関西地方 異世界にて繁栄を取り戻したり (ルーいく)
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プロローグ
です こちらでは新作初めてですがー 頑張ります(語彙力皆無)
関西地方。それは昔は都が置かれ、天下の台所があり、東洋のヴェネツィアと呼ばれた街もあり、「上方」と呼ばれた時期があった…
しかし、今では首都一極集中が進んでしまい昔のような繁栄は掠れ、今や衰退の一途をたどる地方となっていた…
しかし、その関西が異世界に行ったら…?
もしかしたら繁栄を取り戻せるかもしれない…
これは本当に異世界へ転移した関西地方+αのお話である…
2022年6月22日
この日の深夜、日本では二つの大災害に見舞われることとなった。
1つ目は前々から懸念されていた南海トラフ大地震。それと同時に発生した様々な地震により時空に大きな歪みが発生し、
大阪を中心とする関西地方付近の12府県が消滅したことだ。
ガンドア暦7850年8月9日
「東京との連絡はどうなっている?」「現在民間、行政どちらも連絡が取れていない状況です!」大阪府は未曾有のパニックに陥っていた。本来であれば災害時でも通じる緊急連絡も通じないからだ。
「松村知事、少しおかしな情報が…」「なんだ?言ってみてくれ。」「星の位置が全く異なっていて、月が二つあります!こちらを見てください!」「まさか…そんなことはって…はあ?」
これにより、関西が今ある場所はこれまでの地球とは異なることに気づくことになったのである。
ー8月18日ー
「各府県の備蓄分を考慮しても石油は持って3ヶ月、食料は5ヶ月です。」
そう語るのは関西広域連合の連合長を務める兵庫県知事の進藤であった。
「そうか…持って3ヶ月なのか…自衛隊の探索はどうなっている?」
これに答えたのは京都府知事の小野であった。
「海上自衛隊に要請し、周囲海域の確認をしてもらったところ、北方400km付近の海域に大きな大陸があったとのことです。」
間髪入れずに三重県知事の赤田が別の報告をする。
「こちらは航空自衛隊に協力を要請し、東部方面を監査したところ、東方800km付近に文明らしき灯りが発見されたとのことです。」
「そうですか…こちらから言うのであらば、共に異世界とおぼしき世界に来た訪日外国人、並びに在日韓国人の方々の暴動が激しいと言うことですね…こちらからは何もあまり良い情報を与えられなくて申し訳ない…」
「それではもう一つの本題に入りましょうか…」「それは関西連邦共和国の設立についてです。こちらについては関西広域連合にオブザーバーとしても参加していない香川、岡山とは既に話がついており、最後にこちらでの決議を取るのみとなっております。」「それでは議決を取ります。関西連邦共和国設立に賛成の方は挙手をお願いします。」
全員の手が挙がる…これにより関西連邦共和国は設立されたのであった。
「賛成多数により、関西連邦共和国設立とします。」「それでは会場の外で待機して頂いてる松本さんと茨城さんどうぞ入室をお願いいたします…」………
これが後にThe Great Kansaiと呼ばる関西連邦共和国の始まりだった。
「えー…たった今臨時ニュースが入ってまいりました。先程関西広域連合の会合内で関西連邦共和国の設立が決定されました。関西連邦共和国の首都は大阪、首相は現大阪府知事の松村さんということですが専門家の皆さんはどうお考えになられますか?」
「いやーねぇ、これは妥当でしょうね。時空変動が起きてしまったことによって東京とかの首都機能がある都市がなくなったのがかなり痛手でしょうが、松村知事はとても仕事熱心な方なのでどうにかしてくれるでしょうね。…」
そして日は流れる。
なろうとこちらは多少の内容変更をしようと思っていますので、なろうverも見ていただけるとありがたいです
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第二話 北方大陸への進出
ガンドア暦7850年9月3日
〜北方大陸沿岸部〜
「結構広いですね〜」
「そうだな。あんまりはしゃぎすぎるんじゃないぞ…未知の生物がいるかも知れんからな…」
