究極の正義を体現する究極生命体カーズ様 (べいびー)
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プロローグ

 

 

 

  ※ プロローグ

 

 某神龍が目の前にいた。で、3つの願い事を叶えてくれるらしい。その後にどこかの世界に飛ばされるから強く生きてねみたいなことを言われた。(もちろん初代シェン○ンの声で)

 オレが望んだのはJOJOに出てくる究極生命体カーズ様になるということで、それは叶えられた。その次は更に究極を求めて宇宙空間を含む"ありとあらゆる環境に適応して生きられる"ことを願った。念の為に不老不死が可能かどうか聞いてみたら、もうすでに不老不死らしいので別の願いをと言われた。

 最後の願いは死にたいと思わないように、不屈の精神力を願った。

 

 チートを絵に書いたようなチートを持っているカーズ様に更にチートを上乗せしたことでオレが望んだ以上の存在

 ――超究極生命体(スーパー・アルティメット・シイング)に進化したらしい。

 いやそう成ったと感じたのである。

 どこかの世界に飛ばされると言っていたが、IQ400の知能指数を持つカーズ様というか、今のオレだが、現在地が島であること、気候が地球ではありえないこと、そして何よりも巨人がいることで一瞬パニックになったが、すぐに落ち着いた。

 そう、この巨人は見覚えがある。

 それはワンピースに出てくるエルバフ出身の戦士! 青鬼のドリー! そしてもう一人、赤鬼のブロギー!!

「でけぇ……」

 肉眼でみるそれは大迫力の戦闘であった。

 

 オレは遠方からそれを遠巻きに見学しつつ高性能な知能を活用して考える。

 一つ、ワンピースをオレはよく知らない。覇気というのが出てきたあたりまでは読んだ記憶はあるが細部まで覚えてはいない。エースが亡くなる、二年くらい修行する、その後は読んではいたが詳しくは覚えていない。

 

 一つ、カーズ様の記憶も共有しており、長い間宇宙空間を彷徨っていた経験が残っている。少なくとも考えるのをやめたとは言え、思い出したかのように、意識が浮上してどうやら地球に戻る手段を考えていた時期もあったようだ。どれだけの時間経過していたのか、数万年どころか宇宙の終焉と宇宙の誕生すら体験しそれを37回も体験するくらいである。宇宙よりも年上という高齢者だ。

 当然、ジョジョと戦った記憶もあるし、カーズ様の昔の記憶もある。そのあたりはかなり細部まで覚えているが、それが役に立つかどうかは不明だ。石仮面の作り方とかエイジャの赤石の作り方とか役立つだろうがパンデミックは勘弁だ。

 

 一つ、今のオレの状態は元々存在していたカーズ様と俺の意識が融合したようなもので、あえて言葉にするならば二重人格の統合と言えよう。

 オレの思考と元々のカーズ様の思考が同在していると言えば良いのか、表現が難しいが基本的には俺がカーズ様でありカーズ様はオレであるということだ。つまり人の命などどうでもよかろうなのだぁという考え方に賛同はできるが、共感はしないこともできる。

 しかし元々の俺の性格から言えば、人の命は大切ではあるが、格差はある。というものだ。そう俺の性格は悪いし、必要悪も認めるところもある。

 

 一つ、この世界での生き方を決めておくほうがよい。

 ワンピースといえば海賊王に俺はなるっ! というセリフが有名だろう。しかし俺はそれに対して『いや海賊って犯罪者じゃん』と思ってしまう。もちろん、海軍が良いとも悪いとも言い切れないが、少なくとも政府が承認して正義を掲げているので社会的に正しい組織は、海軍であり海賊団ではない。

 そしてカーズ様は敵役として、それもボス役として登場するキャラではあるが、だからといってワンピースの世界でも悪として活躍するかどうかは俺の考え次第であろう。

 一つ、もし悪魔の実を手に入れたらどうするか。

 正直言って、弱点が出来るという時点で超究極生命体(スーパー・アルティメット・シイング)としては欠落だ。よって見つけたとしても食べない。

「取り敢えず、海軍に入るか」

 その後は鍛えよう。カーズ様は強い。だが、この世界で通じるかどうかは不明である。なので戦う力がいる。フィジカル的にも優れてはいるが、それ以上の存在もいるだろう。チートに胡座をかいてなにもしなければおそらく近い将来、負ける。ただし、手段を選ばなければ確実に勝てる方法があることは確かだ。そう、不老不死である以上、特攻を繰り返す、または逃げ続けて最終的に相手が寿命で死ぬのを待つという勝負にすればまず間違いなく勝てる。

