SLAYER'S CREED R-18 (EGO)
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空白期編
Memory01 初めての夜①


始まりました、アンケート企画第一段。
R-18作品は初めてですが、とりあえず頑張っていきます。

時期的には一章から二章の間の空白期。二人が初めて致した時のお話の前半。
導入込みなのでちょっと長め。次からはトントン拍子で行けるようにします。

初見さんのために軽く人物紹介。

主人公――ローグハンター。
ならず者殺しと呼ばれる元テンプル騎士、現冒険者の青年。
シェイやヘイザムの弟子にあたる人物で、秩序だなんだにかなり口うるさい。

幼少期から騎士としての訓練をしていた為、色恋沙汰にはかなり疎く、そういった経験は皆無。
でも下の毛の処理や毎日の水浴びは欠かしていない。
(シェイから男たるもの――的な事を言われた為)
つまり童貞。


ヒロイン――銀髪武闘家。
ローグハンターの相棒たる冒険者。元ネタはゴブスレイヤーワンに登場した女武闘家。漫画版にも出てるよ!

上記の理由でそういった事に積極的ではないローグハンターの姿勢に業を煮やし、ついに自らアタックを仕掛ける。
一応フォローしておくと、積極的ではあるがかなり恥ずかしがっており、出来ればローグハンターにリードして貰いたいと思っている、恋人に苦労させられている処女である。







 西の辺境。

 国の中心たる都から、馬車でもたどり着くのに一週間程はかかる、文字通り辺境の街。

 王や騎士たちの目が届かず、加えて番兵たちの練度も低いそんな辺境の街だが、西の街だけは他の辺境に比べれば治安は良く、様々な宿や食事処が多く立ち並んでいた。

 そんな宿の一つ。出てくる料理の美味しさやサービスの良さなど、他の宿屋よりも頭一つ抜けているのが、辺境一と呼び声高い『眠る狐亭』だった。

 丸くなって眠る狐の看板が目印のその宿は、旅行客から旅人、冒険者と、毎日訪れる客は多く、それは同時に様々な種族を迎え入れるという事。

 一部の街や宿には亜人種(デミ)お断りという、自己満足も良いところの政策や指針を掲げる場所もあるが、だいたいは手が回らなくなり廃れるか、他の店に潰されて終いだ。

 むしろそんな宿を潰すかのように様々な種族、職業が入り浸る宿屋の一室。最高級(ロイヤルスイート)──までないかなくとも、それなりに値の張るであろう部屋に、一組の男女がいた。

 それぞれの首から下がる認識票は、窓から差し込む月明かりに照らされて銅色の鋭い輝きを放ち、二人が在野二位たる銅等級冒険者である事を指し示す。

 黒い髪をうなじの辺りで纏めた男性冒険者──ならず者殺し(ローグハンター)として山賊、盗賊らから恐れられ、街の治安維持に一役買っている彼は、自らをベッドに押し倒す相棒を見上げ、僅かに驚いたように目を剥いていた。

 彼の蒼い瞳には自分を押し倒した銀髪を頭の高い位置で一纏め(ポニーテール)にした女性冒険者──相棒たる武闘家の、何故か不機嫌そうな顔が映っている。

 彼女は逃がさないと言わんばかりに彼に馬乗りになり、大の字に広がった彼の両腕を掴んでいた。

 

「……」

 

 突然押し倒された側であるローグハンターはその体勢のまま、彼女から何かしら言ってくるだろうと判断してか、黙りこんだまま彼女を見つめる。

 真っ直ぐ見つめられた彼女は、照れたように頬を赤く染め、僅かに視線を逸らす。

 

「……」

 

 ローグハンターは首を傾げて彼女の言葉を待つが、相変わらず何も言ってこない。

 その姿勢のまま二分程経った頃。ようやく覚悟が決まったのか、銀髪武闘家が口を開いた。

 

「キミと私が付き合ってから、どのくらい?」

 

 突然の問いにローグハンターは僅かに思慮し、「一年経ったくらいか?」と曖昧な返事。

 二人が恋人になったのは、等級で言えば紅玉になった辺り。二人して等級はその一つ上になっているから、やはり一年は経っているだろう。

 

「それ、でさ……」

 

 羞恥心からか目を泳がせながら、頬だけでなく耳まで赤く染め、それでももう止まれないと言葉を絞り出す。

 

「その、しないの……?」

 

「……?」

 

 彼女の問いかけにローグハンターは疑問符を浮かべ、「しない、とは?」と疑問をそのまま言葉に変換した。

 そう問い返された瞬間、銀髪武闘家は驚いたように目を見開き、「わからないの?」と更に問い返す。

 

「さっぱりわからん」

 

 彼女の問いにローグハンターは至極真面目な面持ちで言うと、銀髪武闘家は困り果てたように息を吐いた。

 

「キミが朴念仁なのは知ってるよ?うん、キミは朴念仁だよ」

 

「そうだな。お前の好意に気付くのに三年かかった朴念仁だよ、俺は……」

 

 彼女の言葉を肯定しながら、徐々に言葉から力を無くしていくローグハンター。

 大の字に寝転んだまま彼は目を背け、ため息混じりに「情けないな」と自虐の言葉を吐いた。

 年齢で言えば二十三だが、その大半を戦いに捧げてきた彼だ。他人の敵意や殺意などのマイナスな感情には敏感に反応出来るが、好意などのプラスな感情にはあまりにも疎い。

 それは彼の生い立ちが大いに関係しているのだが、銀髪武闘家はあまり彼の過去を根掘り葉掘り聞き出さない為、深い理由は知るよしもない。

「ごめんな……」と力なく呟く彼を他所に、銀髪武闘家は小さく肩を竦めながら「仕方ない、か」と覚悟を決めたのか、赤面したままだが表情を引き締めた。

 

「おい、何を──」

 

 その理由を知ろうと口を動かした瞬間、彼の口が塞がれた。

 彼女の顔が目と鼻の先にあり、唇には何度か感じた事のある柔らかさ。

 所謂(いわゆる)キスと呼ばれるものに慣れていないローグハンターは、状況を理解すると共に赤面しながらゆっくりと目を見開き、思わず体を固めてしまった。

 

「ん……ちゅ……」

 

 銀髪武闘家はこれ幸いと言わんばかりに啄むように口付けを落とし、彼の両腕を掴んでいた手を離すと、逃がさないように彼の頭を押さえつけた。

 そして逃げ場を塞ぐと同時に、不意討ちだったからか僅かに開いていた彼の口に舌を滑りこませると、逃げることなく固まっている彼の舌に絡み付いた。

 

「ふっ……れろ……ん……」

 

 くちゅくちゅと湿った音をたてながら唾液を流し込み、ローグハンターは半ば無意識の内にこくこくと喉を鳴らして飲み込む。

 それがお気に召したのか、銀髪武闘家は上機嫌そうに目を細め、更に顔を寄せて舌を奥へと差し込む。

 

「ん……っ!ふっ!」

 

 それと同時に、ローグハンターの口から苦悶にも似た声が漏れた。

 いまだに慣れないキスの感覚と、口内で直に感じる彼女の温もり、彼女の味を処理しきれず、脳の奥で絶えず火花が散っているのだ。

 

「ぷはっ」

 

 それを察してか、あるいな息継ぎの為か、銀髪武闘家は顔を離し、熱の籠った視線を息を荒くしている彼へと向けた。

 二人の唇を繋ぐ透明な糸がぷつりと切れると、銀髪武闘家は髪を纏めていた紐をほどき、脱力したまま自分を見上げてくるローグハンターの頬を撫でながら確認を取るように問うた。

 

「ねえ、しよ……?」

 

 彼女の言葉に「何を?」と返す余裕もないローグハンターは、曖昧な思考のままこくりと一度頷いた。

 

 

 

 

 

「む、向こう向いててね!」

 

「……ああ」

 

 ローグハンターの呼吸がある程度落ち着いた頃、銀髪武闘家は彼を解放して体を起こさせると、指示を出しながら体ごと回って彼に背を向けた。

 素直に指示を聞いたローグハンターもまたくるりと回り、彼女に背を向ける。

 同時に彼は赤面した顔を手で覆い、まだ僅かに乱れている呼吸を整え始めた。

 背後からはごそごそと布が擦れる音が僅かに聞こえるが、今さらになって寝間着に着替えているのだろうと判断を下す。

 同時にそう考えられるのは彼が平静を取り戻した証拠であり、それを実感している彼は改めて彼女の言葉の意味を考え始めた。

「しよう」と言っていたが、こんな夜中からすることなぞ、それこそ寝るだけだ。

 一緒に寝ようなら、それこそそのまま言えばそれで終わりだし、そもそも言われなくとも寝る。これは恋人になってから勝手にそうなっていた。

 

 ──では、なんだ。

 

 ローグハンターは首を捻って小さく唸り、少々乱暴に頭を掻いた。

 わからない事は多いのは重々承知だが、答えが目の前にあるのにわからないのは苛立たしい。

 

「……い、いいよ」

 

 そんな時だ。緊張しているのか、上擦った銀髪武闘家の声が届いた。

 この際彼女に聞いてしまえと開き直ったローグハンターは「ああ」と頷き、彼女の方へと向き直った。

 

「──っ!??」

 

 その瞬間、彼は有らん限りに目を見開き、我が目を疑った。

 月明かりに照らされ神秘的に輝く銀色の髪と、赤面した可愛らしい顔、ぺたりとベッドの上に座る体勢はともかくとして。

 

「あ、あんまりじろじろ見ないで……」

 

 問題は恥ずかしそうに身動ぎする彼女がシーツを羽織り、隣には彼女が着ていた服全てが置かれている事だろう。

 それはつまり彼女は今裸で、薄いシーツ一枚でいるという事で──。

 

「──」

 

 ポカンと間の抜けた表情をするローグハンターに、銀髪武闘家は「うう……」と恥ずかしそうに唸りながら更に身動ぎ一つ。

 

「──」

 

 彼女を見つめたまま微動だにしないローグハンターは、そっと顔を背けた。

 隠されているとはいえ女性の裸体というのは、あまり長時間見るものでもないだろうと判断したのだ。恩人からもそう言われている。

 

 ──いや、見れるなら見ておけだったか?

 

 戦闘以外の教えを聞き流していた過去の自分を恨めしく思いつつ、顔を背けたのは正解だと信じる。

 だが、今回に限って言えばそれら不正解だ。

 

「むぅ……」

 

 銀髪武闘家は不服そうに目を細め、羞恥心を捩じ伏せて彼の下へとすり寄る。

 そのまま彼の腕に抱きつき、耳元で囁く。

 

「ねぇ」

 

「な、なんだ」

 

「キミは、脱がないの?」

 

「……へ?」

 

 銀髪武闘家の言葉にローグハンターは柄にもなく上擦った声を漏らし、弾かれたように彼女の方へと目を向けた。

 両腕でローグハンターの腕を掴んだ為かシーツが擦れ、そこから彼女の豊かな胸がこぼれ落ちる。

 

「~っ!!」

 

 その瞬間を目にしてしまったローグハンターは、思わず声にならない悲鳴をあげた。

 豊かな胸の先端。白い肌とは対照的なピンク色の乳首が、彼の視界に納まったのだ。

 それを理解した銀髪武闘家は更に赤面しながら。ぎゅっと彼の腕を抱く力を強めた。

 

「は、恥ずかしいから、キミも脱いでよ……」

 

 羞恥心が一周回って積極的な心構えに変わり、彼女の手はローグハンターの服のボタンへと伸びている。

 

「ぬ、脱いでどうするんだ……?」

 

「しようって言ったでしょ」

 

「だから、何を」

 

 ローグハンターの問いかけに、銀髪武闘家はついに諦めたのか、ど直球に彼へと告げた。

 

「せ、SEX……」

 

「──」

 

 消え入りそうなか細い声で告げられた言葉に、ローグハンターはついに言葉を失った。

 それは彼女の言葉に驚いたわけでも、何も思い付かないわけでもない。

 

 ──なんだ、それは。

 

 単純な知識不足故だ。

 産まれてこの方二十余年。戦いのみに生き、戦いのみで育ってきた彼は、ほとんど性教育がされていない。

 彼の師に当たる人物たちが時折猥談で盛り上がってはいたものの、それさえも聞き流していたのだ。

 それこそ子供はどこから来るのと聞かれれば、「コウノトリが──」と言ってもおかしくはない。

 いや、流石にそこまで純粋(ピュア)ではないだろうが、とりあえず(だんま)りするのは確かだろう。

 

「……駄目?」

 

 銀髪武闘家は上目遣いになりながら問うと、ローグハンターは天井を見上げながら息を吐いた。

 彼女が求めてくれるなら、それが何であれ付き合うつもりではある。今まで彼女の想いに気付けなかった自分なりのけじめなのだが、果たして今回はそれで良いのか。

 

 ──いや、そんな事はどうでも良い。

 

 また彼女に気を遣わせて、おそらく自分から切り出すべき事を彼女からやらせてしまった。

 ならば彼女に恥をかかせないために、最後まで付き合ってやるまでのこと。

 

「わかった。付き合うさ」

 

「うぅ……」

 

 開き直った為か、あるいな思考停止させた為か、清々しいまでの笑みを浮かべたローグハンターの面持ちを前に、銀髪武闘家は突然戻ってきた羞恥心に赤面し、再び胸元をシーツで隠した。

 

 

 

 

 

「──で、脱いだ訳だが」

 

 ローグハンターはそう言いながら脱ぎ捨てた上着を畳み、ベッドのサイドテーブルに置く。

 

「……」

 

 そんな彼の裸体を眺める銀髪武闘家は、赤面しながら文字通り彼の肉体に魅入っていた。

 一切の無駄がない肉体には贅肉の代わりに余多の傷痕が刻まれ、彼が自分と知り合う前から戦っていた事を誇示し、真新しい傷痕がないことで彼の強さを証明している。

 彼女は無言で彼の胸板に手を伸ばし、そこに残された傷痕を指でなぞった。

 剣や弓ではなく、斧か何かによりつけられたであろう大きめの傷痕は、多くある傷痕の中でも一際古いもののように思える。

 

「っ……」

 

 僅かな思慮が挟まった為か一瞬指が力んだ瞬間、ローグハンターの肩が跳ねた。

 

「ごめん、痛かった……?」

 

 女性とはいえ、彼女は己の体を武器にする武闘家だ。極みの領域には届いていないにしても、指先一つでも武器となり得る。

 ローグハンターは彼女の心配を他所に「くすぐったかっただけだ」と強がるように微笑んだ。

 その笑みは触れて欲しくない過去に触れかけた時に見せるものなのに気付いた彼女は、切り替えるように首を振り、「ねぇ」と声をかけた。

「なんだ」と手短に返すと、銀髪武闘家は自分の胸元に視線を落とし、「さ、触ってみる?」と上擦った声で問いかけた。

 問われたローグハンターは再び目を見開いて固まると、瞬きを数度繰り返して「触る。何を?」と視線を彼女の顔と胸を往復させながら問い返した。

 明らかに何に触れるかはわかっているのだが、それを理解することを避けているのだろう。

 

「い、言わせないで!」

 

「す、すまん……」

 

 耳まで赤くなりながら言われたローグハンターは即謝り、「……良いんだな」と確認。

「うん」と彼女は頷くと、羽織っていたシーツを取り払った。

 その瞬間晒されるのは、彼女の強さを象徴するように割れた腹筋、筋肉質な手足。

 だがそれとは対照的に、右腕で隠された胸には友人らと比べても大きめな果実が二つぶら下がり、添われた腕に合わせて柔らかく形を変え、重そうな見た目の割に重力に負けず、張りがあって形がくずれる様子はない。

 今は潰れる事で体を支えている臀部もまた、女性的な柔らかさが見て取れる。

 大小様々な傷痕が残されているものの、彼女の美しさを語るにはそれもまた大切なもので、何より彼女が冒険者たる証拠だ。

 ローグハンターは無意識に生唾を飲み込むと、「いくぞ」と彼女の銀色の瞳を覗いて最終確認。

 言われた銀髪武闘家は深呼吸をすると──おかげで胸が大きく上下したが──「どうぞ」と胸を隠していた腕を避けた。

 押さえつけていたものがなくなった胸はようやく本来の形を取り戻し、先ほどはちらりだけ見えた全容が、ようやくはっきりと視認出来た。

 外気に晒された為かピンと立った乳首を始め、おそらく誰も直接触れたことはないであろう胸が、今目の前にあるのだ。

 並の男ならもはや考える間もなく飛び付き、思い思いの方法で堪能するであろう胸を前にしたローグハンターは、

 

「──」

 

 再びの思考停止に陥っていた。

 知識がないことも原因の一つではあるが、如何せん女性付き合いが皆無だった彼だ。どう触れば良いのかさえわからない。

 

「……」

 

 無言で期待と不安の半々の眼差しを向けてくる銀髪武闘家を前に、今さら立ち止まる訳にもいかないだろうと自分を鼓舞。

 そっと手を伸ばし、割れ物に触れるように優しく撫でるように、彼女の乳房に触れた。

 きめ細やかな肌は触り心地が良く、直に感じる体温は普段よりも僅かに高いような気もする。

 ローグハンターは無意識の内に彼女の胸に手を這わせた。

 

「んっ……」

 

 指の腹を添えるだけの、触れるというよりも確かめるような手の動かし方に、銀髪武闘家は快感よりもくすぐったさを感じて声を漏らした。

 構わず彼の指は彼女の乳房の上を這い回り、時には谷間の間を滑り、下乳を撫で、乳輪をなぞるように撫でる。

 

「んっふ……」

 

 彼の指は縦横無尽に胸を這い回るが、決して乳首に触れる事はない。

 それはまるで焦らされいるようで、体が勝手に期待しているのか、乳首が充血して痛いほどにピンと起ち始めていた。

 

「……」

 

 けれどローグハンターは決して触ろうとはせず、行っても乳輪をなぞるまでで、すぐに離れてしまう。

 

「ふっ……んん……」

 

 弱火でじわじわと火を通されるように、体の芯に燻ったままの熱がこもり、もどかしさから無意識の内に太もも同士を擦り合わせる。

 そうこうしている間にも彼の指は彼女の胸の上を這い、時には僅かに出張して胸の付け根や鎖骨、腹筋にまで及び、彼女が求める場所から更に遠ざかっていく。

 鎖骨に伸びていた手はうなじに、うなじから肩に戻り、肩を通って腕の方へ。

 腹筋に伸びていた手はそのまま下へと下がり、擦り合わせていた太ももを撫で、爪先に至れば来た道を戻る。

 それが数十分程続いた頃、彼女の体に異変が起こる。

 延々と全身を撫でられ、強制的に感覚が研ぎ澄まれていく錯覚を覚えたのだ。

 彼の指が通った後が異様に熱く、再び撫でてもらいたいのにそこを通ることはない。通ってもそれが治まり、別の場所に求めている時だ。

 文字通りのお預けをくらっている彼女は、一方的に溜まり続ける快感をどうにか発散しようと──あるいはさせようと──考え、ちらりとローグハンターへと目を向けた。

 

「っ……!」

 

 同時に赤面したまま目を見開き、驚きを露にした。

 自身に触れるローグハンターの表情が、仕事時も顔負けな程に引き締まっているのだ。

 そこに下心とか、情欲とか、これから行うことにある程度必要なものが一切ない。

 おそらくだが彼は自分が何をしているのか理解できておらず、彼女の要望に応じつつ、怪我をさせないように力を抜いて触れているのだろう。

 だが逆に言えば、それは彼が真剣に自分と向き合ってくれていると言うこと。

 銀髪武闘家はそれを嬉しく思いつつ、ついに堪らずに彼へと声をかけた。

 

「ね、ねぇ……」

 

「なんだ」

 

 彼女の声に反応してか、ローグハンターは這わせていた指を止め、彼女の顔を正面から覗きこむ。

 彼の夜空を思わせる蒼い瞳を前に赤面しつつ、銀髪武闘家は体をもぞもぞと動かしながら彼へと告げた。

 

「その、もっと思い切り、触ってもいいよ……?」

 

「思い切り……」

 

 彼女の言葉を反復したローグハンターは自分の手を見つめ、次いで彼女の裸体へと目を向けた。

 よく見れば白い肌にはほんのりと赤みを帯び、彼女の瞳も何かを期待するかのように熱っぽくなっている。

 銀髪武闘家はええいここまで来たらと力の入らない手で彼の腕を掴み、自身の胸へと誘導した。

 そのまま自身の胸に彼の手を埋め、「ん……」と艶っぽい声を漏らしながら、彼へと火照った視線を向けた。

 

「もっと、力入れて……」

 

「……ああ」

 

 彼女のお願いに僅かに間を開けて頷くと、彼女の胸に埋まった手を先ほど以上に激しく動かし始めた。

 むにむにと指の動きに合わせて胸の形が変わり、手のひら全体で柔らかさを堪能する。

 

「んっ!……ふっ……」

 

 ようやく感じるようになってきた快感に声を漏らしつつ、彼に期待するように視線を送る。

 それに気付いたかは定かではないが、ローグハンターは一度手を離し、下から持ち上げるように胸に触れた。

 ゆさゆさと揺らしながら、その重さに驚いたように目を細める。

 ここまで来てようやく彼の興味の対象になったのか、あるいは吹っ切れたのか、少しずつ手の動きが激しくなり始めた。

 むにむにと右手で胸の柔らかさを堪能しながら、左手は彼女の太ももに置いたまま先ほどよりも力を入れて、ももの内側を撫でるように動き出す。

 

「ふっ。ん、あっ……」

 

 弱火だったものがようやく中火になったと言うべきか、先ほどに比べればだいぶ強くなった快感を声で逃がしつつ、けれどあと一歩足りない歯痒さが残る。

 そんな時だった。突然何を思ったのか、ローグハンターが胸から手を離し、指を彼女の乳首へと伸ばした。

 期待からピンと起ち、充血して真っ赤になった乳首に、彼の手が迫っていくのだ。

 銀髪武闘家の口から「あっ……」と期待の色が混ざった声が漏れたのも束の間、彼の指は無慈悲なまでに淡々と、彼女の乳首を軽く摘まんだ。

 瞬間、彼女の全身を電撃が駆け抜けた。

 瞬き一つする間もなくそれは脳へと届き、溜まりに溜まっていた快感がようやく逃げ場を見つけ、一気に解放されたのだ。

 

「ひにゃっ!?──」

 

 彼女の口から特大の喘ぎ声が漏れた瞬間、彼女の口が塞がれた。

 太ももを弄っていたローグハンターの左手で、すっぽりと覆われてしまったのだ。

「んーっ!!ん~っ!!??」と強烈な快感に暴れる彼女を抑え込まんとローグハンターは彼女を押し倒した。

 

「ん?!んんん!!ん──っ!!!」

 

 それでも彼女は止まらず、一気に押し寄せる快楽の波に耐えきれず、秘部から潮を噴きながら、背中を弓なりにしならせながら絶叫していた。

 数十分お預けをくらっていた快感が一気に溢れだしたのだ。文字通りこれが初めての彼女では処理しきれず、どうすれば終わるのかすらわからない。

 数分してようやく落ち着き始め、全身を支配していた快感が僅かな余韻を残してなくなり、しなっていた彼女の体がゆっくりとベッドに沈む。

 それを見届けたローグハンターは安堵したようにホッと息を吐き、そっと彼女の口を塞いでいた手をどける。

 

「んっ、はぁ……へ……」

 

 押し寄せた快感の余韻に浸る彼女の頬を撫でてやると、またその感覚も快感に変換されたのか、「んっ!」と僅かに体が跳ねる。

 ローグハンターは慌てて手を離し、どっとため息を吐いた。

 いつもの癖で口を塞いでしまったが、その行動はある意味では正解だっただろう。

 ここは多くの人が宿泊する宿だ。隣や下、上には誰かが泊まっているだろうし、防音がどこまでされているかもわからない。

 要するに大きな声を出すわけにはいかない。

 

「ふぇ……はぁ……」

 

 いまだに快楽の渦から戻ってきていない相棒の姿にため息を漏らし、改まったようにベッドに寝転ぶ彼女の姿に目を向けた。

 火照って朱色に染まった頬に、豊かな胸もまた仄かに赤くなり、下半身に関しては何かで濡れている。

 瞳は蕩けてどこを見ているのかもわからず、口からは吐息と共に僅かに涎が垂れていた。

 下半身は後で拭ってやるとして、大きな問題が一つ。

 

「……」

 

 ローグハンターは自身の下半身へと目を向け、パンツを押し上げて存在を主張する自身の息子の姿にため息を漏らした。

 かつてならあり得ない体の変調。彼女と共にいると、ふとした拍子にこうなり、どうにも胸がもやもやするのだ。

 放っておくなり集中するなりすればそのうち治まるのだが、今回に限ってはその気配はない。

 むしろ今こうしている間にも、少しずつ大きくなっているのだ。

 

「んっ」

 

 彼が困り果てて項垂れた時だ。ようやく意識が戻った銀髪武闘家が彼に目を向け、怪しく笑んだのは。

 彼女は弛緩した体に鞭をうって体を起こすと彼の頬に触れ、項垂れていた彼の顔を上げさせた。

 

「ああ、大丈──」

 

 彼が何か言おうとした瞬間、今度は彼の口が塞がれた。

 塞いだのはこれまた彼女の唇で、今度は一切の容赦なく彼の口内に舌を差し込んだ。

 

「じゅる!んっ、れろ!」

 

 舌を絡めるにとどまらず吸い上げ、口内を舐め回し、彼の抵抗を封じるようにキスをしたまま押し倒す。

 じゅるじゅると音を立てて彼の舌を舐め回し、溢れる唾液を舐めとり、変わりに自分の唾液を多めに流し込む。

 こくこくと喉を鳴らして唾液を飲み込む彼を逃がさないように押さえつつ、息継ぎの為に一度顔を離した。

 銀髪武闘家ははぁはぁと喘ぎつつ、愛おしそうに彼の口許の傷痕をぺろりと舐めた。

 そのまま再び彼に口付けを落とすと、蕩けた瞳に赤面するローグハンターの顔を映し出す。

 凄まじい快感を前に頭のネジが飛んでしまったのか、彼女は無邪気に笑いながら彼へと告げた。

 

「──今度は、私が気持ちよくしてあげる」

 

 そう言った彼女は彼が唯一纏っていたパンツに手を伸ばし、一思いに取り払った。

 

 

 

 




前半戦終了。
もっと短く纏めた方が良いんですかね?

感想お待ちしております。


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Memory02 初めての夜②

「──今度は、私が気持ちよくしてあげる」

 

 そう言った銀髪武闘家は、ローグハンターが唯一纏っていたパンツに手を伸ばし、一思いに取り払った。

 その瞬間、封から解き放たれた彼の逸物が、彼女の視界に飛び込んできた。

 

「……ほぇ」

 

 瞳だけでなく思考も蕩けている彼女の口から、間の抜けた声が漏れた。

 一言で言えば、彼のものが彼女の想像を越えていた。ただその一言に尽きる。

 血管が浮かび上がる程に勃起したそれは、手付かず故か赤い亀頭と、そこから広がるかりは矢の返しのように大鋭く、伸びる竿の長さもおそらく平均よりも長い。

 見方によっては子供の腕を思わせる程の物は、初物にも拘らず歴戦の猛者を思わせる程の凄まじい存在感を放っている。

 むんむんと雄の臭いを撒き散らすそれは、初めて見る異性のそれには少々刺激が強すぎた。

 いや、娼婦ですら萎縮するであろうそれを前にして、一瞬の思考停止のみで済んだ彼女はむしろ流石だろう。

 彼女は瞬きを繰り返して彼のぺニスを見つめると、腹の奥が熱くなる感覚を覚えながら、何を思ってかフッと息を吹き掛けた。

 ビクッ!と跳ねて反応する逸物を眺め、声を噛み殺しているローグハンターの表情を見つめて固唾を飲んだ。

 今からこれを、自分の体に迎えなければならないのだ。

 

 ──だ、大丈夫かな……?

 

 蕩けた思考の中でも過った一握の不安。武闘家として体は鍛えているし、生半可な攻撃になら耐えきる自信はあるが、それは外からの物に限った話だ。内側から来たとなると、話は変わってくる。

 そもそも攻撃と判断している時点でどこかずれているのだが、彼女にそれを思う余裕はない。

 彼女は不安を振り払うように首を振ると、「さ、触るね」と声をかけてから彼の逸物に手を伸ばした。

 先ほど彼がやってくれたように、割れ物を扱うようにそっと、力を抜いて手を添える。

 左右の手で鷲掴むようにして握ると、手の中で彼のぺニスが跳ねた。

「くっ……」とローグハンターが何かに耐えるような声を漏らすと、銀髪武闘家の思考が再び蕩け始める。

 手のひら全体で感じる一際熱い感覚と、いつになく弱々しい彼の声が、彼女から正常な思考力を奪ったのだ。

 彼女は思考も纏まらないうちに、彼の逸物を掴んだ手を上下させ始めた。

 芯でも入っているのかと疑うほどに固くなっている彼の逸物の大きさを確かめるように、優しく撫で始めたのだ。

 

「っ……!」

 

 突如として感じた謎の感覚にローグハンターは目を剥くと、声が漏れないように歯を食い縛った。

 そうやって我慢している彼の表情を横目で眺めた銀髪武闘家は、彼が気持ち良くなっているとわかり、上機嫌な笑みをこぼす。

 けれどその手つきには容赦がなく、竿の根元から上までストロークしたかと思えば、次は亀頭を丁寧に撫で回すと、逸物が一際大きく跳ねた。

 同時に鈴口から粘り気のある何かが吹き出し、彼女の手のひらにぶちまけられる。

「ひっ!」と声を漏らして思わず手を離した銀髪武闘家は自身の手を眺め、そこに付着した粘っこい何かに気付く。

 いわゆる我慢汁と呼ばれるそれを彼女が知っているかは定かではないが、一つだけ確かに言えることがあった。

 

「男の人って、気持ち良いと何か出るんだ……」

 

 思わず口に出してしまった言葉にハッとしつつ、ちらりとローグハンターの顔へと目を向けた。

 

「……?……?」

 

 目を見開き、何かに酷く混乱したように首を揺らしている彼の姿は、いつもの気迫溢れる姿とは程遠い。

 その姿に僅かに狼狽えつつ、肩を揺らしてやろうにも両手にはべたりと我慢汁がついてしまっている。

 銀髪武闘家は左右の手を見比べるように眺めると、まだあまりついていない右手を顔に近づけ、好奇心のままにぺろりと一舐め。

 

「~!」

 

 口内に広がった苦味と生臭さに唸るような悲鳴をあげるが、けれど何故か気になってもう一度舐めた。

 味こそ一度目と同じものではあるが、表情はどちらかと言えば恍惚としたもので、腹の奥に感じる熱が、それを求めるように強まったような錯覚を覚える。

 そこまで来てしまうと、もはや止めようがなかった。

 

 ──もっと欲しい。もっと、彼が欲しい。見たことがない彼が見たい。

 

 理性が失せた蕩けた思考では、本能のままに愛する彼の事を求め始めてしまうのだろう。

 彼女はいまだに混乱しているローグハンターを他所に、彼の逸物を一瞬の躊躇いもなく頬張った。

 

「ッ!?」

 

 突如として己の分身が生温かいものに包まれた感覚にローグハンターの意識は覚醒するが、それもまたすぐに混乱で支配される。

 亀頭に残っていた我慢汁を乱暴に舐めとり、次を催促するように舐め回すと、次から次へと溢れ出てくるのだ。

 

「れろ!んっ!じゅる、れろ!」

 

 それさえも余すことなく舐めとった銀髪武闘家は、へこへこと腰を揺らしながら、空いている左手を自らの秘部へと伸ばした。

 ぴたりと閉じた秘裂に触れてみれば、そこには確かな湿り気がある。

 

「──」

 

 銀髪武闘家は僅かに目を細めると、ローグハンターのぺニスを舐めながら、秘裂に触れている自らの指を動かし始めた。

 割れ目に沿って前後に、ある程度の緩急をつけて、左手についたままの彼の汁と、自らのものを混ぜ合わせるように一心不乱に。

 

「んっ!ふっ!べろ、ぶっ!」

 

 彼のものをくわえたまま荒っぽく息を吐きながら、同時に行っている自慰行為も止める事はない。

 上の口と下の口からぐちゅぐちゅといやらしい湿った音を響かせながら、彼女の舌と指は止まらない。

 彼のものを舐めれば下が疼くし、我慢できずに下を弄れば舌が勝手に動いてしまう。

 一人でいたちごっこに興じる彼女に、もはやローグハンターを見る余裕はなかった。

 彼も耐えるように短く何度も息を吐きつつ、歯を食い縛って竿を昇っていく何かを抑え込まんとするが、それを知るよしもない彼女の責めは止まらない。

 

「くっ、ふっ!待て、何か──」

 

 ついに耐えきれなくなったローグハンターが怒鳴るように言葉を発しながら彼女の頭に手を伸ばし、無理やり引き剥がそうとしたが、それはあまりにも遅かった。

 

「──射精()る!」

 

 瞬く間に登り詰めた何かを抑えきれなかったローグハンターは声を出しながら、変なタイミングで変な力が入った為か、彼女の頭を押さつける形で射精してしまったのだ。

 

「んっ!ごぼっ!?」

 

 口に入っていた亀頭が一気に喉奥まで押し込まれ、同時に吐き出された我慢汁以上に粘っこい何かが喉を通り、そのまま一直線に胃へと落とし込まれていく。

 

「ぶっ!……ごぐ……んっ!?」

 

 吐き出すには奥すぎたそれは飲み込む他になく、異様なまでに絡み付くそれを必死になって喉を鳴らして飲み込みながら、けれど秘裂を弄る左手が止まることなく、むしろその内側に指が滑り込んでしまう始末。

 銀髪武闘家は苦しさからか目に涙を浮かべながら、けれど手を止める事なく秘部を弄り続ける。

 呼吸が出来ない。気持ちいい。苦しい。気持ちいい。もう飲み込めない。もっと飲みたい。

 理性と情欲がぶつかり合い、脳内で激しく火花を散らしながら、彼女もまた限界を迎えた。

 

「ん、んんんーっ!!!」

 

 足を爪先までピンと伸ばし、彼の逸物をくわえたまま絶頂を迎えたのだ。

 秘部から透明な液体が噴き出し、自らの手をべったりと濡らしながら、彼女は再びの絶頂を強いられた。

 彼の射精と彼女の絶頂が治まったのは、数十秒が経った頃だった。

 銀髪武闘家はもはや頭を持ち上げることも出来ずに倒れ、その拍子に口から逸物がこぼれた。

 射精したにも関わらず変わらぬ固さと大きさを保つそれは、彼女の唾液にまみれた為かテカテカと輝き、さらなる存在感を放っていた。

 だが、その持ち主たるローグハンターはそれどころではない。

 はぁはぁと肩を揺らして呼吸を整えながら、倒れる彼女の姿を見下ろした。

 火照った体は仄かに赤く染まり、口許は溢れた白濁液で汚れ、それは豊かな胸にまで及び、秘部から太ももにかけては洪水でも起こしたかのようにびしょ濡れ。銀色の髪は汗で額に貼り付いたものもあるなかで、ベッドにシーツのように広がっている。

 快楽に蕩けた表情で意味を持たない声を漏らしている今の彼女を見て、何も思わない男はいないだろう。

 ローグハンターとてそれは同じ。だが彼の場合は興奮するよりもやってしまったという念の方が強かった。

 彼女を見下ろしながら瞬きを繰り返した彼は、拭うものを探して部屋を見渡し始めた。

 だが彼がそれを見つけるよりも早く、銀髪武闘家が動き出した。

 力の入らない手足に鞭をうち、乱暴に顔を拭うと、飛び出した勢いのままに彼に抱きついたのだ。

「うおっ」と僅かに驚きながらも彼女を抱き止めたローグハンターは、耳元で「大丈夫か……?」と不安げな声音で問うた。

 問われた彼女はもじもじと太ももを擦り合わせながら「大丈夫じゃない」と呟き、「ねぇ、お願い」と言葉を続けると、「んっ」と艶っぽい吐息を漏らし、期待の色で染まった声音で告げる。

 

()れて……?」

 

「な──」

 

 何をと問おうとした矢先、彼女は彼のぺニスを握りながら「これを」と示し、彼の手をとっていまだに蜜が溢れる自分の秘部へと触れさせた。

 

「ここに、ね」

 

 彼の指で撫でさせると、くちゅりと湿った音が漏れ、期待からか溢れる蜜が彼の指を汚した。

 ローグハンターは訳もわからないままだったが、彼女がそれを求めるならと二つ返事。

 彼が頷くと銀髪武闘家は妖しく笑い、背中からベッドに倒れこむと両足を広げ、両手で秘裂を広げて彼に場所を示した。

 ローグハンターは息を荒くしたまま、反り返る自分のぺニスを手で支え、膝歩きで彼女に近づくと、秘裂に亀頭を押し当てた。

「ここで良いのか」と不安そうに確認すると、問われた彼女は「大丈夫」と満足げに頷く。

 

「でも、初めてだか──」

 

 彼女が何かを言いかけた矢先。ローグハンターは何の躊躇いもなく己の分身を根元まで彼女の秘部へと押し込んだのだ。

 分かりやすく言おう。初めて男に抱かれる女性の秘部に、並みより大きめの一物を、一息で、根元まで押し込んだのだ。

「かっ」と彼女の口から空気が漏れ、胎内を貫いた火棒の熱と異物感に当てられ、まず感じたのは苦しさだった。

 腹を殴られたとの似て非なる衝撃が、胎内から叩き込まれたのだ。

 

「あっ……へ、か……っ」

 

 意味もない声を口から漏らしつつ、シーツを握りしめてその場で踏ん張る。

「ふーっふーっ」と深く息を吐きながら自分を落ち着かせようとする銀髪武闘家にとって、幸運と不運が同時に起こっていた。

 まず幸運と呼べるものは、彼女の膜が既に破れていた事だろう。

 武闘家という職業の都合上、他の冒険者の比でないほど動く彼女の膜は、何かの拍子に破れていたのだ。

 おかげで破瓜の痛みこそはなかったが、問題は同時に訪れた不運の方。

 濡れてはいたが解れきていなかった秘部に、ローグハンターの巨根といってもいいそれを捩じ込まれた為、文字通り胎内を抉られたのだ。

 それは痛みこそはなかったが、その分強烈な圧迫感を彼女に与える事となった。

 そして何よりも大変な事態になっているのは、肝心のローグハンターの方だった。

 他人とのSEXはおろか、自慰行為すらやってこなかった為、文字通り快感というものと無縁の人生だったというのに、この一晩のみでその全てを叩き込まれたのだ。

 痛みとも恐怖とも違う、未知の感覚を流し込まれた彼の脳は、それをどう処理するべきか迷い、大いに混乱していた。

 鍛えられた故か秘部内の締め付けは凄まじい事に加え、同時に背筋をくすぐる気味の悪い感覚のおかげで下手に動くことが出来ず、彼は身動きが取れなくなっていた。

 それは彼女から見れば、自分が落ち着くのを待っていてくれていると映るのだろうが、実際は彼も動けないだけの事。

 胎内を占める異物感には慣れないが、だいぶ呼吸が落ち着いてきた頃、彼女は「動いていいよ」と声を絞り出した。

 

「……」

 

 ローグハンターは彼女に目を向け、「力抜いてくれ」とか細く声を漏らした。

「動けん」と一言付け加えると、銀髪武闘家は「やってみる」と返して再び深呼吸。

 僅かに秘部の締め付けが緩むとローグハンターは一度深く息を吐き、「動けば良いんだな」と問いかけた。

 彼女が「良いよ」と返せば彼は無言で頷き、ゆっくりと腰を引き始めた。

 ひだがそれを止めんと蠢いて竿を撫で回し、優しく与えられる快感が彼の脳裏に掠める。

 

「んっ……!」

 

 矢の返しのように鋭いかりが胎内を引っ掻くと、彼女の体が僅かに跳ねる。

 彼女の反応を確かめながら腰を押すと、あれだけ引き留めようとしていたひだが今度は阻もうと立ちはだかるように吸い付くが、これがまた快感へと変わる。

 

「……」

 

 ローグハンターは未知の感覚に目を細めながら、銀髪武闘家の表情を伺った。

 突然見つめられた彼女は頬を赤く染めながら「ちゃんと我慢するから」と告げ「だから思いっきり、ね?」と彼を煽るように彼の頬を撫でた。

 その瞬間。プツンと張り詰めていた何かが切れる音が、彼の耳にだけ届いた。

 

 

 

 

 

「ん!んんん!?かっ、ひゃ?!」

 

 銀髪武闘家の口から、ついに耐えきれなくなった喘ぎ声が漏れた。

 彼女に覆い被さるローグハンターは猛った犬のように力任せに腰を動かし、彼女の胎内を抉り続ける。

 彼の亀頭は彼女の子宮口を叩き続け、かりで擦れすぎた為か、胎内を赤く染めながら、強烈な快感が彼女の脳を焼こうとしていた。

 

「やっ!がっ!?へぅ!」

 

 もはや言葉にならない喘ぎ声を漏らしながら、彼女の腕は彼の背に回され、体をさらに密着させる。

 形のいい胸が彼の胸板に潰されて柔らかく形を歪め、彼の動きに合わせて乳首が擦れる為か、彼女の快感をさらに高めた。

 

「ひっあ!まへ、まっへ!?」

 

 呂律も回らずに彼に制止を求めたが、彼は聞く耳を持たずにピストン運動を止めず、逆に彼女の腰を押さえて逃げ場を無くす。

 

「あ、ぎゃっ!くりゅ、なにか、きちゃう!」

 

 彼女が首を左右に振ってその何かから逃げようとするが、その程度で逃げられる訳もなく──。

 

「い、いきゅ!イッ──」

 

 彼女が何かを言おうとした瞬間に、彼の唇が彼女の唇を塞いだ。

 

「ん~!ん~!!!んんんん!?」

 

 その瞬間、彼女は絶頂を迎える。足を爪先までピンと伸ばし、膣内が痙攣するように蠢き、彼の逸物を扱きあげる。

 出される筈だった喘ぎ声は全てローグハンターの胃の中に吐き出された。

 それが過ぎてしまえば一気に脱力し、伸びていた足がぱたりとベッドに沈み、背に回されていた彼女の腕からも力が抜ける。

 

「ん……ふっ……ちゅ……」

 

 意識が朧気になるほどの快感に当てられた彼女は、絶頂の余韻に浸りながら彼との口付けに意識を傾けるが、

 

「んひ!?」

 

 胎内に残る彼の逸物が再び動き始めた。

 絶頂の余韻から戻ってこれていない彼女の胎内を、無慈悲なまでに再び抉り始めたのだ。

 

「ちゅ、ま、んあ!?」

 

 理由は単純で、彼がまだイケていない為なのだが、普段の気遣いの塊のような彼からでは想像も出来ない、自分勝手な行動に目を剥きつつ、彼女は再び喘ぎ始めた。

 喘ぎ声混じりにパンパンと肉がぶつかり合う卑猥な音が室内に響き、そこに僅かに荒れるローグハンターの吐息が混じる。

 

「ひにゅ!おね、がい、やすまへて!まへ、また、イク!」

 

 再びの絶頂を迎えるが、今の彼女はそれどころではない。

 ローグハンターのピストン運動が止まらないのだ。

 

「ま、まへ!とまって!?おねが、だっ、まだイぐ!」

 

 彼女の懇願に耳を貸さず、ローグハンターは「ふっふっふっ」と短く息を吐くのみ。

 彼女の体を押さえつけ、文字通り芯まで響く一突きを、延々と繰り出し続ける。

 亀頭が最奥に届く度に彼女は絶頂を迎え、落ち着く間もなく次が、また次がと延々と絶頂し続ける。

 

「あぎゃ!?イクのとまんにゃい、またイグ!イッチャう!?」

 

「まっへ!やすまへて、ちょっとだけ──」

 

 流れ込む絶頂に耐えながら彼に声をかけたが、彼からの返答は再びの口付けだった。

 差し込まれる舌が縦横無尽に口内を暴れまわり、彼女が声をあげる隙を与えない。

 そしてそれは、今回の終わりの合図でもあった。

 亀頭が彼女の子宮口を殴った瞬間、溜めに溜められていた精液が吐き出されたのだ。

 

「んんんん!?んんんん!!!ん──」

 

 度重なる絶頂と、吐き出された精液の熱さに当てられた銀髪武闘家は、彼の背に巻いていた腕をベッドに投げ出しながら気を失った。

 

「ふーっ!ふーっ!ふーっ!」

 

 対するローグハンターは彼女の腰を押さえ、二十年近く感じることのなかった吐精の快感に浸りながら、どろどろの精液を一滴残さず彼女の胎内に注ぎ込んだ。

 それが終わったのは二分近くが経った頃だった。

 声を漏らしながらピクピクと痙攣する彼女の体を解放したローグハンターは、ようやく萎えたぺニスを抜き、力尽きたように彼女の隣に倒れこんだ。

 興奮したように荒れていた呼吸が途端に落ち着きを取り戻すとゆっくりと瞼を閉じ、穏やかな寝息をたて始める。

 

「──っ。──っ!──っ……」

 

 秘部から精液が逆流する感覚で小さな絶頂を迎える銀髪武闘家は声もなく体を震わせ、襲いかかってくる疲労感と眠気に身を任せ、目を閉じた。

 だが眠れたのはそれから一時間が経った頃で、絶頂の余韻に浸り続けた彼女の秘部からは、どろどろの白濁液が漏れだし続けていた。

 

 

 

 

 

 翌朝。

 窓から差し込む陽の光に当てられたローグハンターは、慌てたように体を起こした。

 寝惚けることなく陽の高さから現時刻を叩きだし、昼過ぎであることを確認。言うまでもなく寝坊である。

 しまったと頭を抱えると、隣から「んん」と恋人のうめき声が漏れた。

 彼がそちらに目を向けるのと、彼女が目を覚ましたのはほぼ同時で、直後に二人の視線が交錯した。

 

「「………」」

 

 二人は赤面しながら目を逸らし、ローグハンターが気まずそうに「大丈夫か」と問いかけた。

 問われた彼女は「大丈夫じゃない」とシーツを被り、「全然動けないよ……」と寝転びながら腰を擦った。

 

「その、申し訳ない……」

 

 ローグハンターは申し訳なさそうに頭を掻いて謝ると、銀髪武闘家は「死んじゃうかと思った」と不貞腐れたように唇を尖らせた。

 

「キミが全然誘ってくれないから、私からやったのに」

 

「申し訳ない……」

 

「いやらしい女だって思われなくなかったから、一年も待ってたのに」

 

「申し訳ない……」

 

「最後はあんな強姦じみた事になっちゃうし」

 

「本当に、申し訳ない。辛抱堪らなくてな……」

 

 彼女からの容赦ない言葉の数々に縮こまりつつ、ローグハンターはちらりと彼女へと目を向けた。

 シーツに隠れて顔以外はほとんど見えないが、昨晩の事を思い出して再び赤面し、彼女に背を向けた。

 銀髪武闘家は砕けた腰を庇いながら体を起こし、彼の背中に抱きつく。

 豊かな胸が彼の逞しい背中で潰れ、むにゅんと脇から余った部分がはみ出す。

 

「でもキミと一つになれて、嬉しかったよ」

 

 彼女は笑みながらそう言うと、彼の首に口付けを落とした。

 そのまま思い切り吸い上げ、彼の体に一番新しい痕を残す。

「えへへ」と照れたように笑うと、不意にローグハンターが体ごと振り向いた。

 突然正面から向かい合う事になった銀髪武闘家は僅かに驚きつつ、「どうかした?」と首を傾げた。

 

「……すまない」

 

 彼は突然謝ると、彼女の肩を押してベッドに倒した。

「わわ!?」と慌てる彼女を他所に彼女に覆い被さると、いまだに湿り気の残る彼女の秘部に再び勃起した自身の分身の亀頭を押し当てた。

 

「へ……?」

 

 彼女が間の抜けた声を漏らしたのも束の間、ローグハンターは不器用な笑みを漏らし、彼女に告げた。

 

「もう少しだけ、付き合ってくれ」

 

「え、あ、ちょ、待っ──」

 

 

 

 

 

 この日、眠る狐亭の一室から、真っ昼間から女性の喘ぎ声が聞こえたという証言を掃除当番の店員が残し、それを聞いた店主はどこか懐かしむような笑みをこぼしたという。

 

「戦うだけの人生なんて、悲しすぎるからな」

 

 店主はそう言葉を残して、何かの紋様(シンボル)と思われる火傷痕が残された左手薬指を撫でたそうだ

 

 

 

 

 




感想、アドバイスお待ちしております。



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本編幕間編
Memory01 始まりの夜


時系列的にはSequence2-1の後。
店主に茶化される原因となった出来事です。


 眠る狐亭の一室。ローグハンターが拠点としているその部屋で、当の彼はベッドに押し倒されていた。

 着替え中に襲われたため上半身は裸で、引き締まった彼の体と、そこに刻まれた余多の傷が月明かりに照らされて浮かび上がる。

 自身に馬乗りになる銀髪武闘家は何故か上機嫌そうに鼻を鳴らし、瞳は既に蕩け始めていた。

 シャツもズボンも履いておらず、ましてやブラジャーすら着けていない。今彼女が纏っているのは飾り気のないパンツのみで、程よく肉のついた太ももや、呼吸に合わせて上下に揺れる豊かな乳房が、月明かりの下に晒されている。

 ローグハンターは倒れたまま苦笑混じりに肩を竦めると、彼女の銀色の瞳を覗きながら言う。

 

「……またか」

 

 言われた彼女は困り顔で「えへへ……」と笑うと、「良いでしょ?」と小首を傾げて問うた。

 問われた彼は小さく息を吐き、「構わないさ」と了承の意を示した。

 時折ではあるが、彼女は何の脈絡もなく彼に襲いかかる事がある。

 それはお互いに死にかけた大仕事の後だったり、すぐに終わる簡単な仕事の後だったり、その発作が起こるタイミングに一貫性はないが、少なくとも彼女はそれが起きたら何も考えずにローグハンターに襲いかかる。

 それは彼が絶対に迎え入れてくれるという信頼の証であり、事実ローグハンターが拒むことはほぼない。

 今回もまた彼は拒まず、抵抗もなく彼女に馬乗りになられているわけだ。

 彼の許可を貰えた銀髪武闘家はにこりと笑うと、彼の唇に口付けを落とす。

 

「ちゅ……」

 

 触れる程度の軽いキスをすると、彼の口許の傷痕にも口付けし、矛先は首もとへと向かう。

 様々傷が目立つ中で、ほとんど傷がないその場所は、人間最大の急所の一つ。切られれば血が噴き出して死ぬのだから、重点的に守るのは当然の事。傷一つないのは当たり前だ。

 そこを無抵抗に触らせてくれるのは、彼が全幅の信頼を寄せている証拠。

 その事を嬉しく思いつつ躊躇いなく吸い付き、舌先でぺろぺろと舐めながら思い切り吸い上げた。

 

「っ……」

 

 くすぐったそうに体を震わせたローグハンターの姿に、銀髪武闘家は小さく笑いつつ自らがつけた痕を見つめ、勝ち誇るように鼻を鳴らす。

 傷のない場所に──すぐに消えるとは言え──傷をつけたのは、何とも悪いような気もするのだが、何故か誇らしさが勝ってしまう。

 

「ふふ……ふにゃ!?」

 

 そうやって笑っていた銀髪武闘家の口から突然声が漏れ、びくりと体が跳ねた。

 寝転んでいたローグハンターの腕がいつの間にか彼女の安産型の尻に伸ばされ、そのまま鷲掴んだのだ。

 そのまま彼は指を動かして彼女の尻肉を揉みしだき、胸ほどではないが柔らかな感触を堪能する。

 

「んん……」

 

 銀髪武闘家は下半身からくるくすぐったさに身動ぎしつつ、声を圧し殺す為に再び彼の首に噛みついた。

 歯を立てない甘噛みではあり、その程度でローグハンターが止まるかと問われれば答えは否。

 むしろ口を塞ぐ必要が消えた為、彼はもう少し大胆な事をし始める。

 尻を揉んでいた手をショーツの中に入り込ませ、そのまま割れ目をなぞるように撫で始めたのだ。

 

「っ」

 

 赤面した彼女は力を入れて体を固めるが、ローグハンターは気にしない。どうせ後で力が入らなくなるのだ。

 尻の割れ目を通りすぎれば、次にたどり着くのは彼女の秘裂。昔に比べて柔らかくなったその場所に触れてみると、くちゅりと湿った音が漏れ、彼の指を何かが濡らした。

 ローグハンターはフッと小さく笑うと、真っ赤になった彼女の耳元で「期待してたのか?」と囁いた。

 

「~!」

 

 耳元で囁された彼女は背筋を震わせながら、けれど否定の言葉は吐かずに首もとを僅かに歯を立てて一噛み。

「ちょっと痛いぞ」と若干棒読みになりながら苦言を呈するが、彼女を振り払わない辺り、とてつもなく彼女には甘いのだろう。

 ローグハンターは声には出さずに苦笑を漏らすと、秘裂を撫でていた指に意識を傾けた。

 優しく撫でる程度の手付きだったものを、さらに積極的なものへと切り替えるのだ。

 くちゅくちゅとわざとらしく音をたてながら指を這わせ、ぴくぴくと体を震わせる彼女の反応を楽しみつつ、さらに次の段階へと進む。

 器用に人差し指と薬指で秘裂を開き、中指を秘部へと差し込んだ。

 湿っていたおかげか、抵抗もなくするりと胎内に潜り込んだ中指に膣肉が吸い付き、くすぐるように蠢き始める。

 

「ひぅ……!」

 

 僅かに感じる異物感に声を漏らした銀髪武闘家の髪を梳いてやりながら、ローグハンターは「動かすぞ」と告げ、返事を待たずに中指を前後に動かし、出し入れを始めた。

 

「ひっ、ふっ、んん……」

 

 中指の動きに合わせ、銀髪武闘家からの口から悩ましげな声が漏れ、物欲しそうに腰が揺れ始める。

 くちゅりくちゅりと鳴る水音と、時折漏れる彼女の吐息のみが室内で起こる音で、ローグハンターは持ち前の潜伏(スニーク)技術を応用し、決して音を漏らすことはない。

 

「んっひゅ、くっ」

 

 ゆっくりと、彼女に傷をつけないように優しく撫でる彼の指先が出入りを繰り返し、彼女に緩い快感を与えていく。

 けれどそれでは満足出来ないのか、彼女は「もっと……」と声を漏らし、出し入れを続ける彼の手を掴んだ。

 ほとんど力の入っていないそれは、彼の動きを制限するには意味をなさないが、彼は彼女の意図を察してか動きを止め、中指に続いて薬指を彼女の秘裂へと差し込む。

 体をびくりと跳ねさせるだけで声は我慢した彼女の背を撫でながら、今度は前後させるのではなく、指を曲げて膣肉を掻いてやる。

 ぐちゃぐちゃと先程とは違う音が漏れ始めると、彼女の反応もまた変わり始めた。

 

「んっ。あっ、くぅ……っ」

 

 口をつぐんで声が出ないように我慢しつつ腰を浮かせ、もっと気持ちが良い場所を掻いてもらおうと腰を左右に揺らし始める。

 そして、その時はすぐに訪れた。

 ローグハンターの指が膣内でざらつく部分に届き、そこを思い切り掻きあげたのだ。

 

「くひん──っ!!」

 

 彼女が目を見開いて体を跳ねさせた瞬間、空いている手で彼女の頭を捕まえたローグハンターが、素早く口付けすることで口を塞いだのだ。

 同時に彼女の最も感じる場所(Gスポット)を捉えた指を激しく動かし、絶え間ない快感を与えていく。

 

「ん──っ!!っ──!んん──……!?」

 

 吐き出される喘ぎ声は全てローグハンターに飲み込まれ、いくら腰が暴れても彼の手が離れることはない。

 

「あまり暴れるな、怪我するぞ」

 

「ちゅっ!まへ──!イっ……!」

 

 彼が喋った為、僅かに彼女の声が漏れ出たが、ローグハンターはさらに深く口付けをすることで更なる発言を封じる。

 

「ん!?んん……!ふっ……!」

 

 口で呼吸が出来ない為か、鼻で荒々しく息を吐きながら、脳内で弾ける火花で視界を点滅させながら、彼女は突っ込まれた彼の舌に自らの舌を絡めた。

 

「ちゅ!れろ、べろ!ぷはっ!くる、きちゃう!」

 

 不意に彼の口付けから解放された彼女は、回らない呂律もそのままに、蕩けた瞳を彼へと向けた。

 彼女の言葉を表すように、指に吸い付いていた膣肉が痙攣を始め、耐えていた何かを爆発させようとしていた。

 ぐちゃぐちゃと先程より激しく水音をたてながら、彼の指はようやく見つけた彼女の弱点を責め続ける。

 

「イクッ!イッちゃ──」

 

 彼女が絶頂を迎えようとした瞬間、彼の指が止まった。

「……ふぇ」と来る快感に備えていた彼女は気の抜けた声を漏らしてローグハンターの顔を見ると、彼は何やらしてやったりという悪戯っぽい笑みを浮かべていた。

「な、なんで……」と腰を揺らしながら問うと、その答えはすぐに知れた。

 パンツを押し上げた彼の怒張が、自らの秘裂を撫でたからだ。

 それだけで答えを察した彼女は更に瞳を蕩けさせながら、お預けをくらった秘裂からは、期待からか愛液を分泌させた。

 ローグハンターは自らに覆い被さる銀髪武闘家の肩を掴むと脇に転がし、今度は自らが覆い被さるように彼女の上へ。

 びちょびちょに濡れる彼女の秘裂に亀頭を添え、ちらりと彼女の顔に目を向けた。

 

「いいよ、来て……」

 

 潤んだ瞳に彼を映した銀髪武闘家は、両腕をローグハンターの首に絡めながら頷いた。

 彼は一度深呼吸すると、一気に腰を押し出した。

 愛液のおかげか途中で止まることなく、閉じていた膣肉を掻き分け、かりで引っ掻きながら、亀頭が子宮口とぶつかった。

 

「っ!きったぁ……」

 

 同時に小さな絶頂を感じながら、彼女は熱のこもった息を吐き、両足で彼の腰を押さえ込む。

 イった為か小さく痙攣する膣肉が与えてくる快感に耐えながら、ローグハンターは「動くぞ……っ」と唸るように声を絞り出した。

 

「ま、待って。キス、キスしてっ」

 

 銀髪武闘家は体を震わせながら言うと、彼は返事をなく彼女の唇を奪った。

 

「ちゅ、ふっ、れ、んん……」

 

 唇が触れあう程度のものだったが、銀髪武闘家が誘うように口を開いた事を合図に、ローグハンターの舌が彼女の口内へと差し込まれた。

 同時に彼の腰が動き始め、ずりゅずりゅと音をたてながら彼女の膣内を暴れまわる。

 

「んっ!じゅる、れろ!ひんっ!ん、んんん!じゅるる!」

 

 上からも下からも湿った音を鳴らしながら、銀髪武闘家の喘ぎ声は限りなく小さなもの。

 パンパンと肉同士のぶつかる音を小耳に挟みつつ、ローグハンターは更に腰の動きを激しくし始めた。

 パンパンパンパン!と鋭い音を響かせながら腰が叩きつけられ、鋭いかりにGスポットを抉られる度に体が跳ね上がり、小さく絶頂を繰り返すが、それでも意識を繋ぎ止めて彼が与えてくる快楽を享受する。

 

「んん!──っ!ぶあ!?」

 

 だが体は予想を反して暴れまわり、首を振ってキスを中断させてしまう。

 突然自由になった口から音が漏れ、変わらず体の芯に叩きつけられる怒張の勢いに肺の空気が押し出されて、「かっ、はっ!」と小さく声を漏らした。

 

「んぎ!あぐ!いい、きもちいいのぉ!!」

 

 押さえるものがなくなった彼女の口から特大の喘ぎ声が漏れると、ローグハンターが動いたのはほぼ同時。

 彼女の後頭部に手を添えると体を沈め、彼女の口を自身の肩に押し当てたのだ。

 ちゅ!と彼の肩に口付けを落とした銀髪武闘家は「んー!んんん!んん!?」とこもった喘ぎ声を彼の肩に吐き出し、ぎゅっと彼を抱き寄せる腕に力を入れた。

 ローグハンターは腰の動きを緩やかにしながら小さく唸り、先生から学んだ事が変な方向に生かされているとため息を吐いた。

 本来なら、アサシンブレードを突き刺した相手に悲鳴をあげさせないように口を塞ぐ技なのだが、まさか男女の営みで使う日が来ようとは……。

 

「んんー、んんんー……。ぷはっ。おねがい、ちょうらい。あついの、だして……」

 

 そんな思慮に耽っていた彼の肩を叩いた銀髪武闘家は、霞んだ思考のままそう言うと、ローグハンターは現状に意識を戻した。

 過去の教えを思い出すよりも、今は目の前の恋人を満足させてやるのが先決だろう。

「ああ、わかった」と彼は頷くと、「本気でいくぞ」と表情を引き締めると、全身に浮かぶ玉のような汗のせいか、額に張り付いた銀色の髪を指で拭ってやる。

「いいよ。わたし、じょうぶだから……」と彼女がへにゃりと笑うと、ローグハンターは小さく微笑みを返し、彼女の顔を肩に押し付けた。

 肩に感じる彼女の息づかいと、背に回された腕がぎゅっと力が入った感覚を感じつつ、腰の動きを激しくさせた。

 

「っ!んん!んんんんん!ん──っ!~っ!!」

 

 膣肉が抉られる度に駆け抜ける感覚に体を跳ねさせ、再びの絶頂を迎えても、ローグハンターは止まらない。

 本気でいくと彼は言った。つまり彼が果てるまで止まることはない。

 

「ん!ん!ん!ん~っ!?」

 

 かりでGスポットを抉られ、子宮口を亀頭で殴られる度に絶頂を迎え続け、最初に迎えた絶頂から戻ってこられない彼女は視界を点滅させながら、意識を飛ばさないように歯を食い縛った。

 

「んー!んんんー!ぐっ!ふっ!」

 

 今は耐えるのだ。もうすぐもっと凄いのが来る、もっと気持ち良くなれる、彼が気持ち良くなってくれると、焼き切れかけた理性を繋ぎ止め、ひたすらに耐える。

 

「そろそろ、射精()るぞ……っ!」

 

「んー!んっん!んんんん……っ!」

 

 彼の宣言に体が悦びの声をあげ、膣肉が勝手に締まり、子宮口が僅かに下がり始める。

 同時に胎内を抉り続ける怒張が僅かに膨らみ、更なる熱を纏い始めると、銀髪武闘家はぎゅっと目を閉じて備えた。

 

 ──くる、あついのくりゅ!ちょうらい、どぴゅどぴゅ、あちゅいのらしてぇぇぇ!!!

 

 彼女の期待が最大限に大きくなった瞬間、そのタイミングを狙い澄ましたように、彼の鈴口からどろりとした精液が吐き出された。

 

「ん!?んんんんんんんんん!!!」

 

 胎内に着火した燃える油(ガソリン)の如く熱さを持つそれを流し込まれた彼女の体は跳ね上がり、ローグハンターの体に押さえられてなお体が浮かび上がり、背中が弓なりに反り返る。

 それでも吐精は終わらず、彼女の子宮を満杯になるまで注がれた精液が逆流し、二人の接合部から漏れだしながら愛液と混ざりあい、白く濁った泡となって彼女の尻を垂れていく。

 

「んん!?んん──っ!ん──……!」

 

 吐精と同時に迎えた絶頂の波に耐えきれず、銀髪武闘家はついに意識を手放し、弛緩した体をベッドに投げ出すと、彼の肩から顔を離してベッドに沈みこんだ。

 

「あへぇ……へぁ……」

 

 度重なる絶頂と吐精を受け止めた彼女は、意味のない声を漏らしつつ、絶頂の余韻で体を跳ねさせながら、「んっ、あひゃぁ……」と更に声を漏らした。

 

「っ!」

 

 ようやく吐精が終わったローグハンターは自らの分身を彼女の胎内から引き抜き、どっと出た疲れと共に息を吐いた。

 同時にベッドに倒れる彼女の姿に目を向け、目を細めた。

 白い肌は赤く上気し、各所には玉のような汗が浮かび上がり、口の端からは涎が、秘裂からは泡立った精液が垂れ出ている。

 いつも一纏めにされている銀色の髪はベッドに扇形に広がり、汗に濡れたのかいつも以上に月の明かりを反射し、艶々としていた。

 

「──」

 

 ローグハンターは彼女の姿に息を呑むと、また存在を主張し始めた自らの分身に目を向け、頭を掻いた。

 二十年近く封じられていた性欲は、解き放たれてからというものかなり馬鹿になってしまった。

 それは初体験から一年以上経った今でも治らず、むしろ性欲は強くなる一方。

 

「我慢だ、今は抑えろ……」

 

 流石に気絶した彼女を襲うのは良心が痛むし、何より彼女は限界だ。もう一度致せば、恐らく明日は動けなくなってしまう。

 

「耐えるのには慣れてる。大丈夫だ……」

 

 自身に暗示をするようにぼそぼそと呟くと、彼はサイドテーブルに置かれた水瓶をぶんどるように取ると、それを直接煽った。

 火照った体を物理的に冷やし、興奮を冷ます。

 彼はホッと息を吐くと、またちらりと寝転ぶ彼女に目を向けた。

 汗を含めて、様々な形で水分を失った筈だ。失った水分は早めに補給しなければ後で大変な事になる。

 ローグハンターは目を細めて再び水瓶をあおると、彼女に口付けを落とし、開かれた口に少しずつ水を流し込んだ。

 彼女の舌に自分の舌を絡ませ水の通り道を確保しながら、少しずつ少しずつ流し込む。

 こくこくと喉を鳴らして飲み込んでいく姿に微笑みながら、口に含んだ全ての水を流し込んだローグハンターは体を離し、口の端から垂れた水分を拭うと、深く息を吐いた。

 水分が入った為か彼女の呼吸もだいぶ落ち着き、喘ぎ声だったものが、ようやく寝息と言ってものになっている。

 ローグハンターは嬉しそうに目を細めると、額に張り付いた髪を拭ってやり、そこに口付けを落とした。

 

「おやすみ」

 

 静かに告げられた言葉に彼女は「んぅ……」と小さく返事をすると、再び穏やかな寝息をたて始めた。

 彼女にシーツを被せたローグハンターは彼女の隣に寝転び、自分もまたシーツを被った。

 既に夜遅い。今から寝れば、明日に支障が出ない程度には回復するだろう。

 寝ればまたいつも通りの明日が来て、いつも通りの一日が終わり、いつものように眠るのだ。

 この時の彼は、この翌日に新たな仲間が加わる事を知るよしもなく、ただいつものように眠りについた。

 この日封じ込めた性欲を解放できたのは、これから何ヵ月も経った後の事だ。

 

 

 

 




感想等ありましたら、よろしくお願いします。


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Memory02 神の膝元で

Sequence3-3の後。
至高神の神殿の一室にて。気分が沈んだ銀髪武闘家を慰める一幕。




 法の神殿の一室。カーテンを締め切り、月明かりが一切差し込まない部屋に、ローグハンターと銀髪武闘家がいた。

 既に服を脱ぎさり裸となっていた銀髪武闘家は自身の髪をシーツのようにベッドの上に広げ、その上に寝転んでいた。

 潤んだ瞳で自らに被さるローグハンターへと向け、強がるような笑みを浮かべる。

 彼は愛おしそうに彼女の頬を撫でると、彼女の額に唇を落とした。

 ちゅ……と音をたてながら唇を離すと、彼は雨を降らすように他の場所にも唇を落とし始める。

 額に始まり、瞼、頬、鼻先、耳たぶと続けると、首筋にも口付けを一つ。

 明日も予定があるため痕を残さないように気を遣い、付いても問題がないように目標を更に下へと定めた。

 鎖骨を舐めるように唇を這わせ、胸の付け根に吸い付くと、自分の物だという証のように吸い痕を残す。

 ついでにベッドについた片手をそのままに、空いている手で彼女の胸に触れ、武骨な指を埋めた。

 マシュマロを思わせる柔らかさであるが、沈んだ彼の指を押し返す。沈むのみではない弾力を堪能しながら、彼は指を不規則に動かす。

「んっ」と声を漏らした彼女を他所に、ローグハンターは止まらない。

 胸の付け根から唇を這わせて胸にも同じように痕を残し、そのまま桃色の乳首──には触れることなく、胸を軽く持ち上げながら下乳にも唇を落とした。

 彼はあまり彼女の胸──特に乳首を弄ることはあまりない。彼はその理由を語らない為、銀髪武闘家にもその理由はわからない。

 彼女は小さな疑問を飲み込むのと、彼が次の場所に唇を落としたのはほぼ同時。

 力が抜けている為か柔らかくなっている腹筋にも口付けをすると、ローグハンターは縦の割れ目をなぞるように舌を這わせた。

 くすぐったさからか「ひぅっ」と漏れた彼女の声を無視し、彼は腹にあるへこみ──つまりは彼女の(へそ)に舌を突っ込んだ。

 

「ひゃっ!」

 

 あまりされたことのない感覚に体を跳ねさせると、ローグハンターは一度顔を離し、彼女の顔を見つめながら「大丈夫か」と声をかける。

 彼女が「だ、大丈夫」と照れたように赤面しながら頷くと、「なら、続ける」と淡々と告げた。

 言葉の通りに臍の辺りを舐めると、再び舌を突っ込んだ。

 臍に入り込んだ温かく柔らかな感覚に「ふっ」と息を漏らすと、ローグハンターは味をしめたように舌を動かした。

 音をたてないようにゆっくりと、彼女の味を堪能するように一舐め一舐めを丁寧に。

 舌が這う度に彼女の体が揺れ、ぴくぴくと反応を示すのは、快感を感じているよりもくすぐったいが故だろう。

 流石に疲れてきた舌を休ませようと顔を離したローグハンターは小さく息を吐き、自分の唾液でべたべたに濡れた彼女の臍を眺め、やり過ぎたと僅かに反省。

 代わりに胸を揉んでいた手を名残惜しくも離すと、人差し指でつーっと彼女の腹筋を撫でながら下へと伸ばし、唾液で湿った臍部を通りすぎ、僅かに生えた陰毛の上を通りすぎ、目指すは彼女の秘部。

 たどり着くにはあまり時間を用さず、文字通りすぐにたどり着いたのだが、問題はまだあまり濡れていない事だろう。

 ローグハンターは目を細めると、まずはそこからと人差し指で秘裂を撫でた。

 銀髪武闘家は僅かに声を漏らす程度で、制止の声をあげることはない。むしろ声を抑えるために自らの指を甘噛みしている程だ。

 それを了承と受け取ったローグハンターは口許を笑ませると、優しく秘裂を撫で始める。

 指の腹が擦れる度に彼女の肩が揺れるが、指を噛んでいるため声が漏れることはない。

 

 ──なら、少し強くするか。

 

 声には出さずに決めると、指先で豆のように硬い場所を探り、それを見つけた。

 その具合を確かめるように指先で転がしてやると、「ふんっ!」と声を漏らしながら銀髪武闘家の腰が僅かに跳ねた。

 触れたものが目的の部位であるとわかったローグハンターは嗜虐的な笑みを浮かべ、そのまま彼女の陰核を虐め始めた。

 指先で転がしたかと思えば今度は軽くつねり、時には優しく弾くように弄ってやれば、もはや楽しくなってくる程に銀髪武闘家が反応してくれる。

 

「ひん!やっ、ふぅん!」

 

 それでも声を漏らさんとする彼女は快感に耐えながら身を捩るが、ローグハンターの魔の手からは逃げられない。

 同じ手で責めるのもつまらないと、今度はつまんだまま二本の指の間で転がしてやり、何を思ってか引っ張ったり、逆に押し込んでみたり、押し込んだままこね繰り回したりと、彼女の反応を試すように様々な手で責める。

 その度に彼女は「ん~っ!」と声にならない悲鳴をあげ、何かから逃げるように、あるいは求めるように腰を浮かせ、時には左右に振る。

 その度に筋肉の固さと柔らかさを両立させた尻が揺れ、ローグハンターに更なる情欲を誘った。

 そして、相手が見せた隙を逃がさないのがローグハンターたる男であり、彼女を第一に動くのもまた、ローグハンターたる男だ。

 彼はどこか嗜虐的な笑みを浮かべると、耐える彼女にとどめを刺すようにピンと勃った陰核を少々強目に指で弾いてやった。

 その瞬間、彼女の目が大きく見開き、僅かに歯を立てて指を噛み締めながら、背中を弓なりにしならせた。

 

 

「んんんん~~~っ!」

 

 僅かな痛みと共に叩きつけられた快感に身を捩り、秘裂から僅かに潮を噴きながら絶頂を迎えたのだ。

 ぼふと音をたてながら弓なりになっていた背中がベッドに沈むと、ローグハンターは彼女を労うように頭を撫でた。

 絶頂を迎えた為か敏感になった彼女の感覚では、それにすら快感を感じるのか、僅かに体を揺らして声を漏らす。

 同時に力が抜けた為かくわえていた指が口を離れると、ローグハンターはその手を掴み、僅かに不満そうに目を細めた。

 彼女の指には噛み痕がしっかりと残されており、僅かに血が滲んで赤くなっているのだ。

 生活には何の支障もない、放っておけば気付かない内に消えるような傷ではあるが、それでも彼にとっては不満に思うには十分だったらしい。

 彼は彼女の指を口に含むと、噛み痕に舌を這わせた。

 傷も舐めれば治るとは言うが、それはあくまでも舐めるのは傷口であって、内出血はどうしようもないのだが、今の彼にはそんな事どうでも良いらしい。

 ぺろぺろと丁寧に舐めてやると、銀髪武闘家は心地良さそうに目を細めた。

 指先が大変(ぬく)く、触れる柔らかな感覚も僅かにくすぐったいものの、程よく心地よい。

 彼は満足するまで指を舐めると解放してやり、再び秘部へと手を伸ばした。

 秘部の湿り気は十分だが、中は解れていないだろう。指を入れて解してやろうと考えたのだ。

 だが、それは誰でもない銀髪武闘家の手で止められた。

 ローグハンターは反射的に手を止めると、彼女の顔へと目を向けた。

 彼女はどこか心配そうな面持ちで彼の顔を見つめ返すと、「待って……」と声を漏らした。

 力の入らない手を彼の肩に置き、現状で出せる全力を持って押すと、それに合わせてローグハンターは体を転がした。

 視界がぐるりと回って上下反転し、今度はローグハンターがベッドに寝転び、銀髪武闘家が上となった。

 肌を上気させたままはぁはぁと肩を上下させ、それに合わせて揺れる胸を眺める彼は「どうかしたのか」と首を傾げた。

 彼女は彼の体に倒れこむと、彼の耳元で「疲れてるでしょ」と囁くように問うた。

 昼間、彼は一党の一員たる女魔術師を担いで地下水道を走り回った。

 他の冒険者たちよりも持久力がある彼とて、部屋に来た時は疲労の色が濃かった。

 今は空元気か何かで色々とやってくれるのは嬉しい反面、どこか罪悪感を感じてしまったのも事実。

 そもそも部屋を訪ねたのは自分だ。そのせいで寝ていた彼を起こしてしまった。

 当のローグハンターは「大丈夫だ」と返して彼女の背を撫でるのだが、罪悪感に悩む銀髪武闘家は首を振った。

 

「ううん、きっと疲れてる。だから、さ」

 

 ──私が動くね……。

 

 彼女は一方的に告げると上体を起こし、いきり立った彼の逸物に触れた。

 既にパンツを脱いでいる為、直に感じる彼の熱に笑みを溢すと、名残惜しそうに頬に唇を落としてから上体を上げた。

 そして力が入らない手足に鞭を打って腰を浮かせると、血管が浮かぶほどに勃起した彼の逸物の直上になるように、膝歩きで位置を調整した。

 ふぅふぅとそれだけでまた息を荒くしながら、彼女は「それじゃあ、いくよ」気丈に笑い、片手で自身の秘裂を開き、もう片方の手を彼の逸物に添えて、ずれないように固定。

 気持ちを落ち着かせるように一度深呼吸をすると、彼が何かを言い出す前に腰を落とした。

 

「っ!~……」

 

 濡れていたとはいえ、まだ解れていなかった膣肉を彼の平均より大きめの逸物が抉り、瞬く間に子宮口を殴った衝撃は、彼女の脳天にまで達した。

 小さな絶頂を迎えてなお声を出さなかったのは、ひとえに彼女の気合いが勝ったが故だろう。

 ローグハンターはどこか感心するように息を吐くと、不意に上体を起こして彼女の体に抱きついた。

 豊かな胸が彼の固い胸板に潰され形を歪めると、体は更に密着してお互いの体温を交換し合う。

「大丈夫か」と耳元で囁かれ、反射的に「大丈夫」と頷くと、「そうか」と彼は安堵したように息を吐き、汗で背中に張り付いた銀色の髪を剥がし、手で梳き始めた。

 その優しい手つきはどこか親の手を思わせるが、けれど決定的に違う。

 親が子に向ける愛と、男が女に向ける愛とでは、また形が違うのだからそれは当然だ。

 銀髪武闘家は心地良さそうに目を細めながら、「動くね」と一言次げた。

「ああ」と彼は頷くが、髪を梳く手を止めることはない。彼なりに彼女を気持ち良く──あるいな心地よく──しようとしているのだろう。

 彼の心遣いに感謝しながら、銀髪武闘家は腰を動かし始めた。

 円を描くように前後左右に尻を揺らし、膣肉全体で彼の逸物を扱きつつ、早めに解れるように確かに、けれどゆっくりと。

 

「んっ。ふぅ……あっ……」

 

 自分の最も感じる部分に擦れる度に声を漏らし、更に分泌された愛液で滑りを良くしながら、けれど焦らずに少しずつ。

 ローグハンターは急かすことなくも、何か邪魔をすることもなく、ただ快楽に浸る彼女の表情を見つめながら、優しく髪を梳いてやる。

 ここで自発的に腰を動かしてしまえば、彼女の厚意を無駄にしてしまう。それだけは避けたかったのだろう。

「んぁ……っ。ふっ」と僅かな声を漏らす彼女の蕩けた表情を堪能していると、不意に目が合い、急に彼女が顔を背けた。

 照れているのか恥ずかしがっているのか、理由はともかく顔を背けたのはいいものの、真っ赤に染まった耳が目の前にあるわけで、堪らず彼はそこに吸い付いた。

「ひっ」と声を漏らしたのも束の間、わざとらしくくちゃくちゃと音をたてながら、ローグハンターは彼女の耳を甘噛みし始めた。

 

「ひぅっ!ふぁ、あっ!」

 

 聴覚を支配する湿った音に、銀髪武闘家は熱のこもった声を漏らした。

 無意識の内に音に合わせて腰が動き、膣内の音を直接聞かせれている錯覚を覚える。

 そしてそれが興奮材料となったのか、彼女の膣肉がより締まった。

 更によくなった膣肉の吸い付きにローグハンターが小さく唸ると、銀髪武闘家は頃合いと見て覚悟を決めた。

 耳を甘噛みされているのをそのままに、腰の動きに少しずつ上下の動きを付け始めたのだ。

 はじめは小さかった動きが段々と大きくなり、それに合わせて彼女の吐く吐息に更に熱がこもり、ローグハンターの舌の動きも活発になる。

 そこには神聖な神殿で行為を行っているという、僅かな背徳感により後押しもないわけではない。

 だが彼女は神官ではない。神はいるとは思えど祈るのはお門違い。場所は彼女を止める理由にはならなかった。

 

「ひんっ!ふぁ、んん!あっ!?」

 

 自分の当てたい部分に当てたい分だけ。

 文字通り自分の好きな部分を重点的に責めるように動く彼女の快感はいつも以上であり、漏れる嬌声もまた回数が増していく度に大きくなり始める。

 

「あっ、いいっ!そこ、もっ──むぐ!」

 

 ついに彼女の我慢が限界を迎えそうになった瞬間、彼女の口に何かが突っ込まれた。

 流石に危険を感じたローグハンターが、自らの指を二本、彼女の口に押し込んだのだ。

 

「んぐ!れろ、ん!?んんん……っ!」

 

 はじめは嬉しそうに舐めていた彼女だが、彼の指に舌を挟まれ、ぐちゃぐちゃと音をたてて虐められ始めると、彼女は目の色を変えた。

 

「ん!あへぇ、んん、れろ、ちゅー」

 

 自ら甘えるように彼の指に舌を絡め、赤子が母の乳を吸うように吸い付き、隙間から熱い息を吐き出した。

 それに合わせて腰の動きも更に激しくなり、ぎしぎしとベッドが軋む音が部屋に来た響き始めた。

 

「んん、ぷはっ!むぐぅ!?んーっ、んんん!」

 

 動きが激しくなるにつれ、ローグハンターの指も抜けやすくなるのだが、そこは持ち前の反射神経で反応し、抜けてもすぐに指を突っ込む。

 それを数度繰り返せば、逆に銀髪武闘家の方から彼の指に吸い付き、一心不乱に舐め始めた。

 

「じゅるじゅるじゅる!んぅっ!?ひんっ!ぶあっ!」

 

 それでも膣肉を抉られる快感に耐えきれず、ついに彼女の口から指が抜けた。

 

「ふぁ!ひぐっ!んん、ああ!」

 

 抑えるものがなくなった口からまた嬌声が漏れ始めると、彼女は腰を動かしてながら彼へと告げた。

 

「ひん!おね、がい!あん!キシュ、キスしてっ!んぐぅ!」

 

 彼女の言葉に返事をなく、今度は唇で口が塞がれた。

 お互いの舌を絡めて唾液を交換しながら、銀髪武闘家はスパートをかけるように腰の動きを更に激しくした。

 パンパンと肉のぶつかる音と、ぎしぎしとベッドが軋む音、そしてぐちゅぐちゅとふたりの唾液が混ざり合う湿った音、お互いの荒れた呼吸音が部屋に響き、二人の聴覚を支配して、更に興奮させる要因となった。

 

「んぐ!んん、じゅる!ふっ、んあ!?」

 

 彼の逸物が子宮口を殴られ、膣肉を引っ掻かれ、かりが敏感な場所を擦り続ける。

 脳内で絶えず火花が散る銀髪武闘家はぎゅっと彼に抱きつくと、「ひきゅ!ひっちゃう!」と器用にキスをしたまま彼へと告げた。

 言われた彼は髪を梳いていた手で彼女の頭を抑えると、更に顔を密着させてキスを更に深いものに。

 舌の付け根まで舐められるほど深い口付けに舌をピンと伸ばして震わせると、ローグハンターは口内で伸びる彼女の舌を甘噛みし、ちゅうちゅうと吸い始めた。

「んー!んん~っ!」と更なる快感に彼女が喉を鳴らしたのを合図に、ローグハンターのもう片方の手が動いた。

 激しく上下していた彼女の腰を片手で掴むと、腰が最大まで浮いた瞬間に一気に押し下げたのだ。

 自身がコントロールしていたのに、全く予想していなかったタイミングで子宮口を殴られ、途端に熱せられた鉄のように熱いものを胎内に流し込まれた。

 

「んあああああっ!?あっ、がっ、んんんんひぃ!?」

 

 その瞬間、彼女の体が一気に仰け反り、天井を見上げるように解放された口からは、獣のような唸り声が漏れ出た。

 ローグハンターは彼女の顔が見えるように頭を支えてやると、快楽で蕩けきった彼女の顔が見え、更に逸物の固さが増し、吐精の勢いが強くなる。

 更に攻守交代と言わんばかりにローグハンターは両手で彼女の腰を抑えると、彼女の意志を関係なしに腰を突き上げ始めた。

 

「あっ!?ひん!まっへ、とまっへ!イぐ!またイくの!おねが、まへ、またイく、イぐ!?だめ、イぐのとまんないのぉ!?」

 

 突き上げられる度に彼女は髪を振り回しながら快楽に体を揺らし、いやいやと首を左右に振るが、ローグハンターの腰は止まらない。

 彼女の急所をかりで削るように擦りあげ、子宮口を的確に殴り、逃げようと腰が浮いた瞬間に押さえ付ける。

 

「ひぐ!んが!あっ、あああああああっ!!!」

 

 絶え間なく与えられる絶頂に当てられ、彼女の声から理性が消え、獣のような声を出しながら、ひたすらに彼が与えてくれる快楽を享受する。

 

「まへ、まっへ!ぉねがい、やしゅましぇて!わたし、ごわれる!ごわれぢゃうのぉお!」

 

 なけなしの理性が彼に制止を求めるが、彼は無慈悲なまでに止まらない。止まってくれない。

 

「イぐ!イぐぅ!またイぐぅ!」

 

 ごりごりと急所(Gスポット)を擦られる度に、がんがんと子宮口を殴られる度に、彼女の体は絶頂を迎え、なけなしだった理性さえも削ぎ落としていく。

 だがそれはローグハンターも同じことだった。自らの精液と彼女が絶頂する度に分泌される愛液で膣内の滑りは今まで以上によく、絶えず絶頂を迎えている為か締め付けも凄まじい。

 

「そろそろ射精()すぞっ!」

 

「あへっ!?まへ、いまはだめ!ほんとうにこわれる、こわれちゃうからっ!?」

 

「我慢できん!」

 

「だめ、だめぇっ!!」

 

 彼女が首を振って拒否しても彼の腰は止まらず、せめて逃げようと腰を浮かせた瞬間、

 

「ふんっ!」

 

 ローグハンターはどこまで無慈悲に、彼女の腰を押し下げ、同時に腰を突き上げた。

 落下の勢いと突き上げられた勢いの二つが合わさり、凄まじいまでの衝撃を伴った一突きは彼女の子宮を容易く押し潰し、子宮の最奥に向かっての射精が始まった。

 

「ぎゃっ、あああああああああああああああっ!!!」

 

 普段触れられることもない場所を突かれていると錯覚するほどの吐精に、彼女は絶叫しながら絶頂を迎えた。

 小刻みに腰を震わせ、秘裂から潮を噴きながら、ぷつんと糸が切れたように弛緩した体を支えられず、彼の体へともたれ掛かる。

 

「あっ……あへっ……ん……っ」

 

 絶頂の余韻で体を揺らす彼女の背を撫でたローグハンターは、彼女を抱きかかえたままゆっくりと寝転び、くるりと回って上下を反転させた。

 もちろんだが、彼の逸物は彼女の秘部に挿入されたままだ。

 彼はふーっと深く息を吐くと、ゆっくりと逸物を抜き始めた。

 それだけでも快感となるのか、銀髪武闘家は声を漏らしたが、同時に安堵の念を抱いた。

 これで終わり。ようやく休める。

 もはや部屋を訪ねた目的も曖昧で、何を不安に思っていたかも曖昧だが、こうして彼が愛してくれるのならそれで満足だった。

 ゆっくりと抜けていく逸物の感覚と、胎内を支配する体温とは別の温かさが心地よく、そこに疲労が合わさって瞼が閉じていく。

 このまま彼に包まれて寝むれば、きっと熟睡できるだろう。

 彼女がそうして眠りにつこうとした時だった。抜けかけていた逸物が、再び膣肉を抉ったのは。

 その一突きは文字通り不意打ちで、無防備に降りていた子宮口を容易く殴り、快感によって彼女の意識を覚醒させた。

 

「かっ、あっ、はっ……っ」

 

 肺の空気を一気に吐き出した銀髪武闘家は胎内に戻ってきた逸物の感覚に目を見開き、「え……?あ、なんで……」と快感に体を震わせながら声を漏らした。

 二度の射精を迎えてなお、彼の逸物はいまだに固さを保ったままなのだ。

 ローグハンターは目を細めると彼女の額に張り付いた髪を拭ってやり、「申し訳ないが」と苦笑を漏らした。

 

「まだ治まらないようだ」

 

「へ?ね、ねぇ、待って、ちょっとだけ休ませて、ね?」

 

「──本当に申し訳ないが」

 

 ローグハンターはどこか感情が欠けた言葉で言うと、にこりと清々しいまでの笑顔を浮かべた。

 

「最後まで付き合ってくれ」

 

「え、あ、待って!駄目……っ!──んぁ!?」

 

 法と正義を司る至高神の神殿で二人の交わりは続く。

 ローグハンターは銀髪武闘家に愛を注ぎ続け、銀髪武闘家はローグハンターの愛を受け止める。

 神殿な場所で行われたそれはいつも以上の激しさをもって、一晩中行われたそうだ。

 

 

 

 

 

 彼らが愛しあう部屋の隣、本来なら二人で使う部屋を一人で占拠することとなった女魔術師は、ベッドに寝転んだまま真っ赤になった耳を押さえ、シーツにくるまっていた。

 理由は単純。

 

『──っ!!──っ!?──……っ。っ!?』

 

 壁の向こうから、銀髪武闘家の嬌声が聞こえるからだ。

 成人を迎えて冒険者になったとはいえ、彼女はまだ十五歳。そういったことへの耐性は皆無で、ただ聞こえないように耳を塞いで耐える他にない。

 

「な、何やってるのよ、あの二人は……っ!」

 

 僅かな怒気を込めて怒鳴った彼女はベッドに立て掛けていた杖をぶんどり、なけなしの魔力を絞り出した。

 どうせ寝るだけなのだ。今さら無駄遣いが何になる。

 

「《沈黙(サイレンス)》!」

 

 自棄を起こしたように叫ばれた真に力ある言葉は彼女の周囲に不可視の力場を生み出し、外からの音を遮断した。

 彼女は耳を澄ませて何も聞こえない事を確認すると、魔術行使による疲労に身を任せてベッドに寝転び、そのまま泥のように眠り始めた。

 ただ聞こえないだけで、外では彼女の嬌声が漏れ続けていたのは、言うまでもないだろう。

 

 

 

 

 

 余談だが、そういったことに疎い天上に座する至高神は、神殿での出来事故に二人の情事を垣間見てしまい、頭から煙を噴きながら放心していたそうだ。

 

 ──性愛は慈悲深き地母神の管轄なのだから、当然のことではあるが。

 

 

 




感想等ありましたら、よろしくお願いします。

それはそうと、本日5/1は『アサシンクリード ヴァルハラ』のトレーラーが公開された日です!

見てない人はすぐにチェック!



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Memory03 酒は飲んでも――

Sequence6-8。年末の宴会後。


 西の辺境で一二を争う人気の宿屋──眠る狐亭。

 年末という事で騒がしい賭博場や酒場の喧騒とは別に、ローグハンターが拠点としている部屋は騒がしかった。

 

「じゅる!じゅるるるるるるっ!んべー、れろ、じゅるるるるるるっ!」

 

「んーっ、んーっ!!」

 

 ローグハンターをベッドに押し倒した銀髪武闘家──既に二人とも裸だ──が、彼の頭を押さえ付けて激しい口付けをしているからだ。

 普段の彼なら逃げるなり押し返すなり出来るのだろうが、現在は片腕を骨折している為それが出来ず、ひたすらにされるがままとなっていた。

 どうにかして逃げようと足をじたばたと暴れさせてはいるものの、彼の性格からして彼女を蹴ることは出来ず、加えて本来なら腕を固定するはずの三角巾で両腕を頭の上で固定されている為、最後の頼みである腕力にも頼れない。

 

「ほーら、暴れないの。傷開いちゃうよぉ?」

 

 銀髪武闘家は一度口付けを止めて顔を離すと、にこにこと上機嫌そうに笑いながら額の傷痕を撫でた。

 同時に「ひっく」と場違いに可愛らしいしゃっくりと共に酒臭い息を漏らし、「えへへ~」と照れ隠しのように笑った。

 ローグハンターはぜぇぜぇと肩を揺らして喘ぎながら、自身を見下ろしてくる銀髪武闘家に僅かに非難するような視線を向けた。

 

「何度も、言うが……。俺は……怪我人、だぞ……?」

 

「ん~、それがぁ、なぁに?」

 

 彼の言葉に銀髪武闘家はふるりと首を傾げ、妖しく笑いながら彼へと顔を寄せた。

 

「うるさい口はぁ、塞いじゃおっかぁ……」

 

 耳元で囁くように言うと彼女は「ふふ」と小さく笑い、「いただきまーすっ」と何故か挨拶をすると、閉じかけていた彼の口を指でこじ開けてから彼の唇を奪った。

 彼の白い歯を舐め、唇の裏を舐め、歯茎を舐めて彼の味を堪能すると、逃げ場をなくしてさ迷っている舌に襲いかかり、獲物を見つけた蛇のように絡み付いた。

 捕まえた彼の舌を「じゅるるる!」と音をたてて吸い上げ、逃げる為に頭を振ろうとしても、彼女の手に抑えられて動かせない。

 

「んー!んー!ぶあっ!んぐ!」

 

 絡み付く彼女を舌を押し返そうとするが、酒が回っている為かいつも以上に動きの良い舌を御しきれず、彼はひたすらに翻弄されるばかり。

 むしろ彼女の口の中に残っていた酒精がローグハンターの口にも流れ込み、少しずつ彼の意識を朦朧とさせ、抵抗も更に弱くなり始めていた。

 

「じゅる!じゅるる!んべろっ、べろっ!んふふ」

 

 無抵抗な彼の姿に銀髪武闘家は口付けをしたまま嬉しそうに笑い、更に顔を寄せて舌を突っ込む。

 本来なら触れていけない、口の柔らかな部分や舌の付け根、奥歯など、今度こそ口の端から端までを舐め回す。

 

「ぶっ、がっ!」

 

 録な抵抗も出来ずにいる彼が、もはや断末魔のような声を溢すと、銀髪武闘家は流石に危険と思ったのか顔を離した。

 当の彼は楽になったとはいえ、目に涙を浮かべて赤面したまま呼吸を荒くし、けほけほとむせた。

 それは体が起こした反射的な反応なのだが、滅多に見れない彼が涙を流す瞬間と、随分と弱った彼の姿を見てしまった銀髪武闘家は、「あは~っ」と喜色の強い声を漏らしながら目を輝かせた。

 変わらずにこにこと笑う彼女は再び彼に顔を寄せると、目尻から流れた涙を舌で舐めとり、その勢いのままに彼の瞼に口付けを落とした。

 いや、今の彼女がその程度で止まるわけもなく、彼女は彼を顔に舌を這わせながら移動し、鼻から頬へ、頬から唇へ、唇からは口許の傷痕を沿うように舐めるながら首筋へ。

 そして首筋にたどり着くと、かぷっと音をたてながら噛みついた。それも甘噛みではなく、しっかりとだ。

 甘噛みではない歯を立てた噛み方は、もはやれっきとした攻撃である。

 首筋から感じた鋭い痛みにローグハンターは小さく呻きながら体を跳ねさせると、銀髪武闘家は「あ、痛かったぁ?」と問うた。

 だが返答する余裕のないローグハンターが沈黙で返すと、「ごめんねぇ」と悪びれた様子もない声で平謝り。

 自分でつけた歯形を犬のようにぺろぺろと舐め、くすぐったさから息を漏らしたローグハンターの頬に口付けを落とした。

 

「もう、可愛いなぁ……」

 

 抵抗せずにそれを受け入れた彼の頬を撫でながら言うと、彼女はまた頬を一舐めし、そのまま更に下へと舌を這わせた。

 先ほど通った道を再び通り、首筋の噛み痕を通り越し彼の分厚い胸板へとたどり着くと、そこにも口付けを落とした。

 ちゅっちゅっとわざとらしく音をたてながら思い思いに口付けを落とした彼女は、不意に自分の尻を撫でた熱い何かに気付いて「んぅ?」と声を漏らしながら振り向き、「あは~」と満面の笑みを浮かべた。

 

「キミも気持ちいいんだぁ、よかったぁ~」

 

 すりすりと彼の逸物を扱きながら言うと、とろんと蕩けた瞳でそれを眺め「あ、そうだぁ」と何かを思い付いたように目を細めた。

 

「ちょっとごめんねぇ」

 

 彼女はそう言うと彼の頭を跨ぎ、「えへへ」とだらしない笑みを浮かべた。

 ローグハンターの目の前にはパクパクと開閉しながら蜜を溢す秘裂が口を開いており、弄られてもいないのにクリトリスもピンと勃っていた。

 ローグハンターが「何を──」と問おうとした瞬間、「えい!」と可愛いらしい声を漏らしながら彼の顔に秘裂を押し付けたのだ。

 

「もがっ!?」

 

「私も舐めてあげるからぁ、キミも舐めてねぇ」

 

 彼女は一方的にそう言うと、彼の顔にぐりぐりと秘裂を押し付け、マーキングするように愛液を擦り付けながら、彼の逸物に顔を寄せた。

 ぷんぷんと香る雄の臭いに目を輝かせ、竿に舌を這わせると、裏筋を細かい動きで舐め回してみると、ローグハンターは「んぐ!?」と声を漏らし、逸物がビクン!と跳ねた。

「そっかぁ、ここがいいんだぁ」と恍惚の表情を浮かべながら言うと、今度は亀頭を口一杯に頬張り、あめ玉のように舌の上を転がした。

「んっ、ふぅ!」と息を吐きながら力を入れたローグハンターは、口許を覆う秘裂を思い切り舐めた。

「ひん!」と突然の快感に銀髪武闘家は体を跳ねさせたが、すぐに状況を理解して嬉しそうに笑い、また逸物を頬張った。

 

「れろれろ、じゅる、じゅる!じゅるるるるる!」

 

 数度舐めただけで漏れ始めた先走り汁をすすり、独特の味に舌鼓を打ちながら、さらに味わおうと舌の動きを激しくさせた。

 口の中でもびくびくと跳ねる逸物に苦戦する銀髪武闘家を他所に、ローグハンターは一心不乱に彼女の秘裂を舐めていた。

 割れ目をそうように舐め、穴の周囲を丹念に舐めて更に愛液を分泌させ、それを舐めとり、時には音をたててすすってやれば、銀髪武闘家は快感に体を震わせた。

「ひやぁん!」と甲高い嬌声を漏らすと、やり返すように彼の逸物をしゃぶり、頭を上下させて口で扱き始めた。

 じゅぼじゅぼと音をたて、喉奥に触れる亀頭の感覚に涙を浮かべながら、けれど彼を喜ばせるために扱きあげる。

 

「じゅぼ!じゅぼ!んぐっ、じゅる!じゅぼ、じゅぼ!」

 

 時には吐き出しそうになりながら、時には舌を這わせて先走り汁を舐め取りながら、絶え間なく快感を与えるように扱き続ける。

 対するローグハンターも与えられる快感に耐えながら、彼女の秘裂に舌を突っ込んだ。

 

「んぐ!?じゅぼ、じゅるる!れろれろ、じゅぼ!」

 

 秘部に感じた異物感に目を剥きつつ、ローグハンターの逸物を扱きつつ、裏筋に舌を這わせた。

 舌先に力を入れて、指の腹で優しく撫でるように、そっと撫で上げたのだ。

 

「っぐ!ううっ!」

 

 自らの分身の中を熱い何かが登っていく感覚を感じたローグハンターは、最後の意地として秘部から舌を抜くと、ピンと勃った彼女の陰核に噛みついた。

 

「ひにゃ!?」

 

「ぐおっ!?」

 

 二人が絶頂を迎えたのは、ほぼ同時だった。

 絶頂を迎えると共に離してしまった逸物から吹き出した白濁液を顔と胸で受け止めた彼女は、恍惚の表情で熱を帯びた息を吐き、絶頂と共に吹き出した潮で顔をぐっちょりと濡らしたローグハンターは、彼女の尻に潰されたまま目を細め、秘裂に向けて疲労からかため息を吐いた。

「ひっ!」と息を吐きかけられただけなのに快感を感じた銀髪武闘家は体を跳ねさせると、口許についた白濁液を舌で拭い、鼻の穴を塞ぐようについたものは指で拭い、ちろりと舌で舐め取った。

 胸についたものはそのまま放置して、苦いながらに癖になる味に喉を鳴らすと、彼の上から退いて彼の顔を見つめた。

 顔を愛液でべったりと濡らした彼は、荒れた呼吸をそのままに、赤らんだ顔のまま彼女の顔を見つめ返した。

 それがまた求められているようで、銀髪武闘家は背筋を震わせると、一度の射精では固さを失わない彼の逸物を撫で、亀頭に自身の秘裂を当てた。

 二人は言葉もなく見つめあい、同時に小さく頷きあうと、彼女は躊躇わずに腰を落とした。

 ずりゅ!と音をたてて膣肉を貫いた亀頭が、その勢いのままに子宮口にキスをすると「は、あぁ……っ」と声を漏らし、ぞわぞわと背筋を駆ける感覚に目を細め、「んんぁ」とまた声を漏らした。

 

「んんっ。動くね」

 

 彼女は一方的にそう告げると、腰を上下に動かし始めた。

 かりで膣肉を削られる度に嬌声が漏れ、亀頭が子宮口に触れる度に体が震え、彼女の口からは絶え間なく喘ぎ声が発せられ、白濁液に汚れた胸がゆさゆさと揺れ動き、肉感的な尻が形を歪め、動きに合わせて髪がなびく。

 

「ひゃ!あん!ひぅ!あひ!いい、いいのぉ!気持ちいい!もっと、もっとちょうらい!」

 

 彼女は言いながらローグハンターの胸板に手をおいて支えにしつつ、更に腰を動きを激しくさせた。

「あん!ふぁ!ひん!」と突かれる度に喘ぐ彼女を見上げるローグハンターは、彼女の動きに合わせて腰を突き上げた。

 彼女が腰を上げれば腰を沈め、降ろそうとした瞬間に腰を上げる。

 やったことはただそれだけなのだが、冒険者として五年連れ添った二人の息は文字通りぴったりであり、寸分の狂いなく叩きつけられる衝撃に、銀髪武闘家は「ふぁあ!?」と声を漏らし、一足早い絶頂を迎えた。

 けれどローグハンターは止まらず、更なる快感を得ようと、あるいは与えようと腰を動かし続けた。

 

「あひ!いいよぉ、もっと、もっとぉ!イく!イく!もっとイかせぇてぇ!」

 

 ローグハンターの腰が上下する度に彼女の体は絶頂を迎え、けれどあまり激しくはないからか意識は明瞭で、より感じる部分に当たるように自身の腰をくねらせると、彼女のGスポットをかりが削った。

 

「んひゃ!?そこ、そこいいのぉ!イく!またイッちゃう!いい!もっとちょうだい!」

 

 それを見つけてしまえば、後は早かった。腰の覚悟を覚えた銀髪武闘家はその角度で腰を保ち、ローグハンターは更に力を入れて腰を動かし始める。

 

「ひん!あん!あっ!イく!!イぐ!!」

 

 度重なる絶頂を迎えてなお、銀髪武闘家は更なる快感を求め、胸についた精液を指で拭い、それを自らの陰核に刷り込むように指で弄り始めた。

 

「んあっ!?イぐ!だめ、これくしぇになりゅ!これきもちいぃっ!くせぇになっちゃう!くせぇになっちゃうのぉ!?」

 

 一気に膨らんだ快感に声を漏らす彼女を他所に、更に締まった膣肉の感覚に唸ったローグハンターは、短く息を吐きながらまた登ってきた射精感を押さえ付ける。

 自身の上で、白濁液に濡れながら快楽に躍り狂う愛する人の姿はどこか幻想的で、暴力的で、けれどそれ以上に愛おしくて。

 

「イくイくイくイくっ!さっきから、イくのとまらない、とまらないのぉ!まだイぐ!イぐぅぅぅ!」

 

 酔っている為なのか歯止めが効かない彼女は、自分の限界を超えて尚も絶頂を続け、肌に玉のような汗を滲ませ、それを動きに合わせて振り撒きながら、更に絶頂を迎えた。

 

「ぐぁ!あぐっ、にぁ!?だめ、だめなのこれ!こしもゆびも、どっちもとまらないのぉ!?」

 

 陰核が充血するほどに指で擦る彼女はへこへこと腰を動かしながら叫び、射精感に耐えるローグハンターへと目を向けた。

 

「おねがい、ちょうらい!あちゅいの、わたしのおなかのなかに、どぴゅどぴゅらしてぇぇっ!」

 

「っあ゛あ゛」

 

 その言葉が最後の銃爪(トリガー)だった。

 ローグハンターの口から獣のような唸り声が漏れると、限界まで抑えられていた精液が解き放たれたのだ。

 

「──っああああああああああああ!!!」

 

 彼女がそれを察したのは、それから一瞬遅れての事だった。

 膣内を埋める逸物の熱さが強くなったと思った瞬間、それよりも更に熱いものが子宮へと直接注がれたのだ。

 

「あっ、はっ、へ……っ」

 

 胎内に解き放たれた熱さに打ち震える銀髪武闘家は、更にそれを感じようと目を閉じ、熱のこもった息を吐き出した。

 それはローグハンターも同じだった。両腕を拘束された状態での行為にいつも以上の疲労を感じた彼は額に汗を浮かべながらため息を吐き、今になってぶり返してきた腕の痛みに眉を寄せた。

 

 ──力みすぎたか……。

 

 拘束されたまま拳を開閉させて具合を確かめていると、銀髪武闘家が自身の肌越しに精液で満たされた子宮を撫で「もっとほしい……」とどこか感情が失せた声で言うと、「ふへへ」とどこか邪悪な笑みを浮かべた。

 

「ねえ、まだいけるよねぇ……?」

 

「……ああ。その前に腕を」

 

「あはっ。じゃあ、もーいっかい、ね」

 

 彼女はにこやかな笑みを浮かべて告げると、再び腰を動かし始めた。

 流石のローグハンターも顔を青ざめるが、彼女には関係のないこと。

 酒精と快感に酔った彼女を止められるのは、神を含めて誰もいやしないのだ。

 

 

 

 

 

「ん、んぅ……」

 

 窓から差し込む陽の光に当てられて、銀髪武闘家は目を覚ました。

 全身に残る倦怠感と酷い頭痛に苦しみながら体を起こし、妙な違和感が残る体に目を向けた。

 

「ひっ!」

 

 そして思わず小さな悲鳴を漏らした。

 自慢ではないが大きな胸にかぴかぴに乾いた白い何かが張り付き、股の間にも大量のそれが張り付いているのだ。

 

「な、なな、何があったの……?」

 

 宴会で酒を飲んだのは覚えているが、そこからの記憶が一切ない。

 たらふく食べて、たらふく飲んだ──のだろうか。酒を飲むといつも記憶が飛んでしまう。

 

「ん、うぉぉ……」

 

 不意に聞こえたローグハンターの呻き声に銀髪武闘家はハッとして、ようやく自分の隣に眠る彼へと目を向けた。

 

「ひっ!?」

 

 同時に先ほど以上に切羽詰まった悲鳴を漏らし、目を見開いた。

 何と言えば良いのか、今の彼は何だが大変な事になっているのだ。

 誰にやられたのか両腕を縛り付けられ──結び目が自分のものに似ている気がする──、誰にやられたのか服を脱がされ──脱いでそのままに投げておくのは自分くらいだが──、誰に襲われたのかやつれるほどに疲弊していて──内側から鍵のかかった部屋には自分しかいないが──、体のあちこちにキスの痕が残されている──大きさからして自分のものに似ているようだが──。

 ここまで疲弊した彼が見れるのは、年に一度か二度程度。貴重な経験だから目に焼き付けておくが。

 

「えっと、大丈夫……?」

 

 彼女が頬を撫でながら問うと、彼は薄く目を開けて彼女を見つめ──と言うよりは睨み──ぼそぼそと口を動かした。

 聞き取れなかった彼女は顔を寄せて「もう一回」と頼むと、ローグハンターは一度深呼吸をして、彼女の耳元で囁いた。

 

「お前は──」

 

「うん」

 

「二度と──」

 

「二度と?」

 

「酒を飲むな」

 

「ええ~」

 

「ええ~、じゃあない」

 

「ぶー」

 

 ローグハンターからの突然の物言いに頬を膨らませて拗ねたようにそっぽを向くと、言った本人たるローグハンターは「とりあえず、包帯解いてくれ」と更に頼んだが、銀髪武闘家は不満げに息を吐くのみ。

 

 ──これはしばらく駄目そうだな……。

 

 ローグハンターは目を細めてため息を吐くと、天井の染みに目を向けた。

 

「窓を開けて換気して、体を拭け」

 

「そうだねぇ。えっと、タオルタオル……」

 

 その指示には素直に従った彼女は、裸のまま部屋を歩き回りタオルを探して右往左往。

 淫行の臭いが充満する部屋を、その痕を全身に刻んだ女性が歩くと言うのは何とも言い表せぬ感覚だが、その場を動けないローグハンターはため息を吐くばかり。

 

 ──あいつが酒を飲むと録な目に合わない。

 

 次からはもっと警戒しようと脳裏に刻みながら「あ、あったよ!」と元気溌剌な彼女の声に微笑を浮かべた。

 またいつも通りの一年が始まるのだ。なら、今日という日を楽しまなければ損だというもの。

 

「んー、なかなか取れないな……」

 

 ごしごしと体を拭く彼女を視界の端で捉えると、すぐさま視線を外した。

 タオルで胸や股を拭う姿が自慰行為に見えてしまったなど、口が裂けても言えやしない。

 直視してしまえば、また自分を抑えられなくなってしまう。

 けれど、

 

「よし、こんなもんでしょ!」

 

 どうかな?どうかな?とこちらに恥ずかしげもなく体を晒してくる彼女の笑顔はだけは見ることが出来た。

 出会った頃と変わらない、太陽のような笑顔だけは、どんな時でも見ることは出来るのだ。

 

 

 

 




感想等ありましたら、よろしくお願いします。


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Memory04 静かな夜に

Sequence8-1の間。ローグハンター暴走中。
ついでに作者も暴走中。


 眠る狐亭、ローグハンターが拠点としている一室。

 

「ね、ねぇ、一回落ち着こっ!ね!?」

 

 ベッドに押し倒された銀髪武闘家は言葉通りに慌てた様子で、瞳に少々危険な光を灯したローグハンターの顔を見た。

 当の彼は「落ち着いてはいるぞ」とニッと口の端を三日月のように歪めながら告げると、「頭はな」と付け加えた。

 それは言外に体の方は昂っているという事を口にしたわけで、銀髪武闘家は額に冷や汗を流す。

 

「誘ってきたのはそっちだろう」

 

 逃げ場を探して首を巡らせる彼女にそう告げると、顎を指で押さえて正面を向かせた。

 

「責任を取ってくれ」

 

 仕事中を思わせる淡々とした口調で言うと、ローグハンターは静かに彼女の唇を奪った。

 僅かに開いていた歯の隙間を起点に舌で口を抉じ開け、その勢いのままに舌を捩じ込んだ。

「んー!んー!」と声を漏らす彼女の舌に自分の舌を絡ませながら、彼女のシャツの中に空いている手を突っ込み、緊張からか僅かに汗ばんでいる腹筋を撫でた。

「んん!!」と目を見開いて固まる彼女を他所に、ローグハンターの指先は腹筋の割れ目をなぞりながら上を目指し、ブラジャー越しに彼女の胸に触れる。

 布越しとはいえ確かに感じる柔らかさを堪能していると、「んっ、ふっ……!」と彼女の口から耐えるように息が漏れた。

 ローグハンターは彼女の反応に愉快そうに目を細め、一度口付けを中断した。

 顔を離すと二人の口を繋ぐように透明な糸が伸び、やがて重力にし従って彼女の口許に落ちた。

 はぁはぁと豊かな胸を上下させながら酸素を取り込む銀髪武闘家は、僅かに潤んだ瞳をローグハンターに向け、媚びるような声音で言った。

 

「ちょ、ちょっと待って……お願いだから……」

 

「……邪魔だな」

 

 だが彼にはその一文字も届かなかったようで、何やら不満そうに眉を寄せると、胸を揉んでいた手をそのまま横へ滑らせ、彼女の背へと回した。

 ベッドと体の僅かな隙間に指を入れ、そのままゆっくりと侵入させると、輪を描くブラジャーの留め紐に指をかけた。

 背中から感じる彼の手の温もりでそれを察した銀髪武闘家が、慌てて体を沈めて背中をベッドに押し付けようとしたが、ローグハンターの行動の方が一瞬速かった。

 しゅるりと布の擦れる音がしたかと思うと、胸を抑えつけていた感覚が一気に緩んだのだ。

「あっ」と声を漏らして僅かに隙を晒した瞬間、ローグハンターはブラジャーの紐を掴み、そのままシャツの中から引っ張り出した。

 ブラジャーという拘束具を失った胸はシャツの中で大きく揺れ、乳首が裏地に擦れて僅かな快感を彼女に与えた。

 ローグハンターは喜色の孕んだ笑みを浮かべると再びシャツに手を突っ込み、直に彼女の胸に触れた。

「ひゃ!」と彼女の口から甲高い声が漏れると、それを合図にしたようにローグハンターの指が蠢き始めた。

 マシュマロのように柔らかいのに確かな張りがあり、沈むのみではなく指を押し返す弾力が、彼女の胸にはあるのだ。

 

「んっ……ふっ……あっ……」

 

 ぐにぐにと指が沈む度に切ない声を漏らし、何かを求めるように太ももを擦り合わせ、顔が徐々に赤くなっていく。

 その姿が余計にローグハンターの興奮を誘い、生唾を飲み込ませた。

 同時に何かに気付き、不機嫌そうに眉を寄せた。

 

「これも邪魔だな」

 

 彼は彼女のシャツを憎々しく睨むと、彼女の両手を掴んで頭の上に持っていった。

 頭上で交差させた両手首を片手で掴み、空いている手で裾を掴むと、それを一気に持ち上げた。

 乳首が擦れた為か「ひにゃ!?」と声を漏らした銀髪武闘家を他所に、ローグハンターはシャツを肘まで持ち上げると、その先を覆うように裏返しながら伸ばした。

 手首の辺りで裾を結び、簡易的な拘束具として使用したのだ。

 

「……あぇ?」

 

 ひりひりと痛む乳首に意識を向けていた銀髪武闘家は、自身の腕を見上げて首を傾げた。

 肘から先をシャツで覆われた挙げ句、手首をシャツで縛られてしまった為、腕をまともに動かせない。

 

「ねぇ、ちょっと……?」

 

 腕を揺らしながら声をかけるが、ローグハンターは聞く耳を持たずに彼女の脇に指を這わせた。

「ひん!?」と体を跳ねさせた彼女を他所に、ローグハンターは指を上下左右へと這わせる。

 

「ひんっ!ちょ、まって、くすぐったいっ……!」

 

 快感とは別の理由で声を震わせ、体を揺らす彼女を眺めながら、だが彼女の声を無視し、脇を這わせていた指をそのまま脇腹を撫でるようにして下に向かわせたのだ。

 口をつぐんで笑い声を押し殺す銀髪武闘家だが、ローグハンターの指はズボンの中に侵入し、そのままショーツの中にまで潜り込んだ。

 そのまま指で陰毛を擦ると、銀髪武闘家の意識は半ば強制的に下半身へと向けられた。

 彼女が僅かに顔をあげて下半身を覗きこむと、ローグハンターは僅かに嗜虐的な部分を覗かせ、小さく笑みを浮かべた。

 同時に陰毛を擦っていた指を更に下へと滑らせると、僅かに湿った彼女の秘裂を撫でた。

「んっ……!」と僅かに肩を揺らすだけで声を堪えた彼女の姿に、ローグハンターはどこか感心したように息を吐いた。

 だが、それはあくまでもその一瞬のこと。慣れた動きで秘裂を指で開くと、秘部に向けて指を這わせた。

「んぁ!」と体を跳ねさせた彼女の反応に嬉しそうな笑みを浮かべると、秘部に指を()れる手前で止め、物欲しそうにぱくぱくと動く入り口の輪郭を撫でるように指を動かした。

 

「ん、んん!んっ!ひぁっ!」

 

 くるくると円を描くようになぞられる感覚に背筋をぞわぞわとさせながら、彼女は声を我慢していた。

 下手に彼を悦ばせると、後で大変な事になると思ったての事だろう。

 その判断は正しいのだが、その手は完璧なまでに悪手だった。

 声を我慢してつぐまれた口が、ぎゅっと目を閉じて快感に耐える目が、時折溢れる可愛らしい彼女の声が、彼を興奮させる原因となっているのだ。

 まあ我慢せずに喘いだ所で結果は同じなのだから、彼女に逃げ場はないのだが。

 ローグハンターはにこにこと上機嫌な笑みを浮かべると、焦らしに焦らした彼女の秘部に指を挿入()れた。

「ひゃっ!?」と彼女が声を漏らしたのも束の間、彼の指は寸分狂わず彼女の急所(Gスポット)を捉えた。

 柔らかな膣肉の中で、どこか異質なざらざらとした間隔のあるその場所は、彼の中指で掻いてやるにはちょうどいい場所にある。

 

「あっ……。ま、まっ──」

 

 銀髪武闘家は彼の指がそこに当たっている事に気付き、制止の声をあげようとしたが、それは遅かった。

 ごりっ!と出ては駄目そうな音をたてながら、彼女のGスポットに指が沈めたのだ。

 

「っひあ!?」

 

 その瞬間、彼女の口から大きめの嬌声が漏れ、弾かれたように腰が跳ねた。

 ローグハンターは笑みながら「ここが良いんだな」と告げると、押し込んだ指でGスポットをぐりぐりと抉り始めた。

 

「ひぐ!あっ、ひん!はへっ!ま、まっへ!?」

 

 膣内で感じる圧迫感と快感に息を吐きながら、銀髪武闘家はへこへこと腰を揺らした。

 動いた所でローグハンターの指は抜けず、場合によっては更に深く押し込まれ、与えられる快感は強まるばかり。

 彼は「ほらほら」と煽るように言いながら更にGスポットを抉ると、空いている指で彼女をピンと勃った彼女の陰核に伸ばし、止める暇も与えずに思い切り押し込んだ。

 その瞬間脳に電撃が走り、燻るように胎内を支配していた快感が、一気に解放された。

 

「──っ、ひにゃああああああああああああっ!?」

 

 目を見開きながら解放された快感に身を捩り、瞬く間に登り詰めた絶頂に絶叫した。

 それだけに留まらず、ローグハンターの指が絶えず動き続ける為「ああああっ!?ああああ!」と喉が割れんばかりに叫びながら、度重なる絶頂に体を跳ねさせた。

 ぷしぷしと吹き出す潮で手を濡らすローグハンターは、けれどそれに一切構う様子もなく、痛そうな程に勃きあがった陰核を指の腹で撫で回し、感覚が集中したタイミングを狙って指で弾いた。

 

「あひゃああああああああああっ!!!!」

 

 その瞬間彼女は更に叫び、爪先をベッドについて腰を掲げながら、更なる絶頂を迎えた。

 流石に辛いローグハンターが指を抜いても、その体勢は変わならかった。

 パンツとズボンでも水分を吸いきれなくなったのか、吹き出した愛液を滴らせるその様はどこか芸術的で、見ている分には問題はない。

 

「あっぎゃああああ!!とまんにゃい!?イぐの、どまんないのぉ゛!!」

 

 そう、見ている側には何も問題はない。だが絶頂している側の銀髪武闘家は、さながら地獄を味わっていた。

 イってもイっても終わりが見えず、指を抜かれてもそれまでの快感を叩きつけられているのだから当然だ。

 彼女の絶頂が落ち着いたのは、それから数分が経った頃だった。

 掲げられていた腰をぐっしょりに濡れたシーツに沈めながら、彼女はいまだに残る絶頂の余韻に体を震わせた。

 

「あへぇ……!あひんっ!イくっ!イっ!」

 

 口からはだらしなく涎と舌を垂らし、目から大粒の涙を流し、秘裂からはぴゅ!ぴゅ!と潮を噴きながら、弛緩した足を大きく広げている。

 腕は拘束されたままで、体は痙攣を繰り返し、体が震える度に胸が揺れ、瞳は焦点がずれ(レイプ目になっ)ている。

 

「んあっ……!へ……っ。ふぇぇ──……」

 

「ん?」

 

 銀髪武闘家から喘ぎ声とは別の気の抜けた声が漏れると、何かを察したローグハンターは素早くタオルを引っ張り出し、彼女の尻の下に滑り込ませた。

 ちょろちょろと何かが漏れる音共に独特なアンモニア臭が漂い始めると、ローグハンターは思わず苦笑を漏らした。

 度重なる絶頂で筋肉が弛緩し過ぎた結果、失禁してしまったのだろう。

 彼女の膀胱が空になるのを待ちながら、ローグハンターはいきり立った自分の逸物に目を向けた。

 パンツごとズボンを押し上げるそれは、勃ちすぎて痛みを感じる程で、どうにかして鎮めないと眠ることは出来ないだろう。

 

「んっ。へぁ……」

 

 彼女がまた声を漏らすと、ちょろちょろと流れていた水音が止んだ。

 それを聞いていたローグハンターは「よし」と頷くと──何が「よし」なのかわからないが──、彼女のズボンとパンツを纏めて降ろした。

 瞬間解き放たれた雌の臭いに目を剥いた彼は、ぎりぎりで耐えた理性を働かせ、引っ張り出した別のタオルで彼女の股の辺りを拭い始めた。

 漏らしてしまった赤子にするように優しい手つきではあるのだが、そこには確かに邪な感情が込められている。

 愛液と小便で濡れた秘部を丁寧に拭いながら、時折勃起したままのクリトリスを擦ってやると、その度に彼女の腰が跳ねる。

 そんな事構わずに拭ってやった──次を考えてある程度の湿り気は残してだが──ローグハンターは、今度は自分の上着を脱ぎ、ズボンとパンツをずらして逸物を露出させた。

 いつも以上に興奮している為か、血管がイボのように浮かび上がり、性器というよりは凶器の領域に差し掛かったそれを、ぱくぱくと開閉する彼女の秘裂に当てた。

 

「ひぅ!……んあ?」

 

 その感覚に彼女は微睡みから帰ってきたが、それは不運でしかなかった。

 ここまで来たら、もう彼は止まらないからだ。

「ふん!」と気合い一閃と共に腰を押し込むと、ずりゅ!と音をたてながら巨大な逸物が彼女の秘部を貫いた。

 

「あっ!ぎゃあ!?」

 

 背中を弓なりにしならせながら再び絶頂する彼女の頬を撫でつつ、逸物を優しく扱いてくる膣肉の感覚を堪能する。

 降りていた子宮口は本物の唇さながらに亀頭にキスの雨を降らせ、膣肉の扱きは彼女の手に愛撫されているような錯覚さえもする。

 そうやって与えられる快感は、ぎりぎりまで耐えていた彼の理性を崩壊させるのには十分だった。

 脳の奥でぷつんと何かが切れる音がすると、ローグハンターの瞳に危険な輝きが灯る。

 ご馳走を前にした肉食獣の眼光とも言えるそれは、こういった時にしか見せないものだ。

 ローグハンターは痕が残るほどの力で彼女の腰を掴むと、力任せに腰を振り始めた。

 パンパンパン!と、平手打ちでもしているのかと思うほどの音を響かせながら腰を叩きつける度に、彼の逸物は彼女の最奥を突き、子宮を押し潰して彼女に更なる快感を与え続ける。

 

「あ!あぎゃ!?イぐ!いぎっ、ああ!?あぐぁ!!」

 

 突かれる度に絶頂を迎える彼女の口からは獣のような声が絞り出され、きゅんきゅんと締まる膣肉からいつも以上に熱い彼の熱が伝わってくる。

 

「ひぎぃ!がっ、あぶ!げっ、あああ!?」

 

 両腕を拘束されている為、暴れる事も許されない彼女は、ただひたすらに叩きつけられる快楽に身を捩り、声を漏らし、目に涙を浮かべた。

 何を思ってか彼女の頬を伝う涙を舐め取ったローグハンターは、何故か満面の笑みを浮かべて更に腰の動きを激しくさせる。

 

「あぐ!?かぺっ──、んあ!?ぎゃああああ!?ひぐっ!──」

 

 断続的に叩きつけられる快感に耐えきれずに気絶しても、次に与えられる快感ですぐさま覚醒し、また気絶、覚醒、気絶を繰り返す。

 

「あが!?ひん!──、ぎゃ!?ふぁっ!んぁ──」

 

 意識も曖昧で、感じるのは快感と彼の熱さだけ。それ故に彼女の感覚は更に研ぎ澄まされ、更なる絶頂へと彼女を誘う。

 

「がっ!?あへっ!お゛ごっ!がっ!ぎゃあ!?」

 

 ついに気絶する間もなく凄まじい快感を叩きつけられる彼女の口から出るのは、獣のそれよりも獣じみた叫び声。

 昂った馬ですらもっと相手を気遣い、優しく動くであろうに、ローグハンターの腰使いには一切の容赦がない。

 抜ける手前まで引き抜き、一気に根本まで()れるのだ。

 膣肉を引きずり出されると思った直後に子宮を潰され、子宮が潰れたと思ったらGスポットを抉りながら抜けていく。

 彼女は首をぶんぶんと振り回して快感を逃がそうとするが、その程度で彼の与えてくる快感からは逃げられない。

 子宮から脳天まで駆け抜ける快感からは、どう足掻いても逃げられないのだ。

 

「あぎゃっ!!がっ、ああああ!べぶ!ぎひぃ!?」

 

 脳にばちばちと火花が散る度に視界が点滅し、喉が潰れかねない程に声が絞り出される。

 いや、既に潰れているのだろうが、それでも彼女の喉から声が漏れて仕方がないのだ。

 

「ぐっ、ぎゃあ!?ひにゅうっ!」

 

「そろそろ、射精()すぞ……っ」

 

「あが!ふぐっ!ああああ!?」

 

 彼の言葉に返す余裕もなく、彼女はひたすらに喘ぎ続ける。

 そしてついに限界を迎えたローグハンターが思い切り子宮を殴り付けると同時に、どろどろに熱せられた精液が潰れた子宮へと流し込まれた。

 

「あ!?ぎゃあああああああああああああああああっ!!!」

 

 頭をベッドに着きながら背中をしならせて絶頂を迎えた彼女は、子宮を満たす熱さに更に絶頂し、膣肉を舐める精液の感覚に更に絶頂を繰り返す。

 

「ひぎゃああああああああっ!?あっ──」

 

 最後に断末魔のような叫びをあげると、糸の切れた人形のように脱力しながらベッドに倒れると、ビクン!ビクン!と陸に上がった魚のように体を跳ねさせる。

 

「はぁ……はぁ……はぁ……」

 

 彼女を見下ろすローグハンターは激しく息を切らしながら、小さくなった自身の分身を彼女の秘裂から抜き取り、ホッと息を吐いた。

 

「あへぇ……ふひぃ……あひぃ……」

 

 彼は無意識に声を漏らしながらビクビクと小刻みに痙攣する銀髪武闘家の頬を撫でると、「ありがとうな」と心の底からの礼を口にして、汗が滲む彼女の額に唇を落とした。

 直後意識を切り替え、部屋に籠る淫行の臭いと、びしょびしょになったシーツをどうするか考え、とりあえず臭い消しの香を焚き、シーツに関しては──。

 

「……明日、謝りに行くか」

 

 即諦めた。出来ないことを出来ないと認めることは、時にはやろうとするよりも大事なことだ。

 彼は額を押さえながら息を吐き、ちらりとまどのそとに目を向けた。

 山の輪郭は白く染まり、僅かに陽が顔を出しているようにさえ見える。

 

「……もう寝れないな、これは」

 

 欠伸を噛み殺しながらそう言うと、彼はわざとらしく肩を竦めた。

 

 ──まあ、思い切り発散できたから良いか。

 

 彼はそう思うと笑みを浮かべ、意識を覚醒させるように両頬を叩いた。

 この男、ネガティブなのかポジティブなのか、よく分からない。

 

 

 

 

 

 ローグハンターの部屋の隣。彼の一党たる女魔術師と令嬢剣士が滞在する部屋。

 

『ところで、何故「沈黙(サイセンス)」を?』

 

 手帳に綴った令嬢剣士の疑問に、女魔術師はため息混じりに手帳に何かを書いた。

 

『知らない方が良いわ』

 

「……?」

 

 思わぬ返答に令嬢剣士は首を傾げ、窓から差し込んできた陽の光に目を細めた。

 新しい朝が来た。さあ、仕事の始まりだ。

 令嬢剣士は『沈黙』の効果で音もなく立ち上がると、自身の装備が仕舞ってある長持へと足を進めた。

 彼女の背中を眺めた女魔術師は再びため息を吐き、ベッドに立て掛けていた杖を手に取りクローゼットへ。

 毎晩のように『沈黙』を使うせいで、少しずつ魔力が高まっていくのは、何とも皮肉なように思えてくる。

 女魔術師は寝間着からいつものローブに着替えながら盛大にため息を吐き、何やら口を動かした。

『沈黙』の効果で音が遮断された領域において、その言葉を知るのは女魔術師ただ一人。

 同室の令嬢剣士にすら、その声は届いてはいないのだ。

 

 

 

 




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Memory05 (ぬく)もりを分けあって

Sequence11-1の前。冬の一幕。


 眠る狐亭、ローグハンターが拠点としている部屋。

 

「ひぃぃっ、寒っ!」

 

 仕事を片付けそこに戻ってきたローグハンターの背後から、銀髪武闘家の何とも情けない声が届いた。

 その声に導かれるように肩越しに振り向けば、器用にシーツにくるまったまま着替えを進めている彼女の姿が視界に入った。

 確かに時期としては冬で、夏や春に比べればだいぶ寒いが、そこまでだろうかと首を傾げる。

 視線を感じたのか振り向いた銀髪武闘家と視線が合うと、彼女は驚いたように有らん限りに目を見開いた。

 

「ちょ、寒くないの!?」

 

「ああ」

 

 彼女の切羽詰まった問いかけにローグハンターは即答すると、「何か変か?」と両腕を広げて自身の体を見せつけた。

 装備を脱いでいる為、鍛え抜かれた彼の上半身が彼女の視界に納まり、その肌には鳥肌一つ立っておらず、血色も良い。

「本当なんだ……」と彼女が呟くと、彼は「何なら触ってみるか?」と肩を竦めた。

 言われた彼女は「え……」と声を漏らすと、悩むように僅かに首を捻った。

 確かに寒い。それはどうやっても変えられず、寝間着に着替えた所で寒いものは寒いだろう。

 そう思えば後は単純で、彼女はシーツにくるまったまま歩き出し、そのまま彼の胸へと飛び込んだ。

 そのまま身を寄せてみれば、シーツ越しでも温かい彼の体温が伝わってくる。

「ふぇ~」と頬を緩める彼女を他所に、ローグハンターはにこりと笑って広げていた腕を閉じた。

「ひゃ!?」と可愛らしい悲鳴を漏らした彼女は彼の顔を見上げると、何かを察したように目を丸くした。

 彼女の視界にあるのは、何とも清々しいまでの笑顔を浮かべた彼の顔だが、ある時を境から金色に染まった瞳は一切笑っていない。むしろ易々と間合いに入ってきたこちらを嗤っている。

 ローグハンターはシーツの中に手を突っ込み、彼女の髪を梳きながら問うた。

 

「それじゃあ、温めあうとするか?」

 

 髪を梳かれる心地よさに目を細めつつ赤面すると、銀髪武闘家は遠慮がちに小さく頷いた。

 彼女の返答に嬉しそうに笑ったローグハンターは彼女を持ち上げ、そのままベッドへと足を向けた。

 割れ物を扱うようにそっとベッドの上に座らせ、そのまま彼女に体を預けるようにして押し倒す。

 髪を梳いていた手で後頭部を守ってやり、彼女の体が完全にベッドに倒れると、体を隠していたシーツを取り払った。

 同時に着替え中だったからか下着姿の彼女の胸元に唇を落とし、軽く吸い上げて痕を残す。

「ん……」と声を漏らす彼女を他所に、ローグハンターはそのまま顔を下へとずらしていき、彼女の腹部に残された大きめの傷痕に顔を寄せた。

 一ヶ月近く前の都での一件で彼女は物乞いに刺され、しばらく昏睡状態になっていたのだ。

 もう一ヶ月前と見るか、まだ一ヶ月前と見るかは個人差があるだろうが、ローグハンターの場合は後者だ。

 彼からすればそれはまだ出来て間もない傷であり、彼女の死を間近に感じた直近(ちょっきん)の出来事。

 ローグハンターは瞳に後悔の色を滲ませながら傷痕に口付けすると、舌先でちろりと舐めた。

 彼女の体が驚いたようにびくんと跳ねると、彼は慌てて顔を離し「大丈夫か」と彼女の顔を除き込んだ。

 視界の下から生えるように出てきた彼の顔に驚きながら、銀髪武闘家は「くすぐったかっただけ」と苦笑を漏らし、彼の頬を撫でた。

 彼は冷えた彼女の手に自身の手を重ねると、頬を擦り付けるようにすり寄った。

 前後から彼の温もりに包まれた手にはみるみると温かさが戻り、無意識の内に銀髪武闘家は頬を綻ばせた。

 ふにふにと頬を撫でてやれば、彼は心地良さそうに喉を鳴らし、猫のように目を細めて手に頬擦りしてくる。

 その姿が何とも可愛らしくて、その表情は自身にしか見せないことを知る彼女は、余計に上機嫌になって少々だらしのない顔になった。

 薄目を開けて彼女の顔を見ていたローグハンターは、その顔に辛坊堪らずにため息を吐くと、そっと彼女の唇を奪った。

 突然の口付けに多少驚きはするものの、彼に応じるように彼の唇へと吸い付いた。

 お互いの唇を交互に甘噛みして、隙間から空気を吐きながら、お互いの温もりを求めて更に体を寄せた。

 何の合図もなく同時に舌を出した二人は、舌先が触れあうと共に舌を絡め、くちゅくちゅと湿った音を漏らしながら、二人は熱の籠った息を吐く。

 

「ちゅる……。んっ、ちゅ……ぺろ……」

 

 普段のそれと比べるまでもない緩やかな交わりに、銀髪武闘家は頬を赤くしながら舌を動かし、自分に合わせて動いてくれる彼の舌と更に絡み合う。

 空いていた腕を彼の背に回してぎゅっと抱き締め、足を彼のものに絡め、文字通り全身で彼の体温を感じながら、一度彼との口付けを中断し、彼の顔へと唇を落とした。

 

「ちゅ、ちゅ。れろ、ぺろ、んちゅ……」

 

 彼の口許や額に口付けし、それをなぞるように舌を這わせ、鼻先に口付けを落とす。

 ローグハンターは抵抗する素振りも見せずにそれらを受け止めると、お返しをするように彼女の額に口付けし、瞼、鼻先、頬と口付けを続けると再び唇に軽く触れる程度の口付けを落とした。

 銀髪武闘家はすぐに離れていった彼の唇を追いかけるように体を起こすが、すぐに彼の手で肩を押されてすぐにベッドへと体を沈めた。

 彼女は上気した顔で彼を眺め、対する彼も興奮したように肌を赤く上気させていた。

 彼は一度自身を落ち着かせるように深く息を吐くと、彼女のブラジャーに触れながら「外すぞ」と呟き、彼女の同意を求めた。

 問われた彼女は「いいよ……」と囁きながら頷くと、留め紐を取りやすいように背中を浮かせた。

 

「ありがとう」

 

 彼は微笑みながら礼を言うと彼女の背の下に手を入れ、しゅるりと留め紐を解き、そこからは何も言わずにブラジャーをずらした。

 ぷるんと揺れながら解放された豊かな胸は、まだ冷たい部屋の空気に晒されると、それに反応していまだ桃色のままな乳首が少しずつ勃起していく。

 

「あっ、やっ……」

 

 それに気付いた銀髪武闘家は腕で隠そうとしたが、ローグハンターの手に掴まれることで止められた。

 その間にも乳首はみるみる内に勃起して、ピンと勃ってその存在を主張し始める。

 ローグハンターは「寒いもんな」と言いながら苦笑を漏らすと、先ほど胸元につけた痕を上書きするように口付けし、そのまま豊かな胸に舌を這わせた。

 顔を埋めて谷間の底に舌を這わせ、右の胸に狙いを定めた彼は舌で舐めながら少しずつ登っていき、登頂する間際に立ちはだかる乳輪に舌先だ触れると共に動きを止め、その輪郭をなぞるように舌を滑らせた。

 くるくると円を描くように舌が這う度に彼女の口から切ない声が漏れ、乳首が物欲しそうにピンと勃つのだが、ローグハンターは一切そこに触れる様子もなく、何もされていない左胸に手を触れた。

 下から持ち上げるように触れるとそのままゆっくりと指を沈ませ、ぷにぷにと弾ませるように揉みながら、彼の舌は興奮からか充血して真っ赤になった乳首を放置して、上へ上へと登り始めた。

 胸元を通って鎖骨を舐め回す、そこにも吸い付いて痕を残す。

 その間にも彼の手は絶えず彼女の胸を揉みしだいており、絶対にイく事の出来ない弱い快感が彼女の体を蝕んでいく。

 

「ふんっ、あっ、んっ……」

 

 彼女が口から切ない声をあげると、ローグハンターは胸への攻撃を中止し。そのまま空いた手をショーツの中に入れ、僅かに湿った秘裂に触れた。

 ぺちょぺちょと音を鳴らす度に彼女の口からはまた切なげな声が漏れるのだが、彼はまだ足りないと冷静な思考で判断を下した。

 事実もう少し濡らさなければ、彼の逸物を受け入れるには辛いだろう。

 ローグハンターは「()れるぞ」と静かに告げて、僅かに愛液を溢す秘部へと指を差し込んだ。

 

「んんふっ……!」

 

 銀髪武闘家は僅かに感じた異物感に声を漏らすと、彼が指を動かしやすいように力を抜いた。

 ただですら鍛えて締まりが良いのだから、思い切り力を抜いてやらねばならないのだ。

 ふーっと深く息を吐いて体を弛緩させると、ローグハンターは僅かに彼女に目を向け、口の動きだけで『ありがとう』と告げると、指を動かし始めた。

 指を曲げて膣肉を引っ掻いてやり、時には出し入れをしながら、膣内を解してやる。

 

「んん、あっ、ふっ、あんっ!」

 

 彼の与えてくる優しい快感に背筋を震わせ、甲高い声を漏らしながら、銀髪武闘家はさらに求めるように腰を突き出した。

 ローグハンターは積極的な彼女の姿に苦笑を漏らしつつ、その期待に応えようとさらに深く指を差し込み、彼女の弱点(Gスポット)に触れた。

「あっ」と声を漏らして膣肉が一気に引き締まると、ローグハンターは指を動かし曲げてGスポットを削るように指を動かした。

 

「っひ!?あっ、ひゃ!ふん!くひゅ!」

 

 同時に秘武から愛液を吐き出しながら腰が跳ね、彼女の口からは漏れる喘ぎ声も少しずつ大きくなっていく。

 

「あひ!ぅんふっ!ああ……っ!」

 

 彼女の声が切ないものから期待するものに変わっていき、吹き出す愛液の量も少しずつ増えていく。

 

「んっ、ふにゃ!はひっ!いいっ!んあ!?」

 

 絶頂も近いのは膣肉が細かく痙攣し、彼女の声も更に甲高いものへと変わり始める。

 それらを耳と指で感じたローグハンターは目を細め、突然指を止めた。

 

「んあ……?」

 

 突然止んだ快感に思わず声を漏らした銀髪武闘家を他所に、ローグハンターは彼女の愛液でびちょびちょになったパンツを剥ぎ取り、自身もズボンとパンツを脱いで勃起した逸物を剥き出しにした。

 銀髪武闘家は無意識の内にそれに触れながら「ちょうだい……」と呟くと、ローグハンターは確かに一度頷いた。

 彼は深く息を吐くと膝歩きで場所を調整し、彼女の秘部に亀頭の先端を当てると、ゆっくりと腰を前に突きだした。

 

「んっ!んん……!んふっ……。あった……かいぃ……」

 

 いつもと違い時間をかけての挿入に、銀髪武闘家は悩ましそうに声を漏らしながら、一際熱い逸物の感覚に背筋を震わせた。

 倒れこむように彼女に身を寄せた彼は真正面から彼女の顔を見下ろし、どこか気の抜けた笑みを溢す。

 

「温め合うのが目的だから、ゆっくりな」

 

「んんっ。意地悪……っ!」

 

 少しずつ膣肉を抉じ開けられる快感に身震いしつつ、銀髪武闘家は潤んだ瞳で彼を見上げる。

 まるで焦らされているみたいで、不満なのだろう。

 言われた彼は「いつかみたいになりないのか?」と意地悪な笑みを浮かべると、彼女は「それは、駄目ぇ!」と快感に身を捩りながら声を出した。

 快感に呑まれた挙げ句に失禁し、次の日の仕事に一切参加できなかったなど、大人としても冒険者としても恥ずかしい限り。

「だから、な」と笑った彼の顔に免じて頷くと、彼は「いくぞ」と声を出して更に腰を前へ。

 同時にかりが彼女のGスポットに触れ、「あひ!」と彼女の口からも声が漏れる。

 彼の逸物はゆっくりと抉るようにGスポットの上を通過していく。

 

「あっ、ぎっ、ああっ、ひぅ……っ?」

 

 一番気持ちいい場所を責められたいる筈なのにイくことが出来ず、快感が一方的に溜まっていくばかり。

 

「んん、あっ!イッ……んっ!ふっ!」

 

 一瞬絶頂を迎えそうになるも、肝心の亀頭がGスポットを通りすぎてしまい、快感が一段弱くなる。

 

「あ、あふぅ……。んっ、んん……」

 

 銀髪武闘家は熱の籠った息を吐きながら、そっと自身の下腹部を撫でた。

 快感を求めて震え、懸命に逸物に奉仕する膣肉の感覚を感じとり、さらに身震い一つ。

 

「んっ、ぐぅ……っ」

 

 だがローグハンターもまた余裕がなくなり始めていた。

 ゆっくりと挿入している為か、いつも以上に膣肉の感覚を味わう事になった彼の逸物は、激しく先走り汁を溢しながら、徐々に徐々に最奥を目指す。

 

「ひぅ、あっ、ふぅっ、んん……」

 

 体を捻ってもどかしさに耐える銀髪武闘家は、僅かに力を入れて僅かに膣肉を引き締めた。

 彼の逸物の熱と固さ、そして閉じていた膣肉を抉じ開けられる感覚が微々たる快感へと変わる為、それを味わいたいのだ。

 きつくなってきた膣肉の感覚にローグハンターは「ぐぅ……!」と唸りながら逸物をさらに進ませ、目的の最奥部を目指す。

 そして目的の場所にたどり着いたのは、それから三分程が経った頃だ。

 

「あっ、へっ、んあっ、ん……っ」

 

 焦らしに焦らされている銀髪武闘家は逃げ場がない快感に震えながら、ローグハンターの顔を見た。

 見つめられた彼は生唾を飲みこむと、最後の一押しを一気に踏み込んだ。

 亀頭が期待から降りきっていた子宮口に突き刺さり、二人同時に限界が訪れた。

 

「んっ、ああああっ!!!」

 

「ぐっ、おおおっ!」

 

 一瞬早く絶頂を迎えた銀髪武闘家が嬌声をあげ、一気に引き締まった膣肉に扱かれて彼の逸物から精液が吐き出される。

 

「んあ!?あつっ、あちゅい!せぇーし、あちゅいのぉ!?もっと、もっと、わたしのなか、あったかくしてぇ!」

 

「ぐっ、うぅぉおおっ!」

 

 さらにねだってくる彼女に応じるように、ローグハンターはさらに亀頭を子宮口に押し込んだ。

 めりっ!と聞き馴染みのない音が聞こえたかと思うと、亀頭が子宮口を突破し、ほんの僅かにだが子宮へと滑り込んだのだ。

 

「ぎにゃ!?」

 

 子宮口を抉じ開けられる未知の快感に絶頂を迎えると、膣肉が一気に蠢いた。

 ぴったりと根本まで入り込んだローグハンターの逸物を、全てのひだが総動員して扱きあげ始めたのだ。

 

「ぐっ、おお……っ!」

 

 ローグハンターは唸るように声を漏らすと、再び彼女の子宮に精液を吐き出した。

 

「んぁあ!?あ、あちゅっ!あちゅいぃ……っ!」

 

 銀髪武闘家は熱の籠った息を吐くと、腕を彼の背に回し、足を腰に巻き付け、ぎゅっと彼の体に密着させた。

 同時に膣肉がさらに引き締まり、彼の逸物に残った精液さえも絞り出し、子宮内が一杯になってもなお更に吸い上げようとする。

 

「うっ、ぐぅ……」

 

 ローグハンターはうめき声をあげながら抵抗をすることもなく、溜めてある分全ての精液を差し出し、吐精が終わると共に彼女の体に倒れこんだ。

 

「んあぁ……。あったかい、あったかいよぉ……」

 

 心ここに在らずといった様子で声を漏らした彼女は、そのまま気を失うように眠りに落ちた。

 ローグハンターは荒れた呼吸を繰り返しながら眠る彼女を抱き寄せ、枕にするように豊かな胸に顔を埋めると、ゆっくりと目を閉じた。

 彼女の温もりに包まれて、彼女を包み込んで、彼もまた眠りに落ちた。

 二度と感じられなかったかもしれない温もりを感じる為に力一杯に抱き寄せて、深い眠りに落ちたのだ。

 

 

 




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Memory06 昂りは鎮まらず

Memory12-1の前。動き出したラスボスの気配に当てられ、いつにも増して興奮しちゃったローグハンターの話。




 眠る狐亭、ローグハンターが拠点としている一室。

 

「あ、あの~?」

 

 既にベッドに押し倒された銀髪武闘家は、何やら興奮した様子で肩を揺らしているローグハンターに声をかけた。

 ふーっ!ふーっ!と獣のように息を荒げていたローグハンターはハッとして「すまんっ」といつもの声色で言いながら、慌てて彼女の上から退こうとするが、

 

「ああ、良いよ。うん、キミにも無性に興奮する日だってあるでしょ」

 

 銀髪武闘家は気にした様子もなく笑い、彼の頬を撫でた。

 僅かに汗ばんだそこは湿っていて、触り心地で言えば悪い方ではあるのだが、それが彼のものとわかっていれば気にもならない。

 むしろ彼の人間的な部分を見られて、機嫌は良い方だ。

 彼女はふにふにと彼の頬を押すと、「おいで」と迎え入れるように両手を広げた。

 ローグハンターをぎりぎりで耐えさせていた理性が悲鳴をあげ、最後の砦を守らんと歯を食い縛った。

 そんな彼の様子を知ってか知らずか、銀髪武闘家は赤面しながら体をもじもじとくねらせ、「でも、加減してね……」と小鳥のさえずりのような声を漏らした。

 その声は彼の耳を通り、鼓膜を震わせ、最後の理性の牙城だった一本の紐をぷつりと断ち切った。

 彼女は自分の言動一つ一つが、彼にとっての致命傷(クリティカル)になっていることなど、考えてもいないのだろう。

 

 

 

 

 

 そして、案の定だった。

 

「ひぎっ!?あっ!かっ、はっ……!」

 

 ローグハンターに組み伏せられた銀髪武闘家の秘部には、痛々しい程に勃起した彼の逸物が挿入()れられ、絶え間なく出入りを繰り返し、鋭いかりが彼女の膣肉を掻き回す。

 

「んがっ!ひぅっ!んあっ、ぎっ!」

 

 暴力的なまでの快感からどうにか逃れようと身を捩る銀髪武闘家だが、彼の両手が腰を捕まえており、動かせたとしても上半身のみ。

 むしろ捩る体の動きに合わせて揺れる豊満な胸が、更に彼を興奮させ、力任せな腰使いが更に強まる始末だ。

 

「かっ、はぁっ!んぎぃ!あぐ!」

 

 パンパンパン!と平手打ちさながらの音を腰から響かせ、筋肉質ながら柔らかさを保つ尻肉が揺れ、銀髪武闘家の口から嬌声が漏れる。

 ローグハンターは息を荒くしながら腰を打ち付けると、突く度に嬌声を漏らす彼女の口に吸い付いた。

 

「んばっ!?んんん!んーっ!?んっ……んーっ!!」

 

 驚く間もなく差し込まれた彼の舌が口内を暴れまわり、彼女の声を奪い取る。

 舌を舐め、歯茎を舐め、舌に絡み、歯の裏側を舐め、舌を吸い、唾液を流し込み、それを潤滑油にしてまた舌に絡み付く。

 嬌声の変わりにじゅるじゅると湿った音を漏らす彼女の姿に目を細めたローグハンターは、登ってくる射精感を感じ取ると腰使いが変えた。

 力任せに叩きつけるものから、膣肉の奥──子宮口に押し付けるものに。

 ぐりぐりと押し込まれる亀頭に圧迫された子宮の感覚に、銀髪武闘家は「んんぐ、んんっ!!」と目を見開いて悲鳴をあげるが、口を塞がれているため声にはならない。

 子宮口を撫でるように亀頭を動かしながら、ローグハンターは彼女の腰を押さえる手に更に力を入れた。

 ごりっ!と嫌な音がしたかと思えば、びくん!と彼女の体が跳ね上がる。

 限界まで押し込まれた亀頭が、どうにか耐えていた子宮をついに押し潰したのだ。

 同時に解き放たれた精液が勢いよく潰れた子宮に注ぎ込まれ、子宮内すら逸物で貫かれているような感覚を彼女に与えた。

 

「ん゛あ゛……っ!?」

 

 無理やり叩きつけられた絶頂と共に、彼女らしくない汚い悲鳴は、ローグハンターに飲み込まれて誰の耳に届くことはない。

 胎内を占める圧迫感に苦しみながら、銀髪武闘家は彼の胸を叩いた。

 それはなけなしの力を使った彼女なりの抗議の行動であり、それを察してか、ローグハンターは名残惜しくも腰の動きと口付けを止め、顔を離した。

 二人の唇を繋ぐように透明の糸が伸び、ぷつりと切れると重力に引かれるがまま彼女の顔を汚す。

 

「はぁ……はぁ……んぁ……んっ……」

 

 頬を朱色に染め、脱力した四肢を大の字に広げながら、彼女はようやく一息つく。

 胎内を支配する熱さのせいで体温があがり、無理やり絶頂させられたせいか体に上手く力が入らず、長い口付けのおかげで酸素が足りない。

 

 ──また始まったら、今度は止められない……。

 

 酸欠で朧気になった思考でどうにか考えを纏めつつ、ローグハンターにとりあえず休憩を求めようとした時だ。

 彼の左腕が腰に巻き付き、右手が後頭部へと添えられた。

「ふぇ……」と彼の意図を読めない銀髪武闘家が声を漏らすと、ローグハンターは気合いを入れるように唸り、彼女の体を抱いたまま体を起こした。

 彼は何を思ってか逸物で彼女を貫いたまま、ベッドの上に膝立ちとなったのだ。

 

「へ……?ぎっ……!」

 

 筋肉質で、お世辞にも軽いとは言えない自分の体をひょいと持ち上げる彼の膂力には毎度驚かされるが、驚愕は腹部への圧迫感ですぐに中断された。

 自重で体が更に沈み、逸物がより強く子宮を押し潰したのだ。

 

「かっ、はっ、あ……っ」

 

 かつてない圧迫感に、目を見開いて口をパクパクと開閉しながら、ぎゅっと両手両足を使って抱きついてくる彼女を他所に、ローグハンターはゆっくりとベッドに座り直した。

 銀髪武闘家はその僅かな衝撃に「んあ!?」と声を漏らすと、ローグハンターは彼女を労うように手で髪を梳き、彼女の背に指を這わせた。

 

「んっ、ふっ、かっ……」

 

 くすぐったさから声を漏らしつつ、胎内を押し上げる熱さに息を吐き、この状況をどうにかしようと彼の肩に噛みついた。

 甘噛みではない、本気の噛みつき。だが、今の彼女では上手く力が入らず、彼に痛痒(ダメージ)はない。

 

「ふーっ!ふーっ!がぶっ!」

 

 噛みついたまま荒っぽく息を吐きながら、もう一度噛みついた。

 噛まれた彼は気にした様子もなく苦笑すると、彼女の頭を撫でてやった。

 

「ふーっ!ふーっ!……ん、あふっ……」

 

 ただ撫でられただけ。一言で言えばそうなのだが。

 髪の毛越しに感じる彼の温もりと、そこに込められた慈しみの念が、苦しい筈なのに心地よい。

 僅かに落ち着いた彼女は彼の肩から口を離し、呼吸の落ち着きを感じ取ったローグハンターは微笑を浮かべ、頭を撫でていた手で髪を梳いた。

 そのまま髪を通りすぎれば、背中に残る傷痕に指を這わせ、そのまま彼の太ももで潰れている臀部を撫でた。

 

「んん、あっ……」

 

 先程までの不快感はどこにいったのか、艶っぽい声を漏らし始めた。

 その度にきゅんきゅんと締め付けてくる膣肉の感覚に、ローグハンターの逸物はピクピクと痙攣し、その度に緩やかな快感を彼女に与えていく。

 

「んっ、あぅ……。やっ、んぁ……っ」

 

 暴力的な快感から、こちらを甘やかすような快感に変わり、体を蝕むような感覚に耐えるように声を漏らして身を捩ると、ローグハンターは得心したように頷いた。

 臀部を撫でていた手でがっしりと肉付きの良い尻を掴むと、「いくぞ」と耳元で囁いた。

 

「へ?あ、待っ──!」

 

 彼女の制止の声を聞かず、ローグハンターは腰を突き上げた。

 固定されて逃げ場のない臀部に腰を打ち付けられた銀髪武闘家は、「かっ……!」と肺の空気を吐き出した。

 それが合図となり、ローグハンターは腰を上下させ始めた。

 ごりごりと膣肉を削るような音を響かせながら逸物が上下に出入りを繰り返し、期待するように降りてきた子宮口を亀頭が無慈悲に殴り付ける。

 

「んぎ!?かっ、はひ!ぐぎゅ、がっ!?」

 

 逸物が胎内を貫く度に彼女は悲鳴をあげるが、無意識のうににぎゅっと彼の体を抱き寄せ、体を更に密着させた。

 

「んあ!ひん!あっ、あひっ!んあ!?」

 

 体が上下に揺さぶられる度に乳首が彼の胸板に擦れ、ビリビリと流れる快感に膣肉が更に引き締まる。

 だがローグハンターは止まらず、締まった膣肉を抉じ開けるように逸物を上下させ、絶えず彼女に快感を与え続ける。

 

「ひにゃ!ふっ、あん!んん!りゃめ、イく!イっちゃうっ!」

 

 堪らず声を漏らした銀髪武闘家に、ローグハンターは「俺もそろそろ……っ!」と声を絞り出した。

 

「ひ、やっ!いっしょに!おねがい、いっしょにっ!」

 

「──っ。ああ、もう少し……っ!」

 

 彼女のお願いにローグハンターは頷くと、腰の動きを更に激しくさせた。

 更に激しい責めに耐える為に髪を振り回して喘ぐ彼女は、もはや意味を持たない声を漏らし、彼を抱く強さを更に強めた。

 

「もうむりっ!げんかい……!イく!イっちゃう!」

 

「俺も、限界だ……っ!」

 

 二人がそう言葉を漏らすと、どちらからかも曖昧なまま口付けをした。

 お互いにがっつくように舌を絡め、相手の唇を啄みながら、更に密着。

 お互いの吐いた息が混ざりあい、体温すら混ざりあう錯覚を覚えながら、快感は更に高まっていく。

 

「イくっ!」

 

「ぐっ!」

 

 二人が絶頂を迎えたのはほぼ同時だった。

 絶頂により締まった膣肉に押されて吐精したのか、吐精したから絶頂を迎えたのか、二人からすればどうでも良いことだった。

 

「あっ、ぎぃぃいいいいいい!?」

 

「くぅ、おお……っ!」

 

 銀髪武闘家の絶頂がローグハンターの吐精を誘い、彼の吐精が彼女に更なる絶頂を与える。

 

「あっ、はぁ……。っん……」

 

 それが落ち着いた頃、銀髪武闘家は全身の筋肉を弛緩させると、背中からベッドに倒れた。

 その途中で逸物が秘部から抜け、いまだに固さを保つそれを部屋の空気に晒した。

 ローグハンターは肩を揺らして呼吸を整えながら、ベッドに倒れた銀髪武闘家を見下ろした。

 

「あへ、ひっ、あふ、へぁ……」

 

 絶頂の余韻に浸り、体をピクピクと痙攣させながら、肌は上気して赤く染まり、呼吸に合わせて豊かな胸が大きく上下する。

 ベッドの上にシーツのように広げられた銀色の髪は、汗に濡れていつも以上に艶々としていて、潤んだ瞳は満足げに揺れている。

 見るからに彼女は限界なのだが、問題はいまだに勃起したままの逸物だろう。

 普段ならこれほどやれば満足するか、理性で抑えきれる程度には落ち着くのだが、いまだに落ち着く気配がない。

 ドクンドクンと心臓の音が喧しく、動悸が止まらない。むしろ彼女の姿を見たことで、余計に激しくなり始める程だ。

 

「はぁ……はぁ……くそ……っ!」

 

 ローグハンターは悪態をつくが、その手は無意識の内に上下する彼女の胸へと伸ばされていた。

 彼がそれに気付いた時にはもう遅い。彼の手は彼女の胸に沈み、胸はふにゅんと形を歪めた。

 

「ひゃん……っ!」

 

 きっと寝惚けていたのだろう。彼女は胸に感じた彼の温もりに、喜色のこもった声を漏らした。

 ふにふにと胸を揉んでやれば、「あん!やん!」とわざとらしいまでの声を出しながら体をくねらせる。

 その姿が、ローグハンターの心の奥底の更に底で理性を繋ぎ止めていた最後の糸が、ぷつんと音をたてて断ち切った。

 

「──っ!」

 

 ローグハンターは興奮のままに目を見開くと、彼女の腰を掴んでくるりと体を回し、仰向けからうつ伏せに寝かせ直した。

 

「んぇ……?」

 

 彼女が疑問符を浮かべ、首だけで振り向いた時にはもう遅い。

 筋肉が弛緩した為動かない手足をそのままに、ローグハンターは彼女の腰だけを持ち上げて、パクパクと開閉しながら、愛液と共に注ぎ込まれた精液を吐き出す秘部に、亀頭の先端を当てた。

 

「やぁ、まっへぇ……」

 

 彼の意図を察した銀髪武闘家は力なく腕を振り回すが、その程度で今のローグハンターは止まらない。

 むしろ振られた腕を掴み、思い切り引くことで彼女の上体を起こさせた。

 彼の逸物が()れられたのは、その直後だ。

 相変わらず無慈悲な彼の一撃は、逆流していた自身の精液を押し返し、再び子宮を満杯にしてしまう。

 

「んぎぃ!?」

 

 膣肉にあった熱を帯びた液体が再び子宮に押し込まれた彼女は悲鳴をあげ、思わず体を硬直させた。

 だがその程度、ローグハンターには何の問題もない。

 彼女の腕を掴んで手の力を緩めることなく、腰を前後に振り始めた。

 上半身を捻ったような体勢で胎内を抉られるという初めての経験に体が混乱し、子宮に叩きつけられる勢いを逃げす事が出来ず、体の芯を直接殴られる感覚に目を剥いた。

 

「かっ、はっ!ひぐ!や゛っ、や゛め゛っ!ま゛っで!?」

 

 彼女の声は届いていないかのように、ローグハンターは止まらない。猛った猿か何かのように、一心不乱に腰を振るう。

 

「ひっ!やっ!や゛だ!?ま゛っで!も゛うむ゛り゛!」

 

 びくびくと痙攣を繰り返す膣肉の感覚をかりが引っ掻き回し、膣肉を引きずり出される錯覚まで覚えながら、それでも意識を失うことなく彼の行為に付き合う。

 今気をやってしまえば取り返しがつかなくなると、本能が告げてくるのだ。

 だが、普段なら限界を察してくれる彼も、今回ばかりはその様子がない。

 彼は不意に彼女の腕を掴まえていた手を離すと、がっしりと両手で腰を掴み、動かないように固定した。

 腕が解放された為、浮いていた上半身がベッドに沈むと、次に備えてシーツを思い切り噛み締めた。

 その瞬間、暴力的な快感が彼女に襲い掛かった。

 スパンっ!と鋭く蹴った時のような音を響かせながら、彼の腰が動き出したのだ。

 瞬間、彼女の努力虚しく体が跳ね上がり、シーツから口を離してしまった。

 

「あぎゃ!?ひぎ!がっ、ぎっ、やあああああ!?がひゅ!イぎゅ!?ぎひぃ!ぎゃ、イぎゃあ!」

 

「まっで!おねがい!こわれりゅ!こ゛わ゛れ゛じゃう゛か゛ら゛ぁ゛!!」

 

 彼女の悲痛なまでの叫びを受けても、彼は止まらない。

 パン!パン!と部屋中に響くほどの音をたてながら、我武者羅に腰を打ち付ける。

 

「ひぎっ、やあっ!!ぎ!あっ、ぎゃあ!?あああ!」

 

 断末魔のように叫びながら、彼女はひたすらに快感を叩きつけられる。

 脳の奥で火花が散り、視界が点滅を繰り返し、目からは涙を流しながら、ひたすらに嬌声を漏らす。

 

「んが!?ひぐっ!ぎ、ぎにゃ!?んご!?お゛お゛お゛お゛お゛……っ!」

 

 獣のような低い唸り声を喉から出しながら、けれど意識は失わずにひたすら耐えた。否、耐えられてしまった。

 ローグハンターと共に行動する内に身に付いた、肉体的、精神的な耐久力が、彼女の気絶を妨げているのだ。

 けれど物事には必ず限界があり、それは彼女とて例外ではない。

 

「ぎゃ、いいっ!?お゛お゛お゛!!お゛ぐ──っ」

 

 彼の逸物がGスポットを抉り、亀頭が子宮を押し潰した瞬間、彼女の意識がぶつりと切れた。

 ぼす……と音をたててベッドに顔を埋めた瞬間、ローグハンターはここぞとばかりに腰を振り回した。

 パンパンパンパンパンパンと、呼吸も忘れて一心不乱に腰を叩きつけ、彼女の子宮を苛め続ける。

 

「んあ、へっ、あっ……」

 

 放心した彼女の口からは感情の欠けた呻き声と共に唾液が垂れ、だらしなく舌が口から溢れた。

 ローグハンターは彼女の体に覆い被さると、口から溢れた舌を自身の舌で絡めとり、甘噛みしながらちゅうちゅうと吸い始める。

 

「んちゅ、んあ、へぁ、んん……」

 

 舌先で彼女の味を堪能しながら、ローグハンターは腰を振るう。

 既に銀髪武闘家は腰が抜けて力が入らず、抵抗らしい抵抗も出来ずに、ひたすら彼に貪られる。

 

「ちゅ……、あへ、ひぐ、あぁ……」

 

 もはや快感に反射的な反応のみをする彼女だが、鍛えられている為か膣肉の締まりは凄まじく、ローグハンターはそれを楽しむように腰を振るう。

 締まる膣肉を抉じ開けるように逸物で貫き、子宮口を殴り、時にはぐりぐりと抉る。

 その度に彼女は「あっ、はっ、ひっ」と意味もない呻き声を漏らした。

 接合部からは溢れる愛液と、子宮から漏れた精液が混ざった泡が噴き始め、秘部から溢れて彼女の太ももを伝って落ちていく。

 

「あひ!ん、へぐ、あぁ……」

 

 その感覚にくすぐったそうに反応を示し、ローグハンターは逸物を伝ってくる感覚に不快感をしめすように眉を寄せた。

 だがそんなものはどうでもいいと、彼はラストスパートをかけた。

 彼女の腰をがっちりと掴んで固定し、そこに思い切り腰を打ち据え、その勢いのままに出し入れを繰り返した。

 

「ぎにゅ!あ、かっ、へぁ……」

 

 子宮を殴られる度に彼女の体が跳ね、腰が小刻みに痙攣を繰り返している間際、ローグハンターは子宮を潰すように最後の一突きを放った。

 

「う゛ぁっ!」

 

 瞬間、彼は口から獣の如く唸り声を漏らした。

 鈴口から精液が吹き出し、既に精液に満たされた子宮に、更なる精液を送り込む。

 

「ぅお゛っ!?お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛──……!!!」

 

 銀髪武闘家は理性の欠片もなく吼えながら、子宮から精液を逆流させながら白眼を剥き、力尽きた。

 

「──っ!っ──、っ!」

 

 声もなくびくびくと体を跳ねさせる銀髪武闘家を他所に、ローグハンターはゆっくりとようやく萎えた逸物を彼女の秘部から引き抜いた。

 

「──っ!」

 

 それが最後の快感となり、銀髪武闘家は静かに絶頂を迎えた。

 秘部から精液の混ざった潮を噴きながら、全身の筋肉を弛緩させてベッドに沈みこんだ。

 呼吸を乱したままのローグハンターはハッとすると、自らが原因の大惨事に目を向けた。

 彼女の腰の辺りにはがっしりと掴んだ跡が残り、臀部は叩かれたように赤くなり、秘部からは絶えず精液が溢れている。

 腰は無意識だろうかへこへこと意味もなく動き、弛緩した手足はベッドに広がり、髪の毛もまた然り。

 顔はうつ伏せな為見えないが、おそらく大変なことになっているのだろう。

 ローグハンターは「やってしまった」と呟きながら頭を抱え、とりあえず臭い消しの香を焚いた。

 後はタオルで彼女の汗と股を汚す白濁液を拭ってやり、くるりと転がして仰向けに直す。

 

「あへ、あひゅ、あへぇ……」

 

 そうして見ることが出来た彼女の顔は快感に歪み、だらしなく開いた口からはだらりと舌が溢れ、目からは涙が流れて僅かに鼻水も垂れている。

 

「……本当にすまん」

 

 ローグハンターは心底申し訳なさそうに謝るとタオルを変え、丁寧に彼女の顔を拭いてやり、舌を口に押し込んで閉じる。

 それを終えた彼はいつも通りの彼女の顔を見つめてホッと息を吐くと、とりあえず彼女の隣に寝転んだ。

 いつの間にか彼女の喘ぎ声は規則正しい寝息へと変わり、規則正しく胸が上下し始めた。

 ローグハンターはどっと息を吐くと、自らもまた目を閉じた。

 ここまでしてま消えなかった胸に残る不安を、意図して無視するように、眠りに落ちたのだ。

 

 

 

 

 

「ん、んぅ~?」

 

 深夜、特に理由もなく銀髪武闘家は目を覚ました。

 ぱちぱちと何度か瞬きをすると、凄まじいまでの倦怠感にため息を吐いた。

 体が鉛のように重く、腰が痛くて堪らない。それに、

 

 ──うぅ、ひりひりする……。

 

 彼女は涙目になりながら下腹部に触れ、擦り剥いた時のようにひりひりと痛む膣肉を腹筋越しに撫でてやる。

 

 ──今日だけは我慢出来ない。起きたらがつんと言ってやる!

 

 そう決めた彼女は、隣で眠るローグハンターの方へと目を向け、僅かに眉を寄せた。

 そこにあるのはいつも通りの無防備な寝顔──ではなく、仕事中に仮眠する時によく見せる硬い寝顔だ。

 彼女は僅かに悩むと「もうっ!」と声を出し、力の入らない体に鞭を打って寝返りを打ち、これまた力の入らない腕をどうにか動かして、彼を起こさないようにそっと抱き寄せた。

 昔の彼なら飛び起きて組み伏せてくるのだが、そんな様子はない。

 彼はどんなに警戒していても、銀髪武闘家だけはそれをすり抜けられるのだ。

 彼を抱き締めるのに怒る気力さえも使い果たした銀髪武闘家はため息を吐くと、彼の額に口付けを落とした。

 

 ──どうか、何事もありませんように。

 

 細やかな祈りを胸に、彼女もまた眠りに落ちた。

 窓から差し込む月明かりはいつもと変わらない、優しげな光を放っていた。

 

 

 




感想等あれば、よろしくお願いします。



思いの外、終わりが近い気がしてきたと思う今日この頃。
この話、本編最終章ですよ?幕間とはいえここまで早いとは……。

まあ、書くことはまだまだありますけども(エピローグとかアンケートとかリクエストとか)、案外R-18は早めに終わりそうです。
本編に比べれば、ですが。


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Memory07 楔

Memory12-8の後。記憶が欠け、それでも戦地に赴く彼の為に。




 地母神の神殿の一室。

 かの神の教えにより質素な趣のある部屋には月明かりが差し込み、それに照らされるようにローグハンターと銀髪武闘家がいた。

 ベッドの上で向かい合う二人は既に服を脱いでいるが、照れからか頬を朱色に染め、そっと触れ合うように口付けた。

 唇同士が軽く触れるだけのものではあるが、すぐに唇を離したローグハンターは照れたように耳まで赤くなりながら顔を背けた。

 随分と初心な──記憶が欠けているのだから当然の──反応に銀髪武闘家は思わず苦笑すると、彼の頬を撫でてもう一度口付けをした。

 目を閉じてそれを受け入れたローグハンターに対して、銀髪武闘家は前回の意趣返しのように容赦なく、僅かに開いた口の隙間から舌を捩じ込んだ。

 今度は逃げないように頭を押さえ、驚いて固まる彼の舌に蛇さながらに襲い掛かった。

 

「んぐっ、んん……」

 

 彼は慣れない状況に息継ぎをままならずに声を漏らすと、銀髪武闘家は「ぷあっ」と可愛いらしい声を漏らして唇を離す。

 彼女は手慣れた様子で笑うが、ローグハンターははぁはぁと肩を揺らして呼吸を整えようと必死になっていた。

 キス二回で随分と疲弊した様子の彼に苦笑すると、そのまま彼が回復する前に肩を押し、ベッドに押し倒した。

 ぼふっと音をたてそうな程、無防備にベッドに倒れた彼に馬乗りになり、まだ勃起しきっていない彼の逸物に手を触れた。

 

「……っ!」

 

 自身の急所を問答無用に触れられたローグハンターは目を見開くが、彼女は「大丈夫だよ」と子供に言い聞かせるような優しい声音でそう告げると、彼の逸物を扱き始めた。

 彼女としては女性のそれにはほど遠いと思うそれも、彼としては満足いくものなのか、彼の逸物は手が上下する度にびくびくと跳ねる。

 その結果に銀髪武闘家は嬉しそうに笑い、更に手の動きを激しくさせる。

 亀頭から漏れた先走り汁を手に塗りたくり、それを潤滑油代わりに更に手を滑らせる。

 

「……っ!っ!……っ」

 

 ローグハンターは声もなく体を震わせながら、背筋を駆けるぞわぞわとした悪寒のようなものに耐えるため、思い切り歯を食い縛った。

 そんな彼の表情に内に秘められた嗜虐心がくすぐられ、銀髪武闘家は妖しげな笑みを浮かべた。

 

「ふふっ。キミって意外と可愛い顔するよね……」

 

 彼女はそう言うと、先走り汁でてかてかと輝く彼の逸物を押さえつけ、その上に股がった。

 まだ湿っていない秘部を彼の逸物に押し付けて、「いくよ」と声をかけて腰を前後に揺らし始めた。

 くちゅくちゅと音をたてて秘部と逸物が擦れ、ローグハンターは苦悶の表情を浮かべながら唸るような声が漏れる。

 

「ぐぅ、あっ……」

 

「ふふ。可愛い……」

 

 そんな彼の表情に更に興奮しながら、銀髪武闘家はご機嫌そうに目を細めた。

 普段の彼ならここまで表情に出したりしない。久しぶりに彼の新たな一面を発見できたからだ。

 

「んっ……」

 

 そんな時、彼女の体がびくりと跳ねた。

 興奮から勃ち始めた陰核が、彼の逸物に擦れて快感を与え始めたのだ。

 

「ひっ……っ!んっ……あっ……」

 

 彼女は体をピクピクと震わせながら声を漏らすと、ローグハンターがちらりと彼女へと目を向け、「大丈夫か……?」と声をかけた。

 その声音はいつもと変わらず、彼が彼女の事を心配している時のそれで、銀髪武闘家は体を震わせながら「大丈夫っ……!」と気丈な笑みを浮かべた。

 それでも表情が変わらない彼を説得するように「大丈夫だから!」と僅かに語気を強めながら言うと、ローグハンターは「なら、いい……」と僅かに目を逸らしながら頷いた。

 銀髪武闘家はハッとしてすぐに「ごめん」と謝ると、ローグハンターは「気にするな」と微笑み混じりに首を振った。

 

「むぅ……」

 

 おかけで余計に悪い事をした気がして、銀髪武闘家は頬を膨らませた。

 何故か不機嫌になった彼女の様子にローグハンターが首を傾げると、銀髪武闘家は自身の頬を叩いて「よし!」と気合いを入れた。

 

「な、何がよしなんだ……?」

 

 突然の彼女の行動に驚きつつ問うと、銀髪武闘家は「私に任せて」と豊かな胸を張った。

 ただですら豊満なそれが更に強調され、ピンと勃った桃色の乳首がローグハンターの視線を釘付けにする。

 その隙に彼女は「よいしょ」と腰を上げると、血管が浮かび上がる程に勃起した彼の逸物を捕まえ、自身の秘裂がその真上になるように位置を調整。

 彼女は一度深呼吸をすると「いくよ」と声をかけ、ローグハンターは無意識に何かを察して頷いた。

 それを合図にして、彼女はゆっくりと腰を落とす。

 先走り汁や愛液に濡れた亀頭はぬるりと彼女の秘部に入り込み、解れていなかった膣肉を掻き分け、子宮口にキスした。

 必死に声を我慢して体を震わせていた彼女だが、やはり子宮口に触れた瞬間だけは我慢出来なかった。

 

「ひんっ!」

 

 彼女は口から甲高い声が漏らしながら意味もなく口をパクパクと動かし、膣肉が彼の逸物を扱くように蠢めく。

 

「んっぐぅ……おぉ……」

 

 きゅうきゅうと締め付けてくる膣肉と、キスするように吸い付いてくる子宮口の責めに、ローグハンターは呻きながら体を震わせ、逸物を登ってくる射精感に耐えていた。

 記憶が欠けても体は耐え方を覚えているのか、ぎりぎりの所で踏み留まり、けれど一方的に溜まっていく快感はどうしようもならずに苦悶にも似た声を漏らす。

 そんな彼に構わず、銀髪武闘家は腰を上下させ始めた。

 

「あふっ、んっ、うぅ、あぁ……っ」

 

 口から熱のこもった息を吐きながら、彼女は彼の逸物を堪能するために目を閉じた。

 視覚を自ら封じる事で触覚を敏感にさせ、甘い快感を強引に強いものに変換し、腰の動きを一層激しくさせる。

 

「んひっ!うっ!ぐぅっ、ひぅ!」

 

 強くなった快感により膣肉の締め付けが更に強まり、ローグハンターの表情に余裕が消えた。

 

「お、おいっ!待て……っ!」

 

「あっ!ひん!ひぎゅ!あ、ぐひゅ!」

 

 ローグハンターの声を無視して、彼女はひたすらに快楽を貪る。

 体が動く度に胸が大きく揺れ、浮かんだ汗は月明かりに照らされて光を放つ。

 その淫らな姿はどこか幻想的で、神秘的で、ローグハンターは思わず手を伸ばした。

 だが伸ばすだけで触る事はなく、行き場所を失った手は宙をさ迷い始める。

 

「あっ!ひっ!はひ!……んぁ?」

 

 喘ぎ声を漏らしていた銀髪武闘家は薄く目を開けて、宙をさ迷う彼の手を見つめて疑問符を浮かべた。

 だが、すぐに笑みを浮かべると彼の手を掴み、そのまま揺れる自身の腕へと押し付けた。

 彼の手はゆっくりと胸に沈んでいき、指を例えようのない柔らかさに包まれていく。

 柔らかさの先には確かな張りがあり、ある程度沈めば押し返してくる感覚は、いつまでも触っていたいと思う程度には心地がよい。

 

「──っ!」

 

 無意識の内に指を動かして彼女の胸を揉んでいたローグハンターは、ようやく状況を把握したのか目を見開いた。

 慌てて手を離そうとするが腕が言うことを聞かず、指は勝手に蠢いて彼女の胸を堪能する。

 

「ひっ!あっ、やっ!しょこ!しょこ、いいのぉ!もっとさわってぇ……っ!」

 

 胸を触られた──触らせたと言うべきか──銀髪武闘家は目を剥いて快感に悶えると、彼の手は逃がさないと言わんばかりに力強く握る。

 僅かに骨が軋む音がするのと同時にローグハンターは思わず手に力を入れてしまい、彼女の胸を思い切り握り締める結果となった。

 

「──んあ゛!?いだいっ!まっで!いだいがら!」

 

 快感とは違う感覚に彼女は思わず体を捩るが、ローグハンターの手は離れない。

 僅かに力は抜けたものの、彼の手は離れずに食らいついてくるのだ。

 その間にも彼の手は絶えず胸を揉んでおり、痛みのせいで感覚が研ぎ澄まされてしまったのか、優しい手つきでもそれなり以上の快感を彼女へと与え始めた。

 

「いぎぁ!?ひっ、あっ!きもちいい、きもちいいのぉ!」

 

 そして快感が彼女の理性を蝕み始めると、彼女は己の欲求のままに腰を振り始めた。

 上下に加えて前後左右、あるいは奥に当てながら腰を回して奥を掻き回させる。

 その度に彼女は嬌声を漏らし、膣肉の締まりはより一層強いものへ。

 

「あぐっ!ぎ、ああっ!?いい!いいの!もっと、もっとちょうらい!」

 

「くっ……おおっ!」

 

 パンパンと音がなるほどの勢いで腰を叩きつけられていたローグハンターは低く唸ると、無意識の内に腰を突き上げた。

 狙ってもいないのに彼女が腰を降ろすタイミングとばっちりに合ったそれは、彼女の子宮口を押し上げ、子宮を押し潰す結果となった。

 

「かっ……!あっ……うっ……!」

 

 鳩尾を殴られたような衝撃に彼女は肺の空気を吐き出し、腹の奥からくる圧迫感に目を見開いて細かく空気を漏らして腰の動きを止め、腰が抜けてしまったのか彼の体に倒れこんだ。

 同時に彼の手が胸から離れると、今度は胸板に胸を押し付ける形となり、彼女は「んあっ!」と声を漏らした。

 潰れた胸をクッション代わりにして、彼女は呼吸を整え始めると、下から激しい呼吸音が聞こえ始める。

 

「ふーっ!ふーっ!ふーっ!……くぁ」

 

 それはローグハンターも同じようなもの。彼女が動きを止めた為、ようやく息継ぎができるものの、溜まった快感は解放の時を見失い、いわゆるお預け状態となっていた。

 だが彼は自分から動くことはなく、彼女を心配そうに眺めるのみだ。

 

「キミが……動いて……いいよ……?」

 

 そんな彼に向けて、銀髪武闘家は瞳を潤ませながら声をかけた。

 お預けされたのは彼女も同じだ。いつもなら同じ状態になっても彼の容赦ない責めで絶頂を迎える事が出来たが、今回はそれがない。

 彼女が「おね、がい。動いてぇ……」と上目遣いで懇願すると、ローグハンターは生唾を飲み込んで彼女の秘部を貫いたまま彼女を抱き締め、くるりと体を反転させた。

「あっ……」と彼女は切ない声を漏らすと、上下反転した事で見下ろしてくる彼の顔を見つめた。

 金色に輝く双眸が真っ直ぐにこちらを見つめ、理性と本能の間で揺れているのが見て取れる。

 銀髪武闘家は微笑むと「大丈夫だから」と声をかけ、「動いて」と更に懇願した。

 ローグハンターはゆっくりと頷く、様子を確かめるように腰を振り始めた。

 

「んっあぁ。うぅ、あ……」

 

 膣肉をゆっくりと引っ掻かれた彼女は、切なげな声を漏らし、膣肉がきゅうきゅうとおねだりするように彼の逸物に吸い付く。

 

「おねだい……。おもいっきり、うごいてぇ……」

 

 あまりの切なさに銀髪武闘家はついに折れ、ローグハンターの頬を撫でながらそう懇願した。

 ローグハンターは数度瞬きすると、短く息を吐いて気合いを入れた。

 瞬間、彼の動きがより活発となる。

 ずりゅずりゅと音をたてながら逸物が秘部を出入りし、鋭いかりが削るようにして膣肉を刺激する。

 

「ひぐっ!あひっ!きたっ!きたぁ!これ、これなのぉ!もっとしてっ!パンパンしてぇ!」

 

 銀髪武闘家は彼の腰に足を巻き付けると、「もっと、もっとぉ!」と理性を捨てた声で更に懇願した。

 それに合わせて彼女の膣肉が締まり、ローグハンターは「くぉ……っ!」とくぐもった悲鳴をこぼす。

 だが止まらない。ここで止まったら、彼女が満足出来ないし、何より自分も満足出来ないからだ。

 

「くっ、おおおっ!」

 

 ローグハンターは気合い一閃と共に腰の動きを激しくさせ、引き締まった膣肉を己の分身でもって掻き分け進む。

 

「ひが!?んっ、んん!いいのぉ!キミのこと、しゅき、しゅきなのぉ!」

 

「……っ!」

 

 彼女の突然の告白にローグハンターは僅かに狼狽えるも、気合いを入れて腰を更に突き出した。

 彼の逸物が何度目かもわからない子宮口とのキスを果たすと、ローグハンターの我慢が限界を超えた。

 

「ぐっ!」

 

 彼の口から小さな呻き声が漏れると、鈴口から熱々に熱せられた精液が解き放たれた。

 

「ん!んぎゃ!?あつ、あつい!イく!こんなの、むり!イっちゃう、イくのぉ!!」

 

 銀髪武闘家が絶頂を迎えたのはそれとほぼ同時。

 彼女は彼の下で絶頂に喘ぎながら体を揺らすと、ローグハンターは逃がさないと言わんばかりに彼女の体を抱き寄せ、最後の力をもって逸物をさらに奥へと押し込んだ。

 ごりっ!と聞き馴染んできた音が漏れたかと思うと、

 

「あっ!ぎ、ああああああああああああっ!!!」

 

 彼女の口から悲鳴が漏れた。

 いまだに精益を吐き出す鈴口が子宮口の中に侵入し、子宮に直接精液を注ぎ込んだのだ。

 

「ああああっ!ああっ。あっ、へぁ──……」

 

 有らん限りに目を見開いていた銀髪武闘家は僅かに声を漏らすと、途端に静かになった。

 ローグハンターは深々とため息を吐くと、ようやく精液を吐き出す終え、小さく萎えた逸物を彼女の秘部から引き抜き、彼女の上から退いた。

 天井を見上げながら荒れた呼吸を繰り返し、突然襲ってきた倦怠感からゆっくりと目を閉じる。

 恋人と愛し合えるのは今日まで。欠けた記憶を取り戻す為、そして脳裏にこびりつくあの男を殺すために、明日からは──。

 

「俺の役目(ロール)を、果たさないとな……」

 

 自らに言い聞かせるようにそう言うと、彼はそのまま寝息をたて始めた。

 今は疲労を回復させることが最優先。今は、彼女の隣にいることが最優先だ。

 

 

 

 

 

 一方的その頃、天上の神々。

 かつて来たりし者に宣戦布告された神様たちは一様に苛立ち、憤っている中で、一人だけ照れたように赤面している神様がいました。

 

『こ、こんな状況でもするなんて……』

 

 慈悲深き地母神様です。

 地母神様はそう言うと、並んで眠る二つの駒を優しく撫でました。

 神様たちが争う事になっても、神様たちには仕事があります。それはしっかりと果たさねばなりません。

 

『どうか二人に恵みがありますように』

 

 地母神様はそうやって祈りを捧げると、そっと誰にも気づかれないように骰子(さいころ)を振ります。

 結果は──残念。何とは言いませんが今回も外れのようです。

 まあ二人が確率の高い日(クリティカル)を避けてやっているのだから当たり前ではあるのですが、毎回外れというのも何だか切ないもの。

 地母神様は不満そうに口をへの字に曲げると、ぷりぷりと可愛らしく怒り始めます。

 二人がこの優しき神様を満足させられるのは、あと一年後。

 けれど、それを知っている人は誰もいません。

 神様にだって、二人にだって、未来の事はわからないのです。

 

 

 

 

 

 からからと骰子を転がす乾いた音が聞こえた気がして、銀髪武闘家は目を覚ました。

 ぼーっと天井を見上げたまま首を巡らせ、隣で眠る彼の姿を見つけると、小さく微笑んだ。

 ころりと寝返りをうって彼の方に体を向けると、そっと彼の頬を撫でた。

 自分に関しての記憶がないにも関わらず、こうして無防備な寝顔を見せてくれるのは心地よく、無性に嬉しくなる。

 だからという訳ではないが、

 

「──絶対に、帰ってこようね」

 

 眠る彼にそう告げながら、彼の額に口付けを落とす。

 

 ──どうか、彼に祝福を……。

 

 彼女の細やかな祈りは、果たして神には届いたろうか。

 神官でもない彼女がそれを知る術は、何一つとしてなかった。

 けれど確かに、彼女の真摯なる祈りは慈悲深き地母神に届いていた。

 

 ──この細やかな祈りが、後に世界を救うのだ。

 

 

 




感想等ありましたら、よろしくお願いします。

余談ですが本編のMemory12-8を書いている頃は、ログハン死亡ルートなんてものがあったんです。
最終決戦でラスボスと刺し違えでログハンが死に、帰還直後に銀髪武闘家の妊娠が発覚する的な。
でも「ここまで来て死ぬものなぁ」と思う程度には、ログハンと銀髪武闘家のカップルに愛着があったので没に。
この話はその名残みたいたものです。


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エピローグ幕間編
Memory01 比翼の鳥


Memory12-17のおよそ一年後。結婚して家も出来たので、そろそろという話。

エピローグの話なので、ローグハンターと銀髪武闘家の本名が出てきます。
初見さんの為に一応言うと、

ローグハンター→ジブリール

銀髪武闘家→シルヴィア

なので、覚えておいて下さい。
あとログハンの髪が白くなってたり、銀髪武闘家の髪が短くなってたりもします。
二人ともラスボスにぼろぼろにされたんじゃあ。


 月明かりに照らされる辺境の街の片隅に、一件の家が建っていた。

 住宅密集地から僅かに外れたそこは辺りに他に家はなく、夜の喧騒も微かに聞こえる程度。

 新築だと言わんばかりに壁には傷がなく、天へと登る煙突も真新しい。

 家の中もそれは同様で、真新しい廊下の木々がいまだに艶々としており、同じく真新しい居間に並ぶ机や椅子も新品なのか傷がない。

 そんな新築の一軒家の寝室に、二人の男女がいた。

 お互いの左手薬指に輝く指輪から、二人が夫婦であることは確かで、サイドテーブルに置かれた真新しい鍵から、彼らが家の主なのも確かだろう。

 二人とも寝巻きに着替え、新品のベッドの上で向かい合っているのだが、お互いに照れたように赤面したまま目を逸らし、ちらりと相手の様子を伺ってすぐに視線を外した。

 二人がこの状態になってから、早くも十分以上の時間が流れていた。

 二人は結婚して一年近く経っているのだが、何故か付き合いたてのカップルのように初々しく、事ある度に照れたり慌てたりと、周囲を飽きさせない。

 そんな初々しい夫婦の片割れたる夫であり、ローグハンターとして有名な冒険者たるジブリールは、とある戦いの影響で白く染まった自身の髪を乱暴に掻くと、目の前に座る銀髪の女性──自身の妻であり、相棒として有名な冒険者たるシルヴィアに目を向けた。

 彼女は視線があった瞬間に照れたようにそっぽを向いて、美しい肢体をもじもじと捩るのだから、余計にジブリールは照れてしまう。

 だがいつまでもこのままという訳にもいかず、ジブリールは意識を切り替えるように咳払いをして、シルヴィアに問うた。

 

「……その、さっきの言葉は、そう言う意味で、良いんだよ、な?」

 

 恐る恐る確かめるように告げられた問いに、シルヴィアはこくりと一度頷いた。

 

「……う、うん」

 

「そうか。そう、だよな……」

 

 彼女の返答にジブリールは困り顔で頬を掻くと「まあ、こうなる、か」と言い辛そうに言葉を続けた。

 

「お前にばかり負担をかけることになる」

 

「わかってる」

 

「お前の、命が懸かった大勝負だ」

 

「わかってるよ」

 

「あー、その……」

 

 何かの覚悟を決めた彼女を止めようとする彼は、どうにかして説得しようとするが、言葉が出てこない。

 当たり前だ。彼も無意識の内にそれを望んでいるから、本当なら止める理由もないのだから。

 それを知るシルヴィアは身を乗り出すと彼の手を掴み、力強くぎゅっと握り締めた。

 彼が足踏みする理由はわかる。これは自分()()()命を懸ける、他の誰にも変わることの出来ない大勝負。

 そのリスクは彼と分ける事は決して出来ず、自身一人で全てを背負わなければならない。

 だから彼は心配して、あと一歩が踏み出せないのだろう。

 なら、と彼女は手を握り締めながら、じっと彼の瞳を覗きこんだ。

 夜空をそのまま閉じ込めた蒼い瞳が不安からか僅かに揺れて、けれど真っ直ぐにこちらを見つめ返してくる。

 シルヴィアはにこりと笑うと、彼に向けて改めて告げた。

 

「──私ね、子供が欲しいの」

 

 彼女の変わらぬ覚悟に当てられ、ジブリールは負けたと言わんばかりにため息を吐き、ゆっくりと頷いた。

 

 

 

 

 

「やるなら徹底的にやるぞ」

 

 一度覚悟が決まってしまえば、彼の行動は早い。

 表情を引き締めた彼は寝巻きの上着を脱ぎ、窓から差し込む月明かりの下に自身の肉体をさらけ出した。

 結婚前も引き締まっていたのだが、今の彼はさらに研ぎ澄まされ、筋肉量は増えている筈なのに無駄がない。

 バキバキに割れた腹筋はもはや芸術品のようで、筋肉質な腕や肩回りの筋肉も、さながら彫刻のように陰影がくっきりと浮いている。

 シルヴィアは思わず生唾を飲み込むと、そのまま無意識の内に彼の胸板に触れた。

 見た目は岩のように固そうな筋肉ではあるのだが、力を抜いている為か、あるいは元来そうなのか、触れれば柔らかく、ふにふにと指が沈む。

 それは腕の筋肉とて同じ事。彼の動きに合わせて特化された筋肉は、固さとしなやかさを持ち合わせた他にはあまり見ないもの。

 基本的に衣装を着込み、毎日のようにフードを被っている為か、冒険者の割に色は白く、整った顔立ちも合わさって白衣でも着れば学者にも見える事だろう。

 シルヴィアは胸から腕、腹筋と思い思いに彼の肉体に触れていると、ジブリールが口を開いた。

 

「あー、シル?」

 

「ん~?」

 

 愛称を呼ばれたシルヴィアは顔を上げると、僅かに赤面したジブリールの顔を見つめた。

 彼は照れ臭そうに目を背けると、ぼそりと呟くように彼女に言う。

 

「くすぐったいんだが」

 

「へぇ~」

 

 彼の言葉を適当に受け流し、ペタペタと彼の体に触れる。

 思えば結婚してからというもの、何故かお互いに遠慮してしまい、こうして触れ合う機会がなかったように思える。

 まあ、新居の購入の為に依頼をこなしたり、妖精弓手に冒険に連れ出されたりと、かなり忙しかったというのも原因ではあるのだが。

 

「聞いてるか?」

 

「ん~」

 

 彼の問いにこれまた気の抜けた返事をすると、ジブリールは盛大にため息を吐き、彼女の肩を掴んでそのまま押し倒した。

 シルヴィアは突然の事に反応出来ず、「わっ!?」と声を漏らしてベッドに倒れた。

 倒れたと言ってもベッドの上。痛くもかゆくもないのだが……。

 

「お前、久々だからってボケッとするな」

 

 鋭く見下ろしてくる蒼い瞳は、流石に怖いというもの。

 

「あはは、ごめんごめん」

 

 彼女は誤魔化すように笑うと、ジブリールは再びため息を吐いた。

 だがすぐに表情を引き締めると何かを思い付いたようにハッとして、彼女の頬を撫でた

 

「お前が触ってくるのなら、俺も触らせて貰うぞ」

 

 彼はそう言うと、清々しいまでに嗜虐的な笑みを浮かべ、彼女の肩を掴んだ。

 

 

 

 

 

「んっ!ひぅ!んんっ!」

 

 二人きりの寝室に、既に服を脱がされたシルヴィアの切なげな声が響いた。

 彼女を後ろから抱き締めるジブリールの左手が彼女の胸を揉んでおり、右手は腹筋の割れ目をなぞり、時には脇腹をつく。

 彼はベッドの上に座り、開いた股の間に彼女を納め、後ろから一方的に彼女に快感を味わわせているのだ。

 ジブリールはピクピクと反応を示す彼女の耳元で囁く。

 

「相変わらず、敏感だな……」

 

「んっ!だって、久しぶりっ、だからぁ!」

 

「我慢を仕方を忘れたのか?それとも、我慢出来ないほど溜まっているのか?」

 

「ひっ!んっ、あっ!んんっ!!」

 

 シルヴィアに彼の問いに返す余裕はなく、胸を揉まれる度に体を跳ねさせ、口から切ない声をさらに漏らした。

 ジブリールは彼女の胸を下から持ち上げるように揺らしながら、「可愛い声だな」と耳元で囁き、彼女の耳朶に吸い付いた。

 そのまま耳に舌を這わせて彼女の味を楽しみつつ、胸を持ち上げていた手を離し、指で乳輪の輪郭をなぞり始める。

 

「んっ!んん!?ふっ!あっ……!」

 

 彼の指が乳輪を一週する度に彼女の体が跳ねて、緩い快感を彼女に与えていく。

 物欲しそうに乳首が勃ち、太ももを擦り始めると、腹筋を撫でていたジブリールの手が下へと伸び始める。

 

「あっ……。まっ、まって……っ!」

 

「駄目だ」

 

 彼女の制止の声にジブリールは残酷なまでに淡々と告げると、彼女の耳の穴に舌を突っ込んだ。

「んひ!?」と彼女の口から変な声が漏れるのと、彼の手が彼女の下腹部にたどり着いたのはほぼ同時。

 彼は僅かに湿り気のある秘裂を撫でると耳から舌を抜き、「胸だけで濡れたのか」と呟いた。

 秘部を撫でた指を彼女に見えるように持ち上げると、言葉もなく他の指と擦りあわせ、すぐに開いた。

 愛液が原因である二つの指を繋ぐ半透明な橋を眺めたシルヴィアは耳まで真っ赤になると、ジブリールは「可愛いな、もう」と辛抱堪らない様子で告げた。

 茹で上がった彼女の耳に口付けを落とし、そのまま舌で舐め回し始める。

 聴覚を支配するぐちゅぐちゅという湿った音と、その直前に放たれた言葉に身動ぎすると、ジブリールは胸を揉んでいた手を離し、逃がさないように彼女の頭を押さえつけた。

 自身の顔に押し付けるようにして彼女の頭を捕まえて、更に舌を耳の穴の奥へと()れる。

 

「待って、駄目ぇ……。汚い、汚いからぁ……」

 

 彼女は目に涙を浮かべながらそう言うが、ジブリールはそれを無視して彼女の耳の穴を舐める。

 くちゅくちゅぐちゃぐちゃと先程よりも激しさを増した水音に彼女は背筋を震わせて、「お願いだからぁ……」と彼に寄りかかりながら力の抜けた声を漏らした。

 それを聞いたジブリールは舌を動かしながら目を細め、再び秘部へと手を伸ばし、先程よりも濡れているそこを指で撫でた。

 漏れでる愛液を指に絡ませ、ピンと勃って存在を主張する

陰核に塗りたくる。

「ひぎっ!」と驚いたように声を漏らす彼女を他所に、ジブリールは更に陰核を苛め始めた。

 愛液を塗りたくるようにぐりぐりと指を押し付け、その大きさを確かめるように指で摘まみ、そのまま扱くように陰核を挟んだ指を擦り始める。

 

「んあっ!ひっ!あっ!んん……!」

 

 愛液で予想以上に滑る陰核に苦戦しつつ責めてやると、彼女の声にも熱がこもり始める。

 

「ひぅ!あん!あっ!まっ──ひっ!?」

 

 何かを言いかけた彼女だが、ジブリールの責めの前では言葉にすることが出来ず、肝心の何かが伝わらない。

 故にジブリールの責めは次の段階へと進んだ。

 陰核を責めていた手を止めると、愛液でぐしょぐしょに濡れた秘裂へと指を伸ばした。

 

「あっ、えっ、まへ、まって……っ!」

 

 彼女は慌てて止めようとするが、時既に遅し。

 愛液に濡れた彼の指は何の抵抗もなく秘裂へと滑り込んだ。

 

「っ……」

 

 同時に彼は何かに気付き、指をゆっくりと動かし始めた。

 

「んぁ?んっ、ふぇ……?」

 

 予想に反して甘い責めに、シルヴィアは疑問符を浮かべて声を漏らすと、ジブリールは耳への責めを止めて舌を抜いた。

 

「随分固いな」

 

「ふぅ、んっ。そう……なの……?」

 

「ああ」

 

 彼女の疑問に答えた彼は小さく頷くと「力抜け」と短く告げ、彼女の意識を集めるように指の腹で痛い程に締め付けてくる膣肉を撫でた。

 一年程ご無沙汰だったのだ。解れていた膣肉が、また引き締まってしまうのも無理はない。

 言われた彼女は深呼吸をして全身の力を抜くと、痛い程に締め付けていた膣肉が緩くなり、指先に血が流れ始める。

 ジブリールはホッと息を吐くと「動かすぞ」と告げて、彼女の返事を待たずに指を動かし始めた。

 吸い付いてくる膣肉の感覚を楽しみながら、早めに解れるようにゆっくりと指を出し入れを繰り返す。

 

「ひぅ、あふ、あっ、ひっ!」

 

「少し我慢してくれ」

 

「わかった……っ」

 

 ジブリールの言葉にシルヴィアは快感に震えながら頷くと、褒めるように彼女の髪を手で梳いた。

 一年前の戦いで切られてしまい、だいぶ短くなってしまった髪は、この一年でだいぶ長くはなってきた。

 だがかつての長さにはまだ遠く、彼女はまだまだ不満らしい。

 

「んっ、ひぅ……っ」

 

 髪を撫でられながら愛撫される彼女は切ない声を漏らし、彼の指が気持ちの良い場所(Gスポット)に当たるように腰を振り、更に前に突き出した。

 絞まっていた膣肉が指により抉じ開けられ、彼女は僅かに息苦しさを感じて小さく唸る。

 ジブリールは「もう少し我慢してくれ」と耳元で囁くと、シルヴィアは小さく頷いた。

 その瞬間、彼の指がGスポットを捉えた。

 

「──っんあ!?」

 

 同時に彼女の体が跳ね上がり、思い切り体が仰け反った。

 仰け反った勢いのままに彼の胸に頭突きをかまし、不意打ちをくらった彼は「う゛っ!」と低く呻くが、構わずに指を動かす。

 ようやく彼女の急所を捉えたのだ、ここで離してなるものか。

 彼は視線を鋭くさせて一度深呼吸をすると、「思い切りいくぞ」と彼女に告げた。

 シルヴィアは「いい、よ……っ」と快感に背筋を震わせ、呼吸を乱しながら頷くと、彼の指の動きが早まる。

 指を曲げて引っ掻くように彼女のGスポットに触れ、そのまま出し入れを繰り返し始めたのだ。

 ごりごりと肉が削れているのではと錯覚してしまう程の音を胎内から漏らしつつ、シルヴィアは有らん限りに目を見開いて快楽に喘ぎ始める。

 

「あぐっ!ぎっいいっ!んがっ、くっ!んあ!?」

 

 腰をへこへこと震わせて喘ぎながら振り向き、「ジルっ!じりゅ!」と呂律も回らないまま彼の事を呼ぶ。

 彼女を逃がさないように腰を押さえつつ指を動かしつづける彼は「なんだ!」と勢いのままに問うと、「きしゅ!きしゅしてっ!」と懇願された。

 ジブリールは彼女の腰を押さえていた手で彼女の頭を押さえると、返答もなしに彼女の唇に吸い付いた。

 

「んーっ!んーっ!!じゅる……!んんー!」

 

 二人は貪るように相手の唇に食い付き、突き出した舌が絡み合う。

 

「じゅる!んん、じゅるるるっ!んあっ、んん!」

 

 ジブリールが流し込んでくる唾液をすすり、視界を点滅させながら、Gスポットを責める指の動きに合わせて体が震える。

 その度に豊かな胸が揺れ、ジブリールの視界を釘付けにして更なる興奮を誘う。

 

「んんっ、んっ!あふっ、あ!ひぅ!」

 

 ジブリールが一際強くGスポットを抉ると、彼女の体が大きく跳ねて、謀らずも長かったキスが中断。

 それが不満だったのか彼は膣肉を指で引っ掻き回しつつ、充血して真っ赤に染まったクリトリスを弄り始める。

 

「ん゛ぁ゛!?だ、まっで!?これ、だめ゛ぇ゛!!」

 

 シルヴィアは喉を震わせて低く唸ると、首を振って彼を止めようとするが、ここまで来てしまえば止まる方が辛いだろう。

 故にジブリールは止まらない。一度イかせた方が彼女も楽になると判断したからだ。

 

「ぎぃいい!おねがぃいひっ!まっで!くりゅ!きちゃう、イっちゃうのぉ!!?」

 

 激しく痙攣し、指に必死になって吸い付いてくる膣肉の感覚にジブリールは唸りつつ、とどめを刺すようにピンと勃った彼女の陰核を指で弾いた。

 

「──っんあああああああああああああ!!!??!」

 

 その瞬間、シルヴィアは絶頂を迎えた。

 秘部から潮を噴きながら腰をがくがく震わせ、背中を指なりにしならせて天井を見上げながら、久々の絶頂を迎えたのだ。

 

「──あっ、ひっ、あっ、んぁ……」

 

 それが終わった途端、彼女は全身の筋肉を弛緩させ、くたりと前のめりに体を倒す。

 

「おっと」

 

 だが倒れきる前にジブリール素早く反応して彼女の体を支え、再び自分の体に密着させた。

 腕の中で息を絶え絶えにして、呼吸の度に体を揺らすシルヴィアの頭を撫でてやりながら、「大丈夫か?」と問うた。

 

「ぁい、じょ……ぶ……」

 

 問われた彼女は絞り出すようにそう返すが、ジブリールは納得しなかったのか不満そうに目を細め、彼女をそっと寝かせるとサイドテーブルに置かれた水瓶を手に取った。

 口で噛んで栓を開け、ぷっ!と勢いよく栓を吐き捨てると中身をあおり、寝転んだままはぁはぁと呼吸を荒くしている彼女に覆い被さり、口付けた。

 シルヴィアが「ん……」と声を漏らすのを他所に、ジブリールは口内の液体を彼女の口に流し込む。

 

「ん……。んくっ、んくっ、んくっ」

 

 流し込まれたそれを喉を鳴らしながら飲み込み、彼の顔が離れると共に「ぷあっ」と声を出しながら息継ぎすると、僅かに落ち着いた様子で「ありがとう……」と呟いた。

 水にしては味があったし、体の芯から温まるような感覚。

 

「もしかして、今のって──」

 

強壮の水薬(スタミナポーション)だが?」

 

「……」

 

 何とも馴染みのある味だったので確認を取ると、ジブリールは何て事がないようにそう返した。

 予想通りだったとはいえ、悪びれた様子のない彼の顔に何とも言えない表情となるシルヴィアだが、彼は「一応だが」と付け加えてまだ中身が入っている水瓶を振った。

 揺れる度にちゃぷちゃぷと音をたて、その音から『まだ半分はあるかな』と何となく思う。

 

「これは、賞味期限間近のものだ。棚を漁ったら出てきた」

 

「そ、そうなんだ……」

 

 水薬は賞味期限が迫ると効果が薄まったり、無くなったりするものだ。

 ゴブリンスレイヤーをはじめとした熟練冒険者たちは使ったら即日補給するのではなく、ある程度の期間中に必ず補給し、使わなかったものは捨てるなり、ゴブリンスレイヤーは空瓶を武器にしたりする。

 ジブリールが使ったそれは、使われずにタンスの肥やしになっていたのなのだろう。

 彼はいい加減振ることに飽きたのか、「まあ、これで使いきるが」と言いながら一口あおり、そのまま飲みこんだ。

 それに合わせて喉仏が動き、女性にはない部分故かシルヴィアの視線が向いてしまう。

 飲み終えたジブリールはホッと息を吐くと、空瓶をサイドテーブルに置き、じっと見つめてくる彼女に向けて微笑む。

 

「それじゃあ、やるか」

 

 彼はその笑みを浮かべたまま告げると、シルヴィアはこくりと頷いた。

 両足をベッドについて膝をあげ、アルファベットの『M』を描くように足を広げる。

 

「これで、いい……?」

 

「ああ、大丈夫だ」

 

 彼女の厚意に頷いたジブリールは勃起した自身の逸物を、濡れた彼女秘裂へと添えた。

 そこで一度深呼吸をして、ちらりと彼女の表情を伺う。

 シルヴィアはとろんと蕩けた瞳に彼を映すと、こくりと一度頷いた。

 ここまで来てしまえばもう止まれない。妻は覚悟を決めたのだ、今さら夫である自分が躊躇ってどうする。

 ジブリールは視線を鋭くして意識を研ぎ澄まし、ゆっくりと腰を突き出した。

 十分に濡れていた秘裂はするりと彼の逸物を飲み込むと、物欲しそうに蠢く膣肉が亀頭に吸い付いた。

 

「んっ、あぁ……」

 

 久しく感じる異物感にシルヴィアが苦しげに息を吐くと、ジブリールは一度前進を止めた。

 

「大丈夫か」

 

「へぃき、だから、おねがぃ……っ」

 

 苦しそうに眉をよせながらそれでも気丈に笑う彼女に向けて、ジブリールは「わかった」と返すと、彼女の頬を撫でてそっと唇を奪った。

 同時に止めていた腰の動きを再開させ、ゆっくりと膣肉を掻き分けて最奥を目指す。

 

「んっ、んん……っ!れろ、んっ!」

 

 彼の胃の中にうめき声を吐きながら、口内に入り込んだ舌に自身の舌を絡めた。

 お互いに鼻から息を吐きながら目の前にある、真っ赤に染まった相手の顔を見つめ、更に相手の味を味わおうと顔を密着させる。

 

「んぁっ!んっ、あふっ!れろ、れろ、じゅる!」

 

 少しずつ胎内に入ってくる異物感と、それが変換された快感に声を漏らしながら、彼女は両腕を彼の首に回してぎゅっと抱き寄せた。

 二人の体は更に寄り合い、ジブリールの舌が更に深く彼女の口に入り込む。

 彼の舌は彼女の舌を舐めつつ、奥歯から舌の裏側まで、彼女の口内を無駄なく自身の舌で舐めていく。

 

「んっ、んんっ、んぁ、ふっ……」

 

 それは彼が自分の体にマーキングをしているようで、彼なりの愛情表現のようで、彼の舌が何かを舐める度に背筋がぞわぞわと震える。

 

「んぅ、あっ……!んっ、んんぅ……」

 

 彼の舌と逸物が与えてくる緩やかな快感に切なげな声を漏らすが、それは全てジブリールの口に吸い込まれ、彼意外の誰にも聞こえる事はない。

 そして、彼の逸物がようやく膣内の最奥にたどり着いた。

 シルヴィアが「んあ!?」とキスしたまま声を漏らすと、ジブリールは名残惜しそうに唇を離した。

 濃密に彼の舌に絡んでいた彼女の舌はそのまま引っ張り出され、ピンと伸びたまま虚空をさ迷う。

 

「んっ、んぁー」

 

 彼女は本能が求めるままに舌を伸ばして何かを乞うと、ジブリールは肩を竦めてもごもごと口を動かし、何かを溜めた。

 それがある程度溜まったら彼女に向けて舌を伸ばし、溜めた唾液を垂らす。

「んーっ」と舌を伸ばしてそれを受け止めたシルヴィアは素早く舌を引っ込め、もごもごと舌の上を転がすと、こくんと喉を鳴らして飲み込む。

 

「えへへ……」

 

 人の唾液を飲まされたのに、彼女は心底嬉しそうな笑みを浮かべた。

 その喜びは彼女の膣肉にも表れており、きゅんきゅんと彼の逸物を締め付け、僅かに亀頭が触れている子宮口も、本物の口のようにちゅうちゅうと吸い付いてくる。

 ジブリールは小さく微笑むと、「いくぞ」と告げて彼女の髪を撫でた。

 シルヴィアは心地よさそうに目を細めると、「いいよ」と囁きながら頷いた。

 彼女の返答にジブリールは深く息を吐くと、更に腰を前に突き出した。

 亀頭が子宮口に吸い付き、そのまま子宮を押し潰すように更に奥へ。

 

「んぐっ、あっ……」

 

 先ほどとは違う圧迫感に漏れた声を無理やり無視し、彼は腰を振り始めた。

 前後前後にゆっくりと、彼女の膣肉を解すように、けれど気持ちが良いように。

 自身が知る彼女の急所をかりで引っ掻きながら、彼女の体温を感じるように、そして彼女に自身の体温を感じさせるように、ゆっくりと。

 

「んっ、ひっ、あっ、んぅっ」

 

 彼の逸物が動く度に彼女は小さく喘ぎ、ピクピクと体を跳ねさせる。

 膣肉に締め付けられながら、ジブリールは堪えるように息を吐いた。

 彼女も久々ということは、自分もまた久しぶりという事であり、それはつまり自分も溜まっているという事だ。

 あまりその自覚はないのだが、一度でも快楽に流されてしまえばおそらく満足するまで止まれはすまい。

 故に彼は耐える。暴れようとする欲望を理性で押さえつけるのだ。

 

「じりゅ、じるっ……!」

 

 不意に彼女に呼ばれ、ジブリールは意識を戻した。

 彼女は潤んだ瞳で物欲しそうに彼を見つめながら、「だい、じょうぶ……だから……」と告げて、足で彼の腰を捕まえた。

 ぎゅっと力を入れられれば勝手に腰が沈み、逸物が彼女の子宮を押し潰す。

 彼女は更なる圧迫感に表情を歪めるが、けれど気丈に笑って彼に告げた。

 

「キミが、したいように、して、いいから。わたし、じょうぶ、だから」

 

「……っ」

 

 彼女の言葉にジブリールは生唾を飲むと僅かに目を伏せ、一度深呼吸をした。

 そして顔を上げると、呼吸を乱している彼女の唇を奪い、両手で彼女の腰を押さえながら乱暴に腰を振り始めた。

 

「んぐ!?んっ!んんっ!んぅ、んひっ!」

 

 パンパンと音をたてて腰が叩きつけられる度に、彼の逸物は彼女の子宮口を殴り、力任せに子宮を押し潰す。

 

「んぐ!んっ!んっ、んん!?」

 

 腰を前後する度にかりが膣肉を掻き回し、Gスポットを重点的に責めるように腰を小刻みに振れば、彼女は喘ぎながらびくびくと体が跳ねる。

 

「んぅ!んんん!んんーっ!」

 

 もっともその喘ぎ声はジブリールの胃に落とされ、二人以外の誰にも聞こえる事はない。

 二人の呼吸は運動量に比例してどんどんと荒くなり、ついに限界を迎えたジブリールは彼女から口を離す。

 

「ぷあっ!ひぎ!あっ!ひっ!んあ!ひんっ!」

 

 だが息継ぎをする暇を与えずに、ジブリールはより一層腰の動きを激しくさせた。

 前後の動きのみならず、子宮口に逸物を押し込んだまま腰を回し、亀頭でぐりぐりと苛めたり、Gスポットにのみ狙いを定めてひたすらそこを擦り続けたり、彼は思い思いの方法で彼女を責め立てる。

 

「あひっ!んぁ!ひっ、あああああああああああ!?ひぐ!ひぅ!んぁ!ひん!あっ!?」

 

 その度に彼女の口からはみるみると理性が失せて、(オス)を求める(メス)の声が漏れる。

 

「いぎ!?いいっ!んぁ!ひんっ!んっ、あん!ふぎ!いぐ!イぐ!?」

 

 彼女の限界が近いのか膣肉が痙攣を始め、彼の逸物を逃がさないように更に締め付け始めた。

 

「っ……!」

 

 ちゅうちゅうと逸物に吸い付き、扱いてくる膣肉の愛撫にジブリールは歯を食い縛りながら負けじと腰を振り、溜まった精を吐き出すタイミングを見計らう。

 彼女も限界が違いのだ、果てるなら同時がいい。

 

「ひぐ!あっ、あん!ひん!んん!あっ!じる!じりゅ!イく!わたし、そりょそりょ、イくのぅ!」

 

「俺も、そろそろ……っ!」

 

「んあ!なら、いっしょに!いっしょにぃ!」

 

「ああ……!」

 

 喘ぎ声に混ざった彼女の提案に頷くと、彼は一気に腰を引き、思い切り彼女の腰に叩きつけた。

 スパン!と鋭い打撃音が部屋に木霊した瞬間、

 

「んあ!?あああああああああああ!!!??」

 

「ぐっ、うおおおぉぉぉおおお!」

 

 二人は同時に絶頂を迎えた。

 鈴口から吐き出された精液が今の一撃で潰れた彼女の子宮を満たし、絶頂により激しく蠢く膣肉が、尿道に残った精液さえも絞り出す。

 そして精液が吐き出されれば吐き出されるほど、その熱に当てられた彼女は更に絶頂し、膣肉が痙攣を繰り返す。

 彼女を絶頂が止まったのは、彼の吐精が落ち着いた頃だった。

 絶頂による倦怠感により彼が覆い被さってくると、彼女は力の入らない手をどうにな動かし、彼の髪を撫でてやる。

 

「はぁ……はぁ……」

 

「んっ、あぁ、ふぅ……」

 

 ジブリールは呼吸を乱したまま心地よさそうに表情を和らげ、シルヴィアは絶頂の余韻で僅かに喘ぐ。

 そしてそれも落ち着いた頃、シルヴィアは彼の髪を撫で回しながら彼へと告げる。

 

「ジル、好き、愛してる……」

 

「ああ。俺もお前を愛してるよ」

 

 二人は静かに愛を告白すると、求めるがままに口付けを交わす。

 相手の柔らかな唇を啄みながら堪能し、舌をからめて唾液を交換。

 するとそれが原因なのか、あるいは数分とはいえ休んだからか、いまだに彼女の秘部に納まっていた彼の逸物が再び勃ち始めた。

 大きくなった逸物に子宮口を撫でられたシルヴィアは「ひん!」と声を漏らし、口付けを中断。目の前にいるジブリールの顔を恐る恐る見上げた。

 見つめられた彼はにこやかに笑うと、彼女の髪を撫でながら告げる。

 

「言っただろ、やるなら徹底的だ」

 

 

 

 

 

 そこからは、ジブリールの独壇場だった。

 

「ひぁ!?ひぎ!あっ!ひん!うぁ!ひぎ!んあ!?」

 

「どうした、もう限界か!?」

 

「んあ!?いぎ!?ひん!あん!イっ!?もっと、もっとほしいのぉ!!」

 

「なら、出すぞ!」

 

「ひぎ!?あっ、んあああああああああああああ!?」

 

 ベッドに体が丸々ほどに組み伏せられ、全体重を乗せた全力の(種付け)ピストンにより絶頂し、膣内射精(中出し)され。

 

 

 

 

 

「シル、前見ろ」

 

「んぁ?ひっ!いやぁ、みないで、みしぇないでぇ……!」

 

「余計に締め付けて、興奮したか?」

 

「いや、いやぁ!ひん!あっ!ひぎ!?いやらぁ!イく!イくぅ!?」

 

 ベッドの上で背面座位で()れられ、部屋に置かれた姿見にその姿を写されながら責められ、膣内射精(中出し)されて絶頂し。

 

 

 

 

 

「あっ、ぎぃ!やっ!あっ!ひん!いっ!あっ!ぎひぃ!?」

 

「ほら、ここだろ、ここがいいんだろ?」

 

「ひぎぃ!?んあ!しょこ、しょこいいのぉ!イく!イく!また、イぐッ!!」

 

「俺がまだだよ……っ!」

 

「んあ!?まっで!イっだがら!?まへ、まっへぇ!?イく!?イぐゥッ!?」

 

 ベッドの上で四つん這いにされ、後ろから彼が吐精するまで延々と絶頂し続け。

 

 

 

 

 

「んーっ!んっ!んーっ!?んんん!?んーっ!」

 

「何言ってるのかわからんな」

 

「んぐ!?んぐ!んんんんんん!??!」

 

 口に指を突っ込まれ、舌を弄ばれながら子宮を突かれ、制止を求める声も届かずにしばらく絶頂し続け。

 

 

 

 

 

「んっ、あっ、んいぃ、おね、がい……」

 

「休ませてと言ったのはお前だ」

 

「そう、だけど。おねがぃ、せつないのぉ……」

 

 今度は挿入()れられたままお預けをくらい。そのまま数十分放置彼は微動だにせず。

 

 

 

 

 

 

「あんっ!ひん!いい!これ、しゅき!おく、とどいて、いいのぉ!これ、しゅきなのぉ!」

 

「怪我するなよ?」

 

「へーき!わたし、じょうぶらから!だいじょーぶらから、もっとついてぇ!」

 

「なら、ほれっ!」

 

「ひぎぃ!?んあっ、まへ、まっへ!?イく!?こんな、こんなのぉ!すぐ、イっちゃう!?」

 

 彼の上に馬乗り(騎乗位)になり、自分の思い通りに動いてひたすら快楽を貪りつつ、最終的には彼の突き上げで絶頂を迎え。

 

 

 

 

 

「んぁ!?ああああああっ!?ああああああああああ!!!」

 

「ここも好きだろ?我慢しなくて良いんだぞ?」

 

「そこ、だめぇっ!イく!イく!イく!イぐ!?」

 

 逸物で貫かれながら陰核を責められ、終わりのない絶頂を味わわされた。

 

 

 

 

 

「くっ、おお……っ!」

 

 ジブリールは最後の射精を終え、どっと出た疲労感にため息を吐いた。

 体中に玉のような汗を浮かべ、ぜぇぜぇと呼吸を乱したまま萎えた逸物を抜くと、ふと違和感を感じてちらりと窓の外を眺めた。

 そこから見える山の輪郭は白く染まり、既に陽が顔を出して街を照らし始めていた。

 

「……」

 

 ジブリールはぽかんと間の抜けた表情を浮かべ、壊れた絡繰人形のようにぎこちなくシルヴィアの方へと目を向けた。

 

「んぁ……ひぅ……。もぅ、むりぃ……んぁっ。できた、じぇったい、あかちゃんできたからぁ……。ひぅっ!もぅ、ゆるしてぇ……っ」

 

 いまだにピクピクと体を震わせながら口の端からは涎が垂れ、蕩けた瞳からは輝きが失せている。

 パクパクと開閉を繰り返して子宮から逆流した精液を吐き出す秘裂は、愛液と精液が混ざったもので白く汚れ、垂れた白濁液が垂れて尻の割れ目へと消えていく。

 潰れた蛙のようにベッドの上に倒れるシルヴィアは、何やら大きく跳ねると、僅かに身動ぎした。

 

「んっ、あっ、ふぇ、あぁ──……」

 

 彼女の口から気の抜けた声が漏れると、ちょろちょろと音をたてて秘裂の辺りから白濁液とは別の液体が噴き出した。

 度重なる絶頂と、ようやく終わった性行の疲労感により筋肉が緩み、そのまま失禁してしまったのだ。

 

「あっ、ひっ、あっ、あぁ……」

 

 シルヴィアはそれを止めようとしているのか体を強張らせるが、それは決して止まることなくベッドのシーツに染みを残していく。

 

「あっ、みちゃ、みちゃやぁ……」

 

 その姿をじっと眺めていたジブリールの視線に気付いた彼女は、嫌がるように力なく首を振るが、当の彼は一切目をそらす事はない。

 そうしてしばらくして彼女の放尿が終わると、彼はせっせとタオルを準備して、彼女の体を拭い始めた。

 股の辺りを汚す白濁液と尿を拭い、別のタオルで汗が浮かんだ彼女の体を拭い、ついでに自分の体も拭い、そのままタオルを首にかけた。

 

「それで、子供が出来たかは置いておくとして」

 

 そう言いながら彼女の体を抱き起こし、そのまま彼女を胸に抱き寄せた。

 優しく慈しむように僅かに膨らんだ彼女の下腹部を撫でると、彼は嬉しそうに笑顔を浮かべた。

 

「名前をどうするかぐらいは決めておくか?」

 

「なまぇ……?」

 

 寝ぼけたような声で聞き返してくるシルヴィアの髪を撫でながら「そう、名前だ。俺たちの子供のな」と言うと、彼女は『俺たち』という言葉に照れた顔を背け、けれど嬉しそうに笑いながら彼の胸板に頬擦りした。

 

「男の子なら、ジルが決めて?女の子なら、私」

 

「ああ、そうだな。それがいい」

 

「でも、女の子なら、──が良いなぁ……」

 

 彼女はぼそぼそと何かを呟くと、肝心の部分が聞き取れなかったジブリールは「なんだ」と問い返すが、返答はなく代わりに聞こえてきたのは穏やかな寝息のみ。

 自分の体に体重を預け、無防備な寝顔を見せてくれる彼女に嬉しく思いつつ、ジブリールは優しく彼女を抱き寄せると、そっとベッドに転がった。

 新品のベッドは二人の体をしっかりと支え、押し返してくれる。

 ジブリールは「おやすみ」と呟くと彼女の額に口付けを落とし、自分も目を閉じた。

 眠気が襲ってきたのはその直後で、抗う術を持たない彼はそのままされるがままに意識を手放した。

 

 ──彼女の妊娠が発覚したのは、この日からある程度の日にちが流れてからだ。

 

 

 

 

 




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Memory02 目を盗んで

前話から二、三年くらい経った頃の話。
無事に長男――ウィルクが産まれて、一人で寝れるようになったので久しぶりに……。

初見さんのために軽い解説。
シルヴィアは妊娠を機に冒険者を引退、ジブニールは家族との時間を確保する為に冒険に出る機会を減らし、訓練所の指導員を中心に活動している。



 ジブリールの自宅、子供部屋。

 真夜中故に薄暗いその部屋には、銀髪の女性──シルヴィアと、彼女の息子である銀髪の幼児──ウィルクがいた。

 ウィルクはベッドに寝転がりながら船を漕ぎ、ベッド脇の椅子に座ってお伽噺を聞かせてくれる母親をじっと見つめていた。

 シルヴィアの表情はいつにも増して柔らかく、紡がれる言葉は歌を歌うように優雅で、本の登場人物に合わせて声色を変える徹底ぶり。

 そんな母親の声に安心してか、あるいは久々の休みで家にいた父親と遊びすぎてか、ウィルクは瞼をゆっくり閉じて、すやすやと寝息をたて始めた。

 規則正しく上下する彼の胸の動きを眺めながら満足そうに微笑み、そっと彼の額に口付けを落とす。

 

「おやすみ」

 

 囁くように愛息子に告げると音もなく立ち上がり、足音を一切たてずに部屋を後にした。

 ゆっくりと扉を閉めると耳を澄ませ、ウィルクが起きていない事を確かめるとホッと一息。

 そのまま足音に気を付けながら自身の寝室へと進み、今度は普通に扉を開けた。

 部屋の中央に鎮座するダブルベッドには既に誰かいるのか、シーツが膨らみ、小さく上下に揺れている。

 シルヴィアは小さく肩を竦めて苦笑を漏らすと、その膨らみの隣に腰かけた。

 困ったように笑いながらシーツを剥がし、寝巻き姿でうつ伏せに寝転ぶ夫の背を撫でた。

 

「大丈夫~?」

 

 そう言いながら彼の肩を揉んでやれば、彼の口からは「あ゛ぁ゛……」と掠れた声が漏れた。

 一日中息子と遊んでいたのだ、流石の彼とて疲れたのだろう。

 ベッドの上でだらしなく体を伸ばし、枕に顔を埋めている。

 

「うぅ、情けない……」

 

 そんな彼の口から漏れたのは、何やら自責するような言葉だった。

「どうかした?」と肩を揉むながら問えば、ジブリールはまた気持ち良さそうに息を漏らしながら「たかが一日だぞ?」と不満そうに眉を寄せた。

 

「お前は毎日あいつの相手をしているんだろう?なのに俺は一日でこれだ」

 

「いつもなら魔術師ちゃんとか剣士ちゃんが来てくれるんだけどねぇ」

 

 彼女の言う通り、普段なら女魔術師や令嬢剣士をはじめ、彼らの世話になった冒険者たちが顔を出し、暇なら面倒を見てくれるのだが、今日は誰も来なかった。

 まあそれは、多忙なジブリールが丸一日休みということで、家族水入らずの時間を過ごしてもらおうという後輩たちからの優しい心遣いだったのだが、結果的には肝心の彼がダウンすることになった。

 彼等も彼らでウィルクの事を舐めていたのだろう。

 シルヴィアは「やれやれ」と首を左右に振ると、そっと顔を寄せた。

 

「お疲れ様、お父さん」

 

 耳元でそう囁くと、彼はくすぐったそうに僅かに身動ぎし、「それは俺のセリフだ」と苦笑混じりに返した。

 けれど『お父さん』という一言は大層お気に召したのか、表情は割りと嬉しそうなものだ。

 もっともその表情は枕に埋まっている為見えないのだが、シルヴィアはなんと無くでそんな気がして頬を緩めた。

 ウィルクが産まれてから色々な事があったし、その度に二人で一喜一憂しながら乗り越えてきた。

 それはまるで二人で冒険をしているようでいて、心地が良いのは今でも変わらない。

 けれど、不満がないわけでもない。今日だってそうだ。せっかく家族三人がいるというのに、息子は父親にばかり甘え、父親も息子ばかりを構う。

 言ってしまえば、何だか二人から仲間外れにされたようで気持ち悪く、かといって自分から言い出すのも何かが違う気がする。

 勿論本人たちにその気はなく、何となく察してくれたジブリールが途中から混ぜてくれたので良いのだが、やはり息子の興味は父親にばかり向いていた。

 やはり同性と異性では関心や興味の度合いが違うのだろうか。

 まあ単純に父親と一日中一緒にいられるから、ここぞとばかりにはしゃいでいただけな気もするが……。

 シルヴィアは彼の肩を揉んだまま数瞬悩むと、じっと彼の後頭部を睨んだ。

 白く脱色された髪をうなじの辺りで纏められていて、それが揺れる度にウィルクは猫じゃらしに飛びかかる猫のように遊んでいたように思える。

 そのまま彼の体に舐めるように視線を動かし、寝巻き越しでもわかる筋肉質な腕や、細いながらしっかりとしている背筋に目を向けると、彼の寝巻きの中に手を突っ込んでそっと指を這わせた。

 

「っ……」

 

 指が触れた瞬間に驚いたのか、彼は体を揺るわせて力が入れたが、すぐにリラックスして体を弛緩させた。

 それを了承と受け取ったシルヴィアは、凝っているのかいつにも増して固い彼の背を撫でるように指を這わせて、僅かに感じる肌とは違う触感──おそらく傷痕を優しく撫でた。

 彼は彼女の指の温かさが心地よいのか気の抜けた息を漏らし、体をベッドに沈みこませる。

 これ幸いと笑みを浮かべたシルヴィアは、凝り固まった彼の背中に指を沈めて解し始めた。

 その度に「ぐぅぉ……」とか「んぉぉ……」とか、身動ぎしながら声を漏らす彼の姿は何だか可愛らしくて、訳もなく愛おしい。

 ──それはそれとして。

 

「ねえ、ジル……」

 

「んぅ……?」

 

 背中を解されながら声をかけられたジブリールは顔を横に向け、横目でシルヴィアに目を向けた。

 彼の蒼い瞳に映る彼女は窓から差し込む月明かりに照らされて、白い肌と銀色の髪を幻想的な色に染めていた。

 だが頬だけは何やら赤く染まっていて、瞳も何やら潤んでいる。

 その表情は彼女が欲情している時に見せるそれで、現に彼女は何かを求めるようにもじもじと体をくねらせている。

 

「……」

 

 ジブリールは目を細めて小さく息を吐くと、寝返りを打って仰向けに体勢を変更した。

 すると待ってましたと言わんばかりにシルヴィアは彼に股がり、倒れこむように身を寄せる。

 むにゅんと豊かな胸が彼の胸板に潰されて形を歪め、寝巻き越しにお互いの体温がわかるほどに体を密着させた。

 そして無防備に晒してくれる彼の首筋に吸い付き、唇を形をした痕を残すと彼の耳元で囁く。

 

「ちょっと相談があるんだけど」

 

「俺で良いなら聞くが」

 

 耳元で聞こえる彼女の声をくすぐったく思いつつ、彼は彼女の髪を梳きながら頷いた。

 冒険者を辞めてから手入れが行き届き、さらさらと指を通してくれる彼女の髪は、いつまでも触っていたくなるほどに心地がよい。

 それは撫でられている彼女も同じなのか、気持ち良さそうに銀色の瞳を細め、ねだるように頬擦りをする。

 

「それで、何か悩みごとか?」

 

「どちらかと言うと、お願いかな……」

 

「お願い……」

 

 彼女の言葉をおうむ返しすると手短に「で、何だ」と問うた。

 問われた彼女は一度体を起こすと照れたように赤面しながら頬を掻き、「あのね」と一拍置いてから彼へと告げた。

 

「昼間はさ、ウィルにずっと構ってたじゃない?だからその……」

 

「その?」

 

 何やら言葉が続かない彼女を見上げつつ、ジブリールは首を傾げた。

 だが彼女が何を言うかわかっているのか、その表情はにこにこと上機嫌に笑っており、明らかに言わせようとしていた。

 胸の前で両手の人差し指をツンツンとしながら俯くシルヴィアに彼の表情は見えていないらしく、「だから、その……」と言葉を続けて彼へと告げた。

 

「夜は、私に構ってくれない、かな……?」

 

 小さく小首を傾げながら告げられた言葉にジブリールは僅かに目を見開き、彼女の顔を凝視した。

 端から見れば彼が驚いたか、あるいは引いているように見えるのだろうが、実際は違う。

 羞恥からか顔を赤らめ、「言っちゃった」と心の声を音として発信し、けれど彼の事を潤んだ瞳でじっと見つめてくるその様に、ただ単に魅入っていただけのこと。

「駄目?」とだめ押しのように言われれば、彼は「わかった」と言う他になく、言われた彼女は嬉しそうに頬を緩め、笑みを浮かべた。

 その笑顔に疲労を吹き飛ばされたジブリールは「よし」と頷くと、上体を起こして自身に馬乗りになる彼女を抱き寄せた。

 そのまま髪を手梳で梳いてやりながら、「それにしても」と耳元で囁きながら苦笑を漏らす。

 

「自分の息子に嫉妬したのか?」

 

「……!?ち、違いますぅ!」

 

 彼の言葉に一瞬狼狽えたものの、すぐに持ち直したシルヴィアはぷいっと顔を背け、不機嫌そうに頬を膨らませた。

 そんな彼女に「悪い悪い」と言葉だけの謝罪の口にすると、彼女の頬に手を触れて自分の方へと向き直らせる。

 

「──そんな所も愛おしいけどな」

 

「っ!い、いきなり何んぐ!?」

 

 彼の突然の告白に今度こそ狼狽えた瞬間、吐き出した言葉を遮る形で唇を奪われた。

 無遠慮に突っ込まれた舌が自身のものに絡み付き、ざらざらとした感覚が舌を這い回る。

 

「ん、んん!んぐっ。ちゅ、れろ!んぁ!」

 

 突然の事態に体は逃げようとしたが、それよりも速く閃いた彼の手に後頭部を押さえられ、未然に逃亡を封じられる。

 

「ん!んんっ!れろ、べろっ!」

 

 ならばと開き直って口内を蹂躙する彼に反撃を試し、彼の舌を相手の口内に押し返す事には成功したものの。

 彼はそれすらも予期していたのか、ゆっくりと口を閉じ、彼女の舌を捕まえた。

 

「ん!?」

 

 彼女が状況を把握し、声を漏らした頃にはもう遅い。

 孤立無援となった彼女の舌は、もはや格好の餌でしかないのだ。

 ペロペロと舌先を舐められ、裏側を舐められ、思い切り吸われ、時にはその両方が同時に行われる。

 

「んん!んーっ!んーっ!」

 

 絶え間ない舌への攻撃に声にならない悲鳴を漏らしていると、後頭部を押さえている腕とは別の、空いていた彼の片腕が動き出す。

 髪を掻き分けてうなじを撫でた指先が、背中を撫でるように下へと流れ、彼の太ももに潰されて形を歪めていた肉付きのいい臀部へと伸び、

 

 ──そのままショーツの中へと滑り込んだ。

 

「んあ!?」

 

 彼女が舌を苛められたまま悲鳴をあげると、その隙に彼の舌が彼女の口内へと侵入を果たし、再び彼女の唾液を舐めとり始めた。

 同時に直接臀部に触れていた手を蠢かせ、安産型特有の肉付きを堪能する。

 

「んっ、ふぅ!んっ!んーっ!」

 

 その手つきはさながら按摩(あんま)──マッサージのようでいて、優しく力強い指圧は彼女のツボを的確に捉える。

 

「ん!んっ、んぅっ!んんーっ!」

 

 指で痛気持ち良い場所を責められる度に、彼女は体を震わせた。

 毎回毎回、突く度突く度、彼の指は寸分の狂いなく彼女のツボを捉え、的確な力加減で刺激する。

 何故それが出来るのかなど、責められる側の彼女には皆目検討もつかないのだが、それは単にジブリールの『眼』が良いからだ。

 もはや直感とも言える彼の眼は、愛する人の弱点を見つける程度なら雑作もなく、何より彼女がそれで悦ぶというのなら余計に気合いが入るというもの。

 ジブリールは絶妙な力加減で彼女を刺激し続け、その度に反応を示す彼女の姿に機嫌を良くしていた。

 そして最後の一ヶ所を思い切り押し込んだ瞬間、

 

「んん~~~っ!!!」

 

 彼女は突然体をビクビクと震わせながら思い切り彼を抱き寄せ、声として吐き出す筈だった悲鳴を、彼の胃の中へと吐き出した。

 彼女の悲鳴を飲み込んだジブリールは彼女から顔を離し、酸欠とは別の理由で呼吸を乱している彼女の顔を覗きこんだ。

 朱色に染まった頬は潤んだ瞳と合わさって色っぽく、僅かに端から涎を垂らす口許は、自分のものか彼女のものか、ともかく唾液で濡れている。

 余韻に浸るように体はピクピクと震え、「み、見ないでぇ……」と羞恥心からか顔を背ける。

 それをされたジブリールは瞬きを数度すると、信じられないと言わんばかりの声音で「お前、まさか……」と声を絞り出し、臀部を撫でていた手を彼女の秘裂へと向かわせた。

 そこに触れた瞬間に感じたのは、ショーツがびしょ濡れになっている程の湿り気と、明らかに大きすぎる反応を示したシルヴィアの「ひぅ!?」という声だった。

 彼の疑問は確信へと変わり、彼はにやりと嗜虐的な笑みを浮かべた。

 

「へぇ、そうか……」

 

「あ、いや、違うの!」

 

「まだ何も言ってないが」

 

「え、あ、あぅ……」

 

 ジブリールに何かを言われると察知したシルヴィアは先手を打たんとしたが、当の彼からの切り返しに沈黙。俯いたまま何も言わなくなった。

 ジブリールはそんな彼女をまた愛おしく思いつつ、けれど彼女のお願いを叶える為に次の手を打つ。

 

「だが、違うというなら」

 

 彼はそう言うと俯いていた彼女の顎を指で押し上げ、にこりと彼女に向けて笑みをこぼした。

 

 ──確かめないとな。

 

 その笑顔は、何だかとんでもなく邪悪なものだったが。

 

 

 

 

 

「こんなに湿らせて、潮まで噴いて、まだイってないと?」

 

「いっへらい!いっへらいから!まへ、まっへぇ!?」

 

 ベッドに組み伏され服を剥がし、両手両足を広げた体勢で腰だけを突き上げる体勢にした彼女の臀部を、ジブリールは淡々と責めていた。

 先ほど同様にツボ──というよりも性感帯──を指でぐりぐりと押して刺激し、彼女の反応を確かめているのだ。

 彼の感覚的では、既に彼女は最低でも四五回は絶頂を迎えているのだが、当の彼女はそれを拒絶し、していないと言い張る。

 だが秘部からはぴゅーぴゅーと透明な液体が噴き出しており、ベッドのシーツに染みを作り出していく。

 

「ここら辺はどうだ?」

 

 ジブリールはそう告げながら臀部を押すと、

 

「んひぃ!?」

 

 彼女の口からは快感に喘ぐ声が漏れ、秘部からは更に潮が噴き出した。

 ジブリールは何とも言えない面持ちでシルヴィアを眺め、「お前、いつの間に、ここまで……」と押し込んだ指とピクピクと震える臀部を交互に見つめ、肩を竦めた。

 いつの間にここまで開発されたのか、それは彼にもわからない。

 

「いってらい!いってらいの!」

 

「ああ、そうか。そうだな」

 

 それでも強がる彼女に対して諦めたようにため息を吐くと、「──で、そろそろ良いか?」と露骨に話題を逸らすように告げた。

 

「ほぇ?」

 

 快楽に喘いでいた彼女は間の抜けた声を漏らしながら振り向くと、「ひっ!」とどこか怯えたような声を漏らした。

 いつの間に彼は上着を脱ぎ、ズボンをずらして勃起した逸物をさらけ出していたのだ。

 そのまま快感に震える腰を両手で押さえると、パクパクと開閉する秘部に亀頭を押し付ける。

 くちゅりと湿ったら音を漏らしながら更に押し付けてやれば、ビクビクッ!と彼女の腰が小刻みに揺れた。

 求めているのか、あるいは逃げようとしているのか、それは定かではないのだが、ジブリールは前者として受け取った。

「いくぞ」と告げると返答を待たずに腰を前に突き出し、逸物を彼女に秘部へと()れ、そのまま一息の内に最奥まで押し込んだ。

 

「ん゛あ゛っ!?」

 

 亀頭が子宮口に達した瞬間、彼女の口から野太い声が漏れた。

 きゅんきゅんと膣肉が入り込んだ逸物を締め付け、それに合わせるように「あ゛っ、お゛っ」と彼女の口から声が出る。

 まだ()れただけで、ジブリールは動いてはいないのだが、彼女はビクビクと体を震わせる。

 ()れただけで、彼女は絶頂してしまったのだ。

 

「……大丈夫か?」

 

「ら、らいじょーぶ!へーきっ!」

 

「駄目だなこれは」

 

 純粋な心配からの確認にやけくそのように返され、彼は肩を竦めながら不満げに眉を寄せた。

「むぅ」と小さく唸った彼は、とりあえず一度で我慢しようと決めると、腰を振り始めた。

 

「ん゛ぁ゛!?ひん!お゛っ!んぐ!」

 

「あんまり声を出すと、ウィルが起きるぞ?」

 

「──っ!んん、んんん!!」

 

 ゆっくりと腰を前後させながらシルヴィアに忠告すると、言われた彼女は慌てて両手で口を押さえて声を押し殺す。

 彼女の反応にジブリールは満足そうに頷くと、腰の動きを激しくさせた。

 先に自分で言ったように、下手に音を出したらウィルクが起きてしまう為、腰が当たらないように寸止めしてだ。

 

「んっ!んんっ!んーっ!んん~っ!」

 

 ずりゅずりゅと湿った摩擦音と、彼女の押し殺した喘ぎ声のみが室内を支配し、ジブリールの聴覚から更に興奮を誘う。

 だが理性を捨てることはない。既に体は疲労困憊、下手をすれば明日まで響いてしまう。

 故に自身が射精出来るのは一度。それ以上続ければ自分を抑えきれなくなってしまう。

 ジブリールは自身の情欲に鎖をかけて封じ込めると、理性を持ったまま腰を振るう。

 

「んん!んぁ!んーっ!ん゛ーっ!!」

 

 亀頭が子宮口を殴る度に彼女は絶頂を迎えて体を跳ねさせ、目に涙を浮かべながら更に来る快感に喘ぐ。

 ジブリールも短く呼吸をしながら腰を振り、それを少しずつ速くし始めた。

 逸物を登っていく熱さと、背筋をくすぐる射精感から、自身の限界が近いと判断したのだ。

 

射精()すぞっ!」

 

「んん、あっ!きて、きてぇ!」

 

 彼の言葉が最後の銃爪(トリガー)となったのか、彼女は声を抑えることも忘れて喘ぎ、膣肉がさらに引き締まる。

 締め付けながら逸物を扱くように蠢く膣肉の感覚に歯を食い縛り、ジブリールは更に腰を振るう。

 

「ひん!あっ!んぁ!いい!いいのぉ!」

 

「ぐっ、おおっ!」

 

 ジブリールが低く唸るような声を漏らすと、最後に思い切り腰を叩きつけた。

 パンッ!と鋭い打撃音が部屋に鳴り響くと共に、彼は限界を迎えた。

 高まっていた射精感に耐えきれず、鈴口からどろりとした精液が吐き出される。

 

「んぁ!?あつ、あつい!あちゅいのぉ!」

 

「くぅ、おぉ……」

 

 背筋で背中を弓なりにしならせながら彼女も絶頂を迎え、更なる締め付けに尿道に残っていた精液さえも絞り取られ、ジブリールは力の抜けた声を漏らした。

 そのまま体からも力が抜けて、彼女の背中に額を当てながら荒れた呼吸を繰り返す。

 腰を引いて萎えた逸物を引き抜くと、どろりとした精液が逆流して秘部からこぼれ、それが太ももを伝っていくと、シルヴィアは「ひぅ!」と小さく悲鳴を漏らした。

 その声がまた可愛らしくて、ジブリールは嬉しそうに笑いながらころりと転がって彼女の上から退いた。

 天井を見上げながらはぁはぁと呼吸を繰り返し、額に浮かんだ汗を乱暴に拭う。

 

「んん……」

 

 不意にうつ伏せに倒れていた彼女が体を起こし、精液と愛液に濡れ、てかてかとしている彼の逸物にすり寄り、それを頬張った。

 

「うお!?」

 

「れろれろ、じゅるるるっ!れろ……んぐっ」

 

 舌を這わせてこびりついた精液を舐めとり、まだ尿道に残っていたものまで吸い上げ、それを飲み込んだ彼女は、また勃起し始めたそれを愛おしそうに指で撫でた。

 突然始まった口淫と手こきに驚くジブリールを他所に、彼女は「もっとぉ……」と更に彼を求めるような事を言いながら彼に股がり、完全に固さを取り戻した彼の逸物の上に腰を持ち上げた。

 

「あー、シル……?」

 

「もっと、ほしいのぉ……」

 

 ジブリールの声を無視した彼女は恍惚の表情を浮かべながらそう言うと、問答無用で腰を降ろした。

 彼女の秘部はずりゅ!と威勢のいい音を響かせながら彼の逸物を飲み込み、シルヴィアは「あっ、んぁ、へぁ……」と叩きつけられた快感に声を漏らしながら体を震わせる。

 そして困惑するジブリールを他所に、妖しく笑いながら腰を上下にさせ始めた。

 彼女の動きに合わせ、子供が産まれてから余計に大きくなった胸が豪快に揺れ、汗と涎、ついでに秘部からこぼれた愛液が飛沫となってベッドに飛び散っていく。

 

「シ、シル!?待て……っ!」

 

「んぁ!ひん!いやぁ!まへにゃい、とまらにゃいのぉ!」

 

「シル?シル!聞いてるか!?」

 

「あん!ひん!あん!やん!いい!いいよぉ!」

 

 されるがままのジブリールを他所に、シルヴィアは一人快楽を貪る。

 冒険者を引退し、高められた体力は全て子育てへと向けられた。けれど今日は終始ジブリールが相手をし、自分がやったのはベッドまで運んで物語を聞かせた程度。

 要するにただですら多い体力が無駄に残り、ジブリールからの責めで体が余計に昂ってしまったのだ。

 詰まる所、今日に限ってはシルヴィアの方が有利で、ジブリールはただ食われる被食者側。

 最終的にシルヴィアが落ち着いたのは、ジブリールが三度達した頃で、その頃には流石の彼も疲労困憊となっていた。

 夜はジブリールの舞台にあらず、彼ら夫婦の舞台なのだ。

 

 

 

 

 

 翌朝、ジブリール宅の居間。

 

「……あー、ウィル?」

 

「ウィル、どうしたー?」

 

 僅かにやつれた様子のジブリールと、普段に比べて肌艶が良いシルヴィアの二人は、目の前に立つ息子の姿に困惑していた。

 ウィルクは小さな体を二人の間に割り込ませ、父を背にして両手を拡げ、シルヴィアを睨んでいるのだ。

 彼の親たる二人は顔を見合わせた首を傾げると、ウィルクはシルヴィアに向けて告げた。

 

「とーしゃ、いじめちゃ、めっ!」

 

「……ふぇ?」

 

 突然始まった息子からの説教にシルヴィアは間の抜けた声を漏らすと、ウィルクは父親に抱きつきながら更に言う。

 

「よる!かーしゃ、とーしゃのこと、つぶそうとしてた!」

 

「……ふぇ!?」

 

 舌足らずでことばも覚束ないが、彼は確かに『つぶそうとしてた』と言った。つまり、潰そうとしていた。

 

 ──昨日の夜、私がジルを潰そうとしていた……?

 

 シルヴィアは数瞬考えると、すぐに答えにたどり着いた。

 昨日の夜に自分が上になった覚えは、あのタイミングしかない。

 

「──!?!!?」

 

 ボン!と音をたてて真っ赤になったシルヴィアを他所に、ジブリールは苦笑混じりにウィルクの頭を撫でた。

 母親に似た銀色の髪は肌触りが良く、母親のそれと同様にいつまでも触っていたくなる。

 そうして柔らかな笑みを浮かべたまま、彼は赤面して踞るシルヴィアに目を向けた。

 

「──見られていたみたいだな」

 

「っ!!!」

 

 彼の残酷なまでの一言に彼女は顔を隠したまま悶え始め、ウィルクは「むぅぅ」と不満そうに頬を膨らませる。

 

「かーしゃ、きらい!」

 

「うぇ!?あ、待って!嫌いにならないでぇ!」

 

 彼女はそう叫びながらウィルクをジブリールの腕からぶんどり、「えっとね、あれは、その、遊んでたの!ね?」と適当な言い訳で言い繕うが、ウィルクの反応は良くない。

 彼は余計に不満そうな顔になると、目に涙を浮かべながら思い切り息を吸い込んだ。

 シルヴィアはやってしまったという顔になり、慌てて離れようとしてももう遅い。

 

「かーしゃ、やぁぁぁあああああああああっ!!!!」

 

「あー!ごめん、ごめんねぇぇええええええっ!!!」

 

 西の辺境の朝に、元気溌剌な親子の声が、神々にも届くほどに響き渡ったのだった。

 しばらくウィルクが二人の寝床に入り込むのは、ある意味当然の結果だろう。

 だがもうすぐそこにもう一人加わることを、彼らは知らない。

 陽が山から顔を出した瞬間に、地母神やその他の神たちがガッツポーズをしたことを、彼らは知らないのだ。

 

 

 




感想等ありましたら、よろしくお願いします。


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Memory03 奥様は欲求不満

エピローグ-1より若干前。ジブニールが仕事で留守にしている間の出来事。

初見さんの為に解説。
ジブニールは指導者としての功績が認められ、都で行われている円卓会議にも顔を出すことが許されている。
都までは片道一週間から二週間。下手すれば一月近くは彼に会えないという、シルヴィアにとってはかなりの地獄。



 ジブリール宅、居間。

 

「かーしゃー……」

 

「どうしたの?」

 

「なんでもなぃ……」

 

 自分の膝の上で眠たそうに目を擦る愛娘──アイリスの銀色の髪を撫でてやりながら、シルヴィアは優しく微笑んだ。

 長男たるウィルクは既に部屋で寝ていて、今起きているのはシルヴィアとアイリスの二人のみ。

 シルヴィアはまだ意識をはっきりさせているものの、アイリスは船を漕いでかくかくと首を揺れていた。

 

「そろそろ寝る?」

 

「やー……。とーしゃとねるのぉ……」

 

 彼女の何度目かの問いかけにアイリスは首を振るが、耐えきれずに大きな欠伸を漏らした。

 大口開けて「くぁ──……」と欠伸をする姿には小動物にも似た愛らしいさがあり、堪らずシルヴィアは彼女の頭を撫でてやる。

「んー」と気持ちた良さそうに目を細めるアイリスに「お父さんはまだ帰ってこないよ?」と優しく告げてやるが、当の彼女は「やっ!」とどうにか眠気を堪えて首を振った。

 シルヴィアは「仕方ない」と肩を竦めると、愛娘の頭を撫でてやりながら体を揺らし、静かに歌を歌い始めた。

 昔酔っ払った彼が歌ってくれた、彼の故郷の酒場で聞いたという歌。

 素敵な歌ではあるが子守唄ではなかった思うし、何より冒険者としてはあまり縁起がいい歌詞でもない。

 けれど、彼女はこの歌が好きだった。悲しい別れの歌ではあるけれど、何故か優しいこの歌が。

 

「──さらば幸あれ、仲間たちよ」

 

 彼女の歌はその一言でもって締め括られると、腕の中からはすやすやと規則正しい寝息が聞こえ始めた。

 シルヴィアは声もなく笑うと起こさないようにそっと抱き上げ、呼吸に合わせて足を踏み出して子供の寝室を目指す。

 冒険者を引退したとはいえ彼女の力量(レベル)が下がった訳ではない。多少衰えているだろうが、日常生活では十分すぎる高さだ。

 まだ小柄なアイリスを片手で抱えながら扉を開けて、既に眠りについているウィルクの隣に寝かせてやる。

 寝かされたアイリスは小さな手を振り回すとウィルクを掴み、掴まれた彼もまたアイリスを掴むと、そのまま身を寄せあってお互いにだらしない顔となった。

 これなら寝てくれるだろうと安堵したシルヴィアは小さく息を吐き、足音を立てずにその場を後に。

 そのままの足取りで寝室へと入り、ベッドに腰を降ろした。

 ぷらぷらと足を振ってため息を吐くと、背中からベッドに倒れる。

 一人で使うには広すぎるベッドの上では無性に孤独感を感じるし、何より暇だ。寝る前の夫婦水入らずの会話も出来やしない。

 

「はぁ……」

 

 彼女はまた深々とため息を吐くと、天井を見上げて目を細めた。

 彼が都に呼ばれ、様々な活躍をしてくれるのは嬉しいし、それは世のため人のためになっているのも嬉しいし、けれど無性に寂しくもあって。

 

「はぁ……」

 

 彼女はまたため息を吐くと、ころりと転がってうつ伏せになり、もぞもぞと匍匐前進を始める。

 そしてたどり着いたのは彼の枕の上で、彼女は躊躇うことなくそこに顔を埋めた。

 すんすんと鼻で呼吸をして、僅かに感じる彼の臭いを肺一杯に吸い込んで、彼女は僅かに頬を赤く染めた。

 同時に物欲しそうにもじもじと太ももを擦り合わせ、僅かに熱のこもった息を吐く。

 けれど枕に残された残り香だけで物足りないのか、彼女は不満そうに唸ると勢い良く体を起こし、クローゼットへと足を向けた。

 そしてそこを開いた彼女は、彼が普段着として使っている黒い外套(コート)をふん掴み、それを抱えて再びベッドへと身を投げた。

 ぼふん!と音をたててベッドにしずんだ彼女は、まだ色濃く彼の臭いを残す外套を鼻に押し付け、思い切り臭いを吸い込んだ。

 

「んん、ぁは……」

 

 嗅覚を支配する彼の臭いに恍惚の表情を浮かべた彼女は蕩けた笑みを浮かべると、そーっと自身の秘部に向けて手を伸ばす。

 そのままズボン越しに触れてみると、

 

「ひぅ!」

 

 緩い快感が体を駆け抜けた。

 電撃を思わせる感覚に脳が痺れ、さらに次を求めて指を動かし始める。

 さすさすと肌と布が擦れる音と共に、シルヴィアの口から小さな喘ぎ声が漏れ、彼女の顔がみるみる内に赤くなっていく。

 

「んん、邪魔ぁ……」

 

 彼女は誰に言うわけでもなくそう呟くとズボンを膝の辺りまで降ろし、肉付きのいい臀部をさらけ出しながら、今度はショーツ越しに秘裂に指を這わせた。

 

「ひあっ!」

 

 同時に駆け抜けた先程よりも強烈な快感に身を捩り、さらに指を動かしていく。

 布が擦れる乾いた音に少しずつ湿り気が加わり、ショーツに小さな染みが浮かび始める。

 

「ふっ、あっ!んっ、んんっ!」

 

 秘裂を弄る手とは別に、空いている手の指を甘噛みして猿轡代わりにし、漏れでる声を無理やり押さえ込む。

 

「んんっ、んふ、ふっ……」

 

 これ幸いと彼女は指の動きを僅かばかり激しくすると、彼女の体はビクビクと痙攣を繰り返し、ショーツの染みがさらに大きく、濃くなっていく。

 

「んん、あっ……。もっとぉ……」

 

 彼女は噛んでいた指を舐めながら切ない声を漏らすと、ついにショーツの中に手を入れ、直接秘裂に指を這わせた。

 

「ひぎっ!」

 

 駆け抜けた快感はさっきまでの比ではなかった。

 脳を焼かれる錯覚を覚えるほどの快感に彼女は目を見開き、今度は甘噛みではなく口を指を突っ込んで舌を押さえ込んだ。

 これなら声が出ることはない。ならば──。

 

「ふーっ、ふーっ、んんっ!」

 

 彼女の指は、躊躇うことなく自身の秘裂を撫で上げた。

 前後前後と指の腹で擦るように撫でてやれば、秘部から溢れる愛液が指に纏わりつき、体温とは別の温もりが指を包み込む。

 

「んーっ!れろ!ちゅる!れろ!んんっ!」

 

 同時に口に突っ込んだ指を彼の舌に見立てて自分の舌を絡めて、苛めるように指でなぶる。

 いつも彼がそうするように、いつも彼がしてくれるように、指を舌に絡めて、指で秘裂を撫で回す。

 

「んんっ!んーっ!んぁ!ちゅっ!ちゅる!」

 

 ビクビクと腰を浮かせ、鼻で呼吸をする度に鼻に押し付けた彼の外套の臭いで肺が満たされ、彼女は更に興奮していく。

 そしてついに辛抱堪らなくなったなった彼女は、愛液に濡れてふやけ始めた自分の指を、物欲しそうにパクパクと動く秘裂へと滑り込ませた。

 彼のものに比べて細い指は一切引っ掛かることなく秘裂へと入り込み、膣肉が指を捕まえるようにぴたりと閉じる。

 扱くように蠢くひだの感覚をくすぐったく思いつつ、彼女は鼻で深呼吸をして臭いを充電。

「ふへぇ」と恍惚の表情を浮かべて余韻に浸った彼女は、秘部に突っ込んだ指を動かし始めた。

 ずりゅずりゅと音をたてて自分で自分を責め立てて、口に入れた指で舌をさらに苛め始める。

 無意識の内に逃げようとする自分を舌を指で捕まえ、舌先を指先で弾き、指の腹で舌の表面を擦りあげる。

 

「んぅ!んっ!んぐっ!んんっ!」

 

 ピクピクと体を痙攣させながら、けれど秘部を責める指を止めることはない。

 彼がしてくれたように激しく出し入れしつつ、時には指を曲げて膣肉を思い切り引っ掻き、膣内が解れてきたならもう一本指を()れた。

 

「んん!?」

 

 途端に感じた圧迫感に目を剥くが、けれどそれすらとすぐに快感へと変わってしまう。

 喘ぐ度に鼻から入ってくる彼の臭いが彼女の理性を蒸発させ、正しい処理が出来なくなっているのだ。

 

「んっ!んん!ふぁっ!?イく!イくっ!」

 

 もはや自分では止まれない彼女は口を解放すると、体を痙攣させながら秘部を責め続けた。

 

「あひっ!ひぅ!ジル!じりゅ!じりゅう!」

 

 彼女は絶えず迫る快感に喘ぎながら、愛する夫の事を呼んだ。

 その声は都にいる筈の彼に届くわけもなく、壁に跳ね返って自分の耳に返ってくるのみ。

 彼女は押し付ける彼の外套にさらに密着しながら、へこへこと腰を揺らし始めた。

 秘裂から溢れる愛液に指を濡らしつつ、彼女は絶頂を迎えようとさらに動きを激しくさせた。

 

「んひ!んいぃっ!じりゅ!しゅき、だいしゅき!あいしてる!」

 

 彼女は自分の想いを包み隠さず言葉にすると、体がさらに熱を持った。

 同時にそれは彼女が無意識に封じていた感情さえも解き放ち、彼女の口からは本心が漏れだした。

 

「じりゅ!あいしてる!あいたい、はやくあいたいのぉ!」

 

 彼が世のため人のために働いていることは誇りに思うし、彼がかの円卓の末席に加わった事も誇りに思う。

 けれど、彼はこの広い世界におけるただ一人の、自分の夫なのだ。

 一月も離れ離れになるのは辛いし、寂しい。

 だからこうして彼の残り香にすがって、それを紛らわせているのだ。

 

「じりゅ!じりゅうっ!あいしてるのぉぉおお!」

 

「──ああ、俺もだよ」

 

 彼女の告白に、本来あり得ない筈の返答があった。

「ほぇ……?」と間の抜けた声を漏らして声の主の方に目を向けると、そこにはいる筈のないジブリールがにいた。

 彼は既に都に行く際に着ていく衣装を脱いだのか、クローゼットの前で上半身は裸となっており、上機嫌そうににこにこと笑っている。

 そして彼は「ただいま」と右手を挙げた。

 その瞬間、蒸発した筈の理性が元の形を取り戻し、強烈な羞恥心と罪悪感が体を支配し、

 

「──っんあぁぁぁああああああ!!??!」

 

 それを肴に彼女の体は更に興奮し、無意識の内に指が動き始めた。

 

「んやぁっ!イきゅ!イっちゃう!?みないれ!みちゃ、やぁ……っ!」

 

 口ではそう言うものの、意志に反して彼女の体は絶頂を迎えた。

 

「イきゅ!イきゅうぅ!!」

 

 ビクビクと体が痙攣を繰り返し、秘部から潮を噴き出して絶頂を迎えた彼女は、途端に脱力したようにベッドに深々と沈んだ。

 

「あっ、へぁっ、んっ、あひゅっ……」

 

「あー、まあ、なんだ」

 

 ジブリールは頬を掻きながらベッドに乗り、自身の外套を抱えたまま痙攣を繰り返す彼女の体に覆い被さり、くるりと寝返りを打たせた。

 うつ伏せだった彼女を仰向けにすると、蕩けた彼女の瞳を見つめながらズボンを降ろした。

 

「んぁ、ひぅ、へぁ?」

 

 彼の動きに気付いたシルヴィアが疑問符を浮かべると、ジブリールは構わずに笑みを浮かべた。

 

「俺だって、溜まっているんだぞ?」

 

「ふぇ?」

 

 彼の一言を理解出来ない彼女を他所に、彼は躊躇を捨てて勃起した逸物を彼女の秘裂へと押し付けた。

 

「俺が真面目に仕事をしている間に、お前は自分で慰めているのか」

 

「え、あ、まっへ、ちがうの……」

 

 僅かな怒気が込められた彼の言葉で、ようやく意図を察した彼女が首を振るが、ジブリールは優しい笑みを浮かべ、

 

「──駄目だ」

 

 その一言と共に、彼は腰を突き出した。

 ずりゅ!と湿った音と共に彼の逸物は彼女の胎内に入り込み、求めるように降りてきていた子宮口を容赦なく殴りつけた。

 

「ぎにゃあ!?」

 

 大きく目を見開いて声を漏らした彼女は背中を弓なりにしならせ、再び絶頂を迎えた。

 胎内からくる圧迫感に「あっ、かっ、はっ」と肺の空気を細かく吐き出した彼女は、ぺたりと背中を沈めて彼の首に腕を巻き付けた。

 

「あは、わかった。ゆめ、ゆめにゃんでしょ……?だって、キミは──」

 

「都にいる筈だから、か」

 

 力なく笑いながら告げられた彼女の言葉をジブリールが引き継ぐと、シルヴィアは「うんっ」と頷いて「そうでしょ……?」と確かめるように上目遣いをしながら問うた。

 問われた彼はため息を漏らし、「ああ、それで良いよ」と困ったような笑みを浮かべて彼女の頬を撫でた。

 それと同時に「《沈黙(サイレント)》」と呟いて、不可視の力場を産み出して室内の音を消す。

 

「……?」

 

 突然の彼の行動を訝しむ彼女を他所にジブリールは『いくぞ』と口の動きだけで伝え、腰を振り始めた。

 

「っ!──っ!?──っ!!っ!?っ!!──っ!?」

 

 彼女は口の動きだけで喘ぎながら体を痙攣させ、ぎゅっと彼を抱き寄せた。

 ジブリールは彼女の頬に頬擦りしつつ、彼女の耳朶を甘噛みする。

 

「っ!っ!!──!──っ!?」

 

 同時に更に腰の動きを激しくしてやれば、彼女はビクビクと体を痙攣させて声もなく絶頂を迎えた。

 体は様々な器官で刺激を受け取り、それを脳で処理するものだ。

 だが今回は魔術により聴覚を封じられている。今彼の責めに対して働いているのは、触覚と視覚、嗅覚程度。

 彼の体温を普段以上に感じて、彼の動きを普段以上に感じて、彼の目の動きや表情の変化を普段以上に感じて、

 

「っ!?!っ──!!っ!!」

 

 体は絶頂を迎えた。

 激しく痙攣を繰り返す膣肉が彼の逸物を扱くが、ジブリールは怯まない。

 音もなく逸物の出し入れを繰り返し、音が消えることを良いことに力任せに腰を叩きつける。

 

「──!──っ!?っ!っ!っ!っっっ!!!」

 

『沈黙』の魔術で音が消えた室内において、絶え間なく絶頂を迎える彼女は誰にも届く聞こえない悲鳴を上げた。

 亀頭が子宮口を殴る度に、かりがGスポットを擦る度に絶頂を迎え、彼女の脳裏にバチバチと火花が散る。

 快楽に表情を歪め、もはや苦しそうな表情を浮かべると彼女を見つめると、ジブリールは嗜虐的な笑みを浮かべた。

 汗で額に貼り付いた彼女の髪を拭ってやり、そこに口付けを落とす。

 

「──っ。っ!──っ!!」

 

 それだけで体が悦んでしまう彼女は膣内の刺激と合わさって絶頂を迎えた体を痙攣され、潤んだ瞳で彼の瞳を見つめ、口の動きだけで『待って、休ませて!』と懇願するが、ジブリールは再び優しげな笑みを浮かべ、思い切り腰を叩きつけた。

 

「っ!?──……」

 

 同時に迎えた絶頂が、とどめとなった。

 見開かれた彼女の瞳から光が消え、両手両足をベッドに投げ出すと、かくりと首を傾けて気を失ったのだ。

 流石のジブリールもやり過ぎたとは思うものの、今止まっては不完全燃焼も良いところだ。

 彼は目を泳がせて数瞬迷うと、『すまん』と苦虫を噛み締めた表情で口を動かし、彼女の腰を両手で押さえて固定すると、腰を振り始めた。

 

「っ。っ、──っ。っ……」

 

 彼女は大きな反応もなくビクビクと小さく体を跳ねさせながら、ひゅうひゅうと息を漏らす。

 それでも止まれない彼は、登ってくる射精感を解放しようと腰を振るう。

 

「──っ!──っ!っ!っ!」

 

 気絶しながらも絶頂を迎える彼女は体を跳ねさせ、痙攣を繰り返す膣肉がさらに引き締まり、彼を責めるように蠢く。

 ジブリールは音もなく低く唸ると最後の一突きで彼女の子宮を押し潰し、同時に限界を迎えた射精感を解放した。

 

「っ!!──……」

 

 鈴口から吐き出された精液が彼女の子宮を満たし、ジブリールは背筋を撫でる快感に息を吐いた。

 彼女の秘部を貫いていた逸物を引き抜き、どろりと溢れた白濁液に目を細めた。

 そのまま全身にくる倦怠感に身を任せ、彼女の隣に寝転び、ゆっくりと目を閉じる。

 そして眠気に身を任せて意識を手離すと、穏やかな寝息をたて始める。

 隣で気絶しているシルヴィアもまた、肉体の疲労感からか目を閉じて、彼と同じように寝息をたて始めた。

 同時に不可視の力場が失われ、二人の呼吸音だけが部屋に残された。

 

 

 

 

 

「かぁーしゃっ!」

 

「んぇ?ひゃ!?」

 

 不意に響いた愛娘の声で、シルヴィアは目を覚ました。

 同時にベッドに寝転ぶ自分の上に、太陽を思わせる笑みを浮かべるアイリスが降ってくる。

 それを視認したシルヴィアは体から力を抜いて、胸に降ってきた娘の衝撃を受け流し、しっかりと彼女の体を抱き止める。

 

「にゃ~♪」

 

 母親に抱き止められたアイリスはご機嫌そうに声を漏らし、母親の胸に顔を埋めると、シルヴィアは「おはよ~」と微笑みながらアイリスの頭を撫でてやる。

 娘の温もりを堪能しながら、彼女はふと天井を見上げた。

 本来いない筈のジブリールに、強姦紛いに犯されるという、何とも刺激的な夢を見た気がするのだ。

 夢の中の彼は随分と強引に自分の事を責めて、好き勝手にしてきたような気がする。

 

「かーしゃ?」

 

 そんな風に思慮してボケッとしていたシルヴィアに、アイリスの心配するような声が届いた。

 シルヴィアは僅かに慌てながら「大丈夫だよ」と笑って見せると、アイリスは「そっかー!」と納得したのかまた笑みを浮かべた。

 

「リース?かーさんおきたー?」

 

 開いた扉の隙間から、まだ眠たげなウィルクの声が部屋に届けられた。

 シルヴィアは「起きたよ!」と元気溌剌な声で返すと、アイリスを抱っこしたまま体を起こす。

 そのまま部屋を出て廊下を進み、居間にたどり着くと──、

 

「おう、おはよう」

 

 エプロン姿のジブリールが台所に立っていた。

 彼は慣れた手つきで朝食の準備を進めながら、「先に座っていてくれ」と彼女に告げた。

 シルヴィアは彼の姿を見ながら数度瞬きすると、アイリスを抱き直しながら言う。

 

「……ねえリース?」

 

「んぁ?」

 

「お母さんの頬っぺた、引っ張ってくれない?」

 

「ん?こう?」

 

 母親からのお願いに、アイリスは彼女の頬を引っ張った。

 同時に感じた鋭い痛みに「痛い……」と声を漏らすと、アイリスは慌てて手を離した。

 

「ごめんなしゃい!」

 

「あ、ううん、違うの、怒ってないよ?」

 

「ほんと?」

 

「ホントホント」

 

 自分に怒られたと勘違いしたアイリスを構いながら、再びジブリールへと目を向けた。

 てきぱきと朝食を準備する彼の姿は夢ではないようで、朝一にでも帰ってきたのだろうかと疑問を抱く。

 いや、帰ってきたなら気付くし、何より子供たちがもっと騒ぐ筈だ。

 ならば、いつ帰ってきたのか。

 

「ああそうだ、シル」

 

「ん?」

 

 疑問だらけの彼女を呼んだジブリールは、何やら意味深な笑みを浮かべて彼女に問うた。

 

体は大丈夫か(・・・・・・)

 

「……ふぇ?」

 

 突然の問いかけに間の抜けた声を漏らすと、ジブリールは首を傾げて怪訝そうに眉を寄せた。

 

「いや、()()()()()()()()()()()()?」

 

「……」

 

 彼の更なる問いにシルヴィアは目を細め、そしてゆっくりと目を見開いた。

 そんな事お構い無しに、ジブリールは更に言う。

 

「喉の方は平気か。かなり叫んでいたが」

 

「っ!」

 

「体は怠くないか、どこも痛くないか」

 

「っ!!」

 

 彼の言葉を完全に理解した彼女は、真っ赤になった顔から蒸気を噴き出した。

「ひゃ!?」と驚くアイリスを他所に、ジブリールはにこりと微笑んだ。

 

「それと、ちゃんと()()()()()()?」

 

「──!!!」

 

 もはやここまで来ると、流石の彼女とて気付く。

 

 ──あれは、夢じゃなかった!?

 

 あわあわと口を動かす彼女を他所に、彼は「よし、出来たぞ」と告げて朝食を盛った皿を食卓に運んでいく。

 かつて来たりし者(外界の神)の血を色濃く残す彼にとって、都から一晩で帰ってくる事など造作もないのだろう。

 これが後に彼が愛用することとなる『高速移動(ファストトラベル)』最初の使用例だった。

 

 ──ただ一刻も早く家族に会いたい。その思いが、彼に新たな力を解放したのだ。

 

「さあ、朝食にしよう」

 

「「はーい!」」

 

「……あぅ」

 

 まあその結果、その愛する家族の一人がフリーズしてしまったのだがそれはそれ。

 こんなことも彼が望んだ日常の一幕で、いつまでも続いて欲しい日常なのだ。

 

 

 




感想等ありましたら、よろしくお願いします。

余談ですが、シルヴィアが歌った歌はわかる人にはわかると思います。
最後の一言はアサクリの和訳準拠でいきましたが、英語版の歌詞は、

『Good night and joy be with you all』

となります。これは訳し方にもよりますが、

『おやすみ、君に喜びがありますように』

的な意味にも訳せます。
そういう意味では、彼女が子守唄として歌ったのは正解な気もします。


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Memory04 呪い

エピローグ-7の一年前ぐらい。

おまけ1で若干触れた、ジブニールが使っている魔剣のデメリットを無視した結果に起きた悲劇の話。
ちょっと人を選ぶ(軽度のリョナ的な?)感じになってしまいましたので、苦手は方はご注意を。

ついでにエピローグ編も終わりです。


「ああ、くそっ!」

 

 ジブリールはそう吐き捨てて、手にした剣を鞘に納めようとしているが、何か術的な守りが施されているかのように、口許で切っ先が跳ね返される。

 彼の扱う魔剣はとある魔神将を討った際に戦利品として回収し、彼の愛用する剣となったのだが、そこは魔神将が扱っていた魔剣。ただの剣とは一線を画す強さを秘めたものだ。

 並大抵の鎧や剣なら持ち主諸とも叩き斬り、与えた傷は『小癒(ヒール)』程度の奇跡では完治は不可能の、不治の傷を相手に与え、取り逃がしたとしても相手は死ぬこととなる。

蘇生(リザレクション)』の奇跡ならあるいは助かるが、それを扱えるのは国でも一握りで、その誰かがいる街にたどり着く前に死ぬだろう。

 ここまではいい。誤って自分や仲間を斬らなければいいだけの事だ。だが、問題はここから。

 この悪意しかない魔剣は、生きている生物を斬り、その血を啜らなければ鞘に戻せないのだ。

 死体を斬っても満足はせず、血溜まりにつけても満足せず、鞘に納めようにもカンカン!と、刀身と口が合っていないかのように弾かれる。

 アサシンとして活動する事もある彼は、仕事として悪徳貴族の屋敷に踏み込んだ。そこまでは良い、いつも通りだ。

 だが、そこに待ち受けていたのは既に血溜まりとなった一室と、得意気に鼻を鳴らす自称好敵手(ライバル)──金剛石の騎士(ナイト・オブ・ダイヤモンド)だった。

 今回は彼の方が一足早く、既に貴族とその手下、そして貴族と繋がっていた邪教徒は切り捨てられていたのだ。

 彼は状況を察してすぐに撤退し、屋敷を離れて近くの裏路地へと滑り込んだ。そして──、

 

「ああ、どうする……」

 

 突入の際に抜いて、そのままにしていた魔剣の問題に直面したのだ。

 通りすがりの誰かを斬る?論外。アサシンの掟に背く。

 追ってくる金剛石の騎士を斬る?論外。素顔を隠してはいるが、相手はこの国の重鎮(国王)だ。

 ならば、どうするか。

 

「はぁ……」

 

 彼は重々しいため息を吐くと、瞳を閉じて意識を集中。

 遺伝子に刻まれたかつて来たりし者の血を呼び覚まし、その力を解放する。

 閉じた瞼の下で蒼い瞳が金色に染まり、四方世界の(ことわり)から外れ、呪いや加護を無視できる状態──『隔世状態』へと移行した。

 そして彼は鞘を手に取り、鞘の口を撫でるように刃の根元から這わせ、切っ先までたどり着くと、

 

「ふん!」

 

 気合い一閃と共に剣を押し込んだ。

 すると先ほどまで固辞するように抗っていた剣がするりと鞘に納まり、キンッ!と鋭い鍔鳴り音が静かに響く。

 それを聞き届けた彼は静かに瞳を開き、子供たちが触れても抜けないようにと鞘に取り付けた留め具を締めて、ようやく気を抜いて頬を緩めた。

 

 ──これなら帰れるな。

 

 彼は言葉もなく頷くと更に意識を集中、帰りたい場所に最寄りの高所(ビューポイント)を思い浮かべた。

 

「そこにいたか!」

 

 同時に裏路地の入り口に金剛石の騎士が立ちはだかるが、ジブリールは気にせずに集中。

 そして、彼へと目を向けると、

 

「さらばだ、誉れある都市の騎士(ストリート・ナイト)。今宵はお前に勝ちを譲るよ」

 

 彼は静かにそう告げて、その身を天へと昇る雷へと転じさせた。

 金剛石の騎士は間に合わないと知りつつも手を伸ばすが、雷は天頂に至ると西に進行方向を転換し、そのまま地平線の向こうへと消えていった。

 

「……むぅ」

 

 一人残された金剛石の騎士は小さく唸ると、空を切った自身の手を見つめ、力なく降ろした。

 そしてジブリールが消えていった西の空を見つめ、兜の庇の下で目を細める。

 確かに今回はこちらが早かったが、結果的には逃げられた。

 勝ったような負けたような、何とも複雑な気持ちのまま、騎士は迎えに現れた馬車に飛び乗り、都の闇へと消えていった。

 

 ──その背を、幾人かのアサシンが見送った事を知るよしもなく。

 

 

 

 

 

 

「はぁ……」

 

 ジブリールの自宅の居間で、シルヴィアは豊かな胸を押し潰すように食卓に突っ伏していた。

 じっと卓の中央に置かれた花瓶に差した花を見つめて、ふっと息を吹き掛ける。

 彼が円卓に招かれるようになってからはや数年。彼と会えないのは流石に慣れて、ウィルクも大きくなったから家事の手伝いをしてくれるし、アイリスの面倒を見てくれる。

 それはそれとして、だ。

 

「うぅ……」

 

 暇である。もう子供じゃあないのだが、体力が有り余って眠れそうにない。

 加えて僅かに溜まってもいる。前に抱いてもらったのは彼が都に発つ前だ。たかが二週間前なのだが、どうにもこの体は我慢が出来ないようだ。

 

「でもなぁ……」

 

 自分で慰めるにしろ、彼がいつ帰ってくるかは本当に読めないのだ。

 商人の護衛ついでに馬車で帰ってくる事もあれば、会議が長引いて長く滞在する事もある。そして、前のようにいきなり帰ってくる事もある。

 前のように子供たちの前で辱しめられるのはごめんだが、それをどうにか沈めなければ寝るに寝れない。

 内股気味に太ももを擦り合わせながら頬を朱色に染めると、がちゃり!と玄関の錠が外れる音が耳に届いた。

 次いで玄関を開ける音と、耳を済まさなければ聞こえない僅かな足音が聞こえれば、彼が帰って来た証拠に他ならない。

 

「ん?」

 

 僅かな期待を込めて顔をあげると玄関を方へと足を進め、「おかえりー」と笑み混じりに彼へと告げた。

 だが返事はなく、代わりにあったのは寝室の扉が閉まる音。

 いつもの彼なら開口一番に「ただいま」を言うだろうし、子供たちの様子も見ずに寝室に直行など、何と珍しい事か。

 シルヴィアは首を傾げて疑問符を浮かべると、足音を消して寝室の扉に近づいて、そっと耳を当てた。

 目を閉じて耳を澄ましてみれば、中から聞こえるのは苦しげに喘ぐ彼の声だ。

 

「入るよっ!」

 

 彼女は冒険者時代も顔負けな鋭い声でそう言うと、バン!と音をたてて扉を開いた。

 

「かっ、はぁ……っ。シル……?」

 

「うん!って、どうしたの!?」

 

 絞り出すような声で呼ばれて返事をすれば、そこにいたのは胸を押さえて壁にもたれるジブリールの姿だった。

 熱でもあるのか頬を赤く染まり、瞳も潤んで呼吸も荒い。

 彼の状態を察した彼女は「大丈夫!?」と慌てて駆け寄ると、「待てっ!」と彼は震える手を突き出して彼女を制した。

 

「待ってくれ……」

 

 覇気に欠けた声で彼女に言うが、それは彼女に余計な心配をかけさせる要因にしかならない。

 

「待てないよ!」

 

 彼女は伸ばされた彼の手を取って身を寄せると、額に手を当てた。

 

「……あれ?」

 

 だがそこに感じたのはいつも通りの温かさで、むしろ自分の手よりも冷たいようにさえ思う。

 

「シル……っ!」

 

 それに首を傾げた隙に、ジブリールは唸るような低い声で彼女を呼び、両肩に手を置いた。

「ひゃい!?」と間の抜けた声を漏らすと共に体を跳ねさせた彼女を他所に、ぎゅっと彼女の肩を掴んだジブリールは顔を寄せて静かに告げる。

 

「……抱かせてくれ」

 

「……へ?」

 

 突然放たれた彼の言葉に、シルヴィアはまた間の抜けた声を漏らした。

 ぱちぱちと瞬きを繰り返し、「えっと……?」と首を傾げた。

 

「駄目なら駄目でいい。だが、それなら子供たちと寝てくれ……っ!」

 

 鬼気迫る表情で何故か掠れた声を吐く彼に、シルヴィアはついに覚悟を決めた。

 

「うん、いいよ!好きに抱いて!」

 

 ──丁度溜まってたし!

 

 最後の一言は口には出さずに我慢すると、それを知らないジブリールはどこか安堵したような笑みを浮かべた。

 そして「ありがとう」と相変わらず掠れた声で言うと、彼女の手を引いてベッドに足を向ける。

「ああ、その前に」とシルヴィアが一旦手を離して開けっ放しだった扉を閉め、「よし!」と頷いて振り向こうとした瞬間、背後から抱き締められた。

 背中に感じる彼の温もりが心地よく、身を任せるように体を寄せて目を閉じて「どうしたの……」と優しく問うが、彼からの返事がない。

 

「ジル……?」

 

 少々心配になって首だけで振り向くと、そこにはにこにこと上機嫌に笑う彼の顔が視界に入った。

 それだけなら良い。彼が楽しそうに笑うのはいつもの事だ。

 だが、シルヴィアは何とも言えない違和感を感じて小さく首を傾げた。

 何と言うか、瞳に宿っているのは慈しみとかそんなではなく、極上の餌を見つけた肉食獣の眼光のように思えるのだ。

 

「シル……」

 

 彼は耳元で囁くように彼女を呼ぶと、そっと上着の中に手を入れてブラジャーの上から彼女の胸に触れた。

「んっ」とくすぐったそうに声を漏らす彼女の声に背筋を震わせながら、もう片方の手をズボンに突っ込み、ショーツ越しに彼女の秘裂を撫でた。

 

「ひぅっ!」

 

 彼女は驚いたように甲高い声を漏らすが、ジブリールはそれを無視して更に指を這わせる。

 さすさすと布が擦れる音に少しずつ湿り気が加わり、ぴちゃぴちゃと湿った音が大きくなっていく。

 

「あっ、ひぅ!ジル、待って!せめてベッドに……っ!」

 

 シルヴィアは服の中に入り込む彼の腕を掴んで言うが、ジブリールは聞いていないかのように両手の動きを激しくさせた。

 ブラジャー越しに胸に触れていた手をブラジャーの中に差し込み、直接柔らかさを堪能し、秘裂を撫でていた手はそのまま秘部の中に指を()れる。

 

「ふにゃ!んっ、あっ、ジル、お願いっ!足、力入んないから……っ!」

 

 がくがくと足を震わせながら言うと、ようやく届いたのかジブリールの手が止まる。

 途端に力が抜けて倒れそうになるが、胸に触れていた彼の腕がしっかりと体を支えてくれた為、転倒することはなかった。

 秘部に入っている指はそのままだが、動くことはないためとりあえずは無視。

 彼女ははぁはぁと息を乱しながら、彼の方へと振り向いた。

 

「あっ、ふぁ、あ、ありが──」

 

 とりあえず止めてくれた彼に礼を言おうとすると、彼はそっと彼女の首もとに口付けを落とし、

 

 ──そのまま思い切り(・・・・・)()()()()()

 

「ぎっ!?ジル、痛い!」

 

 シルヴィアが首に感じた鋭い痛みに悲鳴をあげると、ジブリールは上着の襟から手を出して彼女の頭を押さえつける。

 そして一旦噛む力を抜くと更に顔を寄せ、もう一度噛みついた。

 

「ぎぃ!あぐっ!いだい!痛いっ!」

 

 咀嚼するように何度も何度も噛みついて、その度に彼女は悲鳴をあげるが、それに合わせて膣肉が指を締め付けて離そうとしない。

 彼はひとしきりその感覚を楽しむと指を抜き、彼女の首から顔を離した。

 くっきりと残された噛み痕を一舐めすると、先程の彼女の要望通りにベッドに投げた。

 既に足に力が入っていない彼女はされるがままベッドに倒れると、その上にジブリールが覆い被さる。

 

「はぁ……!はぁ……!ジル、どうしたの!?」

 

 首に残る鋭い痛みに表情を歪めながら、シルヴィアは彼に怒鳴るように言葉をぶつけた。表情は彼女が滅多に見せない怒りの色に染まっている。

 だがジブリールは彼女の頬をべろりと舐め、興奮したように呼吸を荒げながら彼女を見下ろす。

 

「俺、なんか、変だ……」

 

「そうだよ、どうしたの!?」

 

 力の抜けた声音で告げられた彼の言葉を鋭く肯定すると、ジブリールはゆらりと体を揺らす。

 

「喉が渇いて、堪らないんだ……」

 

 そう言った彼の瞳から光が消え、いつもは丁寧なのに今回は乱暴に上着を脱ぎ、鍛え抜かれた上半身をさらけ出した。

 

「シル、シル……」

 

 うわ言のように彼女の事を呼びながら、彼は彼女の唇に触れる程度の口付けを落とし、彼女のズボンとショーツを纏めて降ろす。

 そして、自身のズボンとパンツをずらし、血管が浮かび上がり、いつにも増して大きく勃起した逸物を取り出す。

 そのまま彼女の意志を確認するよりも早く亀頭を彼女の秘裂へと当て、そのまま一息で押し込んだ。

 

「ひぎっ!あっ、ぎっ!」

 

 解れていなかった膣肉が掻き分けられる、快感とも不快感とも違う感覚に小さく悲鳴を漏らすと、シルヴィアは「ジル……っ!ちょっと、待って……!」と苦しげな声を出した。

 だが言われたジブリールはそれを無視し、猛った犬のように腰を振り始める。

 

「あっ!んっ!ぐっ!あぎっ!ジル……ッ!もっと、ゆっくり……っ!」

 

「シル、シル、シルッ!!」

 

 目に涙を浮かべて喘ぐ彼女の姿にジブリールは笑うと、彼女の事を呼びながら腰を振り回す。

 ずりゅずりゅと音をたてて出入りを繰り返す逸物は先走り汁を溢し、それを潤滑油に膣内を更に速く動き回る。

 

「ぎっ、あっ!……んぇ?あっ、ひっ、んっ!」

 

 亀頭が子宮口を何度もなぐり、かりが膣肉を掻き回す度に、苦しげだった声に艶っぽさが混ざり始めた。

 

「ひん!あっ!んっ、んひ!あっ!うぁっ!」

 

「シル……がぶっ!」

 

「んぁ!?じりゅ、だめ、かまにゃいで!いた──」

 

 再びジブリールは彼女に噛みつき、シルヴィアは首を振って嫌がったが、「あえ?」と間の抜けた声を漏らした。

 噛む力は先程と変わらない筈。なのに、なぜ、

 

「いたく、ない……。なんで……?」

 

「シル、もっと、もっと……」

 

 何かに憑かれたようにシルヴィアに噛みつき、腰を振るうジブリールは、何かを求めるように歯を立てて思い切り噛みつき、腰を打ち付けた。

 

「ぎにゅ!」

 

 体をびくんと跳ねさせて痛みに悶えるが、同時に胎からくる快感に目を見開き、子宮を潰される圧迫感に「かっはっ!」と肺から空気を漏らす。

 噛みついたからかその痛みで体に力が入り、引き締まった膣肉が根元まで入った彼の逸物に吸い付き、扱く。

 入り口辺りのひだは拒絶するように蠢いてはいるものの、子宮の辺りは早く射精して欲しいのか、あるいは更なる快感を求めてか、ちゅうちゅうと吸い付いて離さない。

 膣内が与えてくる二つの快感を堪能したジブリールは噛みついた場所に舌を這わせ、口内に感じた鉄の──血の味に(うれ)しそうに目を細めた。

 そして舌の上で彼女の血を踊らせると、こくりと音をたてて飲み込んだ。

 同時に壁に立て掛けた魔剣がカタカタと震え始め、床に倒れて大きめの音が部屋に響いた。

 

「……ん?」

 

 その音を合図に、ジブリールの瞳に光が戻る。

 同時にシルヴィアの首に噛んでいる事に気付いた彼は慌てて口を離し、酷い頭痛に頭を抱えた。悪い酒を飲んだ翌日のような、頭が割れそうな程の痛さだ。

 同時に口内に残る鉄の味も感じ、むせながら唇の裏についた血を指で乱暴に拭う。

 何がどうなっているのか、さっぱりわからないのだ。人目を気にして訓練場の物見櫓の上(ビューポイント)に行ったのはいいが、そこからの記憶が酷く曖昧になっている。

 

「あっ、はぁ……。いたいのに、きもちいいのぉ……」

 

 ふと、愛する妻の声を聞いて彼は思考の海から戻ってくる。

 腰をへこへこと振りながら喘ぐ彼女の首からは、くっきりと噛み痕が残されており、そこからは僅かな出血が見られた。

 

「っ!」

 

 それに気付いたジブリールは驚愕して目を見開き、慌ててそこに手を当てた。

 場所が場所な為、思い切り押さえたら首を絞めてしまうので、力み過ぎないように緻密な力加減による圧迫止血だ。

 いつの間にか挿入()れていた逸物から来る快感には、歯を食い縛る事でひとまず耐える。

 

「じるぅ、おねがい……。もっと、きもちよく、してぇ……」

 

 シルヴィアは意志とは関係なしに動く腰をそのままに、首を押さえている彼の手に自分の手を重ね、覇気を欠片も感じない瞳で彼を見つめた。

 ジブリールは額に浮かんだ汗をそのままに生唾を飲むが、理由もわからず負傷している彼女への心配の方が勝るのか、迷うように目を泳がせた。

 泳がせた視線の先、カタカタと揺れる魔剣は留め具が外れ、僅かに深淵を思わせる刃が顔を覗かせていた。

 

「……」

 

 それをじっと見つめたジブリールの瞳から、再び光が消えた。

 そして妖しげな笑みを浮かべると、彼女の体に倒れこみ、がぶり!と音をたてて彼女の首に噛みついた。

 

「がひゅ!」

 

 彼女小さく悲鳴を漏らすと、恍惚の表情を浮かべて熱のこもった息を吐いた。

「あひっ、えぁ……、ふぁっ」と意味不明な声を漏らすと、ジブリールは僅かにこぼれた彼女の血をちゅうちゅうと吸い始める。

 

「んぁ、ひぅっ!たべられてりゅ、わたし、たべられてりぅ……」

 

 こくこくと喉を鳴らして血を飲む彼を他所に、シルヴィアは変わらず恍惚の表情を浮かべ、あんあんと声を漏らす。

 

「じりゅ、うごいてぇ……。おなかのなか、せつないのぉ……」

 

 彼女のおねだりにジブリールは強めに彼女に噛みつくことで応じ、止めていた腰の動きを再開した。

 腰を叩きつける度にパンパンと乾いた音が部屋に響き、彼女の口からも喘ぎ声が漏れる。

 

「あひっ!あんっ!ひぅ!ひっ、あん!」

 

 甲高い声が漏れる度に膣肉が蠢き、かりに引っ掻かれる度に彼女の体がビクビクと跳ねる。

 

「いぎっ!あっ、いん!じりゅ!ひん!じりゅ!」

 

 喘ぎ声に混じり愛称を呼ばれたジブリールは、返事を代わりに彼女の首を噛む。

 犬歯を突き立てての噛みつきは十分な攻撃行為で、彼女の皮膚が僅かに切れて血が滲む出る。

 

「いだっ!じりゅ!もっと、もっとぉ!!」

 

 自分に噛みついてくるジブリールの頭を押さえつけ、両足を彼の足に絡めて押さえ込む。

 ジブリールは更に噛む力を強め、滲み出た彼女を血を舐め、吸い上げる。

 それに合わせてきゅんきゅんと膣肉が引き締まり、容赦なく動き回る彼の逸物を扱き、子宮口がぶつかってくる亀頭にキスをする。

 

「いだい!いだいのに、ぎもぢいい!なん、こりぇ!?じりゅ、じりゅうぅ!」

 

 首もとから血を垂らしながら喘ぐ彼女は目を見開き、皮肉なしに痛いのに、膣はいつになく気持ちが良い感覚に脳が混乱していた。

 やがて痛みさえも快感へと変換され、膣肉がさらに痙攣を繰り返し、子宮口が降り始める。

 ジブリールはじゅるじゅると音をたてて首を舐め回し、吸血鬼さながらに血を啜りながら、腰の動きをさらに速く。

 

「あ゛!?じりゅ!じりゅ!?きちゃう!イっちゃうのぉ!!」

 

 亀頭が降りてきた子宮口を遠慮なしに殴り付け、ジブリールは更に力強く噛みつく。

 更なる痛みが更なる快感を呼び、彼女の脳裏に絶えず火花が散り、それが連鎖して思考力を奪い取る。

 

「がっ、ぎぃ!イく!イく!」

 

 彼女の膣肉が痙攣を繰り返し、ぷしゅぷしゅと細かく潮を吹くと、彼は思い切り彼女の首に噛みついた。

 

「──イぎぃっ!」

 

 痛みで快感への対処が遅れた一瞬の間に、彼女は絶頂を迎えた。

 盛大に潮を吹いて絶頂を迎えたが、ジブリールはそんなものお構いなしに腰を振るう。

 吹き出した潮で股間をびしょびしょに濡らし、陰毛を湿らせながら、彼は止まらない。

 

「あぎ、いいっ!あぐ!ぎっ!」

 

 一度迎えた絶頂から戻ってくることなく、彼女は絶え間ない絶頂を迎え続ける。

 一突きする度に面白い程に彼女の体は跳ね回り、どうにか快感から逃れようとはするが、血を抜かれ続ける彼女は知らぬ間に多くの体力を消耗しており、脱出は叶わない。

 

「シル……っ!シル…っ!シルっ!!!」

 

 彼女の首から口を離したジブリールは彼女の子とを呼びながら彼女の腰を押さえ付け、噛む方に割いていた力を腰に乗せて更に突く。

 どすどすと重い一突きは膣内を通って子宮を貫き、脳天から爪先まで全身を駆け抜ける。

 突かれる度に彼に噛まれた首からは絶えず血が垂れて、首の下のシーツを赤く染めていき、銀色の髪にも赤い彩りを加える。

 その様にジブリールは頬を染めると、上ってきた射精感を一切抑える事なく解き放った。

 

「……射精()るッ!!」

 

「んぁあああっ!?」

 

 子宮に叩きつけられた熱い感覚に彼女は悲鳴をあげ、背中を弓なりにしならせて更なる絶頂を迎えた。

 

「あっ、あひ、んぁっ、ひぅ……っ」

 

 射精が落ち着くと同時に背中を沈めた彼女は、体をピクピクと痙攣させながら、気の抜けた声を漏らす。

 涙ぐんだ瞳を揺らし、だらしなく舌を出してはぁはぁと犬のように喘ぎながら、彼女はジブリールへと目を向けた。

 

「ジルゥ、おちついたぁ?」

 

 どうにか呼吸を整えたシルヴィアが問うと、ジブリールは力なく笑い、

 

「いいや、全然」

 

 と力強く答えた。

 現にそれを証明するように彼の逸物は固さを保っており、いまだに彼女の胎内を圧迫している。

 シルヴィアは「あ、あは……っ」と乾いた笑みを浮かべると、ジブリールは「まだいくぞ」と容赦のない言葉を吐く。

 結局二人はこの晩一睡もすることなかった。

 二人を見守る──あるいは監視するように、魔剣は怪しく輝いていた。

 

 

 

 

 

 余談だが、保存本能というものをご存知だろうか。

 生命の危機に瀕したり、それに準ずる状況になった場合、どうにか子孫を残そうとする生物としての本能だ。

 なぜここでその話を出したのかと思うだろうが、理由は単純な事。

 人間にとって、骨や筋肉にすら守られていない最大の急所である首を、血が出るまで噛まれ、その状態が長時間続いた挙げ句、子宮を満たされる程に精子を注ぎれたなら、どうなるか。

 結果は聞くまでもなく、シルヴィアには新たな命が宿る事となった。

 ジブリールにとっても、シルヴィアにとっても予想外な結末に、当事者の二人と子供たちを含めた四人は、いつになく驚く事となる。

 およそ十ヶ月後。産声が二つあがる事は、彼らは知るよしもないのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 




感想等ありましたら、よろしくお願いします。

今回でエピローグ編も終わりです。一応ネタが思い付いたり、抜けを見つけたら随時投下していきますが、とりあえず本編の補完は終了。

次回からはリクエストとアンケート結果を元に、IFルートに入ろうと思います。

アンケート企画第二段たる、二人の馴れ初めに関してはプロットが出来あがり次第上げますので、しばらくお待ち下さい。


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IFルート編
Memory?? 堕ちる銀 ※


リクエスト消化。
Sequence9-10からの分岐。銀髪武闘家(メインヒロイン)の受難①。

戦闘中に逃げ出した護衛対象を、ローグハンターではなく銀髪武闘家が追跡した場合に発生。

今回、凌辱シーンを含みます。苦手な方はブラウザバック推奨です。


「ん、んぅ……?」

 

 鉛のように重い瞼を上げて、銀髪武闘家は目を覚ました。

 ボヤける視界を落ち着かせようと数度瞬きを繰り返し、それでどうにもならないので指で擦ろうとすると、ジャラリと鎖の揺れる音が部屋に響いた。

 

「っ!?」

 

 その音に彼女はハッとして意識を覚醒させると、鮮明になった視界で辺りを見渡す。

 苔の生え、カビにまみれた石造りの壁が四方を塞ぎ、同じくカビた天井からは無骨な鎖が垂れ下がり、そこに繋がった手錠には見慣れた自分の手が填められている。

 それは足も同様で、壁から伸びる鎖に両足を繋がれ、肩幅以上に足を閉じることが出来ない。

 体が多少捻る程度にしか動かせず、自由に出来るのは首から上だけ。

 彼女は背筋を冷たいものが駆け抜けた感覚を覚え、ちらりと自身の体に目を向けた。

 

「ひっ……!」

 

 同時に喉の奥から悲鳴を漏らす。

 今の彼女は一糸も纏っておらず、その鍛え抜かれた肉体と、それに対して豊かに実った二つの果実を、カビ臭い室内にさらけ出しているのだ。

 なんでどうしてと必死に頭を働かせて考えていると、不意に正面の壁に据えられた扉が開き、一人の男が入ってきた。

 纏うのは貴族服風の襤褸着で、それを醜く肥えた腹が押し上げ、服を留めるボタンは今にも弾け飛びそうになっており、男が動く度にみちみちと悲鳴をあげている。

 腹同様に無駄な脂肪が大量に貼り付いた顔は豚を思わせ、乱れた鼻息がその意識を加速させる。

 その男は銀髪武闘家の体を舐めるように一瞥すると、べろりと舌舐めずり。

 黒い瞳に浮かぶ曇った輝きには情欲と興奮が入り交じり、さながら孕み袋を見つけたゴブリンを思わせ、見る相手に不快感のみを叩きつける。

 銀髪武闘家は怯える自分を奮い立たせ、キッと男を睨み付けた。

 すると男は一瞬間の抜けた表情となり、「これはこれは、失礼した」とわざとらしく言いながら醜悪に笑い、銀髪武闘家へと告げた。

 

「私は物乞いたちの代表──物乞いの王と呼ばれる者だ」

 

 彼はそう言うと貴族のそれを形だけ真似た一礼をすると、ニヤリと黒ずんだ歯を見せつけるように笑みを浮かべた。

 

「それで、君は何者かな?」

 

「……」

 

 銀髪武闘家は無言で相手を睨み付け、それを返答とした。

 視線のみで人が殺せるだろう鋭さが込められたそれを、物乞いの王は僅かにたじろぎながら受け流すと、また余裕の笑みを浮かべて懐から何かを取り出し、それを見せつけた。

 それは銀色に輝く認識票だった。本来彼女の首にあるべき、彼女が冒険者たる証明だ。

 物乞いの王は認識票を一言一句漏らさずに読み終えると、「なるほどなるほど」と何かに得心したように頷いた。

 

「銀色の髪の、銀等級冒険者、しかも武闘家ときた。これだけの情報でもまず間違えないのだが──」

 

 彼はそう言うと、認識票から銀髪武闘家へと視線を移し、目を見開いて醜悪な笑みを浮かべた。

 

「私の部下を打ち倒した手際の良さからして、ならず者殺し(ローグハンター)の片割れとお見受けする」

 

「……っ」

 

 彼の指摘に銀髪武闘家が僅かに眉を寄せると、物乞いの王は満足そうに頷いた。

 

「いやはや、かの辺境勇士とその相棒が都にいるとは予想外だ。だが──」

 

 そして彼の腕が彼女の豊かな胸へと伸び、鷲掴んだ。

 彼の手に納まりきらない胸は形を歪め、押し付けられた指の間からこぼれる。

 

「……っ!」

 

 されることを予想してはいた。けれど不快感に耐えきれずに体を跳ねさせた銀髪武闘家は鋭く物乞いの王を睨みつけた。

 だが彼は指を蠢かせて胸の柔らかさを堪能しながら、彼女の瞳を睨み返しながら告げる。

 

「所詮は女だ。女とは、強い男に屈服してこそだろう?」

 

「あなたが強い男?笑わせないでよ」

 

 はっ!と大袈裟に相手を嘲笑すると、物乞いの王は胸を揉んでいる手とは逆の手で、彼女の乳首を思い切りつねった。

 

「いっ!!」

 

 鋭い痛みに思わず声を漏らした彼女に向けて、物乞いの王は言う。

 

「貴様は今の状況を把握出来ていないようだ。貴様の命は私の手の中にある、貴様をどうするかも私の指示ひとつだ。もっと媚びろ!私に服従し、我が奴隷となるのだ!」

 

 語気を強めて言う物乞いの王に向け、銀髪武闘家はプッと唾を吐いた。

 べたりと頬に貼り付いた彼女を唾を、物乞いの王は忌々しそうに拭うと無言でうんうんと頷くと、

 

「ふん!」

 

 拳を無防備に晒されている彼女の腹部に叩き込んだ。

 どす!と肉同士がぶつかり合う重い音が室内に木霊するが、悲鳴をあげたのは物乞いの王だ。

 彼は汚い悲鳴を漏らしながら拳を押さえ、その場に踞った。

 鍛え抜かれた彼女の腹筋はさながら鎧のようであり、生半可な拳では打った側が痛めるだけだ。

 ひいひいと情けなく肩を揺らす物乞いの王は立ち上がると、今度は彼女の頬に平手打ちを打ち込んだ。

 パン!と乾いた音が鳴ったかと思えば、銀髪武闘家の白い頬が赤く染まる。

 だが瞳から強い意志だけは消えておらず、ぎろりと先程以上の迫力を持って物乞いの王を睨み付ける。

 いまだに服従する気配のない彼女の姿に、物乞いの王は悔しそうに歯を食い縛ると、「おい!」と扉の向こうで待機していた部下を呼んだ。

 呼ばれた部下は素早く返事をすると共に入室すると、何やら大事そうに抱えていた瓶を物乞いの王へと渡す。

 王は懐から手拭いを取り出して瓶を開けると、中身の液体を手拭いに染み込ませていく。

 汚れた布が水気を帯びて色を変え、染み込みきらなかった液体が端からポタポタと垂れ始める。

 物乞いの王は下卑た笑みを浮かべると、それを部下へと渡し、受け取った部下は銀髪武闘家の背後にまわり、手拭いを彼女の口許と鼻を覆うようにして被せ、後頭部で結びつけた。

 それを終えた部下は一礼して部屋を後にして、恭しく扉を閉めた。

 

「っ!」

 

 相手の突然の行動に銀髪武闘家は息を止めるが、人間の肺活量などたかが知れている。

 にやにやと醜く嗤う物乞いの王は彼女の反応を楽しむように腕を組み、懐中時計を取り出した。

 ひび割れて壊れ、正確な時間を示さないそれも、ただ時間を計るには丁度いい代物だ。

 そして三分もしないうちに、彼女は我慢の限界を迎えて一度、ほんの一瞬だが息を吸い込んで息継ぎをした。

 その瞬間、彼女の体に変化が起こった。

 彼女の体が一度ピクリと跳ねたかと思うと、白かった肌が上気したように赤くなり始め、彼女の意志を無視して呼吸が乱れ始める。

 感覚が強制的に研ぎ澄まされ、空気に触れるだけで肌がびりびりと痺れ、目元に熱が帯びていく。

 呼吸をする度、肺に空気を取り込む度に、彼女の表情には焦りの色が強くなり、肌には玉のような汗が浮かび上がる。

 体の芯に熱がこもり、訳もなく子宮が疼いてしまう。

 

「かっ、はぁ……っ。はぁはぁ……」

 

「訳がわからないという顔をしているな。なら、説明してやろう」

 

 血走った目を見開いて困惑する彼女に、物乞いの王は勝ち誇ったように笑いながら告げる。

 

「最近、都で話題の劇薬だよ。まあ、それは娼婦あたりに使う媚薬のようなものだがね」

 

「はぁ……はぁ……。び、媚薬……?」

 

 虚ろな声で問うた彼女に頷いてやると、再び彼女の胸に手を触れた。

 先程のような力を入れずに、軽く触れるだけの接触だ。

 

「ひゃっ!!??」

 

 だが、彼女は反応は先程と段違いだった。

 視界に火花が散ったかと思うと、なんとも可愛らしい悲鳴を漏らした。

 声の主たる銀髪武闘家が一番驚いている状況で、物乞いの王は彼女の胸を揉みしだきながら更に言う。

 

「私の収入源でね、どんな娼婦さえ生娘のようになる代物だ。冒険者には辛いだろう?」

 

「ぐっ、ぎぃ!この、くらい、なんともない……っ!」

 

「ほう、まだ強がるか。では──」

 

 きっと睨み付けてくる彼女を睨み返しながら、物乞いの王は彼女の乳首に手を伸ばす。

 あまり弄られていないのか、綺麗な桃色が保たれたそこを、彼は何の躊躇も加減もなく、自分がやりたいように思い切りつねった。

 

「──っ!?」

 

 同時に彼女の体が大きく跳ねて、有らん限りに目が見開かれた。

 じゃらじゃらと鎖を揺らして体を痙攣される彼女の姿に、物乞いの王は満足げに嗤うと、乳首をこねくり回しながら言う。

 

「初めてか?それにしては敏感すぎるが」

 

「うぅっ!あっ!ふざけ、ないで……っ!」

 

「はっ!ここまで乳首を勃たせながら、まだ強がるか!」

 

 物乞いの王が乳首を弾くと、彼女口から「ひゃん!」とまた可愛らしい悲鳴が溢れた。

 彼は彼女の反応を嗤いつつ、物乞いの王は彼女に問う。

 

「気持ち良いのだろう?感じているのだろう?」

 

「違う!感じてなんか、ないっ!」

 

 彼女はぶんぶんと首を振って否定するが、がくがくと震える足には、何やら透明な液体が垂れ始める。

 視界の端でそれを見つめた物乞いの王は、彼女の秘部に手を触れた。

 

「感じていないと言う割には、濡れているようだが?」

 

「違う!違う!違うっ!」

 

 王の問いに彼女は自棄を起こしたように叫び、ぶんぶんと首を振るが、物乞いの王はフッと鼻で笑った。

 

「ならば、試してみるか」

 

 

 

 

 

「ぎぃ!あぎ!やめ、やめで!い゛た゛い゛!」

 

「痛い?こんなにいやらしく濡らして、床に水溜まりを残しているのに、感じていないと?」

 

 天井から吊るされた彼女を、背後から抱き寄せた物乞いの王は、指で彼女の秘部を弄りながら問うた。

 わざとらしくぐちゅぐちゅと音をたてながら彼女を責める王は、頬に浮かんだ彼女の汗を舐めとり、味わうように舌を動かす。

 同時に指の動きをさらに激しくさせ、彼女を責め立てる。

 

「いぃ!ぎっ、ああ!?やめ、やめて!?」

 

「なぜ止めねばならぬのだ?感じているのだろう?認めたら、止めてやる」

 

「感じてない!感じてなんかないっ!」

 

「そうか、ならば……っ!」

 

「ぎぃ!ぎっ、あぎ!んぁ!ぐっ、あああ!?」

 

 彼女の意志を砕かんと、物乞いの王は更に彼女の秘部を責め、傍らに置いた瓶をひっくり返して手を濡らし、液状の劇薬を指に纏わせると、

 

「ほれ、食え!」

 

「んぐぅ!?」

 

 その指を彼女の口に突っ込み、彼女の口内に塗りたくる。

 

「んぐ!?んっ!んぁ!んぐぅ!んんーっ!」

 

 指が舌に当たる度にビクビクと体を跳ねさせて声を漏らす銀髪武闘家は、ぷしぷしと秘部から潮を吹いた。

 

 ──嘘、嘘……!舌、触られただけなのに……!

