わってもらうか。

 

[もしもし?]

 

「夜遅くすみません紗夜先輩」

 

[いえいえ、こんな時間でも声聞けて嬉しいですよ?毎日でもいいくらいです]

 

「そう言ってもらえるのは嬉しいんですけど日菜先輩いますか?緊急で相談したいことがあるんですけど」

 

[そうですか……私じゃなくて日菜と……]

 

「えっと……紗夜……先輩?」

 

す、拗ねてるんですか?とは聞けないけどそんな感じがするのは気のせいじゃないはずだ。

 

[はっ!?なんでもありません///代わりますので少し待って下さい]

 

とりあえず代わってもらえるみたいだ。

 

[もしもし優弥君?どうしたの?]

 

「日菜先輩、文化祭のライブのことで相談がありまして」

 

日菜先輩にも燐子先輩にした時と同じことを説明した。日菜先輩が良ければ大丈夫と燐子先輩が言ってたことも伝えて。

 

[なるほどね〜それはいいけど明日のうちに申し込みしてね!燐子ちゃんでも私でもどっちでもいいから]

 

「分かりました、ありがとうございます」

 

ライブの件はなんとか許可を貰えた。また何かあった時のために電話番号も教えておくことになった。それは紗夜先輩にお願いしておいたけど……

 

……どうでもいいことばかり連絡してきたら文化祭後に着信拒否しとくか。

 

あとはロックだな。

 

[もしもし優弥先輩?何があったんですか?]

 

「夜遅くに悪いなロック、ってまだ何も言ってないのに何かあったって思うのかよ!?」

 

[今日の電話はたしか美咲先輩や花音先輩とのはずですよね?本当は毎日がいいけどたくさん彼女がいるから交代でって決めたのに私にかかってきたから何かあったのかなって思ったんですよ]

 

察しがいいな。

 

「さすが俺の彼女だな。なぁロック、文化祭のライブ俺と出ないか?」

 

[ええ!?優弥先輩ポピパさんで出るんですよね!?]

 

「もちろんそっちも出る。実はなロック」

 

俺はここでたえの事情について話した。当日の時間稼ぎ……ってのもあるけどロックともまたやりたいって思う気持ちの方が大きかったりする。

 

正直ロックのギターならアンコールもらえそうだからそのタイミングで出ていって……っていうそとも考えたけどいきなり声掛けたのにそこまで頼むのはいくら彼女だとしても申し訳ないしな。

 

[そんな事情が……分かりました、それならアンコールもらえた時のために一応2曲練習しておきましょうか]

 

「そうだな、アンコールもらえた場合はSPACEでやった【ロストワンの号哭】でどうだ?1曲目は岐阜にいたころにやった○○って感じがいいかな」

 

[私もやりたいです!アンコールもらいましょう!]

 

ロックもやるって言ってくれた。2曲ともカバー曲だしギターとボーカル以外はいないけどそれでも俺とロックならできるはずだ。お互い明日学校でそれぞれの生徒会長にこのことを伝えておくことにして電話を終わりにした。

 

明日はチュチュのマンションにまずよってから蔵の方に行かないとな。たえにはみんなに伝えるように言ってあるから俺も合流しないとだしな。

 

 

-----翌日-----

 

「やっぱでけぇな、とりあえず入るか」

 

学校が終わってから俺はチュチュのマンションにやってきた。たえのことを話すために、まぁちゃんと応じてくれるかは別だけど。エントランスのインターホンで呼び出すと意外にもすぐ出てくれた。

 

「ユウヤヤマモト?急にどうしたのかしら?」

 

出たはいいけどこの態度ムカつくな。

 

「どうしたじゃねぇよ!たえのことで話があるから来たんだよ!アポ無しで来たのは悪かったけど!」

 

「そう、こっちは話すことないから帰ってちょうだい」

 

「お前になくてもこっちにはあるんだよ!」

 

「人のマンションで騒がないで」

 

「騒がせてるのはお前のせいだろ!もういいからこのまま要件言う、たえをサポートに入れる時約束したことあるだろうが!」

 

「貴方と約束?そんな覚えないわ、じゃあ今日はもうメンバー来て練習あるから切るわね」

 

「おい待て!ちっ、ほんとに切りやがった」

 

勝手にライブの予定組んだ時点で話す気ないと思ってたけどまさかほんとにそうなるとはな。

 

「ゆう……や……君?」

 

「……レイか」

 

とりあえず管理人の人に騒がしくしたこと謝ろうと足を向けようとしたらレイが入ってきた。練習しに来たんだろうな。まぁ……たえから今日は集まってする練習はないって聞いてるから自主練にだと思うけど。

 

「ごめんなさい……」

 

「たえから聞いてる。一緒になって止めようとしてくれたんだろ?」

 

「でも……止められなくて……」

 

「レイまで泣くなよ」

 

「っ、うん…ごめん」

 

謝りながらレイは泣いちゃった。それほど止められなかった自分を責めてるんだな、俺は自然とレイのことを抱きしめて頭を撫でていた。泣き止むとほんのり頬が赤くなってるようだったけどそこは気にしないでおこう。

 

「何もしないわけにもいかないし何か言って。なんでもするから」

 

「あんまそういうこと言わないほうがいいぞ?変なことする奴もいるだろうし」

 

「迷惑かけることになるし私のこと好きにしていいよ」

 

「だからそういうこと言うなって、でも1つ頼みがある、2日目だけでいいからチケット1枚用意してくれ」

 

「そんなことで……いいの?」

 

「レイにとってはそんなことでも俺にとっては重要なことだ。今文化祭の方にも間に合うように対策立ててるところだ。それにはライブのチケットも必要だ。席は別にいいところじゃなくてもいいから。むしろ出入口に近いところだと助かる」

 

「分かった。チュチュに知り合い呼びたいからってお願いしてみる」

 

「頼んだぞレイ。でもチュチュちゃんと用意してくれるか?」

 

「何か言うようなら断るなら今後一緒にやらないって言うから大丈夫」

 

「お、おう……(それは大丈夫って言えるのか?)」

 

レイに2日目のチケットの件を頼んでおいて俺はチュチュのマンションから出ていって蔵へと向かった。

 

向かってる途中で騒がしくしたこと謝るの忘れたことに気が付いたから引き返して謝り、それからまた有咲の家へと向かった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「悪い遅くなった」

 

「ゆーくん…」

 

俺が蔵に到着するとみんなの表情が暗かった。となるとたえから聞いたってことだな。

 

「優弥は…知ってたんだね」

 

「おたえちゃんから聞いたよ」

 

「学校で言ってくれた燐子先輩に順番変えてもらうか相談できたのに」

 

「あ、もう最後に変えてもらったぞ」

 

『ええ!?』

 

まぁ今日たえから直接みんなに伝えるまで黙って1人で動いてたからな、みんなが驚くも無理ない。

 

「昨日たえから電話もらった後燐子先輩や日菜先輩に相談したら変えてもらうことできた。今度お礼ちゃんと言わないとな」

 

「ゆーくん1人で動きすぎだよ!?」

 

「ごめんって」

 

「ううん、そもそも私が断りきれなかったのが問題だから…本当にごめんなさい」

 

「優弥……無理してないだろうな?」

 

「大丈夫、無理はしてないから」

 

『無理は?』

 

「疲れはあるけどちゃんと休んでるから平気だ」

 

「信じるよ?」

 

「おう。とりあえずポピパは最後、Afterglowや特別バンドやった後1組急遽やることになった。そこでたえが間に合っていればポピパ、まだだったらとあるバンドに頼んでおいた」

 

「えっと…優弥動きすぎじゃね?」

 

自分でも思う。たしかにめっちゃ動いてるって。1組っていうのもとあるバンドもっていうのも誰が出るかは内緒にしておこう。少なくとも彩先輩たちの後は俺とロックだし。

 

「それとみんなにお願いだ。まずはたえ、終わったらすぐ来てもらうけど連絡いれてくれ」

 

「もちろん」

 

「他のみんなは連絡もらったからっていって迎えに行くことだけは絶対やめてくれ。間に合うようにできる限りの対策を立ててるから」

 

『分かった』

 

とりあえず今話しておけることはこれが全部かな……多分

 

「あ、それとたえは悪いけど今日の練習終わったら俺の家まで着いてきてくれ。歩きながらはなすから」

 

「わかった。約束破った罰は身体で償えばいいんだね」

 

「うん、全然違う」

 

「冗談だよ」

 

レイといいたえといい……何言ってんだか……つーかたえ、真顔で冗談言うな。お前の場合本気で言ってるかわかんないことあるんだし。

 

「とりあえず練習すっか」

 

「そうだね、みんな準備いいよね?」

 

『うん!』

 

「それじゃあ始めるよ!」

 

話を終わりにして俺たちは文化祭のライブの練習をした。この日の練習が終わるとたえを連れて俺の家に向かった。そこで……

 

 

色々不安を抱えた状態ではあるが文化祭の当日、俺たちポピパがライブする日を迎えた。

 

 

 

 




今回は色々ぼかしながら書いていきましたがアニメ見てる人なら予想できるところもあると思います。まぁ優弥とロックのライブ曲はアニメ関係ありませんが…言えることはガルパにあるカバー曲です。

では次回までお楽しみに


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43、1周年ライブ

 

文化祭2日目

 

 

羽丘との合同文化祭2日目の今日は羽丘に来ている。たえ以外のポピパと美咲や花音先輩と回っているところだ。ちなみに昨日はロックや明日香と花咲川の方を回っていた。さすがにこんなに集まって歩き回っていると他の人からの視線も凄いけどここはあえて気にしないでおこう。

 

「優弥くん、今って戸山さんの妹のクラスに向かってるんだよね?」

 

「まぁな、この時間明日香もロックも当番中だからな」

 

「たしかセッション…できるんだよね?」

 

「そうですよ花音先輩」

 

「優弥君がやるの見れるんだね」

 

美咲が向かってる先を聞いてきてそれに答えると今度は花音先輩がそこでできることを聞いてきたけど……

 

あれ?俺がやることになってる?まぁ明日香やロックとやってみたかったりするけど

 

「明日香ちゃんや六花ちゃんとやるんでしょ?」

 

「あっちゃん楽しみにしてたよ」

 

「もしかしたらあこちゃんともやったりして」

 

「「ありえるね」」

 

あっれ〜俺まだ何も言ってないのにな〜というか明日香楽しみにしてくれてたんだな。りみのあこともやるかもって発言に有咲や沙綾も納得した。

 

とりあえず行ってみてからかな

 

「あっちゃん来たよー」

 

「お姉ちゃん、ゆー兄も……って人数凄いね」

 

「まぁ花咲川の方で付き合ってる人とみんなで来たからな」

 

「なるほどね、入って入って」

 

受付をやってる明日香に大人数のことを驚かれると入るように促された。中に入ると商店街の会長たちがいたのには驚いた。しかも一緒にセッションしようと言ってるから香澄たちもノリノリでセッションを始めた。

 

俺は……可愛い彼女たちを写真に撮ろう。

 

「次の方は?」

 

「私……いいかな?」

 

「明日香ちゃんだね……受付は!?」

 

「変わってもらっちゃった」

 

「ふむふむ、まぁ彼氏が来てるから許してあげるよ」

 

係の人が次の人を募集すると明日香が立候補した。クラスの係の人驚いたけど彼氏がいるって理由で許された。ってかいいのかよ!?

 

ん?あれ?俺が彼氏ってこと知ってるのか?

 

「ゆー兄やろっ!」

 

「約束してたもんな、曲は?」

 

「まだギター簡単なのしかできないから……きらきら星でいいかな?」

 

「おっけ」

 

商店街会長たちと香澄たちポピパのセッションが終わると俺と明日香によるきらきら星が始まった。短いからすぐ終わったけどそれでも楽しかったな。

 

「ありがとうゆー兄!」

 

「どういたしまして、俺も明日香とやれて楽しかったぞ」

 

「優弥先輩次あことやろっ!私ドラムやる!」

 

明日香とのセッションが終わるとあこがやってきた。うん、普通に驚いた。

 

「曲は?」

 

「BLACK SHOUT!」

 

「……え」

 

待て待て待て!?ブラシャ!?Roseliaの!?

 

「ゆー君ファイト!」

「優弥なら弾けるよ!」

「が、がんばれ!//」

「大丈夫だよ優弥君」

 

ポピパ組何言って……

 

「私も見たいな」

「が、頑張って」

 

美咲や花音先輩も何言ってるんだ!?弾けるけどそうじゃなくて

 

「優弥がBLACK SHOUT弾くんだ」

「Roseliaと違う雰囲気になりそうね」

「私も優弥君のBLACK SHOUT聞きたいですね」

「わ、私も……です」

 

あっれ〜なんかRoseliaが集まってきてるぞ〜ってか誰も止めようとしないな〜

 

「分かったよあこ、ここに来てるRoseliaのメンバーが止めないし弾くよ」

 

あこが提案してきたのはRoseliaの曲、さすがにまずいと思ったけど、Roseliaのメンバーが集まってきていて(そのせいで盛り上がっているのは置いておく)何故か誰も止めようとせずむしろ聞きたがっているから弾くことにした。

 

そして弾き終わると

 

「優弥、貴方…Roseliaに全てをかける覚悟ある?貴方ならRoseliaのマネージャーに相応しいわ」

 

と友希那先輩が言ってきた。答えは当然

 

「ありません。俺はPoppin’Partyの山本優弥ですから」

 

ノーだ。

 

「ちょっと友希那先輩!ゆーくんは私たちポピパのですよ!」

 

「心配しないで戸山さん、冗談よ」

 

『(冗談に聞こえなかった)』

 

この時この場にいた全員が同じことを思った。

 

さてと、ずっと俺がやるわけにいかないし他の人と交代しよう……って思ってたら

 

「優弥先輩私ともお願いします!」

 

ロックが自分のギターを持って言ってきた。後で一緒にやるけどここでもやりたいのか。

 

「いいけどラストな?ずっと俺がやるの他の人に申し訳ないしさ」

 

「分かりました。ポピパさんの曲でもいいですか?」

 

「もちろんいいよ!みんなもいいよね?」

 

『うん!』

 

「じゃあキラキラだとか夢だとか〜Sing Girls〜をお願いします」

 

「わかった」

 

ロックのリクエスト曲を一緒に弾くことになった。まぁ香澄たちも乱入してきて一緒にやることになったけどな……

 

ロックたちのクラスのセッションカフェを楽しみ、他のクラスも回りながら過ごし、ついにライブの時間になった。

 

たえ……間に合ってくれ

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「ありがとうございました。高校最後の文化祭、みんなと素敵な思い出が作れて幸せです!

 

それでは次のライブはこのカップルです!どうぞー」

 

彩先輩がふってくれたし俺とロックも準備完了しているからいつでもいける。

 

「行くか、ロック」

 

「はい!」

 

「1組ってゆーくんたちだったんだ!?」

 

「そういうこと、みんな、前に言った通り俺を信じてステージ袖から離れないでたえのこと待っててくれ。頼む」

 

「わかった、信じるからゆーくんたちは最高のライブにしてね!」

 

「おう!」

「はい!」

 

ステージに上がると歓声が上がった。いやまだ出ただけだぞ!?

 

「みんな盛り上がってるかー」

 

 

\イェーイ!!/

 

 

「もっと盛り上がる準備できてますかー」

 

 

\イェーイ!!/

 

 

Afterglowや彩先輩たちのおかげでかなり盛り上がってるな。

 

「早速曲に!っていきたいところだけどまずは自己紹介だ!花咲川学園2年の山本優弥と」

 

「羽丘学院1年の朝日六花です!」

 

「短い時間だけどみんなよろしくなー!

 

今日俺たちがやるのはカバー曲になるしギターとボーカルだけになるけどみんな楽しんでってくれ!それじゃあいくぞ!」

 

簡単な自己紹介を終わりにすると俺とロックが岐阜で組んでたバンドのみんなとやっていたカバー曲の【God knows...】を披露した。ちなみに俺はギター&ボーカル、ロックはギターだ。

 

急遽やることになって練習はそんなにできてない。でも

 

 

\アンコール!アンコール!アンコール!/

 

 

やり終わるとアンコールをもらえた。これでまだ時間稼ぎできるな。

 

「それじゃあ1曲だけな!」

 

「アンコールでやる曲は去年とある場所で披露した曲です、聴いてください!」

 

「「ロストワンの号哭!!」」

 

アンコールでやる曲は【ロストワンの号哭】、これはロックの言った通り去年SPACEで弾いた。まぁ唐突に言われたんだけどな。今回はその時以上にできている。盛り上がったままアンコールも終わらせることができた。

 

「ありがとうございました!みなさん、どうでしたか?」

 

 

\良かったよー/

 

\もっと聴かせてくれー/

 

 

こんな風にあちこちから聞こえるし素直に嬉しい。でも俺らはここまでだ。

 

「ありがとうございます!そう言ってくれて嬉しいんですけど…これ以上俺たちが独占しちゃうと他に申し訳ないんですよ〜ですよね?」

 

ここで俺はいったんステージ袖の方を横目でみる。するとたえが息を切らした状態で到着してるのが見えた。ポピパの衣装には着替えているが今のままじゃちょいきつい。

 

そう思っていると袖から3人が出てきた。その3人は事前にお願いしていたバンドメンバーのうちの3人だった。

 

「Roseliaのみなさん!」

 

「そうだよ〜2人だけずるいよ」

 

「すみませんってリサ先輩、ここからはお願いしますね、友希那先輩たちも」

 

「任せなさい。Roseliaのライブはいつだって最高の音楽を聴かせるわ」

 

ステージ袖から出てきたのはリサ先輩燐子先輩あこの3人、そして観客席の方から友希那先輩と紗夜先輩がステージに上がってきた。

 

そしてステージに1人近付いてきてる人がいる。どうやら俺がギターを貸す必要はないな、なんたって…日菜先輩が使ってほしそうな顔をしてきてるんだから。

 

ステージ近くについた日菜先輩から紗夜先輩はギターを受け取って準備を始めた。

 

「友希那先輩、少し時間稼ぎお願いします。たえは到着してるけど息を切らせてるので…」

 

「えぇ、少しだけ私たちに付き合ってもらうわよ。

 

優弥、それと六花だったわね、あとは私たちに任せてちょうだい。それと休むのは優弥、貴方もよ。最高のライブにしなかったら許さないわよ」

 

「もち!」

 

Roseliaと交代して俺とロックはステージ袖に下がった。たしかに2曲連続は疲れてるし友希那先輩の言う通り休まないとな。

 

Roseliaは【Determination symfony】を披露、その間に俺やたえは少しでも体力回復につとめていた。もちろんライブを見ながら。

 

「よかったよたえ、間に合ってくれて」

 

「でもよく間に合ったな、おたえどうやったんだ?」

 

「優弥のお父さんにバイクで送ってもらったの」

 

『ええ!?』

 

そう、あらかじめ俺の父さんに頼んでおいた。前にたえに家に来てもらった時にな。ただそれでも間に合うかどうかは五分五分だったけどそれでもなんとか間に合うことに成功した。

 

間に合った事情を話しているとRoseliaのライブが終わった。友希那先輩がこっちを見たから俺も目で大丈夫と目線を送った。

 

「みんな、短い時間だったけどありがとう、最後は結成1周年のこのバンド、Poppin’Partyよ」

 

「行ってくるけど呼んだら来てね」

 

「わかってるよ、打ち合わせ通りだろ?」

 

友希那先輩からバンド名を言われるとまず香澄たちが出ていった。まぁ俺もすぐ行くことになるけどな。

 

「イェーイ!みんな文化祭楽しでるー?」

 

 

\イェーイ/

 

 

「今日はポピパ結成1周年!こんな記念すべき日にライブができて嬉しいです!まずはメンバー紹介!」

 

打ち合わせ通りまずは香澄たちが出ていっていつものメンバー紹介を始めた。そして香澄まで紹介されたらライブ…とはならずここで今日まで秘密にしていたことを実行する。

 

「そろそろ…か」

 

「「優弥君」」

 

「紗夜先輩に燐子先輩?」

 

「「が、頑張ってくださいね///」」

 

「っ、もちろん、ありがとうございます」

 

そろそろ出ていくところ…と思っていたら紗夜先輩や燐子先輩がエールをくれた。赤くなって手を握りながら…だけじゃなくて両頬にキスされて…さすがに驚いた。

 

ロックからも…と言いたかったけどポピパが揃ったことを知るとすぐに客席に行ったみたいだ。

 

「そしてなんと!今回のポピパ1周年記念ライブではもう1人います!ギター山本優弥!」

 

「じゃあ…行ってきますね」

 

「貴方たちの演奏しっかり聴かせてもらうわよ」

 

「はい!」

 

近くにいたRoseliaに挨拶してからギターを弾きながら登場していった。

 

\キャー/

 

\さっきのイケメンギタリストだー/

 

\またお前のギター聴けるのかー/

 

\でもそのポジション羨ましいぞー代われー/

 

えっと…なんでこんな盛り上がるの?つーか代わらないからな?

 

「みんなの言う通りイケメンギタリストのゆーくんです!ギターも上手なのはもちろんみんな知ってるよね?」

 

「おいおい、ハードル上げすぎだろ」

 

『大丈夫!』

 

「揃うな!?」

 

\あはははは/

 

「ったく、まぁいいや、てなわけでまたよろしく!ついでにこのポジションは譲らないんで!」

 

なんか知らんけど笑いが取れた。そんなつもりなかったんだけどな〜

とりあえずあとは香澄に任せた。

 

「それじゃあライブ始めます!1曲目はSTAR BEAT!〜ホシノコドウ〜!」

 

1曲目は去年の文化祭でポピパのメンバーが揃って初めてやった曲。あれから色んなことあったな。まさかみんなと同じステージに立つことになるなんて結成時は思ってもみなかったな。

 

この曲は俺はギターのみ、それでも一緒にやれるのは楽しい。

 

「1曲目!STAR BEAT!〜ホシノコドウ〜でした!」

 

\わぁーーー!/

 

「次で最後の曲です!」

 

\ええー!/

 

香澄が最後の曲って言ったらみんな残念がってくれた。ステージに立つ側からしたらこれは嬉しいことだな。

 

「文化祭でのステージはこれが最後の曲ライブハウスでライブやったりしてるからそこにも是非来てね!今度ポピパの主催ライブあるからそこにも来てくれたら嬉しいな!」

 

「「ここで宣伝かよ!?」」

 

主催ライブの宣伝をするとは思わなくて思わず有咲とツッコミが被った。そのせいでみんなから笑われてるよ。まぁその間に俺もマイク持って立ち位置変更して香澄の隣に来た。

 

「えへへ〜それじゃあ最後の曲行きます、ティアドロップス!」

 

2曲目の曲【ティアドロップス】、とある演出をするために香澄の隣へと移動していた。曲が進みその時がやってきた。

 

「「この手を離さない」」

 

\きゃー!/

\おおー!/

 

香澄と指を絡めながら手を握って2人でこれを言った。女子からの声が凄いけど男子の声もよく聞こえてるな。

 

……まぁ離さないと言いつつギター弾くために握った手は離してるけど。

 

「ティアドロップスの前にも言いましたが今度ポピパの主催ライブやるから来てくれたら嬉しいです!今日はありがとうございました!」

 

『ありがとうございました!』

 

ライブが終わり香澄が再度主催ライブの告知をした。まぁほんとはここだけのはずだったけどな。1周年記念ライブは最高の形で終わることができた、ほんとにたえが間に合ってくれてよかったよ。

 

みんなでステージ袖に戻っていくけど……俺はもう疲れで倒れるのを我慢してる状態だった。後夜祭の前にちょっと休まないとな。

 

 

 

 

 

 




はい、というわけでアニメとは違って間に合いました。次回はオリジナル回にする予定です。


次回の更新までお楽しみに


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44、通じた想い

今回はあまり期間空けずに済みました、今回はオリジナル回です。


 

「楽しかったけどさすがに疲れたぁ……」

 

文化祭でのライブが無事終わり、片付けが終わってから俺は1人で保健室に来ていた。何とか耐えてたけど疲れて倒れそうになってたからな、上手く隠せてたと思うけど……

 

「ちょっと寝るか」

 

保健室の先生にちょっと寝かせてもらうことを許可もらって横になるとすぐ寝てしまった。寝てる間に人が入ってきていることに気付かないくらいに……

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

ポピパside

 

 

「みんな、迷惑かけて本当にごめんなさい」

 

「大丈夫だよおたえ、間に合ったんだもん」

 

 

校庭では燐子の挨拶が終わってから生徒や教師たちが後夜祭を楽しんでいた。そんな中たえはPoppin’Partyのメンバーたちに迷惑かけたことを謝っている。でも香澄は間に合ったし気にしてない。そして他のみんなも

 

 

「でも次からは被らないように気をつけろよ?」

 

「有咲ちゃんの言う通りだよ、急いでて事故にあったら大変だよ」

 

「みんなの言う通り、もう被らせないでね?」

 

「大丈夫、次集まる時やめること伝えるから」

 

『え?』

 

 

たえのやめる発言に4人は驚いてる。急に言われたから当然だ。

 

 

「レイとやりたいっていうのはたしかにあるけだでも、元々修行のために入ってた、その事を口に出さないように言われてたけど…みんなに迷惑かけたくないからもうやめるよ。短い間だったけどいい刺激にもなった」

 

「おたえ……後悔しない?」

 

「しないよ、ポピパに迷惑かけてライブできなくなるなんて方がよっぽど後悔する」

 

「わかった、おたえが本気でそう思うなら私たちはおたえの意思を尊重するよ、きっとゆーくんもそうだと思う」

 

 

本気なら優弥もたえの意思を尊重する、そう思っているのは香澄だけじゃなくて有咲や沙綾、りみも同じだったから香澄の言葉に頷いている。

 

 

「それともう1つ言っておきたいことが……」

 

『?』

 

「私…優弥のこと好き」

 

『!?』

 

「ずっと前からこの気持ちについてよく分からなかった。モヤモヤもしてた、でも今回のことでわかったの。優弥のこと好きだったんだって。このことに気が付いたらモヤモヤも無くなってた。

 

……でも」

 

『でも?』

 

「いいのかな……こんな私が優弥に告白して」

 

「どういうことだ?」

 

 

たえはみんなにもう1つ言いたいことがあると言って口に出したのは優弥のことが好きということだった。でも告白していいのか悩んでいるようだ。

 

 

「だって今回大事な約束破っちゃったし迷惑もたくさんかけた……今保健室で休んでるのもそのせいでしょ?それなのにいいのかなって」

 

「いいに決まってるだろ?」

 

「え?」

 

「そうだよおたえ!迷惑たくさんかけたらダメだったら私はどうなるの!」

 

『たしかに』

 

「否定して!?」

 

 

たえは約束破ったり迷惑かけたりしていることを悩んでいた。それに関して有咲はいいに決まってるといい、迷惑かけたらダメなら自分はたくさん迷惑かけてると言う香澄に対して誰も否定しなかったせいで少し笑いがおきた。

 

 

「本気で伝えたら優弥も本気で応えてくれる。どんな結果になろうと、それが私たちの彼氏だ」

 

『うん!』

 

「有咲…みんな…ありがとう。でも今はサポートの方の問題を先に解決するから……その後に……頑張る///」

 

『頑張って!』

 

「お話中すみません」

 

 

たえの告白はまだ先になるみたいだ。サポートの方の問題を解決してからにするようだ。すると紗夜が声をかけてきた。一緒にいるのは燐子、彩、蘭、つぐみだ。

 

 

「優弥君一緒じゃないんですか?」

 

「ゆーくんなら疲れたって言って保健室で少し休んでから来るって」

 

「ありがとうございます、行ってきます」

 

『え!?』

 

 

居場所だけを聞くと5人は保健室の方へ走っていった。香澄たちはというと

 

 

「気持ち伝えるのかな?」

「そうかもな」

「そうだね」

「頑張って欲しいね」

「私もいずれ……」

 

 

5人が向かった目的は想像できていたのだった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「ん、よく寝たっと、そろそろ俺も後夜祭に……ん?」

 

ライブの後保健室で軽く寝ていた。ベッド借りたいとお願いしようとしたら疲労がバレていたのか何も言う前に貸してくれたけど羽丘の先生すげぇ。起きようと思ったら隣に誰かいるような……ってか隣だけじゃなくて数人の気配が……まず隣を見たら

 

「お、おはよう優弥くん//」

 

「つぐみ!?」

 

まさかのつぐみに添い寝されてた。え、いつの間に!?時計見たけどそんなに仮眠程度しか寝てないぞ!?