「そろそろ島につくので下船の用意をしてください!」
「もうついたのか…それなりに早いな。将来的にはここに大都市が築かれるだろうな…」
海上自衛隊は関西連邦共和国が設立してすぐにて新しく見つかった北方大陸に舞鶴から護衛艦『ひゅうが』と民間の船で探査に乗り出すことを発表し、現在派遣されている状況であった。一部の人はクラーケンやリヴァイアサンなどの海に棲む生物が襲って来るかもと考えていたが、何事もなく北方大陸についたのであった…
「民間の方はそれぞれ所定の位置について探査をお願いします!くれぐれも勝手な行動は行わないようお願いします!勝手な行動によって何かあった際の責任は負いかねます!また、何らかのトラブルがあった場合すぐにお声がけください!」
そして民間企業は所定の位置につき、資源探査が行われることとなった。そしてそこで衝撃の事実がわかることとなった。
「これは本当なのか?…もし本当なら一生使えるのではないのか…?」
関西連邦共和国が設立されたことにより総理大臣となった松村は暫定的な総理官邸である大阪府庁の知事室にてそう呟いた。その手元にあった資料にはこう書いてあった。
北方大陸資源探査書(推定量:日本全体で使用したと考える場合。)
石油 986年分
石炭 1234年分
天然ガス 861年分
鉄鉱石 897年分
銅鉱石 850年分
ボーキサイト 506年分
etc...
これにより関西連邦共和国の資源不足の状況は解消されることとなり、新たな進出先として東方大陸を目指すこととなった…
そして、二ヶ月の間、関西連邦共和国は北方大陸の整備を猛スピードで行い、転移によってなくなってしまった活気は転移前のような活気へと戻りつつあった…
〜〜東方大陸某所〜〜
「アルダー共和国への侵攻計画は完成したか?」「えぇ…勿論。かのアルダー共和国を滅ぼした暁には我がシリウス帝国に永久なる繁栄がもたらされることでしょう」
アーッハッハッハ
アーッハッハッハ
アーッハッハッハ
〜???〜
「そうか…周辺の探査は終わったか。」「西側の大陸へ軍を派遣せよ。幸いにもこちらには無尽蔵な石油備蓄量があるからな。もし逆らおうとする国家があるなら…」
「滅 ぼ せ 」
それは少しずつ…見えないところから…動き出しつつあった…………
評価等お願いしたします!!
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第三話 東方大陸との接触
「編成が終わりました。こちらをどうぞ。」
「わかった。承認の判子を押しておく。」
「わかりました。ではしつれいします。」
2ヶ月が経ち、北方大陸から資源がで始めるようになったことに伴い、東方大陸に接触を図ろうという話し合いがなされ、現在その準備段階が終わったところであった。
「にしても、『ひゅうが』を投入するのか…さながら砲艦外交のようだな…まぁいい、あちら側がこちらに敵対してくる…ということもあるからな。」
手元の書類には派遣する護衛艦が書かれていた。
護衛艦『ひゅうが』
『せとぎり』
「まぁ、構わない。2隻もあれば無事にたどり着けるだろう…残りは北方護衛だろうな…」
そうして『ひゅうが』と『せとぎり』の派遣は正式に認められ、舞鶴を出、三重で補給をしてから東方大陸へ派遣されたのであった…
〜東方大陸沖〜
「何も見えないですね…ほんとにあるんですか?」
「確かに見た、という人がいるからあるのだろう…まぁ、こんなようにしてコロンブスは航海してたんだろうな。」
「おっと…こんなところで無駄話してる間にあちらからの接触役が来たみたいだ。話はつけるとして、後は外務官がどれだけ話をつけれるかだな。」
「そうですね〜」
アルダー共和国屈指の名提督と言われるラミストは困惑していた。なぜなら目の前には自分が乗っている船を2つ並べて同じぐらいの大きさになるほどの船が領海内を通っていたからだ。このくらいの大きさの船を作るにはどれだけの魔道士が必要なのだろう、と考える。
あ然としていたがすぐに我に返り「前の船!ここはアルダー共和国の領海です!止まりなさい!」と船に対し警告を行い、船が素直に止まったことで、臨検を行うこととなった。
〜『ひゅうが』艦内〜