 

「イったようだな。はっ!何が感じていないだ」

 

「んんーっ!んん!ぷはっ!ちがう、イってない、イってない!」

 

 物乞いの王の指を吐き出した銀髪武闘家は否定するが、がくがくと震える足には何筋もの液体が垂れた痕が残り、床の水溜まりを更に大きくさせていく。

 

「まだ強がるのか。まあいい、ここまで来ては私も我慢ならん」

 

 物乞いの王はそう言うと、はち切れんばかりのベルトを外し、ズボンを降ろした。

 同時に出てきたのは、洗っていないのか粕を大量に張り付かせた己の分身だった。

 既に勃起をしているそれを濡れすぼった彼女の秘部に当てた。

 

「ひぎ!?やだ、やだ、やだぁあああっ!」

 

 目から涙を流しながら首を振る彼女の頭を掴み、彼女の涙さえも舐めとった王は、「私に服従するか?」と問いかけた。

 嗚咽を漏らす彼女は迷い、答えを口にはしない。

 ここまで来たら、後ろの糞野郎は止まらない。何と返しても、自分を辱しめるだろう。

 彼女はぎゅっと目を閉じて、きっと助けに来てくれるだろう彼の姿を思い浮かべた。

 それだけで折れかけた心が、また立ち上がってくれる。

 そしてゆっくりと目を開けると、物乞いの王を睨み付けながら言葉を返した。

 

「──断る……っ!」

 

 彼女の言葉に物乞いの王は苦虫を噛み潰したような表情を浮かべるが、すぐに醜悪な笑みを浮かべた。

 

「ならば、力尽くで服従させるまでだ……!」

 

 そう宣言した彼は、彼女の秘部に自身の逸物を押し込んだ。

 

「ぎっ!いっ、ぎぃあ!?」

 

 閉じていた膣肉を強引に掻き分けられる感覚に快感を覚えながら、それでも彼女は物乞いの王を睨み付けた。

 物乞いの王は彼女の銀色の瞳を睨み返しながら、腰を振り始める。

 

「あぐ!がっ!ぎぅ!ぎっ!ああああああ!?」

 

 パンパンと腰を打ち付けられ、かりが膣肉を引っ掻き、粕を塗りたくるように動く度に、彼女の体は意志に反して快感に悶え、口からは声が漏れる。

 

「ぎぃ!ぐっ!んぁ!?んんんっ!」

 

 叩きつけられる快感にビクビクと体を跳ねさせ、それでも物乞いの王を睨み付けると、彼は何かを思い付いたかのように瓶を手に取ると中身の量を確認し、

 

 ──注ぎ口を、彼女の菊門へと突っ込んだ。

 

「──へぁ?」

 

 銀髪武闘家が未知の感覚に間の抜けた声を漏らした刹那、中身の媚薬が彼女の腸内に注ぎ込まれた。

 

「ぎ!?ぎゃああああああああ!!?いぎ!?ああああああああああ!?」

 

 彼女は絶叫しながら体を痙攣させた。

 ビクビクビクビクと絶え間なく体を震わせ、喉が潰れんばかりの悲鳴を室内に響かせる。

 腸とは栄養を吸収する器官だ。そんな所に薬を流し込まれたどうなるか。

 経口摂取よりも早く、かつ無駄なく効果的に全身に行き渡るのだ。

 

「あぎ!?ぎぃ!ああああああああああああ!?」

 

 何もしていないのき絶えず絶頂を繰り返す彼女の姿にほくそ笑んだ物乞いの王は、腰の動きを再開した。

 

「あぐ!?だめ!やだ!やめで!?いややぁぁぁああああああああっ!!!」

 

 ずんずんと逸物が動く度に彼女は絶頂し、秘部から絶えず潮を吹きながら、彼女は絶叫した。

 

「きもちよくないっ!いたいのに!いたいはずなのにぃぃ!」

 

「いい加減認めろ!感じているのだろう?私のもので絶頂し、子を孕みたいのだろう!?」

 

「ちがう!ちがう!かんじてない!かんじてなんかない!」

 

「ほぉ、まだ足りないか!この淫乱女めが!」

 

 物乞いの王はそう煽ると、腰の動きを一層激しくさせた。

 

「ぎひぃ!ぎっ!あっ!ぎぃ!いやだ!いやぁ!たしゅけて、たしゅけて!こわれる!こわれちゃうぅ!」

 

「壊れてしまえ!私がお前を満たしてやる!私だけが、お前を満たしてやれるのだ!」

 

 醜い顔に汗を浮かべ、それを彼女の髪で拭いながら、物乞いの王は彼女に告げた。

 言われた彼女は首を横に振り、「いやだ!やだっ!やめて!」と涙を流しながら王に懇願した。

 王は「私の奴隷となれ!」と言うが、銀髪武闘家には届いていないのか、「やだやだ」と首を横に振るのみ。

 彼女の反応につまらなそうに肩を竦めた物乞いの王は、逸物を登っていく熱い感覚に目を細め、彼女の耳元で告げた。

 

「我が子を孕ませてやろう。さあ、子宮を降ろせ!」

 

 その一言が、ついに彼女の心をへし折った。

 言葉の意味を理解した銀髪武闘家は目から大粒の涙を流し、壊れたように首を左右に振る。

 

「いやだ!やだ!やだぁ!ジルっ!じりゅ!たしゅけて!たしゅけてぇ!じりゅぅうううっ!」

 

 銀髪武闘家はじゃらじゃらと鎖を鳴らして逃げようとするが、物乞いの王は彼女の腰を押さえ付けて逃がそうとしない。

 そして腰の動きを早めると「くぅ……!」と小さく唸り、「受けとれっ!」と怒鳴った。

 

「やだ!やだぁぁぁあああああああッ!」

 

 彼女が断末摩のように叫ぶが、その願いは神に届くことはなかった。

 物乞いの王の精子が、彼女の子宮に注ぎ込まれたのだ。

 

「ぎ!?ぎゃぁぁぁあああああああああああああああ!?!?」

 

 同時に絶頂を迎えた彼女は膣肉を震わせ、一滴残さず彼の精液を搾り取った。

 

「おお、素晴らしい!素晴らしいぞ!」

 

「あっ……、へっ……、やだ、やだぁ……」

 

「私の妻にはあの女を据えるが、貴様は奴隷として飼ってやろう」

 

 物乞いの王は彼女の背を撫でながら言うと、銀髪武闘家は壊れたように「やだやだ」と涙ながらに言葉を続けるのみ。

「本当に壊れたか」と彼は言うと、ニヤリと嗤って固さを取り戻した己の分身に目を向けた。

 

「いや、もっと悦しませろ。私の子を孕むまでな」

 

「やだぁぁ……。たしゅけて、たしゅけてぇ、じるぅぅ……」

 

 涙ながらに田助を認める彼女の声は、まだ(・・)誰にも届かない。

 

 

 

 

 

「ぎ!?ああああ!?あひ!ひん!やだ!やめて!やぁぁああああ!!」

 

「ほれ、二発目だ!受けとれ!」

 

「もうやだ!?やだ!?たしゅけて、たしゅけてぇぇえええっ!!」

 

 

 

 

 

「ほれほれ、まだ足りんぞ!薬も追加してやる!」

 

「かっ!?はっ!ぎぃ!お゛お゛!?た゛め゛!?こ゛れ゛、ぎゃああああ!?」

 

 

 

 

 

「ふん!ふん!ふん!どうだ、感じているのだろう?気持ちがいいのだろう!?」

 

「かんじてにゃい!ぎぃ!?やだ!?そこだめぇぇえええっ!!」

 

「ここか!そうか、ここが弱いのだな!」

 

「ぎひ!?だめ!やっ!やめ!ぎにゃぁぁあああああああっ!!」

 

 

 

 

 

「んぐ!?んんっ!んんぐ!ごぼ!じゅる!?」

 

「おー、いいなぁ。もっと締め付けろ!」

 

「んん!?ぐぼ!ぶぁ!?んんん!!」

 

「おら、休んでんじゃねぇぞ!」

 

「んんん!んーっ!んぐ!?んんん!!」

 

 部屋に入ってきた二人の男を追加し、銀髪武闘家は三人に輪姦されていた。

 物乞いの王の逸物は秘部に、部下の一人の逸物は口に、最後の一人の逸物は彼女の尻の穴に。

 三人は一切息を合わせる事なく自分勝手に動き回り、彼女の体を責め立てる。

 過剰なまでに薬を盛られた彼女の体は苦痛さえも快感へと変換され、彼女は絶えず絶頂を迎えていた。

 

「んぐ!?んんん!んぐ……っ!んんーっ!!」

 

「あー、ヤバい。そろそろ射精()る……っ!」

 

「俺もだ!ボス、こいつ壊れちまいますよ!?」

 

「構わん!元より壊すつもりだ!」

 

「んーっ!んんーっ!んん!んんんんんん!!!」

 

 物乞いの王の言葉に頷いた二人は、溜まりに溜まった欲望を解放しようと腰を振り回した。

 喉奥まで入り込んだ亀頭に圧迫され、まともに呼吸さえも出来ない彼女は視界を点滅させながら、叩きつけられる快感により気絶することさえも許されない。

 

「おらよっ!」

 

「んぐ!?んんんんんんん!!!?」

 

 そして喉奥に射精され、何の抵抗と出来ずにそれを飲み込んでしまう。

 

「こっちも!」

 

「んん!んっ……!んん──……っ」

 

 続けて腸内に直接精液を流し込まれると、彼女の瞳から光が消えた。

 

 

 

 

 

「はぁ……はぁ……、これで、最後だ!」

 

 物乞いの王が枯れたのは、それから数時間が経った頃だった。

 彼は醜い体を自身の汗で更に醜く汚しながら、はぁはぁと乱れた呼吸を繰り返す。

 彼の視線の先にいるのは、秘部からどろどろの精液を溢す銀髪武闘家の姿だ。

 彼女の体は何もしていないにも関わらずピクピクと痙攣を繰り返し、「あっ」とか「うっ」とか、意味のない呻き声が漏れている。

 

「初物でなかったのだけが不満だが、中々に良かったぞ」

 

 彼女の頬を愛おしそうに撫でた物乞いの王は、力なく開かれた彼女の口に自身の舌を押し込んだ。

 逃げることがない彼女の舌に自身の舌を絡め、彼女の味を堪能しながら、物乞いの王はご機嫌に鼻を鳴らす。

 そして満足すると彼女から顔を離し、彼女の頬に舌を這わせた。

 

「うぅ……。もう、やだぁ……。たすけて、たすけてよぉ……」

 

 しくしくと嗚咽を漏らして、もう涙も枯れてしまった銀髪武闘家の声に、物乞いの王はほくそ笑んだ。

 この調子ならあと二三日もすれば彼女は堕ちるだろう。

 物乞いの王は嗤い、「また明日な」と告げて扉を開けた瞬間、何者かに影へと引きずり込まれ、ゴキッ!と何かが折れる音が部屋に響いた。

 

「……あぁ?」

 

 銀髪武闘家は口から自身の唾液に混じって物乞いの王の唾液を垂らしながら顔をあげ、そして力なく笑った。

 返り血で全身を真っ赤に染めたローグハンターが、そこにいたのだ。

 彼は彼女を見つめて目を見開くと、鎖で吊るされた彼女な歩み寄り、剣で鎖を断ち切った。

 倒れこんだ彼女の体をしっかりと抱き止め、「すまんっ!すまんっ……!」と嗚咽混じりに彼女に謝る。

 彼女は力の入らない腕で彼を抱き締めると、掠れた声で「おそいよ」と呟いて、ローグハンターは「すまない」とまた謝罪した。

 そして目元を涙で腫らしながら雑嚢から毛布を取り出し、それで彼女を包み込む。

 

「帰ろう」

 

 彼はいつもように柔らかく笑うと、銀髪武闘家は力なく頷いた。

 ローグハンターは彼女を抱き上げると、そのまま彼女が監禁されていた部屋を出る。

 血に染まった地下水路を、死体を目印に来た道を戻る。

 

 物乞いの王傘下の数百人の物乞いは、たった一晩で皆殺しの憂き目にあった。

 この世界には、決して怒らせてはならない者がいる。

 

 この国の王──否。

 彼は私情で誰かを陥れる事はしない。まだ若き王に、そこまでの力がないからだ。

 

 世界を救った勇者──否。

 彼女は人間同士の争いに首を突っ込む事はない。彼女がそれを望まないし、回りもそれをさせないからだ。

 

 ならば、誰か。

 

 ──外の世界から転がり込んだ、死の天使(アルタイル)の系譜の者。彼の者を怒らせて、無事で済む者など、存在しないのだ。

 

 

 

 




本編ではアサシン教団と協力した状態で一週間かけて倒した組織を、事実上一人で、しかも一晩で壊滅させたログハンマジ化け物(アサシン)

このルートの場合、PTSD(あるいは男性恐怖症)を発症し、まともに戦えなくなった銀髪武闘家と寄り添い続ける為に、冒険者を事実上引退。訓練場の指導者として活動を開始。
でも結局かつて来たりし者とのいざこざに巻き込まれ、本編同様に最終決戦に挑むことになる。
そこに無理を押して銀髪武闘家も参加した(勝手についてきた)ため、最終的には本編と同様の流れで勝利を納める。
その後、最終決戦を機にある程度症状が改善した銀髪武闘家と結ばれ、無事に本編同様に四人の子供たちを儲ける。

途中で作者の気分が萎えそうだったのでボツになったルートです。


感想等ありましたら、よろしくお願いします。


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Memory?? 生き地獄 ※

リクエスト消化第二段。
Sequence11-5からの分岐。銀髪武闘家(メインヒロイン)の受難②。

ラスボスがローグハンターの勧誘を早め、氷の魔女との戦闘中に強制的に戦線離脱させられた場合に分岐。

今回、凌辱シーンを含みます。苦手な方はブラウザバック推奨です。


 四方世界、とある洞窟内。

 そこで二人の女性が相対していた。

 一人は髪から衣装にいたる全てが白に統一された氷の魔女だ。

 そこに佇むだけで生み出される冷気で、洞窟内はさながら雪原のように冷えており、対策もなしでは数分ともつまい。

 その中でも余裕の笑みを崩さない氷の魔女は、唯一赤い色を持った瞳で、目の前に座り込む女性──銀髪武闘家を見下ろした。

 一糸纏わぬ姿で鍛え抜かれた肉体を惜しげもなく晒す彼女は、あまりの寒さに白くなった息を吐きながら身を震わせた。

 けれど瞳には強い意志が込められており、生半可な事では折れる事はないだろう。

 氷の魔女は睨み付けてくる彼女を向けて、嘲るような笑みを向けた。

 彼女の視線の先にあるのは、彼女の両手首と両足首だ。

 そこには肉を削いだかのように傷が刻まれ、止血するように赤くなった氷が貼り付いている。

 そう、銀髪武闘家の心はいまだに折れずとも、その体は既に使い物になるものではないのだ。

 両手足の腱を削がれた彼女の体は、拳を握ることはおろか、足を踏ん張る事さえも満足に出来はしない。

 誰の目から見ても明らかに、彼女は冒険者としても武闘家としても、これ以上ないほどに完璧に詰んでいるのだ。

 それでも彼女の瞳から意志が消えていないのは、一重に仲間を殺された怒りからか、あるいはまだ何かしらの希望を抱いているからか。

 氷の魔女は冷気混じりのため息を吐くと、汚物を見るような視線を彼女に向けた。

 

「本当、どうして祈る者(プレイヤー)は諦めが悪いのかしらね?」

 

「六つある賽の目の中に、一つだけでも勝ちの目があるからじゃない?」

 

 氷の魔女の問いに銀髪武闘家は煽るように言い返し、「そんな事も知らないの?」と更に煽った。

 氷の魔女は安い挑発とわかりつつも額に血管を浮かび上がらせ、「なら、試してみましょうか」と冷たい微笑を浮かべた。

 それを合図に、二人を取り囲む闇の中に煌々と燃える黄色に炎が次々と灯り、その矛先は全て銀髪武闘家に向けられた。

 その光──何者かたちの瞳の輝きに気づいた銀髪武闘家は、背筋を駆け抜けた冷たいものに「ひゅ」と小さく喉を鳴らした。

 彼女はその光を知っているからだ。仕事の都合でよく目にする事となる、女を玩具か餌としか考えていない、下卑た視線。

 その答えにたどり着いた銀髪武闘家は、一瞬で顔を青くした。

 そう、その視線を持つものなど、世界広しと言えど奴等しか考えようがない。

 

「GBGB!!」

 

「GBRRR!!」

 

「GOBR!GOB!!」

 

 彼女の顔色の辺かに反応してか、いくつものゴブリンのわめき声が洞窟内に木霊し、反響して更に耳障りな音を生み出す。

「ひっ……!」と体を抱えて悲鳴を漏らした銀髪武闘家に、氷の魔女は冷酷なまでの声音で告げる。

 

「勝ちの目が一つでもあるのなら、それを証明してみなさいな」

 

 彼女はそう言うと銀髪武闘家から視線を外し、辺りを囲むゴブリンたちに目を向けた。

 極上の餌を前にお預け状態の彼等の瞳は、出会った時以上に下品な輝きを放ち、今か今かとその時を待つ。

 氷の魔女は彼らに微笑を向けると、銀髪武闘家を手で示した。

 

「──後は好きになさい」

 

 彼女はただそう告げると、その白い体を吹雪に変えていずこかへと去っていった。

 同時に闇の中のゴブリンたちが一斉に嗤い声をあげ、一人取り残された銀髪武闘家へと殺到する。

 

「やめ、やめろ!来るなっ!来るなぁぁああああっ!」

 

 彼女は叫びながら迫るゴブリンに向けて鉛のように重い手足を振り回すが、そこにいつものキレはなく、ぺちんと軽く叩いた程度の音しかならない。

 ゴブリンたちの魔の手は容易く彼女の体を捕まえ、そのまま冷たい床へと引き倒したのだった。

 

 

 

 

 

「やだ!離してっ!離せっ、離せぇっ!」

 

 目に涙を溜めながら上擦った声を発する彼女の裸体に、ゴブリンたちの手が伸びる。

 すらりと伸びた足を捕まえ、筋肉質な腕を捕まえ、頭を押さえ、彼女の体を大の字になるように床へと押さえつけた。

 彼女の両手足に跨がるように押さえたゴブリンたちは、げたげたと下卑た嗤い声をあげながら、彼女の肢体に自身の逸物を押し付けた。

 

「ひっ!?」

 

 両手足にいくつか感じる熱に悲鳴を漏らすと、彼女の顔を上から覗きこんだゴブリンが下卑た笑みをより一層深めた。

 そして彼女の頬に舌を自身の這わせると、ぴょんと跳んで誰もいない彼女の腹部に飛び乗った。

 どすっ!と重い音と共にゴブリンが彼女の腹に乗ると、「がはっ!」と銀髪武闘家は思わず肺の空気を吐き出す。

 彼女の反応にゴブリンたちは可笑しそうに嗤うと、腹に乗ったゴブリンが腰巻きをずらし、勃起した逸物を取り出した。

 そして目の前で揺れる彼女の胸を爪を立てた指で掴むと、谷間に逸物を押し込んだ。

 

「ぎぃ!痛い!やだ!やめてっ!やだぁあ!」

 

 胸から僅かに出血する彼女を悲鳴に、ゴブリンたちは余計にご機嫌になりながら、胸の谷間に入り込んだ逸物が動き始める。

 長年放置した粕を洗うように、ずりずりと彼女の胸で逸物を擦り始めたのだ。

 

「やめろ!やめっ!彼にだって、こんなこと……っ!」

 

 胸の谷間から顔を出す亀頭から逃げようと首を振り、どうにか抵抗しようと手足を動かそうとするが、全く力が入らない。

 ゴブリンたちは彼女の肢体に食い込むほど己の逸物を押し付け、ぐりぐりと扱くように腰を動かし始めた。

 手持ち無沙汰のゴブリンたちは長い彼女の髪に目をむけ、にやにやと嗤いながら彼女の髪を引っ張り、それを逸物に巻き付けると、さながら自慰行為をするように扱く。

 

「いたっ、痛い!引っ張らないで!やめて、やめてぇ!」

 

「GBR!!」

 

 彼女が首をぶんぶん振って喚く事が癪だったのか、一人のゴブリンが仲間を掻き分けて前に出ると、彼女の頭を押さえ付けると、悲鳴を漏らす彼女の口に逸物を押し込んだ。

 

「んごぉ!?んんっ!んんーっ!!」

 

「GRRR……」

 

 彼女が目を見開いて悲鳴を漏らすが、動いた舌が亀頭を舐める事になり、ゴブリンは心地良さそうに目を細めた。

 回りの仲間たちはぎゃいぎゃいと騒いで彼を非難するが、そのゴブリンは彼女の下半身を顎で示した。

 ゴブリンたちはつられるようにそちらに目を向け、ニヤリと邪悪な笑みを浮かべた。

 そして真っ先に動いたゴブリンが無防備に晒された彼女の秘裂に、自身の逸物を添えた。

 

「んぐ!?んんっ!んんっ!んんんんーっ!!!」

 

 秘部に熱を感じた彼女は涙を流しながら体を揺らして抵抗しようとするが、ゴブリンはその反応さえも嘲笑い、自身の逸物を彼女の秘部へと押し込んだ。

 一切濡れていなかった彼女の秘裂を力任せに抉じ開け、解れていなかった膣肉を強引に掻き分け、ゴブリンの逸物が彼女の胎内に侵入を果たした。

 

「んん……っ。んんんんんん!!!!」

 

 下腹部に感じる圧迫感と、体を裂かれるような痛みに目を見開いた彼女は、体を跳ねさせながら悲鳴を上げるが、その反応はゴブリンたちにとっては逆効果だった。

 彼らは一斉に嗤い声をあげると、好き勝手に動き出す。

 秘部に()れたゴブリンは快感を貪ろうとかくかくと腰を細かく振り回し、口に()れたゴブリンは彼女を苦しめようと腰を振るう。

 彼女の谷間に逸物を差し込んだゴブリンもまた、彼女の胸に爪を引っ掻けながら、腰を振りながら胸を上下に動かし、逸物を扱く。

 

「んぐ!?ぶっ!ぼぁ!んが!?ぼっ!ぐぼ!?」

 

 侵入してきたゴブリンの逸物に対し、膣肉は排出さそようと蠢くが、それは彼に更なる快感をもたらしていた。

 

「GBGBGRRR!!GOBRRRR!!!」

 

 膣肉を掻き分ける感覚、膣肉が扱いてくる感覚、そして自分の動きに反応してビクビクと反応する彼女の体。

 その全てが彼に強い従服感を与え、彼の動きを更に激しくさせる要因となった。

 

「GBRRR!!!」

 

「んが!?ぶ!お゛お゛!?ぐぼ!ぶ!ぼ!?」

 

 パンパンと腰を打ち付ける度に彼女の体はビクビクと痙攣し、悲鳴を漏らす度に口の中の逸物が快感に震え、冷たい外気に晒され続けたためか勃起した乳首にゴブリンが吸い付く。

 

「んお゛!?お゛!?ぐぼ!?ぼっ!んおお!?」

 

「GOBRGOBRRRR!!」

 

「GOBGOBR!!」

 

「GBRRR!!」

 

 悲鳴を漏らす彼女を他所に、彼女の体で悦しんでいたゴブリンたちが一斉に吼えた。

 同時に逸物に更なる熱が帯び、一回り大きく膨らむ。

 

「ん!?んん!んんんーっ!んんん!?」

 

 全てを察した銀髪武闘家は体を暴れさせようとするが、両手足、体を固定された彼女に逃げる術はなく、ついにその時が訪れてしまった。

 ゴブリンたちが一斉に吼えた瞬間、膣内、喉奥、胸の谷間の中に向け、一斉に精液が吐き出された。

 

「んが!?んんん!ぐぼっ!んぐ!?んんん!!」

 

 辛うじて動いた腰を浮かせながら、彼女は吐き出された精液の熱に悲鳴をあげた。

 膣内に吐精したゴブリンは射精しながら腰を振り回し、彼女の秘部に精液を塗りたくり、喉奥に射精したゴブリンは逸物を更に奥へと押し込み、彼女の胃に精液を流し込み、谷間には精液で出来た橋がかかる。

 彼女に自身の欲を解放したゴブリンが仲間に押される形でその場を退いた瞬間、彼女の髪で逸物を扱いていたゴブリンたちも射精の時を迎えた。

 粘土さながらにどろどろとした精液が洞窟の闇の中から吐き出され、床に倒れた彼女にどしゃ降りの雨のように降り注ぐ。

 彼女は美しい肢体をゴブリンの精液で汚しながら、ビクビクと体を痙攣させた。

 彼女の瞳の輝きは、途端に弱まっていく。

 彼女はしくしくと啜り泣きながら「やだ、やだよぉ」と子供が愚図るように首を振るが、ゴブリンたちは顔を合わせて下卑た笑みを浮かべた。

 同時にゴブリンたちは彼女の体に飛びかかり、彼女はゴブリンの波の中に消えていった。

 

 

 

 

 

「ぎぃ!やだ!痛い!痛い!痛いからぁ!」

 

「GBRGOBRRRR!!!」

 

 彼女の腕に引っ掻き傷をつけながらゴブリンは嗤い、その傷口に向けて自身の精液を振りかける。

「ぎやぁ!?」と一際大きな悲鳴をあげると、それに続くようにゴブリンたちは彼女の体に次々と傷をつけ、そこに精液をかけ、刷り込むように手で伸ばす。

 

「やだ!やだ!やだやだやだやだやだ……!」

 

 全身に感じるどろりとした熱に銀髪武闘家は壊れたように首を振り、舌を噛もうとするが、かつてローグハンターが「その程度では死ねないぞ」と自殺しようとした敵対者に向けて言っていた事を思い出し、歯を食い縛った。

 

「……っ!っ!~っ!!」

 

 突然悲鳴をあげなくなった事が気になったのか、とあるゴブリンが彼女の傷を抉るように爪を立てる。

 

「──ぎぃっ!」

 

 彼女が堪らず悲鳴を漏らすと、まるで悦しみを見つけた子供のように、回りのゴブリンたちは更に爪を立てて彼女の体に次々と傷をつけ、あるいは傷をえぐり始めた。

 

「ぎゃ!?いだぃ!ああああああああああ!??」

 

 全身を絶えず駆け抜ける激痛に悲鳴をあげながら身を捩る彼女の姿に、ゴブリンたちは更に悦しそうに嗤い声をあげた。

 

 

 

 

「おご!?お゛お゛お゛お゛お゛!んぉ!?」

 

 彼女の秘部と肛門に逸物を押し込んだゴブリンたちは、嬉々として嗤いながら腰を振り回す。

 その度に滑稽に思えるほどに揺れる彼女を体を、取り巻きのゴブリンたちは手を叩きながら嗤い、氷の魔女が用意した食料で英気を養う。

 

「ごっ!おぁ!?だめ……っ。しぬ、し゛ぬ゛ぅ゛!!」

 

 銀髪武闘家が野太い悲鳴を漏らすと、彼女を責めるゴブリンはげたげたと嗤いながら腰の動きを速めた。

 息を合わせる事を知らない彼らは、彼女の事を一切考えずに腰を振り回し、強烈な圧迫感と不快感を絶えず彼女に与え続ける。

 

「ごあ!?ころして、だれか、こ゛ろ゛し゛て゛ぇぇぇぇえ゛え゛え゛え゛!」

 

 なけなしの体力を使った彼女の悲鳴は、ゴブリンたちにしか届かない。

 ゴブリンたちは彼女の悲鳴を肴に逸物を勃起させると、再び彼女へと忍び寄っていった。

 

 

 

 

 

「やだやだやだやだやだ!おろして、おろして!?やだ!やだぁ!おろして、おねがい、おろしてぇぇぇぇええええ!」

 

 宙に浮かされた彼女は手足を振り回し、涙を流しながら首をぶんぶんと左右に振り回した。

 彼女を持ち上げているのは一際大きなゴブリン──かつてこの群れの頭目であった、小鬼英雄(ゴブリンチャンピオン)だった。

 何か狩りにでも行かされていたのか、昂ったような視線を銀髪武闘家に向け、自身の逸物で彼女の秘部を狙っていた。

 子供のゴブリン並の大きさを誇るそれは、人の体に入っていいものではない。普通の人間なら、入った瞬間に内蔵が潰されて死ぬことになるだろう。

 だが小鬼英雄は本能で察知していた。この雌なら耐えれると。この雌なら、自分の子供を孕ませられると。

 そして彼はそれを証明する為に、彼女の秘部に自身の逸物を押し込んだ。

 めりめりと嫌な音を漏らしながら、彼女の細い体に規格外の逸物が入っていく。

 

「かっ!あっ、ぎ!はっ……!」

 

 ぼこりと腹が膨らむほどの逸物を()れられた彼女は、かつてない圧迫感に目を剥き、肺から空気を吐き出すと、舌が酸素を求めてピンと伸びきる。

 小鬼英雄は彼女の反応に下卑た笑みを浮かべると、彼女の体を玩具か何かのように、上下に動かして自身の逸物を扱かせ始めた。

 

「ぎ!ああああ!?ごぼ!げっ!げぇぇぇっ!」

 

 突然動き出した逸物に苦しそうに息を漏らした彼女は、胃の中身を押し出されて嘔吐してしまう。

 口からこぼれた吐瀉物が彼女の体に降りかかり、ゴブリンの精液にまみれた彼女の体を更に汚す。

 その姿に小鬼英雄は愉快そうに目を細めると、彼女の事など無視して彼女の体を振り回す。

 ずりゅずりゅと肉の擦れる音と、彼女が吐いた吐瀉物が床に落ちる音だけを響かせながら、一人と一匹の性行は続く。

 

「う……。あ……。げぇ!おえぇぇ……」

 

「GRRRRRRRRR!!!」

 

 彼女が再び嘔吐した瞬間、小鬼英雄が吼えた。

 同時に極太の逸物の根元が膨らみ、それが亀頭の方へと一気に駆け抜ける。

 瞬間、濃厚な精液が、彼女の子宮に吐き出された。

 

「ぅお!おおおおお゛っ!?──………」

 

 彼女の口から断末魔のような叫びが上がると、彼女は白眼を剥いて体をぐったりと弛緩させた。

 秘部からは精液と共にちょろちょろと小便が漏れ、口の端からは吐瀉物が混ざった泡が湧く。

 銀等級冒険者という、世界有数の強さを誇る彼女の体は、小鬼英雄の逸物をしっかりと受け止め、その後の責めにさえ耐えきれてしまったのだ。

 小鬼英雄はその事実を噛み締めると彼女を解放し、床へと落とした。

 べちゃりとこぼれた精液と吐瀉物による水溜まりに彼女の体を寝かせ、ごろりと回してうつ伏せに寝かせる。

 全身を精液と吐瀉物に汚した彼女の腰だけを器用に持ち上げると、再び逸物をねじ込んだ。

 一度受け入れてしまえば、二度も三度も変わらない。

 先程よりも緩くなった膣肉は抵抗もなく彼の逸物を呑み込み、さわさわとひだが緩く逸物を撫でる。

 

「GRR……」

 

 小鬼英雄はそれに満足そうに息を吐くと、気合いを入れて腰を振り始めた。

 腰を床に叩きつけるように力強く、秘部からぐちゃぐちゃと湿った音が響くほどに強引に。

 

「GBRRR!GRRR!GOOOB!!!」

 

 けれどそれでは根元まで入らない事に気付いた彼は、銀髪武闘家の片足を持ち上げ、思い切り引いた。

 同時に彼女の足の付け根辺りからゴキリ!と音を漏れると、彼は逸物が更に奥へと侵入を果たす。

 彼は彼女の股関節を外し、無理やり足を広げさせる事で、進路を確保したのだ。

 亀頭から根元まで、隙間なく彼女の胎内に侵入を果たした小鬼英雄は勝鬨をあげるように吼え、彼女の膣内に精液を解き放った。

 一滴残らず注ぎ込んでやろうとするが、逆流した精液の圧に押されて逸物が抜けてしまい、注ぎ損ねた精液が彼女の体に降りかかる。

 びちゃびちゃと音をたてて体を白く染める銀髪武闘家は、もはや声もなく体を痙攣させるのみ。

 彼女の瞳からは、完全に光が消え失せていた。

 

 

 

 

 

 氷の魔女は、目の前に広がる光景に笑みを浮かべた。

 最初は十匹程度だったゴブリンたちも、今ではその数を五十以上にまで膨れ上がらせているからだ。

 他の群れを取り込んだことも大きいが、増えたのはただのゴブリンだけではない。

 田舎者(ホブ)呪文使い(シャーマン)英雄(チャンピオン)に混ざり、異様なゴブリンが複数体。

 背丈は只人並、纏う筋肉は戦士のそれである、戦うために産まれたようなゴブリンの亜種──小鬼戦士(ゴブリンファイター)と呼んでいいそれが、数多くいるのだ。

 彼らのおかげで数多くの村を襲撃し、略奪し、冒険者を返り討ちにし、孕み袋を含めた物資が揃いに揃った。

 後は他の祈らぬ者から聞いた、ゴブリンスレイヤーなる冒険者の襲撃を警戒する程度だ。

 

「とにかく、全て貴方のおかげよ」

 

 氷の魔女はほくそ笑みながら、ちらりと視線を足元に下げた。

 そこには何かが入っているかのように腹を膨らませた銀髪武闘家が横たわっており、一際小柄なゴブリンたちが彼女の胸に群がり、乳首が滲む母乳を啜っている。

 彼らもまた、ゴブリンファイターとなり得る逸材だろう。彼女から産まれたゴブリンは異様に戦闘能力が高い。

 彼女は壊れたように笑いながら、大きく膨らんだ自分の腹を撫でた。

 そして腹を内側から蹴られる感覚に嗚咽を漏らし、また壊れた笑みを浮かべる。

 彼女の笑みを見つめた氷の魔女は愉快そうに、勝ち誇ったように嗤い、彼女の耳元で囁く。

 

「──ところで、勝ちの目は見つかったかしら?」

 

 その問いに銀髪武闘家は答えることなく、狂ったように笑い続けた。

 そこにゴブリンの産声が重なったのは、この問いかけから二日後の事だ。

 

 

 

 




このルートの場合、銀髪武闘家という楔を失ったローグハンターはラスボスの洗脳に耐えきれず、尖兵と成り果てる。
彼はその他の尖兵を率いて四方世界各地を攻撃、圧倒的な強さで妹たる勇者、彼に想いを向けていた剣の乙女、そしてゴブリンスレイヤーら友人たちさえも退け、ついに世界はラスボスに征服される。

その途中でローグハンターは銀髪武闘家を発見するも、洗脳の影響で彼女と認識することが出来ず、そのまま腹の中のゴブリンを殺すために諸とも殺害(介錯したとも言える)。

彼を止める事が出来る人物を失った四方世界に希望はなく、ただラスボスの支配による悲劇も喜劇もない、永遠の停滞が約束された。

――バットエンド確定。だから本編ではしなかった。



感想等ありましたら、よろしくお願いします。


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Memory?? 黒き鷹と剣の乙女 ①

早速結果発表。

(102) 剣の乙女

(35) 受付嬢

(36) 勇者

(12) 剣聖

(4) その他(この場合はメッセージ下さい)
内約、女魔術師1 不明3

以上の結果から、総投票数189票のうち、過半数を獲得した剣の乙女から。
剣の乙女の一人勝ちは何となく予想してましたが、勇者が受付嬢に勝つとは予想外。


ここからはストーリーの話。

分岐条件は、ローグハンターと銀髪武闘家が出会わずにストーリー進行。
……メタ的に言うと初期プロットのままストーリー進行。

時系列的は本編でいうところのエピローグ頃。全てが丸く納まってからみたいな感じ。
この世界線のローグハンターは初めてですが、ラスボスとの戦いの影響で無駄に知識があります。

書き始めたはいいけど、剣の乙女のトラウマを思いだしてしまい、何だかシリアス気味になったので、剣の乙女編は次回にも続きます。

ド直球にイチャイチャさせたかったのになぁ……。


 これは本来の物語とは違う道を歩んだとある冒険者と、彼に救われた英雄との、あり得たかもしれない物語。

 

 たった一つの違いで生じたもしもの話(IFルート)──二人の英雄が結ばれる物語だ。

 

 

 

 

 

 

 水の街。

 そこは都から離れた辺境の地における中心地。

 商人と辺境の街や村を結ぶ交易の要たるその街には、法と正義、光と秩序をを司る至高神が奉られ、何かと物騒な辺境一帯では随一の平穏と安全が約束された街だ。

 そんな街の一角に、彼の神が坐する神殿があった。

 天秤と剣を組み合わせた意匠はその証で、たとえ無知な者でも一目で神殿があったであると理解できる壮麗な建物。

 人々から法の神殿と呼ばれるその場所は、信者のみではなく裁判に参加する者──神の名の下に、相手、あるいは自分の罪を裁いてもらおうとする者たちだ──も数多い。

 だが、そうした人々も夜になれば去っていくもの。昼間は騒がしい神殿も、夜になれば静けさに包まれる。

 そんな神殿には長旅の疲れを癒すためか、あるいは神官たちを清らかに保つためか、大浴場──正確には蒸し風呂が設置されているのだ。

 辺境の街にはない何とも贅沢な施設なのだが、そこにいるのはたった一人だけ。

 浴場に設置された長椅子に腰を降ろし、何故か脇に魔剣を立て掛ける男性以外、利用客はいない。

 そもそも夜中を通り越して時間帯は深夜だ。もはや起きている人物を数えた早く済むだろう。

 謀らずも貸し切り状態で蒸し風呂を堪能しているのは、肩に懸かる程度の白い髪を、適当にうなじの辺りで纏めた男性だ。

 タオルを腰に巻いて隠すべき所は隠しているものの、鍛えられ、数多の傷痕が残る肉体は惜しげもなく晒しているのは変わりない。

 

「はぁ……」

 

 そんな肉体の持ち主──ローグハンターは額に汗を浮かべながらため息を吐くと、片隅に鎮座する老人の像に目を向けた。

 ここは至高神の神殿ではあるが、一歩浴場に入ってしまえばそこは浴場神の領域だ。

 故にそこに浴場神の像があるのは当然で、おそらく女湯には裸婦の像があるのだろう。

 

 ──まあ、入ったことはないが。

 

 そうやって苦笑を浮かべた彼は、傍らに置かれた白樺(しらかば)の枝を手に取った。

 それをぶんぶんと素振りをするように振り回すと、ぴしゃりと身体を叩いた。

 都までの長旅で疲れた筋肉を解すことで血行を改善し、疲労回復を促すものだ。

 ひとしきり身体を叩いた彼はまた息を吐くと、天井をじっと眺めて目を細めた。

 蒼い瞳には僅かに金色が散りばめられ、見る者によっては夜空が閉じ込められたと評する美しさが秘められている。

 その瞳に何を見ているのかは彼にしかわからないが、少なくとも背後にまで気を配ってはいないだろう。

 

「……お、お隣、失礼しますわね」

 

「ああ。……あ?」

 

 背後から投げられた上擦った声に、適当に頷いたローグハンターは、一瞬間を開けて弾かれるように顔ごと左に振り向いた。

 そこにいたのは一人の女性。

 汗か水滴で煌めく金の髪と、目元を覆う黒布。豊満な肉体はタオルで申し訳程度に隠されてはいるものの、顔は耳まで真っ赤に染まっている。

 

「……大司教?」

 

「ええ。その、お隣、よろしいでしょうか?」

 

 ローグハンターは彼女の見つめて間の抜けた表情になると、「構わんが、何をしているんだ……?」と気の抜けた声で問いかけた。

 問われた彼女は彼の隣に腰かけたものの、流石に恥ずかしいのか、もじもじと身体を捻って視線を逸らす。

 

「その、お礼をと思いまして……」

 

「別に都までの護衛はいつもの事だが」

 

 彼女が囁くように告げた言葉にローグハンターは首を傾げ、「毎度礼を言われてもな」と言葉を続ける。

 ローグハンターはその異名の通り、西の辺境に蔓延る様々なならず者(ローグ)を殺して回っている。

 だが、剣の乙女が都の会議に参加する際には護衛として、至高神の神官たちや都から派遣された騎士たちに混ざって都に赴く事もあるのだ。

 彼がこうして蒸し風呂にいるのも、その旅の疲れを癒すために他ならない。

 そんな彼に向けて、剣の乙女は恭しく頭を下げた。

 

「それでも言わせてくださいな。本日も、ありがとうございました」

 

「むぅ。言われたのなら、受け取るしかないが」

 

 変わらぬ彼女の態度に彼は唸ると、小さく肩を竦めた。

 彼女がそっぽを向いている為、目の前にある真っ赤に染まった耳元で、囁くように問いかける。

 

「それで、その一言で仕事は(・・・)終わりか?」

 

「そう、なりますわね」

 

「──で、ここに来たのはそれだけの為じゃあないだろう?」

 

 ローグハンターは重ねて問うと剣の乙女は肩を跳ねさせ、こくりと一度頷いた。

 彼女の返答に苦笑混じりに肩を竦めたローグハンターは、「ならこっち向いてくれ」と努めて冷静な声音で彼女に言う。

 言われた彼女は一度深呼吸をした覚悟を決めると、そっと彼の方へと向き直った。

 今度こそ彼女と正面から向き合う事になったローグハンターは、そっと彼女の額に貼り付いた髪を退かしてやり、そのまま頬に手を添えながら、少しずつ顔を近付けていく。

 そしてお互いの鼻先が触れ合う程度に近づくと、不意に接近を止めて「嫌なら避けろよ」と真剣な声音で告げた。

 ここまで行っておいてなんだが、彼女がそれを望んでいない可能性が脳裏に過ったのだろう。

 言われた剣の乙女は「大丈夫、です」と僅かに緊張した声音で言うと、ローグハンターは小さく「そうか」と呟いて、彼女の唇を奪った。

 剣の乙女は同時に背筋を駆け抜けた悪寒に目を見開いて、思わず彼の肩を押してしまう。

 彼女に押されたローグハンターは耐える事も出来るだろうにそのまま身を離し、「大丈夫か」と問うた。

 問われた彼女はハッとして、彼を押した自分の手を胸に抱きながら「申し訳ありません」と涙を堪えるように声を震わせて、彼への謝罪を口にする。

 彼女の過去を深くは知らないローグハンターだが、多少かじる程度には聞いたことがある。

 ゴブリンに捕らえられ、その後数ヶ月虜囚となっていたのだ。そういった行為に対して、想いに反して、体が拒絶反応を示すのは仕方がない。

 

 ──たとえ相手が恋人であるとわかっていても、どうにもならないのだ。

 

 ローグハンターは震える彼女に気づかれない程度に抑えたため息を吐くと、ぽりぽりと頬を掻いた。

 彼女に告白されてそれを受け入れたのは良い。その事を後悔することはないし、誰かに移ろうこともない。

 だが、こうして触れ合う度に、彼女の傷を抉る事になり、罪悪感を感じて仕方がないのだ。

 まあ、今ではこうした裸同然の格好で向き合うまでは来られたのだが、最後の一線が越えられないのが悩み所。

 ローグハンターがのぼせ始めた頭を働かせて考えている隣で、剣の乙女は「ローグハンター様……っ!」と何やら覚悟を決めた──と言うよりは自棄になったように、彼の事を呼んだ。

 

「なんだ」

 

 彼が多量の汗が浮かぶ顔を巡らせ、彼女の方に目を向けると、彼女はぎゅっと両手を握り締めてながら言う。

 

「もう一度、お願いします」

 

「それは構わんが、また──」

 

「一つ、お願いがあるのですわ」

 

 ローグハンターが二の舞になることを告げようとすると、剣の乙女は彼の言葉を制して更に言う。

 

「わたくしが逃げようとしても、離さないでください」

 

 突然の意見にローグハンターは驚いたように目を開くと、「それは、駄目だろう」と僅かに非難の色を込めて彼女に告げた。

 

「別にお前に拒まれようが俺は気にしない。ゆっくり時間をかけてやれば、それで──」

 

「わたくしは、貴方の子を産みたいのです」

 

 ローグハンターが自棄を起こした彼女を嗜めようとすると、剣の乙女の口からとある願いが紡がれた。

 再び起こった突然の事態に、何か言いたげなローグハンターが口を閉じると、剣の乙女は独白のように言葉を続ける。

 

「やっと、わたくしは誰かを、貴方を愛する事が出来たのです。やっと、あの悪夢にうなされる日々が終わったのです。けれど、それでも──」

 

 彼女はそう言うと力なく笑い、震える手で彼の頬を触れ、ただただ愛おしそうに撫でる。

 

「人とは、欲深い生き物なのですね。わたくしは、もっと幸せになりたいと思ってしまうのです」

 

「けれど人とは老いるもの。わたくしだって、貴方だって、老いてしまうのです。老いてしまえば、子を産めなくなってしまう」

 

 一言一言を噛み締めるように、剣の乙女は彼へと告げた。

 

「わたくしは今度こそ、()()母親になりたいのです」

 

 彼女の言葉を受け止めたローグハンターは僅かに目を見開くと、負けを認めるようにため息を吐いた。

 

「わかった。だが、やるなら本気でやるぞ」

 

「はい」

 

 剣の乙女が確かな覚悟を籠めて頷くと、ローグハンターは再びため息を吐き、ふとした疑問を問いかけた。

 

「ちなみにだが、ここでやるのか?」

 

「戸につっかえ棒はしてあります!」

 

 ローグハンターの心配に、剣の乙女はガッツポーズをしながら答える。

 言われたローグハンターは肩を落とし、やれやれと首を横に振りながら言う。

 

「なぜ得意気なのかは知らないが、わかった」

 

 ──浴場なら掃除も楽か。

 

 ローグハンターは心の内側でそう言うと笑みを浮かべ、剣の乙女の身体を抱き寄せた。

 

 

 

 

 

「んっ……!ふぁっ、んんっ!んぐ!」

 

 神殿の浴場に、剣の乙女の苦しむような声が木霊する。

 彼女はローグハンターに後頭部と腰を押さえられ、彼の肩を押してもびくともせず、離れようにも彼の膂力から逃れられない。

 

「ふぅ!ちゅる!んんっ!ちゅ、んぁ……っ」

 

 遠慮なしに口内に入り込んでくる彼の舌が、思うように動いてくれない彼女の舌に絡み付き、彼の味がする唾液が塗り込まれる。

 

「んふっ。ふぁっ。んん!んぐっ!んんっ!」

 

 ほんの一瞬の息継ぎを挟み、彼の攻撃は続く。

 逃げようと彼女の身体を力で押さえつけ、思い切り叩かれる肩の痛みを無視し、ひたすらに彼女の口内を責め立てる。

 彼の肩に痣が残る程度に反撃しているのだが、これで心は拒んでいないというのだから、本当に彼女は複雑である。

 

「んふっ!んぁ!んんっ!んぐ!ぷはっ!」

 

 流石のローグハンターも疲れたのか、一度彼女の口を解放すると、お互いに肩を揺らしながらはぁはぁと乱れた呼吸を整える。

 二人の唇を繋ぐ唾液の橋は重力に引かれ、彼の胸板に潰された彼女の胸に落ち、透明ながら淫らに汚す。

 ローグハンターは熱の籠った視線を剣の乙女に向けて、その視線を受けた彼女は逃げようとする身体をどうにか意志だけで捩じ伏せ、その結果なのかピクピクと体が震えている。

 ローグハンターは自身の唾液でテカる彼女の唇を指で撫でると、「大丈夫か?」とわざとらしく笑いながら問うた。

 問われた彼女は変わらず身体を震わせながら「だ、大丈夫です……っ!」と強がりを含めて頷くと、ローグハンターは「なら、もう一度」と告げて彼女の唇に吸い付いた。

 

「んぐっ!んっ……!ちゅる!れろ、れろっ!」

 

 だが今度の剣の乙女は先程とは違う。

 僅かに動くようになった舌を彼の舌に絡めて、どうにか反撃をするようになったのだ。

 ローグハンターはそれを受けて嬉しそうに目を細めると、一旦彼女の後頭部と腰を押さえていた手を退けた。

 もう退けてもいいと判断を下したのだが、

 

「ぷぁ!きゃっ──」

 

 それと同時に剣の乙女の顔が離れ、そのまま背中から長椅子に倒れていく。

 今まで押さえられていた分、離れる事に勢いがついてしまったのか、彼女は体勢を崩してしまったのだ。

 ローグハンターは持ち前の反射神経でそれに反応すると、彼女の頭を手に抱え、そのままそっと長椅子に寝かせるように彼女の身体を倒す。

 金色の髪を敷物換わりに寝転ぶ彼女の見下ろしながら、ローグハンターは思わず生唾を飲んだ。

 身体に貼りつくタオルのおかげで隠される場所は隠されているものの、それを押し上げる豊かな胸や肉付きのいい太ももや臀部、そして熱を帯びた彼女の表情が彼の視界を支配して、彼を興奮させるのだ。

 目元を黒布で覆われてはいてわからないものの、見えないからこそ更なる興奮を誘うのもまた事実だ。

 無意識に呼吸を荒くした彼は、ちらりと熱が集まり勃起した自身の分身に目を向け、堪えるように歯を食い縛った。

 腰巻き代わりのタオルを押し上げるそれは、目の前にいる雌を求めているし、それは持ち主たるローグハンターとて同じことなのだ。

 だが、このまま自分の都合のまま彼女を抱いてしまえば、それこそ忌み嫌う小鬼畜生と何が違うと言うのか。

 獣と人の違いは、本能を抑えられるか否かと、誰かに言われたような記憶がある。

 ローグハンターはぎゅっと目を瞑り、暴れようとする本能と脳内で切り結んでいると、ふと彼女の乱れた息使いが耳に届く。

 それはまるで興奮しているようでいて、何かを求めているようでいて、余計に本能側が有利な戦況となる。

「ああ、くそ……っ」と小さく舌打ちを漏らすと、不意に剣の乙女が口を動かした。

 

「ジブ、ニール……様ぁ……」

 

「っ!」

 

 本名を呼ばれた彼は弾かれるように目を開き、そしてそのまま目を見開く。

 彼女は表情に僅かな恐怖を滲ませながら、彼に向けて震える手を伸ばし、にこりと微笑んでいるのだ。

 

「わたくしは、大丈夫、ですから……。貴方の……思うままに、してください……」

 

 彼女の言葉にローグハンタ──―ジブリールは瞑目すると、頭を抱えて大きめのため息を吐いた。

 どうしてこう、彼女にばかり気を遣わせてしまうのか。

 自分か情けなくて、彼は再びため息を吐いた。

 吐き出された息は蒸し風呂の湯気に呑まれて消えていき、同時に彼の瞳に輝きが宿る。

 理性を持ったまま、理性を保ったまま、彼女に己の欲望をぶつける他にない。

 

「本当に良いんだな」

 

 囁くように、彼女にだけ聞こえるように問うと、彼女の胸元を隠すタオルに手をかけた。

 彼女の肩が一瞬恐怖に揺れるが、それでも確かな意志を持って頷いた。

 ジブリールは戦闘中さながらにフッと短く息を吐くと、一息で彼女のタオルを剥ぎ取った。

 同時に露になったのは豊かに育った彼女の胸と、僅かに這える陰毛に隠された秘部だ。

 彼はそこに視線を釘付けにされていると、剣の乙女はそっと両手で胸と秘部を隠そうとするが、その前に彼の手に両手を掴まれ、それは失敗に終わる。

 隠すものを失った胸と秘部を見つめながら、ジブリールは再び生唾を飲んだ。

 そして彼は彼女の胸に手を伸ばし、ゆっくりとそこに触れた。

 柔らかな感触の中に手が沈んでいくと、剣の乙女の口から苦しげな息が漏れ、途端に柔らかな肢体が強張り始める。

 

「……少し我慢してくれ」

 

 彼は崩れかけた理性をどうにか保って彼女に言うと、剣の乙女は「はぃ……」と震える喉からどうにか声を絞り出す。

 それが聞こえていたかは別として、ジブリールは彼女の胸を揉みほぐしながら、もう片方の手を彼女の秘部へと伸ばした。

 指の腹で撫でるように触れてやれば、汗とは違う滑り気のある液体が指に付着した。

 ここまで快感を与えたような印象はない。おそらく、過去の経験から痛みから逃れるために分泌したのだろう。

 ジブリールは目を細めると、「少し痛いぞ」と告げてから秘部に指を()れた。

 

「ひっ!」

 

 突然胎に感じた異物感に黒布の下で目を見開いた彼女はフッフッと細かく息を吐き、痛みに耐える要領でその感覚に耐える。

 ジブリールは指を追い出そうと蠢く膣肉の感覚を感じながら、「動かすぞ」と一方的に告げると、彼女の返事を待たずに指を出し入れし始めた。

 

「ひぎっ!?かっ!はっ!んんっ!!」

 

 ゆっくりと彼女の膣肉を解すように動く彼の指に、剣の乙女の意識は勝手に集中し、余計に敏感になった身体が反応を示す。

 

「ひぁっ!あっ!ふっ!ひぅ!んぁ!」

 

「少しだが、解れてきたな」

 

 剣の乙女の口から苦しさが消え、悦びの色が強くなり始めると、ジブリールはもう一本指を入れる。

 同時に膣肉の締め付けがより一層強くなり、蕩け始めていた剣の乙女の表情が苦しげなものへと変わる。

 

「ぐぅ!んっ!ジブリール、ざま゛ぁ……っ!」

 

「大丈夫、俺はここだ」

 

 怯える子供のように叫ぶ彼女の頬を撫でたジブリールは、再び指を動かし始めた。

 今度は前後のみならず、僅かに左右の動きや指にも動きをつけて、彼女の膣肉をひたすら解す。

 

「んっ……、ぐぅ!かっ!はぁ!ひぅ!」

 

 彼の指の動きに合わせて剣の乙女の身体は跳ね、掻き出された愛液が秘部から垂れて長椅子を汚す。

 その様が何だか堪らなく興奮を誘い、ジブリールの指の動きは更に激しさを増した。

 

「あぎ!ひぐ!まっ、待って!もう、少しっ、ゆっくり……っ!」

 

「っ!ああ、すまん」

 

 どうにか絞り出された剣の乙女の声にハッとしたジブリールは指を止め、顔を赤らめてはぁはぁと艶っぽい息を吐く彼女の姿を見下ろす。

 

「はぁ……んっ……ジブ、ニール……さまぁ……」

 

「ここにいるぞ」

 

 何かを求めるように伸ばされた手を捕まえ、自分の頬に触れさせながら、ジブリールは真剣な眼差しで言う。

 

「これ以上加減は出来ん。本当に、逃がさないからな」

 

 剣の乙女は白に支配された世界に浮かぶ黒い影と、それが持つ一対の蒼い炎を見つめながら、こくりと頷いた。

 相手がジブリールであることは百も承知で、彼から逃げようとするのはまだ自分が弱いからだ。

 だが今日こそは逃げない。今日を逃したら、彼と次にいつ会えるのかがわからない。

 だからこそ、

 

「お願い、します……」

 

 彼女は消え入りそうな声でそう言って、自分から股を開いた。

 ジブリールは小さく頷くと腰に巻いていたタオルを外し、もはや痛みを感じるほどに勃起した己の逸物のさらけ出した。

 それを見ることが出来ない剣の乙女は、布の擦れた音と自身の下腹部を叩いた熱せられた火かき棒の如き熱に、身を強張らせた。

 目の前にいるのが彼であることも、熱の主が彼であることも、そして彼を愛していることも、重々承知している。

 けれど身体はかつての地獄を思い出し、夜に怯える幼子のように震えてしまう。

 それを抑えようと両手で肩を抱こうとすると、不意にジブリールの手がそこに置かれ、優しく、けれど力強く握ってくれた。

 もう片方の手は腰に触れて、軽く持ち上げるようにして位置を調整される。

 

「それじゃあ、()れるぞ」

 

 彼女の湿った秘裂に亀頭を当てたジブリールは、最終確認のように彼女に問うた。

 問われた彼女は黒布に隠された見えざる瞳に僅かな恐怖を隠しながら、覚悟を決めてこくりと頷く。

 それを受けた彼は一度深呼吸をすると、無慈悲なまでに勢いよく腰を前に突き出した。

 亀頭が彼女の愛液を潤滑油に秘部へと侵入し、立ち塞がる膣肉を掻き分け、子宮口を殴り付けた。

 その瞬間、脳の奥底に封じられた忌々しい記憶が突如としてフラッシュバックし、彼女は首と手足を振り始めた。

 

「いっ、いやぁ!?来ないで!いや、いやぁああああっ!!」

 

「大司教!?どうし──(いつ)っ!ごふっ……!」

 

 振り回された彼女の指が彼の頬を引っ掻き、脚で背中を蹴りつけながら、本当の幼子のように首を振り回す。

「大司教!大司教!」と取り乱す彼女の事を呼ぶが、一切聞き届けられないとわかると大きめの舌打ちを漏らした。

 ゆっくりやると辛いだろうと判断したのだが、流石に勢い任せは悪手だったようだ。

 別にこちらが怪我をするのはいいが、下手に暴れられて椅子から転がり落ちれば、彼女に怪我をさせてしまう。

 ジブリールは一度深呼吸をすると振り回される彼女の手を捕まえ、そのまま覆い被さるように身体を倒して彼女を組み伏せた。

 

「いやぁ……。許して、もう、許してぇ……」

 

 耳元で聞こえる嗚咽混じりの声に、ジブリールは苦虫を噛み潰したような表情となると、一度深呼吸をして彼女に言う。

 

「大司教、大丈夫だ。ここに奴等はいない」

 

 彼は努めて冷静に、子供を宥めるような声音で言うと、剣の乙女は首を横に振った。

 

「いや、もういやぁ……。誰か、誰か……」

 

 助けを求める為か、捕まえた手が逃れようとするが、ジブリールは決して離すことなく彼女に告げる。

 

「大丈夫、大丈夫だ。何があっても、俺が守る。俺が側にいる」

 

 ──だから、大丈夫だ。

 

 彼はそう言うと、最後に彼女の名を呼んだ。

 剣の乙女はそれにピクリと反応すると、「え、あっ……?」と間の抜けた声を漏らし、目の前で揺れる蒼い炎に気付く。

 

「ジブリール、様……?」

 

「ああ」

 

「わ、わたくしは……?」

 

「大丈夫。お互い怪我は──」

 

 彼はそう言いかけて、頬に感じる痛みに目を細めた。

 手で拭ってみれば甲に乾きかけた血がつき、「俺はしたようだ」と不機嫌そうに言った。

 剣の乙女は「そんな……」と顔色を青くしたが、ジブリールは「気にするな」と告げて彼女の頬を撫でた。

 

「とりあえず、落ち着いたか?」

 

「えぁ、はい……」

 

「なら、力抜いてくれ」

 

 動けないんだと彼が言うと、剣の乙女はこくりと頷いて深呼吸をして、強張った身体から力を抜いていく。

 食い千切るつもりでもあったのかと言いたいほどに強かった膣肉の締め付けが緩み、ジブリールはため息を吐いた。

 

「それじゃあ、動くぞ」

 

「あの、ゆっくり、お願いします……」

 

「……任せろ」

 

 剣の乙女の言葉にジブリールは僅かに間を開けてから答えると、言われた彼女は途端に不安そうに口を開く。

 

「あの、ジブリール様?」

 

「……大丈夫だ。信じろ」

 

「怒ってます?」

 

「……どうだかな」

 

 彼女の問いに肩を竦めたジブリールはそっと彼女の髪を梳いてやると、にこりと微笑んだ。

 

「……だが、我慢は出来そうにない」

 

「え……?」

 

 彼の一言に剣の乙女が思わず声を漏らすと、彼は腰の動きを再開させた。

 

 

 

 

 

 それから、一時間ほど経った頃。

 

「ひゃっ!待って!待ってくださいな!ジブリール様ぁ!!」

 

「駄目だ」

 

 剣の乙女の言葉に、頬に引っ掻き傷が増えたジブリールが鋭く返した。

 あの後普通に致そうとしたのだが、ふとした拍子に彼女の手が暴れてしまい、傷を増やすことになったのだ。

 そのせいなのか、ついに情けを捨てたジブリールは、仕事モードさながらの眼光を込めて、彼女と向き合っていた。

 

「ひぎ!んあっ!駄目っ!んぁ!ひぅっ!」

 

 パンパンと肉同士がぶつかり合う卑猥な音が、大浴場に響いていた。

 長椅子に腰掛けたジブリールと対面する形で、彼の膝の上に乗せられた彼女は、彼が腰を突き上げる度に嬌声があがる。

 

「ジブッ、ジブリール様ぁ!ひん!待って!ひぁ!待ってくださいまし!」

 

「駄目だ」

 

「んぁ!ひぅ!あっ!せ、せめて、腕を!」

 

「また引っ掻いてくるだろう?」

 

「ひん!大丈夫ですっ!もう、大丈夫ですから!」

 

「駄目だ」

 

「んあ!?」

 

 剣の乙女も多少の抵抗は出来るのだろうが、現在はそれさえも封じられている。

 本来目元を隠す布で、両手を腰の後ろで縛られているからだ。

 ジブリールは剣の乙女の柔らかな腰を両手で押さえつけ、全ての衝撃を彼女の胎内に叩き込む。

 

「かっ!ひぅ!ジブニーりゅ、しゃま!?まっへくらさい!」

 

 それを繰り返すこと数度。硝子球のように曇った彼女の瞳が少しずつ快楽に蕩け、凛としていた表情がだらしないものへと変わっていく。

 それを見つめていたジブリールは得意気に笑うと、「で、気持ちいいか!?」と額に汗を浮かべながら問い、更に腰を突き上げた。

 

「ひん!ひゃい!気持ちいい!気持ちいいれすぅ!」

 

「なら、良いんだがっ!」

 

「んぐ!?」

 

 彼女の答えに満足そうに笑ったジブリールは、あうあうと意味もなく開閉していた彼女の唇を奪った。

 

「んんっ!ちゅる!んぁ!んぐぅ!!」

 

 快感に喘ぎ、ピンと伸びきった彼女の舌に襲い掛かり、蛇のように絡み付き、なぶる。

 

「んぁ!ふぅん!んぃ!んん!?」

 

 口内に感じる温もりと、胎内に感じる熱に喘ぎ、蒸し風呂の熱気に当てられて白い肌が赤く上気していく。

 そのせいで彼女の身体に刻まれた傷跡が浮かび上がるが、二人はそんなものを気にする素振りも見せず、ひたすらに快楽を貪る。

 

「んぐ!?んぁ!ぷぁっ!ひん!ひぁ!あひっ!んぉ!?」

 

 パンパンと腰を叩きつけて小気味の良い音を鳴らしていると、今度はぐりぐりと子宮口に亀頭を押し付けられ、剣の乙女の口から野太い声が漏れた。

 

「しぶにーりゅ、しゃまぁ!?なにか、なにかきますぅう!!」

 

「ああ!俺も、そろそろ……っ!」

 

 脳裏に火花を散らせ視界を点滅させながら、剣の乙女は呂律の回らないまま言葉を吐いた。

 背筋に良い得ぬ感覚が駆け抜けて、痙攣する膣肉から感じる彼の熱が心地よい。

 ジブリールも逸物を昇っていく熱さに目を細め、彼女の子宮口を絶え間なく殴り続ける。

 それに合わせて子宮口がちゅうちゅうと亀頭にキスをして、膣肉のひだが蠢いて逸物を扱く。

 凄まじい快感は彼女から恐怖を払い、ひたすらに快楽を貪りたいとしているのだろう。

 随分な荒治療になったと自嘲したジブリールは、「射精()すぞ!」と彼女に告げた。

 

「ひゃい!くらひゃいっ!あなたの、こどもを、わたしにくらひゃいぃぃいいいっ!!」

 

「っ!ああ!俺の子供を、産んでくれっ!!」

 

 彼女の切実なる叫びにジブリールは返すと、渾身の力で彼女の子宮を殴り付けた。

 ──瞬間、二人は絶頂を迎える。

 

「ひゃあああああああああああああ!?!?」

 

「くっ!おおっ!!」

 

 剣の嬌声とジブリールの呻き声が混ざりあい、二人は身体を震わせる。

 絶頂を迎えた膣肉は激しく痙攣を繰り返し、ジブリールの逸物からはどろどろの精液を吐き出した。

 

「んぉ゛お゛!?あつっ!あちゅいぃぃいいっ!!!」

 

 一瞬で子宮を満たした精液の熱に、剣の乙女は目を見開いて更なる絶頂を迎えた。

 身体を仰け反らせて絶頂する彼女の秘部からは僅かに精液の混ざった潮が吹き出し、ジブリールの逸物や腿を濡らしていく。

 

「あっ、ひぅ、かっ……」

 

 数分をかけて絶頂が落ち着いた彼女は、ビクビクと痙攣しながら彼の身体にもたれかかり、意味のない呻き声を漏らす。

 彼女の身体をしっかりと抱き止めたジブリールは、子供を褒めるように彼女の背を撫でてやりながら、手首を縛っていた布を解き、額に貼り付いた髪を指で退かしてやる。

 

「ジブリール、さまぁ……」

 

「なんだ」

 

 力が入らないだろうに、彼の肩に手をついて身体を起こした剣の乙女は、彼の顔に面と向かい合いながら、ただただ幸せそうに笑った。

 その笑顔はさながら満開の花を思わせるもので、ジブリールもつられるようにして笑みを浮かべた。

 

「わたくしは、幸せです」

 

 彼女はそう言うとまた彼の身体にもたれ、すやすやと寝息をたて始めた。

 ジブリールは彼女の行動に驚きはするものの、何とも無防備な姿に苦笑を漏らす。

 とりあえず、目的であった一線を越えられたのだ。今はそれで良いではないか。

 彼はそっと彼女の身体を持ち上げて逸物を抜くと、ゆっくりと長椅子に寝かける。

 彼女が寝てしまったのだから、後処理は自分でしなければならないし、彼女を部屋まで運ばなければならない。

 

「……まあ、気にする事でもないか」

 

 濡れタオルと水桶を持った彼は、穏やかな寝息をたてる彼女を見つめながら肩を竦めた。

 

『──わたくしは、幸せです』

 

 彼女はそう言ったが、ジブリールは不満そうに眉を寄せた。

 

 ──幸せだ?ふざけるな。

 

「これから幸せになるんだろうが」

 

 彼は静かにそう告げて、眠る彼女の額に口づけを落とした。

 これは彼女への誓い。彼女への、そして神々へと宣言。

 

 ──こいつは、俺が幸せにする。

 

 世界を救った英雄は、やはり誰か一人を護るために生きるのだ。

 世界線は違えど、それこそが彼──ローグハンターの在り方なのだから。

 

 




感想等ありましたら、よろしくお願いします。


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Memory?? 黒き鷹と剣の乙女 ②

剣の乙女編その二。
前話から数ヵ月後くらい。




 水の街、法の神殿。

 法と正義、光と秩序を司る至高神を奉る神聖な神殿の一室で、畏れ多くも二人の男女がまぐわっていた。

 赤く高揚した肌を重ね合わせ、球のような汗を浮かび上がらせながら、二人はただただ快感を貪る。

 一人で眠るには少々大きすぎるベッドの上で、金色の髪をした女性が、白い髪をした男性に襲われているのだ。

 いや、襲われているというのは語弊がある。二人の間には確かな愛情があるし、何より合意の上での行為だ。

 襲われていると評したのには理由がある。

 

「んぐっ!んんんっ!れろ、ちゅう!んぐぅ!?」

 

 男に押し倒れた側である女性──剣の乙女の状態のせいだ。

 ベッドの上にうつ伏せで転ばされた彼女は、いつもは目元を隠している黒布で両手を後ろ手に縛られ、伸びをする猫のように持ち上がった腰に、男の腰が叩きつけられる。

 パンパンと小気味のいい肉同士がぶつかる音が部屋に響くが、彼女の嬌声は限界まで抑えられていた。

 彼女を押し倒した男性──ジブリールが、己の指を猿轡換わりに彼女の口に押し込み、二本の指で舌を押さえ込んでいるからだ。

 彼が腰を打ち付ける度に彼女の身体は快感にうち震え、がくがくと揺れる腰は彼の片腕で捕まえられて固定させてしまう。

 

「んんっ!んぁ!ぶっ!んぉ゛……っ!」

 

 逃げ場もなく、身体を揺らして衝撃を逃がすことも許されない彼女は、胎内をかける衝撃に野太い声を漏らすが、ジブリールの腰は止まらない。

 人よりも一回りも二回りも大きい逸物を、よくやく抵抗なく自身を受け入れるようになった彼女の胎内で前後させ、かりで膣肉を容赦なく掻き回し、物欲しそうに降りてくる子宮口を亀頭で殴り付ける。

 

「んぉ゛!んぁ゛っ!んぐ!んんっ!んぶっ!」

 

 剣の乙女は乱暴に子宮を殴り付けられらる感覚に目を見開きながら、けれど快感に表情を歪め、口内を支配する彼の味を堪能していた。

 突かれる度に反射的に動く舌が彼の指を舐め、彼の味が口内を締め、脳が多幸感により支配され、絶え間なく与えれる快感によりそこから戻ることも許されない。

 

「んん!あひゅ!んぃ!んん!じゅるっ!」

 

 視界を点滅させ、ひたすらに彼の指と逸物の感覚を貪る彼女は、硝子球のように曇った瞳を蕩けさせながら、あむあむと彼の指を甘噛みする。

 ジブリールはそのくすぐったさに目を細めつつ苦笑を漏らすと、一旦彼女の口から指を引き抜き、両手で腰を押さえつけた。

 すがる物を失った彼女の舌は、彼を求めてピンと伸びきり、はぁはぁと犬のように乱れた呼吸を繰り返す。

 ジブリールは彼女の背を眺めながら「いくぞ」と告げると、彼女は「ひゃぃ……」と力の抜けた声を漏らした。

 彼女の言葉にジブリールは苦笑し、フッと短く息を吐くと、彼女の最奥に叩きつけるように腰を振り始める。

 

「あぎぃ!ひぅ!あひっ!あっ!ひっ!あっ!あっ!」

 

 どすどすと突かれる度に彼女は嬌声を漏らし、かりで削られるように掻かれた膣肉が痙攣を起こす。

 

「ひぐっ!あひっ!んぁ!ひゅっ!んひぃ!」

 

 痙攣と共に激しく扱いてくる膣肉の感覚に唸るジブリールは、さらに腰の動きを速めた。

 パンパンずりゅずりゅと肉同士がぶつかる淫美な音と、愛液に濡れた秘部とジブリールの逸物が擦れる音、そして彼女の嬌声が部屋に響き、二人の聴覚を刺激する。

 だが、視覚が衰えた剣の乙女の方が、その感度は段違いに高い。

 彼女は膣肉と耳の両方を責められ、堪らずに背中越しに彼の方へと目を向けた。

 

「んんっ!あひっ!んいぃ!ジブっ!じぶにーりゅしゃまぁ!」

 

「──っ、どうした!」

 

 彼女の蕩けた瞳と表情に一瞬目を奪われたジブリールは、自身に喝を入れるように声を張り上げた。

 突然放たれた強めの声音に剣の乙女はびくりと肩を揺るわせたが、その驚きも快楽によってすぐに消えていく。

 

「きたっ!きまひた!」

 

「何がだ!?」

 

「イ、イく!イきそうなんでしゅっ!」

 

 ビクンビクンと身体を小さく跳ねさせながら、彼女は震える舌を動かしてそう告げた。

 ジブリールは「そうかっ」と一言で告げると、耐えるように歯を食い縛り、子宮口を殴るように苛めていた逸物を、秘裂からかりが出てくるほどに引き出す。

 彼女が「ぇ……?」と小さく切なそうな声を漏らした瞬間、ジブリールは思い切り腰を突き出した。

 ぐちゃ!と少々えぐい音をたてながら、閉じかけた膣肉が掻き分けられ、彼を求めて降りていた子宮口が亀頭に殴られ、勢いのままに子宮が押し潰される。

 

「んぁ──っ!?」

 

 同時に彼女は目を剥いて、がくがくと腰を震わせながら絶頂を迎えた。

 全身を駆け抜けた快感に両足が爪先までピンと伸びきり、背中も弓なりにしならせながら、「かひっ!ひっ!」と短く悲鳴のような嬌声を漏らす。

 ジブリールは痙攣する膣肉の動きに快感を感じながら、それに味を占めたようにぐりぐりと子宮口に亀頭を押し付ける。

 

「ひぅ!んっ!くっ!あぁ……っ!」

 

 内臓を押し上げてくる圧迫感に涙を流しながら、けれど強烈な快感に背筋を震わせ、彼の挙動一つで更なる絶頂を迎える。

 最奥を突いてやればイき、押してやってもイき、引いてやってもイく。

 あひあひと絶え間ない絶頂に喘ぐ彼女を他所に、ジブリールはじわじわと昇ってくる射精感を眉を寄せた。

 我慢が出来ない程に精子が溜められ、逸物が一回りほど大きく膨らんでいく。

 

「俺も、そろそろ射精()すぞ!」

 

「ひぅ!はひっ!くらさい!あなたのせーし、いっぱいくらひゃいっ!!」

 

 絶頂に喘ぎ、視界をチカチカと点滅を繰り返す中で、剣の乙女は本能のままに彼の言葉に頷いた。

 ジブリールはニヤリと口の端を吊り上げると彼女の腰を力一杯掴み、思い切り腰を叩きつけた。

 めりっ!と聞き覚えのない音が秘部から漏れると、剣の乙女は「あっ……」と驚いたような声を漏らして目を見開いた。

 彼の亀頭が子宮口を抉じ開け、彼女の子宮内に侵入を果たしたのだ。

 彼女が制止の声をあげる間もなく、彼の吐精が始まった。

 

「ひっ!?あああああああああああ!??!」

 

 子宮を満たす熱さと、子宮を殴られたような感覚に、剣の乙女は悲鳴をあげた。

 ビクビクと身体は痙攣し、過去に経験のない快感と多幸感に意識が飛びかける。

 

「ぎっ!んんんんんんっ!!!」

 

 だがすぐに歯を食い縛り、意識を繋ぎ止めた。

 ここで倒れてしまえば彼は止まってしまう。ようやく今日と言う日が、彼と共に居られると同時に、赤子が出来る確率が最も高い日がやって来たのだ。

 

 ──今日だけは耐えて!今日だけ、今日だけで良いからっ!

 

 飛びかける意識に喝を入れて、子宮を満たす熱と、神経が焼き切れんまでの快感を耐える。

 ひたすらに耐えて耐えて、耐えるのだ。

 

「ぐっ!ぎいぃ!んん……っ!」

 

 曇った瞳から涙を流し、接ぐんだ口の端から唾液をこぼし、秘部からは潮を吹きながら、それでも彼女の瞳から意志は消えない。

 それが体位の都合上見えていないジブリールは、フッと小さく笑って吐精も終わらないうちに腰を振り始める。

 

「あぎ!?だめっ!ぎぃ!?いまは、らめ!?らめれすぅっ!!」

 

 抉じ開けられた子宮口をかりが引っ掻く度に彼女は嬌声をあげ、見開かれた目からは涙がこぼれる。

 パンパンと腰がぶつかり合う乾いていた音が、じゅぼじゅぼと二人の結合部から漏れる湿った音に塗りつぶされ、響くのはジブリールの呻き声と剣の乙女の悲鳴のような喘ぎ声。

 

「らめぇ!あぎっ!まっへ!とまっへ!?イく!イく!イくぅうううっ!!!」

 

 膣肉と子宮に精液を塗り込むように動き続ける彼の逸物は、一度の吐精程度では萎えることはなく、さらに固さを強めながら彼女の子宮を苛め抜く。

 

「あぐ!ひぃ!いやぁ!おねがい!おねがい、ですから、とまっへくださいぃっ!!」

 

「無理だっ!もう一回射精()すぞ!」

 

「んぁ!まっへ!だめだめだめだめぇっ!!」

 

 彼の宣言に剣の乙女は首を振るが、ジブリールは少々嗜虐的な笑みを浮かべ、逸物が締め付けられる感覚に目を細めた。

 子宮口が亀頭をくわえ、動く度に手で扱かれているような心地よさがあるのだ。

 彼はもっとそれを味わおうと腰を振り、剣の乙女は逃げようのない快感に首を振った。

 精子を再装填した彼の逸物は少しずつ膨らみ、彼女に更なる圧迫感を与えながら、ジブリールは「ぐぅ!」と唸るように声を漏らした。

 同時に再び射精が行われ、既に満杯だった彼女の子宮に膨らませていく。

 

「あぎっ!ぎっ!んあああああああああ!?!!」

 

 子宮が膨らむという、経験のない圧迫感に彼女は悲鳴をあげ、全身を痙攣させながら視界を点滅させる。

 そしてジブリールは彼女の背を撫でると、更に腰を突き出した。

 緩くなっていた子宮口は彼の逸物を受け入れて、子宮の奥底を彼の亀頭が殴り付けた。

 

「ん゛あ゛!?」

 

 彼女の口から汚い悲鳴が漏れると、反り返っていた背筋がくたりと沈み、瞳から光が消えた。

 そのまま踏ん張っていた彼女の顔がベッドに沈み、全身の筋肉が弛緩していく。

 おそらく、今の一撃で失神してしまったのだろう。

 気をやってしまってもビクビクと細かく痙攣を繰り返す彼女を他所に、ジブリールは凄まじい吐精感に息を吐いた。

 ここまで思い切り快感に溺れたのは、これが初めてなのだ。いつもは途中で彼女が倒れてしまうか、続けられない程に彼女が取り乱してしまう。

 はぁはぁと熱のこもった呼吸を繰り返すジブリールは、一旦彼女の秘部から逸物を引き抜いた。

 抜けると同時にピクンと跳ねた彼女を他所に、ジブリールは彼女の両手の拘束を解き、いまだに固さを保つ逸物に目を向けた。

 精液と愛液が混ざった白濁液に濡れた逸物は、自分のものとわかってしても少々引く。

 こんなものが彼女の胎内にあったのかと思うと、彼女が心配になるほどだ。

 

「んぁ……」

 

 彼が逸物を眺めながら背を撫でていると、ぶりゅ!と音をたてて秘部から白濁液がこぼれた。

 

「あっ……んっ……ふぁ……」

 

 ピクピクと身体を跳ねさせながら、彼女はただ意味もなく声を漏らした。

 同時に背筋を震わせると、秘部の辺りから白濁液とは別の液体がちょろちょろと吹き出した。

 僅かに黄ばんだそれは彼女の尿だ。身体中の筋肉が弛緩しすぎて、失禁してしまったのだろう。

 

「んぁ……ひぅ……へぁ……」

 

 今の彼女には放尿すらも快感になるのか、恍惚の表情を浮かべながら身を震わせる。

 ジブリールもサイドテーブルに用意しておいたタオルで黙々と尿を受け止め、今更ながらシーツに染みが残らないようにしてやる。

 まあ隠すことは用意だろうが、念のためだ。

 

「あひゅ……んん……あぁ……」

 

 彼女が艶っぽい息を吐くと、ついに膀胱が空になったのか、放尿が止まる。

 ジブリールはそれを見届けると、彼女の太ももを掴んでころりと転がした。

 うつ伏せから仰向けになった彼女は、その回転の勢いのままに股を広げ、彼のそこを見せつけた。

 白濁液と尿に濡れた彼女の股間はぐちゃぐちゃに汚れ、シーツに擦れた乳首は充血しながらびんびんに勃起し、表情は快楽に染まって恍惚なものとなっていた。

 今の彼女を見て、かの英雄たる剣の乙女だと言えるものはいないだろう。それこそ最高級の娼婦と思われるに違いない。

 ジブリールはタオルでざっと股間を拭ってやると、サイドテーブルに置かれた水瓶を手に取り、それをあおった。

 一口は自分で飲んで毒気がないことを確認し、もう一口を口にしたら飲み込まずにそのままキープ。

 だらしなく開いた口に口付けすると、少しずつ水を流し込んだ。

 舌を絡めて道を確保し、彼女が溺れないように少しずつ。

 こくこくと喉を鳴らして水を飲み下す彼女の姿に、ジブリールは満足そうに目を細めた。

 そして飲ませ終えた彼が顔を離すと、剣の乙女は僅かに冷静になった面持ちでじっと彼の顔を見つめた。

 

「はぁ……んっ……。ジブリール、さまぁ……?」

 

「ああ。それで一つ相談なんだが」

 

 彼は笑みを浮かべながらそう言うと、固さを保ったままの逸物を彼女の秘裂に当てた。

 剣の乙女は「んっ」と声を漏らして身体を跳ねさせると、ジブリールは朗らかに笑いながら問うた。

 

「まだ続けても良いか?」

 

「──」

 

 彼女は彼の問いに一瞬間の抜けた表情となると、すぐに妖しげな笑みを浮かべ、ぺろりと唇を舐めた。

 そして一度頷くと自分の手で秘部を開き、彼が挿入(いれ)やすいようにしてやる。

 もう彼女に恐怖はない。あるのは新たな快楽への渇望と、彼への愛情のみだ。

 

 

 

 

 

 それからおよそ一年後。法の神殿の一室。

 窓から優しげな陽の光が差し込むその場所に、赤ん坊の泣き声が響いていた。

 全身全霊を込めて泣く赤ん坊は女の子だろうか。彼女は元気一杯の様子で手足を振り回して泣きじゃくり、部屋は耳を塞ぎたくなるほどの泣き声で支配されていた。

 彼女を愛おしそうに抱いているのは、至高神の白い法衣(いつもの格好)を纏った剣の乙女だ。

 ベッドの上で上体を起こし、泣きじゃくる我が子(・・・)を抱き上げて宥めようとしているが、やはりと言うべきか、視覚が封じられた彼女には幼子の機嫌を読み取るには時間がかかる。

 

「──大丈夫か、大司教!」

 

 そこに慌てて駆け込んできたのは、白を基調とした騎士服を纏った白髪の男だ。

 胸当てに籠手、脚甲、腰にあげた剣と、見るからに完全装備ではあるが、どこか神聖な雰囲気を纏うそれらは正真正銘聖騎士(パラディン)が纏うそれだろう。

 左肩の肩当てから垂れる白いマントには、至高神の象徴たる天秤剣の紋様が刺繍され、彼が何に所属しているかを周囲に知らしめる。

 剣の乙女は聞き馴染んだ()の声に、反射的に「ジブリール様っ!」と反応して、満開の花のような笑みを浮かべた。

 その声で赤ん坊が余計に泣き始める事になるのだが、至高神の騎士服に身を包んだジブリールは苦笑混じりに彼女の隣に駆け寄ると、「おし、任せろ」と告げて愛娘(・・)を受けとる。

 割れ物を扱うように慎重に受け渡された二人の娘は、父の腕に納まるだけで泣き止み、きゃっきゃっと楽しそうに笑い始めた。

 二人はホッと息を吐くと、剣の乙女はそっと娘の頬を触れ、そのまま手を這わせた。

 鼻の高さ、目の間隔、耳の大きさ、口の大きさ、それら全てを指先の感覚で確かめ、脳内で娘の顔を思い描く。

 

「……」

 

「大司教……」

 

 ただ無言で娘の顔を撫でる彼女の姿にジブリールは悲しげに目を細めると、何やら覚悟を決めたのか、瞳を金色に染めながら「よし」と頷いた。

 自力で奇跡を起こす『隔世状態』となった彼は、一言告げて愛娘を剣の乙女に渡すと、そっと黒布越しに彼女の目に触れた。

 

「ジブリール様……?」

 

「少し待て」

 

 首を傾げる剣の乙女を他所に、彼は瞳を閉じて意識を集中。

『隔世状態』中の能力向上(バフ)のありったけを込めて、天上に坐する神々へと魂を接続する。

 ちなみにだが、この時の彼は神が逃げようとして無理やり繋げてくるため、彼ら的には不評だったりする。

 そんな事も露知らず、ジブリールはそっと口を動かした。

 

「《天秤の君なる我が神よ、正しきことのため、立ち上がるための力をお与えください》」

 

 彼が口にしたのは『小癒(ヒール)』の祈り。

 ここ一年で急成長した彼の信仰心(神官レベル)でも癒せぬ傷は多いが、『隔世状態』の彼に不可能はない。

 いや、今回ばかりは不可能だろうが可能にしなければならない。

 

「っ!」

 

 一瞬発生した稲妻が剣の乙女の瞳を貫き、鋭い痛みに彼女は目をぎゅっと瞑った。

「んぁ?」と娘の気の抜けた声を聞きながら、ジブリールは『隔世状態』を解除し、彼女の目元を覆う黒布を取り払い、「大司教」と彼女の事を呼んだ。

 恐る恐る目を開けた彼女の碧い(・・)瞳が、少しずつ見開かれ、唇が震え始める。

 

「あー、見えているか(・・・・・・)?」

 

 不安そうに問うた彼は彼女の顔の前で手を振り、「どうだ?」と更に問うた。

 問われた剣の乙女はただただ震え、目の前に立つ男性を──初雪のように白い髪と、夜空を閉じ込めた蒼い瞳を揺らす男性をじっと眺め、瞳から涙を溢す。

 

「っ!どうした、どこか痛むのか!?」

 

 途端に慌て始めた彼の手を掴み、「違います。違うんです」と首を振った。

 

「白い髪に、蒼い瞳。口元の傷痕……」

 

 ──これが、貴方のお顔なのですね……っ。

 

 嗚咽混じりにそう告げた彼女は溢れる涙を拭いながら、自身が胸に抱いた娘の方へと目を向けた。

 ひたひたと額に落ちてくる涙の感触に、不思議そうに蒼い瞳を見開くのは、金色の髪をした少女だ。

 少女はじっと母の碧い瞳を見つめ返すと、きゃっきゃっと笑い始めた。

 剣の乙女は涙を流しながら心の底からの笑みを浮かべ、ぎゅっと我が子を抱き寄せる。

「とりあえず、成功だな」と肩を竦めたジブリールは窓越しに空を見上げ、胸の前で聖印を切った。

 至高神には悪いが、この日の為に信心を高め、奇跡の練度を高めてきたのだ。

 結果がこれならそれも無駄ではなく、万が一に備えてこれからも信仰しても良さそうだ。

 

 ──ついでにならず者(ローグ)どもも取り締まれるからな。

 

 ジブリールは相変わらずの厳しい視線を天へと向けていると、不意にその背中に剣の乙女の声がかけられる。

 

「あなた。ありがとう、ございます……」

 

 ジブリールが振り向くと、彼女は嬉し涙を流しながら礼を言った。

 彼が笑みを浮かべて「気にするな」と言うと、二人の愛娘が「きゃっ!」と笑いながら父親へと手を伸ばした。

 剣の乙女はそんな娘の動作に笑みを向け、「わたくしは両手が塞がっていますから」と可笑しそうに苦笑を漏らす。

 ジブリールはつられて苦笑すると、妻と愛娘を纏めて抱き寄せた。

「にゃーっ!」と嬉しそうに笑う娘の声と、抑えられずにこぼれた両親の笑い声が混ざりあい、一つの大きな笑い声へと変わる、

 その声は天上から見守る神々にまで届き、彼らさえも笑顔にさせた。

 

 

 

 

 これはあり得たかもしれない物語。

 

 世界を救った英雄たちが愛し合い、結ばれ、次の世代を育む。

 

 本来の物語とは別の形でジブリールが平穏を掴んだ、また別の結末(グッドエンド)

 

 本来の物語とは別の、新たな英雄(こども)たちが産まれる物語だ。

 

 




剣の乙女編、とりあえずの完結。

このルートの場合、ローグハンターは影から民衆を守るアサシンではなく、表立って秩序を守る聖騎士になります。
そう言う意味では元祖テンプラーに回帰した感じ?

全ては妻を、家族を守るため。
その為なら彼は、アサシンだろうが騎士だろうが、何にでもなるのです。


感想等ありましたら、よろしくお願いします。



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Memory?? 兄妹 ①

アンケート二位、勇者編。

アンケートに載せたものの、何をどうしたら彼女のルートに入るのかが全くわからなくて大いに苦戦することに……。
他のアンケートキャラは『銀髪武闘家がいない』という明確な分岐条件があるのに、この二人はどう転んでも兄妹だからなぁ……。


とりあえず、絞り出した答えがこれ。

時系列はSequence12-17の直後。
仕事の都合で長いこと兄に会えなかった事と、一時的とはいえ兄に忘れられた事が重なった結果、吹っ切れちゃった勇者ちゃんの話。

剣の乙女同様、前後編を予定。


 辺境の街、眠る狐亭。

 西の辺境でも指折りの宿屋の一室は、辺境の治安維持に大いに貢献している冒険者──ならず者殺し(ローグハンター)の拠点として使われているのは有名な話だ。

 浮いた話は皆無で、仕事が恋人なのではと噂される彼の部屋に、一人の女性──いや、まだ少女と呼んで良い小さな人影があった。

 纏っていたであろう鎧は既に脱いでおり、愛用の寝巻きで薄い身体を隠して、部屋に一つだけのベッドに腰をかけている。

 幾度となく世界を救い、おそらくその名は世界に残る事だろう、まさしく勇者その人だった。

 ベッドに腰かけてぷらぷらと足を振る彼女の隣、彼の兄たるローグハンターは、横目で彼女に目を向けていた。

 別に妹と一緒に寝たことはあったし、何なら水浴びの為にお互いに裸になった事もある。

 

 ──どれも十年近く前の話だが。

 

 かつては力を入れずとも軽く持ち上げられた彼女も、今では少し力を要するだろう。

 立派に成長してくれたのは喜ばしい事だし、兄としても誇らしく思うのだが。

 ローグハンターは小さくため息を漏らすと、不意に勇者が「ねぇ、お兄ちゃん」と声をかけた。

 

「どうした」

 

「お兄ちゃんってさ、女の人と仲いいよね」

 

 何を意図した問いなのかわからない彼は、「そうか?」と首を傾げた。

「うん」と勇者は頷くと、指折りで人数を数え始める。

 

「あの受付さんと、大司教様と、あと剣聖に、魔女さんに騎士さんでしょ?」

 

「賢者は微妙かな~」と彼女は数えるのを止めると、ローグハンターは「魔女と騎士は同僚だからな」と僅かに訂正を入れた。

 兄の指摘に構うことなく、勇者は「それでさ」とずいっと彼の方へと身を乗り出した。

 急に近づいてきた妹の顔に多少なりとも狼狽えつつ、ローグハンターは「なんだ」と問いを受け止める姿勢を取る。

 

「お兄ちゃんって、恋人とかいるの?」

 

「いない」

 

 即答である。目を閉じて肩を竦めるという、むしろ自慢しているかのような声音で、この男は彼女いない歴=年齢であることを即答したのだ。

「そもそも興味もないんだが」と彼は付け足すと、「その質問には何の意味がある?」と勇者の方に向き直った。

 瞬間、信じられないものを見たかのように目を見開き、身体を強張らせた。

 彼の視線の先にいるのは勇者ただ一人。けれどその表情には妖しげな笑みが貼り付いて、瞳からは光が消えている。

 ローグハンターの第六感が目の前に危機に警鐘を鳴らすが、身体が言うことを聞かない。

 一刻も早くこの場を離れたいのに、何かに掴まれたように身体が動かないのだ。

 ローグハンターの額に冷や汗が流れていく中で、勇者が立ち上がり、彼の正面へと立った。

 窓から差し込む月明かりの影になり、彼女の表情を伺えないローグハンターは、「ど、どうした?」と僅かに震える声を漏らす。

 勇者は「えへへ」といつも通りの笑い声を溢すと、「えい!」と可愛らしい掛け声と共に彼の胸に飛び付き、そのままベッドに押し倒した。

 ぼふっ!と音をたててベッドに倒れたローグハンターは、瞬きを繰り返して視線を自分の胸へと下げた。

 同時に体勢を整えた勇者が彼の上に馬乗りになり、ぐいっと兄の顔に自分の顔を寄せた。

 お互いの鼻が触れあうほどの距離感にローグハンターが狼狽え、僅かに目を逸らす中で、勇者はにこにこと上機嫌に笑いながら彼へと告げる。

 

「お兄ちゃん、恋人いないんだ。そっか、ならさ」

 

 ──ぼくが立候補しても、良いよね?

 

 彼女の言葉を受けたローグハンターは、その言葉を理解するのに時間を要し、「──はっ!?」と思わず間の抜けた声を漏らした。

 慌てながらも彼女の肩を掴んで押し返したローグハンターは、説得を試みようと脳内に絞り出した言葉を舌に乗せる。

 

「いや、待て!俺とお前は──」

 

「兄妹だよ?うん、わかってる」

 

「なら──」

 

「でも、お兄ちゃん、ぼくのこと忘れちゃったじゃん」

 

「……っ!」

 

 だが、今回ばかりは勇者の方が上手だった。

 ローグハンターの言葉を悉く潰した彼女は、最後に特大の爆弾を投げつけることで彼の反論を封殺した。

 そう、彼は度重なる無茶と、かつて来たりしもの(外から来た神)からの攻撃が合わさり、記憶障害を起こしたのだ。

 そこを起点に攻められてしまうと、今の彼はかなり脆い。

 たじろぐローグハンターの姿に、ここが攻め時と判断した勇者は、素早く言葉を紡ぎ始める。

 

「あいつ倒して思い出してくれたから良かったけど、すごく不安だったんだよ?ぼくのこと、このままずっと忘れたままなんじゃないかって。今度は、全部忘れちゃうんじゃないかって」

 

「不安で不安で仕方なくて、それでもお兄ちゃんに死んで欲しくないから頑張ったけど、やっぱり不安でおかしくなりそうで」

 

 少しずつ語気を強めながら言葉を続ける彼女は不意に言葉を止めて、「だから、ね」とローグハンターに言い聞かせるように首を傾げた。

 

「ぼく、思ったんだ。妹よりも大事なものになればいいんだって」

 

「何を──」

 

 彼女の言葉に反論しようとしたが、勇者が彼の口に指を当てて言葉を遮った。

 そして首を横に振りながら、僅かに影が射した笑みを彼へと向ける。

 今にも壊れてしまいそうな儚げな笑みを、あの勇者が浮かべたのだ。

 ローグハンターが悲痛な表情を浮かべるのと同時に、勇者は彼の口元の傷痕に指を這わせた。

 柔らかな唇とも、僅かに髭の固さがある頬とも違う、大きな傷痕だからこその変な感触。

 その指はやがて、彼女の失敗のせいでついた、本来なら致命傷である筈の首もとの傷に触れた。

 

「ねぇ、お兄ちゃん……」

 

 彼女は愛する兄の事を呼んで、そっと顔を寄せた。

 

「ぼくがちっちゃい頃に言ったこと、覚えてる?」

 

「……?色々あったが、大体のことは覚えてるぞ」

 

「じゃあ、覚えてるかな?」

 

 勇者は不安そうにそう言うと、彼の胸に頬を寄せながら言う。

 

「『ぼくが大人になってもお兄ちゃんに好きな人がいなかったら、ぼくがお嫁さんになってあげる』って言ったんだよ?」

 

「……っ!」

 

 彼女の言葉にローグハンターは眉を寄せ、素早く彼女と過ごした数ヶ月分の記憶を引っ張り出す。

 いつだ。いつだ。と記憶を漁るが、如何せん欠如としたものを再び思い出したものだ。順番も滅茶苦茶で、肝心の言葉を言われたタイミングが見つからない。

 そんな彼を他所に勇者は彼の耳元に顔を寄せ、囁くように告げる。

 

「──だから、約束守ってあげる」

 

 何度となく言った言葉を、最愛の兄への決別の言葉として。

 

「──大好きだよ」

 

 妹としてではなく一人の女として、兄ではなく一人の男に向き合う覚悟を、言葉に込めて。

 もう元の関係には戻れないかもしれないという恐怖を押し殺し、それでも無意識に揺るえてしまう声で、そう告げたのだ。

 ローグハンターは彼女の表情を見てられず、ぎゅっと目を閉じた。

 彼女をここまで追い込んだのは自分で、彼女の心に傷を負わせたのも自分だ。

 

 ──また、こいつに笑顔が戻るなら……。

 

 ローグハンターはゆっくりと目を開けると、そっと勇者を抱き寄せた。

 最愛なる妹の温もりを感じながら、彼は覚悟を決める。

 これからは兄妹ではなく、男女として、彼女に向き合う時なのだ。

 お互いにもう大人。いい加減、曖昧な答えは止めにしよう。

 

「──俺も、大好きだ」

 

 最愛なる女性(いもうと)に向けて、彼は偽らずに本音を口にした。

 

 

 

 

 

「んっ。ちゅ……。あむ……」

 

 ローグハンターと勇者はお互いに裸となり、口付けを交わしていた。

 小柄な勇者をベッドに転がし、その上に覆い被さる形になったローグハンターは、逃げる様子を見せない彼女にひたすら口付けをしているのだ。

 彼女の小さな唇を甘噛みし、舌先で歯をついてやる度に、彼女の肩がピクピクと震え、隙間から声が漏れる。

 

「んふっ……。あっ……。んぅ……!」

 

 彼女の声に僅かに苦悶の色が混ざり始めると、ローグハンターは顔を離した。

 途端に遠くなった彼の顔を見つめた勇者は、へにゃりと蕩けた笑みを彼へと向けた。

 その笑みに微笑を返したローグハンターは、彼女のだらしなく緩んだ頬を撫で、その手を少しずつ下へと下げていった。

 顎をくすぐるように撫でてやり、容易く折れてしまいそうな細い首を撫で、武骨な手で彼女の薄い胸へと触れた。

 僅かに膨らんでいる程度の胸に指を沈めて、くすぐるように指を這わせる。

 

「ひぅっ!ん……っ」

 

 ただ触れられた程度。けれどその手が愛する彼のものとわかっていると、否応なしに身体は反応してしまう。

 勇者は胸を中心に広がる安堵にも似た感覚に眉を寄せて、悩ましそうに息を吐く。

 兄に頭を撫でられている感覚と似て非なる感覚に、緊張していた身体が緩んでいく。

 

「んっ!あぁ……、んんっ……。ね、ねぇ?」

 

「なんだ?」

 

「んぁっ!大きい方がっ、好き……?」

 

「別に好みはないが」

 

「でも、男の人ってぇ!」

 

 だが、それとは別に感じる感覚に喘ぎながら問うと、ローグハンターは僅かに不満げに眉を寄せて彼女の胸を思い切り揉んだ。

 

「ひぅ!」

 

 ローグハンターの回りにいる人と比べ、彼女の胸は小さい。

 それは一女性として彼女のコンプレックスであり、長いこと悩ませている問題だ。

 だがローグハンターは気にも止めずに彼女の胸に触れて、ピンと勃った乳首に触れた。

 指と指の間に挟み、こねるように指を擦り合わせる。

 

「ひゃ!」

 

「別に俺は大きさは気にしないぞ」

 

 彼はそう告げながら彼女の慎ましい胸を揉み、綺麗な桃色の乳首を弄る。

 柔らかな快感が、突然鋭いものに変わり、全身に流れていた痺れが途端に強いものに。

 

「ひぅ!あっ!知らない!なに、これ!?」

 

「気持ちいい、じゃあないのか?」

 

「ふぁ!?ひぅ!気持ち、いいっ……?」

 

「多分な」

 

 乳首を擦る度に身体を跳ねさせながら首を傾げる彼女を他所に、ローグハンターは冷静だった。

 相手は間違いなく、こんな事をするのは初めてだ。それは自分とて同じことなのだが、年上としてリードしてやらねばならない。

 

「それで、どうだ」

 

「んぁっ!なんだが、ふわふわする……っ!」

 

「そうか」

 

 ひんひんと喘ぐ彼女の言葉に頷いた彼は一度胸への責めを止め、目の前の女の気配を前に勃起した己の分身を持ち上げる。

 それを小柄な勇者の腹の上に乗せてやると、彼女は目を真ん丸に見開いて、頬に冷や汗を流した。

 

「そ、そんなの、入るの……?」

 

「ど、どうだろうな……」

 

 勇者も相当焦っているのだが、それはローグハンターも同じ事。

 並のそれよりも大きな逸物は、彼女の股からへその辺りまで届いている。

 そんなものを胎内に()れるとなると、流石の勇者とて怪我では済まない気がする。

 ローグハンターは数瞬迷うと、目を細めて考えを纏める。

 

「とりあえず、解してみるか」

 

「え……?」

 

 彼が清々しいまでの笑みを浮かべて言うと、いまだに彼の逸物に怯える勇者は気の抜けた声を漏らし、小さく首を傾げた。

 

 

 

 

 

「あぎっ!んぁ!いいっ!だ、だめぇ!こ、こりぇ、いいぃぃぃっ!!」

 

 宿屋の一室に、勇者の嬌声だけが響く。

 今の彼女は背後からローグハンターに抱かれる体勢となっており、無理やり開かれた足は彼の足に押さえつけられ、自力で閉じることが出来ない。

 ぴたりと閉じていた彼女の秘部にはローグハンターの指が押し込まれ、初めての異物感に締め付ける膣肉を、ぐちゃぐちゃと音をたてて弄られているのだ。

 いや、膣肉だけではない。他の指ではピンと勃ったクリトリスを、もう片方の手では先ほど以上にぷくりと膨らんだ乳首を責めている。

 

「あぎっ!ぎいぃ!あたま、ちかちかするぅ!な、なにこりぇぇえええ!?」

 

「気持ちいいか?」

 

 ビクンビクンと身体を跳ねさせる彼女の耳元で、ローグハンターは囁くように問うた。

 問われた彼女は、かまりの快感に涙を流しながら、何度も頷いて答える。

 

「きもちいいっ!きもちいいよぉっ!」

 

「なら良いんだが」

 

 彼は微笑混じりにそう言うと、両手の動きを更に激しくさせた。

 膣肉を掻き回すように指を動かし、クリトリスを指で弾き、乳首をこねるように指の腹で転がす。

 

「んぁ!?いいいっ!?なにか、くりゅ!きてりゅ!なに、これぇ!?こわいっ!こわいよぉ!」

 

 ビクビクと小刻みに身体を痙攣させて、彼女は未知の感覚に僅かに恐怖して目を見開くと、ローグハンターは彼女の小さな身体を優しく抱き寄せた。

 

「俺はここにいるから、大丈夫だ」

 

「んひぃ!あっ!ああっ!?くる!くりゅ!んぃっ!んひぃぃぃいいいいいっ!」

 

 ローグハンターの声と温もりが合図となり、彼女は絶頂を迎えた。

 ぴったりと閉じていた秘部からは潮が吹き出し、開かれた口からは酸素を求めて舌が伸びる。

 人生において初めての絶頂を体験した彼女だが、ローグハンターの責めは止まらない。

 絶頂して痙攣を繰り返す膣肉を、彼の武骨で岩のように硬い指が擦り続けるのだ。

 

「ひぁ!?まっへ、おかひくなりゅ!あたまのなか、まっしろにぃぃいいいいいっ!!」

 

 甲高い嬌声をあげながら、勇者は再び絶頂を迎える。

 だが、ローグハンターは止まらない。

 膣肉を掻くように責める指とは別に、クリトリスを押し潰す指もまた激しさを増して、彼女の身体と指の腹で挟んだそれを、転がすように責める。

 

「んひぃ!あっ!ひゃ!?だめっ!これ、ほんとにっ!んぁ!?」

 

 絶頂に絶頂を重ね、さらに強い絶頂を味わわせる。

 無意識に動く腰は彼の指から逃げようとしているのか、あるいな更なる快感を求めているのか、それは彼女にすらわからない。

 吹き出した潮と漏れ続ける愛液を潤滑油変わりに、ローグハンターの指がさらに奥へと入り込んだ。

 そして指に吸い付くように蠢く膣肉とは別の、少しざらついた感触のある部分を見つけると、指の腹で撫でてやる。

 

「っ!!!???」

 

 軽く一撫でされた程度。それでも絶頂を迎えて敏感となっていた彼女には、強烈な刺激だった事は間違いない。

 彼女は声もなく目を見開くと、

 

「にゃああああああああっ!!!??」

 

 ガクガクと腰を震わせて、先ほど以上の嬌声をあげながら、最後の絶叫を迎える。

 ローグハンターに開かれた足が爪先までピンと伸びきり、見開かれた瞳からは涙が流れ、吹き出した潮で彼の指とシーツが濡れていく。

 

「あっ……はっ……んっ……」

 

 ローグハンターの指が抜けると共に、ようやく絶頂が治まった勇者は、焦点のずれた瞳で天井を見上げながら、絶頂の余韻に身体を震わせる。

 思考がふわふわとしていて纏まらず、機敏な動きを可能とする手足にも力が入らず、呼吸も落ち着かない。

 このまま寝てしまいたいほどの疲労感があるが、不意に背中に感じていた温もりがなくなったことに気付く。

 

「んぅ……?」

 

 ゆらりとどうにか振り向いた時にはもう遅く、彼女は彼の手でゆっくりとベッドに寝かされ、開いたまま閉じれない股の間に、彼の体が納まる。

 勃起して子供の腕ほどありそうな程の太さを持った逸物は、痛々しいまでに血管が浮かび上がり、彼女の恥態を見ていた為か、亀頭は先走り汁で濡れている。

 彼はぴたりと閉じてしまったを秘裂を開き、そこに亀頭を添えた。

 

「んっ……!」

 

 くちゅりと音をたてて僅かに亀頭が埋まると、勇者の肩がピクリと跳ねた。

 そして蕩けた思考のままローグハンターに目を向けて、彼の蒼い瞳に視線を合わせた。

 二人の間に言葉はない。ただ頷きあい、微笑みを交換するだけだ。

 そして、ローグハンターは腰を前へと突き出し始めた。

 先走り汁と愛液を潤滑油に指で解された膣肉を掻き分け、彼女の下腹部が逸物の形に僅かに膨らむほどの圧力を持って、子宮を目指して突き進む。

 

「んっ!あぁ、ふぅ……っ!んぁ!」

 

 ピクピクと肩を震わせて、彼女の口から嬌声が漏れる。

 そこに苦悶の色がないのは、一重に絶頂のしすぎで身体が敏感になりすぎたからだろう。

 ゆっくりと子宮を目指して突き進む中で、亀頭が何かに触れた。

 同時に膣肉が逸物を止めようと引き締まり、ひだが蠢いて彼のものを扱く。

 子宮に当たるには早すぎる。つまり、それは彼女の処女膜なのだろう。

 ローグハンターは一度深呼吸をして、勇者の顔を覗きこんだ。

 いまだに快感に蕩けている表情で、おそらく現状を理解しきれてもいないだろう。

 

 ──いや、その方がいい。

 

 ローグハンターは目を細めながら断じた。

 処女を散らす時、それは激しい痛みを伴うと聞く。自分は男だから知りようもないし、知る術すらない。

 世界広しと言えど、相手の性別を変える術はないだろう。ない、筈だ……。

 ともかく、曖昧な意識のまま行ってしまった方が、勇者も楽だろう。

 彼女がどう思うかは知らない、文字通りの自己中心的な考えではあるが、彼に迷いはない。

 静かに「いくぞ」と告げて、最後の一突きを渾身の力で持って叩きつけた。

 ぶちっ!と何かが千切れるような音が僅かに漏れると、勇者は一瞬表情を歪めるが、亀頭が子宮口を殴り、容易く子宮を押し潰した瞬間、また表情が蕩け始めた。

 きゅんきゅんと膣肉が逸物を締め付けて、子宮口がキスをするように亀頭に吸い付き、勇者の身体は細かく痙攣を繰り返す。

 

「ひっ……あっ……ん……っ!」

 

 ローグハンターは快感で揺れる彼女の腰を押さえつけ、ゆっくりと腰を振り始めた。

 入り口だけではなく膣肉全体を解すように、優しく丁寧に、一突き一突きをゆっくりと。

 

「あっ!ひんっ!あっ!ぁんっ!」

 

 一定のリズムで腰を振り、結合部からは掻き出された破瓜の血が零れ、彼女の臀部に赤い線をつける。

 

「ひん!あっ!あふっ!んぁ!」

 

 パンパンとお互いの腰がぶつかる音が鼓膜を揺らす度に、勇者の嬌声がローグハンターの耳にも届き、背筋にぞわぞわとしたくすぐったさを覚えさせる。

 その原因は何なのかはわからないが、不意に勇者の声がローグハンターに届いた。

 

「ひゃ!すごっ、いいっ!あたまのなか、ふわふわしてぇっ!ぼく、とんでいっちゃうぅっ!」

 

「なら、しっかり掴まっておけ」

 

「」

 

 勇者は蕩けた表情もまま頷くと、ローグハンターの首に腕を回した。

 ぎゅっと身体を密着させて、彼に比べて一回りも二回りも小柄な身体で、彼の体温を感じ取る。

 それと同時に、突然膣肉の締めが良くなった。

 ローグハンターが「くっ」と小さく唸り、それを振り切るように腰の動きを強くすると、勇者の表情がさらに蕩けていく。

 

「ふぁ!あんっ!なに、これぇ……!おなかのなかっ、ぽかぽかしてっ!すごい、すごいのぉ……!」

 

「ああ!おまえの膣内(なか)、熱々だよっ!」

 

 ローグハンターは額に汗を浮かべながらそう言うと、さらに強く腰を振り始めた。

 先ほどでは加減していたが、少しばかり加減を忘れてもいい頃合いだろうと判断したのだ。

 突然激しさを増し始めた感覚に、勇者は「ひゃ!?」と悲鳴をあげるが、より強く彼を抱き締める事で恐怖を和らげる。

 

「んぁっ!ひぅ!あん!あん!あひ!」

 

 突く度突く度、勇者は可愛らしい嬌声を漏らし、ぎゅっとローグハンターを抱き締める。

 だが彼の体温を強よく感じれば感じる程、彼女の身体は興奮し、膣肉がさらに敏感になっていく。

 

「あぎっ!んあ!?ひぅ!ひん!やっ、あんっ!また、きた!せなか、ぞわぞわしてきたぁ!」

 

「我慢、しなくて、いいぞっ!」

 

 絶頂が近いのか痙攣を始めた膣肉を掻き回しながら、ローグハンターはそう告げた。

 もっとも彼も限界が近く、逸物を昇っていく熱い感覚に歯を食い縛る。

 解放の時はまだだと自分に言い聞かせ、呼吸を短く速くする事で無理やり抑え込んでいるのだ。

 

「んぁ!?ひんっ!ひぁん!そっちもっ!あん!がまんんっ!しなくてっ、いいからぁ!」

 

 嬌声混じりに告げられた言葉にローグハンターは小さく頷くが、それでも解放することはなくひたすら腰を振るう。

 パンパンと腰同士がぶつかる乾いた音が、ぐちゃぐちゃと結合部から漏れる湿った音に上書きされ始めると、不意に勇者が口を開く。

 

「ひぅ!きたっ!きた!ぞわぞわ、もうがまんできないぃぃぃ!」

 

「くっ、おお……」

 

 彼女の発言と共に膣肉が激しく痙攣し、根本まで入り込んだ彼の逸物を扱きあげる。

 ローグハンターはそろそろ我慢の限界だと判断し、逸物を抜こうとした瞬間、

 

「きもちいいっ!きもちいいよぉ!()()()()()()!!」

 

 勇者の発言で、ローグハンターの意識に一瞬の空白が生まれた。

 何て事はない。あまりに強い快感に、抑えようとしていた本音が零れてしまっただけのこと。

 だがその一言はローグハンターに隙をついた、見事なまでの一突き(クリティカル)で、彼の意識を刹那的な時間だがテイシサセタのだ。

 そして、その刹那的な時間さえも命取りなのは、ローグハンターを含めた誰よりも知っている事実に過ぎない。

 抑えるものを失った彼の逸物が我慢の限界を迎え、溜めに溜めていたものを解放したのだ。

 

 ──それも、愛する彼女(いもうと)の子宮に向けて。

 

「──っ!ひにゃぁぁあああああああああああ!!!」

 

 どろりとした謎の液体を胎内に注ぎ込まれた勇者は悲鳴をあげて、首をぶんぶんと振り回す。

 

「あつい!あついぃぃ!なにこれ、こんなの、しらにゃいぃぃぃいいいいい!!!」

 

 ビクンビクンと腰を跳ねさせながら、勇者は子宮を満たす熱い液体──ローグハンター(血の繋がらない兄)の精液が与える熱と、同時に絶頂を迎えるほどの快感に目を剥いた。

 

「んやぁ!あつい!ひやぁ!?でも、きもちいいっ!なにこれぇ!?」

 

 絶頂に身を震わせ、嬌声をあげながら、彼女はいやいやと首を振り、助けを求めるようにローグハンターを掴む手の爪を立てた。

 

「っ!?」

 

 突然の痛みに吐精の感覚に浸っていたローグハンターはハッとして身体を起こすと、慌てて彼女の秘部から吐精中の逸物を抜いた。

 

「ひゃ!?ひにゃああああああああああああっ!」

 

 だが、今の勇者にはそれはあまりにも軽率だった。

 絶頂を迎えたばかりの彼女の膣肉は敏感であり、勢い任せに引き抜いたため、引き締まっていた膣肉を、かりが一気に掻き回したのだ。

 つまり彼女は更なる絶頂を迎え、悲鳴にも似た喘ぎ声と共に、秘部からは精液で白く濁った潮を吹き出す。

 同時に秘部から抜けた逸物はその勢いのままに、絶頂に喘ぐ彼女に精液を振りかけた。

 

「ひゃああああああああああっ!!!」

 

 全身の肌越しに感じる精液の熱と、胎内に感じる精液の熱、そして強烈なまでの快感と倦怠感。

 勇者がこの日の最後に感じたのは、その四つだった。

 彼女がそれらを感じたのを最後に、彼女の意識は暗闇に沈み、そのまま眠りに落ちたからだ。

 眠りに落ちる間際に、愛する兄の声が聞こえた気もするが、今の彼女にはそれを理解する余裕はなかった。

 

 ──これ、癖になりそう……。

 

 人生において初めての快感があまりにも強烈で、なによりそれをくれたのが兄という事実が、彼女にこれ以上ないほどの多幸感を与え、ただその事しか考えられないからだ。

 結局何やら言っているローグハンターの言葉は彼女には届かず、彼女はそのまま眠りに落ちた。

 かつてないほど取り乱した、愛する兄をそのままに。

 

 

 

 

 

 翌朝、勇者は何やら物音を感じて目を覚ました。

 ボヤける視界が鬱陶しくて目を擦り、ぱちぱちと瞬きを繰り返す。

 昨晩の疲労はとうに回復しているし、むしろ体調は絶好調といっていいほどだ。

 

「……起きたか」

 

 そうやってボケッと天井を見上げていた勇者に、ローグハンターの声が届いた。

 酷く疲弊しているような声が心配になり、彼女は弾かれるようにして彼の方へと顔を向けた。

 彼はベッド脇の椅子に腰掛け、心配そうにじっと彼女の顔を見つめているのだ。

 

「……お兄ちゃん?」

 

「はぁ……」

 

 何かついているのかと顔に触れながら、いつも通りに呼んでみると、彼は盛大なため息を溢した。

 

「兄妹なのに、あんなことを……」

 

 ローグハンターは頭を抱えて項垂れると、再び盛大なため息を漏らす。

 彼の言葉を僅かに間をおいて理解した勇者は「なるほどね」と苦笑混じりに頷くと、振り上げた足の勢いを利用してひょいと身体を起こした。

 そして項垂れる彼の頭を薄い胸に抱いてやりながら、優しく頭を撫でてやる。

 

「いいじゃん別に、大好きなのは違いないんだし」

 

「そうだ。そうだが」

 

 大好きだという部分は否定せず、けれどローグハンターは不満そうに眉を寄せた。

 胸に抱いている以上顔は見えないのだが、きっとそんな顔をしているに違いないと、勇者は笑った。

 

「だから、さ」

 

 彼女はそう言って彼の頭を解放すると、頬に手を添えて顔を上げさせた。

 いつも通りの蒼い瞳に自分の姿を映し、勇者は太陽のような笑みを浮かべた。

 

「これからもよろしくね、お兄ちゃん?」

 

 彼女はそう言うと、反論は許さないと言わんばかりに彼の唇を奪った。

 ローグハンターは瞬きを数度すると、諦めたように肩を竦めて目を閉じた。

 お互いにお互いの体温を感じながら、窓から差し込む朝日を背に、二人の影は一つになっていた。

 

 

 

 




感想等ありましたら、よろしくお願いします。


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Memory?? 兄妹 ②

勇者編②

前話から数年後。
銀髪武闘家と剣の乙女とのフラグが立っていないため、アサシンにも指導者にもならず、聖騎士にもなっていない。

辺境の街の辺りで後輩たちを構いつつ、のんびりと毎日を生き(ならず者を殺して回っ)ている。


 夕焼けに照らされた辺境の街。眠る狐亭。

 ローグハンターの拠点とされている一室で、彼は久しぶりの危機に陥っていた。

 

「あははっ!久しぶりだね、お兄ちゃん?」

 

 部屋に待ち構えていた勇者が自分をベッドに押し倒し、いつの間にか裸になっているからだ。

 休日だったから油断したとか、気配を感じられなかったとか、そもそも鍵を締めていた筈なんだがとか、不意打ちを貰った理由は色々あるが、とりあえず後悔をするのは後だ。

 自身に馬乗りになる勇者は、過去にないほどに妖艶な笑みを浮かべ、爛々と輝く瞳には情欲の炎が揺れているのだ。彼女をどうにかせねば考えられまい。

 

「本当に、久しぶりだな……」

 

 とりあえず彼女の言葉に返してやった彼は、そっと視線のみを動かして彼女の裸体に目を向けた。

 彼女を初めて抱いてから数年。彼女の顔からは幼さが消え、薄かった胸には確かな膨らみがあり、すらりと伸びた足には程よく肉がつき、それを支える臀部もまた同じ。

 彼女のより女性らしくなった肉体にローグハンターが魅入り、思わず生唾を飲み込むと、勇者は妖艶な笑みを深めて彼の首もとに顔を寄せた。

 すんすんと鼻で呼吸をして、僅かに汗の香りがする兄の臭いを肺一杯に吸い込み、ぴろりと舌を這わせた。

 僅かに感じる汗の味に目を細めて、もっと味わおうと舌を動かす。

 舐める度に感じる彼の味と、僅かに漏れる彼の唸り声が彼女の興奮を誘い、何もされていないのに子宮が疼く。

 

「あっはぁ……。もう無理っ、我慢できない!」

 

 一人興奮する勇者はそう言うと、状況を理解しきれないローグハンターのズボンを降ろした。

 そこから出てきたのは、まだ半勃起状態の逸物だ。過去に何度か彼女を貫いたそれとは比べるまでもない、本調子には程遠い萎えた肉棒。

「むぅ……」と不満げな声を漏らした勇者は、ローグハンターの顔を見つめ、有無を言わさぬ威圧を込めて一言告げる。

 

「──服、脱いで」

 

 単刀直入な彼女の一言とその迫力に、ローグハンターは僅かに怯えながらこくこくと頷いた。

 彼の返答に勇者は嬉しそうに目を細め、一旦彼の上から退いた。

 そして彼が休日故の適当に見繕った平服を脱ぎ、彼女に裸体を晒した瞬間、舌舐めずりした勇者が彼に襲いかかった。

 

 

 

 

 

「じゅる!じゅるる!れろれろれろ!」

 

 彼に襲いかかった勇者は、まず彼の逸物を口に含んだ。

 いまだに勃起しきっていない彼の逸物をくわえ、飴玉を舐めるように彼の亀頭を舌の上で転がす。

 

「くっ、おお……」

 

 彼女が与えてくる甘い快感にローグハンターは小さく唸り、悩ましそうに眉を寄せた。

 彼女が舌を這わせる度に逸物に熱が溜まっていくのがわかり、彼の興奮を表すように、逸物が少しずつ固く、大きく、太くなっていく。

 

「んぐっ!んんっ!れろ、じゅるる!」

 

 口の中で膨らんでいく亀頭に舌を押され、竿で口を抉じ開けられた勇者は僅かに驚きを露にするが、怯まずに舌を動かして、溢れた先走り汁を舐めとり、思い切り啜る。

 

「ぐっ……!」

 

 尿道に溜まっていた先走り汁さえも吸い上げられ、裏筋をペロペロと細かい動きで舐められると、ローグハンターは先ほどよりも熱のこもった声を漏らす。

 亀頭を包む彼女の温もりと、彼女の舌が与える快感が、電撃のように彼の身体を駆け、反射的に肩が揺れる。

 

「んふ……。じゅるるるるる!」

 

 上目遣いで彼の反応を見た勇者は愉快そうに目を細め、そっと自分の手を自分の秘部へと伸ばした。

 感触を確かめる程度に優しく触ってみれば、くちゅりと湿った音が僅かに漏れる。

 

「ん……っ」

 

 勇者は僅かに身動ぎすると、彼の逸物を口で責めながら、自身の秘部を弄り始めた。

 上の口には彼の逸物を、下の口には自分の指をそれぞれくわえ、彼のものを扱く動きに合わせて指を出し入れする。

 

「んっ!ふぅ!じゅる!ふぁ!んんっ!」

 

 ピクピクと肩を揺らしながら彼女は喘ぎ、こぼれた吐息が無防備な彼の逸物に刺激を与える。

 

「くぉ……!」

 

 最近ご無沙汰だった彼の逸物は我慢の仕方を忘れたのか、逸物を登っていく射精感がひるひる内に膨らんでいき、逸物が一回りも二回りも大きくなっていく。

 

「くそっ……、そろそろ……!」

 

 ローグハンターが早くも耐えきれずに欲望を解放しようとすると、勇者が「ぷあっ!」とわざとらしく声を漏らしながら彼の逸物を解放した。

 はぁはぁと肩を揺らして乱れた呼吸を繰り返す勇者は、ニヤリと笑うとにベッドに尻をつき、足を広げた。

 濡れた秘部を見せつけるように指で秘裂を開き、彼へと告げた。

 

射精()すなら、全部ここにちょうだい?」

 

 挑発するように、あるいは求めるように彼女がそう口にすると、ローグハンターはお預けをくらってピクピクと痙攣している己の逸物に目を向け、次いで彼女の秘部へと目を向けた。

 そこはぱくぱくと開閉を繰り返しながら愛液を溢し、納まるべきものを待ち受けている。

 彼は再び生唾を飲むとこくりと頷き、彼女の身体に覆い被さった。

 快感に変わって痛みを感じるまでに勃起した逸物で手で支え、子供の拳ほどありそうな亀頭をひくつく彼女の秘裂に当てる。

 

「んっ」

 

 くちゅりと僅かに音が漏れると共に、勇者が肩が震える。

 目の前にある彼女の顔を見つめながら「大丈夫か」と問うと、彼女は余裕の笑みを浮かべて頷いた。

 ローグハンターはゆっくりと腰を突き出し、濡れた彼女の秘部に逸物を埋めていく。

 

「くっ……あぁ……ふぁっ」

 

 勇者は胎内に侵入してきた異物感に苦しげな表情を浮かべるが、それはすぐに恍惚としたものへと変わり、艶っぽい声を漏らす。

 締まった膣肉を掻き分けられる度に、痺れるような快感が身体を駆け抜け、彼女の表情が蕩け始めた。

 

「ひぅ……あっ……」

 

 彼の逸物に吸い付くようにひだが蠢き、与えられる快感が彼の理性を削り、彼の表情から余裕を奪っていく。

 ローグハンターが眉を寄せて小さく唸ると、勇者は笑みを浮かべて彼を抱き寄せ、耳元で囁く。

 

「思いっきり動いていいよ、お兄ちゃん……」

 

「っ……!」

 

 その一言は、やはりと言うべきか彼を崩す一撃だ。

 彼の理性はぷつんと音をたてて切れ、残るは目の前にいる()に襲いかかるただの()だけだ。

 ローグハンターは獣じみた唸り声をあげると、彼女の細い腰を両腕で掴み、力任せに腰を突き出した。

 パン!と腰同士がぶつかる乾いた音が響いたかと思えば、締めていた膣肉を強引に抉じ開けられ、降りていた子宮口を殴られた勇者は背筋を震わせ、妖艶な笑みを浮かべた。

 

「あはっ!奥まで、入ってきた!これ、これが欲しかったんだ……っ!」

 

 ぐりぐりと子宮口に亀頭を押し付けられる快感に、勇者の身体は悦びを表すように震える。

 彼女の声に背を押され、ローグハンターは彼女の子宮口に的を絞って責め始めた。

 ぐりぐりと子宮を潰すように押し込んだり、あるいは撫でるように腰を回して逸物を滑らせたり、あるいは思い切り突いてみたり。

 

「ひゃん!いいっ!そこいいよぉ!」

 

 その度に勇者は嬌声をあげて、両足で彼の腰に押さえつけ、全身で彼の体温を感じられるように身を寄せる。

 ローグハンターは胸板に感じる柔らかな感覚に目を細め、耳元で響く彼女の嬌声から逃れるように僅かに身を離す。

 

「あん!ひぅ!あっ!」

 

 快感に蕩けた彼女の表情を正面から見つめてやれば、彼女は僅かに恥ずかしそうに頬を赤く染めて僅かに顔を逸らした。

 だが、それさえも今のローグハンターを興奮させる材料であり、彼は迷いなく彼女の頭を手で押さえると、勢いのままに唇を奪った。

 同時に子宮口を責めていた逸物を、かりが出るまで引いてやると、全体重を乗せて彼女の子宮に叩きつける。

 

「んんっ!んぐ!?んんん!んーっ!」

 

 そのまま腰を振り始めると、ごんごんと子宮を殴られる感覚に勇者は目を剥くが、すぐにその感覚さえも快感に変換し彼女の瞳は蕩けていく。

 

「んぐ!んぅ!!んんーっ!」

 

 矢の返しの如く鋭いかりで膣肉を解され、Gスポットを削られ、子宮口が殴られ、子宮が潰される度に彼女は喘ぎ、僅かに開いた口の隙間に舌が捩じ込まれる。

 

「んぁ!?れろれろっ!じゅる!んぐ!?」

 

 無遠慮に突っ込まれた舌に応戦しようとするが、胎内に叩きつけられる衝撃に意識が集中してしまい、彼の舌に一方的な蹂躙を許してしまう。

 快感に伸びきった舌に彼の舌が絡み付き、口内に溜められていた唾液を塗り込まれる。

 

「んふぅ!ん……っ!んん……!」

 

 自身のそれとは別の温もりに包まれた舌は歓喜に打ち震え、勇者の表情もまた悦びに染まっていく。

 

「んんっ!んぐ!れろ!んーっ!じゅる!んぁ!?」

 

 パンパンと音をたてて叩きつけられる快感に浸っていると、彼の逸物が一際強く叩きつけられ、同時に膣肉が痙攣を始めた。

 ローグハンターは本能のままに好機と見るや、腰の動きを大きく強いものから、細かく速いものへと切り替えた。

 かくかくと細かく腰を振り、断続的に彼女の急所を突き続ける。

 

「んひぃ!?んんんっ!んぐ!んぁ!んいぃぃぃっ!」

 

 勇者はビクンビクンと身体を跳ねさせ、封じられた口から嬌声を漏らす。

 それは彼の喉を通って胃に落ちていき、誰にも届くことなく消えていった。

 だがそれが不満だったのか、ローグハンターは何やら不機嫌そうに目を細めて顔を離し、上体を起こした。

 

「んぁ!?ひぎ!おにーちゃん!?まって、こえ、がまんできないぃぃぃぃぃっ!!」

 

 同時に彼女は適当に理由をつけてまたキスをねだるのだが、ローグハンターは黙殺するように亀頭で子宮を殴った。

 度重なる強烈な快感に耐えきれず、彼女が背中を弓なりにしならせながら絶頂を迎えると、彼は更に腰を振るう。

 

「いぎぃ!まへ、まっへ!?おにーちゃ、だめぇ!」

 

 絶頂が治まる事なく責められる彼女はしなる身体を無理やり元に戻して兄の肩を押すが、彼はその程度で止まらない。

 肩を押してきた彼女の手を掴んでベッドに押さえつけ、僅かな怒りを込めて突き出す腰に力を入れる。

 

「んぁ!?ぎいぃっ!まっへ、やすましゃて!イく!イく!またイくからぁ!」

 

 ビクビクと身体を震わせて秘部から潮を吹き出しながら、彼女は更なる絶頂を迎える。

 点滅を繰り返す視界を歯を食い縛る事でどうにか耐えて、彼の腰を捕まえている両足になけなしの力を入れた。

 彼女の引き寄せた力と、彼の突きだすタイミングが完璧に交差し、彼の逸物が凄まじい速度をもって彼女の子宮を殴り付け、押し潰した。

 

「ん゛お゛お゛っ!」

 

 子宮を潰される圧倒感さえ快感に変わり、勇者の口から野太い声が漏れた。

 同時に膣肉が引き締まり、彼の逸物を搾り取らんと激しく蠢いた。

 

「ぐっ……!」

 

 ついにローグハンターも我慢の限界を迎え、押し潰した彼女の子宮に溜めに溜めた精液を吐き出した。

 

「んぎぃいいいいいいいっ!!」

 

 最近発散されることもなかった精液がようやく見つけた出口に殺到し、勇者に子宮の奥を突かれる錯覚を与えるほどの勢いで吹き出す。

 

「あぎっ!んいぃぃぃっ!」

 

 また背中を弓なりにしならせ、軽く白眼を剥きながら絶頂を向けた勇者。

 彼女は背筋をしならせたまま痙攣を繰り返し、伸びきった舌の先からは塗りたくられた彼の唾液が垂れる。

 

「えっ……がっ……あっ……」

 

 ローグハンターの吐精と、勇者の絶頂が治まったのは、数分が経った頃だった。

 勇者はしなっていた背中をベッドに沈め、結合部からは子宮に納まらず、逆流してきた精液がこぼれている。

 

「ん……!あひゅ……っ!へ……」

 

 絶頂の余韻に身体を震わせる彼女を他所に、ローグハンターは物足りなそうに眉を寄せ、彼女の胸に触れた。

 かつては僅かに膨らみがある程度だったその場所も、今では片手にどうにか納まる程の果実が実り、桃色の乳首がピンと勃起して存在感を露にしている。

 彼はもみもみと彼女の胸に揉みながら、指で乳首を弾いた。

 

「ひゃん!」

 

 突然電撃のように全身を駆けた快感に、堪らず勇者が身体を跳ねさせると、ローグハンターはここぞとばかりに乳首を責め始めた。

 指の間に挟んで引っ張ってやったり、指で弾いたり、指の腹で転がしたり、あるいは赤子のように吸い付いてみたり。

 

「あひっ!ひぁ!あん!だめ!そこっ!びんかんっ、だからぁっ!」

 

 ビクビクと乳首を責められる度に身体を揺らし、どうにか兄を止めようとする勇者だが、構わず彼は歯を立てて乳首に噛みつき、思い切り吸い上げた。

 

「ぎひぃっ!んぁ!?だめっ!イく!おっぱいで、イくぅぅぅぅぅぅ!」

 

 同時に彼女は再び絶頂を迎えると、弾かれるように彼の腰に絡んでいた足がピンと伸び、秘部からは精液混じりの潮が吹き出す。

 

「あへぇ……おにー、ちゃん……やすませ、やすませてぇ……」

 

 度重なる絶頂に疲弊した勇者は、はぁはぁと乱れた呼吸を繰り返しながら、変わらず逸物を挿れたままの兄に懇願した。

 彼女が呼吸する度に胸が上下し、潤んだ瞳はいまだに快感に蕩け、言葉の割には膣肉は物欲しそうにきゅんきゅんと締め付けてくる。

 そう言った情報を受け取ったローグハンターは、極上の獲物を前にした肉食獣さながらの笑みを浮かべ、再び彼女の身体に覆い被さった。

 

 

 

 

 

「んぎ!?ぎいぃ!だめ!まへ、まっへぇ!」

 

 勇者の嬌声と共に、パンパンパンパンと肉がぶつかり合う音が部屋に響く。

 ローグハンターに挿れられたまま上下を交換された彼女は、下から突き上げられる快感に喘ぎ続けていた。

 逃げようにも彼の両手で腰を押さえつけられ、ひたすらに快感を叩きつけられるのみ。

 

「んいぃぃぃっ!また、イく!イっちゃう!おにーちゃん、まっへぇ!」

 

 彼女の制止の声は無情にも届くことなく、ローグハンターは二度目の吐精を迎えた。

 

 

 

 

 

「んぁっ!ひぎっ!?んぃぃっ!」

 

 今度はベッドに腰かける彼の上に背中を任せる形で座らされ、突き上げられる度に絶頂を迎えていた。

 彼の手で腰を押さえられているわけではないのだが、今度は片手で胸を、もう片方の手でクリトリスを責められ続け、ひたすらに絶頂を叩きつけられているのだ。

 

「ぎぃ!ぎひぃ!んぎゃ!?」

 

 指で乳首を弾かれ、クリトリスを転がされ、逸物で子宮を貫かれ、彼女は絶頂しては更に絶頂を迎える。

 そしてローグハンターの吐精を合図に、再びの絶頂を迎えた。

 

 

 

 

 

「んっ……あっ……へっ……」

 

 ベッドにうつ伏せに転がされた彼女は伸びをする猫のように腰を持ち上げられ、丸見えになった秘部に逸物を突っ込まれていた。

 度重なる絶頂で意識が混濁し、凄まじい倦怠感で手足はベッドに投げ出され、持ち上がっているのは彼に支えられている腰のみ。

 そこにローグハンターの腰が叩きつけられ、押し出される形で身体が揺れて、シーツに乳首が擦れて更なる快感を彼女に与える。

 

「ひぅ……はっ……ひゅ……」

 

 突かれる度にピクピクと身体を痙攣させ、彼女の膣肉はわななき、彼の逸物を扱きあげた。

 疲労からか先ほどよりもゆったりとした動き故に、彼の逸物は蠢くひだの感触を直に感じ、それを抉るように突いてやれば、勇者は小さな絶頂を繰り返す。

 

「ひぅ!」

 

 ローグハンター三度目の吐精を合図に彼女は絶頂を迎え、ついにその意識を手放した。

 長時間一度も抜かずに続けられた責めに彼女の肉体が限界を迎え、気絶してしまったのだ。

 三度目の射精を迎えたローグハンターは、けれど満足した様子もなく、思い切り腰を引くと、渾身の力を込めて逸物を子宮に叩きつけた。

 

「んぎ!?」

 

 突然叩きつけられた快感に無理やり意識を覚醒させられた彼女は、「はっ、かっ」と肺の空気を吐き出しながら、ちらりと振り向いた。

 そこにいたのは余裕の笑みを浮かべる兄の姿で、纏う雰囲気から彼がまだやる気なのは見ればわかる。

 勇者は力の抜けた笑みをこぼすと、どうにか自力で身体を転がして彼と向かい合う。

 力が入らず震える手を挙げて彼の頬を撫でて、にこりと微笑んだ。

 

「いいよ。最後まで、付き合ってあげる」

 

 彼女の言葉にローグハンターは満面の笑みを浮かべ、彼女の唇を奪った。

 無遠慮に入り込む彼の舌に自身の物を絡めながら、勇者はそっと彼の身体を抱き寄せた。

 時刻は深夜。だが二人が眠る様子はない。

 ただぐちゃぐちゃに溶け合いながら、ひたすらに快楽を貪り続けた──。

 

 

 

 

 

 翌日。昼頃。辺境の街の門前。

 勇者はにこにこと笑いながら、律儀にも見送りに来てくれた兄の手を握った。

 

「よし!それじゃあ、また来るね!」

 

「おう。いつでも来い」

 

 二人して陽が出るまで愛し合ったというのに、不思議とその疲れを表に出す様子はない。

 元々規格外の二人だ。二時間も眠れれば、失った体力を取り戻す程度造作もないのだろう。

 勇者はローグハンターを引き寄せ、彼の身体を抱き寄せると、耳元で言う。

 

「いってきます、お兄ちゃん」

 

「いってらっしゃい」

 

 彼は彼女の身体を抱き返しながら言うと、勇者は彼の温もりを堪能してから名残惜しそうに身体を離した。

 そしてゆっくりと彼の身体から離れると、それを合図にしたように一迅の風が吹き抜ける。

 ローグハンターが思わず目を庇い、風が止むと共に目を開けると、そこには誰もいなかった。

 彼は辺りを見渡して消えていった妹の姿を探すが、相変わらず神出鬼没の彼女を見つける事は出来ない。

 いい加減諦めた彼は小さく肩を竦めると、静かに目を閉じて胸に手を当てた。

 世界の命運を懸けて戦う彼女に、回りから歪だと言われようと、仮初めだろうと安らぎが与えられるなら──。

 

「──お前に安全と平和を」

 

 せめて祈る。彼女の無事を、彼女の未来を。

 彼女の兄として、彼女の恋人として、彼はただ静かに祈りを捧げた。

 

 

 

 




感想等ありましたら、よろしくお願いします。

次回は受付嬢編を予定。


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Memory?? 待つ者と帰る者 ①

アンケート三位、受付嬢編①。

分岐条件はローグハンターが銀髪武闘家に出会っておらず、彼が剣の乙女と出合う前に想いを告げること。

時期的には、ローグハンターが銀等級にあがってちょっとしたくらい。


 月光に照らされる辺境の街の一角。

 いわゆる住宅地にある家屋の三階に、一人の女性がいた。

 纏う衣装は冒険者ギルド職員のそれで、纏う雰囲気もまたギルド職員特有のお堅いもの──。

 

「はぅぅ……」

 

 にはほど遠く、恋する乙女のような表情を浮かべ、部屋の机に突っ伏していた。

 三つ編みに纏めた淡い茶色の髪が彼女の頬を撫でて、何だか励ませているような錯覚を覚える。

 そんな事を思うまでに追い詰められた彼女──受付嬢は、大きめのため息を吐いて頭を抱えた。

 

「なんで私、あんなことを……」

 

 思い出されるのは今日の昼過ぎ。

 日を跨いでの仕事から帰って来たローグハンターの報酬の金貨入れに、一枚の紙片を混入させたのだ。

 彼は受け取った瞬間に何かに気付いていたようだが口には出さず、無言で袋を懐に入れてはいたけれど。

 

 ──自分から誘うなんて、ふしだらな女だって思われますよね……。

 

 受付嬢は枕代わりの腕に口を押し付けながら唸ると、がばっと顔をあげた。

 彼が来てくれるかはわからないし、いつ来るかもわからない。

 でも、せめて。

 

「着替えくらいしておかないと」

 

 と言って、彼女はハッとして自身の胸に触れた。

 今日の下着は、言ってしまえば動き易さを重視した飾り気のないもの。

 着替えは大事だが、何より下着を大切だ。彼の友人たる妖精弓手にと言ったではないか、いつか来る見せる時に備えろと。

 彼女は慌てて制服を脱ぎ捨てて下着姿になると、いわゆる勝負下着なるものに変える。

 どうせ人目はないのだ。ほんの一瞬裸になる程度なんだ。

 

「よ、よし……!」

 

 手早く下着を履き替えた彼女は謎の達成感に胸を撫で下ろすと、下着姿のままベッドに腰かけた。

 

「……」

 

 そのまま正面にある姿見に映る自分の姿を見つめながら、ふと感慨にふけった。

 それなりの立場にある家に産まれはしたものの、親の権威で出世するのも何か違うと、一人家を飛び出してギルド職員になった。

 それから七年ほど経ち、多くの後輩たちを抱え、冒険者を斡旋し、仕事を相手に添い遂げるかと覚悟を決めかけた自分が、今、こうして愛する人を待っている。

 

「ふふ……」

 

 思わず微笑みをこぼした彼女は、それなりに肉付きのいい足を組んでみた。

 あの魔女のような妖艶さはないが、彼が相手ならそれなりに堪える筈だ。多分。

 

 ──でも、あの人は狼狽えなさそうですね……。

 

 そこまで思いはしたものの、すぐに持ち直す彼の姿を思い描いて苦笑を漏らした。

 そうしてまた足を組み直した瞬間、窓の方からガタン!と聞き慣れない音が漏れた。

 

「ん?」

 

 突然の騒音に受付嬢は窓の方に目を向けると、そこにいた何者かと視線が交差した。

 窓の下から顔を出した何者かは目深くフードを被り、フードの陰の奥には蒼い瞳が揺れている。

 二人の視線が交錯すること数秒。窓から彼女を覗いていた何者かは、気まずそうに視線を剃らし、ゆっくりと窓枠の下へと顔を引っ込めた。

 

「──」

 

 僅かに思考停止に陥っていた受付嬢は状況を理解すると、

 

「ま、待ってください!」

 

 慌てて窓に駆け寄り、豪快に窓を押し開けた。

 窓を開いた勢いのままに下を覗き込むと、気まずそうにこちらを見上げてくる何者か──ローグハンターに声をかける。

 

「な、何で窓から来るんですか!?」

 

「説明するから、中に入れてくれ」

 

 僅かに赤面したローグハンターは変わらず気まずそうに目を逸らすと、再び壁をよじ登って彼女の部屋の窓枠に手をかける。

 受付嬢は困り顔のまま道を開けるように下がると、ローグハンターはひょいと窓枠を越えて部屋に転がり込む。

 そしてその勢いのまま立ち上がると、赤くなった頬を掻いて受付嬢に告げる。

 

「その、服を着てくれないか?」

 

「……っ!」

 

 彼の一言にハッとした受付嬢は顔を真っ赤にしながら慌ててベッドのシーツを掴み、赤く染まった顔を隠すように頭から被った。

 ローグハンターは意識を切り替えるように咳払いをすると、身体をくるんだシーツから、顔だけを出した受付嬢に言う。

 

「とりあえず、説明しても?」

 

 恐る恐ると言った様子で彼が言うと、受付嬢はこくりと一度頷いた。

 

 

 

 

 

「お互い立場が立場だから、玄関からは避けた方がいいと思った。ですか?」

 

「ああ。その、考えが足りなかった。すまん……」

 

 受付嬢が確かめるように言うと、ローグハンターは深々と頷いて肯定した。

 確かに受付嬢はギルド職員。ローグハンターは冒険者だ。

 確実に個人的な仲であることが知れれば、何かしらの面倒が起こることは明白。

 そういう意味でなら、彼の行動は正解と言えるだろう。

 いや、気になることはそこではない。

 

「一つ、聞きたいのですが……」

 

 受付嬢はそう前振りをすると、床に正座するローグハンターへと問いかけた。

 

「……ど、どこから見てたんですか?」

 

 シーツにくるまったままの自身の身体を抱きかかえながら、彼女は羞恥心を圧し殺して問うと、ローグハンターは気まずそうに目を逸らしながら返した。

 

「──からだ」

 

「はい?」

 

「お前が、着替えを始めた頃からだ」

 

「……!?」

 

「いや、入ろうとしたら着替え始めたものだから、どうするか迷ったんだが」

 

「見たんですか!?」

 

「すまん……」

 

 顔を真っ赤にして怒鳴ると、ローグハンターはしゅんとして俯いた。

 何だか子供っぽい反応に思わず胸をきゅんとさせつつ、受付嬢はわざとらしく不機嫌そうに頬を膨らませた。

 

「女性の着替えを覗くなんて、最低です」

 

「……返す言葉もない」

 

 みるみるうちに萎縮していく彼の姿に見つめる中で、受付嬢は少々照れ臭そうに彼に問うた。

 

「それで、どうでした……?」

 

「綺麗だったぞ」

 

「──っ!!」

 

 彼は考える様子もなく即答すると、受付嬢は顔を真っ赤にしながら目を見開いた。

 彼に褒められたのは素直に嬉しいし、何より心から綺麗だと言われたのは久しぶりだ。

 

「……!いや、待て!今のは──」

 

 ローグハンターは彼女の反応から今のは失言だったと判断したのか、慌てて取り繕おうとするが、誰でもない受付嬢が手で制した。

 彼女の合図で口を閉じたローグハンターに向けて、彼女はもじもじと身体をくねらせながら問うた。

 

「もう一度、見ますか……?」

 

「っ!」

 

 彼女の問いに目を見開いて驚愕を露にしたローグハンターは、けれど「断る」とは言えずにただ固まるのみ。

 沈黙を肯定と受け取った受付嬢は、耳まで真っ赤になりながら目を泳がせて、「いきますよ?」と静かに告げると身体を隠していたシーツを落とした。

 ぱさりとシーツが床に落ちると、彼女の姿が窓から差し込む月下の元に晒される。

 整った顔立ちは言わずもがな、いつもは制服に押し込まれた胸を守るのは下着だけで、コルセットいらずの細い腰を通ってたどり着く臀部はショーツに押さえられながら柔らかく形を歪め、すらりと伸びた足はもはや芸術品のようだ。

 ローグハンターは思わず生唾を飲むと、受付嬢は恥ずかしそうにもじもじと足を擦り合わせながら、覚悟を決めて彼へと告げた。

 

「私を、抱いてくれますか?」

 

 彼女の問いに、ローグハンターは意識もせずにゆっくりと頷いた。

 

 

 

 

 

「と、とりあえず、キスからか?」

 

「は、はい」

 

 ベッドに押し倒した受付嬢に覆い被さりながら問うと、彼女は不安そうに頷いた。

 ローグハンターも初めてだが、受付嬢とて初めてなのだ。多少知識はあるものの、いざ実践となると訳が違う。

 ローグハンターは妙にうるさい心臓の鼓動を落ち着かせようと一度深呼吸をすると、「いくぞ」と告げて彼女の唇を奪った。

 はむはむとお互いの唇を啄むように吸い付いては離れを繰り返し、唇越しにお互いの体温を共有する。

 

「ちゅ。んっ、んちゅ……」

 

 少しずつ唇が触れる時間が長くなりにつれて、受付嬢の肩が苦しげに震え始めるのだが、ローグハンターはそれに気付かずに彼女とのキスに没頭する。

 

「ちゅ。んっ!待っちゅ!待ってくださいっ!」

 

 そんな彼の肩を押して、受付嬢ははぁはぁと乱れた呼吸を繰り返した。

 慣れぬ長時間のキスで軽い酸欠を起こし、全力疾走後のような動悸に襲われる。

 

「す、すまん」

 

 そんな彼女の様子を見て、ようやく自分本位な行動を取ったことに気付いた彼は即座に謝るが、受付嬢は首を振って「違うんです」と告げる。

 

「いえ、苦しいのも……そうなんですけど、その……」

 

「なんだ」

 

 息切れ中だからか途切れ途切れの言葉にローグハンターが問いかけると、受付嬢は勢いに任せて彼へと告げる。

 

「あなたも、脱いでくださいっ!」

 

「ああ、そうか。そうだな……」

 

 そこまで言われて、ローグハンターは自分と彼女の身体を見比べながら頷いた。

 自分はいまだにテンプル騎士団の制服に身を包んでいるが、彼女は何とも可愛らしい下着姿だ。これでは不公平に思われても仕方はあるまい。

 彼は一旦身体を起こすと彼女と同じように下着を残して騎士団の制服を脱ぎ捨て、その裸体を彼女に晒した。

 

「……っ!」

 

 同時に彼女の目は驚愕にも似た色に染まり、僅かに目が見開いた。

 

「どうかしたのか?」

 

 彼は何てことのないように問うと、受付嬢は無意識の内に彼の身体に触れた。

 贅肉とは無縁の鍛え抜かれた身体には、数多の傷痕が刻まれており、それは胸に始まり腹、腕、足と、負傷箇所を挙げればきりがないほどだ。

 いや、冒険者たるもの怪我は大変身近なもので、傷痕とは勲章代わりだと誰かが言っていたような気もするが、問題はそこだ。

 彼が冒険者になって数年。在野最高の銀等級にまで登り詰めた彼が、大きな怪我をした姿を見たことがない。

 疲弊して疲れきった様子なら幾度かあるが、満身創痍で帰ってくるはまずなく、血塗れであってもそれは基本返り血だ。

 

 ──なら、この傷は一体……?

 

 受付嬢がペタペタと身体に触れて首を傾げると、ローグハンターはくすぐったそうに身動ぎした。

 そこでようやく彼女はハッとして、「ごめんなさい」と謝りながら手を離す。

 

「いや、気にするな」

 

 ローグハンターはそう言って肩を竦めると、横目で姿見に映る自分の身体を見つめながら言う。

 

「こうして見ると、ボロボロだな……」

 

 そう言って身体の傷痕に触れて、どこか懐かしむようにフッと笑みをこぼした。

 けれどその笑顔はどこか儚げで、切なげで、見ているだけで胸が苦しくなるような笑顔だ。

 その笑顔を見ていられず、受付嬢は彼の頬を撫でると、軽く触れる程度の口付けを交わした。

 

「──」

 

 近づいたと思ったらすぐに離れていった彼女の顔を見つめながら思考を停止させたローグハンターを他所に、受付嬢は彼の頬を撫でた。

 

「……?」

 

 相変わらず彼女の行動を理解できないローグハンターが首を傾げると、受付嬢は彼の瞳を覗きながら言う。

 

「今は私を見てください。過去のことを思い出すのも大切ですが、今だけでも私の事を、想ってください」

 

「……っ!」

 

 真正面からぶつけられた彼女の言葉にローグハンターは目を剥くと、「そう、だな……」と染々と言った様子で頷き、彼女の手に自身の手を重ねた。

 

「自分に惚れてくれた女は、自分が惚れた女は、人一倍大切にしろ。だったな……」

 

「……っ!」

 

 今度は受付嬢が驚く番だった。

 彼が突拍子もなく放った言葉は、直球で自分の事が好きだと言っているようなものではないか。

 彼女は照れ臭くて目を背けるが、ローグハンターは「よし!」と何やら覚悟を決めた様子で声を出した。

 

「とりあえず、やるだけやってみる」

 

「な、なんだか不安になるんですけど……」

 

 開き直ったように言うローグハンターに向けて、受付嬢は一握の不安を口にした。

 直後に可笑しそうに笑みをこぼした。彼が放った言葉の声音はいつものそれで、どうやら意識は完全にこちらに向いたようだ。

 

 ──なら、いいですけど。

 

 彼女はそうやって笑みを浮かべて、「私で良ければ付き合いますよ」と彼へと告げるのだった。

 

 

 

 

 

「脱がすぞ」

 

 ローグハンターはそう告げて、彼女の豊かな胸を隠す下着の留め紐に指をかけると、軽く引っ張ってしゅるりと解いた。

 ローグハンターにはよく分からない、おそらく洒落ている部類に入るだろう下着は、ぽとりとベッドの上に落ちた。

 同時に彼の視界に飛び込んで来たのは、男には決してない二つの膨らみだった。

 片手にどうにか納まるだろう大きさのそれは、彼女の肌同様に白いのだが、先端にある桃色の膨らみのみが色を持っている。

 ローグハンターが見たこともないものをまじまじと見つめていると、受付嬢は目を逸らしながら耳まで真っ赤にさせて、手で胸を隠す。

 そんな姿にさえも愛おしく思いながら、ローグハンターは彼女の手を掴み、「見せてくれ」と微笑を浮かべた。

 言われた彼女は「うぅ……」と小さく唸ると、彼の手に引かれるがまま胸を解き放ち、腕に押さえ込まれていた胸がぷるんと揺れた。

 彼はその様子を見逃すことなく見つめると「綺麗な身体だな」と呟き、「触っても?」と問うた。

 受付嬢が恥ずかしそうに俯きながら、けれど確かに頷くと、そっと彼女の胸に触れた。

 割れ物を扱うように優しく、彼女に痛みを与えないように気を遣いながら、彼女の胸に指を埋める。

 

「んっ……」

 

 受付嬢がピクリと肩を揺らすと、ローグハンターは力を抜きながら「痛かったか?」と問いかけた。

 

「大丈夫、です……」

 

「なら、続けるぞ」

 

 彼女が気丈に笑むと、ローグハンターは指の動きを再開した。

 触れたこともない柔らかさが指を包み込み、けれど奥には僅かな固さがあり、触れていて全く飽きることがない。

 

「んっ……あっ……んっ……」

 

 彼の指の動きに合わせて彼女は小さく声を漏らし、ピクピクと肩が揺れる。

 僅かに白かった肌が上気して赤くなり、乳首が充血してぷくりと膨らみ始めた。

 

「んんっ……ひぅ……あっ……」

 

 彼女の声にも少しずつ熱がこもっていき、肌に汗が滲んでいく。

 ローグハンターはその反応を良いものと判断を下し、ふにふにと胸を揉み続ける。

 彼の指の動きに合わせて豊かな胸が形を歪め、受付嬢の声に更に熱がこもっていく。

 

「ひっ……!あんっ……!」

 

 緩やかな快感を与えられ続ける彼女は少しずつ興奮していき、乳首が痛々しい程に勃起していく。

 だが彼はそこには触れず、ひたすらに胸の柔らかさを堪能するのみ。

 彼女の温もりを確かめるように、彼女の柔らかさを確かめるように、時には押さえつけるように、時には持ち上げるように、彼女の胸を揉み続ける。

 

「ひぅ!ローグ、ハンターさんっ!」

 

「なんだ」

 

「触って、触ってくださいっ!」

 

 ついに堪らなくなった受付嬢は、目に涙を浮かべながら彼へと懇願した。

 胸に触れていたローグハンターは真剣な面持ちで「触っているだろう」と返すのだが、受付嬢は首を振った。

 

「違うんですっ!切ないんですっ!乳首、乳首に触ってくださいぃ!」

 

「乳首……?ここか」

 

 彼女の言葉におうむ返ししたローグハンターは、存在感を示すようにピンと勃った彼女の乳首に目を向け、

 

「……こうでいいのか?」

 

 彼女にそう問いながら、彼は無慈悲なまでに淡々と、彼女の乳首を指でつまんだ。

「ひっ!」と彼女が小さく悲鳴にも似た間高い声を漏らすと、

 

「ああああああああああああああああっ!!!」

 

 彼女は絶叫しながら背中を逸らし、初めての絶頂を迎えた。

 下着に隠された秘部から潮が吹き出し、ショーツの色が変わるほどにぐちょぐちょに濡らしながらの絶頂は、彼女の意識を一瞬飛ばす結果となった。

 ローグハンターに無意識の内に焦らされていた彼女の肉体は、解き放たれた快感で精神が追い付かないほどの衝撃を彼女に与えたのだ。

 

「あひっ」

 

 身体をしならせたまま意識を途絶えさせた彼女は、そのまま背中からベッドに倒れる事になるが、慌てて伸ばされたローグハンターの手に受け止められた。

 

「お、おい。大丈夫か……?」

 

 彼女をゆっくりとベッドに寝かせたローグハンターは、恐る恐ると言った様子で問うと、受付嬢は豊かな胸を上下させながら快感に喘ぎ、身体がピクピクと痙攣を繰り返す。

 

「大丈夫じゃあ、なさそうだな……」

 

 彼は頬を掻きながら言うと、ちらりと自身の下半身に目を向けて、ほとほと困り果てたようにため息を吐いた。

 勃起した逸物がパンツを押し上げ、さながらテントのようになっているのだ。

 時々なるこれはよくわからず、いつもなら落ち着くまで放っておくのだが、今回に限っては落ち着く様子がない。

 どうしたものかと悩む彼に向けて、意識が曖昧になったままの受付嬢が告げた。

 

「ひぅ!んっ、ああ……。()れて、挿れてくだしゃい……」

 

 彼女は手をついて上体を起こすと、吹き出した潮で濡れたショーツを指でずらし、秘裂を指で広げた。

 ひくひくと動くその場所からは愛液が漏れ、ピンと勃ったクリトリスが外気に晒されて震える。

 普段の状態なら決してこんなことはしない。

 だがギルド職員となり、無自覚の内に抑え込んでいた欲望を解放された彼女は、その強烈な快感に当てられ、ある種のたがが外れてしまったのだろう。

 ローグハンターは思わず生唾を飲むと、本能の赴くままにパンツを脱ぎ、血管が浮かび上がるまでに勃起した逸物を外気に晒した。

 彼女の恥態を見る内に興奮したのか、亀頭を先走り汁で濡らしたそれは、目の前の雌に入る事がわかったからか、更に勃起していく。

 もはや痛みさえ感じるようになったローグハンターは眉を寄せ、そっと彼女の秘裂に亀頭を添えた。

 

「んっ!思いっきり、来て下しゃい……。私が、受け止めましゅ……」

 

 受付嬢は誘うように笑いながら言うと、ローグハンターはこくりと頷き、

 

「ふんっ!」

 

 気合い一閃と共に、腰を突き出した。

 ずりゅ!と湿った音をたてて彼女の秘部に潜り込んだ逸物は、ぴたりと閉じた彼女の秘部を掻き分け、無慈悲に処女膜を突き破り、子宮口を殴り付けた。

 

「ぎぃ!──あぇ……?」

 

 その痛みに目を剥いた彼女の瞳に少しずつ意識が戻り、感覚がはっきりとしていく。

 そして鋭い痛みを感じた自身の下腹部に目を向けると、そこには彼の一部が入り込み、彼ははぁはぁと乱れた呼吸を繰り返している。

 

「え……あ……うそ……」

 

「ぐっ……!」

 

 ようやく状況を理解した受付嬢を他所にローグハンターは低く唸り、彼女の身体に覆い被さった。

 彼の身体に潰された受付嬢が小さく悲鳴をあげると、彼は彼女の耳元で囁く。

 

「ちょっと、力を抜いてくれ」

 

「待って、ください……!その、まだ痛いですっ!」

 

 扱くようにきゅんきゅんと締め付けてくる膣肉の感覚に耐えるローグハンターに向けて、受付嬢は切羽詰まった声で切り返した。

「わかった」と彼もまた余裕のなさそうな声で返すと、彼女の頭の脇に手をつき、身体を持ち上げた。

 頬を赤く染めた受付嬢の顔を見つめながら、ローグハンターは優しく微笑む。

 

「しばらくこのままでいるから、痛みが引いたら言ってくれ」

 

「は、はぃ……」

 

 じくじくと感じる痛みと、彼の逸物の熱に当てられて喘ぐ彼女は、痛みを和らげようと何度か深呼吸を繰り返し、最後にふーっと長く息を吐いた。

 

「大、丈夫です……っ」

 

 彼女が痛みの余韻を引きずりながら絞り出すように言うと、ローグハンターは返答代わりに腰を動かし始めた。

 鋭いかりが膣肉を引っ掻き、中に溜まった破瓜の血を掻き出す。

 

「ひぅ!あっ!はぁっ!」

 

 かりが彼女の敏感な部分を擦る度に彼女は喘ぎ、それを耳にしたローグハンターは、少しずつ腰の動きを激しくさせていく。

 パンパンと乾いた音を響かせながら、二人の腰がぶつかり合い、その度にあんあんと彼女は喘ぐ。

 絞まっていた膣肉が解され、彼の動きに合わせて形を変えながら彼の逸物を受け止めて、その衝撃を余すことなく彼女の脳へと叩きつける。

 

「あんっ!ひん!あひ!んぃ!」

 

 その衝撃は全身を駆け抜ける快感へと変わり、彼女は脳は快感に焼かれ、覚醒した意識が再び蕩けていく。

 

「んへ!んぁ!んぅ!へぁ!?」

 

 叩きつけられる快感に目を見開き、ローグハンターの動きに合わせて自分から腰を振りながら、更なる快感に身を捩らせる。

 

「ひぁ!んん!んんーっ!!」

 

 ビクビクと身体を跳ねさせる彼女は、背筋に何かが駆け抜ける感覚に襲われ、膣肉が痙攣し始める。

 いきなり来る絶頂とは違う、じわじわと登り詰めていく

 ような感覚に、彼女は恍惚の表情を浮かべた。

 

「あん!きます!また、さっきのきますぅ!」

 

「俺も、何か、来る……っ!」

 

 彼女の限界が近いように、ローグハンターもまた限界が間近に迫っていた。

 逸物の中を溶けた鉄のように熱をもった何かが昇っていき、それを出さないように出口ギリギリで耐えている状況なのだ。

 だが耐えている間にもローグハンターの腰は止まらず、絶えず彼女の子宮口を殴り、暴力的なまでの快感を彼女に叩きつけ続ける。

 

「あひゃ!ひん!ローグ、ハンターさん!いっしょに!いっしょにイってくらさいっ!」

 

 もはや呂律さえも回らない彼女だが、それでも彼には言わんとした事は届いたようで、彼はこくりと頷いた。

 そして一度深呼吸をすると、ラストスパートをかけた。

 もはや加減を捨て、快感を貪りながら快感を与える。

 パンパンパンパン!と平手打ちでもしているのか思える程の快音を響かせて、彼女の腰に自分の腰を叩きつける。

 痙攣を繰り返す彼女の膣肉を力任せに掻き回し、かりで彼女のGスポットを抉りながら、ローグハンターは獣じみた唸り声をあげ、最後の一突きを放った。

 そしてそれがトドメとなり、二人は限界を迎えた。

 

「ひっ!あっ!きます!きました!イく!イくぅ!」

 

「ぐ、おおおおっ!!」

 

 受付嬢は宣言と共に絶頂を迎え、ローグハンターもまた溜めていた精液を解放した。

 

「あぎ!?あっ!ああああああああああっ!!!」

 

 どろりとした熱々の精液を子宮に注ぎ込まれた彼女は絶叫混じりに更に絶頂すると、じたばたと手足を振り回し、かくかくと腰が震える。

 

「くっ!うおぉぉ……っ!!

 

 彼女の腰をがっつりと掴み、一滴も無駄なく彼女の子宮に精液を注ぎ込まんとした。

 そして、ローグハンターの吐精が終わった事を合図に、受付嬢の絶頂を治まった。

 

「あっ、ひぅ!あひ……っ!んへぇ……」

 

 絶頂の余韻でピクピクと痙攣を繰り返しながら、恍惚の表情を浮かべた彼女は手足をベッドに投げ出した。

 

「ひっ!あっ!へひっ!んぁ……っ!」

 

 焦点がずれた瞳で天井を見上げながら、彼女は意味のない声を漏らす。

 ピクピクと身体が震え、二人の結合部からは精液と愛液、潮が混ざった白濁液が泡混じりにこぼれる。

 ローグハンターは額に浮かんだ汗を拭い、彼女の額に張り付いた彼女の髪を指で退かしてやると、そっと口付けを落とす。

 

「んっ!えへぇ~♪」

 

 彼のキスにピクンと身体を跳ねさせて反応した彼女は、無邪気な子供のように笑った。

 ローグハンターは彼女の笑みに微笑みを返すと、彼女に告げた。

 

「最後まで、付き合ってくれるんだろ?」

 

「ほぇ……?」

 

 彼の言葉を理解できずに受付嬢が首を傾げると、彼はぐっと腰を押し込んだ。

 

「んひぃ!?」

 

 同時に子宮を押された彼女は驚きながら声を漏らし、ちらりと下腹部へと目を向けた。

 吐精を終えてなお、胎内を貫く肉の棒はいまだに固さを保っており、持ち主足る彼も余裕そうだ。

 

「あ、あはぁ……♪」

 

 受付嬢は恍惚の表情のまま笑みを浮かべると、「何回でも、付き合いますよぉ」と彼へと告げた。

 それを言われたローグハンターは嬉しそうに笑むと、そっと彼女の唇を奪った。

 二人の夜は始まったばかり。二人の愛し合いは、たったの一度で終わる訳がないのだ。

 

 

 

 

 

 かちゃかちゃと、ベルトの金具を締める音で、受付嬢は目を覚ました。

 窓から差し込む陽の光からして、既に朝を過ぎて昼過ぎだろうか。

 いつもなら遅刻すると慌てるのだが、今日は貴重な休みを貰っている。

 シーツにくるまった彼女は寝転んだまま――と言うよりも腰が砕けて立てないのだが――向けた視線の先には、いつもの衣装を着ているローグハンターの背中があった。

 

「ローグ……ハンター……さん……?」

 

 散々喘がされた故に掠れてしまった声で彼を呼ぶと、彼は振り向き「すまん、起こしたか?」と申し訳なさそうに問いかける。

 そして彼はベッドに腰かけて、寝転んだ彼女の髪を撫でた。

 淡い茶色の髪は手入れが行き届いているのか、指が引っ掛かる事はなく、触れていて心地よい。

 彼はひとしきり彼女を撫でると、「そろそろ行かないとな」と名残惜しそうに告げて、ゆっくりと立ち上がった。

 締め切られていた窓を開けて、下を覗き込んで「よし」と頷いた。

 

「あの……」

 

「ん?」

 

 受付嬢は思わず彼の背中に声をかけると、彼は首だけで振り向き、「どうした」と短く問うた。

 問われた彼女はまさか届いていると思っていなかったのか、一言も言葉が出てこずにもごもごと意味もなく口を動かすと、一度深呼吸をして、満面の笑みを浮かべながら彼へと告げた。

 

「いってらっしゃい」

 

「──」

 

 彼女から放たれた言葉にローグハンターは目を剥くと、すぐに嬉しそうな笑みを浮かべると、それを隠すように乱暴にフードを被った。

 そして窓枠に足をかけると、背中越しに彼女に告げる。

 

「いってきます」

 

 彼はただそう告げると、下の街道に積まれた藁山に向けて、身を投げた(イーグルダイブ)

 重力に引かれるまま窓の外へと消えていった彼の背を見送った彼女は、可笑しそうに笑ってベッドに身体を沈めた。

 せっかくの休日だ。昨晩はほとんど寝ていないのだから、寝坊助になったって構いはしないだろう。

 彼女は自分にそう言い聞かせ、すぐに襲ってきた睡魔に抵抗することなく、眠りに落ちた。

 

 

 

 

 

 数日後、冒険者ギルド受付。

 

「ねえねえ」

 

「どうしました」

 

 受付嬢は同僚たる監督官に声をかけられ、一旦書類に走らせていた筆を止める。

 そうして監督官に目を向けると、彼女は何やらニヤニヤと笑いながら受付嬢へと告げる。

 

「何だか最近、肌艶いいし、髪の毛も艶々してて綺麗だよねぇ」

 

「……?」

 

 要領を得ない彼女の言葉に首を傾げると、監督官はそっと受付嬢に身を寄せて、ちょんと首筋を指で小突いた。

 

「ふふん。彼氏さんとはお熱いようで」

 

「っ!?」

 

 ようやく監督官の言葉を理解した受付嬢は、慌てて手鏡で彼女が小突いた首筋に確認すると、

 

「~!!」

 

 そこには制服の襟から僅かに飛び出した内出血の痕──キスマークがついている事に気付き、一気に赤面した。

「よきかな、よきかな」と紅茶をあおる監督官を他所に、受付嬢は赤面したまま受付に突っ伏した。

 その傷痕をつけた男は、ギルド脇の酒場でゴブリンスレイヤーと何やら話し込んでいる。

 とりあえず彼の事を睨みながら、受付嬢は制服の襟を調整し、キスマークが見えないように細工を施した。

 彼女に想いを寄せる槍使いが日跨ぎの依頼から帰って来たのは、その直後のことだ。

 

 

 




感想等、ありましたら、よろしくお願いします。

次回も受付嬢を予定。


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Memory?? 待つ者と帰る者 ②

受付嬢編②

時期的にはエピローグ頃。ギルドの修理終わった前後くらい。



 双子の月に照らされた辺境の街。

 僅かばかりの残業で帰りが遅くなった受付嬢は、一人夜の街を進んでいた。

 壊された冒険者ギルドの修理も終わり、失われた備品の発注から書類の確認と、やることが多いのだ。

 月明かりで明るいとはいえ大通りは静寂に包まれ、壁のように立ち並ぶ家屋の窓も明かりが点いている方が少ない。大半の住民は明日に備えて寝ている事だろう。

 制服の上から防寒用の外套を羽織る受付嬢は、ホッと白い息を吐いて愉快そうに目を細めた。

 もう冬だ。雪が降り始める前に二代目のギルドが建った事は、喜ばしい事で、ギルドがあれば仕事も捗るというもの。

 

「……?」

 

 そんな事を思っていた受付嬢は、ふと違和感を感じて立ち止まった。

 どこからか見られているような気がして、何だか気持ちが悪いのだ。

 冒険者でもない自分が、気配なんて曖昧模糊なものを感じられる訳がないと彼女は思うのだが、一度気付いてしまうとやはり気になって仕方がないというもの。

 彼女はそれとなく振り返り背後を確かめるが、人影はない。

 

 ──やっぱり、気のせいですよね。

 

 彼女は誰に似たのか無駄に警戒心が強まった事に苦笑しつつ、正面に向き直って歩き始める。

 遮るものがないため吹き付ける夜風は冷たいが、どうせ十分もしないうちに家にたどり着くのだ。多少の寒さ程度なら我慢出来る。

 彼女がそうして気合いを入れた直後、一際強い夜風が通りを駆け抜けた。

 

「ひっ!」

 

 彼女は小さく悲鳴を漏らして身体を縮めこませた瞬間、彼女の脇で口を開けていた路地裏への入り口から手が伸び、彼女の口を塞いだ。

 

「んんっ!?」

 

 彼女な悲鳴をあげる間もなく路地裏の闇の中に引きずり込まれ、通りには誰もいなくなった。

 あるのはただ月明かりに照らされる通りと静寂のみだ。

 

 

 

 

 

「んん!んーっ!!」

 

 路地裏へと引き込まれた受付嬢はどうにか手足を振り回して抵抗するが、彼女を捕らえた誰かは一切怯む様子もなく裏路地を進むと、壁に背中をつけて足を止めた。

 

「んんん!んんっ!」

 

 強烈な不安と恐怖から涙を流す彼女の耳元に顔を寄せた誰かは、彼女を宥めるように小声で囁いた。

 

「受付嬢、俺だ」

 

「ん……!」

 

 何とも聞き覚えのある、むしろ聞き慣れた声が鼓膜を揺らすと抵抗を止め、口を塞がれたまま、そっと顔をあげた。

 

「すまん、怖がらせたな」

 

 そこにいたのは、申し訳なさそうな表情を浮かべるローグハンターだった。

 初雪のように白い髪が目深く被ったフードから零れ、涙に濡れた彼女の頬を撫でた。

「声出すなよ」と短く告げた彼は口を塞いでいた手を退かすと、受付嬢は先程とは違う意味で涙を流し、腰に添えられた彼の腕を掴んだ。

 

「こ、こわ、怖かったじゃないですか……っ!」

 

 嗚咽混じりに震える声を絞り出した彼女に、ローグハンターは「すまん」と再び謝ると「離しても?」と自身の腕を掴む彼女の手を見つめながら問うた。

 

「ま、待ってください!」

 

 彼が返答を待たずに手を離そうとすると、受付嬢は慌てて制止の声をあげた。

 

「どうした」

 

「あ、安心したら、こ、腰が」

 

 受付嬢がかくかくと生まれたての小鹿のように足を震わせながら言うと、ローグハンターは「本当に申し訳ない」と彼女の身体をしっかりと押さえながら再び謝った。

 

「ど、どうしてこんなことを……?」

 

 彼の顔を見上げて問いかけた彼女に向けて、ローグハンターは何故か数瞬迷ったような素振りを見せると、困ったように笑って彼女に告げた。

 

「家を見に行ったがいなかったからな。少しばかり心配になった」

 

「心配、ですか……?」

 

 確かに今日は思わぬ残業となったが、だからと言ってこんな路地裏に引き込む程だろうか。普段の彼ならそれとなく尾行してきそうなものだが。

 

「あの──」

 

「まあ、無事で何よりだ。本当に」

 

 受付嬢の言葉を遮る形で彼は何故か心の底から安堵したような声音で言うと、ぎゅっと彼女の身体を抱き締めた。

 受付嬢は思わぬ力強さに苦しげに声を漏らすが、ローグハンターは構わずに独り言のようにぼそりと呟く。

 

「もう、我慢できそうにない」

 

「……我慢?」

 

 彼女の不安げな声音での確認に、彼は「ああ」と短く返すと、何を思ってか再び彼女の口を押さえ、腰を押さえていた手をスカートの中へと突っ込んだ。

 

「ん!?」

 

「言っただろう。我慢出来ないんだ」

 

 驚愕に目を見開く彼女を他所に、スカートの中に入り込んだ手はタイツ、そしてショーツの中にまで入り込み、乾いた彼女の秘裂へと触れた。

 

「んんっ!」

 

 受付嬢の身体が思わず跳ねると、ローグハンターはゆっくりと指を動かし始める。

 ピタリと閉じた秘裂を撫でるように指を上下させ、時には押し込んで僅かに指を沈ませる。

 

「んっ!んぐ!んんっ!」

 

 緩やかに与えられる快感にピクピクと身体を震わせる受付嬢の耳元で、彼はそっと囁いた。

 

「力抜け。()れるぞ」

 

「んっ!?」

 

 ローグハンターは言うや否やあまり濡れてもいない彼女の秘部を抉じ開け、指を突っ込んだ。

 

「んんん!?」

 

 小さな異物感と僅かな痛みにビクンと身体を跳ねさせた彼女を押さえつけ、突っ込んだ指を馴染ませようと指を動かし始めた。

 ゆっくりと出し入れを繰り返し、愛液の分泌を促すように指で膣肉を掻いてやる。

 

「んん!んーっ!んんん!?」

 

 いつになく乱暴に与えられる痛み混じりの快感に喘ぐ受付嬢を他所に、ローグハンターは得意気な笑みを浮かべた。

 

「ここが良いんだろ?知ってるぞ」

 

「んぎぃ!?」

 

 彼女の急所を指で掻いてやれば、彼女は苦悶にも似た声を漏らし、がくがくと膝が震える。

 力が入らないのだろうが、力を抜けた身体を支えてくれるのは、秘部に入り込んだ彼の指と、秘裂を押さえている彼の手だけだ。

 肝心の彼はほれほれと彼女を煽るように膣肉を掻き、受付嬢は歯を食い縛って耐えるのだが、それも限界が近かった。

 

「んふっ!ふぅ!んっ!んんんっ!!?」

 

 ビクンビクンと身体を跳ねさせながら、僅かに感じていた痛みさえも快感へと変わり始めたのだ。

 膨らんだ快感に合わせて愛液の分泌が増え、彼の指を包み込み、潤滑油代わりに彼の動きを滑らかにしているのだ。

 結果絞まっていた膣肉が強引に掻き分けられる痛みがなくなり、僅かな隙間を広げられる圧迫感も、今の彼女にとっては快感でしかない。

 

膣内(なか)が痙攣し始めたな。イきそうなのか?」

 

「んんっ!んー!んーっ!!」

 

 不敵に笑いながら告げられた問いに、受付嬢は小さく首を振って否定するが、ローグハンターは愉快そうに目を細めた。

 そして彼の指がGスポットを深々と抉った瞬間、彼女は全身を駆け抜けた快感に目を見開き、絶頂を迎えた。

 

「んぐ!?んんんんんんんっ!!!!」

 

 足をピンと伸ばして絶頂を迎えた彼女は秘部から潮を吹き、パンツとタイツをびちゃびちゃに濡らしながら、彼女は嬌声をあげた。

 もっとも口を塞がれている為、聞こえているのはローグハンターただ一人で、そもそも彼らがここにいる事を知るのも彼らのみだ。

 

「ん……っ!ふっ……!んんっ!」

 

 受付嬢の絶頂が治まるとピクピクと痙攣する彼女を他所に、ローグハンターはちらりと横に視線を動かし、都合よく置かれた大きめの木箱を発見すると、瞬きと同時にタカの眼を発動した。

 敵味方の識別や物の透視などが出来るそれで、箱に危険がないかを確かめているのだ。

 数秒かけて安全を確かめた彼は、器用に片手で自身の外套を脱ぐと絨毯代わりに木箱に被せ、尻を突き出させるように彼女の上体を木箱に倒した。

 そのまま彼は彼女のスカートを捲し上げ、タイツとショーツを纏めて降ろした。

 濡れた秘裂と染みのついたショーツが半透明な糸で繋がれ、

「ひぁ!?」と声を漏らすと、ローグハンターはむんむんと香る雌の臭いに喉を鳴らし、自身のズボンとパンツを降ろして勃起した逸物を取り出した。

 それで彼女の臀部を叩き、そっと濡れた秘裂に押し付けると、ローグハンターは短く息を吐いた。

 

「待って……!こんな所、誰かに見られたら……」

 

「──好都合だ」

 

 どうにか彼の手から口を逃がした彼女は涙ながらに懇願するが、ローグハンターはたったの一言で断じた。

 その声色はどこまでも冷たいもので、聞いた相手に恐怖を与えるものだ。

 事実、受付嬢がその声に怯え、身体を強張らせてしまった。

 その隙に、ローグハンターは腰を突き出した。

 

「ん゛ぁ゛!?」

 

 亀頭が絶頂後で敏感になっていた彼女の膣肉を無慈悲に掻き分け、子宮口に突き刺さる。

 それだけで絶頂したのか、受付嬢は身体を痙攣させながら「お゛っ!お゛……っ!」と野太い声を漏らす。

 ローグハンターは彼女のうなじを撫でると、受付嬢はくすぐったそうに背筋を震わせた。

 そんな彼女の様子に苦笑を漏らしたローグハンターは、震える彼女の腰を両手で押さえつけ、腰を振り始める。

 

「ぅ゛お゛!?お゛っ!お゛お゛お゛……っ!」

 

 パンパンと音をたてて叩きつけられる快感に、受付嬢は品の欠片もない嬌声をあげながら、三つ編みの髪を振り回して快感に喘ぐ。

 

「お゛お゛!?イく゛!ずっど、イ゛っでる゛っ!!」

 

 一握の理性が声を絞り出し、どうにかして快感から逃れようとするが、ローグハンターは彼女の頭を掴み、絨毯代わりに使っている自身の外套に彼女の顔を押し付けた。

 

「ふぐ!んっ!んんん!?」

 

 突然視界が暗転した動揺と、鼻から入り込む彼の臭いに反応してか、膣肉が一気に引き締まり、隙間なく彼の逸物に吸い付く。

 そこを逸物のかりが掻き回すのだから、彼女は文字通り無駄なく彼の与えてくる快感を享受することとなる。

 

「んん!んーっ!ん゛ぁ゛!?」

 

 子宮口を突かれる度に彼女は足をピンと伸ばして絶頂を迎え、接合部からは掻き出された愛液と潮が垂れ流され、彼女の足元に水溜まりを作り出す。

 ローグハンターは押さえていた彼女の頭を解放すると、今度は顎を押さえて持ち上げ、無理やり自分の方へと向かせた。

 稼動域の都合上、一緒に上半身を捻ってもどうにか顔が見える程度。

 だがローグハンターにはそれで十分で、彼は喘ぎ声が漏れる彼女の口を唇で塞いだ。

 

「んぐ!?んぁ!ふぁ……!じゅる!」

 

 自分の舌を彼女の舌に絡ませ、マーキングをするように唾液を塗りたくり、それを口内全体に行き渡るように塗り広げていく。

 

「んぇ……っ!んんっ!んむぅ!」

 

 彼の舌に口内を占領されていく感覚に快感を覚えながら、彼女はついに受け入れるように彼の舌に応じ始めた。

 くちゃくちゃと湿った音を出しながら二人の舌は(つがい)の蛇のように絡み合い、二人の関係を誇示するように唾液を塗り合う。

 

「んっ!ちゅる!じゅるる!んんっ!んぇぇ」

 

 ローグハンターが息継ぎついでに顔を離すと、彼女の舌が物欲しそうに彼の方へと伸び、舌先から唾液が糸となって垂れていく。

 蕩けた瞳に緩んだ表情。だらしなく伸びた舌。

 彼女が自分にだけ(・・・・・)見せてくれる表情だと思うと、無性に興奮してしまう。

 ローグハンターは再び彼女に口付けすると、腰の動きを一層激しくさせた。

 

「んぐ!んん!んっ!んぁ!んんんっ!」

 

 パンパンと先程までとは比較にならない速度で叩きつける衝撃と、それが変換された快感に脳を揺らされ、受付嬢の視界が点滅を始めた。

 突かれる度に意識が飛びかけ、突かれる度に意識が覚醒し、また突かれて意識が飛びかけるを繰り返し、延々と叩きつけられる快感に彼女は喘ぐ。

 痙攣する膣肉が彼の逸物で抉られ、かりでGスポットを削るように責めてやれば、彼女は更なる絶頂に身を投じる事になる。

 口を塞がれたまま喘ぐ受付嬢に、ローグハンターはいよいよトドメを刺そうと思い切り腰を引いた。

 そろそろ彼も限界なのだ。せめて彼女には限界まで気持ちよくなってもらいたい。

 その思いを込めて、彼は全力をもって彼女に腰を叩きつけた。

 

「ん゛ぉ゛っ──」

 

 めりっ!と音をたてて子宮を亀頭で叩き潰された受付嬢は白眼を剥いて倒れると、彼の逸物はついに耐えきれずに最奥に向かって精液を吐き出した。

 

「──お゛ぉ゛!?」

 

 その熱さに途絶えた意識を覚醒させられた彼女は、ビクンと身体を跳ねさせると、注ぎ込まれる精液の熱さに当てられて絶頂を繰り返す。

 

「お゛お゛っ!ん゛ぉ゛お゛!?」

 

 身体を痙攣させてがくがくと膝を揺らしながら、獣じみた唸り声をあげた。

 

「くっ、おお……」

 

 きゅんきゅんと締め付けてくる膣肉に、尿道に残された精液さえも絞り出されながら、ローグハンターもまた小さく唸った。

 そして最後の一滴まで注ぎ終えた彼はゆっくりと腰を引いて逸物を引き抜く。

 

「ん゛ぉ゛!?」

 

 それが最後の快感となった受付嬢は野太い悲鳴をあげると、木箱に体重を預けてがくがくと腰を震わせた。

 どろりとした精液が秘裂から溢れ、地面に落ちて白い染みを残す。

 

「お゛……っ!おぁ゛……っ!っ……!」

 

 絶頂の余韻に喘ぐ彼女は、全身を襲う倦怠感のままに意識を手放し、そのまま木箱を伝って地面へとへたり込んだ。

 

「あひっ……!んぁ……!へぁぁ……」

 

 蕩けた表情のままピクピクと身体を跳ねさせる彼女を見下ろし、ローグハンターは笑った。

 そして絨毯代わりにしていた外套で彼女の身体をくるむと、そのまま担いでその場を去った。

 残るのは僅かに残った淫行の香りと、僅かに白く染まった水溜まりのみ。

 朝になればほとんど消えているような、誰にも気付かれない僅かな痕跡を残すのみだ。

 

 

 

 

 

「んっ。ああ……?」

 

 受付嬢は、物音を感じて目を覚ました。

 首を傾けた先にある窓からは、相変わらず月の明かりが差し込んでいる。

 

 ──まだ、夜ですね……。

 

 その事に安堵すると共に再び寝ようと目を閉じると、ふと違和感を感じて再び目を開けた。

 違和感に突き動かせるままにシーツを退かすとそこには自身の裸体があり、呼吸に合わせて胸が揺れている。

 

「え、あ、あれ……?」

 

 いまいち状況を理解できない受付嬢は部屋を見渡すと、ここが自室でない事にようやく気付く。

 あるのは自分が寝ているベッドとサイドテーブル、クローゼット、後は何かの作業台程度。

 冒険者の部屋、というのはこんな感じなのだろうかと首を傾げ、では誰の部屋だと更に疑問符を浮かべる。

 

「ああ、目が覚めたか」

 

 そんな彼女に向けて、部屋に入ってきたローグハンターがそう告げた。

 水浴びでもしていたのか髪が湿っており、平服姿ではあるが首にはタオルがかかっている。

 

「ローグ、ハンター、さん……?」

 

「どうかしたのか」

 

 受付嬢に恐る恐ると言った様子で呼ばれた彼は、僅かに心配そうな顔となりながらタオルをサイドテーブルに置き、ベッドに乗って彼女の頬を撫でた。

 彼女は一瞬恐怖したようにビクンと肩を跳ねさせたが、すぐに平静を取り戻して彼の手に自分の手を重ねた。

 

「何だか、怖い夢を見てしまいました……」

 

「怖い、夢……」

 

 彼女の言葉をおうむ返ししたローグハンターは、僅かに嗜虐的な笑みを浮かべ、彼女へとすり寄った。

 

「それは、俺にいきなり暗がりに引き込まれて、散々な目に合わされる夢か?」

 

「……え?」

 

 彼の問いに、受付嬢は思わず声を漏らした。

 彼の言葉は正確に彼女が見た夢を言い当てているのだから、当然だ。

 そう理解したと同時に受付嬢は顔色を青くして、彼の瞳を覗きこんだ。

 夜空を思わせる瞳は、長時間眺めていると吸い込まれそうな錯覚を覚えるが、今の彼の瞳は何かが違う。

 夜空というよりは深海。あるいは深淵を思わせる、冷たい何かが孕んでいるのだ。

 

「ローグハンター、さん……?」

 

「先に言うが、それは夢じゃあない」

 

 彼女の呼び掛けを無視するように彼はそう告げると、彼女の肩を押してベッドに倒した。

「きゃ!」と悲鳴を漏らした彼女の身体に覆い被さりながら、ローグハンターは告げる。

 

「お前は、俺のものだ」

 

「……え?」

 

「誰にも傷つけさせない。誰にも渡さない」

 

「ローグハンターさん……?」

 

 彼女に呼ばれたローグハンターはそっと彼女の頬を撫でると、真剣な面持ちで彼女に告げた。

 

「お前は俺が守る。命をかけて、必ず」

 

 凄まじいまでの覚悟が込められた言葉を浴びせられた受付嬢は、数度瞬きを繰り返すと、「な、何かあったんですか?」と彼に問うた。

 彼はその問いに苦笑を漏らすと「知らない方がいい」と告げて、彼女の唇を奪った。

 受付嬢は状況を理解できないままに彼の口付けを受け入れると、彼の身体を抱き寄せた。

 まだ夜は始まったばかり、後は更けていくのみだ。

 

 

 

 

 

 翌日、ギルド受付。

 

「ねぇねぇ、聞いた?」

 

「何をですか?」

 

 冒険者たちが朝一に貼り出した依頼書を確認している隙に、手持ちぶさたな監督官が受付嬢に声をかけた。

 本来なら仕事中の私語は注意すべきなのだろうが、暇なのは受付嬢とて同じ事。多少耳を傾ける程度なら問題ないだろう。

 

「昨日の夜、殺人事件があったんだって」

 

「っ!?」

 

 監督官の単刀直入な言葉に受付嬢が驚愕すると、当の彼女は「言葉が足りなかったね」と苦笑を漏らした。

 

「殺されたのは、都で指名手配されてた殺人鬼だってか。女性ばっかり狙って、強姦してから殺す。文字通り女の敵」

 

「それが、昨晩ですか?」

 

「うん。そっちは残業してたって聞いたから、ちょっと心配になっちゃって。まあ、ここにいるなら大丈夫だったって事だよね」

 

 あははと嬉しそうに笑う彼女に笑みを返してやりながら、受付嬢は「はい」と頷いた。

 

「昨晩は何事も──」

 

 そこまで言いかけた彼女は、ふと昨晩ローグハンターに言われた事を思い出した。

 

『お前は俺が守る。命をかけて、必ず』

 

『知らない方がいい』

 

 ──もしかして……。

 

 彼はならず者殺し(ローグハンター)。時には仕事とは関係なしに、ならず者を討つ男だ。街に入り込んだ殺人鬼など、彼の格好の的ではないか。

 受付嬢がそんな思考をしていると、監督官が「大丈夫?」と彼女の顔を覗きこんだ。

 

「あ、はい。大丈夫です」

 

「『あ、はい』って、まあ怪我してないならいいや」

 

 監督官がそう話を締め括ると、受付嬢はちらりとゴブリンスレイヤーらと談笑するローグハンターへと目を向けた。

 昨晩の疲れを感じさせないのは、目覚めと共に強壮の水薬(スタミナポーション)を飲んだからだろう。自分だってそうなのだから、たぶんそうだ。

 彼女の視線を感じたのか、ローグハンターはちらりと彼女の方へと目を向けて、小さく笑みを浮かべた。

 その瞳にはいつもの夜空の蒼さが戻り、昨晩のような冷たさはない。

 

 ──大丈夫、ですよね……?

 

 受付嬢は僅かに祈るように目を閉じると、彼へと向けて小さく手を振った。

 

 

 

 

 

 時を巻き戻し、受付嬢がローグハンターに襲われる数分前。

 その男は、路地裏に隠れながら、とある女性の後を尾行していた。

 物乞いを隠れ蓑に女を襲っていたが、物乞いの王が殺されたと知るや否や、都を飛び出してきたのだ。

 街道で待ち伏せて馬車を襲い、それを使って辺境まで逃げ延びたのだ。

 水の街での殺人はあまりに危険。ならばと辺境の街にまで足を伸ばした訳だが、その間殺人を封印していた彼は、文字通り溜まっていた。

 どうにかしてこの欲望を解放しないと、今晩は熟睡する事など不可能だろう。

 そこで彼が目星をつけたのは、明かりの消えたギルドから出てきた一人の女性だった。

 淡い茶色の髪を三つ編みに纏め、尾のように揺らしながら歩く一人の女性だ。

 遠目から見てもいい身体をしており、きっといい声で泣いてくれるに違いないと断言する。

 後はゆっくりと尾行して、隙を見て襲うだけだ。

 彼が短剣を片手にぺろりと舌舐めずりすると、路地裏から飛び出そうと身構えた。

 そして、それが彼の最期だった。

 背後から伸びた手に口を押さえられ、抵抗する間もなく短剣を奪われると、そのまま喉をかっ切られたのだ。

 彼は自身の血に溺れながらその生涯を終え、誰に殺られたのかを知ることもなく神の御前に旅立った。

 そんな男の死体を冷たく見下ろしたローグハンターは、血に濡れた短剣を丁寧に拭うと、それを男の懐に忍ばせた。

 武器を持たない死体というのは、無辜(むこ)の民と思われて詳しく調べられる可能性がある。それは後が面倒だ。

 ローグハンターはそっと影から顔を出すと、こちらに気付く事なく家を目指す彼女の背を見つめ、僅かに不満げに目を細めた。

 夜の街を一人で歩いているのだ。少々無防備に過ぎないだろうか。

 

 ──少しばかり、脅かしてやるか。

 

 彼はそう即決すると、足音を殺して路地裏の闇へと消えていった。

 この数分後、受付嬢はローグハンターに襲われる事になるのだが、この段階でそれを知るのはローグハンターのみ。

 様々な偶然に巻き込まれ、彼の愛を一身にぶつけられた受付嬢は、単純に運が悪かっただけ。

 ただ最悪な目(ファンブル)を避けられたのだから、ある意味で幸運ではあっただろう。

 

 ──彼女がそれを知ることはないのだが。

 

 

 

 




感想等ありましたら、よろしくお願いします。

次回は剣聖編を予定。


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Memory?? 強い子を産みたくて

アンケート四位、剣聖編。

分岐条件はローグハンターが銀髪武闘家含め、ヒロインフラグが立っていないこと。

時期はエピローグ頃。


 陽が照りつける都のとある場所に、キンキンと甲高い金属音が響いていた。

 そこはいわゆる練兵場と呼ばれる場所で、普段なら兵士や騎士たちが己の技を磨き、肉体を強くする場所なのだが、今回に限ってはそこには兵士たちの姿はない。

 塀で円形に囲まれたその場所にいるのは、二人の男女。

 片や濡羽色の髪を頭の高い位置(ポニーテール)で纏め、刃が欠けて今にも折れそうな剣を握る女性。

 この国、あるいは世界において五本の指に入るであろう剣豪──剣聖と呼ばれる彼女は、鮫のような獰猛な笑みを浮かべ、相対する相手を睨み付けた。

 睨まれた男性は白い髪を揺らすと、蒼い色の瞳をゆっくりと細めた。

 相手からは手加減無用と言われ、現状の力は互角。武器はお互いに壊れてかけており、あと二三打ち合えば砕ける事だろう。

 彼はフッと短く息を吐くと神経を研ぎ澄ませ、剣聖を睨み付けた。

 夜空の如く揺れる蒼い瞳が、宝石の如く輝く金色に染まり、彼が纏う雰囲気が変わる。

 彼から放たれる重圧(プレッシャー)が、段違いに跳ね上がったのだ。

 剣聖はその重圧に武者震いすると、深く腰を落とし身構えた。

 

 ──前後左右、どう動こうが叩き斬る!

 

 彼女に出来るのはそれだけ。同時に彼が出来るのもそれだけだ。

 先に動いた方に合わせて後手に回った方が動き、相手を迎撃する。

 後手でありながら先手を取らなければならないという無茶にも聞こえるそれを、二人は行おうとしているのだ。

 完全な静寂が辺りを包み、二人は相手を睨み付けたまま動かない。

 張り詰めた空気は不思議と心地よく、研ぎ澄まされている筈の神経は不思議と落ち着いている。

 僅かにずれていた二人の呼吸が重なり、瞬きさえも忘れて相手の動向を見つめる中、ローグハンターは地面を踏みしめた。

 地面にヒビが入るほどの力を込めて脚部を踏ん張り、全力をもって前方に──剣聖に向けて飛ぶ。

 

「ッ!」

 

 愚直な正面突破。相手を誘うための後退?間合いを測るための横移動?笑わせる。

 まさにこれこそが求めていたもの。求めていた状況。彼こそが、求めていた相手。

 剣聖は過去に例がないほどに活力に満ちた獰猛な笑みを浮かべると、気合い一閃と共に迫る彼に向けて剣を振るう。

 瞬間響き渡ったのは、ガキンッ!と何かが砕ける異音混じりの金属音だった。

 

「──俺の、勝ちだ」

 

 静寂に包まれた練兵場に、低く鋭い声が響いた。

 剣聖はちらりと自身の手元に目を向ければ、刃が根元から失せた自身の模擬刀があり、折られた刀身はあらぬ方向の地面に突き刺さっている。

 対する彼の模擬刀の刃は半ばから折れてはいるものの、相手を斬ることには支障がない程度。それが自身の首に添えられているのだ。

 剣聖は瞬きと同時に蒼い色に戻った彼の瞳を見つめ、小さく肩を竦めた。

 

「──私の、負けです」

 

 彼女の宣言を受けた男性──ローグハンターはどっと疲れたようにため息を吐くと、折れた模擬刀を眺め、それを肩に担いだ。

 

「それじゃあ、俺はここで失礼する」

 

 彼は額の汗を拭うとそう告げて、剣聖に背を向けて「じゃあな」と右手を挙げた。

 練兵場を去っていく彼の背を見送った剣聖は、豊かな胸に手を添えると、ドクドクといつも以上に激しい自身の心の臓の音に耳を傾けた。

 同時に頬を朱色に染めながら、心底嬉しそうに、けれど恥ずかしいのかはにかむような、それこそ恋する乙女のような笑みを浮かべた。

 胎の奥が何かを求めるように熱を帯び、それは全身へと広がっていく。

 

「ようやく、見つけた……っ!」

 

 涙さえも流しそうな程の感動にうちひしがれながら、剣聖はぐっと拳を握った。

 

「私よりも強い男を……っ!」

 

 彼女は探していたのだ。自分を負かせるほどに強い者を。

 彼女は求めていたのだ。剣聖と呼ばれる自分が、打ち負かされる日が来ることを。

 同時に決めていたのだ。自分を打ち負かした者が男で、秩序の陣営に連なる者であるのなら──。

 

 

 

 

 

 都には、西の辺境で大人気の宿『眠る狐亭』の本店がある。

 規模も人員も辺境の街の支店とは段違いで、一回りも二回りも違う程だ。

 それは同時に様々な人々が集うという事なのだが、不思議と問題が起こることは少ない。

 雇われた用心棒たちがそこらの冒険者では相手にならないほどに強いのもあるが、ここで問題を起こして摘まみ出された奴が、二度と帰ってこなかったというまことしやかな噂があることも大きい。

 それが事実かどうかは別として、そんな黒い噂も見え隠れする眠る狐亭の一室に、ローグハンターがいた。

 寝間着に着替える事も億劫で、上半身裸でベッドに大の字で転がりながら、ボケッと天井を見上げているのみだ。

 諸事情で都に来ることになったまではいいが、まさか剣聖と一戦交える事になるとは思わなかったのだろう。

 最後の全力をもった踏み込みは良かったが、少々足に負荷をかけすぎた。筋肉が悲鳴をあげていて酷く痛む。

 

「あぁ、くそ……っ」

 

 気の抜けた悪態をついた彼は腹筋の力のみで上体を起こし、自身の足を解し始める。

 痛みでビクビクと跳ねる足を気合いで押し留め、ぐにぐにと筋肉を指で解していく。

 

「ぐっ!ああ……」

 

 痛みが少しずつ筋肉が解れる気持ちよさに変わり、ローグハンターの表情が緩み始める。

 

「……よし」

 

 ある程度痛みが引いて、歩く程度なら支障がなくなった頃、ローグハンターはホッと息を吐いた。

 それと同時にコンコンと扉がノックされ、緩んでいた意識が引き締まる。

 とりあえず上着を着た彼は鞘に入ったままの剣を片手に持ち、そっと扉を開けた。

 

「やはりここでしたか」

 

 同時に彼の視界に納まったのは、扉の前に仁王立っていた剣聖だった。

 いつもの鎧姿ではなく、妙に胸元が開けた平服姿なのだが、腰には油断なく剣を帯びている。

 いつもは頭の高い位置(ポニーテール)で纏めてられている彼女の髪は、髪紐を解いて降ろされていた。

 いつもとは違う雰囲気の彼女にローグハンターは僅かに警戒しながら、単刀直入に問うた。

 

「……どうかしたのか?」

 

「いえ、昼間の勝負があまりにいきなりだったので、お詫びを込めて」

 

 彼女はそう言うと背中に隠していた酒瓶と杯をローグハンターに見せ、にこやかな笑みを浮かべた。

 彼女の言葉を受けたローグハンターは状況を理解できずに瞬きを繰り返すと、「まあ、入ってくれ」と彼女を部屋に招き入れた。

 

「一人部屋だから、椅子はそこに一つしかないが──」

 

「なら、ベッドに座りましょう」

 

 ローグハンターが部屋の片隅の化粧机を示しながら言うと、剣聖は彼の言葉を遮る形でベッドを示し、そこに腰を降ろした。

 ローグハンターは小さく肩を竦めて彼女の隣に腰を降ろすと、ちらりと剣聖の方へと目を向ける。

 当の彼女は杯に酒を注ぎ、それを彼の方へと差し出した。

 

「どうぞ」

 

「ああ……」

 

 それを受け取ったローグハンターは僅かに警戒しながら中身を覗きこみ、顔を寄せて臭いを嗅いだ。

 普通の葡萄酒だ。いや、少し値が張る葡萄酒かもしれない。

 そう推理するローグハンターを他所に剣聖も自身の杯に葡萄酒を注ぎ終え、彼の方に向き直りながら「では」と呟く。

 

「あなたの勝利に」

 

「お互いの健闘に」

 

 剣聖の音頭にローグハンターが重ね、二人は杯をぶつけた。

 そして二人は思い切り葡萄酒をあおると、ローグハンターはホッと息を吐く。

 

「なかなか、いい酒だな」

 

「少々奮発してしまいました」

 

 ローグハンターが予想した通りの味に、剣聖は照れたように笑いながら「おかわりもありますよ」と酒瓶を揺らした。

 ちゃぷちゃぷと水が跳ねる音が部屋に漏れて、ローグハンターは苦笑を漏らした。

 

「あまり酒には強くないんだがな……」

 

「むっ!それは聞き捨てなりません!」

 

 ローグハンターとしてはただのぼやきなのだが、剣聖はここぞとばかりに噛みついた。

 彼の方に身を寄せながら、じっと彼の蒼い瞳をまっすぐに見つめる。

 

「剣では負けましたが、こちらでは負けませんよ!」

 

「いや、なぜそうなる」

 

 何故か鬼気迫る表情で詰め寄ってくる彼女から逃れるように上体を逸らしながら、ローグハンターはため息を吐いた。

「さあ、勝負です!」とお互いの杯に問答無用で二杯目を注いだ剣聖は、ぐびっと葡萄酒をあおった。

 勝手に勝負を始められたローグハンターはまたため息を吐くと、葡萄酒の水面を眺めて一息でそれをあおる。

 口の中に広がる酒精の感覚に目を回しながら、気合いを入れて彼女に杯を突き出した。

 どうせ酒瓶が空になれば終わる勝負だ。三四杯ならどうにかなる。五杯目からは辛いだろうか。

 ともかくローグハンターは彼女の勝負を受け入れ、並々と注がれた葡萄酒を再びあおった。

 隣で不敵に笑う、剣聖の顔にも気付かずに。

 

 

 

 

 

 だが、神々が振るう骰子(さいころ)というのは何とも気紛れで、神々にすらその結果は予測出来ないのだ。

 つまり何が言いたいのかと言うと、

 

「なーにが『酒には強くない』ですかぁ!ぜんぜん、飲めてますよぉ!」

 

「何故だ……っ」

 

 本来なら結果は逆だろうに、何故か剣聖の方が先に根を上げたのだ。

 完全に酒が回った剣聖を膝上に乗せたほろ酔い状態のローグハンターは、思い切り抱きついてくる彼女に困惑している。

 きっと彼女は、彼に会いに行くための気付けと称して何杯か飲んだことを、覚えてはいまい。

 まさしく彼女の敗因はそれで、ローグハンターの勝因は無理に飲まずに自分のペースを守った事だろう。

 彼は何やらぼそぼそと呟きながら自分に抱きついてくる剣聖への対処を思慮しながら、無心になることを心がけていた。

 彼女が密着してくる度に豊かな胸が胸板で潰れ、服越しにそ柔らかさが伝わってくるのだ。

 

 ──だが、どうする。

 

 同時に彼はほぼ詰んでいるのではという答えにたどり着いた。

 こんな酔っぱらった彼女を外に放り出す事は出来ず、かといってここに泊めたら自分が無事では済まないだろう。

 彼女の連れ──つまり最愛の妹たる勇者──がここに来てくれる可能性もあるが、この現状を見たら、

 

『あはは……、お邪魔しました!』

 

 なんて、乾いた笑顔と共に颯爽と去っていくに違いない。それだけは断言出来る。

 もう一人の連れである賢者が来た場合は、絶対零度の視線を向けて無言で去っていく。これも断言出来る。

 

 ──詰んでないか……?

 

 彼は再びその答えにたどり着くと、剣聖がうーうー唸りながら彼に身を寄せた。

 

「あなたの身体、温かいですね……」

 

「そうか?」

 

「はい……」

 

 突然の言葉に首を傾げながら、ローグハンターはようやく活路を見出だして、ちょうど足元に置いてある雑嚢にを足で小突いた。

 確か毒消し(アンチドーテ)があった筈だ。それを飲ませれば彼女もある程度は回復するだろう。

 問題はどうやってそれを取るかだが──。

 

「失礼するぞ」

 

「ん……?」

 

 面倒なので素直に彼女を退かし、雑嚢に向けて手を伸ばす。

 手を突っ込んで中身を探り、水瓶を取り出すだけ。言ってしまえばそれだけで、援護さえあれば戦闘の合間にさえ出来る事だ。

 

 ──だが、この部屋に味方はおらず、いるのは飲んだくれの剣聖のみ。

 

 彼女は不機嫌そうに眉を寄せるのと、ローグハンターが毒消しを取り出したのはほぼ同時。

 

「とりあえず、これを──」

 

 彼が彼女に向けてそれを差し出そうとした瞬間、不意に口が塞がれた。

 鼻を通り抜ける強烈な酒の臭いと、目の前にある剣聖の顔、そして唇に感じる柔らかさに困惑しつつ、彼はぽとりとベッドの上に毒消しの水瓶を落とした。

 ベッドの柔らかさに受け止められ、水瓶が割れる事はなかったが、彼にとって問題はそこではない。

 彼は数度瞬きを繰り返すと、剣聖は顔を離した。

 

「ふふ。私の初めてです」

 

「──」

 

 

 勝ち誇ったように笑う彼女の顔を見つめ、更にローグハンターは困惑を強めた。

 彼の反応がいまいちだったからか、剣聖は悔しそうに唸ると、次なる一手を打った。

 彼が困惑から回復する前に、勝負を仕掛けたのだ。

 彼女は今出せる全力をもって彼の身体に飛びかかり、そのままベッドに押し倒し、その勢いのまま馬乗りとなる。

「うお!?」と驚く彼をそのままに、剣聖は倒れた彼の顔を見下ろしながら、妖艶な笑みを浮かべた。

 

「ど、どうかしたのか……?」

 

 見たこともない──そもそもあまり付き合いがないのだが──彼女の表情に、ローグハンターは僅かながら恐怖を抱きながら問うと、剣聖は彼の頬に触れた。

 

「私の初めて、もう一つあげます」

 

 微笑みながらそう告げた彼女は自身の服に手をかけて、それを脱ぎ捨てた。

 鍛え抜かれ、贅肉とは無縁の肉体を持ちながら、胸には確かな存在感を示すたわわな果実が二つ。

 

「……!?」

 

 突然下着姿になった剣聖の姿に驚きながらも、彼は彼女の完成された肉体に魅入っていた。

 整った顔立ちは言わずもがな、普段なら凛とした瞳は酒の力で僅かに蕩け、肉体は僅かに火照ったように赤い。

 手足は戦うための肉体と言わんばかりに筋肉質だが、どこか柔らかそうな印象を受け、それは割れた腹筋も同じ。

 豊かな胸とは対象的に、腰はコルセット要らずに引き締まり、身体を支えている臀部は柔らかに形を歪めている。

 ローグハンターは訳もわからずに生唾を飲むと、剣聖は扇情的な笑みを浮かべ、彼の視線を誘導するように自身の身体を撫でた。

 豊かな胸をから始まり、腹筋、臍、そして熱を帯び始めた下腹部を撫で、次いで彼の股関へと手を伸ばす。

 

「ふふ」

 

 そこに触れたと同時に、剣聖は思わず笑みをこぼした。

 彼のズボンを押し上げる確かな膨らみは、彼が少なからず興奮してくれている証拠だ。

 

「あなたも、脱いでください」

 

 なんなら、脱がせますよ?と我慢出来ない様子で彼女が続けると、ローグハンターは僅かに目を逸らした。

 かつて来たりし者(外から来た神もどき)との戦いで見せられた──体験させられたと言うべきか──記憶の中で、これと似たような状況になっていた記憶があった。

 不本意ではあるが、その記憶を幾らか利用することで、現状を打破出来るかもしれない。

 彼は彼女に気付かれないように目を閉じると、小さく息を吐いて『隔世状態』へと移行。

 蒼い瞳が金色に染まり、全身の感覚が尖鋭化していくのがわかる。

 彼はゆっくりと目を開き、彼女を見つめながら一度頷いた。

 同時に自身の服に手をかけて、さっさと脱ぎ捨てる。

 これは彼自身自覚がないことだが、彼もそれなりに酔っている。

 普段の彼なら誘いに乗らず、どうにか説得を試みるのだろうが、酔いは彼から正常な思考を奪い、本能の部分を覗かせているのだ。

 

 

 

 

 

「んっ、ちゅ……。ふっ、んぁ……」

 

 同じく下着姿になったローグハンターにベッドに倒された剣聖は、彼の口付けを受け入れていた。

 お互いの唇を啄むような交わりから始まったそれは、既に次の段階へと進んでいた。

 剣聖の口内に侵入を果たしたローグハンターの舌は、優しく愛撫するように彼女の舌に絡み付き、僅かに残る酒の残り香を味わうように口内を這い回る。

 

「ふっ、あっ。んんっ……」

 

 彼の舌が這う度にピクピクと身体を震わせ、隙間から息を漏らしながら、剣聖は蕩けた瞳に彼を映した。

 頬は高揚したように朱色に染まっているが、その瞳は真剣そのもので、その視線に剣聖は背筋を震わせた。

 彼の体温を感じるだけで下腹部が疼き、何かが燻っているかのように熱が溜まっていく。

 

「んっ。んん……」

 

 彼に口内を愛撫されながら、彼女はもじもじと身体をくねらせ、内股気味になった太ももを擦り合わせる。

 何かはわからないが、何かが欲しくて堪らないのだ。その何かは、目の前の彼が持っていることだけは何故かわかる。

 そんなただですら意識が曖昧になっているにも関わらず、そうした思考に意識を傾けた為か、彼女は彼の手が動いている事に気が付かなかった。

 

「ん!?」

 

 彼の指が股関に入り込み、ショーツ越しに僅かに湿った秘裂を撫でると、剣聖は驚いたように目を見開き、身体を震わせた。

 彼は優しく撫でるように指を這わせると、ビリビリと痺れるような感覚が脳に伝わり、彼女の思考を更に蕩けさせていく。

 布の擦れる音に混ざりくちゅくちゅと湿った音が漏れ始めると、ローグハンターは一度彼女の唇を解放した。

 

「ふぁ!んっ!ひぅ!んんっ!」

 

 口を解放されはしたものの、彼女は真一文字に口を継ぐんで、声が漏れないように堪えた。

 ローグハンターはショーツ越しでもそれなりの湿り気を感じられるようになると、ショーツをずらし、ぴたりと閉じた秘裂を広げ、口を開けた秘部に指を差し込んだ。

 

「んぁ!?」

 

 剣聖が胎内に感じた僅かな異物感に悲鳴をあげると、ローグハンターは彼女に優しく告げる。

 

「少し辛いだろうが、我慢してくれ」

 

 彼の言葉に剣聖が苦しげに眉を寄せながら頷くと、ローグハンターはそっと微笑んで僅かに指を奥へと押し込んだ。

 

「んぐ……っ!」

 

 隙間なく絞まっていた膣肉が指により抉じ開けられる感覚に低く唸りつつ、ふーっと深く息を吐いた。

 ローグハンターは血の巡りが悪くなるほどに締め付けてくる彼女の膣肉の感覚に目を細めると、僅かに指を曲げ、そのまま膣肉を引っ掻くようにして指を動かし始める。

 

「ひぐ!んんっ!ぐっ!」

 

 胎内を引っ掻かれる初めての感覚に、苦悶の声にも似た音を漏らしながら、剣聖はベッドのシーツを思い切り握りしめた。

 

「もう少し、我慢してくれ」

 

 彼は淡々とした口調で言うと指を更に奥まで押し込み、蠢く膣肉とはまた別の、ざらざらとした感触のある場所に軽く触れた。

 

「ひっ!」

 

 それと同時に剣聖は腰を跳ねさせながら悲鳴を漏らし、目を見開いたまま下腹部へと視線を向けた。

 彼の指は根元まで秘部に入り込み、彼女からは彼の中指が失せているかのようにさえ見えるほどだ。

 ローグハンターは彼女の頬に口付けを落とすと、耳元で「いくぞ」と囁いた。

 

「あ、待っ──」

 

 彼女は慌てて止めようとするが、もう遅い。

 彼は彼女の急所(Gスポット)を捉えた指を、虫に刺された場所を掻くように、思い切り掻き始めた。

 

「んぎっ!?んっ!んんんん!!」

 

 シーツをぎゅっと握りしめたまま、彼女は全身を駆け抜ける快感に腰を痙攣させるが、口を継ぐんで声を漏らすことはない。

 酔いが回っているとはいえ、彼女は誇り高き剣聖だ。この程度で悲鳴をあげてどうする。

 彼女は自分にそう言い聞かせるのだが、ローグハンターはそれが不満だったのか、彼女の耳元に顔を寄せ、ぼそりと呟く。

 

「我慢しなくていいんだぞ」

 

「……っ!」

 

「俺と二人きりの時くらい、女として振る舞ったらどうだ」

 

「~!」

 

 彼の声は父の声さながらに低く、理由もなく安堵を与えてくる。

「あっ、はぁ……」と不思議と頬が緩む中で、彼はゆっくりと指の動きを再開すると、剣聖は継ぐんでいた口を少しずつ緩めていき、ついに口を開いた。

 

「ひっ!ああっ!そこ、そこです!そこがいいんですっ!」

 

 かくかくと腰を揺らしながら言うと、ローグハンターは「ようやくか」と笑み混じりに指の動きを激しくさせた。

 ぐちゃぐちゃと音をたてながら膣肉を引っ掻き回してやれば、剣聖は「あっ!はひっ!」と甲高い悲鳴にも似た嬌声を漏らす。

 

「ひっ!あんっ!ひぎ!な、なんですか!?この感じは!?」

 

 度重なる快感が背筋をくすぐられるような感覚と、頭の中でバチバチと火花が散る感覚に変わり、彼女の膣肉が痙攣を始める。

 

「我慢しなくていいからな」

 

「は、はいぃ!もっと、もっとしてくださいっ!!」

 

「任せろ」

 

 剣聖としてではなく一人の女としての懇願にローグハンターは頷くと、言われた通りに指の動きを激しくさせる。

 流石に疲れてきたが、彼女の為ならこの程度苦にはならない。

 ざらざらとした膣肉を、武骨で固くなった指先で抉ってやれば、彼女の声からは更に嬌声をあげる。

 

「ひん!ぎっ!ああああああああっ!!!」

 

 彼女が一際大きな声をあげると、ついに限界を迎えた。

 足を爪先までピンと伸ばし、秘裂から透明な液体が吹き出した。

「うおお」と驚きながら指を抜くと、剣聖は「ひゃ!」と声を漏らして腰を跳ねさせた。

 その勢いで吹き出した潮が彼の顔にもかかるのだが、彼は気にした様子もなく腕で拭った。

 同時に跳ね上がった剣聖の腰がベッドに落ち、ピクピクと痙攣を繰り返す。

 

「あっ……はっ……へぁ……っ」

 

 口から気の抜けた声を漏らす彼女を見下ろしながら、ローグハンターは最大まで勃起した逸物をパンツから取り出した。

 彼がそれを彼女の下腹部に乗せると、剣聖は恍惚の表情を浮かべた。

 ローグハンターが逸物の亀頭を彼女のびちょびちょに濡れた秘裂に添えると、剣聖は何も言わずにこくりと頷いた。

 

 

 

 

 

 パンパンパンと肉同士がぶつかり合う音と、剣聖の喘ぎ声が、窓から差し込む月明かりに照らされた部屋に響いていた。

 

「あん!あっ!はん!あん!」

 

 結合部からは破瓜の血が流れているものの、彼女の表情には痛みを感じている様子はなく、むしろ快感によって朱色に染まっている。

 対するローグハンターは何かに耐えているかのように視線は険しく、腰使いに容赦がない。

 

「はひ!ひぅ!あん!ひん!」

 

 彼の腰が叩きつけられ、亀頭で子宮口を殴られる度に彼女の口から嬌声が漏れ、豊かな胸がぶるんぶるんと大きく揺れる。

 ローグハンターは左胸を片手で鷲掴むと、僅かばかり力を入れて指を蠢かせた。

 

「あひゅ!ひん!むねは、やめてぇ……っ!」

 

 彼女は秘部と胸からくる二つの快感に喘ぎながら、力の入らぬ左手で胸を掴んでくる彼の腕を掴んだ。

 ──が、本来発揮される力は五割も発揮されず、ただ掴むに留まった。

 故にローグハンターは気にも止めず、ふにふにと彼女の胸を揉みしだく。

 それに留まらず、彼の指はピンと勃った桃色の乳首にまで伸び、そこを思い切り摘まんだ。

 

「ひん!あん!いいですぅ!むねも、おなかのなかも、きもちいいっ!!」

 

 乳首を指の腹で転がされ、子宮口に亀頭を押し付けられた彼女は、ピクピクと身体を痙攣させながら「ひぎ!いいっ!」と理性が失せ始めた声を漏らす。

 

「あっ!ひん!ふぁっ!また、きます!さっきの、きますぅ!」

 

「俺もそろそろ限界だな……っ」

 

「んぁ!このまま、くださいっ!ぜんぶ、なかにぃ!」

 

 彼女は感情のままに叫ぶと彼の腰に両足を絡め、思い切り引き寄せた。

 ぐちゅ!と湿った音をたて、抜けかけた彼の逸物が再び子宮を殴り付け、剣聖は「んぉおっ!」と野太い声を漏らす。

 

「本当に良いのか!?」

 

 絶頂が近づいたからか、再び痙攣を始めた膣肉に逸物を扱かれながら、ローグハンターは唸るようにそう問うた。

 彼とて限界は近い。気を抜けば、溜まっているものを吐き出してしまう。

 膣内(なか)射精()すとなると、それは下手をすれば子供が出来るというわけで──。

 

「いいんですっ!わたし、あなたの子供が、ほしいっ!」

 

 一瞬とはいえ迷いを見せたローグハンターに、剣聖はそう告げた。

 言われた彼は目を見開いて驚きを露にするが、諦めたようにため息を吐いた。

 

「わかった。全部、射精()してやる」

 

 彼はそう告げて、彼女の唇を奪った。

 同時に彼の逸物は限界を迎え、抑え込まれていた精液を吐き出した。

 

「んんっ!んーっ!!!!」

 

 彼にキスをされたまま、子宮に精液を注ぎ込まれた剣聖は、それを引き金にして絶頂を迎えた。

 がくがくと腰を揺らし、痙攣する膣肉が彼の逸物を扱きあげる。

 尿道に残された精液さえも絞り出され、さらなる射精を誘うように蠢く膣肉の感覚にローグハンターは小さく唸ると、我慢を辞めて全てを注ぎ込む覚悟を決める。

 

「んぐ!んんっ!んーっ!んご!?」

 

 ローグハンターは少々無理をしながら更に腰を突き出すと、逸物が彼女の子宮を押し潰し、同時に追加の精液を注ぎ込む。

 

「んんっ!んぉ!んぐ!んっ!」

 

 同時に再びの絶頂を迎えた剣聖は、胎内に染み渡る熱と、口内を支配する彼の温もりに背筋を揺るわせ、両腕を彼の首に回した。

 

「んっ!ちゅ!んぎっ!んんんっ!!」

 

 彼の舌に自身の舌を絡めながら、最後の一滴まで絞り出さんと、下腹部に力を入れて彼の逸物を締め付けた。

「ぐっ」とローグハンターが彼女にキスをしたまま唸ると、彼は文字通り溜まっていた精液の最後の一滴を鈴口から吐き出した。

 同時に彼女から顔を離したローグハンターはそのまま彼女を貫いていた逸物を抜き、萎えた己の分身と、逆流した精液を吐き出している秘裂に目を向けた。

 異常に精液を注がれた彼女の下腹部はぽこりと膨らみ、妊婦まではいかなくとも何だが違和感を禁じ得ない。

 

「んぇ、あっ!これで、こども、できます、かね……?」

 

 絶頂の余韻に身体を痙攣させ、はぁはぁと乱れた呼吸のまま剣聖が問うと、ローグハンターはぜぇぜぇと喘ぎながら、「どうだろうな」と苦笑混じりに返し、脱力したままにベッドに寝転んだ。

 二人の呼吸音のみが支配する室内で、ローグハンターはふと思い出したように彼女に問うた。

 

「そういえば、お前酔いは──」

 

 そこまで言いかけて、彼は呆れたように口を閉じた。

 剣聖は情事を終えた体勢のまま眠りに落ちたようで、すやすやと寝息をたてているのだ。

 彼はため息を吐くとごろりと寝返りをうち、天井を見上げながら目を閉じた。

 思いのほか疲労が溜まっていた身体はすぐさま睡眠の体勢に入り、彼からも静かな寝息がたち始める。

 残ったのは部屋に残る淫行の残り香と、いつしか重なった二人の寝息のみだ。

 

 

 

 

 

 翌朝、同室。

 ローグハンターと剣聖の二人はベッドの上に座り込み、何やら真剣な面持ちとなっていた。

 酒の力を借りてしまったとはいえ、諸々と行程を飛ばして行為に及んだのだ。肝心の事を確認しなければならないだろう。

 

「──で、なぜ、あんなことを?」

 

 少々照れ臭そうにローグハンターが問うと、剣聖もまた恥ずかしそうに頬を掻きながら答えた。

 

「私は強い子が欲しいんです。私も剣士の端くれですから、我が子には強くなって欲しい」

 

「それが、なぜ昨日のあれに繋がる」

 

 彼女の言葉を受け止めたローグハンターが素早く切り返すと、剣聖はもじもじと身体をくねらせながら呟いた。

 

「強い子を産むためには強い父親をと、私よりも強い殿方を探していたのですが、中々見つからず……」

 

「ようやく見つけたのが、俺か」

 

 ローグハンターの確認に剣聖は「はい」と照れたように笑いながら頷くと、表情を引き締めて改まったような口調で彼に問う。

 

「順序が逆になってしまいましたが、私と、お付き合いをしてはくれませんか……?」

 

 普段の凛とした調子が続いたのは、ものの数コンマ秒。

 徐々に不安そうな顔になった彼女は恐る恐ると言った様子で問うと、ローグハンターはため息を吐き、ぼりぼりと頭を掻いた。

 

「別に、探せば俺よりも強いやつはいると思うぞ?」

 

「いえ、あなたがいいんです!」

 

 ローグハンターが何となく発した言葉に剣聖は鋭く返し、彼の手を取り、ずいっと身体を乗り出す。

 

「その、これは内密にして欲しいのですが」

 

「おう」

 

 急に普段の迫力を取り戻した剣聖に驚きながら頷くと、剣聖はぎゅっと彼の手を握りながら言う。

 

「辺境の街でお会いした時、私に不意打ちをしましたよね」

 

「そんなこともあったな」

 

 彼女が言ったのは収穫祭前夜の出来事。ゴブリンスレイヤーを不審者として問い詰めた彼女に、ローグハンターが襲いかかった時の事だ。

 彼女は頬を赤く染めながら、彼へと告げる。

 

「あの時から、何だが気になってしまいまして……」

 

「……」

 

 彼女の告白にローグハンターは思わず言葉を失い、再びため息を吐いた。

 そして諦めたように頷くと、彼女の手を握り返す。

 

「わかった。俺なんかでよければ、よろしく頼む」

 

「はい!よろしくお願いしますっ!」

 

 後の世において、四方世界最強夫婦とまで呼ばれた二人は、こうして一歩を踏み出したのだ。

 ローグハンターの妹であり、剣聖の属する一党の頭目である、勇者の確認を取ることもなく──。

 

 




感想等ありましたら、よろしくお願いします。

次回は女魔術師を予定。
一票でも入ったなら、書くしかないでしょ!


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Memory?? 黒き鷹と赤き魔術師

アンケート五位、女魔術師編。

分岐条件は不明。ヒロイン候補に入ってなかったから仕方ない。



 辺境の街、眠る狐亭。

 西の辺境でも指折りの宿は、辺境勇士──ならず者殺し(ローグハンター)の拠点として使われている事でも有名だ。

 彼は単独(ソロ)の冒険者としても有名で、人に対してある程度の一線を敷いているのではと言われている程だ。

 だが彼の部屋では、そんな噂を鵜呑みにし、彼を恐れている者たちが首を傾げ、思わず思考を停止するであろう出来事が起きていた。

 

「んっ!ああっ!ひぅ!あっ!待って、待ってくださいっ!んんっ!」

 

 彼の部屋から、女性の制止混じりの嬌声が漏れているのだ。

 室内にいるのは件の冒険者──ローグハンターともう一人。

 とある理由で彼の相棒となった女魔術師だ。

 ベッドの上に腰掛け、彼の胸に背を預ける形で身を預けている彼女は既に裸にされており、赤い短髪を武骨な彼の手で撫でられている。

 もう片方の手は閉じられた太ももの隙間、つまり彼女の秘裂へと伸びていた。

 彼の手が動く度に彼女はピクピクと肩を揺らし、口からは「あっ!ひん!」とか細い嬌声が漏れる。

 

「んん!ひぁ!待って……っ!本当に、待ってくださいっ!」

 

 彼女は少々語気を強めて彼の手を掴むと、今度は大人しく手を止めた。

「大丈夫か」と背後から彼女の耳元で囁くと、女魔術師はくすぐったそうに身動ぎし、乱れた呼吸を繰り返す。

 彼女の呼吸に合わせて豊かな胸が揺れ、それを眺めたローグハンターは申し訳なさそうに頬を掻く。

 

「どうにも加減がわからなくてな……」

 

「そうかも、しれませんけど……っ」

 

 はぁはぁと肩を揺らす彼女頬を朱色に染めながらそう言うと、背後の彼に体重を預けた。

 少女一人程度で体重で体幹が崩れる事はないローグハンターは、しっかりと彼女の身体を支えてやりながら問う。

 

「それにしても、本当に良いのか……?」

 

「その質問は、今さら……ですよ……」

 

 女魔術師は彼の問いに強がるように笑いながら返すと、首だけで彼の方へと振り向いた。

 

「私はっ、貴方の事が好きなんですっ……!」

 

 恥じらうように頬を赤く染めながら、けれどはっきりとした声音で、彼へと告げた。

 再びの告白にため息を吐いたローグハンターは「そうか」と苦笑混じりに返した。

 年齢が一回りも違う少女に告白される事になるとは、人生というものは本当によく分からない。

 まあ、それはそれとして──。

 

「俺も男だったんだな……」

 

「……?」

 

 彼の突然の物言いに首を傾げた女魔術師を他所に、ローグハンターは彼女を見下ろす。

 普段かけている眼鏡はサイドテーブルの上に置かれている為、彼女の蕩けた瞳を直に見ることができ、朱色に染まった頬も緩んでしまっている。

 ローグハンターはフッと鼻を鳴らすと、彼女の顎に手を添えた。

 少々無理をさせる事を理解しつつ、顎をくいと持ち上げると、彼女の瞳を覗きこんで笑みを浮かべる。

 

「今のお前を見てると、無性に興奮する」

 

「ふぇ……?んぐ!?」

 

 彼の言葉に間の抜けた表情を浮かべたのま束の間、女魔術師は彼の唇でもって口を塞がれた。

 無防備に開いていた口に舌が捩じ込まれ、反応出来ずにいた彼女の舌に絡み付く。

 

「ふぁ……!んっ!ちゅ!じゅる!んんんっ!」

 

 彼の舌が暴れる度に女魔術師は肩を揺らして反応を示し、彼に応じるように彼の舌に自身の舌を絡める。

 

「んっ!んぁ……!ちゅる……んぁ……」

 

 だが彼の温もりを強く感じているためか、蕩けていた思考が更に朧気となり、少しずつ舌の動きが鈍くなっていく。

 それはローグハンターがここぞとばかりに彼女の舌をなぶる結果に繋がるのだが、今の彼女にとってはそれで良いのだろう。

「んっ……。んちゅ……」と彼の唇に吸い付く程度のことはするものの、彼にされるがままになるように完全に彼に身を任せていた。

 ローグハンターはそんな彼女の姿に嬉しそうに目を細めると、先ほどから停止させていた彼女の秘裂に触れていた手を再び動かし始めた。

 ピタリと閉じた縦筋を撫でるように指を這わせてやれば、女魔術師は「んんっ!?」と先ほどとは違う、明確な意志をもった声を漏らした。

 同時にローグハンターは彼女の顔を離して唇を解放してやると、優しく微笑んだ。

 彼の笑みを向けられた女魔術師は嬉しそうに微笑むと、無意識に彼の腕を掴み続けていた手を離した。

 それを了承と受け取ったローグハンターは、指の動きを再開させる。

 ピタリと閉じた縦筋を、ゆっくりと上下に撫でるように擦ってやれば、女魔術師は「んっ!んんんっ!」と声を漏らす。

 

「このくらいなら、大丈夫か」

 

「はいっ。大丈夫、です……っ」

 

 彼の問いかけと共に与えられる、じわじわと広がっていく緩い快感に肩を揺らしながら応じると、ローグハンターは「強くするぞ」と告げた。

 同時に秘裂を撫でていた指を僅かに押し込み、秘裂の割れ目に入り込ませる。

 

「くっ!はぁ……っ!」

 

 下腹部に感じる僅かな違和感に声を漏らした彼女の反応を確かめるように、ゆっくりと指を這わせる。

 

「んっ……あっ!ひぅ!んんんっ!」

 

 彼の指の動きに合わせて腰が揺れ、漏れでる声には熱がこもっていく。

 同時に秘部からこぼれた愛液が彼の指に絡み、動く度にクチャクチャと湿った音が秘裂から漏れる。

 それを耳にしながらわ女魔術師は急速に理性が溶けていく錯覚を覚え、同時にそれを受け入れている自分に驚きながら、強烈なまでの安堵を覚えていた。

 たかが十六年の人生だが、その大半を術を修め、磨くことに費やしてきたのだ。

 彼にこうして愛撫されていると、自分が女であるという事を自覚出来てひどく心地よい。

 そんな全身を弛緩させてリラックスしている彼女だが、そうやっていたのも次の瞬間までだった。

 彼女の秘裂を撫でていた彼の指がとある場所に触れた瞬間、彼女の全身に電撃が駆け抜けたのだ。

 彼女は思わず「ひん!」と甲高い悲鳴を漏らすと、ローグハンターはその反応に興味深そうに目を細めた。

 彼の指が捉えたのは、彼女のものでありながら彼女にとっても未知の部位。

 ピタリと閉じた秘裂の肉に隠れるようにあるのは、柔らかい彼女の肉体においては目立つ、豆のように固い何かだ。

 ローグハンターが試しに指の腹でそれを転がしてやれば、女魔術師は「ひゃん!」と嬌声混じりに身体を跳ねる。

 そこを彼女の急所と認識したローグハンターは指を退かし、彼女の秘裂から顔を覗かせる豆のようなもの──クリトリスに目を向けた。

 胸のように男にはない部位であるそれは、大変気になるところではあるが、どうこう聞いては彼女に失礼だろう。

 故に彼が取るのは触れること。幸い危険がないのは先の接触で理解出来た。

 ローグハンターはピンと勃って存在を主張する彼女のクリトリスを指で押し潰し、指にまとわりついた愛液を塗りたくるようにして転がしてみる。

 

「んぃ!?んんんんっ!あぃ!はん!あっ!」

 

 先ほどとは比にならない快感を叩きつけられた女魔術師は、無意識に身体が逃げようとしている事に気付いた。

 彼の指がクリトリスを撫でる度に腰が下がり、人体の都合上、上半身が前に倒れていく。

「おお」と自身に押されて後ろに下がり始めたローグハンターの声が鼓膜を揺らし、女魔術師は少々恥じるように俯いた。

 自分から誘ったというのに逃げようとするなど、これではお笑い草になってしまう。

 だが身体が言うことを聞かず、どうにか彼の手から逃れようと腰が下がる。

 彼女の背後で目を細めたローグハンターは、空いている片手で彼女の身体を抱えると、ぐいっと自身の身体に密着するように持ち上げた。

 

「きゃ!?」

 

 女魔術師が突然体勢が変えられた事に驚き、可愛いらしい悲鳴を漏らすと、ローグハンターは思わず苦笑した。

 普段は頼り甲斐のある魔術師なのだが、こうして見るとやはり彼女はまだ少女なのだろう。

 そんな当たり前の事実を実感したローグハンターは、けれど容赦するつもりはないのか表情を引き締めた。

 ここまで来てしまえば──少々年齢差はあるが──男と女だ。

 ようやく彼女が気持ち良さそうにする場所を見つけたのだから、逃す手はない。

 彼女が逃げないようにしっかりと抱き抱えながら、彼は彼女のクリトリスを弄り始めた。

 軽く押し潰しながら指の腹で転がし、ふと思い付いて軽く摘まんでみる。

 

「んぃ!?」

 

 同時に彼女の身体はビクンと跳ねるのだが、幸い彼の腕にしっかりと捕まっているため倒れる事はなかった。

 だがその反応にローグハンターが味をしめたのは事実で、彼の指は容赦なく彼女のクリトリスを虐め始めた。

 クリトリスを摘まんだ指でころころと転がしたり、軽く引っ張ってみたり、彼が何かしらの行動をする度に女魔術師はあんあんと嬌声を漏らす。

 腕の中で滑稽なまでにビクビクと震える彼女の姿に苦笑を漏らしつつ、彼女のクリトリスを摘まんでいた指に力を入れた。

 

「ひぎっ!」

 

 僅かな痛みを感じるものの、それを優に越える快感に身を捩った。

 摘まんだまま指の腹でクリトリスを転がしてやれば、「んああああ!?」と悲鳴にも似た嬌声をあげる。

 

「んぎっ!んんっ!ひぁ!?」

 

 嬌声をあげながらビクンビクンと身体を跳ねさせる彼女は、脳内に火花な散る感覚を覚え、それが散る度に快感が大きくなっている事に気付く。

 

「んぁ!あっ!あひっ!な、なにこれ、わたし、しらない!?」

 

「なにか、くる!きますぅ!」と宣言する彼女の反応を愉しみながらクリトリスを解放すると、充血して真っ赤になった豆粒が露になる。

 ローグハンターは「見てみろ」と告げて彼女の視線を誘導すると、勿体ぶるようにクリトリスの回りを撫でた。

 

「んひっ!まって……ください……!わたし、こわいです……っ!」

 

 ビクンビクンと快感の余韻に身体を揺らす彼女は、悪夢に怯える子供のように不安そうな声音で彼に告げた。

 ローグハンターは困ったように笑うと、ぎゅっと彼女を抱き締める力を強めた。

 

「大丈夫だ。俺がここにいる」

 

 耳元で父親さながらの慈愛に満ちた声で囁かれると、女魔術師は彼の腕を掴み、小さく首を縦に振った。

 彼女の何とも可愛いらしい反応にどこか保護欲をそそられながら、けれど一人の男として彼女を悦ばせる為に覚悟を決めて、物欲しそうに勃起している彼女のクリトリスを指で軽く弾いた。

 一瞬の内に与えられた、鋭く刺すような痛み(快感)

 それが、彼女にトドメを刺すことになった。

 刹那の時間で脳に達した快感は彼女の内に燻っていた炎に油を注ぎ込み、爆発させた。

 

「んあああああああああああ!!!!」

 

 彼女は今日一番の嬌声と共に絶頂を迎えた。

 がくがくと腰を震わせながら、秘部からは透明な液体が吹き出す。

 

「んぃ!?んんんんんっ!!!」

 

 彼女も絶頂で霞む意識の中でもそれを自覚できたのか、それを止めようと下腹部に力を入れるが、彼女の意志に反して力が入らず潮が吹き出し続ける。

 

「力抜け」

 

 そんな身体に力を入れてしまっている彼女にそう告げると、再びクリトリスを弾いた。

 彼女は「ひゅ!」と鋭く息を吐くと、落ち着きかけた絶頂が再び訪れ、先ほど以上に潮を吹いた。

 

「んいぃ!?んんっ!あああああああああっ!?!」

 

 足を爪先までピンと伸ばし、身体をがくがくと痙攣させる。

 吹き出した潮で自身の太ももと彼の手をびしょびしょに濡らしながら、彼女は我慢を忘れて身体から力を抜いた。

 

「んあ!?ひぅ!んんんっ!」

 

 彼女の絶頂が止まったのは、それから数分が経った頃だった。

「んぁ、あぇ……」と絶頂の余韻で弛緩した身体を寄りかかってくる彼女をしっかりと受け止め、手入れの行き届いた赤い髪を撫でた。

 

「それで、そろそろいいか……?」

 

「んぇ……?」

 

 同時に投げ掛けられた問いに、女魔術師は僅かに振り向きながら首を傾げると、ローグハンターは彼女の手を取り、パンツ越しに勃起した自身の逸物に触れさせた。

「ひっ!」と思わず声を漏らした女魔術師を他所に、ローグハンターは淡々と告げる。

 

「そろそろいいか」

 

 先ほどと言っていることは同じだが、そこには確かな意志が宿り、ちらりと見える蒼い瞳は情欲の色に染まっている。

 

「ぁ……」

 

 その瞳を覗いてしまった女魔術師は力なく声を漏らすと、とんと肩を押されてベッドに倒れた。

 後ろから押された都合上うつ伏せでベッドに倒れ、弛緩した両手をベッドに投げ出し、腰だけが上がった状態だ。

 

「ぁ……ゃ……」

 

 耳を澄まさなければ聞こえない、とてもか細い声を漏らしはするものの、ローグハンターには何を言っているのかを理解出来なかった。

 故に彼はぐだぐだと考えるのを止め、パンツを脱ぎ捨てると、勃起して子供の腕ほどになった己の分身を彼女の秘裂に当てた。

 女魔術師は「んっ……」と声を漏らして肩を揺らすが、抵抗したり逃げようとしたりせず、彼に身を委ねるように深呼吸をして身体から力を抜いた。

 ローグハンターは褒めるようにそっと肉付きのいい彼女の臀部を撫でると、ピクンと臀部が揺れる。

 その様は淫らでありながら何とも可愛らしく、ローグハンターの分身は更に勃起して反り返り始める。

 今はローグハンターが押さえているため大丈夫だが、手を離せば自身の腹を殴ることになるだろう。

 その前にと意気込んだローグハンターは、思い切り腰を前に突き出した。

 ずりゅ!と音をたてて彼女の秘部へと入り込んだ逸物は、拳のように固い亀頭で絞まりきった膣肉を掻き分け、立ちふさがった処女膜を容易く貫いた。

 

「ぎ──っ!!」

 

 一瞬感じた鋭い痛みに女魔術師は唸るが、シーツを噛むことで声を押し殺し、両手で力任せにシーツを掴むことで痛みに堪える。

 仕事がら多くの怪我を経験しているのだ。この程度の痛みには慣れている。

 ──と、彼女は意気込みはしたものの、やはりと言うべきか、冒険中の痛みとはベクトルが違うそれは堪えたようで、ぎゅっと閉じた目に涙を浮かべて歯を食い縛る。

 うつ伏せ故にその表情が見えないローグハンターは、痛いほどに締め付けてくる膣肉の温もりとは別の、何とも感じ慣れた温もりを感じて動きを止めた。

 

「おい、大丈夫か」

 

 彼が感じたのは血の温もりだ。それは彼女がどこかに怪我をして、それがかかった事に他ならない。

 純粋な心配から彼女に声をかけたローグハンターに対して、女魔術師はシーツを噛み締めたまま「フーッ!フーッ!」と手負いの獣のように荒れた呼吸を繰り返す。

 彼女としてはそれが精一杯の答えであり、それを察せぬほどローグハンターも落ちぶれてはいない。

 逃がさないと言わんばかりに締め付け、扱くように蠢く膣肉の愛撫に耐えながら、ローグハンターはしばらく待つことにした。

 彼女に与えたいのは痛いではなく快感だ。その為なら待つことなど容易い。

 そうして彼が微動だにせずに待っていると、そのまま数分の時が過ぎた。

 逸物に絶えず緩い快感を与えられる感覚に理性を削られながらも、彼女の為と言い聞かせてひたすら耐える。

 そうして更に数分待つと、ようやく女魔術師の呼吸が落ち着き、彼女は噛んでいたシーツを離した。

 

「もぅ、大丈夫です……」

 

 はぁはぁと呼吸を乱しながら、彼女は背中越しに振り向いてそう告げた。

 彼女の言葉に頷いたローグハンターは、何を思ってか彼女の太ももを掴み、くるりと寝返りをうたせる。

 

「んぉ!?」

 

 身体が回るという都合上、鋭いかりが彼女の膣肉を掻き回す結果となり、女魔術師は野太い嬌声を漏らした。

 仰向けにした彼女の下腹部は僅かに彼の逸物の形に膨らんでおり、少々息苦しそうでもある。

 だがローグハンターは構わずに覆い被さると、彼女の顔を見つめながら告げる。

 

「悪いが、手加減出来そうにない」

 

「はぃ……大丈夫です……」

 

 彼の忠告に女魔術師は録に考えもせずに頷くと、ローグハンターは嬉しそうに笑って彼女の唇を奪った。

 無防備に開いていた口から舌を侵入させ、彼女の舌に絡ませる。

 

「んっ。ちゅる。んんっ……」

 

 舌が絡み合う湿った音と共に女魔術師の艶っぽい声が漏れると、彼の顔を離した。

 二人を繋ぐ半透明な唾液の糸が伸び、すぐにぷつりと切れた。

 その唾液は恍惚の表情に染まった女魔術師の頬に落ち、彼女の顔を僅かに汚す。

 ローグハンターは自身と彼女の唾液が混ざったものを指で拭ってやると、彼女の蕩けた瞳を見下ろした。

 

「いくぞ」

 

 彼はただそう告げて、止めていた腰の動きを再開させる。

 パンパンとわざとらしく音をたてて腰を叩き付け、その度に亀頭が子宮口を殴り付け、「んぉ!?おおっ!?」と女魔術師の野太い嬌声が後に続く。

 

「どうだ!俺も初めてだがっ!」

 

「んぃ!いいっ!気持ちぃですぅっ!!あん!あひっ!」

 

 パンパンパンパンと腰同士がぶつかる音に混ざって投げられた問いかけに、女魔術師は嬌声混じりに肯定した。

 その返答に気を良くしたローグハンターはニヤリと口の端を歪め、「そうかっ!」と興奮に目を見開きながら声を跳ねさせた。

 同時に片手で彼女の腰を押さえると、思い切り腰を叩き付けた。

 

「んぎぃ!?」

 

 衝撃を逃がすことさえも許されず、直接子宮を殴られたと思えるほどの衝撃が脳天まで駆け抜けると、女魔術師はピクピクと痙攣し、「お゛っ!お゛っ!」と意味を持たない声を漏らす。

 彼女の興奮に合わせて引き締まった膣肉は隙間なく彼の逸物を捕まえ、蠢くひだが扱きあげる。

 ただそれだけでも射精してしまいそうになるが、彼は歯を食い縛って耐え、ひたすらに腰を振るう。

 

「あぎ!ひぅ!あん!あっ!あひっ!ひん!あん!」

 

 突く度突く度彼女は喘ぎ、ビクビクと身体を痙攣させる。

 背筋がくすぐられたように震え、逸物に抉られた膣肉が痙攣を始める。

 

「あん!あん!あはっ!また、きましたっ!さっきのが、またっ!」

 

「俺もそろそろだっ!」

 

 彼はそう告げて、腰の動きを激しくさせた。

 パンパンと肉同士がぶつかる乾いた音に、二人の結合部から漏れる湿った音が混ざり、パンパンぐちゃぐちゃと淫らな音が部屋へと響く。

 

「んいぃ!ひぐ!駄目、ですぅ!もう、我慢できませんっ!!」

 

「俺も無理だっ!抜くぞ……っ!」

 

 彼はそう言って逸物を抜こうと腰を引くが、それよりも速く女魔術師の足が彼の腰に組み付いた。

 抜けかけた逸物が力ずくで押し込まれ、子宮を潰された女魔術師は「お゛!?」と悲鳴を漏らし、膣肉が一気に引き締まる。

 僅かに油断していたローグハンターもまた、突然大きくなった快感に「ぐっ!」と唸り声を漏らし、同時に限界を迎えた。

 子宮口に添えられた鈴口から溶けた鉄のようにどろどろとした精液が、半ば潰れた彼女の子宮に注ぎ込まれる。

 

「んぁ!?ぎぃいいいいいっ!」

 

 女魔術師はもはや理性の欠片もない悲鳴をあげ、解き放たれた精液をその子宮に受け止める。

 だが一度の射精にしては多量のそれは、容易く彼女の子宮を満たし、逸物で埋められた膣内を逆流して秘裂から溢れた。

 

「お゛!?んぎぃっ!あっ!ぎっ!ああああああ!?」

 

 愛する人のもので子宮を満たされる多幸感と、強烈な快感。

 その二つが彼女を更なる絶頂に押し上げ、膣肉が蠢いて彼の逸物を扱く。

 扱かれた逸物は尿道に残された精液さえも絞り出し、一滴残さず彼女の胎内に注ぎ込まれた。

 

「んぉ!?──………」

 

 同時に何かの一線を越えてしまったのか、女魔術師は断末魔のような悲鳴をあげると、彼を捕まえていた両手足を解き、ベッドに身体を沈めた。

 そんな彼女に文字通り全ての精液を注ぎ込んだローグハンターはどっと疲れの色が濃い息を吐き、萎えた己の分身をゆっくりと引き抜いた。

 

「ぁ──っ!ぇっ!……ぅっ!!」

 

 弱々しい声を漏らしながらビクビクと痙攣を繰り返す彼女の姿を見下ろし、ローグハンターは困り顔で頬を掻いた。

 

 ──明日の仕事は、大丈夫なのか……?

 

 自身の疲労具合、彼女の疲労具合、いかんせん色々と初めてのことばかりで判断の基準がわからない。

 彼は再びため息を漏らすと、彼女の隣に寝転んだ。

 

 ──とりあえず寝よう。明日起きればわかることだ。

 

 彼はそう判断を下し、瞳を閉じて疲労感に任せて眠りに落ちた。

 隣で性行の余韻に浸り、眠る気配のない彼女をそのままに。

 

 

 

 

 

 余談だが、案の定翌日は休日となった。

 女魔術師の腰が砕け、ろくに動くことが出来なくなったからだ。

 

「本当に、申し訳ないです……」

 

 ベッドに寝転んだまま謝ってくる女魔術師見つめて、ローグハンターは苦笑を漏らした。

 

「まあ、加減しなかった俺も俺だ」

 

 彼はただ笑いながらそう告げると、ベッドに手をつき前のめりになりながら、彼女に顔を寄せた。

 

「次からは、上手くやるさ」

 

 そして、彼女の耳元でそう囁く。

 その声は喜色が強いものであり、確実にその次を楽しみにしているそれだ。

 女魔術師はごくりと生唾を飲むと、真っ赤になった顔を隠すように顔を背けた。

 だが耳までは隠すことは出来ず、ローグハンターは再び苦笑。

 

「本当、可愛い奴だな」

 

「うぅ……」

 

 彼から放たれた無慈悲な追撃に、女魔術師はたまらずに頭までシーツを被った。

 そんな彼女の姿も愛らしく、ローグハンターはシーツ越しに彼女の頭を撫でる。

 隠れはしたものの逃げようとしないのは、全幅の信頼を置いてくれている証拠だろう。

 その事実がたまらなく嬉しくて、ローグハンターは笑みを浮かべた。

 そして彼に撫でられている女魔術師もまた、シーツの下で笑みを浮かべていた。

 

 

 

 

 




これでアンケート編は一段落。次からはリクエスト編です。

感想等ありましたら、よろしくお願いします。


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Memory?? 黒き鷹は色欲に染まる ①

リクエストから。

ヒロインキャラは、牛飼娘、剣の乙女、魔女、受付嬢。
今回はこの四人の前編。

このルートのローグハンターは、ご覧の通りハーレム築いてます。
なので、本編の一途のローグハンターのイメージを損なう可能性が大いにありますので、ご了承ください。

分岐条件は不明、ついでに時期も不明。

リク主さんからはいくつか条件も提示されましたが、一部はゴブスレ世界に合わせて形(あるいは名称)が変わっています。



 四方世界のどこかに鎮座する屋敷の一室。

 大人四人程度なら余裕で寝転べるであろう特大サイズのベッドが置かれたその部屋には、五人の人物がいた。

 一人は屋敷の主たる男──周囲からはならず者殺し(ローグハンター)と呼ばれ、一部からは恐れ、一部からは敬われている冒険者だ。

 そんな彼は上半身裸でにこにこと上機嫌そうに笑いながら、目の前に整列している四人の女性──牛飼娘、剣の乙女、魔女、受付嬢に目を向けた。

 

「それで、今日はどうしたの?」

 

 緊張しているのか、あるいは期待しているのは、赤面している面々を他所に、一人余裕の笑みを浮かべていた牛飼娘が彼へと問うた。

 牧場の仕事が終わり、身を清めようと水浴びをした直後だからか、赤い髪は僅かに湿っており、水滴が髪の毛についている。

 だがそれは彼女が働き、汗を流してきた結果なのだから、ローグハンターがとやかく言うことはない。

 彼は「おうとも」と腕を組むと、彼女ら四人に目を向け、ニヤリと口の端を三日月のように歪ませた。

 

「お前らには、『魔球拳』をしてもらう」

 

「「「「……?」」」」

 

 彼の突然の物言いは今に始まった事ではないが、今回もまたよく分からない単語が出てきたと、四人は困惑気味に顔を見合せた。

 

「あの、ローグハンター様……?」

 

「なんだ、大司教」

 

 女性陣を代表する形で口を開いたのは剣の乙女だ。

 黒布に覆われた見えざる瞳に彼の影を映しながら、彼へと問う。

 

「その『魔球拳』なるものは、なんでしょうか」

 

「ああ、すまん。説明なしじゃあ、わからないよな」

 

 彼は苦笑混じりにそう言って肩を竦めると、「なに、簡単な事だ」と告げて彼女らに言う。

 

魔球(ウィズボール)なんて御大層な名前がついているが、別にあんな危ないものをお前らにはやらせない」

 

 彼がそう言うと、女性陣の中で体力が最も劣るであろう受付嬢が、ほっと息を吐いた。

 魔球とは四方世界で行われているスポーツの一種で、ローグハンターの出身(アサシンクリード)世界で言う野球にあたるものだ。

 基本書類仕事である受付嬢が、その名を聞いて不安に思うのは仕方がない。

 そんな彼女の様子を流し見しつつ、ローグハンターは説明を続けた。

 

「それに名前は適当だからな、深くは考えるな。一番大切なのはここからだ」

 

 彼はそう言うと再びニヤリと笑い、彼女らに告げた。

 

「ルールは簡単。お前ら四人でじゃんけん──ちょいと多いから多い勝ちでいいか。ともかくじゃんけんをして、負けたら服を脱ぐ。全裸になったら負け。それだけだ」

 

 彼が何て事のないように言うと、女性陣四人は目を見開いて驚きを露にし、思わず身体を強張らせた。

 魔球拳。分かりやすく言うなれば野球拳。彼はそれを彼女らに行わせようと言うのだ。

 

「一つ、いいかし、ら?」

 

 真っ先に状況を理解した魔女が、胸元から煙管を取り出しながら挙手すると、期待からかにこにこと笑っているローグハンターは「なんだ」と短く問うた。

 

「わたしは、いいわ、よ?でも、大司教様、は?」

 

 彼女はそう言うとちらりと剣の乙女に目を向けて、くわえた煙管に「《インフラマラエ(点火)》」と詠唱を挟んで火を入れる。

 剣の乙女が目が見えていないのだ。不正があったり、後だし云々で揉める可能性がある。

 そんな心配をする彼女を他所に、ローグハンターはその肉感的な肢体に目を向けながら、「大丈夫だ」と告げて彼女らに言う。

 

「審判は俺がする。不正はしない」

 

「そ……。なら、いい、わ」

 

 魔女は微笑みながら頷くと、ふーっと紫煙を吐いた。

 吐き出された紫煙は開いた窓から吹き込んだ風に吹かれて消え、僅かな残り香を残すのみ。

 

「他に質問は?」

 

 そんな彼女を他所に、ローグハンターは緊張しているのは身体を強張らせている受付嬢に目を向ける。

 

「あの、負けた人に罰ゲームなどは……?」

 

 恐る恐ると言った様子で問うたのは、彼に見つめられていた受付嬢だ。

 期待半分、不安半分といった様子で、朱色に染まった頬は妙に色っぽい。

 ローグハンターはわざとらしく困ったように唸ると、腕を組んで片目を閉じながら彼女に告げた。

 

「罰ゲーム……。あるにはあるが、ここでは言わん。楽しみが減る」

 

「そ、そうですか」

 

 その場の思い付きのように言った彼に、受付嬢は困り顔になると、ローグハンターは「やりたくないなら構わんぞ?」と一応の逃げ道を示す。

 

「やりたくない、面倒くさいと思うなら、回れ右して部屋から出ていってくれ。残った三人にやらせる」

 

「ん?一人だけになっちゃったらどうするの?」

 

 そんな彼の言葉に反応したのは、ぼんやりと話を聞いていた牛飼娘だ。

 唇に指を当てて小首を傾げながら放たれた問いに、ローグハンターは「別に何もないが」と前置きをしてから、にこりと微笑んだ。

 

「ただ、その残った奴に余剰分の愛情を叩き付けるだけだ。二人三人ならどうにかなるだろうが、一人の場合は大変だろうな。四人分の愛情をぶつけられるんだから。ちなみに、最近溜まっているから、途中で潰れても無視する。立ち去るなら残された奴のことも考えてやれよ?」

 

 同時に彼は細めた蒼い瞳に嗜虐的な光を乗せ、女性陣を一瞥した。

 その眼光は彼女らを獲物と定めた捕食者のそれで、微笑む口元とは対照的に攻撃的だ。

 ごくりと誰が生唾を飲んだ音が部屋に響くと、四人は覚悟を決めたのか、それぞれに目を向けて頷いた。

 いつもは彼の愛情を分けあう同志だが、今回に限っては敵同士なのだから、その表情は真剣そのもの。

 ローグハンターは彼女らの表情に僅かに興奮したように獰猛な笑みを浮かべ、「それじゃあ、やるか」と告げた。

 

「練習がてらの一回目。はい、じゃーんけん──」

 

 彼の音頭に合わせて彼女らは手を振り上げ、各々の信念を込めた一手を打ち出した。

 

 

 

 

 

 それから、どれ程の時間が流れただろうか。

 まあ、いまだに夜であることに変わりはなく、ローグハンターはまだまだやる気なので問題はないだろう。

 問題があるとすれば、魔球拳なるものの途中経過だ。

 

「ふふ。簡単、ね」

 

 あれから一度も負けることなく、いつものローブを纏ったままの魔女が、鈴を転がしたようにころころと笑った。

 

「うぅ……」

 

 彼女に笑われたのは、受付嬢だ。

 運が味方をしてくれなかったのか、既に彼女が纏っているのはショーツのみで、豊かな胸は腕を被せて隠している。

 

「な、なんだか恥ずかしいな」

 

 隣の牛飼娘もまた同じようなものだが、ブラジャーがあるだけましというもの。

 

「えっと、大丈夫ですか……?」

 

 視力が極めて悪い為、他の面々がどんな状態なのか把握出来ない剣の乙女は、目元の黒布がなくなった程度で、いつもの変わりはない。

 ローグハンターはベッドに腰掛けながら、その結果をどこか納得と共に眺めていた。

 魔女が一人勝ち状態なのは当たり前だ。在野最高の銀等級冒険者なのだから。

 剣の乙女が軽傷なのも当然だ。彼女は金等級冒険者、持ち前の勘は他の追従を許すまい。

 つまり、真っ先に脱落するのは牛飼娘か受付嬢の二択。

 

 ──まあ、それはそれとして。

 

 彼はちらりと勃起した己の分身に目を向け、どうしたものかと小さく息を漏らした。

 目の前で美女四人──事実上は二人だが──のストリップを見ているのだから、興奮して当たり前だ。

 

「むぅ……」

 

 彼は悩ましそうに息を吐くと、再びのじゃんけんが行われた。

 結果は魔女がパー、剣の乙女もパー、牛飼娘もパー。そして最後の一人、受付嬢は──。

 

「ぇ、あ、嘘……」

 

 グー。たった一人だけが、この状況で負けである一手を出してしまったのだ。

 彼女は自身の握られた拳を眺めながら脱力し、その場にへたり込んだ。

 他三人が一周回って申し訳なさそうな表情になる中で、ローグハンターが苦笑混じりに立ち上がり、へたり込む彼女の肩に手を置いた。

 

「お前が最下位か。まあ、なんだ、そんな時だってあるさ」

 

 彼はそうやって彼女を慰めると、「それじゃあ、罰ゲームだな」ともはや残酷なまでに現実を叩き付ける。

 

「ば、罰ゲームは、なんですか……?」

 

 もしかしたら、そこまで辛いものではないかもしれない。

 彼の性格からして、相手の命に関わることや、相手を痛め付けるなんてことはない。

 それを知る受付嬢は僅かな期待を込めて彼に問うと、ローグハンターはニヤリと嗤った。

 同時に彼女を抱き上げると、乱暴にベッドに放り投げた。

 

「きゃ!?」

 

 ボフン!と音をたててベッドに落ちた彼女は小さく悲鳴をあげると、ローグハンターは彼女の腹の上に股がり、ズボンのボタンを外すと、勃起した己の分身の彼女の胸の上に置いた。

 

「~っ!!」

 

 同時に解き放たれた雄の臭いに当てられた受付嬢は、急速に身体が熱を帯びていく感覚に目を見開き、生唾を飲みながら蕩けた笑みを浮かべた。

 

「最下位へと罰ゲームはしばらく俺の玩具になることだ。動かずに、俺のされるがままになれ。いいか?」

 

「は、はいぃ……」

 

 彼の臭いに当てられた彼女は、足を内股気味にしながら頷くと、ローグハンターはただ嬉しそうに笑った。

 

「素直でよろしい。それじゃあ、そっちは──」

 

 彼はちらりとまだ勝負中の三人へと目を向けるが、すぐにフッと鼻を鳴らした。

 三人は既に次の勝負に映っており、魔女がローブのマントを外していたからだ。

 負ければローグハンターが相手にしてくれることがわかり、どうにかして負けようとしているのだ。

 趣旨が変わってきている気がするがとローグハンターは肩を竦めるが、すぐに意識を切り替えて受付嬢を見下ろした。

 

「こっちも始めるか。次がすぐに来てしまいそうだ」

 

 ふふと彼は小さく笑うと、自身の逸物を汗ばんだ胸の谷間に落とし、豊かな膨らみを両側から押して密着させる。

 子供の腕ほどありそうな逸物が彼女の胸に挟まれ、その姿を隠した。

 

「動くぞ」

 

 彼は一方的にそう告げて、腰を振り始めた。

 汗の為か、あるいは先走り汁の為か、ずりゅずりゅと湿った音をたてながら、逸物が彼女の谷間を走る。

 

「あっ!ひんっ!んんっ!ちゅ……!」

 

 胸と逸物が擦れる度に嬌声を漏らす受付嬢は、頭を持ち上げて谷間から飛び出してくる亀頭に口付けした。

 彼女の行動をローグハンターは愉しそうに笑い、「胸は自分で頼む」と告げて片手で彼女の頭を支えてやる。

 自分の両手で胸を寄せた受付嬢はただ待つだけでよく、谷間を掻き分けて飛び出してくる亀頭にキスを落とすだけでいい。

 されるがままになれとは言われたが、これではむしろ彼の方が疲れるだろうに、当の彼はこれで良いのか口元には笑みが浮かんでいる。

 

「ひぅっ!んんっ!ちゅ!んちゅ!れろっ!」

 

 胸が擦られる快感に身体を震わせながら、彼女は精一杯の力を込めて亀頭に口付けを落とす。

 余裕があれば先走り汁を舐めとり、一刻も早い射精を促す。

 横目で見える勝負は、もうすぐにでも勝負がついてしまいそうだ。

 

「随分と積極的だな、まったく!」

 

 ずりゅずりゅと音をたてて逸物を擦り付けるローグハンターは、ふと思い付いたように空いている片手で彼女の胸に触れ、ピンと勃った乳首を指で摘まんだ。

 

「ひぅ!?」

 

 全身を駆け抜けた電流のような快感に、受付嬢は腰を跳ねさせるが、ローグハンターは怯むことなく腰を振りながら彼女の乳首をなぶる。

 

「ひぎっ!いいっ!んちゅ!んーっ!ちゅ!」

 

 受付嬢は鋭い快感に喘ぎながら亀頭に口付けをすると、ピクピクと腰を痙攣させ始める。

 

「んぃ!だめ、だめっ!わたし、むねだけでぇ!」

 

「イきそうなのか!?随分と敏感だなっ!」

 

「ひゃん!ひぅ!あん!だって、久しぶりだからぁ!」

 

「確かに、それもそうだが……っ!」

 

 そう言いながら彼女の乳首を弾いてやれば、受付嬢は「あん!」と声を漏らしてビクンと大きく跳ねた。

 

射精()すぞ、口開けろ!」

 

「ひぅ!あん!んぁっ!あーっ!」

 

 乳首を指の腹で捏ねながら、ローグハンターが宣言すると、受付嬢は言われるがまま大口を開けた。

 彼はそこに亀頭を押し付けると同時に、思い切り乳首を摘み、腰の力を抜いた。

 

「んぎ!?ぐぼっ!──っ!!」

 

 彼女が絶頂するのと、彼が吐精したのはほぼ同時。

 溶けた熱のように熱く、どろどろとした精液が彼女の口内を一杯にし、どうにか飲み下そうにも粘り気の強いそれは喉を通すだけでも一苦労だ。

 

「ごぶ!んぐ!んぶっ!お゛……っ!?」

 

 絶頂の余韻に喘ぎながら、どうにか飲み込んでいた受付嬢だが、ついに飲みきれずに口の端から精液を溢し始めてしまう。

 それを合図にローグハンターが逸物を離してやれば、吹き出した精液が彼女の顔と胸に降りかかり、白く汚していく。

 

「んぐ……っ!んくっ……!あ~」

 

 どうにか口の中に残っていた精液を飲み込んだ受付嬢は口を開け、飲み終えた事を彼へと報告する。

 ローグハンターは苦笑混じりに肩を竦めると彼女の上から退き、同時に彼女の下腹部に目を向けてわざとらしく眉を寄せた。

 

「負けたのにまだ履いていたのか。脱がせるぞ」

 

「れろ、ちゅる。んくっ……」

 

 彼はそう言ったのだが、彼の精液を舐めとることに夢中の彼女には聞こえておらず、ローグハンターは「やれやれ」と首を振ると、問答無用でショーツを剥ぎ取った。

 秘裂とショーツの間に透明な糸が伸び、むんと香る雌の臭いが彼を興奮させる。

 現に射精を終えた彼の逸物は次に備えて再び勃起しており、先端からは残っていた精液混じりの先走り汁が溢れ始めた。

 ごくりと生唾を飲んで彼女に手を伸ばすが、横合いから飛び出してきた手に掴まれ、力ずくで制止された。

 

「ふふ、次は私だね」

 

 ひょこりと顔を出した牛飼娘はにこにこと笑いながら、「何して欲しいの?」と彼へと問うた。

 彼女の声にハッとしたローグハンターは彼女に目を向けて、次いで後ろで勝負を続けている剣の乙女と魔女の方に目を向けた。

 二人とも下着姿になっているとはいえ、あいこが続いて中々に白熱しているようだ。

 二人とも妙に頬が赤く、息遣いが艶っぽくなっている辺り、それなりに興奮しているのだろう。

 

「ねぇ、聞いてるの?」

 

 そんな彼の腕に抱きつきながら、牛飼娘は不満そうに頬を膨らませた。

 ローグハンターは「ああ、すまん」と意識を切り替えて、彼女の方へと向き直った。

 ルール通りに一糸纏わぬ裸姿で、豊かな胸と桃色の乳首、そして僅かに生えた陰毛が露になっている。

 彼は下から持ち上げるように彼女の胸に触れると、ニヤリと嗤った。

 

「それじゃあ、胸を使って貰おうかな。久しぶりに」

 

「ふふっ、はーいっ。よっこいしょっと」

 

 彼の言葉に牛飼娘は可笑しそうに笑いながら、彼の逸物を豊満な胸の谷間に挟み、両腕で押し潰す。

 受付嬢のものよりも一回りも二回りも大きなそれでも彼の逸物は隠しきれず、先走り汁でテカテカしている亀頭が覗いている。

 ローグハンターは逸物を包み込む極上の柔らかさに熱のこもった息を吐くと、牛飼娘は「んしょ、んしょ」と声を漏らしながら胸を上下させ、彼の逸物を扱き始めた。

 ずりゅ……ずりゅ……と湿った音を出しながら胸が動き、谷間は彼の先走り汁でベタベタになり始める。

 

「んっ……。あっ……。ふっ……」

 

 同時に牛飼娘の口からは艶っぽい声が漏れ、肌は赤く上気していき、ピクピクと肩が揺れ始めた。

 ローグハンターは笑みながら彼女の様子を眺めると、そっと髪を撫でてやる。

 

「んっ……。えへへ……んっ」

 

 牛飼娘は心地よさそうに目を細めるが、同時に緩やかな快感に身体を震わせ、そっと自身の秘裂に指を這わせた。

 

「ひゅ!んんっ……!へろ……っ!」

 

 同時に駆け抜けた鋭い快感に息を吐きながら、谷間から顔を出す亀頭に舌を這わせた。

 

「へろ!んんっ!ちゅる!んぐ!」

 

 飴玉を舐めるように舌を這わせて先走り汁を舐めとり、時には吸い上げながら、自身の指で秘裂を撫で回す。

 

「ひぅ……っ!んん!ちゅ!れろ!じゅるっ!」

 

 彼女が逸物をくわえながら自慰行為をしている姿に、ローグハンターは愉快そうに目を細めながら、「胸が動いてないぞ」と告げて彼女の両乳首を摘まんだ。

 

「ひっ!」

 

 突然与えられた第三者からの快感に身体を跳ねさせた彼女を他所に、ローグハンターは淡々とした声音で言う。

 

「別に好き勝手にやっても構わんが、一応罰ゲームだからな」

 

 少々咎めるような口調で言うと、彼は乳首を摘まんだまま彼女の胸を上下に振り回し始める。

 

「はぎっ!いぎ!待ってっ!はぐ!」

 

 多少の痛みは感じるものの、それよりも強い快感に彼女は身を捩り、牛飼娘は「はひゅ!ひん!」と嬌声を上げ続ける。

 

「ほら、しっかりくわえてくれ」

 

「んぎゅ!んぐ!んぼ!んんっ!?」

 

 言われるがまま牛飼娘が亀頭を飲み込むと、ローグハンターは腰を突き上げ始めた。

 乳首を掴まれている為下がるわけにもいかない彼女は、喉奥を亀頭で殴られながら、野太い声を漏らす。

 

「んぼ!ぶっ!ごぶっ!」

 

 まともに息が出来ない苦しさに涙を滲ませ、鼻息を荒くしながらも、秘裂を撫でる指が止まる気配はない。

 

「んぶ!お゛っ!お゛ん゛!?」

 

 喉奥を貫く熱さと、それを求める下腹部の熱に気をやられかけながら、牛飼娘は必死になって舌と指を動かす。

 絶え間なく出てくる先走り汁の味が、乳首から与えられる快感が、秘裂を撫でる快感が、確実に彼女を蝕み、理性の崩していく。

 

「ぶ!お゛っ!んぼ!」

 

「そろそろ射精()そうだ」

 

「お゛!?んぶ!じゅる!じゅるる!」

 

 彼の宣言を受けた牛飼娘は、それに合わせるように指の動きを激しくさせ、早く射精()してねだるように逸物を吸い上げる。

 

「ぐっ!」

 

 射精感が最大まで大きくなった瞬間、彼は彼女の胸を解放し、両手で彼女の頭を押さえつけた。

 

「んぶ!?」

 

 亀頭を喉奥に押し付けられた牛飼娘は目を白黒に点滅させながら、吐き出された精液を迎え入れた。

 

「ぉ゛!?んぐっ!ごぶ!んぐ!んぐ!」

 

 突然吐き出された粘っこい熱の塊にを飲み下しながら、牛飼娘は己のクリトリスを指で摘まんだ。

 

「んぼぉ!?ぉぐ!ぐ!んぐ!ぉ゛あ゛!?」

 

 全身を駆け抜けた快感に痙攣し、軽く意識をやりながらも、押さえつけた頭は彼の逸物から離れない。放してくれない。

 

「んぐ!んぎぁ!ごく!こく!──う゛ぉ!?」

 

 流し込まれる精液を飲み込んでいた牛飼娘の背を、誰かの手が這った。

 その感覚に思わず精液を逆流させた牛飼娘を他所に、ローグハンターは苦笑混じりにその第三者に目を向けた。

 

「負けたのはお前か、大司教」

 

「はいぃ、どうにか負けてきましたわ(・・・・・・・・)……」

 

 はぁはぁと興奮したように呼吸を乱す剣の乙女は勿論裸であり、ビクビクと身体を痙攣させる牛飼娘に目を向けて、「大丈夫なのですか?」とローグハンターに問うた。

 彼女の曇った瞳では牛飼娘の状況を把握しきれてはいないが、無事でないことはわかる。

 ローグハンターが射精を終えると共に押さえていた頭を解放してやれば、牛飼娘は頭をベッドに沈めた。

 

「あっ……かっ……げぇ……」

 

 口から飲みきれなかった精液を吹き出しながら、秘裂からはぷしぷしと潮を吹き出し、絶頂の余韻で身体を痙攣させる。

 

「まあ、大丈夫だろう」

 

 そんな彼女を見下ろしながらローグハンターが言うと、剣の乙女は彼に飛び付いてそのまま押し倒した。

 そして精液にまみれた彼の逸物に指を這わせると、「綺麗にしますわね」と告げて自身の豊満な胸で彼の逸物を包む込んだ。

 ぐりぐりと押し付けるように胸を動かし、タオルで拭うように胸を上下左右に揺らす。

 

「どうです、気持ち良いですか?」

 

「ああ、ちょうどいい塩梅だ」

 

「ありがとうございます」

 

 形はともかく彼に誉められた剣の乙女は心底嬉しそうに笑いながら、むにむにと胸を動かす。

 彼女の手の動きに合わせて形を歪める豊かな果実は、ローグハンターを興奮させるには充分なもので、綺麗になると共に再びその固さをより強くする。

 同時にローグハンターは何かを思い付いたのか、フッと小さく笑って彼女に指示を出す。

 

「尻をこっちに向けてくれ」

 

「ふぇ?ああ、はい……」

 

 彼の突然の指示に驚きながらも、彼女は身体を反転させて、肉付きのいい臀部を彼の頭に向けた。

 彼は蒼い瞳を細めながら、目の前にある湿り気を帯びた秘裂に触れてやれば、「ひゃ!」と可愛いらしい悲鳴が響く。

 ローグハンターは苦笑混じりに彼女の秘部に指を突っ込むと、ビクビクと震える臀部を眺めながら言う。

 

「そっちはそのまま続けてくれ。俺も好きにやる」

 

「は、ひゃいっ!あひゅ!んちゅ!れろ!れろ!」

 

 剣の乙女は即答するのだが、無遠慮に秘部をほじくってくる彼の指の感覚と、そこから来る快感に喘ぎながら、胸の谷間から飛び出している彼の逸物を口に含んだ。

 

「んぐ!んんっ!じゅるる!あん!」

 

 両腕で挟んだ胸で彼の逸物を扱き、先走り汁に濡れた亀頭を舐めながら、彼に奉仕している現状に悦びながら、けれど秘部を弄られる快感が少しずつ勝ってしまう。

 あんあんと聞こえる彼女の声のみで、彼女がどの程度感じているのかを察したローグハンターは、突っ込んでいた指を更に奥へと進ませ、急所(Gスポット)を抉った。

 

「ひゃん!あむっ!んぐ!じゅる!れろ!」

 

 急に強くなった快感に背筋を逸らして震え、彼の逸物を解放してしまうが、すぐに噛みつき直して奉仕を再開する。

 亀頭を包む温さと、舌のざらついた感覚に心地よさと快感を覚えながら、指をもう一本彼女の秘部に突っ込む。

 Gスポットを抉る指とは別に、膣肉を引っ掻くように指を曲げて動かしてやれば、ビクビクと臀部が痙攣を繰り返す。

 

「んぎぃ!おぶっ!じゅるる!ぶっ!じゅる!」

 

 秘部に感じた異物感と、より激しくなった快感に喘ぎながら、彼女が彼の逸物を離すことはない。

 何かを堪えるようにビクビクと痙攣する逸物は、おそらく射精が近づいていることは確かだ。ここで止まるわけにはいかない。

 

「じゅる!んっ!じゅるる!ふぁっ!れろっ!じゅるっ!」

 

 覚悟が決まってしまえば後は行くのみだと、剣の乙女はラストスパートをかけた。

 胸を押さえる手に力を入れて、思い切り彼の逸物を絞めながら、くわえた亀頭を思い切り吸い上げる。

 

「くっ……!」

 

 彼女に与えられる快感に唸ったローグハンターは、彼女をイかせようと指の動きを激しくさせるが、それでも彼女の責めは終わらない。

 

「じゅる!らして、らしてくだしゃい!ぜんぶ、うけとめますかりゃ!」

 

 彼女は彼の逸物を扱きながら告げてやれば、その息遣いによって逸物がビクビクと跳ねる。

 

「ああ、くそ……っ!」

 

 ローグハンターが負けを認めたように唸り声をあげると、逸物から熱々の精液が吐き出された。

 

「んぐ!?んぐ……!んぐ……!んぐ……!ごぶっ!」

 

 本日三度目の吐精だが、その熱さと粘度は一切変わらない。

 彼の絶倫ぶりは昔から知れたことだが、こうして見せつけられると驚いてしまう。

 それでも剣の乙女は喉を鳴らして精液を飲み下していき、見えざる瞳を細めて味を堪能する。

 

「んくっ!んっ……!んぐ!」

 

 彼の吐精が終わった事を合図に口を離した彼女は、彼の上から退くと彼の方に向き直り、「あー」と声を漏らしながら口を開いた。

 そこにはまだどろどろの精液が溜まっており、舌が白く染まっている。

 それをローグハンターがボケッと眺めていると、彼女は口を閉じ、苦しそうな表情になりながらもそれを飲み下すと、再び口を開けた。

 口内に溜まっていた精液はなくなり、彼女の赤い舌が彼に晒される事となる。

 

「いい子だな」

 

 彼はそう言いながら誉めるように彼女の髪を撫でてやれば、剣の乙女は心地よさそうに目を細めた。

 

「ローグハンター様、わたくし、まだ──」

 

 彼女がもじもじと太ももを擦り合わせながら言うと、ローグハンターが彼女の唇に指を当てて静かにさせると、首を横に振った。

 

「悪いが、いい加減勝った奴を可愛がってやらないと。少し我慢していてくれ」

 

「ぁ……。うぅ、はぃ……」

 

 剣の乙女は不満そうな表情を露にするが、視界の端に映った魔女の姿に気付き、彼の言葉に頷いた。

「すまんな」と告げた彼はベッドの端まで進み、椅子に座る時のように足を投げ出すと、ショーツだけを履いた魔女に目を向けた。

 

「待たせたな」

 

「遅い、わ、よ……?」

 

 彼女は普段通りのおっとりとした口調で言うのだが、その表情は上気して赤くなっており、紫色の髪は汗によって湿り気がある。

 他の三人よりも一回りも大きい胸は汗ばみ、桃色の乳首は期待からはぷくりと膨らみ、僅かに血走っている。

 受付嬢、牛飼娘、剣の乙女が彼に虐められる一部始終を見ていた為か、ショーツの色が変わるほどに愛液を溢れさせ、縦筋が浮かび上がっていた。

 

「さて、綺麗にしてくれるか?」

 

 ローグハンターがそう言いながら股を開き、精液と剣の乙女の唾液にまみれた逸物を出してやれば、魔女は返事をすることなく彼の股の間に納まり、その豊満な胸の谷間に彼の逸物を包み込んだ。

 この部屋の中にいる中でも一番の大きさを誇る彼女の胸をもってすれば、彼の逸物を包む込む程度造作もないのだ。

 胸の両脇を手で押してやれば、彼の逸物は極上の柔らかさに包み込まれ、手の動きに合わせて変わる胸圧は、さながら膣内のような心地よさがある。

 

「ふっ。夢中だな」

 

 彼が快感に背筋を震わせながら笑みを浮かべ、彼女の紫髪を指で梳いた。

 手入れが行き届いているのか、指が引っかかることは一切なく、髪に撫でられる指でさえも心地よい。

 

「んっ……。ふっ……。ぅっ……」

 

 自分で胸を押し潰している彼女は、ぐにゃぐにゃと柔らかく形が歪む度に息を漏らし、ピクピクと肩を震わせる。

 

「そうだ、なんでこんなことをさせたか聞きたいか?」

 

 彼女の奉仕を堪能しながら、ローグハンターが問いかけた。

 問われた魔女は奉仕しながら顔を上げ、「教え、て?」と返しながらにこりと微笑んだ。

 

「この勝負。十中八九お前が勝つだろう」

 

「そう、ね」

 

「で、今回は勝ったやつが我慢を強いられるルールだ」

 

「勝って、損した、わ」

 

 彼の言葉が少々気に障ったのか、彼の逸物をぎゅっと胸で潰しながら言うと、ローグハンターは苦笑を漏らした。

 

「本題はここからだ。ちゃんと我慢した報酬に、お前を一番愛してやる」

 

「……っ!」

 

 彼の言葉に魔女が僅かに肩を揺らして反応するが、胸を動かして奉仕を続ける。

 その快感に息を漏らしながら、ローグハンターは淡々と続ける。

 

「勝った奴にたっぷり時間をかけて、負けた奴は適当にやる。二度だろうが、三度だろうが、お前が満足するまで愛してやるよ。満足したら、次の奴だ」

 

 彼はそう言って彼女の髪を撫でるとにこりと微笑み、蒼い瞳で彼女の瞳を覗き込む。

 

「それで、(そと)射精()して欲しいか?それとも、膣内(なか)射精()して欲しいか?」

 

 彼の問いに魔女は奉仕を止めると、先走り汁でベタベタになった胸から彼の逸物を解放し、彼から数歩離れた。

 そして肉感的な肢体を揺らしながらびちょびちょに湿ったショーツを脱ぐと、それを部屋の床に放る。

 それを返答として受け取ったローグハンターが軽く股を閉じると、魔女が向かい合う形でその上に座り、彼に身を寄せた。

 豊かな胸が彼の胸板でむにゅんと潰れ、お互いの腹に挟まれる形で逸物が軽く潰される。

 彼の胸板に乳首を擦り付けながら、彼の耳元で「ふぅ、あっ」と悩ましい息を漏らし、そして告げた。

 

「全部、膣内(なか)、に、頂、戴……?」

 

 彼女の懇願を受けたローグハンターはこくりと頷くと、魔女は膝立ちになって彼の亀頭に秘裂を添えた。

 ローグハンターは彼女の腰を掴み、「いくぞ?」と問うと、魔女が艶っぽく笑い、誘うように目を細めた。

 

「いい、わ。き、て……」

 

 ローグハンターは彼女の表情に生唾を飲み込むと、興奮のままにニヤリと嗤った。

 下らない前戯は終わり、ここから行われるのは男と女の本気のぶつかり合いだ。

 

「それじゃあ、遠慮なく」

 

 彼は静かにそう告げると、彼女の腰を押し込んだ。

 逸物がめりっと嫌な音をたてて彼女の秘部に入り込み、期待からか降りてきていた彼女の子宮口を無慈悲に殴り付ける。

 

「んおお!?」

 

 焦らしに焦らさせていた彼女はそれだけで軽い絶頂を迎え、ピクピクと身体を痙攣させる。

 それを察したのだろうローグハンターは、痙攣する彼女の身体を優しく抱き寄せると、耳元で囁いた。

 

「夜はまだまだこれからだぞ?」

 

 彼の言葉に魔女は背筋を震わせ、恍惚の表情を浮かべながら笑みを浮かべた。

 そう、夜はまだ始まったばかり。彼の時間は、まだまだこれからなのだ。

 

 

 

 




後編に続く。


感想等ありましたら、よろしくお願いします。


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Memory?? 黒き鷹は色欲に染まる ②

牛飼娘、剣の乙女、受付嬢、魔女ルートの後半。

どちゃくそ難産でした。
ハーレムものの難しさを痛感しました。


「あっ!はっ!んっ!んんっ!あっ!」

 

 パンパンパンと肉同士のぶつかる乾いた音に混ざり、魔女の嬌声が部屋に響く。

 

「あん!はん!あっ!ひっ!あっ!」

 

 ベッド端に腰かけたローグハンターの膝の上に、お互いに向かい合う形で腰かけた魔女は、彼の逸物を胎内に受けいれたまま、腰を振っているのだ。

 彼女の肉感的な身体が上下に跳ねる度に豊満な胸が揺れ、勃起した乳首が彼の硬い胸板に擦れて真っ赤に充血していく。

 

「んんっ!あん!うっ!ふっ!あっ!」

 

 乳首が擦れる快感と、鋭く子宮口を殴られる快感に喘ぎながら、魔女は潤んだ瞳にローグハンターを映した。

 彼の蒼い瞳もまた興奮に揺れながら、けれどしっかりと喘ぐ彼女の顔を映しており、視線が交わるとフッと微笑を溢した。

 

「お前は、どんな顔でも綺麗だな」

 

「~っ!!」

 

 真正面から放たれた彼の言葉に、魔女は照れたように頬を真っ赤に染めながら目を逸らす。

 そんな彼女の反応に「それに可愛い奴だ」と付け加えられると、きゅっと膣肉が締まった。

 

「体は正直だ」

 

 彼はそう告げながら彼女の紫髪を撫でてやれば、魔女は不満そうに頬を膨らませると彼の頭を押さえ、そのまま彼の口を塞ぐために唇を奪った。

 無防備に開いていた彼の口に舌を突っ込み、そのまま受け入れるように待ち構えていた彼のものに絡み付かせる。

 いつもなら攻めてくるのは彼の方だが、今回はご褒美としての色が強いため、彼が反撃に出ることはない。

 それを良いことに魔女は彼の口内を舐め回し、舌を引っ張り出して甘噛みしてやる。

 じゅるじゅると湿った音をたてて舌を吸い上げ、再び彼の口内に舌を挿れて彼とのキスに夢中になっていると、ローグハンターが不満そうに眉を寄せた。

 キスに夢中になることは別に構わないが、それだけでは足りない。

 彼は彼女の膣肉に扱かれている己の逸物に気を向けると、両手で彼女の腰を押さえつけた。

 

「……?」

 

 キスをしたまま瞳に疑問符を浮かべた魔女を他所に、ローグハンターは思い切り腰を突き上げた。

 亀頭が吸い付いていた子宮口を押し上げ、一瞬にして子宮を押し潰す。

 

「ひゃ!?」

 

 同時に魔女はキスを中断して悲鳴をあげ、プルプルと肩を震わせる。

 いや、震えているのは肩だけではなく、膣肉もまた痙攣しており、彼女がまた絶頂を迎えたのは言うまでもない。

 震える彼女の肩を撫でてやりながら、ローグハンターは苦笑混じりに告げる。

 

「キスしてくれるのはいいが、下が疎かだぞ?」

 

 彼は魔女の背を撫でながら子供に言い聞かせるように言ったのだが、肝心の彼女には聞こえていないのか、彼女は絶頂の余韻に身体を震わせている。

 ローグハンターは小さくため息を漏らすと、「続けるぞ」と告げるだけ告げて、返答を待たずに腰を振るう。

 

「あひっ!んっ!あっ!」

 

 絶頂直後で敏感になった彼女の膣肉をかりが引っ掻き回し、子宮口を叩いて子宮を押し潰す。

 

「あっ!かっ!はん!ぅん!ひぃ!」

 

 彼の逸物が最奥を貫く度に彼女の身体はビクンと跳ね、痙攣する膣肉が引き締まる。

 だが彼の分身はそれを一切無視し、引き締まる膣肉を掻き分けて子宮口を殴り続ける。

 

「はん!あっ!あん!はっ!はひっ!」

 

「気持ち良さそうだな」

 

 身体を跳ねさせて喘ぐ魔女にそう問うと、ローグハンターは彼女を臀部を両手で支えてやりながら、ひょいと立ち上がった。

 

「おっ!?ぎっ……!」

 

 自らの重さに押されて身体が沈み、彼の逸物が勝手に奥へ奥へと入り込む。

「しっかり掴まれよ」と耳元で囁かれた彼女は、慌てて彼の首に両腕を巻いて、子宮を潰される快感に身体を痙攣させる。

 

「んっ!あぁっ!ちょっとっ、休ませ、て……?」

 

 潤んだ瞳を彼に向け、甘えるように上目使いになりながらそう懇願すると、ローグハンターは優しげな笑みを浮かべ、

 

「駄目だ」

 

 無慈悲なまでに淡々とそう告げた。

 同時にまた腰を振り始め、宙に浮いて支えを失った彼女の臀部に腰をぶつける。

 パン!パン!パン!と先程とは比にならない鋭い音を響かせ、逸物で子宮を押し潰す。

 押してやれば最奥を貫き、腰にぶつかった臀部がボールのように跳ねる。

 腰を引いてやればかりがGスポットを抉り、再び突き出してやれば跳ね返ってきた勢いも合わさひ、拳のように硬い亀頭が彼女の子宮を潰す。

 

「んぐ!あん!ひゃ!あん!んぃ!あっ!」

 

 突かれる度突かれる度に絶頂を迎えているのか、魔女は瞳だけでなく表情までとろとろに溶かしながら、彼に向けて何かを求めるように口を開けた。

 ローグハンターはすぐさま彼女の唇に吸い付くと、彼女の口内に舌を這わせ、ひたすらに彼女の舌をなぶる。

 先程とは逆だが、先程よりも激しいキスは魔女の理性さえも溶かし始め、求めるように彼の方に身を寄せて舌を更に奥まで招き入れる。

 

「んん!んーっ!んぅ!ふっ!んんん!」

 

 だが先程と違うのは、キスしながらと膣肉への責めが終わっていないことだ。

 彼の腰は絶えず振られ、結合部から潮と愛液が混ざった粘っこい液体を掻き出しながら、ずりゅずりゅと音をたてて出入りを繰り返す。

 

「んぅ!んん!じゅる!んぶっ!んんん!!!」

 

 彼の舌に応戦しながら、魔女はひたすらに快感を貪ることに集中していた。

 なぶられる舌も、掻き回される膣肉も、殴られる子宮口も、潰される子宮も、何もかもが気持ちよく、それらを感じる度に脳内に火花が飛び散る。

 

「んぶ!んぅ!んん!じゅる!じゅるる!」

 

 普段は知的でどこか不思議な印象を与える彼女も、このまで来てしまえばただの雌。

 ローグハンターは快楽に喘ぐ彼女の息遣いを間近に感じながら、近づいてくる限界を感じて眉を寄せた。

 彼女の膣肉の締め付けは凄まじく、蠢くひだは本物の指さながらに扱いてくる。

 それが堪らなく気持ちよくて、彼女の表情と相まって彼を興奮させる。

 ローグハンターはキスを中断すると、彼女の臀部を捕まえ、逸物が抜けるぎりぎりまで持ち上げ始めた。

 

「ん!んんっ!んんん……っ!」

 

 かりがゆっくりと膣肉を引っ掻いていく快感に身を捩る魔女に向けて、ローグハンターは告げる。

 

「とりあえず、一回目だ」

 

 彼はそう言うと同時に、彼女の臀部を思い切り自身の腰に叩きつけた。

 スパン!と平手打ちでもしたのかと思えるほどの快音が部屋に響き渡り、おねだりするように降りていた子宮口を無慈悲に殴られた魔女が、ビクビクと身体を痙攣させて絶頂を迎えると同時に、ローグハンターの吐精が始まった。

 本日何度目かの射精を迎えてなお、その粘度と熱に変わりなく、どろどろの精液が子宮を瞬く間に満たしてしまう。

 

「あっ!あひっ!ひぅ!あっ!あん!」

 

 子宮に直接精液を注ぎ込まれる快感に震える彼女を他所に、ローグハンターは射精の快感に熱のこもった息を漏らす。

 だが首に巻かれた彼女の腕から力が抜け始めると、彼は慌てて彼女をベッドに寝かせる。

 その間も逸物は抜けていないため、精液は一滴の無駄なく彼女の子宮に注がれており、子宮が膨らみ下腹部が僅かに膨らみ始めていた。

 そこを指で撫でたローグハンターは、額に汗を浮かべながら満面の笑みをこぼすと、「まだやれそうか?」と問うた。

 

「ぁっ……ぅ……んっ……!」

 

 問われた魔女は返事をしようと口を動かすが、出てくるのは意味不明な音のみ。

 ローグハンターは頬を掻くと「駄目そうだな」と呟き、顎に手をやって僅かに思慮。

 

 ──我慢させすぎて、発散が早くなった。あるいはたがが外れて身体が持たなかった、か……。

 

 ──いや、彼女は後衛職だから体力がないという可能性もあるし、他の奴にも試してみてから……。

 

 射精後特有の謎の集中状態(賢者タイム)をフル活用して物事を考え、問題点をあげ、対策を練る。

 まあそれを他の女性陣が許すかと問われれば、答えは否に違いない。

 

「ローグハンターさまぁ……」

 

 剣の乙女が甘ったるいまでの声音で彼を呼びながら、ゆらりと揺れて彼の身体に寄りかかった。

 彼の頬を啄むように口付けの雨を降らせながら、曇った瞳に彼の影を映す。

 

「わたくし、我慢できません……」

 

 耳元で囁いた彼女は、「はむ」とわざとらしく声を出して彼の耳を甘噛みする。

 唇で彼の耳を噛むようにしながら舌を這わせれば、彼はくすぐったそうに背筋を震わせ、「まあ待て」と彼女を(いさ)める。

 

「今は魔女の番だ。で、軽く休憩を挟んだわけだが、まだやれるか?」

 

「だぃ、じょうぶ、よ……」

 

 ピクンピクンと肩を跳ねさせながら魔女が頷くと、ローグハンターはいまだに耳を噛んでくる剣の乙女の肩を押し、一旦距離を開ける。

 

「そういうわけだ、しばらく我慢してくれ」

 

「むぅ……」

 

 彼の言葉を受けた剣の乙女は不満そうに頬を膨らませると、何かを思い付いたのか、四つん這いになって彼に臀部を向けた。

 誘うようにふりふりと臀部を振りながら、ローグハンターに言う。

 

「せめて、指で慰めてくださいまし。それで我慢いたします」

 

 彼女のおねだりを受け取ったローグハンターは困ったように笑いつつ、「まったく、仕方ない奴だな」と肩を竦めた。

 そして魔女の腰を押さえている手と反対の手で彼女の臀部を揉みしだくと、ねだるようにパクパクと開閉している秘裂を撫で、秘部に指を突っ込んだ。

 

「ひゃん!」

 

 剣の乙女が嬉しそうに笑いながら嬌声を漏らすと、ローグハンターは武骨な指で彼女の膣肉を引っ掻いてやる。

 

「あん!ローグハンター、様ぁ!そこ、いいですぅ!」

 

 喘ぎながらビクビクと腰を震わせ、肉突きのいい臀部と、四つん這い故に垂れ下がっている豊満な胸が揺れ、ぷっくりと膨らんだ乳首がシーツに擦れて微弱な快感を与える。

 

「あん!もっと!もっとしてくださいな!」

 

 指が膣肉を掻く度にぐちゃぐちゃと湿った音が部屋に響き、剣の乙女の嬌声が混ざる。

 ローグハンターは彼女の嬌声を耳に挟みながら、ちらりと魔女の方へと目を向けた。

 彼女の目は羨ましそうに剣の乙女を見つめており、膣肉がきゅうきゅうと締め付けてくる。

 

「さてと、いくぞ?」

 

「ええ、き、て……」

 

 彼の宣言に魔女が妖しく笑うと、ローグハンターは腰の動きを再開した。

 栓変わりに子宮口を押さえていた亀頭が動いた為、逃げ道を見つけた精液が膣内に逆流れを起こし、鋭いかりによって膣肉に擦り付けられる。

 

「んっ……!あっ!ぅん……!ふっ……!」

 

 かりが膣肉を掻く度に、子宮口を精液が通り抜けていく度に彼女は快感によって身体を跳ねさせるのだが、その反応は良くない。

 いや。反応してはいるのだが、そこには疲労の色が濃いのだ。

 

 ──やはり無理があるか。

 

 彼は腰を振りながらそう判断すると、剣の乙女の秘部に挿れていた指を抜き、両手で魔女の腰を押さえつけた。

「あん!」と切なそうに悲鳴をあげてベッドに沈む剣の乙女を他所に、ローグハンターは魔女に意識を向けてそのまま告げる。

 

「このまま最後までいくぞ。反論はなしだ」

 

「ぅ……ぁい……」

 

 彼女の口から漏れた覇気に欠けた返事にローグハンターは頷くと、全力をもって腰を振り始める。

 パンパンパンパンと乾いた音が部屋に響き、結合部からは愛液と精液の混ざった白濁液が掻き出され、ぶぼっ!ぶりゅっ!と何とも下品な音が漏れた。

 

「んっ……!ぅ……!ぁ……っ」

 

 お互いの腰がぶつかり合う度に魔女の口から空気が漏れ、ビクビクと身体が痙攣する。

 そんな姿を眺めたローグハンターは深呼吸をすると、思い切り腰を叩きつけた。

 鉄さながらの固さを持つ彼の逸物で彼女の子宮口を殴った瞬間、再びの吐精を迎えた。

 

「ぃっ!ぁ──」

 

 再び解き放たれた精液の熱さに魔女は小さく悲鳴をあげると、糸が切れた人形のようにベッドに両手足を投げ出した。

 光の消えた瞳で天井を見つめながら浅い呼吸を繰り返し、意味不明な呻き声を漏らしながら身体を痙攣させるその様は、どことなく犯罪の臭いが強い。

 ローグハンターはその背徳感に背筋を震わせるが、これ以上は彼女がもたないと理性と本能の両方から告げられた事で、踏み出しかけた一歩をかろうじて踏み留まる。

 ゆっくりと逸物を引き抜いてやれば、逆流した精液がどろりと秘裂からこぼれる。

 

「ぁっ……ぇっ……ぁ……っ」

 

 魔女はその感覚すらも快感なのか、ピクピクと痙攣するしながら小さな呻き声を漏らす。

 ローグハンターは彼女の姿に多少申し訳なく思いつつ、ちらりと視線を横へと向けた。

 そこには腰を突き出す体勢でベッドに倒れる剣の乙女の姿があり、汗が浮かんでいる臀部は痙攣し、秘部からは涎のように愛液が垂れている。

 彼は小さく肩を竦めると身体を彼女の方に向け、精液と魔女の愛液に濡れた逸物を、彼女の秘部に押し込んだ。

 

「ん゛お゛!?」

 

 何の合図もなく彼の分身を根本まで受け入れた彼女は野太い嬌声を漏らし、だらしなく開いた口からは涎が垂れる。

 抵抗する間もなく絶頂を迎えたのだろう。ピクピクと身体を痙攣させながら、曇った瞳を点滅させていた。

 ローグハンターがぐりぐりと腰を押し付けて子宮口を押してやれば、剣の乙女は「お゛っ!お゛っ!」と変わらず野太い嬌声を漏らす。

 そこにはかつて世界を救った英雄としての迫力も、至高神の大司教としての迫力も、冒険者としての最低限の迫力さえもない。

 あるのはただ一人の女としての、彼に愛される一人の()としての悦びのみ。

 意味のない呻き声を漏らしながら身体を痙攣させ、絶えず絶頂を迎えている剣の乙女の臀部を指で撫でたローグハンターは、ニヤリと笑って腰を振り始めた。

 パンパンパンと音をたてて腰をぶつける度に肉感的な臀部が波打ち、彼女の嬌声が部屋に木霊する。

 

「んぉ゛!?ローグ……ハンター様ぁっ!」

 

「なんだ」

 

「少し、ぎぃ!ゆっくりぃ!お願い、お願いしますっ!あひ!わたし、だめになっちゃいましゅ!」

 

 剣の乙女は首だけで振り向きながら、なけなしの理性を振り絞って彼に懇願するが、当の彼は一切気に止める様子もなく鼻を鳴らした。

 

「駄目だ。あと二人もいるからな、むしろ潰す気でいく」

 

 彼は無慈悲なまでにそう告げると、揺れる彼女の臀部を鷲掴み、逃げ場を失わせる。

 剣の乙女は「ぁ、まって……」と弱々しい声を漏らすが、ローグハンターは変わらず気にする様子を見せず、腰を振るう。

 ぐちゃぐちゃと結合部から湿った音を響かせ、鋭いかりが痙攣する膣肉を掻き回し、亀頭が子宮口を痛め付ける。

 

「んぉお!?くひっ!いい!あひゃ!ひん!あん!」

 

 ビクンビクンと身体を跳ねさせ、無意識に引き締まる膣肉をかりが無慈悲に抉っていく。

 

「ぎっ!あ゛!?イぐ!イッ!ああああああああ!!!」

 

 そしてついに限界を迎えた彼女は、絶叫しながらの絶叫を迎えた。

 途端に引き締まった膣肉の圧に絞り出される形で射精をすることになったローグハンターも小さく唸ると、彼女の臀部を引き寄せ、亀頭を子宮口に押し付ける。

 

「んぉ!?」

 

 途端に吐き出された精液が彼女の子宮を満たし、その熱をもって彼女を絶頂させた。

 剣の乙女は彼の精液を一滴の無駄もなく受け止めると、「えぁ……あ……んぃぃ……!」と絶頂の余韻に身体を震わせながら声を漏らす。

 ローグハンターが勢いよく逸物を抜いてやれば、ぶぼっ!と下品な音をたてて秘裂から精液が吹き出す。

 ローグハンターは僅かな疲労感から息を吐くと、ちらりといまだに手付かずの牛飼娘、受付嬢へと目を向けた。

 二人は乱れに乱れていた魔女と剣の乙女を肴に、自慰行為にふけっていたのか、牛飼娘は壁に背を預け、受付嬢は寝転んだまま秘部を弄っていた。

 彼はそんな二人の姿に苦笑を漏らすと、ゴキゴキと首を鳴らした。

 

「さあ、ヤるか」

 

 ただそう告げて、残された二人に飛びかかった。

 

 

 

 

 

「あん!あっ!あん!ひゃ!いい!いいよぉ!もっと!もっと突いてぇ!」

 

 寝転んだ彼に馬乗りになった牛飼娘は、彼の逸物を受け入れたまま上下に身体を跳ねさせて、自らの意志をもって快感を得る。

 既に彼だって疲れているだろうからと、彼女なりの気遣いなのだが──。

 

「ひゃん!あっ!はぁ!そこぉ!もっと、もっとぉ!」

 

 今はそんなもの関係なく、ただ叩きつけられる快感に身を任せ、彼の欲望を受け止め続ける。

 身体が跳ねる度に豊かな胸がぶるんぶるんと揺れて、彼にさらなる情欲をそそる。

 

「んぁ!見て!もっとわたしを見てぇ!」

 

 彼女は胸を見せつけるように胸を張り、自分の手で豊かな果実を思い切り掴む。

 指を動かせばそれに合わせて形を歪め、ピンと勃った乳首は充血して真っ赤に染まっている。

 ローグハンターは今の彼女の姿に獰猛な笑みを浮かべると、彼女の動きに合わせて腰を突き上げた。

 

「あん!いいよぉ!もっと、キミの好きにしていいからねっ!」

 

 彼を愛し、愛され、欲望をぶつけられ、時には欲望をぶつける。

 それこそが自分の、彼の多くいる恋人の一人としての役割(ロール)なのだと、自分に言い聞かせ、ひたすらに腰を振り続けた。

 

 

 

 

 

「待って!待ってくださいぃっ!駄目っ!あん!ひゃん!」

 

 ベッドに組み伏せられた受付嬢は両手を牛飼娘に押さえつけられ、ローグハンターの手で押さえつけられた腰に、ひたすらに彼の腰を叩きつけられていた。

 パン!パン!パン!と鋭い打撃音が部屋に響き渡り、健康的だが白い臀部が、平手打ちをされたかのように赤く染まっていく。

 

「あん!ひゃ!あん!あっ!」

 

「ふふ。可愛い……」

 

 受付嬢の両手を押さえる都合上、快感に喘ぐ彼女の表情を見つめることになっていた牛飼娘はうっとりと瞳を蕩けさせると、何を思ってか彼女に口付けを落とした。

 ローグハンターに与えられた快感により、正常な思考が出来なくなっているのだろう。

 

「んぐ!?」

 

 そんな事を露知らず、

 目を見開いて驚愕する受付嬢を他所に、牛飼娘はくちゅくちゅと湿った音をたてながら舌を絡ませ、さらに求めるように彼女の頭を押さえて顔を寄せる。

 

「んーっ!んちゅ!んぐっ!」

 

 ビクビクと肩を揺らして喘ぐ受付嬢を他所に、牛飼娘は舌で彼女の口内を責め立て、ローグハンターは延々と腰を振るう。

 

「んーっ!んーっ!」

 

 彼女が絶頂を迎えた叫びな牛飼娘の胃に吐き出され、ローグハンターに届くことはない。

 故に彼は腰の動きを止めることはなく、逸物で膣肉を掻き回し、亀頭が子宮口を殴り続ける。

 

「ん゛ん゛!?」

 

 受付嬢が白眼を剥き、気をやってしまった事にも気付かずに。

 

 

 

 

 

 それから数時間。

 

「はぁ……はぁ……はぁ……」

 

 ベッドの中央に寝転ぶローグハンターは額に手をやりながら、乱れた呼吸を繰り返していた。

 受付嬢を気絶させた後は、復活した魔女や剣の乙女の相手をし、終われば牛飼娘、次は受付嬢と、文字通りの無限ループに入っていたのだ。

 どうにか全員を捌けたものの、やはり消耗は大きい。

 だがしかし、彼は別段後悔をしている様子はなかった。むしろその表情には、やりきったという達成感さえ浮かんでいるように見える。

 彼はフッと短く息を吐くと上体を起こし、己の分身に目を向けて苦笑を漏らした。

 

「じゅる!れろ!ちゅる!」

 

「んぇー。れろ!ぺろ!」

 

「ちゅるる!れろ!あむ!んーっ!」

 

「ぺろ……ぺろ……んむ……」

 

 剣の乙女が、牛飼娘が、受付嬢が、魔女が、変わる変わる彼の逸物を胸で扱き、舌を這わせ、文字通り掃除しているのだ。

 ローグハンターは「やれやれ」と頬を掻いてため息を吐くと、最後の力を振り絞りながら彼女らに告げる。

 

「最後の一発だ。独り占めはなしだぞ」

 

「「「「っ!」」」」

 

 彼の言葉を受けた彼女らが身構えた瞬間、逸物から最後の射精が行われた。

 受け止める相手がいなかった精液は吹き出し、女性陣の顔と胸に振りかかる。

 精液を被った彼女らが恍惚の表情を浮かべて身体を震わせるのを他所に、ローグハンターは再びベッドに身体を沈め、力なく笑った。

 

「久しぶりに、満足した……」

 

 そう言った彼はゆっくりと目を閉じると、すやすやと穏やかな寝息をたてはじめる。

 その寝顔は子供のように無防備で、寝顔だけでは歴戦の冒険者などとは思うまい。

 眠りに落ちた彼を他所に、女性陣は自分以外の誰かにかかった精液を舐め合い始める。

 独り占めは駄目だと彼は言ったのだ。なら、全員で分けあってしまえばいい。

 そして、綺麗になった身体で彼の目覚めを待つのだ。誰よりも、何よりも愛しい、我らが英雄の目覚めを──。

 

 

 

 

 

 




感想等ありましたら、よろしくお願いします。



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Memory?? 師弟

リクエストから。
ヒロインは令嬢剣士(劇場版に出てたあの())。

本編では師弟関係の二人ですが、何かがあったこのルートでは恋人(?)です。

時期は不明。ただ最終決戦よりは前を想定。


 月明かりに照らされる辺境の街、冒険者ギルド。

 多くの冒険者の拠点として鎮座するその場所には、やはり多くの冒険者が出入りを繰り返していた。

 無事に帰って来られた冒険者たちは併設された酒場に進み、各々好きな席につくと、その日の報酬の一部をそのまま食事へと当てる。

 それは彼──ローグハンターとて同じことで、他の冒険者の邪魔にならないように酒場の片隅を陣取る彼は、杯に並々と注がれたエールを眺めながら、給仕係にあらかじめ決めていた料理を頼んでいく。

 もっとも少食の彼が頼む量はたかが知れており、スープやサラダを含めても、頼んで三品程度だ。

 だがそれは、あくまで彼が一人きりでいる時だけだ。

 

「──で、お前は何を食べるんだ?」

 

 彼は対面の席に座る、蜂蜜色の髪を二つに括った少女に問いかけた。

 いつの間にか自身の弟子となり、固定の一党となった冒険者──令嬢剣士は「えっと……」と僅かに悩むような仕草を見せると、にこりと笑った。

 その笑顔には幼い頃から仕込まれた上品さが滲み出ており、生まれの良さを知らしめる。

 きっと無自覚なのだろうが、見ている相手に不快感を与えるわけではなく、むしろ肯定的に捉えられる笑顔だ。

 

「では、わたくしは──」

 

 彼女はそう言って何品か注文していき、給仕係は笑顔でそれに応じて厨房の方へと消えていく。

 その背を見送ったローグハンターは令状剣士に目を向け、小さく微笑んだ。

 令状剣士は照れたように頬を染めながら笑い、にこりと微笑んだ。

 それは貴族然とした笑みではなく、一人の女性としての、恋する乙女のような笑顔だ。

 お互いの笑顔を眺めているだけで不思議と緊張が解れ、どことなく甘い雰囲気が二人の間に流れ始める。

 だがまあ、彼女はそれでも行かねばならぬ。

 

「はーい、おまちどー」

 

 給仕係は二人の空気を引き裂くように料理を卓の上に乗せると、「ごゆっくり~」とひらひらと手を振ってその場を後に。

 ローグハンターは彼女の気遣いに苦笑を漏らすと、とりあえずエールの注がれた杯を手に取り、令状剣士の前に掲げた。

 対する彼女も彼に応じ、杯を掲げる。

 

「それじゃあ、今日の冒険に」

 

「お互いの健闘に、ですわ!」

 

 二人はそうやって音頭をとると、杯をぶつけ合った。

 跳ねたエールの水滴が証明に照らされ、二人の視界に星のような輝きを映し出す。

 お互いにその先にある彼女()の笑顔を見つめると、二人は勢いよくエールをあおる。

 その姿はどこにでもいる冒険者の一党に他ならず、他の冒険者たちも対して気に止める様子はない。

 冒険者たちにとっていつも通りの夜がいつも通りに過ぎ去り、また明日になるだけの事だ。

 

 ──ただ、いつも通り(・・・・・)には個人差があるが。

 

 

 

 

 

 西の辺境指折りの宿屋──眠る狐亭には数多くの部屋が用意され、加えてその一部は冒険者専用として使われており、事実多くの冒険者が利用している事でも有名だ。

 利用者が多い宿屋は人が多く集まるという都合上、基本的に揉め事も多くなるのだが、眠る狐亭だけは例外と言っていい。

 あのならず者殺し──ローグハンターがいるのだから当然で、事実喧嘩を始めた飲んだくれの集団を一人で鎮圧したこともある。

 おかげで利用者兼用心棒的な立場に納まることになるのだが、彼にとってそれは好都合でもあった。

 明日をも知れぬ冒険者だ。雨風が凌げる宿が確保されるのなら、それに越したことはない。

 そんなローグハンターが滞在している一室は、本当に寝泊まりすることしか考慮されておらず、元からあったベッドと作業台代わりの卓、衣服を仕舞うためのクローゼットと装備を仕舞っておく長持がある程度。

 他の冒険者でももう少し飾るだろうに、ローグハンターはそんな事はせず、基本そのままだ。

 本当に夜に寝て、朝に出ていく為の部屋だと割りきっているのだろう。

 滞在者であるローグハンターは既に装備を脱ぎ、寝巻き姿となっていた。

 ベッドに腰かけた状態で視界の端に映る前髪を弄り、そろそろ切らねばと目を細めた。

 いつもは前髪含めてうなじの辺りで纏めてしまっているのだが、やはりと言うべきかふとした拍子に気になってしまう。

 彼はため息をこぼすと身体を倒し、ベッドの上に両腕を投げ出した。

 そのままボケッと天井を見つめ、眠たくもないのに瞼を閉じる。

 

 ──目を閉じ、全身の力を抜き、気付けば朝。

 

 なんて事を考えてはみるものの、眠れない時は眠れないものだ。

 彼が再びため息を漏らすと、コンコンと扉がノックされた。

 彼はゆっくりと目を開けると身体を起こし、枕元に置いた髪紐を手に取る。

 立ち上がり、扉の方に進みながら、父親譲りの黒い髪を前髪含めて後ろに流し、うなじの辺りで一纏めに。

 その髪を尾のように揺らしながら扉の前に立った彼は、ゆっくりと扉を開き、部屋の前にいた人物に目を向けた。

 

「どうかしたのか?」

 

 その人物を視認した彼は優しげに微笑むと、扉の前に立っていた令状剣士──寝巻き姿だ──が頬を朱色に染めながらもじもじと身体をくねらせ、下ろされた蜂蜜色の髪が揺れる。

 普段は隣の部屋に滞在する彼女は、不定期に彼の部屋を訪ねてくるのだ。

 

「先生。今晩、よろしいでしょうか……?」

 

 不安からか、あるいは期待からか、瞳を潤ませながら彼女は問うと、ローグハンターは小さく肩を竦めた。

 

「ああ。構わないさ」

 

 苦笑混じりに言うと、彼は道を開けるように扉を全開にし、扉の影に身を隠した。

 令状剣士は小声で「お邪魔しますわ」と言うと、小走りで部屋に入る。

 彼女を部屋に入れたローグハンターは音をたてずに扉を閉め、鍵をかけると、令状剣士の背中に抱きついた。

 彼女はビクンと跳ねさせた身体を強張らせるが、すぐに力を抜いてローグハンターに身を任せる。

 彼は彼女の髪を撫でてやりながら、微笑み混じりに問う。

 

「それで、夜に俺の部屋を訪ねてくるのは、そういうことでいいんだな?」

 

 ローグハンターの確認するような問いに令状剣士はこくりと頷くと、身体を反転させて彼の方へと向き直った。

 頬を朱色に染めながら潤んだ瞳で彼を見上げ、意を決して彼に言う。

 

「先生、わたくしを──」

 

 彼女が何かを言おうとすると、ローグハンターは人差し指を口に当て、「大丈夫だ」と優しく微笑んだ。

 

「皆まで言わなくても、わかってる」

 

 彼はそう言うと彼女の頬を撫で、彼女に告げる。

 

「お前が何を言おうとしているかなんて、すぐにわかるさ」

 

 ──一応、先生だからな。

 

 彼はそう言うと、彼女の唇に口付けを落とした。

 令嬢剣士は一瞬驚いたように目を見開くが、すぐに受け入れるように目を閉じた。

 

 

 

 

 

「んっ。あっ。先、生……っ」

 

 寝巻きを脱がされると共にベッドに寝かされた令嬢剣士は、同じく裸になったローグハンターの行動に、僅かな羞恥心を覚えて身を捩った。

 ローグハンターは彼女の身体に覆い被さり、首筋を鎖骨、胸元に口付けを落としているのだ。

 ちゅ。ちゅとリップ音がなる度に、令状剣士は太ももを擦り合わせながら切なげな声を漏らす。

 

「先生……。もっと、欲しいですわ……」

 

「もう少し我慢しろ」

 

 ローグハンターは苦笑混じりにそう告げると、期待からかピンと勃った乳首に向けて、フッと息を吹き掛けた。

 くすぐったさに「ひゃん!」と悲鳴をあげた令嬢剣士を他所に、ローグハンターは彼女の乳首にも口付けを落とし、そのまま胸、谷間、腹と口付けを落とし、最後は腹の筋肉越しに子宮に口付けを落とす。

 彼がキスした場所にはくっきりと痕が残されており、位置が位置のためにさながら淫紋のようにさえ見えることだろう。

 

「っ!」

 

 令嬢剣士はあまりの羞恥心に顔を真っ赤にさせてそれを隠そうとするが、ローグハンターの手に掴まれて未遂に終わる。

 

「慌てるなよ、お嬢様」

 

 彼はそう言って苦笑すると彼女の手の甲に口付けし、指を舐めてやると、「こっちに欲しいんだろ?」と彼女の手を引っ張り自分の秘裂へと触れさせた。

 令嬢剣士はくちゅりと湿った音と同時に「ひん!」と小さく嬌声をあげ、指先に僅かな湿り気を感じた令嬢剣士は慌てて彼の手を振り払う。

 そのまま捕まえておくことも出来るだろうに、抵抗せずに手を弾かれたローグハンターは、苦笑混じりに彼女の太ももに口付けを落とした。

 もちろんそこにも痕を残すと、そのまま唇を這わせるようにして付け根の方向へと進んでいく。

 

「っ!先生、待ってくださいな!」

 

 令嬢剣士は止めようと慌てて彼の頭を押さえるが、そもそもの力が違いすぎて止まることはない。

 そうして苦もなくたどり着いた太ももの付け根に口付けを落とすと、目の前でひくついている秘裂に目を向け、そこにも口付けを落とした。

 

「ひゃん!」

 

 全身を電撃が駆け抜けたような感覚に身体を跳ねさせた彼女は、「待って!待ってくださいまし!」とローグハンターの頭を剥がそうとするが、彼は構わずに彼女の縦筋に舌を這わせた。

 

「あん!」

 

 思わず出てしまった生娘のような声に令状剣士は慌てて手で口を塞ぐが、ローグハンターは構わずに舌で秘裂を舐め回し、秘部から溢れる愛液を舐めとり、じゅるじゅると音をたてて啜る。

 

「ひっ!先生、待ってくださいな!」

 

 その音に驚いた令嬢剣士は身体を起こして彼の頭を掴み、どうにか引き剥がそうとするが、彼は全く動じない。

 じゅるじゅると音をたてて愛液を啜り、舌を秘部に()れると、締め付けてくる膣肉を舌で解していく。

 

「ひゃん!先……生……っ!駄目です!そこは、汚いですから……っ!」

 

 舌が膣肉を舐める度にビクビクと肩を震わせる令嬢剣士は、そう言って彼に離れてもらおうとするが、ローグハンターは不満そうに眉を寄せ、鼻先で僅かに膨らんだ陰核をぐりぐりと押し始める。

 

「あん!ひゃ!あっ!せ、先生っ!ですからぁ!そこは、汚い……っ!」

 

 令嬢剣士は背筋を震わせる快感に身を捩りながら言うと、ローグハンターはついに諦めたのか、顔を離す。

 口許を濡らす愛液を拭うと、彼は真剣な声音で彼女に告げた。

 

「お前の身体はどこも汚くない。綺麗だよ」

 

 心からの称賛に令状剣士は照れたように目を逸らし、「止めて下さいな……」と囁くように言うが、その声音は跳ねるようなもので、隠しきれないほどに機嫌が良さそうだ。

 ローグハンターは四つん這いになって彼女の顔に顔を寄せると、真っ赤に染まった耳元で「綺麗だよ」と囁き、頬に口付けを落とす。

 令嬢剣士が「ひゃん」と嬉しそうな悲鳴を漏らすと、ローグハンターは苦笑混じりに彼女の手を取り、勃起した己の分身に触れさせた。

 

「ひゃ!先生、こんなに大きく……」

 

 彼女は一瞬驚きはしたものの、彼の逸物を指で撫で、その大きさと熱量に僅かに感嘆したような息を吐く。

 彼女の手は無意識だろうか、ゆっくりと彼の逸物を扱くように動かし始めると、ローグハンターは再び苦笑を混じりに問うた。

 

「それで、そろそろいいか?」

 

 単刀直入な問いかけに令嬢剣士は逸物を扱いていた手を止めて、ちらりとローグハンターの顔色をうかがった。

 興奮からか頬を朱色に染めながら蒼い瞳を潤ませる彼は、彼女の瞳を見つめ返しながら「駄目か?」と続けて問いかけた。

 令状剣士は彼の表情に思わず生唾を飲むと、こくりと頷いた。

 ローグハンターは頷き返すと、濡れた彼女の秘裂を指で開き、逸物を添えた。

 だが挿れることはなく、溢れた愛液を塗りたくるように逸物を擦り付けて、ずりゅずりゅと湿った音を響かせる。

 火傷しそうなほどの熱を放つ物を擦り付けられた秘裂は、それを求めるようにパクパクと口を開閉させ、より多くの愛液を分泌させる。

 

「あ……っ。んんっ……。先、生……!焦らさないで、下さいまし!」

 

「それもそうだな」

 

 彼女の口から思わず漏れた言葉にローグハンターは即答すると、逸物を一旦離し、亀頭を秘裂へと添えた。

 

「ふぇ……?」

 

 令嬢剣士が気の抜けた声を漏らすと、ローグハンターは腰を突き出した。

 無慈悲に放たれた肉棒による刺突は彼女の膣肉を掻き分け、期待からか降りてきていた子宮口を無慈悲に殴り付ける。

 

「かっ!はっ……!」

 

 いきなり身体の芯を殴り付けられた令状剣士は背中を弓なりに逸らせながら肺の空気を吐き出すと、ローグハンターの右手が浮いた彼女の背中を支えた。

 

「え……あ……先……生……」

 

 いきなり襲ってきた鋭い快感に身体を震わせる令状剣士がローグハンターに目を向けると、彼女の後頭部に左手を添え、ひょいと身体を持ち上げた。

 そのまま自分も身体を起こし、彼女の華奢な──同年代に比べれば豊かな──身体を膝の上に乗せてやれば、自重で逸物が更に奥へと入り込む。

 

「ひぎ……っ!」

 

 めりめりと音をたてて子宮を潰された令状剣士が僅かに苦しそうな声を漏らすと、ローグハンターは彼女の蜂蜜色の髪を撫でてやり、耳元で囁いた。

 

「動いても大丈夫か……?」

 

「んっ。んぁ。だい、大丈夫、ですわ」

 

 令嬢剣士はピクピクと身体を痙攣させながら頷くと、ぎゅっと彼の身体に抱きついた。

 豊かな胸が彼の胸板に潰され、それ越しにお互いの体温と心臓の鼓動を感じながら、二人は顔を見合わせて微笑み、どちらからとは言わずに口付けを交わした。

 

「ん……。ちゅ。ちゅる。ふっ」

 

 令嬢剣士がキスに夢中になり、彼の唇を啄むように柔らかさを堪能していると、不意に身体が持ち上げられる。

 

「ん!ふぁ……」

 

 膣肉を支配していた熱が抜けていく感覚にもどかしさを覚えていると、ローグハンターは再び彼女の身体を降ろした。

 ぐちゃっ!と何かが潰れる音が鳴ったかと思うと、再び子宮口に亀頭が叩きつけられる。

 

「あん!」

 

 待ち望んでいた快感が叩きつけられると共に令状剣士は嬌声をあげ、背筋を震わせた。

 引き締まった膣肉が痙攣し、逸物を扱くようにひだが蠢く。

 

「はぁっ。んんっ……!あっ……」

 

「なんだ、一回だけでイったのか?」

 

「イって、しまいましたわ……」

 

 令状剣士がピクピクと身体を痙攣させながら素直に頷くと、ローグハンターは苦笑を漏らした。

 

「素直な所は好きだが、多少隠しても良いんだぞ?」

 

「好き……!?」

 

 令状剣士は都合よく一部分だけを切り取り、復唱すると、膣肉がきゅんと引き締まる。

 蠢くひだに逸物を扱かれながら、ローグハンターは彼女の背を撫でる。

 

「それじゃあ、そろそろ本気でいくぞ」

 

「はぃ……」

 

 彼の言葉に令状剣士が頷くと、ローグハンターは満足げな笑って彼女の身体を動かし始める。

 持ち上げては降ろし、持ち上げては降ろしを繰り返し、玩具のように彼女の身体を振り回しながら、けれどそこには確かな慈愛の念が込められていた。

 身体を落とす度にパンパンと肉同士がぶつかり合う音が室内に響き、あんあんと喘ぐ令嬢剣士の嬌声が送れて響く。

 

「ひゃん!あん!あっ!ひん!はん!はっ!」

 

 彼女が喘ぐ度に膣肉が引き締まり、ひだが射精を促すように蠢く。

 

「あん!あっ!先生!先生!先生!」

 

 蜂蜜色の髪を振り回しながら喘ぐ彼女は必死になってローグハンターの事を呼び、呼ばれた彼は「どうした!?」と少々余裕のない声で返した。

 

「きもちいいですっ!なんだが、ふわふわして、きもちいいんですっ!」

 

「──そうかっ!」

 

 真正面から恍惚の表情と共に言葉をぶつけられたローグハンターは、ほんの一瞬だが彼女の顔に見惚れると、すぐに気を持ち直して彼女の身体を上下に振るう。

 

「あん!ひゃん!いいですわ!もっと、もっとくださいましぃい!」

 

「この、欲張りが……!」

 

「はいぃ!わたくし、欲張りさんです!せんせーが好きで好きで、たまらないのですわぁ!」

 

「──っ!」

 

 彼女の告白にローグハンターは嬉しそうに笑いながら歯を食い縛り、少々乱暴に彼女の身体を振り回し始めた。

 結合部からずりゅずりゅと湿った摩擦音を響かせながら、先程までとは比にならない快感に、令嬢剣士は悲鳴をあげた。

 

「ひぁ!ぎっ!ああ!あん!あひ!はん!ああ!」

 

「そろそろ、射精()すぞ!」

 

 彼女の喘ぎ声を聞きながら、ローグハンターは昇ってくる射精感に耐えつつそう告げる。

 令嬢剣士はぎゅっと彼の身体を一際強く抱き締めると、彼の耳元で本能のままに叫ぶ。

 

「はいっ!ください!ぜんぶ、わたくしにそそいでくださいましぃ!」

 

「くっ!おお……っ!」

 

 彼女の懇願を受け取ったローグハンターは要望通りに我慢を止め、彼女の子宮に向けて精液を解き放った。

 瞬間、子宮内を猛烈な熱さが支配し、どろりとした液体が隙間なく子宮を埋め尽くす。

 

「ひぎっ!ああああああああああああ!!!」

 

 耳元で放たれた断末魔のような叫びにより、ローグハンターは凄まじい耳鳴りに襲われながら、両腕で彼女の腰を押さえつける。

 例えが悪いが、粘菌(スライム)のようにどろりとした精液が子宮を満たし、納まりきらなかったものは栓代わりに子宮口を塞いでいた亀頭の隙間を縫い、膣内へと逆流していく。

 

「ひぁ!はひっ!んぃ……!」

 

 その感覚すらも快感になる令嬢剣士は淡い快感に身を捩り、絶頂の余韻で弛緩した身体をローグハンターに任せた。

 

「あへっ!ひぅ!あっ!ひっ!」

 

 ピクピクと身体を痙攣させて喘ぐ彼女を他所に、ローグハンターは彼女の身体をベッドに寝かせると、ゆっくりと逸物を抜いた。

 

「あっ……!」

 

 抜いたと同時に令嬢剣士は身体を跳ねさせると、止まる物を失った精液が一気に膣内を逆流していき、ごぼっと音をたてて秘裂から溢れた。

 粘っこい精液は彼女の臀部に沿って垂れていき、シーツに染みをつくる。

 精液は止めどなく秘裂から溢れ続け、彼女の股を白く汚していく。

 

「あっ……ひっ……あぁ……」

 

 ただ彼女にはそれすらも快感なのか、恍惚の表情を浮かべて身体を痙攣させた。

 流石にこのままでは不味いかと判断したローグハンターは目を細めると、ベッド脇に置いておいたタオルを手に取り、ざっとではあるが彼女の股を拭い始める。

 

「ひぁ!あん!ひぅ!あっ!」

 

 ただ今の令嬢剣士にとってそれは愛撫以外のかんでもなく、新たに与えられる快感に身を捩り、嬉しそうに声を跳ねさせる。

 彼女の姿にローグハンターは悩ましそうに息を吐くとタオルを脇に置き、彼女の身体に覆い被さった。

 

「んぁ?先……生……?」

 

「お前には悪いが」

 

 彼はそう言いながら再び勃起した己の逸物の矛先を彼女の秘裂に向け、にこりと微笑んだ。

 

「まだ満足できそうにない」

 

 彼が手短にそう言うと、令状剣士はごくりと生唾を飲み、彼を迎え入れるように両腕を広げた。

 

「来て、くださいな。わたくしも、まだ満足していませんわ」

 

 彼女はそう言うと娼婦も顔負けな妖艶な笑みを浮かべ、ぺろりと舌舐めずり。

 ローグハンターもまた生唾を飲みながら笑うと、逆流する精液を押し返す形で逸物を突っ込み、再び膣内を支配する。

 

「んあぁ!先生!せんせぇぇぇえええ!!!」

 

 西の辺境の夜に、令嬢剣士の声が響き渡るのだった。

 

 

 

 

 

 翌日の早朝。

 窓から差し込んできた朝日に照らされて、ローグハンターは目を覚ました。

 同時に嗅覚を支配した淫行の残り香に眉を寄せると窓を全開にし、ついでに臭い消しの香を焚く。

 そこまでしてホッと息を吐いたローグハンターはベッドに腰かけ、眠る令嬢剣士に頬を撫でた。

 すぅすぅと穏やかな寝息をたてる彼女の寝顔は、年相応の幼さが残っており、これからがより楽しみになるというもの。

 

「それまでも、それからも、一緒にいられるといいが……」

 

 そうやって未来を思うのはいいが、残念ながら自分たちは明日をも知らぬ冒険者だ。

 明日死ぬか、明後日死ぬか、来年死ぬかなぞ、自分はおろか神にすらわかりはすまい。

 だから、せめてと言うわけではないが。

 

「死ぬまでは、一緒にいてやるさ」

 

 彼は優しく笑いながらそう告げて、彼女の額に口付けを落とした。

 

 

 

 

 

 これはあり得たかもしれない世界の一つ。

 一人の少女の未来に寄り添うと決めた、とある冒険者の物語だ。

 

 

 




突然ですがお知らせ。

リクエストの受付は6月で締め切ろうと思います。
いい加減『イヤーワン』書かないと、そっちに投票した人たちを待たせてしまっているので。

送って下さったリクエストは出来る限り消化して、それが終わり次第次に行こうと思っています。
なので、リクエストがある人はお早めにお願いします!


感想等ありましたら、よろしくお願いします。


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Memory?? 争奪戦

リクエストから。
ヒロインは銀髪武闘家と剣の乙女。

大まかな時期は、Sequence9より前の予定。
そこ越えてしまうと銀髪武闘家一択ルートに入っちゃいますから。



 水の街、法の神殿の一室。

 とある依頼で水の街に赴いたローグハンターのその一党は、無事に依頼を果たし、束の間の休息を取っていた。

 各々割り当てられた部屋で一晩過ごすという話だったのだが、ローグハンターと銀髪武闘家の二人は、そんなもの知ったことではないと言わんばかりに一緒の部屋にいた。

 前にも同じ部屋で一晩過ごしたのだ。今さら二度目が何だと言うのだ。

 

「それじゃあ、お風呂行ってくるね」

 

 タオルと着替えを脇に抱えた銀髪武闘家が、にこやかに笑いながらローグハンターに告げる。

 寝巻きを探して鞄を漁っていたローグハンターが「大丈夫だろうが、気を付けろよ」と返すと、「こんな所で襲われないよ」と銀髪武闘家は苦笑。

 

「でも、気を付けます」

 

 けれど彼女が彼の意を汲んでそう言うと、寝巻きを見つけたローグハンターはベッドに腰かけながら「ああ、それがいい」と呟き、小さく微笑んだ。

 気を抜いてはいるがどこか警戒しているような、何とも彼らしい表情に銀髪武闘家は僅かに魅入ると、そっと彼の方へと歩み寄った。

 そして彼の頬を撫でると、そっと彼の唇に口付けた。

 軽く触れる程度のキスに交わした二人は鼻先が触れあう程の距離で微笑み合うと、再び顔を近づけようとするが、

 

「ストップ……!」

 

 銀髪武闘家が彼の肩を押して、距離を開けた。

 ローグハンターは露骨に不満そうな表情になるが、銀髪武闘家は「我慢して」と彼の唇に人差し指を当てた。

 

「戻ってきたら、構ってあげる」

 

 そう言って彼女は笑うと彼に背を向け、「じゃあね!」と元気溌剌に告げて部屋を飛び出していく。

 バタン!と勢いよく扉が閉められ、一人部屋に残されたローグハンターは彼女の温もりが残る唇に触れ、気を取り直すように肩を竦めた。

 どうせ戻ってくるのだ。そうしたら、可愛がってやろう。

 

「とりあえず、着替えるか」

 

 彼は誰に言うわけでもなくそう言うと、取り出した寝巻きをベッドに置き、森人(エルフ)の里で手に入れたローブを脱ぎ、ついでに貰った森人手製の衣服も脱ぎ捨てる。

 

「あ~」

 

 気の抜けた息を吐きながら身体を伸ばし、強張った筋肉が解れる感覚が心地よい。

 思い切り身体を仰け反らせてみればこきこきと骨から音が漏れ、その感覚さえも心地よく、ローグハンターは目を細めた。

 

「はぁ……」

 

 彼は小さくため息を吐き、ローブと衣服を丁寧に畳んで卓に置き、ベッドに放置していた寝巻きに手を伸ばすと同時に扉がノックされる。

 

「……?」

 

 彼はすぐに意識を切り替えて足音もなく扉に近寄った。

 タイミングからして、銀髪武闘家が戻ってきたのだろうと判断を下し、そっとノブを捻って扉を開ける。

 

「どうした、何か忘れたか?」

 

「いえ、何も忘れてはいませんわ」

 

 そんな彼に投げ掛けられたのは、銀髪武闘家の声ではなかった。

 ゆらりと扉の影から現れたのは、黒布で目元を隠した絶世の美女。

 豊かな肢体を薄い布で包み、金色の髪が廊下の証明に照らされて輝いている。

 

「大司教?どうかしたのか」

 

 そこにいたのは至高神に仕える大司教にして、かつて世界を救った英雄──剣の乙女その人だった。

 突然の訪問に疑問符を浮かべるローグハンターを他所に、剣の乙女は照れたように頬を朱色に染めて、指先で髪を弄りながら彼に言う。

 

「その、お話をよろしいでしょうか……?」

 

「それは構わんが──」

 

 彼女の提案にローグハンターは頷くが、すぐに自分の身体を見つめて「あー……」と気まずそうに目を逸らした。

 

「その前に服を着ても?」

 

「あら、裸なのですか?」

 

「上だけな」

 

 そう言った彼はすぐに剣の乙女は目が見えていない事を思い出し、言わなくても良かったなと一人で苦笑。

 剣の乙女は見えざる瞳に彼を映しながら、口許に笑みを浮かべた。

 

「そうなのですか……」

 

「ああ。ちょっと待っていてくれ」

 

 剣の乙女の笑みにも気付かずに彼はそう告げて中に戻り、寝巻きを手に取ると、背後からガチャリと内側から鍵が締まる音が届いた。

 

「……大司教?」

 

 疑問符混じりに振り向くと、狙い済ましたかのように剣の乙女が胸に飛び込み、その勢いに押されてベッドに倒れた。

 ローグハンターは「うお!?」と驚きながらも彼女の肩を掴みはしたものの、思いの外勢いのついていた突撃の威力はいなすことだ出来ず、受け身もままならずに背中からベッドに叩きつけられる。

 ボフン!と音をたてて倒れた彼は背中に感じるベッドの柔らかさに、とりあえず怪我の心配はないかとホッと息を吐く。

 だがそれは自分であって、剣の乙女に怪我がないかは別問題だ。

 表情を引き締めたローグハンターは顎を引き、胸に顔を埋めている剣の乙女に目を向けた。

 見えているのは彼女の頭頂部と、潰れることで身体からはみ出した豊かな胸だ。事実腹の辺りに極上の柔らかさを感じる。

 

「大丈夫か」

 

 そんなものを気にせずに彼が放ったのはたったの一言。

 だがその声は純粋に彼女を心配しているもので、彼女を咎めるような様子はない。

 

「はい。怪我はありませんわ」

 

 そんな彼の声音に機嫌を良くしてか、顔をあげた剣の乙女は満面の笑みを浮かべ、細い指で彼の身体を撫でた。

 筋肉質で固いのだが、指を受け止める柔らかさを兼ね備えたそれは、さながら猫や虎のような独特な触り心地だ。

 まあ虎に関しては触れたこともないのだが、きっとそんな触り心地なのだろう。

 剣の乙女は夢中になって彼の身体を撫でていると、ローグハンターの口から小さな呻き声が漏れた。

 

「っ!申し訳ありません!どこか痛みますか……?」

 

「いや。くすぐったいだけだ」

 

 彼女の言葉にローグハンターは苦笑混じりに言うと、「そろそろ退いてくれないか?」と彼女に告げる。

 言われた彼女は「……そうですわね」とどこか残念そうに言うが、彼の上から退くことはない。

 身体を起こしはしたものの、彼の上に馬乗りになる形を維持し続けており、頬は火照ったように赤く染まり、口許はだらしなく緩んでいる。

 

「……大司教?」

 

 その表情に見覚えがあったローグハンターが寝転んだまま首を傾げると、剣の乙女は彼の胸に手を置いた。

 冒険者らしいゴツゴツとした筋肉の向こうから、力強い心臓の鼓動が手のひら越しに伝わり、剣の乙女は余計に昂ったような笑みを浮かべた。

 

「大司教?」

 

 その表情には嫌な記憶しかないローグハンターは寝転んだままどうにか逃げようとするが、いかんせん剣の乙女に乗られているため逃げることは叶わない。

 

「わたくし、気付いてしまったんです」

 

 そんな彼に向けて剣の乙女は言葉を投げると、彼の頬を撫でた。

 引きつった笑みを浮かべている為、頬がひくひくと痙攣しているのだが、彼女の手は愛おしそうに彼を撫でる。

 

「えと、何に……?」

 

「あなたを愛している事に、ですわ」

 

「──」

 

 ローグハンターの問いに、剣の乙女は単刀直入に告げた。

 言われた彼は思わず言葉を失い、ただ蒼い瞳に剣の乙女を映すのみで、逃げる素振りすら見せなくなった。

 それを好都合と受け取った剣の乙女は微笑み、ローグハンターの口許に残された傷痕を撫でた。

 

「愛おしくて、愛おしくて、堪らないのですわ」

 

 彼女は詩を詠うようにそう言うと、そっと彼に口付けを落とした。

 彼女の言葉に狼狽えていたローグハンターはまともに反応することも出来ずに、彼女の口付けを受け入れる。

 軽く触れる程度の口付けではあるが、お互いの体温と唇の柔らかさを感じるには十分で、顔を離した剣の乙女は妖しく笑んだ。

 

「あなたがあの人を愛していることも知っております。あなたの心が彼女にしか向いていないことも、知っております。けれど、それでも」

 

 ──わたくしは、あなたを愛しているのですわ。

 

 剣の乙女はそう言って、再び彼に顔を寄せ、

 

「何で鍵かけちゃうのさ!?」

 

 口付けを交わした瞬間、銀髪武闘家が扉を蹴破った。

 格好は部屋を出ていった時のままであるため、風呂に入らずに戻ってきたのだろう。

 扉の前に仁王立つ彼女は、目を真ん丸に見開いて、ベッドに寝転ぶローグハンターと、彼にキスをしている剣の乙女に目を向けた。

 

「「──」」

 

 同じく目を見開いたローグハンターと視線が合わさると、彼は予想外の出来事に直面した時のように、彼女に向けて目で合図を送る。

『助けてくれ』と真摯な思いが込められたその視線を受けた銀髪武闘家は──。

 

「何を……してるの……?」

 

 瞳から光が失せ、額に青筋を浮かべながらバキバキと指を鳴らし、強烈な殺気を放ちながら二人を睨み付けた。

 彼女の殺気を感じた剣の乙女は身体を起こすと、「あら、お早い」と少々驚いた様子の声を漏らした。

 けれど狼狽える様子はなく、彼女は挑発するような笑みを浮かべ、銀髪武闘家に対して告げる。

 

「この人は、わたくしが貰います」

 

「あ゛?」

 

 剣の乙女からの宣戦布告に銀髪武闘家は低い声で彼女を威圧するが、相手は世界を救った英雄だ。殺意をぶつけられる程度、慣れている。

 剣の乙女は白い歯を見せてにっと笑うと、目元を覆う黒布を取り払い、見えざる瞳に銀髪武闘家を映した。

 その瞳を見つめ返した瞬間、まるで心さえも見透かされる錯覚を覚えた銀髪武闘家はスイッチを入れて臨戦体勢を取ると、剣の乙女は再び笑う。

 

「冒険者らしく、勝負致しますか?」

 

「……っ!上等よ、やってやろうじゃない!」

 

 彼女の安い挑発を受け取った銀髪武闘家はバキバキと指を鳴らし、「で、何で勝負するの!」と剣の乙女を指差しながら問うと、彼女は「それは勿論」と妖しく笑んだ。

 

「どちらが彼を満足させられるか。これ以外にはありませんわ」

 

「俺を──!?」

 

「負けない!それだけは、絶対に負けないっ!」

 

「なあ、ちょっと!?」

 

「ふふ。久しぶりに、身体が昂ってまいりましたわ」

 

「俺の意見はっ──!?」

 

 勝手に勝負の話が進んでいく中で、ローグハンターがどうにか場を治めようとするが、二人から向けられた捕食者の眼光を受けて口を閉じた。

 女を怒らせたら怖いのは、先生からも教わった事の一つだ。

 

 

 

 

 

「た、頼むから、止めてくれないか……?」

 

 ローグハンターはいつになく弱々しい声で、問題の二人に頼んだ。

 もっとも彼の視界には二人の姿を映ってはおらず、二人を止めるべき腕も動かせない。

 シーツで両手を縛られた挙げ句にベッドに固定され、剣の乙女の黒布で両目も隠されており、文字通り無防備な状態だ。

 付け加えるなら既に服も剥ぎ取られており、裸の状態でベッドに放置されていた。

 そんな彼の両脇を固めるのは、同じく裸となった銀髪武闘家と剣の乙女だ。

 二人は牽制しあうように睨み合いながら、ちらりと彼の逸物に目を向ける。

 今は萎えているとはいえ、勃起すれば只人の中でも大きめの部類に入るであろう物だ。

 二人は揃って生唾を飲むと、銀髪武闘家の方が一瞬速く動いた。

 萎えている彼の逸物を口に含み、亀頭をペロペロと舐め始めたのだ。

 

「っ……!」

 

 驚いたローグハンターはビクリと肩を揺らすが、この数年で慣れ親しんだ快感を受けた逸物は、ゆっくりと勃起していく。

 同時に鈴口から先走り汁が溢れ始め、生臭いが癖になる味が銀髪武闘家の口内を支配する。

 

「んぐ……っ!」

 

 そうやって味を堪能しながら舌を動かしていると、逸物が段違いに速く勃起していき、それに合わせて銀髪武闘家の口は大きく開いていき、少し苦しそうな声を漏らした。

 だが彼の逸物の勃起は止まらず、顎が外れそうな程に大きくなっていく。

 

「ぷぁっ!」

 

 堪らず彼女が逸物から顔を離すと、鼻先に唾液と先走り汁で濡れた亀頭が触れた。

 

「~っ!」

 

 むんと香る彼の臭いを受けた銀髪武闘家が恍惚の表情を浮かべ、ちろりと裏筋を舐めてやれば、逸物がビクンと跳ねる。

 彼が気持ちよくなっているとわかると、不思議と彼女の気分も良くなり、「ふふ」と嬉しそうに笑みを溢した。

 いつもならそのまま続けるのだろうが、今回に限って言えば邪魔者がいる。

 

「……」

 

 剣の乙女が不満そうに目を細めると、夢中になって彼の逸物を舐めている彼女の頭を退かし、恐る恐ると言った様子でぺろりと一舐め。

 

「──っ!!」

 

 途端に口内を支配した生臭さに口を押さえて眉を寄せるも、それでも我慢してもう一舐め。

 何度も舐めて彼の味を堪能し、忘れないように脳に刻み、それを繰り返せばいつの間にか慣れてくるもので。

 

「れろ……。んっ……。ちゅる……」

 

 いつの間にか求めるように舌を這わせ始め、絶えず出てくる先走り汁を掬い取った。

 彼の味を感じる度に胎の奥底に熱がこもり、思考が蕩けていく。

 

「くっ……おぉ……っ!」

 

 対するローグハンターは喉の奥から絞り出すように声を漏らし、強まる射精感を堪えていた。

 視覚を封じられているため、他の感覚が敏感になっている今、少しの快感でも彼を絶頂させらことなど容易いのだろう。

 それが銀髪武闘家にとっては不満なようで、彼女は頬を膨らませると──。

 

「邪魔っ!」

 

 その一言と共に、剣の乙女を退かした。

「きゃ!?」と悲鳴をあげる彼女を他所に、銀髪武闘家はビクビクと震えている逸物に目を向け、舌舐めずり。

 

「えい!」

 

 彼女は可愛らしい掛け声と共に、己の武器の一つである豊かな胸で、彼の逸物を包み込んだ。

「このこの」と声を出しながら上下に胸を動かしてやれば、ローグハンターの口から「くぉぉ」と絞り出すような声が漏れる。

 

「いつでも射精()していいからね。私が受け止めてあげる」

 

 銀髪武闘家は誘うようにそう言うと、左右の胸をそれぞれ上下逆に動かし始め、胸の中で転がすように逸物を扱く。

 ローグハンターの腰が僅かに浮き、ビクビクと震え始める。彼とて男だ。我慢の限界が近いのだろう。

 

「むぅ……」

 

 そんな彼の様子を見えないなりに察した剣の乙女は口をへの字に曲げると、すぐに何かを思い付いたのか、ハッとした表情を浮かべ、鈴を転がしたようにくすりと笑んだ。

 彼女はその表情のまま彼に這い寄ると、銀髪武闘家と負けず劣らずの豊かな胸で彼女の胸を押し返し、彼の逸物を包み込んだ。

 

「むっ」

 

 剣の乙女の行動に銀髪武闘家は眉を寄せると、負けじと彼女の胸を押し返し、彼の逸物を奪い返す。

 そこから始まったのは、胸を使った押し合いだった。

 彼の逸物を奪い取らんと豊かな胸がぶつかり合い、押しつ押されつを繰り返す。

 

「くぉっ!ぉぉおおお!」

 

 二人の豊かな果実に挟まれ、絶え間なく極上の柔らかさに擦り付けられる逸物がビクビクと震え、辛抱堪らなくなったローグハンターが思わず叫ぶと、

 

「っ!」

 

 銀髪武闘家を押し返した剣の乙女が、胸の谷間から飛び出した亀頭を口に含んだ。

 瞬間、彼の逸物は限界を迎え、剣の乙女の口内に向けて精液を吐き出した。

 

「んぶ!?」

 

 熱いとさえ思える程の熱がこもった、どろりとした液体は彼女の口内を一瞬にして満たすと、慣れていない剣の乙女はすぐに吐き出してしまい、自身の口許と胸と彼の身体を白く汚していく。

 それでも彼の射精は終わらず、剣の乙女はあまりに多い量に目を見開き、ついに堪えきれずに顔を離した。

 途端に解放された射精中の彼の逸物は、さながら噴水のように精液を吹き出した続け、

 

「きゃ!?」

 

 近くにいただけの銀髪武闘家の顔と胸にも、精液を振りかけた。

 彼女は一瞬驚いたような顔をすると、すぐに彼の逸物に口を含み、ごきゅごきゅと音をたてて精液を飲み下していく。

 

「んく……。けほっ!けほっ!」

 

 その横では剣の乙女が口内に残った精液をどうにか飲み込むが、思わず咳き込んでしまう。

 彼の精液でベタベタに汚れた胸を撫でて、彼の温もりを塗り込むように手を這わせる。

 手の動きに合わせて胸は柔らかく形を変え、桃色の乳首が薄いながらに白く染まる程に精液を塗りたくる。

 

「あっ……んん……ふぅ……んっ!」

 

 乳首に触れる度にピリピリと痺れるような快感が脳裏を掠め、剣の乙女は悩ましい声を漏らす。

 

「んぐっ!ぶっ!んぐ!ぶぁ!」

 

 それと同時に、彼の精液を受け止め続けていた銀髪武闘家は顔を離し、ぜぇぜぇと呼吸を乱しながら精液に濡れた顔を指で拭う。

 指についた精液をしっかりと舐めとり、喉を鳴らして飲み下す。

 胃の中が彼の精液で一杯になった錯覚を覚えるが、それでもまだ欲しいと思ってしまうのは彼のせいだろう。

 彼女はちらりと自慰にふけるように胸を弄っている剣の乙女に目を向け、少々悪戯っぽい笑みを浮かべた。

 彼女の身体は彼の精液によって汚れていて、彼女はそれを拭う様子がない。

 

 ──なら、貰っちゃってもいいよね……?