 

「ジャンケンで勝てちゃった!」

 

「ジャンケン?蘭に彩先輩、それに燐子先輩や紗夜先輩まで!?」

 

「私と白金さんと丸山さんはステージ袖から見てましたけどかなり疲れている様子だったので、戸山さんたちに聞いて来ました」

 

「私とつぐみや客席からだけど平気に見せてるけど実は疲れてるっていうのわかったよ」

 

「マジか〜蘭の言う通り見せないようにしてたんだけどな〜みんなよくわかったな〜」

 

『好きだから(です)(だよ)!』

 

お、おぉ……揃ったな。まぁでも5人の気持ちも分かるな、好きな人の様子は些細な感じでも気づけちゃうし。

 

「俺もみんなのこと好きですよ。友達想いの蘭に頑張り屋のつぐみや彩先輩、人前が苦手にも関わらず生徒会の役目をしっかり果たしている燐子先輩、酷いこと言われても風紀委員の仕事をしっかりしている紗夜先輩、みんな大好きです、恋愛の方の意味でね」

 

『!?///』

 

「ほんとはここじゃなくて外のキャンプファイヤー見ながらとでも思ってたけどここで言います。5人とも俺の彼女になってくれますか?」

 

『もちろん!///』

 

即答!?ってか!?

 

「ちょまっ!?5人同時はきついって!?」

 

5人同時に抱きつかれてきつい。起き上がって言ってたけどまた横に……というか今回は押し倒されたみたくなっちまったな。

 

つーか……顔に胸が……この柔らかさは

 

「あの…燐子先輩」

 

「ひゃっ、そ、そこで……喋らないで///」

 

やっぱり燐子先輩の胸が顔に当たって……というか押し付けられてるのか。

 

「ちょっ!?白金さん何してるんですか!?」

 

「そ、そうだよ燐子ちゃん!私だってそこそこあるんだから……私にもさせてよ!///」

 

「むぐっ!?」

 

「「彩先輩!?///」」

 

紗夜先輩がこの様子に気が付いて声を出すと彩先輩まで同じように胸を押し付けてきたから蘭もつぐみも驚いて声をあげていた。

 

俺はというと息しにくくてちょっと苦しいけど気持ちいい状態だ。

 

「燐子先輩に彩先輩!2人ともいったん離れてあげて下さい!優弥君窒息しちゃいます!」

 

「「えっ?あっ!?」」

 

つぐみの言葉で2人とも1度離れてくれた。まぁ正直なところ窒息しそうまではいってないから気持ちいいのを堪能してたけどそれは言わないでおこう。

 

「あの…1ついいですか?」

 

「どうしました紗夜先輩?」

 

「あ、優弥君ではなくて、美竹さんの顔が先程から赤いのです……が……まさか///」

 

「蘭ちゃん?何かあった……あ///」

 

紗夜先輩もつぐみも気付いた。それに

 

「「っ///」」

 

燐子先輩と彩先輩も蘭の方を見て何を言っているのか気が付いたみたいだ。どこをとは言わないけど以前美咲がやったみたいに刺激してきている、よく見ないと分からないくらい小さくだけど……みんなが気が付くと遠慮するのやめたのか誰が見ても分かるように刺激をあたえてきている。

 

「あの蘭?そろそろそこ刺激するのやめて欲しいんだけど」

 

「優弥が私のお尻に硬いの当てるからだよ///こんな状態じゃ後夜祭にも出られないよね?///」

 

ようするに興奮しちゃってるってこと?もっと言うとはt……いや、やめておくか。つーかこんな状態で出られないってのは蘭たちもじゃないか?

 

「でも蘭ちゃん、時間かけると参加できなくなっちゃうよ?だから……私も手伝うね///」

 

「2人とも待って!私も手伝う///」

 

「風紀委員として見過ごせませんね、私も手伝います///」

 

「わ、私も……生徒会長として……手伝い……ます///」

 

「あれ?俺の拒否権は無しかな?」

 

『もちろん』

 

もちろんじゃねーよ!?しかも風紀委員や生徒会長としてって、だったら止める側に回って……ってかダメだみんな本気だ。5人の連携が早い、蘭とつぐみで制服のベルト外してズボンのチャック下げて燐子先輩と彩先輩が俺の腰辺りを持ち上げて紗夜先輩が……

 

それからと言うと5人からの刺激に耐えられなくて、すぐに新しくできた彼女たちの顔を汚すことになった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「お待たせしました」

 

「大丈夫ですよ、俺が汚したようなものだし」

 

5人とのとある行為が終わった後みんなは顔を洗ったりして身だしなみを整えている間俺は廊下で待っていた。そしてみんな揃ったからみんなで外に向かっていた。歩きながらこのことは話しておくか

 

「みんなバンドのことに良い意味でならいいけも悪い意味で影響出さないでくださいね?これは香澄たちや美咲や花音先輩にも言ってることです」

 

「わかって……ます」

 

「Roseliaでそんなことになったら追い出されますから大丈夫ですよ」

 

「私たちも大丈夫だよ、ね?蘭ちゃん」

 

「もちろん。私たちはいつも通りにやっていくよ」

 

「私も気を付けるね」

 

「そうですね、彩先輩は特にですね、アイドルですし」

 

「はーい」

 

5人とも大丈夫そうだ。彩先輩とのデートはほんとに気を付ける必要はあるけど外では健全なデートして何かする場合は室内ですれば大丈夫かな?

 

「あ、ゆーくん!みんなー!」

 

「お、みんな集まってるな」

 

外に行くと俺の彼女たちが全員集まっていた。まぁ俺がそろそろ外行くってメールでロックに送っておいたから集めてくれたんだろうけどな。

 

それから俺はみんなに新しく5人が彼女になったことを伝え、みんなおめでとうと言ってくれた。

 

すると

 

「じーっ」

 

っと声を出しながら美咲が見つめてきていた。俺をじゃなくて一緒にいる5人を…

 

「少しだけしましたね?」

 

『っ!?』

 

「顔を洗った形跡があるから分かります」

 

『し、しました///』

 

ナニをとは言わなかったが5人とも肯定していた。ってか洗った形跡なんて分からなかった、女子はそういうのわかるものなのかな?

 

「まぁとりあえず、みんなのことちゃんと幸せにするからこれからもよろしくお願いします」

 

『もちろん(です)(だよ)!』

 

彼女が増えた報告をするとそれぞれのバンドメンバーも集まってきたから一緒に後夜祭を楽しんだ。紗夜先輩たちは各バンドのみんなに俺と付き合うことを報告し、祝うと同時に支障が出ないように釘をさしていた、特にRoseliaとパスパレは厳しめに。

 

まぁでも大丈夫だ。悪い影響出るような付き合い方はするつもりないし絶対に幸せにするから。

 

 

 

 




次回は2期10話ですがアニメと微妙に変わります。この小説ではたえは間に合った設定なので。

それではいつになるか分かりませんが次回までお楽しみに。


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45、お礼

暇だったから書いちゃいました。2期10話分の話part1です


 

[もしもし優弥君、夜遅くにごめん、今いいかな?]

 

「いいけど珍しいな、レイから電話かけてくるの」

 

文化祭の日の夜、ポピパでの打ち上げが終わって家に帰ってからゆっくりしているとレイから電話がかかってきた。

 

[花ちゃんから聞いたよ、なんとか間に合ったって]

 

「正直賭けだったけどな、それで?」

 

[今回は迷惑かけてごめんなさい、本当はテレビ電話にして土下座したいって花ちゃんと話したら優弥は絶対断るから無理だよって言われちゃった]

 

「うん、無理だね」

 

[花ちゃん優弥君のことよくわかってる]

 

たえから聞いてる。一緒にチュチュを止めようとしてたって。だからレイがそんなことする必要はない。チュチュからなら考えたけど

 

「要件はこれだけか?」

 

[疲れてるところごめん、もう少しだけ。花ちゃん言ってたけど今度集まる時にサポートやめること伝えるって]

 

「それは……たえが自分から言ったのか?それともレイが戻るように?」

 

[花ちゃんが自分から言ってきたよ]

 

「そっか」

 

自分から言うならたえの意志を尊重するだけだ。

 

「ありがとな教えてくれて」

 

[どういたしまして、ゆっくり休んでね?]

 

「そうするよ」

 

[おやすみ優弥君]

 

「おやすみレイ」

 

レイとの電話はここで終わりにした。俺が疲れてるって知ってるあたりレイはたえから聞いてたのかな。まぁ羽丘の保健室で仮眠させてもらってその後気持ちよくしてもらったからある程度疲労回復してるんだけどな。

 

……たえがサポートやめるってことをレイと話したならそのうち俺にも言ってくれるかな。

 

そして次の日の日曜日、家でのんびり休んでいるとたえから電話がきてRASの…たえがサポートで入ってるところを、次集まる時にやめるのを伝えるということを聞かされた。ポピパのみんなにはもう言ってあるらしい、俺が保健室で休みに行った時に伝えたみたいだ。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「「「おはようございます」」」

 

「おはようございます優弥君、奥沢さん、松原さん」

 

文化祭が無事に終わってから最初の登校日、今日は美咲や花音先輩と登校したら校門のところで紗夜先輩がいつものように風紀委員の仕事をしていた。

 

「今日はお2人が一緒なんですね」

 

「そうなんですよ、文化祭上手くいったことだしポピパでって提案したんですけど戸山さんたちが今まで通りのローテーションでいいって言ってたので」

 

「それで美咲ちゃんと私が一緒に」

 

「まぁ今日ポピパで色々なところに回るっていうのもありますし、CiRCLEにも行きますよ」

 

「……なるほど、必要ないと言っても来そうですね、白金さんは今日生徒会の仕事で遅くなるので昼休みの方がいいと思いますよ」

 

「わかりました、ありがとうございます」

 

校門であった紗夜先輩と話している時にCiRCLEにも行くことを伝えると何も言わなくても理由を把握したみたい、さすが紗夜先輩だ。風紀委員の仕事邪魔するのも悪いし俺らは中に入り、香澄たちと会った時に燐子先輩に会うなら昼休みの方がいいことを伝えておいた。

 

 

-----昼休み-----

 

「失礼します……あれ?いない?」

 

生徒会室に行ったけど……いないな。

 

「あ、多分……やっぱりいた」

 

「っ!?な、なんですか?」

 

「あ、ほんとだ」

 

「優弥君!?会いに…来てくれたん…ですね」

 

「おっと」

 

部屋の奥の方にいたみたいで有咲が見つけた。それで俺も顔を出したら嬉しくなったのか抱きついてきた……あれ?燐子先輩ってこういうことするタイプだっけ?柔らかいのが当たってるな。

 

「会いに来たのはそうなんですけど彼女にというよりは今日はお礼をしに」

 

「お礼?私…何かしました?」

 

「めちゃくちゃしてくれました」

 

「燐子先輩!文化祭の時私のせいで迷惑をかけてしまってすみませんでした。それと繋いでくれてありがとうございました」

 

「い、いえ、生徒会長として…できることをした

だけです」

 

できることをって言うけどそれが凄い助かった。順番変えてもらったり急遽俺とロックの出番入れてくれたりRoseliaとしても出てくれたり…ほんとに助かった。

 

「本当にありがとうございました、それじゃあゆーくん置いて私たちは失礼しますね」

 

「はい……え?」

 

「ん?おい香澄?って出てくの早っ!?」

 

「失礼します」

 

俺を置いてって、そんなの聞いてないぞこら。しかも紗夜先輩入ってきてるし!?

 

「ポピパでの用事は済みましたか?」

 

「え?あ、はい、終わりました」

 

紗夜先輩はどうやら俺らの用事が終わるのを待っていたようだ。紗夜先輩と話しているとカチャリと鍵を閉める音が……カチャリ?

 

「これでもう……誰も入ってきません///」

 

「残りのお昼休みの時間…一緒に過ごしてくれませんか?///」

 

「……ふふ、もちろんいいですよ」

 

「白金さんが鍵をかけてくれましたから」

 

「どんなことでも…できます///」

 

「!?」

 

せ、生徒会長と風紀委員が言うセリフかこれ!?でもまぁ…生徒会室でナニかするのも悪くないか、しかも生徒会長と風紀委員となんて尚更な。

 

残りの時間は生徒会室で燐子先輩や紗夜先輩とイチャイチャしていた。何をしたかは秘密だ。

 

 

----放課後-----

 

文化祭で助けてもらった人達にお礼を言いにいくためにまずパスパレの事務所の方へ向かった。彩先輩には事前に連絡しておいたから建物の入口で待ってくれていた。そこで日菜先輩や彩先輩にお礼を言った。

 

次に向かったのは旭湯、そこに到着すると

 

「ゆーくんロックの隣に立ってこっち向いて」

 

「ん?わかった」

 

『ありがとうございました!』

 

「ええ!?」

「って俺は言われる側かよ!?」

 

俺がロックの隣に立たされたと思ったら香澄たちがお礼を言ってきた。まさかこうなるとは思わなかったよ。

 

「当然だよ!ゆーくんがロックと一緒にステージに立ってくれなかったらおたえフラフラな状態でステージに立つことになってたんだから」

 

「というか下手したらRoseliaだけじゃ間に合わなかったかもな」

 

「だから優弥君はそっち側」

 

「1周年のライブやらせてくれてありがとね」

 

「私がたくさん迷惑かけたのに間に合うように色々動いてくれてありがとう優弥」

 

お、おう、別にこれロックと一緒にいる時じゃなくても良かったんじゃないか?

 

「それにロックのギターも凄かったよ」

 

「うん、今度は最初から聴きたい」

 

「ええ!?ぽ、ポピパさんに褒められたぁ///」

 

香澄たちに褒められてロックは気を失いそうになってる。大好きなポピパメンバーに褒められて嬉しいのは分かるけど気絶すんのはやめろよ?この後番台に立つ人いなくなるんだし。

 

ロックにもお礼を言ったしあとはCiRCLE、今から行けばRoseliaのメンバーも燐子先輩以外揃ってるかな。

 

CiRCLEに到着して中に入ると案の定Roseliaの4人が揃っていた。

 

「あの、Roseliaの皆さん少しいいですか?」

 

「何かしら?」

 

香澄が代表して声をかけると4人もこっちに気が付いた。

 

「文化祭の時助けていただいてありがとうございました!」

『ありがとうございました!』

 

香澄に続いて俺たちもお礼を言って頭を下げた。友希那先輩たちからの言葉を待っている。

 

「次はないわよ?」

 

『っ、はい!』

 

「花園さん」

 

「はい」

 

「遅くなった理由はわかってるしサポートギターをやるのはバンドメンバーがいいと言えばやっても構わないと思っているわ。でも日程が被らないようにしっかり調整しなさい」

 

「はい、すみませんでした」

 

まぁ今回はチュチュの方が約束破ったってのもあるけど……

 

「それから優弥」

 

「なんですか?」

 

俺?なんだろ?もしかして2人のこと?

 

「紗夜と燐子のことしっかりよろしく」

 

ほんとに2人のことだった。

 

「もちろんです」

 

「これは2人に言ってあるけどRoseliaの演奏に悪影響を及ぼすなら別れてもらうからそのつもりでいてちょうだい」

 

「それは俺からも言ってありますよ、もちろん付き合ってる人全員に」

 

「そう、ならいいわ。紗夜、しっかりね」

 

「当然です」

 

俺への話はもう既に俺からも言ってある内容だった。まぁ危惧するのは当然だよな、悪影響を及ぼされたら困るだろうし。

 

話が終わると俺たちはCiRCLEを後にして蔵に向かうことになった。ただ

 

「私は行くところあるからみんなは先に言ってて」

 

「1人で平気か?」

 

「大丈夫、ちゃんと伝える」

 

「分かった」

 

たえだけはチュチュのマンションに向かった。サポートギターをやめることを伝えるために……

 

すんなり行くかどうか……チュチュのやつが変なこと言わないといいけどな

 




今回はここまで、次回で10話の分は終わりにする予定です。

ちなみにですが、生徒会室でどのようにイチャイチャしたかは読者のご想像にお任せします。

それでは次回までお楽しみに


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46、最後のサポート

時間取れたので書きました。今回で2期10話が終わります。

それではどうぞ


 

「ちゃんとやめるって言ってきた」

 

「そっか、チュチュ怒ったろ?」

 

「うん、それに修行ってことも言っちゃった」

 

「おいおい…」

 

ポピパのみんなで文化祭の時助けてもらった人たちにお礼を言った後、先に蔵に来た俺たちとは別行動をしてたえはサポートギターをやめることを伝えにチュチュのマンションに行っていた。

 

「それでもうすぐ主催ライブがあるからそこまではやって欲しいって」

 

「もちろんこっちとは被ってないよな?」

 

「うん、大丈夫」

 

「じゃあそのライブみんなで見に行くよ!」

 

「「香澄?」」

 

主催ライブがあるからそこは出て欲しいってことでポピパと被ってないからそこは了承した。つーかあいつまたこっちの予定聞かずに決めたな?

すると香澄がみんなで見に行くと言い出したから驚いた、たしかに予定はないけど勝手にみんなでって決めるのはどうかと思うぞ?

 

まぁ結局みんなで行くことになったけどな。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「レイ?」

 

「優弥君?」

 

みんなで集まった後ちょっと用事があった俺はみんなと別行動、そこでレイを見かけた。

 

「ここね、花ちゃんと初めてあった場所なんだ」

 

「そうだったのか……たえのこと……ごめんな?」

 

「謝ることないよ、元々Poppin’Partyのためにサポートしてくれてたこと知ってたし」

 

「いや、レイとまた弾きたいって気持ちもちゃんとあったぞ」

 

「ありがと」

 

「レイじゃんか?一緒にいる男子はひょっとして彼氏か?」

 

「ますき!?ち、違うよ!?///いい人ではあるけど」

 

レイと話してるとますきって呼ばれてる人が来たけど…ひょっとしてマスキングのことか?見た目は悪そうだけどいい人ってたえが言ってる…ってか最後褒められた?

 

「赤くなって…可愛いな

 

私は佐藤ますき、RASではマスキングって名前でやってる」

 

「やっぱりか、俺は山本優弥、たえから聞いてるよ」

 

「!?山本…優弥…って…レイ!」

 

「うん、名前は聞いた事あるよね?」

 

え?なんで名前聞いたことあるんだ?

 

「その…山本……」

 

「優弥でもいいぞ?まぁ任せるけど」

 

「そっか、私のこともますきでいい。じゃあ優弥…この前は悪かった!」

 

「!?」

 

「後から聞いた事なんだけどうちのチュチュが約束破って迷惑かけたみたいで…知らなかったとは言え同じバンドメンバーだ。本当にごめん!」

 

俺の名前聞いた事ある理由そういうことか、レイの方を見ると"私が話した"って目で言ってるようだった。つーかたえの言う通りいいやつだな。まさか初対面なのに頭下げて謝ってくるとは思わなかったよ。

 

「顔上げろって」

 

「でも…」

 

「嘘言ってないのはその態度で分かるしこの前は何とかなったんだから気にすんな。それよりこっちこそ悪かったな、たえはほとんどポピパの修行のためにサポートに入ったようなものだったし」

 

「それだけポピパ…だっけ?そこが大事な場所なんだろ?まぁ口に出すのはやめて欲しかったけどそれだけ、私らが迷惑かけたことに比べたら小さなことだ」

 

「いやそこは小さなことじゃないだろ!?本気でやってる側からしたら修行目的で入ってくるなってならないか?」

 

「ま、まぁ…」

「それは否定できないかも」

 

「だろ?だから俺からも、本当に悪かった」

 

「……ね、ねぇますき、それに優弥も、お互い謝るのは終わりにしない?ずっと続きそう」

 

「「た、たしかに」」

 

ますきが本気で謝ってるのは態度見ればわかる、だから俺からもたえのことで謝るけどお互い謝り続けそうっていうレイの一言でお互い悪かったということで終わりにした。

 

「ところで2人はどんな話してたんだ?」

 

「ここは花ちゃんと初めて会った場所って話してたんだよ」

 

「へぇ〜」

 

レイは初めて会った時のことを話してくれた。歌い方が子どもっぽくないって言われて1人でいるところでたえに会った。たえは気にせずにギターを弾いてレイも一緒になって歌った。その日々が何日か続くとレイが引っ越すことになり、最後にまた一緒に歌うことを約束していて、レイと初めて会った時に2人が歌ってた曲はその時の曲みたいだ。

 

「今からでも引き止められないのか?優弥には悪いけど」

 

「ううん、引き止めないよ。たしかに一緒にやりたい気持ちはあるけどね」

 

「というかまぁ……この話聞いて言うのも悪いけど、たえ自身が本気でお前らのバンドでやりたいって思わない限りたえは渡さない。俺たちPoppin’Partyにとっても大事な存在なんだからな」

 

「わかってる。花ちゃんのことよろしくね」

 

「おう」

 

ますきは悪いと思ってはいるが引き止められないかと提案していた。まぁこの話を聞いたらそう思うのも仕方ないしますきを怒るつもりはない。ただしたえは渡さない。あいつが本心でレイたちと同じバンドでやりたいって思わない限りな。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

主催ライブ当日

 

 

「ここってRoseliaがライブした所だよね?」

 

「そうだな」

 

「結成してそんなに経ってないはずなのにもう主催ライブだなんて」

 

「凄いね」

 

RASの主催ライブの会場は前にRoseliaが主催ライブをやったdubだ。紗夜先輩に聞いたけどなんか執拗にRoseliaに…というか友希那先輩にプロデュースの話をもっていっていたって言ってたみたいだけど対抗心でもあるのか?りみや沙綾の言う通り結成して間もないはずなのに主催ライブまで漕ぎ着けるのはたしかに凄い、そこは素直に思う。だからと言って約束反故にしていいかと言えば別だが。

 

そこへ

 

「あれ?みなさんも来たんですね」

 

「こんばんはみなさん」

 

「麻弥先輩にイヴちゃん!?」

 

麻弥先輩とイヴがやってきた。

 

「2人も来たんですね」

 

「1人は来にくくてイヴさんに着いてきてもらいました」

 

「生贄です!」

 

「いや生贄って…」

 

俺が聞くと生贄って答えたイヴ、なんだその返答は!?

入口で少し話すとみんなで中に入るとたくさんのファンの人がいた。

 

「もうこんなにファンが…」

 

「メンバーにあの2人がいるなら当然と言えば当然ですけどね」

 

「あの2人?」

 

沙綾が呟くと麻弥先輩があの2人がいるならって言ったけど誰のことだ?