「まずは領海を侵犯したことに対し、深くお詫びを申し上げます…」
「いえいえ、ここまで正直な方は初めてでな…質問だがお主たちはどっちから来た?」
「ここよりずっと西の関西連邦共和国から来ました。」
「ずっと西!?あそこは波が荒く、必ず船が沈むと言われている魔の海域からか!?まぁ、嘘をついてるようには見えないがな…このような感じでは。」
「信じてくださってありがたいです。私達がこちらに来た理由はこちらに文明の灯り見えたからです。どうか私達と国交を結んではいただけませんか?」
「わかりました。しかし、あくまでも儂は一提督の身であるから都に連絡を送るぐらいしか出来ないが…」
「それでも結構です!!お願いしたします!!」
「わかりました。連絡を取るのでしばし待っていただくとありがたい」
ptとか意見を書いていただけると幸いです。
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第四話 樹立
「こちらラミスト、国籍不明船が国交の開設を求めている。至急リオバシ軍港に伝達したり。」
ラミストはそう持ってきていた通信魔石で自分の乗っていた船に伝達した。
「そちらは何ですか…?」
「えぇっ!?こちらの通信魔石をご存知ないのですか!?」
「通信魔石も何も…うちの国には魔石という存在はないのです。」
「えぇ!?魔法をない国なんてあるのですか!?」
「そうですね。関西連邦共和国では魔法は空想上のものであり、この船もそうですが、国のすべてが科学技術で成り立っています。」
「なるほど…この船はその科学技術で成り立っているのですか。」
そんなことを話しているうちにとりあえず入港が認められた、という通達が来たためできるだけ海岸に近づいてから小型ボートでアルダー共和国第一の港であるザクロスにつき、そこで一晩を明かし、国交樹立の話し合いが行われることとなった。
「本日は国交樹立の話し合いの席を設けていただいてありがとうござきます。まずこちらから、関西連邦共和国の説明をさせていただきます。」
「関西連邦共和国はここから西に800kmほどの地点にある、人口がおよそ2732万人の国です。これまでなんの情報もなかったと思われますが、私達は日本という国の関西と呼ばれる地域だけが転移したからです。」
「当国では魔法は空想上のものであり、全てが科学技術というもので成り立っています。こちらからは以上です。」
「ありがとうございます。続いては我がアルダー共和国について説明をさせていただきます。」
「アルダー共和国はこのサライア大陸にある国々のうち、強国と呼ばれる国です。もう一つはシリウス帝国といいますが…あまりいい国ではありません。」
「人口は985万人で、全面的に奴隷制が禁じられています。また、豊かな土地を活かし、農業が盛んです。」
「それでは本題に入りましょうか、国交樹立についてです。こちらからは科学技術のものを輸出し、そちらからは大量の食料を輸入を希望します。こちらの資料をどうぞ」
アルダー共和国の外交官ラジックはなんと高品質な紙だろうと思いながら資料を確認した。
「こちらから輸出できるのはそちらの資料に書かれているものです。どうでしょうか?」
「なるほど、こちらに有益ですね…国交樹立の申請を認めます。こちらこそよろしくお願い致します。」
そう、挨拶した瞬間ドアがいきなり開いた。
「ラジック様…大変なことになりました!!!!」
「何だ?」
「シリウス帝国が宣戦布告!同時に20万の兵により、国境部の要塞都市ムヌが陥落しました!おそらく敵の目標は都とザクロスと思われます!」
「何だと!?」
「大変なことになってしまったため、取り乱してしまい申し訳ございませんでした。突然なこととなるのですがどうか軍の派遣をしていただけないでしょうか!?」
そうして関西連邦共和国は戦争へ巻き込まれることとなった…
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第五話 葛藤、そして反応
「事情はよくわかりました。しかし、私どもの国では憲法が作られておらず、代用している憲法では、戦争ができないという条項が書いています。その点を考えると難しいと考えられますが…とりあえず本国に聞いてみます。」