 

 あらゆる生物の能力を兼ね備えたカーズ様の肉体を変化させ飛行可能な状態になり、睡眠の必要がないので文明のある島か海軍の船を見つけるまで飛行した。

 一週間ほどで海軍の船を発見。空から軍艦に飛び降りた。

 空から美少女ならぬ空からカーズ様だ。嬉しいだろ? 喜べよ。

 

 

 

 



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カーズ様の海軍入隊

 

  ※ カーズ様の海軍入隊

 

 教官のゼファーは強い。少なくとも同期のクザンは死ぬほどしごかれている。オレはカーズ様なので教える側としてはあまりおもしろくないようだ。

 海軍の軍艦に乗り込んでからはや数ヶ月。昭和レトロ感よろしく、その軍艦に乗っていたサカズキとはお互いに殴り合ったあとにできた友情と友好でオレとサカズキの仲は良好である。

 

 マグマ人間に対抗する手段はある。というか、マグマに突き落とされた経験があるうえに死なないので殴り合ったと言ったが一方的に攻撃された(当然避けれるものは避けた)のが事実ではあるが、後にゼファーに教わった武装色の覇気でぶん殴ったので良しとした。

 やはり能力者は差があるもののオレ以上の異能者や異種族もいる。

 そしてオレ傷を負っても瞬間的に回復するので俺は何かしらの悪魔の実を食べた能力者という噂があるし殆どの海兵はそう思っているし、その誤解を解こうという努力もしていない。結果的に昇進が早ければどうでもよかろうなのだ。

 

 当然のことながら、カーズ様だから覇王色の覇気の資質はあったし今では扱える。しかし、俺はどちらかというと、武装色の覇気と見聞色の覇気が得意である。特に見聞色の覇気はあらゆる生物の能力を兼ね備えおり、しかも、その能力を上回る性能を持っているし、熱や空気の動きを探知できる以上、普通の海兵や人間よりも強い。そりゃあ野生の動物の危険察知能力やサーチ能力を超えるものを予め持っているのだから普通の人間よりも感覚は鋭敏だ。

 また学習能力についてはIQ400なので何も問題はないし、肉体面では言わずもがなである。

 怪物海兵という呼ばれ方もしているが、気にしてはいない。

 

 この世界に来る前に願った究極を求めて宇宙空間を含むあらゆる環境に適応して生きられるという願いがどうのような解釈を経て実行されるかが不明たところがあったが、現状でわかっていることは鍛えれば鍛えるほど強くなっていく成長性!!! 更に! 自身の持っている能力の向上などを感じている。この世界に適応、というよりも適合していくかのような気もしているが。それはそれとして、海軍の改革もしなくてはならないのだ。

 

 一つに、一人の海兵が武官と文官を両立しているのが現状であり、戦闘能力が評価されがちになっているのが問題である。

「改革が必要だな」

 そう、海軍は変わるべきだ。強さにしろ、事務処理にしろ、組織体制にしろ、やることはたくさんあるが、幸いにもこのオレ、カーズ様には無限の時がある。

 

 ……数年後。中将以上の武官の昇進試験に必須項目として覇気の取得に加え、六式、波紋という特別な呼吸法の取得が義務付けられ、昇進の厳しさは高くなったが、その分その強さは以前よりも遥かに上回っていた。

 

 

 

 

 

 

 



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カーズ様の海軍改革

 

  ※ カーズ様の海軍改革

 

 覇気の取得よりも波紋の習得のほうが比較的容易らしい。ワンピースの世界の人間は地球の人間とは生物的な構造も異なる。オレはあらゆる環境に適応して生きられるチートを得ている上に元のカーズ様のチート能力にも変化があり、ワンピースの世界に存在するあらゆる生物の能力を兼ね備えて、その能力を上回っているのだ。カーズ様の持っているチート能力に上乗せされる形で、あらゆる環境に適応して生きられるチートが適応されていることをこの数年で実感した。

 つまりこの世界の地上最強の生物を含むありとあらゆる生物を越えた究極生命体になっているということでもある。

 

 中途半端な覇気をまとった武器程度では肌に傷一つできない。それこそ海軍でいえば大将クラスの覇気がなければダメージを与えることすらできない。

 この数年でのオレの仕事は波紋を取得させ武官と文官の区分けをして海軍の組織形態を改革したのだ。もっとも当時はその権限はなかったが意見具申はできる。よって書面やコネを使って改革を進めたのだ。

