ゆかきりが仲良くしてるだけ (アカキ.)
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はじまり

ゆかきりが好きすぎて自分でも書いてみました。


 

 

「ゆかりちゃん、良かったら家に遊びに来ない?」

高校生になって数ヶ月経ったある日、学校にもある程度慣れ、友人もできた、そんな時ふと、その友人であるずん子さんからこんな事を言われた。

「今日、両親が出掛けてるの、それでね、この前のお礼も兼ねてご馳走でもしようかと思ってね」

この前とは恐らくずん子さんを私の家に誘って遊んだ時のことだろう。私は生粋のゲーマーであり、普通の女の子と遊んだことなどあまり無かったのだが楽しんでくれていた。とは言え、お礼をされる様な事をした覚えはないのだが…

そんな私の表情を読み取ったのだろう。ずん子さんが補足するように言う。

「ゆかりちゃん、すごくお菓子作り上手いじゃない?あのケーキすごい美味しかったの、だからね、その作り方を教えて欲しいの、後、ずんだ餅をご馳走したいしね!」

目をキラキラと輝かせながら言うずん子さん。…そういえばこの人毎回デザートにずんだ餅食べてたな。まあ明日は土曜日で休みだし特に断る理由もない。親は出張で実質一人暮らしの様なものだし、自分でご飯を作らなくていいのはありがたい。

「良いですよ。学校が終わったら荷物置きに行きたいので一旦家に帰りますね。後、恐らくゲームもやるでしょうからついでに取ってきますね」

OKを出すとずん子さんはとても嬉しそうにしている。…素直で可愛い人だ

「うん!ゆかりちゃん家、近いから私は待ってるね!」

そう言うずん子さんは本当にこの後のことを楽しみにしているようでそわそわとしている。

……

そんなこんなで学校も終わり、すぐ家に戻り準備を済ませてずん子さんと合流する。そして20分くらい他愛もない話をしながら、ずん子さんの家に着いた。

そして、ずん子さんが家の玄関を開け、ただいまと言うと直ぐにパタパタと小走りしてくる音が聞こえ、小学生高学年くらいの子が出迎える。

「ずん姉様!お帰りなさい!えっと、そちらの方はお友達ですか?」

元気にずん子さんを出迎え、こちらに対しては少し警戒した様子である。

「ただいまきりたん!うん!そうだよ!この前お話したゆかりちゃん!お菓子作り教えてもらおうと思ってね!」

そうずん子さんが言うと納得した様子で笑顔でいたこちらに挨拶をしてくる。

「初めまして東北きりたんです。よろしくお願いします。ゆっくりしていってください」

そう言って軽く頭を下げるきりたんちゃん。

…礼儀正しい子だきっと両親やずん子さんの躾がいいのだろう。

「うん、初めましてきりたんちゃん。よろしくね」

私も笑顔で挨拶をする。…それにしてもずん子さんに妹がいたのか知らなかった。黒髪のツインテールに包丁?の髪飾り……なぜ包丁?それとまだ幼い顔立ち、きっと大きくなったら美人になるんだろうな。

「あの…どうかしましたか?」

きりたんちゃんがちょっと居心地が悪そうに聞いてくる。しまった、少しジロジロと見過ぎたか。

「ううん、ごめんね、なんでもないよ、かわいいなって思って」

私がそう言うときりたんちゃんは顔を少し赤くしてありがとうござます。と言い自室へ戻って行った。…今のは不味かったかな?

「あらあら、きりたんったら照れちゃって」

そう言ってクスクスと笑っているずん子さん、あれは照れているだけなのだろうか、気分を害してなければいいのだが。

「大丈夫よ。怒ってたら何も言わずに行っちゃうもの」

ずん子さんがニコニコしながら言う。

そうなのだろうか、まあ姉であるずん子さんが言うのならそうなのだろう。

……

その後、ずん子さんにお菓子作りを教えた。彼女は飲み込みが早かったのでそこまで教えることはなかった。

いい時間になったのでずん子さんが作った、晩御飯をご馳走になりデザートに今日作ったお菓子とずんだ餅を頂いた。…確かに美味しい。自分でも食べ過ぎだとは思うがたまにはこう言うのもいいだろう。