「そうですか…とりあえず本国の返答待ちということになりますね…」
松村は東方大陸へ送った外交官からの通信について小一時間考えていた。外交官からは「国交樹立の話し合いは上手く行った。」「国交樹立後相手側のアルダー共和国が他国に攻められている。至急応援を求む」の二つの通信だったからだ。国交樹立が上手く行ったことには喜んだ。しかし、後の応援を頼むことについては長く考えていた。
現在関西連邦共和国では暫定的な憲法として日本国憲法を使っていた。そのため戦力派兵は不可能に近い状況であった。ただ、ここで見逃してしまうとその国が関西に侵攻してくる事もあり得るだろう…そんな中松村は決断をした。
prrrr
「こちら松村です。土居さんをお願いします。自衛隊を派遣する事になりそうです。」
関西連邦共和国が後にサライア大陸内戦と呼ばれる戦争への参加がほとんど確定した瞬間だった。
「本日は報道各社のみなさんお集まりいただき、ありがとうございます。本日は重要なお知らせがあり、集まってもらいました。本日、東方大陸、現地名はサライア大陸のアルダー共和国という国と国交を締結しました。しかし、その直後、アルダー共和国は未知の武装集団により、危機的状況に陥りました。」
「これに対し、我が関西連邦共和国は武装集団に対し、断固として立ち向かうため、自衛隊を派遣することとなりました…」
「このように松村首相は発表しましたが専門家の皆さん、どう考えられますか?」
「いやぁ…これは妥当でありながら、非難されるものでしょうね…現行の憲法は日本国憲法ですから、やはり九条に抵触する、という考えの方もいられるでしょう。」
〜シリウス帝国帝都ノスプカ〜
「密偵により入った情報によるとアルダー共和国は関西連邦共和国という国と国交を樹立したように思われます。」
「その国はどこにある?」
「密偵からの情報ではここからもっと西にあるとのことです。」
「そうか。まぁいい、その関西連邦共和国もどうせ我がアルダー共和国にはかなうことはあるまい。予定からそれるが海軍を荒れた海のために更に編成することはできるか?」
「可能でありましょう…幸いにも予算は余っております。」
「そうか。なら関西連邦共和国も潰すために海軍の編成をせよ!」
少しずつ…シリウス帝国の破滅は近づいていたのであった…
pt等お願いしたします。
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第六話 派遣
「と、いうことで先ほど本国から軍を派遣する、との伝達がありました。」
「ありがとうございます!なんとお礼を言えばいいのか…この事はすぐに長にも伝えさせていただきます!」
〜アルダー共和国都ルーゴア〜
「先ほど国交を樹立した関西連邦共和国は早速軍を派遣してくれるとのことです。」
「分かった。…ところで今現在の状況はどうなっている…?」
「そちらもお伝えします…シリウス帝国軍はムヌを落としてすぐにムヌ=ザクロス街道を進軍中…また、主力はルーゴア街道を進軍中であり、こちらは全兵力を持って抵抗を続けていますが…奮闘虚しく次の週にはここルーゴアも…」
「戦況はよく分かった…君たちは逃げる用意と民を逃がすをしておきなさい…私は何があってもここからは動かん…」
「でも…それでは長が!」
「戦にでもとかはない!これは長である私の命令だ!」
「はっ…」
アルダー共和国では関西連邦共和国の参戦にもかかわらず、シリウス帝国との開戦早々敗戦ムードが漂っていた…
〜海上自衛隊舞鶴基地〜
ここではアルダー共和国へ向けて派遣されることになった第7普通科連隊と護衛艦『みょうこう』『あさぎり』『せんだい』の3隻が待機していた。
「初めての出動ですか…なんだか緊張しますね…先輩はどう思いますか?」
「確かにいざ出動せねばならないと考えると緊張はするがこれも国のために行わなければ行けないものだからなぁ…もしここであちらさんを見捨てたら関西連邦共和国は食料問題で一気にENDさ。ただなぁ…これだけは言っておく。誰も死なずには戦争は終わらない。必ず誰かが死ぬんだ。私は未来を守って死ねるのならば喜んでしのう…」
「そろそろ動くので『おおすみ』に搭乗してください!」
