皆は俺の妹~パンツァー・フォー (とあるP)
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設定集

どうもはじめまして「とあるP」と申します!

いつもはハーメルンを読んでいるだけでしたけど、今回から執筆してみようと思います。

名前にPとあるように某アイドルなマスターをやってます。

処女作で余り文才は無いのであしからずW

作者は妹萌えではなく姉萌えです!

2020/4/25誤字修正及び追記

2020/8/26…サンダース学園までの情報を追記


ガルパンSS設定集

 

オリキャラ設定

 

土門 直哉(どもん なおや)

 

年齢:19歳

 

趣味:戦車の整備、料理、読書

 

備考:戦車の整備が出来ることから、急遽戦車道がある学校へ転校する事になった。

黒髪短髪、170㎝と少し小柄ではあるが、筋肉質で重い物もへっちゃらに持てる。

(西住姉妹とは昔一度遊んだことがある。しかし、直哉は覚えていない・・・)

 

好きな花:向日葵

好きな車体:ヤークトティーガー

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

土門 昭人(どもん あきと)

 

年齢:45歳

 

趣味:戦車の整備

 

備考:代々整備師の家系に生まれてきたおかげで整備の腕はピカ一!明人曰く

「一日中戦車に触れていればできる!!」の精神論でなんとかなったらしい・・・

 

西住しほと島田千代は高校の後輩にあたり、両者から告られたかが、双方の親から反対され結局添い遂げられなかった。

 

好きな花:メランポジウム

好きな車体:P40

 

 

土門 綾子(どもん あやこ)(旧姓南田みなみだ)

 

年齢:48歳

 

趣味:家庭菜園、裁縫

 

備考:元戦車道日本代表選手(車長)で明人の妻。明人とは同じ高校の先輩でよく明人に整備を頼んでいた。その甲斐があって徐々に惹かれていった。そして、社会人リーグで活躍していた綾子の整備主任が明人になり、交際をスタートし結婚した。

 

好きな花:サザンカ

好きな車体:チャレンジャー

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

キャラクター

大洗女子学園

・西住みほ(あんこうチーム車長)

西住まほの妹。ある事件が原因で戦車道から逃げるつもりで大洗女子学園に転校したが、戦車道を履修してしまう。直哉とは小さいころに遊んだ記憶がある

 

・武部沙織(あんこうチーム通信手)

戦車道で活躍すればモテると考えている恋愛と料理が上手いな女の子。気配り上手で後輩からも慕われているオカン的存在。「やだもー」が口癖

 

・五十鈴華(あんこうチーム砲手)

五十鈴流華道の家元生まれ。そもそも華道を履修しようとしていたが、良妻賢母を目指すために変えた。戦車道の中で新たな道を見つけることができるのか。人の3倍は飯を食べる大食い

 

・秋山優花里

超が付くほどの戦車オタク。戦車の知識に関しては右に出る者はいないほどの精通しており偵察任務もこなすほど、度胸がある

 

・冷泉麻子

低血圧で、朝は弱いが夜になると元気に行動する。頭がよく、マニュアルを読んだだけで戦車を動かせるほどである。

 

聖グロリアーナ女学院

・ダージリン(チャーチル車長)

聖グロリアーナの隊長。ちょっと格言にこだわりがあり、後輩のオレンジペコや同級生のアッサムを困らせている。因みに作者がダージリンの好きな格言は「イギリス人は恋愛と戦争では手段を選ばない」

 

・アッサム(チャーチル砲手)

聖グロリアーナチャーチル砲手。ダージリンとは同い年であり、良き友人でもある。データ重視で、感情で動くタイプではない。後輩のローズヒップに手を焼いている。

 

・オレンジペコ(チャーチル装填手)

聖グロリアーナチャーチル装填手。ダージリンの格言に対して的確に返答するものすごい努力家。1年生でありながら、ソウルネームをもらえているのはオレンジペコだけ。

 

・ルクリリ(マチルダ

マチルダ歩兵車長。少々口が悪いが面倒目のいい子。三つ編みが特徴だが、偶に騙される傾向にある。最近作者が気にっているキャラの1人。

 

・ローズヒップ

クルセイダー車長。兎に角走ることが大好きな子。また、少し頭が残念な子だがそれが、彼女の強みであり個性でもあると思う。ダージリンに憧れて日々精進しているが、いつになったら完璧な淑女になるのか…

 

 

サンダース大学付属高校

・ケイ(M4シャーマン)

サンダース大学付属高校の隊長。フレンドリーな性格でそのポジティブでチームをまとめている。卑怯なことが嫌いでフェアプレイを重んじている。その上ナイスバディの持ち主で学校でもアイドル的存在である。

 

・ナオミ(ファイヤフライ)

サンダース大学付属高校ファイヤフライ砲手。男装交じりの言葉遣いをして女子生徒からの支持が高い。砲手の腕は随一とチームの要となっている。

 

・アリサ(M4シャーマン)

サンダース大学付属高校の副隊長。戦車道大会では、無線傍受と言うグレーな作戦を行い、ケイからたっぷりと反省会(お仕置き)を受けた。

 

ベロニカ(M4シャーマン)(オリキャラ)

サンダース大学付属高校の生徒。自身のM4にブルドッグのエンブレムを貼っており『ベロニカ隊』を率いている。余り周りと関わろうとせず、一匹狼を貫く。

 

 

アンツィオ高校

・アンチョビ(安斎千代美)(P40)

アンツィオ高校の隊長。貧乏ながらチームをまとめている。ちょっと自信なさげな部分もあるが、後輩達からは「総帥(ドゥーチェ)」と慕われている。本人はチョビ子と呼ばれるのが嫌ならしい。

 

プラウダ高校

・カチューシャ(T34/85)

プラウダ高校の隊長。地吹雪のカチューシャと二つ名があるくらいの実力者。普段はノンナに肩車されているが、戦車道の統率力は随一!少し幼稚な部分もあり子守唄がなければ昼寝もできないほどである。

 

 

黒森峰女子学園

・西住まほ(ティーガーⅠ)(作者の推しキャラ)

黒森峰女学園の隊長。西住流の後継者でみほの姉。冷徹無比な強さを持つ彼女であるが妹思いのいいお姉ちゃん!国際強化選手の一員。

 

 

継続高校

・ミカ(BT-42)

継続高校の隊長。カンデレを常に持ち、暇な時があればカンデレを弾いている。飄々としており、つかみどころがない。一度戦場に出れば的確な指示を出して仲間を勝利に導いている。

 

知波単学園

・西絹代(九七式中戦車)

知波単学園の隊長。情に厚く熱血してしまう。ゆえに周りが見えなく突貫!!してしまう。しかしお嬢様学園ゆえに箱入り娘で世間に疎い部分もある。

 

大学選抜チーム

・島田愛里寿(センチュリオン)

大学選抜チームの隊長。島田流の娘。飛び級で大学まで進学する天才少女。変幻自在の忍者戦法を得意とし大学生をまとめる。ボコられくまのボコが大好きでいつも持ち歩いている。

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

その他のキャラ

日本戦車道連盟

・高島レミ、篠川香音、稲富ひびき

日本戦車道連盟の審判団。普段は連盟の受付を行っているが、ひとたび試合に出れば公平なジャッジを下す。直哉のよき相談者でもある。

 

整備部

・藤田法子(部長)

整備部の部長。ヨレヨレのツナギを着て瓶底眼鏡をし、ちょっとくせっ毛がある人で基本的にやる気が出ない。(ガルフレの湯川にツナギを着せた感じ)

 

・皆川佳代子(整備部)

整備部員。明るく分け隔てなく接してくれる。直哉の事をよくいじってくる。

 

・日野彩華(整備部)

整備部員。いつも物静かできりっとしている。直哉のよき理解者だが、からかってくる一面もある。

 

 

沙織の両親

武部詩織(たけべしおり)

武部聡(たけべさとし)

手作り料理「カワマタ」を営んでいる。沙織は両親の影響で料理が上手くなった。

 

優花里の両親

秋山好子(あきやまよしこ)

秋山淳五郎(あきやまじゅんごろう)

秋山理髪店を営んでいる。父の淳五郎の影響を受けて、優花里は小学生の頃、パンチパーマになっていた。

 

華の両親

五十鈴百合(いすずゆり)

華道の五十鈴流家元。娘の華には厳しく接してきたが、戦車道大会で活躍したことにより考えを改めるのであった。

 

麻子の両親

冷泉久子(れいぜいひさこ)

麻子の祖母。両親は他界して祖母1人で育てている。大会時に倒れた事があるがそれ以降はピンピンしている。

 

ダージリンの両親

ジョージ

エミリー

直哉が小さい頃にお世話になった2人。ダージリンに似て金髪の美男美女夫婦だが、直哉を婿にとダージリン共々考えている。

 

アッサムの両親

ボンド

モリー

どこかのスパイ映画に出てきそうな雰囲気の夫婦。こちらもダージリン夫妻同様直哉を婿にと企んでいる。

 




とりあえず、設定集として各キャラクターを挙げてみました。これから追加していく予定ですので、よろしくお願いします。

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第一話(直哉の新生活)

どうも!とあるPです。

この話は劇場版の後日談として位置付けています。

なので、戦闘描写は余りありません。(練習風景であるくらいですね)

5/17タイトル追加
11/8 加筆修正
それでは本編どうぞ!!




 

 

 

「大洗連合チームの勝利!!」

 

 

大洗女子学園が廃校の奇跡から復活し、その後行われた大学選抜との試合に辛くも勝利した。その勝利宣言はこの町にも届いていた。そして、この俺土門 直哉(どもん  なおや)はと言うと…

 

直哉「へ~あの連合チームが勝ったのか」

 

???「まったくだ。寄せ集めのチームでどこまで行くかと思っていたがな」

 

???「それはいいから早く朝ごはんを食べて頂だい」

 

時刻は午前7時。我が家の朝ごはんは和食がメインとなっている。俺は親父土門 昭人(どもん あきと)と母さんの綾子(あやこ)の3人で食事を取っていた。

 

父の昭人は代々整備師の家系に生まれてきたおかげで整備の腕はピカ一!本人曰く「一日中戦車に触れていればできる!!」の精神論でなんとかなったらしい…

 

母の綾子は元戦車道日本代表選手(車長)で父とは同じ高校の先輩でよく父に整備を頼んでいた。その甲斐があって徐々に惹かれていき、社会人リーグで活躍していた綾子の整備主任が昭人になり、それをきっかけに交際をスタートし結婚した。

 

直哉「わかったよ」

 

昭人「そうだな。母さんおかわり」

 

綾子「はいはい」

 

俺は高校を卒業してこれから就職先を探している。正直、戦車道関連の仕事には付く気は全く考えていなかった。

 

 

 

 

 

 

 

…母さんからあの言葉を聞くまでは

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

綾子「あ、直哉アンタの就職先決まってあるからね」

 

直哉「へ?どこ?」

 

綾子「日本戦車道連盟 整備部よ」

 

直哉「はぁ!?聞いてないぞ!!」

 

綾子「だって今言ったから」

 

直哉「なんで黙っていた!」

 

綾子「だって言ったらアンタ絶対に駄々こねるでしょ。だから直前まで言わないでおいたわ」

 

直哉「駄々こねるって…俺はガキかよ!」

 

昭人「まぁまぁ直哉諦めろ」

 

直哉「父さん…(我孤立無援状態って感じかよ…)わかったよ。なら何処に行けばいいの?」

 

綾子「戦車道連盟に行ってくれない。そこで、連盟の理事長から話しを聞いてちょうだい」

 

直哉「わかった、なら挨拶してくるよ。ごちそうさま!じゃあ行ってくる!」

 

昭人・綾子『いってらっしゃ~い!』

 

時刻は午前8時。俺はスーツと長年連れ添った相棒(作業着)を持って、日本戦車道連盟の建物の前にいた。

 

直哉(相変わらずデカい建物だよな)

 

中に入り受付を済ませようとし、受付女に挨拶した。

 

直哉「失礼します。本日付けで日本戦車道連盟 整備部に配属されました。土門直哉と申します。理事長にご挨拶に伺いました」

 

???「はい。少々お待ちください。」

 

???「ねぇ、香音あの子イケメンだよね~!」

 

???「ちょっとひびき、やめなさいよ。」

 

ここのスタッフだろうか。仲良く3人で受け付けとはご苦労なことだな。

 

???「確認が取れました。どうぞ案内致します。」

 

直哉「わかりました。」

 

重厚なドアの前には「理事長室」と書かれていた。女性はその前に立ち3回ノックした。

 

???「理事長。土門様をお連れしました。」

 

???「おー!開いているか通してくれ。」

 

先ほどの女性に続いて俺も部屋に入った。中に入ると紋付袴に、スキンヘッド(禿でないことを祈ろう)という恰幅のいい男性がいた。

 

直哉「失礼します!本日付けで日本戦車道連盟 整備部に配属されました。土門直哉です。」

 

飛田「君が土門君か。初めまして日本戦車道連盟 理事長の飛田(とびた)だ。レミ君。彼にお茶を出してあげてくれ」

 

レミ「かしこまりました」

 

俺を案内した女性が給湯室に消えていった。

 

飛田「さぁ立ち話もなんだから座りたまえ」

 

直哉「はい。失礼します」

 

レミ「どうぞ」

 

直哉「ありがとうございます」

 

飛田「さて、単刀直入に言うと君には整備部に行ってもらいそこで、各校の整備及び指導を行ってもらう」

 

直哉「…お言葉ですが私はまだ若輩の身。それでいきなり各校の整備ましてや指導と言った事まで行っても大丈夫でしょうか?」

 

飛田「なに、全てを君に任せるつもりはないよ。何名かベテランの人を付けるよ」

 

直哉「ありがとうございます。それを聞いて安心しました」

 

飛田「それに君はあの綾子君と昭人君の自慢な子だからね」

 

直哉「父と母をご存じですか?」

 

飛田「私が日本戦車道連盟立ち上げ当初からいた二人だからね。それなりに実力も知っているよ」

 

直哉(流石が父さんと母さんだな…ここまで有名になっているとは)

 

そう、直哉の父昭人は日本一の整備の腕を持ち、母綾子は元戦車道日本代表選手である。二人のDNAを受け継いだ直哉は言わばサラブレットとも言うだろう。

 

直哉「わかりました。整備と指導の件承りましょう」

 

飛田「うむ。よろしく頼むよ!!」

 

こうして直哉は気が進まないまま、戦車の整備士として暮らしていくのだ。

 




とりあえず、理事長との邂逅で一旦終了します。

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第二話(直哉と整備士)

どうも!とあるPです。

GWは某ウイルスのせいで自宅待機してます。つらい…

5/17タイトル追加
11/8加筆修正
それでは本編どうぞ!!


とりあえず、俺は理事長室を後にして整備部に向かうことにした。その途中受付嬢の3人が挨拶をしてきた。

 

???「初めまして。先ほど案内した高島レミと申します」

 

???「そして、私は篠川香音です」

 

???「はじめまして!稲富ひびきって言います~!」

 

3人とも胸に「JUDGE(判定)」と書かれたプレートを下げている。恐らく審判団のメンバーだろう。

 

直哉「初めまして。土門直哉と言います。よろしくお願いします」

 

レミ「これから土門様を整備部までご案内いたしますね」

 

直哉「ありがとうございます。それから俺の事は直哉と呼んでください。年上の方から、様呼びは慣れていなくて」

 

香音「わかりました。じゃあ直哉君でいいかな?」

 

ひびき「いいね~!」

 

レミ「ちょっとひびき!お客様の前でしょ!」

 

ひびき「いいじゃん、これからは同じ職場で働く仲間なのだからさぁww」

 

見た目は大学生かそれ以上の感じがする。そして、3人に案内されて「整備部」の前に来た。

 

レミ「それじゃあ、直哉君私たちはこれで」

 

香音「困ったことがあったら、受付まで来てね」

 

ひびき「暇な時でも来ていいからね~!」

 

直哉「ありがとうございました。」

 

そう言い残し3人は戻っていった。そして、整備部の前で立ち止まっているわけにも行かないので直哉はドアを3回ノックした。

 

直哉「さて、ここまで来たのなら腹を括るしかないか…」

 

 

「コンコンコン」

 

 

直哉「失礼します!」

 

???「どうぞ~!」

 

間延びした、女性の声が聞こえ中に入って行った。そこには、ヨレヨレのツナギを着て瓶底眼鏡をしており、ちょっとくせっ毛がある人がいた。整備部に居たのだからこの人は関係者だろう。

 

直哉「本日付けで配属になりました。土門直哉です。よろしくお願いします」

 

???「あ~君か。理事長が言っていた期待の新人とは」

 

直哉(期待の新人とか…あんまり注目されるの得意じゃないんだよな。てかこの人が上司なのか?)

 

???「ここの部長をしている、藤田 法子(ふじた のりこ)だ。よろしく~」

 

ダウナー気味で言った彼女(藤田部長)はそう言った。

 

直哉「他の人は?」

 

法子「今は出払っているけど、あと2人くらいかな?」

 

直哉「ならその人達が来てから自己紹介しますね。」

 

法子「うん。それでおねがい」

 

そう言うと藤田部長はPCに目を移した。そして俺は更衣室で作業着に着替えてきた。

 

法子「ん?土門?」

 

直哉「はい?どうしました?」

 

法子「いや、名前に土門とあったからもしかして昭人さんの息子さんかなと思ってね」

 

直哉「はい。昭人は俺の父です」

 

法子「マジで!?あの鬼教官の?」

 

直哉「鬼教官?そんなに凄かったんですか?」

 

法子「そりゃあ凄かったよ。整備でミスったら「連帯責任だーー!」って言ってグラウンド何週も走らされたり。部品揃うまで全員帰せなかったからね…」

 

そう言う藤田部長は遠い目をしていた。

 

直哉(そんな伝説があるのか。さすが母さんの整備主任だぜ。まぁ今ではすっかり尻にしかれているけどな)

 

そう言うとドアが開き2人の女性が入ってきた。

 

???「あ~終わった、終わった~!!」

 

???「部長、M4シャーマンの整備終わりました」

 

法子「ご苦労様。ついでに新人紹介があるからそのままね~」

 

2人の女性はこちらに向いた瞬間「あーー!男だーー!!」と言い放った。

 

直哉(そこまで目立つのか俺って…)

 

???「じゃあ改めて、皆川 佳代子(みながわ かよこ)って言います~!」

 

???「日野 彩華(ひの あやか)です。よろしくお願いします」

 

 

元気な女性とキリっとした女性が自己紹介した。

 

直哉「初めまして。土門直哉と言います。本日付けで整備部に配属されました。よろしくお願いします」

 

佳代子「あ~堅苦しい挨拶はぬきぬき。これかよろしくね」

 

彩華「よろしく」

 

対照的な2人だが仲良くなれそうだ。と直哉は思うのであった。

 

佳代子「ねぇ~なおっちは年いくつ?」

 

彩華「ちょっと佳代子初対面の人にそれはないんじゃないの?」

 

佳代子「彩華は真面目だね~ww」

 

直哉「(なおっち…まぁ呼ばれるのはやぶさかでないが)そうですね今年で19になります」

 

佳代子「へ~それなら一個下ってことか。どう?これからお姉さんと一緒にイ・ロ・イ・ロ勉強する?」

 

彩華「はい、はい、そんなのいいから」

 

佳代子「え~いいじゃん!減るもんじゃあなし~」

 

彩華「そうやって、何回合コンで自爆してきたのよ」

 

佳代子「う!そう言われると…」

 

彩華「直哉君は気にしなくてもいいからね」

 

直哉「はぁ。わかりました」

 

とりあえず、わかったことは、佳代子さんは残念美人、彩華さんは苦労人となった。

 




はい。整備部での出会いでしたww

まさかの昭人さんの過去が明らかになるとはね。

それと、先ほどから消したり作成したりとなって申し訳ありません。慣れないことするのはダメですね。

オリキャラの容姿ですが
土門 昭人…魁男塾江田島平八(優しいVer)
土門 綾子…ようこそ実力主義の教室へ堀北鈴音(10年後の容姿)
藤田 法子…GF(仮)湯川基来
皆川 佳代子…シンデレラガールズ原田美代
日野 彩華…ストライク・ザ・ブラッドIV姫柊雪菜

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第一章~大洗女子学園~
第三話(直哉と大洗女子学園)


どうも!とあるPです。


5/17タイトル追加
11/8加筆修正
それでは本編どうぞ!!


整備部3人に自己紹介をして、しばらくたった後法子から早速直哉に仕事の依頼が飛び込んで来た。

 

法子「それじゃあ直哉に初仕事してもらおうか」

 

直哉「はい。よろしくお願いします」

 

佳代子「いいなぁ~配属された日から即仕事って」

 

彩華「それだけ彼が期待されているってことですよ」

 

直哉(そうだ!俺はここで結果を出さないと…父さんの顔に泥を塗るわけにはいかない)

 

直哉は並々ならぬ闘志と社会人としての責任を感じていた。

 

法子「そんなに身構えなくても大丈夫だよ。今回は彩華にサポートで付いてもらうから」

 

彩華「はい。よろしくお願いしますね。直哉君」

 

佳代子「え~!法子さん私は?」

 

法子「アンタは残って。書類仕事の手伝い」

 

佳代子「なんで!?」

 

法子「忘れたと言わせないよ!T-34/76の部品発注ミスって尻拭いしたのはどこの誰かな~?」

 

そう言うと法子は笑っているが、後ろに般若がいた。敵わないと思った佳代子は見事なまでに土下座をするのであった。

 

佳代子「あははは…すいませんでした!」

 

法子「だから、直哉君は気にしなくてもいいからね」

 

直哉「は、はい」

 

この時直哉は思った(絶対に藤田部長には逆らわない様にしよう)と

 

法子「では直哉君と彩華の2人には『大洗女子学園』に行って車体の整備及び整備の指導をしてもらう」

 

直哉「大洗女子学園ですか。確か2度の廃校危機から脱した有名校ですよね」

 

法子「うん。そこに行ってもらう。期間は1か月。既に宿やその他諸々の手配は済んであるからね」

 

 

直哉(流石に手が早いな。これは最初から仕組まれていたのか?いや、考えるのはやめよう。今はただ目の前の仕事を完璧にこなす様にしよう)

 

法子「とりあえず、次の寄港日明後日だから準備のほどよろしくね」

 

そう言うと法子・佳代子・彩華3人の連絡先を交換してもらい今日は解散することになった。佳代子から「寂しくなったら連絡してもいいのよ!」と言われたが多分する気はない。

 

 

 

時刻は18時。直哉は戦車道連盟のから自宅に帰宅した。

 

直哉「ただいま~」

 

綾子「おかえり!どうだった?」

 

直哉「とてもいい職場だったよ。父さんは?」

 

綾子「今スーパーに買い物に行ってる。もうそろそろで帰って来るんじゃないの?」

 

直哉「ふ~ん。じゃあ着替えてくるね」

 

そう言って直哉は2階の自室に入っていた。そして、昭人が帰宅したのを確認し夕食となった。

 

 

昭人・綾子・直哉『いただきます』

 

 

いつもの3人での夕食が始まった。ちなみ今日のおかずは直哉の大好きなすき焼きだ。綾子曰く「直哉の初仕事を祝って奮発しちゃった!」という。

 

直哉「そうだ、父さん。今日父さんの後輩に会ってきたよ」

 

昭人「ふ~ん。誰だ?」

 

直哉「藤田法子さん。整備部の部長だった」

 

昭人「お~!藤田か。いゃ~懐かしいな」

 

綾子「ねぇ?藤田ってだれ?」

 

昭人「俺が高校で学校の整備部に所属していた時の後輩だよ。そっか、今は連盟の整備部にいるか」

 

父さんは感慨深くしていたが、母さんはそれに対して不満があるようだ。

 

綾子「へ~随分と思いれがある子なんですね」

 

昭人「どうした母さん?そんなに不満そうな顔して?」

 

綾子「何でもありません!フンだ!」

 

昭人「あ~確かに藤田は教え子だが今は母さん一筋だよ」

 

綾子「本当に?」

 

昭人「ああ、本当だ!何なら神に誓ってもいいぞ!」

 

綾子「昭人さん…私もあなただけを愛しているわ!」

 

昭人「綾子…」

 

綾子「昭人さん…」

 

直哉「ゴホン!ゴホン!2人ともせっかくの料理が冷めてしまうよ。てか更に熱くなりそうだし…」

 

昭人「おっとそうだったな。じゃあ、母さん続きはわかっているよね」

 

綾子「え!そ、そうね…冷めない内に食べましょう」

 

 

そう、この2人この歳になっても未だにイチャイチャし始めるので、直哉の心労が絶えないのである。

 

直哉(せめて俺がいない時にやってくれよ…)

 

 

時刻は20時。食事が終わって団らんしている時であった。

 

昭人「ところで直哉。初仕事はどんなことをするんだ?」

 

直哉「ああ、大洗女子学園に行って、戦車の整備と整備の指導をする事になった」

 

綾子「それじゃあ、ここを離れるってこと?」

 

直哉「うん。明後日学園艦が寄港するから、そのついでに乗船する事になったんだ。大体1ヶ月くらいかな?」

 

綾子「それなら色々と準備しないとね」

 

昭人「そうか、直哉お前が受け持った初めての仕事だ。悔いの無いようにしろよ」

 

直哉「わかったよ。父さん」

 

 

そう言うと直哉は自室に戻り色々と準備し始めた。

 

直哉(大洗女子学園か…一体どんな仕事が待っているのかな)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同時刻:大洗女子学園艦

 

???「明後日から連盟の整備さんが来るんだ。どんな人なのかな?」

 

そこには、不安気ながらも大量のくまのぬいぐるみに囲まれている少女の姿があった。これから会う人が昔遊んだことのある人だともつい知らずに…

 




次回からはあの女の子達が登場します!(やっとの登場で申し訳ない・・・)

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第四話(直哉とお兄ちゃん)

どうも!とあるPです。

ここから各学園の話になります。

まずはあの子の登場です!

それでは本編どうぞ!!
11/8 加筆修正



 

そして、大洗女子学園艦寄港日。両親は朝早いのにも関わらず直哉を見送るのであった。

 

直哉「それじゃあいってきます!」

 

昭人「気を付けるんだぞ」

 

綾子「無理とかしちゃだめよ」

 

直哉「母さん、子供じゃあないんだからさぁ」

 

綾子「わかっているけどね…」

 

昭人「まぁ、母さんが心配するのも仕方ない。なにせ女学園に通うのだからな」

 

 

そう、乙女の嗜みである戦車道。それ故に戦車は女子しか動かせない。当然、そこにいるのは女子なので男性は直哉一人となる。無論全てが女性ではないが直哉には少しだけ不安な部分があった。

 

直哉「確かにそうだけど、良い機会だと思うんだよね」

 

昭人「そうだな」

 

綾子「うん。そうよね!じゃあ直哉がんばってね!」

 

直哉「はい!」

 

こうして直哉は少しの不安と大いなる期待を胸に秘めて港へ向かった。港で彩華と合流し、大洗の学園艦を待っていた。

 

彩華「おはよう。直哉君」

 

直哉「おはようございます。彩華さん」

 

彩華「初の仕事だけど一緒に頑張りましょう」

 

直哉「はい。お世話になります」

 

そして2人は港に着いた学園艦に乗り込んだ。さながら巨大な町が移動している様に見えた。

 

直哉「でかいなー!」

 

 

 

 

 

 

『大洗女子学園学園艦』

大日本帝国海軍の「翔鶴」級を模様した、学園艦は全長7600メートル、幅1000メートル、喫水250メートル巨大な学園艦の上には町が形成されており、人々は寄港日以外はこの上で生活している。

 

中学校・高校共に9000人ずつの18000人の女生徒が艦上・艦内に居住しながら通学している。また、生徒の他にも生徒の家族等の居住者がおり、大洗女子の学園艦全体で3万人程が暮らしている。

 

直哉「さて、早速大洗女子学園に向かいますか」

 

彩華「そうね」

 

大洗女子学園(県立大洗女子学園)。歴史は古いが、近年目立った実績がなく入学者の減少等があり廃校の危機にさらされていた。

 

しかし、戦車道履修者の活躍により、その危機を脱していた。その立役者は、西住流戦車道家元の次女西住みほ。彼女は一体どんな人物なのか直哉は会うのを楽しみにしていた。

 

大洗女子学園の学科は以下の通りとなっている。

・普通科(第1科、第2科、第3科)

・商業科

・被服科

・水産科

・船舶科

・情報科

・栄養科

・農業科

 

学園艦の「会長室」と書かれた部屋の前に彩華と直哉はいた。彩華はノックすると「は~い。どうぞ」と間延びした返事が返ってきた。

 

彩華・直哉『失礼します!』

 

???「あ~ようこそ大洗女子学園へ歓迎するよ~」

 

???「お疲れ様です」

 

???「会長!!なぜ学園艦に男がいるのですか?まさか他の艦のスパイですか!?」

 

???「か~わ~し~ま。そんな事無いから」

 

???「桃ちゃん落ち着いて」

 

???「桃ちゃんと言うな!」

 

直哉(なんだこの茶番は?)

 

セミロングで茶髪の子が会長と呼ばれて、おっとりとした子が片眼鏡の子を諭している。どうやらこの3人が生徒会メンバーらしい。

 

???「やぁやあぁ~どうも会長の角谷 杏(かくたに あんず)だよ」

 

???「同じく副会長の小山 柚子(こやま ゆず)です」

 

???「広報担当の河嶋 桃(かわしま もも)だ」

 

直哉「初めまして。戦車道連盟整備部の土門 直哉です」

 

彩華「同じく整備部の日野 彩華と言います」

 

杏「早速だけど今日の放課後に戦車履修者を集めて発表するからね。よろしく~」

 

柚子「すいませんがそれまで待機していてくださいね」

 

桃「それか、必要な荷物を一旦置くことができますが。いかがいたしますか?」

 

直哉「そうですね。じゃあ荷物を置きたいので仮住まいまで案内できますか?」

 

柚子「わかりました。ではお二方はこちらにどうぞ」

 

そう言うと柚子は2人をこれから生活する家に案内した。

 

直哉「ここか」

 

彩華「随分と古い家ですね」

 

柚子「すいません。何せ貧乏なものなのでここしか空き家が無いんです」

 

直哉「あー!大丈夫ですよ。どうせ1か月の辛抱ですからね」

 

彩華「ええ。だから落ち込まないで小山さん」

 

柚子「ありがとうございます。それと私の事は柚子でいいです」

 

直哉「わかった。俺も直哉でいいよ」

 

柚子「はい。よろしくお願いします直哉さん」

 

彩華「それじゃあ荷物を置きましょうか」

 

彩華に言われた直哉は荷物を置き、再び学園へと戻って行くと丁度放課後になっていた。

 

杏「んじゃあ、直哉さんは私についてきて。小山あとよろしく~」

 

柚子「はい。わかりました。」

 

『連絡します!戦車道履修者はガレージ前に集合してください。繰り返します…』

 

柚子が校内放送をしている間に直哉と彩華は杏と桃ちゃんは(桃ちゃんと呼ぶな!)桃はガレージ前に行くのであった。

 

ガレージ前に着くと既に戦車道履修者はそろっていた。

 

桃「静かに!」

 

杏「やぁやぁみんな来てるね!」

 

???「あの会長。今回はどんなお話があるんですか?」

 

???「まさか、また良からぬことでも事でも考えているか?」

 

???「それはどういうことでありますか?冷泉殿?」

 

???「それよりも会長の後ろにいる殿方がきになるのですが」

 

???「そうだよね。桃ちゃんセンパイ誰ですか?」

 

桃「桃ちゃんと呼ぶな!詳しくは会長からお話がある」

 

杏「実はね、戦車道連盟から整備の指導をしてくれるって派遣された人がいるんだよ」

 

柚子「では、直哉さんお願いします」

 

直哉「わかりました。」

 

その時一人の少女が声を上げた

 

???「直哉?…もしかして!直哉お兄ちゃん!!!」

 

その子は昔地元熊本で一緒に遊んだ子だった。

 




これから各チームと絡ませていきますが、基本的に主人公をメインにしていきたいと思っております。

各チームごとは後日談として、載せたいと思います。

感想・評価・誤字報告お待ちしております。


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第五話(直哉とあんこう、アヒルチーム)

とあるPです。

今回は手が進んだので連投になります。

短時間なのでクオリティは低めです。

あと大洗女子学園編は3話ぐらい続きます。(もっとかな?)

5/17タイトル追加
11/8加筆修正
それでは本編どうぞ!!




そこには茶色のショートボブの女の子が立っており、彼女は直哉を見た途端」お兄ちゃん」と発したのだ。

 

???「直哉お兄ちゃん!」

 

直哉「お兄ちゃん?それに君は一体…」

 

彩華「直哉君妹さんとか居たの?」

 

直哉「いえ、一人っ子ですけど…」

 

そう言うと直哉は改めて目の前の女の子を見た。ショートボブでどこか懐かしい感じの子だった。

 

???「覚えていないの?昔熊本で一緒に遊んだんだよね?私の家にあるⅡ号戦車で良く、田んぼとか駆け回ったよね?」

 

直哉「もしかして…みほちゃん!?西住さんのとこの?」

 

みほ「はい、西住 みほです!」

 

直哉はようやく思い出した。それは直哉がまだ小さい頃地元である熊本で一緒に遊んだ事がある、西住姉妹の妹だった。

 

直哉「久しぶりだね。元気にしていた?まほちゃんはどうだい?」

 

みほ「はい。お姉ちゃんも元気で、この前の連合に参加してくれたんですよ」

 

直哉「そうか、わだかまりが解けて良かったよ」

 

 

直哉とみほの間には良い雰囲気が流れていた。そこへみほの友達が流れてきた。

 

???「ねえねえ!みぽりん、誰このイケメン?」

 

???「話しを聞く限り訳ありのようですよ!武部殿」

 

???「まぁまぁ沙織さん少し落ち着きましよう」

 

???「そうだぞ沙織。せっかくの再会に水を差すなよ」

 

そう言うと他の4人も混ざってきた。

 

直哉「君たちは?」

 

沙織「そう言えば、自己紹介がまだでしたね。私は武部 沙織(たけべ さおり)って言います。みぽりんとは同じチームで通信手をやっています!」

 

華「五十 鈴華(いすず はな)と申します。みほさんと同じチームで砲手を務めさせて頂いております」

 

優花里「自分は秋山 優花里(あきやま ゆかり)と申します!西住殿と同じチームで装填手を行っているであります!」

 

麻子「…冷泉 麻子(れいぜい まこ)同じく操縦手をしている」

 

どうやら、みほのチームメイトらしい。向こうが自己紹介をしてきたの、直哉は自己紹介をすることにした。

 

直哉「俺は土門直哉だ。戦車道連盟の整備部にいて、君たちの戦車の整備と指導を行う事になった。よろしく!」

 

彩華「同じく日野彩華です。直哉君と同じ戦車の整備及び指導を行う事になったわ」

 

それぞれの自己紹介が終わった。そこで杏からこんな提案があった。

 

杏「なら直哉さんはあんこうチームについていてよ。他のチームについてはこっちから連絡するから」

 

直哉「わかった。なら、みほちゃんよろしくね」

 

みほ「はい。よろしくお願いします!!」

 

みほの案内で大洗女子学園の各車体を見せて貰うことになった。

 

みほ「では紹介しますね。まず私たちあんこうチームのⅣ号戦車H型です」

 

Ⅳ号戦車H型にあんこうのマークが書かれている。また、各チーム事にエンブレムがあり、それぞれあんこう、カメ、アヒル、カバ、ウサギ、カモ、アリクイ、レオポンと計8チームとなっている。

 

直哉「ドイツ戦車か。いいね!装甲も強化されていてこれなら整備のしがいがあるよ」

 

みほ「えへへ~!良かったです」

 

直哉「他の車体はどんな感じなんだい」

 

みほ「それじゃあ、各車長にきてみましょうか!」

 

そう言うとカメマークがある車体に行った。そこには、先程案内してくれた3人が立っていた。

 

杏「やぁやぁ~次はカメチームの38t改(ヘッツァー)だよ」

 

直哉「固定砲塔で不利だけど待ち伏せとかには有利なんだよな」

 

杏「まぁね~そのおかげで小回りがいいからね。因みに車長は私だよ」

 

柚子「私は操縦手担当です」

 

桃「そして、私が他全てを兼ねている」

 

杏「けど、砲手の腕はからきしダメなんだよねww」

 

桃「会長!」

 

柚子「けど桃ちゃん最近頑張っているから大丈夫だよ」

 

桃「だれが桃ちゃんだ!」

 

直哉「それなら、俺がアドバイスとか出来たらするよ」

 

桃「貴様の施しなど受けん!」

 

杏「けど見てもらった方がいいと思うなぁ~」

 

桃「会長が言うのであれば…わかりました」

 

 

直哉は次の戦車に向かった。その周りでは円陣を組んでいる女の子達がいた。

 

???「いいか!ここで目立ってバレー部復活を目指すんだ!」

 

???『はい!キャプテン!』

 

直哉「えーと、大丈夫かな?」

 

???「はい!私はアヒルチーム車長、磯部 典子(いそべ のりこ)と言います。根性―!」

 

???「私は近藤 妙子(こんどう たえこ)って言います!通信手です」

 

???「同じく砲手担当佐々木 あけび(ささき あけび)と言います」

 

???「最後に操縦手担当河西 忍(かわにし しのぶ)です!」

 

直哉「そうなんだ、皆元気があっていいね」

 

典子「はい!我々バレー部は日々皆と一緒にトレーニングをしていますからね」

 

妙子、あけび、忍『はい!キャプテン!』

 

直哉「そして、これが八九式中戦車か。随分と懐かしいのに乗っているんだね」

 

八九式中戦車は日本陸軍最初の国産車であり、1928年に開発が始まった。いわば日本戦車の元祖である。

 

典子「けど、他の戦車よりも装甲や機動が低いのが難点なんです」

 

直哉「確かにそうだけど、上手く乗りこなしているよ。これもチーム皆の結束があるからだね」

 

アヒルチーム『ありがとうございます』

 

次に直哉が向かったのは何やら個性的な子たちがいるチームだった

 

直哉「えーとここは?」

 

???「む、来たなようこそカバチーム改めて歴女チームへ」

 

???「我々は歓迎するぞ」

 

???「そうぜよ」

 

???「みな、勝鬨をあげるか!『それだ!』

 

また個性的な子が多いなと思いつつ話しを聞くのであった。

 




冒頭でも話しましたが、あと3話くらい大洗女子編が続きます。(他の高校がまだまとめていないので、楽しみにしていてくださった人には申し訳ありませんが今しばらく我慢してください)


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PS

ニュンさん、MinorNoviceさん評価ありがとうございます。
お気に入り登録も2ケタで嬉しいです!


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第六話(直哉とカバ、ウサギ、カモ、レオポン、アリクイチーム)

とあるPです。

今回で大洗女子学園のチーム紹介は終わりになります。

5/17タイトル追加
それでは本編どうぞ!!