 

「ベースのレイさんとドラムのますきさんです」

 

あ、どっちも知ってる2人だった。

 

「レイさんは今までサポートしかやったことなかったから今回の加入には驚いてます。そしてますきさんはおかずが多いドラマーです」

 

「おかず?」

 

麻弥先輩が2人のこと説明しているとおかずという単語が出てきた。どういうことか分からないけど香澄が聞き返していた。

 

「即興の音数が多いって意味です。隙間があればどんどん即興で入れていってしまうことから狂犬と呼ばれていて他のメンバーを置いていってしまうんです。首輪をつけても首輪こと引っ張ってしまうというか…まぁ他の人と合わないんですよね」

 

へぇ〜ますきのやつそんなに凄かったのか。まぁ見た目的には狂犬って呼ばれてもおかしくはないけど……まぁ話すとそうでもなかったけど……まぁライブでは雰囲気変わるやつ多いか

 

「あ、もう始まるみたいですね、入りましょうか」

 

始まるみたいだからみんなで中に入った。中に入るとちょうどメンバー紹介が始まったみたいだ。

 

「ベース&ボーカル、レイヤ!」

 

「あ!あいつ和奏レイ!昔音楽スクールで一緒だった!」

 

え!?そうなの!?ってことはたえとも同じ音楽スクールってことだよな!?

 

「ギター、花園!」

 

\わぁーー!/

 

「すごい歓声」

 

たしかに、まだ1回しかみんなの前に立ってないはずなのにこんなにファンができてたんだ。

 

「ドラム、マスキング!」

 

「キングー!」

 

わっ!?麻弥先輩ビックリするって

 

「キーボード、パレオ!」

 

「パレオさんはパスパレのライブによく来てくれててメンバーカラーに合わせて髪の毛の色を変えてきてくれるんです」

 

「「マジか!?」」

 

有咲と一緒に驚いたけど髪の色変えてまでって相当パスパレが好きなんだな。前会った時はチュチュの忠犬って感じがしたけどパスパレ好きなんだ。

 

「We're…RAISE A SUILEN」

 

バンド名が紹介されるとライブの曲【R.I.O.T】が流れた。

たしかにいい演奏だ、結成して間もないのに主催ライブに漕ぎ着けられるのもわかる。

 

演奏が終わると観客の盛り上がりが凄いことになっていた。まぁこんなライブ見せられたら当然だな。

 

「告知にもあった通り今回でサポートギターを終わりにします」

 

\ええー/

 

「短い間でしたが、みなさんの温かい声援は忘れません!ありがとうございました!」

 

たえの挨拶が終わるとレイがたえの方に拳を突き出し、たえはそこに自分の拳を合わせた。それを見ていた観客は更に盛り上がっていた。

 

 

-----ライブ後-----

 

「おたえ…かっこよかった」

 

「普段と別人みたいだったな」

 

ライブが終わってロビーに戻ると今日のたえについて話していた。香澄や有咲が呟くと沙綾やりみも同意するように頷いていた。俺も同意見ではある。

 

すると

 

「Poppin’Partyのみなさん初めまして、プロデューサーのチュチュと申します」

 

「チュチュか、なんか用か?」

 

「単刀直入に、たえ花園をください」

 

そう来たか

 

「ください……って」

 

「今日のライブ見ていただけたならわかると思います。たえ花園はうちでやる方が輝ける」

 

「あっそ、たえのこと認めてくれてるのは嬉しいけど渡すつもりはない」

 

「Why?」

 

まぁたしかに今日のたえは凄かった。チュチュはムカつくやつだけどバンドには本気で取り込んでるから、こう言ってくるってことはたえはRASでやってく力があるって認めてくれてるってことだ。それについては嬉しいけど渡すとなると話は別だ。前にレイやますきには、たえ自身が本気でRASでやりたい時以外は渡さないとは言ったけどこいつには言わない方がいいな。勝手に変なことを言いかねないし。

 

「簡単な理由だ、たえはPoppin’PartyのためにRASのサポートに入ってたんだ。だから渡すつもりはない」

 

「そう…まぁいいわ、また今度また話しに行くわ」

 

「は?」

 

また今度ってどういうことだ?

 

「チュチュ、みんな待ってるよ」

 

「今行くわ、それじゃ」

 

「みんなも来てくれてありがとう」

 

「たえ、お疲れ様。RASでの経験はポピパに活かしてもらうからな」

 

「わかってる、じゃあまた今度の練習で」

 

「おう」

 

たえが来てチュチュを連れていったから今度ってことについて聞くことが出来なかった。それに香澄たちもチュチュにたえをくださいって言われて何も言えなくなっていた。だからたえには一言声をかけるだけになった。

 

 

……チュチュの言っていた今度って言うのが実現して、ポピパの重要な問題になることは今の段階では少ししか考えることができていなかった。

 

 

 

 




軽く11話に入りましたね、一応今の予定は11話は2回、1回目はオリジナル展開入れていき、2回目で終わらせる予定です。

それでこの後に外伝も何話か書くつもりです。そっちも進めないとですし……

それでは次回までお楽しみに


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47、好きだから

前話後書きにある通り途中からオリジナル展開です


 

「俺たちに会いたい?」

 

「うん、チュチュがみんな揃う時に会いたいって。ライブの後みんなチュチュと会ってたみたいだけど何かあったの?」

 

たえからチュチュが俺たちに会いたがってることを聞かされた。だからたえは何かあったのかと思ったみたいだ、まぁ実際あったんだけどな。

 

「実は…チュチュっていうプロデューサーがきて…ってそれは知ってるよね、その時におたえをくださいって」

 

「えっ!?」

 

「たえはそのこと聞かされてなかったのか?」

 

「うん」

 

ってことはチュチュは相変わらず勝手に動いてるみたいだな。

 

「断る、私…「今日は?」え?」

 

「今日みんな集まれるしその時来てもらえばいいんじゃないか?」

 

「いいの?」

 

「俺も有咲に賛成かな、チュチュは正直自分勝手に動いてくる印象はあるけどバンドに関しては本気だ。だから多分早めに断らないとしつこく来るぞ。みんなもいいか?」

 

「私もゆーくんに賛成かな」

 

「それにこんな状況じゃ主催ライブの方の準備も上手くいかないだろ」

 

有咲が主催ライブのことを口に出すと沙綾やりみも賛成して今日蔵に来てもらうことになった。まぁこっちの都合のいい時って言われても今日急にってのは申し訳ない気持ちはあるけどチュチュほど勝手じゃないしいいだろ。

 

-----放課後-----

 

「今日は時間を作っていただいてありがとうございます」

 

「どうしてみんながいる時に…私に言うだけじゃダメなの?」

 

チュチュとパレオが蔵にやってきて挨拶をしている。まぁ最初は蔵にある機器とか見て騒いでたけどパレオがそれを止めた。チュチュが挨拶をするとたえがチュチュに声をかけた、たしかにみんなが集まる時に話をする理由は知りたいかな。

 

「それじゃあ意味ないわ。Poppin’Partyの皆さんは友達同士で組んだバンド、友達想いのたえ花園はきっと友達に遠慮して本音で言えなくなると思ってみんながいる時にしてもらったのよ」

 

へぇ〜やっぱバンドのことになるとちゃんと考えるんだな。

 

「それ…勝手に言いすぎてない?」

 

「どうしておたえなんだ?」

 

「この前のライブ見たからわかるでしょ?たえ花園にはRASでやっていくパワーもソウルもあるわ!ただ2つのバンドを同時にやる力がないならPoppin’Partyをやめて正式にRASのギタリストになって欲しいのよ!」

 

まっ、観客の反応が凄かったのは認める。それに嫌がらせとかじゃなくて単純にたえのギターを認めているって言うのも伝わってる。でも最後のは自分勝手すぎるな。

 

「Poppin’Partyも近々主催ライブをやるみたいだしそこまで待つわ。いい返事を期待してるわ」

 

そう言ってチュチュは蔵を出ていった。パレオも一緒に…って思ったけど残ってるな、どうした?

 

「Poppin’Partyのみなさん、チュチュ様は口は悪いですけど見る目はたしかです」

 

「まっ、そこは否定しねぇよ」

 

「暗闇からパレオという存在を見つけ出してくれたように…」

 

『?』

 

最後なんて言ったんだ?さすがに壁に寄りかかって立ってると小さい声じゃ聞こえないか。

 

「パレオー!帰るわよー!」

 

「はいチュチュ様!どうか前向きに考えてくれたら嬉しいです。失礼します」

 

パレオも急いで出ていった。チュチュに追いつくためだろうけど…

 

前向きにね〜知るかそんなの

 

「私は…「今すぐ決めなくていいんじゃないかな…」えっ…」

 

沙綾?

 

「ちゃんと…考えた方がいいと思う、チュチュのやつ…おたえのギター認めてるみたいだし」

 

有咲?

 

「「……」」

 

香澄やりみは同意してるのか何も言えてない。なんでだ?

 

「今日は……家で弾くね」

 

ショックを受けたのか家で弾くって言って帰る準備をしてそのまま帰っていった。すれ違う時に携帯にあるメッセージを打ち込んでそれをたえに見せた。そのメッセージ通りにしてくれたらいいけど…俺もすぐ追いかけないとな。でもその前に

 

「ごめん…先延ばしにしちゃって…」

 

「……沙綾も有咲もなんであんなこと言ったんだ」

 

「「え……」」

 

「それに香澄もりみもなんで何も言わないんだよ」

 

「ご、ごめん…」

 

「混乱しちゃって…」

 

「チュチュの言ってた友達に遠慮して本音が言えないってのは当たってるかもな、お前らたえがRASに行ってもいいのか?」

 

『良くない!……でも』

 

「でもってなんだよ、たえにポピパにいて欲しいならちゃんと言えよな。とりあえず俺も今日帰るから」

 

『……』

 

たえは何かを言おうとしていたけど沙綾が遮っちゃったせいで言えなかった。有咲もちゃんと考えた方がいいって言う必要ない、ポピパに残って欲しいならな。

 

俺は帰ると言って蔵をでた。まぁ実際は帰りはしない、たえに公園で待ってて欲しいってメッセージを見せたから……

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「たえお待たせ……え?なんでチュチュとパレオも?」

 

「来たわね優弥山本、たえ花園が走って私たちを追い抜いた時泣いてたからパレオに追いかけさせたのよ。それで公園で止まったから追いつけたわけよ」

 

「チュチュ様息切らしてましたけどね」

 

「う、うるさいわよ!///」

 

そういう事情で……チュチュ体力ないんだな。まぁいっか

 

「追いかけた理由はひょっとしてたえがRAS行きを決めたからとでも思ったからか?」

 

「ええそうよ」

 

「残念ハズレ」

 

「なっ!?」

 

ほんとにそう決めたならポピパの主催ライブが最後になるんだし悔いの残らないように練習するって。

 

「2人とも悪いけどもう帰ってくれ。今からPoppin’Partyとしての話し合いすっから」

 

「嫌って言ったら?」

「チュチュ様!?」

 

「絶対会話に入ってくるな、もし入ってきたら俺は何するか分からないぞ?殴ったりするかも」

 

「そ、そうね、前怒鳴ってきてたし口は出さないわ」

 

そこは帰るって言ってくれよ……しかも怒鳴らせたのお前が原因だろ!?まぁパレオもいるし止めてくれるか。

 

「たえ、沙綾が遮る前何か言おうとしてたけどなんて言おうとしてたんだ?」

 

「私はポピパでいたいって」

 

「それで今はどうだ?さっき沙綾や有咲はあんなこと言ってたけど」

 

「ポピパでいたい気持ちは変わらない。たしかにRASに入ったらレイとやれる、それは嬉しい。でもそれ以上に今はポピパのみんなとこれからも続けていきたいって思ってるよ。でも……ちゃんと考えた方がいいって言われた……有咲の言う通り考えた方がいいのかな」

 

良かった、ポピパでいたいって今も思ってくれてて。

 

「考えたいなら考えればいいさ。本心で決めたことなら俺はたえの気持ちを尊重する。もし今回のことでRASに行きたいって本気で考えたとしてもだ。でもな」

 

「でも?」

 

「行かないでくれ」

 

「っ」

 

「俺はたえにRASに行って欲しくない」

 

「優弥、口は出さないって言ったのに申し訳ないけどそれは私が嫌いだから?」

 

「……いや、たしかに嫌いだけどそれは今関係ない。俺は香澄、有咲、沙綾、りみ、そしてたえ、このメンバーでこれからもずっとやっていきたい。増えることはあっても減るのは嫌だ」

 

たしかにチュチュが嫌いってのはある。むしろ俺に嫌われてないとでも思ってるのかって逆に聞きたいくらいだけど今は置いておこう。

 

「だからたえ、お前が本心でポピパに……Poppin’Partyの花園たえのままでいたいなら俺は絶対にお前を他のバンドには渡さない。絶対にだ」

 

「優……弥……私……Poppin’Partyにいたい。このまま残ってみんなでもっともっとやっていきたいよ」

 

「そうか、なら俺はお前を絶対に渡さない。好きな女を渡してたまるかよ」

 

「ありがとう……私も離れない……私はPoppin’Partyの……え、好き!?」

 

「っ!?」

 

やばっ、つい…今はRASとの問題もあるからそれが解決したらって思ってたのに。でも勢いでとはいえ言っちまったならもう止まるわけにはいかないか。

 

「今言った通り俺はたえのことも好きだ。俺はたえにポピパのままでいて欲しいし他のバンドにも渡さない。そして…俺の彼女にもなって欲しい」

 

「グスッ、はい」

 

「ほんとか!?」

 

「うん、私も優弥が好き。好きって気持ちに気が付いたのは文化祭の時、でもその前から…気が付く前から私は優弥のこと好きになってた、だから…私からもよろしくお願いします」

 

「もちろんだ。でもバンドも本気で取り組むんだぞ?」

 

「分かってる」

 

勢いがあったとはいえたえと気持ちが通じ合いたえも俺の彼女になった。それでたえが目を閉じて顔を近付けてきているのに気が付いたから俺も顔を近付けて…そのまま俺たちは唇を重ねた。

 

ただ……

 

「わーお」

 

「……ちょっとあなた達?私たちがいるの忘れてない?」

 

「……あっ///」

 

「……そういやいたんだった」

 

「ちょっと!?」

 

やっば、そういえば2人いたことすっかり忘れてた。まぁでもたえの赤くなったレアなところも見れたし良しとしよう。

 

「そういうわけでチュチュ、たえは絶対渡さないからな」

 

「……今日は帰るわ。行くわよパレオ!」

 

「はいチュチュ様!」

 

たえは渡さないって言ったらチュチュ達は帰ってくれた。でも今日はってなんだよ今日はって…まぁいいや、いつ来ても渡さないことに変わりないし。

 

「たえ、今回のことだけど急に言われてみんなも混乱してるんだと思う。それこそチュチュの言う通り遠慮して本音が言えないくらいに」

 

「っ」

 

「だから俺を信じてもうちょっと待っててくれ。みんなも絶対RASに行って欲しくないって思ってるから。だからあいつらが本音を言えるようになるまでもう少し……な?」

 

「うん、信じる。信じるけどちょっと怖い……だから勇気……ちょうだい///」

 

「ああ、もちろん」

 

誰もいないことを確認してさっきの触れるだけとは違い、少し激しめに唇を重ねた。そして2人とも離れると、蔵を出る前に言っていた家でギターを弾くというのを実行するためにたえの家に向かった。2人で弾きたいって言うから俺も一緒に……

 

 

 

 

 

 




今回はこれで終わりで次回11話分終わらせる予定です。
というわけでポピパ全員優弥の彼女になりました。

明日まで休みだしそれまでに終わらせたいところですね、どうなるか分かりませんが……

それでは次回までお楽しみに


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48、みんなの本音

なんとか休み終わるまでに間に合った。


 

prrr

 

ロック?

 

「もしもしロック?どうした?」

 

[優弥先輩今大丈夫ですか?]

 

「いいけどどうした?」

 

[実はさっき香澄先輩がGALAXYに来たんですけど…様子がおかしくて、何かあったんですか?]

 

今日主催ライブの打ち合わせだったもんな。香澄1人で行かせたけどちゃんとやってくれたかな?

 

「気にすんなって言っても無理だよな。あったけどバンドの問題だから今何か言えることはないかな」

 

[そうですか。どうしてもと言う時はちゃんと話して下さいね?大好きなポピパさんの力になりたいですから!]

 

「いざって時はロックにも相談するな、心配してくれてありがとなロック」

 

[はい!]

 

ロックも心配してくれたんだな。でも気持ちは嬉しいけどポピパの問題だからなるべくは巻き込みたくないし俺らで解決しないとな。

 

さっきGALAXY出たみたいだし駅まで香澄を迎えに行くか。

 

「優弥」

 

「たえ!?」

 

「私も…一緒に香澄のところ…いいかな?」

 

「もちろんだ、行くか」

 

「うん!」

 

今日1人で行動してたから近くにたえがいたことに驚いた。たえも香澄に会いに行きたいみたいだから手を繋いで一緒に駅まで向かった。電車が到着すると繋いでいた手はいったん離した。まだみんなに話してないしな。

 

「っ!?おたえ……それにゆーくんも……」

 

「よっ」

 

「……来ちゃった」

 

電車から降りた香澄は俺たちを見て驚いていた。ここにいるとは思ってなかったんだろうな。まぁ俺もたえに会った時は驚いたから気持ち分かるけどな。

ここで話すと他の人の邪魔になるしとりあえず近くの公園に移動することにした。

 

「今日GALAXYに行ってきたよ、証明とか実際にステージに立ってリハしながら決めたいって」

 

「……」

 

「それと楽器店で麻弥先輩に会ったよ。それでライブ機材のリスト欲しいって」

 

「……」

 

香澄が今日のこと話してくれているけどたえは黙ったままだ、俺と2人きりの時は普通に話せてたのに香澄たちと会うとまだ気持ちの整理つかないのかな。つーか機材リストは早めにしないとだな。

 

「後……蔵にも行ったよ」

 

「……ポピパをやめるなんて考えたことなかった。でも……ちゃんと考えてって言われて」

 

「みんなおたえのこと大事なんだよ」

 

「大事?」

 

「うん!」

 

大事ってことは同意見、でもだからって言うべきことを言わないのはよくないけどな。とりあえず口出ししないで聞いてるか。

 

「たしかにRASでのおたえは凄かった、あんなおたえ見たことないくらい……」

 

「……」

 

「でもね!やっぱりおたえにはポピパでいて欲しい!おたえがいてさーやがいて、りみりんがいて有咲がいて、そしてゆーくんがいて…いつまで一緒にいられるか分からないけどバンド続けてる時はずっと一緒がいい」

 

ちゃんと言えたな。たえにポピパでいて欲しいって

 

「ギター弾こっ!」

 

「アンプないよ?」

 

「大丈夫!ゆーくんも!」

 

「いや俺もかよ!?」

 

そういって香澄はアンプも無しに弾き始めそのまますSTAR BEAT!〜ホシノコドウ〜を歌い出した。それを見てたえは「変態だ」って呟いた。まぁ変ではある。

 

そして香澄が弾き終わるとたえが涙を流しながら石を使って地面に何か書き始めた。見てみると歌詞……かな?

 

「おたえ、ゆーくん、蔵…行こっ」

 

「うん…」

 

「2人は先に行っててくれ、俺は沙綾のところに行って一緒に行くよ。絶対不安になってるだろうから」

 

「「わかった」」

 

みんなへのメッセージは香澄たちに任せて俺は沙綾の家に向かった。家に着いたらちょうどりみと一緒に出てくるところに遭遇したから3人で一緒に有咲の家に向かった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「ごめんね急に呼び出して、りみりんはそっち、さーやはそこに座ってもらえる?」

 

沙綾やりみと一緒に蔵につくともう他の人は揃ってた。有咲や一緒に来た2人は不安そうにしてるけど

 

「それじゃあおたえ」

 

「うん…今の自分の気持ち全部歌に込めました。聴いてください」

 

そう言ってたえはギターを弾きながら歌い出した。公園で書いてたのはこの曲の歌詞みたいだけどギターもできてたとはな。

 

「私…ポピパが大好き

 

香澄と、沙綾と、有咲と、りみと、優弥と…」

 

ギターを弾き終わるとたえがポピパが大好きと泣きながら言い出した。

 

「はぁ…もう1回」

 

「え?うん」

 

すると有咲がたえにもう1回と促しギターを弾いてもらうとキーボードの音を混ぜていった。いきなり入れていくの凄いな。

 

「私は…ポピパのこと嫌いじゃないしみんなで同じものを目指すのいいと思ってる。それに…いつか武道館とかいけたらいいなって//」

 

有咲が自分の気持ちを言い出した。素直なのか素直じゃないのかよく分からないけど

 

「ほんとのところおたえがどう思ってるのかわからなくて…うちらとじゃなくてもいいのかもって…でも全部わかった

 

でもさ、それで1曲作んなよ、おたえらしいけどさ」

 

たしかにそこは同感。公園でいきなり歌詞書き出したからビックリしたし蔵に来たらギターもできててほんと驚いたわ。

 

「私も言えなかった…向こうに行って欲しくないって…わがままになるかもって思って言えなかった。言いたいこと言えるようになったと思ったけどダメだね…

 

おたえ、行かないで」

 

「行かないよ。私はポピパのままだよ」

 

わがまま…か、むしろバンド内なんだしわがまま言ってもいいくらいだ、バンドに関係することならだけど。

 

「りみりん、優弥、ありがとね。私が不安になってるの分かってて今日一緒に来てくれて」

 

「りみ、優弥」

 

「CHiSPAのこともあったし他の人以上に不安になってると思ったからな」

 

「おたえちゃんがポピパ大好きなこと知ってるから」

 

「りみ…」

 

「ポピパのこと…いつも考えてくれてありがとうおたえちゃん。私ももっと頑張ってみんなのこと支えたい。ポピパでいてくれて、ありがとう」

 

「私、私……うぅ」

 

ちゃんとみんな本音で言えたな。たえも嬉しくて泣き出して有咲やりみが寄っていった。でもそれ以上に

 

「おたえ……よかったよーー」

 

『わぁ!?』

 

香澄が泣いていてたえたちに抱きついていた。そこに沙綾も加わってみんなで抱き合っていた。

 

「ゆーくんもこっち!」

 

「おい!?」

 

少し離れて様子を見ていると香澄に引っ張られてその勢いのままみんなに抱きつくことになった。みんなからも抱きしめ返してきたけど

 

「さすがに苦しいって……ちょっ!?わぁ!?」

 

5人同時はさすがに苦しい……って思ってたら勢いがありすぎて床に倒された。

 

「あ、ごめん」

「わ、悪い」

 

沙綾と有咲がいち早く気付いてくれてみんな離れるように促してくれた。さすがにちょっと痛かったかな…

 

「とりあえず良かったよ、みんな本音で言えてさ。沙綾はわがままかもって言ってたけどさ、バンドでもちょっとくらいわがまま言ってくれてもいいんだからな」

 

『うん!』

 

「じゃあたえが作ってくれた曲みんなでもっと良くしていくか。俺はちょっと電話しておきたい人いるから先に進めておいてくれ。ついでに有咲のおばあちゃんに遅くなりそうってこと伝えておくな」

 

『はーい』

 

みんなに言っておきたいことは言えたしもう大丈夫かな。電話しておきたいのはロックに、心配してくれてたみたいだからもう大丈夫ってこと伝えておかないとな。

 

ロックへの電話が終わって俺も曲作りの手伝いを始めた。いつもならもう少しこうした方がいいってところを俺が指摘するけど、今回は俺も一緒に作りたいからな。

 

『できたー!……』

 

「みんなおつか……寝るの早っ!?ったく、このままじゃ風邪ひくだろ、有咲のおばあちゃんに羽織るものもらってくるか」

 

「有咲〜もう遅いから今日は……あら?」

 

「あ、すみませんみんな寝ちゃって、何かかけるものもらえますか?」

 

「ふふ、今用意するわね」

 

「手伝います」

 

頼みに行こうとしたらちょうどおばあちゃんが蔵の扉を開けて様子を見に来たから、事情を説明して風邪ひかないようにみんなに布団をかけた。ついでに俺もこのままここで泊まることにした。

 

でもよかったよ。これからもみんなでポピパを続けられることができるから。

 

 

 

 

 




2期も残るはあと2話分になりますが、外伝の方2話か3話やってからこちらに戻りますのでそれまでお待ち下さい。

それではいつになるか分かりませんがその時までお楽しみに。


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49、主催ライブに向けて

やっとできた。休み終わってから仕事で疲れ溜まったりワクチン接種の副反応でダウンしてたりと……そんなこんなでようやくできました。


 

-----とある日の昼休み-----

 

「それにしてもおたえとゆーくんも付き合うことになってたって聞いた時は驚いたよね〜」

 

「私もいきなり好きって言われてびっくりしたよ」

 

「あはは…」

 

いつものようにポピパで昼を食べているとたえと付き合うことになってたことについて話していた。あの時は勢いで言っちゃったんだよな……

 

「あの時は熱くなっちゃって」

 

「でも嬉しかった、ありがとう優弥」

 

「どういたしまして」

 

勢いだったけど結果的には付き合えることになったしたえもポピパやめないでくれたしよかったかな。

 

食べ終わって話を続けていると

 

「ゆーうーやーくーん!」

 

「わっ!?彩先輩!?」

 

「こんにちはポピパのみんな」

 

彩先輩と千聖先輩がやってきた。彩先輩は後ろから抱きついてきて千聖先輩は何かを持っている。つーか彩先輩が後ろから抱きついてるから背中に柔らかいの当たってる、というか当てられてる?ちょっと動いてみるか。

 

「んっ…優弥君わざとでしょ///」

 

「彩先輩がそれ言います?」

 

彩先輩と小声で話していると千聖先輩が咳払いしこっちを見ていた。

 

「彩ちゃん?」

 