 ゼファーは話がわかる方だし、ガープ(書類仕事めんどい)やセンゴク(書類仕事をサボるガープを怒るのめんどい)が味方になってくれたのが大きかったがコング元帥の理解が得られたのが最大の効力であったのは間違いないだろう。

 そう、ゼファーと言えば昔家族を襲われかけてそれ以来、海軍関係者……主に家族であるが海軍本部であるマリンフォードの近くの島々に移り住むことになっている。どうにも、虫の知らせというか嫌な予感がして任務を放置して(正確にはオレに丸投げして)帰宅して間一髪だったとか。

 それがきっかけで海軍関係者やその家族は近くの島々に移り住むことが可能になった。とはいえ強制的ではない。しかし定期的に海軍関係者が住まう島に海軍が巡回することになっている。また、電伝虫の新しい活用法も模索されているが、一家に一匹電伝虫を設置するというのはなかなか困難である。

 

 しかし中将以上が滞在する軍艦には電伝虫の設置は可能であり、以前からも連絡手段として使おうとしていたが、盗聴防止の観点や連絡範囲が限定されてしまっていることから一定条件が満たされている場合は有効活用できる程度のものであった。

 そこで考えたのが、旗信号や光の点滅による意思疎通方法である。まあ電伝虫よりは範囲は狭いが確実な意思疎通が可能なためにそれなりに海上では有効であるというのが今の所の評価である。

 専門の情報伝達兵の育成も稼働はしているが、この中に裏切り者が現れるとかなり厄介なことになるので入念な人物調査と定期的な人間関係の調査がなされる。

 また、悪魔の実の能力による伝達方法も候補としているが、悪魔の実の入手方法や情報伝達に使えそうな悪魔の実を見つけるという困難さと、たとえ優れた情報伝達が可能な悪魔の実があったとしてもオンリーワンになってしまうという汎用性の低さから採用には至っていない。

 戦闘能力に関しても基本的には悪魔の実の能力は評価対象にならないことになりつつある。これは運の要素もあるし、悪魔の実の運用方法によって戦闘能力の格差が大きくなるためである。オンリーワンの強さはいらないのだ。

 自然(ロギア)系とはいえ昇格に無関係になるのだ。

 

「なぁんで降格してねぇんだよぉおおお!」

「やかましいわ」

 サカズキは冷たい。

 なんだかんだで、こいつ優秀だし有能なんだよなぁ。数ヶ月もしない間に波紋は達人の領域にたどり着くあたりワンピース世界の人間はバケモノばかりか?

 今では達人と言っても良いレベルだし、悪魔の実の能力を省いた戦闘能力でも高評価を得ている。覇気も問題がない。

 その上で、自然(ロギア)系悪魔の実をうまく使いこなしているので海軍でもその戦闘能力はトップクラスである。

 また同じく自然(ロギア)系悪魔の実の能力を持つクザンも超特急で昇進の道を駆け上がっている。まあオレもその一人だが。

 サカズキ、ボルサリーノはオレとクザンより年上であるが、早くもオレたちは同じ階級であり、海軍の四天王というやられ役的な名前が付き始めている。

 その中でもオレだけが非能力者であるのでガープの後釜的存在になりつつあるらしい。とはいえ、実は能力者であるという勘違いは未だに存在しているし能力者であることを否定したわけでもないので結構微妙なところである。

 

 しかしながら一部の上層部や同期にはオレの持つ特性は隠していないし、詳しく説明もしていないので噂が噂を呼びどうやら回復力が半端ない超人ということになったらしい。

 海軍入隊から四年目の出来事であった。

 

 ロジャー海賊団と金獅子海賊団がどうやら相当激しくぶつかりあったらしい。オレは再三に渡りさっさとどちらも潰すべきだと言っていたが、こういった力のある海賊同士がぶつかるのを待って漁夫の利狙いでどちらも潰すというのが方針として存在しているらしく、明確な命令でも指令でもなく暗黙のルールだったのでこれをどうにかしようと動いたが、どうにも世界政府の上層部があまり積極的ではないというのを元帥から内緒話で聞いた。

 ただし、パトロール中にロジャー海賊団を見つけたのであれば海軍として自らの正義に従っても良いという言葉はもらった。

 

――

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原作年表

27年前

エッド・ウォーの海戦あたり

 