とりあえず、目の前のナチス・ドイツの親衛隊を模した帽子を被っていた子に話をしてみた。他の子たちは歴史の偉人?の恰好をした子たちだった。

 

直哉「君たちは?」

 

???「私はカバチーム車長兼通信手のエルヴィンだ」

 

???「同じく装填手のカエサル」

 

???「砲手の左衛門座(さえもんざ)

 

???「最後に操縦手のおりょうぜよ!」

 

直哉「これは三号突撃砲か?」

 

エルヴィン「そうだ、この三突には幾度となく助けられた」

 

カエサル「時に直哉さんはどの偉人が好きなのだ?私としては、ローマの政治家ハンニバルとかお勧めだぞ」

 

左衛門座「いやいや!直哉殿は整備が得意と言っている、ならば影で支える武将、毛利家の小早川隆景か大谷吉継かな」

 

おりょう「いや、大きな志があるとみて勝海舟ではないか?『それだ!』

 

直哉は少し戸惑ったが、彼女たちの気を悪くしたくなかったので(次に会う時までに決めておくよ)と言い残し後にした。

 

次に直哉が向かったのは大勢の子たちがいる車体だった。そこには、沢山の子たちがいた。

 

直哉「M3リーか、確か6人乗りだったような気がするね」

 

???「みんな、直哉さんが来るからちゃんとしようよ!」

 

???「梓は真面目だね~」

 

???「ネットを見たけど年上の人には甘えるのが効果的らしいよ」

 

???「直哉さんって特撮とかヒーローものとかすきなのかな?」

 

???「どうだろうね。紗希は何かわかる?」

 

???「…」

 

どうやら、ここが1年生のチームらしい。真面目そうな子が皆をまとめようとしているが、あまり上手くいってないな。

 

直哉「君たちが1年生チームでいいのかな?」

 

???「はい!車長の澤 梓(さわ あずさ)です」

 

???「同じく通信手の宇津木 優希(うつぎ ゆうき)で~す」

 

???「副砲手の大野 あや(おおの あや)だよ」

 

???「操縦手の阪口 桂利奈(さかぐち かりな)です。好きなヒーローは仮面○イダービル○です」

 

???「砲手の山郷 あゆみ(やまごう あゆみ)です。そしてこっちが副砲の装填手丸山 紗希(まるやま さき)って言います」

 

???「…」

 

直哉「なんで紗希ちゃんは喋らないのかな?」

 

あゆみ「紗希っておとなしくて、あんまり声に出さないんですよ」

 

直哉「そうなんだ。それでみんなは紗希ちゃんが考えていることってわかるの?」

 

梓「そうですね。何となくですけどわかります」

 

優希「ね~例えば今日のお弁当あまり良くなかったとか?」

 

凄いなと直哉は思ってしまった。自分の事を表に出さない子ほど何を考えているか分からないからな。これも、同世代ゆえの絆なのかと思ってしまうほどである。

 

次に向かったのは、フランス車と言うドイツ、アメリカ、日本と違って珍しい車体が登場した。

 

直哉「ルノーB1bis、これもあるのか」

 

???「いい、ここでも風紀委員が一番だと思わせるのよ」

 

???「けど、そど子そんなに私達活躍していないよね」

 

???「…そうれもいいけど、もう直哉さん来てるよ」

 

そこには、おかっぱ頭の3人がいた。どうやら3人とも風紀委員のようだ。

 

直哉「えっと?3人は姉妹なのか?」

 

???「違うわよ!園 みどり子(その みどりこ)よ!ルノーの車長、副砲砲手、副砲装填集を担当しているわ!」

 

???「私は後藤 モヨ子(ごとう もよこ)と言います。操縦手です」

 

???「同じく金春 希美(こんぱる のぞみ)です。主砲砲手兼通信手です」

 

どうやら彼女たちは、姉妹ではなさそうだ。確かに髪の毛の長さが微妙に違って見える。

 

直哉「じゃあ、なんで同じ髪型をしているんだい?」

 

みどり子「それは、風紀委員は全員おかっぱにする必要があるのよ」

 

モヨ子「すみません土門さん。そど子男の人が来るって張り来ちゃって」

 

みどり子「ちょっと!ごも代、何てこと言うのよ!」

 

希美「けど、そど子って鏡の前で何度も練習していたよね」

 

みどり子「違うわよ!べ、別に何でもないわよ!///」

 

はい、ツンデレいただきました。と心の中で合唱する直哉であった。カモチームのドタバタ劇?を避けて次に向かったのは重戦車であるポルシェティーガーに向かう。ここでも同じくツナギを来た女の子達が待っていた。

 

???「あ!直哉さんこっちこっち」

 

???「やっぱりこの格好は目立つかな?」

 

???「スズキはでかいからね」

 

???「そう言うホシノ先輩もツナギにタンクトップとか、それでも女子ですか?」

 

直哉「君たちが自動車部のメンバーかい?噂は聞いているよ」

 

???「え~どんな噂ですか?因みに私は車長のナカジマです」

 

???「同じく装填手のスズキです」

 

???「砲手のホシノだよ!大洗一早い女としての噂かな?」

 

???「最後に操縦手のツチヤです!ホシノ先輩それはないと思いますよ」

 

直哉「なに、あれだけ大破した大洗の車体を一日で修理してしまう化け物じみた整備チームがあると聞いてね」

 

ナカジマ「ひどいな~こっちはJKなのにねw」

 

スズキ「確かに直すのは早いけどね」

 

ホシノ「あとは、ずっとツナギを着ているせいもあるかもね」

 

ツチヤ「そうですよ~。てなわけで、直哉さん今度の金曜日ドリキンしませんか?」

 

直哉「遠慮しておこうかな…」

 

彼女達と整備の仕事をしたいのは山々であるが、直哉には他のチームや学園を見なければならないので又の機会とさせてもらった。

 

直哉「最後はアリクイチームか。しかし、どこにもいないぞ?」

 

そう、三式中戦車(チヌ)の前に来ても誰もいなかった。しかし、車内からはゲーム音が鳴っているので、キューポラから顔を覗かせるとゲームをしている3人がいた。

 

???「うーんやっぱり車内でやるゲームはいいね~」

 

???「そうナリ」

 

???「外に出てもいいことないピヨ」

 

直哉「いや、戦車ゲームを車内でやったら意味ないだろ…」

 

 

 

『!?』

 

 

 

そんな直哉の言葉に驚いた3人はいそいそと車外に出てきた。

 

???「えっと…車長と通信手をしているねこにゃーです」

 

???「操縦手のももがーナリ」

 

???「砲手と装填手のぴょたんピヨ」

 

直哉「あれ?三式って5人乗りじゃあなかったのか?」

 

ねこにゃー「それはボクとぴよたん氏が兼任しているからね」

 

ぴよたん「この前の戦いでそれぞれ鍛えて、砲弾を片手で持てる程までいったから装填手を兼任してるピヨ」

 

ももがー「それに操作レバーも、頑丈にしたからこれで折れる心配もないナリ―」

 

 

直哉もそこそこ鍛えているか、そこまでとは思っていなかった。やはり、前の試合で得たものは大きかったのだと思っていた。

 

☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★

作「ふーとりあえず、チーム紹介は終わった。さて、これから日常編かな」

ダ「ちょっとよろしくて。いつになったら直哉さんとの話が始まりますの?」

作「え!ちょっと!!なんで来てるんですか?」

ケ「Hey!私も早くナオヤと絡みたいわ」

ア「早く来ないとパスタが冷めてしまうぞ」

カ「そうよ!早くナオーシャをプラウダに来させなさいよ!」

ま「私も早く直哉お兄様と話がしたいんだ」

ミ「順番とはそれほど大事なものなのかな?」

西「このままでは、大洗に突貫してしまいそうです!!!」

愛「こうなったら島田流の力で直哉を…」

作「まって!もうっちょとまってて!必ず出すから」

ダ、ケ、ア、カ、ま、ミ、西、愛

『絶対ですよ!!!』

 




今回はちょっと長くなりました。チーム紹介でこのボリュームですから、知波単とかなったらどうしよう・・・

最近暑くなったり、寒くなったりと目まぐるしい天気になっていますが頑張って投稿し続けたいと思います。

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第七話(直哉と思い出話し)

とあるPです。

天気が良くて外に出たい気分ですけど、某ウイルスのせいで外出自粛しています。

この行動が感染拡大を防止する動きにつながるのなら
いくらでもします。

5/17タイトル追加
11/8加筆修正
それでは本編どうぞ!!


さて、これで全てのチーム訪問が終わり、時間帯もいい所になってきたので、今日は解散することにした。

 

直哉「それじゃあ、明日から整備の指導と戦車道の指導を行う」

 

桃「では、解散!!」

 

 

『お疲れ様でした!』

 

 

直哉も彩華と一緒に帰ろうとしていた、そこへみほがやってきた。

 

みほ「お兄ちゃん。今日あんこうチームで歓迎会をやりたいけど直哉お兄ちゃんも来る?」

 

直哉「いいのかい?俺たちが混ざっても?」

 

みほ「はい!皆ももっと話したいって言ってたから」

 

沙織「ね!みぽりんの昔の事とか聞きたいし」

 

華「そうですね。まだ殿方と一緒に食事をしたいので」

 

優花里「そうですよ!直哉殿。ぜひ!戦車談義で盛り上がりたいですから」

 

麻子「私は沙織の料理が食べたいからな」

 

あんこうチームからの食事の誘いを受けたが、彩華にも聞いてみないとわからない。

 

直哉「彩華さんはそれでも大丈夫ですか?」

 

彩華「ええ、私も花の10代の中に混ざりたいもの」

 

彩華の了承も得たので、みほが住むマンションの途中にあるスーパーで食材を購入し、沙織監修の基料理が始まった。

 

沙織は料理する時にメガネかけており、彼女の一部始終を見れた直哉は皆と一緒にご飯を食べていた。

 

直哉「うん!美味いよ、沙織ちゃん!さすが料理上手だね!」

 

沙織「やだもー!褒めても何も出ませんよ!///」

 

直哉「お世辞じゃあないよ。こんな素敵な子をお嫁さんに貰える人は羨ましいよ」

 

沙織「へ!それじゃあ、あの、なお「直哉お兄ちゃん…」ひ!」

 

沙織がモジモジしていたが、反対側からみほに袖を捉まれたので見てみると、目に光が無かった…

 

直哉(ハイライトさん仕事して!!)

 

みほ「直哉お兄ちゃん…わかってますよね?」

 

その顔は笑っていたが後ろには騎馬隊を率いている、加藤清正公が写っていた。

 

直哉「じょ、冗談だよみほちゃん!あはは…」

 

そう、直哉は思い出しだのだ。あれはまだ直哉が地元の熊本にいて、幼い西住姉妹と遊んでいた日を…

 

■□■□■□■□■□■□

それは直哉が7歳、まほ6歳、みほ5歳で、近所の公園で遊んでいた時である。いつものように遊んでいたが、直哉は今日話さないといけない事があった。

 

なおや「じつはふたりに、はなさないといけないことがあるんだ…」

 

まほ「なに、なおやおにいちゃん」

 

みほ「どうしたの?」

 

当時、西住家と土門家は家族ぐるみの付き合いがあり姉妹は直哉を“お兄ちゃん”と呼ぶ事もあった

 

なおや「えっとね、らいげつからおとうさんのつごうでとうきょうへひっこすことになったんだ…」

 

まほ・みほ『え~!』

 

幼い2人にとってはとてもショックだったに違いない。何しろ兄と慕っていた人が都会に引っ越すのだから。

 

みほ「やだ!やだ!なおやおにいちゃんひっこしちゃやだ!」

 

まほ「みほ、だめだよ。なおやおにいちゃんがこまって、しまうじゃない…ひっく、ひっく」

 

みほは必死に止め様とするが、まほは、長女故にそれをやめようとした。しかし、次第に別れが寂しいのか、泣き出してしまった。

 

なおや「みほちゃん、まほちゃん…わかった!じゃあふたりともやくそくしよう」

 

まほ・みほ『やくそく?』

 

なおや「そう、もしおとなになってふたりとあったら、ぼくのおよめさんになってよ!」

 

子供の頃の約束である。そんなことは出来ないと思っているが元気付ける為に言ったことだ。これてもう悲しくならないと直哉が思っていた。

 

みほ「うん!なる!みほ、なおやおにいちゃんのおよめさんになる!」

 

まほ「わたしも、なおやおにいちゃんのおよめさんになる!」

 

なおや「じゃあ、ゆびきりしようか」

 

なおや・まほ・みほ『ゆびきりげんまん、うそついたら、はりせんぼんのーます、ゆびきった!』

 

■□■□■□■□■□■□

 

こうして、2人を宥めた直哉は東京へ引っ越してしまった。それから10数年後にみほと再会し、あの日の記憶が呼び戻ったのである。

 

直哉(あの時は宥めるつもりで言ったけど、みほちゃんしっかりと覚えているんだな…)

 

そう、みほはちゃんと覚えていたのだ。それ故に女子に変な事を言おうものならハイライトオフ状態になってしまう。確かに、2人を安心させる為にあんな事を言ってしまった事を今になって、後悔し始めた直哉であった。

 

時刻は20時。楽しい食事を終え自宅に帰ろうとした時にみほに呼び止めれた。

 

みほ「直哉お兄ちゃん。あの時の約束、ちゃんとオボエテイルカラネ…」

 

直哉「ハイ…」

 

その後自宅に戻った直哉だが彩華から身体が震えている事を指摘され焦ったという。

 

彩華「直哉君?どうしたの?なんだか身体が震えているけど」

 

直哉「ナンデモナイデス」

 

そして、初日のことについて整備部の藤田部長への報告をして、風呂に入った直哉は直に寝てしまった。

 

直哉(明日からあんこうチームの指導か…頑張らないとな)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

■□■□■□■□■□■□

 

同時刻:熊本。武家屋敷張りの豪華な家に、黒を基調としたスーツに身を包んだ女性とドイツ軍陸軍の制服に身を包んだ女の子がいた。

 

???「そう、土門直哉が動き出したのね」

 

???「はい、お母様」

 

???「わかりました。なら貴女は自分に決めた通りに動きなさい。私は応援しますから」

 

???「ありがとうございます。お母様」

 

そう言うと女の子は部屋を後にした。

 

???「もうすぐ、もうすぐで会えますね。直哉お兄様」

 

その子は想い人(直哉)に再会し、長年の夢を叶えようとする一人の女の子ではなく、狩りを楽しむ狩人の目だった。

 

■□■□■□■□■□■□

 

 

 

 

☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★

ま「なんだか、私とみほがヤンデレ気質に見えるのだが…」

作「ソンナコトナイヨ…」

ま「なぜ目を逸らす!」

作「大丈夫!大丈夫!ヤンデレじゃあなくてちゃんと純愛で終わらせる予定だからww」

ま「本当だろうな?」

作「うん!…多分?」

ま「おい!」

 




今回は短めになって申し訳ないで。

次回で大洗編は最後になると思います。

前回も言いましたが、主人公(隊長)にスポットを当てたら、他のチームは後日談として作成する予定です。

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第八話(直哉と戦車整備)

とあるPです。

4月も終わりそうですが、頑張って投稿し続けます。

5/17タイトル追加
11/8加筆修正
それでは本編どうぞ!!


大洗女子学園に来て2日目の朝を迎えた。朝食は彩華が用意してくれた。

 

直哉「すいません。朝食まで用意してくださって」

 

彩華「別にいいわよ。花嫁修業用に母親に叩き込まれたから」

 

直哉「なら、夕食は自分が作りますね」

 

彩華「本当に?じゃあお願いしようかしら」

 

直哉も彩華程ではないが、料理は出来る。もっともチャーハンやオムライスと軽いもの限定となるが。

 

直哉「彩華さんは、今日どうするのですか?」

 

彩華「今日はカメチームの整備と指導をするつもりよ。直哉君は?」

 

直哉「自分は、あんこうチームの整備と指導ですね」

 

今日から各チームの整備が始まり、直哉と彩華は2人で打合せを行っていた。そんな直哉にとって大きな1日となりそうな気がしてきた。

 

直哉「初仕事で緊張しないと言ったら嘘になりますけど、精一杯頑張ります」

 

彩華「そんなに緊張しなくてもいいのよ。私がサポートするから。直哉君なら大丈夫よ!がんばりなさい」

 

直哉「はい!なんだか彩華さんってお姉ちゃんの様な存在ですね」

 

彩華「まぁ、君とは1歳違うからね。彩華お姉ちゃんって呼んでもいいのよ」

 

直哉「あははは、遠慮しておきます」

 

そんな軽口を叩ける程度までになった2人は朝食を食べ終わり、学園へ向かうのであった。

 

直哉「おはようみんな!」

 

 

 

『おはようございます』

 

 

 

校門の所に行くと、戦車道履修者のメンバーと会った。その中に風紀委員と麻子がいなかった。

 

直哉「あれ?麻子ちゃんは?」

 

沙織「麻子は多分低血圧で、まだ起きてないんですよ」

 

直哉「大丈夫かな?遅れないといいけど」

 

彩華「直哉君が迎えに行けば?仕事は午後からなのだから」

 

直哉と彩華は大洗女子学園の生徒ではなく、戦車道の顧問と言う立場であるため遅刻がない。だから、麻子を迎えに行くのは容易であった。しかし、相手は女の子で昨日知り合ったばかりである。そんな相手を容易に家に上げてもいいのだろうか?

 

沙織「大丈夫ですよ。家にはおばぁもいるし、いい薬になると思いますよ」

 

直哉「しかし…「いいんじゃない」彩華さん?」

 

彩華「沙織さんもOK出しているんだし、早くしないと本当に遅刻してしまうわよ」

 

直哉「わかりました。ちょっと麻子ちゃんの家に行ってきます」

 

 

幸い学園からそんなに距離がなかったため、急いで帰れば間に合う。大急ぎで麻子の家に行き玄関を開けると、そこには、朝ごはんを準備していたご老人がいた。

 

???「誰だい、朝っぱから?見かけない顔だね?」

 

直哉「申し訳ありません。昨日から大洗女子学園に来ている、日本戦車道連盟 整備部の土門直哉と申します。」

 

???「ほう、ご丁寧にどうも。私は冷泉 久子(れいぜい ひさこ)麻子の祖母だ」

 

直哉「どうも、麻子さんをお迎えに上がりました」

 

久子「そうかい、しかし、あの子が部屋から出てこないんだよね…申し訳ないけど見に行ってくれないかい。手が離せないんでね」

 

見てみると久子は料理をしていので、仕方なく直哉が迎えに行った。麻子の部屋の前に来てノックをしたが返事がない。やむおえず、直哉が部屋に入ると案の定2度寝をしていた、麻子の姿があった。

 

直哉「麻子ちゃん、起きなさい!遅刻するぞ!!」

 

麻子「う~ん、あと5分」

 

直哉「ええい!定番のセリフを言ってもだめだぞ!ほら!お~き~ろ~!!」

 

麻子「あ!!」

 

直哉が勢い余って布団を引っ張ると、それにつられて麻子も飛び起きてしまったので、麻子が直哉を押し倒した形になってしまった。

 

久子「なんだい騒がしいね…」

 

直哉・麻子『あ!』

 

久子「なにやってんだい!!お前達!!!」

 

その後直哉は事情を説明し、遅い朝ごはんを食べて学園へと急いだ。当然遅刻である。

 

直哉「ひどい目にあった」

 

あんこうチームに説明する際に麻子ちゃんが直哉に襲われそうになった。と言った時の皆の顔が忘れらない。ある人はハイライトがなくなり、ある人は頬を赤らめていや~んといい、またある人は「ぜひ後学のために詳しく教えてください」と言い、しまいには「直哉殿はロリ○ンなのですか?」と言われる始末である。

 

直哉(俺はロ○コンじゃない!年上のお姉さまが好きなんだと口が裂けても言えないよなぁ)

 

そう言った瞬間みほに、何を言われるかたまったもんではない。

 

直哉「さて、今日から整備の指導かしっかりやるぞ!」

 

時間は放課後。あんこうチームの整備指導の時間となった。戦車倉庫前に行くとあんこうメンバーがそろっていた。

 

みほ「直哉お兄ちゃん」

 

沙織「直哉さん」

 

華「直哉さん」

 

優花里「直哉殿」

 

麻子「よう!ロリ○ン」

 

直哉「だから!俺はロ○コンじゃあない!」

 

朝の誤解がまだ解かれていないので、この扱いである。それはさておき

 

直哉「今日はⅣ号の整備について教えるからみんな覚えるように」

 

あんこうチーム「はい」

 

こうして、直哉の整備指導が始まった。最初は直哉が主に行っていたが次第に指導する立場に回った。

 

みほ「直哉お兄ちゃんこうすればいいの?」

 

直哉「どれ?そうだね、このビスを交換して、新しい物に変えるんだよ」

 

沙織「直哉さ~ん、スピーカーの調子が悪いんですけど見てもらえますか?」

 

直哉「わかった。どうやらジャック部分が錆びてるね。新しいのに交換するかさび止めを塗るしかないね」

 

華「申し訳ありませんが、砲身の煤が取れなくてどう致しましょう?」

 

直哉「長い棒を用意して、先端にはたきを付けて煤払いをしましよう」

 

優花里「直哉殿、もっと素早く装填するためにはどうすればいいでしょうか?」

 

直哉「砲弾の位置を変えてみたらどうだろうか?みほちゃんに聞いて、よく使う砲弾を手前に置くとか」

 

麻子「シフトレバーの調子が悪んだが」

 

直哉「駆動部に油をさして滑りを良くすればいいんじゃあないか」

 

殆んど基本的な事だが、これがしっかり出来ているといないとでは大きく違う。そして、整備も終わり解散となった。

 

 

 

☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★

作「さて、終わった」

ダ「ちょっとよろしくて?」

作「あ、格言おゲフンゲフン、ダージリンさん」

ダ「…まぁこの場に免じて許してあげて差し上げますわ。それよりも直哉さんが年上好きなのは、本当なのかしら?」

作「…違うと思いますよ。年下好きじゃあないですか?」

ダ「若干の間がありましたが、まぁ良しとしましょう。では、ごきげんよう」

作(あぶね~(-_-;))

 

※因みに作者は年上好きです

 




七話で大洗女子学園編終わりにすると言いましたが、あれは嘘だ!

はい、申し訳ありませんがまだ続きます。

それでも良ければ感想・評価・誤字報告お待ちしております。


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第九話(直哉と沙織)

とあるPです。

今日から5月になりましたが相変わらず、家でのんびりしています。

5/17タイトル追加
それでは本編どうぞ!!


直哉が整備を終えて帰宅する途中に彩華から呼び出された。

 

直哉「なんですか、彩華さん?」

 

彩華「今日なんだけど、カメチームの整備が遅くなるから適当に食べてもいいわよって話そうと思ってね」

 

直哉「わかりました。けど、料理ができる自信とかないなぁ」

 

沙織「なら直哉さん、ウチで食べますか?」

 

直哉「え!いいのかい?」

 

沙織「はい!両親からも直哉さんがどんな人なのか教えてくれって言われてたので」

 

直哉「なら、お言葉に甘えようかな?」

 

こうして、直哉と沙織はスーパーで買い物をしてから帰宅した

 

沙織「ただいまー!」

 

直哉「お邪魔します」

 

???「お帰りなさい沙織、あら、その人は?」

 

???「お帰り沙織、ん?」

 

武部宅に着た途端に2人の男女に出会った。見るところによると、沙織の両親らしい。

 

沙織「この前話していた、連盟から派遣された直哉さん」

 

直哉「初めまして、土門直哉と申します。本日は武部さんからお食事に誘われまし

たので、ご相伴にあずかった次第です」

 

???「これは、ご丁寧にどうもありがとうございます。沙織の母の詩織(しおり)と申します」

 

???「父の(さとし)です」

 

そう言うと、両方とも作業を再開した。どうやら夫婦でお店を営んでいるらしい。

 

直哉「そう言えば、沙織ちゃんの両親ってお店とかやっているの?」

 

沙織「そうですね。手作りのお惣菜を作って売っているんです」

 

道理で料理が上手だと思った。それに店の方もイートインスペースがあり、店内で食べれる様になっておる。

 

沙織「じゃあ、店の方があるので、暫く寛いでいて下さい」

 

直哉「なら、手伝うよ」

 

沙織「え!悪いですよ。お客様なんだし…」

 

直哉「夕食をご馳走になる身なのに、何もしない訳にはいかないよ。それに、2人の方が効率がいいからね」

 

沙織「直哉さん…わかりました。じゃあお願いします」

 

直哉「了解!」

 

 

そう言うと直哉はエプロンを付けて、沙織と一緒に店のお客から注文を取り始めた。流石に厨房には立たせてもらえなかった。

 

「お!なんだい沙織ちゃんの彼氏かい?」

 

「しかもかなりのイケメンじゃないかい?」

 

「マジかよ!沙織ちゃん狙ってたのになぁ~」

 

「これで、この店も安泰だな」

 

 

客に茶化されながらも直哉は次々に注文を取っていた。そんな冷やかしに対して沙織は体をくねらせて否定していたが満更でもなさそうな雰囲気だった。

 

沙織「違うわよ!この人は彼氏じゃないわよ!」

 

「本当かい兄ちゃん?」

 

直哉「まぁ、一昨日来たばかりですからね」

 

「ということは。あんちゃん陸の人間かい?」

 

直哉「ええ、戦車道連盟の整備部にいます」

 

「へぇ~凄い所から来てるんだなぁ~」

 

「どうだい一杯?」

 

直哉「すみません。まだ未成年なのでお酒はちょっと…」

 

 

そして、最後の客が帰っていき閉店して4人で遅めの夕食となった。

 

詩織「ごめんなさい直哉君、今支度するわね」

 

直哉「大丈夫ですよ」

 

沙織「それじゃあ、お母さんと準備してくるから、ちょっと待っててね。直哉さん」

 

そうして、聡と直哉が2人っきりになった時に聡から話し始めた。

 

聡「ちょっといいかい」

 

直哉「はい」

 

聡「初めてにしては、良く捌いていたね。何かしていたのかい?」

 

直哉「高校の時にアルバイトを少し」

 

聡「そうかい」

 

直哉「はい」

 

「…」

 

「…」

 

一瞬の静寂があったが、聡が話しかけてきた。

聡「直哉君と言ったかね。君は沙織の事どう思っているのかね?」

 

直哉「どう、とは?」

 

聡「言葉通りの意味だよ。あの子は面倒見がよく料理の腕もいい。親の私が言うのもなんだが、将来有望だと思うのだがね?」

 

直哉「そうですね。確かに後輩への面倒見がいいのはわかります。しかし、自分はまだ学生で、一昨日沙織さんと知り合ったばかりなので、まだ何とも言えないですね」

 

 

これは、本当の気持である。確かに沙織は魅力的な女の子ではあるが、それが恋なのかはわからない。どちらかと言うと妹な気分である。

 

聡「そうか、わかった。気が変わったら遠慮なくいってくれ。いつでも歓迎するからね」

 

直哉「はい、わかりました」

 

そして、タイミングよく料理が運ばれてきた。沙織を見ると若干頬が赤かった。

 

直哉「沙織ちゃん?どうかしたの?」

 

沙織「な、何でもない!何でもないですよ~///」

 

直哉「?そうかい、なら良いけど」

 

詩織「フフフ、さぁ料理も出来たし食べましょう。直哉君も遠慮しないでね」

 

直哉「はい、ありがとうございます。」

 

 

『いただきます』

 

 

この日武部家では、4人での食事となった。詩織と沙織の料理はとても美味く、箸が止まらなかったという。そして、料理も終わり直哉が帰ろうとした時、沙織が近くまで送ると言い出したのだ。

 

外は暗くて危ないと言ったが、沙織が「付いていく」と聞かなかったので、別れ道までならといい帰宅となった。そして、他愛もない話をして別れ道となった

 

直哉「それにしても、料理美味しかったよ。沙織ちゃんありがとう」

 

沙織「いえいえ。こちらこそ直哉さんの好物を知る機会となりました」

 

直哉「じゃあ、俺はこっちだから。おやすみ」

 

そう言って、直哉は帰路に着いた。その背中を沙織はずっと見守り続けた。

 

~沙織side~

初めて会ったとき、私は直哉さんの事を気に入っていた。年上で尚且つイケメンであった。

 

しかし、どちらかと言うと恋人にしたいでもなく、お兄ちゃんとして見ていたのかもしれない。

 

みぽりんが「直哉お兄ちゃん」と言っていたからその影響もあった。そして、私は今直哉さんの為に料理を作っている。我ながら大胆な事を仕出かしたと思う。

 

聞いた話によると、今日の夕食が無くて困っているとの事だったので、それならばと立候補し見事家に招待することとなった。スーパーで食材を選んで帰宅すると、両親がまだ店をしていたので、手伝おうとした時、直哉さんも手伝うと言い出したのだ。

 

2人でやる事になり、店の中にいると、常連客が茶化してきた。それでも、直哉さんは嫌な顔をせず接客してくれた。そして、お母さんと料理をすることになった。

 

詩織「沙織。直哉君って、いい子よね?」

 

沙織「へ!そ、そうだね~」

 

詩織「もしかして…好きなの?」

 

沙織「何でわかったの!?」

 

詩織「そりやぁ沙織の母親ですもの。沙織の事ならわかるわよ。それに顔に出てるからね」

 

沙織「そんなに分かりやすかった?」

 

詩織「ええそうね、麻子ちゃんなら一発で気づくレベルね」

 

そこで麻子を出すのはおかしい。しかし、麻子とは幼馴染であるがゆえ、対象が麻子しかいなかったのだろう。

 

沙織「確かに直哉さんは好きだけど、異性じゃなくて憧れと言うか、何と言うか…」

 

詩織「ふ~ん、まぁいいけれどね。うかうかしていたら他の子に取られるかもしれないわよ。特にみほちゃんとかにね。」

 

沙織「何で、みぽりんの名前が出てくるの!?」

 

詩織「何となくね。それに直哉君とは幼馴染と言うじゃない?」

 

そうだった。みぽりんと直哉さんは昔熊本で一緒に遊んだ仲であった。

 

詩織「それに彼結構イケメンだしねw私がもう少し若ければな~」

 

沙織「ちょっとお母さん!?」

 

詩織「冗談よ。さて、料理も出来たし、運びましようか」

 

沙織「は~い」

 

そして、料理を運んでいるとお父さんと直哉さんが話していた。気になって聞き耳を立てていたら、

 

聡「直哉君と言ったかね。君は沙織の事どう思っているのかね?」

 

直哉「どう、とは?」

 

聡「言葉通りの意味だよ。あの子は面倒見がよく料理の腕もいい。親の私が言うのもなんだが、将来有望だと思うのだがね?」

 

沙織(お父さん!何言っているの!!)

 

しかし、気になるのも事実である。憧れの人がどう思っているのか、気になって仕方がなかった。

 

直哉「そうですね。確かに後輩への面倒見がいいのはわかります。しかし、自分はまだ学生で、おととい沙織さんと知り合ったばかりなので、まだ何とも言えないですね」

 

そう聞いた瞬間、嬉しい反面、悔しい反面があった。自分の事を褒められたのは、嬉しかったが、所詮その程度なんだと悔しいと思ってしまった。

 

そして、彼女はある誓いを立てた。

 

沙織(そんなに言うのなら、是が非でも振り向かせて必ず彼をゲットしてみせるんだから!!)

 

~沙織side out~

 

別れ道から帰宅した後、両親に向かってこう切り出した。

 

沙織「お父さん、お母さん、私に料理を教えて欲しいの!!」

 

聡「どうした?そんなに荒くなって?」

 

詩織「もしかして直哉君のため?」

 

沙織「うん!絶対に直哉さんを振り向かせる為に料理の勉強をしたいの」

 

聡「そうか…わかった。お父さんが教えてあげよう」

 

詩織「頑張ってね。沙織!」

 

沙織「ありがとう、お父さん、お母さん」

 

そう言って、直哉を振り向かせる為に、少女は奮闘するのであった。がんばれ沙織ライバルは多いぞ!!

 

詩織「そうなると、直哉君が未来の旦那様になるのかしらね?」

 

沙織「ちょっと!お母さん気が早いよ!!」

 

聡「そうだぞ、母さん!まず、俺の目が黒い内は沙織を嫁には出さん!」

 

沙織「お父さんも気が早いよ!」

 

因みに沙織の両親も親バカである。

 

 

☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★

作「今回はこんなもんかな?」

ケ「あら、ナオヤってこんな事も出来たのね。ますます興味がわいてきたわ」

作「いいよなぁ~イケメンで気配り上手って」

ケ「そうよね~早くゲットしたいもん!!」

作「サンダース編ってまだまだ先なんですけどね…」

ケ「そこは、作者の頑張り次第じゃあないの?」

作「…ウッス、頑張ります」

 




今回は沙織にポイントを当てて書いてみました。

初めてキャラ視点を入れてみましたけど、難しいですね。そのおかげで3,000字オーバーしました。

今後は各キャラにポイントを当てて書いていくつもりです。

それでもよろしければ感想・評価・誤字報告お待ちしております。


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第十話(直哉と優花里)

とあるPです。


最近投稿ペースが遅くなり申し訳ありませんm(__)m

色々とやらなければいけない事があるのでそっちに注力してしまうので、遅くなります。

5/17タイトル追加及び本文修正
それでは本編どうぞ!!

2020/5/3/20:07
サブタイトルを修正しました。


沙織と別れて帰宅した直哉はシャワーを浴びてすぐに就寝した。彩華には先にご飯を済ませたことを伝えていた。

 

そして、次の日彩華と一緒に登校していると、あんこうチームのメンバーが歩いてきた。

 

沙織「直哉さん!おはようございます」

 

直哉「沙織ちゃん、みんなもおはよう」

 

 

『おはようございます』

 

 

直哉「麻子ちゃんがいるのは珍しいね」

 

麻子「おばぁに怒られたからな。直哉さんの手を煩わせない為にも頑張った」

 

昨日の事があったのだろう。確かに直哉もおばぁに怒られたくないなと思っていた。

 

沙織「直哉さん昨日はありがとうございました。おかげで助かりました」

 

直哉「大丈夫だよ。また、お手伝いが欲しい時は言ってね」

 

みほ「直哉お兄ちゃん、沙織さんの家で何かあったの?」

 

優花里「確か武部殿の家は、お店をしているんですよね?」

 

沙織「そうなの!直哉さんと一緒にお店の手伝いをしたんだよ」

 

あっさり言ってしまい、みほの目からハイライトが消えてしまった。

 

みほ「ふ~ん直哉お兄ちゃんそんな事したんだ…」

 

直哉「みほちゃん!?ハイライトが消えてるよ!」

 

みほ「まぁお兄ちゃんは優しい所があるからね…そんなところが好きなんだけどね

 

直哉「みほちゃん?何か言ったかな?」

 

みほ「何でもないよ!」

 

そう言うと、みほは直ぐに行ってしまった。直哉は鈍感な所がある。後々この性格が仇となる部分があるがそれはまた別のお話し。

 

 

 

沙織「それよりも、お昼ってどうなっていますか?」

 

直哉「今日は購買で買ってこようかな」

 

沙織「そんな事だろうと思ってはい!これどうぞ!」

 

沙織から小さな包みを手渡された。中に入っていたのはお弁当であった。

 

直哉「これは?」

 

沙織「昨日のお礼と思ってお弁当を作ってきたんです。よかったら一緒に食べませんか?」

 

直哉「いいのかい?大変じゃあなかった?」

 

沙織「自分の分も作っているので、1つ増えたところで変わりませんよ」

 

直哉「なら、頂こうかな」

 

沙織「それでもし良かったら、ふた「じゃあ、皆で食べようか」はい?」

 

優花里「いいですね!ならお昼はⅣ号の上で食べましょうか」

 

華「はい!殿方と一緒にお昼ご飯を食べた事がないので楽しみです」

 

直哉「沙織ちゃん、それでいいかな?」

 

沙織「え、えぇ…いいですよ」

 

直哉「なら、みほちゃんには俺から言っておくよ」

 

 

こうして、あんこうチーム全員で食べる事となった。因みにこの時の直哉は善意で言ったつもりであったが、沙織には一切伝わっていなかった。

 

麻子「沙織……ドンマイだ」

 

沙織「やだもー!!」

 

そして、昼休みはⅣ号戦車の前で直哉を含めたあんこうチーム全員でお昼を食べた。この時直哉の隣にみほと沙織が座り、密かに火花を散らしていた。

 

そして、放課後となり帰宅途中である。今日は生徒会の仕事があるため、沙織は一緒に帰れないと嘆いていた。

 

直哉は少しだけ髪が伸びている事を気にし始めていた。そこで商店街を歩いていると一軒の理髪店が目に入った。名前を『秋山理髪店』と言う。

 

まさかと思い店に入るとパンチパーマの男性とその横にいた女性と目があった。

 

???『いらしゃいませ~』

 

直哉「すいません。カットをお願いしたんですけど」

 

???「いいですよ。なぁ母さん」

 

???「ええ、今はお客さんがいないので大丈夫です」

 

直哉「では、お願いします」

 

そう言うと、直哉は注文して散髪をしてもらっていた。その途中店のドアが開いて、優花里が入ってきた。

 

優花里「ただいま~!」

 

???「おかえり」

 

???「おかえり、優花里」

 

優花里「え!なんで直哉殿がいらっしゃるんですか!?」

 

直哉「え?ここは優花里ちゃんの家だったのか」

 

そう、何を隠そうここは優花里の家である。

???「優花里、この人を知っているのか?」

 

優花里「うん。連盟の整備師さんで先日から大洗に来ている人」

 

???「そうなのね。初めまして、優花里の母の好子(よしこ)と申します」

 

???「優花里の父の淳五郎< (じゅんごろう)と言います。よろしく」

 

直哉「先ほどご紹介がありました、日本戦車道連盟整備部の土門直哉と言います。今は大洗女子学園で戦車の整備をしています。秋山さんとはそこで知り合いました」

 

好子「ま~そうですか!優花里はどんな子ですか?」

 

優花里「母さん恥ずかしいからやめてよ!」

 

淳五郎「何言っているんだ。学校の事を聞けるチャンスなんだぞ」

 

直哉「優花里さんは、戦車の知識が豊富でとても助かっています。それを後輩とかに教えるのも上手く皆どんどん上達していますよ」

 

好子「あなた聞いた!?優花里のことべた褒めしていたわね」

 

淳五郎「ああ、良かったな母さん」

 

優花里「う~ん、直哉さんのバカ!」

 

 

そんな話をしている内に直哉の散髪が終わったので、会計を済ませて帰ろうとした時、突然、好子から「良かったらご飯でも食べていかない」と誘われてしまった。

 最初は悪いと思ったが、どうしても断れきれなかったので、同居人の彩華に一言いって了解を得たので秋山家で食事を取ることにした。

 

そして、夕食後に淳と2人きりになった。その時、沙織の父聡との会話を思い出した。

 

直哉(あれ?なんかデジャブな感じがする)

 

淳五郎「そう言えば直哉君、優花里の事だが」

 

直哉「は、はい」

 

淳五郎「優花里の事どう思っている?」

 

直哉「そうですね。まだ日は浅いので余り知りませんが、いい子だと思いますよ。戦車の知識も豊富ですし、西住みほを尊敬していますからね」

 

淳五郎「どうして西住さんを尊敬しているのがいいのかい?」

 

直哉「尊敬もそうですが、憧れがあり、そこに辿り着く為に努力しているのは評価しますからね」

 

淳五郎「そうか、直哉君には優花里がそう見えるのか」

 

直哉「あくまで個人的な意見ですけどね」

 

淳五郎「それを聞けただけでも嬉しいよ。今日はありがとう」

 

直哉「いえいえ。こちらこそご飯をごちそうしていただきありがとうございました」

 

 

 

そして、秋山家を出ようとした時、優花里に呼び止められて一緒に出ることにした。

 

直哉「優花里ちゃん大丈夫かい?」

 

優花里「はい!大丈夫であります」

 

直哉「そっか。それと今は俺しかいないよ」

 

優花里「そうですね。うん♪」

 

優花里の家で分かったのだが、たまに軍人口調から普通の口癖になる時があるので、2人の時は崩してもいいと言ったのだ。そして、家の別れ道に着くまで他愛もない話をして、それぞれ帰っていった。

 

~優花里side~

今日は、生徒会の仕事があって帰るのが遅くなった。早く帰って作りかけのM4シャーマンを完成させて、バジル大作戦を見なければと思い急ぎ足で帰って行った。店を覗くとお客さんがいたが、ここの人たちは顔見知りなので、店の中に入った所で気にはならないと思い店に入ったが今日は違った。

 

優花里「ただいま~!」

 

淳五郎「おかえり」

 

好子「おかえり、優花里」

 

優花里「え!なんで直哉殿がいらっしゃるんですか!?」

 

直哉「やっぱり。ここは優花里ちゃんの家だったのか」

 

なぜか、直哉殿が散髪をしていたのだ。私は焦ってしまった。聞いたところによると看板に秋山と書かれていたので、店のに入ったのだ。

 

そして、髪を切り終わって帰ろうとした時に母が「良かったらご飯でも食べていかない」と誘った。直哉殿は少し渋った顔をしたが、すぐに電話をした。多分彩華殿に確認を取っているのだろう。そしてOKのサインが出たのでウチでご飯を食べる事になった。

 

食べ終わって片づけをしていた時にお母さんから、こんな話しがあった。

 

好子「ねぇ優花里、直哉君のことどう思っているの?」

 

優花里「え!どう思っているかって、そりゃあ気になる人かな」

 

これは事実である。今では西住殿しか気になっていなかったが、ここにきて男の人、しかも年が近い人が現れたのだ。気にならない訳がない。恐らく西住殿を含めて皆が興味深々だと思う。

 

好子「優花里はそれでいいの?」

 

優花里「え?」

 

好子「優花里にはね、後悔してほしくないの」

 

優花里「お母さん…」

 

最初は何を言っているのか、わからなかった。しかし、次第にある感情が湧き上がってきた。直哉殿ともっと仲良くなりたい。あわよくば恋人ととして…

 

それを悟ったお母さんはあるアドバイスをした。

 

好子「いい優花里!恋とは勝ち取らなきゃダメなのよ。例え望が薄かろうがね」

 

優花里「お母さん…うん!」

 

そして、決心した。この恋に勝ち取って見せようと。そして直哉殿と…

 

帰る途中直哉殿とある約束をした。それは2人っきりの時は普通の口調で話すと。そうすれば、特別な存在になるのだと思ったのだ。

 

~優花里side out~

 

そして帰ってきてから猛勉強した。それは戦車の勉強である。偶然直哉と淳が話していた会話の内容を聞いていたのだ。そこでは、優花里の戦車知識が役に立っていると聞いたから。もっと勉強して、直哉殿の役に立とうと思ったのだ。

 

優花里(待っててください直哉殿!必ずあなたのハートを撃破して見せますからね♪)

 

そして、部屋のドアからそっと見守る好子と淳の姿があった。

 

好子(頑張るのよ!優花里!)

 

淳五郎(頑張れよ!優花里)

 

この2人も沙織の両親同様、優花里を溺愛しているのであった。

 

 

☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★

作者「何とか今回も投稿できた」

アンチョビ「それよりも、内容が少女マンガっぽくないか?」

作「ソンナコトナイヨ・・・」

ア「怪しい~私の時はまともな話になるんだろうな?」

作「どうだろうかな?その場の勢いだもんな」

ア「まぁちゃんと出来るように期待しておくぞ」

作「ウッス!頑張ります!!」

 




いかがだったでしょうか?

正直、両親の口調は難しかったけど皆さんのイメージと離れていたら申し訳ないです。

(だって、公式の資料が少なすぎるんだもん!)

そんな事より、次回は花屋のお嬢様が登場します!

感想・評価・誤字報告お待ちしております。


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第十一話(直哉と華さん)

とあるPです。

GWも後半戦に突入して、仕事が始まると思うとなえてしまう今日この頃です。


今回は少しだけ、荒っぽいシーンがありますが気にしないでください。

5/17タイトル追加
それでは本編どうぞ!!


昨日同様に直哉はシャワーを浴びて就寝する事となった。そして翌日

 

 

『おはようございます』

 

 

直哉「やぁ!みんなおはよう」

 

あんこうチームに挨拶されて校舎に入って行くのであった。その途中

 

沙織「直哉さん、今日もお弁当作ってきたので食べましょうね」

 

優花里「直哉殿!今日は自分の戦術指南についてアドバイスして欲しいであります」

 

直哉「わかったから落ち着いてくれ!」

 

昨日にまして2人の圧が強すぎる。特に優花里に関しては、今までにないくらいの積極的に来たのである。

 

直哉(何が彼女を変えたのだろうか?確かに昨日は一緒にご飯を食べたが・・・)

 

この無自覚ぶりである。無自覚にも恋する乙女を増やしてしまうのが直哉の悪い癖である。

 

しかし、友人の変化に敏感な人がのが1人いた。

 

…みほである。しかもハイライトが仕事をしていなかった

 

(ハイライトさん!!戻ってきてーーー!)