「っ!?」

 

「学校でそういうことするなとは言わないからせめて人のいない場所にしなさい」

 

「は、はーい……」

 

あ、するなとは言わないんだ。まぁ風紀委員の紗夜先輩や生徒会長の燐子先輩は今の彩先輩よりもっと凄いことしてたけど。

 

「ところで千聖先輩、持ってるそれってひょっとして」

 

「ええ、セットリストできたわ」

 

「香澄」

 

「うん、ありがとうございます!」

 

やっぱり主催ライブのセトリだった。見せてもらったけどわかりやすくて助かる。特にロックがだけど

 

「みんな揃ってますね」

 

「美咲に花音先輩」

 

「えっと…セットリスト…持ってきたよ//」

 

「お、おう、これは凄いな」

 

「うちいつもこんな感じで//」

 

美咲が赤くなりながらスケッチブックを見せてくれたけど……赤くなる気持ちもわかるなこれは…

 

「ん〜えがおのオーケストラ、のっびのびトレジャー、コロッケタイムにこれは新曲かな」

 

「はいはい、テキトーに言わない……」

 

いや有咲、今回は正解だと思う。

 

「戸山さん凄い!?」

 

「全部当たってる!?」

 

『うそ!?』

 

「いぇい!」

 

やっぱり当たってた。

 

「戸山さんもハロハピ来ない?」

 

「ええ〜どうしようかな〜」

 

おふざけだと思うけどなんか勧誘が始まったな。

 

「ダメ」

 

「香澄はポピパのでーす」

 

「振られたか〜」

 

たえの沙綾にそれは阻止されていた。俺もちょっと乗っかるぞ。

 

「そうだぞ美咲、香澄は俺のだから渡さないぞ」

 

「ゆーくん…えっち///」

 

「わかってるよ、というか優弥君その手わざと?」

 

「もち」

 

香澄の後ろから抱きついて渡さないって言ったけど……前に回したその手は香澄の胸を掴んでいる。

 

「もっと触っていいんだよ?///」

 

「まぁそれは置いておいて「えっ?」美咲、曲順は分かったけどMCとかはあるのか?」

 

「うん、1曲目の後と新曲の前に入れるよ」

 

「おっけー」

 

香澄のはスルーしてハロハピのライブのことで確認を取っておいた。どれくらい時間使うかも含めて、パスパレもハロハピもとりあえず大丈夫、放課後Galaxyに行ってAfterglowからもらって……Roseliaはどうなったんだろ?香澄が文化祭前にオファーはしてあるって言ってたけど……

 

確認をしようとしたらチャイムが鳴っちゃったから放課後にするか。

 

 

-----放課後-----

 

「はいこれ、うちのセトリ」

 

「ありがとな蘭、すげっ、めっちゃわかりやすい」

 

「どれどれ〜?ほんとだ!」

 

蘭からセトリをもらったけどめっちゃわかりやすいな。香澄のあと有咲も見てたけど「うちらもこれくらいやらないと」って呟いてたけど……たしか香澄がやってるんだよな。

 

「できた!ポピパのセットリスト!」

 

「……うん、さすが香澄、期待を裏切らない分かりにくさ」

 

「えっ……」

 

「ぜんっぜんわかんねぇ!」

 

できたって言ってたけど有咲の言う通り全然わかんねぇな。仕方ない、俺が書き直すか。幸いなことに丸ついてるのはライブでやる曲だし。

 

「じゃあ俺が書き直すから、えっと順番はっと……」

 

別の紙に曲の順番、あとはMCのタイミングや必要機材も書いていった。とりあえずこんな感じか。

 

「簡単な感じになっちゃったけどロックこれで平気か?」

 

「えっと……はい。これなら大丈夫です」

 

「これなら!?うぅ…ロック〜」

 

「あはは……」

 

これならという発言にショックを受けた香澄、まぁ仕方ない。実際全然分からなかったんだから。

 

「Poppin’Partyさん、Afterglowさん、Pastel*Paletteさん、ハローハッピーワールドさんはこれで大丈夫ですけど……Roseliaさんは出ないんですか?」

 

ロックの疑問に香澄たちの顔が曇った。正直なところ何も返事がないからどうなっているか分からないんだよな。

 

「前にお礼に言った時次はないわよって言ってたし…」

 

「遠回しに断られたのかな……」

 

「もう1回お願いしてみよう!」

 

「香澄の言う通りだなら、出ないなら出ないではっきりしてくれないとロックも困るよな」

 

「そう…ですね、お願いします」

 

続きはまた今度ということにしてポピパのみんなでCiRCLEに向かった。紗夜先輩情報だと今日CiRCLEで練習するみたいだし、それでCiRCLEに着いたら受け付け近くにRoseliaのみんな揃ってたから助かる。

 

「友希那先輩少しだけいいですか?」

 

「なにかしら?」

 

「次はもう迷惑かけません!」

 

「みんなでドキドキするようなライブにしたいです!だから……私たちのライブに出てください!」

 

『お願いします!』

 

「わかったわ」

 

……なんかすんなり了承されたぞ!?

 

「そこをなんとか……え?」

 

「何を驚いているの?」

 

「湊さんから……オファーをもらったと……聞いていましたけど……」

 

「私たちはそのつもりで動いていましたよ?」

 

参加のつもりで動いてくれていたのは嬉しいんだけど……

 

「あの……それならそれで……というよりどちらにしても連絡欲しかったです」

 

「え!?友希那返事してなかったの!?」

 

「……それは申し訳なかったわ」

 

完全に返事忘れてたって顔してたな。まぁどうするか聞けたからよかったけど。

 

「貴方たち…覚悟はできたようね」

 

『はい!』

 

「それじゃあリハーサルの日時とか決まったら連絡しますけど都合の悪い日はありますか?」

 

「Poppin’Partyの主催ライブまでうちはライブの予定無いからいつでも大丈夫よ」

 

「分かりました、では決まったら連絡します」

 

Roseliaはこれから練習だから俺たちはここでCiRCLEをあとにしてまたGalaxyに戻った。俺だけでいいって言ったんだけど、みんな来たかったみたいだからみんなでになった。

 

「ポピパさん2回出演ですか!?」

 

「うん!最初にやってその後に、リターンズ!」

 

「お前リターンズって言いたいだけだろ……」

 

Galaxyに戻ってライブのことを話していると香澄からまさかの2回出演という案が出た。そんな話俺たちの中でもしてないだろ?つーか有咲の言う通りリターンズって言いたいだけかな?

 

「だいたい2回出演なんてそんなこと……」

 

「あぁ〜有咲、隣見てみ?」

 

「隣?隣って言ったらロックだけど…「ポピパさんが2回出演…最高や〜」あ、いいんだ」

 

いいみたいだな。まぁポピパの主催ライブだしこのくらいはいっか。ロックはスタッフとしてじゃなくてポピパファンとして言ってる気もするけど……とりあえず大丈夫そう。

 

この後はライブとは関係ないことを少しの間話したりして外に出た。ライブの宣伝のためにチラシをと…もう夕方だし明日でいいんじゃって思ったけどみんなやりたいみたいだし1時間だけってことでやることにした。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「Poppin’Partyのみなさん、準備はどうかしら?」

 

「チュチュにパレオ…なんでいるんだ?」

 

「何か手伝えることないかと思って」

 

言ってる内容はありがたいことだけどその言い方…たえがポピパでのラストライブになるとでも思ってるのかな?

 

「タエ ハナゾノ がPoppin’Partyでの最後のライブになるんだから有終の美を奏でてもらわないと」

 

「あ!本当は有終の美を飾るですがチュチュ様は…」

 

「パレオー!///」

 

なんだこれ?

 

「ま、まぁともかく、困ったことがあれば言ってちょうだい!力になるわ!」

 

「そうか、じゃあ早速困ってることがあるんだけど聞いてくれるか?」

 

「いいわよユウヤ ヤマモト!」

 

「よかったよかった、実はな〜むぐっ!?」

 

『おたえ(ちゃん)!?』

 

「ごめん優弥、それは私から…」

 

困ってることを言おうとしたらたえに口を抑えられた。俺が言おうとしていることは分かってるみたいだな。

 

「チュチュ、パレオ、短い間だったけどRASで過ごした時間はとても刺激になりました。凄く痺れた…でも!」

 

たえはRASで過ごした時間のことを言っているが、全部過去形で言っていることに気付いているのかチュチュの顔がどんどん険しいものになっていっている。

 

「私はPoppin’Partyをやめるつもりはありません!短い間ありがとうございました」

 

「はなさん…」

 

「そう……

 

行って」

 

『え?』

 

「どこか行くつもりだったんでしょ?早く私の前から消えて」

 

「……行くぞみんな」

 

『うん』

 

「チュチュ、お前ならRASにぴったりな最高のギタリストを見つけることができるよ、じゃあな」

 

チュチュのところから離れるように歩いていくとチュチュの荒れてる声が聞こえてきた。ゴミ箱を蹴ろうとしているのを止めているけど……蹴るならパレオをっていうのはおかしくないか?

 

まぁ置いとこう

 

「たえ、ありがとな」

 

「ううん、私が言うべきことだから」

 

「辛いこと…言わせちゃったね」

 

「大丈夫だよ香澄、ありがとう」

 

俺がたえはこれからもポピパでって言おうとしてたのをたえが止めて自分で言った。たしかにたえが言うべきことだとは思うけど…実際に言ってくれたのは嬉しかった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

『お邪魔します』

 

「いらっしゃい」

 

「ごめんね?急に来ちゃって」

 

「いえいえ、主催ライブのことで話し合うんですよね?あれ?六花?」

 

「お、お邪魔します」

 

Galaxyでの打ち合わせ+ちょっと練習が終わった後みんなで香澄の家にやってきた。明日香が出迎えてくれたけどロックがいることに驚いてるな。

 

「今日バイトじゃなかった?」

 

「バイトだったんだけど…」

 

「香澄が連行してきた」

 

「つ、連れて来られちゃった」

 

「ふ〜ん…」

 

香澄に連れて来られたことについては驚かない明日香だったけどそれでもロックに対してジト目を向けている。これは明日香が誘っても来てくれないってパターンかな?

 

「私が誘っても来てくれないのに…」

 

「だって!ファンとしてメンバーの家に行くなんて」

 

「いや、もう有咲の蔵には何回か行ってるし俺の家も来てるじゃん」

 

「はっ!?たしかに!?」

 

「六花のおたんちん…」

 

「ええ!?」

 

「おたんちんって何?」

 

「気にすんな香澄」

 

メンバーの家に行くなんてとか行ってるけどもう既に有咲の蔵に行ってる。それに俺の家に泊まりに来ることもある、まぁ逆もあるけど。

 

だから別に香澄の家に来ても問題ないし…つーか明日香は友達だろロック…

 

「今度からは誘ってバイトとか無かったら来てよね」

 

「う、うん、いつもごめんね明日香ちゃん」

 

「まぁ六花がお姉ちゃんたちのこと大好きなのは分かってるからいいけど…あ、ごめんなさい引き止めちゃって、後で飲み物持っていきますからみなさん頑張って下さい」

 

『ありがとう』

 

話すのをやめて香澄の部屋に入るとロックがものすごく眠たそうにしていた。まぁバイトやってたんだし当然か。

 

「ロック、私のベッド使っていいよ」

 

「ええ!?悪いですよ!?ふわぁ…あ、すみません」

 

「いいからいいから、ゆーくんお願い」

 

「了解、拒否権無しなロック」

 

「ふぇ!?///」

 

ロックが眠い事に気付いた香澄は自分のベッドを使うように言ったけど悪いと言って拒否しようとしたけど…それを香澄が許さなかったから俺がお姫様抱っこで寝かせてあげた。そのまま添い寝も悪くなかったけどライブの話しないとだからそれは我慢した。

 

……終わったらするか。ってかすぐ横にしたらすぐ眠ったな。お疲れ様ロック

 

「そういえば香澄、新曲どうなったんだ?」

 

『新曲!?』

 

「何か作ってたよな?」

 

え?なにそれ?俺聞いてないんだけど

 

「一応あるにはあるけど……Returnsできたしいいかなって」

 

「聞きたい」

 

「私も聞きたい」

 

「えぇ///そ、それじゃあ」

 

恥ずかしがりながらもギターを弾きだした香澄、自分で作ったからかな?初めて作ったはずだけどいい感じじゃん。

 

「どう…かな?」

 

「いいじゃん香澄!」

 

「そ、そう?//」

 

「主催ライブでできないかな?」

 

「今度ロックに相談……って思ったけど相談したらほとんどのこと許可しそう……」

 

『たしかに』

 

たえや沙綾が聞きたいって言い出しりみも聞きたがった香澄の新曲、好評だ。そしてロックに相談……って思ったけどポピパ好きのロックなら許可しそうだしみんなも同意見だった。

 

「それじゃあ辞書貸して?」

 

「え?」

 

「香澄語、翻訳しないとでしょ?」

 

香澄語って新しい言語?まぁそれは置いておいて有咲やる気だな〜まぁりみやたえ、沙綾もだし俺もなんだけどな。

 

みんなで意見出し合って香澄の作った曲をより良い曲にすることができた。

 

 

そして日が経ち

 

 

「以上でリハーサルは終了です!本番もよろしくお願いします!」

 

リハーサルを無事に終わらせて本番のみとなった。

 

 

 

 




次回は2期最終話です。またいつになるか分からないけどお楽しみに


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50、Poppin’Party主催ライブ

2ヶ月経ってしまった……楽しみにしていてくれた人いたら申し訳ないです


 

「ちゃんと撮れてるかな?

 

えっと…今日はポピパさん……じゃなかった、Poppin’Partyさんの主催ライブです」

 

「おーいロック〜!」

 

「あ、みなさん!」

 

今日は主催ライブ当日、Galaxyに到着するとロックがカメラを持って撮影をしていた。

 

「ロックそれ結構いいカメラだよね?買ったの?」

 

「これはオーナーに借りました」

 

へぇ〜いいカメラなんだ、さすがにそれは分からなかったわ。

 

ってかオーナー?

 

「オーナーって?」

 

「え?オーナーならそちらに…」

 

『よろしくお願いします!』

 

沙綾が聞くとロックが指さした。ロックが指さしたところにいるのは……って八百屋に立っている男の人オーナーなの!?初めて知ったぞ!?

 

まぁそれはさておきみんなで挨拶をした。それで入ろうとしたら

 

「そうだ!このカメラ入口に置いてみんなに自由に撮ってもらおう!」

 

と香澄が言い出した。いつも通り突然言い出したことだけど今回は珍しく悪くないな。

 

「それいいかも!」

 

「香澄にしては珍しくいい案だな」

 

「有咲ひどーい!」

 

「まぁ有咲の気持ちもわかるけどな」

 

「ゆーくんまで!?」

 

『はははは』

 

「ロックカメラいいか?」

 

「もちろんです!」

 

ロックの許可をもらって階段降りたところにカメラを設置させてもらった。みんなどんな風に撮ってくれるかな?

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「私たちスタッフも精一杯サポートします。今日はよろしくお願いします」

 

「こちらこそよろしくお願いします」

 

『よろしくお願いします!』

 

ロックを含め俺たちは中に入ってスタッフたちに挨拶と挨拶をしている。挨拶を済ませると、ゲストとして参加してくれるバンドのために飲み物やお菓子などを用意している。足りないものは……なさそうだな。

 

 

prrrr

 

 

確認してると誰かの電話が……って俺のか。蘭?

 

「ゆーくん鳴ってる」

 

「わかってる、もしもし?どうした蘭?」

 

[今そっちに向かってるんだけど足りないものある?何かあれば買っていくよ?]

 

「ん〜何かあれば俺が買いに行くし……って言いたいところだけどちょっと待ってくれ?

 

香澄〜足りないもの特にないよな?」

 

「大丈夫だよ〜」

 

「了解、もしもし蘭?大丈夫だから気を付けて来てくれ」

 

[わかった]

 

俺らポピパの主催ライブなのに気にしてくれてるんだな。でも特に問題ないから気をつけて来るように言っておいた。

 

色々準備を進めていると出演してくれるバンドのみんなが来てカメラに気付いて色々やってくれている。

 

ポピパ側では香澄がいつも以上に張り切っていたり有咲が目を開けたまま寝てたり(これはちょっと怖かった)とかたえが荷物持ちすぎていたのを沙綾が手伝ったり、疲れはあるけどみんな張り切っていた。

 

「みんな〜お菓子とか足りてる〜?」

 

「大丈夫ー!かーくん、私たちも手伝おうか?」

 

「ありがとう「香澄ー!優弥ー!」はーい、みんなはゲストだしのんびりしててー」

 

香澄と控え室に行ってお菓子とか水とか足りてるか聞きにいったらはぐみが手伝おうかと言ってきた。でも香澄はみんなゲストだからという理由で断った。まぁ俺も同じ理由で断るけどな。

 

「ありがとなはぐみ、でも香澄の言う通りみんなはゲストだし大丈夫だ「ゆーくん早くー!」おう!それじゃあ後でまた来ますね」

 

香澄に呼ばれてそっちに向かった後控え室では最高のライブで応えるという会話があったらしい。

 

ライブの時間が近付くとロックを含めた全員で円陣を組んだ。いや〜控え室全員入るんだな〜狭かったけど…

 

そして、いよいよライブ開始の時間となった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「いよいよだな」

 

「うん…色んな人に助けてもらったね」

 

「ほんと、うちらの主催ライブなのにな」

 

「衣装もいっぱい手伝ってもらっちゃった」

 

「でもそのおかげで今日を迎えられた」

 

「うん、みんなへの恩返しも込めよう」

 

「それじゃあみんな!今日は最高のライブにしてキラキラドキドキしよう!」

 

『うん!』

 

みんながステージに上がるのを見送って俺は客席の方に行ってロックの傍で見ている……ことにしようと思ったんだが

 

「みんな今日は"ぽぴぱパピポぱ〜てぃ"に来てくれてありがとうございます!早速1曲目行きます、Returns!」

 

「「え!?」」

 

なんといきなりのミス、最初からReturnsをやってしまった。だから俺は急いで控え室に向かった。

 

「失礼します、すみませんいきなりセトリと違う曲になって」

 

「来ると思ってましたよ優弥君」

 

「バレバレ……です」

 

「紗夜先輩燐子先輩……ってみんな頷いてる!?」

 

俺が来ることバレてたみたい。さすが俺のことよく分かってるな〜彼女以外の人達までバレてるとは……

 

「みんなで話し合ったけど私たちみんな新曲入りにする。何か起こるのもポピパのいつも通りでしょ?」

 

「いや蘭、いつも通りにしないでくれ、"ライブ中は"何か起こることそんなにない……はず」

 

ライブではいきなり変なことするなんて……あんまないよな?ライブでは

 

「香澄ちゃんたちらしくていいと思うよ優弥君」

 

「それ……褒めてます?彩先輩、まぁいつも噛む彩先輩が言うと説得力あるかも」

 

「ちょっと!?///」

 

あ、つい事実を言っちゃった。

 

「みんな笑顔でいいと思うわ!」

 

「安心しなさい、この熱を冷ますことは一瞬でもしないから」

 

「こころに友希那先輩……みんなありがとうございます!ロックには全バンド新曲入りにすること伝えてきます!」

 

いや〜みんなすっげぇ頼りになる。急いでロックのところに戻って曲順変更のことを伝えて対応できるようにしてもらった。

 

そしてReturnsが終わって袖に下がっていくと同時に俺もみんなのところに向かった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

ポピパのライブが"一旦"終わりステージ袖で香澄たちと合流した。今はハロハピが出てきて【えがお・シング・あ・ソング】が行われている。こころの動き相変わらずすごい。

 

「こら香澄!」

 

「ご、ごめん、緊張しちゃって」

 

「気持ちは分かるけどさ、セトリの順番くらいはちゃんとしないとだぞ」

 

「うん…ごめん」

 

「まぁでも他のバンドも新曲入りにして対応してくれてるから主催ライブ終わったらちゃんとお礼言うんだぞ?」

 

「うん」

 

後で出番もあるしお説教はここで終わりにしておいて話しながら控え室に戻ることにした。まぁ俺はまたロックのとこに戻るけど…

 

「それにしてもよくみんな対応できたな」

 

「びっくりしたけどおたえが弾いてくれたからね」

 

「私もびっくりしたけどおたえちゃんのおかげだよ」

 

「香澄なら何かやるとは思ってたけどまさか曲順間違えるとはな〜」

 

「私もいきなりでびっくり、よく反応できたよ」

 

「自分で言うんかい!?」

 

実際のところよく反応できたよ、少しくらいパニクってもおかしくないのにな。

 

「まぁとりあえず今は休んで次の出番に備えてくれ。俺はロックのとこに戻るから」

 

『分かった』

 

みんなと分かれロックの方に向かって不測の事態に備えていた。でもそんなことは起こらずハロハピの次はパスパレの【きゅ〜まいflower】、Afterglowの【On Your Mark】、Roseliaの【FAIR BARD】と順調に進んでいき再びポピパになりこの日のために作った【Dreamers Go!】まで終わった。

 

そして

 

\アンコール!/\アンコール!/\アンコール!/\アンコール!/

 

アンコールをもらっていた。

 

「アンコールありがとうございます!それじゃあもう1曲……といきたいところですがこのアンコールではもう1人呼びますね」

 

\もう1人ってあのイケメンなギタリストのこと!?/\みたいみたい!/

 

香澄がもう1人呼ぶって言うと俺の事知ってる人がいるみたいでざわついていた。なんかイケメンとか言われてるけどそれはないからな?

 

「知ってる人もいるみたいですね!そうですイケメンギタリストです!それじゃあ最後のメンバー紹介!せーの!」

 

『ギター!山本優弥!』

 

ってみんなで紹介するんかい!?まぁいいや、行くか。

 

Roseliaの出番が終わるタイミングでステージ袖に移動して準備をしていたから出ていった。すると歓声が凄かった。

 

配置に着くと軽くギターを弾き

 

「Poppin’Partyギターの山本優弥です!アンコールのみとなりますがみんなよろしくな!」

 

と挨拶をした。

 

「それじゃあ本当にラストの曲行きます!せーの」

 

『キズナミュージック!』

 

アンコール用に用意した曲【キズナミュージック♪】をみんなの前で疲労した。観客のみんなも最後の最後まで盛り上がってくれていて最高の気分だ。

 

この【キズナミュージック♪】で今回のポピパの主催ライブは無事終わらせることができた。MC中香澄たちも言ってたけど色んな人に助けてもらったな。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「いや〜無事終わってよかった」

 

主催ライブは成功し全ての片付けを終わらせ出演してくれたみんなも含めて一緒に帰っている。ようやくホッと一息だ。

 

「ゆーくんでも緊張してたんだ?」

 

「当たり前だろ、自分主催ライブ開くなんて初めてなんだから」

 

「そうね、私たちの時もそうだったわ」

 

「友希那先輩たちもですか」

 

「ええ、でもReturnsが始まった時はどうなるかと思ったわ」

 

「FAIRBARDが始まった時もどうなるかと思いましたよ」

 

 

\あはははは/

 

 

蘭の一言でみんなに笑いが起こった。まぁ蘭はいつも通り突っかかってるだけだろうけど……

 

Returnsの時はほんとどうなるかと思ったぞ。

 

「友希那先輩の言う通りReturnsの時は俺もどうなるかと思いましたよ。なぁ香澄?」

 

「うっ、ご、ごめんなさい……みんなもだけどロックもありがとね。いきなり間違えたのに対応してくれて」

 

「い、いえ!?私はスタッフとして当然のことしたまでで!?その後も優弥先輩が来てくれなかったらどうなっていたか」

 

「いやいや、成功したのはみんなのおかげもあるけど1番はロックのおかげかなって思うよ。曲に合わせて証明を変えたりしてたのに対応してくれてたんだからさ、ありがとな」

 

香澄の言う通りロックが対応しなかったらどうなっていたか……ほんと感謝してる。

 

「よーし!じゃあみんなで打ち上げ行きましょう!」

 

「香澄!?」

 

「って言ってもファミレスになっちゃいますけどね」

 

「いいんじゃないかしら?」

 

「そうだね、悪くない」

 

「みんなでまだまだ笑顔になりましょ!」

 

「私も香澄ちゃんに賛成」

 

あ、誰も反対する人いなかったみたいで急遽ファミレスでの打ち上げが決まった。友希那先輩とか反対しそうだけどこういう時は特に反対しないんだな。

 

「終わったらポピパは有咲の家でお泊まりだー!」

 

「勝手に決めんなー!」

 

終わったらポピパは有咲な家で泊まり……って香澄が言ったら有咲が怒った。またまたいきなりすぎるって!

 

しかも

 

「それ私も行きたい!」

 

「私もいいでしょうか?」

 

「私も……参加したい……です」

 

「私も」

 

「わ、私もしたいかな」

 

「私も…したいな」

 

「私も…だめ…かな?」

 

「先輩たちだけじゃなくて私も参加させて下さい!」

 

「私も…お姉ちゃんいい?」

 

彩先輩、紗夜先輩、燐子先輩、美咲、花音先輩、蘭、つぐみ、ロック、明日香まで言ってきた。まぁ俺の彼女組だな。ってか明日香お前いつの間に合流したんだ!?