 

 彼女はそう判断を下すと共に剣の乙女に襲いかかり、優れた膂力をもって彼女を押し倒す。

「きゃ!?」と悲鳴をあげる彼女を他所に、銀髪武闘家は舌舐めずりすると、彼女の頬に舌を這わせた。

 そこに付着していた彼の精液を舐めとった銀髪武闘家は恍惚の表情を浮かべると、そのまま彼女の顔についた精液を片っ端から舐めていき、剣の乙女の顔が彼女の唾液でテカり始める。

 剣の乙女は「待って、止めて……!」と銀髪武闘家から逃れようと首を振るが、その時に既に狙いは次に行っていた。

 銀髪武闘家は剣の乙女の豊かな胸元に顔を埋めて、胸にこびりついた精液を舐めとり、白く染まった乳首をペロペロと舐め回す。

 

「ひゃ!?あん!待って!駄目です……っ!」

 

 胸から与えられる快感にピクピクと身体を揺らしながら、剣の乙女はどうにか銀髪武闘家を退かそうとするが、彼女は持ち前の筋力で離れる事はなく、ペロペロと絶えず舌が動き回る。

 そして一通り顔と胸を綺麗にした銀髪武闘家は、舐めとった精液を口の中に溜めたまま、はぁはぁと快感に余韻に喘ぐ剣の乙女の顔を覗き込み、僅かに開いている彼女の口に親指を入れた。

 そのまま奥歯に挟まるように指を奥まで押し込み、閉じようとしている強引に強引に抉じ開ける。

 

「んぁ!?」

 

「んふふ~」

 

 顎が外れそうな程に口を開かれた剣の乙女が僅かな痛みに悲鳴を漏らす中で、銀髪武闘家は愉しそうに目を細め、剣の乙女に口付けを落とした。

 

「っ!?」

 

 突然の行動に驚き、目を見開く剣の乙女をそのままに銀髪武闘家は口を開くと、口内に溜めていた精液を一気に吐き出した。

 

「んぶ!?」

 

 口内を支配する、先程とは比にならない濃さと量を持った精液の感覚に剣の乙女は目を剥くが、銀髪武闘家は逃げ場を塞ぐように彼女の頭を押さえ込む。

 

「んぼっ!ぶっ!んぐ!んぶ!お゛……!」

 

 目を白黒に点滅させながら身体を痙攣させる剣の乙女は、どうにかして精液を飲み下していくか、慣れない味と粘っこい感覚を身体が拒絶してしまい、どうにか飲み込んだ分もがぼがぼと音をたてて逆流してしまう。

 とりあえず注ぎ終えた銀髪武闘家が顔を離してやれば、ようやく逃げ道を見つけた精液が剣の乙女の口から溢れ、綺麗にしたばかりの彼女の顔を汚していく。

 

「お゛……!げぇ……!ぶぉ……!」

 

 ビクビクと痙攣しながら精液を吐き出す剣の乙女を見下ろしながら、銀髪武闘家は勝ち誇ったような笑みを浮かべた。

 

「これくらい飲めないと、彼の相手は出来ないよ?」

 

 ふふんと余裕の笑みを浮かべる銀髪武闘家を他所に、剣の乙女は口内に溜まったままの精液で息苦しそうにしながら、思わず涙を流して銀髪武闘家を睨み付ける。

 

「ふふ。そんなに睨んじゃって、仕方ないなぁ」

 

 銀髪武闘家は苦笑混じりにそう言うと、再び彼女に口付けを落とす。

 そのまま彼女の口内に溜まった精液を舌で掬い上げ、今度は溜めることなく、掬ったその場から一気に飲み干していく。

 ごくごくと喉を鳴らして剣の乙女に渡した分の精液を飲み込んだ彼女は、満足そうに頬を緩ませながら顔を離し、「あー」と声をあげながら口を開いた。

 舌に僅かに白い液体がこびりついている程度で、全て飲み込んだ事を剣の乙女に知らしめる。

 

「あっ……はぁ……んん……」

 

 剣の乙女は彼女に格の違いを見せられている気がして不満そうに頬を膨らませるが、不意に銀髪武闘家の背後で動く何かに気付いて首を傾げた。

 

「ん……?」

 

 彼女の反応を訝しんだ銀髪武闘家が好奇心のままに振り向いた瞬間。

 

 ──凄まじい力をもって腕を引かれ、ベッドに引き倒された。

 

 彼女が「きゃ!?」と小さく悲鳴をあげると、両手を後ろ手に縛られた。

 

「え?!あ?な、なに……!?」

 

 突然の事態に慌てる彼女を他所に、彼女を引き倒した人物──ローグハンターは昂ったように呼吸を乱しながら彼女を見下ろし、獰猛な笑みを浮かべた。

 

「あ……」

 

 その笑みを向けられた銀髪武闘家は、子宮が熱を持ち、疼き始める感覚に頬を緩め、物欲しそうに彼の逸物に目を向けた。

 その視線を受けたローグハンターは愉快そうに目を細めると、銀髪武闘家に目隠しを施し、放心したようにベッドに倒れている剣の乙女に目を向けた。

 

「え、あ、待って……!」

 

 手を縛られている為、どうにか身体を跳ねさせて自分を止めようとする銀髪武闘家を放置して、いまだに痙攣を繰り返している剣の乙女の方に近寄り、彼女の顔を覗き込んだ。

 

「んぁ……ローグ、ハンター……さま……?」

 

「拘束を抜けるのに、だいぶ時間をかけてしまった」

 

 彼はそう言うと剣の乙女の両手を掴み、力任せに押さえつけた。

 

「そ、そうなのですね……」

 

「ああ」

 

 恐る恐ると言った様子で言葉を吐いた剣の乙女を見下ろしながら、ローグハンターは少々怒気のこもった笑みを浮かべる。

 

「──仕返しさせてもらうぞ」

 

 彼は額に青筋を浮かべながらそう言うと、一切の返答を待たずに行動を開始した。

 

 

 

 

 

「あん!あっ!はん!あん!あひ!」

 

 状態を起こしたままベッドに腰を降ろしたローグハンターの上に股がり、秘部に逸物を突っ込まれた剣の乙女は、彼が突き上げるタイミングに合わせて嬌声を漏らし、豊満な胸がぶるんぶるんと大きく揺れる。

 充血するほどに勃った乳首が彼の胸板に擦れ、痺れるような快感を絶えず彼女の与え、胎内から来る快感を更に増幅させていた。

 

「ひん!あん!あっ!あん!ローグ、ハンター様ぁ!」

 

「なんだ」

 

「待って!待ってください!これ、良すぎてぇ!」

 

 上擦った声であんあんと喘ぐ剣の乙女に向けて、ローグハンターは淡々と「駄目だ」と返し、変わらずに腰を突き上げ続ける。

 

「あひ!あん!奥、奥に届いてぇ!わたくし、駄目になってしまいますからぁ!」

 

「駄目になってもいいさ。俺は気にしない」

 

「あん!あん!そんなこと、言わないでくださいなっ!」

 

 絶えず身体の奥底を突かれる剣の乙女は首を振ってそう言うが、ローグハンターはわざとらしく残念そうな息を吐いた。

 

「この程度で根をあげるなら、俺はこっちを構うが?」

 

 彼はそう言うと、伸ばされた己の左手の先に目を向けた。

 そこには安産型の臀部があり、ベッドにうつ伏せで寝かされた銀髪武闘家が、腰を突き出していた。

 

「んぉ!おおおっ!ジル!じりゅう!そこ、そこいいのぉ!」

 

 左手の中指と人差し指を秘部に()れられた銀髪武闘家が、ぐちゃぐちゃと音をたてて膣肉を掻き回され、もはや冒険者たしての意地も何もない、雌の本能を全開にした声を漏らしていた。

 

「イくっ!イっちゃう!じりゅ!もっと!もっとグリグリしてぇ!」

 

「ここか?」

 

 彼女の言葉に笑みを浮かべたローグハンターは、膣肉の中でも少しざらついた感覚のある場所──Gスポットと呼ばれるその場所を指で撫でた。

 

「んぃいいい!」

 

 その瞬間、銀髪武闘家は目を見開いて爪先立ちになりながら腰を突き上げ、秘部から潮を吹いた。

 詰まるところ彼女が絶頂を迎えた訳だが、ローグハンターは指を止めずにそのままGスポットをひたすらに掻き続ける。

 

「んぎっ!いいいいっ!やめ、やめで!イく!イくっ!イぐっ!イっでるがらぁ!」

 

 銀髪武闘家が野太い悲鳴をあげてもそれを無視して、ローグハンターはひたすら彼女に快感を叩きつけ続ける。

「んおお!?おおおおっ!」と獣じみた声を漏らす彼女を他所に、彼女の恥態に逸物を更に固くしたローグハンターは剣の乙女に視線を戻した。

 

「で、お前はどうする?」

 

「んっ、あぁ、ひぅぅ……」

 

 ローグハンターの問いかけに、剣の乙女は物欲しそうな声を漏らし、ぎゅっと彼の身体を抱き締めた。

 

「誰にも、渡しません……!あなたは、わたくしが──」

 

「なら、頑張らないとな」

 

 彼女の言葉を遮る形でローグハンターはそう言うと、銀髪武闘家の秘部から指を引き抜いた。

「んぉ!?」と野太い声と共に身体を跳ねさせた彼女は、そのまま全身を弛緩させてベッドに身体を沈ませ、「んぉ!おぉ!おっ!」と絶頂の余韻に声を漏らしながら身体を痙攣させる。

 ローグハンターは震える彼女の臀部を愛おしそうに撫でると、剣の乙女を煽るように告げた。

 

「お前は、どのくらい耐えられるかな?」

 

「何度でも、耐えてみせます……!」

 

 剣の乙女は強がりを含んだ声でそう言うと、ローグハンターは満足そうに頷き、

 

「なら、試してみないとな」

 

 彼女の耳元でそう囁いて、彼女の身体を押し倒した。

 

 

 

 

 

 パンパンパンパンと激しく手拍子を打つような音が部屋に響き、それに呼応するかのように、女性の嬌声が部屋に響く。

 

「んぉ!?おっ!あぎ!んぐ!んぎぃ!おん!」

 

 ローグハンターの手でベッドに組み伏された剣の乙女が叩きつけられる快感に耐えきれず、品の欠片もない喘ぎ声を漏らしているのだ。

 仰向けでベッドに寝かされた彼女は、両手を彼の手で押さえられており、逃げようにも逃げられず、体勢を変えようにも彼が許してくれない。

 

「あぐ!ぎぃ!ローグハンターざまぁ゛!もっど!もっどくだざいましぃ!」

 

 剣の乙女が羞恥心をかなぐり捨てて叫ぶように懇願すると、ローグハンターは優しく──けれど嗜虐的な──笑みを浮かべ、彼女の額に口付けを落とした。

 そして要望通りに、腰使いをより荒っぽいものへと変える。

 パン!パン!パン!と先程よりも鋭い音が出るほどの勢いをつけて腰を叩きつけ、彼女の尻が赤くなり始めても構うことはない。

 鋭いかりが膣肉を掻き回し、亀頭が子宮口を殴る度に剣の乙女は悲鳴のような嬌声を漏らし、合間合間に「ローグハンター様!ローグハンターさまぁ!」と愛おしそうに彼のことを呼ぶ。

 呼ばれた彼は僅かに嬉しそうに頬を緩めると、耳元で「射精()すぞ」と告げて彼女の頬に口付けを落とす。

 

「んぃい!あぃい!んぎ!いいっ!くださいっ!ぜんぶのみます!うけとめますからぁ!」

 

 呂律が回らなくなり始めた剣の乙女がそう言うと、ローグハンターは「なら、受けとれ……っ!」と唸るように言葉を発し、そして、

 

「くぉおお!」

 

 彼女の子宮に向けて、射精が行われた。

 

「んぎぃぃぃいいいいいいっ!」

 

 二度目の射精ではあるが、一度目と変わらない濃さを持つそれは瞬く間に子宮を満たし、肉を押し上げるようにして膨らませていく。

 その感覚に目を剥いた剣の乙女は一際大きい悲鳴をあげ、絶頂を迎えた。

「あぐ!ぎぃ!」と意味を持たない悲鳴をあげて絶頂した彼女の膣肉は痙攣を繰り返し、根本まで埋まった彼の逸物を扱きあげる。

 

「うぉっ……!」

 

 蠢く膣肉に尿道に残っていた精液を絞り出された彼は驚いたように声を漏らし、けれど心地よさそうに息を吐いた。

 そして数分かけて最後の一滴まで注ぎ込んだローグハンターはゆっくりと逸物を抜き、剣の乙女を解放した。

 注ぎ込まれた精液が多すぎた為か、下腹部はぽこりと膨らんでおり、妊娠したばかりの妊婦のようだ。

 

「お……っ。んぉ!んぎっ!あへぇぇ……」

 

 剣の乙女がビクビクと身体を痙攣させて絶頂の余韻に浸り、秘部からどろりと精液を吐き出している様を眺めていると、不意に膝に銀髪武闘家が頬を寄せた。

 

「じりゅぅ……。じりゅう……!わたしも、わたしにも、ちょうだいぃ……」

 

 すりすりと彼に頬擦りしながら言うと、ローグハンターはため息混じりに肩を竦めて、銀髪武闘家の髪を撫でた。

 まだ夜は始まったばかり。彼らの夜は、これからだ。

 

 

 

 

 

 翌朝、同室。

 ベッドの上に腰を降ろしているローグハンターは、目の前に広がっている光景に困り顔となっていた。

 

「ちゅる!ちゅ!れろ!れろ!」

 

「ちゅ!じゅる!じゅる!れろ!んちゅ!」

 

 剣の乙女と銀髪武闘家の二人が、朝勃ちした己の逸物を、口で鎮めようとしているのだ。

 二人はバチバチと火花を散らしながら視線を交差させ、一心不乱にローグハンターの逸物を舐め回す。

 ローグハンターは大きめのため息を吐くと、同時に限界を感じて二人に告げる。

 

射精()すぞ」

 

「「っ!」」

 

 彼の宣言に二人は目を合わせると、顔を密着させながら鈴口に吸い付いた。

 同時に本日一発目の射精が行われ、噴水のように精液が吹き出す。

 だが二人は狼狽えずにそれぞれの口でそれを受け止め、口の中に溜めていく。

 二人で分担している為かまだ余裕がありそうで、二人は目を閉じて彼の味と温もりを堪能している。

 そして射精が治まると同時に顔をあげて、「「あー」」と口を開いた。

 どろどろの精液が溜まっている事を彼に示すと、示し合わせたかのように同時に口を閉じて、唇をもごもごと動かす。

 ごくん!と飲み込んだ音が銀髪武闘家から聞こえ、僅かに遅れて剣の乙女からも同じ音が続く。

 二人は再び同時に口を開けて、綺麗になった口内を彼に見せつける。

 ローグハンターは二人の行動に困ったように笑いながら頬を掻き、そして告げた。

 

「続きは、夜だな……」

 

「「♪~」」

 

 彼の言葉に二人はご機嫌な笑みを浮かべるが、すぐに隣の相手を睨んで臨戦体勢。

 

 ──本当、人生は何が起こるかわからないな。

 

 冒険者になってから日々痛感していた事を再確認した彼は、起きてから早くも数度目になるため息を吐いた。

 いまだ人生は半ばだが、この一年はきっと濃い一年になるだろう。

 何となくそんな予感がして、彼は再びため息を吐くのだった──。

 

 

 




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Memory?? 夜空の下で

リクエストから。
ヒロインは銀髪武闘家。

時期的は空白期ですが、本編開始間近くらいかも。



 橙色に染まった空の下、沈みかけた陽の光とは別のもので赤く染まった平原に、二人の冒険者がいた。

 二人して身体を返り血で真っ赤に染め、肩を上下させて乱れた呼吸を繰り返す。

 

「無事、だよな……?」

 

 そんな中で冒険者の片割れ──ローグハンターが相棒たる女性冒険者に声をかけ、言われた彼女は銀色の髪を風になびかせながら、「大丈夫」と頷いた。

 

「でも、今回は疲れたね~」

 

 銀髪武闘家はそう言うとホッと息を吐き、辺りを見渡した。

 どこを見てもそこにあるのは盗賊たちの死体で、その数は優に二十を越えている。

 ならず者殺し(ローグハンター)として有名になりすぎた為か、一部の野盗たちが徒党を組み、この平原で待ち構えていたのだ。

 依頼で数人規模の盗賊団を潰しに来たはずなのに、噂に名高い『騙して悪いが』をされる事になるとは──。

 

「もう陽が暮れる。どこかで夜営だな」

 

 ローグハンターが憎々しげに暗くなり始めた空を見上げながらそう言うと、銀髪武闘家は「そうだねぇ」と気の抜けた返事を返す。

 頬についた返り血が風にさらされて乾き始め、試しに掻いてみればパリパリと音をたてて剥がれていく。

 

「とりあえず、離れよっか」

 

 頬の返り血を剥がした彼女は苦笑混じりにそう告げると、ふと嫌な予感がして自分の臭いを確かめた。

 凄まじい鉄臭さがこびりつき、自分の身体から全く別人の臭いがするのは酷く心地が悪い。

 それは普段気にしないローグハンターも同じなのか、衣装の袖の臭いを確かめて眉を寄せていた。

 

「この格好で街には戻れんな……」

 

「だよね……」

 

 ゴブリンスレイヤーは気にもせずに街に戻るのだろうが、流石の彼とて返り血をそのままに夜営をすることはない。

 鉄臭さを身に纏ったまま休息を取れる人物など、世界広しとは言えどいやしない筈だ。

 ローグハンターはフードを脱いで頭を掻くと、思い切りため息を吐き、日頃から思っていた事を口にする。

 

「……そろそろ一党に誰か加えるべきかもな」

 

 自分と彼女の強さを疑う訳ではないが、前衛二人では流石に限界がある。今回とて、後衛が一人でもいればもっと楽に済んだ筈だ。

 仲間と呼べる人たちは居たが、彼らは新たな冒険を求めて拠点を移してしまった。

 彼らがいれば、もう少し違ったのだろうか。

 

 ──とりあえず、帰ってからだな……。

 

 ローグハンターは後ろ向きになっている思考を止め、疲労を感じさせない声音で銀髪武闘家に声をかける。

 

「移動しよう。夜営できそうな場所を探すぞ」

 

「りょーかい……」

 

 彼の言葉に銀髪武闘家は酷く疲れたような声で返事をすると、びちゃびちゃと湿った音をたてながら血溜まりの中を進んでいく。

 彼女を待つローグハンターは輝き始めた双子の月を見上げながら瞑目し、胸に手を当てた。

 

「汝らの眠りに、平穏があらんことを」

 

 鉄臭い平原の真ん中で、彼は静かに祈りを捧げた。

 ここで死した者たちの冥福を祈り、彼らに殺された者たちの冥福を祈る。

 父から教わった教えは、世界を越えても、確かに彼の中に根付いているのだ。

 

 

 

 

 

 ぱちり、ぱちりと、手拍子を叩いて踊る火花の音と、静かに流れる川の音を耳にしながら、ローグハンターは満点の星空を見上げていた。

 昔ならこうして星を見上げる何てことはなかったが、今では心にゆとりが出来たのか、あるいは自分もある程度変われただろうかとふと思う。

 まあ、それはそれとしてと、彼は辺りを見渡した。

 ちょうどよく川があった為、その(きし)に生えていた背の高い草を刈り、辺りに罠を張り巡らせただけの簡易的な夜営地。

 一晩過ごす程度なら問題なく、川もあるため身を清める事も出来るこの場所は、まさに彼らが求めていた場所だった。

 

「それじゃあ、先に失礼するね」

 

「ああ。火の番は任せろ」

 

 少々恥ずかしがるように岩影から顔を出した銀髪武闘家は、頬を朱色に染めながら彼の返事を聞き、そーっと身体を出した。

 下着を含めて服を脱いだ彼女は文字通り一糸も纏っておらず、豊満な胸は右腕で、秘裂は左手で隠していた。

 

「うぅ……」

 

 じっと眺めてくるローグハンターの視線を受けた銀髪武闘家は恥ずかしそうに俯くと、もじもじと身体をくねらせる。

 既にそう言った関係になっているとはいえ、外で自身の裸体を晒すのは初めてだ。少々、いや、かなり恥ずかしい。

 そんな彼女の気持ちも露知らず、ローグハンターは首を傾げ、「どうかしたのか?」と短く問う。

 

「な、何でもないっ!」

 

 そんな彼の態度に開き直った銀髪武闘家は鋭く返すと、足早に川に入っていく。

 腰程度までしか沈まない川は、夜だからか冷たいが、流れが穏やかなので心地がよい。

 思わず頬を緩めた銀髪武闘家は、両手で身体を擦って返り血を落とし始めた。

 川の水を掬って頬についた返り血にかけ、ごしごしと擦って落とし、髪は丁寧に梳くようにして洗っていく。

 ローグハンターは辺りを警戒しながら横目で彼女の姿を確認すると、思わず彼女の姿に見惚れた。

 月明かりを反射する川と、そこに身を沈めながら輝く銀色の髪を梳く彼女の姿は絵画のようで、幻想的なまでの美しさがある。

 

「ね、ねぇ……?」

 

 そんな彼女に魅入っていると、銀髪武闘家は背中越しに振り返り、恥ずかしそうに頬を赤くしながら肩まで身体を川に沈めた。

 

「その、見つめられると、恥ずかしい、よ……?」

 

「それは、すまん……」

 

 彼女の言葉にローグハンターは素直に謝ると、そっと顔を背けて周囲へと警戒を再開する。

 それでもちらちらと彼女の方に目を向けて、照れたように赤く染まった頬を僅かに緩めた。

 

「……本当に、綺麗だな」

 

 彼が囁くように呟くと、銀髪武闘家が「何か言ったー?」と問いかけてくるが、ローグハンターは「何でもない」と鋭く返して辺りを警戒。

 彼の背を見つめる銀髪武闘家は心底不思議そうに首を傾げると、すぐに意識を切り替えて身体を洗う。

 とりあえず自分が上がらなければ彼が洗えないのだ。それは彼とて望むまい。

 銀髪武闘家はいそいそと身体を洗い、ローグハンターは彼女を横目で観察しながらも辺りを警戒。

 気が抜けているような、張り詰めているような、何とも不思議な時間が、二人の間で流れていた。

 

 

 

 

 

 それから数十分が経った頃。

 ぱちぱちと手拍子を繰り返す焚き火を眺めながら、毛布にくるまった銀髪武闘家は船を漕いでいた。

 返り血に汚れた衣服も洗い終えて、焚き火近くに組んだ物干し竿に吊るしてある。火の強さにもよるが、陽が昇る頃には乾いているだろう。

 

「んー……」

 

 眠気を誤魔化すように唸った彼女は、こきこきと首を鳴らし、ちらりと川で水浴びをしているローグハンターの方に目を向けた。

 傷だらけの身体を月下の下に惜しげもなく晒し、水滴に濡れたその姿はどこか色っぽい。

 

「……」

 

 銀髪武闘家は頬を朱色に染めながらそっぽを向いて、森に広がる夜の闇に目を凝らした。

 自分には何も見えやしないが、彼なら何か見えるのだろうかと自問して、まあどうでもいいかと匙を投げる。

 彼にしか出来ないこと。自分にしか出来ないこと。それがあるから、自分たちはこうしてやってこられたのだ。

 何でもかんでも一人で出来てしまえば、一党など組む意味はない。

 

「ふぁぁぁ……」

 

 何て事を考えながら、銀髪武闘家は大きめの欠伸を漏らし、涙が滲んだ瞳を擦る。

 今は警戒しなければならない。自分が気を抜けば彼が危険に晒されるのだ。気を抜いてはいけない。

 気を抜いてはいけないのだが──。

 

 ──眠たくてしょうがないよ……。

 

 昼間から夕暮れまでほぼぶっ通しで戦ったのだ。普段の比にならない疲労は確実に彼女の身体を蝕んでいた。

 もう少し、もう少しと自分に喝を入れて眠らないように耐えるが、意志に反してかくんかくんと首を倒れてしまう。

 ペチペチと頬を叩いて眠気を飛ばすが、やはりその程度でどうにかなるものでもなく、眠気は強くなるばかり。

 はぁと重々しいため息を吐くと、不意にカラカラと音をたてて仕掛けていた鳴り子が揺れた。

 

「ッ!」

 

 銀髪武闘家は弾かれるように立ち上がり、毛布を投げ捨てて身構えるが、音の方向から現れたのは、一対の逞しい角を生やした一頭の鹿だった。

 鹿はじっと彼女を見つめて喉を鳴らすと、興味を失ったように森の中に戻っていく。

 

「もう、びっくりさせないでよ……」

 

 銀髪武闘家はため息を吐くと、自身の状態を見つめて「あ……」と声を漏らした。

 今の彼女は裸なのだ。唯一の防具たる毛布は足元に転がっている。

 羞恥から耳まで真っ赤に染めた彼女は毛布を拾おうとすると、横合いから伸ばされた手に奪われた。

 

「こんな真夜中に鹿、か……」

 

 毛布を拾い上げたローグハンターはそう言うと「命知らずな奴だな」と肩を竦め、じっと彼女の裸体を見つめた。

 

「ね、ねぇ?返してくれない……?」

 

 銀髪武闘家は胸と秘裂を手で隠しながら言うと、ローグハンターは「どうするかな」と少々悪戯っぽく笑んだ。

 

「むぅ。そう言うのいいから!」

 

 流石の彼女でも外に裸でいるという状況に耐えきれず、毛布を奪い返さんと彼の身体に飛びかかった。

 思わぬ彼女の行動にローグハンターは身体を強張らせると、彼女に押されるがまま身体を倒した。

 

「わわ!?」

 

 彼が耐えてくれると信じていた銀髪武闘家は彼諸とも倒れてしまう。

 ローグハンターがクッシュンになってくれた為、彼女自身に怪我はなく、重なって倒れた二人を覆うように毛布が落ち、結局二人は裸のまま密着することになった。

 銀髪武闘家の豊かな胸が彼の胸板で押し潰されることで柔らかく形を歪め、相手の鼓動がいつも以上に近くに感じる。

 銀髪武闘家が軽く身体を離して彼の顔を覗きこむと、対するローグハンターも彼女の顔をじっと見つめ返した。

 二人は顔を真っ赤にしながらしばし見つめ合うと、銀髪武闘家が再び身体を沈め、ゆっくりと彼の顔に自身の顔を近づけていく。

 ローグハンターもまた避ける素振りを見せずに目を閉じると、銀髪武闘家がそっと彼の唇に口付けを落とした。

 ローグハンターが彼女の身体を抱き寄せて身体を更に密着させ、お互いに啄むようなキスをし始めてしまえば、もう止まることは出来ない。

 くわえて、ここには止める者もいない。二人が止まることはないのだろう。

 そしてここからは、二人の冒険者ではなく、一人の男(ジブリール)一人の女(シルヴィア)の物語だ。

 

 

 

 

 

 ぱちり、ぱちりと不規則なリズムで手拍子を繰り返す焚き火に照らされた毛布が、布の刷れる音と共にもぞもぞと蠢く。

 

「んっ……あっ……んんっ……」

 

 毛布から顔だけを出しているシルヴィアは切なそうな声を漏らし、ピクピクと肩を揺らしていた。

 そんな彼女を背後から抱き締めるジブリールは、毛布の中で彼女の秘裂に指で触れ、優しく撫でる。

 

「ひぅ……っ!んっ……!あっ……!」

 

 指を這わせる度に彼女の声に熱が籠り、白い肌が上気したように赤くなっていく。

 ジブリールは彼女の反応に笑みながら、ぎゅっと彼女の身体を抱き寄せた。

 二人して毛布にくるまっている為、直に相手の体温が伝わり、お互いの鼓動をより近くに感じる。

 ドクドクと力強く脈動する彼女の心臓の鼓動を感じながら、彼女の頭に顔を寄せた。

 そのまま顔を押し付けてやれば、感じるのは僅かな湿り気と彼女の臭いだ。

 その臭いに昂ったジブリールは彼女の髪に口付けを落とすと秘裂を撫でていた手を退け、勃起した己の分身を彼女の股の間に押し込み、濡れた秘裂に押し付けた。

 突然感じた溶けた鉄のような熱さに「ひゃ!?」と悲鳴をあげるが、彼は構うことなく腰を振り始めた。

 始めはさすさすと肌同士が擦れる乾いた音が漏れるが、少しずつ音に湿り気が増し始め、同時にシルヴィアも「あっ……!んんっ……!」と熱のこもった息が漏れる。

 彼女の反応に機嫌を良くしたジブリールは、僅かに汗が滲んだ彼女のうなじに舌を這わせた。

「ひぅ!」と悲鳴混じりに身体を強張らせる彼女を他所に、確かに感じるしょっぱさに舌鼓をうち、今度は口付けを落とす。

 そして思い切り吸い上げて痕をつけると、彼女を身体を思い切り抱き締めて動きを封じる。

 片手で彼女の胸を弄びながら、ジブリールは本能のままに腰を振るう。

 ずりゅずりゅと湿った音に混ざり、ジブリールの腰とシルヴィアの臀部がぶつかり合う音が静かに木霊し、彼女は背筋を震わせた。

 湿った秘裂と熱のこもった逸物が擦れる度に痺れるような快感が胎内を駆け抜け、物欲しそうに子宮が疼く。

 

「あっ!んん!はっ!あっ!んっ!ん~!!」

 

 彼が腰を振るう度にビクビクと肩が揺れ、いつものように気持ちがいいのに物足りない。

 

「あっ!あん!はっ!あん!んんっ!」

 

 切ないような、満足しているような、何ともふわふわと落ち着かない感覚に襲われながら、シルヴィアは喘ぎ声を漏らす。

 

「ジル……!ジルゥ……!」

 

 半ば無意識に彼の事を呼びながら、更なる快感を求めて僅かに腰を動かし、そこを彼の逸物が通過すると、

 

「ひゃん!?」

 

 先程とは比にならない強烈な快感が、彼女の身体を駆け抜けた。

 突然の事態に混乱した彼女が「え……あ……」と声を漏らすが、ジブリールはお構いなしに腰を振った。

 

「ひっ!あん!待っ──ひん!」

 

 逸物が秘裂を擦る度にシルヴィアは嬌声をあげ、ビクビクと身体を震わせる。

 そして彼が一際強く腰を突き出すと、鋭く尖ったかりが、興奮からかピンと勃ってしまった陰核を転がした。

 

「ひゃん!あっ!あん!ま、待ってっ!ジル!待って……!」

 

 彼の逸物が前後する度に陰核が擦れ、僅かな痛みを伴った快感が彼女の背筋を駆け抜け、思考を蕩けさせる。

 蕩けた思考の中で、シルヴィアはようやく自らの失敗に気付く。

 

 ──不用意に腰を動かしてしまった為、自ら弱点を晒してしまったのだ。

 

「あひ!あん!ジル!じりゅ!待って!まっへぇえ……!」

 

 そんな事を知ってか知らずか、ジブリールは彼女の腰を押さえつけ、力任せに腰を振り回す。

 ずりゅずりゅくちゃくちゃと湿った音が響く度にシルヴィアの口から嬌声が漏れ、痙攣するように身体が震える。

 かりが陰核を前に後ろに転がす度に全身に快感が駆け抜け、先程まで感じていた物足りなさを十分に補い、むしろ過剰なまでの快感を彼女に与え続ける。

 

「ひぁ!あん!じりゅ!イくっ!わたし、イっちゃうぅ!」

 

「俺も、そろそろ……っ!」

 

 絶えず前後運動を繰り返したジブリールは、ぴたりと閉じた太ももの圧に唸り、彼女へと告げた。

「一緒に!一緒にイこっ!」と彼女が言うと、彼はラストスパートをかけるように腰を振る。

 

「あん!はっ!あん!いいっ!そこ!もっと!もっとぉ!イく!イく!イくぅぅぅっ!!」

 

「くっ」

 

 シルヴィアが絶頂を迎えた瞬間、ジブリールもまた絶頂を迎えた。

 ぴたりと閉じた彼女の太ももの内側に亀頭を埋めたまま、耐えきれずに射精が行われたのだ。

 

「ひゃん!?」

 

 自身の太もも、そして秘裂に向けて射精されたシルヴィアは、その熱に思わず悲鳴をあげるが、ジブリールに腰を捕まれているため逃げることは出来ず、吐き出された精液を股で受け止め続ける。

 そして数十秒ほどの射精を終えたジブリールが、戦闘後とは違う独特な倦怠感から息を吐くと、絶頂の余韻に喘ぐシルヴィアが振り向き、恍惚の表情を浮かべた。

 

「ジルゥ……。あつい、あついのぉ……」

 

 額に球のような汗を浮かべながら言うと、ジブリールはこくりと頷き、二人をくるんでいた毛布を剥がし、絨毯のように地面に広げた。

 冷たい夜の風に当てられたシルヴィアが心地よさそうに目を細めると、ジブリールは彼女の身体を持ち上げ、毛布の上に寝かせてやり、額に口付けを落とす。

「んん……っ」と嬉しそうに笑いながら唸ったシルヴィアは、ころりと身体を転がしてうつ伏せになると、伸びをする猫のように腰を持ち上げた。

 月明かりに照らされて銀色の髪が幻想的に輝き、さながら女神のようであるけれど、彼女の表情は熟練の娼婦にも劣らない淫らなもの。

 

「ジルゥ……もっと、ちょうだい……?」

 

 はぁはぁと昂ったように呼吸を乱しながら、彼女は精液に濡れた秘裂を指で開き、物欲しそうにパクパクと開閉する入り口を彼に見せつけた。

 見やすいように股を開けば、太ももにこびりついた精液が橋をかける。

 

「はやく。はやくぅ……」

 

 肉付きのいい尻を振って誘ってくるシルヴィアの姿にジブリールは生唾を飲むと、一度の射精程度では落ち着かない己の分身に目を向けた。

 彼女の姿に余計に興奮してしまったのか、反り返る程に勃起し、血管が浮かび上がっている。

 彼は最低限の落ち着きを取り戻そうと深呼吸をすると、膝立ちで彼女の方に近づくと、彼女の秘部に狙いを定めた。

 

「ジルゥ……はやく、はやくぅ……」

 

 昂った犬のようにはぁはぁと呼吸を繰り返し、火照ったように白い肌が僅かに赤く染まっていく。

 ジブリールは負けを認めるようにため息を吐くと、突き出された彼女の腰を捕まえ、腰を勢いよく前に突き出した。

 どちゅ!と生々しい音をたてて、いきり立った逸物が彼女の胎内に侵入を果たすと、亀頭が膣肉を掻き分け、かりが膣肉を掻き回し、その勢いのままに子宮口を殴り付けた。

 

「ん゛ぉ゛!?」

 

 何の備えもなしに強烈な快感を叩きつけられたシルヴィアは、軽い絶頂を迎え、喉の奥から絞り出したような野太い悲鳴をあげると、ジブリールはいつになく締め付けてくる膣肉の圧に歯を食い縛りながら眉を寄せた。

 

「おっ!んっ!んぎっ!おおっ!」

 

 ジブリールは動いていないのだが、シルヴィアはビクビクと身体を痙攣させ、口からは品の欠片もない声が漏れる。

 逸物を扱くように蠢く膣肉の感覚に唸ったジブリールは、彼女の背に寄りかかるように身体を倒し、首筋に口付けを落とした。

 

「随分、締め付けが強いが、何かあったのか……?」

 

 額に汗を滲ませながら問うと、シルヴィアは背筋を震わせながら答える。

 

「んぁっ!ここ、外だからぁっ!なんだか、変な感じがして……っ!それに──」

 

「誰かに見られたらどうしよう。か?」

 

 彼女の言葉を遮る形でジブリールが言うと、シルヴィアはこくこくと頷くと、彼は思わず苦笑を漏らした。

 

「銀等級の冒険者が、仕事先でこんなことをしているって知られたら、どうなるんだろうな?」

 

 耳元で彼女に言い聞かせるように言うと、誰かに見られた姿を想像したのか膣肉が引き締まり、髪の間から覗いている耳が真っ赤に染まる。

 何とも可愛らしい反応に微笑んだジブリールは「それじゃあ」と呟き、真剣な面持ちとなって告げた。

 

「誰かが来る前に、終わらせるか」

 

「ふぇ?ひぎっ!」

 

 彼の言葉を理解する間もなく、ジブリールは腰を振り始める。

 締め付けてくる膣肉の感覚を堪能しながら、それを掻き回すように乱暴に腰を振る。

 

「ひゃ!あん!あっ!あっ!んっ!んいぃ!」

 

 逸物が勢いよく子宮口を殴り、かりが膣肉を掻く度に軽い絶頂を迎えているシルヴィアは嬌声を漏らし、彼女の喘ぎ声とぐちゃぐちゃと湿った音が、誰もいない静かな森に響いていく。

 

「静かにしないと、誰かに聞かれるぞ?」

 

 その状況をどこか愉しんでいる節があるジブリールは、腰を振りながら彼女の耳元でそう囁くと、シルヴィアの膣肉が更に引き締まり、真っ赤になった彼女は慌てて両手で口を塞いだ。

 あまりの締め付けに動きを止めたジブリールは、予想通りの彼女の行動に苦笑を漏らすが、容赦なく腰を振るう。

 

「んぐっ!ふっ!んっ!んぁ!んん!」

 

 顔を真っ赤にして口を継ぐみ、両手で必死になって声を抑え込む彼女の姿を見下ろすジブリールは、ピクピクと痙攣している臀部を片手で撫でてやり、そのまま括れた腰を撫でるようにして腹部を通りすぎ、二人を繋ぐ結合部に触れた。

「ん!?」と驚いたように身体を震わせた彼女を他所に、ジブリールはその手でぷくりと膨らんだクリトリスに触れた。

 

「ふぎぃっ!?」

 

 彼の指が軽く触れた程度なのに、それだけで絶頂を迎えたシルヴィアがくぐもった悲鳴をあげると、ジブリールは少々嗜虐的な笑みを浮かべた。

 そして彼は何も告げずに腰の動きを速め、クリトリスを責めるように指で転がす。

 

「んぁ゛っ!んーっ!んぉ゛!?あぎっ!んぁ!ぎっ!あっ!ああああああああ!!!」

 

 コロコロコロコロとクリトリスを転がしながら、渾身の力を込めて腰を突き出してやれば、彼女の身体は休むことなく絶頂を迎え、十分に蕩けていた彼女の理性を完璧に溶かした。

 

「あひっ!いいっ!そこっ、いいのぉ!もっと、もっとちょうらい!もっと、パンパンコロコロしてぇ!」

 

 そしてついにたがが外れてしまったのか、シルヴィアは恥も外聞も捨て、森に響かせるように彼へと懇願した。

 彼女のおねだりに気を良くしたのか、ジブリールは彼女の身体を押し潰すように体重をかけると、突き出されていた腰も沈み、完全に毛布の上にうつ伏せとなった。

 そして寝転んだ彼女にとどめを刺すように指でクリトリスを責め立て、逸物で子宮を虐めていく。

 

「んぉ!?おおおっ!イくっ!イくっ!イくぅ!イくの止まんない、とまんにゃいぃ!またイくっ!イっちゃうぅ!んぃぃいいいいいっ!」

 

 ジブリールに覆い被さられたまま、シルヴィアの身体はビクビクと痙攣を繰り返し、結合部からは透明な液体が吹き出す。

 だが彼はそんな事お構いなしに腰を振り、クリトリスを思い切り摘まんだ。

 

「あひゃ!?んぎぃ!んぉっ!ぎっ!いいっ!」

 

 自分を押し退けようとビクンビクンと跳ねる彼女の身体を力任せに押さえつけながら、ジブリールは告げる。

 

「そろそろ射精()すぞっ!」

 

「はん!あひっ!ぜんぶ!ぜんぶちょうらい!キミのぜんぶ、うけとめるからぁ!」

 

 彼女が宣言するように叫ぶと、痙攣を繰り返す膣肉が一気に引き締まり、精液を絞り出さんとわなわなと蠢く。

 

「くっ!おぉぉ!」

 

 その膣圧に耐えきれず、ジブリールの逸物を駆け上がった精液が、彼女の子宮に吐き出された。

 

「んいぃぃぃぃいいいいいいいっ!!!」

 

 吐き出された精液の勢いと、子宮を満たす熱に当てられた彼女は再び絶頂を迎え、身体を痙攣させながら歯を食い縛り、彼の吐精を受け止め続けた。

 瞬く間に子宮が満たされ、入りきらなかった精液が膣内に逆流していく中でも止まらず、結合部からは、愛液と精液が混ざりあい、ぶくぶくと泡立った白濁液が溢れていく。

 

「んぉっ!おっ!んぎっ!あっ!はっ!」

 

 シルヴィアが膣内を精液が逆流していく感覚ですら絶頂を迎えていると、ついに吐精が終わり、ジブリールが脱力したように彼女の肩に頭を乗せた。

 はあはぁと二人の乱れた呼吸が混ざりあい、間近で聞こえるシルヴィアの息遣いに、ジブリールは無意識に頬を緩めた。

 そして身体に喝を入れると身体を起こし、彼女の身体を回して寝返りを打たせる。

 絶頂の余韻に浸っていた彼女は無抵抗なままに身体を回され、豊満な胸、割れた腹筋、そしてだらしなく緩んだ表情の全てを彼にさらけ出しながら、「んへぇ……」と気の抜けた声と共に笑みを浮かべた。

 彼女の笑みに微笑みを返したジブリールは、ただひたすらに愛しそうに彼女の頬を撫で、労うように唇にそっと口付けを落とした。

「んっ」と声を漏らして彼の口付けを受け入れたシルヴィアは、差し込まれた舌に自身の舌を絡め、お互いの唾液を交換していく。

 

「んっ!?」

 

 そんな中、シルヴィアは胎内に残っていた彼の逸物が、再び大きさと固さを取り戻していく事に気付き、思わず声を漏らした。

 そっと顔を離したジブリールは、彼女の驚いたような、あるいは期待するかのような表情を見下ろし、ニッと笑って白い歯を見せた。

 

「人の気配もないし、やるぞ」

 

 一切の選択肢のない言葉に、シルヴィアは数瞬迷うと、途端に蕩けた笑みを浮かべてこくりと頷いた。

 夜はまだ始まったばかり。一日二日帰りが遅れる程度、冒険者にとってはよくあることだ。

 そんな事を自分に言い聞かせながら、二人はひたすらに快感を貪り続けるのだった。

 

 

 

 

 

 翌朝、同所。

 流れる川の音と小鳥たちのさえずりを聞きながら、ローグハンターと銀髪武闘家の二人はいそいそと装備を整えていた。

 返り血は落とせたし、一晩干していた為水分も十分に飛んだ。着替える分には何の問題もない。

 着る衣装の数の都合上、どうしても時間がかかる銀髪武闘家が、衣装の具合を確かめながら、赤面して照れ臭そうに言う。

 

「な、なんだか、盛り上がっちゃったね……」

 

「そう、だな……」

 

 対するローグハンターも同じで、彼女の姿を努めて見ないようにしながら、せっせと衣装を纏っていく。

 そして一足はやくいつもの格好になったローグハンターが、銀髪武闘家に向けて言う。

 

「誰にも言うなよ」

 

「うん」

 

 彼の淡々とした確認に、銀髪武闘家は迷いなく頷いた。

 在野最高の銀等級冒険者が、仕事終わりに森でお楽しみだったなど、ギルド職員に知られたら何と言われるか。

 二人は額に緊張の脂汗を浮かべながら、辺境の街を目指して歩き始めた。

 

 ──いつも通りに報告して、いつも通りに宿に戻る。

 

 最後にして最大の壁が、二人に待ち受けていた。

 

 

 




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Memory?? 生かして殺す ※

リクエストから。
銀髪武闘家(メインヒロイン)の受難③

最終決戦にローグハンターが敗北した場合に分岐……するのかな?

今回は触手陵辱ものです。苦手な人はブラウザバックを推奨します。


 鼻につく生臭さに、銀髪武闘家は目を覚ました。

 朧気な意識のまま視線を巡らせ、ぼやつく視界を落ち着かせようと目を擦ろうとするが、

 

「……ん?」

 

 何かに引っ掛かっているのか、両手共に動かすことが出来ず、付け加えるなら両足も地面についていない。

 何かに吊られて宙に浮いているということになるのだが、何がどうしてこうなったのかが酷く曖昧だ。

 彼女がそこまで考えられる頃になれば、霞んでいた視界も安定し、ようやくここがどこなのかがはっきりし始める。

 はっきりし始めるのだが、問題は部屋そのものだった。

 

「ここ、どこ……?」

 

 言ってしまえば、そこは肉の部屋だった。

 天井から床、壁にいたる全てが脈動しており、天井からはよく分からない粘つく液体が垂れ、床に染み込んでどこかへと消えていく。

 どこかに光源があるのか不思議と明るいのだが、そのせいでもう一つの問題が浮き彫りとなった。

 そのもう一つ問題というのは、自分が一糸も纏わない文字通りの裸で、両手は壁から伸びる触手で縛られて左右に広げられており、両足は触手によって股を開くように抉じ開けられていることだ。

 

「え……?あ……、なん……なの……?」

 

 銀髪武闘家は全く状況を理解できずに困惑していると、天井から垂れた液体が豊満な胸に降り注いだ。

 びちゃりと音をたてて粘液が胸にまとわりついた瞬間、

 

「ひっ!?あ、熱っ!」

 

 体温よりも僅かに暖かいそれは、粘り気をそのままに彼女の胸を包み込み、乳首の辺りから垂れて床へと落ちていく。

 

「っ!?な、なにこれ、胸、ビリビリして……っ!」

 

 そんな訳もわからない液体をかけられた彼女に、異変が起こった。

 液体がかかった胸が痺れ始めると異様なまでの熱を持ち、興奮したように乳首がピンと勃ってしまう。

 

「あっ!ぎっ!な、なん、なの……!?熱い……っ!この!このッ!」

 

 長年の経験からここは危険だと判断をした彼女は、どうにか手足を解放しようと身体を捩るが、意外に伸縮性のある触手は千切れる事なく、彼女の身体を捕らえ続ける。

 

「この!こんのっ!剥がれろ!」

 

 それでもどうにかしようと暴れていると、ぐちゃりと肉が裂けるような音が部屋に響き、僅かに驚いた銀髪武闘家は肩を跳ねさせると、弾かれるように音のした方向に目を向けた。

 そこからは地面から植物の芽が出るように、壁から一本の触手が生えてきているのだ。

 謎の液体にまみれてテカテカと輝いているそれは、意志を持つようにうねりながら、彼女の身体を目指して宙を蛇行していく。

 銀髪武闘家が「ひっ!」と小さく悲鳴を漏らすと、壁から生えてきた触手が彼女の腰に巻き付き、押さえつけるように締め上げた。

 加減もなしに絞められた彼女は、内臓を圧される感覚に呻き声を漏らすと、身体を二巻きした触手の先端が、顔の前に現れる。

 銀髪武闘家はそれに殺意を込めた視線を向けるが、触手は気にする様子はなく、先端が花が開いたように口を開けた。

 四枚の花弁を持つ花のようと言えば聞こえはいいが、その大きさは人の頭を容易に包み込める程で、開いた口は粘液でテカり、花弁の間には粘ついた糸で橋がかかっているのだから気色が悪い。

 そんな嫌悪感しか感じないそれを間近で見ることになった銀髪武闘家は思わず視線を背けるが、ちゅぱちゅぱと唇を鳴らすような音に気付いてちらりと触手の先端に視線を戻した。

 ひらいた四枚の花弁の根元。触手本体への入り口とも取れるその場所に、人の口のように開閉を繰り返す器官が備わっているのだ。

 そこが開閉する度に先程の音が鳴っており、音の主がそこであることは明白。

 それに気付いた銀髪武闘家が声もなく悲鳴を漏らすと、触手の先端が彼女の顔から離れていき、粘液に濡れた胸に狙いを定めていた。

 何かされる事を事を察した銀髪武闘家は身を捩って逃げようとするが、腰を固定されている為思うように身体は動かせず、むしろ誘うように胸を揺らすに止まった。

 ならば今度こそ手足を自由にしようと気合いを入れ直すのだが、その動きを止めた刹那の隙について、触手が右胸に襲いかかった。

 

「ひぐっ!」

 

 四枚の花弁が胸に絡み付きいて動かないように固定すると、ちゅぱちゅぱと音をたてていた口が、ピンと勃っていた乳首に噛みついた。

 

「あっ!」

 

 バチッ!と脳裏に火花が散る感覚を覚えた銀髪武闘家は、恐る恐る胸に噛みつく触手に目を向けて、「待って、止めて……っ!」と懇願した瞬間、触手の口が途端に引き締まり、思い切り彼女の乳首を吸い上げた。

 

「ひぎっ!?あっ!ああああああああああああああ!!」

 

 その瞬間、凄まじいまでの快感が胸から全身を駆け抜けた彼女は絶頂を迎え、隠す事なく晒されている秘裂から潮が吹き出した。

 だが触手は止まらない。乳首をなぶるように咀嚼を繰り返し、じゅるじゅると音をたてて吸い上げる。

 

「いぎっ!あっ!あぐ!ぎっ!ああああああああ!!!」

 

 乳首が噛まれる度に絶頂し、吸い上げれれて絶頂し、彼女は絶叫をあげながら絶頂し続けた。

 身体を痙攣させて絶頂する彼女を他所に、新たな触手が壁から生え、一本目と同じように口をあげながら、絶頂する度に揺れる左胸に狙いを定めた。

 

「あぎっ!やだっ!ぎっ!やめてっ!いやっ!いやぁ!」

 

 絶頂の度に点滅する視界で、どうにか二本目の存在に気付いた銀髪武闘家はそれから逃れようとするが、度重なる絶頂で弛緩した身体は言うことを聞かず、二本目の触手が左胸に噛みついた。

 一本目と同様に勃った乳首を咀嚼し、思い切り吸い上げ、四枚の花弁を胸を揉むようにぐにぐにと動かして、彼女に更なる快感を叩きつける。

 

「ぎぃっ!ああああああああああああああああ!!!」

 

 喉が割れんばかりの絶叫をあげ、更に絶頂を迎えた。

 身体がガクガクと揺れ、目は有らん限りに見開かれ、秘裂からは潮が吹き続ける。

 

「ああああ!?ぎぃぃっ!んああああああ!!」

 

 目から涙を流しながら叫ぶ彼女は、不意にブツン!と何かが切れる音が聞こえたかと思うと、途端に視界が暗転し、そのまま意識を失った。

 脱力したように首を倒し、身体を震わせる以外の反応を示さなくなる。

 過剰なまでの快感により、脳が限界を迎えてしまったのだろう。

 だが触手たちは彼女の都合などお構いなしに乳首を虐めていると、息を合わせたかのように、同時に全力で乳首に噛みつき、先程以上の力をもって吸い上げた。

 その瞬間、

 

「ひぎっ!?あ゛っ!ぎっ!あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!?!?」

 

 叩きつけられた快感で意識を覚醒させられた銀髪武闘家は、絶頂と共に掠れた声で絶叫をあげた。

 だがすぐに強烈な快感で意識を刈り取られ、そのまた直ぐに叩き起こされ、また刈り取られ、叩き起こされるを、延々と繰り返す。

 

「じぬ゛っ!わだじ、じんじゃうっ!だれがっ!だれが、だずげでぇぇぇえええええ!!!」

 

 何度目かの覚醒を迎えた銀髪武闘家は叫ぶが、無慈悲にも答えてくれる人は誰もいない。

 触手によりなぶられ続けながら、彼女は胸だけで絶頂し続ける。

 そして彼女が何度目かの失神をすると、秘裂から潮とは別の、僅かに黄ばんだ液体が吹き出した。

 

「えっ……あっ……おっ……」

 

 限界まで弛緩した筋肉では膀胱を押さえることが出来ず、溜まっていた尿が一気に吹き出したのだ。

 彼女はビクビクと身体を震わせながら失禁すると、突然触手たちが攻撃を止め、勢いよく壁へと戻っていく。

 

「んぁ……へぁっ……んぉぉ……っ」

 

 触手による責めが終わっても、絶頂の余韻に身体を震わせ、ちょろちょろと音をたてて失禁し続ける。

 彼女の叫びが木霊していた部屋には、彼女の呻き声と放尿の音のみが響き、数分も経たない内に静寂に包まれた。

 銀髪武闘家はいまだに意識を戻さず、脱出する手筈を考える間もなかった。

 

 

 

 

 

 不意に聞こえた誰かの声で目を覚ました銀髪武闘家は、気絶する前と変わらない状況に顔色を青くしながら、目の前に立つ何者かを睨み付けた。

 半透明で実体がないように思えるそれは、忘れもしない、愛する彼(ローグハンター)を付け狙う神を自称する女だ。

 銀髪武闘家がキッと鋭く睨むと、彼女は優雅に肩を竦め、『そんな顔をしないでちょうだい』と告げて、そのまま問いかけた。

 

『それで、昨日はどうだったかしら?』

 

「最……悪……よ……」

 

 彼女の問いに掠れた声で返すと、『あらそう?』と心底不思議そうな顔で首を傾げられる。

 

『あんなに気持ち良さそうにしていたのに、まだ足りないの?』

 

「……っ!」

 

 彼女の言葉に銀髪武闘家が僅かに怯えたような表情になると、彼女は可笑しそう笑い、そして彼女に告げた。

 

『なら、もっと気持ちよくしてあげましょう。何もかも忘れて、快感以外に何も感じなくなるまで』

 

 彼女がそう言うと、天井から垂れてくる粘液が彼女にかかりそうになるが、それはそこに何もないかのように彼女の身体を通りすぎ、床に落ちて染み込んでいく。

 

「あ、なた……なん、なの……?」

 

 銀髪武闘家が絞り出すように問うと、彼女は銀髪武闘家を鼻で笑い、自身の手を撫でながら告げた。

 

『あなたが見ているのは虚像よ。私は部屋にいるわ。彼と一緒に、ね』

 

「っ!」

 

 彼女が意味深に笑いながらそう言うと、銀髪武闘家は恐怖を怒りで呑み込み、彼女を睨み付けた。

 その殺意を感じた彼女は再び肩を竦め、天井から垂れてきた液体を示しながら言う。

 

『この液体、便利でしょう?人の身体を敏感に出来るの』

 

「それが、なに……?」

 

『これを全身くまなく、身体の中まで塗りたくられたら、あなた、どうなるのかしら』

 

 彼女はそう告げると、どこまでも冷たい表情を銀髪武闘家に向け、『楽しみですしょうがないわ』とくすくすと笑いながら肩を揺らした。

 

「……っ!あな……た、なん、なの……!?」

 

 彼女の笑みに、呑み込み難い純粋な恐怖を抱いた銀髪武闘家が問うと、彼女は両手を広げて高々と宣言した。

 

『私は彼の主。彼を、人類を産み出した者の一人。人間の身体を弄るなんて、この部屋を創るよりも簡単だわ』

 

「っ!?」

 

 彼女の突然の言葉に銀髪武闘家が狼狽えていると、彼女はニヤリと笑って告げる。

 

『それじゃあ、せいぜい楽しみなさい』

 

「殺しな、さいよ……っ!」

 

 銀髪武闘家が最後の気力を振り絞ってそう言うと、彼女は残念そうに息を吐き、『それは出来ないの』と首を振った。

 

『あなたを生かしておくことが、彼との約束なの。あなたが生きている限り、彼は私に逆らわない。あなたが生きている限り、彼は私の駒になってくれるの』

 

「……っ!この、鬼畜が……っ」

 

 彼女の言葉に銀髪武闘家が返すと、舌を噛み千切らんとするが、天井から生えた触手が口に滑り込み、自害を封じる。

 銀髪武闘家の抵抗を気にも止めずに彼女は鼻を鳴らすと、冷たい声音で告げた。

 

『言っていなさい。私にも目的があるの。それが果たせれば、悪魔にだってなるわ』

 

「んーっ!んぐ!?んーっ!」

 

 触手を噛み千切らんする銀髪武闘家を一瞥した彼女は、『それじゃあね』と言うとゆらりと手を振ると、瞬きする間もなくその姿を消した。

 

「んーっ!んーっ!!」

 

 取り残された銀髪武闘家が叫んでいると、壁や天井から大量の触手が生え、不気味に蠢きながら彼女に狙いを定める。

 

「んーっ!んーっ!んーっ!」

 

 彼女はどうにか抵抗しようと身体を揺らすが、手足が縛られている限り、満足な抵抗は出来ない。

 そんな彼女に向けて、大量の触手が殺到していく。

 皮膚に大量の穴が開いた触手が彼女の身体に絡み付くと、穴から大量の粘液を吐き出し、塗りたくるように身体を這い回る。

 

「んんん!?んぼっ!んぐ!んんんん!!んぉ!?」

 

 同時に口内を支配している触手が粘液を吐き出し、彼女の胎内に流し込んでいく。

 全身に粘液を塗られ、胃の中さえも粘液に占拠された銀髪武闘家は、全身を痙攣させながら絶頂し、秘裂からは潮が吹き、肌に吸収されきらなかった粘液が床に垂れていく。

 粘液を流し込み終えた触手が口から離れると、彼女の舌と触手の先端に粘液による橋がかかり、その触手は身体に塗りたくる触手郡へと合流した。

 

「んぎぃ!あぃ!あへっ!んぃぃい!あぎっ!んぉおおおおおおお!!!」

 

 身体に撫でられるだけで絶頂を迎えた銀髪武闘家を他所に、表面を粘液に包まれた大量のイボを付けた触手が彼女の股に張り付き、ごりごりと音をたてて秘裂を擦り付ける。

 

「ぎやぁぁああああああああ!!ああああああ!!ああああああああ!?!?」

 

 ピンと勃った陰核がイボに擦られ、断続的な快感が彼女の脳を焼き、耐え難い快感を叩き込み続ける。

 

「あぎっ!ぎぃい!ぁ──」

 

 そして限界を迎えた彼女が失神すると、触手たちは一斉に動きを激しくさせ、彼女の意識を覚醒させる。

 

「んぎぃ!あぐ!ぎいぃ!!」

 

 そうして再び与えられる快感に喘いでいると、触手たちが一斉に彼女の身体から離れた。

 

「はぁ……はぁ……んぇえ……?」

 

 突然の行動に疑問符を浮かべた銀髪武闘家が首をあげると、そこには先日彼女に地獄を味わわせた触手が、既に口を開いた状態で待機しており、今回は二本ではなく、一回りも小さい三本目を引き連れていた。

 

「ひっ!いや……っ!いやっ!いやぁぁぁ!」

 

 途端に怯える子供のように身体を揺らし、涙を流しながら首を振るのだが、触手たちに彼女の都合は関係ない。

 二本の触手が彼女の胸に噛みつくと、三本目の小さな触手は軌道を外れて彼女の秘裂にたどり着くと、ピンと勃って存在を主張するクリトリスに噛みついた。

 そして三本の触手は思い思いのままに彼女の身体を貪り始め、どこまでも暴力的な快感を叩きつけられた彼女は、

 

「ああああああああああああっ!!!!!」

 

 限界を迎えた喉を酷使した悲鳴をあげながら絶頂を迎え、全身を痙攣させた。

 乳首が吸われ、乳首を噛まれ、クリトリスを咀嚼され、断続的な快感が彼女に襲いかかり、休む暇を与えずに絶頂させ続ける。

 

「あひっ!あぐっ!?んぃい!あへ!ひっ!あっ──……」

 

 そうして数分ももたずに失神しても、触手たちの責めによりすぐに覚醒させられ、覚醒してもすぐに失神を繰り返す。

 

「あひっ!ひぁ!ああああ!?ぎっ!ああああああああ!!!ジルッ!じりゅ!たすけてっ!たすけてぇぇえええっ!」

 

 彼女の悲鳴は誰にも聞こえず、肉の壁に吸われて消える。

 そして悲鳴が止むのは彼女が失神した合図で、悲鳴の再開は彼女が覚醒した合図だ。

 もっとも、それを知る人物は誰もおらず、何の意味もない情報ではあるが。

 

 

 

 

 

「ぎぃ!あひっ!んぁ!ああああああああああ!?」

 

 翌日になっても、触手たちの攻撃は止まらなかった。

 今度は胸は自由にされているものの、彼女の秘部には極太の触手が突き刺さり、何やらごくごくと嚥下(えんか)するような音が響き、銀髪武闘家は悲鳴をあげていた。

 触手自体は動いていないのだが、問題はその触手の表面にある。

 そこには人の舌のようなものが大量の生え揃い、ペロペロと獲物を求めて舌舐めずりしているのだ。

 それは彼女の膣内に入り込んでいる部分も同様で、彼女は膣肉の全てと、子宮口を、休む事なく舐められていた。

 

「ああああああああ!?!?ぎっ!ぎぃいいいいいいいいっ!!!」

 

 彼女が絶頂を迎えても、吹き出すべき潮も、分泌された愛液も、その全てが舐め取られ、触手が音をたてて飲み下していく。

 

「あぐ!ぎぃいいいいいいいっ!あひっ!ああああああああ!」

 

 彼女が絶頂に喘いでいると、彼女の胎内に居座っている触手に変化が起こった。

 子宮口を舐めていた舌先が左右に割れるように子宮口を抉じ開けると、割れ目から大量の極小の触手が飛び出し、彼女の子宮内に入り込んだのだ。

 そんな事を知らずに銀髪武闘家か喘ぎ続けていると、子宮内に入り込んだ極小の触手たちが子宮の内側を一斉に舐め始める。

 

「──っ!ああああああああああああああああ──………」

 

 未知の感覚に目を剥いたのも束の間、絶大な快感を叩きつけられた銀髪武闘家は絶頂と共に失神するが、すぐさま快感により叩き起こされ、五秒も経たずに再び気絶。

 

「あひ!?──……んぃい!?──……んぉ!?」

 

 一分足らずで十度近い数の覚醒と気絶を繰り返して弱っていく銀髪武闘家を他所に、触手は彼女の体液を啜り、それを活力にして責めの手をより強めていく。

 

「んぉお!?──………おっ!?──……っ!」

 

 銀髪武闘家はついに声を出すことも出来ずに気絶すると、壁から新たに生えてきた触手は、彼女の肛門に狙いを定め、一気に飛び込んでいった。

 

「んぉ!?ぐぬ!んぉおおおおおっ!!?」

 

 彼にも責められた事ない、尻の中を責められた彼女は、未知の快感に悲鳴をあげ、長い触手は直腸にまで達する。

 他生物を使っての繁殖することがない触手たちにとって、彼女は主から与えられた極上の玩具に過ぎない。

 いくら彼女が泣き喚こうが、触手たちには一切の興味がないのだ。

 

 

 

 

 

「んぐっ!ごぐ!んぼっ!ぶっ!おおっ!」

 

 口に触手を突っ込まれた彼女は、喉奥に吐き出される何かを飲み込みながら、目から涙を溢れさせていた。

 彼女の口に入り込んだ触手を目で追っていけば、それは天井から生えた触手が二つに別れたもので、別れたもう一本の触手は更に二つに別れ、彼女の秘部と肛門に入り込んでいる。

 先日同様に触手は愛液をはじめとした分泌液を吸い上げているのだが、触手伝いに吸い上げたそれを、彼女の口に流し込んでいるのだ。

 

「んぼっ!んぶ!んぐ!ぶっ!ぐぼ!んんん~っ!」

 

 触手たちからすれば、最近反応が鈍い彼女の反応を確かめる実験なのだが、されている彼女の心は砕けかけていた。

 いや、もう砕けていると言っても過言ではなく、目から溢れる涙が止まることはないが、その涙さえも触手に拭い取られ、自分の口の中に戻される。

 それが酷く侮辱的で、けれど抵抗することは出来ず、銀髪武闘家はひたすらに惨めで涙を流す。

 だが触手たちはあまりに無慈悲で、彼女を責め続けた。

 

 

 

 

 

 それから幾日──あるいは幾年か。もはやどれ程の時間が流れたのかもわからない。

 大量の触手に全身を包まれた銀髪武闘家は、恍惚の表情を浮かべ、喘ぎ声を漏らしていた。

 

「あふっ!んぁ!いいっ!そこっ、いいのぉ!イくっ!イくっ!イくぅ!」

 

 先日までの暴力的な快感とは違う、相手を蕩けさせるような責めに、壊れかけた彼女の意志は容易く溶かされたのだ。

 優しい絶頂を与えられる彼女は、ピクピクと身体を痙攣させながら、「んぃ!いいっ!いいよぉ!」と甘ったるい声を漏らす。

 花のように開いた触手で胸と陰核を責められ、舌を生やした触手を秘部と尻の穴に()れられ、件の粘液を全身に塗りたくられながら、彼女は休みなく絶頂し続けていた。

 けれど失神することはなく、甘い快感に彼女の精神は溶けていく。

 

 ──きもちいい。キモチイイ。キモチイイよぉ……。

 

 誰かを待っていた筈なのに、ここから出たいと思っていた筈なのに、もうそんなこと、どうでも良かった。

 お願い。誰か。これ以上私が私じゃなくなる前に──。

 

 ──私を、殺して……。

 

 

 

 

 

 同時刻、四方世界のとある場所。

 雲一つない晴天の下に広がる荒れ地は、赤一色に染まっていた。

 大量に転がる死体から溢れる血により出来た、赤い海に立つのは一人の男。

 世に二つとない黒いまことの銀(ミスリル)により鍛えられた鎧を纏い、同じ材料で鍛えられた剣を右手に、金色に輝くエデンの剣を左手に持っているのは、身体を返り血で真っ赤に染めたローグハンターだ。

 彼は一面に広がる血の海を眺め、諦観したように死んだ瞳で足元に目を向けた。

 そこに倒れているのは、黒い髪をした一人の女性。

 彼女の手元には刃が半ばから砕けた光の聖剣が握られており、胴を守っていた鎧は無残にも砕けてしまっている。

 崩れるようにその場に膝をついたローグハンターは、愛しそうに彼女──大人となった妹であり、世界を救う筈だった勇者の頬を撫で、その冷たさに目を細めた。

 妹を手にかけて、名も知らぬ人々を手にかけて、それでもなお戦いは終わらない。

 ローグハンターはどこからか響く怒号を耳にすると、ちらりとそちらに目を向け、名残惜しそうに勇者から手を離し、立ち上がった。

 自身と、自身が率いる軍団に向かってくるのは、周辺諸国が同盟を組んだが故に誕生した、過去に例のない大軍だ。

 だがローグハンターが狼狽える事なくエデンの剣を向ければ、どこからか獣の咆哮が響き渡り、複数体の異形の化け物が向かっていく。

 数は向こうが上ではあるが、異形たちは矢を、魔術を、砲弾を、その全てを受けてなお止まることなく、軍勢に襲いかかった。

 牛頭の巨人(ミノタウロス)の突進で隊列に穴があき、複数体の単眼の巨人(キュクロープス)がその穴を広げ、悪魔の軍団(レギオン)が波となって兵士たちに襲いかかる。

 そんな一方的な蹂躙劇を感情の消えた瞳で眺めたローグハンターは、青い空を見上げ、神に祈りを捧げた。

 誰かの為に戦っていたのに、何かの為に戦っていたのに、そんなものは当の昔に忘れてしまった。

 信条を見失った自分を、妹を手にかけた自分を、多くの友を殺した自分を、一体誰が愛してくれるというのだ。

 だから、神々に望む。

 これ以上、俺が俺でなくなる前に──。

 

「俺を、殺してくれ……」

 

 一切の感情を感じさせない声で、ローグハンターは呟いた。

 その呟きは誰にも届かず、人々の断末魔の中に消えていった──。




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Memory?? 女の嫉妬 ※

リクエストから。
銀髪武闘家(メインヒロイン)の受難④。

オリキャラであり、ローグハンターに一目惚れした闇人の女性――灰被りの女王が、彼の生涯唯一の妻たる銀髪武闘家に襲いかかる(性的な意味で)。

結婚から二年経っても、長男のウィルクが産まれておらず、ローグハンターのみならず銀髪武闘家もアサシン業界にちょっと関わりがある世界線。

時期的にはエピローグ後なので、二人とも本名でいきます。

今回はいわゆるレズ的な感じになるので、苦手な方はブラウザバックを推奨します。




 辺境の街の片隅にぽつんとある、ジブニールの自宅。

 

「それじゃあ、行ってくる」

 

 家主たるジブニールが玄関を背にしてそう言うと、結婚を機に冒険者を引退したシルヴィアが、「気を付けてね」とにこやかに笑いながら彼に告げた。

 彼は笑みを浮かべながら頷くと、彼女の頬を撫で、軽く触れる程度の口付けを交わした。

 鼻息がかかる程の見つめあった二人は再び笑顔を交換すると、ジブニールは名残惜しそうに身体を離す。

 そして改めて「行ってくる」と告げると、玄関を開けてそのまま外に出ていってしまった。

 彼の背を見送ったシルヴィアは指で唇を撫でると、照れ臭そうに笑い、くるりと反転して家の中に戻っていく。

 夫が仕事に向かったのだ、こちらも役目を果たさねばならない。

 

「よし、やりますか!」

 

 籠に詰まれた洗濯物を前にして、頬を叩いて気合いを入れた。

 その瞳は冒険者であった名残なのか鋭く輝くものの、やはり優しさの方が強く出ている。

 今の彼女は冒険者ではなく、専業主婦。体術を修めているとはいえ、全盛期はもう二年も前だ。

 けれど彼女はそんな事を気にした様子もなく、かつては名高いならず者(ローグ)を相手取っていた手で、今度は洗濯籠を持ち上げる。

 そのまませっせと裏庭に顔を出せば、朝の風と晴天の空が彼女を迎え入れてくれる。

 

「いい天気だなぁ……」

 

 雲一つない洗濯日和の空を見上げて、シルヴィアは感嘆にも似た息を吐いた。

 彼のいない一時は大変に退屈ではあるけれど、彼に聞かれれば「退屈なのは平和な証拠だ」と言って笑うに違いない。

 そんな彼の姿を容易く想像できたシルヴィアは苦笑すると、水桶を探して物置の方へと消えていった。

 天高く飛ぶ一羽の鷲が、彼の代わりとなるように、静かに彼女の事を見守っていた。

 

 

 

 

 

「よしっ!これで終わり!」

 

 目の前で風に揺れる衣服類を見つめながら、額に浮かんだ汗を拭い、一仕事終えたと言わんばかりに息を吐いた。

 白いシーツや様々な色をした衣類が風に吹かれて揺れるのは、さながら旗のようで見ていて楽しいし、それを作り出したのが自分だとわかっているのだから尚更に鼻が高い。

 

「さてと、次は──」

 

 洗濯は終わったから、次は何をしようかと数瞬迷っていると、不意に玄関に取り付けられたノッカーが叩かれた。

 

「ん?」

 

 突然の来客に首を傾げると、シルヴィアは一応足音を消して玄関の方へと足を進める。

 ジブニールなら鍵を開けるだろうし、友人なら庭に回り込んでくるか、ノックと同時に声をかけてくる筈だ。

 そのどれもないとなると、相手はジブニールでも友人でもない。なら、誰か。

 シルヴィアがそっと玄関の覗き穴に顔を寄せて、片目で向こうを見てみると、見覚えのある人影を認めて「おっ」と声を出した。

 そして鍵を開けて玄関を開けると、目の前に立つ人物が自然な優雅さが込められた笑みを浮かべた。

 

「やあ、久しぶりだな」

 

 そうして彼女──褐色の肌と銀色の髪、豊満な胸を持った闇人の女性が、何とも親しげな様子でシルヴィアに挨拶を交わした。

 

「お久しぶりです!」

 

 シルヴィアもまた親しげな──けれどどこか尊敬の色を込めた──挨拶を返すと、「入ってください」と玄関を開けて道を開けた。

 二人が知り合ったのは、三年ほど前の都でだ。

 ジブニールは誘拐されたとある貴族のご令嬢の救出──本来の目的はその過程でシルヴィアを傷つけた者たちへの報復──の為に、ならず者の集まり(ローグ・ギルド)を頼った事がある。

 そのならず者の集まり(ローグ・ギルド)を取り仕切っているのが、灰被りの女王と呼ばれている闇人の女王だ。

 ならず者殺し(ローグハンター)とならず者たちの長という、文字だけでは水と油のような関係だと思われる二人も、利害が一致さえすれば協力を惜しまない関係だ。

 様々な縁で度々顔を合わせる事になり、何だか話があったので意気投合したわけだが、こうして家で会うのは初めての事。

 

 ──家の場所、教えてたっけ……?

 

 シルヴィアは僅かな疑問を抱きながら、すぐに「ジルが教えたのか」と割りきって疑問を投げ捨てる。

 

「失礼するよ」

 

 灰被りの女王がそう言いながら家に入ると、興味深そうに奥へと続く廊下を見つめ、「ほぉ……」と感嘆の息を漏らした。

 

圃人(レーア)に作らせたと聞いていたが、なるほど確かに。何ともいい雰囲気じゃあないか」

 

「ありがとうございます」

 

 彼女から贈られた称賛を受け取ると、シルヴィアは「お茶出しますね」と告げて台所の方へと駆けていく。

 彼女の背と、尾のように揺れる銀色の髪を見送った灰被りの女王は、後ろ手で玄関を閉めると、一切の音を出さずに鍵を締めた。

 

「どうしたしましたー?」

 

 台所の方からカチャカチャとコップが揺れる音と共に、シルヴィアの問いかけが灰被りの女王の耳に届く。

 

「ああ、今行くよ」

 

 彼女は優雅に笑いながらそう言うと、一切の足音をたてずに居間の方へと足を進める。

 廊下の壁にかけられた燭台や、扉の数を確認し、あとは隠し通路が無さそうかを一目で確かめ、無いことがわかればつまらなそうにため息を漏らした。

 別に見つけても何かするわけでもなく、ただ彼がどんな家に住んでいるのかと気になっただけのだが、見た目通り普通の家で拍子抜けしてしまう。

 

「どうぞ、座ってください」

 

 そんな事を思いつつ居間にたどり着いた灰被りの女王に、シルヴィアが卓の椅子を引いて場所を示すと、女王は「助かるよ」と短く礼を口にして、腰を下ろした。

 その一所作にも上品さが滲み出ており、シルヴィアは思わず感嘆の息を漏らした。

 そしてちらりと暗い色の瞳で見つめてくると、ハッとして彼女と自分の分の淹れたて紅茶を卓に出した。

 

「それにしても、今日はどうしてこの街に?」

 

「なに、野暮用があってな。それは済んだんだが、我が盟友の自宅があることを思い出してね。ついでに挨拶でもしていこうかと思ったんだが──」

 

 彼女はそう言うと部屋を見渡すと「いないようだな」と残念そうに肩を竦め、ちらりとシルヴィアの左手に目を向けた。

 薬指に輝く指輪は、飾り気のないシンプルなもの。結婚指輪なのにどこにでもありそうな物を選んでくる辺り、何とも彼らしくて可笑しくなってしまう。

 それが表情に出てしまったのか、シルヴィアが「あの……?」と首を傾げて問いかけてくると、「気にしないでくれ」といつもの表情に戻る。

 シルヴィアは「なら良いんですけど」と呟くと、にこりと笑って彼女に問うた。

 

「何か食べますか?お茶菓子くらいなら出せますけど」

 

「なら貰おうかな。ここの街はチーズが絶品だと聞いたことがある」

 

「ち、チーズですか?あったかなぁ……」

 

 灰被りの女王からの注文に困り顔になりつつ、シルヴィアは再び台所の方へと消えていく。

 そしてあれでもないこれでもないと棚を漁る彼女を尻目に、灰被りの女王は懐を探り、小さな瓶を取り出した。

 音をたてずにその蓋を開け、中身を数滴シルヴィアの紅茶に垂らす。

 

「おっ。あった!」

 

 同時にチーズを見つけたシルヴィアが振り向くと、既に小瓶を仕舞った灰被りの女王は何食わぬ顔で彼女に目を向け、「それは良かった」と笑みを浮かべた。

 

「では、噂に聞く『女子会』とやらに興じようとじゃあないか」

 

「女子会って、もうそんな年じゃないですよ」

 

 彼女の言葉にシルヴィアは苦笑を漏らすと、対面の席について紅茶に口をつけた。

 こくりと喉を鳴らして紅茶が胃に落ちていったことを確かめた灰被りの女王もまた紅茶をあおり、愉快そうに目を細めた。

 ここまでは計画通り。あとは時間との戦いだが、まあ問題はないだろう。

 

 

 

 

 

 

「んっ……んぅ……」

 

 目の前で明らかに不調をきたしているシルヴィアを見つめ、灰被りの女王は不敵な笑みを浮かべた。

 頬が興奮したように朱色に染まり、銀色の瞳も何だか潤んでおり、吐き出す吐息も熱っぽい。

 卓の下ではもじもじと太ももを擦りあわせ、額には大粒の汗が浮かび、肌着もピタリと肌に張り付き、身体の線を浮かび上がらせる。

 

「大丈夫か?」

 

 事情をする灰被りの女王がわざとらしく問うと、シルヴィアは「なん……でも……ないですっ」と上擦った声で返した。

 

「大丈夫に見えないから聞いたんだが、本当に大丈夫か?」

 

 灰被りの女王が強調するように重ねて問うと、「急に、体調が……」とシルヴィアは観念したように呟いた。

 同時に筋肉が弛緩したように卓に倒れ、豊かな胸をクッション代わりに身体を突っ伏す。

 

「そうか、そうか。そうだろうな……」

 

 灰被りの女王はうんうんと頷きながら豊満な胸を強調するように腕を組むと、シルヴィアの口から「ぇ……」とか細い声が漏れる。

 彼女の反応に愉悦の表情を浮かべた灰被りの女王は席を立つと、はぁはぁと乱れた呼吸を繰り返すシルヴィアの背後に回り込んだ。

 

「ぇ、あ、ぁの……」

 

 頬を赤らめた彼女がどうにか首だけで振り向くと同時に、灰被りの女王ははみ出した横乳を指でついた。

 

「ひんっ!」

 

 ただそれだけなのに、シルヴィアは甲高い悲鳴をあげて身体を跳ねさせるという過剰なまでの反応を示すと、灰被りの女王は愉快そうに目を細め、彼女の銀色の髪を撫でた。

「ぁ……ぇ……んん……」と突然の快感に震えるシルヴィアを見下ろしながら、彼女は冷たい声音で告げる。

 

「一服盛らせて貰ったよ。あのならず者殺し(ローグハンター)の相棒も、随分と鈍ったようだ」

 

「ぁ……ぅ……っ!」

 

「ああ、一服盛ったと言っても、命に関わるような毒じゃあないから安心してくれ。そんなものを盛ったら、彼に殺されてしまうからな」

 

「くっ……ぅう……!」

 

 淡々と言葉を紡いでくる彼女を背に、どうにか逃げようとシルヴィアが力の入らない身体を無理やり動かすが、意志に反して言うことを聞かない身体は椅子諸とも床に倒れ、ガタン!と重々しい音が家に響く。

 

「あまり無理しない方がいい。ろくに身体も動かせないだろう?そういう薬だ」

 

「ぐっ……ぎっ……」

 

 痛みに喘ぎながら睨み付けてくるシルヴィアを冷たく見下ろした灰被りの女王は、彼女の身体を転がし、床の上に仰向けに寝かせる。

 そして呼吸に合わせて上下する豊かな胸に手を触れて、ぐにぐにと揉んで形を歪ませた。

 

「あっ……んっ……んぃ……っ!」

 

 胸を揉む度に彼女の身体はピクピクと反応を示し、真剣な表情に反して瞳が蕩け始めていく。

 ふふと小さく笑った灰被りの女王は彼女の胸から手を離すと、相手を安心させるような、優しい笑みを浮かべた。

 

「安心してくれ。命を取るつもりもないし、男どもに襲わせるつもりもない。ただ、少しばかり悪戯をするだけだ」

 

 彼女はそう告げるとシルヴィアを横抱きにし、ひょいと重さを感じていないかのように軽やかに持ち上げる。

 

「さて、寝室は──貴族の屋敷でもなし、適当に開けていけばすぐに見つかるか」

 

 灰被りの女王はそう告げると、逃げようともがくシルヴィアに目を向け、少々嗜虐的な笑みを浮かべた。

 

「彼はまだ帰ってこないのだろう?それまで、愉しませてもらおう」

 

「んっ……くっ……」

 

 シルヴィアは力の入らない手で灰被りの女王の豊かな胸を叩き、鋭く睨み付けるが、当の彼女はどこ吹く風だ。

 そして彼女は適当に扉を開けていき、三つ目の扉を開けてみれば、そこが寝室だった。

 灰被りの女王は妖艶な笑みを浮かべると、「ま、ってぇ……」と力の抜けた声を漏らすシルヴィアを無視し、彼女は寝室に入り込むと、足を引っ掻けて乱暴に扉を閉めた。

 闇人に毒を盛られた乙女を救う英雄は、まだ現れない。

 

 

 

 

 

「ひぐっ!んんっ!はっ!んっ!」

 

 ベッドの上で裸に剥かれた上に両手を縛られたシルヴィアは、自分に馬乗りになっている灰被りの女王を睨みながら、声だけは出すまいと口を継ぐんでいた。

 褐色の指が白い胸に沈みこみ、ぐにぐにと力強く揉むことで、冒険者時代よりもたわわに実った二つの果実が柔らかく形を歪める。

「んっ!ん~!!」と身体を震わせるシルヴィアを見下ろしながら、灰被りの女王は嗤った。

 

「我慢は身体に良くないぞ?彼からも言われているんじゃあないか?」

 

「んぐっ!彼の、事はっ!んっ!言わないで……っ!」

 

 薬の影響か、いつにも増して敏感になった胸を揉まれながらも、嬌声を漏らさないように耐えるシルヴィアは、冒険者時代さながらに鋭く灰被りの女王を睨み付けた。

 

「むぅ。少しは柔らかくなってもいいだろうに」

 

 睨まれた彼女は怯えた様子もなく、むしろ不満そうに目を細め、「同性相手には慣れんな」とわざとらしく困ったように両手を横に広げながら肩を竦めた。

 

「ふぅ……!ふぅ……!離れ、て……っ!」

 

 それは彼女からの責めの手が止まるのと同義であり、シルヴィアは乱れた呼吸を繰り返し、灰被りの女王を睨み付けるが、その瞳は蕩け始めている。

 灰被りの女王は「もう一押しか」と小さく呟くと、期待するようにピンと勃った乳首を指で弾いた。

 

「ひぐっ!」

 

 鋭い快感にビクンと身体を跳ねさせたシルヴィアを他所に、灰被りの女王は乳首を摘まみ、弄ぶように指の腹で転がしてやれば、シルヴィアの身体が滑稽なまでに痙攣を繰り返す。

 

「んいぃ!んっ!んんっ!くっ!あっ!んんん!!!」

 

 それでも彼女は声を出さないように歯を食い縛り、快感に震える身体を強い意志でもって押さえ込まんとするが、薬の効果が抜けていないのか、身体は与えられる快感に合わせてビクビクと痙攣を繰り返す。

 

「伊達に彼の妻ではないか。並の女なら、むしろ『もっと下さいぃ』と懇願してくるのだが」

 

 シルヴィアはわざと生娘のような声を出して告げてきた灰被りの女王を睨みながら、快感に身を揺らしつつも不敵な笑みを浮かべた。

 

「この……程度で、私がっ、媚びると……でも……?」

 

「ほう、まだ余裕そうだ」

 

 彼女の笑みを挑発と受け取った灰被りの女王は、僅かばかり真剣な面持ちとなると、一旦乳首への責めを止め、冷たい声音でシルヴィアに告げた。

 

「なら、私も本気でいこう。気高い者を堕とすというのも、なかなかに乙なものだ」

 

「変……態……」

 

「……何とでも言え」

 

 シルヴィアから放たれた無慈悲な一言に多少狼狽えながら、灰被りの女王はパキパキと指を鳴らした。

 

「元より私は裏側の人間だ。多少感性がずれていても、致し方あるまい」

 

 彼女は開き直るようにそう言うと懐を探り、小瓶を取り出した。

 

「……っ!」

 

 身体を強張らせて警戒を露にするシルヴィアを他所に、灰被りの女王は蓋を外すと、妖しげな笑みを浮かべる。

 

「これは先程紅茶に混ぜた薬だ。少量でここまで効果があるものだが、如何せんまだ余っている」

 

「ま……さか……っ!?」

 

 彼女が言わんとしている事を察したシルヴィアが、どうにか逃げようと身を捩るが、薬の効果で身体が思うように動かず、あっさりと灰被りの女王に捕まってしまう。

 彼女の手で口を抉じ開けられた挙げ句に舌を引っ張り出され、敵対者を前に、間抜けにも口を全開にする形だ。

 

「んーっ!んーっ!」

 

 どうにか止めようと足を振り回すシルヴィアを他所に、灰被りの女王は無慈悲に小瓶を傾け、中身を彼女の口へと流し込んだ。

 

「んぶっ!?ぼっ──!」

 

 中身を全て流し込むと同時に小瓶を投げ捨てた灰被りの女王は、シルヴィアの口を閉じると押さえ込み、吐き出させないように封じ込める。

 

「んーっ!んーっ!」

 

 薬を吐き出そうとするシルヴィアと、何がなんでも飲ませようとする灰被りの女王の攻防は、ほんの数秒で終わった。

 こくりと喉を鳴らして、シルヴィアの喉を薬が落ちていったのだ。

 

「~~!?!」

 

 同時に全身を電流が走ったような衝撃に目を剥いたシルヴィアは、身体中に玉のような汗を浮かべ、蕩けていく瞳で灰被りの女王を睨み付けた。

 だがその瞳に殺意は薄く、どこか何かを求めているようにさえ見える。

 灰被りの女王は妖しく笑い、シルヴィアに告げる。

 

「さあ、天国を見せてやろう」

 

 彼女の言葉にシルヴィアは無意識に生唾を飲みこんだ。

 

 

 

 

 

「んん!んぁ!んぅ!んーっ!」

 

 必死に口を紡ぐシルヴィアを背後から抱き寄せた灰被りの女王は、彼女の足を両足で抉じ開け、無防備に曝されている秘裂に中指を突っ込んでいた。

 軽く掻いてやるように指を動かずだけで、シルヴィアは「んぃぃいいい!?」と耐えきれずに声を漏らしながら、けれど絶頂はしまいと耐えていた。

 

「存外強情だな。我慢しないければ楽だと言うのに」

 

 彼女の耳元で囁くと、灰被りの女王は片手で彼女の胸を揉みしだき、乳首をこねくりまわす。

 

「んぁ!んんっ!んーっ!!」

 

 身体をビクビクと震わせ、秘裂から大量の愛液を溢れさせるシルヴィアは、顔を背けて正面にだけは目を向けないように努めていた。

 彼女らの正面には姿見が鎮座しており、灰被りの女王の褐色の指により歪んだ胸と、彼女の指を美味しそうに咥える秘裂が、丸見えになっているのだ。

 

「んっ!んんっ!んぃっ!」

 

 だが見ようと見まいと、灰被りの女王からの責めの強さに変わりはない。

 同性故か的確に敏感な箇所を指で責め立て、力を抜かせようと真っ赤になった耳にとフッと息を吹き掛けてくる。

 

「んぁ!?」

 

 ビクンと身体を跳ねさせた彼女の反応を愉しみながら、灰被りの女王は彼女に告げた。

 

「我慢は身体に悪いぞ?今だけと割りきって、愉しんだらどうだ」

 

「んぐ!んぃ!んんんっ!」

 

 こりこりと指を押し込むように膣肉を掻き回されたシルヴィアが嬌声を噛み殺すと、灰被りの女王はため息を吐き、僅かながら言葉に覇気を込め、囁くように彼女に告げた。

 

「今日のことは誰も知らない。誰も知ることはない。私と、キミとの秘密だ。もっと感じたいのだろう?もっと喘ぎたいのだろう?」

 

「んぁ……ぃ……ちが……」

 

「私ならキミを天国に連れていってやれる。私なら、過去にないほどの快楽を与えてやれる。さあ、私を受け入れたまえよ」

 

「ぁ……あぃ……」

 

 ならず者(ローグ)たちを統べる、カリスマに満ちたその声は、快感に蕩けていたシルヴィアの思考を容易く揺らし、彼女の瞳から意志を奪い取る。

 

「なあ、キミ──シルヴィアよ。今だけは、私の愛を受け取ってはくれないか?」

 

 多くの者を闇の世界に引きずり込み、あるいは完全にはね除ける迫力が込められた言葉を当てられたシルヴィアは、気の抜けた声を漏らして首を縦に振ろうとした瞬間、

 

「……っ!」

 

 脳裏に愛する夫の顔が浮かび上がり、蕩けた思考が急速に引き締まる。

 ここで彼女の籠愛を受けてしまえば、それは彼へと裏切りだ。

 

 ──それ、だけは……駄目っ!

 

 シルヴィアは歯を食い縛って首を横に振ると、「お断り、します……っ」と今出せる精一杯の迫力を込めて返した。

 鏡に映る灰被りの女王は驚いたように目を剥くと、残念そうにため息を吐き、懺悔するようにシルヴィアに告げた。

 

「受け入れてくれれば、悪戯までで済ませようと思っていたんだがなぁ」

 

 彼女はそう言いながら人差し指指も秘裂に突っ込み、ごりごりと力任せに膣肉を掻きむしる。

 

「んぎっ!んっ!んぉお!?」

 

 薬により敏感になった膣肉は、与えられる快感を余すことなく彼女の脳に刻み込み、がくがくと腰が震える。

 

「ふふっ。少々本気を出す。壊れてくれるなよ?」

 

「んぉ……っ!んぎっ……!んん……っ!」

 

 歯を食い縛って絶頂しないように耐える彼女の髪を撫でた灰被りの女王は、瞳に冷たい色を乗せた。

 そこに宿っているのは、彼女を女王足らしめる気迫と、冷酷さ。

 それを向けられ、無事であった人物など、この世界に存在しない。

 

 

 

 

 

「んぃぃいいい!?んぎっ!?ぎぃいいいいいっ!」

 

 シルヴィアの悲鳴のような嬌声が部屋に響き、灰被りの女王の嗤い声が続けて響く。

 彼女はぐちゃぐちゃと音をたてるほどの強さをもってシルヴィアの膣肉を掻き回し、無慈悲なまでの快感を彼女に与え続ける。

 

「イったか?」

 

「イってらい!このくりゃいで、わたしはぁぁあああああ!!!」

 

 灰被りの女王の問いにシルヴィアは首を振るが、途端に強まった彼女の指の動きに腰を跳ねさせ、ぷしぷしと音をたてて潮を吹いた。

 

「そうだろうよ。キミはこの程度でイきはしない。わかっているとも」

 

「んぎっ!んぁああああ!!はっ!はぐっ!」

 

 ビクビクと身体を痙攣させるシルヴィアに告げながら、灰被りの女王は片手で彼女の乳首を摘まみ、こりこりと指の腹で転がす。

 

「ひぎっ!あっ!あひゅ!んぎぃいいい!」

 

 先程までの覚悟さえも投げ捨て、絶えず与えられる絶頂に喘ぐシルヴィアを見下ろしながら、灰被りの女王は淡々とした口調で告げる。

 

「イったと認めれば楽にしてやるぞ」

 

「あひっ!んぃい!イって、にゃい……っ!あん!はひっ!」

 

 灰被りの女王の言葉に嬌声混じりに否定したシルヴィアだが、彼女の言葉に反して身体は絶えず絶頂を続けており、そろそろ脱水症が心配になってくるほどだ。

 だが無慈悲な女王は止まらない。彼女の弱点を責めて、責めて、責め続ける。

 

「んぎぃぃぃいいいいい!あひっ!あん!あああああああ!!」

 

 ビクビクッと身体を小刻みに揺らしたシルヴィアは、カッと目を見開き、「まっへ、だめぇ……っ」と力なく首を振った。

「何が駄目なんだ」とわざとらしく嗤った灰被りの女王は、ぐちゃぐちゃと音をたてて彼女の膣肉を掻き回した。

 

「あん!あっ!あっ!まっへっ!だめぇぇっ!!」

 

 シルヴィアが悲痛なまでの叫びをあげると、ビクン!と勢い良く腰が跳ねあがり、潮とは別の液体が秘裂の辺りから吹き出した。

 僅かに黄ばんだそれは僅かに弧を描いてシーツに落ちると、そこに同色の染みを作り上げていく。

 

「あっ……へぁ……んぃぃ……」

 

 腰を突き上げた体勢でかくかくと腰を震わせて失禁したシルヴィアを他所に、彼女の姿を舐め回すように見ていた灰被りの女王はほくそ笑み、やれやれと首を横に振った。

 

「情けないぞ、まったく……」

 

「……あっ」

 

 彼女の言葉を合図にしたように、膀胱が空になり、尿が止まったシルヴィアは脱力したようにベッドに身体を沈め、あまりの羞恥心から涙を流し、すすり泣き始める。

 

「ひぐ……ぃ……ひっ……」

 

「──」

 

 両手を縛られた美女が、股を愛液と尿に濡らしながらすすり泣くその様は、形容しがたい美しさと、嗜虐心をくすぐる後ろ暗い色気があり──。

 

「っ……」

 

 灰被りの女王は無意識に生唾を飲み、彼女の身体に覆い被さり、彼女の泣き顔を正面から見下ろす。

 

「ぃやぁ……見ないれ……みちゃ、やぁ……」

 

 ついに心折れたのか、シルヴィアが弱々しい表情で顔を背けようとするが、灰被りの女王は片手で彼女の頭を押さえつけ、無理やり正面を向かせる。

 そして彼女の頬を伝う涙を舐めとると背筋を震わせ、昂ったような笑みを浮かべた。

 

「無慈悲に敵を屠るキミも、ベッドの上ではただの女か。ああ、くそっ!私にそっちの気はないと思っていたんだが、まさか目覚めてしまったのか!?」

 

 興奮からか異様にテンションが高い彼女は一方的にそう言うと、恐怖に震えるシルヴィアの頬を撫で、ニヤリと嗤った。

 

「ああ、駄目だ。我慢できない。こうなればキミを私の物に──」

 

 彼女はそこまで口にすると、そのままの体勢で言葉を止めて、目だけは驚いたように見開かれた。

 ちらりと自分の肩に目を向けてみれば、そこには鉛色の輝きを放つ何かが乗っており、鋭く輝く刃が首に向けられている。

 

「……言い残すことはあるか」

 

 地の底から響いたような低い声に当てられ、灰被りの女王は壊れた絡繰人形のように振り向き、「あはは」と乾いた笑みを浮かべた。

 そこには無表情のジブニールがおり、抜き放たれた鋼の剣が、自分の肩に添えられているのだ。

 彼が刃を振り抜けば、容易く首を飛ばされる事だろう。

 

「えっと、これは、だな……」

 

 額に冷や汗を流し、目を上下左右に泳がせながら、灰被りの女王が何かを言い繕おうとすると、すすり泣いていたシルヴィアが、「たす、けてぇ……」とたった一言を呟いた。

 灰被りの女王は途端にさっと身体が冷えた感覚を味わうと、「さらばっ!」と告げて懐に忍ばせていた煙幕を炸裂させると、開けた窓から飛び出して街の方へと駆けていく。

 追うことも出来るだろうに彼女を見送ったジブニールは、小さくなっていく彼女の背に「二度と来るなっ!」と怒鳴った。

 止まる気配のない彼女の背を睨んだ彼はフンと鼻を鳴らし、ベッドの上で泣いているシルヴィアの手の拘束を解いてやると、「遅くなって、すまん」と謝罪を口にして髪を撫でてやった。

 

「ジル……ジルゥ……」

 

 髪を撫でていたジブニールの手を取ったシルヴィアは、彼の手で頬を撫でさせ、そこにすり寄った。

 甘えてくる猫のような姿に目を細めたジブニールは、「あいつへの仕返しは後だな」と呟き、着ていた衣装を脱ぎ、上半身裸となると、ベッドの上に寝転んだ。

 そして震える彼女の身体を抱き寄せると、優しく背中を擦ってやる。

 とりあえず落ち着かせるのが先で、話を聞くのは後でいいだろうと判断したのだが──。

 

「ジル……ジルぅ……!」

 

 背中を擦っているだけなのに何故だかシルヴィアの声が上擦り、胸に当たる吐息には熱がこもっていく。

 

「あー、シル……?」

 

 彼が疑問符混じりに顔を下に向ければ、ちょうどシルヴィアが彼の事を見上げており、そこにあったのは恐怖に震える顔ではなく、何かを渇望する女の顔だった。

 

「──」

 

 訳がわからない状況になってきたジブニールが狼狽えていると、ようやく薬が抜け、腕に力が入るようになってきたシルヴィアは彼の身体を押し、仰向けに倒れた彼の上に馬乗りになった。

 

「……大丈夫じゃあなさそうだな」

 

 発情期の犬のようにはぁはぁと激しい呼吸を繰り返す彼女を見上げながらジブニールは肩を竦め、「まあ、それは俺も同じか」と自嘲した。

 

「じりゅ!じりゅぅ!もう、がまんできないのぉ!」

 

「わかった。もう我慢しなくていい。好きなだけ、付き合ってやる」

 

 彼の言葉が、シルヴィアが築いていた最後の砦を容易く崩し、彼女は本能のままにジブニールに襲いかかった。

 激しく舌を絡めるように口付けを交わし、相手の温もりを堪能するように身体を密着させた。

 時間はまだ昼ではあるが、二人にそんな事は関係ない。

 

 ──愛する二人にとって、時間なぞ些細な問題でしかないのだ。

 

 

 

 

 

 辺境の街にあるならず者の集まり(ローグ・ギルド)の一室。

 一人でベッドに寝転んだ灰被りの女王は、その美しい裸体を明かりの下に曝したまま、自慰行為にふけっていた。

 目を閉じれば思い出されるのは、快感に震えながら声を押さえるシルヴィアの顔と、最後に見せた弱々しい顔だ。

 

「ふぅ!ふっ!んんっ!」

 

 彼女の声、彼女の反応を思い出す度に身体が火照り、昂りが止まらない。

 彼女はびちょびちょに濡れた己の秘裂を指で弄り、ピンと勃って存在を主張する陰核を指で転がした。

 

「ん~っ!!!」

 

 そうして絶頂を迎えた彼女は身体を丸め、快感に身体を震わせる。

 

「はっ……はぁ……っ。駄目だ、足りない、このくらいじゃあ、足りないぃ……」

 

 灰被りの女王は切なそうに声を漏らし、再び秘裂を弄り始めると、こんこんと扉がノックされた。

『あのー、大丈夫ですかー?』と声をかけてきたのは、この街までの護衛を頼んだ私兵の一人だ。

 部屋にこもり続けることは稀だから、心配になったのだろう。

 だが、灰被りの女王にそんな事は関係なかった。

 その私兵は女で、自分に対して尊敬を越えた感情を抱いているのは当の昔から知っている。

 灰被りの女王は妖しく笑うとシーツにくるまるとベッドにから立ち上がり、扉を開けた。

 扉の前に立っていた自分よりも小柄な女密偵の頬を撫でた灰被りの女王は「心配をかけたな」と告げると、頬を撫でられただけで恍惚の表情を浮かべる女密偵の手を引き、自身の部屋へと引っ張りこんだ。

 この日、ならず者の集まり(ローグ・ギルド)に似つかわしくない、女性の嬌声が一晩中響き続けたそうだ。

 後にその声の主と思われる女密偵は、その時の事をこう評した。

 

「──あれは、天国でしたけど、それ以上に地獄でした」

 

 そう言った彼女は後日、恍惚の表情を浮かべ、再び灰被りの女王の自室に消えていったそうだが、そこで何が行われているのかは誰にもわからない。

 ただマスターアサシン(ジブニール)と灰被りの女王の仲が一時期冷えきっていたのは、確かな事実だ──。

 

 

 

 

 

 




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Memory?? 業火に焼かれて ※

リクエストから。
銀髪武闘家(メインヒロイン)の受難⑤

人喰い鬼(オーガ)戦で作戦が噛み合わなかった場合に分岐。

今回は短め(当社比)。


 ぱちぱちと、手拍子のような音が遺跡内に響き、火の粉と肉の焼けた臭いが風にのって吹き抜けとなった天井を通り、外へと広がっていく。

 一面火の海となったその場所に立つのは、青黒い肌をした巨大な人型の怪物。

 

「ふんっ。口ほどにもない」

 

 怪物──人喰い鬼(オーガ)は己の『火球(ファイアボール)』により火だるまになった冒険者らの死体を一瞥し、踵を返してその場を後にしようとすると、

 

「うぅ……」

 

 耳を澄まさねば聞こえない、虫の羽音のような声が、彼の耳に届いた。

 人喰い鬼はにたりと不気味な笑みを浮かべると、声の主を探すように首を巡らせ、すぐに見つけた。

 瓦礫により右足を潰され、半身に酷い火傷を負いながら、それでも息がある冒険者が一人。

 

「ほう、生きているとは」

 

 人喰い鬼は感心したようにそう言うと、重々しい足音をたてながらその冒険者の下に近寄った。

 そのまま瓦礫を適当に指で弾いて退かすと、わざと火傷を負っている腕を力任せに掴み、パキパキと何かが砕ける乾いた音をたてながら持ち上げる。

 

「ああっ!?」

 

 その冒険者は激痛に悲鳴をあげ、じたばたと身体を暴れさせるが、人喰い鬼は気にも止めずに冒険者の姿を睨み付けた。

 焦げてはいるが、いまだに美しさを保つ銀色の髪は同胞の闇人を思わせ、砕けた鎧の隙間から覗く身体は筋肉質で筋張っている。

 だが、それを抜きにしても。

 

「女が生きていたのは重畳。死ぬまで小鬼どもを孕ませやろう」

 

 人喰い鬼は不運にも生き残ってしまった女冒険者を嘲笑うと、彼女の腕を掴んだまま遺跡の奥へと消えていく。

 闇の奥からは悲痛な女冒険者──銀髪武闘家の叫びが、木霊した。

 

 

 

 

 

「GOBR!GRRR!!」

 

「GOBGOB!!GUL!!」

 

 ただただ喧しいゴブリンたちの雄叫びが響くとある一室。

 両手の指でも数えきれないゴブリンが行き交うその部屋からは、女性の悲鳴が響いていた。

 

「いやっ!やだぁ!こないで!くるなぁ!」

 

 じたばたと両手足を振り回して抵抗を試みるものの、人喰い鬼の『火球』と、瓦礫に潰されたことによる痛痒(ダメージ)と、その後腕を折られたため、まともな抵抗は出来ず、無意味に手足を振り回す彼女を姿を、ゴブリンたちは嘲笑う。

 そのうちの一匹が辛抱たまらずに飛び出せば、それ以外のゴブリンたちも一斉に動き出す。

 数多のゴブリンから向けられる情欲に燃える眼光を目にしてしまった彼女は「ひっ!」と喉の奥で悲鳴を漏らすと、「やだ……やだっ……やだ……!」と首を振って認めたくない現実から逃れようとするが、ゴブリンたちは無慈悲に彼女に襲いかかる。

 手入れをしないがゆえに鋭利なものとなった爪が、彼女の筋肉質な肢体に食い込み、勢いのままに肉を裂き、時には出来たばかりの傷を抉る。

 

「ぎ……っ!あああああああああっ!?」

 

 凄まじい痛みに身体を跳ねさせながら絶叫すれば、ゴブリンたちは彼女を指差しながら可笑しそうに嗤い、彼女の悲鳴を掻き消す。

 

「GBRRR!GOB!!」

 

 そんな中、一匹のゴブリンが高らかに何かを宣言すると、仲間たちを押し退け、その仲間たちの手で抉じ開けられた彼女の股の間に自分を納めた。

 腰巻きの襤褸布を退かせば、熱をもち、大きく膨らんだ欲望の塊が丸見えとなり、それで腹を叩いてやれば、「ひっ!」と上擦った悲鳴が漏れる。

 げらげらと嘲笑う声は彼女の耳には届いておらず、その視線は自身の腹を叩くゴブリンの逸物に向けられていた。

 既に勃起したその先端からは粘ついた先走り汁がこぼれ、銀髪武闘家の白い肌に垂れ、体温より僅かに温かいが腹筋の割れ目に溜まる。

 

「いや……やだ……」

 

 銀髪武闘家が目に涙を浮かべ、力なく首を振りながら言葉を漏らすと、ゴブリンはニヤリと嗤い、先走り汁で異様にテカりを放つ亀頭を、彼女の秘裂に当て、

 

「GBRR!!」

 

 勝利を宣言するように雄叫びをあげ、勢い良く腰を突き出した。

 一切の湿り気がなく、ピタリと閉じていた膣肉が強引に掻き分けられる。

 

「ぎっ!ああっ!?」

 

 銀髪武闘家が胎内を駆けた鋭い痛みと圧迫感に目を剥き、それから逃れようと腰を浮かせると、ゴブリンの手が腰を掴んだ。

 ゴブリンは強烈なまでに締め付けてくる膣肉の感覚に心地良さそうに目を細めると、さらに愉しもうと腰を振り始めた。

 かくかくと細かく腰を振って膣肉を掻き回し、一方的に快楽を享受する。

 

「いっ!ああああああっ!いたいっ!いたいぃ!」

 

 対する銀髪武闘家は絶えず与えられる痛みに身体を震わせ、「離してっ!離せぇ!」とゴブリンの手を振りほどかんと腰を振るが、

 

「GBRR……」

 

 それは彼女自ら奉仕しているようにさえ見え、ゴブリンはある種の征服感に浸って目を細めた。

 

「ぎっ!あっ!あぐっ!いっ!ぎぃ!」

 

 パンパンと音をたてて腰がぶつかる度に銀髪武闘家は短い悲鳴を漏らし、「やだっ!やだぁ!」と愚図る子供のように叫んだ。

 

「GBRGB!!」

 

 一匹のゴブリンがその声に不満そうにしかめっ面になり、勃起した己の逸物と暴れまわる彼女の頭に目を向け、気色の悪い笑みを浮かべた。

 そして暴れる彼女の頭を掴み、顎を持ち上げて自身の方を向かせると、彼女の口に亀頭を押し付けた。

 

「っ!んーっ!んーっ!」

 

 相手が何をしようとしているのかを一瞬で察した銀髪武闘家は、口を真一文字に継ぐんで堪え、強烈な生臭さに涙を流す。

 

「GBR!!」

 

 彼女の口に突っ込もうとしているゴブリンが吼えると、彼女の身体を押さえつけているゴブリンたちが一斉に嗤い、傷を抉るように掻きむしり始めた。

 

「んぎっ!んん……っ!んーっ!」

 

 全身から襲ってくる激痛に悲鳴をあげそうになるが、それだけは駄目だと自分に言い聞かせて口を閉じ、ひたすらに耐える。

 肉が裂け、傷が抉られ、髪を引かれ、絶え間ない激痛が彼女を襲うが、まだ耐えられる。痛いのには、慣れているのだ。

 

「GOBッ!!」

 

 そうして銀髪武闘家が耐えていると、彼女の胎内を貫いていたゴブリンが吼え、一際強く腰を突き出した。

 ゴリッ!と嫌な音をたてて亀頭が子宮口を殴り付けると、ドロリとした精液が子宮に注ぎ込まれる。

 

「ぎっ!んぐぅ!?」

 

 胎内を駆け抜けた熱に思わず悲鳴を漏らすと、その僅かに開いた口の隙間を抉じ開け、彼女の口内に逸物が侵入を果たした。

 

「んーっ!んぼっ!?んぶ!んぼ!ぼっ!」

 

 こうなれば噛みきってやると銀髪武闘家が力を入れるが、その前にゴブリンが前後運動を始め、喉奥を亀頭が殴り付ける。

 

「んぼ!ぶっ!ぶぉ!?んぐ!お゛っ!?」

 

 ビクビクと身体を痙攣させ、目から涙を溢す銀髪武闘家を他所に、口に逸物を突っ込んだゴブリンは、恍惚の表情を浮かべ、彼女の頭を引き寄せた。

 同時に溜まりに溜まっていた己の欲望を解放し、彼女の胃に精液を流し込む。

 

「んーっ!んーっ!?んーっ!」

 

 口を塞がれたまま悲鳴をあげるが、喉奥を射精()されてしまったため、彼女の意志とは関係なく身体は精液を飲み下していき、ごくごくと喉が鳴る。

 

「んぼ!?んぐ!?んぉ!?お゛お゛お゛……っ!!」

 

 喉に絡み付く精液に気道を塞がれたため、呼吸が出来ない銀髪武闘家は白眼を剥きながら身体を痙攣させると、ゴブリンたちはゲタゲタと嘲笑う。

 そして射精を終えたゴブリンは恍惚の表情のまま逸物を引き抜くと、口から溢れた精液が彼女の顔に振りかかり、「おぇ……っ!げぇ──……」と白くなった吐瀉物を吐き出した。

 ビクビクと痙攣する彼女の身体のあちこちからは赤い血が垂れ、秘部と口からはどろりとした精液が溢れる。

 その姿にさらに欲情したゴブリンたちは舌舐めずりすると、力なく倒れる彼女に向け、一斉に手を伸ばした。

 

 

 

 

 

「ぎっ!ああっ!?ぎぃ!いやぁ!離せっ!離せぇ!」

 

 銀髪武闘家の悲鳴が部屋に木霊し、ゴブリンたちの嘲笑が続けて響く。

 床にうつ伏せに倒された彼女は複数匹のゴブリンの手で両手足を押さえつけられ、腰だけを突き出し、秘部を晒すように臀部を浮かされていた。

 そんな挿れやすい穴をゴブリンたちが見逃す筈もなく、彼らは我先にと彼女に群がり、膨れ上がった己の欲望をぶつけ続ける。

 

「あぎっ!ぐっ!あぐ!やだっ!もう、射精()すなぁ!」

 

「GBRRR!!」

 

 彼女が怒鳴るように叫ぶと、うるさいと言わんばかりに一匹のゴブリンが彼女の顔を踏みつけ、ぐりぐりと踏みにじる。

 もっとも銀髪武闘家は僅かな痛みに呻くのみで、「やめろっ!やめろぉ!」と叫び続けるわけで、ゴブリンは不満そうに彼女の顔を蹴った。

 同時に子宮にゴブリンの精液が吐き出され、「いやぁぁぁぁあああああ!!」と喉が割れんばかりの絶叫をあげる。

 だがゴブリンたちは止まらない。射精を終えたゴブリンがそこを退くと、すぐに次のゴブリンが逸物を挿れ、欲望のままに腰を振るう。

 銀髪武闘家は絶えず涙を流しながら、悲鳴をあげる。

 だがその声から少しずつ迫力が欠けていくのが、ゴブリンたちの頭脳でも理解できた。

 こうして反抗的な彼女も、既に限界が近いことを察した彼らは、ゲタゲタと嘲笑をあげるのだった。

 

 

 

 

 

「んぼ!?んぐ!ぶっ!お゛っ!んぶぅ!?」

 

 ゴブリンに口、秘部、そして肛門を貫かれた銀髪武闘家は、未知の痛みに悲鳴をあげ、涙を流しながら身体を痙攣させた。

 ゴブリンたちは己の欲望を満たすためだけに好き勝手に動き続けるため、断続的な痛みが胎内を支配し、息苦しく、腹の圧迫感が胃の中身を押し上げる。

 

「ぶっ!お゛ぐ!?ぶっ!ぶぉ!?んぶぅ!」

 

 そして思い思いのタイミングで射精が行われ、彼女の胎内を支配していく。

 そしてそれぞれの穴を貫いていたゴブリンたちが退くと、すぐに次のゴブリンが穴に突っ込んでくる。

 

「んぼぉ!んぎっ!んぉ!?お゛っ!お゛っ!お゛ぉ!」

 

 銀髪武闘家は獣のような唸り声をあげながら、ゴブリンたちからの責めに耐え続ける。

 いつか来てくれる救出を待ち続けて。

 いつか来る反撃のタイミングを待ち続けて。

 

 

 

 

 

 それから数週か、あるいは数ヶ月が経った頃。

 

「えっ……あっ……ぅ……」

 

 ゴブリンの動きに合わせ、小さく呻くのみで反応するのは、銀髪武闘家だ。

 自慢だった美しい銀色の髪は、何かの戦利品欲しさ──あるいな暇潰しで──ゴブリンの手で切られ、もはや見る影もなくぼろぼろになっていた。

 白い肌にはいくつもの青黒い殴打の跡が残り、片目も潰されている。

 その全てがゴブリンにとっては娯楽でしかなく、そうしてやれば彼女が面白い反応をするとわかってやったのだ。

 やられた彼女は堪ったものではないが、既に心が壊れた彼女にとって、たいした痛みはなかったのかもしれない。

 

「GBR……っ!」

 

 ゴブリンが小さく唸ると射精が行われ、既に精液で満杯になっている子宮が悲鳴をあげ、入りきらなかった精液が膣内を逆流していく。

 

「ぁ……ぅ……」

 

 その感覚に銀髪武闘家が僅かに身体を揺らすと、ゴブリンはつまらなそうに彼女の豊かな胸を叩くが、彼女からの反応はない。

 ゴブリンはつまらなそうに鼻を鳴らすと、ふと射精感とは別の感覚を覚えて愉快そうに嗤った。

 そして萎えた逸物をさらに奥まで押し込むと、じょろじょろと湿った音が部屋に響き、「ぁ……ぎっ……」と銀髪武闘家は身動ぎした。

 ゴブリンは彼女の子宮に向け、放尿したのだ。それでも彼女がたいした反応を見せないと、今度こそ諦めたように鼻を鳴らして、怒りをぶつけるように腹を殴った。

 

「お゛……っ!」

 

 すると銀髪武闘家が今までとは違う反応を示し、拳の勢いで押し出された精液が秘裂から溢れ、どろりと溢れる。

 

「ぉ゛……ぁ゛……ぎっ……」

 

 その感覚に身体を震わせると、ゴブリンはここぞとばかりに腹を殴りまくり、どろどろの精液が絶えず溢れ出してくる。

 

「ぇ……ぁ……ぃ……」

 

 だがそれもすぐに収まり、彼女はいつも通り呻き声を漏らし、反応をしなくなる。

 ゴブリンは酷くつまらなそうに一声鳴くと、興味を失ったように部屋を後にした。

 一人残された銀髪武闘家は、もはや脱出する気力もなく、ただ床に転がって嗚咽混じりに声を漏らすのみ。

 助けはこない。来たところで、人喰い鬼がいるのだから全滅は必至だろう。

 誰も来ない遺跡の奥で、彼女のすすり泣く声のみが木霊する。

 彼女を救う英雄は、まだ現れない──。

 

 




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Memory?? 交渉

リクエストから。

ヒロインは魔女。銀髪武闘家と出会わず、単独(ソロ)で仕事をこなすローグハンターに、いつの間にか惹かれていた彼女の話。

時期的にはSequence2-4と5の間、妖精弓手の依頼に出る準備期間。


この話の前にもリクエストがあったのですが、細かくシチュエーションを聞こうとメッセージを送っても返信がこない(既読にすらならない)ため、こちらを優先しました。

リク主さんがこれを読んでいたら、返信ください。返信があれば話を上げますので。

ないなら無視してこのまま次に行きます。


 辺境の街の冒険者ギルド。

 辺境でありながら多くの銀等級冒険者を抱えるそのギルドには、異端と呼べる冒険者が二人いた。

 一人は冒険者になって五年、黙々と最弱の魔物であるゴブリンを殺し続ける冒険者──小鬼殺し(ゴブリンスレイヤー)

 もう一人は冒険者になって五年、黙々と祈らぬ者(ノンプレイヤー)に堕ちたならず者(ローグ)を殺し続ける冒険者──ならず者殺し(ローグハンター)

 異端故か、あるいは一時期一党を組んでいたためか、二人は個人的な付き合いもあり、同業者というよりは友人といった間柄だろう。

 少なくともローグハンターからはそう思われているゴブリンスレイヤーは、いつも通りギルド端の円卓につきながら、「むぅ……」と少々困ったように唸った。

 

「どうした」

 

 そんな彼の様子に怪訝そうに目を細めたローグハンターは、「悩みごとか?」と彼へと問う。

 問われたゴブリンスレイヤーは数瞬迷うと、雑嚢に手を突っ込んで掻き回すように中身を漁ると、悩みの種と思われる物を取り出し、ローグハンターに差し出した。

 それを受け取ったローグハンターは「なるほど」と問題を察したように小さくため息を吐くと、その何かに視線を落とした。

 筒状に丸められた羊皮紙は、何やら術的な紋様が描かれた紐で留められ、タカの眼を使って見てみれば、術的な物を示す緑色に染まる。

 

転移(ゲート)巻物(スクロール)。次の仕事で使うつもりか」

 

「ああ。だが、書き換えがまだだ」

 

 彼の問いかけにゴブリンスレイヤーがいつも通りに淡々と答えると、ギルドを見渡すように兜を巡らせ、「むぅ……」と再び困ったように小さく唸った。

 赤子でさえ使えば魔術を行使できる巻物(スクロール)。特に点と点を距離に関係なく一瞬で繋ぐ転移(ゲート)のそれは、扱いが難しく、一度紐解いて座標を指定しなければならない。

 だが知識や技術がないものが扱えばどうなるかは、もはや火を見るよりも明らかで、ゴブリンスレイヤーは苦心しているのだろう。

 彼の知り合いでそれが出来るのは、度々お世話になる銀等級冒険者の魔女くらいなのだが、当の彼女が見当たらない。

 ゴブリンスレイヤーが工房に顔を出している隙にギルドを出てしまい、宿に戻ってしまったからだ。

 ローグハンターはそんな友人の様子に再びため息を吐くと、「俺から話を通しておくが?」とゴブリンスレイヤーに進言した。

 

「……頼めるか」

 

「ああ。いつもの場所でいいか」

 

「ああ」

 

「なら、お前は他の準備を進めておいてくれ」

 

「わかった」

 

 ローグハンターの言葉に僅かに迷いながらも頷いたゴブリンスレイヤーは、彼の返事を聞くと共にガタンと音をたてて席を立ち、「では、明日の正午にここで会おう」と告げてずかずかと無造作な足取りでギルドを後にする。

 自在扉の向こうに消えていった友人の背を見送ったローグハンターは、手元に残された転移(ゲート)巻物(スクロール)を眺め、真剣な面持ちとなった。

 だが考えていても仕方がないと割りきると、巻物(スクロール)を雑嚢に押し込み、一切の音をたてずに席を立つ。

 そのまま足音一つたてずにギルドを後にして、目的の人物が寝泊まりしている宿を目指して歩き出す。

 ゴブリンスレイヤーは彼女がどこで寝泊まりしているかも知らないし、何より知っていたとしても彼の性格からしてアポも取らずに会いに行くことはあるまい。

 だがローグハンターは気にした様子もなく、夕焼けに照らされた街道を、人混みをすり抜けるようにして進んでいく。

 ギルドから出て歩いて数分もすれば、目的の宿だ。

 

 

 

 

 

 辺境の街に数ある宿の一つに、ローグハンターの姿があった。

 足音一つなく廊下を進む彼は、部屋の番号を一つずつ確認し、目的の部屋番号を見つけて足を止めた。

 そして廊下を見渡して誰もいないことを確かめると、こんこんと数度扉を叩いた。

 

「俺だ。いるか」

 

 そうして言葉も添えたが、求めていた反応が返ってこず、眉を寄せたローグハンターはタカの眼を発動。

 彼女の痕跡が部屋に入っていく事を確認すると、少々力を込めて扉を叩いた。

 するとようやく反応があり、鍵が開く音と共に、ゆっくりと扉が開けられた。

 

「なにか、用、かし、ら?」

 

 そうして顔を出したのは、紫色の髪を伸ばした女性だ。

 水浴びをした直後だったのか髪はほんのりと湿っており、毛先から垂れた雫が豊満な胸へと落ちる。

 問題はその胸を隠しているのが下着のみということと、それを彼女が気にしていないところだろう。

 ローグハンターは額に手を当ててため息を吐くと、「服を着たら、声をかけてくれ」と告げて扉に背を向けるが、不意に衣装の裾を引かれ、そのまま部屋に引きずり込まれる。

 予想通りと言えば予想通りの結末にローグハンターが目を細めていると、魔女は彼を逃がさないように扉を閉め、鍵をかけた。

 

「それで、何かし、ら?」

 

 そして振り向いた彼女が小首を傾げながら問うと、ローグハンターは雑嚢に手を突っ込み、転移(ゲート)巻物(スクロール)を取り出した。

 

「これの書き換えを頼む。行き先はいつも通りだ」

 

「そ……」

 

 ゆらりと肉感的な身体を揺らして近づいた彼女は、細指で巻物(スクロール)を受け取ると、それをサイドテーブルに置いた。

 

「それ、で、報酬、は……?」

 

 魔女はどこか意味深な笑みを浮かべてベッドに腰を下ろすと、隠すことなく晒した足を組み、値踏みするように目を細めた。

 

「今度食事を──」

 

「そこまで、お金に困ってない、わ」

 

「なら、冒険の手伝いを──」

 

「彼が、いるから、平気、よ」

 

 魔女は立て続けに放たれたローグハンターの言葉を容赦なく切り捨てると、少々不機嫌そうな面持ちになりながら肉感的な足を組み換えた。

 並の男なら生唾を飲むような光景だが、ローグハンターは狼狽えた様子もなく目を細め、僅かに顔を背けた。

 そんな相変わらずな彼の態度に耐えきれなくなってか、ベッドから立ち上がった魔女は彼の身体にすり寄り、頬を撫でて自分の方に顔を向かせた。

 夜空を思わせる蒼い瞳を覗きこみながら、妖艶な笑みを浮かべた。

 

「わかって、いる、でしょう?」

 

「……」

 

 彼女の問いにローグハンターは答えずに僅かに俯くと、敗けを認めるようにため息を吐いた。

 それこそが求めていた解答だったのか、魔女はにこりと微笑むと、爪先立ちになって顔を寄せた。

 

「満足、させて、ね……」

 

 彼女の言葉にローグハンターは再びため息を吐くと、開き直ったように彼女の頬を撫でた。

 冒険者らしくないきめ細やかな肌は、触れるだけでも心地よく、何より温かい。

 その感覚に思わず頬を緩めたローグハンターの顔を間近で見つめた魔女は、照れたように頬を赤く染めながら、けれど嬉しそうに笑みを浮かべた。

 昔なんて何をしても無表情だったのだから、そういう意味では大きな前進だろう。

 そんな事を思いながら、魔女は彼と口付けを交わした。

 柔らかな部分がぶつかり合い、お互いの体温を唇を通して共有する。

 その感覚が心地よくて、魔女は嬉しそうに目を閉じた。

 ローグハンターが、少々困ったように目を細めていることにも気付かずに。

 

 

 

 

 

 月明かりが入り込む宿の一室で、裸の男女が絡み合っていた。

 魔女を押し倒したローグハンターは、彼女に覆い被さると、嬉しそうに歪む彼女の唇に口付けを落とし、啄むように弄ぶ。

 

「んっ……ちゅ……んぅ……」

 

 唇同士が触れあう度に魔女の口から艶っぽい声が漏れ、ピクピクと肩が震える。

 その反応を細めた瞳で見つめながら、僅かに開いていた口の隙間に舌を差し込み、待ち構えていた彼女の舌に絡めた。

 

「んっ……ふぅ……っ」

 

 魔女は僅かに驚いたような反応をするものの、すぐに瞳を蕩けさせ、彼の舌に絡み付く。

 くちゅくちゅと湿った音を漏らしながら、お互いの唾液を交換し、喉を鳴らして飲み込む。

 僅かに息苦しさを感じたローグハンターが顔を離せば、恍惚の表情を浮かべた魔女が彼の顔を見上げながら物欲しそうに口を開け、舌が伸びている。

 普段の姿からは想像も出来ない彼女の姿に、ローグハンターは目を逸らしながら息を吐くと、優しく頬を撫でてやり、だらしなく開いた口をそのままに、豊満な胸に手を置いた。

「あっ……」と切なそうな声を漏らす魔女を他所に、指を沈めた分をしっかりと押し返してくる胸の弾力を感じながら、指を蠢かせて胸を弄ぶ。

 

「あっ……んっ……はっ……!」

 

 指が動く度に魔女は変わらず切なそうな声を漏らすが、徐々に熱がこもっていき、ピクピクと身体を震わせる。

 同時に桃色の乳首がゆっくりと勃起していき、数分も経たずにピンと勃って存在を主張し始めた。

 ローグハンターはそんな丸見えの急所を逃す訳がなく、もはや無慈悲なまでに迷いなく乳首を摘まんだ。

 

「ひゃ!?」

 

 瞬間、全身を稲妻が駆け抜けたような衝撃に魔女は身体を跳ねさせ、豊満な胸が揺れる。

 だが彼にとっては預かり知らぬこと。指の腹で捏ねるように乳首を転がし、時には軽く爪を立てて突いてやれば、「やっ!はん!」と嬌声を漏らす。

 

「あまり声を出すと隣の奴が来るぞ」

 

「っ!んっ!んん~っ!!」

 

 ローグハンターが何ともなしに放った言葉を真に受けた魔女は、自分の指を噛んで声を抑えるが、変わらず与えられる快感に身体を震わせ、白い肌が火照ったように赤くなっていく。

 

「んっ!んん!はっ!んんん!」

 

 乳首を摘まみ、つつき、転がす度に魔女は身体を痙攣させ、物欲しそうに太ももをすり合わせ始めた。

 肌同士が擦れる音を耳に挟みつつ、興奮していく彼女の姿を見下ろしながら、ローグハンターは突然乳首への責めを止めた。

 

「……んぇ……?」

 

 突然の事態に魔女が気の抜けた声を漏らす中、ローグハンターの手は彼女の胸を離れ、柔らかな腹を撫でながら、ゆっくりと下腹部へと伸びていく。

 そのまま彼の手は擦れあっていた太ももの間に入り込み、僅かに湿り気のある彼女の秘裂を撫でた。

 

「あん!」

 

 乳首から与えられた快感とはまた違う感覚に思わず声を漏らすと、ローグハンターは淡々とした様子で彼女の秘裂に指を這わせ、秘部の入り口の回りを指で弄る。

 

「ひぅ!んっ!あっ!いぃ!」

 

 くちゃくちゃと音をたてて指を這わせてやれば、魔女は声を抑える事も忘れて嬌声を漏らし、強い快感を求めて腰を揺らし始めた。

 だがローグハンターは彼女の意志を無視する形で秘部の中に指を挿れることはなく、焦らすように入り口だけを責め立てる。

 

「んんっ!はっ!あっ!ひっ!」

 

 彼の責めの強さに合わせて秘裂から愛液が溢れ、彼の指をびちゃびちゃに濡らしていく。

 彼はそれを気にした様子もなく、むしろ指に絡めるように愛液を受け止めると、濡れた指でクリトリスに触れた。

 

「ひぎっ!」

 

 焦らしに焦らされていたからか、ひどく敏感になっていた彼女の身体には、その快感は強烈すぎた。

 それが触れるだけでなく、愛液を塗りたくるように弄ばれるのなら、尚更だ。

 

「あん!ひっ!はっ!あっ!」

 

 絶え間なく与えられる快感に身体を痙攣させて口からは熱のこもった嬌声を漏らし、無意識の内に更なる快感を求めて腰を浮かせると、ローグハンターはその要望通りにクリトリスを捏ねるように転がし続けた。

 

「あっ!んんっ!ひっ!あっ!いっ!」

 

「……」

 

 どんどんと強くなる彼女の反応を愉しみながら、ローグハンターはクリトリスを潰すように力を入れた。

 

「ぎぃっ!」

 

 僅かな痛みを伴った痛みに目を剥いた魔女は、「待っ!イッ、イくっ……!」と声を漏らし、絶頂を迎えようとした瞬間、ローグハンターは手を離した。

 

「あっ……えっ……」

 

 突然消えた快感に困惑する魔女を他所に、ローグハンターは彼女の股を間に納まると、勃起した己の分身を物欲しそうに開閉している秘裂に当てた。

「ぁっ……」とか細い声を漏らした魔女をそのままに、ローグハンターは思い切り腰を突き出した。

 ずりゅ!と湿った音も共に彼女の胎内に入り込んだ逸物は、引き締まっていた膣肉を掻き分け、子宮口を殴り付けた。

 

「ひぃ!あっ!ああああああああああっ!!」

 

 焦らされていた彼女の身体はただそれだけで絶頂を迎え、目を大きく見開きながら嬌声をあげ、痙攣する膣肉が逸物を扱きあげる。

 その快感に眉を寄せながら、絶頂に震える彼女の腰を掴んだローグハンターは、腰を振り始めた。

 パンパンと音をたてて腰を打ち付け、胎内をかける勢いに押されて豊満な胸が揺れる。

 

「あっ!あぁっ!いっ!ひっ!?あっ!ひぐっ!」

 

 かりが膣肉を掻き分け、亀頭が子宮を潰す度に魔女は絶頂を迎え、美しい顔を快感に歪めながら、ローグハンターの顔を見つめた。

 逸物からくる快感に悩ましそうな眉を寄せる彼の頬を撫で、快感に喘ぎながら彼に告げる。

 

「あひっ!いい、わっ!あん!もっと、もっと、動いてぇ……っ!」

 

「っ!手加減できんぞ……!」

 

「いいっ、わよ!わたしを、満足、させてっ!」

 

 ピクピクと快感に身体を震わせながら彼女が告げると、ローグハンターは小さく息を吐いてから頷き、そっと彼女の唇に口付けを落とした。

 魔女が突然の行動に驚いた隙に、ローグハンターは腰の動きを一層激しくさせた。

 

「んぐ!?んんっ!んーっ!んぉ゛!?んぅ!んーっ!!」

 

 結合部から愛液なのか潮なのかもわからない液体を吐き出しながら、魔女は品の欠片もない嬌声をあげ続けた。

 彼が動く度に絶頂を迎え、それが落ち着く前に更なる絶頂を迎え、本来なら様々な知識が納められている脳が、何も考えられないほどに追い詰められていく。

 

「んーっ!?んん゛!お!んぐ!んぃっ!」

 

 だが魔女にとっては頭の中が真っ白に漂白されていく感覚すら心地よく、それを示すように膣肉が引き締まる。

 彼女にキスをしながら、ローグハンターが小さく唸り声をあげると、口付けを中断し、最後の力を振り絞って腰を打ち付けた。

 

「ひぎっ!?ああああああああ!!!」

 

 そして魔女が一際大きな嬌声をあげながら絶頂を迎えた瞬間、彼は慌てて逸物を彼女の胎内から引き抜く。

 その直後、溜められていた精液が吐き出され、魔女の肉感的な肢体へと振りかかり、白い肌を淫らに汚していく。

 

「はひっ!いぃ!あっ……ぃ……んぅ……」

 

 絶頂の余韻に震えていた彼女は、途端に身体に振りかけられた温もりに心地よさそうに声を漏らすと、どこか物足りなさそうにローグハンターを見つめ、腹にかかった彼の精液を指で掬うと、わざとらしく見せつけるようにペロリと舐めとった。

 吐精後の倦怠感を感じながらもその姿を見ていたローグハンターが無意識に生唾を飲むと、魔女は妖しげな笑みを浮かべ、彼へと告げた。

 

「今、度は、全部、膣内(なか)に、ね……?」

 

 

 

 

 

「んいいっ!あっ!あっ!あっ!あひっ!ひっ!はっ!」

 

 パンパンと乾いた音と共に、魔女の嬌声が部屋に響いた。

 ローグハンターに犬のように四つん這いの体勢にされた魔女は、そのまま後ろから彼の逸物で貫かれ、胎内を蹂躙されているのだ。

 

「あん!いぃ!ぃい!!あっ!はっ!はん!ひぁ!あん!」

 

 もはや言葉を捨てて責められ続ける魔女は、突かれる度に絶頂を迎え、ついには四つん這いになった手足には力が入らなくなり、ベッドに倒れてしまう。

 だがローグハンターの逸物を受け入れている腰だけは別で、胎内を貫く肉棒が支えとなり、沈むことを許してくれない。

 逆に押さえやすくなったと言わんばかりに腰を掴んだローグハンターは、先ほど以上の勢いをつけて腰を打ち付ける。

 

「おっ!んぉお!?いっ!?ひぐっ!いぃ!?」

 

 枕に顔を埋めながら喘ぐ魔女の背をなで、汗で張り付いた紫色の髪を退かしてやりながら、ローグハンターは突く度に波打つ臀部をそっと撫でた。

 

「んんっ!あっ!はっ!あん!あっ!あひゅ!」

 

 臀部を撫でられた魔女はくすぐったそうに身動ぎするものの、叩きつけれる快感に喘ぎ、やがてそのくすぐったささえも快感へと変わっていく。

 

「ひぎっ!あっ……!ぎっ!んんっ!」

 

 強まった快感に一瞬気をやりかけた彼女だが、銀等級冒険者としての意地をみせて耐えると、耐えるように歯を食い縛っているローグハンターに告げる。

 

「きてっ!こんどは、ぜんぶ、なか、に……っ!」

 

「ああ。わかってる……っ!」

 

 ローグハンターは魔女からの指示に頷くと、一度大きく深呼吸をして、気合いを入れ直す。

 同時に最後の瞬間に備えようと魔女もまた気合いを入れ直すとした瞬間、

 

「ふん!」

 

 それよりも早くローグハンターが動き始めた。

 最後の力を振り絞り、歯を食い縛りながら、がむしゃらに腰を振り回し始めたのだ。

 

「ぎっ!?あっ!ああっ!?ああああああ!!」

 

 タイミングがずれた──あるいはずらされた──魔女は、不意討ちで強烈な快感を叩きつけられて絶頂を迎えるが、そんなものお構いなしに快感を叩きつけられる。

 

「あぎっ!?ぎっ、いいいいいいいっ!んぉおおおお!」

 

 冒険者としての恥も外聞も捨てて、獣のような嬌声をあげていると、ローグハンターが小さく唸り、思い切り腰を叩きつけた。

 その瞬間、我慢の限界を迎えた逸物が精液を吐き出し、彼女の膣内を白く染め上げた。

 

「ひっ!?ああああああ!!」

 

 胎内に吐き出された熱さと快感に目を剥き、背中を弓なりにしなかれながら絶頂を迎えた魔女は、喉が割れんばかりの嬌声をあげた。

 がくがくと身体が痙攣し、子宮内と膣内を熱々の精液が満たしていく。

 

「ああああああ!?あっ──………」

 

 そして何かの拍子にパタリと身体を倒すと、ビクビクと痙攣させるのみの反応がなくなり、弛緩した身体が腰を持ち上げておくことさえも出来ずに腰が沈んでしまう。

 その勢いで逸物が抜けるのだが、彼の吐精はいまだに止まらず、魔女の背中と紫色の髪を白く汚していく。

 

「くっ、おぉぉ……」

 

 ローグハンターが二度目の吐精による倦怠感から身体が倒れかけるが、それでも気合いを入れて転倒はせず、ベッド脇に置いておいたタオルを手に取り、丁寧に魔女の身体を拭き始めた。

 

「あっ……へっ……んん……っ」

 

 ピクピクと身体を痙攣させて絶頂の余韻に浸る魔女は、口には出さずに彼に感謝しながは、重たくなった瞼をそのまま閉じた。

 すやすやと規則正しい寝息をたて始めると、ローグハンターは困ったようにため息を吐き、彼女の隣に寝転んだ。

 淫行の臭いで胸焼けがしそうではあるが、臭い消しの香やら何やらをするのは面倒だ。

 それに明日は仕事なのだから、早めに寝ておきたいというもの本音ではある。

 そんな事を考えながらローグハンターは眠りに落ち、静かな寝息をたて始める。

 先程までの騒がしさが嘘のようになくなり、あるのは二人の寝息の音のみだ。

 

 

 

 

 

 翌朝、同所。

 

「これ、約束の、巻物(スクロール)、よ」

 

「ああ、助かる」

 

 魔女から差し出された転移(ゲート)巻物(スクロール)を受け取ったローグハンターは、それを丁寧に雑嚢に押し込んだ。

 既に二人の格好は冒険に向かう時のそれで、すぐに出発するのは目に見えている。

 現にローグハンターは踵を返し、「また頼む」と告げて部屋を出ようとしているのだ。

 

「あ……、待っ、て」

 

「なん──」

 

 魔女からの制止の声を受けてローグハンターが振り向くと、その言葉を遮る形で口が塞がれた。

 目の前には魔女の顔があり、唇には柔らかな何かが押し付けられている。

 

「──」

 

 思わず目を剥いて固まるローグハンターを他所に、彼から離れた魔女は優しく笑いながら告げる。

 

「お互い、無事で、ね」

 

「……ああ」

 

 彼女からの言葉に困惑しながらも頷いたローグハンターは、「それじゃあな」と告げて部屋を後にした。

 後ろ手で扉を閉められ、彼の姿が見えなくなると、魔女はベッドに腰を降ろし、そっと下腹部を撫でた。

 まだ彼の温もりを感じるそこは触れるだけで心地よく、勝手に頬が緩んでしまう。

 だが気を抜けるのもここまで。ドンドンと扉を叩かれ、廊下から『起きてるかー?』と槍使いの声が放たれる。

 

「今、行く、わ」

 

 魔女は普段通りの表情になると腰をあげ、杖を片手に部屋を後にした。

 二人は冒険者。明日をも知れぬ、その日暮らしの無頼漢。

 故に魔女は大切な想いを胸にしまい、けれど適当な言い訳を考えては交わりを求め、彼を貪り、彼に貪られる。

 彼に好意はないかもしれない。彼に想いは届いていないかもしれない。

 もしかしたら、彼もまた想いに蓋をして、昨日のように付き合ってくれているのかもしれない。

 魔女は様々な事を考えながら、槍使いの隣を歩く。

 出来ればローグハンターの隣を歩きたいけれど、そこは自分ではなく彼の友がいるべき場所だ。

 だから今日も、魔女は想いに蓋をして、いつものように冒険に向かうのだ。

 ローグハンターの無事を、祈りながら………。

 

 

 

 




感想等ありましたら、よろしくお願いします。


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Memory?? 後輩たちの恩返し

リクエスト、ハーレム物。

ヒロインは女神官、女魔術師、女武闘家の三人。
原作最初に、ゴブリンスレイヤーではなく、ローグハンターが助けに行った場合に派生する……と思う。
青年剣士は死んでます(無慈悲)。
あとこの世界線のローグハンターは本編に比べて知識増し増しです。何のとは言いませんけど。

時期はわかりませんが、たぶん一年は一緒に行動していると思います。



 眠る狐亭の一室。辺境勇士と名高い、ならず者殺し(ローグハンター)が拠点としている部屋。

 普段なら彼一人が滞在し、彼の性格と癖の都合上、物音一つしないことが取り柄とも言えるのだが、今日はまた違う様子だった。

 

「……あー、で、何か用か?」

 

 ローグハンターはいつもの凛々しさはどこへ行ったのか、ひどく困惑した面持ちで目の前にいる三人の少女に目を向けた。

 

「えっと、これは、ですね……」

 

 彼の問いかけに応じたのは、同じように困惑気味の女神官だ。

 彼女自身も、どうしてこの場にいるのかわかっていないのだろう。

 現に声を出したは良いものの、続く言葉が思い付かないのか、助けを求めるように隣に立つ女魔術師と女武闘家に目を向けた。

 その視線を受けた女武闘家は恥ずかしがるように視線を逸らし、女魔術師が仕方がないと言わんばかりにため息を吐いた。

 

「この一年、あなたには大変お世話になりました」

 

 女魔術師が一礼しながらそう言うと、ローグハンターは小さく肩を竦めた。

 

「ああ。まあ、俺だけに言うべきかはわからないが……」

 

 彼の言うとおり、この一年は何も彼だけで彼女らを助けていた訳ではない。

 ゴブリンスレイヤーがいて、妖精弓手がいて、蜥蜴僧侶がいて、鉱人道士がいて、そして目の前の三人がいて、ようやくやってこられたのだ。

 それに、助けられなかった命も少なからず存在する。

 

「あまり、気にするな。先輩冒険者として、当然の事だ」

 

 彼は苦笑を漏らしながらそう締め括り、「それだけを言いに来たのか?」と疑問をぶつけた。

 それを言うだけならギルドでも、その辺の酒場でも出来る筈だ。部屋にまで乗り込んできて話すことだろうか。

 彼の質問に女魔術師が僅かに狼狽えると、女武闘家が「よしっ!」と何やら気合いを入れて、ローグハンターに告げた。

 

「私たちなりにお礼をしたくて、お邪魔しましたっ!」

 

「お礼と言われてもな……」

 

 彼女の勢いのままに放たれた言葉に困ったように頬を掻くローグハンターを他所に、女武闘家は着ている服に手をかけ、一息で脱ぎ払った。

「な!?」と驚きの声を漏らすローグハンターの前で下着姿の女武闘家は、恥ずかしさから顔を真っ赤にしながら、それでもその肢体を見せつけるように仁王立った。

 

「──」

 

 言葉もなく固まったローグハンターを見つめながら、女武闘家に感化されたように覚悟を決めた女魔術師が、せっせとローブを脱ぎ始める。

 

「な、何をしているんだ……」

 

 彼女の下着が見え始めた頃になってようやく状況を把握したローグハンターは、批判的な視線を彼女らに向け、神官服を着たままの女神官へと目を向けた。

 

「こいつらに、早く服を着させろ。風邪引くぞ……」

 

 声色は不機嫌そうなものであるが、内容自体は彼女らを心配するもの。

 彼の言葉を受けた女神官は俯いたまま身体を震わせると、自棄になったように法衣を脱ぎ払った。

 

「──」

 

 最後の砦だった彼女の行動に、ついにローグハンターの思考が停止した。

 目の前には成人したとはいえ、顔に幼さを残した三人の少女の下着姿があり、勢いに任せた女武闘家と女魔術師はともかく、女神官に至っては「あぅ……」と羞恥心に苛まれて細い腕で胸を隠している。

 

「あー、えー、と……?」

 

 全く状況が理解出来ないローグハンターが困り顔で唸っていると、女魔術師が豊満な胸を強調するように身を乗り出し、無意味にぱちぱちと瞬きを繰り返す彼へと告げた。

 

「私たちなりに考えて、私たちの大切なものを贈ろうという事にしました」

 

「それが……?」

 

 ローグハンターが思わず問い返すと、女魔術師は眼鏡を外し、年不相応に妖しげな笑みを浮かべて彼に告げた。

 

「ですから、私たちの初めてをあなたに贈ろうと、決めたんです」

 

「……初めて?」

 

「ええ」

 

 もはや何を言っているのか理解していないローグハンターの消え入りそうな問いかけに、女魔術師は得意気に頷くと、誘うように彼の身体にすり寄り、頬を撫でた。

 

「受け取って、くれますよね……?」

 

 彼の反応に不安になったのか、恐る恐ると言った様子で問うと、ローグハンターはゆっくりと首を傾げ、「いいのか?」と最終確認。

 彼女らが贈ろうしている初めては、格好からしてあの初めてだろう。

 それは添い遂げる決めた人たちに贈るべきものだろうし、少なくとも自分なんかに贈っていいものではない。

 その質問にはそんな意図が込められているのだが、少女たちの解答は首を縦に振っての肯定だ。

 ならばこちらが覚悟を決める番と、ローグハンターは表情を引き締め、「わかった」と一言告げた。

 そんな表情をしている彼自身気付いてすらいないのだが、彼女ら三人にとって、彼こそが生涯を懸けて愛し、添い遂げたい人物であるのだ。

 

 

 

 

 

 普段なら物音一つしない室内に、極力音を抑えたリップ音が静かに響いていた。

 

「んっ……ちゅ……ふっ……ちゅ……」

 

 ベッドに押し倒した挙げ句に下着を剥いだ女魔術師に覆い被さり、彼女の唇に口付けしているのだ。

 啄むように触れては離れを繰り返す優しい口付けを数度繰り返していく内に、女魔術師は心地よさそうに表情を緩め、彼に全てを任せるように身体から力を抜いていた。

 そんな彼女の反応をどこか嬉しく思いつつ、ローグハンターは一旦口付けを中断し、彼女の首筋、鎖骨に吸い付き、唇の痕を残す。

 

「あっ……」

 

 それに気付いた女魔術師は喜色の孕んだ声を漏らすと、彼の口付けは更に下へと進んでいった。

 豊かな胸の胸元、乳首のすぐ隣、臍の近く、そして最後に太ももの内側に痕をつけると、ふとシーツが湿っている事に気付いて目を細めた。

 彼女の股関の辺りのシーツに染みができ、色が濃くなっているのだ。

 

「キスだけで感じたのか」

 

「……っ」

 

 ローグハンターがいつも通りの淡々とした口調で問うと、女魔術師はビクリと肩を震わせ、彼の視線から逃れるように顔を背けた。

 その先にじっとこちらを見つめてくる女神官と女武闘家の二人がいたことに気付くと、慌てて顔を逆に向けた。

 ローグハンターはそんな彼女の姿に苦笑を漏らすと、湿り気を帯びた彼女の秘裂に口付けを落とし、舌を這わせた。

 

「ひゃ!?」

 

 突然感じた生温かさと、電撃が走るような快感に悲鳴を漏らすと、ローグハンターは顔をあげて「大丈夫か」と問うた。

 

「大、丈夫……ですっ……!」

 

 女魔術師は強がるように笑みを浮かべながら返すと、ローグハンターは「ならいい」と優しく笑みながら返し、「続けるぞ」と告げて彼女の股に顔を埋めた。

 そのまま氷菓子を舐めるようにペロペロと舌を這わせ、秘裂から溢れてくる愛液を舐めとり、代わりに唾液を塗りたくる。

 

「ひゃっ!あっ!んっ!ひぃっ!あっ!」

 

 舌が上下に揺れる度に女魔術師の口から嬌声が漏れ、ビクビクと身体が痙攣を繰り返す中、彼女は何かを耐えるようにシーツを掴んだ。

 

「ひっ!うっ!あっ!はっ!んんんっ!」

 

 ローグハンターのゆっくりとした愛撫に身体を揺らしながら口を継ぐむと、彼は指で秘裂を開き、舌を突っ込んだ。

 

「ひぐぅ!?」

 

 女魔術師が突然胎内に入り込んできた異物感に目を剥くと、ローグハンターは膣肉を解すように舌を動かし、ぐりぐりと舌の力のみで膣肉を押したり舐めたりを繰り返す。

 

「ひゃっ!?ひっ!うぁ!あっ!はっ!はぁっ!?」

 

 先ほどよりも優しい筈なのに強烈になった快感に喘ぎながら、彼の舌がある部分を舐めた瞬間、ビクンと腰を跳ねさせた。

 ローグハンターは愉快そうに目を細めると、今しがた舌が触れた部分を重点的に舐め始めた。

 

「ひぎっ!あっ!ああっ!あぐ!あひっ!ひゅっ!」

 

 そうなれば後は簡単で、女魔術師は上擦った声で喘ぎながらビクビクと腰を震わせ、首をぶんぶんと振り回した。

 彼の舌が這う度に背筋が震え、彼に舐められた膣肉がわななき、司会が点滅を繰り返す。

 初めて感じる感覚に恐怖が過るが、それは快感に流れてすぐに消え、それを貪らんとする本能が顔を出し始める。

 

「あっ!はっ!いぃっ!いいっ!そこ、そこもっとくださいぃっ!」

 

 女魔術師が求めるようにそう叫ぶと、ローグハンターは膣肉を舐めながら愉快そうに目を細め、がくがくと震える彼女の腰を押さえ付け、舌の動きに全神経を集中させた。

 彼女の急所を寸分の狂いなく、かつ慣れさせないために緩急をつけて、ひたすらに快感を叩きつける。

 

「ひぎゅ!あっ!はっ!あっ!あっ!あひっ!んぃ!なに!?なに、なにか、きますっ……!」

 

 一方的に与えられる快感に喘ぎながら、女魔術師はなけなしの理性で声をあげると、ローグハンターは舌の動きを一層激しくさせた。

 捉えた彼女の急所を決して逃さず、ひたすらに舐め続ける。

 

「あっ!はっ!あひっ!ひぁ!?だ、だめっ!なにか、なにかきましゅぅううううっ!!」

 

 女魔術師が叫んだ瞬間、彼女の腰はローグハンターの拘束が離れるほどの勢いで跳ね上がり、ビクビクと小刻みに痙攣を繰り返す。

 同時に秘裂から透明な液体が吹き出し、ローグハンターの顔を濡らす。

 ローグハンターが反射的に顔を離すと、舌の愛撫だけで絶頂を迎えた彼女の身体は浮かんだ腰をがくがくと痙攣させ、音をたてて潮を吹き出す。

 

「はひゅ!ぎぃいっ!ああああああっ!!」

 

 舌が抜けてもその余韻が残っているのか、何もしていないのに絶頂し、ぷしぷしと音をたてて潮を吹く。

 十数秒をかけて絶頂が追い付いた彼女が腰を落とすと、ローグハンターがベッドと腰の間に腕を差し込んで支えてやると、勃起した逸物を濡れすぼった彼女の秘裂に当てた。

 素肌よりも熱い逸物の熱に当てられた女魔術師が「あっ」と声を漏らして身体を揺らすと、ローグハンターは微笑みながら「行くぞ」と告げた。

 そして彼女の返事を待たずに腰を突き出し、己の分身で彼女の胎内を貫いた。

 

「ぎっ……!」

 

 ぶちりと何かが裂ける嫌な音が秘部から漏れ、女魔術師が痛みに耐えるように身体を強張らせると、ローグハンターは彼女の頬を優しく撫でた。

「ふっ……ぅ……くっ……」と胎内を支配する圧迫感と痛みに声を漏らす彼女が流した涙で指で拭い、「大丈夫か」と問いかけた。

 

「少し……待って……くださいっ……」

 

 女魔術師が痛みを堪えるように深呼吸を繰り返しながら言うと、ローグハンターは「わかった」と素直に頷いた。

 そして彼女の頬を撫でたり胸に触れたりして数分ほど待つと、「もう、大丈夫、です……っ!」と気合いの入った声で告げられた。

 

「なら、動くぞ」

 

「どう、ぞ……」

 

 でもゆっくりと女魔術師が付け足そうとすると、それよりも早くローグハンターが腰を振り始めた。

 しかも情け容赦なく、手加減なしだ。

 

「あぎっ!?あっ!あぐ!ひっ!あっ!あっ!はっ!」

 

 パンパンと音をたてて腰がぶつかり合い、子供の腕ほどありそうな逸物が、いまだに解れていなかった膣肉を強引に掻き分け、かりで引っ掻き回す。

 かりが膣肉を掻き回し、亀頭が子宮口を殴る度に女魔術師は嬌声をあげ、膣肉が逸物を扱くように蠢く。

 

「あひっ!んんっ!あっ!はっ!はん!あんっ!」

 

 どこか苦し気だった声は喜色に染まり、悦びを表すように膣肉が逸物に吸い付き、普段は知的な表情がだらしなく蕩けていく。

 その様を見せつけられたローグハンターは、笑みを浮かべながら目を細めると、彼女の両手を押さえ付け、腰を限界まで突き出したまま、亀頭でぐりぐりと子宮口を責め立てる。

 

「んぃっ!んぉぉ!おぐっ!とどぃてますぅ……っ!」

 

 女魔術師が背筋を震わせながら言うと、ローグハンターは「当てているからな」と至極当然のことのように言った。

 そのまま彼女の反応を確かめるように腰を左右に動かして子宮口を擦ってやれば、「ひぎっ!」と声を漏らして目を見開いた。

 途端に膣肉が少々痛みを感じるまでに引き締まり、蠢くひだに扱かれる逸物の内側を、熱いものが登っていく。

 だがそれを表情には出さず、ローグハンターは「ここが良いのか」と確かめるように告げて、彼女の子宮口を重点的に責め立てる。

 ぐりぐりと子宮を押し潰すように亀頭を押し付け、のの字を描くように逸物を操って子宮口を捏ねてやる。

 

「ひぎっ!ああああっ!あひっ!ひぃ!ああああああああっ!!」

 

 こりこりと音が漏れる度に女魔術師の身体は跳ね、絶頂が近いのか膣肉が痙攣を始める。

 ローグハンターも余裕を無くしながらも笑みを浮かべ、彼女に問うた。

 

「イきそうなのか……っ!」

 

「ひゃ、ひゃいっ!イきましゅ!あなたも、いっしょにぃぃいいっ!」

 

膣内(なか)……は、駄目だよなっ!?」

 

「いいんれすっ!きょうはらいじょうぶれすからっ!ぜんぶ、くだしゃいっ!」

 

 与えられる快感に呂律が回っておらず、下手をしなくても何を言っているのかわからないが、それでも彼には伝わったのか、「わかった」と頷き、そして、

 

射精()る……っ!」

 

「んぃい!?ああああああああああっ!!」

 

 間も開けずに射精が行われ、子宮を満たした熱と吐精の勢いに押され、女魔術師は絶頂を迎えた。

 どろりとした精液が瞬く間に子宮を満たし、結合部からは破瓜の血と精液、潮が混ざった白濁液がこぼれ、シーツを淫らに汚していく。

 そして数十秒の吐精を終えたローグハンターが逸物を引き抜くと、かりが秘部の入り口を引っ掻き、女魔術師は「ひんっ!」と嬌声をあげた。

 そして身体を弛緩させてベッドに伸びながら、乱れた呼吸を繰り返して焦点の合わない視線を天井に向けていた。

 ローグハンターがホッと息を吐いて倦怠感を振り払うと、横合いから抱きつかれて二の腕が柔らかい何かに包み込まれた。

「ん?」と声を漏らしてそちらに目を向ければ、欲情しきった表情を浮かべた全裸の女武闘家が、じっと見つめ返してきた。

 

「もう、我慢、できませんっ!」

 

 彼女はそう告げるとローグハンターの身体を押し倒し、彼の上に股がる。

 自慰でもしていたのか、びちょびちょに濡れた秘裂を彼の腹筋に擦り付け、ベタベタに汚しながら恍惚の表情を浮かべた。

 自分も鍛えているのだが、それを軽く越える固さを持つそこは、ゴツゴツしているからか擦れるだけでも気持ちが良い。

 

「あっ!あっ!んんっ!あっ!ああっ!」

 

 女武闘家は必死になって腰を前後に揺らしながら身体を震わせると、勢いよく身体を倒して彼の身体に身を任せる。

 豊かな胸が胸板に潰されて柔らかく形を歪め、勃起した乳首が擦れて痺れるような快感が胸を中心に広がっていく。

 

「はぇっ!んひっ!ああっ!はひっ!」

 

 喘ぎながらかくかくと腰を揺らし、一方的に快感を受け取りながら、蕩けた瞳で彼の蒼い瞳を見つめる。

 二人の視線が交錯すると、女武闘家は堪らず彼の唇に吸い付き、僅かに開いていた隙間から舌を捩じ込んだ。

 迎え入れるように待ち構えていた彼の舌に絡み付き、じゅるじゅると音をたてて唾液を塗りたくり、彼の唾液を舐めとる。

 

「じゅる!じゅるる!んちゅ!ちゅ!んーっ!!」

 

 だが途中でローグハンターが反撃を始め、彼女の舌の拘束を抜けると、そのまま口内に滑り込む。

「んぶ!」と思わずえづいた女武闘家を他所に、ローグハンターは彼女の口内を舐め回し、歯の裏側を舐めると、彼女の背筋がぞくぞくと震える。

 

「んっ!じゅる!んふっ!ふっ!ぷぁ!」

 

 その感覚が心地よいものの、流石に限界を感じて顔を離すと、肺一杯に淫行の残り香が香る空気を吸い込み、恍惚の表情を浮かべて熱のこもった吐息を漏らした。

 そして背中越しに固さを取り戻した彼の逸物に目を向けると、腰を浮かせてその上に移動する。

 彼の逸物を手で支えて秘裂に添えると、「行きますよ」と告げてへにゃりと笑った。

 

「ああ。任せるよ」

 

 ローグハンターが寝転びながら肩を竦めると、女武闘家は嬉しそうに笑い、勢いよく腰を落とした。

 ずりゅ!と湿った音を響かせて逸物が胎内に入り込み、物欲しそうに降りていた子宮を殴り付けた。

 

「かっ……はっ……あっ……」

 

 結合部から破瓜の血を流しながら、女武闘家は胎内を支配する圧迫感に肺の空気を押し出されると、ピクピクと身体を震わせた。

 

「……大丈夫か?」

 

 そんな彼女を見上げながら首を傾げると、「大……丈夫……ですっ」とあまり余裕の無さそうな声で返される。

 

「なら、良いんだが」

 

 ローグハンターが僅かに心配するような声音で言うと、女武闘家は僅かに逸物の形に盛り上がった腹筋を撫で、気合いを入れるように一度深呼吸をした。

 そして彼の腹筋に手をつくと、ゆっくりと腰を持ち上げ、勢いよく降ろす。

 パン!と鋭い音をたてて臀部を叩きつけると、「ひん!」と声を漏らしながら目を剥いた。

 身体をビクビクと痙攣させながら「あっ!ひっ!あっ……!」と切なそうな声を漏らし、再び腰を持ち上げ、打ち付ける。

 

「ひゃん!」

 

 また嬌声をあげながら身体を跳ねさせると、間髪入れずに腰を持ち上げ、打ち付け、すぐにまた持ち上げて、打ち付けるを繰り返す。

 

「ひん!あん!ひゃ!あん!あっ!はっ!はっ!はん!」

 

 そこまで来てしまえば、もう止まることは出来なかった。

 胎内を締めていた圧迫感はとうに消え、代わりにくるのは、爪先ら脳天までを駆け抜ける強烈な快感だ。

 未知の感覚に恐怖を覚えている筈なのに、身体はそれを求めて止まず、女武闘家は自分でも訳がわからないままに腰を振るっていた。

 

「あっ!あん!あっ!はっ!はぅ!ひぅ!ひっ!はひっ!」

 

 腰を上下に揺らす度に嬌声をあげ、豊かな胸がぶるんぶるんと大きく揺れ、ローグハンターを視覚から満足させていく。

 辛抱堪らずに彼がその胸に手を触れれば、「ひゃん!」と喜色の孕んだ声が女武闘家の口から漏れた。

 そのまま胸の柔らかさを堪能するように指を蠢かせれば、「ひぅ!あっ!んぅぅ!」とくすぐったそうに身動ぎし、身体を捩れば逸物のかりが膣肉を掻き回して快感を与えてくる。

 だが先程までの暴力的な快感には程遠く、今度は女武闘家が辛抱堪らなくなり、腰の動きを再開した。

 

「ひぐ!あっ!あん!はっ!あひっ!んんっ!んーっ!」

 

 結合部からぐちゃぐちゃと湿った音を響かせ、球のような汗を浮かべながら身体を揺らす彼女の姿は扇情的で、動きに合わせて揺れる黒い髪が月明かりに照らされて艶々と輝く。

 その様を見せつけられたローグハンターは生唾を飲むと、上下する彼女の動きに合わせ、思い切り腰を突き上げた。

 

「ひぎぃ!?」

 

 めりっ!と嫌な音をたてて子宮を押し潰された女武闘家は、ついに耐えきれずに絶頂を迎えた。

 背中を弓なりに反りながら絶頂に震え、「あっ……へっ……」と意味のない声を漏らしていると、動かなくなった彼女に変わってローグハンターが腰を振り始めた。

 

「ひぐっ!んぉ!?ぐっ!おぉ!おぶっ!んぉお!?」

 

 突かれる度に肺の空気が押し出され、かふかふと変な音をたてて空気を吐き出す女武闘家を他所に、ローグハンターが告げる。

 

射精()すぞ。どこがいい」

 

「なかっ!ぜんぶ、なかにくだしゃいっ!」

 

 彼の言葉に考えもなしに返すと、自分でも腰を振り始めた。

 結合部からぐちゃぐちゃと淫靡な音が木霊し、続いて嬌声があがる。

 

「ひゃっ!あんっ!イきますっ!イきましゅぅ!」

 

「ああっ……!俺も……っ!」

 

 ローグハンターが絞り出すように唸ると、浮きあがった彼女の腰を両手で掴み、一気に引き寄せた。

 予期せぬタイミングで最奥を貫かれた女武闘家は「ひっ!?」と甲高い悲鳴を漏らしながら絶頂を迎え、押し潰された子宮に向けて吐精が行われた。

 

「ひっ!あああああああああああああっ!!」

 

 二度目の射精にも関わらず、どろりと粘っこい精液は女武闘家の子宮を満たし、溶けた鉄を思わせる熱量が身体中を駆けていく。

 背中を弓なりにしならせながら「あ゛……っ!ぉ゛……!ぅ゛……っ」と獣じみた唸り声を漏らす女武闘家が倒れそうになると、ローグハンターが身体を起こして彼女の身体を抱き寄せた。

 初めてにも関わらず頑張ってくれた彼女を労うように髪を撫でてやれば、全身に感じる彼の体温と髪を撫でられる心地よさに目を細め、だらしなく開いた口からは熱のこもった息を漏らす。

 

「はっ……へっ……んん……っ」

 

 ピクピクと身体を揺らしながら喘ぐ彼女の髪を撫でてやりながら、ローグハンターは首を巡らせて部屋を見渡し、ベッドの影から僅かに顔を出している金色の毛玉に目を向けた。

 ゆっくりと女武闘家をベッドに寝かせた彼は逸物を引き抜き、その毛玉──女神官の方へと近寄り、そっと覗きこんだ。

 

「うぅ……」

 

 服を脱いだまではいいものの、落ち着いてからは流石に羞恥心が勝ったのか、彼の視線から逃れるように丸くなっているのだ。

 

「何をしているんだ……?」

 

「ひゃい!?」

 

 ローグハンターが頭を撫でてやりながら問うと、女神官はようやく彼の接近に気付いて肩を跳ねさせると、ゆっくりと彼の顔を見上げた。

 いつもの優しげな笑みを浮かべる彼の顔を前に、女神官は急に羞恥心に苛まれ、「み、見ないでくださいっ!」と声を震わせながら顔を背けた。

 言われたローグハンターは多少驚きはしたものの、フッと苦笑を漏らして彼女の華奢な身体を持ち上げ、ベッドの上に寝かせた。

「ひゃ……っ!」と可愛らしい悲鳴をあげる女神官の頬を優しく撫でると、そっと秘裂に指を這わせた。

 

「あんっ!」

 

 突然感じた快感に声をあげた女神官は、ハッとして自分の指を噛み、続けて与えられる快感に声を殺しながらも身動ぎを繰り返す。

 

「気持ちいいか?」

 

「んっ!んんっ!んーっ!!」

 

 ローグハンターが問いながら指を動かすと、女神官は快感に身体をビクビクと痙攣させ、けれど恥ずかしそうに赤面しながら頷いた。

 

「そうか……」

 

 その反応に嬉しそうに頬を緩めたローグハンターは、何を思ってか一度愛撫を止め、女神官に問いかけた。

 

「嫌な言ってくれ。俺だって無理やりしたい訳じゃない」

 

「っ!そんな、嫌だ、なんて……っ」

 

 彼の問いに女神官は慌てて首を振ると、「でも……」と続けて顔を伏せ、少々不安そうにぼそりと告げた。

 

「私の身体で、満足させられるのかなって……」

 

 彼女はちらりといまだに余韻に浸っている女魔術師と女武闘家に目を向け、続けて自分の身体に目を向けた。

 二人の身体に比べて、どことは言わないがだいぶ華奢な身体つきだ。肉付きが悪いとも言える。

 

「その、男の人って、大きい方がお好きなのでは……?」

 

「知るか」

 

 女神官の割りと切実な悩みを問われたローグハンターは、無慈悲なまでにその悩みを切り捨てると、彼女に告げた。

 

「俺はどんな身体だろうが、そいつが好きと言ってくれるなら、受け入れる。だから、これだけ聞かせてくれ。俺で、良いのか」

 

 真剣な面持ちで真正面から投げられた問いに、女神官は慈愛に満ちた笑みを浮かべ、「あなたが、いいんです」と告げて彼を抱き寄せた。

 

「私はあなたが好きです。大好きです。ですから、その……」

 

 彼の耳元でそう告げた彼女は彼を解放すると、顔を真っ赤にしながら自分で秘裂を開き、彼に言った。

 

「私の初めて、あげます……っ!」

 

「──」

 

 勢いに任せて放たれた言葉を受け取ったローグハンターは生唾を飲むと、こくりと一度頷いた。

 

 

 

 

 

「ひぁ!あん!あっ!はっ!あん!あっ!かひっ!」

 

 パンパンと肉同士がぶつかり合う淫靡な音を響かせながら、女神官は叩きつけられる快感に嬌声をあげ、ビクンビクンと身体を震わせていた。

 もっとも自分よりも遥かに大きく、筋肉質なローグハンターの身体に覆い被さられているため、跳ねたり捩ったりは出来ないのだが、逆に言えば身体が固定されているのと同義だ。

 故に胎内を貫く衝撃を逃がすことが出来ず、快感を伴った衝撃が脳天にまで達し、女神官の脳を揺さぶっていた。

 

「ひぎっ!ローグ、ハンター、さんっ!待って、まっへくださいぃ!!」

 

「それは無理だ……!」

 

「んぎぃ!?」

 

 女神官からの制止の声を振り払い、ローグハンターは思い切り腰を叩きつけた。

 スパン!と鋭い音をたてて逸物を最奥まで差し込み、すぐさま引き抜いて再び挿れる。

 それを繰り返すうちに、結合部からは破瓜の血が混ざった愛液がこぼれ、彼女の可愛らしい臀部とシーツを汚し、彼の逸物をコーティングしていく。

 ふっふっと短く、鋭く息を吐きながら腰を揺らすローグハンターの真剣な顔を見上げながら、女神官は僅かに表情を蕩けさせた。

 

 ──気持ちいい……。きもちいいですぅ……。

 

「あひっ!あっ!はへっ!はひっ!はっ!あんっ!」

 

 神殿に遣えているという都合上、無意識の内に溜め込んでいた性欲が、命懸けの冒険を繰り返していく内に膨れ上がり、これを機会に爆発してしまったのだろう。

 

「あん!あっ!いぃ!きもちいいですぅう!!もっと、もっとくらはいっ!」

 

「……っ!ああ、任せろ……!」

 

 突然変わった彼女の反応に一瞬驚きはしたものの、ローグハンターは得意気に笑って腰の動きを速めた。

 

「はひっ!そこですぅ!そこ、いいですぅ!あん!あっ!ひゃん!」

 

 かりが膣肉を掻き回し、亀頭が子宮を押し潰し、吸い付いてくる膣肉を掻き分ける。

 

「ひゃん!あっ!あふっ!んぃいいっ!あっ!ひん!」

 

 まだ幼さの残る顔を快感に歪める女神官を見下ろしながら、ローグハンターは汗で額に張り付いた前髪を手で退かしてやると、にこりと笑って彼女に告げた。

 

「そろそろイくぞ」

 

「ひゃい!くらしゃい!あん!うけとめましゅ!ぜんぶぅ!うけとめますっ!かりゃ!」

 

 快感で呂律が回らない女神官は快感に震えながらそう言うと、ローグハンターは思い切り腰を打ち付け、溜めていた欲望を解放した。

 

「ひっ!?あああああああああああっ!!!」

 

 未体験の熱さに目を剥いた瞬間、胎内を満たした熱と快感に絶叫し、絶頂を迎えながら彼の精液を受け止めた。

 だが小さな彼女の子宮はすぐさま満杯になり、子宮口から逆流して結合部からどろりと溢れる。

 

「あぃいいいっ!?ああああああああっ!!」

 

 秘裂から精液が吹き出す感覚に身体を痙攣させて絶頂を迎える女神官を他所に、ローグハンターはぎゅっと彼女の身体を抱き締めて、言われた通りに全てを注ぎ込む。

 そして全ての精液が吐き出された瞬間、「あっ……」と女神官は小さく声を漏らし、くたりと身体を弛緩させた。

 

「やり過ぎたか……」

 

 身体を震わせながら失神した女神官を見下ろしながら、ローグハンターは苦笑を漏らすと、彼女の胎内に挿れたままの逸物を引き抜いた。

 そして戦闘のそれとは違う凄まじい倦怠感に息を吐くと、今度は背後から抱き締められた。

 背中に感じるのは柔らかな二つの果実の感覚と、温かな体温だ。

 振り向いてみればそこには復活した女魔術師がおり、情欲に燃える瞳でローグハンターを睨んでいた。

 その瞳を覗きこんだ彼は肩を竦めると、「まだやれるのか……」と困ったように首を左右に振った。

 

「今、夜は……寝かせませんっ!」

 

 そんな彼に向けて女魔術師が宣言すると、その背後では女武闘家が立ち上がろうとしていた。

 

「そっちがそのつもりなら、いくらでも……」

 

 ローグハンターは苦笑を浮かべながらそう告げると、女魔術師が彼を押し倒した。

 夜はまだ始まったばかり。若者たちの性欲の強さは、底知れずだ。

 

 

 

 

 

 翌朝、同所。

 かちゃかちゃと金物がぶつかる音をたてながら装備を整えていくローグハンターは、ベッドに目を向けて鼻から息を吐きながら肩を竦めた。

 

「へっ……あっ……んへぇ……」

 

「ひぐっ!あっ!へっ!んぃい……っ!」

 

「あへぇ……ひぐっ!んへぇ……」

 

 そこには女魔術師、女武闘家、女神官の三人が寝ており、三人の秘裂からはごぼごぼと音をたてて精液が吐き出され、美しい肢体も白く汚されている。

 何とも淫らな光景を眺めながら、それでもローグハンターは余裕の笑みを浮かべた。

 

「まだまだ若い奴には負けられないからな」

 

 三人の性欲がそうだったように、この男もまた凄まじい性欲を持ち合わせていた。

 彼の身に流れる血がそうさせるのか、あるいは単なる体質なのかは、彼は知るよしもないが、ただ一つ言えるとすれば。

 

「だが、満足は出来た。ありがとうな」

 

 彼は微笑みながらそう告げると、さっさと部屋を後にして仕事に向かった。

 彼が去った部屋からは、三人の少女の呻くような嬌声が、しばらく漏れ続けたそうだ。

 

 

 




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Memory?? 検査 ※

リクエストから。
ヒロインは牛飼娘。

時期的にはエピローグ後。
ローグハンターらの活躍で野盗が激減、発展を遂げたものの、念のため設置された検問所による一幕。
本編の辺境の街にあるかは不明ですがね。

この世界線だとゴブリンスレイヤーはおらず(姉を救おうとして死亡?)、ローグハンターが『ローグハンター兼ゴブリンスレイヤー』みたいな扱い。

牛飼娘との出会いは、この世界に転がり込んできた場所が、勇者ちゃんの村ではなく牧場だったから。
勿論依頼として勇者ちゃんの村に出向き、しっかり救っているのでそこは問題なし。

まあ、IFルートってことで。

……真面目な話、牛飼娘ヒロインルートは初期プロットの一つで、勇者ちゃん妹化計画に負けて没にしたルートだったりする。
その後プロットには影もなかった不動のヒロインが出てきちゃいましたけどね!





 ならず者殺し(ローグハンター)と呼ばれる冒険者の活躍で野盗が激減し、他の辺境に比べて人の往来が激増した辺境の街。

 それは一層の発展の後押しにもなることだが、同時にそれに紛れて都から逃げてきたお尋ね者や、冒険者でもない無頼漢が入り込む危険も増すこととなり、その事態を重く見た街の代表者たちが話し合い、街の入り口に検問所を置くことにしたのだ。

 初めの内は検査を受ける側もする側も慣れず、街に入るのに数十分もかかるなんて事もあったが、今ではお互いに慣れて数分もかからずに街に入る事が出来る。

 

 ──はずなんだけどなぁ……。

 

 牛飼娘は検問所のとある一室に通され、窓の外を眺めながら、小さくため息を吐いた。

 牧場から食料だ何だのを配達しに来たのだが、どうやら通行証を忘れるというぽかをやらかしてしまったらしい。

 

 ──ちゃんと入れたと思ったんだけど……。

 

 牧場を出る前に数度に渡って確認をして、ちゃんと入れてきたと思ったのだが、どうやらどこかで落としたか、あるいは何かと間違えでもしたのだろう。

 だが、そうだとしても、どこで落としたか、何と間違えたのかと次々に問題が浮上し、牛飼娘はうーうーと唸りながら首を傾げ、考える。

 そして数分して「考えても仕方ないか」と呟くと、脱力するように机に突っ伏し、退屈からか、随分と長いこといるような気がしてきた部屋を見渡すことにした。

 自分が座っている椅子と突っ伏している机。自分と対面するようにもう一つ椅子が置かれ、壁には書類を置くためなのか小さめの机と、なぜか姿見が置かれている。

 姿見を除けば、取調室というのはこんな部屋なのだろうかと考えて、なるほど確かにと頷いた。

 通行証を忘れただけとはいえ、決まりがあるのだろう。

 現にここに通した兵士たち──もはや顔馴染みだ──も、申し訳なさそうな顔をして「これも仕事なので……」とペコペコしていた。

 彼らもこれで稼ぎ、家で待っている家族を養っているのだから文句は言うまい。

 そんな事を思っていると扉が数度ノックされ、「失礼します」と声がかけられた。

 牛飼娘が慌てて身体を起こすと、扉からきっちりと制服を着こなした男性職員が現れ、「お待たせして申し訳ありません」と謝りながら机に何やら書類を置き、牛飼娘の対面に腰を降ろした。

 健康的に日に焼けた肌に、金色の双眸。身体は鍛えているのか、制服越しでもがっしりとしている事がわかる。

 髪の毛は帽子を被っているため見えないが、帽子に隠れるのならそこまで長くはないのだろう。

 腰に帯剣をしてはいるものの顔には傷一つなく、あくまで護身用に剣を下げ、最低限の技量(スキル)がある程度なのだろう。

 

 ──なんて、素人の私にはわかんないけど……。

 

 牛飼娘が男性職員に気付かれないようにため息を吐くと、彼はにこやかな笑みを浮かべ、はきはきと活発な声で彼女に告げた。

 

「では、書類の確認の上、サインを」

 

 そうして差し出されたペンを受け取った牛飼娘は「わかりました」と笑みを返しながら頷き、書類に視線を落とした。

 内容と言っても、どのから、誰が、何のために、何を運んできた、という簡単なものだ。

 そこに筆を走らせて一つ一つ項目を埋めていき、全てを終えたら「出来ました」と書類を差し出す。

 

「──」

 

 だが男性職員は差し出された書類を受け取らず、彼女に魅入るようにボケッとしており、牛飼娘は首を傾げた。

 

「あの……?」

 

「ああ、いえ。申し訳ありません……」

 

 彼女の声にハッとした男性職員は慌てて書類を受け取り、その内容を確認しながら牛飼娘に目を向けた。

 ちらちらと何かを求めているような、何かに気付いて欲しいような、何とも複雑な視線だ。

 ただそこに邪な感情は感じられず、牛飼娘は髪や肩に手を触れて身だしなみに意識を向けた。

 

「……?」

 

 ただ汚れがついている様子はなくいつも通りで、牛飼娘は余計に首を傾げた。

 そんな彼女の様子をちらちらと伺っていた男性職員は彼女に気付かれないようにため息を吐いて立ち上がると、牛飼娘に背を向け、ほんの一瞬()()()()()双眸を細めた。

 

「……案外気付かないものか」

 

「何か言いましたか?」

 

「いいえ。書類に不備はありませんが、もう少しご協力をお願いします」

 

 牛飼娘の声に振り向いた男性職員は金色の双眸に彼女を写しながら笑みを浮かべると、書類を部屋の脇に置かれていた小さな机に置き、どこか淡々とした声音で告げた。

 

「これから身体検査(ボディーチェック)をしますので、立ち上がって両腕を広げて下さい」

 

「……?えっと、こうですか?」

 

 言われるがまま立ち上がった牛飼娘は言われた通りに両腕を広げた。

「ええ、そのまま」と返した男性職員は「失礼します」と一言告げてから背後に回り、慣れた手つきで彼女の腕や太もも、ふくらはぎ等に触れ、何か隠されていないかを確かめ始めた。

 見知らぬ異性に身体を触られるというは酷く気持ちが悪いが、その手つきはあくまで事務的で、(やま)しさやいやらしさは感じられない。

 あくまで仕事と割りきっている、玄人(プロ)の手つきに僅かに安堵の息を漏らすと、気を緩めた為かくすぐったさに思わず身動ぎしてしまう。

 

「あまり動かないで下さい」

 

「うぅ……すみません……」

 

 男性職員の手が腕や足を右往左往する度に彼女の身体はピクピクと震え、「あっ」とか「ふっ」とか、何故だか艶っぽい声が漏れる。

 

「……」

 

 その声に眉を寄せながらも、男性職員は変わらぬ手つきで彼女の身体を探り、手足を終えれば次は腹だ。

 同年代の女性に比べれば、牧場の手伝いで固く、あまり彼以外には触れて欲しくないのだが、ここは仕方がないと割りきってされるがままだ。

 ペタペタと腹を触られ、そのまま腰を撫でられ、背中を撫でられ、そして最後に、

 

 ──豊かな胸を鷲掴みにされた。

 

「……ふぇ?」

 

 突然の事態に彼女が間の抜けた声を漏らすが、男性職員は動じた様子もなく胸を堪能するように指を蠢かせると、谷間を調べるように手を突っ込み、柔らかさを堪能する。

「あ……え……?」といまだに持ち直せない牛飼娘を他所に、男性職員は胸から手を離して肩に手を触れ、そのまま伸ばされた腕の先に指が這っていく。

 

「え……あの……」

 

 牛飼娘が恐る恐る振り向くと、男性職員は邪悪な笑みを浮かべながら彼女の両手を掴み、告げた。

 

「女というのは、物を隠せる場所が多いですから」

 

「な、なに言って──!きゃ!?」

 

 そのまま彼女の抵抗を封じるように両手を後ろ手に組ませ、手首の辺りを布で縛ると、背中を押して机に倒した。

 すぐに身体を起こして逃げようとするが、背中に手を置かれ、万力なような力で押さえつけられて動くことは叶わない。

 背中を押し込む力が増す度に豊かな胸が潰れ、はみ出した横乳が男性職員の視線を釘付けにする。

 

「街に住む人々の為、僅かな不穏因子さえも逃す訳にはいかないのです」

 

「そ、そうかもしれませんけどっ!は、離して──」

 

「少しうるさいです」

 

 どうにか頭を横に向けて睨んでくる牛飼娘を睨み返しながら、ズボンのポケットから取り出したハンカチを、彼女の口に突っ込んだ。

 

「んぐ!?」

 

「これで静かにしてくれますかね?では、続けます」

 

 ハンカチを吐き出そうと「んー!んー!」と声を出す牛飼娘を他所に、男性職員は慣れた手つきで彼女が穿いているズボンのベルトの留め具を外し、ゆっくりと降ろし始めた。

 

「んん!?んーっ!んんんっ!」

 

 ゆっくりと臀部を包んでいた布の感覚がなくなり始めると、牛飼娘は目に涙を浮かべながら足を振り回し、どうにか抵抗するが、

 

「ですから、うるさいです」

 

 男性職員は嗜虐的な笑みを浮かべながらそう告げて、降ろしていたズボンを膝の辺りで止めた。

 そこまでされて、牛飼娘はハッとした。

 服とは脱がし方次第で簡易的な拘束具になると、彼から実演込みで教えられたのだ。

 その後、拘束を解いてくれずに一晩中玩具にされた訳だが、あの時は相手が彼だから安心感があった。

 だが今回はどうだ。相手は見知らぬ男で、自分は手足を拘束されてあまりにも無防備だ。

 不意に感じてしまった恐怖に背筋を凍らせる牛飼娘を見下ろしながら、男性職員は変わらず獰猛な笑みを浮かべている。

 ズボンを降ろした手で彼女の肉付きのいい太ももを撫で、最後に日に焼けていないためか、手足に比べて白い尻の肉を撫でた。

 本来そこを守るショーツも何やら面積が小さく、尻に関してはほぼ紐のようだ。

 

「……随分と攻めた物を穿いているんだな……」

 

「んっ!?」

 

 男性職員は思わず素になりながらどこか呆れたような声音でそう言うと、ペチペチと尻を叩いた。

「んっ!んんっ!」と叩く度に身体を震わせる彼女の反応を愉しみながら、男性職員はショーツの紐に指をかけた。

 

「それでは、仕事をさせていただきますね」

 

「んん!?んーっ!」

 

 涙を流しながら首を振る彼女を尻目に、男性職員は事務的な手つきでショーツの紐を解き、それを彼女にも見える位置に置いた。

 

「んん……!んぅ……っ!」

 

 自分が履いていた下着を見せつけられた牛飼娘が、涙を流しながら塞がれた口から嗚咽を漏らすと、男性職員は武者震いしたように身体を震わせ、「ああ、くそ……っ」と素になりながら悪態をついた。

 もっともそれは一瞬のことで、一度深呼吸をした彼は再び口調を整える。

 

「綺麗ですよ。ええ、傷一つない。まるで赤子のようです」

 

「んぅ……うぅ……」

 

 つーっと彼女の尻を指で撫でた男性職員がそう言うと、牛飼娘は顔を机に押し付けて表情だけは見せないようにした。

 それでも声だけは出てしまい、男性職員の情欲をくすぐってしまう。

 彼女に見えていない事をいいことに、一瞬だけ気を抜いた男性職員は、蒼い双眸(・・・・)で彼女の背中を見つめ、昂ったような笑みを浮かべた。

 

「……動かないで下さいね。痛くはしませんなら」

 

 それでも口調だけは変えずに告げた男性職員は中腰になり、閉じられた秘裂を真正面から見つめた。

 ふっと息を吹き掛けてやれば、ビクン!と牛飼娘の身体が跳ね、秘裂がパクパクと反応する。

 男性職員はその様子を愉快そうに見つめると、彼女にも聞こえるようにわざとらしくパキパキと指を鳴らし、彼女に告げた。

 

「では、始めさせていただきます」

 

 男性職員はそう言うと自分の両手の指を舐めて湿らせ、彼女の秘裂に両手の人差し指を突っ込んだ。

 

「んぉ!?」

 

 一切濡れていなかった秘裂に二本の指が突っ込まれた牛飼娘が悲鳴をあげると、男性職員は淡々と告げる。

 

「最初は痛いと思いますが、我慢してください」

 

 ──すぐに、気持ちよくなりますから……。

 

 彼は妖しく嗤いながらそう言うと、牛飼娘は机に伏した表情を引き締めた。

 色々と予想外の出来事が連発したおかげで落ち着く間もなかったが、ようやく落ち着いてきた。

 ここまで来てしまえば、後は心を強く持つのみだ。

 彼以外の手で感じてなるものか、イってなるものかと、己の──彼の恋人としての誇りをかけて心を強く持つ。

 そう、自分はローグハンターの恋人。貴族令嬢や、有名な商人の娘との縁談を蹴ってまで想いを告げてくれた彼に、報いるチャンスではないか。

 

 ──絶対に、負けない……っ!

 

 牛飼娘は誰にも知られることなく覚悟を決めると、男性職員の責めが再開された──。

 

 

 

 

 

 それから数分ほど。痛いほどの静寂に包まれていた取調室には、

 

「んぉ!?おっ!おっ!おんっ!んんっ!んんん!」

 

「あくまで検査なので、もう少し我慢してくださるとありがたいのですが。声も、イくのも」

 

「んぉっ!おっ!おぎっ!ぶっ!ぅおおお!?」

 

「駄目ですね、これは……」

 

 口を塞がれた牛飼娘の嬌声と、困り果てた様子の男性職員の声に満たされていた。

 男性職員が挿れた二本ので膣肉をほじくる度に牛飼娘は絶頂を迎え、先程から潮を吹き続けているのだ。

 

「ここにはない。こっちにも、何もありませんね……」

 

「おぉっ!んぉぉおお!ふっ!ふっ!んぉお!?」

 

 男性職員の声を他所に、絶頂し続けている牛飼娘はパニックに陥っていた。

 男性職員が触れる場所は、どれも自分が感じやすい場所で、触れてくる手つきも優しくねちっこくて、検査というよりは愛撫のようで、

 

「んぉぉおおおおおおおお!?」

 

 牛飼娘はまた絶頂を迎えた。手つきがあまりにも彼に似ていて、心では違うとわかっていても身体が反応してしまうのだ。

 だが男性職員の検査(愛撫)は止まらず、ぐちゃぐちゃと湿った音を響かせながら、二本の指が胎内を蹂躙していく。

 

「ぶぉ!?おおおおおおっ!おぶっ!んぉ!?」

 

「ここも大丈夫。こっちも大丈夫。うん、()()()()()()何もありませんね」

 

 男性職員はそう言いながら指を引き抜き、愛液と潮でぐちょぐちょに濡れた己の指を見つめ、苦笑を漏らした。

 

「あくまで検査なのですが、随分と敏感なんですね」

 

「んぉ……っ!おっ……!ぅ……っ!」

 

 絶頂の余韻で意識も曖昧になった牛飼娘が、身体を痙攣させながら意味を持たない声を漏らしていると、男性職員はぺろりと指についた彼女の分泌物を舐めとり、口の端を不気味に歪めた。

 

「では、もっと奥も調べてみましょう。すぐに終わります」

 

 男性職員は肩を回しながらそう言うと、かちゃかちゃと音をたててベルトを外し、自分のズボンを降ろした。

 勃起した逸物がパンツを押し上げ、テントのようになっており、思わず溢れてしまった先走り汁が僅かに染みを作っている。

 男性職員は肩を竦めるとパンツをずらして己の分身を取り出すと、亀頭で彼女の尻の割れ目を撫でた。

 

「んっ……んんっ……ぅぅ……」

 

 牛飼娘は突然の熱さに身体を震わせ、どうにか逃れようと尻を振るが、後ろから見ればそれは誘っているようにしか見えない。

 男性職員はぞくぞくと背筋を震わせると、辛抱堪らずに彼女の身体を回転させて、うつ伏せになっていた彼女を仰向けに寝かせた。

 

「んっ……うぅ……っ!」

 

 目から涙を流しながら睨み付けてくる牛飼娘を見下ろしながら、男性職員は白い歯を見せるように獰猛に笑んだ。

 

「そんな顔をしないで下さいよ。虐めたくなる……」

 

「……っ!」

 

 彼の言葉に僅かな恐怖を抱いた牛飼娘は、顔を背けて彼の視線から逃れるが、男性職員は気にした様子もなく彼女の服に手をかけ、胸が見える位置まで捲り上げた。

 同年代の女性に比べて豊かな胸はブラジャーに包まれてはいるものの、その大きさに変わりはない。

 だが邪魔ではあるのか、何とも窮屈そうではある。

 男性職員は小さく息を吐くとブラジャーを上にずらし、豊かな果実と桃色の先端を部屋の空気に晒した。

 

「んんっ……!」

 

「おや、随分と勃っているようですが……」

 

 顔を真っ赤にした牛飼娘が顔を逸らすと、男性職員はピンと勃った乳首を捏ねるように指の腹で転がした。

 

「んふぅ!ふっ!んんんっ!」

 

 ピクピクと反応する牛飼娘を見つめながら、男性職員はニヤリと嗤い、そして、

 

「ふんっ!」

 

 思い切り腰を突き出した。

 

「んご!?ぉおおおっ!!」

 

 無慈悲に子宮口を殴られた牛飼娘は悲鳴をあげるが、身体は正直なのか、膣肉がビクビクと痙攣を繰り返し、両足が爪先までピンと伸びている。

 

「またイったんですか?」

 

「んんっ!んんんっ!」

 

 男性職員の言葉に牛飼娘が首を振るが、彼は「そうですか」と頷き、片手で彼女の胸を揉みしだきながら、もう片方の手で彼女の腰を押さえつけた。

 

「では、再開しますね」

 

 彼は笑みながらそう告げると、腰を振り始めた。

 パンパン音をたてて彼女の臀部に腰を打ち付けて、最奥を突く度に「んぉ!?おっ!おっ!おっ!」と声を漏らして絶頂を迎えていた。

 彼の形に合うように調教された胎内を貫く男性職員の逸物が、何故かぴったりとフィットしてしまい、必要以上に強烈な快感を叩きつけられるのだ。

 

「んぉぉ!!おぶ!んぅっ!おっ!ふっ!ふっ!ふっ!」

 

「ここら辺には何もないですね。ここはどうですっ!」

 

 男性職員が言いながら思い切り腰を突き出せば、牛飼娘は「んごっ!?」と少々苦悶にも似た声を漏らし、身体を痙攣させた。

 ビクビクと身体が震える度に結合部からは潮が溢れ、男性職員の足と取調室の床をびちゃびちゃに濡らしていく。

 

「おっ……!おっ……!んおぉ……っ!」

 

 度重なる絶頂で身体が馬鹿になってしまったのか、何もしていないのに絶頂を繰り返す牛飼い娘の胸を揉みながら、男性職員は首を傾げて僅かに思慮し、ちらりと部屋に置かれた姿見に目を向けた。

 

「何度も転がして申し訳ないっ!」

 

 男性職員はそう言うと、逸物を挿れたまま彼女の身体を転がしてうつ伏せにし、「失礼しますよ」と言って、後ろ手に縛った両手を手綱のように持ち、彼女を引き連れて机から離れた。

 

「ぉ……ぅ……んぅ……」

 

 ようやく快感の波が落ち着いたものの、いまだに心ここにあらずな牛飼娘はされるがままに歩き出すと、壁の前まで連れていかれた。

 生まれたての小鹿のようにがくがくと足が震え、力が入らないのだが、胎内を貫く太い肉の棒が支えとなり、彼女の身体を床に倒してくれない。

 男性職員は片手で彼女の口に詰めていたハンカチを抜き取ると縛った手を引いて上体を持ち上げ、強引に正面を向かせた。

 

「どうです、見えてますか?」

 

「っ……!ゃ……ぁっ…………」

 

 牛飼娘の正面──つまり姿見に映るのは、快感に蕩けた瞳を持った彼女の顔と、重量に引かれて垂れ下がった豊かな胸、そして何やら真剣な面持ちとなっている男性職員の顔だ。

 

「あなたがどんなに心を強く持とうと、私が落とします。あなたが誰かに助けを求めようと、絶対に離しません」

 

 ──あなた(お前)()のものです()

 

「……ふぇ?」

 

 突然変わった声色。それはあまりにも彼の声に似ていて、よく見れば瞳の色も金から蒼に変わっている。

 

「ぇ……ぁ……?」

 

 いまだに状況を理解できない牛飼娘を他所に、男性職員は瞬きと共に瞳の色を金色に変える(・・・)と、いやらしく笑みを浮かべた。

 

「なので、もっとじっくり、あなたの事を調べさせて貰います。時間はかけませんよ」

 

「ぁ……ぅ……」

 

 男性職員に彼の面影を感じたのも一瞬のこと。

 彼は再び上機嫌そうな声音になると、彼女の手を引いて正面を向くように固定すると、腰を振り始めた。

 

「んぉ!?あっ!あっ!あんっ!ひゃ!ひん!」

 

 一瞬気が緩んだことと、抑えるものがなくなったことで口からは嬌声があがり、突かれる度にビクンビクンと身体が跳ねる。

 

「ひぎ!あっ!はっ!はっ!ひぎ!?んぃい!!」

 

「またイきました?本当に敏感なんですねっ!」

 

「ひゃい!?ちがっ!ちがうぅ!わたし、イってにゃいっ!」

 

「嘘はいけませんねっ!」

 

「いひぃいいいいっ!」

 

 彼女の反応を愉しみながら腰を振る男性職員は、背筋を撫でたくすぐったさに目を細め、逸物を昇っていく熱い感覚に生唾を飲んだ。

 

「そろそろ射精()しますよっ!」

 

「あぎっ!やっ!やぁ!はな、してっ!やだぁ!」

 

 彼の宣言にハッとした牛飼娘は、大粒の涙を流しながら首をぶんぶんと振るが、男性職員は聞く耳を持たない。

 

「駄目です!ここまで来たら、最後まで……っ!」

 

「やだっ!やらぁ!たしゅけてっ!たしゅけてぇ!」

 

 牛飼娘は恥も外聞も捨てて叫ぶが誰も来る様子はなく、部屋にはパンパンと肉同士がぶつかり合う音が響くのみ。

 

「ぐっ!」

 

 それに混ざって男性職員の唸り声が漏れた瞬間、射精が行われた。

 

「ひっ!やだっ!やああああああああああああああっ!」

 

 子宮を支配した熱に、男性職員に膣内射精(中出し)された事を実感した牛飼娘が喉が割れんばかりに悲鳴をあげるが、彼の射精は止まる気配がなく、どろどろの精液がびちゃびちゃと音をたてて子宮に注がれていく。

 

「あぎっ!あっ!ああ……。やだ……やだよぉ……」

 

 男性職員の精液を受け止めながら力なく首を振る牛飼娘の後頭部を見つめた男性職員は、フッと妖しく笑って牛飼娘に告げた。

 

「これではまだわかりませんので、まだ続けますね」

 

「もぅやだぁ……。たすけて……だれかぁ……」

 

 彼の言葉に心が砕かれたのか、牛飼娘は力なく呟くと、男性職員は「もう、辛抱たまらんなぁ」と漏らし、腰の動きを再開した。

 

「あ……やっ……だれか……だれかぁ……」

 

 ひたすらに男の欲望をぶつけられる牛飼娘の瞳から光が消え、男の笑みがひたすらに深まっていく。

 結局彼女が気絶するまで男性職員の暴走は止まらず、牛飼娘の子宮は彼の精液で満杯にされてしまったのだった──。

 

 

 

 

 

「っ!」

 

 がばりとベッドから身体を起こした牛飼娘は、きょろきょろと部屋を見渡し、そこが自室であるとわかるとホッと豊かな胸を撫で下ろした。

 寝るときは裸なので直に触れることになるのだが、自分で触ってしまう程度なら気にもならない。

 とてつもなく嫌な夢を見ていたようだと自分に言い聞かせ、うるさいほどに響いてくる心臓の音を落ち着かせようと深呼吸を繰り返す。

 同時にこんこんと扉がノックされて、外から「入ってもいいか」と愛する彼の声が届けられた。

 

「うん、いいよ」

 

 牛飼娘は何も考えずに応じると、扉を開けてローグハンターが入ってくる。

 入ってきた彼は赤面しながら目を背けるが、「いつもの事か」と肩を竦めて彼女のベッドに腰を降ろした。

 

「配達なら俺が済ませておいた。ぐっすりだったが、随分と疲れていたんだな」

 

「ごめんね、キミだって──」

 

 牛飼娘が反射的に謝ろうとすると、「気にするな」と返されて黙らされてしまう。

 

「それにしても汗が酷いが、嫌な夢でも見たのか?」

 

「それがね……。ううん、やっぱり内緒……」

 

 牛飼娘は思わず言ってしまいそうになるが、内容が内容のため言うことはなく、「何でもない」と気丈な笑みを浮かべた。

 ローグハンターは「そうか」と呟くとブーツを脱ぎ、ベッドの上で彼女と向かい合った。

 そして自分を守るように身体を抱いていた彼女の手を取り、優しく握りしめてやる。

 

「どうしたの……?」

 

 彼が突然の甘えてくるのはよくあることだが、あまりにも突拍子がないので疑問符を浮かべると、「いや、その夢のことだが……」とローグハンターがぼそりと呟き、そして──。

 

 ──瞬く間に彼女の両手を後ろ手に縛った。

 

「……ふぇ?」

 

 裸のまま突然手を縛られた牛飼娘が間の抜けた声を漏らすと、ローグハンターは彼女を押し倒し、そのまま覆い被さった。

 

「え、あ、どうしたの……?」

 

 彼を見上げながら問うと、ローグハンターは嗜虐的な笑みを浮かべ、答えた。

 

「こんな具合に縛られて襲われる夢、でしょうか?」

 

「っ!」

 

 聞き覚えのある、むしろ夢の中で嫌というほど聞かされた声が、彼の口から放たれた。

 思わず身体を強張らせる彼女に向けて、ローグハンターは告げる。

 

「私だってショックでしたよ?変装していたとはいえ、恋人に気付いて貰えないなんて……」

 

「え……ぁ……うそ……」

 

 信じられない物を見るようにローグハンターを見つめながら呟くと、彼は苦笑混じりに頷いた。

 

「本当ですとも。ですから、なんです?」

 

 ──お仕置きでもしましょうかね……。

 

「あ……待って……やんっ……!」

 

 取調室で致したローグハンターは、牛飼い娘が気絶したのち、荷物を全てしっかりと届けると、彼女を連れて一旦帰宅。

 裸に剥いてベッドに寝かせ、彼女の記憶を混乱させたのだ。

 結果こうして彼女は一日で二度に渡って彼の玩具にされ、取調室が前戯に思えるほどにめちゃくちゃにされ、泣きを見ることになった。

 この男、敵対者に容赦がないのは勿論だが、恋人にも容赦がないのだ。

 牛飼娘は今さらになってそれを知ることになり、証拠に次の日は腰が砕けて全く動けなくなってしまったのは、もはや言うまでもあるまい……。

 

 

 

 




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Memory?? 相手は選ぶべき

リクエスト。ヒロインは剣の乙女。
だいたいは前話と同じですが、剣の乙女に敵うわけもなく……。

時期的にはエピローグ頃ですが、剣の乙女の目は見えてません。

リク主さんからは剣の乙女に前話みたいな事をして欲しいと言われたんですが、彼女相手にやれば返り討ちは間違いないということになり、許可を貰えたのでだいぶ変更しました。



 西の辺境に座する辺境の街。周囲の開拓村を支える要所であり、最近になって人の往来が激増した場所だ。

 そこには小鬼殺し(ゴブリンスレイヤー)ならず者殺し(ローグハンター)と言う、開拓民や旅行客を困らせる大きな障害を真っ先に排除する二人の冒険者の活躍あってのことだが、その片割れであるローグハンターは──。

 

「──……」

 

 真っ二つに折れた机に挟まれながら、目を回して気を失っていた。

 

「あ……あの……その……」

 

 そして彼を投げ飛ばしてしまった剣の乙女は、目の前で倒れる愛する人を見つめながら、黒布の下で見えざる瞳を泳がせていた。

 ローグハンターがこうなった経緯を説明すると、とても単純な事だ。

 剣の乙女はとある私用で辺境の街を訪れ、来訪者の急増から設置された検問所に通され、諸々と手続きを行い、最後に身体検査を行うという流れになったのだ。

 そして、問題が起きたのはここから。

 ちょうど女性の検査員が出払っていたため、当直の検査員が待たせてはならぬと気を効かせ、剣の乙女と面識のあるローグハンターに頼んだ。

 手伝いで検問所に来ることが多いローグハンターは、久しぶりに恋人に会えると軽く上機嫌になり、いざ身体検査をと何も告げずに(・・・・・・)彼女に触れた瞬間、投げられたのだ。

 剣の乙女と名高い彼女は、勿論後衛職である神官なのだが、金等級冒険者たる彼女の筋力は、他の神官と比べてものにならない。

 細いながらに力強い彼女の腕で投げられ、思わぬ事態に録に受け身も取れなかったローグハンターは、部屋に設置されていた机に叩きつけられ、そのまま気を失ったのだ。

 剣の乙女は「どうしましょう……」と助けを求めて見えざる瞳を検査員に向けたが、当の彼は目の前で女性が大の大人をぶん投げた事実を受け止めきれずに放心し、その場で立ち尽くしている。

「何事ですか!?」と辺りの部屋の検査員や、検査を受けていた者たちが顔を出してようやく、ローグハンターをどうにかしようと話が纏まった。

 

 

 

 

 

「本当に、申し訳ございません!」

 

「大丈夫だ。今回は俺が悪いから、うん……」

 

 辺境の街、眠る狐亭の一室で、ベッドに寝転びながら頭に氷を入れた袋を乗せたローグハンターが、ベッド脇に座る剣の乙女とお互いに謝罪を口にしていた。

 今回は彼女の死角から何も告げずに触れたローグハンターの方が悪いような気もするが、彼に依存している剣の乙女からすれば、彼を投げてしまった自分が悪いのだ。

 

「あの……っ!」

 

「なんだ」

 

 だからこそ、剣の乙女はどこか人とはずれた事を言うことがある。

 

「その、お詫びに何でも(・・・・)いたしますわ」

 

「ん……?」

 

 その一言に、ローグハンターはわざとらしいまでの反応を示した。

 こちとら久しぶりに恋人と再会できたのに、その恋人にぶん投げられたのだ。そんな事を言われたら、本当に何をしでかすはわかったものじゃあない。

 

「何でも、してくれるのか……?」

 

 ローグハンターが確認するように問うと、剣の乙女は何か変なことを言っただろうかと言わんばかりに首を傾げ、「ええ、その通りです」と返してにこりと笑った。

 彼女の返答に「なるほどね」と納得すると、にやりと妖しげな笑みを浮かべた。

 そして彼女の頬を撫でると、愉快そうにゆっくりと蒼い瞳を細めた。

 

「じゃあ、頼むとするか」

 

「はいっ!何でも言ってくださいまし!」

 

 見えていないからこそ、彼の表情に気付かない剣の乙女はにこやかに笑うと、ローグハンターは彼女に顔を寄せた。

 鼻先をくすぐる彼の息遣いに、剣の乙女が「ふふ」と心地良さそうに笑みをこぼすと、ローグハンターは獰猛な笑みを浮かべながら告げる。

 

「今日一日、愉しませてくれ」

 

「……え」

 

 剣の乙女が彼の一言に間の抜けた声を漏らすと、ローグハンターは彼女の腕を思い切り引いてベッドの上に乗せると、その勢いのままに押し倒し、覆い被さった。

 

「あの、ローグハンター様……?」

 

「何でも、してくれるんだろう?」

 

「あ……」

 

 彼の弾むような声音を受けて、剣の乙女はようやく彼が言わんとしている事を理解し、顔色を悪くした。

 普段は優しい彼だが、一度欲望を解放してしまえば最後、止まらない。止まってくれない。

 

「あ、あの……」

 

「何でもしてくれるんだろう?」

 

「それは……」

 

「してくれないのか?」

 

「うぅ……」

 

 どうにか言葉を訂正しようとした剣の乙女だが、ローグハンターは少々圧を込めた言葉で叩き潰し、彼女の肢体を包む薄布越しに彼女に触れて、その輪郭をなぞっていく。

 くすぐったそうに身動ぎすれば、豊かな胸が存在を主張するようにぷるりと揺れ、ローグハンターを興奮させる。

 極上の食事を前にしたように舌舐めずりすると、剣の乙女に告げた。

 

「それじゃあ、いただきます!」

 

「あっ……!」

 

 彼はそう宣言しながら、剣の乙女に襲いかかった。

 

 

 

 

 

 それから数分ほど経った同所。

 窓から差し込む陽の光が傾き始め、少しずつ暗くなっている室内には、くちゃくちゃと湿った音と女性の嬌声が響いていた。

 

「ひぎっ!いぃっ!あっ!あひっ!んぃいいいっ!!」

 

「さっきからイきっぱなしだが、大丈夫か?」

 

「んひぃ!?あっ!あっ!あっ!あっ!」

 

 ローグハンターの問いかけに剣の乙女は答えない。正確には答える余裕がない。

 薄布を剥がされた挙げ句に、本来なら目元を隠している黒布を利用されて後ろ手に両手を縛られ、片腕で右肩から左肩にかけてを押さえられて移動を封じられ、彼の足を太ももの内側に回されて閉じることさえも封じられた彼女は、文字通りの無防備だ。

 そしてそんな無防備な彼女の秘裂には彼の指が入り込んでおり、絶えず膣肉を掻き回していた。

 

「あひゅ!んぃいいっ!へぁ!?んひっ!ひぁ!あん!」

 

 彼の指使いはもはや暴力的なまでに乱暴だが、けれど彼女の弱点を的確に責めている為、剣の乙女は痛みよりも快感の方が強い。

 秘裂からシーツでも吸いきれない程の潮を吹きながら絶頂をし続ける剣の乙女は、数分ほど嬌声をあげ続けている為か、軽い酸欠に陥り、見えざる瞳を虚空に向け、ゆらゆらと揺らし始めた。

 位置の都合と彼女への責めに集中しているローグハンターはその事に気付かず、むしろ彼女の反応を愉しみながら愛撫を続ける。

 

「ここが良いんだろ?知ってるとも」

 

「きゅひぃ!?あん!はっ!あっ!あっ!あっ!はひっ!?んぃいい!!」

 

 問いかけと共に膣肉をほじくってやれば、剣の乙女は腰をがくがくと揺らしながら絶頂し、吹き出した潮は彼の手をびちゃびちゃに濡らしていく。

 だが不快感は一切なく、むしろ彼女の体温で温まったそれは液体は心地良くすらあり、ローグハンターはふっと笑みを浮かべた。

 勿論その間も責めを止めている訳でもはなく、剣の乙女は絶えず嬌声をあげ続けている。

 

「お゛っ!?」

 

 だが、その途中で身体を跳ねさせながら野太い悲鳴を漏らすと、かくりと首を倒し、全身を弛緩させたようにローグハンターに寄りかかった。

 

「……大司教?」

 

「ぁ……ぁ……ぅっ……!」

 

 流石にやり過ぎたかと心配したローグハンターが声をかけると、剣の乙女は身体を痙攣させながら口をぱくぱくと開閉させ、小さめのうめき声を漏らすのみ。

 短時間に畳み掛けるような絶頂を味わわされ、気をやってしまったのか、彼女の反応は鈍い。

 ローグハンターは天井に目をやりながら数瞬迷うと、彼女の背を押してうつ伏せにベッドに寝かせて両手の拘束を解いてやり、びちゃびちゃに濡れた肉付きのいい臀部を持ち上げた。

 脱力した四肢はベッドに投げ出され、突き上げるように尻だけが持ち上がっている形だ。

 臀部はプルプルと痙攣を繰り返しており、秘裂からは愛液なのか、潮なのか、あるいは尿か、液体が滴り落ち、シーツに染みを作っていく。

 ローグハンターはじっとその様子を眺めると生唾を飲み、ちらりと己の分身へと目を向けた。

 彼女の痴態で大きくなった逸物がパンツを押し上げ、さながらテントのようになっている。

 加えて僅かに漏れた先走り汁によるものか、まるで子供がお漏らしをしたように濡れている。

 

「……」

 

 ローグハンターは逸物と彼女の秘裂を交互に眺めると、開き直ったように笑みながら肩を竦め、パンツをずらして逸物を取り出した。

 ぼろんと音でも出そうな程豪快に顔を出したのは、子供の腕ほどありそうな雄の象徴だ。

 彼の主観を込みにしても大きめであろうそれは、獲物を求めてビクビクと跳ねており、亀頭は先走り汁に濡れ、窓から差し込む光で不気味にテカっている。

 彼はそれに片手を添えて支えると、パクパクと開閉しながら愛液を吐き出している秘裂へと当てた。

 

「ひぅ……っ!」

 

 剣の乙女が反射的な反応として声を漏らして身体を震わせるが、ローグハンターは彼女のことなどいざ知らず、無慈悲に腰を突き出した。

 ぐちゃ!と肉が潰れる音が部屋に木霊し、剣の乙女が「ひぎ!?」と声を漏らして身体を仰け反らせた。

 胎内を貫かれた圧迫感と、凄まじい快感による絶頂により意識を呼び起こされた剣の乙女は、恐る恐ると言った様子でローグハンターの方へと目を向ける。

 もっとも見えてはいないので、わかるのは相手が彼であるということだけだ。

 

「あ……ぎっ……!」

 

 圧迫感と絶頂の余韻に喘ぐ彼女を見下ろしながら、ローグハンターは上機嫌ににこにこと笑い、彼女に告げた。

 

「本番はこれからだ。今度は気絶するなよ」

 

「まっ……てぇ……」

 

 彼の言葉を受けた剣の乙女が手を振り回して制止しようとするが、上手く力が入らない為かローグハンターに届くことはなく、虚空を殴るのみだ。

 彼はぷらぷらと揺れる彼女の手を見つめながら、にこやかな笑みを浮かべ、

 

「駄目だ」

 

 その一言でもって彼女の言葉を蹴ると、腰を振り始めた。

 鋭いかりが半ば顔を出す程に腰を引き、根元まで一気に押し込む。

 パンパンと音をたてて休みなく腰を打ち付けてやれば、剣の乙女は「ひぎ!?あっ!ぎっ!んぉ!?ぉおおお!!」と獣のような嬌声をあげる。

 亀頭が子宮口を殴り、その勢いのままに子宮を押し潰せば、彼女は身体を痙攣させながら絶頂を迎え、かりが膣肉を掻き回す度に更に絶頂を迎え、

 

「んおぉおおおお!?お゛っ!?んぉ゛!おおおお!!」

 

 いつもの気品に満ちた声はどこに行ったのか、理性の欠片もない悲鳴を吐き出し、ローグハンターの動きに合わせてビクンビクンと身体を跳ねさせる。

 彼は愉快そうに笑いながら目を細め、震える彼女の尻の肉を鷲掴み、その柔らかさを堪能するように指を蠢かせる。

 

「んひぃ!あひっ!ひっ!?あっ!はんっ!ひゃ!?」

 

 胎内を深く抉られながら尻肉を揉まれる剣の乙女は、くすぐったさと快感に頭を混乱させるが、やがてくすぐったささえも快感へと変わり、尻肉がビクビクと細かく痙攣を繰り返し、秘裂からは絶えず潮が垂れ流される。

 その様子を見つめながら、ローグハンターは問うた。

 

「気持ちいいか?」

 

「んぁっ!はひゅ!はひ!きもちいれすぅ!!あん!あっ!はん!あっ!あひっ!んぉおお!!」

 

 嬌声混じりに答えてくれた彼女に、律儀にも「そうか」と答えたローグハンターは、「それじゃあ」と告げて彼女の腰をがっしりと掴んだ。

 

「んぇ……?」

 

 尻肉を揉まれる快感がなくなり、剣の乙女が少々切なげな声を漏らすと、ローグハンターはぱきぱきと首を鳴らし、彼女に寝返りを打たせて仰向けにすると、愉しそうに笑いながら告げた。

 

「いい加減、俺も気持ちよくなりたいんだよ」

 

 彼の言葉に「あ……」と剣の乙女が声を漏らすが、もう遅い。

 彼女の痴態を見続けたローグハンターの理性は既に壊れているし、何よりそれは剣の乙女にも言えることだ。

「いくぞ?」と彼が告げれば、彼女はただ扇情的に笑いながら頷くのみ。

 もう理性はいらない。我慢しなくていいと笑いあった二人は、そっと身体を寄せ合い、抱き締めあった。

 

 

 

 

「んぉ!?おおおおおおっ!おぎ!お゛っ!?ぶっ!おぉおおおお!」

 

 先ほどまでの媚びるような声とは打って変わり、ひたすらに快感を貪る(メス)の声が、部屋に響いていた。

 それを掻き消すようにバチンバチンと鞭に打たれるような音を響かせて腰を打ち付けているのは、ローグハンターだ。

 彼は彼女の胎内を貫く快感と、目の前で快感に歪む彼女の表情に当てられ、自身もまた嗜虐的な笑みを浮かべていた。

 

「んぎ!お゛っ!お゛っ!お゛っ!んぉお゛!?」

 

 腰を引き、一気に打ち据え、また引き、そして打ち据える。

 彼はそれを延々と繰り返しているだけなのだが、彼の逸物に合わせて形を変えられてしまった膣肉は、余すことなく衝撃を受け止め、その全てを快感に変換して彼女の脳を焼いていく。

 だが剣の乙女はそれを享受し、堪能し、絶頂し続けながら、けれど最後に残された理性が更なる快感を求めて彼へとお願いした。

 

「ローグ……ハンター……うんん!じりゅ!ジルさま……っ!キス!きしゅしてくだしゃいっ!」

 

「ああ、いいとも」

 

 彼女のおねだりにローグハンターは即答すると、だらしなく開かれた彼女の口に吸い付き、舌を入れた。

 剣の乙女は嬉しそうに見えざる瞳を細めると、彼の舌に自分の舌を絡みつけ、お互いの唾液を交換するように塗りたくる。

 

「んちゅ!じゅる!じゅるる!ちゅ!」

 

 力の入らない両手でローグハンターの頭を押さえつけ、必死になって彼の舌を舐めていると、彼は少々表情をしかめ、腰の動きを激しくさせた。

 

「お゛!?んぉ!?じゅる!ぶっ!んぼっ!おぶ!?」

 

 彼の舌に食らいつきながら快感に震え、合間に喘ぎ声を漏らすと、ローグハンターは眉を寄せ、思い切り腰を引いた。

 

「じゅる!ちゅ!じゅる!……んぁ?」

 

 舌の温もりを愉しんでいた剣の乙女が、どんどんと引いていく肉棒の感覚に疑問符を浮かべ、一旦彼を離して口づけを中断した瞬間、

 

「ふんっ!」

 

 ローグハンターは気合い一閃と共に腰を突き出し、彼女の最奥を貫き、同時に抑えていた欲望を解放した。

 途端に吐き出された精液は、押し潰した彼女の子宮を瞬く間に満たし、そのまま膣内へと逆流していく。

 

「んぉ゛お゛!?おおおおおおおおおっ!!!」

 

 剣の乙女はその感覚に全身を震わせて絶頂すると、両足がピンと伸び、両手は千切れんばかりの力でシーツを握りしめている。

 

「んぉおおおお!お゛っ!?おおおおおおおおおっ!!」

 

 がくがくと腰を揺らし、秘裂から潮を噴き出しながら、ローグハンターの射精が終わるまで絶頂を続けていた。

 ローグハンターは更に彼女の腰を引いて密着させると、亀頭をぐりぐりと子宮口に押し付ける。

 

「ぉ゛!?お゛ぐ、あ゛だっで!?」

 

 剣の乙女が目を見開いて快感に喘ぐと、亀頭と子宮口がぴったりとくっつき、隙間がなくなる。

 絶頂している為か、引き締まった膣肉が逸物を扱くように痙攣し、それがまた彼の射精を誘い、

 

「まだ射精()るぞ!」

 

「ま……まっで……!?」

 

「ぐっ!」

 

 落ち着いた射精が、再び勢いを取り戻した。

 亀頭と子宮口が隙間なくくっついているためか、こってりとして粘り気の強い精液は逆流することなく子宮を押し広げ、彼女の下腹部がぽこりと膨らみ始めるが、ローグハンターの射精はいまだに止まらない。

 彼にはまだ余裕があるが、彼の相手をしている剣の乙女にもう余裕はなかった。

 

「お゛!?あ゛ぎ!?んぉおおおおおおおお!!」

 

 彼女は身体をじたばたと暴れさせながら獣じみた嬌声をあげるが、両手はローグハンターの手に掴まれてベッドに押さえつけられ、両足は当たらない事をいいことに放置される。

 

「あひっ!?あっ!ああああああああああああああ!!!」

 

 両手を押さえつけれた彼女は陸に上げられた魚のように上半身を跳ねさせらが、その程度でローグハンターの射精から逃れられるわけもなく、精液は無駄なく彼女の子宮内に吐き出されていく。

 子宮壁を精液が撫でる快感が、卵巣まで届いてしまいそうなまでの精液の濁流が、彼女の脳を焼いていき、

 

「あ──……」

 

 ついには彼女の意識を刈り取った。

 途端に身体を弛緩させた彼女はベッドに身体を沈め、焦点の合わない瞳で部屋の天井を見上げる。

 

「っ……!──っ!っ!……!」

 

 胎内を満たす快感に身体を跳ねさせつつ、だらしなく開いた口の端からは唾液がこぼれ、目尻からは涙が流れていく。

 

「……」

 

 ようやく射精が落ち着いたローグハンターは、どっと出た倦怠感にため息を吐くと、彼女の惨状を確認して目を細めた。

 端から見れば強姦された後のような状態だ。自分がしでかしたこととはいえ、少々の罪悪感が湧いてくる。

 

 ──が、彼は欲望に対して割りと従順だ。

 

 彼は一旦腰を引いて逸物を抜けるギリギリまで引き抜くと、再び思い切り腰を打ち付けた。

 

「──ひぎ!?」

 

 無慈悲に叩きつけられた快感に剣の乙女は無理やり覚醒させられると、少々怯えたような表情を浮かべながらローグハンターを見上げた。

 

「じ……ジル……様……?」

 

 ローグハンターは自身の愛称を呼ぶ剣の乙女の頬を撫でると、にこりと微笑み、彼女に告げた。

 

「まだ治まらないから、付き合ってくれ」

 

 ──何でも、してくれるんだろう?

 

 彼の言葉に剣の乙女は諦めたように顔を背け、今日は彼のされるがままとなることを受け入れる。

 まあ、それがいつものことではあるのだが、やられる側にも覚悟が必要なのだ。

 

 

 

 

 

 翌朝、同室。

 むせ返りそうな程に淫行の臭いが立ち込める室内で、ローグハンターは申し訳程度に臭い消しの香を焚き、窓を開けて換気を行っていた。

 

「へっ……あっ……ひぅ……あへぇ……んぁっ……!」

 

 窓枠に腰かけ、街を見下ろすローグハンターの背後、ベッドに転がされた剣の乙女は、一言で言えば悲惨だった。

 身体のあちこちにはキスマークが残され、秘裂からは絶えず精液が吐き出され、愛液か潮、あるいは尿、もしくはそれら全てで股から太ももにかけてがびちゃびちゃに濡れている。

 窓枠から離れたローグハンターは汗で額に張り付いた髪を退かしてやると、そこに口付けを落とし、優しげな笑みを浮かべた。

 

「最後まで付き合ってくれて、ありがとうな」

 

 彼のお礼に剣の乙女は答えず、ただ昨晩の余韻に浸って身体を震わせるのみ。

 結局、彼女が何をしにこの街に来たのかは、謎のまま──。

 

 

 

 

 

 単純にローグハンター(愛する人)に会いに来ただけなのだが、当の彼がそれを知るのは、これから数時間が経ってからのことだ。……。

 

 

 

 




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Memory?? 夜の一幕

リクエストから。
ヒロインは原作一巻で登場した、貴族令嬢(自由騎士)が率いる鋼鉄等級の一党。

アニメしか見ていない人は誰それってなると思いますが、枯れた森人の砦に挑み、全滅した一党です。
原作では後に依頼を受けたゴブリンスレイヤーが砦を放火、女神官が出入口を聖壁(プロテクション)で塞ぐなどの手で仇をとってもらいましたが、二人が彼女らの顔を知ることはありませんでした。

それはローグハンターとて同じ事なのですが、この世界線では救出に成功。その後何故か度々仕事に付き合うことになり、それからいくらか年月が経った頃といった感じ。

ただ、情報が少な過ぎて口調と性格がわからん!


 双子の月に見下ろされ、幻想的な輝きを放つ小さな泉に、一人の男性の姿があった。

 装備のほとんどを泉の岸に置き、彼自身は一糸も纏っておらず、泉から顔を出している上半身は鍛えぬかれ、贅肉という言葉とは無縁の肉体だ。

 彼──ローグハンターは蒼い瞳を細め、泉の水を掬って身体にかけた。

 少々高めの気温と、戦闘後故に昂った身体にはその冷たさが心地よく、彼は目を細めた。

 その直後、背後から何者かに抱きつかれ、背中に柔らかい何かが押し付けられた。

 ローグハンターはフッと笑みを浮かべ、「どうかしたのか?」と背中越しに問いかける。

 

「いえ、何でもないのですが、その……」

 

 何やら羞恥心に苛まれているような声音で返ってきたのは、女性の声だ。ここ最近になってよく聞くようになった声だ。

 ローグハンターはそんな女性の声に肩を竦めると、腰に巻き付いている彼女の腕を掴み、軽く浮かせて拘束を緩める。

 そのまま身体を反転させ、背後にいた女性に目を向けた。

 セミロングの髪は水気を吸ってか肌に貼り付き、いつもは凛とした釣り目も心なしか蕩けており、胸にある二つのたわわな果実は、ローグハンターの胸板に押し潰されて形を歪めている。

 

「その、なんだ?」

 

 そんな彼女に向けて重ねて問うと、途端に恥ずかしくなったのか、彼女──貴族出身の自由騎士は頬を赤らめ、目を泳がせながら「ですから……」と言葉を詰まらせた。

 ローグハンターが「どうした」とわざとらしく笑いながら問いかけ、そっと髪を撫でてやれば、自由騎士は目を背けながらも心地良さそうに目を細めた。

 だが何も言わないことには変わりなく、ローグハンターは少々不満げに目を細め、空いている方の手で彼女の背を撫でた。

 筋肉質ではあるが女性的な柔らかさを保つそこは触り心地がよく、堪能するように背中を撫で回す。

 

「っ!」

 

 突然彼の武骨な手に撫でられた為か、ビクンと身体を跳ねさせて驚きを露にした自由騎士は、彼に巻き付けていた腕を離してしまう。

 だがその分彼に身を寄せて、背を撫でられる度にくすぐったそうに身体を捩り、それに合わせて泉に波が立つ。

 

「それで、何かあるからここに来たんだろう?」

 

「んっ……ふっ……はいっ!」

 

 ローグハンターが背を撫でながら確かめるように問えば、自由騎士は笑い声を抑えている為か、無駄に力んだ上擦った声で返事をした。

「なるほど」と頷いたローグハンターは彼女の顔を見下ろしながら、にやりと笑んだ。

 

「男女が裸で二人きりだ。そういうことでいいんだな?」

 

 彼はそう問いながら、背中を撫でていた手を少しずつ下へ下へと伸ばしていき、括れた腰を撫でると、そのまま水面を突破し、泉に浸かっていた肉付きのいい臀部に触れた。

 自由騎士が「ひゃ!」とかわいらしい悲鳴を漏らすと、ローグハンターは彼女の腰に腕を巻き付けて逃亡を封じ、ピクピクと震えている彼女を他所に尻の肉を揉みしだく。

 

「うっ……ふっ……んっ……」

 

 自由騎士はくすぐったそうに息を吐くが、吐き出す息に少しずつ熱がこもり、艶っぽい声が漏れ始める。

 

「あっ……んんっ!ひゃ……っ!」

 

 彼女の反応と尻の柔らかさを堪能していたローグハンターは、そのまま臀部の割れ目に指を差し込み、輪郭をなぞるように撫で始めた。

 

「ひぅ!?んんっ!あっ!うぅ……!」

 

 彼の行動に自由騎士は小さく悲鳴をあげるが、割れ目から広がる淡い快感に身体を小さく跳ねさせた。

 同時に艶っぽい声を漏らし始めると、ローグハンターは抱き寄せる強さを強めて更に身体を密着させた。

 自由騎士の豊かな胸が潰れ、興奮して膨らんできた乳首が彼の胸板に押し潰されて、無意識に身体を揺らす度に擦れ、痺れるような快感が乳首から全身に広がっていく。

 

「あっ……!ひっ……!はっ……!」

 

 胸と臀部から与えられる快感に身を震わせる自由騎士は、無意識の内に彼の事を抱き締め、蕩けた瞳で彼の蒼い瞳を見上げた。

 夜空を閉じ込めた瞳には優しげな光がこもっているが、その奥には嗜虐心が隠れており、獲物として自分を睨んでいることがわかる。

 その瞳の輝きに当てられた自由騎士が期待を込めた視線を返せば、ローグハンターは微笑みながら頷くと、臀部の割れ目を撫でていた手を進め、ぴたりと閉じた秘裂に触れた。

 

「ひゃん!」

 

 甘い快感が突如として鋭い快感へと変わり、自由騎士は嬌声と共に身体を跳ねさせた。

 ローグハンターは彼女の反応にただ笑うと、冷たい筈の水中で、妙に温かい液体の感覚に目を細めた。

 

「なんだ、濡れているぞ」

 

 水中で彼女の秘裂を責めながら言うと、自由騎士は普段水が触れない場所が濡れる感覚に苦心しながら、それでも感じる快感に身体を震わせた。

 

「ひぅ!そこ、は、駄目……っ!」

 

「嫌なら止めるが」

 

 彼女が思わず発した言葉にローグハンターが愛撫の手を止め、水中から手を抜きながら言うと、自由騎士は「待って……!」と彼の手を掴んだ。

 

「……やめ、ないでぇ……」

 

 蕩けた瞳を潤ませながら媚びるような声音で言うと、ローグハンターは嗜虐心を隠そうともせずに笑いながら「そうか」と頷くと、再び泉に手を入れ、水とは別のもので湿り始めている彼女の秘裂に触れた。

「ひぅ!」と身体を強張らせた彼女の髪を撫でてやりながら、ゆっくりと秘裂に指を突っ込み、膣肉を掻いてやる。

 

「ひぁ!?ひっ!冷……た……っ!」

 

「お前の膣内(なか)は温かいな」

 

 指で秘裂を抉じ開けた為か、僅かに泉の水が胎内に入り込んだ自由騎士が悲鳴をあげるが、ローグハンターはどこ吹く風と言わんばかりの態度を貫き、指の腹で膣肉を掻き回す。

 

「ひぐ!あっ!ひっ!はっ!あっ!あっ!はっ!」

 

 ローグハンターが分泌された愛液と、入り込んだ泉の水を混ぜるように指を動かせば、自由騎士は膣内が洗われるような未知の快感に目を見開き、身体を痙攣させた。

 

「ひっ!あっ!はっ……!待って、ください……!駄目……っ!」

 

「……」

 

 自由騎士が制止の声をあげてももう遅い。

 身体同様に痙攣を始めた膣肉を掻き回し、断続的な快感を与え続け、仕上げとばかりに陰核を弾いた。

 水中故に指の動きにキレはないが、その分響くような衝撃を受けた陰核は、与えられた衝撃全てを快感に変換し、彼女の脳に叩きつける。

 

「んぉ!?ぎっ!ああああああああああっ!!」

 

 自由騎士が悲鳴のような嬌声をあげると、ローグハンターはここぞとばかりに彼女の陰核を責め立て、絶頂しながらも更なる絶頂を与えた。

 

「あっ!?ぎっ!あっ!はひっ!?んぁ!?ひっ!」

 

 陰核を捏ねるように弄ばれ、次々と与えられる快感に自由騎士が身体を痙攣させながら絶頂し続けていると、ローグハンターが突然愛撫を止め、手を離した。

 

「へっ……あっ……ひぅ……っ!」

 

 責めは止まっても絶頂の余韻に喘ぐ自由騎士はくたりと身体を弛緩させて、全体重をローグハンターに預けるが、突然秘裂を撫でた焼けた鉄のように熱い感覚に「ひん!」と悲鳴を漏らした。

 

「あ、あの……?」

 

 自由騎士がビクビクと身体を震わせながら問うと、ローグハンターは無言で笑みを浮かべ、がくがくと震えている彼女の両足を抉じ開けると、膝下に手を入れてひょいと持ち上げた。

「きゃ!?」と小さく悲鳴をあげた自由騎士は慌てて彼の首に両腕を回してしがみつくと、ローグハンターは途端に近づいた彼女の顔を見つめ、愉快そうに目を細める。

 勃起して反り返った逸物の切っ先を彼女の秘裂に向けて、「いくぞ」と反論を許さない迫力をもって告げた。

 

「だ、待っ──」

 

 自由騎士が首を振って止めようとするが、彼は一切聞き入れずに彼女の身体を落とそうとすると、がさりと自由騎士の背後の茂みが揺れた。

 

「ん?」

 

 銀等級の斥候であるローグハンターが、位置の関係もあって真っ先に気付き、自由騎士から意識を外してそちらに目を向けると、同時に三つの影が飛び出した。

 

「リーダーばっかりずりぃぞ!」

 

「そうです、私だって!」

 

「仲間外れは嫌ですっ!」

 

 自由騎士の一党である圃人野伏、森人魔術師、只人僧侶の三人が、服を脱ぎ捨てて裸体をさらしながら、まさに本番に入ろうとしていた二人に飛びかかったのだ。

 

「へ?」

 

 ローグハンターに持ち上げられ、何の抵抗も出来ない自由騎士が間の抜けた声を漏らすと、当の彼は避けることも出来るだろうに、そのまま三人の突撃を受け止めた。

 正確には、自由騎士を盾にして、だが。

 弧を描いて飛びかかってきた三人の手が自由騎士の身体のあちこちに触れて、落下の勢いを乗せて思い切り引き落としたのだ。

 結果、ローグハンターにも自由騎士にも予期せぬタイミングで、二人の身体は繋がることになった。

 ばしゃん!と泉に突入した三人が水柱をあげる音に混ざり、めりっ!と何かが抉じ開けられる音が漏れ、自由騎士の口からは「お゛!?」と野太い嬌声が漏れた。

 

「──ぷぁ!いや、圃人(レーア)にはちょっと深いな」

 

 真っ先に顔を出した圃人野伏がプルプルと首を振って髪についた水を飛ばしながら言うと、ローグハンターに抱きついたまま身体を痙攣させ、「ぉ゛!ぶっ!んお゛!」と獣じみた声を漏らす自由騎士に気付く。

 

「……リーダー、大丈夫か?」

 

「ぁ゛ぎ!ぉ゛!お゛!?」

 

「駄目そうだな……」

 

 圃人野伏がやれやれと首を振りながら言うと、森人魔術師と只人僧侶も水面から顔を出し、頭目の惨状に気付いて顔色を青くした。

 

「もしかして、私たちの、せい……?」

 

 森人魔術師が恐る恐る問うと、ローグハンターは「たぶんな」と返して肩を竦めた。

 只人僧侶がしゅんとしながら「ごめんなさい……」と呟くと、彼は」「気にするな」と笑みを浮かべたが、自由騎士に目を向けてため息を漏らした。

 

「で、お前は大丈夫か?」

 

「あぎ!もぅっ!む、むり゛……!」

 

「そうか、許せないか」

 

 ローグハンターは彼女の返答にうんうんと頷くと、飛びかかってきた三人に目を向け、にこりと微笑んだ。

 ちなみにだが、自由騎士が無理と言ったのはこの状況に対してであり、三人に対して何かを言ったわけではない。

 それを気づいていながら無視したローグハンターは、三人に向けて言う。

 

「それじゃあ、許してもらえるように手伝ってくれないか?」

 

「「「っ!」」」

 

 彼の言葉に三人はピクリと身体を揺らして反応すると、圃人野伏はにやりと悪戯っぽく笑い、森人魔術師はどこか色気のある笑みを浮かべ、只人僧侶は恥ずかしそうに目を背けながらこくりと頷いた。

 そして三人はちゃぷちゃぷと音をたてて自由騎士を囲むように位置すると、ローグハンターが彼女の耳元で囁く。

 

「我らがリーダーに許してもらえるように、天国に連れていってやる」

 

「っ!」

 

 彼の囁きに身体を跳ねさせて反応した自由騎士が、「まって……だめ……っ!」と今にも泣き出しそうな声で言うが、ローグハンターはわざと無視して三人に目を向けた。

 

「さあ、やるぞ」

 

 彼が一言でそう告げると、三人は一斉に頷いた。

「まて、やめろぉ……」と声を漏らすリーダーを置き去りにして。

 

 

 

 

 

 本来なら静けさに包まれ、獣たちが穏やかな眠りにつく森の中に、人のものとは思えない嬌声が響いていた。

 

「んぉ゛!お゛お゛お゛お゛お゛!ぎっ!?あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!」

 

 恥も外聞も捨てた自由騎士が、ビクンビクンと身体を跳ねさせながら絶頂し、理性が焼き切られたのだ。

 彼女の胎内を貫いたローグハンターが彼女の腰を押さえつけ、逸物で胎内を貫き、圃人野伏と森人魔術師が自由騎士の豊かな胸を揉みしだいたり、乳首を責めたりと虐め、只人僧侶が頭を持ち上げて泉に沈まないようにする。

 

「ほれほれ、そろそろ許してくれてもいいんだぜ?」

 

 圃人野伏がニヤニヤと嗤いながら言って乳首を弾くと、自由騎士は「ぎゃひ!?」と悲鳴をあげて身体を跳ねさせた。

 だが圃人野伏はそれに飽きたらずに乳首を責め立てると、もはや滑稽なまでにがくがくと腰を震わせて絶頂する。

 

「ぎゃい!?あ゛っ!ぎっ!むり゛!ゆる゛、ゆるじで!!」

 

「えー、それはこっちの台詞なんだけど」

 

 自由騎士が涙を流しながら言うが、圃人野伏は唇を尖らせてそんな事を言った。

 森人魔術師がフッと笑って彼女の乳首を捏ねてやれば、「きゅひぃ!」と甲高い悲鳴も漏らした。

 パンパンと音をたてて腰を打ち付けていたローグハンターが、背筋を震わせて登ってくる射精感を押さえつけると、自由騎士に問うた。

 

「それで、許してくれるのか?」

 

「ひゃい!わかった!わかりまひた!ゆるしゅ!ゆるしましゅ!」

 

「そうか。なら仕上げだ」

 

 彼女の返事に満足そうに頷いたローグハンターは、我慢することを忘れ、荒っぽい腰使いで彼女の胎内に逸物を叩きつけ始めた。

 

「んぉ!?ぎっ!あ゛っ!だめ!?お゛!ぅ゛!もぅ、ゆるじでぇ゛ぇ゛!!!」

 

 自由騎士が暴力的なまでの快感から逃れようと、首をぶんぶんと振り回して懇願するが、ローグハンターは無視して腰を振り続ける。

 

「おぎ!?お゛!お゛!お゛!んぉお゛お゛お゛!」

 

「リーダー、そんなに気持ちいいんですね……」

 

 そんな彼女の弱々しい表情と、喘ぎ声を間近で聞いていた只人僧侶は、彼女の熱に当てられてか恍惚の表情を浮かべると、何を思ってか自由騎士の唇に口付けを落とした。

「んんん!?」と目を見開いて驚愕する自由騎士を他所に、只人僧侶は彼女の口に舌を差しこみ、まるで労うようにちろちろと舌を舐め始めた。

 胸や膣肉を掻き回す暴力的な快感とは違う、甘ったるいまでの感覚に自由騎士はだらしなく目を蕩けさせるが、ローグハンターが「ふん!」と気合い一閃と共に腰を叩きつけ、逸物が子宮を押し潰す感覚に「んぉ゛!?」と再び悲鳴をあげた。

 口を塞がれているため周囲に響くことはないが、与えられる快感が弱くなったわけではなく、むしろラストスパートをかけるローグハンターの腰使いは先ほど以上に荒々しい。

 

「んぶ!んんっ!ん゛ーっ!」

 

 自由騎士が手足をばたつかせて暴れても、一党の三人とローグハンターはどこ吹く風と言った様子で彼女への責めを止めず、一方的な快感を与えるのみ。

 

「んぉ゛!?んんん!んぶ!ぶぉ!?」

 

 叩きつけられる快感に白眼を剥き始めた自由騎士に向けて、ローグハンターは眉を寄せ、歯を見せつけるように獰猛に笑んだ。

 

射精()すぞ……!」

 

 彼がそう告げた瞬間、有無を言わさずに彼女の子宮に向けて精液を吐き出した。

「んーっ!!!んんん!?」と声にならない悲鳴をあげながら彼の射精を受け止めた下には、がくがくと腰を震わせて絶頂し、「んぉ!?」と声を漏らすと共に身体を弛緩させた。

 

「くっ、おぉぉ……」

 

 心地良さそうに唸ったローグハンターは、一滴も無駄にせず彼女の胎内に注ぎ込むと、ゆっくりと逸物を抜いた。

 どろりとした精液が秘裂からこぼれ、泉に落ちて白く汚していく。

 綺麗な泉を自分が吐き出したもので汚すという、何とも言えない背徳感に背筋を震わせながら、彼女の身体を持ち上げた。

 

「誰か毛布でも敷いてやってくれ」

 

「はい、任せてください!」

 

 彼の指示に真っ先に反応したのは只人僧侶だ。

 黒い髪を揺らしながら泉から上がった彼女は、茂みに置いておいた自分な荷物を漁り、大きめの毛布を取り出した。

 それを岸に敷いて、「どうぞ」と彼を招く。

 ローグハンターは水底に足を取られないように気を付けながら自由騎士を運ぶと、只人僧侶の手を借りて彼女を毛布にくるんだ。

 濡れたまま夜風にさらすなど、風邪を引いてくれと言っているようなものだ。

 依頼は済んでいるとはいえ、身体が資本の冒険者としては、風邪を引くのだけは避けたい。

 結果、自由騎士は只人僧侶の手で毛布にくるまれ、快感の余韻に浸る顔だけが見える状態となった。

 

「ははっ!リーダーの簀巻きだな!」

 

 圃人野伏が岸に上半身を乗せ、下半身を泉につけながら可笑しそうに笑うと、森人魔術師が「うるさいですよ」と苦言を呈した。

 だが圃人野伏は止まらず、笑いながらじたばたと足を振って泉を波立たせる。

 

「でも、あのリーダーがこんな格好って、気になってしょうがねぇよ!だらしねぇ顔しちゃってさ!」

 

 ひひひ!と目に涙を浮かべながら笑っていると、ふと何かを思い付いたローグハンターが彼女の背後に回り、

 

「ん?兄貴、どうかし──」

 

 彼女が言葉を言い切る前に、彼女の秘裂に己の逸物を叩き込んだ。

 岸に上半身を預けているという都合上、彼女は腰を突き出すような態勢となっており、ローグハンターにとっても都合が良かったのだ。

 

「んぉ!?」

 

 圃人野伏な突然胎内を殴られた衝撃に呻き声をあげて背中を弓なりに反らせると、すぐに恍惚の表情を浮かべて身体を岸に倒した。

 

「おっ……!あっ……!これ、堪んね……!一気に、奥までくる、この感じ……っ!」

 

 身体をビクビクと震わせ、小さめの胸を土で汚しながら言うと、ローグハンターは小さな彼女の背筋を撫でた。

 圃人という種族の都合上、大人になっても只人の子供程度の身長しかない彼女の胎内は、彼の逸物で一杯となり、子宮に関しては押し潰されている。

 だがそれがいいのか、膣肉は絶え間なく痙攣を繰り返し、食い千切らんばかりの力をもって逸物を締め付ける。

 ローグハンターはその感覚に目を細めると、真横から「ずるいです!」と声がかけられ、極上の柔らかさが右腕の二の腕を包み込んだ。

 そちらに目を向ければ、頬を膨らませた森人魔術師が抱きついており、柔らかさは彼女の胸によるものらしい。

 

「お、おい!今は私の番だぞ!」

 

 圃人野伏が振り向きながら森人魔術師が責めようと声を張らせたが、「お前の相手は俺だ」とローグハンターは笑った。

 同時に彼は腰を動かせ始め、彼女の小さな胎内を容赦なく貫いてく。

 

「んぉ!おっ!あっ!これっ、癖に、なっちまうなっ!」

 

「もう癖になっているだろう?」

 

「んぎ!?おっ!あっ!ぎっ!それは、確かに、そうだけどよ……っ!」

 

 ローグハンターが思い切り腰を突き出し、子宮を押し潰しながら言うと、圃人野伏は恍惚の表情を浮かべた。

 彼女の反応に「まだ余裕そうだな」と肩を竦めると、彼女の腰をがっしりと掴み、動かないように固定する。

 圃人野伏は来る衝撃に備えて歯を食い縛ると、ローグハンターが本気の前後(ピストン)運動を開始した。

 スパン!スパン!と鞭打ちするような音を森に響かせ、子供の腕ほどある逸物が圃人野伏の胎内を蹂躙する。

 

「おぎ!?おっ!んぉおお!いい!すげぇ、いいっ!ぎっ!あっ!はっ!おおおっ!!」

 

 ローグハンターの動きに合わせてビクンビクンと身体を跳ねさせ、品の欠片もない嬌声をあげる中、森人魔術師がむすっとしながら彼の頭を掴み、自分の方へと向かせた。

 

「ん……?」

 

 力任せに無理やり向きを変えられた為か、首からゴキッ!と嫌な音を響かせたローグハンターは疑問符を浮かべると、森人魔術師が彼の口に吸い付いた。

 そのまま無防備に開いていた彼の口に舌を捩じ込み、自身の舌を絡み付ける。

 

「ちゅ!じゅる!へろ!じゅる!じゅるる!」

 

 驚いているのか、あるいは気にしていないのか、ローグハンターは甘んじて彼女の口付けを受け入れながら、スパートをかけるように腰使いを強めた。

 

「おっ!おっ!あっ!ぎっ!あっ!おぁ!いっ!ぎぃい!!」

 

 それに合わせて圃人野伏は獣のように唸り、ビクビクと身体を震わせた。

 同時に膣内を締め付けが強まり、身体と同じように痙攣し始める。

 

「あっ!ぎっ!あに、き!わたし、そろそろ……っ!」

 

 圃人野伏が快感に視界を点滅させながら言うと、ローグハンターは一度森人魔術師の口付けを中断し、快感に喘ぐ彼女に向けて告げた。

 

「俺も射精()そうだ……!どこがいい!」

 

膣内(なか)、ぜんぶ、注いでくれ……っ!」

 

 ローグハンターの問いに圃人野伏が即答すると、彼は満足そうに笑い、思い切り腰を叩きつけた。

 

「んぉ!?!?」

 

 今までのものとは比にならない衝撃と快感に、圃人野伏が耐えきれずに絶頂を迎えると、それと同時にローグハンターの射精が始まった。

 彼の射精量は只人のそれに比べて小さな子宮で受け止めるにはあまりにも多く、瞬く間に子宮を一杯にした精液は、そのまま絶頂に震える膣内へと逆流していく。

 

「おぎっ!あっ!ぎぃいいい!」

 

 結合部から勢いよく精液が吹き出し、圃人野伏とローグハンターの太ももを白く汚し、泉に垂れて白い染みを作り出す。

 射精が落ち着いたローグハンターが満足げに笑いながら逸物を引き抜けば、圃人野伏はぶるぶると背筋を震わせて、さながや放尿のように溜まった精液を排出しながら絶頂していると、岸で待機していた只人僧侶が彼女を引っ張りあげ、彼女の小さな体躯を毛布で簀巻きにしてしまう。

 ローグハンターが手際の良さに苦心していると、圃人野伏がいた位置に森人魔術師が腰を掛け、彼に見せびらかすように両足を開いて秘裂をさらけ出した。

 誘われるがまま指で触れてみれば、粘っこい液体が指先を濡らし、準備が万端な事を教えてくれる。

 

「さあ、どうぞ」

 

 森人魔術師が恥ずかしそうに頬を朱色に染め、瞳を潤ませながら言うと、ローグハンターは「遠慮なく」と告げて彼女の股の間に納まると、いまだに固さを保つ己の分身を彼女の秘裂に当てがい、そのまま腰を突き出した。

 

「ぎっ!あ……!ひぅ……っ!」

 

 相変わらず無慈悲なまでの一突きに身体を強張らせる森人魔術師だが、すぐに身体を弛緩させてくたりと岸に背中を倒した。

 美しい金色の髪も、傷が少ない背中も汚れることをいとわないのは、どうせすぐに洗い落とせるからと割りきっているのだろう。

 それはそれとしてと、ローグハンターは食い千切らんばかりに締め付けてくる膣肉の感覚に目を細めると、ふっと苦笑を浮かべた。

 

「まさか、イったのか?」

 

「言わ、ないでくださぃ……」

 

 ピクピクと身体を揺らし、それに合わせて一党の中で一番の大きさを誇る胸が揺れ、ピンと勃った乳首が物欲しそうに充血して真っ赤になっている。

 ローグハンターが肩を竦め、お望み通りに片手で胸に触れてやれば、「ひゃ!」と小さく嬌声を漏らし、背中を弓なりに反らせた。

「ほらほら」と煽りながら胸を弄んでやれば、森人魔術師は「ひぅ!あっ!はっ!」と上擦った嬌声をあげ、ピクピクと震えて存在を主張する乳首を摘まんでやれば、「ひゃん!」と声をあげて膣肉の締め付けが一層強くなる。

 

「溜まっていたのか?随分と敏感だ」

 

「ひぁっ!いっ!違っ、あひっ!はっ!ひっ!」

 

 ローグハンターが問いながら乳首を捏ねくりまわしてやれば、彼女はまともに反論も出来ずに快感に喘ぎ、ピクピクと身体を痙攣を繰り返す。

 そんな彼女の姿を見下ろしながら、ローグハンターは「動くぞ」と静かに告げて、彼女の返答を待たずに腰を動かし始めた。

 

「ひゃ!?待っ、ひん!あっ!はっ!あっ!あん!」

 

 鋭いかりが膣肉を掻き回し、亀頭が子宮口を殴り付ける度に森人魔術師は身体を跳ねさせ、結合部からはぷしゅぷしゅと音をたてて潮が吹き出す。

 

「あっ!はっ!待って!待ってくだしゃい!イってる!わたし、イってましゅからぁ!」

 

 呂律も回らない程の快感に震えながら懇願するが、ローグハンターは一切聞き入れる様子を見せずに笑うと、腰の動きに速めた。

 

「かひゅ!?あっ!ひっ!あっ!待って!まっへ!イきゅ!ぎっ!あっ!きゅ!ひぁ!?イっ──!」

 

「くっ!」

 

 森人魔術師が度重なる絶頂に気をやりかけると、同時にローグハンターも限界を迎えた。

 元より二度の射精で敏感になっていたのだ。森人特有の無駄なく引き締まった膣肉に扱かれれば、我慢もままならないのは仕方のないこと。

 

「あっ……!おっ……!ぎっ……!あ゛っ──」

 

 全くの前振りなく彼の射精に付き合わされる事になった森人魔術師は悲鳴をあげながら絶頂すると、ぐるりと白眼を剥いて身体を弛緩させた。

 射精後の倦怠感に任せて森人魔術師の身体に倒れたローグハンターは、彼女の豊かな胸を枕代わりにして一息つくと、すぐに身体に喝を入れて身体を起こした。

 同時に「あへ……!へぅ……!」と声を漏らして身体を震わせる森人魔術師の身体が只人僧侶により回収され、慣れた手つきで簀巻きにされた挙げ句、前の二人が纏められている場所に転がされた。

 どんどんと仲間の扱いが雑くなっていく只人僧侶は、少々殺気のこもった視線をローグハンターに向けるが、当の彼は「待たせた」と言いながら笑みを浮かべるのみだ。

 

「むぅ……!」

 

 そんな彼の態度に腹が立ったのか、只人僧侶は頬を膨らませて不満を露にすると、その場から助走をつけて岸から跳び、いまだに泉に浸かっている彼へと飛びかかった。

「うお」と多少驚きはするものの、何の問題もなく彼女を受け止めたローグハンターだったが、水底に足を取られて転倒してしまう。

 

「え……?」

 

 踏ん張ってくれると思っていた相手がそのまま倒れた事に、只人僧侶が間の抜けた声を漏らすと、ばしゃん!と盛大な音をたてて二人の身体が泉に沈んだ。

 パニックを起こしてがぼがぼと息を吐き出してしまう只人僧侶を他所に、いきなり水中に放り込まれる、あるいはかなりの高さから飛び込む事に慣れているローグハンターは冷静なもので、刹那的なタイミングで呼吸を止め、酸素を確保していた。

 そんな彼は目の前で暴れている彼女の頭を掴むと、そのまま彼女の唇に吸い付いた。

 

「──っ!!」

 

 突然の事態に身体を強張らせる只人僧侶を他所に、ローグハンターは彼女の後頭部を押さえて更に顔を密着させると、彼女の口のなかに酸素を送り込む。

 

「……っ!──」

 

 彼の行動に驚きはしたものの、すぐにそれを受け入れた只人僧侶はある程度の酸素を受けとると、一度顔を離して大丈夫ですと言わんばかりに笑顔を浮かべた。

 そして今度は自分から彼に口付けすると、ローグハンターは彼女の後頭部と腰を押さえ付け、二人の身体が隙間なく密着する。

 同時に水中でも固さを保つ己の分身を彼女の秘裂に押し当てると、器用に腰を振って彼女の胎内を貫いた。

 

「──っ!?」

 

 めりっ!と鈍い音をたてて膣肉を抉じ開けられた只人僧侶は目を見開き、思わず声を漏らしそうになったが、慌てて口を押さえてそれを抑え込んだ。

 ここは水中。そう、彼が目の前にいようと、彼の温もりを感じようと、普通の只人(にんげん)では二分といられない水中なのだ。

 只人僧侶が首を振りながら水面を指差すと、ローグハンターはにこりと微笑み、彼女の身体をより強く抱き寄せた。

 

「~!──っ!!」

 

 只人僧侶が肩を叩いて抗議するが、ローグハンターはどこ吹く風と言わんばかりに肩を竦め、腰を動かし始めた。

 

「ごぼっ!っ!~!!」

 

 直接胎内を殴られる衝撃に空気を吐き出した只人僧侶は、慌てて両手で口を塞いで空気が漏れないようにするが、ローグハンターの責めの強さは変わらない。

 水中だからか音は出ないが、水面に波がおきる程の勢いをつけて腰を突き出してくるのだ。只人僧侶はその衝撃に耐えながら息を止めなければならない。

 

「──っ!ぼっ!っ!ごぶっ!」

 

 だがそれにも限界があり、やがて隙間から空気が漏れ、ついには思い切り吐き出してしまった。

 

「がぼっ!ぶっ!ごぼっ!」

 

 ローグハンターが腰を突き上げる度に只人僧侶は少なくない量の空気を吐き出し、彼の肩を叩く力がだいぶ弱くなっていく。

 そこまで来て流石の彼も危険と思ってか、彼女を抱えたまま身体を起こし、二人同時に水面から顔を出した。

 

「ぶぁ!はぁ!はぁ!はぁ!はぁ!」

 

 ようやくまともに呼吸が出来た只人僧侶が必死になって酸素を取り込んでいると、ローグハンターが優しく彼女の背を撫で、「大丈夫か」と問うた。

 

「大丈夫に、見えます、か……?」

 

 只人僧侶が息を絶え絶えにしながらかなりの怒気を込めて睨むと、ローグハンターはあまり気にした様子もなく肩を竦め、彼女の腰を掴んだ。

 

「大丈夫には見えないが、まだ終わっていないからな。お前だって、我慢出来ないだろう?」

 

「うぅ……」

 

 もはや怒る気力さえも残っていない只人僧侶は、ローグハンターにもっともな事を言われると、諦めたように彼に身を任せた。

 

「お願い、します……」

 

「任せろ」

 

 彼女が囁くように放った懇願を受けたローグハンターは優しく彼女の髪を撫でてやり、腰の突き上げを再開した。

 ばしゃばしゃと水面を波打たせて只人僧侶の身体を上下に揺らし、逸物で彼女の胎内を掻き回す。

 

「あっ……!はっ……!ひぁ!ひぅ……!」

 

 水中の時とは違う、こちらを気遣いながらも与えてくる甘い快感に只人僧侶は身体を捩り、逸物が擦れる角度が変わった為か「ひぅ!」と身体を跳ねさせた。

 だがローグハンターはお構いなしに腰を振り、彼女の膣肉を貫き、子宮口を殴り付け、押し潰す。

 

「かひゅ!あっ!ひっ!あっ!はっ!」

 

 同時に只人僧侶の声色が変わり、膣肉がきゅんきゅんと締め付けてくる。

 ローグハンターはフッと笑みをこぼすと、只人僧侶の耳元で囁いた。

 

「この角度がいいんだな。言ってくれれば良かったんだが」

 

「ひゃい!?ぎっ!あっ!あっ!はぁ!はん!」

 

 掴んだ腰を回して角度を変え、そのまま乱暴に上下に振り回してやれば、只人僧侶は目を白黒させながら嬌声をあげ、彼女の反応に合わせるように膣肉が痙攣し始める。

 

「はひっ!あっ!はっ!んんっ!んーっ!!」

 

 快感に背筋を震わせながら喘ぐ彼女は、ぎゅっとローグハンターの身体を抱きしめ、口を継ぐんで声を抑え込む。

 声を抑えてもピクピクと肩が震え、きゅんきゅんと膣肉が引き締まり、逸物を扱きあげていく。

 登ってくる射精感に眉を寄せたローグハンターは、彼女の耳に息を吹き掛け、「ひゅう!」と悲鳴をあげさせると共に意識を集中させた。

 

射精()すぞ。こぼすなよ」

 

「ひゃい!わかりまひた!だから──」

 

「ああ。受け取れ……!」

 

 只人僧侶が感情のままに懇願すると、ローグハンターは食い気味に告げて、抑えていた射精感を解き放つ。

 四度目だからか勢いは弱いものの、そこに込められた熱量に変わりはなく、熱々の精液が只人僧侶の子宮を満たし、その熱に当てられたように絶頂を迎えた。

 

「ひぎ!?ああああああああああっ!!!」

 

「くっ……おぉ……」

 

 絶頂に合わせて更に引き締まった膣肉に絞られ、尿道に溜まっていた精液さえも吐き出したローグハンターは、途端に身体を弛緩させて只人僧侶に体重を預けた。

 

「あっ……へっ……ひぅ……!」

 

 只人僧侶は絶頂の余韻に震えながら彼を抱き寄せ、労うように彼の頭を撫でた。

 

「……ありがとう……ございます……」

 

 日頃からの感謝と、今この瞬間に対する感謝と、最後にゴブリンに囚われ、あと一歩で殺されそうだった自分たちを助けてくれた感謝を込めて、彼女は優しく笑みながら感謝の言葉を口にしたのだった。

 

 

 

 

 

 

 翌朝、同所。

 少々の疲労を滲ませるローグハンターと、肌艶のいい森人魔術師、圃人野伏、只人僧侶の四人は、生まれたての小鹿のように膝が笑っている自由騎士の姿に苦笑を漏らし、自由騎士は恨みの念を込めて彼らを睨み付ける。

 

「ともかく、話は帰ってからです……!」

 

 彼女はそう告げて剣を杖代わりにして歩き出すが、何だか見ていて危なっかしく、森人魔術師と只人僧侶が肩を貸した。

 怒りながらも素直に受け入れる辺り、心底怒っているわけではないのだろう。

 

「泉は『浄化(ピュアリファイ)』で綺麗にしたし、荷物も全部片付けたし、さっさと帰るか!」

 

 出遅れた圃人野伏がローグハンターにそう言うと、彼は「そうだな」と頷き、前を歩く三人の背中を追いかける。

 その後ろに圃人野伏が続き、すぐに前の三人に追い付いた。

 男一人、女四人という不規則な一党ではあるが、何だかんだで仲が良く、不思議と喧嘩は少ない。

 よく女冒険者同士で乱闘が始まるだとか言われるが、この一党にはてんで縁がない話だった。

 理由は単純。ローグハンターが四人全員をほぼ平等に愛し、彼女らも彼の愛に全力で答えているのだ。

 そんな一党は普段の比ではないゆっくりとした速度で街を目指しながら、様々な話題で談笑する。

 それが彼らの日常。彼らの冒険の一幕。

 本来の物語(本編)ではあり得ない、ローグハンターが送った人生の一つだ。

 

 

 

 

 




感想等ありましたら、よろしくお願いします。


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Memory?? 出られない部屋

リクエストから。
ヒロインは妖精弓手。何だかんだで初登場。

時期的にはエピローグ後。最終決戦に付き合ったんだからという理由で、ローグハンターを冒険に連れ出したはいいものの……?

ローグハンターは独身です。



 四方世界のどこか。名もない山の中腹に突如として洗われる洞窟の中を、二つの人影が進んでいた。

 掲げたられた松明に照らされ、不気味に揺れる影は、大きなものと小さなものが一つずつ。

 松明片手に石畳の洞窟──正確には遺跡だ──を進むローグハンターは、ちらりと上機嫌そうに隣を歩く妖精弓手を見つめ、彼女に気付かれないように抑えたため息を漏らした。

 自分の戦いに彼女を──正確には彼女をはじめとした冒険者たちを──巻き込んだのだから、彼女に報酬を払うのは当然のこと。

 かねてより言っていた、彼女が言う「冒険」に連れ出されるのは当然の事だ。

 

「ちょっと、あんた」

 

 一人ボケッと考え事をしていたのが気付かれたのか、妖精弓手が平たい胸を張りながら、ローグハンターの顔を見上げる。

 

「せっかく冒険に来たのよ!もっとこう、目を輝かせたらどうなの?!」

 

 松明に照らされて浮かび上がる、遺跡の壁に描かれた太古の壁画を指差しながら言うが、ローグハンターは僅かに目を細めて「そうだな」と呟く程度。

 彼とて興味がないわけではないのだが、如何せん暗すぎてよく見えない。タカの眼を使ってもいいが、それでは肝心の壁画が見えなくなってしまうのだ。

 だからこそ、彼は少々残念そうにため息を吐いた。

 

「……よく見えん」

 

 彼はそう言いながら壁に手を触れ、優しく撫でた。

 どんなに美しい絵画も、時の流れに呑まれればぼろぼろに風化し、撫でただけで剥がれて床に落ちてしまう。

 これでは全容がわからず、修復するにも限度があるだろう。

 

「只人って、ホントに不便よね……」

 

 そんな事を考えていた彼の隣で、じっと眼を凝らして壁を睨む妖精弓手はそう呟き、ローグハンターの脇腹を小突く。

 

「ほら、もっと奥に行きましょ?何かあるかもしれないし」

 

「そうだな」

 

 ローグハンターは彼女の提案に頷くと、雑嚢に手を入れて替えの松明を取り出し、炎を移す。

 かつては様々な人が訪れ、神々に祈りを捧げていたであろう場所も、何らかの理由で棄てられた挙げ句、忘れ去られてしまえば、後世の冒険者たちが挑む遺跡に早変わりだ。

 松明片手に先導するローグハンターを背を見つめながら、妖精弓手は足元に落ちていた古い金貨を拾い上げ、じっとその柄を睨み付けた。

 こんな場所ではあるが、顔も知らない誰かがいた証だ。

 何かしら持ち帰り、然るべき手順で調べれば、ここがいつの時代に使われたものか、いつ頃棄てられたのかがわかるというものだ。

 まあ錆や歪みが酷く、まともに見られたものではない。

 早々に諦めた妖精弓手はそれを懐にしまい、小走りでローグハンターを背を追いかけた。

 二人が見ていた壁画が、何やら絡み合う二人の男女の絵であることには、気付くこともなかった。

 

 

 

 

 

 やれ隠し部屋がないか、やれ宝箱はないかと騒ぎながら、二人はようやく遺跡の最深部へとたどり着いた。

 石材の壁で円形に囲まれた部屋の壁には、等間隔に焚き火用の台が並び、燃えかすを通り越して灰となったものが山になっている。

 

「ここで終わり、みたいね」

 

「そう、みたいだな……」

 

 妖精弓手がその灰の山を手で掬いながら言うと、ローグハンターはタカの眼を発動して隠し通路がないことを確認し、彼女の言葉に頷いた。

 

「で、あれが宝箱か」

 

 彼が手で示した先にあるのは部屋の中央に置かれた長持だけで、それだけが目標を示す金色の輝きを放っている。

「みたいねぇ」と何だか期待はずれだと言わんばかりの声音で返した妖精弓手は、手についた灰を払いながら長持の方へと歩み寄り、片膝をついた。

 そのまま蓋の隙間を調べたり、ぐるぐると回って長持そのものに何かないかを確かめる。

 

「本職は俺なんだが」

 

「いいじゃない!こんな暗いんだし、手元だって見えないでしょ?」

 

「見えなくはないがな……」

 

 彼女の言葉に肩を竦めたローグハンターは、彼女の隣に片膝をつき、弄くっている鍵穴に目を向けた。

「ふんふんふ~ん♪」と余裕の鼻唄が漏れている辺り、それなりに気を抜いているのだろう。

 いつもなら注意するところだが、タカの眼で透視しても、宝箱に何かが仕掛けられている様子はない。

 失敗しても、命に関わるような事態にはならないだろう。

 

「よし、開いたわよ」

 

 むしろ心配なのは壁や天井の方だと、ローグハンターが周囲を警戒していると、妖精弓手が嬉しそうに長耳を上下に揺らしながらそう告げて、さっさと開けてしまう。

「おい……」と少々の不満を込めてローグハンターが声をかけるが、当の彼女は気にした様子を見せずに中身を覗きこんだ。

 

「……あれ?」

 

 瞬間、何やら驚いた様子で声を漏らし、揺れていた長耳が動きを止めた。

 

「どうした」

 

「あれ~、私たちが一番乗りだと思ったんだけどなぁ」

 

 ローグハンターの問いかけを無視し、残念そうに肩をすくめた妖精弓手は、更に身を乗り出しながら「二重底かしら?」と呟き、長持の底に手を触れた。

 

「空だったのか」

 

 そんな彼女の背中を見つめながらローグハンターは苦笑すると、「外れだな」と本音を漏らして立ち上がった。

 何もないならさっさと帰り、次の依頼に備えなければならない。

 

「ちょっと待って!ここに何か──」

 

 長持に背を向けて部屋を出ようとする彼を他所に、長持の底に何かがあることに気付いた妖精弓手が、恐る恐るそれに触れた。

 その瞬間、それはがこん!と音をたてて沈むと、妖精弓手は「へ……?」と間の抜けた声を漏らした。

 直後、部屋全体が揺れ始め、天井にこびりついていた埃や、天井が欠けたのか、ぱらぱらと音をたてて小石が降り注ぐ。

 

「わわわ!?な、何事!?」

 

「それは俺の台詞だ!何をした!?」

 

 突然の揺れに慌てる妖精弓手に向けて、床に両手足をついて踏ん張るローグハンターが怒鳴り付けた。

 地震かとも思ったが、あまりにもタイミングが悪い。背後から異質な音がした直後だ。

 持ち前の平衡感覚で揺れに耐える妖精弓手は、床に這いつくばって耐えているローグハンターに目を向け、更にその奥にある部屋の入り口に目を向けた。

 

「な!?入り口が!」

 

「今度はなんだ!?──っ!」

 

 彼女が指を差してそちらを示すと、ローグハンターは弾かれるようにそちらに目を向け、有らん限りに目を見開いた。

 部屋の入り口の方から石同士が擦れる音が聞こえてきたかと思えば、さながらシャッターのように薄い石材が、入り口を塞ぐように降りてきているのだ。

 

「「っ!」」

 

 それに気付いた二人は慌てて走り出すが、時既に遅く、重々しい音をたててシャッターは降りきってしまう。

 

「「──」」

 

 突然の事態に二人の思考が停止すると、今度は壁に並んでいた焚き火台に術的な青白い炎が灯り、薄暗かった部屋を照らし出す。

 突然の明るさに目を覆った二人だが、すぐに持ち直して辺りを警戒し、周囲の壁から天井、床にいたる全てを警戒する。

 部屋に閉じ込めたのだ。魔物(ボス)が出てきても不思議ではない。

 二分か、三分か、二人は呼吸音さえも限界まで押し殺して神経を研ぎ澄まし、明るくなった部屋を警戒する。

 

「……何も来ないわね」

 

「そのようだな」

 

 妖精弓手が辺りを警戒しながら言うと、ローグハンターも同じように辺りを見渡した。

 炎が灯った以外に何の変化もない、石造りで無機質な部屋があるばかりだ。

 

「そろそろ、どうやったら出られるかを考えるか」

 

「……そうね」

 

 ローグハンターの提案に妖精弓手は頷き、構えていた大弓を背中に担ぎ、代わりに黒曜石の短刀を抜いた。

 それを合図にローグハンターはタカの眼を発動し、何か手掛かりを探して部屋を見渡した。

 床にはなにもなく、天井にもなにもなく、壁には──、

 

「……ん?」

 

「どうかした?」

 

 何かが書かれている事に気づいて思わず声を漏らすと、自慢の長耳でそれを聞き取った妖精弓手はすかさず反応を示す。

「いや」と首を傾げたローグハンターは、「でもな」と呟いてその文字に近付いた。

 つられて妖精弓手もそこに近づけば、彼は塞がった入り口の脇にある看板のようなものに手を触れて、そこにこびりついた苔や埃を乱暴に払い始めた。

 そうして隠された文字が浮かび上がり、二人が覗きこむと、そこに書かれていたのは──。

 

『SEXしないと出られない部屋』

 

 だった。複雑な言語の上には、ご丁寧に子供にでも読めるようにふりがなまで振ってある。

 

「「………」」

 

 二人は意味を理解できずに数度瞬きを繰り返すと、顔を見合わせ、再び看板に目を向ける。

 

『SEXしないと出られない部屋』

 

 だが何度見ても意味は変わらず、書かれているのはその一文のみだ。

 二人は再び顔を見合わせて数度瞬きすると、思い切り息を吸い込み、「「畜生が(ガイギャックス)!!」」と口を揃えて叫んだ。

 部屋中に反響する二人の声に混ざり、この部屋に入ってしまった哀れな二人を、嘲笑うかのような嗤い声が聞こえた。そんな気がした。

 

 

 

 

 

「神々の都合通りになってやるものか。運命は自分で決めるものだ」

 

「そ、その通りよ!絶対に脱出する手がある筈だわ!」

 

 あの看板を見つけてしまえば後は早い。

 あの条件以外の手を使い、何がなんでも出ていってやろうと二人の意識が共有されたのだ。

 ならばどうするか。そんなものは決まっている。シャッターを破ればいい。

 とりあえず雑嚢に入っていた手投げ弾(グレネード)を取り出し、それを分解して火の秘薬(かやく)を取り出すと、シャッターの下にそれを撒いていく。

 そして導火線代わりにするため松明の油布を取り外し、それを伸ばしていく。

「爆破する!」と叫べは妖精弓手は耳を塞ぎ、ローグハンターも身体を丸めて対衝撃体勢を取る。

 そして両手首のアサシンブレードを抜刀し、それを擦り合わせて火をつけた。

 火は油布を伝ってシャッターの方まで駆けていき、爆音を響かせて火の秘薬(かやく)を弾けさせた。

 耳をつんざく音が鼓膜と部屋を揺らし、衝撃が全身を殴り付ける。

 

「どうだ!?」

 

 ローグハンターが期待を込めてシャッターの方に目を向けるが、そこには多少焦げただけのシャッターがあった。

 隠す気もなく舌打ちを漏らすと、妖精弓手が耳を押さえながら彼の隣に戻ってくる。

 

「こっちも駄目ね」

 

 壁に隠し通路がないかと探し回っていた妖精弓手が戻ってくると、上の森人特有の優雅さをもって肩を竦めながらそう告げた。

 

「隠し通路はなし。天井にも何にもないわ」

 

畜生(ガイギャックス)

 

 彼女の報告に吐き捨てたローグハンターは、ついに痺れを切らして隔世状態を発動し、金色の双眸でシャッターを睨み付けた。

 そのまま迫力を込めた歩みでシャッターに近寄った彼は、ゆっくりと握り拳を置き、「ハッ!」と気合い一閃と共に渾身の力を叩きつけた。

 ローグハンター渾身の発勁(はっけい)。上級の悪魔すら即死させる一撃を受けたシャッターは、

 

「……嘘だろ」

 

 びくともせずにそこに鎮座していた。

 ローグハンターは間の抜けた表情で、数瞬の間思考を停止させると、息を整えて集中し、シャッターに挑んだ。

 ガンガンとシャッターを殴り付ける音を聞きながら、妖精弓手は休憩がてら壁に寄りかかって座り込み、深々とため息を吐いた。

 

 

 

 

 

 それから数十分ほど経った室内。

 ぜぇぜぇと息を切らしたローグハンターが、妖精弓手の隣に座り込み、乱暴に頭を掻いた。

 

「ああ、くそ……!限界だ……」

 

 そう悪態をついた彼の瞳は蒼くなり、額には玉のような汗が浮かんでいる。

 気を利かせた妖精弓手が懐から取り出した手拭いで彼の額を拭ってやり、「はい」と水袋を差し出した。

 それを受け取ったローグハンターは水を一口あおるとホッと息を吐き、申し訳なさそうに彼女に告げた。

 

「物理も、魔術も駄目。完全に手詰まりだ」

 

「そう。まあ、あんたの様子を見ればわかるわ」

 

 彼の言葉に何てことのないように笑った妖精弓手は、ちらりと汗の滲んだ彼の横顔を眺め、赤面しなが、もじもじと爪先を擦り合わせた。

 

「ね、ねぇ……?」

 

「なんだ」

 

 彼女の声に反応して振り向いたローグハンターは、目と鼻の先にある彼女の顔に驚き、僅かに身体を仰け反らせた。

 

「ど、どうかしたのか……?」

 

 ローグハンターが首を傾げると、妖精弓手が両手の人差し指を弄りながら問いかけた。

 

「私じゃ、嫌……?」

 

「──」

 

 突然の発言に言葉を失ったローグハンターに向けて、妖精弓手は更に言葉を投げ掛けた。

 

「その、あんたに無理してほしくないし、そもそも無理言って連れ出したは私だし、挙げ句に失敗したのは私だし……」

 

 彼女は申し訳なさそうに長耳をしおらせながら言うと、覚悟を決めたように表情を引き締めて彼に告げる。

 

「私が責任をとるわ。あんたが良ければ、だけど……」

 

 少々自信なさそうに自分の身体を見つめた妖精弓手が、「駄目?」と見上げるという都合上上目遣いになりながら問うと、ローグハンターは困り顔になりながら頬を掻いた。

 正直言えば隔世状態での攻撃の連続で疲労は溜まっているし、魔術も使いすぎで再使用にはかなりの時間がかかる。

 完全回復しても出られる保証はなく、食料や水分も心許ない。出られるのなら、早めに出るに限るだろう。

 ローグハンターは疲労の溜まった頭で様々な事を考えていくが、結局のところ手詰まりということに気付くのみ。

 諦めたようにため息を吐いたローグハンターは、変わらず覚悟を決めた──ように見えてどこか期待した──表情を浮かべる妖精弓手に目を向け、「いいのか?」と問いかけた。

 

「それは2000年守ってきた貞操をあなたに捧げること?それともこんな埃っぽい場所ですること?」

 

「俺なんかで、いいのか?」

 

 妖精弓手の確認に、ローグハンターが自嘲的な言葉で返すと、彼女は「構わないわよ」とあっけらかんとした表情で答えた。

 彼女の気遣いに目を閉じたローグハンターを他所に、妖精弓手は「ただし!」と彼の鼻先に指を突きつけた。

 

「また冒険に付き合ってもらうわよ。何年先も、何十年先も、何百年──は流石に無理があるわね」

 

 彼女が指を折って何かを数え、流石に行きすぎかと苦笑を漏らすと、ローグハンターがくつくつと喉を奥を鳴らすように笑い声を漏らし、「いくらでも付き合うよ」と声を震わせた。

 

「何なら円環(サークル)の先で生まれ変わっても、付き合うさ」

 

「それは……見つけるのが大変ね。でも、それはそれで面白そう」

 

 妖精弓手は彼の冗談か、あるいは本気の一言に苦笑を漏らすと、「なら、まずはここを出ないとね」と意気込んだ。

 

「ああ。さっさと出よう(ヤろう)

 

 彼は開き直ったように笑いながらそう言うと、彼女の頬を撫で、そっと顔を寄せた。

 頬から伝わってくる彼の温もりに、心地良さそうに目を細めていた妖精弓手は、彼を受け入れるように目を閉じる。

 青白い炎に照らされて壁に映る二人の影が、一つになった。

 

 

 

 

 

「ちゅ……んっ……はっ……んんっ!」

 

 壁に寄りかかるように座っているローグハンターの膝の上に、彼と向き合う形で座った妖精弓手は、ひたすらに行われる彼の口付けを受け止めながら、合間合間にくすぐったそうに身体を震わせていた。

 片手で頭を押さえてキスをされるだけならいいが、もう片方の手で背中を撫でられ、時には脇腹、時にはうなじを撫でられれば、流石にくすぐったいというもの。

 

「ふっ……んん!……ちゅ!んぐ!?」

 

 声をあげようにも口が塞がれているためどうにも出来ないでいると、ローグハンターが僅かに開いていた口の隙間から舌を捩じ込み、無防備にじっとしていた彼女の舌に襲いかかる。

「ひゃ!?」と口を塞がれたまま悲鳴を漏らし、肩を跳ねさせて身体を強張らせたが、すぐに弛緩させて彼に身を任せた。

 一方的に絡んでくる彼の舌に任せ、彼の温もりと唾液の湿り気を堪能しながら目を細めた。

 だらしなく下がった長耳は先端まで真っ赤に染まり、彼の動きに合わせてピクピクと震えている。

 視界の端でそれを捉えていたローグハンターは、彼女に気付かれないように手を近づけると、指先で優しく撫でた。

 

「っ!」

 

 同時に弾かれるように身体を跳ねさせた妖精弓手は、その勢いのままに口付けを中断。愛撫するように撫でられる耳のくすぐったさに、自分の指を噛んで声を押し殺す。

 

「んっ……!ふ……っ!ひぅ……!」

 

 ピクピクと身体を震わせ、潤んだ瞳でローグハンターを見つめる妖精弓手は、「やめ、てぇ……」と蕩けた声で懇願した。

 彼女の言葉に背筋を震わせたローグハンターは昂ったように笑うと、耳から手を離し、彼女が纏っている衣装に手をかけた。

「あっ……」と声を漏らしたのも束の間、ローグハンターは少しずつ彼女の衣装を捲っていき、細く括れた腰が、柔らかな腹が、顔を覗かせる。

 恥ずかしそうに赤く染まった顔を背けた妖精弓手だが、抵抗したり抗議したりする様子はなく、彼にされるがままになることを受け入れる。

 その様子を了承と受け取ったローグハンターが更に衣装を捲り、彼女の胸が見えそうになった頃、一つの疑問が頭を過った。

 

 ──上の森人の下着はどんなものなんだ?

 

 普段ならまず見ることがなく、一生の内に見る機会すらないであろう、森人の王族の下着だ。

 人間として割りと枯れてはいるが、好奇心を失ったかと問われれば答えは否。気になるものは気になるものだ。

 そんな下らない──本人的には大真面目な──疑問を解決する為、意を決して彼女の衣装を更に持ち上げた瞬間、

 

「──」

 

 彼は言葉を失った。

 彼の反応を受けた妖精弓手は途端に自信をなくしたように顔を俯けた。

 

「や、やっぱり、おっきい方が好き……?」

 

「いや、大きさはどうでもいいんだが」

 

「だが?」

 

 彼の言葉に妖精弓手が首を傾げながら返すと、ローグハンターはそっと彼女の胸に触れた。

 

「──下着はどうした」

 

 彼の目の前にはまっ平らな彼女の胸と、ピンと勃った桃色の乳首があり、そこを隠している筈のものが、ブラジャーがないのだ。

 

「つけてないけど?」

 

 ローグハンターの問いかけに何てことのないように返した妖精弓手は、「どうしたの?」と首を傾げた。

 彼女の反応に一瞬困り顔になり、小さくため息を漏らしたローグハンターは、「いや、何でもない」と少々怒気を込めて呟いた。

 

「この話は帰ってからだ」

 

「なによ、怒ってんの?」

 

 彼の態度を茶化すように問うと、ローグハンターは蒼い瞳を細めた。

 それはさながら獲物を狙う鷹のようでいて、向けられた妖精弓手は思わず生唾を飲みこみ、一人の女として恍惚の表情を浮かべた。

 そう、ここにいるのは冷静に昂った一人の男と、本能から興奮している一人の女だ。

 

 

 

 

 

「ひゃん!あっ!はっ!はん!あっ!」

 

 入口もなく、出口もない室内に、妖精弓手の嬌声が響いていた。

 あれから瞬く間に上着を剥がされた妖精弓手は、敷き布代わりに敷かれた毛布の上で背後から抱き締められ、小さめの胸の中央で存在を主張する乳首を責められていた。

 

「ひゃ!?ひっ!あっ!はっ!はひゅ!」

 

 指の間に挟まれ、捏ねるように転がされる度に電撃のような快感が全身を駆け抜け、ズボンに隠された秘裂からは大量の愛液が分泌され、染みをつくっていく。

 

「何と言うか、随分と敏感なんだな」

 

「あひ!?あっ!はっ!はっ!はへ!ひっ!」

 

 上半身裸になり、彼女の体温を直に感じていたローグハンターが、くすぐるように耳元で囁きながら乳首を転がしてやれば、妖精弓手は快感に震えながら肺の空気を吐き出し続け、酸欠を起こしたように視界が点滅する。

 産まれてから2000年。無意識の内溜まっていた性欲が、彼女の小さな体躯では受け止めきれない快感を自ら生み出しているのだ。

 

「きひゅ!あっ!はっ!ひん!あ──」

 

 ビクビクと身体を揺らしていた妖精弓手は、突然目を見開いて身体を強張らせると、

 

「ひぎ!?ああああああああああああああ!!!」

 

 全身を痙攣させながら、絶叫した。

 ズボンの中に隠された秘裂からはぷしぷしと音をたてて潮が吹き出し、痙攣する身体に合わせてピンと勃った乳首が暴れ、彼の指の間で暴れまわる。

 

「かひゅ!ひぁ!ああああああああああ!!」

 

 その感覚すら彼女に快感を与え、休む間もなく二度目の絶頂を叩きつけられる。

 意味を持たない悲鳴をあげながら絶頂に震える彼女を見つめ、流石に危ないかとローグハンターが手を離すと、絶頂に暴れる身体を毛布の上にうつ伏せに倒し、ビクビクと身体を痙攣させる。

 

「へっ……!あっ……!ひっ……!」

 

 身体が跳ねるのに合わせて彼女の口から呻き声が漏れ、ズボンからは吸いきれなかった愛液と潮が滲み出し、毛布に落ちて点々と染みをうくる。

 ローグハンターは苦笑混じりに頬を掻き、彼女の身体を仰向けにすると、快感に歪んだ彼女の顔を数秒眺め、びちょびちょに濡れたズボンを降ろした。

 次いでショーツも降ろそうとするが、彼の視界に飛び込んできたのは──、

 

「……下も穿いてないのか」

 

 愛液と潮でぐしょぐしょになった、一糸も纏っていない彼女の下半身だった。

 ピタリと閉じた秘裂はパクパクと開閉を繰り返し、その度に愛液が吐き出される。

「無防備すぎるぞ」と不満を口にしても、彼女からの返答は熱のこもった呻き声のみ。

 ローグハンターは肩を竦めるとズボンとパンツを纏めてずらし、勃起した己の逸物を取り出した。

 切っ先を彼女の秘裂に擦り付けて、分泌された愛液と吹き出した潮を亀頭に塗りたくる。

 

「あっ……!ひぅ……!」

 

 くちゅくちゅと音をたてて擦る度に妖精弓手は身体を震わせ、小さな臀部がピクピクと跳ねる。

 ローグハンターは一度深呼吸をすると、聞こえているかは別として「いくぞ」と告げた。

 

「優しく……して……よ……?」

 

 妖精弓手がどうにか取り戻した理性を振り絞ってそう言うと、ローグハンターは「善処する」と返して目を細めた。

 そしてゆっくりと腰を前に突き出し、ピタリと閉じた膣肉を掻き分けていく。

「くっ!うぅ……!」と胎内を占める圧迫感に眉を寄せた妖精弓手と、凄まじいまでの締め付けに負けじと腰を前に前に進ませていたローグハンターだったが、亀頭が何かに触れた事を合図に腰を止めた。

 膣肉の締め付けが一際強くなり、動けないのもあるが、今触れているものが、彼女にとって大切な事だと知っているからだ。

 そんな彼の思慮に気付いてか、妖精弓手はへにゃりと力の抜けた笑みを浮かべて彼へと告げた。

 

「ここまで……来たんだからっ……、遠慮しないでよ……」

 

「──」

 

 彼女の言葉にローグハンターは言葉もなく苦笑すると、「そうだな」と呟いて表情を引き締めた。

 同時に妖精弓手が歯を食い縛ると、ローグハンターは一気に腰を突き出し、一思いに彼女の処女膜を貫いた。

「ぎっ!?」と小さく悲鳴をあげた妖精弓手は毛布を握り締め、痛みに身体を震わせた。

 

「くっ!うぅ……っ!いっ……たぃ……!」

 

 先程まで快感に蕩けていた思考が痛みにより覚醒し、途端に冷静になる。

 冒険者という職業上、痛みに慣れている妖精弓手だったが、想像を遥かに越える痛みに瞳から涙を溢れさせ、身体を強張らせた。

 

「おい、大丈夫か」

 

「大、丈夫に、見える?」

 

「見えないから訊いている」

 

 そんな彼女を見下ろしながらローグハンターは問うと、頬を伝っていく涙を指で拭ってやり、そのまま彼女の頬を撫でた。

「大丈夫になったら言ってくれ」と告げた彼は、頬を撫でていた手で彼女の胸に触れて、乳首を指で弾いた。

 

「ひん!」

 

 突然襲ってきた鋭い快感に目を剥いた彼女は甲高い嬌声を漏らす。

 そのまま指の腹で転がされれば、ビリビリと痺れるようや快感に身体を震えさせ、覚醒した思考が再び蕩けていく。

 

「あっ……はっ……ひゅ……んぁ……っ!」

 

 ピクピクと身体を跳ねさせながら嬌声を漏らしていると、そのまま口がだらしなく開いてしまい、端からは唾液が垂れ、犬のようにはぁはぁと呼吸を繰り返す。

 

「いい、わ!もう、だいじょうぶ!うご、いて……っ!」

 

 そして辛抱堪らなくなった妖精弓手が叫ぶと、ローグハンターは開いていた彼女の唇を塞ぎ、問答無用で舌を差し込んだ。

 同時に言われた通りに腰を振り始め、引き締まった彼女の膣肉を力任せに抉じ開け、掻き回す。

 下腹部が彼の逸物を型どったような一筋の膨らみができ、それが絶えず前後に動き続けているのだ。

 

「んぉ!?じゅる!んぐ!おっ!じゅるる!んんっ!ぶっ!」

 

 圧迫感は先程までと変わらない筈なのに、脳に叩きつけられる快感は先程の比ではなく、絡みついてくる舌を迎撃することも出来ずに一方的になぶられる。

 だが流石に息苦しくなったローグハンターが顔を離すと、「ぷぁ!」と可愛らしい声を漏らし、すぐに獣じみた嬌声をあげ始めた。

 

「おぁ!?あっ!はっ!あっ!ひっ!んぃいい!」

 

 どすどすと殴られるような衝撃が子宮を揺さぶり、その全てが脳に達する頃には快感へと変換され、彼女の理性を焼き尽くす。

 

「あっ!ひっ!あん!はっ!そこ、いい……っ!」

 

 少しずつ余裕が出来てきた妖精弓手は、彼の腰の動きに合わせて自分の腰を振り始め、更なる快感が彼女に襲いかかる。

 

「んぁ!?ぎっ!あっ!ひぅ!いっ!そこ、いい、のぉ!!」

 

 ビクンビクンと身体を跳ねさせながら快感に喘いでいると、不意に何かを思い付いたローグハンターが彼女の耳元に顔を寄せ、身体の動きに合わせてピクピクと震えている長耳に噛みついた。

 

「ひゅ──」

 

 突然耳を生温かいものに包まれた妖精弓手が肺の空気を吐き出すと、「まっ……だめ……」とくすぐったそうに身体を震わせながら言うが、ローグハンターは一切聞き入れた様子もなく彼女を長耳を舐め回し始めた。

 

「ひぎ!?あっ!はっ!あっ!ぎっ!だ、だめ……!そこ、だめなのにぃ……!!」

 

 はむはむと甘噛みし、飴を舐めるように舌を這わせてやれば、妖精弓手は喘ぎながら逃げようとするが、ローグハンターは片手で彼女の頭を押さえ込んで動きを封じ、腰の動きを速めながら更に耳を責める。

 

「かひゅ!?あっ!ひっ!んぉ!?おっ!お゛っ!んお゛ぉ゛!?」

 

 耳を責め始めてから膣肉が更に締め付けを強めながら、何かに耐えるように痙攣を始めれば、ローグハンターは眉を寄せながら笑みを浮かべ、一旦甘噛みを止めて彼女の耳をくすぐるように囁いた。

 

「そろそろ射精()そうなんだが、抜いても?」

 

 本来なら問答無用で抜けばいいものを、謎の嗜虐心が芽生えたローグハンターはそう問いかけ、彼女の返答を待った。

 そして、彼女からの返答はほとんど間を置かずに行われた。

 

「いいから!ぜんぶ、ちょうらい!もっと、もっと、きもちよくしてぇぇえええ!」

 

 叫ぶように返されたローグハンターは小さく頷くと、スパートをかけるように一気に腰の動きを速め、パンパンと音をたてて腰を打ち付ける。

 

「ひん!あっ!ひぅ!きたっ!さっきみたいに、じりじりしてきたぁ!!」

 

「くっ、おおお……!」

 

 彼女の宣言と同時にローグハンターは低く唸ると同時に腰を思い切り打ち付け、高まっていた射精感を解放した。

 どろどろの精液が彼女の子宮にぶちまけられ、その熱と精液が子宮壁を撫でる感覚に襲われた妖精弓手は、

 

「ひぎ!?ああああああああああああ!!!」

 

 絶叫と共に絶頂を迎え、結合部から潮を吹き出した。

「お゛っ……!あ゛っ……!」と野太い悲鳴を漏らしながら絶頂に震える妖精弓手をそのままに、ローグハンターは彼女の細い腰を両手で押さえ込み、一滴たりともこぼすことを許さずに精液を流し込む。

 凄まじい射精量に子宮は瞬く間に満杯になるのだが、出入口を塞がれているため、逃げ場がない精液は次々と注がれる精液に押されて子宮内を暴れまわり、彼女に断続的な快感を叩きつける。

 

「きひ──……」

 

 そんな事をしていると、妖精弓手は断末魔のように声を絞り出し、それを最後に身体を弛緩させて毛布に身体を沈めた。

 許容量を遥かに越える精液を注がれた為か、下腹部がぽこりと膨らみ、触れてみればぐにぐにと形を変える。

 ふーっと深く息を吐いたローグハンターは、ゆっくりと腰を引いて逸物を抜くと、同時に秘裂からはどろりとした精液が溢れ、彼女の尻の割れ目に添って毛布に滴り落ちていく。

 その様子を眺めていたローグハンターが乱れた呼吸を繰り返していると、何か重いもの同士が擦れる音が彼の耳に届き、倦怠感をそのままに音の主を探して部屋を見渡した。

 するとどうだろう。全力をもってしても壊れなかったシャッターが、少しずつ上がっていくではないか。

 ローグハンターはホッと息を吐くと、妖精弓手に視線を戻した。

 

「へっ……あっ……ひっ……」

 

 身体をピクピクと跳ねさせながら、絶頂の余韻に浸る彼女は、シャッターが上がったことにも気付いていない。そもそもしばらくは動けないだろう。

 

「仕方ない」

 

 そんな彼女の様子を確認したローグハンターは、とりあえず体力を回復しようと彼女の隣に寝転がり、天井を見上げた。

 何も描かれていない天井だが、とりあえず見ている分には問題ない。

 彼はため息を吐き、蒼い瞳で見ているであろう神々を睨み付ける。

 

 ──今回ばかりは恨むぞ、神々よ。

 

 

 

 

 

『もう!彼に嫌われたらどうするのさ!』

 

 そうやって怒鳴ったのは、いつも通り盤を見下ろしていた『幻想』です。

 怒ってますと言わんばかりに頬を膨らませて、目の前で懲りた様子もなく笑っている神様たちを睨み付けます。

 一時期流行った『○○するまで出られない系』のダンジョンも、ここまで酷いものはなかったと思います。

 あってもせいぜいキスをするとか、ハグをするとか、簡単なスキンシップ程度のものです。無理やり本番を求めるなんて、言語道断です。

 その意見に賛同しているのは地母神です。この神様も怒りながらこのダンジョンを用意した神様たちを前に仁王立ちしています。

 他の神様たちは楽しそうだと野次馬になり、神様によっては『やれやれ!』と煽り始める始末です。

 そんな神様たちが説教大会をしている隙に、そんなダンジョンに入り込んでしまった二人は脱出していきました。

 罠はおろか、魔物すらいないのです。自動成功、無事に脱出です。

 これを冒険といえるのでしょうか?これではまるで、ただの連れ込み宿(ラブホテル)です。

 一人彼らを眺めていた『真実』はやれやれと首を横に振って、誰も見ていない盤を見下ろします。

 さて、あの二人がその後どうなったのか、見てみましょう。

 

 

 

 

 

 数日後、辺境の街。眠る狐亭の一室。

 普段ならローグハンターの拠点として、異様なまでの静けさに包まれている筈なのだが、

 

「あん!はっ!へぅ!ひっ!あっ!」

 

 そこから、甘ったるい女性の嬌声が漏れていた。

 室内に唯一設置されたベッドの上で、ローグハンターと妖精弓手が交わっているのだ。

 二人とも表情は恍惚の色に染まり、立ち込める淫行の匂袋と、シワと染みだらけになったシーツから、長時間に渡って交わっていることは明白。

 

「はっ!ひっ!そこ、いい!もっと、もっとついてぇ!」

 

 2000年感じることのなかった異性の温もりと、凄まじいまでの快感を知ってしまった彼女は、見事にそれに嵌まってしまったのだ。

 それはローグハンターにも言えることで、思いの外相性が良かった彼女との性行に溺れ、快楽を貪っていた。

 

「ふぉ!ぎっ!あっ!ああああああああ!!」

 

「おぉ……っ!」

 

 彼女が絶頂すればローグハンターも絶頂を迎え、既に満杯になっている彼女の子宮に精液を吐き出す。

 だがそれで彼の昂りは治まらず、抜かずにそのまま次のラウンドに突入する。

 

「んぉお!?あっ!ああああああああ!!」

 

 彼女の嬌声は途絶えることを知らず、二人は快楽を貪り続ける。

 冒険に向かい、帰っては交わり、時には出先でも交わり、その頻度はもはや常軌を逸している。

 片や古き者(外界の神)の血を宿す者、片や精霊の末裔。

 世界から見ても希少な二人にとって、それは当然なのだろう。

 妖精弓手はともかく、ローグハンターの時間は有限。死ぬまでに出来る限りのことをしなければ、死ぬ直前で後悔をするというもの。

 故に二人は交わり合う。理性がどろどろに溶けてなくなる程に、二人は交わり続けた──。

 

 

 




Q 同時期(エピローグ頃)の銀髪武闘家とローグハンターを放り込んだらどうなりますか?

A 一回ヤって出口が開いてもしばらく出てこない。食料との兼ね合いもあるが、下手すれば一日二日は出てこない。

あと妖精弓手がノーブラノーパンなのは公式ですからあしからず。

感想等ありましたら、よろしくお願いします。


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Memory?? 元聖騎士(テンプラー)と自称聖騎士(クルセイダー)

もう何個めかもうろ覚えなリクエスト企画。
ヒロインは女騎士の、時期はエピローグ頃を想定。

ついでに一つお知らせ。

主人公の名前、誤字ってました!!

ジブニール、ジブニールと連呼してましたが、正しくはジブ「リ」ールでした。
久しぶりに本編読み直して、名前出た初回だけジブ「リ」ールになってて、気になって調べたらそっちが正解でした。
とりあえず片っ端から治しましたが、本当に申し訳ないです。

今後はジブリールで通すので、名前変わってね?と思っても無視してください。

今回名前出てきませんけどね!



 辺境の街の片隅にあるとある一軒家。

 その中でも優しげな月明かりが差し込む室内に、とある女性がいた。

 純白のドレスに身を包んだ女性は、僅かに開いた窓からのすきま風に金色の髪を揺らし、姿見の前でくるくると回りながらうんうんと唸っていた。

 彼女の動きに合わせて金色の髪とドレスが揺れて、月明かりを反射してキラキラと輝くその様は、どこかの国の姫君のようでいて、幻想的だ。

 だがドレスの隙間から覗く両手は筋肉質で、彼女がただの姫君でないことは確実だった。

 そんな自分の姿を見ていた女性──女騎士は何度目かのため息を漏らし、さらにもう一回転して眉を寄せた。

 いつもは鎧を纏い、両手剣と大盾を構えて敵陣に切り込む自分が、こんな可憐なドレスを纏い、あまつさえ皆に祝福されながら婚礼したなど、もしや夢なのでは──。

 そこまで思慮した女騎士は「いやいや」と首を左右に振り、自分の頬を叩いた。

 そこからはいつものように痛みを感じるし、試しにつねってみてもやはり痛い。

 そこまでして「夢ではないのだな……」と感慨深そうに呟いた彼女は、改まって姿見に映る自分の姿を見つめた。

 純白のドレス──もちろんウェディングドレスだ──を纏いながら、真っ直ぐとこちらを見つめてくる鏡の中の自分の表情は、いまだに信じきれていないように強張っていて、先程まで友人らと笑っていたのが嘘のようだ。

 

「いやいや!何度嘘と思えば気が済むのだ、私は!」

 

 彼女はポカポカと自分の頭を叩きながら語気を強めると、不意に扉が開き、その奥から一人の男性が顔を覗かせた。

 

「さっきからどうした。着替えは──終わってないじゃないか」

 

 そんな事を言いながら部屋に入ってきた男性──ローグハンターは蒼い瞳を細め、「どうかしたのか?」と問いかけながら女騎士の背中に抱きついた。

 ドレス越しに彼の温もりを感じた女騎士は頬を朱色に染めながら俯くと、「いや、その、だな……」と歯切れ悪く彼に告げた。

 

「何だか、今日の出来事全てが夢のように思えてな」

 

「まあ、現実味に欠けるのは確かだ」

 

 彼女の言葉にまさかの肯定を示したローグハンターは、彼女をぎゅっと抱き寄せながら金色の髪を手で梳いた。

 その感覚が心地よく、照れながらも頬を綻ばせる女騎士の顔を姿見越しに見つめたローグハンターは、彼女の耳元で囁いた。

 

「だが、お前が俺の妻に、俺がお前の夫になったのは確かな事実だし、指輪も交換しただろう?」

 

「そうだ。そうなんだが……」

 

 女騎士が左手薬指に輝く指輪を撫でながら頷くが、それでも不安そうな表情で姿見を見つめ、鏡の中からこちらを心配そうに見つめてくるローグハンターに告げた。

 

「どうにも、今にも夢から醒めて、今日の事を忘れ、明日にはいつも通りに冒険に出るような気がしてならないんだ」

 

 いつもの迫力はどこにやってしまったのか、ひどく弱々しい声で告げた彼女は、自分の首に巻かれている彼の腕を掴み、「私らしくもない」と自嘲した。

 彼女の言葉を受けたローグハンターは少し不満げな面持ちとなると、女騎士の肩を掴んでくるりと回し、自分と向かい合わせた。

 されるがままで彼と向かい合わせになった女騎士が、彼の不満げな表情に気付いて「ど、どうした?」と首を傾げると、ローグハンターは何も告げずに彼女の唇を奪った。

 

「んぐ!?ふっ……!ちゅ……!んくっ!」

 

 突然の行動に身体を強張らせる女騎士だが、彼の舌が口内に侵入し、自分の舌に絡まり始めると、身体から力を抜いて彼に身体を任せる。

 

「ちゅる……んっ……ふぁ……」

 

 口内に満遍なく唾液を塗りたくられれば表情が蕩け、凛としている瞳がだらしなく潤んでいく。

 ローグハンターは彼女の舌の感触と温もりを愉しむだけ愉しむと、ゆっくりと唾液の糸を引きながら顔を離し、キスだけで恍惚の色に染まった彼女の顔を見つめた。

 唾液に濡れててかてかになっている彼女の唇を拭ってやりながら、にこりと微笑んだ。

 

「これから夢じゃないってことを教えてやる。今夜は寝かせないからな」

 

「っ!あ、ああ……」

 

 自分の言葉に女騎士が恍惚の表情を浮かべながら頷くと、ローグハンターはニヤリと嗤った。

 

「せっかくの結婚初夜だ。孕ませる気でいくぞ」

 

「孕!?いや、お前と私の子供か……」

 

 彼の笑顔と言葉を間近で受けた女騎士は、多少狼狽えつつも彼の言葉に嬉しそうに笑い、彼の胸板に顔を擦り付けた。

 ローグハンターは片手で彼女の髪を撫でてやりながら、もう片方の手をドレスの留め紐に伸ばした。

 せっかくのウェディングドレスだ。汚したり皺をつけてしまったりするのはあまりにも勿体ない。

 彼は丁寧にウェディングドレスを脱がせ、手早く下着姿にした彼女をひょいと持ち上げ、そのままベッドに寝かせる。

 金色の髪が扇状にベッドに広がり、シーツかわりに彼女な身体を受け止める。

 抵抗する様子を一切見せない彼女の唇に口付けを落とすと、ローグハンターは彼女の頬を撫でながら告げた。

 

「それじゃ、覚悟は出来たか?」

 

「いつでもいいとも」

 

 女騎士が頬を撫でる彼の手に自分の手を重ねながら頷くと、ローグハンターは頷き返して彼女の身体に覆い被さる。

 かつては背中を預けあった冒険者。だが今はお互いに想い合う夫婦に他ならない。

 そして愛し合う夫婦が部屋に二人きり。何が行われるのかは、もはや言うまでもあるまい。

 

 

 

 

 

 相変わらず優しげな月明かりに照らされる室内には、淫行の臭いと、汗が滲むほどの熱気がこもっていた。

 

「あっ!ひっ!はっ!ひっ!はっ!はぁ!あん!」

 

 ベッドの上に上体を起こしたまま腰を降ろしたローグハンターと、彼に正面から抱きつくようにして密着している女騎士は、お互いに肌に玉のような汗を浮かべながら、腰を振っていた。

 勃起した逸物は既に彼女の秘裂を貫いており、結合部からぐちゃぐちゃと湿った音を漏れ、愛液が溢れ出る。

 

「はっ!あっ!だめ、だ!おくに、あたって……っ!」

 

「そういう割りには積極的だが?」

 

「きもちいいんだ!ひん!だめになりそうなぐらいっ!あっ!ひぅ!きもちいいんだよ……!」

 

 自分の身体ごと腰を跳ねさせて、膣肉全体を使って彼の逸物を扱く女騎士が嬌声混じりに告げると、ローグハンターは「そうか」と手短に返し、彼女の動きに合わせて腰を突き上げる。

 逸物が先程以上の勢いで子宮口を突き上げ、勢いのままに子宮を押し潰す。

 

「ひぐ!?おぁ゛!?ま、まて!そこは──」

 

「気持ち良いんだろ?知っているとも」

 

 膣肉を掻き分けられ、子宮が潰される度に女騎士は野太い嬌声をあげ、対するローグハンターは冷静に彼女に告げて、彼女の腰を掴んで動きをコントロールし始めた。

 持ち上げると同時に腰をベッドに沈め、打ち下ろす同時に腰を突き上げる。

 自分の意志とは関係なしに腰を振らされる女騎士は「へぁ!?」と悲鳴をあげると、抵抗を忘れて身体を弛緩させ、乱暴に身体を上下に振り回される。

 彼に道具のように扱われている筈なのに、与えられる快感は段違いに強くなり、膣肉が一気に引き締まり、逸物を扱くように痙攣を始めた。

 

「お゛!あ゛ぎ!?へっ!あ゛っ!まで!ま゛っ──」

 

「くっ!」

 

 女騎士は視界を点滅させながら嬌声をあげ、どうにか彼を止めようと声をかけたが、それを遮る形でローグハンターが唸り、押し潰した子宮に向けて射精が行われた。

 

「ひ!?ああああああああああああ!!!」

 

 同時に彼女は悲鳴をあげながら絶頂を迎え、膣肉を引き締めながら身体を仰け反らせ、天井に向かってピンと舌を伸ばした。

 

「くっ……あぁ……」

 

 対するローグハンターは短く唸りながら彼女の腰を押さえつけ、精液を一滴も無駄にすることなく注ぎ込む。

 亀頭に潰された子宮が精液により押し広げられ、内臓を圧迫するような感覚に女騎士は唸るが、

 

「へぁ!ひっ……!あっ……!っ……!」

 

 尿道に残った精液さえも痙攣する膣肉により絞り出され、精液が流れ込む度に女騎士は身体を痙攣させ、苦しげだった声が喘ぎ声に変わる。

 ローグハンターは仰け反っている彼女の背を支えながら顎を引き、天井に向いている顔を自分へと向けさせた。

 

「ひぅ……っ!ふぇ……?あっ、やめろ、みるなぁ……」

 

 絶頂の余韻に浸っていた女騎士は、彼の視線に気付いて赤面すると、力なく首を振って顔を見られないように抵抗を始めた。

「むっ」と不満げに眉を寄せたローグハンターは、彼女の身体を支えながら膝立ちになり、そのまま彼女を下にしてベッドに倒れた。

 その衝撃で逸物が変な場所に当たりでもしたのか、「んぉ゛!?」と変な声をあげた女騎士を他所に、ローグハンターは身体を持ち上げて彼女の顔を見下ろした。

 

「お゛っ!あ゛っ!みる、なっ!みないで、くれぇ……」

 

 快感に歪み、瞳は蕩け、眉尻も垂れ下がり、普段の凛とした──あるいは好戦的な──表情はどこにいったのか、発情した一人の(メス)としての表情が浮き彫りになっている。

 そんな彼女の表情と、弱々しい声に背筋を震わせたローグハンターはぺろりと舌舐めずりすると、彼女の顔に触れて「綺麗だよ」と呟いた。

 

「っ!やめろぉ……そんなこと、いうなぁ……」

 

 彼の一言に目を剥いた女騎士は、少しだけ復活した理性を振り絞って照れたように笑いながら顔を背けると、ローグハンターは思わず身体を固め、「ああ、くそ」とぼやいて頭を掻いた。

 

「それは反則だろ……」

 

「どう、したんだ……?ひゃん!?」

 

 彼女の表情に反応してビクンと逸物が跳ね、女騎士が身体を震わせながら問うと、ローグハンターは苦笑混じりに彼女に返す。

 

「いいや、何でもない。まだやれるか?」

 

「ああ……。ちょっと、落ち着いた……」

 

 女騎士がはぁはぁと呼吸を乱しながら頷くと、ローグハンターは「よし」と呟きながら頷き、一度深呼吸。

 

「ここからだ。いくぞ?」

 

「おうとも」

 

 彼の言葉にはっきりとした言葉で返すと、ローグハンターはにっと歯を見せながら笑い、女騎士も彼の笑みにつられる形で笑みを浮かべた。

 夜はまだ始まったばかり。むしろここからが本番なのだ。

 

 

 

 

 

 

 だがしかし、悲しきかな。

 在野最高の銀等級冒険者という、世界から見ても上から数えた方が早い女騎士とて、異世界から転がり込んできた例外(イレギュラー)には勝てないのだ。

 つまり、何が言いたいのかと言うと。

 

「かひゅ!?んぃ!おっ!あっ!ぎっ!」

 

 女騎士は先程までの覚悟を嘲笑うかのように組み伏せられ、ひたすら腰を打ち付けられていた。

 かりがはみ出すまで引かれたかと思えば、一気に根本まで打ち込まれ、一方的に殴られている子宮口には痛みすら感じるが、けれどその痛みすらも気持ちが良い。

 

「んぉお!おっ!お゛っ!お゛っ!あ゛あ゛あ゛あ゛!!」

 

 かりが膣肉を掻き回し、胎内がヒリヒリとして熱を持つ程に痛め付けられ、けれど締め付けが緩むことはない。

 彼の温もりが、彼の与えてくれる全てが、彼女の脳を蕩けさせ、思考力を奪い取る。

 ビクビクと痙攣する彼女の身体と、もはやだらしないまでに恍惚に染まった表情を見つめたローグハンターは額に張り付いた髪を拭い、彼女の首筋に吸い付いた。

「ひぃ!?」と小さく悲鳴を漏らした彼女を他所に、ローグハンターは思い切り首筋を吸い上げ、ちろちろと舌を這わせる。

 汗のしょっぱさが強いが、それでも彼女から出たものだ。気持ち悪いだとか、汚いだとかは思わない。

 女騎士は「やめ、やめろぉ……っ!」と背筋を震わせながら言うが、ローグハンターは一切気にもせず、吸い付いていた首筋に噛みついた。

 突然感じた鋭い痛みに「ぎっ!」と悲鳴を漏らすと、ローグハンターははむはむと甘噛みし、彼女の首筋に薄く歯形を残す。

 指輪の他にも、彼女は自分のものだという証を残したローグハンターはご満悦そうに笑うと、腰を突き出したまま左右に振り、ぐりぐりと亀頭を子宮口を押し付ける。

 

「んんんんっ!」

 

 女騎士はぎゅっと目を瞑り、歯を食い縛りながら快感に背筋を震わせ、腰をがくがくと痙攣させた。

 

「相変わらず、奥は弱いんだな」

 

 ローグハンターはそう言いながら僅かに腰を引き、物欲しそうについてきた子宮口を思い切り押してやれば、女騎士は目を見開いて腰を跳ねさせた。

 

「くっ!いっ!あ゛っ!?」

 

 結合部から潮を噴き、膣肉を痙攣させながら絶頂した彼女を他所に、ローグハンターは構わずに腰を振り始める。

 

「お゛!?ぎっ!あ゛っ!ま、まて!やすませ──」

 

「駄目だ」

 

 女騎士がどうにか絞り出した懇願を一言で切り捨て、ローグハンターは腰を振り続ける。

 肉同士がぶつかり合うパンパンと淫靡な音が部屋に響き、合わせて漏れ出る彼女の嬌声がローグハンターの背筋を震わせる。

 その興奮のそのまま女騎士にぶつけるため、ローグハンターは彼女の腰を掴んで固定し、釘を打つように腰を叩きつけた。

 

「んぉ!?おっ!お゛っ!あっ!ぎっ!あ゛ぁ゛!?」

 

 かりが膣肉を引っ掻き、子宮口を真っ直ぐに殴られる度に掠れた声を吐きながら上体を跳ねさせ、控えめな胸が揺れる。

 ローグハンターは堪らずに彼女の胸に手を伸ばし、無造作に揉みしだき、ピンと勃った乳首を指の腹で転がす。

 勿論その間も腰の動きは続いており、下と胸から与えられる快感に、女騎士は視界を点滅させ、身体を痙攣させた。

 同時に膣肉が一気に引き締まり、痙攣しながら彼の逸物を扱きあげると、ローグハンターは「くっ」と小さく呻き声を漏らし、彼女の子宮に精液を吐き出した。

 

「お゛!?あああ゛あ゛あ゛あ゛あああああ!!!」

 

 胎内を支配した熱量に目を剥き、脳を焼き切らんばかりの快感を叩きつけられた彼女は悲鳴をあげながら絶頂し、引き締まった膣肉が隙間なく彼の逸物を捕らえて離さず、逆流を許されない精液が子宮を満たしていく。

 

「あ゛……!ぎっ……!お゛……っ!」

 

 精液に押されて子宮を押し広げられた女騎士はピクピクと身体を震わせながら声を漏らしていると、射精が落ち着いたローグハンターはホッと息を吐いた。

 額に浮かんだ汗を乱暴に拭うと、絶頂の余韻に浸る女騎士を見下ろし、そっと彼女の額に張り付いた髪を退かした。

 そして遮るもののなくなった額に口付けを落とすと、優しげに笑いながら彼女に問うた。

 

「まだやれそうか?」

 

「えぁ……?まっへ、くれ……!すこし、やすませ──」

 

「いえそうだな。やるぞ」

 

 蕩けた思考でも、どうにか彼の言葉を理解した女騎士が休憩を求めるが、ローグハンターはどこ吹く風と言わんばかりに肩を竦めた。

 夜は更けてきたとはいえ、まだまだ夜であることに変わりはない。

 せっかくの結婚初夜だ。一分たりとも無駄にする訳にはいかないのだ。

 ローグハンターはにやりと笑い、腰の動きを再開させた。

 

「お゛ぁ!?ぎっ!ああああああああ!」

 

 女騎士の嬌声と肉同士がぶつかり合う音、くわえて湿った音を響かせながら、二人の夜は更けていった。

 

 

 

 

 

 

 天上の神々──特に性愛を司る地母神はノリノリで骰子を手に取り、『いきますよ!』気合い十分で身構えました。

 隣では『幻想』が『頑張れ~』と気の抜けた応援を声をあげながら、わくわくと興奮しながら盤を見下ろします。

 

『──さあ、英雄よ。貴方の子供はどんな道を征くのかな?』

 

 新しい命は大歓迎。それが我らが英雄(おんじん)の子供であるのなら尚更です。

『えーい!』と地母神様が骰子を振って、結果を二人で確認します。

 果たして結果がどうなったのか、それがわかるのは何ヵ月も後の事です。

 

 

 

 

 

 ちゅんちゅんと鳴く鳥のさえずりを耳にして、ローグハンターは目を覚ました。

 酷い倦怠感にため息を漏らし、額に手をやりながら身体を起こす。

 同時に彼の腕を抱き枕にしていた女騎士が「んぅ……」と唸りながら目を開き、じっとローグハンターに目を向けた。

 

「おはよう。夢じゃなかっただろ?」

 

 彼の言葉に女騎士は嬉しそうに笑いながら頷くと、そっと自分の下腹部を撫でた。

 まだ彼の熱の余韻が残り、子宮が疼いた仕方がないが、如何せん今は疲れている。

 一晩中相手をすることになるとは思わなんだと、軽い気持ちで彼の誘いを受けた昨日の自分を責めながら、けれど女騎士は満面の笑みを浮かべた。

 

 これはあり得たかもしれない物語の、あり得たかもしれない結末の一つ。

 異世界の(テンプル)騎士と、聖騎士を志す一人の乙女が出会い、愛し合う物語だ──。

 

 

 




感想等ありましたら、よろしくお願いします。


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Memory?? 彼に勝つには

リクエストから。
ヒロインは魔女。時期は未定ですが、エピローグより前を想定。




 双子の月に照らされた辺境の街。

 そんな街に佇む宿、眠る狐亭の一室。

 そこを拠点としている冒険者──ローグハンターは、ふと違和感を感じて目を開けた。

 起きるにはだいぶ早く、何より休日にしようと思っていたのだから起きる理由もないのだが、何やら鳥肌が立つほどの肌寒さと、それとは逆の優しげな温もりを感じて目を覚ましたのだ。

 依頼が少々長丁場となった為か、目を覚ましても思考が纏まらず、数秒ほどボケッと天上を眺めていたローグハンターは、不満を顔に出しながら小さく唸り、とりあえず身体を起こそうとすると、

 

「駄目、よ。まだ、寝てて、ね?」

 

 彼の身体に覆い被さるように、一人の女性がローグハンターを押し倒した。

 目が覚めたばかりだからか、あるいは相手がわかっているため気を抜いているのか、押されるがまま身体を倒したローグハンターは、押し倒した相手──魔女を見つめながら「おはよう……」と寝ぼけたような声音で返した。

 そんな彼の唇に口付けを落とした魔女は「寝てて、ね?」と子供に言うように言葉を重ねるが、だんだんと意識が研ぎ澄まされてきたローグハンターは、違和感の正体に気付いて目を細めた。

 

「……なぜ、俺もお前も裸なんだ?」

 

「ふふ。どうして、かしら、ね?」

 

 彼の問いかけに魔女は誤魔化すように笑うと、細指で彼の口元に残された傷痕を撫で、笑みを深めた。

 そしてベッドに押し倒した彼に体重を預けると、豊かな胸が彼の硬い胸板に潰されて形を歪め、肉感的な足が武骨な彼の足に絡み付く。

 彼女の温もりを文字通り全身で感じるローグハンターは、肌寒さも相まって更に彼女を感じようと両腕を広げて抱き寄せようとするが、

 

「──」

 

 それよりも速く、魔女が彼の耳元で何かを詠唱。

 真に力ある言葉が世界の(ことわり)を改竄し、不可思議な現象を発生させた。

 ぐわんと視界が歪んだと思うと、広げた両腕が誰かに掴まれ、伸ばしていた両足も掴まれたのだ。

 

「っ!」

 

 ベッドの上で大の字に拘束されるという思わぬ事態に目を剥くローグハンターを見下ろしながら、魔女は妖しく笑って「ほ、ら。見て、みて」と左右を見るように促すと、ローグハンターは唯一動かせる首を巡らせ、周囲を確認した。

 

「──」

 

 そしてようやく異常に気付き、彼は言葉を失った。

 彼の視線の先には、自分の腕を掴んで離さない魔女がおり、反対に目を向ければそこにも魔女がいる。

 言葉もなく目を見開くローグハンターの頬に手を触れた魔女は、「ふふ」と可笑しそうに笑いながら告げた。

 

「これなら、負けない、わ、よ?」

 

 勝ち誇ったような声音で告げて、頬を撫でていた手を彼の顎に添え、横に向いていた顔を自分の方へと向けさせた。

 

「楽しみ、ま、しょう」

 

 そうやっていつもなら言われる側の台詞を彼にぶつけ、乾いた笑みを浮かべる彼の顔を見下ろす。

 捕食者も、やり方一つで被食者にすることが出来るのだ。

 

 

 

 

 

 優しげな月明かりが差し込む室内。

 いつもなら女性の嬌声が漏れてくる事が多いその部屋は、何とも珍しい事態になっていた。

 

「くっ……あっ……ふっ……」

 

 ベッドの上で大の字に押さえつけられたローグハンターが、何らかの術で増えた五人の魔女に襲われているのだ。

 本物と思われる魔女が彼の上に馬乗りになりながら彼の首筋に吸い付き、わざと痕を残しながらペロペロと舌を這わせ、他の四人はそれぞれ自分が出来る方法で彼を責めていた。

 両手を押さえている二人は、自分の豊かな胸で彼の二の腕を包み込み、股に手を挟む事で固定、彼の耳に噛みつく。

 ちゅぱちゅぱとわざとらしい音をたてて咀嚼し、耳たぶを唇で挟んで弄ぶ。

 

「くっ……ふっ……」

 

 くすぐったそうに眉を寄せながら歯を食い縛り、どうにか変な声を漏らすことには耐えているが、身体はビクビクと痙攣しており、かなり無理をしているのは目に見えている。

 顔を真っ赤にして耐えている彼の顔は、普段なら見ることが出来ないもので、キスを中断した魔女は、それを堪能するように彼の顔を真正面から見下ろした。

 その間も耳への責めが止まるわけもなく、ローグハンターは涙ぐんで潤んだ瞳で魔女を睨むが、当の魔女はただ愉しそうに笑うだけだ。

 そして一通り彼の表情を堪能した魔女が指を鳴らすと、両足を掴んでいた二人が動きだし、彼の太ももに股がると、脛に豊かな胸を押し付けるように身体を倒し、彼の足の裏に指を這わせた。

 

「っ!」

 

 同時にローグハンターの身体がビクンと跳ね、見開かれた瞳が不安げに揺れた。

 そんな彼の反応を「ふふ」と可笑しそうに笑うと、魔女は彼の顔を押さえ付け、そのまま唇を奪った。

 只人の戦士として完成している彼の身体とは思えない、触れれば心地よい柔らかさを堪能しながら、門のように固く閉じられた歯の表面を舌で舐める。

 ローグハンターはやられまいと歯を食い縛り、彼女の侵入を拒み続けていると、一旦諦めた魔女が顔を離すと、足を押さえている二人がどうにか隙を作ろうと動き出す。

 足を裏を撫でた指をそのまま這わせ始め、くすぐり始めたのだ。

 ローグハンターは身体を震わせながら「くひっ!」と思わず変な声を漏らすと、すぐに歯を食い縛り、プルプルと唇を震わせる。

 そんな見たことがない彼の様子が堪らなく可笑しくて、魔女は思わず噴き出すと、肩を揺らして笑いながら再び指を鳴らした。

 それを合図に足を押さえていた二人が目配せすると、息を合わせて細い指を蠢かせて更にくすぐり始める。

「ひひっ!」と食い縛った歯の隙間から上擦った声を漏らし、身体をプルプルと震わせていると、今度は彼の耳を甘噛みしていた二人が、耳の穴に舌を突っ込んだ。

 

「っ!」

 

 両耳を物理的に塞がれた挙げ句、聴覚がくちゅくちゅと湿った音に支配されたローグハンターは身体を強張らせ、「かっ」と肺の空気を吐き出すと共に口を開いてしまう。

 その隙を見逃さなかった魔女は開いた口に指を突っ込んで抉じ開けると、再び唇を奪い、勢いのままに舌を捩じ込んだ。

 

「むぐ!?」

 

 情け無用に侵入してきた彼女の舌に絡まれ、動きを封じられた彼の舌は、そのままマーキングされるように唾液を塗りたくられ、口内を蹂躙されていく。

 頬の粘膜から舌の裏側、そして舌の付け根の方にまで彼女の舌は伸び、口内を自分の唾液で占領する。

 同時に耳を舐めていた二人も傷をつけないように丁寧とではあるが動きを速め、くちゅくちゅと湿った音をたてながら耳を唾液でコーティングし、再び耳の穴に舌を入れた。

 

「ふっ!んんっ!」

 

 密着した唇の隙間から声を漏らすローグハンターは、いつにも増して火照った表情となっており、頬は真っ赤に染まり、蒼い瞳も蕩け始めていた。

 太もも、二の腕、胸板に押し付けられた極上の柔らかさは心地よく、口内を舐められ、耳を舐められることにすら快感を覚え始めているのだ。

 そんな彼の変化を薄く開いた瞳で見抜いた魔女は、更に蕩けさせてやろうと本腰を入れる。

 彼にキスをしたまま指を鳴らし、魔力を振り絞って更にもう一人の分身を生み出した。

 同時に一心不乱に彼の足を舐めていた二人が、開いていた彼の足を更に広げ、一人分のスペースを確保する。

 

「んぶっ!んんっ!」

 

 絡み付いてくる舌をどうにか迎撃していたローグハンターはそちらにまで意識を削いでおらず、普段の力強さが嘘のように足は開き、新たに現れた分身がその間に納まった。

 そして身体を丸めて彼の股間に顔を寄せ、身体のあちこちを散々虐められた為か、彼のおもいに反して勃起している逸物に顔を寄せた。

 子供の腕ほどありそうなそれは、一般的なそれを大きく逸脱しており、女泣かせの逸品だ。

 それを前に生唾を飲み込んだ分身は、フッと息を吹き掛け、ビクンと跳ねた逸物の反応に可笑しそうに笑う。

 その笑顔はローグハンターには見えておらず、彼は突然の快感に目を見開き、舌の動きを一瞬止めた。

 その隙に魔女の舌に捕まり、再び唾液を塗りたくられていくのだが、今度は抵抗する素振りを見せない。

 彼の逸物を前にした分身が豊かな胸を持ち上げ、彼の逸物を包み込んだ。

 

「ふっ!んんっ!?」

 

 己の分身を包み込んだ柔らかさに目を剥くローグハンターを他所に、胸で逸物を包み込んだ分身は、胸元に潤滑油代わりの唾液を垂らして滑りを良くすると、胸を上下に揺らして逸物を扱き始めた。

 

「んん!ふっ!うっ!」

 

 魔女にキスをされたまま快感に喘ぐローグハンターは、どうにか状況を良くしようと身体を捩るが、魔女が馬乗りになっている挙げ句、両手両足を分身によって押さえられているのだ。はっきり言って逃げ場はない。

 数分に渡ってキスをされ、くすぐったさや快感によって息を吐く一方で酸欠になり、「ふーっ!ふーっ!」と鼻息が荒くなっていく彼の様子に危険を感じ、魔女は顔を離した。

 同時に彼と自分の唾液に濡れた唇をぺろりと舐め、妖しく笑いながら分身に愛撫されている逸物を眺めながら問いかけた。

 

「どう、かし、ら?」

 

「くっ……!あっ……!」

 

 もっともローグハンターに返す余裕はなく、身体を震わせながら呻き声を漏らすのみだ。

 両耳、両足を舐め回され、逸物を胸で愛撫され、身体のあちこちから与えられるくすぐったさと快感に耐えきれず、脳がショートしてしまっているのだ。

 普段なら見ることの出来ない彼の表情を眺めながら、昂ったように恍惚の表情を浮かべる魔女は、ちろりと舌舐めずりをして彼へと告げた。

 

「今日は、寝かせ、ない、わよ」

 

 普段なら彼が言う台詞を、そっくりそのままの形で。

 

 

 

 

 

 かのローグハンターにも、勝てない相手やどうにもならない状況はある。

 具体的に言えば、恋人に不意打ちをされようものなら、彼は反撃一つ出来ずに組み伏せられてしまう。

 そして、今がまさにそうだ。

 

「ぐ……っ!ふっ……!っ……!」

 

 六人の魔女に群がられた彼は、一方的になぶられていた。

 二人の魔女が耳を甘噛みしながら乳首を転がし、もう二人の魔女が足の指の間を舐めながら汗の味を堪能し、本物を含めた二人が、両脇から胸で包み込んだ逸物を責め立てている。

 聴覚を支配する湿った音と、足からくるくすぐったさ、そして凄まじいまでの快感に目を回しながら、ビクビクと身体を震わせる。

 

「ふふ。かわ、いい、わ」

 

 ずりゅずりゅと下品な音をたてながら、胸で逸物を扱いていた魔女が言うと、そのまま顔を出した亀頭に舌を這わせた。

 先走り汁の生臭い味に眉を寄せるが、もう慣れたものだのすぐにいつもの妖艶な笑みを浮かべ、飴玉をそうするようにペロペロと舐め回す。

 

「ぐっ……!おぉ……っ!」

 

 そんな彼女の責めにローグハンターは低く唸ると、快感によって腰を浮かせた。

 胸で逸物を包んでいた二人の魔女は押し上げられる形で身体を浮かせるが、その程度なら問題ないとそのまま彼の腰を押し返す。

 そして逃げ場をなくしたローグハンターが「がっ!?」と断末魔のような叫びを漏らすと、魔女は慌てて亀頭を口に含んだ。

 同時に射精が始まり、熱々の精液が彼女の口内に吐き出される。

 

「んん!?んぐ……!ごぐ……!むぐ……!」

 

 慣れ親しんだ筈の熱さに目を剥きながら、けれどそれを飲み下していく魔女は、鼻から呼吸をして次々と吐き出される精液を呑み込んでいく。

 生臭い味と鼻につく臭いに眉を寄せるが、それこそが求めた味だとわかっているため、一滴も無駄にすることなく堪能する。

 数十秒も続いた射精が落ち着き、吐き出された全てを受け止めた魔女は、呑みきれなかった分を口内に残したまま逸物から顔を離し、精液を舌の上で転がしながら頬を緩めた。

 そして気が済むまで味を愉しんだ魔女はこくりと喉を鳴らしてそれを呑み込み、僅かな倦怠感と頭痛に眉を寄せた。

 魔術で五人も増やしているのだから、疲れるのは当然のこと。

 そして魔術師が疲れるということは、術の制御が甘くなるということに他ならない。

 

「んん!ん~っ!!」

 

 耳を責めていた二人が、何を思ってか豊かな胸で彼の頭を包み込み、呼吸が封じられたローグハンターが手をばたつかせているのだ。

 足も暴れそうになっているが、無我夢中で指にしゃぶりついている二人が必死になって押さえ込み、胸で逸物を扱いていた一人は淡々とそれを続け、吐き出された精液で胸を汚していた。

 むしろ射精が始まっても扱くのを止めず、次なる射精を誘ってひたすらに責め立てているのだ。

 

「んー!んー!んぶ!?」

 

 身体をがくがくと痙攣させ、休む間もなく射精を促されるローグハンターは、一切の余裕が消えた表情で分身の二人を殴るが、ぺちぺちと軽い音が出るだけで分身たちは怯まない。

 そもそも超自然の術的な力で生まれたものだ、万全の状態ならまだしも、弱った状態でどうにか出来るものではない。

 

「──!──っ!──……」

 

 声もなく抵抗していた彼も、段々の動きが遅くなっていき、しまいには力なく手を投げ出してしまう。

 そこまできてハッとした魔女が指を鳴らすと、分身たちが霞のように霧散していき、ようやく解放されたローグハンターは陸に上がった魚のようにぱくぱくと口を開閉させ、足りなくなった酸素を補給していく。

 

「大、丈、夫……?」

 

 魔女が不安そうに彼の顔を覗き込みながら問うと、「大丈夫に、見えるか……?」と掠れた声で返された。

 

「そう、よね。ごめん、なさい……」

 

 魔女はしゅんとしながら彼に謝り、頭の中で今回の反省点を纏めていく。

 はっきり言って増やしすぎた。一人二人で留めておくできだった。

 あとは夢中になりすぎた。何があっても集中しなくては、彼に危険が及ぶ。

 あとは──。

 

「俺を無視していること、だな……!」

 

 思慮を深めていた魔女の耳元で、かなりの怒気がこもった声が発せられ、そのまま肩を掴まれてベッドに引き倒される。

「え……あ……」と狼狽える魔女を他所に、ローグハンターは彼女に覆い被さり、タカの眼光をもって彼女を睨み付けた。

「あ……」とどこか期待するような声を漏らした魔女に向けて、ローグハンターは忌々しそうに彼女の胸を揉みながら告げた。

 

「やられたら、何倍にもして返すのが俺の流儀だ」

 

「知ってる、わ」

 

「なら、覚悟はいいな」

 

 冷たく見下ろしてくるローグハンターの蒼い瞳を覗きながら、魔女は恍惚の表情を浮かべて頷いた。

 かつて復讐に人生を捧げた男の沸点は、高いようで案外低い。

 その怒りをぶつけられて、無事で済んだ者は誰一人としていないのだ──。

 

 

 

 

 

 山の輪郭が白く染まり、朝を知らせる陽が顔を出し始めた頃。

 

「ひゃん!あっ!あっ!へぁ!?ひっ!イく!!」

 

「俺がまだだ。続ける」

 

「ひ!?あっ!待っ、だめ!イ──!」

 

「何度イこうが、俺が射精()すまで止めんない」

 

「待って!おねが、ひん!あっ!お゛!?」

 

 ローグハンターの拠点の部屋からは、魔女の嬌声と、部屋主の淡々とした声、そしてパンパンと肉同士がぶつかり合う淫靡な音が響いていた。

 ローグハンターの怒り──という名の昂り──は留まることを知らず、夜通しの報復(SEX)が行われていた。

 それは彼が満足するまで終わらないだろうし、その終わりがいつ来るかもわからないが──、

 

「ひぅ!イく!はっ!へっ!あっ!イぐ!?」

 

 魔女は延々と絶頂し、時折放たれる彼の精液を子宮で受け止め続けた。

 何度射精を迎えてもローグハンターの分身は固さを失わず、彼女の胎内に居残り続け、彼女を責め立てる。

 結局、二人が部屋を出てきたのは昼を過ぎてから。

 それまで二人は深く交わり続け、ひたすらに快楽を貪り続けたのだった──。




感想等ありましたら、よろしくお願いします。


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Memory?? あり得たかもしれない初めての夜

リクエストから。
ヒロインは銀髪武闘家。タイトル通り、初めての夜①、②のアレンジ版です。

この世界線のジブリールは、本編の彼とは全くの別人です。
違う点をざっくり解説。

父親の帰宅が早まったため母親は死んでない。

だが、そのせいで父親がテンプル騎士(教えられていた職業が偽物)である事に気づいてしまうが、母親とジブリールは父親と一緒にいることを選び、父経由でローレンス・ワシントンら、テンプル騎士たちの庇護下に入る。

父は仲間たちと共に、当時のアサシン教団への報復を開始。

ジブリール少年、父の手伝いをするため、騎士団に恩を返すため、隙を見て様々な技術を学び始める。

報復を終えた父が帰還。一家でゆっくりとした時間を過ごす。

血の繋がった妹が産まれる。

ローレンス・ワシントン、ジェームズ・ワードロップが暗殺され、恩人たちの仇を取るため技術に磨きをかけていく。

なんやかんやでシェイと出会い、上の二人の仇なので殺そうとするも、モンロー大佐の意見には逆らえずに彼の補佐に回り、結局彼の弟子になる。

あとは本編通りにアサシン教団を壊滅させた後、四方世界に転がり込む。

みたいな感じ。

多少人間の闇に触れすぎてはいるものの、家族を愛し、家族に愛されと、本編に比べてだいぶ真っ当に育ったため、本編の強さをそのままにだいぶ明るい性格になってます。
ついでに感性が人のそれなので、向けられる好意にも、向ける好意にもしっかり気付ける人に。

ついでにシェイやギストの話を真面目に聞いていたり深掘りしていたおかげで、やたらと異性に関する知識が本編のジブリールとは良い意味で段違いです。

おかげでシルヴィアとは本編よりも早い段階で恋仲になってます。



 辺境の街、冒険者ギルドの屋上。

 そこよりも高い建物がないため、満点の星空や双子の月を見るには格好の場所であり、夜風で涼むのにも調度良い。

 

「え……あの……え……?」

 

 もっともそこに居座る二人の人物、黒い衣装を身に纏ったローグハンターは何やら真剣な表情で、隣に座っていた相棒たる女性を見つめていた。

 夜風に吹かれて銀色の髪が揺れ、月明かりに照らされて幻想的に輝かせる女性は、照れたように頬を染めながら、けれど困ったように目を泳がせていた。

「えと、その……」と両手の指を絡ませながら言葉を濁らせる彼女を見つめながら、ローグハンターもまた困ったように笑い、頬を掻いた。

 

「いや、いきなり答えをくれとは言わない。しっかり考えてから、教えてくれ」

 

 彼はそう告げると立ち上がり、屋根の端まで足を進め、下を覗きこんだ。

 下には藁が積まれた荷車が置いてあり、落ちても死ぬことはないだろう。

 

「あっ、待ってください!」

 

 そんな彼に向けて、慌てた様子で待ったをかけた女性は、夜風になびく銀色の髪を手で押さえながら、朱色に染まった頬をそのままに問いかけた。

 

「私で、いいんですか……?」

 

「お前以外に誰がいる」

 

「私、どん臭いですし、あんまり綺麗じゃ──」

 

「お前以上に綺麗な奴なんて、そうはいないと思うし、どん臭くなんかない。俺はお前に救われてる」

 

「でも、私──」

 

 ローグハンターが言葉を重ねていく中で、それでも食い下がろうとする彼女の姿に、ついに彼は我慢ならなくなったのか、一気に彼女に詰め寄り、彼女の手をとった。

 

「誰が何と言おうが、俺はお前が好きだ。愛してる。だから、どうか、俺と、付き合ってくれないか」

 

 彼はどこか不安そうに、けれど活力に溢れた表情で言うと、言われた女性は目から涙を溢れさせ、顔を俯けた。

 彼女の反応にぎょっと目を見開いて驚きを露にしたローグハンターは、「あ、いや、本当に嫌なら良いんだ。うん、ホント」とどんどんと声を小さくしながら言うと、女性は首を横に振り、「本当に、良いんですか?」と声を震わせた。

 

「ああ。お前以外なんて、考えられない」

 

「これからも一杯足を引っ張りますし、仕事とか関係なしに迷惑もかけますよ……?」

 

「いいさ。何であろうと越えてやる。お前となら、何であろうが越えていける。そうは思わないか、シルヴィア(・・・・・)?」

 

「っ!」

 

 彼に名を呼ばれ、肩を跳ねさせた銀髪武闘家(シルヴィア)はぎゅっと目を閉じると、一度深呼吸をして気持ちを落ち着かせる。

 自分なんかで良いのか、自分が彼と釣り合うのか、そんな疑問が浮かんでは消えていくが、確かにあるのは両手を包み込む彼の温もりだ。

 彼の温もりを感じて、冷たい夜の空気を肺一杯に吸い込んだシルヴィアは、ゆっくりと目を開けて、正面から彼の蒼い瞳を見つめた。

 頭の上に広がっている夜空を思わせるその瞳には、いつにも増して凛とした輝きが宿っており、彼が真剣であることが目に見えてわかる。

 彼が真剣に向き合ってくれているのに、適当に言い訳して逃げてばかりの自分に嫌気がさして、何より自分に想いを告げてくれた彼に申し訳がなくて、それでも彼は想いを曲げずにいてくれる。

 フーッと深く息を吐いたシルヴィアは、涙で目元を腫らせながら、それでも満面の笑みを浮かべて彼に告げた。

 

「私なんかで良ければ、よろしくお願いします。ジブリール(・・・・・)さん!」

 

 彼女の返事にジブリールはようやく気が抜けたのか、心底嬉しそうな笑みをこぼし、「ありがとう」と呟き、彼女の頬に手をやった。

 そのまま「嫌なら避けてくれ」と告げながら顔を寄せれば、シルヴィアは照れたように笑いながら、彼を受け入れるように目を閉じた。

 月に照らされた二人の影が一つになり、ここに一つの恋が次の段階へと進んだ。

 本来の物語とはだいぶ違う形で、けれど同じ結末に向けて、ゆっくりと進みだしたのだ──。

 

 

 

 

 

 そんな出来事から数日。

 眠る狐亭の一室の、更に言うならベッドの上に、ジブリールとシルヴィアの姿があった。

 二人とも既に下着姿で、多くの傷痕が残された身体を窓から差し込む月明かりの下に晒している。

 

「うぅ……」

 

 シルヴィアは恥ずかしそうに身動ぎして両手で身体を隠すが、ジブリールは気にした様子もなく笑い、「どうかしたのか?」と首を傾げた。

 

「は、恥ずかしいん、です……」

 

「むぅ。それはそうか」

 

 赤面しながら目を逸らした彼女の表情に唸りつつ、彼女の意見に同意を示したジブリールは、不意にベッドから降りると、カーテンを閉めて部屋を暗くした。

 突然視界が暗転したことに身体を強張らせるシルヴィアは、不安そうに部屋を見渡すが、不意に目の前でジブリールの蒼い瞳が揺れたことで、表情を和らげる。

 

「とりあえず、俺は見えているか?」

 

「はい。大丈夫です」

 

「ならいい。ちょっと触るぞ?」

 

「ど、どこにですか!?」

 

 彼の言葉に思わず両手で身体を守る体勢を取るが、暗闇の向こうから伸びてきたジブリールの手は真っ直ぐにシルヴィアの頬に触れ、優しく撫でた。

「んっ」と一瞬驚きはするものの、彼の体温を感じて心地よさそうに目を細め、「ん~」と気の抜けた声を漏らした。

 

「猫みたいだな」

 

 そんな彼女の反応をそう評したジブリールは、そのまま柔らかな頬を撫でてやりながら、ゆっくりと顔を近付けた。

 暗いとはいえ、それに気付いたシルヴィアは目を閉じて彼を待つと、十秒も経たずに二人の唇が触れあい、頬を撫でていた手が頭の後ろに回される。

 

「んん!んっ……ちゅ……ふっ……」

 

 急に顔が密着したことに驚きながら、更に感じるようになった彼の力強さと、唇の柔らかさを愉しむように彼の唇を啄む。

 ジブリールもまた彼女の唇を啄みながら、舌の先端で固く閉ざされた彼女の歯をつつき、ねだるように表面を舐めた。

 唇の隙間から「ふっ」と短く息を吐いたシルヴィアは、薄く目を開けて彼の表情を見つめるが、当の彼は彼女の味を堪能しているのか、目を閉じたまま舌を動かしている。

「うぅ」と恥ずかしそうに目をぎゅっと閉じたシルヴィアは、彼の舌を迎え入れるため、恐る恐る口を開けた。

 同時にジブリールは彼女の口内に舌を入れ、優しく這わせ始めた。

 歯茎を舐めてから歯の裏側も舐めてやり、舌を絡めながら少量の唾液を送り込む。

 

「んっ……!ふっ……!んん……!」

 

 彼の舌に口内を舐められる不思議な感覚に、くすぐったさとは違うものを感じ、隙間から熱のこもった息を吐きながら、ピクピクと身体を震わせる。

 ジブリールが頭を押さえているように、シルヴィアは無意識の内に彼の首に腕を回して身体を密着させ、汗が滲む肌を触れ合わせた。

 

「ふっ!んんっ!ちゅる……!んぐ……っ!」

 

 愛撫するように口内を舐め回す彼の舌にの優しさと、同時に軽い酸欠を起こして瞳を蕩けさせながら、それでも彼を抱き締め続ける。

 そんな彼女の健気さに嬉しそうに目を細めたジブリールは、空いている片手で彼女の背を撫でてやりながら、そっとブラジャーの留め具に指をかけた。

 

「んん!?」

 

 彼の行動に目を剥いて驚きを露にしたシルヴィアを他所に、ジブリールは一旦口付けを中断して顔を離し、暗闇に慣れたため、はっきりと見えるようになってきた彼女の顔を見つめた。

 慣れないキスに夢中になってしまった為か、まともに息継ぎをしなかったシルヴィアははぁはぁと乱れた呼吸を繰り返し、出来る限りの力を込めて脇を閉じていた。

 それなら万が一留め具を外されても、ブラジャーが落ちることはない。

 だがジブリールにとってそれは不服なようで、不満そうに眉を寄せるが、彼女の心情も考慮して、留め具から手を離し、小さく頭を下げた。

 

「警戒するのはわかるし、いきなりやったのは謝る。すまなかった」

 

「うぅ……。せめて一言言ってからにしてください……」

 

「すまない」

 

 彼女からの追撃に更に深く頭を下げると、シルヴィアは恥ずかしそうにもじもじと身体をくねらせると、「見たいん、ですよね……?」と上目遣いになりながら問うた。

 問われた彼は「もちろん」と即答すると、シルヴィアは余計に顔を赤くして俯いてしまう。

 

「嫌ならいいんだ。強制したり、無理やりするのは、ろくでなし(ローグ)どもみたいだからな」

 

 少々どころか多大な怒気が孕んだ言葉を言うと、シルヴィアは僅かに背筋を震わせるものの、怒りそのものは自分以外の誰かに向いていること、むしろ自分に対する気遣いがあるとわかると表情を和らげた。

 

「じ、自分でやりますから、待っててください」

 

「わかった。いくらでも待つよ」

 

 先ほどまでの怒気はどこに行ったのか、柔らかな笑みを浮かべたジブリールはベッドの上で胡座をかき、じっとシルヴィアに視線を送った。

 彼女もまた目が慣れて彼の姿がだいぶ見えるようになってきているため、じっとこちらを見つめてくる蒼い瞳を見つけてしまい、余計に羞恥心が大きくなってしまう。

 けれど自分で言い出した手前、ここで止める訳にもいかず、シルヴィアは背中に手を回し、ブラジャーの留め具に指をかけ、勢いのままにそれを外した。

 同時に留めるものをなくしたブラジャーはシーツの上に落ち、彼女の豊かな胸を部屋の暗がりにさらけ出した。

 もっとも片腕で素早く隠してしまったため、ジブリールにはほとんど見えていないのだが。

 それでもシルヴィアは強烈な羞恥心に苛まれ、声にならない悲鳴をあげながら俯き、顔を耳まで真っ赤にした。

 その様子に苦笑を漏らしたジブリールは頬を掻くと、そっと手を伸ばして彼女の頭に置いた。

 そのまま優しく彼女の頭を撫でてやりながら、「ありがとう」と小さな声で呟いた。

 疑問符を浮かべて顔をあげてみれば、そこには何やら嬉しそうに微笑む彼の顔があり、何だか兄を誉められた妹のような気分になる。

 だがしかし、彼が抱いているのは妹や家族に向ける親愛ではなく、愛する異性に向けた愛情だ。故に次の行動が変わってくる。

 

「それで、見せてくれないのか……?」

 

 彼が遠慮がちに問うと、シルヴィアはぼん!と音をたてて頭から煙を噴くと、胸を隠している自分の腕を眺めながらあわあわと目を泳がせた。

 言ってしまえば、ブラジャーを落とした後に隠す必要はなかった。これでは彼に迷惑をかけて、自分で自分を追い詰めただけだ。

 ブラジャーを外してそのままなら恥ずかしいのは一度で済んだが、もう一度さらけ出さなければならない。

 どうしようどうしようと悩む彼女の混乱を察してか、ジブリールは小さくため息を漏らすと、彼女の肩に手を置き、そのまま押し倒した。

「きゃ」と小さく漏れた可愛らしい悲鳴に背筋を震わせながら、頭に置いていた手で後頭部を守ってやり、ゆっくりと彼女をベッドに寝かせる。

 そして彼女に覆い被さるように四つん這いになると、片手で胸を隠している腕を掴んだ。

 ついに強行策に出たかと無意識に警戒する彼女を他所に、ジブリールは優しい声音になるように心掛けながら彼女に告げた。

 

「嫌なら俺の手を掴め。そしたら止める」

 

「っ!」

 

 彼が用意してくれた逃げ道。それはとても簡単な事であり、実際にやれば彼なら止めてくれるだろう。

 だが彼の誘いを受けたのは自分だし、ここまで来てやっぱり止めるでは、女が廃るというもの。

 一瞬動きそうになった手を意志の力でもって止めると、ジブリールはそっと胸を隠している腕を引き、目的のそれを視界に納めた。

 他の女性に比べて一回りも二回りも大きい胸は、目を凝らせばいくつもの小さな傷痕が残されており、彼女が様々な戦いを経験したことを教えてくれる。

 まあ、それはそれとしてと視線を動かしたジブリールは、白い肌とは対照的な桃色の乳首をじっと見つめた。

 彼の視線に気付いたシルヴィアが「うぅ……」と恥ずかしそうに身動ぎすると、それに合わせて胸がぷるんと揺れる。

 ぞわぞわと背筋を震わせたジブリールはそれを誤魔化すように笑い、「綺麗だ」と呟いた。

 

「い、言わないでください……っ!」

 

 彼の一言で限界を迎えたのか、恥ずかしさを押し殺して彼女は声を張り上げるが、「事実だからな」と冷静に返されて意気消沈。

 ジブリールは恥ずかしそうに目を逸らした彼女に苦笑を漏らすと、頬を撫でて鼻先に唇を落とし、そのまま頬に、顎先にキスの雨を降らせた。

「ん……」と声を漏らして身を捩る彼女を他所に、そのまま彼は下へと矛先を定め、首筋に軽く口付けすると、次に鎖骨に吸い付いた。

 そのままわざとらしく音をたてて吸い上げ、自分のものだの主張するように痕を残した。

 流石に音が大きすぎたのか、あるいは吸われる感覚に慣れていない為か、シルヴィアが「ひゃん!」と悲鳴を漏らすと、ジブリールはすぐに顔を離し、「大丈夫か?」と問いかけた。

 

「え、あ、はい。大丈夫です……」

 

「なら良い。続けても?」

 

「その、次は……?」

 

「触ってもいいなら、胸に行きたいんだが」

 

 恐る恐る投げられた質問にジブリールが即答すると、シルヴィアは赤面しながら目を逸らすが、「ど、どうぞ……」と返して自分の指を噛んだ。

 彼女の行動を怪訝に思いながらも、ジブリールは「ありがとう」と手短に礼を言うと、ゆっくりと彼女の胸に手を触れた。

 シルヴィアが「んっ!」と声を漏らしながら身体を強張らせると、ジブリールは緊張を解すように優しく胸を揉み始め、胸の柔らかさを堪能する。

 指を埋めればどこまで沈んでいきそうだが、ある程度沈めばしっかりと押し返す弾力があり、初めてではあるが、毎日触れても飽きることはないだろう。

 

「んっ!ふっ……。んんっ……!」

 

 噛んだ指の隙間から声を漏らしながら、シルヴィアは強張った身体を少しずつ弛緩させていき、彼に任せるように目を閉じた。

 その反応が堪らなく嬉しかったジブリールは満面の笑みを浮かべると、揉めば揉むほど勃起していく乳首に目を向けて、乳輪をそっと撫でた。

 

「っ!」

 

 驚いたようにビクンと肩を跳ねさせたシルヴィアは、けれど指を噛んでいる為か声を出すことはなく、ただ困惑したように眉を寄せるのみだ。

 女として産まれて、こういった事に備えて多少の知識はあるものの、如何せん実際にやるのはこれが初めてだ。

 彼の指が乳輪を撫でるようにぐるぐると回ると、ビリビリと痺れるような感覚と共に身体が痙攣し、白い肌が火照ったように赤くなっていく。

 その反応を確かめながらジブリールは苦笑し、存在を主張するようにピンと勃った乳首に触れた。

 

「ひぅ!」

 

 同時に先ほどとは段違いに強い衝撃が身体を駆け抜け、思わず身体を跳ねさせた。

「んっ……ふっ……?」と未体験の感覚に混乱する彼女を他所に、ジブリールは乳首を指で摘まみ、指の腹で転がし始めた。

 

「ん!?んんっ!んーっ!ふっ!んん~っ!!」

 

 彼の指に擦れ、コリコリと音をたてて解される度に全身に電撃が走り、ビクビクと身体が痙攣し、無意識の内に腰が浮いてしまう。

 

「敏感なんだな。体質か?」

 

「んん!ん……っ!」

 

 彼のおちょくるような問いを首を必死に振って否定するものの、再び乳首を捏ねられてしまえば、思いとは裏腹に「ひぅ!」と甲高い悲鳴が漏れる。

 浮いた腰をがくがくと揺らし、力の抜けた身体を再び強張らせるシルヴィアを見つめながら、ジブリールは弄っていなかったもう片方の乳首に目を向け、ぺろりと舌舐めずり。

 そして彼女が気付いていない事を良いことに顔を寄せると、ピンと勃った乳首を口に含んだ。

 

「ひ!?な、何して──」

 

 乳首が突然生温かい何かに包まれた事に目を剥いて驚きを露にしたシルヴィアは、慌てて指を離して胸の方に目を向けると、その光景に余計に目を見開いた。

 片方の胸には彼の手が沈み、もう片方の胸には彼の顔が沈んでいるのだ。

「あ……え……」と声を漏らして困惑を隠せない彼女を他所に、ジブリールは片手で彼女の胸を弄びながら、口に含んだ乳首を舌で転がした。

 

「ひっ!あっ!いっ!んんっ!!」

 

 ツンツンとつつかれ、時には転がされ、時には吸われ、様々な刺激を乳首を通して直に感じる彼女は、ビクビクと身体を跳ねさせながら嬌声を漏らし、無意識だろうか、彼の頭を抱えて更に胸に密着させた。

 突然抱き締められたジブリールは「もが!?」と変な声を出すものの、変わらず乳首を吸い上げ、気分転換するように甘噛みをした。

 

「ひゃ!?」

 

 短く悲鳴を漏らしたシルヴィアを他所に、ジブリールは傷をつけないように細心の注意を払いながら、乳首を噛む。

 

「ひっ!あっ!待って、待ってくだしゃい!そこ、ダメですぅ!!」

 

 はむはむと彼の歯に乳首を潰される度に身体を跳ねさせるシルヴィアは、辛抱堪らずに彼に言うが、当のジブリールは聞く耳をもたず、それこそ赤子のように乳首を吸い続ける。

 

「まっへ!ひぅ!あっ!ダメぇぇぇえええええ!!」

 

 ビリビリと痺れる快感が最大限に高まり、シルヴィアは悲鳴をあげながら背中をしならせて絶頂を迎えた。

 ショーツの中で潮を噴き、大きな染みを作り出しながら、吸いきれなかった分が染みだし、シーツに垂れていく。

 

「あっ……へっ……はっ……」

 

 ぼふんと音をたてて浮いていた背中をベッドに落としたシルヴィアは、焦点の合わない瞳で天井を見上げ、だらしなく開きっぱなしになった口の端からは涎が垂れていた。

 身体をピクピクと小刻みに揺らしながら喘ぐ彼女の姿に少々嗜虐心をくすぐられながら、ジブリールはわざとらしく咳払いをしてちらりと彼女の下腹部に目を向けた。

 年相応に可愛らしいショーツも、愛液や潮で色が変えながらピタリと肌に張り付き、ピタリと閉じた縦筋を浮き上がられている。

 

「──」

 

 言葉もなく背筋を震わせたジブリールは生唾を飲むと、使われていない枕を手に取り、彼女の腰を持ち上げた。

 身体に力が入らないのか、思いの外ひょいと持ち上がった腰の下に枕を差し込み、即席で支えにしてやる。

 

「気持ち悪いだろう。脱がすぞ」

 

「ぇあ……はぃぃ……」

 

 絶頂の余韻に浸っていた彼女は、まともに彼の言葉を考えることなく頷くと、ジブリールはショーツの紐に指をかけ、ゆっくりと降ろし始めた。

 隠されていた秘裂が顔を覗かせた事を皮切りに、更にショーツを降ろし、安産型の臀部を通りすぎ、肉付きのいい太ももを通りすぎたら、後は一気に引き抜いた。

 

「へ……ぅ……」

 

 そこでようやくショーツを脱がされた事を自覚したのか、シルヴィアが小さく呻き声を漏らすと、開いた足の間に納まっているジブリールに目を向けた。

 

「へぁ……?なに、するん、です……?」

 

「痛かったら言ってくれ」

 

 意識がはっきりし始めたシルヴィアが問うと、ジブリールは淡々とした口調でそう返し、ゆっくりと秘裂を開いた。

 同時に吐き出されずに溜まっていた愛液がどろりと吐き出され、彼の指を濡らす。

「あ、や、みないで……っ」と慌てて足を閉じようとするが、既にジブリールが股の間に納まっているため、途中で彼の身体に引っ掛かり、閉じることが出来ない。

 

「な、なにするんですか……!?」

 

 快楽に蕩けた思考で僅かな恐怖と多大な期待を抱きながらそう問い、ジブリールは得意気な笑みを浮かべた。

 そして彼女が何かを言い出す前に、愛液を垂らしている秘裂に口付けした。

「ひ!?」と悲鳴を漏らす彼女を他所に、ジブリールはじゅるじゅると音をたてて愛液をすすり、更に分泌を促すように舌を差し込み、膣肉を舐め始めた。

 

「ひぅ!あっ!はっ!止めてください!はっ!ひぅ!汚い、きたないからぁ!!」

 

 涙混じりに声をあげて足をじたばたと暴れさせるシルヴィアの様子に、多少の罪悪感を感じながらもジブリールは止まらない。

 コリコリと音をたてて固く閉ざされた膣肉を舌で解し、片手で下腹部を撫でて上からも解しにかかる。

 按摩(あんま)のようにぐりぐりと下腹部を押し込み、舌では届かない膣肉を解す。

 

「あふっ!んんっ!ひぅ!あっ!はっ!」

 

 ビクビクと身体を痙攣させて嬌声を漏らしながら、身体は膣肉を守るために愛液を次々と吐き出し、それをジブリールが一気に舐めとり、吸い上げる。

 部屋にじゅるじゅると湿った音を響かせて、こくこくと喉を鳴らして飲み下す。

 

「ひぅ!あっ!の、のまいでっ!のまないでくだしゃいぃぃ!!」

 

 ビク!ビク!と腰を跳ねさせるシルヴィアは、快感に震える身体の反応とは裏腹に嫌々と首を左右に振るが、ジブリールは構わずに膣肉を舐め続ける。

 自分でも弄る事のない膣肉が、彼の唾液を塗りたくられる事でどんどんと熱を持ち、敏感になっていく。

 

「ひゃ!あっ!ひっ!まっ、て!また、イっちゃいます……!」

 

 何を言っても止まらない彼の愛撫に、ついにシルヴィアは限界を迎えそうになっていた。

 彼女の意志とは別にビクビクと身体が痙攣し、膣肉がわなないた。

 そんな膣肉を更にほじくるように舌に力を入れて、ごりごりと膣肉を抉る。

 それが余程良かったのか、シルヴィアは目を見開きながら嬌声をあげた。

 

「あひゅ!あっ!イく!イぐ!?イ゛──!」

 

 彼女が身体を跳ねさせながら断末魔のように叫ぶと、ジブリールは素早く顔を離す。

 舌を引き抜かれる感覚がトドメになり、ついに絶頂を迎えたシルヴィアの秘裂からは、愛液混じりの潮が噴き出した。

 

「ひゃ!?ああああああああああ!!」

 

 ベッドについた両足をピンと張り、腰を突き出す形で絶頂を露にし、噴き出した潮が雨のようにシーツに降り注ぎ、斑模様に染みを残していく。

 数十秒ほどだろうか。ようやく絶頂が落ち着いたシルヴィアは、支え代わりに置かれた枕の上に腰を落とした。

 

「あ……はぁ……へぁぁ…」

 

 短い感覚で訪れた二度目の絶頂に浸り、表情を蕩けさせたシルヴィアは、視界の端でごそごそと布の擦れる音と共に何かをしているジブリールに目を向けた。

 

「なに、しているん、ですぅ……?」

 

「ん?ああ。お前が良ければなんだが」

 

 彼女の問いに笑み混じりに答えたジブリールは、彼女の手を取り、勃起して熱をもった己の分身に触れさせた。

 

「その、本番に行っても良いだろうか……?」

 

 彼の肌よりも尚も熱く、けれど苦しそうにピクピクと震えている彼の逸物に触れたシルヴィアは、不安げな彼と視線が合うと「あっ」と声を漏らし、恥ずかしそうに目を逸らした。

 この触れているもので貫かれれば、舌であんなにも気持ち良かったのに、こんな太く、長いもので貫かれればどうなるか。

 

「な、なあ、シルヴィア……?」

 

 不意に名を呼ばれたシルヴィアが、「はぃ……?」と声を漏らして首を傾げると、何やら背筋を良くしたジブリールは悩ましげに眉を寄せ、彼女に告げた。

 

「そ、その。そんなに手で扱かれると、射精()そうなんだが……」

 

「ほぇ……?」

 

 彼の言葉に変な声を漏らしたシルヴィアは、そっと自分の手の方に目を向ければ、彼の逸物を愛撫するように手が前後に動いており、逸物の先端からは透明な液体が漏れている。

 女性の柔らかさを保ちながら、鍛えられた固さもあって、彼女の力加減一つで感触が変わるそれは、擦れる度にジブリールに快感に与え、よく見れば鳥肌が立っている。

 シルヴィアが「ご、ごめんなさい」と謝りながら慌てて手を離すと、ジブリールはホッと息を吐き、改めて彼女に告げた。

 

「──で、最後まで行っても良いのか?」

 

 おそらくこれが最終確認。

 彼に大切な初めてを捧げて、乙女から女になる瞬間が、目の前に来ているのだ。

 シルヴィアは数瞬迷うものの、すぐに答えを出し、ゆっくりと、けれど確かに一度頷いた。

「ありがとう」と彼女にだけ聞こえるように小さな声で告げると、再び彼女の股の間に納まり、勃起した己の分身をびちょびちょに濡れた彼女の秘裂に添えた。

 潤滑油代わりにするためか、逸物に愛液を塗りたくるように秘裂を往復し、シルヴィアはかりが陰核を擦る度にビクビクと身体を震わせる。

 それに合わせて更に愛液が吐き出され、それを塗りたくった逸物は、暗がりの中でもテカテカと輝く程だ。

 そして逸物を馴染ませたジブリールは、ついに亀頭を秘裂に押し当て、彼女に向けて「いくぞ」と告げた。

 

「あ、あの……!」

 

「どうした」

 

「その、優しくしてください。ジブリールさ──」

 

 そうして彼にお願いした矢先、突然人差し指で唇を塞がれ、言葉を中断。

 目をパチパチと瞬きするシルヴィアを見下ろしながら、ジブリールは優しく笑った。

 

「敬語じゃなくていい。あと、ジルと呼んでくれ。俺に親しい人は、皆そう呼ぶ」

 

「は、はい!わかりま──わかった、ジル」

 

 シルヴィアが優しく微笑みながら言うと、ジブリールは嬉しそうに満面の笑みを浮かべ、堪らずに彼女の唇を奪った。

 シルヴィアは「んぐ!?」と声を漏らして驚くが、ジブリールはゆっくりと腰を前に突き出した。

 舌と按摩で必要以上に解された膣肉は容易く彼の物を呑み込み、鋭いかりと擦れた分だけ快感を脳へと伝達していく。

 

「んん!んーっ!」

 

 シルヴィアらビクビクと身体を震わせながら、覆い被さる彼の背中に腕を回し、ぎゅっと彼を抱き寄せた。

 背中に回された彼女の温もりに心地よさそうに目を細めたジブリールだが、亀頭の先端に何か膜のようなものが当たる感覚と、途端に膣肉が引き締まった感覚を感じて一旦停止。名残惜しそうにキスを中断した。

 

「はぁ……はぁ……。じ、ジル……?」

 

 息継ぎをして呼吸を落ち着かせるシルヴィアは、彼の顔を見上げた。

 対するジブリールは一度深呼吸をすると、「いくぞ」と彼女に告げた。

 

「いい、よ。ジルに、私の初めてあげる」

 

 彼の言葉に、シルヴィアが少々疲れた様子ながらに微笑んで返すと、ジブリールはこくりと一度頷き、一思いに腰を突き出し、逸物を根元まで押し込んだ。

 ブチブチ!と何かが裂ける音が彼女の胎内からこぼれ、想定外に強烈だった痛みに「ぎっ!」と悲鳴をあげた。

 

「あ、ぐっ……!い……たい……っ!!」

 

「落ち着いたら、言ってくれ」

 

 ジブリールの言葉に目に涙を溜めながら頷いたシルヴィアは、いつものように痛みに耐えようと身体から力を抜き、ゆっくりと深呼吸を繰り返した。

 数分して、逸物を噛み千切らん程に引き締まり、強張っていた膣肉の締め付けが少しずつ弱くなり、むしろ愛撫するように蠢き始めた頃、シルヴィアは「いいよ」と呟いた。

 ジブリールは一度だけ頷くと額に唇を落とし、腰を動かし始めた。

 膣肉に馴染ませるように、自分の形を刻み込むように丁寧に、ゆっくりと腰を振る。

 シルヴィアの反応を確かめながら押しては引き、押しては引きを繰り返し、時には亀頭を子宮口に押し付ける。

 

「んっ……!あっ……!ひぅ!いいっ!」

 

 ピクピクと身体を小刻みに揺らしながら喘ぐ彼女の反応を見極めて、とある一点を通過した時だけ反応が大きい事に気付き、目を細めた。

 

「ジル……?どうか、した……?」

 

 彼の顔に気付いたシルヴィアが首を傾げると、ジブリールはその一点を責めるように腰を振ると、シルヴィアは「ひぁ!?」と声をあげながら身体を跳ねさせた。

 その反応にニヤリと嗤ったジブリールは、うんうんと何度も頷きながら告げる。

 

「なるほど、ここだな」

 

「え、あ、待って……」

 

 嫌な予感がしたシルヴィアは慌てて止めようとするが、既に主導権は彼にあり、今の彼女ではどうすることも出来ない。

 ジブリールは彼女の制止の声を完全に無視する形で、見つめた弱点を責めるため、かくかくと小刻みに腰を振り始めた。

 

「きゅい!?あっ!あっ!へっ!ひっ!あっ!ジル!じりゅ!?まっへ、ダメ!そこ、むりぃぃいいい!!」

 

 絶え間なく与えられる快感に背中を弓なりにしならせ、軽く白眼を剥きながら喘ぐシルヴィアを他所に、ジブリールは彼女の首筋に唇を落とすと思い切り吸い上げ、そこにくっきりと痕を残した。

「やん!みえちゃう!そこみえちゃうからぁあ!!」と声を荒げるが、すぐに胎内をかける快感に当てられて表情を蕩けさせ、「あひっ!あへ!ひっ!ぎっ!?」と嬌声をあげる。

 同時に膣肉が引き締まり、ひだが逸物を扱くように蠢くおかげで、ジブリールにも余裕がなくなり始めた。

 額に脂汗を浮かべながら逸物を昇っていく射精感に歯を食い縛るが、限界を感じてシルヴィアに告げた。

 

「そろそろ限界だ。抜くぞ……っ!」

 

「だ、だめっ!」

 

 言うや否や逸物を抜こうと腰を引くが、素早く反応したシルヴィアの足が腰に絡み、再び最奥を貫く。

 その衝撃に「んぉお!?」と野太い嬌声をあげ、膣肉が引き締まる。

 

「ちょ!?待て、大丈夫なのか!?」

 

「へーき……!きょうは、だいじょーぶなひなのっ!」

 

 彼の指摘に身体をピクピクと痙攣させ、呂律も回らないままにそう告げると、ジブリールは「もう、知らんぞ!」と開き直ったように声を出し、彼女の腰を押さえつけた。

 同時に限界を迎えたジブリールの逸物は、熱々の欲望を彼女の子宮に向けて吐き出した。

 

「ひっ!?あちゅ!んいぃぃぃぃいいいいいい!」

 

 溶けた熱のようにどろどろで、熱々の精液を子宮を受け止めたシルヴィアは、その衝撃に絶頂を迎えた。

 彼に絡み付いた両足がより強く彼を引き寄せ、膣肉が痙攣を繰り返して射精中の逸物をさらに刺激する。

 

「くっ……!」

 

 その感覚にジブリールは小さく唸ると、落ち着き始めた射精感がぶり返し、耐える間もなく再び吐き出した。

 

「んび!?あっ──……!!!」

 

 そして、それがトドメとなった。

 間髪いれずに絶頂を叩きつけられたシルヴィアから力が抜け、糸の切れた人形のようにベッドに肢体を投げ出したのだ。

 

「……お、おい?」

 

「んっ……!あっ……へぇ……」

 

「駄目そうだな」

 

 ジブリールが慌てて声をかけるが、当の彼女は快感に溺れただらしのない表情(アヘ顔)を浮かべるだけで、ジブリールは困り顔で肩を竦めた。

 まだ己の分身は満足していないのか固さを保っており、彼女の胎内に居座っているのだ。

 だが、と首を振ったジブリールは、とりあえず今回はこれでいいかと自分を納得させて逸物を引き抜いた。

 同時に秘裂からはどろりとした精液が吐き出され、そこには破瓜の血が混ざっているのか、ほんのりと赤い。

 

「よく頑張ったな」

 

 彼は優しく笑みながら彼女の頭を撫でると、シルヴィアは「ふへへ~」と嬉しそうに笑い、それを最後にゆっくりと目を閉じ、そのまま眠りについた。

 ジブリールも彼女の隣に寝転ぶと、彼女の寝顔を見つめながら欠伸を漏らした。

 そのまま目を閉じれば、疲れた身体はそのまま眠りに落ちる。

 意識が落ちる瞬間まで聞こえた彼女の寝息は、とても穏やかなもので、ジブリールもまた安堵の中で眠りに落ちた。

 

 

 

 

 

 翌朝、同所。

 二人で仲良くシーツにくるまっている二人は「おはよう」と挨拶を交換すると、シルヴィアがハッとして赤面すると、勢いよく寝返りをうって彼に背中を向けた。

 

「今さら恥ずかしくなったのか?」

 

 ジブリールが可笑しそうに笑いながら問うと、シルヴィアは耳まで赤くなりながらこくこくと頷いた。

 ジブリールは苦笑混じりに彼女に身を寄せると優しく抱き寄せてやり、耳元で囁いた。

 

「でも可愛いよ、シルヴィア」

 

 その一言にピクンと肩を震わせて反応したシルヴィアは、ゆっくりと寝返りをうって彼に向き合うと、じっと彼の蒼い瞳を見つめながら告げた。

 

「私のことは、シルって呼んで?私と親しい人は、皆そう呼ぶから」

 

「──」

 

 彼女の言葉に、ジブリールは軽く驚いたような表情になるが、すぐに持ち直して嬉しそうに笑った。

 

「それじゃあ、改めてよろしく。シル」

 

「うん。よろしくね、ジル」

 

 そうやって二人は笑顔を交換して、どちらからと言うわけでもなく口付けを交わした。

 

 

 

 

 

 

 これは本来のジブリールとは違う、けれど確かにジブリールである青年と、変わらず彼を愛した少女がいる世界。

 

 きっとこの世界も救われるのだろう。

 彼が彼である限り、彼女が彼女である限り、そして二人が出会い、愛し合う限り、二人が負けることは決してないのだから。

 

 

 




感想等ありましたら、よろしくお願いします。


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Memory?? 静かに、熱く

リクエストから。
ヒロインは銀髪武闘家(シルヴィア)

時期的には令嬢剣士加入前を想定。

ローグハンター、銀髪武闘家、女魔術師で相部屋になってしばらく……。


 辺境の街、眠る狐亭の一室。

 ローグハンターが拠点として使っているその部屋には、彼の一党に加わった女魔術師も滞在することになっていた。

 二つしかないベッドは、ローグハンターと銀髪武闘家で一つ、女魔術師で一つという、玄人(ベテラン)の男女が身を寄せあって一つを使うという、少々歪な分け方をしていた。

 まあそれは、二人が恋人だからこそ出来ることで、他の一党ではまず揉めることになるだろう。

 もっともこうなって早数ヶ月。当初は気を使っていた女魔術師もこの状況に慣れ、すやすやと穏やかな寝息をたてている。

 それは頭目たるローグハンターも同じ事で、五年間一党として組んでいた相棒であり、同時に恋人でもある銀髪武闘家を抱き枕代わりに、静かな寝息を漏らして眠りについていた。

 そこまではいつも通り。仕事終わりに三人で食事をし、宿に戻って眠るという、本当にいつも通りの一幕だ。

 その筈、なのだが。

 

「……ね、寝れない」

 

 いつもならいの一番に眠りに落ちる銀髪武闘家が、ばっちり目を開きながらそう呟き、彼を起こさないようにだいぶ抑えたため息を吐いた。

 戦闘があまり激しくなったためか、あるいは最近になってまた体力が付いてきたのか、眠れる気がしないのだ。

 とりあえずローグハンターの寝顔を眺める事にした銀髪武闘家は、銀色の瞳に穏やかな寝顔を映しながら、慈愛に満ちた笑みを浮かべた。

 昔は一緒に寝ようとしただけで投げられたり、腕を極められたりと、割りと散々な目にあったのだが、今では彼の方から甘えてきてくれるのだ。

 まあ、そこには稀にという言葉が付くのだが、全くないよりはマシになったというもの。

 そんな事を思い出し、この状況が無性に嬉しくなった銀髪武闘家は微笑みながら、そっと彼の頬をつつく。

 

「ん……」

 

 柔らかい頬をプニプニと何度もつついていると、ローグハンターは僅かに眉を寄せて声を漏らすが、起きてくる様子はなく、すぐに表情を和らげて再び寝息をたて始める。

 

「……」

 

 じっと表情の変化を見ていた銀髪武闘家は、その愛らしさに眠気が吹き飛び、余計に冴えてしまった瞳で彼の寝顔を見つめる。

 普段の凛とした顔とは違う、心の底から油断した顔は、やはり自分にしか見せない表情だ。

 

 ──あ、駄目だこれ。

 

 銀髪武闘家はぞわりと背筋を震わせると、湧いてきた欲望に耐えるように身体を揺らすが、数分もしないうちに負け、彼の唇に吸い付いた。

 無防備に寝ていたローグハンターに回避も防御もすることははなく、二人の唇は隙間なく密着する。

 

「ちゅ……んっ……ちゅ……」

 

 同時にローグハンターの身体が強張るが、ゆっくりと啄むように彼の唇を堪能しながら、優しく頭を撫でてやれば、すぐに緊張を和らげた。

 途中で息継ぎをするために唇を離せば、銀髪武闘家の唾液が糸となって二人を繋ぎ、すぐにぷつんと切れて枕を汚す。

 キスされていたローグハンターは、少々息苦しそうに呼吸を乱して身動ぎするが、それでも起きる気配はない。

 

「ん~!!」

 

 それが自分に対する全幅の信頼が成せる業と感じた銀髪武闘家は、心底嬉しそうに笑いながら身動ぎすると、彼の寝間着を捲って割れた腹筋を露出させ、割れ目をなぞるように指を這わせる。

 普段は硬い腹筋も、寝ている今は柔らかく、いつまでも触っていたくなる感触だ。

 

「んっ……」

 

 その途中でローグハンターがくすぐったそうに身動ぎするが、銀髪武闘家はまだいけると言わんばかりに次の段階へと進む。

 彼の頭を両手で押さえつけると唇を奪い、僅かに開いていた歯の隙間から舌を差し込み、彼の舌に絡ませたのだ。

 

「ちゅる……!じゅる……!れろ……っ!」

 

 そこまでしても動かない彼の舌を、さながら獲物に襲いかかった蛇のように絡み付き、唾液を塗りたくりながら彼の唾液を舐めとる。

 上顎の内側、頬の粘膜、舌の裏側、歯の裏側と、いつもなら抵抗されたり、彼から責められたりと忙しく、堪能しきれない部分を大いに愉しむ。

 

「ぷぁ!」

 

 可愛らしい声と共に唇を離せば、二人の唾液が混ざった半透明な液体が二人を繋ぎ、そのまま枕へと垂れていった。

 

「えへへ~。ジル~」

 

 完璧に油断した銀髪武闘家は、背後で女魔術師が寝ているにも関わらず完全にスイッチが切れ、一人の女性であり彼の恋人──シルヴィアとしての顔を覗かせながら、露出させた彼の胸板に頬擦りした。

 見た目の割りに触れれば柔らかいそこは、さながら高級な枕のようでいて、体重をかければしっかりと受け止めてくれる。

 もっともそう感じるのはシルヴィアくらいで、他の誰かが彼を枕にしようものなら、枕にするには硬すぎると断じるに違いない。

 まあ、彼が見ず知らずの誰かの枕になるようなことはないのだが、シルヴィアにとって、その固さが調度いいのだろう。

 

「ふへへ~」

 

 だらしない笑みを溢しながら頬擦りする彼女は、ようやく満足したのか顔を離し、じっと彼の寝顔を見つめた。

 不自然な程に(・・・・・・)先程から変わらない彼の寝顔は穏やかで、すやすやと寝息をたてている。

 

「ジル……大好きだよ……」

 

 そんな寝ている彼を抱き締めながら、耳元で囁くように告白すると、ふっと小さく笑って顔を離し──。

 同時に身体を強張らせた。

 

「……シル、どうかしたのか?」

 

 ニコニコと怖いほど上機嫌そうに笑いながらそう告げたのは、もちろんローグハンタ──―もといジブリールだ。

 彼は笑みをそのままに彼女の髪を撫で、「なあ、どうかしたのか?」と重ねて問いかけた。

 

「あ、いや、眠れなくて……」

 

「普通に起こしてくれれば、話し相手くらいにはなるんだが?」

 

「キミの顔を見てたら、我慢出来なくて……」

 

「……」

 

 色々と言葉を重ねて取り繕うが、ジブリールはジト目で彼女を見つめるだけで、シルヴィアは彼の視線に堪らず寝返りをうち、彼に背を向けた。

 そんな彼女を軽く睨みながら、ジブリールは小さくため息を吐き、彼女の括れた腰に腕を巻き付け、自分の方に引き寄せた。

「きゃ!」と小さく悲鳴を漏らしたシルヴィアを抱き寄せ、頭を優しく撫でながら告げた。

 

「俺だって、それなりに溜まっているんだぞ……?」

 

「……ふぇ?」

 

 彼の言葉を一瞬理解できなかったシルヴィアが首を傾げて振り向くと、ジブリールはニコニコと笑いながら言う。

 

「俺にだって、我慢の限界があるってことだ」

 

 気持ち良く寝ている所を叩き起こされた為か、酷く不機嫌そうに額に青筋を浮かべながら、けれど相変わらず笑みを浮かべて、シルヴィアの寝間着に手をかけ、そのまま手を突っ込んだ。

 彼の無骨な手に腹筋を、脇腹を撫でられた為、「ひぅ!」と悲鳴混じりに身体を跳ねさせた彼女を他所に、ジブリールは告げた。

 

「──責任、取ってもらうぞ?」

 

 その言葉と共に、彼の手はシルヴィアの豊かな胸を鷲掴んだ。

 火の着いた爆弾を止められる者は誰一人としていない。

 火を着けた本人であっても、止めることは出来ないのだ。

 

 

 

 

 

「んっ……!ふっ……!んんっ!」

 

 額に汗を滲ませ、頬を高揚したように朱色に染めたシルヴィアは、ピクピクと身体を揺らしながら必死に口を継ぐみ、声を押さえていた。

 ジブリールの手で胸が見える程に寝間着を捲られた挙げ句、彼の片腕に腕ごと身体を抱きかかえられ、そのままブラジャー越しに豊かな胸を揉まれている。

 ついでと言わんばかりにもう片方の手は優しく腹筋を撫でており、くすぐるように割れ目を指でなぞっていた。

 薄く開いた彼女の視線の先には寝ている女魔術師の背中があり、こちらの様子に気付いた様子はないが、下手に声を出せば間違いなく起きるだろう。

 一応二人してシーツにくるまってはいるが、女魔術師は賢く、鋭い。直接見なくとも、察することは出来る筈だ。

 それを知るシルヴィアは、極力声を抑えながらも、仕事中でも出さないような必死な声音で彼に懇願する。

 

「ジル……っ!待って……せめて、違う場所で……!」

 

 胸から感じる快感と、腹筋から感じるくすぐったさに身体を震わせるシルヴィアの言葉をジブリールは一切聞き届ける様子はない。

 むしろブラジャーをずらして胸を露出させると、今度は直接柔らかな胸に指を沈め、その柔らかさを堪能するように指を動かす。

 

「ふっ……!んっ……!あっ、はっ……!」

 

 彼の指が沈む度に小さく身体を跳ねさせるシルヴィアは、必死になって口を継ぐんで声を抑えるが、少しずつ限界が近付いてきたのか、熱のこもった声が漏れ始めてしまう。

 指を噛もうにも、片腕は彼の手で押さえられており、もう片方の腕は自分とベッドに挟まれてしまっている。

 まあそうしたのはジブリールなのだが、ともかく今の彼女に口を塞ぐ術がない。

 どうにか腕を解放しようと身を捩った所で、ジブリールの膂力には勝てず、むしろ力が強まる始末。

 加えて彼女の抵抗が不服だったのか、胸を弄んでいた彼の指が、彼女の意志とは裏腹にぷくりと勃起した乳首に狙いを定めた。

 それに気付いたシルヴィアが、「待っ──」と制止の声をあげようとするが、ジブリールは言い切られる前に乳首を摘まんだ。

 そのまま指の腹で乳首を転がしながら、時折ぐっぐっと緩急をつけて摘まむ。

 

「ひぅ!んんっ!んーっ!!」

 

 乳首からくる痺れるような快感に必死になって口を継ぐむシルヴィアの努力を他所に、ジブリールは少々嗜虐的な笑みを浮かべると、真っ赤になった彼女の耳に噛みついた。

 

「ん!?はっ!ひっ……!」

 

 突然の事態に目を見開いて声を漏らしたシルヴィアの反応に、耳たぶを甘噛みしていたジブリールは口を離し、耳の穴にふっと息を吹き掛けた。

「ひゃ!」と小さく悲鳴を漏らしてくすぐったそうに身動ぎするシルヴィアは、はぁはぁと息を乱しながら、ちらりと彼の方へと目を向けた。

 

「ジルゥ……お願い……外でも、いいからぁ……」

 

 潤んだ瞳、火照った白い肌、熱のこもった吐息と、蕩けるような甘い声。

 それを間近で受けたジブリールはぶるりと背筋を震わせると、腹筋を撫でていた手で、そっと秘裂に触れた。

 くちゅりと湿った音が二人の鼓膜を揺らし、ジブリールは嗤い、それを見つめたシルヴィアはさっと体温が下がる錯覚を覚えた。

 そして彼女の悪寒はすぐに現実になり、ジブリールが寝間着のズボンとショーツを纏めて掴み、一気に膝の辺りまで降ろした。

「ひ!?」と悲鳴を漏らしたシルヴィアは、どうにかズボンだけでもあげようと手を伸ばすが、彼の拘束が緩む様子はなく、あと数センチが届かない。

 耳元でフッと鼻で笑う声が聞こえたと思えば、ごそごそと布の擦れる音が耳に届いた。

 

「ジ、ジル……!待って、謝るから……!」

 

「謝る気があるなら、大人しくしていろ」

 

 目に涙を浮かべながら懇願するシルヴィアだが、ジブリールに容赦はなかった。

 彼はシルヴィアの必死の懇願を淡々とした言葉で切り捨てると、ズボンとパンツを降ろして逸物を取りだし、湿り気を帯びた秘裂に当てた。

 

「お願い、待っ──」

 

 シルヴィアが最後の最後で制止の声をあげるが、ここまで来て止まれるほど、枯れているジブリールの本能も死んではいない。

 つまり彼は無慈悲に、いっそ機械的に腰を突き出し、彼女の秘部を貫いたのだ。

 

「ひぎゃ!?」

 

 身体を強張らせていた為か、思い切り閉じていた膣肉を力ずくで掻き分けた逸物で子宮口を殴られ、その衝撃に悲鳴をあげた。

「あっ……かっ……ひゅっ……」と身体を痙攣させながら大口をあけて声を漏らすシルヴィアと、膣肉の締め付けに息を漏らしたジブリールとは別に、どこからか「うぅん……」と呻き声が漏れた。

 

「っ!」

 

 いち早くその正体に気付いたシルヴィアは目を剥くと、数瞬遅れてジブリールもそれに気付き、愉快そうに笑った。

 二人の正面で寝ていた女魔術師が、寝苦しそうに唸りながら寝返りをうち、二人の方に身体を向けたのだ。

 

「ん……」

 

 そして不意に細く目をあけて、じっとシルヴィアとジブリールの方を見つめた。

 そして彼女の瞳と目があってしまったシルヴィアは──、

 

「っ!?!?」

 

 顔を耳まで真っ赤に染め、声にならない悲鳴をあげた。

 同時に膣肉が強烈に引き締まり、ジブリールの逸物を締め付ける。

 蠢くひだがさながら指のように逸物を扱き、彼の射精を誘う。

 甘ったるいまでの快感に「くっ」と小さく唸ったジブリールはシーツの中で彼女の腰を押さえつけ、耳元で囁いた。

 

射精()すぞ。受けとれ」

 

「っ!──っ!──っ!!」

 

 彼の言葉にシルヴィアは声を出さずに首を振るが、彼は止めるつもりは毛頭なく、女魔術師は寝ぼけ眼でじっとこちらを見つめている。

 

「おね、がい……っ!まって……!」

 

 喉の奥から絞り出したような、耳を澄まさなければ聞こえない声で懇願するが、ジブリールは「もう無理だ」と告げて一旦腰を引くと、子宮口を殴るように逸物を突き出した。

 腰と臀部が触れあう直前で腰を止めて音が出ないようにはするが、それでも彼の剛直なら彼女の子宮に容易く届く。

 シルヴィアが胎内の奥深くを殴られた衝撃に「かっ!」と肺の空気を吐き出すと、同時に射精が行われた。

 どろり粘着質で、加えて熱々の精液は瞬く間に彼女の子宮を満たし、押し広げていく。

 

「──っ!──っ!!!?」

 

 そして彼の精液の熱に当てられ、意志とは関係なしに絶頂を迎えたシルヴィアは、口を開けながらも声を殺しながら身体を仰け反らせ、ピクピクと身体を痙攣させた。

 同時に引き締められた膣肉が痙攣を繰り返し、射精中の敏感な逸物を更に刺激する。

 

「っ!」

 

 その感覚に眉を寄せたジブリールは我慢することを忘れ、落ち着く間もなく更に射精した。

 どろどろの精液が続けて吐き出され、追加された分だね子宮を押し広げ、僅かに下腹部が盛り上げる。

 

「かっ……!ぎっ……!ん……っ!」

 

 ついに耐えきれずに声を漏らしたシルヴィアは、慌てて口を継ぐんで声を抑えながら、絶頂に揺れる瞳で女魔術師の様子を探った。

 

「……」

 

 いまだに寝ぼけ眼な彼女は深く息を吐くと、そのままゆっくりと目を閉じ、再び規則正しい寝息をたて始めた。

 絶頂しながらホッと息を吐いたシルヴィアを他所に、ようやく射精が落ち着いたジブリールはゆっくりと逸物を抜いた。

 栓としての役割を持っていたそれが抜けた事で、子宮を満たしていた精液が一気に逆流し、秘裂から吐き出される。

 

「──はぁ……!はぁ……はぁ……」

 

 同時に気が抜けたのか、絶頂の余韻に浸る間もなくシルヴィアは継ぐんでいた口を開いて酸素を補給し始めた。

 ジブリールは労うように彼女の頭を撫でてやりながら、彼女の肩を掴んで寝返りをうたせ、自分と向かい合わせた。

 蒼い瞳と銀色の瞳がお互いを映し、片や満足そうに、片や不満そうな視線を相手に向ける。

 ジブリールは笑みをそのままに「悪かったな」と呟くと、シルヴィアは頬を膨らませながらぷいと顔を背けた。

「悪かったって」と平謝りするジブリールを視線だけ動かして睨むものの、彼は動じた様子もなくへらへらと笑い、そっと髪を撫でた。

 

「む~」

 

 不満なのか、嬉しいのか、何とも言えない表情で猫のように喉を鳴らすシルヴィアを見つめながら、ジブリールはシーツの中で彼女の足を軽く持ち上げ、股を開かせた。

 

「っ!?ジ、ジル……!?」

 

 慌てた様子で自分に顔を向けてきたシルヴィアの頭を片手で押さえつけ、そのまま唇を奪うと、精液を吐き出していた秘裂に亀頭をあてがった。

 

「ん!?んんっ!んーっ!!」

 

 それが意味することは一つで、それをよく知るシルヴィアは目を剥くが、ここまで来て今さらどうなると言うのだ。

 ジブリールは腰を突き出し、再び胎内を貫いた。

 

「んお゛!?」

 

 絶頂から一分足らずで愛する人の分身の再びの侵入を許した膣肉は、悦びか拒絶のどちらかでわななき、蠢くひだが逸物を扱く。

 その感覚に心地よさそうに目を細めたジブリールは、ゆっくりと腰を振り始める。

 

「ん……っ!ふっ……!っ……!」

 

 いつにも増して緩やかな動きに、鋭いかりでゆっくりと膣肉が掻かれ、口付けするように優しく子宮口を撫でられる。

 甘く、蕩けるような快感にシルヴィアは身を捩り、先程までの批判的な視線が、媚びるような視線へと変わっていく。

 それを確認したジブリールが唇を離せば、シルヴィアは「へぁぁ……」と気の抜けた声を漏らす。

 腰の動きに合わせて「あっ……はっ……」と声を漏らす彼女を見つめながらジブリールは肩を竦め、手頃な手拭いを手に取り、それを彼女にくわえさせた。

「んぐ!?」と声を漏らして苦しそうに眉を寄せるシルヴィアだが、腰の動きが再開されるとすぐに快感に表情を蕩けさせ、彼の動きに合わせて自分から腰を振り始める始末。

 

「ふっ!んっ!はっ!んんっ!んーっ!!」

 

 気持ち良さそうに目を細め、ピクピクと身体を痙攣させながらくぐもった嬌声をあげ、瞳がとろとろに溶けていく。

 ジブリールが「射精()すぞ」と告げれば、こくこくと頷いて返し、彼の背中に手を回して思い切り抱き締めた。

 同時に射精を促すように膣肉が引き締まり、逸物を締め付け、搾る。

 

「ぐっ……!」

 

 ジブリールは低い唸り声を放つと共に、逸物は堪らずに精液を吐き出し、古い精液を押し出すように彼女の子宮を満たした。

 子宮内で精液が暴れまわり、精液で洗浄されているような感覚が子宮を舐め回し、彼女に未知の快感を与えていく。

 

「んーっ!!んっー!んんんっ!?」

 

 目を剥いて絶頂したシルヴィアは、もはや力の入らない腕で彼を抱き締めた。

 背に回した指が勝手に爪を立て、彼の背中を引っ掻いてしまうが、ジブリールは一切怯まずに更に腰を突き出す。

 めりっ!と子宮が潰される鈍い音がしたと思えば、シルヴィアは「お゛!?」と野太い悲鳴を漏らし、ビクビクと身体を痙攣させた。

 同時にわなないた膣肉が逸物を搾り上げ、尿道に残された僅かな精液さえも搾り取る。

 ジブリールの口から「ぐっ、あぁ……」と気の抜けた声が出るのと、精液が搾り尽くされるのはほぼ同時。

 僅かに萎えた逸物を引き抜いたジブリールは凄まじいまでの倦怠感にため息を吐き、枕に頭を沈めた。

 対するシルヴィアは絶頂の余韻に浸るように身体を跳ねさせながら、潤んだ瞳で彼を射抜いた。

 それはまるで次を求めているようで、まだ終わって欲しくないと訴えているようで、ジブリールは背筋を震わせると、萎えた逸物が固さを取り戻す。

 そうして準備を終えたジブリールは、彼女の口に詰めていた手拭いを取ってやり、代わりに口付けを落とした。

 同時に勃起した逸物を再び彼女の胎内に叩き込んだ。

 夜はまだ終わらず。むしろ始まったばかりだ──。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ぎしぎしとベッドが軋む音と、パンパンと肉同士がぶつかり合う乾いた音、そして圧し殺した女性の嬌声を聞きながら、二人に背を向けている女魔術師は顔を真っ赤にしていた。

 何だか煩くて目を覚ましたら、まさかおっ始めているとは誰が思うだろうか。

 

「はひゅ……!じりゅ、じりゅう!しゅき、だいしゅき……っ!」

 

「俺も、愛してるよ」

 

 途中途中で愛の告白が挟まるなど、誰が思うだろうか。

 怒ってもいい。むしろ怒るべきなのだろうが、女魔術師にそれが出来なかった。

 

「あっ……ふっ……んんっ!」

 

 自分の両手はそれぞれ胸と秘裂に伸びており、一心不乱にそこを弄り、快感を享受しているからだ。

 魔術の鍛練に明け暮れてやる機会のなかった自慰行為の快感に耽りながら、女魔術師はどんどんと表情を蕩けさせていく。

 

「じりゅ!じりゅ!イく!イっちゃう!」

 

「ああ、俺も……っ!」

 

 ──わ、私もイきそうです……っ!