「ん、そうだな、人員チェックが終わったのだろう。帰って来れないかもしれないが命じられた任務は行うだけだ。最悪空自もいるから…どうにかなればいいんだがなぁ…」
〜『みょうこう』艦上〜
「いち早くアルデー共和国を助けたいが…明日になりそうだな…」
「ははっ、艦長が間違えるなんて、でも急ですもんね…アルダー共和国が軍事勢力に攻められたのが国交樹立してすぐのことだったから…」
「そうだな…おっと…そろそろ東方大陸の沿岸域に入る。周囲の警戒を怠らないように。くれぐれも後ろの『おおすみ』に損害が出ないように!」
「了解です!」
〜20分後〜
「西340に敵影!」
「ついに相手さんの船が見えたか…総員配置につけ!すぐにけりをつけるぞ!」
後に荒海海戦と呼ばれる海戦もとい関西連邦共和国からの一方的な攻撃タイムが始まるのであった…
感想意見やptを一点でも入れてくださるとありがたいです!!!!!!
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第七話 荒海海戦
今回は関西連邦共和国初の戦闘です。楽しんでいただけるとありがたいです。
「海が荒れてるな…いいように風が吹いてくれたらもう少し砲撃開始時間が早くなるのだが…」
シリウス帝国第一艦隊の大提督を務めるミスマスはそうつぶやいた。つい数時間前、風魔法を帆に向けてかけてからザクロスに向けて出航し、ちょうど半分、といったところまで来たところで海の波が高くなってきたのである。
ヒューッと音が聞こえる。
「一体何の音だ…私は疲れているのだろうか…」
その直後、ミスマスの乗っていたキャラック船は『みょうこう』が放った砲弾が着弾し、海の藻屑となったのであった…
〜『みょうこう』〜
「敵艦に着弾!沈んでいきます!」
「了解した。継続して砲撃するように!」
〜シリウス帝国第一艦隊所属のキャラック船内〜
シリウス帝国の第一艦隊はパニック状態に陥っていた。敵はいないだろうと思い船内で最終の確認を行っていたからだ。これは見張り手も同じだった。陸軍に特化していたシリウス帝国では、船が波にやられやすく、見張り手は波が強くなると下に降りる、という習慣がついていたからだ。
「ミスマス大提督の乗っている船が炎上!すぐに沈没しました!他に多くの船が沈没しています!」
「なぜそうなった?まだ敵はいないはずだろう!」
「わかりません!なんらかnドガーン」
「クソが!総員戦闘配置につけ!見張り手はすぐに監視の任に戻れ!」
「はいっ!」
「敵艦視認!お、大きさはひゃ、百メートルを越えています!」
「何っ!?嘘の情報はいらん!正確に伝えるのが見張り手の役目だろうが!」
「正確です!て、敵艦こちらに向けて砲撃!」
「威嚇か?もしかしたら当てに来てるかもしれない!総員退避ぃ!」
ドガーン
最初は500隻はあったシリウス帝国の海軍だったが、次第に数を減らし、残るは10隻ほどとなったところで敵艦が白旗を掲げ、ここに荒海海戦は関西連邦共和国側の圧倒的な勝利にて終わったのである。
「敵さんが白旗を掲げた。これより周辺海域の人の救助を行う。後ろのおおすみにも伝えておいて。」
「了解です!」
〜時は流れ〜
「しかし、派手にやったもんですね…これが戦争ですか…」
「まぁな…前まではアメリカがいたから多少の平和は保てていたが、今となっては在日米軍はいない、弱肉強食の世界じゃあこれが当たり前だ…これから先関西連邦共和国を脅かす奴らが出て来ないといいのだが…」
「そうですね…とりあえず生存者と思われる人は救助できたみたいです。それではザクロスに向かいますか…」
「そうだな。ザクロスへ向かい後ろの陸自の奴らをおろして暴れまわるだけ暴れようやないか。」
荒海海戦結果
・関西連邦共和国側
損害なし。
・シリウス帝国側
キャラック船486隻
死者約3万7000人
生存者約1800人
感想意見や誤字報告、ポイントを入れてくださるとありがたいです。
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第八話 救援
『みょうこう』『あさぎり』『せんだい』『おおすみ』は荒海海戦から5時間でザクロスへと到着した。
