箱庭の亜種のウサギ (地球)
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Prologue

初めまして地球です。
この度、なんとなく思いついたネタをなんとなくで投稿してみました。

これが初投稿であり、初二次小説です。
なんとも言えぬ駄文ですが、お目汚しを気にしない方や少しでも興味が湧いた方などよければ見ていって下さい。

あと、原作通りのとこは大体飛ばします。


 

 

 

『………やっと、やっと見つけた、【鍵】』

 

かつては栄光を築きながらも、廃れ、所属している皆が誇りを持ってかざしていた旗も、名も、土地も人員までも、全てを奪われてもなお立ち上がろうとする現“ノーネーム”の宿舎。

 

その奥深くになされている封印、“魔王”の手を逃れ眠ったままでいた少年が目を覚ます。

 

 

***************

 

(問題児三人の召喚、十六夜の水神いじめ、水樹の苗獲得、ガルド=ガスパーとの邂逅、そしてガルドとのギフトゲームが決まりギフトの鑑定をしてもらいにサウザウンド・アイズに行くもののノーネームであることが原因で一悶着ありつつ白夜叉との出会いも済ませて、いまここ↓)

 

「おんしらが望むのは挑戦か?それとも決闘か?」

 

「「「っ!?」」」

 

白夜叉が言葉とともに懐からギフトカードを取り出すと周りの景色が一変する。

 

辺り一面の白銀の世界、水平に廻る太陽。このゲーム盤が白夜叉を表していると悟った問題児三人は素直じゃないながらも挑戦を選ぶ。

 

***************

 

その後、グリフォンが現れてギフトゲームが決まる。グリフォンに認められることがクリア条件のこのゲームには耀が挑戦することとなる。

 

そしてなんとか風圧と寒さに耐え抜き、ゴールまでたどり着くが。

そこで振り落ちてしまう。それに驚いた黒ウサギは助けに向かおうとするも十六夜に止められる。

 

すると落ちていたかの見えた耀だったがグリフォンの恩恵を得て、空気を踏みしめて無事着地する。

 

見事ギフトゲームに勝利することに成功した一行は白夜叉からギフトカードを貰う。

 

十六夜にはコバルトブルーのカードに“正体不明”

 

飛鳥にはワインレッドのカードに“威光”

 

耀にはパールエメラルドのカードに“生命の目録”“ノーフォーマー”

 

白夜叉は十六夜のギフトカードを見て全知であるラプラスの紙片がエラーを起こしたことに驚くが、十六夜本人に気にした様子はなかった。

 

そして帰り際、黒ウサギは白夜叉に言われ、物凄く不安でしょうがないが問題児三人を店の前で待たせて白夜叉の話を伺う。

 

「さて、黒ウサギよ。

何故かはわからぬがアヤツの封印だ弱まっておる。」

 

「本当でゴザイマスか!?」

 

「あぁ、まだ放っておいてどうにかなるレベルじゃが確実に弱くなってきておる。」

 

「白夜叉サマ!この際です、あの子の封印を解いてやってはダメでしょうか?」

 

「何っ!?馬鹿なことをいうでない!

アヤツが一度解き放たれればワシとて止めることなどできはしないのだぞ?

最悪箱庭が滅びることになりかねん。

そもそも封印を解く方法など誰にもわからぬだろう。」

 

「そう、ですヨネ…」

 

「いいか?アヤツの封印のことはあの三人には決して言うでないぞ?

なにが起こるかわからんのだからな。

それに黒ウサギ、おんしも余計なことは考えるでないぞ?」

 

「わかりました…」

 

黒ウサギは肩を落としつつ待っている三人のもとへ向かおうとするが、なにか悟られてはいけまいと気丈に振る舞い駆けていった。

 

「封印を解く方法もわからなければ、強める方法もわからん。

なにごともないといいのじゃがな…」

 

白夜叉も嫌な予感はしながらもそんなことがあるはずないと、自分に言い聞かせて仕事に戻っていった。

 

***************

 

問題児三人と合流し、何もしでかさなかったことに安堵しつつもノーネームの拠点に向かっていく黒ウサギと三人。

 