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カーズ様の戦い

 

  ※ カーズ様の戦い

 

 数は少ないが、海軍にも魚人がいる。というよりも、オレが指揮する部隊にしかいないというのが正しい。基本的に彼らは世界的に迫害を受けているし、その存在は嫌われている。特に世界貴族である天竜人には。

 ――しかし先日のことだが、ロジャー海賊団を探し出してぶっ潰そうと思っていたらロジャーたちと戦っていた金獅子海賊団の方と出くわしたので、全員捕えた。

 シキはなかなかしぶとかったし、そのフワフワの実の能力がなかなかめんどくさいものであったので、両手を切り落として降伏を進めたがそれでも心は折れなかったので、両足を切り落とし、片目を潰したところで部下たちが何故か降伏をするようになったが彼は折れなかった。

 偉大なる海賊の船長は屈しない、死ぬ覚悟はあるというものを見せつけるのが生きがいらしいが、流石に心が折れた仲間たちに捕まっても再起ができるやら生きていれば何かしらのチャンスがあるやら言われていたが、捕まるくらいなら殺せという目をしていた。しかしこちらはこちらで仕事なのだ。

 

 それが気に食わなかったので船長……本人も海賊団の奴らも提督と言っていたが、全ての船員は船長と同じ目に合わせておいた。輸送される途中で死んでもそれは知らん。船長のシキは死なないようにある程度の治療をされていた。

 海軍は公開処刑がお好みのようで、基本的に殺さずに捕えろという方向性なわけだが、それはその時々の将校の判断で好きにして良いということにはなった。

 一応、オレは中将だし色々と動きやすいように考えているので海軍の基本方針には従っている。止む無く殺す場合もあるが、そのときはしょうがない。吸血鬼化(完全に死んでいたらゾンビとも言えるが)させて生き返らせてもいいが、それはそれで陽の光に気を配らなければならないので面倒なので使ったことはない。

 

 ――シキという大海団の殆どを捕縛した(結構死んだり殺したりした)ことでそれなりにオレの意見に影響が出てきたので、そこでオレの部隊に限り魚人族の入隊を許可できないかというのを意見してみた。紆余曲折あったが、全ての責任はオレが取るという形であるならばOKということになったので良かったがそれでも海軍協力者というか、嘱託という形になったが、普通に海軍に入隊をさせるにはまだまだ実績が足りない。

 しかし、対海賊、海上戦闘において魚人族の有効性はかなり高い。海中から一方的な攻撃もできる上に、相手の船を船底から攻撃して船にダメージを負わせ沈めることだって可能なのだ。

 何よりも基本的には能力者相手に海の中は安全圏なのだ。それに相手がどんな能力を持っていても海の中に引きずり込めば殆どの能力者は楽に倒せる。たまにしぶとく動くやつもいるが、それでも海の中では本来の力は出ない。そもそも海の中で人間は呼吸ができないので数分で決着が付くこともある。

 オレの部隊にいる魚人族たちの基本戦闘方針は、船を転覆させることにある。最大限に地の利と種族特性を活かしてほぼ一方的に攻撃できて、反撃はできないという状況を作り出し、ハメ技で倒す。よって基本的には魚人族たちがもつのは武器ではなく船を解体するための工具である。

 

 シキの海賊団を潰したというのはかなり大きいニュースになり、その活躍の立役者として魚人族の活躍も僅かであるが取り上げられた。それにより、海軍内での彼らの評価はそれなりに友好的なものが多いと言える。

 世界政府というよりも、天竜人が認めていないので認められていないが、社会的信用を得るために社会的な貢献と行動をするというのは実にわかりやすい。魚人族は生まれたときから普通の人間よりも強い。その差は10倍にもなる上に、生物の特性として水の中でも呼吸ができ行動の制限がないというのが大きい。その有用性は海軍でこそ発揮されるべきである。

 という感じの意見を上げたが暖簾に腕押しという感じであった。現場単位で言えば有用性が高いのであれば採用しても良いという雰囲気になったが、正式採用されるまで時間は掛かりそうであった。

 

 それはそれとして、オレはついにロジャー海賊団との邂逅を得て、壮大な戦闘に至ることになった。

 

 どうやらオレより先にロジャーたちに挑んでいた海軍がいたらしくひどく痛めつけられてた。ロジャーに倒された仲間の海軍を回収させつつ、オレはロジャー海賊団と対面した。オレの部隊は戦闘時の役割が完璧に決まっており基本的に鍛えるために戦わせるがこういった強者相手の場合においてはオレをサポートするために動くことになっている。本気の戦闘となると邪魔だし。

