ハイスクールDXD 巨獣の目覚め (プリンカステラ)
しおりを挟む

ハイスクールDXD 巨獣の目覚め 第一章 旧校舎のディアボロス編
第一章 旧校舎のディアボロス編1


これが初投稿で多分パソコンの操作ミスやらしばしば取り消したりすると思いますがお付き合いください。




ボクの名前は中島剣吾。現在私立駒王学校に通う二年生です。

 

オタク気質で少々病弱だけど普通の高校生です。

 

少し普通の高校生と違うのは幼少期両親が事故で死に両親の親友であった兵藤一家に養子として引き取られました。

 

本当に父さん、母さんには感謝しか無いです。それと僕には同い年で義兄になる親友がいます。

 

名前は兵藤一誠。明るくて最初なじめなかった僕を義弟としてすぐに認めてくれて小学生の時からいじめっ子から庇ってくれたり、

病弱な僕を何かと助けてくれたり本当に頼りになり放しです。だから、僕もできることなら一誠の力になると決めている。

 

……よし、現実逃避はこの辺にしよう。

 

これ以上悲鳴と怒号、騒音を無視するのは限界だろう。「剣吾助けてー!!」「ころされるー!!」

 

「今日という今日は許さない!!」「ここで息の根を止めてやる!!」

 

いつもに増して物騒なワードが聞こえてくる。最悪明日のニュースになりそうだ。

 

流石にこの年で葬式に参加するのは勘弁したい。

 

教室からでるとき、一誠らとも親しく接してくれる数少ない女子、三つ編みと眼鏡が似合う桐生 藍華さんが僕に声をかけてくれる。

 

「毎回、大変ねえ。あの三馬鹿の世話は」ちなみに三馬鹿とは一誠に加え坊主が特徴の松田君と眼鏡が特徴の元浜君の事である。

 

この三人は学園でも有名な変態トリオとされている。

 

松田君は優れた身体能力があるのに女子高生を全て撮りたい下心から写真部に進んだ。

 

日常的にセクハラ発言するのであだ名は誰が呼んだか

「セクハラパパラッチ] 「エロ坊主

 

元松君は眼鏡を通して女子の体型を数値化できることから、

「エロ眼鏡」「スリーサイズスカウンター」の別名を持つ。

 

朝からエロ本やAVを女子の目を気にせずに見せ合うのでめちゃくちゃ女子からの評判が悪い。

 

もてたいならまず嫌われないように行動すれば良いのに。

 

「身内だし、見捨てる訳にはいかないからねえ。それに何だかんだ言ったって友達だからねえ。」

 

面白半分同情半分で桐生さんを初め周囲の人から

 

「いつもご苦労様」「ちゃんと飼っておいてよ」声援やら苦言やらをもらいながら現場に行く。

 

……今時ロープで逆さ吊りをリアルに見ることがあるとは思いもしなかった。

 

「助けてー!!」「殺される!!」悲鳴を無視しつつ理由を聞く。

 

「……一体何したの・・・」どうやら剣道部の部室を覗きしたのがばれたらしい。ガチで捕まるよ。

 

さてどうしたら許して貰えるか交渉するかと考えながらとりあえず最早様式美になりつつある土下座の準備を始める。

 

「いやあ、助かってよかったねえ。これに懲りてもう覗きなんかしないでよ。

未成年だからっていつまでも許される訳じゃないのだよ。」

 

という僕の言葉に一誠らが「これが無事に見えるか……」と虫の息で言う。

 

あの後土下座と誠意ある謝罪と交渉で一時間防具なしで掛かり稽古の的になることで何とか許してくれた。

 

しかも竹刀でなく木刀だったからかなり酷いダメージを受けている。

 

顔を初めあっちこっちが痣だらけ。

 

のび太君がジャイアンにボコボコにされるレベルの有様である。

 

ギャグ漫画ならちょっとすればすぐ回復するのだがあいにく現実はそんな便利なものでない。

 

「あれでも譲歩してくれたほうだよ。ガチで鉈やチェーンソーとか見えた時どこのホラー映画って内心ビクビクしていたのだから。」

 

「「「「いやあ、いくら何でも大げさだろう!」」」と叫ぶ三人に

 

「……うん、……ちょっと、オーバーだったね……。」

 

と視線を外しながら乾いた口調で喋る僕の言葉を聞き少し表情が強張り沈黙した。

 

そんなほのぼのした会話をしていると見知らぬ美少女がこっちに近づいてきた。

 

制服を着ていないから同じ学校ではなさそうだなあとぼんやり思っていると何と一誠に「付き合ってください」と告白してきた。

 

しばしの沈黙の末、告白された一誠を含むその場に居合わせた全員が

 

「「「「え――!!」」」」と驚愕の叫びを挙げた。

 

その後は本当に大変だった。

 

松田君、元浜君は涙を流しながら嫉妬の言葉が叫びながら殴りかかり一誠もよせば良いのに上から目線で彼女を作れ。

 

なんて言うからさらに逆上しアクション映画で見るような激しいバトルが展開された。

 

動画に撮れば良かったと内心後悔している。

 

そんなこんなでデート当日、

 

家からでるとき一誠が何度も身だしなみを確認しながら僕に「今日おれは大人の階段を上るぜ。」何て言って出かけていった。

 

浮かれすぎて痛い目に会わなければいいけど。……でも一誠に彼女か。

 

あの子名前天野夕麻さんと言ってたな。見たこと無いけど、どこで一誠の事を知ったのだろう?

 

一見ただのすけべだけでそれだけじゃ無い魅力があることに気付いて貰えて安心したよ。

 

何て考えながらその日はお気に入りの特撮映画を見に行った。

 

夕方、映画のパンフレットを見ながら帰宅中一誠上手くやっているかなあとなんて思っていると当然右腕が熱くなった。

 

激痛で苦しんでいると右腕に黒い籠手の様なものが装着されているように見えた。

 

驚いて瞬きするとそこにはいつもの右手だった。

 

夢?幻覚?中二病?何て思っていると人の気配を感じ慌てて起き上がり家に戻った。

 

とりあえず周囲に人がいなくて良かった。見られたら不審者か中二病だと思われるのが関の山だ。

 

今に思えばこの日から僕と一誠は奇妙な世界に足を踏み入れて行く始まりだった。

 




ある程度オリキャラがでてきたら人物紹介をまとめます。

どうぞよろしくおねがいします。

怪獣とかもオリジナルの強化もされる設定になりますのでご容赦ください。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第一章 旧校舎のディアボロス編 2

書いてみてよくわかる。いかに他の作家がすごいのか。いろんな作家の先生は偉大です。本当に。


僕、中島剣吾が朝目覚めると昨日の事が夢だったのではないかと思えた。

 

あの後どうやって帰ったかちゃんと覚えていない。

 

どこか調子が悪いのかなあなんて思い、目覚まし時計を見るといつもより随分早く起きたものだ。

 

昨日とは裏腹に何か体が調子いいなあ。

 

目も随分さえているけど眠気も疲れも一切感じない。

 

そんな風に思ながら下に行くともう両親が揃っていた。

 

父さん、兵藤五郎は短髪眼鏡が特徴的で新聞を読んでいた。

 

母さん、兵藤三希はロングストレートヘアを束ねた容貌が特徴的で朝食の準備を進めていた。

 

「……おはよう、義父さん、義母さん」と挨拶すると「あら、随分早いのね。」

 

「おお、珍しいなあ。ここまで早いと。何か早く登校する用があるのかい」

 

「いや単に早く目が覚めただけだよ。何か手伝うか?」

 

「じゃあ家のゴミ集めて捨ててきて」なんて事をしながら日常を過ごしていた。

 

ゴミ捨てから戻ってくると昨日の様子を聞いてこないので何気なく

 

「そう言えば昨日僕何か様子おかしくなかった?」と聞くと「特にかわらないよ。」と二人が言うのでやっぱり気のせいなんだと思っていた。

 

「一誠遅いなあ、いつもなら起きている時間なのに」昨日のデートが原因かなあ。何て思ながら起こしに行く。

 

僕は特に寝ぼすけじゃないが一誠は基本僕より遅く寝るのに早く起きる。

 

睡眠時間短くて良く持つなあ。

 

まあ起きていてすることはAVかエロ本がほとんど何だけどね。

 

僕もたまに借りているから余り強く言えない。……たまにだよ。

 

起こすと一誠が妙な事を言う。

 

「昨日夕麻ちゃんに殺される夢を見た、スゲーリアルだった。」

 

「なら君は今起きてこれないよ。こないだの袋だたきにされたダメージが今になってでてきたんじゃ無い?」

 

何て会話しながら結果を聞くと殺された記憶しかないと言うので後で電話でもすれば良いだろう。

 

大方ふられて嫌な夢を見たのか、結ばれて幸せすぎて早く死ぬとかそうゆう話だろう。

 

父さん、母さんに話したら何て言うだろう。昨日は一誠の事を随分心配しつつも喜んでいたけど。

 

……この時はまだ、何の以上にも気付かなかった。もう日常が変わっていたことに

 

 

───僕と一誠は放課後、ある人に相談していた。

 

「滝川さん、本当の事なんだ!」「信じてください」と必死に訴えている。

 

あの後、両親を初め友人も誰も夕麻ちゃんの事を覚えている人はいなかった。

 

携帯の番号も写真も消えていて端から見れば僕と一誠の妄想としか思えない。

 

「少し、落ち着きたまえ。二人とも」と落ち着いた言葉で話すのは滝川義人

(たきがわ よしと)さん。

 

眼鏡をしていて知的な印象を受ける。同じクラスメイト何だけど凄く頭が良くて落ち着いている。

 

その為色んな人から相談される事が多い。校長先生や教頭先生さえも相談する事がある。

 

勉強を教えるのも正直先生より滝川さんの方が上手い。

 

一年生の時から物腰か柔らかく紳士的なのでいつしか滝川老子とも呼ばれている。

 

「君たち一人だけなら妄想、幻覚の可能性があるが二人同時となるとその可能性は低い。だから信じるよ。」

 

滝川さん、僕たちは初めて信じてくれる人が現れて改めて感謝します。

 

今日まで一誠が無事だったのは彼の仲裁が大きい。

 

その後、説教が恐ろしく長いらしく終わるとあの三人はぐったり衰弱するのだが。

 

「しかし、今回の件恐らくまだ終わっていないだろう。寧ろ始まりだと言って良いとだろう。君たちは何かに巻き込まれたのかもしれない。」

 

一誠が「いやあ、ただの高校生にそんな映画みたいな展開ないですよ」とツッコムが

 

「現にあり得ないことが起きたならあり無い答えがでてくる可能性がある」

 

と真剣な表情で応える滝川さん。

 

「よし、後は私の方でも調べてみよう!とりあえず、変わった事が起きたらまた教えて欲しい。」と滝川さんが請け負ってくれたので少し安心した。

 

「しかし、黒い翼、まさか総督が関係しているのか?だとしたら……」という呟きに僕たちは一切気付かなかった。

 

夕方になり一緒にかえっていると一誠の様子が少しおかしかった。

 

「……調子わるいの?」と心配していると一誠は

 

「いや、逆に調子良すぎるだ!!変に周囲の家の会話も聞こえるし、街灯の光が届かない暗闇の場所まで鮮明に見ることができる!!」と言う。

 

その言葉に僕はちょっと動揺してどう答えるか迷っているとふと嫌な気配を感じた。見て観ると柿色スーツを着てシルクハットを被る男がいた。

 

「こんな田舎の地方都市に貴様の様な存在に会うとは?それも人間と一緒にとは珍しい。契約者か?貴様の主は誰だ?」

 

とりあえずやばい奴だと分かった。

となれば僕と一誠は「「助けて。不審者に襲われる!」」と叫んで逃げた。

 

後ろから「ちょ、待て。違う!」と言う抗議の声と警察官が職務質問する声が聞こえたが当然無視する。

 

それから10分以上走り公園に着いたのでもう大丈夫だと息をつく。そこで二人ともはじめて異常に気付いた。

 

僕は体が弱く運動も苦手だったのにもの凄いスピードで走れたし、一誠も短距離走の速度のままここまでの距離走ることができた。

 

それだけなら火事場の馬鹿力ですむかもしれないけど一切疲れていない。これは一体?

 

なんて思っていたら「嘗められたものだ。ここまでコケにされたのは初めてだ。」とさっきの不審者のいらだった声が聞こえる。

 

「さっきの露出狂?」と僕が言うと「何で変態度が上がっているんだ!」と声が上から聞こえた。

 

上を見てみるとあの変態の背中に黒い翼を生やしていた。

 

「烏の化け物?」と無意識に僕がつぶやくと「誰が烏だ。堕天使を知らんとはとんだ無知な人間だな。」と返す変態。

 

「・・・堕天使?おっさんお前それ言って良いのは許されるのはよっぽどの美形か、子どもだけだぞ。顔見て言えよ」と心の中でつぶやく。

 

「声にでてんだよ!むかつくがきだなあ!!」・・・・どうやら声にでていたらしい。

 

やっぱりパニックになっているだね。でも普段ビビりな僕がこんな事言えるなんてどうしたんだろう。一種の現実逃避かなあ。

 

「まあいい。とりあえずそこのはぐれと一緒にいるんだ。貴様も処分していいだろう。」というと光を集め槍?にし当然投げてきた。

 

何かが当たった音がしそっちをみると一誠が腹を貫かれ口から血を吐いていた。

 

「苦しかろう。光は貴様らにとって猛毒だ。お前もその虫けらと一緒に消してくれる。」

 

一誠が殺される?虫けら?こんな訳が分からない奴に馬鹿にされ、ころされて良いわけが無い。

 

その思った瞬間今までに経験したことのない激しい怒りと力がわき上がった。

 

「何しやがるだ。てめー!!」と叫ぶと共に右腕が光り、前に見た黒い籠手を装着していた。

 

そして自分でも驚く速度で間合いを詰め相手の顔面を殴りとばす。想像より遙かに吹っ飛んだ。

 

「神器?しかしこの力は……!?」なにやらつぶやいていたが無視して左足で倒れた相手の腹を蹴飛ばす。ボールの様によく飛び、口から盛大に血吐く。

 

「貴様、ゆるさん!!」と光の槍を投げるが殴りつけるとあっさり壊れた。

 

「馬鹿な、我が力を込めたものが」と叫ぶがそんなもんは無視して再び殴りかかる。

 

 

だが向こうは翼があるため空を飛び躱される。

 

「力は凄いがここまで攻撃は届くまい、空から一方的攻撃してやる」

 

とさけんでいるがそんな言葉を無視してその隙に俺は地面を強く踏み地盤を砕き、適当な岩を掴むと即座にぶん投げた。

 

相手の翼に見事命中し、へし折り悲鳴を上げながら落ちてくる相手の頭部を右足で思いっきり蹴った。

 

歯が何本も何本も飛び小さい子どものトラウマになりそうな危険な落ち方をする。

 

さらに追撃しようとしたとき後ろから殺気を感じ振り向き飛んでくる光の槍を弾く。

 

そこには背中に黒い翼を持つ青い髪をしたロングヘアの美女がいた。

 

「大丈夫?ドーナシーク。大分やられたようだけどこの人間も始末する?」

 

「そうだ、カラワーナ殺るぞ。」という変態いや、ドーナシークが言い襲いかかってくる。

 

流石に二人がかりだときついかと思いながら身構えると一誠が「剣吾、危ない」と叫ぶと左手が光りと同時にカラワーナが持つ光の槍を何かが破壊した。

 

驚いて見ると光の槍を破壊した何かがある方、一誠がいる方を見ると一誠の左手に赤い籠手を付いていた。

 

一誠自身も「何じゃこりゃあ」と驚いていた。そっちに注目していると「そこまでよ!」とまた新たな声がした。

 

そっちを振り向くと紅い髪をした美少女がいた。僕たちの学園では有名人だ。

 

……名前は「リアス・グレモリー グレモリー家の令嬢か」と忌々しそうにカラワーナが言う。しばし睨み合うと

 

「今宵の事は詫びよう。しっかり下僕は管理すべきだな。私の様なものが狩ってしまうぞ」というと先輩が寧ろ

 

「あなた方が狩られそうだったけど?」と挑発し合い険悪な雰囲気のまま黒い翼をした二人は消えていった。

 

「一誠、しっかりして。病院に行かないと」と緊張がとれたのかあの後すぐに倒れた一誠に駆け寄る。

 

いつのまにか僕と一誠がつけていた籠手は消えていた。

 

僕が一誠の怪我に動揺していると「大丈夫、私にませて」という言葉と共に僕の意識が薄れていった。

 

ふと気付くとベットの上で起きていた。何か変な夢見たなあ。妙にリアルだったけどリアス先輩と僕たちが関わるわけないしなあ。

 

実際あんな事あったらのんきに自分の部屋で寝ている訳じゃないし、そんなことを思いながら一誠の部屋に足を向ける。

 

「一誠、たまには朝早く起きたら」と部屋を空けるとそこにあり得ない光景があった。

 

……まだ僕は寝ているのかなあ。一誠の死体があった方がまだ信憑性ある。

 

だってあの学園アイドル美少女リアス・グレモリー先輩が一誠と共に素っ裸で寝ているなんて!!

 

あまりの衝撃に一誠が自分で起きて絶叫するまでその場で呆然と立っていた。 

 




黒い籠手

漫画ARMSのジャバウオック初期、2期段階、スクライドのシェルブリット初期段階を足して3で割り黒くした様な形状をしています。

肘付近から手首付近にかけて炎や柊の葉に似た刃が大小複数並んでいる。

必要に応じて刃を収納、展開可能だが収納しても完全に刃を収納することができない。見た目より頑丈で切れ味が高い。

神器(セイクリッドギア)と異なり、解放していなくても僅かながら恩恵を受ける事ができ、ひ弱なはずの中島剣吾の身体能力が大幅に上昇し、病や毒等に強い耐性を得た。

籠手を展開すると肉体も異常に高い防御力、生命力、再生能力、回復力、筋力を誇り大抵の攻撃を耐えて突き進むことの基本戦闘スタイル。

どうやらまだ隠された力があるらしいが真偽は不明。正体はいったい何だろうか。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第一章 旧校舎のディアボロス編 3

まさかこんなに早く感想をもらえるなんて思いもしませんでした。ご期待に添えるように頑張ります。


「「「大変もうしわけありませんでした!!!」」」僕と父さん、母さんが揃ってリアス先輩に土下座した。

 

あの後母さんが上がってきてパニック。父さんも騒ぎを聞きつけそこで大混乱。

 

とりあえず状況は分からないけど一誠が悪いのだろうと瞬時に家族が判断し行動した。

 

ちなみに一誠は僕たち三人にリンチされ気絶している。

 

「馬鹿でスケベな息子だと思いますが決して根は悪い奴では無いんです!!

 

傷物にしておきながら言うのも何ですが一生かけて償わせるんで。警察だけはどうかご勘弁を!!」

 

父さんは必死に謝る。

 

一方のリアス先輩は僕たちのリアクションに若干引いているがそこは無視しよう。

 

さらに両親が謝罪を重ねると突然、二人とも静かになる。二人とも目が虚ろになる。催眠術?

 

「ごめんなさい、少しややこしいなりそうだから、力を使わせてもらったわ。」と先輩が言う。力って?と復活した一誠が聞くとそう悪魔のね。と答えた。

 

リアス・グレモリー  

 

僕たちの学園三年生で真紅の長髪とに青い瞳、雪の様に白い肌。

 

抜群のプロモーションに高貴な雰囲気を漂わせその人気から学園の二大お姉様の一人とされている。

 

そのアイドルと一緒に登校したらそりゃあ周囲の視線がすごい。

 

……これ昨日助かったけど今日が一誠の最後になるか?

 

というか僕も巻き込まれる?……ごめん、一誠、君を見捨てるかもしれない。

 

とりあえず先輩が放課後使いを出すといったので放課後まで大人しくしていよう。っていうか大人しくしてよ、一誠。頼むから。

 

ただでさえ松田君と元浜君を初めクラスメイトの視線が怖い。

 

バトルロワイヤルに参加する生徒はこんな恐怖を味わったのだろうか?何て思ながら放課後を待つ。

 

幸い、体育の授業でバスケットボールがゴールより一誠の方に圧倒的多く投げられる以外は特に問題は起きなかった。

 

しかし、あの剛速球を避けるだけじゃ無く捕れるぐらい僕も一誠も身体能力が上がっていた。

 

そして放課後先輩の使いが来たのだがその相手に一誠は露骨に嫌そうな顔をした。

 

同学年でこの学校一番のイケメン王子木場祐斗。女子人気が高く今もクラスの女子から黄色い歓声が上がっている。

 

彼に後をついて行くときに背後で「まさか木場X兵藤のカップリング?」

 

「ううん、兵藤X木場くんかも」「もしかして、中島くんも含めた三角関係」という不快な言葉は空耳と信じたい。

 

旧校舎にあるオカルト研究部と教室に着く。扉を開けると小柄な女の子がいた。

 

小学生?でも制服着てるし飛び級なのか?単に小柄なだけか?

 

直接聞いたら失礼になるかもしれないなあと思い、年齢聞けば良いのか迷っていると

 

「塔城子猫ちゃん」と一誠が言う。「知ってるの?」

 

女子に関しては僕より一誠の方が圧倒的に詳しい。

 

「ああ、ロリ属性があるやつには高い人気を誇る。無口と無表情で有名だ。」彼女は軽く挨拶するとまたお菓子を食べ始めた。

 

シャワーを浴び終えた先輩がでてきた驚いた。まさか学園二大お姉様の一人姫島朱乃先輩もいるとは。

 

黒髪のポニーテールがトレードマークでリアス先輩が西洋の魅力なら朱乃先輩は正に大和撫子の魅力がもつ。

 

どちらも高い人気を誇る。

 

しかし、何で学園のアイドルがオカルト研究部何てものに属しているんだろうか。

 

っていうか僕と一誠完全に場違いだよね。こんなアイドルグループの集団に。

 

先輩が語るには一誠は一度殺されていて死にそうになったときにたまたま悪魔を召喚するチラシを持っており、それで死の間際強く願ったことでリアス部長を召喚し悪魔として転生し生存した。

 

その証拠に一誠を含めるオカルト部の部員全員から蝙蝠の様な翼を生やしていた。

 

「あなたが狙われたのは神器(セイクリッドギア)。すでにもう発現したから好きなタイミングでだせるわ。試してみて」というと一誠は昨日だした赤い籠手がでた。

 

昨日ちゃんと見なかったけど格好いいなあ。するとリアス部長が「中島君もだしてみて。」と言われて僕もだそうする。

 

正直昔の変身ヒーローみたいで格好いいと思っていたから変身ポーズ風にしてだしてみる。

 

だけど、いくら力んでもが神器は一切でてなかった。

 

でる前提の雰囲気だったので恐ろしく滑った空気が流れた。

 

これには部長を始めとするオカルト部の面々も不思議そうにしていた。

 

「妙ですね。一度だしたら自由にだせるはずなのに」と言う木場君。

 

「でもかなり強力だったわ。戦いの素人である彼が下級とはいえ堕天使を一方的にボコボコにしていたもの。」と部長は言う。

 

「ちなみにあなたが病弱だったのはその神器がちゃんと発動できずに宿ったための副作用かも知れないわね。」とも言った。

 

確かに目覚めてから体の調子がいい。

 

何時の間に撮ったのか写真に僕の右手にある神器に映っていた。

 

黒くて肘付近から手首付近にかけて炎や柊の葉に似た刃が大小複数並んでいる。

 

形は違うけどステゴサウルスの背びれみたいだなあと思った。

 

あの時夢中だったけど今振り返ると自分がどう動けばいいか直感的に分かっていた。

 

それに何か随分好戦的になっていたような気がする。

 

部長曰く竜の手(トゥワイス・クリティカル)に似ている。

 

一誠のもそうじゃないかという話だけどどっちも何か雰囲気が違う気がするので調査するとの事だそうだ。

 

とりあえず英語覚えにくいから日本語読みだけでも覚えておこう。

 

しかし、一誠のやつ。人間で無くなってショックを受けていたと思ったら何でも、昔の戦争で純粋の悪魔が減り、人間や他種族を悪魔に変えているらしい。

 

人間からでも成り上がる事は可能で自分の眷属でハーレムを作ることができると言ったらあっという間にテンションマックス!

 

ちょっとやめてよ。恥ずかしい。心配したこっちが馬鹿みたいじゃないか。

 

これが僕たちに心配させないように気を使った空元気の演技ならいいけどガチだからね。

 

長い間一緒にいたから分かる。……まあ、でも落ち込んでいるよりマシかもね。

 

あなたはこれからどうする?と部長に聞かれたので迷わず部活に入部することにした。悪魔になるかはとりあえず保留。

 

一誠が俺に無理に付き合わなくていいんだぞと言ったがこの程度で見捨てるならとっくの昔に見捨てている。

 

義兄弟何だからこんな時に協力しないでどうするの。こうして僕と一誠はオカルト部に入部した。

 

入部したのはいいけど皆悪魔だから睡眠少なくて夜あまり寝ないで平気なのは羨ましい。流石に睡眠不足は辛い……。

 

でも授業中居眠りしないぐらい体力が上がっているだね。これも神器のおかげ?

 

互いに自転車でチラシ配り。慣れてきたら新聞配達のバイトも同時にしようかなあって思いながら今日の分は終了。

 

一誠は気合い入っているが下積みいつまで必要なんだろうって聞く。

 

悪魔は1万年は軽く生きるらしいからとりあえず百年ぐらいじゃ無い?って僕が言うと少しへこんだ。

 

部長が今日は一誠に契約取りをお願いした。そこで移動用魔方陣を利用することになった。

 

空間転移かあ……。SFやファンタジーの王道だけに正直羨ましい。

 

僕は眷属で無く眷属以外の魔方陣を使うとこの前の堕天使を始め他の連中からいらない疑惑を持たれるのであまり使用したくないとの事で僕はお留守番。

 

それに契約者に複数現れて圧迫させても良くないからねえ。

 

魔方陣に中央に一誠が移動すると何やら部長やら朱乃さんが色々準備しているけど良く分からない。

 

こうゆうのゲームとかで見るけど呪文はともかく魔方陣なんて一瞬光るだけでどうゆうのかよく分からない……。

 

そうこうすると光が一層強まり、一誠がワ-プする・・・・あれ?いつ消えるだろう?

 

皆がため息ついたり、残念な表情したり困惑な雰囲気を漂わせた。そんな中部長が一誠に言う。

 

「魔方陣は一定の魔力が必要なんだけど魔方陣ジャンプは魔族の子どもできる初歩の初歩……のはずなんだけど一誠、あなたの魔力は低すぎて反応しないのよ。」

 

「な、なんじゃそりゃぁぁぁぁぁー。」と絶句する一誠。

 

僕も驚くと共にどこか納得している自分もいる。

 

一誠に何かそうゆう神秘的な力を持っているイメージが一切湧かないもん。

 

そうこうしていると「前代未聞だけど足で直接行ってちょうだい。ほら、行きなさい」と部長がせかす。

 

「うわぁぁぁぁん!がんばりますぅぅぅぅ!」と涙を流しながら去って行く一誠。

 

僕もその後に続こうと思ったら部長に止められる。「あなたは別に行かなくていいのよ。悪魔じゃないし。」

 

「少し、慰めてきますよ。」と言うと気になっていたことを聞いた。

 

「一誠は悪魔としてできが悪いようですね。あいつをこれからどうしますか?適当に言って捨てますか?」

 

それは内心ずっと警戒していたことだった。

 

部長やオカルト部の人たちはいい人だと思うけど悪魔の格言で人の価値は平等じゃないという。価値が少ない一誠をどうするのか堕天使の事もあり警戒していた。

 

いらないから捨てるならまだいい。縁が無かったとか適当に言って慰めれば良いだけだ。ただ使えないなら処分するとか言うじゃ無いかと危惧していた。

 

「……怒るわよ。私たちが信用できないの。」と部長がキツい表情で言う。

 

「それで一誠君とずっと行動しているのかい?」と木場君も複雑そうな表情で言う。

 

彼は「正直気分よくないけどそう思うのも理解できるよ。僕たちも似たような経験したからねえ。」続けて

 

「部長は情に深い人だよ。そうでなきゃ僕たちはここにいなかったよ。

 

君から見れば僕たちはエリートだから選ばれたと思うかもしれないけど僕たちは部長に

 

出会わなければ死んでいても可笑しくない弱者だよ……。」

 

「……だから仮に彼が弱くても見捨てはしないよ」木場君の言葉に朱乃さんも子猫ちゃんもどこら遠い目をしながら頷いた。

 

「ただ、強くなって貰うためにびしびししごくけどね。」と照れ笑いなら付け加えた。

 

 一誠君の仲間は本当にいい人みたいだよ。僕は先程の発言を詫びてから急いで一誠の後を追いかける。

 

僕が遅れてチャリを飛ばして一誠の依頼人がいるマンションにたどり着く。

 

どうやら何とか追いついたみたいだ。涙の後が目立つがまずは依頼をこなしてからだ。

 

後でいくらでも慰めるやるさ。一誠、君ならできるさ。僕にできることはいくらでも力になるよ。……数分後追いついた事を後悔することになる。

 

呼び鈴鳴らすとインターフォンから『開いてます。どうぞにょ?』と野太い声。

 

この瞬間生存本能だろうか。関わるとろくな事が無い。さっさと逃げろと体が反応している。

 

「一誠……」しかし時すでに遅し一誠が扉を開けて入ってしまった……。

 

帰りたい、今すぐに!と強く思いつつ涙を流しながら僕も足を進めた。

 

依頼人を見て見ると何て言えばいいんだろう。世紀末覇王ばりのガタイがいい漢が猫耳ゴスロリを着ている。

 

相貌が凄まじい殺気?闘気?を向けていながら瞳は純粋無垢な輝きをしているアンバランス。

 

普通なら間違えましたと逃走、かなり余裕あるならこの変態っと突っ込めるだろう。

  

しかし、この状況迂闊な事をすれば死ぬ!