 

 

みほ「直哉お兄ちゃん…いいご身分だよね」

 

直哉「みほちゃん!違うんだよ!」

 

 

みほちゃんから冷たい目で見らて、登校し今は昼休みである。当然あんこうチームで食事をしていた。ただ違うのは、直哉の両脇はみほ×沙織ではなく、優花里×沙織と直哉がアドバイスして、乙女心全開の2人である。

 

当然、みほや華は面白くない。みほにいたっては、想い人が他の人とイチャイチャするのを見せられたのである。それでも、優花里と沙織は直哉を巡って火花を散らしていた。

 

直哉「今日は、家で彩華さんの料理食べないとな」

 

昨日は優花里の家で、その前は沙織の家で夕食をいただいた。今日こそは、彩華の料理を食べないと、今後作ってくれないかもしれない。そう思い、商店街を歩いていると…

 

「強盗だ!!捕まえてくれー!」

 

平和な大洗に似合わない声が聞こえた。見ると目出し帽をかぶった男が黒いバックを、持って全速力で逃げていた。そこに、

 

「じゃまだ!どけ!」

 

???「きゃ!!」

 

強盗男は着物を着た女性を突き飛ばし、走り去って行こうとした。当然、直哉の怒りは頂点に達した。目の前で、しかも女性を突き飛ばしたのである。直哉はとっさに買い物をやめ、男に向かって走り出していた。

 

走り出して、数秒で強盗男の背中に辿り着き渾身の右ストレートをぶちかました。

 

直哉「オラ!」

 

「ガハ!!」

 

強盗男は前のめりに倒れてしまい、直哉は馬乗りになり拘束しようとした。

 

しかし、男は飛び起き、ナイフを振りかざした。

 

直哉「やめろ!諦めろ!」

 

「うるせい!どかないとぶっ殺すぞ!」

 

男は興奮していて、とても話しを聞ける状態ではなかった。仕方なく直哉は腰を落として男に向かって突撃した。男はナイフを振り下ろした。その時直哉の左腕に痛みが走ったが気にしている暇はなく、男の鳩尾に掌底を当てた。

 

「ガハ!!」

 

今度こそ男は悶絶して、倒れてしまった。直哉は素早く拘束し、警察に連絡した。

 

男の身柄を警察に引き渡し、帰ろうとした時に先ほど突き飛ばされた女性が近づいてきた。

 

???「あの、大丈夫でしょうか?」

 

直哉「この程度の傷なら、大丈夫ですよ」

 

???「いけません!家が近くなのでご案内いたします。新三郎」

 

???「はい!奥様!」

 

???「どうぞ、乗ってください」

 

直哉「しかし、ご迷惑ではないのですか?」

 

???「助けていただいた、礼を返せないのであれば五十鈴家の恥と言います。さぁどうぞ」

 

直哉「ん?五十鈴?もしかして華さんの?」

 

???「華は私の娘です。詳しい話はぜひ家でお話しいたしますわ」

 

直哉「なら、申し訳ありませんがよろしくお願いします」

 

???「ええ!では、新三郎頼みましたよ」

 

???「はい!では掴まってください」

 

こうして、人力車に乗り込んだ2人は一路五十鈴家へと案内された、それと同時に直哉は心の中でこうつぶやいた。

 

直哉(今日も家でご飯が食べれそうにないと)

 

 

 

 

 

 

五十鈴家に着いた直哉は、先ほどの女性から看病を受けていた。看病と言っても傷薬を塗ってもらい、包帯を巻いてもらった。

 

???「では改めて、華道五十鈴流家元五十鈴 百合(いすず ゆり)と申します。華の母です」

 

???「自分は新三郎と申します。五十鈴家に奉公として華お嬢の身の回りの世話を行っております」

 

直哉「日本戦車道連盟 整備部の土門直哉と申します。五十鈴さんのチームであるⅣ号の整備を行っております」

 

 

両者の紹介が終わり、しばらく寛いでいると玄関から見知った声が聞こえた。

 

華「ただ今戻りました~」

 

百合「おかえりなさい、今お客様がお越しだから居間に着て頂だい」

 

華「はい、わかりましたお母様」

 

そう言われて、居間に現れた華は直哉が居たことに驚いていた。

華「直哉さん!どうしてここに?」

 

直哉「やぁ、五十鈴さん。生徒会の仕事は終わったのかな?」

 

華「ええ、沙織さんや優花里さんのおかげで早めに終わりました。」

 

直哉「そうかい。なら、俺はお暇しようかな」

 

華「直哉さん、その腕の傷はどうなさったのですか?」

 

百合「それは、私から説明するわ」

 

華「お母様から?」

 

そう言うと、百合は話し始めた、商店街で逃走中の強盗に会ったこと。それに突き飛ばされたこと。そして、直哉が身を挺して強盗を捕まえたこと。その話しをしている時の華はあわてたり、ホッとしていたりと終始落ち着かない状態であった。

 

百合「それで、直哉さんの怪我の手当てをしたのですよ」

 

華「そうですか。大事に至らなくてよかったです」

 

直哉「大した怪我ではないですからね」

 

華「でしたら、今晩のお食事などどうでしょうか?腕によりをかけますわ」

 

直哉「気にしないでください。それに旦那さんが帰ってきて見知らぬ男が居たら、大変でしょう?」

 

百合「旦那は海外公演で当分帰ってきませんよ」

 

直哉「そうですか。わかりました」

 

 

外堀を埋められた直哉は観念して、夕食をいただくことにした。ただし、軽めにして欲しいと念を押した。普段から華の食事風景を見ている直哉にとって、あの量が出てくるとは思いたくないからである。

 

 

夕食は直哉の予想とは違くふつうサイズだった。もっとも、華は別格であったが。そして、帰ろうとした時百合に呼び止められた。

 

百合「直哉さん、本日はお忙しいところお相手していただきありがとうございました」

 

直哉「いえいえ、こちらこそとてもおいしい夕食でした」

 

百合「今回の夕食は華が準備したのですよ。華ったら、張り切ってしまって」

 

直哉「そうですか。それなら華さんの旦那さんになる人は幸せですね」

 

 

そんな時ふすまの向こうでガタッと音がした。そんな様子を気にする事なく直哉は帰る準備をしていた。そして、沙織、優花里同様に別れ道に着た途端に急に華から話しがあると言われた。

 

華「お引止めして申し訳ありません」

 

直哉「別にいいよ。それで話しってなにかな?」

 

華「…直哉さんには気になっている人とかいらっしゃるのですか?」

 

直哉「…今はいないかな。どうしてそれを?」

 

華「いえ、忘れてください。本日はありがとうございました。おやすみなさいませ」

 

直哉「うん、おやすみ」

 

少し気になったが、遅くなるといけないと思い直哉と華は帰って行った。因みに自宅に戻った直哉は彩華にジト目で見られたけど気にしなかった。

 

 

 

~華side~

 

本日も生徒会の仕事が終わり商店街にさしかかった時です、商店街内で件があり、物騒だなと思い足早に帰宅しました。

 

華「あら、これは?」

 

お父様や新三郎でもない靴がありました。誰かと思い居間に行くとそこには、直哉さんがいらっしゃいました。

 

華「直哉さん!どうしてここに?」

 

なんと直哉さんが居たのです。しかも腕に包帯を巻いていました。

 

お母様から聞いた話しによると、商店街の強盗男を直哉さんが捕まえようとした時に怪我をしたそうで、その看病をお母様が行ったそうです。

 

わたくしは、安心と不安がありました。それは、安心なのはお母様が無事だった事と直哉さんが無事だった事。不安なのは直哉さんが居なくなってしまうのではないのかと言う気持ちでした。

 

この気持ちがどんな物なのか知りませんでしたが、初めて殿方を想う気持ちでした。

 

 

そして、帰り際に聞いたあの言葉

 

華「…直哉さんには気になっている人とかいらっしゃるのですか?」

 

直哉「今はいないかな。どうしてそれを?」

 

正直悔しい物がありました。私気になる人に見られていないのだと。それから家に帰りお母様にこの事を話しました。

 

百合「あなたはそれでいいのですか?」

 

華「しかし…」

 

百合「好きなのでしょう?直哉さんの事が」

 

華「っ!」

 

確かにここ最近直哉さんを目で追っている気がします。今日のお昼も沙織さんと優花里さんの姿を見て少し、面白くありませんでしたし、嫉妬してしまいました。

 

百合「華、私はこれまで五十鈴家の為に育ててきました。それこそどこに出しても恥ずかしくない様に教育してきました。しかし、これからは一人の女として自由に生きてみなさい」

 

華「お母様…」

 

それは、長かく纏わり付いていた鎖が砕けた瞬間でした。

 

華「わかりました。これからは、花嫁修業を行い、必ずや直哉さんをいえ、直哉様を射止めてみます!」

 

百合「ええ、頑張りなさい」

 

 

そういった華の目には砲手としての目で直哉を射止める気持ちが高ぶっていた。

 

華(必ずあなたのハートを射止めて見せますわ。直哉様!)

 

百合「しかし、華さんにも想い人が出来るとはね。これはあの人にも報告しなきゃね」

 

華「お母様///」

 

 

~華side終了~

 

 

因みにこの事を聞いた華の父は持っていた剪定鋏を落としてしまう位ショックだったという。

 

 

 

☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★

作者「今回は結構内容が多くて大変だったな」

カチューシャ「ちょっと!ナオーシャ大丈夫なの?」

作「まぁ腕を少し切られたぐらいだから大丈夫でしょう」

カ「なら良いけど…今度怪我でもしたらシベリア送りにしようかしら」

作「だれを?」

カ「作者を」

作「…そうするとカチューシャの話書けないけどいいの?」

カ「そうだったわ!いい!今後ナオーシャに怪我させないでよ」

作「ウッス!気を付けます」




とりあえず、華さんまで書きましたけど、この後は正直わかりません!

隊長たちのSSが終わったらIFルートで各チームの話しを書こうと思っています。


次回は、長年主人公に想いを寄せてる子の話しを書いて大洗編を終わりたいと思います。

あと、作者は華さんと柚子ちゃん、ホシノが大洗では好きなキャラです。

感想・評価・誤字報告お待ちしております。


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第十二話(直哉と妹達)

とあるPです。

最近FOGのイベやメガミデバイス九尾の製作で忙しくて時間が取れませんが何とか手を動かしてます。(言い訳するな!)

タイトル追加
それでは本編どうぞ!!



 

大洗女子学園での生活も残り1週間となった。この1ヶ月で色んな事があった。

 

特に思い出深いのはあんこうチームとの交流であろう。彼女たちは経験者がみほだけと言う状況で、後輩達、同級生にも適切なアドバイスを行いながら戦車道の練習を行っていた。だがそれもあと1週間で終わるとなると、感慨深いと思っていた。

 

 

『おはようございます』

 

 

直哉「やぁ!みんなおはよう」

 

この挨拶もあと少しと思うとちょっぴり寂しい気分でもあった。そんな風に思いながら、あんこうチームに挨拶されて校舎に入って行くのであった。

 

沙織「直哉さん!今日こそ一緒にお弁当食べましょうね!」

 

優花里「直哉殿!今日の午後にある体育見ていただけますか?」

 

華「直哉様、私アクティブに運動したのですが、何かありますでしょうか?」

 

麻子「直哉、明日はスクランブルエッグで頼む」

 

直哉「みんな!ちょっと待ってくれ! 」

 

 

明らかに最初の頃より遠慮がなくなっている。直哉としてはいい傾向だと思っているが、グイグイくる彼女らの対応に困っていた。それもそのはずである、あと1週間で直哉が帰ってしまうのである。

 

それまでに、何としてもゲットする必要があるため、彼女たちは必死になっていた。

 

休み時間、屋上で直哉は1人考え事をしていた。それは、今後の事である。どうやって彼女たちと接していけばいいのだろうか?直哉も鈍感ではない。薄々彼女たちの気持ちに気づいていた。

 

しかし、自分は陸で暮らす人間。海上で暮らす彼女たちにとって、遠距離とは酷なものである。今ではメールや電話があるが、気軽に会えるわけでもない。ましてや高校2年生の彼女たちと仮に恋人同士になってもいいのだろうか?と思ってしまう。

 

直哉「どうしたものかな…」

 

みほ「直哉お兄ちゃん?どうしたの、こんなところで」

 

直哉「みほちゃん?」

 

ふと、隣を見るとみほちゃんが居た。どうやら、考え事をしていた内に近くに来たらしい。

 

直哉「ちょっと考え事をね」

 

みほ「もしかして、沙織さんたちの事?」

 

随分と痛いところを付いてくるとおもったが、図星なので仕方ない。

 

直哉「そうだね、沙織ちゃんたちの事を考えてたよ」

 

みほ「直哉お兄ちゃん優しいところがあるから、どうすれば、傷付けないかで悩んでいるんだよね?」

 

直哉「正解。やはり、みほちゃんには敵わないよ」

 

みほ「直哉お兄ちゃんはどうしたいの?」

 

直哉「どうとは?」

 

みほ「このまま、みんなの想いを無碍にするのか、それとも突き放すのか」

 

直哉「だけど、これは俺の問題だから、俺自身が答えを出さないといけない気がするんだ」

 

みほ「…そうだね、なら、これ以上は言わないよ」

 

そう言うと、みほは教室に戻って行った。その姿を直哉はただ見守るしかなかった。

 

直哉(ありがとう、みほちゃん。何だかわかった気がするよ)

 

直哉は無言になった、みほの背中を見て教室に戻るのであった。

 

 

~みほside~

 

休み時間になった途端、直哉が教室から出ていくのを見たみほは、密かに付いて行くのであった。付いて行くと屋上に出た。

 

みほ「お兄ちゃん?」

 

そこには、屋上で考え事をしていた直哉が居たのだ。みほは近づき

 

みほ「直哉お兄ちゃん?どうしたの、こんなところで」

 

直哉「みほちゃん?」

 

 

みほは直哉に近づいて話しを聞いてみた。聞くところによると、沙織たちの事で悩んでいたらしい。

 

みほとしては、ライバルが増えるのは好ましくないが、直哉が悩んでいるのだから相談に乗ってあげようとした。

 

案の定沙織たちの事で悩んでいた。

 

みほ「直哉お兄ちゃんはどうしたいの?」

 

直哉「どうとは?」

 

みほ「このまま、みんなの想いを無碍にするのか、それとも突き放すのか」

 

直哉「だけど、これは俺の問題だから、俺自身が答えを出さないといけない気がするんだ」

 

みほ「…そうだね、なら、これ以上は言わないよ」

 

ここからは、当人の問題になるので余計な口出しは無用と思って屋上を後にした。

 

みほ「なんであんな事言っちゃたのかな…」

 

 

みほは「そこは私じゃあないの?」と言えなかった。いや、言ったところで直哉に拒絶されるのが怖かったのだ。長年想い続けてきた恋心が脆くも崩れていくのが。

 

 

みほとまほ、直哉の出会いは今から10年以上前になる。その時はまだ、幼く近所の公園で遊ぶ程度でしかなった。

 

 

 

 

まほ「なおやおにいちゃん、おおきくなったらなになりたい?」

 

なおや「え?どうしたのまほちゃん?」

 

まほ「おかあさまがいってたの、いまのうちにしょうらいのゆめ?をきめておきなさいって」

 

みほ「みほもいわれた」

 

まほ「わたしたちは、にしずみりゅうせんしゃどうの、いえもとがあるけど、なおやおにいちゃんはどうなのかなって?」

 

なおや「うーん。まだわからないや。けど、だれかをたすけるしごとをしたいな」

 

思えばこの頃から直哉は誰かのためになりたいと言っていた気がする。それは、みほなのか、まほなのか分からなかった。

 

けど、みほは違っていた。この頃から直哉を好きになっていた。それは他の誰にも負けない位である。

 

みほ「あとは、直哉お兄ちゃん次第かな」

 

そうつぶやくとみほは教室に戻って行った。

 

~みほside終了~

 

 

戦車道の練習を終えて、各チームが解散した時、直哉はあんこうチームの皆を呼び出した。

 

直哉「みんな、集まってもらってごめんね」

 

みほ「どうしたの?直哉お兄ちゃん」

 

沙織「大丈夫ですよ」

 

優花里「はい!」

 

華「直哉様、何か至らない点でもありましたか?」

 

麻子「眠い…」

 

 

麻子のいつも通りの口癖に一瞬あっけにとられたが、すぐに話しをした。

 

直哉「皆に聞きたいことがあってね?俺に対して何か隠していなかい?」

 

 

ドキ!!

 

 

直哉(やはり、何かあるんだな…)

 

直哉は確信した。そして徐にこう言った。

 

直哉「もしかして、俺に気があるんじゃあないかい?」

 

 

ドキ!!

 

 

自惚れていると思っていたが、本心らしい。やがで、静寂が周りを包んだ。

 

しかし、ついに諦めたのか、沙織が話し始めた。

 

沙織「はい、確かに私は直哉さんが好きです!他の誰よりも!!」

 

優花里「私も、直哉殿が好きです!!」

 

華「あの時から、お慕いしておりました!!」

 

麻子「私も…直哉の事が好きだ」

 

みほ「私も直哉お兄ちゃんが好き!子供の頃からずっと…」

 

5人からの告白である。当然この事はある程度予測していたが、まさか5人から告白されると思わなった。直哉としては、妹が兄を慕う事だと思っていたが、全員が異性として好きだと言ってきたのだ。

 

直哉「みんな…」

 

直後に言葉を発せなかったが、ここは答えておかないと思い考えた。そして…

 

直哉「みんなからの告白は嬉しいよ。ただ、俺は1人だしかも陸育ち。皆は妹のようにしか思えていなかった。その事を踏まえてどうしたいか、1週間時間をくれ!頼む!」

 

 

直哉は頭を下げてお願いした。正直男として最低の回答をしているとも思う。殴られる覚悟はあった。

 

しかし、帰って来るのは罵声ではなかった。

 

みほ「わかっていたよ。その気持ち、お兄ちゃん優しいからね」

 

沙織「正直、断れるのかと思っちゃたよ」

 

優花里「ですよね!」

 

華「直哉様の気持ちはしかと受け止めましたよ」

 

麻子「だから、私たちから言わせてくれ」

 

私たちを直哉さんの妹にしてください!!!!!

 

直哉「はい?」

 

みほ「これなら文句ないよね。直哉お兄ちゃん」

 

沙織「そうですよ。それに、これは皆で話し合って決めたことなんですから」

 

直哉「そうなのかい?」

 

優花里「はい!」

 

華「誰かを出し抜かして添い遂げようとは思わなかったので・・・」

 

麻子「みんなとは友達でライバル(恋敵)でいたいからな」

 

みほ「それじゃあ行くよ!直哉お兄ちゃんに向かって、パンツァー・フォー!!」

 

そう言うと、みな一斉に直哉に向かって走り出して来た。それを受け止めた直哉の頭にはまだ「?」が回っていた。

 

直哉「みんなはそれでいいのかい?」

 

『はい!!!!!』

 

 

直哉は苦笑いをするしかった。しかし、心は晴れ渡っていた…

 

みほ「けど、妹から恋人になる可能性はあるんですよね?」

 

直哉「みほちゃん!?」

 

みほの放った一言が更なる波紋を呼ぶのは近いかもしれない。

 

☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★

作者「やっと大洗編も終了か。長かったな~」

まほ「そうだな、これでは黒森峰編に来るのは何か月後かな」

作「う!日々頑張っているんですけどね…」

ま「本当なんだろうな?他の事をしてるのではないだろうな?」

作「マ、マサカ~」

ま「まぁいい。兎に角黒森峰の話しは大作にしてくれよ」

作「ウッス!頑張ります」

 




とりあえず、これで大洗編は終わりです。

え?カメチームや他のチームはどうしたのかって?
前回も言いましたが、まだまだ、先の話しになっています。


次回は、連盟の整備部に帰って次の高校に行く準備の話しをしたいと思います。

???「こんな格言を知っている?ほどほどに愛しなさい。長続きする恋はそう言う恋だよ。」
???「シェイクスピアですね」

…いま何か居たような気がする


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第十三話(直哉がお兄ちゃん?)

とあるPです。


GWも終わりそうになり少し億劫な感じです


最後に少しだけ報告があります。
5/17タイトル追加

それでは本編どうぞ!!

PS.優花里の父親の名前は淳五郎でした。訂正してお詫びいたします。m(__)m


みほ達からの突然の告白を受けた直哉は、学園へ行く準備をしていた。そして朝食を食べいる途中に彩華からこんな事を言われた。

 

彩華「もうそろそろ、この学園艦ともお別れね」

 

直哉「そうですね。少し寂しい気持ちもありますが、仕方ありませんよね」

 

彩華「あんこうチームの状況は?」

 

直哉「順調ですよ。他のチームよりもまとまっていて、上達が早いです。彩華さんは?」

 

彩華「そうね、アリクイやウサギチームにはのびしろがあったわ。ただし、アヒルとカバさんは難しいわね…あの子たちすぐにバレーや歴史の話ししかしないのだもん」

 

 

彩華は少し苦笑いをしながら朝食を食べていた。それにならって直哉も朝食を食べるのであった。

 

彩華「それよりも、あんこうチームのみんなとはどうなの?」

 

直哉「どうとは?」

 

彩華「みんなあなたを慕っていたから、別れるのが辛くないと思ってね」

 

直哉「大丈夫ですよ。みんないい子ですから」

 

彩華「そうだったわね。直哉お兄ちゃんw」

 

直哉「ぶ!」

 

 

飲みかけのコーヒーを危うく吹きこぼれそうになったが、寸前で止めることができた。

 

直哉「彩華さん!どうしてそれを!?」

 

彩華「そりゃあねぇ、昨日からあんなに、お兄ちゃんお兄ちゃんと言われれば、わかるわよ」

 

そうなのである。みなから「妹告白」を受けたあんこうチームは翌日から態度を一変した。

 

それは昨日の練習後からに遡る…

 

 

 

 

 

 

直哉「よし、今日の作業はここまで!!」

 

 

 

『ありがとうございました!』

 

 

 

全体の練習が終わり帰宅する時であった。あんこうチームのみんなが直哉の下に駆け寄ってきて

 

沙織「お兄ちゃん今日の夕食どうする?」

 

優花里「できれば、兄上殿の家で食べてみたいですね」

 

華「そうですね。お兄様の家も拝見したいですし」

 

麻子「直哉にいの家にTVとかないのか?あれば遊びたいんだが」

 

みほ「直哉お兄ちゃん、今日は私もお手伝いするよ」

 

 

『!?』

 

 

あんこうチーム以外のみなは、何事か?と思うぐらいの驚き用であった。あの会長でさえ、干し芋を落としそうになったくらいである。また、他のチームからはひそひそ話しが出てくる始末である。

 

直哉は慌ててあんこうチームを連れて自宅へ帰った。無論、そこに彩華も同席していた。

 

直哉「ちょっと!どういう事なのか説明して欲しいな」

 

みほ「昨日お兄ちゃんに告白してからみんなで考えたの」

 

沙織「どうしたら、直哉さんに振り向いてもらうか」

 

優花里「そして思いついたのであります」

 

華「みなで妹の様にしておけば、いつか振り向いてくれるのではないかと」

 

麻子「そして、行動に起こしたまでだ」

 

確かに直哉はみなを妹として扱うと決めて告白を受けた。それはいいとして、大勢の前でお兄ちゃん発言は衝撃を受けた。幸い戦車道履修者の前だけだから良かったものの、これが全校生徒の前であればあらぬ噂が立ってしまう。

 

直哉「はぁ~確かにみんなに言ってしまったよな。けど、あんまり言わないで欲しいな」

 

 

『それはやだ』

 

 

直哉「そうですか…」

 

彩華「諦めなさい直哉君。どのみち君が決めた事なのだから」

 

直哉「それもそうですね」

 

意外な答えであった。みほ達はもしかして、断れるんじゃあないかと思っていたから、それなりに覚悟してた。

 

直哉「それに、明後日でこの学園艦とも別れますからね」

 

そう言うと、みな暗い顔をしてしまった。明後日で直哉は連盟に帰り、他の学園艦に行ってしまう。そう思うと何とも言えない気分になってしまった。だから、みんなでご飯を食べたいと言い出したのだ。

 

みほ「迷惑だった?」

 

直哉「そんなことないよ。寧ろ嬉しいよ、疑似とはいえ妹が増えたんだから」

 

直哉には妹も姉もいない一人っ子であったので、嬉しかった。

 

しかし、この大人数で食事となると、それなりに時間もかかってしまうので夜遅くになってしまう。

 

直哉「みんな親には連絡してあるんだよね?」

 

沙織「大丈夫ですよ。今日は泊まっていくっていいましたから」

 

直哉「それは、みほちゃんの家に泊まるってことだよね?」

 

優花里「いいえ、直哉殿の家にですよ」

 

直哉「はい?」

 

直哉は目が点になった。トマル?ドウイウコト?思考が追い付かなかった…

 

直哉「ちょっと待ってくれ!聞いてないよ!大体、そんなに大きくないからね!」

 

麻子「それについては、安心してくれ。彩華さんの部屋で寝るつもりだ。あとおばぁにも伝えてある」

 

直哉「けど…」

 

華「ダメですか…直哉さんははしたない女性は嫌いですか?」

 

 

華の上目使いについ目を逸らしてしまった。

 

直哉(華ちゃんそれはダメだよ…そんなのお兄さん勝てないよ…)

 

 

可愛い妹分からの頼みである。ここで追い返したらそれこそ悪者になってしまう。幸い?明日は休みで、戦車道の練習もない。あるとすれば帰る用の荷造りをして、掃除をするくらいだ。

 

直哉「…わかったよ。但し、俺からも親御さんたちに連絡しておくから」

 

 

『ありがとうございます』

 

 

全員でお礼を言って夕食を作る準備をしていた。その間直哉は親たちに連絡するのであった。

 

 

武部家の場合

 

直哉「~と言う訳で、娘さんを預かる事になりました」

 

詩織『そうですか、なにとぞよろしくお願いしますね』

 

聡『おてんば娘ですが料理だけはピカ一ですから』

 

直哉「ありがとうございます」

 

詩織『どうりで沙織が張り切っていた訳だわ』

 

聡『そうだな』

 

その発言に直哉はハハハと苦笑いするしかなかった。

 

 

秋山家の場合

直哉「~と言う訳で、娘さんを預かる事になりました」

 

好子『そうですか、なら頼みました』

 

淳五郎『そうだね。直哉さんに任せておけば安心だからね』

 

直哉「それはどういう意味でしょうか?」

 

好子『優花里は心底直哉さんを信頼していましたからね』

 

淳五郎『そうですよ。その人の家に泊まれるんですからね』

 

(俺ってそんなに紳士扱いされているの?)と思う直哉であった。

 

 

五十鈴家の場合

 

直哉「~と言う訳で、娘さんを預かる事になりました」

 

百合『わかりました。華さんがそうおっしゃているのであれば止めはしません』

 

直哉「随分と信頼しているのですね。華さんのこと」

 

百合『華さんではなく、直哉さんの事も信頼しているつもりですよ。だけど、華さんに手を出したらどうなるか…ワカッテイマスヨネ♪」

 

直哉「…ハイ、ワカッテイマス」

 

一瞬肝が冷えてしまった。決して手を出さない様にしようと決意するのであった。

 

 

冷泉家の場合

 

直哉「~と言う訳で、娘さんを預かる事になりました」

 

久子『そうかい。わかったよ』

 

直哉「なんだかあっさりしてますね?」

 

久子『まぁ、久しぶりの外出だからね。嬉しいのさ』

 

直哉「そうですか」

 

久子『そういうもんだよ。まぁ寝坊しそうになったら遠慮なく叩き起こしてやってくれ』

 

全ての両親に連絡し終えた直哉はみんなの居る台所に戻っていた。そこでは、エプロンを付けて夕食の準備をする、5人の子たちがいた。

 

 

直哉(この子達から告白されたと思うとすごいよな…ただし、いつかは答えを出さないとな)

 

 

そんな事を考えていると、夕食が出来たのでみんなで一斉に食べだした。流石は沙織オカンが指導して作っただけである。めちゃくちゃおいしかった。

 

そして、みんなお風呂に入って就寝するのであった。

 

(間違って部屋に侵入してくることはないからね?OK?)

 

 

そして、冒頭の朝食シーンに戻る。みんなは、朝食を取って帰って行った。

 

 

直哉が大洗女子学園に一ヶ月が経ち急遽全校集会が開かれた。

 

桃「それでは、これより直哉殿のお別れ会を行う。まずは、会長から一言をいただく。傾聴!!」

 

杏「やぁやぁ~どうもどうも。直哉さん一ヶ月どうもありがとうね」

 

直哉「いえいえ。こちらこそいい経験をさせてもらいましたよ」

 

杏「うんうん。じゃあ私から何も言うことはないよ」

 

直哉「はい。ありがとうございます」

 

杏「じゃあ、これからも頑張ってね!直哉おにいちゃん(・・・・・・・・)!!」

 

 

『!!!』

 

 

杏の一言は大いなる波紋を呼び、逃げるように直哉は大洗女子学園を去るのであった。

 

 

後日、誤解は解けたものの大洗女子学園では「直哉=みんなのお兄ちゃん」と認識されていた事は誰も知らなかった。

 

 

☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★

作者「我ながらとんでもない事書いてしまったな」

ミカ「直哉はえらい人気者だね」

作「これでも、迷ったんですよどう書くか…」

ミ「最終的にはみんなのお兄ちゃんになるんだからいいじゃないか」

作「そうですけど~」

ミ「それに太陽はみなの物だからね。まぁ次も頑張ってくれよ」

作「ウッス!頑張ります」

 




如何でしたでしょうか?


今回はまとまりきれず、ぐだぐだになってしまいましたWW
(後悔はしていない!!)


次回は格言キャラの学校に行きます。それと明後日から通常営業になるので投稿のペースが遅くなります。それでも良ければ、よろしくお願いします!!

感想・評価・誤字報告お待ちしております。


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第二章~聖グロリアーナ女学院
第十四話(直哉と新天地)


とあるPです。


今回から聖グロリアーナ女学院の話しになります。

5/17タイトル追加
それでは本編どうぞ!!


大洗女子学園からの研修期間が終わって翌日俺は日本戦車道連盟の整備部に向かっていた。連盟の受付に行くと3人の受付女が居た。

 

直哉「お久しぶりです。レミさん、香音さん、ひびきさん」

 

レミ「お久しぶりです。直哉さん」

 

香音「直哉さん元気でしたか?」

 

ひびき「あ!直哉君だ~元気だった?」

 

相変わらずの3人に対して、苦笑いをするも内心ホッとしていた。やっぱりここの空気が一番いいと感じる直哉であった。

 

直哉「今日は藤田部長に会いに来たんですけど居ますかね?」

 

レミ「しばらくお待ちくださいね。…そうですね、外出届も出てないので部屋にいると思いますよ」

 

直哉「ありがとうございます。それでは、行ってみますね」

 

ひびき「直哉君~レミとだけ喋っていてずる~い。お姉さんとも喋ろうよ!」

 

香音「ひびき!直哉さんの邪魔しないの」

 

直哉「大丈夫ですよ。じゃあひびきさん今度ご飯でも食べに行きましょうか?」

 

ひびき「いいの!?」

 

直哉「もちろん、皆さんと一緒に食べに行きましょう」

 

ひびき「あ、そういう事ね…」

 

うなだれているひびきを余所に直哉は整備部に向かうのであった。ここに来るのも一ヶ月ぶりだと思う直哉であった。

 

 

直哉「おはようございます!」

 

法子「お~おはよう」

 

佳代子「あ~なおっち!」ダキ!

 

直哉「おっと!…佳代子さん抱き付いてこないで下さいよ」

 

佳代子「一ヶ月もなおっちが居なくてお姉さん寂しかったんだからね」

 

直哉「わかりました!わかりましたから離れてください!」

 

色々当たってまずい。特に社会人になってもまだ、10代。思春期の男子に取っては来るものがある。佳代子さんは贔屓目に言って美人だ。それもだから余計意識してしまう。

 

彩華「おはようございます。直哉君来たのね」

 

直哉「彩華さん、おはようございます」

 

彩華とは大洗女子学園で共にした関係で和やかな雰囲気になっていた。

 

彩華「無理しないでね。貴方はここ来てまだ一ヶ月しかたっていないのよ」

 

直哉「彩華さん。ありがとうございます」

 

法子「おーい!そこ、イチャイチャするのは報告した後にしてくれよな」

 

そう言って来る法子の言葉に直哉と彩華は照れてしまうのであった。

 

直哉・彩華『別にイチャイチャしていません!!///』

 

お約束のコントをした後に直哉は藤田部長に報告するのであった。

 

直哉「~以上が大洗女子学園での研修でした」

 

法子「ご苦労様。彩華君からの追加報告はあるかな?」

 

彩華「ありません。良くまとまっていました」

 

法子「わかった。なら今日はもう帰ってもいいよ」

 

直哉「え?まだ時間がありますから大丈夫ですよ」

 

法子「初仕事で疲れているんだ、早めに帰ってもバチはあたらんさ」

 

直哉「部長…ありがとうございます。なら今日は失礼しますね」

 

法子「ああ、お疲れ様」

 

佳代子・彩華「おつかれさま~」

 

直哉は早々と帰宅するのであった。途中の店でケーキを買い一路家に帰って行った。

 

直哉「ただいま~」

 

一ヶ月ぶりの我が家であった。少し離れていたが少しだけ懐かしく感じた。そうしている間に奥から昭人と綾子が現れた。

 

綾子「おかえりなさい。早かったわね」

 

昭人「おかえり。確かに早いな」

 

直哉「部長が初仕事ご苦労様ってことで、今日は早上がりでいいって」

 

昭人「そうか、なら今日は直哉の初仕事成功を祝って外食にするか」

 

綾子「いいわね~!直哉好きなの頼んじゃなさいよ」

 

直哉「そうだね。なら、親父の財布事情も考えて回るすしでも食べに行きますかね」

 

その夜は土門家にとって、忘れられない日になったという。そして、次の日

 

 

 

 

直哉「おはよう」

 

綾子・昭人『おはよう』

 

直哉「今日も行ってくるね」

 

昭人「おう。頑張ってこいよ」

 

綾子「頑張るのよ」

 

そして、整備部について仕事をしていると、法子から呼ばれるのであった。

 

法子「直哉君ちょっといいかな~」

 

直哉「はい、なんでしょうか?」

 

法子「早速で申し訳ないんだけど次の研修先が決まってね。至急準備して欲しんだよ」

 

直哉「急ですね…で、次はどこなんですか?」

 

法子「話しが早くて助かるよ~次は…『聖グロリアーナ女学院』だ」

 

直哉「なんだか、お嬢様学校みたいな学校ですね」

 

法子「そうだね。あそこはOG会の力が強くて結構前から打診したけど、今になって返答してきたよ」

 

直哉「OG会ですか…」

 

聖グロリアーナ女学院には、厄介な組織があった。その名も「OG会」。名前の通り、卒業生が在学時代に乗っていた戦車にならって組織された会であり、マチルダ会、チャーチル会、クルセイダー会の3つである。特に最大派閥である、マチルダ会は、戦車道チームの車両編成にまで注文を付けてくる始末である。

 

他校が強力な戦車の導入を行っているなか、このOG会によって遅れているのが実情である。そのOG会が難癖を付け、直哉の研修を拒み続けてきたのだ。

 

しかし、法子や理事長の説得により、ようやくこぎつけてきた。最も直哉1人では心もとないので、またしても2人で行う事が絶対条件であった。大方、乙女の園に男が入るのが気に食わないのだろう。兎に角、部長や理事長が行ったチャンスを何とか成功させるべく、直哉は考えるのであった。

 

直哉「わかりました。その話し受けさせてもらいます」

 

法子「ありがとうね。本来であれば彩華君を付けたかったんだけど、何分あの子も忙しくてね」

 

直哉「と言うことは…」

 

佳代子「私の出番んってことだよ!なおっち!」

 

直哉「…チェンジで」

 

佳代子「オイ―――!」

 

直哉「…ハハハジョウダンデスヨ」

 

佳代子「何で目をそらすの!ねぇ!教えてよ!」

 

法子「私としても非常に、非常~に迷ったんだけどね、佳代子がどうしても行きたいってきかなくて…」

 

佳代子「だって!だって!なおっちとの初めての仕事だもん!行きたい!行きたい!行きたい!」

 

 

(子供かよ)と内心思う直哉であった。しかし、彩華が外せなくかつ、2人で来るように言われてたので背に腹は変えられない状態であった。

 

直哉「わかりましたから、暴れないでください!」

 

佳代子「本当に?子供だって思ってない?」

 

直哉「おもってませんから!離してください」

 

佳代子「わかったよ♪」

 

法子「はぁ~直哉君佳代子のこと、しっかり頼んだよ」

 

直哉「わかりました、それで出発はいつになるんですか?」

 

法子「出発は2週間後だよ。聖グロリアーナ女学院の学園艦が寄港する日があるから、その日に合わせて出発して欲しい」

 

直哉「了解です。それじゃあ準備してきますね」

 

彩華「直哉君、佳代子の事よろしくお願いしますね」

 

佳代子「あれ!?私が心配される方なの!?」

 

そんなやり取りがあって、淡々と業務をこなしていき、約束の日である聖グロリアーナ学園艦の寄港日が近づいてきた。

 

 

 

 

 

 

直哉「忘れ物なしと」

 

昭人「いくのか?」

 

綾子「今度も大丈夫よね?」

 

直哉「大丈夫だよ。今回も一ヶ月でそんなに厳しい所ではなさそうだし」

 

昭人「そうか、けど無茶だけはするなよ」

 

直哉「わかっているよ。じゃあ!いってくる」

 

昭人・綾子『いってらっしゃい』

 

昭人と綾子に見送られながら直哉は神奈川県に寄港している聖グロリアーナ女学院の学園艦に向かうのであった。途中合流した佳代子はスーツケース2~3個分の荷物を持ちながら来た。そんなに持ってきてどうするのかわからなかった。「女には準備が大変なのよ」と言っていた。

 

 

 

『聖グロリアーナ女学院』

英国海軍空母アークロイヤルに類似した学園艦に所在し、学園艦は大洗女子学園の学園艦より大きく全長は約2倍、体積は約8倍もあり、中には温室のバラ園や農場があり、きゅうりが絶品であるとの事である。

 

英国風の校風を持つ名門校。戦車道では全国屈指の強豪校でもあり、全国大会準優勝の実績がある。

 

事前に貰った資料を頼りに、乗り込んでいくと、マチルダ歩兵戦車が1台止まっており、そこには茶髪のロングヘアでサイドに寄せた三つ編みをした女の子が立っていた。

 

???「お初お目にかかります。わたくしはルクリリと申します。以後よろしくお願いいたします」

 

直哉「ご丁寧ありがとうございます。日本戦車道連盟整備部の土門直哉と申します」

 

佳代子「同じく皆川佳代子と申します」

 

ルクリリ「土門様に皆川様ですね。どうぞお乗りください。ダージリン隊長がサロンでお待ちです」

 

直哉「わかりました。それと、直哉でいいですよ。あと口調も疲れるでしょう」

 

ルクリリ「では、直哉さんと呼びますね」

 

軽い自己紹介をしていると、目的地のサロンに近づいてきた。

 

ルクリリ「ダージリン隊長。土門様と皆川様をお連れしました」

 

???「ご苦労様ルクリリ。では、ごきげんよう。聖グロリアーナ女学院隊長ダージリンですわ」

 

これが、聖グロリアーナ女学院の隊長ダージリンとの出会いであった。

 




と言うわけで、聖グロリアーナ女学院の序章です。聖グロで好きなキャラ(ダージリンとルクリリを出せてよかったです)


これから、色んなキャラと絡んでいく直哉君の活躍を期待してください。


感想・評価・誤字報告お待ちしております。


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第十五話(直哉と金髪美女)

とあるPです。


先に言っておきますが、今回はかなり長いです。

5/17タイトル追加
それでは本編どうぞ!!


ダージリンとの出会いは衝撃的なものであった。まずは、その容姿からである。これまで出会った中でも群を抜いて気品にあふれていた。聖グロリアーナ女学院(以降聖グロとする)の赤を基調とするパンツァージャケットからもわかるように、優雅にそして凛とした姿に直哉の心は惹かれていた。

 

また、それに比例するようなブロンドの持ち主である。少しだけ呆けていた直哉にダージリンからの声が聞こえた。

 

ダージリン「どうしたのですか?こちらから挨拶をしたのに、返答がないなんて」

 

直哉「ああ、失礼。少し見とれていたので…改めまして、日本戦車道連盟整備部の土門直哉です」

 

佳代子「同じく皆川佳代子です」

 

ダージリン「見とれていたなんて、冗談がすぎますわ///」

 

実際そうなのだから仕方ない。そして、他にもこのサロンにいた人物が挨拶をし始めた。

 

???「ごきげんよう。聖グロリアーナ女学院隊長車砲手のアッサムです」

 

???「同じく装填手のオレンジペコです」

 

ルクリリ「そしてわたくしがルクリリです。先ほどのマチルダ歩兵戦車の車長を務めています」

 

これで全員かと思いきや、向こうから砂煙を上げて1人の生徒が直哉めがけて駆け込んできた。

 

???「わーー!どいてくださいまし!」ドシーーーン!