そして到着し、惨状を確認した一行はより妥当魔王を強く誓うこととなる。

 

子供たちとの面会を済ませ、水樹の苗を、台座にセットし女子は風呂に。

 

その間、人質をさらいにきたフォレス=ガロの連中を叩き潰し妥当魔王をリーダーであるジン=ラッセルの名で宣言する。

 

思ったよりも女子の風呂が長いことに嘆息しつつ建物内を一人で徘徊する十六夜。そういえば、と立ち止まる。先刻の黒ウサギと白夜叉の会話を半分聞いていた十六夜はその封印とやらを探してみるかとまた歩き出した。

 

歩き始めて十分ほどだろうか?とりあえず奥へ奥へと進んでいるとそれらしきものが見つかる。

 

「ハッ、大切なもんじゃねーのかよ。

これじゃ、見つけて下さいとでも言ってるようなもんだぜ。」

 

一人でそうつぶやきながら近付いてみるとそれは箱状だった。

人一人がスッポリ入ってしまいそうな箱。

そこにありながらどこか虚ろに感じさせる雰囲気に何故かそっと右手を伸ばさずにはいられない十六夜。

 

箱状のものの正面、鍵穴らしきものに触れた瞬間!

 

「なんだ!?」

 

彼の右手に勝手に光が収束し鍵を形作る。

まるで開けろと言っているように。

 

「手がっ、勝手に!くそっ!」

 

そして十六夜の抵抗虚しく鍵穴に光の鍵がささり右に回転させられる。

 

「ウオォォォォ!」

 

 

カチャリ

 

 

まさしく解錠されたかのような音が鳴り響き、感応するかのように箱が光り出す。

 

そのまま光の玉となり、宿舎を飛び出し中庭へ。十六夜がそれを追いかけ中庭にたどり着くと。

いつ間にか風呂から上がっていた飛鳥、耀、黒ウサギと年長組の狐娘リリ、光に驚いて飛び出てきたジンがいた。

 

「……なに?これ。」

 

「これは…まさかっ!」

 

「はゎゎゎ、眩しいです~」

 

「十六夜君!これはどうなっているの?」

 

「すまねぇ。

黒ウサギ、迂闊に近づいちまったばっかりにお前と白夜叉の話してた封印とやらを解いちまったかもしれねぇ。」

 

「聞いていたのですか!?

それより、そんな簡単に見つかる場所には無かったはずです!

十六夜サン、どこで見つけたのですか!?」

 

「宿舎の一階の奥の廊下の先にあった、近づいたら体が操られて解錠させられた。」

 

「白夜叉サマは封印が弱まっていると言っていました。

十六夜サンは封印の解除に利用されたのでしょう。」

 

「黒ウサギ!

これはやっぱり彼なのかい!?」

 

「おそらくですが!

あの子で間違いないでしょう。」

 

「あなたたち!さっきから何の話してるのよ!後でキチンと説明しなさい!」

 

「……見て、光が収まっていく…」

 

光が収まっていき最後に一度、一際輝いた後、光は完全に消えた。

一同がゆっくりと目を開けていくと、そこには人がいた。

 

肩にかかるくらいの白い髪に真っ赤な目、前髪が長く見えづらいがその隙間からもハッキリとわかるほど爛々と煌めいている。整った目鼻立ちをしていて、黒ウサギを男にしたような顔。長身で細身だが、シッカリとした体つきをしているのがわかる。なにより目に付くのは頭に付いている耳だ。黒ウサギのように立っておらずロップイヤーと呼ばれるウサギのように垂れた耳がついている。整った顔立ちに正直厳つい真っ赤な目、それを中和するかのように可愛らしい垂れた耳がついているのだその手の趣味の人には涎ものだろう。

 

「亜兎クン!」

 

黒ウサギが名前を呼び駆け寄っていく

 

「久しぶりだね、姉さん」

 

亜兎と呼ばれた青年は笑みをうがべて返事をする。

そしてその言葉に驚愕の顔をする一同。だが

 

「………でも」

 