 

こないだの堕天使なんか正に指先一つでペシャンコになる雑魚だった。と本能が警戒しまっている。

 

こんな時に神器何故発動しない!堕天使なんかより数倍やばい状況だって!!

 

一誠がおそるおそる訪ねる。その瞬間カッ!っと効果音と共に目が光る。

 

空間が相手の闘気で歪んだ気がした。本当に人間なのか?一誠より圧倒的に人外じゃないか! 

 

それともこれが人のみが持つ無限の可能性?それならもう少し違う形で見たかった!!

 

「そうだにょ。お願いがあって悪魔さんをよんだにょ。ミルたんを魔法少女にしてほしいにょ」

 

「異世界転移でもしてください」 いっっっせ───!!そんな対応でどうする!!部長に怒られるぞ。

 

何より機嫌損ねたらミンチの可能性大なんだ!!もう少し慎重に。

 

しかし漢いやミルたんからの返答は「それはもうためしたにょ」何だろう。問答無用な説得力を感じる!

 

「悪魔さん!!魔法の力をミルたんにファンタジーの力を与えてくださいにょぉぉぉぉぉ~~~!!」

 

その声と共にアパート一室が揺れる!否、まさかアパート全体が揺れている!?

 

……人間って呪文唱えなくても魔術できるんだ……。

 

昔の人は言葉は全て呪文だから慎重に使っていたって何かの本で読んだけどこうゆう事なのかなあ……。いかん!また現実逃避している。

 

一誠の説得でミルたんは「一緒に『魔法少女ミルキースパイラル7オルタナティブ』を見るにょ。そこからはじまる魔法もあるにょ」

 

こうして初仕事は長い一日になった。

 

魔法少女は興味の対象外だったけど面白かった。

 

熱い演出と泣けるシナリオが気に入った。

 

あの後親しくなり徹夜で一緒に視聴した。番号も交換し定期的に遊びに行こうかなあ。

 

ミルたんのやつなら僕でもできそうだし一誠がダメなときは僕が担当になろうかなあ。

 

他の人には精神的にキツいし変人にはいささか耐性があるからね。僕は。

 

でも契約はとれなかったにも関わらずアンケートでは高評価。

 

部長も困っていたけど意外性NO1だって褒めてたよ。その後も契約を取れない。

 

アンケートは高評価。依頼人は変人。本人には悪いけど端から見ればかなり面白いよね。

 

ある日公園で「はあ、……上手くいないなあ」と落ち込む一誠に

 

ぼくは「でも君は案外オカルト部の誰よりも凄くなるかも知れないよ」と言う。

 

「……安易な慰めは言うなよ。」と一誠は気乗りしない返事を返す。

 

確かに全く根拠にないけど僕には君が成功する予感が強く感じるんだ。これも神器のおかげかなあ?

 

「はわう」後ろから突然、可愛らしい声が聞こえたかと思えばボスンと転がる音がした。

 

振りむくとシスターが転んでいる。

 

それも両手を大きく広げて顔面から路面に転んでいぶという少し間抜けな転び方をしている。

 

僕と一誠が助けおこすとヴェールが風に飛んだので僕は急いで取りに行く。戻ってみると一誠が心奪われた表情をしている。

 

僕もシスターの顔を見ると金髪ロングの清純派ヒロインの王道をいく様な美少女がそこにはいた。

 

緑の目がすごい澄んだ綺麗な目をしている。僕も思わず見とれながらヴェールを渡す。

 

彼女はGrazie molto gentile.

 

……たぶん感謝とかそうゆう事を言ったんだろう。ただ、残念ながら僕の知識と耳では意味が全く分からなかった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




最初の契約者をミルたんにしました。森沢さんファンの方すいません。彼に今後出番があるか不透明です。

次にある怪獣の神器をだす予定です。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第一章 旧校舎のディアボロス編 4

今までより文字数が多いです。もう少しバランスよくできるようにするつもりですがご容赦ください。



僕、中島剣吾は一誠と一緒に金髪シスター、アーシア・アルジェントさんと出会う。

 

一誠は悪魔だから言語が世界中で通用する。

 

だから基本僕とアーシアさんの会話は一誠が通訳して貰えることで会話が成立している。

 

そんなわけでわざわざ通訳させるのは悪いから会話はほぼ一誠に任せて荷物持ちに専念する事にした。

 

どうやら教会を探していたらしいけどあそこ古い教会だからやっているかなあ。

 

そんな訳で一緒に送って行くことにした。

 

一誠はロザリオに拒絶反応があるけど無理して付いていった。そうゆう所が君の良いところだよ、一誠。

 

僕、個人的にもアーシアさんを放っておけなかった。

 

可愛いからもあるけど当然一人で知らない所に行く不安を僕も味わったから……。

 

途中で公園を横切ると男の子が転んで泣いていた。それを彼女は魔法の様に傷を治してしまった。魔法?

 

いや……一誠の左手に疼いているように見えるからひょっとして神器(セイクリッドギア)?

 

多分そうなんだろう。僕のは一切反応無いけど……本当に僕にもあるんだよね?

 

何か不安になってきたんだけど。

 

でも現状僕たちのより断然、役に立つ力だなあと思ったけど男の子がお礼言って去って行くと少し淋しそうに笑い「神様から頂いた素敵な力です……」といった。

 

その言葉と表情から僕達が知らない何かを感じる。

 

そして教会が見えてきた。やはり、人がやっているように思えない。……さっきから嫌な予感がする。

 

やっているか分からない古い教会、訳ありで不思議な力をもつ少女。もしかして何らかの理由で堕天使に悪用されるじゃ無いかと。

 

嫌な想像していたら一誠がどうにか退散しようとしていた。やっぱり教会には近づけないか。

 

僕は「折角だから部屋まで持って行くよ。一誠携帯に連絡して通訳頼むかも」と言い教会に足を踏み入れようとする。

 

その時背後から外国語が聞こえた。振り向くとそこには黒一色のスーツにこの時期にはもう熱そうな黒コートを着たサングラスをかけた女性がいた。

 

外見は20代後半かなあ。美人だけど何か作り物じみている。

 

日本人なのかなあ?とりあえず東洋系だね。MIBみたいな格好している。

 

教会よりホワイトハウスとかに似合いそうな服装だなあ。

 

彼女は何やらアーシアさんと話すと荷物を彼女から預かり、アーシアさんは名残惜しそうだったけど僕たちにお礼を言って教会に入っていく。

 

すると日本語でも話してくれた。よかった。これで話が分かる。

 

「シスターアルジェントを助けて頂きありがとうございます。こちらから案内するつもりだったのですが行き違いをしてしまい探しており心配していたのです」

 

……何だろう?この違和感は?物腰も丁寧で表情も柔らかいけどそうゆう演技を見ているような。

 

実は悪魔や堕天使とかではないと思うけど何かが根本的に僕たちと異なる存在だと感じる。

 

彼女は星空 藍(ほしぞら あい)さんと名乗り一誠と僕に握手して

 

「是非シスター・アルジェントと良き友人になってください。見知らぬ地で不安だと思うので。今日は疲れたと思いますし時間も遅いので又後日おつきあいください」と言った。

 

そう言われるとこちらも断ることできずに一誠も教会の近くにいるのが苦痛な事なので今日はここで分かれた。

 

中島剣吾と兵藤一誠の姿が見えなくなると教会に入る前に目を閉じ念話する。

 

「こちらI。司令部に連絡します。例のシスターを確保。これより予定通り神器摘出の実験および適合後の観測いたします。」さらにとつけ加え

 

「L03RDにM01Gの所有者と思われし人物を確認。指示をお願い致します」

 

この会話に気付くのは日本中何処探してもいないだろう……。 

 

星空藍、否Iは通信を終えるとゆっくりと教会に入っていった……。

 

部長はかなり怒って一誠を叱っている。やっぱり悪魔が近づくのは危険なんだねえ。

 

一誠も圧倒され縮こまっている。それどもアーシアさんの事を気にしているので

 

「時々、僕が様子を見に行くから心配しないでよ」と言うと部長は

 

「あなたは何を言うの。悪魔と関わっているあなたも危ないわよ」というと僕は

 

「それでもどうにかなると思います。あの子を放っておけません。せめて他に友達や信頼できる人ができるまで関わります。」

 

「ご迷惑はかけません!あの子は昔の僕に似ているから……」と言う。

 

部長が何か言いたそうだったけどそこに朱乃さんがある知らせを伝えに来た。”はぐれ”が紛れ込んだ。

 

 

はぐれ悪魔とは元々下僕だった爵位持ちの悪魔を裏切り、主を殺し自由なった者の事を言う。

 

そのはぐれは危険な野良犬で各地で暴れ回る。このはぐれを駆除するのは各勢力が共通するルール。

 

堕天使が一誠を殺そうとしたのもこのはぐれだと勘違いしたからだ。

 

僕と一誠を含むオカルト部一同は町外れの廃屋に近くにきていた。もうこの時点で周囲に漂っている異様な雰囲気に包まれていた。もの凄く怖い。

 

一誠以外は慣れた雰囲気をしていて特に緊張した様子が無い。

 

はぐれを探しながら部長が僕と一誠に悪魔の歴史を教えてくれた。

 

大昔戦争で悪魔、堕天使、天使で三つ巴の大戦を長きに渡り行い、全勢力が数百年前に終結した。その際に多くの純粋な悪魔が亡くなった。

 

その穴を補う意味もあり、悪魔の世界でも流行っていたチェスの特性を下僕悪魔に取り入れた。

 

それが『悪魔の駒』(イーヴィル・ピース)。「王」以外のチェス、全ての主となる悪魔は所有し、その駒を用いて悪魔に転生させ、強大な力を与える。

 

でその眷属を集めて対戦する「レーティング・ゲーム」というのが流行っていてその為眷属集めにどの悪魔も夢中らしい。

 

駒の特性について話そうとすると嫌な雰囲気が漂う。

「まずそうな匂いがする?でも旨そうな匂いもする。甘いのか?苦いのか?」

 

部長が「はぐれ悪魔バイザーあんたを滅しにきた」というと不気味笑いながら姿を表したのは上半身が女性で下半身が巨大な獣の姿をした異形! ある意味悪魔らしい姿をしている。

 

部長が僕たちに悪魔の戦いを見学させながら説明させる。

 

まずは僕からと木場君が言う。「僕は『騎士』(ナイト)。特性はスピードで速さを増すんだ」と言いながら化け物の攻撃を難なく避ける。

 

「ついでに僕は剣が得意なんだ」というと次の瞬間相手の両腕を切り落とした。

 

何という速さ!全く分かんなかった。手に持っている剣もいつの間に持っていたんだろう。全く分かんなかった。

 

今度は子猫ちゃんが前にでると「……次は私です。私は『戦車』(ルーク)特性はー」と話している最中に化け物が踏みつけてきた。危ない!

 

こっちの心配をよそにあっさり攻撃を受け止めてバイザーを殴り飛ばした。すごい吹っ飛んだ!!

 

「……まだ話していていたのにむかつきます。……ご覧の通り怪力と防御力が特徴です」とテンションをいつも変わらないまま言う子猫ちゃん。

 

すごい。絶対怒らせないようにしよう。

 

あらあら、では次は私が。と朱乃さんが前に出る。部長が朱乃さんについて説明した。

 

「朱乃は『女王』(クイーン)。『兵士』(ポーン)、『僧侶』(ビショップ)、『騎士』(ナイト)、『戦車』(ルーク)全ての力を併せ持つ私に次ぐ最強の副部長よ。ちなみに究極のSよ」と説明した。

 

説明中も朱乃さんは相手が断末魔をあげているのを「まだ、死んじゃダメよ。トドメは部長ですからね。オホホホホ!」と高笑いしていながら得意の雷を落としている。

 

一誠がものすごいおびえていた……。そりゃ怖いよね……。僕も怖い。

 

最後に部長がバイザーに向けて巨大な黒い魔力の塊を打ち出す。

 

あの巨体を簡単に覆い尽くすとんでもない大きさ!魔力が消えると何もない……完全に消滅している……!

 

朱乃さんが「別名『紅髪の滅殺姫』(紅色のルイン・プリンセス)と呼ばれてる、滅亡の力を有した若手悪魔の中でも天才とよんでいい方ですわ」と教えてくれた。

 

そんな凄い人なんだ。皆凄い人ばかりで一誠たいへんだねえ……。

 

今は普段の雰囲気に戻ったけどさっきまで怖くて近寄れなかった。皆すっかり気が緩んでいたその時ふいに何かの視線を感じる。

 

そっちを向くと妖しい雰囲気をした男が歩いてきた。目の焦点は合っていないしあからさまに正気じゃ無い。

 

僕たちを見ると寒気を感じるおぞましい笑みを浮かべて僕たちを見てこう言った。

 

「見つけた、力を有する異形……。汝らを喰らい我は……この戒めから抜け出す!」

 

何を言っているか分からないけど、とりあえずやばい奴だ。と思っていたら肩に棘がついたマントが出現した。

 

あれは神器?と思っていたら相手は機械音で「禁手 山神の天武装」

(バランスブレイク バラン・アームズ!!!)と言う音声が流れる共に全身が強い光で輝いた。 

 

輝きが治まるとそこには茶色を基本色にした恐竜?の様な動物を模し背面を中心にトゲトゲがある全身鎧の姿がそこにあった。

 

何か普通の鎧より妙に生物感があるように見える。

 

部長たちが驚いた表情をしていた。

 

「禁手(バランスブレイク)ですって!?そんなのごく一部しかできないはず!!」と部長が動揺し、朱乃さんも「バランなんて聞いたことが無い」って驚いていた。

 

そんな僕たちをよそに相手……[バラン]が襲いかかってくる。距離を詰めこちらに突進してくる[バラン]を子猫ちゃんがカウンターで殴りつける。だが、嘘でしょ。

 

バイザーを吹っ飛ばした子猫ちゃんの豪腕が全く効いている素振りを見せない!!

 

子猫ちゃんも驚いていると右手のビンタをくらった!

 

子猫ちゃん、ちゃんとガードしたのに吹っ飛んだ!「子猫ちゃん!!」異口同音で僕たちは叫んでいた。

 

……幸い目立った怪我はしてなさそうでけどダメージのせいか苦痛で顔を歪ませ動けそうに無い。

 

部長が「祐斗!お願い!!」と言いつつ子猫ちゃんの元に行く。

 

一方、木場君は[バラン]の注意を自分にそらしつつ攻撃していく。

 

でもあの俊足と斬撃をあっさり躱していく。動きが速い!!僕たちより格段に!!

 

そんなのありか!!『騎士』(ナイト)、『戦車』(ルーク)より動きが速くて力も防御も上なんて。

 

何度も斬撃を躱され、ようやく当たると思ったら何と剣をつかんだ。それも刀身の部分を!!

 

これには木場君も驚いた様であからさまに動揺した。その隙を[バラン]が見逃す訳が無かった。木場君の腹を左足で蹴りつけた。

 

壁まで吹き飛び口から吐血した。かなり危ない様子だ。僕は急いで木場君を起こしに行った。

 

部長と朱乃さんは「私の眷属によくも、許せない」「一気に吹き飛ばしますわ。リアス!!」と口々に言い滅びの魔力と雷を相手に撃つ。

 

すさまじい爆発が起きこれならいくら何でも……!

 

部長が「油断しないで、……まだやられてないはずよ。」と言い注意深く[バラン]のいる方を見ていた。

 

僕たちも警戒しながらそちらを見ると土煙から多少汚れているだけで全くの無傷で[バラン]がでてきた。

 

「そんな今のであの程度しか効かないなんて」と部長が驚愕していると突然一誠に方に向って突進してきた?とっさに僕は一誠を突き飛ばすと代わりに吹き飛ばされた。

 

 

 

 

俺、一誠は目の前の出来事に衝撃を受けていた。

 

はぐれ悪魔との戦いから突如謎の乱入者が部長たちを圧倒し、

 

さらに今俺の代わりに剣吾が車に撥ねられたみたいに吹っ飛び壁にぶつかりがれきの山の下敷きになった……。

 

悪魔で『戦車』(ルーク)の特性を持つ子猫ちゃんでもあのダメージだから人間の剣吾はもう・・・

 

「ちくしょう、神器力をよこしやがれ!!」というと赤い籠手がでてきて今までにない力を感じた。これでも勝てるとは思わなかったけど義弟をやられてダメっていられるか!

 

少し警戒したような動作を[バラン]がしていたが突然剣吾がいるがれきの山を見た。何だ……急に?と思っていたら突然がれきが吹っ飛び剣吾が出てきた。

 

「痛ってーだろう、こんにゃろう!!」の怒声と共に相当距離があったのに跳び蹴りが[バラン]に命中してお返しとばかり吹っ飛ばした!!。……何て怪力と速さ!!

 

朱乃さんが呆気を取られて「……剣吾君にこんな力が……?」というと

 

「いえ、彼の戦い方はとても戦闘訓練を受けて者とは思えない。あの神器の力だと思われます。」木場がそう評価した。

 

イケメンだけど流石に心配にしていたがどうやら大丈夫そうだ。

 

「でも禁手(バランスブレイク)に通常状態で渡り合うなんて相当強力よ。何なのあの神器」と部長は言う。

 

そんな俺たちをよそに二人はぶつかり合う。正に野生の獣同士の戦いを見ているような凄まじい殺気が一帯を支配していた。

 

相手とつかみ合いすると剣吾がどんどん押し出していく。柱の一つに[バラン]がぶつかると容赦なく腹部に膝蹴りをする。柱もあっさり壊れ、さらにダメージを与える。

 

何か大丈夫か?この廃屋、さっきからいやな振動と物音が聞こえるんだが?他のメンバーも危ないと思ったのか急いで避難する。

 

そうこうしていると[バラン]の跳び蹴りを受け止めたままジャイアントスイングをし、投げ飛ばした!!

 

壁にぶつかってもそのままの勢いで外に投げ出される。その衝撃でついに廃屋が崩壊し、本日二度目のがれきの下敷きに剣吾は埋まった。

 

今度はすぐにでてきたから心配してなかったけど[バラン]はどこに?と思っていたら風音がした次の瞬間剣吾が突き飛ばされた!?

 

何だ?速くとよく見えない!!その何かが動きを止まると俺たちは全員驚愕した。

 

忍者が大凧やムササビの術、スカイスーツみたいに手足に布が張ってある!!しかも明らかに風向きを無視して飛行している。

 

まずいぞ。剣吾に空を飛び相手を攻撃できないし、俺たちじゃ空を飛んでも使い物にならない。

 

部長たちも下手に加勢するとかえって足手まといになると分かっているため悔しそうに見ることしかできない。

 

剣吾が堕天使との時みたいに岩を投げているが全く当たらない。このままじゃ、いずれやられる。逃げようにもあのスピードじゃ逃げ切れない。

 

どうすれば良いんだ。俺が自分の非力さに内心嘆いて勝負を夢中にみていた。

 

だから気付かなかった・・。左手の神器がずっと聞き取れないぐらい小音で「Boost!」と機械音が定期的に鳴っていて事に……。

 

次第に剣吾の体が切り裂かれ、血が流れ始めた。剣吾は突っ立てるだけでもう防御も躱しも攻撃もできないのか?

 

やばい……って思っていると剣吾の籠手に変化が現れ始めた。刀身が青白く発行し始めた。次第に輝きは強くなっていく……。

 

また、[バラン]が急降下からの突進で剣吾が吹っ飛ばされる……が今度は何か落ちる音がした。そちらを見れば何と[バラン]の左足が切り落とされていた。

 

見ると剣吾の籠手にある刃が肥大化した!?いや、あれは籠手に収納してあったのを展開したのか?よく見ると刃からチェーンソーみたいな音が聞こえる。

 

よくフィクションにある刃が振動する武器、振動刃だっけ?あれに近いのか?

 

[バラン]の足を見ると血が流れていない?切断面が焦げたような色と肉が焼けてような匂いがするから発光すると高熱が生じるのか?

 

だが依然空中を移動する[バラン]に対する攻撃する手段が剣吾には無い。このままでは?さっきほどよりスピードは若干遅くなっても捕らえるのは厳しそうだ。

 

堕天使との時みたいに俺が一瞬でも気を反らせれば何か変わるかもしれないけどできるのか?

 

俺に……部長たちでも為す術が無かった相手に?ひょっとしたらすぐ殺されるだけかもしれない……。怖い……。

 

でも剣吾が一人であんなに必死で戦っているのに黙っていられるか!

 

俺は無意識に「ドラゴン波」をイメージしつつ[バラン]が再び剣吾に向って襲いかかるのタイミングを計り急降下するのに合わせ

 

「ドラゴンショット!」と声に出したら気付かれるので心の中うで叫びながら魔力を放つ!!

 

左掌から野球ボールほどの魔力の塊を打ち出す。

 

その時神器から『Explosion!!』(エクスプロージョン)と言う音声が聞こえた気がした。

 

打ち出した後左手を中心に尋常じゃない痛みと体の疲労が遅い立っていられず座り込む。

 

完全にもう何もできない。ドラゴンショットは見事に右側の飛膜を貫き[バラン]はバランスを崩し空中から落下した!!

 

体勢を立て直そうとするがもう遅い。剣吾が距離を詰め首に刃を食い込ませた!!

 

[バラン]は火傷と切り傷に苦しみながら抵抗するがついに首が飛び[バラン]はしばし、もがいた後絶命した。

 

それを見届けると剣吾も力尽きたのか倒れ込む。俺もそれを見ながら意識が徐々に失われていく……。

 

オカルト部が兵藤一誠、中島剣吾が倒れたので呼びかけながら介抱しつつ後始末をしているのを遠方で謎の影が観察していた。

 

「被検体M06[バラン]ロスト及び巨獣器(タイタンギア)摘出失敗。やはり神器摘出現象を確認しない限り安定した摘出は困難と思われます。

 

さらにL03RDにM01Gの適合確率87%、今後の指示をお願いします」

 

そう星空藍……Iはどこかに連絡していたなどこの時のオカルト部に気付けるわけが無かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




一誠が現段階で強力な攻撃できたのは想いの力で神器は強くなる特性による火事場のバカ力で現段階では自由に扱えません。

星空 藍はモンスター娘の日常に出てくる墨須 黒子を冷酷かつ非人間的にしたようなイメージしてくれれば良いです。

山神の飛膜[バラン・マント]その名の通りマント型の神器?肩に棘がついており飛行能力を得る。肩の棘には動きを鈍らせる毒がある。
 
「禁手 山神の天武装」(バランスブレイク バラン・アームズ)

茶色を基本色にした恐竜?の様な動物を模し背面を中心にトゲトゲがある[バラン]の力を具現化した全身鎧。飛行時にスカイスーツのような形状に変化する。

短時間なら風向や重力を無視できるが消費が激しいので基本風を利用する。

見た目より柔軟性もあり打撃には強い耐性を誇る。陸海空どこでも戦闘及び活動が可能と高い適応性を備える。

巨獣器(タイタンギア)と呼ばれていたが詳細は不明。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第一章 旧校舎のディアボロス編 5

おそらくこれが5月最後の投稿になります。




俺、一誠は部長たちと共に気絶した剣吾をあの廃屋から運び部室に戻ってくると部長が深刻な顔で言った。

 

「事態は私の管轄を超えているわ……。上層部にも連絡しるわ。剣吾の神器の事も聞かないと。本人も使いこなせてないみたい。」

 

確かにあの時の剣吾別人というか別の生き物みたいで怖かった……。

 

使いこなせてないみたいけど俺のより強そうだったし。

 

「それとあなたの神器も詳しく調べて貰った方がいいわね。凄い力だったけど体大丈夫?」と部長に言われ大丈夫ですよと言おうと思ったら左腕が完全に感覚がない。

 

改めて見ると妙に脱力しているような……?触れてみたとたん一気に激痛が走る!!

 

「うぎゃ───!!」と夜の旧校舎に絶叫が響いた。

 

 

 

 

僕、中島剣吾は自転車の後ろに一誠を乗せて登校してた。

 

というのも一誠の左手が昨日の戦いで限界以上の力を引き出した為二、三日安静しなければならず

 

特殊なギプスで固定しているので自転車に乗ることができないから僕とニケツで登校している。

 

左手大丈夫?と僕が聞くと「ああ、部長たちの治療で痛みは大分マシになった。念の為に安静にしているだけだ。」という一誠だったが不意にお前こそ大丈夫か?と逆に聞いてきた。

 

大丈夫かは昨日の事なんだろう。僕は正直に「あんまりよくないかな」と言った。

 

……[バラン]に撥ねられたあの時完全に死んだと思った時に体から凄い力がみなぎってきた。

 

本能のままに戦っていた時何というか僕の体を別の”何か”がゲームのキャラみたいに操っていて僕はそれを隣で他人事の様に見ている気分だった。

 

今になって[バラン]を切り裂いた感覚とかが生々しく残っており、正直動揺している。

 

命を奪って動揺しているけど、どこか冷静な自分がいるのが怖い……。自分でコントロールできてないしまた暴走しそうで怖いよ・・・。

 

何となく二人とも沈みそうになっていたが、校舎の近くで松田君と元浜君が悲鳴をあげながらこっちに来る。

 

何でも盗撮写真を他の生徒に売買したのがバレたらしい……。一誠も関わっているので一緒に大慌てで逃げた!!

 

流石に今は仲裁する気力が無いのでスルーするつもりだった……。

 

追いかける被害者たちが平和な学園に似つかわない物騒なものを見るまでは……。

 

えーと……確かフェンシングで使う細剣(レイピア)エペ、フルーレ?だっけ?なんか木に穴が空いたの気のせいだろう。

 

それにククリナイフ……。これは知ってる!よく漫画とかに出てくる。

 

さらに苦無。いやあ~、やっぱり日本人なら伝統を守るのがいいねえ。

 

今度はトンファーにヌンチャク。中国4000年の歴史を感じるねえ。あれ元は沖縄だっけ?どっちだっけなあ?……何て思っている場合じゃ無い!

 

いけない!このままでは彼女たちの人生に暗い影をおとすことになる!

 

「ちょっとまっって───!!!」僕も大慌てで後を追った!!