そして満腹感に浸り、まったりとしているとずん子さんがゲームに誘ってきた。腹ごなしにもなるし丁度いい。

そうして、ずん子さんとゲームで盛り上がっていると晩御飯のあと自室に戻っていたきりたんちゃんがひょこっと部屋のドアから顔を出してきた。

「ずん姉様、その…私も混ぜてもらっていいですか?」

きっと私たちの楽しそうな声が届いていたのだろう。少し遠慮しがちな声ではあるが遊びたいと言う気持ちが伝わってくる。

「いいよいいよー!いやーゆかりちゃん強いからねー!きりたんともいい勝負になると思うよー!」

ずん子さんが元気に彼女を誘う、…ずん子さんも普通に強いのだが、それにしてもいい勝負とは舐められたものだ。これでもそれなりにこのゲームはやり込んでいる。大人気ないのは分かっているが本気でやらせてもらおう。

……

「撃破ー!!」

きりたんちゃんの元気な声が部屋に響く。画面では私の操作してたキャラがきりたんちゃんの操作しているキャラに画面外へ弾き飛ばされているところだ。これで10勝11敗。小学生相手にムキになるのはどうかと思うが悔しかったので再戦を申し出ようとしたところでずん子さんからストップがかかった。

「待って、もう流石にやりすぎよ?それに時間も…」

そう言われてふと、時計を見ると既に20時を回っていた。当たり前ではあるが外は真っ暗だ。…やってしまった夢中になりすぎた。

「うーん余りにも楽しそうだったから止めるものって思ったけど流石にね…この時間から帰るのは危ないし今日は泊まっていかない?」

ずん子さんからそう提案された。まあ確かに徒歩20分くらいとはいえこの時間に帰るのは少し怖い。明日は休みだし、お言葉に甘えるのもいいか。

そうして了承するとずん子さんは嬉しそうに頷いてくれた。きりたんちゃんもまだまだ遊び足りないようで顔を輝かせている。

「あ、でもゲームはまずお風呂に入ってからね」

その言葉にきりたんちゃんは少し残念そうにしながらはーいと言いお風呂場へ向かった。

そうして私もお風呂を頂いて、居間でずん子さんとお話をしているときりたんちゃんが待ちきれないと行った様子で私を呼びに来た。

そんな様子にずん子さんは苦笑しながら勉強するね、と言って自室へ戻って行った。

「さあさあ!ゆかりさん!続きをしましょう!」

最初の警戒していた様子はどこへ行ったのやら私の手を引っ張って彼女の自室へ案内される。きりたんちゃんはベットに座るように促してきて、横に並ぶように座った。

結構距離が近く彼女の高めの体温が伝わってくる。

「さーて負けませんよー!今日は徹夜です!」

…元気なのは結構なのだが流石に徹夜は勘弁してほしいなぁ…。

そうして存分に盛り上がり、時計の針が頂点を差した辺りで横からふと温かさと重みを感じた。きりたんちゃんが目を閉じて私へもたれかかっている。…流石に持たなかったらしい。それを確認した時点でゲーム機の電源を落とし、自分へ割り当てられた部屋へ行こうとした時腕にしがみつかれている事に気がついた。…これには困った。

さて、どうしようと悩んでいる間にしがみつかれている所から伝わってるくる体温のせいか抗い難い眠気が襲ってきて、私の意識は落ちていった。

……

朝になりずん子さんに叩き起こされると、やけに微笑ましいものを見るような目でこちらを見ている。…少し気恥ずかしさを覚えた。

そうして、朝ごはんを食べ、帰ろうとした時に、残念そうにしているきりたんちゃんが見送りに来てくれた。

「ゆかりさん、帰っちゃうんですか…?」

本当に残念そうにしていて、罪悪感に駆られるが流石にずっとお邪魔しているわけにもいかないし、せめてまた遊びに来ると伝えよう。

「はい!お待ちしてますね!」

きりたんちゃんは嬉しそうに顔を輝かせている。…可愛いなぁ。

そうして、帰る時ずん子さんに呼び止められた。

「あの子があんなに懐くなんてゆかりちゃんはすごいね!中々ほかの人には気を許さないのに!これからも仲良くしてあげてね?」

割とすぐ懐いてきたような気がするがそう言われて悪い気はしない。私は勿論と伝え、帰路へ着いた。

 




ゆかきりっていいよね…


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