 

直哉は避けることが出来ず、その子は腹めがけてタックルしてきた。

 

直哉「ぐほ!!」

 

若干のスピードが緩まっていたが、それでも結構な衝撃が直哉を襲った。

 

アッサム「ローズヒップ!何度走って来るなと言えばわかるのかしら!」

 

???「申し訳ありません。アッサム様!ダージリン様からのお呼び出しだったのでつい嬉しくて」

 

オレンジペコ「それはいいですから、早くどいてください!土門様が気絶してしまいますから」

 

???「そう言えば、痛くありませんわね?どういう事でしょうか?」

 

直哉「すまないが、どいてもらえると助かるのだか・・・」

 

???「あーー!これは失礼いたしましたわ!」

 

ようやく退いてくれた子は改めて直哉と向き合った。

 

???「聖グロリアーナ女学院クルセイダー車長ローズヒップと申しますわ!土門様」

 

直哉「こちらこそ、よろしく。しかし、元気な子だね」

 

ローズヒップ「それだけが取り柄ですわ!」

 

そう言って直哉とローズヒップは互いに握手するのであった。

 

そんな風に挨拶していると、すっかり時間も遅くなってしまった。

 

ダージリン「今日は遅いですし、詳しい内容については明日話すということでよろしくて?」

 

直哉「そうですね。それでかまいませんよ」

 

佳代子「そうね~。早くシャワー浴びたいし」

 

ダージリン「ペコ、お客様をホテルへお通しさしあげて」

 

オレンジペコ「かしこまりました。どうぞこちらへ」

 

そう言うと、オレンジ髪の子が案内し始めた。案内について行くこと数十分直哉たちはドデカいホテルの前にいた。

 

直哉「はー!これは随分とでかいホテルだね」

 

佳代子「そうね~!流石お嬢様学校って感じよね」

 

オレンジペコ「朝食は8時まで、9時になりましたら迎えが来ます。明日は全校生徒に直哉様と佳代子様をご紹介いたしますね。それでは、ごきげんよう」

 

軽い説明をしたら、オレンジペコは帰って行った。そして、直哉と佳代子もホテルに入っていき、自室に行ったのである。

 

直哉「しかし、あのダージリンって子昔どこかで会った気がするんだよな」

 

その頃、学園の一室では、アッサムとダージリンがPCに向かって何やら作業をしていた。

 

アッサム「やはり、あの土門直哉って人昔遊んだ…直くんで間違いないわね」

 

ダージリン「ええそうね。当の本人は忘れているようだけどね」

 

ここは、「GI6」通称情報処理学部第6課の部屋であった。そして、その画面に映し出されていたのは、直哉の経歴やこれまでの通っていた学校の数々であった。

 

親の仕事の都合上何度も転校を余儀なくされていた、直哉は色々な地域の学校に行っていた。その中に神奈川に居た時期があり、偶然にもダージリンとアッサムが通っていた学校の近くであった。

 

ダージリン「それにしても、あの直くんがここまで大きくなっているなんてね」

 

アッサム「それで、どうするのダージリン?」

 

ダージリン「どうとは?」

 

アッサム「久しぶりに直くんにあったのだから、あの約束の事思い出してみる?」

 

ダージリン「やめておきましよう。自力で思い出したのならまだしも、こちら側からアクションは起こさない様にいたしましょう」

 

アッサム「それもそうね」

 

そう言って2人はGI6の部屋から出て行った。これから始まる嵐のような日々が来ることも知らず。

 

直哉「うん、大丈夫だよ母さん。じゃあまたね」

 

夕食を済ませて、自室でゆっくりているとふと、外を見た。満月の日であり、お月様が綺麗に写っていた。

 

直哉「そう言えば、あの時もこんな満月の日だったな」

 

そう言うと、直哉はベットに横になりながら、あの日の事を思い出していた・・・

□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■

今から10年も前の話しである。東京に引っ越していた直哉は、家族と一緒に神奈川県で行われていた、花火大会に来ていた。花火に夢中になっていた直哉は運悪く、両親とはぐれてしまった。

 

直哉「母さん!父さん!居たら返事してくれ!」

 

必死に声を出しても、届くはずがなかった。そんな時、目の前に小さな女の子が泣きながら座っていた。

 

??「ひっく!ひっく!ママ、パパどこにったの・・・」

 

直哉「大丈夫?」

 

??「へ?あなたはだぁれ?」

 

直哉「僕は直哉。土門直哉って言うんだ。君も親と離れたの?」

 

??「うん・・・花火に夢中になっていたら迷ってここに来たけど、どこに行けばいいのか分からなくなって」

 

直哉「そうなんだ。ならお母さんとお父さんが来るまで一緒にいてあげる」

 

??「ありがとう!私はダージリンっていうの!」

 

直哉「ダージリン、なんだかお人形さんみたいな名前だね」

 

9歳で右も左もわからない直哉にとって、未知の場所ほど怖い物はなかった。しかし、この子の手前、泣かないと決めた。そうすると自然と話しが進み、怖い気持ちも何処かに行ってしまった。

 

直哉「見て!ダージリンちゃんお月様だよ!」

ダージリン「そうだね!そう言えばこんな言葉を知っている?『月の姿は美しくて楽しい眺めである』」

 

直哉「すごい!よく難しい言葉を知っているんだね!」

 

ダージリン「パパの部屋にいっぱい本があってそれを見て覚えたの!」

 

その時である、2組の親子が2人の許に駆け寄ってきた。

 

昭人・綾子『直哉!』

 

直哉「父さん!母さん!」

 

???『ダージリン!』

 

ダージリン「パパ!ママ!」

 

4人とも、あちこち走り回ったので汗だくであった。それでも、我が子が見つかった安心から駆け寄らずにはいられなかった。

 

昭人「どこ行っていたんだ!心配していたんだぞ!!」

 

直哉「ごめんなさい」

 

綾子「けど、怪我が無くて良かったわ」

 

直哉「うん。あの子と一緒に居たから」

 

そう言うと、向こうの家族も心配していたのか、ずっとダージリンと喜びのハグをしていた。そして、ひとしきり終わった後こちらに向かってきた。

 

???「ダージリンの話し相手になってくれてありがとう。私はジョージ、こっちは妻のエミリーと言います」

 

???「初めまして、妻のエミリーです。こんな名前ですが日本人です」

 

ダージリン「パパ、ママ、この人は直哉って言うのよ」

 

ダージリンは得意げに言って見せた。それを両親は囃し立てた。

 

ジョージ「おやおや、早速ボーイフレンドでも出来たのかな?」

 

エミリー「まぁ!これは嬉しいことね。明日はお赤飯炊かないとね」

 

ダージリン「そ、そんなことないですわ!」

 

若干頬が赤くなっていたダージリンを気にすることなく、ジョージとエミリーは直哉に近づいてきた。

 

ジョージ「君が直哉君だね。ダージリンを守ってくれてありがとう。さながらナイトって感じかな」

 

エミリー「初めまして直哉君。ダージリンの事気にかけてくれてありがとうね」

 

直哉「別に大したことじゃあないですよ」

 

ジョージ「それでもだよ。あの子に代わって礼を言おう」

 

エミリー「ええ、あの子がここまで安心している顔を見るのは久しぶりだわ」

 

どうやら、ダージリンの両親にえらく気に入られてしまった。

 

今日は遅いため、明日改めてお礼に行くとの事で解散することになった。その時ダージリンが「バイバイ」と手を振ってくれたことは今でも忘れなかった。

 

次の日、直哉親子はダージリン宅に招待された。そこには、絵に出てくる様な洋館と広いプール付きの庭が現れた。今になって場違いであると思った直哉親子であった。

 

ジョージ・エミリー『ようこそ我が家へ!歓迎するよ(わ)!』

 

ダージリン宅に着くと両親から手厚い歓迎を受けた。その後は思い思いの事をした。父親同士は戦車道について、母親同士は料理や趣味の話し。そして、ダージリンと直哉は庭で遊んでいた。

 

ダージリン「直くん!紹介するわ、私の友達のアッサム」

 

??「初めまして。アッサムと申します。どうぞ宜しくお願い致しますわ」

直哉「こんにちは、直哉って言います」

 

アッサムはダージリンと同級生であり、生粋のお嬢様であった。父親がIT関連の仕事についているため、PCの扱いが得意であった。

 

アッサム「ダージリンが紹介人がいると言って付いて来たら、まさか男の人だとは思わなかったわ」

 

ダージリン「そうでしょう!貴女の驚く顔が見たかったのよ」

 

アッサム「直哉様、ダージリンの言うことは気にしないでね」

 

直哉「大丈夫ですよ。それと、直哉様って言わなくても大丈夫ですよ」

 

アッサム「それじゃあ、ダージリンと同じく直くんでいいですか?」

 

直哉「いいよ。じゃあ僕はアッサムって呼んでもいいかな?」

 

アッサム「いいですわよ」

 

ダージリン「む~直くんって呼んでいいのは私だけなんだから!!」

 

そんな感じでアッサムとも友達になった直哉は月に何回かではあるが、ダージリン、アッサムと一緒に遊んでいくのであった。しかし、時間とは残酷なのである。その年の冬であった。

 

直哉「今日は2人に言わないといけない事があるんだ」

 

ダージリン、アッサム「「何かしら?」」

 

直哉「実はお父さんの都合で引っ越さないといけなくなったんだ・・・」

 

ダージリン、アッサム『え!』

 

ダージリンとアッサムは紅茶のカップを落としてしまうほどの衝撃だったに違いない。実際落としてしまい、辺り一面に紅茶がこぼれてしまった。

 

直哉「ごめん・・・あんまりダージリンやアッサムと居るのが楽しかったから、言いそびれたんだ」

 

ダージリン「そうでしたのね。仕方ありませんわね」

 

アッサム「ダージリン!」

 

ダージリン「けど、これでお別れとは言いませんわよ。必ず再開してみせますわ」

 

アッサム「・・・そうね。それまで忘れない様に約束してもらおうかしら」

 

直哉「どんな約束かな?」

 

ダージリン「そうね、今度会ったら、アッサムと私を直くんのお嫁さんにしてほしいわ」

 

直哉・アッサム「「え~~!!」」

 

これには、直哉だけではなくアッサムも驚いた。だってこの前まで遊んでいた子にプロポーズされたのである。しかも、アッサムもお嫁さんになるのである。

 

アッサム「ダージリン!そんな話し聞いてないわよ!」

 

ダージリン「だって言ってないもの。それともアッサムは直くんの事嫌いなの?」

 

アッサム「そ、そんな事ないけど・・・」

 

ダージリン「じゃあ決まりね。直くんはどうする?」

 

直哉「正直分からないけど、そうなれたら嬉しいよ」

 

子供の頃の話しであるから、直哉はそこまで深くは受け止めていなかった。しかし、後々これが争いの火種になっていくことはまだ、誰も知らない・・・

 

その後は、ダージリン宅でのお別れ会を行った。大人同士はいつか再開することを願って酒を飲んでいた。そして、ダージリンとアッサムはと言うと、

 

ダージリン、アッサム、直哉『ゆびきりげんまん、うそついたら、はりせんぼんのーます!ゆびきった!』

 

3人で誓いを立てたのだ。

 

ダージリン「これで、破れない約束が出来たわね」

 

アッサム「ええ、直くん約束を破った場合は・・・ワカッテイルワヨネ」

 

直哉「う、うん・・・わかっているよ」

 

直哉は言えなかった。2人の目は笑っていなかった。その代り後ろには凶悪海賊「黒髭」の異名を持つエドワード・ティーチが立っていたという

 

□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■

 

次の日、直哉はベットから起きて、朝食を食べに行く準備をしていた。

 

直哉「随分と懐かしい夢を見ていたな。けど、今日から研修が始まるからな。気合い入れていかないとな」

 

そう言って、ホテルのレストランに向かうのであった。

 

 

☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★

作者「ダージリンとアッサムを同時に嫁にするとかどんなプレイボーイだよ」

愛里寿「そうしたのは、貴方なんじゃないの?」

作「そうでしたね。まぁタグにもハーレムって書いてあるからね」

愛「・・・まぁ島田流は一夫多妻制だから大丈夫」

作「そんな制度ないから!」

愛「それよりも、いつになったら私が出てくるの?」

作「・・・冬までには出したいです」

愛「わかった。期待して待ってる♪」

作「ウッス!頑張ります!」

 

 




今回は、直哉の回想とダージリンの両親を出しましたが、設定は特に気にしてません。後で設定集を更新しておきます。

それと、アンケートをしたのでそちらも参考にしたいと思います。

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第十六話(直哉と2人の幼なじみ)

とあるPです。

UAが9,300以上お気に入り登録も80件以上でとても喜んでいます。

これを糧に日々精進していきます。

5/17タイトル追加
それでは本編どうぞ!!



ホテルから出た直哉と佳代子は学園と向かうのであった。その時、エントランスには、ルクリリが待っていた。

 

ルクリリ「おはようございます。直哉さんと佳代子さんの案内役兼身の回りの世話をいたします。今後は何かありましたら気兼ねなく言ってください。」

 

直哉「ありがとう。ルクリリさん」

 

佳代子「こちらこそよろしくね♪」

 

そうい言ってマチルダ歩兵戦車を改造した車体に2人を乗せて、一路学園へ向かうのであった。

 

聖グロリアーナ女学院

 

イギリスに縁のある学園であって、風景などは英国式であり、格式と作法を学ぶ名門校である。学科ととしては以下の学科がある。

整備科

情報処理学部(※情報処理学部第6課通称GI6)

また、社交性も重視されており、定期的にお茶会も開催されている。ダージリン達は1日10回も紅茶を飲むほどのお茶会を行っている。

 

続いて戦車道については、全国大会で優勝はないが、常に上位入りをするほどの実力のあるチームである。

得意な戦法としては、強固な装甲と各車の一糸乱れない隊列機動を主軸とする、浸透強襲である。

 

その連携は、走っている時でも紅茶をこぼさないレベルであり、ダージリン曰く

「どんな走りをしようと、戦車内で一滴たりともティーカップの紅茶を溢さない」

と豪語している。

 

編成の主力はチャーチル歩兵戦車Mk.V Ⅶ、マチルダⅡ歩兵戦車Mk.VⅢ、クルセイダー巡航戦車Mk.VⅢの3種である。

 

そうこうしている内に、学園まで来てしまった。ルクリリから職員玄関の場所を教えてもらい、佳代子と一緒に職員室に入った。

 

「貴方達が、日本戦車道連盟 整備部から派遣された方ですか」

直哉「はい。日本戦車道連盟 整備部土門直哉です」

 

佳代子「同じく皆川佳代子です」

 

「それでは、全校朝会でお二人の事を説明いたしますので、こちらへどうぞ」

 

直哉・佳代子「「はい」」

 

先生に案内されて、講堂についた。バロック風?な感じの建築であった。直哉はそこまで、建築物に詳しくないのでそんな感じの建物についた。先生が壇上に立つと生徒たちのざわめきがやんだ。

 

「皆様、おはようございます。」

 

『おはようございます。先生!』

 

「今日は、皆様にご紹介したい人がいらっしゃいます。どうぞ」

 

直哉は意を決して壇上に上がった。そこには、ダージリンやアッサム、ルクリリ、ローズヒップ、オレンジペコと言った、戦車道履修者の面々がそろっていた。そして、佳代子と一緒に自己紹介を始めたのであった。

 

直哉「ご紹介にあずかりました、日本戦車道連盟 整備部の土門直哉と申します。よろしくお願いします」

 

佳代子「同じく皆川佳代子と申します。よろしくお願いします」

 

数秒経ってから拍手が鳴り響いた。そこで直哉は、ふとダージリンとアッサムに目を向けると2人とも不機嫌だった。直哉はどうしたか分からなかった。

 

直哉「主に僕や佳代子さんは戦車道履修者で会いますけど、その他の人からの相談とかも受けますのでよろしく!」

 

最後に挨拶をして降壇した。

 

「土門様と皆川様は非常勤の扱いになります。以上で朝会を終わります。今日も皆様に幸ある1日であることを」

 

先生が降壇したのを合図に生徒達も、講堂を後にした。

 

昼休みである。直哉は佳代子と別れて校舎の中を歩いていた。行きかう生徒からは「ごきげんよう」と挨拶されていた。流石お嬢様学校である。あふれる気品も大洗以上の物だった。

 

直哉「それにしても、女学院だけあって、女子生徒の割合が高いな」

 

ダージリン「それは当り前ですわ」

 

直哉「うぉ!」

 

ダージリン「そんなに驚かれると少し、傷付きますわね」

 

直哉「ダージリンさんが急に出てくるのがわるいだろう」

 

アッサム「あら、私もここにいるのですけど」

 

直哉「あ!アッサムさんまで居るのかよ…」

 

アッサム「…何だか含みのある言い方でしたが、まぁ良しとしましょう」

 

直哉「それで、2人揃って何か用があるのか?」

 

ダージリン「そうですわね、今日の練習後にサロンにてお待ちいただけますか?」

 

直哉「サロン?あぁ、初日に行ったところだな」

 

アッサム「えぇ、そこで話したい事がありますので」

 

直哉「わかった」

 

そう返事すると2人は授業があるので、教室に戻って行った。直哉も仕事(聖グロの車両チェック)があるので、職員室に戻った。そこには、佳代子の姿があった。

 

直哉「お疲れ様です佳代子さん」

 

佳代子「あ、なおっち!おかえり~」

 

すっかりここの空気になれた佳代子は、直哉を見た途端、いつもの呼び方に戻ってしまった。

 

直哉「しっかりしてくださいよ。藤田部長に怒られますよ」

 

佳代子「大丈夫だよ~。それよりも、なおっち放課後どうするの?」

 

直哉「練習風景と車両整備をしたら、ちょっと用事があるくらいですかね」

 

佳代子「用事って?」

 

直哉「さあ?ダージリンさんとアッサムさんに呼ばれたので、何をするのかまでは聞いてないですね」

 

佳代子「ほ~!」

 

その時、佳代子の目がキュピーンと光った。直哉は全力で嫌な予感がした。

 

佳代子「2人から呼び出されるとは、もしかしてこれは…告白かな?」

 

直哉「ないない!知り合ってまだ2日目ですよ」

 

佳代子「わからないよ~一目ぼれって可能性もあるからね」

 

直哉「そんな事ないですよ!」

 

佳代子「いいんだよ。大いに悩め若人よ」

 

直哉「佳代子さん言い方がおばさんくさいです」

 

佳代子「誰がおばさんだってーーーーー!」

 

 

ダージリン「それでは、練習を開始いたしますわ」

 

ダージリンの一言で始まった練習はまず、射撃訓練、隊列機動、陣形変更だった。どれも練度が高くみな一糸乱れなく動いていた。

 

ダージリン「訓練終了!みなさん、お茶の時間にいたしましょう。直哉さんもどうぞ」

 

直哉「ありがとう。いただくよ」

 

オレンジペコ「どうぞ。本日は暑いので、ニルギリのアイスティーにしました」

 

そう言ってペコはニルギリのアイスティーを直哉に手渡した。口に入れた瞬間とてもうまく感じた。

 

直哉「おいしい!おいしいよ。オレンジペコさん」

 

オレンジペコ「ありがとうございます。それに私は年下なので呼び捨てでも構いませんよ」

 

直哉「じゃあ、そうさせてもらおうかな」

 

オレンジペコ「はい!」

 

ダージリン「ちょっとよろしくて。直哉さんこの後の事覚えてらっしゃいますの?」

 

直哉「ああ、覚えているよ」

 

ダージリン「なら、お待ちしておりますわ」

 

そう言ってダージリンとアッサムは練習場を後にした。それに遅れる事10分後に例のサロンに到着した。そこには、ダージリンとアッサムがいた。

 

直哉「すまない。遅れてしまった」

 

ダージリン「問題ありませんわ」

 

直哉「それで、用事とは何かな」

 

その時、ダージリンとアッサムがアイコンタクトして、喋り出した。

 

ダージリン「直哉さん、あなた10年前に東京に越してきたのですよね」

 

直哉「知らない情報をどうして?まぁいいや、確かに10年前は東京に居たな」

 

アッサム「そして、ある日神奈川県で行われていた花火大会に行きましたよね?」

 

直哉「そうだな、確かその時は1人になって、あれ?」

 

その時直哉は記憶のそこから思い出そうとしていた。

 

(10年前、花火大会、女の子…まさか!?)

 

頭の中のピースが1つになった瞬間である。確かに花火大会の時に女の子が居た。しかし、あの時は訳もわかず助けたので名前を憶えていなかった。いや、覚えていたが10年の歳月が忘れ去られていた。

 

そして、その答えを出そうとしていた。

 

直哉「もしかして、ダージリンちゃんとアッサム!?」

 

ダージリン・アッサム『そうですよ!直くん!』

 

10年越しの出会いが今叶ったのである。

 

☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★

作者「いやぁ~直哉君モテますね」

昭人「そうだな、俺に似てかっこいいからな」

綾子「そんな訳ないわ。私に似て美人なのよ」

作「おたくら、夫婦喧嘩なら外でやってくださいよ」

昭・綾「「だれが夫婦喧嘩だ(よ)」

作「息までピッタリだよ…」

昭「そりゃあ、直哉の親だからな」

綾「それよりも、これからどんどん妹が増えてくるの?」

作「まぁその為のSSですからね」

昭「う~ん、まぁ妹が増えることはいい事だもんな」

綾「そうね!」

作「ウッス!頑張ります」

 




前回で、各隊長が終わったので、今回から作者との掛け合いも、オリキャラやサブキャラとしていきます。

沢山のアンケート回答ありがとうございます。今後の作品作りの参考にしたいと思います。


感想・評価・誤字報告お待ちしております。


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第十七話(直哉と裏工作)

とあるPです。


おかげさまで、UAが10,000が超えてました。これもひとえに皆様のおかげです。今後とも頑張ってまいります。

5/17タイトル追加
それでは本編どうぞ!!


放課後のサロンから帰る時になぜか、ダージリンとアッサムが直哉の両サイドにいた。しかも腕を絡めてだ。

他の人が見たらあらぬ誤解を生むかもしれない。

 

直哉「ちょっと!2人ともどうしたんだよ!」

 

ダージリン「やっと会えた直くんが遠くに行かない様にしてるのですわ」

 

アッサム「諦めなさい直くん。こうなったダージリンから離れるのは99%無理よ」

 

直哉「どうあがいても、無理なのね…」

 

ダージリン「そんなに、抱き付くのが嫌ですの?」

 

上目使いと甘い声で言われたら、従わざる負えない直哉であった。のちに直哉は思うのであった。あれは卑怯だと。

 

兎に角懐かしの友人に出会ったのだ。これほど嬉しい出来事はなかった。しかし、直哉には腑に落ちない点があった。

 

直哉「どうして、最初に会ったとき言わなかったんだ?」

 

ダージリン「それは、あの場には、ペコやルクリリ、ローズヒップがいたので中々言い出せなかったのよ」

 

アッサム「それに、直哉=直くんって情報が少なかったからね」

 

直哉は合点がいった。ダージリンはプライドが高く、あまり弱みを見せない子だ。また、アッサムはデータに基づく事がないと、動かない主義である。しかし、直哉が10年来の待ち人であった途端に行動が出てしまい、こうして甘えているのであった。

 

直哉「そろそろ、ホテルに着くから離れてくれないか」

 

ダージリン「仕方ありませんわね。しかし、これから戦車道訓練が、ある度に直くんと会えると思うとそれほど、とても考え深いものですわ」

 

直哉「あー…ダージリンその事なんだけど」

 

珍しく直哉の歯切れが悪くなってきた。これは何かあると思いダージリンとアッサムが腕から離れて、何やらコソコソし始めた。

 

ダージリン(ちょっと!アッサム話しが見えないんですけど)

 

アッサム(私だって同じよ!ここは相手の出方を見ましょう)

 

直哉「2人ともどうしたんだ?」

 

ダージリン・アッサム『なんでもありませんわ』

 

直哉「そうか。なら良いけど」

 

ダージリン「ところで、先ほど何か言いかけてような気がしますけど…」

 

直哉「そうだった。明日からの戦車道なんだけど、俺、2年生の担当になったから」

 

ダージリン・アッサム『はーー?』

 

直哉「いゃ~連盟から依頼が来てたのすっかり忘れてた、っておーい!どうしたんだ?」

 

そこには、目がうつろでフラフラと進むダージリンとアッサムが居た。ハイライトが仕事を放棄していた…

 

ダージリン「大丈夫、大丈夫、大丈夫、大丈夫、大丈夫、大丈夫、大丈夫、大丈夫、大丈夫、大丈夫、大丈夫、大丈夫、大丈夫、大丈夫、大丈夫、大丈夫、大丈夫、大丈夫、大丈夫、大丈夫…」

 

アッサム「ウフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフ…」

 

ホテル前に到着した直哉は、そんな2人の事は知らずに入っていくのであった。

 

ダージリンとアッサムが正気に戻ったのはそれから10分後の事であった。

 

ダージリン「アッサム、秘匿回線の用意を」

 

アッサム「イエス・マイ・ロード」

 

そこからの行動は早かった、早速隊長室に戻ると、赤電話を用意し、日本戦車道連盟の理事長室に電話した。

 

理事長『はい。理事長の飛田です』

 

ダージリン「聖グロリアーナ女学院のダージリンですわ」

 

理事長『おーダージリン君か。珍しいね君がこのホットラインを使ってくるのは』

 

ダージリン「単刀直入に申しますわ。直哉さんの担当を3年生に変えてくださいまし」

 

理事長『それは、無理だよ~。既に2年生でカリキュラムを組んであるのだから。それに、3年生は佳代子君が見る手配になっているかね』

 

ダージリン「そこを何とか」

 

理事長『既にこれは決定事項だ。わかってくれたまえ…』

 

ダージリン「…わかりました。ならば、こちらにも考えがあります」

 

理事長『…なんだね?』

 

ダージリン「来年開催される、無限軌道杯。聖グロリアーナ女学院は出場を辞退いたしますわ」

 

理事長・アッサム「!」

 

この発言にはアッサムも驚いていた。ダージリンは賭けに出たのである。もしこの賭けが失敗すれば聖グロはとんでもない大打撃を受けるからである。それは、ひとえに直哉を取られまいと必死の賭けであった。

 

ダージリン「さぁ理事長。どう致しますの?」

 

理事長『…わかった。但し、1週間は現在のカリキュラムを行ってもらい、そこから3年生の担当になってもらう。それでいいだろうか?』

 

ダージリン「もちろんですわ。ではそのように」

 

そう言ってダージリンは電話を切った。

 

アッサム「何を言うかと思ったら、大胆すぎるわよ!」

 

ダージリン「『イギリス人は恋愛と戦争では手段を選ばない』と言うことわざがあるわ。それにあやかっただけよ」

 

確かに賭けには成功したが、これがどう影響してくるのかは分からないのであった。

 

ダージリン「兎に角、1週間我慢すれば、直くんと戦車道が出来るわ♪」

 

アッサムは内心(ダメだこりゃ)と思うのであった。

 

 

 

 

 

 

次の日、戦車道履修者の前に出た直哉をアッサムが説明した。

 

アッサム「昨日、先生から話しがありました、土門直哉さんです。皆様、恥ずかしがらず聖グロリアーナ女学院の生徒として、接しなさい。そして、多くの知識を共有するですよ。わかりましたね。」

 

『了解!』

 

いよいよ、整備を行う事になったのである。直哉は担当する車両の前に行った。

 

直哉「マチルダ歩兵戦車と言うことは…」

 

ルクリリ「私たちのチームですね。よろしくお願いしますね直哉さん」

 

直哉「ああ、よろしく!ルクリリ」

 

これが、直哉とルクリリの出会いであった。

 

聖グロリアーナ女学院の戦車道について学び徐々に絡んでいく。

 

☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★

作者「やっと、ルクリリと絡める事が出来たよ」

詩織「沙織もとんでもない人を好きになってしまったわね~」

聡「でもいいじゃあないか。あの子らしいよ」

作「ですよね~しかもこれからいっぱいでで来るんですよ」

詩「けど、直哉君には店を継いでほしいわ」

聡「そうだな。料理は沙織から教わればいいからな」

作「・・・ソウデスネ」

詩「なぜ目を逸らすんですか?」

聡「どうなんだね?」

作「それよりも、お二人はお店をやってるんですよね?」

詩「そうなのよ~♪大洗に来たら寄ってね」

聡「ぜひ、手作りお惣菜の店『カワマタ』へ」

作「ウッス!食べに行きます!」

 




と言う訳で、ダージリンが大暴れしてましたね。

今後どうなっていくのか楽しみですねww


今の騒動が収まったら、カワマタさんに行ってさおりんの肉じゃが食べに行きます!!

・・・その前にまほ姉誕で大洗に行ったら肴屋隠居さんに泊まりたいな。

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第十八話(直哉と三つ編み乙女)

とあるPです。


今後、サブタイトルに題名を付けたいと思いますので、過去の作品にも随時付けていきます。

5/17タイトル追加
それでは本編どうぞ!!



 

直哉が練習を見るようになって2日が経った。特別これと言った、ハプニングもなく、練習は続いた。

 

直哉(流石、決勝常連校。練度が段違いだ。これが、みほちゃん達が戦った学校なのか)

 

直哉は素直に感心するしかなかった。そして、練習を終えたルクリリ達が戻ってきた。

 

ルクリリ「マチルダ隊、状況報告して休憩しろ!その間弾の補充と燃料の補給を忘れるな!」

 

『了解』

 

どうやら、練習が終わったらしい。それを聞いた直哉はルクリリの下へ向かうのであった。

 

直哉「ルクリリさんお疲れ様。はい、お茶だよ」

 

ルクリリ「直哉様、ありがとうございます」

 

直哉「そんな、直哉様だなんて恥ずかしい。普通に呼んでくれ」

 

ルクリリ「なら、私の事はルクリリと呼び捨てにしてください」

 

直哉「わかったよ。ルクリリ」

 

ルクリリ「はい、直哉さん」

 

入学当初は、色々あったが今では気さくに声を掛け合うほどになった。そんなことしている内に弾と燃料の補給が終わったみたいだ。

 

ルクリリ「では、直哉さんまた練習に戻ります」

 

直哉「わかったよ。頑張って」

 

ルクリリが戦車に戻っていく様子を見た直哉は、練習後の整備について準備をしていた。その時である

 

『ドゴ――――――ン』

 

明らかに衝突音らしき音が響いた。それは、先ほどルクリリが向かった方向で会った。直哉はそこへ走っていた。幸い近くだったのでそんなに時間はかからなかった。

 

辺りを見渡すと、ルクリリのマチルダが土手にぶつかっており、履帯が破損していた。それはいいが、後ろの燃料タンクから液体が漏れ始めていた。直後直哉はまずいと判断して、マチルダに走っていた。

 

そして、キューポラから顔を覗かせた。

 

直哉「大丈夫か!」

 

ルクリリ「何とか大丈夫です」

 

モブ「私達も大丈夫ですわ」

 

直哉「後ろから燃料が漏れ始めている、早く脱出しろ!」

 

ルクリリ「なんだって!みんな早く脱出するんだ!」

 

しかし、他の子達はパニックを起こしてしまい、車内で暴れ始めた。

 

直哉「落ち着け!!1人ずつゆっくり脱出するんだ!」

 

直哉の一喝である程度落ち着きを見せた子たちは、順番に脱出していった。そして、ルクリリが残った。

 

直哉「あとは君だけだルクリリ!急いでくれ!」

 

ルクリリ「はい、わかりました」

 

しかし、脱出しようしたが、服の一部が引っ掛かってもたついてしまった。仕方なく直哉は外す作業を手伝い、お嬢様抱っこで、何とか脱出しようとした次の瞬間…

 

 

『ドゴ――――――――――――ン』

 

 

さっきの衝突音の何十倍の音で戦車が爆発したのであった。

 

『ルクリリ様―――!』

 

何とか、タイミング良く脱出したが、その爆風によって直哉は弾き出されてしまった。

 

直哉「グッ!」

 

ルクリリ「キャア!」

 

直哉は何とかルクリリを抱きしめる事には成功したが、それにより受け身を取ることが出来なかった。そして…

 

ルクリリ「直哉さん、ありがとうござ…直哉さん!直哉さん!しっかりしてください!誰か、担架の準備を!」

 

受け身を取ることが出来なかった直哉は頭を地面に打ち。意識を失ってしまった。

 

~ルクリリside~

 

昨日から直哉さんが練習を見に来てくれていた。私は失敗するまいと、少し焦っていたのかもしれない。各隊の連絡を聞いて、練習場へと向かっていた。

 

「そう言えば、昨日から直哉様が練習を視察しているそうよ」

 

「そうですわね。少し殿方に見られるのは恥ずかしですわね」

 

ルクリリ「お喋りはそこまでにしろ!そろそろ、例のポイントだぞ」

 

『了解』

 

まったく。直哉さんがいるとすぐこれだ。これでは先が思いやれれる。

 

「あれ、おかしいな…」

 

ルクリリ「どうした?」

 

「車長!それが、操縦桿が上手く行かなくて」

 

ルクリリ「なに?大丈夫なのか?」

 

「多分大丈夫かと思います…『ドゴ―――ン』キャア」

 

ルクリリ「馬鹿者!ぶつかってしまったではないか」

 

「すみません…」

 

ルクリリ「まぁいい、他の人は大丈夫か?」

 

『大丈夫です』

 

その時、直哉さんがものすごい形相でキューポラか顔を覗かせてきた。

 

直哉「大丈夫か!」

 

ルクリリ「何とか大丈夫です」

 

『私達も大丈夫ですわ』

 

直哉「後ろから燃料が漏れ始めている、早く脱出しろ!」

 

ルクリリ「なんだって!みんな早く脱出するんだ!」

 

しかし、パニックになっている子達には伝わらなかった。

 

直哉「落ち着け!!1人ずつゆっくり脱出するんだ!」

 

そう言った直哉さんに続いて皆が脱出していった。後は私だけとなったが、パンツァージャケットがどこかに引っ掛かってもたついてしまった。何とか取り外したものの、直に走れる状態ではなかった。そんな時に直哉さんが

 

直哉「しっかりつかまるんだぞ」

 

ルクリリ「え?キャ!///」

 

なんと、お姫様抱っこをしてきたのだ。抗議しようとしたら、今はそんな時ではなかった。一刻を争う時なのだ。そして…

 

 

『ドゴ――――――――――――ン』

 

 

 さっきの衝突音の何十倍の音で戦車が爆発した。

 

『ルクリリ様―――!』

 

間一髪で脱出した。あと一歩遅かったら、とんでもない事になっていたかもしれない。その爆風によって直哉は弾き出されてしまった。

 

彼はルクリリを離すまいと必死に護っていた。そして運悪く頭撃ってしまい、意識を失ってしまった。

 

ルクリリ「直哉さん、ありがとうござ…直哉さん!直哉さん!しっかりしてください!誰か、担架の準備を!」

 

私は、今保健室の一室にいる。原因はわかっている。私を庇って直哉さんが爆風に巻き込まれたのだ。

 

幸い、軽い脳震盪であることから、今は良く寝ている。

 

先ほど、ダージリン様やアッサム様も見舞いに来られた。ダージリン様は私を見たとき『どこか怪我はない?』と心配してくださった。

 

ああ、何と優しいお方だと思った。そして、直哉さんの容態を確認すると、今日の練習は中止する連絡をする為、出て行かれた。その時謝ろうとしたが、「それは、目覚めた彼に言う事よ。私ではありませんわ」と言い残し、去って行った。

 

私は、馬鹿だと、浮かれていたと自身の行動を悔やんだ。そして、彼が目覚めたらいの一番で謝ろうと決めたのであった。

 

直哉「う…ここは?」

 

ルクリリ「気が付きましたか!?直哉さん!」

 

直哉「ルクリリか・・ここはどこなんだ?」

 

ルクリリ「学園内にある、保健室です」

 

直哉「そうか…」

 

ルクリリ「直哉さん!申し訳ありませんでした!!私の身勝手な行動でこんな事になってしまって」

 

直哉さんは黙って、私を見ていた。しばらくして、声を出した。これから、ひどい事を言われるんだと思っていた。

 

しかし、返ってきた事は全然違っていた。

 

直哉「ルクリリは大丈夫だったか?」

 

ルクリリ「……え?はい、大丈夫でした」

 

直哉「そうか、良かった」

 

ルクリリ「なんで、なんでそんな事言えるんですか!一歩間違えば2人とも大怪我じゃあ済まされなかったんですよ!」

 

直哉「そうだけど、君みたいな女の子に傷でもあったら大変だと思っていてね」

 

正直、罵倒される覚悟であったが、実際は全くの逆で心配されてしまった。本当にお人好しと言うか何というかであった。今まで、考えてきた自分がアホらしくなってきた。

 

直哉「それに、年下の女の子を心配するのは年上の役目だもんね」

 

ルクリリ「直哉さん///」

 

その時に見せた笑顔が何とも心地よくて、頼りがいのあるものだと思った。そして、つい意地悪をしてしまった。

 

ルクリリ「…なら、直哉さんのことを、その…お、“お兄様”と呼んでもよろしいでしょうか?」

直哉「え!?」

 

ルクリリ「ダメですか?」

 

直哉「う~ん「年下の面倒を見るのは年上の役目ですよね?」…わかったよ」

 

ルクリリ「ありがとうございます!直哉お兄様///」

 

こうして、私に義理のお兄様が誕生いたしました!けど、この胸の高鳴りは何でしょうか?

 

~ルクリリside終了~

 

保健室で先生に診てもらい、問題ないと判断された俺は、ルクリリと一緒に帰っていた。腕に抱きつかれた状態で…

 

直哉「なぁルクリリ?」

 

ルクリリ「なんですの?直哉お兄様?」

 

直哉「…なんでもない」

 

今更説明しても、無理だと判断した直哉はホテルまで、この状態だったと言う。因みに、これを目撃した他の子からダージリンとアッサムに伝わったのは言うまでもない…

 

☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★

作者「今回も騒動に巻き込まれましたね」

好子「そうよね~大丈夫かしら?

淳五郎「まぁ直哉君なら大丈夫だろう」

作「今後は出さない様にしたいんですけどね・・・」

好「それよりも、また優花里が偵察に行ったんだけどお父さん知っている?」

淳「確か「聖グロのパンツァージャケットが着たいのであります!」って言って

  出て行ったきがするぞ」

作「え!優花里ちゃん来るの?」

好「そのようね。直哉君を見に行くんじゃあないの?」

淳「そうかもしれないな」

作「直哉君!全力で逃げて~!」

好「どうしてそんなこと言うの!」

淳「そうだぞ!」

作「色々大変なんですよ!!」




と言う訳で、ルクリリさんが落ちましたね。

大洗メンバー以外はこんな感じで妹化していくのでよろしくお願いします!

☆4評価 紅月雪様ありがとうございます!!

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第十九話(直哉と小さな努力家)

とあるPです。


最初に行っておきますが、オリ主はロリコンではありません。
そして、うぷ主もロリコンではありません。

それでは本編どうぞ!!



 

 

次の日、直哉と佳代子がホテルから出てくると、ロビーにはルクリリが居た。

 

ルクリリ「おはようございます。直哉お兄様(・・・・・)

 

佳代子「お兄様~!?」

 

突如としてお兄様発言をして来たことについて驚いた佳代子だったが、直哉は気にすることなくルクリリに引っ張られる形になった。

 

ルクリリ「さぁ行きますよ」

 

直哉「わかったから、引っ張らないでくれ…」

 

ルクリリは直哉の腕をつかむと、車に向かって歩き出した。その様子は兄を迎えに来た妹か、それとも恋人同士に思えた。

 

直哉「あれ?いつもは、マチルダに乗ってきたよね?」

 

ルクリリ「昨日の、演習で私のマチルダが大破してしまったので、今日は車で来ました」

 

直哉「そうなんだ、なら俺が修理するよ。その為の整備部だからね」

 

ルクリリ「ありがとうございます。なら、一緒に整備しているところを見てもいいですか?」

 

直哉「ああ、もちろんだとも」

 

ルクリリ「わかりました。なら、お昼休みに迎えに行きますね」

 

直哉「わかったよ」

 

そう言って、車は走り出すのであった。その時佳代子からこんな事を聞かれた。

 

佳代子「ちょっと!なに直哉お兄様って?」

 

直哉「昨日、ルクリリのマチルダが演習中に大破して、助け出した瞬間に爆発してね」

 

佳代子「あ~昨日の爆破それだったんだ」

 

直哉「その後、気を失ってしまって、保健室で寝てたんだよ。そして、ルクリリが落ち込んでいたから、励ます為に言ったんだ『年下の女の子を心配するのは年上の役目』って。そしたら、お兄様って呼んでいいですか?ってね」

 

佳代子「はぁ~相変わらずモテモテだね~」

 

直哉「そんな事ないですよ」

 

そうこうしている内に学校に着いた。

 

ルクリリ「それでは、直哉お兄様また、昼休みにお会いしましょうね」

 

直哉「わかったよ」

 

そう言って、ルクリリは学校に向かっていった。因みに木の陰からダージリンとアッサムが覗いていた。…その目には光がなかったと言う。

 

「ごきげんよう」

 

「ごきげんよう」

 

直哉「ごきげんよう?」

 

未だにお嬢様学校に慣れない直哉であったが、その為に校内を散策していた。そこで、図書館らしき建物に入って行った。暇だったので、直哉は入ってみることにした。そこは、数千を超える本の数があった。

 

直哉「すごいな、こんなに本があるなんて」

 

???「誰ですか?」

 

そこには、オレンジ髪を小さくまとめた子が居た。確かあの子はダージリンと一緒にいた子だったはず…

 

直哉「失礼、ドアが開いていたから勝手に入ってしまったよ」

 

???「そうですか、なら仕方ありませんね」

 

直哉「確か君はオレンジペコさん?」

 

オレンジペコ「そうですよ。直哉さん」

 

直哉は一目でおとなしい子だと思った。そして、その手には『格言大全集』と握られていた。

 

直哉「面白い本を読むんだね」

 

オレンジペコ「あ!これは、ダージリン様に頼まれていたもので///」

 

直哉「照れなくてもいいよ。確かにダージリンちゃんは格言とか難しい言葉とか知ってるからね」

 

オレンジペコ「あの?直哉さんは昔のダージリン様の事を知ってるんですか?」

 

直哉「うん、ちょっとね」

 

オレンジペコ「詳しく知りたいです」

 

直哉「そうだね…なら、練習終わったらここに来てもらえるかな?その時に教えてあげるよ」

 

オレンジペコ「わかりました。なら練習後にまた」

 

そう言うと、ペコと直哉は図書館を後にした。昼休みは、マチルダの修理がてらルクリリとお昼ご飯を食べた。

 

その時、昔話をしたり、好きな女性のタイプは何かと色々聞かれた。直哉は、練習中にルクリリ以外のマチルダ車の動きを見ていた。昨日の事があり、確認したい事があったのである。結局その悩みは稀有に終わった。

 

そして、練習後のルクリリ、ダージリンとアッサム包囲網を突破し、図書館にむかうのであった。

 

~オレンジペコside~

 

昼間の図書館は好きな部類に入ります。この静寂が好きでよくここに来ますね。今日もこの本を読んで勉強しないと思いここに来ました。ダージリン様からこの紅茶のソウルネームを頂いたからには、頑張らなければならない。

 

しかし、1年生の私が他の先輩たちよりも、早くソウルネームを名乗るのに少しばかりの抵抗がありました。

 

当初は『ダージリン様に、ただ引っ付いてるだけ』、『可愛がられている』、『なんであの子が…』そんな憶測や嫉妬が飛び交うこともありました。

 

そんな中、ダージリン様はおっしゃいました。『言いたいことがあるのなら、この私に堂々と言いなさない!』この一言で周囲からの目はなくなりました。その時思いました。この人についてゆこう!ゆくゆくは、隣に立って支えるように頑張ろうと思いました。

 

そんな時に部屋にあった『格言大全集』を手に取って眺めていた時です。図書室のドアが開いのは。

 

そこにはこの学校では有名な男の人がいた。

 

???「すごいな、こんなに本があるなんて」

 

オレンジペコ「誰ですか?」

 

私は、少しだけ警戒してしまいました。すると男の人は「失礼、ドアが開いていたから勝手に入ってしまったよ」と仰っていました。よくよく見れば今週から日本戦車道連盟から派遣されていました直哉さんでした。

 

オレンジペコ「そうですか、なら仕方ありませんね」

 

???「確か君はオレンジペコさん?」

 

オレンジペコ「そうですよ。直哉さん」

 

中々会う機会がないので、すっかり忘れていましたね。そして、私も『格言大全集』を持っていたのを忘れていました。

 

直哉「面白い本を読むんだね」

 

オレンジペコ「あ!これは、ダージリン様に頼まれていたもので///」

 

直哉「照れなくてもいいよ。確かにダージリンちゃんは格言とか難しい言葉とか知ってるからね」

 

オレンジペコ「あの?直哉さんは昔のダージリン様の事を知ってるんですか?」

 

直哉「うん、ちょっとね」

 

意外でした。あの人は昔話を多く語らない人であるから、そして純粋に気になってしまいました。

 

オレンジペコ「詳しく知りたいです」

 

直哉「そうだね…なら、練習終わったらここに来てもらえるかな?その時に教えてあげるよ」

 

オレンジペコ「わかりました。なら練習後にまた」

 

そして、別れて今は待ち人を待っている状態です。こんなにも胸が躍る日がなかったので、楽しみにしています。

 

そう考えていると乱暴に図書館のドアが開く音が聞こえてきました。どうやら走って来られたようで額には汗が出ていました。

 

直哉「ハァ、ハァ…ごめん!ごめん!遅くなったよ」

 

オレンジペコ「大丈夫ですよ。わたくしも今来たところですから」

 

直哉「そんな風に言うと、なんだか恋人っぽいね」

 

オレンジペコ「こ、恋人!やだ、そんな///」

 

両手を隠しながら少しだけ頬が熱くなるのを感じました。そして、図書館にある椅子に互いに向き合う形で座りました。

 

直哉「そう言えば、ダージリンの昔話だよね」

 

オレンジペコ「はい、ぜひ聞かせてください」

 

直哉「わかったよ。あれは10年前の話しになるね」

 

そう言って、直哉さんは昔話を話し始めました。(第15話を参照)

 

直哉「~てな事があったんだよ」

 

オレンジペコ「そうだったんですね。でも意外でしたね」

 

直哉「そうだよね。おっと、もうこんな時間か…寮まで送っていくよ」

 

オレンジペコ「いいんですか?」

 

直哉「こんな時間に1人に、させる訳にはいかないよ」

 

オレンジペコ「ありがとうございます。なんだか、お兄様みたいですね」

 

直哉「そうかな?妹がいないから、実感がないけどね」

 

そう言った直哉さんの顔は、笑顔でした。私はこの笑顔に安心と、信頼感を覚えました。そして、同時にもっと傍にいて安心したいと甘い要望が出てしまったのです。

 

~オレンジペコside終了~

 

 

今直哉はオレンジペコを寮に送り届けている最中で、2人で歩いている。

 

直哉「大丈夫かいオレンジペコさん?」

 

オレンジペコ「はい。それと私の事はペコでいいですよ。ダージリン様や親しい人はみんな呼んでいるので」

 

直哉「わかったよ。ペコちゃん」

 

オレンジペコ「はい♪」

 

某お菓子メーカの、キャラだなと直哉は思ってしまったが、あえて心の中に留めていた。そうこうしている内に寮の前についていた。

 

直哉「じゃあ、また明日ね!ペコちゃん」

 

オレンジペコ「…その前にお願いがあります」

 

直哉「なんだい?」

 

オレンジペコ「直哉さんの事…お兄ちゃんと呼んでもいいでしょうか?」

 

直哉「あ~理由を聞いてもいいかい?」

 

オレンジペコ「今日、図書室でお話しをしていた時に、とても安心したんです。私は一人っ子なので兄妹の感覚がないんです。だから、この時だけでも直哉さんを兄だと想いたいんです…」

 

彼女の真剣な想いに応えたい直哉であった。しかし、いずれ別れる時に負担になってしまうかもしれないと同時に思うのであった。

 

直哉「気持ちは嬉しいけど…『ダメですか』うぅ…」

 

上目使いと、涙目で迫られたら流石の直哉でも断れきれなかった。意思が弱いのである。

 

直哉「はぁ…わかったよ。但し、この学園に居る時だけだよ」

 

オレンジペコ「ありがとうございます。直哉お兄ちゃん!」

 

直哉は心の中でこう唱えていた『やっぱりペコちゃんは可愛いなぁ』と…

 

☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★

作者「毎回書いて思っているけど、やっぱりモテるよね」

冷泉久子「そうしているのは、アンタが原因じゃあないかい?」

作「おっしゃる通りで・・・」

久「まぁあたしも昔はモテたからね」

作「え?」

久「なんだい?以外そうな顔して?」

作「おばぁもしかして昔からマセてたのかな~」

久「・・・こりゃあお仕置きが必要かね」

作「戦略的撤退!!」

久「まちなーーーーー!」




と言う訳で、オレンジペコの話しでした。次回から長いのでペコにします。


次回は、暴走娘の登場です!