 

そんな朝からの平和なやり取りに、オカルト部に入部したことが知れ全校生徒参加の強制リアル鬼ごっこを昼休みすることになったので完全に気分を変えることができ、普段どうり過ごすことができた。

 

そんなわけで放課後、僕はすっかり遅くなったけど滝川義人(たきがわ よしと)さんに僕と一誠の件解決したという事を伝えに行った。

 

迷惑掛けて謝る僕に滝川さんは「いや、解決したなら何より。それより最近一誠君はオカルト部に入部したんだよね?」と聞いてきて肯定すると

 

「そうか、美人が多いから一誠君も喜んでいるだろう。悩んで無くて安心したよ。」

 

(……グレモリー家なら不幸にはならないだろう。安心したよ。彼が不幸な目になったなら私たちの責任だからね。)なんかつぶやいた気がしたけど気のせいかなあ。

 

それよりまた別のお願いがあるんです。と僕は再び頭を下げた。

 

「わあ、すごいです。本当に私の言葉がつうじます。」とアーシアさんが喜んでいるのは滝川さんが開発した自動翻訳装置をつけて喜んでいる。

 

見た目はそれこそ一昔まえにある特撮で出てくるようなインカムタイプでちょっとかっこいいけど修道女(シスター)がつけるとアンバランスなのがご愛敬。

 

僕は教会に同年代のシスターと親しくなり知り合いもなく言葉も通じないので話し相手が必要だと思って滝川さんに声をかけた。

 

彼なら外国語複数話せるし、一誠の代わりに彼女の話し相手にちょうどいいと思って事情を話すと翻訳装置をもってアーシアさんに会いに言った。

 

一誠は悪魔だから今回一緒じゃない。怪我していたから言い訳にちょうどよかった。

 

アーシアさんが残念そうにしていたけど仕方がない。癒やしの力あるけどどうやら人前で使いたくないみたいだからその辺りも滝川さんを連れてきて良かった。

 

堕天使としてもただの人間に危害を加えるのは天界を始め他勢力に目をつけられるのでまず大丈夫だと部長が言っていたのでその言葉を信じて僕は滝川さんを連れてきた。

 

滝川さんは予想通り流暢にイタリア語を話しアーシアさんに翻訳装置を差し上げた。

 

しかし、この技術があれば特許とか取得すればすごそうなのに、あくまで趣味だからしないという。

 

今回のやつも自動的に半永久的に機能するので充電とかいらないみたい。ただ、アーシアさんの話をした時表情を変えなかったけど一瞬驚いたような気配を感じたのは気のせいかなあ?

 

とりあえず、アーシアさんと会話ができてよかった。今後は桐生さん辺りを紹介して駒王学校の女子生徒が通うようになれば友達ができていいなあと思った。

 

「でも、勝手に人を呼んでいいか私には決める権限が……」というアーシアさんだったが

 

「かまいませんよ。友人ができるのは良いことです。むしろ布教にも良いですし、ご厚意に甘えましょう。責任は私がとります。」といつの間にかそばにいた星空藍さんが口を挟む。

 

アーシアさんが喜んでいて良かった。けど、何故か滝川さんは藍さんのことをすごく気にしているみたいだった。

 

滝川さんは「いや、教会よりMIB(メン・イン・ブラック)にでてきそうな格好で驚いた。」と言っていたけど何か因縁がある表情してたようなに見えたのは気のせいだよね。

 

帰り際アーシアさんに何か渡したみたいけど何を渡したんだろう?

 

それから数日後、一誠もすっかり回復し今日から悪魔の仕事に復帰したわけだが、何か表情が暗い。理由を聞くと自分が一番の下の駒『兵士』(ポーン)だと教えられて凹んでいた。

 

でも前に聞いていた僕はこう返した。

 

「チェスの駒と一緒なら確か『兵士』(ポーン)は他の駒に昇格する能力があって部長もそうだって言っていたから多分そう捨てたもんじゃないと思うよ。」

 

後、駒はあくまで同じ物しか使えない。

 

一番小さいのが1の価値がある駒一つの『兵士』(ポーン)、一番大きいのが『戦車』(ルーク)2つ使用した10の価値がある者だと。

 

部長の手持ちに『僧侶』(ビショップ)、『騎士』(ナイト)、『戦車』(ルーク)が残り一個ずつあるのは聞いている。

 

『兵士』(ポーン)については話途中で終わったから分かんなかったけど君も複数使ったのかも知れないよと励ますがあんまり励ましにならなかったようだ。

 

そんなやりとりをしながら2人で依頼人の元に自転車で向かっていると急に空気が変わったような気がした。

 

この空気はそう、堕天使やはぐれ悪魔の時に似たような空気を感じる……!

 

僕は嫌な予感に従ってとっさにイッセーに飛びつき共に自転車から飛び降りる。その直後、何かが掠めた。

 

慌てて辺りをみるとそこには白髪の神父がいた。年は僕たちと同年代。手に持っているのは銃。まさか本物!?

 

でも銃声は聞こえなかった……それなのに煙がでているしどうゆう事なんだ?

 

とりあえずえらく性根が腐っているんだろう?表情や動作ですぐ分かる。

 

一誠の頬に掠っていたけど傷の割にえらく痛がっている?これは一体……?

 

「光の弾丸だ」と一誠は言う。光、それで苦しんでいるのか!

 

さらに発砲してくる神父。僕はとっさに盾になり庇った。

 

あれ?痛くない?どうやらあの弾丸人間には通用しないのかと思ったらビームサーベル、ライトセイバーの様な光の剣を取り出し向かってきた。

 

器用な事に空いている手で発砲も忘れずにしてくる。

 

首筋に光刃があたるけど痛くない?なんか新聞紙を丸めた棒で叩かれたような感覚が近いかなあ?

 

とりあえず驚愕してなにやらわめいている神父に僕は殴り飛ばしながらこう言った。

 

「日本に来たなら日本語話せ!さっきから何言ってるだがわかんねえだよ!!」

 

そう、さっきから神父の言葉が一切通じないから全く内容が分からない!とりあえず悪口を言っているのは分かる。

 

顔面にジャイアンパンチの様にめり込み、鼻と歯が何本か完全にへし折った。

 

「何なんだこいつ。どう見ても教会の神父には思えない。はぐれ悪魔ならぬはぐれ神父か?」とつぶやくと

 

「そいつはフリードっていうらしい」と一誠が教えてくれた。とりあえずフリードは気を失う一歩手前という所か。

 

こっちも大した怪我もないしとりあえず部長に連絡しながら依頼人の元に急ごうしたら羽音が聞こえてきた。

 

見ると金色ツインテールの堕天使が降りてくる。「あらら~フリード何やってんすっか?こんな連中に返りうちされるなんて。」ようやく言葉が通じる敵がでてきた。

 

ま~た、堕天使か……。「なんだ、そんなに一誠の事好きなの?一応言うけどこっちにも選ぶ権利はあるんだよ。」と僕がいつと

 

「レイナーレ様に騙されたそんなガキに興味なかったんすけどスポンサーが興味あるんでちょっかい掛けてんっすよ。」と説明してきた

 

「本当は悪魔の依頼人を殺して待ち構える予定だったのに人間に危害を加えるなと言われてここで待っていたんっすよ。」けどと笑いながら

 

「しかし、まさか魔方陣も使えないなんてよっぽどできが悪いっすね。」とあざ笑っている女に

 

「スポンサーって誰だい?僕たちが今日この時間に通ることを知っていたのはそのスポンサーだろ?」と僕が聞いた。

 

「どう見ても少なくても今まであった君たちの仲間でそんな知恵があるようにみえない。」と僕たちは言いつつさり気無く撤退と交戦どちらでもいいように身構える。

 

ちなみにこの無駄な話の隙に一誠が携帯を密かに繋げていてこの話も部長たちに聞こえているはず。後は応援が来るまで時間稼げばいい。

 

女は「このミッテルト様をコケにするなんて命知らずっすね。ただの下等な人間のくせに!」ぶちぎれていて襲いかかってくるかと思い身構えると当然籠手がでてきた?

 

次の瞬間、横から強力な何かが命中し吹っ飛ぶ!!何だ!?何をされたんだ?

 

 

 

 

俺、一誠は信じられない光景をみた。突然光の玉が剣吾に辺り吹っ飛んだ!!

 

幸い大したダメージじゃなさそうだけど一体どうやったんだ?ミッテルトかと思ったけどアイツも驚いているし一体誰が?

 

「な、何がおきたんすっか?」「私の実験体ですよ。もう処分する予定だったのですが折角だから再利用しました。」と感情のない声が聞こえた。

 

声が聞こえた方を見ると星空 藍がこちらに向かって歩いてくる。夜闇に普段の格好が恐ろし程似合う。後ろにはアーシアがいる?

 

「藍さん?なんで一誠さんや剣さんがいるんですか?それに怪我してますし?」と心配そうに聞く。

 

「とりあえずフリードの治療を」とアーシアの力で傷が癒えるとこちらに向かってこようとするが意外にも藍さんが止める。

 

あの二人の様子を見る限り忌々しいけど逆らえないようだ。

 

おそらく、彼女がスポンサー何だろう……。一体何だこいつは……。「どうして一誠さんに危害を?」

 

「悪魔と堕天使が争うのは別に珍しいことでは無いですよ。」アーシアの抗議に藍さんが説明する。

 

こいつ、気付いていたのか!俺が悪魔だって。なら何故あの時危害を加えなかったんだ?

 

「まあ、最も彼はミス・レイナーレに殺されかけて命を救うために悪魔になったので余り責められませんが。」

 

こっちの事情を知っている?一体何者何だ?最初は堕天使や人間だと思ったけど違和感が増すばかりだ。

 

なんなんだこいつは?俺の事情を聞いてアーシアは何か思うことがあったようだ。

 

「心配せずとも彼にはもう危害を加えませんよ。」と言う。その時また爆音が聞こえて激しい戦闘音が聞こえる。

 

「剣吾さんは?」「彼は人間ですけど厄介なものがあるので戦闘不能にし仮死状態にします。」と答える。

 

ふざけんな!俺の義弟の事を勝手に決めるな!!「ジャマーを張ったので転移には時間が掛かりますよ。応援はすぐにはきびしいですよ。」とさらりと付け加える。

 

「何故そんな事を!」「全ては神器の為ですよ、万一暴走されるとたまったもんじゃないですから」

 

なんとかしたいけど全然隙がない。魔力とか一切感じないけど底が知れない……。

 

くそ、剣吾は無事なのか?

 

 

 

 

───俺、剣吾は謎の襲撃者から射撃?を何とか躱しながら移動して気がつくと川辺までやってきた。今膝下まで浸かる川の中にいる。

 

相手がどこから攻撃するのかを見極めないと。辺りに異様な気配と静けさが覆い尽くす。

 

どんどん感覚が研ぎ澄まされていくようだ……。不意に妙な匂いに気付く。

 

後ろ!振り向かずに水深の深い方に飛び込む。その直後までいた場所が銃撃される。

 

潜ってみて気付いた。息が苦しくない?水中で目を開いても痛くないし濡れた服も一切重く感じない。

 

その変化に驚いていると橋の下に景色が僅かだが不自然に歪んでいる?ことに気づく。そこに投石をぶつけると見事命中?さらに落ちてきて所を水中から飛び出し頭突きをする。

 

その”何か”は大きくとんで草むらに消えた。攻撃が当たった瞬間姿が一瞬見えた。姿は近すぎて全体はよく分からないけど人間では無かった・・・。アレも冥界にいる生物何だろうか……。

 

身構えているが気配が遠ざかっていく……。どうやら徹底したみたいだ。徹底命令でもあったのか以外にダメージがあったのかおそらく前者だろう。

 

でもやばかった……。次もし戦っても勝てるだろうか?姿が見えない相手に……。

 

一誠は大丈夫だろうか?と行こうしたとき自分の左肩が大きく切り裂かれていた事に気づく……。

 

今更ながら痛みを感じつつ一誠に方に足を進めた。さっきから妙な胸騒ぎを感じる。堕天使とも違う気配を感じる……。

 

何より違和感なのは妙に”知っている”ような感覚があるのは何故なんだろう?何か大きな事に巻き込まれそうな気がする……。そんな不安を抱きつつ急ぐ。

 

 

 

 

俺、一誠は堕天使や神父、そして星空藍に対峙していたら魔方陣が俺のそばで光る!オカルト部の皆が揃う。

 

「私の下僕に好き勝手させないわよ!」と部長が言うとオカルト部が一斉に攻撃する。

 

「すばらしい。ジャマーの解除想定より速い。優秀ですね。」と藍が他人事の様に言いながら無表情に拍手する。

 

フリードが「こっちは回復アイテムがいるからいくらやられてもだいじょうぶぅぅぅでぇええっす。このバカチン共が」と小馬鹿にしたように言う。

 

確かにアーシアの回復は厄介だが、アイテムだと?あの子を道具だと言いたいのか?ふざけんな!

 

俺が怒りに震えフリードに殴りかかろうとすると当然、朱乃さんが「部長、複数の堕天使が近づいてきます!このままでは不利です」と言う。

 

すると部長は「……撤退するわ。ジャンプの準備を」

 

「部長、アーシアも」「無理よ。魔方陣を移動できるのは悪魔だけ。人間は無理」というと「じゃあ、剣吾はどうするんですか?見捨てるんですか?」聞く。

 

その時剣吾がこちらに向かってきた。肩を怪我している!

 

「一誠、先に行け!アーシアさんは俺が連れて行く!」剣吾は言うができるのか?そう不安に思っていた時藍が突然後ろに大きく跳んだ?

 

次の瞬間、なにかが着弾し、爆発が起きる。

 

当然、堕天使サイドにどこからか砲撃が始まる。アーシアさんには一切傷つけないように攻撃しているように見えた。

 

どこから砲撃?と思っていたらアーシアさんと剣吾の間にどことなくSF感漂わせる赤い車がもの凄いスピードで割り込む!?

 

何だあの車?いやそれよりあんな車何処から現れた?

 

全くあの速度で音もそんなにしなかったし、急にそれこそ空間転移でもしたように現れた。

 

その事に驚いていると後方のドアが開くと吸い込まれる様にアーシアと剣吾が本人の意志とは関係無く引き込まれ、乗車する。

 

乗り込むと何と車のタイヤを収納し、後方部分から主翼を展開!変形した?

 

そしてまるで昔の漫画とかに出てくる未来の車の様に空を飛んだ!飛んでしまった!!

 

その車?は飛行しながら徐々に消えていく……。単純に距離が遠くなって行くだけじゃ無い!

 

空間転移というより何かだんだん透明になっていくような……?そうこうしているうちに完全に夜空に消えていった。

 

突然の出来事に敵味方関係無く呆然としていると部長が我に返るとジャンプした。

 

部室に戻ると剣吾とアーシアの事が心配だったがすぐに剣吾から連絡があり、どうやら無事の様だ。

 

詳しくは直接戻ったら話すそうでとりあえず車の運転手は悪意ある存在ではないらしい。いったい何なんだろうか。

 

 

 

一方その頃、レイナーレ達堕天使が合流するとアーシアが何者かに連れ去れた。しかも、殺したはずの少年が悪魔になっているという報告を受けた。

 

計画が台無しになると急いでアーシアの追跡を命じようとした時、星空 藍が口を挟んできた。

 

「居場所は分かっています。ただ、少し様子を見ましょう。あの少年といるとシスター・アーシアの神器がより活性化しています。」

 

「これは興味深い。もう少し研究したい。」

 

「馬鹿言わないで。今すぐ必要……」抗議しようとするが「別に上に報告してもいいですよ?」

 

「私たちとしては神器摘出を見たいだけで別に授けるのはあなたたちで無くてもいいですし、摘出する神器も彼女のじゃなくてもかまいません。」

 

少し怯んだが「……何様のつまりよ。あんた?」怒気を込めてレイナーレが言うと平然と藍は

 

「無論、そちらの総督の駒ですよ。ただし、あなた方下級堕天使やはぐれ悪魔払い(エクソシスト)なんぞよりよっぽど価値がありますがね。」と返す。

 

この言葉に一切の感情が入っておらず、心のそこからそう思っているを悟り、殺気立つ周囲をよそに藍は先程乱入した車とアーシア、一誠、剣吾のデータをゲマトリア演算に入力し今後の計画に練った。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




剣吾の対戦相手はDXDでも東宝でもないキャラです。元ネタよりは弱体化している設定にしています。

途中乱入してきた車に元ネタありますが色々装備が変わっています。数章先で元ネタを発表する予定です。ちなみに原作には消音機能等はありません。

最初仮面ライダー555のジェットスライガーに使用と思いましたが複数乗れない、普段は目立ち過ぎるということで泣く泣く断念した裏話があります。

アーシアがどうなったのか次で詳しく説明します。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第一章 旧校舎のディアボロス編 6

こないだ初めて感想投稿が非ログイン対応していないことに気付きました。相変わらず間抜けだなあと改めて思いました。


「うわあ。おいしいです。」無邪気にハンバーガー食べて喜ぶアーシアに微笑ましく見つめている俺一誠と剣吾も一緒にハンバーガーを食べていた。

 

怪我もアーシアのおかげですっかり傷も癒えたし、助かった。

 

しかしまさか、こんな風に穏やかに一緒に過ごせるなんて昨夜からは想像もできなかった……。

 

剣吾から話を聞いた時まさかと驚いたもんだよ。笑うアーシアを見つめながら昨夜の剣吾から聞いた事を思い返す。

 

 

 

 

時は俺、剣吾とアーシアが謎の車の後方に無理矢理乗車させられた時に戻る。

 

ドアが開いた瞬間まるで磁石に砂鉄が吸い寄せられるように体が引っ張られ乗り込む。

 

お互いに意味の無い驚きの声をあげていると何やら車からやたら激しい音が聞こえる?

 

そんなに車高高く無いはずなのにやけに視線が高いような……?

 

視線を外に向けると何か翼ぽいものが見えるのだがまさか……飛んでる?

 

正にSFのように飛ぶ車の存在に二人して言葉も無く驚いているとそのまま高速でどこかに飛行していく。

 

堕天使達何で追ってこないんだろう?あいつらも飛べるはずなのに?

 

と言う僕が内心疑問に思っているとその疑問に答えるかの如く突然

 

「それはこの機体に光学迷彩つまり透明になり、レーダーにも反応しないからだよ」と明らかに加工した声で運転席から声が聞こえた。

 

僕がそっちをみるとあれ?だれもいない……?まさか、自動運転……!?

 

若しくは遠隔操作?

 

「……日本の技術はすごいって聞きますけど本当なんですね……。」

 

というアーシアさんに「いや、流石にここまでは凄くないから!」っと突っ込む。

 

気付くと神器がいつのまにか消えていた……。もう、危険じゃ無いってことなのかなあ?

 

そんなこと考えたら体から痛みが消えていく。

 

アーシアさんが治してくれたんだ。「ありがとう、凄い力だね。」

 

アーシアさんは少し淋しそうに笑うだけだった。何かをこらえるような……。

 

少し、気まずい雰囲気が漂ったがその時「口を挟んで申し訳ないが、話を続けてもいいかな?」

 

その人が言うにはどうやらアーシアさんを救うエージェント?らしい・・?

 

とりあえず悪意はなさそうだ。不思議と初めて会った気がしないのは何故だろう?

 

そう思っていたが、とりあえず話に集中する。

 

彼曰くアーシアさんがとあるトラブルにより、教会から追放された。

 

その際に天界側も彼女を然るべき場所で保護するつもりだったのだが星空 藍の手引きで堕天使サイドに送られたのが今回の原因らしい。

 

組織はアーシアさんを餌に星空藍の背後にいる存在を捕らえようとしているのだが、彼はアーシアさんの安全が第一と組織に反発し、独自に援護したとの事である。

 

ひとまず、アーシアさんを受け入れ場所が確定するまで護衛してほしいと依頼してきた。

 

住んでいる場所は特殊な結界があり僕たちも正確な場所が分からないが移動はこの車でどうにかするみたい。生活費とかは全てこの人がやるみたい。

 

彼?曰く自分の組織も餌に使う可能性が高く、落ち着くまで信用できないから今回確実に無関係であるグレモリーに護衛を頼んだとのこと。

 

最も護衛と言うより遊び相手になって欲しい面が強いらしい。

 

そうこうしていると謎の空間に入った思ったら途中で小さな池にそのまま速度で突入。

 

そのまま水中にある隠し通路を潜水したまま進む。

 

水中での移動も可能とかどんだけハイスペックなんだ。

 

数分すると光輝く水面が見えたと思ったら浮上していく。

 

そこには綺麗な民家に到着した。周囲には民家もないし落ち着いた雰囲気を感じる。

 

家の中に入ると女の子が喜びそうな装飾をした雰囲気をしていた。

 

おそらく、急遽改造したんだろうなあと思わせる痕跡がちらほら見えるのはご愛敬。

 

彼女も喜んでいるし突っ込むのは野暮だろう。

 

奥に不自然にある大量の様々な色をしたディスクが僕たちが近づくと動物に変形した?

 

何これおもちゃ?鳥に犬?猿?蟹に蛇など様々なタイプがある。

 

アーシアさんを歓迎しているみたい。でもこんなおもちゃ役に立つのかなあ?

 

そう疑問に思っているとさっきまでおもちゃ?と遊んでいたアーシアさんが僕に質問してきた。

 

「……一誠さんはレイナーレ様のせいで悪魔になったんですか?」

 

「……うん、殺され掛けて部長に命を救うために悪魔になったんだよ。それも神器のせいみたいだよ」と僕は答える。

 

するとアーシアさんは自分の過去を僕に話し始めた。

 

彼女は孤児で教会に育てられた。

 

ある日神器を持ち多くの人々を癒やし聖女と崇められたが宿敵である悪魔を癒やしたことで魔女と呼ばれすてられたのだと言う……。

 

想像より遥かに辛い目にあったんだね……。

 

「剣吾さんはどうして助けてくれるんですか?」

 

「そりゃあ君が可愛いからねえ。後知らない場所で一人彷徨う不安な気持ちは共感できるから……。」

 

「僕の両親は早くに亡くし、友人だった一誠の両親に引き取られたんだ。子供ながら感謝していたし、皆いい人で優しかったけど中々家族と呼べなかった。」

 

「今にして思えば笑っちゃうけど父さん、母さんと呼べば本当の両親は完全にいなくなっていまうんじゃないかとどこかで思ってたんだろうね。」

 

「ある日、僕が養子である事を馬鹿にされたんだ。まあ、小学生に入ったばかりの子どもだから仕方ない部分もあるけどね。その時一誠が僕より怒ってケンカしたんだ。」

 

「その時弟を馬鹿にすんなと言われて嬉しくなって立ち向かえなかったいじめっ子に向かっていったんだ。」

 

「勝ったけど当然、二人とも親に叱られた。必死謝ったその時に初めて母さん、父さん、兄さんと気がついたら呼べたんだ。」

 

「そしたら僕も含め皆号泣して大変だった。そこから僕たちは家族になれたんだ。」

 

「まあ、君に比べると小さい悩みだけどね。」と笑うとアーシアさんは申し訳なさそうな表情をしていた。

 

僕は気にしないでと笑いながらこう言った。

 

「悪魔を信じるのは難しいと思う。君の立場を考えるとね。でも、一誠を信じてあげて。あいつは絶対に君を見捨てない。」

 

女の子一人しかいない家にいるわけには行かないので心配だったけど連絡する必要もあり帰ることにした。

 

空を飛ぶ変形する車で帰るのだが完全にSFだよね、これ。

 

ご丁寧に旧校舎まで届けてくれてすぐ飛び去った。

 

このことを部長たちに話すと最初は猛反発だったが、

 

報酬に渡したものが相当貴重なものだったらしいうえに悪魔サイドの上層部からもお墨付きをいただいたのでこれを承諾した。

 

生まれながらのシスターに複数の悪魔がいても圧迫感を与えるので親しくなった一誠と僕が今日、町で一緒に過ごすことになった。

 

……初めて学校サボりになったけど部長たちが裏で何とかしてくれたみたい。お手数かけます。

 

そんなこんなで3人で過ごしていたが僕は少し遠慮して一誠と二人きりにするようにしていた。

 

……初めてアーシアさんと一誠が一緒に出会った時あの瞬間全く根拠は無いけどこの2人は結ばれると思ったんだ。

 

今までこんな勘働いた試しが無いのに?一瞬、未来の姿が見えたんだ。

 

だからこの機会に距離を縮められたいいなあと思う。それに彼女の過去に受けて傷も一誠なら癒やしてくれると信じている。

 

その後もゲームセンターとかで一緒に遊んだ。

 

夕方、彼女を送っていく途中で一旦街路樹のベンチで休憩していた。

 

二人とも少し疲れたそうなので飲み物を買いに行く。

 

戻ってくると何やらアーシアさんを一誠が励ましている……。

 

多分、昨日話してくれた過去を話しているんだろう。

 

聞いちゃまずいと思って見えない位置に移動し、落ち着くのを待つ。

 

幸い、堕天使もはぐれエクソシストも直接攫う可能性は低いので大丈夫だと言われてい

 

るし、何かあったらすぐに部長たちに連絡するできるようになっているから大丈夫だろう。

 

……今思えば、僕たちは本当に素人で完全に浮かれていたんだと思う。

 

しばらくして「俺たちは友達だ!!」と大きい声で叫ぶ一誠に嬉しそうに涙を流しながら抱きつくアーシアさんの姿が見えた。

 

普通なら恥ずかしいと思うかも知れないけど本当に一枚の絵みたいで美しさがあった。

 

もうそろそろいいかなあと思い、僕は今来たふりをして2人の名前を呼ぶ。

 

2人とも照れくさそうにしながらこっちに近づいてくる。一誠が飲み物を受け取るため僕の方に駆け足で近づいてくる。

 

一誠が飲み物を受け取りアーシアさんの元に駆け寄ろうとした時だった。

 

突然、何も無い空から強力な光がアーシアさんを包む!すると光にいるアーシアさんが上空に吸い上げられ行く!!

 

まるで”UFO”に攫われているみたいな。「一誠さん~!剣吾さん!」と悲鳴をあげながら空に消えていく!!

 

向こうにも透明になる飛行機みたいなものがあるのか?

 

「アーシア!」叫んで狼狽える一誠に対し「落ち着いて!今部長に連絡する」

 

と電話しようとした時、「シスター・アーシアは帰してもらいましたよ」と背後から声がした。

 

そこにはやはり星空 藍がいた。「アーシアを帰せ!!」と激怒する一誠に対し彼女は何かの紙を投げてきた。

 

どこかの場所と時間が書かれていて、

 

「そこで儀式を行います。止めるまたは連れ戻したければどうぞご参加してください。」「なんで教えてくれるですか?」と僕が聞くと

 

「あなた方に興味がありまして。あなた方が関わることで彼女の神器『聖母の微笑』(トワイライト・ヒーリング)の力が高まっていきます。実に興味深い」と返す。

 

「んなことどうでもいいから、今すぐアーシアを帰せ!」と一誠が殴りかかるがその時星空 藍がいくつかのコインを放り投げた。

 

地面に落ちると顔が白くナメクジやカタツムリみたいな触覚がある真ん中に赤い宝玉?がある。

 

身体は青を基本色としてした格好している。

 

他にも顔に大きな黒穴が空いた薄汚い灰色のミイラ男と言うべき姿をした何かが一気に数十体現れた。まるで特撮にでてくる戦闘員みたいな……?

 

とにかくさっさと片付けて行かないと!僕と一誠が戦闘員?に向かって行く。

 

幸い強さはそうでも無く僕たちでも倒せるレベルだったけど何せ数が多く時間がない。

 

こいつらの相手をしている場合じゃ無いのに!とその時、部長たちが魔方陣から駆けつけてくれた。

 

味方が増えたことで『ナメクジ』『ミイラ』を倒せたがその頃にはもう星空 藍の姿がもう無かった。「アーシア~!!」と一誠が叫ぶ。

 

一端、旧校舎に戻るが部室で一誠は部長と朱乃さんにアーシアさん救出を申し出ているだろう。

 

だが、悪魔サイドが修道女である彼女の為に力を貸してくれるとは思わない。となると……

 

僕は玄関の方に足を進める。「一人でに行くつもりかい?」と木場君が聞くと

 

「まさか、そこまで無謀じゃないよ。僕と一誠だけじゃ厳しいから力を貸してくれそうな人に頼み込んでくる。」と言った。

 

誰なのかは力を貸してくれるか分からない事もありまだ秘密。でも、多分僕や一誠よりは強いとだろう。

 

一誠に先走らない用に伝えてと僕は出て行った。

 

俺、一誠は部長達がどこかに消えると一緒に付いて来てくれた木場と子猫ちゃんと共に教会付近に身を潜める。

 

今更だけどこの2人が一緒で良かった。見取り図など基本的な戦術すらなかったしな。

 

そういや木場は何で神父や堕天使を憎んでいるんだろう……?

 

後『プロポーション』と『思い』が俺の神器を強くする。

 

ただし、長時間は厳しいと言われている。使うなら短期決戦か……!

 

皆最も気にしていた星空 藍のことそれに剣吾が戦っていた見えない敵?あいつらをどうするかでいろいろ変わる。

 

それにわざわざこっちに場所と時間を教えるなんてどうゆうつもりなんだ?何が狙いなんだ?

 

それに剣吾は一体どこに行って誰を頼って行ったんだろう?