 

「待て待て待て!?人数多すぎだろ!?」

 

そりゃあそうだ…仕方ないな。

 

「そんじゃ俺の家来るか、今日は親夜勤の日で家1人だし」

 

『行く(きます)!』

 

「お、おう…勢い凄いな」

 

ってことで俺の家でのお泊まり会が急遽決定した。みんなには俺の家の場所教えてあるから打ち上げ後必要な物を取りにいってから俺の家に来ることになった。

 

歩いていると

 

「チュチュ様、みなさん来ましたよ」

 

「チュチュ?」

 

チュチュやパレオと遭遇した。

 

「あんな……あんな演奏力でこの私をちょっとでも感動させるなんて……貴方たちぶっ潰してあげるから!」

 

『?』

 

遭遇したと思ったらいきなりぶっ潰す発言をしてそのまま去っていった……

 

え?なんだったの?みんなも訳分からず"?"を浮かべている。

 

唯一明日香だけが

 

「ゆー兄大丈夫なの?」

 

と心配していた。

 

「大丈夫だよ明日香、あいつが物騒なこと考える奴じゃないことはみんな分かってるから。音楽で超えに来るはずさ」

 

そう言うとみんなも一斉に頷いていた、この人数が一斉に頷くのはちょっと怖いとこあるけどそこは気にしないでおこう……

 

この後みんなでファミレスに行き打ち上げをし俺の彼女たちはみんな俺の家に泊まった。まぁそこでナニがあったかは……言わないでおこう。

 

 

 

 




これで2期の話は終わりです。次回オリジナル回を挟んでから3期の話に入ります。オリジナル回は1話……の予定ではあるけど何か思いついたら増えるかもしれません。

では次回までお楽しみに。


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51、お嬢様たちとの出会い

今回は特別編及び今年最後の投稿です。

この話で名前を考えてないモブが登場するので、モブの部分だけわかるようにしてあります。


 

「今日のライブ優弥も出るんでしょ?」

 

「ああ、今日は最初っからだ」

 

「楽しみだよ!」

 

ポピパの主催ライブから数週間経った日曜日、まりなさんからオファーがあってポピパはCiRCLEのライブに出ることになった。他にもパスパレやハロハピも出る。AfterglowやRoseliaにもオファーはあったが、2バンドとも昨日ライブがあったため今日は未参加だ。

 

「私たちも楽しみにしてるわ」

 

「そうですね、私もです」

 

「「「!?」」」

 

蘭やつぐみと話しながら歩いていると、突然会話に友希那先輩と紗夜先輩が後ろから参加してきた。びっくりするからやめてくれないかな?

 

「湊先輩、後ろから急に会話に入られたらびっくりします」

 

「そう?」

 

「そうですよ友希那先輩、普通はびっくりします」

 

「優弥君まで驚かせてしまいましたか、申し訳ありません」

 

「対応の差が凄くないですか!?」

 

「あ、あはは…」

 

たしかに蘭への対応と俺への対応の差がすごい。つぐみが苦笑いしかできない状況だ…

 

「まぁふざけるのはこれくらいにして…悪かったわ」

 

「湊さんが素直に謝った!?」

 

「「「(驚くところそこ!?)」」」

 

はは、このメンバーでいるのも飽きないな。せっかくだから今いるメンバーでCiRCLEへ向かうことになった。

 

「それにしても、主催ライブの時はアンコールでしか出なかったのになんで今日は最初から出るのかしら?」

 

「たしかに私もそれは気になる」

 

「「うんうん」」

 

「あ〜やっぱりそう来ますか」

 

そりゃあそうだよな、今日最初から出るなら主催ライブの時もそうすればいいって普通は思うし。

 

「俺はあくまで裏方優先で動いてますからね、それに今回はオファーもらった時最初から出て欲しいって依頼されたからですよ。まぁ香澄たちは最初から一緒にステージに立てるってめっちゃ喜んでましたけどね」

 

「「「なるほど」」」

 

「でも嬉しいのは優弥君もでしょ?」

 

「まぁな」

 

事情を説明するとあっさり納得してくれた。まぁつぐみには香澄たちじゃなくて俺も嬉しいってことバレてるみたいだけど。

 

「は、離して…」

 

『ん?』

 

すると近くから困ってるような声が聞こえた。見渡してみると1人の銀髪の女子が見た目チャラそうな男子に掴まれていた。なんか…じゃないな、なにがあったんだ?

 

モ1「いいじゃん聴いてってよ」

 

モ2「そうそう、いい気分になれるぞ」

 

「ああいうのは許せませんね、風紀委員として見過ごせません」

 

ここ学校じゃないけど見過ごせないのは同意だ。声をかけてる男子2人の後ろに3人…それと楽器か…あの楽器……大事に扱ってるのはわかる。

 

「わ、私…行くところあるので」

 

モ3「ちょっと1曲聴いてって欲しいだけだって」

 

モ4「俺らの演奏はすげぇよ?」

 

モ5「そこら辺のグループより上手いと思うぜ?」

 

『(自分たちで言うんだ)』

 

俺たち5人はみんな顔を見合わせた。多分思ったこと一緒だろうな。まぁそんなこと言ってられないか。

 

「あんたら何してんの?」

 

モ1「あ?お前には関係ないだろ!」

 

「まぁあんたらが何してるかは関係ないけどその子困ってんだろ?ほっとけないって」

 

モ2「お前に関係な……ちょっ!?あれRoseliaの湊友希那さんに氷川紗夜さんじゃねぇか!?」

 

モ『マジだ!?』

 

友希那先輩や紗夜先輩に気を取られた男の手が離れた瞬間、俺は女の子の手を取って友希那先輩たちの方へ移動した。

 

モ『しまっ!?』

 

「君大丈夫?」

 

「は、はい…ありがとう…ございます///あの…手///」

 

「ん?あ、すまん!?」

 

俺は慌てて手を離した。俺自身は手を取るの慣れてる(まぁそれ以上のことしてる)けどこの子はそんなことないみたいだし悪かったかな。

 

『相変わらず(です)(なの)(だ)ね』

 

相変わらずってなんだろ?

 

モ1「あの!湊さんたちも俺たちの演奏1曲でいいんで聴いていってください!」

 

モ4人『ええ!?』

 

モ1「こんな機会次あるか分からないのでお願いします!」

 

「無理ね、私これからCiRCLEに行ってライブを見に行くから」

 

「そうですね、時間がありません」

 

「わ、私も……です」

 

この子もなんだ。

 

モ1「今日の出演するバンドはだいたい知ってますけど知名度あるのPastel*Paletteくらいですよね?それも終盤にあるし……それになんだっけ?なんたらパーティ?とかいますし遊びかなにかと勘違いしてるようなバンドもいるんじゃないですか?」

 

『(ピクっ)』

 

「えっ……あの……みなさん?」

 

今こいつなんて言った?遊び?俺たちポピパが?

 

「ねぇ友希那先輩、パーティってつくのPoppin’Partyだけですよね?」

 

「(ゾクッ)そ、そうね、ポピパだけね」

 

「ですよね〜」

 

モ1「そうそう、Poppin’Partyだ」

 

ふざけたこと言ってんだな〜

 

「み、湊さん、だ、大丈夫ですか?」

 

「え、えぇ」

 

「自分のバンドがバカにされたらこうなりますよ」

 

「優弥君落ち着いて…」

 

後ろで何か言ってるけど怒りでちゃんと聞き取れてないや。銀髪の子は俺がポピパってこと知らないからよくわかっていない。

 

「ポピパさんが遊びだなんてそんなことありません!」

 

「ロック……いつの間に」

 

モ1「俺らはこのメンバーでバンド組んでて俺はギターだけどそこにいるバンドより上手いと思うぜ」

 

「ポピパの演奏聴いたことあるのか?」

 

モ1「いや?」

 

「なら今ここで俺と勝負しようぜ。判定は今この場にいる人たちがしてくれる。俺よりよかったらあんたの言うこと受け入れるさ」

 

モ1「いいだろう、後悔すんなよ!」

 

「こっちのセリフ、それとここにいるメンバーは贔屓で判定しないから安心してくれ」

 

なんか勝負に持ち込んじゃったけどいいか。流石にさっきの発言は許せないし。

 

「あの……ご、ごめんなさい、元はと言えば私が絡まれていたせいなのに……」

 

「……そういえばそうだったな、でも気にすんな。俺はアイツらの発言が許せなかっただけだし」

 

「で、でも……」

 

「いいからいいなら、少し早いけど俺のギター聴かせてやるからな」

 

「は、はい///」

 

最初絡まれてた子が謝ってきたけどそんなこと忘れてた。自分のバンドが馬鹿にされてたんだから。とりあえず安心させるつもりで撫でたんだけど赤くなっちゃった。

 

「「「「ずるい」」」」

 

それを見た蘭、つぐみ、紗夜先輩、ロックがずるいって言い出したから4人のことも撫でることになった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「そのギターチューニングは?」

 

モ1「もう終わってる。お前のはケースから出したばかりだから時間やるよ」

 

「終わってるならいいや、1音ずつ出してくれ、合わせる」

 

モ『!?』

 

ん?こいつら驚いてるけど俺なんか変なこと言ったか?

 

「おーい」

 

モ1「あ、悪い、じゃあ出してくぞ」

 

チューニングするために1音ずつ出してもらって俺はそれに合わせた。合わせる度に驚かれたのは謎だ。

 

モ1「それじゃあ俺が先攻だ、まぁオリジナル曲じゃなくてカバー曲になるけど"千本桜"をやる」

 

カバー曲か、じゃあ俺も同じ曲にするか。その方が比べやすいし。

 

相手の男が弾き始めたけどたしかに上手いな。楽器も大事にしてるのは見て分かってたけど相当弾ける。でもこれで香澄やたえより上手いって言うのは納得できないな。同レベルなら認めるけど

 

モ1「はぁ…はぁ…どうだ?」

 

「たしかにいいギターだった、それは否定しない」

 

「そうね、貴方がもし女子で私がバンドメンバーを探していた頃見つけていたらスカウトしていたレベルね……技術面は」

 

あ、最後一言付けたな。

 

「たしかに貴方のギターの腕は認めます。私ももっと精進しなければと思うほどです」

 

モ1「よっしゃー!Roseliaの2人にそう言われるなんて最高だぜ!」

 

あ、これ"技術面は"や"ギターの腕は"って部分聞いてないな?

 

モ2「さぁお前はこれを越えられるか?」

 

そんなの当然

 

「超えてやるさ」

 

って答える以外選択肢ない。

 

「それじゃあ俺も"千本桜"で、それじゃあ始めるぞ」

 

俺がギターを弾き始めると騒いでいた男子が静かになっていた。見えてるけど聞き比べるために静かに……って雰囲気じゃないな。

 

モ『す、すげぇ……』

 

「す、すごい…かっこいい…はっ//」

 

「さすが優弥ね」

 

「はい!優弥先輩のギターはいつ聴いても最高です!」

 

「いつか追いついてみせます」

 

「紗夜先輩違います、追い抜くんですよ。私たちはギタリストでもあるんですから」

 

「優弥君はもちろんかっこいいけど蘭ちゃんもかっこいいこと言ってるね」

 

それぞれに感想言ってる。1部違うのもある気がするけど…でも勝負はついたか?

 

モ1「俺の負けだ。同じ曲でこの違いは一目瞭然だ。悪あがきはしない」

 

「あなた達に1つ言っておくわ。たしかにあなたのギターの腕は素晴らしい、これは事実よ。でも他のバンドをバカにするような発言はするものじゃないわ。聴いたことあるならまだしもPoppin’Partyのライブ見たことないのにあの発言はよくないわ」

 

モ『すみません』

 

友希那先輩それ俺のセリフ〜

 

モ1「今すぐCiRCLE行くぞ!もしかしたらチケット間に合うかもしれない」

 

モ2「だな!」

 

あ、こいつらCiRCLE行く気になったのか。そんじゃちょっと聞いてみるか。

 

「ごめんなさい優弥、セリフを取って……って電話かけてたのね」

 

「多分まりなさんじゃないでしょうか」

 

「優弥先輩のことだから多分今からでも取り置きできないか聞いてるのかも?」

 

『ありえる』

 

「10人分!?そんなに取り置きできるんですか!?って言っても今欲しいの5人分……あ、君CiRCLE行こうとしてたよね?」

 

「……///あ、はい!」

 

「何人いる?ついでにチケットは?」

 

「私含めて5人、チケットはまだです」

 

「了解。まりなさん男子5人分と女子5人分お願いします」

 

「これは用意できたみたい…かな?」

 

「つぐみみたいに早い対応だね」

 

「私!?」

 

俺の電話先なんかバレてたみたいだ。つーか10人分ってのは当日いきなりの罰みたいだ。運良く見つかったけど。それになんかこの子反応遅くなかったか?

 

「そこの5人組、5人分取れたから受付の俺の名前で5人分って伝えてくれ。ちなみに俺は山本優弥だ」

 

モ1「マジか!?ありがとう!それからそこの銀髪の子」

 

「っ!?な、なんでしょう……」

 

チケット取れたことを伝えると喜んでいた。性格はちょっと難ありだけど音楽が好きな気持ちは伝わる。お礼を言うと最初に声掛けてた子に話しかけてきた。俺の袖を掴んで後ろに隠れて顔だけ出してるけど。

 

モ1「悪かった!ごめん!」

 

「い、いえ…もう…大丈夫です」

 

「君も友達と受付で俺の名前で5人分チケットもらってくれ」

 

「ありがとうございます。山本…優弥さん…か///」

 

「あの紗夜先輩、蘭先輩、つぐみ先輩……」

 

『言いたいことわかる(ります)』

 

ん?なんか俺の彼女組集まってるけどどうした?

 

「あなた…その性格なんとかならないのかしら?」

 

「え?どういうことですか?ちょっと友希那先輩!?」

 

え?なんのこと?

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「ゆーくん遅いよー!」

 

「わるいわるい」

 

「大丈夫、つぐから聞いてるよ」

 

「そうなのか?」

 

「うん!ゆーくんがまた女の子1人堕としたって」

 

「はい?」

 

なんのことかさっぱりわからん。俺堕とすようなことした覚えないぞ?ただ助けて自分のバンドをバカにされてムカついて差を見せつけただけだぞ?

 

「まぁその辺は後で問い詰めない?」

 

「そうだね、今はそんなに時間ないし」

 

「蔵に戻ったら聞かせてもらうからな」

 

み、味方がいない……りみまでそっち側だなんて……まぁ時間ないのはたしかだし今は逃れることができた……蔵に戻った時は無理だが……

 

「それじゃあ行こう!」

 

『うん!』

 

そろそろ時間だからみんなでステージ袖に向かった。そして時間になり最初は5人だけ出ていきメンバー紹介、5人分が終わったところで

 

「そしてそしてー!今日はもう1人最初から登場してもらいます!ギター山本優弥!」

 

香澄が俺の紹介をしたからステージへと上がった。ステージに上がると凄い歓声がした……蘭のセリフをもらうといつも通りだね

 

「さっきの人!?」

 

あ、さっき助けた子の声が聞こえたな。

 

「どうも山本優弥です!今日は最初から参加していくのでよろしくお願いします!」

 

軽く挨拶を終えたらまた歓声が……って挨拶だけだぞまだ!?

 

「それじゃあ1曲目!STAR BEAT!〜ホシノコドウ〜!!」

 

スタビから始まりMCを挟みながら3曲披露し無事ポピパの出番が終わった。

 

「イェーイ!」

 

「控え室でもそのテンションかよ!?」

 

「そうだぞ香澄、落ち着け!たしかに優弥と最初からやれたのは嬉しいけど//」

 

「「「たしかに」」」

 

控え室に戻っても香澄のテンションが上がったままだ。これだけならいつも通りだけどいつも以上に高い。俺が最初から出たからか?すると

 

 

コンコンコン

 

 

「誰だろ?どうぞ〜」

 

ノックがして香澄がどうぞと言うと入ってきたのは

 

「みんなお疲れ様」

 

「友希那先輩!?それに他のみんなも!?あれ?ましろちゃん?」

 

入ってきたのは俺と一緒にCiRCLEに来たメンバー。俺が助けた子も一緒だったけど香澄は知ってるみたいだ、香澄だけじゃなくても他のみんなも

 

「もしかして前に言ってた子って」

 

「うん、ましろちゃんのことだよ」

 

前にCiRCLEで声掛けた子がいるって言ってたけどこの子のことだったんだ。

 

「名前言ってませんでした…倉田ましろです。さっきはありがとうございました、それと……ライブもカッコよかったです///」

 

「ありがとな」

 

「はぅぅ…///」

 

『(やっぱりもう堕としてる)』

 

この子倉田ましろって言うのか〜って思ってたら他のみんながなんか顔を見合せてるけどどうした?

 

「ましろちゃん、この人がましろちゃんを助けてくれた人?」

 

「そうなの!通りかかっただけなのに手を取って助けてくれてギターも凄くてカッコよかったの!」

 

それ……本人の前で言うセリフ?

 

「へぇ〜一目惚れかな?」

 

「!?そ、そうかも///」

 

だから本人目の前にいるんだけど!?

 

「あ、私ドラムをやってる二葉つくしって言います。ましろちゃんとは同じバンドのメンバーでリーダーをやってます。みんなも!」

 

「私はベースをやってる広町七深です」

 

「ギターの桐ヶ谷透子でーす!」

 

「バイオリンをやっている八潮るいです。倉田さんを助けて頂いたこととチケットのこと、ありがとうございました」

 

「ああ!?るいちゃんそれ私が言おうとしてたのに!?」

 

「あら?そうだったの?」

 

「むぅ…それで私たちは月ノ森女学院というところのメンバーで作ったMorfonicaです」

 

「そうなのか、よろしくな。それにチケットのことは気にすんな。急に取り置き頼んだからその分の罰で10人分取らないとダメって言われただけだし」

 

Morfonica、モニカって略してるみたいだけど仲良さそうだな。バイオリン珍しい。つーかチケットのことはほんと気にしなくていいんだけどな。

 

「はっ!?私さっき本人の前で!?///」

 

『今!?』

 

みんなの気持ちが1つになっていた。

 

「じゃあゆーくん、蔵に戻ったらじっくりと聞かせてね?」

 

「そうですよ優弥先輩?」

 

「……え?」

 

その話生きてたの?まぁ別に構わないけど。さすがにいつまでもこうしてるわけにもいかないし……というよりそろそろ時間だし撤収しないといけないからそのために動こうとした時

 

「あ、あの、優弥…先輩(名前で呼んじゃった///)」

 

「倉田さんどうした?」

 

倉田さんが話しかけてきた。

 

「ましろって呼んでください。それとその……連絡先教えてください!///」

 

「いいぞ?」

 

「やった!」

 

連絡先知りたいってことで声をかけたみたいだ。それに名前で呼んで欲しいってことだったから名前で呼ぶことにして連絡先を教えた。ついでに他の4人も名前でってなった。

 

「ありがとうございます」

 

「いいって、それじゃあ香澄」

 

「うん!みんな今日はありがとう!またライブに来てね!」

 

友希那先輩たちやMorfonicaのみんなが出ていった後俺も着替えに出ようとしたが

 

「ゆーくんどこ行くの?」

 

「どこって着替えにだけど?」

 

「ここで着替えればいいんじゃないのか?」

 

「はい?でも荷物」

 

「大丈夫」

 

「まりなさんに頼んで優弥の荷物はこっちに持ってきてもらってるよ」

 

「だからここで大丈夫だよ」

 

「あと実はあと1時間はいても大丈夫」

 

ちょいちょい!?俺聞いてないぞ!?ってか俺が聞いてる撤収時間と違う……まりなさんわざとか!?

 

「それじゃあ1時間しかないけどゆーくん」

 

『楽しも♡』

 

この後ナニをしたかは伏せておこう。

 

 

この後時間ギリギリまであることをして着替えてからCiRCLEを出ると、ましろに声をかけていた男子たちがいて俺たちに謝ってきた。みんなはなんの事か分からなかったけど、男子たちは事情を説明して謝っていった。香澄たちもライブを見て考えを変えてくれたならいいってことで許した。もちろんライブを見たこともないのにバカにするような発言をしないことを条件に。

 

CiRCLEを出た後は近くのファミレスで軽く打ち上げをしてから有咲の家に向かい、とあることをして夜遅くまで楽しんだ。

 

 

 




はい、というわけでMorfonica登場させました。登場させた理由は…わかる人にはわかるでしょう。

今年の投稿はこれで終わりです。年が明けてから3期の話になります。ちなみに…23年初投稿はいつになるか分かりません。

それでは次回までお楽しみに。










……あ、外伝はあと1話か2話出す予定です。


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3期編
52、新たなイベント


投稿期間空いてすみません。忙しくてなかなか取りかかれませんでした。その上短いです。

今回から3期編スタートです


 

 

 

「では予選は各ライブハウスで、それより決勝がCiRCLEで本当にいいんでしょうか?予選会場と同じ場所では…」

 

 

「CiRCLEさんはここら辺のライブハウスでは人気ですし問題ないと思います。他の人も異論はないですし、オーナーどうでしょうか?」

 

 

とある会議室で何かの話し合いが行われている。そこには各ライブハウスの人たち、そしてかつてのSPACEのオーナーまでもがいた。

 

 

「私はただのアドバイザーに過ぎないよ、皆さんのしたいようにすればいい。ただ1つだけ言わせてもらうなら…その企画やり切ったかい?」

 

 

『!?』

 

 

オーナーの一言でみんなが顔を見合わせた。そして

 

 

「あの!決勝なんですけど…武道館を使いたいです!」

 

 

まりなが武道館を使うことを提案した。みんなからは否定的な意見が多かったが

 

 

「頑張ってるみんなを応援したいんです!撃ち抜くなら最高の夢!ですよね」

 

 

という言葉でとある大会の決勝のステージで武道館を使用ということが決まった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

夏休み明け

 

 

「う、う〜ん……寒っ」

 

「朝早いもんな、でもこうすればあったかいだろ?ロック」

 

「はい!」

 

朝起きるとロックが寒いって言ったか、後ろから抱きしめて肌と肌であっためることにした。ちなみに一緒いるのはロックの家に泊まったから、それで肌と肌になってる理由としては……昨晩あることをシてそのまま寝ちゃったみたいだな。ロックはそれに気付いてるかどうか……

 

「まぁこんな格好じゃ寒くて当然だよな」

 

「こんな格好?……あっ///あの後このまま寝ちゃったんですね///だから背中にも直接当たってる感覚してたんですね」

 

「あはは…これはまぁ…男特有の現象だから気にすんな」

 

ロックにも今の状態を気付かせた。お互い一糸まとわぬ姿だし寒くて当然。男特有の現象を処理してもらった後旭湯の仕事の手伝いを俺もすることになった。まぁ元から今回泊まる条件として俺が言ったことだけどな。

 

「それにしても夏休み楽しかったですね」

 

「ほんとな〜祭りで会うとは思わなかったけどさ」

 

「何回かお泊まりもしましたし明日香ちゃんと優弥先輩の3人で海にも行ったり、実はあそこにはあこちゃんと明日香ちゃんの3人でも行ったんですよ」

 

「そうだったんだな。まぁ明日香やロックと行った時まさか外でヤルことになるとは思わなかったけどな」

 

「それは!?///言わなくていいですよぉ///」

 

本番まではしてないけど香澄や沙綾、有咲と初めて思い切りイチャついたのと同じ場所ってことはあえて黙っておこう。

 

それから夏休みの思い出を話しながら作業を進めていった。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「ふっふっふ〜ん♪」

 

「香澄ご機嫌だな」

 

「だって久しぶりに最初から6人で蔵に集まれるんだもーん」

 

二学期が始まり有咲の生徒会やりみの塾、たえのバイトだったりとなかなか最初からみんなで集まれなかったからな、蔵に向かってる香澄がものすごく嬉しそうにしている。

 

「あ!ロックいるかな?差し入れしていこっと」

 

Galaxyの前に来ると沙綾の家で買ったパンを差し入れするために入っていった。だけど少ししたら

 

「うわぁぁぁ!!」

 

『!?』

 

中から香澄の叫び声が聞こえた、まさか階段から落ちたのか!?慌てて降りて行ったら何かのポスターを見て驚いていたようだ。怪我とかしてなくてよかったよ。有咲に関しては"くせ者か"とかよく分からないこと言ってたけど。

 

なになに〜ガールズバンドチャレンジ?

 

 

\バンッ!/

 

「香澄さん何かありましたか!?」

 

中から慌ててロックが出てきた。そりゃあんな叫び声してたら慌てるか。

 

「なぁロック、このポスターってなんだ?」

 

「これはですね、あ、中で話しましょう」

 

あ、それもそうか。沙綾や有咲からは珍しいという表情をして俺の方を見ていた。気になりすぎたか。

 

「それでポスターのガールズバンドチャレンジのことですけど予選と決勝があります。予選ではそれぞれのライブハウスを使いお客さんがよかったバンドに投票します。それで予選期間の上位2組が決勝を武道館で行います」

 

『武道館!?』

 

俺たちみんな驚いた。まさか武道館を使うなんて誰も思わないって…

 

「出よう!」

 

『言うと思った』

 

「ええ!?」

 

「香澄のことだから言うだろうな〜ってことくらいみんな予想すんの簡単だよ。

 

まぁポピパが出るのは賛成だけどさ、俺ステージに上がれないからな?」

 

「なんで!?」

 

香澄が出ようって言ったけどそれはみんなからすれば予想通り。まぁ出るのは賛成だけど俺がステージに上がれないって言ったら香澄が驚いた。香澄だけじゃなくて他の4人も驚いてる。

 

「あのなぁ、ガールズって付いてるだろ」

 

「女装すればバレない」

 

「何言ってんのたえ!?」

 

「おたえの案採用!」

 

「「採用すんな!」」

 

有咲とハモった…常識人いてよかった

 

「たしかに優弥君の女装見てみたいかも」

 

りみ!?

 

「それを写真に…」

 

沙綾!?

 

「まぁ気持ちは分かる」

 

有咲まで!?さっき常識人って思ったの訂正していいよな?