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第二十話(直哉と猪突猛進娘)

とあるPです。

気が付けばこの話しも20話ですよ。だから特別な事はないですけどねW

それと、投稿が遅くなって申し訳なかったです。

それでは本編どうぞ!!
5/24誤字修正


聖グロリアーナ女学院に来てから3日が経った。相変わらず、お嬢様気質に慣れない日々が続いているが、ペコとルクリリのおかげで徐々に慣れつつある。

 

直哉「なぁ2人とも歩きにくいんだけど」

 

ルクリリ・ペコ『気にしないでください』

 

直哉「アッハイ…」

 

本能的にこの2人に逆らってはいけないと脳内の警告音が鳴り響いた。

 

ルクリリ「直哉お兄様、今日もお昼ご飯一緒にしましょうよ!」

 

ペコ「直哉お兄ちゃん。今日も図書館で待ってますね!」

 

突如始まった、直哉争奪戦である。一見ニコニコしながら腕を組んでいるが直哉の背後ではバチバチと火花を散らしていた。それでも穏便に済ませようと直哉は思っていた。

 

直哉「そう言えば、2人共ダージリンに呼ばれているんじゃあないの?」

 

ルクリリ・ペコ『大丈夫です』

 

直哉「アッハイ…」

 

ダージリンの名前を出せば諦めてくれると思っていたが、爪が甘かった。またしても直哉の思惑はこの2人には通じなかった。

 

結局、2人だけでは無理なので、3人でお昼ご飯を食べて、3人で図書館に行き勉強をした。直哉は自身がヘタレだと思った。ハイライトさんが仕事していない2人に別々の対応は出来ないのだから。

 

 

 

 

 

放課後になり2人から解放された、直哉は演習所に来ていた。今はスッキリして1人の時間を楽しみたいのである。

 

直哉「やっぱり、何もない所を走るのはいいなぁ~」

 

直哉は、演習場の外周をランニングしていた。ここに来てからあまり運動せず、自主トレを兼ねての運動なので軽く汗を流す程度のスピードである。その時である…

 

???「どいてくださいましー」

 

直哉「ん?なんだろう?」

 

その声は後ろから聞こえてきて、段々大きくなってきた。そして…

 

???「急に止まれませんわ~~!」

 

直哉「ゴフ!!」

 

避けることも出来ず、直哉はフライングボディアタックを食らうのであった。因みに、何㎡か飛んだ…

 

???「いゃ~止まれませんでしたわ!!けど怪我をしていない…あ!大丈夫でございますか!?」

 

直哉「いゃ…早く退いてくれると助かる」

 

今直哉は、女の子に馬乗りにされている状態である。大抵の人が見たら、大いに誤解をうむ格好である。

 

???「わかりましたー!ではどきますね!!」

 

直哉「ありがとう。というか君は?」

 

???「これは、挨拶が遅れましたね!!私はクルセイダー車長ローズヒップと申しますわ!!」

 

直哉「そうなんだ。俺は土門直哉。よろしくね。」

 

ローズヒップ「こちらこそ、よろしくお願いいたしますわ!」

 

ローズヒップティーと同じ色の髪の子と、握手をして、2人は歩いていた。

 

ローズヒップ「それよりも、直哉様はどうしてここにいるのですか?」

 

直哉「ちょっとした散歩だよ。それよりも、様なんてよしてくれよ。むず痒い」

 

ローズヒップ「いいえ!!殿方のましてや年上の方を気安く呼び捨てになん出来ませんわ」

 

直哉「そうかい?なら良いけど…」

 

ローズヒップ「はい!」

 

直哉「そう言えば、ローズヒップはどうしてここまで走ってきたの?」

 

ローズヒップ「そうですわね!なぜか、走りたい衝動に駆られてしまって…」

 

直哉「君はチーターか何かかな?」

 

ローズヒップ「けど、最近思うことがあるんです。このままでいいのかと」

 

直哉「と言うと?」

 

そこから、ローズヒップが静かに語り出した。

 

~ローズヒップside~

昔から走ることが好きだった。どんな時も走っていれば嫌なことでさえ忘れていた。例え誰に言われようといつも走っていた。

 

しかし、聖グロリアーナ女学院に入学したら、全然できなかった。毎日毎日、淑女たる作法や紅茶の入れ方、極めつけは言葉使いや学業である。言葉使いは何とか出来たが、紅茶の入れ方はダメだった。

 

何とかアッサム様やオレンジペコさんから、教わりながらダージリン様にお出し出来たが、お世辞にも良いものではなかった。また、家族も多く18人もいるので静かに食事をするのが苦手だった。

新設したクルセイダー隊の隊長になったにも、足が速いだけでそんなに期待されていないと思っていた。

 

そんな時に、日本戦車道連盟の整備部から派遣された方を見てとても斬新と思った。この女の園に殿方が来たのである。あの方なら、自分を受け入れてくれるだろうと思ったのである。

 

早速アタックしてみたが、初日から暴走してしまい余り話せずにいた。

けど今は違う。今は2人だけで歩いているのである、チャンスではないかと思っているのである。

 

しかし、変な子だと思われたら?静かな子が好みだったら?普段思わない事を頭の中を駆け巡ってしまう。そんな時…

 

直哉「どうしたんだ?」

 

ローズヒップ「へぁ!」

 

突然声をかけられたので、間の抜けた声を出してしまった。やってしまった。絶対変な子だと思われてしまった。そう思ってしまったが、直哉様は全然違った。

 

直哉「ローズヒップって面白い声を出すんだね」

 

ローズヒップ「///」

 

自分でも恥ずかしいし、穴があったら入りたいと思うのはこの事である。

 

ローズヒップ「直哉さん聞いてほしい話しがあるんですわ」

 

直哉「なんだい?」

 

ローズヒップ「私の過去の話しなのですわ」

 

直哉「…いいよ」

 

そして、私は話し始めた。過去の事、これからの事。本当はおもいっきり走りたい。自分らしい生き方をしたい。そんな事を話した。話し終わると直哉さんはこう言った。

 

直哉「けど、そんなところもローズヒップのいいところだよね」

 

ローズヒップ「私のいいところ?」

 

直哉「元気に走りまわるところ、自分のやりたい様にやる姿勢、そして周りの人から教えてもらった事を素直に実践するところとか、俺は好きだな」

 

ああ、この人は何でも受け入れてくれる。良き理解者を得た。そんな感じの瞬間である。

 

そして、この人と一緒にずっと走っていたいと思えた。

 

~ローズヒップside終了~

 

直哉はローズヒップの話しを最後まで聞いていた。そして、ある決断をした。

 

直哉「なら、俺がローズヒップの夢に付き合ってあげるよ」

 

ローズヒップ「え!本当でございますの?」

 

直哉「うん!但し、俺がいるまでだけどね」

 

ローズヒップ「ありがとうございますわ!直哉にい様」

 

そう言って、ローズヒップは抱き付いてきた!この予想もしない行動に直哉はただただ驚くしかなかった。

 

直哉「ちょっと!ローズヒップ!」

 

ローズヒップ「もう、離しませんわ!直哉にい様!」

 

そして、直哉に新たな妹が増えるのであった…

 

☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★

作者「もう20話か・・・」

ジョージ「確かに20話だが、ダージリンが出てきてないね」

エミリー「そうよ!早く出してくださいよ」

作「わかってますよ。順番があるんですから」

ジョージ「そう言えば、オリキャラ多くないか?」

エミリー「そうよね」

作「そんなメタイ発言しないでくださいよ」

ジョージ「早く出してくれよ!」

作「わかりましたから!」

 




と言うわけで、ローズヒップ回でした!この話しを書くのに3日もかかってしまった。中々まとまらなくてすんまそん!

☆9評価ティアナ000782さんありがとうございます!
☆1評価お祈りメールさんありがとうございます!

そして、緑バーが付きました!とてもうれしいです!これかも頑張ります!

次回は、3年生コンビが再び参上します!

感想・評価・誤字報告お待ちしております。


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第二十一話(直哉と幼なじみ隊長)

とあるPです。

このSSを作るキッカケはガルパンとシスプリを変え合わせたら面白いんじゃないかという作者の妄想に駆られたものです

それでは本編どうぞ!!



ここは、聖グロリアーナ女学院の広大な敷地内を走行している、マチルダ歩兵戦車の荷台である。運転は佳代子さんがやっている。しかし、直哉はそれどころではなかった…

 

直哉「あの~なんでみんなは睨んでいるいるのかな?」

 

『べつに~~~』

 

どうしてこの様な状況になってしまったのか。事の発端は今朝のホテル前に遡る…

 

 

 

 

 

聖グロリアーナ女学院に来て一週間がたった。そして、昨日理事長から電話があった。

 

直哉「もしもし」

 

理事長『おお!直哉君夜分にすまないね』

 

直哉「大丈夫ですよ。それでお話しとは?」

 

理事長『実は明日から、3年生の整備を見て欲しいんだよ』

 

直哉「え?3年生は佳代子さんが担当のはずですよ」

 

理事長『そうなんだが、どうしてもって言う子が居てね』

 

その時直哉にはある予感がしていた。あの人ならやりかねないと

 

直哉「わかりました。それなら仕方ありませんね。明日から3年生の整備をしますよ」

 

理事長『ありがとう。佳代子君には代わりに、1、2年生の担当する様に伝えておくよ』

 

直哉「お願いします」

 

理事長『じゃあ、そう言うことで失礼するよ』

 

そう言って理事長は電話を切った。そして、直哉はベットに入ってふと思っていた。

 

直哉(多分、ダージリンとアッサムが仕掛けた事なんだろうな…まぁ、いつも通りの仕事をするだけだ)

 

そして、直哉の意識は深い闇に飲まれていったのだ…

 

 

 

 

 

 

翌日、いつの様にホテルのロビーにルクリリが迎えに来ていた。しかし、今日に限っては訪問者が2人ほど増えていた。

 

『おはようございます。直哉お兄様(直哉おにいちゃん)(直哉にい様!)』

 

『はい?』

 

そこには、ルクリリ、オレンジペコ、ローズヒップの3人が出迎えをしていた。そして、直哉に挨拶した瞬間固まってしまった。

 

ルクリリ「直哉お兄ちゃん?」

 

ペコ「直哉にい様?」

 

ローズヒップ「直哉お兄様?」

 

それぞれ、直哉を兄と慕う3人からしてみれば、私こそ一番!と思っていたがそれぞれライバルが居たことに驚いていた。そして、その矛先は言うまでの無く…

 

『ちょっと!どういうことですか!?』

 

3人から、質問があり、冒頭のシーンに戻るのであった。

 

ルクリリ「それにしても、直哉お兄様がこんな人だとは思いませんでした…」

 

ペコ「まぁまぁ、ルクリリ様」

 

ローズヒップ「そうですわ!ルクリリ様、オレンジペコさん!直哉にい様はひどい人ではございませんわ!」

 

ルクリリ「それは、そうだが…」

 

直哉「確かに、みんなの気持ちを考えなく言った事かもしれないな…すまない」

 

そう言って直哉は頭を下げた。それに驚いていたルクリリ達は

 

ルクリリ「ちょっと!頭を上げてください!怒ってはいないですから!」

 

ペコ「そうですよ。寧ろ感謝しているんですから」

 

直哉「感謝?」

 

ルクリリ「私は、直哉さんのやさしさに惚れたんです」

 

ペコ「私も、初めて年上の人に甘える事が出来たんです」

 

ローズヒップ「私も、直哉にい様と一緒に走りたいと思ったんです。だから、自分を卑下しないで下さい」

 

直哉「みんな…ありがとう」

 

数日ではあるが、この子達と出会えて良かったと思うのであった。そうこうしている間に、学園に着いていた。

 

佳代子「さぁ、恋バナも良いけどちゃんと授業も受けるのよ」

 

佳代子の話しに『べ、別に恋バナではない(でありませんわ)』と頬を赤くするルクリリとペコであった。ローズヒップに関しては、「恋バナ?それはどんなバナナですの?」と言ってくる始末であった。

 

そして、仲良く3人は学園に向かうのであった。

 

直哉「ありがとうございます、佳代子さん」

 

佳代子「どういたしまして♪しかし、あのなおっちがタジタジだったわね~」

 

直哉「ちょっと!たからかわないでくださいよ」

 

肘で小突いてくるが笑えない冗談であった。確かに3人共妹として慕っているが、恋人となると話は別になってくる。大洗に残してきた5人の告白(第12話参照)も保留にしている始末である。

 

直哉「それに、今日からダージリンとアッサムがいる3年生チームの整備をするんですから、かっこ悪い姿を見せたくないんですよ」

 

佳代子「ふ~ん。まぁ寂しくなったらお姉さんが慰めてあげるからねw」

 

そう言って佳代子は、車両を戻すべく倉庫に走っていた。直哉も気持ちを切り替えて職員室に向かうのであった。

 

放課後になり、戦車道の練習になった。練習前にアッサムから連絡があった。

 

アッサム「今日から直哉様は我々3年生の整備を行う事になりました」

 

『了解』

 

ルクリリ達1、2年生からはあまり納得できない態度があったが、ダージリンとアッサムが睨みつけると黙ってしまった。仕方なく、練習を行うのであった。

 

直哉(昨日理事長から電話があったのはこの2人が仕組んだことだな。まったく…)

 

直哉は少しあきれつつも、あの2人ならやりかねないと思っていた。そうこうしている内に練習が終わり、チャーチルが戻ってきた。

 

直哉「お疲れ様ダージリ、アッサム」

 

ダージリン「ごきげんようですわ。それにこの程度の事造作でもありませんわ」

 

アッサム「良く言うわよ。ずっと緊張していたのはどこの誰かしら」

 

ダージリン「あ、アッサム!」

 

アッサム「ダージリンったら、『直くんが見てるからちゃんとしなきゃ』って言って、練習中も格言を言わずに集中していたのは」

 

ダージリン「あ、あなたね!///」

 

そう言っていたダージリンの顔は赤くなっていた。

 

ダージリン「そう言うアッサムも集中していなかった様に見えていたけど…」

 

アッサム「どういう事かしら?」

 

ダージリン「だってあなた、砲手であることを良いことに、ずっと直くんを見ていたでしょ?」

 

アッサム「そ、そ、そんなことないわよ!」

 

直哉「そう言えば、チャーチルの砲身がこっちを見ていたことがあったけどそんな事だったんだ」

 

アッサム「直くん!それはね///」

 

アッサムもそれっきり黙ってしまった。また、若干顔も赤くなっていた。

 

ダージリン「まぁ、これでお相子としましょう」

 

アッサム「そうね」

 

直哉「2人共お互いを見てるってことは仲がいいんだな」

 

そう言ったダージリンとアッサムは『はぁ~』とため息をついたのであった。

 

ダージリン「そう言えば直くん。今週末は何か予定があるのから?」

直哉「いや、特に予定は無かったよ」

 

アッサム「なら、ダージリンと一緒に出かけませんか?」

 

直哉「いいの?」

 

ダージリン「もちろんですわ。むしろ親が直くんを「早く合わせろ」ってうるさいんですわ」

 

直哉「わかったよ。ならお願いしようかな」

 

そう言うとダージリンとアッサムは小さくガッツポーズをするのであった。

 

☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★

作者「次回はデート編か・・・自信ないな」

典子「作者さんなら大丈夫ですよ!なぁみんな!」

『はい!キャプテン!』

作「てか、直哉君いないのに元気だね」

典「はい!直哉さんがいつかバレー部のコーチになる日まで練習しますって

誓ったので!」

妙「そうですよ!」

あ「絶対守ってくれると信じているので!」

忍「それに、何だかんだで来てくれる予想がするので」

作「ソウダヨネ~」




と言うわけで、3人にバレてしまいましたねw

それより、今後から作者のやり取りは各キャラにしてきます。

聖グロ編はあと1、2回で終わりにしたいと思います。

次回は初のデート編!そして、ダージリンとアッサムの両親が登場します。

感想・評価・誤字報告お待ちしております。


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第二十二話(直哉とデート前編)

とあるPです。

緊急事態宣言が解除されてから、人の動きが活発になりましたが、引き続き3密を避けて行動しましょう。


それでは本編どうぞ!!


週末、直哉はホテルの前に居た。そこには、ツナギやスーツに身を包んだ姿ではなく、ラフな私服姿である。一応、前日に艦内にある洋服店で、佳代子に見積もってもらった。

 

直哉「まぁ、その後に佳代子さんから根ほり葉ほり聞かれたけどな…」

 

佳代子から聞かれてうんざりしていた時に、今日の主役の2人が登場するのであった。

 

ダージリン「おまたせしたかしら?」

 

直哉「いや、今来たところだよ」

 

ダージリン「うふふ、なんだか恋人のやり取りみたいわね」

 

アッサム「…直くん、私もいるんだけど」

 

直哉「ごめんよ、アッサム」

 

そうこうしている内に時間になったので、出かけることにした。

 

直哉「そう言えば今日は行くところとか決まっているのか?」

 

ダージリン「そうね、特に決めてないわね」

 

アッサム「天気予報だと、1日中晴れだから気長にできるわね」

 

直哉「それなら、俺が決めてもいいかい?」

 

ダージリン・アッサム『ええ、いいわよ』

 

そう言うと直哉達は、港に向かうのであった。幸いにして、今日は学園艦の寄港日であったので、聖グロのホームである神奈川県に着いた。

 

直哉「さて、時間的にお昼だから観光がてら中華街にでも行くか?」

 

ダージリン「いいわね」

 

アッサム「そうね」

 

2人が納得してくれたので、直哉達は中華街に向かった。その時直哉が運転するレンタカーで向かうのであった。

 

ダージリン「直くん運転できたのね」

 

直哉「高校卒業してすぐに免許を取ったからね。休みの日は運転していたんだ」

 

アッサム「学園ではしてなかった様に見えたけど」

 

直哉「学園内はルクリリが運転する戦車で移動していたからね。あんまり使う機会がなかったんだ」

 

この時ほど、ルクリリが羨ましいと思った2人であった。そうこうしている間に、3人は中華街に着いた。

 

直哉「お昼はどうする?」

 

ダージリン「中華まんを食べながらチャイでも飲みましょうか」

 

アッサム「それもいいわね」

 

直哉「了解!」

 

そして、3人で中華まんとチャイを食べ歩きつつ中華街を満喫していた。

 

途中直哉はトイレに行くと扮して雑貨屋に行き、2人へのプレゼントを選んでいた。ダージリには青いバラのアクキー、アッサムには赤いバラのアクキーを買って2人のもとへ行くのであった。

 

しかし、そこには2人を囲む3人の男が居た。

 

「そこのお嬢さんたち、俺らと遊びに行かない?」

 

「面白い所に連れて行ってあげるからさぁ~」

 

ダージリン「ごめんあそばせ。人を待たせているの」

 

アッサム「ですので、貴方達に構っているひまはないんです」

 

「そいつの事は忘れてさ俺らと遊ぼうぜ!」

 

見たところ、直哉が買い物に行っている間に絡まれたらしい。直哉としては穏便に済ませたいがどうすればいいかと思っていた。その時、ダージリンとアッサムが目を合わせて、直哉の所に駆け寄ってきた。

 

ダージリン「兄さん!やっと居たのね」

 

アッサム「ようやく見つけましたよ。さぁ早く行きましょう。お兄様」

 

直哉「え?」

 

とっさの事に頭が追い付かなかったが、ダージリンから(合わせて)とアイコンタクトがあったので、合わせる事にした。

 

直哉「ああ、そうだな。ごめんな、トイレが長引いてしまって」

 

ダージリン「まぁそれは許してあげますから、早く行きましょう」

 

ダージリンとアッサムが直哉を連れ出そうとしたその時…

 

「オイ、ちょっと待てよ」

 

3人組の1人が直哉の肩を掴み止めようとした。

 

直哉「なんですか?これから出かけないといけないんですけど」

 

「さっきから聞いていりゃあ、いい気になりやがって、なめんじゃあねえぞ!!」

 

「妹2人を残して、お前は1人で帰りなw」

 

「それとも、2人に守られてもらうしか能がないのかな?」

 

『アハハハハハハハ』

 

その一言に直哉の中にあった何かが爆発した。2人に下がる様に言って男たちの前に立った。

 

「お?やろうってか?」

 

直哉「可愛い2人の前だから穏便に済まそうと思っていたが、もう我慢の限界だ。こっちにも男の意地があるもんでね」

 

そう言った次の瞬間直哉は身を低くし、男の腹に掌底を食らわせた。男は悶えて地面に倒れた。

 

そして、一瞬の隙を付いてもう一人の男の顔に右ストレートを喰らわせて、足蹴りをし地面に倒れた。

 

最後に残っていた男は状況を理解したのか、直哉に手を出さずに、倒れた2人を担いで逃げるのであった。

 

ダージリン・アッサム『直くん大丈夫!?』

 

直哉「大丈夫だよ。少し古傷が痛んだだけだよ」

 

ダージリン「古傷って?」

 

直哉「大洗に居たときにね」

 

アッサム「そうなのね、けど直くんが無事で良かったわ」

 

ダージリン達が安堵していると、路地裏から2人の男性が現れた。

 

ジョージ「全く、娘のピンチだと駆けつけてみたら」

 

???「もう終わっているとはね。やっぱり年には勝てないかな」

 

ジョージ「そんな事を言っても君は年を取っても色男じゃあないか」

 

???「そんな事ないぞ。これでも鍛えているつもりなのがね」

 

2人は談笑しているが、直哉はあまり知らない。そんな2人を余所にダージリンとアッサムが駆け寄るのであった。

 

ダージリン・アッサム『お父様!!』

 

直哉「お、お父様?」

 

ジョージ「大丈夫だったかい。ダージリン」

 

???「アッサムも」

 

ダージリン「ええ、直くんが守ってくれたから」

 

ジョージ「そうかい、直哉君。君に娘を助けてもらうのは2度目だったね」

 

???「そして、私は初めましてかな?直哉君」

 

その時直哉は思い出した。10年前の花火大会の日にダージリンを助けた時の事を

 

直哉「お久しぶりです、ジョージさん。こちらの方は」

 

???「おっと、自己紹介がまだだったね。僕の名はボンド。よろしく」

 

アッサムの父であるボンドは黒髪短髪のダンディーな人だった。

 

☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★

作者「遂にデート編ですか・・・リア充爆発しろ!」

ジョージ「おっと、冗談でも言うもんじゃあないよ」

ボンド「そうだよ。将来の婿になる子がいなくなっては困るからね」

作「けど、悩んだんですよ。華さんの時の様に刃傷沙汰にしようか」

ジョ「そうしたら我々が全力で止めるからね」

ボ「そうそう、MI○時代の能力を駆使すれば」

作「あのシリーズ好きだったですよね。ボンドガールがw」

ジョ「前編と言うことはまだ続くのかね?」

作「一応前・中・後にしようかなと」

ボ「なら、これからの直哉君に期待しようじゃいか」

 

 




と言うわけで、始まりましたデート編です。作者も書くのは初めてなので上手く表現できるか心配ですが、頑張ります。

007シリーズでは、5代目ジェームズ・ボンド役のピーアス・ブロスナンさんが好きで、アッサムの父親に選びましたww

☆9評価アクセルシャドウさん、ガスロさんありがとうございます!!

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第二十三話(直哉とデート中編)

とあるPです。

前回に引き続きダージリンとアッサムのデート編で、今回はダージリン編です。

それでは本編どうぞ!!


ダージリン達をナンパから救った直哉は2組の親子と会っていた。

 

ボンド「では、改めて僕はボンド。某スパイ映画に出てくる主人公と同じ名前だよ」

 

直哉「どうも、俺は土門直哉です」

 

ボンド「君の事は娘のアッサムから良く聞いているよ。幼馴染の整備士の話しをね」

 

アッサム「お父様!!」

 

ボンド「おっと、失礼」

 

まるで親子ではなく、友達感覚で喋っているような感じであった。

 

ボンド「ところで直哉君、これからの予定はあるかい?」

 

直哉「そうですね、三笠公園を回ったら特にないですね」

 

ボンド「なら、ウチに来ないか?妻とも話しがしたいのでね」

 

ジョージ「ちょっと待ってくれ!今日はウチのダージリンと話す予定なんだぞ!」

 

ボンド「君の所はいつでも行けるか大丈夫だろ。それに僕は近くイギリスに行かないといけないんだよ」

 

アッサム「え?そんな話し聞いてないわよ」

 

ボンド「うん。君たちの大学について下見をしにね」

 

ジョージ「なら、どうしようか?」

 

すると直哉がある提案をしてきた。

 

直哉「でしたら、本日はダージリンの家に行って。明日はアッサムの家に行くのはどうでしょうか?」

 

ボンド「うん、悪くない話しだな。こっちも準備が必要だからね」

 

ジョージ「わかった。なら君たちが三笠公園でデートしている間に私とエミリーで準備しておくよ」

 

ダージリン「お父様!決してデートではなくて…」

 

ジョージ「そうなのかい?ダージリンはさっきから直哉君の腕にすがっているのを見ると満更でもないと思うが」

 

ダージリン「あぅ///」

 

直哉「ジョージさん、からかうのもそこまでにしてくださいよ。

 

ジョージ「あはははは!今日のダージリも可愛いな」

 

ジョージさんにからかわれつつも、直哉達は車で三笠公園に着いた。ここは、戦艦「三笠」の復元された姿がいる中央広場や、海岸をモチーフとした「三笠公園通り」がある。特に直哉は戦艦「三笠」に興奮していた。

 

直哉「これが、戦艦「三笠」か。改めてみると大きいな」

 

ダージリン「ふふ、直くんまるで子供みたね」

 

アッサム「無理もないわ。男の子ってロボットや機械に憧れる者なのよ」

 

途中アッサムから「三笠」について解説があったが、時間がもったいないので割愛させてもらった。そうこうしている間に、いい時間帯になって来た。

 

直哉「そろそろ、ダージリンの家に向かおうか。案内頼むよ」

 

ダージリン「わかったわ」

 

車を走らせて20分経ったところに見えてきたのは、絵に出てくる様な洋館と広いプール付きの庭が現れた。直哉は思わず(懐かしいな)と思ってしまった。

 

ジョージ・エミリー『ようこそ我が家へ!歓迎するよ(わ)!』

直哉「本日はお世話になります」

 

エミリー「直哉く~ん!!」

 

直哉「おわ!!」

 

エミリーは嬉しさの余り直哉に抱き付いてしまった。それを見ていたダージリンは固まってしまった。

 

直哉「エミリーさん!?」

 

エミリー「う~ん。この顔つき、随分たったのみイケメンになっちゃって!私嬉しいわ」

 

直哉「ちょっと!ダージリンやジョージさんもいるのですから離れてください!」

 

エミリー「大丈夫よ!」

 

何が大丈夫なのか知りたい直哉であったがそれどころではなかった。ジョージは笑っているが目が穏やかではなかった。ダージリンに至っては、ハイライトが仕事していなかった。

 

ダージリン「お母様!早く直くんから離れてください!」

 

エミリー「え~いいじゃない!久しぶりの再会なんだから」

 

ジョージ「大丈夫だよ、エミリー。今日直哉君は泊まっていく予定だから」

 

直哉「え?初耳なんですけど?」

 

ジョージ「うん。言ってないからね」

 

直哉「それは悪いですよ。なぁダージリン?」

 

ダージリン「私は別に大丈夫よ」

 

直哉「ダージリンさん!?」

 

ジョージ「ほら、ダージリンがこう言っているんだ。遠慮しないで」

 

エミリー「それに、10年間も離れ離れになったけど、私達はあなたの事を家族だと思っているのよ」

 

直哉「ジョージさん、エミリーさん…わかりました。ならお言葉に甘えさせていただきます」

 

ジョージ「そうだよ。だから、『お世話になります』じゃあないだろ」

 

直哉「なら、ただいま」

 

ジョージ・エミリーダージリン『おかえり直哉君(直くん)!』

 

 

 

 

 

 

 

ダージリン達をナンパから救った直哉は2組の親子と会っていた。

 

ボンド「では、改めて僕はボンド。某スパイ映画に出てくる主人公と同じ名前だよ」

 

直哉「どうも、俺は土門直哉です」

 

ボンド「君の事は娘のアッサムから良く聞いているよ。幼馴染の整備士の話しをね」

 

アッサム「お父様!!」

 

ボンド「おっと、失礼」

 

まるで親子ではなく、友達感覚で喋っているような感じであった。

 

ボンド「ところで直哉君、これからの予定はあるかい?」

 

直哉「そうですね、三笠公園を回ったら特にないですね」

 

ボンド「なら、ウチに来ないか?妻とも話しがしたいのでね」

 

ジョージ「ちょっと待ってくれ!今日はウチのダージリンと話す予定なんだぞ!」

 

ボンド「君の所はいつでも行けるか大丈夫だろ。それに僕は近くイギリスに行かないといけないんだよ」

 

アッサム「え?そんな話し聞いてないわよ」

 

ボンド「うん。君たちの大学について下見をしにね」

 

ジョージ「なら、どうしようか?」

 

すると直哉がある提案をしてきた。

 

直哉「でしたら、本日はダージリンの家に行って。明日はアッサムの家に行くのはどうでしょうか?」

 

ボンド「うん、悪くない話しだな。こっちも準備が必要だからね」

 

ジョージ「わかった。なら君たちが三笠公園でデートしている間に私とエミリーで準備しておくよ」

 

ダージリン「お父様!決してデートではなくて…」

 

ジョージ「そうなのかい?ダージリンはさっきから直哉君の腕にすがっているのを見ると満更でもないと思うが」

 

ダージリン「あぅ///」

 

直哉「ジョージさん、からかうのもそこまでにしてくださいよ。

 

ジョージ「あはははは!今日のダージリも可愛いな」

 

ジョージさんにからかわれつつも、直哉達は車で三笠公園に着いた。ここは、戦艦「三笠」の復元された姿がいる中央広場や、海岸をモチーフとした「三笠公園通り」がある。特に直哉は戦艦「三笠」に興奮していた。

 

直哉「これが、戦艦「三笠」か。改めてみると大きいな」

 

ダージリン「ふふ、直くんまるで子供みたね」

 

アッサム「無理もないわ。男の子ってロボットや機械に憧れる者なのよ」

 

途中アッサムから「三笠」について解説があったが、時間がもったいないので割愛させてもらった。そうこうしている間に、いい時間帯になって来た。

 

直哉「そろそろ、ダージリンの家に向かおうか。案内頼むよ」

 

ダージリン「わかったわ」

 

車を走らせて20分経ったところに見えてきたのは、絵に出てくる様な洋館と広いプール付きの庭が現れた。直哉は思わず(懐かしいな)と思ってしまった。

 

ジョージ・エミリー『ようこそ我が家へ!歓迎するよ(わ)!』

直哉「本日はお世話になります」

 

エミリー「直哉く~ん!!」

 

直哉「おわ!!」

 

エミリーは嬉しさの余り直哉に抱き付いてしまった。それを見ていたダージリンは固まってしまった。

 

直哉「エミリーさん!?」

 

エミリー「う~ん。この顔つき、随分たったのみイケメンになっちゃって!私嬉しいわ」

 

直哉「ちょっと!ダージリンやジョージさんもいるのですから離れてください!」

 

エミリー「大丈夫よ!」

 

何が大丈夫なのか知りたい直哉であったがそれどころではなかった。ジョージは笑っているが目が穏やかではなかった。ダージリンに至っては、ハイライトが仕事していなかった。

 

ダージリン「お母様!早く直くんから離れてください!」

 

エミリー「え~いいじゃない!久しぶりの再会なんだから」

 

ジョージ「大丈夫だよ、エミリー。今日直哉君は泊まっていく予定だから」

 

直哉「え?初耳なんですけど?」

 

ジョージ「うん。言ってないからね」

 

直哉「それは悪いですよ。なぁダージリン?」

 

ダージリン「私は別に大丈夫よ」

 

直哉「ダージリンさん!?」

 

ジョージ「ほら、ダージリンがこう言っているんだ。遠慮しないで」

 

エミリー「それに、10年間も離れ離れになったけど、私達はあなたの事を家族だと思っているのよ」

 

直哉「ジョージさん、エミリーさん…わかりました。ならお言葉に甘えさせていただきます」

 

ジョージ「そうだよ。だから、『お世話になります』じゃあないだろ」

 

直哉「なら、ただいま」

 

ジョージ・エミリーダージリン『おかえり直哉君(直くん)!』

 

 

 

 

ダージリン宅に招待された直哉は、3人で夕食を食べていた。アッサムは涙ながら自宅に帰って行った。そして食べ終わってゆっくりしていた。

 

ジョージ「直哉君、そろそろ風呂にでも入ってきたらどうだい?」

 

エミリー「そうよ♪」

 

直哉「そんな悪いですよ。俺は最後に入りますから」

 

ジョージ「大丈夫だよ。遠慮しないで入っておいで」

 

直哉「…わかりました」

 

ジョージ・エミリー『どうぞ!ごゆっくり~♪』

 

なぜか、2人とも笑顔で送り出していた。それの意味を直哉は知る由もなかった…

 

直哉「おー結構広いお風呂だな」

 

ダージリン宅は一般家庭よりもそれなりに裕福な家庭であった。身体を洗い浴槽に浸かっているとドアが開くのが見えた。

 

直哉「ん?ジョージさんかな?」

 

直哉はジョージが入ってきたと思っていたが、意外な人物が入ってきた。

 

ダージリン「…お邪魔するわね」

 

直哉「だ、ダージリン!!」

 

そこには、バスタオル1枚で居るダージリンだった。ジョージ夫妻が笑顔で送っていた意味がようやく分かったのである。

 

直哉「ど、どうして!あ!…俺、すぐに上がるよ!」

 

ダージリン「待って!直くんと話しがしたいの。お願い…」

 

直哉「ダージリン…わかったよ」

 

これ以上言っても無駄だと思い直哉は黙ってしまった。そう言うと、ダージリンが身体を洗って入ってきた。

 

直哉・ダージリン『……』

 

お互い背中合わせで浸かっているが、頭の中は真っ白である。そんな中最初に話し出したのはダージリンであった。

 

ダージリン「あのね、直くんが聖グロに来てくれた時に私、本当は嬉しかったのよ。あの幼馴染と再開できるって」

 

直哉「そうだったんだ…ごめんな。俺の方は全然思い出せなくて」

 

ダージリン「ううん、いいの。それに、他人のそら似って言う可能性もあったから」

 

直哉「それでも、覚えてくれて嬉しいよ」

 

ダージリン「忘れるわけないでしょ。だって、私の初恋の人なんだから…

直哉「ん?なんだって?」

 

ダージリン「な、何でもありませんわ///」

 

そう言うと、ダージリンは出て行ってしまった。直哉も長湯はしたくなかったので出ることにした。

 

ジョージ「お!お風呂はどうだった?」

 

エミリー「お楽しみだったかしらww」

 

直哉「なんであんな事させるんですか!仮にも俺だったからいいもの!他に人だったらタダじゃあ済みませんよ!」

 

ジョージ「知っているよ。しかし、これはあの娘が言い出したことなんだよ」

 

直哉「ダージリンが?」

 

エミリー「そうよ。淑女を目指しているあの娘が大胆な事を言ってきたのよ。だから、嫌いにならないでね」

 

直哉「…わかりました」

 

そう言うと、直哉は部屋に行って寝る準備をしていた。そして、寝ようとした時であった。

 

ダージリン「直くんちょっとよろしくて?」

 

直哉「どうしたんだい、ダージリン?」

 

ダージリン「さっきの事を謝りたくて」

 

直哉「それなら大丈夫だよ。俺も気が動転していたんだから」

 

ダージリン「ならいいのだけれど…」

 

直哉「それに、もう遅いから寝ようとしていたし」

 

ダージリン「それなんだけど、もしよろしかったら、い、一緒に寝たいのだけど///」

 

直哉「は!?イヤイヤ流石にそれはダメだろ。だってジョージさんとかが黙っていないだろう!」

 

ダージリン「お父様とお母様は賛成していたわ」

 

どんだけ親バカなんだよと思う直哉であった。けど、もう遅いのでここで返すわけにはいかない。悩んだ挙句、直哉はダージリンの提案を受け入れてしまった。

 

直哉「マジかよ…ダージリンはいいのか?俺なんかと一緒に寝るなんて?」

 

ダージリン「むしろ、その方が嬉しいし///」

 

直哉「ダージリン…ハァ分かったよ」

 

風呂でも同じ様にお互い背中合わせで布団に入っていた。それもそのはずで、ダージリンは水色のパジャマで髪を下している状態である。そんな中で2人は寝れる訳でもなくただ時間が過ぎて行った。

 

直哉・ダージリン『……』

 

ダージリン「ねぇ直くん?まだ起きている?」

 

直哉「うん?なんだい?」

 

ダージリン「直くんの昔話とか聞きたいわね。10年も会ってないんだから」

 

直哉「いいよ。じゃあダージリン達と別れた後からね。あのころは~」

 

そして、直哉は話し始めた。楽しかったこと、悲しかったこと、面白かったこと。そして、すぐ隣を見るとダージリンが可愛い寝顔で寝ていた。

 

直哉「~てな事があってな。…あれ?ダージリン?」

 

ダージリン「すー、すー…」

 

直哉「おやすみ。ダージリン」

 

それを見た直哉も安心して寝るのであった。

 

☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★

作者「イチャイチャしやがって!!」

アッサム「そうしたのは貴方じゃあないですか」

作「仕方ないじゃない。ギリギリ書こうとしたらこうするしかないんだもん」

ア「まぁR-18タグ付いてないからね」

作「そう言うメタい発言はやめて」

ア「それに、私の時もこうなるんでしょ?」

作「・・・うん」

ア「ちょっと!その間はなんなの」

作「ハハハ、ナンデモアリマセンヨ」

ア「本当かしら?」




と言うわけで、ダージリンとイチャイチャ回でした。なるべく甘々な展開にならない様に書いてみました。

それと、感想でありましたマリー様についてですが、まだ書く予定はありません。
多分、最終章が完結して別作品で出すかもしれません。

次回はアッサム編を出して、1、2話して聖グロ編を終わりたいと思います。

感想・評価・誤字報告お待ちしております。


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第二十四話(直哉とデート後編)

とあるPです。


頑張って、2話一気に投稿しました。今回と次回のアッサム編が終わって聖グロの章を終わりにしたい等思います」

それでは本編どうぞ!!