 

僕、剣吾はある人物に頼み込んでいた。僕たちより強いとはいえ命の危険があることに巻き込むのは正直申し訳がない……。

 

それでも助けるためにはどうしても力が必要なんだ!部長達の力を貸してくれるか不透明な以上少しでも力が必要なんだ。

 

「お願いします!どうしても女の子を助けたいんです!」その人物は首を縦に振って僕の無茶なお願いに答えてくれた。

 

僕は助っ人と共に教会に急ぐ!これで少なくても堕天使とはぐれエクソシストも大丈夫だろう。問題は……。

 

 

 

 

一方その頃目的地である教会では星空 藍が手に持っているのは先ほど壊した赤い鳥の形をした物体。

 

他にも数種類の動物をモチーフにしたものでアーシアを誘拐した時に機体内部で大暴れしたものである。

 

光学迷彩に録画機能があり、ある程度強度もあるので索敵、護衛もできるようだ。

 

「なるほど、どうやら”異世界”の技術が元に造られたようですね。問題は誰がどこに属しているかですね?まずは当初の目的に集中します。」と連絡を終えると

 

「さて、”運命の子”よ。果たして君はどんな未来をつかみ取るのかな?」と呟き、

 

「あなたにはもう一人の方、我らの主を阻む最も危険な障害を宿す彼を相手にしてもらいます。死なれると後が面倒なのでできる限り生かして無力化するように。」

 

「狩猟民族であるあなたが生け捕りするのは不本意でしょうね。まあ、もう自我が無いから不本意も何もないでしょうが。」

 

と話しかけた相手は銀色の仮面と鎧を纏ったドレッドヘアー?をした所々機械じかけに改造された不気味な異形は一言も発することなく周囲に溶け込んだ。

 

彼女以外の存在はだれもそのことにきづかなかった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回出てきた『ナメクジ』『ミイラ』はスーパ戦隊シリーズと仮面ライダーシリーズにでてくる戦闘員です。

次回どのシリーズの奴なのかヒントをだします。なぜ彼女が従えているかは数章先で説明しますが、多分その頃には皆さん忘れているぐらい後になります。

さらに今回原作にいなかった助っ人も登場します。誰なのか予想してみてください。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第一章 旧校舎のディアボロス編 7

今回助っ人がだれなのか明らかになります。

ぎりぎり一月に一度という目標に間に合いました。他の作家さんみんな更新速度速くてすごいなあ。


俺、一誠が教会の側の茂みでで木場や子猫ちゃんと作戦会議していると突然、子猫ちゃんが危ないと叫ぶと俺たちはその場から離れるとさっきまでいた場所が爆発した。

 

「待ってたよ、むかつく悪魔ちゃん達~。」とふざけた言葉にフリードと堕天使が三人も!?

 

男一人に女二人確か名前はミッテルト、カラワーナ、ドーナシークだったな。

 

「ふふふ、残念だったな。貴様達の主の援軍を期待したかもしれんがお前達の主は星空藍の使い魔に交戦中だ。すぐには来られまい。」とドーナシークが言う。

 

何でも部長達に遭遇し、冥土の土産に今回の計画を話し始末しようとしたところ使い魔が大量に召喚され、

 

通信で俺たちの相手をするように言われ、転移しフリード共に襲撃したとの事だそうだ。

 

木場が「まずいな、倒せない相手じゃないけど時間が掛かる。これでは彼女が危ない!」と真剣な声色で言う。

 

どうにか強行突破しようと身構えていると「一誠、お待たせ!木場君も子猫ちゃんも手伝ってくれるだ。」と剣吾が急いで合流する。

 

「前回良くもぶん殴ってくれたね。この痛み君をバラして癒やしましょう!」とフリードがとち狂った歓声があげるが剣吾は無視して

 

「助っ人を連れてきたよ。いい人だけど二人には刺激が強すぎるので直視しないことをお勧めするよ。」と言う。

 

刺激が強い?俺も知っている人で俺より強そうな人間ってまさか……?

 

いや、まさか!?凄まじく嫌な予感を感じると突然、魔法少女ミルキーのOPが鳴り響く!

 

敵味方関係無く音の出所を探す。ふと教会の屋根を見るとそこにはゴスロリに猫耳をしている手小さな魔法ステッキを持っているシルエット……。

 

……そこまでなら普通の魔法少女の定番だが何故、体格が明らかにおかしい筋肉質な漢、まさかとは思ったけどミルたん!!!

 

剣吾なんで連れてきた!こんな危険人物!!さっきまでのシリアスが一瞬でギャグに変わったじゃねえか!!

 

木場や子猫ちゃんも唖然としているじゃねえか!

 

「な、何だこの変態は!?」って言うドーナシークの言葉に共感を持ちすぎる!!

 

敵も味方もミルたんにしばらく呆然としていたが、剣吾がじゃあ突入するよという言葉に我に返る。

 

いつのまにか教会の入り口付近まで俺と木場や子猫ちゃんまで引っ張っていた。

 

その瞬間敵味方が正気に戻り、堕天使達が攻撃しようとするが、そこにミルたんが俺たちと堕天使達の間にスーパーヒーロー着地してきた。

 

正にターミ〇ーターやアメコミヒーローとかだったらにピッタリな登場シーンだ!

 

これで格好がまともだったらめちゃくちゃかっこいいだがなあ。

 

俺が「剣吾にいくらミルたんが強そうでも堕天使や銃に勝てるわけ…………!」

 

とやり取り無視してフリードが「訳が分からないからとりあえず、脳髄吹き飛ばし首ちょんぱですわ。」と叫びながらミルたんに銃弾を放つ。

 

俺たちが庇う間もなくミルたんに命中したはずだけど何ともない?外れたのか……?

 

向こうも疑問に思ったのかもう一発発砲すると手にしておもちゃのステッキであっさり防いだ!?

 

これには敵味方関係無く驚いた!!え、何?俺の肉体はあんなおもちゃより弱いのか?

 

そう思っているとミルたんが

 

「弟君から話を聞いたにょ。悪い奴らから女の子を助けたいから力を貸して欲しいって!!」とウインクしながら

 

「悪魔さんと弟君はミルたんの友達だし、人助けは魔法少女の宿命!!力になるにょ!ここは任せて先をいくにょ!」と言う。

 

そこに「させる訳ねーだろ」とフリードが光の剣を持ち突っ込むが

 

「ミルキィィィィィ・サンダーァァァァ・クラッシャァァァァ!」と叫び鋭い蹴りで光刃をあっさり砕きフリードが側にあった林の中に消えた!!

 

明らかに木が何本か倒れる音がしたんだが……!?

 

「さあ、行くよ皆。アーシアさんを救うんだ。ありがとう、ミルたん。」と剣吾が言うと俺たちも礼を言って教会に踏み込んだ!

 

背後から「堕天使の槍をあっさり砕いた!?」

 

「空を飛んだのに何であっさり捕まえることができるんだ?」という悲鳴が聞こえ、どうなっているのかすごい気になったけど無視して先を進む。

 

教会内部に入ると祭壇内部にある隠し階段に気付き、降りる。剣吾が最後に降りてくるのを待っていたが急に空気が変わったきがした。

 

すると上から人の気配を感じなくなり、上に行こうとするが何故か階段から先に上がれない。

 

一切障害がないのにまるでゲームとかで画面に映っているけど先に進めない状態に近いような?

 

何だこれと思ったが、子猫ちゃんが「……これ、結界……?」とつぶやき何やら動作をしたが何も変化がおきない。

 

どうやら解除しようとしたみたいだけど無理だったみたい。少なくてもすぐにどうこうできる訳ではないらしい。

 

どうするか悩んだが、俺は木場と子猫ちゃんに行こうと促す。

 

二人とも心配していたが、剣吾を信じて欲しいという俺の言葉を聞き入れ先を急ぐ。

 

こっち片付けてすぐ助けに行くから無事でいろよ!剣吾!!

 

 

 

 

俺、剣吾は今非常にまずい状態である。階段を降りようとしたら先に進めずすぐ前を降りた子猫ちゃんの姿も見えない。

 

これが良く漫画にある結界と言う奴なのだろうかと思う間もなくいつのまにか出現した神器を身につけながら本能の赴くままに横に避けるとさっきまでいた場所に光弾?と思われる光が炸裂し爆発する。

 

それを何とか躱しながら今に至る。やっぱり教会の扉からでることも不可能。ここで一人でケリをつけるしか無い。

 

相手は前回戦った奴だ。間違いない。あの時は気付かなかったけど強い匂いがする。

 

幸いあの光弾命中率は余り良くないみたいだからこのままと思っていたら……突然悪寒がして慌ててその場に伏せる。

 

すると側にあった長いすが切断された。何あれ、一瞬見えたのは手裏剣かブーメラン的なものなんだろうか?

 

と思っていたらいつの間にすぐ近くまで近づいたらしく、何か長いもので振りかぶってくる気配を感じる。

 

とっさにスライディングして相手の下に滑り込む。

 

偶然当たった感覚が有り、向こうも転倒する。

 

その時ダメージの影響かそれとも何かに当たると透明化が解けるのか、たまたま効果がきれる時間が来たからなのか分からないけどついにその全貌が明らかになった。

 

何これ……?マスクをしているが頭部の半分が機械になっているのが分かる。何とも言えない銀の仮面(マスク)?何だろうか……。

 

左肩にキャノン砲が有り、右腕にガントレットと一体化した長さ数十センチのかぎ爪型の二枚刃が見えた。見るからに切れ味良さそう……。

 

とりあえず、姿が見えている間にどうにかしたいのだが、ちょっと動きで分かる。機械が凄いのか、彼?の戦闘技術が凄いのか不明だがともかく俺より格段に上だ。

 

現にこっちが殴りかかってもあっさり躱し逆にカウンターで蹴飛ばされる始末。

 

どうしたものかと思いながら椅子を振りましたり、投げながら相手の隙をつくろうとする。正直分が悪すぎる。火力、攻撃範囲、技術全てが相手の方が上。

 

こっちが上回れるものがあるとすれば恐らく単純な力ならこっちの方が上。後はスタミナぐらいかな?

 

なんて考えている間も光弾とブーメランを投げてくる。

 

……一つ幸いなのはあの光弾、発射直前でレーザーポイントで照らされ発射位置が分かること。

 

後は連射できず次弾まで僅かだが一定の時間が掛かることだが、それでも対応できていないのが現状。

 

とりあえず勝つ為にアイディアはあるが、かなりリスクがある上まず、接近戦に持ち込まないと話にならないのだが避けるので精一杯で全くそんな余裕が無い。

 

まずはあのブーメランをどうにかしないといけない……。いつまでもここで時間をくうわけにはいかないし、覚悟を決めた。

 

光弾を躱した直後、アレに向かい一直線にダッシュする。

 

すると、背後からブーメランが戻ってくるのを音で感知する。ギリギリまで引きつけ、籠手にある刃を展開し、見事ブーメランを切断する。

 

相手の飛び道具を一個破壊しこれでどうにかなると思っていたら、また相手が透明になっていく?

 

これじゃあ、最初と同じだ。俺も一誠みたいに遠距離攻撃ができれば……!

 

いや、仮にドラゴンショットみたいのが使えたとしても見えない相手に当たるとは到底思えないし、何より俺と彼じゃ戦闘技術に絶望的な差がある!

 

素人が銃を持ったって反動無視したとしてもただでさえそう当たる訳がなし、あの身のこなしに隙をついて攻撃できるほど器用な人間だと思っていない。

 

今、俺がなんとかなっているのは戦っていくほど、だんだん感覚と反射神経が研ぎ澄まされていく。身体に刃先がめり込む瞬間、急所を躱している。

 

さらに、再生能力がどんどん高まっている。

 

このおかげで出血も最低限ですんでいるけどやはりこのままではと、タイミングを掴んで反撃しようと思っていると急に衝撃により壁まで吹き飛び体の自由が利かなくなる。

 

よく見ると、どうやら特殊な網によって壁に拘束されている。

 

このままではまずいと思う間もなく額に三本の赤いレーザーが当たったと思った瞬間頭に強い衝撃と熱を感じ、意識が薄れていった…………。

 

 

……ここはどこだ?天国?あの世か?え、僕死んだの!?っと慌ててみたが、どうやらまだいきているらしい。

 

ここは何処だ……?いかにも秘境という感じの緑が豊かなジャングルらしいね。

 

凄い高い木がたくさん生えている。少し歩くと海岸があり、どうやら島か海が近い地域らしい。

 

三途の川ってこんな風なのかなあと思っていると後ろから凄まじい轟音と衝撃波が聞こえたと思ったら衝撃と熱により吹き飛ばされる。

 

悲鳴をあげることさえ、容赦なく吹き飛ばされる!

 

しばらくして体を起こす。痛みも感じず傷ついた感じも無い。幻なのかな?

 

……それにしてもさっきのは何だ?……噴火でもしたのかと思い、周囲を見渡すと焼け野原になっていた。すると自分とは別の悲しみと恐怖を感じた。

 

一体誰の感情なのか分からないけど彼はここで大切なにかを多く失ったというのが直感的に理解した。

 

そしてその何かを奪った相手に対し凄まじい憎悪、怒り、哀しみなど多くの感情が一気に押し寄せ気が狂いそうになる。

 

場面が唐突に変わりどこかの海岸近くの大都市にいるみたいだ。そこに巨大なにかが上陸していく……。

 

目に見える光景が酷くぼやけて見えるうえ雑音混じりでよく分からないけど巨大な怪物?が強力な光輝きそして……。あの光、もしかして!

 

ふと気付くとさっきの教会にいた。当たった部分をさわってみてもどうやら大丈夫らしい。

 

切りつけられた部分に痛みを感じるが思ったより大したことなそうだけど後で鏡見て確認しよう。

 

実は大穴とか丸焦げとかになってなきゃいいけど。

 

問題は現在進行形でこっちに攻撃してくる気配を察知し、躱しながら先程の光景を思い浮かべる。

 

走馬燈だが何だかわからないけどさっきの光景を思い浮かべ右腕に集中し籠手の刃を展開し、青白く発光させる。

 

手首部分が変形し、砲口が展開される。砲口に力を集中させ、イメージを具現化させ足下に向けて発射する。

 

その瞬間、勢いよく大量の黒煙を流れ出てあっという間に教会内部に覆いつくす!!

 

さらに砲口に力を込めると煙から赤い爆炎に変わり、教会の床一面に流れ込む!

 

教会内部全てが炎の海に変わり、あらゆるものが燃えている。この広範囲ならと思っていると火だるまになって転げ回っている人影を見つける。

 

三途の川で?みた光景ではその先も見えたが今は威力より攻撃範囲を優先しイメージしたらできるようになった。……

 

いや単に気付かなかっただけど最初から使えたのかも知れない。

 

やがて機械が故障したのか、姿が完全に見える!ここで決めないと勝機はない!

 

火を消すのに苦しんでいる相手に攻撃を加えるのは気が引けるがこっちもそんな事を気にするほど余裕がない。

 

相手の後頭部にドロップキックをくらわせる。すると、頭部の機械から火花が走る。

 

このままいけるかと思ったらなんだか様子が可笑しい。先程までの機械じみた雰囲気が消えて、はっきりと自我がある様に見える。

 

そう言えば、一誠から実験体って聞いたから無理矢理改造されて戦わされていたんだろうか。だとしたら、これ以上の戦いは・・・

 

俺が躊躇していると向こうから砲撃が飛んでくる。心なしかさっきより上手くなっている気がする?

 

勝手に無理矢理戦わされた可哀想な生き物だと思って同情したけど、単に好戦的な生物か何か?

 

まあ、とりあえず自分の命を危機に晒してまで救うほど優しくも実力も無いから、仏心を消して戦いに集中する。

 

その時、マスクがダメージの限界だったのか一部破損して遂に素顔があらわになる。

 

どう見ても人間のそれじゃ無い……。顔は正直醜い……。は虫類ともほ乳類とも判断につかない肌。

 

何より口が何か四角いし、蟹や昆虫の足みたいな牙?が口の上下、左右に生えていて正に独自に動いている。

 

その奥に唇の無いむき出しの歯茎と歯がある。

 

何とも言えない姿で口を大きく開閉を繰り返している……。威嚇かなあ?

 

夜中に当然あったら漏らす可能性が高い。はっきり言って不気味で化け物だ!

 

問答無用で撃ち殺した方が賢明だろう。そう思って籠手の砲口を相手に向けると目が合った。

 

その瞬間、言葉無い。あっても恐らく言葉一切通じないが何故か理解した。

 

脳裏に走馬燈の様に彼の半生と思われる映像が一瞬で流れた。後に自分が何故あんな行動に出たのか今でも説明できない。

 

互いに銃口を向け合った状態だったが俺は籠手の砲口と刃を収納し、構えた。分が悪いと分かっているのに気付いたらそうしていた。

 

向こうから砲撃されたら勝ち目が薄い状態だったが、さっきの直感に従った。

 

……彼はおそらく、戦士又は猟師に近い存在何だろう。彼個人か彼ら一族のものか分からないけど、誇り高く戦いをしてきたんだろう。

 

彼は一度死に無理矢理生き返らせられ、モルモットとして実験体となり、意志の無い操り人形になっていた。

 

そして、放っておいてもおそらくそう長くは生きられないということも……。

 

これが相手への哀れみ?初めて持つ戦士に対する敬意?男としての慈悲?

 

どれも近いようで言葉にすると違う気がする。

 

ともかく逃げたり、変な小細工せず、真っ正面で殴り倒すことに決めた。

 

すると、向こうも肩のキャノン砲を外すと、装備を外していく。右腕の刃だけになり、構えた。どこか嬉しそうな感じの声を感じる。

 

ゆっくりと互いに近づく。間合いに入るとそこで戦闘開始になるだろう。

 

格闘技術は相手の方が上。となると短期戦に限る。やっぱりアレしか無いか。……嫌だなあ……。

 

そして、燃え広がった火が朽ちた十字架に移り、燃え崩れ落ちる。それがゴングになり、互いに距離を詰める。

 

彼が心臓目掛け、刃を貫いてくる。俺はあえてその刃を自分から左掌で貫かれながらも根元まで突き進み、相手の手を掴む。

 

やっぱり、すげー痛い!!だが、これでもう相手は刃を使えない。お互いにこれで動きが制限され、ガードも困難だろう。

 

 

後はこっちが倒れる前に相手を殴り倒すのみ!

 

そこからは一昔前の不良漫画の喧嘩みたいにほぼノーガードで殴り合い、蹴り合う。

 

お互いに酷い顔しているだろう。気がつけばいつの間にかどっちかの攻撃を邪魔せず受けて、攻撃したら相手の攻撃を受けるということを繰り返している。

 

お互いに相手を吹き飛ばすまで打撃を与えると壁や床にぶつかる寸前吹き飛ばした相手の体をぶつけそこから殴る蹴るという事をし、かえって自分のダメージになるので加減している。

 

出血もかなり流れているし、何より左手の感覚も大分やばい。ここで勝負に出るしか無い!

 

覚悟を決めた俺は後頭部にエルボーされるダメージに何とか耐えると相手に首を持ち上げ、そのまま床にたたきつける!

 

その時、思いっきり蹴飛ばすが握力の影響か彼を義手が砕ける!!その結果勢いよく壁に叩きつけられるがお互いダメージがもう限界に近いので起き上がる事がなかなかできない。

 

とりあえず掌に刺さった刃の破片を抜いて拾われないように踏み壊す。

 

そして砲口に掌を向け弱火で炙り出血を無理矢理止める。

 

よい子は真似しないように。ただの拷問だから。だか、これでこれ以上の出血は防げる。・・・もう手遅れな気がするがまあ、ポジティブにいこう!!

 

さて、お互いにこれが最後の一撃になるだろうな……。となると先に一撃加えた勝者か。

 

こうゆう時って下手に動かず相手の隙を見て動いた方がいいんだけど……一誠の元に行かないと行けないし、アーシアさんが危ない!!

 

ここはリスクを冒してでも動くかと思い僕は歩き始めた。

 

炎の中ゆっくり歩く姿は人によっては格好良く見えるかも知れないが単に今までのダメージで走る元気がないだけだという間抜けな理由なんだが……。

 

彼もまたこちらに向かって歩いてくる。隻腕で歯が何本かへし折って所々痣だらけなのに元気そうだ。

 

最後の賭にでるか?確実に攻撃を相手に命中させる為にすること、それは……。

 

俺は彼の方に手を差し出し、「お先にどうぞ」と言う。

 

そう、殴り合って分かったのは彼は誇り高い戦士なんだと何となく分かった。

 

それならこっちがあえて相手の攻撃を受けきれば必ずこっちの攻撃を躱さない!

 

それで耐えきられたらまた、おれがこの攻撃でやられたら終わりだがもう時間もないし、賭けるしかない!!

 

ここで普通の殴り合いになったら負けるのはこっちだ。

 

向こうも言葉が通じたのか何となく意味が分かったのか知らないが思い切り走ってきて俺の首を掴んだまま燃える教会を器用に登り、梁まで来た。

 

そして俺を床めがけて投げる!!衝撃に備えようしたその時、彼も飛び降りた!?

 

俺に追いつくと自分の右膝を俺の首に押しつけたまま落下していく!!

 

こ、これはまさか人気漫画、筋肉仮面の宿敵、悪魔提督の必殺技”奈落の断頭台”!!

 

真似しちゃいけない技ナンバー1でしつこいくらい真似するなと念押しされた最早伝説になった技。

 

これ、人外にも人気があるのか?それとも似たような技が彼らの戦闘技術にあるのか?

 

ちなみにこんなふうに考えることができる余裕があるのはさっきから走馬燈のように周囲の景色がゆっくり動いて見える為。

 

これ、やっぱり本能がやばいから抜け出せって言っているんだよね……。

 

理性で考えてもそっちの方がどう考えても賢明だが、その声を無視して体が逃げ出さないように自省して動きを止め落下の衝撃に備える!!

 

ここで抜け出したら、普通の戦闘に戻り、武器とか使ってくるだろう。そうなったらもう終わりだ。

 

何より彼の信頼を損ねたくないという感情が芽生えた。

 

何だろう。河原で殴り合って仲良くなる光景をよくフィクションで見たけどこうゆう感情なのかなあ?っと思っている内に落下し技を受け大ダメージが首にかかる。

 

く、苦しい!息ができない!!意味なく叫びたいけど相手の膝のせいで叫べない。

 

しばらくもがいていると相手の足が首から離れるのを感じた。

 

生きている?首取れてない?折れてない?と触って確認しながら立ち上がる……。全身に激痛を感じ、ふらふらになりながらも辛うじて立ちあがる。

 

彼も驚いた雰囲気をしながらも隻腕を広げ俺の攻撃を待っている。

 

この状態でやるのは危険だけどもうやるしか無い。深呼吸すると側まで近づく……。

 

そして両手で彼の顔をしっかり掴むと相手の額目がけて思いっきり頭突きした。

 

相手は大きく吹き飛ばされ、手を横に広げた状態で壁にめり込む。

 

同時に俺は後ろに大きく倒れた。もう体力の限界……。神器も消え、これでダメなら最後かと覚悟を決める。

 

顔を上げるとまだ、めり込んだままになっている。体に鞭打って立ち上がり近づき、様子を見る。

 

……完全に気を失っているようだ。とりあえず、僕は周りの火を消し、寝る場所を確保してから彼を壁から引きずりだすとそのまま寝せる。

 

今まで気付かなかったけどどうやらこの温度の炎じゃ燃えない体になったみたいだね……。神器って凄いなあ……。

 

心なしか人間やめているような気がするのは気のせいかなあ?

 

少ししてから彼が気付くと僕は手を差し伸べる。

 

戸惑った様子を見せながらも、手を掴み立ち上がる。

 

「ここから出たいんだけど出る方法知っている?」と聞いた時だった。

 

彼の胸付近から「ピピッ!ピピッ!」と嫌な機械音が聞こえたのは。

 

まさか、爆弾?ちょっと待って?ここまで頑張ったのにこれで最期?と思っていると彼が階段がある祭壇砲口とは逆の方向に足を進めた。

 

手を振り、ついて来いと言うような動作をした。

 

そして、丁度反対方向に進んで突き当たりをいくとある場所に行くと左手の装置を外して欲しそうなジェスチャーをしたので外し床に置いた。

 

すると残った左手で何やら操作すると目の前に閉じ込める前に見た隠し通路に続く階段が現れた。

 

まだ、降りられないんじゃないかと思ったが、今度は降りられた。喜んでいるとまた、結界が張られた気配がした。

 

振り向くとそこには機械音がやかましくなっている彼の姿があった。とっさに助けようとするが、結界に阻まれ近づけない。

 

彼は先に行けと言わんばかりに指を通路の先を示す。有無を言わせない強い意志を感じ、アーシアさんを救うためにも急がないと。

 

僕は最期の別れになると感じつつも一言、助けてくれてありがとうと礼を言い、いつまにか涙を流しながら先に進んだ。

 

それから一分もしないで大きな爆発音が鳴り響いた。

 

今にして思えば、殺そうとした相手で言葉が通じず、どんな相手か全く分かんない。

 

ひょっとしたら何人も殺した殺人鬼だったのかも知れない。ただ、あの瞬間友情が芽生えたと思ったのは気のせいじゃないと思う。

 

何でだろうね。こんなに彼に対し同情的になるのは。やっぱり自我を奪われ、残り少ない命を弄ばれたから何だろうか?

 

そんな事を思いながら先を急ぐ。この時気付いていなかったが体の傷や痣が急速に治癒し、再生能力がさらに上がっていった。

 

 

 

 

俺、一誠はアーシアの元にたどり着いた。だけどすでに儀式は終えていて、神器を摘出されてしまった!!

 

木場と子猫ちゃんのおかげでアーシアを聖堂から連れ出したけど、彼女の体はもう……。

 

最期のやり取りだと半ば分かりながらも必死に呼びかける。少しでも、この娘が助かる可能性を信じて……。

 

そんな時にレイナーレがアーシアの神器を使い、木場達にやられた傷を癒やしこう言った。

 

「見た、この素晴らしい力。これで私の地位も約束されたようなもの。偉大なるアザゼル様、シェムハザ様のお側に力になれる。こんなすばらしいことないわ。」

 

「知るかよ!っんなこと……。それはアーシアのだ!!返せよ!!!」

 

と叫び、向かっていくとレイナーレは嘲笑い、「あなたのような下級悪魔程度っ……!?」

 

と言う途中で当然背後から何者かに撃たれた!!

 

「こんな傷!!」すぐに回復しようとするが今度は網が掛けられそこに電流が走り、体が痺れ動けない。

 

誰が木場?子猫ちゃん?と思っていたら背後から星空藍が現れた。

 

何で?仲間じゃ無いのか?疑問に思っていると「神器摘出現象を確認。これより摘出が可能か再現します。」

 

とどこかに報告しながら、レイナーレに近づくと神器を無理矢理摘出した。

 

こいつもアーシアの神器目当てか?そう思うと怒りがこみ上げ「アーシアのだ!!返せ!!」と喚いた。

 

そんな言葉を全く気にしていないようだが、何故か衰弱したアーシアの方に足を進めた。俺も予想外の行動に呆気を取られてかかっていけなかった。

 

そして倒れた彼女に近づき、神器を戻しさらに何かを飲ませた。するとまだ万全では無いものの体調が目に見えて回復してきた?

 

「……一誠さん……?」まだ弱っているもののしっかりした言葉で話した!!