 

 二人の声に心の中で思わず返した女魔術師は、更に指の動きを激しくさせ、ぐちゃぐちゃと湿った音を響かせる。

 

「イく!イくぅぅぅうううううっ!」

 

「くっ、おおおお!」

 

「──っ!!!」

 

 シルヴィアの声を合図に、三人はほぼ同時に絶頂を迎え、むせかえるような淫行の臭いが部屋を満たし、三人の思考力を奪い取る。

 

「ジル!じりゅ!もっと、もっとちょうらい……っ!」

 

「ああ、もう知らんぞ……!」

 

 二人はもはや隠す気もなく言葉を交わすと、先程よりも激しく音をたてて行為に耽り始めた。

 

 ──あの人ばっかりズルい!私も、私だって、欲しい……!

 

 女魔術師はもはや自分で制御が効かず、ころりと寝返りをうって二人の方へと身体を向けた。

 周囲が見えていない二人はそんな事にも気付かずに行為を続け、シルヴィアは嬌声を、ジブリールは唸り声を漏らしている。

 そんな二人を肴に、女魔術師は自慰行為に耽る。

 シルヴィアの秘部を、彼の剛直が貫く度に指を突っ込み、ジブリールが彼女の乳首を舐める度に指で転がす。

 相手が彼である事を頭に描いて、ひたすらに快感を貪り続ける。

 

「──っ!!」

 

 そして一人で絶頂を迎えても、もはや自分の意志を離れた指は止まることを知らず、女魔術師に快感を与え続ける。

 

「っ!?──っ!!っ──!!?」

 

 そして短時間に数度の絶頂を迎えた女魔術師は目を見開き、ガクガクと身体を揺らしながら指を引き抜き、同時に潮を噴いた。

 全身の筋肉を弛緩させてベッドに沈み、はぁはぁと乱れた呼吸を繰り返す。

 

「じりゅ!じりゅぅうううううう!!」

 

「シル!くぉぉぉぉおおおおお!」

 

 眠気に押されて歪んだ視界に、いまだに交じりあう二人の姿を捉えながら、女魔術師は歪な笑みを浮かべた。

 

 ──いつか、私も、そっちに……。

 

 二人に気付かれることなくそう心に決めた彼女は、そのまま目を閉じて眠りに落ちた。

 それでもジブリールとシルヴィアの行為は終わらず、一晩中嬌声は響き続けた。

 一人の少女が、雌としての本能に目覚めた事にも気付かずに──。

 

 

 

 




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Memory?? 激しく、熱く

リクエストから。

『Memory?? 静かに、熱く』の続き的立ち位置。
ヒロインは銀髪武闘家と女魔術師です。



 辺境の街の中でも随一の人気を誇る眠る狐亭。その一室。

 辺境で有名どころの冒険者──ならず者殺し(ローグハンター)が拠点としている部屋では、

 

「あん!あっ!はひゅ!まっへ!もっと、ゆっくりっ!!」

 

 パンパンと肉がぶつかり合う乾いた音と、女性の嬌声が木霊していた。

 ベッドに仰向けで寝かされている銀髪の女性に、黒い髪をした男性が覆い被さり、己の分身を彼女の秘部へと押し込んでいるのだ。

 

「ひぎゅ!あっ、はっ、へひ!そんなに、がっつか、ないれ!イく!イっちゃう!!」

 

 ベッドに組み伏せられた銀髪武闘家は、蕩けた瞳と表情のままにそう告げて、「しゅき、だいしゅき!」と黒髪の男性──ローグハンターへと告白した。

 その言葉を受けた彼は嬉しそうに笑いながら、「俺もだよ」と呟いて彼女の唇を奪った。

 隙間から捩じ込んだ舌を彼女のものに絡め、動物がマーキングでもするかのように唾液を塗りたくる。

 

「んん!ん~っ!!んんん!!」

 

 その間も腰を振って一物で胎内を蹂躙されるのだから、銀髪武闘家の表情から余裕が消えてしまう。

 パン!パン!と鋭い音をたてて腰を打ち付けて、一物で彼女の秘部の奥底を殴り付ける。

 

「んっ!んぶ!?ふっ、んん!!」

 

 彼の一物が最奥を貫く度に銀髪武闘家はピクピクと身体を痙攣させ、その度に膣肉が引き締まる。

 口付けをしたまま、だんだんと強まる射精感に目を細めたローグハンターは、そのまま我慢することたく、そして何も告げることなく、彼女の子宮に精液を吐き出した。

 突然吐き出されたどろりとした、熱々の液体の感覚に、銀髪武闘家はぎょっと目を見開き、同時に絶頂を迎えた。

 

「んんんんん!?んぐ、んぉおおおお!」

 

 口を塞がれたまま、絶頂による叫びは全て彼の胃の中へと落とされ、くぐもった音だけが漏れる。

 ぎゅっと彼女の腰を押さえつけ、一滴残さず彼女の子宮に注ぎ込むローグハンターは快感に鼻から息を漏らし、銀髪武闘家は身体を震わせて絶頂の余韻に浸る。

 数分かけた射精が終わり、吐精感が落ち着いていく中で、ローグハンターは彼女の口から唇を離した。

 二人は息を乱しながらも、快感に緩んだ表情を浮かべたまま見つめあい、お互いに笑顔を浮かべた。

 そして銀髪武闘家の笑顔を見つめていると、ローグハンターの一物が固さと大きさを取り戻し、彼女の膣肉を押し上げる。

 銀髪武闘家はその圧迫感に小さく唸るが、それもすぐに快感へと変わったのか、表情が和らぐ。

 

「いいよ……。キミが、満足するまで、やって……?」

 

 物欲しそうに瞳を潤ませ、ローグハンターを迎え入れるように手を広げると、彼は小さく頷いて前後(ピストン)運動を再開した。

 肉同士がぶつかり合う乾いた音と、銀髪武闘家の喘ぎ声。ローグハンターの唸り声。

 それら全ての音を耳で感じ、むんと香る淫行の臭いを肺一杯に吸い込み、自らの快感の材料にしているのは、二人の隣で寝たふりをしている女魔術師だ。

 

「ふっ……!んっ……!んん……っ!」

 

 シーツにくるまったまま二人に背を向けて、両手はそれぞれ自分の弱点へと伸びている。

 上着は邪魔だと言わんばかりに胸が見えるまで捲し上げられ、ズボンも紐を緩めて今にも脱げてしまいそうなほど。

 片手で胸を揉みながらピンと勃った乳首をつねり、片手はびしょびしょに濡れた秘裂を撫でる。

 

「あん!はっ!ひぅ!あん!あっ、はっ、ひぐ!!」

 

 背後から聞こえる銀髪武闘家の喘ぎ声と、パンパンと響き続ける肉がぶつかる音、ぎしぎしとベッドが軋む音。

 それら全てを燃料にして、女魔術師の体内に快感が渦巻く。

 

「イく、イく!また、イっちゃう!!」

 

 銀髪武闘家の蕩けた声に、女魔術師はシーツを噛みながら小さく頷いて、くちゅくちゅと音をたてて秘裂をかき回す。

 

「しゅき、だいしゅきぃ!!」

 

「ああ、俺も大好きだ、愛してる……っ!」

 

「~っ!ずるい、そんな、きゅうに、ずるぃいいい!!」

 

 二人はお互いに愛を告白し、銀髪武闘家の歓喜と快感に震える声が、女魔術師の鼓膜を揺らす。

 痺れるような快感が、けれど物足りないもどかしい感覚が、彼女の身体を渦巻く。

 

「イくっ!おね、がい……!いっしょ、いっしょにぃ……っ!!」

 

「ああ、一緒に……っ!」

 

 パンパンと鳴り続く音の間隔が段々と速くなり、二人の声からも余裕が消えていく。

 女魔術師も合わせて指の動きを強めて、膣肉の敏感な部分を引っ掻き始める。

 ぐちゅぐちゅ、くちゃくちゃと湿った音を秘裂から漏らし、ひたすらに快感を享受する。

 

「イくっ!イっ──んああああああああっ!」

 

「ぐっ……!」

 

 ついに銀髪武闘家は数度目の絶頂を迎え、ローグハンターも二度目の射精を行い、

 

「~~っ!!!」

 

 シーツを噛み締めて声を押し殺しながら、女魔術師も絶頂を迎えた。

 全身が強張って足が爪先までピンと延び、引き締まる膣肉が指を咥えて離さない。

 背後でローグハンターの気の抜けた声と、銀髪武闘家の絶頂の余韻に喘ぐ吐息が聞こえ、女魔術師も絶頂が落ち着くと同時に息を吐いた。

 二人に気づかれないようにゆっくりと呼吸を整えて、隙を見て身体を拭わなければならない。

 

「ん……。はぁ……」

 

 わかってはいるのだが身体に力が入らず、気だるげな吐息を漏らす。

 二人が寝るまで、このまま寝たふりでやり過ごそうと決めて、目を閉じて深呼吸をした直後。

 不意に背後から伸びてきた手に肩を掴まれ、「ひっ!」と悲鳴をあげた。

 その手は凄まじい力で彼女の肩を引き、無理やり身体を転がした。

 ごろりと寝返りを打った女魔術師の視界に飛び込んできたのは、先まで銀髪武闘家と行為をしていたローグハンターだ。

 

「あ……その……これ、は……」

 

 申し訳程度にシーツで下半身を隠してはいるものの、その鍛え抜かれた上半身と、そのシーツを押し上げる怒張の大きさは年頃の乙女には刺激が強すぎるもの。

 自分の身体を見つめて赤くなっている女魔術師を見ながら、ローグハンターは不敵に笑った。

 その背後ではベッドに倒れる銀髪武闘家もまた笑っており、二人ともだいぶ前から気付いていたのだろう。

 二人の誘うような視線なごくりと生唾を飲んだ女魔術師は、それでも負けじとゆっくりと目を逸らすが、ローグハンターが身を乗り出して再び視界へと納まってくる。

 にこりと微笑んだ彼は、女魔術師の額に貼り付いた髪を退かしてやると、無言でシーツごと持ち上げた。

「きゃ!」と悲鳴をあげるが、それも無視した彼は、女魔術師を自分たちのベッドの上に寝かせた。

 両手をついて身体を起こした銀髪武闘家は、彼女の頭を抱き寄せ、自分の身体に寄り掛からせた。

 優しく赤い髪を撫でてやりながら、微笑む。

 

「隣で始めちゃったのは謝るけど。ふふ。そうだよね、お年頃の女の子だもんね」

 

「……っ」

 

 女魔術師は銀髪武闘家の温もりと、優しい手つきに僅かな安堵を感じながら、彼女の言葉に肩を揺らした。

 確かに自分がいることを知っていて、男女の行為を始めるのはどうかと思うが、やはりそれに乗ってしまった自分も自分だろう。

 銀髪武闘家は変わらずに彼女の頭を撫でてやりながら、ローグハンターに目を向けた。

 銀色の視線を受けた彼は小さく頷き、ベッドの上に腰かける。

 ベッドが音をたてて軋むが、それでも三人分の体重を支えられるのは流石の一言。

 ローグハンターは伸ばした手で女魔術師をくるむシーツを剥がすと、元のベッドへと放り投げた。

 同時に二人の視界に飛び込んでくるのは、もはや意味をなしていない上着と、失禁でもしたかのようにびしょ濡れとなったズボンだ。

 ズボンに関しては、水分を吸いすぎて色が変わってしまっている。

 二人に見られたと認識した女魔術師は、慌てて片腕で胸を隠し、脚を内股にしながら顔を真っ赤に染め、「み、見ないでください……」と僅かに震える声を漏らす。

 

「見ないでと言っても、汚れたのは俺たちのせいでもあるからな」

 

 彼女の言葉に、ローグハンターは上面だけ申し訳なさそうな表情になりながら、けれどその手は彼女のズボンへと伸びている。

 

「ま、待って──」

 

 女魔術師が慌ててその手を掴もうとするが、それよりも速く銀髪武闘家の手が動き、彼女の羽交い締めにして抵抗を未然に阻止しながら、胸を露出させる。

 脱出しようともがいてみるものの、力量(レベル)差が大きすぎてどうにもならない。

 腕力も、技量も、何もかもが違うのだから当然だ。

 

「~!」

 

 顔を耳まで真っ赤に染めて羞恥に震えるが、今の状態ではどうにもできない。

 ──どうにかする気もないことも確かなのだが。

 

「それじゃ、脱がせるぞ」

 

 ローグハンターはピンと勃った桃色の乳首を一瞥すると、ズボンの裾を掴んで一気に降ろした。

 そして露になるのは、びっしょりと濡れた太ももと、水分過多でしわしわになったショーツだ。

 どうにか隠そうと内股になりながら「うぅ……」と唸るが、ローグハンターは気にせずに手拭いを取り出し、それを彼女の股間へとあてがった。

 

「ひっ……!」

 

 その瞬間、女魔術師の全身に電撃が走り抜けた。

 それが何かを把握するよりも早く、ローグハンターの手が動き出し、手拭いで彼女のショーツをごしごしと擦り始める。

 

「ひぐ……っ!んっ……!はっ、んん……!」

 

 ピク!ピク!と身体を小刻みに揺らす女魔術師は、先程とは段違いの、力強くも優しい快感に身を捩り、口からは甘い声が漏れる。

 

「拭いても拭いても取れないな」

 

 ローグハンターはわざとらしくそう言うと、いい加減邪魔になってきたショーツを引き剥がした。

 女魔術師は突然の行動にぎょっと目を剥いて身体を強張らせるが、抵抗する素振りは見せずに身体から力を抜く。

 それを了承と受け取ったローグハンターは、いまだに愛液を吐き出している彼女の秘裂を手拭いで擦った。

 

「ひぁ!?」

 

 途端に駆け抜けた鋭い快感に、ビクン!と身体を大きく跳ねさせて、豊かな胸が揺れる。

 そのままごしごしと擦り付ければ、布の繊維が敏感な秘裂を撫で回し、断続的で、強烈な快感を彼女に与える。

 

「ひぐ!あっ!はっ!ひっ!う、ひぁ!あ……っ!」

 

 女魔術師はピクピクと身体を痙攣させながら快感に喘ぐが、ローグハンターの手は止まらずに秘裂を擦り続ける。

 それを静かに見下ろしていた銀髪武闘家は、何を思ってか女魔術師の両手を万歳させると、そのまま頭の後ろに腕を通し、器用にも片腕で彼女を拘束。

 

「は、あ、ふぎ!?なに、を、するんですか!?」

 

 急に体勢を変えられた女魔術師は、語気を強めながら銀髪武闘家を睨むが、当の彼女はどこ吹く風。

 空いた片手が女魔術師の胸へと伸び、そのままゆっくりと鷲掴み、五指を蠢かせたその柔らかさを堪能する。

 

「ひっ!あ、ふん!んん!んぅ!ふっ、はっ……」

 

 くすぐったいような、けれど気持ちがいい感覚に混乱しながらも、女魔術師の口からは気の抜けた声が漏れる。

 その直後にはローグハンターの手拭いが、秘裂を力強く擦るのだから、女魔術師は嬌声をあげた。

 胸は優しく、秘裂は激しく。相反する責めが、彼女の身体を同時に襲いかかる。

 

 ──き、気持ちいい……。

 

 ふわふわと、身体が浮いてしまうような感覚に、女魔術師は力の抜けた吐息を漏らす。

 

「あ、あん!はっ!ひぅ!んんっ!」

 

 それぞれの快感に身体は素直に反応を示し、与えられる快感によって愛液が分泌される。

 秘裂から溢れた愛液はローグハンターの手により拭われ、内側だけがぐっちょりと濡れていく。

 

「うぅ!あっ!はっ!くぅ……っ!」

 

 女魔術師は甘える犬のような声を漏らすと、無意識の内に「もっと……」と呟いた。

 ローグハンターと銀髪武闘家の手が止まった事を合図に、ハッとした頃にはもう遅い。

 女魔術師はじっとこちらを見てくるローグハンターに目を向けて、「うぅ」と恥じるように俯いた。

 だが吐き出した言葉を飲み込むことはできず、二人の視線が突き刺さる。

 そしてここまで来れば開き直ってしまおうと、女魔術師は怪しく笑んだ。

 

「お願いします。もっと、気持ちよくしてください……」

 

 内股になっていた脚を開き、秘裂をローグハンターに見せつけながら言うと、彼はごくりと生唾を飲んだ。

 銀髪武闘家は耳元で「やっと素直になった」と言って笑うと、拘束を解いた。

 ようやく自由になった両手を秘裂へと伸ばし、両手の指でくぱっと開く。

 

「ください。あなたのもので、熱くて、固いもので、一杯にしてください」

 

 普段の理性に満ちた声と表情とは程遠い、客に甘える娼婦のような声と、表情で、静かにそう告げた。

 ローグハンターと銀髪武闘家は目を合わせると、お互いに笑いながら頷いた。

 

 ──この後輩に、()たちの連携を見せてやる(あげる)

 

 今の女魔術師に二人の意図を読み取る余裕はないが、少なくとも言えることがただ一つ。

 

 ──彼女が勝負を挑んだのは、この街でも随一の連携を誇る、冒険者だということだ。

 

 

 

 

 

「きゅい!?ぎっ、ああ!あひ!あん!へっ、んんんんん!!」

 

 銀髪武闘家の声に変わって響くのは、女魔術師の嬌声だ。

 銀髪武闘家が彼女の身体に覆い被さり、両手で秘裂を開きながら陰核(クリトリス)に舌を這わせ、ローグハンターは両手の指で秘部を掻き回す。

 

「ひぎ!?お゛!?んぃいい!ぎっ、あああああああ!!」

 

 そして叩きつけられる快感は、自分で慰めた時のそれとは段違いのもの。

 ビクン!ビクン!と身体を跳ねさせ、快感に身を捩るが、銀髪武闘家の身体に押さえつけられて逃げることは出来ない。

 

「ほらほら、ここが気持ちいいんでしょ?」

 

 その彼女は楽しそうに笑いながら女魔術師を煽るようなことを言うと、充血し、ぷっくりと膨らんだ陰核を口に含み、舌で転がしてやる。

 

「んぉ!?ぎ、あ、んぉおおお?!」

 

 女魔術師は獣じみた声をあげながら、ビクン!と身体を大きく跳ねさせ、全身を痙攣させて絶頂を迎えた。

 同時に秘裂から潮が噴き出し、二人の手と顔を汚す。

 だが二人はそれに構うことなく、それぞれの責めを続行。

 

「お゛!?お゛ぐ、ぎっ!あ、あああああああああ!!!」

 

 膣肉が引き締まり、両手足を爪先までピンと伸ばしながら、それでも絶頂が止まらずに身体が痙攣を繰り返す。

 

「んぎぃ!?あっ、あっ、あっ、んぉおおおお!?」

 

「ちょっと、うるさいよ!っと」

 

「んぼ!?」

 

 そんな嬌声をあげ続けている女魔術師の声を嫌ってか、銀髪武闘家は自分の秘裂を彼女の口に押し付けた。

 安産型の臀部に顔が埋まり、多少の息苦しさを感じながらも、そこから漏れでたとろりとした液体が口へと流れ込んだ。

 

「っ!?」

 

 その強烈な生臭さと、粘度に目を剥いた女魔術師だが、何故だか癖になるその味を堪能しようと銀髪武闘家の秘裂に舌を捩じ込んだ。

 隙間を見つけたその液体──彼女の胎内に溜まっていたローグハンターの精液──は、女魔術師の舌に絡め取られ、次々と排出されていく。

 

「ひっ!」

 

「どうした」

 

「う、ううん。な、なんでもない……」

 

 精液が掻き出される快感に声を漏らし、ピクピクと身体を小刻みに揺らす銀髪武闘家だが、ローグハンターの問いかけには強がるように笑んだ。

 ローグハンターは不思議そうに首を傾げるが、その間も彼の指は動き続けている。

 

「んぉ!?お、お、んんっ!んぐ!ぐっ!ぶ……っ」

 

 こくこくと喉を鳴らして精液を飲み下す女魔術師だが、ついには限界を迎えて僅かに吐き出してしまう。

 噴き出した白濁液が彼女の頬と、銀髪武闘家の臀部を汚すが、漏れ出した精液はいまだに出続けている。

 

「んぶ!げっ……!んん!んぶ、ぼぁ……」

 

 それは女魔術師の口内を満たし、吐き出そうにも銀髪武闘家の臀部が邪魔で上手くいかない。

 

「んっ!んん……っ!」

 

 そして精液が逆流していく感触に喘ぐ銀髪武闘家は、ついに耐えきれずに小さな絶頂を迎えた。

 潮と共に残った精液が、女魔術師の口内に纏めて吐き出された。

 

「ぶぉ!?」

 

 ビクン!と身体を跳ねさせた女魔術師は白眼を剥き、ローグハンターの責めによる絶頂で意識が途切れる。

 女魔術師がくたりと身体を弛緩させると、ローグハンターはその手を離し、銀髪武闘家も身体を避けた。

 途端に最後っ屁のように吐き出された精液の塊が女魔術師の顔にかかり、彼女の顔を白く汚す。

「あ……」と声を漏らした時にはもう遅い。

 

「げっ……。ぉ……ぅぇ……ぉぇ……」

 

 口から嘔吐するように精液を吐き出す女魔術師に、何かを言う気力さえも残っていない。

 ピクピクと身体は痙攣し、ローグハンターにより解された秘裂からは愛液が溢れて止まらない。

 

「えっと、大丈夫……?」

 

 銀髪武闘家は体勢を変えて女魔術師の顔を覗き込むと、顔についた精液を舐めとり、綺麗にし始めた。

 舌を痺れさせる生臭い味に、恍惚の表情を浮かべながら身体を震えさせ、次の狙いを定めるように目を細めた。

 そしで誰かに止められるよりも早く、女魔術師の唇を奪った。

 女魔術師は「ん……」と声を漏らすが、抵抗する気力がなく、されるがままになるしかない。

 入り込んだ舌が精液を舐めとり、少しずつ少しずつ口内を綺麗にしてくれる。

 数分かけて精液を掬い上げた銀髪武闘家は舌舐めずりすると、「ごちそうさま」と呟いた。

 

「うぅ。私の、初めて、だったのに……」

 

 そしてようやく復活した女魔術師は、自分の唇を押さえながら目に涙を浮かべた。

「え……」と声を漏らした銀髪武闘家は、申し訳なさそうに目を逸らし、ポリポリと頬を掻いた。

 何かを言ってあげたいが、何を言うべきかがわからない。

 

「あー、そろそろいいだろうか」

 

 そんな二人の意識外から、ローグハンターが声をかけた。

 二人の痴態を見せつけられ。一物は既に臨戦体勢。

 その亀頭を女魔術師の秘裂に擦り付けると、彼女の口から「ひぅ!」と上擦った声が漏れる。

 

「……大丈夫か」

 

 ローグハンターの問いかけは、彼女の想いの最終確認でもあった。

 ここで否を叩きつけたとしても、彼は気にすることなく、明日もいつも通りに接してはくれるだろう。

 そうとわかっていても、女魔術師の返事は変わらない。

 

「さっきも言ったじゃないですか」

 

 折れかけた心を奮い立たせ、にこりと微笑む。

 そしてその先は何も言わず、足を開くのみ。

 ローグハンターはこくりと頷くと、ゆっくりと腰を突き出した。

 亀頭が秘裂を抉じ開け、ゆっくりと膣内を進んでいく。

 

「くっ……うぅ……っ!」

 

 未知の異物感に呻くが、それでも彼を止めることない。

 その間にも膣肉は一物を食い千切らんばかりに引き締まり、ローグハンターは低く唸った。

 そして亀頭が何かの膜に触れ、締め付けが一段と強まると、そこで一旦停止。

 女魔術師の顔に目を向け、言葉もなく頷いた。

 彼女もまた無言のまま頷くと、ローグハンターは深呼吸を一度。

 

「ふっ!」

 

 鋭く息を吐きながら、一気に腰を突き出した。

 ブチッと女魔術師の処女膜が破れる音が接合部から漏れ、女魔術師は痛みに目を剥いた。

 

「っ!……ぎっ、うぅ……!」

 

 ぎゅっとシーツを握りしめて痛みを誤魔化そうとするが、その程度でどうにかなる痛みではない。

「ふぅー!ふぅー!」と力みながら息を吐くと、不意に銀髪武闘家が彼女の髪を撫でた。

 

「力を抜いて、ゆっくり深呼吸。ね」

 

 片目を閉じながら(ウィンク)しながらそう言うと、女魔術師は余裕のない表情のまま頷いて、言われた通りにゆっくりと深呼吸。

 力んでいた身体から力を抜いて、膣肉の引き締まりが弱まって、彼の一物を受け入れる。

 

「もう、大丈夫です」

 

 女魔術師は気丈に笑みながらそう言うと、ローグハンターは小さく頷いて腰を動かし始めた。

 いまだに固い膣内の奥底を亀頭で掻き回し、最奥に自分の形を教え込むようにゆっくりと押し付ける。

 

「く……うっ……んん……っ!」

 

 痛みが少しずつ快感へと変わり、女魔術師の声にも少しずつ熱がこもる。

 膣肉も解れて柔らかくなってくると、ローグハンターは腰の動きを段々と速めていく。

 パン!パン!と乾いた音を響かせて、女魔術師の身体を揺さぶりながら、亀頭で子宮口に接吻を繰り返す。

 

「ひぐ!あっ、あっ、あっ、はっ、ひん!あっ!」

 

 身体を揺らされ、最奥を彼の一物が貫く度に女魔術師は嬌声を漏らし、瞳が蕩けていく。

 銀髪武闘家は「その調子だよ」と優しく笑いながら女魔術師の頭を撫でてやる。

 その手つきはさながら母のようで、女魔術師は無意識の内に表情を和らげた。

 だが、それも一瞬のこと。ローグハンターの責めにより表情は快感に歪み、蕩けた瞳が揺れる。

 

「あん!はっ、ひぅ!あひ!んん!んひ!んぁああ!!」

 

 ビクン!ビクン!と突かれる度に身体を跳ねさせ、声を漏らす女魔術師だが、背筋をくすぐる絶頂の感覚に身体を強張らせる。

 

「くっ、うううう!!イ、イきます!我慢、出来ません!!」

 

 きゅんきゅんと締め付けてくる膣肉の感覚にローグハンターは眉を寄せ、女魔術師の表情にも余裕がない。

 

「イく!イく!?イッ──」

 

「ぐっ……!」

 

 女魔術師が目を剥いて、ビクン!と一際強く身体を跳ねさせると同時に絶頂を迎え、ローグハンターもまた吐精の瞬間を迎えた。

 本日三度目に関わらず、どろりとした精液が女魔術師の子宮に直接注ぎ込まれ、彼女はすぐさま次の絶頂へと押し上げられる。

 

「ひぐ!あつ、熱い?!また、イく!?まって、とまっへ……!?」

 

「ふふ。気持ちいいんでしょ?我慢しちゃ、駄目だよ?」

 

 これが初体験となる精液の熱さと、治まることのない絶頂の連続に狼狽える女魔術師に、銀髪武闘家は優しく笑いながらそう告げた。

「イく!イく!イくぅ!!」と声をあげながら絶頂を続ける女魔術師を見下ろしながら、片手で彼女の乳首を、もう片方の手で彼女の陰核をつまみ上げた。

 

「きゅい?!っ──……」

 

 同時にそれが、彼女を最後の絶頂にまで担ぎ上げた。

「うお!?」と声をあげたローグハンターもまた、途端に引き締まった膣肉に搾られるがまま再びの吐精。

 その快感がぎりぎりで耐えていた彼女の脳を焼き、そのまま意識を刈り取った。

 ぐるりと白眼を剥きながら身体を弛緩させ、ベッドを身体に沈ませる。

 ローグハンターがゆっくりと一物を引き抜くと、秘裂からはどろりと精液が溢れだし、彼女の臀部を伝ってシーツを汚す。

 ホッと息を吐いて額を汗を拭うと、彼の身体に銀髪武闘家が寄りかかった。

 そのまま精液に汚れる一物に顔を寄せ、ぱくりと頬張ってそれを舐めとる。

 舌を這わせながら頬をすぼめ、じゅるじゅると音をたてながら吸い上げる。

 ローグハンターは「くっ……」と声を出して再び射精しそうになるが、その前に銀髪武闘家が顔を離した。

「え……」と切なげな声を漏らした彼を押し倒し、天井に向けて起立する一物の上に跨がる。

 

「もうお腹は一杯だから、こっちに、ね?」

 

 彼女は怪しく笑いながら腰を落とし、秘部で彼の一物を飲み込んだ。

 子宮を、内臓諸ともに押し上げられる圧迫感に息を漏らしつつ、身体の隅まで駆けていく身体を揺らす。

 

「まだ、行けるよね?」

 

 銀髪武闘家をローグハンター煽るように笑いながらそう告げると、ゆっくりと下腹部を撫でた。

 先程まで一杯だったのに、女魔術師のせいで空っぽになってしまった。

 それをまた埋めて貰えるまでは眠れないし、彼を寝かせるつもりもない。

 彼女の言葉にローグハンターは不敵に笑いながら頷くと、「もちろん」と告げた。

 

 ──夜は始まったばかりだからな。

 

 彼はそう言って愛おしそうに彼女の髪を撫で、にこりと微笑んだ。

 

 

 

 

 

 翌朝。同室。

 窓から差し込む陽の光を浴びて目を覚ましたローグハンターは、眼前に拡がる光景に困惑を隠せずにいた。

 

「じゅる!じゅるる!!はふ、ん~!」

 

「あむ……。ちゅる……。ん……」

 

 銀髪武闘家と女魔術師が、二人揃って自分の一物を舐めているのだ。

 何が何やらと状況を理解するよりも早く限界を迎え、「う……っ!」と唸ったかと思えば鈴口から精液が吐き出される。

 

「きゃ!?」

 

「はむ!んぐっ!んぐっ!ぶ……っ」

 

 女魔術師は驚いてその身を引くが、銀髪武闘家はすぐさま一物を頬張って吐き出された精液を一滴残らず嚥下していく。

 そして尿道にも残る精液までも吸い上げた彼女は、頬が膨らむ程に口に溜めたままゆっくりと一物から顔を離しと、瞬く間に女魔術師の唇を奪った。

 驚きて目を見開く女魔術師を他所に、精液の味を覚えさせるように彼女の舌に彼のものを擦り付け、嗚咽混じりに揺れる身体を力任せに抑え込む。

 

「はっ……んっ……ちゅ……」

 

「んんっ!んぐ!ごく!ぶ、んぐ……っ」

 

 舌を絡めて顔を密着させ、子供に餌をやる親鳥のように、精液を流し込んでいく。

 くちゅり、くちゅりと湿った音をたてながら白く染まった舌を絡めあい、蕩けた瞳で見つめあう。

 二人の豊かな胸が互いを潰しあい、柔らかく形を歪めてマシュマロのようだ。

 

「……」

 

 その二人の姿に生唾を飲んだローグハンターは、頭を振って邪念を振り払う。

 そんな事をしている内に二人のやり取りは終わったのか、女魔術師は目を回しながらベッドに倒れ、銀髪武闘家はローグハンターの方を向き、「あ~」と声を出しながら口を開けた。

 そこにはまだ精液が溜まっており、舌を含めた口内が白く染まっている。

 ローグハンターが何だと首を傾げると、彼女の口を閉じて数回咀嚼。

 最後にこくりと喉を鳴らすと、再び口を開けた。

 そこには精液が残っておらず、いつもの可愛らしく赤い舌が唾液に濡れててかてかと輝いていた。

 そして「ごちそうさま」とだけ告げて、にこりと微笑む。

 その瞬間、ローグハンターの頭の奥でぶつりと何かが切れる音が鳴り、気づいた頃には彼女に襲いかかっていた。

 この日。ローグハンターの一党がギルドに顔を出さなかったのは、偶然ではあるまい──。

 

 




感想、リクエスト等ありましたら、よろしくお願いします。


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Memory?? 誘惑

とりあえず最後のリクエスト。ようやく捌ききれました。

ヒロインは銀髪武闘家(シルヴィア)、時期はエピローグ。
家もあって、円卓会議に参加してるけど、子供たちがまだ産まれていない世界線。



「……ただいま」

 

 都の御前会議から帰宅したジブリールは、玄関を潜ると共に疲労を滲ませた声でそう告げて、愛する妻の言葉を待った。

 

「あ、ちょっと待って……!」

 

 そしてすぐに期待していた声は返ってきたのだが、当の本人は姿を見せず、何より内容がおかしい。ただいまの後はお帰りと相場は決まっている。

 何か作業でもしているのか、僅かに開いた寝室の扉の奥からは物音が漏れており、「わっ!?」だの「ひぇ!?」だの、何だか変な声も聞こえてくる。

 

「……?」

 

 疲労で思考が纏まらないジブリールは小さく首を傾げると、後ろ手で玄関の鍵をかけ、珍しく足音を立てながら寝室の方へと向かい、僅かに開いていた扉を全開にした。

 

「ひゃ!?ジ、ジル……!?待ってって言ったじゃん!」

 

 そこにいたのはやはりと言うべきか、ジブリールがこの世でただ一人の愛する妻、シルヴィアだ。

 窓から差し込む月明かりに照らされ、銀色の髪が幻想的な光を放ち、髪と同色の瞳は困ったように潤んでいる。

 そこまではいいのだが、明らかにいつもの違う様子に気付いたジブリールは数度瞬きすると、「どうかしたのか?」と問いかけながら、舐めるように彼女の身体に目を向けた。

 まず気付くのは顔の口許を隠す、僅かに透けている薄い布だろう。お陰で可愛らしく、柔らかい唇が見えないが、見えない分妙に色っぽい。

 更に視線を下げれば、傷痕一つない綺麗な首と、普段なら隠されている鎖骨が見え、豊かな胸はさらしのように脇を通すように巻かれた一枚の布で隠されているが、上と下から胸がはみ出しており、全てが見えるよりも余計に色っぽい。

 視線は更に下に行き、かつて割れていた腹筋は、その名残の薄い筋を残してだいぶ柔らかくなり、けれど贅肉がついたわけでもないので腰は括れている。

 安産型の臀部は腰に巻かれた布で隠されており、ズボンの類いは穿いていないのか、膝上の辺りから足は丸見えになっている。

 まあ、つまる所──。

 

女部族戦士(アマゾネス)……?」

 

「違いますぅ!!」

 

 ジブリールがボケッと気の抜けた声音で言うと、シルヴィアが鋭く返して頬を膨らませると、仕切り直すように、同時に久々にスイッチを入れるように目を閉じながら咳払いをした。

 そしてゆっくりと目を開ければ、恥ずかしそうに潤んでいた瞳に凛とした輝きが灯り、纏う雰囲気が鋭いものに一変する。

 彼女の姿に魅入っているジブリールの視線を受け止めながら、シルヴィアはその場でくるりと一回転。

 銀色の髪と、複雑な紋様が刺繍された腰の布がふわりと揺れて、月明かりを反射してキラキラと輝く。

 その姿は物語で語られそうな程に幻想的で、見たものを皆魅了するに違いない。

 現に彼女の姿を見つめているジブリールは無意識に頬を赤く染め、感嘆の息を漏らしていた。

 

 ──ああ、踊り子か……。

 

 そうしてようやく彼女の格好に気付いたジブリールは、なるほどそうかと頷いた。

 口許を隠す布や妙に露出の多い服装は、どことなく砂漠の国(アラビアン)の印象を受ける。

 回転を終えて彼の方に向き直ったシルヴィアは胸元を見せるように身体を倒し、口許に指を当てながら上目遣いになると、言えていなかった言葉を口にした。

 

「お帰りなさい、ジル♪」

 

 凛とした瞳をそのままに、薄布から透けて見える口許は妖艶な笑みを浮かべる。

 その笑みにぞわりと背筋をくすぐられたジブリールは慌てて顔を逸らすが、シルヴィアはようやく見せた隙を逃すまいと詰め寄り、彼の身体に抱きつくと、彼の頭を押さえて自分の方へと向かせる。

 豊かな胸は胸板に潰されて形を歪め、ただですら強調されていた谷間が更に深くなり、それを凝視したジブリールは頬を赤くしながら目を背けるが、シルヴィアは「こっち見て」と囁いた。

 言われるがまま視線を戻せば、そこには凛とした銀色の瞳があり、まっすぐに見つめ返してきている。

 シルヴィアは金縛りにあったように動きを止めたジブリールを見つめながらにこりと微笑むと、愛撫さながらの手付きでそっと口許の傷痕を撫で、そのまま顎先、首筋を撫で、衣装越しに胸板を撫でた。

 ぞわぞわと背筋を震わせながら彼女のされるがままになるジブリールに、シルヴィアは上機嫌そうに笑うと、衣装のボタンに指をかけて、一つ一つ丁寧に外していく。

 

「ああ、待て。着替えくらい──」

 

「疲れてるんでしょ?私に任せて」

 

 自分でやると言いかけた彼の言葉を遮り、シルヴィアは彼の手を掴んで降ろさせると、ついでに羽織っていた上等な革製の外套を床に落とし、そのままベスト、ワイシャツを脱がせる。

 手慣れた手付きで彼を上半身裸にしたシルヴィアは、彼の身体に数多刻まれた傷痕の一つをそっと撫で、続けて口許の布を退かしながら口付けを落とした。

 ジブリールがくすぐったそうに身動ぎすると、シルヴィアは「ふふっ」と小さく笑みをこぼし、ぎゅっと彼の身体を抱き寄せた。

 薄い布一枚越しに彼女の胸の柔らかさと、その温もりを感じたジブリールは不意に天井を見上げ、深々とため息を吐いた。

 疲れてはいる。疲れているのだが、ここまでされると興奮してしまうのは男の(さが)だ。むしろ空元気で余計に興奮している節さえある。

 事実彼の分身はズボンを押し上げる程に勃起しており、抱きついている彼女の腹に押し当てられていた。

 それに気付いたシルヴィアは頬を緩めると、そっとそこに指を這わせ、布越しに感じる熱に目を細めた。

 

「ふふ。疲れてるのに、ここは元気なんだ」

 

 僅かばかりの悪戯心で、柄にもなく煽るように笑いながら言うと、「仕方ないなぁ」と告げて肩を竦めた。

 夫が興奮したならそれを沈めるのが妻の役目と、どこかずれた考えを持つシルヴィアは、このまま処理してやろうと意気込むのだが──。

 彼の逸物を撫でていた手をガシッと掴まれ、そのまま顔の横まで持ち上げられる。

 

「え……あの……?」

 

 困難しながら狼狽えるシルヴィアを他所に、ジブリールは疲れた身体に鞭を打ってもう片方の手を捕まえると、それもまた顔の横まで持ち上げる。

 

「ジ、ジル……?」

 

 首を傾げて問いかけるが、ジブリールは一切答える様子もなく、彼女を掴んだまま反転、そのまま扉に押し付けた。

「きゃ!?」と小さく悲鳴を漏らすと、逃げる間もなく唇を奪われ──、

 

「……」

 

 そうになると、ジブリールは忌々しそうに口許を隠す布を睨み、片手を離すと後頭部に手を添え、紐を解いた。

 はらりと布が落ちると、数秒とはいえお預けを食らったジブリールは勢いよく唇に吸い付く。

 柔らかな唇が触れあうと共に、切れかけていたスイッチが強制的に切り替えられ、凛としていた瞳がとろんと蕩ける。

 同時に僅かに開いていた隙間から舌を捩じ込み、無防備に動きを止めていた彼女の舌に絡み付く。

 

「んんっ!ふっ!ふぉ……っ!」

 

 狼狽えて身体を強張らせるシルヴィアと唾液を交換するように絡み合い、後ろが壁であるため下がる事が出来ない。

 

「はっ!ふっ!んんっ!んーっ!」

 

 くちゅくちゅと湿った音を漏らしながら二人の舌が絡み合い、お互いの唾液を交換しあいながら体温を高めていく。

 内股気味になっていた彼女の足の間、腰布の隙間を縫うように自分の足を差し込むと、腰布を巻き込む形で足を持ち上げた。

 ジブリールの膝が彼女の身体を軽く押し上げ、全体重がその一点に集中する。

 力を入れているのか、盛り上がった筋肉が彼女の秘裂に食い込み、膝の揺れに合わせてごりごりと秘裂を抉る。

 

「へぅ!?」

 

 キスをしながら小さく悲鳴をあげたシルヴィアは目を見開くが、ジブリールは気にした様子もなくキスを続け、ガクガクと足を揺らして彼女の身体を震わせる。

 

「へっ!はっ!んんっ!んふっ!ふぉ!」

 

 筋張った筋肉に擦られ、ビリビリと痺れる淡い快感を感じながら彼の口付けを受け入れるシルヴィアは、瞳が理性の欠片もないほどにとろとろに蕩け、身体から力が抜けていく。

 足から力が抜けて身体を沈ませようにも、そこにあるのは全くぶれないジブリールの足で、力を抜けば全体重がそこにかかり、彼の足が秘裂に食い込んでしまう。

 

「んっ!ふっ!んんっ!んぅ!」

 

 下から押される圧迫感と息苦しさに、苦しげに声を漏らすシルヴィアは、唯一自由に使える片手でジブリールの肩を叩き、ギブアップを宣言。

 彼女の宣言を受け取ったジブリールがゆっくりと唇を離すと、二人の唇を繋ぐ半透明な糸が伸び、すぐにぷつりと切れてしまう。

 

「はぁ……はぁ……んっ……へぁぁ……」

 

 蕩けた瞳で彼を見つめながら、熱のこもった息を吐いたシルヴィアと、そんな彼女の吐息で鼻先を撫でられ、くすぐったそうに身動ぎするジブリール。

 彼は汗が浮かぶ彼女の首筋に顔を埋めて何度か舌を這わせ、汗のしょっぱさで意識を研ぎ澄ますと、歯を立てずに噛みついた。

「ひゃんっ!」とわざとらしい悲鳴をあげたシルヴィアを他所に、ジブリールは何度も首筋に噛みつき、時には吸い付き、うっすらと噛み痕とキスマークを残していく。

 

「っ!~っ!!──っ!!!」

 

 シルヴィアは彼が何かをする度に恍惚の表情で身体を震わせ、声にならない嬌声をあげる。

 耳元で聞こえる彼女の息遣いに悩ましそうに眉を寄せたジブリールは、首筋に噛むのを止めると、数秒ほど彼女の瞳を覗きこみ、再び唇に吸い付いた。

 

「んぐ!?んっ!ふっ!はっ!」

 

 静かな部屋にくちゅくちゅと湿った音を響かせて、二人の舌は絡み合いながら、お互いの体温を共有して、更に身体を興奮させる。

 ついに堪らなくなったジブリールは彼女の手を離すと、両手で安産型の臀部を鷲掴み、そのままひょいと持ち上げた。

 

「んん!?」

 

 突然の行動に驚き、目を見開いたシルヴィアは、慌てて彼の首に両手を巻いて抱きつくと、ジブリールはベッドに向けて歩きだす。

 

「んっ……!ふっ、ふぅ……」

 

 それに気付いたシルヴィアはとろんとした視線を彼に向けて、早く早くとねだるように舌の動きを激しくさせた。

 彼の舌のみならず、上顎、頬の粘膜、舌の裏側に舌を這わせて、ここは自分のものだと証明するためにマーキングしていく。

 もっともジブリールが他の女性になびいたり、浮気する何てことはなく、それを知らないシルヴィアではない。

 だからそのマーキングにはほとんど意味はなく、シルヴィアの自己満足に他ならないのだ。

 まあそれを甘んじて受け入れるジブリールも、彼女に口内を舐め回されるのが気持ちよく、されるがままにされているというのもあるが……。

 だがいい加減にしようと、心底名残惜しそうに口を離したジブリールは「降ろすぞ」と呟き、そっと彼女をベッドに寝かせた。

 銀色の髪を扇状に広げ、上気して薄らと赤くなった肌をそのままに、彼女はベッドの上に寝転び、媚びるような視線を彼に向けた。

 

「ジルゥゥ……もう、我慢できないのぉ……」

 

 そう言いながら誘うように腰を振れば臀部を隠す腰布が揺れ、太ももと下腹部がちらちらと顔を覗かせる。

 ごくりと生唾を飲んだジブリールは、腰布の結び目に指をかけると手早くそれを解き、はだけさせるようにそのまま落とした。

 

「っ!」

 

 同時に目を剥くと、じっと彼女が穿いていないであろうショーツを凝視する。

 いや、それはショーツというにはあまりに布面積が少なく、もはや紐だ。

 薄く生えた陰毛はほとんど隠されておらず、びちゃびちゃに湿った秘裂は丸見え、そこには申し訳ない程度に一本の細い紐があるだけだ。

 こんな物をどこで手に入れたのか、普段の彼なら真っ先にそこを気にするのだろうが、生憎と今の彼は正常ではない。

 ジブリールは無言でズボンとパンツを降ろし、血管が浮かび上がり、もはや気持ち悪いほどに勃起した己の分身を取り出した。

「あはぁ~」と恍惚の笑みを浮かべたシルヴィアは、自分で股を開くと、「来て、早くぅ」と誘うように腰を振った。

 動きに合わせて秘裂から溢れた愛液が飛び散り、ベッドとジブリールの身体を僅かに濡らす。

 必死になって腰を振り、男を誘う姿は娼婦のようであるが、実際は元冒険者の人妻だ。

 こんな子供であろうが性的な興奮を誘う強烈な色香を放つ人が、どこまでも一途な人妻など、初見ではまず信じまい。

 その姿を唯一見ることが許されたジブリールは再び生唾を飲むと、膝歩きで彼女の股の間に納まると、揺れていた腰を押さえつけながら紐を退かし、無防備になった秘裂に亀頭を添える。

「ひぅ!」と小さく悲鳴を漏らして背筋を震わせたシルヴィアは、猛った犬のようにはっはっと湯気が出そうなほどの熱を孕んだ息を吐きながら、秘裂をパクパクと開閉させて彼を誘う。

 即暴発は御免のジブリールは一度深呼吸をすると、渾身の力を込めて腰を突き出した。

 ぐちゃ!と少々エグいまでの音を響かせて、シルヴィアの秘裂を貫いた逸物は、その勢いのままに締まっていた膣肉を突破。降りてきていた子宮口を殴り付けた。

 

「んぉお!?おっ!あ゛っ!ぎっ!んぃいいいい!!」

 

 貫かれただけで絶頂を迎えたシルヴィアは、ビクビクと身体を痙攣させながら、同時に背中を弓なりにしならせた。

 相変わらず敏感な──敏感過ぎるまでの彼女の反応に困り顔で苦笑したジブリールは、都合よく浮き上がった彼女の腰を掴み、がっちりと固定。

 

「へぁ……?んへぇ……」

 

 それはジブリールが本気を出す予備動作のようなもの。

 何度も彼と交わり、結婚したシルヴィアだからこそ知る、不器用な彼が全力で相手を悦ばせようとする所作だ。

 一見だらしのない、けれど彼へと愛情を孕んだ笑みを浮かべたシルヴィアは小さく頷くと、ジブリールは歯を見せるように笑い、腰を振り始めた。

 絶頂直後で敏感になった膣肉を鋭いかりが掻き回し、亀頭に吸い付こうと降りてくる子宮口を無慈悲に殴る。

 

「おぁ゛!?あ゛っ!いっ!はっ!ん゛ぉ!?おおお゛お゛お゛おおお!!!」

 

 パンパンと音をたてて腰を打ち付ける度にシルヴィアは絶頂を迎え、ビクビクと身体を痙攣させながら、結合部からは愛液と潮が噴き出し、二人の身体を汚していく。

 

「かひゅ!ぎっ!あっ!へっ!お゛!んぃいいいい!!」

 

 突かれる度突かれる度に絶頂し続けるシルヴィアは白目を剥きそうになりながらも、強靭な意志でもって意識を繋ぎ止め、彼がくれる快楽を貪り続ける。

 対するジブリールも、その表情に余裕はない。彼女が絶頂する度に引き締まる膣肉が逸物を扱き、ひだも痙攣するために余計に気持ちがいい。

 

「くっ……!ぐっ……!」

 

「あひ!あっ!いい、よっ!らして!ぜんぶ、らしていいよぉ!!」

 

「がっ……!」

 

 耐えるように歯を食い縛っていたジブリールに、シルヴィアが腹に力を入れながら言うと、断末魔のように唸り、溜まっていた欲望を解放した。

 吐き出された精液が瞬く間に子宮を満たし、シルヴィアは声にならない絶叫をあげた。

 

「──っ!──!──……」

 

 その途中で突然脱力した彼女はベッドに倒れ、意志が消えた瞳から涙を流しながらピクピクと身体を痙攣させ、結合部からは愛液と精液が混ざった白濁液がにじみ出る。

 ジブリールは倦怠感からため息を吐くと彼女の身体に倒れ、豊かな胸元に顔を埋めるが、布が邪魔で柔らかさを堪能出来ないことに気付いて舌打ち一つ。

 不快そうに眉を寄せたジブリールは身体を起こすと、胸元の布をずらして両胸を露出させ、今度こそ胸元に顔を埋めた。

 汗ばんでいる為か頬に張り付くそれは心地よく、揉んでみれば一気に指が沈みこみ、それこそ握手するように受け止めてくれる。

 その柔らかさと彼女の臭いに眠たくなるが、我が分身はまだ彼女を貪りたいのか固さを保っており、いまだに子宮口にキスをしている。

 制御不能な本能にため息を吐くと、彼女に抱きついたまま腰を引き、思い切り打ち付けた。

 スパン!と平手打ちでもしたのかと思える程の快音が響き渡り、シルヴィアが「うっ……」と呻き声を漏らしながら身体を跳ねさせる。

 そのまま続けて口付け二度、三度と繰り返せば、彼女の瞳にも少しずつ意志が戻り始め、呻き声にも再び熱がこもっていく。

 膣肉の締め付けも強さを取り戻していき、逸物を優しく扱き始め、今度はジブリールが獣のように唸った。

 パンパンパンパンと小気味のいい音を響かせながら、ジブリールの腰使いがだんだんと荒く、速く、鋭く、それこそ攻撃のそれに近づき始めた。

 

「あっ……ぎっ……!んぉ!?えぁ……?ひっ!あっ!ぎぃ!!」

 

 そうしてようやく意識を覚醒させたシルヴィアは、慌てたように顔を巡らせ、胸に顔を埋めている彼に気付くが、今はどうしようとなかった。

 力任せに叩きつけられる衝撃がそのまま快感として子宮を脳天までを突き抜け、彼女の身体を麻痺させるのだ。

 さながら電撃が流れるような快感に両手足がピンと伸びきり、足は虚空を蹴り、両手は意識から外れてシーツを掴む。

 

「かひゅ!へっ!ぎ!あ゛っ!おぎ!?あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!」

 

 恥も外聞も捨てて、獣のような唸り声をあげて絶頂に震える彼女は、無理やり腕を動かして彼の頭を抱き寄せた。

 豊かな胸に包まれた挙げ句に圧迫と、軽く窒息状態になるジブリールだが、腰の動きは止まらない。むしろ脱出しようと余計に暴れる程だ。

 

「ぎ……!あっ!はっ!へっ!んんっ!んぉおおおお!」

 

「っ!!!」

 

 ビクンビクンと肩を跳ねながら絶頂し続けているシルヴィアの膣肉の圧と、絶えず響く嬌声と胸の柔らかさに後押しされたジブリールは歯を食い縛り、同時に二度目の射精を行った。

 

「んぎぃいいいいいいいいいっ!!!!」

 

 二度目と言えど、変わらずの熱さと濃さを孕んだそれが再び吐き出されたシルヴィアは絶叫しながら絶頂を迎え、引き締まった膣肉が更なる射精を誘い、ジブリールは低く唸って精液を暴発。

 びちゃ!と塊が吐き出された音が子宮から響き、シルヴィアは「んぉお゛!?」と野太い悲鳴と共に目を剥いた。

 

「……はっ!はぁ……はぁ……んっ……へぇ……」

 

 今度は気絶せずに耐えきったシルヴィアは、乱れた呼吸を落ち着かせようと深呼吸を繰り返しながら、胸に顔を埋めているジブリールの頭を撫でた。

 驚いたように肩を跳ねさせて身体を強張らせるが、すぐに受け入れて力を抜いた。

 そんな彼の様子に微笑んだシルヴィアは、愛する子供にするように彼の髪を撫でながら、ホッと息を吐いた。

 流石に気をやるほどの行為の後に休みなく連戦は、この身体でも流石にしんどいというもの。

 とりあえずこのまま彼を寝かせて、自分も寝ようと意気込んだのだシルヴィアを他所に、ジブリールは両手をベッドについて身体を起こし、胸から顔を離した。

 

「ジル……?」

 

 このまま寝るものだと思っていたシルヴィアが首を傾げると、ジブリールはゆっくりと腰を引き、逸物を抜き始めた。

「んっ……」と声を漏らしたシルヴィアは、とりあえず終わりかと安堵の息を吐くが、

 

「フッ!」

 

 ジブリールが鋭く息を吐くと共に腰を突き出し、再び彼女の胎内を貫いた。

 

「んぎぃいいい!?」

 

 かっと目を見開いて吼えたシルヴィアは理解が追い付かずに混乱していると、ジブリールは彼女の胸を揉みながら腰を振り始めた。

 

「んぎ!?あっ!はひゅ!?な、にゃ!?じ、じりゅ!?」

 

 どすどすと子宮を殴られながらシルヴィアは彼を呼ぶが、彼は一切の反応を示さずに腰を振り続ける。

 

「じりゅ!?じりゅぅうう!!まっへ!ひん!あっ!やすませぇ、やしゅませてぇ!!はっ!ひっ!」

 

 シルヴィアは首を振りながら叫ぶが、ジブリールは返さない。

 喘ぎながら「ど、どうしたの!?」と問うが、それにも返答はない。

 シルヴィアがどうにか首を動かして彼の表情を覗きこむと、

 

「──っ!──っ!──っ!!」

 

 まだまだ余裕そうな表情、どころかここからが本番だと言わんばかりの面持ちになっており、止まる気配はない。

 

「ひぎゅ!ごめんなしゃい!ゆるひて!疲れてるのに、さしょってごめんんんんんっ!!」

 

 それをどう思ったのかは定かではないが、シルヴィアは涙を流しながら謝るが、ジブリールは何も返さず、本日三度目の射精を行った。

 

「ひ!?ぎぃいいいいいいいいいい!!!」

 

 休みなし、ぶっ通しでの三度目の射精。だがその濃さは一度目と大差はなく、本気で孕ませる来ているのではと思わせるものだ。

 そして、そう考えてしまったシルヴィアの子宮は熱をもち、膣肉が引き締まってしまう。

「ぐっ……」と低く唸ったジブリールはようやくシルヴィアの顔を正面から見下ろし、疲労が滲むどころか、疲労の色が濃い笑みを浮かべた。

 

「どうにも、治まらなくてな!もう少し付き合ってくれ!」

 

「ひぅ!はっ……あっ!わかった、わかりまひた!だから、休ませ──」

 

「ありがとう。いくぞ……っ!」

 

 疲れていたのに彼女に襲いかかった彼は、文字通り一周回って元気になってしまったのだろう。

 昂りは静まる様子はなく、突く度突く度にジブリールは元気になり、シルヴィアを一方的に追い込んでいく。

 

「待って、ジル……!じりゅううううううう!」

 

 そんな彼の状態を露知らず、シルヴィアはひたすらに快感を叩きつけられ続けた。

 

「くっ、おおおおおお!!」

 

「ひぎ!?んぃいいいい!!!!!」

 

 度重なる絶頂と精液の熱に当てられてか、卵巣から一つの卵子が吐き出される。

 その卵子はそのまま卵管を通って子宮へと向かいながら、道中で彼の精子に襲いかかられ、そのうちの一つの侵入を許してしまう。

 

「かひゅ!?んぎぃいいいいいいっ!!!!」

 

 何か異変が起こった事を本能で察したのか、シルヴィアは身体を跳ねさせるが、すぐに快感の呑まれて忘れてしまう。

 その間にも受精卵となったそれは、いまだに襲いかかる精子を押し退けながら進んでいき、ついに子宮の壁に着地、そこに根付いた。

 

「あ゛ぐ!?ああああああああああ!!!!!」

 

 そんな事を知るよしもないシルヴィアとジブリールは、もはや人としての理性を完全に捨てて混ざり合う。

 理性を捨てた獣同士の交わりは終わる気配を見せず、部屋にはむせかえりそうな程に強烈な、淫行の臭いが充満する。

 

「じりゅ!じりゅううううううう!」

 

「シル!シル!シルッ!」

 

 二人は愛する相手(つがい)の名を叫びながら、本日何度目かの絶頂を迎えた。

 それでも二人は止まらない。限界を越えた二人は、次の限界が来るまで、止まることを知らないのだ──。

 

 

 

 

 

 翌日、正午ごろ。

 

「「はぁ……はぁ……はぁ……」」

 

 部屋に満たす淫行の臭いにも慣れ、何も感じなくなった頃、ようやく二人は限界を迎え、行為を終えた。

 絶え絶えになった呼吸を落ち着かせようと必死になって酸素を取り込み、身体に行き渡らせる、

 

「ジ、ジル……?」

 

「な、なんだ」

 

 ふと、シルヴィアがジブリールを呼び、呼ばれた彼は彼女の方に目を向ける。

 そこには疲労困憊といった様子の彼女の姿があり、身体のあちこちににキスマークが残されている。

 それを悪いとは思いつつ、自分のものとの証明だと思えば嬉しくもある。

 そんな事を考えていたジブリールを他所に、シルヴィアは笑いながら彼に問うた。

 

「えっと、あの格好、どうだった……?」

 

「──」

 

 突然の問いにジブリールは間の抜けた表情となるが、すぐにフッと笑ってさも当然のように告げた。

 

「似合っていたよ。世界の誰よりも、綺麗だった」

 

「~っ!!」

 

 真っ直ぐとした瞳と共に放たれた言葉には、嘘偽りも、お世辞もなく、心の底からの称賛が込められていた。

 長年連れ添う中でわ彼が嘘を言っているかどうかをある程度判別できるようになったシルヴィアは、彼は本気でそう言っているとわかるや顔を真っ赤にして照れるが、すぐに持ち直して満面の笑みを浮かべた。

 

「ありがとう、ジル……」

 

 その言葉に、同じく満面の笑みで返したジブリールは、そのまま目を閉じて眠りについた。

 突然眠ってしまった事に驚きはするものの、決して慌てることはなく、シルヴィアは優しく微笑んだ。

 

「おやすみなさい」

 

 慈愛に満ちた声と共に彼の額に口付けを落とし、彼女もまた眠りについた。

 自分の体に一つの命が宿ったことを知るのは、これからしばらく経ってからだ──。

 

 

 

 




とりあえずR-18はこれにて。
次は全年齢向けの方、二人の馴れ初めに行きます。

感想等ありましたら、よろしくお願いします。


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Memory?? ただ愛して

久しぶりにこっちを投稿。
馴れ初めを書いていたのが原因か、イチャイチャしている二人が書きたくなってしまったんです。

時期は不明ですが、エピローグよりは前を想定しています。


 辺境の街。

 西方辺境の開拓の拠点の一つにして、名前だけは有名はゴブリンスレイヤー、ローグハンターが拠点としている事を除けば、他の街とあまり大差はない普通の街だ。

 そんな辺境の街の一角。大通りに面する場所にあるのは、この街一番の宿屋と名高い眠る狐亭だ。

 料理も上等、ベッドも上等、加えて一階の酒場には賭博場まであるとなれば、旅行で来たのに丸一日この宿に居座る客も多い。

 そんな酒場の喧騒が遠く聞こえる上階。

 一人机に向かっている黒髪の男性──ローグハンターは、蒼い瞳で送られてきた手紙を見つめ、困り顔で溜め息を漏らす。

 時折送られてくる貴族からの手紙。律儀に返してやらねば、向こうの機嫌を損ねてしまう。

 機嫌を損ねた貴族が何をするのかはわからない。権力に物を言わせて嫌がらせをしてくるかもしれないし、何もないかもしれない。

 たかが紙切れ一枚で面倒事を避けられるのなら、多少の時間を使ってでも書いてやるべきだろう。

 送られてきた手紙の横に置いた返信用の手紙を見つめ、羽ペンにインクを染み込ませる。

 この世界にきて数年で覚えた文字を、故郷の文字以上に気を遣いながら書いていき、相手の事を褒める内容を散りばめた。

 そうしておけば、こっちに気がなくとも相手が喜ぶのだ。書いておいて損はない。

 朝の日差しが差し込む部屋は静かなもので、あるのはペンを走らせる音と誰かの寝息程度。

 不意にペンを止めたローグハンターは背もたれに寄りかかりながら背後に振り返り、シーツにくるまっている相棒──銀髪武闘家に目を向けた。

 今日は休みにすることは彼女にも、隣の部屋の一党にも伝えてあるし、寝ている分には何も悪いことではない。

 耳を澄ませば彼女の寝息が聞こえ、それで満足したのか手紙に意識を戻す。

 さっさと書いて、自分も休もうと決めれば筆も乗るというもの。

 かりかりと音をたてて筆が走り、ローグハンターの蒼い瞳がそれを追って右へ左へと動き回る。

 その姿はさながら詩人のようでもあるが、彼は誰もが認めるならず者殺し(ローグハンター)だ。

 そして数分も経たない内に手紙を書き終えた彼は、背もたれに寄りかかりつつ天井を仰ぎ、ホッと一息。

「あ~」の気の抜けた声を漏らし、手紙を見下ろす。

 いつも通りの内容で、着飾るわけでも、卑下するわけでもない、文字通り無難な手紙。

 ならいいかと席を立った彼は、銀髪武闘家が寝ているベッドに目を向けた時、「うお」と変な声を出して驚きを露にした。

 先程まで寝転んでいた彼女が身体を起こし、ベッドの上に座ったまま寝ているのだ。

 寝相かとも思ったが、二度寝したの方が正しいのだろうか。

 彼は苦笑混じりに彼女に近づき、後頭部に手を添えながら肩を押し、再び寝かしてやろうとしたのだが、その瞬間、銀髪武闘家の両腕が閃いた。

 ローグハンターが視認できない速度で捕まえ、その勢いのままに回転。受け身も抵抗も許さず、ベッドに組み伏せたのだ。

 

「……」

 

 突然の事態に目を剥いたローグハンターを見下ろすのは、銀色の寝ぼけ眼だ。

 表情も緩み、ぼけっとしながら自分を見下ろしているのは、やはり愛する彼女だ。

 ローグハンターが無言で首を傾げると、銀髪武闘家はご機嫌な笑みを浮かべながら彼の唇に口付けした。

 ちゅ……と微かなリップ音が漏れて、ローグハンターは更に目を見開き、銀髪武闘家は笑みをそのままに顔を離す。

 ほんの一瞬触れ合うだけの接吻(キス)

「えへへ」と照れたように笑う彼女を他所に、ローグハンターは困惑気味に溜め息を漏らした。

 寝ぼけた彼女と、泥酔した彼女は、何をするのかが全く読めない。

 とりあえず脱出せねばと、頭を巡らせて策を練るが、それが形になる前に銀髪武闘家が動いた。

「ん~♪」と声を漏らしながら彼の胸板に額を擦り始め、すぐに顔をあげたかと思えば満面の笑み。

 その笑顔の攻撃力たるや、さながら竜の一撃の如く。

 突然胸の痛みに襲われたローグハンターは表情を強張らせ、「う゛ぅ゛」と気味の悪い声を漏らした。

「ん~?」と声を漏らした銀髪武闘家は四つん這いになりながら身体の位置を調整し、険しくなった彼の表情を正面から見下ろした。

 そして小首を傾げると同時に再び口付けし、今度は彼の口内に舌を差し込んだ。

 僅かに開いていた隙間を抉じ開け、容易く侵入。

 無防備に動かずにいた彼の舌に絡まり、くちゅくちゅと湿った音が口から漏れる。

 お互いの唾液に濡れた舌が、お互いにマーキングしあうように絡まりあい、口内を彼女の味が支配する。

 銀髪武闘家も舌全体で彼の味を堪能し、時には歯の裏側を舐めてやれば、微かに朝食に食べたであろうスープの味がする。

 

「ん……ちゅ……んふふ……」

 

 もっと深く舌を挿れようと顔を密着させて、彼の唇を咀嚼するように包み込んで、嬉しそうに目を細める。

 舌の裏側や、付け根、時には下顎の粘膜など、普段なら触れないような場所にまで舌を這わせると、ローグハンターが微かにえずく。

 目に涙を浮かべた彼は、仕返しのように口を閉じて彼女の舌を捕まえると、赤子が母親の乳房でそうするように吸い始めた。

 

「んん……っ!ふっ……ん……!」

 

 吸い上げられる圧力と、舌をくすぐる彼の舌の感触に身体を震わせながら、銀髪武闘家の口からは熱のこもった息が漏れる。

 逃げようとする彼女の頭を押さえ、こちらの番だと言わんばかりに片手で彼女の腰を押さえながら寝返りを打った。

 上下が逆となれば、攻守が交代するのは同理。

 ローグハンターが彼女の舌を押し返し、そのまま口内に侵入。

 された分をやり返さんと、舌を動かし始める。

 彼女の舌に唾液を塗りたくり、舌先で頬の粘膜をつつき、朝食を食べていない彼女の唾液を流し込む。

 

「んん!んんんっ!んく、んっ、んく」

 

 歯の裏側を舐めてやれば身体を震わせ、舌の表面をゆっくりと舐めてやれば背中を浮かせ、唾液を流し込めば喉を鳴らしながら必死になって飲み込む。

 まるで子供のようではあるが、そんな一面さえも愛おしいのは当然だ。

 それが数分程続くと、ローグハンターは息継ぎの為に口を離した。

 同時に二人の口を繋ぐように半透明の唾液の糸が伸び、重力に引かれて彼女の口許から、はだけた胸元にかけて垂れていった。

 それを見ていたローグハンターは、ふと彼女の胸元に顔を埋めて、それを拭うように舌を這わせた。

「ひゃ!」とくすぐったそうに声を漏らす彼女を他所に、胸元から鎖骨を通り、首を舐めて、最後にはやはり唇へとたどり着く。

 おまけに唇に口付けをした彼は一度顔を離し、はあはあと息を荒げている銀髪武闘家を見下ろしながら、ニヤリと笑った。

 

「それで、目は覚めたか」

 

 その問いかけに、彼女は顔を真っ赤にしたままこくこくと頷き、そっと顔を背けた。

 いじけた子供のようだが、寝ぼけて恋人に襲いかかったなぞ、誰であれ恥ずかしいものだろう。

 ローグハンターは苦笑混じりに真っ赤になった彼女の耳に口付けをすると、耳朶を甘噛みし始めた。

 はむはむと唇で挟むように咀嚼してやれば、彼女は「あ、や……」と声を漏らしながら身動ぎする。

 

「相変わらず、ここは弱いんだな」

 

「も……やめて、よ……!」

 

 ピクピクと身体を震わせながら声を出すが、当のローグハンターは気にする素振りも見せずに囁く。

 

「本当に申し訳ないんだが、少しばかり本気になってきた」

 

「……ふぇ?」

 

 彼の言葉が理解できず、銀髪武闘家は間の抜けた声を漏らした。

 その反応がお気に召さなかったのか、ローグハンターは不満げに目を細めると彼女の手を取り、「すまん」の一言告げてから自分の下腹部へと触れさせた。

 導かれるがままそこに触れた銀髪武闘家は「ひっ」とか細く声を漏らした。

 指が触れたそこには鉄のように固い、けれど服越しにも感じる微かな熱さを持つ何かがあった。

 指先で擦ってみればローグハンターがくすぐったそうに小さく呻く辺り、まず間違いなく彼の一物だろう。

 さすさすと、無意識の内に服越しに彼の一物を撫でていた銀髪武闘家は、はっとして手を離した。

 何も言われていないのに勝手にするとは、まるでこちらが求めているようではないか。

 

 ──いや、まあ、嫌じゃないけどさ……。

 

 ちらりと窓に目を向ければ、雲一つない空は青く、そとの喧騒も微かに聞こえる。

 まだ午前中、というよりは朝と言っていいだろう。

 割かし欲望に素直ではあるが、こんな朝っぱらからやるのは流石にいかがなものか。

 と、銀髪武闘家が今は我慢しようと決めた直後、寝間着が捲し上げられ、下着に包まれた豊かな胸が露になった。

 

「っ!?」

 

 顔を真っ赤にしながら驚愕に目を剥く彼女を他所に、ローグハンターは下着越しに彼女の胸に触れた。

 手のひらを全開にしても納まらないそれは、触れればマシュマロのように柔らかく、けれどしっかりとこちらを押し返してくる感触は、何度触れても飽きることはない。

 

「ま……やっ……んっ……」

 

 くすぐったそうに声を漏らしながら身動ぎする銀髪武闘家の反応に、ローグハンターは愉しそうに目を細めた。

 だが下着が邪魔だと言わんばかりに、胸の谷間に埋まりかけている留め具を掴み、器用にも片手でそれを外した。

 途端に下着が花が開くように取れ、彼女の胸が露になった。

 薄桃色の乳首は充血しているのかピンと勃ち、羞恥からか彼女の白い肌がほんのりと赤く染まる。

 

「ま、待って、まだ朝──」

 

 何だか嫌な予感がするからと彼を止めようとしたが、既に彼の瞳には危険な色を孕んでいた。

 ローグハンターは彼女の制止を無視し、自分の唇で彼女の唇を塞いだ。

「んん!」と声を漏らすが、ローグハンターはそれも無視して彼女の口内に舌を捩じ込み、舌を絡めて声を封じる。

 片手で彼女の胸を鷲掴み、五指をそれぞればらばらに動かして微弱ながらも刺激を送る。

「ん……っ、んん……!」と呻く彼女の声を飲み込みながら、親指と中指で乳輪を軽くつまみ、人差し指でぷっくりと膨らんだ乳首を掻いてやる。

 

「んんん!!」

 

 銀髪武闘家は突然強まった刺激に目を剥いて身体をよじるが、ローグハンターに上を取られている限り逃れることは出来ない。

 爪を立てず、指先でかりかりと乳首を掻かれる度に、銀髪武闘家の脳内には電撃が走り、ピクピクと身体が痙攣する。

 

「んー!んん!?~!!?」

 

 逃れることも、逃がすことも出来ない快感を延々と叩きつけられる銀髪武闘家は、降参を示すように彼の背を叩くが、彼の責めは終わらない。

 彼は口付けを一方的に止めると、物欲しそうに膨らんだもう片方の乳首を口に含んだ。

 銀髪武闘家は「ひやぁ!?」と悲鳴をあげるが、ローグハンターは構わずに彼女の乳首に舌を這わせ、舌先で乳首をつつく。

 同時にちゅうちゅうと音をたてて吸い上げ、軽く甘噛みしてやる。

 

「ひっ!あ……!いぃ!ま、だ、んぃいい!!」

 

 口を押さえるものがなくなり、我慢も出来ずに喘ぎ声を漏らしながら、銀髪武闘家はむしろ求めるように彼の頭を抱き締めた。

 ローグハンターは彼女に見えていないことを良いことに怪しげな笑みを浮かべると、右手で彼女の右乳首を、口で左乳首を責め立てる。

 かりかりと掻くように絶え間なく責められる強い刺激と、生暖かいものに包まれ、優しく撫でられる刺激。

 相反する二つの刺激に襲われる彼女は刺激させる度に聞く相手を興奮させる甘ったるい喘ぎ声を漏らし、身体中には珠のような汗が浮かぶ。

 乳輪の辺りの汗を舌を這わせて舐めとったローグハンターは、上目遣いで彼女の顔を見つめた。

 

「あん!やっ!だめ、もっと、ゆっくり……っ!」

 

 顔を耳まで赤くして、口を継ぐんで声を抑えようとはしているが、それでも我慢できずに声が出てしまう。

 そんな様子が堪らなく愛おしく、ローグハンターは彼女の乳首に噛みついた。

 銀髪武闘家は備えていなかった鋭い刺激に「ひゃあ!?」と嬌声をあげると、ローグハンターは咀嚼するように乳首を潰したり戻したりを繰り返す。

 

「ひん!あっ!はん!んん!~!!」

 

 噛む度に彼女は嬌声をあげ、びくびくと身体を痙攣させる。

 それを何度も繰り返し、指で掻くような責め方を、強めにつまむ責め方へと切り替えた。

 

「きゅ!?へっ、あ、んん!ま、じりゅ、だめ……っ!」

 

 呂律も回らないまま名を呼ばれたが、それを無視して責めを続行。

 

「あ、ぃいい!!イ、イく!まっへ、だめっ!」

 

 声が震え、身体の痙攣も激しくなる中で、銀髪武闘家は首を振りながらそう告げた。

 投げ出された脚は爪先まで力が入り、両手もシーツを掴んで皺になっている。

 

「んぁ!ひっ!イく!胸だけで、イっちゃう!!イくっ!やぁぁぁぁあああああああああ!!!」

 

 そして一際大きく叫んだ瞬間、絶頂を迎えた。

 爪先まで伸びた両足がベッドを突き、ローグハンターを突き飛ばす形で腰が浮かび上がる。

 ようやく解放された乳首は充血して赤くなり、僅かに腫れているようにさえ見える。

 ばふん!と音をたててベッドに倒れた彼女は、絶頂の余韻に浸っているのか、口からは「あぃ……へ……ふへぇ……」と気の抜けた声が漏れていた。

 ショーツでも吸いきれなかった愛液か、絶頂の際に噴き出した潮によるものか、寝間着のズボンの股関には大きな染みが出来ており、色が変わっている。

 

「……」

 

 上半身はほぼ裸。胸を隠すことはなく、口から漏れる声には熱がこもり、とろんと蕩けた表情もまたこちらの欲情を誘う。

 ローグハンターはその様を視姦すると、悩ましげに溜め息を吐き、いまだに勃起したままの己の分身に目を向けた。

 さて、どうしたものかと彼女に視線を戻す。

 それと同時に、ローグハンターは驚きを露にした。

 寝ていた筈の彼女がこちらにすり寄り、ズボン越しに勃起している自分の一物に頬擦りしているのだ。

 

「んはぁ……。これ、ちょうだい……」

 

 蕩けた瞳で彼を見上げながら、気持ち悪そうに太ももを擦り合わせ、「ね……?」と小首を傾げながらそれを求めた。

 意外にも早い復活と、彼女のおねだりに苦笑したローグハンターは、手早く上着を脱ぎ、パンツ諸ともズボンを脱いだ。

 途端に解き放たれる、汗混じりの雄の臭い。

 それを間近で嗅いだ銀髪武闘家は表情を蕩けさせながら、目の前の一物に心を奪われていた。

 おそらく並のそれよりも一回りも二回りを太く、長いそれは、一度味わってしまえばもう後戻りは出来ない代物。

 さながら矢の返しのようにくっきりと浮いているかりは鋭く、亀頭は赤子の拳のよう。

 

「は……は……っ……」

 

 その臭いを嗅ぎながら生唾を飲んだ銀髪武闘家は、何も言わずに彼の一物を頬張った。

 途端に口内に生臭さが広がるが、それがなんだと言わんばかりに亀頭を飴玉のように舐め回す。

 口をすぼめて頬の粘膜を使いながら亀頭を包み、ぺろぺろと舐めながら頭を前後させて扱く。

 じゅる!じゅる!じゅるる!と、音をたてながら扱きあげて、漏れ出す先走り汁を舐めとる。

 

「ん~!んふふ……。んん~!!」

 

 強烈な生臭さに恍惚の表情を浮かべ、彼が気持ち良さそうな表情をしているのを確認して、喜びにうち震えた。

 

「んぐ!んぐ!んぶ!おっ……!」

 

 調子にのって少し勢いをつけて扱き始めるが、亀頭が喉奥まで届いた拍子に嗚咽を漏らす。

 

「あまり、無理するなよ」

 

 一物を包む温もりと、必死になってそれを頬張る彼女を表情に、思わず頬が緩んでしまう。

 まあ、二人きりなのだからいいかと気持ちも緩め、前後する彼女の頭を撫でてやる。

「ん!?」と肩を跳ねさせて多少驚くものの、心地良さそうに目を細める姿は、幼い子供のようにも見える。

 

 ──男の象徴たるものを咥えていなければ、だが。

 

 ほんの僅かにも気が抜けた為か、ローグハンターはぞくりと背筋を震わせた。

 我慢していた訳ではないのだが、一物の中を段々と熱いものが昇っていき、それが溢れそうになっていく。

「くっ」と声を漏らして歯を食い縛る彼を見上げながら、銀髪武闘家は愉しそうに細めた瞳を彼へと向けた。

 それは我慢しなくていいよと言われているようで、早く頂戴と求められているようで、ローグハンターはふっと小さく笑みを浮かべると、

 

「ふん!」

 

 頭を撫でていた手で今度は頭を押さえ込み、気合い一閃と共に引き寄せた。

 亀頭がリードしていた彼女の意志を無視して一気に喉元まで入り込み、鼻先を彼の陰毛がくすぐる。

射精()すぞ……!」と低く唸るように告げると、鈴口からどろどろの白濁液が吐き出された。

「んぉ!?」と声を漏らした銀髪武闘家は、粘液(スライム)ように粘度のそれを、涙目になりながら喉をならし飲み込んでいく。

 一分ほどかけた射精は、少しずつその勢いを衰えさせていき、ついに止まった。

 射精感が止まると同時に彼女の頭を解放し、喉奥まで入り込んだ一物を引き抜いた。

 同時に栓が抜けた酒瓶のように精液がこぼれ、豊かな胸に振りかかった。

 銀髪武闘家は喉を押さえながら「げほ!げほ!」と噎せ、胸にかかった精液を見下ろした。

 そして「勿体ない……」と呟くとそれを指で掬い、ぺろりと舐める。

 口をもごもごと動かして咀嚼し、何を思ってか飲み込む前に「あー」と声を出しながら口を開けた。

 口に含んだ精液が彼女の舌を白く染め、扇情的に見える。

 ローグハンターがそれを魅入っていると、銀髪武闘家は口を閉じて再び咀嚼し、こくりと喉を鳴らした。

 再び口を開ければ精液が綺麗になくなっており、しっかりと飲み込んだ事を教えてくれる。

 褒めてと言わんばかりに輝いた瞳で見つめてくる彼女に、ローグハンターは辛抱堪らずに彼女を押し倒した。

「きゃ~♪」と楽しそうに悲鳴をあげる銀髪武闘家は、期待するようにローグハンターを見つめ、赤らんだ頬を隠すつもりはないらしい。

 その期待に応えるため、ローグハンターは貼り付いて脱がしにくくなった彼女のズボンとショーツをどうにか脱がし、びちゃびちゃに濡れた彼女の秘裂をさらけ出させた。

 むんと香る彼女の臭いは、謀らずも放置され、蒸れてしまった結果だろう。

 ごくりと生唾を飲む彼を見つめながら、銀髪武闘家は精液が残る胸を弄り始め、ゆっくりと股を広げた。

 

「いいよ、来て……」

 

 耳を澄まさなければ聞こえないかすかな囁きに、ローグハンターは言葉もなく頷き、痛いほどに勃起した己の一物に手を添えた。

 血管が浮かび上がり、自分のものなのに少しばかり気持ちが悪いが、興奮しているのだから仕方がない。

 ローグハンターはふっと息を吐くと秘裂に亀頭を押し当て、一気に腰を突きだした。

 十分に湿っていた秘部は何の抵抗もなく、彼の一物を受け入れた。

 胎内に入り込んだ一物は、止まることなく子宮口にまで届き、勢いのままに子宮を押し潰した。

 

「ひぎ!?あっ……ひっ……」

 

 挿れられただけで軽い絶頂を迎えた彼女は、背中を弓なりにしならせ、精液に汚れた乳房がローグハンターの目の前に突き出された。

 彼は無言のまま彼女の胸を揉み始め、同時に腰を前後させ始める。

 

「ひっ!あ……!あん!ひん!あぁぁぁぁぁ!!」

 

 パンパンと音をたてて彼女の臀部に腰を打ち付け、一物はかりが飛び出す手前まで引き、根本まで一気に押し込む。

 鋭いかりが削るようにひだを引っ掻き、亀頭が子宮口を殴りつける。

 

「あん!やっ!はっ!いい、いいよぉ!あん!はん!」

 

 彼の一物が奥を責め、かりが急所(Gスポット)を擦る度に彼女は絶頂し、頭の中を絶えず火花が散っていた。

 

「はっ!あ!ひぎゅ!ぎっ!あん!」

 

 彼の動きに合わせて胸が揺れ、精液と汗が混ざった白濁液が飛び散り、彼女の顔とローグハンターの身体を僅かに汚す。

 

「きゅい!あっ!はっ!いぃぃいいあ!」

 

 ぞわりと背筋を揺らした彼女は、蕩けた瞳に彼を映し、「じりゅ、じりゅ!」と彼の事を呼んだ。

 

「どうした……っ!」

 

 絶えず腰を振って快感を享受するローグハンターがその、どうにか快感に耐えながら返すと、銀髪武闘家はただ無言で口をすぼめ、何かを要求。

 ローグハンターは反射的に彼女の唇を奪うと、腰の動きを激しくさせ始めた。

 

「んん!ん~!!んく、んんん!」

 

 流し込まれる唾液を飲み込み、胎内に直接叩きつけられる快感に視界を点滅させながら、彼の舌に絡み付く。

 ついでに両足で彼の腰を捕まえて、逃げられないようにする。

 くちゅくちゅパンパンと、口からは湿った音を、腰からは乾いた音を響かせて、ひたすらに快感を貪る。

 ローグハンターが口を離すと同時に「ぷぁ!」と可愛らしい声を漏らすと、「ひにゃあ!?」と声を漏らした。

 ローグハンターが片手で彼女の陰核に触れて、指の腹でこりこりとこね始めたのだ。

 

「んぃいいいい!?じる、ジルゥ!!それ、だめ……っ!イく、イくの、とまんなくなりゅぅうううう!」

 

 ビクン!ビクン!と身体を跳ねさせ、絶えず絶頂を迎える彼女の膣内は、一物を食い千切らんばかりに締まり、そこを掻き分ける快感に震えるローグハンターの限界も近い。

「あん!あひ!ひゃ!」と突く度に声を漏らす彼女を見下ろしながら、「射精()るぞ……っ」と声を絞り出す。

 

「はん!ひぅ!いいよ、ぜんぶ、ちょうらい!なかに、だして!!」

 

 快感に喘ぎ、絶頂の連続に意識も混濁する中で、銀髪武闘家はそう告げた。

 ローグハンターは無言で頷くと、腰を限界まで引き、勢いよく叩きつけた。

 押さえるものがなくなった膣肉は元の形に戻ろうとしたところを、力任せに貫き、子宮を殴りつける。

 

「きゅいぃぃぃぃぃぃいいいいいいいい!!!」

 

 銀髪武闘家は奇声とも取れる声を出すと一際大きな絶頂を迎え、蠢くひだが動きを止めた彼の一物を扱きあげる。

 

「ぐ……っ」

 

 ローグハンターは低く唸ると共に射精が始まり、彼女の子宮に直接精液が注ぎ込まれた。

 

「──っ!~~~っ!!──……っ!!」

 

 その熱さと、精液が子宮を撫でる感触に、ついには声を出せずに絶頂した彼女は、くたりと身体を弛緩させてベッドに身体を投げ出した。

 ローグハンターも吐精感後の多幸感と、凄まじい疲労に襲われて彼女の胸に顔を埋め、その柔らかさに包まれながら溜め息を漏らす。

 本格的に休もうとする身体をどうにか動かし、萎えていく一物を引き抜くと、ごろりと彼女の隣に寝転んだ。

 ぼんやりと天井を見上げながら苦笑し、胸を押さえて呼吸を落ち着かせる。

 とりあえず休んでから、手紙を出しにいかなければと、これからやることを考えて溜め息をひとつ。

 同時に強烈な眠気に襲われ、それに抗うことなく目を閉じた。

 微かに聞こえる彼女の呼吸の音が、彼にとってはこれ以上ない子守唄なのだ。

 

 

 

 

 

 低かった陽が空の天井に差し掛かった頃になって、ようやくローグハンターと銀髪武闘家は目を覚ました。

 お互い裸のままシーツにくるまり、身体を横に向けて互いに見つめ合う。

 

「むぅ。結局、昼になったな」

 

 ローグハンターが気まずそうに頬を掻き、対する銀髪武闘家は「そうだね~」と気の抜けた返事。

 

「でも、きみと二人きりなら嫌じゃないかな」

 

 彼女は照れたように赤面しながら、彼の胸に顔を寄せた。

 耳を当てれば心臓の鼓動が聞こえて、いつもに比べて僅かに速いような気もする。

 裸のまま抱き合っているのだから、彼女の豊かな胸が腹部に辺り、その柔らかさと温もりを直に感じられるのだ。

 変に緊張してしまうのも、無理はあるまい。

 逆にそれは銀髪武闘家のことを女性として意識している証拠でもあるため、彼女の機嫌はいいほうだ。

「そうだな」と呟いたローグハンターは、優しく彼女の髪を撫でながら微笑んだ。

 

「お前と二人なら、どこであろうと構わないさ」

 

「ふふ。私だって、きみの為ならどこへでもってね」

 

 彼の言葉に反応して顔をあげた銀髪武闘家は、太陽のような笑顔を浮かべて彼に告げた。

 

「大好きだよ、ジル」

 

「俺もお前が大好きだ、シル」

 

 愛する人に、ただ愛の言葉を送る。

 それはローグハンター(ジブリール)銀髪武闘家(シルヴィア)にとっては、何にも変えがたい日常のひとつ。

 命を懸けて守りたい、平穏の一幕だ。

 

 

 

 




というわけで、久しぶりにR-18を投稿しました。

というわけで、もはや恒例のリクエストタイム。
締め切りは未定ですが、今回は無期限の予定です。
来月から仕事が始まる+これから出していく外伝が優先なので、超がつくほどの不定期更新になると思いますが、送ってくだされば検討の後、制作しようと思います。

リクエスト等ありましたら、メッセージでお願いします。
基本的にはログハン×誰か。誰かは複数でも可。
相手とシチュエーションが詳しければ、とてもありがたいです。

感想、リクエスト等ありましたら、よろしくお願いします。


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Memory?? 最強家族?

リクエストから。

ヒロインは勇者。なんやかんやでログハンと勇者は結婚し、既に一子儲けている。

よくも悪くも世界への影響力がヤバい家族の一幕。



 国の中心。都の片隅。

 貴族の屋敷までとは言わずとも、それなりに上等な家。

 そんな家の一室。大きなベッドの上には、黒い髪の女性が寝ていた。

 疲れているのか、あるいは油断しているのか、あまりにも無防備な寝顔をしているものの、それはここが安全だとわかっているからこそだろう。

 すぅすぅと静かな寝息だけが部屋を包み、窓から差し込む日差しも相まって眠るにはこれ以上ない部屋だろう。

 そんな寝室の扉がゆっくりと開くと、隙間から小さな人影が部屋に入り込んだ。

 壁に立て掛けられた剣を横目にベッドに飛び乗ったのは、黒い髪と蒼い瞳をした少女。

 少女はベッドに眠る女性の寝顔を眺めると、にぱっと太陽のような笑顔を浮かべた。

 

「おかーしゃ、おきてー!!」

 

「っ!」

 

 耳元で叫ばれた女性──少女の母親は慌てて起きると、凄まじい耳鳴りに悩まされながらも愛娘に目を向けた。

 

「おはよ~」

 

 ぼけーと気の抜けた表情をしながら頭を撫でてやれば、少女は「えへへ」と嬉しそうに笑う。

 

 ──お兄ちゃ、じゃなくてあの人(・・・)は僕に似てるって言うけど……。

 

 母親は苦笑しながら娘の表情を見つめて、そんなに似ているだろうかと疑問符を浮かべる。

 

「おかーしゃ?」

 

 その表情が気になったのか、少女は首を傾げながら母親を呼ぶと、「何でもないよ」といつもの微笑み混じりに返される。

「そっかー!」と少女が笑えば、母親もまた笑みを浮かべて「そうだよ」と返してやる。

 二人で笑顔を交換していると、くぅと少女の腹の虫が鳴いた。

「にゃ!?」と声を出した恥ずかしそうにお腹を押さえるが、聞こえてしまったものをどうこうするにはもう遅い。

 母親は可笑しそうに吹き出すと、鈴を転がしたように笑い始めた。

「わらわないでー!」と不機嫌そうに頬を膨らませる少女を見つめながら、母親は「ごめん、ごめん」と目に浮かんだ涙を拭う。

 

「それじゃ、ご飯にしよっか」

 

「うん!」

 

 母親は娘の返事に「いい返事だ~」と褒めてやりながら抱き上げ、部屋を後にした。

 そのまま台所まで運んでやろうと部屋を出ると、家の玄関の方からガチャガチャと鍵を外そうしている音が微かに聞こえる。

 少女には聞こえていないのだろうか。突然足を止めた母親の顔を不思議そうに見上げ、「どうしたの」と問いかける。

 

「ちょっと寄り道」

 

 母親はそう返すと踵を返し、玄関の方へと足を向けた。

 二つある鍵の一つは既に外され、残るはあと一つだけ。

 母親は内側からそれを外してやると、勢いよく玄関を開いた。

「うお」と声を漏らしたのは、鍵を片手に玄関に向かい合っていた一人の男性。

 初雪のように白い髪に、確かな意志を感じる蒼い瞳を揺らす、巷ではならず者殺し(ローグハンター)と呼ばれる冒険者その人だ。

 首から下がる金色の認識票(・・・・・・)が風に揺れて、陽の光を反射してキラキラと輝いている。

 その輝きに眩しそうに目を細めた少女は、すぐにぱっと表情を明るくさせた。

 

「とーしゃ、おかえり!!」

 

 抱っこして欲しいのか母親の腕の中から手を伸ばし、ローグハンターは苦笑混じりに「ただいま」と返して()から娘を受け取った。

 

「ふふ。お帰りなさい、お兄ちゃん?」

 

「……その呼び方はやめろ、勇者様?」

 

 娘を取られたことへの腹いせか、母親は夫の事を昔の呼び方で呼ぶと、仕返しに夫の方も妻の事を昔のように呼んでやった。

 かつて勇者と呼ばれ、幾度も世界を救った少女は剣を置き、母親となった。

 その夫であるのが、血の繋がりはないとはいえ兄であるのは問題かもしれないが、二人が兄妹関係でいる事に疑問を抱いていたのも事実。

 

 ──これは本来の世界から大きくずれた、けれどもしかしたらあり得たかもしれない世界の一幕だ──。

 

 

 

 

 

 数日後、同所。

 窓から差し込む月明かりに照らされる寝室で、ローグハンターは勇者に押し倒されていた。

 背中にはベッド。目の前には愛する妻と、言ってしまえばいつも通りの、けれど危機感を感じざるを得ない状況に、放り込まれた彼の額には冷や汗が滲んでいる。

 

「あー、その、退いてくれないか?」

 

「駄目。あの子のお願い、忘れた?」

 

 ローグハンターの下手に出ながらの頼みを突っぱねた勇者は、少々凄味を感じる瞳で夫を見下ろす。

 あの子からのおねだりを、まさか忘れたわけではあるまいと、強烈なまでの圧がローグハンターの身を押し潰す。

「忘れるわけあるか」と負けじと語気を強めた彼は、小さく溜め息を吐いて先日の事を思い出す。

 

『もうすぐ誕生日だが、なにか欲しいものはあるか?』

 

 夕食時に娘に聞いた、別にいかがわしい意味もない質問。

 流行りの服とか、玩具とか、ぬいぐるみとか、そんなものを要求されると思っての質問だったのだが。

 

『わたしね、いもーとがほしい!!』

 

 娘は満面の笑みと共にそう返して、『だめ?』と両親の顔色を伺った。

 苦笑するローグハンターを他所に、勇者は『まっかせて!』と胸を叩く。

 そのやり取りがあったのが数日前。

 やれ仕事だ、やれ会議だと忙しく、ようやく夫婦二人で過ごせることになったのだが、勇者の行動力は他の冒険者の比ではない。

 思い付いたら吉日。あるいは行動あるのみと、彼女はさながら風のように毎日を生きていた。

 今はこうして腰を落ち着かせているとはいえ、根っこの部分は変わらない。

 何せ彼女は勇者。世界を救った英雄であり、同時に一人の冒険者なのだから、ここぞと言う時機(タイミング)を見逃す訳がないのだ。

 ふふんと鼻を鳴らして笑う彼女は「あの子も寝たし、いいでしょ?」と問うて、ローグハンターは渋々と言った様子で頷いた。

 やるからには気合いを入れなければ、こちらが参ってしまう。

 と言っても数秒で覚悟を決めたローグハンターが、「よしこい」と告げると、勇者は躊躇う様子もなく彼の唇を奪った。

 逃げることもないのに彼の頭を押さえつけて、開いてくれた口に舌を挿れる。

 迎え入れるように伸びてきた彼の舌に絡み付き、お互いの唾液を交換し始めた。

 鼻先をくすぐる彼の鼻息と、目の前にある彼の蒼い瞳に魅入りながら、勇者はご馳走にがっつくように大口を開けて、彼の唇を飲み込んだ。

 息をするだけで彼の臭いが肺を満たし、カチカチと音をたてて歯がぶつかり合う。

 

「ん……ふっ……ふふ……」

 

 口付けをしたまま笑う勇者を見つめながら、ローグハンターは彼女の頭を押さえて自分の舌を彼女の口に押し込んだ。

 体格も二回りも違うのだ。舌の大きさも、長さも僅かに僅かにローグハンターが勝る。

 彼女の口内に入り込んでしまえば、彼女も大人しくはなる。

 事実「ん……」と声を漏らした彼女は身体を弛緩させて、動き回っていた舌が動きを止めた。

 これ幸いと彼女の舌を舐めたローグハンターは、ゆっくりと彼女の口内に自分の唾液を塗りたくり始めた。

 歯の裏側に、頬の粘膜に、舌の裏側に、思い付いた限りの場所に、彼女は自分のものだと誇示するように、舌を這わせる。

 

「んっ!んん!ふっ、ん……っ」

 

 ピクピクと身体を痙攣させて、物欲しそうな瞳を揺らす勇者は、彼に気付かれないように片手を自分の股間へと持っていき、ズボンの中へと突っ込んだ。

 その勢いのままに秘裂に触れれば湿り気を感じ、くちゅりと湿った音が微かに漏れる。

 口付けに夢中なローグハンターは気付いていないのか、はむはむと彼女の唇を咀嚼するように味わいながら、変わらず舌で彼女の口を責めていた。

 その動きに合わせて指を動かせば、雷をくらったような衝撃が全身を駆け抜け、「ふん……!」と声を漏らして身体が強張る。

 だがローグハンターにとってそれはどうでもいいのか、彼女を抱えて寝返りをうち、上下を逆転。

 口の中に溜まっていた唾液を流し込めば、勇者は「んんん!」と目を見開きながら身体を震わせた。

 こくこくと喉を鳴らして唾液を飲み込みながら、指は絶えず自分の秘裂を弄る。

 上の口は彼に、下の口は自分で責めながら、二つの快感が彼女の脳を少しずつ焼いていく。

 

「ん……!ふっ!ふっ!んん!ん~!!」

 

 少しずつ彼女の反応が激しくなり、吐き出す呼吸も乱れていく。

 下腹部から登ってくる快感に、無意識の内に力が入る。

 だが足りない。目の前に自分を満足させてくれる相手がいるのに、誤魔化すように自分で慰めていては、余計に興奮してしまう。

 胎内を渦巻く快感は出口を見失い、燻る炎のようにふつふつと身体の芯を焦がしていく。

 一通り彼女の口内を堪能したローグハンターは顔を離すと、じっと彼女の表情を見下ろした。

 蕩けて潤んだ瞳に、唾液でてかるふっくらとした唇。

 頬も朱色に染まり、呼吸は乱れて落ち着かない。

 同時に彼女の片手が股間に伸びている事に気付き、ふっと小さく苦笑。

 そのまま股間に伸びていた手を取ると、勢いよく手を引いて引っ張り出した。

 細い指先は愛液に濡れて、月明かりに照らされて僅かに輝いている。

 

「自分で慰めるなんて、お前らしくない」

 

 じっと彼女を見つめながら呟くと彼女の手を引き寄せ、指に舌を這わせた。

 滑り気があり、ほんのりと温かい愛液を、それ以上の滑り気と熱を持つ唾液で塗り替え、彼女の指を舐め回す。

 生臭い味も、恥ずかしそうに目をそらす彼女の顔も、身動ぎして擦り合わせる太ももも、何もかもが愛おしくて堪らない。

 

「お兄ちゃん……。もう、我慢できない……っ」

 

 そんな彼に向けて、勇者は昔のように甘えるような口調で、彼へと懇願した。

 ローグハンターはこくりと頷くと、手早く寝間着を脱ぎ去りパンツ一丁になった。

 そのまま勇者の寝間着にも手をかけて、慣れた動作で脱がしていく。

 その途中であることに気付き、不意に手を止めた。

 

「お前、下着は……?」

 

「邪魔だから、脱いできちゃった……」

 

 上着とズボンを脱がせただけで全裸になった彼女は、恥ずかしそうに両手の指先を合わせながら告げて、「えへへ」と誤魔化すように笑った。

 そんな反応に肩を竦めたローグハンターは、何も言うことなく彼女の胸に触れた。

 幼い頃は平たかった胸も、成長する内に確かな膨らみとなり、子を産んでからは、子育てに備えてより大きな果実を実らせた。

 もはや片手では納まらず、鷲掴めば指の間に乳房が溢れる程だ。

 とりあえず五指を適当に動かして刺激してやれば、「あ……やん……!」と甘ったるい声を漏らすのは昔から変わらない。

 そこは相変わらず何だなと、どこか安堵したように息を吐いたローグハンターは、考えなしに彼女の乳首を口に含んだ。

「ひゃ!?」と驚く彼女を他所に、舌先でつつきながら、赤子のように吸い上げてみる。

 

「ふっ……んん……!お兄、ちゃん……!もう、何も出ない、よ……?」

 

 ピクピクと身体を痙攣させて快感に震えながら、苦笑混じりに、けれど愛おしそうにローグハンターの頭を撫でてやる。

 彼は嬉しそうに目を細めて、彼女の背にか手を回して更に密着。

 文字通り胸に顔を埋めながら、ちゅ~!と音をたてて力一杯に乳首を吸い始めた。

 子供のそれとは段違いの力強さに勇者は目を見開き、「ひぃやぁあああああ!!」と悲鳴をあげた。

 

「や……お兄、ちゃんっ!待って、なにか、なにかくるぅ!!」

 

 勇者はビクンビクンと肩を震わせて、嫌々と左右に首を振りながら取り乱すが、ローグハンターは構わずに乳首を吸い上げる。

 胸の奥底にある何かが吸い出され、どんどんと出口に向かって登っていく。

 それは男性の射精感にも似ているが、それを知るよしもない勇者は未知の感覚にパニックを起こし始めた。

 

「お兄ちゃん、やだ!怖い、なにこれ……!?」

 

 勇者はローグハンターを剥がそうと頭を掴むが、思いの外強く吸い付いているためそれが叶わず、胸の中を登る感覚が限界まで高まり──。

 

「ひにゃあああああああああああああ!!!!」

 

 凄まじい快感に絶叫したかと思えば、乳首から白い液体が噴き出した。

 ローグハンターは多少驚きながらもそれを受け止め、こくこくと喉を鳴らしてそれを嚥下(えんげ)していく。

 ほのかに温かく、微かに甘いそれは、彼女の母乳だ。

 何の因果かローグハンターに吸い出され、彼の胃へと落ちていく。

 

「ひにゃ!?あん!お兄ちゃ、やめ、やめへ……!」

 

 ちゅうちゅうと吸う度に勇者は身体を跳ねさせながら喘ぎ、秘裂からはぷしぷしと音をたてて潮が噴いている。

「やん!はひ!あん!」と喘ぐ彼女の声を聞きながら、ローグハンターはようやく彼女の乳首を解放した。

 片方だけを集中して責めた為か、片方の乳首だけが充血して真っ赤に染まり、ぷっくりと膨らんでしまった。

 だがその左右非対称な感じがそれもまた可愛らしく、ローグハンターはぞわりと背筋を震わせた。

 

「はひゅ……。へぁ……。な、なに、今の……?」

 

 はあはあと呼吸を乱しながら、絶頂の余韻に全身を弛緩させた勇者は、疑問符を浮かべながら微かに母乳が滲んでいる乳首を見下ろし、ぎょっと目を見開いた。

 あの子を産んで、もうすぐ二年だ。まだ母乳が出るとは驚いた。

 いや、それよりも。

 

 ──き、気持ちよかったな……。

 

 男性の射精はこんな感じなのかと疑問を抱き、考えても仕方がないかと苦笑を漏らす。

 

「はぁ……はぁ……。お兄……ちゃん……っ」

 

 それに、もっと気持ちいいことを知っているしと開き直ると、ローグハンターを見つめながら股を開いた。

 蕩けた瞳の奥には肉欲の炎が揺れ、挑発的な笑みを浮かべている。

 そして、それをされて否定できるほど、今のローグハンターは理性的ではなかった。

 ゆっくりと生唾を飲むと同時にパンツをずらし、勃起した一物を取り出した。

 むんと雄の香りを放つそれは血管が浮かぶほどに勃起し、鈴口からは目の前の雌に種付けしようと先走り汁が滲み出る。

 彼は彼女の身体に覆い被さると亀頭を秘裂に押し当て、一息に腰を突き出した。

 既に愛液にまみれていた秘部は、一切の抵抗なく彼の物を受け入れ、瞬く間に膣内の占拠を許した。

 

「あん!んっ……!ふっ……!あひゅ……えへへ……」

 

 ドン!と殴られたような衝撃を受けた勇者だが、胎内から脳天まで駆け抜けた快感に恍惚の表情を浮かべた。

 動いてもいないのにピクピクと身体が震え、蕩けた瞳には愛する()の姿を映す。

 膣内は一物を食い千切らんばかりに引き締まり、密着するひだは竿全体をくすぐるように蠢く。

 このままでいるだけでも射精してしまいそうな、強烈なまでの快感に唸るローグハンターに、勇者は笑みながら告げた。

 

「動、いて……いい、よ……?」

 

 その言葉にローグハンターは頷くと、一旦自分を落ち着かせようと深呼吸を一度。

 額の汗を拭うと共に気合いを入れて、手加減抜きで腰を振り始めた。

 必死に締め付けてくる膣肉を力任せに振り払い、鋭いかりで引っ掻いてやる。

 勇者が「ひゃん!」と声を漏らして腰を跳ねさせると、逃がしてなるものかと彼女の腰を掴んで固定。

 杭を打ち込むかのごとく肉棒を彼女の子宮口に叩きつけ、排卵を促すようにぐりぐりと押し込んでやる。

 

「んぉ!?おぐ、おにい、ちゃん……!ぐりぐり、だめ……っ!」

 

 背中を弓なりに逸らし、全身に鳥肌を立てながら、勇者は腹の上から自分の子宮を押さえた。

 ()の押し込みで子宮は潰れ、内臓が押し上げられる苦しさもある。

 だがそれを抜きにしても、彼の温もりが快感と共に全身を満たされる感覚は心地よく、子宮が疼いてしまう。

 そんな彼女の願いを聞き届けてか、ローグハンターは前後(ピストン)運動を再開した。

 子宮口から断続的に与えられた快感が、膣内全体で感じられる快感に。

 一点集中から、途端に面攻撃へと移行したのだ。

 

「きゅい!?あん!はん!やん!あっ!あん!」

 

 突かれる度に勇者は嬌声をあげ、膣肉がビクビクと痙攣をし、より一層引き締まる。

 

「あん!おに、お兄ちゃんんんん!!イく!はひゅ!ぼく、イっちゃう!!」

 

「俺も、限界だ……っ!」

 

 どんどんと引き締まる膣肉に負けじと、我武者羅に腰を振っていたローグハンターは唸るように返す。

 それでも必死に腰を振り、一物を登っていく熱さに目を見張る。

 そして最後に一突きと同時に限界を迎え、ドロリと粘り、そして人の体温よりも温かな液体を吐き出した。

 それは瞬く間に彼女の子宮を満たし、ついには溢れて膣内への逆流していく。

 子宮を、膣内を、熱々の精液が満たし、流れていく感覚は、彼女が待ちに待っていたものだ。

 

「ひゃあああああああああああああ!!」

 

 勇者は絶叫と共に本日何度目かの絶頂を迎えた。

 無意識に彼の腰に両足を巻き付けて、二人の身体は更に密着。

 ついには接合部という逃げ場を失った精液は、そのまま彼女の胎内を満たし、下腹部を僅かに押し上げる。

 

「──っ」

 

 ぎゅっと勇者の腰を押さえ、一滴たりとも無駄にせずに彼女に注いだローグハンターは、どっと出た疲労感に息を吐いた。

 戦闘後とも違う、不可思議なこれは、性行の後にしか感じないものだ。

 精液に満たされた彼女の膣内で、吐き出すだけ吐いた一物は僅かに萎えている。

 

「っあ……はっ……ひぁ……」

 

 ピクピクと震えて絶頂の余韻に喘ぐ勇者は身体を弛緩させ、彼の腰に巻いていた両足からも力が抜けた。

 枷がなくなったので腰を引けば、ようやく見つけた出口から精液と愛液が混ざった白濁液がこぼれだし、彼女の安産型の臀部を汚す。

 はぁと溜め息を吐いたローグハンターは身体を倒し、彼女の胸に頭を埋めた。

 世界に溢れるいかなる枕よりも柔らかく、何より温かなそれは、こうして頭を預けているだけでも眠気を誘う。

 本当にこのまま寝てしまおうかと迷うローグハンターは、ふと鼻についた甘い香りに導かれ、その源にしゃぶりついた。

「ひゃい!?」と声を漏らしたのは、誰でもなく勇者だ。

 絶頂の余韻に浸っていたかと思えば、突然乳首を食われたのだから、驚きもしよう。

 ローグハンターは彼女の反応を他所にちゅうちゅうと音をたてて乳首を吸い上げて、まだ乳首に滲んでいた母乳を嚥下していく。

 体温のように温かく、ほのかに甘いそれは、いくらでも飲んでいない味ではある。

 そして何よりも、一口飲むだけで疲れが吹き飛ぶのだ。

 現にどうだ。萎えた一物が固さと大きさを取り戻していくではないか。

 緩んだように思えた圧迫感が強まった為か、勇者は驚いたように目を剥いて、すぐに嬉しそうに笑いながら目を細めた。

 

「まだやれるよね、お兄ちゃん?」

 

 愛する我が子にするように頭を撫でながら問えば、ローグハンターは顔を離してから「勿論だ」と頷いた。

 唇についた母乳の残り香を舐めとって、彼女の頬を撫でる。

 

「そっちも大丈夫か、勇者様?」

 

 かつて肩を並べて外界の神(かつて来たりし者)と相対した時のように、煽ってくる彼女を煽り返すように笑いながら、告げた言葉はただそれだけだ。

 二人は可笑しそうに笑いながら、一度も抜くことなく行為を再開。

 勇者の嬌声は何の比喩ではなく一晩中続き、二人の行為がそれだけ続いた事を物語る。

 それでも二人の愛娘が起きなかったのは、一重にそれが聞こえぬほどに寝ていたからか、あるいは聞こえても何かはわからずに二度寝したからか。

 ともかく二人の行為は何の邪魔もなく延々と続いたのだった。

 

 

 

 

 

 翌日。早朝。

 流石に疲れたからか、泥のように眠るローグハンターと勇者の二人は、廊下を進む足音に気付かなかった。

 バン!と凄まじい音をたてて扉が開き、そこまで来てようやく目を覚ました程だ。

 二人は慌てて身体を起こすと、その二人に向けて愛娘が飛びかかった。

「うお!?」だの「ひゃあ!?」だの悲鳴をあげる二人を、飛び付いた勢いのままに押し倒し、そのまま二人の間に納まった。

 

「おかーしゃん!いもーとは!?」

 

 キョロキョロと部屋を見渡す少女は、両親が裸であることには関心がないようだ。

「どこ、どこにいるの?」とシーツの中まで覗き始まるが、やはり見つからずに頬を膨らませる。

 勇者は「まだ(・・)いないよ~」と気の抜けた、けれど意味深な言葉を残しながら頭を撫でた。

 二人の娘はそれでも不満そうに「むぅ~!!」と唸るが、ローグハンターがそこに加わることで表情を和らげた。

 

「来年の今頃には、いると思うぞ」

 

「ほんと!?」

 

「ああ、本当だ」

 

 ローグハンターの断定的な言葉に、娘は「そっか~」と頷いて満面の笑みを浮かべた。

 そしてこの言葉は確かとなり、来年のこの日は家族四人で過ごすことになる。

 

 ──勇者に子供が増えたと軽い騒ぎになるのは、また別の話だ。

 

 

 

 




感想、リクエスト等ありましたら、よろしくお願いします。


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Memory?? 愛を受け止めて

リクエストから。

ログハンと受付嬢夫婦の一幕。



 辺境の街。とある民家。

 台所からはコツコツと包丁が野菜を刻む音が聞こえ、ぐつぐつと鍋が煮える音も漏れている。

 そんな台所に向かっているのは、前掛け(エプロン)をかけた女性。

 動きに合わせて三つ編みに結った髪が揺れ、合わせて前掛けの留め紐も上下に揺れる。

 それをじっと眺めているのは、彼女と同じ髪をした、蒼い瞳をした少年だ。

 少年は何も言わず、椅子の背もたれから顔を出し、ご機嫌そうな母親の後ろ姿に、彼もまた嬉しそうに笑みを浮かべた。

 母親の料理は他のどんな料理よりも美味しいのだ。それを今から食べられるとなれば、こうして待っているだけでもご機嫌にもなろう。

 

「──」

 

 そんな彼の耳に、母親からの呼び声が届いた。

「な~に~」と相変わらずご機嫌そうに答えると、母親は背中を向けたまま「お父さん、起こしてきて」と告げた。

「はーい!」と返事をした少年は椅子から飛び降りると、ぱたぱたと足音をたてて寝室へと向かった。

 扉の前につけば、僅かに助走をつけてからドアノブに向けて飛び、体重をかけてノブを捻る。

 ぎぃと微かに軋む音をたてて扉が開き、ノブから手を離して少年は、部屋に鎮座するベッドへと駆け寄った。

 えっちらおっちらと苦労しながらベッドによじ登り、静かな寝息をたてている白髪の男性──少年の父親の寝顔を覗き込む。

 昨日のよるおそくだが、今日の朝早くだかに帰って来たそうだが、起こさなければ食事は出来ない。

 母親は原則、家に家族が揃っているのなら全員で食事をすると決めている。

 この人が起きてくれなければ、楽しみの朝食が摂れないのだから、多少力付くでも起きてもらわねばならない。

 少年はぷにぷにと父親の頬をつつくと、「おきて~」と声を出した。

 父親は低く唸ると眉を寄せ、鬱陶しそうに寝返りを打った。

 

「むぅ……!」

 

 その反応が酷くお気に召さなかった少年は、不機嫌そうに頬を膨らませると両手を振り上げ、

 

「おーきーてー!!!」

 

 朝一番からベチン!と乾いた音と少年の咆哮が家に響き渡り、男性の断末魔がその後に続く。

 それを聞いていた母親は苦笑を漏らし、「あらあら」と声を漏らした。

 何ともまあ、我らが愛息子は脳筋のようだ……。

 

 

 

 

 

「ま、まだ痛むんだが……」

 

「ふふ。起きないあなたが悪いんですよ」

 

 そんな朝のやり取りから数時間。

 息子がいつも楽しみにしている、月に一度の街外れの牧場の手伝いに行ったことを皮切りに、その両親は寝室へと移動していた。

 ベッドの上に寝転んだ夫──ローグハンターの呼ばれる冒険者に膝枕をしているのは、かつてはギルド職員として彼の仕事を手伝った受付嬢だ。

 一人で仕事に励む彼に惹かれ、勢いのままに告白し、籍を入れたと同時に仕事を辞めたのは、何年前のことだろうか。

 とても懐かしいことのように思えるけれど、とても最近の出来事のようにも思える。

 とても不思議で、何とも奇妙な感覚だが、嫌ではない。

 にこにことご機嫌そうに笑うと、赤くなっているローグハンターの頬を撫でて、「水薬(ポーション)でも飲みますか?」と問うた。

 

「いいや、自分への戒めとして痛みに耐えるさ」

 

 ローグハンターはどこか騎士のような事を宣うと、ふっと鼻を鳴らして彼女に告げた。

 

「ただまあ、強壮の水薬(スタミナポーション)なら飲んでもいいかもな」

 

「……?強壮の水薬(スタミナポーション)ですか?」

 

 突然の要求に首を傾げ、じっと彼の顔色を伺った。

 別に疲れているようには見えないし、自分もそこまで疲れているわけではない。

「どうしてですか?」と問うと、ローグハンターはニヤリと怪しげな笑みを浮かべながら身体を起こした。

 妻の膝枕を名残惜しくは思いつつも、これからやろうとしていることを思えば何てことはない。

 

「俺は昨日まで都にいただろう?」

 

「……都から一日で帰って来た事には何も言いません」

 

「いつもの事だからな。それで、今回の滞在は色々あって割りと長引いた」

 

「そうですね。いつもなら二週間もしない内に帰ってくるのに……」

 

 心配したんですよと儚げに笑う彼女に、ローグハンターは「すまん」の一言と共に頭を下げた。

「でだ」と頭をあげた彼は、優しく彼女の頬を撫でる。

 武器を握り続けた手は、武骨で固くなってはいるものの、込められた優しさに違いはない。

 心地よさそうに目を細めた受付嬢は彼の手に自分の手を重ね、「どうしました?」と問いかけた。

 彼が思い付きで何かをしたり、どこかに行ったりするのは慣れている。

 突然連れ出された時は驚いたものだが、あの時見た光景は今でも覚えている。

 蛍が舞い、鏡のように星を映す透明な湖など、滅多に見られるものではないのだから当然だ。

 

「それで、またどこかに連れていってくれるんですか?」

 

「……?いや、家から出るつもりはないが」

 

 ローグハンターは彼女の問いかけに不思議そうに首を傾げ、頬を撫でていた手で彼女の髪を撫で、三つ編みに纏めれた髪を解いた。

 ふわりと揺れた髪が背中に流れ、髪を梳く時に使ったのであろう香油の臭いが微かに香る。

 

「三週間ぶりに帰って来て、息子は一日留守だ。やることなんて、ほとんど決まっていないか?」

 

 微笑み混じりに告げられた言葉に、受付嬢は「あ……」と声を漏らした。

 彼の意図をようやく察し、赤面しながら目を逸らし、もじもじと身体をくねらせる。

 彼は基本的に理性的で、誰に対しても平等で、面倒見のいい人物ではあるし、それは結婚してからも一切変わっていない。

 ただ一つ変わったとすれば、ふとした拍子に自分の事を強烈なまでに求めてくる事があることか。

 それは長時間離れた後が顕著で、三週間も離れていたのはかなり久しぶりだ。

 彼のこと発作的とも言える行動は、離れていた期間を埋めようとしているのかもしれないし、単にそういった欲望が溜まっているだけなのかもしれない。

 そしてその理屈は、彼に限った話ではない。

 

 ──私も、大概ですね……。

 

 受付嬢もまた例外ではなく、実際帰って来た彼に抱きついた時など、そのまま玄関で行為まで行ってしまいそうで危なかった。

 息子が寝ているからと二人して自重したのだが、その息子が出掛けたのなら我慢の必要はあるまい。

 受付嬢は彼に任せるように目を閉じ、僅かに身体を前に出した。

 その直後。十秒もしない内に唇を塞がれ、ちゅるりと湿った音と滑り気、そして温もりと共に彼の唇が口内へと侵入を果たした。

 逃げる理由もないのでそれを迎え入れてやれば、獲物を見つけた蛇のように彼の舌が絡み付き、互いの唾液が混ざりあう。

 くちゅり……くちゅり……と湿った音と、同時に熱のこもった息が漏れる。

 

「ん……ふ……」

 

 彼の舌に口内をくすぐられる度に、受付嬢は身体を小さく跳ねさせながら声を漏らし、朱色に染まった頬には汗が滲む。

 口付けをしたまま彼女を抱き締めたローグハンターは、そのまま彼女をベッド押し倒した。

 彼女の上に覆い被さり、差し込んだ舌を伝わせた唾液を流し込み、彼女の口内を舐め回す。

 

「んんっ!んふ……。んく……っ!んく……っ!」

 

 どろりと粘り気のある唾液の侵入に、受付嬢は一瞬だけ驚いて身体を強張らせたが、すぐに微笑んで流し込まれる唾液を飲み込んだ。

 もっと欲しいとせがむように彼の首に両腕を回し、二人の唇が隙間なく密着。

 嬉しそうに目を細めたローグハンターは彼女の唾液を舐めとり、お返しに唾液を塗りたくる。

 どれが自分のもので、どれが彼の物なのか、それすらとわからないほどに、受付嬢の口の中で二人の唾液が混ざりあい、彼女はそれらを纏めて嚥下していく。

 目を閉じて、必死になって唾液を飲みながら、時には舌にしゃぶりついてくる彼女を見下ろし、ローグハンターは片手を彼女の首へと伸ばした。

 ギルド職員を辞めて長いにも関わらず、癖なのか首まできっちりとボタンを留めているのだ。

 息苦しくないのだろうかと思うが、それに慣れているのだろうか、表情ではそれを感じられない。

 だからというわけではないが、彼は真っ先に一番上のボタンを外すと、そこを開いて首もとを見えるようにした。

「ん……」と声を漏らした彼女は、僅かに楽になったのか身体を弛緩させて、口付けをしたままホッと息を吐く。

 だがローグハンターの行動がそれで止まるわけがなく、今度は二番目のボタンを外し、それが段々と下へと進んでいった。

 口付けに夢中な受付嬢はそれに気付いていないのか、ちゅっ、ちゅっ、と音をたてて彼の唇を吸い付き、彼の舌を舐めている。

 ならばいいかと内心で笑みをこぼしたローグハンターは、不意に口付けを終えた。

 唾液が糸となって二人の舌を繋ぎ合わせ、重力に引かれて受付嬢の顔へとかかり。

 当の受付嬢は物欲しそうに口を開いたままピンと舌を伸ばし、落ちてきた唾液を口で受け止め、こくりと喉を鳴らして飲み込んだ。

 同時にローグハンターが最後のボタンを外し、上着をはだけさせた。

 可愛らしい下着に包まれた豊かな胸と、細く括れたコルセット要らずの腰が露となり、受付嬢は今さらになって羞恥からか顔を真っ赤にさせた。

 慌ててはだけた上着を戻そうとするが、それよりも速くローグハンターが動き、彼女の胸元に口付けを落とした。

 それだけに止まらず、胸元、鎖骨、首と、彼女を自分のものだという証をつけるように、次々と唇の痕(キスマーク)を残していく。

 

「や、待ってください……!そこは、見えちゃいますっ!あの子に、気付かれますから……っ!」

 

 ピクピクと身体を痙攣させながら、受付嬢は声を上擦らせながらそう告げた。

 だがローグハンターは気にも止めずに次々と痕を残し、それを眺めながらご満悦の表情を浮かべた。

 胸に数ヶ所。鎖骨から肩の辺りに数ヶ所。首に数ヶ所。

 彼の唇を模した痕が残り、それが見えずともわかる受付嬢は恥ずかしそうに身じろぎした。

 あの子に見つかれば、何と言われるか。

 虫に刺されたでは多すぎるし、ぶつけたとしては場所が固まりすぎだ。

 

「うぅ……」

 

 にこにこと笑いながら見下ろしてくる夫の顔に、多少の苛立ちを覚えながら、受付嬢は彼の首に両腕を回し、勢いよく引き寄せた。

 抵抗も出来るだろうに、されるがまま引っ張られた彼は彼女と熱い抱擁を交わすことになり、ローグハンターは困り顔。

 受付嬢はそんな彼の首に口付けし、力の限り吸い上げた。

 ちゅ~!と音をたてている辺り、彼女も本気なのだろう。

 それでもローグハンターは楽しそうに笑い、彼女のされるがままとなった。

 噛んでこようが、吸ってこようが、舐めてこようが、彼女が満足するまでやらせてやる。

 そしてそれをする受付嬢の顔が、だんだんと恍惚としたものへと変わり始めた。

 何をどうしようが彼の臭いが肺を満たし、何をどうしようが彼の味が口を支配する。

 何をしても彼を感じて、耳元ではくすぐったそうに笑う彼の声まで聞こえるのだ。

 彼に包まれている実感と、彼が身を任せてくれているという信頼が、彼女の脳の奥底を震わせる。

 そして数分して力尽きたのか、ようやく口を離した受付嬢は、はぁはぁと乱れた呼吸を繰り返す。

 

「満足したか?」

 

 ローグハンターは何だか変な感じがする首もとを撫でながら身体を離し、にこりと笑った。

 受付嬢が「は、はいぃ……」と力なく笑うと、彼は彼女の下着に手をかけて、一息でそれを引き剥がした。

 同時に豊かな胸が解き放たれ、ぷるんと揺れてその存在を主張した。

 昔からその曲線は美しく、見る人を魅了していたのだが、妻となり、母となってからは、やはり一回りほど大きくなっているように思える。

 ローグハンターはそれを見下ろしながら生唾を飲むと、片手で彼女の胸を鷲掴んだ。

 むにゅりと形を歪めて彼の手を受け止め、さらには元の形に戻ろうと押し返してくる。

 その弾力が堪らず、ローグハンターは黙々と指を這わせて彼女の胸の感触を堪能していた。

 

「ふぃ……あ……んん……はっ……」

 

 彼の指が動く度に受付嬢は切なげな声を漏らし、乳首がぷっくりと膨らんでいく。

 その様子をまじまじと見つめていたローグハンターは、一旦胸の感触を楽しむことを止め、今度は乳首に狙いを定めた。

 ゆっくりと顔を近づけて、ちらりと彼女の顔色を伺う。

 彼の意図を察した受付嬢は「ま、待って」と声を漏らすが、ローグハンターはそれを無視して乳首に噛みついた。

 ぷっくりと膨らんでいた乳首を一口で飲み込み、ちゅうちゅうと音をたてて吸い上げる。

 ちゅ~と長い時間をかけたり、短い時間で連続で吸ってみたり、あるいはわざと噛んでみたり。

 ふと思い付いた方法で、彼女の乳首を刺激していく。

 

「ひゃあ!?ひぎっ!んん!待って!あひっ!待ってくださいぃいいいいい!!」

 

 彼の行動一つで、乳首から全身に痺れるような快感が広がっていき、受付嬢は目を見開きながら喘ぎ声を漏らす。

 子供のそれとは桁違いの力が吸い上げられ、乳首が限界まで伸ばされる。

 子供は生きる為だが、ローグハンターは彼女を責める為にしているのだから、気遣いの程度も違う。

 

「ひぐっ!ぎぃ!すわ、すわらいでくだしゃい!!」

 

 乳首を引っ張られるせいで胸が縦に長く形を歪め、痛みにも似た感覚を彼女に与える。

 それでも快感が勝ってしまうのは、彼女の身体が彼の責めに順応している為か。

 快感の後押しと、彼に引き上げられる力で背中がしなり、ベッドには汗が垂れていく。

 

「ひぎっ!?あ、あれ、な、なんれすか、これ……!?」

 

 と、快感に喘いでいた受付嬢が、驚愕の色が強い声を出した。

 

「あひゅ!ひっ!な、何か、登ってきて……っ!」

 

 ビクビクと身体を痙攣させ、怖がる子供のように声を上擦らせる彼女とは対象的に、ローグハンターは疑問符を浮かべながら乳首を吸い続けていた。

 むしろ彼女の状態を把握しようと、より一層強く吸い始める程だ。

 

「ひにゃあ!?まっへ、だめ、です……!はなれてくだしゃい!!」

 

 いやいやと首を左右に振りながら喘ぐ彼女だが、その豊かな乳房の中を何かが登っていく。

 いや、この感覚には覚えがある。これは──。

 

「いやっ!出ちゃいます!また、出ちゃうぅううう!!」

 

 子供も大きくなって、胸の張りも落ち着いてきたというのにまだ残っていたのか、あるいはまだ微量ながらに作り続けていたのか、どちらかはわからないが。

 

「で、でます!でりゅ!いやぁあああああああああ!!」

 

 そして喉が割れんばかりの絶叫と共に、吸い上げられていた乳首から、白い液体が噴き出した。

 ローグハンターはぎょっと目を見開いて驚くものの、すぐに平静を取り戻して彼女の母乳を飲み始めた。

 こくりこくりと飲む度に喉仏が上下し、ほのかに温かく、甘い液体を飲み込む。

 

「いや、だめです、のんじゃ、や……」

 

 くぴくぴと赤子のように吸い付く彼を見ながら、受付嬢は涙目になりながら顔を背けた。

 そしてローグハンターが勢いよく口を離した瞬間、受付嬢は身体をベッドに沈め、乱れた呼吸を繰り返す。

 

「はぁ……はぁ……な、なんで……」

 

 また母乳が噴き出したことも疑問だが、構わずに飲んでしまう彼も彼だ。

 僅かに非難するように彼を見つめた受付嬢は、彼がぴたりと口を閉じていることに気付き、首を傾げた。

 彼なら何かしら言ってきそうなものだが、何かを考え込んでいるのだろうか。

 そしてそんな彼女の疑問は、すぐに解消された。

 ローグハンターが彼女の頭を押さえ、口付けをしてきたのだ。

 受付嬢は彼の不意打ちに「んん!」と声を漏らすが、直後に甘い液体が口に流し込まれた。

 

「んん!?」

 

 有らん限りに目を見開いた受付嬢は、それが自分の母乳であることにすぐに気付き、「んー!んー!」と声を漏らすが、流し込まれる勢いのままに喉を通り、胃の中へと落ちていく。

 こくこくと喉を鳴らし、自分が出した母乳を自分の体内へと戻す。

 受付嬢はそんな不思議な感覚に目を回すが、ローグハンターは構わずに口を離すと、口の端についた母乳を舐めとり、ニヤリと笑った。

 

「はぁ……はぁ……。んっ、はぅぅ……」

 

 対する受付嬢はもはや何かを言い返す気力もなく、呼吸に合わせて豊かな胸を揺らすだけ。

 潤んだ瞳に夫を映し、もじもじと太ももを擦り合わせているのは無意識の内だろうか。

 ローグハンターは舐めるように彼女の身体を視姦すると、ごくりと生唾を飲む。

 ここまで来たのだ、今さら後には引けない。

 彼は本能に突き動かされるがまま、彼女のズボンと下着を剥ぎ取ると、びしょびしょに濡れた秘裂を露にする。

 

「あ……や……」

 

 そこまですれば、流石の受付嬢も意識をはっきりさせてか、恥ずかしがりながらも股を閉じて秘裂を隠す。

 だが直後にはローグハンターの手により抉じ開けられ、再びさらけ出すことになるのだから、別に違いはないのだが。

 現に抉じ開けてしまえばそれまでで、受付嬢は諦めたかのように息を吐いた。

 秘裂をじっと見つめたローグハンターは柄にもなく舌舐めずりすると、汗で張り付く上着とズボンを脱ぎ、パンツを降ろした。

 同時に姿を現すのは、血管が浮かび上がるほどに勃起した自分の分身。

 赤子の腕のように太く、長いそれは、男の一物の中でも大きい部類に入るだろう。

 これからそれを受け入れることになる受付嬢は、緊張の面持ちで唾を飲み込むと、こくりと頷いた。

 それを確かめたローグハンターは反り返る一物を手で支え、彼女の秘裂へと押し当てる。

 くちゅりと湿った音が漏れ、受付嬢は「ん……」と声を漏らしてピクリと肩を揺らした。

 そのままゆっくりと馴染ませるように押し込んでいき、彼女の膣内を少しずつ掻き分けていく。

 

「くぅ……っ!んっ!ぎ、いぃ……!」

 

 一物を止めようと吸い付いてくるひだを強引に振り払い、鋭いかりが膣肉を引っ掻き回す。

 ねっとりと絡み付くような快感が彼女の胎内を渦巻き、ビリビリと脳が痺れるような感覚に襲われる。

 引き締まった膣肉を解しながら、どんどんと分泌される愛液を潤滑油にして更に前進。

 そして数分かけて進んだ彼の亀頭が、ついに彼女の子宮へと届いた。

 コツンと軽くぶつかった瞬間、先程とは違う鋭い快感が全身を駆け巡り、「ひゃん!!」と声をあげて身体を跳ねさせた。

 きゅんきゅんと膣肉が締め付き、膣内を満たした異物(一物)を追い出そうとひだが蠢く。

 ローグハンターは一物全体がくすぐられるような感覚に唸り、受付嬢の表情を覗いた。

 

「ふ……っ!くぅ……ん!はぁぁ……はぁぁ……」

 

 胎内を占める異物感と圧迫感に喘ぎ、呼吸が落ち着かずに肩が大きく揺れている。

 元は仕事仲間とて、彼女はギルド職員で、自分は冒険者だ。

 素の体力がそもそも違うし、痛みや苦しみへと耐性も大きく違うだろう。

 ローグハンターは苦し気に喘ぐ彼女の額に口付けを落とし、「動くぞ」と静かに告げた。

 受付嬢はその言葉にこくりと頷くと、「ゆっくり、お願いします……」と上目遣いになりながらお願いした。

 彼は一度だけ頷くと、言われた通りにゆっくりと腰を前後させ始めた。

 鋭いかりが膣肉を掻き、彼女の敏感な部分を余すことなく刺激する。

 

「くひ……っ!あっ……!い……ぎ……っ!」

 

 ゆっくりとした刺激は、緩やかな快感となって彼女の身体を駆けていき、けれど爆発することなく溜まっていく。

 引かれた亀頭が、再びゆっくりと膣肉を掻き分けて、口付けをするように子宮口に触れる。

 その瞬間だけ凄まじい快感が発生し、受付嬢は喘ぎ声と共に身体を跳ねさせた。

 同時に軽い絶頂を迎えたのか、途端に膣肉が引き締まり、彼の一物をがっしりと掴んで離さない。

 蠢くひだが一物を扱き、動けないローグハンターは余すことなくそれを受け入れる。

「くっ……」と呻いた彼は受付嬢の表情を伺い、余裕のなさそうな顔にぞわりと背筋が震えた。

 

「……」

 

 彼は無言で生唾を飲み込むと、締め付けてくる膣肉を強引に腰を振って振り払い、再び前後(ピストン)運動を再開。

 それだけでなく段々とその速度をあげていき、彼女の子宮を何度も殴り始めた。

 

「きゅい!?はっ!あっ!ひん!あん!ま、待って!はや、はやい……っ!」

 

 ビクビクと身体を震わせながら受付嬢は言うが、ローグハンターは構わずに腰の速度を上げていく。

 

「ひぐ!?あっ!あぎ!?ひっ!あっ!やっ!まっ!ひぎぃ!?」

 

 亀頭が子宮口を殴る度に腰が跳ね、動きに合わせてぷるんぷるんと大きな胸が揺れる。

 その動きがローグハンターの欲情を誘い、一物がより固くなり、連鎖的にかりにも力が入り、鋭くなる。

 そんな矢の返しの如きかりで、痙攣を繰り返す膣肉を引っ掻いてやれば、受付嬢は「ひぎゃあ!?」と声をあげて、鋭い快感に目を見開いた。

 先程から絶頂が止まらず、視界が揺れて点滅を繰り返す。

 息も吐く一方で上手く吸えず、口が開いているのに酸欠一歩手前という状態だ。

 ローグハンターは強烈な締め付けに唸り、眼前の雌に種付けしようと腰を振るいながら、ローグハンターは告げた。

 

「もう射精()るぞ……っ!全部、受け止めろ!」

 

「ひにぃ!あ、あひっ!はへ!ひゃい!くらしゃい、ぜんぶ、なかにっ!!」

 

 受付嬢は彼の動きに合わせてビクビクと身体を痙攣させて、なけなしの体力で叫んだ。

 その言葉に背を押されたローグハンターは、一物を支配する射精感に眉を寄せ、そしてすぐに我慢を止めた。

 ぞわりと背筋が震え、身体が戦慄いて鳥肌が立つ。

 

「ぐ……っ!」

 

 同時に限界を迎え、低く唸りながら腰を突き出した。

 ずりゅ!と湿りながらも勢いのある音をたて、一物が根元まで彼女の身体に入り込み、子宮を押し潰す。

 

「はにゃああああああああああああ!?!?」

 

 くわっと目を見開いた受付嬢は、絶叫しながら一際大きな絶頂を迎えた。

 弾かれるように跳ね上がった腰を、ローグハンターが両手で力まかせに捕まえ、精液を一滴残らず注ぎ込む。

 

「ひぎ!ぎっ、あっ、くぅ……っ!」

 

 身体に力が入っているのか、ぎゅっと目を閉じ、両手でシーツを握り締め、浮いた腰はかくかくと揺れている。

 その姿がまた愛おしく、ローグハンターは吐精感に任せて息を吐いた。

 そしてゆっくりと一物を引き抜けば、どろりとした白濁液が秘裂からこぼれ、受付嬢は膣内を精液が逆流する感覚に「ひぅ!」と声を漏らした。

 胎内の異物感が消えたことに安堵してか、身体を弛緩させた受付嬢は、乱れた呼吸のまま虚ろな瞳で天井を見つめた。

 

 ──終わった……?

 

 絶頂の余韻と、不足した酸素を求めて口が勝手に開き、伸びた舌を戻すことが出来ない。

 そんな彼女の耳に『ポン!』と少し異質で、気の抜けた音が届く。

 どうにか顔を持ち上げてみれば、ローグハンターが何やら水瓶を呷っており、受付嬢は言葉もなく疑問符を浮かべた。

 当の彼も彼女の視線に気付いたのだろう。何度か喉を鳴らして中身を飲み込むと、今度は口の中に溜めたまま彼女に顔を寄せた。

 そのまま逃げる事も出来ない彼女に口付けすると、ゆっくりと彼女の口内に中身を流し込んだ。

 

「ん……。んく、んく、んく」

 

 何かはわからずとも、きっと毒ではないと判断した受付嬢は、されるがままに飲み込んでいく。

 飲めば飲むほど身体の芯がぽかぽかと温まり、失った体力が僅かばかり回復したようにも思える。

 

 ──ああ、強壮の水薬(スタミナポーション)を……。

 

 彼が行為の前に言っていたことや、その独特な味から察した受付嬢は、彼の顔が離れると同時にホッと息を吐いた。

 回復したとはいえ、全快には程遠い。あくまで多少動けるようになった程度だ。

 だがそれは、量はともかく回復したということであり、恐る恐る彼へと目を向ければ。

 

「よし、まだ行けるな」

 

 ゴキゴキと首を鳴らし、固さを取り戻した己の分身を見下ろしながらそう意気込んでいた。

 受付嬢は力なく笑うと、彼に身を任せるように両腕を広げた。

 彼女の行動にローグハンターは嬉しそうに笑うと、彼女の腕の中に納まり、同時に再び固くなった一物を彼女の秘部へと押し込んだ。

 時刻はまだ昼過ぎ。二人で楽しむには時間はたっぷりあるし、息子が帰ってくる──と言うよりは迎えに行く──のは明日だ。

 一晩中どころか、一日中でも相手をしてやれるのだ。

 離れていた三週間分の愛を注ぐまで、彼は止まらないのだ──。

 

 

 

 

 

 翌日、昼頃。

 

「それで、昨日はどうだった?」

 

「えっと、牛さんを追っかけてね、あとは牛さんからぎゅーにゅー?をとったの!」

 

「そうか。それはよかった」

 

 うきうきと上機嫌そうに笑う息子の手を引きながら、ローグハンターもまた嬉しそうに笑った。

 子供の頃の経験は、大人になっても生きるのだ。出来る内に、出来るだけの事をやらせた方が、この子の為にもなる。

 

「ねえ、おかーさんは?」

 

「お母さんは寝てる。何だか疲れているみたいでな」

 

「そっかー」

 

 早く母親にも話がしたかったのか、残念そうに唇を尖らせた。

 

「まだ寝てるから、静かにな」

 

「はーい」

 

 そんな話をしている内に家に着き、ガチャリを音をたてて錠を外す。

 小さめの声で「ただいま~」と言ってから家に入った息子の後を追い、「ただいま」と呟いてから家へと入る。

 そして二人はお互いに向き合って、「「お帰りなさい」」と同時に言った。

 直後には二人して可笑しそうに噴き出し、その笑顔がよく似ているのだから、まさに親子といったところ。

 

「どうせ寝れてないんだろう?部屋行って、寝るか」

 

 ローグハンターは断定的にそう言うと、息子の頭を撫でてやる。

「ん~」と気持ち良さそうに目を細めた息子は、大口を開けながら「くぁ~」と声をあげて欠伸を漏らし、くしくしと目を擦った。

 牧場に行った日は、基本的に興奮しているのか寝不足で、帰ってきたら泥のように眠るのだ。

 そこがまた可愛いのだから、ローグハンターも強く何かを言ったりはしない。

 

「ほらほら、本でも読んでやるから」

 

「ん……」

 

 ローグハンターは立ったまま船を漕ぎだした息子の背を押して、子供部屋へと誘導していく。

 そんな二人が通りすぎた寝室では、

 

「ぁ……ぇ……ひぐっ!」

 

 ベッドの上で大量の口付けを痕(キスマーク)をつけられた身体を大の字にし、秘裂から大量の白濁液を吐き出している受付嬢が、瞳から光を失わせたまま呻いていた。

 彼が満足するまで吸われた乳首は、膨らんだまま戻っておらず、何も触れていないのに母乳が滲む。

 身体中に珠のような汗を浮かべ、汗に濡れた髪を含め、カーテンの向こうから漏れる陽の光に照らされてキラキラと輝く。

 そんな淫靡で、美しい光景を知るのはローグハンターただ一人。

 息子にも、天上の神々にも、この光景を見せないのは一重に彼の独占欲が働いただけ。

 弱きを救い、悪を討つローグハンターとて、人並みの欲望はあるし、下手をすればそれは人並みを遥かに越える。

 

 ──その愛を受け止めるのは、冗談抜きに命懸けなのだ。

 

 

 

 




感想、リクエスト等ありましたら、よろしくお願いします。


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Memory?? 勉学よりも温もりを

リクエストから。

ヒロインは女魔術師で、既に子持ち。
妹の勇者ちゃんとはともかく、流石に年が離れすぎている(およそ十歳差)ような気がするので、ちょいとオリジナル設定を。

ログハンが四方世界にきたタイミングを、単純にゴブスレ本編の直前に。
弱冠二十歳。勇者たちの援護があったとはいえ、四方世界に来て二年足らずで世界を救ったヤベー奴に……。

本編以上の逸材になっている気がしますが、パラレルワールドなので細かいことは言いっこなしでお願いします。



 辺境の街。とある一軒家。

 質素で、素朴なその家に唯一続く街道を、一人の女性が歩いていた。

 腰まで伸ばされた赤い髪に、三角帽子。

 黒いローブに身を包んではいるものの、腰帯で留めている為か、豊かな胸の膨らみや、コルセット要らずの括れた腰がより強調され、スリットから見え隠れする足はすらりと長い。

 手にしている杖には柘榴(ざくろ)石が填められており、彼女がかの有名な学院を卒業した証だ。

 そんな彼女は疲労からか溜め息を吐き、ふと夜空を見上げた。

 愛する夫の瞳にもよく似た空の色は、こうして見ているだけでも落ち着くし、優しい月明かりは疲れた瞳を癒してくれる。

 新人時代の頃からの友人たちから、いきなり仕事の手伝いを頼まれた挙げ句、終わってみれば丸一日かけた大仕事。

 銀等級になったにしろ、流石に疲れてしまうのは仕方があるまい。

 

「キィー!」

 

 そんな彼女──女魔術師の耳に届くのは、彼の相棒たる鷲の鳴き声だ。

 夜中にも関わらず見守ってくれているのか、空中で円を描き、優雅に夜空を舞っている。

 しばらく鷲を見つめていた彼女は目を落とし、煙突から煙が上がっている我が家に目を向けた。

 くぅと腹の虫が鳴き、僅かに足取りが軽くなる。

 誰かが料理を作っていて、今からそこに帰るのだ。

 何故だか不思議と心が踊るのは、身体は成長しても精神的には未熟だからだろうか。

 そんな事を思いながら、彼女は自宅の玄関を開けた。

 暗い廊下の奥からは料理に勤しむ夫の声と、それを眺めているのであろう娘の笑い声が聞こえてくる。

 

「ただいま~」

 

 わざとらしく間延びした、聞き手によっては間の抜けたと思われるような声で言えば、廊下の向こうからぱたぱたと慌ただしい音をたてながら小さな人影がかけてきた。

 

「おかえりなさいっ!」

 

 ぴょんと跳んで胸に飛び込んできたのは、赤い髪に蒼い瞳をした少女だ。

 彼女は嬉しそうに笑う母の胸に抱きつきながら、「ひゃ~♪」と嬉しそうに奇声をあげている。

 

「はい、ただいま。お父さんは料理中?」

 

「うん!」

 

 しっかりと両腕を娘を抱き止めた女魔術師が問うと、少女は満面の笑みを浮かべながら頷いた。

 そんな顔が愛おしく、女魔術師ははにかみながら杖を壁に立て掛けると、優しく彼女の髪を撫でてやった。

 これまた「ひゃ~♪」と楽しそうに笑う娘の顔は、見ているだけでも疲れが吹き飛ぶというもの。

 

「楽しそうで何よりだが、料理が冷めるんだが……」

 

 そんな二人に向けて、心底申し訳なさそうな声音で声をかけたのは、少女の父親であり、女魔術師の夫。

 本来の物語よりも僅かに幼いが、確かに同じ人物。

 とある戦いの影響で白く脱色された髪。

 夜空を閉じ込めた蒼い瞳。

 整った顔立ちを、唯一歪める口許の傷。

 この世界でも一部の者から恐れられ、尊敬される、ローグハンターその人に間違いはない。

 彼は苦笑混じりに頬を掻き、「本当、冷めてしまうんだが……」と改めて言った。

 

「はいはい。今行くわよ」

 

「いまいきまーす!!」

 

 女魔術師と娘はそっくりな笑顔を浮かべると、ローグハンターの方へと歩き出した。

 今日も世界は平和だ。少なくとも、彼女の目が届く範囲では、だが──。

 

 

 

 

 

 夜も更け、娘も眠りについた頃。

 寝巻きに着替えた女魔術師とローグハンターは、ベッドの上にいた。

 そうは言っても寝ているわけではなく、ローグハンターはベッドの上にどかりと座り込み、女魔術師が彼の胸に寄り掛かりながら、魔術に関する書物を読んでいるだけのこと。

 室内はだいぶ暗いのだが、窓から入り込む月明かりを借りれば造作もなく、彼女はずれた眼鏡の位置を直しながら書物を読み耽る。

 彼女の肩に頭を乗せながら、彼女の座学に便乗するローグハンターは、文字の羅列を一言一句見逃すことなく頭に叩き込む。

 

「ねぇ……」

 

 そんな彼に声をかけた女魔術師は、顔を横に向けて間近にある彼の顔を見つめると、「ちょっと近いんだけど」と苦言を漏らす。

 ローグハンターは「む……」と声を漏らすが、退くつもりはないのか彼女の肩に体重をかけた。

 

「……」

 

 流石に鬱陶しいという感情が高まった女魔術師は、大きく肩を跳ねさせて彼の頭を退かし、再び読書に集中。

 顎をかちあげられたローグハンターは「ぐぉぉ……っ」と痛みに唸るが、女魔術師が相変わらず自分に寄りかかっていることに気付いて頬を緩めた。

 ここまでなら怒られないだろうと勝手に決めつけ、両腕を彼女の腹に巻き付けて、ぎゅっと抱き締めた。

 女魔術師は驚いたのか肩を跳ねさせるものの、何も言ってくることはなく、読書を続けている。

 彼女に見えないことをいいことに、だらしのない笑顔をこぼしたローグハンターは、何を思ってかそのまま彼女の腹を撫で始めた。

 鍛えてはいるものの、彼女は前衛職ではない。

 多少筋張ってはいるものの触れてみれば柔らかく、捏ねるように撫でてやればくすぐったそうに肩が震える。

 その様が何だか面白く、ローグハンターはその中に子供がいるような手つきで彼女の腹を撫で続けた。

 摩擦が温もりを生み、温もりが安堵を誘い、安堵が眠気を誘う。

 おかげで重くなってきた瞼をどうにか持ち上げた女魔術師は、溜め息混じりに「今は誰もいないわよ」と彼に体重を預けた。

 隣の部屋で寝ているあの子が産まれる前は、彼はこうして撫でてきた事を覚えているし、それに安堵していた自分がいたことも確かだ。

 ローグハンターは「知っている」と端的に答えるが、「だが、嫌いじゃないだろう?」と耳元で囁いた。

 女魔術師は言葉では答えずとも、僅かに頬を赤く染めながら、小さく一度だけ頷いた。

 その反応ににこりと笑ったローグハンターは、そのまま按摩(マッサージ)を続行。

 鳩尾の辺りに手を置いて、ゆっくりと下腹部に向けて撫で下ろす。

 下腹部にたどり着けば、来た道を戻るように撫で上げて彼女の腹を往復。

 それを数度繰り返してやれば、女魔術師は脱力したまま彼に身を預けるが、その瞳は変わらず本へと向いている。

 だが先程から(ページ)が進んでおらず、集中が途切れたのは明らかだ。

 ローグハンターは服越しに撫でることにも飽きたのか、上着の裾に手を入れ、直に肌を撫で始めた。

 瑞々しく張りのある肌は温かく、僅かに湿っているのは汗が滲んでいるからだろうか。

 

「ふっ……!んっ……。はぁ……」

 

 そのまま変わらずに撫でてやれば、女魔術師は我慢出来ずに声を漏らし、すぐに口を継ぐんで声を抑えた。

 だが身体の反応は隠しきれるものではなく、小刻みにピクピクと震え始めた。

 それを合図にしてか、ローグハンターの手は鳩尾を通りすぎ、そのまま女魔術師の胸を鷲掴んだ。

 

「ひゃ……!?」

 

 片手で腹、片手で胸を押さえられた彼女は声を漏らすが、彼は構わずに両手を動かし始める。

 腹に触れている手は按摩を続け、胸に触れた手は五指を蠢かして、彼女の胸を刺激し始めた。

 

「あっ……!んん……っ!ふっ、ん~っ!」

 

 温かな感覚と、痺れるような快感に、女魔術師は自分の指を噛んで声を押し殺す。

 手放された本は音をたててベッドの上に落ちるが、既に二人の興味の対象から外れているため気にも止めない。

 力を入れて、もにゅもにゅと手のひら全体で揉んでやれば、柔らかく形を歪めた彼の手を受け止める。

 

「ん……っ!くっ……!ふぅ!ふぅ!」

 

 彼が胸を揉む度に女魔術師は身体を震わせ、力んだ吐息が口から漏れる。

 顔こそ見えないが、それだけでも十分なのかローグハンターの表情は笑っている。

 

「ふっ……!んん!しつ、こい……っ!」

 

 対する女魔術師は耳まで真っ赤に染め、太ももを擦り合わせながら、蕩けかけた表情を強張らせる。

 このまま彼の流れ(ペース)に乗ってしまえば、きっと大変なことになるのは過去の経験から学んでいる。

 学んでいてもどうにもならない事もあるが、今回はまだ優位を取れる状況ではある筈だと、蕩けかけた思考に喝を入れた。

 とりあえず背後を取られているのはいけないなと、今までの冒険を通して知っているから、そこからどうにかせねばなるまい。

 この際蹴っ飛ばしてでも、と暴力的な事を思慮した瞬間だ。

 

「ひゃん!?」

 

 鋭い快感が彼女の全身を駆け回り、上擦った声が口から放たれた。

 ぎょっと目を見開いた女魔術師は慌てて口を塞ぐが、それが聞こえていたローグハンターは少々邪悪な笑みをこぼし、腹を撫でていた手に意識を向けた。

 何やら考えている隙に下着に手を突っ込み、秘裂を撫でてやっただけのこと。

 そのまま秘裂を開いて、豆のように固くなっている陰核(クリトリス)を指で詰まんでこりこりと転がしてやれば、女魔術師は「んんんん!!!」と声を漏らし、かくかくと腰を揺らし始める。

 

「いつも言っているが、我慢は身体に毒だぞ?」

 

 真っ赤になった耳元で囁けば、「うる、さい……!」と何故か強がるような事を言う。

「むぅ」と唸ったローグハンターが再び陰核を転がせば、彼女の意志に反して身体は素直に反応してしまう。

 

「ひぎ!んん!ん~!!んぐ、んんんん!!」

 

 ビクン!ビクン!と大きく肩を跳ねさせる女魔術師は、それでも声を出すまいと耐えるのだが、体内を渦巻く快感は少しずつ彼女の脳へと届き、視界にバチバチと火花が散る。

 

「だ、だめ!ひぐ!わか、わかった!素直に、ひぎ!あっ!素直になるからぁ!ちょっと、ちょっと待って……っ!」

 

 快感に喘ぎながらもどうにか言葉を紡ぐと、ローグハンターは素直に手を止めた。

 途端に強烈な快感が余韻を残して消え、女魔術師ははぁはぁと乱れた呼吸を繰り返す。

 彼からの責めが止まったのはいいが、逆を言えば溜まった快感が出口を失ってしまった。

 体内で蠢く快感の余韻に身体を震わせながら、女魔術師は身体を回して彼の方を向いた。

 彼も彼で興奮しているのか、頬が朱色に染まり、蒼い瞳も潤んでいる。

 だがそれは自分とて同じなのだ。彼の瞳に映る自分の顔も、彼と対して違いはない。

 鼻先が触れ合う距離で見つめあうこと数秒。

 先に我慢の限界を迎えたのは、女魔術師の方だ。

 彼女は彼を全体重をかけて押し倒し、そのままズボンとパンツを纏めてずり降ろした。

 同時に拘束から解き放たれた一物が天井に向けて伸び、さながら塔のように屹立している。

 

「……!」

 

 むんと香った雄の臭いに狼狽えながら、女魔術師は自分の下着を脱ぎにかかる。

 面倒だからとズボンとショーツから片足を抜くだけで脱ぎ、膝の辺りに放置しておく。

 先程の彼の責めで絶頂一歩手前まで追い詰められた身体は、一刻も早いそれの解放と、目の前の雄の種子を求めて興奮し、秘部からは愛液が垂れている。

 そこに触れようと伸びてきた彼の手を振り払い、こっちの番だと言わんばかりに彼の身体に馬乗りになった。

 

「私がやるから、あなたは見てなさい」

 

 多少無理をして余裕そうな笑顔を浮かべ、屹立する一物の上に身体を持っていく。

 子供の拳のような亀頭に秘裂を擦り付け、愛液で濡らして滑りを良くする。

 そして準備が整うと同時に「いくわよ」と一方的に告げて、彼の返事を待たずに腰を落とした。

 ずりゅ!と勢いのある音をたてながら、彼女の秘部は子宮を潰されながらも、彼の一物全てを飲み込んだ。

「かっ……!」と肺の奥から声を吐き出した女魔術師は、身体を仰け反らせて天井を仰ぎ見ながら、絶頂を迎えていた。

 数秒とはいえ我慢していた為か、身体がガクガクと痙攣し、接合部からは潮が噴き出す。

 

「くぁ……はぇ……へっ……」

 

 天井を見上げたまま恍惚の表情を浮かべる女魔術師は、口から気の抜けた声を漏らした。

 それを見上げるローグハンターは不意に手を伸ばすと、彼女の上着を捲りあげ、ブラジャーを剥がして豊かな胸を露出させた。

 出会ったばかりの頃から大きかったが、出産と子育てを経てもう一回り大きくなり、今では子供の頭ほどありそうだ。

 ぷっくりと膨らんだ乳首は充血して真っ赤に腫れ上がり、浮かんだ汗が谷間を落ちていく。

 寝ながら絶景を見るかのように腕を枕にしたローグハンターは、じっと彼女の痴態を視姦する。

 絶頂しているためか膣肉の締め付けが凄まじく、蠢くひだが指のように一物全体をくすぐってくる。

 笑みを浮かべながら眉を寄せたローグハンターは、「動いてくれないのか?」と彼女を煽った。

 

「え……?あ……!ちょっと、待ってなさい……っ!」

 

 彼の言葉にハッと意識を戻した女魔術師は、痙攣する身体に鞭を打ち、彼の胸板に両手をついた。

 そこと両膝を支えに身体を浮かせれば、かりが膣肉を引っ掻き回し、痺れるような快感で身体から力が抜けていく。

 

「くっ……!ふ……っ!んんっ!」

 

 どうにか踏ん張って一物が抜ける直前まで身体を持ち上げたものの、ここからゆっくり降ろすのはかなりしんどい。

 はぁ、はぁ、と落ち着かない呼吸を繰り返し、身体中に珠のような汗を浮かべながら、自分の時機(タイミング)で腰を降ろそうとしたが、

 

「もう我慢できん……っ!」

 

 突然身体を起こしたローグハンターが彼女の腰を掴み、思い切り引き落とした。

 ずりゅ!!と先程以上の速度と勢いのこもった音と共に、一物が女魔術師の胎内へと入り込み、油断していた子宮を一撃で押し潰す。

 

「へ……?」

 

 女魔術師が事態を把握できず、間の抜けた声を漏らした瞬間、意識と身体の感覚が繋がりあい、凄まじい快感を彼女へと叩きつけた。

 

「ひぎぃいいいいいいい!?ふぇ、あ、な、ひぃいいいいいいいい!!」

 

 ビクン!と身体を大きく跳ねさせたかと思えば、身体を小刻みに痙攣させながら再びの絶頂を迎えた。

 反射的に身体が仰け反りそうになった瞬間、ローグハンターの手が彼女の頭を掴み、絶頂に歪む顔を真正面から見つめた。

 潤んだ瞳。緩んだ頬。だらしなく開いた口と、そこから伸びる舌。

 その全てを網膜に焼き付け、絶対に忘れないように脳へと刻み付ける。

「あひ!あへ!ぎひぃ!」と、ローグハンターが一切動いていないにも関わらず快感に喘ぎ、勝手に絶頂してしまう。

 

「……」

 

 その様子を無言で見つめていたローグハンターは、やはり無言のまま腰を突き上げ始める。

 片手でとはいえ彼女の腰は押さえられているため逃げることは出来ず、常人離れした肉棒が、彼女の胎内を蹂躙していく。

 

「ひぎっ!あぐ!ひぃ!だめ、なのに!きょうは、わらしが、がんばるって、きめたのにぃ!!」

 

 腰が突き上げられる度に絶頂する女魔術師は、大粒の涙を流しながらそう言うが、ローグハンターはその涙を舐め取ると、彼女の眼鏡を外してやった。

 

「心遣いはありがたいが、お前の方が疲れているだろう?」

 

 彼はそう言うと彼女の頬に口付けし、彼女を抱えたまま身体を転がし、覆い被さりながら優しくベッドに寝かせてやった。

 女魔術師は「あ……」と切なそうに声を漏らすが、相変わらず彼の一物は彼女の胎内を貫いている。

 

「俺に任せろ。いいか?」

 

 念のためと確認すれば、女魔術師は渋々と──けれど期待しているように──頷いた。

 それが確認出来てしまえば、あとはローグハンターの独壇場。

 手加減は無用と言わんばかりに腰を振り始め、パンパン!と音をたててローグハンターの腰と女魔術師の臀部がぶつかり合う。

 

「あん!ひゃん!きもち、いい!!そこ、もっとついてぇえ!!」

 

 女魔術師も開き直ったのか、彼の腰に足を巻き付けながら嬌声をあげ、もっともっとと求めるようにひだが蠢く。

「ここだよなっ!」と声を絞り出したローグハンターが腰を突き出せば、ごりっ!と膣肉が抉れる音が漏れ、女魔術師は「ひぎゅあ!!」と目を見開きながら声をあげた。

 

「ほら、ほら、ここがいいんだろ!」

 

「ひぎ!あぐ!んひぃいいい!そこ!そこ、いいっ!!」

 

 ごりごりと肉を削るような音を漏らしながら一物が出入りを繰り返し、掻き出された愛液が滴ってシーツを汚す。

 

「ひぎゅ!あっ!ね、おね、がい!ぜんぶ、ちょうだい!また、わたしに、あかちゃんうませて!!」

 

「っ!ああ、任せろ……っ!」

 

 快感で蕩けた思考から吐き出された言葉は、女魔術師からの珍しいおねだりの言葉だ。

 ローグハンターは一瞬だけ驚きを露にするが、すぐに思考を切り替えて腰の動きを激しくさせた。

 目の前の雌を孕ませてやると、絶対に種付けしてやると、気合いが入った一物も更に固くなり、亀頭が子宮口をコンコンとノックする。

 

「ひぐ!いっ!あああああああああああ!!」

 

「ぐっ、うぅ……!!」

 

 そして最後の一突きを放った瞬間、女魔術師は絶頂を迎え、ローグハンターもまた吐精の瞬間を迎えた。

 どろりと粘った精液が彼女の子宮に直接注ぎ込まれ、体温よりもほのかに熱い液体が、子宮を満たしていく。

 

「あ……は……くぅ……」

 

 ピクピクと身体を痙攣させながら、女魔術師は絶頂の余韻と精液の熱さに浸り、ローグハンターは疲労のままに身体を倒し、彼女の身体に覆い被さった。

 同時に萎えた一物が抜け、溢れた精液が秘裂からこぼれてシーツに垂れていく。

 豊かな胸が潰されて形を歪め、二人の汗が混ざりあって独特な臭いが互いの嗅覚を刺激する。

 

「はぁ……はぁ……ね、ねぇ……?」

 

「んぅ……?」

 

 二人してぜぇぜぇはぁはぁと呼吸を乱している中、女魔術師が恥ずかしそうに目を背けながらぼそりと呟いた。

 

「き、キスしてくれないかしら……?」

 

 彼女のお願いに、ローグハンターは思わず苦笑を漏らし、そしてすぐに「いいぞ」と告げて彼女の唇を塞いだ。

 ゆったりとした動作でお互いの舌が絡み合い、くちゅりくちゅりと湿ったら音をたてながら唾液を交換しあう。

 数秒か、数分か、二人にとって時間はどうでもよく、満足いくまで口付けをした二人は、揃って口を離すと共に笑顔を交換。

 ローグハンターが女魔術師の上から退いて、お互いに身体を倒して横向きにしながら向かい合う。

 女魔術師は彼の精液が溜まっている子宮を肌越しに撫でて、何やら意味深な笑みをこぼす。

 

「名前、何にしましょうか」

 

 まるでもう子供が出来たことが当然のような声音で告げると、ローグハンターもまた「そうだな」と呟いて顎に手をやった。

 

「まあ、性別によるだろ」

 

「それもそうね」

 

 そしてローグハンターの最もな言葉に、女魔術師は可笑しそうに笑いながら頷く。

 彼女の子宮の中では、吐き出された卵子が精液の群れに襲われ、既に子供をなす準備が完了しようとしていた。

 ローグハンターは来年はきっと騒がしくなると嬉しそうに笑い、女魔術師は大変な一年になりそうと内心で覚悟を決めた。

 冒険者であろうがなかろうが、次に来る年に何が起こるのかは誰にもわからない。

 けれどきっといい一年になると信じ、今日という日を生きるのだ。

 来るかもわからない来年に怯えていては、きっとその人生はつまらないものになる。

 少なくとも、女魔術師はそう信じていた──。

 

 




感想、リクエスト等ありましたら、よろしくお願いします。


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Memory?? 高貴なる血

リクエストから。

ヒロインは令嬢剣士。ログハンとは既に夫婦ですが、こちらでも年齢調整して、年の差を小さめにしています。



 この国の中心地たる都から、馬車に揺られること二日。

 都の喧騒から遠く離れ、大自然に囲まれたいと願いの下建てられた別荘(ログハウス)の中に、二つの人影があった。

 小さな卓を挟むように椅子にこしかけ、窓の外を見ながら談笑しているのは、二人の男女だ。

 一人は白く脱色された髪をうなじの辺りで纏めた男性。

 蒼い瞳で周囲を見渡し、怪しいものがないかと警戒を続ける。

 そんな彼の右隣にいるのは、背中を隠すほどに伸びた蜂蜜色の髪を、窓から入り込む風に揺らしている女性だ。

 白いワンピースを着ているものの、生地を押し上げる豊かな双丘や、コルセット要らずの括れた腰は隠せるものではなく、風に揺れる裾からはちらちらと染みひとつない白い足が覗いている。

 二人はかつて冒険者だった頃の思い出を語り合い、時には笑い、時には悲しげな表情を浮かべる。

 

「色々と大変ではありましたが……」

 

 ふと蜂蜜色の髪の女性が窓の外に目を向けて、三人では心配だからとついてきた女性の使用人に追いかけられてい少年へと目を向けた。

 自分譲りの蜂蜜色の髪は陽の光に当てられて宝石のように輝き、父親譲りの蒼い瞳は楽しそうに細くなっている。

 庭を右へ左へと駆け回るあの子を捕まえられるのは、動きやすい格好をした自分か父親程度のもの。

 蜂蜜色の髪の女性は「あの子に会えて、良かったですわ」と鈴を転がしたように笑った。

 

「そうだな」

 

 同じく息子の様子を見つめていた彼女の夫は、卓に頬杖をつきながら頷き、「元気そうでなによりだ」と嬉しそうに笑う。

 自分があの年の頃は、両親の死も相まって塞ぎこみ、一日中部屋に閉じこもっていた。

 それなのに、こうして結婚して子供まで出来るとは、人生とはわからないものだ。

 その元気溌剌な息子は、両親に見られていることに気付いて「とーさま、かーさま!」と足を止めてぶんぶんと手を振った。

 二人が笑いながら手を振り返せば、息子は嬉しそうに笑い、再び駆け出そうとするが、

 

「捕まえました!」

 

「ぴっ!?」

 

 背後に回っていた使用人の女性に抱き上げられ、何とも可愛らしい声をあげて驚愕を露にした。

「つかまった~」と楽しそうに笑う息子と、ぜぇぜぇと喘ぐ使用人たちを見つめながら、彼の両親は可笑しそうに噴き出す。

 かつてローグハンターと呼ばれた男と、彼の相棒であり、最愛の女性となった令嬢剣士は互いに見つめあうと、照れたようにはにかみながら顔を逸らす。

 愛する人の笑顔はいつ見てもいいものではあるが、やはりこうも近いと照れてしまう。

 そんな二人を見ていた使用人は、他所でやれと言わんばかりに冷たい目になりながら、すぐに諦めたように溜め息を吐いた。

 そもそも付いてきてしまった自分の失敗(ミス)だ。

 とりあえず二人が帰る気になるまでは我慢しようと決めて、二人の息子をぎゅっと抱き締めた。

 息子は急に強まった力に「み!?」と声を出して驚くものの、痛くはないからと受け入れる。

 そんな息子と使用人を見つめながら、ローグハンターの視線は鋭い。

 一応整地し、柵で囲んでいるとはいえ、ここは森の中だ。

 ゴブリンが出るかもしれないし、空き家だと思い込んだならず者が来るかもしれない。

 愛する家族と一緒にいても、警戒心は変わらない。

 それは深刻な職業病のようなもので、ちょっとやそっとでは変わらない。

 そんな彼の変化に気付いた令嬢剣士はそっと彼の手を握り、「力を抜いてくださないな」と微笑んだ。

 彼女の温もりを感じながら、ローグハンターは深呼吸と共に「そうだな」と呟き、僅かに力を抜く。

 

「……せめて他所でやってください」

 

 息子を抱いたまま戻ってきた使用人が、嘆息しながらそう告げて、ローグハンターと令嬢剣士は頬を赤らめながら顔を背けた。

 結婚して、子供までいるというのに、何を初々しい反応をしているのだこいつらはと、冷たい視線を二人に向けて、再びの溜め息。

 これでもローグハンターは円卓に名を連ねる人物で、令嬢剣士はその商才から家に更なる発展を与えた人物だ。

 そんな二人と、その子供の護衛(・・)をたった一人で任せられる彼女もまた、それなり以上の実力者なのだが、それはここで語るものではない。

 本来の世界線から大きく逸脱したこの物語に、深く語る意味はないのだから──。

 

 

 

 

 

 時間を過ぎるのは思いの外早いもので、時刻は既に夜。

 双子の月が姿を現し、満点の星空が世界を見下ろす。

 そして、ローグハンターと令嬢剣士の二人はそんな夜空を眺めて──、

 

「ん……。はふ……っ。ちゅ……」

 

 いることはなく、令嬢剣士がローグハンターに接吻の雨を降らせていた。

 お互いに裸になってシーツにくるまり、身体を隙間なく密着させてお互いの体温を共有する。

 シーツの中で二人の足が絡み合い、ローグハンターの腕が令嬢剣士の腰を押さえて離さず、彼女の豊かな胸が彼の胸板に潰されて柔らかく形を歪めていた。

 

「ん~……!はむ!ちゅ……っ!」

 

 令嬢剣士の両手はローグハンターの頭を押さえ、彼の口の中に舌を押し込む。

 対するローグハンターの反応も鈍いもので、入り込んでくる彼女の舌にゆっくりと絡み付く。

 彼の口からはくちゅり、くちゅりと湿った音を漏らし、溢れた唾液を彼の舌へと塗りたくる。

 もちろん変わりに彼の唾液も受け取るのだが、無論それは嫌ではない。

 彼の唇を甘噛みし、犬歯を舐めて、舌を絡める。

 ローグハンターはくすぐったいのか小さく唸り、細くなった瞳が僅かに潤んで見える。

 令嬢剣士は愉しそうに目を細め、一度接吻を終えて顔を離した。

 二人の間を唾液の糸が繋ぎ、重力に引かれるがままシーツへと落ちていく。

 

「はぁ……はぁ……ふふっ……」

 

 長いこと口付けをしていた為か、令嬢剣士は肩を揺らして呼吸を整えながら、彼の表情を見つめて可笑しそうに笑った。

 口付けの余韻に浸っているのか、それとも口を閉じることも億劫なのか、口を半開きにしたまま瞳を蕩けさせ、随分とだらしのない表情になっているのだ。

 今のうちに追撃をと、再び彼に口付けしようとした矢先、それよりも早くローグハンターの表情が引き締まる。

 同時に彼は彼女の首もとに顔を寄せて、唇で挟むように噛みついたのだ。

「ひゃ!」と声を漏らす令嬢剣士を他所に、ローグハンターはくすぐるように舌を這わせて彼女の味を堪能し、思い切り吸い上げて痕を残す。

 

「っ!?ま、待ってくださいまし!そ、そこは見えてしまいますわ!」

 

 ──と、恍惚の表情を浮かべていた令嬢剣士はハッとして、慌てたように声をあげた。

 帰りに着ていく服は、首まで隠せるようなものがない。

 そんな場所に口付けの痕(キスマーク)をつけられてしまえば、明日使用人に何を言われるか。

 一人慌てる令嬢剣士を他所に、ローグハンターは彼女の声を無視して顔を下げ、今度は彼女の胸元に口付けし、痕を残す。

 

「ひゃわ!?き、聞いてらっしゃいますか?!あ、あの、ですから、そこは……っ!」

 

「……あまりうるさいと、あの子が起きてくるぞ」

 

「っ!そ、それはそうですけれど……っ!」

 

 苦情に対して正論をぶつければ、令嬢剣士の声が尻すぼみになっていく。

 いつものことではあるが、それが堪らなく愛おしいローグハンターは、絡めた足を解くとそのままシーツの中へと潜り込んだ。

 豊かな胸のあちこちを吸い上げて痕を残し、乳首にも口付けを落とす。

「ひゃん!」と明らかに艶っぽい声が漏れたが、ローグハンターは構わずに更に下へ。

 冒険者だった頃に比べれば、だいぶ柔らかくなった腹部にも口付けし、更に下へ。

 そこまで来て彼の狙いを察した令嬢剣士は、慌てて彼の頭を押さえた。

 

「ま、待ってくださいまし!それ以上は汚いですから……っ!」

 

「お前の身体に汚い場所なんかあるか」

 

 そんな彼女の言葉に、シーツの中から明らかに不機嫌そうな声が聞こえ、ローグハンターが頭を振って彼女の手を払う。

 そのまま片手で太ももを、もう片方の手で胸を撫でてやりながら、たどり着いたのは彼女の足の付け根。

 目の前で鼻息に揺れるのは、彼女の髪と同じ色をした陰毛で、鼻先で触れてやれば令嬢剣士はくすぐったそうに声を漏らし、身体から力が抜けた。

 そしてその瞬間、ローグハンターは彼女の太ももの内側に手を入れて、閉じていた足を抉じ開ける。

 同時に香るのは、ほのかに甘い彼女の香りだ。

 ローグハンターは彼女の股間に顔を埋め、肺一杯にその臭いを吸い上げる。

 

「ひゃん!駄目、駄目ですわ!くすぐったい……っ!」

 

 ピクピクと身体を小刻みに揺らし、笑うのを我慢しているのか、あるいは羞恥からか声を震わせるが、ローグハンターは気にしない。

 目の前で微かに湿っている彼女の秘裂に口付けをすることが、他の何よりも勝ってしまったのだ。

 そして彼は何の躊躇いもなく彼女の秘裂に口付けすると、溢れる愛液をじゅるじゅると音をたてて吸い上げた。

 

「ひぃい!?な、何を──」

 

 秘部を吸い上げられるという未知の感覚に喘いだ彼女は、シーツを捲って状況を確認しようとするが、それよりも早くローグハンターの舌が秘部へと滑り込んだ。

 僅かな異物感に「ひぐ!?」と声を漏らした令嬢剣士は、身体に電撃が走ったような衝撃に身体を仰け反らせる。

 逃げようと腰を引こうとするが、ローグハンターの両腕が肉つきのいい安産肩の臀部を鷲掴み、それを阻止。

 むしろ五指全てを使って彼女の臀部を揉み始め、程よい指圧の感覚に身体を震わせる。

 

「はひゅ!んんっ!んぅ……っ!」

 

 腕のいい按摩師にされているように、彼女の急所の全てを把握している手の動きと、それが与えてくる優しい快感に、もはや抵抗する気力さえも削ぎ落とされる。

 ゆっくりと弛緩していく事をいいことに、ローグハンターは彼女の秘部に挿れた舌を動かし始めた。

 指とは違い太く肉厚なそれは上下左右と好き勝手に動き回り、彼女の膣肉を刺激する。

 

「ひぁ!?ひぐ!ぎっ!あっ……!ひぅ……っ!!」

 

 普段の指の動きとは違い、入り口の近くの浅い場所ばかりを責め立てられ、気持ちがいい筈なのに物足りない不思議な感覚に、令嬢剣士は蕩けた瞳は揺らした。

 くちゅくちゅと湿った音をたてながら溢れた愛液は余すことなく絡めとっていく。

 

「ふっ……!んんっ!はぅ……、いぃっ……!」

 

 ピクピクと身体を痙攣させ、かくかくと小刻みに腰を揺らしながら、けれど絶頂には足りない快感に、切なそうな声が漏れる。

 

 ──もっと……奥に……欲しい……ですわ……。

 

「ふっ……!ん……っ!んぅ……っ!」

 

 彼の舌の動きに合わせて緩やかな快感が身体に広がっていくが、思考が奪われるような強烈なものではなく、さながら弱火でゆっくりと火を通されているかのようだ。

 ふつふつと身体の芯から熱が溜まり、けれど発散することが出来ずにひたすらに溜まっていく。

 潤んだ瞳をしたまま指を噛み、一応声だけは我慢するのだが、これなら指がなくとも我慢は出来そうだ。

 そうして彼女の気が抜けた瞬間、ローグハンターは舌を引き抜き、目の前でぷっくりと膨らんでいる陰核(クリトリス)を見つめ、それを口に含んだ。

 

「ひゃあ!?」

 

 令嬢剣士は突如として全身を駆け抜けた鋭い快感に声をあげると、困惑気味に目を見開きながら、再びシーツの中へと目を向けた。

 相変わらずローグハンターは股間に顔を埋め、白い毛玉があるようにしか見えないのだが、今の彼は確実に危険な場所に食らいついていることは確かだ。

 

「あ、待って……!」

 

 彼の頭を引き剥がそうと手を伸ばした瞬間、ローグハンターは唇をすぼめて彼女の陰核を咥えると、思い切り吸い上げた。

 

「ひぎゅあ!?ぎ、いぃぃいいいいいいっ!!」

 

 ピンと勃った陰核が形を歪めるほどの力で吸引された令嬢剣士は、腰を跳ねさせ、背筋を仰け反らせながら快感に喘ぎ、視界にはバチバチと火花が散る。

 

「んぎ!?ぎ、だ、だめ……っですわ!きちゃう、きゃいますぅううううう!!」

 

 ビクン!ビクン!と肩を跳ねさせながら叫ぶと、ローグハンターは笑みを浮かべながら口を開き、優しく陰核に噛みついた。

 吸われる力から、押し潰す力に。

 陰核を直接刺激されたその衝撃は途端に快感へと変わり、彼女の脳を殴り付けた。

 

「ひやぁぁぁぁぁあああああああああああああ!!!」

 

 同時に喉が割れんばかりの嬌声が発せられ、令嬢剣士は絶頂を迎えた。

 秘裂から噴き出した潮がローグハンターの顔を汚すが、彼は構うことなく何度も彼女の陰核を咀嚼し、断続的に快感を叩き込む。

 

「ひぎ!?あっ!?イく!イぐ!?まっへ!やめへ!イくの、どまんないぃいいいいい!!」

 

 彼に噛まれる度に絶頂を迎える令嬢剣士は、視界を点滅させながら首を振り、力が抜けた手で彼を剥がそうとするが、やはり彼の力には敵わずに責めを許してしまう。

 

「はへ!イく!だめ、まっへくらしゃい!もう、やめへ!イく!イくぅ!いひゅ!っ──……」

 

 ローグハンターがひたすらに責め立てる中、不意に令嬢剣士の耳にプツン!と何かが切れる音が聞こえた。

 同時に気の抜けた声を漏らし、くたりと身体を弛緩させた。

 何事だと異変を察したローグハンターが陰核を解放すると、横向きだった彼女の身体が仰向けにベッドに倒れる。

 

「あ、おい、大丈夫か……」

 

 ローグハンターは慌てて身体を起こして彼女の様子を確かめるが、返事がない。

 

「あっ……!へっ……!ひぅ!ふぇ~……」

 

 力の抜けただらしのない表情で、口からは艶っぽい声が漏れる。

 閉じる気力もないのか口は開きぱなしで、端からは舌がだらりと下がっている。

 

「……」

 

 やばいと冷や汗を流すローグハンターだが、不意に令嬢剣士の瞳が揺れ、彼の顔を見つめた。

 

「はぅ……っ!くらさい、あなたの、ぜんぶ、くらしゃい!」

 

 呂律も回らず、表情も普段の凛としたものとは程遠いが、その瞳に映るのは最愛の人であることに違いない。

 ローグハンターは多少躊躇いつつも、妻のおねだりを受け入れることにした。

 元より我慢は出来ないのだ。こちらから彼女に言うのは時間の問題だったのだから、気にしても仕方がないだろう。

 そうと決めれば後は速く、ローグハンターはさっさと被っていたシーツを剥がし、二人の裸体を月明かりの下に晒した。

 お互いの身体には珠のような汗が浮かび、息も荒れてはいるものの、まだ終わっていないと気合いを入れ直す。

 ローグハンターは勃起した己の分身に手を添え、びちゃびちゃに湿った彼女の秘裂へと押し当てた。

「ひゃん♪」とどこか愉しそうな声を漏らした令嬢剣士は、「はやく、はやくくらしゃいな」と自分から腰を振って彼を誘う。

 そして今のローグハンターに、それを我慢できるほどの自制心は残っていなかった。

 彼はフッと鋭い息を吐くと、一気に腰を突き出した。

 ずりゅ!と湿った摩擦音と共に、一物が引き締まった膣肉を掻き分け、あっという間に彼女の子宮を殴り付けた。

 

「きゅいぃ!?へっ……!はっ!ひぅっ!」

 

 途端に全身を駆け抜けた快感にビクン!と身体を跳ねさせた令嬢剣士は、愛おしそうに自分の下腹部を撫でた。

 

「ひぅ!いい、れふよ。うごいて、くらしゃい……」

 

 腹部の肉越しに彼の一物に触れながら、令嬢剣士は彼を煽るように笑い、ゆっくりと自分の腰を振る。

 それだけで一物が彼女にとっての気持ちいい場所を撫でていき、その快感が令嬢剣士の脳を揺さぶる。

 

「はひゅ……。んん……!はやく、うごいて……」

 

 いつもと違う彼女の様子に怪訝に思いつつ、ローグハンターはこくりと頷いて腰を振り始めた。

 最初は膣肉に馴染ませるようにゆっくりと、慣れてくれば段々と速く、力強くしていく。

 

「ん……!あっ……!ひぐ!いっ!あっ!んん!!」

 

 それに合わせて彼女の声にも段々と熱がこもり、締まりも強まっていく。

 ローグハンターが「随分と乗り気だな」と呟くと、令嬢剣士は「いわないれぇ……」と間伸びした声で返し、恥じるように赤くなった顔を背ける。

 そんな彼女の可愛らしさに唸ったローグハンターは、赤くなった耳に口付けを落とし、耳朶に甘噛みした。

 令嬢剣士はそのくすぐったさに「ひゃん!」と声を漏らせば、きゅんきゅんと膣内が引き締まる。

 それを掻き分けるように腰を振ってやれば、令嬢剣士は艶っぽい声を漏らして身体を強張らせた。

 必死に蠢いて一物を扱いていたひだをかりで引っ掻いてやり、彼女の最も感じる場所(Gスポット)を重点的に責め立てる。

 

「ひん!あっ!あっ!あっ!はひゅ!いい!はっ!はひ!」

 

 ビクビクと身体を痙攣させながら、彼が与えてくれる快感を全身で受け止める彼女は、小さな絶頂を繰り返しながら喘ぐ。

 

「ひぎゅ!あっ!いぃ!」

 

 ごりごりと音をたてて膣肉を抉られ、精液欲しさに降り始めた子宮口を亀頭が無慈悲に殴り付ける。

 その衝撃は全てが快感へと変換され、令嬢剣士は目を見開きながら背中を弓なりにしならせた。

 豊かな胸が覆い被さるローグハンターの身体に潰され、胸板に擦れる乳首からも痺れるような快感が送られてくる。

 

「ひぎぃ!?あっ!はっ!ひぅ!あっ!イく!さっきから、ずっと、イってますわ……!」

 

 ビクン!ビクン!と身体を跳ねさせ、身体に浮かぶ汗を振り撒きながら、何かを堪えるように眉を寄せるローグハンターの顔を見つめた。

 

「いい、ですわ。ぜんぶ、くらしゃい!わたしに、あのこの、おとうとでも、いもうとでも、なんにんでも、うみましゅから!」

 

 快感に喘ぎ、もはや自分でも何を言っているのかを理解できていないのか、普段なら言わないであろう事を平然と言い放った。

 だがローグハンターにそんな事を考える余裕はなく、一物を登っていく精液を押さえ、ぞわぞわと背筋をくすぐる射精感に耐えながら、彼女に告げた。

 

「何人でも孕ませてやる。あの子が驚くくらい、兄弟姉妹を増やしてやろう……っ!」

 

 快感に耐え、擦りきれそうな理性を繋ぎ止めながら、ローグハンターは唸るようにそう告げた。

 令嬢剣士が嬉しそうに笑い、身体を起こしてローグハンターに口付けした瞬間、彼の奥に溜まっていたものが爆発した。

 鈴口の出口ギリギリで溜まっていた精液が噴き出し、彼女の子宮を瞬く間に満たしていく。

 

「んん!?んんんんんっ!!!」

 

 亀頭が子宮口を抉じ開けんばかりに押し付けられる圧迫感と、精液が子宮を撫で回す感覚に叫んだ令嬢剣士は、ぎゅっと彼の腰に両足を回して更に深く繋がりあった。

 

「んん!んふっ!んんん~!!」

 

 目の前にある彼の潤んだ瞳を真っ直ぐに見つめ、令嬢剣士は愉しそうに笑った。

 対するローグハンターも愉しそうに目を細め、彼女の顔に更に顔を寄せて舌を絡めあう。

 その間にも精液は絶えず流し込まれ、彼女の子宮を満たしていく。

 それが数分続くとようやく射精が止まり、それを合図に二人は名残惜しそうに口付けを終えた。

 はぁはぁと肩を揺らして呼吸をしながら二人は見つあい、どちらからと言うわけではなく笑みをこぼす。

 

「ふふふ。あったかい、ですわ……」

 

 令嬢剣士は僅かに膨らんだ下腹部を撫でながらそう告げると、ベッドに身体を沈めてゆっくりと目を閉じ、寝息をたて始めた。

 そんな彼女を見下ろしながら微笑んだローグハンターは、彼女の額に口付けすると、ゆっくりと一物を引き抜いた。

 どろりとした白濁液が秘裂から溢れだし、彼女の臀部を伝ってシーツへと落ちていく。

 彼女の隣に寝転がり、彼女の寝顔を見つめながら目を閉じる。

 

 ──明日もゆっくり過ごせればいいんだが……。

 

 そんなごくごく普通の願いを、胸に秘めながら。

 

 

 

 

 

 翌朝。寝室。

 

「うぅ……」

 

 枕を抱き締めながら腰を擦る令嬢剣士は、涙目になりながらローグハンターを睨んでいた。

 

「途中から記憶がないのですが、一体どれだけの事をしたのですか?」

 

 言葉に少々の棘を含ませながら、令嬢剣士は拗ねた子供のように頬を膨らませる。

 

「……記憶がないのか」

 

「本当ですわよ?」

 

「それは信じているとも。だが、まあ……」

 

 昨晩の彼女を思い出しながら、ローグハンターは首を傾げた。

 気絶していたようには見えなかったし、素面という感じでもなかったが……。

 

「たがが外れたか?」

 

「っ!へ、変なことを言わないでくださいまし!」

 

 適当な事を言うローグハンターに、令嬢剣士は胸ぐらを掴む勢いで彼へと詰め寄るが、

 

「お二方。朝食の準備が出来ました」

 

 何の合図もなく部屋に入ってきた使用人の一言に、二人は変な声をあげながら姿勢を正した。

 無遠慮に寝室へと入った使用人は、色濃く残る性行の残り香に眉を寄せた。

 

「一体誰が片付けると思っているのです?」

 

「「……」」

 

 無表情で、凄まじい怒気を込めながら放たれた言葉に二人は大きく怯むが、扉の向こうから聞こえる息子の声にハッとしてそれぞれの着替えへと目を向けた。

 使用人は諦めたように溜め息を吐き、踵を返して息子の元へと向かう。

 取り残された二人は顔を見合わせ、溜め息を吐いた。

 

「とりあえず、今日もよろしく」

 

「ええ。よろしくお願いします」

 

 何とも格好がつかないが、とりあえず今日は始まったのだ。

 ならば、精いっぱいに生きねばならない。

 

『とーさま、かーさま、まだ~?』

 

「ああ、今行く!」

 

「今いきますわ!」

 

 息子の声に二人は応じ、ローグハンターは令嬢剣士の身体を支えてやりながらベッドを降りた。

 

 ──願わくば、家族と過ごせる日が続きますように。

 

 ローグハンターは声には出さずに祈りを捧げ、窓の外へと目を向けた。

 憎たらしいまでの青空が、優しくこちらを見下ろしていた。

 

 

 

 




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Memory?? ハプニングは突然に

リクエストから。

ログハンから銀髪武闘家に告白した世界線。
おかげでログハンの好意がヤバイくらいに振り切れてます。



 それは、下着の如き鎧であった。

 いや、鎧と呼ぶのも憚られるようなそれは、果たして冒険に向かう為のものなのだろうか。

 一揃えになった胸当、脚絆だけの鎧。一応の種類で言えば、軽装と言えようが、それだけで鎧と言っていいものか。

 動きやすさに特化したと言われれば、確かにそうなのだろう。

 鎖帷子のように各関節を守るような物が、何一つとしてないのだから、動きやすいのは当然だ。

 少ない装甲自体も、女性の身体に合わせてか滑らかな曲線を描き、見るだけなら問題はない。

 だが、これを着る者にはそれ相応の覚悟か、とち狂った何かが必要になる。

 何しろこの鎧と呼んでいいのかもわからないこれは、胸部──正確には乳房と、下腹部にしか装甲がない。

 申し訳程度に肩当てがあるが、それが意味をなすのかははっきり言って疑問でしかない。

 こんな姿──腹部も、背中も素肌が見える格好で冒険に向かえば、まず間違いなく死ぬことになる。

 そして、そんな鎧を、眠る狐亭の自室で試着(・・)している一人の女性がいた。

 鍛えられた四肢を惜しげもなくさらし、割れた腹筋を誇らしげに見せつけるようなその格好をした自分を、姿見に映るそんな不可思議な格好をした自分を、赤の他人が着ているような表情で観察する。

 銀色の髪に合わせてたのか鎧は白いものを買い、薄く日に焼けた白い肌も相まって陽の光を反射して僅かに眩しい。

 

「……どうなんだろ、これ」

 

 そしてくるりとその場で一回転してから呟いた言葉には困惑の色が濃く、自分が何をしているのか、いまいち理解を出来てはいまい。

 豊かな胸は胸当てにより谷間を強調するように押し上げられ、臀部にいたってはもはや紐のようなもの。

 銀髪武闘家は格好をそのままに首を傾げ、そっと留守にしている相棒にして恋人──ローグハンターのベッドに寝転んだ。

 ローグハンターは槍使い、重戦士、ゴブリンスレイヤーに何やら用があると連れ去られてしまい、そのまま冒険へと向かってしまった。

 取り残されたそれぞれの友人たる女子──自分、魔女、女騎士、牛飼娘──は、ならば女子会だと言葉を揃えて集まったのだが……。

 

「何がどうなってこれを買ったんだっけ……?」

 

 酒場に集まって酒を飲んだのは覚えているが、そこから先の記憶が曖昧──いや、ないと言っても過言ではない。

 酒に酔った勢いで買ってしまったのか、買わされたのか、ともかく朝起きてみればこれを着ていたのだから、覚えてはいなくとも何かがあったのだろう。

 

「う~?ん~?駄目だ、わかんない……」

 

 寝転んだまま腕を組んで考え込むが、やはり肝心のものがわからずに諦めた。

 とにかく、まだ酔いが抜けていないのか頭も痛いし、何よりも眠いし、どうせ彼はしばらく帰ってこないのだから、このまま寝てしまっても構うまい。

 この格好(ビキニアーマー)も、ほとんど素肌だからかシーツの感触を直に感じられて心地よく、何ならもう少し薄手の寝巻きを買おうかと思うほど。

 まだ朝早いのだし、買いに行くのは後にして、今は回復が優先と目を閉じた時だ。

 ガチャガチャと音をたてて部屋の錠が開き、止める間もなく扉が開かれた。

 

「ただい……ま……」

 

 そして入ってきたローグハンターは、頼れる相棒であり、愛する恋人でもある銀髪武闘家に目を向けて、困惑気味に目を見開いた。

「あ、おかえり~」と彼女は気にした様子もなく笑っているが、ローグハンターはそれどころではない。

 彼の視界にいるのは、自分のベッドの上で、下着同然の格好をした、最愛の人の姿だ。

 彼女に会いたいが為に、手早く、けれど確実に仕事を終わらせて帰ってきたのだが……。

 ローグハンターは無言のまま部屋の鍵を締めると、足音ひとつなく、不思議そうに首を傾げる彼女に近づき、勢いよくベッドに押し倒した。

「きゃ!?」と小さく悲鳴をあげる彼女の両手首を左右の手でしっかりと捕まえ、逃げ場をなくす為に身体に覆い被さる。

 

「え……あ……えっと……?」

 

 ギラギラとぎらつく蒼い瞳に見下ろされる銀髪武闘家は、額に冷や汗を流しながら首を傾げ、「どうか、した?」と囁くような声で問うた。

 問われたローグハンターは彼女の両手を掴んだまま肩を竦め、僅かに悦の入る瞳を細める。

 

「愛してやまない恋人が、下着同然の姿で、俺のベッドの上にいる。もう、わかるよな?」

 

 ローグハンターは子供に言い聞かせるようにゆっくりと告げると、銀髪武闘家はハッとして表情を青くした。

 

「俺だって、男なんだぞ?」

 

 そんな彼女の変化を見つめながら、ローグハンターは静かに告げた。

 その言葉に、彼の行動の理由の全てがこもっていた。

 銀髪武闘家は彼に説明をしようと口を開いた瞬間、彼の唇によって塞がれた。

 

「んぐ!?ん~!んん!んーっ!!」

 

 同時に唾液と共に彼の舌が入り込み、銀髪武闘家の舌に絡み付く。

 押し返そうにも両手は既に押さえられ、顔を背けようにも彼は逃がしてはくれないだろう。

 くちゅり、くちゅりと湿った音をたてながら、ローグハンターの舌が一方的に銀髪武闘家を責め立てる。

 舌に絡めた唾液を彼女の舌に塗りたくり、頬の粘膜を舐めとり、歯を舐めてみれば微かに酒の残り香がある。

 

「……」

 

 ローグハンターは細めた目をゆっくりと開き、ぎゅっと目を瞑って耐える彼女の顔を見つめる。

 くすぐったいのか、気持ちがいいのか、あるいは気持ちが悪いのか、それ以外の何かもあるのだろうか。

 ともかく彼女は舌を押し返さんと頑張ってはいるが、それを無駄だと言わんばかりに強引に舌を押し込む。

 口の奥にある、僅かに柔らかく異質な触り心地の粘膜を優しく舐めてやれば、彼女は嗚咽混じりに肩を揺らし、閉じた瞳には涙が滲む。

 溢れてくる彼女の唾液を舐めとり、嗚咽する度に揺れる口内を楽しみながら、こちらの唾液を流し込んでやる。

 どろりとした唾液は彼女の喉の奥まで流れていき、飲み込むしかない彼女は必死に喉を鳴らして嚥下する。

 飲み込む度に脳の奥で火花が散り、視界が点滅を繰り返す。

 

「んん!ん……っ!んふ……。ん……──」

 

 ピクピクと身体を揺らしながら、どうにか彼の手を押し返そうと力んでいた腕から、だんだんと力が抜けていく。

 僅かに開いた瞳からは光が消えていき、段々と舌の動きも怠慢になり始める。

 薄く開いた瞳で彼女の様子を探っていたローグハンターは、そろそろ止めておこうと口を離した。

 

「──っ!?けほ!けほ……っ!はぁ……はぁ……んっ……!」

 

 同時に大量の酸素が流れ込んできた銀髪武闘家は目を剥いて驚くと、口内の違和感に数度噎せ、身体を弛緩させたままどうにか呼吸を落ち着かせようと努める。

 とりあえず呼吸を整えて、色々と彼に説明しなければと、やることを二個三個と頭の中で整理していく。

 虚ろな視線で彼を見つめ、「ちょっと、待って……」とどうにか声を縛り出すが、ローグハンターは気にした風もなく笑みを浮かべた。

 左右の手で捕まえた彼女の両手を、ゆっくりと頭の上に持っていき、今度は片手で両手を掴む。

 

「あ……や……だから、待って……っ」

 

 相変わらず身体に力が入らない銀髪武闘家は、涙目のままもじもじと身体を捩りながら言うと、ローグハンターは空いた片手で彼女の胸に触れた。

 胸当てに隠されているとはいえ、それは胸の天辺と下半分だけだ。

 上半分は下着を着ている時と同じ、むしろ鎧の都合上寄せられているため、触れやすいまであるだろう。

 ローグハンターは楽しそうに笑いながら彼女の胸をつつき、その弾力を堪能する。

 

「ん……!やっ……!待っ……やめ……ひぅ!」

 

 ぷにぷにと子供の頬をつつくような感覚で胸をつつき、その度に銀髪武闘家は上擦った嬌声混じりに小さく身体が跳ねる。

 拘束を解こうにも力が入らず、かといって逃げようにも彼はほとんど馬乗り状態。

 無抵抗に、無防備に晒されているたわわな果実は、彼にとって極上の餌でしかないのだ。

 ローグハンターはゆっくりと彼女の胸に顔を埋め、マシュマロを頬張るように乳房に優しく噛みついた。

「ひゃん!?」と悲鳴をあげる彼女を他所に、はむはむと咀嚼するように唇を動かし、時には吸い上げて跡を残す。

 一ヵ所が終われば次に、それが終わればまた次に、それを延々と繰り返して彼女の胸や、鎖骨、首もと、果てには脇にまで跡を残し、彼女に自分のものだという証をつけていく。

 

「あ……!ひぅ……!んん……っ!おね……がい……。やめて……っ!」

 

 銀髪武闘家は身体中に彼の痕跡を残される感覚に、嫌な筈なのに悦んでしまう不思議な感覚に困惑しながら、語気を強めて告げた。

 言われたローグハンターは顔を離すと、僅かに驚いたように小さく目を見開くが、すぐに笑みを浮かべて手を彼女の下腹部へと伸ばした。

 腹筋の筋を指で撫でながらゆっくりと下を目指し、もはや防具でもなんでもない、鎧と一揃えで売られている地味な下着越しに、秘裂を撫でた。

 くちゅりと湿った音が嫌に部屋に響き、銀髪武闘家は「ひっ!」と喉の奥から上擦った声を漏らす。

 ローグハンターは下着に浮かぶ縦筋を何度も撫でて淫靡な水音をたてながら、「身体は正直だな」と愉しげな笑みを浮かべる。

 

「おねがい……ひん!やめ、て……っ!さわら、ない、でっ……!」

 

 ローグハンターが縦筋を撫でる度に銀髪武闘家は身体を跳ねさせ、それでも拒絶の言葉を吐き出した。

 快感に蕩けた瞳に、どうにか敵意をのせてローグハンターを睨んではみるものの、当の彼は気にした様子もなく笑うばかり。

「そんなこと、言っていいのか?」とむしろ煽ってくるほどで、その言葉の通りに彼の指は下着の中へと入り込み、秘裂を直接撫でた。

 

「ひん!?」

 

 突然背筋を抜けた快感に目を限界まで見開き、身体が勝手に跳ねあがる。

 そんな彼女の反応を求めていたのか、ローグハンターは秘裂に指を突っ込むと、そのまま優しく膣内を優しく掻いてやる。

 

「ひぐ……!あっ!はひ!んぁ!あん!やめ、やめへ!おねがい、だめ……!」

 

 断続的に与えられる快感に身体を痙攣させ、掻き出される愛液で下着をベトベトに濡らしながら、それでも首を振って拒絶する。

 このまま彼の勢い(ペース)に流されてしまえば、きっと酷いことになると、理性ではわかっているのだ。

 だが、雌としての本能が、彼を求めてしまって仕方がない。

 

「あひ!あん!へっ!ひぐ!だ、だめ……!くる、きちゃうから……!!」

 

 彼の筋ばった指がぐちゃぐちゃと湿った音をたてながら膣肉を絶えず引っ掻き続け、彼女の急所(Gスポット)を責め続ける。

 

「イく!イっちゃう……!おねがい、やだ、イきたくない、イきたくないのに……っ!」

 

 ぶんぶんと首を振って快感に耐えようとするが、ローグハンターは彼女の耳元で囁いた。

 

「我慢はよくないぞ」

 

 ほら、ほらと煽りながら膣肉を引っ掻き、銀髪武闘家は背中を弓なりにしならせながら快感に耐える。

 バチバチと視界を点滅を繰り返し、ぞわりぞわりと背筋に気持ち悪いものが駆けていく。

 

「ほら、素直になれよ……!」

 

 ローグハンターはそう告げると共に、彼女の陰核(クリトリス)を弾いた。

「あ……」と声を漏らした瞬間、『稲妻(ライトニング)』の如き電撃が、凄まじい快感となって彼女の全身を駆け抜けた。

 

「ひぎぃいいいいいいいいいいいいいいい!!!」

 

 ビクン!と腰を跳ねさせながら絶頂を迎え、噴き出した潮が下着とローグハンターの手を濡らす。

 それでも構わずにローグハンターは膣肉へと責めを止めず、絶頂を迎える彼女に追撃していく。

 引き締まり、痙攣する膣肉を、指で強引に掻き分けて、ぐりぐりと指圧してやる。

 

「ひぎゅい!?ぎっ!ああぁぁぁあああああああ!!」

 

 絶頂しながら、更に絶頂を迎え、絶頂が落ち着く前に次の絶頂が押し寄せる。

 

「あひ!あっ!あっ!あへ、ひぎゅい!やめ、やめで!イってる、イってるがらぁぁぁあああああ!!!」

 

 ビクビクと身体を耐えず痙攣させながら、銀髪武闘家は喉が割れんばかりの声でローグハンターに告げた。

 同時にローグハンターは秘裂から指を引き抜き、愛液と潮でびしょ濡れになった下着から手を抜く。

 同時に地獄のような快感が治まり、力尽きた銀髪武闘家は浮いていた腰をベッドに沈めた。

 

「あ……!あへ……!んひぃ……」

 

 蕩けた瞳、だらしなく開いた口、漏れる嬌声。

 身体には珠のような汗が大量に浮かび、下着からは吸いきれなかった愛液と潮が滲み出し、シーツに染みを作っていく。

 それを肉欲にまみれた瞳で見つめていたローグハンターは、彼女を拘束していた手を離すと、うつ向けになるように寝返りを打たせた。

 背中に貼り付いた髪を剥がしてやりながら腰を持ち上げ、伸びをする猫のような態勢になるように調整。

 

「んぁ……?あ……、まっへ……おねがい……」

 

 快感に蕩けた意識の中、銀髪武闘家は彼の意図を察して声を出し、逃れるように腰を振るが、それはどう言い繕っても誘っているようにしか見えない。

 ローグハンターは下腹部に貼り付き、くっきりと縦筋を浮かび上がらせていた下着を剥ぎ取ると、自分もズボンとパンツを脱いで一物を取り出した。

 彼女の痴態と、甘ったるいまでの声を聞かされて、一物は厳戒まで勃起して臨戦態勢。

 目の前の雌に種付けする瞬間を夢想し、鈴口からは先走り汁が溢れ出す。

「いくぞ」と一方的に告げたローグハンターは亀頭を秘裂に押し当て、腰を突き出す。

 パン!と乾いた音を響かせながら銀髪武闘家の臀部に腰を叩きつけ、一物を最奥へと叩きつける。

 銀髪武闘家は「ひぐ……!」と声を漏らしたものの、その反応はあまりよろしくない。

 先程の責めで疲れきってしまったのだろう。弛緩した身体を僅かに揺らし、膣肉を締めてくるだけで、大きな反応はない。

 

 ──まあ、構うことでもないか。

 

 見るからに誘っていたのは彼女で、少々強引とはいえ行為を始めてしまったのだ。

 一物(これ)を落ち着かせなければ満足に眠れない。

 明日も仕事なのだから、支障が出てはことだ。

 ローグハンターは腰を動かし始め、動きに合わせて僅かに締め付けてくる膣肉を一物で蹂躙していく。

 

「あ……!うっ……!ひぐ……!ぅ……」

 

 亀頭が子宮口を殴り、子宮を押し潰す度に銀髪武闘家は力なく呻き、けれど膣肉はそれに合わせて引き締まる。

 

射精()すぞ」

 

 数十度の前後(ピストン)運動を経たのち、ローグハンターは静かに告げた。

 同時に亀頭で子宮口を押し潰し、子宮に向けて直接精液を注ぎ込む。

 

「ぁ……!ひぅ……」

 

 その熱さに当てられてピクン!と腰を跳ねさせるものの、相変わらず反応はない。

 どろどろの精液が子宮を満たし、獲物(卵子)を求めて子宮内を泳ぎ回る。

 けれど今日はその日ではないため、単純に彼女の子宮を舐め回すだけだ。

 

「あへ……。ん……。んん……!おわっ……た……?」

 

 胎内に残る精液の温まりを感じながら、銀髪武闘家は気だるそうにローグハンターの方を向きながら問うた。

 問われた彼は一物を引き抜くと彼女の身体に触れて、下着鎧の留め具をひとつずつ外していく。

 

「ね、ねぇ……?きいて、る……?」

 

 身体に力が入らず、ただされるがままの銀髪武闘家は、恐る恐る彼へと問うが、彼はただにこりと笑うだけ。

 言葉は不要とばかりに、勃起したままの一物を再び彼女の秘裂に押し当てた。

 

「ひ!?お、おねがい、やすまへて……」

 

 久しく感じる恐怖に身体を震わせながらの言葉は、ローグハンターには届かない。

 

「誘ったのは、お前だろう?」

 

 悪いのはそっちだと言わんばかりの言葉に、銀髪武闘家の表情が青ざめる。

 確かにこの鎧はそういった意図のものでもあると、誰かに言われたことがあるが──。

 

「最後まで、付き合ってくれ」

 

 ローグハンターはいっそ清々しいまでの笑みを浮かべ、再び一物を彼女の胎内へと押し込んだ。

 時刻は朝。休日というのは、意外と長い。

 

 

 

 

 

 高かった陽が傾き、空に星が輝き始めた頃。

 扉も、窓も締め切られたその部屋には、強烈なまでの淫行の臭いが充満していた。

 ローグハンターが着ていた衣装は乱暴にベッド脇に投げ捨てられ、銀髪武闘家が着ていた下着型鎧(ビキニアーマー)もまた、乱雑に投げ捨てられて絨毯の上に転がっている。

 

「ぅ……。ぁ……。ぁ……。っ……」

 

 ベッドに組み伏せられ、力なく四肢をベッドに投げ出している銀髪武闘家は、ローグハンターの動きに合わせて呻いていた。

 かろうじて意識はあるようだが、瞳から光は消え、暴行された後のような惨状だ。

 対するローグハンターは相変わらず固いままの一物で彼女の秘部を貫いており、疲労を滲ませながらも腰を動かしていた。

 

「ぐ……っ!」

 

 そして低く唸ったかと思えば、だいぶ薄くなった精液を吐き出し、もはや満杯になった彼女の子宮に最後の一滴まで注ぎ込む。

 

「んぁ……っ!ぅ……!っ──……」

 

 ピクン!と身体を跳ねさせて、最後の絶頂を迎えた銀髪武闘家は、そのまま気絶するように眠りに落ち、一物を引き抜いたローグハンターもまた、そのまま崩れ落ちるようにベッドに倒れた。

 二人の寝息はゆっくりと重なり、部屋にはようやくの静寂が訪れた。

 

 

 

 

 

 翌朝。同室。

 

「……この馬鹿、変態、獣、鬼畜」

 

 ぽかぽかと身体を叩かれながら、とりあえず思い付いたのであろう悪口を言われるローグハンターは、困り顔で銀髪武闘家の髪を撫でていた。

 二人して起きたのはいいのだが、昨日のあれは流石にやり過ぎたようで、彼女の機嫌は最悪の状態だ。

 

「絶倫。自己中。この、この……っ!」

 

 けれど十個も出ない内に打ち止めになったようで、銀髪武闘家は悔しそうに歯を食い縛りながらローグハンターを叩く。

 対するローグハンターは気まずそうに頬を掻き、まあいいかとどこか他人事のように溜め息を吐いた。

 この悪口や、昨日の痴態を含めて、

 

「愛してるけどな」

 

「っ!?な、何言って、もう!」

 

 その一言に銀髪武闘家は顔を真っ赤にしながら、けれど嬉しい笑って彼の鳩尾を殴り付けた。

 寝転んだままとはいえ、鍛えられたその拳はまさに会心の一撃(クリティカル)

 ローグハンターは「うお゛!?」と汚い悲鳴を漏らしながら気を失った。

 

「~!!」

 

 それでも怒りはやまないが、とりあえずこれでいいやと彼に背を向けた。

 明日になればいつも通り、ならず者を追いかけて走り回るのだ。

 一日二日寝過ごしたって、誰も文句は言うまい。

 銀髪武闘家は背後の寝息を聞きながら、ゆっくりと目を閉じた。

 途中で自分を抱き締めてきた彼の腕を振り払わなかったのは、ただの気紛れか、あるいはそんな気力さえもなかったのか。

 ただひとつ言えるのは、二人の寝顔がとても穏やかで、安らかだったということだけだ──。

 

 

 

 




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Memory?? 二人だけの島

リクエストから。

ヒロインは銀髪武闘家。

時期は最終決戦後~エピローグまでのどこか。



 四方世界の片隅。とある海岸。

 波が打ち寄せる静かな音を聞きながら、白い髪の男性──ならず者殺し(ローグハンター)は目を覚ました。

 酷い頭痛に頭を抱えながら、うつ伏せだった身体を転がし、仰向けになって雲一つない青空を見上げる。

 

「……」

 

 ぼんやりと気の抜けた表情で、さて何があってこうなったのかと思いを巡らせた。

 海賊討伐の依頼で海に繰り出し、海賊船に乗り込んだまでは良かったが、突然の嵐に見舞われ、そして──。

 

「……っ!あいつは!?」

 

 生き残った海賊が道連れを狙ったのか、銀髪武闘家に組み付いて海へと身を投げたのだ。

 自分もそれを追いかけて嵐の海に飛び込み、そして気がつけばここにいる。

 自分が流れ着いたのなら、彼女もいてもいい筈だと、謎に自信に溢れたことを(のたま)いながら、痛む身体に鞭を打って立ち上がる。

 衣装が海水を吸ってしまって重く、靴も一歩を踏み出す度にびちゃびちゃと湿った音をたてて海水が滲み出てくるが、そんな事を気にしてはいられない。

 ローグハンターは痛みに耐えながら足を動かし、一人で白い砂浜を進んでいく。

 数分ほど歩いた頃だろうか、彼の目に砂浜に倒れる人影が映ったのは。

 立ち止まった彼は目を細め、その人影を注視。

 

「っ!」

 

 潮風に揺れる銀色の髪を視認した途端、彼は走り出していた。

 疲労も、痛みも、何もかもを無視し、その人物の脇に滑り込む。

 

「おい。おい!生きてるよな!?」

 

 ぺちぺちと頬を叩きながら問えば、彼女は小さく唸りながら目を覚まし、銀色の瞳に彼を映した。

 

「……生きてる、よ……」

 

 そして力が入らないが強がって笑ったみれば、ローグハンターは安堵の表情を浮かべて彼女を抱き締めた。

 彼の力強さと、耳元で聞こえる嗚咽の声に彼女──銀髪武闘家は息を吐いた。

「ここは、どこ?」と問うても、「わからん」の一言で返され、「みんなは?」と問うても、「わからん」で返される。

 銀髪武闘家は「そっか……」と力なく呟くと、ローグハンターは告げた。

 

「とりあえず、移動するぞ。誰かいる筈だ」

 

 どこにいるかもわからない状況だが、救助を待つための拠点は必要だし、生きる上で必要なもの──水や食料だ──の確保もしなければならない。

 銀髪武闘家が「そうだね」と呟きながら言うと、ローグハンターは彼女を横抱きに持ち上げた。

 銀髪武闘家は急な浮遊感に悲鳴をあげ、慌てて彼の身体に抱きつき、「ひ、一言いってよ」と僅かに批難の声を出す。

 その言葉に面をくらいながら、ローグハンターは「すまん」と手短に謝った。

 だが降ろすつもりはないようで、そのまま歩き出すのは彼らしいと彼らしい。

 銀髪武闘家はすぐに諦めて溜め息を吐き、ぎゅっと彼の身体に密着する。

 豊かな乳房がローグハンターの胸板で潰れ、その柔らかさが彼の疲労を吹き飛ばす。

 途端に足取りが軽くなったローグハンターは、駆け足になりながら砂浜を進んでいった。

 

 

 

 

 

 

「とりあえず、ここなら大丈夫そうだな」

 

「うん」

 

 そうして一時間ほどかけてたどり着いたのは、無人になった地母神の神殿だった。

 かつて人の往来があったのであろう町の、その一角。

 とりあえずの拠点としてそこに腰を落ち着けた二人は、揃って溜め息を吐いた。

 有人島であるという望みが断たれ、あるのは何十年も船が着いていないであろう桟橋や、棄てられた家屋。

 雨風を凌げる程度に形を保ち、中には食器や漁の道具さえも残されている辺り、島民も棄てたくて棄てたというわけではないのだろう。

 何かの戦に巻き込まれたのか、疫病が蔓延したのか、一度出ていった島民たちは、戻ることもできずに死んでしまっただろう。

 この地で死してしまった者たちの冥福を、この地に戻れなかった者たちの冥福を祈り、地母神を模した祭壇に向けて、女神官を真似て聖印を切る。

 形が歪でも、魂込めた祈祷であれば、慈悲深き地母神なら拾ってくれる筈だ。

 そんなことを思いながら、手早くそれを済ませたローグハンターは、窓の外を眺めていた銀髪武闘家へと目を向けた。

 

「さて、ここからどうするかという話だが」

 

「う~ん。とりあえず、畑があるよ。あと、何か生えてて、実もなってる」

 

「死んでいるかは別だが、井戸もあったな。あと、ぼろぼろだが漁の道具も」

 

「着替えとかは、探すなり作るなりすれば、大丈夫かな?」

 

「それなら任せろ、裁縫なら得意だ」

 

「あとは──」

 

 そこまで呟いた銀髪武闘家は、「あれ?」と声を漏らしながら首を傾げた。

 服の類いは探すなり作るなりすればどうにかなりそう。

 畑には何かの実がなっており、最悪毒があっても漁に出れば食料の確保もできる。

 井戸が心配ではあるが、最悪ローグハンターが奇跡を使えばどうにかなるだろう。

 雨風が凌げる、割りとしっかりとした作りの拠点もある。

 衣食住の全てがだいたい揃っており、不足してもどうにかする技量と体力を、二人とも不足を補いあう形で持っている。

 

 ──これ、案外どうにかなるんじゃ……。

 

 銀髪武闘家はちらりとローグハンターへと目を向ければ、彼もまた同じ事を思ったのか顎に手をやったまま、こちらを見て固まっている。

 二人は視線を合わせながら言葉に迷い、絞り出すように声を出したのはローグハンターだ。

 

「……とりあえず、井戸を見てくる」

 

「じゃあ、私は畑に行ってみる」

 

 食料があっても水がなければ死んでしまうのは、只人(ヒューム)に限った話ではない。

 逆に言えば、食料がなくとも水があれば生長らえることも出来るのだ。

 そうと決まればと、二人の行動は速かった。

 それぞれが言った通りの場所に向かい、問題がないかを探り出す。

 ローグハンターは縄で括った桶を投げ込んで井戸水が飲めるかを確認し、銀髪武闘家は畑の木になっていた果実──真っ赤なそれは、まず間違いなく林檎だ──を一つもいで、一齧り。

 それぞれ全く別の場所にいながら、抱いた感想は全く同じ。

 

 ──美味い(美味しい)な、これ。

 

 人の手が入っていないからか、透き通るほどに澄んだ井戸水は飲む分には問題なく、下手に人の手が入っていない林檎も、飾らない甘さがむしろ程好い。

 二人の疑問は確信へと変わり、再び神殿に戻った二人は口を揃えてこう告げた。

 

「「住める(よね)、この島」」

 

 天上から見守っていた神々は、果たしてどんな顔をしたのだろうか。

 無人島開拓という、あまりやったことのない物語(シナリオ)にわくわくしていたのに、準備不足だったと嘆いたか。

 あるいは二人が無事そうで何よりと胸を撫で下ろしたか。

 

 ──盤上を生きる二人にとって、知りようもない話だが……。

 

 

 

 

 

 それから幾日か経った頃。件の無人島。

 いや、ローグハンターらが滞在しているかは無人島と呼んでいいのかもわからないところだが、少なくとも彼ら以外に言葉を持つ者は誰一人としていない。

 そんな島の地母神の神殿の中庭に、ローグハンターと銀髪武闘家の姿があった。

 布を継ぎ接ぎしたのか、大きめの布を加工したのか定かではないが、折った布を両肩で結んで止めるだけの簡素な衣装を、身に纏っている。

 ローグハンターは腰、銀髪武闘家は胸の下辺りで紐で絞め、丈を調整しつつも、身体に密着するように細工を施していた。

 二人しかいないから隠さずともよいと考えたのか、ズボンを穿いているわけではなく──パンツやショーツはあれど──足は膝上まで露出させている。

 見方によっては古代ギリシャの、かの鷲使いが何の装備をつけていない格好に、よく似ている。

 そんな二人の手には手製の木刀と木の籠手がつけられ、身体が鈍らないように始めた模擬戦は、朝方から始めり、既に昼過ぎまで続いていた。

 動きに合わせて噴き出した汗が飛び散り、中庭には点々と汗のあとが残っている。

 かん!かん!と木材同士がぶつかり合う乾いた音が空へと響き、合間合間に二人の息遣いや怪鳥音が入り交じる。

 そして不意にバキッ!と何かが砕ける異音がしたかと思えば、「きゃ!?」と銀髪武闘家の悲鳴が続いた。

 ぎょっと目を見開いたローグハンターは慌てて振り抜いた木刀を投げ捨て、「大丈夫か?!」と慌てて地面に倒れた銀髪武闘家を抱き起こす。

 彼女は砕けた籠手に目を向けて、「え、ああ、うん。平気」と苦笑を漏らした。

 ちょっとだけ痛むが、そこまで気にする程でもないだろう。

 

「……今日はここまでかな」

 

 だが武器が壊れてしまったの事実。

 銀髪武闘家は籠手の留め具を外しながらそう告げて、「そうだな」と頷くローグハンターに背を向けた。

 そのままとことこと足音をたてながら井戸に向かい、桶を汲み上げようと、井戸に寄りかかるように前のめりになって縄を掴んだ。

 一人残されたローグハンターは、姿勢の都合上突き出される形になった彼女の臀部に目を向け、赤面しながらそっと顔を背けた。

 このままもうしばらくやるつもりだった彼としては、それなり以上に不完全燃焼だ。

 戦闘の高揚が行き場を失い、身体が火照って仕方がない。

 

「わにゃあ!?」

 

 と、そんな顔を背けた彼の耳に、ばしゃん!と盛大な水音と共に、彼女の悲鳴が届いた。

「どうした!?」と弾かれるように視線を戻せば、何故か引っくり返った桶を頭に被っている銀髪武闘家の姿があった。

 水分を吸って貼り付いた布が彼女の身体の線を浮かび上がらせ、ブラジャーを着けていなかったのか、冷たさでピンと勃った乳首が浮き彫りになる。

 加えて毛先がぎりぎりうなじに届く程度の髪からは水滴が滴り、濡れた四肢が不思議な色気を醸し出す。

 

「……」

 

 その姿を凝視したローグハンターは言葉もなく目を細め、足音をたてずに彼女に接近。

「あはは、手が滑っちゃった」と笑いながら、顔だけ振り向いた彼女を、力強く抱き締めた。

 彼女は「きゃ」と声を漏らして身体を強張らせるが、相手が彼しかいないのでゆっくりと身体を弛緩させた。

 

「……どうかした?」

 

 井戸水で冷えた身体に彼の温もりは心地よく、頬を柔らかく緩めながら問うた。

「いいや」と首を振った彼は、そっと彼女の肩に手を伸ばし、手早く両肩の結び目を解く。

 はらりと布擦れの音と共に衣装が落ち、彼女のたわわに実った乳房と、ショーツが丸見えとなった。

 

「っ!?」

 

 ぎょっと目を見開いて胸を隠そうと両手が動いたが、それよりも速くローグハンターの手が彼女の胸を鷲掴んだ。

 ひんやりと冷えた胸に、火照って熱くなった彼の手が沈みこみ、その温もりが彼女の身体に滲んでいく。

 優しく揉んでやればピクピクと身体が震え、少しずつ表情が蕩けていく。

 

「んっ……あ……はぅ……」

 

 口からは気の抜けた声が漏れ、冷えた身体に温もりと快感がじんわりと広がっていく。

 

「へぅ……は……あぅ……」

 

 その感覚が心地よく、振り向いてとろんと蕩けた表情を彼に向けた。

 目があったローグハンターはにこりと笑い、僅かに彼女を抱き締める力を弱め、彼女の身体を回転させた。

 お互いの身体が向き合い、豊かな胸が彼の胸板に潰されて形を歪める。

 潤んだ瞳で見つめあった二人は、もはや言葉もなく口付けを交わすと、お互いの舌を絡めた。

 くちゅくちゅと湿った淫靡な音を漏らしながら、お互いの唾液を相手に塗りたくり、マーキングしていく。

 銀髪武闘家は楽しそうに目を閉じると、「んー!」と声を出しながらローグハンターの首に両腕を巻き付け、顔をさらに密着。

 対するローグハンターは僅かに目を細めて、彼女の腰に添えていた手をゆっくりと下へとずらし始めた。

 コルセット要らずの括れた腰も触れていて気持ちがいいが、目的はそこではない。

 そっとショーツの中に手を入れて、安産型の臀部を撫でてやれば、「んん!」と声を漏らしながら身体を震わせ、けれど接吻は止める気はないのか、彼の舌を離さない。

 さわさわとくすぐるような手つきで臀部を撫でていたローグハンターは、そのまま割れ目に指を入れて、そこをなぞるように手を動かす。

 

「んっ……!ふぅ……!んぃっ!」

 

 彼の動きに合わせてピクン、ピクンと身体を震わせ、僅かに開いた瞳は物欲しそうに揺れている。

 そのまま顔を離すのが億劫なのか、より顔を密着させ、舌を彼の口内に捩じ込む。

 そのまま彼の頬の粘膜や、上顎、舌の付け根など、思い思いの場所を舐めてやれば、ローグハンターの口からも気の抜けた声が漏れる。

 ローグハンターはそのまま彼女のされるがままになりながら、臀部を撫でていた指で、そっと秘裂を撫でた。

 そのまま指先で掻いてやるように秘裂を撫でてやれば、彼女の呼吸がどんどんと乱れ、膝も笑い始める。

 

「んっ……!ふっ……!んぅ……っ!」

 

 彼の首に巻いていた腕を解いて、両肩に手を置いて身体を支えるが、足に力が入らないのかがくがくと震えている。

 それでも我慢して口付けしてくる彼女を愛おしく思いながら、秘裂に指を挿れた。

 くちゅりと湿った音と共に、筋ばった指が彼女の胎内に入り込む。

 その異物感に「ひぅ!」と声を漏らした彼女は一旦口付けを止めると、それから逃れるように腰を引くが、ローグハンターのもう片方の腕が腰を捕まえて再び密着させた。

 逃げ場を失った銀髪武闘家は「あ……」と声を漏らすが、ローグハンターは構うことなく指を動かし始めた。

 ちゅうちゅうと吸い付いてくるひだを引っ掻いてやるように指を折り曲げ、彼女の急所をこりこりと掻いてやる。

 

「んぁ!?あっ、あっ!はっ、やっ、んん!」

 

 ビリビリと痺れるような快感に喘ぐ銀髪武闘家は、とろんと蕩けた瞳をローグハンターに向けて、「もっと、もっと、ちょうだい……」と要求。

 こくりと頷いたローグハンターは指の動きを激しくさせた。

 こりこり、ぐりぐりと力強く膣肉を抉るように引っ掻き回し、吸い付いてくるひだを押し返すように指を回す。

 

「んん!は、あ、ひ、うぅ!!」

 

 ビクン!ビクン!と身体を跳ねさせながら声を噛み殺す銀髪武闘家だが、膣肉を痙攣し始め、表情からも余裕が消えていく。

 

「じ、ジル……っ!ひぅ!ジル!イくっ!ひぐぅ!?イっちゃう!イく、イくぅ!!」

 

 嬌声混じりに絶頂が近いことを告げると、ローグハンターは指を抜いた。

 銀髪武闘家が急になくなった快感に目を丸くすると、ローグハンターはパンツをずらして一物を露出させ、片腕で彼女の片足を持ち上げ、もう片方の腕で彼女のショーツをずらした。

「あ、待って」と制止の声をあげるものの、ローグハンターは聞く耳を持たず、そのままびちょびちょに濡れた彼女の秘裂に亀頭を押し付け、そのまま腰を突き出した。

 ずりゅ!と鋭い音をたてながら、一物が根本まで入り込み、彼女の子宮を押し潰した。

 

「きゅいぃぃぃぃいいいいい!?」

 

 途端に全身を駆け抜けた快感に、銀髪武闘家は絶頂を迎えた。

 接合部から潮が噴き出し、井戸水で濡れた地面と、彼女の衣装を汚す。

 

「は……っ!へ、へぅ……!はっ、はっ、はっ……」

 

 ビクビクと身体を痙攣させ、絶頂に押し上げられた身体を落ち着かせようと短い呼吸を繰り返すが、ローグハンターからすれば知ったことではない。

 ローグハンターは何も告げずに腰を振り始め、こつこつとノックするように子宮口に亀頭を押し付ける。

 

「ひぐ!?ぎっ!あっ、はっ!?ひぐ、あっ、ぎぃ!!」

 

 パン!パン!とローグハンターの腰と銀髪武闘家の臀部がぶつかり合う音が中庭に響き、その度に彼女の口からは甘ったるいまでの声が漏れる。

 

「イく!イってる、さっきからイきぱなし、なのにぃ!!」

 

「まって、まっへ!」と、呂律が回らないまま言うが、ローグハンターは気にせずに腰の動きを続行。

 彼女に告白してからというもの、変に遠慮して溜まっていたものが、弾けてしまったのだろう。

 彼は興奮に目を見開き、呼吸を荒くしながら、猛った獣のように彼女に腰を打ち付ける。

 

「あへ、ひぎ!あっ!イく!イくぅ!!イぐぅう!!!」

 

「ぐっ!」

 

 そして絶えず絶頂を迎えていた銀髪武闘家が叫ぶと、ローグハンターは低く唸った。

 亀頭と子宮口が隙間なく密着した同時に鈴口からどろりとした精液が吐き出され、彼女の子宮に注ぎ込まれる。

 

「ひぎぃいいいいいいいいい!!!」

 

 粘液(スライム)のように粘ついた精液に、普段触れられることのない子宮を舐め回されるという感覚に、銀髪武闘家は絶頂しながら身体を仰け反らせた。

 ローグハンターが素早く頭を押さえたことで転倒することはなかったが、彼女の顔は彼の肩に押し付けられ、声を封じられる。

 

「~~っ!!~っ!?~~──……」

 

 子宮を精液で舐め回される快感と、だんだんと押し広げられていく圧迫感に目を剥きながら、彼の臭いが鼻腔をくすぐり、肺を満たす。

 

「~~~~~!!」

 

 それさえも快感となる銀髪武闘家が、声もなく絶頂を迎えると、ローグハンターの吐精が終わりを告げた。

 ようやく落ち着いた吐精感に息を吐いたローグハンターは、そのまま勢いよく一物を引き抜き、彼女の顔を放した。

 それも快感となったのか、銀髪武闘家は「んぁ!?」と声をあげると、とろんと蕩けた瞳に彼を映した。

 だらしなく開いた口からは舌がこぼれ、口の端からは唾液が垂れる。

 その顔を間近で見ていたローグハンターが、優しく頭を撫でてやれば、段々と身体から余計な力が抜けていき。

 

「んへぇぇぇ……」

 

 気の抜けた声を漏らしたかと思えば、精液を吐き出していた秘裂から、ちょろちょろと音をたてて黄色に液体も漏れ始めた。

「ん……」と声を漏らして足元を見たローグハンターは、ふっと苦笑を漏らす。

 脱がせた彼女の服が、井戸水やら潮やら、精液やら尿やらと、様々な液体でべたべたになっているのだ。

 それに自分の服も汗でべたべたなのだから、洗うのは当然として。

 そしてあることを思い付いたローグハンターは、ちらりと銀髪武闘家に目を向けた。

 

「……んぁ?」

 

 快感の波から戻ってこられていない彼女は、不思議そうに首を傾げた。

 彼が邪悪な笑みを浮かべていることに、果たして気がついたのだろうか……。

 

 

 

 

 

 神殿の脇。間隔を開けて屹立している二本の木の間には、物干し竿代わりの縄がかけられ、そこには旗のように二人の服がなびいていた。

 

「あへ!?あっ!はっ!んぃ!はっ!んぁあああああ!!!」

 

 そんな木の幹に両手をついた銀髪武闘家の秘裂に、後ろからローグハンターの一物が捩じ込まれていた。

 パンパンと音をたてて腰が叩きつけられ、彼の一物が殴り付けるように子宮を押し潰す。

 

「あぎ!あっ、ぅ!ぐ、きゅい!?じ、じりゅ、じる!おね、おねがい、やすまへて……っ!」

 

 いやいやと首を横に振りながら言うが、ローグハンターは聞く耳を持たずに腰を振り回し、彼女のうなじに口付けを落とす。

 そのまま耳元に顔を寄せて「愛してるよ」と囁けば、彼女の身体が歓喜に震え、膣肉が一気に引き締まる。

 

「んぁ!わたし、わたしも、しゅき、あいしてる、から!いっかい、やめへ……!」

 

「断る」

 

 彼女の涙を流しながらの言葉に、ローグハンターはただの一言で返すと、腰の動きを強めていく。

 

「あん!あぎ、あっ、はっ、ぎ、あああああああああああ!!!」

 

「く……っ」

 

 銀髪武闘家が絶叫しながら絶頂を迎え、ローグハンターも一切我慢せずに射精を行った。

 

「あ……は……へぅ……んん……」

 

 木の幹を伝ってへたり込んだ彼女は、小さな呻き声を漏らしながら身体を痙攣させ、秘裂から精液が溢れる。

 彼女を見下ろしながら、ローグハンターは満足そうに笑った。

 ここにいるのは彼と彼女のみ。自分たちを止めてくる相手はおらず、また気を遣う必要もない。

 にこにこと愉しそうに笑いながら、ローグハンターは次はどうしようかと顎に手をやった。

 そんな彼の視線の先で恍惚の表情を浮かべている銀髪武闘家もまた、今度はどこでやろうかと思考を巡らせているのに、彼は気付かないでいた──。

 

 

 

 

 

 夜。二人の寝室。

 

「あん!あっ、はん!どう、気持ち、いい……?」

 

「ああ、気持ちよ」

 

 ギシギシとベッドを軋ませながら、二人の行為は続いていた。

 ベッドに寝転ぶローグハンターに跨がった銀髪武闘家が、自分で腰を振って一物を出入りさせる。

 動きに合わせてぶるんぶるんと乳房が揺れて、接合部からは愛液が垂れて彼の一物と股間の辺りを汚していく。

 

「あひ!?あ、じ、じりゅ!イく!わたし、イっちゃう!」

 

「俺も、射精()すぞ……っ!」

 

 二人はお互いにそう告げると、銀髪武闘家は腰の動きを速めた。

 イくのなら一緒がいいという彼女の我が儘が、力が入らない身体に活力を与えてくれる。

 

「あん!はん!ひぐ!あっ!ぎっ、イく……っ!」

 

「ぐ……っ」

 

 そのまま無理をして腰を振り回した結果、二人はほぼ同時に絶頂を迎えた。

 吐き出された精液が彼女の子宮を満たし、入りきらなかったものは膣に逆流して一物を白く汚す。

 

「はっ……!へっ……!んっ、んへぁ……」

 

 ピクピクと身体を痙攣させていた銀髪武闘家は、気の抜けた声と共に彼の身体に倒れた。

 ローグハンターは吐精後の疲労感にはぁはぁと乱れた呼吸を繰り返し、銀髪武闘家の髪を撫でた。

「えへへ」と笑った彼女は、そのまま眠りにつこうとするが、

 

「よっと」

 

 ローグハンターが彼女を抱えたまま寝返りをうち、上下を逆転。

 固さを保ったままの一物が銀髪武闘家の子宮を押し潰し、彼女の口からは低い呻き声が漏れる。

 少々怯えたような視線をローグハンターに向けると、彼はにこりと微笑んだ。

 

「もう少し、付き合ってくれ」

 

 彼の性欲は、案外底抜けなのかもしれない。

 銀髪武闘家は力なく笑い、小さく溜め息を吐いた。

 

 ──それに付き合っちゃう、私も私だよね……。

 

 惚れた弱みというのは、誰にでも言えることなのだ。

 

 

 

 

 

 翌日。島の砂浜。

 

「ひぎ!?あっ、じ、ジル!?ま、待って……!」

 

 ローグハンターに覆い被さられた銀髪武闘家の悲鳴が、海に響いた。

 漁を終えて海からあがった途端、彼に襲いかかられたのだ。

 白い砂浜にうつ伏せに押し倒され、既に勃起した一物を、解れても、濡れてもいない秘部に押し込まれる。

 あまりの痛みに銀髪武闘家は悲鳴をあげるが、

 

「ひぅ!あっ、はっ、あん!あへ、んぃいい!!」

 

 数分もしないうちに恍惚の表情を浮かべて、快感に喘ぎ始める。

 ローグハンターはそのまま腰を打ち付けて、己の欲望を吐き出す。

 

「んぁあああああああああああああ!!!」

 

 それに合わせて絶頂を迎え、銀髪武闘家は砂に身体を沈めた。

「はぁ……はぁ……」と肌に珠のような汗を浮かべ、身体中に砂を付着させるが、ローグハンターはまだ満足していないのか、腰の動きを再開。

 銀髪武闘家の嬌声が、朝の海に響き渡るのだった。

 

 

 

 

 

 中庭での模擬戦直後。

 銀髪武闘家に投げ飛ばされたローグハンターは、体勢を立て直す暇もなく彼女に襲われていた。

 

「この、この、この!いっつも、いっつも、キミの、好きにさせるわけないでしょ!!」

 

 投げ飛ばされてグロッキー状態の彼に跨がり、声を出しながら腰を上下させ、秘部を貫く一物を扱く。

 

「ちょっと、話、聞いてる!?気絶しちゃ、駄目だからね!」

 

「ぐ、うぅ……」

 

 ぺちぺちと頬を叩いて彼を目覚めさせて、唸る彼の頬をつねる。

 痛みに唸った彼は、両手で彼女の腰を掴むと、

 

「いい加減に、しろ!」

 

「ひにゃああああああああ!?!?」

 

 一気に腰を落とさせた。

 予期せぬ時機(タイミング)で快感を叩きつけられた銀髪武闘家は絶頂を迎え、ローグハンターはその隙に上下を逆転反転。

 

「形勢逆転だな」

 

 ローグハンターは不敵に笑うと、彼女の両手を掴んで固定すると、腰を振り始めた。

 

「ひぎ!?ま、やめ、イったばっかり、なのに!?イく!?イく!イくぅううううう!!」

 

 

 

 

 

 

 

 夜。双子の月が見下ろす砂浜にて。

 さざ波が砂浜に寄せる音を聞きながら、ローグハンターは小さく笑んだ。

 敷物代わりに葉っぱを敷き詰め、その上に胡座をあいて座る自分の足の上には、彼女が自分に背を預ける形で腰を掛けており、

 

「……っ!っ……!~~っ」

 

 一物に秘部を貫かれたまま放置され、ピクピクと痙攣を繰り返していた。

 動こうにも彼の両手で腰を掛けがっちりと固定され、身動き一つとれやしない。

 長らくこのまま放置していたが、ローグハンターは彼女に告げる。

 

「もうしばらくは、このままになりそうだな」

 

 何かが助けに来る気配も、近くを船が通る気配もないのだ。

 もうしばらくは、この島で二人きりになってしまうのは、果たして喜ぶべきか落ち込むべきか。

 二人きりにれるのは嬉しいが、友人知人らに会えないというのは、酷く残念にも思える。

 

「わた、私は、別に……いい、よ……?」

 

 ピクピクと快感に震えながら口を開いた彼女は、彼に見せつけるようににこりと微笑んだ。

 

「キミとなら、世界のどこまでもって、言ってるでしょ?」

 

 そしていつもそう言うように言葉を紡ぎ、「だから、平気」と笑って見せた。

 その言葉を受けたローグハンターは苦笑を漏らすと、ぎゅっと彼女を抱き締めた。

 そう、目の前には彼女がいるのに、それ以外に何を望むというのだ。

 

「愛してるぞ、シル」

 

「私も愛してる。ジル……」

 

「だから、その……」ともじもじと爪先を擦り合わせながらの言葉に、ローグハンターは笑った。

 

「ああ、いい加減俺も限界だからな。気絶するなよ?」

 

「大丈夫。私は、頑丈だから……っ」

 

 彼の言葉に銀髪武闘家は挑発的に笑うと、ローグハンターは鼻を鳴らした。

 彼女がそう言うのなら、手加減はなしだ。

 その夜、砂浜には一晩中彼女の喘ぎ声が響き続けた。

 二人がこの後どうなったのかは、誰にもわからない。

 このままこの島に骨を埋めたのか、ふとした拍子に脱出できたのか。

 

 ──それもまた、人々が冒険と言うものの一幕であることに、違いはあるまい。

 

 

 

 




とある人からの質問と、その解答を共有するのを忘れていたので今更ですがここで言います。

Q.いわゆるバッドエンド、陵辱ルートのリクエストも大丈夫ですか?

A.オッケーです。なにかネタがあれば投げてもらえると助かります。

なので、イチャラブ以外にもなにかありましたらリクエストどうぞ。

感想、リクエスト等ありましたら、よろしくお願いします。


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Memory?? 惨劇の生存者①

リクエストから。

ヒロインは漫画版イヤーワン、冒頭の三姉妹。

原作では安否不明(たぶん死亡)ですが、この世界線ではログハンに助けられてます。
カラーページじゃないので髪の色とかは勝手なイメージですし、三姉妹の順番も自己解釈ですが、そこら辺はご了承ください。

ログハンが四方世界に転がり込んで二年くらい経過。
ですが勇者ちゃんにも、銀髪武闘家にも出会っていないので、もはや可笑しくなるくらいに鈍感です。

没プロットの供養ついでに書き始めたら、思いの外長くなってしまったので今回は導入部分。
エロ抜きなので、興味ない方はブラウザバックか、更新されていれば次にお進みください。




 双子の月の輝きも届かない、とある洞窟の中。

 そこかしこから聞こえるゴブリンの声に怯えながら、三人の女性が身を寄せあっていた。

 ゴブリンの手により衣服が全て裂かれ、剥き出しになった白い肌には爪で引っ掻かれた跡や、痣などが残り、その四肢も痩せ干そっている。

 三人がここに連れてこられ、どれ程の月日が流れたのだろうか。

 陽も、月も見えない洞窟の奥では、それさえもわからない。

 

「大丈夫、大丈夫だから……」

 

 光が消えた瞳を揺らし、それでも愛する妹二人を抱き締めた長女は、何の根拠もなくそう告げた。

 だが妹二人の反応はよくはない。小さく呻くか、啜り泣く声が漏れるのみだ。

 ゴブリンに村を襲われ、友人たちは皆死んでしまった。

 笑いあっていた隣人も、頼りにしていた村の男たちも、皆殺されてしまった。

 愛する人に捧げたかった純潔は、あの醜い怪物に奪われた。

 自分たちがこうして生きているのは、ひとえにゴブリンたちの気紛れによるものなのは、間違いない。

 そして自決できない理由もまた同じ。

 舌を噛みきる力も残っておらず、万が一にも上手くいって自分が死ねればそれでいいが、もし他の二人が生き残ってしまったら?

 自分が受けるべきだった暴力を、唯一残された家族に向けられることを、三人は望んではいない。

 今はこうして放置されているが、時間が経てば我先にとこの部屋に雪崩れ込み、好き勝手に弄ぶのだ。

 助けが来るのかもわからない。そもそも、自分たちが拐われたことを知る人物が、果たしているのだろうか。

 長女はそんな過った思考を振り払うように頭を振って、ぎゅっと妹たちを抱き締めた。

 出来るだけ優しく、それこそ昔のように髪を撫でてやり、一人じゃない、私はここにいると教えてやる。

 二人の身体から僅かに力が抜けて、呼吸も落ち着きを取り戻した頃。

 

「GBGOBRR!!」

 

 一匹のゴブリンが、何かを喚き散らしながら三人がいた広間へと駆け込んだ。

「ひっ!」と悲鳴をあげたのは、末娘だ。

 彼女は身体を強張らせながら小刻みに震え、爪が食い込むほどの力を込めて長女に抱きついた。

 妹も爪が食い込み、血が滲み出る痛みに耐えながら、長女は二人の盾になるように身体を乗り出した。

 ゆっくりと両手を広げ、やるのなら私にしろと言わんばかりにゴブリンを睨む。

 睨まれたゴブリンはその迫力に多少狼狽えるものの、すぐに相手が自分よりも非力な女だと思い出してニヤリと嗤う。

 

「GBR!!」

 

 そして長女に向かって飛びかからんとした瞬間。

 大上段から振り下ろされた銀閃により、頭蓋から股にかけてを切り裂かれた。

 肝心のゴブリンは断末魔をあげることなく、身体を左右に泣き別れにしながら、その醜い生涯を終える。

 

「……?」

 

 ゴブリンの声はすれど、全く襲いかかってこない状況に長女が首を傾げると、洞窟の闇からがさごそと何かを探る音が漏れた。

 何かいると長女は身体を強張らせるが、ついで彼女の視界に映ったのは橙色の光だった。

 突然の光に手で顔を庇った三人は、けれど衰弱しきった表情に僅かな希望を持ちながら、その橙色の光──松明の炎を見つめた。

 そして、そこにいたのは一人の男性。

 右手には剣を、左手には松明を構えた男性は、頭の上から爪先まで、黒を基調とした衣装に身を包んでいる。

 その男性の彼女らがいたことに驚いているのか、松明を掲げた姿勢で固まっているが、おもむろにその場に片膝をつき、頭巾を脱いだ。

 露になった黒い髪と蒼い瞳を松明の炎で照らしながら、金髪の女性(長女)茶髪の女性(次女)黒髪の女性(末娘)を一瞥し、無表情のまま、淡々と告げる。

 

「遅くなってすまない。助けに来た」

 

 明らかに助けに来た男の表情ではないのだが、三人にとってそれはどうでもいいことだった。

 次女と末娘が涙を流しながら抱き合い、長女もまた耐えきれずに涙を流す。

 蒼い瞳の男性はそれを拭ってやると、「よく頑張ったな」と彼女を讃え、ちらりと背後へと目を向けた。

 そこに控えていた短い青髪の神官にあとを任せ、彼女の相棒である巨漢──黒い髪の大剣使いと並び立つ。

 

「それで、ここから先には行かせられんな」

 

 大剣使いは鮫のように獰猛に笑いながら告げると、蒼い瞳の男性が小さく頷く。

 小遣い稼ぎに余っていたゴブリン退治を請け負ったのだが、思いの外ことは複雑そうだと、大剣使いは笑う。

 ばたばたと闇の奥から聞こえてくる足音に合わせ、大剣使いは予備の片手剣──洞窟でだんびらを振り回すのは馬鹿がすることだ──を、蒼い瞳の男性も剣を構える。

 二人が迎え撃つは最弱の魔物──ゴブリンの群れ。

 だが、二人が負けることはない。

 片や辺境最強とまで呼ばれる純粋な戦士であり、もう片方は辺境最高とまで呼ばれる斥候兼戦士だ。

 ゴブリン程度、物の数ではない。

 迫り来る数多の足音に、二人は怯むことなく飛び込んでいった。

 ゴブリンたちがどうなったかは、もはや言うまでもないことだ。

 

 

 

 

 

 それから半年ほど経った頃。

 辺境の街、眠る狐亭。一階、酒場。

 双子の月が昇り、暗くなり始める降魔が時。

 旅行客や冒険者などでごった返すその場所を、杯や料理の盛られた皿を持ちながら右往左往している、三人の女性がいた。

 一人は肩にかかるほどの金色の髪を揺らす女性。

 もう一人は短く切り揃えられた茶色い髪の女性。

 最後の一人は、頭の後ろで黒い髪を纏めた女性。

 似た顔立ちの彼女らが姉妹であることは、素人目からしても明らかで、最近雇われたばかりの給仕係というのも、ある程度周知の事実。

 そんな彼女らが、先日まで神殿に入っていたことや、何がどうしてここで雇われたのかを知る者は極僅かだが、彼女らとしてもそれは都合がよかった。

 ただですら将来がわからない状況なのに、過去の出来事──ゴブリンの虜囚になっていた──が知られれば、きっと回りからの目が冷めたものへとなるだろう。

 もしそうなれば、きっと自分たちの未来は潰えると、三人の認識は一致していた。

 冒険者になろうにも腕っぷしがよいわけでもなく、ゴブリンに襲われた女を娼婦として抱える娼館もあるまい。

 街外れの牧場の主が声をかけてはくれたものの、あの()と面と向かい合う勇気もない。

 

 ──臆病者、と言われても仕方がないわ……。

 

 長女はその不安を表情には出さずに小さく溜め息を吐き、客に呼ばれたことを合図に笑みを浮かべた。

 妹たちも慣れない接客を頑張っているのだから、自分も頑張らねばならない。

「よし!」と気合いを入れ直して、注文を取ろうと駆け出そうとした直後だった。

 制服に隠された尻に、誰かの手が触れた。

 

「っ!」

 

 ピクリと身体を跳ねさせて、ゆっくりとそこに目を向けてみれば、そこにはやはり誰かの手が伸びてきていた。

 その手を伝っていけば、そこには酔っているのか赤くなった顔に、気の抜けた笑みを浮かべている男がいた。

 単純に酔った男がお触りをしただけなのだが、長女にのってはそれが問題だ。

 その男の笑顔が、ゴブリンたちの醜悪な笑顔と重なり、その瞬間には封じ込めていたあの夜のことが、あの地獄が次々と掘り起こされていく(フラッシュバック)

 

「あ……ああ……!」

 

 途端に表情が怯えと恐怖の色に染まり、身体が震え、強張り、力が抜けていった。

 するりと指から抜けた杯が、がしゃん!とけたたましい音をたてて床へと落ち、中身をぶちまける。

 酒場にいる人々の視線が一斉に彼女に集まり、なんだなんだとざわめきが広がっていく。

「え……」と声を漏らして慌てたのは、問題をやらかした男だ。

 思わぬ事態に酔いも醒め、次に出たのは心配の声だ。

 

「あ、おい、大丈夫か……」

 

 立ち上がらせてやろうと席を立ち、手を差し出すのだが、長女は呼吸を乱しながら自分の身体を抱き締め、とりつく島もない様子。

 困り果てた男は仲間たちに目を向けるが、肝心の彼らも困り顔で首を傾げるのみ。

 

「お客さん」

 

 そんな彼らに声をかけたのは、筋骨隆々の男だった。

 眠る狐亭の制服がはち切れんばかりに筋肉がついたその男は、この店の用心棒だ。

 どこかの国の剣闘士だったとか、名のある傭兵だったとかと言われる彼は、ごきごきと拳を鳴らしてその男たちに告げた。

 

「うちは、店員へのお触りは厳禁です」

 

 ぎろりと睨んだ眼光には、怒りを通り越した殺気さえも宿り、言われた男たちはこくこくと頷きながら、荷物を纏めてそそくさと酒場をあとにしてしまった。

「またのご来店を」と頭を下げた用心棒は、ちらりと店主へと目を向け、頷きあった。

 

「給仕殿。彼女の裏に」

 

「は、はい……!」

 

 表情を僅かに和らげながらの言葉に次女が応じ、長女に手を貸して立ち上がらせ、一旦裏の店員専用の部屋へと連れていった。

 そこで休ませ、気持ちを落ち着かせようという判断だ。

 用心棒がパン!と手を叩いて注目(ヘイト)を集めると、「お騒がせしました」と改めて頭を下げる。

 そして、この騒ぎでそれで終わりだった。

 客たちが話し始めれば、それに合わせて喧騒が強まっていく。

 一人残された次女が末娘は心配そうにしていたが、客に呼ばれてそれどころではなくなってしまう。

 ある意味この忙しさのおかげで、あの頃を思い出さずに済んでいるのは確かだ。

 

 

 

 

 

 

 夜も更け、酒場からも人が捌けた頃。

 

「ごめんなさい。せっかく雇っていただいたのに」

 

 顔色が悪いままカウンター席に腰掛けた長女は、カウンターの内側にいる店主に頭を下げた。

「気にするなよ」と苦笑する彼は、そっと白湯を差し出した。

 それを受け取った長女は「いただきます」と呟き、こくりと喉を鳴らして一口呷った。

 心地よい温もりが身体に染み込み、ほっと息を吐いた。

 

「この店には、ちょいと訳ありの店員が多いからな。あいつを含め」

 

 店主が顎で示した方向にいるのは、直立不動の用心棒だ。

 彼は小さく会釈するのみで、何かを言うことはない。

 長女が「は、はぁ……」とよくわからないまま頷くと、店主がぽんと手を叩いた。

 

「病み上がりで悪いが、ひとつ頼まれてくれ」

 

「は、はい。先程は迷惑をおかけしましたから」

 

 その言葉に長女は内容も聞かずに即答すると、店主は「いい返事だ」と微笑んだ。

 同時に厨房から盆に乗ったサンドイッチが運ばれ、カウンターの上に置かれた。

 

「これを、ここに書いてある部屋まで運んでくれ。なに、渡すだけか、最悪これで入って構わん」

 

 店主は笑いながらそう告げ、部屋番号が彫られた木板と鍵を盆に乗せた。

 長女がそれを確認するが、随分と上の階であることに気付き、僅かに表情をひきつらせる。

 

「それじゃあ、頼んだぞ」

 

 店主はそう言うと長女は否もなく盆を持ち上げ、「任せてください」と応じた。

 そのまま慣れた様子で階段に向かっていき、こつこつと音をたてて登っていく。

 

「……大丈夫だと思いますか」

 

 彼女が二階以上には行ったろうと判断した用心棒が問うと、店主は苦笑混じりに肩を竦めた。

 

「それは、あいつ次第だ」

 

 面倒事を任せるようで悪いが、彼なら彼女を救えるだろうと判断してのこと。

 妹たちには姉という支えがあるが、その姉には支えがないのだ。

 あるのは守るべき妹たちからの期待(重圧)と、それを果たさんとして空回りしてしまう想いだけ。

 先程のあれは、いつかくるだろう限界が、彼女の予想に反して早くきてしまっただけのこと。

 なら、どうするか。

 少し乱暴だが、彼女にとっての心の支えを、多少無理矢理にでも用意してやればいい。

 そしてそれにちょうどいい人物が、ちょうどいい時機(タイミング)に、今の彼女でもできる、とても簡単な頼み事をしてくれた。

 この好機に乗らずして、いつ乗るというのだ。

 

「怯える乙女くらい救ってみせろ、冒険者」

 

 

 

 

 

 壁に立て掛けられた角灯(らんたん)の明かりを頼りに、暗い廊下を進んだ長女は、件の部屋の前にたどり着いた。

 暗い廊下を一人で進むのは少々不安ではあったが、流石にゴブリンがここにいるわけがない。

 一度深呼吸をし、僅かに激しくなっていた心臓の鼓動を落ち着かせると、こんこんと扉を叩いた。

 中からは「なんだ」と淡々とした声が返され、がちゃりと音をたてて鍵が開く。

 そして開かれた扉の隙間から顔を覗かせたのは、蒼い瞳の男性だ。

 その男性は長女の顔を見つめ、ついで彼女が持つ盆へと目を向けた。

 

「配達か。すまない、面倒をかけた」

 

 彼は手短にそう言うと盆を受け取ろうと手を伸ばすが、長女は驚いた表情のまま身体を固めていた。

 

「……どうした」

 

 蒼い瞳の男性は僅かに怪訝そうに眉を寄せるが、改めて彼女の顔を見つめて僅かに目を剥いて驚きを露にした。

 

「お前、あの時の」

 

「……っ。……っ!」

 

 長女は頬を伝う涙をそのままに、蒼い瞳の男性──巷では、ならず者殺し(ローグハンター)と呼ばれている冒険者に対してこくこくと頷いた。

 

「なぜ泣く。……とりあえず、入れ」

 

 突然泣き出してしまった彼女を気遣ってか、ローグハンターは扉を開いて彼女を部屋に招き入れた。

 一人で寝るには少しばかり大きめのベッドと、何かを組み立てる作業台、長持ち、服入れ(クローゼット)と、あるものは必要最低限。

 

「それは、そこに置いておいてくれ」

 

 その部屋を涙目で見渡した長女は、ローグハンターが示した作業台に盆を乗せた。

 

「……いつまで泣いているつもりだ」

 

「ごめんなさい……。でも、止まらなくて……」

 

 ローグハンターが溜め息混じりにそう言うが、長女は涙を止められずに四苦八苦。

 いくら擦っても涙は止まらず、次から次へと溢れてくるのだ。

 ローグハンターはそんな彼女の手を引いてベッドに座らせてやると、「ほら」と手拭いを差し出す。

 

「ありがとうございます……」

 

 それを受け取った長女はそれで目元を拭いながら礼を言うと、ローグハンターは「気にするな」と告げるのみ。

 そのまま泣き止むのを待つがてら、食事を済ませようとしたのか、作業台に寄りかかりながらサンドイッチを頬張り始める。

 さくさくとパンに挟まれた野菜や、ベーコンを噛み千切る音と、長女の啜り泣く声が部屋に響く。

 それから数分が経ち、それぞれの音が止んだ頃、ローグハンターが口を開いた。

 

「ここで働いていたんだな。あの二人も一緒か」

 

「はい。姉妹三人で、あの人に雇っていただきました」

 

「そうか。立ち上がれたのなら、何よりだ」

 

 ローグハンターは相変わらず淡々とした声音でそう言うと、何かに気付いたのか目を細め、無遠慮に彼女の隣に腰を下ろした。

 そのまま彼女の手に触れ、二の腕を掴み、脈を確かめるように首に触れ、体温を確かめるように額に触れ、頬を撫でる。

 僅かに震えている手、柔らかいものの僅かに痩けているように思える腕、不安定な脈拍に、僅かに熱い体温。

 

「すまない。体調が悪いのに、余計な仕事を増やしてしまった」

 

「……」

 

 ローグハンターは今の彼女の状態をそう判断し、すぐに謝罪の言葉を口にしたが、肝心の彼女の反応は何とも微妙なものだ。

 自分の身体に触れている彼の手を見つめ、不思議そうに瞬きを繰り返している。

 

「……どうかしたのか」

 

 ローグハンターが首を傾げながら問うと、長女はそっと彼の手に自分の手を重ねた。

 彼は無表情のまま疑問符を浮かべるが、長女もまた疑問符を浮かべているのがわかる。

 お互いに訳もわからないまま触れあうこと数分。

 どうしたものかと無表情のまま困っているローグハンターを他所に、長女はまた別の事を考えていた。

 

 ──嫌じゃ、ない……。

 

 彼に触れられても、激しい動悸や寒気に襲われることがなく、むしろ安堵している感覚すらある。

 

「……」

 

 ぼんやりとした表情のまま、ぎゅっと手を握ってくる長女の様子に困惑しつつ、ローグハンターはとりあえずされるがままになることを選んだ。

 女に下手に逆らうなとは、師から教えられたことのひとつだ。

 そうして彼女を放置すること数分。ようやく意識が戻ってきたのか、ハッとした彼女は慌てて彼の手を離した。

 

「ご、ごめんなさい……!その、私……」

 

「いや、気にするな。だが、なんだ……」

 

 ローグハンターは彼女の温もりが残っている手を開閉しながら、小さく肩を竦めた。

 

「何かあればまた来い。これも何かの縁だ」

 

「……っ!はい……っ」

 

 彼の言葉に、長女は表情をパッと明るくしたが、すぐに照れたように顔を背けてこくりと頷いた。

 そのまま勢いよく立ち上がり、「失礼します!」と一方的に告げながら部屋を飛び出していった。

 

「……」

 

 一人残されたローグハンターは頭を捻ると、作業台に放置された盆へと目を向けた。

 朝一に返せばいいとして、この部屋の鍵が残されているのは問題なような気もする。

 

 ──まあ、どうでもいいか。

 

 どうせ明日の朝には片付く問題なのだ。今考えても仕方があるまい。

 ローグハンターはごろりとベッドに寝転ぶと、そのまま目を閉じた。

 数分もしない内に寝息をたて始めるのは、余程眠かったからか、あるいは時間を無駄にしたくないからか。

 

 

 

 

 

 彼が流れるように眠りについたのと、ほぼ同時。

 長女は赤くなった頬を手で隠しながら、壁にもたれ掛かっていた。

 赤くなった頬は熱を持ち、思い出すだけでも身体が火照ってしまう。

 いやいやと首を振り、誰にも見られない内にと駆け足で寮へと戻る。

 そのまま駆け込むように妹たちが待つ部屋へと飛び込み、ベッドへと潜り込んだ。

 

「お姉ちゃん!?どうしたの!?」

 

「お、お姉ちゃん……?」

 

 愛する妹たちが声をかけてくれるが、今の彼女にはそれに返してやれる余裕がない。

 こんな真っ赤になった顔を、力が抜け、ふにゃふにゃになってしまった顔を見られれば、姉としての尊厳が失われてしまう。

 

「ど、どうしよう。やっぱり、あの時のこと気にしてるのかな……?」

 

「だ、大丈夫よ!私たちのお姉ちゃんなんだから!」

 

「そうだよね。きっと、大丈夫だよね」

 

 聞こえてくる二人の声は、こちらを本気で心配している時のそれだ。

 それに「大丈夫だから」と返してやれないのも情けない話だが、今顔を出せば、間違いなく二人に心配をかけてしまうし、何より怖がらせる可能性もある。

 

 ──とりあえず、今日はこのまま寝よう。

 

 長女は着ていた制服をそのままに目を閉じて、無理矢理でも眠ろうと努める。

 両脇のベッドからか「「おやすみなさい」」と少々覇気に欠けた妹たちの声が聞こえ、長女はなけなしの矜持(プライド)が働いて「おやすみ」と返した。

 シーツを被っていたのか、あるいは寝巻きに着替えていたのか、微かに聞こえていた布擦れの音が唐突に止まり、鈴を転がしたような小さな笑い声が耳に届く。

 二人が笑ってくれたのならいいかと、長女もまた笑みを浮かべ、その穏やかな気持ちのまま眠りに落ちた。

 心配した妹たちがベッドに入り込んでおり、知らぬ内に二人の声は抱き枕にされていたことを知るのは、翌朝になってからのことだ。

 

 

 




感想、リクエスト等ありましたら、よろしくお願いします。


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Memory?? 惨劇の生存者②

前回の続き。
漫画版イヤーワン冒頭三姉妹の、長女編になります。


 辺境の街、眠る狐亭。

 ローグハンターが拠点としている一室は、ここ最近騒がしいものだった。

 何かを頼み、配達を手配すれば金髪を揺らし、上機嫌そうに笑う長女が訪れ、そのまま談笑したり、あるいは意味もなく滞在したりしているからだ。

 ローグハンターが「仕事はどうした」と問うても、彼女はにこりと笑って、

 

「店主さんからは、これを届けたら上がっていいそうです」

 

 と告げてくるのみ。

 いつからかローグハンターも注意を止めて、滞在を黙認しているあたり、彼女の勢いにやられたと言うべきか。

 そして彼女が来る度に、握手をはじめとした肉体接触(ボディータッチ)を強制されているのだが、それを否を言わないのは彼女の過去を知っているためか。

 そして、この日もまた長女は盆を持ったまま彼の部屋の前にいた。

 盆を片手で持ったまま、ざっと身嗜みを整え、数度ノック。

 

「夜食のお届けです」

 

 そしていつも通りの声音でそう告げるが、珍しいことに返答がない。

 不思議なこともあるものだと、長女は首を傾げて再びノック。

 だが、返事はない。

 

「……?」

 

 注文があった以上、帰ってきてはいる筈だがと思慮し、「失礼します」と一言告げてから合鍵で鍵を開け、ゆっくりと扉をあけた。

 

「……」

 

 そっと扉の隙間から顔だけ出して中を見るが、やはりいない。

 

「あれ……?」

 

 長女は扉を全開にして部屋に入るが、相変わらず彼が見当たらずに首を傾げた。

 ざっと部屋を見渡してみるが、いつも来るときと違いはない。

「あ、あの~」と恐る恐る部屋の中を進み、ちょうど中央に差し掛かった頃。

 ふと、ベッドと壁の隙間から足が出ている事に気付き、長女は足を止めた。

 見慣れた黒い長靴(ロングブーツ)と、衣装の裾が飛び出しており、耳を澄ませば寝息が聞こえてくる。

 ホッと息を吐いた長女はいつも通り作業台に盆を置くと、ベッドと壁の隙間を覗きこんだ。

 

「すぅ……すぅ……」

 

 そこには予想通りローグハンターがおり、いつもの衣装のまま倒れたのか、あるいはベッドから転がり落ちたのか、見事に隙間に填まっているのだ。

 

「……」

 

 長女は可笑しそうに笑うと、音をたてないように彼に覆い被さった。

 いつもは凛とした──むしろ無表情にも見える──顔をしているが、無防備な寝顔は年齢よりも幼げに見える。

 

「……っ。っ……」

 

 けれど途端に眉に皺が寄るほどに顔が強張り、低く唸り始めた。

 嫌な夢でも見ているのか額に汗が浮かび、囁くように何かを言っている。

 耳を澄ませば「母さん」や「父さん」、あと何人かの名前を言っているようだが……。

 

「……」

 

 じっと彼の寝顔を見つめていた長女は、そこに妹たちの姿を重ね、神妙な面持ちを浮かべた。

 彼にも自分には言えない何か──それも心に傷を残すほどの強烈なもの──が、あるのだと、今さらになって気付く。

 普段の彼はそれを感じさせない佇まいをしているが、彼だって人間なのだ。

 

「……あの、起きてください」

 

 そして、本格的に(うな)され始めた彼を起こそうと、そっと肩に触れた瞬間。

 浮遊感を感じたと共にぐるりと視界が回り、その勢いのままに床に叩きつけられた。

 受け身もろくに取れない長女は、強烈な衝撃に目を見開きながら「かはっ」と肺の空気を吐き出す。

 思わぬ痛みに身体が強張り、状況も把握できずに頭も回らない。

 そして立ち上がる暇もなく、ローグハンターが馬乗りになり、服の袖からから飛び出した仕込み刀(アサシンブレード)が振るわれ、

 

「……っ!?」

 

 彼女の首を貫く間際に、ローグハンターはぎょっと目を見開き、慌てて刃を止めた。

 あと少し遅ければ、まず間違いなく彼女の喉を貫いていたそれは、必殺のそれだ。

 

「え……あ……その、すまん……」

 

 ローグハンターは珍しく狼狽えながらアサシンブレードを納め、ふらふらと立ち上がった。

 そのまま壁に寄りかかり、壁伝いにずるりとへたり込む。

 長女は首を押さえながら身体を起こし、頭を抱えて溜め息を吐いている彼に目を向けた。

 いつもは鋭い輝きを放つ蒼い瞳も、今は濁って見えるほどに光が陰り、不安げに揺れている。

 長女がゆっくりと立ち上がると、ローグハンターは僅かに顔をあげながら告げた。

 

「すまん。今日は、話し相手になってやれそうにない……」

 

 覇気の欠けた、むしろ無気力とまで言える声音。

 彼らしくない、随分と憔悴したそれを聞いて、放っておけるほど思い入れがないわけではない。

 長女は自分の胸に手を当てて、深呼吸を一度。

 彼の前に膝をついて座った彼女は、俯く彼の頭を抱き寄せた。

 妹たちに比べて幾分か大きい胸に彼の顔を埋めて、泣いている妹にするように、優しく頭を撫でてやる。

 

「おい……」

 

 胸の中から随分と低い、相手を威圧するような声が聞こえたが、長女は気にすることなく彼を抱擁。

 逃げることもできるだろうに、彼は溜め息を吐きながら彼女の抱擁を受け入れ、身体を弛緩させた。

 なんだか子供っぽい仕草に笑いながら、ぎゅっと抱き締める。

 その体勢で数分ほど経った頃。

 ローグハンターはとんとんと長女の肩を叩き、「もう、落ち着いた」と告げた。

 

「そうですか……」

 

 彼女は少し残念そうに呟きながら彼を離すと、服の乱れを直し始める。

 その様子を眺めていたローグハンターは、僅かに言葉に迷うような素振りを見せながら、彼女に告げた。

 

「こうゆうことをするのは、どうかと思うんだが……」

 

「……?どうしてですか?」

 

 長女は小さく首を傾げ、彼にその理由を問うた。

 だがそれと同時にとある予感が頭を掠め、彼女は表情を青くした。

 

「……やはり、私がゴブリンに──」

 

「いや、それは全く関係ない」

 

 そんな彼女に、ローグハンターは食い気味に告げた。

 そして気まずそうに目を背け、小さく溜め息をひとつ。

 

「お前は女で、俺は男だ」

 

「……それくらいわかっていますよ?」

 

 長女は彼の言葉にさも当然のように切り返し、馬鹿にしているのかと言わんばかりに彼を睨んだ。

 もっともこの程度で怯む彼ではなく、再び溜め息を吐きながら問うた。

 

「お前は、相手が落ち込んでいると見たら、誰にでも今みたいなことをするのか?」

 

「するわけないじゃないですか」

 

 長女はその問いに対して思慮することもなく即答した。

 当たり前だ。彼以外の男に対しては、こんなことをするどころか触れることすらも出来るか怪しいというのに。

 

「……」

 

 ローグハンターは眉を寄せながら額に手をやると、「なら、いいんだが」と告げた。

 

「な、何ですか。何か言いたいのなら、はっきりお願いします!」

 

 長女は話しは終わりだと言わんばかりの態度の彼に詰め寄り、その肩を掴みながら顔を寄せるのだが、対するローグハンターはゆっくりと目を背け、ぽつりと呟いた。

 

「俺は、男だ」

 

「それは見ればわかります」

 

「それなりに無欲だという自覚もある」

 

「それは、そうなのですか?」

 

「ああ。で、問題はここからだ」

 

 彼はそう告げるとゆっくりと顔をあげ、長女の瞳を覗き込んだ。

 そのままそっと伸ばした手で彼女の肩に触れ、そのままゆっくりと彼女の首からうなじにかけてを撫でた。

 

「……?」

 

 長女は不思議そうに首を傾げるのみで、逃げる素振りを見せない。

 むしろ心地よさそうに目を細めているほどで、彼に対して全幅の信頼を寄せているようにさえ思える。

 ローグハンターは重々しく溜め息を吐くと、再び彼女の身体をぶん投げた。

 訳もわからずに「へ?」と声を漏らした長女は、ぼふんと音をたててベッドに倒れ、驚愕の表情を浮かべたまま天井を見上げる。

 そんな彼女の視界の隅からローグハンターが顔を出し、先程と同じように彼女に馬乗りになった。

 微妙に違うとすれば、今度は尻を浮かせて彼女に負担をかけないようにしているところか。

 

「あ、あの……?」

 

「こうなることは、予想していなかったのか?」

 

 恐る恐る問うと、ローグハンターはどこか冷たい印象を与える瞳で彼女を見下ろしながらそう告げた。

 そのままゆっくりと彼女に顔を寄せ、鼻先が触れあうほどの距離になり、お互いの息がかかって僅かにくすぐったい。

 ローグハンターは彼女の文字通り目と鼻の先で、瞳と同様に冷たい声音で告げた。

 

「嫌なら、逃げ──」

 

 そしてそれを言い切るよりも前に、口を塞がれた。

 何だと目を見開く彼の唇は、ぷくり肉付いて瑞々しい感触のものに包まれている。

 無言で──と言うよりは喋れないのだが──瞬きを繰り返すローグハンターを他所に、彼の唇を奪った長女は、ぎゅっと彼を抱き寄せ、さらにお互いの唇を密着させる。

 ローグハンターがようやく彼女に接吻(キス)をされていると気付いたのは、それから数秒ほど経った頃。

 息継ぎをしようと長女が力を弱めた瞬間に顔を離し、訳もわからないまま彼女を見下ろす。

 対する彼女は真っ赤になった顔をそのままに、にこりと笑った。

 

「こうなることは、予想しなかったの?」

 

 口調が店員として客に向けるものから、一人の女として、片想い中の男に向けるものへと変わり、表情もどこか艶っぽい。

 ローグハンターは彼女の反応と表情にたじろぎながら、そっと目を背けた。

 

「お前は……」

 

「なに?」

 

「警戒心というのが、ないのか……」

 

「あるわよ、当然じゃない」

 

 長女はくすくすと鈴を転がしたように笑うと、彼の口許に刻まれた傷痕を撫でた。

 あの時──助けられた時からあったかは、あの暗い洞窟ではわからなかった。

 それに割りと頻繁に会うようになってからも、大きな怪我をしていた記憶もない。

 もっとそれ以前のどこかで、彼に何かあったのだろう。

 

「あなたが相手だから、こうしているのよ」

 

 けれどそんなものはどうでもいいと、目の前にいる彼にだけ聞こえるように、そう告げた。

 その言葉に諦めたように息を吐いたローグハンターは、僅かに目を細めながら彼女に告げた。

 

「俺相手に、無警戒すぎだ」

 

「あなただから、よ」

 

 二人は間近で笑顔を交換すると、どちらからと言うわけでもなく、改めて口づけを交わした。

 

 

 

 

 

 窓を閉め切り、カーテンも閉められたことで、薄暗くなった室内。

 お互いに服を脱いだ二人は、ベッドの上で絡み合うあうように抱き合っていた。

 

「ちゅ……ん……っ。はっ……んぅ……っ!」

 

 お互いの舌が絡み合うくちゅり、くちゅりと湿った音と共に、長女の口からは熱のこもった息が漏れる。

 身体がピクピクと痙攣し、怯えるように震える肩を彼の武骨な手が撫でた。

 柔らかな感触とは別の、僅かに固く、異質なように思える感触。

 ローグハンターは彼女との口付けを続けながら、僅かに目を細める。

 その感触を指で撫でてやれば、腕の先に行くにかけて、途切れながらも細かく枝分かれし、背中に手を回せばそこにも似た感触の筋が残っている。

 それは傷痕だ。おそらく妹たちを庇った結果、鬱憤ばらしに必要以上に痛め付けられた、ゴブリンたちの悪意に晒された証拠。

 

「っ……」

 

 長女はそれに触れる度に身体を強張らせるが、ローグハンターは口付けを一旦止め、優しく髪を撫でてやりながら「大丈夫か」と告げて彼女を抱き寄せた。

 落ち着かせるように背を撫で、額にそっと口付けをひとつ。

 深呼吸と共に僅かに身体から力を抜きながら、彼に身を寄せた長女は、彼に顔を見せないようにしながら「ごめんなさい」と呟いた。

 

「気にするな」

 

 ローグハンターは彼女に気を遣って顔を見ないようにしながら、微笑み混じりにそう告げた。

 彼女に何があったのかは、その最後の部分に関わる形で知ってしまった。

 今さら見て見ぬふりはできず、かといって彼女の心の傷(トラウマ)を掘り起こす訳にはいかない。

 彼は言葉に迷いながら、けれど彼女の背を撫でることは止めず、彼女が落ち着くことを待つことにした。

 長女は背を撫でる彼の温もりを感じながら、深呼吸を一度。

 ゆっくりと顔をあげ、そっぽを向いている彼の頬に触れる。

 それを合図に視線を戻したローグハンターは僅かに口角をあげて微笑むと、ゆっくりと身体をずらし、彼女の顔と真正面から見つめあった。

 そっと彼女の頬に触れて、その柔らかさを堪能するように軽く引っ張り、時には押し込む。

 ふにゃふにゃと形を歪め、それに合わせて長女は不機嫌そうに眉を寄せた。

 

「やめてくらはい……」

 

 そしてその表情のまま、その表情の通りの声音で告げると、ローグハンターは苦笑混じりに謝りながら手を離した。

 僅かに赤くなった頬を指でつついた彼は、ゆっくりと彼女に顔を寄せて、鼻先に唇を落とした。

 鼻に続いて頬、唇と口付けた彼は、そのまま舌を這わせながら彼女の顎と口付けを続け、首、鎖骨を伝って段々と下を目指していく。

 世間一般のそれと比べれば、比較的大きめの部類に入る乳房を甘噛みし、咀嚼するように唇を動かしながら、柔らかな感触を堪能する。

 

「ん……っ。っ……!」

 

 長女はきゅっと唇を継ぐんで声を抑えるが、ローグハンターは口を離すと、彼女に気づかれないように手を伸ばし、下から持ち上げるように乳房を鷲掴んだ。

「ひゃ!」と驚きの声を漏らすが、彼は構わずに胸を揉み始めた。

 胸の柔らかさを楽しむように手を開閉し、指が沈み込む感触と、押し返される弾力に、ゆっくりと目を細める。

 

「あっ……!は……っ。ん……!!」

 

 ぐにぐにと指の動きに合わせて乳房が形を歪め、乳首がだんだんと勃起していく。

 

「気持ちいいか」

 

 彼女の耳元に顔を寄せ、鼓膜をくすぐる囁き声でそう問うた。

 その声に背筋を震わせた長女は顔を赤く染めながら、けれど確かに一度だけ頷いた。

「そうか」と呟いた彼は、充血して桃色に染まった彼女の乳首を指で摘まんだ。

 

「ひぐっ!?」

 

 途端に身体を駆け抜けた快感にビクン!と身体を跳ねさせた彼女は、彼の背に両腕を回して彼をぎゅっと抱き寄せるが、彼は構わずに乳首をこね始めた。

 豆を転がすようにコリコリと音をたてながら、けれど痛くないように絶妙な力加減で、乳首を転がしてやる。

 

「ひぅ!あっ!あっ!んっ!んん!はぅ……!」

 

 ピクピクと肩を震わせ、止めようとしているのか彼の腕を掴んでいるが、その程度で彼は止まらない。

 逆に空いている手で自分を捕まえている彼女の腕を払い、ゆっくりと下にずれていく。

 そしてちょうど胸の谷間の辺りにたどり着いた頃、彼はわざとらしく大口を開け、ぱくりと音が出そうなほど見事に、彼女の乳首を頬張った。

 そのままちゅうちゅうと音をたてて乳首を吸い上げながら、舌先でつついてまた別の刺激も与える。

 長女は身体を痙攣させながら上擦り、火照った声を漏らし、彼の頭を抱き締めた。

 ローグハンターは「もがっ」と声を漏らし、彼女の胸に顔を埋めながら、けれど責めは続行。

 

「やっ、ま、んひっ!そんなに、がっかない、でっ!」

 

 彼の舌が乳首に触れ、力強く吸われる度に、長女はピクピクと身体を震わせ、快感に喘ぐ。

 鼻先でぐりぐりと彼女の乳房を押しながら、暇になった片手を彼女の下腹部へと伸ばした。

 

「っ!そこは……!」

 

 その途中で長女もそれに気付くものの、時すでに遅し。

 ローグハンターの手が湿り気を帯びた秘裂に触れ、そのまま秘部へと滑り込んだ。

 

「ひっ!?」

 

 湿るだけで解れていなかった秘部が、武骨な指に押し広げられる圧迫感に悲鳴をあげた。

 ローグハンターは僅かに怯えているように見える彼女を気遣いながら、ゆっくりと指を動かし始めた。

 吸い付いてくる肉ひだを指を捻って追い払いながら、そっと撫でるように秘部を責める。

 痺れるような快感が背筋を震わせ、蠢く膣肉が小刻みに痙攣して彼女の悦びを彼へと伝えた。

 

「ひぐ……!や……!まっ……て……!」

 

「……止めていいのか?」

 

 と、反射的に待ったをかけた長女に、ローグハンターはそんな事を呟きながらその手を止めた。

 

「え……あ……それ、は……っ」

 

 途端になくなった快感に、長女は困惑しながら言葉を詰まらせるが、膣肉は彼女の意に反して彼の指に吸い付き、続きを催促してくる。

 

「どうする?」

 

 ローグハンターは僅かに嗜虐的な笑みを浮かべながら問うと、長女は「うぅ……」と涙が浮かんだ目を逸らした。

 

「意地悪、しないで……」

 

 そして虫の羽音のような声で言うと、ローグハンターは満足げに頷き、指の動きを再開。

 お預けをくらった為、必死になって吸い付いていたひだを掻き分けるように、少々荒っぽく指を動かす。

 

「ひぎ!あっ!あっ!はっ!ひっ、ああああああっ!」

 

 ぐちゅぐちゅと湿った音と、彼女の嬌声を部屋に響かせながら、ローグハンターの指がごりごりと音をたてて膣肉を抉る。

 長女は胎内から全身に駆け抜けていく快感に身体を跳ねさせながら、かくかくと腰を揺らした。

 

「はっ!はぅ!あっ!まっ、だめ、だめぇええええええ!」

 

 そして快感が最大に高まり、それを抑えきれなくなったと同時に、彼女は吼えた。

 両足が爪先までピンと伸びきり、ビクン!と一際強く身体が跳ねた直後、秘裂から潮が噴き出した。

 ローグハンターは食い千切らんばかりに締め付けられる指をそのままに、彼女の絶頂が落ち着くまでしばらく待機。

 

「あ……っ。ん……!はぁ……」

 

 長女はぼふんと音をたててベッドに身体を沈めると、ローグハンターはゆっくりと秘部から指を引き抜いた。

 栓が失われた秘裂からはとろりとした愛液が溢れ出し、粘つき、生暖かい液体が指を包む。

 

「……」

 

 ローグハンターは無言でそれを舐め、生臭い味に眉を寄せるが、止める気はないのか舐め続ける。

 それを見ていた長女はかぁと顔を耳まで真っ赤にするが、止める気力はないのかなにもしてこない。

 ぺろぺろと、それこそ飴を舐めるように自分の指を舐めていたローグハンターは、彼女と目を合わせて微笑んだ。

 そしてベッドの上で脱力している長女の股の間に納まると、自分の一物を彼女の秘裂に添えた。

 彼がしたいことを察した長女は、脳裏に過った恐怖に震えながら、それを表に出すまいと気丈に笑みながら頷いた。

 けれどローグハンター相手にそれは無駄だったようで、彼は小さく溜め息を吐くと、彼女の頬を撫でた。

 

「俺の目を見ろ。深呼吸をして、何も考えるな」

 

 蒼い瞳で彼女を見下ろしながら、優しい声音でそう告げた。

 長女は言われた通りに彼の目を見ながら深呼吸。

 頬に触れる彼の手に自分の手を重ね、その温もりをしっかりと身体に覚えさせる。

 

「だい……じょう、ぶ……っ!」

 

 それでも脳裏によぎってしまうのは、あの醜い怪物どもの姿だ。

 欲望に燃える瞳でこちらを睨み付け、欲望のままに群がってくる、悪鬼そのもの。

 

「大丈夫だ」

 

 再び身体が震え、かちかちと歯を鳴らして怯え始めた彼女に、ローグハンターは静かに、けれど力強く告げた。

 蒼い瞳を僅かに細め、彼女の瞳をまっすぐに見下ろしながら、さらに言う。

 

「お前は俺が守る。何が、いつ来ようと、俺が狩る。だから大丈夫だ」

 

 彼女を安心させる為に、嘘偽りのない覚悟を告げる。

 その言葉を受けた長女は恐怖に怯える表情を引き締めて、「お願い、ね」と目に涙を浮かべながら懇願した。

 

「当たり前だ。男に二言はない」

 

 ローグハンターは間髪いれずにそう言うと、ちらりと自分の下腹部に目を向けた。

 血管が浮かぶほどに勃起した己の分身の先端からは先走り汁が溢れだし、ビクビクと震えて文字通り我慢している。

 ローグハンターは「格好つけておいて何だが」と前置きすると、「そろそろいいか……?」と申し訳なさそうな声音で問うた。

 長女は彼の言動に可笑しそうに──けれど強がるように笑うと、「どうぞ」と告げて股を開いた。

 ローグハンターはこくりと頷くと、片手で一物を支えながら彼女の秘裂に押し当て、ゆっくりと前進を始めた。

 くちゅりと湿った音を音を漏らしながら、子供の拳ほどありそうな亀頭が彼女の秘部に入り込んだ。

 

「くっ……うぅ……!」

 

 その異物感と、心の奥底に眠る嫌悪感に苛まれながら、長女は悲鳴を圧し殺した。

 引き締まる膣肉を掻き分け、ゆっくりと前進を続ける彼の一物は、彼女の子宮口に当たるまで入り込むが、前進は止まらない。

 

「ぎっ!ああ……!」

 

 強烈な圧迫感に声を漏らすが、ローグハンターの一物はまだ入りきっていない。

 彼は無理を承知でさらに前進を続け、ついに根本まで押し込んだ。

 

「ひぐ!?」

 

 ごりっ!と音をたてて子宮を押し潰し、彼女も未知の感覚に目を剥いた。

 ピクピクと身体を小刻みに揺らしつつ、ふぅ!ふぅ!と力んだ呼吸を繰り返す。

 

「力、抜いてくれ……。きつすぎるっ」

 

 ローグハンターは強烈な締め付けと、吸い付いてくるひだが与えてくる快感に歯を食い縛り、絞り出すようにそう告げた。

 言われた長女は深呼吸をするが、身体からなかなか力が抜けず、むしろ引き締めが強まる始末。

 ローグハンターは低く唸ると、ならば構うまいと決めて腰を動かし始めた。

 引き締まる膣肉を、力任せに抉じ開けながら、こんこんと子宮口をノックする。

 

「ひぁ!?あっ!あっ!はっ!へっ!ひっ!あん!」

 

 彼の亀頭が子宮口を叩く度に、長女は嬌声をあげながらビクン!ビクン!と身体を跳ねさせる。

 その度に膣肉が引き締まり、ローグハンターの一物のさながら手のように扱きあげ、彼にも同等なそれ以上の快感を与えていた。

 

「ひぐ!あっ!まっ、て!こんな、すぐ、イっちゃう……!」

 

「俺も、そろそろ……っ!」

 

 長女の切羽詰まった言葉に、ローグハンターもまた一切余裕のない声で応じた。

 それでも彼は腰の動きを止めず、パンパンと肉同士がぶつかり合う音が木霊する。

 亀頭がこつこつと子宮口を叩き、鈍く、全身に響くような快感を長女に与える。

 

「へぁ!?ぎっ!あああ!イく!イくぅううう!」

 

「くっ、おおおおおおっ!」

 

 そして彼女が絶頂を迎えた直後、ローグハンターもまた吐精の瞬間を迎えた。

 ドロリとした精液が彼女の子宮に直接注ぎ込まれ、その熱が彼女にさらなる絶頂に与える。

 火傷するのではと思うほどの熱をもった、粘液(スライム)のようにどろどろに粘る液体が、子宮を無駄なく舐め回し、その感覚が彼女の脳を焼く。

 

「ぎっ、イぐ!あっ!んぁああああああああああああ!」

 

 部屋に彼女の悲鳴が木霊し、ローグハンターの唸り声が僅かに漏れる。

 そして数分かけて行われた射精が落ち着いた頃、彼女もまた絶頂が終わりを告げた。

 ローグハンターがゆっくりと一物を抜くと、秘裂からはどろりとした白濁液が吐き出され、彼女の臀部とシーツを汚す。

 

「んぁ……!はぅ……へっ……ぅあ……」

 

 ピクピクと痙攣しながら絶頂の余韻に浸る長女を他所に、ローグハンターはサイドテーブルに置いておいたタオルを取った。

 それでざっと彼女の身体を拭ってやり、溢れ出した白濁液も拭いてやる。

 

 ──さて、どうするかな……。

 

 それでも彼女は余韻に浸っているままで、ローグハンターは困り顔で頬を掻いた。

 相手を倒したり殺したりするのは得意だが、痕跡を消すというのはあまり得意ではない。

 ローグハンターは溜め息を吐き、替えのタオルと、強壮の水薬(スタミナポーション)を引っ張り出すのだった。

 

 

 

 

 

 数時間後。同所。

 ようやく回復した二人は、いそいそとあと片付けを行っていた。

 長女はローグハンターが用意してくれていたタオルで身体を清めると制服に腕を通し、身なりを確認。

 対するローグハンターはもしゃもしゃと固くなったサンドイッチを頬張り、盆を開ける努力をしていた。

 

「よ、よし!これで、大丈夫なはず……っ!」

 

 着替えを終えた長女はそう言うと、部屋の姿見の前でくるりと一回転。

 彼女の動きに合わせてフリルのあしらわれたスカートがふわりと回り、美しい脚が垣間見える。

 

「……」

 

 ローグハンターは無言で気まずそうに目を逸らすと、サンドイッチの最後の一欠片を口に放った。

 ごくりと音をたててそれを飲み込むと、ローグハンターが言う。

 

「また、何かあればいつでも来い。仕事の有無を関係なく、な」

 

「ええ、そうするわ。でも、妹たちも心配だから、あまり長居はできないけど」

 

 にこにこと上機嫌に笑いながらの言葉に、ローグハンターは「わかっているさ」と笑いながら頷いた。

 

「では、失礼します」

 

 その返事を聞いた長女はそう言うと、盆を受け取って部屋をあとにしようとするが、ふとした疑問を彼にぶつけた。

 

「……なんだか、慣れていなかったかしら?」

 

「……それに関しては聞くな」

 

 恋する乙女としてはかなり重要な質問なのだが、ローグハンターは心底嫌そうな顔をしながら目を逸らした。

 それでも長女が詰め寄ろうと口を開くと、それを制する形でローグハンターが先に告げた。

 

「俺と一緒にいた、あの大剣を担いだ男はわかるか」

 

「ええ。あの人も恩人だから」

 

 長女がそう言って頷くと、ローグハンターは重々しい溜め息を吐き、頭を抱えた。

 

「あいつに『女の味を知ってこい!』と、金貨袋と一緒に娼館に投げ込まれた」

 

 そして死んだ家畜のように濁った瞳でそう言うと、長女は気まずそうに目を背けた。

 

「でも、気持ちよかったわよ……」

 

 恥じるようにもじもじと身体をくねらせながら、それでも確かな事実だけを告げて、さっさと部屋をあとにした。

 

「……」

 

 一人残されたローグハンターは言葉に困りながら、放置された盆を見つめて溜め息を吐く。

 またこれを忘れていったが、別に構うまい。

 

 ──明日も会えるなら、それでいいか。

 

 ローグハンターは胸中でそう思いながら笑みをこぼし、開きぱなしの扉を閉め、ベッドに寝転んだ。

 最悪な夜になると思っていたが、案外今日はいい夜になった。

 ならきっと、明日もいい日になる。

 少なくとも彼はそう信じているし、廊下を走る長女も同じ事を思っていた。

 闇を恐れる女と、喪失を恐れる男。

 端から見ればひどく歪な二人でも、合わさってしまえばその凹凸が見事に填まった。

 

 ──そして闇を恐れる女は、彼女一人ではない。

 

 今も身を寄せあって震えている少女たちがとても身近にいることを、ローグハンターは気にもしていなかった。

 

 

 




感想、リクエスト等ありましたら、よろしくお願いします。


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Memory?? 惨劇の生存者③

リクエストから。
イヤーワン冒頭三姉妹の続き。



 ──最近、お姉ちゃんの様子がおかしい。

 

 眠る狐亭で給仕係として働いている三姉妹の次女にあたるその女性は、仕事をしながらもふとした違和感に首を捻っていた。

 仕事柄よく笑うのはそうなのだが、その笑顔が妙に輝いて見えるし、ここ最近になって家族贔屓を抜きにして、とても綺麗になっているような気がするのだ。

 ほとんど同じものを食べているのに姉の方が肌艶がよく、金色の髪も絹糸のようにさらさらとして、店の照明に照らされて輝いている。

 現にとても忌々しいことだが、姉を見て鼻の下を伸ばす客も増えてきているのだ。

 一応、寮に戻ってから問いただしてみても笑って誤魔化すばかりで、肝心の理由を全く教えてくれない。

 そして、時々ではあるが部屋に戻ってくるのが遅いことも増えてきた。

 何でも出前を頼まれることが多く、それに対応しているのだとか。

 それなら変わるよと言っても姉は首を横に振ってしまうし、店主に言ってもやんわりと断られてしまう。

 

「お姉ちゃんだけ遅くまで仕事して、大変じゃないの?」

 

 寮にあてがわれた三人部屋で、次女は長女のベッドの上で丸くなって座りながら、鏡の前で髪を梳いていた姉の背中にそう問うた。

 問われた長女は振り向きながら「私は大丈夫よ」と笑うのだが、次女はその解答に満足した様子を見せず、小さく唸って姉の背中を睨む。

 隣で丸くなって寝ている末娘(いもうと)は、果たして長女(あね)の変化に気付いているのだろうか。

 

「さ、寝ましょう。明日もお仕事頑張らないと」

 

 長女はそんな次女の視線を受け流しながら優雅に笑い、そのまま彼女の隣に腰を下ろし、寝転がった。

 ベッドに押し返される感触に心地良さそうに目を細め、ころりと寝返りを一度。

 それに気付いてか「ん~」と唸った末娘は、薄く目を開きながらもぞもぞと身体を揺らし、長女に寄り掛かるように身を寄せた。

 末娘を抱き締めた長女は朗らかに笑みながら、次女に目を向けて「ほら、あなたも」と告げて手を広げた。

 

「むぅ……」

 

 次女は不満そうに頬を膨らませるものの、否の声を出すことはなく、そのまま倒れこむようにして姉の胸に飛び込んだ。

 次女と末娘を端にして、長女を真ん中に置いた川の字での就寝。

 いつもと変わらない、いつも通りの夜。

 もう失ったとばなり思っていた夜を、今日もまた過ごすことができる。

 次女は無意識の内に笑みを浮かべながら、眠りについた。

 長女がホッと安堵の息を漏らしたことに、気付かずに。

 

 

 

 

 

 そんなやり取りから数日。

 眠る狐亭の酒場。

 夜も更け、ほとんどの客が部屋へと引き上げていった頃。

 

「おい、また頼まれてくれ」

 

「はい、今行きます!」

 

 いつものように部屋への配達を頼まれた長女が、上の階へと消えていって一時間。

 一階の酒場の片付けが落ち着き、あとは各自の部屋へと戻るだけになった次女は、カウンターに腰掛けながら頬杖をついていた。

 隣の席に腰を降ろした末娘は「お姉ちゃん、戻らないの?」と頬をつついてくるが、今はそれよりも長女のことだ。

 さっさと降りてくるだろうから、一緒に帰ろうと思っていたのだが、全然戻ってこない。

 店主は苦笑混じりに「もう仕事はないぞ」と二人に言うが、末娘はともかく次女の反応はあまりよろしくない。

 末娘は早く寝たいのか、欠伸混じりに「戻ろうよ~」と次女の肩を揺すっているが、次女は不機嫌そうにそっぽを向き、唇を尖らせている。

 そしてちらりと横を向いて、疲労からか卓に突っ伏し寝落ちしそうになっている、寮の隣室に滞在している女給に声をかけた。

「ふぁい」と寝惚けたまま返事をした彼女に、「妹をお願い」と告げて、次女は席を立った。

 そのまま止めようと手を伸ばしてきた妹の手を避け、階段を駆け上がる。

 

「お姉ちゃん!?」

 

 その背中に末娘は驚愕混じりに声を出したが、当の姉は一瞬振り向いただけで上階へと消えていった。

 

「……」

 

 姉に避けられ、宙をさ迷うことになった手を引っ込めると、先ほど声をかけられた女給が彼女の背中に抱きついた。

 

「早く戻って寝よ。一緒に寝たげるから……」

 

 すりすりと頬擦りしながらかけられた言葉に、末娘は不安そうにしながらもこくりと頷き、抱きついてきた女給の手を掴んだ。

 けれど心配ではないかと言われれば答えは否で、姉二人が心配で堪らない。

 

「……大丈夫、だよね……」

 

「大丈夫、大丈夫。あなたのお姉ちゃんたちでしょ」

 

 女給は優しく笑みながら頭を撫でてそう告げると、「ほら、行くよー」と末娘の手を引いて歩き出した。

 末娘も抵抗することなく彼女に引かれて歩き出し、店主に「お疲れ様です」と一声だけかけておく。

 

 ──とりあえず、明日になったら全部聞き出そう。

 

 胸の中で静かに、けれど確かにそう決めながら、末娘は眠る狐亭を後にした。

 

 

 

 

 

 それとほぼ時を同じくして、眠る狐亭上階。

 姉がいつも宅配をしている部屋は、先日姉から言われて把握しているから、迷うことはなかった。

 けれど念のためと抜き足差し足、忍び足と、足音を懸命に殺す努力をしながら、ゆっくりと件の部屋へと近付いていく。

 急いで階段を駆け上がったので息は荒れて、額にも汗がにじみ、シャツも貼り付いて気持ち悪いが、今は我慢の時だ。

 照明はあれど薄暗い廊下を、普段の倍の時間をかけて進んでいく。

 時折足を止めて、部屋の番号を確認しながら、更に前進。

 さらに数分かけて目的の部屋の前までたどり着いた次女は、とりあえずホッと息を吐いた。

 別に自分は暗殺者(アサシン)でも密偵(スパイ)でもないのだが、本業の人はどれだけの苦労をしているのだと僅かに疑問を浮かべ、頭を振ってそれを振り払った。

 そんな事は本業の人たちが考えるべきことで、自分には全く関係のないことだ。

 額を汗を拭い、薄暗い中目を細めて部屋番号を確認。合っている、間違いない。

 次女は中の様子を探ろうと、扉に耳を当てた。

 

『──っ!~~?!っ!っ……!っ!?』

 

 中から聞こえるのは、女性の──いいや、探していた長女の声だ。

 ぱんぱんと叩かれるような音と、悲鳴のような声が、扉越しでも聞こえてくる。

 

「……っ」

 

 そしてそれは、彼女にとってとても聞き覚えのある音でもあった。

 あの暗い洞窟の中で、自分たちを庇って連れていかれた姉の悲鳴と、ゴブリンたちの嗤い声が、忘れたいあの日々が、頭の中を駆け回る。

 次女は強烈な吐き気と嫌悪感に襲われ、その場にへたり込みながら何度とえづいた。

 暗闇の奥から響く姉の悲鳴が、ゴブリンたちの嗤い声が、ゴブリンたちの欲望にまみれた瞳が、彼女の記憶に絡み付いて離れない。

 

「はぁ……っ、はぁ……っ、……っ!」

 

 身体が震えて、呼吸も落ち着かない。吐き気がする。頭が痛い。涙が滲んで止まらない。

 それでも次女は歯を食い縛り、もしかしたらという一縷の望みにかけて、再び耳を押し当てた。

 その時、きぃ……と小さく軋む音と共に僅かに扉が開き、室内の様子が探れるようになった。

 鍵を閉め忘れたのか、あるいは閉めるのも億劫だったのか、それは定かではないが、ともかく空いているのならやりようが増える。

 そっと扉の隙間から室内を覗いた次女は、有らん限りに目を見開き、漏れそうになった悲鳴を指を噛むことで抑え込んだ。

 彼女の視線の先にあるのは、窓から差し込む月明かりに照らされる大きなベッド。

 一人で眠るには大きすぎるようなそれも、次女にとってはどうでもいい。

 彼女の視線が向けられているのは、その上なのだから。

 

「んん!ん~っ!!んぁっ!んぐ!?んんん……っ!」

 

 愛する姉がベッドに組み伏せられ、黒髪の男に覆い被さられているのだ。

 強引に開かれた足の間に男が納まり、秘裂に極太の男根を捩じ込まれ、熱い口付けをされて声を出すこともできず、両手も男の手に掴まれて動かすことも出来ない。

 逃げることも出来ず、助けを呼ぶことも出来ず、ただひたすらに男の欲望をぶつけられている。

 

「ひぅ!んん!んーっ!っ!!……っ!」

 

 長女は口付けから逃れようと首を振るが、男は素早く顔を回り込ませ、再びの接吻(キス)

 開いていた隙間から舌を捩じ込み、長女の舌に絡み付いて言葉を封じる。

「んー!んー!」と声をあげる長女を他所に、黒髪の男は蒼い瞳を細め、腰の動きを激しくさせた。

 ぱんぱんと二人の腰がぶつかり合う音と、秘裂をかき回す湿った音を部屋に響かせ、男は長女を自分の欲望を満たすためだけに使い、長女は嫌と声を出すことも出来ない。

 

「ふーっ!ふーっ!」

 

 それを覗いていた次女は憤怒の表情を浮かべ、見開いた瞳を血走らせ、食い縛った歯の隙間から鋭く熱のこもった息を吐き出す。

 

 ──お姉ちゃんを、助けないと……っ!