「誰だお前?」

「海軍中将カーズだ。お前らはロジャー海賊団で間違いなさそうだ」

 覇気のレベルが違う。なるほど、これは強いわけだ。

「……お前は面白そうだな!」

 海軍の仲間を痛めつけておいて何が面白いのか知らないが、ふてぶてしい笑みを浮かべていた。

「忠告しておこう。無駄な抵抗をせずに大人しく捕まれば船長はともかく懸賞金のついていない仲間の命は助かるが?」

「わはははは! お断りだ!!!」

 ロジャーが剣を抜き、周りの海賊も戦闘態勢に入った。オレも覇王色の覇気を出して雑魚には寝てもらうことにした。流石に修羅場をくぐり抜けてきたロジャーの仲間らしく倒れたのは少なかったが。

 武装色の覇気と見聞色の覇気は当然のように持っているが、その練度には差がある。ロジャーと副船長らしき人物は突出している。だが、それ以外はかなりばらつきがある。オレ一人対ロジャー海賊団という構図は不利に見えて実はオレのほうが有利だ。集団戦というものには連携が必須であるし、一人を囲む人数には限界もある。

 

 また武器を持った状態で一人を囲み攻撃をする場合はせいぜい5~6人程度が限界だ。それは剣を振り回す場合、仲間に当たらないようにしなくてはならないという条件もあるし、銃による援護射撃も仲間に当たらないようにしなければならない。一方でオレは誰を狙ってもいいし集団の中に入り込んで暴れるを繰り返しながら常に的を絞らせないように動き回る戦い方をすればいいのだ。

 悪魔の実の能力にはある程度の段階があるらしいが、オレは能力者ではないのでしらんが、覇気にも段階があることは知っている。特に武装色の覇気の第一段階が纏うであり、第二段階が纏った覇気を硬質化させること、第三段階が覇気による内部破壊などなど……という感じになる。とはいえ明確化されているわけではない。

 しかし強者となると第三段階まで扱えるものが多いのは確かだ。

 

 カーズ様の戦闘力、体力、戦闘続行能力、は超究極生命体となりワンピースの世界に存在している以上、あらゆる生物よりも高い。海賊同士の戦いならば長期戦になる場合、いっときの休戦があるらしいがオレには必要がない。オレの部隊に所属している海兵たちはそれを知っているので交代制でサポート役を徹しているし、休憩もしている。徐々にではあるが、オレの部隊の仲間がロジャー海賊団の海賊たちを倒していっている。

 オレはオレでロジャーと副船長……レイリーという名前らしいが、その二人を引きつけつつ戦闘をし周囲の雑魚も殴り倒したり蹴り倒したりして相手の数を減らしている。

 そんな戦闘が丸一日続いていたが、伝令役の仲間からの通達があった。

「伝令! 白ひげ海賊団が接近中! 繰り返す! 白ひげ海賊団が接近中!」

「動揺するな。この際だ。2つの海賊団を潰せば良いだけだろうが!」

 それなりの修羅場を潜り抜けてきただけはあるオレの部隊の皆はオレの一言で平静を取り戻した。が、ロジャー海賊団の方はまるで仲間が助けに現れたくらいの士気を取り戻していた。本当にしつこい。丸一日の戦闘で4割程度はしばらくは戦闘続行不能なくらいのダメージを与えたし、2割程度は放置していれば死ぬレベルのダメージであり、6割が戦えないという状態なのに数が減るほどロジャーの覇気が上がるという謎現象が起きるわ、連携が上手く行くようになるわで鬱陶しい。

 しかしオレも中将という立場からして、海兵の練度を高めることは仕事のうちであり、たった一日の戦闘でオレの部隊の戦闘要員たちはかなりの成長を見せていた。

 ある意味、互いに利益が出ていたがそこに現れたのが白ひげ海賊団だ。

 

「グララララ! 助けてやろうか? ロジャー!」

「おう、何年振りだ? 助けろ。ニューゲート!」

 

 ――――。

 ロジャー海賊団、白ひげ海賊団と海軍の戦いは後に伝説となり、海軍に新たなる英雄の登場を世間に知らしめることになった。

 