そして、次の日の朝である。直哉は左腕が動かない事に違和感を覚えて目が覚めた。

 

直哉「なんだ、何か腕が動かないぞ」

 

そして、動かない腕のほうを見てみると、そこにはダージリンが直哉の腕を抱き枕の様にして寝ていたのだ。

 

直哉「え!ちょっと待って!」

 

ダージリン「すー、すー…」

 

頭の中が絶賛パニック中の直哉とは対照的にダージリンは気持ちよく寝ていた。そして、直哉は大変な事に気が付いた。ダージリンの立派なものが腕を挟んでおり抜け出せなかったのだ。

 

しかし、直哉はダージリンの寝顔に見入ってしまっていた。普段から淑女として振る舞っている子が今は年相応の寝顔になっているのだ。

 

直哉「こうしてみていると、可愛いんだよな」

 

ダージリン「///」

 

一瞬顔が赤くなった気がするが、いつまでもこうして居る訳ではなかった。こんな所をジョージ夫妻に見られたらとんでもない事になるので、早速ダージリンを起こすことにしたのだ。

 

直哉「ダージリン、起きてくれダージリン!」

 

ダージリン「…あら、もう朝なのかしらペコ?」

 

直哉「寝ぼけてないで起きてくれダージリン」

 

ダージリン「うん?…あ、な…直くん///!?」

 

直哉「そうだ。早く起きてくれ」

 

ダージリン「ごめんなさい!こんなはしたない姿を見せてしまって」

 

直哉「大丈夫だから。それよりも、早く起きてくれ」

 

ダージリン「そうね、こんな所をお父様やお母様に見れたくないわね。あれ?」

 

直哉「どうした?ん?」

 

直哉とダージリンがドアの方を見てみるとそこには、笑顔のジョージ夫妻がいた。

 

直哉「…いつから居たんですか?」

 

ジョージ「ん?直哉君の腕にダージリンが抱き付いて居るあたりから」

 

直哉「最初からじゃあないですか!!!」

 

エミリー「まぁまぁいいじゃないの!ダージリンも満更でもなさそうだし」

 

ダージリン「///」

 

ジョージ・エミリー『では、ごゆっくり~』

 

直哉・ダージリン『ちょっとまてー!!』

 

ちょっとしたハプニングがあったが、その後は何もなく過ごしていった。そしてお昼ごろになりアッサムが迎えに来たのである。

 

アッサム「ごきげんよう直くん」

 

直哉「ああ、アッサム」

 

アッサム「?どうしたんですの?」

 

直哉「何でもないよ。それより、もう行くのかい?」

 

アッサム「はい。向こうでお父様とお母様が待っているので」

 

直哉「わかった。それじゃあジョージさん、エミリーさん、ダージリンお世話になりました」

 

ジョージ「それじゃあ直哉君」

 

エミリー「また、遊びに来てもいいのよ。ここは、貴方の第二の家なのだから」

 

ダージリン「それじゃあ、また学校で会いましょうね」

 

ダージリン達と別れた直哉は、一路アッサム宅へ向かうのであった。そして、目的地が見えてきた。ダージリン宅よりは大きくないがイギリス風の家が見えてきた。

 

そして、ボンドとその隣に金髪の美人が立っていた。

 

直哉「初めまして、土門直哉と言います」

 

ボンド「昨日ぶりだね。紹介するよ、僕の妻のモリーだ」

 

モリー「初めまして、アッサムの母です」

 

直哉「こんにちは、本日はありがとうございます」

 

モリー「ふ~ん。君が直哉君ね、噂通りのイケメンね」

 

直哉「あの~そんなにジロジロ見られると恥ずかしいんですけど…」

 

モリー「仕方ないじゃない。将来の婿になるかもしれないんだから」

 

アッサム「お母様!!」

 

ボンド「それについては、僕も賛成だな。アッサムちゃんと手綱は握っておくんだぞ」

 

アッサム「もう、お父様まで!!余計な事を言わないでください!!」

 

アッサム家を見てホッとしてしまうのは、遠くいる家族を思い出してしまうのだろう。そんな事を想っていると自然と涙が出て来てしまった。

 

ボンド「どうした直哉君?」

 

直哉「はい?あれ、おかしいな、何で涙が出てくるんだろう…」

 

アッサム「直くん大丈夫?」

 

アッサムに指摘されて必死に拭こうとしても止まらなかった。そんな時不意にモリーが直哉を抱きしめるのであった。

 

モリー「家族と離れ離れになるのは、寂しいものよ。ましてや直哉君はまだ子供だもの。今は遠慮なく泣きなさい」

 

直哉「…ありがとうございます」

 

そして、モリーの腕の中で直哉は声を出さずに泣くのであった。しかも、ボンドやアッサムも加わった瞬間今までにないくらいの男泣きをしていた。

 

直哉「…みっともない所を見せてしまって、申し訳ありませんでした」

 

モリー「気にしないで。人間弱い所もあるのだから」

 

ボンド「そうだよ。僕なんかしょっちゅうモリーの中で泣いているからねw」

 

モリー「貴方の場合は会社の愚痴を言っているだけでしょ」

 

ボンド「ひどいな君はw」

 

この夫婦を見ていると将来はこんな家庭を築きたいと思う直哉であった。その後は、ボンド夫妻とアッサムと一緒に夕ご飯をご馳走になった。

 

 

ボンド「風呂の準備が出来たから、直哉君先に入ってきていいよ」

 

直哉「そんな、悪いですよ」

 

モリー「客人が遠慮なんてしなくてもいいのよ。それに早くしないとお湯が冷めちゃうわ」

 

直哉「なら、お言葉に甘えて…」

 

ボンド・モリー『いってらしゃ~い♪』

 

直哉はデジャブな感じになっていたが、せっかくの好意を無駄にしたくないのでお風呂に向かうのであった。…2人が笑っていることも知らずに。

 

アッサム宅のお風呂もそこそこの広さであり、3人でも余裕があるくらいであった。

 

直哉「は~気持ちいい。しかし、泣いてしまったのは恥ずかしかったな」

 

そんな時、風呂の扉が開いて人が入ってくるのであった。そこに現れたのは、バスタオル1枚で顔を真っ赤にしていたアッサムであった。

 

アッサム「お、お背中を流しましょうか///?」

 

直哉「…真っ赤になるならやらなきゃいいのに」

 

アッサム「仕方ないでしょ!ダージリに出来て私に出来ない訳ないじゃない!」

 

直哉「ダージリンから、聞いたんだな」

 

アッサム「だって負けられたくないんだもん…

 

直哉「?何か言ったか?」

 

アッサム「べ、別に///」

 

直哉「はぁ~兎に角俺はもう上がるから、アッサムはゆっくり入ってくれ」

 

早めに上がらないと、直哉は心臓が持たないと思っていた。

 

アッサム「ま、待ちなさいよ!背中洗ってあげるからそこに座りなさい!」

 

直哉「え、いいの?」

 

アッサム「いいって言ってるでしょ」

 

直哉「ならお言葉に甘えようかな」

 

そう言うと、アッサムは直哉の後ろに回り、泡立てたスポンジで背中を擦るのであった。

 

アッサム「それにしても、大きな背中ね。あら?この傷は?」

 

直哉「ん?ああ、それは大洗に居た時にある理由で付けてしまったんだよ」

 

アッサム「どんな理由か来てもいいかしら」

 

直哉「…良いけど、そんな大したことじゃないよ」

 

そして、直哉は語り出した。華の母を強盗から助けた時に出来た傷であること。話し終わるとアッサムは抱き付いて来たのであった。

 

直哉「おい!アッサム///」

 

アッサム「…良く頑張ったわね。直くん」

 

直哉「…ありがとう」

 

その後、2人は湯船に浸かって別々に上がった。そして、お約束と言わんばかりの笑顔でボンド夫妻が覗いていた。

 

直哉が部屋で寝る準備をしていると、黒のネグリジェを纏ったアッサムが枕を持って来て部屋の前に居た。

 

アッサム「今日は、一緒に寝てあげるわ!光栄に思う事ね」

 

直哉「わかったよ。ほら、入りなよ」

 

アッサム「お邪魔します///」

 

昨日と同じ様に背中合わせに寝る2人であった。

 

アッサム「ねぇ直くん寝た?直くん?」

 

アッサムは、返事がないので隣を確認するとそこには既に夢の中に居る直哉の顔があった。

 

アッサム「可愛い寝顔ね。何だか食べちゃいたいくらいw」

 

ほっぺをぷにぷにしても起きないので、アッサムは大胆な行動に出た。

 

アッサム「本当にモテモテで困ってしまうわ。…これ位は良いわよね。…チュ///」

 

頬にキスしたアッサムは我ながら大胆な事をしてしまったと思いつつ眠るのであった。

 

☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★

作者「お宅娘さん随分と大胆な事をしますね」

ボンド「流石、我が娘だね」

モリー「そうね、将来が楽しみだわ」

作「直哉君後ろから刺されたりとかしないよね」

ボ「そうなったら、全力で守るだけだよ」

モ「確かに、未来の旦那様に何かあったら大変だもんね」

作「・・・あの~非常に申し上げにくいんですけど」

モ「何かしら」

作「直哉君は特定の旦那様になる予定はないんですよね」

ボ「そうなのかい?それは大変だね」

作「ただ、番外編で書くので安心してください」

モ「なら良かったわ」




と言うわけで、アッサム編でした。いや~我ながら大胆な事をしてしまったと思います。


本来アッサムは静かに書こうと思ったんですけど、ダージリンよりも上の事を書こうと思ってこんな感じになってしましました。(仕方ないよね)

前書きにもありましたが、次回で聖グロ章を終わりにしたいと思います。


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第二十五話(直哉と妹たち)

とあるPです。

今回で聖グロ編が終了します。強引な幕引きで申し訳ありませんが、それでも良ければよろしくお願いします。

それでは、本編どうぞ!!


アッサムの家に泊めてもらった翌朝、直哉は左腕に違和感があった。そして思うのであった。

 

直哉(これって、ダージリンの時と同じだよな)

 

恐る、恐る左腕を見ると、そこには寝息を立てていたアッサムの姿があった。

 

直哉「やはりか。ダージリンといいアッサムといい、どうしてこう無防備なんだよ。おい、起きてくれ」

 

アッサム「すー、すー…う、う~ん」

 

女子だから、叩かず揺さぶってみたら段々と目が明けてきた

 

アッサム「あれ~直くん?」

 

直哉「そうだよ。おはよう、アッサム」

 

アッサム「どうして直くんが居るの~?」

 

直哉「はぁ~、昨日の事思い出してみろ」

 

アッサム「昨日…あ!!!///」

 

どうやら思い出してみたらしい。しかし、思い出したの一緒に寝た行為ではなく、大胆にもキス(ほっぺ)をしてしまったことである。

 

直哉「?どうした?」

 

アッサム「な、な、なんでもありませんわ!!」

 

直哉「そうか?まぁ良いけどな。そろそろ、朝飯食べに行かないか」

 

アッサム「ええ、そうしましょう」

 

なぜ、アッサムが怒っているのか分からなかったが直哉とアッサムは朝食を食べる為に台所に向かうのであった。

 

ボンド・モリー『おはよう2人とも、昨夜はおたのしみだったな(わね)』

 

直哉・アッサム『そんな事ありません!!』

 

そんなやり取りをしつつ、朝食を食べて談笑して直哉はホテルに戻るのであった。

 

 

 

 

 

 

直哉が聖グロに来てから、3週間が経ったある日、連盟から連絡があった。

 

直哉「もしもし」

 

理事長『仕事中すまないね。理事長の飛田だ』

 

直哉「いえ、大丈夫ですよ。できれば手短にお願いしますね」

 

理事長『わかった。実は実習終了日なのだが、明後日の寄港日とする』

 

直哉「…随分と急なんですね」

 

理事長『すまないね。せっかく聖グロでも仲のいい子が出来たというのに…』

 

直哉「仕方ありませんよ。それが仕事なんですから」

 

嘘だ。本当はもっと居たかった。あわよくば…しかし、現実とは残酷な物であった。自分は社会人。我儘だけではやっていけないのは知っていた。

 

直哉「なら、1ついいですか?」

 

理事長『なんだい?』

 

直哉「この件は私から伝えてもいいですか?」

 

理事長『構わないよ。伝え方は君に任せる』

 

直哉「ありがとうございます。それじゃあ戻りますね」

 

理事長『わかった』

 

そして、直哉は電話を切って作業に戻るのであった。

 

直哉「ダージリン、アッサム、ルクリリ、ペコ、ローズヒップちょっといいか」

 

ダージリン・アッサム『なにかしら?』

 

ルクリリ・ペコ『なんでしょうか?』

 

ローズヒップ「何事でございますか?」

 

直哉「今日の放課後、戦車道の倉庫前に来てほしい」

 

『!』

 

そう言うと、直哉はその場を後にした。

 

ダージリン「直くんから提案があった件だけど、皆さんはどうするのかしら」

 

アッサム「そうね、あの件についてかしらね」

 

ルクリリ「確かにあの件なら、皆さんと決着を付けたいですね」

 

オレンジペコ「私も今回ばかりは負けませんよ」

 

ローズヒップ「皆様なにをおっしゃているのですか?」

 

1人を除いてみな燃えていた。そして、放課後になった。

 

 

 

 

 

直哉「みんな、集まってありがとう」

 

ダージリン「大丈夫ですわ」

 

アッサム「そうね、それで、話って何かしら?」

 

アッサムが切り込んでみた。すると直哉の口から思いがけない事が発せられた。

 

直哉「実は、明後日の寄港日で俺は実習期間が終わって帰らなければならないんだ」

 

『…』

 

期待していた事と少し違っていたが改めて聞くとショックが大きかった。

 

直哉「だから、みんなと過ごせるのも少しだけになってしまう。しかし、ここで学んだ事やみんなの事は忘れないよ」

 

ダージリン「言いたいことは、それだけかしら?」

 

直哉「そうだが」

 

ダージリン「そう、ならこちらかも言わせてもらおうかしら」

 

直哉「うん」

 

そう言うと、ダージリン達は意を決して言った。

 

ダージリン「直哉さん、いえ直くん。私は貴方の事が…好きです。もちろん異性として」

 

アッサム「私も直くんの事が大好きです。」

 

ルクリリ「直哉お兄様、私もあなたが好きです///」

 

ペコ「直哉お兄ちゃん!私もあなたをお慕いしております///」

ローズヒップ「私も直哉さんのそばにずっと居たいです///」

 

それは、5人からの告白だった。しかし、直哉は答えを出すのは容易ではない。自分は陸での仕事がある。彼女達は学園艦で生活をしているため、会えない日々が多くつらいと分かっているのであれば断るのが一番いいのだ。

 

直哉「みんな…ありがとう。そこまでとは思っていなかったよ」

 

ダージリン「それで、答えはどうなのかしら?」

 

直哉「…言い訳になると思うが、俺自身1人には決められない。あと、みんなの事を妹にしか見えなかった。こんな最低な回答で申し訳ない!ごめん!」

 

みなの想いを踏みにじる事をしたと思った。罵倒や拒絶される覚悟はできていた。しかし、みなからは何も来なかった。

 

ダージリン「やはりそうだったのね」

 

アッサム「ええ、予想してた通りね」

 

ルクリリ「なら、私たちの答えは決まっていますね」

 

ペコ「ローズヒップさん、合わせてくださいね」

 

ローズヒップ「合点承知の助ですわ!」

 

『直くん(直哉さん)私たちのお兄様になってください!!!』

 

直哉「へ?」

 

ダージリン「これなら問題ないでしょ?」

 

アッサム「私達は抜け駆けをしたくないんですよ」

 

ルクリリ「それに、これはみんなで話した結果なのですよ」

 

ペコ「ですね♪」

 

ローズヒップ「みなさまと合わせられて良かったですわ」

 

直哉「いいのかい?こんなやつだけど」

 

ダージリン「こんな格言を知っている?『もし僕が愛とは何かということを知っているとすれば、それは君のおかげだ』」

 

ペコ「ドイツの小説家ヘルマン・ヘッセですね」

 

直哉「みんな…ありがとう!」

 

直哉は感謝の意味も込めて、みんなを抱き寄せた。

 

 

 

 

 

 

2日後、直哉達は講堂の上に居た。みなに対して、別れの挨拶をするのであった。

 

「それでは、直哉さんと佳代子さんから挨拶を頂きたいと思います」

 

佳代子「ご紹介に預かりました皆川佳代子です。ここで、学んだ事を活かして日々精進したいと思います。あと、みんなー大好きだー!!」

 

『キャー佳代子お姉さま~!!』

 

無礼講と言わんばかりの声で、締めの挨拶をした佳代子であった。先生も頭を押さえていた。

 

直哉「えー土門直哉です。ここに来ていい事がありました。それは、10数年前に別れていた幼馴染に出会えたことです。彼女たちは立派にチームを率いていました。そして、その技術や伝統は後世に受け継がれるでしょう。だからこれからも頑張ってください」

 

『ワーーーー!素晴らしいですわ!!』

 

これで終わろうとしたその時であった。

 

ダージリン『お待ちになって直哉様。全校生徒を代表していいことがありますの』

 

直哉は非常に、ひじょーに嫌な予感がしていた。そして、その予感は当たってしまった。盛大な爆発を発生させた。

 

ダージリ「それでは、みなさまいきますわよ!」

 

『いってらっしゃい、直哉お兄様!!』

 

それを聞いた時、直哉は壇上からコケ落ちるところであった。これで聖グロでも「直哉=みんなのお兄様」と認知されるのであった。

 

 

□◆□◆□◆□◆□◆□◆□◆□◆□◆□◆□◆

ここは、とある教会の一室である。そこには、3人の元生徒がいた。彼女らの服にはそれぞれ、「マチルダ」、「チャーチル」、「クルセイダー」のワッペンがあった。

 

マチルダ「まったく、今回の男子には思いやられるわ」

 

チャーチル「そうね。私達女の園に土足で、しかも戦車道にない「恋」と言うものを残してしいったわ」

 

クルセイダー「あのダージリンやアッサムが夢中になってしまうなんて…」

 

そう、この3人こそ聖グロ影の立役者OG会のメンバーであった。しかし、そこに1人属さない人がいた。

 

???「まぁまぁ、いい事じゃあない。恋する乙女は強くなるって言うし」

 

チャーチル「発言を控えていただけますか。アールグレイさん」

 

アールグレイ「はいはい、わかったわよ」

 

アールグレイは面白くなさそうに言った。

 

アールグレイ(たっく。こっちが言い返せない事を棚に上げるんだから…)

 

アールグレイはどちらかと言うとダージリンやアッサム側の人間であった。今のOG会のやり方に反対したが、自分一人の力では変えることは出来なかった。

 

クルセイダー「それで、今後どうしますか?」

 

チャーチル「どうするとは?」

 

クルセイダー「あの、直哉と言う男の処遇についてです。既に彼はこの学園から去りましたからこちらから手を出すことは出来ません」

 

直哉が在学中であれば、何らかの目的で排除する事は出来たが今はその大義名分がないので手が出せない状況であった。

 

マチルダ「それなら、こんなのはどうかしら?」

 

薄笑いを浮かべる中、最大派閥のマチルダ会会長がこんな提案をしてきた。

 

クルセイダー「それはいいことですわ!早速行いましょう!」

 

チャーチル「いいえ、まだ機は熟しておりませんわ。あせらず、じっくりと行きましょう」

 

チャーチル会もクルセイダー会も賛成し、満場一致で決まった。そんな中アールグレイだけは不満そうな顔をしていた。

 

アールグレイ(これは…帰ったらダージリンに話さないとね)

 

果たして直哉の運命はどうなるのか…

 

□◆□◆□◆□◆□◆□◆□◆□◆□◆□◆□◆

 

 

 

 

☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★

作者「やっと、聖グロ編終わった~!」

アールグレイ「ご苦労様♪紅茶飲む?」

作「ありがとうございます。それと、すみませんね」

ア「どうして?」

作「本来なら、アールグレイさんをもっと前で出す予定だったんですけど、最後になってしまって」

ア「いいのよ!気にしないで」

作「ありがとうございます。今後はちょくちょく出しますので」

ア「そう、ならよかったわ」




と言うわけで、聖グロ編終わりました。ログ編はかれこれ、10話くらいかけてましたが、今後は、登場人物が少なくなってくるので、少ない話数でまとめたいと思います。


次回は、ビックな学園の登場です!

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第三章~サンダー大学付属高校
第二十六話(直哉と黒い影)


とあるPです。

「オリキャラ多数」のタグを追加しました。今後も出てくる可能性が大なのでww

それでは、本編どうぞ!!


直哉が聖グロの学園艦から帰ってきて次の日。今日は久しぶりの休日なので、ぶらぶらしていた。

 

直哉「やっぱり、地元の空気が一番だな」

 

このところ海に居て地面の感触を忘れていた。粗方散策したのち、直哉が立ち寄ったのは、街から離れた所にある神社であった。

 

直哉「少し寄ってみるか」

 

長い石段を登った先にあるのは、立派な社であった。直哉は賽銭箱に入れて拝んだ。そして、帰りにおみくじを引いてみた。

 

直哉「おお!大吉じゃあないか!良かった」

 

偶然にも、大吉を引いた直哉であったが、内容は微妙な感じであった。

 

直哉「何々、待ち人数年のうちに現れるでしょう。しかし、女難の相に会うでしょう…まじか」

 

思い当たる節がありすぎて混乱していた。そんな時、着信があった。

 

しかし、知らない番号からであった。出なかったら後味が悪いと思い、仕方なく直哉は出るのであった。

 

直哉「もしもし」

 

???『あーやっと出た!もう、遅いじゃない!』

 

直哉「すみません。貴女誰ですか?」

 

???『人に物を訪ねる時はまず、自分が名乗るのではなくて?』

 

直哉(俺の番号知ってるのに名乗るっておかしいだろう。仕方ない)

 

直哉「…自分は日本戦車道連盟整備部 土門直哉です。貴女は?」

 

???『ありがとうね♪私は前聖グロリアーナ隊長のアールグレイよ♪』

 

直哉「聖グロのダージリンの前の隊長さんか」

 

アールグレイ『そうね!初めましてかしら?』

 

直哉「それで、その隊長さんが、何で俺の番号を知っているんですか?」

 

アールグレイ『それは、ハッキ……ダージリンから聞いたのよ』

 

直哉「今、ハッキングって言いかけましたよね!そうですよね!?」

 

アールグレイ『え~そんな事ないわよ。細かい事は気にしないで、そんなんじゃモテないわよ』

 

直哉「別にモテたいとは思ってないですけど…」

 

アールグレイ『そうかしら?少なくともお姉さんは割と君のことタイプよ』

 

???『ちょっと!アールグレイ隊長何を言っているんですか!』

 

直哉「うん?今誰かの声が聞こえたような気がするけど」

 

アールグレイ『ああ、隣にダージリンが居るからね。代わるわよ』

 

ダージリン『ごきげんよう。直哉お兄様』

 

直哉「ごきげんよう、ダージリン。それとお兄様はやめてくれ」

 

ダージリン『そればっかりは出来ませんわ』

 

直哉「まぁいいけど…それで肝心の件はなんだ?」

 

アールグレイ『そうだったわ。貴方、今後の身の振り方に気を付けた方がいいわよ』

 

直哉「どう言う意味ですか?」

 

ダージリン『どうも、OG会が何か仕掛けてくる情報を掴んだのよ』

 

アールグレイ『それも、かなり危険な事よ』

 

直哉「OG会?どんな組織なんですか?」

 

アールグレイ『OG会と言うのはね、私達聖グロリアーナ女学院の卒業生によって発足された組織よ。それぞに『チャーチル会』、『マチルダ会』、『クルセイダー会』の3大派閥があって、学園の運営や戦車の配置にも口を出している所よ。おかげで、こっちは強力な戦車がいつまでも配置出来ないのよ。全くあのクソババア…』

 

直哉「あ、あの…」

 

アールグレイ『あ!ごめんなさいね!ちょっと本音が…』

 

直哉「それで、そのアクションとやらはいつか分かるのか?」

 

アールグレイ『そこまでは分からないわ。少なくとも今すぐでない事は確かね』

 

ダージリン『ですので、お兄様には身を隠してほしいのですわ』

 

直哉「……断る。俺もいっぱしの社会人なんだ。そんな事では仕事が出来ないんだ」

 

ダージリン『ですが!『…わかったわ』アールグレイ隊長!?』

 

アールグレイ『ここまで言っても聞かないんだから。本人の自由にさせましょう』

 

直哉「ありがとうございます」

 

アールグレイ『但し、条件があるわ』

 

直哉「なんでしょう?」

 

アールグレイ『多くの仲間を作りなさい。それが、君を守り、導いてくれる存在になるわ』

 

直哉はこの言葉を受け入れようとはしなかった。そんな事をしたら、周りに被害が出てしまうと思ってしまうのが怖いのだ。

 

直哉「そんな事をして、周りの人は大丈夫でしょうか?」

 

アールグレイ『大丈夫よ。それだけ貴方を慕っているのだから』

 

この時ほどアールグレイが大人だと思う直哉であった。

 

アールグレイ『因みに私もその1人よ♪』

 

ダージリン『私もその1人ですわ♪』

 

直哉「ありがとう」

 

アールグレイ『それじゃあこの話しは終わりにしましょう。因みにその番号は私の電話番号だから気軽にかけてね♪』

 

ダージリン『ずるいですわ!私も教えてもらってないのに!』

 

直哉「あ~確かに…後でアールグレイさんから教えてもらいなさい」

 

ダージリン『ありがとうございますわ』

 

直哉「それじゃあまた、掛けますね」

 

アールグレイ『ええ、わかったわ。君に幸有らんことを』

 

ダージリン『それでは、失礼いたしますわ』

 

そう言うと、直哉は電話を切った。そして、手に持っていたおみくじを神社の木に結んで帰るのであった。

 

直哉「それにしても、OG会か…厄介な連中に目を付けられたな」

 

そう思いながら、家に帰るのであった。

 

▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽

 

ところかわって、長崎沖に停泊している学園艦。

 

???「アリサ、あの人の情報わかった?」

 

アリサ「イエス、マム!現在、整備部に所属しています」

 

ここは、サンダース大学付属高校の学園艦にある一室である。そこには、3人の姿があり、アリサと呼ばれた子が報告した。

 

???「それで、どうするんだいケイ?」

 

ケイ「決まっているわナオミ。連れ戻すのよ!直哉おにいを!」

 

ナオミ「やれやれ」

 

ケイと呼ばれた子の宣言に対して、ナオミは苦笑するのであった。

 

☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★

作者「やっと、サンダース編だよ」

ケイ「遅くない?しかも出てきたの最後だけだし・・・」

作「それは、すまないと思っている」

ケ「まぁいいけど、これから出してくれんでしょ?」

作「もちろんだよ」

ケ「なら、期待しているわ」

作「ウッス!頑張ります!」




と言うわけで、サンダース編始まりました。アールグレイと直哉の会話しかなかった?これからですよ!

それと、今後の投稿する日を曜日にしたいと思います。

来週から月、水、金に投稿したいと思います。誠に勝手ながら申し訳ありません。

実は、ガルパン以外のSSを考えていて、それに、時間を割きたいと思います。
(ガルパン完結していないのに何ってるんだよ!)

楽しみにしている皆様には申し訳ありませんが、何卒宜しくお願い致します。

感想・評価・誤字報告お待ちしております。


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第二十七話(直哉と金髪美人)

とあるPです。

今回からサンダース編です。作者はケイさんも好きです。

それでは本編どうぞ!!


ダージリンとアールグレイとの電話をした翌日。直哉が戦車道連盟の整備部で仕事をしている最中に部長の法子に呼ばれた。それは次の研修先の話しであった。

 

法子「直哉君ちょっといいかい?」

 

直哉「はい」

 

法子「次の研修先が決まったよ」

 

直哉「随分と早いですね」

 

法子「先方から、早く来いと突っつかれてね」

 

直哉「わかりました。それで、どこかなんですか?」

 

法子『サンダース大学付属高校だ』

 

その名前を聞いた途端、直哉は回れ右をして全力で逃げ出そうとした。すかさず法子が羽交い締めをし逃走を阻止した。

 

直哉「お疲れ様でした~」

 

法子「ちょっと待ってーー!」

 

直哉「離してください!あそこだけは、あそこだけは!!」

 

法子「そこを何とか!!」

 

佳代子「どうしたの、なおっち?」

 

彩華「どうしたんですか?」

 

法子「直哉君が拒否反応を示したのよ」

 

直哉「サンダース…ハンバーグ…ケイちゃん…う、頭が…」

 

そこに、佳代子と彩華が加わり逃げることが困難だと知った直哉は徐々に落ち着きを取り戻して来た。

 

直哉「もう大丈夫です。お騒がせしました」

 

佳代子「けど、珍しいよね。なおっちが、そんな態度に出るなんて」

 

彩華「そうですね。前の直哉くんからは考えらない位ですね」

 

直哉「すいません。少し昔のトラウマがよみがえってしまって」

 

法子「そっか、それなら、今回の話しは断っておく?」

 

直哉「…いえ、大丈夫です。行きます」

 

直哉は過去と向き合うことを決めたのであった。そして、より多くの仲間を得る為に…

 

法子「それと、今回から1人で行ってもらうから!よろしくね」

 

直哉「やっぱり、やめていいですか?」

 

重い足取りで帰宅する直哉であった。

 

直哉「ただいま~」

 

綾子「おかえり~」

 

昭人「はい…はい…では、それでお願いします。お、直哉おかえり」

 

直哉「父さん電話していたの?」

 

昭人「あ、あ…ちょっとな」

 

綾子「それより、どうしたの?」

 

直哉「ちょっと、次の研修先がね…」

昭人「…話してみろ」

 

直哉は次の研修先がサンダー大学付属高校だと告げた。そうした時、綾子と昭人の顔が顰めてきた。

 

昭人「そうか、それで直哉はどうしたい?」

 

直哉「俺は…行ってみたい。ケイに会ってみるよ」

 

綾子「そうね、偶にはケイちゃんに会って見るのもいいことよ」

 

別にケイの事が嫌いではない。ただ、あのグイグイ来る性格が苦手なだけである。

 

直哉「それよりも、さっきの電話はなんなの?」

 

昭人「それはだな…あとで教えるよ」

 

綾子「ええ、直哉にとっても悪い話ではないはずよ。寧ろ嬉しい話かもしれないわよ」

 

2人の話しは後にして、3人でご飯にするのであった。そして、次の日整備部で

 

直哉「サンダーへの研修お受けします」

 

法子「うん、実はもう手配は終わっているからね」

 

直哉「そうですか。わかりました」

 

やはり、一歩先に行くのはこの人らしいと思った。

 

直哉「それで、いつに行けばいいですか?」

 

法子「それなら大丈夫よ。明後日だから」

 

直哉「は!?早すぎでしょ!」

 

法子「しかも、場所は空港でいいって」

直哉「…なんか嫌な予感しかしない」

 

そして、2日後、直哉の嫌な予感が的中した。空港で待っていると…

 

直哉「あれって、C-5Mスーパーギャラクシー!?」

 

日本にはまず、ありえない機体が滑走路に降りてきた。しかも、直哉だけが乗るのでそんなに大きくなくてもいいが、それはビックが売りのサンダース、全てが大きかった。

 

直哉「兎に角、行ってみるか」

 

滑走路に降りたであろうC-5Mに近づくと、タラップからあの人物が飛び降りてきた。

 

ケイ「直哉おにいーー!!」

 

直哉「グハ―――!」

 

直哉は金髪のダイナマイトボディプレスを喰らうのであった。

 

☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★

作者「流石にC-5Mはやりすぎたかな?」

ケイ「いいんじゃない?」

アリサ「いやいや!やりすぎでしょ!」

ナオミ「けど、ケイが行きたいって言ったからね」

ケ「え~大きい事はいいことじゃない」

作「確かにそうですけど・・・」

 

 




と言うわけで、ケイとの邂逅でした。

実は、どんな飛行機で向かわせようかと思ったんですけど、劇場版でC-5Mしか出てなかったのでこれにしました。候補としては、アパッチあたりを出そうと思っていました。

次回はケイさんとの思い出話をしたいと思います。


感想・評価・誤字報告お待ちしております。


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第二十八話(直哉と3人娘)

とあるPです。


今回は短いですが、サンダース大学付属の話しです。

作中に出てくる内容はドラマCDを参考にしました。

それでは本編どうぞ!!


ケイからのダイナマイトボディプレスを受けった直哉はC-5Mの中に居た。

 

ケイ「改めて、直哉おにいー!」

 

直哉「だから!離れろ!」

 

ケイ「え~!こんなにいい女が抱き付いているんだよ!ちょっとはドッきっとしないの?」

 

そう言うと、ケイは自分の豊満なお山を上下にゆらした。

 

直哉「女の子がそんな事をするんじゃあありません!」

 

ケイ「けど、照れてる直哉おにいも可愛い!」

 

そう言って、再び抱き付いて来るのであった。確かにケイは他の子よりもナイスボディで出るところは出ている。正直、直哉も気にはなっていた。

 

直哉「それよりも、操縦は大丈夫なのか?」

 

ケイ「of coure!ナオミがしっかり操縦しているわ!」

 

直哉「ナオミって誰だ?」

 

???「私の事ですよ」

 

現れたのは、ケイよりも背が高く、スレンダーな子だった。女の子受けがいいかもしない。

 

直哉「初めまして、土門直哉です。よろしく」

 

ナオミ「ナオミって言います。話しはケイから良く聞いてるよ。大好きなお兄ちゃんが居るって」

 

ケイ「ちょっとナオミ!!」

 

???「てか、2人共話してないで手伝ってくださいよ!」

 

直哉「君は?」

???「どうも、アリサと言います。よろしくお願いします」

 

直哉「土門直哉だ。よろしく!」

 

アリサ「てか、ナオミも隊長も早く手伝ってくださいよ!」

 

ケイ「大丈夫よ!オートパイロットにしているんだか」

 

アリサ「それが、トラブルが発生してオートパイロットが解除されたんですよ!!」

 

ナオミ・直哉『はぁー!!』

 

ケイ「アハハハハ」

 

アリサ・ナオミ・直哉『笑っている場合じゃなーい!!』

 

昔からケイと居ると余計な事に会うし、笑えの絶えない日が続いていた。

 

直哉「あの時から、変わってないな…」

 

直哉は聞こえるか、聞こえない程度の声でつぶやくのであった。その後、ナオミとアリサの必死の立て直しにより、無事長崎沖に停泊している、サンダース大学付属高校の学園艦が見えてきた。

 

 

《サンダース大学付属高校》

 

ニミッツ級空母に似た学園艦及び学園艦に所在する高校で、戦車の保有台数全国一を誇るお金持ちの学校として知られている強豪校。その大きさは、さすが、戦車保有台数が全国一を誇るお金持ち学校であり、C-5Mが余裕で着艦できるほどの大きさである。簡単に触れておくと、M4シャーマンを中心に、M4A1シャーマン、ファイヤ・フライなど50台以上の戦車を所有している。

 

学園も大きく、アメリカンサイズで「アイアンブリッジ」、「ブルドック」、「コマンドス」やフード車、シャワー車、ヘアサロン車など特殊な車両もある。

 

直哉「相変わらず、規格外のデカさだよな」

 

ケイ「大きい事はいいことだからね」

 

直哉「大きすぎるのは問題だけどな…」

 

アリサ「そうなんですよね、トイレも多いけど、まだ、修理が終わっていない箇所がありますから」

 

C-5Mが着艦し、直哉が降りてくると、

 

『キャーナオミセンパイ~!』

 

熱烈な歓迎を受けていた…ナオミが

 

直哉「おかしいだろ!何でナオミなんだよ!」

 

ケイ「まぁまぁ、直哉おにいーには私が居るから大丈夫だよ」

 

直哉「それは喜んでいいのだろうか」

 

そんな始まった、直哉のサンダース大学付属高校での研修はどうなるのでしょうか

 

ケイ「因みに、私は直哉おにいーをlikeではなくloveだからね♡」

 

 

☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★

作者「俺も一度は長崎に行ってみたいよ」

ケイ「そう?なら今度行ってみる?」

作「マジで!ケイさんとならどこでも行きたいよ!」

ケ「なら、私も行ってみたいところがあるんだ!」

作「どこ?」

ケ「USA」

作「・・・せめて国内にして」

 




と言うわけで、無事(?)学園に着きました。一時はパニックシーンを追加しようと思ったんですけど、語彙力が無くでできませんでした。

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第二十九話(直哉と昔話)

とあるPです。


1週間ほど休みをして、副業の激務を終わったので投稿したいと思います。

それでは本編どうぞ!!


ケイとナオミ、アリサの3人に案内されて直哉は学園内に居た。時刻はお昼時である。

 

ケイ「そろそろ、お昼にしましようか」

 

ナオミ「そうだね、直哉はどうする?」

 

直哉「そうだな、サンダースの昼飯も食べてみたいしお願いしようかな」

 

アリサ「なら、食堂にいきましょうか」

 

3人と直哉が食堂に向かう途中でナオミがこんな事を言ってきた

 

ナオミ「そう言えば、直哉とケイの出会いについて聞いてみたいね」

 

アリサ「確かに、私も気になるわ」

 

直哉「…言わないとダメか?」

 

ナオミ・アリサ『当然!!』

 

2人から言われて直哉はケイを見たが、当の本人も目を輝かせていた。仕方ないと思い直哉は話し出すのであった。

 

□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■

直哉とケイが出会ったのは9年前。当時、神奈川から長崎に引っ越した直哉には、余り友達はいなかった。

 

直哉(どうせ、また引っ越すんだ。別れるのは辛いから…)

 

そんな気分を吹き飛ばす事があった。それは、自己紹介の時である。

 

先生「は~い!今日から新しい仲間が増えます!入ってきて」

 

直哉は担任に呼ばれて教室に入った。そして自己紹介をした。

 

直哉「土門直哉です。父の都合で神奈川から引っ越してきました。好きな事は戦車を見ることです」

 

当時は男の子でも、戦車に憧れる時代だったから、普通の事だと思っていた。しかし、

 

「男で戦車好きとかありえね~」

 

「戦車道は乙女の嗜みなんでしょ?それなのに戦車好きとかw」

 

馬鹿にされた。ただそれだけで、小さい直哉に取っては心に来るものがあった。そんな中1人の女の子がこう言った。

 

???「なによ!男の子が戦車好きになっちゃあいけないとかないでしょ!」

 

嬉しかった。直哉にとっては男勝りな彼女がヒーローみたいに見えたのであった。その子の一言で周りの空気が変わった。自己紹介が終わって、席に着くとさっきの女の子が話しかけてきた。どうやら隣同士らしい。

 

直哉「さっきはありがとうね」

 

??「いいわよ!それよりお互い自己紹介がまだだったわね!私はケイ!」

 

直哉「僕は直哉!よろしくねケイさん」

 

ケイ「No!No!ケイでいいわよ!」

 

少し経つとさっき馬鹿にした2人が謝りに来た。別に気にしていないと伝えたら笑って友達になりたいと言ってきたので友達になった。

 

それから、ケイとの交流が多くなった。一緒にお昼休みや、休日は町に出ることも増えた。

ある日直哉とケイは町にあるショッピングモールに出かけてきた。

 

ケイ「直哉おにい~次はあっちに行こう!」

 

直哉「ちょっと!ケイ待ってよ!」

 

色々走り回るケイに直哉は四苦八苦する。この時からやんちゃしていた。

 

直哉「はぁ…はぁ…少し…休憩…させて…」

 

ケイ「え~!だらしないなぁ~直哉おにいは」

 

直哉「そんなに体力ある方じゃないからね…ちょっと席はずね」

 

ケイ「わかった~!」

 

トイレに行って帰ってきたが、どこにもケイの姿が見えなかった。直哉は慌てて探し回った。そして、ケイは知らない男の人に声をかけられていた。

 

「ねぇ、お嬢ちゃんおじさんといい所に行かない?」

 

ケイ「ヤダ!知らない人に付いて行っちゃダメだってママに言われたから」

 

「チッ!そっちがその気なら!」

 

何と男はケイを誘拐しようとした!それを見た直哉は無我夢中で走り出した。大事な子がどこかに連れて行かれそうな気がしたのだ。

 

ケイ「キャア!助けて!直哉おにい!」

 

直哉「やめろーーーーーー!」

 

直哉は男とケイの間に割って入った。そして、その手を思いっきり叩いたのであった。

 

「いってぇな~!何すんだよ!」

 

直哉「ハァ、ハァ、それはこっちのセリフだ!ケイに触るな!」

 

「ほ~その年でナイト面か、いい度胸しているんじゃあねえか!あぁ!」

 

直哉「うるさい!」

 

「けどよ、足ががくがくだぜ~。大丈夫か~?」

 

男は直哉を挑発する様に言った。確かに小学生が大の大人に敵うはずがない。けど、ここで退いたらダメな気がした。直哉の背中に隠れるようにしている、ケイに申し訳が立たないからである。

 

「面倒だがお前を始末してから、嬢ちゃんを頂くとするか~」

 

そう言うと男は直哉に近づいて、力ずくで引きはがそうとした。しかし、直哉も必死に抵抗した。

 

直哉「やめろ!ケイに何するんだ!」

 

「んだよ!うぜえんだよ!」

 

直哉「がっは!」

 

次の瞬間、男が直哉を殴ったのだ。それほど力は強くなかったが結構なダメージを受けた。

 

ケイ「直哉おにいー!」

 

「さて、これで邪魔者はいなくなった。さぁ行こうか!」

 

ケイ「いゃ…いやーー」

 

あと数センチでケイに届きそうになった時であった。男の足に直哉がかみついてきたのであった。

 

「いただだだだだ!」

 

直哉「ふがふがふぁ!(これでも喰らえ!)

 

それは、一度喰らいついたら離さない覚悟であった。その間にも男は振り払おうとする。

 

「この野郎!離れろ!」

 

それでも、離さなかった。そうこうしている間に、誰かが呼んだ警備員が駆け付けて、一部始終を見ていた人が事情を話して、男は逮捕された。

 

直哉「大丈夫だった?ケイ」

ケイ「直哉おにい、直哉おにい~~~!怖かったよ~!」

 

直哉「おっと。よしよし、大丈夫だよ」

 

直哉は安心させる為に、ケイを優しく抱きしめた。後日直哉は警察署から感謝状を貰い両親は大喜びした。そして、ケイにも変化があった。それは、

 

ケイ「直哉おにいー!一緒に帰ろう!」

 

直哉「いいけど、ちょっとくっつきすぎだよ」

 

そう、あの一件以来やたら抱き付いてきた。いわゆるボディタッチが増えたのである。ケイ曰く

「また、誘拐されたら嫌だし。それに///直哉おにいと一緒に居るとドキドキするんだもん♪」

 

そんな日も長くは続かなかった。そう、あの時が来たのである。

 

 

 

その年の冬である。直哉とケイはいつも通り2人で出かけていた。いつもは公園やデパートに行っていたが今日は違っていた。2人で海を見に行っていた。

 

ケイ「う~ん!夏の海もいいけど誰もいない冬の海もいいね」

 

直哉「…そうだね」

 

ケイ「直哉おにい?なんか元気ないね」

 

この頃から、ケイが自分よりも年上で、あの事件で助けたことがきかっけで、ケイは直哉を兄と慕っていた。

 

直哉「…ケイに言わないといけない事があるんだ」

 

ケイ「…うん」

 

いつもと違う、真剣さを感じ取ったんだろう。それまでケイも真面目になった

 

直哉「みんなにはまだ言ってなかったけど、来年になったら引っ越すんだ」

 

ケイ「どこに?」

 

直哉「北の方かな」

 

ケイ「…そっか」

 

直哉・ケイ「……」

 

しばらく無言が続いた。それを破ったのはケイだった。

 

ケイ「待ってるから!」

 

直哉「え?」

 

ケイ「直哉おにいと会えるの待ってるから!それまでぜったに忘れないでね!」

 

直哉「ケイ…」

 

ケイ「だから約束だよ!」

 

直哉「うん!」

 

そう言うと2人は指切りをした。絶対に忘れない為に…

 

ケイ「絶対再開して、直哉おにいのお嫁さんになるんだから!」

 

直哉「あははは、ケイらしいね」

 

これが2人の遠い昔話であった…

□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■

 

直哉「…てな事があったかな」

 

聞いて居た3人は終始唖然としていた。ケイは顔を真っ赤にしてるし、ナオミとアリサは苦笑いしていた。

 

ナオミ「ケイにもこんな乙女な時代があったなんてね」

 

ケイ「ナオミ!それはどういう事よ!?」

 

アリサ「ホントですよ隊長!良いなぁ~私もいつかタカシとそんな事になったら」

 

アリサは独特の世界に旅立っていた。そうこうしている間に料理が運ばれてきた。

 

直哉「とりあえず、食べようぜ!腹減ってきたよ」

 

そして、4人は仲良くアメリカン級の食事にありつくのであった。

 

 




と言うわけで、ケイとの思い出話でした。TV版と同じグイグイ来るように書いてみましたけどあってるよね?