 

 頭の中にあるのはその言葉だけで、彼女の瞳は既に部屋の中や廊下を行き来てしている。

 ここからなら不意打ちもできそうなものだが、相手は男で、あの筋肉質な体躯からしておそらく冒険者だ。

 

 ──何か、武器にできそうなものは。

 

 殺すまではやらずとも、後頭部に一撃当てれば卒倒するのは人の常だ。

 この際掃除用具でも構わないが、出来るなら真っ当な武器が欲しい。

 

「きゃ!?」

 

 そうやって辺りを見渡していると、長女の悲鳴が次女の耳に届いた。

 慌てて部屋の中に視線を戻せば、姉がうつ伏せに寝かされ、腰だけが突き出す姿勢へと変えられていた。

 男はそのまま長女の頭を枕に押し付けながら、子供の腕ほどありそうな一物を長女の秘裂へと押し込む。

 

「んぁ!?やっ、やめ、んぁあああああ!!」

 

 昂った犬のように我武者羅に、相手のことを一切考えず、自分本位のままに腰を振るう。

 姉はようやく声が出せるようにはなったものの、今の彼女に助けを呼ぶ余裕はないだろう。

 腰が叩きつけらる度に嬌声をあげ、ぞわりと背筋を震わせたかと思えば、接合部から白く濁った液体が吹き出しシーツを汚す。

 次女は目を見開いて殺気たちながら、駆け足でその場を離れた。

 近くに掃除用具入れがあった筈だ。そこなら何か武器になるものがあるだろう。

 そして次女に覗かれていたことも、その次女が諸々誤解をしていることを知らない長女は、身体を弛緩させてベッドに身体を沈めた。

 

「はひゅ……っ。待って、少し休ませて……」

 

 熱のこもった、けれど気の抜けた声を漏らす長女を他所に、男は気にした風もなく彼女のうなじに指を這わせた。

 僅かに残る傷痕を優しくゆっくりと、そして愛おしそうに、さながら愛撫のように撫でてやる。

 

「ん……。ふふっ……」

 

 彼の温もりに驚きながら、けれど嬉しそうに笑った彼女は、首だけで振り向いて彼に目を向けた。

 同時にぎょっと目を見開いた彼女は、「危ない!」と叫んだ。

 彼女の司会に映るのは、どろりと濁った瞳に無表情で箒を振り上げた、愛する次女の姿だ。

 彼女は長女の制止の声を無視し、振り上げた勢いのままに箒を振り下ろした。

 

「っ!」

 

 だが、相手が悪い。

 蒼い瞳の男──ローグハンターは振り向くことなく手を差し出すと箒を掴んで止め、殺意を込めて襲撃者を睨みつけた。

 それと同時に相手が今しがた抱いていた彼女の妹であると気付き、殺意を抑えて小さく溜め息。

 次女は「くっ!」と悔しそうに歯噛みするが、それでも怯んだ様子を見せずに吼える。

 

「お姉ちゃんから、離れて!」

 

「離れても何も、誘ってきたのはこいつだ」

 

「嘘よ!お姉ちゃんが、どこの誰とも知らないあなた何か……に……」

 

 そして正面切って睨みあったからか、次女らようやく相手が何者か──自分たちの、命の恩人である──がわかったのか、その表情を少し驚愕の色に染めていった。

 憤怒の表情からゆっくりと驚愕に目を見開いていく様は、見ている分には滑稽ではあるのだが、当の次女はそれどころではない。

 パクパクと口を開閉させるが、肝心の言葉が出てこずに何も言えない。

 その隙にと腰を動かして彼の一物を抜いた長女は寝返りをうち、慌ててシーツにくるまった。

 

「見られた……。妹に、私が、あんなになっているところ、見られちゃった……」

 

 シーツにくるまりながら身を丸くした彼女は、今にも泣き出しそうな声でそう告げると、次女は表情を青くした。

 姉を助けようと飛び込んできたのに、まさか相手が自分たちにとっての英雄で、姉がいつも自ら望んで貪られていたなど、予想もしていなかった。

 

「……」

 

 居たたまれなくなった次女は、箒から手を離して部屋を後にしようと踵を返すが、

 

「おい、待て」

 

 それよりも早くローグハンターに肩を掴まれ、逃走を防がれた。

 次女は肩を跳ねさせて驚きを露にすると「は、離してください……」と言うが、万力のように凄まじい力で掴む彼の手は離れる様子はない。

 そのままベッド脇に引き戻され、乱暴にぶん投げられて姉の横に寝転がることになった。

 次女が「きゃ!」と悲鳴をあげると、長女が慌ててシーツから顔を出して「大丈夫!?」と彼女の肩を掴んだ。

 

「うん、大丈夫。怪我はしてない」

 

 妹は少々大袈裟にすぎる姉の反応に苦笑しながら言うと、長女はホッと安堵の息を吐いた。

 それと同時にローグハンターが開いていた扉を閉じた。

 なぜ鍵を締め忘れたのかを考えるのも大事だが、今はあの二人のことだ。

 

「とりあえず、仲直りはできたか?」

 

 二人の方に向き直りながらそう問うが、二人の様子がおかしいことに気づく。

 いや、正確には視線だろうか。顔を見ているには下過ぎるような気がするのだ。

 

「……」

 

 ローグハンターが釣られる形で視線を下げると、そこには一応と腰に巻いたシーツを押し上げる一物が目に留まった。

 別に見られて興奮する癖はないのだが、やはり中途半端に終わらされたのは毒だったようだ。

 いまだに臨戦態勢のそれは、目の前にいる二人を狙いを定めたように、固さを増しているようにも見える。

 

「……あー、その、すまん」

 

 とりあえず謝るものの、それだけでどうにかなるほど彼の男としての一面も大人しい訳でもない。

 長女は仕方がないと言わんばかりに溜め息混じりに肩を竦めると、妹に告げた。

 

「あなたは先に戻ってなさい。私は、もう少し彼の相手をしてから戻るから」

 

「え!?あ、でも、私のせい──」

 

「いいの、いいの。元から長丁場なのはいつも通りだから」

 

 妹の言葉を遮った長女は困り顔でそう言うと、ローグハンターに目を向けた。

 発情しているのか潤んだ瞳をそのままに、誘うようにぺらりと舌舐めずり。

 だが「いいのか?」と問うたのはローグハンターだ。

 彼は慣れた動作でベッドに腰を下ろすと、ぎんぎんに勃起した自分の分身を見下ろした。

 

「おそらくだが、一度や二度では落ち着かんぞ」

 

「……いつも通りじゃない?」

 

「……それもそうか」

 

 ローグハンターの警告に長女はあっけらかんと笑いながら返すと、彼は僅かに間を入れてから頷いた。

 今まで、一度や二度で済んだことはあまりない。

 

「そう言うわけだから、あなたは戻りなさい」

 

 長女は話についていけずにぽかんとしていた次女の手を掴むと、そのまま引っ張って扉の前まで進んだ。

 

「あの娘には適当に言っておいて」

 

 そして末娘の事を任せる旨を伝えると扉を開け、彼女の背を押して部屋から追い出した。

 

「ちょっと、お姉ちゃん……!」

 

「お願いね!」

 

 珍しく乱暴な姉に何か言ってやろうと振り向いた頃にはもう遅い。

 ウィンクした姉はそのまま扉を閉めてしまい、ぽつんと取り残された次女は頭を掻いた。

 二人がそういった関係なのはわかったし、何なら応援するくらいなのだが、放っておいて大丈夫かと不安でもある。

 でもまあ、姉に恋人ができたのは、少し寂しいけれど喜ばしいことでもあると、次女は自分にそう言い聞かせて部屋の前から去ろうとすると、

 

『っ!?っ!~っ!?!!っ──!──!!』

 

 中から先程以上に荒っぽい音と、長女の嬌声が僅かに聞こえた。

 部屋を出て数秒足らずで再開とは、僅かばかり節操が無さすぎる気もするが、そもそもお預けを喰らわせたのはこちらなのだから、文句を言う資格はない。

 

「……」

 

 そう、仕方がない。仕方がない、のだ。

 

『っ!!っ!……!……?!~~~!!』

 

 断続的に続く長女の嬌声を振り払い、その場を後にしようとするが、すぐに扉の前に戻って耳を押し当てる。

 あの姉が恋人と一緒にいるのだから、多少なりとも興味が湧くのは仕方があるまい。

 

『―、──!?──!!──……』

 

『……?……?!』

 

 すると長女の弱りきった声と、ローグハンターの困惑したような声が微かに聞こえる。

 その後のやり取りは聞こえないが、何かあったのは確実だろう。

 

「っ……!」

 

 そして愛する姉に何かがあれば、一切迷いなくそこに飛び込んでしまうのが彼女の長所(欠点)

 バン!と音をたてて扉を蹴り破り、再び部屋に飛び込む。

 何事だと振り向くローグハンターを他所に、彼女は慌てて扉を締めて、とりあえず突っ掛え棒変わりに箒を噛ませて開けられないようにする。

 そのままとたとたとベッドに駆け寄れば、そこには、

 

「へっ……、あ……っ!んぁっ!はぅ……」

 

 ベッドの上で気絶するように倒れている長女の姿があった。

 だらしなくがに股に開かれた足は、彼の精液と彼女の愛液によって白く斑模様が残り、開きぱなしの口からは涎が垂れて頬を汚している。

 次女が出ていって三分足らず。そんな短時間で、彼は一体何をしでかしたのか。

 次女がじっとローグハンターを睨むと、彼は申し訳なさそうに頭を下げた。

 けれど説明するつもりは一切ないようで、(だんま)りを決め込むのはいかがなものか。

 おおよそ、昂ったまま長女へと襲いかかり、手加減抜きに彼女を貪り喰ったのだろう。

 次女は困ったように溜め息を吐くと、自分の制服へと手を掛けた。

 しゅるりと布擦れの音と共に制服を脱ぎ、ベッドの下に乱暴に放り投げる。

 残されるのは下着姿の次女で、相対するローグハンターは困惑の色を隠せない。

 

「あー、何のつもりだ?」

 

 そして僅かに言葉に迷う素振りを見せるものの、結局出るのは単刀直入な問いかけだ。

 問われた次女は目を閉じて一度深呼吸をすると、彼へと告げた。

 

「私も、抱いてください」

 

 潤んだ瞳で上目遣いをしながらの頼み事。

 その言葉の理解に数秒費やしたローグハンターは、無言のまま目を丸くしている。

 そして真っ先に否を突きつけたのは長女だ。

 どうにか踏ん張って身体を起こした彼女は、ローグハンターに抱きつきながら言う。

 

「だ、駄目よ。明日も仕事があるの、だし……!ここは、私に、任せて」

 

 はあはあと息を乱し、言葉も途切れ途切れ。

 身体に珠のような汗を浮かべながらの言葉には、どれだけ彼女が必死なのかを二人に教えてくれる。

 だが、次女は首を横に振った。

 

「それなら、二人で分担したほうが楽でしょ?それに、また(・・)お姉ちゃんにばっかり無理はさせられないよ」

 

 次女はそっと長女の身体に残る傷痕を撫でながら言うと、長女は僅かに表情を強張らせた。

 それを言われてしまうと、はっきりと言い返せないのが辛いところだ。

 そして次女も、それをわかっていて言っているに違いない。

 二人に挟まれるローグハンターは溜め息を吐くと、「俺を忘れていないか」と一応の苦言。

 

「忘れてないですよ」

 

 次女は苦笑混じりにそう返すと、そっと彼の頬を撫でた。

 その手が僅かに震えているのは、恐怖と不安を見せまいとしているからか。

 ローグハンターは無言のまま彼女の手に自分の手を重ね、そして問うた。

 

「本当にいいのか?見ての通り、手加減はできないぞ」

 

 ちらりと長女に目を向けながらの問いに、次女は不安そうに笑いながらも頷いた。

 

「あなたになら、乱暴にされても平気です」

 

 そして謎に信頼している旨を伝えると、そっと彼の耳元に顔を寄せた。

 

「私からも、あの日のお礼をさせてください……」

 

 彼女は長女には聞こえないように囁くと、そっと彼の唇に口付けた。

 不意にそれをされたローグハンターは小さく目を剥いて驚くものの、すぐに平静を取り戻して彼女に顔を寄せてより深い口付けを。

 後ろで仕方がないと言わんばかりに肩を竦めた長女は、体力回復のためにベッドに寝転んだ。

 ここからはとりあえず次女に任せ、自分はその次に備える。

 

 ──彼の相手は、大変だものね……。

 

 経験者は語るとは、まさにこの事だろう。

 その経験者がまた増えようとしていることには、目を瞑るとして。

 

 

 

 




感想、リクエスト等ありましたら、よろしくお願いします。


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Memory?? 惨劇の生存者④

イヤーワン冒頭三姉妹編。
あと何回で終わるのかがわからなくなってきた今日この頃。


 そして、やはりと言うべきかローグハンターという男は容赦がない。

 

「んー!んぶっ、んぁ!はっ、んんん!?」

 

 初めて口付けしたはいものの、そのままベッドに押し倒された次女は、逃げることも出来ずに彼の蹂躙を許していた。

 差し込まれた舌が口内を暴れまわり、くちゅくちゅと湿った音をたてる。

 絡んだ舌が唾液を彼女の舌に塗りたくり、口内の粘膜を舐め回して彼女を自分の色に染め上げる。

 息継ぎもできずに彼の攻撃を受け止める次女は、さながら水中に放り込まれたような錯覚を覚えたことだろう。

 陸の上なのに、先程から全く呼吸が出来ていないのだから。

 

「んー!んー!んぶぁ、はふ、んぐ?!」

 

 彼の肩を叩いて中断を申し込むものの、当の彼は気にする様子を見せず、両手で彼女の頭を押さえ込んだ。

 唇を隙間なく密着させ、差し込んだ舌を無抵抗な彼女の舌に絡め、唾液を塗りたくる。

 それでも全ての唾液が塗れるわけではなく、溢れたものはそのまま彼女の喉の奥へと流れ込む。

 それは何かを上書きしているようにも見えるが、次女にとっては考える暇もない。

 

「んちゅ……!んくっ!んぁ、んんんん!!」

 

 彼の舌が上顎を撫でるとビクビクと身体を痙攣させ、薄く開いた瞳は蕩け、潤んでいる。

 そのまま数分ほど口付けが続いた頃。ようやく満足したのか、ローグハンターはゆっくりと唇を離し、次女の表情を見下ろした。

 

「んはぁ……。はぁ……はぁ……んくっ……!」

 

 とろんと蕩けた瞳。汗ばんだ肌。唾液に濡れ、てかる唇。艶っぽい吐息。

 視覚と聴覚で彼女の姿を堪能したローグハンターは微笑むと、片手で彼女の身体を撫でた。

 掴めば容易く折れてしまいそうな細い首。

 姉よりは控えめだがそれでも大きい部類に入るであろう乳房。

 柔らかく、肉感的な腹。

 コルセット要らずに括れた腰。

 どれも異性を引き寄せる魅力に溢れているけれど、そこに刻まれているのは彼女がひた隠しにする過去の傷痕(汚点)

 身体の輪郭をなぞるように動いていた指が不意に動きを止め、道を外れて腹部に刻まれた傷痕に触れた。

 

「っ……!」

 

 彼に傷痕を触れられる感触に驚いたのか、次女はピクンと身体を跳ねさせるが、けれど止める様子はなく顔を背けた。

 それを了承と受け取ったローグハンターはそのまま手を這わせていき、湿り気を帯びた彼女の秘裂に触れた。

 くちゅりと湿った音が微かに聞こえたローグハンターは苦笑し、次女は背けた顔を赤く染めた。

 

「キスだけで濡れた。……というわけではなさそうだな」

 

 ローグハンターは秘裂を撫で、その具合を確かめながら言うと、ちらりと隣で寝ている──正確にはふりだが──長女に目を向けた。

 

「あいつの声や、乱れっぷりに当てられたか。はしたないな」

 

「っ!それ、は……」

 

 彼のあんまりな物言いに次女は言い返そうとするが、その通りなため何も言えず、すぐに口を閉じてしまった。

「意地悪……」とぼそりと呟いて唇を尖らせるその姿は、年齢以上に幼いようにも見えてしまう。

 ローグハンターは苦笑混じりに肩を竦めると、秘裂から溢れる愛液を指に絡ませた。

 ほんのりと暖かく、滑り気のあるそれは、潤滑油と言われればその通りだろう。

 彼はそれをたっぷり指に塗り込むと、ゆっくりと秘裂へと押し当てた。

 指は押されるがまま秘部へと入り込む。

 

「ひっ!」

 

 次女は指が入り込んだ異物感に目を剥き、身体が勝手に逃れようと腰を浮かせるが、ローグハンターの手は離れていない。

 優しくも確かに締め付けてくる秘部の感触に、心地良さそうに目を細めたローグハンターは、ゆっくりと指を曲げて秘部を刺激し始めた。

 ぐちゅ……ぐちゅ……と湿った音が秘部から漏れ、その音に合わせて次女の口から熱のこもった息が漏れる。

 

「んっ……!ふ……っ!んぅ!」

 

 与えられる緩やかな快感に身体を震わせ、浮かんだ腰を捻る。

 だがそのせいで彼の指が責める角度が変わり、先程とは違う。言ってしまえば段違いに強い快感に身を曝された。

 

「ひぐ!?やっ、だ、そこ……!なに、これ……?!」

 

「ここか。ここがいいんだな」

 

 こりこりと指で押してやれば、次女は悲鳴のような嬌声をあげ、かくかくと腰を揺らして快感に喘ぐ。

 偶然か必然か。腰を捻った際に彼の指が彼女の急所(Gスポット)を捉えたのだ。

「ほらほら」と煽りながら指で引っ掻いてやれば、次女は叩きつけられる快感に目を見開き、足には爪先が伸びるまでに力が入ってしまう。

 

「ぎっ、あ、ああああああ!!だめ、イきます、イきましゅ!」

 

「我慢しなくていい。そのままイけ……!」

 

 秘部をかき回す湿った音を聞きながら、ローグハンターは彼女の耳元に顔を寄せてそう告げた。

 そして、それが最後の一押しでもあった。

 

「ひっ、あああああああああああ!!」

 

 ビクン!と一際強く腰を跳ねさせながら絶叫し、秘裂からは潮が噴き出す。

 ローグハンターが同時に指を抜してしまえば、それは口を押さえていた栓を失ったも同義。

 プシプシと音をたてて噴き出た透明な液体がシーツを汚すが、次女にはそれを確認する余裕はない。

 突き上げるように浮いていた腰がぼふんと音をたててベッドに沈み、秘裂からはいまだに透明な液体が漏れ出ている。

 

「あ……ぅ……すご、いぃ……」

 

 ピクピクと身体を痙攣させながら恍惚の表情を浮かべる彼女を見下ろしながら、ローグハンターは彼女に覆い被さった。

 豊かな胸に手を置き、優しく揉んでやれば、次女は上擦った声と共に身を捩り、嬉しそうに目を細める。

 その弾力を楽しむように五指を蠢かせ、桃色の乳首を弾いてやる。

 

「や、そんな、私の胸、いじめないで……」

 

 先に与えられた優しくも激しい快感とは違う、ビリビリと痺れるような快感に、次女は嫌がるような素振りを見せるが、ローグハンターは気にしない。

 ねちっこく、愛撫というよりは按摩のような力加減で、彼女の胸をこね繰り回す。

 そしてある程度彼女の胸を堪能した彼は手を離すと、彼女の腰に手を添え、長女に対して何度か射精したにも関わらず、その固さを保つ一物を秘裂へと押し当てた。

 先走り汁に濡れた亀頭が愛液まみれの秘裂を擦り、次女はぞわりと鳥肌を立たせた。

 相手はローグハンター。自分たち姉妹にとって英雄(恩人)だ。

 それはわかっている。と言うよりも見ればわかる。

 わかるのだが、あの地獄同然の日々を忘れたのかと問われれば、答えは否。

 震える身体を落ち着かせようと深呼吸をしてみるものの、僅かな震えはどうにもならず、見下ろしてくる蒼い瞳に向けて、強がるように笑って見せた。

 

「その、ごめんなさい。あなたが怖いわけではないんですけど……」

 

「気にするな。あいつも最初はこうだった」

 

 ちらりと相変わらず寝たふりをしている長女を見ながら告げれば、次女は「そうですか」と儚げな笑みをこぼした。

 いつもなら笑っている姉も、やはり悩み、苦しんでいたのだ。

 

 ──それに気付けないなんて、みっともない……。

 

 次女は恥じ入るように僅かに俯き、溜め息を吐いた。

 ローグハンターはそんな彼女の頬を撫でてやりながら、秘裂に亀頭を擦り付ける。

 次女はその感触と、ビリビリと脳裏を焦がす快感に「あ……!」と声を漏らし、そして彼を誘うように腰を振り始めた。

 秘裂の縦筋を亀頭に擦り付け、愛液を塗りたくって受け入れる準備を進める。

 生ぬるい液体に包み込まれた亀頭に、秘裂で擦られる快感に眉を寄せたローグハンターは、「そろそろいいか」と唸るような声音で問うた。

 

「いい、ですよ。私に全部、射精()してください……!」

 

 次女が跳ねるような声音でそう告げた直後。ローグハンターは一切の躊躇いなく、腰を突き出した。

 ずりゃ!と肉の擦れる異音と共に、一物が次女の胎内を貫き、子宮を押し潰す。

 

「かっ……!は、へ……」

 

 胎内を貫かれる衝撃に肺の空気を吐き出した次女は、頭の中でぷつりと何かが切れる音がした気がした。

 けれどそんなものを気にせずに、すぐに恍惚の表情を浮かべた。

 彼は動いていないにも関わらずピクピクと身体が小刻みに震え、きゅんきゅんと秘部が引き締まり、一物を締め付ける。

 その強さに唸るローグハンターだが、それを表情には出さずに小さく息を吐くのみ。

 

「動くぞ」

 

「あ、待って、待ってください……!」

 

 だが、このままでは何かする前に射精してしまうと焦ったのか、ローグハンターが突拍子もなくそう告げるが、次女は慌てて首を振った。

 彼の一物の形が微かに浮かび上がっている下腹部を撫でて、「えへへ」と嬉しそうに笑った。

 

「これで、私も貴方のものですね……」

 

 僅かに濁った瞳で見つめられながら、淡々とした声音で突然告げられた言葉。

「え……」と声を漏らしたのは、ローグハンターか長女か、あるいは二人ともだろうか。

 ともかく僅かなりとも狼狽えたローグハンターは、額に浮かんだ汗を拭った。

 何だろうか、何故だかとんでもない相手に手を出してしまったような気がしてならないのだが……。

 

「ふふ。動いていいですよ、もう大丈夫です」

 

「……ああ、わかった」

 

 そうして笑みながら告げられた言葉に頷き、腰を動かし始めた。

 まずは秘部を解すように優しく、けれど彼女の弱点を探るように慎重に。

 

「ん……!すごい、貴方のが、動いてますぅ……」

 

 恍惚の表情で、熱のこもった息を吐き出す次女の姿は、見ている分にはいいものではあるし、むしろ興奮を誘うものでもあるのだが、

 

「えへへ、へへっ、ふへへっ……!」

 

 明らかにヤバい笑顔なのは減点対象だ。

 目を糸のように細まりながらも三日月のように歪み、口角が引きつりながら上がっている。

 何だろうか、自分は何か彼女の踏んではならないものを踏み抜いてしまったのか。

 

「ちょ、ちょっと、大丈夫?」

 

 流石に心配になったのか、寝たふりを止めた長女が問うと、当の彼女はにぱーと無邪気な笑みを浮かべた。

 

「大丈夫だよ~、私はいつも通り、むしろ幸せなくらい」

 

「そうは見えないから、聞いたのだけど……」

 

 次女の言葉に長女は本気で心配そうな面持ちを浮かべると、そっと彼女の髪を撫でた。

 毎日手入れをしているか、髪の間をするりと指が抜けていき、次女はくすぐったそうに身動ぎする。

 

「だって、だって!この人が、私の中に入ってきてるんだよ?あいつら(・・・・)のじゃなくて、この人のが!」

 

 にこりと笑った彼女の顔は満面の笑みにさえ見えるが、瞳はどろりと濁り、その奥にあるのは喜びの表情ではない。

 もっと薄暗く、後ろ向きな、ある意味危険でもある何か。

 ローグハンターにその正体はわからずとも、長女には何となくでは察しがついていた。

 あのゴブリンたちに拐われ、陵辱され、望まぬ形で純潔を失った彼女らだが、ローグハンターの手により救出さらるまでの数週間。

 その期間に、三姉妹は幾匹かの子供を産まされていた。

 そして時期が悪かったのか真っ先に孕まされ、子を産んだのは、今こうしている次女なのだ。

 その当時は取り乱し、その様をゴブリンたちに嘲られていたことも、覚えている。忘れられるものか。

 今まではどうにか落ち着いたと思っていたが、今度は自分から身体を許したことで、頭の中で何かが弾けてしまったのか。

 

「お願い。お願いします……。もっと気持ちよくして、全部、忘れさせてくださいぃ」

 

 媚びる娼婦のように腰を振りながら告げられた言葉に、ローグハンターと長女は顔を見合わせた。

 ローグハンターが「大丈夫なのか」と視線のみで問いかけ、長女は「大丈夫」と確かに頷いた。

 彼が何かを言う前にと長女が動きだし、ベッドの上で次女の横顔に膝を向けるように正座をすると、次女の頭を膝の上に乗せた。

 

「……?お姉ちゃん?」

 

 不思議そうに首を傾げる次女だが、後頭部に感じる柔らかさと、顔に当たる長女の乳房の柔らかさに頬を緩めた。

「えへへ」とだらしなく笑う彼女の髪を撫でながら、長女もまた優しく笑う。

 嬉しそうに笑う次女は、ふと鼻先に当たる異物感に気付き、僅かに頭を動かした。

 そこには薄桃色のぽっち──乳首があり、ローグハンターに責められたのか、ぷっくりと膨らんで充血しているようだ。

 次女はそれを見つめると、何も考えずにそれを口に含んだ。

 長女は「ひゃ!?」と悲鳴をあげるものの、次女は優しく咀嚼しながら吸い上げ、姉の乳首を責め立てる。

 

「ちょっ、と……!ひゃ!やめ、な……んん!やめなさい……っ!ひぅ!」

 

 長女は快感に喘ぎながら僅かに怒りを露にするものの、止めることがないのは彼女に気を遣っているからか。

 するとただですら引き締まっていた次女の秘部が余計に引き締まり、ローグハンターは低く唸らせた。

 蠢くひだが一物を扱き、締め付ける力も相まって手で扱かれているような錯覚さえも覚える。

 これでは動くどうこうの話ではなくなりそうで、ローグハンターは額に汗を滲ませた。

 単純な相性なら次女の方が高いのかもしれないが、今はそんな事どうでもいいのだ。

 

「いくぞ」

 

 ローグハンターはそう告げると、有無もなく腰を振り始めた。

 食い千切らんばかりに締め付けてくる膣肉を、力任せに振り払い、かりで引っ掻いて解しにかかる。

 中からはごりごりと肉を削るような音が漏れているが、次女は長女の乳首を頬張ったまま「ん~!!」と快感に喘いだ。

 両手でシーツを掴んで身体が揺れないようにして、踏ん張るようにベッドについた両足もまた同じ。

 もっとも彼の手で腰が固定されているのだから、逃げるも何もないのだ。

 パンパンと音をたてて腰がぶつかる度に次女は快感に喘ぎ、背筋を震わせるのだが、それは彼女に限った話ではない。

 

「ひゃん!ちょっと、引っ張らないで!?や、あん!そんな、吸っちゃ、駄目よ……!」

 

 いまだに次女に乳首を頬張られている長女だ。

 彼の動きに合わせて次女が悶えたり、声を漏らそうとすれば、その感覚すべてが乳首にぶつけられるのだ。

 暴れまわる舌が乳首を舐め回し、かちかちと音をたてて噛みついてくる歯が、痛いほどの刺激を与えてくる。

 

「ひぅ、あっ!はっ……んぅ!だめ、やめて……っ」

 

 ピクン、ピクンと身体を震わせる長女の声に、段々と熱がこもっていく。

 そしてローグハンターもそうだ。

 腰を前後に振る彼は、「はっ!はっ!」と短く息を吐きながら射精感を我慢しているのだ。

 そしておそらく、一番余裕があるのは次女だ。

 叩きつけられる快感に喘ぎ、姉の臭いと味を堪能し、その全てを受け止める頭には余裕もないのだが、

 

「んぶ!?んー!んー!んふっ、んぅ、はふ!んにゃ?!」

 

 快感を逃がすようにかぷかぷと乳首を噛みながら、彼女の身体はどんどんと昂っていた。

 かりがひだを掻き回し、亀頭が子宮口を叩き、彼の汗が身体に落ちる度に背筋が震え、膣肉がわななく。

 それでもローグハンターの動きは止まらず、むしろ段々と速まっているほど。

 彼が激しく動けば胎内を激しく殴られ、その暴力的なまでの快感に喘げば乳首を噛んでしまい、乳首を噛めば姉が喘ぐ。

 そして姉が喘げばその声に二人が興奮し、余計に動きが激しくなっていく。

 そして、それが数分も続けば限界も来ると言うもの。

 

「くぅ!だ、めぇ……!私、胸だけでイっちゃ……やぁああああああっ!」

 

「んー!んー!ん゛ぉおおおおおお!!」

 

「ぐ……!う゛ぅ!!」

 

 三人は同時に叫ぶと、絶頂を迎えた。

 長女は身体を仰け反らせながら絶叫し、次女はその拍子に自由になった口から獣じみた唸り声をあげ、最後にローグハンターの低い呻き声が漏れる。

 そして吐き出された精液は全て次女の子宮に注ぎ込まれ、その熱に当てられた彼女は悲鳴をあげながら背中を弓なりにしならせる。

 だがローグハンターの手は腰を離しておらず、その程度では逃げられない。

 びゅるびゅると、水袋の中身をぶちまたような音をたてて行われる射精はその勢いを衰えることを知らず、彼女の子宮を満たしてもなお続く。

 

「かっ、あっ、ぎっ、ぅうううう!」

 

 内臓を押し上げる圧迫感。そして彼の熱に当てられた彼女は、唸り声と共に再び絶頂。

 引き締まり、痙攣を繰り返す膣肉が一物を扱きあげ、尿道に残る精液さえも絞り出す。

 

「くっ……!」

 

 そしてローグハンターが小さく呻いた事を合図に、ようやく射精が終わった。

 文字通り一滴残さず注ぎ込んだ彼は、どっと出た疲労感に溜め息を吐きながら一物をゆっくりと抜くと、結合部からはどろりとした白濁液──精液や愛液が混ざったものだろう──が吐き出され、シーツを汚して染みを残す。

 

「あへ……っ。はっ……、すごい、これ、しゅごいよぉ……」

 

 ピクピクと痙攣しながら、次女は虚ろな視線で天井を見上げていた。

 こぽりと音をたて、秘裂から白濁液が吐き出される度に彼女は腰を跳ねさせ、安産型の臀部がベッドに落ちる度に僅かに波立つ。

 

「お疲れ様」

 

 そんな彼女を頭を撫でながら労ったのは長女だ。

 次女に咀嚼された左胸の乳首が赤く腫れ、右胸の乳首に比べて真っ赤になっているようではあるが、彼女は気にした様子を見せない。

「ふふ」と楽しそうに笑う長女を他所に、次女の心中も穏やかだった。

 姉に膝枕されながら頭を撫でられ、何よりお腹の中には彼のもので満たされている。

 

 ──幸せ、だなぁ……。

 

 愛する家族が側にいて、彼からすれば二人目だけれど愛する人がいて、二人に見守られている。

 

「……あの娘にも、分けてあげたいな」

 

 次女は末娘に思いを馳せながら、ゆっくりと眠りに落ちた。

 すやすやと寝息をたてて、ぐったりと身体を弛緩させている様子には、警戒の色が見えない。

 長女は妹の言葉をしっかりと受け止めながら、寝ていることをわかっていながらもこくりと頷いた。

 ここまでやっておいて、あの娘だけ仲間外れなのは可哀想だし、何よりこちらも辛い。

 自分たちだけもう一つの心の拠り所を見つけたのに、彼女はそのままなど、残酷としか言いようがあるまい。

 

 ──なら、早く方がいいしら。

 

 長女は思い立ったが吉日と言わんばかりに行動に映さんと決めたが、その前にやるべきことが一つ。

 ちらりと目を向けた先には既に回復し、臨戦体勢へと移行しているローグハンターと、その分身たるものが固さを取り戻している。

 ごくりと生唾を飲んだ長女は一度次女を落とすと、ローグハンターの方へと近づいていった。

 末娘も心配ではあるが、とりあえず彼をどうにかせねば部屋から出られまい。

 そうして再開された交わいが終わったのか、それは定かではないが確かに言えることは一つ。

 長女と次女は久しぶりに朝帰りをしたことを、寮の部屋で隣人と寝ていた末娘に説明することになる。

 そしてそれに末娘が首を突っ込むことになるのは、確定事項でもあった。

 

 

 




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Memory?? 惨劇の生存者⑤

冒頭三姉妹。末娘編。


 ローグハンターが長女、次女との一晩を過ごしてから幾日か。

 三姉妹が使っている寮の一室では、妙な空気が流れていた。

 三つのベッドを真ん中に寄せ、三人が並んで眠れるようにしてあるのはいつものことだが、問題なのはその上。

 

「んふふ~♪」

 

「だらしないわよ、まったく……」

 

 ベッドの上に正座した長女の膝に次女が頭をのせ、ふにゃりと気の抜けた笑みを浮かべているのだ。

 長女は苦笑混じりに頭を撫でてやれば、その笑みは余計にだらしのないものへと変わる。

 あの晩──次女もローグハンターの女にされたあの日に、なし崩し的に行われた姉の膝枕は、彼女にとってひどく懐かしいもの。

 それがある種の毒となって次女の頭を侵し、彼女を酷いレベルでの甘えん坊へと変化させてしまったのだ。

 他人がいる時や、店に顔を出している時に、そこまでの違いはない。

 だが仕事を終え、こうして部屋に戻ってくると彼女は駄目になってしまう。

 長女はやれや困ったようにと首を振るが、妹に甘えられるというのは悪くないのか文句を言うことはない。

 だがそんな仲睦まじい様子を見せる室内中に、一人だけ不満そうにしている人物がいた。

 

「……」

 

 露骨にぷっくりと頬を膨らませ、血色のいい唇を尖らせて顔全体で『不機嫌です』と告げているのは、三姉妹の末娘だ。

 いつもは結っている黒い髪を下ろし、櫛で梳いていたら、背後から何やら二人の姉の声が聞こえたのだ。

 そして振り向いてみればいつもあれ。ほぼ毎日あれでは嫌になる。

 

「むぅ……っ」

 

 訳ではなく、単純に羨ましがっているだけのこと。

 愛する長女に構われている、愛する次女の姿は、別に見ていて嫌な気分になるわけがないのだが、そこに自分が含まれていないのは、酷く疎外感を感じて嫌だ。

 

「……」

 

 髪を整えた末娘は溜め息を吐くと、相変わらずくっついている姉二人に目を向けた。

 長女はそれに気が付くと微笑みながら「どうしたの?」と問い、次女はふにゃふにゃの笑みを浮かべたまま「どした~」と気の抜けた声で問うた。

 

「えい!」

 

 そして返事の変わりに放った声と共に、末娘は跳んだ。

「「え……」」と間の抜けた声を漏らす姉二人だが、長女は跳んできた末娘にベッドに押し倒され「きゃ!?」と悲鳴をあげ、次女は末娘の下敷きにされて「ふぎゃ!?」と汚い悲鳴をあげる。

 

「もう、どうしたのよ」

 

 どうにか末娘を抱き止めた長女は、可笑しそうに笑いながら彼女の頭を撫でてやると、嬉しそうに笑って豊かな胸に頬を擦り寄せる。

 長女と末娘に挟まれて悶えていた次女は、芋虫のようにぐねぐねと身体を捩りながらそこを脱出すると、長女に抱きつく末娘の姿を見下ろし、ふっと小さく笑んだ。

「ん~」と声を出して甘える末娘の姿は可愛らしいし、それを優しく微笑みながら受け止める長女の姿も、さながら聖母のよう。

 

 ──まあ、見たこともないんだけど……。

 

 近場の神殿や、知識神の寺院なんかに絵画の一つや二つ飾られているのかもしれないが。

 少なくとも彼女らの日常はこの宿屋で回っているし、遠出する切っ掛けもあまりない。

 今度休みをもらって街を一回りしようかなどと思いながら、思い描くのは四人(・・)で街を練り歩く姿だ。

 姉がいて、自分がいて、妹がいて、表向き護衛の彼もいて、そうやって四人で街を歩き回ってもいいかもしれない。

 

「あ、そうだ。ねえねえ、一つ頼まれてくれない?」

 

 恥も外聞もなく、幼子の頃に戻ったように長女に抱きつく末娘の背を撫でながら次女は問うた。

 末娘が「ん~?」と声を漏らしながら、名残惜しそうに身体を起こすと、「なに、お姉ちゃん」と首を傾げた。

 次女はごほんと咳払いすると、ちらりと長女に目を向けた。

 長女はこくりと頷くと身体を起こし、そっと末娘の乱れた髪を手梳で整えてやりながら「よく聞いてね」と耳元で告げる。

 前々から話していた計画に、末娘を巻き込む時期がきたのだ。

 何も知らない彼が何と言うかはわからないが、彼ならきっと大丈夫だろうと信じている。

 

「私たちが、時々上の部屋に配達に行くのは知ってるわね?」

 

「うん。えっと、誰の部屋かは知らないけど……」

 

 二人とも教えてくれないしと、しょぼんと俯きながら呟いた言葉に、長女は「ごめんなさい」と謝りながら末娘の頭を抱き寄せた。

 豊かな胸に彼女の顔を埋めながら、せっかく整えた髪を崩さないように頭を撫でてやる。

 

「きっと、教えたら会いたがると思って。あの人にも迷惑をかけてしまいそうだから」

 

「……?」

 

 姉の神妙な面持ちでの言葉に首を傾げると、次女が「私も最近知ったのよ?」と付け加えた。

 そしてにこりと笑いながら、告げる。

 

「その部屋の人はならず者殺し(ローグハンター)って呼ばれてる冒険者なんだけど、まあ、簡単に言えばあの人よ」

 

「あの人……?」

 

「私たちを、助けてくれた人」

 

「……!」

 

 次女の言葉にいまいちわかっていなかった末娘は目を見開いて「あの人が、この宿にいるの!?」と驚きを露にした。

「「ええ」」と二人の姉は同時に頷くと、長女が末娘に告げた。

 

「だから、次の配達の時にはあなたが持っていって?そして、ちゃんと挨拶をしていらっしゃい」

 

「うん!えっと、お洒落した方がいいのかな……!」

 

「……お洒落って、別にあなたは着飾らなくても綺麗よ」

 

 長女は想像以上に乗り気の末娘の様子に多少狼狽えながら返すが、肝心の末娘は聞く耳を持たない。

「どうしよう、どーしよ!」と両手を頬に当てて、身体をくねらせながら困っている様子。

 

 ──まるで、恋人とデートする前日みたいね……。

 

 長女が困惑気味に後退る中、前に出たのは次女だ。

 ピンと人差し指をたてながら、生徒にものを言う教師のような態度で告げる。

 

「別に制服なんだから、お洒落もなにもないでしょ?」

 

 そして告げたのは、無慈悲な正論であった。

 その言葉を受けた末娘はピタリと止まると、たっぷりと間を開けてから「………それもそうだね」と呟く。

 

「どうしよう。胸元開ける?でも、お姉ちゃんたちみたいにおっきくないし、足を見せるにしたって──」

 

 ぶつぶつと独り言を呟きながら、あれこれと考えてうんうんと唸っている。

 

「お姉ちゃん、これ大丈夫かな?」

 

「えっと、あの人に任せましょう」

 

 一人の世界に入ってしまった末娘を放っておき、ベッドの隅で顔を会わせた長女と次女は、少々心配そうに末娘を見つめた。

 当初の予定では嫌がったり、緊張したりして、「お姉ちゃんたちも一緒に来て!」と言われると思っていたのだが、何だか大丈夫そうである。

 

「へへ。あの人に会えるんだ、ふへへ……」

 

 ──大丈夫、かしら?

 

 長女は怪しい笑みを浮かべる末娘の姿を見つめ、途端に強烈な不安を抱くが、彼なら大丈夫と信じることにした。

 彼ならよっぽどのことがなければ心配あるまい。冒険者なのだし。

 

「さ、今日は寝ましょ。明日もお仕事、頑張らないと」

 

「「は~い」」

 

 長女がポンと手を叩きながら告げた言葉に、妹たちは一斉に応じた。

 それを合図に長女がベッドの真ん中に寝転び、その両脇に次女と末娘がそれぞれ寝転ぶ。

 おやすみなさいと三人の声が重なり、数分も経たない内に三人の寝息が聞こえ始める。

 ただ一人。末娘の寝息だけが、興奮したように激しかったのは、誰も知らないことだ。

 

 

 

 

 

 そんなやり取りから三日が経った頃。

 眠る狐亭、ローグハンターが滞在している一室。

 その部屋の扉の前には、制服に身を包んだ末娘の姿があった。

 ばくばくとうるさい心臓の鼓動を落ち着かせようと深呼吸をして、落ち着いた頃を見計らって数度ノック。

 中からは『誰だ』と淡々とした声音での問いかけに、末娘は「ご注文の料理をお持ちしました!」と緊張で上擦った声で応じた。

『そうか』と扉の向こうから返事が聞こえ、椅子が床と擦れる音が後に続く。

 その後は一切の無音で、末娘は疑問符混じりに扉に耳を当てると、無遠慮に扉が開かれた。

 それなりに体重を預けていた末娘は「わっ!?」と声を出して体勢を崩すが、すぐに固い何かにぶつかり、逞しい腕に抱き止められた。

 落としそうになった皿もどうにか落とさずに済み、末娘はホッと息を吐く。

 

「あ、あの、申し訳ございません!」

 

 彼女は言葉の通りに謝罪しながら勢いよく顔をあげると、ゆっくりと目を見開き、そのまま身体を強張らせた。

 

「いや、いきなり開けた俺も悪い。申し訳ない」

 

 肝心の相手──ローグハンターもまた申し訳なさそうに小さく頭を下げながら言うと、彼は末娘の顔を見下ろして「む……」と声を漏らした。

 

「お前、あの二人の妹か」

 

「ひゃ、ひゃい!?あ、あの時は、ありがとうございました!」

 

 そして突然声をかけられた末娘は肩を跳ねさせながら小さく悲鳴をあげると、慌てて彼の身体から離れ、勢いよく頭を下げた。

 何とも元気な彼女にローグハンターは思わず苦笑を漏らすと、「気にするな」と告げて肩を竦めた。

 

「冒険者として、当然のことをしたまでだ」

 

 そしてさも当然のようにそう言うと、彼女が持っている皿へと目を向けた。

 頼んだ夜食を届けてもらったのだ。

 あまり空腹というわけではないのだが、あの姉妹から「注文しろ」と言う圧をかけられて仕方なく頼んだのだが、こうして妹と会わせたかったのかと思えば合点がいく。

 なぜだか「お願いしますね?」と意味深な笑みを向けられたのだが、それの意味はいまいちわからないが。

「助かる」と一言礼を言って、夜食のサンドイッチを受け取ろうと手を伸ばすと、その手を末娘の手が掴んだ。

 

「……?」

 

 その当然の行動と、思いの外力強い握力に首を傾げると、末娘がにこりと笑った。

 その笑顔は確かに美しいもので、街ですれ違っただけならば、まず間違いなく振り向くことだろう。

 だが、こうして面も向かい合っているからこそわかる。

 表情も笑っている。目元も嬉しそうに笑っている。

 だがその奥にある何か危険な雰囲気は、隠しようもあるまい。

 ローグハンターなら手を払うことも出来るだろうが、彼女の過去を知る彼にそこまで残酷になることは出来ず、言葉による説得が必要だなと頭を働かせた。

 そして、とりあえず「手を離してくれ」と無難な言葉を選び、それを口に出そうとした直後のこと。

 ふわりと甘い香りがしたかと思えば、柔らかいもので唇を塞がれた。

 

「……っ!?」

 

 見開いたローグハンターの瞳に映るのは、文字通り目の前にある末娘の顔だ。

 彼女はぎゅっと目を閉じ、身長差を爪先立ちをして背伸びをすることで埋めて、どうにか行った口付け。

 柔らかく、瑞々しい彼女の唇が、乾いてがさついた彼の唇と触れあい、ちろりと舐めてくるのは彼女の舌だろうか。

 舌はそのまま彼の口の中に分け入ると、驚愕しているからか硬直している彼の舌へと絡み付いた。

 突然の行動に押し返すことも忘れ、彼女にされるがままの彼を他所に、末娘は閉じた瞼の裏で涙を滲ませた。

 それはすぐに目尻から溢れだし、頬を伝って落ちていく。

 

「っ?!」

 

 そして目を見開いたままのローグハンターにとって、それは予想外の出来事であった。

 突然口付けされるまでなら、良くはないのだがいいとして、泣き出されるのは予想外だ。

 ローグハンターは彼女の涙で多少の冷静さを取り戻すと、辺りを見渡して彼女を抱き締めた。

 末娘はピクリと肩を跳ねさせて驚きを露にするが、彼がそのまま後退を始めたことを合図に身体を弛緩させた。

 彼に引っ張られるがまま入室を果たすと、ローグハンターは片手で扉を閉めた。

 その間も彼女の舌が口内を暴れまわっているのだが、別に気にする必要はないととりあえずは無視。

 そして彼女の手から皿をぶんどるように受け取ると、そっと作業台に乗せた。

 それを合図に末娘が顔を離し、赤面しながら「えへへ……」と照れたように笑った。

 身体をくねらせて彼を抱き締め、彼の胸板にぐりぐりと額を擦り付ける。

 

「……」

 

 何から何まで全く把握できていないローグハンターが、現実から目を背けるように天井を見上げて溜め息を吐くと、末娘は「すいません」と謝罪の言葉を口にした。

 それでも離れる気はないのか、彼の背に両手を回したままだ。

 

「えっと、あなたに会ったら、胸の奥の方がぶわーってなって、えと、我慢できませんでした……」

 

 彼の胸に納まったまま、けれど申し訳なさが勝ったのか、しゅんと顔に落としながら行われた彼女の説明は、随分と抽象的なもの。

 だがローグハンターは「そうか」と頷くだけで、彼女を責める素振りを見せない。

 逆に彼女の頭を撫でて、僅かに乱れた髪を整えてやる程だ。

 

「──。ふへへ」

 

 彼の手の温もりと優しさを直に感じた末娘は、ほんの一瞬意識に空白が生まれるが、すぐに復活してだらしのない笑みをこぼした。

 幸いなことに彼の胸に顔を埋めているため、その顔が見られることはない。

 ローグハンターは再び溜め息を吐くと、作業台に乗せたサンドイッチに目を向ける。

 腹は空いていないと思っていたが、こうして目の前に出されると意外に空腹を感じるもので、食べたいという思いが強まってきたのだ。

 

「それで、いつまでこのままなんだ?」

 

「……もう少しだけ、お願いします」

 

 確かめるように投げ掛けた言葉に、末娘は恥じ入るように赤面したままぼそりと呟いた。

 別にそれを無視してしまってもいいのだろうが、ローグハンターは「そうか」と返して逆に彼女を抱き寄せた。

 姉二人に比べて小柄で、幼いという印象まで抱く体躯ではあるが、こうして触れてみれば柔らかく、温かい。

 

「~~~!!!」

 

 ローグハンターが優しげに微笑むのを他所に、末娘は胸の中で嬉しさのあまり声もなく悲鳴をあげた。

 彼女が犬の獣人(パットフット)なら、まず間違いなく千切れんばかりに尻尾を振っていたことだろう。

 そしてそれを幻視したローグハンターは可笑しそうに目を細め、撫でてやる手にも力がこもる。

 頭だけでなく髪を撫でてやり、肩にかかる黒髪を手で梳いてやる。

 髪の毛と間を指が抜けていき、撫でている筈なのに撫でられているような感覚がして、心地がよい。

 

「あ、あの……」

 

 そうして夢中になって撫でていると、末娘は潤んだ瞳で彼を見つめた。

 ローグハンターが無言で彼女を見つめると、彼女はもじもじと身体をくねらせながら言った。

 

「もっと、触ってください」

 

 瞳の奥に情欲の炎をちらつかせ、続きを催促するようにぎゅっと彼を抱き締める。

 姉たちほど大きくはないけれど、ある程度の膨らみがある胸を押し付ける。

 彼女の姉二人のおかげで、男としての欲望を持つことになったローグハンターは赤面すると、じっと彼女の瞳を見下ろした。

 そのまま髪を撫でていた手で彼女の背を撫でて、反応を確かめる。

 背中に触れられたことに驚いたのか、「あ……」と声を漏らした彼女は、背中を這う手の動きに合わせてくすぐったそうに身体を震わせて、口を噤んで声を噛み殺す。

 彼の手は少しずつ下がっていき、背中を伝って括れた腰に触れると、ぐいと彼女の身体を引き寄せた。

 

「~~っ」

 

 ただですら密着していた身体が隙間なくぴたりと触れあい、服越しに彼の体温を感じる末娘は恍惚の表情を浮かべた。

 優しく包み込んでくれる姉たちのものとは違う、決して離してはくれなさそうな力強さを感じるのは、やはり男だからだろうか。

 そんな思慮をした末娘は、いいや違うと首を振った。

 自分たちの過去を知りながら、こうして抱き締めてくれる異性など、彼を置いて他にはいまい。

 何より、彼は自分たち姉妹にとっては英雄なのだ。

 あの薄暗い洞窟から救い出してくれた、物語から飛び出してきた英雄そのものなのだ。

 彼の抱擁だからこそ末娘は逃げず、彼女だからこそローグハンターも彼女を受け入れる。

 姉たちに頼まれたからというものそうだが、女性には優しくせよと師からも言われているからだ。

 

 ──まあ、優しくしろの基準は今でもよくわからんが……。

 

 ローグハンターは溜め息を吐くと、そっと胸に顔を埋めている末娘を見下ろした。

 腰まではいいようだが、果たしてさらに下へと行ってしまっても良いものだろうか。

 彼の手が迷うように腰を擦る中で、末娘は物欲しそうに潤んだ瞳を彼に向けた。

 

「いい、ですよ?あなたになら、何をされてもいいんです」

 

 ポツポツと彼にだけ聞こえるように呟いた言葉に、ローグハンターは動かしていた手を止め、数度瞬きを繰り返して困惑を露にした。

 やはりと言うべきか、この三姉妹は自分に向けて絶対の信頼と信用を向けられている。

 それは本来なら喜ぶべきものだろうが、長女を除いた姉妹たちのこれは酷く歪で、下手に刺激すれば心が砕けてしまうようにさえ思う。

 こちらから拒む気はないのだが、姉たちの言葉もなしに踏み込んでもいいものか……。

 

『お願いしますね』

 

『……あの娘にも、分けてあげたいな』

 

 ふと脳裏に過ったのは部屋に戻る直前に言われた長女の言葉と、いつぞやに抱いた次女が呟いた言葉。

 それらの言葉とこの状況から察するに。

 

 ──あいつらの、(てのひら)の上か……。

 

 長女と次女の二人が、自分たちの関係に妹を巻き込もうと画策し、そうして今日という日が来たのだろう。

 別に嫌ではないのだ。彼女らが妹の身を案じ、自分を頼ってくれたのはむしろ誇らしくもある。

 誇らしくもあるのだが、何だかそれが変な方向へと向かっているような気もするのだ。

 そして、それを受け入れてしまう自分も、やはり人の感性というものから大きくずれているのだろう。

 ローグハンターは小さく溜め息を吐くと、末娘に目を向けた。

 そっと髪を撫で、嬉しそうに目を細める彼女を見下ろしながら、ローグハンターは微笑んだ。

 そのまま腰に添えていた手をゆっくりと下へと這わせ、制服のスカートに隠された彼女の臀部に触れた。

 服越しとはいえ感じる柔らかさに目を細め、指を蠢かせればその弾力を堪能できる。

 

「……っ」

 

 末娘は覚悟はしていたのだろうが驚いたのか、ぴくりと肩を跳ねさせ、身体を強張らせた。

 力が入ったからか、僅かに固くなった臀部の感触もまた心地よい。

 むしろそこを解すように力を入れて、ぐにぐにと臀部を揉むように指圧してやれば、末娘の吐息に熱が入り始める。

 

「ん……っ。ふっ、あ……っ!ん、んん~♪」

 

 尊敬し、敬愛している彼に図らずも按摩(あんま)されることになった末娘は、その優しい快感に身を捩り、ご機嫌そうな声を漏らす。

 嬉しそうに笑いながら彼に身体を預けるが、受け止める彼の体幹は一切ぶれない。

 小娘の一人程度の重さなど、彼にはあってないようなものなのだろうか。

 そんな疑問が脳裏に過った直後、末娘は「ひん!」と肩を跳ねさせながら間の抜けた悲鳴を漏らした。

 彼に抱きついたまま、ピクピクと小刻みに震える彼女の臀部。

 制服のスカートに隠されてわからないが、肉付けもよく、いわゆる安産型と呼ばれる部類に入るだろう。

 そしてそこに伸びるローグハンターの手が、その割れ目へと入り込んでいた。

 ぐにぐにと割れ目の内側の肉を刺激しながら、どこがいいのかを探るように割れ目を這い回る。

 それはさながら虫のようでもあるが、そこに込められた優しさと温もりは、あんな甲殻に包まれた生物にはないものだ。

 

「んっ……!ふぁ……っ、あぅ……!」

 

 自分自身でも触れる機会の少ない臀部の割れ目を刺激されながら、それでも末娘が感じているのは快感であった。

 ゆっくりと全身を侵していくような快感が、遅効性の毒のようにじわじわと身体を蝕み、彼女の理性を磨り減らす。

 

「ふ……あぁ……ひぅ、んぁぁ……」

 

 そして按摩が続けば続くほど末娘の表情は蕩け、男に媚びる娼婦のようやものへと変わっていく。

 彼の手が動けば動くほど身体から力が抜け、膝が笑って立っていられない。

 それでもこうして形だけでも立っていられるのは、一重に彼が支えているからだ。

 片手で腰を押さえて離さず、もう片方の手で臀部の割れ目を撫でる。

 

「ひぅ!ふぁ……へぅ、ひぅぅ……」

 

 声からも力が抜け、彼を抱き締めていた手かも力が抜ける。

 背中に回されていた手が緩んでいく感覚に「む……」と声を漏らしたローグハンターは一度手を止め、「大丈夫か」と問うた。

 

「ぁい、じょぅぶれすぅ……」

 

 そして返された言葉は、酷く覇気が欠けて今にも消えてしまいそうなもの。

 全体重を預けてくるのは苦ではないが、ここまで蕩けてしまうのは予想外。

 一旦寝かせるべきかとベッドに目を向けると、末娘がふにゃりと気の抜けた笑みをこぼした。

 

「いい、ですよ……?私のこと、滅茶苦茶に……してください……」

 

 どうにか足を踏ん張って背伸びした末娘は彼の耳元でそう囁いて、耳元に口付けた。

 それをされたローグハンターは弾かれるように末娘に目を向けて、ぱちぱちと数度瞬き。

 

「いいん……です、よ……」

 

 小さく首を傾げて、念を押すようにさらに一言。

 瞳の奥に情欲の炎を揺らし、目の前の男を誘うように舌舐めずり。

 ローグハンターは思わず生唾を飲むと、再びベッドへと目を向けた。

 

 ──案外捨てたものでもないか……。

 

 とっくの昔に人としての欲望なぞ捨てたつもりではあったが、やはりこうされると身体が昂る。

 男という生物は単純で、何より欲望に忠実だ。

 そして、その当たり前を取り戻させたのは間違いなくあの二人。

 

 ──なら、いっそのこと開き直るものいいか。

 

 あの二人と会えば会うほど、目の前のこの娘は孤独になっていくだろう。

 英雄色を好むではないが、一人の男として、覚悟を決める時が来たのかもしれない。

 ローグハンターは目を閉じると、深呼吸を一度。

 それを済ませると共に目を開け、そのまま末娘を抱き上げた。

「きゃ♪」と楽しそうな悲鳴を漏らす彼女を見つめながら、ローグハンターは笑った。

 

「俺に任せろ」

 

 彼の宣言に、末娘は満面の笑みと共に頷いた。

 僅かに開いた扉の隙間から、二つの視線を向けられていることにも気付くこともなく。

 




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Memory?? 惨劇の生存者⑥

 ベッドに押し倒した末娘に覆い被さったローグハンターは、愛おしそうに彼女の頬を撫でながら、唇を奪った。

 

「ちゅ……。ん、はふ……。んちゅ……っ」

 

 彼の口付けを受け入れた彼女は必死になって彼の唇に吸い付き、差し込まれる舌に迎え入れる。

 くちゅりくちゅりと湿った音を漏らしながら、舌伝いに垂れてくる唾液を嚥下し、こくこくと喉を鳴らす。

 

「んく、んく。ちゅ、んちゅ、ん~」

 

 彼の唾液を飲み込む度に頭の中に火花が散り、ぞわぞわと背筋が震える。

 キスをしたままその様を見つめたローグハンターは、愉快そうに目を細めるとゆっくりと顔を離した。

 唾液の糸がお互いの唇を繋ぎ、重力に引かれて末娘の口元へと落ちていく。

 ぷっくりとして瑞々しい唇に、さながらソースでもかけたように彼の唾液の糸がかかるが、彼女はぺろりと舌舐めずりしてそれを舐めとった。

 

「んふふ、美味しいです……」

 

 彼女は恍惚の表情を浮かべながらそう告げると、ローグハンターは苦笑混じりに「そうか」と呟き、頬に添えていた手でそっと顎を撫でた。

 そのまま顎下に指を這わせれば、甘える猫のように「ごろごろ」と声を漏らし、恍惚の表情がどんどんと蕩けていく。

 ふふと可笑しそうに笑ったローグハンターはそのまま首筋、鎖骨を撫で、そのまま制服のボタンに指をかけた。

 ぷつぷつとわざとらしく音をたてながらボタンを外していき、大きく胸元を開かせた。

 彼女には悪いが胸は姉二人と比べて控え目ではあり、僅かな谷間がある程度だが、ローグハンターにとってそんなものはどうでもいい。

 彼はそっと彼女の胸元に唇を落とし、ちゅとリップ音をたててそこに跡をつけた。

 

「やっ……!そこは、見えちゃい、ます、よ……?」

 

 末娘は言葉とは裏腹に喜色を孕んだ声音でそう言うと、ローグハンターは気にせずに再び唇を落とす。

 ちゅ、ちゅと彼女の耳にも届くように音をたて、一つ一つ丁寧に、彼女に刻まれた傷跡を上書きするように、口付けの跡(キスマーク)をつけていく。

 それが三度続いた頃には末娘も止めること──そもそも言葉だけだが──を諦めると、むしろ嬉しそうに笑うほど。

 彼はさらに下を目指そうとするが、不意に動きを止めて彼女の顔を見上げた。

 

「脱がせるから、一度起こすぞ」

 

「あ、はい。えっと、退いてもらっても……?」

 

 彼の言葉に末娘は笑みをそのまま問うと、ローグハンターは無言のまま彼女の上から退いた。

 場所が開いた末娘はひょいと身体を起こし、せっせと平服を脱いでいる彼に背を向け、「どうぞ」と一言。

 そこにあるのは制服の結び目で、そこを解いてしまえばすんなりと脱がせることができる。

 姉二人の相手をする内に、おそらく目を閉じていても出来るようになったそれを、相手は違えど一切の淀みなく行う。

 パンツ一丁になったローグハンターは一つ、二つと結び目を解く度に制服の締め付けが弱まり、先んじて胸元のボタンを外していた為か、肩が丸見えになるほどにずり落ちていく。

 そこまで来て、うきうき気分で笑っていた末娘がふとした疑問を口にした。

 

「そう言えば、随分と手慣れて──」

 

 そしてその言葉を言い切るよりも速く、ローグハンターがその手を動かして制服を脱がせた。

 ワンピース型のそれは、結び目さえ解いてしまえば後は上に引き上げるだけで脱がせることができるのだ。

「へ……」と間の抜けた声を漏らした末娘は、いつの間にか下着姿になっている自分の身体を見つめた。

 備えてはいた。備えていたのだが、不意打ち気味に脱がされてしまうと流石に堪えると言うもの。

 

「~~~!?!」

 

 末娘は顔を耳まで真っ赤にしながら両腕で下着を隠そうとするが、やはりと言うべきかローグハンターの方が速い。

 彼は背後から彼女の身体を抱き締め、両膝を立てて座る自分の足の間に、彼女の体躯を納めたのだ。

 

「あ、あの……その……っ!」

 

「どうかしたのか」

 

 彼女の腹に腕を回して逃がさないように抱き寄せ、彼女の頭に顔を押し付ける。

 こういった趣味はない筈なのだがと内心苦笑しながら、くんくんと鼻を動かして彼女の臭いを肺一杯に吸い込んだ。

 鼻につく汗の臭いが強いが、何か香水でもつけているのかほのかに甘く、こうしている分には心地がよい香り。

 

「……」

 

 ローグハンターは無言のまま目を細めると、さらに顔を密着させて彼女の頭に鼻を押し付けて臭いを堪能。

 抱き締められた彼女は顔を真っ赤にしながら、頭を撫でる彼の吐息に背筋を震わせた。

 

「あ、あの……っ!」

 

 一応拭ってきたとはいえ、仕事直後で汗や料理の臭いが染み付いているだろうに、彼は不快な様子を見せずに絶えず鼻から息を吸っている。

 

「あぅ……」

 

 そして何か言おうとする気力さえも吸い上げられた末娘は照れ顔を隠すように項垂れ、ローグハンターはようやく満足したのか顔をあげた。

 真っ赤になった彼女の耳に口付けし、唇で挟むように咀嚼してやれば、「ひゃ!」と可愛らしい悲鳴を漏らす。

 その反応にローグハンターは楽しそうに目を細め、彼女の腹を撫でていた片手を、そのまま胸へと滑らせた。

 可愛らしい飾りの付けられた下着の下に入り込み、確かな膨らみのある胸に触れた。

 

「あ……やっ……はぅ……!」

 

 異性に触れられたことのない、女性の象徴の一つに無遠慮に触れられた末娘は、けれど嫌悪感を感じることはなく、あるのはむしろ安堵の感情だった。

 

 ──敬愛する英雄に、こうして抱き締められている。

 

 その事実だけでも彼女は多幸感に支配され、心臓の鼓動が余計に喧しく耳に届く。

 

「……大丈夫か?」

 

 そこに彼の言葉も加われば、彼女は天にも昇りそうな心地となり、「大丈夫ですぅ」と気の抜けた声を漏らす。

 胸を揉んでいる都合上、彼女の心臓の鼓動を間近に感じているローグハンターは、言葉とは裏腹にばくばくと煩く、今にも破裂してしまいそうな心臓の音に耳を傾けた。

 そして、全く落ち着く気配のないそれに流石に心配の念が強まったのか、ぎゅっと彼女を抱き締めながら、耳元で囁く。

 

「深呼吸しろ。ゆっくり吸って、吐いて……」

 

「は、はいぃ……。すぅー、はー、すぅー、はー」

 

 彼の指示のままに深呼吸を繰り返し、空気を肺一杯に吸い込む。

 彼女の動きに合わせて胸が上下し、それに合わせて彼の手も彼女の胸を撫でる。

 愛撫と言うよりは、娘や妹を寝かしつけるかのようなその動作には、彼女に向けられた親愛の感情が根強く、心地がよい。

 このまま眠ってしまいそうな程ではあるが、触れている場所が場所だ。

 

「ん……っ。はぅ……!あっ……」

 

 手つきに慈しみの念が込められているものの、けれどそこには彼の欲望が見え隠れし、胸を揉む力も少しずつ強まっている。

 綺麗に手に納まる大きさの乳房に指を沈ませ、さながら肉に味を染み込まれるように、ゆっくりと揉みこんでいく。

 

「ぁ……や、んん……っ!」

 

 腕の中でピクピクと身体を震せる末娘を見下ろしながら、ローグハンターは胸を揉んでいた手を止めると、その手で下着を捲し上げた。

 彼女は「あ、や……っ!」と驚いたように声を漏らしたものの抵抗する素振りは見せず、彼のされるがままになる選択をした。

 下着があがると共にぷるんと揺れながら乳房が顔を出し、充血してぷっくりと膨らんだ乳首がその存在を主張する。

 

「~~!」

 

 顔を真っ赤にしながらも僅かに顔を背けるだけで何も言わず、ぎゅっとシーツを握りしめた。

 それを了承と受け取ったローグハンターは彼女の髪に口付けすると、片手で彼女の胸を揉みながら、もう片方の手で乳首を摘まんだ。

 

「ひゃ!?」

 

 同時に背筋を駆け抜けた鋭い快感に、ビクンと肩を跳ねさせた末娘は彼の方に振り向くと、同時に彼に唇を塞がれた。

「んぐ!?」と声を漏らして息を詰まらせる彼女を他所に、胸を揉んでいた手で彼女の頭を支えてやりながら、指の間で乳首を転がす。

 こりこりとする確かな感触と、その度に震える彼女の身体と、漏れでる吐息。

 その全てを五感で感じながら、彼は楽しそうに目を細めると、今度は指で乳首を引っ掻き始め、優しく撫でられる快感から、僅かに痛みの伴ったものへと変わる。

 

「んふ!?はふ、んちゅ、ん~!!」

 

 絡み付く舌。掻いてくる指先。背に感じる彼の温もり。視界を支配する彼の表情と、蒼い瞳。

 彼が与えてくる全てが末娘を包み、壊れかけの彼女に活力を分け与えてくれる。

 

「んふふ……。んちゅ!んぁ、ひぅ!」

 

 その心地よさに笑みをこぼした途端、彼が更に顔を寄せてより深く口付けを交わし、指の動きも激しくなった。

 乳首をこね繰り回しながら乱暴に引っ掻き、けれど怪我をさせないように優しく丁寧に。

 二つの矛盾したものが、不思議と両立するその力加減ぶりに、末娘はぞわりと背筋を震わせ、視界を点滅させた。

 絶え間なく与えられる快感が脳裏に火花を散らし、ふつふつと身体の奥に燻っているものが燃え上がる。

 

「んん!んふ、ん~?!んんん!?」

 

 身体の痙攣が激しくなり、ぎょっと見開いた瞳からは涙が溢れる。

 それでも表情は恍惚に染まり、更なる刺激を求めるように潤んだ瞳を彼へと向けた。

 細められた蒼い瞳をまっすぐに見つめれば、言葉はなくとも彼は察してくれるだろうと、彼に全幅の信頼を寄せての判断だが、

 

「……」

 

 ローグハンターは不意に舌の動きを止めると口付けを中断した。

 予想外の行動に「ぇ……」と残念そうに声を漏らした彼女を他所に彼はにこりと微笑むと、空いている手で彼女の腹を撫で、そのまま下腹部へと手を伸ばした。

 そして、末娘が彼の意図を察した頃にはもう遅い。

 彼の手はショーツの中に入り込み、湿り気を帯びた彼女の秘裂に触れた。

 くちゅりと湿った微かな音が漏れ、ピクリと末娘の身体が小さく跳ねる。

 身体が強張り、止めて欲しいのか彼の腕をぎゅっと掴んだものの、既にたどり着いているローグハンターにとってはどうでもいい。

「いくぞ」と耳元で囁けば末娘はぞわりと背筋を震わせ、彼の腕を掴む力を弱めた。

 けれど恐怖はあるのだろう。僅かに震える感覚が肌越しに感じられる。

 

「大丈夫だ。力抜け」

 

「はぃ……」

 

 彼の言葉に気の抜けた声で応じた末娘は、深呼吸と共に身体の力を抜いた。

「いい子だ」と耳朶をくすぐった言葉に末娘が恍惚の表情を浮かべると、ローグハンターは指を秘裂へと押し込んだ。

 

「ひぐ……っ」

 

 同時に末娘が苦し気な声を漏らし再び身体を強張らせるが、今度はローグハンターから何も言うことはなく、指を曲げて膣肉を掻いた。

 

「ひぁ!?」

 

 食い千切らんばかりに締め付けてくる膣肉を指で掻いてやれば、彼女は驚いたように目を見開きながら身体を跳ねさせる。

 思いの外大きな反応に首を傾げたローグハンターはそのまま指を動かし、同じ場所を力加減を変えながら引っ掻き回す。

 

「ひぅ!あ、な、ま、待って!待ってくださいぃいいいいい!」

 

 末娘は絶え間なく与えられる快感に、大粒の涙を流しながら悲鳴をあげ、背筋を弓なりにしならせた。

 だがローグハンターは気にした様子を見せず、彼女の胸を押さえつけて身体を改めて密着させた。

 

「や、待っへ、ひぅ!ぎ、あぁ!!だめ、ですぅ!」

 

 ビクンビクンと身体を痙攣させるが、彼に押さえつけられて身体をあまり動かず、甘ったるい声が出るのみ。

 ちゅうちゅうと吸い付いてくる膣肉の感覚を楽しみつつ、指を曲げながらゆっくりと引き出していく。

 

「ひぐ!?ぎ、ぃいいいいいいいいい!」

 

 ゆっくりと引き出されていく異物感と、それが与えてくる鈍い快感に末娘は身体を強張らせ彼の腕を両手でぎゅっと掴んだ。

 爪を立てているため僅かな痛みを与えてしまうが、痛みには慣れているローグハンターは気にした様子はない。

 そして指がある一点を通過した直後、「ひぅ!?」と声を漏らしながら肩を跳ねさせた。

 ローグハンターは確かめるように、その場所を掻いてやるように指を動かし始める。

 

「ひぐ、ぎぃ!?だ、だめぇ!だめ、ですから!そこ、やめ、やめでくだしゃい!」

 

 刺激に合わせてショーツでも吸いきれない程の愛液が吹き出し、膣肉と全身を痙攣させ始めた。

 

「ここか。あいつらに似てるな」

 

 そして、指の入り具合から見て姉二人と似た場所に性感帯があることを察した彼は、思わず声を漏らしてしまった。

 

「ふぇ?な、なんでしゅか!?何て言ったんれすか?!」

 

 末娘はその一言に鋭く反応するものの、呂律が回らずに迫力に欠ける。

 そして見られていないことをいいことにヤバイと言わんばかりの表情を浮かべるが、「何でもない」とすぐに平静を取り戻すと、誤魔化すように指の動きを激しくさせた。

 

「ひぎゅう!?んぁあ!ぎ、ああああああああああ!」

 

 そして僅かに回復した彼女の理性も容易く快感に流されていき、嬌声をあげる。

 ぞわりと背筋を何かに撫でられるような心地の悪い感覚を覚えながら、それでも胎内を蠢く快感には勝てない。

 

「ひぐっ、ぃい……!そこ、そこ、いいれしゅぅ……っ!」

 

 そして自分から求めるような声を漏らし、彼の手を自分の手で押さえつけて更に密着させた。

 押し込まれた指は一際強く彼女の膣肉を抉ると、彼女は「ひゅ……っ」と鋭い息を吐き出した。

 同時に昂っていた感情がほんの僅かに落ち着きを取り戻し、顔色を青くしながら彼に目を向けた。

 

「……あ、待って……。そこ、は……」

 

 物欲しそうに潤んだ瞳で見つめられたローグハンターはにこりと微笑むと、無慈悲に指の動きを再開させた。

 ごりごりと音をたてて膣肉を掻きながら、ついでと言わんばかりに片手で乳首を転がしてやる。

 

「きゅい!?ぎ、だ、あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!だ、やめで、ごれ、ごわれぢゃいまずぅうううう?!」

 

 理性が焼き切れ、獣じみた嬌声をあげる彼女を見つめながら、真っ赤になった耳を頬張った。

 くちゅくちゅとわざとらしく湿った咀嚼音をたててやれば、末娘はまた悲鳴をあげて身体を震わせる。

 

「イぐ!イぎまずっ!ぎ、ぉ、んぉおおおおおお!?」

 

 そして絶叫と共に絶頂を迎えた。

 押さえつけられた身体が一気に強張り、両足がピンと伸びきる。

 同時に秘裂からは潮が噴き出し、ついに限界を迎えたショーツから液体が溢れ出た。

 ローグハンターは彼女の絶頂と共に秘裂から指を引き抜くと、ふっと苦笑を漏らす。

 

「んぁ……っ!ぎ、んぉ……んへぇ……」

 

 ビクン!ビクン!と身体を跳ねさせながら気の抜けた声を漏らす末娘を見つめながら、ローグハンターは愛液と潮で濡れた指を舐めた。

 生臭く、ほんのりとしょっぱいと味が口内に広がり、既に固かった彼の分身がより一層固く、大きく膨れ上がる。

 それを彼女の臀部に押し付けてやれば、彼女はふにゃりと力の抜けた、けれど恍惚の表情を浮かべた。

 

「いい、ですよ……。私の……こと、滅茶苦茶にして、ください……」

 

 ふへへと気の抜けた笑みをこぼす彼女に、ローグハンターは微笑みを浮かべた頷くと、そっと彼女の背を押した。

「きゃ」と悲鳴をあげてうつ伏せにベッドに倒れた末娘は、倒れた姿勢をそのままに誘うように腰を突き出し、左右に尻を振り始める。

 愛液と潮に濡れたショーツは秘裂に隙間なく貼りつき、縦筋がくっきりと浮かび上がっている。

 その様にごくりと生唾を飲んだローグハンターは彼女のショーツに手をかけると、そのまま乱暴に引き剥がした。

 同時に解き放たれた雌の臭いに頭をくらくらさせながら、ローグハンターはパンツを降ろして一物を取り出した。

 先走り汁に濡れ、気色悪くテカる亀頭を彼女の秘裂に押し当てる。

 そして彼女の意志を確認するよりも早く、腰を突き出した。

 子供の拳はありそうな亀頭が秘裂をこじ開け、種を求めて降りてきていた子宮口を無慈悲に殴り付ける。

 

「ひゅい!?ぎ、あ……かっ……」

 

 胎から脳天まで響く鈍い衝撃と、同時にそれが転換された快感に目を剥き、肺の空気を吐き出す。

 あんぐりと開いた口は酸素を求めてパクパクと開閉を繰り返し、身体は小刻みに震えている。

 対するローグハンターは一物を締め付けてくる感触と、蠢くひだに撫でられる感覚に心地よさそうに目を細めた。

 そのままゆっくりと腰を動かせば、鋭いかりが絶頂直後で敏感になった膣肉を引っ掻き、扱くように蠢くひだを押し返す。

 

「ひぅ……っ!あ……!ん……うぅ……っ」

 

 けれどそれでは物足りないのか、彼女は切なげな声を漏らし、膣肉もきゅんきゅんと締め付けてくる。

 ローグハンターもまた物足りないのか、「そろそろ本気でいくぞ」と彼女に告げた。

 

「ん……っ!どう、ぞ……。滅茶苦茶に、してください……!」

 

 末娘が彼の声に応じた直後、ローグハンターは両手で彼女の腰を掴むと、少々荒っぽく腰を振り始めた。

 パンパンと音をたてて彼女の臀部に腰を打ち付け、合わせて一物が彼女の胎内を出入りを繰り返す。

 かりが秘裂からはみ出すほどに引き、後は力任せに押し込んで子宮を押し潰す。

 

「ぎ!?あ゛!んお゛?!ぶ、ぎ、ぎぃいいい゛いい゛!」

 

 パン!パン!と平手打ちでもしているような鋭い音を響かせて腰を打ち付ける度に彼女の子宮は押し潰され、溢れ出た先走り汁が少しずつ子宮に流し込まれていく。

 

「ひ、ぎ!へ、これ、しゅごい、しゅごいよぉ……」

 

 ぎしぎしとベッドが軋み、彼の動きに合わせて身体を揺すられながら、恍惚の表情を浮かべる。

 体位の都合上見られることはないと安心しているのだろうが、それはローグハンターの表情も見えないのも同義。

 彼は少々嗜虐的な笑みを浮かべると彼女の背中に覆い被さり、片手を彼女の秘裂へと伸ばした。

 一物の出し入れを繰り返す接合部よりも上。ぷくりと膨らんで存在を主張する陰核(クリトリス)を指で摘まむ。

 

「ぎゅい!?ぎ、だ、そこ……は……!」

 

 不意に全身を駆け抜けた快感に驚きを露にした彼女は、弾かれるように振り向くが、きゅっと陰核を摘ままれると共に嬌声をあげる。

 胎内を抉られ、膣肉全体を責められる快感と、一点を集中的に責められる快感。

 その二つが同時に彼女を襲い、彼女の頭はパニック状態となっていた。

 

「ぁ、あ゛あああああ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!イぐ!イぐ!?だめ、どまんないがら……っ!!」

 

 ぶんぶんと首を振り、強すぎる快感から逃げようと前に出ようとするが、すぐに彼の手により引き戻されてそれも叶わない。

 むしろ彼は余計に身体を密着させて、一突き一突きに更に力を込めてくるほど。

 

「んぉ!?お、お゛おおおお!?ぎ、ああああああああ!!だめ、ごわれる!おね、お願いじまず!や、やすませ──」

 

「ぐっ……!」

 

 そして彼女が限界を迎えそうになった間際に、ローグハンターが低く唸りながら腰を突き出し、亀頭を子宮口に隙間なく押し着けた。

 こりっと子宮口が押し潰される感覚と、鋭い快感に「ひぐっ」と断末魔の声を漏らした末娘が白目を剥いた直後、どろどろの精液が吐き出された。

 今まで我慢していた分粘度が高く、そして体温よりも僅かに温かいそれは、瞬く間に彼女の子宮を満たす。

 

「ふぁっ!んっ……。ふへぇ……」

 

 その熱さに意識を戻した末娘は、同時にその温もりに安堵の息を吐き、心地よさそうに声を漏らす。

 ローグハンターは彼女の後頭部に額を押し当て、吐精感が引くと共に押し寄せてくる疲労感に息を吐くと、にこりと微笑みながら彼女のうなじに口付けを落とした。

 そのまま舌を這わせて汗を舐めとりつつ、彼女の耳元に顔を寄せると、彼女に告げる。

 

「全部忘れさせてやる。お前()、俺が守る」

 

「~~~!!」

 

 その一言に声もなく歓喜の悲鳴をあげた彼女を他所に、ローグハンターは一度一物を引き抜くと、ころりと彼女を転がした。

 二人は乱れた呼吸を繰り返しながら顔を見合わせ、微笑みを交換すると共に口付けを交わす。

 そしてゆっくりと唇を離すと、彼女に問うた。

 

「まだやるが、いいか?」

 

 彼なりに気を使い、そうした問いかけになったのだろうが、いまだに鉄のような固さを誇る一物は彼女の秘裂へと当てられ、既に臨戦状態。

 末娘は絶頂と膣内射精、キスの余韻で恍惚の表情を戻すことが出来ないまま、「好きに、してください」と応じた。

 二人の夜は始まったばかり。

 むしろローグハンターにとって、夜はこれからなのだ。

 

 

 

 

 

「あん!や、はっ、へ、んんんんん!」

 

 僅かに開けられた扉の隙間。そこから妹と恩人の交わりを観察していた長女と次女は、顔を見合わせて安堵の息を吐いていた。

 やはり彼なら大丈夫だろうと末娘をぶつけたのだが、結果はこの通りだ。

 

「ぎ!?あ、あああああああああ!!すご、い、おく、がんがんしてきて……!」

 

 だが問題があるとすれば、それを黙ってみている二人の方。

 妹の痴態と、ここまで香ってくる淫行の臭いは、備えていたとはいえ二人の欲情を誘うには十分なもの。

 吐いていた息に熱がこもり、下腹部が熱くて堪らない。

 

「ん……」

 

 我慢できずにスカートの布越しに自分の股に手を入れ、秘裂を撫でた次女は、布二枚越しでも感じる湿り気に僅かに目を剥いた。

 

「はぁ……はぁ……。んっ……」

 

 そしてそれは長女とて同じ事。

 彼女は恍惚の表情を浮かべながら太腿を擦り付けあい、物欲しそうに自分の指をしゃぶって舌でねぶっている。

 

「お姉……ちゃん……」

 

「な、なに……?」

 

 次女は姉の顔を見つめながら、ちらりと室内へと目を向けた。

 そこでは妹が彼の愛を一身に受け止めて、絶えず喘ぎ声をあげている。

 

「……だ、駄目よ!あの子の邪魔は──」

 

「でも、我慢できない……っ!」

 

 長女が気を利かせて止めようとするが、次女はそれでもと部屋に突入しようと室内に視線を戻した間際。

 

 ──彼の蒼い瞳が、こちらに向いていることに気付いた。

 

「え……」と声を漏らしたのは、長女か次女か。

 二人が困惑して身体を強張らせる中、彼に誘われるように扉へと目を向けた末娘は、姉二人の姿を認めた途端に赤面し、真っ赤になった顔を両手で隠した。

 にこりと微笑んだ彼が二人に向けて手招きすると、もはや二人に言葉は不要だった。

 二人は揃って部屋に入ると後ろ手で扉を閉め、鍵を締めるのだった。

 

 

 

 

 




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Memory?? 惨劇の生存者⑦

三姉妹編最終話です。


「あ、や、なんで、入ってくるの……?」

 

 真っ赤になった顔を隠しながら、それでも指の隙間から二人を見ていた末娘は、問答無用で入室してきた姉二人に、今にも泣き出しそうな声音で問うた。

 問われた二人はそれを無視する形でベッドに乗ると、いそいそと制服を脱ぎ始め、すぐに下着姿となる。

 

「え……?あの、この状況は、一体……?」

 

 姉二人の突然の奇行に驚きながら、末娘はローグハンターに問いかけるが、彼は意味深な笑みを浮かべるのみ。

 その隣で、彼を真似て意味深な──というよりかはいやらしい──笑みを浮かべていた次女が、彼の身体に寄りかかる。

 

「ふふふ。それは、ね」

 

 次女は末娘の視線を誘うように「見てて」と言うと、ゆっくりとローグハンターの唇を奪った。

 隙間なく触れあった二人の唇からは舌が絡み合う湿った音が漏れ、吐息にも熱がこもり、頬も高揚するように朱色に染まる。

 

「ん……ちゅ……。はふ、んん……っ」

 

 彼女は彼とのキスを堪能するように目を閉じ、身体をピクピクと震わせる。

 彼の腕が彼女の腰を捕まえ、既に彼女を逃さんとする構えだ。

 

「ん……っ!んぐ!ちゅ、んん!んふ、んぅ……!」

 

 今度はローグハンターの方から顔を近づけ、舌をより深く口内へと差し込む。

 次女は数度えずきながらも逃げることはなく、むしろ歓喜に打ち震えているほど。

 

「あ……すごい……お姉ちゃんと、冒険者さんが……」

 

 その様子をまじまじと見せつけられる末娘は、そこまでされて二人の関係を察したのか、強張っていた表情を僅かに緩める。

 同時に二人の痴態に疲れ果てた筈の身体が火照り、いまだに胎内を貫いている彼の一物を再び締め付け始めるほど。

 細指で撫でられるような刺激に低く唸った彼は、快感を逃がすように次女への責めを強め、舌で口内を舐め回しながら、片手で彼女の胸を下着越しに鷲掴んだ。

 

「んん!んぐ、ふっ、んん……!ん~!!」

 

 ピクピクと身体を痙攣させ、与えられる快感に身を捩りながら、細めた瞳からは涙が溢れる。

 頭の中がふわふわとして意識がはっきりとせず、身体からも段々と力が抜けていく。

 けれど刺激が足りないのか、物欲しそうに彼の舌に自分の舌を絡め、「もっほ、もっほ」と閉じた口から器用に声を出した。

 その反応に嬉しそうに目を細めたローグハンターは彼女の下着を剥ぎ取ると、ぷくりと膨らんだ乳首を指でつまむ。

 

「んん!?んふ、ふふ……っ、んっ!」

 

 突然与えられた、身体が痺れるような快感に悲鳴をあげるが、すぐに恍惚の表情を浮かべた。

 そのまま二人はキスを続ける中、彼の一物に貫かれたまま放置される末娘もまた、快感を求めて身を捩るのだが、彼は気にする素振りを見せない。

 

「うぅ……」

 

 腰を動かして自力で一物を擦り付けるが、やはりその刺激ではまだまだ足りない。

 もっと強い快感を求め、ふーっふーっと力んだ呼吸を繰り返すが、彼は気にしてくれない。

 

「ふふ。そんなんじゃ、彼はなにもしてくれないわよ?」

 

 そんな末娘の反応を見かねて助け船を出したのは長女だ。

 彼女は末娘の上に覆い被さるように乗っかると、末娘の顔を真上からじっと見下ろす。

 長女は末娘の頬を撫でると優しく微笑むとそっと彼女の胸に手を沈め、ぐにぐにと揉みしだき始めた。

 

「あん……っ!おねぇ、ちゃ……ん!これ、やぁ……!」

 

 彼がしてくれた時とは違う、緩く、優しい快感に末娘は喘ぐと、長女は「敏感なのね」と微笑む。

 

「この人に触ってもらって、敏感になったのかしら」

 

 不思議そうな、けれど納得したような声音で告げた言葉に、末娘は真っ赤になった顔を背けた。

 愛する妹の反応に「可愛い」と呟いた長女は彼女の額に口付けすると、そのまま瞼、鼻先、顎先と、思い付く限りの場所にキスの雨を降らせる。

 末娘は「や~」と子供っぽい声を出しながら嫌がるが、身体は喜んでいるのかピクピクと痙攣しており、長女のキスに合わせて膣肉も引き締まる。

 竿を優しく握られ、ゆっくりと扱かれるような快感にローグハンターは再び唸り、されるがままを嫌ってか、腰を振り始めた。

 胎内に溜まった愛液と精液を掻き出し、くちゅり、くちゅりを湿った音をたてながら、ゆっくりと前後運動を繰り返す。

 

「ん……っ!はへ。気持ちいい。気持ちいいよぉ……」

 

 あん、やん、と上擦り、相手に媚びる娼婦のような声を漏らしながら快感に震える末娘は、じっと見下ろしてくる姉の顔を見つめ、ふへへと力の抜けた笑みを浮かべた。

 

「おねーちゃん、これ、すごいよぉ……」

 

「ふふ。そうでしょうね、知っているわ」

 

 彼女の言葉に長女は同意を示し、彼に貫かれる感覚を思い出して身震いした。

 そして誘うように肉付きのいい臀部を振れば、彼の武骨が手が尻の肉を鷲掴み、そのまま割れ目を指で撫で、蜜を垂らす秘裂に指を突っ込んだ。

 そのままいつものように膣肉を軽く掻いてやれば、長女の臀部がビクビクと震え、掻き出された愛液がローグハンターの指と長女の白磁の肌を汚す。

 

「ひぅ!?ん、うぅ、あ、そこ、いい……っ!」

 

 与えられる快感に喘ぎ、歓喜に身体を震わせる度に溢れでた愛液が末娘の下腹部に振りかかり、その心地よい温もりに、末娘は恍惚の息を漏らす。

 そこにすかさずローグハンターの一突きが来れば、末娘は「ひぎ!?」と悲鳴混じりに軽い絶頂を迎えた。

 だがローグハンターの動きは止まらず、そのまま絶頂で痙攣し、萎縮する膣肉を一物で貫き、絶えず快感を与え続ける。

 

「ひぁ!あん、待って!ひん!イってるのに、まっへ……!」

 

「止めないであげて。ひぅ!もっと、気持ち、よくして……っ」

 

 長女は彼に指で責められながら、それでも気丈に振る舞おうとするが、ローグハンターが膣肉を掻き回したことで表情を崩した。

 そのままコリコリと音をたててをGスポットを刺激されれば、「んぉ、んぉおお!」と野太い嬌声をあげ、身体を痙攣させる。

 

「イく、イく!そこ、もっとぐりぐりしてぇ!!」

 

「おねーちゃん!これ、すごいよっ!気持ち、いい!また、イっちゃう!!」

 

 長女と末娘はお互いの恍惚の表情を見つめあい、家族へ向ける愛おしさと、彼が与えてくる快感に思考が飛んでしまったのか、二人は口付けを交わし、お互いの舌を絡め合う。

 そして相変わらず次女にキスされているローグハンターも、ついに我慢の限界を迎えたのか、腰の動きを激しくさせながら、指の動きをより荒々しいものへと変化させた。

 

「んん!んーっ!んぼ、んぉおおおおお!」

 

「んぐ!?んんん!!んーっ!んーっ!!」

 

 突然強まった快感に長女と末娘は目を見開き、お互いの嬌声をお互いの胃の中に吐き出し、相手の興奮につられてどんどんと身体が火照り、膣肉の締め付けが強まっていく。

 次女の口内を責め立てながら目を細めた彼は、二人それぞれの締め付けを堪能しつつ、腰の動きと指の動きを強める。

 長女のGスポットを指で引っ掻き回し、末娘の子宮口を絶えずノックするように押し込む。

 

「んんん!んーっ!んーっ!んぶ、んんんんんんん!!」

 

「んぶっ!んく、んく、んんん!ん~っ!!」

 

 長女が快感に喘げば彼女の唾液が末娘に流し込まれ、それを飲み込んだ末娘の身体はより興奮していく。

 そして快感が体内を渦巻き、それが最大まで大きくなった瞬間、ローグハンターがキスをしたまま唸り声をあげた。

 直後、彼の指が長女のGスポットを深々と抉り、鈴口から精液が吐き出された。

 

「んーっ!?ん──!」

 

「んぶ!?ん、んんんんん!!」

 

 同時に二人も絶頂を迎え、お互いに抱き締めあいながらより深い口付けを交わした。

 お互いの嬌声を食べさせあい、強張りピンと伸びた舌が舌先をくすぐりあい、身体を震わせる。

 数度の射精を経てもいまだにその濃さと粘度を保つそれは瞬く間に子宮を満たし、膣内(なか)に残っていた古い精液を掻き出していく。

 末娘は精液が膣全体を精液で舐めていく感覚に再びの絶頂を迎えると、不意に身体を弛緩させて両腕をベッドに投げ出した。

 それを合図に吐精が終わったローグハンターは、溜め息と共に一物を引き抜き、食い千切らんばかりに締め付けられていた指を一緒に引き抜く。

 

「んぁ……っ」

 

「んんっ……!」

 

 二人はほぼ同時に気の抜けた声を漏らすと共に口付けを止め、二人重なりながらベッドに身体を沈めた。

 お互いが発する汗の臭いを堪能しながら、長女は末娘の額に張り付く彼女の髪を退かしてやり、口付けを落とした。

 そうして彼に本番を求めようと振り向こうとした瞬間、

 

「ひゃん!」

 

 愛する次女の嬌声が耳に届き、弾かれるように振り向いた。

 そこには胡座をかく彼の膝の上にのり、彼と向き合う形で抱き合いながら、いまだに固さを保つ一物に秘部に飲み込んだ次女の姿がある。

「な……!?」と声を漏らす長女を他所に、恍惚の表情と共に振り向いた次女は、へにゃりと力の抜けた笑みを浮かべる。

 

「早い者勝ちだよ、お姉ちゃん?」

 

 そして勝ち誇ったような笑みを浮かべた直後、ローグハンターは無慈悲に腰を突き上げた。

「ひゃん♪」と喜色を孕んだ嬌声をあげる次女はぎゅっと彼を抱き締め、豊かな胸を彼の胸板に擦り付ける。

 それはさながら獣が縄張りにマーキングをしているようにも見え、どこか宣戦布告しているようにも見える。

 だが、それにお灸を据えるようにローグハンターが再び腰を突き上げると、そのまま彼女を押し倒した。

 それは次女にとっても予想外だったのか、「ひゃ!?」と今度は素の声で悲鳴をあげるが、すぐさま放たれた一突きで子宮口を殴り付けられ、「ひぐ!?」と野太い悲鳴を漏らした。

 

「あ……はっ……。やっぱり、すご……い……っ!」

 

 ピクピクと身体を痙攣させ、だらしなく開いた口の端から涎が垂れる。

 ローグハンターはそのままぷくりとした唇を奪い、迎え入れるように待ち構えていた彼女の舌に自分の舌を絡める。

 そのまま全体重をかけて腰を叩きつけ、次女の最奥を深々と抉る。

 

「んーっ!じゅる!じゅるる!んぐっ、んんんっ!」

 

 誘うがまま口内に入り込んだ彼の舌にしゃぶりつき、垂らされる唾液を啜りながら、殴り付けられるような重く、全体に響く鈍い衝撃に、次女は目をまん丸く見開く。

 だが彼に口を塞がれている以上声は出せず、突かれる度にビクビクと身体を震わせ、接合部からは掻き出された愛液が溢れ出す。

 

「んぉ……っ!ぶ、んぉおおおおおお!!!」

 

 腹の中をガンガンと殴られるよう衝撃と、爪先から脳天までを駆け抜ける凄まじい快感に目を剥き、がくがくと身体を震わせる。

 絶頂が近いのか膣肉が痙攣を繰り返し、膣を抉り続ける一物を扱くようにひだが蠢く。

 

「んっ、んんんん!ん~っ!!」

 

 そして彼の一物が彼女の最奥を貫いた瞬間、次女はキスをしたまま悲鳴をあげ、トドメの一突きと同時に身体を仰け反らせた。

 

「ひぃやぁああああああああああああああ!!!?!」

 

 彼女が絶叫と共に絶頂を迎えれば、ローグハンターも同時に射精の時を迎え、彼女の子宮に精液を吐き出した。

 

「ぎっ!あ、ああああああああああ!!」

 

 ぎゅっと彼の身体を抱き締め、離さないと言わんばかりに両足で彼の腰を押さえつける。

 ぴたりとくっついた二人の接合部からは、愛液と精液が混ざった白濁液が溢れ、次女の臀部の割れ目に沿ってシーツへと垂れていく。

 

「あ……っ。ぅっ……!ふへぇ……」

 

 絶頂の余韻と、注ぎ込まれた精液の熱に身体を強張らせるが、すぐに身体を弛緩させてだらしのない笑みを浮かべた。

 ふっと苦笑したローグハンターは彼女の頬を撫で、口元を汚す涎を拭ってやると、軽く口付けを落とす。

「えへへ」と楽しそうに笑う彼女から視線を外し、ちらりと長女の方に目を向けてみれば、

 

「んっ……。ふっ……。うぅ……」

 

 一人でベッドの上で丸くなり、びちゃびちゃに湿った秘裂に自分の指を入れ、何度も何度も出し入れを繰り返していた。

 その指が妙に白く汚れているのは、末娘に注いだ精液を掻き出し、それを潤滑油代わりにしたからだろう。

 長女はローグハンターと目が合いはしたものの、自慰行為を止めるつもりはないようで、むしろ見せつけるように足を開き、くちゅりくちゅりとわざとらしく音をたてて秘裂を弄る。

 

「おね、がい……。わたしも、気持ちよく、して……?」

 

 潤んだ瞳でじっと彼を見つめながら、媚びるような声音でそう告げるとローグハンターはこくりと頷き、放心している次女から一物を引き抜く。

「んぉ!」と野太い声を漏らした次女を他所に、ローグハンターは膝歩きで長女へと近づき、彼女の手をとった。

 そのまま彼女の愛液と、自分の精液で汚れた一物を濡れすぼった彼女の秘裂に押し当て、陰核に亀頭を押し付けるように腰を動かす。

 

「んっ!もう、焦らさないでっ!やんっ!」

 

 ピクリ、ピクリと身体を跳ねさせ、上擦った声を漏らした長女は、汗がにじむ彼の頬に手を添えた。

 そのまま優しく引き寄せてやり、ゆっくりと口付けを交わす。

 疲れているだろう彼を労うように、口内に入り込んできた舌を優しく舐め回し、ちゅうちゅうと吸いあげる。

 ローグハンターはくすぐったそうに身動ぎし、目を細めると、ゆっくりと腰を突き出した。

 くちゅりと湿った音を漏らしながら、相変わらずの固さを保つ一物が、長女の胎内へと滑り込む。

 

「くっ……んん……っ!」

 

 胎内に入り込む異物感と、じんわりと広がってくる快感に身体を震わせた。

 ピクリ、ピクリと小刻みに身体を震わせ、彼の舌を猿轡代わりに声を圧し殺す。

 ぎゅっと目を閉じ、そっとローグハンターの背に両腕を回した。

 豊かな胸が彼の胸板に潰され、乳首と彼の肌が擦れあい、じんわりと痺れる快感が長女の理性を焼いていく。

 彼の温もりを感じ、緩やかな快感を感じ、彼女はどこか安堵にも似た息を漏らす。

 そしてさながらキスをするように、亀頭と子宮口がぶつかった瞬間、

 

「んんっ!ん~~~っ!!」

 

 焦らしに焦らされ、妹たちの痴態を見せつけられたことで、我慢の限界になっていた彼女の身体は、容易く絶頂を迎えた。

 汗が滲む身体を強張らせて彼を抱き締め、痙攣する膣肉が彼の一物を咥えて離さない。

 射精を促すように蠢くひだが一物を扱き、子宮口がさながら本物の口のように亀頭に吸い付く。

 ローグハンターは優しく撫でられるような心地よさと、緩やかな快感に目を細めると、そっと顔を離し、キスを中断。

 長女は「んぁ……」と声を漏らし、だらしなく開いた口からは唾液に濡れた舌が顔を出し、ぷっくりとした唇も唾液に濡れてテカっている。

 潤んだ瞳は期待の色が強く、誘うように舌舐めずりをする様は、さながら娼婦のよう。

 その顔の愛おしさと、彼女が放つ色気にぞわりと背筋を震わせたローグハンターは、本能が赴くままに腰を振り始めた。

 彼女を気遣いゆっくりと、けれど彼女が一番感じる場所を丁寧に、焦らすように。

 

「ん……っ。やっ……!いじ、わる……っ!もっと、強くして……よっ!」

 

 ただその優しい快感は、今の彼女にとっては苦痛にも似たもので、絶頂後で敏感になり、火照った身体は、更なる快感を求めて彼の一物を締め付ける。

 ピクピクと肩を震わせ、潤んだ瞳からは一筋の涙が流れる。

 きゅんきゅんと、引けば離すまいと締め付け、押せば迎え入れるように力が抜ける。

 こちらの動きに合わせて、その力加減を変える膣肉の締め付けは、一重に彼女とローグハンターの相性の良さがなせることか。

 根本まで入り込んだ一物を、膣肉全体で舐め回すようにひだが蠢く。

 与えられる快感に押され、段々と強まる射精感に「く……っ」と呻いた彼は腰の動きを強めていき、彼女の子宮口を殴り続けた。

 

「ひゃん!?あん!そこ、そこ、もっと、強くしてぇ!!」

 

 彼の動きに合わせて身体を震わせ、たわわな果実を揺らしながら喘ぐ彼女は、更なる快感を求めて自分からも腰を振り始めた。

 彼が引けば自分も引き、押し込む瞬間に腰を叩きつける。

 パン!パン!と平手打ちをしたような鋭い音を響かせ、二人はより深く、より強く繋がり合う。

 二人は快感に蕩けた表情で見つめあい、お互いに求め合うがまま、相手の唇を奪った。

 舌を絡め合い、熱のこもった吐息を互いに吹き掛けながら、目の前で揺れる情欲にまみれた視線を交錯させる。

 目の前にいる相手を明確にし、相手への想いを再確認し、それを済ませる頃には身体がさらに昂っていく。

 長女は視界を点滅させながらビクビクと身体を痙攣させ、ローグハンターはぞわりと背筋を揺るわせた。

 

「あっ、はぅ!んん!ん~っ!いい、いい……っ!イっちゃう!イふっ!イくぅ!!」

 

「ぐっ……」

 

 そしてローグハンターが最後の一突きを放った直後、長女は絶頂を迎え、ローグハンターも吐精の時を迎えた。

 彼を求めて口を開けていた子宮には、どろどろの精液が吐き出され、彼は一滴残さず注ぎ込まんと彼女の腰を掴んで離さない。

 

「んん!んーっ!んーっ!!」

 

 子宮が満杯になってもなお注ぎ込まれる精液の熱さに当てられた長女は、休む間もなくさらなる絶頂を迎え、痙攣する膣肉が彼の一物を扱きあげる。

 奥へ奥へと引き込むように膣肉が蠢き、引かれるがまま一物は最奥を押し続ける。

 子宮口を押し込まれる快感と、注ぎ込まれる精液の熱さ。

 その二つを叩きつけられる長女の絶頂は治まることを知らず、彼女の脳を焼くほどの快感を与え続ける。

 

「んっ!んぶ、んぉぉ……っ。ぁ……」

 

 そして彼の吐精が終わりを告げると同時に、長女の瞳から光が消え、彼を抱き寄せていた腕から力が抜け、ベッドに落ちた。

 ローグハンターがゆっくりと一物を抜いてやれば、接合部からは精液と愛液が混ざった白濁液が溢れだし、むんと淫行の臭いが撒き散らされる。

 その色香に頭をくらりと揺らしたローグハンターは、呼吸を落ち着けようと天井に目を向けるが、

 

「あむ……」

 

 不意に聞こえた気の抜けた声と共に、亀頭が生温かい何かに包み込まれた。

 ちろちろと不馴れな様子でざらつく何かが亀頭を舐め回し、尿道に残された精液を絞り出さんとちゅうちゅうと吸い上げてくる。

 それだけではない、竿にもざらついた何かが這い回り、手慣れた様子でペロペロ、じゅるじゅると音をたてている。

 射精後に敏感になっている一物への刺激に眉を寄せたローグハンターは、そっと自分の下腹部へと目を向けた。

 

「あむ……。ちゅる……。ん~……」

 

「れろ。じゅるる!はむっ!む~!」

 

 そして彼の予想通り、末娘が亀頭を頬張り、次女が竿を舐め回していた。

 二人はローグハンターと目が合うと、それぞれの責めを続けながら情欲に燃える瞳を細めた。

 苦笑する彼を他所に、二人の後ろでは復活した長女が舌舐めずりをしており、獲物を狙う蛇のように笑っている。

 ローグハンターは今度は溜め息を吐き、肩を竦めた。

 

「今日は眠れそうにないな……」

 

 諦め気味にそう言うと、末娘と次女がローグハンターに襲いかかり、長女は体力回復に努めようとベッドに寝転び、愛おしそうに自分の下腹部を撫でた。

 そこに流し込まれた彼の種は、いまごろ卵を見つけて食らいついた頃だろうか。

 一人ほくそ笑み長女を他所に、押し倒した筈のローグハンターに押し負けた末娘が組み伏せられ、彼の剛直を迎え入れている。

 次女は負けじと彼を言葉で誘うが、それが駄目と見るや末娘に襲いかかった。

 眠る狐亭の一室から、女の嬌声が止むことはなかったのは、もはや言うまでもないだろう。

 

 

 

 

 

 辺境の街の片隅。

 街の中心地から程よく離れたその場所は、例え活気に満ちる昼間であっても静かだ。

 そんな場所に建てられた一軒家と、そこから伸びる煙突からは煙があがり、中からはトントンと野菜を刻む音が聞こえてくる。

 

「♪~♪~」

 

 女性の鼻歌混じりに調理は進み、その香りに当てられて腹を鳴らしたのは、蒼い瞳の男性だ。

 庭に植えられた木の影に座り、木漏れ日に当たって眠ろうとしていたのだが、やはり空腹には勝てぬ。

 とある都合で白くなった髪を窓から流れ込む風に揺らしながら、自分に寄りかかって寝ている愛娘の金色の髪を撫でてやる。

 くすぐったそうに身動ぎした彼女は嬉しそうに笑うものの、起きる様子はないのは眠りが深い証拠か。

 ちらりと台所に目を向ければ、妻が料理の手腕を発揮する背中が見え、娘に引き継がれた金色の髪が揺れている。

 街外れの牧場で働いている義妹──と言うよりは愛人だろうか?──―の二人も、その内帰ってくるだろうか。

 なんなら同じ村出身の少女や、牧場主も連れてくる可能性もあるが、果たしてどうなるだろうか。

 ぼんやりと空を見上げた男──辺境勇士、ローグハンターは、随分と重くなった娘の体重と、家に近づいてくる足音に、微笑んだ。

 足音の数からして、来客は五人。

 

 ──五人だと?

 

 義妹二人。牧場の二人。それだけならまだしも、あと一人は誰だ。

 訝しむ彼を他所に玄関は開けられ、ただいまとお邪魔しますの合唱が庭にまで聞こえてくる。

 それに叩き起こされ、愚図るように抱きついてくる娘を抱き上げながら、ローグハンターは玄関へと向かう。

 茶髪の女性(次女)黒髪の女性(末娘)赤髪の少女(牛飼娘)。そして老年の牧場主。

 そして、薄汚れた革鎧と、飾りの角が折れた兜を被った、おそらく同業者。

 困惑するローグハンターに、赤髪の少女が説明を始めた。

 簡単に言えば、全滅したと思われていた村の生き残りが見つかったということ。

 なるほどとと頷いたローグハンターは、そのなんか変なのの肩を叩き、「ちょうどいい、何か食べていけ」と告げた。

 その変なのは返答に迷う素振りを見せるが、他の面々に押されるがまま家にあがった。

 

 これはまた別の道を歩んだローグハンターの物語。

 

 後にゴブリンスレイヤーと呼ばれる青年と肩を並べる戦友ではなく、第二の師として、彼を見守ることとなる、物語だ。

 

 

 




感想、リクエスト等ありましたら、よろしくお願いします。


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Memory?? 酒精のいたずら

今回もリクエストから。
ヒロインは受付嬢と監督官の二人。

時期的には不明ですが、エピローグよりは前の想定。


 辺境の街。

 王国の西の端に位置するその街には、多くの有名冒険者を抱えていることでも有名だ。

 その一人、ならず者殺し(ローグハンター)としてその名を轟かせている彼は、普段ならしないような困惑の表情を浮かべていた。

 

「ろ~ぐはんた~さん、きいてますか~?わたしは、あなたに話しているんですよ?」

 

「そーだ、そーだ!わたしも、あなたに話しているんです!」

 

 髪を三つ編みに纏めた、ギルドでも大人気の受付嬢と、その同期で髪を腰ほどまでに伸ばした小柄な女性──監督官が、べろんべろんに酔っ払った状態で絡んで来るのだから、当然だ。

 彼はどうしたものかと言葉に迷い、助けを求めるように辺りを見渡すが、流石に夜となると静かなもの。

 彼は諦めたように溜め息を吐き、ここまでの出来事をざっと思い出す。

 依頼を終えて帰還し、簡単に食事を済ませ、軽く酒を飲んだまではいいが、そこに仕事終わりの受付嬢と監督官が合流。

 三人で乾杯し、酒を飲んだまでは良かったのだが……。

 

「ここまで酔っぱらうものか?」

 

「なんれすか!文句があるなら、はっきり言ってくらさい!」

 

「言っちゃえ、言っちゃえ!ほら、ほら!」

 

 ぽつりと呟いた言葉に二人が便乗し、余計に絡んでくる始末。

 自分とて酔ってはいるのだが、自分よりも酷い状態の人がいれば気を抜いてはいられない。

 彼は二度目の溜め息を吐くと、ちらりと受付嬢を見つめた。

「なんれすか?」と首を傾げる彼女に、ローグハンターは問いかけた。

 

「家はどこだ」

 

 

 

 

 

 酔っぱらい、自分に抱きついておきながら千鳥足という悲惨な状態の二人を引き摺るように街を進んだローグハンターは、ようやく受付嬢の家へとたどり着いた。

 彼女の鞄から鍵を取り出し、手早く開けてさっさと入室。

 入り際に「邪魔する」と言う辺り、彼の性根の良さが滲み出るが、今はそれどころではない。

 少なくとももう一人分の家を回らねばならないのだから、気を抜くにはまだ早い。

 

「ほら、着いたぞ」

 

 だがまずは一人目と、受付嬢をベッドに放り投げようとするが、彼女は頑なに彼の腕を離さず、「いーやーでーすー!」とむしろ余計に抱き締めてくる始末。

 

「わーたーしーもー!」

 

 そして酔っぱらい同士で同調(シンクロ)でもしているのか、監督官も彼の腕にきつく抱き付き、離れる素振りを見せない。

 諦めたように肩を竦めたローグハンターは、今晩何度目かの溜め息を吐いた。

 そのまま二人を引き摺る形でベッドの方まで進み、乱暴に二人を放り投げた。

「「わ~」」とふざけた悲鳴をあげながらベッドに倒れた二人は、お互いに抱き付きながらベッドに身を沈め、ふにゃりと気の抜けた笑顔をこぼす。

 

「それじゃ、また明日」

 

 ローグハンターは面倒が起きる前にこの場を離れようと踵を返すが、彼のローブの袖を二人が掴んだ。

 ぐんと二人分の力で後ろに引かれた彼は足を止め、ゆっくりと振り向いた。

 ふにゃふにゃと力の抜けた、言い方を変えれば無防備な表情を向けられた彼は、額を押さえて溜め息を吐く。

 彼とて酔っているのだ。こうされると、酒精で緩んだ理性がガリガリと音をたてて削られていく。

 ふーっと深く息を吐き、ベッドに寝転ぶ二人と視線を合わせるように片膝をついた。

 そっと二人の頬を撫で、「また、明日な」とどうにか耐えた理性を振り絞って言葉を発して、邪魔される前に部屋を出ようとするが、

 

「はむ」

 

 恍惚の表情を浮かべた受付嬢が、何を思ってか彼の指を口に含んだ。

 唾液で湿り、生温かい彼女の舌が指を這い回り、指先をちろちろと舌先が舐めてくる。

「う゛」と変な声を出した彼を他所に、隣の監督官が甘える猫のように彼の手にすり寄った。

 彼の武骨で、仕事終わりだから酷くがさついた手は、触り心地としては悪いとは思うけれど、彼女は気にする様子はない。

 薄く開いた瞳には、どこか期待するような、挑発するような色が強く、受付嬢もまた彼の指を舐めながら同じような瞳を向けている。

 理性が削られていく感覚と、それと比例して大きくなっていく情欲。

 だんだんと膨れ上がるそれは、普段ならまず表に出ることはない。

 だが、今は違う。酒精に酔わされた彼はそう言ったものに正直で、何より仕事終わりで昂っているのも事実。

 彼はゆっくりと蒼い双眸を細め、どうにでもなれと言わんばかりに笑みを浮かべた。

 それが合図となったのか、受付嬢と監督官の二人が、ローグハンターに襲いかかった。

 

 

 

 

 

 月明かりが照らすベッド。

 本来なら受付嬢一人が眠るために使うベッドには、三人の人影があった。

 既に下着姿になった受付嬢と監督官。そして二人の手でいつの間にかパンツ姿にされたローグハンターだ。

 受付嬢はフリルのあしらわれた洒落たもの。

 監督官は実用性を取ったのか、シンプルなもの。

 二人の性格からして逆でも納得できるが、監督官はそう言ったものに疎いのだろうか。

 一応彼女は至高神を奉じていると言うし、あまり興味がないというのが正確なのか。

 ともかく、首から下げている至高神の聖印が、何とも背徳的な欲情を誘ってくるのは事実。

 ベッドに寝かされたローグハンターは肩を竦めると、彼の首筋に監督官が顔を寄せ、唇を落とした。

 はむはむと唇で彼の首を甘噛みし、軽く歯を立ててかぷりと噛みつく。

 ローグハンターは僅かに表情を強張らせるが、多少痛いのみでそこまで気にはならないのか、彼女のされるがままになることを選ぶ。

 かぷかぷと彼女が咀嚼する音を無視し、受付嬢が彼の頬に口付けし、そのまま彼の唇を奪った。

 口内に溜まっていた唾液と、口内に残る酒精を舌で絡め、舌を押し込む形で彼に流し込む。

「ん……」と声を漏らしたローグハンターは、片手で受付嬢の頭を押さえて更に密着させ、流し込まれる唾液を飲み込んでいく。

 その度に動く喉仏に監督官は口付けし、ちろちろと舌を這わせて彼の味を堪能する。

 くすぐったさに身動ぎした彼は、空いている手を監督官の臀部に伸ばし、そのままショーツごと鷲掴んだ。

 

「っ!」

 

 彼女はビクンと身体を跳ねさせて驚きを露にするものの、彼の手が臀部を揉み始めると共に身体を弛緩させ、むしろ彼に差し出すように腰を突き出した。

 受付嬢に比べて小振りではあるが、その分敏感なのか、按摩するように力加減をかけて押してやるだけで、彼女の身体はピクピクと震え、呼吸も乱れていく。

 監督官への責めはとりあえずこのまま継続し、ローグハンターの意識は受付嬢へ。

 夢中になって彼との口付けを堪能していた彼女だが、流石に息が続かなかったようで、名残惜しそうに口付けを中断。

 自分の唇についた彼の唾液を舐めとり、誘うように笑みを浮かべた。

 それはさながら娼婦のようで、普段の彼女からはかけ離れた妖艶な笑みだ。

 彼女に笑みを返したローグハンターは、彼女の髪を撫でていた手でそのまま背中を撫で始め、そっと下を目指して指を這わせた。

 それがくすぐったいのか、受付嬢は口を継ぐんで声を圧し殺すが、ピクピクと身体が震えている。

 必死に我慢している彼女へと愛おしさに突き動かされ、速度をあげた手はすぐに彼女のショーツの中へと滑り込んだ。

 その勢いのままに、臀部の割れ目に入り込んだ彼の手は、湿り始めていた彼女の秘部へと触れる。

 

「ひぅ!」

 

 ピクリと肩を震わせ、僅かに声を漏らした受付嬢に、ローグハンターは少々意地悪な笑みを浮かべ、監督官へと目を向けた。

 ぐにぐにと臀部を揉んでいた手をショーツの中へと突っ込み、湿り気を帯びた秘裂を撫でた。

 

「んっ……!」

 

 ピクンと身体が跳ね、口から上擦った声が漏れる。

 そのまま二人の秘裂を撫でてやれば、くちゅくちゅと湿った音と、微かな嬌声を漏らす。

 

「んん……っ!はむっ!んー!」

 

「やっ!あ、やん!」

 

 声を押さえようと噛みついてくる監督官と、我慢できずに声を出す受付嬢。

 二人それぞれの反応を楽しみながら、指を秘部へと挿入した。

 突然の異物感に、声を出す余裕もなく目を剥いた二人は、ぎゅっとローグハンターを抱き締める。

 二人にとっては全力のそれでも、常に命懸けの戦場に立つローグハンターからすれば、児戯と言ってもよい。

 むしろ二人から甘えられているようで、妙な多幸感が胸を埋め尽くすほどだ。

 ふふと堪らず笑みをこぼした彼は、そのまま指の動きを早め、二人の膣肉を優しく掻いてやる。

 二人ともこういったことに慣れていないのか、指を食い千切らんばかりに締め付けてくるが、そこは壁登り(フリーラン)を始めとした動作で鍛えられた指先の力で強引に押し返す。

 急所を探るように様々な深さで試していく内に、コリッと他とは違う感触の場所を見つけた。

 試しにそこを強めに押してやれば、二人の身体は一際強く身体が跳ねた。

 

「は……っ!へぅ……あ?」

 

「ひぅ!?は、へ……?」

 

 二人は甲高い嬌声を漏らし、突然強くなった快感に訳もわからずに困惑の表情を浮かべているが、ローグハンターからすれば知ったことではない。

 彼はにこりと満面の笑みを浮かべると、そのままそれぞれの急所(Gスポット)に対しての攻撃を開始した。

 膣肉を抉るように力強く、按摩でツボを押すように怪我をさせないように慎重に。

 

「ひゃっ!?」

 

「ひゃん?!」

 

 彼なりの気遣いの結果なのか、二人は突然全身を駆け抜けた快感に目を見開き、嬌声をあげた。

 そのまま掻いてやるように指を動かせば、続けざまに与えられる快感に身体を震わせ、秘裂からは蜜が溢れ出す。

「ここがいいんだろう?」とどこか愉しむような声音で問うた彼は、二人の返答を待たずに指の動きを強めた。

 

「やっ!ローグ、ハンター、しゃん!そこ、だめれすぅ!!」

 

「んぁ!あ、やぁ!?これっ……すご、いい……っ!」

 

 ピクピクと身体を震わせ、引き締まる膣肉も痙攣を始め、秘裂からは掻き出された愛液が彼の手をびしょびしょに濡らす。

 二人は堪えるように身体を強張らせ、受付嬢はぎゅっと彼の腕を抱き締め、監督官はシーツを握りしめた。

 

「我慢はよくないぞ」

 

 酒が入っているからか、いつにも増して容赦のない彼はそう言うと、指の動きに緩急を付け始める。

 優しく撫でて意識を集中させ、次の瞬間には一気に責め立てる。

 

「んぁっ!しょこ、コリコリしないれ!だめでしゅ、イくっ!イっちゃいましゅ!」

 

「んんんっ!ん~!んぅっ!んー!!」

 

 呂律も回らず、強烈な快感に視界を点滅させる受付嬢と、ローグハンターの肩に顔を押し付けて声を圧し殺す監督官。

 だが叩きつけられる快感は弱まることを知らず、むしろ段々と強くなりながら、二人の身体を蝕んでいく。

 そしてそれは我慢すれば抑えきれるものでもなく、瞬く間に二人の許容量を越えた。

 

「ひゃああああああああああ!!?」

 

「んんんんんんっ!!」

 

 二人は悲鳴にも似た嬌声をあげながら絶頂を迎え、堪えていた分、勢いよく秘裂からは潮を噴き出した。

 既にびしょびしょに濡れていたショーツがそれを吸いきれるわけもなく、溢れた潮が滲み出し、シーツへと垂れていく。

 ローグハンターが愛液でふやけ始めた指を引き抜くと、二人は腰をビクン!と跳ねさせ、そのまま脱力したようにベッドに身体を沈めた。

 

「はぁ……はぁ……こんなの、初めて、ですぅ……」

 

「んっ……!へぁ……。これ、すごい……」

 

 二人はピクピクと身体を痙攣させ、恍惚の表情を浮かべながらそう言うと、ローグハンターは二人の手を取った。

 そのまま二人が無抵抗なことをいいことに、勃起し、パンツを押し上げる自分の分身へと触れさせた。

 鉄のように固く、布越しにも感じる熱さは生物のそれで、むしろ火傷してしまいそうなほど。

 掌で彼の温もりを感じた二人は途端に赤面し、けれど期待するように瞳が揺れる。

 受付嬢の細指が彼の一物を優しく掻き、監督官は掌全体で一物を撫でた。

 

「……っ」

 

 小刻みに掻いてくる快感と、優しく撫でてくる快感。

 同時に与えられる二つの快感にぞわりと背筋を震わせたローグハンターは、二人を一瞥すると共に問いかけた。

 

「お互い、我慢の必要はないな」

 

 その問いかけに受付嬢と監督官の二人はこくりと頷き、掌に感じる熱が強まったことで、堪らずに生唾を飲んだ。

 

 

 

 

 

 ぱんぱんと肉がぶつかり合う乾いた音と、受付嬢の嬌声。

 彼女の胎内を貫くローグハンターの一物には、愛液混じりに破瓜の血が着いてはいるが、

 

「ひゃん!あん!ローグ……ハンターさんっ……!」

 

 ベッドに仰向けに寝転びながら股を開き、彼の剛直を受け入れている彼女の表情は、恍惚としたもの。

 頬を朱色に染め、売るんだ瞳からは涙が溢れ、だらしなく開いた口からは絶えず喘ぎ声が漏れる。

 既に剥ぎ取られた下着は適当に放り投げられ、染み出した愛液が床を汚している。

 

「んんっ!んぁ、ひゃ!?ああああああああ!!?」

 

 だが、受付嬢にはそれを気にする余裕はない。

 冒険者である彼の、全力の一突きは彼女の子宮を容易く押し潰し、鈍い衝撃が快感になって彼女を襲う。

 突かれる度にたわわな乳房がぶるんぶるんと大きく揺れ、滲んだ汗が飛び散り、シーツに染みを残す。

 

「やぁ……っ!激し、すぎます……から……!」

 

 いやいやと首を振って彼に加減するように頼むが、彼は聞く耳を持たず、むしろ喧しいと言わんばかりに手加減抜きの一突きを放つ。

 ぐちゃりと肉の潰れる鈍い音が彼女の胎内から響き、「んぉお!?」と唸る低い声が彼女の口から溢れた。

 身体はピクピクと痙攣を繰り返し、膣肉が一物を包み込むように締め付けてくる。

 

「イったのか?」

 

「んん……っ!ふっ、ん……っ」

 

 彼の言葉に受付嬢は首を振り、動きが落ち着いたタイミングで呼吸を整え始めた。

 呼吸の度に胸が上下に揺れて、滲んだ汗が頬を垂れていく。

 ニヤリと口角を吊り上げたローグハンターは「そうか、そうか」と彼女を煽るように言うと、すっと目を細めた。

 

「今のでイってないなら、加減抜きでやるぞ?」

 

「ふぇ……?」

 

 彼の言葉を一瞬理解できず、気の抜けた声を漏らした受付嬢だが、すぐさま放たれた一突きに子宮を押し潰され、「ひぎぃ!?」と汚い悲鳴をあげた。

 背中を弓なりにしならせながらビクビクと身体が痙攣し、接合部からは潮が噴き出している。

 

「へ……あ……ぎ……っ!」

 

 一突きで絶頂まで押し上げられた彼女は、視界を点滅させながら呻き声を漏らし、霞む視界にローグハンターを映した。

 彼の背後から抱きついた監督官が、彼の耳朶を甘噛みしたり、首筋に吸い付いたりと、構って欲しい猫のように彼にすり寄っている。

 彼は鬱陶しがる様子もなく、片手で彼女の髪を撫でてやりながら、額や頬、時には唇に口付けをしていた。

 

「んふふ。ちゅ……。んちゅ……。はむ……」

 

 監督官は嬉しそうに目を細め、彼との口付けを堪能し、くちゅくちゅと舌が絡み合う湿った音が受付嬢の耳にも届く。

 今繋がっているのは自分である筈なのに、なぜか放置されている彼女は「うぅ……」と悲しげな声を漏らした。

 もっと突いてと頼むように腰をくねらせ、下手ながらも下腹部に力を入れて彼の一物を締め付ける。

 そこまでして彼の意識も受付嬢に戻ったのか、監督官との口付けを止めた彼は、仕方ないと言わんばかりに肩を竦めた。

 そのまま両手で彼女の腰を掴んで固定し、さながら杭を打つような力強さで腰を振り始めた。

 パン!パン!と平手打ちしたかのような鋭い音が部屋に響き、「やん!あん!」と受付嬢の喘ぎ声が漏れる。

 

「……」

 

 同僚の痴態と、威勢の温もりを五感を通して感じ取る監督官は、片手で自分の秘裂を弄りつつ、もう片方の手を二人の接合部へと伸ばした。

 ぐちゃぐちゃと音をたて、出し入れを繰り返す彼の一物よりも少し上。

 充血し、ぷくりと膨らんで存在を主張する受付嬢の陰核を、彼女は無慈悲に摘まんだ。

 

「ひゃああああああああああああああ!!?」

 

 その瞬間絶頂を迎えた受付嬢は、大きくビクン!と腰を跳ねさせた。

 途端に膣肉が強烈に引き締まり、彼の一物をがっしりと捕まえた。

 蠢くひだが一物全体を舐め回し、引き締まった膣肉が一物を扱きあげ、

 

「ぐ……っ」

 

 ローグハンターもまた限界を迎えた。

 吐き出された精液が彼女の子宮に直接注ぎ込まれ、その熱さに当てられた彼女は更なる絶頂を迎える。

 

「へぅ!?ぎ、ああああああああああああ?!」

 

 腰を浮かせて逃げようとするが、がっしり捕まえた彼の手が離れることはなく、一滴残さず注ぎ込まんと更に密着させる。

 ぴたりとくっついた接合部からは愛液さえもこぼれず、注ぎ込まれる精液が文字通り彼女の子宮を満たす。

 

「ぎ……あ……へぅ……」

 

 子宮を舐め回す熱さと、それが与えてくる快感。

 彼に胎内を貫かれたまま、度重なる絶頂の余韻に浸る受付嬢は、気の抜けた声を漏らしながら身体を弛緩させた。

 同時に膣肉の締め付けも弱まり、吐精が終わると共に一物を引き抜く。

 彼女の愛液と精液がこずりついたそこには、少々気色の悪くテカっており、持ち主たるローグハンターも僅かに引くほど。

 だが、監督官は気にした素振りもなく彼の前に回り込むと、そこを綺麗にしようとちろちろと舌を這わせ始めた。

 受付嬢に比べてどこか幼さを残し、だいぶ小柄な彼女が、一心不乱に一物を舐めている光景は、どこか背徳的な色合いが強い。

 ごくりと生唾を飲んだローグハンターが彼女の頭を撫でると、彼女は嬉しそうに目を細め、一物から顔を離した。

 そのままベッドに倒れる受付嬢の上に、彼女と向かい合う形で寝転んだ。

 受付嬢の豊かな胸が監督官の控え目な胸に押し潰され、乳首が擦れあっているのか「ん……」と声を漏らして身体を揺らした。

「ふふん」と楽しそうに笑った監督官は、身体を揺らして乳首を擦り付けながら、彼を誘うように臀部を揺らす。

 秘裂から溢れた愛液を受付嬢の身体に擦り付け、さながらマーキングするかのようではあるが、彼女がしたいのはそれではない。

 現にその姿を見せられたローグハンターは、左右に揺れる監督官の臀部を両手で捕まえると、受付嬢の身体に押し付けるように固定。

 一度の射精程度で萎えることのない一物を、濡れすぼり、一人で弄っていた為か僅かに口を開けている秘裂に押し当てる。

 ふーっと深く息を吐いた彼は勢いよく腰を前に突き出し、彼女の胎内に一物を押し込んだ。

 ぶちりと何かを突き破る感覚と、途端に強くなる締め付けに、彼女もまたこれが初めてなのだと理解する。

 

「ぎぃいい!ぐ……あ……っ!」

 

 監督官は悲鳴をあげるが、痛みを堪えるように歯を食い縛り、ふーっ!ふーっ!と力んだ呼吸を繰り返す。

 だが問題はそれだけではない。

 亀頭が既に彼女の子宮口に触れているのだが、只人の中でも大きめの部類入るであろう彼の一物は、根元までは入りきっていないのだ。

 三分の二が入っていると言えばそうだろうが、やるのなら全部押し込んでしまいたいというのが男の(さが)か。

 

「ふーっ!ふーっ!ん……。へぇ……」

 

 そして悩む彼の耳に、監督官の甘ったるい声が届いた。

 体勢の都合上彼女の顔は見えないのだが、きっとだらしのない顔をしているに違いない。

 

 ──なら、いいよな……?

 

 酒が入っているためか、あるいは極上の獲物を前に感覚が麻痺しているのか、ローグハンターは誰に言うわけもなくそう問うた。

 そして深く息を吐くと同時に「ふん!」と声を出し、腰を前に突き出した。

 剛直は監督官の子宮を押し潰し、そのまま僅かに内臓さえも押し込んだ。

 

「お゛……!?ぁ……ぇ゛……」

 

 内臓を圧迫される嫌悪感と、それでも感じてしまう快感に目を剥いた彼女は、身体を小刻みに痙攣させた。

 怯える子供のようにぎゅっと受付嬢の身体を抱き締め、目から大粒の涙を流し始める。

 受付嬢は曖昧な意識のまま、優しく監督官の頭を撫で始めると、緊張が和らいだのか監督官の身体からも力が抜けていく。

 それを合図にローグハンターが腰を振り始めれば、監督官は「きゅい!?」と甲高い悲鳴をあげた。

 

「おぇ……。あ、ごれ、ずご……い゛……っ!」

 

 パン!パン!と音を立てて腰を打ち付ける度に、子宮が潰され、内臓を押し上げられ、そんな未知の感覚に教われながら、監督官は野太い声を漏らす。

 胎内を占める彼の温もりが、手加減なしで叩きつけられる力強さが、普段ならただ言葉を交わすだけという関係である男に、玩具のように扱われている現実が。

 

「んぉ゛!お゛おお……!お゛おお゛!?」

 

 監督官の奥底に秘められた何かを刺激し、彼女を昂らせる。

 突かれる度に身体を震わせ、引かれる度に内臓を引きずり出されるような錯覚を覚え、吐き気さえも覚えているのに。

 

「ひっ、ああ!!ぎ、ああああ!!?」

 

 叩きつけられる強烈な快感で思考が纏まらず、けれどただ気持ちいいという情報だけが頭の中を駆け回る。

 ローグハンターはそんな事をお構いなしに腰を振り、再びの射精感に額に汗を滲ませながら、跡が残るほどにがっしりと監督官の腰を掴んで離さない。

 

「あっ!ああ゛ああああ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!?だめ、これ、おがじくなっちゃいまずからぁ!!」

 

 ぎょっと目を見開き、喉が割れんばかりの悲鳴をあげる監督官は、ビクビクと身体を痙攣させた。

 抱き締められている受付嬢は、だんだんと強まる包容力に苦しげに声を漏らすが、監督官に彼女を気にする余裕はない。

 

「イぐ!?イぐぅ!!お腹、ぐちゃぐちゃにされてるのに、イっぢゃぅうううう!!」

 

「俺も射精()すぞ!歯を食い縛れっ!」

 

 ローグハンターが笑みを浮かべながら告げた直後、腰を一際強く突き出したと同時に、宣言通りに射精が行われた。

 どろりとした精液が押し潰された子宮に注ぎ込まれ、小柄な彼女の胎の中を瞬く間に満たしていく。

 

「んぁあああああああああ!!?」

 

 それと同時に、監督官も絶頂を迎えた。

 子宮を満たす彼の温もり。

 自分を包み込んでくれる同僚の温もり。

 そして、自分の背を撫でる二人の温もり。

 それら全てが薪となり、彼女に秘められた情欲の炎をかつてないほどに燃え上がらせる。

 

「ぐ……っ!ああああああ!へっ──……」

 

 絶え間なく、そして容赦なく注ぎ込まれる精液の熱と勢いに押されて絶頂を繰り返していた彼女は、不意に気の抜けた声を漏らした。

 同時に力んでいた身体が途端に弛緩し、全体重を受付嬢にかける。

 流石に重いのか、受付嬢は低く呻くものの、押しのせる余力はないのか、彼女はベッドに沈んだままだ。

 そして吐精を終えたローグハンターもまた、二人に覆い被さるようにその身体を倒した。

「きゃ」と可愛らしい悲鳴をあげる受付嬢だが、二人分の重さは辛いのか、ぺちぺちとローグハンターの肩を叩いた。

「んぉぉ……」と気の抜けた声を漏らしたローグハンターは、監督官を貫いたままだった一物を引き抜き、身体を転がして二人の上から退いた。

 監督官の秘裂からは、愛液と精液の混ざりあったどろりとした白濁液が溢れ、受付嬢の下腹部を汚す。

 

「んへぇ~。んっ、ぅぅ……」

 

 それに気付いた様子もない監督官は恍惚の表情を浮かべ、甘える子猫のように受付嬢の身体にすり寄る。

 

「……」

 

 普段はこちらをからかってきたり、仕事をさぼったりと、少々やんちゃな所があるが、こうして見れば可愛いもの。

 ちらりと横を見れば、ローグハンターもまた静かな寝息を立てて眠りに落ちており、ベッドの上にはもう隙間らしいものはない。

 はぁとため息を吐いた受付嬢は監督官を乗せたまま目を閉じた。

 寝息が三つに増えたのは、それからあまり経たない内だった。

 

 

 

 

 

 翌朝、同所。

 

「「「……」」」

 

 いそいそと身支度を整える三人の間には、痛いほどの静寂が流れていた。

 ギルド職員と冒険者。酒のせいでもあるとらいえ、その関係を飛び越えて一線を越えたとなれば、後々騒ぎになるのは必須。

 

「……誰にも言うなよ」

 

 そして真っ先に口を開いたのはローグハンターだ。

 男として責任を取るつもりはあるのだろうが、冒険者である以上拠点となる街は必要だし、もっと言えばこの街を拠点として使っていきたいとも思っている。

 もう五年もいるのだから、愛着というやつが沸いて仕方があるまい。

 

「い、言いませんよ。私たちだって面倒はごめんですし」

 

 んしょと声を漏らしながら制服に腕を通した監督官がそう言うと、受付嬢も壊れた人形のようにこくこくと何度も頷いた。

 面倒どころかクビにされても文句は言えないのだ。せっかく給料が安定してきたのに、クビにはなりたくない。

 

「酔い潰れた二人を部屋まで送った。その後、俺は路地裏で潰れた。いいな」

 

 いち早く装備を整えたローグハンターがそう言うと、二人は同時に頷いて応じた。

「よし」と頷き返したローグハンターは窓を開けると、そこから身を乗り出した。

 

「それじゃ、また後でな。仕事があれば、だが……」

 

 目深くフードを被った彼はそう言うと、窓から飛び降りて消えていった。

 取り残された二人は顔を見合わせると、頬を赤くしながら目を背けた。

 記憶は曖昧だが、子供のように甘えてしまった(可愛がってしまった)気がしてならないのだ。

 

「と、とりあえず、これ飲んだら、行きましょうか」

 

 受付嬢は照れ隠しにローグハンターが置いていった強壮の水薬(スタミナ・ポーション)を差し出した。

 それを受け取った監督官は一口それを呷ると、深々とため息を吐き、まだ熱が残る下腹部を撫でた。

 

「……案外、悪くなかったけどね」

 

「……」

 

 彼女の一言に受付嬢は赤面するが、小さく頷いて同意を示した。

 その後、三人がどうなったかは語るまでもないこと。

 ただ言えることは、受付嬢は受付嬢として、監督官は監督官として、ローグハンターはならず者殺し(ローグハンター)であり続けたということだけだ。

 

 

 

 




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Memory?? 牧場裏話

リクエストから。

ヒロインは牛飼娘。
時期はラスボス戦後を想定しています。


 辺境の街の外れに位置する牧場。

 かの有名な冒険者、ならず者殺し(ローグハンター)の下宿先としても知れているその場所は、牧場の名の通り多くの家畜を育てている場所だ。

 広大──とは言えずとも広い土地を所有し、牛を放し飼いにし、豚には丸々と太るように上手いこと飯を食わせる。

 そんな毎日を過ごす中で、牧場主を伯父に持つ牛飼娘は牧場脇の街道を歩いてくるローグハンターを見つけ、「おかえり~」と声をかけた。

 彼女の挨拶に「ただいま」と返して足を止めたローグハンターが「どうした」と問うと、牛飼娘は「えっとね」と少々言いつらそうに言葉を詰まらせる。

 ローグハンターは疑問符混じりに首を傾げるが、無理に聞き出すつもりはないのか、彼女が口を開くのを律儀に待っている。

 それが彼の良いところなのか、悪いところなのか、彼女にはわからないが、いつもその姿勢には助かっている。

 何でもないと言えば、それ以上踏み込んでこないのだから、彼にとってもある種の線引きにもなっているのだろう。

 一応二人は、五年をかけて自覚したお互いの想いを告げて、晴れて恋人の関係にはなっているのだが、それは昔から変わらない。

 だが別に隠すことでもないと、牛飼娘は苦笑混じりに彼に告げる。

 

「えっと、地母神の神官さんたちと話したんだけどね」

 

 だから、彼女はいつも通りに話を切り出すことにした。

 地母神の神官らと話し合い、今度幼い神官や孤児たちを招いて牧場の仕事を体験してもらうという、ちょっとした行事を執り行うこと。

 伯父からその行事の進行役を頼まれたこと。

 本来なら牧場主である伯父がすべきことなのだろうが、加齢による体力の限界を悟ったのか、彼女に後を頼みたいという思いが見え隠れする判断だ。

 それを聞かされたローグハンターは、伯父の真意を理解しつつも「すごいじゃないか」と微笑みながらそっと彼女の赤髪を撫でた。

 際限のない愛情が込められた手つきは相変わらずで、それをされると牛飼娘の表情はだらしなくとろんと蕩けてしまう。

 

「それで、本題はここからなんだろう?」

 

「ん~。それなんだけどね~」

 

 頭を撫でながら投げ掛けた問いかけに、牛飼娘は気持ち良さそうに間延びした声で応じて、そっと彼を見つめた。

 蒼い瞳が真っ直ぐこちらを向いていて、自分だけを見てくれている。

 それが堪らなく嬉しいし、ずっと見ていたい気持ちもあるが、今は話をせねばならない。

 

「予行練習ってわけじゃないんだけど、色々と手伝ってくれない?」

 

「ああ、わかった。どうせ明日は休むつもりだったし、ちょうどいい」

 

 彼の言葉に「やった!」とガッツポーズした牛飼娘は、「約束だよ?」と彼を見つめながら最終確認。

 身長差の都合上、彼女が意図しなくても上目遣いになってしまうそれは、ローグハンターにとっては強烈な一撃(クリティカル)に他ならない。

 僅かに赤面した顔を隠すように被っていたフードを目深く被り直し、「約束だ」と返して微笑んだ。

 照れた顔を見せたくないのか、あるいは周囲から向けられる恨めしそうな視線を嫌ってか、彼はさっさと踵を返して街の方へと足を進めた。

 取り残された牛飼娘は、撫でられた頭に僅かに残る彼の余韻を感じながら、「えへへ」とだらしのない笑顔をこぼした。

 

 

 

 

 そして翌日。

 豚の餌箱の位置や、子供らでも運べる重さなのかの確認。

 小屋の鍵の場所、ひいては怪我人が出たときに備えての医療箱の配置など、それなりに奥まった話をしていく中で、牛飼娘は困り顔となっていた。

 こうして見ると考えるべきことは多く、これを一人で回すのは至難の技。

 彼がいなければ、これらを確かめるだけで一日を費やしていただろう。

 

「よし!えっと、後は──」

 

「牛の小屋だな」

 

 指折りしながら確認事項を確かめた牛飼娘に、ローグハンターが次の指示を出す。

 豚舎とその周辺のことは確認できた。ならば次は牛舎での確認となる。

 もっとも確認するのは対して変わらず、それもすぐに済んではしまうのだが、先の豚舎にはない問題がこちらにはあった。

 

「子供らに乳搾りをさせると書いてあったが、それも確認するか?」

 

「うぇ?えっと、確認って、なにを?」

 

 その質問に首を傾げた牛飼娘の反応に、ローグハンターは額に手をやりながら溜め息を吐く。

 幼い頃から手伝いをしている彼女ら、それこそ目を閉じていても出来るだろうが、後日来るのはそういったことを知らない素人たちだ。

 

「……街の人全員がやり方を知っていたら、この行事の意味がないぞ?」

 

「……あ、そっか」

 

 彼の言葉にハッとした牛飼娘が頷くと、ローグハンターは「なぁ?」と苦笑混じりに手頃な雌牛の背を撫でた。

 気持ちがいいのか「モ~」と鳴く雌牛はそのまま彼にすり寄り、牛飼娘は僅かにムッとする。

 何だろう、見ていて妙にもやもやすると言うか、イライラすると言うか。

 

 ──牛、相手に……?

 

 だがその相手を牛だと思い出した途端に、その感情はすぐに引っ込んだ。

 そう、相手は牛だ。優しげな娼婦でも、綺麗な闇人でも、頼れる冒険者でもない、ただの牛。

 

「桶はどこだ」

 

 一人葛藤する彼女を他所に、雌牛にすり寄られた結果、牛と壁に挟まれたローグハンターが問うと、牛飼娘はハッとして「と、取ってくるね!」と告げてその場から駆け出した。

 牛舎を飛び出していった彼女の背を見送ったローグハンターは、「その前に助けてほしかったんだが……」と一人ぼやき、軽く雌牛を押した。

 四歩足で踏ん張る彼女はびくともせず、むしろ余計に寄ってくる始末。

 ローグハンターは深々と溜め息を吐き、彼女が戻ってくるのを黙って待つことにした。

 

 

 

 

 

 それからしばらく。牛舎内にて。

 

「……で、これを掴んで優しく扱く?」

 

「扱くって言うよりは引っ張るかな?」

 

 牛飼娘に教えられながら、人生初となる乳搾りを体験しているローグハンターは、珍しく困惑の表情を浮かべていた。

 やることが正解なのかもわからず、乳の出や味は牛の状態によると聞かされたせいで、一挙一動が慎重になりすぎているとも言える。

 

「こんな感じか?」

 

「モ~」

 

「……うん、大丈夫」

 

 だが雌牛には気に入られたのか、声をかければ答えてくれるし、その様に牛飼娘も複雑そうな表情のまま頷く。

 乳搾りに集中しているローグハンターに彼女の表情は伺えないが、僅かに気落ちしているのは声音でわかる。

 

「……何かあったのか?」

 

 彼女に背を向けたまま、やればやるほど吹き出してくる牛乳を上手いこと桶に注ぎながら問うた。

 一瞥もくれずに問うてくるのは、彼女のことに関しては声だけでわかると自負しているからか。

 それはそれで嬉しいけれどと笑みをこぼした牛飼娘は「なんでもないよ」といつもの声音で返すものの、やはりと言うべきか誤魔化しきれず、ローグハンターが乳搾りを続けながら彼女の方へと振り向いた。

 そこにはいつも通りの笑顔を浮かべる牛飼娘がいるが、ほんの僅かに不機嫌そうではある。

 何か酷いことをしただろうかと首を傾げた彼は、とりあえずやることを済ませてしまおうと乳搾りに意識を集中。

 搾る度に漏れる雌牛の鳴き声を聞きながら、「もう少し我慢してくれ」と伝わらないだろうが声をかける。

 返事をするように「モ~」と鳴く辺り、それなりに伝わってはいるのだろう。

 

「♪~♪~♪~」

 

 そして慣れてきたことや、近くには牛飼娘しかいないこと、命懸けの状況ではないことなど、様々な条件が重なった結果、珍しい程に気を抜き始めていた。

 鼻唄混じりに乳搾りを続行し、桶には白い液体がどんどんと溜まっていく。

 流石に直飲みする勇気はないが、これがチーズやあいすくりんなる氷菓子になるのだから、わからないものである。

 彼は一応リラックスしながら、それなりに真面目なことを考えているのだが、後ろの牛飼娘の表情は不機嫌そのもの。

 やはり胸か、胸なのか。自分のでは不満なのかと、十分な程に搾ったにも関わらず手を止めない彼と、いつもなら蹴りを入れてくるのに珍しく大人しい雌牛を睨み、ムスッと頬を膨らませる。

 

「とりあえず、こんなもんでいいか?」

 

 そうして桶が半分ほど満たされた頃、ローグハンターは問いながら牛飼娘の方へと振り向くが、なぜか不機嫌そうな顔をしている彼女に気づき、首を傾げた。

 

「……なにかいけなかったか?」

 

 その表情を何かしら不手際をやらかしたからと判断したローグハンターはそう問うが、牛飼娘は「別に」と少々ドスの効いた声で応じた。

 

「……なら、いいんだが」

 

 その反応に多少気圧されるが、問題がないのならそれでいい。

「ありがとうな」と雌牛を撫でてやれば、「モ~」とご機嫌そうな鳴き声が返ってくる。

 

「……」

 

 一人悶々とする牛飼娘は、自分の胸に手を当てながら深々と溜め息を吐いた。

 彼が誰に対しても優しいのは知っているし、それが好きなところではある。

 だが、今回の相手は牛だ。牛相手に嫉妬など、自分の器量が随分と小さく思えて仕方がない。

 かの有名な冒険者、ローグハンターの恋人としては情けなく思えてしまう。

 はぁと溜め息を吐いた彼女は桶を受け取るとそそくさと牛舎を後にしてしまい、ローグハンターはぽつんと一人で取り残されてしまう。

 彼女の背を見送った彼は「ふむ」と呟いて顎に手をやると、そっと目を細めた。

 失敗はしなかったが、彼女を酷く不機嫌にしてしまったらしい。

 

「モ~」

 

「ん?ああ、フォローはするさ」

 

 はむはむと平服の袖を噛んできた雌牛に対して、その頭を撫でてやりながら告げる。

 大事な仕事の前なのだ、憂いは取り除いておきたい。

「よし」と呟いた彼はその場を離れ、窓や戸の戸締まりを確認してから牛舎を後にした。

 勿論牛舎の鍵も締め、牛が脱走できないようにするのも忘れない。

 彼を見送った雌牛は、頑張れと言わんばかりに声を張り上げるのだった。

 

 

 

 

 

 その日の夜。

 牛飼娘、伯父、ローグハンターの三人で卓を囲み、ささやかな夕食を終えてそれぞれが眠る準備に入った頃。

 一人ベッドに寝転び、ぼんやりと天井を見上げていた牛飼娘は深々と溜め息を吐いた。

 夕食の時は伯父に心配させるほどに気分が落ち込んでしまった。

 実行はその時はまだ先とはいえ、重役を任されて緊張していると誤魔化したが、結果はどうであれ心配させてしまったのは事実。

 

「はぁ……」

 

 彼女は再び溜め息を吐き、早めに寝ようと平服に手をかけ、さっさと下着姿になってしまうのだが、その直後に扉が叩かれた。

 伯父が様子を見に来たかと直感した彼女は、「は~い!」と出来るだけ元気そうな声音で返す。

 だが扉ごしの返事は「俺だ」の一言で、声からローグハンターであることがわかる。

 返事した都合上居留守はできず、何なら鍵もかけていないので入ろうと思えば簡単に入れるのだが、それをしないのは彼なりの気遣いか。

 牛飼娘が苦笑混じりに開けてやろうと脱いだ平服を着ようとするが、「入るぞ」の一言と同時に問答無用で扉が開かれた。

 

「ふぇ!?」

 

「……すまん」

 

 思わぬ行動に目を見開く彼女を他所に、寝る前で下着姿になっていた彼女を見たローグハンターは気まずそうに目を背けるが、止まる気はないのか入室。

 後ろ手で扉を閉めると、一瞥もくれずに鍵をかけ、彼女のベッドに腰を下ろした。

 牛飼娘は顔を真っ赤にしながらシーツにくるまり、器用に頭だけを出すと、そこにローグハンターが顔を寄せた。

 鼻先が触れあうほどの距離にある彼の顔に、牛飼娘は「ぴ……」と変な声を漏らす。

 そんなものお構いなしのローグハンターはそっと彼女の頬を撫でると、「なにか、あっただろ」とどこか決めつけるような問いかけ。

 

「な、なんにも、ないよ……?」

 

 それでも彼女は心配をかけまいとそう返すのだが、ローグハンターは不満そうに目を細め、無言の圧力を彼女にかける。

 じっと見つめてくる真剣な彼の表情に照れたのか、牛飼娘は「うぅ……」と声を漏らして目を背けるが、彼が目を背けることはない。

 夜空を閉じ込めた蒼い瞳が彼女を捉えて離さず、早く言えと催促してくるよう。

 普段なら無理に聞き出すことはない彼が、相手を威圧してでも話を聞こうとするのは、本気で心配している証しでもある。

 それは嬉しいのだが、彼に心配をかける原因を口にするのは何だか恥ずかしい。

 恥ずかしいのだが、言わねば離れてはくれないだろう。

 牛飼娘は負けを認めるように深々と溜め息を吐くと、「笑わないでよ?」と彼に問うた。

 ローグハンターが「笑わないさ」と真剣な面持ちで頷くと、牛飼娘は頬を撫でている彼の手に自分の手を重ねた。

 

「その、ね……?すごく変なんだけど、イライラしちゃって……」

 

「イライラしたって、何に」

 

 彼女の言葉にローグハンターが心底不思議そうに首を傾げると、牛飼娘は羞恥に頬を赤くしながらぼそりと呟く。

 

「キミがずっとあの牛と触れ合ってたから」

 

「……」

 

 その一言は彼女にとっては重大な悩みを告白するような重みがあったが、受け取ったローグハンターはぽかんとしながら言葉を失った。

 牛と触れ合ってはいたが、それでイライラしたのかと疑問が浮かぶが、それ以前に相手は牛だぞとツッコミを入れる。

 相手が魔女や受付嬢なら、何の話をしていたか事細かく説明できるのだが、相手が牛となると説明のしようがない。

 いや、何より相手は牛だ。家族同然に大事にしているのだろうが、言葉による意志疎通も出来ない相手だ。

 

「ふっ……」

 

 そこまで真剣に考えた彼は、それを真面目に考えるのが馬鹿らしく思えて笑みをこぼした。

 その声にムッとしながら頬を膨らませた牛飼娘は、「笑わないって言ったのに」と彼に苦言を呈する。

 だがローグハンターは、一応我慢はしているのかくつくつと低い笑い声を口から漏らし、引き締めていた表情からも力を抜く。

 

「俺と牛が戯れているのを見て、牛に嫉妬したのか?」

 

 そして煽るような声音でそう問うと、牛飼娘は余計に不満そうにしながら顔を背けた。

 

「どーせ、私は牛に嫉妬する変な人ですよーだ。この際モーモー鳴いてあげようか?」

 

 不貞腐れ、童子に開き直った子供のように言うと、ローグハンターは笑みを止め、「ふぅん」と小さく興味深そうに唸る。

 牛飼娘がその表情に首を傾げると、ローグハンターは真剣な面持ちで彼女の耳元に顔を寄せた。

 

「そんなに鳴きたいなら、鳴かせてやろうか?」

 

 同時に告げられたのは、問いかけになっていない問いだった。

 牛飼娘がその言葉の意味を理解してボッと頭から煙を吹き出すと、じっと彼の表情を見つめる。

 彼女の返事を待っているのか、あるいは崩す時機(タイミング)を見計らっているのか、それは定かではないが、蒼い瞳に揺れる情欲の炎に気付けない彼女ではない。

 牛飼娘は赤面した顔をそのままにこくりと頷き、彼を迎え入れるようにくるまったシーツをはだけさせた。

 

 

 

 

 

「ん……っ!やっ……んん……!」

 

 ローグハンターの手で裸にされた牛飼娘の口から、どこか切なげな声がこぼれた。

 ベッドの端に腰を下ろし、背後からローグハンターに抱き寄せられる体勢は、単純に彼が彼女を抱きしめたいがために取らせたもの。

 窓から差し込む月明かりに照らされる彼女の身体を背後から抱き締めたローグハンターの手が這い回り、豊満な乳房を鷲掴む。

 そのまま五指を蠢かせれば、彼女の身体はピクピクと小刻みに痙攣し、健康的に日に焼けている肌が薄く朱色に染まる。

 

「随分と敏感だな。そんなに触って欲しかったのか?」

 

「そんな……ことっ……、言わないで……っ」

 

 耳元で囁かれた言葉に反論するが、ローグハンターはただ愉快そうに笑うだけで責めの手は緩めず、むしろ何かを思い付いたのか悪戯っぽく笑んだ。

 

「少し、強くいくぞ」

 

 そう言うやいなや両手で左右それぞれの乳房の根元を力強く掴めば、その力強さに小さく声を漏らす。

 武器を握り続けた故に武骨で硬い掌が、柔らかくどこまでも沈んでいきそうな彼女の乳房に埋まっていく。

 ローグハンターはその感覚を楽しみながら、「我慢しろよ」と告げて乳房を扱くように手を動かし始めた。

 掴む力をそのままに、根元から乳首を目指してゆっくりと、さながら乳を搾るように乳房を扱く。

 

「ん……っ!や……これ、んん……」

 

 ピクピクと身体を揺らし、口を継ぐんで声を抑えるものの、対するローグハンターは楽しそうだ。

 

「これだけ大きいと、出そうなものだがな」

 

「出る……わけないでしょ……っ!ん……あああっ……!」

 

 彼の冗談に牛飼娘は僅かに声を荒げるが、強めに乳首を摘ままれたことで無理やり黙らされる。

 そのままコリコリと音をたてて指の腹で乳首を転がされ、痺れるような快感が彼女から自由を奪い取った。

 

「んぁ……!そこ、は……っ!やぁ……!?」

 

 嬌声混じりにビクン!と一際強く身体を跳ねさせ、両手足に力がこもる。

 手にはシーツを破かんばかりの力が入り、両足はピンと伸びきった。

「ぁ……へ……んぁ……」と、熱がこもり、気の抜けた声を漏らす牛飼娘の様子に、ローグハンターは苦笑混じりに告げる。

 

「軽くイったか。相変わらず、敏感だな」

 

「言わ……ない、れぇ……」

 

 耳元で囁かれた言葉に身震いしながら、牛飼娘は力なく首を振った。

 その反応に「そうか」とすっと目を細め、少々邪悪な雰囲気を醸し出したローグハンターは、再び胸を扱き始めた。

 丸々とした果実が歪に歪むほどに力を入れ、ゆっくりと根元から乳首の方へ。

 乳輪に触れれば手を離して根元に戻り、すぐに扱きを再開。

 見た目は按摩のようではあるが、事実それは愛撫に他ならない。

 

「んぃぃいいい!なんにも、出ないかりゃ、それ、やぁあ……っ」

 

 楽しそうに笑いながら扱いてくる彼に、牛飼娘は快感に震え、目から涙を溢れさせながら止めるように言うが、彼は聞く耳を持たない。

「ほらほら」と言いながら乳房を扱き、ぷくりと膨らんだ乳首を指で掻く。

 焦らしに焦らされた乳首にその刺激は強烈で、牛飼娘の身体を痙攣を繰り返し、真っ赤になった顔には汗が垂れる。

 

「んやぁ!?イく……っ!イっ……やぁああああああ!」

 

 今度こそ絶頂を迎えた牛飼娘はビクン!と身体を跳ねさせた。

 仰け反った身体を彼が抱き締めて離さず、力んで固くなった彼女の体躯をしっかりとその場に固定した。

 溢れた愛液と潮がショーツから染みだし、シーツに点々とシミを残していく。

 ローグハンターはそれを見下ろしながら乳首を掻いており、彼女に快感を送り続けているわけだが、

 

「んぃいいい!?りゃめ、イったから、もう、やめ──」

 

 彼女が本当の意味で限界を迎える間際に、その手を止めた。

 突然無くなった快感に牛飼娘は、その余韻にやられながらも「んぁ……?」と気の抜けた声を漏らして首を傾げる。

 その表情に生唾を飲んだローグハンターは、彼女の肩を押してベッドに横たわらせた。

 そのまま寝返りを打たせてうつ伏せにすると、膝をつかせて腰を突き出すようにして浮き上がらせる。

 湿り気を怯え、縦筋にぴたりと貼り付いたショーツを剥がすように脱がせ、ぬんと香る雌の臭いにぞわりと背筋が震える。

 

「はぁ……はぁ……。いい、よ……?」

 

 我慢ならん状況になってもどうにか理性を保っていたローグハンターの脳内に、牛飼娘の蕩けるような声が響いた。

 ちらりとこちらを向いている彼女の表情は、いつにも増して目が蕩けており、誘うように微笑む様は娼婦のよう。

 呼吸に合わせて揺れる安産型の臀部と、溢れた愛液で濡れた秘裂は、見ているだけでも暴発してしまいそうだ。

 堪らず生唾を飲んだローグハンターはパンツを脱ぎ捨てると、痛みを感じるほどに勃起した一物を露出させた。

 先走り汁でテカる亀頭を、濡れすぼった秘裂に押し当て、深呼吸を一度。

 ねだるように震えている臀部を両手で掴み、その柔らかさを堪能しながら腰を突き出す。

 

「んぁ!?んっ……にぃ……」

 

 一物は湿った音と共に、一息で彼女の胎内を貫き、容易く亀頭と子宮口が口付けを交わす。

 絶頂後で敏感になっていた膣に、鉄のごとく固い一物を押し込まれた快感は彼女を容易く絶頂へと導く。

 牛飼娘は「あ……へ……」と声を漏らしながら身体を痙攣させ、膣肉もまた痙攣を繰り返す。

 

「くっ……」

 

 一物を撫で回すひだと、食い千切らんばかりに締め付けてくる膣肉が与えてくる快感は凄まじい。

 既に暴発寸前だった射精感を抑えようとローグハンターは歯を食い縛り、ベッドに寝かせている彼女の身体に倒れこんだ。

 彼女の後頭部に顔を押し付け、僅かに香る汗の臭いを楽しむように鼻で呼吸を繰り返す。

 牛飼娘は羞恥からか「うぅ」と声を漏らし、後頭部や首筋をくすぐる彼の吐息に合わせて、膣肉が引き締まる。

 彼女の臭いで肺を満たしたローグハンターは眉を寄せ、耳元で「一度射精()すぞ」と囁いた。

 

「わか……った……」

 

 ピクピクと身体を痙攣させながら彼女が頷くと、彼はそっと彼女の耳朶に口付けを落とした。

 直後彼の身体が強張ったかと思うと、宣言通りに射精が始まった。

 粘液(スライム)のようにどろりとした精液が、彼女の子宮に注ぎ込まれる。

 

「んんっ……!くっ……あぁ……」

 

 その熱さに恍惚の表情を浮かべ、熱のこもった吐息を漏らした牛飼娘は、心地良さそうに目を細める。

 首を回して彼の方を向けば、目の前に似たような表情を浮かべる彼の顔があり、二人は堪らず口付けを交わした。

 舌を絡ませてお互いの唾液を交換しながら、合間合間に相手への好意を口にして互いの思いを再確認。

 その言葉が再び二人の身体を昂らせ、ローグハンターは射精が落ち着いた頃を見計らい、一物を抜いた。

「ひぅ!」と声を漏らしてその快感に喘ぐ彼女を他所に、秘裂から溢れる精液を一瞥した彼は、彼女の腿を掴んで寝返りを打たせた。

 彼にされるがまま転がされた牛飼娘が仰向けになると、ローグハンターは間髪入れずに再び彼女の秘裂に一物を押しこんだ。

 逆流していた精液を押し返し、物欲しそうに降りてきていた子宮口に亀頭を押し付ける。

 

「んぎ……!あ……、んんんん!!」

 

 ビクビクと小刻みに身体を揺らした彼女は彼を見上げながら、気の抜けた笑みをこぼした。

 その笑みに笑顔を返したローグハンターは片手で彼女の胸を揉みながら、腰を振り始める。

 パンパンと肉同士がぶつかる乾いた音を響かせながら、動きに合わせて揺れる胸を視姦し、片手ではその胸の柔らかさを堪能する。

 そのまま何を思ってかぷくりと膨らんだ乳首を口に含んだ彼は、ちゅうちゅうと音をたてて吸い始める。

 

「ん……っ。何にも、出ない……よ……?」

 

 子宮を直に押される快感と、胸を吸われる快感に震えながら、牛飼娘はそっと彼の髪を撫でた。

 昔は黒かったのに、とある戦いを経て白く脱色されたそれは、月明かりを受けて幻想的に輝いている。

 指で梳けばこっちがくすぐられるような心地良さがあり、許されるのならいつまでも撫でていないのが本音だ。

 彼女の乳首を吸いながら、気持ち良さそうに目を細めたローグハンターは、お返しと言わんばかりに腰の動きを速めた。

 

「ひゃん!?あん!ちょっと!そん、な……急に……っ!やん!」

 

 突然感覚が短くなった快感の波に声を上擦らせた牛飼娘は、浮かべた笑顔をそのままにローグハンターに告げる。

 

「イくっ!また、イっちゃうっ!んぁ、んんんん!」

 

 はむはむと軽く歯を立てて乳首を咀嚼される度に痺れるような快感が身体を走り抜け、子宮から脳天まで駆け抜ける快感も弱まることを知らない。

 二つの快感を叩きつけられる牛飼娘はバチバチと視界に火花を散らしながら、「へぁ……イ……くぅ……!」と呂律も回らないままに声を出した。

 そして、ローグハンターが一際強く腰を突き出した瞬間、

 

「ひぃやぁぁぁぁああああああああああ!!!」

 

 絶叫と共に絶頂を迎えた。

 同時にローグハンターもまた再びの限界を迎え、二度目の射精が行われる。

 短時間に二度目の射精ではあるが、その濃さと勢いは一度目と大差はなく、ただですら満杯状態の子宮におかわりが注ぎ込まれていく。

 

「んぎ……っ!あああああ……っ!」

 

 ビクビクと身体を痙攣させながらぎゅっと彼を抱き締め、両足を彼の腰に巻き付けて更に身体を密着させる。

 ローグハンターもまた彼女を孕ませるつもりなのか、一滴残さず注ぎ込まんと腰を突き出し、接合部には隙間らしいものがない。

 そして一分ほど続いた吐精が落ち着くと、彼は彼女の乳首を放し、そのまま彼女の胸を枕代わりに顔を埋めた。

 子宮を満たす彼の温もりと、乳首をくすぐる彼の吐息。

 その二つに背筋を震わせながら、牛飼娘は労うように彼の頭を撫で始める。

 こうして付き合ってわかったことだが、彼はこうして甘やかされるのには弱いと思うのだ。

 現に彼の身体からは段々と力が抜けていき、一物も萎えて下腹部の圧迫感も弱まってきている。

 牛飼娘はこのまま眠りについてしまおうかと、彼を撫でながら目を閉じると、

 

「ひゃ!?」

 

 突然声をあげて微睡んでいた意識を覚醒させた。

 下腹部にあった異物感が再び大きくなり、一物も固さと熱を取り戻して膣肉を押し返していく。

 ベッドに両手をついて身体を起こした彼は困ったように苦笑した。

 

「まだ治まりそうにない」

 

 にこにこと余裕そうに笑いながら、ご機嫌そうに跳ねるような声音で告げられた言葉に牛飼娘は苦笑しながら告げた。

 

「……お、お手柔らかにお願いします」

 

 彼がその言葉を守ったかどうかは、二人のみが知ることだ。

 

 

 

 

 

 それから数日後、件の行事当日。

 二人の指示で牧場内を駆け回る神官たちを見つめながら、牛飼娘は微笑んだ。

 始まるまでは不安であったが、こうして始まってみるとあっという間で、皆素直に指示を聞いてくれてやり易い。

 流石、地母神の神官といったところか。

 

「大盛況でなりよりだ」

 

 いつの間にな隣に現れたローグハンターはそう言いながら、そっと彼女の腰に腕を回す。

 優しく抱き寄せてやれば、彼女の方から体重をかけてきて、その重さが堪らなく心地がよい。

 

「いつか」

 

 そして呟いた言葉は彼自身意識していなかったのか、僅かに驚いたような素振りを見せるが、牛飼娘が「な~に?」と続きを促せば、彼の口は動き出す。

 

「……あそこにいるのが俺たちの子供なら、なんて思うのは罰当たりか?」

 

「ふふ。そんな事ないと思うよ」

 

 彼の言葉に牛飼娘は微笑み混じりに返すと、自分の腰に巻かれた彼の腕を撫で、次いで自分の下腹部を撫でた。

 

「焦らないで、ゆっくりと、ね?」

 

「ああ、そうだな」

 

 彼女の言葉にローグハンターも微笑みながら答えた。

 そのままキスでもしようと顔を寄せるのだが、「すいませーん!」と助けを求める声を聞いてピタリとその動きを止めた。

 鼻先が触れあうほどの距離で見つめあった二人は可笑しそうに笑うと、それぞれ返事をして現場へと向かう。

 そこに赤い髪に蒼い瞳の男児が加わるのは、そう遠くない未来の話だ。

 

 




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Memory?? 纏めて愛して

リクエストから。

ヒロインは銀髪武闘家と女武闘家。
出られない部屋シリーズ第二段。

時期的には未定ですが、最終決戦~エピローグの空白期、加えて隔世状態体得前を想定しています。



 西の辺境の山中に、突然大きな屋敷が現れた。

 いつの間に建てられたのか、持ち主は誰なのなは不明。

 だが近隣の村で狩りに出掛けた男たちが行方不明になる事件が頻発し、彼らの縄張りがその屋敷の近くであることは無関係ではあるまい。

 日に日に増えていく行方不明者に、事態を重く見た国の上役たちは一刻も早い解決を冒険者に依頼。

 だが多くの冒険者がこの屋敷に挑んだが戻らず、被害は広がっていくばかり。

 そしてまた、とある冒険者の一党がこの屋敷に挑むのだった。

 

 

 

 

 

 辺境勇士──ならず者殺し(ローグハンター)

 彼と、彼に率いられた二人の女性が屋敷の廊下を駆けていた。

 三人の背後には解除された罠や、葬られた怪物(モンスター)の屍が転がっている。

 

「外観に比べて廊下が長すぎませんか?」

 

 その中の一人。黒髪を後頭部で一つに纏めている女武闘家は、疲労を感じさせない声音で隣を走る自分の師でもある冒険者に声をかけた。

 彼女とは対照的な銀色に輝く短髪と、自分よりも豊かな胸を揺らしながら駆ける銀髪武闘家は、「確かに、変だよね」と女武闘家の言葉に同意。

 前を走る一党の頭目にして彼女の夫でもあるローグハンターは蒼い双眸を細め、「もうすぐだ」と呟く。

 ほのかに光を放つ瞳には、ここに挑み散っていった冒険者たちの残滓が映り、あまたの屍の先に正解の道を示してくれている。

 彼の故郷においてタカの眼を呼ばれるその瞳にかかれば、複雑に入り組み、外観と一致しない道筋であっても問題はない。

 そして金色に光る扉を見つけた彼は、後ろの二人に「警戒しろ」と警告。

 

「わかった!」

 

「了解です!」

 

 銀髪武闘家と女武闘家が打てば響くように返すと、ローグハンターは微笑む。

 この三人なら余程のことがなければ突破できる。自分が無理と無茶をすれば、その余程のことがあってもどうにかできるだろう。

 ざっと音をたてて靴の裏と絨毯を擦りながら止まった彼は、件の扉を睨み付ける。

 二人は背後で辺りを警戒し、ローグハンターはそっと扉に鍵がかかっていないかを改める。

 だが罠だらけだった道中とは違い鍵がかかっておらず、ノブを捻ればそのまま開いてしまう。

 開いた扉の隙間から中を覗くが、あるのは豪華なシャンデリアと、大人四人が余裕で眠れそうな大きなベッドがある程度。

 そっと扉を押して中に入り、タカの眼を使って罠の類いがないことを確認。

 

「よし、来い」

 

 外で廊下を警戒していた二人に声をかけると、女武闘家、銀髪武闘家の順で部屋に入ってくる。

 

「……寝室?」

 

 銀髪武闘家はきょろきょろと部屋を見渡しながら首を傾げ、シャンデリアの明かりに目を細めた。

 見るからに豪華なそれは、それなりの権力を持つ貴族でなければ買えない物だ。

 逆に言えばこの屋敷の持ち主は、そのそれなり以上の権力を持っていると言うことにもなるのだが。

 女武闘家はベッドの下や壁を調べる中で、ローグハンターは先に続く扉の前に立った。

 タカの眼では金色に光るそれも、タカの眼を解けば上等なそざいが使われているただの扉だ。

 だがその扉の奥から異様な気配を感じるも事実で、現に背筋に冷たいものが駆けているほど。

 ふーっと深く息を吐いたローグハンターは改めて扉に罠の類いがないことを確かめると、部屋を調べていた二人に目を向けた。

 

「本命はこの奥だ。行けるか」

 

「もちろん」

 

「問題ありません」

 

 彼の問いかけに銀髪武闘家はいつも通りの笑みを返し、女武闘家は僅かばかりの緊張を孕んだ表情で頷いた。

 多くの冒険者を葬ってきた屋敷に挑んでいるのだ、ここまで来て緊張しない方がおかしいというもの。

 現に銀髪武闘家は笑ってはいるものの額に汗を滲ませているし、ローグハンターもまた衣装の下は嫌な汗を流している程だ。

 かつて来たりし者(外界の神)を討ったとて、それは様々な幸運が重なった結果だ。

 次の行動(アクション)運に見放される(ファンブル)可能性はいつだってある。

 運は自分で掴むものではあるが、それは天に祈らない動機にはならない。

 目を閉じて短時間ながら天上の神々に祈りを捧げたローグハンターは、意を決してドアノブに手をかけた瞬間。

 

『ふふふ。本当、祈る者(プレイヤー)は単純ね』

 

 頭の中に直接響き渡る、女性のものと思われる妖艶な声。

 

「「「っ!」」」

 

 三人が弾かれるように身構えた直後、バタン!と音をたてて廊下へと続く扉が閉まる。

「嘘!?」と声を漏らした銀髪武闘家は慌てて扉を開けようとするが、彼女の膂力をもってしても扉はびくともせず、ガチャガチャとノブが回る音が漏れるのみ。

 無理やりにでも蹴破らんと扉を思い切り蹴るが、まるで鉄の壁を蹴ったような感覚と、その反動から来る痺れに声にもならない悲鳴を漏らす。

 ローグハンターも奥へと続く扉を開けようとするが、廊下への扉と同様にびくともせず、肩から体当たりを当てても壊れる気配すらない。

 彼が「くそ!」と悪態をつくと、『無駄よ』と女の声が頭に響いてくる。

 

『そこは(わたくし)が丹精込めて造った特別な部屋。核撃(フュージョンブラスト)でも破れやしないわ』

 

「そ、そんな……っ」

 

 核撃という、おそらく広い世界においても最強の威力を持つであろう魔術でも壊せないと豪語され、女武闘家の表情が青ざめた。

 このまま餓死でもさせて、その仮定を見て楽しむつもりなのかと、ここを造った女の性悪さに息を呑む。

 ローグハンターと銀髪武闘家の二人も似たようなもので、緊張の面持ちで顔を見合わせ、視線だけで『どうする』と会話を交わす。

 

『まあ、私だってそこまで悪魔ではないわ。出られる方法を教えてあげる♪』

 

 そして緊張する冒険者三人を煽るように、女の声は笑いながらそう告げてきた。

 同時にパチン!と指を鳴らす音が聞こえたかと思えば、三人の首に何かの紋様が描かれた魔方陣が巻き付いた。

 銀髪武闘家、女武闘家には一本。ローグハンターには二本。

 怪しい輝きを放つそれは、おそらく録なものではあるまい。

「うぇい!?」と奇妙な声を漏らした銀髪武闘家は首を掻いてそれを剥がそうとするが、やはりと言うべきか掻けるのは自分の皮膚のみ。

 

『無駄よ。それは入れ墨のようなものだから。ああ、条件を満たせばちゃんと消えるから、心配はいらないわよ』

 

「……で、その条件はなんだ」

 

 彼女の言葉に、とりあえず今すぐ何かあるわけではないと読んだローグハンターは天井を睨みながら問うた。

『話が早いわね』と愉しそうな声音の女の声が返され、くすくすと鈴を転がすような笑い声も聞こえてくる。

 

『豪勢なベッドのある部屋に、男と女が集まっているのよ?ヤることなんて、ひとつでしょう?』

 

「「……っ!?」」

 

「は……?」

 

 女の言葉を理解した銀髪武闘家、女武闘家が目を見開いて驚愕を露にすると、ローグハンターは間の抜けた声を漏らした。

 ヤることはひとつということは、何か。顔も知らない女が監視している状況で、妻とならともかく、彼女の後継者ともヤらねばならないのか。

 

「「「……」」」

 

 三人が神妙な面持ちで、さらに無言で顔を見合わせると、女はくつくつと喉を鳴らして可笑しそうに笑う。

 

『ほら早くしないと、首の魔方陣が頭を吹き飛ばすわよ?』

 

 そうなったら、死ぬしかないわよね?と更に三人を煽り、ローグハンターに告げる。

 

『男ならリードしてあげなさいよ、みっともない』

 

「……背に腹は変えられないか」

 

 そして彼女の言葉に後押しされた訳でもないが、彼は小さく肩を竦めた。

 

「俺だけ首のが二重なのは、まあそういうことだよな……」

 

 赤面しながらこちらを見つめる銀髪武闘家と女武闘家に目を向け、更にベッドに目を向けた。

 大人三人が寝る程度なら問題ない大きさのそれは、おそらく女がそこでさせるように設置されているのだろう。

 

『男なら、冒険者なら、女の一人や二人、満足させてみなさいな』

 

 それじゃあねと、女は最後にそう告げると、魔方陣が回り始めた。

 喉仏の辺りにあった印が一周すれば、先の言葉の通りに頭を吹き飛ばすのだろう。

 そうとはわかっていても、部屋には痛いほどの静寂が訪れた。

 三人は再び顔を見合わせるとローグハンターは頬を掻き、銀髪武闘家は指先でくるくると髪を弄り、女武闘家は、

 

「はぅぅ……」

 

 ふしゅ~と音をたてて頭から煙を噴き、顔を耳まで真っ赤に染めた。

 その間にも首の魔方陣は回っており、刻限はまだ余裕はあれど刻一刻と迫ってきている。

 はぁと深々と溜め息を吐いた銀髪武闘家はぺちぺちと自分の頬を叩くと、「よ、よし!」と覚悟を決めたように表情を引き締めた。

 そのまま弟子である女武闘家の肩を叩き、緊張している彼女に告げる。

 

「わ、私がお、お手本見せるから、ちゃ、ちゃんと見ててね!」

 

 目をぐるぐると回しながら、普段の彼女ならまず言わないような事を口走った。

 女武闘家が「は、はい!」と反射的に答えると、直後にあれと首を傾げた。

 

 ──いまお手本を見せるって言った……?

 

 この状況で混乱しているのは確かだろうが、彼女の言葉をそのまま飲み込めば、夫との行為を見ていろということだ。

 ローグハンターもその違和感を抱いたのか、顎に手をやりながら困り顔となっていた。

 向こう向いててとか、耳塞いで目閉じてとか、そういったことなら二人もすぐに飲み込めただろうが、見ていてというのは少々予想外。

 

「ほ、ほら!キミは早く脱いで!」

 

 だが銀髪武闘家だけはそれを気にしていないようで、むしろローグハンターに脱衣を急かし始めるほど。

 むぅと唸った彼は諦めたように溜め息を吐くと、乱暴に衣装を脱ぎ始める。

 黒い外套を脱ぎ、修繕の跡が目立つシャツを脱げば、すぐに彼は上半身裸だ。

 初雪のように白い髪に、いつもフードを被り、ローブを着ている都合上予想よりも白い肌。

 鍛えられ、贅肉とは無縁の肉体は、そういった経験のない乙女には少々重樹が強いもの。

 ぼっ!と音をたてて顔を真っ赤にした女武闘家顔を背けるが、ちらちらと横目で彼の肉体を観察していた。

 それに気づきながらも指摘せずにいると、「よいしょ」の声と共に銀髪武闘家も鎧を脱ぎ始める。

 普段からやっていることではあるが、状況が状況のためその手は遅く、よく見れば震えているようだ。

 だがすぐに鎧も衣装を脱いだ彼女は下着姿となり、赤く上気した素肌を彼に晒した。

 

「うぅ……」

 

 じっと凝視してくる蒼い瞳に耐えきれず、彼女はブラジャーとショーツを手で隠すようにするが、それはそれで彼の欲情を誘い、彼の目が僅かに見開かれる。

 さながらマシュマロのように柔らかな胸に、コルセットいらずに括れた腰。臀部もまた肉付きがいい安産型。

 筋張ってはいるものの、見るものを魅力してやまないその肢体を知るのは、ローグハンターただ一人。

 

「……」

 

 だったと言うべきか。

 尊敬する師匠の、まず見ることのない恥じらう姿や、見せつけられるその肉体は、女武闘家が目指す到達点だ。

 だが流石に胸の大きさや尻の肉付きまでは、師匠と同じにはなれないかもと一握の不安を覚えながら、まだまだこれからと自分を奮い立たせる。

 目を閉じてゆっくり深呼吸をして、ここを出なければならないことに意識を戻して目を開けた瞬間、

 

「ん……。んちゅ……。ちゅ、んん……っ」

 

 いつの間にかローグハンターに抱き締められ、彼に唇を奪われた銀髪武闘家の姿が飛び込んできた。

 何の脈絡もなく始まった行為に声もなく悲鳴をあげる女武闘家を他所に、ローグハンターは銀髪武闘家の頭を押さえ、薄く開いた口の隙間に舌を差し込む。

 

「ちゅ。はむ……。ちゅる。んちゅ、ん……じゅる……」

 

 お互いの舌を絡ませ、湿った音を漏らしながら、二人は目を閉じて相手の体温を感じるのに意識を傾けた。

 場所が場所でなければ、文字通り夫婦が愛し合う姿そのものなのだが、それを見せつけられる女武闘家はそっと胸を押さえた。

 じくりと、何かに刺されたような痛みを感じたのだが、触れてみても血がつくことはなく、気分が悪いわけでもない。

 だが、確かに痛いのだ。その痛みの理由がわからず、彼女はただ困惑するのみ。

 

「やぁ……。待って、下着、脱がしちゃ……」

 

 彼女が疑問符を浮かべている内に、銀髪武闘家はブラジャーを外され、豊満な胸が露出させられた。

 ほんの一瞬、彼女の身体に魅入ったローグハンターはそっと彼女の肩を押し、部屋に取り付けられたベッドに押し倒す。

「きゃ」と小さく悲鳴を漏らした彼女に覆い被さったローグハンターは、片手では納まりきらぬたわわな果実を鷲掴む。

 マシュマロを思わせる柔らかな乳房は優しく指を受け止めるが、力を入れればどこまでも沈んでしまいそうな錯覚さえも覚える。

 揉めば揉むほど、物欲しそうにぷくりと膨らむ桃色の乳首を摘まみ、指で転がすように刺激し始める。

 

「ん……っ!やっ、こりこり、しないで……っ」

 

 乳首を刺激され、じわじわと広がる毒のような快感を与えられた銀髪武闘家は、上擦った声を漏らしながら身を震わせる。

 潤んだ瞳が彼を見つめ、口では何も言わないが何を求めているのかは明白。

 ローグハンターは纏めてズボンとパンツを下ろすと、血管が浮かぶほどに勃起した一物を露出させた。

 女武闘家は初めて見る異性の生殖器に「ひっ!」と小さく悲鳴を漏らす。

 経験のない乙女からすれば、ローグハンターが取り出したそれは少々グロいようにも見えるだろう。

 当の彼はショーツ越しに彼女の秘部に一物を擦り付け、身悶えする彼女の表情を見下ろしている。

 潤んだ瞳でそれを見つめ返した銀髪武闘家は、そっと魔方陣が描かれた彼の首を撫で、その速度から残り時間を見積もる。

 

「いじ、めないで……っ!はやく、ちょうだい……」

 

 そして、早く彼を助けたいという冒険者としての一面と、もっと気持ちよくして欲しい女としての一面が顔を出す。

 力の抜けただらしのない表情になりながら、自分から腰を振って一物に秘部を擦り付け始める。

 くちゅり、くちゅり、と湿った音と、はぁはぁと熱がこもり、乱れた彼女の吐息が静かな部屋に響く。

 その表情に堪らなくなったローグハンターは生唾を飲むと、そのまま彼女に口付けた。

「ん……」と声を漏らし、彼の首に両腕を回して彼の口付けを受け入れた銀髪武闘家は、そのまま彼の口内に舌を押し込む。

 

「んちゅ。じゅる。じゅるる!んぁ、ふぁ……」

 

 流し込まれる彼の唾液をすすり、それが喉を通る度に恍惚の表情で声を漏らす。

 ローグハンターは薄く開いた双眸でその様を見つめると、片手で彼女のショーツをずらし、亀頭を直に秘裂に押し当てた。

 ピクンと身体を跳ねさせた銀髪武闘家は、とろんと蕩けた視線を彼に向け、急かすように腰を振る。

 亀頭に秘裂から溢れた愛液を塗りたくり、僅かな快感をお互いに感じて頬を赤く染めた。

 そしてこくりと頷きあうと、ローグハンターは一気に腰を突き出した。

 ぐちゅりと湿った音と共に銀髪武闘家の秘部を彼の一物が貫き、その剛直は容易く彼女の子宮口へと届く。

 

「ひぁ!?へっ……あっ……へぁ……」

 

 途端に叩きつけられた凄まじい快感にかっと目を開いた彼女は、恍惚の表情を浮かべながら身体を弛緩させた。

 身体はピクピクと痙攣を繰り返し、それに合わせて膣肉もまた痙攣する。

 挿れただけで絶頂に至った彼女は、視界を点滅させながらローグハンターを見つめ、へにゃりと力の抜けた笑みをこぼした。

 その笑顔にぞわりと背筋を震わせたローグハンターは、そのまま彼女の意見を待たずに腰を振り始めた。

 子宮口を刺激するようにぐりぐりと押し込み、かりで膣肉全体を引っ掻き回すように一気に腰を引く。

 パン!パン!と二人の腰がぶつかり合う音と、ぐちゃぐちゃと掻き回される秘部から漏れる湿った音、そして快感に喘ぐ銀髪武闘家の声が部屋を包む。

 少しずつ香り始めた淫行の匂いも、ローグハンターが愛液を掻き出す度に強くなり、だんだんと部屋の中を満たしていく。

 それら全てが女武闘家の理性をごりごりと削っていくが、二人の情事からから目を離せない女武闘家は、そっと自分の秘部へと手を伸ばし、ズボン越しにそこに触れた。

 くちゅりと湿った音がしたのは、確かに自分の股ぐらからで、目を向ければお漏らしをしたかのようにズボンに染みができ始めていた。

 

「っ……」

 

 それに気付いた彼女は顔を真っ赤にし、そこを隠すようにその場にへたり込むが、

 

「やん!あん!にゃ、んぁ!そこ、もっと、ぐりぐりしてぇ!!」

 

「ぐ……っ。力抜け、これじゃすぐに射精()る!」

 

「いい、よ!ぜんぶ、私にちょうだい……!」

 

 目の前で繰り広げられる情事に身体が火照り、無意識の内に秘裂を撫でる手が動き始める。

 

「ん……」

 

 途端に駆け抜けた快感に身体を跳ねさせた彼女は、声を抑えるために指を噛みながら、今度はズボン中に手を入れて直に秘裂を撫でた。

 くちゃりと湿った音と、指先に感じた湿り気に背筋が震え、師匠たちの情事に興奮しているという罪悪感を覚えつつ、指が動いて秘裂を刺激してしまう。

 

「やん!や、ああああああ!イく!わたひ、イっちゃう!!」

 

 突かれる度に揺れるたわわな果実が、師匠の胎内を貫く剛直の力強さが、恍惚の表情を浮かべる師匠の顔が、歯を食い縛り、快感に耐えるローグハンターの表情が、女武闘家を身体を火照らせる。

 

「ん……っ!んんん!はっ、んん……っ」

 

 二人が見ていないことをいいことに指を激しく動かしてくちゅくちゅと音をたて、痺れるような快感に背筋を震わせ、顔を赤らめる。

 パンパンと音をたてて銀髪武闘家の膣を抉る一物の動きを凝視し、喘ぐ彼女の声に耳を傾け、次は自分もそうなるという淡い期待からどんどんと心臓の鼓動が速くなる。

 

「イくっ!イくぅうううう!!」

 

「っ、あぁ!!」

 

「──っ!!!」

 

 そして、三人が絶頂を迎えたのはほぼ同時。

 銀髪武闘家は甲高い悲鳴をあげ、ローグハンターは低く唸り、女武闘家は声もなく、それぞれ絶頂へと至った。

 どろりとした精液が銀髪武闘家の子宮へと注ぎ込まれ、その熱に当てられた彼女は嬌声混じりに背中を弓なりにしならせた。

 

「や、あ……はぇ……あぁ……」

 

 ピクピクと身体を痙攣させる彼女がそっとローグハンターの頬を撫でると、彼と彼女の首に巻き付く魔方陣があとも残さず綺麗さっぱり消えた。

 それに気付いたローグハンターは「よし」と小さく呟くと、腰を引いて一物を引き抜く。

 銀髪武闘家が「あ……」と切なげに声を漏らすと、文字通り栓を抜かれた秘裂からは白濁液が溢れ、彼女の臀部を伝ってシーツに染みを作る。

 物足りないのか不機嫌そうにする彼女だが、今の状況を思い出して仕方ないと割りきった。

 そして部屋の片隅で息を荒くしながら丸くなっている女武闘家に目を向け、「服脱いで、こっちおいで」と彼女を手招き。

 絶頂の余韻に浸り、ぼーっとしていた彼女はハッとすると、ふらふらと立ち上がり、服を脱ぎながらベッドに向けて歩き出した。

 そのまま裸になると、倒れこむようにベッドに乗った彼女の目の前には、銀髪武闘家の愛液や彼の精液で汚れた一物が鎮座している。

 むんと香る生臭い匂いに表情をしかめると、それに気付いた銀髪武闘家が「やる前に綺麗にしてあげなきゃか」と言いながら彼の一物を頬張った。

 

「じゅる!じゅるる!れろ、んぁ~、はむっ!」

 

 尿道に残った精液をすすり、自分の愛液で汚れた亀頭を入念に舐めて綺麗にし、竿を扱いて固さを取り戻させる。

 

「くっ、うぅ……」

 

「らしちゃらめだよ?もっはいらいから」

 

 一物を口に含んだままそう言うと、亀頭をくすぐる息遣いにローグハンターは唸り、また射精()してしまいそうな快感に眉を寄せる。

 

「なら、喋るな……っ!」

 

 そして苦し紛れにそう言いながら彼女の頭を掴み、力任せに一気に引き寄せた。

 飴玉のように舐め回されていた亀頭を一気に喉奥まで押し込めば、彼女は「んお゛!?」と汚い悲鳴をあげる。

 息ができていないのか、嗚咽混じりにじたばたと手足を振って逃げようとするが、彼の両手は彼女を捕まえて離さない。

 そのまま締め付けてくる喉奥の快感をそのまま、ローグハンターは一物から力を抜いた。

 途端に吐き出される精液はそのまま彼女の胃へと流しこまれ、今度は上の口で射精を受け止めた彼女はガクガクと身体を震わせ、突き上げられた秘裂からはちょろちょろと音をたてて尿が漏れる。

 女武闘家は食い入るように銀髪武闘家の痴態を見つめ、まだなにもされていないにも関わらず恍惚の表情を浮かべた。

 ローグハンターが放心状態でも一物を離さない銀髪武闘家から一物を抜けば、彼女はその場に崩れ落ちた。

 

「うっ……。おぇ、げぇ……」

 

 上と下の口から大量の精液を吐き出しながら、けれど表情は恍惚として蕩けきっている。

 いつもの人懐こい笑みや、ふとした拍子に見せる

 無意識の内にそれを肴に自らの秘部を弄っていた女武闘家だが、不意にその肩を掴まれたことでビクリと身体を跳ねさせた。

 恐る恐るその手の主に目を向けた彼女は、じっとこちらを見つめてくるローグハンターの蒼い瞳を覗きこむ。

 瞳に灯った情欲に揺れる炎がこちらを捉えて離さず、その瞳に映る自分の顔もまただらしのない表情になっている。

 彼が無言のまま肩を押してベッドに倒せば、女武闘家は自ら股を開き、誘うように秘裂を指で開く。

 とろりとした愛液が溢れだし、ぷくりと膨らんだ陰核が顔を出した。

 ローグハンターは僅かに目を細めると、銀髪武闘家の唾液で奇妙にテカる一物を女武闘家を秘裂に押し当てた。

 

「いくぞ」

 

「はい……。来て、ください……っ」

 

 ローグハンターの声に待ちきれないのか、上擦った声で返した瞬間、彼は無慈悲に一気に腰を突き出した。

 ずりゅりと湿った音と共に彼女の秘部を貫いた一物は、その勢いのままに処女膜を突き破り、物欲しげに降りてきていた子宮口を殴り付けた。

 

「っ!?あ、ぎ、あぁぁあああああ!?」

 

 処女を失う想像を絶する痛みと、子宮口を殴られた衝撃と快感に目を見開いた彼女は背中を弓なりにしならせ、ぎゅっとシーツを掴む。

 

「く……っ、うぅ……い、たい……っ」

 

 痛みにより戻ってきた理性が目に涙を浮かばせ、それに耐えるように身体を強張らせるが、ローグハンターは何も言わずに彼女の髪を撫でた。

 その手つきはさながら父や兄のように慈愛に溢れてはいるものの、胎内を貫く剛直の圧迫感がそれすぐさま否定する。

 相手は父でも兄でもなく、自分を満たしてくれる一人の男なのだと、身体はわかっているのだ。

 同時に先の胸の痛みが何なのか、彼女は理解した。

 ローグハンターと師匠の結婚を機に封じた筈の恋心が、二人の情事を見て嫉妬を覚えたからに他ならないのだと。

 

「ぅ、うぅ……」

 

 それに気づいてしまった彼女は余計に涙を流すのだが、今度は横から伸びてきた銀髪武闘家の手でそれが拭われた。

 

「大丈夫だから、力抜いて」

 

 銀髪武闘家は彼女の涙の理由をある程度だが察したのだろうか、優しく微笑みながらそう告げた。

 言われるがまま強張った身体から力を抜けば、ローグハンターがゆっくりと腰を振り始める。

 銀髪武闘家を貪った時とは違う、優しく解すような動きと、それに伴う緩い快感に、女武闘家の表情が再び蕩け始めた。

 

「ん……。あっ……、ん、はぅ……」

 

 彼の一物が動く度に与えられる快感に、不思議と心地よい浮遊感の覚えた女武闘家の声には段々と熱がこもり、膣肉の締め付けも強まっていく。

 蠢くひだが一物を舐め回し、子宮口がキスをせがむように亀頭に吸い付く。

 その快感に目を細めたローグハンターは深く息を吐くと、女武闘家の耳元に顔を寄せ「本気でいくぞ」と告げて不敵に笑んだ。

 

「は、はい……っ。思い切り、してください!」

 

 そしてその優しい快感では物足りなくなり始めていた女武闘家が欲望のままにそう返すと、ローグハンターは彼女の腰を両手で押さえつけ、乱暴に腰を振り始めた。

 パンパンと鋭い音をたてて腰を叩きつけ、子宮を引っ張り出すような勢いで腰を引く。

 鋭いかりが彼女の胎内を引っ掻き回し、亀頭が子宮口にキスする度に女武闘家の身体は跳ね、ぷるぷると豊かな胸が揺れる。

 

「やっ、これ、しゅご、しゅごいれしゅ!?こんなの、がまん、できにゃい!」

 

 凄まじい快感に呂律も回らず、顔も涙や涎でぐしゃぐしゃにしながら、喘ぐ彼女を覗きこんだ銀髪武闘家は「可愛い」と呟き、彼女の涙や涎を拭うように舌を這わせた。

「ひゃ!」と小さく悲鳴をあげた彼女は、同時に膣肉が引き締まり、ローグハンターは低く唸る。

 

「力抜いてくれ、動けなくなる……っ」

 

「んぁ!?む、無理れす!もう、言うこときかにゃい!かってに、力入っちゃうんれす!」

 

 彼の言葉に女武闘家が首をぶんぶんと横に振りながら言うと、銀髪武闘家は仕方ないと言わんばかりに肩を竦めた。

 

「ほら、力抜いて」

 

 そう言った彼女はぷるんぷるんと揺れる女武闘家の胸に顔を寄せると、ぷくりと膨らんで存在を主張する乳首を口に含んだ。

 ちゅうちゅうと音をたてて乳首を吸い上げ、片手でもう片方の乳首を摘まんで軽く転がしてやる。

 

「ひぃや!?な、なにするですか!やめ、すわないれ、こりこりしないれ……っ!」

 

 女武闘家はそう言うが、胎内を駆け抜ける暴力的なまでの快感と、両方の胸から与えられる甘ったるい快感に思考が濁り、「ふぁぁぁ……」と気の抜けた声を漏らした。

 あまりの心地よさに身体からも力が抜けていき、表情もだらしなく緩んでいく。

 膣肉の締まりが僅かに弱くなった隙に、ローグハンターはラストスパートをかけるように腰の動きを速めた。

 

「ひゃ……っ!や、だめ、ですぅ!なにか、なにかきちゃう……っ!」

 

 一物が子宮口に届き、身体を揺さぶられる度に視界が点滅を繰り返し、膣肉が痙攣する。

 押せば力が緩んで道を開き、引けば引き締まって捕まえようとしてくるのは、ローグハンターへの快感は凄まじいもの。

 耐えるように歯を食い縛った彼は女武闘家を見つめ、「射精()すぞ」と告げて彼女の唇を奪った。

 

「んぐ!?んーっ!んんんんっ!!」

 

 突然の口付けに軽いパニック状態になる女武闘家だが、銀髪武闘家が一際強く乳首を吸い上げたことと、彼の射精が始まったことを合図に、絶頂を迎えた。

「んー!んー!!」と塞がれた口から嬌声をあげ、全身を痙攣させるが、がっしりと彼女の腰を捕まえる彼の手は離れない。

 一滴残さず、彼女の子宮に精液を注ぎ込まんとするのは、目に見えてわかる。

 ローグハンターがキスを止め、じっと女武闘家の表情を伺うと、彼女は恍惚の表情を浮かべた。

 

「ぷぁっ……!あったかい……すごい……ですぅ……」

 

 孕まされるかもしれないという一握の不安と、どこかそれを期待している本心との板挟みになりながら、晒される快楽に身を任せてしまう。

 蕩けきった瞳で彼を見つめ、キスをせがむように唇を尖らせれば、ご所望通りに彼の唇が落とされた。

 同時に二人の首に巻かれた魔方陣が消え、カチャリと扉の鍵が開く音が響いた。

 それを合図にキスを止めたローグハンターは、相変わらず恍惚の表情を浮かべる女武闘家の頭を撫でてやりながら、「大丈夫か?」と問いかける。

 

「あぃ、じょうぶ、れす……」

 

「……大丈夫じゃない人ほどそう言うんだよ?」

 

 目の焦点が合わず、力の抜けた声を漏らした女武闘家に、まだまだ余裕そうな銀髪武闘家がそう返した。

 とりあえず女武闘家から離れたローグハンターは深々と溜め息を吐くと、脱ぎっぱなしになっていた自分の装備へと手を伸ばす。

 銀髪武闘家もそれは同様で、身体を軽く拭うと脱ぎ捨てた装備をせっせと着込み、すぐさま臨戦態勢に。

 

「ぁ……わたし、も……」

 

「はいはい、手伝ってあげるから」

 

 女武闘家はどうにか着替えようと寝返りをうつが、腰が抜けているのか思うように動けず、結局銀髪武闘家が手伝い始める。

 

「準備ができたら、いくぞ」

 

 その様子を見つめながら、ローグハンターは淡々とした声音でそう告げた。

 随分と面倒なことになったが、本丸はすぐそこだ。

 

 

 

 

 

 出られない部屋を抜けた先には、さながら玉座の間のような部屋が広がっていた。

 王のごとく豪華な玉座に腰を掛け、冒険者らを見下ろしているのはおそらく夢魔(サキュバス)の類いであろう。

 この屋敷に挑んできた冒険者らから吸い上げた精力を元に強化された彼女は、まさしく魔神将の一角に他ならない。

 他ならないのだが、

 

「こ、こんなことが、ありえ──」

 

「でぇぇぇぇりゃあああああああああああああああ!!!」

 

 銀髪武闘家が放つ拳が顔面を捉え、その美貌を頭蓋骨もろとも打ち砕き、

 

「こんのぉぉおおおおおお!!」

 

 雄叫びと共に放たれた半月蹴りが、柔らかな太ももを弾けさせ、

 

「うぉらぁああああああああああああ!!!」

 

 追撃に放たれた手刀が、夢魔の腕をはね飛ばした。

 その様子を女武闘家を背負いながら眺めていたローグハンターと、彼の背中から師匠の勇姿を眺めていた女武闘家は、揃って感嘆の声を漏らした。

 加勢の必要もなく、一方的に殴り倒す様は、むしろ見ていて痛快とまで言えるが、

 

「……やりすぎではないですか?」

 

「まあ、体力が有り余っているんだろ」

 

 恐ろしきかな、銀髪武闘家。

 彼女が一度の性行程度で燃え尽きるわけもなく、むしろ燻り状態の彼女は不発に終わった興奮をを発散しようといつも以上に力強い。

 

「はぁあああああああああああああああ!!!」

 

 そしてトドメの蹴り一閃が夢魔の首をはね飛ばし、顔が陥没した生首が玉座の上に叩きつけられる。

 

「よし、一件落着!」

 

 返り血で銀色の髪を赤く染めた銀髪武闘家が、清々しいまでの笑顔を浮かべながら二人の方に振り向いた。

 この屋敷もやがて消え、回りの村にも平穏が戻るだろう。

 この一件以降、銀髪武闘家だけでなく女武闘家にも襲われるようになったローグハンターは、例外と言えるだろうが。

 

 

 




感想、リクエスト等ありましたら、よろしくお願いします。


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Memory?? 『魅了(カリスマ)

リクエストから。
ヒロインは魔女と女魔術師。
二人は師弟関係で、銀髪武闘家の変わりに魔女がログハンの相棒兼恋人。

女魔術師に魔術の修行とかこつけて悪戯しちゃった魔女と、それに意図せず巻き込まれた女魔術師、ローグハンターの話。

時期的には最終決戦よりも前を想定。



 眠る狐亭の一室。

 そこで師匠である冒険者──魔女と共に一党の頭目であるローグハンターの帰りを待っていた女魔術師は、彼女から渡された魔導書に目を通していた。

 学院でも名を聞くだけの術、聞いた覚えもない術など、様々な魔術が記されたそれは、おそらく魔女が大金をはたいて買ってきたものに違いない。

 それを許可を貰ったとはいえ、実質無料で読んでしまうのは少々悪い気もするが、ここに記された魔術ひとつで一党全滅という最悪の結果から遠ざかると思えば──。

 

「や、やっぱりお金払います!」

 

 そうは思っても、やはり女魔術師は良心の呵責に襲われたのか、自分の財布を取り出しながら魔女に言うが、

 

「いいの、よ。私、たち……一党、なんだか、ら……」

 

 そんな必死な女魔術師が差し出してきた財布を細指で押し返した魔女は、優しげな笑みを浮かべながらそう告げた。

「そ、そうかもしれませんけど」とまだ遠慮する女魔術師だが、魔女は「それ、じゃあ」と何か思い付いたのか、ポンと手を叩いて彼女に告げる。

 

「ひとつ……魔術を、試して……み、て……?」

 

「魔術を試す……?えっと、どれを、誰にですか?」

 

「これを、彼に……ね」

 

 そして細い指でペラペラと魔導書を捲った魔女は、とある術が書かれた頁で手を止めた。

 

「えっと、これは……?」

 

「ふふ。とっても簡単だけど……とっても、難しい……魔術のひとつ……よ……」

 

 その頁をじっと見つめながら首を傾げる女魔術師に魔女はそう言うと、女魔術師は改めて頁の文字を読み込んでいく。

 そして一言一句を頭に叩き込まんとした彼女だが、だんだんと顔が赤く染まり、しまいには耳まで赤くなって表情も羞恥に染まる。

 

「あ、あの、こここ、これは……っ!」

 

「大丈夫……よ。どうせ、彼には、効かない……わ」

 

「そ、そうかもしれませんけど!いえ、効かないとは思いますけど……!」

 

「だから、ね……。魔術、は……使わないと、強くはなれない、から……」

 

 羞恥心に苛まれている女魔術師の反応に可笑しそうに、けれど優雅に笑った魔女は、「ほ、ら……。ちゃんと、読んで……」と彼女にきちんと読むように薦める。

 

「う、うぅ。わかりました」

 

 せっかく読ませて貰っているから否とは言えず、彼女は羞恥の表情のままに魔導書を読み進める。

 真に力ある言葉を脳裏に焼き付け、その意味と魔術の効果を頭に叩き込み、その果てに起こる事象もある程度で思い描く。

 思い描くのだが、やはりその光景は彼女にとっては刺激的で、赤らんだ頬が余計に真っ赤になるほど。

 そのまま頭から蒸気でも出そうな勢いだが、魔女は気にせずに微笑むばかり。

 

「よ、よし。全部覚えました、はい……」

 

 そんな彼女に女魔術師は習得完了を伝えると、「頑張って、ね」と大切な弟子を激励。

 女魔術師が「は、はい!」と開き直ったように元気よく返事をすると、がちゃりと部屋の扉の鍵が開いた。

 一応警戒しながらそちらに目を向けると、そこには二人が属する一党の頭目にして、辺境勇士と名高いローグハンターの姿があった。

 帰還早々に二人と目があったローグハンターは「どうかしたのか?」と淡々とした声音で問うが、魔女は笑って誤魔化し、女魔術師は顔を赤くしたまま小さく俯く。

 

「……何かあったようだが」

 

 その様子から魔女が何かやったと断定したローグハンターが、半目になりながら彼女を睨むが、当の彼女は煽るように女魔術師の脇を小突くばかり。

 彼女に何かを言わせようとしているのか、あるいは何かをさせようとしているのか、それな定かではないが、

 

「……」

 

 そういう状況になると、律儀に待ち始めるのがローグハンターだ。

 彼は魔女のベッドに並んで座っている二人と対面する形で自分のベッドに腰を下ろすと、「それで、なんだ」と女魔術師に目を向ける。

 恥じらうようにもじもじと身動ぎした彼女は、だが意を決したのか表情を引き締めた。

 頬は赤いままだが、目付きは真剣そのもの。

 ローグハンターは何か重要な噺だなと身構えるが、そんな二人の様子が可笑しいのか、魔女はくすくすと鈴を転がしたように笑う。

 そんな彼女にローグハンターは物申そうとするが、女魔術師が咳払いをしたことを合図に意識を彼女に向けた。

 

「《エゴ()……ウォークス()……イドラ(偶像)》……!」

 

 その瞬間、彼女は素早く真に力ある言葉を紡ぎ、魔術を行使した。

 世界の理を改竄し、超自然的な現象を巻き起こすそれは、女魔術師とローグハンターの間に不可視の糸を伸ばし、二人の左手薬指の間に橋を架けた。

 女魔術師は不安げに魔女を見るが、魔女はどこからか砂時計を取り出し、「今、から、一時間、ね」と片目を閉じ(ウィンクし)ながらそれをひっくり返した。

 それに頷いた女魔術師がローグハンターに目を向けると、そこにはいつにも増して柔らかな表情となっている彼が、ただただ愛おしそうに、女魔術師を見つめていた。

 

 

 

 

 

 それから十分ほど。ローグハンターに『魅了(カリスマ)』の術をかけた女魔術師は、

 

「あ、あの……、やめ……て、ください……っ」

 

 真っ赤になった頭から蒸気を噴きながら、今の状況に困惑していた。

 どうにかそれを打開しようと手足をばたつかせてもがいてはみるものの、やはりと言うべきかどうにもできない。

 

「暴れるな、怪我するぞ」

 

 背後からローグハンターに抱き締められ、ただただ愛おしそうに、特徴的な赤髪を撫でられているからだ。

 ベッドに腰かける彼の胸にすっぽりと納まり、完全に背後を取られている彼女では、いくら暴れようがどうしようもない。

 ローグハンターと女魔術師の間には、圧倒的なまでの力量(レベル)差が存在している。

 抵抗する彼女を我が儘な妹か、あるいは恋人とでも思っているのか、ローグハンターは彼女の髪を手梳で梳きながら、何ともご機嫌そうな表情をしている。

 実際それが『魅了』の効果ではあるのだが、本来であれば初対面の相手に自分を友人だと思わせる魔術だ。

 だが、ローグハンターが油断していたことと、女魔術師が妙に集中してしたおかげで、まさかの大成功(クリティカル)

 友人を通り越して、ローグハンターは今の彼女を恋人だと思い込んでいるに他ならない。

 

「うぅ……」

 

 それを理解している女魔術師は、術のせいとはいえそれなりに好いていた相手に抱き締められ、撫でられるのは嫌ではないようで、複雑な表情を浮かべていた。

 二人の様子を見つめる魔女も彼女を助けるつもりはないようで、「あら……あら……」と頬に手をやって楽しそうに笑うばかり。

 

「あの……本当に……離して……」

 

 このまま彼に甘やかされていては駄目だと、女魔術師は奮起して振り向きながらそう言うが、当のローグハンターは不思議そうに首を傾げるばかり。

 そして何を思ってか振り向いた彼女の頬に手をやって前を向けないようにすると、そっと彼女の唇を奪った。

「んぐ!?」と目を開いて驚く彼女の反応を楽しみながら、ローグハンターは僅かな隙間から舌を捩じ込み、彼女の舌を絡め取った。

 

「んん……っ。じゅる、んちゅ……ふぅ……!」

 

 彼の舌が口内を這い回り、その度に感じる彼の温もりと、塗り込まれる唾液の感覚に、女魔術師は余計に表情を赤らめる。

 

「んぁ……。だめ……、やめ……んん!じゅるるっ!」

 

 どうにか合間合間に唇が離れる隙に彼を止めようとするが、ローグハンターは我関せずと彼女の口内に唾液を流し込む。

 こくこくと喉を鳴らして唾液を飲む度に女魔術師の身体がピクピクと震え、抵抗する気力さえも削がれ、瞳も段々と蕩けていく。

 そのまま彼女の口内を責め立てながら、腹を押さえていた手をゆっくりと下腹部へと移動させ、平服のズボンの中に突っ込んだ。

「んん!?」と声を漏らしながらぎょっと目見開いた女魔術師は、すぐに足を閉じて彼の進行を止めんとするが、

 

「ほ……ら……。力、抜い……て……」

 

 魔女の一声と共に、細指が女魔術師の腿を撫でた。

 優しく愛撫するように腿を撫でるそれに合わせ、女魔術師の表情が再び蕩け始め、不思議と足から力が抜けていく。

 その隙にローグハンターの手が彼女の股に入り込み、ショーツ越しに秘裂を撫でた。

 くちゅりと湿った音が漏れ、与えられた淡い快感に女魔術師がピクリと肩を揺らす。

 そのまま優しく掻くように指先で秘裂を撫でてやれば、女魔術師の呼吸が段々と乱れ、吐息にも熱がこもる。

 

「ふっ……んんっ……!ふぁ……んぅ……!」

 

 ローグハンターに口付けされたまま行われる前戯に、女魔術師は慣れぬ快感と酸欠で思考が纏まらず、潤んだ瞳で彼を見つめるのみ。

 その視線にただ愛おしそうに見つめ返したローグハンターは口を離すと、二人の唇を繋ぐように透明の唾液の糸が伸びた。

 

「はぁ……んっ……」

 

 半開きになった口から艶っぽい声を漏らし、呼吸に合わせて豊かな胸が上下する。

 その様子を見下ろした彼はぞわりと背筋を震わせると、そのまま秘裂を撫でていた手をショーツの中へと入り込ませた。

 指先に感じる生暖かい感覚に目を細め、ぐちゅぐちゅとわざとらしく音をたてて秘裂を撫でる。

 

「ひぅ……っ!や、そこ、は……っ!」

 

 ローグハンターの固く筋張った指先が彼女の柔らかな膣肉を優しく解し、陰核(クリトリス)の裏側を押すように指の腹を押し付ける。

 途端に背筋を駆け抜けた快感に「ひっ!?」と悲鳴を漏らすが、ローグハンターは気にも止めない。

 どんどん溢れてくる愛液を掻き出すように指の出し入れを繰り返し、食い千切らんばかりに締め付けてくる膣肉を掻き回す。

 女魔術師は自分の指を噛んで嬌声を抑えるが、ピクピクと身体は小刻みに震えており、首や額にも珠のような汗が滲んでいる。

 

 

「気持ちいいか?」

 

 彼女の様子に微笑んだローグハンターが耳元で囁くと、女魔術師は首を振って否定するものの、頬は真っ赤に上気していた。

 すっと怒気を込めて目を細めると「嘘言うな」と淡々とした声音で告げて、ぺろりと首筋の汗を舐め取った。

 彼の行動と、首筋を撫でた生暖かな感覚に、女魔術師は再び悲鳴を漏らすが、彼は気にせずにそのまま首筋に吸い付く。

 ちゅ~とわざとらしく音をたてて吸い上げ、そこに痕を着けたローグハンターはふっと小さく笑い、秘裂に挿しこんだ指の動きを再開。

 

「ひゃ!?ま、また……っ!なにか、ふわふわして……!」

 

 ぐちゅぐちゅくちゃくちゅと絶えず湿った音を漏らし、指が膣肉を掻く度に彼女は身体を震わせ、がくがくと腰を揺らした。

 ショーツでも吸いきれなかった愛液がズボンにも染みだし、色が変わり始める。

 

「やめ、やめへ……!あたま、まっひろになっちゃいましゅ!」

 

 呂律も回らず、表情もくしゃくしゃにしながら、女魔術師はいやいやと首を左右に振る。

 だんだんと快感が強まり、頭の中で火花が散り、困惑の表情を浮かべるが──やがて、何もかもどうでも良くなるほどの快感が、彼女の身体を駆け巡った。

 

「ひっ、ああああぁぁぁぁぁ!!!」

 

 その瞬間彼女は悲鳴をあげ、一際強く身体を跳ねさせた。

 同時に膣肉が強烈な力をもって指を締め付け、秘裂からはぷしゅぷしゅと音をたてて潮が噴き出す。

 ズボンは股から腿にかけてが色が変わり、ついには吸いきれずに滲み出てくるほど。

 

「や……あ……あぁ……」

 

 それを見下ろした女魔術師は、まるで失禁してしまったかのような惨状に気の抜けた声を漏らし、ローグハンターに寄りかかった。

 彼はびしょびしょになった手をズボンから引き抜くと、それを見せつけるように彼女の顔の前に差し出す。

 

「ふふ。俺の手がびしょびしょだ。そんなに気持ち良かったのか?」

 

 そして彼女を煽るようにそう問いかけるが、当の女魔術師はぷいとそっぽを向いてしまう。

「む……」と不満げに眉を寄せたローグハンターだが、すぐに不敵な笑みを浮かべると彼女をベッドに押し倒した。

「きゃ」と悲鳴を漏らした彼女を他所に、ローグハンターはせっせと手慣れた動作で女魔術師の平服を脱がしにかかった。

 抵抗する気力も残っていない女魔術師は、そのまま彼の手で下着姿にさせられ、流れのままにブラジャーとショーツも剥ぎ取られた。

 女魔術師は「あ……」と切なげな声を漏らし、慌てて胸と秘裂を隠そうとするが、それよりも速くローグハンターの手で両手を掴まれ、頭の上で固定させられた。

 

「綺麗な身体だな。子供みたいに傷ひとつないのに、ここは立派だ」

 

 彼はそう言いながら器用に片手で彼女の両手首を掴まえると、自由になった片手で彼女の胸を鷲掴んだ。

 そのまま優しく捏ねるように胸を揉みながら、ピンと勃って存在を主張する乳首を指で転がす。

 

「や……っ!そこ、こりこり、やめ……て……っ!」

 

 女魔術師は拘束された身体を快感に揺らし、助けを求めるように魔女へと目を向けるが、彼女はただ楽しそうに笑うばかり。

 全ての元凶が助け船を出すつもりもない状況に女魔術師は「うぅ……」と声を漏らしながら涙目になるが、まるで溶かした鉄のように熱い何かが秘裂に押し付けられた。

「ひっ!?」と悲鳴混じりにそちらに目を向けた彼女は、そこに鎮座する一物の存在に目を見開いた。

 子供の腕ほどありそうな竿部分に、矢の返しのように鋭く筋張ったカリ。

 あんなもので貫かれれば最後、あれでしか満足できない身体にされるのは間違いない。

 ローグハンターは見せつけるように亀頭を秘裂に押し付け、愛液を塗りたくるように腰を振り始めた。

 夜空を閉じ込めた蒼い瞳は情欲の色に染まり、吐き出される息もだんだんと荒くなっていく。

 彼の理性が限界を迎え、それでもどうにか耐えている紙一重のところにいるのは、目に見えてわかる。

 このまま魔女のほうに投げてしまえば、彼は本能のままに彼女を襲うのだろうが、今彼が狙っているのは自分なのだ。

 彼女はぎゅっと目を閉じ、深く息を吐くと、覚悟を決めて彼に告げた。

 元はと言えば、魔女に踊らされた自分のせいなのだ。

 

「……ど、どうぞ」

 

 それに術のせいとはいえ、大好きな彼が自分だけを見てくれている。

 卑怯と思われだろうが、一線を越えるなら今しかない。

 隣のベッドに腰かける魔女も横槍をいれることはなく、むしろそれを後押しするように小さく頷いているほど。

 ローグハンターもまた女魔術師の一言に小さく頷くと、彼女の拘束を解除。

 空いている片手で自分の一物を支えて狙いを定めると、亀頭をゆっくりと秘裂に押し付け、彼女の膣内に侵入。

 

「くっ……うぅ……」

 

 胎内に入り込んだ異物感に女魔術師は低く呻き、耐えるようにシーツを握りしめた。

 熱いほどの熱を持った一物がゆっくりと胎内を突き進み、奥に進む度に膣肉が引き締まる。

 そしてある程度の深さまで入り込むと一際強く締め付け、それ以上進ませまいとしてくる。

 ローグハンターは亀頭の先端に感じる薄い膜のような感覚に目を細め、女魔術師の額に口付けを落とした。

 耳元で「いくぞ」と告げて、女魔術師は彼をぎゅっと抱き締めながら「どうぞ」と緊張の面持ちで返した。

 それに微笑みで返したローグハンターは再び彼女の額に口付けすると、人思いに腰を突き出した。

 ぶちっと何かを突き破る感触と同時に、亀頭はそのまま子宮口を殴り付けた。

 

「ぎっ、あ……っ……ぅう……!」

 

 女魔術師は胎内を駆け抜けた激痛と、身体中に響く衝撃と快感に目を見開いた。

 痛みと快感という相反する感覚に困惑する中、ふわりと甘い香りが彼女の鼻孔を撫でた。

 臭いに誘われるがままそちらに目を向ければ、いつの間にか魔女が隣に腰を下ろしていた。

 彼女は優しく微笑みながら、女魔術師を宥めるように髪を撫でた。

 その手つきはさながら母や姉のようでいて、撫でられる女魔術師は強張った表情からも力が抜けていき、身体も弛緩していく。

 一物を締め付けられ、動くに動けなかったローグハンターはホッと息を吐くと、一方的に「動くぞ」と告げて少しずつ腰を動かし始めた。

 締め付けてくる膣肉を解す為にゆっくりと、けれど彼女が気持ちがいいように力強く、カリで膣内を引っ掻き回す。

 

「んっ……!ぁ……!んんんっ!」

 

 女魔術師はピクピクと身体を震わせ、痺れるような快感に目を剥くが、声は出すまいと口を継ぐむ。

 だがそれが不服かのか、ローグハンターは少しずつ腰の動きを速めていき、しまいには思い切り腰を打ち付け始める。

 二人の腰がぶつかる度にパンパンと乾いた音が部屋に響き、掻き出された愛液が接合部で泡立ち、彼女の臀部を伝ってシーツに染みをつくる。

 

「んんん!?んぁ、ぃ、あ、はぁ、やぁ……!」

 

 それでも声を我慢する女魔術師だが、魔女が耳元で「我慢しちゃ、駄目、よ」と告げ、そっと彼女の陰核を摘まんだ。

 

「ひゃん!?あ、あん!やめ、こりこり、やぁああああ!!」

 

 それがドドメとなり、ついに我慢の限界を迎えた女魔術師は口を開き、嬌声を漏らした。

 その声に気分をよくしたローグハンターが子宮を潰すように腰を突き出し、円を描くように振る。

 

「やん!そこ、いい……れすっ!もっと、おく、ぐりぐり、してくらさい!!」

 

 叩きつけられる暴力的なまでの快感に恍惚の表情を浮かべた女魔術師は、自ら腰を振りながら彼に懇願。

 その声に笑みを返したローグハンターはちらりと魔女の目を向け、ほんの一瞬だけ目配せ。

 小さくこくりと頷いた魔女は、こりこりと陰核を転がしてやりながら、もう片方の手で女魔術師の乳首を摘まんだ。

 膣、陰核、乳首の三ヶ所から同時に快感を叩きつけられ、女魔術師は「ひぃや!?」と悲鳴をあげ、再び身体を強張らせた。

 膣肉が痙攣を繰り返し、かくかくと小刻みに腰が震え、かっと目を見開く。

 

「や、やぁ!イく……っ!イきます!!」

 

 ビクン!ビクン!と身体を跳ねさせ、恍惚の表情をそのままに言うと、ローグハンターは「俺もだ」と返した。

 そしてその言葉が合図となり、二人は同時に絶頂を迎えた。

 溜まりに溜めていた精液が噴水の如く鈴口から噴き出し、瞬く間に初物の子宮を満杯にしてしまう。

 

「っ……!~~~~!!!」

 

 子宮を満たす彼の熱と、身体がふわふわとする浮遊感、そしてこれ以上ないほどの多幸感。

 それら全てを感じながら、声にもならない悲鳴をあげながら絶頂した女魔術師は、無意識に爪を立てながら彼の背中を抱き締める。

 爪が食い込み、僅かに肉を切る鋭い痛みにローグハンターは低く唸るが、そのまま女魔術師の腰を押さえつけて子宮に一滴残さず精液を注ぎ込む。

 

「ぁ……へ……ぅ……んぅ……」

 

 そして絶頂が落ち着くと共に、女魔術師は身体から力を抜き、倒れこんできたローグハンターの頭を撫でた。

 彼女の豊かな胸を枕変わりに休憩する彼は、優しく撫でてくる彼女の手の温もりにどこか安堵したような息を吐くと、そのまま胸元に口付けを落とした。

 くすぐったそうに身動ぎする女魔術師だが、すぐにローグハンターが身体を起こしたことで名残惜しそうな表情を浮かべた。

 そんな彼女の頬に口付けしたローグハンターは腰を引いて一物を抜くと、いまだに鋭さを保つカリで膣肉を掻き回された女魔術師の身体がビクン!と跳ねた。

 同時に彼の形に整えられた膣内を愛液と精液が逆流し、開いたまま戻らない秘裂から、それぞれが混ざった白濁液が吐き出された。

 

「んっ……。はぁ……はぁ……」

 

 それと同時にようやく終わったと溜め息を吐いた女魔術師を他所に、今度はローグハンターが魔女の手でベッドに押し倒された。

 仰向けに寝かされた彼だが、固さを保つ一物は天井を向いて起立しており、女魔術師の愛液とローグハンターの精液に濡れ、不気味にテカっている。

 魔女は衣装をずらして濡れた秘裂を露出させると、そこに跨がって舌舐めずり。

 

「もう、待てない……わ……」

 

 そして恍惚の表情のままそう言うと、勢いよく腰を下ろした。

 ずりゅ!と音をたてて一物が魔女の胎内に滑り込み、一瞬にして彼女の子宮を押し潰した。

 

「んんんっ!これっ……やっぱり、すご……い……っ」

 

 ピクピクと身体を震わせながらそう言った魔女は、にこりと微笑んでローグハンターの頬を撫でると、そのまま腰を上下に振り回し始めた。

 パンパンと音をたてて二人の腰がぶつかり合い、肉感的な胸が上下に激しく揺れ動き、安産型の臀部が波打つ。

 何度も身体を重ねる内にぴたりと形が合うように整形され、腰を打ち付ける度に彼の全てを飲み込み、お互いに無駄なく快感を与えあう。

 

「い……い……っ!もう、どうにか……なっちゃ……う……っ!」

 

「っ……!すまん、もう、限界……っ!」

 

 あんあんと喘ぐ魔女は誘うように自分の身体を撫でながらそう言うと、ローグハンターは苦虫を噛み潰したような表情でそう返した。

 射精後で敏感になっていたところを、相性抜群の相手に襲われたのだ。無理もない。

 

「いい、わ……よ。ぜんぶ、ちょう……だい……」

 

 魔女は腰を深く沈めると、ぐりぐりと腰を回して子宮口で亀頭を撫で回し、射精を促し始める。

 そして今のローグハンターにそれを耐えきる余力はなく、言われるがまま彼女の子宮に精液を吐き出した。

 

「んんん!ふふ……これ、癖に……なっちゃう……わね……」

 

 魔女は精液を並々と注がれた子宮に触れるように下腹部を撫で、恍惚の表情のまま熱のこもった息を吐いた。

「で、も……」と言葉を続けた彼女はそっと彼の胸板を撫でると、「まだ、まだ、足りない、わ」と挑発的な笑みを浮かべる。

 だがローグハンターもまた同じような笑みで返し、彼女の腰を掴んで彼女ごと寝返りを打つ。

 上下逆転したローグハンターは「それは、こっちの台詞だ」と呟き、有無を言わさず魔女の唇を奪った。

 隣の女魔術師もまた物欲しそうに彼を見つめ、誘うように腰を振り始める。

 彼は彼女にも目を向けると、「また後でな」と告げて微笑んだ。

 

 

 

 

 

 それから一時間ほど経った頃。

 

「ぁ……!もう……やめ……っ」

 

「ん……んんっ……!はぁ……ひぅ……っ」

 

 ベッドに四つん這いにされた女魔術師は、後ろからローグハンターの一物に貫かれ、隣の魔女は彼女と同じ体勢で、秘裂を指で掻き回されていた。

 二人は絶えず絶頂しているのか、ビクビクと身体を痙攣させながら秘裂から大量の潮を噴いているが、ローグハンターは責めを止める素振りを見せない。

 

「あのな。魔術を使わなくとも、言ってくれれば相手してやったぞ?」

 

 女魔術師の腰を両手で掴み、力強く腰を打ち付けながら言うと、彼女は「ごめ、ごめん、なさい……」と謝るが、スパン!と音をたてて臀部を叩かれて再び絶頂。

 

「んぉぉ……っ!やめて、叩かないで……くださいっ」

 

「なら、色々と我慢しろっ!」

 

 そう言いながら今度は魔女の尻を叩けば、彼女は恍惚の表情を浮かべて絶頂し、誘うように腰を突き出してくる。

 だがローグハンターは相手にせず、ひたすらに女魔術師を責め立てた。

 

「油断した俺も俺だが、あんな手を使うこともなかっただろう。なぁ?」

 

「ひゃい!わかりまひた、もうしません!もうしないかりゃ、ゆるひて、ゆるしてくらさい……!」

 

「お願い……っ!わたしにも、ちょう……だい……っ!」

 

 彼は二人を煽るように言うと、女魔術師は許しを求め、魔女は本場を求めて彼を誘うが、「喧しい」の一言で切り捨てられる。

 

「自分にもだが、お前らにも頭きてるんだ。俺が満足するまで、付き合ってもらうぞ」

 

「ひゃい!わかりまひた!わかりまひたから、休ませて、くだしゃい……!」

 

「ふふ。私も、もっと、気持ちよく、して……っ!」

 

 この日、ローグハンターの部屋から二人の嬌声が止むことはなかった。

 ついでにこの日以降、ローグハンターと女魔術師との距離がだいぶ近くなったのは、もはや言うまでもないだろう。

 

 

 

 




……ゴブスレTRPGの設定準拠なのですが、『魅了』便利すぎませんか?うまくやれば一時間限定恋人て……。

先に言いますが、凌辱ものはいいですがNTRものはNGしておきます。
何故だか嫌な予感がしたので、本当に念のため。

感想、リクエスト等ありましたら、よろしくお願いします。


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お知らせ。そしてネタ供養

 突然申し訳ありません。

 いつも『SLAYER'S CREED R-18』をご高覧いただき、ありがとうございます。作者のEGOです。

 

 早速本題に入らせていただきます。

 数日前にとある方からメッセージをいただき、私の活動報告にリクエストのお品書きを追加いたしました。

 

 匿名性を持たせるために個人メッセージでのリクエストの受付をしていましたが、肝心のリクエスト主様に自分の順番がわからないという事態になってしまいました。

 私の思慮の足りなさが招いた事態です。この場を借りて、謝罪いたします。

 

 今後のリクエストは、その活動報告の返信欄に行っていただけるとそのままお品書きとして使用できるので、そちらにお願いいたします。

 どうしても名前を出したくないという匿名希望の方は、今まで通りメッセージでのリクエストも受付いたしますので、ご安心ください。

 

 本来であれば、こう言ったことは次話を更新した際の前書きや後書きで書くべきなのでしょうが、ここで問題が一つ。

 

 次回からしばらく、陵辱回が続くのです。

 そう言ったお話お断りなリクエスト主様に、この大事な情報が伝わらないという事態を避けるため、大変申し訳ありませんが、こういった形でのお知らせとさせていただきました。

 

 お知らせと以上となります。

 今後とも『SLAYER'S CREED R-18』をよろしくお願いいたします。

 

 

 

 

 

 ……やはりと言いますか、投稿の最低条件たる千文字には遠く及びませんので、お詫びを兼ねたネタ供養と言いますか、ネタ提供の短編を一つ。

 

 

 

 

 ──────

 

 

 

 

 

 辺境の街、眠る狐亭。

 西の辺境にあるにも関わらず、さながら都の宿のように賑わうその宿は、とある銀等級冒険者が拠点としていることでも有名だ。

 

「あ~……?」

 

 そしてその冒険者の相棒であり、同じく銀等級冒険者である銀髪武闘家は、目を覚ますと共に間の抜けた声を漏らした。

 ぼんやりと天井を見上げ、朝陽が差し込む窓を見つめ、相棒が寝ている筈の隣のベッドに目を向け、

 

「んぁ!?」

 

 そこに誰もいないことに気付き、変な声を漏らしながら慌てて起き上がった。

 そのまま一気に冴えた頭を巡らせて部屋中を見渡すが、やはりどこにもいない。

 部屋の椅子にかけられていた衣装もなく、何なら作業台に放置されていた武器一式も見当たらない。

 

「あ、あれ……?」

 

 一応、先に起きたら起こしてくれと頼んだのだが、頼れる相棒はそれを忘れたのか、あるいは無視して一人で行ってしまったようだ。

 そうとわかれば、彼女の行動は速い。

 急いで寝癖を直し、急いで装備を身に纏い、急いで部屋を飛び出して、

 

「っと、危ない危ない」

 

 しっかりと鍵を締めてから、廊下を疾走。

 ばたばたと慌ただしい足音をたてながら階段を暖飛ばしで駆け降り、勢いのままに一階の酒場へ。

 そしてまだ朝一番だからか客足も疎らな酒場に駆け込んだ彼女は、「店主さん!」とこの宿屋の店主に声をかけた。

 

「おう、おはようさん」

 

 対する店主は朗らかに笑いながら彼女に挨拶すると、銀髪武闘家も「おはようございます!」と元気溌剌に答えた。

 同時に彼女が降りてきたことに気付いたのか、店主の前のカウンター席で朝食を摂っていた人物が振り向いた。

 

「やっと起きたか」

 

 淡々とした言葉の割に、その声音に怒りの色はなく、むしろどこか楽しみにしていたような気配さえも見え隠れしている。

 その声の主こそが銀髪武闘家が探していた人物であり、声音通りに待っていたと言わんばかりの様子の相棒に、彼女はずかずかと無造作な足取りで近づく。

 

「私より早く起きたら起こしてって言ったじゃん!何で放置しちゃうかな!?」

 

 そのまま相棒の肩を掴んだ彼女は、力任せにがくんがくんと前後に揺らしながらそう問いかけた。

 問われた相棒は頭を揺らさせながら困り顔になると、夜空を思わせる蒼い瞳を細め、その美貌(・・・・)に微笑みを浮かべた。

 どこか貴族然としながら温かく、そして()()()()()()魅力するそれに狼狽えた銀髪武闘家が「う……っ」と声を漏らすと、彼女(・・)は顔をずいっと銀髪武闘家に寄せた。

 濡れ羽色の艶やかな髪がふわりと揺れ、微かに香る香油の臭いが彼女の鼻孔をくすぐる。

 

「あまりに気持ち良さそうに寝ているから、起こす気になれなかった。では駄目か?」

 

 そして微かに甘い香りに包まれながら、耳を擽るように耳元で囁かれた銀髪武闘家の頬は朱色に染まり、僅かに煙が漏れ始める始末。

 そのまま彼女が真っ赤になった顔を両手で隠しながら、ゆっくりとその場にへたり込むと、店主は「いつも通りだな」と苦笑。

 蒼い瞳の女性もつられたように苦笑を漏らすと、無意識だろうが黒い衣装を押し上げる豊かな胸を強調するように腕を組みながら言う。

 

「彼女の寝顔を見ていると、私まで眠くなってしまう。それを振り切って部屋を出る私を褒めて欲しいな」

 

「へいへい。それじゃ、今日も頑張ってこい。ならず者殺し(ローグハンター)

 

 店主にローグハンターと呼ばれた女性は「勿論だとも」と返し、「ほら、行くぞ」と銀髪武闘家を立ち上がらせる。

 そのまま二人連れ立って宿を後にしようとすると、不意にローグハンターが振り向いた。

 

「今日も美味しかった。また頼む」

 

 振り向き様に相手を魅力する微笑みを店主に向けるが、当の彼は気にした様子もなく「さっさと行け」と言わんばかりに手を振った。

 それを見届けたローグハンターは苦笑混じりに肩を竦めると、フードを目深く被ってその美貌を覆い隠した。

 そのまま足音一つなく宿を出ると、その後ろに銀髪武闘家が続こうとするが、不意に振り向いて店主に「いってきます!」とだけ告げて宿を飛び出していく。

 何とも騒がしい二人の出立に店主は呆れたように溜め息を吐き、ローグハンターが飲み干していったスープの皿をさっさと下げた。

 これをまた彼女が飲めるかは、彼女にも、天上の神にもわからない。

 だが、彼女は変わらず言うのだろう。

 

 ──『運は自分で掴むもの』だと。

 

 

 

 

 

 ──────

 

 

 

 

 

 というわけで、わかりにくいかもしれませんが、ローグハンター女体化ルートです。

 ローグハンターが女性として生まれたのか、四方世界に転がり込んだ時にバグって女になったのかは、ご想像にお任せします。

 

 このまま銀髪武闘家と同性カップルになるのか、あるいは……。

 

 ふと思い付いただけなので、ここまでしか纏まりませんでした。

 ネタを思い付いた方がいましたから、活動報告かメッセージによろしくお願いします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ヤンデレシスコンレズ(あるいはふたなり)勇者ちゃんに監禁されるのもありか……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 というわけで、お知らせとネタ供養でした。

 改めて、今後とも『SLAYER'S CREED R-18』をよろしくお願いします。

 

 

 

 




感想、リクエスト等ありましたら、よろしくお願いします。


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Memory?? 蛇の目 ※

リクエストから。

時期は追憶変Episode2のMemory14以降。

野盗退治でファンブルしてしまい、ローグハンターは死亡。銀髪武闘家は生け捕りにされたという設定。

陵辱ものなので、苦手な方はブラウザバック推奨です。


「う、うぅ……」

 

 後頭部から感じる鈍い痛みと、全身を襲う倦怠感を感じながら、銀髪武闘家は目を覚ました。

 どうしてこうなったのたと思い出そうと頭を捻るが、鈍い痛みが邪魔で思考が纏まらず、視界も意識も霞むばかり。

 とりあえず動こうと身動ぎした瞬間、ガシャガシャと鎖が揺れる音が彼女の耳に届き、そして全く動けない状態に気付く。

 

「……っ!?」

 

 ハッと目を見開いた彼女が慌てて頭上を見ると、そこには天幕からぶら下がる鎖と、それに手枷越しに繋がれた自分の両手があった。

「え……な……」と困惑の表情のままに狼狽える彼女が視線を下げれば、肩幅よりも広く広げられた両足が、床に固定された鎖と、それに足枷越しに繋がれた状態で視界に飛び込んでくる。

 どこかのテントの中なのか、周囲は厚めの布に囲まれており、外の様子を探ることができない。

 

「おう。目を覚ましたみてぇだな」

 

 そんな彼女に、酒焼けしているのか、酷くがさついたがらがら声が投げられた。

 慌ててそちらに目を向けた銀髪武闘家は、その声の主たる筋骨粒々の巨漢に目を向けた。

 顔はそれなりに整っているがどこか野性的で、露出させた肌も日に焼けて浅黒い。

 彼は豪快に酒瓶を傾けて中身を呷ると、酒臭いげっぷを漏らす。

 そして彼女の全身を舐めるように見つめた男は、「どうしてこうなったかは覚えてるな?」と勝ち誇るように笑いながら彼女に問うた。

 問われた彼女はようやく鮮明になった意識の中で思考を巡らせ、ようやく思い出した。

 相棒であり、片想い中の相手──ローグハンターと共に依頼に出向き、そして……、

 

「あ、あの人は!?私の仲間は、どこにいるの?!」

 

「あ?覚えてねぇのか?ここの頭目であるこの俺が、直々に相手をして首を跳ねた。って、お前も見てただろうが」

 

 彼女が全てを思い出す前に投げ掛けた質問を、頭目を名乗った男は無慈悲にも切り捨てた。

 その一言に最後の記憶を掘り起こし、その光景を鮮明に視界に映し出した。

 舞い散る鮮血。

 崩れ落ちるローグハンター。

 それを冷たく見下ろす頭目の男。

 崩れ落ちる彼を嘲笑い、哄笑する野盗たち。

 彼を助けようと手を伸ばすが、その前に組み伏せられ、頭を殴られたところで記憶が途切れる。

 

「あ……ああ……あああ゛あ゛あああああ゛あ……!!!」

 

 そこまで思い出した彼女は、無慈悲にも流れ込む彼の敗北──そして死んだという現実に、目から大粒の涙を流しながら慟哭した。

 

「嘘……嘘よ……。彼が死んじゃうわけ……ない……」

 

 ふるふると力なく首を振り、告げられた真実をどうにか否定しようとするが、それを他の誰でもない自分が否定する。

 彼の首が千切れ、彼の血で辺りが血の海になる光景が、瞼の裏から離れないのだ。

 彼女の様子をつまらなそうに見つめた頭目は鼻を鳴らすと、上着を脱ぎながら彼女に近づいた。

 両手足を鎖で繋いでいるのだから、反撃の可能性は万に一つもない。

 それに相手は心も折れているのだ。今さら警戒して何になる。

 

「なんだ、恋人だったのか?」

 

 煽るように問いながらそっと彼女の背を撫で、そのままゆっくりと手を臀部を鷲掴んだ。

 肉付きがよく、柔らかな触り心地はさながら枕のようだ。

 そこでようやく意識がこちらに戻ってきたのか、彼女は「ひっ!」と悲鳴を漏らした。

 慌てて身体を捩ってその手から逃げようとするが、「はいはい、逃げない」と素早く追い付かれて尻を揉まれる。

 

「やめ……ろ……っ!離せ……!」

 

 ならばと銀髪武闘家はどうにか絞り出した殺気を込めて頭目を睨むが、彼は楽しそうに笑いながら彼女の尻を撫で回した。

 

「いい触り心地だ。こうしてずっと触っていたいが……」

 

「んっ……!ふ……っ。んん……!」

 

 臀部に止まらず、腿や腰、背中と、触れる範囲がどんどんと広範囲になるにつれて、銀髪武闘家はくすぐったそうに声を漏らす。

 頭目はその反応に「敏感だな」と煽り、銀髪武闘家は「うるさいっ!」と睨み付けるが、当の彼は気にも止めない。

 ぷにぷにと尻を揉んでいた彼だが、何か不満なのか低く唸ると、彼女のベルトの留め具に手をかけた。

 

「ひっ!?止めろ!この、離せ……っ!この……!」

 

 彼が何をする気かを察した銀髪武闘家が、どうにか身体を揺すって頭目の邪魔をしようとするが、彼の手は一切止まる気配はない。

 ガチャガチャと金具が揺れる音をたてながらベルトが緩め、しゅるりと布の擦れる音と共にベルトが取り外された。

「ほい」と気の抜けた声と共にズボンをずり落とし、彼女の臀部を露出させた。

 

「~~~っ!!」

 

 そして頭目の視界に飛び込んできたのは、飾り気のないシンプルなデザインのショーツに隠された、安産型の臀部だった。

 ショーツにより抑え込まれているところを見るに、それも剥いでしまえば、おそらく先ほど以上の心地よさを与えてくれるだろう。

 ぺろりと舌舐めずりした頭目は、本能が任せるままにショーツを引き剥がし、今後こそ彼女の臀部と、綺麗な薄桃色の秘裂を露出させた。

 

「……っ!や、やだ!見るな、この、見るなぁああああ!!」

 

 強烈なまでの羞恥心にぎょっと目を見開き、考えるよりも早く相手を威圧せんと吼え、脱出せんと手足を動かすが、ガチャガチャと鎖が揺れる音が鳴るばかり。

 頭目は「うるさいぞ」と告げて彼女の口に酒瓶を突っ込んだ。

「んぐ!?」と困惑の声を漏らすが、すぐさま口一杯に酒が注ぎ込まれ、吐き出したい思いに反してごくごくと音をたてて酒を飲み込んでしまう。

 

「んぁ……!へぅ……っ。はぁ……」

 

 途端に顔を真っ赤にし、瞳をとろとろに蕩けさせた彼女は、理性の欠片もない声を漏らし、身体を弛緩させた。

 一発で酔っ払った彼女の様子に苦笑した頭目は、尻を強調させるように腰を後ろに突き出させ、後ろからじっと彼女の臀部を見つめる。

 

「やめ、やめりょ……!みるにゃ、この……くそやろう……!」

 

 頭目に文字通り視姦される銀髪武闘家は、それでも抵抗しようとするが、頭目はじっと彼女の臀部と、ついでに秘裂に目を向けた。

 

「……冒険者だってのに、どっちも綺麗なもんだな」

 

「……っ!なに、いってんら……この……っ!」

 

 彼の煽りとも思える一言に、銀髪武闘家は額に青筋を浮かべて声を張り上げるが、酔いが回ったせいか呂律が回らない。

 彼女の言葉に肩を竦めた頭目は酒瓶を傾けて手に浴びせ、指先に念入りに絡めると、

 

「ほれ」

 

「んぉぉ!?」

 

 無慈悲にも、彼女の秘裂と尻の穴に指を突っ込んだ。

 銀髪武闘家は「お……お゛……んぉ……っ!」と胎内に入り込んだ、筋張った無骨な指の圧迫感に声を漏らし、ピクピクと身体を痙攣させる。

 同時に指に絡まった酒精が彼女の胎内に直接流れ込み、体温がかつてないほどに高まり、呼吸が乱れ、身体中に珠のような汗が浮かぶ。

 

「おぐ……っ!やめ……で……!ぬ……いて……っ!!」

 

 はぁはぁと過呼吸一歩手前なほどに呼吸を乱し、色白の肌を薄く朱色に染めながら、彼女は頭目にそう言うが、相変わらず彼は気にしない。

 

「怪我されても困るからな。ちゃーんと解してやるよ」

 

 そしていやらしく笑った彼は、両手の指で秘部と菊門の内側を掻き始めた。

 どちらの穴も締め付けが厳しいが、指に絡めた酒を潤滑油代わりにその中を動き回り、時には擽るように優しく、時には痛みを与えるほどに力任せに。

 

「お゛!?んぉおおおおおお!?ぎっ、ぁぁああああああ!?!」

 

 同時に銀髪武闘家の頭の中を支配したのは、今まで感じたこともない快感だった。

 彼を殺した憎き相手の筈なのに、女に慣れ、その急所を熟知している前戯に、生娘である銀髪武闘家が耐えられる訳もない。

 

「おぉぉ゛おお゛おお゛!やめ……やめで……!おかしく、おがじぐな゛る゛ぅぅうう゛う゛……!!」

 

 ビクビクと身体を痙攣させ、口の端からだらしなく涎を垂らしながら、彼女は獣じみた声を漏らした。

 頭目はその反応に愉快そうに目を細めると、秘裂を責める手の手首を回し、菊門を責める手のひらと合わせる形にすると、

 

「こんなのはどうだ?」

 

 彼女の胎内で指先をピタリとくっ付けて肉を挟むと、そこを重点的に責めるように同時に指を動かし始めた。

 

「ぎぃ!?ああああああああ!?!そこ、らめ……!やだ、いやなのに……っ!やめてぇ……!」

 

 彼女は脳が焼けんばかりの快感に目を見開き、どうにか逃れようと身動ぎするが、その度に責められる場所がずれ、更なる快感を彼女に与える。

 

「──っ!?おね、がい……!やめへ……っ!おねがいしましゅっ!もぅ、やだぁ……!やぁ……」

 

 そして一際大きくビクリと身体を揺らした彼女は、目に涙を浮かべながら頭目に懇願し、愚図る子供のような声を漏らした。

「可愛い声になってきたな」と不敵に笑んだ頭目は、「なら、これで締めだ」と再び手首を回転。

 今度は菊門に入り込み腸壁を責める手をそのままに、秘裂に入り込んだ指先が陰核(クリトリス)の裏側をごりごりと音をたてて責め立てる。

 

「ぎゅぃい!?それ、だめぇ!!こりこりしないれ、あたま、まっひろになっちゃう……!」

 

「真っ白になっちまえよ。お前はもう詰んでんだからな!」

 

 嫌々と首を振って懇願してくる彼女に、頭目は無慈悲にそう告げて責めの手を強めた。

 酒のせいではないぐちゅぐちゅと湿った音が彼女の二つの穴から漏れ始め、秘裂からは半透明な愛液が、菊門からは掻き出された腸液が溢れ、頭目の指を汚していく。

 

「ほらほら!恋人を殺した男の手でイッちまいな!!」

 

「やだっ!やだやだやだ!いやなのにっ、きちゃう!なにか、きちゃうのぉおおお!!」

 

 そして彼女がそう叫んだ瞬間、彼女は限界を迎えた。

 頭の中を弾けた凄まじい快感に「んぉ゛おお゛お゛おおお゛!?」と野太い悲鳴あげ、ビクン!と彼女の身体が跳ねた。

 同時に秘裂からは愛液が吹き出し、菊門はきゅーっと頭目の指を締め付け、僅かに溢れた腸液が滴り落ちる。

 生まれて初めての絶頂に銀髪武闘家は困惑するが、頭目は勝ち誇るように笑いながら、二つの穴から指を引き抜いた。

 

「んぉ!?……ぁ……ぎ……んへぇ……」

 

 そのタイミングに再び身体を跳ねさせた彼女は、ぐったりと身体を弛緩させ、だらしくなく開いた口から涎が垂れていく。

 頭目はその口に愛液と腸液にまみれた指を突っ込み、歯に塗りたくるように指を擦り付けた。

 

「ぅ゛……ぉえ……っ。ゃ……だ……も、やめ……へ……」

 

 口内を支配する生臭い味に嗚咽を漏らしながら、彼女は頭目に言うが、彼は「まさか」と余裕の笑みと共に肩を竦めた。

 彼女がぐったりとしていることを良いことに彼女の上着を破り捨てると、そのままブラジャーも剥がして彼女を裸に剥いた。

 

「やだ……っ。みないれ……みちゃ、やぁ……」

 

 そして先程のように怒鳴り付ける気力もない彼女が、涙ながらに消え入りそうな声でそう言うと、頭目は自分のズボンを降ろし、子供の腕ほどありそうな立派な一物を取り出した。

 背後から片手では納まりきらないたわわな乳房を揉みしだきながら、獲物を求めて勃起した己の分身を彼女の秘裂に擦り付ける。

 

「やだ……っ!やめて、おねがい……!それ、だけは……っ」

 

 一物が前後する度にピクピクと身体を震わせながら、それでも彼女は拒絶の言葉を発した。

 その反応に可笑しそうに首を傾げた頭目は、「こんなに濡らしておいて、よく言う」と告げて苦笑した。

 事実秘裂から溢れた愛液で一物はコーティングされ、亀頭では先走り汁と混ざって不気味なテカりを生んでいる。

 

「やだ……。いやなの……」

 

 秘裂から与えられる緩い快感に流されそうになりながら、彼女はどうにか耐えた理性でそう告げるが、頭目は不意に真剣な面持ちとなった。

 

「一つ聞くが、そうやって命乞いしてきたり、赦しをこうてきた奴を見逃したことがあるか?」

 

「──っ。そ、それは……」

 

 その問いかけに、銀髪武闘家は表情を強張らせた。

 ローグハンターと共に野盗を殲滅し、毎回生存者を残すことはない。

 その答えが表情に出ていたのか、頭目は黙りこんだ彼女を鼻で笑うと、ぎゅっと彼女の乳首を摘まんだ。

 途端に駆け抜けた鋭い快感に「ひぐ!?」と声を漏らした彼女に、頭目は告げた。

 

「──なら、俺もお前の頼みは聞かない」

 

 同時に腰をずらして濡れた秘裂に亀頭を押し当てると、「だ、だめぇ!!」と叫ぶ彼女の声を無視して腰を突き出した。

 無慈悲にも一撃で最奥まで貫いた一物に、ぶちりと何かを突き破るような感覚を覚え、頭目は思わずその顔を醜悪に歪めた。

 同時にゆっくりと腰を引けば、一物にこびりついた破瓜の血が掻き出され、彼女の腿を伝ってゆっくりと床に垂れていく。

 

「ぎ……っ!ぁっ……、っ……うぅ……!!」

 

 銀髪武闘家は処女を失った痛みと、それを彼に捧げられなかった罪悪感と、その状況を産み出した己の無力さに涙を流すが、それは頭目が知ったことではない。

 頭目は有無も言わずに腰を振り始め、処女膜を失ったばかりの膣内を虐めるように、カリで引っ掻き回した。

 

「ぎっ、あぁぁぁあああああ!?!やめ、やめで!?いだい!痛い、痛い痛い痛い痛い!!!」

 

 出来立ての傷を抉るように、ごりごりとカリが膣内を暴れる度に彼女は激痛に喘ぎ、目からは大粒の涙が溢れる。

 同時に身体が強張っているからか、膣肉の締め付けが凄まじく、さながら高級娼婦の手で慰められているような感覚を覚えた頭目はニヤリと笑んだ。

 

「さっすが、鍛えてるだけあっていい締め付けだ!これを知らずにあのガキは死んだのか!さぞやあの世で後悔してるんだろうな!」

 

「彼を……馬鹿にしないで……っ!彼なら、あなたなんかより……っ」

 

 おそらく想い人であろう相棒を意識さえれば、彼女の意志に反して膣肉が引き締まり、更に力強く一物を扱いてくれる。

 

「優しくしてくれるってか?気持ちよくしてくれるってか?俺の手でイかされた挙げ句、処女までささげた奴がよく言うぜ!」

 

 それに気を良くした頭目は更に煽ると、突く度にぶるんぶるんと揺れる胸を鷲掴み、指先で乳首を転がしてやった。

 同時にきゅんきゅんと膣肉が引き締まるが、愛液の分泌も増えたのか、滑りがよくなり始める。

 

「ひきゅ!?やめ……ろ……!そこ、触る……な……っ」

 

「はっ!乳首を転がしただけで締め付けが強くしてる奴が、何を言ってやがる!」

 

「……っ。ちが、わたしは、そんなこと……っ!」

 

 その一言にハッとした銀髪武闘家はそれを否定しようとするが、頭目が「オラッ!」と気合い一閃と共に腰を突き出せば「んぉ!?」と声を漏らして身体を震わせた。

 彼の一物が子宮口を押し上げ、そのまま子宮を押し潰したのだ。

 内臓を押し上げられる未知の感覚と、頭の天辺まで響いた快感に目を見開き、大口を開けた間の抜けた表情で固まってしまう。

 その隙に頭目はちろちろと彼女の首筋を舐め、そこに浮かんだ汗を舐めとると、今度は歯を立てて噛みついた。

 かぶりと果物を囓るように豪快に噛みつかれた彼女は「ぎ!?」と悲鳴をあげるが、痛みのせいか膣肉が引き締まる。

 

「噛みついても締め付けてきやがった。殴られても感じる質の人間か、お前」

 

「……ちが、う……!わたし、そんなんじゃ……っ」

 

「だから、締め付けながら言っても説得力ねぇんだよ!」

 

 頭目はそう言いながら腰を引き、再び一気に突きだした。

 スパン!と音をたてて彼女の尻と頭目の腰がぶつかり合い、安産型の臀部が波打つ。

 

「ぉお……ぐ……これ、だ、だめ……!」

 

 再び子宮を押し潰された銀髪武闘家は背中を仰け反らせながら言うが、頭目は今度はぐりぐりと亀頭を子宮口に押し付け始めた。

「お……っ、ぉおおおお!?」と絶えず内臓を押し上げられる圧迫感と、子宮口を撫でられる快感、そして熱した鉄のように熱い頭目の一物が、彼女の脳を焼いていく。

 彼女の意志から離れた膣肉はきゅんきゅんと彼の一物に奉仕するように締め付けを強め、子宮口は射精をねだるように吸い付いてくる。

 その感触に勝ち誇るように笑んだ頭目は、「そろそろ射精()してやるよ」と彼女の耳元で囁く。

 その一言にさっと体温が下がる錯覚を覚えた銀髪武闘家は、

 

「や、やめて……。本当に、それだけは……お願い、します……」

 

 涙ながらに頭目に懇願するが、彼はどこ吹く風と言わんばかりに腰を振り始める。

 パンパンと音をたてて腰を打ち付け、引く度に掻き出される愛液が床を汚し、点々と後を残す。

 ふっ!ふっ!と鋭く息を吐きながら腰を打ち付ける様は、まさに雌に種付けせんとする雄の獣のよう。

 

「や、やだ!お願い、お願いします!膣内(なか)は、膣内だけはやめてください!もうしません!野盗退治も、冒険も、なにもしませんから……!」

 

 その頭目の迫力に、ついに彼女は折れてしまった。

 冒険者としての矜持も、ローグハンターの相棒たる誇りも何もかもを投げ捨て、膣内射精(なか出し)だけは止めんとするが、

 

「お断りだ」

 

 頭目の一言と共に、一際強く腰が打ち付けられた。

 一物が根元まで突き刺さり、それと同時にごりっ!と嫌な音が彼女の胎内からこぼれ、亀頭と子宮口が隙間なく触れあい、そして、

 

「いやぁああああああああ!!」

 

「うっ!」

 

 銀髪武闘家の絶叫と頭目が唸ると共に、射精が始まった。

 粘液(スライム)のようにドロリとした液体が子宮に直接注ぎ込まれ、その熱に当てられた銀髪武闘家は悲鳴をあげながら身体を仰け反らせる。

 

「やだ、やだやだやだやだやだやだ!熱い、あつい!あついぃぃ!!誰か、だれかたすけて、こんな奴の子供なんか、産みたくない!いやだ、いやなのぉ!!」

 

「む……。流石にそこまで言われると傷つくな」

 

 必死に逃げようと身体を捩るが、隙間なくくっついた子宮口と亀頭がそう易々とは離れることはなく、吐き出された精液がそのまま子宮を満たしていく。

 そして数十秒にも及ぶ射精を終えた頭目は、満足そうに息を吐くと腰を引き、一物を引き抜いた。

 ぐぽっと栓を外したような音が漏れ、押さえるものがなくなった秘裂からは大量の精液が溢れだし、床へと垂れていく。

 

「い……やだ……!こんなの、やだよ……だれか……だれかぁ……」

 

 精液が逆流していく熱さと、それが与えてくる快感にピクピクと身体を痙攣させながら、彼女は光の消えた瞳を巡らせた。

 その後ろでせっせと身繕いした頭目は、わざと彼女から見える位置に移動し、にこりと微笑む。

 

「ま、俺の子供が嫌ってんなら、俺にも考えがあるぞ」

 

 そう言った彼は扉を仕切りの布を退かし、そのまま外に出ていった。

 無理やり襲われた挙げ句、絶頂までさせられ、心まで折られた彼女には、今のうちに脱出をという思考に行き着くことができず、俯いたまま泣くばかり。

 

「お、もういいんですかい」

 

 そしてしばらくしてテントに入ってきたのは、複数人の男だった。

 一人一人が頭目にも劣らずの肉体を誇ってはいるが、清潔感に欠ける汚れた格好をしている。

 だが汚れがどれも見当たらしい辺り、外で何かをしていて、そのまま身を清めずにここに来たのだろう。

 

「さっきまであんたらに殺られた仲間の墓を掘っていてな。まあ、一段落したってことで呼んできた」

 

 そして律儀にも彼らの事情を説明した頭目は、そのまま彼らに目を向けながら言う。

 

「こいつ、俺の子供は嫌だって聞かなくてな。だからお前ら」

 

 ──こいつのこと、孕ませてやれ。

 

 そして告げられた、残酷なまでの一言。

 その一言に顔色を真っ青にし、恐怖にがちがちと歯を鳴らす彼女に向けて、いくつもの欲望にまみれた視線が突き刺さる。

 

「それじゃ、俺はあいつらの冥福を祈ってくるぜ」

 

「うす。お疲れ様です」

 

 ひらひらと手を振りながら頭目が去ると、部下たちはその背中に一斉に一礼して見送った。

 顔をあげ、銀髪武闘家に視線を戻した瞬間、彼らは邪悪な笑みを浮かべながら、彼女の豊満な肉体に手を伸ばす。

 

「やめろ、やめろっ!来るな、来るなぁ!!」

 

 彼女の悲痛な叫びが、森の夜営地に木霊した。

 

 

 

 

 

 もう逃げる気力もないと両手足の拘束を解かれ、そのまま床に引き倒された銀髪武闘家に大柄な男が覆い被さり、頭目のそれに劣らない剛直で彼女の胎内を貫く。

 

「んぶっ!?お゛……っ!げっ……、あぁあああああ!?」

 

 その強烈な圧迫感に吐きそうにえづいた彼女に、男たちは嘲るような視線を向けた。

 

「おら!おら!もっと締め付けやがれ!ボスに抱かれて、よがってたんだろ!!」

 

「ぐ……っ、ぎ……!よがって、なんか……ない……!離れろ……この……!」

 

 彼女に覆い被さり、自分勝手に腰を振り始めた男が煽るようにそう言うが、彼女は蕩けかけた表情をどうにか引き締め、相手の顔面に拳を打ち込んだ。

 だが寝転んだ状態での殴打の威力など、高が知れている。

 殴られた相手は、片手で頬にめり込む彼女の拳を掴むと、ニヤリと醜悪な笑みを浮かべた。

 

「なんだ、ボスにヤられて潰れてると思ったんだが、案外元気じゃねぇか」

 

 男はそう告げると恐怖に引きつる彼女の頬を舐め、涙の跡に自分の唾液を上書きしていく。

 

「やめ……ろ……!気持ち……悪い……」

 

 彼女は首を振って逃げようとするが、男の片手が彼女の頭を掴んで離さず、逃げることができない。

 

「まだ言い返す元気があるのか。なら、おらっ!」

 

 彼女の態度に好戦的な笑みを浮かべた男は、両手で彼女の臀部を鷲掴んで彼女を抱えると、ごろりと寝返りをうった。

 突然体位の上下を逆にされた銀髪武闘家は驚き、「な、何を……」と男に問うが、彼は臀部を鷲掴んだ手で尻の肉を左右に開いた。

 そして丸出しになった菊門を指差しながら、「おら、突っ込んでやれ!」と順番待ちしていた実の弟に向けて告げた。

 当の弟は「尻に突っ込む趣味はないんだが」と溜め息を漏らすが、我慢できないのかズボンを降ろして兄そっくりに立派な一物を取り出す。

 

「う、うそ……!駄目駄目駄目っ!そっちは──」

 

「ふん!」

 

「あぎ!?」

 

 そして彼らがしようとしていることを察した銀髪武闘家が、止めるように言おうした矢先に弟が一物を彼女の菊門に捩じ込んだ。

 

「ぎ……あぁ……!痛い……!いだい゛……!やだ、抜いて、抜いてぇ!!」

 

 文字通り身体を裂かれるような痛みに彼女は涙を流し、どうにか逃げようとするものの、弟のためと気合いをいれた兄が彼女を力一杯に抱き締めたことで、身動ぎさえも出来ずに終わる。

 

「はっ!何が痛いだこのアマ!尻に突っ込まれただけで締め付けやがって!気持ちいいんだろ、素直になっちまえよ!」

 

 兄はペチペチと彼女の頬を叩きながら煽るが、銀髪武闘家はぶんぶんと首を横に振り、誰に言うわけでもなく悲鳴をあげた。

 

「気持ちよくない!気持ちよくなんかない!!痛いっ、痛いだけだから、抜いてぇぇええ!!」

 

「素直じゃねぇな。おら、ヤるぞ弟!」

 

 

 そしてその反応に肩を竦めた兄がそう言うと、弟が溜め息混じりに肩を竦めた。

 

「へいへい。って、どうせお互い好き勝手にやるだけだろうがっ!」

 

 そして兄の言葉に応じると、その言葉の通りに好き勝手に腰を振り始めた。

 ぐちゃぐちゃパンパンと膣壁と腸壁を抉られる湿った音と、腰がぶつかり合う乾いた音がテントに木霊し、その責めの強さを物語る。

 それぞれが独立して行われる責めは彼女に休む暇を一切与えず、二つの一物に挟まれた肉壁に至っては充血して真っ赤になるほど。

 

「んぉ!?ぉおおお゛おおお゛!?や、や゛めで……!おひっ!?おねがい゛……じまず……っ!え゛!?ごれ、だめっ!だめになっちゃうからぁああ゛!!」

 

 銀髪武闘家は、二つの一物に胎内を蹂躙される快感に目を剥き、呂律も回らないままにそう言うが、その言葉を兄が切り捨てた。

 

「駄目になっちまいな!俺たちが溜まった時に相手する、肉便器になっちまえよ!!」

 

「やだ……!肉便器やらっ!やらなの!おねがい、ずぼずぼやら!やめへ……っ、やめてぇぇっ!!」

 

「そう言う割にはすごい締め付けだ。お前も男が欲しくて堪らなかったんじゃないのか?」

 

「違う!そんなんじゃない!締め付けてなんかない!」

 

 兄の煽りに弟が加わり、ペチペチと尻を叩きながら言うが、それでも銀髪武闘家は否定の言葉を口にした。

 だが尻を叩かれる度に両方の穴が一様に引き締まり、兄弟の一物を締め付けているのは事実だ。

 そして兄は、反抗的だった彼女の表情が、少しずつ蕩け始めていることに気付いていた。

 ニヤリと笑った彼は順番待ちの仲間に「鏡持ってこい!」と指示し、言われた仲間が兄の意図を察して「おうよ!」とテントを飛び出していった。

 そしてすぐさま戻ってきた男は銀髪武闘家の正面に鏡を

 置くと、「おら、よく見ろ」と告げて俯いていた彼女の顔を無理やり上げさせた。

 そこに映るのは、兄弟に二つの穴を貫かれ、だらしなく瞳を潤ませながら、どこか恍惚の表情を浮かべる銀髪武闘家の姿だった。

 

「~~~っ!?ち、違、わたし、こんな顔してない……!」

 

 彼女は自分の顔を見つめながら、強烈な羞恥心に襲われて顔を背けるが、すぐに無理やり顔を正面に戻され、自分の姿に目がいってしまう。

 ならばときつく目を閉じれば、胎内を貫く二本の剛直の熱さと動きに意識が集中してしまい、余計に快感が強まる始末。

 お陰で膣壁と腸壁が余計に引き締まり、兄弟はその強さに唸り声をあげた。

 

「……っ!こいつ、やっと本気になったか。さっきとは段違いに締め付けてきやがる……!」

 

「自分の顔を見て悦んだのか?あるいは、目を閉じて俺たちを堪能する切っ掛けが欲しかったのか?まあ、どちらにせよ、これは凄いな……っ」

 

「……っ!そんな、わけ……にゃい……!うるしゃい、黙れ……っ!」

 

 息を揃えて煽りながら、けれど兄弟の腰使いには相手に合わせようという気遣いの色はない。

 ただ好きなように彼女を虐め、好きなように気持ちがよくなりたいだけの動きだ。

 

「んぁ……!こんな……の……っ、気持ちよくなんて……」

 

 絶え間なく叩きつけられる暴力的なまでの快感に恍惚の表情になりながら、それでも彼女は辛うじて耐えていたが、

 

「ああ、もう我慢できんっ!!」

 

 鏡を持ちながら、その表情をまじまじと見つめていた男がそう叫び、鏡を床に置くとズボンを降ろして自分の一物を取り出した。

 血管が浮かびあがるほどに勃起したそれをどうにか慰めようと入れられる場所を探し、そして半開きになった彼女の口に目を着けた。

 恍惚の表情でぼーっとしている彼女の顎を無理やり開き、余計な抵抗される前に亀頭を唇に当て、一気に押し込む。

 

「んぐ!?ぼっ……!お゛っ……!?」

 

 顎が外れんばかりの太さを誇る一物で喉の奥まで貫かれた彼女は、ぎょっと目を見開き、ガクガクと身体を痙攣させた。

「お、締まる締まる」と兄が笑い、退屈だった手で彼女の胸を揉み始めると、彼女の口に一物を突っ込んだ男ががむしゃらに腰を振り始めた。

 

「お前が……いけないんだぞ……っ!そんな顔で、俺を誘いやがって……!」

 

「お゛……!じゅる……!おぇ……!ぶっ……おお……!?」

 

 男の八つ当たり同然の物言いと、無慈悲に喉奥までを貫く一物の感覚に嗚咽を漏らしながら、銀髪武闘家は僅かに白眼を剥き始める。

 口を一物で塞がれ、鼻は手入れされていない男の陰毛で塞がれ、今の彼女はろくに呼吸も出来ていない。

 

「あ、てめぇずりぃぞ!俺たちだって待ってんのによ!」

 

「そーだそーだ!順番守りやがれ!!」

 

「暇ならこいつの手でも使って慰めとけよ!この!この!」

 

 そんな彼の独断に順番待ちという名の生殺し状態だった男の二人が抗議の声をあげるが、兄が告げた一言でハッとしてすぐに笑みを浮かべた。

 そのまま二人は銀髪武闘家の左右それぞれに別れると、彼女の手を取って自分の一物を無理やり握らせ、扱かせ始める。

 

「じゅる……!げっ……!ぉ……!ぶっ、ぅぉおおおおお!!」

 

 だが上下の口を突かれる状態の彼女にとって、それはもう知覚できていなかった。

 口を、子宮を、腸を突かれる度に口の隙間から息が漏れていき、だんだんと酸欠状態へと追い詰められているのだ。

 踏ん張っていた身体が少しずつ脱力していき、朱色に染まっていた肌も白さが戻っていく。

 男たちはヤバイかと思いつつも、殺された仲間たちの仇と思ってしまえば容赦もなくなる。

 

「かーっ!そろそろ限界だ!射精()ちまう……!」

 

「確かに、責めれば責めるほど締め付けが強くなるばかり。こいつ、どんだね淫乱なんだ……っ」

 

「喉が締め付けてきて、もう辛抱堪らん……っ!」

 

「は~。この娘の手すべすべだ~、気持ちよすぎるっ!!」

 

「武闘家ってだけあって、案外筋張ってるのも堪らんなぁ!!」

 

「んぶ!?お……っ!ぇ……!んぉっ……!おぼ……!」

 

 男たちがそれぞれ声を出す中で、銀髪武闘家は力なく声を漏らすばかり。

 そして、ついにその時が訪れた。

 男たちが一斉に身体を震わせたかと思えば、それぞれのタイミングで射精が行われたのだ。

 兄は彼女の子宮に、弟は彼女の腸に、男の一人は彼女の胃に、脇を固めた二人はそれぞれ彼女の手のひらの中に。

 思い思いのタイミングで、彼女を汚さんとその欲望にまみれた白濁液を吐き出し、彼女の身も心も汚していく。

 

「ぶぉ……!?ぇ……っ。ごく……っ、んぐ……!ぅ゛……!!」

 

 精液を無理やり飲まされ、両手にかけられ、子宮に注ぎ込まれ、腸に流し込まれ、その熱に当てられた彼女の身体彼女の意志に反して絶頂を迎えた。

 ビクビクと身体を痙攣させ、膣肉と腸壁だけでなく喉も締まり、一滴残さず絞り出さんと勝手に蠢く。

 

「ははっ!やっぱり淫乱だぜ、こいつは!!半分気絶してんのに離そうともしねぇ!」

 

「これは、ボスが気に入るのも頷けるな……っ!」

 

「くぅ……!絞り取られる……っ」

 

 彼女の体内に直接注ぎ込む三人は満足そうに目を細めるが、彼女の手で慰めてもらっている二人はそうでもない。

 

「くそっ!マジでずりぃぞてめぇら!!」

 

「気持ちいいのは認めるが、物足りねぇよな!?」

 

 二人が声を荒げて言っている内にそれぞれの射精も終わり、兄を除いた四人は一斉に彼女から離れ、兄は乱暴に彼女を放り投げた。

 どちゃりと音をたてて床に転がった彼女の様子は、一言で言えば悲惨そのものだった。

 

「ぇ……ぁ……おぇ……っ。かひゅっ……、へぁ……」

 

 秘裂と菊門から大量の精液を溢れさせ、口から吐瀉物混じりの精液を吐き出し、両手も男たちの欲望で白く汚されている。

 目からも光が完全に消え、もはや生きる気力も残されてはいまい。

 だが男たちからすれば、そんな事は知ったことではない。

 兄弟と彼女の口に突っ込んだ男は満足そうではあるが、彼女の手で慰められた結果、若干の消化不良で終わった二人が彼女に近づき、続きをしようと彼女を抱き起こした。

 一人が背後から彼女の膝の裏を持って彼女を持ち上げると、菊門に亀頭を添えた。

 もう一人が彼女を挟むように前に立ち、胸を揉みながら秘裂に亀頭を押し付ける。

 

「も……やめ……ごめんな……さい……もぅ、ゆる……して……」

 

 彼女は曖昧な意識のままに謝罪の言葉を口にするが、男二人は無慈悲にも彼女の身体を引き落とし、それぞれの一物で串刺しにした。

 

「っ!────…………」

 

 その瞬間、彼女の頭の中で、プツリと何かが切れる音がした。

 

 

 

 

 

 それから幾日か経った頃。同じ野盗の夜営地にて。

 

「ひゃん!?あんっ!いい、よぉ!!もっと、おまんこも、おしりも、ずぼずぼしてぇぇ!!」

 

 兄弟にそれぞれ秘裂と菊門を貫かれた銀髪武闘家が、恍惚の表情を浮かべながら自ら腰を振り、二人の剛直を受け入れていた。

 

「イく!また、イッちゃう……!んぉ!?ぎっ、んぁああああああああああ!?!!!」

 

 そしてすぐに絶頂を迎え、腰の動きが止まるのだが、今度は兄弟の方から腰を振り始め、絶え間なく彼女に快感を与え続ける。

 

「きゅひ!?イッたっ!イッたのに、また、イッちゃう!また、頭、まっひろになっちゃう……!」

 

 彼女はあへあへとだらしのない表情で喘ぐが、目の前に一物を差し出された瞬間それを頬張り、自ら奉仕するように亀頭を舐め回し、じゅるる!!と音をたてて吸い上げる。

 虚空をさ迷っていた手は差し出された一物を掴み、自ら扱き始め、鈴口を責めるように優しく爪を立て、くりくりとほじくって責め立てる。

 

「まあ耐えた方だが、堕ちるもんだよな」

 

 仲間たちに自ら奉仕し、快感によがる今の彼女には、ローグハンターの相棒たる風格はない。

 その姿をその一言で断じた頭目は、何を思ってか「お前ら、止めろ」と彼女を貪る仲間たちに制止の声をあげた。

 不満そうにしながらも仲間たちは彼女から離れ、ようやく解放された彼女は床に倒れこんだまま、恍惚の表情を浮かべていた。

 

「あへ……っ。すごい、これ、すごいよぉ……。んひっ!なんにも、されてないのに、勝手に、イく……!」

 

 ピクピクと身体を痙攣させ、秘裂から潮を吹く彼女の目の前に、彼女と、ローグハンターの本名が刻まれた認識票を放る。

 からからと乾いた音と共に床を転がったそれは銀髪武闘家の目の前に止まり、彼女もそれに目を向けるのだが、

 

「こんなの、いらにゃい……!おねがい、します……!もっと、気持ちよくして……っ。もっと、めちゃくちゃにしてくだしゃき……っ!!!」

 

 彼女はそれを無視して身体を起こすと、頭目を誘うように彼に向けて股を開き、自分の手で秘裂を開いて愛液で濡れたそこを見せつけた。

 頭目は肩を竦めると、「俺の子供を産みたくないんじゃなかったのか?」と問うが、銀髪武闘家は首を振った。

 そして恍惚の表情を浮かべ、頬を朱色に染めながら頭目に告げる。

 

「産みましゅ!男の子でも、女の子でも、何人でも、産みますかりゃ……!だから、もっと気持ちよくしてくらさい……!!」

 

 くちゅくちゅと音をたてて自分で秘裂を掻き回し、中の精液を掬い出した彼女は、頭目に見せつけるようにそれを舐めとって誘うように妖艶な笑みを浮かべた。

 その笑みにごくりと生唾を飲んだのは頭目だけではない。

 その部屋にいる全員が一様に彼女に欲情し、襲いかからんと前屈みに身構えている。

 

「いいだろう。お前ら、その嬢ちゃんを御要望通りにめちゃくちゃに犯してやりな!!だが前の穴は俺がいただく、その意外の穴も、何もかもを好きにして構わん!!!」

 

『ヘイッ!』

 

 頭目の声に部下たちが一斉に応じ、頭目を先頭に部下たちが彼女に襲いかかった。

 頭目が秘裂に一物を突っ込み、兄が菊門、弟は口、他には両手、髪の毛と、それぞれが思い思いの場所で一物を擦り付け、彼女を使い始める。

 

「ふぐ!?お゛……!んぉおお゛おおおお゛!!おお゛おおおお゛おお゛!!!」

 

 そんな全身を一斉に責められた銀髪武闘家は瞬く間に絶頂を迎えるが、男たちは止まらない。

 絶頂しても休みなく絶頂へと押し上げ、暴力的な快感を彼女に叩きつけ続ける。

 

「ぶぉお゛おおお゛おお!?ん゛ぉお゛おおお゛おおおおお゛!!!」

 

 彼女はそんな快感の中で時には意識を飛ばしながら、その全てを善進で受け止め、とろとろに蕩けた表情で嬉しそうに笑みを浮かべた。

 野盗たちに踏みつけられた認識票は、既に壊れ粉々になっている。

 だが、銀髪武闘家はそれを気にも止めなかった。

 目の前にある快感のみが、今の彼女にとっては全てなのだ。

 

 

 

 




感想等ありましたら、よろしくお願いします。


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Memory?? 誰にも知られず ※

リクエストから。

本編Sequence1-6からの分岐。
ログハンが洞窟の崩落でそのまま死亡し、銀髪武闘家が奴隷として売られたルート。


 銀髪武闘家が目を覚ました時、真っ先に飛び込んできたのは見覚えのない天井だった。

 上等なベッドに寝かされ、上等な毛布を被せられ、それらの柔らかさと温もりに任せて再び眠りに落ちそうになるが、

 

「……っ」

 

 閉じた瞼の裏に、ここに寝かされるまでの行程が鮮明に浮かび上がり、眠りかけた意識が一気に覚醒した。

 冒険者になり、声をかけてくれた同業者や、偶然見つけた斥候(スカウト)、心配して同行してくれた先輩冒険者らと、とある洞窟に挑み、そして──。

 

「……ぁ」

 

 その崩落に巻き込まれかけた自分を庇い、斥候が死んでしまったのだ。

 助けようとした仲間たちも、崩落の直後に現れた盗賊たちに敗れ、そのまま拐われてしまった。

 そして自分は、

 

 ──どうなったんだっけ……?

 

 盗賊らに薬か何かを飲まされて眠らされ、気が付けばここにいる。

 銀髪武闘家は頭を捻り、部屋を見渡してみるものの、どちらを見ても上等な家具が目に入り、かなり裕福な家であることは確かなようだ。

 偶然誰かに助けられ、ここに匿われた──という可能性も零ではないが、まずない。

 

「……」

 

 彼女は無言のまま神妙な面持ちとなり、とにかく行動せねばとベッドから降りた。

 鎧や脚絆などの装備はないが、とりあえず平服は着ているのでそれは無視。

 できるだけ足音を消して、部屋の扉に近づいていくが、彼女がノブを回すよりも早く独りでに回り始め、ゆっくりと扉が開いた。

 

「っ……!」

 

 銀髪武闘家は慌てて扉から距離を取り身構えるが、そこから入ってきたのは一人の少女。

 年ごろは銀髪武闘家と同じか、少し上だろうか。

 可愛らしいメイド服に身を包んだ黒髪の少女は、予想に反して目を覚ましていた銀髪武闘家を見つめ、「おはようございます」とぺこりと一礼。

 

「え、あ……おはよう……ございます……?」

 

 そして律儀にも彼女に一礼を返した銀髪武闘家は、警戒をそのままに少女をじっと見つめた。

 黒い髪は見るからに手入れが行き届き、思わず嫉妬してしまう程に艶やかではあるが、同じ色の瞳にはどこか陰りが見える。

 

「……」

 

 無言のまま銀髪武闘家を見つめ返す少女だが、ふと廊下から聞こえる足音に気付き、そちらを見た途端に僅かだが表情を明るくした。

 そんな彼女の肩に、扉の影から伸びた手が置かれる。

 

「どうかしたのですか、妹。ああ、ようやく目を覚ましたのね」

 

 そして黒髪の少女を妹と呼んだのは、おそらく二十歳ほどの、同じく黒髪の女性だった。

 ずいっと扉の影から顔を出した姉は銀髪武闘家に目を向けると優しげに微笑み、「妹がとんだご無礼を」と恭しく一礼。

 

「え、あ、いえ、何もなかったですよ……?」

 

 そして突然現れた二人目の女性に警戒心を強めながら、けれどどこか気の抜けた声音でそう返した銀髪武闘家だが、ふと違和感を感じて姉の黒い瞳を見つめ返した。

 妹とは違い覇気に満ち、明るい雰囲気を放ってはいるが、その視線はどこか気持ち悪い。

 爪先から頭の天辺までを舐めるように見つめ、あまり馴染みはないが品定めをしている商人のような雰囲気さえもある。

 

「……ご主人様がおっしゃった通り、とても綺麗な方」

 

 そして頬を朱色に染め、ぺろりと舌舐めずりした姉は音もなく銀髪武闘家の懐に飛び込んだ。

 予備動作も、接近を察することも出来なかった銀髪武闘家はぎょっと目を見開き、迎撃せんと拳を振るうが、

 

「遅いですよ」

 

 その一言と共に拳を掴まれたと思った瞬間、浮遊感と共に視界がぐるりと回転。

 投げられたと認識する間もなく背中から床に叩きつけられ、「かはっ」と肺の空気を吐き出した。

 それでもすぐに立ち上がろうとするが、それよりも速く身体を転がされると後ろ手で両手を縛られてしまう。

 

「何をしているの、妹。早くなさい」

 

「はい、姉様」

 

 どうにか動かせる足をじたばたと暴れさせて抵抗する銀髪武闘家を他所に、姉は淡々とした声音で妹にそう指示し、妹はどこからか縄を取り出しながらそれに応じた。

 そのままてきぱきと慣れた手つきで銀髪武闘家の両足を縛ると、肉付きよく、薄いながらも筋肉質な太腿を優しく撫でた。

 

「な、なにを──」

 

「お静かにお願いします」

 

 姉妹からの突然の凶行に困惑する銀髪武闘家だが、姉は無慈悲な一言で彼女の言葉を遮り、彼女に猿轡を噛ませた。

「んー!んー!!」と声を出しながらもがく様は、さながら弱った芋虫のようでもあるが、あんな気色悪い虫とは違い、こちらは麗しい乙女だ。

 状況もいまいち把握できず、それを理解する間もなく拘束された銀髪武闘家だが、その銀色の瞳には強い覇気がこもっている。

 殺気を込めた視線で姉妹を睨むが、その二人は妖しく笑うばかりで気にも止めない。

 

「んぅ……っ!んん……!」

 

 むしろそれが恐怖を煽り、銀髪武闘家は人ではない何か異物を見るような目で二人を見つめた。

 そんな彼女の反応に可笑しそうに見つめた姉妹は顔を見合わせると、懐から短剣を取り出した。

 窓から差し込む陽の光に当てられ鋭く輝くそれは、模擬刀ではない。人を殺すための、本物の短剣だ。

 

「っ……」

 

 銀髪武闘家は背筋に薄ら寒いものを感じ、無意識の内に身体を強張らせると、姉妹は彼女の側にしゃがみ、それぞれの手が彼女の平服を掴んだ。

 

「ご主人様から、『私が帰るまでに準備をしておいてくれ』とのご指示です。昨日の内に目を覚ましていらっしゃれば、あるいは逃げられたかもしれません」

 

 ビリビリと音をたてながら、淡々とした手つきで服を破きながら妹が言うと、姉は「まあ、逃がしませんけれど」と苦笑混じりに告げて銀髪武闘家の服を剥いでいく。

 

「んーっ!ん~!!」

 

 相手の羞恥を煽るように、わざと少しずつ服を剥いでいく二人に、銀髪武闘家は涙ながらに暴れて逃げようとするが、不意に短剣の切っ先が胸を掠めたことを合図に動きを止めた。

「あ……」と声を漏らした妹はすっと目を細め、赤い筋がついてしまった銀髪武闘家の豊かな胸を凝視する。

 

「あら、怪我をさせてしまいましたか。まあ、ご主人様ならきっと──」

 

「私がどうかしたのかね?」

 

 そした姉が妹を慰めようと口を開くと、開きっぱなしだった扉の方から男の声が発せられた。

 その声に弾かれるように立ち上がった姉妹は、「「お帰りなさいませ」」と声を揃えて頭を下げた。

 銀髪武闘家も裸で床に倒れたまま顔をあげ、その人物に目を向ける。

 華麗な装飾が施された貴族然とした格好に、後ろに流して固められた金色の髪。

 齢は二十代後半といったところだろうか、顔も整っており、街ですれ違えば目を奪われた事だろう。

 髪と同色の金色の瞳は優しげに姉妹を見つめて「ああ、ただいま」と微笑むと、床に倒れる銀髪武闘家に気付き、その瞳を向けた。

 

「ああ、目を覚ましたのか。二人が無礼を働かなかったかい?」

 

「うう゛っ!う゛ーっ!!」

 

「ははは。生きがいいな」

 

 彼の皮肉めいた笑みと共に告げられた言葉に銀髪武闘家は吠えるが、貴族の男は朗らかに笑いながらそう返した。

 そしてひょいと彼女を抱き上げると乱暴にベッドに放り投げ、姉妹の手を借りて衣服を脱いでいく。

 そして瞬く間に下着姿になった彼はゴキゴキと首を鳴らすと、二人に「ご苦労」と一言だけ褒めると、二人は恍惚の表情を浮かべて恭しく一礼。

 そしてそそくさと部屋を後にした二人は音をたてずにそっと扉を閉め、外から鍵をかけた。

 

「君を買うのに中々に値を張ってね。まったく、競合相手が多いのも困りものだよ」

 

 貴族の男は肩を竦めながらそう言うと、縛られたままだがせめてうつ伏せになろうともがく銀髪武闘家に覆い被さった。

 そのまま呼吸に合わせて上下する豊かな胸を見下ろしながら、それを隠す為に寝返りをうとうと身体を揺らすが、その度に揺れる二つの果実は異性を誘う色香を放つ。

 あまり火に焼けておらず、白磁のように白い肌だが、胸に先ほど短剣でついた赤い筋があり、そこだけが妙に浮いて見える。

 血が滲み、一見痛々しいが、貴族の男はむしろ欲情したように瞳をギラつかせ、ごくりと生唾を飲んだ。

 そしてゆっくりとそこに顔を寄せると、銀髪武闘家は嫌がるように身体を揺らすが、貴族の男は構わずに傷口に吸い付いた。

 

「んん!?」

 

 銀髪武闘家は彼の行動にぎょっと目を見開くが、ゆっくりと傷口を舐められる感触と、舌が這う生暖かな感触に全身に鳥肌を立てた。

 傷口に触れられる痛みと、舌が這うくすぐったさと気持ち悪さ、そして初対面の大の大人が自分の胸に顔を埋め、舐めているという事実を受け入れられず、彼女は目から涙を溢れさせる。

 じゅる!じゅるる!とわざとらしく音をたてながら血を吸い上げ、舐め取った貴族の男は顔を離すと、舌についた血を拭った。

 そして指で唾液でびしょびしょになった傷口を拭ってやると、今度はぷくりと膨らんだ乳首へと目を向けた。

 

「どうした、傷口を舐められて興奮したのか?」

 

「んんっ!ううっ!」

 

 彼の言葉に銀髪武闘家は首を振り、その言葉を否定した。

 痛みによる刺激によって勃ってしまったのだと、断じて感じたわけではないと、貴族の男を睨むのだが、彼は気にせずに笑った。

 

「最初は皆そんな感じだ。だが、すぐ素直になる」

 

 そして浮かべた笑みをそのままにそう告げると、片手で彼女の乳首を力強く摘まんだ。

 

「んぐ!?」

 

 銀髪武闘家は突然の痛みに目を見開き、身体を弓なりにしならせた。

 だがそれを感じていると誤解しているのか、あるいは痛がっているとわかっているのか、貴族の男は「ほれほれ」と楽しそうに声を漏らしながらこりこりと乳首を指で転がし始める。

 

「んん!ん~!!んぎっ……!ぅうう!!」

 

 銀髪武闘家は拷問でもされているのかと錯覚するほどの痛みに喘ぎ、それに耐えると強張る身体がビクビクと痙攣するが、貴族の男は責めの手を止めない。

 むしろ彼女の猿轡を外し、「声を聞かせれてくれ」と耳元で囁き、ふっと息を吹き掛けた。

 銀髪武闘家は「ひっ!?」と悲鳴をあげて身体を跳ねさせるが、貴族の男はすぐに乳首を摘まんで再び責め始める。

 

「ひぎっ!痛い……っ!やめてっ、痛い……からぁ!!」

 

 彼女は絶えず与えられる痺れるような痛みに悲鳴を漏らし、彼の手を振り払わんと身体を揺らすのだが、両手足を縛られている為、上手く身体を揺することも出来ない。

 そんな滑稽ともいえる彼女の姿を見つめながら、貴族の男は煽るように耳元で告げる。

 

「本当に痛いのか?そんなに身体を跳ねさせて、甘えるように上擦った声まで出しているのに?」

 

 男はそう言うと彼女の耳を甘噛みし、くちゅくちゅとわざとらしく音をたてて唇で咀嚼しながら、舌を耳の穴へと捩じ込んだ。

 湿り気を帯びた生暖かな舌が耳に入り込むという、未知の感覚に声にならない悲鳴をあげる銀髪武闘家を他所に、貴族の男はプルプルと震える彼女の身体を撫でながら、乳首を捏ねていた手をゆっくりと下腹部へと向かわせた。

 ようやく痛みから解放された銀髪武闘家だが安堵できるような状況ではなく、むしろ男の手の行き先を察して股を閉じた。

 だが男の手は柔らかな太腿に食い込みながら彼女の秘裂へと届き、指先が優しくそこを撫でた。

「ひゃ!?」と悲鳴を漏らした彼女を他所に、貴族の男は「むぅ」と唸りながら神妙な面持ちとなった。

 こうして触れてみてはみたもののあまり湿り気を感じず、むしろ全ての侵入を拒むようにピタリと閉じている。

 

 ──だが、それがいい……!

 

 貴族の男はその美貌を崩して醜悪な笑みを浮かべると、ぴたりと閉じた彼女の秘裂を強引に抉じ開け、力任せに指を捩じ込んだ。

 

「くっ……!あぁ……!」

 

 突如胎内に入り込んだ異物感に銀髪武闘家は苦悶の表情となるが、貴族の男はただ楽しそうに笑った。

 食千切らんばかりに締め付けてくる膣肉の力強さは、やはり鍛えられた冒険者だからだろう。

 そこに自分の分身を突っ込む様は、想像するだけで達してしまいそうになる。

 だがそこはぐっと我慢した貴族の男は、指で膣肉を優しく撫で始めた。

 

「──っ!やめ……て……っ、そんなこと、触らないで……!」

 

 直後、胎内を撫でられる未知の感覚に目を見開いた銀髪武闘家は、指が動く度に感じる甘い快感に困惑しながら、どうにか声を絞り出した。

 だが貴族の男はそれを無視し、そのまま彼女の陰核(クリトリス)を裏を刺激するように指の腹を押し付ける。

 途端に身体の芯に響く鈍い快感と圧迫感に彼女が「ぐぅ……っ!」と苦悶の声を漏らすと、貴族の男はぎらついた瞳で彼女の表情を見下ろした。

 

「いい顔だ。そそる」

 

 そして不気味に舌舐めずりをした彼は、容易く先ほどの禁を破ることに決めた。

 彼女が苦しむ顔が見たい。

 彼女の苦しむ声が聞きたい。

 骨の髄まで、彼女を味わいたい!

 貴族の男は彼女の秘裂から指を抜くと、無理やり彼女に寝返りをうたせ、うつ伏せにしてしまう。

 臀部を突き出すように持ち上げ、赤子のそれのように傷ひとつないそこに指を這わせると、パンツを降ろして勃起した一物を取り出した。

 彼の興奮を如実に表したそれは、亀頭が天井を向くほどに反り返り、先走り汁で不気味にテカっている。

 

「な、なに!?なにをする気なの?!」

 

 うつ伏せにされたせいでそれを知ることも、見ることも出来ない銀髪武闘家は困惑の声を漏らした。

 そして臀部を這い回る指から逃げようと尻を振るのだが、それはさながら男を誘う娼婦のように淫靡で、年齢不相応の色気を放っている。

 安産型の大きな臀部は揺れる度に僅かに肉が波打ち、滲んだ汗が辺りに跳ぶのだが、それさえも貴族の男を興奮させる。

 そして辛抱堪らんと鼻息を荒くした彼は亀頭を秘裂に押し当て、無慈悲に腰を突き出した。

 指を挿れられただけで解れてもおらず、そこまで濡れてもいない膣内を、子供の腕ほどありそうな剛直が直進し、ぶちりと音をたてて処女膜を突き破った。

 

「え……」

 

 そして、何がなんだか理解できない銀髪武闘家がどうにか首を動かして振り向くと、そこには貴族の男の一物を飲み込んだ自分の秘裂の姿が見えた。

 それを理解した途端、彼女の身体は痙攣を始め、そして──。

 

「ぎっ、あああ゛ああ゛あぁ゛ぁぁぁぁあああ゛ああ゛……!!!」

 

 脳内を支配した激痛に喉が割れんばかりの絶叫をあげた。

 

「あぎ……っ、あ゛……あああ……!」

 

 ビクビクと身体を痙攣させながら、悲鳴を漏らす彼女の姿に貴族の男は恍惚の表情を浮かべると、そのまま腰を前後に振り始めた。

 パンパンと音をたてて腰を打ち付け、矢の返しの如く鋭いカリが秘裂から顔を覗かせる度に掻き出された破瓜の血が飛び散り、白いシーツに点々と赤い血痕を残していく。

 

「ぎぃ!やだ、やだぁ!!やめて、いだい!痛いがらぁ!!ぬいて、お願い、抜いて……っ!」

 

 腰が打ち付けられる度に身体を前後に揺らしながら、胎内を抉られる凄まじい痛みに涙を流し、どうにか止めるように懇願するが、

 

「止めるわけないだろう!処女を奪うこの感覚、痛みに喘ぐ乙女の悲鳴、何もかもが癖になる!!」

 

 男は興奮のままにそう言い放つと、「お前には躾が必要だな!」と彼女の臀部に平手打ちをかました。

 腰を打ち付ける音とは違う、スパン!と鋭い音が部屋に響き、遅れて彼女の悲鳴が続く。

 

「いたいっ!やだ、いたくしないで……!ごめんなしゃい!ごめんなさい……!」

 

「何を謝る必要がある。叩かれる度に締め付けおって、本当はこうされたかったんだろう!!」

 

 彼はそう言いながら彼女の臀部を叩き、荒々しく腰を振り続ける。

 パンパンペチペチと腰と手が彼女の臀部に叩きつけられる音が延々と続き、彼女の悲痛な叫びが木霊する。

 

「んぉ゛!?ぎ、あああああ!!痛いっ、痛い!!ひぎ!やめて、叩かないで……!んぁ!?ひぎ……!」

 

 痛みに喘ぎ、身体中に珠のような汗を浮かべる彼女を見下ろす貴族の男は尻を叩くのを止めると、後ろ手に縛られた彼女の手を掴み、強引に持ち上げた。

 そのまま彼女の上体を空中に浮かしながら腰を振れば、前後する身体の動きに合わせた大きな乳房が揺れ動き、男の情欲を誘う。

 現にそれに当てられた貴族の男はもう片方の手で彼女の乳房を鷲掴み、力強く揉みながら指先で乳首を捏ね回す。

 

「ひぃゃ!?やめ、そこ、コリコリやだ……!んぁっ、あん!なんれ、痛い、筈なのに……」

 

 そしてそれを続けていく内に彼女の声が甘く蕩け始め、強張った表情からも力が抜けていく。

 

「ひぅ!やっ、何で……頭、ふわふわして……」

 

 んぉ、ぉ、んぁ……と腰の動きに合わせて声を漏らすと、貴族の男はニヤリと醜悪に笑んだ。

 

「やっと素直になってきたな。それでいいんだよっ!」

 

 彼はそう言いながら乳首を転がし、腰を思い切り突き出して子宮口に亀頭を押し付けた。

 そのまま腰を捻ってぐりぐりと亀頭を押し付け、吸い付いてくる子宮口を責めたててやれば、彼女は苦しそうな声を漏らし、身体を強張らせるが、

 

「んぁ……ぎっ……!奥、届いてりゅ……っ!」

 

 すぐに身体から力が抜けるが、膣内の締め付けが緩むことはない。

「ここか、ここがいいのか?」と絶えず子宮口を押してやれば膣肉が痙攣を繰り返し、一物を扱き始める。

 

「んぉ……あひゅ……!なんれ……気持ちぃの……」

 

 そして痛みと快感の板挟みになった彼女は、無意識の内に本音を漏らしてしまった。

 貴族の男の腰が動く度に「んぁ、あへ……」と声を漏らし、表情も少しずつ恍惚のものへと変わるなか、貴族の男はただ一言だけ告げた。

 

射精()すぞ」

 

 その言葉が耳に届いた瞬間、蕩けていた彼女の思考が一気に引き締まり、言葉を意味を理解した瞬間に目を見開く。

 

「や、やだ……!射精()さないで!赤ちゃん、出来ちゃうから……!」

 

「いいじゃないか。男だろうと、女だろうと、我が家には跡継ぎがいないから大歓迎だ!」

 

 彼女が必死に首を振りながら言葉を嘲笑いながら、貴族の男は思い切り腰を突き出して亀頭と子宮口をぴたりと密着させると、すぐに我慢を止めて尿道を登ってきた精液を彼女の子宮に注ぎ込んだ。

 

「ひぐ!?いや、いやぁああああああああ!!!」

 

 そして瞬く間に子宮を満たしたどろりとした何かの熱に当てられた彼女は悲鳴をあげた。

 だがそれでどうにかなるものでもなく、貴族の男が腰を掴んで押さえ込めば、逃げようともがくことさえも出来なくなる。

 銀髪武闘家はやだやだ!と悲鳴をあげてもがくが、最後の一滴まで残さず注ぎ込んだ貴族の男は快感と疲労に息を吐くと、彼女の腰から手を離して腰を引いた。

 ずりゅりと湿った音と共に秘裂から一物が抜かれ、塞ぐものがなくなった精液が逆流したのか、秘裂から次々と溢れてくる。

 ようやく男の手から解放された銀髪武闘家は顔を埋めながら嗚咽を漏らし、胎内から出ていく熱の気持ち悪さにプルプルと身体を震わせた。

 

「いや、堪らんな。これからが楽しみだ」

 

 貴族の男は彼女の泣き声を聞きながら笑みを浮かべると、パチンと指を鳴らした。

 

「「お呼びでしょうか」」

 

 それと同時に扉を蹴破らん程の勢いで黒髪の姉妹が部屋に飛び込んでくると、貴族の男のいまだに固さを保つ一物に目を向け、二人揃って恍惚の表情を浮かべるが、

 

「俺は身体を清めてくるから、こいつを躾ておいてくれ」

 

「「かしこまりました」」

 

 愛するご主人様からの指示にすぐに表情を引き締め、恭しく一礼。

 それを受けた貴族の男は満足そうに頷くと、シーツを腰に巻いて部屋を出ていった。

 部屋に残されたのは、黒髪の姉妹と縛られたままの銀髪武闘家の三人のみ。

 姉妹はわざとらしく足音を立てながら彼女に近づいていき、ベッドの下やタンスに隠された調教用の道具を取り出していく。

 その様子を見せつけられた銀髪武闘家は、「やだ、誰か、誰か……!」と助けを求めるが、その声は誰にも届かない。

 

「それでは楽しみましょうか。大丈夫です、すぐに天国に連れていって差し上げますわ」

 

「姉様と私に身を委ねてください。今度こそ、怪我はさせません」

 

 それぞれ得意の道具をもった二人はそう言うと、縛られたまま泣きじゃくる銀髪武闘家に襲いかかるのだった。

 

 

 

 

 

 それから一月ほどが経った頃。

 

「あひん!あへ、そこ、いいれすぅ!もっと、もっと突いてくらはい!もっと、めちゃくちゃにしてくだしゃい!!」

 

 貴族の男にベッドに組み伏せられ、その剛直で秘部を貫かれた銀髪武闘家は恍惚の表情を浮かべ、媚びるような声を漏らしていた。

 

「メイドの分際で俺に指示するのか?いけない娘だ」

 

 そして男がそう言いながら腰を引き、そのまま一物を抜こうとすると、彼女は慌てて両足で彼の腰を捕まえ、自分の方へと引き寄せた。

 その拍子に亀頭が子宮口に届くと「おほぉ!!」とだらしのない声を漏らし、おねだりするように腰をくねらせる。

 

「違いましゅ!こ、これはおねだりです!どうか私に、お慈悲をくださいませぇ!!」

 

 彼女はそう言いながらご主人様の額に口付けすると、彼は「そうだな」と呟きながら小さく頷き、ちらりと部屋の扉へと目を向けた。

 淫行の臭いにも負けずに僅かに香ってくる鉄の臭いは、先ほどこの屋敷を襲撃してきた刺客たちの屍から流れてくるものだ。

 その大半が今ベッドに組み伏せた銀髪武闘家が殴殺したもので、数少ない生き残りも姉妹の手で拷問されていることだろう。

 貴族の男はこれからの楽しみが増えたことに笑いながら、優しく彼女の頬を撫でた。

 

「せっかく頑張ってくれたんだ。部下の懇願を聞いてこそ、善き上司か」

 

「はい!その通りです!ですから、もっとめちゃくちゃにしてください!このあなた専用の肉便器に、精子でも何でも、出してすっきりしてくらさい!!」

 

 ご主人様の言葉に壊れた人形のようにこくこくと頷きながら、銀髪武闘家──既に彼の性欲発散用の肉便器(メイド)となった憐れな乙女はそう告げた。

 そして彼女の望みが叶うのはすぐのことで、静かな屋敷内に彼女の嬌声が響き渡った。

 

 

 

 




感想、リクエスト等ありましたらよろしくお願いします。


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Memory?? 忘れ形見※

リクエストから。

ログハンとラスボスが差し違えになった世界線。
銀髪武闘家は決戦前の一夜でログハンとの間に子を授かり、無事に出産。
夫不在の中、友人らの助けを借りて子育てをする銀髪武闘家だが、ローグハンターに恨みを持つ盗賊らに狙われてしまう。
子供は四歳の男の子。ログハン譲りの瞳と髪の色をしている設定です。





 辺境の街。

 そこからしばらく歩いた場所には様々な開拓村があるのだが、その全てが機能しているわけではなく、モンスターや野盗に襲われ、そのまま棄てられてしまった村も数多い。

 そんな廃村の中を、複数人の男に囲まれた銀髪の女性──銀髪武闘家が歩いていた。

 常に隙を伺っているのか、顔を動かさずに鋭い視線をあちこちに向けているが、前を歩く男が肩に担いでいる少年──彼女の愛息子の姿を見る度に逃走の選択肢が消えてしまう。

 買い物をしようと息子と共に街に繰り出したのだが、まさかその先で子供を人質に取られ、そのままこんな所まで連れて来られるなど、誰が思うだろうか。

 周りを囲む男たちに連れられるがまま、彼女がたどり着いたのは廃村の中でも一際頑丈そうで、事実朽ち果てた建物が多い中でも形を保っている一軒家だった。

 おそらくは村長、もしくはそれに近い身分の誰かが住んでいたのだろうことは、今までの経験からして理解できる。

 そこに連れ込まれた銀髪武闘家は、改めて自分を取り囲んだ男たちを睨みつけた。

 

「それで、私たちに何のよう?」

 

 そして素人であれば失禁も免れないほどの迫力を放ちながらの問いかけに男の何人かは狼狽えるものの、彼女の息子を担いでいた男は気にする素振りもなく彼女の息子を乱暴に床に落とすと、彼の両手足を縛り付けた。

 うぅ……と苦しげに唸った息子の姿に銀髪武闘家はさらに殺気立つものの、男が腰に下げていた短剣を抜き、それを息子の首筋に当てたことでぎょっと目を見開いた。

 

「待って、その子は……!」

 

 反射的に出た制止の声と共に男は短剣を息子から離し、ニヤリと醜悪な笑みを浮かべた。

 

「どっちが有利かはわかったな?大人しく、俺たちの言うことを聞け」

 

 男──おそらく頭目の言葉に銀髪武闘家は苦虫を噛み潰したような表情になるが、怯えながらも涙を我慢する息子の姿を見つめ、自分を落ち着かせるように深呼吸をした。

 その拍子に豊かな胸が上下に揺れ、男たちがそこに卑しい視線を向ける中、頭目が彼女に言う。

 

「お前は覚えてないだろうが、俺たちはかのならず者殺し(ローグハンター)に潰された盗賊団の生き残りなんだよ。まあ、生き残ったつうか、ちょいと夜飯にしようと狩りに出て、意気揚々と戻ったら仲間が全員殺されてたんだが……」

 

 頭目は短剣の腹で武闘家の息子の頬を叩きながらそう言うと、子を産んだことでより女性的な魅力が増した銀髪武闘家の肢体を見つめた。

 ぺろりと舌舐めずりをした頭目は醜悪な笑みを浮かべながら、彼女に言う。

 

「風の噂でローグハンターが死んで、その相方があの野郎のガキを産んだって言うじゃあねぇか。なら、仕返しするなら今しかねぇよなってことよ」

 

 なぁ?と仲間たちに同意を求めれると、仲間たちはそうだそうだと頷き合い、無遠慮な視線が彼女に向けた。

 

「テメェ一人なら俺たちも諦めたかもしれねぇが、ガキが産まれたってんなら話は別だ。これほどわかりやすい急所もねぇだろ?」

 

 頭目はそう言いながら武闘家の息子の父譲りの黒い髪を掴み、ぶちぶちと千切る音をあげながら無理やり頭を持ち上げた。

 銀髪武闘家はその痛みに喘ぐ息子に声をかけようとするが、それよりと早く頭目が告げた。

 

「服を脱げ。もちろん、全部だ」

 

「……っ!」

 

 その一言に銀髪武闘家は一気に体温が下がる錯覚を覚え、僅かに顔色を悪くした。

 いや、遠い昔に覚悟はしていたのだ。女として産まれ、彼と共に歩むと決めた以上、こういったことになる可能性はあると、わかってはいた。

 だが冒険家を事実上引退し、子供が産まれて四年経ってからその日が来るのは流石に想定外だった。

 

「ほらほら、首掻っ切っちまうぞ」

 

 いつまでも行動を起こさない彼女に痺れを切らしてから、頭目は彼女の息子の首に短剣を突きつけながら言うと、彼女は焦りながらも「わ、わかったわよ!」と自分の衣服に手をかけた。

 防寒具代わりの外套をその場に落とし、ブーツ、ズボンと脱いで勢いのままに上着や脱ぎ捨てる。

 言われるがまま下着姿となった銀髪武闘家は男たちは下卑た視線を受け、羞恥に頬を赤く染めた。

 彼らはそれすらも馬鹿にするように嘲笑するが、頭目は急かすように短剣を彼女の息子に押し付ける。

 

「くっ……」

 

 彼の意図を察した彼女は屈辱に歯を食い縛りながらブラジャーを外し、片手で胸を隠しながらショーツを脱いだ。

 そのまま手で秘部を隠すが、片手で潰された胸は柔らかく形を歪め、秘部を隠す都合上、安産型の臀部は丸見えだ。

 周囲から向けられる無縁な視線を肌で感じ、全身に鳥肌をたてながら嫌な汗を滲ませるが、絶世の美女とも言える彼女が、裸で羞恥に喘ぐ姿など、男からすれば余計に興奮してしまうというもの。

 

「両手を頭の後ろで組め。面倒くせぇな、隠すなよ」

 

 頭目はその姿に見惚れ、興奮で僅かに息を荒げながら彼女に追加の指示。

 彼女は不安げに、そして助けを求めるようにこちらを見る息子に小さく頷いてやりながら、言われた通りに両手を頭の後ろに組んだ。

 同時に晒されるのは大きいながらも張りと艶がある乳房と、外気に晒されてぷくりと膨らんでいる僅かに黒くなった乳首。

 そして下腹部には誰にも見られないからと手入れを怠ったのか、髪と同色の陰毛が生え揃い、秘部を隠していた。

 顔もよく、身体もいい。こんな未亡人を誰も手を出さないとはと、頭目は辺境の街の男に連中を小馬鹿にしたように鼻を鳴らした。

 そのまま頭目は彼女を見て鼻息を荒くしている部下に声をかけ、何かを手で示した。

 彼の指示を受けた部下は雑嚢に手を突っ込むと何かが入った小瓶を取り出し、それの蓋を開けると共に銀髪武闘家に差し出した。

 

「飲め」

 

 頭目が銀髪武闘家に指示すると、彼女は躊躇いながらもそれを受け取り、一息で中身を呷った。

 こくりと喉を鳴らして嚥下した彼女は強烈な苦味に思わず咽せるが、男たちはニヤニヤと愉しそうに笑うばかり。

 そんな彼らの煽りともいえる行為に苛立ちつつ、それを表情に出さないでいた銀髪武闘家は次の瞬間目を見開いた。

 ドクン!ドクン!うるさいほどに心臓の鼓動が強くなり、全身が熱を持って裸にも関わらず砂漠にいるような錯覚を覚えるほどに熱くなる。

 

「かっ……!は……。なに、これ……?」

 

 かくかくと膝が笑い始め、立っていられなくなった彼女は膝をついてしまい、そのまま両手もついて四つん這いとなった。

 はぁ……!はぁ……!と異様に力んだ呼吸を繰り返し、全身から脂汗が吹き出してくる。

 秘部が弄られてもいないのに湿り気を帯び、膣と子宮が何かを求めてキュンキュンと締め付け、ひだが擦れ合うだけでも凄まじい快感が身体を駆け巡る。

 

「わかりやすく言えば媚薬だな。本来なら薄めて使うんだが、大判振る舞いの原液よ」

 

 部下に武闘家の息子の監視を交代した頭目がそう言いながら彼女に近づき、俯く彼女の髪を掴んで無理やり顔を上げさせた。

 潤んだ瞳、朱色に染まった頬、熱のこもった吐息。

 見るからに発情している彼女を頭目は嘲笑い、突然自分のズボンもろともパンツを降ろし、既に勃起していた一物を彼女の目の前に差し出した。

 何日も洗っていないのかツンと鼻につく臭いに彼女は表情を顰め、そっぽ向くが、頭目の「しゃぶれ」の一言でハッとした。

 ちらりと息子のほうに目を向ければ、部下が先ほど以上の力を込めて短剣を押し付けているのか、首に赤い筋が刻まれている。

 

「くっ……!わかっ……た、わよ……!」

 

 彼女は異様に火照り、今にも潰れてしまいそうな身体に鞭を打ち、大口を開けて頭目の一物にしゃぶりついた。

 

「あむ……。じゅる!んげ……っ!ぉ……っ!じゅるる!!」

 

 そしてゆっくりと舌を這わせるが、エグいまでの生臭い味に嗚咽を漏らし、目から涙を溢れさせながらも一物を舐め回した。

 

「ん……!ぅぇ……っ。じゅる!じゅるる!んぁ、ちゅ……」

 

「おお、いいぞ。上手いじゃねぇか」

 

 亀頭やカリの裏筋を舐めまわし、頭を前後させて唇で一物を扱き、頬を窄めて口内に入ってもしっかりと締め付ける。

 本来なら彼を満足させるために身につけた技を、初対面の、自分を恨む相手にしなければならない事実に涙しながら、それでも彼女は必死に頭目の一物を口で慰め続けた。

 だが彼はまだ不服なのか、鋭く舌打ちをすると「だが、刺激が弱ぇ!!」と叫んで彼女の頭を両手で掴んだ。

 そのまま自分勝手に彼女の頭を前後に振り回し、それに合わせて自分の腰も前後に振るう。

 ぐぽぐぽと間抜けな音が部屋に響くが、それをされる銀髪武闘家は堪ったものではない。

 

「んぉ!?お……!おえ!?げっ、お……!?」

 

 無遠慮に喉奥まで入り込む亀頭に呼吸を阻害され、身体をビクビクと痙攣させながら嗚咽を漏らす。

 口の端から掻き出された唾液が垂れ、鼻からも無様に鼻水を垂らしながら、反撃も抵抗も許されぬままに頭目が満足するまで耐える。

 

「おし。そろそろ射精()すぞ。こぼしたら、わかってるな?」

 

 頭目の言葉に銀髪武闘家は応じる余裕はないが、彼は構わずに彼女の喉奥に亀頭を押し付けた。

 同時にここ数日溜め続けたどろどろの精液を、彼女の胃に向けて吐き出した。

 

「〜〜!!?」

 

 銀髪武闘家はどうにか出来ていた呼吸が突然出来なくなり、空気の代わりに大量に送り込まれた精液の感触に目を剥くが、ごきゅごきゅと音を立てて無理やり飲み込み、生臭く、どろりとしたそれを胃に落とし込んでいく。

 それが数分続いた頃。ようやく射精感が落ち着いた頭目が腰を引き、そのままその場に腰を下ろすと、銀髪武闘家に目をやった。

 

「ひゅー……。ひゅー……。けほっ、けほっ……」

 

 口を押さえて咳き込みながら、だが全てを飲み干した彼女はまだ理性の色が強い視線を頭目に向けた。

 これで満足したかと煽ってくるような視線を受けた頭目はニヤリと笑うと、いまだに固さを保ち、天井を向いている己の分身を示した。

 

「自分で跨がれ。ほら、早くしろ」

 

「っ……!どこまで人を馬鹿にすればっ!」

 

「嫌なら息子が死ぬだけだぞ?」

 

 頭目の指示に銀髪武闘家は思わず反論してしまうが、頭目が冷たい声音でそう告げて息子の方に手を向ければ、部下が今にも息子の首を掻っ切らんと短剣をより強く押し付けた。

 

「っ!?待って、わかった!言われた通りにするから……!」

 

 彼女は慌ててそう言い、力が入らない足を懸命に踏ん張って立ち上がると、指示通りに頭目の上に跨がった。

 そのまま媚薬のせいで湿った秘裂を自分の唾液と精駅に濡れた亀頭に添え、深呼吸を一度。

 そして気を引き締めて気合を入れると共に、ゆっくりと腰を落としていくが、

 

「やりにくいなら、手伝ってやるよ!」

 

 たかが数秒も我慢できなかった頭目が、彼女の腰を掴んで無理やり引き落とした。

 ぐちゃ!と湿った音と共に一物が一気に彼女の膣内を貫き、亀頭が物欲しそうに降りてきていた子宮口を殴りつけた。

 

「ひっ……!あ……ぎっ……!」

 

 そして銀髪武闘家は全身を駆け抜けた鋭い快感に目を見開き、肺から押し上げられた空気が呻き声となって口から漏れた。

 

「旦那が死んでからご無沙汰だったんだろ?もっと乱れてもいいんだぜ?」

 

 頭目は銀髪武闘家のことを煽るが、彼女は鋭い視線で頭目を睨みつけた。

 無言だが強烈な迫力が込められたそれに頭目は肩を竦めるが、彼は構わずに腰を突き上げた。

 子宮を押し上げられた彼女は脳を揺らすほどの快感に嬌声をあげ、一物を締め付ける膣肉が痙攣し始める。

 

「まあ、薬飲ませたんだから、我慢できるわけもねぇよなっ!」

 

 頭目はそっと彼女の頬を撫で、汗で額に貼りついた髪を退かしてやると、再び彼女を突き上げた。

 カリが膣肉を掻き回し、ひだとカリが軽く擦れるだけで軽く絶頂しそうになるが、彼女は歯を食い縛ってそれに耐えた。

 だがその姿が滑稽なのか、頭目は「ほれほれ」と煽りながら腰を突き上げる。

 

「ひぎっ!あっ!へっ、はひ!あ……!?」

 

 頭目が腰を突き出すたびに身体が跳ね、豊かな胸をぶるんぶるんと揺らしながら快感に喘ぎ、堪らず頭目に抱きついた。

 少しでも身体が揺れないようにと彼女なりの抵抗のつもりなのだが、頭目にとっては違う。

 

「お?ようやくやる気になったか?なら、ほらよ!」

 

 頭目は彼女の反応に楽しそうに返すと、彼女のことを愛おしそうに撫でながら乱暴に腰を突き上げた。

 

「ひゃ!?ぎっ、ぁああああ!!?待って、これ、だめ……!!」

 

 腰が突き上げられる度に彼女は嬌声をあげ、我慢できずに制止の声を上げたが、頭目は構わずに彼女の耳元で囁いた。

 

「イきそうなんだろ?俺もだよ」

 

「っ!?だ、だめ……!膣内(なか)は……!!」

 

「そんなこと言っていいのか?」

 

 彼女が首を左右に振り、どうにか逃げようと腰を捻ると、頭目は静かに彼女にそう問いかけた。

 問われた彼女はハッとして息子の方に目を向ければ、彼を拘束する部下がニヤニヤと楽しそうに笑いながら短剣を見せつけてくる。

 銀髪武闘家は表情を強張らせ、苦虫を噛み潰したような表情になると、頭目の耳元で告げた。

 

「……さい」

 

「聞こえねぇな」

 

 彼女の言葉が聞こえていただろうに、頭目がわざとらしくそう返すと、銀髪武闘家は羞恥に耳まで顔を赤く染めながら、部屋にいる全員に聞こえるように告げた。

 

「全部膣内(なか)にください!お願いします!!」

 

 その一言に盗賊らは心底可笑しそうに笑いだし、頭目は「お望み通りに!!」と意気揚々に返して彼女を床に押し倒した。

 そのまま彼女の腰を押さえつけて逃げられないようにすると、乱暴に腰を打ち付け始めた。

 パンパンと鋭い音が部屋に響き、相手に甘えるような甲高い嬌声が同時にこぼれる。

 

「やん!あっ、ひん!そこ、もっと、そこにくらしゃい!そこ、いいれすぅ!!」

 

 全ては息子を守るためと己に言い聞かせ、客に媚びる娼婦のように自分と腰を振って頭目の一物に擦り付ける。

 鋭いカリがひだを掻き回し、亀頭が子宮口を殴る度に彼女の身体は痙攣し、彼女も我慢が限界なのだろうことは目に見えてわかる。

 痙攣する膣肉に一物を扱かれながら、頭目は表情こそ媚びているが、殺意に満ちた瞳をしている彼女を見下ろした。

 だがそんなものは関係ない、すぐに落とすと僅かに感じた恐怖を征服感で上書きしながら告げる。

 

射精()すぞ、受け止めろ!!」

 

 そして彼女の返事と待たず、彼は勢いよく腰を打ち付けると同時に本日二度目の射精を行った。

 先ほどに比べれば幾分かマシだが、それでもドロリとして粘っこい精液が彼女の子宮を瞬く間に満たし、子宮の内側を舐め回す。

 

「ひぎぃいいいいいい?!イくっ!イく!イくぅうううう!!」

 

 彼の射精と同時に、ついに我慢の限界を超えた彼女は芝居じみた声を上げながら絶頂を迎えた。

 痙攣する膣肉が頭目の一物を扱き、尿道に残った精液さえも搾り出し、満杯になった子宮にさらに精液が流し込まれていく。

 そして再び数分の吐精を終えた頭目が一物を抜くと、愛液と精液に塗れたそれを彼女の顔の前にもっていき、「綺麗にしろ」と指示。

 銀髪武闘家は言われるがまま彼の一物をぺろぺろと舐めて綺麗にしていくが、その途中で一物は固さを取り戻し、再び存在を主張し始める。

 

「さて。元気になったところで、お礼ついでに息子と話していいぞ」

 

 言われた銀髪武闘家はゆっくりと顔を傾けて息子に目を向ければ、「おかーさん……」と消えてしまいそうなほど小さな声で呼んで、心配そうにこちらを見つめてくる。

 彼女はもう限界だろうに「大丈夫だよ」と告げて微笑んだ。

 息子はその笑みに小さく頷き、涙を堪えるように身体を力ませた。

 

「へえ、まだ余裕そうだな」

 

 だが、頭目らにとって先ほどの一言は酷く不服だったようだ。

 頭目が「おい」と声をかけると部下の一人が今度は大きめの瓶を取り出した。

 中に入っているのは、まず間違いなく先ほどの媚薬と同じ物だろう。

 

「……っ」

 

 その量と、彼らがこれから行うであろうことを察した銀髪武闘家が顔色を悪くするが、盗賊たちにすぐさま押さえつけられ、今度は尻を突き出すような形で組み伏せられた。

 ポンと間の抜けた音と共に水瓶の栓を外した頭目は、瓶の口を彼女の菊門に向け、そして一気に押し込んだ。

 

「んぉ!?」

 

 突然感じた異物感に声を漏らした彼女だが、直後に大量の媚薬が注ぎ込まれていった。

 満杯だった水瓶が空になり、瓶を菊門から引き抜くと、

 

「ぎ、あぁぁああああああああああああ!?ひっ、へぁ!?ひぃいいいいいい!!」

 

 何もされていないのに彼女は絶頂し、がくがくと全身を痙攣させながは秘裂から潮を噴いた。

 

「かへっ……!ひぎっ!んぉおお……!!」

 

 在らん限りに見開かれた瞳にはもう何も映っておらず、強烈な快感により思考力も奪われてしまった。

 ただ喘ぐだけの肉人形に成り果てた彼女を、盗賊たちはただただ愉しそうに見下ろしていた。

 

 

 

 

 

「ぶっ!んぉおおおお!?ぎぃいい!!ひぎぃいいいいいい!!!」

 

 秘部と菊門。前後の穴に一物を捩じ込まれた銀髪武闘家は、ただひたすらに絶頂を繰り返していた。

 休憩がてら彼女の息子の見張りをしている頭目は、「おら、がんがんやれ〜」と気の抜けた声で指示を出す。

「「へい!」」と彼女を責める二人が同時に返事をすると、そのまま勝手気ままに腰を振り、彼女の胎内を蹂躙していく。

 

「イく!イく!イくぅう!!やだ、もうやらぁ!!たしゅけて、だれか、たしゅけてっ!!」

 

 力任せに叩きつけられる快感に喘ぎ、断続的な絶頂を迎えている彼女は既に壊れていた。

 息子を守らねばという意志もなくなり、今はただ快感への恐怖に支配されている。

 

「うるさい口は塞いじゃおうな!!」

 

 そして手持ち無沙汰だった盗賊の一人が、彼女の口に一物を捩じ込んだ。

 

「んぼ!?お゛……!ぼっ……!おぇ、げっ……!」

 

 彼女の頭を押さえつけながら腰を振り回し、彼女の口から喉を性器のように扱いながら、男の視線は彼女の胸に向いていた。

 上下から盗賊に身体を挟まれ、がんがんと子宮を突かれる度に身体を揺らす彼女の胸を、乱暴に鷲掴んで揉みしだく。

 

「んぉあああああ!?ぶっ……!ぇ……!!」

 

 秘部、菊門、口、そして胸。

 四ヶ所から脳が焼き切れんばかりの快感を叩きつけられながら、銀髪武闘家は全身を痙攣させながら秘裂から潮を噴き、目からは涙が、鼻からは大量の鼻水が垂れる。

 

「いい揉み心地だ。ずっと触っていたい……ん?」

 

 そうして延々と胸を揉んでいた男が、僅かに乳首から白いものが滲み出ていることに気づき、「おい」と仲間たちに声をかけた。

 彼の呼びかけで他の二人もそれに気づき、「リーダー、リーダー!」と頭目を呼んだ。

 

「あ、どうした」

 

 そして息子を引きずりながらもう抵抗する力も残っていない銀髪武闘家に近づいた頭目は、言われるがまま彼女の乳首を見つめ、「へぇ」と興味深そうに顎を擦った。

 部下たちに目配せすると三人は一斉に彼女の胸に手を伸ばし、思い思いのやり方で一斉に胸を責め始める。

 一人が胸全体を揉み、一人が乳首を摘み、一人が摘まれて伸びた乳首を指で優しく掻いてやる。

 

「ぶおお!?ぉ……!おおおおおおおおおお!?」

 

 胸だけを集中的に責められた銀髪武闘家は獣のような唸り声をあげ、背中を弓なりにしならせながら身体を痙攣させると、乳首から白い液体──母乳が噴き出した。

 

「ぉおおおおお!?ぶっ、んぉおおおおおお?!」

 

 男の射精感にも似たそれを感じながら、銀髪武闘家はもう何度目かの絶頂を迎えた。

 頭目は揉まれる度に噴き出す母乳を見つめ、ふと思いついたように彼女の息子に告げた。

 

「かーちゃんを助けたきゃお前が吸え。赤ん坊の頃みたいにな」

 

「ぇ……」

 

「やらないなら、お前のかーちゃんを殺す」

 

 頭目が淡々とした声音で、短剣を銀髪武闘家に向けながら言うと、息子は迷うように母とその短剣を見比べ、そして意を決したように母の乳首にしゃぶりついた。

 そしてちゅうちゅうと音を立てて母乳を吸い上げ、こくこくと喉を鳴らしてほのかに甘いそれを飲み込んでいく。

 男衆三人もそのまま腰の振りを再開し、パンパン、ぐちゃぐちゃ、ぐぽぐぽ、ちゅうちゅうと、四者それぞれの音を響かせながら彼女を責めたてる。

 同時に三人が射精の時を迎え、ただですら敏感になっている彼女の子宮と直腸、胃に向けて精液を吐き出した。

 

「っ!?────?!っ!っ!〜〜〜!!!」

 

 彼女はついに声にもならない悲鳴をあげ、白眼を剥いて気をやってしまう。

 彼女の身体をそれぞれ押さえつけ、一滴残さず彼女の胎内に精液を注ぎ込むと、一斉に彼女から一物を引き抜き、乱暴に彼女を床に打ち捨てた。

 

「ぉぇ……。げぇ……、うぷ……っ。ぉぇぇえ……」

 

 ようやく解放された彼女は身体を痙攣させながら白い液体を嘔吐し、秘部と菊門からも白濁液が大量に溢れ出す。

 

「おかーさん!!」

 

 いつもの元気な様子は見る影もなく、虚になった瞳で虚空を見つめ、脱力した身体を床に投げ出した彼女を呼ぶが、反応はない。

 芋虫のように這いながら母の元を目指すが、それよりと早く盗賊たちが母を再び取り囲んだ。

 

「まだまだこれからだぜ、奥さん」

 

 頭目がニコニコと上機嫌に笑いながらそう告げると、銀髪武闘家は上手く力が入らない手を息子に向けて伸ばし、口だけを動かした。

 

 ──大丈夫、だから。

 

 まだ舌も読めない息子には伝わらないだろうが、気丈にも彼を励ました直後、彼女は再び盗賊らの魔の手に掴まれた。

 

 

 

 

 

 それから数時間。彼女は、

 

「ぇ……ぁ……っ……」

 

 身体中を精液や搾り出された自分の母乳で汚され、いくつもの殴打痕や噛まれた痕を残り、口からは大量の精液を吐き出し、秘裂と菊門からも大量の精液が溢れ出していた。

 掠れた声を漏らしながら身体を痙攣させて小さく絶頂を繰り返す彼女は、もう過去の姿を見る影もない。

 

「おかーさん……!おかーさん!!」

 

 手足の拘束を解かれた彼女の息子が、そんな無残な姿にされた母を揺すって起こそうとするが、もうまともな反応が返ってこない。

 涙を流し、上擦った声で母を呼ぶ彼の姿は、さながら戦地で親の遺体に縋る哀れな遺児のようだ。

 

「さて。十分楽しませてもらったし、こいつらバラして撤収するか」

 

「「「へい!」」」

 

 頭目の指示に他三人が頷き、各々の得物を取り出す中で、武闘家の息子が盾になるように母と盗賊らの間に立ちはだかる。

 

「お、おかーさんを、い、いじめるな……!!」

 

「はっ!今さら何を言いやがる。それは、俺たちがヤっちまう前に言うことだろうが!!」

 

 そして精一杯吠えた彼を頭目は嘲笑い、もろとも叩き切らんと剣を振り上げ、振り下ろした瞬間。

 ぶちん!と何かが千切れる音が部屋に響き、振り下ろされた剣が空を切った。

 

「へ……?」

 

 突然の事態に間の抜けた声を漏らした頭目が自分の手を見ると、そこには本来あるべき肘から先がなくなり、大量の血が噴き出していた。

 

「ぎっ!ああああああああああ!?な、なんじゃ、こりゃあ!?」

 

 そして遅れてやってきた激痛に腕を押さえながら悶え始めると、「ねぇ」と他の底から響いてきたように低く、冷たい声が盗賊らの耳に届いた。

 四人が慌てて振り向いた先──部屋の入り口には、先ほどなくなった頭目の腕の肘から先を持つ、一人の少女の姿があった。

 兄に似た黒い髪を持ち、様々な加護が施された四方世界に唯一無二の鎧を纏い、太陽の光が閉じ込められた聖剣を携えた彼女はまさに四方世界最強と呼ぶべき、白金等級の冒険者である勇者に他ならない。

 彼女は盗賊らに向けて歩み寄りながら「ねえ」と再び問いかけ、ゴミを捨てるように頭目の腕を投げ捨てると、本来なら世界の脅威に向けてのみ使われるべき筈の聖剣の切っ先を彼らに向けた。

 

「僕のお義姉ちゃんと、可愛い甥っ子に、何してるのかな?」

 

 普段浮かべている太陽のような笑顔はどこにやったのか、無表情まま告げた問いかけに、答えられる者は誰もいない。

 怯える盗賊らに絶対零度の視線で見つめ、「そっか。そっか〜」と残念そうに肩を竦めた彼女は、淡々とした機械的な動作で聖剣を構え、盗賊らに告げた。

 

「──これでも、喰らえ(テイク・ザットユー・フィーンド)

 

 太陽の、爆発……!!!