 

「アーシア、無事か!?」と叫び急いで駆け寄り抱き寄せる。

 

「まだ、万全ではありませんよ。これから一月近く治療掛かりますが、無事回復します。」と星空藍が答えた。

 

「……あ、あんた裏切るの?」とレイナーレが聞くと

 

「私たちは神器摘出を見て、それを実行できるか検証したかっただけですよ。それにこれは堕天使側の幹部からの直々の依頼でもあるんですよ」

 

「そもそもあなたとシスター・アーシアでは聖母の微笑の効果が大きく異なります。やはり心が美しい少女だからこそあれほどの回復効果を有していたんでしょうね。」

 

と星空藍が冷静に言う。「あ、あんた仲間じゃ無いのかよ?」俺が動揺で震える声で聞くと

 

「彼女たちの上司と私の上層部が友好らしいですが、私は特に。それに人類の数を簡単に減らされては困るんですよ。」と言う。

 

「あんた、何が狙いなんだよ。」と俺が聞くと俺の方を見てこう言った。

 

「教えてもいいですが、その前に。」「兵藤一誠君、私たちの仲間になりませんか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回の対戦相手はゴジラ映画からでは無く、あるSF洋画にでてくるキャラクターです。

感想で聞かれたら答えますが、自分から答える気がないのであしからず。

そもそもアレが何という種族で呼ばれているのか分からないので名称を省きました。

一応裏設定としてはシリーズのどれかに出てきた死体を組織が回収し、サイボーグし、様々な実験に使い、廃棄ついでに戦わせたということになります。

実験の酷使かつ自我が無いため映画より弱体化していて、自我が無い時は殺害では無く無力化のため作中の流れになりました。

当初は謎の神器使いにしようと思いましたが、いくら何でも他に似すぎている。

そこでモンスター枠に星空藍の正体のヒントということで洋画にでる酸性の体液を持
ち、体内に幼体を生み付ける生物のサイボーグ化しようと思いました。

その改造の中に透明化して苦戦させようと思ったのでじゃあ、彼らを狩る狩人にしようと思いこの用になりました。

そして、助っ人の正体はミルたんです。当たった貴女は素晴らしい。商品特に無いけど

人は良さそうですし、この頃の堕天使、オカルトメンバーより強いのでは思い、だしてみました。

もう少し詳細にやろうと思いましたがあれ以上だと完全に他のキャラが消えそうだと思ったので短い出番になりました。

ミルたんファンの方、期待に応えられず申し訳ありません。

次話で多分星空藍の正体が分かると思います。ほぼバレバレなのはスルーしてください。









目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第一章 旧校舎のディアボロス編 8

漸く星空藍の正体が明らかになります。

ちなみに透明になる怪獣いるじゃんと思うかも知れませんがそいつら他で使いたいので今回見送らせていただきました。




俺、一誠はいきなり仲間になれという星空藍の言葉に対し、俺は呆然となったが正気に戻ると怒りに燃えた。

 

「ふざけんな!アーシアをこんな目にあわせて!!」と叫ぶが星空藍は全く動ずることなく

 

「我々の目的達成にはどうしても神器摘出実験が必要でしたので申し訳ありません。」と言うが信用できない。

 

さらに「元々はあなたのが目的だったですがね。」と言う。……どうゆう事だ?

 

「神器の中には所有者の容量を超え、悪影響を与えるのも珍しくありません。

 

残念ながら世界に悪影響与えるとされ、処分された人間は少なくありません。そうした、悲劇を防ぐために神器を安全に摘出する技術が必須。

 

あなたは特に才が無いので暴走のリスクが高い。それを防ぐために人知れず神器を摘出する予定でしたが総督が我々に黙って処置を行ったのが事の顛末です。」

 

……え!?こいつら俺を狙っていた?しかも、助けるつもりだったのか?

 

「まあ、個人的にあなたの方が興味がありました。」という星空藍。え、何俺に好意があるの?そう思うと元々美人だけに急に好意的に見えてきた……。

 

「あなたはいずれ世界に大きな波紋をもたらす者。故にできれば味方につけたい。できなければ芽生える前に消えて貰います。」

 

何だよ、要は世界を変える力があるってか?そんなもん俺にあるわけ無いだろうが!!

 

「シスター・アーシアの力はそれ自体が新たな信仰になりかねない強大な力を持っています。その影響は計り知れない。」さらにつけ加え

 

「あなたたちは因果律で深く結ばれた存在。ロマンチックにいえば運命の糸とでも言えばいいでしょうか?」

 

運命の糸ってそ、それって赤い糸ですか?内心興奮で爆発しそうだったが星空藍を見る。

 

すると「悪魔を辞めてこっちに来ませんか?何なら人間に戻してもいいですよ?」

 

「そんなことできるわけが……!」「可能ですよ。なによりやったことがあるので」

 

その言葉に俺は少なからず動揺した?戻れるのか、人間に?想像以上に心が揺さぶられた……。

 

「あなたへの選択肢はシスター・アーシアと共に我々に来るか、神器を取り出し人間に戻り、記憶も消し元の日常に戻るか

 

それともこのまま仲間の元に戻るか?何ならそちらが良ければシスター・アーシアと共にそちらに行っても構いませんよ?」

 

この提案に俺はどう答えればいいか分からなかった?どれも良い選択肢に思えるし、人に戻れる……?

 

でも、部長達とせっかく仲良くなれたのに……?だが、このまま悪魔を続けても危険な目に合うことも多いだろう……?

 

そこに虫の息のレイナーレが「……私たちを裏切る気?」

 

「大した問題ではありませんよ。我々の計算が正しければ三大勢力のいざこざは数ヶ月もしないうち解決します。つまりどの陣営にいようと大きな問題になりませんよ。」と言う。

 

いざこざが消える?何の根拠を持っていっているんだ?こいつは?

 

「……何を言っていっ!……」何か言おうとしたが、銃を撃ち込まれレイナーレは沈黙する。

 

アーシアが悲鳴あげるが「大丈夫です。麻酔弾ですよ。」と星空藍が言う。

 

俺の方をむいて「それでどうしますか?今すぐ決められないなら後日でもいいですよ。そちらに用が無いならシスター・アーシアと共に去りますが?」と言い去ろうとする。

 

俺はどうすればいいのか迷った。……彼女を信じていいのか?だが、もし人間に戻れるなら俺はどうすれば?

 

そこに木場と子猫ちゃんが合流した。「一誠君無事かい?」と木場はいいながらも星空藍に鋭い視線を外さない。

 

さらに、部長と朱乃さんも来た。「どうやら、堕天使との戦いも終わったようだけどまだ、片付けないといけない事があるようね。」と部長が言う。

 

「だまされないで、一誠!転生悪魔を人間に戻す、そんな方法あるわけがっ!」

 

「可能ですよ。事実、無理矢理転生悪魔にさせられた眷属が行方不明になっているのはあなたも知っているでしょう。我々の仕業ですよ。」さらりと言う。

 

「あの事件あなたの仕業だというの?」「正確には同士の仕業ですね。」

 

俺の方を見て「一つ忠告しますけど、良識がある悪魔はいないとはいいませんが、まだまだ少数派ですよ。」とIは言う。

 

「それに友人や家族と歩む時間は異なる。結構辛いものですよ。まあ、どうするかは貴女に任せますが。」と言うとアーシアの元に足を進めた。

 

その時、俺はとっさにアーシアの前に立っていた。

 

「何のつもりですか?もう人間に戻れなくて良いんですか?シスター・アーシアの治療はまだ必要ですよ?

 

我々のサポートが無いと仮に命が助かったとしても何らかの障害が残る可能性が高いですよ?」

 

星空藍の言葉に「多分、あんたの言葉に嘘は無いだろうさ。色々まだ迷っているさ。」だがと続け

 

「でも、俺はまだ付き合って短いけどオカルト部の皆と歩んでいきたい。アーシアも必ず助ける!!」と叫ぶ!

 

「それに何より剣吾の事は見逃す気が無いんだろう?義弟を守るのは兄の務めだ!!!」

 

その言葉に星空藍は「なるほど、これが若さというものですかね?ならば、仕方ありません。勿体ないですがあなた方を排除させて頂きます。」と言う。

 

そして、またコインを投げて『ナメクジ』『ミイラ』がでてくる。するとオカルト部の皆が集まってきて、

 

「さっきの言葉嬉しかったわよ、一誠。流石私の可愛い下僕。あそこまで言われた私たちも答えないとね。雑魚は任せて本命に行きなさい。」

 

と戦闘員を引き受けてくれた。これで俺は星空藍に集中できる!

 

星空藍は「仕方ありませんね。」

 

と呟くと、どこからともなく大型のナイフを取り出し「それでは排除させて頂きます。」

 

その後、互いに構える。恐ろしいほど気配がないがそれが不気味だった。

 

素早く間合いを詰めて斬りかかってくる。籠手でガードするが一部傷がつく。

 

刃が高速振動しているのか異音が聞こえる。あんなのに切られたらヤバそうだ。

 

俺は今『戦車』(ルーク)にプロモーションしているがアレに切られて平気かは蟻の触覚ほど試す気が無い!

 

神器に力を込めながら強い想いを持つ。必ずアーシアを助ける。皆の所に帰るんだ!

 

『Boost!』という機械音が流れる!格闘経験が無いが殴り掛かる。

 

星空藍は上手い具合に攻撃を受け流しているがどうやら単純な筋力ではこっちの方が上らしく、怯んでいる!!

 

防戦一方の星空藍を手を緩める事無く攻め、一瞬の隙をついて腹部に右の掌打を打ち込むと完全にガードが崩れた

 

今がチャンスと左手でストレートを顔面目がけて殴り掛かる!!!

 

 

次の瞬間、左腕に違和感を覚えたと同時に何かが落ちた音が聞こえた。

 

下を見るとそこには神器に覆われて無い部分も見える綺麗な断面図を見せる左腕があった……。

 

あれ、斬られているのか?と思った途端、痛みと共に血が流れる!!

 

「「「「「一誠(君、さん、先輩)」」」」」!!!と異口同音でアーシア、部長含むオカルト部全員が叫ぶ!!!

 

「あのままだと面倒なのでまずは神器と分離させて頂きました。」と星空藍は言う。

 

「あなたの神器は時間が立つほどに強力になるので早々に封じさせてもらいます。

 

これでもう神器の力は使えません。あなたに勝ち目は極めて薄い。……これが最期のチャンスです。

 

今一度聞きます。それでもあなたはシスター・アーシアを救うと言いますか?断れば次は首を切り落とします」

 

「一誠!!」と部長が魔力を星空藍にぶつけようとするが、片手を振るうと触れていないのに、軌道をずらされあっさり無力化させられた。

 

追撃しようとしても戦闘員が邪魔をする。他の皆も手がだせない。

 

アーシアも近寄ろうとするが、光の縄みたいなもので拘束され動けなくなった。星空藍がアーシアに近づこうとした時

 

「実験体タイプPの信号がロスト。死亡確率は97%以上、M01Gの所有者、中島剣吾の生存率も8割以上ですか。先にあっちを片付けますか。」

 

そう呟くと俺たちを無視して通路に行こうとする。

 

ふざけんな!剣吾に手を出させねーぞ!!神器が使えなかろうが関係あるか!!

 

出血が酷いが無視して俺は片手で立ち上がる。ダメージもあるし、長引け無い。だが、死んででも剣吾の事、アーシアも守りきってみせる。

 

震える右手に何とか拳を固め何とか立ち上がる。この震えはダメージだけで無く心が折れそうになっているが無理矢理立ち上がる。

 

「一誠さん、もう立たないで。死んでしまいます……。」とアーシアが泣きながら訴える。

 

他の皆も必死に呼びかける……。だが、これだけは俺じゃないとダメなんだ……!

 

「こんな時神頼みするんだが、神様じゃだめだよな。……聖女であるアーシアがダメだったんだ。」

 

「悪魔の俺何かの頼み聞いてくれるわけが無い。じゃあ、魔王様か。」

 

「一誠?何を言っているの?」と部長が焦りと戸惑いが混ざった声が聞こえる。

 

その言葉を無視して俺は呟く

 

「魔王様がいるなら少しだけ聞いて貰っていいですか?」

 

「今、ガチンコで勝たないといけない場面なんです。一発でいい、殴らせてください・・・!!大切な人たちを守る為に」

 

皆が俺の頭が可笑しくなったんじゃないかと言う顔をしていたが無視する。

 

星空藍は俺の言葉にこう返した。

 

「確かにこの世界には神も魔王も存在しますよ。ですが、

 

彼らは強大な力を有してはいますが、あなたが思うほど万能ではないしそもそも救いの言葉に気付かないケースの方が多いですよ。

 

神が実在するというのは良いことなのか、悪いことなのか微妙なものですね。」

 

うるせー!!なめやがって!無視しながら何とか立ち上がり構える。

 

「我々はあなたを見下しませんよ。貴方は誰より危険な存在になる。

 

生死を賭け全てを注いだ一撃。ですがそれも当たらなければ意味がありません!

 

おそらく一撃が限度でしょうがそれまで躱せばいい話です。その可能性を”知っている”からこそ神器ごと左腕を切り落としたんですよ。」

 

くそ、レイナーレやフリードみたいに見下してくれればやりやすいのに一切油断してくれねえ。しかも神器の力は期待できないという状況。

 

だが、何としても攻撃を当てないと。

 

不思議だがさっきから体の痛みが薄れていく……。その割には意識がはっきりしているし体から力が溢れてきている……。神器はもう使えないはずなのに?

 

アーシアの力じゃないし、何だろうな……?その時幻聴かもしれないが雑音混じりの声を聞いた気がする。

 

『……相棒……聞こえるか……お前に……増幅した力……波動を極限まで押さえ込んだ……あ、あとは当てる直前まで……』

 

よく聞こえなかったがどうやら俺の力が上がっているみたいだが周りもそれに気付いていないらしい。

 

力が増しているってことは心当たりは一つしか無いが、問題は気付いてないはずなのに何故かやたら俺を警戒している星空藍……。

 

今までの人生でこんなに評価してくれたのこいつが初めてかもしれない。敵じゃ無いならすごいうれしいだがなあ。

 

問題はどうやって一撃を間合いに入るかだが恐らく高速で直進しても躱される。

 

何かこっちが妖しい素振り見せたら即座に潰そうとするだろう。幻聴だが心の声だが知らない声で聞き取れた範囲で解決法を教えてくれたがかなりの賭けだ。

 

ほんの一瞬でいい!なんとか隙ができれば。焦る俺とは対照的に星空藍はひたすら冷静に銃を撃ってくる。

 

その時、突然妙な動きをした。まるで見えない何かからの攻撃を回避するみたいに。

 

いったい何がと思うと空いている手に銃を持ち発砲する。何かが壊れた音がするとそこには動物のおもちゃが壊れていた。

 

アーシアが「この子達は……?」と言うが知っているような反応だが何アレ?

 

と思っていたらいくつもの動物をモチーフにしたおもちゃ?が突然現れた星空藍に向かっていく。

 

俺たちが皆驚いていたが、星空藍は動揺すること無く一体ずつ確実に破壊していく。

 

その隙に一体の蛇型が落ちている俺の左腕に体を巻き付けた。そのままの状態で赤い鳥型が蛇を掴みそのまま俺の方に飛んできた!

 

すると別方向から猿のおもちゃが俺に近づくと傷口に何かを塗ると鳥が運んできた左腕をくっつける!腕が元に戻った?

 

さらに蛇が腕に絡み付きまるで包帯の代わりになるかの如く腕を固定した!まるで全く傷つかなかったように自由に動く。いける!!

 

俺を助けてくれるのか?いずれにせよ今がチャンス!!俺は猛スピードで間合いを詰める。

 

星空藍が俺に向かって発砲するがいくつものオモチャが銃弾の盾になって俺の身代わりになって壊れていく……。

 

俺が一人で戦いたいという意思を尊重するかのように攻撃せずただ俺の代わりに攻撃の盾になる。

 

その姿に何か心にうたれるものを感じ、感謝しつつ遂に射程に入ると思いっきり振りかぶり左手で殴り掛かる。

 

それと同時に神器から『Explosion!!』(エクスプロージョン)と言う音声が鳴り響くと共に想像以上の力がみなぎる。

 

なんつー力だ!自分の体がバラバラになりそうだ。

 

星空藍は少し驚いた声色をしながらも「この時まで気づけなかった!?まさかこちらに察知されないようにオーラを極限まで抑えた?神器の力をそこまで引き出した?」

 

「ですが、当たらなければ意味が無い。自分の肉体が崩壊しかねないほどの強化扱える訳が無い。これで終わりです!」

 

と躱し、おれの首を切り裂こうとする。

 

確かにこのままじゃ負ける!どうすればと思っていた時ちょっと前に剣吾と一緒に読んでいた漫画を思い出す。

 

一種の走馬燈みたいな回想し、実際にできるかどうか分からないけど賭けるしかない!

 

増大し解き放とうとしている力を体に無理矢理戻し、右腕に送る!!

 

当然、そんな無茶すんなり行くわけも無く細胞レベルで悲鳴を上げている!!必死にかみ殺す!

 

今、口を開いたら血と共にもう立ち上がることができないのが本能的に察する!

 

右腕があり得ないほど肥大化した骨が折れ、痣になり激痛に苦しむも躱した星空藍に目がけてアッパーする。

 

とっさにガードするも数メートルそのまま真っ直ぐ上に浮いた!

 

「解き放つ力を無理矢理戻して使った?でも可笑しい?増加した力がこの程度の訳が……!」と独り言を言っていたが何かに気付いたように焦った表情をした。

 

お、気付いたな。流石に頭いいだけある。そう体に戻して、右手に移したのはほんの一部!

 

再び左手に力を戻し今度は躱せない状況で決める!さっき以上の不可が掛かるがそれでもこれで決める!!

 

落ちてくる星空藍がとっさに光のバリアーみたいなものを形成したがそれを左手で殴りつけるとバリアーはあっさり砕けた。

 

ナイフや拳銃も砕かれながら壁までいや、天井を突き破り建物の外まで飛んでいくのを確認すると完全に意識を失っていく……。

 

アーシアや部長達の悲鳴や呼び声がどんどん遠くなるのを聞きながら……。

 

ふっと俺が気付くとアーシアが一生懸命回復してくれた。アーシア……大丈夫そうで良かった!と叫びたかったがかすれた声でしか言えなかった。

 

完全に限界を超えた力を発揮していた……。このぐらいは当然か。でも、良かった無事で。

 

それから数分すると何とか自分で歩けるレベルまで回復した。そこに剣吾も遅れてきた。一目見るなりお互いに

 

「「大丈夫?ゾンビ真っ青のスゲーボロボロだぞ?」」とはまると、つい笑いあった。

 

「死んでも可笑しくない分の悪い賭をして何とか勝ち取った。」

 

「もう、二度とごめんだね。」と言いながらハイタッチする。

 

この時回復していったので漸く頭も回転し始めたのかアーシアに向かって叫んだ。

 

「アーシア、まだ安静にしないと!力を振るうと今度こそ命が!!」

 

神器の力は色々負担が大きいという。

 

ただでさえ、神器を抜きとられたから負担が大きいのに大丈夫なのかと疑問に思ったがアーシアの言葉に剣吾共々驚愕した。

 

「それなら大丈夫です。」というと背中から悪魔の翼を生やした。

 

……悪魔の翼!?

 

「「ええええええ────!!!」」と俺と剣吾の悲鳴が響いた!!

 

なぜこのような事になったか時を戻そう!!

 

 

 

 

~「一誠さん、しっかりしてください!」アーシアさんが叫んで神器を使おうとしたけどやはり神器を抜き取られて負担が大きいのか上手くできなかった。

 

部長達の力でも回復できず、僕木場祐斗を含めたグレモリー眷属はどうすればいいのか焦っていた。

 

一誠君、君はエロいし変わった人だけど良い奴だって短い間でも十分理解した。このままお別れなんて嫌だ。でもどうすれば・・・・?

 

そんな時だった。部長のポケットから紅い光が輝いたのは。

 

紅い光を発光したままひとりでに飛び出した。あれは『悪魔の駒』(イーヴィル・ピース)?

 

それも『僧侶』(ビショップ)?ちなみに『僧侶』(ビショップ)は魔力が上昇しサポートや魔法使いに適している駒だよ。

 

確かに『僧侶』(ビショップ)に転生させたらこのままだといずれ起こるだろうアーシアさんの体調も解決し、一誠君を救える。だが・・・

 

教会を追放されたとはいえ彼女は未だ主への信仰心を持つ修道女(シスター)。

 

いくら一誠君に恩があると言え神の大敵である悪魔への転生なんて普通できるものじゃない!

 

教会関係者が信仰を捨てるのがいかに大変か僕には理解できる・・・。

 

部長もためらっているとアーシアさんが「お願いします。私を眷属にしてください!」と頭を下げてきた。

 

部長が「……本当にいいの?もう戻れないわよ。」と言うが

 

「……後悔しないかわかりません。でも、悪魔になった後悔より一誠さんを救えないで後悔したくありません!」と強い瞳で言う。

 

その覚悟を部長含め僕たち全員はしっかり受けとめた。

 

そして、儀式は行われて彼女は新しい仲間になった。

 

 

 

~話を聞いた俺、一誠はアーシアに「ごめんな。俺のために……」と言葉を詰まらせていると

 

「一誠さんは命を賭けて私を助けてくれました。なら、私も一誠さんを救うためならどんなことでもしますよ。」と言って微笑んでくれた。

 

天使だよ。翼は悪魔だけどこの娘は本当の天使だよ!!そう言うと疲れたのだろう。気絶するように眠ってしまった。木場が抱き留め背負った。

 

感動で涙を流す俺だったが後ろから何やら物音がして皆で振り向く。

 

そこにはレイナーレが麻酔から覚め、驚愕の表情でこっちを見ていた。

 

「馬鹿な……貴方の神器は竜の手(トゥワイス・クリティカル)のはず……。何なのあの力は?」

 

部長が「一誠を治療する過程で気付いたわ……。籠手に浮かんでいる赤い竜の紋章と先程の力が意味するのは赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)しかないわ。」

 

「赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)?十三個しか存在しないあの神滅具(ロンギヌス)の一つがここに・・・・!?」

 

「時間経過と共に力を倍加していき理論上極めれば神をも葬れる・・・。ただ、今みたいに時間が掛かるのを相手が待ってくれない。今だって危なかったでしょう?」と部長が俺に言う。

 

確かにやばかった。星空藍、全く油断してくれないだもん。

 

……ひょっとしてあいつ誰よりも早く俺の神器、いや神滅具(ロンギヌス)の正体に気付いていたのか?

 

だから俺の事を警戒していたのか?

 

そんな俺の疑問を察したかのようにレイナーレに星空藍の事を聞いた。

 

どうやら未確認の種族で詳しいことは上層部じゃないと知らないらしい。

 

俺は部長に失礼な態度をとったことを詫びると優しく頭を撫でて許してくれた。

 

すると、突然レイナーレが命乞いし始めた。夕麻ちゃんの演技をして懇願してきた。

 

ちょっと可哀想だと思ったのが馬鹿らしくなり、部長にお願いしようとした時だった。

 

突然、剣吾が近づきレイナーレの頭を掴み床に叩きつけた!!

 

レイナーレは文句を言うが完全に無視して再び無理矢理頭を上げて床に叩きつける!それを何度も繰り返す。

 

顔面が見る影の無くもうみているこっちが辛くなりそうな状態でも一切手を緩める気配が無かった。

 

剣吾は一言も話さず、表情も俺たちからは後ろになっていて全く見えなかったけど、めちゃくちゃキレていることは分かった。

 

……アーシア寝ていて良かった。これ見たら絶対その後の人間関係に支障が出る。

 

俺が「もうよせ!剣吾。十分だ!」と止めようとするが「はなせっ!」と滅多に聞けない殺意に満ちた声で低く言う。

 

「家族を殺され、あそこまで侮辱され許してやるほど俺はお人好しじゃないよ。」と言うと右手の籠手から刃を展開する。

 

「待ちなさい。堕天使達側との協議で今回は向こうで処分してもらうことになっているわ。だから、抑えて」と部長が言うが全く聞く気が無いのが分かる。

 

どうすれば良いんだ?と思ってた時剣吾が扉の方を振り返る。すると扉が開き、そこにはボロボロになった星空藍の姿があった。

 

全員が驚愕しつつも警戒した。「シスターアーシアは悪魔に変異しましたか。まあ、とりあえず命の心配は無くなったのでよしとしますか。」

 

一誠の方を見て「赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)よくあんな無茶な使い方ができたものです。やはりあなたたは侮れない。」と言う……ってちょっと?

 

「あなたやっぱり知っていたの?一誠が宿したのは神滅具(ロンギヌス)だって?」部長が驚きながら言うと

 

「当然です。ですから最初に回収しようとしたんですよ。」と応え

 

「それを総督が何を考えたのか仲間にする訳でも摘出するわけでもなく殺害したんですよ。」星空藍は言う。

 

「心配せずとも今日はあなた方に手をだしませんよ。これで撤退します。おかげでいいデータが取れました。」

 

と言い去って行こうとすると部長が「待ちなさい!貴女は何者なの?」と聞く。

 

一瞬考えると「私はI。我々の名は地球人には発するとも聞くこともできないのでこう読んでください。X星人と」

 

みんながあっけをとられた。え、宇宙人?宇宙人って実在するの?

 

「それではこの辺で。次に会う時は敵か味方か……?」と言うと俺たちが止めるも聞かずに屋根を突き破り強力な光が星空藍いやIに降り注ぐ。

 

これはアーシアをさらったときに似ている!事実Iの身体が吸い上げられていく。

 

光が発射する方に朱乃さんが雷を放つと何かに当たったと思ったら何もないはずの空に突如として巨大な飛行物体が現れた!

 

でかさと距離が近いのもあるから全体像がハッキリしないけど明らかに飛行機やヘリコプターとかじゃ無い!

 

まさか”UFO”なのか?そのままIを吸い込むと高速で飛行、また消えていった。光学迷彩か?

 

その姿を堕天使側の治安維持部隊が到着するまで俺たちは呆然とした。

 

今回の件でレイナーレを含む関係者は処分されるそうだが、フリードだけ見つからず逃げられたらしい。

 

不満は残ったが一つ良かった点は星空藍いやX星人Iの件で剣吾の頭も冷え、大人しくなったことだな。

 

そこだけは感謝しても良い。しかし、治安維持部隊を派遣したのもやアーシアをサポートしたのはドクターと呼ばれる人物らしい。

 

あの時俺を守ってくれたオモチャも彼が作ったそうだ。

 

後で分かったことだが俺の体が保ったのはあのオモチャがダメージを肩代わりしてくれたのが大きいそうだ。

 

……それでも体のダメージは防げなかったけど……。

 

一体誰なんだろうな?いい人なのは間違いないらしいけどいつか会って直接お礼言いたいな。

 

……そういや部長達が来た時には表にいた堕天使達は全員気絶して縛られていたらしい……。

 

……ミルタン、あんた、ものすごく強かったんだね……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




分かると思いますが一誠のパワーアップ時の戦闘はヒーローアカデミアのオールマイト対オール・フォー・ワン戦をモデルにしています。

星空藍の正体は宇宙人、X星人だった!まあ、分からないひといなかったろうというツッコミは無視します。

神器が原作よりなぜ強大な力を発揮できたかはこの物語の根幹に関わります。

剣吾君について軽くまとめます。オリキャラがある程度でたら一気にまとめようと思います。

中島剣吾 名前の由来はスーツアクター中島春雄と中山剣吾こと薩摩剣八郎が由来。

一誠と同じ年の義弟。幼少期に両親を亡くし、友人である兵藤家の養子になる。

病弱だったが、神器を覚醒後体調が良くなり身体能力が平時でも高くなった。

性格は温厚で勝負事は基本試合前に相手に病気の身内がいるなど知れば負けを迷わず選ぶタイプ。

反面、兵藤家に感謝しておりいざとなれば自分の命を捨てる選択をためらわず行う危うい面がある。

動物や二次元が好きで特に怪獣映画はバイブル。その影響で神話や悪魔にはそこそこ知識がある。(偏っている面もある)

成績は並になっているが得意と不得意が極端に分かれ平均点をとっている。

身長は一誠とほぼ同じ。特技は長年、一誠の事で頭を下げているので謝罪は最早芸術の域に達している。

また、神器の影響か水中でも呼吸でき水圧を感じず泳げるため水泳が得意。

クラスメイトからは問題児トリオのブレーキ役兼飼い主として概ね好評。

ちなみにいい人だが恋愛の対象にならないタイプの典型。

外見は史上最強の弟子 ケンイチの白浜兼一と銀魂の眼鏡がない志村新八を足して二で割ったような外見だと思ってください。








目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第一章 旧校舎のディアボロス編 終章

短編もやるかどうか悩んでいる今日この頃です。

漸く一巻分を終えることができました。




あれから数日。僕、中島剣吾は目を覚ます。

 

今日は朝早く集まりがあるので一誠を起こそうとしたら一誠はもういなかった。

 

いつもより早く学校に行っている。そういえば『兵士』(ポーン)について部長に聞くって行ってたっけ?