次回は来週の水曜日にしたいと思います。(出来るかな?)

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第三十話 (直哉とベロニカ)

とあるPです。

ついにオリキャラ登場です!

それでは本編どうぞ!


昼飯を終えた4人は教室に向かっているのであった。

 

直哉「それにしても、量が多すぎないか?」

 

ケイ「え~?あれくらい普通よ。普通!」

 

ナオミ「そうだよ、もしかして直哉って食が細い方なの?」

 

アリサ「そうなんですか?」

 

直哉「まぁ、あんまり得意じゃあない方だな」

 

様々なものがアメリカンサイズであるサンダースである、当然のことながら食事、教室、施設等がアメリカンサイズであった。今後これに対応していかないと思うと胃が痛くなってくる。ここに来てまで胃薬とお友達になるのは嫌だと思った直哉であった。

 

直哉「そう言えば、教室てどこになるんだ?」

 

そう、ケイは3年生、ナオミとアリサは2年生である。当然教室が違うのであった。

 

ケイ「私は、アイアンハイドよ」

 

直哉「はい?」

 

ナオミ「私とアリサはブルドックだ」

 

直哉「???」

 

直哉の頭の上には?しかなかった。

 

ケイ「教室のそれぞれに、名前が付いていてそこで授業を受けるのよ」

 

直哉「なるほどね」

 

そう言うと、「アイアンハイド」と書かれた教室の前に来た。

 

ケイ「じゃあ、私はここだからナオミ、アリサまたね~」

 

ナオミ「了解した」

 

2人と別れたケイと直哉。

 

ケイ「じゃあ、行こうか直哉おにい!」

 

直哉「どこへ?」

 

ケイ「教室へ!」

 

直哉「ちょっと待てよ!俺は知らないぞ!」

 

ケイ「あれ?学園長から話し聞いてない?」

 

直哉「初耳だ!」

 

ケイ「じゃあこれは?」

 

そう言うと、ケイは直哉に手紙を渡した。それは、アメリカ軍の命令書形式で大きな鷲が金色に塗られていた。その中身とは…

 

 

『親愛なる土門直哉様へお元気ですか?サンダース大学付属高校学園長です。さて、貴方にはこのサンダース大学付属高校を楽しんでもらうために、3週間の間特別なカリキュラムを組ませていただきました。これを機会にサンダース大学付属高校をもっと好きになってほしいです。

 

なんて堅苦しい挨拶はここまで!ようは直哉君にはエンジョイして欲しいってことよ!まぁ3週間しか居ないんだし、一緒に青春をトゥギャザーしようZE!

 

PS:ケイと知り合いみたいだし、当面の世話はケイに任せてあるからね~♪分からないことがあったら、ケイに聞いてね!

 

PSのPS:もし、好きな子が出来てもウチはオールオッケイだからwなんだったらケイをお嫁にしてもいいんだよ~!

by学園長』

 

直哉「なんだよこれーーーーーー!てか、一緒に青春をトゥギャザーしようZE!とかどっかの○―大柴かよ!PSに大事なこと書くなよ!」

 

ケイ「ワォー学園長も大胆なことするわね!私をお嫁にしてもいいって♡どうする直哉おにい?」

 

直哉「するか!」

 

ケイ「ちぇーけちんぼ!」

 

直哉「好きに言ってろ。兎に角これからどうするかな…」

 

ケイ「仕方ないわよ。ここまで来たら入るしかないんじゃあないの?」

 

直哉「そうだよな…。仕方ないお願いすか?」

 

ケイ「わかったわ。直哉おにいはここで待ってて」

 

そう言うと、ケイは中に入って行った。そして、先生に相談していた

 

『どうぞ!』

 

意を決して直哉は入るであった。

 

直哉「失礼します!」

 

『キャーーーーー』

 

入った瞬間黄色い歓声が出てきた。思わず直哉耳をふさいだ。

 

「はい、はい静かに!それじゃあ自己紹介お願いしますね」

 

直哉「はい、土門直哉です。戦車道連盟の整備部から来ました。3週間しか居ませんがよろしくお願いします」

 

『よろしくお願いしま~す!』

 

元気な返事が返ってきて、直哉は安心した。先生に促されて席に向かうと右隣にケイが居た。

そして、左隣には赤髪に凛とした目、ケイと同じくらいあるいはそれ以上のスタイルの持ち主がいた。

 

直哉「土門直哉です。よろしく」

 

???「…フン」

 

直哉「?」

 

女の子は直哉の手を見て一瞥すると無視してしまった。慌ててケイに聞いてみた?

 

直哉「彼女機嫌が悪いのかい?」

 

ケイ「あーベロニカね。あの子ちょっと気が難しくてね」

 

そう言うと、授業の号令が始まったが、直哉はベロニカの事が気になって仕方なかった…

 




今回は短めですが次こそは!

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第三十一話 直哉とクラスメイト

とあるPです。

最近ガルパンの投稿が空いてしまい申し訳ありません。

今回は新キャラベロニカと直哉とのほのぼの?日常です。


それでは本編をどうぞ!!


 授業が終わって小休憩の時に直哉はベロニカに話しかけてみた。

 

直哉「初めまして、土門直哉です」

ベロニカ「・・・ベロニカよ。よろしく」

 無愛想なのは相変わらずだが、無視されるよりはよかった。そして、次の質問をしてみた。

直哉「ベロニカっていい名前だね」

ベロニカ「はぁ?」

直哉「個人的な意見だけど、安直なマリアやナンシーよりは覚えやすいし」

ベロニカ「意味わかんないし・・・てか、なんでアタシなんかに構ってるんだよ」

直哉「それは、君と仲良くやりたいからだよ」

ベロニカ「ハハハハ!そんなこと言ってると後ろにいる金髪美人が怒ってくるぞ」

 

 そう言って、後ろを振り向くと不機嫌そうなケイがいた。

 

ケイ「何話しているのか直哉おにい(# ゚Д゚)

直哉「いや、何でもないよ」

ケイ「そう、それは良かった(# ゚Д゚)

直哉「もしかして・・・怒っている?」

ケイ「そんなことないよ(# ゚Д゚)

 

 その割にはこめかみに青筋を立てている。これは、早急に対処しなければならない。そう思った

直哉は方向転換をした。

 

直哉「わかったよ。それじゃあベロニカさんまたね」

ベロニカ「・・・」

 

 返事はしなかったが、目だけは合わせてくれた。それだけでも、よしとするのであった。

 

昼休みになり、各々が食堂に行ったり、教室でだべったりとマチマチだった。そんな中直哉は懲りずにベロニカにアタックしていた。

 

直哉「ベロニカさん。一緒にランチでもどう?」

ベロニカ「生憎昼飯はこれと決めているんでね」

 

 そう言って、見せたのはカロ〇ーメイトとウイダー〇ンゼリーだった。

直哉「それでもつの?ダイエット中なの?」

ベロニカ「・・・別にこれで事足りるから」

直哉「ホントに?」

ベロニカ「しつこいな!別にアタシの勝手だろ!」

直哉「わかったよ。なら、ちょっと待って!」

 

 そう言うと直哉は、教室から出ていった。これで食べれると思ったベロニカは食事を使用としていたら、直哉が走ってきた。

 

直哉「ハァハァ、これで食べれるね」

ベロニカ「アンタなんでそこまで・・・」

 

 直哉の手には購買で買ってきたパンが握られてきた。サンダースの巨大学園艦で売っているのはそれなりの距離がある。それこそ、食堂で食べる方が早いくらいだ。

それなのに購買に行って買ってきた辺り、余程のお節介だとベロニカは思った。

 

ベロニカ「フ、アンタもバカだね」

直哉「よく言われるよw」

ベロニカ「・・・なら一緒に食べようか?」

直哉「もちろん!その為に買ってきたんだよ」

そう言って、直哉とベロニカは一緒に食べるのであった。因みに直哉が買ってきたのは、昼飯パンの定番である、焼きそばパンとコロッケパンであった。

なお、この2人を見たクラスの連中は(ベロニカが他の人と食べてるなんで珍しいよね~)(あれって出来てるんじゃあないの)など憶測が飛び込んでいた。それを見たケイは

ケイ「ナオヤオニイ、ナニヲシテイルカナ・・・

と暫くハイライトが戻って来なかった・・・

 




と言うわけで、直哉とベロニカの話でした。今回は食事回で戦車の話しは出てきませんでしたが、次回以降は出したいと思います。


因みにベロニカの容姿ですが、ハイスクールD×Dに登場するリアスをイメージしています。

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第三十二話 直哉と砲手

とあるPです。

久しぶりのガルパン投稿です。待たせてすみませんでした。ベロニカの話しを書こうかナオミにしようかと迷っていてこんなに遅くなりました。

悩んだ末ナオミの話しになりました。

それでは本編をどうぞ!!


昼休みを終えて今は放課後になった。これからサンダース戦車道の練習が始まる。

 

アリサ「全員気をつけ!」

ケイ「ハロー!今から練習を始めるわね。それと、戦車道連盟から派遣された人も居るから、自己紹介お願いね」

直哉「どうも、戦車道連盟整備部から派遣された土門直哉です!よろしくお願いします!」

『よろしくお願いしますー!』

ナオミ「ちなみに、ケイの幼馴染で初恋の人らしい」

直哉「ちょっとナオミさん!」

ケイ「そうよね!直哉おにい!」

 

そう言って、ケイは惜しげも無く腕に抱きついてきた。その瞬間周りから黄色い声援が挙がった。

『きゃ~~!』

しかし、これを面白くなさそうに見ていた人物がいた。ベロニカである。彼女も戦車道を履修しており

ムスッとした顔でこちらを覗いていた。

アリサ「静かにしなさい!」

ケイ「OK、OK。みんなはしゃぎたいのは分かるけど、今は練習が先よ。それじゃあ各車搭乗してちょうだい」

 

そう言って指示を出すケイ。そして、全員が搭乗したのを確認して

ケイ「今日は紅白戦をするわよ!勝ったチームには直哉おにいと一緒にディナーをする権利をあげるわよ!」

『WHO~!』

 

そう言って部下の士気を高めたのである。ちなみに直哉は、今知らされて焦っていたが「まぁケイだから仕方ないか」と割り切った。

 

チーム編成はケイ・ベロニカチーム20両とナオミ・アリサチーム20両の新旧チームのフラッグ戦となった。要するに、敵フラッグ車を撃破したチームの勝ちとなるのだ。

 

ケイ「それじゃあ行くわよ。GO AHEAD!」

 

ケイの掛け声で全車両が走り出した。それに続いて、アリサチームも動き出した。

直哉「始まったか」

 

直哉はオーロラビジョンの前で紅白戦の行く末を見守っていた。初めに動き出したのは、アリサチームだった。ナオミが操るファイヤフライが広い土地に出たケイチームの車両2両撃破した。負けじとケイも指示を出し、林に逃げ込みアリサチームの車両を2両撃破した。

両者は隊長車の指示を良く理解して動いていた。ケイチームから1両のチャーフィー先行して偵察に向かった。そして、アリサチームの位置を把握すると、すぐまさ反転しその情報をケイに伝えるのであった。

 

~ケイside~

「向こうは海岸線に横一列で展開しています!」

ケイ「台数は?」

「10両です」

ケイ「う~ん、アリサったら余程勝ちにこだわっているのね」

ベロニカ「どういうこと?」

ケイ「おそらく、海岸線のやつは囮ね。本隊は両サイドに別れていて、包囲殲滅するつもりね」

ベロニカ「なるほどね。で、隊長(アンタ)はどうするの?」

ケイ「もちろん、乗るわ」

ベロニカ「Why!?わざわざ敵の誘いに乗るっての!?」

ケイ「イエース☆」

ベロニカ「はぁ、…乗るって事はなんか作戦とかあるんだろうね」

ケイ「off course!作戦はね…」

ベロニカ「大丈夫なの?」

ケイ「多分ね!けどこれには、時間をかける為の囮がいないとね…」

ベロニカ「…なら、それアタシがやるよ」

ケイ「危険よ」

ベロニカ「元より承知の上よ。それにウチの隊なら得意そうだしね」

ケイ「…わかったわ。けど危なくなったら直ぐに撤退するのよ」

ベロニカ「了解((Roger!))

ケイ「そんなに直哉おにいとの食事がいいんだ~」

ベロニカ「ば!バカ/////そんなんじゃあねぇよ!」

ケイ「はい、はい。それじゃあよろしくね」

ベロニカ「わかったよ」

 

そう言って、ベロニカ隊8両は海岸線に向かうのであった。

 

ケイ「さて、ここからがスタートよ!」

 

~ケイsideout~

 

試合は中盤戦になり、アリサチームが海岸線横一列に展開していた。その数10両対するケイチームは8両と少ない両数だった。

直哉「あれは、ベロニカじゃあないか」

 

M4にブルドッグの厳つい顔をしたエンブレムはベロニカ隊のマークだった。そこに、両サイドから別働隊が飛び出して来た。しかし、ケイの本隊はどこにもいなかった。

 

直哉「それじゃあ、ケイの本隊はどこに行ったんだ」

それは直ぐにわかった。ベロニカ隊が海岸線の奴らを引き受けている間に、全力でアリサの本隊を囲み撃破していくのであった。射撃が有利なファイヤフライも林が邪魔で打てなかった。

そうこうしているうちに、残りはケイとアリサのM4だけとなった。そして、アリサ車両が撃破されゲームセットとなった。

アリサ「悔しい〜!今日こそ勝ってタカシに告白しょうと思ったのに〜!」

ケイ「お疲れ様アリサ!読みはいい方だけどまだまだね」

 

こうして、新旧チームはケイ・ベロニカチームの勝利で終わった。その後は大変だった。整備が終わった途端、ケイとベロニカに両腕を挟まれて、飲めや歌えやの宴だった。途中、コロナビールを模様した飲み物が出てきたが、ケイ曰く「ノンアルだから問題ナッシング」といい酔っ払いのように絡んできた。

ベロニカに至っては、雰囲気酔いになりずっと「直哉はどんな子が好きなの」とか「アタシ、ケイより大きよ」と言い胸を寄せてきて大変だった。そんな雰囲気を暖かい目で見る同級生。もうカオスな状態だった。

 

宴も終わりいい所で解散となった。直哉は気になる事があり、1人戦車倉庫に向かっていた。そして、1人の生徒がいた。ファイヤフライの砲手ナオミであった。

直哉「お疲れ様。ナオミ」

ナオミ「あ、あんたか。お疲れ様。」

直哉「珍しいな、ナオミがここにいるなんて」

ナオミ「まぁね。今日の紅白戦の反省会をしていたのさ」

直哉「そう言えば、最後なぜ撃たなかった?いや、撃てなかった(・・・・・・)の間違いかな?」

ナオミ「!」

直哉「図星の顔だな…」

ナオミ「いつからわかってたのさ」

直哉「最初に2両撃破したあとさ。あの後、色々チャンスがあったのにも関わらず、君は撃とうとしなかった。それは何故か、弾切れか、あとは故障したかの2択しか無かったな」

ナオミ「…全てお見通しって言うわけね」

直哉「おう!整備部なめんなよw」

ナオミ「確かに故障はしていたよ」

直哉「なら、直ぐにでも止めるべきじゃあないのか?」

ナオミ「それを理由に負けたくないんだよ。アリサは来年隊長になるかもしれない。そのデビュー前の試合を戦車の故障のせいで止めたくなかったのさ。何より、保有台数が1番のサンダースではあってはならないんだよ」

直哉「ナオミ…」

ナオミ「笑っちまうだろ。たかがちっぽけなプライドだけで、勝てる試合も勝てなかった!高校戦車道1の砲手が呆れちまうよな」

 

そう言ってナオミは暗い顔をしていた。

直哉「笑うかよ」

ナオミ「え?」

直哉「そんな事で笑う訳ないだろ!いいじゃないか仲間想いで」

ナオミ「けど!負けたら終わりなんだ!次があるか分からないし…」

直哉「ケイは、そんな事を言う奴か?」

ナオミ「なんで?」

直哉『ザッツ戦車道!これは戦争じゃない』

直哉「お前の隊長のセリフだろ。確かに戦争なら次はないが、これは戦車道だ。次があるんだよ」

 

そう言って、ナオミの頭を撫でるのであった。その瞬間、彼女の中で溜まっていたものがあふれ出して泣いてしまった。

ナオミ「あ、あ、う、うぁぁぁーー!本当は、本当は勝ちたかったよー!」

 

 溜まった物を全て泣いたナオミは、疲れて寝てしまった。そこには、高校生戦車道随一の砲手ではなく、まだ、あどけなさが残る16歳の女の子だった。

 

直哉「可愛い顔して…それじゃあ、俺はこのじゃじゃ馬の整備でもしようかね」

 

 そう言って、上着をナオミにかけて直哉は1人でファイヤフライの整備をするのであった。

 

 

次の日。戦車倉庫で寝ていたナオミは、いつもよりも早く目を覚めてしまった。そこには、最高の状態で整備されているファイヤフライと、スパナを片手に、顔中ススだらけ寝ている直哉の姿があった。

 

ナオミ「本当に治っているのかい?」

 

 ナオミは、車内に入ってトリガーを握ると、昨日とは違う感覚があった。

ナオミ「ちゃんと治っている…」

 

 改めて、直哉の腕を信じたナオミであった。直哉なら、全てを任せられると。そして、これからも共に居たいと思った瞬間であった。

 

ナオミ「そりゃあ、ケイが惚れる訳だ。…多分私もかな///」

 

 そう言って、直哉の横にやって来たナオミは、

ナオミ「いつか、アンタの…直哉のハートを打ち抜いてみせるよ」

 

 指で拳銃を作って「バーン」として、寝ている直哉にキスをした。一瞬で顔が赤くなるがそれだけでは

飽き足らず、一緒に寝るのであった。

 

それをケイとベロニカに見つかって直哉に雷が落ちるのは、また別のお話し・・・

 




と言うわけで、ナオミ回でした!

若干口調がおかしな所があったかもしれませんが、そこは暖かい目で見てください。

コロナで大変な日々が続いていますが、皆様感染には気をつけてください。

感想・評価・誤字報告お待ちしております。


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第三十三話 直哉アリサ

とあるPです。

最近ガルパンSS投稿出来ていなかったけど、昨日大洗に行ったので、頑張って今日投稿します。

今回はアリサの回になります。

それでは本編をどうぞ!!


 ナオミとの仲が深まった翌日の昼飯は凄まじかった。ケイとベロニカからの両サイドからの圧迫攻撃にナオミからの男装交じりの口説き文句をかわしつつ昼飯を終わった。そして、教室に戻る所だった。

 

直哉「早く戻らないとな」

「きゃ!」

直哉「おっと!すみません!」

「いえいえこちらこそ、申し訳なかったです」

 曲がり角から出てきた女子生徒に気が付かず思わずぶつかってしまった。

直哉「ケガとかありませんか?」

「そう言えば、足首がちょっと…」

直哉「大変だ!保健室まで行きましょう」

「あ、それならそこの空き教室で治療してください」

 そう言って、隣の空き教室に連れて行った。そして、女子生徒と一緒に入った瞬間『ガチャン』とロックされた。

直哉「え?」

?「確保!!」

直哉「ちょっと待ってーー!」

 

 そう言って、直哉は簀巻きにされた、そして

アリサ「ご苦労様!」

「で、アリサ本当にいいのこんな事して?」

「バレたらケイ隊長やベロニカ先輩が黙っていないよ」

アリサ「問題ないわ!それにしても無様な姿になったものね土門直哉!」

 アリサはそう言ったが当の本人はと言うと

直哉「君足首大丈夫?」

「あ、はい大丈夫です」

直哉「良かった。怪我でもしたら大変だもんね」

「あ、ありがとうございます///」

アリサ「ちょっと!何やってんのよ!人が折角説明しているのに!」

 全く聞いていなかった。むしろこの状況で他の人を心配する位の余裕を見せていた。

 

直哉「それで、どうするんだ?」

アリサ「決まっているわ!隊長にアンタの恥ずかしい写真を送り付けて失望してもらうのよ!」

「そうよ!アンタのせいでナオミも変わったんだからね!」

「前はあんなに「可愛いね!」とか「綺麗だね!」とか言ってたのに、今は全然違う感じになったのよ」

直哉「もしかして…嫉妬してる?」

「うっ!」

直哉「図星か…」

アリサ「うっさいわね!それじゃあ早速!」

 

 アリサは手をワキワキしながら近いて来た。そして、直哉を巻いているロープに手をかけた瞬間!

直哉「この時を待っていた!」

 

 直哉は巻いていたロープを素早くアリサの身体に巻き付けた。そして、今度はアリサが簀巻きになる番であった。

アリサ「ちょっと!なんでこうなるのよ!」

直哉「悪いな。縄抜けなんて朝飯前なんだよ」

アリサ「意味わかんないんだけど!どうしてそんな事が出来るのよ」

直哉「…昔ケイと遊んでいた時に無理矢理簀巻きにされて顔にいたずらされたからな。その防衛の為に縄抜けの方法を編み出したってわけだ」

アリサ「そんなぁ~ちょっと見てないで助けなさいよ!」

 

 アリサは近くにいた友人に助けを求めたが…

「え~そんな事出来ないですよ」

「アリサさんにも勝てない人に勝てる訳ないじゃないですか」

「む、むしろ直哉さんの方が優しいし///」

直哉「そう言えば足首大丈夫なんだね」

「…噓ついてごめんなさい」

直哉「大丈夫だよ。けどこんな事はもうしないでね」

「は、はい!///」

 

 そう言ったこの顔は、赤みがかっていた。無意識に落としていた、直哉であったが本人は気付いていなかった。そして、直哉はアリサに向かっていた。

直哉「さて、オシオキしようかな」

アリサ「ひ!ごめんなさい!ごめんなさい!もうしませんから」

直哉「…本当だな」

アリサ「はい…」

直哉「…分かった」

 そう言って、直哉はアリサの縄をほどくのであった。そして、2人きりになった時にこんな事を尋ねてみた。

直哉「どうしてこんな事をしようと思ったんだ?」

アリサ「…タカシが」

直哉「タカシ?確かアリサの片思いの子だよね」

アリサ「タカシが言ったのよ。『直哉って子をびっくりしたら付き合ってやる』って言ったのよ」

直哉「そっか…」

 

 直哉はそのタカシって奴がどんな人なのか、わからないが無性にムカムカした。

 

直哉「ちょっと行ってくる」

アリサ「行ってくるってどこに?」

直哉「そのタカシって奴の所だよ」

 

 そう言って、アリサに背を向けて出て行った。次の日の放課後、戦車倉庫に呼び出されたアリサは直哉から衝撃の事実を知ることになった。

アリサ「う、嘘よ!」

直哉「本当だと言ったら…」

アリサ「だって、タカシが私を騙していたなんて…」

 そう、あの後直哉はタカシに会って全てを話してもらった。そしたらタカシ曰く『今までのは冗談だったんだよねw』そう言った。その後、直哉からの鉄拳制裁が飛んだのは言うまでもない。それを聞いたアリサは足元から崩れさった。

直哉「こんな事言うのは酷だが、なぜタカシを好きになったんだ?」

アリサ「タカシは、初めて会った私にやさしくしてくれた。それに戦車道大会でも卑怯と言わなかったわ」

直哉「無線傍受の事か…確かにあれは、グレーな部分があるかなぁ」

アリサ「そうよ!あれを、タカシは褒めてくれたのよ!そんなタカシが私を騙すはずがないわ!」

直哉「これは、使いたくなかったがな」

直哉はポケットからICレコーダーを取り出した。そこには、直哉とタカシの会話が録音されていた。

 

 

直哉『どうして、アリサにあんな事をしたんだ』

タカシ『何の話だ?』

直哉『とぼけるな、アリサに俺を捕まえさせて、驚く顔が見たいとか。訳の分からないことを言ってたのに』

タカシ『あ~あれか。ククク、ハハハハハ』

直哉『何が可笑しい?』

タカシ『本当にやったんだな。冗談とも知らずに』

直哉『冗談だと?アリサは、あの子は本気で君と付き合えると思ってやったんだぞ!』

タカシ『マジかよ!アリサもバカだよな』

 そこから直哉はレコーダーの再生を止めた。そして、アリサを見てみると。涙を流していた。

アリサ「ひっぐ、ひっぐ、タカシ~」

直哉「大丈夫か?」

アリサ「…私タカシのこと誤解していたかも、明日話してくる」

直哉「わかった。俺も付いて行っていいか?」

アリサ「…うん」

 

 そして、次の日の放課後。空き教室にアリサとタカシ。そして、直哉の3人がいた。

アリサ「タカシアタシ聞いたの!ここいる直哉を驚かせたら付き合えるって!本当なの!?」

タカシ「それは…」

直哉「ちなみに、昨日の会話はもうアリサは知っているぞ」

 

 それを聞いたタカシは観念した様に全てを話した。アリサを騙していたこと、他に好きな人が出来てしまったこと。それを聞いた瞬間、アリサはタカシの頬を思い切り叩いた。そして、『大っ嫌い!』と言い出ていた。その後を直哉は追いかけて行くと、屋上に向かっていた。

 

直哉「…大丈夫か?アリサ」

アリサ「もう、どうしていいかわからないわ…」

直哉「こんな言葉がある。“人はしばしば恋に欺かれ、恋に傷つき、不幸にもなる。それでも人に恋するのだ。”だから、アリサもタカシのことはキッパリ忘れるのはつらいだろが、次の恋を見つければいいんだよ」

アリサ「…アンタ、そうよね。なら、責任取ってもらわいとね」

直哉「へ?」

アリサ「私を泣かせた責任取って貰うわよ!…だから、私の彼氏になりなさい!異論は認めないわ!」

直哉「はーー!」

 

 こうして、直哉とアリサは恋人(仮)となった。

 




と言うわけで、アリサの回になりました。最後のセリフはあるアニメから持ってきましたw

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第三十四話 (ベロニカの片思い)

とあるPです。


今回はベロニカの回になります!

それでは本編どうぞ!


 

 

 アリサと仮の恋人関係になったが、日常は変わらないものである。ただ一点を除いて。

ベロニカ「ねぇ、直哉この問題何だけど」

直哉「お、おう…」

「珍しいね。あのベロニカが直哉君にべったりなんて」

「そうだよね~今までは一匹狼だったけど。何かあったのかな?」

「もしかして付き合ってるとか?」

「ないない!あのベロニカだよ」

「だよねw」

 

 こんな風に、傍から見たら仲の良い2人に見えるが、直哉の心情はそんなものではなかった。

直哉(なんだ、ベロニカの奴最近スキンシップが多いな)

 確かに、アリサからの告白を受けてた、というより強引に恋人関係になった時からベロニカの態度が一変した。暇さえあればくっついて来るし、お昼は一緒に食べる機会が増えた。戦車道の練習でもよく直哉に聞き来るのであった。

 それを面白いと思わない人達がいた。ケイ、アリサ、ナオミの3人である。今まで仲良くしていた、3人であったが、ここ最近のベロニカのアプローチが異常である事を気づいた。これでは、直哉を取られしまうと思った3人はある行動のに出た。それは…

 

『直哉(おにい)!今度休みデートしよう!』

直哉「へ?」

 デート(強攻策)であった。当然、ベロニカを含めて4人での3対1である。これには直哉も頷くしかないのであった。

 

ケイ「近くにあるプールが近日オープンするんだって」

ナオミ「そこのチケットがここに4枚ある」

アリサ「べ、別に来なくてもいいけど、どうしてもって言うなら行かせてあげなくもないけど」

ベロニカ「どうする直哉?」

直哉「まぁ、別に暇だからいいけどな」

ケイ「じゃあ、日曜日にプール前に集合ね」

 

そう言って、ケイはチケットを渡して何処かに去っていた。そして、放課後になり、戦車道の練習後にベロニカが話しかけてきた。

ベロニカ「直哉ちょっといい」

直哉「ああ、いいぜ」

ベロニカ「明日、土曜日じゃん」

直哉「そうだな」

ベロニカ「だからさ///」

直哉「うん?」

ベロニカ「日曜日に着ていく水着、選んでくれない///」

直哉「俺が?」

ベロニカ「うん///」

直哉「…まぁ別にいいけど」

ベロニカ「本当だな?噓じゃないよな!」

直哉「ホントだよ。で何処にするんだ?」

ベロニカ「じゃあ、〇〇駅に10時で!遅れるんじゃあねえぞ!」

直哉「わかったよ」

ベロニカ「…やった///」

 

 そう言って、ベロニカとの約束を取り受けた直哉であった。そして、自宅に戻り明日の準備をしている時、直哉のスマホが鳴りだした。相手は整備部の藤田部長からだった。

 

直哉『もしもし、土門です』

藤田『あ、直哉君。ごめんねこんな時間に』

直哉『大丈夫ですよ』

藤田『ならよかった。実は相談があってね』

直哉『何ですか?』

藤田『…突然で申し訳ないんだけど、明後日でサンダースの研修期間が終わっちゃうんだ』

直哉『…え』

藤田『直哉君には悪いと思っているけど、どうしてもって理事長がね…』

 

  直哉は思っていた。ここいらが潮時でいいのだろうかと…

 

藤田『もし、直哉君に都合が悪いのであれば事情を話して延期することが出来るけど、どうする?』

直哉『いぇ、お願いします』

藤田『…わかった。それじゃあ彼女達には私から説明『待ってください』え?』

直哉『彼女達には、自分から話します』

藤田『…そう。じゃあまた連絡するね』

直哉『ありがとうございます。それともう一ついいですか?』

藤田『何かな?』

直哉『佳代子さんと彩華さんは元気ですか?』

藤田『元気、元気!早く直哉君に会いたがっていたよ』

直哉『そうですか。良かったです』

藤田『うん。じゃあまたね!おやすみなさい』

直哉『はい、失礼しました』

 

 そう言って、直哉は電話を切った。そして、ベットに倒れこんだ。

直哉「明後日か~随分と急だな」

 直哉は部屋にあるカレンダーに目を向けた。明後日と言えばちょうどデートが終わった次の日である。問題はそれどころじゃない、どうやって彼女達(ケイ、ナオミ、アリサ、ベロニカ)に伝えるかだ。

 

直哉「まぁ、間違いなくケイは怒るだろうな」

 

 そう言った直哉は苦笑いをするのであった。やっと再開した幼なじみで兄貴的な奴が居なくなるのである。どんな無茶ぶりをされるかたまったもんじゃあない。

 

直哉「それよりも、ベロニカとの買い物も何とかしないとな」

その事も頭に入れつつ眠るのであった。

 

 

次の日。直哉は〇〇駅に向かうために、準備していた。最近暑くなってきたので、Tシャツにジーンズ、麦わら帽子さらにサングラスと言うチャラ男スタイルで向かうのであった。

 

時間は9時50分。待ち合わせに場所に着くと既にベロニカが居て、ソワソワしていた。

直哉「おーいベロニカ…」

ベロニカ「お、おう///」

直哉「…」

ベロニカ「ど、どうした!」

 

そこには、何処かのお嬢様と見間違えるくらいの美人がいた。白いワンピースに麦わら帽子、手提げのバケットを持っておりうっすらとメイクを施して、行き交う人が振り向く程の容姿だった。その格好に直哉は不意にも惚けてしまった。

 

直哉「な、何でもない!待ったか?」

ベロニカ「べ、別に///」

直哉「…」

ベロニカ「…」

 

お互い何も言えなくなり、気まづい雰囲気になってしまった。

直哉・ベロニカ『あ、あの!』

直哉「ベロニカから」

ベロニカ「なんだよ!直哉から言えよ///」

直哉「わ、わかったよ…その、服似合ってるぞ///」

ベロニカ「そ、そうか///…ありがとう。直哉は、どう見てもチャラ男だなw」

直哉「うっせー」

ベロニカ「ふ、ふふあははは」

直哉「あははは」

直哉「じゃあ、行くか」

ベロニカ「そうだな」

 

ひとしきりに笑った後、互いに目的地『PA〇CO』に向かうのであった。……その3メートル後ろに居た、不審者3人組の事を知らずに。

 

ナオミ「ふーん。直哉も隅に置けないね」

アリサ「そうよね。私と言うのがありながら、他の子とデートなんで…」

ナオミ「あれ?アリサって偽の恋人だろ」

アリサ「そ、そそうよ!私と直哉さんが付き合う訳無いじゃない!」

ナオミ「なら、直哉は私が貰うかなぁー」

ケイ「……今何って言ったナオミ」

ナオミ「おっと、冗談が通じない子がいたね」

ケイ「…ベロニカめ~!私の直哉おにいなのにーー!」

アリサ「隊長!声が大きいですよ!気付かれますよ!」

ケイ「そうだったわね。それじゃぁ尾行開始するわよ!」

ナオミ・アリサ『イエス、マム!』

 

そう、この3人は昨日の直哉とベロニカの会話を偶然?アリサが傍受し、デートの尾行をしているのであった。

 

2人+3人はデパートにある水着コーナーにいた。

直哉「じゃあ、俺はここで待っているから、好きなの選んでこいよ」

ベロニカ「え!」

直哉「流石に不味いだろ」

ベロニカ「そ、そんな事」

「そうですよ!折角彼氏さんが居るんですから。ぜひ!彼女さんの水着を選んであげてくださいよ!」

直哉「いゃ、俺は」

ベロニカ「そ、そうなんですよ!実は彼シャイなのでこう言う場所は初めてで、ほら行くよ」

直哉「ちょっと!ベロニカ!」

 

ベロニカは、直哉の手を握りズンズンと店内に入って行った。その時の顔は真っ赤でニヤけていた。

そして、直也の水着選びが始まった。まず、ベロニカが取ってきたのは青のセパレートタイプと黒のビキニタイプそして、何とスク水を持ってきた。

 

直哉「スク水とか、おかしいだろ!」

ベロニカ「いゃ、ネタかなって」

直哉「俺は、そこまで変態じゃあない!」

ベロニカ「わかったよ。で、どっちにする///」

直哉「どっちって言ってもなぁ~」

 

一瞬、直哉の目がビキニに行き、それをベロニカが見過ごす訳なかった。

ベロニカ「…スケベ///」

直哉「何がだよ!」

ベロニカ「何でもない。それじゃぁ着替えてくる。…逃げるなよ」

直哉「逃げなよ」

 

試着室のカーテンが閉まり、服を脱ぐ音がする。それを聞くと直哉のSAN値が下がりそうになってきたが、理性が総動員して止めていた。そして、カーテンが開くと

 

ベロニカ「…どうよ///」

 

そこにはケイにも引けに劣らない女神がいた。余りの美しさに言葉を失ってしまった。

直哉「すごい、似合ってるよ」

ベロニカ「…ありがとう///」

少し照れ気味だったが、喜んで貰えた。そして、ベロニカは会計レジに持っていき戻ってきた。

 

直哉「じゃあ行くか」

ベロニカ「直哉の水着は?」

直哉「俺はもうあるから大丈夫だよ」

ベロニカ「そっか、ご飯どうする?」

直哉「どうしょうかなぁ」

ベロニカ「…あ、あのさぁ、実は」

 

そう言って、ベロニカは持ってきたバスケットをおずおずと出てきた。

ベロニカ「作ってきたんだけど、食べるか?」

直哉「お、おう///」

ベロニカ「じゃあ屋上に行こうか」

 

ケイ「…これで直哉おにいはメロメロ」

ナオミ「私はこれにしょうかな」

アリサ「これでいいか…」

 

後ろ3人のやり取りを無視して、2人で屋上に行くのであった。屋上は解放されており多くの家族連れやカップルでいっぱいだった。そんな中2人で座れる場所を探していた。

 そして、見つけるとベロニカは持ってきたバケットを開けた。中には美味しそうなサンドイッチが敷き詰められていた。

 

直哉「美味しそうだな!いただきます~!ハム、うん!美味い!」

ベロニカ「そ、そうか///良かった」

直哉「特にこのBLTサンドが絶品だな」

ベロニカ「それは、私が作ったんだ///」

直哉「そうなのか!?お店に出せるレベルだぞ」

ベロニカ「そうか。なら頑張ってみようかな」

 

 そう言って、昼食は過ぎて行った。なお、3人は売店で買ってきたサンドイッチを食べていた。辺りが夕焼けになって来た。そろそろ帰る時だった…

 

直哉「そろそろ帰るか。明日もあるからね」

ベロニカ「あ、あのさ///」

直哉「ん?どうした?」

ベロニカ「その、直哉に話しておきたい事があるんだ」

直哉「…なんだい」

 

 ベロニカは、小さく深呼吸を何度も行い気持ちを落ち着かせてきた。そして決心したような顔でこう告げた。

 

ベロニカ「あ、アタシ直哉のことが…好きなんだ!///」

直哉「え///」

ベロニカ「だから、アタシと付き合ってくれ!」

直哉「ベロニカ…」

ベロニカ「最初は、うざくてなんでアタシなんかに構ってくるんだと思っていた。けど、触れ合ううちに安心してきたんだ。それにケイと話している時に胸の辺りが苦しくなってきた。なんでアタシには、あの笑顔が向かないのか。アタシだけを見て欲しかった。そんな気持ちが多くなってきたんだ」

直哉「…」

ベロニカ「おかしいよな。あれだけ邪険にして来たのに都合がいい時だけ、こんな事言うんだもん」

直哉「そんなことないよ」

 

 気が付けば直哉はベロニカの手を取っていた。

直哉「ありがとう。ベロニカの気持ちとても嬉しかったよ。だから、今度は俺の気持ちを聞いて欲しい」

ベロニカ「う、うん///」

 

 そして、ベロニカに返信する代わりに直哉は話し始めた。

直哉「確かに最初はツンツンしていたね。けど、過ごしている内に仲間想いで勇敢で、時には大胆な性格だなと思ったよ」

ベロニカ「も、もうバカ///」

直哉「そんな時思ったんだ。ベロニカには仲間たちが、ケイ達がいるってこと。そして、その中には俺は居られない」

ベロニカ「え…」

 

 

 

直哉「ベロニカには先に話しておくよ。俺、来週から本土に戻らないといけないんだ…」

 

 

 

ベロニカ「う、噓でしょ…」

直哉「…本当なんだ。社会人にはどうしても逆らえない時がある」

ベロニカ「…そっか。けど、アタシの事は嫌いじゃないんだよね」

直哉「それは…もちろんだよ」

ベロニカ「なら…許してあげる。その代わり…」

 

 そう言って、ベロニカは不敵な笑みを浮かべて直哉に近づいてきた。そして…

 

ベロニカ「アタシの事忘れさせないでア・ゲ・ル///」

直哉「な、なに…ん!」

 

 それは、最初で最後のキスだった。頬ではなく互いの唇が0距離になるくらい熱く、濃厚でベロニカにとっても直哉にとっても初めての出来事だった。(なお、直哉はダージリンとアッサムがキスして来たことは覚えてません)

 

時間にして数十秒だったが、直哉には数年分の長さであった。

直哉「な、な、な、ベロニカ!」

ベロニカ「アタシだって、負けたくないもの。特にそこにいる3人にはね///」

直哉「え?」

ケイ「な~お~や~お~に~い~」

直哉「ひ!」

ナオミ「ひどいな、私とは遊びだったんだね…」

直哉「いや、そもそもナオミ達とは付き合ってないし…」

アリサ「…最低」

直哉「ちょっと!」

ベロニカ「アハハハハハハハ!」

直哉「笑ってないで手伝ってよ!ベロニカ!」

 

 そんな状態で、いよいよ明日!運命の海水浴デートである。果たして直哉の運命はいかに…

 





次回でサンダース学園編最後になります!

次は何処に行くのでしょうか…

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第三十五話 デートと別れ

とあるPです。

かれこれ1ヶ月投稿が遅れて申し訳ありませんでした。

今後は早めに投稿出来るようにします!

それと今回でサンダース学園編が終了します!

それでは本編をどうぞ!