 

 

 

 

 

 それから幾日か。辺境の街、地母神の神殿。

 神官らの懸命な治療や、持ち前のタフさでどうにか回復した銀髪武闘家は、とりあえず様子見の安静ということでベッドに寝かされていた。

 

「もう、お兄ちゃんの弟子さんたちは何してんのさ!お義姉ちゃんがあんな目にあってたのに……!!」

 

「あはは。皆、忙しいから、仕方ないよ」

 

 見張りという名目でしばらく街に滞在することにした勇者はそう愚痴るが、当の被害者たる銀髪武闘家の反応はあまり批難するようなものではない。

 ベッドに忍び込み、ぎゅっと抱きついたまま離れてくれない息子を撫でてやりながら、「ありがとうね」と勇者に礼を言った。

 言われた彼女は不思議そうに首を傾げ、「お礼なんていいよ」と首を振った。

 

「お義姉ちゃんもこの子も僕が守るよ。お兄ちゃんとの約束だもん」

 

 そしてどこか切なげな表情と声音でそう告げて、銀髪武闘家もまた「そっか」と哀しげな表情を浮かべた。

 だがすぐに表情を引き締めると「私も頑張らないと」と決意を新たにしながら、そっと毛布の中で丸くなっている愛息子の髪を撫でた。

 

「今度こそ守ってみせるから、ジブリール」

 

 未練がましいと思われるだろうが、愛する夫と同じ名を付けたこの子を、守れなかった彼に代わって今度こそ守りきる。

 彼女はどこか狂気を感じさせる笑みを浮かべながら、ぐっと拳を握った。

 そんな彼女を窓の外から一羽の鷲が見守っていたことに、気がつくこともなく。

 

 

 

 




感想、リクエスト等ありましたら、よろしくお願いします。


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Memory?? 愛のために

リクエストから。
銀髪武闘家と灰被りの女王の、レズプレイがメイン。
そういったものが苦手な方はブラウザバック推奨です。

時期はエピローグ頃。前に書いた『女の嫉妬』とは別世界線の予定。
あの世界線だと、銀髪武闘家が警戒しすぎて事が起こらない気がしますので……。

あと、他作者さんを真似て『♡』を使ってみました。
やはり『!』とかだけじゃ、やりにくいと思いまして……。
あんまり不評なら次回から使わずにいきます。




 辺境の街の片隅。

 多くの住宅や商店が立ち並ぶ大通りから遠く離れ、むしろ街を囲む外壁こ方が近いとも言えるその場所に、ぽつんと一軒家があった。

 そこはかの辺境勇士──ならず者殺し(ローグハンター)の住居として知られ、通りから離れていても彼の知り合いの同業者や弟子たちなど、それなりに人の行き来があるのもまた事実だ。

 そんな彼の自宅だが、この日は珍しく冒険家らの出入りもなく、代わりに一人の闇人(ダークエルフ)の姿があった。

 

「あの、もう一回言ってもらえます?」

 

 優雅に微笑みながら紅茶を飲む彼女に問いかけたのは、ローグハンターの妻である銀髪武闘家だ。

 彼女は信じられないと言わんばかりの表情と、隠すつもりもない怒気を込めた声音での問いかけに、肝心の闇人──灰被りの女王は気にする風もなくカップをソーサーの上に置いた。

 

「いやなに、一晩だけ彼を貸してほしいだけさ。正確には、彼の種が欲しいんだが……」

 

 そして告げられたのは、「夫に一晩の過ちを許せ」という理解に苦しむ言葉だ。

 銀髪武闘家は眉を寄せながら「お断りします」と断言するが、灰被りの女王はその返事は予想通りだったようで、小さく肩を竦めた。

 

「まあ、そう言うと思ったよ。そこで一つ提案なのだが」

 

「……聞くだけ聞いてあげます」

 

 彼女の言葉に銀髪武闘家は不満そうな表情のまま腕を組み、僅かな殺気までも滲ませるが、相手は夫の恩人だからと最後の理性が働いたのか、拳を構えることはない。

 その事にとりあえず安堵の息を吐いた灰被りの女王はぺろりと舐めて唇を湿らせると、豊かな胸を強調するように腕を組み、右手で頬杖をついた。

 

「どちら技が優れているか、勝負をしないか?」

 

「いいですよ。一撃で沈めてあげます」

 

 彼女の提案に銀髪武闘家は額に青筋を浮かべ、バキバキと拳の骨を鳴らしながらそう言うが、灰被りの女王は「いや待て」と制止の声をあげた。

 

「技といっても夜の方だ。彼を満足させられるのがどちらか、ここではっきりさせようではないか」

 

「別に彼は私しか抱かないんですから、勝負する意味は──」

 

「逃げるのか?」

 

 銀髪武闘家はもっともな事を言ってさっさとお帰り願おうとしたが、不意に放たれた一言に言葉を止め、同時にピタリと動きを止めた。

 ここを好機と見た灰被りの女王は挑発的な笑みを浮かべ、銀髪武闘家のそれよりも暗い色をしている銀色の髪を弄りながら告げた。

 

「かの英雄──ローグハンターの妻たる女が、まさかそんな臆病だったとは知らなんだ。戦士を見る目はあるが、女を見る目は節穴とは、これはいい土産話ができた」

 

 では、これで失礼するよ。と彼女は告げて席を立ち、そのまま玄関の方まで歩を進めるが、不意に彼女の手を銀髪武闘家が掴んだ。

 

「ないだね。私もそれなりに忙しい身なのだが」

 

「──すよ」

 

「……?すまない、もう一度、大きい声で言ってもらえるか?」

 

 わざとらしい、芝居じみた言葉で灰被りの女王が聞き返すと、銀髪武闘家は一瞬苦虫を噛み潰したような表情を浮かべるが、半ば自棄くそ気味になりながら告げた。

 

「上等ですよ!その勝負、受けてたちます!!」

 

 鋭い目つきで灰被りの女王を睨みつけ、冒険にでも挑むのかと問いたくなるほどの迫力を放ちながらの言葉を受け、灰被りの女王は不敵に笑んだ。

 あのローグハンターの妻なのだ。彼女は常に彼に相応しい女であろうとしているし、自分のせいで彼が侮辱されるとなれば、

 

「善は急げだ。さっそく始めるとしようか」

 

 暗い色の瞳を細め、捕食者の眼光を放ちながら告げた言葉に、銀髪武闘家は「やってやりますよ!」と好戦的な態度で返した。

 

 

 

 

 

 そこまでしてしまえば、話は早かった。

 二人は足早に寝室に向かい、どちらからと言うまでもなく衣服を脱ぎ、裸になる。

 

「ほぉ……」

 

 そして相手の裸体を見つめた灰被りの女王は感嘆の声を漏らし、じっと彼女を見つめた。

 まだ子も孕んでいないのに豊かな胸に、コルセットいらずに括れた腰、安産型の臀部に、すらりと伸びた両脚。

 こうして見れば肉体は極上で、強さもこの国でも指折りとなれば、これほど良い女は他にはおるまい。

 そんな女の捕まえ、貴族令嬢らからの告白の全てを蹴ってそのまま妻としたのだから、ローグハンターは随分と一途なのだなと、僅かに不満げに息を吐いた。

 自分とて、彼女にも負けず劣らずの身体をしているのだから尚更だ。

 

「さ、さあっ。い、いつまでどうぞ……っ!」

 

 灰被りの女王の嫉妬心をつゆ知らず、銀髪武闘家はその裸体を見せつけるように両手を広げた。

 羞恥で顔は耳まで赤くなり、白い肌も上気して薄く朱色に染まっているけれど、その美しさに変わりはない。

 僅かに残る傷跡や、彼に弄られているだろうに綺麗な桃色の乳首、そしてこまめに手入れしているのか髪色と同色の陰毛は整っている。

 灰被りの女王は再び感嘆の息を漏らすと、今度は自分の身体を見せつけるように両手を広げた。

 闇人特有の褐色の肌には彼女の生き様を見せつけるように傷跡が残り、それは豊満な胸も、コルセットいらずに括れた腰も、安産型の臀部も例外ではない。

 銀髪武闘家の鏡写しとも言えるその身体は、おそらくローグハンターとて好むところだろう。だが、彼は見向きもせずに銀髪武闘家と結婚した。

 

「やはり顔か?それとも性格か?男というのはわからんな」

 

 灰被りの女王は首を捻って自分と彼女の違いをあげていくが、やはり彼女が彼女だからこそ、ローグハンターは彼女を選んだのだろうと目星をつけた。

 当の銀髪武闘家は灰被りの女王の裸体に見入り、恥ずかしそうに自分の胸や秘部を隠そうとするが、それを灰被りの女王が許すはずもない。

 

「そんなに恥じることはない。力強くも美しい、戦士にして乙女の肉体だ」

 

 彼女の両手を掴んで胸と秘部を露出させながら、褐色の肌の中でも薄桃色の乳首を、彼女の乳首に押し付け、そのまま身を寄せ合って胸を押し潰した。

 コリッと固いものが擦れ合う感触と、相手の温もり、そして僅かに感じた快感に二人は声を漏らすが、灰被りの女王は気にせずに銀髪武闘家の顔を見つめた。

 至近距離で見つめてくる灰被りの女王の美貌に銀髪武闘家は思わず顔を背けるが、灰被りの女王は彼女の顎を掴み、無理やり自分の方へと振り向かせた。

 

「初々しいな、全く。生娘でもなかろうに」

 

 彼女はそう言うと、反論される前に銀髪武闘家の唇を奪った。

 んん!?と声を出して目を見開く彼女を他所に、開いていた隙間から舌を侵入させ、彼女の舌に絡みついた。

 

「ん……!?んっ……。ちゅ、ちゅる……じゅる」

 

 突然始まった攻勢に銀髪武闘家は驚くが、すぐに切り替えて反撃を開始。

 絡みついてくる舌にこちらからと絡んでいき、灰被りの女王の唇に吸い付き、彼女の唾液を啜り上げる。

 灰被りの女王も手慣れた様子の彼女に多少驚きつつ、夫とも毎日のようにこうしているのかと、醜い嫉妬心を全開にして次の手を打った。

 片手で銀髪武闘家の後頭部を押さえつけて逃亡を封じつつ、もう片方の手で彼女を臀部を鷲掴む。

 

「んん!?」

 

 キスをしたまま声を漏らした銀髪武闘家だが、彼女が落ち着く暇を与えまいと灰被りの女王は彼女の尻の肉を揉み始める。

 どこまでも沈んでいく胸の柔らかさとは違う、押せばしっかりと押し返してくる弾力はいつまでも触れていたくなる。

 

「んっ……!ふっ、ふぁ……。ん、んん〜!」

 

 ただキスをしながら尻を揉んでいるだけなのだが、銀髪武闘家は異常なまでの反応を示し、ピクピクと身体が震え始める。

 その反応を灰被りの女王は怪訝に思いつつ、面白そうだからと尻を揉む手を止めることはない。

 

「んんっ!ん〜!!ちゅ……、ふぁ、ひぅ……っ」

 

 灰被りの女王の手が動く度に銀髪武闘家は嬌声を漏らし、どうにか開いた隙間から声を漏らすが、灰被りの女王は再びの好機と見て一気に崩しにかかった。

 尻を揉んでいた手で割れ目を撫で、そのままゆっくりと秘部へと手を伸ばした。

 そして無抵抗な事をいい事に、僅かに湿り気を帯びた銀髪武闘家の秘裂をそっと撫でた。

 

「──っ!?」

 

 ビクン!と身体を跳ねさせた銀髪武闘家は、口を塞がれている都合上、灰被りの女王の口の中に嬌声を吐き出すと、突然彼女にぎゅっと抱きついた。

 二人の胸が潰れて柔らかく形を歪め、乳首が擦れ合って二人に淡い快感を与えるが、現状で有利なのは灰被りの女王の方だ。

 彼女は愉しそうに目を細めると、そのまま湿った銀髪武闘家の秘部をこじ開けて中指を差し込み、陰核(クリトリス)の裏側をカリカリと優しく掻いてやる。

 

「〜〜!♡!っ……!──♡」

 

 途端に全身に鳥肌を立てた銀髪武闘家は音にならない喘ぎ声をあげ、ガクガクと膝を震わせながらどうにか反撃しようとするが、

 

「我慢はタチの悪い毒だ。さっさとイってしまえ」

 

 灰被りの女王が突然顔を離し、唇についた銀髪武闘家の唾液を舐めとると、彼女の耳元でそう告げた。

 そしてトドメに一際強く陰核の裏側を押し上げた瞬間、銀髪武闘家の身体が小さく痙攣し、そして、

 

「イッ、ぁぁああああああ♡」

 

 上擦った甘ったるいまでの嬌声をあげながら、絶頂を迎えた。

 ぷしぷしと音をたてて秘裂から潮を噴き出し、灰被りの女王の指と、銀髪武闘家の太腿、そして寝室の床を濡らしていく。

 

「そら、そら。ここがいいんだろう?さっそく見つけてしまったぞ」

 

 だがそんなものお構いなしに灰被りの女王は銀髪武闘家の秘部を責め続け、多少疲れても指を動かし続ける。

 

「や、やめへ……♡い、イくっ♡な、なんれ、彼じゃ、彼の手じゃ、ないのに♡わたひ、イくぅぅうううう♡」

 

 一度絶頂を迎えた彼女は、そこから降りる事を許されずに責められ続け、数十秒ほどぶっ続けで絶頂し続けた。

 そして灰被りの女王が指を抜くと、それを合図に銀髪武闘家はその場にへたり込んだ。

 

「あひゅ……♡な、なんで♡私、こんな、敏感に……♡」

 

 何もされていないのに秘裂からはぷしぷしと音をたてて潮が溢れ、身体も小刻みに痙攣させて疑問の声をあげるが、灰被りの女王は彼女の潮と愛液で濡れた指を舐めながら言う。

 

「ふふ。彼も無意識だろうが、随分と調教されているようだ。これは、案外余裕かもな♡」

 

 そして恍惚の表情のままにそう告げた彼女は、銀髪武闘家を持ち上げると乱暴にベッドに放り投げた。

 ぼふんと音をたててベッドに沈んだ彼女は上手く力が入らない四肢をどうにか動かすが、灰被りの女王が彼女の腹の上に跨がり、銀髪武闘家の胸を揉みながら告げた。

 

「そう言えば、まだ勝敗の基準を決めていなかったな。相手をイかせた回数で勝負といこう。だが、先のあれは何度イッたかわからんから、一度目ということにしてやる。私が一点先取だな」

 

 そう言いながら乳首を指で弾くと、彼女は「んひっ♡」と情けない声を漏らし、ビクン!と肩を揺らした。

 

「……これは勝負にすらならなそうだな」

 

 そんな銀髪武闘家の敏感すぎる反応に灰被りの女王は逆に困り顔を浮かべるが、勝負は勝負だしなと割り切って彼女を責めたてんとするが、

 

「こ、こんのっ!!」

 

 どうにか復活した銀髪武闘家が灰被りの女王を押し倒し、勢いのままに上下を逆転。

 はぁ……はぁ……とそれだけで息を切らしながら、銀髪武闘家は不敵な笑みを浮かべた。

 

「まだまだ、ここからよ。私を、ローグハンターの妻を、なめないで……!」

 

 

 

 

 

 それから数分。銀髪武闘家に押し倒された灰被りの女王は、

 

「くっ……♡んん……♡なかなか、やるじゃ、ないか……♡」

 

 彼女の責めの前に、陥落寸前といった様子になっていた。

 銀髪武闘家の頭は強引にこじ開けた灰被りの女王の股に埋まり、一心不乱に彼女の秘裂を舐め回し、時には彼女の陰核を甘噛みして強めの刺激を与えてやる。

 

「くひ……♡ああ、いいぞっ♡そこ、もっと……♡」

 

 そしてその快感は灰被りの女王の理性を溶かし始め、彼女も刺激を求めて自ら銀髪武闘家の顔に腰を押し付ける。

 

「んぁ……♡れろれろ……♡じゅるる♡ふふ、あむっ……」

 

「きひゅ……♡そこ、かんじゃ♡イ、イってしまう……♡」

 

 あむあむとわざとらしく声を出して陰核を咀嚼し、その度に灰被りの女王は甘い声を漏らし、身体を震わせ、舐めとる度に愛液が溢れてくる。

 銀髪武闘家はじゅるる!と音をたててそれを吸い出し、それを舌に絡ませて陰核に塗りたくり、そして再びそこに噛み付いた。

 その瞬間、灰被りの女王は目を見開きながら背を弓なりにしならせた。

 

「イッ……♡イく……♡お豆、噛まれてるに、イッてしまう……♡」

 

 ピクピクと身体を痙攣させ、どうにか絶頂を耐えようとするが、銀髪武闘家はここぞとばかりに彼女の陰核を咀嚼し、刺激を与え続ける。

 そしてそれをしつこいまでに何度も繰り返し、最後に歯を立てて強めに噛み付いた直後から、

 

「イく……♡イくぅうううううう♡」

 

 ビクン!と一際強く腰を跳ねさせながら、絶頂を迎えた。

 秘裂から噴き出した潮が降り注ぎ、それを頭で受け止める事になった銀髪武闘家だが、その表情は勝ち誇るような気迫に満ちたもの。

 追撃がなかったおかげですぐに絶頂から落ち着いた灰被りの女王は腰をベッドに沈め、ボケッと天井を見上げながら絶頂の余韻に浸る。

 

「あひゅ……♡こ、これは、なかなか、だな……♡癖になってしまいそうだ♡」

 

 ピクピクと身体を揺らし、秘裂から愛液を垂らしながら喘ぐ彼女はそう呟くが、銀髪武闘家が再び舌を這わせた事を合図に「ひっ♡」と声をあげた。

 

「れろ。れ〜ろ。んふふ、ここが弱いんだ、ふ〜ん♡」

 

 銀髪武闘家はそう言いながら灰被りの女王の陰核に息を吹きかければ、彼女は「ひゃん♡」と過剰なまでの反応をしてぷしゅりと潮が噴き出す。

 

「敏感ね。ふふ、でも、誰だってここは弱いか」

 

 彼女はそう言いながら陰核を責めようとするが、その前に灰被りの女王が動いた。

 

「ええい!このままそちらの行動(ターン)では不公平だ。次は私がやるっ!」

 

「勝負なんだから、どっちが先も後もないでしょ?!このまま終わらせます!!」

 

 肩を掴んで押し倒そうとしてくる灰被りの女王の力に負けず、むしろ押し倒してやろうとする銀髪武闘家だが、お互いに上手く力が入らないのか、その押し合いもまるで子供の喧嘩のよう。

 

「こんのっ!!」

 

 そして勝ったのは、絶頂から間があり、ある程度体力も回復していた銀髪武闘家だ。

 彼女は灰被りの女王を押し倒すと、そのまま反論されては面倒だと彼女の顔を尻で押し潰した。

 

「もご!?」

 

「ふふん。そのまま大人しくしてて、このまま私が──」

 

 そしてそのまま身体を倒し、灰被りの女王の身体に覆いかぶさりながら彼女の秘裂を責めようとするが、不意に生暖かいものが秘裂を撫でた事で「ひん!?」と驚愕の声を上げた。

 その何かは絶えず秘裂を撫で回し、時には胎内に侵入して膣肉を掻き回してくる。

 

「んぉ……♡な、なにこれ……♡ひぁ♡気持ちいぃ……♡」

 

 銀髪武闘家はその優しい快感に身を任せそうになるが、それこそが灰被りの女王の次の手である事を察して表情を引き締めた。

 対する灰被りの女王は顔を潰される圧迫感に喘ぎながら、銀髪武闘家の秘部を舐め回していた。

 膣肉を舐めて彼女の弱点である陰核の裏側を刺激してやり、膣内が引き締まった途端に膣肉を責めるように舌を激しく動かす。

 

「んひっ♡んぁ……♡だ、だめ……♡今は、私の……番なんだから……♡」

 

 灰被りの女王が与えてくる快感に喘ぎ、今にも絶頂してしまいしそうになりながら、彼女は今度こそ灰被りの女王の秘裂を舐めた。

 同時に灰被りの女王の身体がビクンと跳ね、自分を責める舌の動きも僅かに落ち着く。

 その隙に銀髪武闘家は両手で秘裂をこじ開けら無防備に晒されたそこを徹底的に舌で責め始めた。

 

「──♡〜〜♡っ……♡」

 

 陰核を舐め、膣肉を舐め、時には焦らすように秘裂の周りを舌先で舐めてやる度に、灰被りの女王の身体は素直な反応を返してくれる。

 だが彼女も負けじと舌を動かし始め、停止していた責めを再開。

 

「んひ……っ♡このっ……!このぉ……♡ここがいいんでしょ?イッ……♡いい加減、負けを認めたら、どうなの……♡」

 

「──っ!……♡」

 

 銀髪武闘家は言葉でも灰被りの女王を責めるが、当の彼女は反論代わりに舌の動きを強め、絶えず快感を与え続ける。

 

「ひぎっ……♡れろれろれろ♡んぁ〜、あむっ♡じゅるるるる♡」

 

「っ!?──♡!♡〜〜!!」

 

 銀髪武闘家は陰核を口に含んで一気に吸い上げて決めにかかるが、負けじと灰被りの女王も彼女の急所を責め立てた。

 銀髪武闘家の喘ぎ声と、灰被りの女王の音にならない嬌声、そしてお互いの秘部を舐める湿った音が部屋に響き、それが数分でほど続いた頃、ついに二人は限界を迎えた。

 

「イ、イく♡イくぅうううううう♡♡」

 

「〜〜〜〜♡♡♡」

 

 二度目の絶頂を迎えたのはほぼ同時。

 二人はお互いの顔に噴き出した潮を浴びせながら絶頂した。

 だが逃げ場のある銀髪武闘家はともかく、逃げ場のない灰被りの女王は噴き出した潮が口内に侵入し、吐き出す間もなくそれを飲まされる。

 そしてそれが同時に落ち着いた頃、ハッとした銀髪武闘家は流石にヤバいかと灰被りの女王の上から退いた。

 

「ひゅ……♡かひゅ……♡し、死ぬ、女の尻に埋もれて、死ぬかと思った……っ」

 

 だが灰被りの女王はまだ元気そうで、息も絶え絶えにしながらも悪態をついた。

 だがすぐに身を起こした彼女は銀髪武闘家を睨み、まだやる気なのか挑発的な笑みを浮かべる。

 負けじと笑みを返した銀髪武闘家は挑発するように彼女を手招きし、誘うように股を開いた。

 戦いはまだ始まったばかり。三回戦は、すぐに幕をあけた。

 

 

 

 

 

「イくっ♡イくぅ♡これ、すご、すごいよぉお♡イく、イくの、とまんにゃいのぉおおおお♡」

 

「んぁ♡や、やめろ……♡うご、うごくにゃ……♡イくっ♡イッてる♡まへ、まっへ……♡さっきから、ずっとイッってる、イッてるからぁあああ♡」

 

 股を開いた銀髪武闘家と灰被りの女王はお互いの秘裂を押し付けあい、お互いに腰を振ってひたすらに相手に快感を与え続けていた。

 所謂「貝合わせ」という体勢だが、今の二人にそれを冷静に見る余裕はない。

 お互いの陰核が擦れ合い、激しい快感を絶えず与えられているというのに、片方が止まってももう片方が動いているという都合上休むことができず、二人はもう数えるのが馬鹿に思えるほどに絶頂を繰り返していた。

 もはや勝負などどうでもよくなってしまったのか、目の前にある快感を貪るばかりで、二人の表情には理性の欠片もなく、蕩けきっている。

 

「んにゃ♡足りない、気持ちいいのに、足りないのぉ♡もっと奥、子宮ぐりぐりしてぇ……♡」

 

「っ!?こ、これでも足りない、だと……♡この、欲張りな奴め♡このっ、このっ♡」

 

 銀髪武闘家は灰被りの女王の腰を掴んでさらに密着させ、一心不乱に腰を振るが、足りないと宣って休む気配さえもない。

 対する灰被りの女王は絶え間なく与えられる絶頂に疲労困憊となりながらと、負けじと腰を振って彼女を泣かせようとするが、

 

「足りにゃいっ!こんなんじゃ、全然足りないの……♡」

 

「イく……♡ま、待て……♡イきゅ♡も、もう、限界っ♡わか、わかったっ!負け、私の負けでいい、から♡だから……♡休ませてっ!頼む……っ♡」

 

 銀髪武闘家は不服なようで、どんどんと動きを激しくさせる一方だ。

 それに巻き込まれることになる灰被りの女王は、さらに強くなった快感に喘ぎ、ついに負けを認めて制止を求めるが、銀髪武闘家は気にしない。

 

「イく……♡さっきから、イきっぱなしなのに……♡ずっと、お腹の中が疼いて、仕方がないのぉぉおおお♡」

 

「や、やめろ……♡イく♡壊れる、壊れてしまう……♡頼む、お願いだから、一回休ませて、くれ……♡イく……♡」

 

 そしてどんどんと強くなる欲求に任せ、灰被りの女王を巻き込んで更なる快感を求めて腰を振り回し、お互いの陰核を擦りつけ続ける。

 そしてコリッと音をたてて二人の陰核が擦れ合い、少々強めにお互いの陰核を転がした瞬間、

 

「イくっ……♡イくぅうううううううう♡♡♡」

 

「ぎっ♡ぁああああああああああああ♡♡♡」

 

 銀髪武闘家は今日一番の絶頂に声を上げ、灰被りの女王は強すぎる快感に悲鳴をあげながら絶頂を迎えた。

 二人は絶頂後の脱力感に任せてベッドに身を沈め、それでようやく腰の動きが止まったが、銀髪武闘家は灰被りの女王に覆いかぶさり、彼女に口付けを落とした。

 

「ちゅ♡んちゅ……♡まだやれるよね♡わたし、まだ足りないの……♡」

 

「はぁ……♡はぁ……♡少し、休ませてくれ……♡頼む……♡」

 

 銀髪武闘家はそう言って灰被りの女王を煽るが、当の彼女は既に限界なのか、弱々しい声でそう言うばかり。

 銀髪武闘家は不満そうに頬を膨らませ、一人で慰めてやろうと体勢を変えようとした瞬間、

 

「なら、俺が相手してやる」

 

 不意に第三者の声が二人の耳に届き、その声に覚えのある銀髪武闘家は歓喜に打ち震えた。

 そして声の主の方に振り向かんとした直後、自分の愛液と灰被りの女王の潮でびちゃびちゃに濡れた秘裂に、溶けた鉄のように熱いものが押し付けられ、そして、

 

「ふんっ!」

 

 気合い一閃と共に打ち出されたそれが、トロトロに解れた彼女の膣内を貫き、刺激を求めて痙攣していた子宮を容易く打ち据えた。

 

「んぉお♡イッ、イぐ♡イッぐぅううううううう♡」

 

 それと同時に、先程までとは段違いの快感と多幸感に包まれながら絶頂を迎え、彼女の全身を鳥肌が立った。

 そんな彼女を背後から見つめた第三者──今しがた帰ってきた彼女の夫であるローグハンターは、彼女に襲われていた灰被りの女王に目を向け、視線のみで「何があった」と問いかける。

 肝心の彼女は気まずそうに視線を逸らすのだが、歓喜と絶頂に震える銀髪武闘家が代わりに答える。

 

「イぐっ♡じ、じりゅ、この人ってば酷いんだよ……♡はひゅっ♡君に私を抱かせろなんてさ、信じられないよねっ♡ひぎっ、あん♡」

 

 彼が腰を振る度にゆさゆさと身体を前後に揺れ、豊かな胸と先端の乳首が擦れる快感に喘ぎながら彼女が言うと、ローグハンターは灰被りの女王を批難するような視線を彼女に向けた。

 彼女は「仕方がないだろう!」と声を荒げ、恋する乙女のように頬を朱色に染めながらローグハンターに告げる。

 

「惚れた男と、せめて褥を共にしたいのだ。横暴と言われようと構うものか」

 

 もう叶わぬ恋と知っていながら、もう届かぬ想いと知っていながら、灰被りの女王は己の本心を語った。

 そして自分を哀れと思ったのか、そのまま二人の邪魔をしない内に帰ろうとベッドから降りようとするが、その手を銀髪武闘家とローグハンターが掴んだ。

 彼女はそれを振り払わんとするが、思いの外強めに握られているためか、弾くことができない。

 そして「ええい、離せっ」と乱暴に払わんと振り向いた瞬間、顔色を青くした。

 そこには捕食者の眼光を放つ二人がじっとこちらを見つめており、銀髪武闘家に至っては仕方がないと割り切ったのか、むしろ乗り気な雰囲気まで放っている。

 ローグハンターは溜め息を吐くと、彼女に言う。

 

「またこんな事をされても面倒だ。最初で最後だから本気で抱いてやる、潰れるなよ」

 

「え……?あ、待て、もうへろへろなんだ、だからせめて明日に──」

 

「「問答無用!!」」

 

「ひぃ!?」

 

 どうにか逃げようとした灰被りの女王にローグハンターと銀髪武闘家の二人が飛びかかり、瞬く間に彼女を捕縛。

 そして、彼女にとっての地獄が、幕を開けたのだった。

 

 

 

 

 

「イぐ♡も、やめ……♡やめて、はなして、もう、イきたくない、や、やぁぁ♡」

 

 ローグハンターの腕力のまで組み伏せられ、さながら獣の交尾のように後ろから激しく腰を打ちつけられたかと思えば、

 

「んー♡んんん〜〜♡んぼっ、ぉえ……♡んんんんん♡」

 

「んひ♡そうそこ、もっとペロペロしてぇ♡上手上手♡」

 

 銀髪武闘家の尻に再び頭を潰され、どうにか秘裂を舐めて脱出しようとするが、

 

「ふんっ!ふんっ!ふんっ!」

 

「〜〜〜〜〜〜♡♡♡♡♡」

 

 ローグハンターの手で我武者羅に叩きつけられる快感に絶頂を繰り返し、もはや脱出する気力さえも削ぎ落とされ、

 

「ここがいいんでしょ?レロレロレロレロ♡」

 

「んぉおお"おお♡ぎっ♡ああああ"ああ"ああああ"ああ♡」

 

 ローグハンターの一物で貫かれながら、銀髪武闘家に陰核を舐められることで理性を溶かされ、

 

「ぁ……♡ひぐっ……♡んぁ♡へぅ……♡」

 

 気絶したとしても、さながら自慰用の道具同然に扱われる。

 その中で彼女は気絶したまま戻ってくることはなく、そのまま約束の一晩が過ぎていくのだった──。

 

 

 

 

 

「ん……。んん……?」

 

 灰被りの女王は窓から差し込む日差しで目を覚まし、思うように動かない瞼をどうにか持ち上げて窓の外に目を向けた。

 ローグハンターと銀髪武闘家に襲われ、しばらくしてから記憶がない。記憶がないのだが……。

 ちらりと下腹部に目を向ければ、そこには子宮が破裂せんばかりに吐き出された彼の種が秘裂から溢れ出しベッドのシーツと褐色の肌に白い染みを作り出している。

 

 ──そういえば、あの二人は?

 

 そして不意に家主の二人がいないことに気づいた彼女が部屋を見渡すと、寝室の床の一角に穴が開いており、そこから下に梯子が伸びている事に気づいた。

 まさかの隠し部屋の裸に驚きつつ、上手く力が入らない身体に鞭を打ってそこを調べに向かおうとするが、

 

『んぉおおおおおお♡ひぐっ♡おおおぉぉぉおおおおおおおお♡』

 

『女とはいえ、俺以外の奴を抱いたんだぞ?何か申し開きはあるか?』

 

『んひぃ♡ごめんっ、ごめんなしゃいっ♡ゆるひて、ゆるひてくらひゃいぃぃいいいい♡』

 

『ああ許してやる。俺の子を孕んだらな……っ!』

 

『〜〜〜♡ひゃ、ひゃい♡何人でも、何十人でも産みましゅ♡だから、とっとめちゃくちゃにしてぇえええええ♡♡♡♡♡』

 

 そこまで聞いて、彼女はそっと隠し戸を閉めた。

 なんだか聞いてはいけないような、関わってはいけないような、ローグハンターの闇に触れてしまったような気がしてならないが……。

 

 ──彼が戻ってくるまでに逃げるとしよう。

 

 ならず者(ローグ)の鉄則。ヤバくなったらさっさと逃げろ。

 彼らを取り仕切る彼女がそれを知らない訳もなく、彼女は音もなくローグハンターの自宅を後にした。

 余談だが、ローグハンターと銀髪武闘家の夫婦が友人らの前にも顔を出したのは、ここから三日も経ってからだったそうだ。

 ギルドに顔を出した彼は大量の強壮の水薬(スタミナポーション)を買い占め、銀髪武闘家はすぐに妊娠が発覚した。

 だがそれは灰被りの女王には何の関係もない話だ──。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




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Memory?? 黒き鷲と賢者の逢瀬

リクエストから。
ヒロインは賢者。ログハンと彼女は既に交際中。
時期的にはエピローグ頃を想定。


 四方世界のとある街の、とある宿。

 つい先日まで人知れず滅びに向かっていたその街を、これまた人知れず救った英雄たちは、ただの冒険者という体で取った宿の一室に集まっていた。

 

「……少し買い物にいってくる」

 

 そうしてそれぞれ寝ようと準備を進めている中、何故か猫耳を思わせる装飾のついた頭巾を被る賢者がそんな事を口にした。

 横で寝巻きに着替えていた剣聖は「え?」と思わず間の抜けた声を漏らし、僅かに驚いたように目を見開いた。

 

「今から、ですか?もう夜ですよ?」

 

 そして窓の外と賢者を交互に見ながら問うた。

 急ぎの買い物でもないのなら、別に明日の出立間際の朝一で買いに行った方がいいのではなかろうか。

 剣聖の頭の中ではそんな思慮が巡り、それをそのまま口にしようとするが、「別にいーじゃん」と既にベッドに寝転び、まさに寝ようとしている勇者が剣聖に告げた。

 

「急ぎの用事があるなら、仕方ないし」

 

 ベッドに寝転んだままパタパタと足を振りながらの言葉に、剣聖はまた適当な事をとジト目で彼女を睨み、なら自分が同行すればいいかと再び着替えようとするが、

 

「私一人でも大丈夫。先に寝てて」

 

 誰でもない賢者がそんな彼女を言葉で制止し、鞄を肩から斜めに掛けた。

 その際に鞄の紐が胸の谷間に食い込み、その豊かな果実を強調する結果となるが、この部屋にいるのは女だけなのだからだれも気には留めない。

 彼女はそのまま誰かに何かを言われる前に部屋を出ようとするが、いつの間にか隣にいた勇者が彼女の耳元で囁く。

 

「こっちは任せて、お兄ちゃんのことお願いね。お義姉ちゃん……♪」

 

「っ!……わかった」

 

 そして上機嫌そうな声音で告げられた言葉に、賢者は僅かに頬を朱色に染めながら小さく頷き、足早と部屋を後にした。

 

「……本当に一人で大丈夫だろうか?」

 

 そんな彼女の背を見送った剣聖は不安そうに勇者に問うが、肝心の彼女は我関せずと言わんばかりに笑うばかり。

 

「えへへ。大丈夫、大丈夫。別にお供はボク達じゃなくてもいいんだし」

 

「……?」

 

 彼女の言葉に剣聖は首を傾げ、すぐ隣の部屋から賢者と誰かの話し声が聞こえた事を合図に「ああ、なるほど」と得心した様子。

 別にこの一党は三人ではないのだ。むしろ夜の街を出歩くのなら、隣を歩くのは彼の方がいいだろう。

 

「そうだな。こういう時に頼れる仲間(・・)というのはいいものだ」

 

「……。うん、そうだね……」

 

 彼を頼れる仲間と称した剣聖に、勇者はどこか呆れたような、むしろ答えを間違えた子供を見る、蔑みの色さえ込められた視線を向けた。

 これから男と女が、二人きりで夜の街に繰り出すのだ。それがただの仲間という簡単な関係で済む筈がない。

 

「な、なんだ?!そんな残念そうな目で見るな……っ!」

 

 そんな事にも気付かない剣聖は勇者の視線を振り払おうと語気を強めるが、勇者は気にせずに毛布にくるまって「おやすみ〜」と気の抜けた声で返した。

 

「あ、待てっ!話は終わって──」

 

 剣聖は勇者を叩き起こしてでも話を聞こうとするが、彼女は我関せずと寝息を立て始める。

 そうなればテコでも起きないと知る剣聖は悔しそうに歯軋りすると、諦めたように溜め息を吐きながら頭まで毛布を被った。

 

 ──とりあえず明日。明日になったら問いただしてやる……っ!

 

 そんな風に、息巻きながら。

 

 

 

 

 

 幾度となく世界を救ってきた二人が少々危険な雰囲気になっているのもつゆ知らず、賢者と話題の彼──ローグハンターと呼ばれる冒険者は、二人とはまた別の宿──言ってしまえば連れ込み宿(ラブホテル)の一室にいた。

 賢者が剣聖に言ったとおりに買い物はしたし、その成果たる魔術書や触媒、錬金用の道具等が突っ込まれた鞄がベッドの脇に放置されている。

 だが、今の賢者とローグハンターにとってそんなものはどうでも良かった。

 事実鞄の他にも二人が脱ぎ捨てた衣装が散乱しており、ローグハンターは下着姿、賢者はブラジャーも剥がれてショーツ一枚の格好だ。

 

「ん……♡っ……♡」

 

 ベッドの上で背後から抱き締められる形で座らされた彼女の豊かな胸を、ローグハンターの筋張った手が這い回っているのだ。

 優しく捏ねるように手が動き、充血してぷくりと膨らんだ薄桃色の乳首に指が掠める度に、賢者の身体はピクピクと小さく震える。

 

「相変わらず敏感だな」

 

 ローグハンターはそんな彼女を煽るように耳元で囁くと、フッと彼女の耳に息を吹きかけた。

 

「……っ♡うる……さい……っ」

 

 たったそれだけの刺激でピクリと身体を跳ねさせた賢者は、彼を非難するように潤んだ瞳で睨みつけるが、当の彼にはそれが挑発に見えたようだ。

 彼は彼女の額を撫でて貼りついた前髪を退かしてやると、そこに唇を落とした。

 賢者は擽ったそうに身動ぎするが、嫌ではないようで彼を止める事はなく、そのままちゅ……ちゅ……と音を立てて降り注ぐキスの雨を受け止める。

 額にもう一度。眉に一度。鼻先、頬と続いて、最後の最後に唇同士が触れ合った。

 

「ん……♡んちゅ……♡んん……っ♡」

 

 お互いに相手の唇に自分の唇を押し付けあい、小さなリップ音を漏らしながら、相手の体温を感じようと身を寄せ合う。

 賢者がゆっくりと目を閉じ、そのまま体重をかけてくる様子にぞわりと背筋を震わせたローグハンターは、辛抱堪らずに彼女の口腔に舌を押し込んだ。

 

「んぐっ……?!」

 

 突然入り込んできた彼の舌に驚き、閉じていた目を開けて声を漏らす賢者だが、彼の蒼い瞳と視線が交錯したのを合図に顔を耳まで赤くし、慌てて目を閉じた。

 ローグハンターひ今さら照れている彼女の愛らしさに興奮しつつ、押し込んだ舌で彼女の口腔内を舐め回す。

 頬の内側の粘膜を舌先でつつき、僅かに夕食の味が残る歯の裏側を綺麗にしてやろうと舐めとり、甘えるように絡んできた彼女の舌に自分の舌を絡めてやる。

 

「ちゅ……♡じゅる……♡んくっ……んんっ……♡」

 

 彼の唇に吸い付き、流し込んでくる唾液をゆっくりと嚥下しながら、歓喜のままに身体を震わせた。

 最初こそ多少の嫌悪感や躊躇いはあったものの、今では何にも代え難い程に美味く感じるし、いつまでも飲んでいたいと思えるほどにハマってしまった。

 

「んくっ……♡んくっ……♡ふぁ、もっと、もっと飲ませて……♡」

 

 いつしか賢者は甘える猫のように彼に擦り寄りながらおかわりを要求。

 ようやくスイッチが入ったかと不敵に笑んだローグハンターは、「もちろん」と返して再びキス。

 舌を絡めて催促されるがまま、滲み出てきた唾液をそのまま彼女の舌に塗りたくり、舌先から垂らして喉奥に直に流し込む。

 こくこくと喉を鳴らして彼の唾液を飲み込む度に、普段なら理性に溢れている賢者の表情が蕩けていき、瞳がとろんと溶けていく。

 頃合いと見たローグハンターは彼女の胸を揉んでいた手を、彼女のショーツの中に滑り込ませた。

 キスに夢中にだった賢者にそれに対処する余裕はなく、彼の手は勢いのままにショーツの内側に入り込み、くちゅりと湿った音を漏らした。

 途端に駆け抜けた痺れるような快感に賢者が身体を捩らせると、二人の意に反してキスは中断され、行き場を失った彼の唾液が賢者の頬を汚した。

 

「触ってもいないのに、もうびちゃびちゃだな」

 

 ローグハンターはそれを空いている手の指で拭ってやると、ぐちゅぐちゅとわざとらしく音を立てながら彼女の秘裂を指で撫でた。

 

「んん……♡そん、な……に、擦る……な……♡奥が、疼いて……♡」

 

 彼の手が秘裂を撫でる度、賢者はぞわぞわと背筋を撫でる快感にかくかくと腰を揺らし、甘ったるい声を漏らす。

 普段のどこか冷たい印象を覚える彼女の声とは違う、自分にしか聞かせない媚びるような声。

 そんな声を聞けたからか、随分と上機嫌になったローグハンターはそっと彼女の下腹部に触れ、優しく撫で始めた。

 

「ここに欲しいのか?なにが欲しいんだ?」

 

 そして彼女の耳元に顔を寄せ、答えがわかりきっている質問を投げかけた。

 そのまま彼女の耳朶を甘噛みすれば、ほのかに彼女の汗の味がしたからか、嬉しそうに目を細めた。

 はむはむと咀嚼する度に賢者は擽ったそうに身体を震わせるが、やはり胎の奥底にある疼きはどうにも出来ず、擽ったさに耐えながら彼に告げた。

 

「ゃ……♡イジワル、するな……♡んん♡あなたのが、欲しい……♡」

 

「何が欲しいのかしっかり言ってくれないのか?」

 

 そして恥を偲んで告げた言葉に、ローグハンターは悪戯っぽく笑いながら問い、彼女の秘裂を指で撫で、ついでにぷくりと膨らんだ陰核(クリトリス)を指で弾いた。

 

「んひぃっ♡♡」

 

 途端に全身を電撃が駆け抜けたような刺激に襲われ、ビクン!と一際強く身体を跳ねさせた。

 ローグハンターは構わずに彼女の陰核を指の腹で転がし始め、「何が欲しいんだ?」と淡々とした声音で彼女に問うた。

 

「ひぎっ……♡ま、待て……っ♡そこ、コリコリやめろ♡ひぁっ♡♡」

 

「何が欲しいのか答えてくれないなら、ずっとやるぞ。体力は有り余っているからな」

 

 絶え間なく浴びせられる快感に喘ぐ賢者に、ローグハンターは残酷なまでに機械的な手付きで彼女を責めながら、淡々とした声音でそう告げた。

 ほれほれと煽りながらコリコリと陰核を転がし、たまには少し爪を立てて摘んでみたりと、様々な刺激を彼女に与える。

 

「〜〜♡♡♡わかったっ!ひゃん♡言う、言うから、一回止めろ……♡」

 

 ビクビクと身体を小刻みに揺らし、秘裂から溢れた愛液が彼女のショーツを湿らせ、吸いきれなかったものでシーツに染みを作っていく。

 それでもどうにかそう告げた彼女だが、ローグハンターは不満そうに眉を寄せると、情け容赦なく彼女の秘裂に指を突っ込むと、直接膣肉を弄り始めた。

 

「ひぅううう♡欲しい、欲しいの♡♡あなたの、お、おちんぽ、で、私の子宮を虐めて欲しいの……っ♡♡♡」

 

 そしてついに賢者がローグハンターが求めていた言葉を口にすると、彼は嬉しそうに笑いつつ、彼女の膣内に挿し込んだ指の動きを激しくさせた。

 ちゅうちゅうと吸い付いてくるひだを強引に掻き回し、陰核の裏側をグリグリと押し込んでやる。

 

「いひゅ♡ま、待て……っ♡言った、言ったのに、なんで止めてくれないの……♡」

 

 賢者は彼の腕を掴み、無理矢理にでも剥がそうとするが、彼と彼女の膂力には大きな差がある。

 魔術による強化があるのならまだしも、裸にされた挙句に魔術を使えるほど集中できない状態となれば、英雄と呼ばれる彼女のただの女だ。

 ローグハンターは彼女の抵抗を意に返さず、無言のまま彼女の胎内を抉り続ける。

 

「やめ、やめて……♡イく……♡こんなの、無理……♡我慢、できない……♡♡」

 

 絶え間なく与えられる快感に、心地よさだけではなく辛さも感じ始めるが、ついに我慢の限界を迎えた彼女はローグハンターにそう告げた。

 そのまま彼に身を任せ、本日最初の絶頂を迎えそうになった瞬間、ローグハンターは彼女の秘裂から指を抜いた。

 

「ぇ……?」

 

 途端に小さくなった快感に困惑の声をあげ、絶頂間際の余韻に呼吸を荒くする賢者だが、そんな彼女をローグハンターはベッドに引き倒し、ショーツを剥ぎ取った。

 そして解放されるのは、愛液でびしょびしょに濡れながら、物欲しそうにパクパクと開閉を繰り返す秘裂だ。

 ぬんと香る彼女の臭いに当てられたローグハンターはゴクリと生唾を飲むと、自分もパンツを脱いで子供の腕ほどありそうな一物を取り出した。

 亀頭を秘裂に押し当てれば、賢者は嫌でも彼がしようとしている事を察してしまう。

 

「ま、待て……っ!今挿れられたら──」

 

 絶頂直前に、いわゆるお預けを食らった彼女は待ったをかけるが、ローグハンターは一切構う事なく腰を突き出した。

 ずりゅ!と鋭い音と共に彼の一物が一気に根元まで押し込まれ、賢者の膣内を瞬く間に満たした。

 膣肉を掻き分けた亀頭は勢いのまま子宮口を打ち据え、そのまま子宮を押し潰して彼女の内臓を押し上げる。

 

「かひゅ……♡」

 

 普通であれば凄まじい圧迫感と、内臓を押し上げられる嫌悪感、そして吐き気に襲われるだろう状態だが、それに慣れてしまった彼女の身体はそんなものを抱くことはなく、

 

「ひぎっ♡ぃいいいいいいいい♡♡♡」

 

 凄まじい快感に襲われた彼女は、耐える間もなく絶頂を迎えた。

 両足がピンと爪先まで伸びきったかと思うと、彼の一物を飲み込んだ秘裂から潮が噴き出し、ローグハンターの腰と陰毛を濡らしていく。

 

「お"……♡こん、な"……♡無理……♡」

 

 急な絶頂に視界を点滅させて喘ぐ賢者は身体と膣肉を痙攣させ、全身で絶頂を迎えた事を彼に知らしめるが、ローグハンターは気にしない。

 彼女の両手を掴みながら覆いかぶさって移動を封じ込めると、そっと彼女の首筋に唇を落とした。

 流石に明日のことを考えてから嫌がるように身を捩る彼女を他所に、ちゅ〜!と音を立てて吸い上げ、キスマークを着けてやる。

 そしてこちらに何かを言おうと賢者が口を開いた瞬間、ローグハンターは腰を振り始めた。

 

「ひぎ……♡♡この、誤魔化す……なぁ……♡ひぐ、いぃぃいいいい♡」

 

 そんな彼をどうにか非難の言葉を口にした賢者だが、すぐさま襲いかかってきた快感に身悶えし、迫力というものが欠片もない。

 パンパンと音を立てて腰が打ち付けられる度に、賢者は情けない表情のまま嬌声をあげる。

 

「ひぎゅっ♡あひぃいいい♡まへ……っ♡さっきから、ずっとイってるぅうう♡♡」

 

 ぷしぷしと音を立てて接合部から潮を噴き出し、絶頂を迎える度に引き締まる膣肉が彼の一物を思い切り扱きあげる。

 ヒダが蠢く度に舌先で舐められるような快感がローグハンターを襲うが、それを振り切るように腰を振り、吸い付いてくるヒダをカリで掻き回してやる。

 

「イぐっ……♡やめ、そこっ、擦るな……っ!」

 

 その動作が程よく彼女の急所を刺激し、再び絶頂を迎えることになるが、どうやら反論する余裕が出てきたようだ。

 ローグハンターは不敵な笑みを浮かべると、彼女の頬に口付けし、耳元で囁いた。

 

「そろそろ本気で行く。気絶するなよ?」

 

「っ!!いいから、早く射精しなさい……っ!」

 

 彼の宣告に賢者は喜色の孕んだ声で応じると、ローグハンターは微笑んだ。

 そして言われた通りに彼女に自らの種を注ぎ込むべく、ラストスパートをかけて腰を振り始めた。

 後のことなんてどうでもいい。今は目の前の彼女を満たしてやることが、今の自分がすべき最善手なのだ。

 パンパンパンパンと平手打ちのような鋭い音を響かせながら腰を打ち付け、時には奥に押し込んだまま腰を回し、亀頭で子宮口をぐりぐりと押し込んでやる。

 

「ほひっ♡おく、ぐりぐり、いい……♡もっと強く、してぇ……♡」

 

 それがお気に召した賢者は恍惚の表情でそう言うと、ローグハンターは腰を回して子宮口をこねくり回しながら、片手で彼女の下腹部──子宮があると思われる位置を按摩するようにゴリゴリと押し込み始めた。

 

「ひぎっ♡これ、すご……♡中からも、外からも、子宮、虐められ、て……♡イく♡イくぅううううう♡」

 

 亀頭が子宮口とキスする度、手の指圧で子宮が押される度、賢者は絶頂を繰り返し、普段は氷のように冷たい表情を、娼婦もかくやという色気香に満ちたものへと変えた。

 だらしなく開いた口からは舌が溢れ、快感に見開かれた目からも大粒の涙が溢れ出す。

 辛抱堪らずに彼女の唇を奪ったローグハンターは脱力したまま動かない舌を嬲りつつ、それを合図に強まった膣肉の締め付けに低く唸り、段々と高まる射精感に眉を寄せた。

 

「いいから、射精()しなさい……♡全部、受け止めるからっ……♡」

 

 そんな彼を抱き締めた賢者は、彼の耳元でそっと呟く。

 そして限界間近だったローグハンターにとって、その一言がトドメとなった。

 

「くっ……」

 

 彼は歯を食い縛りながら小さく唸ると、抑え込んでいた射精感を解放した。

 尿道を熱いものが通過していく感覚と、それを吐き出す快感に彼は頬を朱色に染めて恍惚の表情を浮かべるが、

 

「んん〜っ♡♡熱いの、きたっ♡ひぎゅぅうううう♡♡♡」

 

 賢者もまた恍惚の表情を浮かべながら絶頂を迎え、痙攣する膣肉が彼の一物を扱きあげ、吐精をさらに催促する。

 ローグハンターはその刺激に耐えることができず、尿道に残っていた分さえも搾り出され、ドロドロに粘つく精液が賢者の子宮を満たしていく。

 

「くぅ……♡イくっ♡♡イくぅううううう♡♡」

 

 彼の精液が子宮内を舐める度に彼女は絶頂し、その度に痙攣を繰り返す膣肉が彼の吐精を促していき、誘われるがまま吐き出された精液は子宮に入りきらずに膣内に逆流し始めた。

 一物が自分の精液で白濁していく中、ローグハンターはふと思いついたように腰を振り始めた。

 ずりゅずりゅと湿った音を立てて精液と愛液が秘部から掻き出されていくが、それも全てではない。

 むしろ大半の精液は彼女の膣内に塗り込まれ、彼女のヒダの一つの隙間に入り込み、彼女の胎内を白く染め上げる。

 

「〜〜〜♡♡♡だ、だしながら、うごくな……♡やめ、やめろっ♡また、イくっ♡イぎ……っ♡♡♡」

 

 自分の身体が彼に犯されていく感覚に身体は歓喜し、それが更なる興奮となって彼女の絶頂に誘う。

 身体を小刻みに痙攣させ、背中を弓なりにしならせながら、あらん限りに目を見開く。

 そして吐精が落ち着き、一物が萎えていく中でローグハンターが深く息を吐きながら彼女の身体に倒れ込んだ。

 それを豊かな胸で受け止めた賢者は、絶頂の余韻に喘ぎながら彼の髪を撫でる。

 

「ん……♡ぁ……♡さすが、界渡り(ブレインウォーク)しただけはある」

 

「それは、褒めてるのか?」

 

 そんな彼女の言葉にローグハンターは苦笑を漏らすと、再び彼女に口付けした。

 それを逃げることなく受け止めた賢者は、差し込まれた舌に自分の舌を絡めた。

 

「んちゅ……♡はふっ……♡ちゅ〜〜♡♡」

 

 そして彼とのキスを堪能していると、萎えたはずの一物が固さと大きさを取り戻していき、賢者の胎内を押し広げていく。

 その圧迫感に驚く賢者に、ローグハンターはにこりと微笑みながら告げる。

 

「まあいつも通り、もう少し付き合ってくれ」

 

「……明日に響かない範囲なら」

 

 彼の言葉に賢者はどこか素気なく応じるのだが、その瞳には期待の色が強い。

 二人は再び口付けすると、再び行為を再開。

 長い夜は、始まったばかりなのだ。

 

 

 

 

 

「──というわけで、その日のが当たったんだと思う」

 

 何食わぬ顔でそう告げる賢者を他所に、勇者は嬉しそうに満面の笑みを浮かべ、剣聖は困惑の表情を浮かべていた。

 二人の視線はベッドに寝転ぶ賢者の腹部に向いており、普段ならない異様な膨らみが衣服を押し上げている。

 体調不良で長期の戦線離脱と説明を受けていたのだが、まさか彼の子を孕んでいたとは、勇者はともかく剣聖には予想外であったようだ。

 確かに最近調子が悪そうではあったし、食も進んでいないような気もしたが……。

 

「術でどうにか誤魔化してきたけど、やはりここまで来るとそれもできない」

 

 賢者は愛おしそうに膨らんだ腹を撫でながら、小さく溜め息を漏らした。

 周りに気付かれないよう、魔術や道具で体型を誤魔化してきたが、流石にここまで大きくなれば誤魔化しはきかないし、術に回す分の力も赤子に注いでやらねばならない。

 つまりは賢者の長期戦線離脱。仕方がないとはいえ、空いた穴はかなり大きい。

 

「心配しないで。ボク達が頑張るから」

 

 不安そうに目を伏した賢者の手を取り、勇者は自信満々な声音でそう告げた。

 兄の子供となれば、それは自分にとっても家族同然。愛する家族を守るためならば、例え火の中水の中だ。

 隣の剣聖も仕方がないと言わんばかりに肩を竦めると、不意に辺りを見渡して首を傾げた。

 

「それで、父親はどこに?」

 

「それなら、さっき──」

 

 彼女の問いに賢者が返そうとすると、バタバタと慌ただしい足音が廊下から響き、バン!と勢いよく扉が開けられた。

 

「すまない、待たせた」

 

 珍しく息を絶え絶えになるほど走ってきたのか、ローグハンターは額に浮かぶ汗を拭いながら足音一つなく賢者の左脇に歩を進めると、その場に跪いて賢者の左手を取った。

 そして数度深呼吸をして呼吸を整えると賢者の顔を見上げ、照れ臭そうに笑いながら告げた。

 

「本当なら、順番は逆だとは思うが……」

 

 そう前振りをすると、そっと彼女の左手薬指に指輪を填めた。

 

「俺と、結婚してくれないか?」

 

「嫌だなんて言うと思う?」

 

 彼にしては珍しい、不安に満ちた声音での問いかけに、賢者は間髪入れずに返事をし、柔らかな笑みを浮かべた。

 

「むしろそれを言ってくれなかったら『核撃(フュージョンブラスト)』でも撃ってやろうかと思ってた」

 

 だが告げられた言葉は割と洒落にならないもので、ローグハンターは思わず背中に冷や汗を流す。

 ケタケタと楽しそうに笑う勇者と、口元に手をやって申し訳なさそうに笑う剣聖。

 図らずもローグハンターと賢者の婚約の証人となった二人は顔を見合わ、ゆっくりと頷き合った。

 大切な戦友を未亡人にするわけにないかぬ。もっと頑張らねば。

 二人がそう覚悟を改めるのとほぼ同時、ローグハンターもまた表情を引き締めて賢者に告げた。

 

「例えどんな事があろうとも必ず帰ってくる。だから、心配するな」

 

 どんな手を使っても家族と、家族が生きる世界を守る。

 彼の首から下がる白金の認識票が、窓から差し込む光に照らされて輝いていた。

 

 

 

 

 




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Memory?? 異文化の衝撃(カルチャーショック)

リクエストから。
妖精弓手との結婚初夜。

時期的は最終決戦後を想定。


「あ〜、つっかれた〜」

 

 何の躊躇いもなく纏っていたウエディングドレスを脱ぎ捨て、いつもの狩人衣装を身に纏った妖精弓手は、情けのない声を出しながらベッドに飛び込んだ。

 そんな彼女に苦笑とともに「そうだな」と同調したローグハンターもまた白を基調としているスーツを脱ぎ、丁寧に折り畳んでから適当な机の上に乗せた。

 

「本当に森人式のやつじゃなくて良かったのか?」

 

 そうしながら投げた問いかけは、妖精弓手が耳にタコができると思うほどに聞かれたものだ。

 ローグハンターと妖精弓手。最初はただの同業者、ゴブリンスレイヤーへの依頼に同行して以降、何度か仕事を共にする程度のものであった。

 それが何がどうなって結婚するまでの仲になったのかは、本人たちでさえもよくはわかっていない。

 

「いいじゃない別に。私からすれば、見飽きた森人式よりも新鮮で良かったわよ?」

 

 だが彼女はそんなもの気にした様子もなく、昼間に自分の夫となったローグハンターにそう告げ、心底嬉しそうな笑みを浮かべた。

 そんな彼女の笑みに微笑みを返したローグハンターもまた、彼女に倣う形でいつもの平服に着替え、彼女が寝転ぶベッドに腰を下ろした。

 そのまま彼女の星の輝きを放つ髪を撫でてやれば、妖精弓手は懐いた猫のようにご機嫌そうに目を細め、もっと撫でろと言わんばかりに笹葉を思わせる長耳が揺れた。

 

「でも、意外だったわ。こう、二、三日馬鹿騒ぎするんだと思ってた」

 

 パタパタと足を振りながらそう言うが、ローグハンターは不意に撫でる手を止め、「当たり前だ」と返して再び彼女の髪を撫でる。

 

「森人の結婚式は三日三晩騒いだくらいじゃ物足りなかったんだろうが、只人の結婚式はこんなもんだ」

 

「そこだけは不満ね〜。もっとどんちゃん騒ぎたかったんだけど」

 

 妖精弓手は不服そうにそう言うと、ふと思い出したようにローグハンターに問うた。

 

「そう言えばさ。なんか頑張ってとか、ごゆっくりとか、変なこと言われたんだけど、あれどういうことよ」

 

「ん?ああ、そうなのか。森人は何百年も付き合ってからとか言ってたな」

 

 彼女の言葉にすぐに合点がいった様子のローグハンターは、髪を撫でていた手で彼女の長耳の輪郭をなぞるように指を這わせた。

 突然のくすぐったさに「ひっ!」と小さく悲鳴を漏らし、身体を跳ねさせた彼女は、弾かれるように身体を起こしながら彼の方に顔を向けた。

 

「ちょっと、いきなり何すんのよ?!」

 

 顔を真っ赤にしてそう怒鳴るが、当のローグハンターは不敵に笑みながら肩を竦め、こちらを向いた彼女に顔を寄せ、そっと唇を奪った。

 突然彼の顔が鼻先が触れ合うほどの距離になった事に驚きつつ、もはや慣れた彼とのキスを堪能するように目を閉じ、彼の方に顔を寄せる。

 舌を絡めようと口を開けるが、それよりも早くローグハンターは顔を離してしまう。

 

「あ……」

 

 いつもならあるものがない。

 そんな物足りなさに妖精弓手が切なげな声を漏らすと、ローグハンターはただただ愛おしそうに彼女の頬を撫でながら彼女に告げた。

 

「まあ、あれだ。只人の結婚初夜は、夫婦水入らずにってことだ」

 

 彼が真剣な声音でそう言い、どこか意味深な笑みを浮かべると、ようやく合点がいった妖精弓手は顔を耳まで真っ赤にしながら照れ臭そうにはにかんだ。

 

「べ、別に初めてって訳じゃないのに。何かしらね、ドキドキしてきたわ……」

 

 自分の平な胸に手を当てて、いつにも増して喧しい心臓の音を掌越しに感じる。

 そんな彼女の額に口付けしたローグハンターは、「それはそうだろう」と返してどこか強がるように固い笑みを浮かべた。

 

「夫婦になって、初めての夜だ。俺だって緊張はしてる」

 

 僅かに強張った表情のままそう言うと、妖精弓手は可笑しそうに笑いながら彼に抱きつき、甘える猫のように頬擦りした。

 

「ふふ。なら、妻として、今晩はあんたを占有させてもらおうかしら」

 

 普段の彼は弟子たちに囲まれ、一対一で話せるのは滅多にない。

 夜もまた、弟子たちに稽古をつけたり、冒険者として仕事に行ったりと、割りと忙しい。

 だが、今日はそれら全てが邪魔をせず、彼との一晩が約束されているのだ。

 窓から差し込む月明かりで神秘的に輝く彼の白髪を撫でながら、彼女はご機嫌そうに目を細める。

 対するローグハンターもまた彼女の華奢な身体を抱き締め、長耳に顔を寄せてそっと囁く。

 

「なら、俺もお前を占有させてもらうぞ」

 

 男として、夫として、彼女に対して興奮している様子を隠すつもりもない声音でそう告げると、妖精弓手はぞわりと背筋を震わせた。

 そして顔を見合わせた二人は何も言わずにそっと口付けを交わすと、ローグハンターがそのまま妖精弓手を押し倒したのだった。

 

 

 

 

 

「んちゅ……。ちゅ……、はむ……」

 

 ローグハンターに押し倒された妖精弓手は、優しく続く彼の口付けを受け止めながら、恍惚の表情を浮かべていた。

 彼の温もりを唇で感じながら、彼の背に両手を回して身体を密着させる。

 

「ちゅ〜。はむ、ちゅる……」

 

 唇が触れ合う度に彼の唇を甘噛みし、垂れてくる唾液を舐めとりながら、そっと舌先で彼の歯をつつく。

 すると彼はゆっくりと口を開き、歯をつついてきた彼女の舌に自分の舌を絡めた。

 

「んちゅ……!ちゅっ!じゅる……っ!じゅるる!!」

 

 ローグハンターは蛇のように絡んでくる彼女の舌に自分の唾液を塗りたくり、塗りきれなかった分はそのまま彼女の口腔に垂らしていく。

 こくこくと喉を鳴らしてそれを嚥下する妖精弓手は熱のこもった吐息を漏らしながら、おかわりを催促するように潤んだ瞳を彼に向けた。

 彼女の特徴たる星の輝きを宿す瞳をじっと見つめたローグハンターは、夜空を閉じ込めた蒼い瞳を細め、何を思ってか突然キスを中断。

 

「ぁえ……?ちょっと……」

 

 自分の意図していない事が起きた妖精弓手は不満を露わにするが、ローグハンターは気にする素振りもなく彼女の耳元に顔を寄せると、

 

「はむ」

 

 わざとらしく漏らした間の抜けた声と共に、彼女の耳を口に含んだ。

 

「んひっ♡」

 

 妖精弓手が生暖かい感覚に包まれた耳を中心に、じんわりと染み込んでくるような優しい快感に声を漏らすと、ローグハンターはご機嫌そうに目を細めながら優しく咀嚼し始めた。

 

「ひぅ♡ちょ、ちょっと……♡やめ、な……さい……っ!ひゃ♡」

 

 他種族と比較して聴力が高い森人故に、ぐちゅりぐちゅりと湿った音が一際強く聞こえ、耳を舐められる度に淡い快感が背筋を擽り、上擦った嬌声を漏らす。

 それに気を良くしたローグハンターは、彼女の静止の声を無視して彼女の耳を舐めまわし、耳の穴に舌を突っ込んだ。

 

「っ?!ま、待ちなさい……っ!そ、そこは、流石に汚いわよ……!」

 

 耳の穴まで舐められたからか、不意に意識が研ぎ澄まされた彼女はやりすぎだと彼を責めるが、ローグハンターは気にしない。

 そのままじゅるじゅると音を立てて耳を吸い上げ、口の中でピクピクと震える長耳を優しく咀嚼。

 

「ひぎ……♡やめ、なしゃい……♡ひゃん♡もう、この、馬鹿ぁ……♡」

 

 快感に身悶えしながらぺちぺちと彼の肩を叩き、彼のことを侮辱の言葉を口にするのだが、肝心のローグハンターは彼女の耳を咀嚼しながら不敵な笑みを浮かべ、

 

「その馬鹿の嫁になったのは、どこのどいつだ?」

 

 自分の唾液でベタベタになった彼女の耳元で、変に格好をつけた真剣な声音でそう問いかけた。

 う……と言葉を詰まらせる妖精弓手の反応に、そんな彼女を煽るように耳にフッと息を吹きかければ、彼女の身体がびくりと震える。

 

「なぁ?夫に耳を噛まれただけで感じて、何もできなくなっているのは、どこのどいつだ?」

 

 はむはむと耳を咀嚼しながら問うと、彼女は咀嚼に合わせて走る快感に身体を震わせ、「わ、私よ……っ」悔しそうに歯を食い縛りながらそう返した。

 

「正解。全く、誰が馬鹿だこら」

 

 そんな彼女の表情を見つめながら可笑しそうに笑ったローグハンターは、服越しでもわかるぷくりと膨らんだ乳首に目を向けた。

 下着を着ないという謎の習慣がある彼女のことだから、今この瞬間に着けていなくても違和感はない。

 そして、それを好都合と思えるようになった自分にも、もう何も感じなくなった。

 

「いい加減、こっちも触ってやらないとな」

 

 そう言うや否やローグハンターは彼女の衣装を捲りあげ、平な胸を露出させた。

 そのまま彼女が抵抗するよりも早く、ぷくりと膨らんだ薄桃色の乳首を指で挟み、ころころと優しく転がしてやる。

 

「ひっ……♡あひゅ……♡ま、待ちなしゃ、ぃいいいいい♡そこ、敏感なのよ……♡」

 

 同時に叩きつけられる鋭い快感に喘ぎながら妖精弓手はそう言うが、ローグハンターは「知ってる」の一言で返して構わずに乳首を軽く摘んでやった。

 

「俺が弄ってるうちにこうなったんだからな、知らない筈がないだろう」

 

「ひぅ♡な、なら、やめなさいって、この……♡」

 

 ころころと乳首を転がしながらの返答に、妖精弓手は快感に身体を震わせながらそう言うが、ローグハンターは更なる一手を打つべく弄っていない方の乳首に顔を寄せた。

 

「あ、あんた、まさか……」

 

「その内子供相手にするんだ、今のうちに慣れておけ」

 

 彼の行動を察して顔を青くする彼女だが、ローグハンターの一言にすぐに顔を真っ赤にして「気が早いわよ……っ!」と強がりを返すが、彼は構わずに彼女の乳首に吸い付いた。

 そのままちゅうちゅうと音を立てて乳首を吸い上げたかと思うと、軽く歯で挟んでやりながら、舌先で乳首をつついてやる。

 

「ひゃ♡」

 

 それと同時に妖精弓手が甘い声を漏らすと、ローグハンターは手応え有りと言わんばかりに不敵に笑むと、両方の乳首への責めを強めた。

 吸っている方は力強く思い切り、指で弄っている方は優しく丁寧に。

 

「じゅる!じゅるるるるる!」

 

「んぃいいいいいい♡ちょ、ちょっと、強いっ!強すぎるわよ……!」

 

 いつもなら指でやられるだけなのだが、今回はそれとは違う口による責めだ。

 未知の快感に困惑しながら彼に加減を要求するが、彼は構わずに彼女の乳首を吸い上げ、もう片方の乳首を指でぺちぺちと弾いてやる。

 

「ひん♡ひぎっ♡せ、せめてどっちかだけに、して……っ♡あん♡やん♡」

 

 だが困惑していたのはほんの一瞬で、すぐに快感に思考力を流された彼女は甘えるような上擦った声でそう言うと、ローグハンターは一度は乳首を指だ弾くのを止め、代わりに逃がさないと言わんばかりに彼女の背に腕を回すと、

 

「じゅるるるるるるる!!!!じゅ〜〜〜!!!!」

 

 力の限り、彼女の乳首を吸い上げた。

 

「ひゃあああああああああああああ♡♡♡」

 

 そして吸われるがまま背中を持ち上げながら、乳首を吸い上げられる快感に悲鳴をあげた。

 ローグハンターは吸いあげた乳首を舌先で舐め回し、マーキングするように唾液を塗りたくっていく。

 

「ひぅ……♡いっ……ああああああああああ♡♡♡」

 

 吸い上げられる強い快感と、唾液を塗りたくられる淡い快感。

 二つの相反する快感が同時に与えられた彼女は甲高い悲鳴をあげると、ビクン!と一際強く腰が跳ね上がり、それを支えるように両足が爪先までピンと伸びた。

 彼女の強すぎる反応にやり過ぎたかと目を細めたローグハンターが口を離すと、ようやく解放された彼女はぼふんと音を立ててベッドに身体を沈めた。

 

「はぁ……っ♡はぁ……っ♡んっ……♡はぅ……♡」

 

 乳首を吸われただけで軽い絶頂を迎えた妖精弓手はピクピクと身体を痙攣させながら、恍惚の表情で熱のこもった呼吸を繰り返す。

 呼吸の度に平な胸が上下を繰り返すが、ローグハンターの視線が注がれているのは先程まで吸っていた乳首だ。

 指で弄るのみだった方に比べてぷくりと膨らみ、片方だけが妙に膨らんでいるという状況になってしまっている。

 

「……」

 

 神妙な面持ちでそれを確かめていたローグハンターは、何を思ってか膨らんでいない方の乳首に顔を寄せ、

 

「ちょ、ちょっと、待ちなさ──」

 

 彼女の静止の声を無視して、切なげにひくつく乳首に吸い付いた。

 

 

 

 

 

 それから数分して。

 

「ぁっ……♡はひゅ……♡ぇぅ……♡」

 

 数度の吸引により両方の乳首をビンビンに勃起させた妖精弓手が、ベッドの上で大の字に寝転んでいた。

 吸引中に何度も絶頂を迎えた彼女はその余韻に浸りっぱなしで、瞳の奥にはハートマークが浮かんでいるようにも見える。

 ローグハンターはご馳走さんと言わんばかりに手を合わせ、口の端に着いていた唾液を乱暴に拭う。

 

「この……馬鹿……っ!変態……!」

 

 そんな彼に妖精弓手は悪態をつくが、物欲しそうな瞳と無意識に擦り合っている太腿はどうにもならないのか、迫力というものがかけている。

 

「……でも、好き」

 

 そして本音を隠すのも億劫になったのか、長耳を先端まで赤くしながら呟いた言葉は、確かにローグハンターの耳に届いた。

 

「俺も大好きだよ。愛してる」

 

 優しく微笑みながらそう返すと、妖精弓手はぼん!と音を立てて頭から煙を吹いた。

 そのままだらしない笑顔が浮かびそうになった顔を慌てて手で覆い、ついでに恥ずかしい程にぷくりと膨らんだ乳首を隠すため、ころりと寝返りを打ってうつ伏せになる。

 

「どうした、いきなり」

 

「うっさい」

 

 そんな彼女の汗ばんだ背中を指で撫でたローグハンターが問うが、彼女は照れ隠しでもしているのか少々棘のある声音で切り捨てる。

 その反応にむぅと不満そうに唸ったローグハンターは按摩するように彼女の背中を優しく押してやると、いつの間にか股に染みができている彼女のズボンに目を向けた。

 口ではああだが、やはり素直なものだと苦笑したローグハンターは、なにも言わずに彼女のズボンを膝の辺りまでずり下ろした。

 

「っ!……」

 

 突然ズボンを脱がされた彼女は驚いたように肩を跳ねさせるが、嫌ではないのか真っ赤になっている長耳をぴこぴこと揺らし、誘うように腰を上げて、臀部を突き出した。

 先程の責めのおかげか、触られてもいないのに濡れた秘部からはぬんと香る雌の臭いが放たれ、ローグハンターの鼻腔を擽る。

 そしてローグハンターは辛抱溜まらずに上着を脱ぎ捨て、ズボンをパンツ諸共一気に脱ぐと、血管が浮かび上がり、ビクビクと震えている己の一物を取り出した。

 そのまま傷一つない臀部に一物を擦り付け、鈴口から滲んだ先走り汁を透き通るほどに白い肌に塗りたくる。

 

「……っ♡……♡──♡」

 

 彼の一物が前後する度に妖精弓手はピクピクと臀部を揺らし、漏れそうになる嬌声は顔を枕に押し付けることで押し殺す。

 傷一つない彼女の肌に、汚れた染みを残していく背徳感にぞわりと背筋を震わせ、亀頭でそっと彼女の秘裂を撫でた。

 先走り汁と秘裂から溢れた愛液が混ざり合い、くちゅくちゅと湿った音が微かに漏れる。

 

「ふっ……♡んん……っ♡……っ♡」

 

 妖精弓手はじんわりと染み込んでくる快感に声を漏らすが、身体の反応はどうにもならないのか、ピクン!ピクン!と臀部が跳ね、尻の肉が揺れる。

 ただ彼女と触れ合っているだけなのに射精してしまいそうになりながら、ローグハンターは歯を食い縛ってそれに耐えながら、うつ伏せになっている彼女に覆いかぶさった。

 そしてそっと彼女の長耳に口付けすると、「そろそろいくぞ」と告げた。

 その言葉に妖精弓手は枕に顔を埋めたまま頷くと、むしろそれを急かすように彼の一物に自分の秘裂を擦り付ける。

 

「いつになく、大胆だな……っ!」

 

 生暖かかい愛液を塗りたくられるローグハンターはじわじわと高まる射精感に唸り、そして吐き出すなら膣内(なか)だろうと決めて、前後に揺れる彼女の腰を捕まえた。

 先走り汁と愛液で不気味にテカる亀頭を秘裂に押し当て、一気に前に突き出した。

 ずりゅ!と湿った音と共に子供の腕ほどありそうな一物が、彼に比べてだいぶ華奢な妖精弓手の秘部へと滑り込んだ。

 彼を求めて蠢いたヒダが肉厚のカリで蹂躙され、亀頭が子宮口を無慈悲に殴りつけた。

 

「お"……♡」

 

 胎内を直接殴られる衝撃に彼女が感じたのは、凄まじいまでの快感だった。

 彼に挿れられただけで絶頂を迎えた彼女は、身体を痙攣させながら野太い喘ぎ声を漏らし、接合部からはぷしゅぷしゅと音を立てて潮が噴き出す。

 それを太腿で受け止めながら、ローグハンターはゆっくりと腰を振り始めた。

 押し込もうとすれば追い出そうとヒダが蠢めく癖に、抜こうとすればそれをさせまいと締め付けてくる。

 

「……っ♡〜〜♡」

 

 動く度、動く度に彼女は枕に嬌声を吐き出し、快感に耐えようと無意識に両手でシーツを握りしめるが、その手に彼の手が重なり、優しく包み込まれた。

 

「────ッ♡♡♡♡」

 

 そんな彼の温もりと、彼の優しさに小さく絶頂した彼女は僅かに顔を傾け、自分と繋がっている夫の顔を見つめると、彼女の視線に気付いたローグハンターは優しく微笑んだ。

 

「ん……っ♡ね、ねぇ……。ひゅ……♡やっぱり、体勢変えるわ……っ」

 

 妖精弓手は媚びるような声音でそう言うと、ローグハンターは「どうかしたのか?」と問い返す。

 すると彼女は照れ臭そうにそっぽを向きながら、ぼそりと呟く。

 

「これじゃ、あんたの顔が見えないじゃない……」

 

「……っ!?」

 

 虫の羽音のような、耳を済まさなければ聞こえない声。

 だがそれを確かに聞いたローグハンターはあまりの嬉しさに顔を真っ赤にすると、ほんの一瞬気を抜いてしまった。

 その瞬間、抑えていたものが弾け飛び、どうにか耐えていた射精感が爆発した。

 

「っ……!」

 

 一物の中を熱いものが一気に駆け上がっていき、抑える間もなく鈴口から溶けた鉄のように熱を孕んだ精液が吐き出される。

 

「──っ♡〜〜っ♡♡〜〜〜〜♡♡♡♡」

 

 そして予期せぬタイミングでの射精を受けた妖精弓手もまた絶頂を迎え、強張った両足が爪先までピンと伸び、森の中で鍛え抜かれた肉体が全力を持って彼の一物を締め付けた。

 一物を食いちぎらんばかりの締め付けにローグハンターは唸るが、負けじと彼女の臀部に自分の腰を押し付け、更に密着。

 ゴリッ!と固いものを転がすような音と共に亀頭が子宮口を押し潰し、一滴の無駄なく彼女の子宮に精液を流し込んでいく。

 

「……っ♡♡っ♡♡♡〜〜〜♡♡」

 

 ビクン!ビクン!と身体を跳ねさせながら絶頂を繰り返す妖精弓手を他所に、彼女の子宮を満たすことでようやく落ち着いた吐精感に息を吐いたローグハンターは、彼女のうなじの辺りに顔を埋めてそこに口付けを落とした。

 唇越しに感じる僅かに酸味は、汗の味だろうか。臭いを嗅げば微かに森の香りがするのは、彼女が上の森人だからだろう。

 ちゅ、ちゅとわざとらしく音を立ててキスする度に膣肉が一物を締め付け、その心地よさに身を任せてしまいたくなるが、彼は気を確かに持って一旦一物を抜いた。

 

「んっ♡」

 

 それだけで艶っぽい声を漏らす妖精弓手だが、ローグハンターはそんな彼女が先ほど言ったように寝返りを打たせ、仰向けにしてやる。

 

「ぁへ……♡はひゅ……♡んひっ……♡♡」

 

 そして仰向けになった直後、彼女は快感に蕩けた表情を彼に曝け出し、絶頂の余韻に小さく喘ぎ声を漏らす。

 そんな彼女の頬を撫でてやれば、彼女は猫のように彼の手に擦り寄り、ゴロゴロと喉を鳴らして甘えながら、時には掌にキスをしてくる。

 薄く開いた瞳の奥にはハートマークが浮かび、既に理性が蒸発しているのは聞くまでもないだろう。

 

「……」

 

 無言で甘えてくる彼女を凝視したローグハンターは未だに固さを保つ一物に目を向け、次いで子宮に収まり切らなかった精液を吐き出している彼女の秘裂を見つめた。

 

「いいわよ……♡あんたの奥さんなんだから、好きにしなさいよ……♡」

 

 そして僅かに迷う素振りを見せる彼に妖精弓手はそう告げて、自分から亀頭に秘裂を擦り付けた。

 そんな彼女の気遣いに苦笑したローグハンターは、そっと彼女の唇を奪い、そのまま舌を絡めて唾液を流し込んだ。

 

「ん……。ちゅ……♡ちゅる……♡」

 

 妖精弓手がこくこくと喉を鳴らして唾液を飲み込み、彼の味を堪能する。

 キスをしながら嬉しそうに無邪気に笑う彼女を見つめながら、ローグハンターはゆっくりと顔を離した。

 

「んぁ……?ん〜っ!」

 

 それが不服なのか、彼女は唇を尖らせて続きを催促するが、ローグハンターは代わりと言わんばかりに彼女の秘裂に一物を押し込んだ。

 逆流していた精液を押し返し、ヒダ肉に塗りたくりながら突き進んだ一物は再び彼女の子宮口を叩き、子宮を押し潰した。

 

「ひぎっ♡」

 

 妖精弓手は途端に全身を駆け抜けた快感に目を剥き、ピクピクと身体を痙攣させるが、ローグハンターは構わずに腰を振り始める。

 パンパンと音を立てて腰を打ち付け、数秒前に吐き出した精液を掻き出しながら、一物を力の限り彼女の子宮に叩きつける。

 

「ひぅっ♡やん♡さっき、イッたばっかりなのに♡♡また、イッちゃうじゃない……♡♡♡」

 

「好きなだけイけっ!お前が俺たちの子を孕むまで射精()しまくってやるっ!!」

 

「〜〜〜っ♡♡♡わかった、わかったわよ……♡私たちの赤ちゃん、産む……♡絶対、産んでやるんだから……!!」

 

 彼の宣言に歓喜に身を震わせ、彼と彼との子供と歩む未来の姿を空想して興奮しながら、彼に向けて宣言を返す。

 その言葉にローグハンターもまた歓喜の表情を浮かべると、再び彼女の唇を奪った。

 そのままラストスパートをかけるように腰の動きを激しくさせ、彼女の胎内を貫いた。

 

「んんっ?!ふひゅ……っ♡んんんんんっ♡♡♡♡」

 

 キスをされたままの再開に彼女は悲鳴をあげるが、それもすぐに快感による喘ぎ声に変わり、ローグハンターの胃の中に嬌声を吐き出していく。

 それを受け止めながらすっと目を細めたローグハンターは、我慢する必要もないと早くも本日二度目の射精の時を迎えた。

 先ほどの射精で満杯になっている彼女の子宮に更に追加の精液が注ぎ込まれ、彼女の下腹部が僅かに盛り上がっていった。

 ローグハンターがそれを見ようと顔を離すと、妖精弓手はついに我慢できずに悲鳴をあげた。

 

「ほひゅっ……♡♡んひっ♡ぷはっ!!もうはいんにゃいっ!♡はいんにゃいからぁあああああああああ♡♡♡♡」

 

 子宮が膨らんでいく違和感と、内臓を押し上げられる圧迫感。

 その二つを感じながらも、感じているのは脳が焼き切れんばかりの快感だった。

「うひっ♡はひゅっ♡」と怪しげな声を漏らす彼女はいつの間にか白眼を剥いており、無意識にガチガチと歯を鳴らして快感に喘いでいる。

 そして数分かけて続いた吐精が終わるとローグハンターは萎えた一物を引き抜いた。

 

「あへっ……♡ひにゅ……っ♡♡」

 

 快感で気をやってしまった彼女は、蕩けた瞳、半開きの口、そこからこぼれた舌、ぼさぼさの髪と、上の森人にあるまじきだらしのない姿で喘ぎ声を漏らした。

 そんな彼女の姿にも愛おしさを感じているローグハンターは彼女の髪を撫でると、そっと額に口付けした。

 

「……♡」

 

 その口付けを受け止めた妖精弓手は、ただただ愛おしそうに彼を見つめながら、そっと歪に膨らんだ自分の下腹部を撫でると、不意に秘裂に何かぎ押し付けられて「ひっ」と小さく悲鳴を漏らした。

 

「そんなに見られたら、嫌でも興奮するぞ?」

 

 彼の言葉を合図にちらりと下腹部に目を向ければ、そこにはいつの間にか膨らみを取り戻した彼の一物が鎮座し、再び自分に種を吐き出そうと狙いを定めていた。

 

「誰の邪魔もないんだ。夜はまだまだ長いぞ」

 

 僅かに怯える彼女にローグハンターは不敵に笑みながらそう告げて、無慈悲にも彼女の秘部に一物を押し込んだのだった。

 

 

 

 

 

 

 翌朝、同所。

 

「うぅ……。腰痛ーい……」

 

 ベッドに寝転んだまま腰をさする妖精弓手はそう悪態を漏らすが、昨晩散々鳴かされたせいなのか、声が僅かに枯れているように思える。

 そんな彼女の隣に寝転ぶローグハンターは彼女の腰を優しく撫でてやりながら「すまん」と一言だけ謝った。

 

「全くよ。もう、少しは加減して欲しいわ」

 

 妖精弓手はそう言いながら唇を尖らせるが、すぐに嬉しそうに笑いながら「でも」と呟いてから彼の方に顔を向けた。

 

「あんだけ出されたんだし、子供できたかしらね?ねえねえ、名前なんにする?」

 

「気が早くないか?」

 

「子供なんて、ちょっと目離したらすぐに産まれちゃうじゃない」

 

「目を離すも何も、産むのはお前だぞ?」

 

「それもそうね……」

 

 二人は冒険者だった頃と何ら変わらない様子でそんなやり取りをすると、お互いに可笑しそうに笑い始めた。

 

「初めはあんたを冒険に連れ出してやるって言ってたのに、今じゃ夫婦なんてね」

 

「人生わからんな。だが、退屈はしないだろう?」

 

 彼女が結婚した後でも感じてしまう違和感に笑いながら言うと、ローグハンターは肩を竦めながらそう問うた。

 その問いに妖精弓手は満面の笑みを浮かべ、こくりと頷いた。

 

「ええ。冒険と変わんないくらい、楽しいわよ」

 

 その言葉は後に生まれる二人の子供に向けても言われる言葉であり、夫婦生活の中で彼女の口癖ともなる言葉でもあった。

 だがそれを知るのは、あと数年が経った後の話である。

 

 

 

 




感想、リクエスト等ありましたら、よろしくお願いします。


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Memory?? 雨に濡れて

リクエストから。

ヒロインは女神官。
依頼終わりに突然の豪雨に見舞われた二人が……。




 ざあざあと音を立て、大量の雨が降り注ぐとある森の中。

 動物たちも雨宿りしようと慌てて住処に帰っていく中、彼らに混じって二つの人影が木々の隙間を駆けていた。

 

「だから、この時期の依頼は嫌いなんだ……っ!」

 

 雨のおかげでそこまで暑くはないけれど、今の季節は夏。

 その中でも雨が多く、命知らずの冒険者たちも依頼に向かうのが億劫になる梅雨の時期というのは、逆に言えば物好きな連中の稼ぎ時。

 依頼を取り合う相手が減るのだから、受けられる依頼が増えるのは当然のこと。

 まあ、ローグハンターはどの季節でもならず者狩り(ローグハント)以外に興味もない。

 だが一つ問題があるとすれば、行く先々で突然の豪雨に襲われることだろう。

 

「そんな事を言っても、依頼を受けたのはローグハンターさんですよ!」

 

 目深く被ったフードの下で悪態を吐いた彼に、彼の後ろを必死になって追いかける女神官がそう返した。

 前衛職の彼と、後衛職の彼女では文字通り持久力(スタミナ)が違いすぎる。

 それでも彼女が置いていかれないのは、ローグハンターが彼女の走る速度を──もちろん、それ以外のことも熟知し、絶妙な加減で走っているからに他ならない。

 雨の音で聞こえにくいだろうに、彼女の声を確かに拾ったローグハンターは「それはそうなんだが」と申し訳なさそうな声で呟き、意識を前に向けた。

 森の中を走っているのだ。当然野生動物が飛び出してくるなり、村の猟師が仕掛けた罠があったりするかもしれない。

 それにぶつかるなり、引っ掛かるなりして怪我をしましたなど、冒険者として恥ずかしいにも程がある。

 そんな彼の視線の先に、木々の間に隠れるように建てられた小さな小屋──おそらく、猟師たちが休むための仮の拠点を発見した。

 

「雨宿りにはちょうどいい。あそこに入るぞ!」

 

「はいっ!」

 

 それを指差しながら叫べば、後方から素早く返答が放たれた。

 その返事を合図にローグハンターは僅かに速度をあげ、女神官もまたどうにか食い付かんと足の動きを速める。

 そして二人は転がり込むように、その小屋の中に飛び込んだ。

 そのまま警戒するように小屋を見渡したローグハンターは、途端に汚物を見るような視線になり、女神官もまた困り顔を浮かべた。

 言ってしまえば廃墟一歩手前という状態であった。

 天井に穴が空いていたり、窓が割れていたりと、そういった事はないのだが、暖炉は埃に塗れ、積み上げられた薪はどれも湿気り、部屋の角には蜘蛛の巣まで張っている。

 

「……使われていないのでしょうか?」

 

「そうみたいだな」

 

 小屋の中を見渡して首を傾げた女神官の問いにローグハンターは頷き、放置されている机を指で撫で、大量の埃がついたことに眉を寄せた。

 雨風が凌げるだけましではあるが、流石に汚すぎてはなかろうか。

 ローグハンターは溜め息混じりに肩を竦めると、雑嚢から雑巾を取り出してそれを広げた。

 

「俺はざっとではあるが掃除するから、お前は松明を暖炉に放り込んで、とりあえず火を入れてくれ」

 

「はいっ」

 

 彼の指示に女神官は寒さに震えながら頷き、さっさと火を付けて温まりたいのか、暖炉に駆けていった。

 彼女を見送ったローグハンターはフードを脱ぎ、濡羽色の髪を揺らしながら溜め息を漏らす。

 とりあえず、この汚い小屋が今日の仮宿になるのだ。綺麗にしてしまっても、本来の持ち主には何も言われまい。

 

 

 

 

 

 パチパチと手拍子にも似た音を立て、暖炉の火が揺れ動く。

 雨に濡れて重くなった衣装をハンガーに吊るして乾かしている中で、ローグハンターと女神官は毛布に包まったまま、冷えた体を温めようと火に当たっていた。

 二人は何も言わずに肩を寄せ合い、バタバタと騒がしい雨音に耳を傾ける。

 ローグハンターはその雨音を楽しむように目を閉じているが、女神官はそんな彼の横顔を見つめて照れたように赤面し、それを誤魔化すように毛布の下でもじもじと身動ぎしていた。

 僅かにきこえる布擦れの音に気付いてか、ローグハンターはそっと目を開き、彼女の方に目を向けた。

 突然目があった女神官は「ひっ」と悲鳴を漏らして顔を真っ赤にすると、慌てて顔を背けてその表情を見せないようにした。

 もっとも既に耳まで赤くなっているのだから意味はないのだから、ローグハンターは声もなく苦笑を漏らす。

 いつまで経っても恥ずかしがり屋で、けれどどこか照れ隠しの方法がずれている。

 そんな姿を愛おしく思いつつ、彼女の髪を撫でてやろうと手を伸ばすと、

 

「へくちっ!」

 

 女神官が随分と可愛らしいくしゃみを漏らした。

 それに驚いたように目を見開いたローグハンターは「大丈夫か?」と問うて彼女の肩に手を置くと、その肩が僅かに震えている事に気付いた。

 

「そんなに寒いのか?すまない、気が付かなかった」

 

「あ、いいえ。大丈夫で──っくち」

 

 ローグハンターが申し訳なさそうにそう言って彼女に自分の毛布を被せようとするが、女神官はそれを手で制して遠慮するが、我慢できずに再びくしゃみをしてしまう。

 はぁと溜め息を吐いた彼が毛布を被せようとするが、女神官は「駄目です」と返して彼を止めた。

 

「ローグハンターさんだってびしょ濡れなんですから、風邪をひいてしまいます」

 

「俺はそれなり以上に丈夫だから、大丈夫だと思うが」

 

「駄目ですっ。万が一にも風邪を引いてしまったら、申し訳が立ちません!」

 

「だが──」

 

「だが、はなしですっ!」

 

 ローグハンターがどうにか彼女を温めようとすると、女神官がすぐに断りを入れる。

 そんなやり取りを数度繰り返したローグハンターは諦めたように溜め息を吐くと、不意に別の手を思いついたのかハッとした表情となった。

 

「じゃあ、こうしよう。俺もお前も温かいままだ」

 

「……?」

 

 彼の提案に女神官が首を傾げると、彼は毛布に包まったまま不敵な笑みを浮かべ、じりじりと彼女ににじり寄る。

 

「あ、あの、ローグハンターさん?」

 

「大丈夫だ。これなら何の問題もない」

 

 接近するローグハンターに対し、女神官も少しずつ横にずれて距離を取ろうとするが、彼は構わずに彼女に近づいていき、そして──、

 

「せいっ!」

 

「きゃあ?!」

 

 間の抜けた声と共に、女神官に飛びかかった。

 あまりに素早い身のこなしに女神官は悲鳴をあげることしかできず、彼の飛び掛かりを避けることも出来なかった。

 

 

 

 

 

「あ、あの、ロ、ロロ、ローグハンターさん……?」

 

 そんな一瞬の攻防の後、女神官は照れと羞恥心に顔を耳まで真っ赤にしたまま、背後のローグハンターに声をかけた。

 

「どうした。まだ寒いか?」

 

「い、いえ、そんな事はないです、けど……」

 

 当の彼はあっけらかんとした声音で問いかけると、女神官はあちらこちらに目を泳がせ、言葉を詰まらせて言い淀む。

 先の攻防の末、大股を開いて座るローグハンターの足の間に座らされ、腰に手を回されて抱き寄せられ、背中で彼の温もりを直に感じる。

 あぅと声を漏らす彼女を他所に、ローグハンターは彼女の頭に顔を寄せると、何を思ってか少し鼻で息をし始めた。

 雨と汗の臭いに混ざって感じる甘い香りは、普段の彼女が放つもの。

 あの雨の中でも消えずに残っているのが堪らなく嬉しいのか、それを堪能しようとぐりぐりと彼女のつむじの辺りに顔を擦り付ける。

 女神官は擽ったそうに身動ぎするが、生憎と彼の両腕が腹に巻き付いている為逃げることもできず、ただ恥ずかしそうに俯くのみ。

 

「うぅ……」

 

 赤面して、あまりの恥ずかしさに頭から煙を吹き始めるが、ローグハンターはそれも気にせずに彼女の臭いを堪能。

 そして温めてやろうと気を利かせてか、優しく彼女の腹を撫で始める。

 さすさすと肌同士が擦れ合う音を聞きながら、女神官はその温もりを堪能するように「はふ」と気の抜けた声を漏らし、彼に体重を預けて身体を弛緩させた。

 

「んっ……ふっ……んん……」

 

「……」

 

 撫でる度に悩ましげな声を漏らし、ピクピクと身体を震わせる女神官の姿にローグハンターは無言で目を細め、気を紛らわすように視線を天井に向けた。

 今は休日でも依頼明けでもなく、依頼完遂の真っ最中だ。一応あとは街に帰って報告するだけだが、家に帰るまでが冒険という言葉もある。

 終わるまでは我慢しなければならない。この雨が上がり、街に戻ってから、その分もたっぷり愛してやればいい。

 それはわかっている。わかっているのだが、やはり愛する少女がこうも無防備に寄りかかってくると、男としてはやはり反応してしまう。

 少しずつ下半身に血が集まる感覚を感じ、慌てて深呼吸をして自分を落ち着かせようとするが、彼の意に反して身体は正直だ。

 一物が少しずつ膨らんでいき、ズボンを押し上げて彼女の臀部に押しつけられてしまう。

 女神官もそれに気付いたのだろう。そして臀部に押しつけられる鉄のように固く、そして火傷しそうな程に熱い何かの正体には、すぐに気づいたようだ。

 ただですら赤かった顔が見るに耐えない程赤くなり、あうあうと情けのない声を出して狼狽えている。

 

「すまない。すぐに落ち着かせるから、待ってくれ」

 

 ローグハンターも慌ててそう言って言葉通りに自分を落ち着かせようとするが、そう簡単にはいかないのかむしろ大きくなっていく始末。

 彼がじんわりと額に冷や汗を滲ませ、謝罪の言葉を口にしようとすると、それを制する形で振り向いた女神官が口を開いた。

 

「あの、その、もっと温めてください」

 

 恥じらうようにもじもじと太腿を擦り合わせ、そしてどこか期待するような視線を向けながら、彼に向けてそう告げた。

 ローグハンターは思わぬ彼女の言葉を理解が追いつかないのか、「え……」と間の抜けた表情で呟くと、女神官はそっと口元の傷跡に口付けした。

 そしてゆっくりと顔を離した女神官は緊張しながらも照れ笑いを浮かべながら告げた。

 

「まだ寒いので、もっと温かくしてくださいっ」

 

 ──今日は大丈夫な日ですから!

 

 そこまで言われて、彼女が何を言わんとしているかを理解できない程、ローグハンターも鈍感ではない。

 彼は思わず苦笑を浮かべると、そっと彼女のまだ冷たい頬を撫でた。

 

「ああ。お互い汗だくになるまで、温めあおうじゃないか」

 

 その言葉に女神官が微笑みながら頷くと、ローグハンターは静かに彼女の唇を奪った。

 性愛司りし地母神は、あらあらと困り顔を浮かべながら、敬愛なる信徒の大切な夜を邪魔しないよう、そっと他の冒険へと目を向けるのだった。

 

 

 

 

 暖炉の火に照らされて、不気味に揺れる影に囲まれた小屋の中。

 絨毯代わりに床に敷いた毛布の上に寝かされた女神官は、橙色の灯りに照らされるローグハンターの顔を見上げていた。

 対するローグハンターもまた暖炉の灯りでキラキラと輝く金色の髪を撫でながら、その一房を顔に寄せて口付けを一度。

 だが女神官が不満そうに唇を尖らせると、謝罪の言葉代わりに彼女の唇を奪った。

 

「ん……。ちゅっ……」

 

 それを真正面から受け止めた女神官は黙って彼の口付けを受け止めながら、細腕を彼の背に回してぎゅっと抱き寄せようとするが、彼女を潰したくないのか、ローグハンターが床についた腕の力のみでそれに耐えてしまう。

 女神官がキスをしながら不満げに唸ると、ローグハンターは一度キスを止め、すまんすまんと苦笑混じりに謝罪の言葉を口にした。

 

「だが、重いと思うぞ?」

 

「大丈夫です。……いつも私が重いって言っても退かないじゃないですか」

 

「それは、そう、だが……」

 

 彼女の言葉にローグハンターは言葉を詰まらせると、女神官はどうぞと言わんばかりに両手を広げた。

 そんな彼女に負けを認めるように溜め息を漏らしたローグハンターは、再び彼女に口付けをしながら身体を沈め、彼女の華奢な肉体に覆い被さった。

 だが彼の言った通りに重いのか、僅かに口を広げて苦しげに息を漏らすと、その隙間からローグハンターの舌が入り込んだ。

 

「んん……っ?!ちゅる……っ!んふ……♡」

 

 口腔を這い回り、口中の粘膜に唾液を塗りたくられる感覚にぞわりと背筋を震わせた女神官は途端に熱のこもった吐息を漏らし、彼の舌に自分の舌も絡めた。

 じゅるじゅると湿った音を立てながら舌が蛇のように絡み合い、お互いの唾液を相手に塗りたくっていく。

 

「ん〜♡んくっ……♡はひゅ……♡んくっ……♡」

 

 だが、上下の関係で流し込まれる量の方が多い女神官は必死に喉を鳴らして彼の唾液を飲み込んでいき、粘っこい液体が胃に落ちる度に快感に身体は震わせる。

 その様子を薄く開いた瞳で見つめていたローグハンターは彼女に気付かれないように音もなく片手を動かし、そのまま彼女の股間に手を滑り込ませた。

「んん?!」とキスをしたまま目を見開いて驚愕する彼女を他所に、ローグハンターは僅かに湿り気を帯びたショーツの中に手を入れ、まだ触れてもいないのに濡れ始めている秘裂を撫でた。

 

「ひぅ……っ♡」

 

 同時に女神官の口から上擦った声が漏れ、それを合図にキスを中断。

 ローグハンターは鼻先が触れ合うほどの距離にある彼女の顔を見下ろしながら微笑みを浮かべると、僅かに身体を傾けて彼女が動きやすいようにすると、容赦なく彼女の秘部に指を押し込んだ。

 

「ひぁっ……♡」

 

 胎内に入り込む異物感と、筋肉質で筋張った指が膣を撫でる快感に嬌声を漏らし、僅かに腰を浮かせて身体を強張らせる。

 ローグハンターは相変わらず敏感な──あるいは彼も無意識の内に調教してしまった──彼女の反応に苦笑しつつ、彼女の膣肉、特に陰核(クリトリス)の裏側を責めるように、優しく指を動かし始めた。

 

「あひっ……♡やっ、ひぅ、ああああ♡♡」

 

 指が動く度にくちゅくちゅと湿った音が漏れ、女神官はじんわりと肢体に広がっていく快感に恍惚の表情を浮かべながら、甘ったるい声を漏らす。

 ゆっくりと指を動かしながら彼女の反応を伺っていたローグハンターは手応えを感じてか、少しずつ指の動きを激しくし始めた。

 

「ひぎ……っ♡ま、待ってくだ──ひゃ♡ロ、ローグハンターしゃん……っ♡」

 

 ぐちゅぐちゅと先程よりも激しい音を立てながら膣肉を撫でてやれば、女神官はかくかくと腰を揺らしながら嬌声を漏らし、掻き出された愛液がショーツに染み込んで少しずつ色を変えていく。

 

「イっ……♡はひゅ……♡まへ、まっへくらさぃい……♡♡」

 

 女神官は快感に喘ぎながら彼の手を取って止めさせようとするが、ローグハンターは構わずに指を動かし続け、ひたすらに彼女の膣を責め続ける。

 

「やめへ……っ♡イくっ♡イッちゃいましゅ、からぁ……♡♡」

 

 白磁の肌に珠のような汗を浮かべながらビクン!ビクン!と身体を跳ねさせ、快感に押されるように身体が強張っていく。

 彼女は快感に耐えるように身体を強張らせ「ローグハンターしゃん……っ」語気を強めるが、彼はそれを都合よくおねだりだと判断したのか、にこりと怪しい程清々しいまでの笑みを浮かべた。

 

「我慢は身体に毒だぞ。さっさとイけ……っ!」

 

 その言葉と同時に、手持ち無沙汰だった指で彼女の陰核を摘んだ。

 瞬間、全身に電撃が走ったような衝撃と快感に耐える事も出来ずに絶頂を迎え、跳ねるように背中を弓なりにしならせた。

 

「ひぎっ、ああああああああああああ♡♡♡」

 

 女神官は床についたまま力んだ両足が爪先まで伸びきり、腰を突き出しながら絶叫し、吹き出した潮をショーツが吸いきれず、ピチャピチャと音を立てて毛布と小屋の床に降り注ぐ。

 それに合わせてローグハンターが指を抜けば、潮に混ざって溢れた愛液がショーツから滲み出すとゆっくりと毛布の上に垂れていき、染みを作っていく。

 

「あ……♡ひぅ……っ♡へぁぁ……♡♡」

 

 そして数十秒ほどで絶頂が治まった女神官は潰れるように床に倒れると、秘裂からちょろちょろと音を立てて僅かに黄色に液体──おそらく尿を漏らしながら、恍惚の表情を浮かべていた。

 蕩けた瞳に、だらしなく開いた口、そこから溢れる唾液と、敬虔な信徒である彼女では絶対に見せない、娼婦のような顔。

 ピクピクと身体を痙攣させ、無意識の内に声を漏らす女神官を見下ろしながら、ローグハンターはズボンとパンツを脱ぎ捨て、彼女のショーツを引き剥がした。

 同時にむんと香る彼女の臭いが小屋の中を満たし、ローグハンターは目眩を覚えて頭を抱えた。

 

「あふっ……♡ローグ、ハンターしゃん……♡くらしゃいっ♡もっと、あたためて、くだしゃい♡♡」

 

 そんな彼に甘えるように擦り寄った女神官は血管が浮かび上がる程に勃起し、先走り汁を滲ませる彼の一物に頬擦りすると、その臭いで肺を満たすように鼻を押し付け、思い切り息を吸った。

 そのくすぐったさにビクン!と跳ねた一物の反応に女神官は笑みを浮かべ、それを頬張ろうと口を広げるが、それよりも速くローグハンターに押し倒された。

 女神官は「きゃ♡」とわざとらしい悲鳴をあげるが、飢えた獣のように息を荒げる彼の息遣いに、女神官は瞳の奥にハートマークを浮かべた。

 そのまま彼は力任せに彼女の足をこじ開けると、亀頭を彼女の秘裂に押し当て、勢いのままに腰を突き出して一物を彼女の胎内に叩き込んだ。

 子供の腕ほどありそうな立派なものは、ローグハンターと比べて一回りも二回りも違う彼女にはあまりにも大きい。

 股から下腹部にかけて一物の形が浮かび上がり、まだ根元まで入りきっていないのに容易く子宮を押し潰す。

 

「ひぅぅ……っ♡♡あった、かい……ですぅ……♡♡♡」

 

 胎内を占める圧迫感と、それと同時に感じる快感にピクピクと身体を震わせながら、彼の一物が放つ熱に当てられた彼女は、心の底から嬉しそうに笑いながら、そっと下腹部を撫でた。

 薄く筋が入り始めた腹の肉越しでも、彼の逞しい一物の固さと温もりを感じ、「えへへ♡」とだらしのない笑みをこぼしてしまう。

 その笑顔に微笑みを返したローグハンターは辛抱堪らずに彼女の唇を奪うと、ついに最後の一歩を踏み出し、強引に一物を根元まで彼女の胎内に押し込んだ。

 ごりっ!と子宮が潰れ、内臓が押し上げられる嫌な音が秘裂から溢れ出し、「お"……♡」と普段の女神官からは想像もできない汚い悲鳴を漏らした。

 

「お"……♡♡んんっ……♡♡ぎぃぃ♡♡♡」

 

 ローグハンターがそのまま微動だにしていないのに、女神官は絶えず感じる快感に喘ぎ声を漏らし、彼の胃に流し込んでいく。

 それを受け止めながら愉快そうに目を細めたローグハンターは、亀頭を押し付けるように腰を前に突き出したまま、小さく左右に振ってぐりぐりと子宮口を押しほぐす。

 

「──っ♡っ〜〜〜♡♡♡っ♡♡♡」

 

 それだけで小さな絶頂を迎える女神官は視界を点滅させながら全身を震わせ、引き締まる膣肉が彼の一物を力強く締め付ける。

 その感覚に心地よさそうに鼻から息を吐いたローグハンターはキスを止めると、その代わりに優しく彼女を抱きしめた。

 疑問符を浮かべる女神官をそのままひょいと持ち上げ、彼女の背に暖炉の火の熱気を当たるように位置を調整しながら、その場で胡座をかいた。

 彼も意図してだろう。少々勢いをつけて腰を下ろしたからか、ごちゅ!と肉が潰れる音が彼女の胎内から漏れ、同時に腹から脳天まで駆け抜けた快感に、女神官は目を見開きながら身体を仰け反らせた。

 

「ひゅいっ♡♡ひぃああああああああああああ♡♡♡♡」

 

 そして悲鳴にも似た嬌声をあげながら絶頂を迎え、二人の接合部から吹き出した潮が彼の足を濡らしていく。

 だがそれが不快ではないローグハンターは彼女の耳元に顔を寄せると、「温かいぞ、ありがとう」と礼の言葉を口にして、優しく彼女の頭を撫でてやった。

 

「っ……♡〜〜♡♡」

 

 彼の行動に女神官は言葉もなく歓喜に震えながら、絶頂直後でうまく力が入らない肢体をどうにか動かし、彼の足の上で上下に跳ね始めた。

 彼女が跳ねる度に彼女の子宮は潰されたり、元に戻ったりを繰り返し、ローグハンターの足と彼女の臀部がぱちゅん!ぱちゅん!と湿り気を帯びた鋭い音を立ててぶつかりあう。

 

「あひゅ♡♡あひっ♡♡ぃいいいいいい♡♡♡」

 

 そうしている間にも女神官は小さな絶頂を繰り返し、口からは理性の欠片もない喘ぎ声を漏らしながら、ローグハンターに目を向けた。

 彼は彼女の奉仕に嬉しそうに笑い、そっと彼女の唇に口付けした。

 そのまま舌を彼女の口内に差し込み、快感でピンと伸びきっている彼女の舌に絡みつき、緊張を解すように優しく舐め回す。

 

「んん〜〜♡♡んふっ、ん〜♡♡♡」

 

 だがそれが更なる興奮を呼び出したのか、女神官は一際高い嬌声を漏らし、全身に鳥肌を立てながら彼にぎゅっと抱きついた。

 それでも必死に腰を振っている辺り、もう快感の虜になってしまっているのだろう。

 ローグハンターもまた彼女を優しく抱きしめ返すと、彼女の首に唇を落とした。

 女神官は喘ぎ声を混じりに擽ったそうに声を漏らし、お返しと言わんばかりに彼の首に吸い付き、ちろちろと舌を這わせて滲んでいた汗を舐めとる。

 そのしょっぱさに眉を寄せつつ、もう癖になってしまったその味を堪能しようも必死に舌を動かせば、今度はローグハンターが擽ったそうに小さく笑い、舐める度に引き締まる膣肉の締め付けに眉を寄せつつ悩ましげに息を吐いた。

 彼女の腰の動きに合わせて引き締まる膣肉が本物の手のように一物を扱き、早く射精()してと言わんばかりに蠢く。

 そしてもう我慢の必要もないかと溜め息を吐いたローグハンターは、そっと彼女の腰に手を添えると、

 

「ふんっ!」

 

 気合い一閃と共に、彼女の腰を引き下ろした。

 どちゅん!と鋭い音を立てて一物が一気に根元まで彼女の胎内に入り込み、思わぬ衝撃に女神官は思わず彼の首に噛みついてしまう。

 そんな僅かな痛みに耐えながら、腰を左右に振って押し潰した子宮を亀頭で捏ねるように責め立てる。

 その間にも膣肉が彼の一物を締め付け、ヒダ肉が竿を舐め回して射精を促す。

 そして、もう我慢はしないと決めていたローグハンターは尿道を駆け抜けていく熱を抑えることもせず、そのまま押し潰した彼女の子宮に精液を吐き出した。

 

「お"……♡ぎぃ……♡♡んぅううううううう♡♡♡♡」

 

 それをその身一つで受け止める事になった女神官は、彼の首に噛みついたまま絶頂を迎え、くぐもった嬌声を漏らす。

 そんな彼女をあやすようにぽんぽんと優しく背を叩きながら、ローグハンターは一滴残さず彼女に注ぎ込まんと腰を突き上げ、子宮口と亀頭の隙間を限りなくなくす。

 

「うぅ"……♡♡ん〜〜♡♡♡」

 

 彼の首を噛みながら獣のように唸った女神官だが、子宮を満たしていく溶けた鉄のように熱い精液の温もりに心地よさそうに身体を弛緩させた。

 そして数分かけて吐精を終えたローグハンターは彼女を抱きしめたまま大きく息を吐くと、そっと女神官の表情を伺った。

 

「あへっ……♡ローグハンターしゃぁん……♡あったかいれすぅ♡♡」

 

 自分の胸の中でピクピクと身体を痙攣させながら、恍惚の表情のまま胸に擦り寄ってくる彼女は、上客に媚びる娼婦のような声音で彼にそう告げた。

 言われた彼は額の汗を拭いながら笑みを浮かべると、「俺もあったかいよ」と返して彼女の額に唇を落とした。

 それに嬉しそうに身を震わせた女神官はお返しに彼の頬にキスすると、おねだりするように彼に擦り寄りながら彼の顔を見上げた。

 

「もっと……、もっとあっためてくだしゃい……♡♡」

 

 そしてもう隠す気もない情欲の炎を目の奥で揺らしながら、女神官はそう告げた。

 ローグハンターはそれに首肯すると、もう容赦しないと言わんばかりに彼女を押し倒した。

 雨はまだ止まず。けれど二人の愛は冷める事なく、騒がしい夜は過ぎていくのだった──。

 

 

 

 

 

 翌朝、早朝。

 

「ぁっ……♡──……っ♡♡っっっ♡♡♡」

 

 毛布に寝かされた女神官は、秘裂から精液と愛液の混ざった大量の白濁液を溢れさせながら、完全に放心状態となっていた。

 輝きを失った瞳は天井の一点を見つめ、漏れ出す吐息には熱がこもり、ビクビクッ!と身体を痙攣させたかと思うと、秘裂からチョロチョロと音を立てて失禁してしまう。

 

「……」

 

 やってしまったと顔を手で覆ったローグハンターは、とりあえず身体を清めてやろうと雑嚢にあった手拭いに水袋の水を含ませ、彼女の身体にこびりついた白い染みを拭っていく。

 そしてふと頭に感じた温もりに顔をあげると、そっと窓の外を覗いて笑みを浮かべた。

 一晩中降り続いた雨も止み、陽の光を水滴が反射して幻想的な光景が広がっている。

 梅雨も悪くないかと、そんな光景に魅入りながら肩を竦めるが、

 

「ぁひゅっ……♡♡んぁっ……♡♡ふへへっ……♡♡♡」

 

 そんな彼を現実に引き戻すように、女神官の喘ぎ声が耳に届く。

 ローグハンターは深々と溜め息を吐くといそいそと後処理を始め、すぐにでも撤収できるように事を進めていく。

 そして二人が街に戻ったのは、この日の夜遅く。

 その道中にも豪雨に襲われた二人がその晩どうしたのかは、もはや語るまでもないだろう。

 天上から見守る地母神も、流石に苦笑漏らしたとか、そうではないとか──。

 

 

 

 




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Memory?? 痛みを貴方に

リクエストから。
ヒロインは女神官。

とある奇跡を授かった女神官が、ローグハンターにお披露目したところ……。

時期は最終決戦後を想定しています。


 辺境の街から徒歩で数分。そこには巷で噂の冒険者の訓練所がある。

 多くの有力な冒険者を輩出しているその街の訓練所とあって、多くの新米冒険者たちが訪れるのだが、その近くの森の中にピクニックでも出来そうな小さな空き地がある事を知っている者は少ない。

 そして昼過ぎで多くの冒険者たちが訓練所から街に戻り、それぞれの依頼を受けてあちこちに散っていくとなれば、そこに人がいないのは当然のことだ。

 だがそんな森の広場に、二つの人影が現れる。

 様々な縁に恵まれた結果、ごく少数のものしか知らない戦いを制して四方世界を救ったローグハンターと、彼の相棒兼恋人である女神官だ。

 

「それで、新しい奇跡を使えるようになったんだって?」

 

 黒い外套(ローブ)と白い髪を風に揺らしながらローグハンターが振り向くと、女神官は「はいっ!」と元気よく返事をしながら得意気に笑い、ぎゅっと錫杖を握った。

 その表紙にしゃらりと錫杖から音が漏れるが、静かで清らかなそれはローグハンターが好む音色だ。

 事実その音が聞こえた途端にいつもは凛としている表情が僅かに緩むのだから、余程好きなのだろう。

 そんな彼の顔に女神官は嬉しそうに微笑むが、すぐに表情を引き締めて辺りを見渡し、他に人がいないかを確認。

 ローグハンターが既にやっているだろうが、これから使う奇跡の都合上、周りには信頼している人しかいて欲しくはない。

 

「ここにいるのは俺たちだ。安心してくれ」

 

 そんな彼女を憂慮を払うように、ローグハンターは頭上を舞っている鷲を指差しながらそう告げた。

 こうして話している間でも警戒してくれているのだろう。彼がそう言うのなら一安心だ。

 

「わかりました。では、早速始めます!」

 

 そんな彼の苦労に報いる為、女神官はやる気に満ちた声音でそう言うと、今一度錫杖を両手で握り直して地面に突き立てると、目を閉じて意識を集中。

 緊急時ではないけれど、この力は彼に教えておかなければいざという時に役に立たない。

 自分ではどう使うべきかよくはわからないが、彼ならきっと上手い使い方を示してくれる筈だ。

 そんな期待と共に目を開けた彼女は、心の奥底──魂をすり減らすほどの祈りを地母神に捧げながら祝詞を口にする。

 

「《いと慈悲深き地母神よ。根を張り、枝伸ばす、大樹の如き守りをお授けください》!!!」

 

 彼女が天にも届かんばかりに高らかとそう祈った直後、不可視の何かが彼女の体から足を伝って地面に埋まっていき、さながら木の根のように大地と絡みつき、その力の一部を吸い上げる。

 タカの眼を通してそれを見ていたローグハンターが感嘆にも似た息を漏らすと、優しげな光が女神官を包みこみ、惜しみなき地母神の加護を彼女に与えた。

 

「これは……?」

 

「『不動(ステッドファスト)』の奇跡です。思いっきり押してみてください」

 

 見覚えのない奇跡の力に首を傾げるローグハンターに、女神官は可笑しそうに笑いながらそう返した。

 彼女の言葉にローグハンターは「え?」と僅かに困惑した声を漏らし、「押すのか?」と再度確認。

 

「はい!思いっきりどうぞ!」

 

 彼女を心配しているからこその問いかけなのだが、女神官は満面の笑みと共にそう告げる。

 説得は無理そうだなと顎に手を当てたローグハンターは、彼女が怪我をさせず、かつ手加減していないと思わせるギリギリの加減が必要だ。

 

「……」

 

 無言で思慮する彼に、女神官は早く早くと言わんばかりにキラキラと輝く碧眼を向けている。

 そんな視線を向けられたローグハンターはついに諦めたのか、溜め息混じりに彼女の肩に手を置いた。

 

「それじゃ、いくぞ?」

 

 そして念のための最終確認をすると、女神官は「どうぞ!」と楽しそうな声音で返す。

 何故ノリノリなのかわからないローグハンターは再び溜め息を漏らすと、ついに観念して彼女の肩を押した。

 

「……ん?」

 

 直後に感じた違和感に首を傾げ、眉を寄せながら彼女の顔に目を向けた。

 夜空を閉じ込めた蒼い瞳に見つめられた女神官は照れたように頰を赤くするが、微動だにせずに彼を見つめ返す。

 ローグハンターはその違和感の正体を確かめようと再び彼女の肩を押すが彼女は微動だにしない。

 普段なら軽くぶつかっただけでもよろけるほど華奢だというのに、今は転ばすつもりで押しているのにぴくりとも動かないのだ。

 若干自棄になって本気で押してみるが、さながら大地に根を張る大樹のように揺らぐことはない。

 

「これが『不動』の奇跡の効果なのか?」

 

 少しずつ力を込めて数度彼女を押したローグハンターが、ついに負けを認めるように彼女の肩から手を離しながら問うと、女神官は「はい」と返事をするが、頷いたり首を動かしたりと動くことはない。

 正確には動けないのか、ローグハンターは首を傾げてむぅと唸った。

 

「この場から一切動けなくなってしまうんですけど、その間は『装甲点』が上がったり、浅い傷ならすぐに治るようになったりするんです」

 

 女神官はいつもは自分を導いてくれるローグハンターに、珍しくこちらから何かを教えるという状況に楽しそうにしつつそう告げた。

 言われたローグハンターは困り顔で唸ると、彼女に背を向けて何やら思案顔を浮かべた。

 せっかく使えるようなった奇跡を、どうやって仕事に生かすかを考えているのだろう。

 ローグハンターは顎に手をやったまま右往左往しながら唸り、必死になって物を考えていた。

 防御力が上がり、傷も自動回復するというのは確かに便利だが、動けなくなるというデメリットがあまりにも大きすぎる。

 敵の目の前で動かないのは命を差し出すのとほぼ同義。そんな危険(リスク)を女神官に背負わせるわけにはいかない。

 むうむうと唸る彼を視線で追いながら、女神官は先日から考えていた自分なりの使い方を彼に言う。

 

「この奇跡を使えば、私でも殿(しんがり)を務められると思います。いざという時は、盾にもなれます」

 

 過去の戦いにおいていざという時に役に立たず、その状況をボロボロになりながらも切り開いたローグハンターの傷を癒すことしか出来なかった彼女が思いついた、彼の負担を減らす方法の一つ。

『不動』の奇跡がある限り彼女は文字通り不落の壁となり、彼を守る盾にもなれるだろう。

 

「……」

 

 だがその言葉を受けたローグハンターが、それを許すかと問われれば答えは否。

 彼女に背を向けていた彼は眉を寄せると神妙な面持ちで振り向いた。

 

「……ローグハンターさん?」

 

 彼がいつになく怖い顔をしている事に驚いてか、女神官が困惑の表情を浮かべて彼を呼ぶと、彼は無言のまま彼女に近づいていく。

 無言で顰めっ面という、強烈な威圧感を放ちながら近づいてくる彼に僅かに怯えてしまうが、『不動』の奇跡を使っている都合上、逃げることもできない。

 本来なら逃げる理由もないのだが、今の彼からは逃げねばと思えるほどの強烈な怒気を感じるのだ。

 

「あ、あの……?」

 

 女神官が恐る恐る彼に声をかけると、ローグハンターは表情を僅かに緩めながら彼女の頬を撫でた。

 いつも通りの優しい手つきに女神官の強張っていた表情から力が抜けるが、ローグハンターは不意に彼女の帽子を脱がした。

 押さえられていた髪が風に吹かれて揺れ、陽の光を反射してキラキラと金糸のように輝く。

 ローグハンターは彼女の帽子を大事そうに腰帯に下げると、そっと彼女の髪を撫でながら言う。

 

「帽子が取れるってことは、他人の手を借りれば服を脱いだり装備を変えたりはできるのかもな」

 

 そして微笑み混じりに彼女の奇跡に対する考察を述べると、すぐに表情を引き締めて彼女に顔を寄せた。

 いきなり鼻先が触れ合うほどの距離になった彼の顔を見つめた女神官の口から変な声が漏れるが、ローグハンターは構わずに言う。

 

「──で、さっきの殿の件だが」

 

 さながら敵対者に向けて言うような冷たい声音に女神官は額に嫌な汗を滲ませるが、ローグハンターは無言で彼女の背後に回り込んだ。

 

「ロ、ローグハンターさん。あ、あの……?」

 

『不動』の奇跡で身動きができない女神官は振り向くこともできずに怯えた声で彼に声をかけるが、不意にローグハンターが背筋を撫でた事を合図に「ひっ!」と悲鳴を漏らした。

 いつもなら身体を揺らしたり、慌てて振り向いたりして彼に反応を返せるのだが、『不動』の奇跡の効果中故に何もすることができない。

 ローグハンターはそのまま彼女の背筋を指で撫でると、不意に彼女の臀部を鷲掴んだ。

 

「ひぁ?!」

 

 彼の奇行に女神官は悲鳴をあげるが、ローグハンターは構わずに彼女の臀部を堪能するように揉みながら、彼女の肩に顎を置いて耳元で言う。

 

「動けないってことは、何をされても反撃できないってことでいいのか?」

 

 どこか挑発するような声音での言葉に女神官は反論できず、「うぅ」と小さく唸るのみ。

 動こうと思えば動けるのかもしれないが、動こうと思っても動けない。まだ練度が足りないのか、ローグハンターのおかげで十分に集中できていないからか。

 

「返事がないってことは、そういうことでいいんだな?」

 

 そんな彼女の反応にそう返したローグハンターは、彼女の臀部を服越しに揉んでいた手をズボンの中に突っ込み、ショーツの中に滑り込ませると直に彼女の臀部を撫でた。

 

「ひぅ……っ!」

 

 女神官の口から僅かに熱のこもった声が漏れ、思いの外汗をかいていたのか、手のひらに僅かな湿り気を感じる。

 触れれば柔らかく、そして温かい。いつまでも触れていたい感触に目を細めたローグハンターは、彼女の耳が真っ赤になっている事に気づいて苦笑をこぼす。

 

「傷が治るのは便利だが、動けないってのは不便だな」

 

 耳朶をくすぐるように息を吹きかけながらそう告げて、辛抱堪らずに彼女の耳を甘噛みした。

 くちゃくちゅと音を立てて咀嚼してやれば、女神官は耐えるように口をつぐんだ。

 

「ひっ……。ぁ……っ。んんっ……!」

 

 かぷかぷと優しく耳朶を噛んでやったり、耳の穴に舌を突っ込んだりと、普段なら抵抗されそうな事をしてやれば、女神官の顔はみるみる赤くなり、つぐんだ口からは熱のこもった吐息が漏れる。

 ローグハンターはそんな彼女の様子にご機嫌そうに目を細めると、臀部を揉んでいた手を前に回り込ませた。

 僅かに汗ばむ白磁のような肌の温もりを堪能しつつ、手入れの行き届いている陰毛を指先で軽く撫でてやれば、女神官は小さく声を漏らしてローグハンターに声をかけた。

 

「ローグハンターさんっ……!い、いい加減にしてください!!」

 

 そして彼女にしては珍しく語気を強め、鋭い声音で彼を制止させようとするが、彼は気にしない。

 常日頃からならず者たちの殺意混じりの怒号を浴びながら戦っているのだ。小娘の怒鳴り声程度では怯みわけがない。

 ローグハンターは苦笑混じりに彼女の頬に口付けすると、「嫌なら抵抗しろよ」と耳元で囁く。

 もちろん件の奇跡を使っている都合上、それができないとわかっていての発言であり、事実女神官は不服そうに唸るばかり。

 だがローグハンターはそれを無視する形で鼻を鳴らすと、彼女の下腹部を撫でていた手で秘裂に触れた。

 僅かに湿り気を帯びていた為かくちゅりと湿った音が漏れ、指先にも生温かい感触を覚える。

 微笑み混じりに真っ赤になった彼女の頬に擦り寄りながら、湿った音を彼女にも聞こえるように僅かばかり強めに秘裂を撫で、何度も何度も擦り付けた。

 撫でれば撫でるほどくちゅくちゅと湿った音が漏れ、滲み出た愛液がローグハンターの指を湿らせていく。

 指を湿らせる彼女の温もりを楽しみつつ、彼は空いている手を彼女の服の裾から入り込ませ、平らとは言わないまでも薄い胸に手を置いた。

 

「ひぁ……っ?!」

 

 動けない故にされるがままの女神官は困惑の声を漏らすが、ローグハンターは片手で乳首を転がしつつ、もう片方の手で秘裂を責める。

 

「ひぁ……っ!あっ……!ひっ……♡」

 

 くちゅくちゅコリコリ、女神官は二つの刺激に気の抜けた表情になりながら、だらしなく開いた口から艶っぽい声を漏らした。

 彼女のスイッチが入ったと不敵に笑んだローグハンターは、秘裂を撫でていた指に愛液を十分に絡ませると、今度は秘部の中に挿しこんだ。

 そのまま締め付けてくる膣肉を優しく掻いてやれば、女神官の口から快感に喘ぐ声が漏れ、動かない四肢の代わりに膣肉が蠢いて指を扱いてくる。

 

「んんっ……♡あひゅ……っ!んぁあ……!♡」

 

 優しくゆっくりと撫でられる快感が、強さをそのままに素早く与えられるものに。

 撫でれば撫でるほど秘裂から愛液が溢れ、彼の指を伝ってショーツに落ちた側から染みへと変わっていく。

 陰核(クリトリス)の裏側を押しながら乳首を抓ってやれば、女神官は小さく絶頂したのか「んん〜〜♡♡」と上擦った声を漏らしながら動かない身体を強張らせる。

 

「どうせ誰も来ない。声を我慢する必要はないぞ?」

 

 いつもはそれなりに喘ぐ彼女が口を噤んでばかりいるからか、ローグハンターはそう煽りながら今しがたいい反応をした責め方を続行。

 傷がつかないように優しく、けれど強い快感を与えられるように力強く、ぷにぷにと乳首を抓りながら、コリコリと陰核の裏を掻いて刺激する。

 絶えず与えられる快感に女神官は目を見開き、どうにかやめてもらおうと口を動かそうとするが、そんな意志に反して口から出るのはだらしのない喘ぎ声ばかり。

 

「ひっ……!んんっ!ん〜〜♡っ、あひっ!?ああああ"ああ"♡♡」

 

「そう、その調子だ」

 

 不用意に口を開いてしまったからか抑えていた嬌声が溢れ出し、それを聞いたローグハンターはそんな彼女を褒めるように乳首を弾き、少し強めに陰核の裏を掻いてやる。

 ほらほらと煽りながら責めを繰り返せば、彼女の口からついに抑えきれなくなった喘ぎ声が漏れ始め、溢れた愛液でシーツをビシャビシャに湿らせながら、碧眼を快感に蕩けさせた。

 

「ひぎっ……!ローグ、ハンターしゃん……♡そこ気持ちっ、気持ちいいれすぅ♡」

 

 そして口から出たのは制止の声でも怒鳴り声でもなく、客に媚びる娼婦のような甘ったるい声だった。

 そんな彼女の変化にフッと笑ったローグハンターは「それでいい」と彼女を褒めてやりながら、頭を撫でる代わりに膣肉を撫でてやる。

 

「ひやぁぁぁああああああ♡♡♡」

 

 それだけで女神官は恍惚の表情と共に気の抜けた嬌声を漏らし、次々と掻き出される愛液をショーツだけでは吸いきれず、ズボンにも染みを作っていく。

 女神官がズボンとショーツが貼り付いてくる心地の悪さに小さく唸ると、ローグハンターは肩を竦めながら彼女のズボンを掴み、ショーツ諸共にずり下ろした。

 いきなり下半身を外気に晒された女神官は「ひゃ?!」と悲鳴を漏らし、白磁の肌を朱色に染める。

 汗ばんでいた肌を風が撫でていき、途端に感じた肌寒さに小さく唸ると、ローグハンターはズボンをずらして彼女の痴態によって勃起した一物を取り出した。

 そのまま彼女の股にそれを押し付けるとカリと竿を秘裂に擦り付け、滲み出た愛液でコーティングしていく。

 

「あひゅ……っ♡ひぅう……!」

 

 彼の一物で擦られる度に女神官は嬌声を漏らし、物欲しげな表情を浮かべるが、背後で腰を振っているローグハンターにはそれが見えない。

 だが段々と熱を帯びていく彼女の声に興奮したのか、ローグハンターは器用に亀頭を彼女の秘裂に押し当てると、耳元に顔を寄せて「いくぞ」と告げた。

 

「はい……っ」

 

 そんな彼の声に女神官は背筋を震わせながら応じると、ローグハンターは腰を突き上げて一気に彼女の奥底に一物を押し込んだ。

 だが途中で感じたいぶちんと何かを突き破る感触に眉を寄せ、同時に愛液混じりに秘裂から溢れた彼女の血に気づき、「な?!」と困惑の声を漏らした。

 

「ひぎっ!?い、痛い……?!な、なんで、私から、また破瓜の血が……っ!?」

 

 そして女神官もまた困惑の声をあげるが、すぐにハッとしてその理由にたどり着いた。

『不動』の奇跡は動けなくなる代わりに、防御力を僅かに上げ、あらゆる傷を癒すものだ。

 地母神にとって、破られた純潔の証さえも負傷と判断したのかもしれない。

 

 ──じ、地母神様は性愛も司るとはおっしゃりますけど……っ!!

 

 女神官は痛みに喘ぎながら、性にも寛大な女神の悪戯とも思える行為に困惑し、ローグハンターに待ったをかけようとするが、

 

「またお前の処女を貰えたんだな。地母神に感謝だ」

 

 ローグハンターはどこか嬉しそうに笑いながらそう言うと、構わずに腰を振り始めた。

 ソリ立ったカリがぐちゅぐちゅと音を立てて膣肉を解し、愛液と破瓜の血を掻き出しながら、動けない彼女の胎内を貫くように一物を叩きつける。

 

「ひにゃ?!ま、待って……!痛い、痛いですから……!!」

 

 痛みが蕩けていた意識が覚醒した女神官は必死に彼を止めようも声を張り上げるが、ローグハンターは「すぐに慣れるだろう」と無責任な事を宣い、彼女を突き上げる。

 

「んぁ?!いっ──!……?あれ、なんですか、これ……?」

 

 そんな彼に言い返そうとすると、女神官は下腹部に違和感を覚えて困惑の声を漏らすが、処女さながらの締め付けをしてくる膣肉の感触にローグハンターは唸り、「すまん、我慢できん!」と鋭い放つ。

 

「ふぇ?」

 

 その言葉が一瞬理解できなかった女神官が間の抜けた声を漏らすと、ローグハンターは抑えきれずに尿道を駆け上がった精液を彼女の子宮に吐き出した。

 

「ひにゃ?!ぎっ、ああああああああ!!」

 

 子宮に溶けた鉄のように熱く、ドロドロの精液が吐き出された女神官は悲鳴をあげ、子宮と膣肉を撫でる精液の温もりに快感を感じながら絶頂を迎えた。

 身体はピクリとも動かないが、一物を締め付ける膣肉は細かく痙攣を繰り返し、彼の一物を絞るようなヒダが蠢く。

 その快感にローグハンターは唸ると共に尿道に残る精液さえも吐き出し、吐精が終わると共に一物を引き抜いた。

 ぐちゅりと湿った音と共に秘裂から一物が抜けると、愛液と精液が混ざりあったドロリとした白濁液が溢れ出し、ずり下ろした彼女のズボンに落ちていく。

 

「あひゅ……っ♡はへっ……」

 

『不動』の奇跡のおかげで倒れることはないが女神官は蕩けた表情で熱のこもった吐息を漏らし、絶頂の余韻に喘ぐ。

 だが途中で胎内に蜘蛛の巣を貼られるような違和感を覚え、ハッとしてローグを制止しようとするが、彼はそれに気付いた様子はない。

 一度目の吐精を終えて萎えた一物は硬さと太さを取り戻すと、それを再び彼女の秘裂に押し当てた。

 

「ひっ!ま、待ってください……!い、一度奇跡を解かせてください!その、今挿れられたら……!!」

 

 女神官は慌てて彼を止めようとするが、ローグハンターはお構いなしに再び腰を突き上げて彼女の秘部を貫くと、再び治療されていた処女膜をやぶり、亀頭を子宮口に押し付けた。

 

「ぎっ……?!あ……っ、ぐぅ……!!」

 

 女神官が痛みに喘ぐと共に膣肉が引き締まり、ローグハンターの一物を隙間なく包み込んでヒダがそれを扱いていく。

 優しくくすぐられるような快感にローグハンターはご機嫌そうに目を細めるが、女神官は破瓜の痛みでそれどころではなく、目に涙を浮かべながら「痛い……っ!痛いですから……!!」と語気を強めた。

 

「……殿を務めて相手に殴られたり斬られたりしたら、たぶんその比じゃない程痛いぞ」

 

「っ!そ、それは──」

 

「それに止めてと言われて止めるほど、あいつらは優しくもない」

 

 ローグハンターはそう言うと一度一物を引き抜き、彼女の腰を僅かに折らせて臀部を突き出させた。

 突然身体が動いた事に女神官は驚くが、振り向こうにも首は動かず、逃げようにも身体は動かない。

 そしてローグハンターは目を細めると、彼女の視界に入るように顔を出した。

 同時に女神官は彼の瞳が金色に染まっている事に気付き、ようやく彼が本気の本気で怒っている事に気付く。

 彼の瞳の色が変わると、時には奇跡さえも押しのける程の力を発揮する。今はきっとその状態なのだろう。

 ローグハンターは錫杖に縋り付きながら腰を突き出しているという状態の彼女を舐めるように見つめると、不敵に笑んで彼女に告げた。

 

「だから、今のうちに痛いのに慣れておいてくれ。お前の言う作戦を、本当にやるつもりならな」

 

 そしてどこか煽るような声音でそう言うと、ローグハンターは再び彼女の秘裂に亀頭を押し当て、すぐさま腰を突き出した。

 ずりゅ!と湿った鋭い音をたてて一物が彼女の胎内に入り込むと、そのまま再び治癒されていた処女膜を突き破る。

 

「っ……!!?かはっ……!ひゅっ……!」

 

 その痛みに女神官は目を剥くが、ローグハンターはすぐさま一物を抜いて十秒ほど放置して処女膜が治る頃を見計らい、再びの挿入。

 

「ぎっ?!」

 

「お前が痛みに喘いだら、面白がって短剣を突き立ててくるかもな」

 

 そう言いながら一物を引き抜き、再び時間を開けてから挿入。

 ぶちりと膜を破る感触と生温かい血の温もりに目を細め、女神官の悲鳴にも構わずに一物を引き抜く。

 

「止めろと言っても止めない。むしろ、悲鳴を聞こうと躍起になる可能性もある」

 

 冷たい声音でそう言いながら再度挿入。容易く膜を突き破り、子宮口に亀頭がぶつかり、押しつぶす。

 

「あぎっ!?ぎ、ああああああ!!」

 

 女神官は痛みに喘ぎ、その幼さの残る表情を歪めるが、ローグハンターは構わずに一物を引き抜き、膜の治癒した頃を見計らい挿入。

 それを延々と繰り返し、何度も何度も彼女の処女を奪い、破瓜の血を吐かせ続ける。

 

「痛い……っ!やめて、やめてください……っ!痛い!痛いんです!お願いですから、止めてくださいっ!!」

 

 何度も胎内を貫かれ、文字通り身体を裂かれるほどの激痛に涙を流しながら彼女はそう懇願すると、ローグハンターはトドメの一撃のように一物を挿入し、破瓜の痛みに涙する彼女の耳元に顔を寄せた。

 

「なら、さっき言ったことは絶対にやるな。使うなら休憩中や夜営中の安全な場所でだ、いいな」

 

 彼の半ば脅すような声音の確認に女神官は何度も頷き、そこでようやく動ける事に気付いた。

 ローグハンターもそれに気付いてか安堵したように笑うと、一旦一物を抜いてそれを仕舞うと、ひょいと女神官を横抱きに持ち上げた。

「ひゃっ」と悲鳴を漏らした女神官は錫杖を落としてしまうが、ローグハンターは申し訳なさそうにしつつも彼女を抱えたまま木陰に入った。

 そっと彼女を寝かせたローグハンターは「怖がらせた、すまない」と強い後悔の色を滲ませる表情で謝ると、女神官はそんな彼の頰を撫でた。

 

「確かに怖かったし、すごく痛かったですけど──」

 

 彼女は俯く彼の顔を持ち上げながら、にこりと笑ってから彼の唇を優しく奪った。

 すぐに顔を離して軽く触れ合うだけの口付けを終えた彼女は、驚いて間の抜けた表情になっているローグハンターを見つめながら言う。

 

「でも、変な事を言ったのは私です。その、いつも無理をするあなたの助けになりたかったんですけど、逆に心配させてしまいました。ごめ──」

 

「お前が側にいてくれるだけで充分だ。俺は救われてるとも」

 

 謝ろうとした彼女の言葉を遮ってそう言ったローグハンターは、すぐに照れ臭そうに目を背けるが、女神官はにこりと笑って「はい!」と元気よく返事をした。

 とことん痛めつけられた秘部は未だに痛いが、高い授業料だと割り切って今は耐える事にする。

 そして先程落とした錫杖を取りに行こうと立ち上がろうとするが、不意にローグハンターの下腹部に目を向け、ズボンとパンツを押し上げる彼の分身の存在に気付いた。

 変なタイミングで中断してしまったからか、未だに大きくなったままのそれは存在感を放ち、ローグハンターもまた何かを堪えるように息が荒くなっている。

 女神官は唇に指を当てて僅かに思慮すると、恥じるように頰を赤くしながら木に両手をついて立ち上がると、彼に向けて臀部を突き出した。

 

「あ、あの、そのままでは帰らないと思うので、その、ど、どうぞ……っ!」

 

 そして緊張して上手く回らない舌をどうにか動かして彼を誘い、何となく腰を振って誘惑というやつをやってみる。

 そんな彼女の様子にローグハンターは数度瞬きして困惑するが、すぐに頭の奥の方でぶちりと何かが切れる音が聞こえ、弾かれるように立ち上がった。

 そのまま勢いよくズボンとパンツを下ろし、彼女の腰を両手で支えて逃げないようにすると、勢いよく一物を彼女の秘部に挿入した。

 

「んひっ♡」

 

 女神官の口から上擦った嬌声が漏れ、小さな絶頂を迎えた瞬間、ローグハンターは我武者羅に腰を振り回して彼女の胎内を抉っていき、彼女の弱点を徹底的に責め立てる。

 誰もいない森の中に響く女神官の嬌声は、双子の月が登る頃まで続いたとか、途中で気絶したように急に途絶えたとか。

 それを知るのは、どちらの結果であろうと昂りのままに彼女を貪ったローグハンターただ一人だ。

 

 

 

 




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Memory?? 賭け事は計画的に

リクエストから。

ヒロインは剣聖と賢者。

眠った勇者を尻目にローグハンターとの親睦を深めようとした二人は、彼にとある勝負を申し込む。

時期は最終決戦後を想定しています。


 王都のとある宿の一室。

 

「一つ勝負といきましょう!!」

 

「「……」」

 

 既に寝巻きに着替え、まさに寝ようとしていたローグハンターは突然の来客に困惑の表情を浮かべていた。

 扉を蹴破らん勢いで入室してきた剣聖が開口一番にそんな事を言うのだから、返す言葉もないのも当然だろう。

 そして彼女に首根っこを掴まれ、不満そうな顔で引き摺られてきた賢者もまた、何も言う気力さえもないのか口を閉じている。

 そんな二人の様子を知ったか知らずか、剣聖は小脇に抱えていた何かをローグハンターに差し出した。

 流れのままに受け取ったローグハンターは視線を落とし、受け取った物を確認。

 掌に乗るほどの小さな桶と骰子が三つ。それと何かに使うのであろう数字が刻まれた四角い木片がいくつか。

 

「なんだ、これは……?」

 

 ローグハンターがそれを掌の上で弄びながら問うと、剣聖は得意気に鼻を鳴らした。

 

「我が師から剣術以外にも教えられたことの一つです。その骰子の出目で勝負するものと思っていただければよろしいかと」

 

 さながら教鞭を振るう教師のようにそう言いながら、豊かな乳房の谷間に手を入れるとそこから大きめの紙切れを取り出し、それを広げてローグハンターに渡した。

 

「骰子の役に関してはここに書いてあります。とりあえず、やってみましょう」

 

「……お開きにして寝るという選択肢は?」

 

 ローグハンターは何故かやる気満々の彼女を半目で睨みながら溜め息混じりにそれを受け取ると、すぐに視線を外してそう問うた。

 剣聖に引き摺られてきたであろう賢者も「眠い……」と言いながら目を擦っている辺り、現在三分の二がやる気なしという状態だ。

 だがそれを気にする様子もなく、剣聖は「まあまあ、いいではないですか」と笑いながら賢者をぶん投げた。

 

「っ!?」

 

 突然の浮遊感に驚く賢者だが、そのまま受け身を取る間もなくベッドに落ち、受け止める姿勢さえも見せなかったローグハンターを睨んだ。

 

「なぜ、受け止めない」

 

「眠いんだよ」

 

 ローグハンターは賢者から向けられる冷たい視線を受け流して欠伸をすると、改めてなぜか浮き足立っている剣聖に目を向けた。

 普段のそれなりに思慮深い彼女からは想像もできない、随分と自分本意で周りが見えていない印象を受ける。

 冒険者としては致命的な状態だが、今は冒険している訳ではないし、それ以上に眠いからと叱る気力さえも起きない。

 はぁと深い溜め息を吐いたローグハンターは欠伸を噛み殺すと、黙々と件のゲームの準備を進めている剣聖を見つめた。

 

 ──何回かやれば、満足して帰るか……。

 

 元気が有り余った子供でもあるまいし、何回かやれば落ち着いて部屋に戻るだろう。

 彼はそう判断して仕方がないと言わんばかりに低く唸ると、先程渡された紙切れの内容──出目による役や配当が細かく書かれたルールに目を通していく。

 彼がやる気になったからか、巻き込まれただけの賢者は面倒くさそうに溜め息を吐くが、彼女もまた仕方がないと言わんばかりに身体を起こすと、ローグハンターの肩に顎を寄せ、体重をかけながらルールに目を通していく。

 耳元から聞こえる賢者の息遣いの音と、背中に感じる柔らかな感触と温もりに気を逸らされながら、鋼の精神力によって動揺を表情に出すことはなく、もちろん赤面することもない。

 そんな二人を──正確には賢者をどこか恨めしそうに睨んだ剣聖だが、すぐに咳払いをして意識を切り替えると二人に向けて言う。

 

「さあ、ルールを覚えたのなら早速やりましょう!大丈夫です、手加減はしてあげます!」

 

 ようやくやる気になってくれた二人に玄人(ベテラン)風を吹かせながら胸を張ると、ローグハンターと賢者は揃って彼女に目を向け、ほぼ同時によろしくと告げた。

 それを合図に始まるのは、冒険者三人による骰子遊び(チンチロリン)

 古くから続く、骰子を使った真剣勝負だ。

 

 

 

 

 

 真剣勝負、なのだが……。

 

「な、ななな、なぜです……?!」

 

 剣聖は目の前の惨状を目の当たりにし、珍しい程に狼狽えていた。

 流石に金をかける訳にはということで代替えとして用意した印を付けた木片は、そのほぼ全てがローグハンターの元に集められ、残りのいくつかが賢者の元に集まっている。

 つまりは剣聖の一人負け状態。言い出しっぺが惨敗とはいかに。

 

「ルールさえ分かれば、後は簡単」

 

「俺は運がいいからな」

 

 賢者は何か法則でも見つけたのか骰子を弄びながら勝ち誇り、ローグハンターは苦笑混じりに顎を摩った。

 ただ骰子を投じるだけなのだがそこの何に法則があるのか、運とはなんなのか、二人を問いただしたいのだが、おそらくそれを言語化できるほど器用ではないのだろう。

 

「とりあえず、お前は脱落だな。これでお開きにしよう。な?」

 

 そして彼女が狼狽えている隙に終わらせようとローグハンターがそう言うと、賢者はコクコクと何度も頷いて彼に同意し、剣聖に「もう寝よう」と提案するが、その声は彼女に届いていない。

 

「ま、まだ負けていません!もう一局!!」

 

 だん!と勢いよく桶を叩きつけるが、すぐに賭けるものがない事に気付いて苦虫を噛み潰したような表情となる。

 ようやく彼女の勢いが止まったとローグハンターと賢者は安堵の息を吐くが、剣聖はハッとして自分の豊かな胸に目を向け、ニヤリと怪しげな笑みを浮かべた。

 

「足りない分は身体で払います。それで問題ないでしょう」

 

「大有りだ。自分をもっと大事にしろ」

 

 そんなまだまだやる気の彼女にローグハンターは鋭い視線を向けながら言うが、剣聖は胸を強調するように胸を張った。

 

「私のでは不満ですか?水の街の大司教様程ではないですが、それなりに自信はあるのですが」

 

「……」

 

 彼女の煽りとも言える言葉にローグハンターは気まずそうに目を背けるが、流石に律しきれなかったのか耳が僅かに赤くなっている。

 そんな彼の反応を好ましそうに見た剣聖はふふんと得意気に鼻を鳴らすと、ついで賢者に目を向けた。

 

「私も彼もやる気ですがどうします。降りますか?」

 

 そして今度は純粋な煽りの言葉を投げ掛ければ、賢者は「む」と不満そうに唸りながら眉を寄せる。

 同時に眠たげな表情を引き締めると、掌で弄んでいた骰子を思い切り握り込んだ。

 途端にやる気になった彼女の様子にローグハンターは困惑するが、二人がやる気なのに自分だけ降りる訳にもいくまい。と言うよりも自分の部屋でやっているのだから、降りるも降りないもない。

 彼は今晩だけで何度目かの溜め息を吐くと、急かすように剣聖に目配せをした。

 彼の続行の合図に気づいた剣聖は不敵に笑み、「では、参ります!」と勢いよく再開を告げながら桶に骰子を投げ込んだ。

 

 

 

 

 

 それから更に数分。夜も更け、酒場の騒ぎも静まった頃。

 

「んっ……ふっ……くぅっ」

 

 下着姿にされた剣聖は切なげな声を漏らしながら、頬を朱色に染めていた。

 背後から下着越しに彼女のたわわな乳房を鷲掴み、一枚の布越しとはいえその柔らかさを堪能しているのは、今まさに骰子遊びで彼女を下したローグハンターだ。

 謎の豪運によってあっさりと彼女を破り、賭け金代わりに差し出された彼女の肢体を楽しませてもらっているのだが、乗り気ではなかった彼も始まってしまえばこの状況を楽しみだしてしまう。

 横ではジト目の賢者が砂時計を傾け、賭け金に応じた時間を測っている。

 上の砂が落ち切れば剣聖の専有権は失われ、再び勝負が始まるのだが、

 

「くっ……!んん……っ!ぁ……!」

 

 その時間を存分に楽しもうとローグハンターの指が絶えず剣聖の乳房を揉みしだき、それに合わせて彼女の口からは上擦った声が漏れる。

 もぞもぞと太腿を擦り合わせ、肩越しに媚びるような視線をローグハンターに向けるが、彼は気にせずに胸を揉む。

 下着越しでその柔らかさや温もり、弾力を全て楽しめず、変に遠慮して下着の着用を許した数秒前の自分を軽く恨んだ。

 それが表に出てしまったローグハンターは不服そうに眉を寄せて小さく唸り、剣聖の胸を揉む手にも力がこもる。

 ぐにぐにと指の動きに合わせて柔らかく形を歪め、優しく押し返してくる弾力が堪らない。

 

「んぃ……。くぅ……あぁ……っ!」

 

 力強く胸を揉まれ、淡い快感をゆっくりと与えられる剣聖は小さく喘ぎ、物欲しそうな視線をローグハンターに向けた。

 蒼い瞳がじっと見つめ返し、どこか楽しそうに細まっているのは気のせいではあるまい。

 ローグハンターもまた彼女のいやらしい視線に気づき、ちらりと彼女の胸に目を向けた。

 今も揉んでいるから形が歪んでいるが、その胸の先端にある下着を押し上げる小さな膨らみに気づき、ふっと不敵に笑んだ。

 この数分ずっと触り続けていたのだ、興奮して乳首が膨らんでしまったのだろう。

 下着のおかげで見えないが、いやらしくぷくりと膨らんだ薄桃色の乳首がそこにある筈だ。

 ローグハンターはじっと剣聖を見つめると、下着越しに彼女の乳首を摘んだ。

 

「ひぅ……っ♡」

 

 直後、剣聖は背筋を電撃がかけたような鋭い刺激に甘い声を漏らし、僅かに肩を跳ねさせると、ローグハンターは味を占めたようにコリコリと乳首を転がして絶えず刺激を与え始めた。

 

「ひゃっ……!ぅん……っ♡あぁぁ……♡」

 

 乳首が転がる度に剣聖の口からは上擦った嬌声を漏らし、ピクピクと身体を震わせて快感に悶えた。

 いくつもの傷跡が残る白磁の肌を薄く朱色に染め、珠のような汗を滲ませる。

 そんな彼女の様子に完全に味を占めたローグハンターは、ぷにぷにと乳首を潰してやったり、引っ張ってやったりと、転がすだけではない刺激をこちらの気分次第に適当に与え始め、剣聖はビクン!と一際強く身体を跳ねさせた。

 

「ひぎぅ……♡だ、だめです……っ、こんなの、私、知らない……!!」

 

 痛みや苦しみには高い耐性はあれど、快感という慣れない刺激に剣聖は困惑し始めるが、ローグハンターは構わずに彼女の乳首を責め立て、コリコリと音を立てて強めに摘みながら転がしてやる。

 その度に剣聖は嬌声を漏らすと、段々と普段の凛とした表情を快感に蕩けさせ始め、だらしなく開いた口からは舌がこぼれてしまう。

 

「あふっ……♡頭の、中……ビリビリ、してぇ……っ♡気持ち、いいですぅ……♡」

 

 快感に喘ぎながら剣聖は身体を強張らせ、彼のされるがままとなること数分。

 彼から与えられる快感に思考を溶かされ、呂律も回らなくなってきた頃、ローグハンターはラストスパートをかけるように責めの手を強めた。

 彼女の頑丈さをよく知っているからか、乳首を摘む指先に強めに力を入れ、半ば押しつぶすような形で摘みながらグリグリと転がしてやる。

 

「くひっ……♡やめ、やめへ……っ!頭、まっひろになっ……て♡」

 

 彼が与えてくる暴力的なまでの快感に剣聖は怯えたような声を漏らすが、ローグハンターは構いもせずに彼女の乳首を責め続けた。

 胸全体を根本から扱くように揉んでやりながら、責めても責めても萎える様子のない乳首を強めに摘む。

 その度に剣聖は嬌声をあげ、ガクガクと腰を揺らしながらカタカタと歯を鳴らす。

 触れられてもいないのに秘裂から溢れた愛液がショーツに染みをつくり、彼女の股をいやらしく湿らせていく。

 彼女もそこに触れて欲しいのだろう。もじもじと太腿を擦り合わせ、彼に誘うような視線を向けるが、生憎と彼が勝ち取ったのは胸を好きにする権利だけだ。

 故にローグハンターは一切手を抜かず、彼女の胸だけを責め立てる。

 散々責められて敏感になった所に追い討ちをかけ、カリカリコロコロと指先で摘んだり、転がしたりを気が済むまで繰り返す。

 

「イくっ……♡も、もう無理……!わたし、胸だけ、イ──」

 

「そこまで」

 

 そしてついに絶頂を迎えそうになった瞬間、無慈悲にも伸びた賢者の手がローグハンターの手を剣聖の胸から引き剥がす。

 

「ふぇ……?」

 

 思考を奪うほどに爆発しそうになっていた快感が途端になくなり、絶頂を直前にしてお預けをくらった剣聖は気の抜けた声を漏らすと、賢者が砂時計を示しながら言う。

 

「時間切れ」

 

「ぁ……。でも、もう少しで……」

 

「時間、厳守」

 

 ピクピクと身体を痙攣させ、どうにか溜まったままの快感の捌け口を見つけようとするが、賢者は無慈悲にそう返してローグハンターに骰子を差し出した。

 

「次は私と勝負」

 

 彼女はそう言いながら自分の持ち札全てを賭け、ローグハンターに勝負を挑んだ。

 

 

 

 

 

 ベッド脇で切なそうな声を漏らす剣聖を他所に、ローグハンターと賢者の勝負は既に決着がついていた。

 

「んっ……。ふっ……、んん……っ」

 

 予定通りに負けた賢者は剣聖とは違いブラジャーも脱ぎ捨てるとローグハンターと向かい合わせの形でベッドに座り、剣聖に負けず劣らずの胸を彼に差し出していた。

 対するローグハンターは剣聖とは違うどこまでも沈んでいく柔らかさにご機嫌な様子になっていた。

 揉めば揉むほど柔らかく形を歪め、その度にじんわりと染み込むような快感に賢者は心地よさそうに目を細め、ここにも触れと催促するように彼の指を掴み、ぷくりと膨らんだ薄桃色の乳首に誘った。

 随分と積極的な彼女にローグハンターは僅かに困惑した様子を見せるが、ご要望の通りにと言わんばかりに彼女の乳首を指先で弾いた。

 

「あっ……♡」

 

 ピクンと身体を跳ねさせ、ほんの一瞬背筋をかけた電撃のような快感に声を漏らす。

 そのままペチペチと何度も弾いてやればその度に賢者は甘い嬌声を漏らし、快感に瞳を蕩けさせる。

 ローグハンターはそんな彼女の表情に頰を朱色に染めると、賢者は彼の耳に顔を寄せ、「勝者の権利、もっと楽しんで」と告げて彼に催促。

 その一言に考え込むように眉を寄せたローグハンターは、開き直ったように笑うと彼女の胸を鷲掴み、その柔らかさを堪能するように五指を蠢かせる。

 指の動きに合わせて豊かな胸はぐにぐにと形を歪め、淡い快感を賢者に与える。

 

「ふっ……。んんっ……。んっ……♡」

 

 ピクピクと肩を揺らしながら小さく嬌声を漏らす賢者と、そんな彼女が見せる娼婦のようないやらしい表情にローグハンターは生唾を飲み、彼女の胸を堪能しようと指先に力を入れた。

 力を入れれば入れるほど指が沈み、胸の肉が指を包み込み、生暖かい感覚が心地よい。

 そのまま指を曲げて胸の肉を掻いてやれば、賢者は「くぅ〜♡」と先程とは違う上擦った声を漏らし、ビクビク!と強めに身体を震わせる。

 胸を触られるとは違う、胸の奥を優しく掻かれる未知の快感が、彼女にとってはひどく具合が良かったらしい。

 

「これがいいのか」

 

 そんな彼女の反応に微笑んだローグハンターは、責め立てるようにカリカリと優しく胸を掻いてやれば、賢者は口をつぐんで声を抑えつつ、ピクピクと肩を震わせた。

 白磁の肌を朱色に染め、頬だけでなく耳まで真っ赤に染まる姿は、それなりに付き合いのあるローグハンターとて見覚えはない。

 彼女のこんな反応ができるのかと、意外なものを見たと僅かに目を剥くローグハンターだが、そんな彼女の顔をもっと見たいと指先にも力が入る。

 カリカリカリカリとしつこい程に彼女の弱点を掻いてやりながら、空いている手をぷくりと膨らんで存在を主張する彼女の乳首に伸ばし、無慈悲にそこを摘んでやった。

 

「ひゅい……!?んんっ、ぁあぁ♡」

 

 途端に強くなった快感に賢者は嬌声をあげて身体を仰け反らせるが、彼が正面にいる都合、胸を彼に突き出す形となる。

 ここは攻めねば冒険者ではないと謎の意地を見せたローグハンターは、今度は両手で彼女の乳首を摘み、指の腹で押し潰しながら引っ張ったり潰したりを繰り返す。

 

「くひっ……♡あっ……!んんんっ……♡」

 

 絶えず与えられる快感に賢者は喘ぎ、強張らせた身体をビクビクと痙攣させる。

 ほらほらと煽りながら乳首を優しく捏ねてやれば、賢者の口からは理性の欠片もない嬌声が漏れた。

 

「んぃいいい……♡これ、すご……!くぅううう……♡」

 

 ローグハンターの指が乳首を捏ねるたびに賢者は身体を震わせ、快感に目を見開いた。

 彼女の下半身に目を向ければ、既にショーツが溢れた愛液でびしょびしょに濡れ、滲み出たものがシーツにも染みを作っている。

 その様子に微笑んだローグハンターはそこを弄ってやりたい気持ちを我慢し、担保として差し出された胸だけに意識を集中する。

 コリコリと乳首を転がし、時には引っ張り、胸全体を鷲掴んだりと、思い思いのやり方で彼女の胸を楽しむ。

 

「あっ……♡ひぅ……♡んぅ……っ!」

 

 賢者はその度に甘い声を漏らし、快感に身体を震わせる。

 責めれば責めるほど反応を返してくれる賢者にローグハンターは楽しそうに笑いつつ、そのまま彼女を追い詰めようとするが、

 

「ストップです!」

 

 背後から抱きつく形で剣聖が待ったをかけ、ローグハンターと賢者を無理やり引き離した。

 賢者は「あ……」と切なそうに声を漏らし、散々虐められたおかげで普段よりも膨らんでしまった乳首を隠すように腕で覆うと、剣聖がしゅび!と勢いよく砂時計を指差した。

 

「時間厳守です!私だって、もっとやって欲しかったんですから……!」

 

「むぅ。なら、仕方ない」

 

 剣聖の言葉に賢者は不満そうにしつつもこくりと頷くが、ふとローグハンターの下半身に目を向けて不敵に笑んだ。

 

「でも、彼も我慢の限界みたい」

 

 彼女はそう言って彼のズボンを押し上げるもの──おそらく彼の一物に触れようとするが、剣聖が素早くその手を掴んで待ったをかけた。

 

「駄目です。ここまで骰子勝負で決めたんですから、最後までやり通しましょう」

 

「……わかった。なら、負けない」

 

「俺の意見は……?」

 

 ローグハンターが恐る恐る手を上げて意見しようとするが、剣聖と賢者は勢いよく彼の方に振り向きながら同時に言う。

 

「あなたは景品です!」

 

「あなたは景品」

 

「……景、品……」

 

 まさかの景品扱いに項垂れるが、そこには二人の痴態を目の当たりにして大きくなってしまった己の分身の姿があり、それをどうにかせねば寝るに寝れないだろう。

 彼が再び溜め息を吐くと、賢者と剣聖は彼を景品とした勝負を始めてしまい、それを止めるには時既に遅し。

 ローグハンターがまた深い溜め息を吐くと同時、誰かの嘆き声が耳に届いた直後、押し倒された。

 

「逃がさない

 

 そして彼を押し倒した賢者が色っぽい表情で舌なめずりすると、ショーツを脱いで正真正銘に裸になると、彼のズボンとパンツをずらして勃起した一物を露出させた。

 子供の腕ほどありそうな、キノコを思わせる形をした肉の塊。

 先端からは我慢できずに先走り汁が滲み出し、外気に晒されたからかビクビクと震えている。

 血管が浮かび上がり、ただならぬ雰囲気を放つそれに僅かに狼狽えるが、すぐに意を決してそれに跨ると、自分の秘裂を彼の一物の亀頭に添えた。

 

「それじゃ、さっそ──

 

 そして意気込んで腰を落とそうとした瞬間、彼女の腰を掴んだ剣聖の手で無理やり引き落とされ、彼女が意図していないタイミングでの挿入が行われた。

 

「へ……?」

 

 突然の事態に賢者が間の抜けた声を漏らすと、直後自分の下腹部に目を向け、彼の一物を受け入れている秘部を視界に捉え、

 

「ひぎっ……♡いぃいいいいいい♡♡♡」

 

 ビクン!と身体を跳ねさせると共に弾かれたように身体を仰け反らせながら、絶叫に似た喘ぎ声をあげた。

「お……♡おお"……♡」と野太い声を漏らしながら身体を痙攣させている辺り、挿入されただけでイッてしまったのだろう。

 いや、散々我慢させられた身体で、不意打ち気味に行われた彼の挿入に耐えるなど、そう言ったものに耐性のない彼女には無理な話。

 急速に締め上げてくる彼女の膣肉の感触にローグハンターは唸る中、賢者は歯を食い縛ってどうにか持ち直すと、不敵に笑みながら「何の……」と腰を上下に振り始めた。

 ずりゅずりゅと湿った音を立てながら腰を振れば、亀頭が無慈悲に子宮口を殴りつけ、全身に響くような快感によりすぐに絶頂に押し上げられ、絶えず絶頂し続ける。

 

「くっ……!ひぁ♡ひぎっ、ああ♡♡」

 

 そしてついに絶頂の波に耐えれずに動きが緩くなると、今度はローグハンターが腰を突き上げ始め、休む間を与えない。

 

「ひぁ!?ひっ……♡ああああ♡」

 

 彼の攻勢に賢者は思わず悲鳴をあげるが、彼は構わずに腰を突き上げ続け、彼女を絶頂に押し上げ続ける。

 同時に引き締まる膣肉に一物を扱き上げられるのだから、ローグハンターの方も我慢ができなくなり始めていた。

 彼に鳴され続ける賢者を他所に、そんな彼の余裕のない表情を見ていた剣聖は、不意に顔を寄せると彼の唇を奪った。

 

「っ!?」

 

 彼女の突然の行動に目を見開き、ほんの一瞬集中が途切れた瞬間、尿道を熱い何かが駆け上がっていった。

 直後、勢いよく吐き出された精液が賢者の子宮に注ぎ込まれ、その熱に当てられた彼女は

 

「ひやぁぁぁあああああああああ♡♡」

 

 絶叫と共に絶頂を迎え、一際高い嬌声をあげた。

 身体がビクビクと痙攣するとそれに合わせて膣肉が引き締まり、吐き出しきれなかった精液を絞り出していく。

 そして全てを吐き出しきり、吐精の快感にローグハンターが息を荒くする中、彼から顔を離した剣聖は不敵に笑みながら絶頂の余韻に喘ぐ賢者を退かし、愛液と精液に濡れた、一度の射精程度では萎えることがない彼の一物を数度舐めて綺麗にしてやる。

 その快感でも思わず射精してしまいそうになるローグハンターだが、剣聖はそれをさせまいと舐めるのを止め、賢者に倣って彼に跨った。

 指を使って秘裂を広げ、狙いを外さないように慎重に。

 

「行きますよ……っ♡」

 

 だがその数秒すらも我慢できなかった剣聖は、獰猛でありながら色っぽい笑みを浮かべながら、一気に腰を落とした。

 彼の一物は寸分の狂いなく彼女の秘部を貫き、無慈悲に子宮を押し潰す。

 

「んぉ……♡」

 

 子宮を貫かんばかりの感覚と、自分の胎内を占める他人の温もりに当てられた彼女はすぐに絶頂を迎え、野太い嬌声を漏らして身体を強張らせた。

 賢者以上の力で引き締めてくる膣肉の感覚にローグハンターは唸り、射精感に耐えるように歯を食い縛る。

 

「いいん、ですよ……っ。全部、私に射精()してください……♡」

 

 だが剣聖はそんな彼を煽るように笑うと、腰を振って膣全体で彼の一物を扱き始めた。

 腰を落とす度に子宮が押しつぶされ、脳天まで響く快感に襲われて絶頂を繰り返しながら、気合いと根性のみで身体を動かしていく。

 だがローグハンターとて男で、冒険者だ。いつまでも相手に主導権を渡しているわけにはいかない。

 彼は唸り声と共に剣聖を押し倒し、上下を逆転。

 剣聖は「あ……」と期待を孕んだ声を漏らすと、今度はローグハンターが不敵に笑んだ。

 

「全部お前にくれてやる。すぐに潰れるなよ?」

 

 そして告げられた言葉に剣聖は恍惚の表情を浮かべ、こくりと頷いた。

 直後、ローグハンターは彼女の額に口付けすると、本気で腰を振り始めた。

 パン!パン!と鋭い音を立てて腰を剣聖の臀部に叩きつけ、ひたすらに一物で彼女の膣を責め立てる。

 エラ立ったカリが彼女の弱い部分も何も関係なく、ひたすらに掻き回していく。

 

「ひぎっ……♡ああああ♡ひぅうううう♡♡」

 

 子宮口を亀頭で殴りつけ、子宮を押し潰し、膣肉を掻き回す。

 どれがきてもすぐに絶頂し、絶えず嬌声をあげる剣聖にとってはどうでもいいのだろう。

 

 ──気持ちいい。気持ちいい、キモチイイ……♡

 

 もうまともな思考さえもできなくなった剣聖は、ひたすらに与えられる快感を堪能する。

 だがそれはローグハンターとて同じこと。引き締まり、隙間なく一物を包み込む膣肉が与えてくる快感に唸り、ついに限界を迎えた。

 

「っ……!」

 

 そして声もなく唸ると同時に腰を限界まで突き出して子宮を押し潰すと、我慢をやめて彼女の子宮に精液を注ぎ込んだ。

 注がれた精液が子宮を舐め回し、子宮に納まり切らずに膣内にも逆流していく。

 

「ぎっ……!ああああああああ♡♡♡」

 

 子宮と膣内を精液で舐め回される快感に彼女は絶頂し、彼の背に腕を回してぎゅっと抱き締める。

 豊かな胸が彼の胸板で押しつぶされ、乳首が擦れて淡い快感を彼女に与える。

 

「くぅ……♡あぁ……、ひぅ……っ♡」

 

 そして彼の射精が落ち着いた頃、剣聖は気の抜けた声を漏らしていた。

 対するローグハンターも萎えた一物を引き抜き、彼女の隣に寝転ぶ。

 

「はぁ……はぁ……。で、何でこんなことを──」

 

 二人に何故こんなことをしたのかと問いただそうとするが、すぅすぅと穏やかな二つの寝息が聞こえたことで口を閉じ、苦笑を漏らした。

 そもそも冒険終わりで疲れていたのに、こんなことをしたのだ。寝落ちしてしまっても仕方があるまい。

 

 ──まあ、いいか。

 

 だから、別にいいのだ。理由に関しては明日にでも聞けばいい。

 ただ三人で寝ていたという事実を、最近距離感がおかしくなってきている妹にどう説明するか、それだけが心配だ。

 

 ──まあ、いいか……。

 

 ローグハンターはどこか諦観めいた表情でそう判断すると、ゆっくりと目を閉じて眠気に身を任せた。

 

 

 

 

 

 ぴちゃぴちゃ、ずりゅずりゅ。

 ローグハンターは聞き慣れない水音と緩い快感によって目を覚まし、そっと上体を起こしてその音と快感の正体に目を向けると、

 

「あむ。じゅる……!じゅるる……♡」

 

「この、この……っ!これは、どうですか?」

 

 賢者と剣聖がお互いの胸でローグハンターの一物を包み込みながら、それでも隠しきれない亀頭に舌を這わせて昨晩の汚れを舐め取っていた。

 朝から美女二人のご奉仕という状況にローグハンターは困惑するが、二人はそんな彼に視線を向けてニコリと笑んだ。

 

「おはよう」

 

「おはようございます」

 

 そしていつも通りに朝の挨拶をするのだから、ローグハンターは余計に困惑してしまう。

 だがいい機会だと二人がこんな事をしでかした理由を聞こうとするが、ドンドンと乱暴に扉を叩かれた事でそれを中断。

 

『お兄ちゃん!二人知らない!?起きたらいなかったんどけど?!』

 

 外からは慌てた様子の勇者の声が聞こえ、ローグハンターは慌てて二人に止めるように言うが、

 

「「……」」

 

 二人は顔を見合わせると彼への奉仕を継続し、胸で一物を扱いたり舐めたりを繰り返す。

 そしていつまで経っても返事がないから、勇者は『ごめんね!』と謝りながら扉を蹴り破り、直後その体勢で硬直した。

 兄が仲間二人を侍らせ、何なら奉仕させているのだ。自分にはない、大きな胸で。

 

「ま、待て、これは──」

 

「二人ばっかりずるい!僕もやる!!」

 

「っ?!」

 

 この日を境にローグハンターがまともに眠れる日は激減し、勇者、剣聖、賢者の三人はその美しさに磨きをかけていった。

 時折やつれたローグハンターの姿を見るようになったのは、気のせいではあるまい。

 事情を知らない人物からすれば、日頃の激務による疲れによるものと思うかもしれないが、そうではない。

 流石の彼とて、規格外三人の相手は辛いのだろう。

 だが男たるもの、やらねばならぬ時がある。

 冒険者だというのなら、尚更だ。

 

 

 

 




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Memory?? 秘密の特訓

リクエストから。
ヒロインは賢者。既に恋人関係。

時期は最終決戦後。
ラスボス戦でステータスが極まったローグハンターだが……?


「集中して」

 

 氷のように冷たい声で告げられた言葉は、短いながらも確かな叱責の言葉だった。

 もう何度目かもわからない言葉に胸の内で舌打ちを漏らしつつ、深呼吸をしてから意識を研ぎ澄ます。

 彼──ローグハンターがかつて来たりし者を撃滅してから早数ヶ月。

 あの戦い以降、これも何かの縁だと勇者一行と同行する機会が増えてからというもの、賢者に頼んで魔術の業を見てもらっているのだが、

 

「また集中が途切れてる。もっと集中」

 

 やはり頑張っても合格点にはなかなか届かず、やはり叱責されてしまう。

 魔術とは文字通り世界の理を改竄し、超自然的な現象を自らの力で起こす力だ。生半可な精神力では行使できず、無理にやろうとすれば反動で酷い目に遭う。

「あなたにそんな目に遭って欲しくないから」と言ってくれたのは嬉しかったが、その修行の険しさたるや。

 

「集中して。集中」

 

 都のとある宿の一室。

 絨毯の上で座禅を組み、瞑目したまま彼女が用意した魔導書を前に意識を研ぎ澄ます。

 彼の意識に応じて様々な意味を持つ文字が光輝き、独りでにページが進んでいく様は不可思議なものではあるが、不意に光が失せたりページが動かなくなったりと、彼が集中しきれていないのが目に見えてわかる。

 その度に賢者が彼を叱責するのだが、どうにも彼の特訓は進んでいないように見える。

 

「なんでできないの?」

 

 ついに我慢できなくなったのか、賢者が語気を強めて問いかけると、ローグハンターはゆっくりと目を開いて「あのな」とこちらも語気を強くして彼女の方に振り向いた。

 肩越しに振り向いた先には鼻先が触れ合うほどの距離に彼女の顔があり、こちらの事をじっと見つめてきている。

 ローグハンターの後ろに座った彼女は彼の腰に腕を回して抱きつき、ローブ越しではあるが豊かな胸を彼の背中に押しつける。

 彼女が何かを言えばそれが耳をくすぐり、身動ぎすれば豊かな胸が背中を撫でる。

 常に彼女の存在を認識し、何から女として意識してしまう状況で、よくわからない書物に集中しろというのは、中々に酷な話ではないだろうか。

 事実ローグハンターの額には青筋が浮かんでおり、蒼い瞳は邪魔をするなと鋭く睨んできている。

 だが賢者は怯まない。相変わらず何を考えているのかわからない、氷を思わせる冷たい表情のまま、両腕に力を入れてぎゅっと彼を抱きしめた。

 

「これくらいで集中が途切れても困る」

 

「……どう頑張れと」

 

 背中に感じる極上の柔らかさと、彼女の温もりの心地良さに悩ましそうに唸りつつ問うが、賢者はどこ吹く風と言わんばかりに彼の耳元に顔を寄せ、ふっと息を吹きかけた。

 

「っ!?」

 

 ローグハンターは突然のくすぐったさに声もなく悲鳴をあげ、ビクンと肩を跳ねさせ、耳を抑えながら「いきなりなんだ!?」と彼女を怒鳴りつけるが、賢者は気にも止めない。

 彼女はじとっと半目になりながら彼を睨み、溜め息混じりに言う。

 

「なんで途切れさせるの?」

 

「逆にどうやって集中しろと……?」

 

 彼女の言葉にローグハンターは困惑の表情のまま返すが、賢者は魔導書を叩きながら「最初から」とページを最初に戻してしまう。

 栞のページまで進めば合格らしいが、まだ最高でも半分。合格には程遠い。

 離れてもらうには合格するのが手っ取り早いなと判断したローグハンターははぁと深く溜め息を吐くと乱暴に頭を掻き、表情を引き締めてから深呼吸を一度。

 そう終わらせればいいのだ。意識を研ぎ澄まし、頭の中に浮かび上がる文字を読み、手を使わずにページを捲る。それを繰り返せばその内終わる。

 タカの眼の訓練と大差はない。少し複雑で、手間が増えているが、限界まで集中してその状態を維持するだけでいい。

 

「……」

 

 先程までの上辺だけの集中とは違う、まさに無心。

 ただ目の前の魔導書にのみ意識を集中し、その他全ての事を排除している。

 賢者はそんな彼の様子に満足そうに頷くと少し悪戯っぽく笑い、再び彼の耳元に顔を寄せると、

 

「はむ」

 

 なんの脈略もなく、彼の耳たぶに噛み付いた。

 

「──っ!」

 

 突然耳を包んだ生暖かい感触と湿り気にローグハンターは眉を寄せ、魔導書のページの進みも幾分か悪くなるが、それでも進んでいくのは彼が賢者の妨害も気にせずに集中しているからだろう。

 魔導書の文字が進み、ページが捲れ、さらに文字が進む。

 それが延々と繰り返される中で、賢者は彼に気付かれないように不満そうに唸ると、どうやって彼の集中を途切れさせるか思慮を深めた。

 そして先程まで割と自分の事を意識していた事を思い出し、すぐに策が練れたのか不敵に笑んだ。

 ローグハンターは相変わらず目を瞑ったまま集中しているため、彼女の表情の変化に気付くことができないが、目を開けていた所で碌な抵抗ができないのだから大差はあるまい。

 賢者はそっと彼の腹部を撫でてやると、彼はくすぐったそうに僅かに身動ぎするが、魔導書が進む速度は変わらない。

 ならば続行と不敵に笑んだ賢者は彼の腹を撫でていた手を、勢いよく彼のズボンの中に滑り込ませた。

 

「っ!?」

 

 ローグハンターは彼女の突然の行動に目を閉じたまま肩を跳ねさせて驚きを露にし、ページの進みが途端に止まった。

 ふふと耳元で聞こえる賢者の無邪気な笑い声についに我慢の限界を迎え、彼女を怒鳴りつけようとした瞬間、

 

「えい」

 

 賢者は間の抜けた声と共に、彼の一物を掴んだ。

「ひっ」とか細い悲鳴を漏らしたローグハンターを他所に、賢者は掌で一物の亀頭を包むように撫でてやりながら指先でカリの裏を掻き始める。

 

「くっ……。っ……!」

 

 じんわりと染みてくるような快感にローグハンターは小さく唸り彼女の手をとめようとするが、賢者は構わずに少しずつ勃起してきた彼の一物を扱き始めた。

 

「また止まってる。集中して」

 

「お……まえな……っ!」

 

 絹のように滑らかな触り心地の賢者の肌が一物を扱き、上下に往復する旅にローグハンターは淡い快感に身を震わせ、それでも律儀に修行を続行しようと目を閉じて集中するが、目を閉じたせいで余計に彼女の愛撫の感触を強く感じてしまい、唸り声を上げる。

 

「くっ!うぅ……!」

 

「もっと、どこが、どうなってるか、意識して」

 

 賢者のどこか楽しげな声音の囁きに返す余裕はなく、ローグハンターは耐えるようにピクピクを身体を震わせるばかりで魔導書の文字は進まない。

 むしろ彼女の言葉に無意識のうちに引っ張られてしまったのか、しゅこしゅこと優しく扱いてくる彼女の手の感触と温もり、それらが与えてくる優しい快感が強まっていくばかり。

 

「ふふ。ネバネバしたのが出てきた」

 

 どうにか我慢しようと堪えるローグハンターだが、やはり耐え切れるものでもなく、鈴口から先走り汁が漏れ始め、肌が擦れ合う乾いた摩擦音に湿り気が帯び始め、くちゃくちゃと湿った音が微かに漏れ始める。

 賢者は先走り汁を掌全体に馴染ませるように塗りたくると、それを潤滑油代わりにして扱く速度をあげた。

 クチュクチュと湿った音を出しながらローグハンターの一物を根本から先端までを丁寧に扱きつつ、中身を搾り取るように握る力を僅かに強めていく。

 

「訓練が終わるまでずっとやるから、早く終わらせて」

 

「無茶、言うなよ……っ」

 

 賢者はふーっと耳に息を吹きかけながらそう告げると、ローグハンターは身体を小刻みに揺らしながら言い返すが、その声は情けなく上擦っており、限界が近いのは明白。

 現に彼の身体が少しずつ前のめりになっていき、ついには声も出す余裕さえもなくして身体を痙攣させるばかり。

 同時にページの進みも完全に止まり、文字の輝きも消えてしまう。

 賢者は「また失敗」と一物を扱きながら溜め息を漏らし、「はい、最初から」と耳元で囁いてフッと息を吹きかけた。

 もはや返事をする事もできないローグハンターは身体を震わせるだけであり、魔導書に輝きが戻ることもない。

 駄目かと溜め息を吐いた賢者は一物を扱く手を止めた。

 

「っ……!」

 

 それを望んでいた筈なのに、なくなったらなくなったで凄まじい物足りなさに呼吸を乱し、頬も赤らんでいる。

 普段は凛としている蒼い瞳も情欲に揺れ、物欲しげな視線が賢者を射抜く。

 それに対して賢者は冷たい視線を返し、魔導書に目を向けた。

 

「終わったら、存分にイかせてあげるって言えば集中できる?」

 

 小首を傾げながらそう問いかけ、ついでに誘うようにローブの胸元を開けて豊満な胸の谷間を露出させた。

 そこをじっと見つめたローグハンターが返事の代わりに無言で生唾を飲むと、賢者は誘うように艶やかな笑みを浮かべ、魔導書に視線を向けた。

 

「そういうことだから、がんば──」

 

 そして声援を送った直後、魔導書のページが今日一番の速度で進んでいき、ゴールの目印の付箋さえも通り越して一気に裏表紙にまで行ってしまう。

「え……」と間の抜けた声を漏らす賢者を他所に、文字通り一瞬にして魔導書を読み終えたローグハンターは勢いよく振り向くと賢者を抱き上げ、乱暴にベッドに投げた。

 バフンと音を立ててベッドに倒れた賢者は状況を理解できずに瞬きを繰り返すが、いつの間にか上半身裸になったローグハンターが覆いかぶさってきた事を合図に頬を朱色に染め、そっと目を背けた。

 目の前にご褒美を用意された──言ってしまえば恋人との逢瀬──が用意された男の底力を舐めていた自分の思慮のなさと、同時にこの状況を望んでいたあさましい自分への嘲り。

 そんな負の感情がほんの一瞬だけ頭を過ったが、それもすぐに吹き飛んでしまう。

 

「ふーっ!ふーっ!お前が煽ってきたんだからな、覚悟しろよ……っ!」

 

 目の前で飢える獣のように息を荒げ、歯を剥き出しにして獰猛な笑みを浮かべるローグハンターを前にしてしまえば、そんなものはどうでもいい。

 これから自分は彼に食われ、一晩中彼を堪能し、貪られるのだ。その事実を前にしてしまえば、何もかもどうでもいいのだ。

 

 

 

 

 

「んひっ……!あ……っ!んんんん♡」

 

 瞬く間に裸に剥かれ、前戯もなく彼の一物を秘部に叩き込まれた賢者は上擦った嬌声をあげ、全身を震わせて快感に打ち震えていた。

 力任せに股を開かれ、制止の声も無視しての挿入は多少の痛みを伴ったが、そんなもの今の快感を前にしてしまえばどうでもいい。

 

「ふっ!ふっ!ふっ!何が集中しろ、だ……っ!おまえだって、できてないだろうが!」

 

 すぐに横に先程まで彼の訓練に使われた魔導書が置かれ、最初のページだけ開いているが、文字は光もせず、勿論一ページも進まない。

 ローグハンターはほらほらと賢者を煽りながら腰を突き出し、子供の腕ほどありそうな一物で彼女の膣内を掻き回す。

 

「んぁああああああ♡む、無理……っ!集中、無理ぃ……♡」

 

 言葉同様の乱暴な腰使いと、叩きつけられる快感に喘ぎながら首を横に振るが、ローグハンターは「できない事を人にやらせるな!」と余計に怒った様子で声を荒げ、腰を突き出した。

 亀頭が子宮口と密着し、勢いのままに子宮を押しつぶせば、ゴリッ!と肉の潰れる鈍い音が賢者の胎内から漏れた。

 賢者は「んひっ♡」と声を漏らしながら弾かれたように背中を弓なりにしならせ、ビクビクと身体を痙攣させる。

 ローグハンターはそのまま子宮を押し潰したままのの字を描くように腰を振り、亀頭でグリグリと子宮口を押し込み、按摩するように子宮を揉み込んだいく。

 

「んぎっ……!?あああああああ♡♡これ、すご……い……っ!!」

 

 腹の底から響くような、鈍く重い快感が脳を擽り、賢者は悲鳴にも似た嬌声をあげるが、ローグハンターは構わずに持て余していた手で彼女の豊満な胸を鷲掴み、力強く揉みしだきながら指先で乳首を掻いてやる。

 

「ここがいいんだろ?言われなくても知ってるよ、半分は俺のせいだからな!」

 

 恋人になってから何度も身体を重ねた結果、賢者の肢体はローグハンターの手によって本人たちも無自覚のまま開発され、彼の与える快感を無駄なく受け入れてしまうものへと変貌してしまっている。

 

「や、やめ……っ、んぁああああ♡♡奥ぐりぐりも、乳首コリコリもっ、駄目ぇ……♡」

 

 胸と秘部、二ヶ所から与えられる毒のようにじわじわと染み込んでくる快感と、ビリビリと痺れるような快感。

 全く感覚の異なる二つの刺激に賢者は喘ぎ、身体を痙攣させて快感に打ち震えるが、ローグハンターはお構いなしに腰を振り、乳首を捏ねくり回す。

 カリが引き締まる膣肉を掻き回し、今度は浅い部分──陰核の裏側を押し上げるように重点的にそこを擦りながら、胸を揉んでいた手を離し、押し上げられてプクリと膨らみ、充血している陰核を指で摘んだ。

 

「んひっ!?」

 

 賢者は途端にビクン!と一際強く身体を跳ねさせ、同時に膣肉が痙攣を始めた。

 彼女の絶頂が近い事を察したローグハンターは不敵に笑むと「我慢は身に毒だぞ」と煽るようにそう告げて、腰を動かしながら陰核を指で揉み解すように優しく按摩してやる。

 

「んぎっ!?やぁああああああああ♡♡んぃ、ぎぃいいいいいいい♡♡♡」

 

 爪先から脳天までを駆け抜ける強烈な快感を断続的に与えられる賢者はビクン!ビクン!と滑稽な程に腰を跳ねさせながら理性の欠片もない喘ぎ声を漏らす。

 ローグハンターの一物に埋め尽くされた秘部は震え、身体が痙攣する度に接合部からは愛液が滴り落ち、シーツに染みを作っていく。

 彼女の胎内をいようといなかろうと一物を包む生暖かな感触は心地よく、僅かに気を抜いたローグハンターはぞわりも背筋を震わせた。

 ほんの一瞬とはいえ我慢を忘れてしまった為か、抑えていた射精感が一気に膨れ上がり、一物の中を熱いものが登り始めた。

 

「……っ。そろそろ射精()すぞ」

 

「……んぇ?ま、待て、今は駄目……っ!」

 

 そして単刀直入に告げられた言葉に賢者は嫌々と首を横に振って嫌がるが、腰は媚びるように揺れて彼の一物を受け入れており、無意識の内に足が彼の腰を押さえつけ、逃さないようにガッチリと捕まえてしまう。

 

「こっちは正直なのにな。相変わらず、上の口は強がりだ」

 

 なら、塞いじまうかと彼は笑うと、有言実行として片手で彼女の顎を押さえて正面を向くように固定した。

 

「ほら、口開けろ」

 

 ローグハンターは微笑み混じりにそう言うが、賢者は口を継ぐんだまま彼を睨み返し、断固として拒否するが、彼は可笑そうに笑い始めた。

 

「そんなトロトロになった表情で睨まれてもな。怖くはないぞ?」

 

 どこか小馬鹿にしたような声音でそう告げると賢者は無理やり表情を引き締めて彼を睨むが、ローグハンターは爆発寸前の一物を更に押し込んで子宮口を軽く小突いた。

 直後に賢者が「ひぐ……っ♡」と声を漏らした僅かに口が開いた瞬間を見逃さず、素早くキスをして隙間から舌を捻じ込んだ。

 

「んん?!ん〜!!んんん!!!」

 

 クチュクチュと湿った音を立てて舌が絡み合い、お互いの唾液を交換していく中で、ローグハンターは賢者の表情から段々と力が抜けていっている事に気付く。

 ふふとキスをしたまま嬉しそうに笑ったローグハンターは小刻みに腰を揺らして彼女の子宮口を責めたて、口を開けろと催促するようにグリグリと亀頭で子宮口を押しほぐす。

 

「んぉ♡んぎっ、んんんんん♡♡♡」

 

 コリコリと子宮口が押される度に賢者は嬌声を漏らし、ピクピクと身体を痙攣させ、合わせて膣肉が引き締まる。

 蠢く肉壁がローグハンターの一物を優しく扱き、子宮口が本物の口さながらに亀頭に吸い付いてキスを雨を降らし、早くちょうだいと催促しているかのよう。

 そんな彼女の本心とも言えるものを受け取ったローグハンターは、望み通りにと言わんばかりに腰を突き出すと、限界まで抑えていたものを解放。

 直後、堰を切ったように鈴口から大量の精液が吐き出され、瞬く間に賢者の子宮を満杯にした。

 

「はひゅ♡んんんん♡♡ん〜〜〜♡♡♡」

 

 同時に絶頂を迎えた賢者はキスされたまま絶叫し、彼の胃の中に嬌声を吐き出した。

 ビクビクと意識に反して暴れる身体はローグハンターの手で取り押されられ、吐き出した精液は一滴残さず子宮に注がれていく。

 

「んぉ♡んにぃ……っ♡♡」

 

 子宮を舐める精液の熱さに押されて再びの絶頂を迎えた賢者を他所に、ローグハンターはようやく射精が落ち着いたからか賢者から顔を離してキスを中断。

 二人の唇を繋ぐ透明な糸が切れ、賢者の顔に落ちてその美貌を汚してしまうのだが、ローグハンターはそれを拭ってやることもせずにむしろ得意気な笑みを浮かべた。

 それはさながらお前は俺のものだと言っているようで、その笑みを見つめた賢者は無言で両腕を彼の背に回してぎゅっと抱きしめた。

 豊かな胸が彼の胸板に押し潰され、その柔らかさがローグハンターの劣情を誘う。

 そのせいか、射精を終えた一物はその硬さを失わず、相変わらず彼女の胎内を深々と貫いている。

 ローグハンターはすぐさま二回戦に入ろうとするが、賢者が「待って」と告げて彼の背を撫で始めた。

 

「今日は、終わり……。ちょっと、無理……っ♡」

 

 絶頂の余韻に浸り、恍惚の表情を浮かべながらそんな事を言うと、ローグハンターは仕方がないと言わんばかりに溜め息を吐いた。

 だが、まだ足りないんだよなと頬を掻いたローグハンターは、一ページも進んでいない件の魔導書に目を向け、ニヤリと悪戯っぽく笑った。

 

「そうだな。じゃあ、これを全部やれたら終わりにしよう」

 

 そう言いながら一物を抜くと賢者に寝返りを打たせてうつ伏せにすると、止める暇を与えずに彼女の秘部に再びの挿入。

 いわゆる寝バックの体位で貫かれた賢者は「んぉおお♡」と悲鳴を上げて軽い絶頂を迎えてしまう。

 ローグハンターはそんな彼女の髪を撫でてやりながら、彼女に見える位置に魔導書を置いた。

 

「俺がやったのと同じだ。責められながら栞のところまで行けば、今回は終わりだ」

 

「な、何言ってる……っ。そんなの、無理に決まって……」

 

「俺なんかでもできたんだ。やれるって」

 

 そしてどうにか食い下がろうとする賢者を無慈悲に切り捨て、ローグハンターは不敵に笑んだ。

 そう、未熟な自分でもできたのだ。魔術において自分よりも遥かに上をいく彼女なら、朝飯前だろう。

 

「ほらほら。頑張らないと、今夜は寝れなくなるぞ?まあ、明日は休みなんだから別にいいが」

 

 ローグハンターは肩を竦めながらそう言うと、ようやく彼が本気であることが伝わったのか、賢者は僅かに怯えた様子で肩越しに彼の方に振り向いた。

 

「ま、待って。少し休んでから──」

 

「はい、スタート」

 

 そして彼女は彼を止めようと口を開いたが、それを無視する形でローグハンターは再びピストン運動を開始。

 絶頂後で敏感になっている賢者の秘部を蹂躙し、先程吐き出した精液を掻き出す勢いで乱暴に腰を振り回す。

 

「んぉおおおおおお♡♡んぎっ、んぃいいいいいいいいい♡♡♡♡」

 

 同時に再びの絶頂を迎えた賢者はどうにか集中しようとするが、その意に反して魔導書の文字は一文字も進まず、ページが進むこともない。

 

「んぎぃ!?!む、無理……♡こんなの、無理……♡」

 

「頑張れ頑張れ。ほらほら」

 

「ぎぃっ♡ぎっ、あああああああ♡」

 

 彼女の弱音を無慈悲に切り捨て、快感を教示しようと腰を振るう。

 絶えず嬌声をあげ、全く魔導書が進まない姿に嬉しそうに笑ったローグハンターは、妹たちに何と説明しようかと思慮するが、まあいいかと匙を投げて賢者との夜を楽しもうと決め、本腰を入れて彼女を堪能し始めた。

 

 

 

 

 

 翌朝。勇者一行が宿泊する宿屋の一階。

 酒場として解放されているその場所にいるのは、朝食を取ろうと部屋から出てきた勇者と剣聖だ。

 二人は揃って同じ卓で食事をしているのだが、四人席なのにも関わらず残りの二席が埋まる様子ない。

 

「むぅ。二人はどうしたのでしょうか?」

 

 流石に遅すぎると心配してか、剣聖が勇者にそう問うのだが、肝心の彼女はどこ吹く風といった様子で朝食に舌鼓を打っている。

 

「大丈夫大丈夫。別に冒険に行ったわけじゃないし」

 

「それは、そうですが……」

 

 一応酒場に降りる前に声をかけ、賢者がローグハンターの部屋にいる事。

 魔術の朝練が終わったらすぐに行くと言われてはいるが、いくらなんでも遅すぎやしないか。

 

「あ、これおいし〜」

 

「やれやれ。なら、私もいただきます」

 

 だがまあ、あの二人の事だから熱が入っているのだろうと目星をつけ、剣聖は勇者にならって朝食をとり始めた。

 そんな二人の心配を露知らず、ローグハンターの部屋では。

 

「ぁへっ……♡ぎっ……♡♡ぁぁ……♡♡」

 

「結局朝になったな。まあ、次は頑張れ」

 

 放心しながらもどうにか魔導書を読み終えた賢者に対し、ローグハンターは困り顔となりながらそう告げた。

 だが彼女からの返事はなく、気の抜けた呻き声が漏れるばかり。

 文字通り一晩中彼の相手をした賢者は、言ってしまえば悲惨だった。

 秘裂からは絶えず愛液と精液の混ざった白濁液が溢れ、僅かに尿も漏れているのかシーツには黄ばんだ染みができている。

 瞳には覇気がなく光が失われ、だらしなく開いた口からは舌が溢れてしまっている。

 

「さて、朝食にするか。何なら持ってくるが、何がいい?」

 

 そして最後の最後で罪悪感が湧いたのか、ローグハンターは彼女に給仕まがいのことをするように言うが、返答はない。

 むと声を漏らして彼女の表情を伺ったローグハンターは、すぐに微笑みを浮かべて彼女の額に口付けを落とす。

 

「おやすみ。昨日はありがとうな」

 

 いつの間にか眠ってしまった賢者にそう告げて、さっさと身嗜みを整えて部屋を後にした。

 一人残された賢者の寝息と淫行の残り香だけが、朝日差し込む部屋を満たしていた。

 

 




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Memory?? あなたの為に①

リクエストから。
ヒロインは見習い聖女。その前編。初めての夜編。

本編との変更点は以下の通り。
・ローグハンターが四方世界に転がりこんだのが原作本編の頃。
・↑のせいでローグハンターがまだローグハンターじゃない。


 見習い聖女にとって、彼との出会いは単なる偶然という他にないだろう。

 成人となってから冒険者となるべく村を飛び出し、最寄りの街を目指す道中。不意に目を向けた川岸に流れ着いた流木に引っかかっていた彼を助け、そのまま生来の世話焼き癖で彼を連れて街を目指した。

 彼女への恩返しの為と彼も冒険者となり、二人で、あるいはとある出来事で知り合う事になった小鬼殺しと呼ばれる冒険者と、その一党に着いて行くことで数多の依頼をこなす。

 そんな日々が続き、お互いの命を預け合う中で、仲間という枠組みを超えて惹かれ合うのは時間の問題で、事実二人はいつの間にかそういった関係となっていた。

 

 

 

 

 

 辺境の街、冒険者ギルドに併設された宿。その一室。

 夜も更けて流石の冒険者たちも寝静まる深夜帯。それにも関わらず、その部屋を拠点としている二人の冒険者は、寝る事もせず、お互いに赤面したままベッドに横並びに腰掛けるという妙な状況に陥っていた。

 沈黙に耐えかねてか、蒼い瞳の斥候がそっと隣に座る恋人──見習い聖女の手を握ろうと手を滑らせるが、

 

「「っ!」」

 

 お互いの指先が触れ合った途端に二人は同時に肩を跳ねさせ、お互いに慌てて手を引っ込めてしまう。

 これを繰り返すこと五回。先日お互いの想いを告白し、晴れて恋人関係になったはいいが、もう一歩を踏み込むのはやはり難しい。

 そもそも二人してそういった事とは割と無縁で、その日が来たとしても別に相手が彼、彼女なら大丈夫だろうとたかを括り、別に意識することなくその日を迎えた訳なのだが。

 

「「……」」

 

 いざやるとなるとやはりと言うべきか照れ臭く、普段なら何の躊躇もなくできる筈の手を握ることさえも出来なくなるとは思うまい。

 二人揃って顔だけでなく耳まで赤くして、手を握ろうとにじり寄っては距離を離す。それを何度も繰り返し、いつの間にやら夜も更けてしまった。

 明日は休みにしようと事前に決めておき、ある程度の夜更かしは目を瞑るつもりではあったが、ここまで何もないとそれはそれで情けなくなる。

 ふぅーっと見習い聖女に気付かれないように小さく深呼吸をした斥候は、今度こそ彼女の手を握ろうとそっと手を伸ばした。

 普段なら何の葛藤もなくできるそれに何倍もの時間をかけて、ようやく指先が触れ合った瞬間、赤面したままの見習い聖女は再び手を引っ込めようとするが、それよりも速く斥候が彼女の手を握った。

 

「……っ」

 

 びくりと肩を跳ねさせて驚くが、そっと彼の指に自分の指を絡めた。

 ゴツゴツと筋張ってはいるものの柔らかい、不思議な触り心地を楽しみつつ、ちらりと斥候の顔色を窺う。

 普段の張り詰めたそれとは違う、どこか柔らかな印象を受けるそれは、きっと彼女にしか見せないものに違いない。

 それが嬉しかったのか見習い聖女が思わず表情を緩めれば、斥候もまた嬉しそうに口角を緩め、お互いに握りあう手に力がこもる。

 お互いに照れ臭そうな笑みを浮かべて数秒だけ見つめ合うと、斥候が不意に表情を引き締めた。

 

「嫌なら、言ってくれ」

 

 囁くように小さな声でそう告げて、そっと彼女に顔を寄せる。

 見習い聖女は急に積極的になった彼に驚きつつ、ぎゅっと目を瞑って唇を尖らせながら彼の方を向いた。

 この手のものに慣れていないのが目に見えてわかるが、それでもどうにか彼に応えたいとした結果なのだ。

 斥候は嬉しさ半分、微笑ましさ半分といった具合で柔らかく笑うと、今度こそと顔を寄せて彼女の唇を奪った。

 ちゅっ……と二人の唇が触れ合う音がお互いの耳に届き、見習い聖女の強張っていた表情から力が抜けていき、薄くだが目を開けた。

 目の前にある蒼い瞳が彼と口づけしている自分を映し、その近さとじっと彼に見つめられている事を余計に意識してしまってか、耳から煙が吹くほどに照れてしまう。

 その様子に流石にまずいかと斥候は慌てた顔を離し、「大丈夫か?」と問いかけた。

 

「え、ええ。だ、大丈夫よ」

 

 彼とのキスの余韻に浸っているのか、唇に指を当てながらもじもじと身体をくねらせるその様子は、普段の強気な彼女とはほど遠く、心臓が強烈に締め付けられる、けれど全くと言っていいほど嫌ではない感覚に陥った斥候は咳払いをすると、改まって彼女に問うた。

 

「本当に大丈夫なんだな」

 

「何度も言わせないでよ。大丈夫だから」

 

 少々心配がすぎる気もするが、それは彼なりに彼女を大切に想っているからこそだ。

 仲間として一年近く付き合ったおかげで何となく彼の性根というものを知る見習い聖女にとって、彼の胸中を察するのは当然のことであるが、恋人として面と向かいあうのはまだ片手で数える程度。

 きっと彼も不安なのだろうと当たりをつけて、こうなればと私が引っ張ってやらねばと意気込むが、

 

「ヘ……?」

 

 次の瞬間に彼女の口から漏れたのは、間の抜けた声だった。

 斥候に肩を押されてベッドに押し倒されたと理解するのに時間を要し、彼が覆いかぶさってきた事を理解するのにも更に時間を要した。

 斥候から見れば顔を真っ赤にしたまま完璧に硬直されるという事態に彼の方も困惑することになるのだが、大丈夫と言ったのは彼女だしと開き直って彼女の頬に手を添え、親指で優しく真っ赤になった頬を撫でてやる。

 見習い聖女は擽ったそうに声を漏らすが心地よさそうに目を細め、彼に身を任せるように身体を弛緩させた。

 それを了承と受け取った斥候は、再び顔を寄せて彼女の額に口づけし、鼻先、瞼と続けて唇を落とすと、見習い聖女は「擽ったいわ」と嬉しそうに笑いながら告げた。

 

「そうか?」

 

 そんな彼女の反応に可笑しそうに笑った斥候は「ここはどうだ」と煽るような声音で問いながら、今度は首筋に唇を落とした。

 はむはむと唇で優しく咀嚼し、ふと思いついたように舌を這わせれば、微かな塩味──おそらく汗の味が口内に広がった。

 

「ちょっ、ちょっと、汚いわよ……っ!」

 

 だがそこまでされると流石に羞恥心ぎ勝るのか、見習い聖女は彼の頭を押し返しながらそう言うと、斥候は心底不思議そうな面持ちで首を傾げた。

 

「お前に汚い所なんてあるのか?」

 

「〜〜っ!」

 

 そして真顔で真っ直ぐ見つめられながらの問いに、見習い聖女は声もなく嬉しい悲鳴をあげ、手近にあった枕をふん掴んで自分の頭に被せて顔を隠した。

 

「……おい」

 

「ちょっと待ちなさい!一回落ち着かせてッ!!」

 

 ペチペチと枕を押さえる手を叩きながら声をかけるが、見習い聖女に取り付く暇はない。

 突然手持ち無沙汰になった斥候は困り顔になるが、この際顔や首でなくてもいいかと思いつき、「少し触るぞ」と念のため一声かけてから、彼女の寝巻きをぺらりとめくった。

 

「っ!?」

 

 見習い聖女は枕に顔を隠したまま驚き、身体を強張らせるが、斥候はそんな事お構いなしに彼女の腹に唇を落とした。

 幼少の頃から鍛え、前衛職として日夜身体を酷使している自分のそれとは違い、あまり筋張っていない柔らかな腹筋。

 鼻先でその弾力と温もりを楽しみながら、ちゅ、ちゅとわざとらしく音を立ててキスの雨を降らす。

 

「……っ。〜〜っ!!」

 

 彼の唇が落ちる度に見習い聖女はピクピクと身体を痙攣させながら声もなく嬌声を漏らし、白磁を思わせる白い肌が赤く上気していく。

 そんな姿も愛おしく、斥候は黙々と彼女の腹に唇を落とし続け、時々ふと思いついたように吸い付き、痕をつける。

 枕に顔を埋めている為か、それに気づいていない見習い聖女は僅かに聞こえるリップ音と、指で突かれているような擽ったさに身動ぎした。

 だが口からは熱の帯びた艶っぽい声が漏れており、反応は小さいが彼女が感じているのがわかる。

 それに気付いた斥候はご機嫌そうに笑うと、一旦口付けを辞めて顔を上げた。

 

「それで、いつまで顔を隠しているつもりだ?」

 

 ペシペシと枕を叩きながら問うが彼女からの返答はなく、代わりに言葉になっていない唸り声が聞こえてくる。

 何か言っているのだろうかと耳を澄ませる斥候を他所に、見習い聖女は枕の下で赤面したまま「うるさいっ」と呟き、今度は彼の顔に枕を押し付けた。

「わぷっ」と間の抜けた声を漏らした斥候は、突然視界が暗転した事にも動じずに逆に素早く枕を引き剥がすと、ぎょっと目を見開いた。

 枕を退かした直後、いきなり見習い聖女の顔が目の前に迫っていたのだ。いくら最愛の人の顔とはいえ、突然のゼロ距離は流石に驚くというもの。

 そして声をかける間もなく、彼女は身体を起こした勢いのままに彼の唇を奪った。

 だが直後に二人の口から漏れたのはガチッ!と固い物がぶつかり合う音であり、事実二人は突然の激痛に仰け反り、揃ってベッドに倒れた。

 勢いをつけ過ぎてしまったのか、狙いが外れてしまったのか、何故なのかは定かではないが、唇が触れ合うどころか二人揃って前歯を激突させてしまったのだ。

 

「いった〜ッ!ご、ごめん、大丈夫?」

 

 口を押さえながらジタバタと悶えていた見習い聖女は困惑しつつ斥候に問うと、彼もまた口を押さえて身動ぎ一つせずに痛みに唸っていた。

 だがそれもすぐに止まり、くつくつと喉の奥を揺らす笑い声だった。

 

「ちょっと、笑うほどのことじゃないでしょ!」

 

 そしてすぐに自分が嗤われていることに気づいた見習い聖女が文句を言うが、それでも笑っている彼の姿に当てられてから、彼女も思わず吹き出してしまい、鈴を転がしたように笑い始めた。

 深い理由もなく、ただただ幸せを感じた。笑う理由なんて、それでいいではないか。

 

「──さて、とりあえず笑いも治まったところで」

 

 だが、いつまでも笑っている訳にもいかない。

 どうにか笑いを抑え込んだ斥候は身体を起こすと、いまだに笑っている見習い聖女を優しげな視線で見つめると、改めて彼女に覆いかぶさった。

 いまだに口を押さえている彼女の手をどけ、先程の失敗を帳消しにせんと今度はこちらから口付けし、今度は舌を突っ込んで彼女の舌を絡ませた。

 唇同士が触れ合うだけと思っていた見習い聖女は驚くものの、折角だしと言わんばかりに力を抜いて彼の舌を受け入れた。

 先程ぶつけてしまった前歯を労わるように、舌先でそっと撫でるように舐められ、勢いついた斥候の舌が口内を舐め回す。

 

「ん……っ。ふっ……。んちゅ……」

 

 彼の舌が口内の粘膜を優しく舐める度に見習い聖女はピクピクと身体を痙攣させ、我慢できないのか艶やかな声を漏らした。

 

「んっ……。はふっ──んん!?」

 

 彼の優しげなキスに表情を蕩けさせ、身体を弛緩させていくが、いきなり彼の手が寝巻きの中に入り込んだ事を合図に目を見開き、身体を強張らせた。

 それを合図に斥候は一旦キスを辞め、「触ってもいいか」と僅かに呼吸を荒くしながら彼女に問うた。

 何をかは明言していないが、状況からして胸であることは間違いあるまい。

 

「い、いいわ。でも、優しくしてよ……?」

 

 もじもじと太腿を擦り合わせ、無意識に上目遣いをしながらの言葉に斥候は生唾を飲んだ。

 

「失礼」

 

 そして念のためと声をかけてから、自分の手を彼女のズボンの中へと突っ込んだ。

 上ではなく下に行った予想外の動きに驚く暇もなく、斥候の手はショーツ越しに彼女の秘裂を撫でた。

 僅かな湿り気を感じるそこは、先程のキスが彼女にとって気持ちがよかった証拠だろう。

 それが嬉しかったのか、斥候は微笑しながら優しく秘裂を撫で始め、誰にも触られた事のないそこに刺激を与えていく。

 

「……っ!っ……?ひぁ……っ!んん!」

 

 優しく背筋を駆けていく、慣れない快感に見習い聖女は最初こそ困惑したものの、すぐにそんな混乱も快感に流されていき、甘える猫のような上擦った声が漏れる。

 こすこすと布の擦れる音に湿り気が帯び、彼女の反応も少しずつ激しくなっていく。

 

「ひぅ!あっ……!まっ、待ちなさいっ!いきなり、すぎ……っ。やぁ……っ!」

 

 下腹部から脳天にかけてを緩やかな快感が彼女の背筋を撫でていき、意識に反して身体がピクピクと痙攣し始め、下腹部からの音もピチャピチャと水をかき混ぜるような音へとなっていく。

 言葉とは裏腹に感じていると理解した斥候は、制止の声を無視して今度はショーツの中に手を滑り込ませ、直に彼女の秘裂を撫でた。

 

「ひゃん……っ!」

 

 途端に強くなった快感に見習い聖女は嬌声をあげ、ビクン!と強めに腰を跳ねさせた。

 その反応に少々悪戯っぽい笑みを浮かべた斥候は、秘裂から溢れて来る愛液を指に絡ませて潤滑油代わりにすると、何の躊躇も警告もなく、指を彼女の秘裂に挿しこんだ。

 

「くっ……。ぅぅ……!!」

 

 突然胎内に入ってきた異物感に見習い聖女は低い唸り声を漏らすが、斥候は彼女の耳元で呟く。

 

「力を抜け。俺に身を任せろ」

 

 そう言うや否や、斥候はゆっくりと指を動かして彼女の膣肉を優しく撫で始めた。

 指を追い出そうと蠢くひだを子供を宥めるように優しく撫でてやり、ついでに優しく掻いてやる。

 

「ひぁ……っ!く、うぅ……!そこ、だ、駄目ぇ……♡」

 

 見習い聖女はピクピクと身体を痙攣させながら媚びるような声を出し、駄目と言いながらも彼の指に押し付けるようにヒクヒクと腰が揺れている。

 

「ここがいいのか」

 

 そんな彼女の反応に、割と強めに反応した場所を重点的に責めてやれば、ビクビクと身体だけでなく膣肉も痙攣し、秘裂から掻き出される愛液の量も増えていく。

 ショーツも染みで色が変わり、吸いきれなかった愛液のせいでズボンにまで染みができ始めと、斥候は不敵に笑いながら「脱がすぞ」と告げて彼女のズボンとショーツを纏めて降ろした。

 

「ちょ、ちょっと、いきなり何する……の……」

 

 突然下半身が裸になった見習い聖女は慌てて身体を起こすが、自分の下腹部の惨状を前に言葉を失った。

 びしょびしょになった股ぐらと、立っている訳でもないのに勝手に震える膝と、無意識の内に腰が揺れる度に秘裂からは愛液が滴り落ちる。

 

「あ……と、これ……は……違っ」

 

 初めてなのに感じすぎではと、彼にはしたないと思われていないかなど、ふと脳裏に嫌な予感がよぎるが、不意に視界の外で布擦れの音が聞こえたのを合図にそちらに目を向けた。

 そこでは斥候が上半身裸となっており、鍛え抜かれ、そして多くの傷跡が残る肉体を惜しげもなく晒しているのだ。

 ボッ!と音を立てて頭から煙を噴き出す見習い聖女の姿に、斥候は困り顔になりながら告げた。

 

「別に初めて見る訳でもないだろう」

 

「や、それは、そうだけど……っ!こういう状況で見るのは初めてだし」

 

 彼の言葉に見習い聖女は目のやり場に困ると言わんばかりに目を泳がせるが、斥候はじっと濡れた彼女の秘裂を見つめた。

 あのくらい濡れていれば大丈夫だろうかと不安に思いつつ、だがここまで来て引き下がる訳にもいかないと自分を鼓舞する。

 

「今から下も脱ぐが、大丈夫か?」

 

「うぇ!?あ、そ、そうよね!ええ、うん、大丈夫……」

 

 彼からの最後通告とも言える一言に見習い聖女は僅かばかりに萎縮するが、彼も裸になるのだしと着たままの上着を脱ぎ捨て、ええいままよとブラジャーも外してベッドの側に放り投げた。

 途端に姿を現すのは、大きすぎず、小さすぎずの大きさの乳房と、その先端にある薄桃色の乳首だ。

 じっとそれを見つめた斥候は、そういえば触っていないと今更な事に気付くが、それはまたの機会にしようととりあえず彼女にならってズボンとパンツを脱いだ。

 ボロンと音を立てて解き放たれたのは、他の同年代の只人と比較しても一回りも二回りも大きな一物だった。

 子供の腕ほどありそうな竿部分に、本物のキノコさながらに大きなカリ。鈴口からは既に先走り汁が溢れている。

 

「へ……?」

 

 そしてそれを目の当たりにした見習い聖女は、あれを今から挿れられるのかと強烈なまでの不安が頭を支配した。

 こちとら初めてなのにあんな物を受け入れれば、本当に裂けてしまうのではないか。

 プルプルと先程までとは違う意味で震え始めるが、斥候はとりあえず彼女の脚を開くと、亀頭を秘裂に押し当てた。

 そのまま腰を前後に揺らして亀頭と竿を擦り付け、先走り汁と愛液が混ざった粘液を塗りたくっていく。

 

「んっ……♡や、優しく、してよ……?」

 

 そこまで来て彼女も覚悟を決めたのか、一物と秘裂が擦れ合う快感に声を漏らしながら、最後の最後でおねだりを一つ。

 斥候は興奮からか僅かに目を血走らせながら、それでもこくりと一度頷いた。

 そして彼女が頷き返した瞬間、亀頭を秘裂に押し付け、ゆっくりと腰を突き出した。

 拳のように固い亀頭が秘裂をこじ開け、まだ他の誰の挿入を許していない彼女の胎内に入り込んでいく。

 

「……っ!っ──!!」

 

 先程の指とは段違いに強い異物感に見習い聖女は声もなく悲鳴をあげるが、目の前で苦しげに唸りながらも、こちらを心配するように見つめてくる斥候の表情を目の当たりにし、大丈夫と言わんばかりに頷いた。

 その頷きに斥候も応じて少しずつ一物を押し込んでいき、ある程度挿し込んだのを合図に途端に引き締まりが強くなり、ひだが一物を追い出さんと激しく蠢き始めた。

 力強く扱かれるような刺激に斥候は唸り、歯を食い縛って暴発だけはしないように堪えながら、彼女を見つめた。

 お互いに覚悟は決まっている。ここで止まるのは彼女も辛いだろう。

 

「──いくぞ。力を抜いてくれ」

 

「ええ。私の初めて、あんたにあげる……っ!」

 

 そして斥候が告げた言葉に、見習い聖女が緊張しながらも嬉しそうな表情で応じた。

 それに彼は笑いながら頷き、言葉の通りに一気に腰を突き出した。

 直後、ブチン!と何かを突き破る感触を亀頭で感じ、ただですら強かった締め付けが食いちぎらんばかりの強さに一気に強まった。

 

「────っ!待って、痛いっ!これ、ヤバ……っ」

 

 文字通りの急所を締め上げられる斥候の耳に、見習い聖女の悲鳴が届いた。

 慌てて彼女の顔に目を向ければ、そこには痛みに喘いで涙を流す姿があり、呼吸が乱れて胸が不規則に上下に揺れている。

 

「落ち着くまで、このままでいる。何かしてやれればいいんだが……」

 

 強烈な締め付けに耐えながら斥候が言うと、見習い聖女は甘える幼児のように彼に向けて両手を広げ、「だ、抱きしめて」と消えいるような声で彼に告げた。

 わかったと応じた斥候は彼女を抱き寄せ、片手でそっと髪を撫でてやる。

 ふーっ。ふーっ。と少しずつ呼吸を整えながら、見習い聖女は彼の背中に腕を回し、ぎゅっと抱き寄せながら耳元で言う。

 

「あんたは温かいわね。ずっと一緒にいて、手だって繋いでるのに、気が付かなかったわ」

 

「お前も抱き心地がいいぞ。どことは言わないが柔らかいし、何より安心する」

 

 彼の手が髪を撫でる度に見習い聖女の強張った身体から力が抜けていき、膣肉の締め付けも段々と弱くなっていく。

 そろそろいいかと僅かに腰を動かしてみると、湿った音と共にカリが膣肉を引っ掻き回す。

 

「ひにゃあ!?」

 

 突然全身に電撃が駆け巡るような感覚にビクン!と身体を跳ねさせた見習い聖女の反応に、斥候は「痛かったか?」と問うが、彼女は「だ、大丈夫よ」と返してにこりと笑った。

 

「嘘じゃないわ。ちょっとびっくりしただけ」

 

 ごめんなさいと謝りながら笑う彼女に、斥候は本当に大丈夫そうだと判断し、腰の動きを僅かに強め、鋭いカリでようやく緩んできた膣肉を引っ掻き回す。

 

「あっ……!ひゃん!んんっ!ちょっと、いきなり飛ばし過ぎ、よっ……♡」

 

 パンパンと音を立てて腰同士がぶつかり合い、亀頭が子宮口とキスする度に彼女は嬌声をあげ、リズムに合わせるように膣肉が引き締まるが、斥候は構う事なく腰を振った。

 

「ひゃ♡あん♡ちょっと、聞いてる、の……♡あふっ、やっ♡」

 

 彼の一物が膣内を往復する度に全身に鋭い快感が駆け巡り、段々と表情を蕩けさせていく。

 抱きつかれている都合上、斥候はそれを見ることができないが、声色だけで彼女が感じている事を察したのか、嬉しそうに笑いながら彼女に告げる。

 

「一度射精()してもいいか。我慢できん……っ」

 

「ええ、いいわよっ!んっ♡私も、頭、ふわふわしてっ、これ、すごい♡」

 

 彼の言葉に見習い聖女は跳ねるような声音で返し、まともな思考もできていないだろうに彼の次の行動を後押しした。

 それを受けた斥候は我慢をやめ、せめて彼女と一緒にと細やかな我儘を貫くため、腰の動きをさらに速めた。

 

「ひゃん!やっ、あん♡いきなり、激し♡ま、待って……っ!」

 

「駄目だっ!お前も一緒にイかさてやる……っ!」

 

「──っ♡ええ、いいわよ♡そこ、もっとぐりぐりしてぇ♡私も、もう我慢できないからぁ♡」

 

 そして獣じみた唸り声と共に告げられた言葉に、見習い聖女は理性が溶けただらしのない声を出して彼に言うと、斥候はトドメと言わんばかりに最後の一突きを彼女に放った。

 放たれたそれは物欲しそうに降りてきていた子宮口を無慈悲に叩き伏せ、子宮を押し潰しながら初めての射精の時を迎えた。

 

「ひっ……!ああああああああああ♡♡♡」

 

 押し潰された子宮に熱々ドロドロの精液が吐き出され、瞬く間にそこを満たして膣内の方に逆流していく。

 胎内全てを精液で舐め回される見習い聖女は甲高い悲鳴にも似た嬌声をあげながら絶頂を迎え、ビクビク!と身体を激しく痙攣させ、無意識の内に両足を彼の腰に絡めて押さえつける。

 逃げる事を封じられた斥候は、射精後で敏感になった一物を絶頂で痙攣する膣肉で舐め回され、尿道に残った精液さえも暴発して吐き出してしまう。

 

「──っ!?──っ♡〜〜〜♡♡♡」

 

 古い精液が掻き出され、すぐさま新しいものが子宮を満たす。

 子宮内で行われる交代運動さえも見習い聖女には快感となり、彼の肩に口を押しつけて声を押し付けながら再びの絶頂。

 そして数十秒してようやく射精が終わると、それと同時に見習い聖女は両手足をベッドに投げ出す形で崩れ落ち、ようやく解放された斥候は一旦一物を抜いた。

 彼女の愛液と自分の精液の混ざった、ベタつく白濁液に塗れたそれは、自分の物なのに見ていて凄まじい嫌悪感を感じる程。

 とりあえず拭おうと手拭いを探そうとするが、

 

「はひゅ……♡私の初めて、あげちゃった……♡痛かったけど、えへへ、幸せだな〜♡」

 

 絶頂の余韻に浸りながらも、強烈な多幸感に酔いしれる見習い聖女に目を向けた。

 秘裂から大量の白濁液を吐き出しながら、恍惚の表情で独り言を言う様は不気味なようにも見えるが、相手が恋人となると話は変わってくる。

 現にどうだ。文字通り吐き出しきった筈の一物が瞬く間に固さを取り戻し、獲物はどこだと言わんばかりにビクビクと震えているではないか。

 

「……」

 

 斥候は無言で彼女に覆いかぶさると、白濁液を吐き出す秘裂に亀頭を押し当て、勢いよく押し込んだ。

 

「んお゛♡」

 

 同時に見習い聖女の口から野太い悲鳴が上がり、困惑しながらも自分が再び彼のものを受け入れていると理解した彼女は、

 

「あ、あはは……、お、お手柔らかにっ、お願いします……♡」

 

 乾いた笑みを浮かべながら、情欲に燃える瞳に彼を移しながらそう告げた。

 その夜、その部屋から女の喘ぎ声が途絶える事はなく、翌日多くの苦情が寄せられる事は、二人が知る由もないことだ。

 

 

 

 

 

 




次回は見習い聖女編(多分時系列的には至高神の聖女呼び)②の予定です。

感想、リクエスト等ありましたら、よろしくお願いします。


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Memory?? あなたの為に②

リクエストから。
見習い聖女編後編。前回からだいぶ時が流れ、最終決戦後を想定。
斥候がローグハンターになり、見習い聖女は至高神の聖女呼びに変更になります。


 斥候と見習い聖女が初めての夜を終えてからというもの、それを合図にしたかのように激動の日々が続いた。

 ゴブリンスレイヤーに連れられてのゴブリン狩りならまだしも、妖精弓手の故郷で行われる彼女の姉の結婚式に参加したり、様々な縁で知り合うこととなった金等級冒険者、剣の乙女の護衛として都に向かったり、その先で物乞い(ローグ)たちと一悶着あり、解決に尽力──というかは殲滅──した斥候はローグハンターという渾名をつけられたり。

 果てには外から来た神を名乗る者との抗争の中心人物となり、金等級でも白金等級でもないのに、世界の命運を握る戦いの最前線に駆り出され、そのまま討ってしまった結果、見習い聖女は冒険者歴の短さに反して見習い扱いをされなくなったり。

 そんな身分不相応の激闘を、満身創痍になりながらも乗り越えた二人の仲はより深まる事になったのだが──。

 

 

 

 

 

 辺境の街、眠る狐亭。

 多くの冒険者が拠点として利用し、その設備や各部屋の居心地の良さから辺境一と名高いその宿は、辺境勇士と呼ばれるに至ったローグハンターが拠点としている事でも有名だ。

 そんな彼の一室でベッドに横になって既に寝ていたローグハンターは、ふと違和感を感じて目を覚ました。

 妙に下半身が寒いのだが、股間の辺りが──特に一物が生暖かい。

 

「……?」

 

 寝惚け眼のまま疑問符を浮かべ、身体を起こして状態を確認すると、

 

「あ……」

 

 何故か裸で、ローグハンターの一物を舐めていた至高神の聖女と目があった。

 二人は揃ってパチパチと瞬きを繰り返し、言葉もなく見つめ合うことになるのだが、先に口が動いたのはローグハンターだった。

 

「な、なにをしている」

 

 困惑の表情のまま彼女に問うが、肝心の至高神の聖女からの返答はない。

 その代わりと言わんばかりに彼の一物を頬張ると、チロチロと亀頭を舐めまわし、カリの裏側もペロペロと舐め始める。

 生暖かく、柔らかな舌が一物を刺激し、緩い快感が背筋をくすぐる度にローグハンターの口から気の抜けた声が漏れ、無意識のうちに小さく腰が揺れてしまう。

 その反応を一物を咥えたまま上目遣いになりながら見ていた至高神の聖女は、もっと気持ちよくしてやろうと鈴口から溢れてきた我慢汁を舐め取り、舌先を鈴口に押しつけてぐりぐりとほじくってやる。

 

「じゅる。あむ……。ちゅる、んぁ……んん、じゅるる!」

 

 わざとらしく湿った音を立てながら、飴玉にそうするように亀頭を舐めまわし、どんどんと溢れてくる我慢汁を舐め取り、独特の苦味に涙目になりながらも片手で一物を扱いていく。

 

「……っ。おまえ、いきなりどうした……っ!」

 

 油断していた状態からのいきなりの奇襲に襲われたローグハンターは快感に頬を染めながら至高神の聖女に問うが、彼女は相変わらず答えない。

 上目遣いのまま彼を見つめた至高神の聖女は「ぷはっ!」と声を出しながら一旦彼の一物を解放すると、じっと彼を睨んだ。

 その視線にローグハンターは何か悪い事をしただろうかと自問するが、生憎と彼女に対して悪事を働いた記憶はない。

 

 ──とりあえず、姿勢は正すべきか?

 

 説得するにしろ、説教されるにしろ、とりあえず寝転んだままでは格好がつかない。

 ローグハンターはベッドに両手をついて身体を起こそうとするが、そんな彼に至高神の聖女が「待ちなさい」と待ったをかけた。

 突然の指示に反射的に動きを止めたローグハンターに、至高神の聖女は鋭く睨みながら告げる。

 

「あなたは休んでなさい。私がやるから」

 

「あ、ああ……」

 

 なぜこうなったのかは知らないが、彼女なりにしたい事があるようだと判断したローグハンターはとりあえず流れに身を任せる事にすると、改めてベッドに寝転んだ。

 それでも縦にした枕に寄りかかり、首だけ持ち上げて彼女の事を見ることにするのだが。

 じっと見つめられて今更になって照れたのか、「見るんじゃないわよ」と一応の文句を言っておくのだが、ローグハンターは気にしない。

 状況を楽しみ始めたのか、にこにことご機嫌そうに笑いながら「何をしてくれるんだ?」とどこか煽るような声音で問うた。

 むぅと不満そうに唸った彼女だが、すぐに開き直ったのか「えい!」と声を出しながら胸で彼の一物を包もうとするのだが、

 

「……どうせ、牧場の人とか魔女さんほど大きくありませんよだ」

 

 初めての夜を皮切りに、隙を見て彼と肌を重ねる夜を過ごす内に少しずつだが大きくなってきたと自信がついていたのだが、現実はそこまで甘くはないようだ。

 牧場の牛飼娘や同じ冒険者の魔女ほどではないにしろ、彼の物を包むくらいならいけるべと思っていたのだが、結果としては亀頭のみならず少しだが竿の部分もはみ出してしまっている。

 

「別に大きさなんてどうでもいいだろう」

 

 見るからに落ち込んだ彼女を慰めようとしたのか、ローグハンターは苦笑混じりにそう言うのだが、至高神の聖女には届かない。

 件の憧れ二人の姿が脳裏をよぎるが、何のこれしきと頭を振って邪念を振り払い、胸を上下に動かして一物を扱きつつ、飛び出している亀頭を舌を這わせて舐め回す。

 

「じゅる!はふっ、あむ……っ!んっ、じゅるる!」

 

 優しく一物を包み込む乳圧と、亀頭を舐める彼女の舌使い。

 異なる二つの快感に唸るローグハンターを見つめながら、胸を動かす度に鉄のように硬い一物が擦れ合い、その熱さに喘ぎながら亀頭を口に含んでじゅるじゅると音を立てて我慢汁を啜る。

 鈴口を小刻みな動きで舐めて次々と滲んでくる我慢汁を舐めとり嚥下すると、一度口を離してフッと息を吹きかけた。

 

「っ!?」

 

 ビクン!と一物が大きく反応を示し、ローグハンターも突然の刺激に声には出さずに喘ぎ、僅かに目を剥くほどの快感を覚えたようだ。

 そんな彼の反応にふぅんと悪戯っぽく笑った至高神の聖女は、「こういうのがいいんだ」とすっと目を細めながらそう告げた。

 弱点がわかったのだ。なら、攻め立ててやらねば無作法というもの。

 ふーっと長く息を吹きかけたり、口に含んで舐めながら息をかけたり、胸で扱くことも忘れずに、彼の一物に刺激を与え続ける。

 

「くっ!……っ」

 

 絶えず与えられる刺激にローグハンターは余裕のない声を漏らし、歯を食い縛って何かを堪えている様子。

 それを見た至高神の聖女は亀頭を頬張ったまま、「さっさと射精()しなさいよ」と射精を催促。

 それでも堪えようとするローグハンターだが、快感に当てられて腰が揺れており、一物を舐めている至高神の聖女もやり辛そうに眉を寄せた。

 だが彼が感じているのは確かなのだ。詰めるなら今だろう。

 

「じゅる!じゅるる!ふーっ、れろっ、じゅるる!」

 

 口を尖らせてひょっとこ顔になりながら彼の一物を吸引し、鈴口やカリの裏側に舌を這わせて舐め回す。

 生暖かな舌が這い回り、呼吸を当てられ、竿の部分も胸で扱かれ続ける。

 ローグハンター自身、自分は我慢強い方だという自覚はあるが、限界というものはある。

 

「くっ、うぅ!」

 

 一際低く唸り、ビクン!と腰が浮いた瞬間、ついに限界を迎えた。

 鈴口を舐めていた至高神の聖女の舌に熱々ドロドロの精液が吐き出され、途端に口内を生臭い磯の香りに支配される。

 

「ん〜!?んぶっ、ごきゅ……っ!んぐっ!んぐっ、ぶっ……!」

 

 その強烈な臭いに悲鳴をあげるが、次々と吐き出される精液を涙目になりながらどうにか嚥下していく。

 ひどく粘つくそれはさながら粘液(スライム)のようであり、喉に貼り付くそれは飲み込むだけでも一苦労ではあるが、飲み込む度に追加分が注がれてくるのだ。飲み込むしかない。

 

「ぅ……ぅえ……っ。んぐっ、ごくっ……!ぶぁ!?」

 

 飲み込む度に鼻を突き抜ける強烈な臭いに涙目になりながらえづくが、必死に嚥下して飲み切ってやろうとした間際、唐突に限界が訪れた。

 ついに身体が耐えきれなくなってしまったのか、飲み込もうとしていた精液が一気に逆流し、吐き出してしまったのだ。

 吐き出された精液が勃起して赤黒く染まっている彼の一物と、彼女の白磁の肌を白く汚していき、薄桃色の乳首を真っ白に染め上げた。

 

「げほっ!げほっ!ご、ごめん、飲みきれなかった……」

 

 けほけほとむせながら謝った至高神の聖女は、白く染まりながらも未だに起立している彼の一物を見つめた。

 やはりと言うべきか、一度や二度の吐精では萎えることはなく、もっと射精()させねばならないようだ。

 

「一回綺麗にするから、待ってなさい」

 

 そして辛抱溜まらずに彼女に襲い掛からんと、寝転んだまま身構えたローグハンターを言葉で制し、白く汚れた一物に舌を這わせた。

 飲みきれなかった精液を舌先で掬い取り、口の中に運んでこくんと喉を鳴らして飲み込む。

 えぐいまでの苦味を感じ、はっきり言って不味いとしか言いようがないのだが、どこか癖になってしまう不思議な味。

 それを堪能しながらペロペロと彼の一物を舐めまわすと、その度に一物がピクピクと痙攣し、ローグハンターも悩ましげに息を漏らす。

 

「ん。これで綺麗になった」

 

 こくりと喉を鳴らして最後の分を飲み込んだ至高神の聖女は、満足そうに舌鼓を打ちながらそう言うと、胸の方は手拭いで適当に拭いながらちらりとローグハンターの様子を伺った。

 血走った瞳をあらん限りに見開き、歯を剥き出しにして熱のこもった呼吸を繰り返す様は、さながら飢えた獣のよう。

 

「そんなに怖い顔しないでよ。ちゃんとやったげるから」

 

 そんな彼に苦笑混じりにそう言うと彼の身体に跨り、触れてもないのにびしょびしょに濡れた秘裂を彼の一物に押しつけた。

 溶けた鉄のように熱いそれが、彼の腹筋と彼女の秘裂に挟まり、ピクピクと震えて悲鳴をあげる。

 だが至高神の聖女は構いもせず、そのまま腰を前後に揺らして溢れてくる愛液を一物に塗りたくり、ニヤリと怪しげに笑った。

 

「んっ。ど、どうよ。ふっ、んんっ!気持ちいいでしょ?」

 

 秘裂と一物が擦れる快感にピクピクと身体を痙攣させながら煽るようにそう言うと、ローグハンターは先程以上に呼吸を荒くし、情欲に燃える瞳から理性が消えかけているのがわかる。

 それでも手を出してこないのは、先程言った待てを律儀に守ってくれているからだろう。

 

「まあ、お互い我慢は毒よね」

 

 そして、彼女もいい加減我慢ができなくなってきたのも事実。

 いくら彼のを舐めようが、こうして擦り付けようが、胎の奥に感じる疼きはどうすることもできず、むしろ段々と強くなっていく始末。

 これを鎮めるには、やはり最後まで行くしかないと覚悟を決めて、深呼吸を一度。

 腰を持ち上げて圧迫されていた一物を解放すると、触れなくても天井に向けて起立するそれを片手で押さえ、その切っ先を自分の秘裂に向けさせる。

 くちゅりと湿った音を立てて秘裂と亀頭が触れ合い、その熱が彼女の疼きを強くさせる。

 そうしている間にも愛液に塗れた一物からは我慢汁が溢れ出しており、さながら膣内射精(なかだし)されているように秘部へと注がれていく。

 

「くぅっ!んっ……!そ、それじゃ、いくわよ……っ」

 

 それを受け止め、その熱さに当てられて小さく喘ぎながらそう告げて、ローグハンターの返事を待たずに勢いよく腰を落とした。

 

「ぉ゛……♡」

 

 ずりゅ!と湿った音を立てながら、血管が浮かぶほどに勃起した一物が一息で彼女の胎内の奥深くまで入り込み、物欲しそうに降りてきていた子宮口を無慈悲に殴りつけたのだ。

 至高神の聖女はビクン!ビクン!と肩を跳ねさせ、膣肉が一気に引き締まってローグハンターの一物を締め付ける。

 

「んぎっ……♡あい、変わらず、すごいわ……ね……っ」

 

 膣肉のひだが蠢き、一物を扱く度にピクピクと小刻みに震え、子供の拳ほどありそうな亀頭が子宮口を撫で回し、我慢汁を塗りたくる。

 

「はひゅっ♡んぁ……っ!ちょっと、動かないで、よ……!」

 

「俺は、動いてない……!」

 

 ペチペチと胸板を叩きながら告げられた悪態に、快感に耐えながらどうにか返したローグハンターは、ほらと見せつけるように両腕を広げて見せた。

 実際彼は動いていないし、動かないようにも言われている都合、動くわけにもいかない。

 だが一物だけが彼の意に反して震えており、絶えず子宮口に刺激を与える。

 

「んっ……♡くぅ、やっ……!もう、いい加減にしなさいよ!」

 

 至高神の聖女は子宮口を撫でられる快感に喘ぎながら、ここで折れるわけにはいかないと歯を食い縛り、彼の腹筋に両手を置くと、気合い一閃と共に腰を上下に動かし始めた。

 両手足を踏ん張って身体を上下に揺らし、自分で一物を出し入れを繰り返すが、その度に興奮して膨らんだカリが膣肉を引っ掻き回し、電撃のような快感が至高神の聖女の背筋を駆け抜ける。

 

「んぎっ♡あっ、あん♡このっ!もっと、しっかりしないと、駄目、にゃのに♡」

 

 パン!パン!と音を立てて彼の腰に臀部を叩きつけつつ、その度に駆け巡る快感に表情を蕩けさせ、少しずつ呂律さえも回らなくなり始めながらも、それでも腰を動かす事をやめない。──やめられない。

 

「んぉ♡これ、すごいぃ♡イくっ!やっぱり、これ、しゅごいよぉ♡」

 

 あんあんと甲高い嬌声をあげながら、かくかくと小刻みに腰を動かして一物を扱いていく。

 腰が動く度にカリが膣肉を引っ掻き回し、亀頭が子宮口を殴りつけ、子宮を押しつぶす。

 

「あひゅ♡あっ!あぁああ♡む、無理!ごめん、わたひ、イッちゃう!!」

 

「ああ、俺もだ!射精()すぞ!」

 

 キュンキュンと締め付けてくる膣肉は痙攣を始め、その締め付けと痙攣による微細動によって与えられる小刻みな快感によりローグハンターもまた限界が近づいていた。

 現に一物が少し膨らみ、その中を煮えたぎる溶岩のように熱い精液が登って行き、それが鈴口から飛び出そうとした瞬間、ローグハンターは上下に揺れていた至高神の聖女の腰を掴み、強引に引き落とした。

 

「──ほぇ?」

 

 ぐちゃりと肉が潰れるエグいまでの音が漏れ、何をされたのか理解できなかった至高神の聖女は間の抜けた声を漏らすが、一拍遅れて子宮を押し潰された圧迫感と、それが変換された快感、そして、

 

「ぐっ!」

 

 ローグハンターが唸りながら吐き出した精液の勢いと熱さに当てられ、

 

「あ……っ。ああああああああああああ♡♡♡」

 

 至高神の聖女は絶頂を迎えた。

 ビクン!と弾かれるように身体を仰け反らせ、全身を強張らせながら、接合部からは勢いよく潮を噴き出してしまう。

 対するローグハンターも似たようなもので、強烈な締め付けにより尿道に残っていた精液さえも搾り出され、腰を浮かせてさらに深く挿入しながら、一滴残さず彼女の子宮に注いでいく。

 そして数十秒かけての吐精が終わりを迎え、一物が僅かに萎えた頃、同時に絶頂が落ち着いた至高神の聖女は途端に脱力し、くたりと彼の身体に倒れ込んだ。

 彼の胸板で豊かな胸が潰され、脇から少しはみ出しているほどなのだが、それでも彼女には不満らしい。

 むぅと悩ましげに唸ったローグハンターは、絶頂の余韻に浸っているのか痙攣を繰り返す彼女の背を摩りながら、囁き声で問いかけた。

 

「それで、今回の行動の理由は?」

 

「別に、何でもないわよ」

 

 ローグハンターの問いに至高神の聖女は唇を尖らせ、不貞腐れた様子で返すが、彼がじっと見つめ続けたことが効いたのか、観念したように溜め息を吐いた。

 

「あんたって、いっつも無理するじゃない。髪もこんなになっちゃったし」

 

 そしてかつての決戦の影響で白く染まった髪を撫でると、どこか悔しがるように苦虫を噛み潰したような表情になりながら告げた。

 

「それに、夜の方も毎回手加減してもらっているみたいだし……!」

 

「それがどうした。俺とお前じゃ、体力の差があるのは当然だ」

 

 そんな彼女の言葉に、ローグハンターは心底不思議そうに首を傾げながら返すが、彼女にとってはそれこそが不満だったらしい。

 頬を膨らませてむっとした表情になると、いまだに余裕そうな彼の頬をつねりながら言う。

 

「だからたまには私が満足させてあげようって思ったのに、これじゃいつも通りじゃない!もう、自分も情けないし、あんたも勝手に動くんじゃないわよ!」

 

「痛い、痛い。いや、もう、身体が勝手にな」

 

 頬をつねられながら苦笑したローグハンターは平謝りするが、至高神の聖女は相変わらずの不満顔で彼を睨んだ。

 そんな彼女を見つめながらふと何かを思いついたのか、ローグハンターは不敵に笑みながら両手で彼女の臀部を鷲掴んだ。

 

「ひぅ!」

 

 掴まれた拍子に駆け抜けた快感に至高神の聖女は小さく嬌声を漏らすと、それを合図にしたように一物が固さを取り戻し、彼女の膣内を圧迫し始めた。

 

「……っ!あ、あんたね!」

 

 まだまだやる気の様子に至高神の聖女は慌てるが、ローグハンターが「満足するまで付き合ってくれるんだろう?」と先程言った言葉を蒸し返し、彼を制そうとしていた彼女を黙らせる。

 

「え、あ、確かに、そう、言ったけど──」

 

 尻萎みになりながら彼の言葉を肯定するが、同時に強烈なまでの嫌な予感を感じ、額に冷や汗を流しながらゆっくりと目を背けた。

 そんな彼女の様子に気づきながら、ローグハンターは意図してそれを無視して彼女を抱きしめながら身体を起こし、所謂対面座位の姿勢となった。

 歯を剥き出しにして怪しいまでの満面の笑みを浮かべなが、彼女の細い腰を両手で押さえつけた。

 

「手伝ってやるから、自分で動いてくれ」

 

「や、ちょっと、それは、無理かも……」

 

 ローグハンターは自分でと一応の助け舟を出すのだが、先程の絶頂が尾を引いているのか、上手く力が入らない至高神の聖女は首を横に振るが、それを許す彼ではない。

 

「じゃあ、仕方ない」

 

 ──しばらく付き合ってもらうぞ。

 

 彼は耳元でそう囁き、僅かに怯える彼女の額に口付けた。

 

 

 

 

 

 そんなやり取りから二時間後。

 

「もぅ、無理……っ♡あっ、あへっ……♡やすまへて……っ」

 

「駄目だ。ほらほら、頑張れ」

 

 改めてベッドに寝転んだローグハンターは、既に限界を迎えた至高神の聖女の腰を掴んで離さず、上下に動かしたり、時には円を描くように動かしたりして、彼女の膣内をいじめ抜いていた。

 腰を突き出してやれば彼女はくたくたの身体を跳ねさせて絶頂し、子宮口をいじめるようにぐりぐりと押し込んでやれば、それをやった分だけ絶頂する。

 

「まっへ……っ!イく♡イく♡イくぅううう♡」

 

「俺がまだだ。もう少し」

 

「むり、もうだめっ!はなして、はなしてよぉ!!」

 

 あんあんと嬌声混じりに彼を止めようと腕を掴むが、その程度で彼は止まらず、むしろ余計に動きを激しくさせる始末。

 

「ぉあ゛♡だ、だめ……っ♡い、イくぅうううううう♡♡」

 

 そして彼の射精を待たずに彼女は再び絶頂し、身体を仰け反らせた。

 

 

 

 

 

 さらに時間が流れ、既に日を跨いだ頃。

 

「んぉ゛♡イぐ!?ま、だめ……っ!むり、やずまぜえ……!!」

 

 ついにベッドに組み伏せられた至高神の聖女は助けを求めるようにローグハンターに言うが、当の彼は興奮した表情のまま笑うばかりで行為を止める気配はない。

 ベッドの上でうつ伏せになり、腰を突き出す形で寝かせた彼女の臀部にパンパンと音を立てて腰を打ち付け、萎える気配が一切ない一物でひたすらに彼女の胎内を蹂躙する。

 

「あん♡やっ、やだっ!イくっ♡イくっ!いきゅ……♡」

 

 突かれる度、突かれる度に彼女は絶頂し、秘裂からはぷしぷしと音を立てて潮が噴き出しシーツを汚していくが、それを止める術はない。ローグハンターが止まらない限り、それは止まらないのだから当然だ。

 

「んぎっ!ああ♡ああああ゛ああああ゛あ゛あ♡♡♡」

 

 至高神の聖女は獣じみた声をあげながら絶頂し、それを合図にローグハンターもまた絶頂を迎え、既に満杯になっている彼女の子宮に追加分の精液を吐き出す。

 だがそれでも止まる様子はなく、ローグハンターは精を吐き出しながら動き続け、彼女の膣内を白く汚していく。

 その背徳感がさらなる欲情を誘い、一物はさらに硬くなり、責めの手も強くなっていく。

 

「や、やだっ!イぐ♡んぉ、ぎぃ!♡だすげ、だれが、だずげでぇえええええ♡♡♡」

 

 至高神の聖女は絶頂しながら悲鳴をあげるが、生憎と防音仕様になっている以上他の部屋には聞こえない。

 ローグハンターの夜はまだ終わらない。彼の情欲が治る気配は、まだない。

 

 

 

 

 

 そしてようやく迎えた翌日の朝。

 

「♪〜〜♪〜〜」

 

 久しぶりに満足するまで発散できたローグハンターはご機嫌そうに鼻歌を歌いながら、匂い消しの香を焚き、カーテンを開けて朝の日差しを部屋に入れていた。

 そのまま窓の前で軽い日向ぼっこをして身体を温め、僅かに痛む腰を摩りながら身体を伸ばす。

 ずっと同じような体勢でいたためか、凝り固まっていた筋肉が伸びていく感覚が心地よく、口から間の抜けた声が漏れる。

 そしてちらりとベッドの方に目を向け、にこりと微笑んだ。

 

「──っ♡──♡〜〜っ」

 

 ベッドの上で大の字に寝かされた至高神の聖女は、光が消えた瞳で天井の一点を見つめながら、声にならない嬌声をあげ、絶えず絶頂を繰り返していた。

 秘裂からは絶えず精液と愛液の混ざった白濁液が吐き出され、股の辺りが白く汚れてしまっている。

 ローグハンターはわざとそれらを掃除する事なくしばらく眺めながら、その惨状を前にしても勃起しないまでに消耗した己の分身に目を向けた。

 ここまで反応しないとは、まさに明日の分まで吐き出しきったのだろう。

 彼は肩を竦めると手拭いを引っ張り出し、後処理をしようと部屋を右往左往し始める。

 至高神の聖女が意識を取り戻したのは昼過ぎで、彼女から説教されることになることを、この時のローグハンターはまだ知らない。

 

 

 

 




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Memory?? 悲しみを背負って ※

リクエストから。
ヒロインは神官戦士と女侍祭。

アニメ勢の方は知らないと思いますが、原作六巻で酷い目にあった一党の人たち(神官戦士は死亡、女侍祭の方も重傷)です。
スレクリ本編でもログハンと一切の絡みがありませんが、ここでは彼が一党に加入しているおかげで、二人だけ生き延びた世界線です。

一部描写が陵辱ものっぽいので、警告マーク付き。でもハッピーエンドではあります。




 ローグハンターにとって、この日は忌むべき日として一生引きずり続ける事になるだろう。

 広間に転がる身体を寸断されたゴブリンたちと、榴弾(グレネード)によって頭を吹き飛ばしたトロルの死体、それに混ざるように転がる仲間たちの遺体。

 最善を尽くした。全力を尽くした。だがどう言い繕っても、物言わぬ屍となった彼らが蘇る事はなく、強烈な血の匂いが肺に貼り付き、とっくに慣れている筈なのに吐き気を覚える。

 ああ、くそと悪態を吐きながら頭を抱え、肺を満たす血の匂いを掻き出すように深呼吸を繰り返す。

 そして血の匂いにようやく慣れた頃、彼は誰かの啜り泣く声にハッとして広間の端──生き残った二人の仲間が休んでいる方に目を向けた。

 一人は健康的でしなやかな肢体を惜しげもなく、下着同然の鎧で晒している、戦女神に仕える若い娘。

 壁に立て掛けた血に濡れた戦斧が彼女──神官戦士の力強さを象徴しているが、流石に激戦を終えたばかりだからか、あるいは仲間を失ったばかりだからか、その表情に覇気がない。

 それでも隣で膝を抱え、幼子のように泣いている豊満な肉体を持つ女性。

 首には細鎖で結ばれた金の車輪は交易神の聖印ではあるが、今の彼女──女侍祭には神に祈る余裕はない。

 ようやく冒険者業が軌道に乗ってきた所に、この惨状だ。これを前に平気な顔をしていられる方がおかしいのだ。

 大切な人を、大切な仲間を失う痛み。それをよく知るローグハンターは苦虫を噛み潰したような表情になると、タカの眼を通して辺りを見渡した。

 仲間の遺体やゴブリン、トロルの死体から染み出した血が混ざり合い、不気味な光沢を放つ血溜まりの中を進み、肉片や髪、砕けた鱗がこびり着き、歪みひび割れた認識票を拾い集めていく。

 仲間が冒険者であった証。彼らと共に歩んだ証だ。遺体は無理でも、これだけは持ち帰ってやらねばならない。

 

「撤退するぞ。後は後続に任せる」

 

 ローグハンターが重々しく口を開くと、神官戦士は頷きながら戦斧を肩に担ぎ、女侍祭を励ましながら立ち上がらせた。

 泣きながら立ち上がった彼女は涙を拭い、無理やり表情を引き締めて足を進めようとするが、足に力が入らないのか足取りがおぼつかず、今にも転んでしまいそうだ。

 そんな彼女にローグハンターは先ほど拾い集めた認識票を差し出した。

 

「失くすなよ。あいつらの形見だ」

 

 それをおずおずと受け取った女侍祭は、大事そうに胸に抱きながらこくりと頷いた。

 何もさせずに放置されるよりは、こうして何か小さな、誰でもできるような仕事を任された方が、少しは気も楽になるだろう。

 ローグハンターは神官戦士に目線で彼女を頼むと告げながら、「こっちだ」と二人を先導して歩き出す。

 脱出までの道中で何体かのゴブリンに出くわす事になるのだが、今の彼にとっては敵ではない。

 仲間を奪った連中を殺すのだ。そこに何の躊躇いがあろうものか。

 

 

 

 

 

 そんな、ローグハンターにとって最悪な日となった戦いから幾日か。

 遺品の整理や墓参りなどでこの数日駆け回り、それもひと段落して夜も更けってきた頃。

 ローグハンターは冒険者ギルドに併設された酒場で、一人である種の自棄酒を呷っていた。

 仲間を失う辛さや、自分の目的──元の世界への帰還の為に単独(ソロ)での活動をしていたというのに、何かの気の迷いで一党を組んだ途端にこれだ。

 やはり自分は一匹狼にしかなれないと自嘲し、そんな自分の情けのない顔が映る葡萄酒の水面を眺め、鼻で笑いながらさらにもう一口。

 口に広がる酒精の味に唸ると卓に頬杖をつき、指先でコツコツと卓を叩きながらこれからどうしたものかと思慮を開始。

 とりあえずいつも通りに依頼を探し、本来の役目──渾名の由来とも言えるならず者狩り(ローグハント)に精を出すべきか。

 いや、精を出すべきなのだ。彼らと過ごした日々は確かに楽しかったし、普段ではできない経験を多くする事になったが、自分の役目(ロール)はならず者を殺し、無辜の人々を守る事だ。

 元の世界への帰還の方法を探るのも大切ではあるが、それが救える命から目を逸らす理由にはならない。

 またいつも通りの、感謝はされど孤独で、血に濡れた毎日に戻るだけだ。それに関しては何の問題もない。元よりそんな世界で育ったのだ、今更だろう。

 ならばさっさと寝て酒を飛ばそうと決めて、卓を離れようとするが、

 

「あ、こんな所にいた」

 

 そんな彼ほ隣の席に、するりと誰かが腰を降ろした。

 いつも通りにしなやかで健康的な肢体を惜しげもなく晒しながら、けれどどこか陰のある笑みを浮かべた神官戦士だ。

 あ゛〜と間の抜けた声を漏らしながら卓に突っ伏すと、不意に「そっちはどう?」と問いかけた。

 何に対する問いなのか、それは聞くまでないことだ。

 ローグハンターは酒精混じりの溜め息を吐くと「別に、いつも通りだ」と普段通りの、冷たい印象を受けるほど淡々とした声音で返す。

 

「珍しくお酒飲んでるのに?」

 

 酒精のせいか赤くなった頬を突きながら、どこか小馬鹿にしたような声音での問いかけに「酒くらい飲む」と彼女を鋭く睨みながら告げた。

 だがしかし、彼自身かなりの下戸である事を知る神官戦士にその言い訳が通じる訳もなく、彼女は「いい人たちだったもんね」と胸に残る寂しさを抑えきれずに哀しげな表情でそう告げた。

 それを聞いたローグハンターは首肯すると、瞳に切なさを滲ませながら「お前はどうだ」と無理やり搾り出したような声音で問うた。

 

「私は、まあ、とりあえずはって感じ?戦女神様を奉じる以上、人の生死が付き纏うのは仕方がないし」

 

「……そうか。で、あいつは」

 

 杯を空にしたローグハンターは赤ら顔で応じると、女侍祭について問いかけた。

 戦女神を、つまりは戦いと勝利を信じる彼女に比べ、女侍祭が信じる交易神はその名の通り、交易や商売の神だ。その中に出会いと別れも含まれるにしても、それは一期一会の出会いに関するもの。死による永遠の別れなど、流石の交易神とてどうにもなるまい。

 

「しばらく部屋からも出てこなくてさ。会いに行こうと思ってたら、君がいたわけ」

 

「ここで会ったのも何かの縁か」

 

「そういうこと。私一人じゃ、ちょっと不安でさ」

 

「わかった。いい加減、過去を振り切らないとな」

 

 彼女の言葉にローグハンターは神妙な面持ちで応じ、自分の頬を叩いて酔いを飛ばすと席を立ち、首を鳴らして軽い痛みで意識を研ぎ澄ます。

 隣の神官戦士も立ち上がり、身体を伸ばして声を漏らしつつ、視線を鋭くしてこちらも集中。

 心が折れかけている仲間に発破をかけにいくのだ。生半可な覚悟と気合いでは足りない。

 二人はそれこそ冒険に挑まん程の心意気で、遺された仲間の元に歩みを進めた。

 

 

 

 

 

 冒険者ギルド上階は、冒険者たちの為の宿として使われている。

 事実他の部屋に滞ている仲間を訪ねる為か、あるいは一党揃っての夕食のために移動している多くの冒険者すれ違うし、談笑する彼らの姿にどこか羨ましさを感じてしまう。

 あの冒険が上手くいっていれば、自分は彼らと同じように街に繰り出していたことだろう。

 

「……」

 

 無言で彼らを横目で見たローグハンターは、振り切ると決めた筈なのに拘り過ぎている自分に溜め息を吐き、ちらりと神官戦士へと目を向けた。

 とたとたも早歩きで進む彼女はすれ違う冒険者など気にも留めていないようで、その視線は一点に──女侍祭が滞在している部屋に向けられている。

 宿屋のとある階の、廊下の最奥。いわゆる角部屋といえる部屋がそうだ。

 その部屋の前にたどり着いた二人は顔を見合わせ、代表してローグハンターが扉を叩いた。

 

「俺だ。いるか」

 

 いつも通りの淡々とした声音で声をかけ、返答を待つが返事はない。

 あれと首を傾げた神官戦士が「私もいるよ。一回顔見せてくれない?」と努めて普段通りの声音に聞こえるようにして声をかけるが、やはり返事はない。

 留守なのかなと首を傾げるが、ローグハンターは構わずにタカの眼を発動。

 ここ二、三日で部屋から出て行った痕跡がない事を確認すると、隣に耳を当てて彼女の息遣いが聞こえる事を確かめた。

 部屋にいるのに無視とは、そこまで塞ぎ込んでいるのかと眉を寄せ、少々荒っぽく扉を叩いた。

 

「中にいるのはわかってる。せめて返事をくれないか」

 

 返事なし。どうやら本格的に居留守をするつもりのようだ。

 神官戦士にどうすると視線のみで問うと、彼女ははぁと深く溜め息を吐き、彼に「ちょっと退いて」と扉の前から退くように指示。

 言われた通りに退き、何をするつもりなのかと問いただそうとした瞬間、

 

開けゴマ(オープン・セサミ)ッ!」

 

 そんな掛け声と共に扉を蹴り破り、勢いのままに部屋に侵入。

 突然の奇行にぎゅっと目を見開いたローグハンターも慌てて部屋に入ると、留め具が壊れかけた扉をどうにか閉め、扉の下に楔を打って無理やり固定。

 外からは何だ何だと騒がしい同業者たちの声が聞こえるが、きっと彼らには扉の前に多少の木片が散っている程度にしか思うまい。

 とりあえずの誤魔化しは成功。後で監督官辺りに『看破(センスライ)』の奇跡を使われたらどうしようもない。

 さて、どう言い繕ったものかと思慮をするが、とりあえず入ったのだからと女侍祭の方に目を向け、同時に目を見開いた。

 彼の視線の先、そこには短剣の切っ先を自分の首に突き立てた女侍祭と、彼女の腕を掴んでどうにか短剣を止めた神官戦士の姿があったのだ。

 自分が部屋に入るまでのほんの数秒。その間に何があったのかはわからないが、どうやらギリギリのタイミングでの入室であった事は間違いない。

 そして、状況を理解してしまえばローグハンターは速い。彼は音もなく二人の間に割り込むと、女侍祭の手から短剣を奪い取って部屋の端に放ると、そのまま女侍祭をベッドに押し倒した。

 彼女の両手を押さえ付けて身動きを封じながら、蒼い瞳を細めて怒気を込めながら言う。

 

「お前、何をしようとしていた。死のうとしていたのか?」

 

 もはや突然の事態に彼女への気遣いや、言葉選びをする余裕さえも無くしたのか、単刀直入に告げられた問いかけ。

 神官戦士が流石に歯に衣着せないにも程があるだろうと彼を責めるような視線を向けるが、彼に睨まれる女侍祭はそれに気付く余裕もない。

 目から大粒の涙を溢れさせながら、「死なせて、ください……」と今にも消え入りそうな声で呟いた。

 

「もう、耐えられない。夜が来る度、ゴブリンの嗤い声が頭に響くのです。目を閉じる度、あの人たちが私を責め立ててくるのです。何より……っ」

 

 言葉を吐きながら感極まってしまったのか、声を振るわせ、くしゃくしゃになった顔を涙で濡らし、ローグハンターを見上げながら言う。

 

「──貴方たちまで居なくなってしまうと思うと、もう、耐えられないのです」

 

 そして告げられた言葉にローグハンターは面を喰らい、口から間の抜けた音が漏れるのだが、それでも彼女を押さえる手から力が抜けないのは流石の一言だろう。

 隣でふぅむと唸った神官戦士は、先程ローグハンターが投げた短剣を拾ってそれを部屋の机の中に叩き込むと、ポキポキと指を鳴らしながら二人の元へ。

 そのままベッドに乗った彼女は、ローグハンターに押さえられている女侍祭の顔を覗きながら、ニヤリと怪しげな笑みを浮かべた。

 

「ふふん。これはちょっとキツめの喝が必要みたいだね」

 

 そして何やら怪しい事を宣うと、困惑している女侍祭に何の説明もなく彼女のローブに手をかけ、豪快に胸元を全開にした。

 

「ひゃあ!?」

 

 突然ローブが開帳され、すぐに姿を現したのは彼女の豊満な胸を押さえつけるブラジャーだった。普段からどんなものを着けているのかは定かではないが、今は飾り気のないシンプルなデザインのもの。

 

「っ!?」

 

 視界にそれを捉えてしまったローグハンターは一気に耳まで赤面し、慌てて顔を背けるのだが、何をするかわからないからか、あるいは思考停止気味になってしまったのか、彼女の手を離さない。

 

「て、手を離して下さいな!せ、せめて隠させて下さいまし!!」

 

 女侍祭は慌てて彼の手を振り解こうと暴れるが、神官戦士が浮かべた笑みをそのままに彼女の胸に手を伸ばしたかと思うと、

 

「えい」

 

 状況に反して間の抜けた声と共に、女侍祭のブラジャーを剥ぎ取った。

 見た目こそ細い腕ではあるが、事実として素の腕力ではローグハンターより強いのだ。乙女の下着程度、剥ぐ分には何の問題もあるまい。

 ビリッ!と布が千切れる音も共にぶん投げられたブラジャーは宙を舞い、ベッドの脇に落ちていくが、三人がそれを目で追うことはない。

 

「──っ!!??」

 

「わぁ〜。やっぱり大っきい」

 

 同業者の銀等級冒険者である魔女ほどではないが、片手ではまず納まらないであろう大きな乳房。

 呼吸に合わせてゆっくり上下に揺れ、先端でプクリと膨らんでいる鎮座している薄桃色の乳首が存在感を主張する。

 もはや思考する間もなく立て続けに起こる問題に女侍祭は言葉もなく悲鳴をあげ、どうにか胸を隠そうともがいているが、相変わらずローグハンターは手を離さない。

 

「……」

 

 何なら魅入るように彼女の胸に視線を向けており、その瞳の奥では理性と情欲がぶつかり合って火花を散らしている。

 だがすぐに頭を振って理性を取り戻した彼は、神官戦士に言う。

 

「お前、いきなり何をしてる」

 

「いやさ。こう追い込まれた人ってのは、生きる意味だとか、生きる活力だとかが不足してるわけよ」

 

 彼女は真剣な面持ちでそう言いながら、女侍祭の胸を両手で鷲掴んだ。

 武器を握り続け、武骨にゴツゴツとしている肌が柔らかな胸に沈み込み、五指を蠢かせてぐにぐにと形を歪ませる。

 

「ひゃ!?まっ、ひぅ……っ!な、なにを……?」

 

 彼女の指が胸を刺激する度、快感が背筋を優しく撫でていき、女侍祭の口から小さく嬌声が漏れた。

 困惑の表情のまま快感に喘ぐという、彼女自身でもよくわからない状態ではあるが、神官戦士は構うことなく彼女の乳首を指で転がした。

 

「あんっ!ま、待ってくださいまし……っ!そこ、コリコリ、ダメ……っ」

 

 優しい快感が途端に鋭いものに変わり、さながら絶え間なく電撃を与えられるような鋭い快感に女侍祭は表情を僅かに蕩けさせながら喘ぎ顔をあげ、見れば両足の太腿を擦り合わせ、爪先ももじもじとすり合わせている。

 少しずつだが状況に流され始めた女侍祭を見ながら、神官戦士はローグハンターに言う。

 

「──男なんだから、傷心中の乙女の一人や二人、支えてみせるって甲斐性見せなさい」

 

 そこまで言われて、ようやくローグハンターは彼女が言わんとしていること、自分にやらせようとしている事を理解した。

 心折れ、神にも縋れぬ彼女の縋れる相手に──つまりは、仲間より更に踏み込んだ関係に、それこそ恋人になれと言っているのだ。

 その一歩目が肉体関係なのはどうかと思うが、今から女侍祭とお互いの好みを擦り合わせていく余裕もない。

 彼が表情を引き締め、じっと女侍祭の表情を伺うと、彼女は快感に喘ぎながらも顔を背けた。

 だがほんの一瞬交差した視線に、僅かな期待の色があった。──と思うようにしたローグハンターは、神官戦士に「代わってくれ」と頼んで両手の拘束を交代。

「はいはい」と上機嫌に笑いながら拘束を交代した神官戦士は、ぎゅっと優しく彼女の手を握り締めながら言う。

 

「私が見ててあげるから、ほら、楽しんで」

 

「あ……。や、まっ、待ってくださいまし……」

 

 そして消え入りそうな声で制止せんとするが、ローグハンターは構う事なく彼女のローブの裾に手をかけ、それを捲り上げて股の辺りまでを露出させた。

 胸同様に肉付きのいい太腿を撫でてやりながら、僅かに染みができたショーツに手をやり、思わず苦笑。

 

「意外と乗り気だな。まあ、その方がこっちも助かるんだが」

 

「そ、それは違います……っ!その、それは──」

 

 わざとらしく煽るような言葉を彼女に投げかけ、それもすぐに否定させるのだが、彼はその言葉を遮るように彼女の唇を奪った。

 

「んん!?んーっ!!んん〜〜っ!」

 

 彼との突然のキスに女侍祭は目を見開き、身体を強張らせるが、そんな彼女の反応を無視してショーツを退かし、秘裂を外気に晒した。

 危険を察知した女侍祭はキスをされたままどうにかしようと声を出すが、その全てがローグハンターの口に飲み込まれ、意図が欠片も伝わらない。

 現に彼はズボンとパンツをずらし、子供の腕ほどありそうな一物を取り出し、亀頭を湿り気を帯びた彼女の秘裂に押し当てていた。

 

「んーっ!んんん!ん──っ!!」

 

 女侍祭は嫌だ、嫌だと声にならない悲鳴をあげるが、ローグハンターは彼女の言葉を無視する形で腰を突き出し、平均よりも一回りも二回りも大きな一物で、彼女の胎内を貫いた。

 直後、ローグハンターはブチリと何かを突き破る感覚と、愛液とは違う生暖かな液体の感触を感じ、ハッとして顔を離すと、女侍祭は「痛い、やだ、痛いです……っ」と子供のように怯えた表情で泣き始めてしまう。

 その彼女の表情に流石に罪悪感を感じるローグハンターだが、ここまで来てしまえば後戻りはできないと己に喝を入れて気合いを入れた。

 そして無慈悲なまでに腰を振り始め、パンパン!と鋭い音を立てて安産型の臀部に腰を叩きつけ、カリ首で愛液と破瓜の血を掻き出しながら、膣肉を抉っていく。

 

「ひぐっ!い、痛い!や、やめ……っ、んぁああああ!!!」

 

 カリ首が引き締まる膣肉を蹂躙し、亀頭が子宮口を叩く度に女侍祭は悲鳴をあげるが、ローグハンターは止まらない。

 無慈悲に、むしろ機械的なまでの淡々とした動きで彼女の胎内を抉り続け、刺激を与え続ける。

 熱せられた鉄のように熱く、固さも鉄のようなそれに、絶えず胎内を抉られ続けるそれはさながら拷問のようではあるが、ぎゅっと握り返してくる神官戦士の力強い手が、自分が一人ではないと教えてくれる。

 そして何より、自分を貫いている彼でさえも、その表情は罪悪感に苦しんで歪み、彼自身かなり無理をしているのも確かだ。

 彼がそこまでして、自分を助けようとしてくれている。

 彼がそこまでして、自分を繋ぎ止めようとしてくれている。

 その安堵と頼もしさが彼女の冷たくなった胸の奥に確かな温もりを与え、壊れかけた心に優しく風が吹き抜けていくのを感じる。

 

「んぁっ!あひゅ……っ!あん!そこ、もっと、突いてくださいぃ……」

 

 そして気が抜けてしまったからか、彼女の声に確かな艶が混ざり始め、口からは懇願とも取れる言葉が漏れた。

 その一言は彼女自身も意識していなかったのか、言った直後にハッとするが、ローグハンターが微笑みながら「ここが良いのか?」と告げて、子宮くちを強く突いてきたのを合図に嬌声をあげた。

 

「あん!は、はいっ……!そこ、そこがいいんです!もっと、もっと突いてくださいまし!!」

 

 パン!パン!と鋭い音を立てて腰を打ち付ける度に亀頭が子宮口を殴りつけ、彼に押される形となる女侍祭の身体が前後に大きく揺すられ、豊満な胸がぶるんぶるんと豪快に揺れる。

 その姿にどこか羨望の眼差しを向ける神官戦士だが、もう押さえておく必要もないかと女侍祭の手を解放。

 解き放たれた彼女の手は素早くローグハンターの背に回され、ぎゅっと彼を抱きしめた。

 揺れていた胸が彼の胸板に押し潰され、揺れることはなくなったが、乳首が彼と擦れる事でまた違う快感を彼女に与え、彼女の興奮に当てられた膣肉が引き締まる。

 一物全体が締め付けられ、それを強引に掻き分けていく快感にローグハンターが唸り、堪えるように歯を食い縛っていると、女侍祭が「ください、くださいな!」と声を張り上げ、にこりと柔らかな笑みを浮かべた。

 

「私を、貴方の物にしてください!絶対に、離さないでくださいまし!!」

 

 そして告げられた告白の言葉にローグハンターは思わず破顔し、気を抜いてしまった瞬間、熱々の精液が一気に一物の中を駆け抜けていき、

 

「っ!」

 

 そして声もなく低く唸った瞬間、彼女の子宮に向けて吐き出された。

 

「〜〜〜っ!!!」

 

 それを受け止めた女侍祭はその熱さに目を見開くが、それが彼の想いの形である事を理解した為か、その熱さが快感に変換され、絶頂を迎えた。

 ビクビクと身体を痙攣させて彼の吐精を受け止め、彼の背中に爪を立てて踏ん張るが、子宮を満たす精液の感覚が彼女に多幸感を与えていく。

 そして子宮がいっぱいになるまで精子を吐き出された頃、女侍祭は全身を弛緩させてベッドに大の字に転がると、ローグハンターも腰を引いて一物を引き抜いた。

 彼女の愛液と、自分の精液が混ざり合った白濁液に塗れたそれは、見ていて気持ちがいいものではないが、

 

「えい」

 

 不意に神官戦士が彼を押し倒し、天井に向けて起立する一物の上に秘裂を押し付けた。

 困惑するローグハンターを他所に、神官戦士はにこりと歯を見せながら笑い、何の躊躇もなく腰を落とした。

 ずりゅ!と鋭い音と共に一物が神官戦士の胎内を貫くと、女侍祭と比べて小柄故か、亀頭が容易く子宮口に至り、子宮を押し潰した。

 

「かへっ!んっ……!はひゅ、これ、すご、ふひひ……」

 

 女侍祭と比にならない程鍛えている為か、膣肉の引き締まりは彼女の比ではなく、食い千切らんばかりの力でキュンキュンと一物を締め付け、射精を促すように膣肉が蠢いている。

 その快感に腰をかくかくと揺らしながら、それでも理性を保っていたローグハンターは怒鳴るような声で問う。

 

「お、お前、いきなり何を!?」

 

「んっ……!言ったでしょ?んぁっ!一人でも、二人でも、支えてみせろって!」

 

 そして喘ぎ混じりに告げられた言葉にローグハンターはハッとすると、「ああ、そういうことかよ!」とようやく彼女の言葉の意味を理解し、彼女を抱きしめてそのままベッドに押し倒した。

 容易く上下を逆転された神官戦士は恍惚の表情を浮かべると、「私も、あんたの物にしてぇ」と媚びる娼婦のような声で告げた。

 やれやれと苦笑混じりに首を振ったローグハンターは、女侍祭にそうしたように腰を振り始め、小柄な彼女には不釣り合いな程に立派な一物で彼女の膣肉を掻き回した。

 亀頭がゴツゴツと彼女の子宮口を叩き、カリ首が締め付けてくる膣肉を容易く抉って押し返す。

 下着の如き鎧の胸部装甲をずらして控え目な胸を露出させると、ピンと勃った乳首をカリカリと指先で掻いてやり、絶え間なく快感を与えていく。

 

「ひぐっ!?んぉ、ぉおおおおお!ま、待って、胸、駄目……!そこ、敏感、だかりゃ……!!」

 

「ここが良いのか。ほらほら、ここが良いんだろう?」

 

 そして自ら明かしてきた急所に狙いを定め、指で乳首を摘んでコリコリコリコリと音を立てて転がしながら、矢継ぎ早に腰を振って子宮口に亀頭を叩き込み続ける。

 乳首から与えられる痺れるような快感と、子宮から与えられる脳天まで響く快感。

 全く違う二つの快感に同時に襲われた神官戦士は軽く白眼を剥きながら嬌声をあげ、両手、両足で彼の身体を抱きしめた。

 

「んぇ、ぎぃ!?まっへ、イく!こんなの、我慢、無理……っ!イっちゃう!イく、イくぅぅううううう!!」

 

 それでも止まらない彼の責めにより、一足先に絶頂を迎えた神官戦士だが、ローグハンターは構わずに腰を振り続け、彼女の胎内を抉り続ける。

 

「ひぎ!?ま、待って……!とま、ひぐぅ!!イくっ!イってるのに、また、イく!イく!イくぅ!!」

 

 ぷしぷしと音を立てて接合部から潮を噴き、ガクガクと身体を震わせて再びの絶頂を迎えた。

 膣肉が一気に引き締まり、痙攣する事で一物が刺激され、ローグハンターもまた限界が近づいていた。

 自分の限界を察したローグハンターは腰を思い切り引くと、全力を持って腰を打ち据えた。

 

「アヒィ!?」

 

 スパン!と鋭い音を立て、文字通りトドメを刺すように放った最後の一撃を受けた神官戦士は悲鳴をあげて最後の絶頂を迎え、同時にローグハンターも吐精の瞬間を迎えた。

 本日二度目の射精ではあるが、その粘度と熱さは衰える事なく、彼女の子宮を瞬く間に満たし、溢れた精液が膣内を逆流して接合部から溢れ出した。

 

「んぉ……っ!ぎ、んへぇ……」

 

 それが本当のトドメとなったのか、神官戦士は力の抜けた表情で気の抜けた声を漏らし、閉じることもできない口からは舌が溢れ、唾液が垂れて頬を汚していく。

 やり過ぎたかと焦るローグハンターだが、不意に脇を小突かれた事で意識を戻し、その相手に目を向けた。

 ようやく復活した女侍祭が片手で自分の秘裂を弄って慰めながら、物欲しそうな視線を彼に向け、ぐりぐりと額を擦りつけてくるのだ。

 神官戦士の秘裂から一物を引き抜き、白く汚れたそれを見下ろしたローグハンターは流石にこれはと彼女に気を使い、軽く拭ってからと手拭いを探すが、

 

「はむ……」

 

 それを見つけるよりも早く、女侍祭が彼の一物を頬張り、ペロペロと舐めて白濁液を舐めとっていく。

 何度もえづき、涙を流しながらそんな事をするものだから、凄まじい背徳感が彼の背筋を震わせるのだが、それをぐっと堪えて彼女の奉仕に身を任せる。

 数分をかけて彼のものを綺麗にした女侍祭はへにゃりと気の抜けた笑みを浮かべると、四つん這いになりながら身体の向きを逆にし、彼に臀部を向けて「もっと、もっとくださいな」と二回戦目を懇願。

 そして彼女が綺麗にしている内に復活したのか、神官戦士も彼女の隣で四つん這いになると、彼女を真似て彼に臀部を向け、「私も〜」と声を漏らす。

 やれやれと困り顔で肩を竦めたローグハンターだが、すぐに気合いを入れて二人に襲いかかった。

 まだ夜は始まったばかり。三人の夜は、これからだ。

 

 

 

 

 

 翌朝、同所。

 腰が砕けてしまったのか、腰痛に悩む神官戦士、女侍祭の手伝いながら簡単に部屋を片付けていたローグハンターは、机に押し込まれていた短剣を見つけ、それを女侍祭に見せた。

 

「これは、もう必要ないな?」

 

 そして自身に溢れた不敵な笑みを浮かべながら、どこか断定的な声音での問いかけに、女侍祭は「はい、不要です」と即答し、恍惚の表情を浮かべながら言う。

 

「貴方がずっと、私たちの隣にいてくださるのなら、そんな物は不要ですわ」

 

「うんうん。その通り、ずっと一緒にいてくれれに、何の問題もないよね」

 

 隣の神官戦士も屈託のない笑顔を浮かべながらローグハンターにそう告げて、痛む身体に鞭を打って彼に抱きつき、力強くぎゅっと抱きしめ、彼の表情を伺った。

 それに続く形で女侍祭も二人を纏めて抱きしめ、そっとローグハンターの顔を見上げた。

 

「末永く、よろしく」

 

「末永く、よろしくお願いいたします」

 

 二人は揃って光が失せた瞳(・・・・・・)に彼を映し、彼の骨が軋む音がするほど思い切り、彼を抱きしめる。

 

「す、末永くよろしく……」

 

 これ、かなりやばい事になったのではないか。ローグハンターはそう自問するが、時すでに遅し。

 こうして黒い鷲は二つの強烈な重りをつけられ、自由を奪われた。

 だが彼は世界を救うだろう。どんなに歪で、狂っていたとしても、彼に向けられたそれが愛であることは変わらない。

 

 ──愛は世界を救い、世界を救った者は英雄と呼ばれる。

 

 その英雄の伴侶たちが多少狂っていても、誰も気にはすまい。

 個人的な問題にまで首を突っ込むほど、世界も暇ではないのだから。

 

 

 




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Memory?? 『修正(リライト)』紀行 ① ※

リクエストから。

ヒロインは剣の乙女ーーの前身たる女司教(ビショップ)
奪掠神の奇跡『修正』を使い、どうにか彼女に起こった悲劇を回避せんとローグハンターは過去に向かう。

前後編の予定です。




 王都の地下に広がる地下水路。

 かつては物乞いたちの王の拠点として様々な悪事に使われていたそこは、今はアサシン教団の拠点となり、彼らの活動に一役買っていた。

 そんな地下水路の一角。物置にもならず、教団関係者の寝泊まり用の部屋になることもなかったその場所に、ローグハンターと女教諭の姿があった。

 

「やれやれ、君にはいつも驚かされるが、まさかこんな事をする日が来るとはね」

 

 床に何やら複雑な紋様を描きながらそう漏らす彼女だが、その表情は困っているというよりも興奮しているそれだ。

 前人未到というか、やろうとしても誰もやらなかったことを、この盤の内側にいながらその規則(ルール)から大きく外れた位置にあるこの男はやろうとしているのだ。

 女教諭が紋様を描き終え、使っていたチョークを投げ捨てながら「さて」と話を切り出した。

 

「やるからには覚悟を決めてくれ。そして、さっきの話を忘れないでくれ」

 

「ああ。問題ない」

 

 彼女の忠告に頷いたローグハンターは意識を集中し、『隔世状態』に移行。

 蒼い瞳が金色に染まり、彼の変化に合わせて彼を囲む魔法陣が輝き始める。

 魔法陣から放たれる力により外套と白い髪を揺らしながら、彼は目を閉じて万感の思いを込めて天上に座す神に祈りを捧げた。

 

「《──神よ》!」

 

 大気を揺らすほどの声量を持って放たれた声に、祈られた神は嫌がるように逃げ出すが、不可視の手がその首根っこを掴んで無理やり聞かせる体勢を作らせる。

 

「《我が身に修正の奇跡をお貸しください》!!」

 

 そしてかつて《時》を盗んだ盗賊の神──奪掠神(タスカリャ)の信徒にのみ許された奇跡。

 時と因果の法則を歪め、失敗をなかったことに──つまり骰子の振り直しを神々に嘆願するある種の裏技──『修正(リライト)』。

 本来であれば詠唱から一時間以内の失敗をやり直す為に使われることだが、『隔世状態』の彼にはそんな決め事など軽く飛び越える。

 魔法陣が一際強く光り輝き始め、その閃光が部屋を包み、女教諭の視界を塗り潰す。

 そして光が止み、彼女の視界が回復すると、そこにローグハンターの姿はなかった。彼がいた場所の床が半球状に抉られている以外、問題はあるまい。

 

「さて、君が戻ることになる未来に私がいることを願うよ」

 

 

 

 

 

 四方世界のとある森の中。

 バチバチと稲妻が弾ける音が静寂を引き裂いた直後、鋭い閃光が辺りを包んだ。

 光が止んだ直後、その場に膝を付いたのは息を絶え絶えにしたローグハンターだ。

 見下ろしてくる双子の月を睨み返し、ここが四方世界であること、そしていつかは不明だが夜であることを確認する。

 ふーっと深く息を吐き、急速回復(セカンドウィンド)で疲労を回復した彼は立ち上がり、辺りを見渡して場所を確認しようとするが、とりあえず森の中であることしかわからない。

 もしかしたら違う国の森かもしれないし、馴染みの国の森かもしれない。だが、そんな事はどうでもいいのだ。どこであろうが、いつがあってさえいればいい。

 目を閉じて、集中。未来で到達(シンクロ)してある高速移動場所(ビューポイント)に行けることを確認。

 何箇所かはまだ建設されていない影響か、その街の入り口にしか行けない場所もあるが、今は移動できるのが何よりも大事なのだ。

 現在移動可能な場所が頭の中で次々と浮かんでくるが、それらも今は重要ではない。行きたい場所、行くべき場所は一つだけ、彼女の所だ。

 未来の彼女につけたマーキングも生きている。それを見つけることさえできれば、あとはそこに飛ぶだけだ。

 

「見つ……けた……っ!」

 

 そして、数分もしない内にそれを見つけた彼は獰猛なまでの笑みを浮かべ、雷光と共にその姿を消した。

 彼という未来からの異分子の登場に、神々はてんやわんやの大騒ぎになっているが、彼は気にしない。欠片も知らないことを気にする余裕はないのだ。

 

 

 

 

 

 四方世界のどこか。ゴブリンが根城にしている洞窟。

 

「GOB!」

 

「GOBR!GOB!!!」

 

「GOB、GOB!!」

 

 数十にも及ぶゴブリンの死体が転がる大広間に、ゴブリンたちの勝鬨の声と、極上の獲物を手に入れた歓声が響き渡った。

 彼らの憎悪と剥き出しの欲望に満ちた瞳に映るのは、不意打ちの殴打を受け、気を失った間抜けな冒険者──女司教の姿だ。

 間抜けにも自分たちの巣穴に一人で飛び込み、訳の分からないことを言葉を宣いながら雷を投げてきた時は冷や汗を流したが、こうなってしまえばただの女と大差はない。

 理不尽に仲間を殺された恨みをぶつけよう。

 こいつを倒すために頑張った自分への褒美を寄越せ。

 あちこちからゴブリンたちの欲望に満ちた声があがる中、我慢の限界を迎えた一匹のゴブリンが彼女に向けて駆け出した。

 気絶して、抵抗することもできない彼女の鎧を剥ぎ取り、下に来ていた衣服を破り捨てて膨らみを感じる程度の乳房を剥き出しにすると、飾り気のないショーツを剥がして誰にも触れられた事がない秘部を曝け出した。

 周りのゴブリンたちは何やってんだ、俺が先だと騒ぎ始めるが、そのゴブリンは気にする事なく腰の布をずらし、自慢の一物を取り出し、彼女の秘部を貫かんとした瞬間、

 

「シッ!」

 

 鋭く息を吐く音と共に、耳をつんざく雷鳴が大広間に響き渡り、大広間に所狭しと集まっていたゴブリンの一団を吹き飛ばした。

 ゴブリンの断末魔と生物が焼ける臭いをが充満し、幸運にも不意打ちを避けられた──と、彼らは思っている──ゴブリンたちは、その卑怯者を探し出し、惨たらしく殺してやろうと慌てて武器を構えるが、それは無意味だった。

 次から次へと放たれる雷光がゴブリンたちを貫き、吹き飛ばし、消し炭にしていき、逃げ出そうとしたゴブリンたちも無慈悲に屠殺していく。

 あちこちから断末魔の叫びと、おそらく命乞いと思われる声があちこちから聞こえてくるが、それは聞くにも及ばない事は今までの経験で知っている。

 そして、生き残ったゴブリンがその後どんな行動に出るのかも、嫌というほど理解している。

 故に、慈悲は与えない。

 大広間の入り口に陣取り、『隔世状態』特有の金色の雷を纏ったローグハンターは、神々しいまでに輝く瞳に絶対零度の殺意を宿し、ゴブリンたちを睨みつける。

 

「ゴブリンどもは皆殺しだ……ッ!」

 

 親友の口癖とも言える言葉を拝借し、目についたゴブリンを殺し、隠れたゴブリンもタカの眼を使って見つけ出し、殺す。

 ゴブリンどもの悲鳴が聞こえなくなるまで、ゴブリンどもの息遣いが聞こえなくなるまで、彼は雷を放ち続けた。

 

 

 

 

 

 

 生き物が焼ける臭いに包まれた大広間。

 肺に纏わりつく臭いを吐き出すように深く息を吐いたローグハンターは、タカの眼で残党がいないことを確認すると、タカの眼と同時に『隔世状態』を解除。

 金色に輝いていた瞳が本来の蒼い色に戻り、纏っていた金色の雷も四散して辺りの岩肌に焦げ目をつけた。

 ゴブリンの焼死体を時には避け、時には足で退かしながら大広間の入り口から中央に向かい、そこに倒れている金髪の少女──女司祭の側に片膝をついた。

 汚れてはいるものの絹のように美しい髪を撫で、愛おしそうに頬を撫でる。

 自分のよく知る彼女の面影はあるが、やはりというべきか幼さを感じる。成功したのはわかっていたが、こうして時を超えて来たという事実を実感させられて、何とも言えない表情を浮かべた。

 彼女を救う──正確には彼女の目を治し、身体中に刻まれた傷跡を消すため──にここまで来て、その目的の大半は済ませたのだ。このまま彼女を連れて近場の街に帰ってもいいのだが。

 ローグハンターは額に手をやりながら溜め息を吐き、出発前に女教諭から言われたことを思い出す。

 

『八年前、死の迷宮が踏破され、確かに世界は救われた。だが世界を救うには、()()()()()()()()()()()()()()が必要だ。その娘が再起して立ち上がり、世界を救うのだからな。だが、ゴブリンは君が殺し尽くすのだろう?なら、()()()()()()()()が必要だ』

 

 ──さて、ここで質問だ。その役は、誰が請け負う?

 

 前人未到の時間跳躍(タイムリープ)をせんとするローグハンターを挑発するように、彼の覚悟を試すように、彼女はそう問いかけてきた。

 その時は返答を濁しはしたものの帰るべき未来を守るためには、ここで彼女を汚し、一度彼女の心を折らねばならない。その後に再起した彼女が死の迷宮に向かい、かの英雄たちと共に世界を救うのだ。

 そう。世界を救うには、愛する彼女を自分の手で汚さねばならないのだ。

 今まで何人も殺してきたというのに、緊張のせいか手が震えが止まらず、汗が止まらない。誰かを傷つけるのに、ここまでの抵抗を覚えるのは初めてだ。

 

「ぅ……ぁ……?」

 

 そうして一人葛藤していると女司祭の口から呻き声が漏れ、薄く目を開けて辺りを見渡すように首を巡らせた。

 自分を囲むように倒れ伏すゴブリンたちの焼死体。心配するように自分を覗き込んでくる、優しくげな蒼い瞳。彼が助けてくれたのだろうか。

 

「ぁ、ぁりがと──……?」

 

 そして女司祭が感謝の言葉を言おうとした瞬間、強烈な眠気に襲われてそのまま眠りに落ちた。

 彼女が目覚めたと知るや否や、彼女の太ももにスリープダートを突き刺して強制的に眠らせたローグハンターはそっと彼女の耳元に顔を寄せた。

 

「これからお前に酷いことをする。許してくれ」

 

 このまま彼女を連れてどこかに消えてしまおうと、彼女ではなく自分が死の迷宮に向かい、世界を救えばいいと、心の暗い部分がそう囁いてくる。

 だがそれでは未来が大幅に加筆、修正されてしまう。彼女が大司教とはならず、自分との接点が失われてしまう可能性が高いのだ。

 そうなれば最後、彼女がただの小娘として生きたこの世界は、自分と彼女が出会うことのない世界は、まず間違いなくあのかつて来たりし者の侵略を抑えきれない。彼女という楔がなければ、自分はあの自称女神に勝てなかったのだから。

 未来を極力変えず、彼女の傷を最小限にして元の流れ(ダイ・カタナ)に合流させる。それをするにはここでやらねばならないのだ。

 幸いも言うべきか、彼女の衣装はゴブリンの手で剥がされている。あとは自分で彼女を汚す覚悟を決めるだけだ。

 そうして覗き込んだ女司祭はゴブリンに囲まれ、絶体絶命の状況からとりあえずは脱したからか、その表情は安堵に包まれ、呼吸も一定で落ち着いている。今から自分がどんな目にあうかなど、想像もできまい。

 はぁと深々と溜め息を吐き、頭を抱えたローグハンターは雑嚢に手を突っ込んで女教諭から渡された小瓶──勃起薬を取り出した。

 ゴブリンの死体に囲まれた場所で愛する女を凌辱するという状況で、流石のローグハンターの一物とて勃たない。それを危惧して渡されたものだが、彼女が用意したというだけで嫌な予感がする。

 だが、仕方ないと再びの溜め息を吐いた彼はその小瓶の中身を煽ると、ドクンと心臓が跳ねる音が聞こえ、下半身──特に一物に血が集まり、熱がこもっていくのがわかる。

 胸を押さえながら小さく唸ったローグハンターは、念のためと女司祭の両手を縄で縛り、正体を隠すために目隠しで彼女の目を覆う。

 あとは寝ているためか力が抜けている両脚を開き、その間に納まりながらズボンとパンツをずらし、薬の影響でいつにも増して固くなり、熱を持った一物を取り出した。

 そのまま亀頭に唾液を垂らして簡単に湿らせ、片手で軽く塗り広げて潤滑油代わりに。

 その刺激だけで背筋を痺れされる程の快感が走り、一物がビクビクと震え、鈴口からは先走り汁が溢れてくるが、それを耐えながら彼女の秘裂に亀頭を添えた。

 一切の湿り気を帯びず、ピタリと閉じた縦筋は、来るもの全てを拒んでいるよう。

 だがそれに構うことなく亀頭を押し付ければ、唾液や先走り汁が潤滑油となって秘裂に滑り込み、途端に膣肉が入り込んだ異物を止めようと締め付け、押し返さんとひだが蠢く。

 

「んっ……!ぅ、ぁ……っ」

 

 女司教はピクンと反応を示し、表情を強張らせて恐怖に震え始めるが、ローグハンターは構わずに一物を奥へと進ませた。

 進めば進むほど膣肉が強烈に締め付けてくるが、そこを強引に掻き分けて突き進む中、ある程度まで入り込むと、途端に侵入を拒むように締め付けが強くなる。

 僅かに進んでみれば、亀頭に何か薄い膜のようなものがぶつかる感覚があり、それが彼女の処女膜であることが容易に想像できた。

 本来ここでゴブリンにより奪われる彼女の純潔を、未来から来た恋人が横取りすると言えば聞こえはいいが、やっていることはゴブリンのそれと同じか、一度助けた所を犯している以上、ゴブリン以上にタチが悪いだろう。

 だが、やらねばならない。ここで彼女の純潔を奪い、凌辱せねば、世界は滅びてしまうのだ。

 

「すまない……っ!」

 

 彼は涙を堪えながら謝罪の言葉を口に出し、直後己の拳で持って自分の喉を潰し、一時的に声を出せないように──出たとしても、ゴブリンの声ように意味不明な雑音の羅列にしか聞こえないように──すると、腰を突き出して一気に彼女の処女膜を突き破った。

 ブチン!と膜を突き破る感触と、破瓜の血の嫌な温もり、食いちぎらんばかりに締め付け、異物を追い出さんとする膣肉の感触に、凄まじい自己嫌悪を覚えて吐きそうになるが、すぐにそれを抑え込んだ。

 そしてそれからほんの一瞬の間を開けて、弛緩していた女司教の身体に力が戻り、口から「ぇ、ぁ……?」気の抜けた声が漏れたかも思うと、

 

「──っ!?痛っ、痛い!な、なんで、わたし、助かった筈、なのに……っ!?」

 

 誰かに助けられた筈なのに、何かに犯されている事実に直面した彼女は悲鳴をあげ、やだやだと我儘を言う子供のように首を左右に振り始めた。

 その姿に更なる罪悪感を叩きつけられるが、ローグハンターはそれを受け止めながら腰を振り始めた。

 動かす度にぐちゅ、ぐちゅと潤滑油の湿った音が鳴り、鋭いカリによって破瓜の血が掻き出されてくるが、今の彼はそれらを気にする余裕はない。

 

「やだ!やめて、許して……っ!ひぐ、いや、やだぁ!あぐ、痛い、痛い、からぁ……っ」

 

 パンパンと音を立てて腰を打ち付ける度、女司教は痛みに喘ぎ、目隠しを涙で濡らしていく。それで透けてしまわないかと心配になるが、とにかく今はやることをやらねばならない。自分はゴブリンと同じか、それ以上の畜生にならねばならないのだから。

 じたばたと暴れる縛った手を片手で押さえつけ、黙れと言わんばかりに彼女の首に手を掴み、軽く締め上げる。

 

「かっ……!ぎっ、ぅぅ……!やめ、やめで……、ぐ、ぐるじ……!」

 

 軽く力を込めただけなのだが、頭に血が溜まっているのか赤く染まり、酸素を求めるように舌が飛び出して宙を彷徨う。

 そう、自分はゴブリン以下の畜生だ。今は彼女に傷跡が残らない程度に痛めつけ、徹底的なまでに心を折らねばならない。

 覚悟を決めたローグハンターは(ゴブリン)じみた唸り声をあげると、彼女の舌に自分の舌を絡めて唾液を塗りたくると、マーキングするように彼女の身体中に舌を這わせ始める。

 その間にも腰を振り続け、破瓜の血を塗りたくりながら胎内を徹底的に痛めつける。

 

「ひぐっ……!やだ、汚い、やめて、やめてください……!許して、許してくださいっ……」

 

 動く度に全身をかける激痛と、身体を汚していく生温かくぬめる液体の嫌悪感に、女司教は全身に鳥肌を立てながら許しをこうが、ローグハンターは止まらない。

 空いている手で彼女の腹を殴り、爪を立てて身体のあちこちに引っ掻き傷をつけていく。

 

「お゛!?ぎゅ!?ぎぃ!?やめ、やめで……!ごめんなさい!ごめんなさい!許して……!お゛ぐ!?」

 

 どすどすと鈍い音を立てて拳を柔らかな身体にめり込ませ、爪の先で白磁のように美しい肌に浅い傷をつける。

 殴る度に膣肉の締め付けが強くなり、引っ掻く度に彼女は身体を揺らしながら悲鳴をあげるが、ローグハンターはそれを愉しむように己に言い聞かせ、悪役を貫き通す。

 彼女から抵抗の意思がだいぶ消えた事を察した彼は、両手で彼女の腰を押さえつけると、今度は本気で腰を振り始める。

 パンパン!と平手打ちのように鋭い音を広間中に響かせながら、ゴブリンじみた嗤い声をあげ、この状況を楽しむように自分を押し殺す。

 

「ひぎっ!や、やだぁ……。あぅ、ひぅ……!やめて、もう、ひぐ……っ」

 

 一物で子宮口を押される度にゆさゆさと身体を揺らし、辛うじて膨らみがある程度の胸を揺らすが、ローグハンターは片手で控え目な胸を鷲掴み、わざと爪を立てて揉みしだく。

 爪が柔らかな肉を貫く感覚に目を背けたくなるが、今の彼女を直視することが自分への罰だとして、じっと彼女の裸体を見下ろす。

 殴打した場所には痣が残り、あちこちに引っ掻き傷があるものの、やはりその美しさは変わらない。時を経ればその美しさに磨きがかかるのだから、今の彼女がああなるのかと感慨深くなる。

 だがそんな彼女への愛情を一旦捨て、今は畜生になりきるのだ。

 彼女の耳元に顔を寄せ、ゴブリンのそれに寄せた息遣いを聞かせながら、はっ!はっ!はっ!とわざとらしく何かを堪えるように短く切った呼吸を繰り返し、腰の動きを早めていく。同時に一物の中を熱いものが駆け上がっていき、亀頭が僅かに膨らんでその時が来た事を彼女に教えた。

 それだけで彼女も察したのだろう。目隠しの下で目を見開くと、逃げるように腰を振るが、既に奥深くまで入り込んだ一物がその程度で抜けることはなく、むしろ子宮口に吸い付いて離さない始末。

 

「やだっ、やだ、やだやだやだ!やめて、それだけは許して、やめて……っ」

 

 女司教はせめてもの慈悲をローグハンターに求めるが、彼は構うことなく腰を振り続け、トドメを刺すために一旦抜けるギリギリまで腰を引くと、一気に腰を打ち付けて子宮を押し潰すように一物を押し付けた。

 同時に堪えていたものを解放し、彼女の子宮に溶けた鉄のように熱く、粘着く精液を吐き出した。

 

「いやぁああああああああ!!!」

 

 子宮に吐き出される、火傷しそうなほどに熱い何か。

 未知の感覚に女司教は喉が割れんばかりの悲鳴をあげ、強張った身体を弓なりにしならせた。

 だがローグハンターは離さない。背中が浮こうが構うことなく腰を掴んで離さず、一滴残さず注ぎ込まんと腰を押し込み続ける。

 そして長い吐精が終わり、子宮が膨らむ程の量の精液を注ぎ終えたローグハンターが腰を引いて一物を抜くと、栓を失った子宮から精液が一気に逆流し、ごぽりと音を立てて秘裂から溢れ出した。

 白く粘着くそれに赤い血が混ざっているのは、膣肉に塗りたくった破瓜の血が精液で洗い流されたからだろう。

 

「ぅ……うぅ……。やだ、誰か、助けて、誰かぁ……」

 

 それをじっと眺めていたローグハンターだが、不意に彼女の啜り泣く声が聞こえたのを合図に意識を彼女に戻した。

 彼女はうまく力も入らないだろう身体に鞭打ち、縛られ、目隠しをされた状態のまま、芋虫のように這っていこうとするが、ローグハンターはそんな彼女の足を掴んで手繰り寄せ、いまだに精液を吐き出している秘裂に亀頭を添えると、今度は一息に腰を突き出して最奥まで挿入。

 

「ぎっ……!あ、ああ゛ああああ゛ああ゛ああ!!!」

 

 今度は片手で頭を押さえて地面に押し付けつつ、持ち上げた腰を片手で押さえて逃さないという意志を示す。

 

「やだ、やめて……っ!うぐっ!もう、充分でしょう!?ぅ、あ……!もう、私を汚さないで、いっそ殺してっ!!」

 

 パンパンと音を立てて腰を打ち付けながら、うめき声を交えつつも吐かれる自暴自棄の言葉を聞きつつ、それを無視するように拳を彼女の背に打ち据えた。

 ぐちゃりと肉が潰れる異音が鼓膜を揺らし、「かひゅ!?」と肺の空気が口から漏れる音が耳に届く。

 げほげほとむせる彼女の声を聞きながら、ローグハンターはすぐさま二度目の射精を行い、子宮を満たす古い精液に新しい分を追加。

 

「ぐっ、ぅうううううう!!」

 

 女司教も再び射精された事実に涙を流しながら歯を食い縛り、悲鳴を押し殺すが、ローグハンターはそんな彼女の心を折るように無慈悲に腰を振り続け、合間合間に暴力をもって彼女を痛めつけていく。

 

「ひぎ!?あぐっ、ぎ、ああああああああああああああ!?!?」

 

 そしてついに我慢もできずに悲鳴をあげてしまえば、あとはもう止まらない。彼女の悲鳴は一晩中消えることはなく、喉が潰れてもどこからか絞り出された悲鳴が上がり、暗い洞窟の中を木霊する。

 そのせいか、彼女は気づかなかった。彼女の悲鳴に混じり、嗚咽を漏らす誰かがいた事を。

 その誰かによって、まだマシな地獄を味わっている事を。

 

 

 

 

 

「──ですか?大丈夫ですか!?」

 

 女司教は聞き馴染みのない声を合図に目を覚まし、異様に重たい瞼をどうにか持ち上げ、上手く焦点が合わない中で声の主に目を向けた。

 

「ぇ……?ぁ……、ここ、は……?」

 

 自分の口から漏れた、自分でも聞き取れない程に掠れた声に驚きつつ、その相手──至高神の侍祭に場所を訪ねた。

 侍祭の方も混乱しながらこの街がどこの街なのかを説明し、改めて目の前の女性──酷く窶れ、全身に痣や引っ掻き傷がつけられた女司教の容体を確認。

 呼吸はしっかりしているが、まだ意識がはっきりしないのか、青い瞳はどこか焦点が合っておらず、表情には怯えと困惑の色が強い。

 だが、何があったのかを聞かねばならない。彼女にとって辛いことでも、彼女の口から聞かねばならないのだ。

 そうして彼女に問いかけようとするよりも早く、女司教が口を開けた。

 

「わ、私は、ゴブリンに、でも、なんでここに……?途中で気を失って……。なら、あの人は?私が見た幻?でも、あれ……?」

 

 ペタペタと自分の身体に触れ、同時に守るように自分を抱きしめながら、なんで、どうしてとわかる筈もない問いかけを自分に投げ続けている。

 そんな彼女の姿を見かねてか、侍祭が彼女の傍に両膝をついて座ると、そっと彼女を抱きしめた。

 

「大丈夫、ここは安全です。貴方は金色の瞳の冒険者様に連れられてここに来ました。その方は貴方の事を頼むとだけ言って、去ってしまいましたが……」

 

 ぽん、ぽんと泣く子供をあやすように背中を叩きながら、努めて優しい声音でそう告げた。

「金色の、瞳……」と彼女の言葉の一部をおうむ返しした女司教は、なら自分が見た蒼い瞳の男は誰だったのかと疑問符を浮かべた。

 だが、そんなものはどうでもいい。いや、何もかもがどうでもいい。

 ゴブリンに(・・・・)敗れ、汚された自分に、何ができる。その助けてくれたという冒険者にさえ、文字通り捨てられる形でここにいるというのに。

 女司教は顔を伏せ、嗚咽を漏らしながら泣き始めた。

 一人彼女の涙を受け止める侍祭は「とりあえず、中に入りましょう」と彼女の手を引いて神殿の中に入って行った。

 そんな二人のやり取りを近場の建物の屋上から観察していたローグハンターは、無表情のまま踵を返し、雑嚢から転移(ゲート)の巻物を取り出した。

 やることはやった。あとは彼女が再起し、世界を救い、水の街の騒動でローグハンターの手により救われる。その筋書き通りに動けば、何の問題はない。

 問題はない、のだが……。

 

「惚れた女を強姦して純潔を奪う、か。どこからどう見ても、悪役は俺だな」

 

 彼女の目を治す為とはいえ、随分と遠回しで、大きな博打をしたものだと自嘲し、『隔世状態』になりながら転移の巻物を開いた。

 そこに示された座標は未来の王都の地下水道。自分が通ってきた時間の歪みを、そのまま通って元の場所に戻る。

 成功するかはこれまた博打。成功しても、岩の中に封印なんてことになる可能性もある。だが、それでもやる価値はある。

 自分がやったことの結果を──ほんの少しだけ変わった未来を見るためには、今回の騒動に下す神々の判断を知るためには、こうするしかないのだ。

 覚悟を決め、ふーっと深く息を吐いた直後、巻物から放たれた閃光が彼を包み込み、やがて止んだ。

 光が止むとそこには誰もおらず、あるのは燃え滓になった転移の巻物の残骸のみ。そしてその燃え滓も風に吹かれて消えていき、痕跡を残すことはない。

 彼が未来から来た事を知るのは、そして未来に帰って行った事を知るのは、天上の神々のみだ。

 

 

 

 




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Memory?? 『修正(リライト)』紀行 ②

前回の続き。
過去から戻ってきたログハン、剣の乙女に会いに行く。


 現代、王都。

修正(リライト)』の奇跡で過去に戻り、剣の乙女を救出したローグハンターは無事に現代に帰還したのだが……。

 

「世界に大きな歪みはなし、か。何よりだ」

 

 とある建物の屋根の上にしゃがみ、夕陽に照らされる王都を見渡しながらそう呟いたローグハンターは、ホッと安堵の息を吐いた。

 彼女を救ったおかげで王都陥落、秩序崩壊となっていれば、それこそ先ほど治した喉を自分で掻っ切らねばならなかった。

 一応、女教諭や灰被りの女王、狐、外交官と、アサシン教団関係者に声をかけて回ったが、彼らの言動にも不審な点はなかった。ただしばらく留守にしていたことになっていたらしく、事情を知る筈の女教諭からも「今までどこに行っていた?」と問い詰められてしまった。

 過去を改竄し、未来を分岐させた影響だろう。自分にとっては全く未知の世界──おそらく、目が見える剣の乙女がいる世界に来た、ということなのだろうが、それはそれで一握の切なさというものも感じる。

 あの世界での出来事を覚えているのは自分だけなのだ。その大半がこの新しい世界と同じ流れだったとしても、その多少の差異を知るのは自分だけ。

 変な気分だ。知っている筈なのに、知らない世界にいる。故郷から転がり込んだ時とは違う、ほんの僅かな不安が背筋を撫でる。

 だが、今はそんな事どうでもいい。今考えるべきは剣の乙女のことだ。

 ローグハンターは深く息を吐くと共に立ち上がり、瞬きと共に『隔世状態』に移行。目を閉じて水の街の法の神殿を頭に思い浮かべる。

 直後、雷鳴と共に彼は姿を消し、通りを歩いていた人々はなんだなんだと彼がいた屋根の上に目を向けるが、そこにはもう何もない。

 見えないものを気にするほど暇でもない彼らは、すぐにいつもの喧騒を取り戻し、何事もなく日常に戻っていった。

 

 

 

 

 

 

 水の街、法の神殿。

 その最奥にある礼拝堂に、彼女の姿があった。肉感的な肢体を白い法衣で隠し、窓から吹き込む風に揺れる金色の髪は夕陽の光に照らされて神秘的なまでに輝いていた。

 天秤剣に縋るようにして祈りを捧げていた剣の乙女は、ふと背後から聞こえた小さな足音に気付き、「どなたですか?」と声をかけた。

 だが声をかけられた相手は返事をせず、どこか迷うように小さく呻くばかり。

 謎の訪問者に対して怪訝な表情を浮かべた彼女は、「どなたですか!」と語気を強めながらそちらに身体ごと振り向くと、すぐにパッと表情を明るくした。

 

「ローグハンター様!いらしていたのなら、お声をかけてくださいな!」

 

 そして先程の警戒に満ちた声と表情はどこにやったのは、満面の笑みと共に弾むような声音で彼に声をかけた。

 肝心のローグハンターはどこか困り顔になるが、すぐに彼女の瞳を見つめて僅かに目を見開いた。

 

「……?どうかされましたか?」

 

 そんな滅多に見せない間の抜けたとも言える彼の表情に剣の乙女が首を傾げると、ローグハンターは「いや」と返してそれとなく顔を手で覆った。

 手の下で彼は歓喜を噛み殺し、目から溢れんとする涙を必死に抑えていた。そう、彼女の中の自分は今の彼女を当然のものとしていた筈だ。それなのに自分が妙に喜んだり、涙を流すなど、あってはならない事だ。

 

「少し、目にゴミが入ったようだ。何でもない」

 

 彼は涙を誤魔化すようにそう告げて涙を拭うと、蒼い瞳で彼女の碧眼を見つめ返し、小さく笑みを浮かべた。

 ああ、どうやらあの行動は無意味ではなかったようだ。それだけでも、やった意味はあったというもの。

 剣の乙女は鈴を転がしたように笑うと「可笑しなお方と」と彼に告げ、そっと彼の懐に入った。

 その勢いのままに彼の胸に飛び込み、背に腕を回してぎゅっと抱き締める。豊満な胸が彼の胸板に押し潰されて柔らかく形を歪め、布越しに彼の体温を感じる。

 

「お久しぶりです。ここ最近音沙汰もなく、心配していたのですよ?」

 

 そしてここ最近、常に抱いていた不安を噛み殺してそう言うと、ローグハンターは小さく「すまない」と謝罪の言葉を口にした。

 その言葉に剣の乙女は微笑みながら顔をあげ、じっと彼を見つめるが、すぐに疑問符を浮かべて首を傾げた。

 

「ローグハンター様、何か辛いことがあったのですか?少し、やつれているような……」

 

 そっと彼の頰を撫で、僅かに陰って見える蒼い瞳を見つめる。

 普段なら星が輝く夜空を思わせるそこも、今に限っていえば曇っているように見える。

 彼女の心配の言葉にローグハンターは強がるように笑うと「大丈夫だ」と返すが、その声にはやはり覇気がない。

 むぅと小さく不満そうに唸った剣の乙女は辺りを見渡して人の目がない事を確認すると、爪先立ちになってちゅっと触れる程度の口付けを交わした。

 突然のキスに驚いたローグハンターは言葉もなく目を見開いて驚いているが、剣の乙女は悪戯が成功した子供のように無邪気な笑みを浮かべた。

 

「何故かはわかりませんが、疲れているのなら後程私の部屋にいらしてくださいな。お話をされるだけでも、楽になれるかもしれませんわ」

 

 けれどその浮かべた笑みもほんの一瞬。すぐに表情を引き締めた彼女は真剣な声音でそう言うと、再びそっと彼に口付けをした。

 二度目のキスは流石に効いていないのか、ローグハンターは神妙な面持ちのまま顔を背け、小さく息を漏らす。

 

「話しても、きっと信じられないぞ」

 

「そうかもしれませんが、話してくださらないことにはなんとも」

 

「お前にとっても、辛いことを思い出させることになる」

 

「なら、覚悟を決めておかなければなりませんね」

 

 ローグハンターは重々しく、墓場まで持っていく筈だった何かを言うように言葉を重ねていくが、剣の乙女はまるで気にする素振りも見せず、むしろどこか彼を揶揄うような声音で言葉を返した。

 困ったように小さく唸ったローグハンターは再び彼女の方に顔を向け、その碧眼を──黒布に覆われることのない彼女の素顔を見つめた。

 何度も見て、何度も触れた筈なのに、真新しく見える最愛の人の顔。ローグハンターはそっと彼女の頰を撫でて、今度は彼の方から彼女を抱き締めた。

 突然の抱擁で歓喜に震える剣の乙女だが、耳元で聞こえる彼の啜り泣く声に気付いてそっと彼の背を撫で始め、「大丈夫、大丈夫です」と幼子をあやすような声で何故か酷く疲弊している彼を励ました。

 これではあの時と──ゴブリンの影に怯えて、夜を眠れなかった自分に寄り添ってくれた時とはまるで逆ではないかと、ありし日の記憶を思い出して微笑みをこぼす。

 あの日の出来事があったから彼を愛し、彼に愛されることになったのだ。自分の弱みを曝け出すというのは恐ろしいが、同時にそれが出来ねばお互いに愛し合うことなどできまい。

 剣の乙女は今度は自分が受け止める番と気合い入れて、優しく彼を抱きしめた。

 

 

 

 

 

 その後、侍祭の乱入や溜まっていた書類の処理などに時間を費やし、気がつけば双子の月が天上に登っていた。

 満点の星々と双子の月に照らされた法の神殿はまさに神秘の輝きに満ち、荘厳な雰囲気を醸し出していた。

 そんな神殿の一室。大司教、剣の乙女のために用意された広めの部屋は、大人が二人で過ごす分には何の支障もない。

 簡単な書類仕事を手伝っていたローグハンターは、剣の乙女に手を引かれるがままその部屋に通されたわけだが、相変わらずその表情は暗い。

 これは重症ですねと眉を寄せた剣の乙女は彼の手を引いてとりあえずベッドに座らせると、その横に腰を下ろした。

 安産型の尻がベッドに沈み、薄い法衣の隙間から押し潰された臀部の肉が僅かにはみ出す。

 

「それで、お話というのは……」

 

 こてんと首を傾げて問うてくるつるぎの乙女に、ローグハンターは僅かに目を伏しながら言う。

 

「俺、なんだ……」

 

「……?なにがでしょうか?」

 

 そしてぼそりと呟いた一言に、剣の乙女は言っている意味がわからずに疑問符を浮かべた。

 いきなり俺なんだと言われても何がとしか思えないのは当然で、ローグハンターの言葉が足りないのは明白だ。

 だが今こうしている間にも凄まじいまでの罪悪感に襲われているのか、彼は言葉を続けようとはしているが、肝心の言葉が出てこないのか、無意味に口が動くばかり。

 そんな彼を見かねてか、剣の乙女は彼を抱き締めようとするが、ローグハンターは彼女の手を拒み、「大丈夫だ」と返して表情を引き締めた。覚悟が決まった、ということなのだろう。

 ならばと剣の乙女も姿勢を正し、彼の言葉を聞き逃さんと身構えた。

 彼女の碧眼をじっと見つめ、それに自分が映っているのが堪らなく嬉しいが、その為にしたことを告白しなければならない。

 

「俺なんだ。十年前、一人でゴブリンの巣穴にいたお前を襲ったのは」

 

「な、何をおっしゃっているのですか?今更そんな同情など……っ」

 

 だが真実を告げたところで、それを信じてもらえるのかは分の悪い賭けでしかない。現に剣の乙女は彼の告白を信じておらず、タチの悪い弄りをしてきていると思っていた。

 

「本当なんだ、信じてくれ!」

 

 対するローグハンターは切実な思いを込めてそう告げて、聞いてもいないのに言葉を続けた。

 

「信じられないだろうが、俺は違う世界のお前を知ってる。ゴブリンに襲われ、視力を奪われ、会う度に切なそうに俺に触れるお前を、知ってるんだよ……っ」

 

「わ、訳がわかりません。何をおっしゃっているのかも、わかりませんわ!どうされたのですか!?」

 

 そうして彼女からすれば意味不明な言葉を受けてか、彼が行方不明の間に何かされたのではと疑い始めるが、ローグハンターは今にも泣き出しそうな子供のように、目元に大粒の涙を溜めながら言葉を続けた。

 

「お前が失ったものを取り戻してやろうと、どうにか治してやれないかと、考えて、行動して、それでも足りなければまた考えて、行動して、それでも駄目だった」

 

「だから俺は禁忌に触れた。過去に行って、未来を変えてやろうなんて頭のおかしいことを考えた。……そしてそれが出来てしまった」

 

 ローグハンターは頰を伝う涙をそのままに彼女の頰を撫で、心配そうにこちらを見つめてくる彼女の碧眼を優しく見つめ返した。

 そして胸に押し込まれていた感情を爆発させ、涙を流しながら懺悔をするように彼は言葉を続けた。

 

「おかげでお前を救えた。ゴブリン共を皆殺しにして、奴らには何を奪わせなかった。だが、その後、俺はお前を穢した……ッ!」

 

 愛する人を傷つけ、凌辱し、その癖して何食わぬ顔でここにいる。今更ながら、自分の都合の良さに嫌気がさし、やはり遠巻きに見て会わずに去るべきだったと後悔する。

 だが、やはり彼女に会いたいと思ってしまった。彼女と共にいたいと、願ってしまった。

 

 ──俺は、最低な男だ。

 

 傷つけた相手と共にいたいなど、添い遂げたいなど、烏滸がましいにも程があるだろう。

 歴史の変換点を減らすため、世界を救うため、理由など付けようと思えばいくらでもあるが、それが彼女を傷つけていい理由にはなるまい。

 

「泣き叫んで許しを乞うお前を黙らせて、力ずくでお前を──」

 

 そして殺されてもいいという覚悟のもと、ローグハンターが最後の言葉を言い切ろうとした直後、ふわりと柔らかなものが彼を包んだ。

 目を見開く彼は状況の把握にほんの一瞬の時間を要したが、すぐに剣の乙女の胸に抱かれていることを理解した。

 普段なら身を任せる肌の温もりが、胸の柔らかさが、彼の頭を包み込んでいるのだ。

 ローグハンターは彼女を突き飛ばそうとするが、それよりも早く彼女の細指が彼の髪を撫で始め、彼は余計に困惑を強めていった。

 

「大司教、何を……?」

 

 辛うじて口から漏れ出た問いかけに、剣の乙女は答えない。ただ慈愛がこもった手で彼を撫でるばかりだ。

 彼女の手が動く度、抵抗する気力を失っていくローグハンターは、母に甘える子供のように彼女に身を寄せると、無礼を承知で彼女の法衣で涙を拭うように顔を揺らした。

 

「もし、本当にもしですが、あの日私を襲ったのがあなただったとしても」

 

 そんな彼にだけ聞こえるように、囁くような声で剣の乙女が言葉を発した。

 その声に反応して顔をあげたローグハンターは、優しく自分を見下ろしてくる、目が見えていること以外は普段と何も変わらない彼女を見つめ、思わず彼女の名を呼んでしまった。

 それが可笑しかったのか、彼女は鈴を転がしたように笑うと、彼の額に口付けを落とした。

 

「闇に怯えていた私を救って下さったのは、あなたです。それは変わりませんわ」

 

「……っ。だが、その傷を刻んだのは──」

 

「ゴブリンです。誰が何と言おうと、私はゴブリンに穢された哀れな女」

 

 彼女は表情に影を落としながらそう言うと、すぐに微笑んで彼に告げた。

 

「そして今は、かのならず者殺し(ローグハンター)に救われ、彼を愛し、彼に愛されるようになった幸運な女。それでいいではありませんか」

 

 彼女はそう言うや否や名残惜しそうに彼を離すと、法衣の留め紐を解き、するりと布擦れの音と共に法衣を脱ぎ去った。

 そして顕になるのは、透き通るほどに白い肌と、片手では納まらない程にたわわに実った乳房。その先端には薄桃色の乳首があり、外気に晒されているためか、あるいは彼の視線を受けてか、充血してぷくりと勃起している。

 それらを無意識に凝視していたローグハンターは、ふとあることに気付いてハッとした。

 見慣れた筈の彼女の裸体。何か違和感があると思えば、彼女の身に刻まれた傷跡が全くと言っていいほどにないのだ。過去の世界の彼女には、全身に刻まれていた忌むべきものが、綺麗さっぱりなくなっている。

 また一つ成し遂げたと涙が溢れそうになるが、じっと見つめられている剣の乙女は恥いるように頰を赤く染めながら、もじもじと身体をくねらせると、

 

「えい!」

 

 可愛らしい気合いの声を漏らしながら、彼をベッドに押し倒した。

 無抵抗に倒された彼が困惑していると、彼女はそっと彼の唇に口付けし、ぴたりと閉じた彼の唇をちろりと舐めた。

 そしてすぐに顔を離すと無邪気に悪戯っぽく笑い、彼に言う。

 

「随分とお疲れの様子ですから、今宵は私がリード致しますわね」

 

「大司教、いいのか……?」

 

 一人で話を進める彼女の態度に着いて行けないのか、ローグハンターは不安そうに声を漏らすと、剣の乙女は彼の口に指を当てて無理やり閉じさせた。

 それでも彼は何かを言おうとするが、それを遮る形で剣の乙女が言う。

 

「そんなに罰が欲しいというのなら、与えましょう」

 

 どこまでも冷たい、背筋が凍る錯覚さえ覚えるほどの声音。聞いたこともない彼女の声にローグハンターが狼狽えていると、彼女は思いきり彼の首に噛み付いた。

 ローグハンターが突然首を駆け抜けた激痛に呻く中、剣の乙女は構うことなく何度も彼の首に歯を立て、皮膚を貫いた拍子に滲み出てきた血を舐めとっていく。

 咀嚼するように何度も噛みつかれながら、この程度で許されるならと彼女に身を任せていると、不意に彼女は噛むのを止め、唇についた彼の血を舐め取ると、彼の耳元で断固たる意味を込めて告げた。

 

「──私から離れないでください。いつにかなる時も、私と共にいなさい。私を見る度に苦しむのなら、その苦しみが消えるまで私を見ていなさい。苦しみが消えても私の元を去ることを禁じます」

 

 淡々とした、けれどどこか狂気さえも感じる声でそう告げた彼女は、最後の最後に、必死に涙を堪えながら一言付け加えた。

 

「──どうか、いなくならないで。私と共に生きてください」

 

「……っ!」

 

 その一言が、隠されざる彼女の本心であった。

 彼が過去に飛んだ幾日かが、こちらでは数ヶ月経過していたのだ。その期間、彼女は最愛の人の安否を知ることもできず、一人孤独に襲われていた。

 

 ──過去の彼女を救っても、現在(いま)の彼女を救えなければ意味がない。

 

 そしてようやくたどり着いた答えは、普段の彼ならまず真っ先に気付きそうなことでもあった。

 愛する人のために万策を尽くす彼が、最も救うべき相手を見落としていたのだ。赦す赦さないではない。もう彼女は、ローグハンターなしでは生きていけないほど、どうしようもない程に彼を愛してしまったのだ。

 ローグハンターは再び溢れてきた涙をそのままに、彼女の肉感的な肢体を抱きしめた。

 

「わかった。わかった……っ。それが罰だというのなら、俺は一生お前と共にある。お前がどこに赴こうと、例え死後の世界でも、盤の外であろうと、俺はお前と共に行こう」

 

 それは宣言だった。己の人生をかけて彼女と共に生きると、彼女と添い遂げるという、自分の人生を捧げるという宣言だ。

 

「ええ。ですから、離れないでくださいまし」

 

 そんな彼の返答に満足そうに笑った剣の乙女は、彼の唇に口付けを落とした。

 

 

 

 

 

「んっ……。ちゅ、んちゅ……っ」

 

 剣の乙女のベッドの上で、一糸纏わぬ姿になった剣の乙女とローグハンターは、熱い口付けを交わしていた。

 ベッドに仰向けで寝転ぶローグハンターの上に覆いかぶさり、無抵抗に彼女の口付けを受け入れていたローグハンターだが、その手は愛おしそうに彼女の背やうなじを撫でており、その度に彼女はピクピクと身体を揺らしていた。

 

「ん……っ。はっ、ローグ、ハンター様……っ」

 

 頰を朱色に染め、恍惚の表情を浮かべながら彼を呼べば、彼は微笑み混じりに「どうした?」と返し、彼女の額に唇を落とした。

 それだけでも身体が反応してしまい、「ん……っ」と声を漏らしながら身体を震わせた彼女は、辛抱堪らなくなったのか、再び彼の唇に吸い付くと、僅かな隙間から彼の口腔に舌を差し込んだ。

 

「ちゅる……っ!んちゅ!んは、ローグ、ハンター様ッ!好き、愛しております、わ……っ。じゅる、んん!!」

 

 くちゅくちゅと湿った音を立てながら彼の舌に唾液を塗りたくり、口の粘膜を舐め回していく中で、剣の乙女は無意識の内に愛の言葉を口にしていた。

 それを受けたローグハンターは嬉しそうに笑うと、うなじを撫でていた手で彼女の顔を押さえ、二人の顔をさらに密着させた。

 同時に口の中で暴れていた彼女の舌を押し返し、今度は彼女の口腔に自分の舌を入り込ませ、お返しと言わんばかりに舌を絡め、虐めていく。

 ついでに背中を撫でていた手で安産型の臀部を鷲掴み、その触感を楽しむように五指を蠢かせた。

 押し込めばどこまでも沈んでいきそうなのに、途端に押し返してくる弾力を楽しみながら、割れ目をなぞるようにそっと撫でる。

 

「ん……っ!じゅる!じゅるる!んぁ、んん!ひぅ……♡ローグハンター様、そこ、気持ち、です……っ♡」

 

 擽ったそうに漏れていた声に熱がこもり、表情もだらしなく緩み始めた頃、彼女は下腹部に押しつけられる熱した鉄のように熱く、固いものに気づき、彼に気付かれないようにそっとそれを──彼女との前戯で勃起した彼の一物を撫でた。

 ローグハンターは突然背筋を撫でた淡い快感に「くっ!」と小さく唸ると、キスを中断。彼女を解放して顔を離させると、二人の唇を繋ぐように唾液の橋がかかり、ぷつりと切れたそれが自分の口元の傷跡にへばりついた。

 あ、と声漏らした剣の乙女が汚れてしまった彼の口元を綺麗にしようと唾液を舐め取るのだが、余計に彼の口周りがベタベタになってしまうのを二人とも気にも留めない。

 蜜を舐める犬か何かのように夢中になって彼を舐めていた剣の乙女が再び彼の唇に口付けすると、今度は彼も迎え入れるように口を開けた。

 くちゅり、くちゅりと湿った音を漏らしながら二人の舌は絡まり合い、流し込まれてくる彼女の唾液を、ローグハンターは顔色ひとつ変えずに飲み下していく。

 そして満足するまでキスを楽しんだ剣の乙女は顔を離すと、物欲しそうな視線を彼に向けた。

 それを受けた彼は小さく息を吐くと彼女の肩を掴んで寝返りを打たせ、上下を逆転。触れてもいないのに湿り気を帯びている秘裂に目を向け、次いで痛みを覚えるほどに勃起した自分の一物を一瞥。

 だがそこから動くことができなかった。不意にあの日の、彼からすればほんの数日前の光景が──泣き叫ぶ彼女の姿が過ってしまい、身体が動かなくなってしまったのだ。

 

「いいですよ。私は大丈夫です。ですから、何があっても離れないでください」

 

 しかし、そんな彼を剣の乙女が抱きしめ、耳元でそう告げた。

 どこまでも優しく、慈悲に満ちている声は、後ろ向きになっている思考が僅かに前向きに変わる。

 ふーっと深く息を吐いたローグハンターは覚悟を決め、秘裂に亀頭を当て「いくぞ」と一言だけ告げた。

 彼女が小さく首肯した直後、彼は腰を突き出して一物を彼女の秘部に押し込んだ。

 一息で根本まで押し込んだからか、膣肉が途端に萎縮して彼の一物を締め付け始め、蠢くひだが一物を優しく舐め回す。

 その優しい快感を与えられたローグハンターは低く唸って堪えると、亀頭の先端が彼女の子宮口を叩いた。

 

「あん♡」

 

 直後、剣の乙女は甲高い嬌声を漏らし、強張った背中を弓なりにしならせた。

 きゅんきゅんと食いちぎらんばかりに締め付けてから膣肉の感触を感じながら、ローグハンターはそれを振り切るように腰を振り始めた。

 パンパンと乾いた音を立てて腰を彼女の臀部を叩きつけ、子供の腕ほどありそうな一物を何度も挿入し、彼女の胎内を掻き回す。

 

「あ、あん……♡ローグハンター、しゃま♡そこ、もっと、奥、ついてくださいまし……♡」

 

 ローグハンターに突かれる度に身体が揺すられ、合わせて豊満な胸を揺らしながら、彼女は嬌声混じりに催促の声をあげた。

 そんな彼女の意志に反応するように膣肉は余計に締め付けを強くし、早く動けと言わんばかりにひだが動いて一物を責め立ててくる。

 あの時とは真逆。あの時は許しを乞い、一刻も早く終わって欲しいと願っていたが、今は違う。続きを催促し、何より自分を求めてくる。

 ぞわりと背筋が震えた。理由はわからない、だが、下腹部にいつも以上に熱がこもっていく感覚がある。

 現に一物がさらに大きく膨らみ、固くなったためか、不意に子宮口を撫でられた剣の乙女は「ひゃん♡」と嬌声をあげながら腰を跳ねさせ、情欲に潤んだ瞳で彼を見つめた。

 そんな彼女を見つめ返したローグハンターは、彼女の腰を押さえつけて固定すると、腰を前後に振り回して少々乱暴に彼女の秘部を責め始めた。

 

「ひゃ!?ま、急に、激しっ……♡ひぅっ、ああ……♡」

 

 パンパンパンパンと平手打ちのような音を響かせながら、ローグハンターは片手で暴れ回る彼女の胸を鷲掴み、ぷくりと膨らんだ乳首を摘んで転がしてやる。

 

「ひぐっ……♡や、やめ、ひぅ……♡そこ、こりこり、駄目、です……っ。ひゃん♡」

 

 ビクビクと身体を痙攣させながら、嬌声混じりにローグハンターに制止の声をあげるが、彼は止まらない。

 血走った目を見開き、ふぅ!ふぅ!と興奮のままに乱れた呼吸を繰り返すその様子は、見るからにタガが外れてしまっている。

 その姿に僅かな恐怖を覚えた剣の乙女は、彼の肩を掴んだり、叩いてみたりを繰り返し、

 

「ローグハンター様、ひゃん……♡お、落ち着いてください……っ!ひぅ♡怖い、怖いです……っ!どうされたの、ですか……っ♡」

 

 そして嬌声混じりにあげた制止の声に、ローグハンターはハッとして動きを止め、数度瞬きをして彼女をじっと見つめた。

 

「はひゅ……♡激し、すぎますわ……っ♡んっ……♡もう少し、優しくしてくださいまし……♡」

 

 とろんと蕩けた視線を彼に向け、快感の余韻に浸りながらそう告げた彼女は、自分を抑えられなかった自分に狼狽える彼を抱き寄せ、その背を撫でた。

 

「……すまない。落ち着いた」

 

 数度の深呼吸と共に思考は落ち着かせた彼は、ふっと短く息を吐いてそっと彼女の下腹部を──己の分身が納まっている部分を強めに押さえた。

 剣の乙女が「ひぅぅ……♡」と苦しそうに、けれど心地よさそうな声を漏らすと、ローグハンターはそこを何度も撫で回し、肌越しにトントンと子宮を叩いた。

 

「ひぅっ♡しょこ、おしゃないで……♡でも、ください……っ!あなたの、精液、たくさん、射精《だ》してください……っ♡♡」

 

 そして彼のその行動の意味を理解してか、剣の乙女が自分から腰を振りながらそう言うと、ローグハンターはこくりと頷いて再び腰を振り始めた。

 先程のそれよりもゆっくりだがその分一回一回に体重をかけ、彼女の奥底を叩き続ける。

 

「ひぁ……♡んん……っ♡奥、気持ちいい……♡あん、やっ、あん♡」

 

 接合部からどちゅどちゅと湿った音を漏らしながら、彼女の秘部を貫き続けるローグハンターは、少しずつ表情に余裕をなくしていき、彼女の頰に口付けしてから「射精()すぞ」と告げた。

 

「はいっ……!たくさん、ください♡私に、あなたの赤ちゃん、産ませてくださいぃいいいい♡」

 

 身体を突かれる度にビクン!ビクン!と身体を大きく跳ねさせながら、彼女は両手足でぎゅっと彼を抱きしめ、絶対に逃さない姿勢を見せた。

 前の世界でも似たようなことを言われた。だがあの時は『今度こそ、人の親にしてくれ』という願いでもあったが、この世界の彼女は文字通り今回が初めての妊娠、出産だろう。

 ぞわりと再び背筋が震えた。どうやら自分は、過去の彼女と現在の彼女のギャップというものに酷く敏感になってしまったようだ。

 そしてそれを自覚した瞬間、尿道を熱いものが駆け上がっていき、抑える間も無くそれは爆発。

 鈴口から吐き出されたどろどろ熱々の精液が、彼を求めて熱を帯びていた彼女の子宮に注ぎ込まれた。

 

「ひぅ!?ああああ゛ああ゛ああ゛ああああ゛♡♡♡」

 

 直後、彼女は絶頂しながら身体をしならせ、接合部からはぷしゅぷしゅと音を立てて潮を噴く。

 だがローグハンターはそれに構うことなく腰を突き出して一物を子宮口ち押し付け、一滴残さず彼女の子宮に精液を注ぎ込む。

 

「ひぐっ♡あつい、あついのに、気持ちいいですぅ♡あひゅ、あへっ♡」

 

 絶え間なく吐き出される精液の熱さと、それに子宮を舐め回される快感に目を見開いた彼女は、「ひぎぃ♡」と一際強い嬌声をあげた瞬間、ぐったりと身体を弛緩させてベッドに倒れた。

 同時に射精も終わり、彼は疲労から大きく息を吐きながら一物を引き抜いた。

 精液と愛液が混ざり、どろりとした白濁液が彼女の秘裂から溢れ出し、彼女の臀部を白く汚していく。

 

「あひゅ……♡んっ♡ジブリール、様♡もっと、もっとください……♡」

 

 剣の乙女はピクピクと小刻みに身体を痙攣させながら、ローグハンターの本名を呼び、懇願しながら自分の秘裂を広げた。

 それで余計に白濁液が溢れ出してくるが、その様を見せつけられたジブリールはごくりと生唾を飲んだ。

 途端に僅かに萎えた一物が硬さを取り戻し、目の前の雌に更に種付けしてやらんと先走り汁が滲み出てくる。

 がばりと本能のままに彼女に襲いかかった彼を、誰が責められよう。

 そんな彼を受け入れ、彼の欲望を一身に受ける覚悟を決めた彼女を、誰が止められよう。

 二人の夜はまだ続く。それが罰となるのなら、それが救いとなるのなら、止まる理由もないのだから。

 

 

 

 

 

 翌日、昼頃。

 コンコンと窓が叩かれる音をローグハンターは目を覚ました。

 鼻が曲がりそうな程に立ち込める淫臭に眉を寄せ、だるい身体を押して窓を全開に。

 外で待っていた鷲はその臭いから逃げるようにどこかに飛んでいくと、ローグハンターは申し訳なさそうにそれを見送り、踵を返してベッドに戻り、腰を下ろした。

 

「ジブリール様……?」

 

 そんな彼の手を握った剣の乙女が彼を呼ぶと、彼は「どうした?」と返して彼女の方に身体を向けた。

 懐いた猫のように手に擦り寄ってくる彼女の、絹のように柔らかな髪を撫でてやりながら、ローグハンターは微笑んだ。

 

「俺はここにいる。これからずっと、お前と一緒だ」

 

「──はい。末永く、よろしくお願いします」

 

 そして彼の告白とも言える言葉に、剣の乙女は満面の笑みを浮かべた。

 そんな二人を祝福するように、戻ってきた鷲が声を上げた。

 天上で『時』を中心とした神々が、やいのやいのと言いながら微妙に変わってしまった世界を加筆、修正していることにも気付かずに……。

 

 

 

 

 




私事ですが、ゴブスレ原作16巻読み終わりました。
原作もかなり進んだので、スレクリ本編のおまけ(最終決戦のその後)を書こうかなと思っている今日この頃。
収穫祭の後に二人の結婚式とか、砂漠でメジャイごっこするログハンとか、尊敬とか罪悪感とかがごちゃ混ぜになってドギマギする王妹とか、ヴァイキング相手に惚気る銀髪武闘家とか、色々とネタは出来てはいるんですが、問題は銀髪武闘家の妊娠、出産の時期。
ゴブスレは作中で四季の変化や祭りなどで時間経過が言われていますから、そこをどう落とし込むのかを悩み中です。
色々と考えた結果、下手すりゃ16巻の前後くらいには妊娠発覚している可能性も出てきましたので……。

とりあえず、感想、リクエスト等ありましたら、よろしくお願いします。


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Memory?? 甘味に酔って

リクエストから。
ヒロインは獣人給仕。

依頼終わりの夜中にギルドに戻ってきたローグハンター。流石にギルドの受付時間は過ぎていたが、仕込み作業中の獣人給仕(ログハンに片想い)がそれとなく対応。
だが彼が持ち込んだある物が、悲劇(?)を産む。

時期的には銀髪武闘家と会えず、ソロで活動することになったローグハンターが、銀等級になったばかり頃を想定しています。


「やっと帰ってこられた」

 

 辺境の街、冒険者ギルド前。

 黒と赤を基調とする衣装──テンプル騎士の制服に身を包んだローグハンターは、どっと出た溜め息と共にそんな事を呟いた。

 農園を荒らす何者かから、農園と従業員を守ること。依頼としては単純だったが、ゴブリンから彼らと徒党を組むならず者──やたらと獣人、特に猫人が多かった──が殺到し、思いの外苦戦してしまった。

 そしてそれら全てを屠殺し、一晩休憩を挟んでから街に帰還したのだが、肩に担ぐ袋のせいもあってか時間がかかってしまった。途中で夜営を挟むべきだったのかもしれないが、後悔してももう遅い。

 とにかく、どうにかこうにか街には戻れたのだ。なら何の問題もあるまい。

 ふっと短く息を吐き、袋を担ぎ直しながらギルドの明かりが付いている事を確認。こんな夜中に誰かいるのかと疑問に思うが、なら報告を済ませてしまおうと残業中の誰かに感謝しつつ、自由扉を潜った。

 ぎしぎしと自由扉が軋む音を聞き流しつつ、足音もなくギルドの待合所の真ん中に歩を進めるのだが、そこまで来てようやく気付く。明かりがついているのは受付ではなく、併設された酒場の厨房だったようだ。

 受付から厨房までは距離がある。普段なら見間違うこともなかっただろうに、やはり疲れているのかと鼻背と一緒に目元を押さえて低く唸った。

 そしてこの声が厨房で作業している誰かに聞こえたのだろう。ガチャガチャと食器類がぶつかる音が止み、代わりにパタパタとこちらに駆けてくる足音が聞こえてきた。

 仕事の邪魔をしてしまったと嘆息混じりに反省するローグハンターだが、厨房から顔を出した件の誰かは彼を見るなり「あれ?」と声を漏らす。

 

「ローグハンターの旦那じゃん。こんな夜中に何してんの?」

 

 可愛らしくこてんと首を傾げて彼にそう問うたのは、酒場で働く獣人(パットフット)、もっと言うと猫人(フェリス)の女給だ。

 明かりが何一つ付いていない暗闇の中、それに溶け込むように立つ人影を一目見てローグハンターだと看破したのは、ひとえに彼女が夜目がきく獣人だからだろう。

 同時に彼女はローグハンターが酷く疲れていることと、肩に何かを担いでいる事に気づき、「なんか食べてく?」と手頃な角灯に明かりをつけようと右往左往。

 

「いや、邪魔をしては悪い。俺は宿に──」

 

 尻尾のように揺れる括った長髪を目で追いながらそう言うが、不意にぐぅと気の抜けた音が彼の腹から漏れた。

 

「「……」」

 

 その音にローグハンターは言葉を止め、角灯を見つけてまさに火を付けようとしていた獣人給仕も動きを止めて彼の方に目を向けた。

 二人は気まずそうに視線を合わせるが、再びローグハンターの腹の虫が鳴いたのを合図に獣人給仕は思わず噴き出してしまい、肩を揺らしながら鈴を転がしたように笑い始める。

 対するローグハンターは羞恥による為か顔を赤くしながらフードを目深く被り直し、その表情を見せないように努めるが、既に腹の虫の声を聞かれているのだから今更だろう。

 一頻り笑い、ようやく落ち着いた獣人給仕は目に溜まった涙を拭いながら言う。

 

「ローグハンターの旦那でも空腹には勝てないか。この時間じゃ他の酒場も閉まってるだろうし、なんか作ってあげるよ」

 

 そしてウィンクしながらそう告げて、「ここ座って」と手頃な卓を示してそこに角灯を置いた。

 溜め息混じりに項垂れたローグハンターはその明かりに誘われるように歩を進め、彼女に言われた通りに卓につく。

 ついでに肩に担いでいた袋を卓の上に乗せるのだが、思いの外勢いがついてしまったのか、あるいは口の締めが緩んでいたのか、置いた拍子に中身が卓の上に吐き出されてしまう。

 

「おっとと。……なにこれ」

 

 それを素早く捕まえた獣人給仕は、それをまじまじと観察しながら首を傾げた。

 大きさは鶏の卵程。皮は茶色いが、びっしりと細い毛のようなものに覆われており、何だか気味が悪い。

 それでもほんのりと甘い臭いがするから、果物であることに間違いはあるまい。だが、見たことがない。

 

「ねえねえ、旦那、なにこれ?」

 

 その謎の果物を鼻に寄せ、くんくんと何故か癖になる匂いを堪能しながらローグハンターに問うと、彼は「俺もよくはわからないが」と前置きしてから言う。

 

「キウイという果物だそうだ。今回助けた農家がくれた」

 

「へ〜。キウイ、ね」

 

 キウイ、キウイと何度もその果物の名前を反芻しながら、くんくんと匂いを堪能。何故だかわからないが、先程から匂いを嗅ぐのを止められない。

 そんな彼女を心配してか、あるいは単に待ちきれなくなったのか、ローグハンターは彼女の顔を覗き込みながら言う。

 

「それで、この時間に振る舞える料理はなんだ」

 

「簡単にサンドイッチとか?それくらいならすぐに出せるよ」

 

 彼の言葉にキウイから意識を外した獣人給仕はそう言うと、ふと思いついたように手に持つキウイと、おそらく同じ物が入っているであろう袋に目を向けた。

 

「これってさ、どうやって食べるの?」

 

 そして彼女なりの労いとして少しでも彼に贅沢をさせてやろうと思ったのか、あるいは未知の食材を前に張り切ってしまったのか、キウイの調理法を彼に問うた。

 問われたローグハンターは困り顔になりながら「俺は料理人じゃない」と不満そうに言うが、はぁと溜め息を吐いてから彼女に告げた。

 

「皮を剥いて、食べやすいように果肉を切って、そのまま齧る。普通の果物と大して変わらない。……らしい」

 

 彼は困り顔になりながらそう告げて、袋に手を突っ込んで最初に掴んだキウイを引っ張り出す。

 獣人給仕が持っているそれよりも一回り大きく、きっと重いそれは中身が詰まっているのだろう。

「どんな味なのかはわからん」と告げて、手首の仕込み刀(アサシンブレード)で皮を剥こうと手を動かすが、少し皮を剥いた辺りで待ったがかかった。

 

「はいはい、私がやるから。旦那は待ってなって」

 

 彼が剥こうとしたキウイをぶん取り、ついでに袋にも手を突っ込んで()()()()キウイを拝借。

 これだけあれば果肉たっぷりとサンドイッチができるとご機嫌そうに笑いながら、足早に厨房に足を向けた。

「あ、おい」と背中に投げられる声を「大丈夫。料理には自信あるから」と笑顔で吹き飛ばし、今度こそ厨房へ。

 入った途端に皿洗いの途中だったと放置された皿の山に目を向けるが、とりあえず今はローグハンター優先と決めてまな板と包丁を引っ張り出す。

 

「それじゃ、早速皮を剥いて〜」

 

 ふんふんと鼻歌混じりに林檎と同じ要領でキウイの皮を剥いていき、緑色の果肉を露出させていく。

 まな板から顔までだいぶ距離があるのだが、獣人故が鋭い嗅覚は果肉が放つ甘い香りを的確に彼女に伝え、思わずじゅるりと舌舐めずりしてしまう。

 だが我慢だ。今は彼に美味いものを届けなくてはと、給仕としての矜持によってつまみ食いだけは我慢し、食べやすいように輪切りにしていく。

 二個目も同じようにやった後、そういえば彼から貰ったものに枝付きのものがあったのを思い出し、こっちも処理してしまおうとまな板へ。

 とりあえず枝からもぐのが先決かと、キウイを鷲掴みにして軽く捻るように枝からもぐと、途端に独特な香りが彼女の鼻腔をくすぐった。

 

「んぇ……?なんだろ、すごい……いい匂いだなぁ……」

 

 その匂いに当てられてか、気合いが入っていた表情がとろんと蕩け始め、意識が霞んで視界がぼやける。だがその身にあるのは異常なまでの多幸感だ。

 何の匂いだろう、もっと嗅ぎたいと好奇心に突き動かされ、無意識の内に包丁を置き、両手で枝を手折ってその断面を鼻に寄せた。

 豊かな胸が大きく上下するほどの勢いで肺一杯にその匂いを吸い込んだ瞬間、

 

「〜〜〜〜っ!!!?!?」

 

 彼女は声にならない悲鳴をあげながら、その意識を投げ出した。

 

 

 

 

 

 ガシャン!とけたたましい音を合図に卓に突っ伏して寝落ちしそうになっていたローグハンターは身を起こし、何事だと慌てて音の方へと目を向けた。

 音は厨房の方向から聞こえた。そしてこの場にいるのは自分と獣人給仕の二人のみ。

 

 ──何かあったのか……?