 

そんな感じでのんびりしていると剣吾さ~んと呼ぶ声がし、声がしたほうに行き挨拶する。

 

「おはよう、アーちゃん。」と僕はアーちゃんことアーシアに挨拶する。親しみを込めてそう呼ぶことにした。

 

ちなみに一誠には許可していない。だから、ちょっと僕に嫉妬している。

 

一誠が羨ましがっているけど彼女は一誠に恋心を持っているからちゃんとした名前で呼んで欲しいんだよ。

 

僕には恋愛感情が無く、兄妹がいないこともあり純粋に兄として見ることができるんだろうね。

 

いつもの修道服じゃなくて僕たちが通う学校の制服を着ている。

 

彼女は今、僕たちの家で暮らしている。何故そうなったのかは次章フェニックス編で説明するよ。

 

今日は折角の初登校、一誠と一緒に行けば良かったのにと思ったけどどうやら、

 

突然転校生として現れてびっくりさせれば良いと朱乃さん辺りからの入れ知恵があり、サプライズを考えているみたい。

 

両親も協力して制服などを一誠に見つからないように気をつけている。年齢的にも学校に学校にいくのが当然だしね。

 

父さん母さんも娘同然に可愛がって事実上僕たちの義妹だね。

 

まあ、僕は何年かしたら義姉さんと呼ばないといけないかもしれないけど。

 

アーちゃんが「格好可笑しくありませんか?」と少し照れと不安が入り交じって聞いてきたので僕は

 

「大丈夫!新しいアイドルの誕生だよ!」と太鼓判を押す。

 

少し安心して「一誠さんはどうですか?」と聞いたので「なんか部長に用があるみたいで出かけたみたいだよ」と言うと表情を一変させた。

 

おお、恋する乙女だね。羨ましいな一誠。こんな美人に好かれて!不幸にしたら責任持って制裁すると家族で決定しているんだから。

 

「んじゃ、僕たちも追いかけますか?お嬢様?」と言うとそのまま出かける。今日は僕が自転車の後ろに乗せて登校する。

 

アーちゃんが「大丈夫ですか?」と聞くけど「軽いから大丈夫」といい実際上り坂でも全く速度を緩める事無く突き進む。

 

旧校舎に着くとアーちゃんは急いで一誠のいるオカルト部に行く。大慌てだからカバンとか忘れているね。

 

苦笑しながら持って行こうとすると朱乃さん、子猫ちゃん、木場君もやってきた。互いに挨拶する。

 

朱乃さんが「アーシアちゃんの様子どうですか。?」と聞いたので

 

「僕たち家族ともう打ち解けましたよ。料理も上手ですし積極的に家のこと手伝ってくれるいい子ですよ。」ただと僕が少し憐みの感情を込めて

 

「長年の習慣で十字架に触れようとしたり、聖書を読むと頭が痛くなるのが可哀想です……。」

 

と言うと「まあ、悪魔だから仕方ないありませんね。打ち解けて良かったわ。」と言う。

 

アーちゃんと呼んでいることを伝えるとすっかり仲良くなったわね。と世間話しながらむかう。

 

それから部室に行くと一誠と部長、アーちゃんが気まずい雰囲気になっていた。

 

何度も部長がお礼にほっぺにキスしているところを見られてアーちゃんが嫉妬しているみたい。

 

そして今更制服姿に気づき、驚く姿を皆で楽しんだ。

 

朝からだけど部長の手作りケーキをパーティが始まった。

 

ちなみに一誠は自分が『兵士』(ポーン)八つ使われて部長唯一の『兵士』で当面の目標は最強の『兵士』を目指すと宣言した。

 

「今回はミルたんに助けて貰ったね。」と一誠に僕が言った。

 

「ああ、本当にお礼しないとな。」と一誠も熱く言う。「けど、よく助っ人にしようと思ったな」

 

「だって、ぶっちゃけ今のオカルト部全員より強いよ、ミルたん。少しでも力が欲しかったから土下座して頼み込んだ甲斐があったよ。」と言い

 

「ともかく、これで僕たちはミルたんに返しきれない恩ができたわけだ。」「ああ、そうだな。」

 

「だから考えないといけないね。どうしたら本物の魔法少女になれるか?」

 

一誠がズッコケ「おい、本気で言っているのか?」と突っ込む。

 

それに僕は「そりゃガチで命を救われたからね。無茶だろうが何だろうがやるべきだよ。」

 

「とりあえず、魔法は悪魔や天使がいるから多分あるだろう。」

 

「となると問題は性転換だね。悪魔の力でできるのか、お金を使って手術するか?」

 

と相談すると一誠は想像したくないと現実逃避する。

 

アーちゃんも助けてくれたのでお礼したいから無茶でもやるしかないでしょと発破をかける。

 

一誠もしぶしぶながら頷く。するとアーちゃんが

 

「ミルたんさんが私を助けるのに力かしてくれたんですよね。直接会ってお礼が言いたいです。」と言うと

 

「「それは辞めとけ!!」」と異口同音で僕と一誠は必死に止めた。

 

ショックで何が起こるかわからない。ケーキを勧めながら何とか誤魔化そうと四苦八苦することになった。

 

そんなどんちゃん騒ぎを窓の外から光学迷彩で姿を消している鳥形のオモチャがどこかに中継していた。

 

中継を見てドクターはほっと安堵のため息をついた。

 

「どうやら、しばらくはX星人も関わらないようだね。安心したよ。」

 

「さて、後は総督が今回の件どうケリをつけるか?急いで全ての勢力が協力しないとあいつらの思うつぼだ。」

 

暗いどこかの研究所で顔を見えないが声からして若い男性のようだ。彼はそう言うとどこかに足を進めた。

 

 

 

 

-場面は変わりグリゴリ本部

 

俺アザゼルは今回のX星人の行動を問いただす為連中を呼び出した。そして来たのは副統制官K(ケイ)が現れた。

 

外見は10代後半から20代前半の東洋人ぽい外見をした黒髪短髪で高身長でモデルみたいだが、実年齢は不明。

 

そもそも寿命がいくつかなのかも分からない。副と言うからには正式な統制管がいるはずだが一度も顔を見せたことが無く事実上こいつがトップに当たる。

 

サングラスをするやつが多いこいつらの中で珍しく裸眼だが瞬きしないのもあって人形みたいに見える。

 

「それで今回の勝手な行動、シスター、アーシア・アルジェントの神器(セイクリッド・ギア)摘出について何か弁明はあるか?」と聞くと

 

「その前になぜ兵藤一誠の殺害をしようとしたのですか?我々がいれば神器を摘出するだけですんだのに。」と逆に聞いてきた。

 

こいつらに方法知られたらどんなことになるか知れたもんじゃない!

 

恐らくいや確実に巨獣器(タイタンギア)に目をつけるはずだ。

 

何せ博士の話が本当なら同じ世界の存在らしいからなあ。

 

そうならないために処分したなんて正直に言えるわけがない。

 

だから「まずこっちの質問に答えろ!お前らは無用な争いを避けるために俺たちと交流した。矛盾してんだろうが!」

 

と聞くと頼まれたからですよとあっさり答えやがった。

 

「頼まれたって誰に……!」「俺だ、アザゼル」と突然第三者が口に挟んできた。

 

「おれがこいつらに依頼した。下っ端の堕天使達も俺が指示していた。文句があるなら俺が責任をとる」と知った顔が言う。

 

俺はそいつの名を叫んだ!「どうゆうつもりだ。コカビエル!お前は神器に興味が無いんだろうが」と言う。

 

そう、こいつはコカビエル。俺たち神の子を見張る者(グリゴリ)の幹部だ。

 

今だ戦争を望んでいて、神器に興味がないはずのこいつが何で?

 

「神器に興味がないおめーが何で今回こいつらに頼んだ?」と問い詰めると

 

「流石に神滅具(ロンギヌス)、それもかの二天龍(にてんりゅう)の片割れ

 

『赤い龍(ウェルシュ・ドラゴン)』ア・ドライグ・ゴッホの魂を封じた

 

赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)となれば無視することもできまい。

 

こちらのものにできる可能性があるなら手を出さない理由が無いだろう。

 

第一悪魔に転生した者が所有しているなど悪魔側の戦力が大幅にアップする事態見過ごせるわけが無いだろう?」と言う。

 

「あの時点でロンギヌスだと可能性は分からなかった。何より今の所有者の力は歴代最低レベルだ。脅威になるとは思えん。」と俺が言うと

 

「そうかな?その可能性があるからお前はあの子どもを処分するように指示したのではないか?こいつらは最初から知ってたみたいだしな。

 

宇宙人どもはあの子ども、兵藤一誠を危険視し、歴代の所有者とは比べものにならないくらい脅威になると言っている。

 

ロンギヌスだと言うのも当たっていた。」とコカビエルが言う。

 

「なら聖母の微笑(トワイライト・ヒーリング)の所有者である修道女を勝手に引き入れ神器を摘出実験した件については。」

 

「あの修道女一応教会側は保護しようとしていたようだが秘密裏に処分される可能性も十分高かった。

 

だから命を救うためにやったまでのこと。アフターケアも完璧だった。

 

こちらが側に止まるもよし。最悪神器と記憶を奪い普通の修道女に戻すもよし。

 

いきなり兵藤一誠の命を奪ったお前より遙かに人道的だと思うがな?

 

その件で例の協力者が激怒していたらしいじゃないか?」と返される。

 

「ばか!それは……!」

 

「協力者?ひょっとしてI(アイ)が見たという光学迷彩を搭載している車とかと関係ありますか?」

 

とKが口を挟んできた。こいつらに知られたくなかったのに、馬鹿野郎が。内心呟くと

 

「ああ、そうだよ。人見知りでね。俺しかあったことが無い。」と言うと

 

「成る程。分かりました。」と驚くほどあっさり引いた。

 

「もっと聞かないのか?」と言うが「答えたくないものを無理矢理聞きませんよ。」と言う。

 

どこまで信用していいのか不気味だ。おそらく博士が俺たちと関係あることだけ知れば良いんだろう。見つからないと思うがこればかりはな。下手に警護もつけられないし。

 

少し不安に思ったがその時コカビエルが「話を戻すぞ。赤龍帝の籠手の所有者を魔王の妹が眷属にした。見逃すことなどできるわけがないだろう。」と言う。

 

「お前、まさかグレモリーに手を出し戦争を起こそうとしたわけじゃ無いだろうな!?」と声を荒げる。

 

今どの勢力も疲弊している。そんな中でもこいつは戦争の再開を望んでいた。

 

「まあ、そうなったら俺としては正直うれしいが今回は純粋に戦力をアップしようと思い俺が動いた。

 

レイナーレが神器を使うことができた。つまり俺も赤龍帝の籠手を手にすることができるかもしれん。

 

それはすでにいる白龍皇の光翼(ディバイン・ディバイディング)を持つヴァーリを合わせて二天竜をグリゴリが所有するということだ。」

 

「俺たちグレゴリにとって大幅の戦力強化になる。そう判断し今回こいつらに指示した。よって全責任は俺にある。どんな処罰も受け入れるぞ。」と言い放つ。

 

 

ここで今こいつを失うのはまずい。悔しいが今回はここで幕引きするしかない……。

 

下手に追い詰めサタナエルにみたいになったらその隙に他勢力やX星人になにされるかわかったもんじゃない。

 

「……今回の件は咎めない。ただ、次は無いと思え。」と言い下がらせた。

 

 

 

 

 

Kはコカビエルの後を付いていき、彼の部屋にそのまま入る。

 

「後始末していただきありがとうございます。」

 

「礼には及ばん。実際欲しかったのは事実だしな」応えながら先ほどから抱いていた疑問を聞いた。

 

「それより何でアレを使わなかったんだ。アレを使えば確実に赤龍帝を殺せただろう?」と聞く。

 

「それはですね、彼の可能性を見たかったからです。

 

ですから、ぎりぎり生き残れそうな実力のものと装備にしたんです。結果、彼は見事に生き残った。それで充分です。

 

何より依頼したものを万一壊してもいけませんしね。」と言うと腰から何もないはずなのに何かを持つ仕草をした。

 

突然、手に1本の剣が出現した。転移したのではない。見えなかったものを見えるようにしたのだ。聖なる力の波動を感じる。

 

「これが透明の聖剣(エクスカリバー・トランスペアレンシー)。良くやった!これで計画を進められる!」

 

「それほど争いを求めるならかつてサタナエルとかいうやつが作った組織に行った方が効率が良いのでは?」

 

「禍の団(カオス・ブリゲート)の事か?あんな他人の力を借りねば何もできん腰抜け共いらん!

 

それよりもお前達は仮にも和平を目指していたはずだが何故俺に手を貸すんだ?やはりただの建前だったか?」

 

「別に矛盾はしていませんよ。この星を平和にするために今一時血を流して終わらせるか。

 

血を流さずに和平ですますかどちらが時間が掛からないか双方を試しているだけです。」

 

「……お前達は何を企んで知る?」

 

「少なくても地球人を初め多くの命が消えるのは可能な限り防ぎたいそれは本当ですよ。」というと自分の本部に空間転移で戻った。

 

本部に戻ったKを出迎えたのはまだ治療の跡が生々しいIだった。跪き謝意を述べた。

 

「申し訳ありません、福統制官。任務を果たせないばかりか後始末まで。お手数までお掛けしました。」

 

「これで堕天使、悪魔サイドは我々への警戒心を持つことになりました。」

 

「謝んなくて良い。最初から殺すつもりなら戦闘に長けた人選にしたし、強力な武装を許可している。責めるなら非はそう判断した我々にある。

 

今回はあえてぎりぎり攻略できそうな難易度にしたんだ。

 

当初ゲマトリア演算の結果がでたが信じられず、確かめる面が強かったがね。

 

結果計算が否我らが主の判断が正しかったということだ。我々の目もいかに節穴か改めて認識させられた。まだまだ未熟だな。」とKは苦笑しながら言う。

 

「それにしてもあんな骨董品でもまだ役立つものですね。」とIが『ナメクジ』『ミイラ』を見て言う。

 

「『SS-40』と『HK-12』の事か。我らが主に仕える以前に創造した使い魔だな。」とKも見ながら言う。

 

「確か『HK12』の方は原住民に施したところ彼らが後にそれを元により優れたメダルをアップデートしたという噂だったな。」

 

とKは画像にいくつかの設計図に表示し「この機会に他のも量産するか……。」と呟いた。

 

「主に仕えてからは命令に絶対で代用が利く雑兵で十分でしたがここに来てそのツケがきがしましたね。」とIが言う。

 

それにKは「いや、それで十分だ。今の問題も我々だけで十分対処可能だ。

 

兄上否、統制管は主をその身を捧げることに全力を挙げている。

 

我々はその大事を邪魔されるにようその他一切の小事を引き受けるのだ。」

 

Iが「その為にも兵藤一誠を含むグレモリ-眷属を早急に始末をするべきです。」

 

「まあ、待て。主の言葉では彼らの存在が必ずしもこちらにマイナスとは限らない。

 

……それに本当に気をつけなければいけないのは別にいる。

 

”ヤツら”に堕天使と繋がっている異世界の技術と知識を保有しているとされるドクター。そして……我らと主、最大の障害はやはりヤツか」

 

視線の先には中島剣吾を様々な角度で撮った写真があった。

 

以前、巨獣器(タイタンギア)の一つ、バランの宿主である、とあるカルト教団の幹部を暴走状態にし仕掛けたが返り討ちに遭った。

 

さらに宇宙狩猟一族の一体を改造した実験体も打ち破った。そこまではいい。

 

問題は今までのデーターに無い戦闘方を編み出していると言うことだ。今までのは全て暴走状態で自我が無かったと言う。

 

今回の中島剣吾は歴代の所有者の中で誰よりも明らかに戦闘力が低いが安定している。

 

これが何を意味するのか。

 

この時図らずもドクターとKは時同じくしてその名を言う。

 

「「いずれにせよ放置はできん。今後もしっかり観測しなければあの怪獣、ゴジラを!!」」

 

 

 

NEXT ハイスクールD×D 2 戦闘校舎のフェニックス編

 

……???「愛しのリアスが堕天使といざこざがあっただと?しかも正体不明の敵も現れただと?」

 

「このままではいかんな。やはり早急に婚約を進め冥界に連れ戻すとしなけばな!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 




これにて一巻終了です。あとでちょくちょく訂正したりするかもしれませんが温かい目で見てくれると幸いです。

作中X星人はこれでもかってぐらい強キャラ扱いにします。その内説明しますがエクシフと同種族であることが原因で袂を分かったという裏設定があります。

詳細は原作で10~13巻過ぎた辺りで説明できたらと思います。

この作ではエクシフは完全な善キャラにするつもりです。

『SS-40』と『HK-12』は『ナメクジ』と『ミイラ』がどんな作品のものか分かるヒントになっています。アルファベットは日本語の頭文字を表しています。

余談ですが巨獣器(タイタンギア)とは正体がばれないための仮の名で本当の名は別にあるという裏設定があります。

本編で適用するか否かは流れで決めます。




目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第一章 旧校舎のディアボロス編 外伝

今回原作8巻収録しているアクマのおしごとをやります。


僕中島剣吾は旧校舎のオカルト部でオカルト部、部長リアス・グレモリー先輩から僕の神器について悪魔サイドの報告から聞いた。

 

「妙ね。」という部長に僕は「どうしたんですか?」

 

「報告書が届いたんだけど正体不明。引き続き調査の為の報告せよ。」

 

「それの何がおかしいんですか?」

 

「普通、正体が分からないならもっと詳細に突っ込んでくるものよ。それこそ真偽を含めてね。

 

正体不明な神器が2種類も登場してしかも禁手(バランスブレイク)をしたなんて普通信じられないわよ。

 

にも、関わらずこっちの報告を鵜呑みにして研究員を派遣もしてこないなんてあり得ないわ。」

 

「おそらく、上層部は何かを知っている若しくは何かに勘づいているけど私たちに知られたくないんだわ。」

 

……そう言われるとすごい不安になるんですがまさかその内僕はモルモットにされるとか?

 

「大丈夫よ。いざとなったら体を張ってでも貴方を守るわ。」と言い抱きしめてくれた。

 

うん、ただでさえ美人なのにこうゆう事されると正直もの凄くうれしいけど照れる。

 

その後部室にやってきた一誠が凄まじい嫉妬してきて相手が面倒だった。

 

数日後、一誠が何やらすごい気合い入っている。何でも契約とると部長からご褒美を貰えるらしい。

 

そんなわけで依頼人の元に二人で行った。

 

本当は一誠が部長と行くはずだったけど人間がいるならそっちに来て欲しいと依頼人が言うのでいつもの自転車移動になった。

 

折角、部長と二人きりで行けると思ったのにと一誠が不満を愚痴りながらアパートに行く。

 

鉤は掛かってないと聞いたのでそのまま入っていく。家に着いた時点で嫌な予感はしていたがいつもの事だから無視した。

 

 

 

 

俺、兵藤一誠はアパートのリビングに行くとそこは行灯や提灯に火がついた部屋に書道や模擬刀など数多くの戦国グッズがあった。

 

一体何時代に生きているだろうか?俺たちは?

 

うわ、思わず声にでてしまった。戦国甲冑も飾ってある。暗いから雰囲気あっておっかねえ。動いたらちびる自信がある。

 

と思ったら突然声かけて動いたから剣吾と一緒に叫んだよ。

 

「驚きました。悪魔っているんですね。」というのはスーザンさん。何でも戦国グッズを集めるのが趣味らしい。

 

良くいる日本文化に感銘を受けた外人らしいが常に鎧を着る奴はそうはいない。

 

剣吾は何やらずっと「まさか、そんなはずは無い」としきりに汗をかきながら一人呟いていた。

 

なんでも世の中物騒だから鎧で身を固めていてもし、俺たちがおっかなそうだったら鬼神丸国重で斬りかかっていたらしい。

 

怖え!スーザンマジ怖え!!

 

で、依頼内容はと言うと

 

大学にノートを忘れたので一緒に行って欲しいとのことだ。

 

 

 

 

 

そんなわけで僕、中島剣吾は彼女の大学に急ぐ。なんで一人かというと

 

一緒に行くと聞かなかったが僕と一誠は彼女を連れて歩くどうなるか簡単に想像できた。

 

何でも彼女は恐がりらし危険を感じると日本刀を振り回し身を守るらしい。

 

客観的に見よう。夜道で鎧武者が不気味に泣きながら刀を振り回す。

 

逃げるか気絶の二択だね!

 

ニュースで「昨夜、鎧武者が刀を振り回し通行人を通り魔!現代に甦った落ち武者か?悪質な辻斬りか?」

 

僕たちも共犯扱いになりパトカーに追い回される光景しか見えなかった。

 

そんな時にニュース速報でこの近くで彷徨う甲冑騎士が目撃されたらしい。

 

それを怖がったのでここは悪魔が護衛するということにしてもらい一誠と留守番してもらい僕一人で行くことになった。

 

正直僕もホラーとか苦手で夜の学校とか苦手だけどこのまま逃亡犯ルート確定よりは格段にマシだ!

 

何より残った方が刀振り回す鎧武者外人少女と二人きりの方が危険だからラッキーだと思っていた。

 

この時、僕はどっちを選んでも地獄だと言うことにまだ気づいていなかった・・・。

 

大学にてスーザンさんのノートを見つけ確認の連絡して後は戻るだけなのだが、教室を出たところでガシャンガシャンと階段の方から音がした。

 

とりあえずろくな事が無いと判断して反対側の階段から急いでかつ静かに降りていく。

 

上手くやり過ごし校舎をでてこのまま帰ろうとした時だった。後ろから凄まじい音が聞こえた!

 

振りむくとそこには右手に円錐型のランス、左手に盾、腰に西洋剣らしいものが見える。

 

頭部がフルフェイスの鉄兜と西洋の甲冑で全身をかためた騎士がいた。

 

……ここは中世のヨーロッパかな?しかもこの鎧も武器もスーザンさんと同じ”気配”を感じる……。

 

とりあえず逃げるか?あの格好なら僕の方が速いだろう。そう思い全力で逃げると後ろから笛の音が聞こえた。

 

すると何か足音が聞こえてきた!見ると世紀末覇王的な黒い巨馬がどこからか現れた。

 

それに素早く乗ると追いかけてきた!速い!下手な車より断然速い!!

 

「ス……ンノ……カ……セ~、オ……イ……ナ……ダ~?」

 

断片しか聞き取れないがとりあえず言葉が通じる相手じゃない。

 

大学に入り口に先回りされたしとりあえず逃走は不可。

 

何よりもし町中に逃げて部外者を巻き込むわけにはいかないのでそれもできない。

 

よく分からないが相手から強い敵意を感じるので戦いを避けられそうにないね。

 

身の危険を感じてか右腕に黒い籠手の神器が出現する。

 

ただ、困ったことがある。スーザンの件もあり、魔物でなく相手が鎧マニアの人間がある以上命を奪うわけにはいかない!

 

そしてもう一つ周囲の物を壊すわけにはいかない。損害賠償すごいし人に迷惑をかけてはいけない。

 

最後にこの鎧を警察が捜している。

 

これらの事から籠手から放つことができる流動性の高い爆炎や爆煙を使うわけにいかない。

 

そんなことしたらこっちが放火魔として御用になる!

 

そんなわけでぶっちゃけピンチである。スピードは向こうの方が上。

 

そのうえ長時間戦うと僕まで逃亡生活することになる。

 

つまり短期決戦でその上相手に致命傷与えずに勝つ必要がある。きついなあ……。帰りたい……。

 

内心愚痴っているとランスを持って突っ込んでくる騎士。フリードより強そうだ・・・。

 

アレが本物か模擬かはまだ不明だがあんな鋭利なもの馬で突っ込んでくる時点で生身の人間にはひとたまりも無いだろう!!

 

想像以上の速度で突っ込んできたランスにぶつかり槍ごと完全に体が宙に浮く!

 

勝利を確信していたであろう騎士だが、違和感に気付き槍の先端にいる俺を見る。

 

そこには槍で突き刺したと思っていた俺が実は受け止めていた!

 

驚いた気配を感じたがそれを無視して体重を掛けて無理矢理、地面に降りると逆に槍と馬ごと持ち上げ地面に叩きつけた!!

 

ダメージはあったようがそれでも起き上がろうとする相手に俺はある本で教わった鎧の相手に有効な攻撃を試してみた。

 

起き上がろうとしている相手に膝かっくんする。まだ落下のダメージもあったので驚くほど効果があった!

 

なおも起き上がろうとする相手の後頭部を踏みつける!!

 

……完全に気を失った。いや~、重装備の相手にはシャレにならないダメージになるからと説明あったけど後遺症もなさそうだ。

 

神器も消え危険が無いようなので警察に通報しその場を離れる。

 

でも、今回不意打ちに近い形で勝ったけどあれ、ちゃんとやったら勝てたか正直自信が全く無い。

 

何でノート取りに来ただけでこんな目に遭わないといけないんだろう?

 

僕が無事戻ると一誠が疲れた表情をしていた。何でもニュースを聞いて以降物音とかにびびって刀を振り回して大変だったそうだ。

 

ちなみにあの刀が本物だと分かり凄いびびっていた。

 

……いつからこの町はこんなに物騒になったんだろう。あの鎧も結局警察に捕まらず逃げたみたいだし。

 

とりあえず報酬であるお城の模型はすでに部室に転送している。

 

帰ろうとする僕たちにスーザンさんがさらにお願いしてきた。不安だから朝になるまで一緒にいてほしいのと好きな人がいるから力を貸して欲しいと言う。

 

僕たちでは力になれそうに無いから断ろうと思ったけど、手に持つ刀を見て従うことにした。

 

告白したいらしいけど直接は無理だろうね。いきなり鎧はハードルが高すぎる。

 

ここは古き良き伝統ということでラブレターにしようと僕が言い、それに決定した。

 

しかし、まさかの書道スタイル。しかも墨汁じゃなくて正式に硯で墨をするタイプ。

 

少し想像してみて欲しい。深夜行灯の明かりに照らされた鎧武者が墨をする姿を。

 

どう見ても怪奇現象じゃねえか!怨念が目に見えるようで怖いわ!とツッコミたい!

 

だが、相手は刀を振り回す危険人物。そんなことしたらこっちが斬られる!

 

力に屈する情けない僕を許して欲しい……。

 

その後色々間違った日本観を修正しつつも部長達女子に連絡とりつつ何とか現代風の言葉で修正しラブレターが完成する。

 

 

それを矢文で送ろうとするから刑務所に入りたくないので僕が直接届けることにした。

 

今にして思えば僕の不幸は終わっていなかった・・・。

 

とりあえず、堀井という人に手紙を渡すべく彼のアパートへ行き無事ポストに入れミッションコンプリート。

 

後は数日後の告白する当日に付添人をするだけだね。さて、帰るかと帰宅途中の人通りの少ない河原沿いを歩いている時背後から馬の鳴き声と足音が聞こえる……。

 

このパターン、まさか!?咄嗟に左に避けて草むらに落ちる。

 

すると、さっきまでいた僕の場所に何かが猛スピードで通り抜ける。

 

慌てて見るとそこにはあの鎧騎士がいた。

 

<ドラクエのエンカウントBGMを思い浮かべてください>

 

<鎧騎士が現れた!>  <剣吾は逃げ出した!!>

 

<しかし、回り込まれてしまった!!> やっぱり逃げられないか。

 

くそう、警察に捕まればいいものを!何のつもりか知らないが完全に僕の事を敵と認識しているみたいだ!

 

神器が出現して再戦になるがまた、同じ方法が通用するわけがない!

 

向こうも槍を不要に使って昨日と同じミスは犯さないだろう。

 

そろそろ皆様が起きてくる時間帯。迷惑をかけるわけにもいかない!勝つの厳しいならここは……と思っていると騎士が突っ込んでくる。

 

昨日と同じように突っ込むかと思えば投げてきた!! なんつー豪腕!!っていうか危な!!

 

必死に躱すと馬から飛び蹴りをしてきてもろにくらった!! ……っイッター!!

 

そのままの勢いでRPGにでてききそうな西洋剣を腰から抜き切りつけてきた!!完全なる辻斬りじゃねえか!!

 

何とか躱したり、籠手でガードしながら攻撃を防ぐ。こっちも反撃しようとしたら後ろから馬に蹴られた!!

 

身体が飛び川辺付近まだ飛ばされる!その隙に騎士は再び馬に跨がり、ランスを取り向かってくる!!

 

その突進になすすべなく川の中に落ちる!!

 

……きっと、騎士はいつまでも浮上してこないことにきっと疑問に思っているだろうな?

 

そう、僕は現在川底付近を流れに逆らって泳いでいる!!