「もう援軍が到着されたのですか!?」現実では毎時20km、風次第のときもあるが、援軍要請からほぼ一日で到着したことはアルダー共和国で大きな話題となった。
「私達は町の北側8kmほどのところに陣を構えさせていただきます。騎士団の皆さんは町で待機していただけないでしょうか。」
「到底受け入れられん!そもそもお前たちは本当に味方なのか?味方のフリをして内部から潰そうとしているな!?ムヌのように!」
「いえ、私達はこのアルダー共和国の救援要請が…」
そういったところで伝令が室内へと入ってきた。
「伝令です!長からの通達です!ザクロスの防衛に関してはそちらの関西連邦共和国の方に一任すると!また、シリウス帝国軍はここから北100km程を行軍中!ここにたどり着くまで約20時間程と思われます!」
「とのことですね。すみませんが騎士団の皆さんはもし私達が敗北したときの最終防衛をお願いします。」
「むぅ…仕方がない。長の命令とあらば信じるとしよう。」
「ご協力ありがとうございます。必ず勝ってザクロスを守ってみせます。」
〜ザクロス郊外にある自衛隊の陣地
「敵軍が到着すると思われるのは明日だ。おそらく騎馬等がいることを考え、柵を急ピッチで設ける。空自が支援してくれる。こちらからはあまり手を出さないだろうが念の為だ。地球ではなかったようなバリアがあるかも知れん。そうなったらできるだけ遅滞戦術にするぞ…覚悟はいいか?」
「サーイエッサー!!!」
「意気がいいな。よし!絶対勝つぞ!」
時が経ち
〜行軍中のシリウス帝国軍〜
「海軍からの連絡が数時間前から途絶えている状況だが…君たちはどう考える?」
「通信魔石に何らかのトラブル、もしくは荒波で船自体が沈没したかと…」
「そうか。いくら貧弱共の集まりといえども沈没はあるまい。もしそうなったら死ぬまで笑ってやろうやwまぁ、死んでるんだがな」
「ハハッ、殿下は煽ることが優れてらっしゃる…流石は帝国弁論大会にお忍びで参加されて最優秀賞を取られただけである…」
「ハハッ、爺、一つだけ言っておこう。シリウス帝国の次期皇帝と呼ばれてる我、グコマーに出来ぬものなどない!」
「本当、意気のいいお坊っちゃんですこと…とりあえず今回の戦争に勝つことで名声を更に上げ、再来年に控えている皇帝候補選出会議で選ばれるようにしましょう。」
「そうだな…そして私が国を変えてみせる!」
「その調子です!と、もうそろそろザクロスの町が見えてくる頃です。アルダー共和国はここを落とせば陥落するかと…そしたら西の関西連邦共和国もともに落とせるかと…」
まだこのときシリウス帝国に災難が降り掛かっているとは誰も考えてはいなかった…
評価や意見感想を書いてくださるとありがたいです!!また、本日の投稿より、1日1つの投稿とさせていただきます。誠に申し訳ございません。
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第九話 空から
「ザクロスの街の城壁が見えてきたな爺。」
「そうですな…魔導騎馬突撃をそろそろ仕掛けますか?」
「そうだな。皆の者聞け!」
ザッ…シリウス帝国の皇帝の子供であるグコマー・ラル・シリウスの声に対し一瞬で軍の動きは止まる。しかも5万の軍勢がだ。
「魔導騎馬兵は普段どおりに突撃、そして撤退を繰り返せ。損耗したところでいつもどおりに魔導兵や一般歩兵が突撃する。」
「ハッ!」
そしてシリウス帝国の魔導騎兵は突撃の用意をし、突撃をしていくのであった…
〜自衛隊side〜
「つい先程敵がザクロスの郊外にいることを確認した。航空支援の要請はしておいた。じきに攻撃してくれるだろう。」
「我々の任務は防衛線を抜かれないことだ!総員引き締めてかかるように!解散!」
〜シリウス帝国の兵サイド〜
「今回の戦は勝ち続きだな…」
「そうだな!ハハハッ!このまま行けば田舎の彼女にも戦果を上げて告白できるってもんよ!」
しかし、彼の考えたことはできなかった…
「なんだ?あれは…新たな鳥か?それにしては速いな…こちらに向かってきてるのでは?」
「まさかそんなことが起こるわけ無いだろう…でもこちらには近づいてるな…」
「まぁいい…突撃開始だ!行くぞ!」
おおーっ!!!