 

「ダメですみなさん!そんなことしたらポピパさんが失格になります!

 

………見てみたいけど」

 

そうそう失格に……ってロック?最後なんか聞こえたぞ?

 

「そっか〜失格は良くないね、練習の時にしてもらうので我慢しよう」

 

『そうだね(ですね)』

 

「しないからな!?」

 

なんか変な方向に話進んでるし戻さないとヤバい……俺が……

 

「まぁ大会の方は参加ってことでいいんだな?」

 

「うん!みんなもいいよね」

 

『うん』

 

「それじゃあ行くよ!

 

ポピ『パ!』ピポ『パ!』ポピパパピポ『パー!』」

 

参加が決まりみんなで円陣をしているのをロックが羨ましそうに見ていた。それを見た香澄が

 

「ロックもポピパ入る?」

 

と聞いた。

 

「ええ!?そんな私なんて!?ポピパさんは6人でポピパさんですし私が入ったらポピパさんじゃなくなります!?」

 

「そんなこと言わずに〜」

 

「だ、ダメですって」

 

「香澄強引過ぎ」

 

「ええ〜一緒にやれたら楽しいと思うのにな〜」

 

ロックは断るがそれでも香澄はしつこく勧誘をする。有咲も強引過ぎって言うし香澄は一緒にやれたら楽しいって言う……正直どっちも間違ってないとは思う。

 

「でも香澄、本人の気持ちが向いてない限りは本気で楽しむのは無理だぞ。まぁロックが本気でポピパに入りたいってなったら俺らはちゃんと歓迎するけどな」

 

「ゆーくんが壁ドンから顎クイで誘えばきっと……」

 

「はわわわわ///」

 

「そうやって無理に誘うのは嫌いかな」

 

「はいごめんなさいもう言いません」

 

『すごい早口!?』

 

え、嫌いって言葉に反応し過ぎじゃね?しかもロックは赤くなってるし。

 

「まぁとにかく、本気で入りたいってなったら言ってくれ」

 

「はい!」

 

ってことでこの話は終わりにしてこのままGalaxyのスタジオで練習して行くこととなった。

 

そして数日後

 

「失礼しまーす」

 

「パレオ!?」

 

有咲の家の蔵で練習している時にパレオがやってきた。

 

 

 

 

 




今回はここまで、次回は1話〜2話の途中までになる予定です。あくまで予定です。
3期編から話の内容は今まで通りアニメに合せますがキャラのセリフは変わってくること多めになると思います。

それでは次回までお楽しみに


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53、スカウト

また投稿感覚空きすぎてしまいましたね……


 

「失礼します」

 

「パレオ?急にどうした?」

 

有咲の家の蔵で練習していたとある日、突然パレオがやってきた。特に約束もなかったから気になって俺がどうしたか聞いたけど

 

「不法侵入!!」

 

と有咲が言い出したけど……わざわざここまで勝手に来るやついないだろ

 

「ちゃんとおばあ様に許可をもらって来ていますよ」

 

「パレオはその辺ちゃんとして……ってか普通はそうするか、周りのせいで俺の感覚もおかしくなってきてるかもな。それよりどうした?お前ならアポ取ってから来ると思うんだけど」

 

「アポイント無しの訪問になったことに関しては申し訳ございません」

 

「アポイント?」

 

香澄そこからか……パレオがアポ無しのことを謝ってるところで有咲が香澄に説明している。それを置いておくかのように

 

「今度は……何?」

 

沙綾がここに来た目的を質問した。凄く警戒した形で……

 

「そんなに警戒しなくても大丈夫ですよ。今日の目的はこれを渡しに来ただけです」

 

「ありが……とう」

 

そう言って差し出したのは封筒だった。まぁ十中八九RASに関係することだろうな。戸惑いながらも香澄が受け取った。

 

「それと……これはパレオの個人的なお願いなんですけどついでに1ついいでしょうか?」

 

「ってことはこの中身はRAS関係ってことか」

 

「鋭いですね、さすが優弥さん。その通りです、それと個人的なお願いなんですけど優弥さんかまギター弾いてるところ見せてもらえませんか?」

 

「俺の?」

 

なんで俺がギター弾いてるところ見たいんだ?なんかありそうだな。まぁでも

 

「休憩中だし俺は構わないぞ、何弾けばいい?」

 

「いいんですか!?ではR.I.O.Tお願いします」

 

……了承したことに驚いたパレオだったけどリクエスト曲がR.I.O.Tってことにはこっちも驚いてる。まぁ弾けるからいいけどさ

 

「こんな感じかな」

 

「わぁ〜素晴らしいです!ありがとうございます優弥さん。では私はこれで失礼します」

 

……ええ〜なんだったんだあいつ?いきなり来て何かを渡して俺のギターを聞いてそのまま帰るって……チュチュのやつ何企んでるんだ?何か企んでるならパレオ使わずに自分で来ればいいのに

 

「あいつ……何がしたかったんだ?」

 

どうやら有咲も同じこと思ったみたいだ。

 

「香澄ちゃん、その封筒の中何?」

 

「私も気になる」

 

パレオが帰った後りみとたえが香澄がもらった封筒の中身のことが気になっていた。まぁそれは有咲や沙綾、俺もだけど…

 

「開けてみるね……これライブのチケットだ、しかもワンマンライブの」

 

『ライブチケット!?』

 

みんな一斉に驚いていた。チュチュのやつほんと何考えてるんだ?まぁみんな行くことに関しては反対する人いなかったけど。

 

 

----その後チュチュのマンションでは-----

 

「ただいま帰りましたー」

 

「おかえりパレオ、ちゃんと渡してくれたでしょうね?」

 

「はい!Poppin’Partyのみなさんにも六花さんにも渡して来ました。チュチュ様のおっしゃる通り優弥さんのギターは素晴らしいですね、実際に弾いてもらいました」

 

「弾いてもらった?」

 

「……?はい」

 

「ずるいわよ!!私も直接弾いてもらいたいのに!!」

 

「も、申し訳ございませんチュチュ様〜」

 

 

-----ということが起こっていた-----

 

 

<ライブ当日>

 

 

「あ、友希那先輩リサせんぱーい!」

 

「戸山さん?それに優弥たちも」

 

ライブ会場に入ると中で友希那先輩とリサ先輩を見つけ香澄が走り寄っていった。相変わらず知り合い見つけるとすぐ走るんだよな。

 

「友希那先輩、招待されて来ましたか?」

 

「ええ、それを聞くと言うことは貴方たちもかしら?」

 

「そうなんですよ。俺らが蔵練してる時に…アポ無しだったからたまたま蔵で練習してる日で良かったですけど…」

 

「そうなのね、私たちの方はCiRCLEの練習終わりにチュチュが何度もしつこく来たわ」

 

「こっちはパレオでしたね」

 

「しかもその時ゆーくんがギター弾いたんですよ!しかもR.I.O.T」

 

Roseliaはチュチュ、ポピパはパレオが来た話になると香澄は俺がR.I.O.Tを弾いたことを言ってきた。それ言わない方がいいと思うけどな。

 

「パレオずるいわね」

 

「そうだね〜今度Roseliaに連れてきてFAIRBARDとか弾いてもらおっか」

 

「いいわねリサ、採用するわ」

 

「採用しなくていいですよ!?」

 

ほらやっぱりこうなった。なんか知らないけどギターが絡むとこうなるんだよな〜なんで?でも採用しなくても……

 

「え〜でも紗夜や燐子もきっと喜ぶよ?」

 

「ぐっ、断りにくくするとは……さすがリサ先輩」

 

「ポピパの練習に支障が出なければいいですよ?」

 

ちょっ!?何故香澄が答える!?

 

「まぁ私たちの練習に影響無ければ…」

 

「たしかにそれなら…いいですね」

 

有咲?沙綾?

 

「私たちも……また……聴きたい……///」

 

「燐子先輩!?」

 

友希那先輩たちと話してると突然燐子先輩が腕に抱きついてきた。ってか話聞いてたのか?

 

「なんならこのライブの後私の家で一緒に奏でるのも///…………と思ったけど日菜がいるから難しいわね」

 

反対側からは紗夜先輩が抱きついてきた。ってか奏でるってギターをだよね?顔赤くしてるけどギターでいいんだよね?

 

「「「2人ともずるい!私たち我慢してるのに!?」」」

 

「いやお前らな……」

 

燐子先輩や紗夜先輩が腕に抱きついて来たのを見て香澄と沙綾と有咲が揃ってずるいって文句言い出した。もしかしてたえやりみが見たら同じように言うのか?ってか我慢って……俺の方は別の意味で我慢してるのに……これはいいか。

 

「まぁこの話は置いておいて、2人もいったん離れましょうか。大勢の人いますし」

 

「そうですね///」

 

「残念ですけど……後で……また///」

 

「ん?まぁいいや、それにしてもどんな演奏するんでしょうね、ギター新しく入ってなければ打ち込みだと思いますけど」

 

何がまたなのかは置いておこう。

 

「そうなんだよね〜まぁ私たちも大ガールズバンド時代のニューリーダーっていうのも気になってたしそれで来てみたっていうのもあるよね〜」

 

大ガールズバンド時代のニューリーダー……たしかRASのことがみんなに知られた時にそんな言われ方してたっけ。

 

「みんなお待たせ」

 

「りみりんおたえ!あれ?」

 

「こ、こんばんは」

 

『ロック!?』

 

「人混みに流されそうだったから釣り上げてきた、ロックの一本釣りだね」

 

いや釣り上げてって……

 

「ロックも来たんだね」

 

「はい、来るか迷ったんですけどせっかく招待してもらったので……」

 

「「ロックも!?」」

 

ポピパやRoseliaだけじゃなくてロックまで……まさかロックがギター弾いてる動画流れてるのか?

 

「あの子何を……」

 

「とりあえず席行きましょうか」

 

チュチュが何を考えているのかは分からない。とりあえず招待してもらった席にいってライブを見ることにした。

 

時間になってライブが始まったがギターが打ち込みとは思えない程の完成度、ここにギターが入ったらどうなるのか…きっともっと凄いことになると思わせるくらいのライブだった。

 

ライブ後ますきがスポットライトを浴びながらドラムを叩いているところにチュチュが出てきて挨拶を始めた。そして……

 

「この度RAISE A SUILENはガールズバンドチャレンジに参加することをここに宣言するわ。そしてそこでRoseliaとPoppin’Partyを……ぶっ潰す!」

 

『!?』

 

こんな場面でぶっ潰す宣言するか普通?

 

「そこでギターにロッカアサヒ、そしてアドバイザーにユウヤヤマモトをスカウトするわ!」

 

「はぁ!?」

 

「ええ!?」

 

ロックも招待した理由はこれか。つーか……

 

「「お断り(します)!!」」

 

当然断る。こういう所で聞けば承諾するとでも思ったか?でもロックも断ったな……まぁいきなり言われてもな。

 

つーかチュチュのやつなんで断るの?って顔してるな。なんでも自分の思い通りになるとでも思ってるのか?

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「なぁロック、本当に断ってよかったのか?」

 

ライブ後の帰り道、スカウトを断ったロックに本当に断ってよかったのか聞いた。俺はポピパから離れるつもりないからたとえRoseliaとかに誘われても動く気はない。でもロックはバンドやりたがってるから断っていいのか気になってた。

 

「……そうですね、いきなりで驚いたっていうのもありますけど……私バンドをやるなら前みたくこのメンバーじゃなきゃって人とやりたいんです。突然過ぎてさっきは断ったというのもありますけど気持ちの整理をつけたくて……でもあんな断り方しておいてやりたくなったら声をかけるっていうのも……」

 

「そこはお前の熱意次第だな、スカウトされたって言ってもどうせテストされる。たえの時もそうだった。迷ったままやってもロック本来の音は出せないしいいんじゃないか?」

 

「優弥の言う通りね、本気でやりたいと思うからこそ自分の力を発揮できる、そう思うわ」

 

「ゆーくんや友希那先輩の言う通りだよ、私たちだってみんなそうだもん。やり方はバンドそれぞれだけど本気でやってるからこそキラキラドキドキしてるんだよ!だからロックも本気で入りたいって思った時でいいと思うよ」

 

俺は本気でやりたいと思った時にやればいいと思ってるけどそれは友希那先輩や香澄も同じだった。他のメンバーもそれに頷いている。

 

「ありがとうございます皆さん、決めたら優弥先輩に伝えますね」

 

「おう、自分の気持ちに正直にな」

 

「はい」

 

ロックは今は保留の形を取った。まぁチュチュのやつがいつまで待つのか分からないけど。

 

……つーかしつこく来る可能性もあるか

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「あれ……何?」

 

「凄い人だかりだね」

 

ポピパのみんなと……では無く今日は美咲や花音先輩と投稿して学校の前に来ると凄い人が集まってる。姿は見えてないけど

 

「ちょっと!?どいて!?」

 

チュチュの声が聞こえてきた。まさか直接スカウトしに来たのか?

 

「チュチュ様!優弥さん来ましたよ」

 

「「「……えっ」」」

 

ちょっと待て?今パレオの声聞こえたけど俺らの位置から見えてないぞ?美咲や花音先輩も一緒に驚いてる。

 

「what!?どこ!?」

 

「姿は見えませんが近くにいます、パレオには分かります」

 

「「「「怖い!?」」」」

 

姿見えないって自分で言ったぞ今!?

 

「風紀委員です。いったい何があったんですか!?」

 

「サヨ ヒカワね、ユウヤ ヤマモトに会いに来たわ。パレオが言うには近くにいるみたいなのだけど囲まれてて姿が見えないわ」

 

「たしかにいますけどここからでも見えませんね」

 

「いやなんでわかるんですか!?」

 

「おはようございます優弥君、それは貴方が私の大切な彼氏だからです」

 

「「納得(です)」」

 

あっれ〜なんか美咲や花音先輩まで納得しちゃったぞ?まぁいいや

 

「それでチュチュ、俺になんの用だ?」

 

「あの場では承諾しにくかったのかと思って直接来てあげたわ!」

 

「パレオは付き添いという名目で会いに来ました」

 

「「名目!?」」

 

「「「もしかして…」」」

 

パレオ付き添いが名目ってどういうことだ……チュチュの理由はまぁ想定内だけど。ってか美咲に花音先輩に紗夜先輩は3人で集まって何話してるんですか〜?まぁいっか

 

「別に承諾しにくかったとかじゃなくて承諾する気なかっただけだ。俺はPoppin’Partyの山本優弥であってRASのアドバイザーになる気なんてサラサラねーよ」

 

「そんなぁ……」

 

ん?

 

「そう……後悔しても知らないわよ」

 

「ポピパから離れる方が後悔するさ。それとロックもスカウトしてたけどどうせテストするんだろ?」

 

「off course!当然でしょ」

 

「なら1つだけ、たしかにロックのギターはRASでも通用すると思う。お前がどのレベルを求めてるかによるけど……ただ無理矢理連れていって受けさせるなよ?そんなことしてもロックの力は発揮しきれないからな」

 

「そう…わかったわ」

 

「これ破ったら許さないからな」

 

「ええ……今更だけどタエ ハナゾノの時は申し訳なかったわ」

 

ほんと今更だな!?

 

話が終わったから美咲たちと校舎の方に向かったけど…その時パレオが寂しそうにしてたのは気になった。まぁなんかあれば言ってくるだろってことで深くは考えなかった。

 

ロックの件は今度こそ約束を守ってくれると信じてみることにしたのだが……

 

「優弥先輩……RAS……不合格になりました」

 

チュチュが学校に来た2日後にロックからRASのテストが不合格だったことを電話で聞くことになった。

 

俺ロックからRASのテスト受けるなんて聞いてないぞ?まさかチュチュのやつまた……

 

とりあえず明日直接話を聞くことにした。

 

 

 

 

 

 




今回はここまで、次回は2話の最後の方の内容から3話にかけてになります。3話全てにはならないと思いますが……

なるべく早めに投稿出来るようにしますのでそれまでお楽しみに。


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54、不合格の理由と謝罪

不定期すぎますね、昨日今日と比較的時間取れたので進めました。


 

「ロックー!」

 

「優弥……先輩」

 

俺は学校が終わり急いで羽丘に来た。昨日ロックからRASのテストを不合格になったと聞いたからだ。ポピパの練習には遅れるって伝えてあるし、ローテーションで途中まで一緒に帰るはずだった紗夜先輩や燐子先輩には別の日にってことにしてもらってるからこっちは問題ない。

 

「それじゃあ六花、ゆー兄、私はこれで」

 

「明日香ちゃん……ごめんね……ありがとう」

 

「気にしないで」

 

「ありがとな明日香」

 

「んっ///どういたしまして」

 

明日香は俺が来るまでロックと一緒にいてくれていた。ロックも俺もお礼を言って明日香は帰っていった。俺はキス付きでだけど。

 

「とりあえず落ち着いて話せるところに移動するか」

 

「はい……」

 

学校前で話すわけにもいかないから歩き出して羽丘から1番近い公園に移動することにした。

 

ちなみに……

 

「今の優弥とロックだよね?」

 

「今日紗夜先輩たちの日だったような……何かあったんだね」

 

「そうみたいだね」

 

「2人とも優弥のことわかってるね〜」

 

「「当然」」

 

俺とロックが歩いて行くところをAfterglowが見ていた……ってことをつぐみからの電話で知った。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「それでロック、昨日RASのテスト不合格って電話してくれたけど自分から行ったのか?」

 

「いえ……昨日はGalaxyのバイトで終わった後少しギターを弾いていたんです。それをますきさんが聞いてたみたいでいきなり連れていかれて……」

 

「ますきが?」

 

となるとますきの独断でチュチュの指示ではないってことか?でもなんでますきが?

 

「多分私がR.I.O.Tを弾いていたからそれでだと思います」

 

……なんか考えてること伝わってたな。

 

「正直RASさんと一緒にやりたいか迷ってる状態で……それでR.I.O.Tを弾いたら何か分かるかもって思って弾いたら……」

 

「いきなりますきが来て答えが出る前に連れてかれたってことか」

 

「はい……」

 

ほかのメンバーにも無理矢理連れていかないように伝えてもらっておけばよかったな……

 

「RASのみなさんとR.I.O.Tを弾いて……他人の顔色を伺うようなギターはいらないって言われて……それで不合格になりました」

 

「そうだったのか……」

 

こうなるから無理矢理連れていかないようにってお願いしておいたんだけどな、チュチュ以外が連れていくことを考えておけばよかった。

 

「話聞いてもらってありがとうございます」

 

「俺が聞きたいって言ったんだし気にすんな」

 

「ありがとうございます、私今日番台に立たないといけないので……」

 

「おう、気を付けてな」

 

そう言ってロックとはそこで別れた。さてと……チュチュのマンション向かうか。前にパレオがしたみたいにアポ無し突撃といくか。

 

「優弥君?」

 

「レイ?」

 

ロックと別れてからチュチュのマンションに向かおうとしたらレイに声かけられた。

 

「これから練習か?」

 

「今日は練習ないよ、チュチュが急遽休みにしたから」

 

「チュチュが!?」

 

「……行くんでしょ?」

 

「!?」

 

なるほど、チュチュが練習休みにした事は驚いたけどそういう理由……どこに行くか言わないけど伝わった。

 

……つまり俺の行動はバレてるってことか。

 

「なんか気を使わせたみたいだな」

 

「チュチュも花ちゃんの時のこと本当はすごく気にしてたからね。口では知らないとか言っても実際はね」

 

「この間会った時謝ってきたよ。今更感あるけど」

 

「今回もごめんね。うちのメンバーが迷惑かけて」

 

「謝るのは俺にじゃなくてロックにだ」

 

「そうだね……ごめん」

 

口は悪いけど音楽のことには本気で取り組んでるのはわかってる。まぁ周りのこと考えて欲しいところあるけどな。

 

「それじゃあ俺もう行くわ。どんな経緯でロックが連れて行かれたかは本人から聞いてたし」

 

「私も行く」

 

「そっか」

 

「うん」

 

1人で行くつもりだったけど予定が変わりレイと一緒にチュチュのマンションに向かうことになった。

 

「(いつも人のために動いてるよね…カッコイイな//)」

 

「ん?レイ顔赤くないか?」

 

「そ、そんなことないよ!?///」

 

「そうか?」

 

「う、うん、なんでもないから///」

 

一緒に歩いてると視線をずっと感じてたしちょっと赤くなってると思うんだけどな……なんでもないって言うしそっとしておくか。

 

気にせずにレイと話しながらチュチュのマンションに到着すると

 

「待っていたわ。予想してたよりちょっと遅いけどレイヤと一緒だったのね」

 

「レイヤさん……優弥さんと2人きりで……羨ましい」

 

「「「ぱ、パレオ?」」」

 

いきなりどうしたんだ?

 

「気にしないで下さい、さぁチュチュ様中に入りましょう」

 

「そ、そうね…着いてきなさい」

 

「わかった(チュチュも動揺してるな、ほんとどうしたんだ?)」

 

パレオの言動はちょっと気になったけど外で立ち話する訳にもいかないし4人で中に入った。部屋に着くまでレイに対してパレオが凄い視線を向けてたからみんな何があったのかと気になってはいた。

 

「座ってちょうだい」

 

「わかった」

 

部屋に着くなりソファに座るように促された。向かいにはチュチュが座った。パレオやレイも座ればいいのにチュチュの後ろに立っていた。

 

「2人は座らなくていいのか?」

 

「大丈夫だよ優弥君、ありがとう」

 

「ありがとうございます優弥さん、ですが私たちのことはお気になさらず結構ですよ」

 

「うん、凄い気になる」

 

「大丈夫だから、チュチュ」

 

「ええ、ユウヤ、貴方が来た理由を教えて貰えるかしら?大方予想はついてるけど」

 

あ、このまま話すんだ。まぁいいや

 

「簡単に言えばロックのことだ」

 

「「「やっぱり」」」

 

3人とも理由は分かってたみたいだな。

 

「ロッカ アサヒは貴方のガールフレンド、試験に落ちたことを電話していると思ってたわ」

 

「ロックのギターならRASでもやっていけると思っている。まぁプロデューサーはチュチュだし、合格の基準がどのくらいか分からないから合否判定を覆すために来たわけじゃない。ロック本人から他人の顔色を伺うようなギターはいらないって聞いてるし。そういう風に弾いてるなら不合格でもおかしくない。

 

ただ問題はそこじゃないのは分かってるよな?レイから聞いたけど今日の練習急遽休みにしたみたいだし」

 

「ええ、その前にレイヤ。今回の件はいいけどバンドの情報を簡単に他の人には話さないようにしてちょうだい」

 

「うん、ごめん」

 

「sorry、話を戻すわ。

 

今回ロック アサヒはマスキングに連れてこられた。様子からして本人の意思じゃないことは何となく予想はついていたわ。マスキングが嬉しそうに連れてきたことと、私自身聞きたいと思ってしまってそのままテストしてしまったわ。その結果昨日の結果になってしまった。

 

本当にごめんなさい。貴方から無理矢理連れていっても本来の力を発揮できないと聞いていたのに止めずに……」

 

「ちょっと待った!!」

 

『!?』

 

チュチュが謝罪をすると同時にますきが勢いよくドアを開けて入ってきたからびっくりした。急いできたみたいだけど……見たことない制服だな。

 

「昨日のことは私に責任がある!あいつがR.I.O.Tを弾いてるのを見てRASで一緒にやりたいのかと思って……無理矢理連れてきたのは私だ!だからチュチュを責めないでくれ!

 

それと本当にごめんなさい!!」

 

チュチュの謝罪を止めてますきが謝ってきた。ただ一応言っておくと……

 

「ますき、俺はチュチュを責めてないぞ?」

 

「えっ?」

 

「話し始めたばかりだからな」

 

「連れてきたのはマスキングだけど私もそれを止めずにやったわ。プロデューサーとして止めるべきだったのに……だからごめんなさい」

 

「私たちも謝ります」

 

「怯えてるの分かってるのにそのまま進めた、だから……」

 

「「ごめんなさい!」」

 

お、おう……こうなるとは思ってなかった。まさかメンバー全員から謝られるとは……

 

「みんなもういいから顔上げてくれ」

 

『……でも』

 

「それじゃあ1個だけお願い聞いてくれ」

 

「何かしら?」

 

顔上げてもらったけど納得してない状態だからお願いを聞いてもらうことにした。

 

そのお願いとは……

 

「もしロックが自分からテストを受けに来たらもう1回だけチャンスを与えてくれ」

 

「1回だけでいいの?」

 

「他にも希望者いたと思うけどその人たちは1回しか試験受けてないだろ?」

 

「あ、それもそうね」

 

「でも大丈夫ですか?六花さん自分から受けに来るかどうか…」

 

「たしかに、私が無理矢理連れて来ちまって不合格になって……来ないかもしれない」

 

「そこは俺も手助けするけどロック次第かな」

 

「多分大丈夫じゃないかな?」

 

『え?』

 

お願いの内容は自分からテストを受けに来たらもう1回チャンスを与えて欲しいってことだ。パレオやますきは不安でいるけどレイは2人ほど心配してないようだ……なんで?

 

「実は優弥と会う前花ちゃんと六花ちゃんのこと話したんだよね。だから香澄ちゃんに伝わってると思う」

 

「それはたしかに大丈夫かもだけど……」

 

「えっと電話は花ちゃんからかかってきたんだけど……」

 

どうやらたえから電話をかけたみたいだ。ロックが元気無いってことを知ってたみたいだけど……明日香から香澄に話がいってそこからたえがレイに聞いたって流れかな?