 ……結果から言えば2つの海賊団には逃げられた。彼らの仲間の多くは捕えたが、主力には逃亡を許す結果となったのだ。

【ロジャー海賊団、白ひげ海賊団壊滅状態?! 新たなる海軍の英雄カーズ中将の奮闘により潰走!!】

 という記事を眺めつつ、オレは久しぶりに酒を飲むことにした。

 

 

 

――

//////

原作年表

26年前

ロジャー海賊団と白ひげ海賊団が激突あたり

 

 

 

 

 



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逃した魚は大きいと思うカーズ様

 

  ※逃した魚は大きいと思うカーズ様

 

 富、名声、力、その全てを手に入れた男、海賊王ゴールド・ロジャー。ラフテル、ひとつなぎの大秘宝(ワンピース)――。オレとの戦いのあと、海賊団としてかなりのダメージを与えたにも関わらず、やつとやつらは偉業を成し遂げた。

 一方で白ひげ海賊団の方は回復をはかるために大人しくしているらしく情報が入ってこない。大物二人を逃したが、オレの評価は下がるどころか上がっている。

 オレはオレで色々な海賊を潰しまわっていた。そのおかげで、怪物カーズという通り名と掲げている究極の正義は海賊たちに広まっている。

 またオレが採用している魚人族を使った戦法もなかなか高評価であり海軍の中ではという条件はつくものの、魚人族の地位は多少向上したらしい。

 

 基本的にオレはオレの部隊や部下を鍛えるためにシャボンディ諸島を修行拠点としており、なかなか手ごわい海賊も集まるので一石二鳥である。決して本部から近い修行場だとは思ってはいない。むしろ、シャボンディ諸島の海軍駐屯地を増やすべきでありそのためにゴミ共を一掃しているのだ。ただし、湧いて出てくるので船のコーティング作業を政府の管轄においたほうが早いという提案はしてある。いやむしろ海軍管轄でも良いくらいだろう。

 シャボンディ諸島でコーティングするのは海賊が多いし、それ以外まっとうな商売でコーティングをするのであれば政府か海軍が管理に対して不満を言う者も少ないと思える。

 またヒューマンショップ……いや職業安定所も活用している。そう、職業安定所と隠語で言われている以上、それを活用しても何も文句は言えないのが事実である。良い目をしている人間などを積極的に購入……ではなく紹介料を払って雇っているが、なかなか当たりな人材もいる。様々な種族を金さえ払えば雇えるというシステムはそれなりに便利ではある。

 最近では職業安定所で出会ったテゾーロが海軍のオレを見つけて真剣にというか、心底ステラという少女を助けたいという真摯な願いを叶えた。肩代わりした金は海軍の給料から天引きという形ではなく、有る時払いの催促なしの出世払いというやつで良いと言ったが、律儀に毎回少しではあるが給料から払ってくる。彼の頑張りはかなりのものであり、どれだけきつい海軍の訓練にもへこたれないし、家に帰ればステラを大切にしており、たまの休日にはデートをしているところ目撃されており、仲睦まじい様を独身海軍兵に見せつけている。はぜろ。ステラの方は海軍本部に増設された憩いの場という名の酒場でステージで歌手をやっている。

 

「ベガパンク?」

 センゴクから会えと言われた人物の名前だ。あってみれば頭の良さとセンゴクの意図が読めた。つまり兵器を作れということだな。

 

 ロジャーが捕まったというか、自首したのだが、世間には捕まったことになった。そして、処刑について議論が行われたのだが、オレはさっさと処刑すべきであるという意見を一貫した。

「というのも、死に際の一言で何を言うか不明だ。ならば無残な死に方の方が後々、海賊に影響するだろう」

 インペルダウンで最後を悟ったロジャーは自殺したという筋書きも用意したが、却下されてしまった。世間に海軍の権威なのか威光なのか力なのかどれでもいいんだが、とにかく世間体みたいなものを大切にしたいらしい。ちゃんと公開処刑をする。民衆の前で首をはねることが海軍というよりも世界政府として大切らしい。

 オレとしては、ロジャーの死が大海賊時代の始まりとなることを知っているので、出来る限り公開処刑は避けるべきだと思っているが、手応えのなさからして無理臭い。

 しかし、このまま原作通りに公開処刑して大海賊時代が始まったとしても、後々オレの提案が効いてくることになる。すべて書類や証拠は残してある。誰が責任を取るかは知らないが、今後の海軍……世界政府の在り方に影響するだろう。

 

 ――そして、ロジャーはローグタウンで処刑された。大海賊時代が幕を開ける――

 

 




たまに投稿する正義


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