しかし突撃することはならなかった…突撃しようとした瞬間航空自衛隊のF-15がシリウス帝国への陣地に爆撃を行ったからである。
〜自衛隊side〜
訓練中に転移に巻き込まれた本来は小松基地に所属している第380飛行隊は一時的に関西空港の滑走路を使い、連絡などの本来の目的ではないもので使われていたが今日ついに攻撃許可が降り、急いでこちらに来て攻撃をすることとなったのである…
「久しぶりに、暴れてやるぜ!」
「まぁまぁ…慌てるな…今この世界にはf-15はここにしかないからな…一機たりとも無駄にはできないよ…」
「分かった。よーし、敵を視認した。攻撃します!」
「了解!」
ズドドドドドドドドドドドド
f-15のM61A1機関砲から放たれる弾丸は一人一人、馬も巻き込み攻撃され、一人また一人倒れていく…
「*$;$*?$~$9(494:8#}\}」
ローブを着ている敵が何かを呟いたと同時に土から巨人が現れた。
「何?ゴーレムもいるのか?ははっ…腕がなるぜ!」
「おおっと…これは興味深い…とりあえずみんなは頭を狙って!」
ドドドドドドドドド
頭に対し大量の弾丸を食らったゴーレムはそのまま前に倒れ、後ろにいたローブを着ている敵も弾丸が命中し倒れたのであった…
意見感想や評価等お願いします!
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第十話 会戦終結
「何が起きている!」
謎の鳥が降下してきたと思ったら周辺に居た騎兵達が倒れていっていた…
正直何が起こっているかがわからない…けれども
「怯むな!前へ進め!突撃隊形になれ!」
騎馬兵たちは止まらず前へ進んでいったのである…
前に自衛隊が陣を張っているとは知らず…
〜自衛隊side〜
「敵の距離500...450...400...350...300!撃てぇ!」
ズダダダダダダダダダダダダ
隊形の前をきっていた敵の騎馬兵が一人一人倒れていく…
しばらくするとようやく自衛隊に気づいたのか一瞬立ち止まる騎馬兵もいたがすぐにこちらへ向かって来て、八九式自動小銃の餌食となった…
「前方中央!派手な服装の人が居ますがどうしますか?」
「交渉したら降伏してくれるかもしれない…とりあえず呼びかけては見る。」
【こちらは関西連邦共和国陸上自衛隊である。あなた方達はアルダー共和国の領土を侵犯している。速やかに武装を解除し、降伏をせよ。さもなければ再び攻撃を行う!】
「効果はあるか…?こちらも無理に人を殺したくはないが…」
沈黙の時間が続く…
すると願いが通じたのかわからないが派手な服装な人は馬から降り、剣を前に投げ、手を後ろにやったのであった…
〜グコマーside〜
グコマーは深く考えていた…敵は軍に対し爺は突撃を敢行して前の敵に殺られてしまった…しかし爺は昔ある事を言っていた。
「爺…もし爺が亡くなったら私はどうするべきなのだ?」
「そうですな…私は帝国1の騎馬兵と呼ばれていますから…私がなくなった時はそれこそ相手が強大であるはずだから…降伏することが最善かもしれません…まぁ、儂が戦場に出てるとき、病気で倒れることもなくはありませんが…」
爺は明らかに敵に殺られてしまった…このままいくとなると更に甚大な被害が続くだろう…
今回は…今回は…
そう考えグコマーはそっと…自分の乗っている馬から降り、剣を前に捨て、手を後ろにしたのであった…