絶好のデート日和となり、直哉はプールがある施設の前で待っていた。そこに、4人の姿が現れた。

直哉「おはよう」

ケイ「おはよう~直哉おにぃ~」ダキ

ナオミ「おはよう」

アリサ「おはようございます」

ベロニカ「…おはよう///」

 

 ケイが抱き着いてきたのは相変わらずなので諦めていた。4人揃ったところで、プールに入り更衣室の前で別れた。

 先に出てきた直哉は近くの店でパラソルやシートを借りてケイ達を待っていた。そこに、水着に着替えてきた4人が現れた。

『お待たせ~』

直哉「遅いぞ…」

 

 ケイ達の水着姿に言葉を失った。

 

ケイ「どう?似合っている?」

先ずはケイ。星条旗をモチーフにしたビキニ水着に、きめ細かくかつこれでもかと主張している胸が印象的な格好だった。ホットパンツから覗かせている太股が魅力的だった。

 

ナオミ「どうかな?言ってくれないと恥ずかしい///」

次にナオミ。黒のビキニでケイほどではないが、スレンダーで均等の取れたボディーラインをしていた。ショートカットでありながら何処か男心をくすぐる仕草をしていた。

 

アリサ「…何よ///」

 そして、アリサ。可愛いらしいピンク色のフリル水着を着ており、ちょっぴり恥ずかしそうにしており、顔を赤く染めていた。いつも通りに振る舞っているが、同級生というよりは妹と言う言葉がしっくりくる。

 

ベロニカ「…えっち///」

 最後にベロニカ。昨日買った黒のビキニを着ていた。ナオミと同じだがこちらは、大きな胸がはち切れんばかりの状態であった。思わず唾を飲んでしまったのを気づかれないように平常心をしていた。

 

直哉「みんな凄く似合っているよ」

ケイ「え~ホントに?」ダキ

直哉「ちょっと!ケイ抱き着くなよ」

ケイ「そんな事言って嬉しいくせに~」

直哉「そ、そ、そ、そんなことないよ」

ベロニカ「む~」

直哉「どうした?ベロニカ」

ベロニカ「…ん///」ダキ

直哉「ベロニカさん!」

ナオミ「お~!あのベロニカまでも抱き着くとはね。さて、両腕が無くなったから何処に抱き着こうかねアリサ?」

アリサ「ふぇ!///べ、別にそんな事考えてはないわよ!」

ナオミ「そうかい。なら、私は背中でも行こうかね」

直哉「ナオミ!よかった、助けてくれ!」

ナオミ「それは、聞けない願いだね」ダキ

直哉「ナオミも~!」

 

こうして、3人からの熱い?ハグが終わったところで、これからどうするか決めていた。それにより直哉とケイ、ベロニカはビーチバレーを、ナオミとアリサは流れるプールで遊ぶことになった。

 ひとしきり遊んだ後で、昼食にした。5人で囲んで楽しい時間を過ごした。

 

 閉園時間も迫った時、ベロニカが「観覧車に乗りたいと」と言い出したので、直哉+4人ずつで乗ることになった。壮絶なじゃんけん大会により、順番はケイ→ベロニカ→アリサ→ナオミとなった。

 

最初にケイと乗ることになった。いつもよりも若干照れていた。

ケイ「お邪魔しま~す」

直哉「どうした?いつものケイらしくないぞ」

ケイ「あはは…何だか緊張しちゃって///」

直哉「そうか?」

ケイ「…うん///」

 

 動き出しても、中々話し出さない。痺れを切らした直哉はケイの隣に来て話し始めた。

ケイ「ちょっ、ちょっと!」

直哉「…うるさい///」

ケイ「うん///」

直哉「思えば、この学校に来て楽しいことばかりだったな」

ケイ「そうだったね」

直哉「ケイはちゃんと隊長していたし、他の子達の手本になる様にしていたからな…」

ケイ「そりゃあ、みんなの前では頼れるお姉さんでいたいからね」

直哉「アハハ!確かに!」

ケイ「もう!笑わないでよ」

 

 お互い変な雰囲気もなくなり、いつも通りの2人に戻っていた。そして、あと少しで終わろうとした時である。

 

ケイ「あのね、直哉おにぃ。話しがあるの」

直哉「なんだい?」

 

 ケイは少し深呼吸し落ち着かせた。そして…

ケイ「直哉おにぃ…いいえ、直哉!私はあなたの事が好きです!」

直哉「…」

ケイ「子供の頃から、ううん、あの時助けて貰った時から好きだった。だから、付き合ってください!」

 

 顔が真っ赤になるくらい恥ずかしい思いをして、ケイは告白してきた。直ぐにでも返事をしたかった直哉であった。

直哉「ケイ、ありがとう。けど…」

ケイ「分かっているよ。直ぐに答えを出さなくてもね」

直哉「すまない」

ケイ「なら、今はこれで我慢してあげる」

直哉「え?…ん!」

ケイ「ん!」

 

 ドアが開く瞬間に、ケイがキスして来たのだ。これには、直哉はあっけに取られて反応出来なかった。

ケイ「あとでちゃんと答え聞かせてよ!」

 

 それを見て入れ違いに入って来た、ベロニカはむすっとしていた。

 

 次はベロニカの番なのだが、先ほどのケイとのやり取りを見て少々ごきげん斜めのようだ。

直哉「あの~ベロニカさん」

ベロニカ「…何よ」

直哉「ハァ~」

 

 入って来るなり、直哉から離れようとせず、ずっと右腕に抱き着いていた。

ベロニカ「…」

直哉「…」

 

 しかし、右腕から聞こえてくる心音はとても心地よい音色であった。

ベロニカ「…ねぇ」

直哉「うん?」

ベロニカ「…いつ帰るの?」

直哉「来週の火曜日には、本土に入る」

ベロニカ「…そっか」

直哉「うん…」

ベロニカ「…ぜったい」

直哉「うん?」

ベロニカ「…絶対帰って来なさいよ///」

直哉「分かった」

 

 それ以上言わずに2人は下に着くまで抱き合っていた。

 

 そして、アリサと乗っていたが互いに話さず窓の外に映っている街並みを見ていた。しかし、ここで思いもよらないハプニングが発生した。それは、あと少しで着く時だった。

 

『ガクン!』

 

アリサ「え!なによ!」

『只今機械故障により、一次停止をしております。お客様には申し訳ありませんが、今しばらくお待ちください』

 

アリサ「何よそれ!」

直哉「落ち着けアリサ」

アリサ「落ち着いていられるわけないでしょ!もし落ちたりしたらどうするのよ!」

 

 アリサは軽いパニック状態に陥っており、少し揺れていた。これではマズイと思った直哉はある行動に出た。

直哉「アリサ!」ダキ

アリサ「ふぇ!な、な、な何しているのよ!

直哉「その時は、俺が全力で守るから!だから、今は落ち着け!」

アリサ「う、うん///」

 

 ある程度揺れが収まってアリサも落ち着いていた。

直哉「落ち着いたか?」

アリサ「うん」

直哉「なら、よかった」

アリサ「…ねぇ、なんでアンタはここまでしてくれるの?」

直哉「何が?」

アリサ「私とアンタはあくまでも仮の恋人関係なのよ。こんなに優しくしても意味ないでしょ…」

直哉「そうだな…」

アリサ「でしょ。だから「けど!」え?」

直哉「それだけで、アリサを突き放す理由にはならない。それに、そんなアリサも可愛いと思っている」

アリサ「…バカ///」

 

直哉とアリサは、下に着くまでお互い抱き合っていた。そして、ナオミと入れ替わり最後の観覧車となった。

 

ナオミ「アンタを見ていると、初めて会った時を思い出すよ」

直哉「確か、ファイヤフライで故障した時だよな」

ナオミ「あの時は、自車の故障も見抜けないほど焦っていたからな」

直哉「けど、こっちはいい仕事ができた。感謝している」

ナオミ「そうかい。確かにあれで直哉の腕は確かだったと思い知らされたよ」

直哉「良かったよ」

ナオミ「…ねぇ教えて欲しい。どうして直哉は整備士になろうとしたの?」

直哉「一番は、親父の影響かな。優秀な整備士でいい仕事をしている。だから、俺も整備士になろうと決めた。あとは、機械いじりが好きだった」

ナオミ「そっか」

 ナオミがそう言って、直哉の隣に来て、腕を絡ませて来た。

 

直哉「な、ナオミ!?」

ナオミ「なら、私は直哉の好きなことをもっと知りたい。だから、いつまでもそばにいさせてくれ」

直哉「…直ぐには答えは出せない」

ナオミ「それでもいいよ。待っている///」

 

 そう言って、指でピストルを作ってバーンと撃った。

 

みんなとの観覧車デートを終えた直哉は、どうやって打ち明けようかと考えていた。そして、近くに公園があることを知った直哉は「ちょっと話さないか?」と皆に提案した。

 

ケイ「話って何かな?」

直哉「実はみんなに黙っていた事がある…」

 

 その一言で、皆の顔つきが変わった。1人先に知っていたベロニカは不安があった。

 

直哉「実は、明後日に本土に帰らなければならない。だから、「知っているよ」え…」

ケイ「だって、直哉の顔を見ればね…」

ナオミ「ああ、それに私たちの告白をあれだけ断っておいて何かあると思っていたからね」

アリサ「と、当然私は知っていたけどね」

ベロニカ「あれ~昨日私の所に泣きながら「直哉さんのこと教えて~」って言ってきたのはどこの誰かな~」

アリサ「な、な、な、何を言っているのかしら…」

 

直哉「そっか」

 

 直哉としては、拍子抜けした部分もあるが結果的に、彼女たちを傷つけることは無くなった。

 

ケイ「けど、聞き捨てならない事があったね~ナオミ~」

ナオミ「…何のことかな?」

ケイ「さっき、「私たちの告白を断っておいて」って。もしかしてナオミも告白したの?」

ナオミ「…ああ、した」

ケイ「へ~あのナオミがね~」

ナオミ「なにかな…」

ケイ「べ~つ~に~」

直哉「そういう事だから、皆の告白は嬉しかったよ。けど、俺は本土に帰るし、まだまだ修行中だから特定の人と付き合うことはできない。それに、皆の事は妹の様に思えてしまってね…だから、一人前の整備士になった時にちゃんと答えを出すよ。それまで待ってくれるかい?」

 

 そう言って、4人を見渡した。みな、暗い表情をせず頷いた。そして、

ケイ「なら、答えは決まっているわ」

ベロニカ「ええ、ケイに言われるのは癪だけど」

ナオミ「ああ、こればっかりはケイに感謝だね」

アリサ「なら、答えは決まっているわ!」

 

そう言って、ケイはアイコンタクトをして

 『直哉!私たちの兄さんになってくれ(ください)!』

 

直哉「え?」

ケイ「ええ、私たちを妹として見ているのであれば、兄の方がいいと思ってね」

ナオミ「それに、年齢的にも直哉は年上だしね」

ベロニカ「それよりも、「お兄ちゃん」の方が良かったかしら?」

アリサ「へ、変態!」

直哉「そんな事ない!けど、兄としてなら大賛成だよ」

 

 4人は一斉に直哉に飛び付いて喜びを分かち合った。しかし、

 

直哉「これでまた、妹が増えてしまったな」

ケイ「どういうこと?」

直哉「いや、ダージリン達にも同じことを言われてね」

ケイ「へ~ソウナンダ」

 

 その瞬間、ケイの目からハイライトが消えた。そして、「ドウイウコトカセツメイシテ」と脅されながら5人一緒に帰った。そして、次の日。

 

直哉「短い間ですがお世話になりました。ここでの思い出は忘れません」

 今日は、体育館を貸し切って直哉の送別会を行った。そこには、昨日の4人、戦車道のメンバー、心を入れ替えたタカシの姿があった。

 

 「それでは、皆さんで直哉さんを送ってあげましょう」と教師が言って、直哉が体育館から出ようとした時である。突然、ケイがみんなに合図を送り…

 

ケイ「それじゃあみんな!せーのっ!」

 

『元気でね~お兄ちゃん~~』

 

 全校生徒から「お兄ちゃん」コールを聞きながら直哉は恥ずかしながら、体育館とサンダース学園を去って行った。

 




と言うことで、サンダース学園編終わりました。

初オリキャラの口調や性格に悩みましたがいかがでしょうか。

次回からは、アンツィオ高校編になります。

感想・評価・誤字報告お待ちしております。


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第四章~アンツィオ高校~
第三十六話 アンツィオ高校へ


とあるPです。

久しぶりにガルパン投稿になります。一ヶ月間も遅れて申し訳ございませんでした。

今回からアンツィオ高校編です。

それでは本編へどうぞ!


天高く馬肥ゆる秋。整備部の部屋から見える木々も新緑から紅葉へと変化している。今日も直哉は書類作業におわれていた。

 

直哉「たっく、佳代子さんには困ったもんだよな。自分の仕事ほったらかしして、何処かに行くんだもん」

彩華「仕方ないですよ。噂だと藤田部長に呼ばれたらいしいですから」

直哉「そうですけど…」

 

そこに、勢い良くドアを開けて法子と佳代子が現れた。どうやら本当に法子に呼ばれて居たらしい。

法子「お疲れ様。直哉君、彩華」

直哉「お疲れ様です部長」

佳代子「あ~疲れた~なおっち~肩揉んで~」

直哉「嫌ですよ。こっちは佳代子さんの仕事してるので手が塞がっているので」

佳代子「そんな事言わないでさぁ~。お姉さんの肩もみ放題なのよ~」

 

一瞬ドキッとした。確かに普段からかって来る佳代子の肩を揉むことが出来るのだ。

しかし、彼女達のことを考えるど邪な気持ちは無くなった。

直哉「結構です!」

佳代子「え~なおっちのいじわる~」

法子「諦めて佳代子は仕事としなさい」

佳代子「は~い」

法子「それと、直哉君話しがあるのだけどいいかしら?」

直哉「はい。大丈夫です」

 

そう言って法子は、直哉を自分のデスクに呼び出した。

法子「話しってのは、次の転校先だけどね、『アンツィオ高校』に言って欲しいのよ」

直哉「アンツィオですか?けど、あそこは戦車道はありませんでしたよね?」

法子「それが、最近設立されて去年の大会では2回戦まで進んだのよ。まぁ大洗に負けてしまったけどね」

直哉「そうだったんですか」

法子「そこで、アンツィオ高校の車両整備と技術を教えて来て欲しいのよ」

直哉「わかりました」

法子「今回は佳代子を連れて行っていいからね」

直哉「はい」

佳代子「部長!今回は行ってもいいんですか?」

法子「ええ、直哉君の足を引っ張らないでね」

佳代子「引っ張ること前提なのね…」

直哉「あはは…」

法子「これが、相手先高校の戦車道メンバーよ」

 

 

次の転校先がアンツィオ高校に決まり、メンバーを確認しているとそこに見知った顔がいた。

 

直哉「安斎千代美…ちょちゃんか」

佳代子「知り合い?」

直哉「ええ、昔一緒に遊んだ子なんですよ」

佳代子「へぇ~」

直哉「…なんですか?」

佳代子「べつに~」

直哉「言っておきますけど、彼女とは子供の頃に会って以来連絡を取ってないですからね」

佳代子「はい、はい。わかっているから」

直哉「むぅ~」

法子「それで、出発だけど次の学園艦の入港日が来週なのよ。それまでに準備しておいてね」

直哉・佳代子『わかりました!』

 

そして、仕事が終わり自宅に帰ると両親の他に女の子の靴が2つ置いてあった。

直哉「ただいま~」

昭人・綾子『おかえり~』

直哉「父さん、母さん、玄関に置いてあった靴ってだれの?」

昭人「実はな、『直哉お兄ちゃん(お兄様)!』こら、隠れていなさいと言っていただろ」

綾子「そうよ、茉莉(まり)、香織(かおり)」

茉莉「えー!だって早く会いたかったんだもん」

香織「そうですね。私も直哉お兄様に会いたかったですのでつい、茉莉と一緒に出てきてしまいました」

直哉「え~とこの子達は?」

昭人「丁度夕ご飯も出来たところだ、食べながら話そう」

綾子「ええ、そうね。今日は直哉が好きなかぼちゃの煮物よ」

 

直哉を含めた5人で夕食を食べ終わった後、昭人と綾子から話しかけてきた。

 

直哉「それで、説明してもらおうか」

昭人「そう怒るな、俺も母さんも直哉に、話していなかったことは悪かったと思っているよ」

綾子「ええ、そうよ。だから今は私達の話しを聞いてちょうだい」

直哉「…わかったよ」

 

そう言って、昭人がこれまでの経緯を話し始めた。

昭人「直哉がサンダース学園へ短期転校した時にな、俺の教え子である夫婦の親から連絡があってな」

綾子「その夫婦には、2人の娘さんがいたのよ。けど…」

 

一瞬綾子は茉莉と香織の2人を見た。2人共不安そうな顔をしていなかった。

綾子「けど、その夫婦が同時に事故で亡くなってね。この2人は行き場を失ったのよ」

直哉「……」

昭人「その夫婦は親戚一同から嫌われていてな。どこも引き取り手がいなかった」

直哉「その夫婦の親はどうだったんだ?」

綾子「勿論、言ったわ。「引き取ってもらえないか?と、けど…」

昭人「両親とも高齢でこれから2人を養っていく力がないって言ってきてな、最悪孤児院に入ることになってしまうんだ」

直哉「…そこで、昔馴染みの父さん達に話しをして来たと」

昭人「ああ、そうだ。幸いこの子達に遺産が入る様に事前にしていたから、ある程度は手がかからない」

綾子「そうね、それに直哉は一人っ子だから妹がいた方がいいかなって「冗談じゃない!」直哉…」

直哉「こっちは必死に働いているのに、何も相談しないで勝手に話しを進めて電話の一つ位入れたらどうなんだよ!」

昭人「すまない」

綾子「ごめんなさい」

香織「私達からもごめんなさい」

茉莉「ごめんなさい…」

 

どうやら、さっきの一言で皆反省しているようだった。しかも4人から謝られた悪者扱いで、実に気分がいいものではない。直哉は諦めることにした。

 

直哉「…はぁ~わかったよ」

昭人「じゃあ!」

直哉「ああ、但し俺は仕事が忙しいから、あんまり家に居ないけど、それでもいいなら受け入れるよ」

茉莉・香織『ありがとう!お兄ちゃん!(お兄様!)』

直哉「おわ!」

 

急に飛びついて来た2人を直哉は受け止めることが出来た。

茉莉「じゃあ、自己紹介しないとね!初めまして、土門茉莉って言います!歳は15歳。よろしくね直哉お兄ちゃん!」

 

こげ茶色より少し赤みかかった髪をショートカットで、直哉より背は低く紅い瞳の茉莉。他の同年代よりもりやや発育した体つきで何処かみほを思い出す。

 

香織「土門香織と申します。歳は16歳で茉莉の姉に当たります。どうかよろしくお願い致しますね。直哉お兄様」

 

青みがかった髪に肩までかかる長さをポニーテールにしており、茉莉より背が高く蒼い瞳の香織。体つきはとてもよく、女優並みのスタイルを持ち、華を思い出す。

 

直哉「土門直哉だ。よろしく」

 

そう言って、2人と握手した。この瞬間、直哉に少し歳の離れた妹2人が出来た。

 

 

そして、アンツィオ高校への入港日がいよいよ明日となった日の夜。直哉の部屋に茉莉と香織が現れた。

 

直哉「茉莉と香織じゃあないか?どうしたんだ?」

茉莉「うん!直哉お兄ちゃんにこれを渡そうと思ってね」

香織「私と茉莉で作りました。どうか受け取ってください」

 

そこには、千羽鶴ならぬ百羽鶴を受け取って喜ぶ直哉であった。

直哉「ありがとうな」

茉莉「ううん!元気で行ってきてねお兄ちゃん!」

香織「どうか、お体ご自愛下さい」

直哉「わかったよ」

 

そして、翌日。アンツィオ高校へ出発するのであった。港で佳代子と出会いアンツィオ高校へと船は向かうのであった。

 

【アンツィオ高校】

イタリアの空母「アクイラ」を模様した学園艦。本拠地の栃木県には海がないため、静岡県の清水港を母港代わりに借りている。その為、静岡県や愛知県から越境入学している生徒が多い。

学園艦施設にはスペイン階段風階段、三神変形合体教会、トレヴィーノの泉など、イタリアにあるそれっぽい建造物が揃い、テーマパークみたいになっているため観光客からの人気は高い。

しかし、艦内が、地味なため生徒からの評判はイマイチ。他にも日伊友好の記念として贈られたポンペイの巨大宮殿の石柱(本物)やパンテオン(イライラした時に思いっきり叫ぶ用、オペラ上演もやる)やコロッセオ(戦車道訓練場兼運動場兼舞台兼お祭り広場)もあり、街並みもローマのそれなため、学園長曰く「ローマよりもローマ」とのこと。

 

アンツィオ高校へ入った時大音量でナポリ音楽の『フニクリ・フニクラ』が聞こえて来た。よく見ると大弾幕で「土門直哉さんようこそアンツィオ高校へ」と書かれていた。

 

佳代子「モテモテだね~」

直哉「勘弁してください…」

???「ようこそアンツィオ高校へ私が総帥(ドゥーチェ)のアンチョビだ!」

???「いらっしゃいませ。副長のカルパッチョです」

???「同じく副長のペパロニだ。よろしくッス」

直哉「戦車道連盟・整備部の土門直哉です」

佳代子「同じく整備部の皆川佳代子です。よろしくお願いします」

アンチョビ「久しぶりだな~直哉兄さん」

直哉「久しぶりだね。ちょちゃん」

アンチョビ「よしてくれ///ここでは、ドゥーチェで頼む」

直哉「わかったよ、ドゥーチェアンチョビ」

アンチョビ「///」

ペパロニ「どうしたんすかね?アンチョビ姉さん」

カルパッチョ「もしかしたら、前に言っていたは「ワーワー!」」

「それよりも、姉さん達もう行ってもいいっすか?」

「アタシら腹減ってもう我慢出来ないっすよ!」

カルパッチョ「そうね。それじゃあ始めましょうか。直哉さんと佳代子さんの歓迎会を!」

 

 

そう言って、アンツィオ高校の各地で屋台や露店が並び始めた。パスタ、ジェラート、ピザなどイタリア料理が所狭しと並んでいた。

 

直哉「今日はお祭りでもあるのかい?」

アンチョビ「いや、今日は直哉兄さんと佳代子さんの歓迎会だからな!」

カルパッチョ「アンツィオ高校では、おもてなしするのが一番の楽しみですからね」

ペパロニ「そうっすよ!直哉兄貴!」

直哉「あ、兄貴?」

ペパロニ「そうっす!アンチョビ姉さんのお兄さんだから兄貴っすよ!」

直哉「そ、そうなんだ」

ペパロニ「そっす!」

 

 

そう言っているペパロニはコックスーツを身に纏い熱々の鉄板の前に立っていた。そして、料理をし始めた。

 

ペパロニ「それじゃあ、絶品の鉄板ナポリタンをお届けするっすよ!」

ペパロニ「まず、パスタは普通に茹でます。

野菜、ベーコンを炒めま~す。

そこに茹で上がったパスタを入れま~す。

トマトケチャップもケチケチしなーい!

はい!ナポリタンの完成~で終わらないのがアンツィオ流!

そして、オリーブオイルはケチケチしなーい。

具は肉から火を通す~

玉子をトロトロになるまで火を通す

トマトペーストを混ぜる~

それをかければ…はい!アンツィオ高校名物鉄板ナポリタンの完成~!」

直哉「とてもうまそうだね!いくらだい?」

ペパロニ「しめて300万リラっすよ!!」

直哉「さ、300万!?」

ペパロニ「え、300円っすよ。このネタ通じないかな~」

直哉「ああ、300円ね。それにしても安くない?」

「大丈夫っすよ!」

「アンツィオ高校じゃあいつもお祭りしてますからね」

直哉「そうかい?ならそれで」

佳代子「じゃあ、あたしもお願いできる?」

ペパロニ「はいよ~鉄板ナポリタン2丁~」

 

絶品の鉄板ナポリタンに舌鼓し、その日は戦車道の練習がないため解散となった。そして、夜アンチョビは自室である手紙を見ていた。

 

アンチョビ「また、直哉兄さんと会える日が来るなんてな…」

 

  その手紙には一枚の写真が写っていた。緑髪のアンチョビと直哉が肩を組んで写っていた。

 

アンチョビ「あの時の想い。絶対に伝えてやる。そして、直哉兄さんの彼女になりたいな~いや!なる!」

 

決意を新たに、アンツィオ高校での夜が更けって行った。

 




アンツィオ編スタートなのでこれくらいですかね。
あと、またオリキャラ出ましたね。ちょっと強引だった気がしますがいいよね!

それと、副業がこれから立て込むので、投稿が遅くなります。プラウダ高校に入れるのは年明けごろには出したいと思います!


感想・評価・誤字報告お待ちしております。


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第三十七話 アンチョビの昔話

とあるPです。

先ずは謝らせてください。長い間投稿が遅れて申し訳ありませんでした!(ジャンピング土下座)

言い訳をすると、リハビリと称して他の作品を書いてました…

こんな私の作品でも見てくれると幸いです。

それでは本編どうぞ!


第37話 

 

アンツィオ高校に来てから1週間がたった。戦車道履修者は良く動いてくれるからとても、助かっている。そんな中でも良く動いていたのが、カルパッチョとペパロニの副隊長であった。

 

アンチョビを中心にカルパッチョとペパロニの2人が後輩たちを、動かしていた。最も、感覚で動くペパロニに対してカルパッチョは2手、3手考えてから動く。まさに、静と動の2人であった。

 

そんな2人からある相談を受けていた。それは、直哉が昼飯を食べていた時である。

カルパッチョ「直哉さん。ちょっと聞いてもいいですか?」

直哉「俺にわかることであればいいよ」

ペパロニ「じゃあ、アンチョビ姉さんとはどんな関係だったんっすか?」

直哉「俺とちよちゃん?」

ペパロニ「そうッス!」

カルパッチョ「何だか総帥に聞いても、上手くはぐらかされてまともな答えが出ないんですよ」

直哉「ああ、そういうことか」

ペパロニ「そうッスよ~だから、教えてほっしいッス」

直哉「そうだな…あれは俺がまだ小さい頃の話しなんだけどな…」

 

 

そう言って、直哉は昔話を始めた。

 

 

~直哉side~

 

あれは、俺が長崎から静岡に転校した時だった。当時は転校したてだったから友達と呼べる子もいない中でクラスでひときわ目立っていた子がいたんだよ。その子は友達がいなかった俺に対して嫌な顔せず接してくれたよ。

 

千代美「安斎千代美だ!」

直哉「…土門直哉です」

 

最初は戸惑っていた俺だが、次第にちよちゃんの人徳の深さに惹かれていったよ。彼女は凄いカリスマ性を持っておりクラスの中心的な役割をしていたよ。

 

そんな彼女に俺は憧れを抱いていた。時折ちよちゃんやクラスメイトと一緒に昼飯を食べる機会があったんだ。その時によく聞かれるのは、「直哉君と千代美ちゃんって仲良いよね」が大半だったかなぁ

 

そんなのが半年間も続いたある日の事だった。その日は珍しく両親が居なくて家に1人だった時だ。突然家のチャイムが鳴ったんだ。

 

直哉「はーい?」

千代美「直哉兄さん遊びに来たぞ!」

直哉「千代美ちゃん?」

「私達もいるよ!」

「オッス!」

 

そこには、ちよちゃんと数名のクラスメイトが居てね。聞いたところ、俺の両親が飽きないようにちよちゃんの両親に連絡したらしい。それを聞きつけた他のクラスメイトが遊びに来たというわけだ。

 

 お昼ご飯を食べ終わった後で皆で何て遊ぶ事になって何で遊ぼうか考えていた時だよ。クラスメイトの1人が「かくれんぼしたい!」って言うからそれになったんだ。

 じゃんけんの結果クラスメイトの1人が鬼となって、俺とちよちゃんは隠れる事になったんだ。隠れる場所は俺の寝室のタンスにしたけど、ちょっとした事件が起きてね…

 

直哉「ここなら見つからないよ」

千代美「う、うん…」

直哉「どうしたの?千代美ちゃん?」

千代美「い、いや!ダイジョウブデスヨ」

直哉「もしかして千代美ちゃんって…狭い所苦手?」

千代美「…う!」

直哉「そうなんだ」

千代美「あ、あ!そうだよ!悪いか!」

直哉「そんな事ないよ。俺だって苦手なものもあるし」

千代美「例えば?」

直哉「そうだなぁ…刺身とか」

千代美「直哉兄さん…人生の半分損しているぞ」

直哉「別に食べれなくても、いいだろう」

千代美「そうだけどさぁ~」ガタ

直哉・千代美『!』

「ここかなぁ~」

 

 鬼に見つからないように俺とちよちゃんは抱き合った。そして、離れるまでそっとしておいた。やがて離れて行ったので離れようとしたら急にちよちゃんがこんな事を言ってきたんだよ。

 

千代美「なぁ直哉兄さん…」

直哉「うん?どうしたんだい?」

千代美「もう1つ苦手なものがあるんだ…」

直哉「何だい?」

千代美「…大好きな人が居なくなること」

直哉「え?」

千代美「直哉兄さん…私は兄さんが「めっけ!」あ!」

「やっと見つけたよ~」

直哉「そんなにかかった?」

「そうだよ。外見てみてよ~」

直哉「うわ!もう真っ黒だ…」

 

 その時は冬で時間が経つのが早くてね昼間から始めたかくれんぼでかなりの時間が経っていたんだ。だから結構いい時間帯たっだな。

 

直哉「どうしたの?千代美ちゃん?」

千代美「…いや、なんでもない」

直哉「?」

 

 そう言って、少し残念そうだったから俺からある提案をしたんだよ。

直哉「そう?僕に出来る事だったら何でも言ってね」

千代美「…いいのか?」

直哉「うん!」

千代美「じゃあ…渾名で呼んで欲しい///」

直哉「え!?それでいいの?」

千代美「うん///」

直哉「わかったよ…なら、ちよちゃんは?」

千代美「ちよちゃん?」

直哉「う、うん?ダメかな?」

千代美「ちよちゃん…いい!いいよ!」

直哉「ホントに!なら宜しくねちよちゃん!」

千代美「ああ、直哉兄さん!」

 

 こうして、ちよちゃん呼びが出来たんだよ。

 

その後は、2人の時はちよちゃんで、皆が居るときは千代美ちゃんって呼んでたな。それで俺が転校する時になって2人で写真を撮って再開を約束したんだよ。

 

~直哉side out~

 

直哉「これが、俺とちよちゃんの昔話かな…ん?」

 

 直哉は周りの反応に困惑していた。カルパッチョはジト目で見ていたし、ペパロニは大笑い、他の生徒に至っては頬を赤くしていた。つまるところ微妙な空気に包まれていた。

 

直哉「どうした?」

カルパッチョ「…別に」

ペパロニ「アハハ!あの姉さんにそんな一面があったとは意外ッスね~」

直哉「だろ!あ、この話しは内緒な」

ペパロニ「あー…」

カルパッチョ「もう、遅いと思いますよ」

直哉「ん?」

 

 どうしてと思った直哉だが、背中から来る悪寒に身に覚えがあった。そして、後ろを振り向くとそこには…

直哉「あ、アンチョビ…」

アンチョビ「///」

 

 アンチョビが顔を真っ赤にしながら立っていた。どうやら話しの内容が後輩達に知られて照れているらしい。

 

直哉「あ~その、なんだ…」

アンチョビ「…さんの…」

直哉「うん?」

アンチョビ「直哉兄さんのバカーーーーーー!」

バチッン!

 

 その日、直哉の右頬に見事な紅葉が咲いたのは言うまでもない…

 




次回からはカルパッチョやペパロニも混ぜていきたいと思います。

感想・評価・誤字報告お待ちしております。


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第三十八話 副隊長たちの苦悩

第三話3回見ました!生フィルムはネタバレになるので言いませんが、とても良かったです!

久しぶりのガルパンです。待たせてしまった皆様には申し訳ございません。

それでは本編をどうぞ!!


 アンチョビから手痛い張り手を受けた直哉は自室で右頬を氷嚢で冷やしていた。そんな中ドアがノックされ副隊長のカルパッチョとペパロニの2人が入って来た。

 

コンコン

 

直哉「は~い。あれ?カルパッチョとペパロニじゃないか?」

カルパッチョ「夜分遅くすみません」

ペパロニ「こんばんはッス!」

直哉「ここじゃあなんだし、部屋にどうぞ」

 

 そう言って、直哉は部屋に案内した。そして、2人はこの部屋に来た理由を話し始めた。

 

直哉「それでどうして2人はここに来たんだ」

カルパッチョ「実は私達の事なのです」

直哉「と言うと?」

ペパロニ「来年はドゥーチェがいなくなったアンツィオ高校を引っ張れるかどうかわかんないッスよ…」

カルパッチョ「それで直哉さんに相談しようと思いまして…」

ペパロニ「教えてください!アタシらどうすればいいんッスか?」

直哉「う~ん」

 

 正直直哉は答えに迷った。言うのは簡単だ。

 

しかし、それでは彼女たちの力にはならい。だからあえて意地悪な回答をした。

 

直哉「そうだなぁ…わからん」

カルパッチョ・ペパロニ『え?』

直哉「そりゃあそうだ。君たちの事なんて君たちにしかわからないんだからね」

カルパッチョ「そうですよね」

ペパロニ「そうっすよね~」

直哉「一つ言えるのは、これからは君たちの戦車道なんだ。だから君たちで考えて行く必要があるかな?」

カルパッチョ「直哉さん///」

ペパロニ「いやぁカッコイイっすね!」

直哉「ありがとうね。ほら、もういい時間だ。早く寝ないと、明日に響くよ」

ペパロニ「そうっすね」

カルパッチョ「はい、わかりました」

 

とりあえず、2人はそれぞれの部屋に帰って行った。

 

明くる日。直哉はアンツィオ高校の戦車整備をする為に整備室に赴いた。すると既に10人くらいの人達が集まっており、作業を開始していた。

 

直哉「おはよう」

『おはようございます!』

直哉「君たちは戦車道部の子かな」

「はい!そうなんですよ!だから、練習前から整備してるんですよ」

直哉「そうか。なら、アンツィオ高校のレベルを見せてもらうかな?」

「了解ッス!行くぜ野郎ども!」

『オオー!』

 

 そして、アンツィオ高校の整備が始まった。彼女達はよく理解し、無駄なく作業をしていた。やはり良く被弾する箇所などを重点的に点検している。

 

直哉「凄いな。俺が教えることなどないかもしれないな」

「そんなことないっすよ。直哉さんが来てからみんないい刺激貰ってますからね」

「そうそう。それに、佳代子さんもみんなと一緒に遊んでいるからね」

 

そう言って、周りを見渡すと佳代子がいない事に気が付いた。佳代子の事だから、他の生徒達と整備をしていると思って気に留めなかった。

直哉「そう言えば、佳代子さんは?」

「佳代子さんは、新人達に教えているッス!」

「ここに居るのは来年卒業するメンバーだけだかね。直哉さんに見てもらいたくて、ここに来たんだよ」

「そそ、佳代子さんだとすぐ恋バナしかしないもんね」

直哉「佳代子さん…」

 

その後直哉は彼女達に更なるアドバイスを送ってその日は終わった。アンツィオ高校では戦車道の練習を偶にしかしない。理由は練習用の弾薬やオイルが足りていないとのことだった。

 

直哉はあてもなくアンツィオ高校内をさまよっていると、大きな建物に行きついた、そこには、誰もおらずシンと静まり返っていた。

そんな中に入っていくと、建物のベンチに座っているアンチョビと出会った。

直哉「アンチョビ?」

アンチョビ「あ、直哉兄さん」

直哉「どうしたんだい?こんな所で?」

アンチョビ「…別にいいだろう」

 

 そう言うと、アンチョビはふてぶてしくなった。どうやら昨日の事を根に持っているようだ。

 

直哉「悪かったって。機嫌直してくれよ」

アンチョビ「…フン!あんな秘密を言う直哉兄さんなんて嫌いだ」

直哉「そっか…それじゃあ俺は帰るよ」

アンチョビ「え!」

直哉「じゃあな、アンチョビ。暗くなる前に戻るんだぞ」

アンチョビ「ちょ、ちょっと待って!」

 

 そう言って、アンチョビは直哉の袖を掴んで離さない。それを見た直哉は(しょうがないな)と思うのであった。

 

結局2人してベンチに座って話すことにした。そこでは今までアンツィオ高校戦車道を支えてきたアンチョビならでわの苦労があった。

 

直哉「それで、ここはどんな建物なんだ?」

アンチョビ「ここはな、コ、コ、コなんちゃらって建物なんだ!」

直哉「コロッセオか?」

アンチョビ「そうだ!そうだ!」

直哉「その様子だとあんまり成績がいい方じゃないな…」

アンチョビ「う!仕方ないだろ…今は戦車道を立て直す事が忙しいんだから」

直哉「そうだったな…お前が卒業したら、ペパロニやカルパッチョが後を継ぐんだよな」

アンチョビ「ああ、あいつらは私が2年生のことろからの付き合いなんだぞ」

直哉「そうだな。どうだアイツらは?」

アンチョビ「そうだな。ペパロニは度胸がるがいかんせん頭がな…その分カルパッチョが補佐すれば問題ないだろう」

直哉「確かにな…2人で1人って感じがする」

アンチョビ「そうだろう!これで打倒大洗だ!」

直哉「期待しているぞ」

アンチョビ「意外だな。直哉兄さんだから、大洗が勝ってほしいと思っていたが」

直哉「俺は身内贔屓しないからな。それに、お前らが大洗に勝つ瞬間を見たいだけだ」

アンチョビ「そっか…なら、明日から気合い入れて練習しないとな!」

直哉「おう、期待してるぞ!」

 

そう言って、2人でコロッセオを後にするのであった…



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特別編
西住まほ生誕祭2020


今日は、まほ生誕というわけで特別なSSを書きました。


IFルートにしようかなと思いましたけど、それは別に書きたいと思います。


これは、直哉とまほが付き合って初めての誕生日を迎え日である。

 

直哉は、熊本にあるデパートにある広場に向かって走っていた。時刻は17時10分前待ち合わせの時間まではあと少しだった。

 

直哉「ハァ、ハァ、初デートが遅刻とかありえないだろ!ちょっと飛ばすか!」

 

そんなことを考えながら、直哉は約束の場所に走って行ったのであった。

 

直哉「まほ、好きだ!俺と付き合ってくれ!」

まほ「・・・はい!!」

 

 長年の夢が叶って、まほと直哉は正式に交際をスタートするのであった。周りからは祝福され、みほ

やしほも大いに喜んだ。そして、今日が付き合って最初のデートである。

 

直哉「ハァ、ハァとりあえず時間内には着いたかな?」

 

 汗を拭くと、時間は17時ジャストだった。直哉は目的の人物を探すのであった。しかし、どこを見渡しても、まほの姿はなかった。

 

直哉「時間は大丈夫だと思ったんだけ「だ、だ~れだ///」」

 

突然、直哉の視界が真っ暗になった。そして、直哉はこの声を知っている。少しいたずらをしてみようと思った。

 

直哉「そうだなぁ。まず背は俺より低い。」

???「それから?」

直哉「そして、普段は真面目だが、妹思いだ」

???「・・・うん」

直哉「容姿は茶髪でショートヘアーで目はきりっとかっこいい」

???「///」

直哉「そして、出るところは出でいるくらいのナイスバディ・・・痛い痛い!」

???「・・・ほぉ直哉はそんな風に見ていたんだな」

直哉「そして、一番大事なのは俺が一番惚れた大事な彼女ってことかな」

???「私も直哉のことが好きだぞ」

直哉「そう言うのは、正面からちゃんと言いたいな、まほ」

まほ「そうだな、直哉」

 

 そう言った2人は照れながらも向き合うのであった。

 

直哉「間に合ったか?」

まほ「まぁギリギリだな。次にしたら許さないからな」

直哉「わかってるよ」

まほ「それで、今日はどこに連れていってくれるんだ?」

直哉「とりあえず、名所を回ってみるか」

 

 そして、直哉は車をレンタルして2人の思い出がある場合を回った。そして、

 

直哉「最後はここだな!」

まほ「ここか・・・小学校以来だな」

 

 最後に選んだ場所は、『阿蘇ファームランド』であった。ここでは、園内に宿泊施設が増設されており泊まることが出来るのである。

しかし、西住家の人間が外泊も出来るわけでもなくそのまま解散となるであろう。そんなことを気にしていない直哉は夜の遊園地を楽しむのであった。

 そして、観覧車に乗り込む。対面に座っていた直哉はある決意を秘めていた。そうとも知らずに、まほは外の風景に夢中であった。

 

直哉「綺麗だな」

まほ「そうだな」

直哉・まほ『・・・』

 

 それっきり2人は黙ってしまった。先に沈黙を破たのは、まほであった。

 

まほ「今日はありがとう」

直哉「え?」

まほ「わざわざ誕生日にデートに誘ってくれて。とても嬉しかった」

直哉「そう言ってもらえると良かったよ」

まほ「来年からは、おいそれと出来ないからな・・・」

 

 まほは、来年から強化選手として、ドイツのニーダーゼクセン大学へ留学が決まっている。そう思うと直哉の決心が揺らいでしまう。

直哉(確かに、これをすれば、足かせになってしまう。けど、これを理由に逃げたくない。逃したくない)

 意を決して直哉は行動に出た。

 

直哉「なぁ、まほ」

まほ「どうした?」

直哉「少し、目を閉じていてくれないか?」

まほ「わかった」

 

 そう言ってまほは目を閉じた。そして、直哉はプレゼント渡した。

 

直哉「もういいよ」

まほ「・・・これは?ネックレスか?」

直哉「ああ、まほの誕生石で作ったネックレスだ」

 

 そこには、まほの誕生石であるルビーをあしらったネックレスがあった。そして、もう一つ渡した。

 

直哉「まほ、無事大学を卒業したら。俺と、俺と結婚してくれ!」

まほ「え!?」

ネックレスと一緒にあったのは、エンゲージリングだった。

 

 そこには、かつて兄と慕っていた直哉ではなく、1人の男性として好きになった土門直哉がいた。言葉の意味を今一度噛みしめていたまほの顔から、一筋の涙が流れた。

 

直哉「え!ちょ、ちょっとどうした!?」

まほ「すまん。嬉しすぎて泣いてしまった」

直哉「え?じゃあ?」

まほ「ああ、OKだ。こちらこそよろしくお願いします」

 

 そう言ってまほは、綺麗なお辞儀をするのでった。それに慌てた直哉は

直哉「はい!幸せにします!」

 

 そう誓うのであった。

 

 観覧車から降りて帰ろうとした時、急にまほが袖を引っ張ってきた。顔を真っ赤にして・・・

 

直哉「どうした?」

まほ「今日は、まだ一緒にいたい」

直哉「え?けど、家の門限は大丈夫なのか?」

まほ「・・・今日は直哉と一緒だとお母様とみほには言ってある///」

直哉「え?」

 

 そうして、思考が停止した直哉を引っ張ってまほは園内にある宿泊施設に向かうのであった。

 

           ~~3年後~~

 

           『おめでとう~』

 

純白のウエディングドレスに、身を包んだまほを直哉が抱きかかえながら、ヴァージンロードを歩いていた。約束通り、大学卒業後2人は結婚した。もちろんまほの誕生日に。

 

まほ「これで良かったのか?」

直哉「どうしてだ?」

まほ「私は西住家の長女だ。直哉にも色々重荷になるだろう」

直哉「そんな風に思ったことないよ。むしろ俺はよかったと思っているよ。最高の戦車乗りの婿になれるんだから」

まほ「・・・そうだな。ならこれから精々頑張ってもらわないとな。旦那様♡」

 

そう言って、直哉の頬にキスをするのであった。

 

その翌年には、2人の女の子に恵まれて、いつまでも幸せに暮らすのであった。

 

                 西住まほ ハッピーバースデー!

 



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