 

「そっか……それなら俺たちポピパに任せろ!」

 

『!?』

 

「だからさっき言った通り自分の意思で受けに来たらまた見てやってくれ、頼む!」

 

「わかったわ」

 

「ありがとう」

 

なんとか話はまとまったな。今回はチュチュだけじゃなくてみんなにも話したから大丈夫だろ。

 

……ちなみにこの後ロックがテスト受けに来た時の音が残ってたから聞かせてもらったけど……こんなに変わるのか、これなら不合格になってもおかしくないな。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「お待たせ」

 

「ゆーくん!ロックのための曲を作りたい!協力して!」

 

「ちょっ!?落ち着け香澄」

 

チュチュのマンションを出て蔵に到着すると直ぐに香澄がロックのための曲を作りたいと言ってきた。階段降りてる途中に言われてびっくりしたから落ちそうになった……大丈夫だったけど

 

「あ、ごめん」

 

「レイから電話が来てロックがRASのところに行ったこと知ったの」

 

「レイから聞いてきたよ、行ったというより他のメンバーに連れていかれたって言った方が正しいけどな」

 

「そこも知ってる」

 

「ロックちゃんRASに入りたいんじゃないかなって話してて」

 

「私たちに何か出来ることないかなって話してたら」

 

「香澄がロックのための曲作りたいって言ったんだよ」

 

「「「「「みんな同じ気持ち!」」」」」

 

みんなロックの事情を分かっててロックのために曲を作りたいみたいだな。香澄の独断だったら1回止めるところだけどそうじゃないみたいし断る理由ないな。

 

「みんな同じ気持ちなら問題ない」

 

『よかった〜』

 

「ここに来る前にチュチュに話してきた。今回は無理矢理連れていかれたから今度自分の意思でRASのところに行ったらまたテストしてもらうことを承諾してもらった。だからロックの背中を押すような曲をみんなで作ろう!」

 

『うん!』

 

ガールズバンドチャレンジ最初のステージはGALAXYでロックのための曲に決まった。普段なら俺は曲作りに関わらないけど今回は最初から関わっていった。曲だけじゃなくてライブの方法も……みんなで色々準備をしていきライブの日を迎えた。

 

 

 

 

 

 

 

 




今回ライブシーンまで行こうと思ったけど次回に回します。ポピパのライブとロックの再試験は次回です。この2つは絶対書きますので次回までお楽しみに


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55、友達の為のライブ、応えるギタリスト

投稿遅くなってすみません、やっと出来ました。ようやく3話分が終わりました。


 

 

「準備はいいか?」

 

『うん!』

 

「それじゃあ事前に話した通り俺はロックと一緒にいる、多分そのままスタッフの手伝いに入ることになるかな」

 

『わかった』

 

今日はポピパのガールズバンドチャレンジのライブ1発目。最初のライブだけどロックのために作った曲をやる。事前に話し合ってあるけど、ロックが飛び出して行った場合、俺がスタッフの手伝いに入ることもGalaxyスタッフの美子さんに話してあるし了承を得ている。

 

控え室を後にした俺は客席の方に向かった。

 

「明日香」

 

「ゆー兄!?」

 

「今日はこっちだ、ロックは?」

 

「まだ宣伝中」

 

「そっか」

 

客席のところにいる明日香に合流したら驚かれた。ギリギリまで控え室にいるとでも思ったのかな。ロックのことを聞くとまだスタッフとしての仕事をしているようだった。

 

そろそろライブ開始の時間となった時

 

「間に合った!」

 

「「お疲れロック(六花)」」

 

「ありがとうござ……優弥先輩!?」

 

あ、ロックにも驚かれた。

 

「今日は俺はこっちだ」

 

「そうでしたか、びっくりしたぁ……」

 

「ロック……今日のライブしっかり見とけよ」

 

「え?は、はい!もちろんです!ポピパさんのライブを見逃すわけにはいきませんから!」

 

「(途中で出ていっていいからとは言わなくていっか)」

 

今日に関しては途中から見なくていいって思ってるけどそれは言わないでおくか。

 

「みなさんこんにちはー!私たち」

 

『Poppin’Partyです!よろしくお願いします!』

 

「あれ?ドラムとキーボードが…」

「いつもと違う」

 

時間になり香澄たちが出てきた。ドラムとキーボードのセットがいつもと違うことに明日香もロックも気が付いた。これは今回のライブのために必要なことだった。

 

「初めての予選とてもすっごくわくわくしています」

 

「ちょっとでもいいなって思ったら投票してくれたら嬉しいです」

 

「じゃあ!早速新曲行きます!」

 

「新曲!?」

 

香澄とりみが軽く喋った後香澄が新曲と言い、ロックが直ぐに反応した…っか早すぎる

 

「この曲はポピパの大事な友達のためを思って作りました」

 

「色々な悩みがあると思うけど、やりたいことを思い切りやろうって、そう思ってくれたらいいなって気持ちを込めました」

 

「今日は5人で歌います」

 

「聴いて下さい!」

 

「Step × Step!」

 

香澄が曲名を言い、ロックのために作った曲の【Step × Step!】を弾き始めた。

 

歌詞を聴いてロックが何かを思う表情をしている。そして1番が終わると

 

「!!」

 

「六花!?」

 

ロックがシュシュを外してスタジオを飛び出していった。当然明日香は驚いていたが俺も追いかけるようにいったんスタジオを出て建物から外に出たら…

 

「早っ!?」

 

既にロックはギターケースを背負って走っていっていた。これには俺も予想してなかったかな…あいつギターどこに置いてたんだ?

 

まぁいっか。外に出て上を見るとますきが下を見ていた。正確にはロックの方を見ていたけどその後俺が見てることに気付いたみたいだったから手を振ってみた。すると直ぐに外に来た、ヘルメットを持って…

 

「ロックもう行ったぞ」

 

「分かってる、上から見てたからな。ポピパに任せてよかった」

 

「走ってたけど電車間に合うか分からない……ってそのためにヘルメットか」

 

ヘルメットを持ってきた…でもそれはますきの分ではない。ますきは既に被ってるからな。

 

「後は任せた」

 

「ああ!」

 

ますきとハイタッチして俺はスタジオに戻っていった。ロックが出ていった代わりにスタッフの手伝いをしないといけないからな。上着の下には既にGalaxyのスタッフが着る服を身につけていた。ロックならまたやる気になってくれるって信じてたからな。

 

中に戻って香澄たちのライブを見届け、曲が終わると俺の方を見てきたから親指を立てて合図した。それを見て満足そうにしていた。

 

ただまぁ…特定の人のためのライブだし投票数は期待できないかなって予想しているのは俺の心の中にだけ留めておくつもりだ。

 

 

今日はポピパ以外にライブは無いから俺はスタッフとして片付けに入った。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

チュチュのマンション

 

 

「お願いします!」

 

「あなたにはRASでやる力は無い。前にそう言ったはずよ

 

パレオ…お客様がお帰りよ」

 

「えっ…は、はい」

 

 

チュチュは口ではこう言っているが実際にはこうは思っていない。優弥との約束を忘れたわけではない。ただロックを試しているだけだ。そして

 

 

「帰らん!」

 

 

ロックが帰らないと言うと見えないように口の端を上げていた。RASのメンバーにはバレているしそれを見て試しているということが分かったから口出しするのをやめた。

 

 

「ずっとバンドをやりたかった。特別だって思える人と一緒に…その特別の意味が…この前ちょっとだけ分かった気がして…もう遅いかもしれんけど…私RASさんと演奏したい…思い切りぶつかりたい…RASさんとバンドがやりたいんや!」

 

 

ロックが自分の気持ちを伝えた。今回は前みたいな怯えをみせずにはっきりと…

 

 

「ブースに入って…ラストチャンスよ

 

……かけるわよ」

 

「いこまい!」

 

 

ブースに入ったロックの準備が出来たのを確認すると曲をかけ始めた。最初はギターパートだけを弾いていたロックだけど、途中から他のパートも1人でやろうとしているのを感じて他のメンバーも入っていった。

 

そしてロックは今回自信を持って最後まで弾き切った。

 

 

「バンドって…バンドって…でら楽しい!」

 

「ギター走りすぎだよ」

 

「す、すみません」

 

「いいわ、RASでやっていくことを許可するわ」

 

「ほんとですか!?」

 

 

楽しそうに話しているところにチュチュがRASでやっていくことを認めると言ってきたロックそ嬉しそうにしていた。だが

 

 

「ただし(仮)よ」

 

「(仮)?なんだそれ?」

 

「このままじゃダメってこと。ロッカアサヒ、RASにふさわしいギタリストになりなさい!」

 

「はい!」

 

 

RASでやっていくことは認めたが正式なRASのメンバーとしては認められていないようだ。合格には変わりないが…

 

 

「それにしてもチュチュ様、いきなり帰るように言うからパレオびっくりしましたよ」

 

「たしかにね、私もだよ」

 

「それは私もだ。また約束破るのかと思ったぞ」

 

「そんなことしないわよ!?」

 

 

約束を破った前例があるからまた破るかと思われていたみたいだ。チュチュは今回は試していただけで約束を破るつもりはなかった。

 

 

「あの…約束って…なんですか?」

 

 

当然ロックは何がなんだか分からない様子でいた。

 

 

「ロックが初めてここに来た…というか私に連れて来られた次の日に優弥がここに来たんだよ」

 

「そうなんですか!?」

 

「そうだよ、また約束破ったから怒りに来た」

 

 

ますきがロックが試験に連れて来られた日の翌日に優弥が来てたことを伝えるとロックは驚いていた。レイは怒りに来たと言ったがそれは嘘である。話に来たけど

 

 

「そこで優弥さんがもし六花さんが自分から受けに来たらもう1度試験を受けさせるということを約束したんですよ。それなのにチュチュ様ってば」

 

「あれは試しただけよ!本当にやる気あるのか確かめるために!」

 

「分かってますよ」

 

「優弥先輩…」

 

「今度ユウヤ ヤマモトにちゃんとお礼言っときなさいよ」

 

「はい!」

 

 

今日はもう遅いからここで解散となった。ロックはますきに送ってもらって部屋に入ると優弥に電話をした。

 

 

『もしもし?』

 

「優弥先輩!RASで弾くこと認めてもらいました!」

 

『ほんとか!?やったなロック!』

 

「はい!それと優弥先輩…RASさんにもう1度受けられるようにしてくれてありがとうございました!」

 

『俺は自分から行ったら受けさせてやってくれって言っただけだ。チャンスを掴んだのはロック自身だよ』

 

「それは…ポピパさんのおかげです」

 

『なら香澄に自分から伝えてやれ。今回の曲はロックのために作った曲だ。それを作ろうって言い出したのは香澄みたいだからさ』

 

「分かりました」

 

 

優弥との電話を終わりにすると今度は香澄に電話をすると、香澄は自分のことのように喜んでくれた。そして

 

 

『ロック!家泊まりに来てよ!』

 

「ええ!?そんな!?ファンとしてポピパさんの家に行くなんて!?」

 

『ええ〜有咲の家にはよく行ってるじゃ〜ん蔵だけど』

 

「はっ!?たしかに!?」

 

 

家に泊まりにくるように言われたロックはファンとして行くわけにはいかないと言うが、有咲の家にはよく行ってると言われてたしかにと納得していた。それに

 

 

『あっちゃんも心配してたよ』

 

「明日香ちゃんも…行きます!」

 

 

明日香も心配してたと言われ、友達に心配かけてしまったままでは嫌だと思ったロックは行くことを決意した。

 

 

 

でもこの時のロックは予想していなかった。香澄の家で起こる出来事に関して……

 

 




今回はここで終わり、次回もできるだけ早く投稿できるように頑張ります。


ちなみに……最後の1文に関してはどういう意味かは皆さんのご想像にお任せします。勘のいい人はわかるかな?


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56、MVを作ろう

あけましておめでとうございます。そしてお久しぶりです。4話スキップして5話になりました。


 

「ねぇ聞いてよゆー兄〜」

 

「休憩にした途端どうした明日香?」

 

とある日の放課後、明日香に勉強を見て欲しいと頼まれて明日香(と香澄)の家に来ている。ちょうどキリのいいところまで進んだため、休憩に入った途端に明日香が何か聞いてほしそうにしていた。

 

「六花ってばRASに認められて(仮)取れたってこと教えてくれなかったんだよ〜」

 

「なるほどなー…………ん?取れた!?」

 

「…………え」

 

(仮)の状態だったことは明日香も知っている。合格した日にそのお祝いとしてロックがここに泊まりに来たって話は聞いている。まぁその時3人でシてたことには驚いたけど……

 

でも(仮)が取れたことは俺も聞いてないぞ?俺が驚いた反応したから明日香も驚いてるぞ。

 

「えっと……ゆー兄も聞いてないの?」

 

「今初めて知った」

 

「ええ……六花ってば……せめてカッコイイ彼氏のゆー兄にくらい言いなよ……」

 

ほんと俺になんも言ってくれないとはな……ショックだ。よし、寝よう

 

「ってゆー兄ショックだからって寝ないでよ!?」

 

「………」

 

「よし、じゃあ私も寝る」

 

「………ん?明日香?」

 

明日香もベットに入ってきて後ろから抱きついて来た……と思ったら手が下に?寝るってそっちの意味?

 

「ゆー兄、元気出すために保健体育の勉強しよ?」

 

「座学じゃなくて実技のか?」

 

「うん……だめ?///」

 

「ふっ、じゃあこっちの勉強も頑張ろっか」

 

「うん///」

 

最初の予定にはなかったけど保健体育の実技も勉強することになった。終わった後今度ロックに会ったらお仕置しようってなった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「なるほどな、それでGalaxyに…」

 

「うん!」

 

「優弥とのデートも兼ねてね」

 

今香澄やたえと一緒にGalaxyに向かっている。どうやら俺が明日香の勉強を見てた日にポピパもMV作りたいとなってみんなやる気に……その中で有咲の"作り方知ってるのか"という冷静な一言があり経験したロックに話を聞きに行くところだ。

 

ついでにRAS入りを黙ってたロックにお仕置しにいくか……

 

「ロックには教えて欲しいってこと話してあるのか?」

 

「うん!時間あるから大丈夫って言ってた」

 

「なら良し」

 

「あー!ゆーくんひょっとして言ってないんじゃないかって思ってたでしょー」

 

「まぁ香澄ならありえるかも」

 

「おたえ!?」

 

香澄の考えた通りロックに言ってあるのか不安ではあったけどたえがありえると言ってしまった……人のこと言える?

 

そうこうしてるうちにGALAXYに到着、ロックも出迎えてくれて早速MVに関することを話している。

 

「図書館でこんな本を見つけて来ました」

 

「お、助かる」

 

「お役に立てるといいのですが」

 

「ありがとう〜」

 

「ロックたちはどうやってMV作ったの?」

 

「俺たち作ったことなくてさ、香澄のいつもの思いつきで作ろうってことにはなったんだけどやり方がね〜」

 

「だから参考になりそうなことがあったら教えて下さい」

 

「ええええ!?///」

 

たえにしては丁寧な言い方でロックに教えて欲しいと言うとなんかロック慌ててる様子だな。顔も赤くなってるし

 

「えっと…箱に入ったり指鉄砲をしたり…」

 

え?箱?指鉄砲?まぁチュチュのことだから何か考えがあってのことだろうけど…そういえばMVの時なんか割れてたけどあれのことか?

 

「あ!チュチュさんが言ってましたがMVは1ヶ所だけが良くてもダメだって、全体がいい感じになって完成する、バンドと同じだそうです」

 

「なるほど〜」

「な、なるほど」

 

たえは納得したような感じで言ってたけど香澄はほんとにわかったか?

 

「ありがとなロック、参考になったよ」

 

「い、いえいえ、ポピパさんのためならこれくらいなんともないですよ!」

 

「それじゃあおたえ!ゆーくん!帰って早速やろう!」

 

「うん!」

 

「そうだな……まぁその前に」

 

「「「???」」」

 

香澄の言う通り帰ってやるべきだけどちょっとやることがあるな。

 

「なぁロック、明日香に聞いたんだけど正式にRAS入りしたんだって?」

 

「はい!MVが完成して認めてもらえました!」

 

「チュチュに秘密にしとくようにでも言われた?」

 

「いえそんなことは!…………あっ」

 

「忘れてたな?」

 

「は、はい…」

 

完全に忘れてたなロック。

 

「そういえば私もあっちゃんに聞いた時びっくりしたよ〜ゆーくんが家に来て勉強見てくれてた日に聞いたよ〜保健体育の実技もやってて二重に驚いたけど」

 

「教えてくれなかったロックにお仕置しないとな〜って明日香と話してたな」

 

香澄の最後の一言はスルーしておこう。香澄に見られてたことは正直気付いてなかったけど今は置いておこう。

 

「な、何されるんやろ///」

 

「ゆーくんゆーくん」

 

「ロックお仕置受けること期待してるよ?」

 

「じゃあ何もしないでおくか」

 

「ええ!?そんなぁ〜……」

 

まさかお仕置希望されるとは……これで何かしたらご褒美になるからあえて何もしないことにしてGalaxyを出ていった。まぁMVの方でも動かないとだし明日香と何か考えるか。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「箱、これで全部だよ」

 

「サンキュー沙綾」

 

Galaxyを出た後は有咲の家でみんなと合流してMV作成を始めることになった。箱って言うけどただのダンボールだな。

 

「有咲の盆栽も入れてあげないと〜」

 

「香澄!それ借り物なんだから気を付けろよな!」

 

「じゃあ私がカメラマンやる!」

 

「え〜おたえ大丈夫か?」

 

香澄は香澄で盆栽を撮ろうとしてるし、たえがやるって言うけどなんか不安だな。有咲も不安になってる。ってか

 

「カメラマンなら俺やるぞ?」

 

「ゆーくんも少しはちゃんと映るんだよ?ゆーくんもポピパの一員なんだから!」

 

「俺いる?」

 

『いる!』

 

「お、おう…」

 

なんか食い気味に言われたな。ひとまずカメラは俺と沙綾とりみが交代でやることになった。MVのための撮影を始めようとしたら…

 

「なんなら優弥とのキスシーンも入れちゃう?」

 

『おたえいいアイデア!』

 

「いや良くないからな!?明らかにバンド関係ないし!?ってか他の彼女たちが絶対ずるいって言ってくるぞ!?」

 

たえが変な案を出てきた。これはバンドに関係ないからさすがに却下、まぁ後で各自の携帯で撮ることにはなったけど……なんなら待ち受けにするとまで言ってるし……まぁそこは置いておこう。

 

ついでにMV関連のことを言うと有咲が沙綾に監督と言われ凄いその気になってた。有咲はそういうところも可愛いよな。

 

「じゃあ行くぞー!

 

顔を上げるだろ?遠くを見るだろ?箱に入って……逃げる!構えて〜」

 

『パーン!』

 

「はいカット〜!」

 

「バッチリじゃない?」

 

「…………」

 

一連の流れを見てたけど……待って何これ?意味わかんないぞ?サポート役の俺が見て意味わかんないってなってるしこれ見た人も絶対わかんないだろ……いったん編集してみるってことになったけど……まぁいいや、編集後を見てみよう。

 

次の日学校で編集したのを見てみたけど

 

「待て待て待て!怖い怖い怖い!」

 

「シュール過ぎない?」

 

「ちょっと曲と合わないかも」

 

有咲、沙綾、りみがそれぞれ意見を言うけど……うん、ちょっとじゃないぞりみ。

 

「有咲の表情硬かったからな〜」

 

「私か?香澄だって硬かっただろ?」

 

「硬いのは優弥だけでいいのに」

 

「え?なんでだたえ?俺も映るなら硬かったらダメだろ?」

 

「あ、表情の話じゃなくて」

 

「ん?」

 

『…………』

 

有咲の表情が硬いって言うと有咲が反論。まぁ正直表情の問題では無いと思ったけど……

 

そうしたらいきなり硬いのは俺だけでいいって言い出したけどなんでだろうなって思ったらみんなの視線が下に…………そういうことね

 

『痛っ!?』

 

順番にチョップして言ったら痛いって言い出したけどそれは仕方ないことだ。我慢してもらおう

 

「お・ま・え・ら 」

 

『ごめんなさいもうふざけません!』

 

ったく、何に気付いたとは言わないけどバンドの話をしてる時にふざけたこと考えやがって。

 

「話を戻すけどみんな表情硬いっていうのは直さないとな」

 

「そうなると笑顔が必要」

 

「笑顔!」

 

『わぁ!?』

 

笑顔って単語が出た途端生徒会室のドアが勢いよく開いた。こころが笑顔って単語に反応したみたいだ。そのまま放課後何故か幼稚園のお遊戯にハロハピと一緒に参加することになって終わる頃には有咲がヘトヘトになってたから公園で一休みすることになった。

 

有咲が(何故か)俺の膝枕で休んでる間に沙綾が滑り台に上がってる香澄とたえのことをカメラで撮っていてりみが無防備な有咲のことを撮っていた。その後色々な有咲の写真があるとみんなで話していて突然りみが

 

「いいこと思いついた!」

 

って言ってきた。

 

 

りみが思いついたことってなんだろう?

 

 

 

 

 




お久しぶりです。しばらく執筆のモチベーションが無くなってました。忙しかったり体調崩すこともありましたが……とりあえずこれからまた再開させていくのでよろしくお願いします。


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57、ポピブイ

3期5話これで終わりです。


 

「有咲ちゃん、そのデータもらえるかな?」

 

「お、これ使うのか?」

 

「え〜それ私変な顔になってない?」

 

「もっと変なのあるぞ?」

 

「ええ!?」

 

RASがMVを作ったことを知った香澄がいつもの如くポピパでもやりたいって言い出して作成し始めたけどなかなか上手くいっていなかった。ロックにどんなことをやったか聞いて実際にやってみたけどRASとは違って怖くなった。笑顔が足りないって話になったらこころが急に入ってきてハロハピの活動を手伝うことに…

 

その帰り公園で携帯にある色々な写真を見ていたらりみがいいことを思いついたと言って有咲の家に集まって作業をしている。どうやら今まで撮った写真を上手く使っていこうって話みたいだ。たしかに俺ららしくていいかもな。

 

「私も使って欲しいのあるんだ〜ぽぴぱパピポぱーてぃの映像なんだけど」

 

「お、入れよう入れよう」

 

「オッチャン入れたい」

 

「大事な物全部入れよう!

 

りみりんはチョココロネ?」

 

「もう入ってる」

 

「じゃあ天竜川もいいのか!?」

 

「ランダムスターとあっちゃん」

 

「あ!純と紗南!」

 

『もちろん優弥(ゆーくん()(君)も!』

 

お、おぉ……凄いことになってきたな。まぁ俺の名前出てくることは予想通りかな。

 

「あ、でもこれは使えないかな///」

 

「香澄?どれだ……って使えるわけないだろー!///」

 

「「「///」」」

 

みんな揃って赤くなってるから俺も覗き込んで見たけど……これはたしかに使えないな。とある行為を撮ったものとだけ言っておこう。これは使ったら大問題だ。

 

「最後のは無しとして……なんか収集つかなくなってきたな」

 

「俺らに取ってはいつも通りじゃないか?蘭たちのセリフ借りるわけじゃないけど」

 

「だったら……みんなにも出てもらおう!」

 

『みんな?』

 

使えない写真については置いておいて、色々出しすぎて収集がつかなくなってきたけどこれも俺らのいつも通りだな。

 

って思ってると香澄がみんなにも出てもらおうって言い出した。どうやら他のメンバーもポピパのMVに出てもらうつもりでいるみたいだ。相変わらず急すぎる。

 

次の日から色んな人にお願いした。イヴとはぐみや彩先輩と千聖先輩、リサ先輩と友希那先輩とあこ、紗夜先輩と燐子先輩、Afterglow、ロックや明日香などポピパが関わってきた人達が協力してくれた。

 

急なのに協力してくれてみんな優しいな。友希那先輩は終始よくわかってなかった様子だけど……なんか可愛いな。

 

「こんなに集まるなんて…」

 

「これまでのみんなの頑張りのおかげだな、こんなに協力してくれたんだししっかりと作らないとな」

 

「私編集するー」

 

「私も!」

 

残るは編集…なんだけど香澄とたえがやるって言い出したけど……無理だな。

 

「お前らできるのか?」

 

「編集は私とりみりんでやるよ、沙綾もそれでいいか?」

 

「うん、大丈夫だよ」

 

「俺も手伝うよ」

 

「サンキュー優弥」

 

「「私は!?」」

 

「「無理!!」」

 

さすがに香澄やたえは無理だろ、有咲はいい人選をしたな。

 

この日から有咲の家に泊まりで作業を開始した。1人が休んで2人で作業、これを続けて数日経ちついに……

 

「できました」

 

ポピパのMV、香澄が言うにはポピブイだが完成した。

 

「「「おぉー!」」」

 

りみができたと言ってパソコンを前に出すと3人からは歓喜の声が…

 

「りみりん頑張った〜これチョココロネ」

 

「やったー!」

 

「はやっ!?