 

この神器を手にしてから泳ぎが上手くなり水中でも呼吸できるので水中での活動が得意になった。

 

いつか水中戦で役に立つかもと部長とかも褒めてくれた。

 

でも、今回は逃げるが勝ち!!相手が人間なら殺すのに抵抗あるし本格的に戦うなら応援を頼んだ方がいい。

 

ちなみに今回頼まなかったのはなぜか通信が繋がんなかったから。だから悪魔とかの関係者かもしれないというのでできるだけ戦いを避けた。

 

それこそ、無関係の人が巻き込まれるなら最悪殺してでもとめるけど現時点でどそこまでしなくて大丈夫だろう。

 

何でか分かんないけど闇雲に傷つけるヤツではないと確信できる。

 

……じゃあ、何で僕に襲いかかったのかと聞かれると困るけど。

 

そう思いながらスーザン宅に無事戻る。ずぶ濡れの姿を見たスーザンが驚いて斬りかかってきたけどとりあえず無事に終えることができた。

 

そして告白当日、公園に本陣が展開してあった。

 

何かの家紋を刺繍してある幕とのぼりが多数設置していてその中央に鎧を着込んだスーザンが椅子に腰掛けていた・・・。

 

……これを見て愛の告白だと分かる人はエスパーだな。

 

良くて映画や時代劇の撮影、普通は完全に危ない不審者だな。

 

さっきからその場から足を速めて去る親子連れ、若しくは時代劇が始まると楽しみにしているお年寄りと様々な反応をしている。

 

僕と一誠もその関係者だと思われるのか……。嫌だなあ……。

 

「来るのが遅いですね。やはり矢文の方が良かったのでは?」というスーザンに

 

「傷害事件になるのでやめてください!僕が様子を見てきますよ。」と言う。

 

「ところでその堀井君ってどんな外見をしていますか?」と聞いていると

 

「そこのストーカー!!スーザンさんに近づくな!!」という言葉と共に馬の蹄が聞こえる……ってまたか!

 

そこに現れたのはこれで三回目の鎧騎士! いい加減にしろ!! さすがにガマンの限界だ!!

 

「こっちの台詞だ、不審者!!こうなったら手足の骨へし折って警察につきだしてやる!!」

 

と俺は三度目の戦いを開始した!!流石に三度目は多すぎる!!

 

ここで決着をつけてやる!!

 

相手がまた突進してきた!!今までより速い!おれはランスを掴むと足に力を入れ必死に踏みとどまる!!

 

靴が擦れ地面には引きずられた二本の線がくっきり跡に残ったがそれでも吹き飛ばされずにすんだ。

 

それを見た騎士が素早くランスから手を離し馬から飛び降りながら腰の剣を抜刀してきた!!

 

それを奪ったランスで防ぎながら相手を押し返す。

 

ランスを振り回し絶対間違っているであろう鈍器として使用している。

 

殺すわけに行かないし、仮にこれで気絶してくれたら儲けもの。ランスが壊れても一切こっちは困んないから一石二鳥!

 

互いの剣劇を見て映画の殺陣だと思ったのか見物人から拍手と歓声が上がる。それに応えるようかの如くさらにヒートアップしていくその時だった。

 

少し呆然とした様子だったスーザンさんが「……堀井君?」と言ったのは。

 

……堀井君、ああ、スーザンの思い人。……この鎧も堀井君?同姓同名かな?

 

脳が言葉を理解していくと思わずこう叫んだ!!

 

「いくら人が見た目じゃ無いからってこんな不審者のどこがいいだ!!っていうか人種考えたら格好逆の方が自然じゃ無いか!?」

 

鎧騎士、否堀井君にタックルされたがこれは甘んじて受け入れた。

 

話を聞くとあの日実は堀井君もスーザンさんに気があり、密かに手紙を渡そうとしていた。

 

そこに深夜、彼女の席で何やら妖しい男つまり僕がいたので懲らしめようと思い制裁すべく挑んで来たという事だそうだ。

 

マンションの近くで会ったのは何のこと無い自宅に戻るから。ちなみに馬は馬術部にも所属していてそこで一番のボスが愛馬らしいよ。

 

嘘か本当か分かんないけど北海道に遠征に言った際ヒグマに襲われたが返り討ちにしたこともあるらしい。

 

そんなコメントしていたら堀井君が緊張した雰囲気を持ちスーザンに向かっていく……。

 

告白の答えを言う恋愛の一大場面のはずなのにどうみても東西鎧剣士の決闘しに行くようにしか見えない!!

 

「……あ、あのスーザンさんっ!!お、お手紙読ませて頂きました!!」

 

「じ、実は僕もスーザンさんの事が前から気になっており、手紙を渡そうと思っていましたが、何週間もだすことができませんでした!!」

 

「本来こちらからやらねばならないのに大変申し訳ない!日本男子として恥ずかしい!!」

 

「その上で言わせて頂きます!ぼ、僕何かで良ければお付き合いしてください!」

 

おお、良い返事!!そうか、両思いだったんだ……。

 

日本男子なら西洋より和風の格好しろよとかお付き合いよりお突き合いの方が似合っているとかいうツッコミは無しにしよう・・・。

 

「ほ、堀井君……。」と泣き声のスーザン。

 

それを抱きしめる堀井君。……感動的場面何だろうか?

 

映画撮影と勘違いしていつの間にか集まった多くの見物人が「頑張れよー!!」「よくやったー!!」

 

と老若男女から祝福の言葉と拍手が鳴り響いている・・・。中には感動で泣いている人もいる・・・。

 

僕たちの感性がおかしいのかなあ……?

 

二人が手を繋いで去ろうとしたので僕は勇気を持って声を掛けた。

 

「……あの~変なことを聞きますが、最初会った時からずっと気になっていたんですけどひょっとしてお二人の鎧や武器って……生きてます?」

 

そう、何か気配を感じるのだ!!まるで物そのものに意志があるようにすると二人は

 

「「そうなんですよ。この子達は日本で言う所の付喪神とでもいう存在で自我があるんですよ。」

 

「いつも力を貸してくれるんです!!」」と異口同音で言う。

 

『付喪神』 それは簡単に言うと古い物が妖怪に変化した物。興味ある人はネットや本で調べてみよう!

 

それを聞くと僕は迷わず部長に連絡しようとする。

 

「どうしたんですか?」と聞くスーザンに「いや除霊して貰おうと思って」と答える。

 

「悪い子じゃ無いです!!やめてください!!」と言う堀井君!!

 

それに対し僕は「夜中に公共の場に重武装している人間がいっても信じられない!」と強い口調で言い

 

「100歩譲って博物館や神社とかに展示だろうが!!」と揉める。

 

神器が使いこなせたらそのまま壊すのだが現在危険は無いと判断したみたいで一切力を貸してくれない。

 

何とかして脱がせようとした僕と鎧カップルの攻防を一誠はあきれて見ていた……。

 

そんなドタバタがあった後、部長達も来てお墨付きを貰ったのでここで終わることにした。

 

あれから数日たったがどうやら、スーザンさんと堀井君はどうやら上手くやっているらしい。

 

先日、うちのテレビに<怪奇!夜中に彷徨う鎧武者と甲冑騎士、怨霊に怯える恐怖の街>ってあった。

 

夜のデートはあるだけやめろと言ったのに……。

 

ちなみにあの二人、部長が注目していてそこから悪魔達から眷属へのオファーが絶えないらしい……。

 

大変だなあ。何て考えながら僕は部室の扉を開ける!

 

そしたら、部長と一誠が何やら向き合っていたが部長が残念ここまでね。と言って離れ部室から出て行く。

 

そしたら、一誠が僕に殴りかかってきた!?

 

「お前のせいで部長の胸を触れなかったじゃないか」と泣き叫ぶってそれで気合い入ってたの?

 

部長を始め他のオカルト部が生徒会での用事がおわる15分間くだらない追いかけっこをする羽目になった。

 

余談だが、その後ご褒美として部長に抱きしめられるとあっという間に一誠の機嫌が直った。

 

本当に単純でいいね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ハイスクールDXDって使い捨てやゲストだと思っていたキャラが思わぬところで復活するので侮れないですよね。

スーザン、堀井もいつか再登場して欲しいという願いを込めました。

基本章ごとに次章の予告やって+αで外伝を1、2作品する感じになると思います。

ちなみ一章ごとの長さはノリで決めるのでバラバラになると思います。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

ハイスクールDXD 巨獣の目覚め 第二章 戦闘校舎のフェニックス編
第二章 戦闘校舎のフェニックス編 1


新章開始します。今からレーティング・ゲーム如何に原作コピーしないよう回避するか悩んでいます。


「ごめん、一誠……僕にはどうすることもできないんだ……ごめんね」

 

そう言いながら僕は涙を流しながらその場後にする……。

 

「剣吾、俺を見捨てる気か!……行かないでくれ!剣吾!!」と一誠が泣き叫ぶ声が響き渡る。

 

なぜ、こんな事になったんだろう?話はアーちゃんいやアーシアさんが僕たちの家に住むことになった時まで遡ろう!

 

アーシアさんが堕天使とのトラブルが片付きとりあえず2日間部長が面倒みていたけど日本の文化、生活になれるにはその家に住むのが一番!

 

眷属で誰と一緒になりたいか聞かれイッセーと答えたのでただいま両親と交渉中。

 

そして僕、中島剣吾は父さんが部長とアーシアさん外国人の美少女にお父様と呼ばれて感無量になっているのを母さんが突っ込むのを一誠の隣で共に見ていた。

 

交渉は部長がしている。何か、この家の主人である両親よりも決定権があるように見える。

 

父さんが我に返ると「ホームステイするには家には二人男子がいる。」と言い

 

「剣吾はまず大丈夫だろうが一誠という性欲の権化がいる。何かあってからでは責任が取れない!」

 

「そうよ。こんな可愛いお嬢さんだもん。剣吾、あなたも何で反対しないの?間違いなく一誠に襲われるわよ!」と母さんも言う。

 

「まあ、確かに普段ならそっちの言うとおりだが今回はちょっと事情が違うんだ。」と僕は言う。

 

一誠に背中を蹴飛ばされたが無視して続ける。

 

ねつ造込みで一誠がアーシアさんの命の恩人だということを伝えた。

 

アーシアさんが一生懸命、一誠の事を褒めてくれるのを両親が満更でも無い様子でうれしそうに聞いていた。

 

「さらに花嫁修業、この家の娘になるとしたらどう思いますか?」と部長が言う。

 

「「「花嫁?」」」両親だけで無くこれには僕と一誠もハモる!!

 

すると父さんの目から大量の涙が流れ嗚咽が混じりながら言った。

 

「一誠がこんなのだから父さん老後もお前の心配しながら生活しないといけない思っていたよ。剣吾はともかくお前の子どもを見ることはできないと思っていた。」

 

「母さんも一誠がとんだ馬鹿息子に育ってしまってタイムマシンがあったらやり直したいと何度思ったか」と母さんも泣きながら言った。

 

ついでにエロ関係の隠し場所が両親にバレていることが分かって一誠がショックを受けていた。

 

これには内心僕も動揺した。隠し事筒抜けなのかなあ?ちょっと困るなあ……。

 

二人がアーシアさんの手を取る。

 

「アーシアさん、こんな馬鹿でダメ息子ですがよろしくお願いできるかい?」

 

「そんな・・・、イッセーさんはダメでも馬鹿でも無いですよ。とても素敵な……私の大好きな人です。」とちょっと頬を赤くしながら言った。

 

イッセーは真意に気付いて無いぽいけど……。

 

両親は泣きながら喜び「喜んで我が家にお引き取りします!!」と答えた。

 

「んじゃ、僕の義妹になるね。親しみを込めてアーちゃんって呼んで良い?」って僕が言う。

 

「はい、私は兄様と呼べば良いですか?」ときいたので「同い年だから別にいいよ。好きに呼んでくれて構わないよ。」

 

アーちゃんの耳元で声を潜めて「それに今は義妹だけど義姉さんと呼ぶことになりそうだからね。」

 

「後、一誠には許可しないでね。将来の旦那には呼び捨ての方がうれしいでしょ。」と言うと顔を真っ赤にしながらはい!と返事した。

 

「でも、ご迷惑じゃ無いですか……?」と不安そうに言うと

 

「大丈夫!少なくても一誠より絶対問題を犯さないから!!安心して良いよ!」と僕が言うと両親が力強く賛同し歓迎した。

 

一誠に後頭部を蹴られたが、そんなのは無視!

 

「ただ、一誠も学生だからちゃんと職を見つけるまで大人の階段登っちゃだめだよ。父さん、母さんも孫の顔みたいだろうけど我慢してね。」と言う。

 

「おい、何言ってんだ!!」と抗議する一誠を余所に僕は両親に目で合図しアーちゃんと部長の対応を母さんに任せ父さんと一緒に奥の部屋に一誠を無理矢理連れて行く。

 

「一誠、ここが正念場だ。このチャンスを逃すな!」

 

「アーシアさんは実の子ども以上に大切にする。いいか、絶対に大切にしろよ!もし不幸にしたら迷わず叩きのめす!!」

 

と父さんが目が据わった顔で言い、一誠がびびりながら必死で頷いた。

 

こうして僕たちは家族になった。

 

今思えば部長ちょっと淋しそうにしていた気がする……。

 

そして、時間は第一章 旧校舎のディアボロス編 終章まで進めよう。

 

一誠のサプライズに成功した僕たちは学校始まる前に一緒に行こうとしたので呼び止め今後の説明をした。

 

黒板に「第一回、一誠とアーちゃんが一緒に暮らしていると知ったら学校はどうなるか!」

 

「アーちゃんは見ての通り美少女で性格も良い。確実に新しいアイドルになるだろう!」

 

「そんなアーちゃんとトラブルメーカーである一誠が同居している。さて、どうなるかな?」

 

「それが何かまずいんですか?」とアーちゃんが言う。

 

「君は問題ない。一誠が危ないんだ。君は知るはずが無いが一誠は情けないトラブルを犯しまくっていてね。」

 

「そんな彼が突然、一緒に美少女と同居で仲良くしている。男女問わず嫉妬もしくは君を守る為に本気で命を奪いに来る可能性が極めて高い!!」

 

一誠、アーちゃん、オカルト部一同が「いや、そんな事には」

 

「ならないと思うか?一誠、君のこれまでの所行思い返してご覧……。」と僕が言い

 

「本当にただの誇張した妄想だといえるのか……?」と聞くと一誠も黙りこくった。

 

「だから、一緒に暮らしているのは秘密!一誠の事が大事なら良いね!」と言い同意させた。

 

その日の転校初日から予想通りいやそれ以上に大人気になった。

 

年上下男女関係無くあっという間に話題騒然になった。

 

流石に一誠や僕と仲良くするなとは言えないから転校前に助けてくれたということで親しくなったことだけは公言している。

 

アーちゃんに告白した奴がもう三桁は超えるが全員ソッコーで撃沈した。好きな人がいると言うがそれが誰だか少し様子を見れば分かる。

 

そんなわけで周囲から嫉妬や憎悪、好奇の視線が一誠に絶えない!

 

秘密にして正解だな……。今も松田君、元浜君がアーちゃんがいないすきに一誠に涙を流しながら襲いかかっている!

 

今は素手だが、この事実を知られたらどのぐらい殺傷力がランクアップするのか今から恐ろしい……。

 

せめて一学期、それが終わる頃には喋ってもいい状態になっているはずだ!僕はそれまで何とか無事に終わることを強く願っていた!

 

だが、分かるだろう。世の中自分にとって不都合な事ほど容易に起こるということを……。

 

転校から一週間がたったその日は僕は一誠やアーちゃんと別行動していた。

 

というのもクラスメイトの滝川義人(たきがわ よしと)が遠方の方である講義を行うのでその準備を手伝っている。ちなみに彼にはアーちゃんとの同居を教えている。

 

色々、お世話になっているしうちのクラスいや学校の長老ポジションで揉めていても彼の言葉には皆従う。

 

ちなみに頭が凄く良く時々大学や企業などで講義を行えるほど。学校もこれを公欠扱いで公認している。

 

本当なら高校に行かなくても良いんだけどどうやら周囲の人が同い年の子どもと過ごす時間をつくりたいと言うことで半ば強引に通うことなったらしい。

 

本人は楽しそうだから気にしていないみたいだけど。

 

手先が器用で機械の修理やパソコンのセキュリティなど彼一人でできるレベル。

 

以前、先生の車が調子悪いからあっという間に直してしまった。しかも取り替えるパーツを適当なガラクタから取り出し、技術室で加工して元に戻すという。

 

かなりのハイスペック男子。「すまないね。手伝って貰って!」

 

「いいんですよ。滝川さん。僕たちはいつも迷惑を掛けていますからこのくらいお安いご用です。」と言いながら何の機材かよく分からない物をトラックに運ぶ。

 

「それでは、いってらっしゃい!」「ああ、行ってくるよ!そう言えばアーシアさんとはどうだい?」

 

「学校では桐生さんが中心に女子とも仲良くしているし、家でも仲良くやっていますよ。」と荷物を運びながら言う。

 

「一誠も浮かれています。毎日がパラダイスですよ。後はいつばらすかというタイミングですね……。」

 

「慎重にした方がいいが、長すぎても危険だよ。頃合いを見ることが大切だね。今回は命に関わりそうだ……。」と滝川さんも深刻に言う。

 

「まあ、私も抑えるけど気をつけるんだよ。」とアドバイスをすると助手席に座り出発した。

 

さて、急がないと!学校に自転車を走らせると何か空気が違うことが分かった。何だ、何が違う?

 

それは教室に近づく度に強くなっていく。そして扉を開けるとはっきり分かった。

 

そうか……これは……殺気だ……!!

 

顔を赤くして照れるアーちゃんに周囲の殺気に気付いていないのか調子の乗りまくっている一誠。

 

そして男女問わず凄まじい圧を感じる……。ニュータイプでも厳しいだろうなこの圧に耐えるのは。

 

僕はこっそり目立たないように平時のままでいる桐生さんに声かけ状況を聞く。

 

何でも一誠の馬鹿がアーちゃんとの登校にテンションが上がり、学校まで一緒に自転車に乗り登校した。

 

アーちゃんもずっと一緒に登校したかったから喜んでいた。

 

それを当然多くの生徒が見ていたので問い詰められるとアーちゃんが一緒に住んでいると教え、一誠も朝起こして貰ったり手作り料理を食べたなど自慢しこのような状況になった。

 

「け~ん~ご君、説明してくれるかなあ・・・?」と松田君、元浜君を初めクラスメイトの怖い笑顔があった。今ならホラー映画見ても怖くないかも知れない……。

 

それぐらいの迫力だった!!そこで僕は言う。

 

「今日の日直滝川さんだったけどいないから代わりに僕が引き受けよう。アーちゃんもどんなものか一緒に見て覚えれば良いよ。」と声を掛ける。

 

「はい、分かりました。」「じゃあ、準備があるから先に階段降りて1階でちょっと待ってて!!」と伝えると素直に教室から出て行く。

 

透かさず「こんな馬鹿でもアーちゃんにとっても大事な人なんです!何とか認めて欲しい。しかし、君たちの今ある負の感情もため込むのは危険。」そこで一息つくと

 

「そこでどうだろう、アーちゃんが戻るまで一誠のリンチを許可する。アーちゃんが戻ってくるまで一誠はガードか回避しかしない。それで手を打ってほしい。」

 

「おい!何言ってんだ!」と一誠が文句を言うが

 

「これが一番平和なんだよ!考えてもみたまえ。学園のアイドルが君みたいな犯罪者予備軍と付き合うなんて止めない方が可笑しい!」だからと続け

 

「それを許すのにはき出す空気穴が必要なんだ!たった10分程度ですむんだ。安いもんだろ?」

 

無理矢理説得させた。すると皆が何かを取り出した。

 

……ここはいつから殺し屋教室になったのかな?

 

ボーガンにどう見てもお前らどこに収納していたんだと聞きたくなるような巨大な銃器や刀剣等がある。

 

銃刀法に触れるし、きっとエアガンや模擬刀だねきっと!!いやあ、多趣味でいいねえ~。

 

「じゃあ、僕は行くから皆さんお元気で。」「ちょっと待て……!」と一誠が押し殺した声で僕の肩をものすごい力で掴む。

 

僕は気づかないふりしつつ教室の扉に手をかけながら「さて急がないとアーちゃん心配するなあ」と話ながら力を込めて離そうとする。

 

それに対し一誠は「楽しい時は2倍に苦しい時は半分に。兄弟力を合わせて生きていこうという約束はどうした」

 

「いつまでも一緒にはいられない!もう自立の時だよ!」といいながら力一杯お互い引っ張り合う。

 

「一人で不幸になるのは嫌だから一緒に地獄に行こうと言ってんだよ!」と叫ぶ一誠に対し

 

「巻き込まれたくないから一人で死んで!って言っているんだよ!」と僕は言う。

 

そして、冒頭に戻る。何とか振りほどき「ごめんね。」と泣きながら後にする。

 

「薄情者ー!!いやあー、やめろー!!」という絶叫が聞こえたが無視する。

 

そして日直の役目を終え、教室に戻る時僕がまず教室の様子を見る。

 

何だ大丈夫じゃないか……。一誠も怪我をしてないし、どこも壊れていない……。

 

何か疲れた表情をしているけど

 

惨劇を想像したがどうやらたいしたことないらしい……。一誠も無事だし何か壊れた後もない。

 

「大丈夫そうで安心したよ。」と言うと「本気で死ぬかと思った……。」

 

「どこも壊れたないじゃん!」っていうと一誠はある壁を指さした。

 

よ~く見ると周囲と色が僅かに違う……。まさか、あの短時間で壊した物を直した言うのか……。

 

「将来大工として大成しそうだね~」「そこじゃねえだろ!!」と頭を机に叩きつけられた。

 

その日の昼休みは全学年参加の強制鬼ごっこをする羽目になり一誠には散々な一日になった。

 

だがこれでアーちゃんとの同居の不満も大分軽減されたようだから怪我の功名だね。

 

その日の夜、一誠とアーちゃんは自転車に2人乗りでチラシを配っている。

 

ついでに近所を色々案内しているみたい。しかし、自転車だけどまるでローマの休日みたいだね。

 

いやあ、羨ましい!!本当は今日僕が一緒になるつもりだったんだけどお詫びも込めて変わって良かった。

 

夜のデートを終えた2人は部室に戻るとアーちゃんの悪魔デビューである。

 

心配だから僕がついていくつもりだったがこのまま一誠について行ってもらった。

 

こうしてその日の依頼は無事終わりで皆帰ろることになった。

 

……何か最近、部長が考え事していることが多い。確か、アーちゃんを家に連れてきた時からだ。

 

何かあったのかなあ?っと思っていると新たな依頼が来た。

 

何でも母親の形見である指輪を海で無くしてしまったから探して欲しいとのこと。

 

朱乃さんと転移してもらい、水深50メートルに沈んでいる指輪を見つけ依頼人渡し任務を終える。

 

帰ろうとすると、海上で船が炎上し海難事故があったのでその救助をした。

 

その日は風が強く、海も荒れていたので助けに船もヘリも出せないと騒いでいたので放っておけなかった。

 

幸い、炎にも荒波にも強く呼吸もできるので、救助用の酸素ボンベだけどいいので10名以上の船員、乗客全員無事救助だけで無く、船の消火もでき船体の被害も最小限ですんだ。

 

面倒に巻き込まれるのはごめんだったのでさっさと転移して戻った。気づけばすっかり日付が変わっていた……。

 

余談だがこの日の出来事がニュースに流れると[救助したのは船の精霊か?奇跡の救出!!]

 

[救世主は船幽霊?]など様々な憶測が流れたのは別の話……。

 

徹夜になったか、眠いなあと思いながら素早く家に帰るとご飯と授業の準備だけして家をでる。

 

一誠とアーちゃんとは会えなかったけど宿題を学校でやらないとまずいから急いで登校し済ませる。

 

少しでも眠るかと思い仮眠していると松田君と元浜君がいきり立って登校した。

 

「珍しいねえ。こんな時間に登校なんて?どうしたの?」「「一誠はどうした!!」」

 

「……何があったの?」話を聞くと昨日の昼休みに全校鬼ごっこの際、最初は2人とも追いかけていたんだけど途中から一誠を匿い、助けた。

 

その理由は一誠が美少女と知り合いが多いと思い紹介して欲しいというものだった。

 

で、一誠は”乙女”を紹介した。2人でドキドキ期待に胸を膨らませ行ってみたらそこにはいたのは何とミルたん!

 

ミルたん、それは世紀末覇王ばりのガタイがいい漢が猫耳ゴスロリを愛用している漢の娘!

 

訳がわかんないと思うだろうがその通りだから仕方が無い。ちなみに僕たちの恩人でもあるよ。

 

しかし、ミルたんを紹介するとは流石に反則もいいところだ。それはひどい。

 

しかも、似たようなのお友だちが複数いるらしい。まじか、流石に初見だと精神が持たないかも知れない……。

 

そう考えると今知って良かっただろうね。いきなりはきつい。これで心の準備ができた。

 

『魔法世界セラビニア』とか邪悪な生命体『ダークリーチャー』の対処方法とかの説明を聞いたらしい。

 

……案外、本当にあるかも知れないね。ミルたん異世界から来た方が説得力がある気がする。

 

何か悩んでいる様子の一誠が僕に話しかけようとしたが2人がクロスボンバーをしながら昨日の不満を言う。

 

その後も相談しようとするが、タイミングが合わなかったので放課後話そうと言う。

 

放課後、すぐ部室に行こうとするが先生に頼まれ生徒会に提出物を持って行き、支取 蒼那(しとり そうな)生徒会長に提出する。

 

するとオカルト部に持って行って欲しい書類があるのでそれを引き受ける。

 

近くで見るのは初めてだ。支取生徒会長はスレンダーな体型で、日本人離れした美貌を持つ黒髪の少女で女子から高い人気を誇る。

 

冷静な雰囲気と眼鏡が良いと言っていたな。「どうかしましたか?私の顔に何か付いていますか?」と聞かれ思わず見つめていたことに気がついた。

 

「てめー、会長を何見つめているんだ?」と言うのは生徒会書記の男子確か名前は匙 元士郎(さじ げんしろう)だっけ?僕と同学年のはずだ?

 

「すいません、つかぬ事を聞きますがうちの部長と従姉とかだったりしますか?何か似た雰囲気を感じまして。」

と言うとちょっとびっくりしたような表情をした。

 

変な事聞いたかなあと思い、慌てて謝って退出した。悪魔に縄張りがあるみたいだし複数いるわけ無いか!

 

そう思いながら旧校舎に急ぐ。剣吾が去った生徒会室で蒼那は厳しい顔をしていた。

 

「あの様子だとリアスや他の部員から詳しい事を聞いていない……。にも関わらず、気がついた?」

 

「謎の神器を宿してから運動神経も上がっているし、彼に何が起こっているのか私の方でも調べた方が良さそうね。……」と呟く。

 

「いっそのこと締めますか?」と匙が言うが「馬鹿言わないの。彼が別に問題起こしてないわよ。見守りましょう。」と言う。

 

「でも、私の事を知らないって事はおそらく、彼の事も知らないわよね。余計なトラブルに巻き込まれ無ければ良いけど。」

 

オカルト部の近くに来た僕は聞き覚えが無い声と部長の声が聞こえてきた。

 

友人か依頼人とかかなあと思いながら部室を開けた途端風で書類が窓の方に飛んでいく。

 

慌てて追いかけてキャッチしたところで突然、両側から衝撃を受けた様な気がした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




まさか、ライザーもグレイフィアもだすこと無く終わるとは全く想像していませんでした。
学校の雰囲気はフルメタやバカテスをモデルにしています。

後の展開上部長の夜這いを知らない方がいいということでほぼ徹夜で作業して貰うことにしました。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第二章 戦闘校舎のフェニックス編2

剣吾のオカルト部ひいては悪魔とのつきあいにどう思っているか書かれます


今何があったんだ?俺、剣吾は少しむせ込みながら手にした書類を見て無事なのを確認する。

 

神器がでているからどうやら攻撃を受けたらしい。

 

「ご無事ですか?」と目の前を見れば綺麗な銀髪をしたお姉さんがいた。

 

よく見るとメイド服を着ている……?メイド喫茶の人が依頼人なのか?「ええ、大丈夫です。」

 

「剣吾、大丈夫!?」と部長の声がしたので後ろを見ると部長と反対側にホストぽいイケメンがいた。

 

もう危険がないと判断したのか神器も消えた。

 

どうやら、何が原因か分からないけどこの2人が喧嘩して攻撃したところを僕がつっこんで攻撃を受けて今に至るというところか?

 

心配しているオカルト部に「大した攻撃じゃ無いから平気だよ。」と言う。

 

その言った瞬間、何故か怒りを感じた気がするが気のせいだろう。

 

「とりあえず、状況教えてもらっていいですか?」と聞くと一誠が話し始める。

 

話は昨夜に遡る。一誠のところに部長が夜這いに来たって!!