そう低く呟くと駆け寄って抱きつこうとする黒ウサギを右手を軽く薙いで吹き飛ばした。

 

「「「「黒ウサギ!!」」」」

 

「グッ!…亜兎、くん?」

 

壁に激突して呻き声をだしながらも困惑する黒ウサギ。

 

「ちょっとあなた!黒ウサギはあなたのお姉さんなんじゃ《黙れ》っ!?」

 

亜兎がそういうと飛鳥の口がガチンと強制的に閉じられる。

 

「飛鳥のギフト!」

 

耀が驚愕して、叫ぶと亜兎が今度は左手を耀に向けて薙ぐ。

すると突風が巻き起こり耀を吹き飛ばした。

 

「……グリ、フォン?」

 

「てめぇ!」

 

十六夜が距離を詰め殴りかかるが片手で簡単に受け止められてしまう。そのまま拳を握られて投げ飛ばされた十六夜が受け身をとり着地すると同時、十六夜の頬を第三宇宙速度で飛んできた石が掠め赤い筋を浮かび上がらせる。

 

「十六夜サンのギフトまで!?」

 

すると亜兎は手に光を束ね始め、その光の柱はどんどん肥大化していく。

 

「ふざけんじゃねぇぞ、どんなチートだそりゃ!」

 

そして亜兎が光の柱を放とうとしたとき。

 

「もうやめて!亜兎クン!」

 

黒ウサギが後ろから亜兎に抱き付く。するとたちまち光は霧散して消えていった。

 

「そうだね、命までとる必要はないか。僕もこうして生きている事だし、まあ僕の場合は殺そうと思っても殺せなかっただけみたいだけど。」

 

「亜兎クン……」

 

「姉さん、僕はいまでも姉さんは好きだよ?でも、僕は僕を閉じ込めたこのコミュニティを許せない。

僕がなにをした!?確かに!何故か余りある力を僕は持っていた!だけど僕は!暴走したり、悪用したりしたことなんてたった一度も無かったはずだ!」

 

「亜兎さん、それは…」

 

「《黙れ》名前だけのリーダーが、前のリーダーの代弁でもするつもりか?」

 

「ん、んん~」

 

「ジン坊ちゃん!」

 

「姉さん、僕は僕と僕の力を受け入れてくれる居場所を探す。

姉さんも一緒に来てくれないか?さっきはカッとなって攻撃してしまったけど、思い返せば姉さんだけはどうにか僕を自由にしてくれようとしていたね。凄く嬉しかったんだ。“魔王”に襲われてからはそんな余裕がなかったみたいだけど。

それに、姉さんがそこのヘッドホンを召喚してくれたから結果的に僕は外に出られた。本当に、感謝してもしきれないよ!」

 

「亜兎クン、私はここの皆を置いて出ていくなんてできません。」

 

「そっか、そういうと思ってたよ。姉さんは優しいからね。

………………………じゃあ、姉さんがその呪縛から解放されるようにここの全員、消し飛ばそうか。」

 

「亜兎クン!」

 

「ごめんごめん、冗談だよ。そんな事したら本気で姉さんに嫌われそうだからね。

姉さん、僕は居場所を見つける。僕を受け入れてくれるなら例え“魔王”でも頼るだろう。そのときは姉さんたちと戦いになるかもしれないけど……姉さんだけは僕が守るからね。」

 

「亜兎クン!あなたを守れなくてごめんなさい!あなたを救えなくてごめんなさい!謝るから………なんでもするから、いかないで……」

 

「ごめんね、僕はどうしても居場所が欲しいんだ。姉さんも居場所の一つだけど、姉さんだけじゃ流石に器として小さすぎるんだよ。

じゃあね」

 

「亜兎クン……」

 

亜兎はその言葉を最後にその場から忽然と消えた。

 

 

 

 

 

 

 





駄文をお読みいただき、ありがとうございました!
亀更新となると思いますが、よろしければこの先もお願いします。


これを読んで、こーしたほうがいい、あーしたほうごいいなどありましたらご感想と共におまちしております。m(_ _)m


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