 

有咲も頑張ったな」

 

「お、おう///」

 

沙綾からチョココロネを受け取ったりみは早速食べた。食べるまでの流れが早すぎて驚いたけど……

 

りみだけじゃなくて有咲も頑張ったから撫でたけど照れて顔を赤くしている。可愛いなって思ってたら

 

「うわっ!?」

 

「ゆーくんもお疲れ様、ご褒美のぎゅーっ」

 

香澄に引っ張られて胸に頭が乗るように抱きしめられた。柔らかくていいな

 

「じゃあ私は前から」

 

「ちょっ!?たえ!?」

 

たえには前から抱きつかれたがちょっと苦しいな…

 

「ちょっ、そんなにされたら息できないって」

 

「っ、そこでしゃべられると変な気持ちになっちゃう」

 

それはたえのせいでもあるだろ……ってか

 

「MV見ないのか?」

 

『見る!』

 

みんなで癒し合って?たからせっかく作ったMVを見ないかと思ったけどやっぱり見るみたいだな。

 

たえがいきなりカウントダウンを始めてみんなが順番にカウントダウンをして0になったらスタートした。

 

一通り見てみんな気に入ったためこのMVを公開、6人みんなで一緒に押したが押した瞬間5人が慌てて手をあげたため、5人を包み込むように1番上に乗せてた俺の手が顔に当たった

 

 

……今は許してやろう

 

 

「みんな慌てすぎだ」

 

『だって…』

 

「もう公開したんだ、後はみんなの反応を待つしかないだろ」

 

まぁそうは言っても不安だよな。みんな画面から目を離さないし俺もずっと画面を気にしてる。

 

公開してから少し時間が経つと

 

「いいねが……いいねが5つもいいねって…」

 

公開したMVにいいねが5つ付いた。これにはみんなも安心したし喜んでいる。有咲に至っては泣いて喜んでる。頑張って作ったもんな。

 

「やった!やったよりみりん!……りみりん?」

 

「すー、すー、」

 

「頑張って作ってたからな、寝かせてあげよう」

 

「そうだね」

 

ホッとしたのかりみが机に突っ伏して寝てしまったから俺の上着をかけてあげて気が付いたらりみのことを撫でていた。

 

「ねぇゆーくん、彩先輩に話して明日の順番変えてもらったら?」

 

「大丈夫だぞ香澄、彩先輩のあとは私とりみりんが2日連続になってるからそこでいい、それに…」

 

『それに?』

 

香澄が珍しく?気を付かせて彼女たちのローテーションの順番変えられないか提案をしたが有咲が断った。彩先輩のあとの2日間はりみと有咲の順番だからって理由だけど他にもあるみたいだ。

 

「明日だと朝までもたないからローテーション通りの方が助かる」

 

「なるほど〜わかった」

 

「ありがとな香澄」

 

「どういたしまして」

 

「「香澄が気を使うだなんて」」

 

「どういう意味!?」

 

「もう遅いしみんな泊まってけ」

 

ローテーション通りの順番に決まったから香澄への弄りを無視するような形で有咲が泊まってくようにみんなに言った。よく見ると有咲も寝そうになってるな。

 

「じゃあ有咲のばあちゃんから毛布とか借りてくるから寝る準備しといてくれ」

 

「私も行くよ、私の家だし」

 

「寝そうになってるし有咲は休んでてくれ」

 

「「「ゆーくん(優弥も)ね!!!」」」

 

「わっ!?」

 

布団とか借りに行こうとして有咲の手伝いを止めたら香澄とたえと沙綾の3人に俺も止められた。俺も疲れてるから休むように言われたけど別にいいんだけどな…まぁせっかくだし3人に任せて有咲と待つことにしたけど、有咲が限界になったせいか俺の膝枕で寝てしまった。3人が戻ってそれを見たらいつもはずるいと言うけど今日は言ってこなかった。3人に準備してもらったら有咲とりみを起こさないように運んで2人の間に挟まるように横になった。

 

「じゃあ3人とも、あとはライブを頑張るしかないしまた気を引き締めていくぞ」

 

「「「うん!」」」

 

「おやすみ」

 

「「「おやすみ」」」

 

俺も限界だからすぐに寝てしまった。寝る前に思ったことはMVを作ったしあとはライブでどこまで差を縮められるか、それともうひとつ……

 

 

 

有咲さっき朝までもたないって言ってなかったか?ってことだった。

 

 

 

 




次回6話…になるか分かりませんがなるべく早く更新します。よろしくお願いします


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番外編
【特別編】チョコとチョコより甘い時間


バレンタインということで急いで作りました。

急いだから誤字とかあるかもだし展開も変かも


 

2月14日

 

今日はバレンタインの日。チョコをくれるような人がいない人にとってはどうでもいい日だが俺には4人の彼女がいるから楽しみにしてる。

 

「ゆーくんおはよう!」

「おはよう優弥」

「優弥おはよう」

 

「おはよう香澄、有咲、沙綾」

 

1人で登校してると後ろから3人に声をかけられた、4人の彼女のうち3人だ。今日は先に行ってて欲しいって言われたけど追いつかれたな、息切らしてるけど走ったのか?

 

……俺じゃなくて香澄に追いつこうとして

 

「いきなり走んな香澄!」

 

「ごめんごめん、早くゆーくんに会いたくて」

 

「気持ちは分かるけどいきなりだったね〜」

 

「やっぱり2人は香澄に追いつこうと走ったんだな」

 

「まぁそれもあるけど……私だって早く会いたかったし///」

 

「相変わらず可愛いな有咲」

 

「なっ!?///」

 

いつまで経ってもすぐ赤くなる有咲だけどそこもまた可愛い。

 

「たしかに」

「さすがゆーくん、有咲が可愛いなんてよく分かってる!」

 

「もちろん沙綾も香澄もな」

 

「っ///」

 

2人も赤くなった。自分たちも言われるとは思わなかったのかな?

 

「電話、ロックからだ、もしもし?」

 

『おはようございます優弥先輩』

 

「おはようロック、どうした?」

 

『今日の放課後ポピパさんが練習してるかもしれませんけど蔵に行ってもいいですか?』

 

「ちょっと待って、今日放課後蔵にロック来たいみたいだけど大丈夫か?」

 

「「「もちろん!」」」

 

「もしもしロック?大丈夫だってさ」

 

『ありがとうございます!学校終わったらすぐ行きます!』

 

「わかっ……切れてる!?」

 

ロックにしては珍しく要件だけ言ってすぐ切ったな。まぁだいたい来る理由分かってるしいっか。

 

そして実は今日ポピパの練習は休みだ。りみもたえも今日は大事な日だからって言って2人が休みにしたんだよな。

 

「ってことだから今日ロックも蔵に来るぞ」

 

「「「わかったー」」」

 

理由が予想できてるだけに俺も早く放課後になって欲しいって思うな。

 

 

-----昼休みの屋上-----

 

「ゆーくんハッピーバレンタイン!」

「愛情たっぷり込めて作ったからね!」

「受け取ってくれるか?」

 

「3人ともありがとう。もちろん受け取るさ」

 

可愛い彼女たちからのチョコを受け取らない彼氏なんてどこにいるってんだ。

 

3人からのもらったチョコの箱はハート型をしていた。嬉しいな。

 

「どれから食べようか迷うな」

 

「あ、最初は私のから食べて?」

 

「沙綾のから?」

 

「うん、ジャンケンで順番決めたの。ロックも同じ学校だし先に渡していいって言ってくれてる」

 

「わかった。じゃあまずは沙綾のからいただきます」

 

既に順番を決めていたらしく沙綾→有咲→香澄のチョコと食べてもらうことになっていた。せっかく決めてたんだしその順番で1口ずつ食べていった。

 

「みんなのチョコ美味しいよ」

 

「それじゃあ…///」

「や、やるのか?///」

「やろう///」

 

「ん?みんなどうした?」

 

「それじゃあ私から///」

 

「ま、マジか」

 

1口サイズに口に咥えて俺の方に突き出している。つまり口移しでってことだよな?

 

「んっ...///」

 

食べる時にチョコだけじゃなくて沙綾の唇ももらうことに……って当然か。ただそれだけじゃなくて舌も入れて絡めてきた。ここ学校だぞ!?

 

「ぷはっ、美味しかった?///」

 

「ああ、すっごく//」

 

さすがにこれはやった事なかったから俺もドキドキしてる。

 

「次は私な///」

「その後私ともだからね!///」

 

「分かってる」

 

この後有咲や香澄とも沙綾と同じようにしてチョコを食べさせてもらった。そしてそれはチョコを食べ切るまで続いていた。

 

……そのせいで学校なのに、それもまだ昼休みなのに我慢できなくなっちまったじゃねぇか。

 

「「「はぁ…はぁ…///」」」

 

3人の息も荒くなってるし俺と同じ気持ちかな?

 

「優弥…我慢できない///」

「チョコだけじゃなくて私たちのことも///」

「食べて欲しいな///」

 

同じ気持ちだった。本来断るべきところだろうが俺も我慢できなくなってる。だから答えは

 

「もちろん」

 

と言うしかない。

 

だが……

 

「流石にそこまでです!///」

 

『!?』

 

「学校ですから……それ以上は……ダメです///」

 

紗夜先輩と燐子先輩がドアを開けて屋上へ出てきた。まぁ風紀委員と生徒会長だし当然の対応だけど燐子先輩……注意の仕方それじゃあ学校じゃなければいいってことになりますよ。

 

というか2人とも顔赤いし見てたな?

 

「4人とも、時と……いえ、今はお昼休みだから時間はいいですけど場所を考えてください!///」

 

「あはは、すみません。2人ともずっと見てたんですか?」

 

「はい///」

「出ていける…雰囲気じゃなかったので///」

 

それはそうかも、口移しで食べてるところを見て平気で出てくるのは難しい。なんなら途中からドアから見えないように3人の胸触りながら食べてもいたし。

 

まぁそれで余計我慢できなくなったんだけどな。

 

「じゃあ続きは蔵でロックも来てからな?」

 

「「「うん///」」」

 

「それと私たちからも優弥君へチョコあります。み、みなさんみたく食べさせることはないですけどね//」

 

「頑張って…作りました//」

 

「2人ともありがとうございます。後でいただきますね、もう昼休み終わりそうですし」

 

いや〜まさか香澄たちの前に2人からチョコ貰うことになるとは思わなかった。というかこのために屋上まで来てくれてたのかな?

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

放課後

 

「ロックー!」

 

「優弥先輩!」

 

学校が終わって放課後、俺は羽丘までロックを迎えにきた。香澄たちには先に蔵で待ってもらっている。

 

「もう香澄先輩たちからは貰いましたか?」

 

「もちろん、昼休みに貰ったよ。3人ともポピパの交換分と別に作ってくれてたしさ」

 

「私も同じ立場ならそうします」

 

俺も同じ立場ならそうしてるな。

 

「ちょっと2人とも?私がいるの忘れてない?」

 

「「……あっ」」

 

「ちょっと!?」

 

おっと、ロックと話してて明日香もいること忘れてた……なんてことはないけどロックと話すのに夢中になったのは否定できないな。

 

「冗談冗談、まぁロックに夢中になっちゃったのは否定できないけどさ」

 

「優弥先輩ってば///」

 

「相変わらずだね〜それと六花に預けるつもりだったけど直接ゆー兄に渡しちゃうね」

 

「マジか、ありがとな明日香」

 

明日香からももらえるとは思わなかった。

 

「今日蔵で集まるんでしょ?味の感想は明日聞かせてね」

 

「お、おう…(明日会うことあるかな?)」

 

「電話でいいから」

 

「わかった」

 

考えてることバレてる!?

 

「明日香ちゃんまた明日ね」

 

「うん、また明日!

 

盛り上がり過ぎて明日遅刻しないようにね?」

 

「「!?///」」

 

明日香ってこういうこと言う子だったか!?ニヤニヤしながら言ってるからどういう意味で言ってるか分かっちゃうな。

 

俺とロックは明日香と別れて蔵に向かった。蔵に入ると香澄たちが待っていた。

 

「待ってたよー!」

 

「おっと、いきなり抱きついてきたら危ないだろ?」

 

「えへへ〜」

 

こいつ聞いてない……まぁよくあることだけど。

 

「ったく、ほら、下行くぞ香澄」

 

「はーい」

 

香澄は俺に引っ付いたまま下に降りていった。他の3人も一緒にいたけどな。

 

「それじゃあ優弥先輩、私からのチョコ受け取ってください」

 

「もちろん」

 

「それじゃあソファに座ってください」

 

「ん?」

 

なんで?

 

とりあえず言われた通りに座ったけど

 

「それじゃあ失礼します///」

 

「へ!?」

 

『!?』

 

俺の上に座るの!?しかも俺の方向いて!?

 

「それじゃあこうやって///」

 

ロックが用意してくれたチョコは全部1口サイズ……というより沙綾たちが昼間やったことをやりたいからだろうけど

 

……我慢できるかな?

 

「んっ///」

 

ロックが口移しで食べさせてくれる。しかも他の3人より激しく絡めてきてる!?

 

これが用意してくれた分最後の1つまで続けられたから……

 

もう限界

 

「ご馳走様//」

 

「美味しかったですか?///」

 

「ああ、すっごくな!」

 

「きゃっ///」

 

昼間も紗夜先輩たちに止められて結構辛かったし今もロックにこんなことされたせいでもう抑えられない。

 

「ロックのことも食べるからな」

 

「っ、はい///」

 

「「「待って!!///」」」

 

「「!?」」

 

ロックのことも食べようとしたら3人に止められた……って当然か。

 

「私たちだってお昼から我慢してるんだよ!」

 

「ロックでも譲れないよ!」

 

「私だってしたいんだから!」

 

「そうですよね、すみません私1人…」

 

「「「「それじゃあみんなで…」」」」

 

「えっ!?ちょっ!?まっ!?」

 

「「「「(ゆーくん)((優弥))(優弥先輩)!!!!」」」」

 

「うわぁ!?」

 

4人同時に飛び込んできた!?さすがにそれは支えきれない!?ってかみんなで俺の身体あちこち触るなー!!

 

 

 

 

 

 

途中俺も反撃したりして夜まで楽しむことになった。

 

 

 

 




ちなみに優弥がもらったチョコは

ポピパ
明日香
紗夜
燐子
六花

このメンバーからです。


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【特別編】 お返し

特別編でホワイトデーの話です。

後半は……


 

「こんな感じでどうですか?」

 

「どれどれ〜?おおーいい感じじゃん!」

 

「凄い、もうここまでできるようになったんだ!」

 

今日はホワイトデーの1週間前3月7日、今は羽沢珈琲店にいる。だけど客としてではない、今日は店を閉めて……と言っても元々休みの日だけどRoseliaのリサ先輩やAfterglowのつぐみと一緒にクッキーを作っている。当日用の練習のためにだ。

 

ただ作るだけなら問題なくできるようになったけど色々な形を作っているからリサ先輩やつぐみに教えてもらっているのだ。つぐみはバンドメンバーの分を作るから一緒にやっている。

 

たえや紗夜にはギター型、りみやバレンタインでもらったわけじゃないけど教えてもらってるお礼としてリサ先輩の分も用意するつもりでいてこの2人はベース型……って言った感じでバンドの役割に合わせた形を作っている。もちろんつぐみの分も作る。それとポピパには星型、Roseliaにはバラ型も作る予定だ。そのための特訓を今している。

 

「あとはこうしてっと…」

 

「「おお〜」」

 

「できた」

 

ベース型とキーボード型のクッキー、それに加えてギターとドラムスティック型ができた。バレンタインでもらってからずっと協力してくれたおかげでここまでできるようになったから2人には感謝しかない。

 

「凄い…ベースもギターもしっかり弦が表現されてる」

 

「キーボードもですよ、白と黒の鍵盤の位置をちゃんと表現されてます。優弥君、色はどうするの?」

 

「今は試作でまずは形をと思って作ったので細かい味付けは残りの1週間じっくり使って考えます。もらってくれた人に喜んでもらいたいですし」

 

「なるほど、それが見れないのはちょっぴり残念だけどこんな凄いの見れたから嬉しいよ」

 

……完成系も見れるけど今は黙っておこう。

 

「それでリサ先輩にはベース型の、つぐみにはキーボード型のをあげます。ギター型とドラムスティック型は2人で好きな方をどうぞ」

 

「「いいの!?」」

 

「もちろん」

 

今の段階のを食べてもらって当日はちゃんとした完成系をあげるけど今は内緒だ。

 

早速食べて貰ったけど

 

「うん!美味しい!」

 

「ほんと美味しいよ!」

 

2人から高評価をもらえた。よかった

 

「ありがとうございます、リサ先輩、紗夜先輩や燐子先輩にもあげることにしてるので内緒にしてて下さいね?」

 

「わかった!」

 

「2人とも今日まで本当にありがとうございました!」

 

「いえいえ、私も楽しかったよ!」

 

「私もだよ、また今度機会あれば一緒に作ろうね!」

 

2人には1週間後また驚いてもらおう。

 

当日まであと1週間、頑張らないと!

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

ホワイトデー当日の放課後

 

「それじゃあ先に蔵行っててくれ、羽丘行ってから向かうから」

 

「「「はーい」」」

 

学校が終わり放課後、明日香やつぐみやリサ先輩にも渡すために羽丘に向かう。そのことはポピパ分のお返しを渡した時に話してある。つぐみとリサ先輩の2人に協力してもらったことも。

 

昼休み一緒にいた(俺が呼んだ)紗夜先輩や燐子先輩も喜んでもらえたけど…食べさせて欲しいと言われたから言われた通りにしたら赤くなって屋上から走って立ち去ったのは可愛かったな。

 

「お、ロック!明日香!」

 

「ゆー兄?」

「優弥先輩!」

 

羽丘に着くとちょうど2人が出てきた。前にもこんなことなかったか?

 

「会えてよかった、2人にバレンタインのお返し渡しに来たぞ」

 

「ありがとうゆー兄、でもこの後蔵に行くんじゃないの?」

「私は蔵でよかったのに」

 

「後でちゃんと行くよ、それとロック」

 

「はい?」

 

「彼女分のお返しは他にもあるから蔵で待っててくれ」

 

「っ、はい///」

 

ロックに耳元で囁くと赤くなっちゃった。明日香には相変わらずって感じで見られてたけど……まだ渡す人いるからってことでロックには先に蔵に向かってもらった。

 

リサ先輩やつぐみまだいるかな?電話するか…

 

「あら?優弥じゃない」

「ほんとだ、やっほー優弥!」

 

なんてタイミングいいんだ。リサ先輩が出てきた。友希那先輩も一緒にいるけど…

 

「リサ先輩、これ協力してくれたお礼に作って来ました」

 

「私に!?いいの?バレンタインにあげたわけじゃないのに」

 

「もちろんです。つぐみもですけどリサ先輩がいなかったら作れませんでしたからね、そのお礼です」

 

「ありがとう、それじゃあ受け取るね」

 

「よかったわねリサ」

 

「予想してなかったけど嬉しいよ、ありがとう優弥」

 

「いえいえ」

 

やっぱり驚いてくれた。サプライズ成功かな

 

「友希那先輩、普通のクッキーですけど多めに作ってるので友希那先輩もどうぞ」

 

「ありがとう優弥……普通の?」

 

「後でリサ先輩や紗夜先輩や燐子先輩に見せてもらえば分かります」

 

「なるほど、わかったわ」

 

リサ先輩にも渡したしあとはつぐみに渡せば俺も蔵に向かえる。

 

「優弥?」

 

「ん?蘭か…ってあれ?1人?」

 

2人と分かれた後で校門で待ってるけど蘭が出てきた。1人なのは驚いたけど

 

「用事あったから先につぐみの家に行ってもらってただけ」

 

「マジか……ん?みんなそこに集まるのか?」

 

「そうだけど何かあるの?」

 

「つぐみにちょっとな」

 

「つぐみに……つぐみに手を出す気?」

 

「…………はい?」

 

なんでそういう発想に?

 

「うん、そんなこと考えてないみたいだしいいよ、一緒に行こう」

 

「お、おう…」

 

俺が手を出すと思ってたのか?まぁ……何人も付き合ってる人いるしそう思われても仕方ないところもあるのか?

 

蘭と2人になるのは初めてだったけどバンドのことで色々話してたらあっという間に羽沢珈琲店に着いた。

 

「あ、蘭ちゃんいらっしゃい……って優弥君!?」

 

「あれ?どうしたの?」

 

つぐみもひまりも俺が入ると驚いた。俺が来たことより蘭が俺と一緒のことに驚いてそうだけど。

 

「つぐみに用があってな。協力してもらったお礼につぐみの分も作って来たから受け取ってくれるか?」

 

「私に!?」

 

「もち!」

 

リサ先輩もだったけど俺が用意していることに驚いてる。サプライズに用意してた身としては嬉しいけどな。

 

「ありがとう」

 

「あ!このクッキーキーボード型になってる!」

 

「色も…ってことは先週食べさせてもらったのより味がついてるってことかな?」

 

「先週!?」

 

『ひまり(ちゃん)(ひーちゃん)うるさい』

 

「ハモらないで!?でも美味しそう」

 

はは、見事にハモったな。

 

美味しそうって言ってくれるのは嬉しいな。

 

「他のみんなもどうぞ、こっちは普通のクッキーだけどさ、みんなで食べてくれ」

 

「いいの!?」

 

「お、おう…」

 

ひまり近い…

 

ひまりだけじゃなくて他のみんなも一緒に食べたら美味しいって言ってくれた。よかったよかった。

 

それじゃあ蔵に行くか

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「お待たせ〜」

 

「ゆーくん来たー」

 

「おっと」

 

蔵について階段を降りたら香澄が飛びついてきた。予想してたから簡単に受け止めたけどさ。

 

「香澄!階段のところは危ないだろ!」

 

「そうだよ、怪我したら危ないでしょ?」

 

「えへへ、ごめんごめん」

 

「大丈夫、香澄が飛びついてくることなんて予想して……ん?」

 

ごめんと言いながら離れると今度は沙綾と有咲が同時に来た……と思ったら後ろからもロックが抱きついてきた。

 

「優弥先輩私も食べさせて〜」

 

「わかったわかった、とりあえずいったんみんな離れようか」

 

名残惜しそうにみんな離れた。俺も正直そうだけどまずはロックに食べさせてあげないとな。

 

「ロック、あ〜ん」

 

「あ〜ん♪

 

やっぱり優弥先輩に食べさせてもらうのが1番美味しいです」

 

うん、可愛い

 

「それと4人にはもう1つ、みんなの分のチョコもちゃんと作ってきたぞ」

 

「チョコも!?」

「クッキーにマカロン…」

「しかもチョコまで作ったの!?」

「ちゃんと眠れました!?」

 

ん?心配するところそこなのか?まぁいつもより寝る時間短かったからつまらない授業でちょっと寝ておいたけど…

 

「誰から食べる?」

 

「ロックからいいよ」

 

「いいんですか!?」

 

「学校違くて私たちより一緒にいる時間少ないからな」

 

「それに最初に彼女になったのロックだもん」

 

「だからゆーくん、ロックから食べさせてあげて」

 

へぇ〜自分が最初がいいとか言わないんだ。じゃあロックから食べさせるか。

 

「みんながそう言うなら

 

じゃあロック、あ〜ん」

 

「……」

 

「あれ?」

 

もしかしてこっちが希望かな?1口分を口にしてロックの方に近付くとロックも顔を近付けて来た。どうやら口移しがご希望なみたいだ。

 

舌を絡ませて含んだチョコが無くなっても絡め続けていた。

 

「優弥先輩…立ってるの辛いです」

 

「じゃあ座るか」

 

「はい///」

 

口を離してソファに座るとロックも上に座ってきた。バレンタインの時みたくこの状態で食べさせることにした。

 

「ん///美味しい///」

 

「っ」

 

でもそういう反応されると俺の方も耐えるのがきつい。どこをとは言わないけどロックが刺激してきてるし。

 

「ロック交代だよ、少しずつ味わおうよ」

 

「はい///じゃあ次は香澄先輩ですか?」

 

「うん、その後有咲、さーやでまたロックって続くけどいいよね?」

 

「もちろん大丈夫、全員同じようにするさ」

 

同じ対応することは問題ない。問題なのは俺の理性がどこまで保てるかだ。

 

「ゆーくん…お願い///」

 

「っ//」

 

食べさせるだけなのにそんな言われ方したら……なんとか理性を保って口移しで食べさせたけど……ロック同様に食べさせたチョコが無くなってもキスを続けていた。

 

「次は私だな///」

 

「あぁ…」

 

次は有咲、次々と俺の上に座って食べさせてもらう準備をする。ロックや香澄より胸があるせいか食べさせる時に柔らかい胸が当たる。もうとあることはバレてるはずだけどこのまま続けていく。最後までもってくれよ俺の理性。

 

「最後は私だね…お願い優弥//もう我慢できないよ///」

 

「おまっ!?そんな言い方!?//」

 

変な言い方すんなよ!?別の意味に聞こえるだろ!?

 

まぁとにかく3人と同じくらいの量を3人と同じように沙綾ともした。これは用意したチョコが無くなるまで続きそして……

 

「チョコ美味しかったよ優弥///」

 

「それはよかっ……ちょっ!?」

 

美味しかったみたいだからよかった……って思ったところでいきなり沙綾に押し倒された。それを合図にロックも香澄も有咲も一緒に来た。

 

「ゆーくん///」

「「優弥///」」

「優弥先輩///」

 

『いただきます///』

 

「ちょっ!?4人同時にはやめっ!?誰だベルト外したの!?腕に胸当ててるの有咲か!?気持ちいいけど!?ちょっと待て4人同時にはやめっ、わぁぁ!?」

 

いただきますを合図に4人一斉に覆い被ってきた。俺にと言うよりは俺の……流石に同時は耐えきれずすぐに……その後は俺が主導権を握り……

 

何がと言わなくてもわかると思うがバレンタイン同様夜遅くまで続いていた。そして次の日俺も香澄も有咲も沙綾もロックも……それぞれの学校でりみやたえ、そして明日香やあこにまた色々言われたことは言うまでもない。

 

 

 

 

 

 

 




ふぅ……間に合った。

ちなみに書いてないけどちゃんとあこちゃんにも渡してます。Roseliaの練習に行くから友希那ちゃんに預けたと思ってください。

次回はまた本編に戻ります


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