それをみた帝国の兵達は一人一人武器を捨て、同じように降伏していったのであった…
〜自衛隊side〜
「終わった…か…」
前方には敵軍の死体が広がっており、生きてるものはほぼほぼいなかった。そんな中、自衛隊は死体の処理やぎりぎり生きている人の救助を行っていた。
「辛かっただろうなぁ…自衛隊がいなければ勝ててただろうが…戦争とは非常に惨いものだ…」
ザクロス郊外会戦結果報告書
自衛隊側
損害はなし。
シリウス帝国側
騎馬兵50000人
魔導兵1000人
歩兵2593人
グコマー皇子
意見感想や評価をよろしくおねがいします!
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第十一話 作戦実行
「何?ザクロス方面軍が降伏しただと?」
「そのように思われますなぁ…」
「そうか…わが息子はそこまで落ちぶれたのか…悲しいものだ…ザクロス方面軍の代わりはどうなっている?」
「後方で待機させていた防衛軍を緊急で向かわせてますが恐らくアルダー共和国の都が落ちるのが先でしょう…」
「そうか…第一艦隊はどうなっている?」
「こちらは龍騎を派遣したところ木造船が残骸となって散らばっていました…やはり荒海に耐えきれなかったのでしょう…」
「そうか…やはり海軍は軟弱者の集まりか…仕方がない…」
このときはまだシリウス帝国は自分よりもかなり強大な敵を敵に回したとは考えてすらいなかったのである…
〜関西連邦共和国side〜
「なるほど…このような戦果になっているか…参戦1日で…」
「そうですね…そしてこちらがアルダー共和国の方が提供してくださった東方大陸…もといサライア大陸の地図です。ここがシリウス帝国の首都で、こちらがアルダー共和国の都です。」
「アルダー共和国の人によりますと、シリウス帝国の軍はすでに200km近いところまで来てはいますが、やはりその人数は多すぎるため一日に20kmが限界らしいです。」
「そうか。それでザクロスの街の郊外での戦いで捕虜にした派手な服装のやつの身元はわかったか?」
「はい。こちらを…名前はグコマー・ラル・シリウス。シリウス帝国の皇帝候補の一人ということです。」
「そうか。もし勝てたら彼にシリウス帝国を任せるつもりではいよう。相手方は皇室の人だ。くれぐれも失態のないように自衛隊につたえておいてくれ。」
「了解です。それでは本題に入りましょうか。❴オリンポス作戦❵です。」
「それにしても❴オリンポス作戦❵とは…随分派手だな…まぁいい。詳しく聞こうか。」
「了解です。簡単に言うと2つの段階に分かれています。前半作戦はf-15で敵の防御に関するところでかつ皇城に関係ないところを攻撃します。相手方にダメージを与えられたら後半作戦として信太山駐屯地所属の関西特別作戦群を空挺投下。皇城を速やかに制圧し、皇帝をとらえ、降伏文書に調印させてこの戦争を終わらせます。」
「分かった。作戦の実施を許可しよう。速やかに作戦へと移ってくれ。」
「分かりました。速やかに作戦の準備を行います!」
そしてすぐに関西特別作戦群は❴オリンポス作戦❵の実行へ向けて動き、f-15の補給も終わったためその日中に❴オリンポス作戦❵は実行されることとなる…
意見感想や評価をお願いします!!
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