 

 流れに身を任せた結果とはいえ、彼女に無理を言って夜食を用意してもらっている手前、彼女に何か不幸があればそれは自分の責任でもある。

 自分は冒険者で、彼女は給仕。彼女の職場である厨房に、ただの常連という言ってしまえば部外者の自分が入っていいものかと迷うが、今の騒音からして何もなかった訳がない。何かの拍子に怪我をしていれば、応急手当をしてやらねばならない。

 だから仕方ないのだと自分に言い聞かせ、入ったこともない厨房に足を向けた。

 いつもの癖で足音を一切たてず、念のため警戒しながらゆっくりと厨房に入り、「大丈夫か?」と声をかけながら進んでいくが、

 

「んっ……!んにゃ、はにゃあ……!す〜〜!ふぅ〜〜!にゃ〜〜っ」

 

 奥から甘える猫のような声が聞こえ、僅かに布擦れの音も聞こえてくる。

 野良猫でも入り込んだかと疑問符を浮かべるローグハンターは、念のため右手首の仕込み刀(アサシンブレード)を抜刀しながらその声の主がいると思われる場所を覗き込むと、

 

「ふぅっ!ふぅっ!にゃ、んにゃ〜〜」

 

 キウイの枝を鼻に擦り付けながら、恍惚の表情を浮かべている獣人給仕の姿だった。給仕服から飛び出した尻尾が力なく床に垂れ、左右に揺れる度に掃き掃除をするように汚れを巻き付けていく。

 何事と困惑するローグハンターだが、まな板の上に丁寧に切られたキウイが並んでいる事に気付き、彼女の仕事ぶりに感謝するが、今はそれどころではない。

 

「おい、大丈夫か」

 

 とりあえず起こしてやるべきかと声をかけながら彼女に近づいていくと、彼女は弾かれるように彼の方に目を向け、途端に破顔して気の抜けただらしのない表情を浮かべた。

 

「あ、旦那〜。これ、すごいよ〜!頭がふわふわして、ぱぁ〜ってなるの!」

 

 そしてローグハンターからすれば訳がわからない事を言われて余計に困惑するのだが、彼女が握るキウイの枝を見て首を傾げる。

 何か危険な植物だったのだろうかと思慮するが、だとしたらあの村人たちも大変な事になっているはずだ。獣人にだけ効果があるものなのだろうか。

 

「とにかく立てるか。ほら、掴まれ」

 

 とりあえずいつまでも座っているのもあれかと彼女を立ち上がらせようと手を差し出すと、獣人給仕は素直に彼の腕を掴んで立ち上がったかと思うと、彼に抱きついて体重をかけた。

 胸板に当たる柔らかな感触に眉を寄せ、それを意識しないように「一人で立て」と彼女に言うが、彼女はそれを無視して彼をぎゅっと抱きしめると、「あ、そうだ」と呟いてまな板に手を伸ばした。

 そのまま切り分けたキウイの一切れを掴み取ると、それをローグハンターの顔の前に差し出した。

 

「旦那ぁ、はい、あーん」

 

「……」

 

 差し出されたキウイを睨みながら困惑するローグハンターを他所に、「ほらほら、旦那〜」と媚びるような声で煽りつつ、ペチペチと唇を叩く。

 唇越しに感じる果汁の湿り気に押され、割と限界が近い腹の具合と相談し、仕方ないと溜め息を吐きながらキウイをひと齧り。

 途端に口内に広がる酸味と甘みに舌鼓を打ち、これは美味いと喉を鳴らす。

 それが表情に出ていたのか、獣人給仕は嬉しそうに笑うと二切れ目を彼に差し出した。

 一度やってしまったからか、ローグハンターはもう遠慮する様子もなくそれを口に含み、何度も咀嚼し、果肉を細かく砕いて溢れる果汁を舌の上で転がして味を堪能。

 ローグハンターの口からキウイの匂いが溢れ出し、それを間近で嗅ぐ事になった獣人給仕はじゅるりと舌舐めずりすると、「はい」と次のキウイの切れ端を差し出した。

 ローグハンターはもはや警戒することなくそれを口に含んだ瞬間、獣人給仕は獣人としての瞬発力を最大限に活かし、ローグハンターを床に押し倒した。

 突然体勢を崩されたローグハンターは目を見開いて驚愕を露わにするが、倒れる間際に受け身を取って痛痒(ダメージ)を最低限に。

 キウイを含んでいるため怒鳴ることもできず、身体を起こして獣人給仕を睨もうとした瞬間、再び彼女が彼の速度を超えた。

 両手で彼の頭を押さえると彼の唇に口づけし、そのまま舌をねじ込んで彼の口内に残るキウイの果肉と残り香を舐めとるように、舌を動かし始めた。

 

「ん。んにゃ、だんにゃ、おいしい?んちゅ。美味し、私も、れろ。癖になりそうにゃ、んちゅ、れろ、だんにゃ、だんにゃあぁ!」

 

 ペロペロと彼の口腔を舐め回して甘味を楽しみつつ、その節々で彼に声をかけ、自分の感想も口にする。

 彼女の突然のキスに驚いているローグハンターは身体を強張らせ、反撃したり抵抗したりの素振りもない。ただそれが獣人給仕のお気に召したのか、彼女は一度キスを止めると、心底嬉しそうに笑いながら彼の腰の上に跨った。

 

「だんにゃ、おかわり食べるぅ〜?まだいっぱいあるから、もっと食べていいよぉ」

 

 身体をゆっくりと左右に揺らしながらそう言うと、キウイの一切れを再び手に持ち、今度は自分の口に含んで何度も咀嚼。

 口内で弾ける果汁を堪能しつつ、軽く放心しているローグハンターに再びのキス。

 自分で噛み砕いたキウイを舌に乗せ、彼の口内に滑り込ませて塗りたくるように彼の舌に押し付ける。

 

「んちゅ。だんな、おいひぃ?ちゅる。私がていねーに切って、だんにゃのためによういしたんだよ?んちゅ、んにゃぁ。おいしいでしょ?」

 

 キウイのあるなし関係なしに何度も何度も彼にキスをし、媚びるような声音で彼に問う。

 対するローグハンターもようやく復活してきたのか「美味いのは認めるが」と言いつつ、「退け」と語気を強めた。

 だがそんなもので怯みもしない獣人給仕は、不意に自分の股に当たっている固い何かの存在に気付き、不思議そうに首を傾げた。

 

「だんにゃ。手首のそれみたいに、ここにも何かかくしてるの?気になるから、脱がしちゃう!!」

 

「ちょ!?待っ──」

 

 そしてローグハンターが制止する間もなく彼の腹部に移動して反転すると、ズボンとパンツを纏めて太腿の辺りまで脱がせた。

 抑えるものがなくなったからか、天井に向けて起立する彼の一物が姿を現し、彼女の眼前に曝け出される。

「んにゃ!?」と声を出してしまうのも仕方があるまい。子供の腕ほどありそうなそれが、血管が浮かぶほどに勃起し、亀頭は拳さながらの固さを持っている。それがピクピクと痙攣し、鈴口から先走り汁を滲ませているのだ。その存在感たるや、本物の魔剣の如く。

 それを前にした獣人給仕が恐る恐る舌を這わせると、ローグハンターは途端に背筋を駆け抜けた快感に唸り、彼女は口内に広がった生臭さに悲鳴をあげ、二人揃って全身に鳥肌を立たせた。

 

「んぇっ!あ、でも、これつければいけるかも」

 

 だが獣人給仕はふと何かを思いついたのかニコリと笑うと、まな板に乗ったキウイをふん掴み、それを両手で絞って溢れた果汁を彼の一物にふりかけた。

 

「〜〜〜!?!」

 

 ローグハンターは一物に冷たい液体が振りかけられる未知の感覚に声もなく悲鳴をあげるが、獣人給仕は構うことなくさながらスポンジでそうするようにごしごしと果肉を一物に擦り付けた。

 

「っ!?──っ!〜っ!!」

 

 柔らかく、冷たい何かを亀頭を中心にカリの裏や鈴口に擦り付けられる度、ローグハンターは駆け抜ける未知の快感にピクピクと身体を痙攣させ、彼の意志とは別に腰がへこへこと動いて快感から逃げようとする。

 だが彼女からすれば準備は完了だ。彼の一物に擦り付けられ、ボロボロになった果肉を口に放り込んで嚥下すると、パクリと彼の一物を口に含んだ。

 先程まであった生臭さに加え、キウイの酸味と甘味のトリプルパンチに獣人給仕は目を見開くが、これもいいかと受け入れてチロチロと舌を這わせて亀頭を舐め回す。

 猫特有のざらついた舌触りに舐め回され、絶えず与えられる快感にローグハンターは目を剥いた。

 

「じゅる。んにゃ、甘いのに、苦……っ。じゅるる!れろ。これ、しゅきっ。美味しい。だんにゃ、美味しいよぉ!」

 

 ペロペロジュルジュルと湿った音をたてながら彼の一物を舐め回し、先程擦り付けたキウイの果汁や、こびり付いた果肉を舐め取っていく。

 それが与えてくる快感たるや凄まじく。その手のものへの耐性が低いローグハンターは唸りながら、一物の中を熱いものが昇っていくのがわかる。

 

「ちょっと、待て……!ここでやるのは流石に……っ!」

 

 そしてここが厨房である事を今更になって思い出したのか、ローグハンターは彼女に待ったをかけるが、今の彼女にそれを気にする理性は残っていない。

 

「じゅる!気にしない、気にしない!れ〜ろ!あとできれいにするから、じゅるる!全部、ちょーだい!!」

 

 ふにゃりと気の抜けた笑みを浮かべながらそう言うと、再び彼の一物を口に含み、顔を前後に動かして口全体で一物を扱くように刺激し始め、射精を促していく。

 子供の腕ほどある彼の一物は飲み込む度、亀頭が喉奥に触れるぐぼっ!ぐぼっ!と下品な音が辺りに響き、彼女も苦しげに唸るが、それでも止まないのは一重に我慢する理性さえもなくなってしまっているためか。

 そしてそれはローグハンターにも言える事だった。慣れない快感に長時間晒された彼も我慢の限界を迎え、ついに吐精の時を迎えた。

 獣のように低く唸ったかと思うとビクン!と一際強く身体を揺らし、鈴口から一物を駆け上がった精液が吐き出された。

 溶けた鉄のように熱く、粘液(スライム)のように粘つくそれは彼女の喉の奥に吐き出され、食道にへばりつきながらゆっくりと胃の中へと落ちていく。

 

「んんん!?んぐっ!ごぐ!ごく!んぶっ、べぁ、んん!?」

 

 それを必死になって嚥下していく獣人給仕は嗚咽混じりに目に涙を浮かべるが、それでも決して溢すまいと口を窄め、ちゅうちゅうと音を立てて尿道に残ったものも吸い出していく。

 そして一分ほど絶え間なく続いた吐精が終わると、彼女はちゅぽんと音を立てて一物から口を離し、口腔を満たす精液を味わうように舌で掻き回し、何度も咀嚼してその食感を楽しむ。

 それをいつまでも味わっていたいと思いつつ、こくこくと喉を鳴らして飲み込み、けぷっと生臭さの目立つげっぷをしてローグハンターの顔に目を向けた。

 じっと見つめられている事に気づいてか、先程のげっぷを誤魔化すように笑うと、くるりと身体ごと振り向いた。

 そして給仕服のスカートの裾をたくし上げ、「ほら、見て見て」と煽情的に笑いながらその下に隠されたもの──びしょびしょに濡れ、僅かに透けてしまっているショーツを彼に見せつけた。

 

「だんにゃのここも、まだこ〜んなに固い。ふひひ、私が、すっきりさせたげる」

 

 ふらりふらりと身体を左右に揺らしながらそう言うと、秘部の縦筋が浮き出る程に貼り付いたショーツをずらし、彼の一物を優しく握った。

 彼女の唾液と精液、キウイの果汁と果肉に塗れた亀頭を秘裂に添え、腰を前後に振って溢れる愛液を追加で塗りたくる。

 亀頭を濡らす生暖かい感覚にローグハンターは無意識の内に腰を揺らしながら、物欲しそうに獣人給仕を見つめると、彼女は勢いよく腰を落とし、彼の一物を秘裂に飲み込んだ。

 ぐちゅりと湿った音と、ぶちりと何かを突き破る感触。

 ローグハンターがまさかと目を見開く中、獣人給仕は全身に鳥肌たてながら子供の腕ほどありそうな一物を根元まで飲み込んだ。

 

「んにゃ!?んっ……!おっきい、にゃ……っ」

 

 二人の接合部からは破瓜の血が溢れてくるが、当の彼女は痛みを感じていないのかピクピクと痙攣しながら恍惚の表情を浮かべ、ただただ愛おしそうに自分の下腹部を撫でた。

 一気に根元まで飲み込んだ一物を秘部のヒダが優しく撫で回し、子宮口がちゅうちゅうと吸い付くように亀頭にキスを繰り返す中、彼女は今度はローグハンターの衣装に手をかけ、

 

「ふん!」

 

 力任せに前をはだけさせた。

 びりっと布が裂ける音が鼓膜を揺らし、割と思い入れのある衣装を破られたローグハンターはぎょっと目を見開いて顔色を悪くするが、獣人給仕は気にもとめない。

 筋肉質でありながら柔らかい彼の腹筋を撫でると、彼に覆い被さって首筋をペロペロと舐め始める。

 

「んにゃ。しょっぱい、けど、美味しいにゃ。れろ、んちゅ、かむ、がぶっ!」

 

「いっ……!?おま、何を?!」

 

 一物を包む快感に浸っていた中、突如として駆け抜けた激痛にローグハンターは表情を歪めた。

 只人のそれとは比にならない程鋭い犬歯がローグハンターの首にめり込み、血が滲み始めるが、彼女は気にせずあむあむと彼の首を噛み続ける。

 汗のしょっぱさと血の味。それに舌鼓を打つ彼女だが、やはり物足りないと言わんばかりにまな板の上のキウイを掴み取ると、それを今しがたできた噛み傷に押し付けた。

 傷口に塩を塗るとは違うが、似たような状況にされたローグハンターは断続的に与えられる激痛に歯を食い縛って唸り声をあげるが、彼女の胎内を貫く一物はビクビクと痙攣を繰り返しており、揺れるたびに亀頭が彼女の子宮口を撫で回す。

 

「んにゃ……っ!んんっ!だんにゃっ、そんな、ピクピク……してっ!案外、こういうの、好きなのにゃ……?」

 

「っ!痛すぎて、身体が動いてる、だけだ!」

 

 彼女の煽るように告げられた言葉に鋭く返すが、獣人給仕が笑いながら傷口を舐めたのを合図に口から気の抜けた声を漏らし、くたりと身体を弛緩させた。

 

「甘いにゃ。だんにゃと、このキウイとかいうの、相性ばっちり」

 

 そんな彼の耳元で囁くとかぷかぷと音をたてて何度も咀嚼し、噛み跡に舌を這わせてマーキングするように唾液を塗りたくる。

 そうこうしている間にも腰を動かし続け、脱挿入を繰り返す中で引き締まる膣肉で一物を扱き、ヒダ肉が彼を逃すまいと必死に吸い付き、怪しく蠢いて一物を刺激する。

 

「にゃ!んにゃ〜〜!!だんにゃ、すきっ!だいしゅき!ずっと前から、だいしゅきだったにゃ!!」

 

 パンパンと音を立てて腰を振り下ろし、辺りに愛液を撒き散らしながら彼女は胸に秘めていた想いを口にした。

 その言葉にローグハンターは狼狽えるが、彼女は照れ隠しのように再び彼に噛みつき、今度は優しく舐め始める。

 

「しゅき。あむ。ちゅ。だんにゃ、しゅき、だいしゅきにゃ。ちゅ、あむ。だから、もっと気持ちよく、なって……っ」

 

 彼の首を何度も甘噛みし、何度も舐めながら、彼女はそう囁いた。

 そしてその言葉を皮切りに身体を起こすと、先程よりも激しく腰を上下に揺らし、そこに前後左右の動きも付け加えた。

 膣肉全体で扱くだけでなく、胎内の温度やヒダの動きを教えるようにゆっくりとした動きも加わり、既に限界が近かった一物を更に追い詰める。

 だがそれは彼女にとっても同じこと。上下に動く度に亀頭が子宮口を無慈悲に殴りつけ、その状態で腰を振れば子宮口にめり込んだ亀頭が按摩するようにコリコリと子宮口を揉みほぐす。

 その凄まじい快感たるや、ただですら蕩けた彼女の思考力を完全に奪い取り、本能の赴くままの動きへを突き動かしていく。

 

「あん!にゃ、にゃあ!!しゅき、だいしゅき!だんにゃ、だんにゃあ!!イくっ、イっちゃうにゃ!!」

 

 そしてぶるんぶるんと給仕服越しにもわかる大きめの胸を揺らしながら腰を振っていた彼女は、膣肉全体を震わせながらそう告げた。

 言われたローグハンターも「俺もだッ!」と切羽詰まった声音でそう返すと、何を思ってか彼女の腰を掴み、今度は自分の意志で持って上下に振り回し始める。

 

「んにゃ!?だ、だんな、待──んぉ!?だ、だめ、奥、届いてるから……にゃひ!?にゃぅうううう!?」

 

 今までは自分の動きで享受していた快感が、他ならぬ彼の手によるものに変わり、彼女の意思に反して与えられる快感は子宮を揺さぶり、それは電撃となって彼女の全身を駆け巡る。

 

「んぉ……っ!?にゃ、にゃひ!?あん!あひゅ、にゃ、にゃぁああああああ!!!」

 

 発情期の猫のように昂った嬌声を漏らし、快感に全身を震わせた。

 そしてローグハンターが低く唸ると共に限界までお互いの腰を密着させた瞬間、溜めに溜めた精液が彼女の子宮に直に注ぎ込まれた。

 

「っ!?にゃ、にゃああああああああああああ!!!!」

 

 子宮に吐き出された溶けた鉄のような熱さに当てられ、獣人給仕は今日一番の悲鳴にも似た嬌声をあげ、絶頂した。

 次々と吐き出される精液が子宮を舐める度に彼女はビクビクと痙攣を繰り返し、その度に引き締まる膣肉が尿道に残った精液を搾り出していく。

 すぐさま満杯にされた子宮は追加の分を飲み込みきれず、接合部からは愛液と精液が混ざった白濁液が溢れ出し、ローグハンターと獣人給仕の股を汚していく。

 そして数分かけて行われた射精が終わると、獣人給仕はローグハンターに覆い被さる形で倒れ込み、乱れた呼吸を繰り返す。

 

「んにゃ……。だんにゃ、だんにゃぁ」

 

 甘えてくる猫のようにゴマスリ声を漏らしながら彼の胸板に顔を擦り付けると、ローグハンターは纏わりつく疲労感のままに溜め息を吐き、彼女を落ち着かせようと腰から尻尾の付け根(猫の性感帯)の辺りを撫でてやった。

 

「んにゃ!?んっ、んふっ、にゃ、んにゃあ〜。だんにゃ、だんにゃあ〜」

 

 だが、どうしたのだろうか。撫でる度に獣人給仕は身体を揺らし、余計に興奮したようギラついた瞳で彼を睨んできたではないか。

 何事と困惑するローグハンターだが、彼女は気にせずに彼にキスをすると逃げる素振りを見せない彼の舌に自分の舌を絡み付け、お互いの唾液を交換していく。

 

「じゅる!じゅるる!!んにゃ、んちゅ!だんにゃ、だんにゃ!!もう一回、もう一回しよ、ね?」

 

 そして昂った気持ちのまま彼に問うと彼は困り顔になりながら頰を掻き、「わかった。わかったよ」と諦めたように肩をすくめた。

 途端に獣人給仕は表情を明るくさせ、すぐに彼に襲い掛かろうとするが、

 

「その前に場所を変えよう。流石にここはまずい」

 

「わかった。もうどこでもいいから、もっとだんにゃと一緒にいさせて、お願い」

 

 すりすりと頬擦りしながら彼女がそう言うと、ローグハンターは優しく彼女の耳と髪を撫でてやりながら小さく頷いた。

 こんな形になってしまったが、彼女が好きだと言ってくれたのだ。その想いにも報いてやらねばなるまい。

 とりあえず自分の部屋に連れていくかと決めたローグハンターは、次はどうやって誰にも見つからずに部屋まで行くかに苦心し始める。

 そんな彼の胸の内を知る由もない獣人給仕は、心底嬉しそうに笑っていた。

 

 

 

 

 

 翌日。冒険者ギルドに併設された酒場。

 普段なら忙しなく駆け回る獣人給仕の姿はそこになく、変わりの従業員たちが慌ただしく酒場を駆け回っていた。

 当の獣人給仕はと言うと──、

 

「うぅ。腰も頭も痛い。お酒飲んだわけでもないのに……」

 

 ローグハンターのベッドに寝転び、頭を押さえながら腰を摩っていた。

 一応ローグハンターからある程度の説明はされたが、それでも納得できない部分は多い。

 

 ──まあ、旦那と恋仲になれたならいっか。

 

 だがその場その場で生き方を決める猫人にとって、その果てに残された結果がよければそれでいいのだ。

 はぁと溜め息を吐いた獣人給仕は、ローグハンターが仕事に出ていく前に置いて行ってくれた既に皮を剥かれ、食べるだけになったキウイに目を向け、それを口に運んだ。

 甘酸っぱいそれは確かに美味しいのだが、

 

「なんか、物足りないのよね」

 

 理由はわからないが、何かが足りない。その何かもわからない。

 うんうんと唸る彼女だが、ローグハンターに聞けばいっかと決めて枕に顔を埋めた。

 ほんのりと香ってくる彼の匂いに頬を朱色に染め、幸せを噛み締めるように笑いながら抱きしめる。

 彼女はそのまま眠りについてしまうが、仕事から帰ってきたローグハンターがそんな彼女を見て、心底気の抜いた柔らかな笑顔を浮かべることを、今の彼女は知らない。

 その笑顔を、彼が心から気を許した相手にしか見せないことを彼女は知らない。

 そして、数年後には更なる幸せが舞い込んでくることなど、知る由もないのだ。

 

 

 




感想、リクエスト等ありましたら、よろしくお願いします。


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Memory?? 迷宮に挑め① 

リクエストから。
ヒロインは、女魔術師、女神官、女武闘家、圃人の少女の四人。今回は女魔術師編です。

四人ともログハンの弟子ですが、魔術師、神官、武闘家の三人は既に恋仲。圃人の少女は片想い中の設定。
言ってしまえば『後輩たちの恩返し』と極めて近い世界線です。

訓練がてら、ログハン手製の迷宮を探索することになった四人は……。


「訓練を始める前に、もう知ってると思うが説明する」

 

 とある遺跡の入り口に立つローグハンターが、背後に並ぶ弟子たち──女魔術師、女神官、女武闘家、圃人の少女の方に振り返りながら微笑を浮かべた。

「はい!」とやる気に満ちた返事をした四人に満足そうに頷いたローグハンターは腕を組みながら頷き返し、口を開ける遺跡の入り口に目を向けた。

 

「四人でこの遺跡を攻略する──正確には一番奥の部屋に用意した宝物の中身を持って帰ってくるのが目標だ。途中で俺が用意した罠やら仕掛けやらがあるから、上手く回避するなり攻略するなりしてくれ。と言っても、軽い怪我はしても死にはしない程度に調整はしてある。気張りすぎず、緩めすぎず、集中しながら進むことだな」

 

 教鞭を振るう教師のように、人差し指を立てながらそう告げたローグハンターは、慣れた様子の女魔術師、女神官、女武闘家と、いまだに緊張している圃人の少女に目を向けた。

 この中では圃人の少女が一番の若手だ。弟子として依頼に連れ回しているが、やはり場数が足りないのだろう。等級も彼女だけが黒曜だ。

 そんな彼女の肩を女武闘家が叩き「力抜いて」と強張った肩を揉み解す。

 

「はぅ〜。頑張ります」

 

 女武闘家の肩揉みが気持ちいいのか、いくらか表情を和らげた圃人の少女が気の抜けた声と共にそう言うと、ローグハンターもまた満足そうに頷き、雑嚢から砂時計を取り出した。

 

「これの砂が落ちきったらスタートだ。こっちの笛も渡しておくから、スタートしたら吹いてくれ。月が天上に昇るまでおよそ半日、リミットはそこだとして、まあ頑張れ」

 

 そう言った彼は踵を返し、何故か遺跡の中に入ろうとしてしまう。

 

「あの、ローグハンターさん……っ!」

 

 そんな彼を女神官が呼び止めると、彼は「どうした?」と返して彼女の方に振り向いた。

 

「どうして、あなたまで中に?」

 

 そうして投げかけた問いに、ローグハンターは「ああ」と返して苦笑し「念のための監視だ」と続けて意味深な笑みを浮かべた。

 

「余程の失敗でもなければ目を瞑るが、流石に見過ごせない隙や失敗を見たら、それをした奴を問答無用で間引いていくからそのつもりで頼む」

 

 ──そして勿論、脱落者には罰を与える。

 

 彼が戯けた調子でそう告げた直後、女魔術師、女神官、女武闘家の三人が頬を赤く染めながらそっぽを向いた。けれど、その三人の表情にはどこか期待の色が強く、隣で怯えた様子で情けのない悲鳴を漏らしている圃人の少女とは大違いだ。

 そんな四人の反応に困り顔になったローグハンターは「一応、真剣に頼むぞ」と頰を掻き、一人だけ怯えている圃人の少女の頭を撫でた。

 

「別に死にはしないし、この手の訓練に慣れている先輩が三人もいる。しっかり頼れ、そして学べ」

 

「……っ!はい!!」

 

 ローグハンターからの期待とも取れる言葉に表情を引き締めた少女は、返事と共に自分の頰を叩いて気合いを入れた。

 ここでカッコいいところを見せれば、少しは自分を見直してくれるかもしれない。そうしたら、もう少しお近づきにも……。

 

「ふへへ……っ」

 

 なでなでと頭を撫でられている為か、引き締めた筈の表情がだらしなく緩み、張り詰めていた意識も途端に緩む。訓練とはいえ、これから迷宮(ダンジョン)に挑む顔ではあるまい。

 流石に見かねたローグハンターが「気合いを入れろ」とガツンと拳骨をおみまいすれば、少女はまた情けない声をあげながら崩れ落ち、脳天を押さえながら地面を転がって悶え苦しむ。

 そんな彼女を見下ろしながら小さく溜め息を吐いたローグハンターは、少女を心配そうに見つめる三人に向けて咳払いを一度。

 それを合図に意識を彼に向け、姿勢を正したのと同時に少女も頭を押さえながら立ち上がり、強がるように背筋を伸ばして綺麗に起立。

 これなら始められそうだと頷いたローグハンターは砂時計を女魔術師に渡すと、今度こそ踵を返して歩き出し、背中越しに右手を振って彼女らを激励し、闇の中へと消えていく。

 それを見送った四人は頷き合うと、砂時計をひっくり返して時間を測り始める。その時間のうちに持ち物の最終確認や、隊列の確認、各々の役割を確認し、意識を研ぎ澄ませていく。

 あのローグハンターが用意した迷宮だ。頑張ればクリアできるが、一瞬の油断が命取りな罠が待ち受けているのは明白。ならば、頑張らねばならない。

 自分たちはあの人の弟子なのだ。彼に誇れる冒険者でいなければ、それこそ彼の顔に泥を塗ってしまう。

 

「それでは皆さん。怪我をしないように、けれど臆病になりすぎないように、頑張りましょう!」

 

 砂時計の砂が落ちきる間際、錫杖を握る手に力を入れながら女神官がそう告げた。

 三人は勢いよく応じ、気合いを入れて遺跡に侵入。スタートを知らせるように、女神官が思い切り笛を吹いた。

 

 

 

 

 

 ローグハンターが用意したであろう鳴り子や、杭や矢、あるいは武具を溶かす酸の代わりにただの水が吹き出してくる穴を避けながら、遺跡の廊下をかけること数分。彼女らは大きな扉を開け、玄室とも言える場所にたどり着いた。

 直後、彼女らの耳に届いたのは──、

 

「GOB。GOBB」

 

「GOBRRRRR」

 

 ゴブリンスレイヤーとの仕事で嫌になるほど聞いた、ゴブリン共の声だった。その数、八。

 粗雑な剣や盾で武装し、ぎらつく瞳でこちらを見てくる様はまさにあの醜い怪物のそれだ。

 ぎょっと目を見開いた圃人の少女は「ゴ、ゴブリンがなんで!?」と狼狽えるが、後ろから顔を覗かせた女魔術師が「違うわ!」と即座に否定。

 

「落ち着いて、よく見なさい!」

 

 そしてあわあわと慌てていた圃人の少女は彼女の声と共に無理矢理に意識を研ぎ澄ませ、ゴブリンたちを観察。

 普段ならこちらが女と見るや我先にと突っ込んでくるのに、様子を窺うばかりで何もしてこない。

 

「あれ?なんか、大人しくないですか……?」

 

 そしてようやく気付いた違和感──獲物を見つけたゴブリンにしては静かで、大人しい──を口にした瞬間、合格だと言わんばかりにゴブリンの一匹が声をあげ、ずぶずぶと音を立ててその醜い体躯を灰へと還した。小さな灰の山から覗くのは、触媒とされたゴブリンの歯や爪だろう。

 詰まるところ、目の前にいるゴブリンどもは──、

 

「『小鬼(クリエイト・ゴブリン)』!あの人、そんなものまで用意してたの!?」

 

 素早くゴブリンらの正体がローグハンターが用意したゴーレムのようなものだと看破した女魔術師が悲鳴のように声をあげると、女武闘家は拳を、圃人の少女が剣を構え、前衛として前へ。

 それに合わせてゴブリンたちも布陣し、前衛に五匹が向かい、その脇を抜けて二匹が後衛に向かおうとするが、それをさせまいと前衛二人が大立ち回りを開始。

 

「術は温存!でも援護はするから、背中気をつけなさい!」

 

「了解!デリァ!!」

 

「わ、わかりました!こんのぉ!!」

 

投擲紐(スリング)の用意はできてます!」

 

 女魔術師の指示に打てば響くように各々が返し、それぞれの役目を果たすべく行動を開始。

 前衛がゴブリンの気を引き、隙を見た後衛が投擲紐から放つ礫で小さいながらも確実な痛痒を与える。それを何度も繰り返し、少しずつだが確実に、勝利へと近づいていく。

 だがこうして調子がいい時ほど、その内に生じる無意識な油断を突くのがローグハンターという男だ。

 

「GGGOBRR!!」

 

「っ!?う、後ろから!?」

 

 ゴブリンたちのけたたましい声が聞こえてきたのは、彼女らが通過してきた廊下の方。

 まさか、隠し通路がと狼狽した女魔術師は、すぐにハッとして雑嚢に手を突っ込み、中から数本の楔を取り出した。開けた扉を閉め、楔を打って固定しておけとは、先日ローグハンターに指導されたばかりではないか。

 教えられたことは一度で覚えなさいよと数分前の自分を愚弄しても、もう遅い。

 前衛の援護と指示を女神官に任せ、彼女が重々しい扉を閉めようと手をかけた瞬間、それよりも早く伸びてきた数本のゴブリンの手が彼女を掴んだ。

「あ……」と声を出した頃にはもう遅い。一匹なら子供のそれと大差ないと言われても、それが二匹、三匹と増えていけばその力も強くなっていく。

 詰まるところ、前衛が気付くよりも早く、女神官が助けようと駆け出すよりも早く、彼女は廊下の闇の中へと消えていき、彼女が閉めようとしていた扉がゴブリンの手により閉められた。

 慌てて開けようとした女神官がノブを掴むが、ゴブリンによる抑えられているのか、あるいは他の何かによってつっかえ棒がされてしまったのか、びくともしない。

 このこのと必死に扉を開けようとする彼女の耳に、げたげたと喧しいゴブリンの嗤い声が、木霊するのだった。

 

 

 

 

 

 そんな薄暗い廊下で、彼女はローグハンターの手により壁に押し付けられていた。

 手足をじたばたと振って抵抗するが、背中を押されて顔と胸を壁に押し付けられる姿勢ではどうにもならない。

 まだ諦めていない彼女の姿勢は評価しつつ、既に詰みと判断したローグハンターは彼女の耳元で芝居じみた声で告げた。

 

「ああ、冒険者よ。捕まってしまうとは情けない。──なんてな。開けたら閉める。念のため楔も打っておく。次からは気をつけろよ」

 

「ぐ、ぬぬ……っ!」

 

 彼の指摘に女魔術師は苦虫を噛み潰したような表情になり、殺気混じりの視線を自分を捕まえたゴブリンらに向けるが、その視線に気付いたローグハンターが「もう行っていいぞ」と告げた。

 ゴブリンたちは生気を感じさせない声で返事をすると、壁の一部を押した。

 するとどうだろう。ただの石材かと思っていたその場所がひっくり返り、隠し戸になっているではないか。

 女魔術師はこれは見逃すに決まってるでしょとジト目になるが、ローグハンターは気にしない。彼なら見つけられるし、何やら床に擦れた跡もあるのだ、目を凝らせば素人の斥候でも見つけられる。それを見落としたのだから、言い訳はできまい。

 

「とにかくお前は脱落だ。さて、仮にもゴブリンに捕まった乙女がどうなるか、この綺麗な身体に刻みつけてやるか」

 

 彼女の背筋を撫で、壁に押し潰されている豊満な胸を優しく揉んでやりながらそう言うと、途端に女魔術師の顔が耳まで赤くなる。

 そんな耳にフッと息を吹きかけてやれば彼女はビクリと身体を震わせるが、どうにか上擦った声だけは噛み殺したようだ。下手に顔を出せば、ローグハンターを悦ばせるだけだ。

 声を我慢したことは評価してやろうと笑んだローグハンターは、罰なんだしあまり気にせずでいいかと開き直る。

 今の自分はローグハンターではなく迷宮の主(ダンジョンマスター)だ。捕らえた冒険者をどうしようと、自分の勝手だろう。

 おそらく今の自分は最高に邪悪な顔をしているんだろうなと笑った彼は、今の役割(ロール)に準じようと邪悪な笑みを浮かべた。

 ローブの裾を捲り上げ、安産型の尻と、申し訳程度にそれを隠す黒いショーツが見えるようにすると、女魔術師は小さく悲鳴をあげる。

 

「ち、ちょっと……っ、ほ、本当にやるんですか!?」

 

 真っ赤になった顔をローグハンターに向け、彼の正気を疑うような声を出すが、肝心の彼はぺちぺちと彼女の臀部を軽く叩いてその柔らかさを楽しむばかり。

 

「んっ……!ぁん……!ひゃ、た、叩かないでください……っ!」

 

 そして叩くたびに身体を震わせ、小さく声を漏らしていた女魔術師がどうにか制止の声をあげるが、やはりローグハンターには届いていない。

 彼はズボンとパンツをずらし、勃起したばかりの一物を取り出すと、彼女のショーツをずらして秘裂を露出させた。

 見るからに湿り気が足りず、ピタリと閉じているが、まあ構うまい。これはあくまで罰なのだから。

 そこまでされてようやく彼が本気だと分かったのか、女魔術師は焦ったように顔色を青くしながら、逃げようと尻を揺らし始めた。

 

「あ、あの、ま、待って……っ!せ、せめて前戯をしてくださいっ……」

 

 そうして言葉でも彼に妥協を求めるが、ローグハンターの目は誤魔化せない。彼女の恐怖を貼り付けた瞳の奥には、期待の色が見え隠れし、逃げると見せかけて揺らしている臀部は先程から亀頭を掠めており、一物を誘っているのだ。

 ふふんと鼻を鳴らしたローグハンターは逃げ回る彼女の臀部を片手で掴んで固定すると、ピタリと閉じた秘裂に亀頭を押し当てた。

 

「ひぅ!?ま、待って、今挿れられたら──」

 

 秘裂に当てられた熱さに小さく悲鳴をあげ、ぐずる子供のように首を左右に振って彼に訴えかけるが、ローグハンターはニコリと微笑み、

 

「ふん!」

 

 気合い一閃と共に、腰を前に突き出した。

 すぶりと肉を掻き分ける音と立てながら亀頭が引き締まった膣肉を掻き分けていき、奥に隠れていた子宮口とのキスを果たした。

 

「お゛っ……♡」

 

 そして、その直後、胎内から脳天までを一気に駆け抜けた痛みと、それに混ざる快感に女魔術師は獣のような声を漏らし、強張った身体が痙攣し始まる。

 一物を締め付ける膣肉からじんわりと愛液が滲み出し、蠢くひだが擽ぐるように一物を刺激し、淡い快感をローグハンターに与え始めた。

 ぞわりと背筋を震わせた彼は浮かべた笑みをそのままに、亀頭の先端で子宮口を揉み解すようにぐりぐりと押し付ける。

 

「ひぐっ……♡おっ……くぅ……♡そこ、ぐりぐり、だめぇ……♡」

 

 ローグハンターが一物を押し付ける度にビクン!ビクン!と身体を跳ねさせる女魔術師は、だらしなく蕩けた表情になりながらそう口にするが、ローグハンターはそれを催促と受け取り、食いちぎらんばかりに締め付けてきていた膣肉を振り払うように一定のリズムと腰を振り始めた。

 パン!パン!と湿り気の帯びた音を立ててローグハンターの腰と女魔術師の尻がぶつかる度、亀頭と子宮口がキスを果たし、その度に痺れるような快感が女魔術師の思考を焼いていく。

 

「あ……っ♡へっ……♡ぅ、ひゃ……♡」

 

 トン、トンと亀頭が子宮口を叩く度、女魔術師の口からは嬌声が漏れ、きゅんきゅんと膣肉が締め付けるのを強めていく。

 だが同時に愛液の分泌量も段々と増えていき、滑りがよくなっているのか、締め付けの強さとは逆にローグハンターの動きは段々と速くなっていく。

 カリが膣肉を掻き回すと同時に愛液を掻き出し、ついでに彼女の弱点──Gスポットを重点的に責めるように小刻みに腰を揺らす。

 

「お゛……♡あ゛……♡んぎっ♡お、おおおお♡♡♡」

 

 ゴリゴリと削るように Gスポットを掻く度に、女魔術師は全身を痙攣させて快感に震え、口からは理性のかけらもない声を吐き出す。

 ローグハンターに壁に押しつけられる姿勢のせいで快感を逃すこともできず、吐き出した声も嫌に反響して二人の鼓膜を必要以上に揺らす。

 故に二人は段々と興奮の度合いを高めていき、ローグハンターは辛抱堪らずに女魔術師の顔を押さえて振り向かせると、だらしなく半開きになっていた口に口付けした。

 

「んぶっ!?ぉ……♡ちゅ!んちゅ!あふっ、じゅる!んんん♡♡」

 

 くちゅくちゅと湿った音をたてながら舌を絡ませ、腰の動きの強さは段々と強まるばかり。

 女魔術師が叩きつけられる快感に力が入ってしまったのか爪先をピンと伸ばし、背伸びをする形となるが、ローグハンターは体格差によるゴリ押しでその分の隙間も素早く埋めて、半分浮いている彼女の秘部を無慈悲に叩き続ける。

 

「ふぁっ……♡ひぐっ♡ん、んんん♡♡じゅる♡はふ、んぶ、ぇ……♡」

 

 ぐちゃぐちゃと湿った音を接合部から漏らしながら、女魔術師は必死になってローグハンターの唇に吸い付き、彼の舌に自分の舌を絡めて唾液を舐め取っていく。

 こくりと喉を鳴らして飲み込む度に身体がどんどんと火照っていき、一物を包む膣肉のまたより熱くなっていく。

 それに当てられたローグハンターはキスをしたまま嬉しそうに目を細めると、一度キスを中断して彼女の表情を凝視した。

 

「あひ……♡おく、好き……♡やっぱり、これ、病みつきに……なってる……っ♡」

 

 突く度、突く度に喘ぎながらローグハンターにそう告げると、彼は「俺もだよ」と微笑み混じりに返して再びのキス。

 凄まじいまでの多幸感に包まれた女魔術師が小さく絶頂し、一際強く一物を締め付けると、ローグハンターはそんな彼女を煽るようにキスをしながら笑みを浮かべ、腰の動きに一気に激しくさせた。

 

「んぉ゛♡♡はひゅ……っ♡んんん♡♡んーっ!!んぶ、んぇ♡」

 

 小さかった筈の絶頂を起点に、絶え間なく突かれる事でそこから戻ってくることができず、延々と絶頂を続ける彼女は目を大きく見開き、痙攣を繰り返す身体をどうにか動かしてローグハンターの叩くが、彼は気にも留めない。

 再びキスを辞めた彼は「そろそろ射精()すぞ」と告げて、額に口付けを落とす。

 

「んぁ……♡はひゅ……♡ま、だ、駄目……っ!いま、だされたりゃ、んひ♡おかしくなっちゃいます……♡」

 

 そんな彼の宣言に、女魔術師は嫌々と首を横に振るが、生憎と今の彼女は捕虜となってしまった哀れな冒険者だ。迷宮の主(ローグハンター)が何をしようと、彼女には止める権利はなく、彼もまた止める義理もない。

 

「おかしくなるなんて、いつものことだろう?いくぞ?」

 

 逃げようと腰を引く彼女を再び壁に押しつけて身体を密着させ、一物を子宮を押し潰さんばかりの力で押し込む。

 それを止めようと膣肉が引き締まり、追い出そうとひだが動くのだが、それらはローグハンターに快感を与えるばかり。

 直後、僅かにピクリと身体を揺らしたかと思えば、ローグハンターが低く唸ると共に射精が始まった。

 

「くっ……!」

 

「んぉ゛……♡ぉおおおぉおおおおお♡♡♡」

 

 ビュルビュルと音を立てて吐き出された熱々の精液は瞬く間に女魔術師の子宮を満たすが、収まりきらずに逆流した分が接合部から溢れ出し、彼女の足を伝って床に落ちていく。

 

「ほぇ……っ♡ひぅ……っ♡あ、ぁぁ……♡」

 

 そして数分の吐精が終わると、女魔術師は全身を弛緩させて気の抜けた声を漏らし、ちらりとローグハンターを確認。

 

「もぅ、終わり、ましたか……?」

 

 消え入るような声でそう問うが、肝心のローグハンターは全くと言っていいほど聞き入れる様子を見せず、ニコリと芝居じみた笑みを浮かべて彼女に告げた。

 

「終わるわけないだろう?迷宮の主(ダンジョンマスター)に捕まった冒険者の末路は、こんなもんじゃないだろう?」

 

 そして悪役に入り込み過ぎている頭目(リーダー)の姿に多少は恐怖しつつ、いまだに硬さを保ったまま自分の秘部を貫いている一物の存在感に僅かな期待を露わにしていた。

 対するローグハンターもまた、目の前の仮想敵(ぼうけんしゃ)を堕としてやろうとやる気に満ちていた。

 

 

 

 

 

 それから数分。同所。

 

「あむ……♡ちゅる……♡じゅる……。んぇ〜♡」

 

 壁に寄りかかって腰を下ろしているローグハンターの一物を、甘えるような声を上げながら頬張っている女魔術師の姿があった。

 目から光が失せて、反撃も反抗もする気力さえも削がれた彼女の秘部からは、ごぼりと音を立てて大量の白濁液が溢れ出し、彼女の臀部を白く汚している。

 

「また射精()すぞ。全部飲み」

 

「ふぁい……♡いっぱい、らしてくださぃ……♡」

 

 愛おしそうに頭を撫でてやりながらの宣言に、女魔術師は恍惚の表情のまま応じ、パクリと子供の拳ほどありそうな亀頭を頬張った。

 直後、ビュルルと音を立てて本日何度目かの射精が行われ、彼女の口腔に大量の精液が吐き出された。

 

「んぶっ!?んぐ……っ!ごきゅ!ごきゅ!ごきゅ!」

 

 あまりの熱量と粘り気に驚きはするものの、それもどうにか飲み込んでいった彼女を見つめながら、ローグハンターはひたすらに自愛に満ちた手つきで彼女の髪を撫でる。

 嬉しそうに目を細めた彼女は射精が終わると同時に口を離し、「んぁ〜♡」と声を出しながら口を開け、全部飲んだことを彼に報告。

 そんな彼女の行動にぞわりと背筋を震わせたローグハンターは、強烈なまでの従服感に酔いながら彼女を退かし、一物をしまいながら立ち上がった。

 

「さて、あいつらも次の仕掛けにたどり着く頃だろう。追いかけないとな」

 

 そう言いながら女魔術師を抱き上げたローグハンターは、愛おしそうに彼女の額に口付けし、どこか悪戯っぽい笑みを浮かべた。

 

「仲間たちがどうなるか、賭けでもするか?」

 

「やめて、おきます……。あなた、賭け事強すぎます、から……」

 

「それは残念だ。お前が勝ったら一晩好きに──」

 

「どうせ貴方が勝ちますよ。ええ、間違いなく」

 

 そして勝負を降りようとする彼女に、溜め息混じりに勝利報酬をチラつかせると、彼女はあっさりと女神官らの負けに賭けた。

 ローグハンターは「そこは同期を信じてやれよ」と苦笑するが、負けるつもりもないのか不敵に笑んだ。

 

「ま、迷宮の主(ダンジョンマスター)をなめるなよっと」

 

 次の脱落者は誰だろうなと思案しながら、彼は隠し通路を通って先回りを開始。

 生き残った三人がゴブリン包囲網を抜けたのは、それとほぼ同時だった。

 

 

 

 




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Memory?? 迷宮に挑め②

前回の続き。女神官編です。


 ローグハンター手製の迷宮を探索していた女魔術師、女神官、女武闘家、圃人の少女。

 最初の玄室でゴブリンを蹴散らした彼女らだが、頭目を務めていた女魔術師が離脱という、大きな代償を払うことになってしまった。

 ぐずぐすと土塊に還っていくゴブリンを睨みつけながら、女武闘家は悔しさを滲ませた表情でその土塊を蹴っ飛ばし、舞い上がった砂塵で数度咽せる。

 その後ろでは、女神官と圃人の少女が女魔術師が引き込まれた扉を開けようと手を尽くしているようだが、やはりと言うべきか上手くはいかないようだ。

 ここで取るべき手立ては二つ。二人に協力し、少し時間がかかるかもしれないが扉を開ける。女魔術師を見つけられるかもしれないが、いなかった場合は大きく時間を無駄にしてしまう。

 もう一つは女魔術師を諦め、先に進む。ぶっちゃけてしまえば、この状況で彼女が無事である確率は限りなく低い。残酷な判断ではあるが脱落として、まだ無事である三人で探索を進める。

 ローグハンターは後者を合格と取るだろう。きっと女魔術師は彼に捕まり、酷い──かは彼女次第だが──目に遭っている筈。

 

「やっぱり駄目です。ローグハンターさんの事ですから、本当に危なくなったら助けてはくれると思いますけど……」

 

「後ろから来るなんて卑怯だよ!どうしろってのさ!」

 

 必死になって扉を開けようとしていた二人もついに諦めたのか戻ってくると、女神官は汗を拭いながら、圃人の少女は頰を膨らませて地団駄を踏みながら愚痴を吐く。

 

「ま、まあまあ。背後からの奇襲はよくあることですから……」

 

 そんな彼女を落ち着かせようと女神官がそう言うが、圃人の少女は「そうだけどさ〜」とまだ不満げな様子。

 

「とにかく、先に進もう。ゴブリンくらいなら私が蹴り倒してあげるから」

 

 女武闘家はぐっと拳を握り、自信に満ちた表情で二人を励ますと、奥へと続く開け放たれた扉を指差した。

 二人は顔を見合わせて頷き合うと、女武闘家は盾役(タンク)として隊列の前衛を、斥候役(スカウト)の圃人の少女としてその後ろに、後衛(プリースト)として女神官が続く。

 指揮官である女魔術師が不在なのは怖いところだが、三人でもやれる事を証明すれば、彼女の負担も減らせるだろう。頑張りどころだ。

 

「さあ、気合を入れて──」

 

 先頭を進んでいた女武闘家が不敵に笑みながら振り向いた瞬間、彼女と圃人の少女が乗った石畳が左右に開いた。

 

「「へ……?」」

 

 一瞬の浮遊感と共に二人が間の抜けた声を漏らすと、重力に引かれて突如として口を開けた大穴──いわゆる落とし穴に吸い込まれていった。

 二人の悲鳴が少しずつ小さくなっていき、その後にドボンと水に落ちる音が響いた。

 

「だ、大丈夫ですか!?」

 

 身を乗り出して落とし穴を覗き込みつつ女神官が叫びと、下から二人の無事を知らせる声が返された。

 ホッと安堵の息を吐いたのも束の間、背後から音もなく伸びてきた手に捕まってしまい、悲鳴をあげる間も無く口を塞がれてしまう。勢いで握っていた錫杖も取りこぼしてしまい、床に転がる音が廊下に響き渡った。

 

「優しいのは美点だが、それを発揮する時機(タイミング)は考えるべきだ。今は下じゃなく、他の罠がないかと、二人の悲鳴に反応した魔物(モンスター)が集まってきていないかを警戒するべきだったな」

 

 そして耳元で囁かれた声は、ローグハンターのもの。

 僅かに顔を右に向けてみれば、そこには鼻が触れ合う程の距離にある彼の顔があり、夜空を閉じ込めた蒼い瞳には微かな侮蔑と、愉悦の色が滲んでいる。

 

「……っ!」

 

 見たこともない彼の視線に女神官は悪寒を感じ、目を見開いたまま額に冷や汗を垂らすが、その様をまじまじと見つめたローグハンターは不敵に笑んだ。

 

「後衛職が一党からはがれて孤立とは、まさに最悪な状況だな。助けを呼ぶか?まあ、もう聞こえないだろうが」

 

 彼がそう言ってちらりと落とし穴を一瞥すると、重々しい音を立てて落とし穴が閉じていき、ついには僅かな筋を残して完全に閉じきってしまう。

 その様子を見ていたローグハンターは肩を竦めると、女神官に視線を戻した。

 追い詰められた小動物のように震えている彼女の様子に、思わずいつもの苦笑を浮かべたローグハンターだが、すぐに意識を迷宮の主(ダンジョンマスター)としてのそれに切り替えると、足元の錫杖を足で遠ざけた。

 彼女の事を誰よりも知っている自負があるのだ、彼女の最大の武器は奇跡である以上、その触媒ともいえる錫杖は遠ざけておいた方がいい。

 

「さて……」

 

 床を滑っていった錫杖を一瞥した彼は女神官に目を向け、にこりと笑んだ。

 

「これで二人目だな。冒険者よ、捕まってしまうとは情けない」

 

 彼はそう言うや否や、哀れにも生捕りにされてしまった冒険者を見つめ、嗜虐的な笑みを浮かべた。

 迷宮の主(ダンジョンマスター)に捕まってしまった冒険者の末路は、余程の幸運でなければ悲惨なもの。その一端を味合わせるという意味でも、これからの行為には意味があるだろう。

 ローグハンターは自分にそう言い聞かせ、怯える女神官をめちゃくちゃにしたい自分の奥底にある加虐性を正当化しつつ、そっと彼女の両手を縛り付けるのだった。

 

 

 

 

 

「ん〜!!んぶっ!んちゅ、んんん!?」

 

 ローグハンターに両手を縛られた挙句、万歳の格好で頭上に固定された女神官は、身体を震わせながら目から大粒の涙を流していた。

 彼の片手で顎を掴まれて位置を固定され、逃げることもできずに彼のキスを受け入れていた。

 

「んちゅ!ぶぁ……っ!けほっ、ローグ、ハンター……さ……んぐ!?んん!ん〜!!」

 

 ほんの一瞬、息継ぎの為に中断され、その隙に制止の声をあげるものの、ローグハンターは構わずにキスを続行。むしろまだ声を出す余裕があった彼女を追い詰めようと、口腔を愛撫していく。

 彼女の舌に唾液を塗りたくり、頰の粘膜や歯茎を舐めまわし、口の奥の柔らかな部分を舌の先で突く。

 

「んぶ……っ!んくっ!ぶぇ……っ!ぉえ……」

 

 次々と流し込まれる彼の唾液を必死になって嚥下しつつ、彼の舌が奥の方に入り込む度に身体を震わせながらえずき、吐き気をもようしているようだが、ローグハンターは気にしない。

 一旦キスを辞めて息継ぎの時間を確保してやりながら、もごもごと口を動かして口の中に唾液を溜めていく。

 

「はぁ……、はぁ……。ローグ、ハンターさん、もう少し、加減を……」

 

 女神官はどうにか息を整えながら彼に物申すが、彼は口を閉じたまま不敵な笑みを浮かべ、彼女の顎を掴む手に少し力を入れて口をこじ開けつつ、上を向かせた。

 

「んぁ……。ローグハンターしゃん、あの……?」

 

 口を閉じられない都合か、どこか舌足らず風にローグハンターを呼ぶが、彼は楽しそうに笑いながら彼女の口内を舐めるように観察し始めた。

 自分の唾液により汚れたそこはおそらく普段よりも湿り気を帯び、よく目を凝らせば節々にローグハンターの唾液がこびりついているのが確認できる。

 

「あにょ、は、恥ずかしいれす……っ」

 

 真顔でじっと凝視してくる彼の様子に女神官は羞恥心で顔を耳まで赤らめ、どうにか目だけは逸らすものの顔の向きは変えられない。万力の如く力で抑えられて、動かそうにも動かせないのだ。

 あうと声を漏らす彼女を他所に、再び彼女に口付けしたローグハンターは口の中に溜めていた唾液を一気に彼女の口に流し込んだ。

 

「んん!?んぐっ!んぐっ!んん!ん〜!!」

 

 こくこくと喉を鳴らして彼の唾液を嚥下していく女神官は、じわりと下腹部に熱を帯びていく事を自覚し、もじもじと身動ぎし、太腿を擦り合わせ始めた。

 彼の唾液が喉を通る度、下腹部はますます熱を帯びていき、瞳もとろんと蕩け始めていた。

 そして唾液を流し込み終えたローグハンターが顔を離すと、女神官は物欲しそうに彼の唇に吸いつこうと前のめりになるが、壁に磔にされている以上上手く前に出ることができず、彼女の口付けは空を切った。

 

「んくっ……。ローグハンターさん、もっと、もっとキスしてください……」

 

 口の端から溢れた彼の唾液を垂らしながら、女神官は客に媚びる娼婦のようなごますり声でそう言うと、ローグハンターは優しく微笑みながら彼女の頰を撫でた。

 心地よさそうに目を細め、手に擦り寄ってくる彼女の姿は、いつも悩みながらも頑張っている冒険者の姿ではなく、愛する人に全幅の信頼を寄せ、向けられる愛に浸らんとしている乙女の姿だ。

 長時間に渡るキスと、それなりの量の唾液の飲まされた影響なのか、いつの間にか彼女の中にあった冒険者としての電源が切れ、休日や仕事終わりの夜のように、ローグハンターに甘えるモードになってしまったのだろう。

 

「一応、罰なんだがな……」

 

 女魔術師の時もそうだったが、これでは罰にならないのでは。

 そんな自問が彼の脳裏を過るが、始まったのならとことんやるのがローグハンターの性というもの。

 彼は素早く彼女の法衣をはだけさせ、鎖帷子の留め具を外して脱がせると、インナーをたくしあげて胸元までを露出させた。

 すると飾り気のないブラジャーが姿を現し、呼吸に合わせて控えめな胸が上下を繰り返している。

 ローグハンターは乱暴にブラジャーを剥がして胸を露出させると、ピンと勃っている乳首を指で弾き、軽く摘んで指の腹で転がし始めた。

 

「ひぁ……っ♡そこ、敏感なんですっ♡気持ち♡やっ♡やめ、コロコロ、駄目、です……♡」

 

 コロコロと乳首を転がし、僅かに爪を立てて摘んでやれば、「ひぃや!?」と痛みと共に駆け抜けた快感に喘ぎ、胸を突き出すように身体を仰け反らせた。

 

「ひゃ♡やめ……っ。痛い、痛いのに、気持ちですぅ♡な、なんで、私、胸、摘まれる、のにっ♡やん♡あっ、ああああ♡」

 

 ローグハンターはピクピクと小刻みに痙攣しながら快感に喘ぐ彼女を見つめ、少々嗜虐的な笑みを浮かべて彼女の腋に顔を寄せ、ちろりと一舐め。

 口内に広がる僅かに甘い彼女の汗の酸味に舌を巻き、何度も舐めながら時々キスをして鬱血の痕を付けていく。

 

「ひゃ!?や、やめて……っ!んっ!そこは、やん!汚い、ですから……!」

 

 女神官は首を左右に振って嫌がるが、ローグハンターはどこ吹く風と言わんばかりに気にした様子を見せず、唾液を馴染ませるように何度も舌を這わせていく。

 彼の行為とはいえ、流石に嫌悪感を抱いていた女神官だが、気付けばくすぐったさに身動ぎし始め、しまいには心地良さまで感じ始める始末。

 

「んっ……。あ……、ふふ、あっ!」

 

 彼女の口からも嬌声が漏れ始め、滲んだ汗も彼に舐めとられてしまう。

 好物を前にした犬のようにひたすら彼女の脇を舐めていたローグハンターは、ようやく満足したのかそこから顔を離し、自分の唾液で汚れた彼女の脇を満足そうに見つめた。

 彼に視姦される女神官は白磁の肌を赤くしながら身を捩るが、身体を隠そうにも両手を縛られて頭上に固定されているのだ、隠しようがない。

 ううと羞恥の表情で小さく呻く彼女を見ていたローグハンターは一度息を吐くと、彼女のズボンに手をかけ、ショーツごとずり降ろした。

 

「あ……」

 

 それと同時、むんと香る雌の香りがローグハンターの鼻腔をくすぐり、彼女の下腹部、今しがた露出させた秘裂に目を向けた。

 まだ実際に触れてもいないのに湿り気を帯び、降ろしたショーツに目を凝らせば僅かな染みが残っている。

 

「触ってもいないのに濡らすとは、随分と期待しているようだな」

 

 煽るように笑いながらそう告げると、女神官はぷいとそっぽを向いて無言の抗議を行うが、その隙にローグハンターは彼女の秘裂を指で撫でた。

 

「ひぅ……っ♡」

 

 くちゅりと湿った音がしたかと思えば、彼女の口から上擦った嬌声が漏れ出し、背中を弓なりにしならせる。

 感度も良好だなとご機嫌そうに目を細めたローグハンターは、そのまま指を秘裂の中に滑り込ませ、何度か抽送を繰り返して軽く刺激してやる。

 

「ひぁ……♡あっ♡まって、ください……っ♡んっ♡はぅ♡」

 

 フリーランで酷使されるローグハンターの手は無骨で、指の腹も他の冒険者らに比べても僅かに硬い。まるで胎内を石で擦られるような刺激に女神官は身体を震わせ、掻き出された愛液が太ももを伝っていく。

 指を動かす度に過剰ともいえる反応を繰り返す彼女を見ていたローグハンターは、彼女の耳元に顔を寄せ、耳たぶにキスをしてから囁く。

 

「このまま指でイかせてもいいが、色々あって俺は不完全燃焼状態でな。すまないが、相手をしてもらうぞ」

 

 彼はそう言いながらズボンとパンツをずらし、既に臨戦態勢の一物を取り出し、亀頭を濡れた女神官の秘裂に押し当てた。

 熱せられた鉄のように熱く、剣の如き固さを持ったそれを押し当てられた女神官は小さく悲鳴を漏らすが、隠しきれない期待感で瞳が揺らぎ、呼吸にも力が入ってしまっている。

 僅かに腰を動かして亀頭を擦り付ければ、秘裂からは次々と愛液が溢れ出し、一物をコーティングしていく。

 それをローグハンターが十分と判断するまで続けると、彼は女神官の両膝の裏側に手を入れて持ち上げ、挿入しやすいように体位を調整。

 女神官は子供の腕ほどありそうな彼の一物を凝視しながら、急かすように腰を揺らし、小さな声で「早く、早くください……」と辛抱たまらない様子で告げてくる。

 その声に小さく頷き、「お望みの通りに」と返して一物を挿入せんとした瞬間、凄まじい轟音と共に落とし穴を蓋が揺れた。

 

「「へ?」」

 

 突然の事態に二人が同時に間の抜けた声を漏らすと、ノックするように下から何度も落とし穴の蓋が叩かれて、僅かな隙間から女神官の名を呼ぶ声が聞こえてくる。

 

『大丈夫、そっちは無事!?』

 

 その声は女武闘家のものだ。今回参加の四人の中でも、パルクール技術が最も高い彼女のことだから、落とし穴の石壁をよじ登ってきたのだろう。

 それが仲間想いだと褒めてやるのは簡単だが、開きもしない落とし穴をこじ開けんとするのは、体力を無駄に使うだけだ。

 そして彼女の言葉は、女神官の中で緩みきり、完全に切れていた筈の冒険者としての意識が研ぎ澄まされていく。

 

「私は──んぐ!?」

 

 女神官が返事をしようとした瞬間、ローグハンターは彼女にキスをする事で無理やり黙らせ、勢いのままに一物を挿入。

 ずりゅりと湿った音をたてながら一物は彼女の秘部に滑り込み、カリが収縮を繰り返す膣肉を強引に掻き回した。

 

「んぉ!?ぉ……っ♡あ、へっ……♡」

 

 それだけで女神官の冒険者としてスイッチが切れ、再び女としてのスイッチが入ってしまうが、

 

『──!?どうしたの、変な声が聞こえたけど?!』

 

 心配する女武闘家の声で引き戻され、女神官の瞳に理性の色が戻る。

 キッと鋭い目付きでローグハンターを睨むが、目の前にあるローグハンターの瞳には嗜虐の色が強く、僅かな恐怖が背筋を震わせる。

 その様子を間近で見せつけられた彼は昂ったように目を細め、舌で口内を蹂躙しながら腰を動かし始めた。

 抽送する度に接合部からずりゅ、ずりゅと湿った音が漏れ、収縮する膣肉を鉄の如き固さの一物が掻き分け、子宮口と亀頭が触れ合う。

 

「んひっ……♡やっ♡離、して……っ!んちゅ、じゅるっ♡ぉ♡こにょ、離、ろて……!んぉ♡ぎぃ♡」

 

 身体を揺すって拘束を逃れようとする女神官だが、揺れる度に亀頭が程良く子宮口を撫で回し、カリが吸い付いてくるひだ肉を引っ掻き回す。

 理性では仲間たちと合流しなければと訴えかけてくるのに、本能部分では目の前の雄の寵愛を受け入れろと囁いてくる。

 下腹部から全身を駆け巡る鋭い快感に女神官は喘ぐが、それを知る由もない女武闘家はどうにか蓋を開けようと暴れているようだ。

 

『この!こんの!!いい加減、開きなさいよ……っ!』

 

 ドン!ドン!と下からの衝撃に蓋が揺れるが、やはり開く様子はなく石材がそこに佇んでいる。

 ならいいかと笑ったローグハンターは息継ぎのために一瞬口を離すと、すぐにキスを再開して舌を絡め、内側の粘膜を削ぎ落とさん勢いで舐め回す。

 

「んん!おふっ♡ん〜!んんん♡♡」

 

 彼女が抵抗の唸り声をあげる中でもローグハンターは腰を動かし続け、カリで彼女のGスポットを掻いてみたり、亀頭で同じくGスポットをぐりぐりと押し込んでみたりと、好きなように彼女の胎内を責め立てる。

 ビクン!ビクン!と身体を跳ねさせ、身体が強張る度に膣肉が引き締まり、射精を促すように扱いてくる。

 だがそれを振り払うようにローグハンターは力強く腰を振り、引き締まった分余計に密着してくる膣肉を掻き回した。

 

「んぉお♡だ、だめ……んんっ♡そこ、気持ちい、です……♡あん♡やぁ……っ♡」

 

 それを何度も繰り返す内に女神官の声に悦の色が強くなり、理性を取り戻した筈の瞳が蕩け、身体も少しずつ弛緩していく。

 それに合わせて膣肉の締め付けも弱まり、動きやすくなった分ローグハンターの表情にも余裕が生まれ始めた。

 少々荒々しかった腰の動きを弱め、嬲るようにゆっくり、じっくりと胎内を堪能し、蹂躙する。

 

「んぉおおお♡♡ゆっくり、すご、気持ちいいれすぅ♡んちゅ、ちゅ♡あひゅ♡そこ、もっと突いてくらはい……っ♡」

 

 いまだに落とし穴の蓋を叩く音と心配の声を尻目に、女神官は媚びるような声音でローグハンターにそう告げて、今度は自分から彼にキスをし始めた。

 完全に冒険者としての意識が途絶え、恋人に甘えるモードに突入してしまった彼女に、ローグハンター以外の音も言葉も届かなくなってしまったのだろう。

 堕ちたかと少々邪悪な笑みを浮かべたローグハンターは彼女の拘束を解くと、そっと彼女を抱き上げた。

 それでもあまり力を入れていないのか、彼女を最も支えているのは彼女を貫いている一物だ。事実一物は子宮を押し潰すほどに彼女と密着し、女神官の口からも獣のような唸り声が漏れ、身体も痙攣を繰り返している。

 自由になった両腕で抱きしめてくる彼女の頭を撫でてやりながら、ローグハンターは耳元で囁く。

 

「自分は大丈夫だって、あいつに言ってやれ。奥で合流しようってな。無事に行かせられれば、お前も滅茶苦茶にしてやる。無理だって言うまで、愛してやる」

 

 そして囁かれた言葉はまさに悪魔の囁きだ。仲間を欺き、己の寵愛を得ろという、ある種の契約とも言えるものだ。

 先程までの彼女なら、あるいは抗うこともできただろう。だが仲間を想う理性より、恋人との逢瀬を堪能せんとした本能が、普段ならさせない選択を優先させた。

 

「〜〜〜っ♡はい、はいっ!わかりまひた、やります♡」

 

 彼の言葉に小さく絶頂し、その余韻に浸りながら彼女がそう応じると、ローグハンターは落とし穴の蓋のふちに彼女を寝かせ、一旦一物を抜いた。

 その時の快感で漏れそうになった嬌声を噛み殺した彼女は、四つん這いになりながら落とし穴の蓋を叩いた。

 

『──!良かった、無事だった!!そっちは平気?怪我はない?」

 

 その直後に蓋の向こうから喜色に満ちた声が返され、女武闘家は反応を確かめるように何度も蓋を叩き返してきた。

 その反応に力なく笑った女神官が口を開こうとすると、彼女の背後で膝をついて座っていたローグハンターが、四つん這いという姿勢の都合、目の前に差し出される形となった彼女の秘部に、再び一物を叩き込んだ。

 それは瞬く間に彼女の胎内を支配し、油断して降りてきていた子宮口を無慈悲に殴りつけ、凄まじい快感が彼女の身体中を暴れ回った。

 

「〜〜〜〜っ!♡?♡♡♡!!」

 

『ちょ、ちょっと、大丈夫!?返事して!』

 

 不意の一撃で容易く絶頂を迎えた女神官は、それでも声を漏らすことはなかったが、腕から力が抜けたのか臀部を突き出す形で床に倒れ込み、壊れた絡繰人形のように痙攣を繰り返す。

 ローグハンターはそんな彼女に追撃するように腰を振ると、突く度に彼女の身体は面白い程にビクビクと跳ね、接合部からはぷしぷしと音を立てて潮が噴き出す。

『大丈夫!ねえ、ちょっと!!』と段々と声音とノックの強さが強くなっていく中、身体を起こした女神官がペチペチと蓋を叩いてから言う。

 

「わ、私は、んっ♡大丈夫、ですっ。んぉ♡イ、イくっ♡ぉ、あ……っ♡大丈夫、ですから……っ♡イきゅ……っ♡奥、奥で、んぃ♡合流!合流、しましょう!うっ、おおおおお♡♡♡」

 

 ビクン!ビクン!と臀部を揺らし、身体中に汗を滲ませながら、どうにか言葉を紡いだ彼女だが、やはり我慢はできないのか節々で喘ぎ声が漏れ、何なら何度も絶頂を繰り返している。

 

『……。本当に大丈夫?そっちどうなってるの?』

 

 蓋の向こうからは明らかに不機嫌そうな、強烈な怒気さえも感じる声音でそう問われるが、女神官は「大丈夫ですぅぅ♡♡」と上擦った声で返すことしかできない。

 ローグハンターもこれはバレているなと苦笑するが、構うことなく腰を動かして滲み出てくる愛液を掻き出し、ついでと言わんばかりに子宮口を責め立てる。

 

「ぉ……♡ぉおおぉ……♡♡大丈夫、ですぅ。無事にゴブリンも撒けましたから。んん♡んぉおお♡」

 

『……そ。なら、私たちは先に行くわ。奥で会いましょう』

 

 女武闘家はある程度察したのか、大きくため息を吐いてからそう言うと飛び降りたのか、バシャンと重い物が水に落ちる音が聞こえてくる。

 それを聞いた女神官はへにゃりと力なく笑うと、ローグハンターの方に振り向きながら言う。

 

「ローグハンターさん……。やりました、言われた通りにしました♡だから、その、お願いします……っ!!」

 

 自分から腰を振り、一物の抽送をしながらそう懇願すると、ローグハンターはそっと彼女の頭を撫で始め、にこりと微笑んだ。

 

「そうだな。まずはご褒美だ、受け取れ……っ!」

 

 彼はそう言うとここまで我慢していた射精感を解き放ち、彼女の子宮に熱々と精液を吐き出した。

 

「〜〜♡きた、入ってきました♡♡出てる、出てますぅ!ローグハンターさんの、せーし、だしゃれてましゅぅううう♡♡♡」

 

 女魔術師相手にも数度の吐精をした筈なのに、それでも量も粘度も初回のそれと全く違いはない。

 溶けた鉄のように熱く、粘液(スライム)のように粘り気の強いそれは瞬く間に子宮を満たし、逆流して膣内も白く汚していく。

 

「んぉ♡ぉおおおお♡イく!ローグハンターしゃんに射精()しゃれて、イきましゅ♡♡」

 

「ああ、何回でもイけ。しばらく相手してやる!」

 

 嬌声をあげながら普段なら言わないような淫らな事を叫びながら絶頂する女神官に、ローグハンターは嗤いながらそう告げて腰を動かし続ける。

 パン!パン!と鋭い音を立てて突き出された臀部に腰を叩きつけ、絶頂後の余韻に浸らせる暇を与えない。

 

「イく♡ぅおおおっ♡また、イっちゃいます♡んぇ、んんんんん♡♡」

 

 彼女が絶頂する度に膣肉が痙攣を繰り返して一物をくすぐり、ローグハンターはそんな淡い快感に唸り、我慢する理由もないと二度目の射精を行った。

 

「ひぁっ!ああ゛ああ゛ああああ゛♡♡♡」

 

 子宮を舐め回す精液の感触と快感に悲鳴に似た嬌声をあげるが、ローグハンターは彼女を床に押さえ込んで逃げないようにしつつ、告げた。

 

「あの二人も、奥に行くのに時間がかかるだろうからな。暇つぶし、させてもらうぞ」

 

 彼女に見えないことを良いことに、誰にも見せたことがない程に邪悪な笑みを浮かべながら、恍惚の表情を浮かべる女神官に襲いかかった。

 

 

 

 

 

 それから数分後。淫行の臭いが充満する廊下の一角で。

 

「ぇ……。ぁ……っ♡ん、んぉ……♡」

 

 秘裂から大量の白濁液を吐き出す女神官が、半ば気絶した状態で寝かされていた。

 着崩された法衣に、光が消えた双眸。身体中に残された唇の形をした鬱血跡。側から見れば事件があったようにしか見えないが、お互いに了承の上で行った結果なのだから、誰も文句は言えまい。

 ふんふんと上機嫌そうに後処理を進めるローグハンターは、懐から地図を取り出して今後の潜伏場所を確認。

 次の相手はどっちだろうなと思慮していると、不意にローブの裾を掴まれ、「ん?」と小さく声を漏らしながらそちらに目を向けた。

 放心状態の女神官がローブの裾を掴んでいるようだ。ローグハンターは苦笑混じりに彼女を抱き上げると、額に口付けしてからいつもの優しげな笑みを浮かべた。

 

「それじゃ、お前も脱落だ。奥まで運ぶから、少し寝てろ」

 

「ぁぃ……。あとは、お願い、します……」

 

 女神官はそう返すと、ゆっくりと瞼を降ろしてすぐに寝息をたて始める。

 全幅の信頼を寄せてくれるのは嬉しいが……。

 

「──流石に油断しすぎじゃないか?」

 

 ローグハンターは苦笑しながらそう言うが、自分への信頼と愛情の裏返しとわかっているからか、言葉に怒気はない。

 彼は少し軽すぎる恋人を大事そうに抱えながら、隠し通路を通って遺跡の奥を目指すのだった。

 

 

 

 




少しインフォメーション。
この話があがる頃には、少し話の順番を整理してあります。
別に大きく変わっているわけではありませんが、所謂『リクエストの影響で後から続編が追加された話』が繋がるようにしただけなので、既に全話読了してある人にはあまり関係ないかもしれません。
今後もその場合があった時は、次の話を投稿するまでは最新の位置に置いておき、更新の時に一緒に並べ替えると思いますので、ご了承ください。

感想、リクエスト等ありましたら、よろしくお願いします。


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Memory?? 迷宮に挑め③

前回の続き。今回は女武闘家編です。


 女神官、女魔術師の離脱という憂き目にあった一党だが、迷宮探索競技は続行していた。

 

「あの二人、大丈夫ですかね?」

 

 先程の経験から、松明片手に薄暗い廊下の床や天井を警戒する圃人の少女が問うと、女武闘家は顰めっ面になりながら「大丈夫よ」と冷たい声音で告げた。

 先ほど落とし穴を登ってまで助けに行ったというのに、彼女の反応からしてあれはまず間違いなく事に及んでいた。大方罰か何かだと言われ、丸め込まれたのだろう。

 はぁと深々と溜め息を吐くと、頬を叩いて意識を切り替えた。まともに行動できるのは、ここにいる二人だけだ。相棒の圃人の少女は冒険者になって自分よりも日が浅いのだ。自分がしっかりせねば。

 

「っと、別れ道」

 

 そうして気を引き締めていると一本道が直角に左右への伸びる別れ道となった。

 どちらを見てもあるのは暗闇で、目を凝らしても先に何があるのか検討もつかない。

 

「さてと、どっちに行くべきか」

 

 顎に手を当て、むうと小さく唸りながら思慮する女武闘家。

 後ろの圃人の少女も彼女にならう形で別れ道の奥に目を凝らすが、彼女でも見えないのか「何も見えん」とぼやいている。

 ローグハンターのことだ、どちらかが難しい道で、どちらかが簡単な道程度の違いで、辿り着く場所は同じだろう。あの人ははぐれた場合、あるいは別行動を取った場合への用意は周到なのだ。

 ならば、別行動でもいいのだろうか。いや、慣れた頃に違うことをしてくる彼のことだ、今回は別れない方がいいのかもしれない。

 

「とりあえず、右に行ってみようか」

 

 暗闇を睨みながらうんうんと唸る圃人の少女にそう声をかけると、彼女は振り向きながら「わかりました!」と響くような返事。同時に少女はハッとして口を手で塞ぐが、時既に遅し。

 遺跡のど真ん中で声を張り上げればどうなるか、二人が知らないわけではないだろう。音が反響を繰り返し、聞き馴染んだ仲間の声の筈なのに不気味に聞こえてくる。

 小さな声で「すいません」と謝り、頭を下げてくる圃人の少女を宥めつつ、視線を鋭くした女武闘家は落とし穴の方向を向き、身構えた。

 反響する圃人の少女の声に混じり聞こえる石が擦れる音と、ぺたぺたと続く素足の足音、そして低く唸るような息遣い。

 

「GBRR」

 

「GRR……」

 

「GOBGOB」

 

 遺跡の暗闇の奥、自分達が通ってきた通路から、何匹ものゴブリンが二人のいる方に近づいてきていた。

 松明の明かりを反射し、不気味に光るゴブリンたちの眼光を睨み返しながら、女武闘家は「気をつけて!」と圃人の少女に警告。少女は返事の代わりに剣を抜き、両手で握ったそれをゴブリンたちに向けた。

 数は十かそこら。倒せなくはないだろうが、流石に多勢に無勢だ。時間もかかるし、疲労や負傷はまず間違いなくするだろう。

 

「ここは逃げよう!数が多すぎる!」

 

 女武闘家の判断は早かった。この先にあるだろう玄室に立て篭もり、一旦ゴブリンらを撒く。あの数のゴブリンを、二人では処理しきれないという判断だ。

 圃人の少女は彼女の判断に応じると「どっちに逃げます?」と問いかけ、女武闘家が答えようとした間際、ゴブリンたちが突然走り出し、模造刀片手に二人に踊りかかった。

 

「「っ!?」」

 

 二人は慌てて身を躱すが、それは悪手だった。

 左右の通路のそれぞれ警戒するように構えていた二人の間に割り込む形で飛びかかってきたのだ、二人は左右それぞれに躱してしまい、いとも容易く分断されてしまった。

 あ、と間抜けな声を出してももう遅い。分断した二人の合流させまいと隊を分けたゴブリンたちが襲いかかり、二人をそれぞれの通路の奥へと押し込んでいく。

 合流は無理と判断した女武闘家が「奥で合流しよう!」と声を張り上げれば、暗闇の奥から「わっかりました!!」と響くような返事が返ってくる。

 ならば、よし!女武闘家は手頃なゴブリンを蹴り飛ばし、蹴られたゴブリンは何匹を巻き込む形で転倒。

 

「GBR」

 

「GOB」

 

 だが、無様に転んだゴブリンたちを飛び越え、転倒したよりも多くのゴブリンが女武闘家に迫ってくる。

 思わず舌打ちを漏らした女武闘家は、圃人の少女の無事を祈りながら廊下を走り続け、廊下の奥を塞ぐ扉を蹴り開ける。

 飛びかかってきたゴブリンを勢いよく扉を閉める勢いで迎撃し、素早く楔を打って開かないように固定。外からガンガンと扉を叩かれるが、威嚇するように扉を蹴ってホッと一息。

 さて、ここからどうするかと玄室を見渡した瞬間、彼女は顔色を悪くしながら慌てて構えを取った。

 構えられた相手──ここで出待ちしていたローグハンターは苦笑混じりに拳を構えると、肩を竦めた。

 

「上手く切り抜けてくれると良かったんだが、仕方ない。最深部にはまだ少し早いが迷宮の主(ダンジョンマスター)が相手をしてやろう」

 

 構えを取ったまま、前に出していた右手でくいくいと手招きして彼女を挑発。

 対する女武闘家も久々の彼との真剣勝負に武者震いをしながら拳を握り、床を蹴って走り出した。

 

 

 

 

 

 それから数分。二人の勝負はほとんど決着がついていた。

 女武闘家は一瞬の隙を突かれて背後を取られ、左肘の内側で首を絞められる形で拘束されているのだ。

 

「くっ……!うぅ……!!」

 

 彼女は首を取られる寸前に左腕を滑り込ませて隙間を作ることで窒息、ないし絞め落とされる可能性を低くはしたものの、身長差のせいか足はついておらず、息苦しいことに違いはない。

 お互い片手は空いている。だが宙に浮いている状態で上手く力が入らず、試しに肘打ちをしてみてもローグハンターは軽く眉を寄せる程度で効いている様子はない。

 

「寸前に腕を差し込んだのはいい反応だ。だが、ここからどうする」

 

 苦しそうに呻く彼女の耳元で、囁くようにそう問いかけた。

 そのまま煽りついでに彼女の耳に息を吹きかけると、彼女は「ひゃあ!?」と声を出して驚き、強張っていた身体から僅かに力が抜ける。

 

「相変わらず敏感だな。まあ、そうしたのは俺かもしれないが」

 

 くつくつと喉を揺らしながら笑った彼は、今度は長めに息を吹きかけた。

 

「ふぁ……っ。あっ、ひぅぅ」

 

 女武闘家がピクピクと身体を揺らしながら気の抜けた声を漏らすと、ローグハンターはご満悦そうに笑い、不意に彼女の上着に手をかけて胸が見えるまで捲り上げた。

 飾り気のない、シンプルな意匠のブラジャーが姿を現し、女魔術師に次いで大きな乳房を抑え込んでいる。

 上着の裾を胸に引っ掛けるように止めたローグハンターは、元に戻そうと動いた彼女の右手を捕まえると、彼女を締め上げている左手で掴んで捕まえる。これで彼女の両手を封じ、彼だけが片手を好きに使える状態だ。

 それに気づいた女武闘家は悪寒を感じ、脱出しようともがき始めるが、ローグハンターは怯みもせずに彼女の身体に目を向けた。

 出会った頃に比べて更に引き締まり、薄らと見えていた程度だった腹筋も綺麗に六つに割れ、僅かに見える傷痕が彼女の冒険の厳しさを知らしめる。

 ローグハンターはそっとその傷痕を撫でると、そのままの流れで腹筋の筋を指で撫で始めた。

 

「んっ……!くっ、はぅ……やっ」

 

 さわさわと硝子細工に触るような優しい手つきかと思えば、腹筋の硬さを確かめるように強めに押し込んでみたり、彼女の反応を楽しみながら触り続ける。

 すると彼女の表情が少しずつ蕩け始め、声の艶も強くなり始めた。

 

「あぅ……っ。んん、んぅ……っ♡」

 

 彼の手が腹筋を撫でる度、女武闘家は声を漏らしながら身体を震わせ、潤んだ瞳からは先程までの迫力が消え失せる。

 普段、彼に抱かれる時にいつも触られ、撫でられ、時には愛撫ついでの按摩をされているせいで、こうして触られるだけで身体が彼を求め始めてしまう。

 戦わないと、抗わないとと、圃人の少女と急いで合流しないとと、やるべき事を理性ではわかっていても本能の部分がそれに待ったをかけ、彼のされるがままになることを許してしまう。

 彼女の意志に反して段々と身体が弛緩していく様子を見ながら、ローグハンターは発勁の要領で少々強めに下腹部を押した。

 

「お゛……っ♡」

 

 ドン!と身体の芯まで届く衝撃が届いた直後、全身を凄まじい快感が駆け抜けていき、女武闘家は低い唸り声をあげながら身体を強張らせ、足が爪先までピンと伸び切った。どうやら軽く絶頂してしまったようだ。

 何をされたのか理解できていない女武闘家は困惑しながらも絶頂の余韻に喘いでいるが、ローグハンターは今しがた発勁を浴びせた下腹部──もっと言えば彼女の子宮の辺りを愛おしそうに撫でながら、再び手を添える。

 女武闘家はビクビクと痙攣しながらも怖がるような表情を浮かべ、嫌々と首を左右に振るが、ローグハンターは気にしない。今は迷宮の主(ダンジョンマスター)なのだ、彼女の言うことを聞く義理もない。

 彼女を嘲るように嗜虐的な笑みを浮かべた彼は「いくぞ」と一言告げてから、再びの発勁。彼女の鍛えられた筋肉を無視し、ローグハンターの巨根により無意識に行われたポルチオ調教により、性感帯とされた子宮を直接刺激。

 

「んぉおお゛おお゛!♡?♡♡♡」

 

 体内を直接破壊するような技を連続で食いながら、痛みではなく快感を感じている自分に驚く間もなく、女武闘家は再びの絶頂。

 視界が点滅を繰り返し、ただですら首を絞められて息苦しいというのに先程から大量の酸素を吐き出してしまったためか、どうにか酸素を取り込もうと大口を開け、ピンと伸びた舌が飛び出している。

 そんな彼女の様子を見ながら、ローグハンターは再び彼女の下腹部を撫でながら、彼女の意識をそこに向けさせるようにトントンと指で優しく叩く。

 

「あひゅ……♡ま、待っへ……っ♡んぉ♡待っへ、くらさい……♡そこ、駄目ですぅ……♡あへっ♡ひぅ……♡」

 

 指で叩く度、女武闘家は小さな喘ぎ声を漏らし、口では待つように言っているが、快感に震える瞳は期待に震えている。

 子供をあやす様にトントンと優しく叩いたり、摩ってやったりして彼女にほんの僅かな安堵を与えた直後、期待に応える為に手を添え、三度目の発勁。

「お゛♡」と野太い嬌声をあげて再びの絶頂に叩き上げられるが、ローグハンターは休む間を与えずに追撃の発勁を放ち、子宮を刺激。

 

「おへ♡!?♡」

 

 ビクン!と身体を跳ねさせて間髪入れずに絶頂した彼女を無視し、ローグハンターは楽しそうに笑いながら何度も発勁を繰り返す。

 

「お゛♡あへ♡あひゅ!♡んぉ゛♡♡ぎっ♡ぃいいい♡♡」

 

 ドン!ドン!と衝撃が駆け抜ける度に彼女は絶頂を繰り返し、それが二桁に登ろうとした瞬間、意識を飛ばしてしまったのか、ぐるりと白眼を剥いて全身から力が抜けた。

 ローグハンターが「やべ」と素で間抜けな声を漏らした直後、女武闘家の股からちょろちょろと水音が漏れ始めた。

 そっと目を向けてみれば彼女の股に大きな染みができており、染みがそのままズボンの太腿を伝って床に伸びている。

 度重なる絶頂で失禁してしまったのか、あるいは潮を噴いているのか、それは定かではないが、

 

「あへ……っ♡ぉ……♡んぎ……♡あへぇ……♡」

 

 恍惚の表情を浮かべ、ピクピクと痙攣しながら喘ぎ声を漏らしており、そうしている間にも彼女から溢れる水音が続いている。

 むぅと小さく唸ったローグハンターはその音が止んだのを見計らい、そっと彼女を寝かせると、肌に貼り付くズボンとショーツを強引に脱がせた。

 同時にむんと香る雌の臭いが解放され、それに当てられたローグハンターはゆっくりと目を見開き、獣じみた唸り声を漏らした。

 彼女の痴態を文字通り目を離すことなく見ていたのだ、己の分身たる一物は臨戦態勢となっており、鈴口からは先走り汁が滲み出ている。

 そして今の彼に、容赦の二文字はない。

 女武闘家に寝返りを打たせてうつ伏せにすると、臀部を突き出すように腰を上げさせ、尿か、あるいは潮でびちょびちょに濡れた秘裂に亀頭を当てた。

 もはや前戯は必要ない。そして、加減をする必要もないだろう。

「ふん!」と気合い一閃と共に腰を突き出し、限界まで勃起した一物を絶頂後で敏感になっている彼女に叩き込んだ。

 

「お゛!?おほっ♡ぎっ、ぃいいいいい♡♡」

 

 ずりゅ!と湿った摩擦音を響かせながら、子供の腕ほどある一物を一息で押し込むと、気絶していた女武闘家は目を覚まし、叩きつけられた快感に悲鳴をあげた。

 亀頭が発勁の連続で馬鹿になっている子宮を容易く押し潰し、痙攣している為か何もせずとも子宮口と亀頭が擦れ合い、痺れる様な快感が彼女の神経を焼き焦がす。

 

「お、おぐ、どどいでまず……っ♡イグッ……♡イきっぱなしに、なっでまずぅうう♡♡」

 

 ローグハンターは微動だにしていないのに、女武闘家は勝手に絶頂を繰り返し、収縮を繰り返す膣肉が絶え間なく彼の一物を扱き続ける。

 それが与えてくる心地よい快感に微笑むローグハンターは、ふと思いついたように片手で彼女の下腹部に当てた。

 さすさすと一物で押し潰された子宮の位置を探る様に撫でてやると、意図を察した女武闘家は千切れんばかりに首を左右に振り回し、「やだ、ダメ、壊れちゃいます……っ」と悲痛な声を漏らすが、彼は気にしない。

 

「万が一お前が壊れても、俺はお前を愛してるぞ」

 

「〜〜♡♡ずるい、ずるいですっ!そんなこと、言われたら……っ♡」

 

 ローグハンターが言い訳がましく告げた言葉に、女武闘家の身体は歓喜に打ち震え、膣肉がきゅんきゅんと力強く締め付けてくる。

 そして、その反応を了承と受け取った彼は満面の笑みを浮かべると、腰を突き出して子宮を逃さないようにがっちり固定。

 その瞬間、最低限の加減をしながら発勁を放ち、外側から子宮を刺激。

「お゛♡」と野太い悲鳴をあげる彼女を他所に、ローグハンターはゆっくりと腰を振り始め、突き入れるのと発勁のタイミングを完璧に合わせ、内外から子宮を責め立てる。

 

「おぐ♡ぎっ♡あ♡ああ゛あ゛あ゛♡♡♡──っ♡〜〜♡♡っ!!♡♡」

 

 文字通り身体を内側から破壊されるような衝撃を与えられながら、感じるのは今まで感じたこともない快感だった。

 一物が膣肉を引っ掻き回す度、殴られるような衝撃が子宮を殴る度、意識が飛びそうな快感が全身を駆け巡り、彼女の脳を焼いていく。

 だが、気絶できない。意識がなくなる間際に与えられる次の快感によって叩き起こされ、気絶することを許されない。

 だがほんの一瞬の空白あるようで、気絶するタイミングで膣肉が緩み、覚醒のタイミングで締まるという収縮が繰り返される度、優しい快感が一物を包み込む。

 同時に一物の中を熱いものが駆け上がる感覚を感じたローグハンターは、ふっと小さく笑いながら女武闘家に告げた。

 

「一回射精()すぞ。気絶するなよ」

 

「ほぇ……?」

 

 そしてローグハンターが告げた直後、快感の波に飲まれてそれを聞いていなかった女武闘家は疑問符を浮かべるが、直後、押し潰された子宮に向けて射精を行われた。

 熱々どろどろの粘液(スライム)じみたそれは瞬く間に子宮を満たし、子宮の内膜を舐め回す。

 

「んぉぉぉ!?お゛っ、おお゛おお゛おおお゛♡♡♡」

 

 子宮に溶けた鉄をぶち撒けられたような熱量と、体内で粘液(スライム)が暴れ回るような感触さえも快感となり、淫らに喘ぎながら絶頂に迎えることになるが、ローグハンターは相変わらず気にしない。

 射精が終わり、自分と繋がったままぐったりとしている女武闘家の臀部を叩いて喝を入れると、繋がったまま寝返りを打たせて仰向けに。

 転がされた勢いのまま、潰れた蛙のように四肢を投げ出した彼女を見下ろしながら、ローグハンターは今度は両手を彼女の下腹部に当てた。

 

「待っへ……♡ほ、本当に、こ、壊れちゃいますからぁ……♡♡」

 

 ピクピクと痙攣し、接合部から精液と愛液が混ざった白濁液を吐き出す女武闘家はそう言うが、ローグハンターは「それがなんだ」と不敵な笑みを浮かべた。

 

「お前が壊れようが、どんな姿になろうが、お前は俺が愛するお前に変わりはない。何なら、壊れてしまえば他の男に靡くこともなくなるだろうから、好都合かもな」

 

 迷宮の主(ダンジョンマスター)らしく、邪悪で、自分勝手なことを宣う彼だが、女武闘家はそんな言葉を受けても歓喜に打ち震え、壊れた人形のように何度も首肯すると、下腹部に添えられた彼の手に自分の手を重ねた。

 

「いい、ですよ……♡他の何も考えられないくらい、壊してください……っ♡♡」

 

 そして仲間との合流と、肉欲に溺れることを天秤にかけ、ほとんど思慮することなく後者をとった。

 そんな彼女の判断にローグハンターは再び嗜虐的な笑みを浮かべ、今日一番の発勁をもって彼女の子宮を撃ち抜いた。

 接合部からごぼりと音を立てて白濁液が溢れ出し、それが秘部を逆流していく快感が女武闘家の背筋を震わせる。

 ローグハンターもまた、一物を包むように溢れていく白濁液の感覚を楽しみながら、心地よさそうに目を細めた。

 これで三人目。いまだ無事の四人目たる圃人の少女とはそういった関係ではないから、手を出すつもりは微塵もない。

 

「あいつが奥に着くまで、楽しませてもらうぞ」

 

 何度も子宮でイカされた女武闘家は放心し、心ここにあらずといった様子だが、彼の言葉は無事に届いていたのだろう。彼女は心の底から嬉しそうに笑い、力が入らない身体に鞭打ち、足を広げて彼を受け入れる。

 静かな遺跡の玄室に、彼女の嬌声と肉同士がぶつかる乾いた音が、響き続けた。

 

 

 

 

 

 

 




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Memory?? 迷宮に挑め④

迷宮に挑め、ラスト。圃人の少女です。


 ローグハンターが用意した迷宮は多少の迷路構造にはなっているが、素人一人でも攻略する分には問題ないものだ。

 道中に配置されたゴブリンや、一目でわかってしまう罠を隠すなど、彼がやったことはその程度。その程度なのだが、文字通り玄人(ベテラン)であるローグハンターがそれを行うだけで、攻略難度は跳ね上がる。

 

「もう、しんどい……っ」

 

 そんな迷宮を、様々な原因があったにせよ一人で攻略することになった圃人の少女は、剣を杖代わりにしながら溜め息を吐き、今しがた切り捨てたゴブリン──正確にはゴブリンの形をした土人形(ゴーレム)のようなものだが──を一瞥し、再びの溜め息。

 罠を避け、謎を解き、ゴブリンから逃げ、時には倒し、ここまで来るのに果たしてどれだけの時間がかかっただろうか。

 仲間たちと合流もできないし、ローグハンターは助けに来てくれないしと、一人なのだからもう終了してもいいのではないかと、思わず出かけた悪態を飲み込み、腰に提げていた水袋をふん掴み、一口呷る。

 こくこくと喉を鳴らして嚥下した少女は、乱暴に口元を拭って頬を張った。

 

「一人だからなんだ、やってやる!!」

 

 圃人だからと、小娘だからと笑った奴らを見返すために、冒険者になって今日まで頑張ったのだ。未熟もいいところの自分に師事してくれたローグハンターに報いる為にも、ここで止まるわけにはいかない。

 

「よっしゃああああああ!!」

 

 彼女は空元気もいいところの雄叫びをあげながら廊下を突き進み、突き当たりの扉を蹴り破り、勢いのままに玄室に突入。

 

「次の相手は誰だ!相手になってやる!!」

 

 そして格好を付けた口上を叫びながら鋒を部屋の奥に向けると、

 

「……元気そうでなによりだな」

 

 石の玉座に腰をかけ、悪の迷宮の主(ダンジョンマスター)らしく足を組んでいたローグハンターが、思わず素でそんな事を漏らしていた。

「ほぇ」と気の抜けた声を漏らした圃人の少女は、数秒かけてようやく状況──いつの間にか最深部に到着しており、今のをローグハンターに見られていた──を理解したのか、ボッと音を立てて顔を耳まで真っ赤にすると、そっと左腕に括った盾で顔を隠した。

 

「わ、忘れてください……」

 

「……大丈夫だ。誰にだって、そういう時期はある」

 

 ローグハンターは苦笑混じりにそう言うと、彼女を励ますためか、あるいは今の役割(ロール)を果たすためか、愛用の雑多な片手半剣(バスタードソード)──を模した模造剣の鋒を床に突き立て、甲高い音を響かせながら彼女に告げた。

 

「冒険者よ!よくぞ我が迷宮を踏破した!褒美に直々に相手をしてやろう!!」

 

 彼はそう言いながら立ち上がり、わざとらしく足音を立てながら玄室の中央を目指して歩き始める。

 その言葉にハッとした圃人の少女が慌てて身構えると、玄室の端で毛布に包まれ、寄り添う形で寝かされている女魔術師、女神官、女武闘家の姿を見つけ、ホッと安堵の息を吐いた。

 

「いや、仮にも敵に捕まったんだぞ?安心してどうする」

 

 そんな彼女にローグハンターは圧迫感さえも感じるほど冷たい声音でそう告げ、不敵に笑んだ。

 彼の迫力に緩んでいた意識が途端に研ぎ澄まされ、冷や汗を垂らしながら盾を構えた。攻撃しても当てられる気がしない、むしろ反撃(カウンター)の一撃でやられる可能性の方が高い。とりあえず相手の攻撃を確実に防ぎ、こちらが反撃(カウンター)を挟むしか勝機が見えない。

 ふーっと深く息を吐き、力を入れすぎず、抜きすぎない絶妙な塩梅で構え、相手の行動に素早く反応できるように備える。

 ローグハンターは彼女の思考をある程度読めてはいたが、構うことなくゆっくりと前進を続行。

 圃人の少女も自分の行動が読まれているだろうことを理解しながら、ただですら低い勝率を少しでもあげるべくローグハンターを注視し続ける。

 一歩踏み込む。まだ遠い。

 さらに一歩。まだ遠いか。

 もう一歩。もう少しか。

 圃人の少女がぐっと剣を握る手に力を込めた瞬間、ローグハンターが動いた。

 まだ三歩程距離があるかと睨んでいた圃人の少女の予想に反し、ローグハンターはその三歩分の間合いを瞬時に詰め、模造剣を一閃。

 普段のそれとは比にならないほど遅く、圃人の少女でも辛うじて残光が見えるものではあるが、その威力は凄まじい。

 構えていた盾を目掛けて振るわれたそれを、彼に習った通りに僅かに角度をつけ、受け止めるのではなく受け流す。

 だが、それでも彼の一閃の重さたるや、同年代の只人のそれを遥かに超える。

 まだ盾を扱い慣れていない少女では完璧に受け流せる訳もなく、剣と盾が擦れる甲高い金属が響き渡り、辺りに火花を散らす。

 

「〜〜!!」

 

 盾で受けた筈なのに左腕全体を鈍い痺れが駆け抜け、圃人の小さな体躯が軽く浮く。

 だがと着地と同時に体勢を整えた彼女は、模造剣を振り抜いたローグハンターに目掛け、刃を振るった──。

 

 

 

 

 

 それから数分。遺跡には静けさが戻っていた。

 

「ぜぇ……ぜぇ……。も、もう無理です……」

 

 ローグハンターに全力をもって挑んだ圃人の少女だが、ついに体力が切れてしまい、トドメにローグハンターに投げ飛ばされたのを切っ掛けとして、彼女は降参を申し出た。

 そうかと応じたローグハンターは模造剣を腰に戻すと、床に倒れる彼女を見下ろしながら「思い切りは良かったぞ」と彼女の戦闘をそう評価した。

 

「だが体力不足だな。明日は走り込みでもするか」

 

 同時に改善点をあげ、明日の予定を簡単に組み立てていく。

 他三人は罠の回避方法や、隠し道の見つけ方など、少々斥候としての技能を伸ばしてやるべきか。

 顎に手をやってあれこれ思慮するローグハンターを見つめた圃人の少女は「あの……」と控えめに彼に声をかける。

 

「どうした。怪我でもしたか」

 

 そんな彼女をローグハンターは心配そうに見つめ、片膝をついてしゃがみ込むと雑嚢から水薬(ポーション)を取り出した。

 差し出されたそれをそっと押し返した圃人の少女はローグハンターに問う。

 

「あの、罰って何されるんです……?」

 

 純粋な好奇心のままに問われた事にローグハンターは「は?」と間の抜けた声を漏らし、僅かに目を逸らせた。

 だが彼の様子を間近で見ているにも関わらず、それに気づかない彼女は言葉を続ける。

 

「いや、だって、あの三人が寝込んでまだ起きてないって、相当なことを──」

 

「気にするな。最後まで頑張ったお前に何かするつもりは」

 

 彼女の言葉を遮り、ローグハンターは優しげな笑みを浮かべながらそう言うと、ちらりと寝かせている三人の方に目を向けた。

 罰といっても割とその場の勢いでやっていた感を否めないが、この()に関してはそういった関係でもない。軽い拳骨か、長めの説教で済ませてしまおうか。

 そうして思慮している彼を他所に、すんすんと鼻をひくつかせて「変な臭いがします」と異臭に──ローグハンターに纏わりつく淫行の残り香に気付いた様子。

 やばいと額に脂汗を滲ませるローグハンターは、どうにか言いくるめようと口を動かした矢先だった。不意に彼の背に誰かが抱きついてきたのだ。

 ローグハンターと圃人の少女が揃ってそちらに目を向ければ、ようやく賦活した女武闘家が、妖しげな笑みを浮かべながら両腕を彼の首に回し、

 

「ふん!!」

 

「っ!?」

 

 気合い一閃と共に締め上げた。

 突然気道を締め付けられたローグハンターはぎょっと目を見開き、振り解こうと勢いよく立ち上がりつつ、身体を揺らして暴れるが、思いの外しっかりと捕まってしまったのか、女武闘家も離れない。

 

「今のうちに、早く!!」

 

 彼女は本番の冒険さながらの迫力を込めて叫ぶが、肝心の圃人の少女は意識が既に休憩モードに入っていたのか、反応が致命的なまでに遅れてしまう。

 その隙にローグハンターは女武闘家を圃人の少女の方向に少々乱雑に投げ飛ばし、拘束から脱出。

 女武闘家は素早く受け身を取って体勢を整え、隣の圃人の少女に向けて叫んだ。

 

「形は最悪だけど、やっと合流できた!もう少し頑張れる?」

 

「いや、さっきまで伸びてましたよね!?」

 

「……気にしないで。さあ、もうひと踏ん張り!」

 

 圃人の少女の指摘をそっと目を背けて誤魔化すと、女武闘家は拳を構えて構えをとった。

 瞬間、きつく結んだ筈の結び目が解けてしまい、彼女の裸体を隠していた毛布が脱げてしまう。

 はらりと布擦れの音と共に毛布が床に落ちた瞬間、圃人の少女は確かに見た。彼女の鍛えられた肉体にへばりつく白い染みと、股や太ももを濡らす白濁液。しかも白濁液に関しては秘裂からまだ溢れ出している。

 同時にむんと香る女と男の交わった臭いが彼女の鼻腔をくすぐり、女武闘家とローグハンターがそういった事をしたから、そんな臭いを放っているのだと、本能の部分が察知してしまった。

 

「あ……」

 

 それを認識した瞬間、圃人の少女の下腹部が突然熱を持ち始め、子宮が物欲しそうにきゅんきゅんと収縮し始めた。

 

「な、なんですか、これ……っ!お腹の奥、熱くて、むずむずしますぅ!」

 

 へなへなと力なくへたり込んだ圃人の少女は、無意識の内に片手が秘裂に伸ばしており、ズボンの上からそこを弄り始めてしまう。

 普段隠してはいるが、訓練中に密着するローグハンターの汗の臭いだけで軽い興奮を覚え、隠れて自分で慰めていたというのに、それよりも強烈なものを不意打ちでもらったのだ、もう抑えは効かない。多感な時期の少女には、あまりにも刺激が強すぎた。

 ローグハンターと女武闘家は予想外の流れに「「へ?」」と間の抜けた声を漏らして圃人の少女に視線を向けるが、不意に二人と視線があってしまった少女は、

 

「み、見ないでください……っ!やだ、見ないで……!」

 

 目から大粒の涙を流しながら首を左右に振るが、秘裂を弄る手が止まることはない。

 指が動くたびにぐちゅぐちゅと湿った音を漏らし、少女の小さな体躯がピクピクと小刻みに震えている。

 怪訝そうに見つめてくる二人の視線をスパイスに、圃人の少女は余計に興奮を強めていき、秘裂を弄る手にも力がこもる。

 

「やめ、へ……♡見ないれ♡イク……っ♡二人に見られながら、イっちゃいます……っ♡♡」

 

 そして、言わずともいいのに状況を報告しながら自慰を続けていた圃人の少女は、ビクン!と一際強く肩を跳ねさせると、

 

「イクぅううううう♡♡♡」

 

 甲高い嬌声と共に、絶頂を迎えた。

 ぷしぷしと潮を噴き出す音が秘裂から漏れ出し、ズボンに大きな染みを作り、ショーツとズボンでは吸い切れずに滲み出たものが床に垂れていく。

 その様を申し訳なさそうにしながらもまじまじと見ていたローグハンターは困り顔を浮かべると、助けを求めるように女武闘家に目を向けた。

 

「……」

 

 この惨状の元凶ともいえる彼女は誤魔化すように笑うと、そそくさと女魔術師と女神官の元に行くと、二人に寄り添う形で狸寝入りを開始。

 取り残されたローグハンターが頬を掻くと、ちらりと圃人の少女に目を向けた。

 絶頂の余韻に浸りながら、自己嫌悪に陥っているのかすすり泣く声と「もうやだぁ……」と泣きじゃくる子供のような声も聞こえてくる。

 圃人基準で成人しているから問題はないのだが、身長が子供のそれしかない、美人の部類に入るであろう少女が、汗でぴたりと貼り付いた衣服をそのままに、股をそれとは別のものでびしょ濡れにしている様は、中々に背徳感を誘うものだ。

 ごくりと生唾を飲んだローグハンターが助けを求めて女武闘家に目を向ければ、彼女は相変わらず寝たふりをしているが、片手でどうぞどうぞと言わんばかりに圃人の少女を示している。

 ローグハンターは再び泣いている圃人の少女に目を向け、諦めたように溜め息を吐くと、一度切った迷宮の主(ダンジョンマスター)としてのスイッチを入れた。

 ずかずかと無造作な足取りでへたり込んでいる圃人の少女に近付くと乱暴に彼女の肩を掴み、力任せに押し倒した。

 

「きゃ!?」

 

 少女は悲鳴をあげ、怯えと羞恥でぐちゃぐちゃになった表情でローグハンターを見上げると、彼は嗜虐的な笑みを浮かべて彼女に告げた。

 

「さっきは何もしないと言ったが、気が変わった。お前が煽ったんだ、覚悟はできているな?」

 

 ぺろりと舌舐めずりすると汗ばんだ彼女の頬を撫で、目元に溜まっている涙を拭ってやる。

 彼の言葉の意味が理解できていないのか「え……あ……」と困惑の声を漏らすが、ローグハンターは構う事なく彼女のズボンを掴むと、勢いよくずり降ろした。

 

「〜〜〜!?!」

 

 突然ズボンを脱がされた圃人の少女は声にならない悲鳴をあげるが、ローグハンターが秘裂にピタリと貼りついたショーツを剥がしたのを合図に彼の言葉の意味と、嘘ではない事を悟る。

 ぞわりと背筋に冷たいものが駆け抜けるが、同時に胸の奥では期待している自分に気付き、子宮がきゅんきゅんと収縮を繰り返す。

 顔を耳まで真っ赤にし、彼に何か言おうとする圃人の少女だが、ローグハンターがそれよりも早く自分のズボンとパンツを纏めて下ろし、先ほどの痴態と気合いによって勃起させた一物を取り出した。

 ぼろんと顔を出した子供の腕ほどありそうなそれは、圃人の少女の股から鳩尾の辺りまであるように見える。

 

「え……?こ、こんなの、入んないです、よ……っ♡」

 

 どこまで入りそうな測っているのか、トントンと亀頭で腹を叩いているローグハンターに、圃人の少女は消え入りそうな声音で告げた。

 だがもじもじと太腿を擦り合わせ、瞳は情欲にまみれているのだから、説得力はない。

 

「さっきまであんなに弄っていたんだ。準備もできているだろ」

 

 そしてその視線を受けたローグハンターは断定的にそう告げると、彼女の秘裂に亀頭を擦り付け、少しでも滑りをよくしようと滲む出る愛液と先走り汁でコーティングしていく。

 

「ん……っ♡駄目、です……っ!待って、わたし──」

 

 圃人の少女が割と重要な事を口にしようとした瞬間、ローグハンターは容赦なく腰を突き出して一物を彼女の秘部に叩き込んだ。

 男を知らない乙女の秘部を、僅かに精液焼けした子供の拳のような亀頭がかき分けていき、エラ張るカリが媚肉を引っ掻き回す。

 途中、ブチンと何かを突き破る感触があり、やばいと思ってももう遅い。止まろうとしたローグハンターの意志を無視し、亀頭は最奥──興奮して降りてきていた子宮口に叩きつけられた。

 

「ぎぃ……♡」

 

 胎内に滑り込む異物感と、異性の熱さ、そして破瓜の激痛に当てられた圃人の少女は背中を弓なりにしならせながら呻き声をあげると、ゆっくりと自分の下腹部を確認。

 普段は平らで、最近ようやく筋肉の筋が見えてきた腹が、股間から臍の下辺りまで太い何か──彼の一物の形に盛り上がってしまっている。

 だが問題があるとすれば、まだ根本まで入っていないことだろう。まだ根本の方が見えており、浮かんだ血管も合わさって酷く気味が悪い。

 ローグハンターもその分を押し込んでいいものかと悩んでいる様子だが、圃人の少女がそっと歪に盛り上がった自分の下腹部を撫で始めると、彼女に意識を向けた。

 

「あひゅっ……♡えへへ♡私の、初めて、あげちゃいました……♡もっと仲良くなってからって思ってたのに、強引に奪われちゃった……♡♡」

 

 ピクピクと痙攣しながら、ただ愛おしそうに腹筋越しに一物を撫でるその姿は淫靡で、情欲を誘う。

 ごくりと生唾を飲んだローグハンターは彼女の腰を掴むと、そっと彼女の耳元に顔を寄せて告げた。

 

「容赦なしだ、いくぞ」

 

「ほぇ……?」

 

 彼の言葉に圃人の少女が間の抜けた声を漏らした直後、ローグハンターは入りきっていなかった分を力任せに押し込んだ。

 ごりゅ!と肉の潰れる音を立てながら入り込んだ一物は潰されまいと粘っていた子宮を容易く押し潰し、その他の内臓を軽く押し上げた。

 

「お゛……っ♡ぉえっ……!まって、げっ……!これ、駄目……っ♡」

 

 内臓を圧迫されたことで感じる気持ち悪さによる吐き気にえづくが、叩きつけられた凄まじいまでの快感により上手く思考できないのか、だらしのない表情を浮かべながらローグハンターに言った。

 対するローグハンターは食いちぎらんばかりの膣肉の締め付けと、くすぐるように蠢くひだが与えてくる快感に背筋を震わせながら、さすさすと盛り上がった少女の下腹部を撫でた。

 

「おほっ……♡な、撫でにゃいで……♡気持ち、撫でられるだけで、気持ちいいですぅ♡」

 

 撫でる度に膣肉が一物に押しつけられる為か、彼女はローグハンターが全く動いていないにも関わらず快感に喘ぎ、小さな絶頂を繰り返していた。

 膣肉の締め付けや痙攣の強さでそれを察したのだろう、ローグハンターは彼女の腰を掴む手に力を入れると、腰を振り始めた。

 カリがゴリゴリと膣肉を削り取らんばかりに、亀頭は子宮を殴りつけるように、彼女のことなぞ知ったことかと言わんばかりに乱暴に、腰を動かしていく。

 

「んぉおお♡ぶぇ……っ!すご、気持ちいい……っ♡おぇっ!一人でするなんかより、ずっと気持ちいいです♡」

 

 どちゅどちゅと湿った打撃音を響かせながらローグハンターが腰を突き出す度に彼女はえづき、今にも昼食を吐き出しそうになってしまうが、それよりも快感への反応が優先されるのか、喘ぎ声を漏らしながら全身を震わせた。

 抽送の動きに合わせて膣肉はキュンキュンと収縮を繰り返し、押し込む時は入りやすいように緩み、引き出す時は逃すまいと締め付けてくる。

 その緩急のついた快感にローグハンターは低く唸ると「射精()すぞ」と問答無用の宣言と共に、一際強く腰を突き出した。

 辛うじて彼の責めに耐えていた子宮が完全に押し潰され、そこに向けて粘液(スライム)の如く粘つく精液が吐き出された。

 潰れているせいか、あるいは元から小さいせいか、吐き出された精液は瞬く間に彼女の子宮を満たし、秘部を逆流した分が接合部から溢れ出す。

 愛液と精液が混ざった白濁した液体の中には純潔を失った証の赤い模様が加わっており、これが彼女の初めてである事を改めてローグハンターに知らしめた。

 僅かな罪悪感が彼にのし掛かり、いまだに固いままではあるが一物を抜こうとすると、彼の腰に圃人の少女が足を絡めて捕まえた。

 彼女なりに力いっぱいに引き寄せて、抜けそうだった一物を今度は自分の意志で挿入させた。

 

「いいのか?」

 

 ローグハンターが短く問うと、圃人の少女は恍惚の表情を浮かべながらこくりと頷いた。

 

「いい、ですよ……っ。もっと、めちゃくちゃにして、お腹いっぱいにしてください……!!」

 

 

 

 

 

 彼女のおねだりから、数十分。

 迷宮探索競技は失敗という形で決着はついたのだが、

 

「ぁへ……っ♡ぉぇ……っ。ぉぉ……♡」

 

 腹を妊婦さらながらき膨らませた圃人の少女は心ここにあらずといった様子で放置され、

 

「きゅい♡おほっ♡んぃいいいい♡そこ、気持ちいい、です……っ♡もっとずぼずぼしてください……っ!!」

 

 復活した女魔術師が、圃人の少女と交わっていたにも関わらず不完全燃焼だったローグハンターに襲われ、

 

「そこっ、駄目です……♡汚い、ですから、離して……♡んんんん♡♡♡」

 

 目を覚ました女神官は、助けに行ったにも関わらずローグハンターと楽しんでいた事を引き合いに出され、女武闘家の玩具にされ、

 

「汚くなんかないから。ほらほら、ここがいいんでしょう?んっ♡あの時の罰なんだから、暴れないの♡」

 

 狸寝入りをやめた女武闘家は先程の理由で女神官を虐めながら、ローグハンターと女魔術師の行為をおかずに自慰を行って順番待ち。

 ローグハンターの精魂つきるまで、四人は代わる代わる犯されることになる。

 迷宮の主(ダンジョンマスター)が捕らえた冒険者をどうしようが、彼の勝手。

 普段から気を張っているのだ、今くらい気を抜いても誰も怒りはすまい。

 だが予定から大きく遅れても帰らなかったせいで、身だしなみを整えてから帰還して早々に受付嬢からの説教が始まる事を、今の彼らが知る由もない。

 今は迷宮の主(ダンジョンマスター)でも、彼らは世界に数多くいる冒険者の、その一人に過ぎないのだから。

 

 

 

 




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Memory?? 快楽に染められて ※

Sequence1-7からの分岐。
ログハンが瓦礫の下敷きになり死亡し、銀髪武闘家が売り飛ばされた世界線。


 その日は銀髪の武闘家にとって、人生最悪の日となった。

 冒険者になっての初仕事。ギルドで偶然出会った人たちと一党を組み、廃坑を調べるという簡単な仕事を受けた。

 簡単な仕事。そう簡単な仕事だった筈だ。なのに、彼女が不注意が原因で斥候が死に、偶然通りかかったらしい山賊たちにより生き残った彼女を含めた冒険者たちは捕らえられ、それぞれが殺されるなり、売り飛ばされるなり、輝かしい栄光は欠片もない悲惨な末路を辿ることとなった。

 そして、浚った山賊たちすら魅了した見目麗しい乙女──銀髪の武闘家はその美貌と、豊満な肉体を目当てとした貴族に売り飛ばされていた。

 

 

 

 

 

 都から馬車でいく日か進んだ先にある、とある森の中に鎮座するとある貴族の別荘。

 鳥の囀りや窓から流れ込む風の音が心地よく、何の用がなくとも長いこと滞在したくなる雰囲気を醸し出す木造建築。

 だが、その実態は見た目とは程遠い悍ましいもの。都から離れることで監視の目が緩み、普段は抑え込んでいる歪んだ欲望を解放するには打ってつけなのだ。

 そんな貴族たちの遊び場とも言える別荘の一室。部屋の中央には今回の遊び相手である奴隷──先日贔屓にしている山賊たちから買い取った冒険者、銀髪の武闘家が両手を天井から吊るされた手枷に拘束され、万歳の状態で放置されていた。

 既に裸にされた彼女は無気力なまま天井から吊るされるがままとなっており、片手では納まらない豊満な乳房や薄く筋が見える程に鍛えられた腹筋、綺麗に処理されている陰毛が、窓から差し込む陽射しを浴びて艶々と輝いている。

 彼女の肢体を舐めるように視姦しているのは彼女を勝った貴族の男だ。別荘の主人でもある。鍛えられた細くもしっかりとした肉体を上等な貴族服で覆い、腰には念のためと細剣を帯びている。

 顎髭を摩りながら飽きるまで彼女を視姦していた貴族の男は「ふむ」と声を漏らすと、染みついた汚れがそのままにされている絨毯の上を無造作な足取りで進むと、俯いている銀髪武闘家の顎を掴み、顔を無理やりあげさせた。

 銀色の瞳は虚ろに陰り、ペチペチと頬を叩いてやっても反応がない。

 話では彼女を庇って死んだ冒険者がいるらしい。目の前で仲間を失い、心が壊れてしまったのか、あるいは心が壊れるほどに良い仲の誰かが死んでしまったのか、それは今さら知りようがない。

 だが、

 

「反応がないのはつまらんな」

 

 貴族の男はそう呟き、無造作に彼女の豊満な胸を鷲掴んだ。

 若さ故か、あるいは鍛えているからか、僅かに硬いがその分弾力がある胸を揉んでその感触を楽しみながら、ちらりと銀髪武闘家の顔色を伺うが、やはり大きな反応はない。

 多少口から声が漏れたり、身体を震わせたりはしているが、見たいのは彼女が泣き叫び、許しをこう姿やもっと快感に乱れ、喘ぐ姿だ。

 

「初物だからと大金を払ったのだがな。あの山猿ども、処分してやろうか」

 

 貴族の男は無表情のまま冷たい声音でそう告げ、彼女から離れながら腰に帯びていた細剣を抜き、その鋒を彼女の左胸──心臓の位置に向けた。

 剣といってもこれは躾の為に刃を潰してあるものだ。だが軽く押しつけてやれば肉に食い込み、本当に刺し殺されるのではと相手に思わせる程度の痛みを与えられる。

 事実彼女は苦しそうに呻き、怯える子供のように身体を震わせ始めたではないか。

 

 ──心は死にかけているようだが、命は惜しいように見える。

 

 貴族の男は冷静に彼女の状態を観察してそう判断すると、悪戯を思いついた子供のそれを、更に醜く歪めたような邪悪な笑みを浮かべた。

 彼女は仲間に庇われた結果、巡り巡ってここにいるのだ。なら、そこを攻めてやらない理由はない。

 貴族の男は細剣を更に押し込み、豊満な胸に鋒を突き立てながら彼女に歩み寄り、耳元に顔を寄せた。

 

「このまま君が死ねば、君を助けた冒険者は無駄死にだな」

 

「……っ」

 

 その一言を言った途端、銀髪武闘家は僅かに目を見開いて驚きを露わにし、その冒険者が死ぬ瞬間を思い出してしまったのか、呼吸が乱れ始め、目からも大粒の涙が溢れ始めた。

 手応えありと笑んだ貴族の男は顔を離し、彼女の泣き顔を正面から見据えながら言葉を続けた。

 

「君の友人は自らの命を差し出してでも、君を救おうとした。君に生きて欲しかったのだろう?その想いを無下にして私に殺されるつもりかい?」

 

 教師が教え子にそうするように優しい声音で告げた言葉は、彼女の折れかけた心を少しずつ修復していく。

 もちろんこの後壊すからだが、その労力を惜しむほど貴族の男も短気ではない。

 ほらほらと銀髪武闘家を煽るようにぐりぐりと細剣を捻りながら押しつけてやると、彼女の表情に少しずつ生気が宿り、目に覇気が宿る。

 

「──ねない……っ」

 

「何か言ったかい?聞こえないな」

 

「私は、死ねません……っ!」

 

 貴族の男がわざとらしく問い返せば、銀髪武闘家はようやく調子が出てきたのか、身体を大きく揺らして手枷を外そうと暴れ始めるが、ガシャガシャと鎖が揺れる音だけが虚しく響くばかり。

 

「うん。生きがよくなってきた。なら、私の相手をしてくれよ」

 

 微笑んだ男はそう言うと細剣を鞘に納め、彼女の頰に残る涙の後を拭ってやった。

 キッと鋭く睨んでくる彼女を見つめ返しながら、貴族の男は告げた。

 

「君の命は私が握っている。なに、私を満足させれば殺さない、満足できなければ、殺す。それだけさ」

 

 ふふふと怪しげな笑みを浮かべながら告げられた言葉に、銀髪武闘家は意味を理解していないのか疑問符を浮かべるが、そんな彼女に現実を叩きつけるように貴族の男は乱暴に貴族服を脱ぎ捨てると、鍛えられた肉体を彼女の目の前に曝け出し、ついでにズボンとパンツをずらして一物を取り出した。まだ勃起してはいないが、それでもかなりの大きさを誇るそれは只人の平均よりは大きいのだろう。

 初めて見る男の生殖器に銀髪武闘家は「ひっ」と小さく悲鳴を漏らすが、貴族の男は構わずに指を鳴らした。

 すると途端に天井から伸びている鎖が緩み、宙ぶらりんになっていた彼女は不意打ち気味に床に叩きつけられた。

 受け身なしで床に叩きつけられた痛みに喘ぎ、すぐに男を睨まんと顔をあげると、鼻先を亀頭が掠めた。

 

「へ……?」

 

 途端に鼻腔を駆け抜ける生臭さが何なのか理解できず、銀髪武闘家は間の抜けた声を漏らすが、冷たく見下ろしてくる貴族の男の視線に気づき、ハッとした。

 彼の片手は既に細剣の鞘に添えられており、いつでも抜刀できるようにしているようだ。

 

「さあ、まずは勃起させるところからだ」

 

「ぼ、勃起させる……?ど、どうやって」

 

「そこからか、無知なことだな」

 

 貴族の男は困り顔になりながら溜め息を吐くと、「舐めたり、咥えたり、色々やってみろ」と淡々と指示を出す。

 

「これを、舐める……!?そ、そんなことできるわけ──」

 

「なら死ぬか」

 

 彼の言葉に狼狽え、顔を背けた銀髪武闘家に、貴族の男は冷酷にそう告げた細剣を僅かに抜き、刀身を彼女に見せつけた。

 窓からの陽射しを浴びて煌めくそれは、素人の域を出ない彼女には本物に見えることだろう。

 彼女は「うぅ」と呻き、目に涙を浮かべながら恐る恐る半勃ち状態の一物に舌を這わせた。

 

「〜〜〜!?」

 

 途端に口に広がる生臭さに声もなく悲鳴をあげるが、貴族の男は「はやくしろ」と急かしてくるばかり。

 彼女は啜り泣きながらゆっくりと亀頭を舐め始め、彼の一物を刺激していくが、

 

「やはり初めてではこの程度か。まあ、今回は大目に見てやろう」

 

 貴族の男が肩を竦めながら言った直後、彼は銀髪武闘家の頭を両手で掴んだ。

 耐えられない生臭さに喘いでいた銀髪武闘家が「ふぇ?」と疑問符を浮かべると、貴族の男は笑みを浮かべ、

 

「こうするんだよ!」

 

「んぼ!?」

 

 声を荒げながら彼女の頭を引き寄せ、半開きになっていた口に一物を突っ込んだ。

 生暖かな感触が亀頭を包み込み、追い出そうとしているのか暴れる舌が触れる感覚が心地よい。

 貴族の男は「この感覚だよ」と恍惚の表情になるが、

 

「ぶっ……!ぉえ……!げっ……」

 

 異物を口に押し込まれた銀髪武闘家はそれどころではない。

 口の中を支配する熱さと生臭さに身体が悲鳴を上げ、小刻みに痙攣を繰り返しながらえづいているが、男は構うことなく腰を彼女の顔に押しつけて一物を喉奥まで侵入させる。

 

「ほらほら、もっと喉締めて、舌で舐め回せ。まだ勃起しきってないぞ」

 

 ペチペチと頭を叩きながら貴族の男はそう言うが、銀髪武闘家にそんな余裕はない。

 上手く息ができず、生臭い臭いが肺に流れ込んでくる。

 それでも勝手に舌が動き、悲鳴をあげる度に喉が締まってしまう為か、彼の指示に従っているように見えてしまう。

 

「いいぞ、勃ってきた」

 

 貴族の男は一物から感じる淡い快感に背筋を震わせながらそう言うと、事実少しずつ一物が大きく、太くなり始め、銀髪武闘家の口をこじ開けていく。

 

「んん!ん〜!!んぶっ、ぇ……!」

 

 ガシャガシャと鎖を揺らしながら銀髪武闘家は身体を揺らすが、貴族の男は彼女の頭を離すことはなく、喉奥に一物を押し付け続ける。

 そしてそれだけでは飽きてきたのか、彼は彼女の頭を乱暴に前後に揺らし始め、彼女の口をまるで玩具でそうするように一物を扱き始めた。

 唇が竿の部分を優しく扱き、力んだ歯が擦れる感触も少々痛いが心地よいの範囲内。亀頭が喉を通る度引き締まる感覚は、さながら秘部に挿入した時のようだ。

 

「んぶ!?ぶっ……!ぉ、お……っ!ぶ、ぶぇ……!?」

 

 どちゅどちゅと音を立てて頭を揺らされる度、銀髪武闘家は汚い悲鳴を漏らすが、声を出す度に喉が震え、震えに合わせて喉が亀頭を撫で回していく。

 口から大量の唾液を掻き出され、胸元にバタバタと音を立てて垂らしながら貴族の男の責めにどうにか意識を飛ばさないように耐えていた銀髪武闘家だが、一物が少しずつ膨らんでいる事に気づき、目をまん丸に見開いた。

 彼女が異変を察しても何もできない。貴族の男は渾身の力で彼女の頭を腰に押し付け、亀頭を喉の入ってはいけないところまで押し込むと、何も言わずに吐精した。

 

「〜〜〜!??!」

 

 息ができなくなった直後、食道に直接粘菌(スライム)じみた熱々ドロドロの何かを注ぎ込まれた銀髪武闘家は驚く間もなくそれを飲み込んでしまい、強烈な生臭かに悲鳴をあげるが、逃げる事はできない。

 ごきゅごきゅと音を立てて精液を飲み込む彼女を見下ろしながら、貴族の男は「そのまま動くなよ……っ!」と射精の快感に耐えながら声を絞り出し、彼女の頭を押さえ込み続ける。

 時間にして一分か二分ほどだろうか。銀髪武闘家が窒息する寸前までいった頃になってようやく射精が落ち着き始めると、貴族の男は一物を抜き始めるが、彼女の口内に精液が溜まるようにわざと亀頭を完全には出さず、尿道に残った分を口腔に吐き出し、満たしていく。

 そしてそれも落ち着くと一物を引き抜き、すぐさま彼女の口を閉じさせた。

 

「〜〜!ふっ〜!!んん!!」

 

「ちゃんと味わって飲み込め。吐き出したから殺す」

 

「……っ」

 

 顎を押さえる男の手を払おうと首を振る銀髪武闘家に淡々とそう告げると、彼女は途端に大人しくなり、口を支配する生臭く粘度の高い精液の感触に耐えるようにプルプルと震え、目からは大粒の涙が溢れる。

 

「口の中見せろ」

 

 吐き出すなとと釘を刺しながら指示を出し、顎を押さえていた手を放す。

 銀髪武闘家は言われた通りに口を開き、口腔が真白になるほどに精液がへばりついている様を見せつけた。

 その姿に満足そうに笑った男は「舌でかき回してから飲み込め」と指示し、細剣の鞘に置いた手に力を込めた。

 口外の脅しに従う他ない銀髪武闘家は口の粘膜に貼り付く精液を舌でゆっくりと剥がし、ゆっくりと味わうように舌の上で転がしてから飲み込んだ。

 

「〜〜〜!けほっ!げほっ!!」

 

 途端に鼻を駆け抜けた生臭さと、精液が喉に貼り付いてゆっくりと胃に落ちていく感覚に思わずむせてしまうが、辛うじて吐き出してはいない。

 

「よし、いい子だ。ほら、ご褒美だ!」

 

 貴族の男がそう言いながら指を鳴らすと、再び鎖が動き出して彼女を引き上げ、再び宙ぶらりんに。

 彼は彼女の足を持ち上げて無理やり股をこじ開け、ピタリと閉じた秘裂に目を向けた。まだ男を知らないその場所を穢す背徳感にぞわりと背筋を震わせ、その興奮のままに彼女の唾液と自分の精液に濡れた亀頭を秘裂に押し当てた。

 

「ま、待って、そこは──」

 

 銀髪武闘家が制止の声をあげるが、貴族の男がそれに応じる義理はない。

 男は彼女の見せつけるようにゆっくりと腰を突き出していき、一物を秘部に押し込んだ。

 みちみちと音を立てて閉じていた膣肉を掻き分け、進む度に銀髪武闘家の身体は強張り、力みが強烈な締め付けとなって男の一物を扱いていく。

 

「初物の締め付けは堪らんな。おっと、これが膜か」

 

 一物を追い出そうと蠢くヒダ肉のくすぐりに快感を覚え、思わず射精しそうになりながらも、男は余裕の笑みを浮かべて亀頭に薄い幕が当たった感覚を確認。

 その膜を突く度に膣肉はキュンキュンと締め付けを強め、抵抗してくる。

 銀髪武闘家もいやいやと涙を流しながら首を振っているが、構うことはない。

 貴族の男は微笑みを浮かべながら、ゆっくりと腰を前に突き出していく。

 ぶちぶちと音をたてて膜を少しずつ破れていく感覚を愉しみながら、そっと銀髪武闘家の表情を伺えば、

 

「痛いッ……!痛い痛い痛い痛い!!!抜いて、抜いてぇえええ!!」

 

 じっくりも短剣を突き立てられるような激痛に彼女は悲鳴をあげるが、それすらも男にとっては欲情を誘う一手に過ぎない。

 痛みに喘ぐ彼女の歪んだ表情を見ながら快感に打ち震える貴族の男は、我慢ならんと一物を根本まで一気に押し込んだ。

 異物の侵入を防がんと渾身の力で閉じていた膣肉はあっさりと男の力に屈し、奥に隠れていた子宮口と亀頭が深く繋がりあう。

 

「きゅひ!?」

 

 胎内の奥底から殴られたような衝撃を叩きつけられた銀髪武闘家は悲鳴をあげ、膣肉が一気に引き締まる。

 ヒダが一物を余すことなく扱きあげ、接合部からは痛みを和らげようと溢れ出した愛液に混ざり、破瓜の血が溢れた。

 

「わ、私の、初めて……っ!こんな、ところで……!」

 

 子宮を押し潰す異物感と、絶えず感じる激痛に、自分の初めてを奪われたことを嫌でもわかってしまった彼女は、啜り泣きながら口を開いた。

 出来ることなら初めては愛する人に、そんな細やかな夢も許されなかったらしい。これが仲間の命を奪った自分への罰なのだろうか。

 目から大粒の涙を流し、泣き続けている彼女の顔をじっと見つめた貴族の男はその涙を拭い、濡れた指を舐めると、眉を寄せて舌打ちを漏らした。

 

「流石初物の締め付け。俺も堪え性がなくなったか」

 

 ぐりぐりと亀頭を子宮口に押し付け、力の強弱に合わせて締め付けてくる膣肉の感触に舌鼓を打つと、「射精()すぞ」と淡々とした声音で告げ、にこりと笑った。

 

「──俺の子を孕め、冒険者」

 

 耳元でそう囁いた直後、言葉の意味を理解した銀髪武闘家はさっと顔色を青くすると、

 

「赤ちゃん!?やだ、産みたくない!やだ、やだぁ!!」

 

 身体をジタバタと揺らして抵抗するが、貴族の男はその動きに合わせて揺れる豊満な胸を凝視するとその胸を揉み始め、柔らかさを堪能し始めると、同時に射精を行った。

 二度目ではあるが、どろりと熱い液体が子宮に流し込まれ、銀髪武闘家の身体がビクン!と強く跳ねた。

 

「あ、ああ……っ。で、出てる、熱いの、出されてる……。やだ、赤ちゃんできちゃうの、やだ……!」

 

 子宮を舐め回す熱い感触に身体を震わせながら、彼女は意味もない言葉を吐き出し、気の抜けた表情で男を見つめた。

 彼女の視線を受けた彼は不意に彼女の唇を奪い、触れ合うだけのキスをすると、ニヤリと歯を剥き出しにした不気味な笑みを浮かべ、彼女に告げた。

 

「俺がお前の初めての男だをそして、今お前の膣内に入っているのが初めての男根だ。どっちも忘れるなよ」

 

 男はそう言うと一物を引き抜き、再び指を鳴らした。

 秘裂からは栓を失い、抑えるものがなくなった精液が吐き出され、鎖が緩んだかと思えば銀髪武闘家の身体は床に叩きつけられた。

 

「うう。うう……っ」

 

 もう受け身を取る気も、逃げる気力も失ったのか、泣きながらその場で丸くなる彼女を見下ろしてながら、男は扉に向けて「もういいぞ」と声をかけた。

 すると重々しい音と共に扉が開き、そこから複数人の男が姿を現した。

 中肉中背のどこにでもいそうな男。筋肉質で大柄な男。贅肉に塗れた汗だくな男。エトセトラ、エトセトラ。

 十人ほどだろうか。ニヤニヤと怪しげな笑みを浮かべ、丸まっている彼女を舐めるように見ている。

 貴族の男は「俺たちにもある程度のルールがあってな」と、銀髪武闘家に向けて言う。

 

「買ってきた相手が最初の一回は一人で愉しむ。その後は、全員で愉しむ。いい決まりだろう?買わずともおこぼれを貰え、買って来ればある程度の優先してもらえる」

 

 彼はそう言うと銀髪武闘家の手枷を外して自由にし、部屋の隅に置かれた椅子に腰を下ろした。

 じりじりと寄ってくる男たちを怯えながら見る銀髪武闘家に、男は煽るように言う。

 

「そいつらは俺ほど紳士ではない。真面目にやらねば、殺されるかもな」

 

 ちらりと入ってきた男たちに目を向ければ、彼らは一様に新しい玩具を前にし、興奮している様子だ。その目は間違いなく、人に向けるものではない。

 

「し、死にたくない……っ。やだ、来ないで、やだ、やだ……っ」

 

 その瞳に当てられ、自由になったにも関わらず逃げるという選択肢が消えてしまった銀髪武闘家は怯えながら後退っていくが、男たちの方が速い。

 

「だ、誰か、助け──」

 

 そして助けを求める彼女の声は、誰にも届かない。

 

 

 

 

 

 そこからは、まさに地獄であった。

 

「んん!?んぶ!ぶぉ!?ぶっ……!んん!んんんんんん!?!」

 

 真っ先に彼女を捕まえた男の手で秘部を貫かれながら、その次に彼女を掴んだ男が彼女の口に一物を突っ込まれ、身体を串刺しにされるような状態で子宮と胃に精液を吐き出される。

 死にたくない、彼のために生きねばならぬと、身体と心に喝を入れ、辛うじて耐える。

 

「そっち、違っ……、ぎぃいいいいい!?」

 

 解放され、精液を吐き出していた彼女を捕まえた男が、まだ誰も手をつけていない事をいいことに菊門に一物をねじ込み、抽送を開始。突く度に身体が裂けるような痛みに悶える彼女を肴に、男たちは順番待ちする己の分身を慰め始めた。

 まだ大丈夫、耐えられる。彼の分まで生きるのだ、頑張らねば。

 

「やめ、げぶ!?な、殴らないれ……!げっ!やめ、ぎっ!?べっ!がっ……!」

 

 男たちの手で両足が頭の上で固定され、所謂マンぐり返しと体勢を取らされた彼女を犯す筋肉質の大男は、子供の腕ほどある一物で彼女の子宮を押し潰し、エラ立つカリ首で膣肉を掻き回されながら、締め付けが緩んだ途端に喝を入れるように胸や顔を殴られた。

 だい、じょうぶ……。まだ、大丈夫……。

 

「んぶ!?おおおっ!おぶ!?ぶぇ、んぉ!ぅえ、んんんん!?」

 

 先ほど尻をこじ開けたのだからと、今度は秘部、菊門、口にそれぞれ一物を突っ込まれ、好き勝手に動く三人が与えてくる刺激にパニック状態になりながら、両手は他の男の手で一物を扱くのに使われ、自慢の長い銀髪の一物を扱く玩具代わりに扱われ始めた。

 大丈夫。でも、気持ちいい……。なにこれ、苦しい筈なのに……。

 

「もぅ、やだぁ……っ。胸、いじめ、ないれ……っ」

 

 代わる代わる男たちに腹の上に座られ、豊満な胸の谷間に一物を挟み、扱き、好きなタイミングで吐き出された精液を顔にぶっかけられる。

 半日経っても男たちの責めは終わることなく、銀髪武闘家の様子にも変化が生まれ始めた。

 

「んちゅ♡んぁ……っ♡んぉぉお!?そこ、すごい、れすぅ……!あん♡」

 

 一物を差し出せば自分から口に含むようになり、勝手に手で扱くようになり、表情も少しずつ恍惚なものへと変わっていく。

 男たちに混ざり、彼女を責めていた貴族の男もそれに気付いたのだろう。

「おい」と声をかけると男たちは一斉に責めの手を止め、銀髪武闘家から距離を取った。

 

「んぇ……?」

 

 全身を白く汚し、秘裂と菊門から大量の白濁液を垂れ流す銀髪武闘家が疑問符を浮かべると、貴族の男は誰もいない扉の方を指差した。

 

「どうする。今なら逃げられるぞ?自由になるつもりは──」

 

「あむ!じゅる!じゅるる!んべ、あむ、れろ、じゅるるるる!」

 

 そんな男の言葉を遮る形で、銀髪武闘家は目の前にあった貴族の男の一物を口に含み、口を窄めながら頭を前後に揺らし、彼の一物を慰め始めた。

 ふっと笑った貴族の男は「それが答えか」と呟くと、銀髪武闘家は一度彼の一物から口を離し、擦り寄りながら言う。

 

「お願いします。これ、下さい。もっと気持ちよくして、めちゃくちゃにしてくださいぃ……」

 

 甘える猫のような胡麻すり声をあげながら、ペロペロと男の一物を舐めまわし、鈴口から溢れた我慢汁を舐めとり、その生臭い味に恍惚の表情を浮かべる。

 

「お前を救った仲間のため、また冒険者になるつもりもないのか?」

 

 そんな彼女に最終確認を取るように貴族の男が問うが、銀髪武闘家は恍惚の表情のまま笑みを浮かべ、告げた。

 

「もうそんな事どうでもいいから、もっと気持ちよくしてください!全部、忘れさせてください!」

 

 彼女は叫ぶようにそう懇願しながら、裸のまま綺麗な土下座を披露した。

 全身を白く汚し、下半身の二つの穴から大量の白濁液を吐き出しながら土下座をする様は、背徳的ではあるがそれ以上に扇情的だ。

 そう、彼女は目の前の快感に逃げたのだ。仲間の死の責任からも、夢からも、目の前の男たちが与えてくる快感に身を任せ、忘れてしまおうとしているのだ。

 むぅと困り顔で唸った貴族の男だが、まあそれもいいかと彼女を蔑むような笑みを浮かべ、男たちに目を向けた。

 

「それじゃ、愉しむことにしよう。彼女がそう言うんだ、遠慮もいらんだろう」

 

 彼の言葉を合図に欲望で瞳をぎらつかせる男たちが、一斉に銀髪武闘家に向けて手を伸ばした。

 

 

 

 

 

 それからどれだけの時間が過ぎたのだろうか。銀髪武闘家は、いや、銀髪の女奴隷は、

 

「あへっ……♡おひゅ♡んへ、んぉお〜♡♡♡」

 

 ようやく男たちから解放され、度重なる絶頂とその余韻により床をビクビクと跳ねており、秘裂と菊門からだけでなく、口や鼻からも精液を吐き出し、ちょろちょろと音を立てて失禁までしている始末。

 その様を見下ろしていた貴族の男はほくそ笑むと指を鳴らし、部屋の外で待機していた女従者たち──もちろん、彼女たちも奴隷であり、彼の気分一つで銀髪の女奴隷と同じ目に遭わされる──に、後片付けを指示し、脱ぎ捨てた貴族服もそのままに部屋を後にした。

 長い廊下を裸のまま進みながら、銀髪の女奴隷だけでは満足できなかった者や、多人数での輪姦に興奮できない者などが、個人所有の奴隷で愉しむ音を聞きながら、浴場を目指していく。

 そこで不意に立ち止まり「しまった」と後悔混じりに振り向いた彼は、大きめの舌打ちを漏らした。

 

 ──あのまま風呂にぶち込み、風呂でしかできない遊びをすれば良かった。

 

 今から戻って連れてくるか。いや、面倒だし何より汚すぎる。綺麗になった彼女を、改めて穢してやろう。機会ならいくらでもある。

 男は明日の愉しみを夢想しながら、ちょうど廊下の曲がり角で鉢合わせた女従者の腕を掴み、僅かばかりに抵抗──そうすると、罰と称した激しい責めをされることを、彼女は知っている──を無視して浴場に連れ込んだ。

 銀髪の女奴隷を前にした予行練習。男は荒んだ貴族社会から切り離されたその場所で、全力で普段封じている己を解放する。

 銀髪の女奴隷は彼の所有物として、彼が飽きて捨てるまでここから出ることは叶わない。

 彼女はこの薄汚れ、男の欲望に満ちた屋敷で、生涯を終えるのだ。

 誰にも、知られることもなく……。

 

 

 

 

 

 

 




感想、リクエスト等ありましたら、よろしくお願いします。


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Memory?? 売られ、弄ばれ ※

リクエストから。
ヒロインは銀髪武闘家。

Sequence02以降のどこか。ならず者狩りに失敗し、攫われた彼女は、とある貴族に売り飛ばされる。


「美しい。なんと美しい」

 

 後ろ暗い噂が絶たないとある貴族の屋敷。

 屋敷の主人である男は目の前で鎖に繋がれ、猿轡を噛まされながらも、鋭く睨んでくる銀髪武闘家の姿をそう評した。

 それが愛する人からのものであれば彼女も照れ臭そうに笑うのだろうが、生憎と今この部屋にいるのは銀髪武闘家と貴族の男のみ。

 

「どうだ、その寝巻きの着心地は?次に買った女に着せようと思っていたんだが」

 

 貴族の男はそう言いながら、舐めるように彼女の肢体を見つめた。

 奴隷の蚕人に織らせたワンピース型の寝巻き──ようはネグリジェだ──は、確かに肌触りはよく、通気性も高いためまるで羽を纏うかのように心地よいのだが、問題が一つ。

 

「このたわわな果実を、あのローグハンターとかいう青二才は独り占めしていたのか。ああ、なんとけしからん男だ!」

 

 貴族の男は既に死んだ男──ローグハンターの名前を出しながら、ネグリジェの穴から剥き出しになっている彼女の乳房に手を伸ばし、鷲掴んだ。

 そう、そのネグリジェは文字通り男が愉しむために用意されたもの。触れたい場所に時間の無駄なく触れるよう、女の胸が剥き出しになるように胸部の布が繰り抜かれていたのだ。

 両手足を鎖で繋がれているため、逃げることもできない彼女は威嚇するように唸るが、貴族の男は気にも留めない。

 僅かに汗ばんだ手で彼女の胸を掴み、武闘家故に固いだろうという予想に反して感じる柔らかさを堪能するように、五指を蠢かせて胸を紅葉型に歪ませる。

 

「んっ!うぅ……!!ううう!!」

 

 初対面の、好きでもない男に胸を好き勝手される。こちらのことを一切考えず、触りたいように触り続ける男に銀髪武闘家は唸り声で牽制し、射殺さんばかりの視線を向けるが、男は笑うばかりだ。

 

「柔らかい、柔らかいなぁ。今まで触れたどの女よりも、良い。田舎者の冒険者だというのに、何を食えばこんなに育つのだ?」

 

 ぐにぐにと力任せに胸を揉む度、指の動きに合わせて柔らかく形を歪める胸の動きと感触を堪能しつつ、貴族の男はすっと細めた目で彼女の顔色を伺った。

 

「んんっ!ぅあ……っ!ん!?んんん!」

 

 胸を触る度に苦しそうに呻いてはいるが、少しずつ頰が朱色に染まり始め、反応も強くなり始めている。

 どうやらようやく、寝ている隙に飲ませた媚薬が効いてきたようだと心中でほくそ笑んだ男は、視線を彼女の胸、正確にはその先端で存在を主張する薄桃色の突起──乳首に向けた。

 噂通りなら件のローグハンターの恋人であったそうだし、何度も熱い夜を過ごしている筈だが、黒ずんだり、形が崩れたりせず、まるで生娘のように美しい小さな蕾が、左右それぞれの胸の先端にぽつんと鎮座している。

 男は胸を揉む手を止めると、焦らすように、次はここだと宣言するように、ゆっくりと乳輪の輪郭を指で撫で、進む度にピクピクと震え、カチカチと小刻みに猿轡を噛む音が聞こえてくる。

 

「感じているな。どうだ、お前の想い人よりも上手いだろう?」

 

 男はそう煽りながら、突然彼女の乳首を摘んだ。

 

「んぉ!?」

 

 その途端、電撃が駆け抜けるような刺激が全身を舐め尽くし、身体をビクン!と跳ねさせ、強張った身体が大きく仰け反る。

 身体を仰け反らせたまま顔を天井に向け、目を見開いたまま呼吸を乱す中、貴族の男は「ここがいいのか」と笑いながらぐにぐにと彼女の乳首を捏ねるように押し潰し、爪の先でカリカリと細かく掻いてやる。

 

「んぉお!?おぎっ!んん!むぉおおおおお♡」

 

 男の指が動く度、銀髪武闘家は全身を駆け巡る快感に当てられて滑稽なほどに身体を揺らし、猿轡の向こうから耐えきれずに嬌声を漏らし始めた。

 

「ほらほらほら。ここがいいのか?あの男に仕込まれたのか?おお?」

 

 男は愉しそうに笑い、ローグハンターとの関係を煽りながら、コリコリコリコリと彼女の乳首を捏ね回していた手を不意に離すと、

 

「ほれ!」

 

 トドメを刺すように、彼女の乳首を指で弾いた。

 捏ね回されたせいかほぼ全ての意識が向けられ、敏感となっていた場所に、先程の比にもならない刺激を与えられた彼女は、

 

「んぉぉおおおおお♡♡♡」

 

 腹の底からの嬌声をあげながら一際強く身体を跳ねさせた。

 両足が爪先までピンと伸び、両手の指で力んで何かを掴もうと宙をもがいている。

 ネグリジェの穴から覗く秘裂からは粘ついた液体が溢れ出し、彼女の股を淫らに汚していく。

 媚薬の影響と、ローグハンターが無意識に行っていた調教のせいもあるだろうが、胸だけで絶頂を迎えた彼女の痴態を見ながら、男は笑う。

 

「──ああ。今回の買い物は大成功だったようだ」

 

 

 

 

 

 それから数日、同所。

 奴隷たちに指示を出し、食事を拒む彼女に無理やり朝食を取らせている貴族の男は、その様子をご機嫌そうに観察しつつ、今日の衣装を吟味していた。

 

「君の冒険用の衣装に似せた物を取り寄せた。もちろん諸々と改造してあるが、どうだい?」

 

「もご!?んぐっ!んんん!ん〜!!」

 

「ああ、好き嫌いはいけないな。もういい大人だろうに、情けない」

 

「んべ……。お願いっ。やめ、て。これ、食べたくな──んぐ!?」

 

「むぅ。流石はローグハンターの相棒兼恋人。流石に気付くか。ああ、これはどうだい、都の流行りの服──を改造したものだ。改造前に思ったが、最近の若者はこんな物を着るのだな。良いことだ」

 

 男があれでもないこれでもないと次々と衣装を手に取る中、銀髪武闘家は次々と朝食──三日三晩媚薬に浸けた肉や野菜を使ったサンドイッチや、水の代わりにスープで希釈した薄味スープという名のただの媚薬──を次々と口に押し込まれ、吐き出すことも許されずに飲み込んでいく。

 

「吐かせるなよ?準備も大変だからな」

 

 だが、あまりのハイペースさに男がそう苦言を口にすると、奴隷たちは幾分かペースを落とし、彼女が飲み込みを拒否すると水袋──中身はもちろん水で薄めた媚薬だ──で無理やり流し込ませていく。

 もちろん彼女も出来うる限りの抵抗としてか、がぼがぼと音をたてて水を吐き出し、豊満な胸や鍛え抜かれた肉体を濡らしていく。

 その様子を見ていた貴族の男は「それだ!」と何やら感銘を受けたように彼女に言うと、用意した衣装の中でも一際地味であり、同時に布面積が小さい物を取り出した。

 言ってしまえば、それは先日のネグリジェとは逆。胸と秘裂、臀部のみを隠す、服というにはあまりにも心細いもの。

 冒険者である銀髪武闘家からすれば、下着鎧(ビキニアーマー)を彷彿とさせるが、貴族の男はそれに軟膏型の媚薬を塗るように奴隷に指示を出しながら、彼女に言う。

 

「都で話題の水着というものだ。田舎者には縁遠いものだろうが、貴族の令嬢らが川や泉で遊ぶ時に着る」

 

 無駄に親切にそれ──黒い水着を示しながらそう言うと、奴隷が軟骨型の媚薬を、乳首や秘裂、菊門に触れる場所に徹底的に塗り込み、ついでに全体にも染み込むまで馴染ませた結果、透け透けになった水着を恭しく差し出した。

 それを受け取った貴族の男は「ご苦労。皆、下がってくれ」と指示を出すと、奴隷たちは一切に部屋を後にした。

 取り残されたのは、貴族の男と両手足を鎖に繋がれた銀髪武闘家だ。

 男は過剰ともいえる量の媚薬を様々な形で飲まされ、触れてもいないのに小さく喘ぎ、小刻みにピクピクと震えている彼女に近づくと、まずは水着の下を履かせてやった。

 山になるほど軟骨型の媚薬が塗られた部分が秘部に当たるように調整すると、思い切り押し付けながら紐を締めてしっかりと固定。

 そのまま媚薬を馴染ませるように水着越しにぐりぐりと秘裂を撫でてやれば、

 

「んぎ♡お、おお゛おおお゛♡ぉほ♡んぉぉおおおおお♡」

 

 ガシャガシャと身体を縛る鎖を揺らしながら野太い悲鳴をあげて絶頂し、快感から逃れようと背中を弓なりにしならせるが、男の追撃は止まらない。

 

「ほらほら、まだ上もあるんだぞ?」

 

 男はそう言いながら豊満な胸と、ピンと勃った乳首と媚薬の山が触れ合うように水着を被せると背中の留め紐をキツく結ぶ。

 水着と肌が媚薬を(のり)代わりに密着しあい、媚薬が肌に染み込んでいく。

 

「ぉ゛♡ほひっ♡あへっ♡おぎ……っ♡ぉ〜♡」

 

 身体が限界まで敏感になってしまった影響か、窓からの隙間風が当たるだけで喘ぐほどになった彼女を見ながら、男は気付く。

 乳首が水着を押し上げるほどに勃起し、ヒクヒクと小刻みに揺れて存在を主張しているのだ。

 

「そうかそうか。そんなに触って欲しいのか、言葉にしなくともわかるぞ、素直な奴だ」

 

 うんうんと何度も首肯しながら男はコキコキと指を鳴らし、「では、お望み通りに」とむしろ優しさまで感じる声音でそう告げ、媚薬を塗り込む為もあるが、単純に面白そうなので水着越しに彼女の乳首を抓った。その瞬間、

 

「お!?♡──……♡♡♡」

 

 彼女はぐるりと目玉を回して白眼を剥いて気絶。それでも陸にあがった魚のようにビクビクと身体が跳ねるのは、与えられる快感に身体だけが反応をしているからに過ぎない。

 無論、その程度で止めるほど男も優しくはない。

 先日そうやったように乳首を指ではさみこみ、その時よりも何倍も固いそこをコリコリと音を立てて捏ねくり回す。

 

「かひっ♡お゛♡ぎっ──♡んぉ゛♡ぉお゛おおおお゛おおお゛♡♡♡かひゅ──♡」

 

 脳が焼けるほどの快感に彼女は無理やり覚醒させられ、快感に喘いだかと思えば気絶、そしてすぐさま覚醒。

 新手の拷問か、あるいは処刑の何かのように、致死量の快感に絶えず与えられながら、それでも彼女の呼吸は止まらない。伊達に銀等級冒険者まで昇り詰めてはいないということだろう。

 乳首だけでこれなのだ、さらにもう一箇所責めてしまえば、どうなるか。

 貴族の男はごくりと生唾を飲み、噴き出した潮と溢れた愛液で水着の色が変わるほどに水気を帯びた秘裂に手を伸ばすが、

 

「流石に壊れそうだな。辞めておこう」

 

 その手を引っ込め、代わりに徹底的に乳首を虐めぬく。

 指で捏ね回し、時には弾き、爪で掻き、思いつくままに責め続ける。

 

「ぉ……♡あへっ♡ぎっ──♡〜〜っ♡──……♡」

 

 銀髪武闘家はただ与えられる快感に喘ぐことしかできず、それから逃げるように意識を暗闇に落とすのだった。

 

 

 

 

 

 それから更に数日後。

 

「ちゅるる!じゅるる!あむ、ちゅ〜!!」

 

「おひっ♡んぉお♡イクッ♡イクぅうううう♡♡♡」

 

 相変わらず鎖で繋がれたままの銀髪武闘家の胸に、貴族の男が赤子のように吸い付いていた。

 もっともその状態でやっているのは赤子のように吸うだけでなく、口に含んだ乳首を舐め回し、吸い上げ、甘噛みと、文字通り胸を愛撫しているのだ。

 そしてそれをされる銀髪武闘家は先程から何度も絶頂を迎えており、脱水が心配されるほどに秘裂からは大量の潮を噴き出し、全身に脂汗を滲ませている。

 そんな彼女の様子に満足そうに笑った彼は顔を離すと、ピンと勃った乳首を指で弾いた。

「ひん♡」とそれだけで喘ぐ彼女に向け、貴族の男はほくそ笑む。

 

「ついに媚薬なしでもイけるようになったな。えらいぞ」

 

 彼は素直に彼女を褒めると、そっと部屋の端に目を向けた。

 そこには今日の衣装が準備されており、手伝いの奴隷が控えている。

 

「今日は客人が来ていてね、少し給餌を手伝っておくれ」

 

 ペチペチとたわわな乳房を叩きながらそう言うと、彼女は叩かれる度に走る快感に身体を震わせ、それでも貴族の男に殺意を込めて睨みつけるが、男は気にしない。

 衣装の横で控えている奴隷も殺気立ち、衣装の下に隠している短剣を抜かんとしているが、男はそれを手で制した。

 彼女も自分を殺さんとした暗殺者であったが、調教の甲斐もあって今では従順は(しもべ)だ。むしろ奴隷が増える度、不機嫌そうにベッドに突撃してくる程度には従順を通り越している節があるが。

 

「今は我慢してくれ。後で可愛がってやるからな」

 

 男が彼女を慰めるようにそう言うと、奴隷は頰を赤くしながらこくりと頷き、放っていた殺気を抑えた。

 そして短剣の代わりに用意していた衣装を持つと、快感の余韻に喘ぐ銀髪武闘家に近づいていった。

 

 

 

 

 

 男の屋敷の食堂。そこでは男と親しい貴族たちを呼んでの晩餐会が行われていた。

 食堂を縦断する長机には豪華な食事が並び、貴族たちは顔見知りしかいないからとはしたなく、多少の汚れを厭わずに料理を口に運んでいく。

 無論、食事をするためだけに集まった訳ではない。男たちの脇にはそれぞれお気に入りの奴隷を連れており、ある種の自慢大会の会場としても機能しているのだ。

 そんな晩餐会の主催者の男は、その権限を利用して普段なら一人しか許されない同伴者を二人に連れ、屋敷の主人として用意した上座で料理を口に運ぶ。

 一人目の同伴者は銀髪武闘家の身なりを整えるのを手伝った元暗殺者の奴隷だ。彼女は無表情のまま食事風景を眺めているが、時にはごくりと唾を飲んでいる辺り、腹が減っているのかもしれない。

 

「ほら、何をしている。ワインを注いでくれ」

 

 だが、とりあえず今は無視を決め込んだ貴族の男は、空になったグラスを傾けながら、二人目の同伴者──銀髪武闘家に声をかけた。

 

「くっ……!なんで、私が……っ」

 

 当の彼女は先程まで快感に喘いでいたもいうのに、僅かに理性と気勢を取り戻したのか、羞恥に歪んだ表情で男を睨んだ。

 移動ができるようになったとはいえ、両手足を鎖で繋がれているのは変わっておらず、走ったり戦ったりはできない。何よりこの状況で逃げられるわけもない。

 いや、彼女が気にしているのはそれもあるが、最も気になるのは着せられた衣装だ。

 上等な生地が造られた黒ワンピースの上に、同じく上等な素材で作られたであろう白いエプロン。言ってしまえばメイドの衣装だ。

 だが、問題はここから。ワンピースもエプロンも、その丈が恐ろしい程に短く、僅かに体勢を変えるだけでも安産型の臀部や、陰毛が見えてしまう。ショーツも穿いてはいるが、もはや紐と相違ないそれをショーツとは呼べまい。

 

「ほら、早く注いでくれ。それとも罰が欲しいのかい?」

 

「〜!!」

 

 まるで自分を所有物のように扱う男に殺意が湧くが、今は言われた通りにしなければ殺されてしまう。脱出するにしても、救出を待つにしても、その時まで生きていなければ意味がない。

 とにかく、ワインだ。ワインを淹れればいいんだろうと、彼女はテーブルの奥に置かれたワイン瓶を取らんと前屈みになった瞬間、

 

「見せつけおったからに。ほれ」

 

「ひん♡」

 

 前屈みになる都合上、突き出されることになった臀部がメイド服から飛び出し、そこを貴族の男が鷲掴んだ。

 数日とは言え、本来致死量ともいえる媚薬を飲まされた彼女の身体は全身が性感帯となり始めており、尻の肉を掴まれただけで思わず嬌声を漏らしてしまった。

 彼女の反応に客の貴族たちは可笑そうに笑い、彼女に舐めるような視線を向けた。

 男たちの視線を一身に受ける銀髪武闘家は羞恥心を噛み殺し、ワイン瓶を持って姿勢を正しすが、

 

「遅い。もっと手早く──いや、言われるよりも早くしないでどうする」

 

 貴族の男は淡々とした声音でそう言うと尻を揉んでいた手の指を、何の躊躇もなく菊門に差し込んだ。

 

「お゛……っ!?」

 

 ぐちゅりと音を立てて入り込んできた異物感に銀髪武闘家は低く唸り、身体を強張らせると、貴族の男は指を動かして菊門をもじくり回しながら

 

「おぎっ……!ぐっ……!ぉ……ほ……」

 

 ぐりぐりと指が動く度、銀髪武闘家は気の抜けた声を漏らし、ガクガクと膝を震わせ始める。

 筋肉質でありながら柔らかい太腿を秘裂から溢れた愛液が垂れていき、彼女が感じている事を貴族たちに教えてしまう。

 

「あのローグハンターの相棒が、こうなってしまえばただの女ですな」

 

「いや、普通ここまで感じたりはせん。あの男、民衆の英雄と呼ばれながら、恋人にはハードな調教をしていたのでは?」

 

「そうだ、そうだ。そうに違いない」

 

 貴族たちはそんな彼女の痴態を見せつけられ、ワインを呷りながらローグハンターにあらぬ疑いを向けていた。

 実際は貴族の男が仕込んだ媚薬や、その後の調教の成果ではあるのだが、今はローグハンターのせいにする方が都合がいい。

 

「違っ……!か、彼は、こんなこと、しな……い……!あひゅ♡こ、これは、全部、この人、が……っ♡」

 

 指の抽送が進む度、銀髪武闘家はプルプルと身体を揺らし、力が抜けていく膝を懸命に踏ん張って立っているが、身体はゆっくりと沈み始めており、膝に代わって菊門に突き刺さる指に体重が掛かっていく。

 

「……指が疲れてきたな。おい、あれを──」

 

「用意できています」

 

 貴族の男が彼女を支えてやる義理もないと見切りをつけ、元暗殺者の奴隷に声を掛けると、それに被せる形で彼女はどこからか長い棒を取り出した。

 見るからに怪しいそれの先端は岩のようにゴツゴツと凹凸が付いており、長さは床から彼女の股に辛うじて届く程度。

 貴族の男がぬぽと音を立てて菊門から指を抜くと、元暗殺者の奴隷がその凹凸だらけの棒を代わりに菊門に突き刺し、逆の先端を床に引っ掛けて固定。

 

「お゛……♡な、なにこれ……!?」

 

 棒を椅子代わりにされたような状況になった銀髪武闘家は狼狽え、ほんの一瞬意識が外れた膝から力が抜けた瞬間、ずるりと音を立てて棒が深々と彼女の胎内に差し込まれた。

 凹凸が腸壁を掻き回し、元暗殺者の奴隷が悪戯をするような感覚でくるくると回し始めれば、

 

「おぎっ……♡げっ……!ぉえ……♡ぉ……♡ほっ♡」

 

 腸に入り込む異物感と、腸を掻き回される未知の感覚に彼女は目を見開き、今にも吐いてしまいそうな程にえずいているが、その合間に上擦った嬌声が見え隠れしている。

 この瞬間、彼女は給餌から客を楽しませる置き物となり、この晩餐会が終わるまで、彼女は延々と菊門を責められ続け、部屋を変えての乱交会が始まる頃には放置され、一晩中、代わる代わる訪れる奴隷たちの手で、菊門を調教されるのだった。

 

 

 

 

 

 彼女の調教は、おおよその最終局面を迎えることになっていた。

 場所は貴族の男の寝室。相変わらず両手足を縛られている銀髪武闘家は、そのままベッドに押し倒され、男の剛直で先日の調教でガバガバにされてしまった菊門を貫かれていた。

 

「んん♡んぼっ……♡んひっ♡ぉおおおおお♡」

 

 ベッドに組み伏せられた状態で唇を奪われ、菊門を抽送する度に吐き出される嬌声は全て男に飲み込まれていく。

 男の舌はかつてローグハンターとしたであろうキスを忘れさせてやらんと口内を蹂躙し、微かに残る彼の残り香を上書きしていく。

 

「んんん!?んへっ♡あふっ♡ぉひっ♡お♡おおおおお♡♡」

 

 ぼぴ!ぼぴ!と菊門から空気が抜ける間の抜けた音を漏らしながら、彼女は抵抗するように舌を暴れさせるが、それはもはや相手の舌に自分のものを絡めているのとほぼ同義だ。

 事実二人の唾液が混じり合い、ローグハンターしか知らない筈だった彼女の味を男に刻み込み、男の味を銀髪武闘家に刻み込んでいく。

 

「うっ……!」

 

 そうしてキスの応酬を繰り返していた男が不意に唸ると、本日何度目かの射精が行われ、ドロドロの精液が彼女の腸内に直接注ぎ込まれた。

 

「んん!?ん〜〜〜っ♡♡!♡♡?」

 

 それと同時に絶頂した銀髪武闘家は両足をピンと伸ばし、誰にも弄られていない秘部から大量の潮を噴き出し、ベッドシーツをびしょびしょに濡らしていく。

 どぴゅ!どぴゅ!と子宮に注がれていれば妊娠間違いなしの量を腸に流し込んだ男は息を吐きながらキスを辞めて顔を離すと、

 

「んっ♡あへっ……♡おっ……♡おほ……♡へっ♡」

 

 長時間のキスと肛門性行による快感による酸欠で意識も曖昧になりながら、それでも絶頂の余韻に喘ぐ彼女の表情を見下ろし、再びキスをしてやると、今度は彼女の方から舌を差し出し、煽るようにチロチロと舌先で男の舌を舐めてくる。

 突然の変化に驚いた男が顔を離し「どうした、積極的だな」と微笑むと、銀髪武闘家は「どうせされるなら、こっちからやってやろうとしただけ」と強がりながら睨みつける。

 ふぅんとうろんげに唸った貴族の男は菊門から一物を引き抜くと身体を起こし、一旦水分補給。

 銀髪武闘家も呼吸を落ち着かせようと深呼吸を繰り返しているが、物欲しそうにもぞもぞと太腿を擦り合わせ、潤んだ瞳を男に向けていた。

 その視線を受け止めた男は不敵に笑むと、精液と腸液に濡れた一物を彼女に見せつけた。

 

「なんだ、何かして欲しいのか?お前は私の所有物だ、言ってくれれば、多少の我儘は許すぞ」

 

「……っ!違、別に何も……!」

 

 彼の言葉に彼女はようやく自分の行動を理解したのか、ハッとして顔を背けて言葉を濁すが、男は構う事なくびしょびしょに濡れた秘裂を指で撫でた。

 

「ひぅ♡」

 

 溢れ出す愛液を指で掬い、それを塗りたくるように指を乳首に擦り付ける。

 その快感に喘ぎ、身じろぎする彼女に向け、男は言う。

 

「ほらほら、子宮が疼くのだろう?足りないと嘆くのだろう?素直になれば、それはすぐに治るぞ、いいのか?」

 

「ひぅ♡あへっ♡い、いらない……っ!そこは、あの人の、ジルだけのものだから……っ!おほっ♡」

 

 それでも彼女は気丈に振る舞い、ローグハンターの個人的な愛称を出してまで踏ん張ろうとするが、貴族の男は怪しく笑う。

 

「もう死んだ男に義理を果たすこともないだろう?話を聞いた限りでは、奴は死ぬ間際にお前の幸せを願ったそうじゃないか。私ならそれを与えてやれる。あいつの代わりとはいかないが、あいつが与えたかったものを、最低限与えられる」

 

「嘘を、言うな……ッ!あひゅ♡私を幸せにできるのは、彼だけよ……!おひっ♡おっ、やめ、弄る、なぁあああ♡♡」

 

 ぐちゅぐちゅと音を立てて秘裂を撫で回し、時には陰核をこねくり回されながら、それでも彼女は最後の踏ん張りを見せた。

 だが、陥落は時間の問題だろう。貴族の男は勝ち誇るように笑うと、秘裂に指を入れ、指先に感じたざらざらとした手触りの場所──Gスポットを思い切り指圧し、掻き回した。

 

「お────♡」

 

 その瞬間、彼女の中でぷつりと音を立てて何かが切れた。

 

「おほっ♡そこ、そこ駄目ッ♡ほ、欲しくなりゅ♡子宮、疼いて、奥、切なくなっちゃうのぉおおお♡♡」

 

 ビクンビクンと腰を跳ねさせ、背中を弓なりにしならせながら彼女は吠え、瞬く間に絶頂に──、

 

「はい、ストップ」

 

「ほぇ……?」

 

 迎える間近になって、男は指を抜いた。

 そしてニコニコと笑いながら「何か言うことがあるだろう?」と彼女に問うが、彼女は顔を背けて口を噤んだ。

 

「そうか。なら、もう一度」

 

 男はそう言うと、再び秘裂に指を突っ込んでGスポットを刺激をする。

 

「ま、やめ──お゛♡おほ♡おおお゛おおおお゛おお゛♡♡♡」

 

 そこから数時間、彼女は延々と絶頂間際まで行けばお預けをくらい、問いかけられ、断れば更に責められるを繰り返した。

 そんなやり取りが二十数回続いた頃、男が問いかけようとした瞬間、

 

「──さぃ……っ♡」

 

 彼女は消え入りそうな声で、何かを呟いた。

 

「ん?なんだ、もう一度言ってくれ」

 

 男は耳に手を当て、今の言葉を繰り返すように促す。

 彼女は鎖で繋がれた足をできる限り広げ、自分の手で秘裂を開きながら男に告げた。

 

「お願い、します。あなたの、それをここに、挿れてください……っ!」

 

「何を、どこに、挿れて欲しいんだ?」

 

 男は更に煽る。最後の砦崩すのは、彼女自身でなければ意味はないのだ。

 彼女は目から大粒の涙を流しながら、叫ぶように男に懇願した。

 

「あなたのちんぽを、私のおまんこにぶち込んで、滅茶苦茶にしてください!お願いします!!」

 

 その言葉を聞いた直後、貴族の男は返事の代わりに一物を彼女の秘部にぶち込んでいた。

 バチュン!とお互いの肉がぶつかり合う音が部屋に響いた直後、銀髪武闘家は全身に鳥肌を立てたかと思えば、

 

「お゛♡おお゛おお♡♡おおおおおおおおおお♡♡♡」

 

 腹の底から吐き出された野太い嬌声が、男の鼓膜を揺らした。

 挿れられただけで絶頂を迎えた彼女は快感に打ち震えながら、目から涙を流し、「ごめん♡ごめんなしゃい♡ジル、じりゅ♡ごめんなさいぃいいい♡」とローグハンターへの謝罪の言葉を吐いている。

 だがそんなもの構うものかと貴族の男は乱暴なまでに腰を振り回し、子宮を殴りつけるような激しい抽送を開始。

 

「あひっ♡あへっ♡イクッ♡イクぅぅううううう♡♡♡」

 

 数十回のお預けをくらった彼女に、もう我慢する力は残っていない。突かれる度に絶頂を迎える彼女は秘裂から大量の潮を噴きながら、鎖に繋がれたまま貴族の男を抱きしめた。

 

「お゛ほッ♡気持ちいい、気持ちいいよぉ……♡あへっ♡ごめんなしゃい、じりゅ……♡わた、わたし、負けちゃった〜♡♡♡あひ♡イク♡また、イッちゃうぅぅううう♡♡♡」

 

 パンパンと乾いた音を立てながらお互いの腰がぶつかり合い、その度に喘ぐ彼女は、猫撫で声を漏らしながら色褪せた瞳に男を映し、今度は自分からその男──主人の唇を奪うのであった。

 

 

 

 

 

 そんなやり取りから数か月後。同じ屋敷にて。

 

「あへっ♡んほっ♡気持ちいいですぅ♡おへっ♡もっと、もっといっぱいくださいぃ♡♡」

 

 銀髪武闘家は前の穴の主人に貫かれながら、後ろの穴の彼の友人に貫かれていた。

 視線の横に向ければ他の貴族たちが連れ込んだ奴隷たちもまた抱かれており、その部屋はいわゆる乱交部屋と成り果てていた。

 

「ほら、口開けて」

 

「はい♡あ〜」

 

 ふらりと現れた男に言われるがまま口を開ければ、そこに一物をぶち込まれ、不意に手を取られたかと思えば一物を扱くのに使われる。

 押し倒されたかと思えば豊満な胸で一物を挟みように言われ、髪で一物を扱くように言われ、吐き出される精液で全身を白く汚していきながら、彼女は恍惚の表情を浮かべた。

 

「ほら、飲め」

 

 そんな彼女に、主人がとある物を差し出した。

 それはワイングラスだ。だが注がれているのはワインではなく、貴族たちが吐き出した精液や尿が混ざった、黄ばんだ白濁液だ。

 それを恭しく受け取った銀髪武闘家は「いただきます♡」と恍惚の表情で言うと、一息で中身を全て口に含むと、味を楽しむようにくちゅくちゅと音を立て咀嚼してから飲み込んだ。

 全て飲みましたと報告代わりに大口を開け、主人が「よし」というとにこりと微笑み、先ほどの精液ワインの作成に関わった貴族たちに向けて言う。

 

「全部飲みました♡たくさん、ご褒美をください♡♡♡」

 

 その言葉を聞いた直後、彼女は男たちの波に飲み込まれて消えていった。

 彼女が歴史の表舞台に立つことは、もうない。

 彼女の頭の中に愛する男の姿はない。ただ与えられる快感に、身を任せるのだった。

 

 

 

 

 




感想、リクエスト等ありましたら、よろしくお願いします。


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Memory?? 売られず、弄ばれ① ※

リクエストから。
ヒロインは銀髪武闘家。前回は貴族に売られましたが、今回は売られずに捕まえた盗賊たちの玩具にされる。の前編。盗賊のリーダーに滅茶苦茶にされます。

陵辱ものなので注意してください。


「さて。お前は死んだ扱いになったことだし、俺が美味しくいただくとするかね」

 

 筋骨隆々の大男──かのならず者殺し(ローグハンター)を殺害した盗賊長は、捉えた戦利品を前に舌なめずりした。

 本来その戦利品を売るはずだった貴族には事故で死んだ事にし、代わりに似た特徴の女を割安で買わせた。バレるにしても、愉しむ時間は十分にある。

 

「くっ……!この、よくも彼を……ッ!」

 

 そんな盗賊長を睨みつけるのは、ローグハンターの相棒と名高い銀髪武闘家だ。

 彼女は相手を殺せそうな程に鋭い視線を盗賊長に向け、全身から殺気を放っているが、今の姿を見れば怯えるよりも滑稽すぎて笑いが溢れてしまう。

 ほつれや破れた箇所が目立つ、彼女が鎧の下に着込んでいた服をそのままに、ベッドの支柱から伸びる鎖に両手足を頭の上で拘束され、わずかにベッドから浮かんだ秘部を相手に突き出す格好──所謂まんぐり返し──の状態で固定されたその姿で、こちらを睨んで殺気だっているのだ。これを嗤わずして何を嗤う。

 くつくつと喉を奥を鳴らすように笑った盗賊長は、ペチペチと彼女の安産型の肉付きのいい臀部を叩きながら、飾り気のないショーツに視線を向け、ニヤリと歯を剥き出しにして獰猛な笑みを浮かべた。

 

「言ったろ、俺が美味しくいただくってな。お前の全てを、俺が貰う」

 

 その笑みを浮かべ、凄みながら彼は言うが、対する銀髪武闘家は不敵に笑んだ。

 

「残念だけど、私の大切なもののほとんどは彼にあげてある。今さら、あんた何かに渡すものなんてない」

 

 彼女は相手を嘲るように鼻で笑い、同時に彼は帰ってこないという事実を噛み締める。

 どうにかして脱出して目の前の男とその一味を皆殺しにせねば、彼の無念も晴らせない。とにかく隙を窺うのだ。

 そうして囚われたまま敵意を剥き出しにする銀髪武闘家を、盗賊長は興味深そうに見つめ、ちらりと部屋の片隅に目を向けた。

 そこにいるのは魔術師のローブに身を包んだ一人の男だった。顔はフードに隠れてはいるが、僅かに覗く凛とした黒い瞳や顎を包む無精髭、手の皺の様子からして、年頃は三十代半ばといったところか。

「おい」と盗賊長が声をかければ、魔術師は「あいよ」と軽い様子で返事し、杖を肩に担ぎながら彼の隣に立った。

 そのままさながら標本を前にした学者のように、好奇心のみに染まった視線を銀髪武闘家に向け、無精髭を摩りながらうんうんと悩ましそうに唸っている。

 

「ちょいと時間かかりそうだが、まあやれるだろ。品質は最高級、だろう?」

 

 魔術師は彼女を観察しながら盗賊長に問うと、盗賊長は「当然だろ!」と興奮した様子で応じた。

 

「貴族に売らねぇで確保した上物だ!ローグハンターとかいう小僧のお古を抱くつもりはねぇ!」

 

「……今度飯奢れ。値段渋んなよ」

 

「わかってるよ。たく、路地裏で死にかけてたお前を拾った恩を忘れちまったのかね」

 

「跳ねられた手足を何度くっつけてやったと思ってる。それでチャラだろう」

 

 盗賊長と魔術師は気心知れた友人のようなやり取りをすると、魔術師は魔力の込められた様々な宝石が散りばめられた杖を掲げ、銀髪武闘家には、そして相棒である盗賊長にすらも理解不能な言語で何かを詠唱し始めた。

 魔力の高まりに呼応するように杖の宝石が煌めき始め、部屋に置かれた小物がカタカタと音を立てて震え始める。

 見慣れている盗賊長は「相変わらずすげぇな」と呑気に呟いているが、銀髪武闘家はそれどころではない。今準備されている魔術は、まず間違いなく自分に向けられている。何が起こるのかはわからないが、きっと無事ではすまない。

 それを理解した瞬間、ぞわりと背筋を悪寒が走り、全身に鳥肌が立つ。

 逃げようと身体を暴れさせるが、鉄の鎖で固定されているのだ。揺れるのは豊満な胸と、安産型の臀部程度のもの。

 

「そんなに誘うなよ。あとで相手してやるからよ」

 

 そんな彼女の様子を嘲笑いながら盗賊長がそう言うと、魔術師は高々と杖を掲げた。瞬間、視界を白く塗り潰す閃光が部屋を包み込む。

 思わぬ閃光に銀髪武闘家は目を閉じ、顔を背ける中、盗賊長の笑い声が彼女の鼓膜を揺らした。

 そして数十秒続いた閃光が止まり、彼女が恐る恐る目を開けてみると、顔中に脂汗を滲ませて息を乱す魔術師と、彼に肩を貸して近くの椅子に座らせる盗賊長の姿が見えた。

 

「さてと。お前はどうする?楽しんでいくか?」

 

「いんや。人がヤッてるところを見る趣味はない。一人でヤってろ、俺は寝る」

 

 盗賊長の誘いを魔術師は断り、怠そうに身体を引き摺りながら部屋を出ていった。

「なんだよ、つまらん」と舌打ち混じりに吐き捨てた盗賊長は、まあいいかと銀髪武闘家に目を向けた。

 

「あいつ、こんな所で落ちぶれちゃいるが、元は賢者の学院で色々やってたんだぜ?何でも、古代の失われた魔術の研究とか、復元とか、何とかな。まあ、やりすぎて破門された挙句、殺されかけたらしいが、俺が助けてやったわけよ」

 

 顎髭を摩りながら自慢げにそう告げた盗賊長は「自分の身体、見てみろよ」と銀髪武闘家の服を捲り、彼女の鍛え抜かれた腹筋を露わにした。

 恋人の仇である男に服を脱がされるのは屈辱ではあるが、次の瞬間にはその感情は消え、すぐに疑問が彼女の頭を駆け巡った。

 そう、自分の身体には傷一つないのだ。盗賊たちに殴られ、蹴られ、斬られたにも関わらず、まるで赤子のそれのように傷一つなく、綺麗な身体がそこにあるのだ。

 頭の中が疑問でいっぱいになっている銀髪武闘家に、盗賊長は不敵に笑みながら言う。

 

「んで、あいつがその復元したっていう魔術は『修復』だとか『全癒』だとか、とにかく相手の怪我を何でも治せちまうって優れもんよ。何であいつを追い出しちまったのかね、学者連中は。金にもなるし、やりようによっちゃ、英雄様にもなれただろうによ」

 

 盗賊長は魔術師の慮りつつ、かつての彼の師匠や同僚たちを嘲るようにそう口にした彼は、ペチペチと彼女の腹筋を叩き、指先で筋をなぞりながら言う。

 

「その傷ってのが、どこまでをそう言うのかはあいつ自身もよくわかってねぇらしいんだが、膜も治せちまうんだよ。本来男に抱かれた時に破れる処女膜がよ」

 

「な……っ!?」

 

 彼の言葉に銀髪武闘家は狼狽え、思わず声を漏らすが、盗賊長は言葉を続ける。

 

「おかげ様で、処女しか買わないとか、こいつを処女に戻してくれって頼んでくる変態連中を相手に稼げるわけだ。何が言いたいか、わかるな?」

 

「そんな、あり得ない!私を脅そうとしたって、無駄よ!」

 

 彼の言葉に狼狽えつつ、銀髪武闘家は強気な姿勢を崩さない。相手は忌むべき盗賊だ。彼らの悪意に屈してしまえば、それはローグハンターの恋人失格を自ら認めるようなもの。それだけは、死んでもできない。

 

「へぇ……、いい目だな。俺たちを殺すことを諦めてねぇ、飢えた獣みたいな目だ。それが折れる瞬間を、俺に屈する瞬間を、見てみたい」

 

 盗賊長はそう言うや否や、彼女が申し訳程度に纏っていた衣装を乱暴に破き始め、彼女を裸に剥いていく。

 

「……っ!こ、この、やめろ!触るなっ!!」

 

 銀髪武闘家はビリビリと布が千切れる音をかき消すように、どんどんと強くなっていく恐怖を隠すように声を荒げるが、盗賊長の手が止まることはない。

 二分もしないうちに彼女が纏うのは、飾り気のないショーツと豊満な胸を押さえ込むブラジャーだけになり、鳥肌の立たせながら、脂汗を滲ませる健康的に日に焼けた肌が盗賊長の視界に収まった。

 僅かに魅入るような視線を彼女に注いだ盗賊長は生唾を飲むと、ブラジャー越しに片手では納まらない大きさを誇る豊満な胸を鷲掴み、その柔らかさを愉しむように指を動かしながら、何を思ってかショーツに鼻を押し付けた。

 

「ひっ!」

 

 どちらも布越しとはいえ、彼にしか触れることを許していない胸や秘裂に触られた嫌悪感に銀髪武闘家が小さく悲鳴を漏らす中、盗賊長は思い切り鼻で息を吸い、彼女が放つ臭いを堪能。

 汗のせいか酸っぱい臭いが強いが、僅かに甘い気がするのは、銀髪武闘家が無意識に放つ色香のせいか。

 盗賊長はそれを愉しむように何度も鼻で深呼吸を繰り返す度、秘裂をくすぐられるような感触が股ぐらを走る銀髪武闘家は、吐き気すら覚える嫌悪感に全身に鳥肌を立てながら身体を震わせるが、声は出すまいと歯を食い縛る。それでも盗賊長を殺意混じりに鋭く睨んでいるあたり、心が折れているわけでもあるまい。

 ふっと小さく笑みを浮かべた盗賊長は胸を揉む手を緩めることなく、舌でショーツ越しに秘裂を舐めた。

 

「〜〜〜ッ!」

 

 突然感じた生暖かく、柔らかな感触に銀髪武闘家が声にならない悲鳴をあげ、強張った身体を仰け反らせると、盗賊長はショーツをずらして汗以外の湿り気を感じない秘裂に舌を這わせた。

 

「ひぅっ!ん……っ!くっ……」

 

 ぞわりと全身に鳥肌を立て、思わず声を出してしまった彼女は悔しそうに歯軋りしながら口を結ぶと、先程以上の殺意を込めて盗賊長を睨んだ。

 触るな、殺すぞと、無言の圧をひしひしと感じながら、盗賊長は怯まない。拘束している分、こちらが有利だ。それが覆ることはないと、わかっているからだろう。

 舌先を小刻みに動かして秘裂を舐めて軽く湿らせると、舌に力を入れて硬くし、ゆっくりと秘部へと差し込んでいく。

 

「くっ……!うぅ!」

 

 胎内に入り込む異物感に銀髪武闘家は呻き、身体を強張らせた。

 同時に膣肉が引き締まり、舌を食いちぎらんばかりに締め付けてくるが、盗賊長は気にしない。最悪本当にちぎれても、生きていれば魔術師が治してくれるからだ。

 盗賊長は締め付けてくる膣肉の感触を楽しみながら、膣肉を抉るように舌を仰け反らせ、彼女の感度を確かめるように膣肉を舐め始まる。

 

「んん……っ!?ふっ、んん……!くはっ!」

 

 盗賊長の舌が動く度、銀髪武闘家の口からは悩ましそうな声が漏れ、ピクピクと腰を震わせて反応を示す。

 盗賊長はその反応に笑みを浮かべながら、膣肉の中でも一際ざらつきを感じる場所──所謂Gスポットを見つけると、その重点的に責め立てるように舌先を押し付け、ゴリゴリと指圧するように力強く舐め回した。

 

「かひゅ!?ぉ……っ!ぎっ!んんんん!」

 

 そこを舐めた途端、銀髪武闘家のビクン!と強く腰を跳ねさせると、首を左右に振って感じたくもない快感から逃れようとしているが、生憎ローグハンターの手でお互い無意識の内に開発が進んでいた身体は、与えられる快感に素直な反応を返してしまう。

 

「んぁ……っ!ぉお!?ぐっ……!やめ、ろ……!舐める、な……ッ!」

 

 次々と脳に流し込まれる快感に身体を震わせ、全身から発汗しながら、それでも彼女は盗賊長を睨みつけるが、彼は気にせずにブラジャーをずらして胸を露出させた。

 

「〜〜っ!!」

 

 ぶるん!と揺れながら顔を出した豊満な胸は、快感に当てられてから僅かに上気して赤くなっており、先端の乳首はピンと勃って存在を主張していた。

 膣肉を舐めることを辞めずにそれを確認した盗賊長はほくそ笑むと、触って欲しそうにしている乳首に手を伸ばし、思い切り摘んでやった。

 

「ぎゅい!?おほっ、ぎ……♡」

 

 背筋を駆け抜けた快感に背中を仰け反らせて反応し、辛うじて噛み殺したが微かな嬌声を漏らしてしまう。

 そして、その隙を見逃すほど盗賊長は甘くはない。

 膣肉を舐め回す舌の動きをさらに激しくさせつつ、乳首を責める手も強める。

 膣肉はGスポットを中心に責めつつ、分泌を始めた愛液を舐めとり、微かに感じる甘味に舌鼓を打ちつつ、指先でカリカリと引っ掻くように乳首を細かな刺激を与え続ける。

 

「お……っ♡やめ、やめろ……っ!そこ、くりくり、やっ……♡」

 

 ビクビクと身体を痙攣させ、秘部からは唾液と愛液の混ざった白濁液を吐き出しながら、彼女は快感に喘いだ。

 相手は彼ではない。それはわかっている筈なのに、身体の方が快感に全くといっていいほどに耐えられない。

 豊満な胸の奥、沸々と煮てたぎるように膨らんでいく快感に銀髪武闘家は首を振り、歯を食い縛って耐えようとするが、我慢を知らない彼女の身体はすぐに限界を迎え、

 

「くっ、んんん!ん〜〜〜ッ♡♡♡」

 

 絶頂を迎えた瞬間にビクン!と身体を跳ねさせたかと思うと、強張らせた身体を小刻みに痙攣させた。

 流石に舌が疲れた盗賊長は、痙攣しながら締め付けてくる膣肉から舌を引き抜き、ずっと揉んでいた胸から手を離すと、舌の代わりに指を秘部に差し込んだ。

 小刻みに痙攣しながらも締め付けてくるが、愛液や唾液のおかげで滑りはよく、これなら挿れても問題ないだろう。

 盗賊長は自分の唾液と愛液で汚れたショーツを膝の辺りまで脱がしてやると、「ほら見ろ」とショーツに残ったシミが見やすいように広げた。

 絶頂の余韻で軽く放心していた銀髪武闘家はハッとすると、赤面しながら顔を背けるが、盗賊長はショーツに顔を寄せるとシミに鼻を押し付け、彼女が吐き出した雌の臭いを堪能するように深呼吸を一度。

 肺いっぱいに彼女の臭いを吸い込んだ彼は、恍惚の表情で息を吐くと彼女に向けて言う。

 

「たまらん。最高の臭いだよ、お前」

 

「……っ」

 

 盗賊長の煽るような言葉に銀髪武闘家は顔を耳まで赤くするが、ようやく理性が戻ってきたのか殺意がこもった視線を盗賊長に向けた。

 だが、先ほどの痴態を見せられてしまった以上、迫力が致命的に欠けている。

 ふふんと鼻を鳴らした盗賊長はズボンとパンツを降ろすと、自慢の一物を取り出した。

 ぼろんと擬音が聞こえてきそうなそれは、小鬼の腕ほどあるほどに太く長く、生殖器というよりは凶器のよう。

「ひっ!」と悲鳴を漏らす銀髪武闘家と、不意に顔を出した怯えるような表情を見た盗賊長は、それだけで更に興奮したのか、一物が更に一回り大きく勃起させた。

 血管が浮かび上がり、歪な凹凸が見えるほどに勃ったそれを秘裂に擦りつけ、陰核にエラ張るカリを擦り付けながら愛液を塗りたくる。

 

「んっ……!や、やだ……っ!そ、そんなの入らない、入らないから……っ!!」

 

 銀髪武闘家がふるふると首を横に振り、目に涙を浮かべながら言うが、盗賊長はそんな彼女の様子を愉しむように嗤いながら、亀頭を秘裂に押し付けた。

 

「ほら、よく見ろ。恋人じゃない男の物が入ってくところをよ!」

 

 彼はそう言いながらゆっくりと腰を突き出していき、焦らすようにゆっくりと一物を挿入していく。

 下腹部が男の一物と同じ形に盛り上がり、それがゆっくりと腹に向けて前進してくる様は、さながら怪物に寄生されたよう。

 

「ぐっ!うぅ……!や、やめでっ!ぐ、ぐるじ……!」

 

 魔術師の手で初物のそれに戻された秘部に、ローグハンターのそれよりも大きく立派なものが入り込む異物感に銀髪武闘家は苦悶の声を漏らした。

 彼女の言葉の通り、盗賊長の手で絶頂の味を思い出した膣肉も踏ん張り、強烈な締め付けをもって異物の侵入を拒まんとするが、愛液や盗賊長が塗りたくった唾液が潤滑油となり、ゆっくりとではあるが確実に奥へと進んでいってしまう。

 

「ぐ、ぎ……!や、やめろ……っ!入ってくるな!!」

 

 銀髪武闘家は腹に力を入れ、少しでも一物が侵入を拒む姿勢を見せるが、不意に亀頭と何かが触れ合う感触を感じた。

 子宮口ではない。何か薄いものが、盗賊長の一物と触れ合っているのだ。

 

「な、なに、これ……?」

 

 銀髪武闘家が困惑の表情で無意識の内に声を漏らすと、盗賊長は「なに言ったんだよ」と彼女を嘲りながら言う。

 

「さっき言ったろ、処女膜も治るってよ。これが、それよ」

 

 ほれと言いながら僅かに腰を前に突き出すと亀頭が処女膜と触れ合い、膣肉にも引っ張られるような感触がある。

 

「う、嘘よ。だって、彼と初めての時だって──」

 

「あー。あんまり激しく動くと勝手に破けるって言うしな。てことは、お前の処女は俺が貰えるのか」

 

 銀髪武闘家が思わずこぼした言葉に盗賊長が返すと、獰猛な笑みを浮かべて彼女を見下ろした。

 

「やだ、やだやだやだ!私の初めては彼にあげたの!それなのに、何で……っ!」

 

「だから、古代の魔術のおかげだって!まあ、そんな事はどうでもいい!いくぜ、お前を女にしてやるよ」

 

 目から大粒の涙を流し、軽い錯乱状態になってしまった彼女を嘲りつつ、盗賊長はそう宣言した。

 彼女が愛する男はこの世にいない。後を追って死なれるくらいなら、その男のことを忘れるまで壊し尽くしてやろう。

 ニヤリと歯を剥き出しにして笑んだ彼は、宣言の通りに一気に腰を突き出すと、ブチン!と薄い膜を突き破る音が二人の耳に届いた。

 

「ぎっ、ああああ゛ああああ゛ああ゛ああ゛!?!!?」

 

 直後、銀髪武闘家の全身に駆け抜けたのは、文字通り身体を貫かれるような激痛だった。

 胎内という逃げ場のない場所から発生した痛みが爪先から脳天まで駆け抜け、彼女のローグハンターの相棒として踏ん張っていた意地を容易く崩していく。

 それでも現実を受け入れられない彼女にトドメを刺すように、接合部からは破瓜の血が溢れ出し、銀髪武闘家の白磁の肌に赤い痕を残していく。

 

「あ……あぁ……」

 

 それを目で追ってしまった銀髪武闘家は、彼に純潔を捧げた時には出なかったそれが、今更になって出てきた事実を受け入れたくはなかったが、そんな彼女に向けて盗賊長は煽るように言う。

 

「お前の初めての相手は俺だ。ふふ。上書き、されちまったな」

 

「違う……。私と初めては彼……。彼にあげた筈なのに、なんで……?」

 

 彼の言葉に銀髪武闘家は困惑し、心ここにあらずといった様子でうわ言こようにそう呟くが、盗賊長は歯を剥き出しにした笑みを浮かべながら乱暴に腰を振り始めた。

 パン!パン!と鋭い音を立てて二人の腰がぶつかり合い、エラ張ったカリが膣肉を掻き回し、破瓜の血と愛液を掻き出していく。

 

「んぎ!?ぎっ……!や、やだ!やめて!痛い、痛いぃいい!!」

 

 どん!どん!と拳のように硬い亀頭が子宮口を殴りつけ、カリが膜があった場所を通過する度に走る激痛に銀髪武闘家が悲鳴をあげるが、それは盗賊長の興奮を誘うスパイスでしかない。

 彼女が悲鳴をあげる度に一物はより硬さを増し、より太くなっていく。

 子宮を押し潰され、内臓を圧迫される中で銀髪武闘家は苦悶の声を漏らすが、膣肉は一物を扱くように強く締め付け、ひだが一物をくすぐっていく。

 

「ははっ!堪んねぇな、この締め付け!それに、俺の相手してまだ壊れねぇなんてな!案外相性いいんじゃねぇか!?」

 

 盗賊長は自分の本気に耐えてくれる彼女に興奮を覚えつつ、昂った猿のように全体重をかけて腰を振り回し、一物を最奥に叩き込み続ける。

 

「んげっ!ぉえ……!んぉ……っ。ぉ……!ぅっ……」

 

 接合部からどちゅどちゅと湿った音を響かせ、子宮を文字通り殴られ続ける銀髪武闘家は意識を混濁させながら、気絶するようなことはしない。正確にはできない。ローグハンターと過ごす中で鍛えられた肉体が、この程度の痛痒での気絶を許さないのだ。

 それをある程度察したのか、盗賊長は余計にご機嫌そうに笑うと、尿道をぐつぐつ煮えたぎる精液が駆け上がっていく。

 それを感じた彼は腰を突き出したまま腰をくねらせ、亀頭で子宮口を解しにかかる。

 

「ぉ……!あ……っ!えぐっ、ぎ……!」

 

 ゴリゴリと音を立てて子宮を潰され、子宮口を虐められる中で、銀髪武闘家はピクピクと身体を小刻みに揺らしつつ、呻き声を漏らす。

 そうして子宮口を虐め続けること数分。キツく閉じていたそこが解れてしまったのか、亀頭に吸い付くように張り付き、キスをするようにちゅうちゅうと吸い付き始めた。

 その感触を愉しんだ盗賊長は、思い切り腰を突き出して子宮口と亀頭を隙間なく密着させた瞬間、抑え込んでいた精を解放。

 鈴口から溶けた鉄のように煮えたぎる精液が吐き出され、押し潰された子宮を瞬く間に満たしていく。

 

「ぉあ!?熱っ、熱いぃぃ……」

 

 盗賊長の精液を子宮で受け止めた瞬間、銀髪武闘家はそのあまりの熱さに意識が覚醒するが、時すでに遅いことを察して気の抜けた声を漏らした。

 どくどくと注ぎ込まれる精液の熱に当てられ、それから逃れようと背中を弓なりに仰け反らせるが、それが無意味なことは彼女だって知っている。

 

「ふぃ〜。ああ、出した出した」

 

 それから数分かけて吐精を終えた盗賊長が、溜め息混じりに一物を引き抜くと、秘裂からは破瓜の血が混ざった白濁液が溢れ出し、まんぐり返しという体勢故に彼女の胸に降り注ぐ。

 

「痛い……。痛い、よぉ……。なんで、初めては、彼にあげた、のに……」

 

 目から大粒の涙を流し、力なく首を振りながら、ぽつぽつと初めては彼にとうわ言を繰り返す。

 その様を見せつけられた盗賊長は、再び勃起した一物を彼女の秘裂に押し付け、再びの挿入。

 

「ぉあ……!?ぎぅ……!」

 

 再び入り込んできた異物感に呻く彼女を他所に、盗賊長は再び腰を振り始め、しばらくして二度目、三度目の射精を立て続けに行った。

 

「ぁ……。うっ……。ぁう、おぇ、げっ……」

 

 秘部の最奥を突かれ、子宮が潰れる度に彼女は小さな呻き声を漏らし、身体を震わせる。

 盗賊長が満足するまで、彼の行為は止まらない。

 銀髪武闘家は下腹部に感じる男の一物の硬さと熱さ、そして子宮を満たす男の精液の重さと熱量を感じ、目から大粒の涙を流しながら、意識を暗闇に落とすのだった。

 

 

 

 

 

 




質問が来ていたので共有します。
内容はリクエスト箱にも追加する予定です。

Q、作者さんが昔やってたハイスクールD×Dの方のリクエストは受け付けてますか?

A、別にしてもらっても大丈夫です。ですがゴブリンスレイヤーのリクエストが優先なので、更新するにしても時間がかかると思います。
作品のタイトルに『+α』とかつけて、タグにハイスクールD×D追加すれば大丈夫でしょう、たぶん……。

感想、リクエスト等ありましたら、よろしくお願いします。



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Memory?? 売られず、弄ばれ② ※

前回リクエストの続き。
ヒロインは銀髪武闘家。盗賊団に捕らえられた彼女のその後の話。
前回でこれは前後編だ的なことを言いましたね。あれは嘘だ。
思いの外長くなってしまいました。中編ということで許して……。


 盗賊長と、彼の相棒とも言える魔術師の手で処女に戻され、その純潔を奪われた銀髪武闘家は、相変わらずベッドに拘束されたまま盗賊長に犯されていた。

 

「んぎっ……!ぐぅ……!やだっ!もぅ、やだぁ……!」

 

 日を跨ぐ度に戻って来る魔術師の手で処女に戻され、その度に膜を破られる痛みに喘ぐ銀髪武闘家は、泣きじゃくる子供のように目から大量の涙を流し、自分を犯している盗賊長に止めるように懇願するが、

 

「誰が止めるかよ!何度抱いてもいい具合だな、まったく!」

 

 盗賊長はそんな彼女を嘲笑い、腰を振る速度をあげた。

 パンパンと乾いた音を立てて腰を打ち付ける度、膣肉が彼の一物を追い出そうとひだを動かすが、それはさながら優しくくすぐられる程度の強さでしかない。

 少しでも痛みを緩和しようと滲み出て来る愛液を潤滑油に、突く度に熱を帯びる膣肉をエラ張るカリで掻き回し、抵抗するようにぴたりと閉じる膣内を強引に掘削していく。

 

「んぐっ!あ……!ぎっ、うぅ……!ん〜〜!!」

 

 ゴリゴリと音を立てて膣肉を抉っていくと、亀頭の先端に柔らかな何かと触れる感触があった。

 それと触れた途端に銀髪武闘家は身体をピクンと跳ねさせ、噤んだ口から上擦った嬌声が漏れる。

 

「やっぱりここだよな?お前の弱点は!」

 

 盗賊長は笑いながらそう言うと、腰を突き出したままのの字を描くように腰を回し、亀頭を彼女の子宮口にぐりぐりと押しつける。

 

「ぉ……っ♡おお……っ!んぎっ……♡そこ、やめ、ろぉぉ♡」

 

 するとどうだろう。先程まで痛みに喘いだ彼女の表情が途端に蕩け始め、膣肉の締め付けも締め出さんとする力強いものから、甘えるような優しいものへと変わる。

 ニヤリと口角を吊り上げて笑った盗賊長は「いい加減、諦めろよ」と彼女に言うが、彼女は表情こそ蕩けさせながら、銀色の瞳に冷たい殺意を宿しながら盗賊長を睨みつけた。

 何度も純潔を奪われ、何度も膣内に射精され、何度も彼女の尊厳を蹂躙されてなお、彼女は復讐を諦めていない。

 身体が負けても心は負けず、心が折られてもすぐに立ち上がる。流石はかのならず者殺し(ローグハンター)の相棒だ。

 盗賊長は嘲りの笑みを浮かべながら「ほらよ!」と声を張り上げ、それど同時に彼女の子宮に精液を吐き出した。

 

「んぐ!?ぎっ、ああああああああ!!!」

 

 途端に子宮を粘液(スライム)を思わせる程に粘り気の強い白濁液が満たし、入りきれなかった分が嫌悪感から収縮を繰り返す膣肉を舐めながら、接合部から溢れ出した。

 

「ぉ……っ!あっ……!ぎッ……」

 

 どぴゅどぴゅと音を立てて鈴口から精液が吐き出される度、銀髪武闘家は身体を痙攣させながら呻き声を漏らす。

 その間にも、彼女も無意識の内に収縮する膣肉が尿道に残る精液を搾り出し、既にパンパンの子宮に次々と精液が流し込まれる。

 

「そろそろ、俺の子供を孕むかもな」

 

 盗賊長が煽り半分にそう言うと、銀髪武闘家はさらに殺気を込めて男を睨んだ。

 それだけは絶対に有り得ない。そうだとしても、その子も道連れに死んでやると言わんばかりだが、盗賊長は気にしない。

 

「その反抗的な目、たまらんな。いつ折れるか、楽しみだ」

 

 彼はそう言いながら、延長戦に突入した。

 

 

 

 

 

 あれから更に数日。盗賊長が毎日のように銀髪武闘家を抱いていたある日、とある変化が起きた。

 

「お……♡おひっ♡あへっ!?そこ、やめ、へ……♡イクッ♡イク〜♡」

 

 いつものようにベッドに拘束したまま、流石に魔術師の過労が心配だからと処女膜の再生なしで抱いたのだが、銀髪武闘家が快楽に喘ぎ、あまつさえ絶頂したことを隠そうともしない。

 なんだこれと首を傾げながら、盗賊長はいつにも増して具合のいい膣肉の感触を楽しむように腰を振るう。

 トロトロに蕩けた膣内を鉄の如く固い一物が抽送する度、銀髪武闘家は嬌声混じりに絶頂を繰り返し、膣肉も滑稽なまでに収縮を繰り返す。

 

「あひっ♡奥、ゴリゴリ気持ちいいのぉ♡そこ、もっとして〜♡」

 

 あへ、あへとだらしのない声を漏らしながら、彼女は催促混じりに自ら腰を動かした。

 拘束されている以上あまり動けるわけでもなく、僅かに揺れる程度ではあるが、盗賊長にとっては彼女自ら媚びてくるというのが大事なところだ。

 ほぼ毎日相手にしてやって、ついに壊れたかと疑う盗賊長だが、弱りながらも気丈に振る舞う彼女の姿を思い出し、それはないなとその予想をすぐに切り捨てた。

 じゃあ、なんだと首を捻った彼は、ぐびりとサイドテーブルに置いていた酒瓶──近場の村を襲った戦利品だ──を呷り、ついでに水分補給だと飲み口を彼女の口に突っ込み、無理やり飲ませた。

 

「んぐ!?んくっ!んくっ!んくっ!」

 

 ごくごくと喉を鳴らしながら必死に嚥下する銀髪武闘家だが、その凄まじいまでのペースにこのままでは空にされると危惧した盗賊長が慌てて酒瓶を口から離すと、同時に膣肉の締め付けが強まった。

 

「あへ……♡あたま、ふわふわすりゅ〜♡あれ〜、じりゅ、ずいぶんごつくなった〜?」

 

 頭を左右にゆっくりと揺らしながら、彼女は気の抜けた表情のまま気の抜けた声を漏らした。

 あれ〜と声を漏らした彼女は手足を拘束する鎖に目を向け、なにこれ〜と盗賊長に問いかける。

 そこでようやく、盗賊長も気付く。

 

 ──こいつ、馬鹿みたいに酒に弱いのか。

 

 酔っぱらい、自分をその『じりゅ』なる人物──おそらくローグハンターだろう──と間違えている銀髪武闘家の様子に呆れる盗賊長だが、弱点が知れただけでもいいかと割り切ることにした。

 何より、自分をローグハンターと思い込むほどに追い詰めている証拠だ。完全に折れる日も近いだろう。

 

「あひゅ……♡じりゅ、もっと奥まで突いてぇ。もっと、イかせて〜♡」

 

 そんな思慮をする盗賊長を他所に、銀髪武闘家は客に媚びる娼婦のように盗賊長に媚びながら言うと、彼は「お望み通りに!」と告げてから腰の動きを速めた。

 酒精に酔わされたせいか、トロトロに蕩けて熱がこもった膣肉は柔らかく、動けば動くだけ一物の形に変形し、抽送する度に亀頭と子宮口が触れ合う。

 

「おほっ♡そこ、そこ、もっろ突いてっ♡あひゅ♡あへっ♡さっきから、イきっぱなしなのに、またイク……っ♡」

 

 ずりゅずりゅと湿った音をたてながらカリが膣肉を掻き回す度に彼女は絶頂し、引き締まる膣肉が容赦なく一物を舐め回して愛撫していく。

 これは堪らんと眉を寄せた盗賊長は、尿道をあがっていく煮えたぎる精液の感覚に歯を食い縛ると、ふとした思いつきをそのまま実行することにした。

 サイドテーブルの中に隠しておいた毒消し(アンチドーテ)を取り出した彼は、蓋を開けてその中身を銀髪武闘家の口に流し込む。

 それを酒のおかわりと誤解した彼女は、ごきゅごきゅと先程以上の勢いでそれを一気に呷り、一息で飲み干してしまう。

 空になった瓶を投げ捨てた盗賊長が射精感に耐えながらゆっくりと腰を振り始めると、蕩けていた銀髪武闘家の表情が少しずつ引き締まっていき、酒精で赤くなっていた顔が逆に青ざめていく。

 

「え……?な、にこれ……?あれ?わ、私……」

 

「ほらよ!」

 

「お゛……♡」

 

 毒消し(アンチドーテ)で一時的とはいえ酔いを覚まされた銀髪武闘家が困惑の声を漏らすと、盗賊長は賦活する隙を与えずに力強く腰を突き出し、無防備な子宮を一突きにした。

 それと同時に絶頂まで押し上げられた銀髪武闘家が野太い嬌声を漏らすと、そのまま絶頂に追い立てるように子宮口を突き続ける。

 

「おひっ♡あひゅ!?な、わたじ、なんれ……っ♡イク!?こんな、やつに、イかされ、おほぉ……♡♡ぎぃ……♡」

 

 酩酊中に散々虐められた彼女の身体は、軽く突いてやるだけで絶頂を迎えてしまう程に敏感になってしまっていた。

 エラ張るカリが収縮する膣肉を蹂躙し、亀頭が子宮口を無慈悲に殴りつける。

 

「ほらほら。愛しの『じりゅ』とかいう奴のちんこだぞ!ちゃんと味わえ!!」

 

「違っ、違う……♡こんなのっ、ジルのじゃ、ない……!なのに、なんれ♡イク♡おひゅ……♡イグッ♡〜〜〜♡♡♡」

 

 盗賊長の煽りの言葉に返そうとするが、絶えず絶頂させられる彼女はまともな反論ができず、すぐに快楽に流されてしまう。

 彼の一物が最奥を突く度に視界が点滅を繰り返し、強張りに合わせて膣肉がキツく一物を締め付け、くすぐるように蠢くヒダが優しく一物を愛撫してくる。

 

「そんなに欲しいなら、くれてやるよ……っ!」

 

 先程抑え込んだ射精感がぶり返し、ついに我慢できなくなった盗賊長が叫ぶようにそう宣言すると、一際強く腰を突き出して彼女の子宮が潰れるほどに亀頭を押しつけた。

 その瞬間、尿道を熱々ドロドロの精液が駆け上がり、堪らずそれを彼女の子宮にぶちまけた。

 

「お゛ぉ……♡ぎっ、ああああああ♡」

 

 子宮を精液が舐め回す感触に、銀髪武闘家は全身に鳥肌を立てて嫌悪感を露わにするが、敏感になっている子宮は堪らず絶頂し、嫌悪感と凄まじい快感を彼女の頭に叩きつけた。

 

「ぉほっ♡や、やだ……っ!やなのに、イク……っ♡イクッ♡やだ、また、イクぅうううう♡♡♡」

 

 盗賊長への殺意を塗り潰す程の快感に銀髪武闘家は嬌声混じりに白眼を剥くと、がくりと首を倒して身体を弛緩させた。

 力が抜けたためか、接合部からは盗賊長の精液と彼女の愛液が混ざった白濁液が溢れ出し、緩んだ尿道から失禁してしまう。

 まんぐり返しという体勢の都合、飛び出した小便は彼女の胸や顔に降りかかることになるが、それを気にする余裕は彼女にない。

 

「あへっ……♡ぉ……♡イぅ……」

 

 絶頂の余韻に呑まれた彼女は緩んだ表情のまま自分の尿を浴び、銀色の髪や白磁の肌を黄色く汚していく。

 

「うへ、汚ねぇな」

 

 その様子を見下ろしていた盗賊長は言葉とは裏腹に笑みを浮かべると、ぐびりと残りの分の酒を呷るのだった。

 

 

 

 

 

 そんな彼女の弱点が露呈してからというのも、銀髪武闘家は酒を飲まされ、盗賊長に抱かれ、時には素面で抱かれを幾日も繰り返していた。

 だが、その日は普段と違っていた。盗賊団が山間部を移動中天然のに温泉を発見。そのままそこをしばらくの拠点として店を見ろげたのだが、彼女にとっての悪夢はそこから始まったのだ。

 

「んぐ!?んんん!!ん〜!ん〜〜!!」

 

「ほらほらしっかり舐めてくれよ、便所女!」

 

「締め付け緩めんじゃねぇよ!クソが!!」

 

 盗賊長の手で温泉の脇に落とされた彼女に何人もの盗賊たちが群がり、彼女の肢体を堪能していた。

 一人の男の一物が秘部を貫き、もう一人の男が口に一物を突っ込む。

 文字通りの串刺し状態の彼女は泡立つ涎を口の端からこぼすが、男たちがそれを気にすることはない。

 亀頭が喉奥に触れるまで一気に突っ込み、味を覚えさせるようにゆっくりと抜き、恥垢を擦り付けるように口内粘膜に亀頭を押しつける。

 

「ぉえ……っ!げっ……!んぼ、ぉおおおお!!」

 

 亀頭が喉奥に触れる度に彼女はえづき、目から涙を溢れさせながら嗚咽を漏らすが、それを見て余計に昂った男は低く唸ると共に射精を行った。

 

「んん!?んぶっ!んぐっ!ごきゅ!ごきゅ!んぼ!?ぉ……!」

 

 喉奥で吐き出された為、飲む他ない銀髪武闘家は喉を鳴らしながらそれを飲み込み、ドロドロの精液が食道にへばりつきながらゆっくりと胃に落ちていく感覚に目を剥いた。

 口に突っ込んでいた男が退くと、秘部を貫いていた男が彼女の腰をがっしりと掴み、歯を剥き出しにして獰猛な笑みを浮かべる。

 

「ほら、そっちばっか気にしてんなよ!!」

 

「んぉ!?」

 

 文字通り精液に溺れていた彼女に怒鳴りながら、秘部を貫いていた男が腰を我武者羅に振り回し、愛液でドロドロに蕩けた膣肉を掻き回し、子宮口をがんがんと殴りつける。

 

「おぎっ……♡ぉっ……ほ♡イ……ッ♡」

 

 腰を掴まれている為快感を逃すことができない彼女は、一物が子宮口を叩く度に小さく絶頂を繰り返し、膣肉が小刻みに収縮を繰り返す。

 

「これは堪んねぇな!射精()すぞ!!」

 

 一物全体を舐め回されるような快感に男が唸ると、言葉の通りに男は射精。

 押し潰された子宮に男の精液が注ぎ込まれ、その熱に当てられた銀髪武闘家は全身に鳥肌を立てながら目を見開くが、絶頂するにはあと一歩足りない快感に身をよじる。

 秘部を貫いていた男が身をよけると、待ってましたと言わんばかりに複数人の男が銀髪武闘家に襲いかかり、一人が地面に仰向けで倒れる彼女の秘部に一物を突っ込み、もう一人が開きっぱなしの口に、もう一人が彼女の腹に馬乗りになると、豊満な胸の谷間に一物を置いた。

 そのまま三人は思い思いのまま腰を振り、それぞれの場所に一物を擦り付けた。

 何人もの男を相手にしても、変わらずの締め付けをする膣肉を禁欲していたが故に鉄のように固くなった一物が蹂躙し、他人の精液がこびりつく口内を新品同然の一物が出入りを繰り返す。

 

「ほれ、乳首こりこり〜」

 

「んん……っ♡んんん♡ん〜♡♡♡」

 

 胸の谷間に一物を挟み、その柔さと温もりを堪能していた男が悪戯っぽく笑いながら薄桃色の乳首を転がすと、彼女は途端に駆け抜けた快感にビクビクと身体を跳ねさせた。

 

「リーダーに随分と調教されてんだな。こんなに敏感でよ!」

 

 乳首を弄っていた男がそう言うと、今度は爪を立てて乳首を抓った。

 

「きゅい!?ぉぐ……♡ぎっ……♡」

 

 痺れるような快感から、鋭く刺すような快感になった途端、銀髪武闘家は見るからに強い反応を示し、がくがくと全身を震わせる。

 その隙に両脇から胸を寄せた男が腰を振り、一物を優しく包み込む彼女の胸の感触を堪能しつつ、射精感を高めていく。

 胸に包まれている筈なのに、マシュマロのように柔らかなそこは秘部にぶち込んでやったように一物をくすぐり、心地が良い。

 三人バラバラに好き勝手に動いていたが、射精するタイミングはほぼ同時。

 三人が低く唸ったかと思えば、それぞれがそれぞれの場所に射精を行った。

 何人もの精液が詰め込まれた子宮におかわりが注ぎ込まれ、精液で満杯にされそうになっている胃にも精液が注がれ、胸の谷間から溢れるほどに精液が吐き出される。

 

「ぉ……♡ほへ……♡熱い、熱い、よぉ……♡」

 

 子宮、胃、胸に熱々の精液を浴びた彼女は恍惚の表情を浮かべながらそう漏らすが、もじもじと太腿を擦り合わせて物欲しそうな視線を男たちの一物に向ける。

 こいつ、マジかと男たちが若干引いている中、まだ彼女を味わっていない男たちが一斉に彼女に群がった。

 秘部、口、胸、尻の穴、そして髪の毛や太腿など、使える場所を全て使って一物を扱き、恥垢を擦り付け、思わず溢れた精液や先走り汁を塗りたくっていく。

 そうして、全身で二桁にも及ぶ男たちの相手をした銀髪武闘家は、

 

「あへっ……♡ぉほ……♡へっ……♡」

 

 全身を白く汚し、身体中の穴という穴から白濁液を溢れさせながら、地面の上に寝転びされていた。

 彼女を堪能した男たちは温泉で身を清めてからその場を後にしていくが、一人残された銀髪武闘家はもじもじと太腿を擦り合わせ、秘裂からは白濁液に混ざって愛液が滲み出していた。

 

 ──あんなに滅茶苦茶にされたのに、足りない。足りないのぉ……♡

 

 身体は疲労しきっており、もう余裕もない筈なのに、彼女の雌としての本能が疼き続け、精液に満たされている筈の子宮がより強い熱を求めて収縮を繰り返している。

 

「あの馬鹿どもが、せめて綺麗にしてから出ていけよ!?」

 

 そんな彼女の耳に、苛立っている盗賊長の声が届いた。

 ほぇ?と気の抜けた表情のまま顔を上げれば、そこには裸の盗賊長の姿があり、部下たちの誰よりも大きく立派な一物が股ぐらに鎮座している。

 きゅん♡と子宮の疼きが強くなったのは、その瞬間だった。

 それを表情には出さずに盗賊長をじっと睨むと、彼は頭を掻きながら「仕方ねぇな」と溜め息混じりに彼女に手を伸ばした。

 

「俺が綺麗にしてやるよ。暴れんじゃねぇぞ」

 

 

 

 

 

 それから数分。温泉脇の岩影にて。

 銀髪武闘家は岩に手をついて臀部を突き出す体勢を取らされ、盗賊長は彼女に覆いかぶさるようにして密着していた。

 

「おっ……♡イク……♡おほっ、ぉぉおおおお♡♡♡」

 

 盗賊長の綺麗にする発言の通り、彼は手拭い片手に彼女の汚れを落としているのだが、その手は胸を強く揉んだり、乳首を指で転がしたりを繰り返す、愛撫そのものだった。

 

「そこ、カリカリやめ、へ……♡イクッ♡乳首、カリカリしゃれて、イク……ッ♡」

 

 盗賊長の指が爪先で乳首を掻き、コルク栓のようにゴツい指が胸を揉む度に、彼女は絶頂を繰り返していた。

 あへあへと嬌声をあげながら、胸を突き出すように背中を弓なりにしならせる。

 男は彼女の要望通りに乳首を責めてやりながら、もう片方の手を精液を吐き出し続けている秘裂に伸ばし、僅かに躊躇いながらそこに指を突っ込んだ。

 

「お゛……♡」

 

 秘部に入り込む異物感に野太い悲鳴を漏らした直後、盗賊長は指を限界まで伸ばしながら抽送を繰り返し、奥に溜まった精液を掻き出していく。

 彼の指が秘部から出てくる度に、男たちの精液が混ざった粘液(スライム)じみたものが溢れ出し、彼女の下に白い水溜まりを作り出した。

 

「ほへ……っ♡ぎっ……♡おほっ♡おおおおお♡♡♡」

 

 じゅぶじゅぶと音を立てて指が抽送を繰り返し、その度に精液が逆流する快感に打ち震える銀髪武闘家だが、不意に彼の指がGスポットを引っ掻いた瞬間、

 

「ッ!?おおおおおお゛おおおお゛おおお♡♡♡♡」

 

 野太い悲鳴をあげながら絶頂を迎え、精液混じりの潮を噴き出し、身体を仰け反らせた。

 ぷしゅぷしゅと音を立てて潮が噴き出し、精液溜まりとは別の水溜りが作られる中、盗賊長は不意に彼女の秘裂に勃起した一物を擦り付けた。

 ビクビクと絶頂の余韻に浸っていた彼女は、挿れられると来たる衝撃と快感に身構えるが、いつになってもそれがこない。

 盗賊長は薄笑いを浮かべながら一物を秘裂に擦り付け、溢れ出してくる愛液でコーティングしていく。

 カリが秘裂を撫でる快感に銀髪武闘家は喘ぐが、いつになっても挿れない盗賊長の様子に困惑するが、不意に彼が耳元で囁いた。

 

「あんだけ相手したんだ、お前も疲れてるだろ?今日は勘弁してやる」

 

「……っ」

 

 彼の言葉に銀髪武闘家は驚いたように目を見開くが、そんな彼女を嘲笑うように盗賊長は腰の動きを速めた。

 ずりゅずりゅと湿った音を立てながら一物を擦り付けられる銀髪武闘家は、それが与える緩い快感に身体を震わせ、艶っぽい吐息を漏らし、殺意とは別のものを込めた視線を盗賊長に向けた。

 その視線を真っ直ぐに受け止めた盗賊長は不気味に微笑むと、彼女の耳元で囁く。

 

「相手して欲しけりゃ、自分で挿れな」

 

「そ、れは……っ」

 

 彼の言葉に銀髪武闘家は瞳に僅かな理性を宿し、吐きかけた言葉を飲み込んだ。

 気を抜いてしまえばすぐに盗賊長に懇願してしまうほど、身体は堕ちきってしまっている。相手は彼の仇だ、自分から求めるなど、それだけは──。

 

「んぉ゛♡」

 

 彼女が本能と理性の狭間で揺れる中、盗賊長は僅かに腰を揺らすペースを変え、カリでピンと勃った陰核を引っ掻いた。

 それだけで軽い絶頂を迎えた銀髪武闘家を責め立てるべく、同じ場所に当たるように腰を振ってやれば、カリが何度も彼女の陰核を転がし、全身に電撃が走るような快感を彼女に与え続ける。

 

「おぎっ♡おほっ♡おっ♡あひっ♡へっ……♡」

 

 カリが陰核を転がす度に銀髪武闘家は喘ぎ、ピクピクと身体を震わせるが、絶頂には至らない。むしろ子宮の疼きが強まり、帯びた熱が高まるばかり。

 欲しい。もっと、滅茶苦茶にされたいと本能が叫んでいるが、理性がそれを拒む。

 歯茎から血が滲むほどに食い縛り、どうにか盗賊長が飽きるまで耐えんとしていたが、不意に秘裂に拳ほどの大きさのものが入り込んだ。

 

「んほぉ♡」

 

 突然の異物感と、それがもたらす快感に彼女は嬌声をあげ、目を見開きながら恐る恐る振り向いた。

 血管が浮かぶほどに勃起した一物の先端が秘部に入り込んだ様子を視認し、無意識の内にかくかくと腰が揺れて、亀頭を膣肉で撫で回す。

 だが、それまでだ。盗賊長は亀頭だけが入るギリギリの距離を保ち、誘うように揺れる彼女の臀部を眺める。

 

「で、どうする?」

 

 男の問いかけはそれだけだった。その意味も、銀髪武闘家には理解できていた。

 彼を殺した男に媚びるわけにはいかないと理解している。けれど、もう身体は限界だった。限界まで飢えた状態で、目の前に差し出された極上の料理を前に、我慢できる人間などいるまい。

 

「──ジル、ごめんなさい……っ」

 

 彼女は赦しをこうようにぼそりと呟くと、盗賊長に向けて臀部を突き出した。

 瞬間、盗賊の部下たちにより耕された膣肉を、彼らの比にならない太さと長さを持つ盗賊長の一物が蹂躙し、熱を溜め込んだ子宮を容易く打ち据えた。

 

「お゛♡」

 

 銀髪武闘家の口から野太い声が漏れ出し、我慢できなかったのか秘裂からはぷしゅぷしゅと音を立てて潮が噴き出す。

 その様子を舐めるように見ていた盗賊長は器用に彼女を反転させてお互いに向き合うようにすると、安産型の臀部に赤い痕を残すほどの力で掴み、子供のようにひょいも持ち上げられる。

 ふぇ?と間の抜けた声を漏らしたのも束の間、重力に引かれた彼女の身体は深く沈み込み、盗賊長の両手と、子宮を押し潰す一物に全体重が集中した。

 ゴリッ!と鈍い音を立てて子宮が潰され、胎内から脳天まで響くような快感が彼女の身体を駆け抜けた。

 

「おひゅ……♡お゛ぐ、届い、で……♡潰され、あひっ♡」

 

 盗賊長に抱えられたまま、ビクビクと身体を痙攣させて絶頂した銀髪武闘家がそう言うと、盗賊長は彼女を前後に振り回しながら腰を振り、一物の抽送を開始。

 限界までお預けされていた彼女の膣肉は、愛する男の仇のものを容易く受け入れ、むしり媚びるように締め付け、竿を優しく舐めるように扱いていく。

 だがそんな媚びるのも、盗賊長には無意味だ。彼は本能の赴くままに腰を振り、舐め回してくる膣肉をカリで蹂躙し、Gスポットを抉る。

 銀髪武闘家はその度に絶頂へと押し上げられ、視界は点滅を繰り返し、膣肉も収縮を繰り返す。

 

「おひっ♡あへっ……♡ぉ!?お〜〜♡♡あひゅ……♡ぎぃ……♡」

 

 パンパンと肉がぶつかる乾いた音と、獣じみた彼女の嬌声が温泉の周囲に響き、それを聞いた部下たちを再び昂らせるが、今は盗賊長との時間だ。

 彼は快感に喘ぎ、トロトロに蕩けた彼女の顔を見つめながら、「射精()すぞ!」と唸るように言う。

 そしてその言葉の通り、彼女が反応するよりも早く、一物は溶けた鉄のように粘り気と凄まじい熱を孕んだ液体が、子宮に注ぎ込まれた。

 

「きゅい……っ!?ぎっ、ああああ゛ああ゛ああ♡♡」

 

 精液が子宮を舐め回す感触と、その熱に当てられた銀髪武闘家は容易く絶頂し、喉が割れんばかりの嬌声をあげる。

 途端に膣肉の締め付けが強まり、一物を絞るようにぐねぐねと柔らかく形を歪める。

 その刺激に間髪入れずに二度目の射精を強制された盗賊長は唸り、膣肉の締め付けから逃れるように腰を振り、吐き出した精液を膣肉に擦り付けていく。

 

「あひっ……♡あちゅ、熱いぃ……♡おぅ♡だ、だめ……!ひぅ♡だしながら、うごなないれ……っ♡」

 

 嫌々と子供のように首を左右に振りながら、動かないでくれと盗賊長に懇願する銀髪武闘家だが、彼は構うことなく腰を振り続ける。

 接合部からはぶりゅぶりゅと異音を漏らしながら掻き出された精液が溢れ出し、二人の足元で水溜りになっていく。

 そのまま射精したまま腰を振ること数分。ようやく射精が終わった盗賊長はふーっと深く息を吐くと、銀髪武闘家の表情を確認。

 

「あへっ……♡ぉほっ♡ぁ……♡ひぅ……♡」

 

 度重なる絶頂と、その余韻に呑まれた恍惚の表情を浮かべながら、だらしなく開きぱなしになった口からはか細い嬌声がこぼれる。

 その表情にさらに欲情した盗賊長は彼女を地面に押し倒し、彼女の腰を掴んで動けないようにすると、乱暴に腰を振り始めた。

 

「あひゅ!?──ふぇ?ぎっ……♡ぉ゛……♡おおおおおお♡♡♡」

 

 突然鋭くなった快感にほんの一瞬理性を取り戻したが、すぐに与えられた快感に呑まれて嬌声をあげる。

 突かれる度に絶頂を繰り返し、ビクビクと滑稽なまでに身体を跳ねさせながら、銀髪武闘家はじっと盗賊長の顔を見つめた。

 最愛の人を殺した男の顔がひどく愛おしいもののように感じ、それを否定するように首を振っても、与えられる快感によって無理やり意識を盗賊長に向けさせられる。

 そんな筈はない、あり得ないと否定したくとも、身体の方は彼よりも相性がいいかもしれないという事実を受け入れ始めており、それを自覚して否定しきれない自分が嫌になる。

 

「イク……っ♡おほっ♡イグ……ッ♡イグゥゥウウウウ♡♡♡」

 

 そんな自分から逃げるように、彼女は快感に身を任せた。任せてしまった。

 快感に喘ぎ、身体を暴れさせる彼女を見下ろす盗賊長は、彼女の瞳にほんの一瞬理性が戻ったことも、それがすぐに流されていったことも把握していた。

 

 ──こりゃ、もう堕ちるな。

 

 勝ち誇るように笑いながらぺろりと舌舐めずりした盗賊長は、彼女の肢体を堪能しながら、どうやってトドメを刺したものかと思慮するが、今はとりあえず愉しむかと目の前の娯楽を優先。

 結果、銀髪武闘家は夜通し彼に犯され続け、朝になると交代で温泉に浸かりにきた部下たちにも犯され、文字通りの快楽漬けにされることになる。

 それでも、彼女の瞳から理性の──正確にはローグハンターへの懸想の色が完全に消えることはなかった。

 だがそれは風前の灯火のように、まさに消えようとしていた。

 

 

 

 




感想、リクエスト等ありましたら、よろしくお願いします。


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Memory?? 売られず、弄ばれ③ ※

前回の続き。
ヒロインは銀髪武闘家。盗賊長やその部下に犯されまくった彼女はーー。



 温泉で盗賊長をはじめ、盗賊たちに散々犯されてから幾日か。

 盗賊らの本拠地と思われる、山奥にひっそりと佇む屋敷の一室。そこに銀髪武闘家の姿があった。

 温泉で自ら盗賊長の寵愛を求め、あれから抱かれる度に盗賊長に媚びるようになってしまった自分への自己嫌悪に押し潰されながら、部屋の片隅で丸くなっている彼女は、不意に自分の手首を見た。

 もう逃げることも襲うこともないと判断されたのか手枷を外され、部屋の外には見張りすらいない。

 逃げるなら、彼の仇を討つのなら今だとわかっている筈なのに身体は動かず、むしろ腹の奥が甘く疼くばかり。

 頰を赤く上気させ、熱のこもった吐息を漏らす彼女の身体は、もうどうにもならない程に盗賊たちの虜になってしまったのだ。

 温泉での輪姦を皮切りに、盗賊長のみならず盗賊たちにも代わる代わる犯され続け、快感を叩き込まれたこの身体はもう彼らでなければ満足することはできない。

 その事実をどうにか否定しようにも、それすらもできない。もう自分は盗賊長に媚びることを是としてしまったのだから。

 部屋の隅で丸くなったままの銀髪武闘家は啜り泣き、うわ言のようにローグハンターへの謝罪の言葉を漏らしているが、それは彼には届かない。

 代わりに彼女の謝罪に答えたのは、豪快に扉を開けて部屋に入ってきた盗賊長だ。

 

「相変わらず、死んだあいつに義理通そうとしてんのか。あんなに乱れまくったのによ」

 

「……っ」

 

 下卑た笑顔を浮かべ、銀髪武闘家を物理的にも精神的にも冷たく見下ろしながら告げた言葉に、彼女は唇を噛み締めるばかりで反論することもできない。彼の言葉は、事実だからだ。

 それでもと彼を睨みつけるが、その瞳に宿る殺意は弱々しいものとなり、かつてあった相手を威圧する程の迫力もない。

 そんな彼女に勝ち誇ったように得意げに鼻を鳴らした盗賊長は、不意に机の上に何かを置いた。

 一つは何やら衣装が詰め込まれた袋。もう一つは鋭く研がれた短剣だ。

 

「あの男のことを忘れて俺のものになると誓うなら、この袋の中のものを着て俺の部屋に来な。気絶するまで、いや気絶しても叩き起こして可愛がってやる。だがな、もし、まだ俺のことを殺したいなら、この短剣で刺しに来い。その時は、どっちかが死ぬまで殺しあうことになるが……」

 

 盗賊長はそう言うと銀髪武闘家の耳元に顔を寄せ、「よく考えてから行動しろよ。どっちを選んでも、もう戻れねぇからな」と囁いた。

 その声に当てられたのか子宮がきゅんきゅんと疼き始め、触れられてさえいないのに身体が熱を持ち始め、秘裂にも湿り気が帯びる。

 この男のもの──つまりは恋人、あるいは愛人となるのなら、あの袋を。

 この男を殺したいのなら、あの短剣を。

 銀髪武闘家が机の上に並んだそれらをちらりと見やると、盗賊長は「待ってるぜ」と歯を剥き出しにして邪気の孕んだ笑みを浮かべると、部屋を出て行ってしまう。

 その背を見送った銀髪武闘家はゆっくりと立ち上がると、身体を引きずるように机に近づき、彼が置いていった袋と短剣を覗き込む。

 こんなもの、選択肢は一つしかない。短剣を手に取り、生きようが死のうが彼の仇をとる絶好の機会ではないか。迷う必要など──。

 

「……っ」

 

 彼女は覚悟を決めて短剣に手を伸ばした瞬間、途端に子宮が疼き始め、身体が火照り始める。

 はぁ、はぁと荒れた呼吸を繰り返し、肩を大きく揺らしながら、それでも震えた手を短剣に伸ばそうとするが、

 

『──気絶するまで、いや気絶しても叩き起こして可愛がってやる』

 

 脳裏に過ったのは、彼の姿ではなく盗賊長の言葉だ。

 気絶するまで、気絶しても、彼はお構いなしに自分を犯すのだろう。それこそ、玩具のように。

 

 ──それが、何よ……っ!私は、ジルの仇を……!

 

 彼女はそんな雑念を振り払い、愛するローグハンターの無念を晴らさんと気合いを入れる。

 子宮の疼きも、快感を求めて悶える身体もねじ伏せ、彼女は盗賊長が置いていったものに手を伸ばした。

 

 

 

 

 

「よう、待ってたぜ」

 

 盗賊長の部屋。部下や、相棒たる魔術師のそれよりも豪華な家具が並べられたその場所で、部屋の主たる盗賊長は不敵な笑みを浮かべた。

 とある貴族の屋敷から拝借したお高いベッドに腰をかけ、筋肉質な腕を組んで見やる視線の先にいるのは、先程ここに来るように申し付けた銀髪武闘家だ。

 

「は、はい……。言われた通り、着替えて、きました……っ♡」

 

 そして、彼女の手に短剣はなく、恍惚の表情で盗賊長の暗い瞳を見つめ返していた。

 ローグハンターの仇を、彼の無念を晴らすと決めた筈なのに、気がつけば盗賊長が用意した衣装に身を包み、本能が求めるがままにこの部屋に足を向けてしまっていた。

 もう彼女の肉欲に支配された身体は、理性でどうにかなるほど甘くはなかったのだ。

 

「似合ってるぜ。まったく、いい身体してるな」

 

 ようやく堕ちたかとしたら顔で自分の顎を撫でた盗賊長は、舐めるように銀髪武闘家の肢体に目を向けた。

 銀のティアラ付のヴェールに、純白のベビードールと白のガーターベルト。華やかなデザインの白いショーツは脱がなくても性行為ができるようクロッチ部が開くようになっており、そこからは溢れた愛液が太腿を伝い、淫らに彼女の股ぐらを汚している。

 花嫁衣装(ウェディングドレス)にも似ている純白ベビードールだが、その生地は透けるほどに薄く、ベビードールを押し上げる豊満な乳房と、透けて見える薄桃色の乳首が丸見えだ。

 

「ほら、来い」

 

 盗賊長は舌舐めずりすると両手を広げ、彼女を迎え入れた。

 

「はい……っ♡」

 

 それを受けた銀髪武闘家は媚びる娼婦のように微笑むと、ゆっくりと彼に歩み寄り、その厚い胸板に飛び込んだ。

 盗賊長の筋肉に押され、銀髪武闘家の柔らかな胸が潰されて柔らかく形を歪め、ピンと勃った乳首が擦れて淡い快感を彼女の脳に伝えてくる。

 

「ふっ。素直になっちまえば、可愛いもんだな」

 

 盗賊長は抱きついてきただけなのに、小さく悶えながら艶声を漏らす銀髪武闘家の頭を撫でながらそう言うと、肉付きのいい安産型の臀部を鷲掴んだ。

 

「ひぅ……♡」

 

 ピクン!と肩を跳ねさせ、小さく嬌声を漏らすと、甘えるように盗賊長に頬擦りしつつ、首元に口付けを落とした。

 ちゅ、ちゅと唇と肌が触れ合う音を漏らしながら、許可なく痕を残さないように気をつけつつ、触れる程度に唇を落としていく。

 盗賊長はくすぐったそうに小さく呻くと、彼女の頭を掴んで無理やり顔を離させ、半ば投げるような形で彼女をベッドに押し倒した。

 小さく悲鳴をあげる彼女に覆い被さり、鮫を思わせる獰猛な笑みを浮かべながら言う。

 

「そんなにキスしたけりゃ、こっちからしてやるよ」

 

「ふぇ……?んぐ!?」

 

 その言葉を銀髪武闘家が理解するよりも早く、盗賊長は彼女の唇を奪うと、間抜けに半開きになっていた口に自分の舌をねじ込んだ。

 それをされた銀髪武闘家は驚きで目を見開くものの、すぐにとろんと瞳を蕩けさせ、入り込んできた盗賊長の舌に自分の舌を絡め、流し込まれる唾液を飲み込んでいく。

 

「ん〜!んちゅ!じゅる!ちゅ、はむっ、じゅるる!」

 

 こくこくと喉を鳴らして唾液を嚥下し、口の中で好き勝手に動く盗賊長の舌の生温かな感触に頰を赤く染めながら、それを堪能しようとゆっくりと目を閉じてキスに集中。

 その姿を文字通り鼻が触れ合うほどの距離で見ていた盗賊長は、そっと音をたてずに手を動かすと、呼吸に合わせて上下する豊満な胸を鷲掴んだ。

 

「んんっ♡」

 

 途端に駆け抜けた痺れるような快感に銀髪武闘家は目を見開くが、盗賊長はそんなもの構うことなく、捏ねるように乱暴に胸を揉み扱き、ピンと勃った乳首を指で潰して転がしてやる。

 

「んんっ!ん〜♡んちゅ!そこ、こりこり、やめ、て……♡じゅる!気持ちっ♡そこ、弱い、からぁ……っ♡んちゅ!」

 

 透けて見えているとはいえ、布越しに行われる胸への愛撫に銀髪武闘家は嬌声を漏らし、かくかくと腰を震わせた。

 指で直にされる時とは違う、布の繊維によるざらつきが彼女に普段よりも荒々しい快感に与え、既に蕩けた思考では我慢することもできはしない。

 盗賊長もそれに気付いているのか、キスをしたままご機嫌そうに目を細めると、トドメを刺すように強めに乳首を弾いてやった。

 

「んんんんんんん♡♡♡♡」

 

 その瞬間『電撃(ライトニング)』もかくやの衝撃が全身を駆け回り、その全てが快感となって銀髪武闘家の脳を焼いた。

 投げ出した両足が爪先までピンと伸びきり、秘裂からは音を立てて潮が噴き出し、ベッドのシーツに大きな染みを残していく。

 キスをしている都合、吐き出した嬌声は全て盗賊長の胃の中に飲み込まれていくが、彼は気にせずにもう一度乳首を弾いた。

 

「〜〜〜〜♡♡♡♡」

 

 今度は声にならない嬌声をあげながらビクン!と大きく身体を跳ねさせ、再びの絶頂。

 壊れた絡繰人形のように痙攣を繰り返し、ぷしゅぷしゅと音を立てて秘裂から勢いよく潮を噴き出し、シーツには吸いきれなかった分の水溜まりができるほど。

 その惨状に楽しそうに笑った盗賊長はキスを辞めると彼女の上から退き、その表情を見下ろした。

 

「あへっ……♡むね、ちくび、だけで♡イかされちゃった……♡はひ♡あへ♡」

 

 ピクピクと身体を痙攣させながらうわ言のように呟く彼女の頰を叩き、無理やり意識をこちらに戻す。

 銀髪武闘家が気の抜けた声と共に盗賊長に目を向けると、彼は突然パンツとズボンをずらして一物を露出させ、ベッドに寝そべった。

 天井を指差すだけでは収まらず、そり返るほどに勃起した一物がベッド脇の角灯の明かりに照らされ、不気味な光沢を放ち、銀髪武闘家の視線を釘付けにした。

 ごくりと生唾を飲んだ銀髪武闘家を横目に、盗賊長は言う。

 

「自分で跨りな」

 

 彼の指示に彼女は頷き、ガニ股になりながら盗賊長の腰に跨ると、片手で溢れた愛液と潮で濡れた秘裂を広げ、もう片方の手で勃起した一物を握った。

 ふーっと深く息を吐き、ゆっくりと腰を降ろす。

 くちゅりと湿った音と共に一物が秘部に入っていき、カリが引き締まる膣肉を押し返し、引っ掻いていく。

 

「ぉ……♡あはっ♡ゆっくり、入ってきて、気持ちいい……♡」

 

 一物が胎内に侵入する異物感と、それが与えてくる快感に身動ぎするが、それを見ていた盗賊長は不意に何かを思いついたのか、鼻を鳴らして彼女に告げた。

 

「で、前の男のことはいいのか?もう戻れねぇが」

 

「……っ」

 

 その一言に銀髪武闘家の動きが止まり、ちらりと盗賊長の顔色を窺った。

 瞳に宿った一瞬の迷いと躊躇。だがすぐに目先の欲望に歪むと、壊れたように引き攣った笑みを浮かべた。

 

「いいんです。彼はもう死んじゃって、何にもしてくれないんですから〜♡もう私は、あなたのものです……っ♡」

 

 彼女はその笑顔のまま、ローグハンターとの決別の言葉を口にすると、自らトドメを刺すように、一気に腰を落とした。

 半ばまで入っていた一物が一気に根元まで入り込み、容易く子宮を押し潰して内臓の一部を押し上げた。

 

「お゛……♡あひっ♡あへっ♡おぉおおおお♡♡♡」

 

 内臓を潰される圧迫感、異物感と、それすらも上回る快感に銀髪武闘家は容易く絶頂し、身体を仰け反らせながら痙攣させ、秘部からは再び潮を噴き出した。

 だが、今回の彼女はそこでは止まらなかった。僅かに残ったローグハンターへの罪悪感と、目の前の快感を求める欲望が頭の中で混ざりあい、より強い快感となって彼女の脳を溶かしていく。

 そして理性が完全に溶けた彼女は更なる快感を求めて自ら腰を振り始め、ぱちゅぱちゅと肉同士がぶつかり合う湿った音が部屋に響く。

 エラ張るカリでゴリゴリと膣肉を抉られ、亀頭が無慈悲に子宮口を殴りつける。

 それらが与えてくる快感に絶え間なく絶頂を迎えながら、それでも彼女は止まらない。

 

「あへ……♡イくッ!イぐ……♡イく♡お゛……♡おほっ♡あへっ♡」

 

 上下だけでなく前後にも腰を振り、自分で自分を壊すように荒々しく腰を動かしながら、彼女は誘うように盗賊長を見下ろした。

 その視線を受けてふっと笑みをこぼした彼は上体を起こし、揺れる彼女を抱きしめながら彼女と唇を合わせ、隙間から舌を差し込んだ。

 

「んぐ♡んふっ♡んぉ……♡ほぇ……っ♡んぉぉおおおおお♡♡♡」

 

 盗賊長とのキスに身体は更に昂り、膣肉の締め付けを強めながら腰を動かし、硬さと熱を増した一物を膣肉全体で扱きあげ、擦れる度に生み出される快感に身を任せる。

 より強く密着しようと彼の首に腕を回し、自分の舌を絡めて盗賊長の唾液の味を堪能しながら、かつて多くの者の首を跳ね飛ばしてきた足を、ただ相手に媚びるために盗賊長の腰に巻きつけ、お互いの腰を更に密着させた。

 その分、動き辛くはなるのだが、今度は盗賊長が彼女の臀部を両手で鷲掴み、それこそ玩具を扱うように乱暴に上下に振り回し、彼女を使い始める。

 

「んぉ♡お……♡あ♡んぉお♡おおおおおおお♡♡」

 

 一物を噛みちぎらんばかりに締まる膣肉を一物の固さにものを言わせて押し返し、扱くように蠢く膣肉をカリが掻き回し、物欲しそうに亀頭に吸いつこうとする子宮口を逆に押し潰す。

 銀髪武闘家は獣じみた嬌声をあげながら絶えず絶頂を続け、長時間のキスと叫び続けていることが重なってか軽い酸欠状態になり、視界が点滅を繰り返した。

 現に首と腰に巻き付いていた手足から力が抜け、膣肉からも力が抜ける。

 そうして全身から力が抜けたにも関わらず、盗賊長が加減なしで腰を突き上げた瞬間、ぐちゅりと肉の潰れる異音と共に、亀頭が緩んだ子宮口を貫き、先端が子宮に侵入。

 同時に締め付けが緩んだためか、押さえるものをなくした一物は中に溜まっていた精液を吐き出してしまい、瞬く間に子宮を満杯にしてしまった。

 

「〜〜〜っ!!ッ〜〜〜〜〜♡♡♡」

 

 半分気絶状態だった銀髪武闘家はその刺激で絶頂すると共に意識を取り戻すが、すぐに意識を飛ばしてすぐさま気絶。

 秘裂からは愛液と精液が混ざった白濁液が溢れ出し、そこに黄ばんだ液体が混ざる。

 いわゆる対面座位で繋がっている都合、そのほとんどが盗賊長にかかることになり、愛液だの潮はともかく、尿までかけられた彼は不快そうに眉を寄せると、吐精が終わると共に銀髪武闘家をベッドに投げた。

 うつ伏せで腰だけを突き出している体勢という、何とも間抜けな姿勢になった銀髪武闘家は、起き上がる気力もないのか、シーツに顔を埋めながらピクピクと痙攣を繰り返すばかり。

 盗賊長は逆流してきた精液を吐き出す秘裂に亀頭を添えると、一息の間に根元まで挿入。

 

「〜〜〜ッ♡♡♡っ──……♡」

 

 ずぶっ!と勢いよく一物が挿入されると、銀髪武闘家はもう何度目かの絶頂を迎え、全身を小刻みに痙攣させ、酸素を求めて顔をあげようとするが、

 

「おっと。そのまま埋まったけ」

 

 盗賊長がそんな彼女の顔をシーツに押しつけて呼吸を制限しながら、片手で臀部に跡が残るほどの力で鷲掴み、腰を振り始めた。

 パンパンと乾いた音を響かせて腰をぶつけ、先程吐き出した精液を掻き出し、潤滑油の代わりに膣肉に塗りたくりながら、緩くなった子宮口を殴りつける。

 

「っ……♡──♡♡〜〜〜っ♡♡♡」

 

 シーツに顔を埋めたまま、引きちぎらんばかりの力でシーツを掴んで快感に耐えながら、それでも絶頂を繰り返す。

 流石に息苦しいのか、頭を押さえる盗賊長の手を退かそうと手が暴れ始めるが、彼は構わずに腰を振り、快感によって黙らせる。

 ジタバタの暴れていた手の動きが段々と緩慢となり、ぺたりとベッドに投げ出された瞬間に射精を行い、気絶間際の彼女に精液の熱さを叩き込む。

 子宮を舐める精液の感触に身悶えし、全身に鳥肌を立てながらトドメの絶頂を迎えた銀髪武闘家は、途端に動かなくなり、ピクピクと痙攣するのみで反応を返さない。

 やり過ぎたかと心配になったのか、盗賊長は一物を抜くと彼女を転がして仰向けにすると、

 

「ぁへ……♡ぉ……♡ぉほ……♡ぅ……っ♡」

 

 彼女は恍惚の表情で小さな喘ぎ声を漏らしており、焦点の合わない視線が天井に注がれている。

 なら、まだ使えるなと笑った盗賊長は再び一物を叩き込むと、腰を振り始める。

 銀髪武闘家はただの快感に対する反射の声を漏らしながら、ただただ幸せそうに、目を閉じるのだった。

 

 

 

 

 

 それから数時間。窓から差し込む陽の光に気づいた盗賊長は、流石にやり過ぎたなと反省しながらベッドから降りた。

 そして、ベッドに寝かされたままの銀髪武闘家は、

 

「あへっ……♡……っ♡……ぉ♡」

 

 精液を吐き出され続けた子宮が押し広げられたか下腹部がぽこりと膨らみ、それでも納まりきらなかった分の精液を秘裂から吐き出しながら、恍惚の表情を浮かべていた。

 途中で口や髪も使われたのか、顔や髪にも精液がこびりつき、その美貌と美しい髪を汚しているが、その姿さえも艶やかで、色香が纏わりついている。

 その姿に満足した盗賊長は彼女の部屋に置いていった短剣を回収せんと、部屋を後にした。

 

 

 

 

 

 さらに、この夜から数年後。

 

「ほらほら、ここがいいんだろ?俺好みにしたんだから、知ってんだよ!」

 

「おほ♡はいっ♡そこ、そこ好きでしゅ♡もっと、もっと突いてくらしゃい〜♡♡」

 

 ベッドに仰向けに寝かされ、両足を肩に担がれる形──かつてされたように、まんぐり返しの体勢だ──で盗賊長に抱かれる銀髪武闘家は、コツコツと亀頭が子宮口を殴る度に嬌声をあげ、彼に媚びるような声をあげていた。

 突く度、突く度、彼女が獣じみた野太い声を漏らす中、盗賊長は不意に彼女の胸を鷲掴むと、根本から扱き上げるように揉みしだき始め、銀髪武闘家は新たな快感に身を捩る。

 

「あひゅ!?ま、まっへ……♡これ、これは駄目でしゅ……っ♡でりゅ、おっぱい出して、イくぅううううう♡♡♡」

 

 ピン!と両足が爪先まで伸び切ったかと思えば、僅かに黒ずんだ乳首から白い液体──まず間違いなく母乳だ──を噴き出しながら絶頂すると、盗賊長は彼女の乳首を口に含み、噴き出した母乳を吸い上げていく。

 

「お♡おおおおおお♡♡だ、駄目、飲まないれ……♡それは、あの子の分だから……っ!」

 

 母乳を吸われる快感に悶えながら、銀髪武闘家の視線はベッド脇の小さな簡易ベッドに目を向け、そこですやすやと寝ている銀髪の赤子の様子を伺った。

 かなり騒いでいるにも関わらず起きる気配なく、すやすやと穏やかな寝息を立てている。

 

「寝てんだからいいだろ?こんなに美味いもん、あいつに独り占めさせるかよ」

 

 盗賊長は笑いながらそう言うと力強い音を立てながら乳首を吸い上げ、母乳を飲みながら射精を行った。

 銀髪武闘家は吸い出されながら吐き出される感覚に目を回しながら、身体は与えられた快感に素直に反応し、絶頂を迎えた。

 

「んぉ!?ぉおおおおお♡♡わ、私、おっぱい飲まれながら、だしゃれて、イってりゅ……っ♡あは、あはは、あははは……♡♡♡」

 

 彼女は盗賊長に抱かれながら、壊れたように笑い始める。

 この調子ならまた今日もこの男に孕まされ、その子供を産むのだろう。

 だが、そんなことどうでもいい。どうでもいいのだ。

 

 

 ──だって、こんなに気持ちいいんだもん………♡

 

 

 彼女は誰にも知られることなく、後に悪名を轟かす盗賊団団長の妻となり、その悪名を継ぐ子供たちを幾人も産み落とすこととなる。

 彼女を救う英雄は、彼女に救い()をもたらす英雄は、そして彼女たちを止められる英雄は、永い時を経ても現れなかったのだ──。

 

 

 

 

 

 




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Memory?? 新婚旅行①

リクエストから。
ヒロインは銀髪武闘家。ラスボスとの戦いを終え、無事にログハンと結ばれた彼女は、仲間たち(特に勇者)の計らいで温泉街を訪れる。一話目。


 ローグハンターと銀髪武闘家の結婚。

 冒険者ギルドへの襲撃、倒壊と、嫌な知らせが続く中、不意に舞い込んだ朗報に友人たちも、ローグハンターの妹である勇者も大いに喜んだ。

 何か贈り物でもしてやろうと話し合い、二人が欲しがるものは何だと頭を捻り、妹である勇者の意見を仰ぎつつ、考えに考え抜いた結果至ったのは、

 

 ──とりあえず、二人きりでのんびりできる時間をやるか。

 

 二人揃ってギルド襲撃犯の追撃で、肉体的にも精神的にも満身創痍にされたのだ。ならば新婚旅行を兼ねた慰安旅行に送り出してやるのがいいだろう。二人が喜ぶかは別として、自分たちに用意できるのはその程度。

 

「よし!そうと決まれば、僕に任せて!」

 

 そして冒険者たちはやると決めれば早いのは、他ならぬ彼らがよく知っている。

 自分たちでは断られるかもと足踏みする冒険者らの心配を他所に、勇者は「二人に言う前に、外堀を埋めちゃわないと!」と二人が断れない状況を作り上げることから開始することを提案し、冒険者たちも彼女に続く。

 宿の手配、移動手段の確保などなど。勇者を中心として団結した冒険者たちの行動は、途中から結託した女魔術師と令嬢剣士の協力もあり、結婚に浮かれるローグハンターと銀髪武闘家の耳に届くことはなかった。

 そんな冒険者たちの暗躍は数日間に渡り、ローグハンターが友人たちが何かしていると気付いた頃にはもう遅い。

 銀髪武闘家と共に女魔術師と令嬢剣士に詰め寄ったローグハンターに、宿への紹介状や乗り合い馬車の券を纏められた紙束を渡した勇者は満面の笑みを浮かべた。

 

「さあ、お兄ちゃん!お姉ちゃんとのんびりしてきてね!」

 

「……は?」

 

 愛する妹の言葉に間の抜けた声を漏らしたローグハンターを他所に、銀髪武闘家は小首を傾げ、女魔術師と令嬢剣士は二人に気付かれないように小さくガッツポーズ。

 

「全部こっちで手配したから、後は現地に行くだけだよ!さあ、準備して行った行った!」

 

 状況について行けないローグハンターと銀髪武闘家を他所に、勇者は満面の笑みで言葉を続けた。

 もう逃げ場はない、さっさと行けと、最愛の兄を半ば脅す形で話を進めるのは少々気が引けるが、こうでもしなければ兄は行ってくれない。

 いつもは太陽を思わせる笑顔にほんの僅かな邪悪を孕ませながら、勇者はずいっと紙束を差し出す。

 ローグハンターは負けを認めるように深々と溜め息を吐くと、勇者が差し出した紙束を受け取った。

 

 

 

 

 

 冒険者たちの短くも濃密な暗躍から幾日か。

 ローグハンターと銀髪武闘家の夫婦はとある温泉街にいた。冒険者や貴族が静養のために訪れると噂のその場所は瓦屋根の建物や、浴衣姿の通行人の姿も相まって、極東の風情を感じさせる。

 

「知らない内に、何だか大変なことになっちゃったね」

 

 そんな見慣れない光景を眺めていた銀髪武闘家は、苦笑混じりに隣のローグハンターに声をかけた。

「ああ、まったくだ」と肩を竦めながら、荷物を詰め込んだ鞄を馬車から降ろしたローグハンターは小さく溜め息を吐く。

 

「あいつらも、俺たちに構うほど暇ではないだろうに」

 

 すっと目を細め、自分たちをこの場所に連れてくるために悪戦苦闘したであろう友人らの姿を幻視した彼は、それを振り払うように頭を振った。

 そんな彼らの苦労にも気付かない程に気を抜いていたのはこちらだ。策謀を巡らせていたのが悪意ある輩であれば、ここではなく墓場に直行していた可能性もある。

 ローグハンターは小さく溜め息を吐くと、懐から勇者から渡された地図を取り出した。

 馬車の寄り合い所から事細かに描かれたそれは、勇者ではなくおそらく魔女が描いたものだろう。

 彼は地図と視界に広がる極東風の街並みを交互に見やり、ある程度の道順を確認。

 いつもなら鷲を飛ばし、近場の塔によじ登るところだが、鷲は妖精弓手に確保され、友人らからは登るなと釘を刺されている。そこまで言われても登る程、拘りはない。

 

 ──訳でもないんだが……。

 

 ある意味で新しい場所にたどり着いた時の楽しみを封じられたローグハンターは、登りがいのありそうな物見櫓を視界の端に納めながら小さく溜め息を漏らした。

 あれに、登ってはならないというのか。

 

「早く行こ!えっと、こっち?」

 

 そんな勝手に落ち込んでいる彼に、無邪気な笑顔を浮かべた銀髪武闘家が声をかけた。

 友人たちが諸々の工面してくれたとはいえ、折角の新婚旅行だ。難しいことは考えず、楽しみたいのだろう。

 彼女の笑顔に当てられたローグハンターは強張っていた表情から力を抜くと、深く息を吐いてから地図をしまい、鞄を持ち上げた。

 

「こっちだ。少し遠回りしてもいいが、どうする?」

 

「一回宿に荷物置いてからにしよ。荷物置いて、着替えてから、のんびりしよ?」

 

 ローグハンターが彼女の分の荷物を持とうとすると、それよりも早く彼女が荷物を確保し、行き場を失った彼の手を掴み指を絡ませた。

 馬車にもほとんど寄り添う形で乗車していたが、こうして並んで手を取り合うのも乙なもの。

 掌に感じる彼女の温もりを堪能しながら、ローグハンターは手を引いて歩き出す。

 なお、このやり取りは馬車の乗り合い所の真横で行われていた為、二人と同じ馬車に乗ってきた客や、ここを去るために馬車を待っていた人たちに目撃されていたのだが、二人は気にする素振りさえ見せない。

 どうせこちらの素性も、名前も知らない連中だ。邪な関係だと思うのなら思わせておけ。

 

「さあ、こっちだ」

 

 地図は頭に叩き込んだ。先導する分には何の問題もない。

 念のためとタカの眼で周囲を警戒しておくが、ほとんどが同業者か貴族、観光客ばかり。人影のほとんどが無害を示す無色や白ばかり。なら、心配することもあるまい。

 ジブリールは愛するシルヴィアの手を引きながら、目的の宿を目指して温泉街に繰り出した。

 

 

 

 

 

 そうして、数分ほど歩いてたどり着いたのは小さな旅館だった。温泉街の端も端、街の象徴たる清流の脇に一つだけ孤立するようにポツンとあるそこが、今回の目的地であった。

 勇者の知り合いだという女将の先導で部屋に通された二人は、その設備に揃ってポカンと口を開けて困惑していた。

 極東の家屋を意識してか、畳が敷き詰められた部屋は二人で寝泊まりするにはあまりにも広く、部屋の中央は木ばりになり、火の消えた囲炉裏が使われる時を待って鎮座している。

 部屋の外には客用の露天風呂が設置され、山の中で孤立しているのをいいことに最低限の柵しかなく、温泉に入りながら清流を眺めたり、空を堪能できるようになっている。

 一応、雨に備えて屋根代わりの天幕が出せるようになっているが、今の天気なら必要あるまい。

 

「……風呂付きの部屋とは聞いていなかったな」

 

 荷物を部屋の隅に置き、それぞれ部屋を見て回っていたジブリールは、温泉に片手を突っ込んで湯加減を確かめながら顎に手をやってぼそりと呟く。

 勇者から渡されるがまま受け取り、そのままここまで来てしまった弊害とも言える。まさか、こんなにいい宿が手配されているとは。

 むぅと小さく唸る彼を他所に、シルヴィアは「ねえねえ、こっち見て」と彼を呼んだ。

「なんだ」と振り向いた直後彼の視界に飛び込んできたのは、女将に手伝ってもらったのか、灰色の浴衣に身を包んだシルヴィアの姿だ。

 筋肉質でありながら柔らかな四肢をゆったりとした布一枚で包み込んではいるが、豊満な胸の胸元が隠しきれずに谷間が顔を出しているし、帯を結ぶ位置が本来のそれより高いのか、胸を強調するように持ち上げている。

 それに浴衣が小さいのか、あるいは単に彼女のそれが大きいのか、浴衣が臀部に貼り付いて見事な曲線をより強調する。

 ワンピースやドレスとも違う、着なれない衣装のためか居心地悪そうにしながらその場をくるりと回った彼女は、赤面しながら俯き加減に「似合う?」と問うた。

「似合ってる」ジブリールは即答き、彼女の姿に魅入るようにじっと見つめ、「本当に綺麗だ」と心からの賞賛を口からこぼした。

 

「えへへ。あ、ジルのはこれだって」

 

「ああ、わかった。着替えるついでに、風呂に──」

 

 彼の褒め言葉に照れ笑いをしながら、彼女はもう一着分の浴衣を示す。

 その言葉に応じたジブリールは着替えついでに温泉に彼女を誘うが、その直後にくぅと気の抜ける音がどこからか聞こえてきた。

 先程とは違う理由でシルヴィアの頬が赤くなり、そっと腹を抑えるが、それでも抑えきれずにくぅと腹の虫が鳴いた。

 二度も鳴いてしまえば、彼女も開き直ったのだろう。笑いながらジブリールに言う。

 

「その前に、ご飯食べに行こ?お腹空いちゃった」

 

 

 

 

 

 彼女の言葉に待ってましたと言わんばかりに反応した女将に通されたのは、旅館に併設された食事処だった。

 女将曰く、紹介なしでは泊まれないこの宿に来るのは有名な貴族や冒険者ばかりらしく、今日の客はジブリール夫妻のみであるらしい。

 慣れない浴衣の着心地に四苦八苦しながら女将の話を聞いていたジブリールは、部屋の良さに合点がいき、そしてここを用意してくれた勇者たちの心遣いに感謝した。

 つまるところ、現状ではこの宿は自分たちの貸し切り状態。他の客に気を遣ったり、客同士のトラブルを気にする必要もない。

 

 ──だから、ここを選んだんだろうな。

 

 いつの間にか気遣いができるようになった妹に嬉しく思いつつ、少し面倒をかけ過ぎたなと僅かに反省。今度、このお礼で自分とシルヴィアと、彼女の三人で出掛けるのもありかもしれない。

 

「たまにはだけど、こうやって静かな場所にいるのもいいね」

 

 食事処の片隅。窓際の席に対面する形で座るシルヴィアが、外を流れる川を眺めながらぼそりと呟いた言葉に、ジブリールは「そうだな」と同意を示した。

 今二人の耳に届くのは川のせせらぎの音と、お互いの呼吸の音程度。遠くからは揚げ物をあげる音や、女将と料理長のやり取りも聞こえなくはないが、ジブリールの聴覚をもってしてもその内容が聞き取れない辺り、余程小さな声で話しているのだろう。

 二人揃って何か言う訳でもなく清流の音に耳を傾けていると、不意に女将の声が耳に届いた。

 どうやら料理ができたようだ。この街の名産らしい肉や魚の揚げ物が皿に並び、採れたての野菜が盛られた皿も卓に置かれ、最後に極東の箸なる食器が二人の前に置かれた。

 初めて見る食器の存在に驚く二人を他所に、女将はそれの使い方を簡単に説明し、駄目そうこちらをとそっとフォークやスプーン、ナイフと使い慣れた物が差し出されるが、

 

「物は試しだ。これで食べてみるさ」

 

「何か、ペンみたいに持つんだね。この指を、こうして、こう……?」

 

 二人は女将の説明だけで使い方を最低限理解したのか、ぎこちないながらも箸を使い、料理に伸ばし始めた。

 流石冒険者様、覚えが早いですわと微笑み混じりに告げた女将は、邪魔をしないようにと厨房に下がり、また何かの準備をし始める。

 何を準備しているのかは置いておいて、二人はどうにかこうにか箸で揚げ物を掴み、口に放り込んだ。

 噛んだ瞬間サクッと軽快な音を立てて衣が砕け、肉汁が弾ける。途端に封じ込められていた旨味が口内を蹂躙し、二人は無意識の内に口を揃えて「「美味しい」」と呟いていた。

 揃って同じ感想を漏らした二人は顔を合わせて可笑しそうに笑うが、既に箸は次の料理へと伸びている。

 一口一口を堪能し黙々と食すジブリールと、食べる度に何かしらの反応を示し、幸福感に満ちた顔で頬を押さえるシルヴィア。

 ジブリールは揚げ物を口に入れる合間合間にそんな彼女の姿を見やり、食事と共に幸せを噛み締める。

 そうしてしばらく食事を楽しんでいると、女将が飲み物ですと小さな盃を二人に差し出した。

 

「あ、ありがとうございます」

 

 口元を揚げ物の油で汚していたシルヴィアは、流石にはしたないかと慌てて口元を拭うと、お礼と共に盃を呷った。

 ジブリールも彼女に続く形でそれを呷った瞬間、口に広がった独特の苦味と旨味に違和感を覚え、女将に「これはなんだ」と問うた。

 女将はそれはこの宿の特性のお酒です。裏の倉で作っているのですよと答えてくれるが、ジブリールにとってこれがどこで作られているかなど、どうでもよかった。

 女将から視線をシルヴィアに戻せば、彼女は身体を左右に揺らしながら「ひっく」と声だけは可愛らしいしゃっくりを漏らし、恍惚の表情で「ふへ〜」と気の抜けた吐息を漏らす。

 ジブリールは額に汗を流しながら、とりあえず互いの皿が空になっていることを確認。ならば、食堂を去ったとしても問題はあるまい。

 問題は、どう頑張っても逃げきれないことだが。

 

 

 

 

 

「じりゅ〜。ちゅ〜して、ぎゅ〜ってしてー」

 

「せめて部屋まで我慢してくれ。顔を寄せるな、まだ廊下だ」

 

 キスやハグをせがむ彼女の猛攻を凌ぎながら、どうにか食堂から脱出したジブリールは、腕に抱きついて全体重をかけてくるシルヴィアを支えつつ、唇を尖らせて迫る彼女の顔を一旦押し返す。

 

「うぅ……。私のこと、きらいになっちゃったんだ。結婚したのに、嫌いになっちゃったんだ……」

 

 ジブリールのその行動にシルヴィアは目から大粒の涙を流し、喚き始めるが、彼女の言葉に不満そうに眉を寄せたのはジブリールその人だ。

 彼女を嫌いになるなど、それこそ天地がひっくり返ってもあり得ない。酒が絡んでいるとはいえ、そんな万が一にもあり得ないことを、彼女の口から出たという事実が気に食わない。

 彼が溜め息を吐いたのと、二人が泊まる部屋にたどり着いたのはほぼ同時。

 鍵を開け、扉を開き、彼女を連れ立って中に入り、後ろ手で扉を閉めて鍵を締める。

 普段なら物音ひとつたてないそれらの動作が、苛立ちをぶつけるように全てが荒く、扉や床が軋む音が部屋に響く。

 

「……?じりゅ?」

 

 急に無言になり、荒々しい彼の行動に疑問を抱いてか、シルヴィアは不安そうに彼の顔色を伺うと、ジブリールは彼女から手を離し、従業員が用意していたであろう布団に腰を下ろした。

 

「ほら」

 

 一人扉の前に取り残され、不安そうに佇むシルヴィアに向けて、ジブリールは両手を広げて迎え入れる姿勢を取った。

 ぱっと表情を明るくしたシルヴィアは彼に飛びかかり、勢いのままに彼を押し倒すと馬乗りになり、彼の浴衣をはだけさせた。

 

「はむ……っ。んちゅ♡ちゅ♡ちゅ〜♡」

 

 そのまま露出した胸板や首元に唇を落とし、吸い上げて次々と痕をつけると、ちらりと彼の表情を伺った。

 潤んだ瞳で彼を見下ろしながら、酒精に溶けた理性が最後の力を振り絞る。

 

「いい、よね……?」

 

 ここに来たのは新婚旅行とはいうが、同時に休暇の為だ。二人でのんびりすると決めたのにこんな事をしていいのか、そんな疑問が過ぎったのだろう。

 だが、ジブリールはそんな理由などどうでもよかった。

 彼は彼女の後頭部に手を添えると自分の方に引き寄せ、そっと彼女の唇を奪った。

 

「ん……♡んちゅ……♡じりゅ♡ちゅ♡んちゅ♡」

 

 唇同士が触れ合う湿った音を漏らしながら、ジブリールとシルヴィアは深い口付けを交わしていた。

 互いの唇を咀嚼するように吸い付き、時には角度を変えて口付けしながら、薄く開いた視線が交錯する。

 息継ぎの為に一度顔を離すと、ジブリールは彼女を抱き締めながら身体を起こした。

 膝の上に彼女の臀部が押しつけられ、その心地よい柔らかさと重さが彼の機嫌を良くしていく。

 僅かに表情が柔らかくなった事に気付いたのか、シルヴィアは微笑みながら彼に口付けし、今度は彼女の手が彼の頭を押さえ込んだ。

 無論、押さえずとも彼は抵抗などしないのだが、何故か機嫌が悪かったのだから逃げる可能性もある。そんなまずあり得ない未来を潰す意味でも、より密着するという意味でも、彼女は全力でジブリールを押さえ込む。

 

「んちゅ♡はむ……っ♡ちゅ♡じゅる!ちゅ♡んちゅ♡」

 

 僅かに開いていた隙間から舌を押し込み、迎え入れるように待ち構えていた彼の舌に絡ませ、お互いの舌に唾液を塗りたくっていく。

 ジブリールはキスを楽しみながら、そっと彼女の浴衣に掴み、ゆっくりとそれを脱がせていく。

 帯で留めているだけで、布を羽織っているだけと言っても過言ではないのだ。ゆったりとしている浴衣は軽く動かすだけですぐにずれ落ち、筋肉質でありながらも見事な曲線を描く肩が顔を出し、布擦れの音と共に豊満な胸に顔を出した。

 キスをしながらも彼に脱がされた事に気づいたシルヴィアは小さく声を漏らすと、一度キスを中断して身体を離した。

 途端に口の中が寂しくなり、ジブリールは「嫌だったか?」と問いかけるが、シルヴィアは首を横に振った。

 ジブリールはじゃあ、なぜと聞こうと口を動かした瞬間、不意に彼女の胸を隠すブラジャーに目を向けた。

 黒の布地に、白い華やかなレースがつけられたそれは見覚えがなく、基本的に着心地を優先する彼女らしくはないデザインのもの。

 じふの膝に乗っている臀部に目を凝らせてみれば、浴衣の隙間から同じデザインのショーツも見え隠れしており、Tバックになっているのか安産型の臀部が形をそのままにそこに鎮座していた。

 彼が下着に目を向けた事に気付いたのだろう。シルヴィアは彼の口元の傷痕に口付けすると、耳元でぼそりと呟く。

 

「その、二人きりの旅行だから、気合い入れてみちゃった」

 

 緊張しているのだろうか、僅かに上擦った声でそう告げた彼女は、酔い以外の理由で顔を真っ赤にしながら、似合っているかどうかを彼に聞こうとすると、それを制する形でジブリールが彼女を押し倒した。

 きゃ♡と小さくも、けれど媚びるような声での悲鳴を漏らすが、ジブリールは彼女に覆いかぶさりながら、興奮した様子で彼女を視姦。

 筋肉質ではあるが触れれば柔らかい四肢を、その温もりで何度も自分を抱き止めてくれた豊満な胸を、何度触れても飽きる事はなく、むしろ余計に昂らせる臀部を、なによりも愛おしそうにこちらを見つめ返す彼女の表情と、月光を思わせる銀色の髪と瞳を、彼女の全てを舐めるようにじっくりと、目で堪能する。

 だが、それもほんの十秒足らず。既に瞼の裏に焼き付いているそれを、今度は触覚で楽しもうと手を伸ばし、ブラジャーをずらして胸を露出させた。

 ようやく封が解かれた為か、ぷるんと揺れながら姿を現した胸は重力に負ける事なく形を保ち、ピンと勃った薄桃色の乳首が存在を主張する。

 ジブリールはそこに触れたいという気持ちをぐっと堪えると、物欲しそうに半開きになっている唇に吸い付くき、無意識の内に溜まっていた唾液と共に舌を彼女の口の中に捩じ込んだ。

 

「んんっ♡んふっ♡ちゅ……♡んちゅ♡んくっ、んぁ……♡」

 

 無遠慮に入り込み、口腔の粘膜を削ぎ落とさんばかりに暴れ回る彼の舌を受け入れつつ、こくこくと喉を鳴らして彼の唾液を飲み込んでいく。

 ジブリールはそんな彼女の姿に抑えきれない愛おしさが膨らんだいき、彼女を押し潰さんばかりに身体を密着させて、舌をより奥へと押し込む。

 同時に固い胸板が彼女の柔らかな胸を押し潰し、お互いが僅かに身動ぎする度に乳首が擦れ、淡い快感を彼女の脳へと届けた。

 

「ぁ……♡んっ……♡じりゅ♡ちくび、コリコリして、きもち……♡」

 

 キスで口を塞がれる合間に、シルヴィアはジブリールに媚びるような嬌声を漏らし、キスの邪魔にならない程度に身体を揺らし、彼の胸板に胸を擦り付ける。

 極上の柔らかさと、小さな固い突起が擦れる感触にジブリールも心地よさそうに目を細め、片手で彼女の臀部を鷲掴んだ。

 白い臀部に手形が残るほどに力強く指を食い込ませ、それでも押し返してくる弾力を楽しみながら、按摩するようにぐりぐりと臀部のつぼを押す。

 

「んぃ♡あ……っ♡じりゅ、じる……っ♡そこ、気持ち♡んぁ、んんん♡」

 

 ぐりぐりと指が臀部のつぼを押す度にシルヴィアは身体を震わせ、段々と脱力してジブリールのなすがままになっていく。

 愛撫のそれとは違う、相手を癒す按摩の快感に身体が緊張を解き、気が緩んでいく。

 激しく絡んでいた舌の動きが緩慢になっていき、ジブリールの舌に捕まったかと思えば、脱出する素振りも見せなくなってしまう。

 だが今が好機と見たジブリールは彼女のショーツをずらして秘部を露出させると、そこに触れて湿り気を確認。

 くちゅりと湿った音と共に感じる、生暖かくも粘っこい液体の感触に大丈夫そうだなと息を吐くと、一度キスを止めてシルヴィアの顔を覗き込んだ。

 

「んぁ……?じりゅ、どうしたの……?」

 

 突然の中断にシルヴィアが困惑の声をあげると、ジブリールは微笑みながら彼女の秘部に指を挿れた。

 

「ひゃ……っ」

 

 シルヴィアは途端に感じた異物感に悲鳴をあげるが、すぐにその異物感が快感に取って代わられたのか、プルプルと小さく身動ぎし始める。

 指に膣肉が食いつき、指を扱くようにひだがわななく。

 ジブリールはそれを楽しむようにゆっくりと指を抽送し、最近ご無沙汰であった膣肉を解していく。

 ゆっくり、優しく、丁寧に、指を抽送する度にシルヴィアはか細い声を漏らすが、もじもじと物足りなそうに太腿を擦り合わせている。

 ふむと声を漏らしたジブリールは、お望み通りにしてやろうと抽送の動きを速め、彼女の急所でもある膣肉の中でもざらついた手触りの場所──Gスポットを指で引っ掻いてやった。

 

「ひゃ!?あひゅ♡じ、じりゅ!?きゅ、急に、激し……♡んぁ♡ひっ♡ああああああ♡♡」

 

 グチャグチャと湿った音を響かせながら指で膣肉を掻き回し、吸い付いてくるひだを腕力に物を言わせて振り切り、責め立てる。

 指が膣肉を掻く度、Gスポットを抉る度に激しい快感がシルヴィアの全身を駆け巡り、弛緩させていた身体が強張っていく。

 ジブリールの指が動く度にシルヴィアの腰がかくかくと揺れ、掻き出された愛液が布団を汚す。

 

「じりゅ……♡まへ、待って……っ♡イく♡イく♡イくぅうううう♡♡♡」

 

 ビクビクと快感に身体を震わせていたシルヴィアは、不意に上擦った嬌声をあげて絶頂を迎えた。

 両足が爪先までピンと伸びきり、秘部からはジブリールの指を汚すようにぷしゅぷしゅと音を立てて潮が噴き出す。

 だが、彼は止まらない。絶頂した彼女の無視し、指を動かし続けて快感を与え続ける。

 

「……!?♡ま、まへ、やめへっ♡イってる……っ!イってる、かりゃ……♡んぉおおお♡♡」

 

 シルヴィアは絶え間なく与えられる快感から逃げようと腰を引こうとするが、彼の手が臀部を鷲掴んでいるためそれができず、訪れた絶頂が落ち着く事なく次の絶頂を迎えてしまう。

 それが二度、三度とと続いた頃になってようやくジブリールは秘部と臀部を掴む手を離し、彼女を解放。

 

「んぇ……♡あひっ……♡ぁ……♡ひぅ♡」

 

 ピクピクと身体を揺らし、肩を揺らしながら呼吸を整えようとするシルヴィアを他所に、ジブリールは着崩した浴衣を乱暴に脱ぎ捨てると、パンツも脱いで勃起した一物を露出させた。

 シルヴィアは「あ……」と声を漏らし、僅かに怯えるように、けれど期待するように一物を見つめると、ジブリールは微笑み混じりに彼女の股を開き、その間に納まった。

 

「──悪いが、もう抑えられんぞ」

 

 そして耳元に顔を寄せてそう告げると、彼は無慈悲に腰を突き出して一物を一気に根元まで押し込んだ。

 

「お゛……♡」

 

 どちゅん!と音を立てて亀頭と子宮口がぶつかり合った瞬間、シルヴィアの口から野太い嬌声が漏れ、全身を痙攣させて快感に打ち震える。

 だがそれが何だと目を細めたジブリールは腰を動かし始め、パンパンと乾いた音を立てて腰を打ち付ける。

 エラ張るカリが絶頂後で痙攣する膣肉を掻き回し、亀頭が子宮口を殴りつけて子宮を押し潰す。

 

「んぉ……♡ぎっ……♡じりゅ、じりゅうう♡まへ、待って……♡や、休ませて……♡イ、イく……♡イぐ……っ♡」

 

 シルヴィアは快感の波に攫われ、視界を点滅させながらジブリールに制止の声をあげるが、彼には届かない。

 ふっ!ふっ!と短く息を吐きながら、それに合わせて腰を突き出し、彼女の胎内を抉り続ける。

 動く度、動く度に膣肉が引き締まり、ひだが一物を捕まえようと蠢くが、ジブリールの力の前ではあまりに無力で、カリが吸いつこうとするひだを蹂躙し、追い散らす。

 

「あへっ♡あ……♡んひっ♡んぉ……♡ぉおおおおおお♡♡」

 

 どすどすと殴られるような衝撃と快感に白眼を剥きながら、シルヴィアは絶頂に身を震わせる。

 いつにも増して大きく、固い一物が膣肉を解していき、分泌される愛液を潤滑油により動きを大きくしていく。

 だが、不意に動きを止めたジブリールは、あへあへと気の抜けた嬌声を漏らす彼女の耳元に顔を寄せ、そっと囁いた。

 

「シル、愛してる」

 

「んぇ……?」

 

 突然告げられた愛の告白にシルヴィアは困惑の声を漏らすが、身体は素直に喜んでいるのか、膣肉の締め付けがほんの一瞬強くなる。

 その感触を楽しむように目を細めたジブリールは更に追撃を放つ。

 

「この世界の誰よりも、何よりも、お前が好きだ」

 

「……っ♡」

 

「さっき、俺がお前を嫌いになったとか言っていたな?そんなこと、あるわけない。俺は、お前が、大好きだ」

 

「じりゅ、まへ、やだ、やめて……っ♡」

 

 彼女への想いを口に出す度、彼の声が耳に届く度、二人の胸の中には凄まじいまでの多幸感が生まれ、表情がだらしない程に緩んでいく。

 だが、まだだと表情を引き締めたジブリールは真正面から彼女の顔をを見下ろすと、柔らかく破顔して笑みを浮かべた。

 

「俺は、お前の夫になれて幸せだ」

 

「〜〜〜〜っ♡♡♡♡」

 

 ジブリールがそうして本心を告げた直後、シルヴィアは笑顔を返しながら全身を震わせると、ビクン!と一際強く身体を跳ねさせた。彼の言葉だけで、正確にはあまりにも強烈な幸福に身体が耐えきれず、半ば気絶すると共に絶頂を迎えてしまったようだ。

 途端に膣肉の締め付けが強くなり、動こうとしたジブリールの一物をがっしりと掴んで離さない。

 同時にヒダが蠢き始め、動きを止めた一物を扱きあげ、子宮口が精子を求めて亀頭に吸い付いた。

 

「くっ……」

 

 優しく手で扱かれるのとは違う、一物全体を擽り回すような快感にジブリールが低く呻いたかと思うと、抑えきれずに精子を吐き出してしまう。

 

「ひっ♡ああああああああああ♡♡♡」

 

 その熱に当てられてようやく意識を取り戻したシルヴィアは、同時に絶頂を迎えて甲高い嬌声をあげた。

 どぴゅどぴゅと音を立てて子宮に精液が吐き出され、子宮は瞬く間に満たされてしまう。

 一分ほど続いた吐精が終わると、ジブリールはゆっくりと一物を引き抜いた。シルヴィアの秘部からはごぼりと音を立てて白濁液が溢れ出し、ジブリールの手形がついた彼女の臀部と、毛布に白い染みを残した。

 流石のジブリールも疲れたのか、乱れた呼吸を繰り返しながらシルヴィアに目をやると、困ったようにすっと目を細めた。

 

「あへっ♡ぉ、おほ♡ジル、じりゅ……♡あへ♡わたひも、私も、だいすき……♡愛してるよぉ……♡」

 

 絶頂の余韻に当てられてピクピクと痙攣しながら、夢現の状態になりながらも彼の告白に返事をしていた。

 愛する男に抱き潰され、秘部から大量の白濁液を溢れさせながら、それでも自分への想いを告げてくれたのだ。

 それを理解した途端、僅かに萎えた一物がすぐに硬さを取り戻す。

 同時にシルヴィアも回復したのか、ゆっくりと身体を起こすと、ジブリールに笑顔を向けた。

 

「いいよ。ジルの好きなだけして♡私も、頑張るから♡」

 

 

 

 

 

「あん♡じりゅ、しゅき♡やん♡だいすき、あいしてる……っ♡」

 

 今度は自分が動く番と言わんばかりに、布団にジブリールを寝かせたシルヴィアは騎乗位で彼の一物を秘部に飲み込んでいた。

 身体を上下に揺らしながら、かくかくと腰を前後に揺らす度、彼の一物が彼女の急所を捉え、視界の点滅するほどの快感を与えてくるが、彼女は構う事なく腰を動かし続け、ジブリールを見下ろす。

 彼は身体が動く度に揺れる豊満な胸や、快感に蕩ける彼女の表情、汗で額に貼り付いた銀色の髪と、彼女が持つ全てを堪能しながら、不意に笑みをこぼして両手で臀部を鷲掴み、浮かないように自分の腰へと押し付けると、

 

「すまん、射精()る……っ!」

 

 低く呻くような声でそう告げると共に、本日二度目の射精を行った。

 

「〜〜〜〜♡♡♡」

 

 彼に捕まっているため、逃げることもできないシルヴィアは子宮を満たす精液の感覚に目を見開き、声にならない嬌声をあげながら身体を仰け反らせて快感に打ち震える。

 吐精が終わると共に絶頂も落ち着いた彼女が、脱力しながらぱたりとジブリールに覆いかぶさるように倒れ込むと、どちらからというわけでもなくお互いにキスを始め、蛇のように舌を絡めあう。

 

 

 

 

 

「んぉ……♡ぉおおおお♡♡お゛……♡おお゛ぉぉおお゛おお゛♡♡♡」

 

 ジブリールに背を預ける形で彼の上に腰を降ろしたシルヴィアは、凄まじい快感に視界を点滅させながら、野太い嬌声をあげながら身体を小刻みに痙攣させていた。

 一物は変わらず彼女の秘部を貫き、ジブリールの突き上げで絶えず子宮口に刺激を与えられ続けているが、快感の所以はそれだけではない。

 ジブリールの片手が乳首を、もう片方の手が陰核をこねくり回し、絶えず快感を与え続けているのだ。

 

「じりゅ!じりゅうう!!まへ、やめ、やめへっ♡イぐ!ィく……♡さっきから、ずっとイってるかりゃ……♡」

 

 あへあへと絶えず嬌声をあげながら肌に珠のような汗を浮かべ、だらしなく開いた口からは舌をこぼしながら、ジブリールに待ったをかけるが、彼は笑みを浮かべるだけで何も言わない。

 代わりに指で陰核を弾き、乳首を抓りながら、一際強く腰を突き上げた。

 

「お゛──……♡♡♡」

 

 三つの凄まじい快感に一度に襲われたシルヴィアは意識を飛ばしてしまうが、ジブリールは構わずにその三点を責め続け、気が向いたタイミングで射精を行う。

 吐精の快感に身震いしつつ、シルヴィアの頸にいくつものキスマークを付けていくジブリールは、いまだ萎えずに彼女の胎内を貫いている一物と、それをくすぐる膣肉の感覚に小さく息を吐いた。

 どうやら、まだこの昂りは落ち着かないようだ。

 彼女をうつ伏せに布団に寝かせ、覆いかぶさりながら一物で秘部を貫く。

 

「っ!?〜〜〜♡♡♡──……っ♡」

 

 シルヴィアはその衝撃でほんの一瞬目を覚ますが、すぐに快感に流されて白眼を剥くと、絶頂しながらピクピクと痙攣を繰り返す。

 そんな彼女の頸や肩に次々とキスマークを付けながら、ジブリールは微笑みながら我慢できずに彼女の膣内に精液を吐き出した。

 

「せっかくの旅行だ。心ゆくまで、この旅行を楽しもう」

 

「待って、ちょっと休ませて……っ」

 

 気絶している彼女の耳元でそう告げて、彼女の反論を無視して勝手に延長戦に突入するのだった。

 

 

 

 

 

 果たして、何度彼女に注いだだろうか。

 もう数えるのも馬鹿になるほどにシルヴィアの子宮に精を注いだジブリールは、どっと疲労を吐き出して崩れ落ちた。

 あれほど固かった一物もようやく萎えて、先端が彼女の秘部に入り込んでしまってはいるものの、勃起する気配はない辺りとりあえず精を吐き出し切ったようだ。

 最後は彼女を抱きしめながらの正常位で抱いていた都合、彼女に覆いかぶさる形で力尽きてしまったが、その体勢から身動きひとつできない。

 

 ──やばい。これ、明日動けるか……?

 

 彼女の上から退こうともがくが、自分を受け止める豊満な胸の柔らかさと温もりに意識が遠のいていき、何より無意識だろうに抱き締めてくる彼女を払うことができない。

 

 ──明日、起きたら謝ろう……。

 

 ただそうだけを決めて、ジブリールは目を閉じて静かな寝息を立て始める。

 なお、彼に潰されているシルヴィアは、

 

「あへっ♡もぅ、ゆるひて……っ♡イぐッ♡ぉほっ……♡あへ……っ♡」

 

 一人絶頂の余韻に浸りながら、接合部から大量の白濁液を吐き出し続けていた。

 

 

 

 

 




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Memory?? 新婚旅行②

前回の続き。あと一話か、二話くらいは続きそうです。
新婚旅行ではっちゃけ過ぎた二人は……。


 僅かに開いた窓の隙間から吹き込む風の冷たさに、シルヴィアは目を覚ました。

 

「ぁ……ぅ……ぁれ……?」

 

 まるで一晩中叫んだように喉が痛み、漏れ出た声も酷く掠れている。

 ジブリールと食事し、女将が出した飲み物を飲んだところまでの記憶はあるのだが、その先が曖昧だ。

 何故ここにいるのか、何故裸なのか、全く見当もつかない。

 

「お、重い……っ」

 

 そして、裸のジブリールに覆い被さられているこの状況が、何よりもよくわからない。

 シルヴィアの胸を枕元に代わりに、その谷間を顔を埋め、すうすうと寝息をたてているのだが、吐き出される吐息が擽ったい。

 同時に、胎の中に感じる異物感からして、彼の立派な一物が自分の秘部に入り込んでいるようだ。

 とは言っても、ジブリールが動かず、萎えて小さくなっているそれが僅かに入り込んでいる程度。多少の違和感はあれど、いつもの叩きつけるような快感は感じない。

 状況からして、何らかの原因で食後に寝てしまった自分に欲情し、襲ってしまったのだろう。そして、そのまま寝落ちしてしまった。

 普段は真面目な顔をしているが、意外と欲望に忠実である事を知っているのは自分しかいまい。

 彼の寝顔が見えないのは残念ではあるが、彼の安眠している姿に微笑みをこぼしたシルヴィアは、彼を起こさないようにそっと髪を撫でた。

 色を失い、それでもなお初雪のように美しい白い髪は、手櫛で梳ている筈なのにこちらが撫らているように心地よく、いつまでも撫でていたい気持ちが湧いてくるが、

 

「むぅ……」

 

 ジブリールが低く唸りながら顔をあげ、薄く開いた寝ぼけ眼でシルヴィアを見つめた。

「おはよう」と浮かべた微笑みをそのままに声をかければ、彼は瞬きと共に表情に凛々しさを取り戻し、いつもの真剣な眼差しになったかと思うとハッとして彼女の上から退いた。

 小さな一物が秘部から抜ける弱い快感に鳥肌を立てたシルヴィアを他所に、ジブリールは慌てて頭を下げて口を開く。

 

「すまんっ!昨日は、少し舞い上がり過ぎた……っ!」

 

 同時に吐き出された謝罪の言葉を軽く受け流し、シルヴィアは「違うでしょ」とわざとらしく不機嫌そうな声音で彼に言う。

「え?」と困惑の声を漏らし、何を間違えただろうと自問する彼に、シルヴィアは問うた。

 

「私はおはようって言ったんだから、キミが言うべきことは?」

 

「……っ!ああ、そうだな」

 

 彼女の問いかけで合点がいったのか、小さく頷いたジブリールは姿勢を正すと、微笑みを浮かべながら言う。

 

「おはよう、シル。……で、いいのか?」

 

「うん、おはよう。……でいいんだよね?」

 

 そして起床の挨拶を交わした二人だが、揃って窓の外に目を向けた。

 そこにあるのはいまだ暗い森の河の景色であり、朝露と思しき霧がかかっている。

 恐らく、日は跨いでいる。だが、まだ陽が出ていないようだ。目を凝らして遠くに視線を向ければ、僅かに輪郭が白んでいる山が見える。

 もうすぐ日の出といった時間なのだろう。とりあえず、新婚旅行二日目は始まっているようだ。

 ならば、まずは何をしようかと思慮するジブリールを他所に、シルヴィアはかちこちに乾いた白い染みが貼り付いている自分の身体を見遣り、小さく息を吐いた。

 そのまま視線を部屋に併設された露天風呂に向け、そっと彼の背を撫でた。

 擽ったそうに身動ぎし、肩越しにどうしたと問いかけるジブリールだが、シルヴィアはペタペタと彼の背に触れ、僅かに感じる湿り気と粘り気に眉を寄せた。

 自分にその記憶はないが、おそらく彼は眠る自分を一晩中堪能したのだろう。汗も酷いし、頸の辺りに顔を寄せて臭いを嗅ぎ、舌を這わせれば汗のしょっぱさを感じられた。

 二人とも汗だけでなく色々なもので全身がベタついているのだ、ならばやる事は一つ。

 

「ねえ、ジル」

 

「あ、ああ。なんだ」

 

 突然愛する妻に頸を舐められた挙句、耳元で愛称を呼ばれたジブリールは多少なりとも狼狽えつつ彼女に声を返すと、彼女はにぱっと綻ぶような笑みを浮かべながら告げた。

 

「一緒にお風呂入ろう?背中、流してあげるから」

 

 

 

 

 

 そうと決めてしまえば、ジブリールよりも速いのが彼女の美点の一つだろう。

 ほとんど裸であった二人は荷物から替えの下着の準備だけすると、そのままの足で露天風呂に足を向けた。

 木製の桶で湯気を立たせる温泉を掬い上げ、それを頭から被る。

 

「「あ〜〜」」

 

 途端に全身を包み込んだ温もりに二人は気の抜けた声を漏らすと、流れのままに湯船に浸かりたい気持ちが膨らむが、そこに入るにはあまりにも汚れ過ぎている。

 

「先にお前を──」

 

「はい、ここ座って!早く早く!」

 

 とりあえず、昨晩の謝罪を含めて彼女の身を先に清めてやろうとするジブリールだが、それよりも速くシルヴィアが彼に声をかけた。

 今の今まで隣にいた筈の彼女が、いつの間にか露天風呂の端にある洗い場におり、鏡の前に置かれた椅子を示して彼を呼んでいる。

 相変わらずの行動の速さにほんの一瞬困惑するジブリールだが、ペチペチと椅子を叩いて急かす彼女に負け、納得せぬ内に椅子に腰を降ろした。

 

「別にお前を先に──」

 

「いいから、黙って前向いてて。こ、こっち見ないでね……っ!」

 

 それでもやはり彼女を洗いたいのか、ジブリールは渋るのだが、それすらもシルヴィアが言葉で制して前を向く事を強制。

 低く唸り、漏れかけた不満を飲み込んだジブリールは、言われた通りに正面を向き、鏡に映る自分を睨みつけた。

 身体中に刻まれた傷跡を見るたびにそれが刻まれた時を思い出し、白い髪を見るたびにあの日の決戦を思い出す。

 

 ──こうして、自分を見るのはいつぶりだろうな……。

 

 思わずこぼれた苦笑をそのままに、すっと蒼い瞳を細めた。

 鏡の前に立つのは、衣装を着て、最後に身嗜みを整える時程度。こうして裸で鏡の前に座るなど、滅多なことではありはしない。

 

「そ、それじゃ、失礼しますっ!」

 

 そうして一人で思慮を続けていると、不意にシルヴィアの緊張に震えた声が耳に届いた。

 何をそんなに緊張していると、彼女を弄り半分に笑ってやろう振り向く間際、背中に柔らかい二つの物体が押し付けられた。

 

「っ!?」

 

 突然の感触に驚き、振り向こうとした体勢のまま固まるジブリールに、顔を真っ赤にしたシルヴィアは「振り向いちゃ駄目だからね!」と釘を刺した。

 

「あ、ああ……!」

 

 彼女の指摘にジブリールが慌てて姿勢を正すと、背後のシルヴィアが小さく安堵の息を吐く。

 今の自分の体勢を彼に見せるのは、流石に心の準備が必要だ。もう少ししてから、彼と自分が慣れた頃を見計らって、声をかけよう。

 彼女はそう決めながら石鹸の泡に包まれた豊満な胸を両脇から寄せ、改めて彼の背中に押しつけた。

 柔らかな乳房がジブリールとシルヴィアの身体に押し潰され、形を歪めるが、その柔らかさは変わらない。

 

「う、動くよ……?」

 

「ああ」

 

 だが見えずとも彼女が何をしているのかはわかるのか、ジブリールまで顔を耳まで赤くしながら、彼女の好意を甘んじて受け入れた。

 そんな彼の優しさに感謝しつつ、ゆっくりと身体を動かして胸を上下に揺らした。

 筋肉質でありながら柔らかい彼の背と、彼女の豊満な胸が擦れ合い、石鹸が泡立つ湿った音が微かに漏れる。

 

「んっ……。ふっ……。ぁ……っ!」

 

 胸を上下に揺する度、彼の背と乳首がコリコリと擦れ合い、淡い快感が彼女の胸から広がっていく。

 背後から聞こえる微かな嬌声に当てられたジブリールは、下腹部に熱がこもっていくのを感じながら、歯を食い縛って自制する。

 

「んぁ……っ!んんっ♡ど、どぅ、ジル……?んっ……♡気持ち、いい……?」

 

 そんな彼の耳元で、シルヴィアは客に媚びる娼婦のような猫撫で声で問いかけると、彼は「気持ちいいよ。決まってるだろ」と振り向く事なく即答した。

 そのどこか跳ねるような声音に、嬉しそうに笑ったシルヴィアは、照れ隠しのように胸の動きを速め、胸をスポンジ代わりにゴシゴシと彼の背を擦る。

 力が強まった分、乳首と背中が擦れる強さも増し、潰れた乳首がコリコリと音を立てて転がり、痺れるような快感がシルヴィアを襲う。

 

「んぅ……っ♡ほら、ゴシゴシ……っ♡どっか、痒いところ、ない……?」

 

「大丈夫だ。その、そっちは辛くないか?」

 

「んぇ……?ふふっ。んっ♡大丈夫、だよ……っ♡」

 

 彼の心配の声に笑みを浮かべて返しつつ、シルヴィアは身体の動きを大きくして彼の背中を洗っていくと、不意に彼の肩甲骨の凹凸と乳首が擦れ合い、結果的に乳首を弾くことになってしまった。

 

「ひぁっ♡」

 

 不意に感じた強い快感にシルヴィアは嬌声を漏らしながらピクンと肩を跳ねさせ、プルプルと身体を痙攣させながらその動きを止めた。

「シル?」と振り返らずに心配の声をあげるジブリールだが、そんな彼にシルヴィアは「大丈夫だよ」と強がりの笑みを浮かべながら返す。

 だが、両膝立ちで彼の背に寄りかかる彼女の股には、温泉の水や石鹸の泡とは違う生温かい液体が垂れていき、太腿を伝っていく。

 先程の強烈な刺激に当てられてか、軽い絶頂を迎えてしまったようだ。全身で彼を洗うという重労働も重なって呼吸が乱れ、吐き出す息にも情欲の熱がこもる。

 一人で勝手に奉仕しつつ、勝手に絶頂しているという、見方によっては酷く変態的な行為をしているとようやく自覚したのか、彼女は誤魔化すために再び身体を動かそうとするが、

 

「……本当に大丈夫か?」

 

 背中越しに投げられる彼の声は、情欲の欠片もない、優しさのみが孕んだ愛する者を心配する声だ。

 彼の言葉にシルヴィアは再び大丈夫だと返そうとするが、先の絶頂の余韻のせいで舌が震えて上手く喋ることができず、子宮が疼いて熱を孕む。

 何にも触れられず、挿れられてもいないのに、キュンキュンと収縮を繰り返す膣肉の感覚に悩ましそうに息を吐くと、その吐息を背中で受け止めたジブリールは律儀に振り向かずに「シル?」と彼女の愛称を呼んだ。

 

「……だ、大丈夫。んっ、ふぅ……♡ね、ねえ、ジル、こっち向いて」

 

 その声にようやく持ち直したシルヴィアは、深呼吸と共に昂りを落ち着かせ、今すべきことを優先することにした。

 彼女の言葉にジブリールは「いいのか?」と問い返した。先程まで振り向く事だけはあれだけ固辞していたというのに、急にそれを解くとは何事か。

 

「うん。あ、身体ごとね、私と向かい合わせになって」

 

 そんな彼の思慮とは裏腹にシルヴィアが何てことのないように頷くと、ジブリールは椅子に乗る臀部を軸に横回転し、背後の彼女と向き合う形を取った。

 

「……っ!?」

 

 それと同時に飛び込んできたのは、胸を中心に泡に塗れながら頬を上気させ、熱のこもった呼吸を繰り返す妻の姿だ。

 白い泡に塗れているものの、ピンと勃った薄桃色の乳首がその泡の層から飛び出しており、彼の背に擦れた影響かいつにも増して固く勃起してしまっている。

 月光を孕んだ銀色の瞳が快感に蕩けているものの、彼女はまだやりたいことがあるのかそっと彼の背に手を回し、胸板に胸を押しつけながら抱き締めた。

 

「……シル?」

 

「いいから、このまま動かないで。ね?」

 

 ドクンドクンと力強く跳ねる彼女の心音を聞きながら、ジブリールは首肯した。

 夜空を閉じ込めた蒼い瞳が見つめるのは、こちらをじっと見上げてくる彼女の瞳だ。

 言われた通りに動かずにいると、彼女は微笑みながら身体を上下に揺らし、押しつけた乳房で彼の胸板を磨き始める。

 

「んっ……♡はっ……♡さっきから、ずっと、こうやってたんだよ……?気持ちいい?」

 

「……っ、ああ。何度も言わせないでくれ」

 

「そうだね。んっ♡ここも、こんなに大っきくなってるし……♡」

 

 ゴシゴシと肌が擦れ合う音を聞きながら、シルヴィアは勃起した彼の一物に不意に手を伸ばした。

 鈴口から先走り汁を溢れさせる亀頭を指先でつつき、その度に小さく呻く彼の反応に笑みをこぼす。

 

「気持ちいいよね……?でも、まだ駄目。ここはあとでね」

 

 シルヴィアは彼の胸板を磨きながらそう言うと、一物に触れていた手を離し、両脇から胸を挟んで中央に寄せつつ、お互いの乳首が擦れ合うように位置を調整してから胸の動きを再開。

 コリコリと互いの乳首が転がしあい、既にそこを性感帯として完成しているシルヴィアは快感に喘ぎ、ジブリールは慣れぬ感覚に低く唸る。

 シルヴィアはコリコリとお互いの乳首が擦れる快感に喘ぎながら、目の前で物足りなそうにしているジブリールの表情をじっと見つめ、悪戯っぽく笑った。

 

「あとでって言ったでしょ?我慢して」

 

 いつもなら押し倒されているだろうに、律儀に待ってくれているジブリールを煽るように彼の手を取り、筋肉質な彼の腕を谷間に挟んだ。

 そのまま左右の胸を上下逆に動かし、腕を洗っていく。

 途中、流石に暇を持て余したジブリールが彼女の頬をつついたり、抓んだりするハプニングはあれど、それもお互いに笑って流してしまうのだから大した問題でもあるまい。

 そのまま胸と手を使って足を磨いてやりながら、目の前で揺れる彼の一物をじっと見つめ、ごくりと生唾を飲んだ。

 もじもじと太腿を擦り合わせ、物欲しそうに彼の一物を見つめていると、不意に彼女を見るジブリールと視線が合わさった。

 彼もまた触ってほしいのか、僅かに腰を動かして一物を突き出し、彼女の鼻先と亀頭が触れ合った。

 先走り汁が鼻に貼り付いたかと思えば、強烈な生臭さが彼女の鼻腔を駆け抜け、ビクビクと身体を震わせる。

 

「……えいっ!」

 

 そして我慢の限界を迎えた彼女は豊満な胸で彼の一物を包み込むと、両脇から胸ごと一物を圧迫しながら、ゴシゴシと上下に揺らし始める。

 胸の柔らかな肉で包まれた一物は動く度に優しく扱きあげられ、鈴口からびゅるびゅると先走り汁が溢れ出し、彼女の谷間に汚い染みを残していく。

 だがシルヴィアはそれに構う事なく胸を動かしながら、時折谷間から飛び出してくる亀頭に口付けを落とし、唇に口紅代わりに先走り汁を付けていく。

 

「ほらほら、こうして欲しかったんでしょ?私の胸で、おちんぽゴシゴシして欲しかったんでしょ♡」

 

 胸が上下に動く度、柔らかな胸の肉が形を歪めて一物を扱き、洗剤と先走り汁が混ざって泡立ち、彼女の谷間から溢れ出す。

 泡が潤滑油となり、より激しく胸を動かしていく中で、シルヴィアは眉を寄せて耐えているジブリールに向けて告げた。

 

「いいよ、射精()していいよ……♡全部、全部受け止めてあげるから、ジルの熱々精液、私に頂戴……♡」

 

「う……っ!」

 

 そして彼女からの懇願とも取れる言葉に後押しされ、ジブリールはついに我慢の限界を迎え、低く唸った。

 同時にシルヴィアは胸で亀頭を包み込み、吐き出されたものを全て谷間で受け止める体勢を取った。

 するとすぐに鈴口から火傷するのではと思うほどの熱を孕んだ精液が吐き出され、谷間から白濁液が溢れ出す。

 数十秒ほどかけて行われた吐精が落ち着くと、ジブリールはどっと溜め息を吐き出した。

 こうも焦らさせ、煽られ、一方的に奉仕されたのは、随分と久しぶりに思える。

 

「ふふ。いっぱい出たね。私の胸、ベトベトになっちゃった。ほら、見て」

 

 シルヴィアは椅子に座ったまま深く息を吐く彼に声をかけ、彼が顔を上げたのと同時に閉じていた胸の谷間を開いた。

 ねちゃ〜と気色の悪い音をたてながら開いたそこからは、生臭い湯気が立ち昇り、ジブリールが吐き出した精液がこびりつき、左右の胸を繋ぐように白濁の橋が何本もかかっていた。

 それを自分が作り出した光景であることを理解しているジブリールが、愛する妻の淫靡な姿に生唾を飲む中、シルヴィアはそっと彼の一物を口に含むと、

 

「じゅるるるるる!」

 

 勢いよく吸い上げ、尿道に残っていた精液を吸い出した。

 突然の快感に喘ぐジブリールを他所に、こくりと喉を鳴らしてそれを飲み込んだシルヴィアは見せつけるように口を開け、にこりと微笑んだ。

 

「ご馳走様でした。これで綺麗になったね」

 

 ペロペロと一物を舐め回し、こびりついた精液を舐め取りながらそう言うと、彼女は湯船に桶を突っ込み、温泉を掬い上げると、それをジブリールの頭から被せた。

 ばしゃん!と水が弾ける音を聞きながら、全身に感じる温もりと風が当たる冷たさに身震いしたジブリールに、シルヴィアは言う。

 

「先入ってていいよ。私も身体洗わないとだし」

 

 彼女は胸にこびりつく精液を指で掬い、それを舐めながらそう言うが、ジブリールは彼女の手を掴んだ。

 

「今度は俺の番だ。座れ」

 

「え?いいよ、別に。私がしたくてやったんだし」

 

「なら、座れ。俺がしたいから、するんだ」

 

「……じゃあ、遠慮なく」

 

 流石に彼に洗われるのはと遠慮するシルヴィアだが、ジブリールの有無を言わさない圧力の前に屈っし、彼と交代で椅子に腰を下ろした。

 

「あ、私も背中向けようか?」

 

「どっちでもいいさ。どうせ全身綺麗にしてやるんだからな」

 

 そして先程までのジブリールと同じように鏡の方を向こうとするが、ジブリールがそれを制した。

「そう?」と小首を傾げる彼女を横目に彼は黙々と石鹸を泡立て始め、きめ細やかな泡が彼の手と、手拭いを包んでいく。

 自分の手と、シルヴィアを交互に見遣る彼の瞳はさながら獲物を見つけた捕食者のようにぎらつき、彼女の肢体を見つめている。

 

「お、お手柔らかにお願いします……っ!」

 

 これはまずいと直感したシルヴィアが先んじて釘を刺すと、彼は「任せろ」とだけ告げて彼女に手を伸ばした。

 

 

 

 

 

 そうして始まったジブリールの洗体は、彼女の予想に反して優しいものだった。

 洗うついでに肩を揉まれ、腕や足の筋肉を解され、血行が善くなったからか、全身がポカポカと温かい。

 

「んっ……。んぁ……、ふぅ、ぁ〜」

 

 ジブリールの泡に塗れた手が身体中を這い回りつつ、触れた場所に確かな癒しを与えてくる状況に、シルヴィアは気の抜けた声を漏らしながら、背後のジブリールに身体を預けた。

 そうなると予想していたいたのだろう。それを受け止めたジブリールは彼女の温もりを感じつつ、洗体と按摩を続行。

 武闘家である以上、彼女の肉体は常に限界近くか、あるいはそれ以上の稼働を強いられる。彼女はいつも疲れていない風を装うが、実際には彼女も気付かない内に疲労が蓄積し、突然限界がくるなんて事もあるかもしれない。

 普段から按摩してやったり、十分な休息を取るようにはしたりはしているが、それでも限界はあろう。

 だからこそ今のうちに回復させられるのならしてやるべきだと、ジブリールは判断したのだ。もちろん、昨晩の無茶に対する謝罪も大いに含まれているが。

 力を抜いている為、柔らかい二の腕を揉みしだき、指を間を洗うために自分の指を絡め、互いの手を握り合う。

 

「どうだ、気持ちいいか?」

 

「うん……。ちょっと、眠くなっちゃうくらい……」

 

 そのまま囁くような声で問えば、彼女は欠伸を噛み殺しながらそう告げて、薄くなった瞳に彼を映す。

 相変わらず興奮しているのか、蒼い瞳が爛々と輝いているが、それでも彼女の為と自制する理性は残っているようだ。

 それなら、このまま寝てしまってもと思うシルヴィアだが、不意に彼の手が脇を撫でたのを合図に小さく悲鳴をあげ、睡魔に負けかけていた意識が覚醒した。

 

「すまん。変なところを触ったか?」

 

「え?あ、ううん、平気。ちょっと、びっくりしちゃって……」

 

 突然の悲鳴にジブリールが僅かに困惑した様子を見せ、シルヴィアは誤魔化すように笑いながら首を横に振った。

 彼は身体を洗ってくれているのだ、それならぼ脇くらい触るだろうに。

 

「た、ただ、ちょっと擽ったいかも……」

 

 そして先の悲鳴を擽ったさのせいにすると、ジブリールは得心した様子で頷き、「少し我慢してくれ」と告げて脇を摩り始めた。

 彼の手が動く度に感じる擽ったさにシルヴィアは声もなく身動ぎするが、これも洗体だとして我慢を選択。

 そのまま数分かけて左右の脇を洗い終える頃には、我慢しすぎた彼女は顔を真っ赤にさせ、呼吸を乱していた。

 

「はぁ……。はぁ……。お、終わった……?」

 

「ああ、脇わな。次いくぞ」

 

 ジブリールに寄りかかりながら問うたシルヴィアに、彼は淡々とした声音でそう返し、泡を追加した手をそっと彼女の太腿に置き、その内側を優しく撫で始めた。

 膝の方からゆっくりと根元に向けて進んだそれは、温泉とは別の湿り気を帯びた秘部に迫っていくが、そこにたどり着く前に引き返し、再び膝の方へと進んでいく。

 

「ぁ……」

 

 彼の行動にシルヴィアは切なげな声を漏らすが、ジブリールは気にしない。

 秘部には決して触れないようにひたすらに内股を摩り続け、淡い快感を彼女に与え続ける。

 

「んっ……。ぁ……。ジ、ジル……?もうちょっと……強く……っ」

 

 もじもじと爪先を擦り合わせ、ジブリールにもっと力を入れるように言うが、彼は肩を竦めて「そうか」と返すが、力加減は大して変わらない。

 うぅと切なそうに呻く彼女を他所に、太腿から手を離したジブリールは、彼女の胸を下から持ち上げるように鷲掴んだ。

 指を包み込む柔らかさときめ細やかな肌の感覚を楽しみつつ、彼は五指を蠢かせて胸を刺激し始める。

 

「ぴっ!?」

 

 途端に背筋を駆け抜けた痺れるような快感に変な声を漏らした彼女を他所に、ジブリールは根本から優しく、けれど指示通りに力強く彼女の乳房を扱きあげ、同時に谷間に溜まった自分の精液をこぞき落としていく。

 

「ぁ……♡じ、ジル……っ!待っ、んん……♡そんな、急に、強い……っ♡」

 

 牛の乳を搾るように、力強く胸を扱かれるシルヴィアは胸から広がっていく快感に喘ぐと、ジブリールはその反応を楽しむように胸を揉みしだきながら、彼女の首筋に吸い付き、キスマークを付けていく。

 耳元で聞こえてからリップ音を聞きながら、胸を揉まれるシルヴィアは快感に身動ぎするが、ちらりと彼の手を見つめて低く唸った。

 彼は絶えず胸を揉み、キスもしてきてはいるが、全く触れてこない場所が一つ。

 

「ジル、お願い……っ!乳首、先っぽも、触って……♡」

 

 そう、彼は胸を揉み続けてはいるが、その先端でピンと勃った乳首には決して触れることなく、時折乳輪に触れて快感を煽るを繰り返しているのだ。

 

「後でな。今は我慢しろ」

 

 彼女の懇願を軽く受け流したジブリールはそう言うと、片方の手で再び彼女の内腿に触れると、秘部には触れないように股関節の辺りをすりすりと擦り始める。

 

「んん……♡ジ、ジル……っ!やだ、これ、やだぁ……!ひぅ♡気持ちいいのに、足りないっ!足りないから、お願い……っ!んん♡」

 

 ジブリールの手が胸や太腿を撫でる度にシルヴィアはピクピクと身体を痙攣させ、秘裂からは愛液が溢れ始める。

 ジブリールはそれを見下ろしながら小さく笑むと、「仕方ないな」と溜め息を吐いた。

 

「ほぇ?」

 

 シルヴィアが彼の言葉の意図を察しきれず、首を傾げた瞬間、ジブリールは彼女の乳首を思い切り抓んでやった。

 本来なら絶叫するほどの激痛が走るのだろうが、じっくりと焦らされた彼女はその痛みを快感に変換し、彼女の脳天まで突き抜けた。

 

「んぉお♡おぎっ、ぎぃいいいいい♡♡♡」

 

 ビクン!と身体を跳ねさせたかと思えば、野太い嬌声をあげながら絶頂した。

 ジブリールはそんなことお構いなしに乳首を責め立ててれば、彼女は壊れた絡繰人形のようにビクビクと痙攣を繰り返し、秘裂からは音を立てて潮が噴き出す。

 

「おぉ……っ♡おひっ♡ち、乳首、らけて、イク……♡乳首、痛いのに、イくぅぅうううう♡♡♡」

 

 あへあへと喘ぎながら絶頂を繰り返していると、ジブリールは不意に彼女を立ち上がらせ、鏡に手をついて臀部を突き出すように指示を出す。

 絶頂の余韻で思考が鈍っている彼女は、言われるがまま鏡に手をつき、臀部を彼に向けて突き出すと、熱さられた鉄のように熱いものが秘裂に添えられた。

 彼の意図を察した頃にはもう遅い。彼女が待ったをかける前に、ジブリールは硬さを取り戻した一物で彼女の秘部を貫いた。

 

「お゛……♡」

 

 絶頂直後で痙攣していた膣肉と、降りきっていた子宮を無慈悲に殴りつけた。

 彼女は野太い嬌声を漏らすとビクビクと身体を痙攣させ、滲み出た潮が太腿を伝って床に落ちていく。

 

「シル、前みろ」

 

 絶頂の余韻と、再び身体が汚れた不快感に喘ぐ彼女にジブリールがそう言うと、彼女は素直に顔をあげ、同時に顔を真っ赤にした。

 目の前にあるのは鏡だ。湯気で曇り、見え辛くはあるものの、そこに映っているのは快感に喘ぎ、蕩けきった自分の顔だ。

 流石に羞恥心が勝ったシルヴィアは顔を背けるが、背中に覆いかぶさったジブリールが彼女の顎を掴んで無理やり鏡を向かせると、同時に腰を振り始める。

 パンパンと音を立てて腰を打ちつけ、彼女の胎内を蹂躙しながら子宮口に亀頭を押しつけ、ゴリゴリと音を立てて解していく。

 

「んぉぉ……♡おぎっ……♡ジ、ジル……!そこ、いいよ……っ♡あへっ、気持ちっ、おお゛♡おおおお゛……♡♡♡」

 

 痙攣しながら蠢き、異物を追い返さんとする膣肉をカリで引っ掻き回しながら、空いている手で垂れ下がりながらも重力に負けずに形を保つ胸を鷲掴み、乳首を抓んで転がしてやる。

 甲高い嬌声と共に全身を痙攣させ、身体を強張らせながら絶頂した彼女は、鏡に映る快感に蕩けた自分と、そんな自分を愛おしそうに見つめる彼の表情を見遣り、気の抜けた笑みをこぼした。

 同時に膣肉が途端に引き締まり、ヒダが一物を搾るように蠢き始める。

 鍛えられた肉体が生み出す凄まじい締め付けと、膣肉全体で一物を扱くような動きにジブリールは低く唸ると、何かを言う前に吐精を行った。

 びゅるびゅると音を立てて吐き出された精液が彼女の子宮に叩き込まれ、昨晩仕込んだ種を上書きしていく。

 

「〜〜〜♡♡♡イ、イグ……っ♡ジルに、中出しされて、イっちゃうっ♡イク!イくぅぅううう♡♡♡」

 

 子宮を精液が舐め回す快感に目を見開き、身体を仰け反らせながら絶頂する彼女を見つめながら、ジブリールは小さく笑んで彼女の耳元に顔を寄せた。

 

「また洗ってやるから、もう少し相手してくれ。頼む」

 

「うん……っ♡いい、よ……っ!ジルが満足するまで、んん♡いっぱい、んぁ……♡出して、いいから……っ♡」

 

 ジブリールの言葉にシルヴィアは恍惚の表情を浮かべながら応じると、ジブリールは心の底から嬉しそうに笑いながら「ありがとう」と感謝の言葉を投げ、同時に腰の動きを再開。

 日の出前の静かな森の中に、男女に交わる淫靡な音が吸い込まれていった。

 

 

 

 

 

「「ああ〜〜〜〜」」

 

 そんな朝の交わりを終えた二人は、寄り添う形で温泉に浸かっていた。

 あの後改めて身体を清めた二人は、また事を起こす前にとさっさと湯船に浸かり、性的な快感ではなく温泉が与えてくれる心地よい快感に身を任せたのだ。

 シルヴィアはジブリールの腕を抱きながら肩に頭を乗せ、ジブリールは寄りかかってくる彼女の頭に自分の頭を預ける。

 隙間なく寄り添う二人は言葉こそ交わさないが、この緩やかな時間を堪能しているのは間違いない。

 そんな言葉を発するのも億劫な時間を過ごしていると、不意にシルヴィアが口を開いた。

 

「あ、あと何日ここにいるのかはわかんないけど、ここにいる間はのんびりしよう!このままだと、疲れて帰ることになっちゃいそうだし……」

 

「……そうだな。のんびり、するか」

 

 彼女の提案にジブリールは渋々ながら応じると、彼女は嬉しそうに笑みながらそっと彼の顎に手をやり、自分の方を向かせた。

 

「せっかく遠くまで来たんだから、今日はのんびり見て回ろう?お土産とかも探したいし」

 

「そうだな。ああ、のんびりするか」

 

 彼女は遠く辺境の街で今日も頑張っている後輩や、この旅行を贈ってくれた友人達へのお土産を探さねばならない。

 そんな彼女の優しさに笑みを返したジブリールは、不意に彼女の胸に目を向けた。

 豊満なそれは水面に浮かび上がり、外気に晒された乳首がピンと勃って存在を主張している。

 あれに、これから数日間触れてはならないというのか。

 

「ジル……?」

 

 そんな彼の視線に気づいたシルヴィアが半目になりながら彼を呼ぶと、ジブリールは申し訳なさそうに笑いながら顔を背けた。

 

「とにかく、朝ごはん食べたら街を見て回ろう!わかった?」

 

「了解。あいつらが喜びそうな土産が見つかればいいが……」

 

 そっぽを向いた彼の背中に声をかけると、ようやく観念したジブリールが肩を竦めながらようやく頷いた。

 よしと、シルヴィアも頷き返すと、彼から離れて一足先に温泉から上がった。

 

「先に着替えてるから、すぐに来てね」

 

 シルヴィアは振り向きながらそう言うと、とたとたと軽い足取りで部屋に戻り、下着を付けて浴衣を上から羽織った。

 窓越しにその様子を眺めていたジブリールは、温泉の中でいきり勃つ己の分身に目を向け、小さく溜め息を吐いた。

 

 ──あいつとの約束だ。二、三日くらい、我慢しよう。

 

 その約束が朝食を済ませてすぐにあっさりと破られることになるとは、ジブリールにも、シルヴィアにも予期はできなかった。

 二人の怠惰で色欲に塗れた新婚旅行は、始まったばかりだ。

 

 

 

 

 

 




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Memory?? 新婚旅行③

前回の続き。
銀髪武闘家との新婚旅行三話目。


 早朝の交わりを終え、ようやく温泉街に繰り出したジブリールとシルヴィアの夫婦は、緩やかな休暇というものを堪能していた。

 二人で腕を組みながら温泉街を散策し、休憩がてらに足湯なるものを堪能し、あちこちにある店を見て回り、思い思いの言葉を交わす。

 

「んふ〜!これ美味しい!!」

 

 そして通りで買った菓子を頬張ったシルヴィアは、目を輝かせながらさらにもう一口頬張る。

 はむはむと咀嚼しながら「なんて名前だっけ、これ?」とつい数分前の事をジブリールに問う。

 

「どらやき、だったか?『餡子』とかいうのはよくわからんが……」

 

 先程まで同じものを食べていた彼は、店員から聞いた情報を記憶から掘り起こそうとするが、目の前で幸福に満ちた彼女の顔を見ているだけでそんな細かい話はどうでもよくなってしまう。

 極東の菓子をこちらの材料でどうにか再現したというが、美味ければ何でもいいではないか。

 ジブリールは美味しそうにどら焼きを食べる彼女を愛おしそうに見つめると、不意に彼女の口元に手を伸ばして指で拭った。

 

「んぇ?」

 

「餡子が着いてたぞ」

 

 気の抜けた声を漏らし、彼にされるがまま口元を拭われた彼女に、ジブリールは苦笑混じりにそう告げた。

 彼は指先に着いた餡子を舐めとり、独特な舌触りと甘みを楽しむ。

 

「ふふ。ありがとう」

 

 シルヴィアは口いっぱいにどら焼きを頬張りながら礼を言うと、ジブリールは微笑みで返事をした。

 温泉街を縦断する川のせせらぎを聞きながら、時折聞こえる鳥の囀りに耳を傾け、隣から聞こえるシルヴィアの咀嚼音と、幸せに包まれている表情を堪能する。

 ──が、ジブリールは彼女に気づかれないようにそっと彼女から視線を外すと、殺意を込めた絶対零度の視線を辺りに向けた。

 彼が視線を配った直後、弾かれるように彼──正確には隣のシルヴィアから視線を外したのは、彼らと同じ旅行客たちだ。

 冒険者か貴族か、旅人か、それは定かではないが、最愛の妻に邪な視線を向けてくる不埒な輩があまりに多い。

 確かに慣れない浴衣を着ているせいか、歩く度に筋肉質ではあるが瑞々しく輝いている太腿が覗いてしまっているし、腰を巻かれた帯の高さのせいか豊満な胸が強調され、隙間から僅かに汗ばんだ谷間も覗いている。

 まあ確かに、栗鼠(リス)のように頬を膨らませ、どら焼きを食すその姿も愛らしいし、隙あらば声をかけたいという気持ちもわからなくもないが。

 

「……」

 

 ジブリールは不満そうに低く唸るとそっとシルヴィアの腰を抱き、食事の邪魔をしない程度にゆっくりと抱き寄せる。

 

「……?」

 

 ぽふと彼の肩に寄りかかりながらどら焼きを食べ進めていたシルヴィアは、不意にジブリールの口元に食べかけのそれを差し出した。

 彼は無言で口を開けてそれを一口頬張ると、シルヴィアは嬉しそうに微笑み、残った分を口に放り込んだ。

 口に広がる餡子と生地の食感に舌鼓を打ちながら、ちらりとジブリールの表情を窺った。

 先程、ほんの一瞬強烈な殺気を放っていたように感じたのだが、どうやら杞憂だったようだ。

 ならいいやと視線を前に戻した彼女は、あちこちから流れてくる香ばしい匂いを肺いっぱいに吸い込む。

 

「次は何を食べよっか〜」

 

「何か食べるのは決定事項なのか」

 

 シルヴィアは彼に寄りかかり、彼の腕を抱き寄せながら言うと、ジブリールは苦笑混じりにそう返し、彼女の唇に餡子が貼り付いているのに気付く。

 彼は周囲に気を配り、相変わらず無遠慮にシルヴィアを舐め回す視線がある事を確かめると、そんな彼らを嘲るような笑みを浮かべ、彼女を呼んだ。

 

「シル」

 

「ん?」

 

 愛する夫に愛称で呼ばれ、ご機嫌に笑みながら彼の方を向くと、間髪入れずに唇を奪われた。

 彼女がぎょっと目を見開くのと、周囲から小さな舌打ちやざわめきが聞こえてきたのはほぼ同時。

 ジブリールはそっと舌を這わせて唇についた餡子を舐めとると顔を離し、舌舐めずりしながら不敵に笑んだ。

 

「また餡子が着いていたぞ。次は気をつけて食べろよ」

 

「〜〜〜!!あ、あのね!こんな、人目がある場所で……!」

 

 シルヴィアが顔を真っ赤にして怒りを露わにするが、ジブリールはそんな姿も愛おしそうにしつつ、そっと彼女の髪を撫でた。

 撫でられた彼女は「誤魔化さないでよ!」と声を荒げるが、すぐに表情が蕩けていき、しまいには甘えるように彼の肩に擦り寄った。

 甘えモードになったシルヴィアの撫でながら、ジブリールは不意に天を仰いで息を吐いた。

 

 ──我慢、か。もう無理そうなんだが……。

 

 彼女との約束で数日はのんびり過ごすと決めはしたが、既にあの時の覚悟が大きく揺らぎ始めていた。

 彼女が見せる一挙手一投足が彼を魅了し、彼女が見せる表情が彼の理性をゆっくりとだが削っていく。

 そして彼女に無遠慮に向けられる邪な視線を感じる度、心の奥底にあるドス黒い独占欲が沸々と煮えたぎり、彼女を旅館に連れ戻し、そのまま閉じ込めてしまいたいと思ってしまう。

 自分はこんなに醜くかっただろうかと自問しても、そんなもんだったろと心の中の自分が嘲ってくる。

 むぅと低く唸る彼を他所に、シルヴィアもシルヴィアで不満そうに彼の腕を抱き締めた。

 彼は気付いていないかもしれないが、先程からすれ違う女性たちが振り向き、小さく黄色に悲鳴をあげたり、こそこそとジブリールに関して話しているのが聞こえてくる。

 確かにジブリールの顔は恐ろしいほどに整っている。鷹を思わせる鋭い目には夜空を閉じ込めた蒼い瞳が揺れ、顔には大小様々な傷跡はあれどそれは彼の冒険者としての強さを象徴する勲章に他ならない。

 普段はフードで隠れ、滅多に人目に晒さない素顔を曝け出していることと、その危険性に彼は気付いているのだろうか。

 

「今の人見た?」

 

「見た見た、カッコよかったよね。……あの連れの人がいなかったら」

 

 ほら見ろ。今すれ違った女性──おそらく冒険者だ──と、ジブリールを見るなり会話を止め、捕食者の眼光をもってこちらを睨んでくる。

 

「むぅ……!」

 

 シルヴィアは頬を膨らませるとぎゅっと彼を抱きしめた。

 彼女に突然抱き締められたジブリールは多少驚くものの、すぐに苦笑を浮かべて「どうかしたのか?」と問いかける。

 そんな彼に「別に」と冷たい声音で返してしまい、自分でも出るとは思わなかった声に驚いてしまうが、ジブリールは気にする様子を見せない。

 この際、何か買い込んで部屋で二人きりで過ごそうか。

 シルヴィアの脳裏にそんな思慮が過るが、それを彼が望まないだろうと却下し、もうしばらく街を散策することにしよう。

 彼女はそんな心の奥底にある暗い欲望から目を逸らし、いつものように匂いに釣られるがままに手頃な店に彼を引き摺り込んだ。

 

 

 

 

 

 それは、ほんの一瞬の隙だった。

 二人揃って入った土産屋で、思いの外多かった人混みに揉まれてはぐれてしまい、シルヴィアが店の外に弾き出されてしまう。

 彼女はすぐに戻ろうとしたが、人の出入りが激しいそこに入っても、彼と入れ違う可能性がある以上動き辛い。

 仕方ないと溜め息を吐いた彼女が手頃なベンチに腰掛けていると、やはりと言うべきか五月蝿い虫が寄ってくる。

 時には上辺だけ紳士的な貴族──その目は明らかに彼女の胸や組んでいる足に向けられている。

 時には見せつけるように銀色の認識票を見せつけてくる冒険者──勿論、相手の名前も顔は知らない。

 その悉くを左手薬指の指輪や、彼女の髪や瞳と同じ銀色の認識票で切り捨てるのだが、それでも負けじと擦り寄ってくる輩もいる。

 軟派な吟遊詩人。硬派そうな騎士かぶれ。あるいは一晩の相手を探し求める人肌恋しい旅行客。

 それら全てを切り捨てていると、彼女は不意に店の出口で何人かの貴族令嬢に捕まったジブリールを見つけた。

 何かが入った小さな箱を懐にしまいながら、どうにか断ろうと言葉を選んでいるようだが、令嬢たちも諦めが悪いようだ。

 むぅと頬杖をつきながら不満げに唸る彼女だが、勿論彼女にも引っ付こうと離れない男たちが多い。

 この際、殴り倒してしまおうかと物騒な選択が脳裏を過るが、不意に令嬢たちから顔を背けたジブリールと視線があった。

 同時に愛想笑いを浮かべていた表情から感情が消え失せ、彼の突然の変化に狼狽える令嬢たちに一言「失せろ」とだけ告げて歩き出す。

 一切の感情を排し、淡々と冷たく告げられた言葉に小さく悲鳴を漏らす令嬢らを捨て置き、ジブリールはずかずかと無造作な足取りでシルヴィアに向かう。

 シルヴィアもまた寄ってくる男たちを腕力に物を言わせて押し退けながら歩き出し、自分たち夫婦に擦り寄ってくるお邪魔虫たちに見せつけるように、彼を迎え入れんと両手を広げた。

 直後、僅かに歩調を強めたジブリールが彼女を正面から抱き締め、愛おしそうに彼女の髪や頸の辺りを撫でながら、彼女を囲んでいた男たちを絶殺の殺気を込めて睨みつける。

 同時にシルヴィアも彼に撫でられて心地よさそうにしながらも、すっと目を細めて殺意と自慢混じりの視線を彼に擦り寄った女たちに向けながら、愛撫するように彼の背を撫でた。

 結果、前後から男女の悲鳴があがるが、二人は気にする素振りも見せずにお互いの体温と心音を感じ合うと、互いの手をとって同じ方向に歩き出す。

 二人に声をかけていた人たちは黙って人混みに消えていく二人を見送ると、二人から逃げるように背を向けて走り出した。

 肩越しにそんな彼らの背中を睨みつけたジブリールとシルヴィアは、お互いに悪戯が成功した子供のように無邪気に笑い合うと、ジブリールは不意に溜め息を吐いて僅かに先行。

 彼に手を引かれる形になったシルヴィアは僅かに驚くものの、彼に引かれるがまま温泉街を進む。

 大通りから脇道にそれ、通りの喧騒から遠ざかっていく。

 

「……?ジル、どこにいくの?」

 

 どんどんと人気がなくなり、悪い言い方をすれば周囲の建物が段々と寂れていく中、僅かに不安を覚えたシルヴィアは彼の背中に声をかけた。

 それを合図に足を止めた彼は周囲を見渡して人がいない事を確かめると、彼女を裏路地に引き摺り込んだ。

 

「わわ!?」

 

 突然の方向展開に体勢を崩した彼女を支えながら、裏路地の奥まで進んだ彼は、少々乱暴に彼女を壁に押し付けた。

「ぴっ」と奇妙な悲鳴を漏らす彼女の顎をくいっと持ち上げながら、片手を壁について彼女の逃げ道を封じる。

 いつかの王都で行った壁ドンなる体勢になった二人は、言葉もなく見つめ合う。

 その時間はほんの数秒。シルヴィアの顔が段々と赤く染まり、逃げるように目を逸らす。

 

「シル。さっきはすまなかった」

 

 その瞬間、ジブリールは謝罪の言葉を口にした。

 先ほど彼女を見失い、他の女の相手にうつつを抜かしていた不甲斐ない夫である事を謝罪する。あの場での最適解は、あの令嬢らを無視して彼女の元に最速で馳せ参じることだった。

 

「そ、そんな。気にしてないよ」

 

 シルヴィアはそう言って彼を許す姿勢を見せるが、ジブリールは間髪入れずに口を開いた。

 

「それと、すまない」

 

「……?」

 

 突然吐かれた謝罪の言葉。何に対する言葉なのか見当もつかないシルヴィアが首を傾げると、彼は暗い欲望を映した蒼い瞳を細めた。

 

「──お前との約束、破らせてもらう」

 

 彼はそう言うや否や、彼女の唇を奪った。

 シルヴィアは突然のキスに目を見開いて驚きを露わにするが、ジブリールはそんな彼女に構うことなく、僅かに開いていた隙間から舌を捻じ込み、彼女の口内に侵入。

 僅かに残る餡子の味や、彼女の唾液の味を堪能しながら、舌で彼女の口の粘膜を削ぎ落とさんばかりに暴れさせる。

 

「んん!?んぐっ……!んちゅ!じ、ジル……?んん……!い、いきなり、どうして……!んちゅ!じゅるる!んぁ……っ♡」

 

 顎を掴まれている為、逃げることもできないシルヴィアは彼のキスを受け入れながら困惑していると、不意に彼の手が彼女の豊満な胸を持ち上げるように揉み始めた。

 

「ちゅ……!んぁ……♡ジル、ジル……!んんっ♡ま、待って!のんびりするって、約束したじゃん……!」

 

「だから、さっき謝っただろう」

 

 さわさわと撫でるように優しく胸を揉まれ、彼の熱烈なキスを受け止めながら、シルヴィアは彼に抗議の声を投げるが、彼はそれを軽く受け流してしまう。

 彼女の浴衣をはだけさせ肩まで露出させた彼はそこに吸い付き、今朝つけたキスマークを上書きするように吸い上げていく。

 

「んぁあ……!ジル、駄目、待って……!我慢してよ!」

 

 彼は歯を立てているのか、僅かに感じる痛みに喘ぎながら彼の肩を叩くが、ジブリールは構う様子もなく胸を揉んでいた手を離し、浴衣の隙間から覗く太腿を撫で、そのまま彼女の股に手を滑り込ませた。

「ひぅ!」と小さく呻いた彼女の反応を見ながら、ショーツを退かして秘裂を撫でた。

 

「ひゃ……っ♡」

 

 くちゅりと僅かな湿った音と、その音の通りの湿り気を感じ、彼女の口からも噛み殺した嬌声が漏れる。

 ジブリールは小さく笑むと「駄目という割には期待しているな」と彼女を煽る。

 

「そ、そんなわけ──」

 

 ぐちゅり!

 

「んんっ……♡」

 

 彼女の否定の言葉を秘裂に指を挿し込むことで黙らせ、ざらついた感触の強い膣肉──Gスポットを優しく撫でてやる。

 

「んん……っ♡ぉ……♡ま、待って……!んぉおおお♡そこ、すりすり、らめ……♡」

 

 ピクピクと身体を痙攣させながら快感に喘ぐシルヴィアは、彼の腕を掴んでせめてもの抵抗するが、その程度で彼は止まらない。

 ぐちゅぐちゅと湿った音を立てながら指の抽送させ、次々と滲み出てくる愛液を掻き出していく。

 プルプルと震える膝や太腿に愛液が滴り落ち、彼女の足元に小さな水溜まりを生み出していく。

 

「じ、ジル!んん……♡ぅぉおお♡ど、どうしたの、急に……!?んぁああ♡」

 

 ぐりぐりとGスポットを抉りながら、肩や首にキスマークをつけるジブリールに、シルヴィアが切羽詰まった声で問うと、彼は不意に責めの手を止めた。

 ようやく責めが止まり、呼吸を整え始めるシルヴィアに向け、ジブリールは問いかける。

 

「男どもが、お前を見ていたのには気付いていたか?」

 

「んぇ……?まあ、ちょっと、なら……?」

 

 彼の問いかけに、シルヴィアは僅かに嘘を入れて返答した。周囲からの視線には気付いていたが、それはジブリールを見る女たちの視線だ。自分が見られているなど、あまり気にしていなかった。

 そんなジブリールからすれば危機感不足の妻に、彼は溜め息混じりに告げた。

 

「お前が誰かに見られて、声までかけられて。その様を見せられて冷静でいられるほど、俺は大人じゃない」

 

 先程の責めで足腰から力が抜けかけている彼女をぎゅっと抱き締めながら、己の胸の内にある暗い感情を発露した。

 

「お前は俺の妻だと。お前は俺のものだと。お前が他の誰かに靡くはずがないとわかっているのに、他の誰かに奪われるじゃないかと、少し不安になった」

 

「こうして誰もいない場所でお前に俺のものだという印をつけて、少しでも安心したい自分が情けないが、他にどうすればいいのかが思いつかん」

 

「だから、許してくれ。お前はこの旅行を楽しみたいんだろうが、俺はお前の全てを楽しみたい」

 

 蒼い瞳の色が褪せ、普段よりもより一層暗い色を放つそこに映るのは、彼の心と頭の中のほぼ全てを統べる愛する妻の顔だ。

 彼女は困惑し、狼狽える様子を見せるが、すぐに微笑みを浮かべて彼の首元に顔を寄せ、そこに噛み付いた。

 

「……っ」

 

 ジブリールが首元を駆け抜けた鋭い痛みに眉を寄せると、シルヴィアは顔を離し、首についた噛み跡を満足そうに見つめると、愛する夫の頬を撫でながら言う。

 

「そんなこと言えば、ジルだってそうだよ?女の人たちがキミを見る度になんか言ってたし、何なら声かけようとしてたし……」

 

「そ、そうなのか?」

 

 彼女の言葉にジブリールは言われて気付いたのか、露骨に慌てた様子で声を漏らすと、シルヴィアは不満そうに頬を膨らませた。

 

「ジルは私の旦那さんで、ジルは私のなのに。ジルも危機感足りてないと思うよ」

 

 彼女はそう言うと再び彼の首元に顔を寄せ、今度は優しく唇を落とした。

 そこを思い切り吸い上げて、彼にされた分と同じだけのキスマークを彼に付けていく。

 

「──でも、心配はお互い様だね」

 

 彼女はそう言いながら彼の唇に口付けを落とし、にこりと太陽を思わせる笑みを浮かべた。

 

「キミは私のものだって、印を付けたいし」

 

 そっと彼の耳元に顔を寄せ、耳朶を甘噛みしながら客に媚びる娼婦のような声で言う。

 

 ──私はキミのものだって、いっぱい印を着けて(マーキングして)欲しいな……♡

 

 その声が鼓膜を揺らし、脳に達した瞬間。

 ブチン!と、何かが切れる音が、頭の中に響いた。

 僅かに俯き、静かになったジブリールの様子にシルヴィアが首を傾げると、彼は彼女の肩を掴んで身体を反転させ、壁に手をつかせた。

 抵抗できるだろうに何もせず、むしろ「あ……♡」と期待の色だけが込められた声を漏らし、彼がやりやすいように臀部を突き出す。

 フッと小さく笑みをこぼした彼は彼女の帯を緩め、浴衣をずらして安産型の臀部を露出させた。

 愛液で濡れたショーツをずらし、湿り気を帯びた秘裂も露出させると、彼も浴衣とパンツをずらして一物を露出させた。

 ぼろんと音を立てて顔を出したそれは既に臨戦体勢となっており、目の前の最愛の女に種付け(マーキング)してやらんと鈴口から先走り汁が滲み出す。

 振り向き、肩越しにそれをまじまじと見つめたシルヴィアが生唾を飲むと、ジブリールは両手で臀部に後が残るほどの強さで鷲掴んで固定。

 そして何の合図もなく腰を突き出し、一物を彼女の秘部に叩き込んだ。

 早朝の交わりの余韻が残る膣肉は、再び入り込んできた一物をあっさりと受け入れた。

 

「お゛……♡き、たぁぁ♡♡」

 

 挿れられただけで絶頂してしまったのか、ブルブルと身体を震わせて快感に酔いしれる彼女を見ながら、ジブリールもまた低く唸った。

 痙攣する膣肉が締め付けながらも一物を扱き、ヒダが吸い付いてくる感覚たるや、何度抱いても飽きがくる気配すらない。

 ジブリールはすぐにでも暴発しそうな射精感に耐えながら、腰を振り始めた。

 パンパンと乾いた音を立てながら腰を突く度に彼女の臀部が波打ち、その度にシルヴィアの口から「お゛♡んお゛♡ぉぉぉおお゛お♡」と獣のような野太い嬌声が漏れる。

 亀頭が子宮口を殴りつける度、鈍い快感がシルヴィアの身体を駆け抜けていき、声を抑えようとしても我慢できない。

 

「ぉ……♡ジル、ジルゥ!!しゅき、だいしゅき……♡あへっ♡んぉおおお♡♡」

 

 ジブリールの一物が最奥を突く度にシルヴィアは絶頂を繰り返し、両足は爪先までピンと伸び、筋肉質でありながら美しい曲線を描く太腿に愛液と潮が混ざった液体が垂れていく。

 

「あへ……♡イク♡イグッ♡♡朝は我慢しよって言ったけど、んぉお♡ホントは、んん♡ずっと、こうして欲しかったの♡んぉ……♡ぎっ……♡」

 

 あへあへと気の抜けた嬌声を漏らしながら、彼女は胸の内にしまっていた本音を曝け出す。

 彼女とてこの旅行を楽しもうとしていたが、やはり愛する夫と二人きりという状況では、どんな建前があろうともどうでも良くなってしまうのだろう。

 今の彼女はただひたすらに、夫との熱い一時を楽しみたいのだ。

 えへへと快感に喘ぎながら笑うに、ジブリールも笑みを返した。

 彼とてその想いは同じだ。誰にも邪魔されず、彼女とひたすらに求めあう。ある意味で一番求めていたのは、こういう色欲と怠惰に満ちた時間だったに違いない。

 それを自覚してしまえば、後は早かった。

 もう我慢する必要も、彼女に気を遣う必要もないとわかったのだ。なら、後はお互いに貪り合うのみ。

 ジブリールが獰猛な笑みを浮かべ、彼女と共に絶頂を向かおうと抽送の動きを早め、尿道を精液が駆け上がる熱さに目を細め、それを解放しようとすると、

 

「ここまで来れば流石に人がいねぇな」

 

「ご、ごめんなさい……。人混みに疲れてしまって」

 

「あ?いや、俺だって疲れてたから、気にすんな」

 

「「……っ!?」」

 

 二人が盛大に交わっている裏路地に、二つの人影が入り込んできた。

 二人が慌ててそちらに目を向ければ、そこには只人の男性と森人の女性が連れ添う形でこちらに向かってきており、おそらく自分たちと同じ目的でここに来たのが何となくわかる。

 二人は慌てて身なりを整えると、件の二人から見つからないように裏路地から脱出しようとするが、生憎と出口は件の二人の方向のみ。

 ならばと二人は建物の壁を登り、屋根伝いに裏路地から脱出。シルヴィアは念のためと下を確認すると、只人の男性と森人の女性が熱いキスをしている場面に遭遇し、慌てて顔を引っ込めた。

 一足先に裏路地から脱出し、着地点を確保していたジブリールは、シルヴィアが屋根から壁伝いに降りてくるのを確認しつつ周辺を警戒。

 そうしてすたっと軽い足音と共に着地したシルヴィアは、もぞもぞと身動ぎしているジブリールの手を取り、笑みを浮かべながら告げた。

 

「──キミだけ途中だったもんね。うん、じゃあ、旅館に戻ろっか」

 

 

 

 

 

 そうして戻ってきた旅館の一室。

 ほんの数時間の外出から戻ってきた二人に女将は特に言及することはなく、ただごゆっくりどうぞとだけ告げてきた。

 その言葉をジブリールが聞いていたかは不明だが、シルヴィアは顔を赤くして頭から煙を吹いた。

 だが、そんなものジブリールにとってはどうでもよかった。

 

「んぎっ♡ジル、待って……♡んぉおお゛おお゛♡♡」

 

 こうなると予期していたように敷かれていた布団にシルヴィアを押し倒し、湿り気を保っていた彼女の秘部に、射精寸前でお預けをくらった一物をぶち込んだのだ。

 布団に仰向けで寝かせ、足を開かせた彼女に覆い被さりながら、我武者羅に腰を振って一物を叩き込み続ける。

 

「っ……!」

 

 そして低く唸ったかと思った直後、押さえつけられていた精液が逃げ場を見つけ、鈴口から勢いよく吐き出された。

 びゅるびゅると音を立てて吐き出されたそれは瞬く間に彼女の子宮を満たし、逆流してきたものが二人の接合部から溢れ出す。

 

「イグ……ッ♡な、なかだしされて、イクゥゥウウウウ♡♡♡」

 

 ビクン!と身体を跳ねさせ、逆流してきた精液と共に潮を噴き出しながら絶頂したシルヴィアを他所に、ジブリールは射精を続けながら腰を振り回した。

 カリでGスポットをゴリゴリと削り、亀頭で子宮口を殴りつける。

 

「んほぉ……♡まへ、動かないで……っ♡射精しながら、動いちゃ、駄目ぇぇえええ♡♡♡」

 

 秘裂からはぐちゅぐちゅと湿った音をたて、白濁した泡を噴きながら絶頂するシルヴィアは、首を左右に振って快感から逃れようとするが、ジブリールは気にしない。

 彼女の要望通り、自分の臭いを一生消えないように、自分の妻であることを忘れないように、吐き出した精液を膣肉に擦り込み、馴染ませていく。

 

「あへっ♡えへへ……♡こんなに出されたら、私、えへへ♡」

 

 そうして数分かけて行われた射精をシルヴィアは恍惚の表情で何かを言いかけるが、今はこの時間を楽しもうと彼の背に手を回した。

 そのまま彼を抱きしめようとするが、ジブリールはそれよりも早く腰を動かし始める。

 

「んぉおおお♡ジル♡ジルゥゥ♡♡いいよ、キミが満足するまで♡私が、滅茶苦茶になるまで、出しまくって♡」

 

 膣肉を掻き回され、子宮を潰されて虐められながら、彼女は上擦った猫撫で声で彼にそう言った。

 ジブリールはそんな彼女を愛おしそうに撫でると、奥を突かれる度に揺れる豊満な胸を揉みしだく。

 

「時間はまだあるんだ。二人っきりで、のんびりしよう」

 

「うん♡二人っきり(・・・・・)で、のんびりしよう♡」

 

 彼の言葉にシルヴィアは恍惚の表情と共にそう告げて、彼を抱き寄せてそっと彼の唇を奪う。

 一応の予定では二泊三日。まだ時間はある。

 もっと怠惰に、欲に塗れて、英雄(ローグハンター)の仮面を外し、どこにでもいる男女として、夫婦として、この時間を堪能しよう。

 ジブリールも彼女の口付けを受け入れると、彼女を抱きしめるのだった。

 

 

 

 

 




感想、リクエスト等ありましたら、よろしくお願いします。


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Memory?? 新婚旅行④

新婚旅行編最終回。
これを出したら活動報告のリクエスト一覧を更新します。リクエスト主さんや、更新順が気になる方はご確認を。


 温泉街を見て回る予定を中断してから早数時間。

 それからほぼ休みなく交わっていた二人は、相変わらず布団の上で絡み合っていた。

 

「んぉお゛……♡ジル……♡好きっ!ぉぉおお♡大好き……っ♡んぎぃ……っ!?♡」

 

 布団にうつ伏せで寝かされたシルヴィアに覆い被さりながら、安産型の臀部に赤い痕が残る程の力で掴みながら、腰を振って一物を叩き込む。

 ぐちゅぐちゅと湿った音と共に、抽送の動きに合わせて秘裂から吐き出した精液が掻き出され、泡立つそれが垂れて布団に染みを残していく。

 だが二人はそれを気にする素振りも見せず、ひたすらに愛する人を貪った。

 ジブリールは亀頭が子宮口を突く度に身悶えするシルヴィアを見下ろしながら、頸に舌を這わせ、吸い付き、先ほどつけたキスマークを上書きしていく。

 

「ぉ゛……♡んんん……っ♡えへ、えへへ。いいよ、たくさん、印つけて……」

 

 快感に喘ぎ、顔を蕩けさせながら振り向いたシルヴィアは、肩越しにそう告げた。

 片手で額に貼りついた髪を退かしながら、流れてきた後ろ髪を髪に引っ掛けながら告げられた言葉に、ジブリールは思わず生唾を飲むと、彼女の片足を持ち上げて後背位から測位に体位を変更。

 体位が変わったことでより深く一物が深く入り込んだのか、ゴリっ!と肉を抉る鈍い音が胎内から漏れ、シルヴィアは僅かに身体を強張らせて苦悶の声を漏らすが、すぐに顔を蕩けさせる。

 

「これ、ぉく……ッ!届い、てぇ……っ♡」

 

 ただですら大きい一物を根元まで呑み込んでいるというのに、体位の都合か更に深く入り込み、押し潰された子宮が詰め込まれた精液を吐き出しながら悲鳴をあげる。

 バスバスと重々しい音を立てながら腰を打ちつけられる度、豊満な胸がぶるんぶるんと大きく、肉感的に揺れ、肌に滲んだ汗が弾ける。

 その様を見下ろしながら、ジブリールは薄く笑みながら思い切り腰を突き出して一物を根元まで押し込んだ。

「んぉお♡」と甲高い嬌声と共に膣肉全体がわななくように痙攣し、ヒダが一物を舐め回す中、子宮口が亀頭に吸い付く。

 彼女の胎内にあるにも関わらず、さながら手で扱かれ、キスをされているような快感にジブリールは低く呻き、もう何度目かになるかも覚えていない射精を行った。

 

「んんっ♡また、出て、る……っ!♡出されて、る……♡ぉ♡おおおお♡♡」

 

 横向きに寝そべったまま、全身を痙攣させて絶頂するシルヴィアと、全身に鳥肌を立てて吐精感に身を任せるジブリール。

 吐き出された精液で子宮を舐め回されるシルヴィアは、小さく絶頂を繰り返しながら痙攣を繰り返し、ジブリールは一分ほど続いた射精が終わると共に腰を引いて一物を抜いた。

 ごぼりと音を立てて秘裂から精液が溢れ出し、太腿を汚していく。

 

「ふぅ……!ふぅ……。んんっ♡」

 

 ようやく落ち着いた快感の波にシルヴィアは息を落ち着かせようとするが、精液が逆流する感覚が小さな快感を与え、ピクピクと痙攣を繰り返していた。

 ジブリールも深く息を吐くと額に貼りついた前髪を退かした。

 身体中汗塗れで気持ちが悪く、脱水症になりかけているのか頭が重い。

 とりあえず飲み物をと毛布の端に転がる水袋を手に取った彼は、それを一口呷った。

 微かな冷たさは残ってはいるものの、温くなってしまったそれはあまり美味しいものではない。いや、ただの水に味を求めるのは間違っているか。

 まあ、そんな事どうでもいいかと息を吐いたジブリールは、再び水を口に含むと、肩で息をしながらこちらを見つめてくるシルヴィアに目を向けた。

 そっと彼女の顔に顔を寄せ、唇を合わせる。

「んっ……」と小さく声を漏らして彼の口付けを受け入れたシルヴィアは、量を調整されて流し込まれる水をこくこくと喉を鳴らしながら飲み込んでいく。

 それを飲み切るとジブリールは顔を離し、シルヴィアも名残惜しそうに離れていく彼を見つめた。

 彼も疲れているのか僅かに肩を揺らしており、額にも大粒の汗が滲んでいる。

 

「ふふ。疲れちゃった?」

 

「流石に、な。あと、気持ち悪くないか?」

 

 微笑み混じりに投げられた問いかけにジブリールは苦笑混じりに汗を拭いながら返し、ついでに汗と精液塗れの彼女の肢体に目を向けながら問いを返した。

 シルヴィアが自分の身体に目をやりながら「べたべたするね」と困り顔を浮かべると、ジブリールは「だよな」と苦笑した。

 ふむと顎に手をやって思慮した彼は、そのままシルヴィアを横抱きにして立ち上がる。

 突然の浮遊感に小さく悲鳴を漏らすシルヴィアに、ジブリールは笑みながら露天風呂に目を向けた。

 

「それじゃ、一回さっぱりするか」

 

 

 

 

 

 別に先の言葉に嘘はないし、休憩がてら一回汗も汚れも落とし、回復してから続きをしようと思ったというのは、偽らざる事実だ。

 なのに、どうしてこうなったと、ジブリールは天を仰いだ。

 今の彼は湯船の梁に腰を降ろし、足湯状態で温泉に浸かっているのだが、問題は開かれた足の間だ。

 

「じゅる!じゅるる♡れろれろ♡ふふ、どう、ジル、気持ちいい?」

 

 そこには湯船に浸かるシルヴィアの姿があり、彼女は手で一物を扱きながら舌を這わせ、彼に奉仕を始めたのだ。

 一応、身体は洗って汚れや汗は落としはしたが、ここで射精してしまうと温泉を汚してしまうかもしれない。

 そんな懸念で快感に耐えるジブリールは「あ、ああ。気持ちいいぞ」と誤魔化すように笑いながら、そっと彼女の頭を撫でた。

 彼の手が動く度、心地よさそうに目を細めるシルヴィアは口を大きく開けると、ぱくりと彼の一物を頬張った。

 そのまま身体を前後に動かし、唇で一物を扱きながら、頬をすぼめて締め上げ、嗚咽を漏らしながらも亀頭が喉奥に達するまで飲み込む。

 

「じゅる♡ぉえっ……!〜〜!じゅるる♡んぐっ♡んんっ♡」

 

 彼女が動く度にばしゃばしゃと温泉が波打ち、跳ねた飛沫が二人を濡らしていくが、今はその温もりを楽しむどころではない。

 

「んぐ!んぐ!ぇ……っ!じゅるる♡あむ、じゅる♡」

 

 ぐぽぐぽと滑稽な音を漏らしながら、彼の一物に口で奉仕を続けるシルヴィアは、何かを乞うようにジブリールに上目遣いで見つめた。

 そのまま頭を前後に揺らし、彼を見つめながら奉仕(フェラ)を続ける。

 亀頭が喉で締め付けられ、舌が裏筋を舐め回す。その度に背筋を駆け抜ける快感に身動ぎすると、シルヴィアは一物を咥えたまま言う。

 

「らして、いいよ。全部、受け止めりゅかりゃ!全部、飲んれあげるから……!」

 

 声による微細な振動。変わる舌の動きによる、快感の緩急。

 そのほんの僅かな違いが、彼が歯を食い縛って抑え込んでいた射精感を爆発させた。

 溶けた鉄のようにドロドロと粘り、熱を孕んだものが尿道を駆け上がり、鈴口から吐き出された。

 

「んん!?んぎゅ……!んぐっ!んぐっ!んぐっ!」

 

 途端に喉奥に吐き出された彼の精液を驚きながら嚥下していき、吐き出された側から胃に落とし込んでいく。

 一滴残さず飲み干してやると意気込み、それを実行するシルヴィアは鼻腔を抜ける生臭さに恍惚の表情を浮かべた。

 ごきゅごきゅと音を立てて精液を飲み終えたシルヴィアは、口を窄めて一物を締め上げ、啜り上げた。

 同時に尿道に残っていた精液が搾り出され、ジブリールの身体を前のめりにしながら低く唸った。

 そしてしばらく一物を吸っていたシルヴィアは、何も出なくなるのを確かめると顔を離し、別れの挨拶をするように亀頭にキスを落とした。

 

「えへへ。ごちそうさまでした」

 

 そして笑みを浮かべたまま感謝の言葉を口にすると、いまだに硬さを保つ彼の一物を見つめて苦笑した。

 相変わらずの絶輪ぶりに笑うしかない彼女は、湯船から出ながら彼と向き合う形で彼に跨った。

 そのまま温泉のそれとは別の湿り気を帯びた秘裂に、反り返る程に勃起した一物の亀頭を当てた。

 そのままゆっくりと腰を降ろし、彼の一物を挿入した。

 

「んっ……♡あぁ……♡」

 

 胎内に入り込む異物感に安堵と多幸感を感じながら、シルヴィアはそっと彼の首に噛み付いた。

 がじがじと乳児が甘えるか、遊び半分でそうするように、優しく何度も彼の首を噛んでいると、ジブリールはそれこそ子供にそうするような優しく彼女の髪を撫でる。

 むふふとだらしのない笑みを浮かべるシルヴィアは彼の背に腕を回し、身体を動かし始めた。

 ゆっくりと自分のペースで身体を揺らし、やりたいように彼の一物を責める。

 下腹部に力を入れて締め付けてみたり、動きを強めて扱いてみたり、隙をついて思い切り噛んでみたり。

 

「ぉ゛……♡んんっ♡はむ!ぅううう!!」

 

 引き締まる膣肉をエラ張るカリが引っ掻き回し、内臓をひっくり返されるような刺激に喘ぎ、悶えながら、声を殺すために彼の首に噛み付く力を強める。

 精液の残り香が強く残る口内に僅かに鉄の香りが加わるが、それすらも楽しむように舌を這わせ、滲んだ血を舐めとる。

 ジブリールも痛みに表情を歪めるが、それもすぐに快感によるものに変わる。

 そして目の前のシルヴィアの表情からも余裕が消えていき、猫撫で声を漏らしながら彼を抱きしめた。

 

「ジル!好き、大好き……っ♡んぉぉ♡ぉ……♡あひっ♡ぉ゛♡」

 

 ばちゅばちゅと肉同士がぶつかる湿った音を漏らしながら腰を押し付け、その度に野太い嬌声をあげる。

 彼女の動きに合わせてジブリールの身体も揺すられる為か、温泉も波打って音を立てるが、今の二人にはそれぞれが漏らす吐息や嬌声しか聞こえていない。

 

「ぉ、奥、届い、てぇ!?♡やっぱり、大き……いッ……♡」

 

 動く度に軽い絶頂を繰り返すシルヴィアは、痙攣する膣肉でどうにか一物を締め付けるが、カリがそんな膣肉を無慈悲に引っ掻き回し、更なる快感を彼女に与えていく。

 

「んぉお゛……♡♡ぉお゛お♡これ駄目、かも……っ!♡ジル、待って、動かにゃいれ……♡」

 

「動いてるのはお前だ。俺は何もしてない」

 

 自分の意志から離れ、勝手に動き始めた身体と、それが与えてくる快感に困惑しながら、シルヴィアは仰け反りながら大きめの絶頂を迎えた。

 そんな姿を文字通り目の前で見ながら、ジブリールは苦笑した。

「嘘、つかないで!」とシルヴィアは語気を強めるが、そんな彼女を黙らせるように片手で彼女の胸を鷲掴み、乳首を指で転がした。

 

「んぎっ♡にゃ、まへ♡こりこり、しちゃ、駄目ぇ……っ♡♡♡」

 

 途端に強くなった快感にシルヴィアは悲鳴をあげ、抗議の視線を彼に向けるが、ジブリールは笑いながらもう片方の手で彼女の臀部を掴むと、今度は今度は彼の意志でもって彼女を動かし始めた。

 痙攣する膣肉をカリで掻き回し、子宮口を亀頭で殴りつける。

 肩を跳ねさせて快感に悶える彼女を見遣りながら、腰を回してぐりぐりと亀頭を子宮口に押し付ける。

 先程まで元気そうだったシルヴィアも、嬌声をあげながら身悶えするばかりとなり、秘裂からはぷしゅぷしゅと音を立てて潮が噴き出している。

 それが温泉にかかろうが、自分たちの身体を汚そうが、もう二人にはどうでも良かった。

 もう、どうにでもなれと開き直ったジブリールは一旦彼女を解放して一物を引き抜くと、彼女の腹を温泉の梁に乗せた。

 足だけは温泉に浸かりながら身体を追って梁に上半身を乗せつつ、臀部だけは突き出すように。

 ジブリールは温泉の中を歩いて彼女の後ろに回ると、ヒクヒクと痙攣している秘裂に亀頭を押し付け、一息でそれを押し込んだ。

 

「んぉおお゛お゛おおお♡♡!?」

 

 ばしゃりと水音をたてながら一物を突っ込まれたシルヴィアは嬌声をあげ、身体を仰け反らせて絶頂する。

 ただですら絶頂を繰り返していたというのに、彼はそんな弱りきった急所を、出来立ての傷を抉るように容赦なく、貫いてきたのだ。

 身体を仰け反らせたままピクピクと痙攣する彼女を見下ろしながら、ジブリールはそっと彼女の背中や括れた腰を撫で、安産型の臀部に指をめり込ませた。

 コリっと固まった肉を押し込む感覚と共に臀部がビクン!と跳ね、膣肉の締め付けが強まる。

 ここばツボかと笑ったジブリールは、黙々とそこをほじるように指をめり込ませながら、同時に腰を動かし始めた。

 あんあんと喘ぐ彼女の声と、波打つ温泉の水音を聞きながら、ジブリールは一心不乱に腰を振り続け、彼女の胎内を貫き続ける。

 

「ぉ……ッ!?♡ま、まへ、ジル、まっへ……!イク……ッ♡イグゥゥウウウウ♡♡♡」

 

 痙攣する膣肉を亀頭が掻き分け、カリが引っ掻き回し、子宮口を殴られ、絶頂する。

 彼が与える快感の全てが彼女を容易く絶頂に導き、それが治まる前に次がくる。

 文字通りの絶頂地獄に喘ぎ続け、視界を点滅させる彼女は、反射的な反応のみで身体を跳ねさせ、痙攣しながら、再び絶頂。

 温泉の熱と、ジブリールの熱に当てられて、意識も朦朧になり始めているシルヴィアに、不意にジブリールは動きを止めた。

 同時に快感の波が止んだ為か強張っていた身体から力が抜け、ぐったりとしたがら項垂れる。

 

「あへっ♡ジル、ちょっと、休ませて……?んっ♡ちょっとだけで、いいから」

 

 絶頂の余韻に喘ぎながら、どうにか息を整えようと肩を揺らす彼女に、ジブリールはそっと顔を寄せた。

 ちろりと汗ばんだ頸を舐め、耳朶を甘噛みして意識を耳に集中させると、万感の想いを込めて呟く。

 

「シル、愛してる」

 

「……っ♡」

 

 そう告げた瞬間、ピクンと肩が跳ねた。

 膣肉も引き締まり、一物への締め付けが強まった。

 

「昨日も言ったが、お前は酔っていて覚えていないだろうから、何回でも言うぞ」

 

 彼は微笑み、愛おしそうに彼女の髪や頸、耳に口付けを落としながら、言葉を続けた。

 

「世界の誰よりも愛してる。大好きだ。お前の笑顔が好きだ。声が好きだ。お前は筋張ってると気にする手足も、腹筋も、お前をお前たらしめる何もかもが、愛おしい」

 

「ジル!?んっ♡待って、やめて……!んんっ♡」

 

 ジブリールが言葉を紡ぐ度、シルヴィアは身体を震わせて多幸感と、言葉だけで感じる快感に喘ぎ、指を噛んだ。

 ジブリールは彼女を抱き寄せ、逃げられないようにしながら、彼は笑った。

 

「そんな反応も可愛いな。快感に蕩けた顔も綺麗だし、声もいつまでも聞いていたい」

 

「〜〜〜っ♡♡♡」

 

 そうして続く言葉の攻撃に、シルヴィアはついに声もなく絶頂を迎えた。

 ジブリールは身動き一つしていない。ただ一物を入れたまま、言葉を紡いだだけだ。

 彼女の反応に鈴を転がしたように笑ったジブリールは、小さく息を吐いた。

 なぜだろう、こうして口にすると彼女の顔を見たくて堪らなくなる。

 彼は一旦自分の絶頂を我慢して一物を抜くと、絶頂の余韻でプルプルと震えているシルヴィアを持ち上げた。

「ま、また!?」と狼狽える彼女を無視し、タオルでざっと全身の水気を飛ばす。

 タオルを頭に被せられ、わぷ!?と間の抜けた声を漏らした彼女を、そのまま毛布の上に寝かせる。

 彼女は慌ててタオルを退かして顔を出すと、ジブリールは彼女の足を開かせ、その間に収まった。

 そのまま射精寸前で我慢している一物を、濡れすぼった秘裂に当てた。

 そのまま彼女の了承を待たずに一物を突っ込むと、シルヴィアは恍惚の表情となりながら背中を弓なりにしならせる。

 

「んぎぃ……っ♡ジル、なんで急に……!?」

 

「こうしないと、お前の顔が見えないからな」

 

 シルヴィアが身悶えしながら投げた問いかけに、ジブリールはさも当然のように即答すると、彼はそっと彼女の手を取り、掌を合わせて指を絡ませた。

 

「それに、こうやって手も繋げない」

 

 ぎゅっと優しく彼女の手を握りながら言うと、シルヴィアも嬉しそうに笑いながら彼の手を握り返す。

 掌に感じる互いの温もりに二人揃って表情を緩めながら、ジブリールは「動くぞ」と告げる。

 シルヴィアは首肯すると、彼女を労うように、そして堪能するようにゆっくりと、腰を動かし始めた。

 膣肉の締め付けやヒダの絡まる感覚を楽しみながら腰を動かす度に、シルヴィアは身体を揺すられ、豊満な胸が揺れる。

 

「んっ……♡お腹の中で、ピクピクしてる……♡出していいんだよ……?♡」

 

 動く度に暴発しそうになる射精感に耐えながら、ジブリールが眉を寄せていると、そんな彼を見つめながらシルヴィアが微笑んだ。

 そのまま名残惜しく思いつつ彼の手を離すと、両腕を広げて彼を迎え入れる姿勢を見せた。

 

「私も大好きだよ、ジル」

 

 慈愛に満ちた声と表情でそう告げると、ジブリールも微笑みながら身体を倒し、彼女に抱擁された。

 彼女の腕が背に回り、しっかりと抱き寄せられると、豊満な胸が胸板で押し潰され、柔らかく形を歪める。

 勃起した乳首も一緒に潰され、極上の柔らかさの中にコリッとした異物感を感じたが、ジブリールは構わずに彼女の抱擁を楽しむことにした。

 彼女も腕だけでなく足も絡め、全身で彼の体温を感じながら、彼の耳元で囁く。

 

「好き、大好き。愛してる。このままずっと一緒にいたい」

 

 ぎゅっと力一杯彼を抱き締めながら言葉を紡ぎ、でもと言葉を続けて腕の力を緩め、鼻先が触れ合う程の距離でお互い見つめ合う。

 シルヴィアは頬を朱色に染め、言葉に迷い、目を泳がせながら、くしゃりと無邪気な笑みを浮かべた。

 

「──私はジルだけじゃなくて、私たちの子供に囲まれて、家族みんなでいられるような日が来て欲しい、かな」

 

 彼女は深く彼の過去は知らない。知っているのは彼から語られた言葉のみで、そこに至る経緯も、抱いた想いもわからない。

 だが、それでも、自分が共に戦ったこの七年だけでも、ジブリールには何かしらの報酬が──一人の人間としての幸せを、与えられても然るべき行いはしてきたのではないか。

 まあそんな事を彼に言えば、「俺はもう充分幸せだ」と笑うに決まっているし、何ならシルヴィアの幸せを優先して同じ質問を投げるに決まっている。

 だからこそ彼女は自分の欲望を吐露する形で彼を誘った。自分の夫になっただけでそれなりに満足していそうな彼に、その先を──父親になる道を示してやったのだ。

 彼は彼女の言葉に面を食らったような表情になると、小さく笑んで彼女の唇に触れるだけの口付けを行った。

 唇同士が触れ合う湿った音と共にジブリールは顔を離し、柔らかく表情を緩めた。

 そして、彼は何も言わずに腰を突き出し、思い切り彼女の胎内を貫いた。

 

「んぉお゛!?♡」

 

 緩かった快感が途端に鋭いものに変わり、下腹部から脳天までを一気に駆け上がる。

 突然の刺激に痙攣しながら収縮する膣肉が一物を締め付ける中、ジブリールはニコッと少々の怪しさを滲ませる笑みを浮かべる。

 

「そうか、お前は子供が欲しいのか」

 

「んぇ……?う、うんっ!」

 

 ピクピクと身体を震わせながら彼の言葉に頷くと、ジブリールはそうかと頷き返し、再び腰を突き出した。

 パン!と鋭い音を立ててジブリールの腰とシルヴィアの臀部がぶつかり合い、彼はそのまま一物でのの字を書くように腰を回し、ぐりぐりと子宮口を解していく。

 

「〜〜〜♡♡♡」

 

 子宮を押し上げられ、子宮口を抉られる快感に声もなく嬌声を漏らしながら身悶えし、蕩けた視線を彼に向けた。

 解された子宮口からごぼりと音を立てて子宮内に溜まっていた精液が吐き出され、抽送運動に合わせて膣肉に擦り付けられていく。

 

「んんっ♡んぁ……♡ぉ……♡ぉあ……♡」

 

 ぐりぐりと子宮を押し潰され、カリがGスポットを擦る度にシルヴィアの口から嬌声が漏れ、背中を弓なりにしならせる。

 ジブリールはその隙に彼女の腰を掴んで固定すると、ばすばすと体重をかけて腰を突き出す。

 

「んぎっ♡ぉぐ……♡あひゅ!♡ぎぃ……!?♡♡」

 

 痙攣し、収縮する膣肉を鉄のように固い一物が掻き回し、接合部からは愛液と精液が混ざった白濁液が溢れ出す。

 動きに合わせて揺れる豊満な胸を鷲掴み、張りもよく艶やかな触り心地を堪能する。

 

「シル、射精()すぞ!受け止めろ……っ!」

 

 そして、先程までどうにか抑え込んでいた射精感に流石に耐えきれなくなり、叫ぶようにそう告げると共に腰を思い切り押し付けながら、射精を行った。

 どろりとした精液が古い精液に満たされた子宮に注ぎ込まれ、白く上塗りしていく。

 

「ッ〜〜〜♡♡♡」

 

 シルヴィアは声もなく絶頂しながら下腹部を満たす熱を感じ、恍惚の表情を浮かべた。

 射精の踏ん張りで前のめりになっていたジブリールがそのまま倒れ込み、胸に顔を埋めると、シルヴィアは絶頂の余韻に喘ぎながら彼の頭を撫でた。

 初雪のように白く脱色された髪はさながら絹のように柔らかく、触り心地がよい。

 できればいつまでも撫でていたが、ジブリールはすぐに復活して身体を起こし、僅かに膨らんで見える彼女の下腹部を撫でた。

 今日半日。精液を注ぎ続け膨らんだそこは、まるで水袋を触れているように膨らみは形を歪め、接合部からはぶぴゅぶぴゅと奇妙な音をたてて白濁液が溢れ出してくる。

 その度にシルヴィアは快感に喘ぐが、ジブリールは構う事なく彼女に告げた。

 

「子供が欲しいんだろう。俺も頑張るから、お前も頑張ってくれ」

 

 表情こそは優しげに、けれど確かな情欲を孕んだ声音で告げられた言葉に、シルヴィアは小さく頷いて彼の唇にキスをした。

 

「二人きりの旅行だもん。好きなだけ、抱いていいよ♡」

 

 彼女の言葉を合図に、ジブリールは彼女の願い──そして内に秘めていた己の欲望の通りに、彼女が気絶するまで、いや気絶しても抱き潰さんと気合いを入れるのだった。

 

 

 

 

 

 そんな二人の新婚旅行も、時間には限りはある。

 半ば気絶し、意識朦朧となっている彼女を温泉に担ぎ込んで身を清め、数時間寝て回復した二人は、三日目の朝から出発までの時間で仲間たちへの土産を買い、辺境の街へ帰還。

 

「それで、先生との旅行はどうでしたか?」

 

「……え?あ、ごめん。もう一回言ってくれない?」

 

 肌艶も、髪の艶も良く、どこかすっきりした様子の銀髪武闘家に、令嬢剣士がお土産の簪なる髪飾りで蜂蜜色の髪を結いながら問うと、銀髪武闘家はハッとして申し訳なさそうに言葉を返した。

 彼女の視線には重戦士や槍使いの一党に土産を渡すローグハンターだけが映っており、どこか熱に浮かれたような、頬を朱色に染めたままボケッとしている。

 

「あの、あの!聞いてらっしゃいますか!?」

 

「んぇ……?……ごめん」

 

「長旅で疲れていらっしゃるのなら、宿にお戻りになられた方がよろしいのでは……?」

 

 そして何度も同じ質問を投げているのに、一向に返事をしてくれない銀髪武闘家の様子に怪訝な表情を浮かべた令嬢剣士がそう言うと、隣で耳飾りを眺めていた女魔術師が嬉しそうに笑みを零した。

 

「とにかく、旅行はどうでしたか?それだけでいいので聞かせてくださいな」

 

 今度こそ聞き出してやると躍起になっているのか、令嬢剣士が前のめりになりながら問うと、銀髪武闘家は途端にボッと音をたてて顔を上気させ、そっと目を背けながらぼそりと呟いた。

 

「き、気持ちよかった……よ?」

 

「……温泉の話よね?」

 

「あ、当たり前じゃん!」

 

 そしてそれを聞いた女魔術師が鋭く返すと、銀髪武闘家は慌てて語気を強めながら胸を張りながら返した。

 じと目になりながら銀髪武闘家を睨んだ女魔術師の脳裏に過ぎったのは、単純にして明快な予想。

 

 ──あ、こいつら向こうで盛りやがったな。

 

 そしてその予想は数ヶ月後に判明する銀髪武闘家の妊娠により、確実なものへと変わる。

 だが、今の彼女にそれを知る由もない。さらに言えば、悪意ある報復阻止の為に行われる辺境のならず者一掃作戦にさえも駆り出されることになる事を、今の彼女は知らないのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 




感想、リクエスト等ありましたら、よろしくお願いします。


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Memory?? 続 誰にも知られず※

リクエストから。
随分と前に書いた『誰にも知られず』の続き的な話です。

奴隷として売られ、貴族の男に純潔を散らされた銀髪武闘家に、彼のメイド姉妹による調教が行われる。




 とある貴族の屋敷。

 とある盗賊団と繋がりを持ち、彼らから数多くの奴隷を買い、己の欲望を満たす男が住まうそこに、銀髪武闘家は捕らえられていた。

 場所は男の寝室。先ほど男の手で純潔を失った彼女は、秘裂から破瓜の血と吐き出された男の精液を溢れさせながら、恐怖に歪んだ表情を浮かべていた。

 既に彼女は男の所有物。そして、男は侍女(メイド)という体で侍らせる奴隷の姉妹に、銀髪武闘家を躾けるように言いつけ、自分だけ風呂に入りに行ってしまった。

 今、この部屋にいるのは何やら怪しげな細い棒を持っている姉妹と、手を後ろ手で縛られて、純潔を奪われたおかげで、肉体的にも精神的にも逃げる気力を失った銀髪武闘家の三人のみ。

 

「では、まずはご主人様に解された膣肉を更に按摩していきます」

 

「大丈夫です。痛いのは最初だけですから」

 

 黒髪の姉妹はそう言うと妹が恐怖に竦む銀髪武闘家を取り押さえ、強引に足を開かせると、姉に対して秘部を突き出すように体位を変更。

 

「『まんぐり』でしたか?ご主人様は女性を抱くのがお好きですが、この体位が特にお好きなので、今のうちに慣れておいてください」

 

 両手にそれぞれ握る細い棒を揺らしながらそう言うと、その細い棒を濡れそぼった秘裂に差し込んだ。

 孫の手のように反り返っている先端が、男の一物に掘削された膣肉を掻き回していく。

 

「ぎぃ!?や、やめで……っ!いだ、痛い!痛いぃぃいい!!」

 

 ゴリゴリ、カリカリと音をたてて膣肉を抉られ、銀髪武闘家は鋭い痛みに喘いで身体を震わせるが、妹の拘束が強く、逃げ出すことができない。

 姉は黙々と彼女の膣肉を掻き回しながら棒を奥まで突っ込み、ピタリと閉じた子宮口を虐めるように、反り返った先端で摘んだり、引っ張ったり、くりくりと転がしてみたりと、様々な手で責め立てる。

 

「んぉぉ!?おぎっ!?ぎぃ……!ぉぉぉ゛……!」

 

 固く閉じていた子宮口が文字通り形を歪め、僅かにだが口を開いてしまう。

 未知の刺激に銀髪武闘家が意味を持たない悲鳴をあげていると、中に閉じ込めていた精液がその小さな出口から一気に吐き出され始める。

 姉は棒の先端に感じた僅かな(ぬめ)り気に微笑むと、「それでは、掻き出していきますよ」と告げた。

 くちゅくちゅと湿った音をたてて棒を操りながら、棒の先端で粘液(スライム)のように粘つく精液を摘み、外に排出させていく。

 

「ぉ……。ぎっ……!ぐぅ……!」

 

 胎内を好き勝手にほじくり回され、わざとらしく膣肉に精液を塗りたくるように棒を操る姉を、銀髪武闘家はどうにか気丈に睨むが、とうの彼女は気にする素振りも見せない。

 返事はただにこりと微笑み、Gスポットを思い切り掻き回すだけに留めた。

「んぉぉ!?」と突然背筋を駆け抜けた鋭い快感に野太い嬌声をあげると、姉は「ここがいいのですね」と浮かべた微笑みをそのままに、精液を塗りたくるようにGスポットを掻き続けた。

 

「ぉお゛!?ぎっ!や、やめへ……!気持ち悪い……!気持ち悪い、のにぃぃ……♡」

 

 嫌々と首を左右に振り回し、逃げようと身体を揺すって藻搔いているが、妹が「静かにお願いします」と告げ、ペチンと男の精液が溜まっている下腹部を叩いた。

 ごぼりと音をたてて子宮口から精液が溢れ、銀髪武闘家がその不快感に悲鳴をあげるが姉妹は楽しそうに笑い、目配せした。

 

「もっと素直になりましょう?ほら、カリカリカリ〜」

 

 姉は楽しそうに笑いながら二つの棒でGスポットを集中的に責め続け、妹は力強く下腹部を圧迫しながら揉み解し、腹筋越しに子宮を虐めにかかる。

 

「おぎっ!?ぉぐ!ぎぃ!やめて、カリカリ、ぐりぐり、やらぁ!」

 

「そんなこと言っていますが、ここは湿ってきましたよ。ほら、よく聞いてください」

 

 銀髪武闘家の制止を求める声に、姉は不敵な笑みと共にそう告げて、わざとらしく音をたてるように棒の動きを強めた。

 カリカリコリコリと肉を揉み解す音に、びちゃびちゃと確かな湿り気が帯び、見せつけるように引っ張り出された棒も精液とは別の湿り気を帯びている。

 その棒を指で拭い、纏わりついたぬちゃりと滑り気の強い液体を銀髪武闘家に見せつけ、ね?と得意げに笑いながら銀髪武闘家に告げた。

 

「ち、違っ……!か、感じてなんて、ない……!」

 

 そんな姉の笑みを銀髪武闘家は否定しようとするが、不意に妹が秘裂を撫でた瞬間、背筋を駆け抜けた淡い快感に「ん♡」と熱のこもった声を漏らしてしまい、ピクンと身体を揺らすと同時に顔を真っ赤にしてそっぽを向いた。

 

「これだけ湿っていれば、挿れても大丈夫そうですね」

 

 銀髪武闘家の態度とは裏腹に、濡れそぼる秘裂を撫でた姉は、ベッドの上に乱雑に置かれている調教道具の一つを手に取り、銀髪武闘家に見せつけた。

 一物に似せたであろうそれは、根本にある金属の持ち手部分以外は全て上等な革張りで、大きさは二人の主人である貴族の男の一物とだいたい同じか、少し小さい程度。

 

「これ、すごいんですよ?」

 

 姉は銀髪武闘家に見せつけながら、革張りの部分をちろりと舐めると、その内側から何かが革を突き破らんと暴れ始めた。

 柔らかく蠢き、表面が波打つそれは、果たしてなんなのか。

 カタカタと歯を鳴らして怯える銀髪武闘家に、姉は微笑みを向けながら告げた。

 

「幼体の粘液(スライム)を捕まえて、女性の体液を餌に育てたんです。唾液でもいいのですが、一番な大好物は──」

 

 姉は銀髪武闘家の秘裂を撫で、付着した愛液をそのスライム入りの張り子に塗った。

 瞬間、それは先ほどと段違いの食いつきを見せ、愛液を塗った一部分に粘液(スライム)が集まっているのか、張り子は歪に歪み、限界まで張り詰めた革がギチギチと軋む音をたてている。

 

「女性の愛液です。私たちのを使ってとっても美味しいって教え込んで、その後にこうして革を被せて閉じ込めて、必死に暴れないと飲めないってわからせたんですよ」

 

 大変でしたと嘆息した姉はそれを銀髪武闘家の秘裂に押し付けた。

 もぞもぞも蠢き、勝手に秘裂を撫で始める張り子に怯えた眼差しを向けた銀髪武闘家は「待って、やめて……っ」と消え入りそうな声音で懇願するが、姉はにこりと微笑み──。

 

「お楽しみください」

 

 ずりゅ!と湿った音を立てて秘部に叩き込まれた瞬間、銀髪武闘家はその異物感に悲鳴をあげるが、直後、革に染み込んだ愛液に触発された粘液(スライム)たちが騒ぎ出し、その全身を使って暴れ始め、彼女の膣内を蹂躙していく。

 

「ぉ──!?ぎっ!?ぃぃいいいい!?!な、なにこれ!?や、やら!抜いて、抜いてぇぇぇ!!」

 

 締め付けるヒダを革越しにスライムに舐め回され、Gスポットをゴリゴリと音を立てて抉られる。

 痛いほどの快感に目を見開き、身体を暴れさせる銀髪武闘家を冷たく見下ろした姉妹は彼女から離れると、せっせと何かの準備は始めた。

 

「ぉ゛!?おおぉ゛ぉぉお゛お!?抜いて!だ、誰か、たしゅけて……!」

 

 ビクン!ビクン!と腰を跳ねさせ、野太い嬌声をあげながら助けを求めるが、戻ってきた姉妹がもっていたのは同じく革製の腰帯(ベルト)だった。

 腰に巻くだけでないのかY字を描くそれは、極東における褌なるものにも似ている。

 

「な、なに、するつもりぃ!?ぃぃぃ!?」お!おぉ!?」

 

 じりじりと寄ってくる姉妹に恐怖しながら、胎内を蹂躙する粘液(スライム)が与える暴力的な快感に喘ぎ、腰を浮かせたまま悶え苦しむ。

 膣肉全体をペロペロと舐め回すように責められたかと思えば、もっと愛液を出せと急かすようにゴリゴリと膣肉を抉られ、子宮口を這い回る。

 かっと目を見開いたまま腰を浮かせ、その体勢のまま痙攣している様は滑稽としか言いようがない。

 姉妹はそんな暴れ回る彼女を力づくで押さえつけると、彼女の括れた腰に腰帯を巻き付け、張り子を固定するために増やされた一本を股の間に通し、張り子の持ち手部分に括り付けた。

 

「これで暴れても抜けませんね」

 

「ごゆっくりお楽しみくださいな。そろそろご主人様が浴を終える頃合いですので、また明日、お会いしましょう」

 

「……っ!?ま、待って!こ、これ抜いて……っ!んぉおおおお!?」

 

 姉妹の言葉に青ざめた銀髪武闘家の声を無視し、二人は足早と部屋を後にしてしまう。

 一人残された銀髪武闘家は喘ぎ声をあげながら、腰を振って張り子を抜こうと足掻くが、しっかりと固定されたそれは抜ける気配すらなく、動く度に僅かに角度が変わり、変化した刺激に嬌声をあげる。

 優しくねちっこく来たかと思えば、暴力的に激しく。どうすればより多くの愛液を啜れるのかを理解している粘液(スライム)は、まさに女泣かせの怪物だった。

 

「ぉぎ……っ♡あひゅ!?ぉお!?♡あへっ♡ま、まへ、止まって……っ♡イグ……っ♡イグゥゥゥゥゥゥ♡♡♡」

 

 断続的に与えられる快感についに銀髪武闘家の我慢の限界を超え、望まぬ絶頂へと押し上げられた。

 腰を浮かせて背中を弓なりにしならせつつ、両足が爪先までピンと伸びる。

 張り子と秘部の接合部から、粘液(スライム)が吸い切れなかった愛液が滴り落ち、ベッドシーツを濡らす。

 

「ぉ!?♡ま、待って!と、止まって……っ♡んぃぃいいいいい♡♡♡」

 

 銀髪武闘家は絶頂に喘ぎながら制止の声をあげるが、粘液(スライム)は止まらない。

 絶頂して強張りながら痙攣する膣肉に吸い付き、舐めまわし、敏感になった膣内を更に責め立てる。

 

「んぉお♡ぉぎっ♡イグ♡また、イグッ♡やら、もうイキたく、ないぃぃぃぃぃ♡!?♡♡」

 

 断続的に快感を与えられ、休む間もなく次の絶頂に押し上げられた銀髪武闘家はビクン!ビクン!と全身を跳ねさせ、接合部から大量の潮を噴き出した。

 

「ぉ゛♡ぉおお゛おおおお゛♡♡」

 

 陸に揚げられた魚のように、ベッドの上をのたうち回りながら絶えず絶頂する銀髪武闘家は、どうにか張り子を抜こうと縛られた両手をどうにかしようとするが、固く縛られた縄はその程度でどうにかなるものではなく、ギチギチと音をたてるばかり。

 

「おね、がぃ……!ぉほっ!?♡はず、れ、てぇ!!んぎぃ♡んぉおお♡♡」

 

 そうして縄を解こうと身体を揺すっていると、粘液(スライム)たちがまた騒ぎ始め、ゴリゴリカリカリと膣肉を抉りながら掻き回す。

 人間では決して与えることのできない快感に銀髪武闘家が悲鳴混じりに喘いでいると、不意に胎の中からビリッ!と何かが破れる音が漏れ出た。

 

「ほぇ……?」

 

 胎の中から聞こえた聞き馴染みのない音に銀髪武闘家が狼狽えた瞬間、ぬるりと冷たいものが膣肉を撫でた。

 ひっ!?と悲鳴を漏らした直後その冷たい何かは歓喜に打ち震えたかと思うと、一気に膨張して膣内を占領し、子宮口に吸い付いた。

 

「お゛!?」

 

 ぼごっ!と音を立てて下腹部が歪に膨らんだ銀髪武闘家が腰を浮かせて低い声を漏らすと、彼女の胎内を占める何か──甘露を求めて激しく動き回った結果、拘束具代わりの革を破いた粘液(スライム)が全身を使って一切の隙間なく膣肉を埋めると、ちゅうちゅうと音を立てヒダに吸い付き、扱き始める。

 

「きゅひ!?♡おへッ♡ぉ゛!?ぉおおおおお♡♡♡」

 

 その快感は、まさに拷問のようだった。

 粘液(スライム)の責めでただですら敏感なっていた膣肉全体を、ただ貪り食うように粘液(スライム)が蹂躙し、分泌される愛液を啜りあげていく。

 こうすればもっと出してくれる。ここを責めればもっと出ると、時をかけるほどに粘液(スライム)は学習し、彼女の膣を責めたて、自分好みの餌場に調教していく。

 

「イ、イグ……ッ♡イクッ♡イグゥゥゥゥウウウウ♡♡♡」

 

 ビクン!ビクン!と腰を跳ねさせ、白眼を剥きながら喘ぐ銀髪武闘家はそのまま絶頂に押し上げられるが、粘液(スライム)はその時に分泌される特に味の濃いものが好みなのか、もっと出せと言わんばかりに責め立てる。

 

「んぉお♡!?♡おぎ!?イグ!?♡まだ、イッてるのにぃ、イグゥゥウウ♡♡!!?♡おぉおぉぉおおおお♡♡」

 

 与えられる快感に、壊れた絡繰人形のようにベッドの上で腰を跳ねさせる。

 あへあへとだらしのない喘ぎ声を漏らしながら、見開いた目を閉じることも出来ずに涙を流し、開きっぱはなしの口の端からは唾液が垂れていた。

 

「イグ♡イクッ♡イクイクイクイグゥゥウウウウ♡♡♡」

 

 じゅるじゅると音を立てて愛液を舐めとられ、子宮口をコリコリと揉み解される度、銀髪武闘家は落ち着く間もなく絶頂を繰り返す。

 視界が点滅を繰り返し、カチカチと歯を鳴らしながら、それでも辛うじて意識を繋いでいたが、

 

「ぴっ──……」

 

 連続絶頂の回数が二桁に達した頃、銀髪武闘家はぐるりと白眼を剥き、全身を弛緩させてベッドに身を沈めた。

 だが、それでも粘液(スライム)は止まらない。身体が弛緩し、締め付けが弱まったのをいいことにより自由に動き始め、僅かに緩んだ子宮口から子宮内に侵入し、今度は内部を這い回り、一部を固くしてぐりぐりと子宮壁を押し込み、優しく掻き回す。

 

「〜〜〜っ!?♡♡♡──ーッ♡♡!……♡♡♡」

 

 想像を絶する快感に気絶したまま、反射的な反応を繰り返す銀髪武闘家を他所に、粘液(スライム)はただひたすらに彼女が溢れさせる愛液を啜り続けるのだった。

 

 

 

 

 

 翌朝、同所。

 

「あひっ♡おっ♡おへっ!?♡や、やめれ……っ♡ゴリゴリ、やらぁ!♡」

 

「駄目ですよ、動かないでください。粘液(スライム)を掻き出しているんですから」

 

「動いては駄目です。ほら、乳首コリコリ〜」

 

「んぉお♡そこ、関係、なぃいいいいいい♡♡♡」

 

 宣言通りに朝一に戻ってきた姉妹は、およそ半日粘液(スライム)責めされることになってしまった彼女を介抱(ちょうきょう)すべく、その手を尽くしていた。

 姉が秘裂に指を挿れて粘液(スライム)の分泌物と愛液を纏めて掻き出し、妹がコリコリと指の腹で乳首を捏ね回し、豊満な胸を鷲掴む。

 昨晩までの暴力的な快楽とは違う、ねちっこく責め立てる快感に身悶えしつつ、どうにか逃げようと縛られた手に力を入れるが、

 

「力を抜いてください。姉様の作業が捗りません」

 

 妹が淡々とした声音でそう告げて、何を思ってか銀髪武闘家の唇を奪った。

 くぐもった声を漏らし、驚倒に目を見開く彼女を他所に、妹は労うように優しく彼女の舌に自分の舌を絡め、舐め回していく。

 

「んちゅ。ちゅ。あむ……。ちゅ……」

 

「んんっ♡んぼっ……♡じゅる!んぉぉ……♡♡」

 

「ふふ。この()、キス上手でしょう?ほら、力抜けてきた」

 

 妹と銀髪武闘家の熱々のキスを見つめながら、朱色に染まった頬を撫でた姉は、無慈悲に粘液(スライム)の核を掴むと、一息で引っ張り出した。

 ずりゅりゅ!と湿った音を立てながら引き摺り出された粘液(スライム)は、せめてもの抵抗として銀髪武闘家の膣肉に吸い付き、子宮内を殴るような乱暴さで虐めると、

 

「〜〜〜っ♡♡♡!?!」

 

 銀髪武闘家は声にならない悲鳴をあげながら絶頂し、そのまま気絶してしまいそうになるが、妹は彼女の乳首を摘み、その痛みと快感で無理やり叩き起こす。

「ぴぃ!?♡」と甲高い嬌声を漏らしながら目を覚ました銀髪武闘家に笑みを向けながら、再び唇を奪って舌を絡ませ、キスを再開。

 くちゅくちゅと舌が絡み合う淫靡な音を漏らしながら、銀髪武闘家の表情から力が抜けていく。

 粘液(スライム)の悪あがきを無視し、それを回収した姉はそのまま粘液(スライム)を箱にしまうと、厳重に鍵をかけて封印。

 

「さて。昨晩は大変な目に合わせてしまい、申し訳ありませんでした」

 

 姉はそのままぺこりと頭を下げて謝意を述べると、「では、次です」と銀髪武闘家に告げた。

 

「一晩中、絶頂し続けてお疲れでしょう。なので──」

 

「これから一晩、絶対にイカせないので、ごゆっくりお休みください」

 

 姉の言葉を妹が引き継ぎ、満面の笑みを浮かべた。

 二人の言った意味が分からず困惑する銀髪武闘家は、その言葉の意味をすぐに理解させられることになる。

 妹が再びキスをすると共に胸を持ち上げるように揉み始め、カリカリと乳首を優しく掻き始める。

 

「んん!?♡んぅ……っ♡んちゅ♡じゅる♡んん♡」

 

 胸から広がる淡い快感に身悶えする銀髪武闘家だが、不意に姉の手が秘部に伸びたことに気付き、慌てて足を閉じようとするが、姉妹の手がそれぞれの足を掴んでそれを防いだ。

 そのまま強引に足を広げられ、姉の細く美しい指が秘部に入り込む。

 

「ん……っ♡」

 

 粘液(スライム)に比べればだいぶマシな異物感に声を漏らすと、姉はニコニコと微笑み、ビクビクと痙攣を繰り返す膣肉をゆっくりと優しく撫で始め、トントンとGスポットを叩く。

 

「んぎっ♡ぉ……♡んんっ♡」

 

「乳首カリカリカリ〜♡ああ、こうやってコネコネされる方が好きですか?」

 

「んぉぉ♡ほひっ♡あひゅ……ッ♡」

 

「ここをコリコリするとおまんこが痙攣します。気持ちいいんですね」

 

「あぁ……♡あひっ♡そこ、らめぇ……♡イクッ♡イ──」

 

「「はい、ストップです」」

 

「ぇ……?」

 

 姉妹の優しい責めに当てられ、カクカクと腰を揺らしながら喘いでいた銀髪武闘家が絶頂を迎えそうになった瞬間、姉妹は責めの手を止めた。

 心地よかった快感が途端になくなり、気の抜けた声を漏らす彼女に向け、姉妹は悪戯っぽい笑みを浮かべながら告げた。

 

「「今日一日、絶対にイカせませんから、ご安心を」」

 

「ぇ、ぁ、待って……っ!」

 

 そして、ようやく二人がしようとしていることを理解した銀髪武闘家が怯えた様子を見せるが、二人はそれを気にする様子もなく彼女に手を伸ばした。

 妹の手が乳房を鷲掴み、姉の手が秘裂と陰核を同時に責める。

 妹の手が少々荒っぽく乳首を引っ掻き、転がし、姉の繊細な責めが陰核を優しく転がし、膣肉を揉み解す。

 触れる度に充血し、ぷくりと膨らんで存在を主張する乳首を責め続け、逃さないと言わんばかりに締め付ける膣肉を強引に引き剥がし、彼女の急所を責め続ける。

 

「カリカリ。カリカリカリカリ!もっと触ってほしいですか?」

 

「ぐちゅぐちゅ。コリコリ。ぬちゅぬちゅ。もっと気持ちよくなりたいですか?」

 

「おひっ♡ぉ♡やめ、やめへ♡あへ♡ぁひ……♡ぉ……♡」

 

 耳元で囁かれる淫言により理性を溶かされ、カクカクと腰を揺らし、膣肉のみならず全身を痙攣させる銀髪武闘家は、そのまま絶頂に押し上げられそうになるが、

 

「「──でも、駄目です」」

 

 二人は阿吽の呼吸で責めの手を止め、それを阻止。

 数秒の休憩で絶頂間近、けれど多少の責めでは絶頂しないギリギリまで回復させると、再び責める。

 

「おぎっ!?♡ぉ……っほ♡イ──」

 

「「はい、駄目です」」

 

「んぇ……?んぉおおお♡♡ぎっ、ああああああああ♡♡」

 

「「イカせません」」

 

「──っ!ぎぃ!?♡」

 

「「駄目ですよ」」

 

 責める。止める。責める。止める。

 それを延々と繰り返し、ひたすらに銀髪武闘家を追い詰めていく。

 

「まだ陽は高いですから」

 

「たくさん、私達のご奉仕をお楽しみください」

 

「や、やらぁ……。だ、誰か、助けて……っ」

 

 わきわきと指を蠢かせながら言う姉妹に向けて、銀髪武闘家は涙ながらに許しを請うが、二人は構わずに責めを再開。

 銀髪武闘家の悲鳴混じりの嬌声は、二人の宣言通りに夜まで続くのだった。

 

 

 

 

 

 そして、その日の夜。

 

「さて、久しぶりだね」

 

 この屋敷の主人たる貴族が不敵な笑みを浮かべながら入室すると、ベッドの上で目を虚にしている銀髪武闘家と、そんな彼女から離れて恭しく一礼してくるメイド姉妹が出迎えた。

 姉妹はそのまま主人と銀髪武闘家を残して退室すると、貴族の男は格式ばった衣装を乱暴に脱ぎ捨てて下着姿になると、ベッドに腰を下ろした。

 ピクピクと痙攣し、涙を流す銀髪武闘家の髪を撫でてやり、そっと濡れそぼつ秘裂を撫でた。

 

「ひぅ……っ♡ぎぃ♡んぁぁぁ♡」

 

 それだけで過剰なまでの反応を示し、腰を震わせた銀髪武闘家は虚な瞳を貴族の男に向け、ふにゃりと気の抜けた笑みを浮かべながら告げた。

 

「おね、がい……します。イカせて、イカせて、くださぃ……っ!」

 

 涙ながらに懇願する彼女に向けて貴族の男は迷うように顎を摩り、「それがご主人様に対する態度か?」と問いを投げた。

 その言葉に銀髪武闘家は赤面しながら俯くところりと寝返りをうち、ベッドにシーツに両膝をつき、貴族の男に向けて安産型の臀部を突き出した。

 とろとろに蕩けた秘部を男に見せつけ、理性が溶けた恍惚の表情を浮かべながら告げた。

 

「私に、ご主人様の慈悲をください。ご主人様が満足するまで、私のおまんこ、使ってください……っ!」

 

「ふむ。まあ、及第点だな。私の愛をくれてやろう」

 

 彼女の言葉にどこか適当な言葉で返した貴族の男はパンツを脱いで一物を取り出すと、無慈悲に彼女の秘部を貫いた。

 ゴリュ!と鈍い音を立てて子宮を押し潰すほどに入り込んだ一物の感覚に銀髪武闘家はすぐに絶頂を迎え、接合部から大量の潮を噴く。

 

「ぉ゛……♡イ、イグ!?♡きたっ!気持ちいいの、きたぁああ♡♡」

 

 ビクン!と全身を跳ねさせ、快感に喘いだ銀髪武闘家を他所に、貴族の男は「うるさいぞ」と告げてペチン!と臀部を叩いた。

 赤い紅葉の後を残す程の力だが、銀髪武闘家は「きゅひぃ♡♡」と恍惚の声を漏らし、ピュッピュッと潮を噴く。

 

「痛い!?痛いのに、気持ちいいれすぅ♡♡あは♡あはは♡わたひ、おかしかなっちゃった〜♡」

 

「おかしくなってしまえ。可愛い可愛い、私の奴隷」

 

「えへ。えへへ。はい、私はご主人様の奴隷でしゅ♡だから、もっと気持ちよくしてくらさぃぃ!♡」

 

 姉妹の調教で人としての尊厳も破壊され、貴族の男に奉仕することが全ての仕込まれてしまった彼女に、男の言葉を否定する選択肢はない。

 

「そうか。では、まずは私の世継ぎでも孕んでもらおうか」

 

「はい!産みます!何人でも、何十人でも、産みます!!」

 

「そんなにいると遺産相続で問題が起こるだろうが、間抜け」

 

「きゅひぃ!?ま、また叩かれた♡痛いのに気持ちいッ♡イク♡お尻叩かれて、イクゥゥウウウウ♡♡♡」

 

 男は笑う。都合のいい、ただ世継ぎを産ませるだけの奴隷が手に入ったと。

 女は笑う。男に仕えられる喜びに。

 銀髪の女奴隷の嬌声は一晩中消えることはなく、静かな屋敷に響き続けた。

 そして翌年。貴族の男に世継ぎが産まれたとして、都の舞踏会の酒の肴になることを、知る由もなかった──。

 

 

 

 




感想、リクエスト等ありましたら、よろしくお願いします。


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Memory?? 素晴らしい終焉を ※

リクエストから。
ヒロインは銀髪武闘家。
ラスボスに敗北し、洗脳されたログハンに陵辱される。


 全ては神々の振るう骰の目次第。

 ふとした力加減か、あるいは角度。もしくは投げた時機(タイミング)によって、結果は二転三転することだろう。

 これは、本来なら出ない時、出てはならない時に限って姿を現した蛇の目(ファンブル)の結果の物語だ。

 

 

 

 

 

 全ての決着は、その瞬間に決まった。

 かつて来たりし者が振るったエデンの剣の一閃と、そこから放たれた一条の雷光がローグハンターと銀髪武闘家の二人を吹き飛ばす。

 全身を駆け抜けた激痛と痺れに悲鳴をあげ、冷たい床に叩きつけられた二人に、もう立ち上がる気力も残されていない。

 がぼりと血を吐き、連戦に次ぐ連戦で肉体的に、かつて来たりし者の策略で精神的にも力尽き、そのまま床に倒れたまま気絶したローグハンター。

 立ちあがろうと床に手をつくが、力が入らずにもがくばかりで、それでもかつて来たりし者を睨みつける銀髪武闘家。

 そんな無様な二人を冷たく見下ろしたかつて来たりし者は憫笑を浮かべ、高すぎる天井のそのまた向こう、この決戦を見守っている神々を見上げた。

 

『これでこの世界は私のもの。もちろん、彼も──』

 

 詩を紡ぐように謳われた勝利宣言に、天上から負け惜しみの声が聞こえた気がするが、どうせ神々にこの状況をどうこうする術はないのだ。あのまま吠えさせておけ。

 かつて来たりし者は視線をローグハンターに戻すと、同時に嘲笑うように彼と、彼を守るように抱き寄せる銀髪武闘家を見下ろした。

 二人揃って満身創痍。ローグハンターに至っては既に限界を迎えて気絶している。仲間達が救援にくるなんて都合のいいこともない。

 なのに銀髪武闘家はまだ諦めていない。まだ勝ち目があると信じて疑っていない。

 

『本当、人間って愚かな生き物よね』

 

 そんな彼女を嘲笑いながらそう告げると、どうやって彼女を追い詰めようかとほんの一瞬思慮し、そしてすぐに決めた。

 自分はローグハンターを手に入れたい。

 彼女はローグハンターと一緒にいたい。

 この作戦ならどちらにとっても利益しかない、まさにwin-winの関係になれる。何よりローグハンターも喜ぶだろう。

 かつて来たりし者は再びエデンの剣を振るい、出力を絞りながら解き放った雷光で銀髪武闘家の体を打ち抜き、その意識を刈り取った。

 カツカツとヒールの音を響かせながら、ローグハンターに覆い被さる形で倒れた銀髪武闘家を足で退かし、彼の額にエデンの剣の鋒を押し付け、脳に直接エネルギーを流し込んだ。

 

 

 

 

 

 目を覚ました銀髪武闘家の目に飛び込んできたのは、無機質な部屋の天井だった。

 光源と思しき、光る幾何学模様が天井だけでなく壁にも走り回り、四畳程の部屋を隅から隅まで照らしている。

 

「……ここ、は?」

 

 その部屋の中央に寝かされていた銀髪武闘家は体を起こし、鉛のように重く、切り刻まれるような痛みを絶えず感じる頭を振って意識を研ぎ澄ませようとするが、不意に感じた違和感に視線を落とした。

 飛び込んでくるのは武器や鎧を全て没収され、両腕や太腿を露出させる程度には布面積の狭い鎧下(インナー)姿の自分だった。

 自分はあの女神に敗れ、そのまま捕虜になってしまったのだろうことは、すぐに察することができた。

 だが鎖で拘束されているわけでも、手足の腱を削がれているわけでもない。脱出する機会(チャンス)ならあるだろう。

 問題は、部屋に窓も扉も見当たらないことだが。

 

「どうしよう。いや、彼はどこ……?」

 

 顎な手をやり、どうするかを思慮しようとする銀髪武闘家だが、それよりもローグハンターへの心配が勝ったのか、彼を探して部屋を見渡すが、やはりこの部屋にいるのは自分一人。

 不安と嫌な予感に冷や汗を流す中、どこかに出口か、あるいは脱出の手掛かりはないかと改めて観察しようとした瞬間、ガコン!と音を立てて天井が開いた。

 

「え!?な、なに!?」

 

 突然の事態に狼狽え、困惑する銀髪武闘家だが、開いた天井の奥から何かが落下してきている事に気づき、表情を引き締めると共に素早くその場を飛び退いた。

 直後、彼女がいた場所にその何かが固い音を立てて見事に着地。

 同時に、銀髪武闘家は目を見開き、安堵の息を吐いた。

 着地の衝撃で揺れるのは、初雪のように白い髪。

 僅かに垂れる前髪の隙間から覗くのは、夜空を思わせる蒼い瞳。

 きつく結ばれた口元には大きな傷跡が残り、見るものを威圧する。

 だが、銀髪武闘家にとっては髪色以外は馴染み深いものであり、それらを見て感じるのは安堵のみだ。

 

「よかった、無事だったんだね!」

 

 銀髪武闘家は笑みを浮かべてその何者か──装備を剥がされたのか、上半身裸のローグハンターに駆け寄ると、彼は無言でゆらりと立ち上がる。

 

「……?ねぇ、どうしたの?」

 

 普段の彼ならこちらの無事を喜び、向こうも迎え入れるように抱擁の体勢を作りそうなものだが、今回はそれらを一切する様子がない。

 不意に感じた違和感に立ち止まり、小首を傾げる銀髪武闘家を他所に、ローグハンターはその蒼い瞳を──怪しげな金色の光片に犯された瞳を彼女に向けた。

 直後、銀髪武闘家が感じのは猛烈なまでの敵意だった。身構えてももう遅い。音を置き去りにして踏み込み、肉薄した彼はそのまま彼女の首を掴み、背中から壁に叩きつけ、そのまま持ち上げる。

 

「っ……!?ぐっ、ぁ……!ぐ、ぐるじ……っ!な、なにするの、はなじで……!」

 

 気管が締まり、うまく息ができない状況になりつつも、彼女はローグハンターに呼びかけるが、彼は一切力を抜くことなく彼女の首を締め上げる。

 息ができない。視界が霞む。このままでは死ぬ!

 ローグハンターに殺される。彼女の理性はこの状況を否定しても、冒険者としての本能が肉体を躍動させた。

 ドクン!と心臓の鼓動が跳ね上がり、頭の中でガチリと何かが嵌まる音がした。

 消えかけていた意識の中で最後の力を振り絞り、ローグハンターの腕を殴りつけて骨を砕いた。

 彼は思わぬ反撃と痛みに驚いたのか、眉間に皺を寄せながら彼女を離し、間合いを開ける。

 

「げほっ!げほっ!はぁ、はぁ……。な、何するのよ、いきなり!」

 

 ようやく解放された銀髪武闘家は首を押さえながら何度も咳き込み、呼吸を整えながらローグハンターに問いかけるが、彼は歪に曲がった腕に意識を集中させるばかりで何も答えない。

「無視しないでよ!」と声を荒げる彼女を他所に、彼はほんの一瞬力んだかと思うと腕を閃光が包み込み、ゴキゴキと骨が軋む異音を立てて元の形を取り戻していく。

 そして十秒もしないうちに骨折を癒した彼は、より一層強い敵意を込めた瞳を彼女に向け、歪に握った拳をゆらりと構えた。

 

 ──あんな構え知らない。もしかして、何かに操られてる?

 

 同時に湧き上がる更なる違和感。彼は基本的に脱力したまま自然体で構えることが多い。そもそもあんな気味の悪い拳の握り方などしない。

 自分に向ける敵意といい、謎の構えといい、何かしらの催眠か魔術の類で操られているとしか思えない。

 ならば、

 

「思いっきり殴るけど、怒らないでね……!」

 

 さっきのやり返しも兼ねて、一回気絶させる。そうすれば術者が様子を見に来るかもしれないし、正気に戻った彼と脱出の算段を練れるかもしれない。

 念の為の気遣いの言葉を告げながら構えた瞬間、ローグハンターの姿が掻き消えた。

 

「え……?」

 

 彼女が間の抜けた声を漏らした瞬間、凄まじい衝撃が鳩尾を打ち据えた。

 かはっ!と肺の空気を吐きながら体をくの字に曲げた銀髪武闘家が見たのは、いつの間にか自分の懐に入り、鳩尾に拳をめり込ませたローグハンターの姿だった。

 そして彼は腰を捻って拳を振りかぶり、ギチリと肉と骨が軋む音が漏れるほどに力が込められる。

 

 ──あ、やば……ッ!

 

 銀髪武闘家が防御を固める寸前、彼の拳が彼女の顔面に向けて放たれた。

 それでも流石は銀等級冒険者といったところか。寸前に身を捩って直撃は避けたが、不運にも顎を掠めてしまい、凄まじい衝撃と共に頭を揺すられた。

 

「あ……」

 

 途端に人体を容易く破壊しうる強靭な四肢から力が抜け、その場で崩れ落ちてしまう。

 

「がっ……。ぅ……!ぃ……!」

 

 手足に力が入らない。立ち上がれないと踠く銀髪武闘家を感情を感じられない瞳で見下ろすと、その場に膝をついて彼女と視線を合わせた。

 普段なら優しさと愛情が混同し、他人には決して見せない色を孕む瞳からは何も感じない。

 いや、感じるものといえば残酷なまでの侮蔑と、こちらを欲望の捌け口としか見ていないゴブリンや野盗をそれと酷似している。

 いや、まさか、あり得ないと霞む意識の中で否定しようとするが、ローグハンターは何かの命令に応じる絡繰人形のように機会的な手つきで彼女の鎧下(インナー)に手をかけると、そのまま力任せに引きちぎった。

 

「きゃ!?な、なにするの……!や、やめ──」

 

 ビリビリと繊維が裂ける音をたて、裸に剥かれていく中で、銀髪武闘家は辛うじて動いた手でローグハンターの頬を叩くと、彼はほんの一瞬その手を止めるが、返答代わりの拳を再び彼女の腹部に打ち込んだ。

 

「がっ!?」

 

 鎧下を脱がされ、鍛え抜かれた腹筋を晒していた腹部に拳がめり込み、内臓を押し潰す。

 その圧迫感と激痛に喘ぎ、今度こそ力尽きた銀髪武闘家が全身を弛緩させると、ローグハンターはそのまま辛うじて残っていた布地を引き裂き、せめてもの慈悲として残っていた下着さえも剥ぎ取られ、今度こそ生まれたままの姿にしてしまう。

 そんな筋肉質ではあるが柔らかな曲線を描く彼女の肢体を前に、ローグハンターは蒼い瞳に情欲の炎を揺らすと、脚衣(ズボン)とパンツをまとめて降ろし、萎えた状態の一物を取り出した。

「ぇ……?」と消えかけた意識の中、小さく困惑の声を漏らした銀髪武闘家がその萎えた一物を見つめていると、不意に彼の体を稲妻が駆け抜けた。

 金色の残滓を放つそれは、かつて来たりし者が何かしらの細工をした証拠だろう。現に彼の一物は瞬く間に勃起し、普段の二回りほど大きく、太く、固く、その存在を銀髪武闘家に見せつけた。

 彼はそのまま半ば気絶状態で倒れている彼女の股を開き、亀頭を秘裂に当てた。

 

「……っ!?ま、待って……!駄目、今は──」

 

 そこで、ようやく彼の意図を察した銀髪武闘家が逃げようと身を捩るが、ローグハンターは彼女の腰を掴んで無理やり固定し、亀頭を僅かに秘裂に押し込み、そして、無慈悲に腰を突き出した。

 ぼこりと下腹部が一物の形に盛り上がり、子宮諸共に内臓を押し上げる。

 

「が!?ぎっ!痛っ……!痛い!?さ、裂ける!裂けちゃう!!」

 

 ピタリと閉じていた秘部をローグハンターの剛直が貫き、ミチミチと肉が裂けるような音が漏れる。

 文字通り体が引き裂かれる痛みに悲鳴をあげ、堪えきれずに涙を流す銀髪武闘家だが、ローグハンターは構う様子を見せない。

 潤滑油もなく、締め付けてくる膣肉をただ力任せに振り払うように腰を振る。

 一物のカリが飛び出るほどに腰を引き、一気に根元まで押し込む抽送運動を繰り返し、膣肉を掘削するように力任せに腰を叩きつけ続ける。

 

「ぅぎ!?ぇぐ!?まっで!やめて……!」

 

 一物が子宮口を押し上げ、秘部を蹂躙する度に銀髪武闘家は悲鳴をあげて制止を呼びかけるが、彼は止まる気配を見せない。

 抽送する度に膣肉が悲鳴をあげ、どうにか動きを止めようと締め付けを強めるが、ローグハンターは止まらない。

 彼が動き、体を揺すられる度に豊満な胸が揺れ、視覚的にも彼を愉しませる中、ローグハンターはそんな胸を鷲掴んで力任せに握りしめる。

 柔らかな乳房が形を歪め、彼の指を優しく受け止めるが、銀髪武闘家に快感はない。

 僅かに立てられた爪が食い込み、力強い指が肉を摘む。ようは掴まれた胸のあちこちから激痛を与えられ、再び悲鳴をあげた。

 

「痛い……!痛い、痛い痛い!!やだ、離して!やめてぇ!!」

 

 首を左右に振り回し、涙と汗を辺りに振り撒くが、ローグハンターは彼女の行動に鬱陶しそうに目を細め、黙らせるようにその頰を叩いた。

 ペチン!ペチン!と乾いた音と、痛みに喘ぐ銀髪武闘家の悲鳴が部屋に響き、少しずつ彼女の声には怯えと恐怖の色が強くなっていく。

 

「痛い!ひぅ!やめて、やだぁ……!あぅ!ぶたないで、痛くしないでぇ……」

 

 悲鳴も啜り泣く弱々しいものへと変わり、頬を赤く腫らして目から大粒の涙を流しながら自分を守るように体を抱き締めると、ぼそりと彼の愛称を口にした。

 ぎゅっと目を瞑り、このまま目を背けてされるがままになろうと決め、痛みに耐えるべく歯を食い縛った彼女の頬に、何か温かい水滴が落ちた。

 それも一滴だけではない。ニ滴、三滴とその数を増やしていき、腫れた頬を優しく撫でていく。

 銀髪武闘家はゆっくりと目を開けると、同時に驚愕に目を見開いた。

 無表情で感情を感じさせなかった蒼い瞳にほんの僅かに感情が宿り、こちらを心配するように見下ろし、同時にこの状況を察して罪悪感に呑まれて涙を流している。

 

「ジル……?」

 

 今なら、説得できるのではと一縷の頼みに賭けた銀髪武闘家が声をかけると、彼はそっと彼女の頰を撫でて彼女の涙をそっと拭うが、次の瞬間には再び瞳から意志が消え、人形のような無表情へと戻ってしまう。

 そのまま頰を撫でていた手で彼女の頰を叩き、窒息しない程度に首を絞めながら抽送運動を再開。

 

「いぎ!?っ……!くっ……!ぅううう!!」

 

 子供の腕ほどある一物が胎内を蹂躙する異物感と圧迫感に悲鳴をあげていた銀髪武闘家だが、今度は口を噤んで呻き声を漏らすのみに留めた。

 そのまま彼を睨むように見上げつつ、ほんの一瞬の隙をついて彼の背に手を回し、抱きしめてやる。

 

「大、丈夫……。私は気にしてないから、泣かないで……」

 

 首を絞められ、文字通り生殺与奪の権利を握られながらも、それでも彼女は笑って彼に赦しの言葉を投げた。

 彼の中にはまだ彼がいる。そうわかれば、折れかけた心を奮い立たせるなど造作もない。

 同時に相手が本当の意味で彼だと理解した為か、秘部は少しずつ愛液の分泌を始め、乾いた摩擦音ばかりだった接合部の音に湿り気が帯び始めた。

 

「んっ……♡私は、平気だから……!もっと、乱暴にしても、いいよ?」

 

 痛みばかりだった刺激のほんの僅かな快感が混ざり始め、彼女にも余裕が生まれ始めると、ローグハンターは──正確には彼を操る者がほんの一瞬狼狽えた様子を見せた。

 だがすぐにやり方を変えるという結論に至ったのか、ローグハンターはエラ張るカリでゴリゴリと膣肉を抉りながら、彼が知る彼女の急所を責め立てるように小刻みな抽送を繰り返す。

 

「んぎっ……♡おっ♡そこ、気持ちッ♡おひっ、あひゅ……♡」

 

 ゴリゴリと音を立ててGスポットを擦られ、絶え間なく与えられる痺れるような快感に喘ぎ、カクカクと腰を揺らしながら喘ぐ。

 ローグハンターはそんな彼女を冷たく見下ろすと、不意に一物を抜いて彼女を自由にすると、寝返りを打たせてうつ伏せにさせた。

 そのまま腰を浮かせて臀部を突き出すように動かすと、再び一物を根元まで挿入。

 子宮を殴りつけられる快感と衝撃に「んぉお!?♡」と野太い嬌声をあげた彼女を他所に、何度も腰を打ちつけて抽送運動を繰り返しながら、そっと人差し指を彼女の肛門に添え、一息に根元まで差し込んだ。

 

「ぎ!?ジ、ジル……!?そっちは、違っ……!」

 

 腸内に感じる異物感に呻き、振り向き様にそう告げる銀髪武闘家だが、ローグハンターが空いているもう片方の手で陰核を摘んだのを合図に再び嬌声をあげた。

 そのまま腰を振って一物を抽送しつつ、人差し指で肛門をほじくり回し、陰核をこねくり回す。

 三つの異なる刺激と快感に視界を点滅させながら喘ぐ銀髪武闘家は、そのまま耐えることもできずに絶頂を迎え、強張った身体をぶるりと震わせた。

 だが、ローグハンターは止まらない。むしろそれぞれの動きを一層激しくさせ、絶頂を迎えた彼女を更に責め立てた。

 

「おひ♡まっへ、イグ♡イっでる!♡やめへ、お尻でもイグ♡初めてなのに、指でぐりぐりされて、イグゥゥウウ♡♡♡」

 

 再びの絶頂。だが止まらない。

 

「イグ♡おっほ♡イグ♡お尻イグ♡おまんこも、またイク♡クリトリスコリコリされて、イクゥゥ♡♡」

 

 更に絶頂。ローグハンターは止まらない。

 

「んぃぃぃいいいいい♡♡やめれ!休ませて……!イグ♡イッグゥ♡おほ♡あへッ♡」

 

 銀髪武闘家は喘ぎながら懇願するが、彼には一切届くことはなく、彼の責めは終わらない。

 絶頂し、絶頂し、更に絶頂し続ける。ビクビクと身体は痙攣を続け、秘裂からはぷしゅぷしゅと音を立てて潮が噴き出す。

 無論、ローグハンターは止まらない。

 三点の責めを緩めず、むしろより一層強い責めを行いながら、機械的に彼女を責め立てる。

 絶頂する度に膣肉が引き締まり、痙攣し、少しずつ彼の方も限界を迎えつつある中で、彼は両手の指で肛門と陰核を責め立てる。

 抽送に合わせて指を出し入れし、時には指先で一物を感覚を確かめるように腸壁の押し込みながら、ピンと勃った陰核を指で転がす。

 

「ほひっ♡ぉ……♡あひっ♡お゛──……♡」

 

 そして連続絶頂が二桁に到達した頃、銀髪武闘家はぐるりと白眼をついて気を失った。

 それでも止まらないローグハンターの責めは続き、身体は反射的にピクピクと反応を繰り返す中、彼はついに限界を迎えて低く唸った。

 尿道を溶けた鉄のように熱くものが駆け上がり、鈴口から一気に吐き出される。

 

「──ッ♡……!♡〜〜〜♡♡♡」

 

 どろりとした精液が子宮に注ぎ込まれ、気絶したまま快感に打ち震える中、ローグハンターは吐精が終わると共に一物を引き抜くと肛門から指を抜き、陰核から手を離した。

 そのまま彼女から距離を取れば、ごぼりと音を立てて秘裂から大量の精液が溢れ出した。

 粘つくそれは糸を引きながら床に垂れていくのを見届けもせず、身なりを整えたローグハンターは独りでに開いた壁の穴の奥へと消えていき、同時に壁が閉まる。

 一人部屋に残され、快感に震えている銀髪武闘家は薄く開いていた瞳で彼を見送ると、そのまま下腹部に感じる心地よい温もりに目を閉じた。

 このまま上手いこと彼と接触していれば、いつか正気に戻せるかもしれない。だから、これは仕方ないのだ。

 彼女は自分にそう言い聞かせ、そのまま意識を暗闇に沈めて眠りに落ちるのだった。

 

 

 

 

 

 それからというもの、銀髪武闘家にとっての娯楽とはつまりローグハンターとの交わりだった。

 決まった時間に食事は与えられる。寝るのは自由。拷問の類いをされることもない、退屈な日々。

 だが不意に天井が開いたかと思えばローグハンターが部屋に降り立ち、銀髪武闘家を抱き潰す。

 下腹部が膨らむ程に精を吐き出された日もあった。

 ひたすら肛門を責められる日もあった。

 時には、意味もなく殴られ続けるだけの日もあった。

 だが、それでも彼の名を呼べば彼は涙を流したり、ほんの一瞬笑ったりと、何かしらの反応を返してくれた。それだけで彼女の心は救われた。そして、少しずつ笑ったり泣いたりする時間が増えていることにも、余計に心が救われていた。

 

「じりゅ!ジル♡好き!大好き♡だから、もっと一緒にいて♡ずっとずっと、一緒にいて♡」

 

 壁に手をつき、臀部を突き出す体位を取らされた銀髪武闘家は、秘部を一物で貫かれ、肛門を親指でほじられながら、彼への想いを口にしていた。

 ローグハンターもその声に興奮しているのか、僅かに息を乱しながら腰を振り、その日何度目かの吐精を行い、子宮を占める精液を上塗りしていく。

 

「んぉぉ♡で、出てる……♡ジルのせーし、いっぱいだされてりゅ♡」

 

 吐精の感触に絶頂し、口をだらしなく半開きにしながら恍惚の表情を浮かべる銀髪武闘家を見下ろしながら、ローグハンターは吐精を終えた一物を引き抜いた。

 カリが敏感になった膣肉を掻き回す快感に「んひっ♡」と嬌声を漏らした銀髪武闘家だが、肛門に何かを当てられた感覚に目を見開き、僅かに振り向く。

 そこには臀部の肉をかき分け、亀頭を押し当てられる肛門があった。

 

「あ……」

 

 銀髪武闘家が顔を漏らし、逃げようと腰を動かそうとした頃にはもう遅い。

 彼は無慈悲に腰を突き出し、そのまま肛門に一物を突っ込んだ。

 

「おご!?げっ……!?ぁ……ぎっ……!?」

 

 今までは指でほじるまでだった。なのにいきなり一物をぶち込まれた肛門はギチギチと裂けるような悲鳴をあげ、危険信号でもある激痛を銀髪武闘家に伝えるが、

 

「あへっ♡痛いのに、気持ちいぃ♡私、変態になっちゃった〜♡」

 

 彼女の脳はそれを快感に変換し、彼女の理性を破壊した。

 彼女は恍惚の表情を浮かべたまま、自分から腰を振って一物を抽送してやると、ローグハンターも動き出して腰を打ち据える。

 じゅぼじゅぼと湿り気を帯びた摩擦音を漏らしながら何度も何度も肛門に一物を押し込み、カリで腸壁を虐めるように掻き回す。

 

「おぎ……♡さす、がに、ちょっとくるじぃ、がも……!」

 

 内臓を直接掻き回される感覚に苦悶の声を漏らす銀髪武闘家だが、与えられる快感は本物のようで、一物で貫かれる度にビクンビクンと臀部が跳ね、接合部からは腸液が滲み出る。

 そして腸壁はうねるように一物を扱きあげ、ローグハンターも未知の快感に眉間に皺を寄せると、そのまま我慢することなく射精を行った。

 どろりと|粘液『スライム》めいた精液が腸内に直接注がれた銀髪武闘家もまた未知の感触に目を回す中、ローグハンターは吐精が終わるとさっさと一物を抜いてしまい、身なりを整えると部屋を後にしてしまった。

 静かな部屋に一人残された銀髪武闘家は壁に手をついたまま床に膝をつくと、ぶびゅる♡と音を立てて肛門から精液を吐き出した。

 

「あひゅ♡あへっ♡気持ちッ♡せーし、だすの、きもちいぃ♡♡」

 

 肛門から精液を吐き出す感触に快感を覚え、半開きの口から唾液を垂らしながら喘ぐ銀髪武闘家は、そのまましばらく快感の余韻に浸るように壁に手をついたまま、動くことはなかった。

 

 

 

 

 

『やっぱり、人間は愚かね』

 

 かつて来たりし者は、部屋の壁に投影される映像──銀髪武闘家の独房の監視映像を汚物を見るように見ながら、無機質な玉座に頬杖をついた。

 目の前の欲望にばかり忠実で、大局を見ようともしない。

 従者のように脇に控える無表情のローグハンターに目を向け、パチン!と指を鳴らす。

 直後、彼の瞳に感情が戻ると共に突然涙を流し始め、更に指を鳴らすと柔らかく笑い始める。

 

『泣いたり、笑わせたりするなんて、簡単なことじゃない』

 

 やはり、人間とは愚かだ。

 流した涙が偽りのものであるなど、浮かべた笑顔が貼り付けた仮面であることにも、気づかない。

 そして何よりも、彼女を抱きに行かせるのは彼への報酬──街や国など、滅ぼしたものの大きさによって時間を増減させている──であることにも気づいていない。

 人間には、三代欲求と呼ばれるものがある。

 一つ目は食欲。二つ目は睡眠欲。そして三つ目が性欲だ。

 食欲と睡眠欲はどうでもなるが、性欲の解消は少々面倒だ。別に攫ってきた女を使ってもいいが、何事にも相性というものがある。

 何よりローグハンターの記憶を調べた限り、銀髪武闘家は「彼と一緒ならどこにでも行く」らしい。彼を自分の元まで送迎し、それまで面倒を見てくれた分の報酬を与えても問題あるまい。

 もっとも、そのせいで世界は破滅に向かっているのだが。

 

『まあ、どうでもいいことね。いいわよ、さっさと発散してきなさい』

 

 かつて来たりし者は、先日とある国を破滅させたローグハンターにそう告げると、彼は恭しく一礼してから玉座の間を後にした。

 

『──まったく、人間って愚かよね』

 

 不意に漏らした独白が、彼女の口から漏れていた。

 

 

 

 

 

 そんな事を知る由もない銀髪武闘家は、天井が開いたのを合図にぱっと表情を明るくさせた。

 同時にローグハンターが床に降り立つと、彼に向けて足を開き、びしょびしょに濡れた秘裂を彼に見せつける。

 最近部屋に顔を出してくれず、ついに我慢できずに自分で慰める日々に続いていた中で、ようやく彼が来てくれたのだ。

 

「ジル、早く頂戴♡私のこと、滅茶苦茶にしてぇ♡♡」

 

 見せつけるように秘裂を指で開き、客を誘う娼婦のように艶やかな笑みを浮かべながらそう告げると、ローグハンターは笑みを浮かべながらこくりと頷いた。

 銀髪武闘家はその笑顔に満面の笑みで返すと、ローグハンターは欲望のままに──そして主人の指示通りに彼女に襲いかかり、その肢体を貪った。

 その晩、部屋から漏れる彼女の嬌声が止まることはなく、世界から悲鳴が消えることもない。

 こうして世界滅亡の歯車の一つにされる自覚もないままに、哀れな冒険者はゆっくりと、世界は急激に破壊されていく。

 万が一、彼女の胎に新たな命が宿った時、それは四方世界の子供なのか、あるいはかつて来たりし者の眷属の子供か。それはローグハンターにも銀髪武闘家にもわからない。

 だが、子供が産まれるよりも早く世界は滅びる。

 それだけは確実な事実として理解してきるかつて来たりし者は、ローグハンターに笑みを浮かべさせ、銀髪武闘家の唇を奪わせたのだった。

 

 

 




感想、リクエスト等ありましたら、よろしくお願いします。


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Memory?? 愛妻調教記

リクエストから。
ヒロインは銀髪武闘家(シルヴィア)ログハン(ジブリール)による寸止め調教。
時期はエピローグ頃を想定しています。


 ローグハンターことジブリールには、悩みがあった。

 別に辺境を困らせる野盗(ローグ)がいるとか、任されている新米冒険者に問題児がいるとか、そういったものではない。

 むしろ世界の命運には何の関わりもない程に細やかで、けれど何よりも幸せな、くだらない悩み事であることは確かだ。

 それを悩むのは決まって自宅のベッドの上。子供達が寝静まり、最愛の妻と二人きりになれる至福の時間。

 そして、そんな時間にその悩みというのは湧いてくる。

 

「あへっ……♡ぉ……♡──……!!♡」

 

 彼の目の前には、秘部から大量の白濁液を吐き出しながら身体を痙攣させ、恍惚の表情で半分気絶状態の妻、シルヴィアがいた。

 ベッドに両の手足を投げ出し、だらしなく開いた口から舌と唾液を溢しながら、蕩けきった瞳で虚空を見つめている。

 対するジブリールはそんな妻の様子に困り顔になり、ぽりぽりと頰を掻いていた。

 結婚し、妊娠、出産を機に冒険者を引退した彼女と自分では、やはり体力に差ができ始めてしまっているようだ。

 いや、それ以前の問題として、

 

「流石に敏感すぎないか?」

 

 ジブリールは相変わらずの困惑顔で苦笑しながら問いかけた。

 もちろん、今の彼女に返答する余裕などあるわけがなく、体を痙攣させながら意味を持たない喘ぎ声を漏らすばかり。

 これは誰が悪いという話ではなく、単に全て偶然が重なった結果だ。

 一つ目の偶然は、身体の相性が抜群に良すぎたこと。

 二つ目はただですら相性がいいというのに、そこから何度も身体を重ねることで、何年もかけて無自覚のうちに彼女の身体は調教されていったこと。

 そして三つ目が、調教されながらも普段通りの振る舞いができてしまう程度には、強靭な肉体を持って生まれてきたこと。

 そんな偶然が重なった結果、ジブリールが弱点へとなってしまったのだ。

 ジブリールが三度射精するまでに十数回の絶頂を繰り返し、脱水を心配する程度には発汗が激しかったり、潮を噴いたりと、シーツには大きな染みが着いてしまっている。

 目の前の惨状に小さく唸るジブリールは、ふとあることを思いついた。

 責めれば責めるだけイッてしまうのなら、逆に我慢させてみればいいのでは?

 何より絶頂に悲鳴をあげる彼女も見ていて退屈しないが、絶頂を我慢する彼女の顔というもの見てみたい。まだ見たことがない彼女を、見てみたい。

 

「……まあ、次の機会でいいか」

 

 だがしかし、今晩は駄目だ。限界を迎えてしまっている彼女を責め立てたところで、我慢も何もないだろう。

 今晩は自分が我慢しようと言い聞かせ、まだ物足りなそうな己の分身を落ち着かせる。

 そのままざっと自分とシルヴィアの身を清めると、そのまま彼女を抱き枕にして眠りについた。

 

 

 

 

 

 そんなジブリールの誓いから三日。ようやくその日は訪れた。

 寝室にいるのはジブリールとシルヴィアの二人のみ。子供達は子供部屋で眠りこけっているので、問題はない。

 

「シル、少しいいか」

 

「ん?なーに、どうかした?」

 

 そんなベッドの上。夫婦だけの時間を楽しむように、ベッドの上で胡座をかいて座っているジブリールの膝の上に座るシルヴィアは、彼に寄りかかりながら疑問符を浮かべた。

 ジブリールは窓から差し込む月明かりに照らされ、幻想的に輝く妻の髪を撫でながら、「少し、試してみたいことがあるんだが」と前振りをした上で言う。

 

「?別にいいけど、何を──」

 

 改まった様子で言うジブリールの様子にシルヴィアは首を傾げ、一旦彼の膝から降りて彼の方に向き直ると、彼女も知覚できない速度で両手を縛られた。

 

「──ふぇ……!?」

 

 冒険者を引退して早5年。たまにジブリールと組み手をして腕が鈍らないように努めてはいるものの、やはり前線に立ち続けるジブリールには及ばない。

 彼女が驚倒の声を漏らしたのとほぼ同時にジブリールは彼女を押し倒し、縛り上げた両手を頭の上に持っていき、そのままベッドの骨組みに縛りつける。

 

「……!?」

 

 突然縛られた挙句、拘束される事態になったシルヴィアが目を見開いて困惑する中、ジブリールはそんな彼女を見下ろしながら微笑んだ。

 そんな彼の微笑みに、頬を引き攣らせながらどうにか笑みを返したシルヴィアは、「な、何のつもり?」と問いを投げた。

 そんな質問に対してジブリールは『何言ってんだこいつ』と言わんばかりに彼女を見下ろしながら、あやすように絹のように柔らかい髪を撫でた。

 

「いや、試してみたいことがあるって言った筈だが」

 

「んふ〜♪じゃない!確かにいいよって言ったけど、何で縛るのさ!?」

 

 彼に撫でられる心地よさに不満顔が一瞬解けるが、すぐに表情を引き締めて彼を真意を問うが、相変わらず彼は首を傾げたままだ。

 

「暴れないためと、逃がさないためだが」

 

「ほ、本当に何するつもりなの?」

 

 あまりにも変わらない彼の様子に、流石に不気味さが勝ってきたシルヴィアがどうにか拘束を解こうと腕を動かす中、ジブリールは髪を撫でていた手でそのまま頰を撫で、首を撫で、寝巻き越しに胸元を指先で撫でた。

 

「んっ……。ちょっと!擽ったいよ……っ!んふっ、ふふ……っ!」

 

 指先が僅かに触れる程度の力加減で、ゆっくりと胸元や腹を撫でる彼の指使いに僅かに声を漏らしたシルヴィアが笑いを堪える中、ジブリールは寝巻きの裾に手をかけた。

 そのまま一気に豊満な胸が露出するまで捲り上げると、飾り気のない意匠(デザイン)のブラジャーが姿を現す。

 いきなり服を脱がされたシルヴィアは顔を真っ赤にさせて羞恥に震えるが、ジブリールは構うことなく脚衣(ズボン)も膝の辺りまで下ろし、ショーツを露出させた。

 

「ほ、本当に何するつもり!?ま、マンネリとかいうのを感じたとか!?」

 

「どこでそんな言葉を覚えてきたのかはわからないが、そういう訳じゃない」

 

 シルヴィアの当てずっぽうの推理を軽く受け流しつつ、だいぶ薄くなったとはいえいまだに筋肉の筋が残る腹を優しく揉み解し、下腹部を──正確には子宮の真上をグリグリと圧迫する。

 

「んっ……♡ぉ……♡そこ、ぐりぐり、きもちっ……♡」

 

 腹筋の上から子宮を押されているにも関わらず、小さく喘ぎながら身悶えするシルヴィアの様子に苦笑したジブリールは、そっとブラジャーを剥ぎ取って豊満な胸を露出させた。

 妊娠と出産、そして育児など、冒険とは無縁の生活を送る中で一回り大きくなりつつも、重力に負けじと上を向いている乳房をじっと見つめながら、その先端で黒ずんでいる乳首を視姦する。

 

「やだ……っ。見られてる!ジルに見られちゃってる……っ♡」

 

 ジブリールにただ見られているだけだというのに、シルヴィアは喜色を孕んだ声で頰を赤く染めていると、その興奮を示すように乳首が勃起し始める。

 触れてもいないのに興奮するとはと、僅かに驚く様子を見せるジブリールは、そっと胸を鷲掴んだ。

 指がどこまでも沈んでいきそうな柔らかさを堪能するように指を蠢かせながら、按摩するように指圧を強めて胸の肉を強めに押し込む。

 

「ひぅ……♡んんっ♡うぅ……♡」

 

 ぐにぐにと指の動きと力加減に合わせて豊満な胸が形を歪め、その度にシルヴィアは小さく身体を震わせて小さな嬌声を漏らす。

 

「気持ちよさそうだな」

 

「んっ♡うんっ♡なんか、いつもより優しくて、気持ちいい♡」

 

「いつもは乱暴みたいな言い方だな」

 

「やめてって言っても、やめないくせに」

 

「それは、そうだな」

 

 もみもみと愛する妻の胸の手触りを楽しみながら投げかけた言葉に、割と辛辣な言葉を投げられたジブリールがほんの一瞬手を止めるが、反論代わりに乳首を軽く摘んでやった。

 

「んぉお!?♡ま、ジル♡急に、抓んじゃ、待っ──……っ!!♡」

 

 按摩されるような心地よい快感から、電流が流れたような強い快感にすり替わり、強くなった快感に嬌声をあげるシルヴィアだが、ジブリールは気にしない。

 指で乳首を抓んだままこりこりと指の腹で転がしてやり、もう片方の乳首をそっと口に含んだ。

 そのままちゅうちゅうと音を立てて吸い上げながら、何かを促すように舌で転がしてやれば、シルヴィアは「ひぃやぁぁあああッ♡♡♡」と甲高い嬌声をあげながら身体を仰け反らせる。

 そんな彼女の反応を気にする素振りも見せないジブリールは、黙々と片手で乳首をこねくり回し、もう片方の乳首を吸い上げる。

 

「んにぃ……ッ♡ジル、待って!出ちゃうっ♡おっぱい出ちゃうからぁ♡♡」

 

 子供のそれとは段違いの力で乳首を吸い上げられ、もう出ないと思っていた母乳が胸の中を登っていく感覚にシルヴィアは悶えつつ、期待するようにジブリールを見つめた。

 彼女の視線を感じながら乳首を苛めていたジブリールもまた、そんな期待に応えるように笑みを溢しながら、僅かに歯を立ててあむあむと乳首を甘噛み、早く出せと言わんばかりに刺激を強める。

 

「んぉお゛♡♡これ、ヤバッ♡痛いのに、きもちいッ♡くるッ♡でりゅ♡おっぱい出しながら、イッ──♡」

 

 そして噴乳と同時に絶頂を迎えそうになった瞬間、ジブリールは手を離すと共に彼女の胸から顔を離した。

 

「んぇ……?」

 

 快感が途端になくなり、目の前まで来ていた絶頂と噴乳がその名残だけを残して遠くなっていく。

 じんわりと広がっていく快感に身を震わせつつ、疑問符を浮かべながらジブリールを見つめると、彼は苦笑混じりに労るように優しく胸を揉み始めた。

 先程の鋭い快感とは違う、相手に安心と心地よさを与える按摩のような手つきに絶頂感も落ち着いていき、けれど身体の奥底では爆発できなかった快感が燻っている。

 安心できるような、物足りないような、何とも形容し難い感覚。

 もじもじと太腿を擦り合わせ、物欲しそうに潤んだ瞳をジブリールに向けるが、彼は構わずに優しく胸を揉んできている。

 手の動きに合わせて豊満な胸がぐにぐにと形を歪め、奥に引っ込んでいった母乳がまた登ってくるが、それがわかっているかのようにジブリールは手を止めた。

 

「ぉ……♡んっ♡ジル、なんか、変な感じする……」

 

「我慢してくれ。でも、気持ちいいだろう?」

 

「ん……」

 

 揉まれ、止まり、また揉まれ、また止まりを繰り返す中、シルヴィアは胸の中で燻りっぱなしの快感の波に不快そうにしつつも、ジブリールの言葉にこくりと頷いた。

 何かはわからないが、彼には何か考えがあるようだ。よほど変なことでもなければ、付き合ってやろうではないか。

 夫婦として、そして冒険者の相棒としても全幅の信頼を寄せるジブリールに対し、シルヴィアは素直すぎる──悪く言えば停止しているともいう──思考を巡らせ、一度深呼吸をした。

 既に両手を縛られた挙句、上半身はほぼ裸にされている状況にも関わらず、まだ彼の言う通りにしようとする事に、彼女自身とジブリールは何の疑問も抱いていない。

 もしこれが逆でもジブリールは彼女にされるがままになるだろうし、後日仕返しとして同じことを何倍かにしてやり返すし、される側もそれを無抵抗に受け入れる。二人の愛情はそんな少々歪なものなのだ。

 

「んっ……♡あっ……♡ジル、なんか、焦ったい……っ♡」

 

 それでも、流石にこの状況に関しては多少の文句はあるというもの。

 気持ちいいし、心地よさもあるし、不快感もないのだが、物足りない。

 胸を揉まれる度に小さな喘ぎ声を漏らし、身悶えするシルヴィアは、だが絶頂を迎えることはなく体を震わせてた。

 その様子を見下ろしていたジブリールはふむと小さく唸ると、そっと彼女のショーツに目を向けた。

 縦筋に合わせて湿り気を帯び、小さな染みができているそこは、彼女がいかに興奮し、感じていたを彼に教えてくれた。

 彼がそっとショーツ越しに秘裂を撫でると、シルヴィアは痺れるような快感に嬌声を漏らしながら腰を浮かせた。

 

「ひぅ……♡んんっ♡そこ、気持ち……っ♡んぉぉ……♡」

 

 コリコリと乳首をこねくり回しながら、さすさすと秘裂を撫で回す。

 その度にシルヴィアは腰を揺らし、快感に身悶えするが、それ以上の快感を与えることはない。

 ジブリールはそのまま濡れて秘裂に張り付いたショーツを退かし、そのまま秘部に指を差し込んだ。

 

「んぎっ♡ぉ……♡入って、きたぁ……♡」

 

「指だけ、だけどな」

 

 胎内に入り込む異物感と、途端に広がる多幸感に表情を蕩けさせる中、ジブリールは苦笑混じりにそう告げて指を曲げ、締め付けてくる膣肉を優しく掻いてやった。

 

「んぁ♡んぎっ……♡んぉぉ……♡♡」

 

 指に吸い付いてくるヒダを撫でまわし、尿道を掻くように押し上げてやれば、シルヴィアは蕩けた瞳を見開いて快感に喘ぐ。

 

「そこ、ぐりぐりやめへ……♡ぉほっ♡まへ、待って!お、おしっこ出ちゃう、からぁ♡」

 

 ぐちゅぐちゅと湿った音をたてながら、膣肉をかき回す度にシルヴィアは嬌声をあげ、尿道を刺激されたせいでもようしてきた尿意を口にすると、ジブリールは素直に責めをやめて指を抜いた。

 

「ん……?ま、また……」

 

 途端になくなった快感に困惑し、切なげな声を漏らす。

 身体を小刻みに痙攣させて悶えるシルヴィアは、訳もわからずジブリールを見るが、彼もまた何やら嗜虐的な笑みを浮かべて再び秘部に指を入れ、膣肉を掻き回す。

 彼の指が膣肉を掻き回し、彼女の性感帯を断続的に刺激し続ける中で、シルヴィアはその快感に悶え、嬌声をあげる。

 膣肉が痙攣を繰り返し、分泌する愛液の量も増え、粘り気も増してくる中、ジブリールは嗜虐的な笑みを浮かべて彼女の表情を注視する。

 

「んぃぃいい♡!また、くちゅくちゅされて……♡待って、ジル!イクッ!イッちゃう……!♡おしっこ出しながら、イ──」

 

「ストップだ」

 

 そして絶頂に至る直前に手を止めた。

 シルヴィアが乱れた呼吸を繰り返して快感の余韻に喘ぎ、表情に強い困惑を浮かべる中、ジブリールは「限界まで我慢しろ」と告げて、再び秘部に指を押し込み、ざらついた膣肉の一部──ようはGスポットを強めに指圧し始める。

 指先でグリグリとGスポットを押し込み、ゆっくりと掻いてやりながら、ジブリールはシルヴィアの耳元に顔を寄せた。

 

「ほら。ここがいいだろう?指を動かす度にぐちゃぐちゃはしたない音をたてて、恥ずかしくないのか?」

 

「んぉぉ!?♡ジル、待って、これ、駄目……っ♡」

 

 耳元で愛する夫の声で囁かれたシルヴィアの体は必要以上に火照り始め、ビクビクと全身が痙攣を繰り返した。

 

「いいや、やめない。一緒に陰核も抓んでやる。ほら、こりこりってな」

 

「んぎぃ♡!?まっで♡ほぉ゛♡♡!?まへ、おまめ、こりこり、やめれぇ〜!?♡おまんこ、ぐちゅぐちゅしないれッ♡」

 

「気持ちいいか?気持ちいいよな?中も外もこりこりされて、すぐにイっちゃうんだろ?」

 

「イク!今度こそ、イクっ♡♡そのまま、もっと気持ちよくしてぇ♡♡♡おほっ♡ちんぽ挿れられてないのに、指だけでイッちゃうぅぅううう♡♡♡」

 

「駄目だ」

 

 そして今日一番の刺激に絶頂を迎える間際に、ジブリールが冒険をする時のような冷たい声音でそう告げ、指の動きを止めた。

 途端になくなる快感。そしてジブリールの冷たい声音にシルヴィアは困惑し、混乱したまま彼の顔色を伺った。

 

「ぇ……?ぁ、なん、で……?何か、あった……?」

 

 今日は訓練所も休みで、一日家でのんびりしていた。何か彼の機嫌を損ねるような出来事はなかったし、何なら子供達と遊んでご機嫌だった筈だ。

 何かの拍子に知らずのうちに彼に何かしてしまった、ということもない筈だ。

 

「……?別に何もないぞ。ただ、やってみたいことがあっただけだ」

 

 そんな怖がっているように見えるシルヴィアを安心させるように微笑んだジブリールは、そっと彼女の頰を撫でた。

 心地良さそうに目を細め、彼の手に擦り寄るシルヴィアだが、その彼の『やってみたいこと』がいまいちわからずに困惑するばかり。

 

「あの、そのやってみたいことって、なに?」

 

「ん?ああ、まあ簡単なことだ」

 

 流石に説明するべきかと唸ったジブリールは、そっと彼女の秘部から指を抜くと、そのまま愛液に濡れた指で腹筋越しに子宮を優しく押した。

 子宮を揉みほぐされ、「んぉお♡!?」と野太い嬌声をあげるシルヴィアに対して、ジブリールは嗜虐の色が強い笑みを浮かべながら告げた。

 

「一回限界まで『おあずけ』したら、どうなるのか気になってな」

 

「……ぇ」

 

「まあ、とりあえず今晩は絶対にイかせないから、そのつもりで頼む」

 

「え。ちょっと、待っ──」

 

「じゃ、やるぞ〜」

 

 ようやく今晩の行動の真意を知ったシルヴィアはすぐさま制止の声をあげるが、ジブリールは一切聞く耳を持たずに嗜虐の笑みを強めた。

 

「ジル!本当に待って!?だ、誰の入れ知恵!?」

 

「?いや、この前、気絶したお前を見たたら思いついた」

 

「っ!?」

 

 せめてそんなジブリールを唆した犯人を探そうとするが、まさかの本人の思いつきという事実を突きつけられて言葉を失った瞬間、ジブリールは再び彼女の秘部に指をいれ、優しく膣肉を掻き回した。

 

「んぃぃいい♡ジルッ!待って!んんっ♡んんん〜〜♡♡」

 

 指がGスポットを撫で、指先でヒダを掻かれる度にシルヴィアは喘ぎ、背中を弓形にしならせて快感を逃がそうとするが、彼の手で調教をされ尽くした彼女の肉体はその程度で快感を逃がせるわけもなく、理性を焼く鋭い快感が絶え間なく襲いかかってくる。

 膣肉が絶え間なく痙攣させながら大量の愛液を分泌させ、指が動く度に掻き出されてびちゃびちゃと音をたててシーツの上に飛び散っていく。

 

「んおぉぉお゛♡じりゅ!じりゅ♡まへ、やめて……っ♡イクッ!♡」

 

「駄目だって。次は胸を弄ってやる」

 

 そして、それが彼女が絶頂を迎える合図である事をよく知っているジブリールは指の動きを止め、愛液に包まれた指で乳首を転がし、コーティングしていく。

 

「んにゅう!?♡また、おっぱいぃ♡んぁ!?さっき引っ込んだのに、また出そう……にっ♡」

 

「じゃあ駄目だな。もっと根本の方を弄るか」

 

 ジブリールは乳首を弄るだけで絶頂してしまいそうなシルヴィアに淡々とした声音でそう告げると、胸と脇の付け根のあたり──俗に言うスペンス乳線の辺りを集中的に指圧し始めた。

 グッ!と力強く押し込みながら、脇から胸の輪郭をなぞるように指圧し、時には指を揺らして異なる刺激も与えてやる。

 

「んぎっ♡おっ♡な、なにこれ……♡胸、触ってないのに、気持ちッ♡」

 

「この前見せてもらった本に、女のここら辺にも性感帯があるって書いてあったんだが、本当なんだな」

 

「ほぉ♡ぎっ♡そんな、本……っ!誰に見せてもらったのよ!?んぎぃ♡んおぉぉおお♡♡」

 

 コリコリと音をたてて乳線を按摩されるシルヴィアはほんの一瞬語気を強めて強気の姿勢を見せるが、すぐにビクビクと全身を痙攣させ、乳首から白い液体を──母乳をじんわりと滲ませながら恍惚の表情を浮かべた。

 やりすぎたか、イッてしまったかと不安になるジブリールだが、この際どっちでもいいかと開き直り、ピンと勃った乳首の周りを、乳輪を指でなぞり、意識をそちらに向けさせた。

 

「んぇ……?ぉ゛♡んぎっ♡はっ♡はへっ♡ジル、じりゅ!お願い、乳首、触ってぇ♡ひぃ♡さっきみたいに、コリコリしてぇ♡♡」

 

 蕩けた瞳、蕩けた声でジブリールに媚びるが、彼は笑いながらそれを受け流し、そっと乳首に舌を這わせた。

 僅かに感じる甘みと、生暖かさの液体の感覚。これを子供たちは一時期独占していたのかと、ほんの僅かに後ろ暗い感情が渦巻く。

 そのまま赤子がするように乳首に吸い付き、ちゅ〜!と音をたてて吸い上げれば、口内に大量の母乳が流れ込み、喉の渇きを癒してくれる。

 

「ぉぎ♡の、飲まれてりゃ♡ジルに、おっぱい飲まれて、イ──」

 

「おっと、流石にやりすぎたな」

 

「んんん……!ジル!イかさてっ!お願い、ちゃんとイかせてよぉ!!」

 

 そしてそれを堪能したい欲望をぐっと抑え、絶頂する前に顔を離した瞬間、シルヴィアが不快感に唸りながら、涙ながらに懇願してくる。

 じたばたも足を振り回し、手の拘束を解こうと暴れる姿は、普段の慈愛に満ちた母親としての顔でも、凛とした冒険者としての顔でもない。

 ただ優位を取られ、食させるのを待つ哀れな獲物でしかない。

 全身に珠のような汗を浮かべ、目から大粒の涙を流し、乳首から若干の母乳を滲ませ、股ぐらを愛液でびしょびしょに濡らした姿が、ジブリールの視線を釘付けにする。

 

「────ッ!!」

 

 ぞくりと、背筋が震えた。

 シルヴィアが涙を流す姿に興奮したのか、あるいは必死になって懇願してくる姿に欲情したのか、全身に鳥肌が立つほどに背筋が震えた。

 

「……?ジル?」

 

 突然固まったジブリールを、はあはあと肩で息をしながら見つめていたシルヴィアが首を傾げると、彼はゆっくりと唇の端を吊り上げて三日月を描くと、すっと鋭く目を細めた。

 その笑みはシルヴィアでさえも見たことがないほどに邪悪でありながら、どうしようもない程の愛情を孕んだ不気味な瞳だった。

 

 ──あ、これ駄目なやつだ。

 

 見たことがないとはいえ、それでも今の彼が危険な状態でいることと、縛られた自分には抵抗の術がないことを理解できたシルヴィアが乾いた笑みを浮かべると、ジブリールは彼女に手を伸ばした。

 

 

 

 

 

 

 ギシギシとベッドが軋む音と、シルヴィアの苦悶の声が支配する寝室。

 

「んぎっ♡ぉ……♡お゛!?♡じ、ジル!?♡だ、駄目!イクッ!イクッ!──!?な、なんれ、もっと強くして、もっと滅茶苦茶にしてよぉ!!」

 

「駄目だ。駄目に決まってる。ああもう、お前はどんな顔しても綺麗だな」

 

 シルヴィアの秘部に左右の手の人差し指を差し込んだジブリールが、優しく膣肉を揉みほぐしながらそんな事を宣うと、途端に動きを速めて膣肉を掻き回す。

 

「んぉぉぉおおおお!?♡そこ、そこっ!もっと、グリグリぐちゃぐちゃにしてぇ♡♡♡イク!イグ!♡お願い、このまま……!もぅ、なんれ!イかせて、イかせてぇ!!」

 

 けれど、絶対にいかせない。恥も外聞も投げ捨て、なんなら唯一自由な足を使ってジブリールを蹴り倒さんばかりの威圧をもってシルヴィアは怒鳴るが、ジブリールはそんな彼女の姿にさえも興奮したように笑い、更に限界を責めるべく再び指の動きを激しくさせる。

 何度も絶頂直前まで押し上げられ、その度におあずけをもらっている膣肉は限界まで敏感になっており、僅かに動くだけでも腰が跳ねるほどの快感をシルヴィアに与えていた。

 彼女は与えられる快感のままにガクガクと腰を揺らし、野太い嬌声をあげ、体を仰け反らしながら口を半開きにし、見開いた目から涙を流す。

 

「イ……けない!♡んぉお゛♡気持ちいいのに、イけないぃいいい!!」

 

 首を左右に振り回し、銀色の髪を揺らしながら吠えるシルヴィアに、ジブリールはただ愉快そうに笑って責め続ける。

 シルヴィアの懇願の声は一晩中止まる事はなく、騒がしい夜は更けていった。

 

 

 

 

 

 それから数時間。双子も月も姿を隠し、気持ちのいい朝日が窓から差し込む早朝。

 ベッドの上では物欲しそうな視線で虚空を見つめるシルヴィアが、汗と愛液に塗れた裸体を惜しげもなく晒していた。

 

「ぉ……♡ぃ……♡ジル、ジルゥ!!お願い、イかせてぇ♡一回だけでいいから、お願いぃ……」

 

 シルヴィアは掠れた声でジブリールに最後の懇願をするが、肝心の彼は疲れた様子で一晩中酷使することになった手を労るのに夢中であり、ほとんど聞いていない。

 むうと不満げに唸った彼女は、不意に手の拘束が緩んでいることに気づき、慌てて手首を暴れさせて縛っていた布──傷が残らないよう、柔らかい素材のもの──を解いた。

 

「よ、よし……!」

 

 手さえ自由になれば、あとは自分で慰めるだけだ。ジブリールも彼女が抜け出したことに気づいたようだが、反応が致命的に遅れてしまっている。

 そして、そのまま彼女の手が秘裂に触れようとした間際、バン!と音をたてて寝室の扉が開いた。

 

「おとーさん!おかーさん!おはよ〜!!」

 

 元気いっぱいの笑顔を浮かべて部屋に突入してきたのは、ジブリール一家の長女、アイリスだ。

 母親譲りの銀色の髪を窓から差し込む朝日で照らし、若干の寝ぼけ眼のまま二人に朝の挨拶をするが、

 

「んぇ?」

 

 シルヴィアはシーツを被って頭だけ出し、ジブリールはバツが悪そうに目を泳がさる。

 あまり見たことがない両親の反応に首を傾げるアイリスだが、まあいいかとすぐに笑みを浮かべて母親に向けて突撃。

 

「おか〜さん!」

 

「きゃあ!?」

 

 シーツ越しに愛娘の体当たりをくらったシルヴィアは悲鳴をあげるが、アイリスはそんなものお構いなしにシーツの中に入り込み、そして再び首を傾げた。

 

「おかーさん、なんではだかなの?」

 

「え!?あ、えと、ちょっと熱くて」

 

「ふ〜ん。……ん?」

 

 アイリスの問いかけにシルヴィアが適当に誤魔化すと、少女はふと違和感を感じてシルヴィアの胸に顔を埋めた。

 敏感になりすぎた胸への刺激に「んっ……♡」と嬌声を噛み殺したシルヴィアと、慌てて剥がそうとするジブリールの様子にも気づかず、アイリスは花に誘われる虫のように、甘い香りに釣られてシルヴィアの乳首に顔を寄せると、

 

「はむ!」

 

 そっとそこを甘噛みした。

 

「んぃ!?♡」

 

 シルヴィアは体を仰け反らせて快感に喘ぐのも他所に、ちゅうちゅうと音をたてて母乳を吸い上げ、飴玉をそうするようにちろちろと舐め回す。

 

「んっ……♡リ、リース。だめ、待って!本当に、今は──」

 

 子供の悪戯。普段なら笑って受け流すか、むしろ甘やかすところだが、今のシルヴィアはその普段の状態から大きくかけ離れている。

 数時間にも及ぶおあずけにより、限界まで焦らされた肉体は、本来なら快感を感じない筈の刺激にも過敏に反応し、そして、

 

「イクッ!ぅぅううううう♡♡♡」

 

 絶頂を迎えてしまった。

 ビクン!と一際強く身体を跳ねさせたかと思えば思い切り仰け反り、プシュプシュと音を立てて秘裂から大量の潮を噴き出す。

 それでもアイリスを落とさないようにぎゅっと抱きしめたのは、母親の意地というものか。

 

「……?……??」

 

 突撃奇声を発っした母親に抱きしめられるアイリスは訳もわからず困惑し、されるがままになる中、ジブリールはそっとアイリスを回収し、シルヴィアを見ないように自分の胸に顔を埋めさせ、それとなく耳を塞いでやる。

 

「ぉ゛……♡ほっ……♡イ、イッちゃったぁ♡リースにおっぱい吸われて、イかされちゃったぁ♡♡えへ、えへへ。ふへへ♡♡」

 

 背後から聞こえる壊れたような声を無視し、一旦アイリスを連れて寝室から脱出。

 隣の子供部屋で寝ぼけ眼でベッドの上に座っていたウイルクの隣に座らせ、「このまま二度寝しよう。お母さんは調子が悪いみたいだからな」と誤魔化すように笑いながら二人に言う。

 二人は訳もわからずに首を傾げるが、父親に急かされるがままベッドに横たわり、彼の話すおとぎ話を子守唄に再び眠りに落ちる。

 なお、隣の部屋では、

 

「イクッ♡イグ!♡ゆ、指とまんにゃいのぉ♡♡えへへ、私、リースにイかされちゃう変態になっちゃった〜♡でも、指止められないのぉ♡ごめんね、リース、ウィル♡お母さん、変態になっちゃった〜♡♡♡」

 

 シルヴィアは壊れた笑みを浮かべたまま、自慰行為に耽っていた。

 この後戻ってきたジブリールの手で完膚なきまでに抱き潰され、一周回って普段の優しい母親としての彼女に戻ったのは、昼を過ごし過ぎた頃。

 ジブリールによるおあずけプレイは、この日をもって禁止指定をされることに、ジブリールも否を言う方はできなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




感想、リクエスト等ありましたら、よろしくお願いします。


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Memory?? 闇夜に響く嬌声 ①

リクエストから。
ヒロインは妖精弓手、女武闘家、女魔術師。
今回は妖精弓手編。

とある夜。野盗に捕えられた三人は陵辱(?)される(なお、野盗は蒼い瞳の白髪の男性)。



 双子の月も厚い雲に覆われ、月光が大地を照らすことはない。

 鬱蒼と茂る森はその暗さはより一層強め、一寸先も見えない暗闇と静寂が周囲を包んでいた。

 そんな闇のなか煌々と燃える焚き火だけが、獣たちも寝静まる森の中に誰か人がいることの証明だった。

 だが問題があるとすれば、それに照らされる三つの人影が縛りあげられた状態で木に吊るされていることと、もう一つの人影が頭巾の下で多少疲労した様子で笑みを浮かべていることだろう。

 両手を後ろ手で縛られ、そのまま木に吊り下げられる三人は、それぞれ目の前で呑気に焚き火に当たっている野盗を睨みつけ、口々に毒を吐いていた。

 

「いい加減降ろしなさいよ!」

 

「この縄を解きなさい!その頭、蹴り砕いてやるッ!」

 

「む〜!むぅ〜!!」

 

 妖精弓手がその柳眉を逆立てて声を荒げ、女武闘家が縛られた足を振って野盗を蹴り殺さんとするが、数歩分間合いが足りない。

 そして呪文使い(スペルキャスター)である女魔術師は不意な魔術を封じる為、猿轡まで嚙まされていた。

 三人の殺意まじりの視線に居心地悪そうに目を背けた野盗は、はぁと小さく溜め息を吐いて頰を掻いた。

 

「辱めるなら私だけにしなさい!この()たちには手を出さないで!」

 

「「「……っ!?」」」

 

 そんな野盗に向け、妖精弓手が怒りに震えて顔を赤くしながらそう怒鳴りつけると、野盗を含めた三人が驚倒に目を見開いて彼女に視線を集中させた。

 

「え、今回ってそういう趣旨なの……?」

 

「んぐ……。んぅ……?」

 

 女武闘家が困惑し、女魔術師もまた首を傾げ、揃って野盗に目を向けると、彼はなにそれ知らんと言わんばかりに首を横に振った。

 

「やるならやりなさよ!私はどうなったって構わないわ!!」

 

 そんな三人の困惑と狼狽など知ったことではないと言わんばかりに、妖精弓手は語気を強めながら野盗に向けて言う。

 親の仇の如く野盗を睨み、威嚇するように歯を剥き出しにする様は、どことなく猫を思わせ、迫力というものに欠けている。

 野盗は肩を竦め、小さく息を吐きながら妖精弓手に近づくと、そっと彼女の耳元に顔を寄せて何言か呟いた。

 

「ば!?ちが!そんなつもりじゃ……!」

 

 女魔術師と女武闘家には聞こえず、野盗と妖精弓手の間でのみ行われたやり取りは、顔を耳まで真っ赤にした妖精弓手の狼狽の声で締めくくられた。

 二人が何事と驚く中、野盗は頭巾の下でほくそ笑みながら妖精弓手の顎を掴み、無理やり顔を上げさせ、互いの顔を向き合わせた。

 

「あ……」

 

 鼻先が触れ合いそうな程の至近距離。妖精弓手は僅かに照れたように頬を朱色に染め、小さく声を漏らした瞬間、野盗はそっと彼女の唇を奪った。

 

「んん!?」

 

「「な……!?」」

 

 野盗と乾燥してがさついた唇と、妖精弓手の瑞々しい唇が触れ合い、彼女はぎょっと目を見開いた。

 女武闘家と女魔術師も驚愕の声を漏らすが、野盗はそんな事構うことなく、彼女の唇の柔らかさを楽しむように何度も口付けを落とし、リップ音を何度も鳴らす。

 

「ちゅ……♡んちゅ……♡ちょ、ちょっと、待っ──んぐ!?」

 

 何度も何度も口付けをされる妖精弓手が、何とか合間に制止の声を漏らすが、野盗はその隙に僅かに開いた隙間に舌を差し込んだ。

 ぬるりと彼の舌が妖精弓手の口腔に滑り込み、舌先がさわさわと歯茎や歯の裏を優しく舐める。

 

「んん!?んぐ……っ!んちゅ♡んぁ……♡じゅる……!」

 

 昂った蛇のように二人の舌は絡み合い、互いの唾液を交換しあいながら、野盗は彼女の反応を楽しむように舌を嬲りつつ、片手は彼女の狩人衣装の中に滑り込ませ、相変わらず下着を着けていない彼女の真っ平な胸に触れた。

 身悶えしつつ、困惑の声を漏らす彼女を他所に、野盗は頭巾の下で蒼い瞳を嗜虐的に細めつつ、ピンと指先で乳首を弾いた。

 

「〜〜〜♡♡」

 

 乳首から電撃が走るような衝撃に妖精弓手は体を仰け反らせ、野盗の胃に嬌声を吐き出した。

 野盗はそのまま彼女の嬌声を飲み込みつつ、逃げないように腰を抱いて密着させながら、コリコリと硬くなった乳首を指で転がし続ける。

 

「……っ♡ちゅ……♡んぁ……♡そこ、駄目だって……!あんたのせいで、敏感に……ッ♡」

 

「……なら下着を着けろ。変態森人(エルフ)

 

「な!?だ、誰が変態よ……!」

 

「お前だ」

 

 野盗はどこか親しみと、それ以上の慕情をこめた声音でそう告げると、ぱくりと笹葉のように長い耳を頬張った。

 

「ひっ!?」

 

 ぬるりと生温かい感触に耳を包み込まれた妖精弓手が絞り出すような小さい悲鳴を漏らすと、野盗は優しく甘噛みをしながら耳を舐めまわす。

 

「ぁ……♡ちょ!?だ、駄目だから……!流石に汚いって……!」

 

「捕虜なんだから黙ってろ」

 

 頭を振って逃げようとする妖精弓手の頭を押さえ、耳元でドスの効いた低い声音でそう告げた瞬間、彼女はぞくりと背筋を震わせた。

 

「そう、そのままだ。抵抗するな。逃げようともするな。そのまま大人しくしていれば、乱暴はしない」

 

 野盗が耳元で囁く。森人(エルフ)の優れた聴覚は舌の動く湿った音や、言葉と共に吐き出される吐息の音さえも拾い上げ、彼女に欲情を誘った。

 

「あ……ひぅ……!耳、駄目……聞こえすぎ、て……っ♡」

 

森人(エルフ)の耳も、考えものだな」

 

 ただ声をかけるだけで身悶えし、快感に悶える彼女の姿を嘲るように笑った野盗は、顎に手をやってそんな事を呟き、ふっと耳に息を吹きかけた。

 

「ひん!?」

 

 突然の強い刺激にビクン!と肩を跳ねさせ、小さく嬌声をあげた妖精弓手は下腹部に熱が集まっていく感覚に目を回しながら、僅かに表情を蕩けさせた。

 野盗は彼女を吊るしている縄を解き、後ろ手に縛ったまま女武闘家と女魔術師の前に引きずっていく。

 

「痛っ!ちょっと、痛いじゃないの……!」

 

 縛られた腕を引かれる痛みで蕩けた意識が研ぎ澄まされた妖精弓手が野盗を睨むと、彼は嗜虐的な笑みを浮かべながら、妖精弓手と共にくるりと二人の方に向き直った。

 

「こいつが言い出したことだ。お前らも騒がす、黙ってそのまま見ていろ」

 

 野盗はそう言うや否や、彼女の上着と脚衣(ズボン)をそれぞれ上下にずらし、真っ平らな胸とピンと勃った乳首、そして僅かな湿り気を帯びた秘裂を露出させた。

 

「〜〜〜〜!?!?」

 

「わ、すご……」

 

「むぐぐ。むぅ〜」

 

 妖精弓手は羞恥に顔を真っ赤にして涙目になる中、女武闘家は芸術品のように美しい彼女の裸体に魅入り、女魔術師も羨ましそうに目を細めた。

 

「ちょ、待っ……!見ないでよ!あっち向いてなさい!!」

 

 二人の視線に晒された妖精弓手はもじもじと身悶えしながらどうにか裸体を隠そうとするが、手を縛られている都合でそれもできず、動く度にそれを目で追いかける二人の視線に余計に顔を赤くしてしまう。

 

「さて。前ばかり注目している間抜けに、少しお灸を据えてやるか」

 

 そんな妖精弓手の背後。ぽふと彼女の肩に頭を置いた野盗は、露骨に唇の端を吊り上げて邪悪を孕んだ笑みを浮かべ、二人に見せつけるように彼女の太腿に勃起した己の一物を挟んだ。

 

「ひぅ……♡」

 

「「……!!」」

 

 陰核と一物のカリが擦れた快感に妖精弓手が喘ぎ、女武闘家と女魔術師の視線は彼女の股から飛び出している亀頭に注がれる。

 野盗はそんな三人の反応を愉しむように笑いつつ、ゆっくりと腰を前後に揺らし、森人の王族(ハイエルフ)の素股を楽しみ始める。

 カリがコリコリと音を立てて陰核を転がし、頸の辺りに熱を孕んだ吐息をかけられる。

 

「んんっ♡そこ、コリコリ、するなッ♡やめなさい、この、変態……♡」

 

 一物が前後する度に嬌声をあげる妖精弓手は、嫌々と首を左右に振るが、そんな彼女の様子に余計に興奮したように息を荒げる野盗は、「誰が変態だ」と言い返し、はむと彼女の長耳を口に含む。

 

「ひぃや!?♡」

 

「耳をこうされるだけで、あむ。すぐに感じて、れろ。甘ったるい声を出す奴に、変態言われたくないな」

 

「ひぁっ……♡やめ、なさいよッ!♡耳、舐めるなぁ……♡♡」

 

 はむはむと長耳を甘噛みする野盗に妖精弓手は身悶えしながら声を荒げるが、上擦ったその声はやはり迫力に欠けている。

 ふふとただ可笑しそうに、同時に楽しそうに笑った野盗は素股を止めると、そのまま腰を引いて亀頭を濡れた秘裂に当てた。

 

「いくぞ」

 

「ちょ、待ちなさ──」

 

 野盗が耳元でそう告げた瞬間、妖精弓手は首だけで振り向いて制止の声をあげるが、野盗はもちろん聞く耳を持たずに腰を前に突き出し、彼女の愛液で包まれた一物を秘部に挿入した。

 

「いひぃ……♡♡」

 

 ビクン!と身体を跳ねさせ、仰け反らせながら甲高い嬌声をあげた妖精弓手はパクパクと意味もなく口を動かし、身体を痙攣させた。

 只人(ヒューム)に比べてだいぶ華奢で、線の細い彼女の下腹部は野盗の一物の形に僅かに盛り上がり、真っ赤になった長耳も小刻みに痙攣を繰り返している。

 

「で、でか、ぃ……♡おく、届いてる……っ♡」

 

 ビクビクと腰を揺らしながら妖精弓手がそう言うと、野盗は仰け反った彼女の頭を乱暴に掴むと、無理やり正面を向かせ、

 

「「あ……」」

 

 女武闘家と女魔術師と視線を合わさせた。

 妖精弓手の蕩けていた瞳に理性が戻り、ゆっくりと首を左右に振りながら「駄目、見ないで、見るなぁ……!」と涙目になりながら二人に言うが、そんな彼女を野盗が嘲笑う。

 

「そんな事を言ってるが、ここの締め付けは凄いな。見られて興奮しているのか、変態森人(エルフ)

 

「違う……!そんな、わけ、ない……!」

 

 耳元で優しく囁かれ、その心地よさと擽ったさに身悶えしながら反論する妖精弓手だが、野盗はくつくつと喉を鳴らしたかと思えば、彼女の両膝をそれぞれの手で掴むと、ひょいと持ち上げた。

 小さく悲鳴をあげる妖精弓手だが、持ち上げられた拍子に野盗の一物が深々と突き刺さり、子宮を押し潰す。

 いわゆる所の背面駅弁の状態で、野盗は腰を前後に揺らして一物の抽送運動を繰り返す。

 

「んぐっ♡ぉぉ……♡待って、これ、やば……っ♡」

 

 膣肉が引き締まり、一物を力強く扱きあげる快感に野盗が唸る中、妖精弓手も苦しそうに身体を強張らせながら、低い喘ぎ声を漏らす。

 

「いいのか?二人が見てるぞ」

 

 そんな彼女の耳元で、野盗はそう告げた。

「ぇ……?」と小さく疑問符を浮かべた妖精弓手が視線を向ければ、女武闘家と女魔術師の二人が揃って顔を真っ赤にしながら接合部に目を向けており、ごくりと生唾を飲んでいた。

 

「〜〜〜〜!!♡♡」

 

「お、また締め付けが強くなったな」

 

 突然舞い戻る理性と羞恥に声もなく悲鳴をあげる中、キュンキュンと締め付けてくる膣肉の力強さに笑みをこぼし、腰の動きを再開。

 野盗の腰と妖精弓手の臀部がぶつかり合う度にばちゅばちゅと湿った淫靡な音が少女達の耳朶を撫で、妖精弓手の美しさまで覚える嬌声が夜の森に溶けて消えていく。

 

「あ……♡ぉっ♡だめ、二人とも、見ないで……!向こう向いてなさい!!んぉおおお♡♡」

 

 ずんずんと腰が突き出され、子宮を突かれる度に彼女は喘ぎ、接合部からは粘度の高い愛液が垂れる。

 

「全部見られてるぞ。いいのか、お姫様」

 

「駄目に、決まってるでしょ……!んん♡♡あんたも、腰、止めて……っ♡」

 

「断る」

 

「この、変態……ッ!」

 

 野盗は無邪気な笑みと共に少女二人を示すと妖精弓手は首を左右に振り、どうにか気丈に振る舞おうとするが、野盗が強めに腰を突き出すだけで「んぉお!?♡」と野太い嬌声をあげて快感に悶えた。

 

「誰が、変態だ!捕虜の分際で!俺に!指示を!出すな!」

 

「んぎぃ♡ぉ♡お゛ぎ……♡待ちなさい♡ねえ、待ちなさいってば♡ぉほ♡きゅいぃぃいい♡♡」

 

 野盗は語気を強め、乱暴に腰を振って抽送運動も強めた。

 締め付けてくる膣肉を一物が乱暴に掻き回し、掻き出された愛液がくちゅくちゅと音を立てて接合部で泡立ち、野盗の足元に滴っていく。

 

「え、あ、すご……」

 

「む〜」

 

 普段は無邪気に笑い、こちらも笑わせてくれる妖精弓手の痴態に女武闘家が思わず声を漏らし、女魔術師が猿轡を噛んだまま同意するように首肯した。

 

「やだ♡やめて♡見ないで、お願い♡せ、せめて目を閉じててよ……ッ♡」

 

 そんな二人のやり取りに妖精弓手が気の抜けた声を漏らす中、野盗はまたはむはむと彼女の長耳を甘噛みし、彼女を悶えさせた。

 そのまま片腕で彼女の両膝を抱える事で片手を自由にし、空いた手で彼女の陰核を軽く摘み、指で転がしてやった。

 

「んぉおおおおお♡だ、駄目!?♡おぎぃ♡♡おほっ♡お゛……♡」

 

 腰の動きに合わせて陰核を引っ張ったり、転がしたりを繰り返す度、妖精弓手から余裕の消えた獣のような嬌声が漏れ始め、膣肉も激しく痙攣し始める。

 

「イくのか?二人が見てる前で、無様にイくのか?森人(エルフ)の王族が、人目も憚らずにイっちゃうのか?」

 

「やだ!♡やめて♡イきたくないッ♡イきたくないのに、我慢無理ぃ……♡」

 

 ばちゅばちゅコリコリ、ぐりぐりカリカリ。

 一物を抽送させると同時に陰核を転がし、亀頭で子宮口を押し込むと同時に陰核を優しく掻いてやる。

 異なる刺激を立て続けに、そして絶え間なく与えられる妖精弓手は見開いた目を白眼を撒かんばかりに回し、快感に悲鳴をあげ、身悶えを繰り返す。

 亀頭が子宮口を押す度に、カリがGスポットを擦る度にガクガクと腰を揺らし、だらしなく開いた口からは唾液が漏れ出した。

 

「イくッ!♡イくッ♡♡──〜〜〜〜♡♡♡」

 

 そして、限界はすぐに訪れた。

 ビクン!と全身を跳ねさせたかと思うと、森人(エルフ)語で何かを叫びながら身体を仰け反らせ、両足が爪先までピンと伸び切った。

 引き締まった膣肉が一物を強烈に締め付け、野盗が苦悶にも似た声を漏らす中、ぷしゃぷしゃと音を立てて潮を噴き出す。

 だが、野盗は止まらない。こっちはまだ余裕だと言わんばかりに笑顔をこぼすと、締め付ける膣肉を力任せに振り払い、腰を揺らす。

 絶頂直後で敏感になった膣肉を分厚くエラ張るカリが掻き回し、吸い付いてくるヒダを押し返す。

 

「ぎっ♡ま、駄目♡んぉおお♡♡今は、敏感に……っ♡」

 

「千年後でも思い出せるくらい滅茶苦茶にして欲しいって、いつもは言う癖に」

 

「────♡」

 

「俺が森人(エルフ)語がわからないとでも?『それは言わないで』じゃないだろう?そんな照れ隠しはしなくていいさ」

 

 野盗は優しげな微笑みを浮かべながら、そっと愛おしそうに彼女の髪を撫で、そのまま長耳を按摩するように揉み解す。

 同時に腰の動きを強め、絶頂直後の膣肉を掻き回した。

 

「ぉ゛……♡ぎぃ……ッ♡や、やだ!?♡これ、駄目ぇ♡♡またイく♡ィくッ♡んんんんんん♡♡♡♡」

 

 耳を按摩される心地よさと、胎内を掻き回す凄まじい快感。

 妖精弓手はすぐさま二度目の絶頂を迎えるが、野盗は止まらずに腰を振り続ける。

 

「ま、待っで♡おほっ♡おっ♡おっ♡ぉおおお゛♡♡」

 

 すぐに三度目、四度目と、絶え間なく絶頂を繰り返す妖精弓手が意識を飛ばし、白眼を剥いた瞬間、野盗もまたは低く唸り射精の時を迎えた。

 どぴゅどぴゅと音を立てて行われた射精は瞬く間に彼女の子宮を満たし、子宮に入りきらずに逆流した精液が接合部から溢れ出す。

 愛液と混ざり合った白濁液がポツポツと地面に垂れ落ち、潮と愛液の水溜りを白く濁らせていく。

 

「ぁ……♡へっ……♡ぉぉ……♡」

 

 ピクピクと身体を痙攣させ、心ここにあらずといった様子で天を仰いだまま動かない妖精弓手。

 野盗は彼女の秘部から一物を抜くと、事前に用意していた毛布の上にそっと寝かせた。

 よしと頷いた彼が次の獲物を決めようと振り向く間際、薄く目を開けていた妖精弓手が「待って」と掠れた声を漏らす。

 

「ん?」

 

 突然呼び止められた野盗が視線を落とすと、彼女は芋虫のように身体を動かしながら上体を起こし、自分の愛液と彼の精液で汚れた一物をぱくりと口に含んだ。

 そのまま鈴口を吸い上げながら亀頭を舐めまわし、汚れを舐め取っていく。

 口内を占める生臭さに苦戦しつつ、ちろちろと小刻みに舌を動かして裏筋も丁寧に。

 尿道に残っていた精液を吸い出し、こくこくと喉を鳴らして嚥下した彼女は、「ぷぁ!」と声を漏らしながら顔を離した瞬間、野盗は彼女の頭を両手で掴み、開きかけた口に無理やり一物を捩じ込んだ。

 

「んぶ!?」

 

 顎が外れんばかりに大口を開けられる痛みと、喉奥に亀頭が触れる異物感と吐き気に耐えるため、ぎゅっと目を閉じる。

 その間にも野盗はその為の道具を扱うように彼女の頭を前後に動かし、一物を出し入れし、亀頭で喉奥を叩き続ける。

 

「んぶっ!ぶっ!ぉえ!げっ!ぇ……♡お……ッ♡」

 

 妖精弓手は何度もえずく、胃の中身を吐き出そうになりながらも、玩具のように乱暴に扱われる事に快感を覚えてしまい、瞳もとろとろに蕩けていく。

 

「全部飲めよ」

 

 野盗が唸るような声でそう告げ、妖精弓手が無言で小さく首肯して応じた瞬間、二度目の射精が行われた。

 

「んん〜〜〜!!♡♡??♡」

 

 亀頭が喉奥に届き、食道と胃に向けて直接精液が吐き出された妖精弓手は目を見開き、あまりの生臭さと勢いに悲鳴をあげるが、秘裂からはぷしゅぷしゅと音を立てて潮が噴き出していた。

 野盗はごきゅごきゅと音を立てて吐き出される精液を飲み込んでいく彼女の髪を撫でてやり、吐精しながら彼女を解放し、一物を抜いた。

 

「けほっ!けほっ!ぅ……!」

 

 ようやく口が開放された妖精弓手は何度もむせるが、その顔に射精の絞りかすがぶっかけられ、流石に不快そうに柳眉を逆立てた。

 だが野盗が満足そうにしているので怒る気力も湧いて来ず、そのまま毛布の上に寝転んだ。

 上と下の口から大量の精液を吐き出しながら寝転ぶ上の森人(ハイエルフ)という、通常なら理解を拒む光景にただ満足そうに笑った野盗は、くるりと身を翻して女武闘家と女魔術師の方に目を向ける。

 

「さあ、次はどっちにするかな」

 

 そして邪悪な笑みを浮かべながら、怯えるように──そして期待するように震える二人に向けて、ゆっくりと近づいていくのだった。

 

 

 

 

 




感想、リクエスト等ありましたら、よろしくお願いします。


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Memory?? 闇夜に響く嬌声② ※

リクエストから。
前回の続き。女武闘家編。


「さあ、次はどっちにするかな」

 

 野盗は下賤な笑みを浮かべながら、木に吊るした女武闘家と女魔術師に目を向ける。

 夜空を思わせる蒼い瞳を嗜虐に細め、品定めするように、舐めるように二人を見つめた野盗は、無言で女武闘家の頬を撫でた。

 瞳こそ敵意を込めて睨んでくるものの、その奥にある甘える娼婦のように蕩けた情欲の炎が揺れていた。

 それを見逃さなかった野盗は、頬を撫でていた手をそのまま下に滑らせ、訓練用(・・・)の道着の胸元をはだけさせ、そのままブラジャーを剥ぎ取った。

 妖精弓手のそれよりも豊満で、柔らかな曲線を描きながらも引き締まっている乳房が顔を出し、ぼっ!と音を立てて女武闘家の顔が赤く染まる。

 野盗はブラジャーを失っても重力にも負けずに形を保つ乳房をそっと鷲掴み、その弾力を楽しみながら、薄桃色の乳首を指で弾く。

 

「ッ〜♡」

 

 ピンと指先がぷくりと勃起した乳首が擦れ、痺れるような快感が背筋を擽る。

 女武闘家は咄嗟に歯を食い縛って嬌声を噛み殺すが、強張った体は快感に震え、小さく膝が震えていた。

 胸を突き出すように背中を逸らし、羞恥に歪んだ顔を野盗に見せまいと背けるが、

 

「どうした、こっちを見ろ」

 

 野盗はそんな彼女の顎を乱暴に掴み、力任せに正面を向かせた。

 キッと睨んでくる彼女の殺意を真っ直ぐに受け止めながら、そっと乳首を指で摘む。

 

「んんっ♡」

 

 鼻先を彼女の小さな喘ぎ声が撫で、瞳の殺意が弱まり快感に蕩ける。

 そんな滑稽なまでに素直な彼女に笑みを向けた野盗は、そっと彼女の唇を奪い、胸を揉んでいた手を更に下へと進めた。

 唇同士が触れ合う温かさと心地よさ。歯の隙間で混ざり合う互いの吐息を堪能しつつ、道着を更にはだけさせ、まだ未熟ながらも薄い筋で六つに割れた腹筋を露出させる。

 女武闘家の顔が耳まで赤く染まり、手首を縛る縄を引きちぎらんと踏ん張った瞬間、野盗はそっと腹筋の割れ目に指を這わせた。

 

「はぅ……」

 

 指先が軽く触れただけ。ほんの僅かに滑らせただけだ。

 なのに女武闘家は気の抜けた声を漏らし、カクンと膝から力が抜ける。

 踏ん張っていた両脚は宙を漂い、今の彼女を支えるのは彼女を縛る縄のみだ。

 縄からはギチギチと張り詰め、軋む音が聞こえてくるが、野盗は気にする素振りも見せずに優しく腹筋を撫で続けた。

 

「んぅ……♡やめ、て……♡そこ、撫でちゃ、駄目ですぅ♡」

 

 さすさすとただ撫でているだけで、女武闘家は蕩けた恍惚の表情を浮かべ、無意識の内にカクカクと腰が揺れてしまう。

 混濁する意識。点滅する視界の中、いつからこんな風になってしまったんだろうと自問した女武闘家が思い出すのは、ローグハンターに師事するのうになってから。

 褒めてもらおうと何の考えもなく腹筋を見せた時に、彼の方も何となくでその硬さを確かめるべく触ってもらった時だろう。

 大切に想う人──いいや、明確に恋慕を抱いた相手に触れられる心地よさと快感を、あの日知ってしまったのだ。

 

「見た目の割に柔らかいな。力を抜いているからか?」

 

 野盗はそんな素直すぎる彼女に笑いかけながら、ぷにぷにと腹筋を突く。

 その度に体を震わせる女武闘家の反応に楽しくなってきたのか、野盗はそっと下腹部に手を伸ばし、腹筋越しに子宮を思い切り突いてやった。

 コリッ!と腹筋のそれとは違う手応えを感じたかと思えば、

 

「んぉお!?♡」

 

 女武闘家は野太い嬌声をあげながら身体を仰け反らせた。

 男子の平均のそれよりも二回りも大きいローグハンターの一物で虐められた子宮は、例え膣内の方向からではない刺激にも過剰なまでの快感を生み出してしまう体への調教されてしまっている。

 そして様々な要因でそれをよく知る(・・・・・・・)野盗は、そこを責め立てるように指圧の力を強め、按摩するようにゴリゴリと音を立てて押し込んだ指を捻り、ほじくり回す。

 

「んぎっ!?♡おっ……♡おほっ♡待って!待ってください!壊れる!私の子宮、壊れちゃいますからぁ♡!!♡」

 

 やだやだと首を振って身を捩る女武闘家だが、野盗は無慈悲に更に指圧の力を強め、子宮が変形する程に思い切り押し込んだ。

 

「ぉおおお゛……ッ♡」

 

 身体を仰け反らせ、爪先をピンと伸ばしながらガクガクと腰を揺らし、一際強い嬌声をあげた。

 耳を澄ませばどこからかちょろちょろと水が流れる音が聞こえ、脚衣(ズボン)の股座に大きな染みが広がっていく。

 だらしなく開いた口からは舌が飛び出し、唇の端からは唾液が溢れていた。

 

「ぉ……♡おほっ……!♡あへっ♡おぉ……♡」

 

 そんな水音に混ざり、女武闘家の気の抜けた嬌声が野盗の耳朶を撫で、彼はご機嫌な笑みを浮かべながら彼女の耳元に顔を寄せる。

 

「敏感にも程があるだろう。この変態が」

 

「……っ♡」

 

 野盗の煽りの言葉にもピクリと身体が反応し、否定の言葉を吐こうにも上手く喋ることができない。

 ほれほれも下腹部を突かれる度に嬌声をあげ、滑稽な程に身体を跳ねさせる。

 ただ楽しそうに下腹部を突く野盗と、そんな彼の娯楽に付き合わされた結果、ひたすら暴力的な快感を叩きつけられる女武闘家。

 股座に広がる染みからは、ついに吸いきれなくなった潮が滲み出し始め、地面に点々と水滴が落ち始める。

 

「昔はこんな事にはならなかったのにな。どうしてこうなったんだか」

 

 野盗は苦笑混じりに大惨事になっている彼女の足元に目を向け、今度は優しく腹筋を撫で始める。

 

「ぉ……♡ほぉ……♡だ、誰の、せいだとぉ……♡」

 

 暴力的な快感が優しい按摩に変わり、子宮が疼いて仕方がない。

 もじもじと身を捩り、太腿を擦り合わせながら、女武闘家が媚びるような視線を野盗に向けると、彼は微笑みと共に腹筋を撫でていた手を更に下に進め、びしょびしょに濡れた股座に伸ばした。

 肌に張り付く脚衣(ズボン)を剥がしながら、縦筋にぴたりと密着したショーツの隙間を指を入れる。

 水に浸けられたように濡れたそこはけれど生温かく、野盗はその温もりを堪能するように溢れ出す愛液を指に絡めてコーティングすると、そっと秘裂に挿入した。

 十分すぎる程に濡れたそこはすんなりと指を飲み込んだかと思えば、次の瞬間には指を食いちぎらんばかりの力で締め付けてきた。

 普段から鍛え抜かれた腹筋が挿入された異物感と快感に力み、狭い秘部を更に狭めたのだ。

 いきなり一物を入れなくて良かったと安堵の息を吐いた野盗は、腹部側の膣肉をそっと撫でてやりながら、ざらついた手触りがある部分──Gスポットをさわさわと優しく撫でる。

 その間にももう片方の手で優しく腹筋を撫で、時には指圧して内と外から秘部を刺激。

 

「おっ……♡ぉ……♡そこ、気持ちぃ、ですぅ♡もっと、そこ、触ってぇ♡♡」

 

 ガクガクと膝を揺らし、かくかくと腰を震わせながら、媚びへつらう娼婦のような声で野盗に擦り寄ろうとするが、縄で吊るされている状況ではそれができず、不満そうに頰を膨らませた。

 野盗もそれに気づいたのだろう。謝罪代わりに唇を奪い、彼女の口内にそっと舌を這わせた。

 女武闘家も彼の好意に甘えるように舌を絡ませ、互いの唾液を相手の舌に塗りたくる。

 

「んちゅ……♡ちゅ……♡じゅる♡んぁ……♡」

 

 女武闘家は口の隙間から甘ったるい嬌声を漏らし、とろんと表情を完全に蕩けさせると、野盗は無慈悲に腹筋越しに子宮を潰し、Gスポットを指で抉る。

 

「ん〜〜〜!♡♡?んん〜〜〜!!♡♡」

 

 彼女はキスをしたまま快感に悶え、目を真ん丸に見開きながら両足を爪先までピンと伸ばして絶頂。

 野盗の手に噴き出した潮が降りかかり、脚衣(ズボン)からも大量の液体が地面に滴り落ちた。

 隣で羞恥で真っ赤になっていた女魔術師があまりの量に興奮するどころかドン引きし、脱水を心配し始める中、野盗はキスを止めて顔を離した。

「あ……」と物足りなさがな声を漏らした瞬間、野盗はトドメを刺すようにGスポットを指で抉り、子宮を肌着越しに指圧し、陰核を指で弾いた。

 

「ぉ゛──……♡♡♡」

 

 低く、野太い声が彼女の口から絞り出され、ビクン!と一際強く身体が跳ね、絶頂を迎えた。

 野盗はそんな反応に手応えを感じたのか、追撃せんと更に同じ箇所を責め立て、刺激を与え続ける。

 

「おお゛おっ♡!?お゛おお゛おお゛お゛お゛♡♡♡!?」

 

 絶頂から落ち着く間もなく次の絶頂を迎えた女武闘家は、ビクビクと壊れた絡繰人形のように体を震わせ、ガクガクと腰を揺らす。

 下品に大口をあけ、身体を仰け反らせながら嬌声を吐き出す彼女を見つめていた野盗は、不意に手を止めた。

 

「……ぃ♡あへっ♡ぉ……っ♡ほぉ……♡」

 

 見開いた瞳は限界まで上を向け、開いた口を閉じることもできず、脱力した舌が溢れ出す。気絶しているのか、漏れ出す声に覇気がない。

 ガクガクと震える腰からは絶えずちょろちょろと水音が聞こえ、脚衣(ズボン)は股座どころか脛の辺りまで色が変わってしまっている。

 潮だけでなく尿も漏らしてしまったのだろう。異臭が鼻をついた。

 だが、野盗は気にしない。なぜかと問われれば慣れているからとしか言いようがない。

 

「気持ち悪いだろう。ほら、脱がしてやる」

 

 野盗はニヤニヤと意地汚い笑みを浮かべながら、そっと彼女の脚衣(ズボン)を膝の辺りまで脱がせ、ショーツを引っ剥がす。

 同時にむんと香ってくるのは、発情した雌の臭い。愛液、潮、尿でびしょ濡れになった秘部から雄を誘うフェロモンがむんむんと香り、野盗の更なる興奮を煽る。

 布擦れの音と共に脚衣(ズボン)とパンツを降ろした野盗は、勃起した己の分身を取り出した。

 そのまま女武闘家の脚衣(ズボン)を掴み、ひょいも持ち上げて彼女の足を肩に乗せる。

 そのまま突き出される形となった秘裂に亀頭を押し付け、腰を引き寄せるようにして挿入。

 

「んぎぃ……!♡?」

 

 それと同時。子供の腕ほどある一物を挿入された女武闘家は目を覚まし、膣肉を掻き回される快感に嬌声をあげた。

 一つに結えた黒髪を揺らしながら首を動かし、自分の状況を把握。

 目の前でニコリと微笑む野盗の笑顔に当てられ、頬を朱色に染めた。

 彼に抱きしめられる格好になっているのは何とも情けなく、胸板で潰れた乳房から感じる温もりも、乳首が擦れる快感も心地よい。

 そんな感情を抱いた直後、野盗はゆっくりと彼女の身体を前後に揺らし始め、それに合わせて自分の腰を動かし始めた。

 パン!パン!と肉同士がぶつかる淫靡な音が夜の森の中に響き渡り、一物が膣肉を掻き回し、どすどすと子宮を潰される度に女武闘家の口から嬌声が漏れる。

 

「ぉ……♡おぉ……っ!♡♡奥、すごい……ですぅ♡♡どすどすって、子宮、壊れちゃいますよぉ……♡♡」

 

「別に今更──いいや、むしろこういうのが好きだろうに」

 

「……っ♡それは、はいっ!♡すき、大好きですぅ♡♡」

 

 ゆさゆさと身体を揺すられ、一物が胎内を蹂躙する快感に身悶えする女武闘家はこくこくと何度も頷きながら彼の言葉を肯定すると、「イクッ♡♡」と小さく声を漏らしながら絶頂。

 途端に締め付けが強くなった膣肉が一物を掴み、絶頂の余韻で細かく痙攣することで扱きあげる。

 力強く搾り取るように扱かれる快感に野盗は呻くが、負けてなるものかと腰を揺らし、絶頂直後で敏感になった膣肉をいじめ抜く。

 

「おひっ♡ま、待ってくだしゃい♡♡いま、イッてます!イッてますから、待って♡イクッ♡イグ!?♡お゛♡ほぉ゛♡待って、駄目ぇぇええ♡♡」

 

 何度も絶頂に押し上げられる女武闘家はビクビクと身体を痙攣させ、接合部からはまた大量の潮を噴き出す中、野盗は眉間に皺を寄せた。

 ぎゅっと彼女を抱きしめながら、安産型の臀部を押さえ込んで亀頭と子宮口を隙間なく密着させ、腰を揺らした鈴口を押し付ける。

 それは彼がよく見せる合図のようなものだ。一滴も残さず注ぎ込まんとする、醜くも純粋な愛情の裏返し──強烈なまでの独占欲が生み出した、彼女にマーキングしてやるという歪な愛情表現だ。

 それを理解している女武闘家は絶頂に悶えながらも彼のクビに噛みつき、吸い上げて噛み跡とキスマークを同時につけると、野盗はそれを合図にしたように吐精を開始。

 びゅるびゅると下品な音を立てながら、粘り気の強く生温い液体が子宮に直接流し込まれた。

 

「〜〜〜〜♡♡♡♡♡」

 

 精液が子宮を舐める不快で、これ以上ないほどに心地よい感覚に身悶えする女武闘家は彼を噛むことで嬌声を抑え込むが、野盗は吐精が終わると共に再び腰を動かし始め、抽送運動を再開。

 吐き出したばかりの精液を掻き出し、膣肉に染み込ませるように塗りたくりながら、カリが吸い付いてくるヒダを痛めつける。

 接合部からは愛液と精液が混ざった白濁液が溢れ出し、二人の足元を淫らに汚していった。

 

「〜〜〜♡あむ!あむ!♡んへぇ〜〜♡♡はむ!♡」

 

 女武闘家は恍惚の表情を浮かべながら野盗の首を噛み、舐め、せめてもの抵抗を見せるが、野盗は反撃と言わんばかりに強く腰を突き出し、彼女を子宮を思い切り突いてやった。

 

「ぉ……♡お♡お♡お゛♡おぉ゛♡♡」

 

 何度も、何度も子宮を突いてやり、彼女の口から出るのは野太い嬌声ばかりとなった。

 締め付けてくる膣肉を力任せに振り払い、膨らんだ亀頭が精液を吐き出している子宮を容赦なく殴りつける。

 ぼびゅ!と音を立てて膣内に精液が逆流するが、それを潤滑油にして抽送運動は更に加速。

 

「おぎ!?♡お!?♡おほぉ!?♡」

 

 どす!どす!と力強く腰を突き出される度に女武闘家は悶えながら喘ぎ、彼の肩に担がれた両足が爪先まで伸び切って戻らない。

 野盗に掴まれながら揉まれる臀部の刺激も、揺すられる度に彼の胸板に擦れる乳首が与えてくる快感が、彼女の脳を掻き回す。

 

「イク!!♡あっ、あひぃ♡♡!また、イクぅぅぅぅ!!♡♡♡」

 

 脳内で発生した強烈な多幸感に持ち上げられ、彼女は更なる絶頂へと押し上げられた。

 同時に野盗も二度目の射精を行い、自分で行ったマーキングを上塗り。

 隙間なく亀頭と子宮口が密着し、精液を一滴残さず子宮に直接注ぎ込む。

 

「〜〜〜っ!♡ぁ……♡ほぉ……♡♡」

 

「誰が阿呆だと、おい」

 

「んぇ……?あ、いや、今のは──んお!?♡♡」

 

 恍惚の表情で子宮を満たすかれの温もりに放心していた女武闘家の口から漏れ出た声に、野盗は視線を鋭くしながら語気を強めた。

 女武闘家は慌てて弁明しようとするが、黙れと言わんばかりに腰を動かされ、再び秘部を一物で抉られる快感に身悶えした。

 

「今ので止めにしてやろうと思っていたが、気が変わった。もう少し付き合ってもらうぞ」

 

「ま、待っへ♡んぉぉ♡待って、ください……!あひっ♡あ、謝りますから……っ♡」

 

「駄目だ」

 

 女武闘家が嬌声混じりた謝罪の言葉を投げるが、野盗はニコリと微笑んで謝罪を断り、抽送運動を再開。

 女武闘家の謝罪の声混じりの嬌声が、延々と夜の森に木霊するのだった。

 

 

 

 

 

 それから一時間。

 相変わらずの暗闇に包まれた森の中、女武闘家は木から吊るされていた。

 

「ぁ……♡あへっ……♡ぉ……♡ほぉ……♡」

 

 後ろ手に縛られた手と膝の三点で木から吊るされる彼女の秘部からは大量の白濁液が溢れ出す。

 そんな彼女の痴態を視姦しながら、嫌がる妖精弓手に無理やりお掃除フェラを行わせていた野盗は、女魔術師に目を向けた。

 

「ふぅ……!ふぅ……!っんく!」

 

 もじもじと擦れ合わせる太腿。太腿を伝う粘り気を帯びた液体。

 息を乱しながらごくりと生唾を飲み、早くやりなさいよと言わんばかりに猿轡を噛まされた状態で何かを吠えている。

 だがとりあえずと妖精弓手の喉奥に精を吐き出し、無理やり胃の中に流し込みながら笑みを浮かべた。

 吐精を終えると共に一物を引き抜けば、妖精弓手は再び白濁液を吐き出しながら毛布の上に倒れ込み、何度もむせる。

 

「それじゃ、最後はお前だ。お互い、愉しもうぜ」

 

 野盗は嗤い、女魔術師は負けじと彼を睨みつける。

 けれどその瞳の奥に揺れる情欲の炎は弱まることはなく、触れられてもいない秘裂からは、たらりと愛液が溢れ出していた。

 

 

 

 




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Memory?? 闇夜に響く嬌声③ ※

前回の続き。
女魔術師編。


「それじゃ、最後はお前だ。お互い、愉しもうぜ」

 

 野盗は嗤い、女魔術師は負けじと彼を睨みつける。

 けれどその瞳の奥に揺れる情欲の炎は弱まることはなく、触れられてもいない秘裂からは、たらりと愛液が溢れ出していた。

 太腿を伝う生温かな液体の感触に身悶える女魔術師を横目に、彼女の後ろに回り込んだ野盗はそのまま背後から彼女の胸を鷲掴んだ。

 野盗は布越しに感じる柔らかさに笑みを浮かべ、それを楽しむように指を動かしていく中、女魔術師は頬を朱色に染めてくすぐったそうに身を捩り、声を漏らす。

 

「んっ……♡この、やめな、さい……♡」

 

 口を噤んで声を押さ、なけなしの敵意を剥き出しにして吠える女魔術師だが、野盗が何の前触れもなくローブの胸元をはだけさせ、豊満な胸とそれを包むブラジャーを剥き出しにした。

 冒険者らしい飾り気のないものではあるが、よく目を凝らせばちょっとした紋様が織り込まれており、地味ながらも可憐な印象を与えてくれる。

 

「意外と可愛らしいのを着けているんだな」

 

 ぽふと肩に顎を置かれ、耳元でそう囁かれた女魔術師は「ひゃあ!?」と情けのない悲鳴をあげた。

「可愛い声だな」と野盗は笑い、胸を揉んでいた指を止め、そっとブラジャー越しに乳首を突いた。

 

「ひぅ……♡」

 

 コリッとした固い手応えを感じた野盗が楽しそうに笑う中、女魔術師はピクンと肩を揺らして小さく嬌声を漏らした。

 

「お前はここが好きだもんな」

 

 そんな彼女の反応にご機嫌をよくした野盗はそう呟くと、そのまま指を胸の深くまで差し込んでいき、指と乳房で彼女の乳首を押し潰した。

 そのままカリカリと指で掻いてやれば、逃げ場のない乳首は布越しに彼の指で掻き回される。

 

「ひぅ……♡あっ♡んんんッ……♡そこ、駄目っ!カリカリ、しないでぇ♡♡」

 

 指が動く度に痺れるような快感が背筋を駆け抜け、ビクビクと身体を震わせる女魔術師が静止を求めるが、野盗に聞いてやる義理もない。

 そのまま指先で乳首を掻いてやり、「我慢は身に毒だぞ」と煽るような事を口にした。

 

「誰が、我慢なんてぇ……♡♡」

 

 カリカリコリコリと乳房の中で乳首を掻かれ、転がされる女魔術師が快感に悶えながらどうにか強がりの言葉を吐くと、野盗は「そうか」と告げてパッと手を離した。

 ようやく乳首を解放された女魔術師は物寂しさを感じながらも、それを悟らせないように力んだ呼吸を繰り返し、昂った情欲を落ち着かせようとするが、

 

「苦しそうだな。これも外すか」

 

 野盗はそんな彼女の耳元でそう囁くと、無遠慮にブラジャーを剥ぎ取った。

 ぶるん!と音を立ててまろびでた豊満な胸は、支えをなくしてもなお重力に負けずにその形を保っている。

 

「っ!?」

 

 顔が耳まで赤くなる女魔術師を他所に、野盗は剥ぎ取ったブラジャーを倒れている女武闘家と妖精弓手の方に放り、そのまま彼女の胸を視姦。

 羞恥で薄く朱色に染まっている胸はそれを加味しても美しいが、何より目を引くのはその頂き。

 野盗にイジメられた乳首は真っ赤に充血しながらぷくりと膨らみ、ピクピクと震えて快感の余韻に悶えていた。

 唇を三日月に歪めて愉悦の表情を浮かべた野盗は、「ここは素直なのにな」と女魔術師を煽りながらピン!と乳首を指で弾いてやった。

 

「〜〜〜!!!♡♡」

 

 背筋を駆け抜けた痛痒混じりの快感に女魔術師が強張った身体を仰け反らせた。

 見開いた瞳はただ一点を見つめ、開いた口からは意味のない喘ぎ声が漏れる。

 ふふんと得意げに笑った野盗は、そのままビシビシと何度も乳首を指で弾いてやれば、彼女はその度に駆け抜ける快感に体を跳ねさせた。

 

「ひぅ……♡!待ち、なさい……!ひぁ♡!それ、痛い……!」

 

 文字通りの痛みを伴う快感に悶える女魔術師が、どうにか喉を震わせてそう告げると、野盗はほんの僅かに申し訳なさそうに眉を下げると、「じゃあ、こうする」と告げ、先程と同じようにずぷりと乳首を押し込んだ。

 固く勃起した乳首が乳房の中に埋まっていくが、先程と違う事といえば彼の指が直に触れている事だ。

 彼の温もりと、丁寧に手入れされ、爪の鋭さなど欠片も感じない指先の力強さに強烈な多幸感を感じつつ、「やめろぉ!!」と上擦った制止の声をあげるが、野盗は気にしない。

 

「もっと素直になったらどうだ」

 

 彼はそう言って笑い、優しく乳首を掻き始めた。

 今回はある種の防具であった布もない、直の刺激。

 その快感は先程の比ではなく、むしろ無意識に感じていた多幸感に後押しされてより強いものへと変わっていた。

 

「んっ♡くぅ……♡ぁ……♡んんんっ♡」

 

 それでも女魔術師は声を抑えるが、身体は正直なようで、腰は揺れ、膝は震え、太腿を伝う愛液もその量を増している。

 乳首を掻き、彼女が漏らす喘ぎ声を聞きながらそれを見た野盗は不意に乳房に差し込んでいた指を抜いた。

 

「んぉ……♡」

 

 女魔術師の嬌声と共に汗で湿った指がにゅるりと音と共に抜けたかと思えば、押さえるものを失った乳首が勢い良く顔を出し、野盗の視界に飛び込んできた。

 真っ赤になるほど充血し、先程に比べて僅かに膨らんで見える様は腫れているように見えて痛々しいが、見慣れている(・・・・・・)野盗はそんなもの気にした様子もなく、腫れた乳首を無慈悲なまでに思い切り摘まんでやった。

 

「〜〜〜♡♡♡」

 

 乳首を潰される痛みと、それよりも強烈な快感に身体を仰け反らせた女魔術師は絶頂し、ガクガクと震える膝にショーツから滲み出た愛液と潮が垂れていく。

 その様を満足げに視姦した野盗は、味を占めたように何度も彼女の乳首を潰し、転がし、伸ばし、弾き、集中的に責め立てる。

 

「んぎっ♡ぉ゛♡ぉぎっ♡んぉおお♡♡や、やめ、な、しゃい……♡そこ、ばっかり責めちゃ、だめぇ……♡♡」

 

 野盗の指が動くたびに快感に悶え、どうにか制止の声をあげるが、返答は黙れの言葉代わりの責めの続行だった。

 両手で左右の乳首を責めていたが、不意にその手を止めた野盗はそのまま手を胸の根元に移し、根元の部分──スペンス乳線を解すように力強く揉み始めた。

 

「ぉぉ……♡ぉぉ゛おお゛♡♡!」

 

「本当に敏感だな。ほら、触ってもないのにまた乳首が震えてるぞ」

 

 もみもみと乳房の柔らかさを堪能しつつ、コリコリと固い手応えを感じるスペンス乳線を責め立ててやれば、女魔術師は濁点混じりの嬌声をあげる。

 

「ぉ゛……っ♡そこ、やめで!♡お、おかしく、おかしくなっちゃいますぅぅ゛♡♡」

 

「なら、仕方ない」

 

 ガクガクと腰を揺らし、全身を痙攣させながら喘ぐ彼女の懇願に、野盗は嫌に素直に頷いた。

「ほぇ……?」と間の抜けた声を漏らす女魔術師を尻目に、野盗は指先で乳輪をなぞり始め、カリカリと優しく掻き始めた。

 

「ぉっ♡だ、そこも駄目……♡カリカリ、気持ちっ……♡♡」

 

「物足りない、じゃないのか?」

 

 そうして甘く蕩けた声で喘ぐ女魔術師だが、野盗は嗜虐的な笑みを浮かべてそう呟いた。

 

「……っ!ち、違、そんなわけ……!」

 

 女魔術師は慌てて否定の言葉を吐くが、野盗は嗜虐の笑みを深め、ピクピクと震えている乳首に目を向けた。

 

「こんな物欲しそうにしているのにか?」

 

「物欲しそうになんかしてない……!」

 

「ほら、カリカリしてやる。絶対に乳首には触れないけどな」

 

「んぉおお!?♡い、や!♡これ、いやぁ♡」

 

 強がる女魔術師を嘲笑うように、野盗は乳輪をなぞるように優しく掻き回し、彼女の意識をそこに集中させ始めた。

 痺れるような快感に身悶えしながら、乳首を直接触れられるそれに段違いに弱い刺激。女魔術師はそうして焦らされている事を理解し、自ら求めてやるものかと理性に喝を入れるが、

 

「おっと、指に滑った」

 

 ガリッ!と強めに乳首を引っ掻れ、その痛みと快感に視界が白く染まった。

 

「んぉおお!?!?♡♡」

 

 焦らされていた彼女の乳首は与えられた快感を何倍にもして彼女の脳に叩きつけた。

 女魔術師は野太い嬌声をあげながら絶頂し、体を仰け反らせながら目を見開いた。

 だらしなく開いた口の端からは唾液が垂れ、普段は冷たい印象さえも与えてくる理知的な顔は見る影もない。

 

「ぉ……♡ぁ゛♡乳首、急にくるの、ずるい……っ♡」

 

「気持ち良さそうで何よりだ」

 

 全体重を己の手首を縛る縄にかけ、半ば宙ぶらりんになっている女魔術師が喉の奥から声を絞り出すと、野盗はご機嫌な笑みを浮かべ、そして告げた。

 

「じゃ、次は俺が気持ちよくなる番だな」

 

 彼はそう言いながら彼女を縛る縄を切り、解放してやる。

 踏ん張る事もできずに地面に倒れた女魔術師は、上手く力が入らない四肢を踏ん張り、どうにか四つん這いになるが、その都合のいい姿勢になった瞬間を見逃さない野盗は、彼女のローブの裾をたくし上げ、安産型の肉感的な臀部を露出させ、水気を吸ったクロッチ部分が透けてしまっているショーツに目を向けた。

 ペチペチと臀部を叩き、縦筋が浮いている秘裂をなぞり始める野盗の行動に女魔術師は羞恥で耳まで赤くなる。

 

「ひぅ♡うぅ♡そこ、叩かないでくださいっ♡あっ♡んんっ♡そこも、触っちゃ駄目ぇ♡♡」

 

 ピクピクと腰を震わせ、秘裂から愛液を溢れさせる女魔術師は上擦った声で懇願した。

 それでも野盗の手は止まらず、臀部を叩き、秘裂を撫でる。

 その度に鋭い痛みと淡い快感が背筋を撫でていき、不快感と心地よさに身悶えしていると、野盗は問答無用でショーツを引っ剥がし、秘裂を露出させた。

「ひっ!」と小さく悲鳴を漏らした彼女を他所に、野盗も脚衣(ズボン)とパンツを下ろし、勃起した一物を取り出し、亀頭を秘裂に押し当てた。

 そのまま腰を前後に揺らし、亀頭を秘裂に擦り付け、カリで陰核をコリコリと転がしてやる。

 

「ぉ……♡ま、待ってください!♡んんっ♡今、挿れられたら──」

 

「いや、別にやらないが」

 

 慌てた女魔術師がどうせ聞きやしないだろうと制止の声を上げると、野盗は素直に応じて腰を引いて一物を離した。

「……ぇ?」と自分でも意外に思うほど、か細い声が漏れた。

 今の彼ならこちらの意見など聞きもせず、無理やりに犯してくると思っていた。なのに、急にこちらの言葉に耳を傾けるとは何事なのか。

 

「お前じゃなくても、相手ならいる」

 

 そんな事を宣いながら、背後から女魔術師の顎を掴んだ野盗は、そのまま彼女の顔を毛布の上に寝転びながら焚き火に当たっている妖精弓手と女武闘家に向けさせた。

 急に視線を向けられた二人は驚いているようだが、相手してくれるかもと期待混じりの表情を野盗に向け、微笑んだ。

 野盗もそんな二人につられるように身体をそちらに向け、女魔術師から離れようと立ち上がる。

 

「ぁ……」

 

 女魔術師は物欲しそうな表情を浮かべながら小さく声を漏らし、彼を呼び止めようとするが、言葉が出ない。

 何と言えば彼が振り向いてくれるか。何と言えば止まってくれるのか。普段なら一党の参謀(ブレーン)でもある聡明な頭脳が、何の答えも導き出さない。

 四つん這いのまま泣きそうになっている彼女の姿に、流石の野盗も意地悪しすぎたかと反省しつつ、助け舟を出した。

 

「まあ仲間を身代わりにしたくないっていうのなら、やるべき方はわかるな?」

 

 女魔術師の方に振り向きながら、嗜虐的な笑みを浮かべた野盗の言葉に女魔術師はごくりと生唾を飲むと、羞恥(歓喜)に頬を染めながらその場に座り寝転んだ。

 そのまま自分の足を抱えながらM字に開き、濡れたすぼった秘部を野盗に見せつけた。

 

「お、犯すなら私を犯しなさい!ふ、二人にはもう手を出さないで……♡」

 

 凛とした声で、冒険者としての誇りを胸に吐き出した言葉も、途中から期待を隠しきれず、表情も蕩けて瞳の奥には♡マークが浮かび上がっていた。

 ふふんと鼻を鳴らした野盗だが、「駄目だ」と胸中で渦巻く嗜虐のままに彼女を追い詰める。

 

「何が犯しなさい!だ。どっちが上か、わかっていないのか?」

 

「……っ!そ、それは──」

 

「ほら、何かないのか?」

 

 開いた彼女の足の間に膝をつき、勃起した一物でペチペチと秘裂を叩きながらの言葉に女魔術師が小さく喘ぐと、意を決したように口を開いた。

 

「が、我慢のできない私のびしょ濡れまんこに、貴方の大きいものを挿れてください!」

 

「大きいものってのはなんだ?はっきり言え!」

 

 だが、野盗は許さない。もっと恥を捨てろと、素直になれと、女魔術師に脅しをかける。

 彼女の表情は羞恥と、加虐の悦びに染まり、そして叫んだ。

 

「……っ!貴方のちんぽを、私のおまんこに挿れてください!」

 

 彼女の自尊心をかなぐり捨てた叫びに野盗は嗤い、そして腰を突き出した。

 にゅるりと湿った音と共に一物が秘部を貫き、容易く子宮を押し潰す。

 

「ぉ゛……♡んぉおおお♡!!♡」

 

 欲しくて堪らなかった男の一物が入り込む異物感と、脳天まで響く快感に絶頂し、濁点混じりの嬌声をあげる女魔術師。

 自分の膝を抱えたまま、ガクガクと腰を揺らして絶頂の余韻に喘ぐ彼女だが、野盗は締め付けてくる膣肉の加減に心地良さそうに目を細めていた。

 自然の中で鍛えられた妖精弓手と、武術を極めんと鍛え続けている女武闘家。そんな二人と比べて、比較的柔らかな触り心地を保っている彼女の胎内は、優しく包むように一物を締めつけてくる。

 だが、そんなものはどうでもいいと言わんばかりに、野盗は彼女を押し潰さんとばかりに全体重をかけ、抽送運動を開始。

 ばちゅばちゅと湿り気を帯びた肉同士がぶつかり合う淫靡な音を響かせながら、一物が彼女の秘部に出入りを繰り返し、彼女の子宮を何度も押し潰す。

 

「おら、おら!これが欲しかったんだろ?学院出のお嬢様も、こうなればただの卑しい雌だな……っ!」

 

「ぉ♡おひっ♡しょ、しょんなこというなぁ♡だ、誰のせいでこんな風になったと……♡お゛♡いつも、いつも、奥ばっかり虐めるからぁ!!♡♡」

 

「いちいち言い返すな、鬱陶しい!お前は俺が悦ぶように哭いてればいいんだよ!!」

 

「お゛ぉおおお!?♡♡♡」

 

 何度も何度も腰を叩きつけ、子宮を虐めるようにグリグリも亀頭を押し付けながら、片手で乳首を摘んで胸を引っ張る。

 痛みと快感に喘いだ瞬間、膣肉の締め付けが一瞬強くなり、野盗はご機嫌な笑みを浮かべた。

 

「痛くても感じる変態が!学院の後輩も、今のお前を見たら幻滅するだろうな!」

 

 ペチペチと割と本気で胸を叩き、その度に締め付けを強まる女魔術師を嘲笑いつつ、彼女の弱みともいえる『学院生の誇り』を虐めてやる。

 

「ぉぎ♡い、言わないでくだしゃい♡♡へぁ!?♡後輩も、弟も、関係ないれすからぁ♡♡」

 

 腰を打ちつけ、一物を抽送を続け、カリがGスポットを掻き回し、亀頭が子宮を押し潰す度に女魔術師は喘ぎ声をあげ、どうにか彼の言葉を否定しようと首を左右に振るが、

 

「別に弟の話はしていないだろうが。なんだ、意外と弟にもそんな気を向けていたのか?」

 

 野盗はどこか蔑むような、猛烈な怒りを滲ませたような、複雑な表情を浮かべた。

 女魔術師は「そんなわけないです……っ♡」と上擦った猫撫で声で返すと、野盗は何故か安堵したように小さく息を吐き、そっと彼女の唇を奪った。

 

「んんっ♡」

 

 突然唇を塞がれた女魔術師は困惑の声を漏らすが、すぐに肩の力を抜いて彼の口付けを受け入れ、差し込まれた舌に甘えるように自分の舌を絡めた。

 その間にも野盗は腰を動かし続け、締め付けてくる膣肉を一物で掻き回し、子宮口を亀頭で何度も殴る。

 

「んぶっ♡ぉ……♡ぉぉぉ゛……♡♡」

 

 嬌声を野盗の胃に吐き出しながら悶える女魔術師だが、締め付けながら痙攣する膣肉が与えてくる優しい快感に野盗もまた限界が近いことを悟り、一度口付けを中断。

 そのまま耳元に顔を寄せ、告げた。

 

射精()すぞ。溢すなよ」

 

 その宣言と指示と共に腰を突き出し、子宮口と亀頭を隙間なく密着させた直後、野盗は一物を駆け上がり、そして次の瞬間には射精が始まった。

 びゅるびゅると音を立てて鈴口から噴き出した白濁色の精液は女魔術師の子宮に直接注ぎ込まれ、彼女は「んぉおお!?♡」と野太い嬌声をあげながらビクン!と身体を跳ねさせるが、野盗に覆い被さられている都合で逃げることができず、吐き出される精液が一滴の無駄なく子宮に注ぎ込まれる。

 

「ぉあ……♡ひぅ!あつっ♡♡あったかいですぅ♡♡」

 

 子宮を満たす他人の温もりに恍惚の表情を浮かべる女魔術師。

 野盗もまた射精が終わると共にゆっくりと息を吐き、そして一物を引き抜いた。

 

「あひっ♡ぉ……っ♡あへ……♡んぉぉ……♡♡」

 

 女魔術師はどろりとした白濁液を秘裂から溢れさせながら喘ぎ、肩を揺らしながら乱れた呼吸を繰り返していた。

 度重なる絶頂と、トドメの射精で体力が限界を迎え、今にも閉じてしまいそうな瞼をどうにか開いているといった状態だ。流石の野盗も、そんな状態の彼女に無理をさせるほど鬼ではない。

 

「さて、これでお互い気が済んだだろう。そろそろ帰る──」

 

「いいえ、まだよ」

 

「そうです、まだまだです」

 

 そうしてこりと疲労を感じる肩を回した野盗は、野盗としての仮面を投げ捨てながら三人に撤収を告げようとした瞬間、背後から忍び寄っていた妖精弓手と女武闘家に引き倒された。

「え?」と間抜けな声を漏らしたのは、蒼い瞳に白い髪の冒険者──今回は野盗役として恋人の(・・・)彼女らの訓練に付き合っていたローグハンターだ。

 何故だかおかしな方向に進んだ訓練もこれで終わり。後は帰って寝るつもりだったローグハンターは、恋人達からの不意打ちに全く反応できない。

 地面に倒れた彼に妖精弓手と女武闘家の二人が覆い被さり、ぺろりと舌舐めずりしながら笑った。

 

「「まだ夜は始まったばかり(ですよ)」」

 

「そうよ、そうよ〜」

 

 二人からの挑発的な言葉と、女魔術師が絞り出した同意を示す声にローグハンターは寝転んだまま肩を落とすと、不敵は笑みを返した。

 

「ここまでくれば自棄(やけ)だ。最後まで、付き合ってやる」

 

 そんな彼の言葉に三人は生唾を飲み、恍惚の表情を浮かべながらこくりと頷くのだった。

 

 

 

 

 




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Memory?? 闇夜に響く嬌声④

リクエストから。
妖精弓手、女武闘家、女魔術師編最終回。
この章に必要あったのかも分かりませんが、『※』は外してます。


 夜の帳はいまだ上がらず、獣たちも煙につく丑三つ時。

 もはや眠る事さえも忘れた冒険者達の宴は、本当の意味でようやく始まったばかりだった。

 

「んっ……♡れろっ♡んちゅ、んぁ〜♡」

 

「ぁ……♡んっ……♡よい、しょ……♡よいしょ……♡」

 

 シーツ代わりに地面に敷いた毛布の上に寝転ぶローグハンター。

 満天の星空に向かいつつ、自身の腹に当たりそうな程に反りながら勃起した一物に群がるのは、女魔術師と女武闘家だ。

 女魔術師は飴玉を舐めるように亀頭を舐め回し、女武闘家はにぎにぎと玉袋を優しく握りしめて刺激しながら、豊満な胸で彼の一物を挟み込んだ。

 そのまま両手で左右から潰して一物を挟み込み、谷間に唾液を垂らして潤滑油代わりにすると、上下に揺らして一物を扱き始めた。

 にゅるにゅると粘り気の強い湿った音を鳴らしながら一物を扱く女武闘家は、胸に感じる火傷しような程の熱量に頬を朱色に染めながらちらりと女魔術師に目を向ける。

 

「んっ……」

 

 夢中になって亀頭を舐めていた彼女はそのしせんに気づいたのだろう。鈴口から溢れる先走り汁を吸い上げながら、女武闘家のそれよりも一回りは大きい乳房で彼の一物を包み込んだ。

 少々筋肉質で弾力に富む女武闘家の胸と、どこまでも沈んでいきそうな柔らかさに富む女魔術師の胸。左右から異なる柔らかさに包まれながら、ほれでも亀頭や竿部分が飛び出してしまっていた。

 人並み以上の大きさを誇る二人のそれでもこうなのだ。二人の師匠のそれだとしても、きっと包み込めまい。

 

「あむっ♡ちゅ……♡れろ……♡んぁ……♡」

 

「んっ♡ふっ……♡んん……っ♡れろ♡れろれろ……♡」

 

 だが、そんな事知った事かと言わんばかりに、二人はローグハンターへの奉仕を開始した。

 胸を圧迫しながら揺らして優しく一物を扱きあげながら、亀頭を舐め回しながら裏筋を舌先で小刻みに舐めてやる。

 ローグハンターはそんな二人の奉仕に嬉しそうに微笑みながら唸ると、ビクビクと一物が痙攣し始めた。

 

「逃げちゃ駄目ですよ♡れろれろ♡んちゅ♡ちゅ〜♡」

 

「動かないでください♡ちゅ……♡れろ♡んっ……♡」

 

 そんな反応に二人はどこか嬉しそうに──けれど、普段の仕返しを含んでいるのか嗜虐的に笑うと、胸を圧迫する力を強めて一物が動かないように固定しつつ、逃げ場をなくした亀頭を左右から舐め回し、何度も口付けを落とした。

 

「くっ……!うぅ……!」

 

 歯を食い縛り、快感に耐えるローグハンターだが、不意に彼の顔を覗き込むように妖精弓手が身を乗り出した。

 ちらりと一物を包み込むたわわな果実に目を向け、自分の平らな胸に目を向けて不満そうに頬を膨らませた。

 

「ま、あと百年もすれば大きくなるでしょ」

 

「その頃の俺は爺さんか、墓の下だろうがな」

 

「そんな寂しい事言わないでよ」

 

 快感に耐えているため眉間に深い皺を刻みながら、苦笑混じりに告げた言葉に妖精弓手は余計に不機嫌そうな声音になると、そっと彼の頭に手を添え、自分の顔を寄せた。

 そのまま優しく口付けを交わした二人は、互いの体温を味わうように舌を絡ませあう。

 

「ちゅ♡んくっ♡れりょ……♡んくっ♡んっ♡ちゅ♡」

 

 舌を伝い、流れ込んでくる彼の唾液を嚥下しつつ、角度を変え、力加減を変え、キスの雨を降らせる妖精弓手は、ご機嫌そうにぴこぴこと長耳を揺らした。

 ローグハンターはそんなかのの髪を撫でてやると、上下に忙しなく動く長耳を優しく指で摘み、按摩するように揉みほぐす。

 

「んっ……♡みみ、きもちぃ……♡ちゅ♡んちゅ♡背中、ぞわぞわしてぇ……♡」

 

「「…………」」

 

 彼とキスをしながら按摩されている──いいや、背筋を震わせ、秘裂から愛液を滴らせている様は、もはや愛撫されていると言ってよい──妖精弓手の姿に、女武闘家と女魔術師は不服そうに目を細めた。

 二人は目を合わせると頷きあい、息を合わせてむぎゅっと胸を潰して一物を思い切り押し潰し、僅かに歯を立てて亀頭に噛み付いた。

 不能になられては困ると最大限加減しつつも、がぶりと噛まれた事に変わりはない。

 

「いっ!?」

 

 駆け抜けた僅かな痛みにローグハンターが悲鳴をあげ、無意識にその痛みに耐えようと意識が向けられた瞬間、必死に抑え込んでいた射精感が一気に尿道を駆け上がった。

「やべっ」と声を漏らした頃にはもう遅い。ビクン!と一際強く一物が震え、鈴口から熱々ドロドロの精液が噴き出した。

 噴水の如く噴き出した白濁液は二人の顔と胸に降りかかり、健康的に火を焼けた女武闘家の肌を、筋張りながらきめ細やかで色白な女魔術師の肌を汚していく。

 

「……んっ♡すご……っ♡んちゅ♡れろ♡臭いも、味も、初めて射精したみたいで、すごいですぅ……♡んくっ♡んぁ♡」

 

「汚い、のにぃ♡れろ♡髪も、ローブにだってかかってるのにぃ♡れろ♡ちゅぱ♡子宮♡おまんこ、きゅんきゅんして、欲しがっちゃってますぅ♡♡」

 

 鼻下にへばりついた精液を舐めとった女武闘家は恍惚の表情を浮かべ、もごもごと口を動かして咀嚼しながら、自分の胸や顔にかかった白濁液を指で掬い、舐めとっていく。

 隣の女魔術師は牛飼娘のそれにも似た赤髪や、愛用のローブを汚された事に僅かに嫌悪するような表情になりながらも、愛液が垂れてきた太腿をもじもじと擦り合わせ、下腹部を押さえた。

 そのまま「これ、これ欲しいぃ♡」と上擦った猫撫で声を漏らしながら、白濁に汚れた一物に頬擦りし、汚れを落とすように舌を這わせた。

 

「だ〜め♡順番的には次は私なんだから♡んちゅ♡ちゅ♡ちゅ♡」

 

 だが、それに待ったをかける人物が一人。

 ローグハンターの体に覆い被さりながら、女魔術師から彼の一物を奪い取るように口付けしたのは妖精弓手だ。

 彼女は何度も一物に口付けすると、顎が外れんばかりに口を開けてぱくりと頬張った。

 そのまま頬を窄めながら尿道に残っている精液を吸い出し、こくこくと音を立てながら飲み込んでいく。

 むっと不満げな表情を浮かべる女魔術師だが、視界の端でローグハンターが両手を動かしている事に気づき、小首を傾げた。

 その直後、彼の手は体勢の都合で目の前にある妖精弓手の秘裂へと伸び、そのままの勢いで指を突っ込んだ。

 

「ひぎっ♡ぉ……♡待っ……♡いき、なりぃ……♡」

 

 秘部に入り込む異物感に悶える妖精弓手が嬌声混じりに抗議の声をあげるが、

 

「もう二本くらいなら、いけるな」

 

「え?ちょ、待っ──」

 

「ほれ」

 

「んぉおお♡♡」

 

 ローグハンターは普段から一物を受け入れているのだしいけると判断したのか、逆の手の指を二本突っ込んで秘部を圧迫。

 一物とは違う異物感に困惑する妖精弓手を他所に、ローグハンターは突っ込んだ指をバラバラのタイミングで動かし、締め付けてくる膣肉を優しく掻き回す。

 左の人差し指の指先でGスポットを指圧してやりながら、右の人差し指、中指で直腸と秘部を隔てる肉の壁を圧迫し、指先で揉みほぐす。

 

「ほぎっ♡ぉ……♡ゆび、ゴリゴリって……♡これ、やば、ぃぃいい♡♡♡」

 

 ぐちゅぐちゅと湿った音を漏らし、愛液を溢れさせながら、妖精弓手は恍惚の表情を浮かべて喘いだ。

 ローグハンターは微笑みを浮かべながら黙々と秘部を責め立て、指の動きに合わせてピクピクと震える平たい臀部と、胸に落ちる愛液の温もりにご機嫌そうに鼻を鳴らした。

 

「ぉ……♡ほひっ♡やば♡これ、癖になりそっ♡お尻、ゴリゴリ気持ちいぃ♡♡」

 

 秘部から直腸を虐められる未知の快感に視界を点滅させ、ローグハンターに新たな調教へと取っ掛かりを与えた事にも気づかず、絶頂寸前の快感に悶え続ける。

 ローグハンターの一物を扱いている女武闘家と女魔術師の二人は、目の前で快感に悶える妖精弓手の姿に羨むような視線を向けた。

 ひたすら秘部を責められ、快感を与えられ続けているのだ。こっちが奉仕する番組だというのに、彼女だけずるいのではないか。

 

「ほら、サボらないでちゃんとご奉仕してください」

 

「王族だからって、手抜かない」

 

 女武闘家はあへあへとだらしなく喘いでローグハンターへの奉仕が疎かになっている妖精弓手に諫言を行うと、そのまま彼女の頭を掴み、無理やり上下に揺らして無理やり口での奉仕を行わせ、女魔術師はぐにぐにと長耳を揉みほぐして刺激してやる。

 

「もがっ!?んぐ!?♡ぉ゛♡んんっ!♡♡」

 

 自分の意に反して動かされる頭。喉奥に叩きつけられる亀頭。逃げようとしても、秘部と耳へと刺激で体に力が入らず、性欲処理用の玩具のように使われてしまう。

 

「ほらほら。この人は裏筋ペロペロされるのが好きなんですから、ちゃんとしてください」

 

「誰から聞いたのよ……」

 

「勿論、師匠から!」

 

「あ、そう」

 

 何だか手慣れている彼女の様子に困惑する女魔術師に、すぐさま事情を白状する女武闘家。

 ローグハンターの隣を独占し、第一夫人の席を他の誰にも譲る気もない師匠から、まあ彼の相手をするならと教わった事柄の一つだ。

 その時は妖精弓手の位置に自分がおり、師匠の手で彼女と同じ状態にされたのだが。

 そんな過去の事を思い出しながら苦笑した女武闘家は、そのまま妖精弓手の頭を上下に揺らしながら、ふと何かを思いついたのかニヤリと笑い、女魔術師に何言か耳打ち。

「え……」と流石の女魔術師もドン引きするが、まあいいかとすぐに開き直って自分の髪や肌に貼り付く精液を指で掬い取り始めた。

 片手で妖精弓手の動きを制御する女武闘家もまた、自分の体を精液を指で掬い、それを手のひらに馴染ませ始めた。

 

「もごっ♡ぉぇ……♡んんっ♡もぎゅ……っ♡♡」

 

 妖精弓手は両脇の二人が何か悪巧みをしていると気づくが、ローグハンターに秘部を弄られる快感と、喉奥を叩かれる不快感と鈍い快感のせいで碌な対応ができずにいた。

 ローグハンターの指がGスポットを抉るように撫で、直腸を軽く潰すように指圧するたび、背筋を震わせて快感に悶え、臀部をビクビクと震わせる。

 そうこうしている内に女武闘家と女魔術師はそれぞれの右手を精液でコーティングし終え、女武闘家が妖精弓手の耳元で囁いた。

 

「貴方の耳に、彼の精液塗りまくっちゃいますね。さっきご奉仕を忘れた罰です」

 

「んきゅ!?♡んぐっ♡んんっ!♡ん〜〜!♡♡」

 

「何言ってるか、わかりません」

 

 彼女の言葉に顔を青くした妖精弓手が一物を咥えたまま何かを叫ぶ中、女武闘家はその声を無視して彼の精液で包まれた右手で彼女の長耳を鷲掴んだ。

 ぐちゅりと湿った音と共に生温かな液体が長耳を包み込み、ゆっくりと垂れる力で撫でていく。

 

「おきゅ!??!♡♡♡」

 

 ビクン!と肩を跳ねさせ、腰を震わせる妖精弓手。

 秘裂からぶしゅりと音を立てて潮が噴き出し、ローグハンターの胸板を汚す中、女武闘家は怪しく笑う。

 

「ほら、綺麗にしましょうね〜。このまま、中も洗っちゃいましょうか。ほら、そっちも」

 

「はぁ。どうなっても知らないわよ」

 

 女武闘家の指示に面倒そうに──けれど実際は興味深々といった様子で応じた女魔術師もまた精液で包まれた長耳を掴み、そのまま精液を塗りたくっていく。

 女武闘家はそのまま精液に包まれた人差し指を耳の穴に突っ込み、何度も抽送させて耳の中にも精液を塗りたくっていく。

 

「〜〜〜♡っ!♡♡♡っ!?♡」

 

 二人の動きに合わせて壊れた人形のように体を震わせる妖精弓手だが、片手で頭を押さえられている為一物を離すこともできず、喉奥をごすごすと亀頭が殴り続けていた。

 引き締まりながら、声なき絶叫で震え、一物を扱く喉。

 意味もなく暴れる舌。

 僅かに立てられた歯が一物に食い込み、僅かな痛みを彼に与えるが、今更構うこともない。

 ぐちゅぐちゅと湿った音と生温かな粘度の高い液体に包まれる長耳。穴の中さえも精液で満たされ、指が動く度に一物で貫かれた秘部と同じ音が森人の優れた聴力を支配する。

 

「ぉ゛……♡お゛ほっ♡ぉおぉおお゛♡♡♡」

 

射精()るぞ……!」

 

 喉が震え、小刻みに揺らされる快感の連続に、ローグハンターは限界を迎えた。

 唸るように告げられたその宣言に女武闘家が「はい、どうぞ」と返し、妖精弓手の頭を限界まで下に下げた。

 子供の腕ほどありそうな極太、極長の一物が根元まで妖精弓手の口に押し込まれ、先端は食道にまで達しているのだろう。細い喉が歪に膨らんでいるように見えた。

 

「っ……!」

 

 ローグハンターが喉の奥で小さな呻き声を漏らした瞬間、射精が始まった。

 びゅるびゅると音を立てて吐き出されたそれは、既に喉の奥の奥で吐き出された為か飲み込む動作もなく胃へと落ちていく。

 

「〜〜〜〜〜〜♡♡♡♡」

 

 鼻腔を駆け抜ける生臭さ。胃に落ちていく精液の熱さ。

 妖精弓手は目をあらん限りに見開き、全身を痙攣させながら特大の絶頂を迎えた。

 その間にも二人は長耳へと精液の塗り込みを止める事はなく、くちゅくちゅと音を立てて耳を責め続けていた。

 

「〜〜〜っ♡♡────…………♡♡♡」

 

 そして、ローグハンターの射精が終わったのと同時。彼女は白眼を剥く同時にくたりと全身を弛緩させた。

 全体重をかけてローグハンターの上に覆い被さり、胸板に乗った秘部からはちょろちょろと音を立てて尿が漏れ出ていた。

 女武闘家が彼女の頭を持ち上げてやれば、開いた口からごぼりと音を立てて精液が吐き出され、ローグハンターの一物に降りかかる。

 

「うわ。汚……」

 

 女武闘家が思わずこえを漏らす惨状に女魔術師も眉を寄せるが、とりあえず二人で協力して妖精弓手を脇にずらす。

 

「ぁ……♡あへっ……!♡ぉ……♡ぉぉ……♡♡」

 

 ローグハンターの手も借りて脇に転がされた妖精弓手は、気絶したまま毛布の上で大の字になる。

 秘裂からはぷしゅぷしゅと音を立てて潮が噴き出し、口からはごぼりと音を立てて逆流した精液が吐き出される。長耳からもとろりと精液が溢れ出し、女神の如き美貌は白濁に染まり、その顔を覆い隠していた。

 

「もう。掃除する身にもなりなさいよね」

 

 女魔術師は溜め息混じりに吐き出された精液で汚れた彼の一物に舌を這わせ、汚れを舐め取っていく。

「まあまあ、いいじゃない」と苦笑混じりに女武闘家もそれに混ざり、二人でペロペロと彼の一物を舐めて綺麗にしていく。

 妖精弓手がいなくなった為、その様子が丸見えのローグハンターは頭の後ろで手を組んで枕代わりにしながら、二人の奉仕の様子を観察。

 彼の視線に気づいている二人は今更照れたように頬を朱色に染まるが、舌を止める事なく動かし続けていた。

 

「れろ♡貴方の味だけじゃなくて、変な味がします……っ♡でも、美味しい♡♡」

 

「森人の出汁の味、かしら。れろ♡んちゅ♡まあ、そこまで気にならないけど♡♡」

 

 舐め取った精液を舌の上で転がし、その味を堪能しながらその味に総評を下す二人。

 白濁に染まった涎を垂らしながら、樹液を舐める虫のように一物を離さない二人の姿にローグハンターは苦笑混じりに肩を竦め、上体を起こした彼はそっと二人の頭を撫でた。

 二人が心地良さそうに目を細める中、そんな二人に向けて告げる。

 

「──で、どっちから相手をするべきなんだ?」

 

「「っ!!」」

 

 彼の言葉に我先にと反応した二人は、名残惜しそうにしつつも頭を撫でる彼の手から離れ、四つん這いになりながら横並びになり、安産型の臀部を彼に向けた。

 突き出した臀部を左右に揺らしながら肩越しに彼に流し目を送り、彼の欲情を誘う。

 水でも被ったようにびしょびしょに濡れた秘裂がパクパクと開閉を繰り返し、愛液を吐き出していた。

 

「私からお願いします♡また、滅茶苦茶にしてくださいぃ♡♡」

 

「わ、私を先にお願いしますっ♡もう、我慢できないんです♡♡」

 

 女武闘家はどこか余裕がありそうな笑みを浮かべ、女魔術師は必死に懇願するように声を振るわせた。

 そんな二人の様子に強い愉悦感を感じながら、ローグハンターはそっと二人の臀部を撫でた。

 ぴくりと臀部が震え、ぷしゅりと愛液が溢れ出す。二人はどうにか嬌声を噛み殺しているが、素直な反応を繰り返す体はローグハンターに隠し事を許さない。

 笑みを浮かべた彼は左右それぞれの指を二人の秘裂に差し込むと、そっとGスポットを指で撫でた。

 

「ひぅ……っ♡」

 

「あっ……♡」

 

 彼の指がゆっくりと、けれど力強く敏感な部分を擦った瞬間、二人はぞわりと背筋を震わせた。

 そのままローグハンターは同じ場所を擦り始め、二人は小さく嬌声を漏らしながら臀部を揺らし、快感に悶えているとローグハンターが告げた。

 

「我慢しろ。先にイッたら負けだ」

 

「「……っ!♡」」

 

 彼が当然持ちかけた勝負に二人が表情を強張らせる中、ローグハンターは嗜虐の笑みを浮かべながら指の抽送運動を開始。手持ち無沙汰の指で陰核を摘み、扱くように上下に動かす。

 

「んひっ♡おっ♡ぉぉおぉお♡♡」

 

「んぁ♡ひぅ♡ぁぁああ♡♡そこっ、だめ♡♡同時、はぁぁぁ♡!♡」

 

 膣肉を優しく撫でられる優しい快感と、陰核が潰される鋭い快感。

 二つの異なる快感を同時に叩きつけられた二人は背筋を震わせながら嬌声をあげ、奥歯を噛んで下腹部から駆け抜ける絶頂感に耐える。

 だが、それも長続きはしない。妖精弓手の痴態を前に散々我慢させられた二人の身体の火照りは限界まで強まり、理性の蓋は外れかけていた。

 それでも存外に耐える二人の姿に感心したように柔らかく目を細めたローグハンターは、二人の秘部を責める手を継続しながら二人の間に挟まるように上体を倒すと、その耳元で囁いた。

 

「さっさとイけ。変態ども」

 

「〜〜〜〜!♡♡♡!?」

 

 その声に先に反応したのは女魔術師だった。

 顔を真っ赤にしながら声にならない嬌声をあげ、背中を仰け反らせて絶頂を迎えた。

 秘裂から大量の潮を噴きながら全身を痙攣させ、腕から力が抜けると共にぺちゃりと地面に沈んだ。

 豊満な胸が地面で潰れ、赤く上気した肌には珠のような汗が滲んでいる。

 

「ぁ……♡あへっ♡く、くそぉ……♡イかされ、ちゃったぁ……♡♡」

 

「や、やった……!わ、私の勝ち……っ♡」

 

 目の焦点を泳がせながら敗北に打ちひしがれる女魔術師を尻目に、女武闘家は汗で額に貼り付いた髪をそのままにドヤ顔を浮かべた。

 といっても絶頂寸前の燻り状態。あのままもう少しでも責めが続いていれば、まず間違いなく自分が負けていた。

 だが、同時に気づく。そんな危険な状態で、飢えた肉食獣に急所を晒している事実に。

 ローグハンターは秘裂に亀頭を押し当て、溢れ出てくる愛液で亀頭をコーティングし、本番の準備を整えていた。

 

「それじゃ、ご褒美だ」

 

「あ、あの、ちょっと待っ──」

 

 そして彼女の制止の声になど聞く耳持たず、ローグハンターは一物を彼女の秘部に叩き込んだ。

 ずりゅりと湿った音をたてながら一物が彼女の秘部を貫き、子宮口を殴りつけて子宮を押し潰す。

 

「おぎ!?♡ぉ゛……っ♡ほぉ……♡ぉぉ…………♡♡」

 

 その一突きが抑え込まれていた彼女の絶頂感を一気に爆発させ、電撃の如き凄まじい快感が胎から脳天までを駆け抜けた。

 がくがくと震える手から力が抜け、女魔術師のように上半身が沈む。ローグハンターの一物に支えられた臀部だけが突き出される形になり、彼はやりやすくなったと言わんばかりにその臀部を両手で鷲掴む。

 そのまま力任せにがっちりと固定した臀部に向けて腰を叩きつけ、勢いのままに一物を抽送させた。

 ゴリゴリと音を立ててカリが膣肉を掻き回し、どすどすと鈍い打撃音にも似た音を立てながら亀頭と子宮口がぶつかり合う。

 その度に女武闘家は絶頂を繰り返し、ガクガクと震える太腿に噴き出した潮と掻き出された愛液が伝っていった。

 

「んんっ♡ぁ……っ♡」

 

 カリが秘部を飛び出さんばかりに引き出され、一気に根元まで押し込まれる度に膣肉全体が掻き回され、脳を焼くほどの強烈な快感が女武闘家に襲いかかる。

 視界が点滅し、身体に力が入らなくなる。呼吸が乱れる、どう頑張っても落ち着かない。

 だが、それはローグハンターも同じ事。腰を動かす度に呼吸が乱れ、頬に汗が伝う。

 それを拭う事なく、ローグハンターは射精感を我慢するように歯を食い縛り、歯の隙間から熱を孕み、異様に力んだ息が漏れる。

 それでも彼は腰を押し出し、彼女の子宮を責め続け、押し潰す。

 腰を回して一物を押し付けるように動かしてやれば、ゴリゴリと音を立てて子宮が変形し、脳天まで響く快感が女武闘家の背筋を駆け抜けた。

 

「んぉぉおおおおお♡♡♡」

 

 女武闘家が全身を震わせて更なる絶頂を迎えた瞬間、痙攣を始めた膣肉が一気に引き締まり、ヒダが彼の一物全体を撫で回した。

 

「っ……!」

 

 不意に一物を撫でた快感にローグハンターは低く唸り、我慢の限界を迎えた。

 一物を中を溶けた鉄が駆け上がる感覚に小さく目を見開き、押し潰した子宮口に鈴口を押し付けた。

 次の瞬間に射精が始まり、潰れた子宮の中にドロドロの精液が吐き出され、瞬く間に満杯に満たしていく。

 子宮にこびりつき、染み込んだ古い精液を上塗りし、子宮の内側を舐め回す。

 

「〜〜〜〜♡♡♡」

 

 ビクビクと全身を震わせ、最後の絶頂に声にならない嬌声をあげた女武闘家は次の瞬間には全身を弛緩させ、臀部を突き出した体勢のまま気を失ってしまう。

 射精が終わると共に一物を引き抜き、手を放してやれば彼女の身体はべちゃりと足元に広がる潮や愛液で湿った地面に落ち、ピクピクと痙攣し始まる。

 

「ぁ……へ……っ♡ぉぉ……♡」

 

 口から漏れる小さな嬌声を聞き流しながら、ローグハンターはちらりと女魔術師に目を向けた。

 

「ぁ……」

 

 女武闘家とローグハンターの交わりを肴に自分を慰めていた彼女は、不意に視線が交わったのを合図に小さく声を漏らした。

 木に寄りかかり、頬を真っ赤に染めた彼女は閉じていた脚をゆっくりと開き、秘部を弄っていた指を引き抜くと、そのまま秘裂を開いた。

 くちゅりと湿った音を立てながら、指の間に糸を引きながら開いた秘裂は使い込まれているにも関わらず美しい薄桃色を保っており、それなりに疲労の溜まったローグハンターの情欲を誘うには十分な淫靡な雰囲気を醸していた。

 ごくりと生唾を飲んだ彼は足音一つなく彼女に近寄ると、彼女の脚の間に膝を下ろした。

 そのまま開いた秘裂に亀頭を押し当て、溢れ出る愛液を塗りたくるように擦り付ける。

 亀頭がコリコリと陰核を転がす度に女魔術師の肢体は震え、口から小さな嬌声が漏れる。

 

「んっ……♡ふぅ……♡お願い、します……っ♡焦らさないで、ください!♡」

 

「わかった。なら、いくぞ」

 

 声を上擦らせながらも懇願の声を漏らした女魔術師に、ローグハンターはこくりと頷いて一物に手を添えると、しっかりと入るように亀頭の位置を調整。

 そしてそのままゆっくりと腰を突き出し、一物を挿入。

 

「あ……♡あぁ……♡んんっ♡ふっ……♡」

 

 胎内に入り込む異物感と、カリが膣肉を引っ掻く快感に悶える女魔術師。

 ローグハンターはそんな彼女の頬を愛おしそうに撫でながら、そっと彼女の唇を奪い、開いていた歯の隙間から舌を入れた。

 

「んっ♡んちゅ♡あふっ♡んんっ♡ん〜〜♡」

 

 舌を絡めあい、互いの唾液を交換しながら腰の動きは緩めない。

 とすとすと優しく腰がぶつかり合い、がさがさと木が揺れる音を聞きながら、ローグハンターは頬張るように彼女の唇を奪い続ける。

 

「ちゅ♡んぁ♡ま、んん!?♡だ、ダメ、ですぅ♡んんんっ♡♡」

 

 まともに息継ぎもできず、胎の奥を突かれる度に嬌声を漏らす彼女は、軽い酸欠に陥りつつも快感に身悶えした。

 離れてという意味も込めて肩を叩いやっても、ローグハンターは構わずに口付けを続け、むしろ腰の動きを強め始める始末。

 

「んぐ!?♡ぉ゛♡だ、ダメ♡んきゅ♡♡ぉひ♡んんん゛……♡♡」

 

 全体重をかけて腰を振り、女魔術師諸共に木を揺らしながら抽送を続ける。

 ぐちゅりぐちゅりと湿った音と共に掻き出された愛液が女魔術師の臀部に伝い、地面を湿らせる。

 

「んんっ♡ん〜〜!!♡んぶっ♡おおおお゛お゛♡♡」

 

 抽送運動が激しさを増し、それに比例して快感が強まっていけば、女魔術師は目を見開きながら全身を震わせ、秘裂からぷしゃぷしゃと音を立てて潮が噴き出した。

 どうやら絶頂を迎えたようだが、ローグハンターは構うことなく腰を動かし続け、絶頂直後で痙攣し、敏感になっている膣肉を一物が掻き回し、更なる絶頂を押し上げてやる。

 

「んぉ゛♡ぉぉ゛♡♡んぉおお゛おお゛おお゛♡♡♡」

 

 休む間もなく次から次へと絶頂させられる女魔術師は、キスをしたまま野太い嬌声をあげ、喉を震わせた。

 だが吐き出された声も、唾液も全てローグハンターが呑み込み、もっと哭けと言わんばかりに腰の動きを強める。

 

「んぎっ♡んんんっ♡んちゅ♡ぉ♡おおおお゛♡♡」

 

 一物が動く度にきゅんきゅんと膣肉が引き締まり、その中を抽送するのは文字通り優しく扱かれるような快感がある。

 ローグハンターはそれに耐えつつ一度キスを止めて顔を離し、微笑み混じりに告げた。

 

射精()すぞ。全部受け止めろ」

 

 その宣言の直後。女魔術師が返事をする暇もなく、すぐにその時が訪れた。

 ローグハンターの肩がぶるりと震えたかと思えば、次の瞬間には数度の射精を経てもなおその濃さと熱さを保つ精液が吐き出され、彼女の子宮に注ぎ込まれたのだ。

 

「んぎっ!?♡ぉ……♡で、でてりゅ……♡おほっ♡孕む、孕まされちゃう……♡♡」

 

「いいぞ。家族は、多い方が俺も嬉しいからな」

 

 一物の形に歪に膨らみ、彼の吐き出した精液を溜めた下腹部を愛おしそうに撫でながら呟いた言葉に、ローグハンターは無邪気な笑みを浮かべながらそう返す。

 その表情と言葉にきゅん♡と子宮に熱が宿り、女魔術師もまた小さく声を漏らした。

 そしてそっと彼の手を取ると恋人がそうするように指を絡め、互いの体温を感じながら言う。

 

「じゃあ、もう一回──いえ、私が孕むまで膣内(なか)に──」

 

「次は私の番よ!こんなドロドロになったのに、私一回しかされてないんだからね!」

 

「なら、その次は私です。双子でも三つ子でも、産んでみせますよ」

 

 だが二人が繋いでいた手を更に掴んだのは、妖精弓手と女武闘家だ。

 二人は女魔術師を睨みながら、けれど瞳に消えていない情欲の炎を揺らしてそう告げた。

 女魔術師は渡さないと言わんばかりに彼の手を掴む手に力を入れ、下腹部にも力を入れて一物を締めつけた。

 そんな彼女の抵抗に愛らしさを感じつつ、ローグハンターは笑った。

 

「喧嘩するな。全員まとめて相手してやるから」

 

 彼が朗らかにそう告げた瞬間彼は三人の手で押し倒され、双子の月を見上げる体勢にさせられる。

 視界に映る双子の月の輝きに目を細める彼だが、すぐに妖精弓手、女武闘家、女魔術師が彼の視界に影を落とし、そして笑った。

 

「じゃ、頑張ってもらうわよ♡」

 

「頑張ってください。私も、頑張りますから♡」

 

「いっぱい出してください。たくさん、家族を増やしましょう♡」

 

 妖精弓手が、女武闘家が、女魔術師が、それぞれの言葉で彼を誘い、ローグハンターはそれに応じるようにこくりと頷いた。

 四人の愛と欲望に乱れた夜はまだ終わらず、むしろ始まったばかりだった。

 

 

 

 

 

 それから時間は流れ、山の輪郭が白んできた頃。

 

「にしても、あんた達いっつもあんな風にされてるわけ?」

 

「……はぃ」

 

「まあ、そうね」

 

 近くの泉に移動した一党は、その身を清めつつ昨晩の光景に関して意見を交わしていた。

 妖精弓手は耳を重点的に洗いつつ、片手でペチペチと女武闘家の腹筋を叩き、視線を向けるのは女魔術師の胸だ。

 

「あんたはここをゴリゴリされて気持ちいいんでしょ?そっちは胸ばっかり」

 

「そういう貴方は耳、ですよね」

 

 軽く叩かれる程度では流石に感じない女武闘家が溜め息混じりにそう言うと、お返しと言わんばかりにぴこぴこと揺れている妖精弓手の長耳を掴み、揉みほぐしてやった。

「あ゛〜、気持ちぃ〜」と表情を蕩けさせる妖精弓手だが、その顔はローグハンターに弄られた時とは程遠い。単に脱力(リラックス)している時のそれだ。

 

「私だって大変なのよ。こう、毎回滅茶苦茶にされるんだから……」

 

 女魔術師はそんな二人のやり取りを横目に、いくつものキスマークをつけられた胸を隠すように抱き寄せ、頬を朱色に染めた。

「こんなのどう隠せってのよ!」と悪態をついた先にいるのは、彼女らの水浴びを眺めながら焚き火の番をしているローグハンターだ。

 妖精弓手だけにしか見えていないが、瞳に蒼い輝きが宿っているあたり、タカの眼を使っての周囲への警戒も忘れていない。

 はぁと三人が溜め息を吐き、そんなまだ余力があるようにさえ見える彼の体力にへきへきする。

 

「とにかく、綺麗になったら早く帰りましょ。みんな心配しているわ、きっと」

 

 妖精弓手が耳を揺らして水気を飛ばしながらそう言うと二人は頷き、遠くからローグハンターも「そうだな」と同意の声も飛んできた。

 

「まあ、何人かは別に心配してなさそうだけど」

 

「あの()たちも、ゴブリンスレイヤーのところに突撃してるでしょうしねぇ」

 

「あはは」

 

 三人が話題に出したのは、女神官、受付嬢、牛飼娘の事だ。

 誰が呼んだか『ゴブスレ好き同盟』の三人は、一途に見せかけて何人もの相手を抱いているローグハンターの姿と、そんな彼を取り巻く女たちの姿に当てられたのか、近いうちに三人でゴブリンスレイヤーを襲う計画を立てたらしい。

 ローグハンターが街を離れ、ゴブリンスレイヤーも長期の仕事から帰ったばかりの疲労困憊の状態。やるなら昨晩のうちか、今日の夜か。

 

「ま、報告を待つことにしましょ。ゴブリンゴブリンばっかりのあいつにはいい薬よ」

 

 妖精弓手は三人に襲われ、大変な事になっているだろう何か変なのの姿を幻視し、ニヤニヤと楽しそうに笑うのだった。

 

 

 

 

 

 辺境の街郊外の牧場。

 ゴブリンスレイヤーの仕事部屋ともいえる納屋の中には強烈な淫臭が立ち込めていた。

 そんな中、被せられた毛布を退かしながら身を起こした青年は「むぅ」と困り顔で小さく唸る。

 視線の先にいるのは、秘裂から破瓜の血と己が吐き出した精である白濁液を垂らす三人の女性。

 一党の仲間であり、頼れる冒険者だと思っていた少女。

 いつも世話になっているギルドの職員。

 そして、大切な幼馴染み。

 肌に珠のような汗を滲ませながら、夢の中で続きでもしているのか小さく嬌声を漏らす彼女たちは、寝ているというよりかは気絶していた。

 何がどうしてこうなったのかはわからないが、とにかく自分は三人とそういった関係(・・・・・・・)になってしまったらしい。

 

「むぅ……」

 

 さて、どう片付けたものか。

 ゴブリン退治の知識ばかりが集まり、そういった事への──愛する者同士のまぐわいの後処理の仕方など、皆目見当もつかない。

 青年は再び小さく唸ると、三人を起こさないように足音を殺して立ち上がり、換気の為に窓を開けた。

 既に陽は昇り、白んだ山の輪郭から太陽が顔を出している。

 もう数えること馬鹿になるほど見た筈のそれが、なぜかは知らないがとても特別なもののように見える。

 ほんの数秒、眩しさに目を細めながらその光景に魅入っていると、不意に背後から抱きしめられた。

 背中に感じる柔らかさと温もりも、昨晩散々味わったものだ。

 

「おはよう。いい朝だね」

 

「ああ」

 

 背後から聞こえた幼馴染みの声に頷いた彼は、僅かに黙りこけると彼女の手を取り、振り向いた。

 視界に飛び込むのは鮮やかな赤い髪と豊満な胸。そして見慣れた筈なのに、いつにも増して美しいと思える彼女の笑顔だった。

 照れくさそうに顔を耳まで赤く染めながら、それでもいつものように笑おうとしている彼女に向けて、青年は微笑を浮かべながら(・・・・・・・・・)口を開く。

 

「おはよう」

 

 幼馴染みの背後では少女とギルド職員も身体を起こし、彼の笑顔に驚きながらも同じように朝の挨拶をしてくれる。

 世界にとってはいつもと変わらない朝。けれど、青年にとっては特別なものとなった朝。

 彼はずかずかと無造作な足取りで納屋を進むと、年季の入った鉄兜を手に取り、告げた。

 

「まずは片付ける。身を清めて臭いを落とす」

 

 ──それが済めば、ゴブリン退治だ。

 

 けれど彼は相変わらず。それでも女性たちはそれでこそと言わんばかりに微笑み、それぞれの言葉で返事をするのだった。

 

 

 

 

 




感想、リクエスト等ありましたら、よろしくお願いします。


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Memory?? 種族を超えて

リクエストから。
ヒロインは花冠の森姫(妖精弓手のお姉様)。時期はSequence08(原作7巻)よりは前。
とある理由で森を散策していた二人は突然の嵐に襲われーー。


 ローグハンターと呼ばれる冒険者が森人(エルフ)の里に訪れたのは全く偶然であり、だが必然でもあった。

 在野最高である銀等級冒険者。彼を名指しして舞い込んだ依頼が、巡り巡って彼を森の奥深くに広がる森人の領域へと踏み込ませたのだ。

 そして、その依頼というのは彼にとっても渡りに船だった。

 友人である妖精弓手から、自身の先祖であり伝説として名を残すアサシンでもあるアルタイルに関する情報を手に入れ、そのうち調査に行かねばと思っていたからだ。

 この世界に転がり込んでおよそ五年。極力だが誰とも繋がりを持たずに(・・・・・・・・・・・)過ごし、いつでも元の世界に帰還する手筈を整えていた彼にとって、憎きアサシン(・・・・・・)であっても元の世界に帰還した男の情報というのはどんな代償を払おうとも手に入れればならなかった。

 妖精弓手の案内──勝手に着いてきた──や冒険者ギルドの徽章で問題なく里に入ったローグハンターだが、その依頼というのが何とも面倒なものだったことに加え、とある問題が彼に降りかかっていた。

 

「あちらが件の果実です。実は、落ちていないようですね」

 

「そのようだな」

 

 森の案内役として宛てがわれた女の森人の言葉に、ローグハンターは表情を動かす事なく頷くが、胸の内は穏やかではない。

 視界の端では星を散らした銀河のような髪が森を抜けていく風に揺れ、振り向き様に向けられた金色の瞳がこちらの顔を伺ってくる。

 森を進むには余りにも邪魔であろう銀糸のドレスを纏う肢体は、白く、細く、けれどしなやかに高い。

 そしてドレスの胸元を押し上げるのは、豊穣の化身もかくやな豊満な果実だ。

 髪を彩る花冠も彼女の美貌の前では霞み、けれどその花弁は生き生きと輝いて見える。

 ローグハンターは彼女に気付かれないように胸中で溜め息を吐いた。

 依頼はとある薬の材料になるという希少な果実。森人の領域に稀に生えるという木からしか取れぬ、薬学に通じていなけれび一生に一度お目にかかるかどうかの代物。熟れて枝から落ちた果実であればなおよし。

 知識のないローグハンターが見つけるのは流石の彼でも至難の業。なにより森人の領域を歩くのだ。案内(かんし)役が着くのは当然で、頼みの綱であった妖精弓手も到着早々に侍女らの脇に抱えられてどこかに連れていかれてしまった。

 だが、だからこそ、この状況に困惑が隠しきれなかった。

 

「……どうしてお前が森を案内している」

 

「その質問、何度目でしょうか。いいではありませんか、たまには羽目を外したのです」

 

 彼の疑問に小首を傾げ、上品な笑みと共に言葉を返したのは妖精弓手と同じ──より正確には彼女の姉である花冠の森姫だ。

 彼女は綻ぶような微笑をそのままに、「次はあちらです」と森の向こうを指差した。

 

「森人の王族に森を案内させる只人。話だけ聞いたらその内殺されそうだ」

 

「貴方は森人を何だと思っているのですか?そこまで野蛮ではありません」

 

「どうだか」

 

 花冠の森姫の言葉にローグハンターは肩を竦めた。

 森の中に道を作りたいからと律儀に使者を送った挙句、その死体が送り返されたという辺境貴族の話を、彼女は知らないのだろうか。あるいは知ってはいるがしらを切っているのか。

 森人の情報網は知らんと匙を投げ、「で、次はどっちだ」と仕事の話に舵を戻した。

 こんな依頼はついでだ。早く本題であるアルタイルに関する情報を集めなければならない。

 だというのに、今日の出目は最悪らしい。

 花冠の森姫の長耳がぴくりと揺れ、ローグハンターも鬱陶しそうに溜め息を吐きながらフードを目深く被り直した。

 そして遠くからゴロゴロと雷電竜の唸り声が耳朶を撫で、明るかった空も厚く、暗い雲に覆われていく。

 

「雨が降るなら前もって教えて欲しかったがな」

 

「空の機嫌を知るのは我々でも難しいのですよ」

 

 ローグハンターの悪態に花冠の森姫は上品な笑みと共にそう返し、枝葉の隙間から雲に覆われていく空を見上げる。

 雲の流れが速い。そのうち風も出てくるだろう。雨ではなく、嵐になるやもしれない。

 

「どこかで雨宿りをしませんと」

 

天幕(テント)の用意をするか」

 

 花冠の森姫が状況に反して楽しそうに笑い、ローグハンターは嘆息混じりに額を押さえた。

 どうせ箱入りのお姫様だ。森の中で嵐に巻き込まれる怖さを知らないのだろうと、能天気な姫様を胸中で愚弄する。

 実際には数千年いきている彼女にとって、嵐など日常茶飯事。むしろつい最近──森人基準だ──も嵐に襲われ、里がてんやわんやになった事さえもある。

 つまるところ、嵐への対応に関してはローグハンターよりも花冠の森姫の方が一日の長があるのだ。

 それを知らないローグハンターが根が太く、風にも耐えてくれそうな木を探す中、花冠の森姫はすぐにそれを見つけた。

 幼き頃から駆け回る庭同然の森だ。妹と共に幼い頃は毎日のように駆け回っていた。そして乳母に叱られただか、雨宿りの為だか、よく使っていた木の洞があった筈だ。

 善は急げ。早く案内しようと彼女が振り向いた瞬間、冷たい雫が彼女の肩に落ちた。

 

「あら?」

 

 彼女が声を漏らし、確かめるように手のひらを空に向けると、ポツポツと雫が枝葉の隙間から二人に向けて降り注ぎ、衣装を濡らしていく。

 

「このままでは冷えてしまいますね。こちらです、雨宿りをしましょう」

 

「ああ」

 

 彼女の指示にローグハンターは不服そうに眉間に皺を寄せ、溜め息を吐いた。

 依頼をさっさと終わらせて、アルタイルに関して探りを入れたかったのだが、この状況では仕方ない。

 ローグハンターはフード越しに憎々しげに空を見上げ、天上から見ているだろう神を睨みつけた。

 

「さあ、お早く。体が冷えてしまいます」

 

 雨でその肢体を濡らし、それでもご機嫌に笑いながら先導する花冠の森姫。

 ローグハンターは僅かに感じる肌寒さを堪えながら彼女の背を追いかけ走り出す。

 濡れた天然の芝生を蹴りつけ、森人の姫君に道を開けるように左右に割れていく木々の隙間を抜け、たどり着いたのはまさに大木であった。

 目一杯両手を広げたローグハンターハンターが八人いても一周には届かない極太の幹は、何が原因か空洞になっており、花冠の森姫が「またお世話になります」と一礼すると、返事をするように風とは関係のないタイミングで枝が揺れた。

 

「さあ、どうぞこちらに」

 

 いうや否や大樹の洞に潜り込んで行き、ローグハンターは再び溜め息を吐く。

 何かこの大木から殺気に似た妙なものを感じるのだが、気のせいだろうか。

 

 ──だが気にしても仕方がない、か。

 

 雨は激しくなるばかり。風も出てきて森がざわついている。

 天災の前ではいかなる冒険者として無力。どこかに逃げこみ、耐えるしか選択肢がない。そして、逃げ場所は目の前の洞しかない。

 ローグハンターは「邪魔する」と一応の挨拶と共に、木の洞へと潜り込むのだった。

 

 

 

 

 

 そうして二人が逃げ込んだ大樹の洞は、大人二人が入るには少々手狭だった。

 濡れた服を洞内を這い回る枝にかけ、後は火を起こすだけなのだが。

 

「森人の領域で火を使うなど、言語道断です」

 

「……そもそも着かないんだが」

 

 数本の松明を組み合わせ、後は火をつけるだけとなった瞬間に花冠の森姫が半目になりながら非難の声を上げ、アサシンブレードを擦り合わせて種火を作らんとしていたローグハンターがぼやく。

 松明だ。油を染み込ませた布を巻いた、冒険者にとっては必需品の──最悪鈍器にさえなる──頼れる松明だ。だというのに、いくらアサシンブレードを擦り合わせて火花を散らしても火が着いてくれない。

 森人の領域に張り巡らされているという、火除けの呪いのせいだろうか。全く困ったものだ。

 諦めたように息を吐き、その場に座り込むローグハンター。

 そんな彼の隣に花冠の森姫も腰を下ろし、そっと彼の顔を覗き込んだ。

 アルタイルの子孫だという彼だが、顔立ちはあまり似てはいない。だがその瞳に宿る星の如き輝きは、彼のものとよく似ていた。

 

「俺の顔に何か着いているか」

 

「いいえ。ですが、そうですね」

 

 そっと彼の口元に残る傷跡を白磁の肌を持つ細指で撫で、ここも彼にそっくりだと微笑んだ。

 

「貴方が彼の子孫だという話を、思い出していました」

 

 その言葉にローグハンターは俯けていた顔を僅かにあげ、花冠の森姫の顔を見つめた。

 只人のそれとは比にならない女神の如きその美貌を前にしても、彼の顔色は一つも変わらない。そこもアルタイルと同じだ。

 

「私達が彼と過ごしたのはほんの一瞬。けれど、目を閉じれば昨日のように全ての事を思い出せます。いいえ、私達森人からすれば、彼と過ごした日々は本当に昨日のようなものです」

 

「俺からすれば何百年も前の話だ」

 

 森人と只人。二つの種族の差は数多いが、最たるものはやはり寿命だ。

 只人は長く生きたとしても百年足らず。けれど森人は数千年でも数万年でも生きていける種族だ。

 ローグハンターが求める数百年前に訪れたというアルタイルの情報も、彼ら森人からすれば昨日の出来事。時間の流れは同じだとしても、その時間に対する認識は大きく異なる。

 只人が一生をかけて愛を捧げても、森人からすればほんの一瞬の出来事。残酷ではあるが、それは事実なのだ。

 ずいっとローグハンターに顔を寄せる花冠の森姫。彼女の美貌が鼻先が触れ合いそうな程の至近距離に迫る中、彼はその美しさではなく距離の近さにたじろいだ。

 森人の里に来てからというのも、やけに距離が近い気がしたのは気のせいではないようだ。

 

「そう。もう何百年も前の話なのです」

 

 表情に僅かな憂いを帯び、気落ちしたような声音でそう呟いた彼女は、「ですが」と彼の頬を愛おしそうに撫でた。

 

「私は彼との思い出を昨日のように思い出せます。私だけではなく、里の皆が、そうです」

 

 アルタイルとの日々はそれだけ鮮烈であり、森人にとっても花冠の森姫にとっても決して忘れることのない一瞬だ。

 

「只人と森人では、時間の流れがまるで違うのです。あなた方の一生が私達から見ればほんの一瞬。けれど、只人はその一瞬を絶対に忘れさせてくれない罪深い種族です」

 

 花冠の森姫はそんな独白を漏らすと、ローグハンターに告げた。

 アルタイルとは違う顔。瞳の色も違う。けれど研がれた短剣の如く鋭い瞳と雰囲気は、彼以上の危うさを感じさせる。

 だが、そんな事はどうでもいいのだ。彼の瞳が宿す輝きに魅入られた。無愛想でありながらその裏に隠された優しさが愛らしかった。

 何より、彼という存在に魅了されてしまったのだ。

 これからの事を数万年をかけて後悔するだろう。

 この想いは彼が死んだ後、永遠に心を締め付けてくるだろう。

 だが、それでも、これからの万年を苦しむよりも、今この瞬間に後悔したくない。

 だって、アルタイル(はつこい)を苦しんで、瞬きした次の瞬間には諦めて、けれどもう一度瞬きしたら彼の子孫が現れた。

 時間は残酷。けれどそれ以上の喜びに満ちている。

 

「愛しています、ローグハンター様。只人でいうところの一目惚れというやつです」

 

 花冠の森姫は悪戯っ子の如く無邪気な笑みを浮かべながら、一世一代の告白を口にした。

 この言葉を数万年の後に後悔するかもしれない。この行動は数万年後には心を締め付ける呪いとなるかもしれない。だが、いいのだ。今が幸せにならねば、明日は幸せにはなれないのだから。

 

「俺は──」

 

 そして、彼女の言葉に返事──勿論断るものだ──をしようとした瞬間、柔らかいもので唇を塞がれた。

 突然の事態に目を見開き、困惑するローグハンターを他所に、花冠の森姫はそっと彼から顔を離し、彼の温もりを感じる自分の唇に指を触れた。

 

「私の初めてです。いかがでしたか?」

 

「────」

 

 彼女の発言にローグハンターが時を止める中、花冠の森姫は首を傾げた。

 

「殿方はこう言われると喜ぶと聞いたのですが……」

 

「それには、個人差があると思うが……?」

 

 彼女の問いかけにローグハンターもまた首を傾げ、そして自分の唇に触れた。

 彼女の感触がいまだに残るそこは、触れていると嫌に体温を高く感じてしまう。

 普段は無表情の彼も頬が朱色に染まり、側から見ても照れているのが見て取れる。

 そんな彼の様子がおかしいのか、鈴を転がしたように笑う花冠の森姫。

 そっと彼の正面に回り込むと胸に寄りかかり、長耳を押し付けて喧しい心音を堪能した。

 

「ふふ。普段はあんなに無愛想ですのに、やはり男の子ですね」

 

 そしてちらりと視線を下に向け、脚衣(ズボン)を押し上げる彼の愚息を見つめながら、悪戯っぽく──妖精弓手のそれによく似ている──笑顔を彼に向けた。

 

「いや、これは、だな……っ」

 

 ローグハンターは慌てて手で勃起した愚息を隠すが、花冠の森姫は年上風を吹かせたいのか余裕の笑みを浮かべ、「隠さないでください」と彼の手を取り、脇にどかした。

 

「一応ではありますが、殿方と閨を共にする知識はあるのですよ」

 

 だから、任せてください。

 花冠の森姫は存外に初心(うぶ)な彼をリードするべく、只人の衣装故か腰帯を外すのに多少は苦戦しつつ、脚衣(ズボン)とパンツを纏めてずり下ろした。

 

「ほぇ……?」

 

 と同時に、彼女の口から間の抜けた声が漏れた。

 ボロンと音を立てて姿を現したローグハンターの一物は、あまりにも衝撃的なものだった。

 血管が浮かび上がる程に勃起したそれは花冠の森姫の顔ほど長く、子供の腕のように太い。

 王族の務めとして、上の森人の血を途絶えさせない為──要は世継ぎを残す為、そういった知識を仕込まれてはいた。だがそれはあくまで話は紙に書かれた情報ばかりで、実物を見るのはこれが初めてだ。

 

「ひゅ、只人(ヒューム)のものは、こ、こんなに大きいのですか……っ!?」

 

 花冠の森姫は困惑し、思わずローグハンターに問いを投げるが、彼からは「俺が知るか」とぶっきらぼうに返された。

 それはそうだろう。彼に男色の気はない。赤の他人の一物など──特に勃起したものなど見る機会などない。

 それにいきなり脱がされた挙句に見方によれば無礼極まりない事を言われたのだ。不機嫌にもなろう。

 

「ああ、いえ。申し訳ありません。その、見るのは初めてですので」

 

 花冠の森姫は頬を赤らめながらそう呟くと、ちらりと彼の一物に目を向けた。

 エラ張ったカリと拳のように硬そうな亀頭。ローグハンターはとりあえず下ろされた脚衣を戻そうとしているが、それよりも早く花冠の森姫が一物を掴んだ。

 

「〜〜〜!?」

 

「硬い、そして熱い。火傷してしまいそうです」

 

 一物を掴まれた違和感に全身に鳥肌を立てながら声もなく悲鳴をあげるローグハンターを他所に、花冠の森姫は冷静にそう評し、ゆっくりと指を前後に動かして一物を扱き始める。

 肌同士が擦れる乾いた音と共に、下腹部にじんわりと広がっていく快感にローグハンターが困惑する中、花冠の森姫は黙々と一物を扱いていく。

 

「どうですか、ローグハンター様」

 

「よ、よくわからん……っ!」

 

「そうですか。少し強くしますね」

 

 慣れない奉仕に慎重になる花冠の森姫の言葉にローグハンターが唸る中、彼女は不満そうに眉を吊り上げてそう告げると、一物を握る力を僅かに強め、シコシコと一物を少々大胆な動きで扱いていく。

 歯を食い縛りながら悶えるローグハンターだが、どうやら快感は感じているようだ。鈴口からは粘っこい先走り汁が溢れ出し、垂れたものが彼女の透き通る程に美しい白磁の肌を汚した。

 だがそれに不快感はないようだ。彼女は濡れたことに驚きつつも、それを軽く手のひらに(まぶ)して湿らせ、潤滑油の代わりにすると、より大胆に手を動かし始めた。

 裏筋を撫でる時は力強く、けれど傷つけないように丁寧に。しゅこしゅこと湿り気を帯びた音を立てながら、今にも折れてしまいそうな細指で雄の象徴に奉仕する。

 

「くっ……!ぅ……っ」

 

 背筋を駆け抜ける未知の感覚にローグハンターは唸り、無意識の内に腰を浮かせてしまう。

 花冠の森姫の動きに合わせて腰が揺れ、地面を掴む指が何かを堪えるように力が入る。

 だが、それも無駄な抵抗だった。痛みにも、飢えにも、毒にも耐える強靭な肉体も、快感という未知にはあまりにも無力だったのだ。

 

「っ……あ!?」

 

 ビクン!と腰が跳ねた瞬間、鈴口から勢いよく白濁した液体が吐き出された。

 

「きゃ!?」

 

 それは一物を扱く為、正面に回っていた花冠の森姫の顔に降りかかり、女神さえも嫉妬する美貌を白く汚していった。

 銀河を宿す髪も、シミ一つない白磁の肌も、白濁に染まり、ローグハンターの色に穢されていく。

 

「ぁ……くぁ……」

 

 ぽすんと腰を落としたローグハンターは初めての射精の感覚に目を回し、恍惚の表情を浮かべながら虚空を見つめる中、花冠の森姫はぽかんと呆気に取られていた。

 初めての奉仕。初めて見た射精。そして、精液の強烈なまでの臭い。

 頬を伝って垂れてきたそれを、興味半分で舐めとった瞬間、

 

「〜-〜〜!!!!」

 

 口内を支配した生臭さに悲鳴をあげるが、同時にきゅんきゅんと子宮が疼いたのを感じた。

 

 ──今、のは……?

 

 花冠の森姫は顔にへばりつく精液を拭い、再びそれを口に含む。

 

「〜〜〜♡♡♡」

 

 やはり感じるのは強烈な生臭さを孕む子宮を疼かせる雄の味。

 臭いが味が食感が、八千年の人生の中で封じられていた雌としての本能をこじ開け、彼女を一気に発情した獣へと転じさせていく。

 秘裂が湿り気を帯びたのを感じた。子宮の疼きがどんどんと強くなっていく。息が乱れる、一物から目を離せない。

 絶頂の余韻に目を回しているローグハンターを尻目に花冠の森姫は銀糸のドレスのスカートをたくし上げ、射精してもいまだに勃起したままの彼の一物の上に跨った。

 片手でショーツをずらし、滴った愛液が亀頭に落ちた。

 その生温かい水気にローグハンターがハッとして意識を戻した瞬間、花冠の森姫はゆっくりと腰を下ろした。

 秘裂が子供の拳ほどありそうな亀頭を呑み込み、みちみちと嫌な音を立てて膣肉が押し広げられていく。

 

「くっ……ぅう……!」

 

「待てっ……!流石に、これ以上は……!」

 

 胎内を占める異物感に呻く花冠の森姫に、ローグハンターが制止の声を投げる中、彼女はただ嬉しそうに笑い、彼の夜空を閉じ込めた蒼瞳を見つめた。

 

「いい、のです!例え千年後に後悔する事になったとしても、私は今、この瞬間、貴方と繋がっていたい……!私は、私の想いに嘘をつきたくないのです……!」

 

 それは乙女の覚悟。かつての後悔を胸に放たれた言葉は、果たしてローグハンターに届いたろうか。

 彼は返す言葉もなく、ただ彼女を止めんと伸ばしていた手を下げた。

 

「ありがとうございます」

 

 花冠の森姫は綻ぶような笑みと共にそう告げると、勢いよく腰を落とした。

 ブツン!と何かを突き破り、亀頭が何かを殴りつけた感覚にローグハンターが驚く中、花冠の森姫は下腹部を駆け抜けた激痛と圧迫感に目を見開いた。

 膣肉が一気に引き締まり、ローグハンターの一物を文字通り掴んで離さない。

 子宮口と亀頭が深い深い接吻を交わし、吸い付いて離れない。

 

「ぁ……ぃ、たい……です……っ」

 

「だ、大丈夫か。一度抜いた方が」

 

「それは駄目!」

 

 痛みに喘ぎ、目尻に涙を溜める花冠の森姫にローグハンターが心配の声を投げると、彼女は我儘な子供のように慌てて彼に抱きついた。

 豊満な胸が彼の胸板に潰され、柔らかく形を歪める中、服越しにその柔らかさを感じたローグハンターは耳まで赤くなり、一物がビクリと震えた。

 

「ぃぅ……!」

 

 僅かな動きではあるが、文字通り子宮口を強く捏ねられた花冠の森姫は小さく嬌声を漏らし、ぎゅっと彼を抱きしめる。

 

「はぁ……はぁ……少し、落ち着いてきました」

 

 彼の耳に吐息を浴びせつつ、何度か深呼吸を繰り返して痛みが引いた事を報告する。

 それを聞いたローグハンターもまた深く息を吐くと、そっと彼女の臀部を掴んだ。

 狩人故のしなやかさを持つそれは一見固そうでいて、けれど指がどこまでも沈んでいく柔らかさを持っていた。

 

「いつまでも、女にやられっぱなしなのは格好が悪いからな」

 

 彼も彼で覚悟を決めたのだろう。蒼い瞳をすっと細め、真剣な面持ちでそう告げた。

 花冠の森姫が「え?」と声を漏らした隙をつき、彼は彼女を地面に押し倒し、上下を逆転。

 その拍子で腰が動いてしまい、ゴリッ!と鈍い音を立てて子宮口が亀頭に押し潰された。

 

「んぎっ……!?あの、ローグハンター様……?」

 

「いいから、任せろ」

 

 猛烈な圧迫感に呻いた花冠の森姫の頬を撫でながら、ローグハンターは微笑んだ。

 自分は何も変わっていないと思っていたが、案外にこの世界の面々に絆されていたようだ。

 こんな事に付き合う道理もないというのに、このまま突き放す事もできない。

 ローグハンターは先程の仕返しのように彼女の唇を奪うと、ゆっくりと腰を前後に揺らし始める。

 

「んん……っ!んぅ……んぉ……ぁ」

 

 ゆさゆさと腰が揺らされる度に一物が秘部を出入りし、エラ張ったカリが愛液と破瓜の血を掻き出し、彼女の臀部を汚していく。

 動く度に絡みついてくるヒダの感覚に眉を寄せ、押し寄せる快感に耐えながら腰を動かす。

 

「んっ……。ちゅ……♡はむ……っんちゅ♡」

 

 彼の動きに合わせ、体を前後に揺らす花冠の森姫は彼の首に腕を回し、吸いついてくる彼の唇に何度も口付けを返してやる。

 胸中を包む多幸感。下腹部から上がってくる快感に瞳を蕩けさせ、何度も彼の唇に吸い付く花冠の森姫だが、不意にローグハンターが顔を離したのを合図にキスは中断。

 

「ローグハンター様?」

 

 名残惜しそうに唇に触れた彼女を見下ろしながら、ローグハンターは額に流れる汗を拭った。

 締め付けてくる膣肉と撫で回してくるヒダの感触に耐えるのが精一杯。このまま膣内射精(なかだし)してしまえば、彼女が妊娠してしまう可能性がある。

 

「すまない。一度抜くぞ」

 

「駄目です」

 

 そしてローグハンターが腰を引いた瞬間、花冠の森姫が両足を彼の腰に絡ませ、自分の方へと引き寄せた。

 抜けかけていた一物が勢いよく胎内に納まり、どちゅん!と湿った音と亀頭と子宮口が激突し、子宮を押し潰す。

 

「んんっ……♡いいですよ、中に出してください。森人ですから、そう簡単に子を孕んだりはしませんから」

 

「そうは言ってもな……っ!」

 

 彼女は下腹部に力を入れているのか膣肉の締め付けは一層強まり、ローグハンターの射精を誘うように子宮口も吸い付いてくる。

 尿道を駆け上がっていく熱い感覚にローグハンターは眉間に皺を寄せ、歯を食い縛って堪えんとするが、逃げ場もない状況では何の意味もない。

 花冠の森姫が彼を抱き寄せ、豊満な胸を彼の顔に押し付けた瞬間、ローグハンターの意識に空白が生まれた。

 極上の柔らかさに包み込まれ、それが何かを理解しようと思考が裂かれたのだ。

 その瞬間ギリギリのところで堪えていた射精感が爆発し、どろりとした白濁の濁流が花冠の森姫の子宮へと吐き出された。

 

「〜〜〜〜♡♡♡♡」

 

 ローグハンターを思い切り抱きしめながら、彼の射精と共に絶頂を迎えた花冠の森姫が噤んだ口の中で嬌声を上げた。

 ローグハンターはビクビクと全身を痙攣させ、吐精後の倦怠感に身を任せて彼女に身を任せるが、

 

「ふふ。こうなってしまえばローグハンター様でも可愛いものですね」

 

 彼女の挑発とも取れる言葉にすぐに顔を上げると彼女の手を払い、体を起こした。

 すっと細めた瞳に彼女を映し、蒼い瞳からはローグハンターとしめ恐れられる威風が放たれていた。

 

「あの、ローグハンター様?」

 

「……」

 

「な、何か言ってくださいな」

 

「……」

 

 ローグハンターをローグハンターたらしめる要因として、彼が掲げている信条(クリード)のようなものがある。

 

 ──やられたら、やり返す。もちろん、何倍にもして。

 

「雨はまだ止みそうにないからな。森人の王族だからって調子に乗るな」

 

 言葉に確かな怒気と苛立ちを込め、彼は仕返しの為に行動する。

 花冠の森姫は怖がる素振りを見せつつ、明らかに喜色満々な顔で笑い、彼を受け入れるように腕を広げるのだった。

 

 

 

 

 

 それから数時間。雨も上がり、ようやく依頼を再開できるようになった頃。

 乱暴に脱ぎ捨てられた己の衣装の袖に腕を通しながら、ローグハンターは問いかけた。

 

「勢いでやったが、良かったのか。里の決まりだの、婚姻だの、仮にも王族だろう」

 

 彼の背後、腰が砕けてしまった為何とも情けない動きでドレスを着直していた花冠の森姫は、彼の精を受け止め続けた下腹部を撫でながら微笑んだ。

 

「別にいいではありませんか。数万年生きる森人が、一晩の愛に狂うなどよくあることです」

 

「……寝首をかかれないようにしないとな」

 

 仮にも王族に手を出したのだ。里に戻った途端に暗殺など洒落にもならない。

 ローグハンターはため息混じりに大樹の洞から外に出ると、降雨後の涼しさに包まれた森を眺め、表情を和らげた。

 雨粒が陽の光を反射して輝く様は幻想的で、神秘的だ。

 

「たまには森でのんびりするのもいいか」

 

「そうでしょう。まあ、我々森人は一生を森の中ですが」

 

 ローグハンターが腰に手を当て感嘆の言葉を吐く背後では、大樹に騒がしくした謝罪と、見守ってくれた感謝を告げた花冠の森姫が冗談混じりにそう告げた。

 ローグハンターはそんな彼女の言葉に苦笑すると、不意に空を見上げた。

 

「虹、か」

 

 天にかかる七色の橋を見上げ、久しく見た虹の美しさに見惚れる中、花冠の森姫はそんな彼の横顔を見ながら微笑んだ。

 彼が今際の際、今日という日を思い出してくれるだろうか。

 自分が森へと還る時、今日という日の想いを抱いて逝けるだろうか。

 だが、どちらにしてもその日が来るのはもっと後。その日が来るまでは。

 

「次の逢瀬(デート)はどこに行きましょうか」

 

「勘弁してくれ」

 

 この想いに素直に生きよう。一人の女として、恋する乙女として、彼の幸せの一助になれるように。

 

「──さあ、行きましょうか」

 

 花冠の森姫は森の中を進み始め、ローグハンターがその後ろに続く。

 姫と従者とはまた違う。距離はあれど確かな繋がりを持った二人の足取りは、軽かった。

 

 

 

 

 

 

 

 




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Memory?? 夜の帳の中で① ※

リクエストから。
相手は令嬢剣士、白兎猟兵、見習い聖女、少女巫術師。今回は少女巫術師編。

夜の森を進む少女達を、何者か()が襲う。


 双子の月が照らすとある森の中。

 令嬢剣士、白兎猟兵、見習い聖女の三人が月明かりを頼りに進んでいた。

 盾役である令嬢剣士を先頭に、斥候の白兎猟兵を二番手に。後方警戒を兼ねて術士である見習い聖女が最後尾。

 今の隊列で言えばそうなのだが、ほんの五分前までは見習い聖女の更に後方に少女巫術師が控えていたのだが。

 

「……本当、どこに行ってしまったのでしょう?」

 

「僕にもわかりませんなぁ」

 

「なんか、気がついたらいなくなってたわね……」

 

 令嬢剣士が周囲を見渡しながら首を傾げ、白兎猟兵が両耳を揺らしながら頬を掻き、見習い聖女が困り顔で頬に冷や汗を垂らした。

 しっかり者の少女巫術師の事だ、迷子になったわけではあるまい。何よりいなくなったとなれば獣人である白兎猟兵の耳がその瞬間に起きた異常を聞き逃す訳がない。

 あり得るとすれば、たった一つ。

 

「やられましたわ」

 

「ヤられてるかもしれないけどね」

 

「あはは……。ぼかぁお腹が空いてきました」

 

 夜の森に潜む怖い怖い怪物に攫われたに違いない。

 だがそんな事態を前にしても少女達は冷静──というよりかはどこか慣れた様子であった。

 このまま森に隠された目標を探すか、あるいはいなくなった少女巫術師を探すか。三人はそれを話し合いながら、とりあえず定められた順路に戻るのだった。

 

 

 

 

 

 そんな少女達を見下ろしているのは、木の幹に寄りかかりながら枝の上で胡座をかき、三人が探しに戻ってきた少女を膝の上に乗せている全身黒ずくめの男だった。

 

「もう少し上にも気を配って欲しかったが、駆け出しだからしょうがないか」

 

「ぁ……っ。ぅ……♡んんっ……♡」

 

 遠ざかる三人の背中を見つめながらまだまだだなと嗤う男。

 そんな彼の膝の上で抱えられ、ピクピクと小刻みに震えているのは三人が探していた少女巫術師だ。

 頬が朱色に染まり、潤んだ瞳は虚空を見つめ、下腹部からはくちゅくちゅと湿った音が漏れていた。

 

「別に声を出してもよかったんだぞ」

 

 男は圃人(レーア)の特徴である僅かに尖った耳に口を寄せ、ぼそりと囁く。

 鼓膜を揺らす男の吐息にぞくりと背筋を振るわせ、全身に鳥肌を立てた少女巫術師は慌てて肺に空気を取り込むが、声を出す前に男の指が口に突っ込まれた。

 

「んん!ん〜〜!!」

 

「言われてからじゃ遅いんだよ。やれやれ」

 

 男は肩を竦めながら苦笑し、彼女の下腹部に──より正確には股座に伸びている手を動かした。

 ぐちゅり!と湿った音と共に少女巫術師は背中を仰け反らせながら「ん〜〜♡♡っ!!」と嬌声をあげ、次の瞬間にはくたりと全身を弛緩させた。

 男がそっと口に突っ込んでいた指を抜けば、少女の唾液で濡れた指が姿を現し、指先も彼女の唇の間に半透明の橋をかける。

 

「ぁ……♡ぅ……♡んぇ……♡」

 

 それを見る事もできず、少女巫術師は口から気の抜けた声を漏らし、ピクピクと体を痙攣させていた。

 男に捕まってから、五分ほどだろうか。枝の上から音もなく強襲した彼にそのまま樹上まで拉致されてからというもの、先程からずっとこんな調子であった。

 

「ほらほら、休んでる暇はないぞ」

 

 男は笑いながらそう告げて、彼女の股座に伸びる手を再び動かす。

 冒険用の衣装の隙間を抜い、ショーツの内側にまで届いた指が秘裂を裂いて中に入り込み、侵入を拒まんとしている媚肉をそっと撫でる。

 

「んんっ♡」

 

 ただ撫でられただけ。それでも『稲妻(ライトニング)』の術の如く背筋を駆け抜けた快感に少女巫術師は噤んだ口の隙間から嬌声を漏らし、小さな体を揺らす。

 

「圃人は色々と小さいからな。手加減してやらんと」

 

 くちゅくちゅとわざとらしく秘部を弄る音をたてながら男はそう告げて、彼女の唾液に濡れた指を冒険衣装の中に滑り込ませ、控えめな胸を撫でながら可愛らしい乳首を軽く指で摘んでやった。

 

「ひぅ……っ♡」

 

「声出してもいいんだぞ。あいつらはもう遠くに行った」

 

 駆け抜けた快感に悶える少女を煽りながら、男は彼女の乳首に彼女の唾液を塗りたくり、ぐにぐにと優しく指で揉みほぐしてやる。

 

「んっ……♡ぁ……♡ひゃ……♡」

 

「乳首触られて感じてるのか。敏感だな」

 

 触れば触っただけ反応してくれる少女巫術師の姿にご機嫌に笑った男、いい加減済ませるかと蒼い瞳の中で燃える情欲の炎を揺らした。

 ごそごそと自分の脚衣(ズボン)とパンツをずり下ろし、勃起した一物を取り出す。

 

「ひっ……!」

 

 先程まで恍惚の表情を浮かべていた少女巫術師だが、自身の股座に添えられた凶器に悲鳴をあげ、体を強張らせた。

 血管が浮かび上がり、鈴口から先走り汁を滲ませるそれは月明かりを浴びて不気味な光沢を放ち、子供の腕ほどある太さと長さは少女巫術師の股座から鳩尾まではあるだろう。

 

「む、無理です!入りっこないですよ!?」

 

「いけるいける。冒険者なんだから冒険しないとな」

 

「見えてる罠を踏むのは違うと思います!」

 

 首を千切れんばかりに左右に振り回し抵抗を試みる少女巫術師だが、男は構うことなく笑った。

 

「別に普段からやって──」

 

「それは言わないでくださいっ!」

 

 そして何かを言いかけた瞬間に少女巫術師が慌てて男の口を塞ぎ、男はもがもがと間の抜けた声を漏らしていた。

 

「ふ、普段なら他の人と一緒にやって、ち、小さくなってから相手してもらってるんですから……っ」

 

「もがが……っ」

 

「『関係ない』じゃないですよ!」

 

 どこかふざけた様子の男に対し、少女巫術師は必死だ。

 あんな自分の腕と大差ない物を挿れられたら間違いなく裂ける。裂けなくても子宮を破壊されてしまう。そんな事になれば死んでしまう。

 どうにか逃げ出そうともがく少女巫術師だが、男はそんな彼女の抵抗を嘲笑うように圃人特有の小さな体をひょいと持ち上げ、亀頭を濡れた秘裂に押し当てた。

 

「ちょ、ちょっと待って──!」

 

「駄目だ」

 

 秘裂に感じる赤熱した鉄のような熱さに制止の声をあげる少女巫術師だが、男はあっさりも彼女の制止を振り払い、彼女の小さな体を引き落とした。

 ずりゅ!と湿った摩擦音と共に一物は少女巫術師の秘部を貫き、子宮を押し潰しながら内臓を押し上げる。

 

「ぎっ……!ぁ……ぅぇ……」

 

 胎内から内臓を押し上げる異物感と不快感と嘔吐感に喘ぐ少女巫術師。

 下腹部は男の一物の形に盛り上がり、それが腹の中ほどまで続いている。

 

「流石に根本までは無理か。まあ仕方ない」

 

 それでも男の一物は根本まで入り切っていない。入ったのは半分と少し、力任せに押し込んでもいいが、そんな事をしたら本当に壊れてしまうだろう。

 男とてそこまでする悪魔ではない。何より壊してしまったらつまらないではないか。

 男は少女巫術師の体を抱き締めながら腰を上下に揺らし、一物の抽送運動を開始。ずりゅずりゅと湿った摩擦音と共に秘裂からは大量の愛液が掻き出され、少女の股座と男の膝を濡らしていく。

 

「ぁ……っ。ぇ……ぎっ……ぁ」

 

 一物が最奥を突く度にごすごすと鈍い衝突音が胎内から響き、少女巫術師は苦悶のうめき声を漏らし、ビクビクと体を痙攣させる。

 締め付けはいい。必死になって追い出そうと蠢くヒダ肉の感覚もよい。だが反応が鈍いのはつまらない。

 男はふむと唸ると手持ち無沙汰の片手を彼女の秘部に伸ばし、きゅっと陰核を摘んでやった。

 

「ひぎっ♡」

 

 途端に駆け抜けた鋭い快感に少女巫術師は目を見開きながら体を仰け反らせ、秘部の締め付けが更に強くなる。

 口角を釣り上げて怪しげな笑みを浮かべた男はそのまま陰核を転がしてやりながら抽送運動を再開し、どちゅどちゅと音を立てて膣肉を掻き回した。

 カリが膣肉を引っ掻き回し、子宮を押し潰すとともに陰核を指で潰す。

 

「あぎっ♡ぉ……♡おぇ……っ♡げ、ぇ……♡♡」

 

 少女巫術師は同時に押し寄せる快感と嘔吐感に混乱し、在らん限りに目を見開いた彼女を他所に、男は胸の中で仰け反った体勢の都合でこちらを見上げてくる少女の顔を見下ろすと、そっと彼女の唇を奪った。

 

「んん!?♡んぐっ♡ぅご……♡ぉぉぉ♡♡♡」

 

 隙間から舌が入り込み、逃げようとした少女の舌に蛇のごとく襲いかかり、自分のものだと言い聞かせるように唾液を塗りたくる。

 上の口も下の口も男に蹂躙される少女巫術師はくぐもった嬌声をあげ、されるがままに全身を痙攣させた。

 どすどすと音を立てて撃ち込まれる肉杭が与えてくる痛みと快感。

 悲鳴を餌に動きを活発にさせる舌。

 陰核を責め続ける指の繊細かつ大胆な動き。

 その全てが少女巫術師の小さな体に襲いかかり、蹂躙していく。

 

「んぉ♡んぎゅ♡ぉ……♡ぎぃいいい♡♡」

 

 そしていまだ未熟な彼女の体は、ついに限界に達した。

 一際大きい嬌声と共に全身が強張り、両足が爪先までピンと伸び切った。

 接合部からは大量の潮が噴き出し、少女と男の下半身を濡らす。

 

「ぁ……はぁ……へぅ……っ♡」

 

 男と交わすキスの合間に気の抜けた嬌声を溢す少女巫術師。

 だがいまだに射精を行っていない男からすれば彼女がどうなっていようが関係ない。

 男はすぐに少女巫術師の体を持ち上げ、一物の抽送と陰核への刺激を再開。

 

「ひぎっ♡ま、いま、イった!イきました!から……♡んぉ♡待って!んぎ♡んぉおお♡止まって……♡んぎぃいいいい♡」

 

 絶頂直後で敏感になっている膣肉を剛直が蹂躙し、一物が抽送を繰り返す。

 一度登った絶頂から戻る事ができず、すぐに次の絶頂を迎え、休む間もなく更に次の絶頂を迎えるり

 だが男は止まらない。抽送運動は止まる事なく続き、陰核を責める手も止まらない。

 

「イぎゅ♡またイぎまず♡ぉ♡んぉおお♡♡イぐぅ……♡」

 

 少女巫術師は小さな体を痙攣させながら絶頂を繰り返し、その度に膣肉が男の一物を締め付ける。

 体の痙攣に合わせて膣肉もまた痙攣し、彼の一物を撫でまわし、何かを絞り出さんばかりに蠢いていた。

 

「……っ!」

 

 そしてついに男の方にも限界が訪れる。

 歯を食い縛り喉の奥で小さく唸ったかと思えば、一物が僅かに膨張し、次の瞬間には鈴口から大量の精液が吐き出された。

 男の一物に押し潰された子宮は吐き出された精液によって押し広げられ、押し上げられた内臓を更に圧迫。

 少女巫術師は脳が焼き切れんばかりの快感と強烈な異物感に息を詰まらせ、ガクガクと腰を揺らしていた。

 一物の形に盛り上がっていた下腹部は射精によって更に盛り上がり、歪な膨らみが生まれていた。

 

「ぉ……っ♡ぐっ……ぎぃ……っ」

 

 ビクビクと体を揺らし、閉じる事もできない口から意味のない声を漏らす中、男は数十秒に及ぶ射精が終わると共にそっと一物を引き抜いた。

 ごぼりと音を立てて秘裂から大量の精液が吐き出され、二人が身を任せる枝の上に落ち、そのまま地面へと滴り落ちていく。

 むんと香る生臭さに眉を寄せる男だが、そっと少女巫術師の表情を伺って微笑を漏らす。

 圃人を抜きにしても幼さを残す彼女の顔は恍惚に染まり、上気した頬はこれ以上ないほどにだらしなく緩み、口の端からは唾液が垂れていた。

 蕩けた瞳がどこか一点を見つめ、半開きの口からは意味を持たない声が漏れ出ている。

 もう一回くらい行けるかと勝手に決めつけ、再び一物を挿入しようとする男だが、少女巫術師はふるふると首を左右に振る。

 

「む、むり……れすぅ……壊れちゃ、私のしきゅう、壊れちゃいますか、ら……っ」

 

「…………」

 

 彼女の涙ながらの懇願に男は眉間に皺を寄せて考える素振りを見せるとにこりと微笑み、次の瞬間には一物で彼女の秘部を貫いた。

 

「んぉ!?♡ぉ……げっ……!ひど、い……っむりって、言ったのに……っ」

 

「一回やれたなら二回目もいけるだろ。ほら、力抜け」

 

 逃げようと悶える少女巫術師の腰を押さえつけながら、ゆさゆさと体ごと腰を揺らして一物を抽送し、少女の膣肉を掻き回す。

 潰れた子宮から押し出された精液を膣肉に塗りたくりながら、それでも余った分を掻き出し、ぐちょぐちょと湿った音と共に少女の腕と大差のない一物の出し入れを繰り返す。

 

「んぉ……っ♡ぉえ……っ!♡げっ……♡ぐ、ぐるじ!じ、じぬ、死んじゃいまず……っ!♡」

 

 一物を押し込まれる度に子宮ごと内臓を掻き回される不快な感覚と、それでも脳に伝わる快感に目を見開く少女巫術師の言葉に男は笑い、そして告げた。

 

「なら、こっちはこれで終わりにするか」

 

 その言葉と共に腰の動きが一気に強まり、がさがさと音を立てて枝が揺れる。

 

「ぉ……っ♡おぐっ♡じきゅう、潰されで、イグっ♡ま、また、イかされちゃいますっ♡あは、気持ち、お腹ぐちゃぐちゃにされてるのに、気持ちいぃですぅ……♡」

 

 落下する恐怖など欠片もない。男なら落ちないと全幅の信頼を寄せ、叩きつけられる快楽に身を任せる。

 終わりを明言されたからか、少女の体はほんの少しだけ油断し、快感を受け入れる体勢へと変わっていた。

 ビクビクと体を小刻みに痙攣させ、何度も軽い絶頂を迎えながら秘裂から大量の潮を噴き出し、接合部には掻き出され、かき混ぜられた精液による白濁の泡が立っていた。

 膣肉は早く射精しろと言わんばかりに一物を締め付け、扱き、ヒダが擽る。

 

「イくぅぅうううう♡♡♡」

 

「……っ!」

 

 そして夜闇の森の中に響き渡る嬌声と共に、男は二度目の射精を行った。既に満杯の子宮は注がれた精液を受け止める事はできずにすぐに吐き出してしまい、接合部から大量の白濁液が溢れ出し、少女巫術師の股座と男の股間を白く汚す。

 

「ぁ……っ♡ひっ……♡はぇ……♡♡」

 

 男の一物を胎内に納めたまま、男の胸に身を預けて恍惚の表情で気の抜けた声を漏らす少女巫術師。

 男はそんな彼女から一物を抜くと、秘裂からごぼりも音を立てて白濁液が溢れ出した。

 

「こ、れで……終わり…です……か……?」

 

 男の胸に体を預けたまま問いかけると、男は相変わらず怪しげな微笑みと共に彼女を降ろし、木の幹に寄りかからせた。

 落ちないようにバランスを保ちつつ木の幹に体を預ける少女巫術師だが、不意に自分の前に仁王立つ男と、顔の前に差し出された一物に目を向けた。

 

「あ、あの、さっきはこれで終わりって……っんぐ!?」

 

 そして先程の発言の真意を問おうとした瞬間、その小さな口に一物を捩じ込まれた。

 亀頭がそのまま喉奥に達し、呼吸を封じられた少女はじたばたと手足を振り回して抵抗する少女巫術師だが、男は彼女の頭を両手で押さえつけて腰を振り、一物を抽送させる。

 

「んぐ!?んご!?ごっ!ぉえ!?ぶっ!?」

 

「こっちは終わりって言っただけだ。このまま綺麗にして、そのまま何回か射精()させてくれ」

 

「んん!ん〜〜〜!!!」

 

 男の言葉に少女巫術師は悲鳴をあげるが、すぐさま行われた射精によって喉を塞がれ、口内を白濁液に蹂躙される。

 ごきゅごきゅと音を立てて、粘つくそれをどうにか嚥下するが、男は射精が終わるのを待たずに腰を振り、彼女の口に溜まる精液を掻き回す。

 

「んぉ!?んぎゅ!?ぉ……っ!んぐ!ごぐっ!ごぼ!?」

 

「溺れるなよ。ほら、頑張れ頑張れ」

 

 木の上で白濁液で溺死しかけている少女を鼓舞しながら、男の腰使いは強まっていく。

 

「んぎゅ!?ぉえ!んぐ!ごきゅ!んん!ん──………」

 

 少女巫術師は容赦のない責めにいつしか目玉をぐるりと回し、意識を暗闇へと落としていく。

 男の邪悪な笑みが、力尽きた冒険者を残酷に見下ろしていた。

 

 

 

 




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Memory?? 夜の帳の中で② ※

前回の続き。
相手は見習い聖女。夜の森を進む少女達を、更なる苦難が襲う。


 少女巫術師を失った冒険者一党。

 非力とはいえ術師であった彼女の脱落は、そのまま呪的資源(リソース)の喪失に他ならない。

 だが、冒険者たちの空気はそこまで悪いものではない。攫われた彼女に油断していたと謝罪こそすれど、そこまで酷い目にはあっていないだろうという謎の確信があったからだ。

 

「いや、まあ、色んな意味で酷い目にあっている可能性もあるけど」

 

 見習い聖女が周囲を警戒しながらそんなぼやきを漏らすと、前を歩く令嬢剣士と白兎猟兵の二人が苦笑混じりに顔を見合わせた。

 

「ご無事だとは、思いますけど……」

 

「違う意味で、ご無事かはわかんないですねぇ」

 

 令嬢剣士は頰を赤らめてそっぽを向け、白兎猟兵は意味深に下腹部を撫でながらぽりぽりと頰を掻いた。

 

「お一人で、大丈夫ですかねぇ」

 

 ぼんやりと間の抜けた声を漏らしながら、長耳を揺らしながら右へ左へと向け、わずかな物音さえも聞き流すまいと警戒心を強める。

 見習い聖女もまた周囲に目を向け、相手の動きを考慮して頭上にも意識を傾ける中、不意な突風が冒険者たちを襲った。

 がさがさと音を立てて木々が揺れ、突風に冒険者たちが咄嗟に顔を庇い、ほんの一瞬目を閉じた瞬間。ぽとりと、何かが彼女らの足元に落ちる。

 令嬢剣士がハッとして足元に目を向けた時にはもう遅い。それはパン!と軽い破裂音と共に、大量の煙を吐き出した。

 

「煙幕!?」

 

「な、何にもみえないですよぉ!」

 

「げほ!げほ!本当、容赦なっ──きゃああああああぁぁぁぁぁぁ────…………!」

 

 令嬢剣士、白兎猟兵が一寸先も見えない濃霧の中でそれでも周囲を警戒する中、数度むせることで行動が遅れた見習い聖女の悲鳴が響き、それが遠ざかっていった。

 何事と二人が彼女が声をした方に目を向け、そのまま煙を突っ切って視界を確保。目を細め、ほんの僅かな輪郭しか見えない何者かの影を視認し、何が起きたのかを理解した。

 樹上から垂れ下がる蔦に捕まり、そのままスイングの要領で強襲した黒ずくめの男が、隊列最後尾の見習い聖女を掻っ攫って行ったのだ。

 その勢いのままに二人は森の闇の中に消えていき、ついには輪郭さえも見えなくなってしまう。

 

「な!?え、今の一瞬で!?」

 

「うぇぇ。容赦ない……」

 

 令嬢剣士があまりの手際の良さに仰天し、白兎猟兵があまりの大人気のなさに思わず呑気に溜め息を吐き、顔を見合わせた。

 選択肢は二つに一つ。追うか、追わないか。どちらも正解ではあるが、どちらも不正解になり得る微妙な選択。

 

「と、とにかく行きましょう!」

 

「は〜い」

 

 令嬢剣士は追跡を選択し、白兎猟兵が気の抜けた声で返事をした。

 二人は小枝を踏み折る音と共に走り出し、闇に包まれた森の中に飛び込んでいった。

 

 

 

 

 

「この!降ろしなさいよ、この変態!」

 

 そうして二人の追撃が始まったのと時を同じくして、森の深部に見習い聖女の怒声が響いていた。

 樹上に設けられたハンモックに揺られて眠る少女巫術師を見つけた時は僅かに安堵したものの、今はそれどころではない。

 木の幹から伸びる蔦で両手を頭の上で縛られた挙句、両の足首もまた頭の上まで持ち上がるように蔦を絡められ、男に向けて股座を突き出す形で拘束されているのだ。

 とは言っても場所は枝の上。割としっかりしている太枝とはいえ、転落の危険さえもある。

 羞恥で耳まで赤くなりながら「降ろせぇ!」と声を荒げると、男は蒼い双眸を細めて見習い聖女へと歩み寄る。

 

「な、何よ……っ!何しようってんのよ!」

 

「何とは、ナニだが?」

 

「〜〜〜〜!?!ば、馬鹿、変態……っ!」

 

 男が小首を傾げながら告げた言葉に見習い聖女が声を荒げる中、男は乱暴に彼女の法衣をたくし上げて飾り気のないショーツを露出させると、それを無感動に引っ剥がし、秘裂を露出させた。

 

「〜〜〜!?ほ、本当にヤるつもり!?ここで!?せ、せめて下に降ろして──」

 

 彼女は抵抗するように体を揺するが、僅かに枝が動くばかりで脱出は叶わない。

 そんな無駄な抵抗を続ける彼女を尻目に脚衣(ズボン)下着(パンツ)をずらして一物を取り出した男は、亀頭を秘裂に押し当てた。

 

「いっ……!?ちょ、ちょっと待って……!いたっ!せ、せめて濡らすなり解すなりしてから──」

 

 秘裂を押し広げられ、体が裂けるような痛みに体を強張らせた見習い聖女が悲鳴を漏らすと、男は一瞬動きを止めるが、すぐに意地の悪い笑みを浮かべて腰を突き出し、一物で秘部を貫いた。

 

「がっ………!?!」

 

 秘裂からはメリッ!と肉が無理やり押し広げられる嫌な音をこぼし、見習い聖女の口からは苦悶の声が漏れる。

 激痛に目を見開き、全身を震わせる彼女は「無理、抜いてぇ……」と目に涙を浮かべながら懇願するが、男は構う事なく腰を動かし始めた。

 ずりずりと肉が擦れる乾いた音と共に一物が抽送され、ゴリゴリと音を立ててカリが膣肉を掻き回す。

 

「っ……!?痛っ、痛い痛い痛い!?やめ、やめて!いや、こんなの、いやぁ!!」

 

 一物が動く度に肉が裂けるような激痛が全身を駆け抜け、ついに涙を流しながら悲鳴をあげ始めた。

 男はそんな悲鳴を肴に腰の動きを早め、パンパンと音を立てて彼女の臀部に腰を打ちつける。

 

「いぎっ!?あ!?ぎっ……!いだい!やだ、はなじで、やめで、痛いぃいい!」

 

 一物が動く度に傷を抉られるような激痛が走り金切り声をあげる彼女は首を左右に振りながら体を揺すり、少しでも痛みを和らげようとするが、男はそんな彼女の腰を両手でしっかりと掴んで動かないように固定。

 そのまま彼女を叱るように先程よりも強く腰を動かし、鋭い音を立てて腰を打ちつけた。

 

「ぎっ!?ぁ!?げっ、おぐ!?ぉおお!?」

 

 逃げ場をなくした子宮を無遠慮に亀頭が殴りつけ、その度に見習い聖女は悲鳴をあげる。

 下腹部は一物の形に盛り上がり、接合部からは相変わらず乾いた一物が絶えず抽送を繰り返している。

 痛みで閉じる事もできない瞳が向くのは、自身の秘部を貫く一物と押し広げられた秘裂との接合部。

 子供の腕ほどありそうな凶器が腹を貫き、それでも血が出ていないのは奇跡だろう。

 だが、動く度に確実に痛痒(ダメージ)を与えられ、ゴリゴリと音を立てて生命点が削られていくのがわかった。

 

「ぉ……ぎ……!や、やめで……っ!死ぬ!死んじゃう……!」

 

 どすどすと亀頭が子宮を潰し、胎内を蹂躙する中で、見習い聖女は弱々しい声を漏らす。

 その目には恐怖が滲んでいた。男への強烈なまでの恐怖に支配されていた。

 流石の男も罪悪感を感じたのか、不意に動きを止めると小さく溜め息を吐き、そっと彼女の唇を奪った。

 

「んっ……!?んちゅ……んっ……んぁ……」

 

 先程の暴力的な痛みはない。すっと滑り込んできた舌が優しく口内を舐めまわし、彼女を労わるように優しく舌を絡めてくる。

 その動きは彼女が敬愛する冒険者のものであり、『男に犯されている』と意識していた心が、『彼に抱かれている』という方向に流れ始める。

 強張った体から少しずつ力が抜け、男に寄りかかるように顔を前に突き出す。

 二人の接吻は息継ぎを交えながら数分も続き、その間に一物を呑み込んでいる秘裂からもトロリとした蜜が溢れ始めていた。

 

「んぁ……♡んちゅ♡やるなら、最初から、んちゅ♡こうしてくださいよぉ……♡」

 

 男の唇を啄むように何度も唇を落としながら、見習い聖女は猫撫で声を漏らした。

 男は苦笑混じりに彼女の接吻に応じ、何度も唇を合わせた。

 その度に鳴るリップ音を聞きながら、男はゆっくりと腰を動かし始める。

 先程までの肉が擦れる乾いた音に湿り気が帯び、ぬちゃぬちゃと湿った音が二人の耳朶を撫でた。

 一物が抽送される度に秘裂から愛液が掻き出され、愛液に塗られた一物には光沢が帯び始める。

 そのまま蜜が潤滑油となり、動きやすくなった男は腰の動きを少しずつ激しくし始める。

 膣肉の締め付けも力任せに締め付けるようなものから、優しく扱くような良い加減なものへと変わり、痛みの代わりに緩い快感が彼女の背筋を撫でていった。

 

「んっ……♡んぁ……ひぅ……♡」

 

 悲鳴もいつしか嬌声に変わり、突く度にビクビクと足が震え、爪先に力がこもっていく。

 散々痛めつけられた反動なのか、緩やかな快感だけで段々と絶頂感を高めていく見習い聖女は、蕩け始めた瞳で男を見つめた。

 目深く被った頭巾の下、申し訳なさそうに細められた蒼い瞳に真っ直ぐに見つめ返され、彼女は照れくさそうに顔を背けた。

 だがそれが不満なのか、男は彼女の顎を掴むと無理やり前を向かせ、目を合わせた。

 

「あ……」

 

 夜空を閉じ込めた蒼い瞳に意識が吸い込まれたように、ぼぅとしてしまった見習い聖女。

 彼女が産み出したその『虚』を男は見逃さず、一際強く腰を突き出した。

 ずりゅ!湿った音を立てて一物は一気に根元まで押し込まれ、亀頭が子宮口を抉り、子宮を押し潰した。

 

「きゅい……っ!?♡」

 

 下腹部から脳天までを駆け抜ける快感に見習い聖女は甲高い悲鳴をあげ、両の足が爪先まで伸び切った。

 膣肉が痙攣を繰り返し、ヒダが一物を撫で回す。

 男の一突きで軽い絶頂を迎えた彼女を尻目に、彼は追撃するように更に腰を動かした。

 

「ひゃ!?♡ちょ、ちょっと、待ちなさいっ♡い、今イッてる……!イッてるから、動かないで……♡んぉ♡いぎゅ……!♡」

 

 どすどすと音を立てて子宮口と亀頭がぶつかる度に見習い聖女は絶頂を繰り返し、嬌声混じりに制止の声をあげるが、男は止まらない。

 優しく締め付けてくる膣肉をカリで掻き回し、物欲しそうに降りてくる子宮口を亀頭で押し返し、喘ぐ彼女の口を唇で塞ぐ。

 

「んんっ!?♡んんっ!ちゅ……っ♡んぁ♡ぉぉぉ……♡」

 

 唇を奪われる形で声を奪われた見習い聖女は瞠目するが、すぐに受け入れて彼の舌に自分の舌を絡めていった。

 その間にも膣肉は蹂躙され、絶え間ない快感が彼女の頭に叩き込み続け、理性を溶かしていく。

 

「んぎゅ!♡イ、イくっ♡ま、まだ、イくぅぅ♡」

 

 男とのキスの合間に何度も絶頂を繰り返し、何度も体を跳ねさせる彼女。

 その度に強まる締め付けに男もまた低く唸り、そして次の瞬間には吐精の時を迎えた。

 彼女を抱きしめるように体を密着させ、子宮を押し潰しながら一物を根元まで無理やり押し込む。

 

「〜〜〜〜♡♡♡」

 

 直後子宮に向けて直接放たれた男の精液の熱と勢いに、声にならない嬌声をあげた見習い聖女は、更なる絶頂を迎えて接合部から勢いよく潮を噴き出した。

 二人が乗る枝の上に彼女の潮が降り注ぎ、そのまま地面へと滴っていく。

 

「ぉ……っ♡ほぉ……♡ぎっ……あへぇ……♡」

 

 男の吐精が終わり、彼が僅かに腰を引いて体を離すと共に、見習い聖女は力の抜け切った間の抜けた表情で、これまた間の抜けた声を漏らしていた。

 ピクピクと痙攣を繰り返す体は汗ばみ、月明かりに照らされて僅かな光沢を放っていた。

 男はもう縛っておく意味もないかと考えつつも、こんな状況ではなかなかできないと心に住みたく笑い自分の甘言にあっさりと屈っし、そのまま再度挿入。

 

「んお!?♡ぉ……っ♡ちょ、ちょっと、や、休ませて、くだしゃい……♡」

 

 見習い聖女は再度駆け抜けた快感に悶えながら男にそう頼むが、彼はにこりと笑って首を横に振った。

 諦めたように乾いた笑みをこぼす見習い聖女は、不意に視線を感じて顔を横に向けた。

 いつの間にか目を覚ましていたのか、ハンモックに揺られていた少女巫術師が顔を覗かせ、羨ましさ半分、頑張れと言う応援半分の微妙な顔をしながら、そっと引っ込んでいった。

 

「ま、待ちなさいよ!?た、助けてくれないの!?」

 

「あいつも限界まで相手してもらったからな、休ませてやれ」

 

「なら私も──んぉ!?♡♡ま、駄目!ま、またイくぅぅぅううう♡♡♡」

 

 見習い聖女の祈り届かず、男は再び腰を動かし始め、彼女は再び絶頂の沼へと沈められていく。

 彼女達を助けんと森を進む冒険者達は、ついぞ二人を見つけることは叶わなかった。

 

 

 

 

 

 

 




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Memory?? 夜の帳の中で③ ※

遅れて申し訳ありません。
リクエストの続き。白兎猟兵編。


 少女巫術師、見習い聖女を失った一党は、揃って茂みの中に身を潜めていた。

 

「当てもなく探し回るのは危なかったしいですからね〜」

 

「それはそうですけど。その、ここでは見つかりませんの?」

 

 落ち葉や枯れ枝を縫い付けた外套を目深く被り、文字通り茂みと同化している二人は顔を見合わせながらそんなやり取りをしていた。

 都会育ちの令嬢剣士に比べ、大自然の中で生きてきた白兎猟兵の方が斥候(スカウト)としても野伏(レンジャー)としても上手だ。彼女の意見にあれこれ言い返せる程の知識を、令嬢剣士は持ち合わせていない。

 だが、あの文字通り規格外であるあの男を相手に、この程度の偽装で何とかなるのだろうかという疑問が湧いてきてしまう。

 

「顔に泥塗ってもいいですけんど、やります?」

 

「その程度の汚れなど今更です。ゴブリンの血を被るよりはマシですわ」

 

「なら、目の前にちょうどいい泥濘(ぬかるみ)があるんで」

 

 二人は周辺を警戒しながら、茂みの近くに広がる泥濘から泥を掬い、顔に塗っていく。

 

「風の噂で泥は肌にいいと聞きましたが、どうなのでしょうか?」

 

「ぼかぁにはわかんねえです」

 

 そんな気の抜けたやり取りを交わしながら。

 

 

 

 

 

「上手く隠れたな」

 

 樹上から夜の森を見下ろす男は、上手く自分の目から逃れた冒険者を素直に褒めた。

 夜間という条件付きではあるが、自分に見失わせるなどよほど上手くやらねば成功しない。

『眼』を使えばすぐにでも見つけられるが、それではつまらないし彼女達が可哀想だ。ここは素直に神に骰を振ってもらおう。

 

「ぉ……♡ぃぐ……っ♡」

 

「た、大変なことになってしまいましたね……」

 

 と、ここからは真面目にやるかと本腰を入れようとした男の背後から、か細い見習い聖女の喘ぎ声と、そんな彼女を心配する少女巫術師の声が届いた。

 首だけ振り向いて確認してみれば、蔦と縄で縛り上げられた見習い聖女を解放しようと、枝上を跳び回る少女巫術師の姿があった。

 宙吊り状態の見習い聖女はM字に足を開くように体勢を固定され、突き出された秘裂からは大量の白濁液が溢れ出し、少女巫術師は慌てながらもそれを拭うのだが。

 

「ぃ…… ♡だ、触ら、ない……で……っ♡」

 

「で、でも、綺麗にしないと!」

 

 手拭いで秘裂を拭われる度に見習い聖女はピクピクと体を跳ねさせ、止めるように少女巫術師に言うが、変なところで真面目な彼女は吐き出される白濁液をせっせ拭っていく。

 ただ撫でられるだけ。それだけではあるのだが、男の手で散々嬲られた見習い聖女の体はその僅かな刺激すらも快感として脳に届け、拭う度に白濁液に混じる愛液の量が段々と増えていく。

 

「ぜ、全然綺麗になりません!我慢してください!」

 

「んっ……♡む、無理言わないでよ!そこ、敏感でぇ……!♡」

 

 それでも律儀に拭い続ける少女巫術師と、彼女の愛撫に悶える見習い聖女。

 そんな二人の様子を眺めていた男は、不意に気付く。

 見習い聖女を甲斐甲斐しく世話する少女巫術師の股座には変わらず湿り気を帯びており、剥がされたショーツをそのままに上げただけの脚衣(ズボン)にはシミが広がり始めていた。

 ふうむと小さく唸った彼は不敵な笑みを浮かべると、両手の指をわきわきと不気味に蠢かせながら彼女の背後へとにじり寄っていく。

 

「……っ!ちょっと、後ろ!?」

 

「え?きゃ!?」

 

 異変に気づいた見習い聖女が警告してももう遅い。

 少女巫術師が振り向いた瞬間、男は二人に向けて飛びかかるのだった。

 

 

 

 

 

 真っ先に異変に気づいたのは、耳を澄ませていた白兎猟兵だった。

 ピクピクと長耳を揺らし、角度を変えて音源を探りながら、「むむむ」と神妙な面持ちとなる。

 

「何かありましたの?」

 

 そんな彼女の異変に気づいた令嬢剣士が声をかけると、白兎猟兵は人差し指を口元に当てて静かにするように返される。

 慌てて口を閉じた令嬢剣士が彼女に倣う形で耳を澄ませた。

 聞こえるのは風に揺れる森のざわめきと、梟か何かの鳴き声。

 

『ぉ……♡そこ、駄目……っ♡イく……♡』

 

『ぐりぐり、駄目ですぅ♡♡そこ、弱、ぃいいい♡♡』

 

『は、離して、降ろしてっ!やだ、またイぐ♡ぉお゛♡♡』

 

『無理っ!入りませんから♡ぎ!?いいぃぃいいい♡♡」

 

「……え?」

 

 見習い聖女の苦悶と恍惚の喘ぎ声と、少女巫術師の悲鳴にも似た嬌声。

 令嬢剣士でさえも聞き取れたそれは、白兎猟兵からすればより近くに感じられるのだろう。現に彼女は顔を真っ赤にしながら、もじもじと太腿を擦り合わせ、ピンと立った耳を忙しなく動かしている。

 

「ま、まさか、襲われている!?」

 

 令嬢剣士が事態に気づいて思わず声をあげるが、すぐに口を押さえて周囲を警戒。

 幸いな事に相手には聞こえていなかったようだ、まだ接近してくる気配はない。

 

「とにかく、お二人の声のする方向に進んでみましょう。隠れながら」

 

「そ、そうですね。その、お腹がもやもやしてきましたけんど……」

 

 二人揃って顔を赤くしながら、それでも冒険者としてすべき事を話し合う。

 意見が揃った二人は這うようにして夜の森を進み始めた。絶えず聞こえる仲間達の嬌声に、少しずつ理性を溶かされながら。

 

 

 

 

 

 そうして進むこと十数分。二人は完全に動きを止めていた。

 

「んぉぉ♡ぉぉ……っ♡お゛♡♡」

 

「んぎっ♡んんっ……♡♡」

 

 遠くから聞こえてきた嬌声はだいぶ大きくなり、耳を澄ませれば湿った音さえも聞こえてしまい、二人がどんな責めをされているのかを想像してしまい、動けなくなってしまったのだ。

 

「「…………」」

 

 二人揃って顔を赤面させ、令嬢剣士に至っては顔から煙さえを噴き出しながら、茂みに身を潜めたまま身動きが取れない。

 その間にも耐える事なく見習い聖女と少女巫術師の嬌声と、二人の胎内が掻き回されているだろう水音が令嬢剣士と白兎猟兵の鼓膜を通し、劣情を刺激してくる。

 

「ま、駄目……っ♡イ、イク……!ぉ、おぉぉぉ♡♡」

 

「指、奥まで届いちゃってます……♡子宮、コリコリ、やらぁ!!♡」

 

 上の二人は絶頂した挙句、潮を噴いてしまったのか、ぷしゅぷしゅと勢いのいい音まで聞こえてくる始末。

 顔を限界まで赤くした令嬢剣士と白兎猟兵は、お互いに無意識の内に太腿を擦り合わせ、片手がゆっくりと下腹部へと伸ばしてしまっていた。

 令嬢剣士が先か、白兎猟兵が先か、それは些細な問題でしかない。

 

「ん……っ♡」

 

 くちゅりと湿った音が、茂みの中から漏れ出した。

 瞬間、頭上から聞こえていた仲間達の嬌声が途絶え、僅かに枝が軋み、葉が揺れる音が二人の耳に届いた。

 二人がハッとし、警戒を強めた頃にはもう遅い。

 

「あ……」

 

 ヒュン!と鋭い風切り音がしたかと思えば、白兎猟兵の間の抜けた声が令嬢剣士の真横から漏れ出した。

 彼女が目を向けるのと、白兎猟兵が何かに引っ張られて頭上に消えていったのはほぼ同時。

 

「おわああああぁぁぁぁぁぁ────…………!?」

 

「い、一本釣り!?」

 

 文字通り釣り上げられた白兎猟兵を救おうと慌てて手を伸ばすが、彼女の手は届く事なく白兎猟兵はそのまま樹上へと消えていく。

 そして攫われた彼女の代わりと言わんばかりに次々と小さな球が降り注ぎ、炸裂音と共に大量の煙が令嬢剣士の周囲を囲む。

 

「また煙幕!?」

 

 けほけほとむせながら茂みから飛び出す令嬢剣士。

 煙幕に何かの粉末でも仕込まれていたのか、異常に痛む目が瞬きを繰り返し、涙ぐんで碌に視界を確保できない。

 そしてそれが回復する頃には既に白兎猟兵の姿はなく、あるのは嫌な静寂のみ。

 

「や、やらかしましたわぁぁぁぁぁ……!!」

 

 令嬢剣士はその場で四つん這いになりながら叫んだ。

 彼女の股座と指先には、ほんの僅かな湿り気が帯びていた。

 

 

 

 

 

「あの、これ、解いてください」

 

 令嬢剣士の慟哭も遠く、森の奥まで連れ込まれた白兎猟兵は両手を後ろ手に縛られた挙句、両足も縛られて、芋虫のように地面を這わされていた。

 

「ぼかぁ、食べても美味しくないですよぉ」

 

 およよと涙を流しながら、意味があるのかないのかわかない命乞いをする中で、彼女に背を向けていた男が振り返る。

 木漏れ日の月光を浴びる彼の手元には、鋭い光を放つ一振りの短剣。口元には邪悪な笑みが浮かび、ジリジリと焦らすように白兎猟兵へと近づいていく。

 

「あ、あの、ホント、お、美味しく、ないですからぁ!!」

 

 ガチガチと歯を鳴らしながら本気で怯え始める白兎猟兵は、ちらりと男が用意していたもの──ぐつぐつと煮えたぎる鍋と、具材と思われる切り刻まれた野菜類に目を向けた。

 後は何か肉が、それこそ兎肉なんかがあれば、美味しい鍋が完成する事だろう。

 そう、兎肉(じぶん)があれば!

 目を見開き、涙さえも流し始めた白兎猟兵は、そのまま這って逃げようと悶え始めるが、それよりも早く男が彼女の長耳を掴んで捕まえ、ぐいと頭を持ち上げた。

 

「うっ!」

 

 耳を引かれる痛みに呻き、思わず目を閉じてしまう彼女だが、不意に鼻先に触れた生臭い何かに更に呻き、恐る恐る目を開けた。

 

「っ!?」

 

 瞬間、彼女の視界に飛び込んできたのは男の一物の亀頭。

 僅かに白く汚れ、テカっているそれは、おそらく先程まで他の誰かの胎内を貫いていたのだろう。生臭さが白兎猟兵の嗅覚を蹂躙し、雄の色臭が追い詰められた雌の本能を刺激する。

 ゆっくりと視線をあげてみれば、そこには短剣を見せびらかす男の嘲笑があり、その蒼い瞳は『何をすればいいか、わかるな』と告げてきている。

 

「うぅ……」

 

 白兎猟兵はそれから逃げるように顔を背けるが、その視界に入るように差し出された短剣が、冷たい輝きをもって彼女の顔を照らし、濃厚な死の気配を彼女に刻みこむ。

 彼女は怯えながら視線を前に戻し、眼前に突きつけられた亀頭を見つめ、そして意を決してペロリと舌を這わせた。

 

「んちゅ……れろ……れろ……うぇ、苦い……臭い……」

 

 ゆっくりと舌を這わせ、その独特な味に嗚咽を漏らしながら、必死になって亀頭を舐め回すが、男はそれが不満なのか短剣の刀身、その腹で彼女の頰を叩いた。

 

「ひっ!ご、ごめんなさい。ちゃ、ちゃんとやります、やりますからぁ……」

 

 たったと一度、けれど頰に感じた痛みと金属の冷たさに心を折られた彼女は謝罪の言葉を吐くと、口を開けて男の一物を頬張った。

 

「んぐ……っ!んご……!じゅる!んぐ、んぐ!」

 

 あむあむと歯を立てないように細心の注意を払いながら甘噛みし、亀頭に舌を這わせながら、ゆっくりと頭を動かし、唇を使って優しく扱く。

 

「こう、れすか……?これで、いいれしゅか……?」

 

 上目遣いになりながら男に問いかける白兎猟兵。

 ちろちろと舌先で裏筋を舐めたり、亀頭を甘噛みしてみたり、男を怒らせないように注意しながら、死にたくない一心で男に奉仕する。

 そうしてじっくりと時間をかけた事がいけなかったのだろう。男は不満そうに嘆息すると、彼女の長耳を掴む手に力を入れ、強引に引き寄せると共に腰を突き出した。

 

「ごえ!?」

 

 亀頭が口の中を突っ切り、そのまま喉奥まで達する。

 白兎猟兵は目を見開きながら状況に困惑するが、男はそんな彼女の様子に構う事なく彼女の頭を玩具のように前後に揺すり、亀頭で喉奥を抉っていく。

 

「ぶぇ!?ぉ゛……!げっ、ぉえ……!?」

 

 ずちゅずちゅと湿った音と共に一物は抽送を繰り返し、その度に白兎猟兵は口から大量の唾液を溢れさせながら苦悶の声をあげ、ビクビクと体を痙攣させる。

 まともに息もできず、声も出せず、視界が点滅を繰り返す。

 見開かれた瞳がゆっくりと持ち上がり、そのまま瞼の裏に隠れようとした瞬間、男が低く唸った。

 直後、白兎猟兵の食道に直接叩き込まれる熱々ネバネバと白濁液。

 

「ごっ!?」

 

 その熱と勢いに飛びかけていた意識を覚醒させた彼女は、訳もわからないままに流し込まれた液体を嚥下し、胃に落としていく。

 

「ごきゅ!ごきゅ!?んぉ!?げっ、ぶ……!んぐっ、ぉぉ……!」

 

 それでも飲みきれなかった分が逆流し、口の端や鼻からも吹き出す中で男はただ楽しそうに嗤い、勢いよく腰を引き、一物を彼女の口から引き抜いた。

 

「んぶ!?おえぇぇ……!げっ!げほっ、げほっ!」

 

 栓を抜かれた白兎猟兵は途端に吐き出された白濁液を吐き出し、肺を満たす生臭い空気に何度もえずき、むせる。

 吐き出された白濁液がべちゃりと音を立てて彼女の足元に落ち、周囲に強烈な生臭さが漂い始める。

 そんな臭いと、吐き出された白濁液に眉を寄せた男は彼女にも聞こえるようにわざとらしく嘆息すると、短剣を右手で弄びながら唇を三日月に歪めた。

『吐き出すなよ、殺しちまうぞ』と言わんばかりに細められた蒼瞳が白兎猟兵を威圧し、彼女の表情も恐怖一色に染まる。

 

「ひっ!ご、ごめんなさい!こ、ころ、殺さないで……っ!い、痛くしないで……!」

 

 目から大粒の涙を流し、怯える子供のように震えながら男に懇願すると、男は仕方ないと言わんばかりに溜め息を吐き、短剣を鞘に収めた。

 白兎猟兵が強張り続けていた表情から力を抜き、やったと心の底から安堵の息を吐いた瞬間、男は音もなく彼女の背後に回り込んでいた。

 声を出す間もなく頭を掴まれ、そのまま足元に残る白濁液の水溜りに顔を押し付けられる。

 

「ぴっ!?うぎっ、痛っ……!髪、引っ張っちゃ、駄目です……っ」

 

 鼻先に押しつけられる白濁液。強烈な生臭さが鼻腔を破壊し、逃れようと頭を揺らせば頬に白濁液がへばりつく。

 その不快感と髪を引かれる痛みに喘ぐ白兎猟兵を見下ろしながら、男は片手で彼女の脚衣(ズボン)をずり下ろし、ショーツを引っ剥がす。

 

「や、やだ、やですぅ!!そんな、今、挿れられたら……っ」

 

 秘裂にぴたりと押しつけられた亀頭の感触に、白兎猟兵は唯一動かせる腰を振って抵抗するが、次の瞬間に男の右手が閃いた。

 ダン!と音を立て、白兎猟兵の目の前に短剣が突き立つ。逆手で抜刀した勢いのままに、彼女の眼前に突き立てたのだ。

 

「ひっ!?」

 

 鏡のように磨き上げられない刀身に映るのは、怯えに竦んだ白兎猟兵の顔。濃密なまでに感じる死の気配が、彼女の心の内の防波堤を容易く崩した。

 直後、ちょろちょろと湿った音が彼女の股座から漏れ始め、黄金色の液体が太腿を伝い、脚衣(ズボン)を汚していく。

 

「あ……あぁ……」

 

 まさかの失禁に男さえも言葉を失う中、恐怖と羞恥に震える白兎猟兵が両目から大粒の涙を流す。

 だが、男は気にしない。多少ながら勢いを削がれたが、やる事は同じだ。

 先程の失禁で湿り気を帯びた秘裂に亀頭を当てがい、一息で腰を突き出して一物を彼女の秘部に押し込んだ。

 

「ぎっ……!?」

 

 極限の恐怖と羞恥で半ば意識が飛んでいた白兎猟兵は、胎内に入り込んだ異物感と、肉が裂かれるような激痛。

 前戯もなく、彼女自身準備のかけらも出来ていない状態での挿入による痛みは、恐怖に支配されていた彼女の意識を覚醒させた。

 だがそれに意味はない。今更正気に戻ったところで、もう遅い。

 男は腰を前後に揺らし、一物の抽送運動を開始した。

 ぴたりと閉じた秘裂をこじ開け、エラ張ったカリが膣肉を掘削するように掻き回し、ぐちゅぐちゅと肉同士が擦れる音が二人の耳に届く。

 

「ぎっ……!いぃ……!痛い、痛いですぅ……!ぉ……お゛……っ!?」

 

 子供の腕ほどありそうな一物の抽送に内臓を掻き回され、白兎猟兵は痛みに喘ぐ。

 その間にも男の腰は止まる事なく、ひたすらに腰を動かし、雪山育ちで引き締まった臀部に腰を叩きつけ続ける。

 

「ぉ……!おぎっ!……っ!おえっ!げっ……」

 

 どすどすと内臓を叩かれる痛いと嘔吐感に目を見開く白兎猟兵だが、男はそんな彼女の頭を地面に押さえつけ、さらに動きを封じて腰を揺する。

 

「────!──……!!」

 

 地面と、そこに残る白濁色の水溜りに顔を埋められ、もはや満足に呼吸すらもできない白兎猟兵は、ビクビクと体を痙攣させて全身に脂汗を滲ませる。

 どすどすと音を立てて潰される子宮。ゴリゴリと音を立てて掘削される膣肉。痛みと異物感に白兎猟兵の意識は混濁するが、どうにか胎内を貫く異物を追い出そうとヒダだけが激しく蠢く。

 締め付けは強く、一物を追い出さんと動くその様はさながら扱かれているようであり、男は心地よさそうに息を吐くと、気付けの一発と言わんばかりに彼女の子宮に精液を吐き出した。

 

「っ!?!────!!……っ!!」

 

 白兎猟兵は子宮を満たす異様な熱に声もなく悲鳴をあげ、全身に鳥肌を立てる。

 男はそんな彼女の反応を見下ろしながら深く息を吐き、一物を引き抜いた。

 まだ射精は終わっていなかったのか、引き抜くと同時に鈴口から溢れ出した精液が彼女の臀部と背中に降りかかる。

 

「……っ!……っ」

 

 べちゃべちゃと音を立てて精液をかけられ、体を汚された白兎猟兵は全身を震わせ、嫌悪感と息苦しさに全身を震わせた。

 震えに合わせて背中や臀部に貼り付く精液が滑り、余計な不快感を彼女に与えるが、次の瞬間には男は再び彼女の秘部に一物を叩き込む。

 そのままへたり込む彼女の長耳を掴み、頭を持ち上げた。

 土と精液に汚された顔は苦痛に歪んではいるものの、頰には僅かに朱色が差し、脱力したようにだらしなく開く口からは唾液が垂れていく。

 男は乱暴に腰を揺らし、一物を抽送させて彼女の胎内を蹂躙し、子宮から溢れ出した精液を膣肉に馴染ませるように胎内を掻き回す。

 

「うぎ……っ!ぇ……あ、あはぁ……♡」

 

 そんな乱暴が過ぎる責めをされながら、白兎猟兵の顔は確かな悦に浸る恍惚の表情へと、変わり始めていた。

 

 

 

 

 

「ふ、普段の二人はあんな事をしてるわけ……?流石に引くんだけど……」

 

「い、いや、流石にもっと優しいと思います……よ?」

 

 そんな二人の交わりを樹上から見ていた見習い聖女と少女巫術師は、顔を青くしながらドン引きしていた。

 下ではいまだに二人の交わりが続き、白兎猟兵は軽く首を絞められながら秘部を貫かれ、酸素を求めて舌を突き出しながら、それでも恍惚の表情を浮かべて快感に喘いでいる。

 今回の一件で、開けてはいけない扉が開いてしまったのではないか。

 二人のそんな心配を他所に、白兎猟兵は男の手で強制的に被虐性を解放させられ、被食の恐怖と雌の快感が混ざり合う複雑な感情に胸中を支配され、その在り方を歪まされていく。

 

「は、早くあいつ来ないかしら……っ!」

 

「あれ、元に戻れますかね……?」

 

 見習い聖女は令嬢剣士の推参を待ち望み、少女巫術師は己の癖が壊されている事を棚に上げて白兎猟兵の心配をする。

 

「かへっ────…………」

 

「あ、やべ」

 

 下から聞こえた気絶したと思しき断末魔と男の間の抜けた声に、揃って溜め息を吐くのだった。

 

 

 

 

 

 




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Memory?? 夜の帳の中で④ ※

リクエストから。
前回の続きにして今回の一連の最終回。令嬢剣士編です。


「もう、冒険失敗どころの話ではありませんわ」

 

 令嬢剣士は一人、四つん這いになって項垂れていた。

 仲間の三人は行方不明。しかも白兎猟兵に関しては自分のせいだ。

 そんな自責の念に苛まれながら、それでも最後の瞬間まで足掻いてやろうと顔を上げる。

 

「そうです、私はならず者殺し(ローグハンター)の弟子。この程度の難関、なにするものぞ!」

 

 己を奮い立たせ、立ち上がる。

 まずは目的地だ。どこを目指すべきかもわからないまま、夜の森を走り回るなど愚の骨頂。何かしらの痕跡が残っていればそれを辿る事も出来るのだが。

 

「……あれは」

 

 目を凝らし、周囲を見渡す令嬢剣士が見つけたのは、夜闇の奥にぽつんと灯る橙色の灯りだった。

 焚き火、あるいは角灯の類だろうか。こちらを誘うように突然姿を見せたそれに、令嬢剣士は光に誘われる虫のように近づいていった。

 

 

 

 

 

 夜の闇を抜け、たどり着いたのは仮説の夜営地だった。

 手荒く草が刈られ、煌々と燃える焚き火の脇には薪代わりの乾いた葉や枝が積まれている。

 

「これは……」

 

 明らかに怪しい場所に、令嬢剣士はすぐには突入しなかった。

 茂みの中に身を潜め、目を凝らした周囲を警戒し、やはり異常はないとじりじりと夜営地に近づいていく。

 たったのさあメートルを、普段の倍以上の時間をかけて進んだ彼女は、パチパチと手拍子にも似た音を立てる焚き火にたどり着いた。

 

「誰もいない。なら、なぜ焚き火が?」

 

 焚き火の周囲には足跡すらなく、人がいた痕跡といえば焚き火くらいのもの。

 何か食べ物を探しに行ったのかとも思うが、今の状況でやるものではないなと思慮し、改めて周囲を見渡した瞬間、ポタリと彼女の肩に水滴が落ちた。

 

「おや、雨でしょうか」

 

 肩に落ちた雫を拭い、空を見上げた瞬間、ぎょっと目を見開いた。

 

「あへ……♡ぉ……♡ひぅ……♡」

 

「……っ♡♡〜〜〜♡♡♡」

 

「たべ、食べないれ……♡も、もっと、ご奉仕しましゅ……♡♡」

 

「み、皆様、そんな……!」

 

 枝に吊るされた少女巫術師、見習い聖女、そして白兎猟兵。

 その姿に令嬢剣士が驚愕し、先ほどの水滴が彼女達が垂らした汗か愛液の類いである事を理解する。

 ぞわりと背筋が震えた。嫌悪感からか、いや、これは──。

 

 ──私は、あの三人を羨んでいる……!?

 

 令嬢剣士がたどり着いた答えに、彼女はぶんぶんと首を横に振った。

 別に羨ましたがってはいない。確かに普段はこちらに気遣って優しくしてもらっているし、それも満更でないが、彼女達のように乱暴にされるというものたまには……。

 

「違いますわ!?今は、それどころでは……!」

 

「何を叫んでいる、冒険者」

 

「っ!?」

 

 頭を振って意識を引き締める令嬢剣士だが、その背後から声をかけられて弾かれるように振り向いた。

 切り株に腰掛け、優雅に足を組んでいた男は頭巾の下に隠された蒼い瞳をご機嫌そうに細め、音もなく立ち上がる。

 令嬢剣士が慌てて突剣と短剣を構える中、男はゆったりとした動作で腰に吊るしていた片手半剣(バスタードソード)を抜く。

 

「お前で最後だ。足掻くな、運命を受け入れろ」

 

「お断りしますわ!これでもならず者殺し(ローグハンター)の一党の末席に名を連ねる者、こんなところで諦めるなどできません!」

 

 男が放つ圧倒的な圧力に怯みながらも、それでも己を鼓舞して吠えて見せる令嬢剣士。

 そんな彼女の姿に男はどこか嬉しそうに微笑むが、それはすぐに戦意に満ちた獰猛な笑みへと変わり、ゆらりと脱力したままの構えをとった。

 

「そうか。ならば、その心砕いてやろう。諦念のまま、無様に赦しを請わさせてやる」

 

「やれるものならやってみなさい!」

 

 男の挑発に令嬢剣士は戦意漲らせながら吠え、地を蹴って走り出す。

 男は迫る冒険者を迎え撃つべく、剣を振るうのだった。

 

 

 

 

 

 どんなに覚悟を決めようとも、どんなに最善を尽くそうとも、力量(レベル)技能(スキル)の差は埋まらない。

 

「ぐっ……くぅ……!」

 

 悔しそうに唸る令嬢剣士は倒れ、男はそんな彼女を冷たく見下ろす。

 圧倒的だった。抜群の技と駆け引きに令嬢剣士は手も足も出ず、弾き飛ばされた突剣と短剣が無念そうに転がっていた。

 

「まだ、この程度で……!」

 

 それでもと、令嬢剣士は拳を固めて立ち上がった。

 念の為と、師匠(ローグハンター)の恋人──今では第一夫人という事になっている──武闘家からも、戦い方を学んでいる。いまだに素人の域を出ないが、抵抗の術があるのに何もしないのは冒険者失格もいいところ。

 蜂蜜色の髪は泥に汚れ、纏う革鎧も、整った容姿も泥まみれ。それでも抗う彼女の姿は美しい。

 

「こんのぉぉおおおおお!」

 

 腹の底からの叫びと共に突撃する令嬢剣士。腰を捻りながら拳を振りかぶり、放つ。

 その姿勢に男は感心したように口元を緩め、けれどあまりにも素人が過ぎるその拳を男は僅かに体を捻るだけで回避。

 拳を空を切るどころか重心諸共に拳を放った令嬢剣士の態勢を崩れ、切り返すのにも無駄な一呼吸。

 

「シッ!」

 

 振り向き様、拳を放つよりも速く男の掌底が彼女の顎を打ち抜いた。

 頭が揺れ、脳が揺れ、視界が回り、四肢から力が抜け落ちる。

 

「ぁ……」

 

 ガクンとその場に崩れ落ちる令嬢剣士は、そのまま顔から地面に突っ伏しそうになるが、すかさず伸びた男の手が彼女を抱き止めた。

 彼女の全体重をかけられる事になる男だが、強靭な体幹は武装した少女一人程度の重さで揺らぐはずもなく、二本の足が地面を踏み締める。

 男の胸に顔を埋める事になった令嬢剣士は、途端に鼻腔を抜けていった彼の臭いに、ぞくりと背筋を震わせた。

 強烈な汗の臭いが、僅かに聞こえる心臓の鼓動が、令嬢剣士の疲れ切った体に染み込んでいく。

 

 ──これ、駄目なやつ……ですわ……。

 

 凛々しく戦意に満ちていた顔がとろりと蕩け、すんすんと鼻を鳴らして彼の臭いを肺いっぱいに吸い込む。

 男もそれに気づいたのだろう。気まずそうに視線を横に向けた彼は、まあいいかと思考をぶん投げ、次いで令嬢剣士もぶん投げた。

 

「ほぇ……?ふぎゅ!?」

 

 一瞬の浮遊感に間の抜けた声を漏らした直後、木の幹に背中から叩きつけられた痛苦への悲鳴が盛れる。

 げほげほとむせながら体を丸くする令嬢剣士にずかずかと無造作な足取りで近づいた男は、彼女の髪を掴んで頭を持ち上げる。

 髪を引かれる痛みに喘いだ令嬢剣士だが、釣られて彼の顔を見た瞬間に「あ……」と声を漏らしてぞわりと背筋を震わせた。

 朱色に染まった頬、潤んだ瞳。彼女が何を思い、何を望んでいるのか、男には手に取るようにわかった。

 

「何を頰を赤らめている、何を期待している。敵を前に命を差し出すだけじゃなく、まさか欲情しているわけではないだろう?」

 

「ぇ……ぁ……これ、は……」

 

 男の問いかけに令嬢剣士は言葉を失う中、男は「何か言い返したらどうだ」と告げ、彼女の顔を覗き込む。

 

「き、期待してなど、いません……!は、離してください……!」

 

「へぇ。じゃあ、確かめてみるか」

 

 きっと睨みながら告げられた言葉を軽く受け流した男は、そのまま投げ出された令嬢剣士の太腿に手を置き、そのまま股座へと滑らせていく。

 緩やかな曲線を描きつつも筋肉質で、けれど染みのない瑞々しい肌は触れるだけで心地よいが、用があるのはここではない。

 令嬢剣士が慌てて股を閉じようとするが、それよりも速く男の手が秘部に触れた。

 くちゅりと湿った音が二人の耳朶を撫で、ボンと音を立てて令嬢剣士の顔が真っ赤に染まる。

 

「……濡れているようだが?」

 

「あ、汗です」

 

 くちゅくちゅとわざと音を立てながらショーツ越しに秘裂を撫で、煽るように、言い聞かせるようにそう告げた瞬間、令嬢剣士があんまりな言い訳を口にする。

 その言葉に「そうかそうか」と頷いて見せた男は、次の瞬間に令嬢剣士を突き飛ばして地面に寝かせると、強引に股を開かせた。

 そのまま腰の短剣を抜いたかと思えば、脚衣(ズボン)に刃を当ててビリっ!と股座の布を裂く。

 

「〜〜〜!?」

 

 そうして露出したショーツは湿り気を帯び、僅かに色味が濃くなっている縦筋が確かに残されていた。

 脚衣(ズボン)を破られた衝撃と、隠していた本音──この状況に欲情していた事を暴かれた事実に、令嬢剣士は声もなく悲鳴をあげる。

 令嬢剣士が全身を強張らせ、緊張と興奮で背筋に汗を流す中、男はショーツの染みを指で撫で、指に絡みついた粘り気の強い液体を令嬢剣士にも見せつけた。

 

「これが、汗だと?」

 

「そ、そうです!この蒸し暑さですもの、当然です!」

 

 令嬢剣士はそれでも強がりの言葉を吐くが、男は肩を竦めて唇の端を歪めた。

 歪んだ笑みは加虐の色に染まり、蒼い瞳の奥には情欲の炎が揺れている。

 ぞくりと、令嬢剣士は背筋を震わせた。

 息が乱れ、頰が熱くなる。じわりと秘裂から蜜が溢れた。

 そして、男は彼女のその熱を見逃さない。

 彼はすぐに脚衣(ズボン)下着(パンツ)をずり下ろして一物を取り出すと、令嬢剣士のショーツをずらして秘裂を露出させた。

 とろりと愛液がショーツの間に糸を引き、むんと香る彼女の臭いが男の鼻腔を刺激した。

 彼はそのまま亀頭を秘裂に押し当て、彼女が制止の声をあげる間も無く一物を捩じ込んだ。

 ずりゅ!っと湿った摩擦音共に一物が彼女の秘部へと入り込み、膣肉を掻き分けて子宮を叩く。

 

「お゛……♡い、いぎなり、ぉく、にぃ……♡」

 

 ビクン!と肩を震わせた令嬢剣士が脳天までを駆け抜けた衝撃に悲鳴をあげる中、男はがっちりと彼女の腰を掴んで逃げられないようにすると、ゆさゆさと自分の腰を揺らし始めた。

 ゆったりとした動きではあるが、動きに合わせて男の剛直が彼女の子宮を優しく押し潰す。

 

「うぐっ……♡ぉ……♡そんな、優しく……♡」

 

 秘部を掻き回される快感と、子宮を潰される不快感。

 その二つの板挟みになりながら、けれど物欲しそうに切ない声を漏らす。

 男はそれを聞きながら、彼女の耳元に顔を寄せる。

 

「どうして欲しいのか、口にしたらどうだ?もっと喘いで愉しませてくれたら、お前の強請りを聞いてもいいが」

 

「……っ!あ、あり得ません、わ……!わたくしが、野盗に媚びるなど……っ」

 

「そうか」

 

 男の甘い誘惑に、けれど令嬢剣士がギリギリの理性でもって否定する。

 彼女の覚悟に男は素っ気なく頷くと、腰を突き出したままのの字を描くように腰を揺らし、ぐりぐりと亀頭を押し付ける。

 男の動きに合わせて子宮が按摩されるように形を歪め、胎の奥からも肉が潰れ、揺らされるコリコリとした音が漏れ聞こえる。

 

「んぐっ……♡ぉぇ……♡ぅ……♡」

 

 令嬢剣士は強烈な圧迫感に身悶えするが、口を閉じて必死に声を抑える。

 気丈な彼女の様子に男は楽しそうに笑うと、何かを思いついたのかニヤリと怪しげな笑みを浮かべた。

 ぐっと腰を突き出して子宮を刺激しつつ、ごほんと咳払いを一度。

 疑問符を浮かべる令嬢剣士の耳元に顔を寄せ、ぼそりと呟く。

 

「そんなに我慢しなくていいんだぞ」

 

 いつも通りの声音。いいや、彼女の師匠ではなく恋人として接してくれる素の彼の声音。

 

「〜〜〜〜♡♡♡」

 

 ぞわぞわと背筋が震え、膣肉が震える。

 我慢に我慢を重ねていた脳内に何かいけないものが溢れ出し、蕩けていた瞳の焦点がさらにズレる。

 

「どうした、いつも通りに甘えていいんだぞ」

 

「ぁ……♡ちが、あな、たはぁ……♡」

 

「酷いじゃないか、俺は俺だぞ?」

 

「〜〜〜♡♡」

 

 さらに続く男の甘言に令嬢剣士は必死に抗うが、彼の声が聞こえる度に頭の奥底に隠した情欲の炎が揺れ、引き締まった膣肉が優しく彼の一物を扱きあげる。

「いつも通りでいいんだ」「ほら、素直になれよ」と、言葉と声色でもって彼女を追い詰めていく。

 

「だ、駄目です……っ♡わた、くしは、ローグ、ハンターの一党……っ!この程度で、根を上げては……!!」

 

 それでも、最後の一線だけは越えまいと歯を食い縛る。

 ローグハンターの弟子としての矜持。冒険者としての意地。その二つが彼女を踏ん張らせていた。

 そしてそれを理解していた男が取った手段は、卑怯の一言に尽きる。

 

「よくやったよ、お前は」

 

 突然の賞賛の声に動きを止めた令嬢剣士は反論が出ず、代わりに膣肉がきゅんと引き締まる。

 

「十分に頑張ったじゃないか、偉いぞ」

 

 耳元で、ありったけの慈愛を込めて、男は彼女を褒めてやった。

 令嬢剣士の顔が蕩け、膣肉がピクピクと震えて一物を扱き始める。

 彼女がふるふると首を横に振る中、男は息を吸い込んで彼女の耳元に顔を寄せた。

 

「やだ、やめて、言わないで……っ!」

 

「──、愛してるぞ」

 

 最後に囁いたのは彼女の本名と、愛の告白だった。

 目を見開き、声を失う令嬢剣士が呆然としている隙に、男は彼女の唇を奪った。

 間抜けにも開いた隙間から舌を捻じ込み、微動だにしていなかった彼女の舌に絡みつく。

 そして、それこそがトドメの一撃だった。

 

「〜〜〜〜〜♡♡♡♡」

 

 ビクビクビク!と全身を震わせた令嬢剣士はあっさりと最後の一線を失い、絶頂を迎えた。

 痙攣する膣肉の様子からそれを察したのだろう。男はキスをやめ、令嬢剣士の顔を伺った。

 

「あへっ……♡違っ、今は、我慢しない、とぉ……!♡♡」

 

 声を上擦らせ、再び意識に冒険者の鎧を纏おうとする彼女に、それをさせまいと再びキスし、腰を動かした。

 

「んぉ……♡ぉ゛……♡りゃ、りゃめ……!イクッ……♡んんんん♡♡♡」

 

 くちゅくちゅと湿った摩擦音を漏らしながら一物は抽送運動を繰り返し、膣肉を掻き回しながら子宮を押し潰す。

 冒険者としての意地、ローグハンターの弟子としての矜持。それらを打ち壊したのは一人の恋する乙女としての一面だった。

 師匠への敬愛と、そんな彼に対する恋慕の感情。純粋に異性への好意のみを向ける彼の一人目の恋人よりも複雑で、特大の感情を孕んだ彼女の胸中は、あっさりとこの場において捨ててはいけないものを投げ捨てた。

 男の顔が遠ざかる。二人の唇の間に銀色の糸が橋をかけ、重力に引かれてやがて切れてしまう。

 

「はぁ……♡はぁ……♡もっと、もっとくらはい……♡めちゃくちゃに、してください……!」

 

「わかった」

 

 理性を溶かされ、情欲に支配された令嬢剣士の口から出たのは懇願の言葉。

 その言葉に男は即答すると、彼女の両膝を掴んでひょいと持ち上げる。

 ゴリッ!と鈍い音を立てて、亀頭が子宮にめり込む。持ち上げられたとはいえ、彼女を支えているのは男の両手と一物の三点のみ。

 

「んぉお……♡おぎっ♡ぉぉぉ……♡♡〜〜〜♡♡♡」

 

 グリグリと押し付けられる亀頭の圧迫感に喘ぐ令嬢剣士は、彼の首に両腕を回し、今度は自分から彼にキスをした。

 互いの舌を絡め合い、じゅるじゅると音を立てて互いの唾液を交換する二人は、やがて同時に腰を動かし始め、パンパンと乾いた音が夜の森に響き始める。

 

「んちゅ♡ぉ……♡じゅるる♡お、おぐっ、潰れ、で……♡気持ちぃです♡ぉぉおおお♡♡」

 

 膣肉を掻き回し、どちゅどちゅと湿った衝撃音を響かせながら、男は腰を打ちつけ続ける。

 その度にビクビクと体を震わせる令嬢剣士は何度も絶頂し、嬌声を男の胃の中へと吐き出していく。

 彼女の奉仕に心地良さそうに目を細めていた男は、不意にぶるりと身震いしたかと思えば、一物が僅かに太く膨らんだ。

 

「ちゅ♡んぢゅ……♡いい、れすよ♡くらしゃい、貴方の精液、わたくしにらしてくらはい♡♡♡」

 

 男の射精が近いことを予期したのだろう令嬢剣士の言葉に、彼は抗わなかった。

 一際強く腰を突き出して子宮口に亀頭を隙間なく押し付けたかと思うと、次の瞬間には射精を行う。

 ビュルビュルと音を立てて行われた吐精は、瞬く間に彼女の子宮を満たし、下腹部を歪に膨らませていく。

 

「ぉ……!♡で、でてまずっ……♡せーえき、ぜんぶ、わたくしのなかにぃ……♡」

 

 ぎゅっと男を抱きしめながら、令嬢剣士は体をのけ反らせて叫ぶ。

 視界に入った仲間たちなど、もう見えていないのだろう。快感に蕩けただらしのない顔は、仲間たちに見せつけるように上へと向いている。

 三人がごくりと生唾を飲む中、接合部から精液と愛液の混ざった白濁液を垂れ流す令嬢剣士は、瞳の奥に情欲の炎を揺らしながら男に告げた。

 

「もっと、もっとくださいませ……わたくしに、お慈悲をぉ……♡♡♡」

 

 彼女の言葉に男は肩を竦め、再び腰を突き出すのだった。

 

「いいなぁ……」

 

「つ、次は私だからね!」

 

「ぼ、ぼくも、もっとご奉仕したいです……!」

 

 頭上なら聞こえる少女達の声を、とりあえず無視する形で。

 

 

 

 

 

 翌日。太陽が天頂に至った頃。

 

「んちゅ……♡れろ……!はむ……♡」

 

「れろれろれろ♡んちゅ、ちゅ……ちゅ……♡」

 

「はむ……♡あむ……♡れろれろれろ♡♡」

 

「じゅるる!んぐっ♡れろ……♡んちゅ〜♡♡」

 

 少女巫術師の口付けを受け止め、見習い聖女が一物を舐め回す奉仕を受け入れ、白兎猟兵が金玉を甘噛みし、舐め回す快感に酔いしれ、令嬢剣士が亀頭を綺麗にしようと舐め回す奉仕を見下ろしながら、男は溜め息を吐いた。

 

「──冒険失敗。次は頑張れよ」

 

 どうしてこうなった。やり過ぎたかと天を見上げながら、強すぎる野盗役(ローグハンター)は再び溜め息を吐き、令嬢剣士の口内に精液を吐き出すのだった。

 

 

 

 

 

 




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