 

それを聞いてアーちゃんが泣き顔で問い詰め、ホストも抗議したがそれを何とか抑えた。

 

もし、2人が暴走しなかったら僕も冷静じゃ無かった。

 

人間自分より余裕が無い人間を見ると冷静になるって本当だったんだね。

 

そこに銀髪メイド、グレイフィアさんが乱入して止めに入った。

 

だから何も間違いは起きなかったみたいだ。どことなくその場にいた全員が安心した表情をした。

 

でそのまま二人して朱乃も同伴して部長の自宅に戻ったらしい。

 

そのことを僕に相談したかったんだけど、タイミングが無く話せなかった。

 

オカルト部に行くまでに木場君に聞いていみたら朱乃さんに聞こうと思っていると部室には他のオカルトメンバー以外にグレイフィアさんもいる。

 

昨日の説明しようとしたら、このホストが転移してきたという。

 

彼は何と部長の婚約者と言い、名前はライザー・フェニックス。冥界の名門フェニックス家の三男で当然純血の上級悪魔。

 

何度もグレモリーの血筋を守るためにもお家断絶を防ぐのが目的らしい。で、部長は結婚相手ぐらい自分が好きな人と選ぶと言うことで揉めてお互いに実力行使しようとしたところ、僕がつっこんできたという訳か。

 

そこまで聞いて僕は冷蔵庫にあるお菓子を取り出し、食べ始める。

 

「いや、何か返事しろよ!」と一誠がつっこむと「お腹すいたしちゃんと聞く事は聞くよ。」とジュースを飲みながら返す。

 

「まず、ライザーさんだっけ?随分人の姿に化けるのが得意ですね。」

 

すると朱乃さんが「フェニックスにも2種類いて剣吾君が言うのは炎の翼を持つ不死鳥。一般的にイメージする聖獣であるフェニックス。」

 

「一方こちらは悪魔のフェニックス。区別をつけるために『フェネクス』とも呼んでます。だからあれが本来の姿なんですよ。」と説明する。

 

「……そうなんですか。」「あからさまにがっかりした表情するな!!」とライザーさんに突っ込まれだ。

 

せっかく伝説の不死鳥見られるかもとテンション上がっていたからそりゃ、がっかりするよ。

 

「話はそこじゃねんだろ!部長が」「部長の婚約をどう思うかって事でしょう。」

 

僕はシュークリームを食べながら言う。「正直僕が口を挟む問題じゃ無いね。」

 

「婚姻相手を自分の意志とは別に決められる。これは昔の貴族、王族今でも富豪とか俗に言う上流階級で見られることだね。

 

部長の意志は理解できる。自分自身で好きな相手を見つけて結婚したい。

 

簡単に理解できる。部長の実家の意志も同時に分かる。

 

貴重な純血の血を失いたくないというのは当然だ。

 

「よく政略結婚は悲劇と言われるけどまあ、お見合いしてそこから恋愛感情を持ち、愛を育んだケースだった少なくないみたいだし、要は相性と巡り合わせだよ。

 

世の中男女問わずダメ男、女に引っかかり周囲の反対を聞かずそれで破滅するカップルなんて珍しくないからねえ。」

 

「……どっちの味方だ!!」と一誠が言うと「強いて言うなら正義の味方だね。」と応える。

 

「そもそも、僕はライザーさんの事はもちろん、部長の事だってちゃんと知らない。それなのに良い悪いを判断する資格なんて持っていないよ。」

 

「あんな焼き鳥のどこがいいだ!」と聞かれたので「少なくても顔は君よりいいね。」と言うと首をしめられた。

 

「一誠、人は一面だけで決めつけちゃいけないと僕はよく知っているつもりだよ。一誠、僕は君の義弟何だよ!」

 

そう言われた一誠は説得力を感じたのか力なくひれ伏した。

 

「まあ、真面目な話部長。結婚はいやだと言いましたが、では友人としても関わりたくないぐらい嫌っているんですか?

 

表面上しか分かりませんがおそらく部長のご家族は部長の事を大切にしていると思います。

 

そんなご家族がそこまでダメな人を相手に選ぶとは思わないのですが?

 

彼について僕は詳しくは分かりませんが、女好きで軽い男に思えますが根は悪い人じゃ無いように思えます。

 

さらに言うなら自分で相手を探すなら今まで積極的に探していたんですか?この手の問題は相手につけいる隙を見せた方が悪いですよ。」

 

と言うとオカルト部から声がでなくなった。「ただ、個人的には今回の婚約反対ですね。」

 

さっきまでちょっとうれしそうにしていたライザーさんが何?と言うのを無視して言う。

 

「別に貴女だからというわけじゃ無いよ。部長って確か18歳ですよね?」

 

「そうよ、それがどうしたの?」

 

「悪魔が人間で言う所の18歳ですか?それとも普通に18年間しか生きていないんですか?」

 

「普通に18年前に生まれたのよ。何が言いたいの?」「悪魔は一万年生きるんですよね?」

 

「……それがどうしたの?」「つまり、まだ要約歩き始めた幼子って事でしょう?」

 

「それが結婚だ恋愛だなんてそれこそ文字通り100年早い!もっと色々経験してから恋や愛に興味持つべきだと思いますよ。」

 

俺、兵藤一誠は剣吾の言葉にちょっと衝撃を受けた。剣吾は悪魔は人間とは違う生物と考えていてその寿命にあわせた成長をするべきだと考えている。

 

するとライザーが「中々興味深い意見だが残念ながらそう悠長な事言ってられん。

 

堕天使や天使を始め敵対する者は多い。何より正体不明の敵と遭遇したそうじゃないか?

 

それを無視することはできない。リアスの身が心配なんだ。だからグレモリー家も動いているだ」と言う。

 

「なるほど。一理ありますね。」一誠が文句言うが

 

「一誠、悪いけどこれはグレモリー眷属の問題だよ。部外者の僕があれこれ言うべきじゃ無い!

 

僕にとっては部長は部活の先輩でしか無い。婚約を止めるには関係性が弱すぎる。

 

もちろん、これがDVするような奴とか子どもを道具としかみていないとかだったら協力するけど命も身の危険も無いなら後は君たちの問題だよ。」

 

一誠が何か言おうとしたけど「その通りよ。これは私たちの問題よ。」と部長が肯定する。

 

「とにかく、さっきみたいに暴力はダメだよ。この程度のことでそんな事していたら結婚するにしろ破局するにしろその後上手くいかないよ。」と言いつつ、他のお菓子を探し始まる。

 

するとグレイフィアさんが部長とライザーさんにレーティングゲームでの決着をつけることを提案してきた。

 

レーティングゲームって確か以前聞いた冥界で人気のゲーム。その為に『悪魔の駒』(イーヴィル・ピース)もチェスがモチーフだったはず。

 

ただ、実際にどんなものか正直よく分からない。そうこうしているうちに二人がそれで合意した。

 

何でも本来成熟した悪魔の競技だが、半人前でもできるケースがあるらしい。

 

その大半の理由が身内もしくは御家同士のもめ事の解消だそうだ。

 

ライザーさんは自信満々で言う。自分は何度もゲームを経験しているし、勝ち星が多い。それでもやるのかと?

 

「悪いが君の眷属では俺の可愛い眷属の相手にならんぞ。精々『女王』(クイーン)ぐらいかな?まともに相手になりそうなのは。」

 

と言い指を鳴らすと15名もの眷属と思われる人を転移してきた。

 

15名という事は駒フルで複数使った人はいないという事か……。

 

複数使われた少数の強者と駒一つだけど多数いるチームどっちが厄介何だろうなあって考えている側で一誠が号泣している。

 

理由は簡単。全員美女、美少女それもロリからナイスバディ、服装も着物、チャイナドレス、西洋のドレス、騎士や踊り子とジャンルも幅広い。

 

一誠は今こう思っているだろう。

 

男の夢ハーレムを実現させた上級悪魔ライザー・フェニックス!!何て漢だ!

 

「って心の中を読んでいるじゃねえ!」と一誠が叫ぶとシャイニングウィザードをくらい流石にダウンする。

 

その様子をライザーさんがどん引きしながら言う。

 

「お、おい、リアス……この下僕君が俺を見て大号泣している理由が本当のそうなのか?」

 

部長も困り顔で額に手を当てて言う。

 

「……多分本当よ。その子の夢がハーレムなの。実現したライザーの眷属見て感動したんでしょうね。」

 

「しかし、一誠じゃ無いけど確かに凄い光景ですね。それでいて女子同士の雰囲気も良さそうだから中々の器……。」と僕が感心言うと

 

「お前は誰の味方だ!」と泣き叫びながらコブラツイストをしてくる一誠!

 

そんな様子を見ながらライザーさんは眷属の一人とディープキスをする。

 

そして一誠を見て「お前じゃ、こんなこと一生できまい、下等悪魔君。」と嘲笑する。

 

「俺が心で思っていることをそのまま言うな!」と言うと赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)を左手に纏った。って!?「ちょっと、何考えているの?」

 

一誠のブーステッド・ギアはただの神器(セイクリッド・ギア)じゃない。神滅具(ロンギヌス)と呼ばれる神々にも匹敵するというものだ。

 

まだ、一誠の力が未熟だからってそんな物騒な物をこんなくだらない言い合いで使っていい力じゃ無い!

 

そう焦る僕を余所に「お前みたいな女たらしに部長は任せられん!」「はあ?そんな俺に憧れているんだろ!」

 

と次第に互いにヒートアップしていく。その様子を見て僕は気付く。

 

「ああ、そうか。何でこんなに熱くなるのか思ったら二人とも女好きだから同族嫌悪でいらつくんだなあ……。」

 

っというと二人からドラゴンショットと猛火を浴びせられ、吹っ飛ぶ!

 

アーちゃんが心配して駆け寄ってくれたが神器が出現したことで耐久力があがり体が丈夫なので無事。

 

それより、二人の様子が気になった。にしても反応するってことは内心自覚があるということか……。

 

見ると一誠に向かってミラと呼ばれた長い棍を持った小柄の少女にライザーさんが命令する。

 

ミラさんが攻撃するまでの瞬間に何とか二人の間に割り込んだ!!

 

一誠とミラさんの攻撃を受け止めながら「そこまで!ゲームするんでしょ!決着はそこでつければいい。」二人を見回しながら

 

「大体、こんなしょうもない私怨でケンカって恥ずかしくないのか!」と言う。

 

ふっと気付くと僕たち以外真剣な目をしていた……。

 

どうしたんだろう?一体何か真剣になることあったか?

 

そして、部長が「剣吾、私の眷属になって貰える……?」と聞いてきた。

 

僕は一瞬躊躇したが答えはでてたので答えた。「……はい、良いですよ。」

 

「おい、いいのか?剣吾?」「まあ、ここまで来たら乗りかかった船だよ。」

 

「僕たち三人儀兄妹だし一緒になった方がいいかなあと思っていたし、いい機会だよ。」

 

「それに何だかんだ言ったけどオカルト部皆と付き合いから力になりたいし。」と一誠に向かって言う。

 

そして部長が貴方はきっと『戦車』(ルーク)ね。と『戦車』の駒を取り出した。

 

「我、リアス・グレモリーの名において命ず!汝、中島剣吾よ。今我の下僕になるため悪魔となれ!」

 

「汝、我が『戦車』として新たな生に歓喜せよ!」と言いながら『悪魔の駒』(イーヴィル・ピース)を僕に向かって投げる!

 

『戦車』の駒が赤く輝きながら僕の体に入り込む……!バチン!!大きな音と共に僕にぶつかると駒は弾かれ床に転がった!

 

アレ?皆が驚いていている。「『悪魔の駒』が弾かれるなんて何で?駒的に問題はないはず?」

 

「名前が違うからじゃ無いですか?ほら、中島君正式には兵藤剣吾ですから。」と朱乃さんが言ったので名前を変えたが特に変化は無かった。

 

「おい、どうなっているだ?」と言うライザーさんを尻目に何とか入れようとする皆。

 

「痛い、痛い、イタタタ!!」「……大人しくしてください。」

 

子猫ちゃんが床に寝そべった僕に無理矢理怪力で入れようとするがこれも効果無し。

 

すると一誠が「子猫ちゃんそいつを立たせて壁に押さえつけて!」と言う。

 

子猫ちゃんが指示に従うと手にハンマーと駒を持った一誠がいた。

 

どう見ても丑の刻参りにしかみえない……!!僕は必死に抵抗するが子猫ちゃんだけど無く、部長や朱乃さんも魔力の縄みたいなもので動きを封じる。

 

一誠はさらに赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)で力を増加する……!やめて、リアルわら人形になる!!

 

抵抗も空しく駒を胸に起き正にわら人形の如く打ち込まれる!本日一番のダメージ!しかも何発も打ってくる!

 

俺は身の危険を感じたのか神器が右腕に出現し拘束を引きちぎる。

 

そしてなおも打ち込んでくる一誠を殴り飛ばしながら言う。

 

「さっきから痛いわ!!ってか途中から駒じゃなくて俺に直接打ち込んでいるだろうが!!」

 

とりあえず、転生できないようだ。駒の価値が足りないのか?それとも何か別の理由があるのか?

 

「つーか、明らかに恨みが感じるんだが?」「お前、前話何したか忘れたか-!!」

 

「アレは君が悪いんだろうが!こっちがああなりそうだから気をつけたのに台無しにしてー!!」

 

と子どものようなケンカをしていると一誠の手からハンマーが飛んだ!!

 

飛んだ先に呆れた様子でこっちを見ているライザーさんの方がいる!しかもあの位置は……!?

 

避ける間もなく直撃した。めちゃくちゃ苦しんでいる……。そりゃそうだ、あそこはキツい。

 

ハンマーが直撃したのは男の急所だ!!女性陣は分からない苦痛を味わっている。

 

一誠は爆笑しているがいくら気にくわなくてもこれは可哀想だよ。

 

「早く手当しないとっ!!」「大丈夫ですよ。先程言ったように不死鳥の一族仮に潰れても再生するから問題ありませんよ。」とグレイフィアさんが冷静に言う。

 

しばらくもがいていたが股間が炎に包まれた!?これは一体!?

 

「フェニックスはダメージを受けると炎が巻き起こり、再構成します。不死鳥たる所以です。」

 

どうせなら、もっと格好いい場面で見たかった……。

 

回復し終えると完全にキレた状態で僕たちに詰め寄ってくる!「お前ら、よくもやったな!許さんぞ!!」

 

身体を炎に包まれた状態で突っ込んでくる。俺は必死で止める。

 

「まあ、落ち着いて!!怒るのは分かるけど治ったし、ここは抑えて。」

 

「うるさい!まずはお前から焼き尽くしてくれる!」と言いながら、炎を纏いながら俺に掴みかかる。

 

流石に熱さと痛みを感じ、なにより先程からダメージを受け続け、流石にキレた。

 

「いい加減にしろ!てめーら!!さっきから大人しくしてればバンバン攻撃しやがって!!こっちだって痛いわ!ダメージないと勘違いしていないか?しっかりくらっているわ!」

 

と叫び、窓を突き破りながらライザーを外に投げ飛ばした!

 

「貴様、俺を誰だと思っているだ!ただの人間の分際で!!」

 

「知るか!そんなに悪魔が偉いなら人間の姿に化けずにもっと悪魔らしい姿になってからこい!」

 

「これが素の姿だ!!無知な人間はこれだから」 「黙れ!鳥らしく鶏や鳩にでも求婚してろ!」

 

と互いに子どものような悪口と共にぶつかり合う。昔の漫画やアニメによくあるような土埃の中でぶつかり合う!

 

「このこの!」 「んなもん効くか!」 「お二人とも落ち着いてください。」

 

なんか言っている気がするがお互い相手を叩きのめすのに夢中で気づかなかった。

 

一旦、離れると再度ぶつかり合おうとしたその時突然体が急速に冷え、動けなくなった。

 

視界が曇っているがライザーが氷塊に閉じ込められているからおそらく俺も同じなんだろう……。

 

このままではまずいので右の籠手に集中すると砲口を何とか展開する。この砲口から流動性のある熱気がある黒煙若しくは赤い爆炎を発射する。

 

その流動性のせいで広範囲に広がり周囲の被害が膨大になるので滅多に使えないが今は氷塊に閉じ込められ、氷像の仲間入り間近!!

 

この中なら他に被害はでないだろうし、何より一刻も早く出ないと冷凍保存される!

 

俺は炎を放射し、氷塊を溶かし中から脱出する!ほぼ同時にライザーも全身から炎を噴き出し脱出する。

 

「少しは頭が冷えて落ち着きましたか?まだやるなら相手になりますよ。」とグレイフィアさんが腕を組み仁王立ちしながら言う。

 

どうやら今のはグレイフィアさんがやったみたいだ。薄々感じていたけどやっぱり強いんだね。

 

それより、寒い。メチャクチャ寒い!……ひょっとしてこれ(神器)熱には耐性があるけど寒さにはと特に耐性がないのか?

 

しばらく僕は無駄に震えていると何を思ったのか、グレイフィアさんに押されていたライザーだったが

 

「グレイフィア様、こいつもゲームの参加を認めてください。丁度いいハンデだ。ゲームで叩きのめさないと気が済まない。リアスもいいな?」

 

「ええ、剣吾も仲間だから参加できるなら文句があるはず無いわ。」

 

「今回は非公式ですし、双方が望むなら問題と思いますが両家の合意や悪魔以外でも問題なく使えるバトルフィールドの設置等ゲームの準備にお時間頂きます。」

 

「そうですね……、2週間程かかりそれまでお互いゲームの準備をする。それでよろしいですか?」

 

と互いに合意し、グレイフィアさんとライザー眷属も転移する。

 

転移寸前、一誠に向かってライザーさんはこう言った。

 

「さっき、ミラの前に君の義弟君が割って入った事を感謝するんだな。

 

さもなくばお前は間違いなく吹っ飛んでいた。

 

お前の行動一つがリアスの評価にも繋がるんだ。精々恥をかかすせるなよ、

 

リアス唯一の『兵士』(ポーン)だということを忘れるな!」

 

その言葉を一誠は真剣に聞いていた。こうして見学かと思っていた僕も参加することになった。

 

一方、グレイフィアは夫でありリアスの兄にして魔王ルシファーを受け継いだ悪魔、赤い長髪が特徴の男。

 

サーゼクス・ルシファーの元に転移し今回の件を報告した。そして中島剣吾の事も報告する。

 

「あの中島剣吾という少年、本人の性格故か攻撃性が極めて低いですね。今の所怪獣いや巨獣器(タイタンギア)による精神侵食は皆無です。例の巫女への報告いかが致しましょうか?」

 

「既に報告済みだよ。リアスの眷属扱いになっているし、彼を今後どうするか判断するうえでも今回のゲームに参加してもらうのはいい機会だね。

 

できれば妹から友人を奪いたくないが悪魔を統べる者として私情は挟めないし何より全勢力に共通事案として無条件に協力する事になっているからね。

 

あの別次元から来た怪獣達、特にかの”王”が解き放たれる事だけは必ず防がなくてはならない。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




どうでもいいことですが、剣吾君は甘党でお菓子にジュースを飲んでも一切胸焼けしません。

彼が悪魔になるのに積極的ではなかったのはある理由があります。今回慣れなくて残念に思いながらもホッとしている部分があります。

原作で読んでいて悪魔は寿命が一万年近くあるのに転生はともかく純粋な悪魔も子ども時代が人間と同じ時間しかなのはちょっと可愛そうに思いました。

次回は修行篇になります。





目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第二章 戦闘校舎のフェニックス編3

修行篇です。今年中に2章本編終わらせればいいですが、いつになくハイペースなのでどこかでペースが急激に遅くなると思います。
ポケモンの追加冠の雪原に夢中になっていると思います。


僕、中島剣吾は現在風呂に入っている。うう、氷漬けになったせいか何か寒気をまだ感じる!風邪引いたかあ?その日は早めに寝た。

 

次の日、アーちゃんと一誠が風呂場に真っ裸で抱き合っていたと言い、父さんと母さんが孫ができるって赤ちゃん用のオモチャを購入していた。

 

気が早すぎるよ……。大方、単にどっちかが入浴しているところをろくに確認せずに鉢合わせたというところだろ。

 

一誠とアーちゃんが何やら話しているが途中でアーちゃんが涙目になっている。

 

話を聞くと年中発情期の男がどれほど危険か教えていたのだが、入ったのが部長だったらどうでしたと聞いたらエロい妄想に入ったのを見てすねているようだ。

 

まあ、これは別にアーちゃんに魅力がないというわけじゃなくリアス部長の事は純粋に異性として見られるけどアーちゃんは妹と異性に対する気持ちが混じっているからだね。

 

……まあ、それ以外にも積極的になれない理由があるがアーちゃんには悪いけどそれはすぐに治すことはできないから、気長に支えてほしい。

 

そして僕たちは修行の為に山登りをしている。神器の効果もあって荷物があっても移動できるけど流石に今までも訓練していた子猫ちゃんや木場君には及ばないね……。

 

一誠よりは幾分かマシについて行っているけど今まで病弱だったからアウトドア経験が不足しているのがすぐ分かるね!

 

その一誠も持ち前の気合いと根性で駆け上っていく。そんな事を繰り返し別荘にたどり着いた。

 

僕と一誠が息が上がっていると女子は2階へ移動。木場君は浴室に着替えに行った。

 

その際に覗かないでね。と言うがあいにくこっちは男の裸に価値を見出せない二人なんだ。ご安心を。

 

修行1、木場君との剣術修行!

 

「ほらほら、もっと全身に力を入れて視野を広げて相手と周囲を見て!」

 

「そんなの言われてできたら苦労しないよ。」今木刀で二対一で木場君との修行をしているけど全然当たる気がしない。っていうかこうゆうのって素振りからするものでは?

 

「本来、そうなんだけど今回時間がないからね。無理矢理体に覚えさせるよ。」

 

「剣がそんな単純に覚えられるものじゃ無いでしょうが?そもそも武器も無いのに覚えて意味があるの?」

 

「部長が本物持っているし、武器を知ることで対処法に気づけるよ。」と言いつつ攻めてくる。

 

何度も木刀がはじき飛ばされた……。こんなので役にたつのかなあ?

 

修行2、朱乃さんとの魔力修行!

 

一誠はドラゴンショットと呼んでいる魔力の弾を撃つのを褒められる。ただ、それ以外は全くだめだった。

 

一方アーちゃんはこっちの方で才能があるらしく、朱乃さんがやったペットボトルの水を内側から突き破る課題をクリアした。何でも魔力を炎や雷などにも変換できるらしい。

 

ちなみに僕は人間だから魔力を持たず、それを真似した魔法や陰陽道の才能が欠片もないとすぐに分かったので食料調達に川に行き川魚を泳いで捕まえた。

 

何か、カワウソみたいだな……。そんな事考えてながら戻ると一誠が野菜の皮むきを魔力でしていた。

 

魔力でそんな事できるんだ。しかし、皮むきなんて料理には便利だけど戦闘には使えなそうだけど……?

 

いつも想像しているイメージを形にするのが魔力の基本だったよね、確か。

 

……うん?いつもイメージ、皮むき……?まさか……いや、いくら一誠でもそんなわけ無い。そうだね、僕が汚れていたんだ!うん、そうに違いない!

 

頭に浮かんだことが外れることを祈りつつ昼の準備をした。

 

修行3、子猫ちゃんとの格闘訓練

 

「こうゆうのっていきなり組み手ってするもんなの?」僕は子猫ちゃんに殴られながら聞く。

 

僕と一誠は子猫ちゃんとの組み手をしているのだが実際はただのサンドバッグ状態。

 

ろくに体術を知らない奴が勝てるわけが無い!単純な打撃じゃなく寝技や柔術などもマスターしている。

 

何より怪力と防御が高いのに素早いという厄介さ。とても太刀打ちできない。一誠のように飛ばされはしなかっただけで大差は無い。

 

「……打撃は体の中心を狙い、的確に抉り込むように打ってください。」とちょっと不機嫌そうに言う。

 

なんだろう、僕たちがあまりに不甲斐ないから?

 

4、特殊訓練?

 

一誠は部長と山登りで訓練していた。僕はと言うと……無理無理、凍死する!」

 

別荘の地下にある巨大冷凍庫(何でそんなものあるんだ?)に閉じ込められながら半裸でマラソンさせられている。

 

時々合間に格闘技の型をこなすのだが、間違っていると朱乃さんから容赦ない雷撃を浴びせられる。

 

本当に訓練だよね?君たち遊んでないか?そう突っ込みたいが余裕がないので何度も凍結と痺れを味わいながら訓練?を続ける。心なしか僕に厳しい視線を時折感じるのは気のせい?

 

昼食時間、冷えとダメージを受けた体を回復するべく温かいスープを始め大量の料理を口にする。

 

僕も一誠もここで栄養補給しないと体がまずいと本能が働いたのか何日喰ってないだ!と突っ込まれるような勢いと量を平らげる。

 

 

 

 

 剣吾が入浴し俺、一誠も行こうとした時部長を始めとする初期オカルト部が呼び止め聞いてきた。

 

「あなたから見て剣吾はどう見える?」「どう見えるっていつもと変わんないじゃ無いですか?」

 

特に変わりないように思ったがどうやら戦闘経験ある人からすると違うらしい。

 

木場が「彼は一生懸命やっているのは分かる。それは伝わるよ。ただ、もっとできるはずなんだ。」

 

子猫ちゃんも「……私より力も防御も上のはずですけど、何かわざと当てる気が無いみたいに攻撃するんですよ。本当ならもっと強いはずなんですよ……」

 

そう言われて俺は「もしそうだとしたら多分本人は気付いていませんよ。完全に無意識にやってますね。」と言い

 

「考えて見れば元々昔からケンカとか苦手でした。さらに子どもや女性とかに手を上げること自体に抵抗があるのかもしれません。」

 

「もしそうなら彼はライザー以外とまともに戦う気がないかも知れないわね。」と部長が言う。

 

「ライザーに関してもおそらく不死で再生できると聞いたから思いきっり戦うことができるんでしょうね。」と続け

 

「彼はきっと戦うのは身を守るためにしかできないタイプね。命を狙われそれを守るためなら最悪相手を殺す覚悟はあるけど、それ以外は徹底的に避けるんでしょうね。」

 

「じゃあ、まずいんじゃないですか?このゲームでもそれは変わりませんよ。」と俺は言うが

 

「大丈夫!ちょっと荒療治するから」と部長は微笑んだ。ちょっと怖い……。明日からの剣吾をどうなるのか・・・。

 

風呂から上がった剣吾が少し残念そうに外を見ていた。

 

「どうしたんだ?」「今が夏ならカブト虫捕まえに行けるのになあとおもってねえ。」

 

剣吾は神器のせいで体が病弱だった。剣吾が家に来る前は実の両親が我が子の体調を考えて自然豊かな田舎の方にひっこしたらしい。

 

外で元気よく遊ぶ子ども達を羨ましく思っていたらしいがそんな時に近くに住んでいたお兄さんが山からカブト虫やクワガタとかを捕ってきてくれて剣吾に見せてくれた。

 

それ以来虫が好きになったらしい。ちなみに実の両親、俺の母さんも虫が苦手だから飼うことはできないでいる。

 

いまはアーシアもいるしかなり厳しいだろうな。そう思うとちょっと可哀想な気がする。きっと幼少期できなかった事をしたいんだろうなあと思い見つめていた……。

 

 

 

 

 次の日、僕中島剣吾は拷問を受けていた。「痛い!痛い!ギブギブ!」

 

「ダメよ。あなた結構体硬いよね。だから体を揉みほぐして柔らかくするわ。」

 

「あなた丈夫だし、回復力あるしいざとなったらアーシアが治すから怪我しても大丈夫だから遠慮しないでやりなさい、子猫。」

 

「……わかりました、部長。ではお覚悟を」と子猫ちゃんがさらに力を入れる。

 

確かに体は目に見えて柔らかくなったけど手加減の無い柔軟マッサージという名の拷問に朱乃さんに電気を流され大ダメージを受ける。

 

明らかに聞いてはいけない音が体内から聞こえ曲がってはいけない方向に体が曲がっている気がする。これを数時間連続で受ける。

 

 ボカン!!また爆発に巻き込まれ、宙に舞う僕。

 

次にだされた課題は僕が籠手から放つ煙と爆炎は流動性が高く広範囲に広がる。

 

その為味方や部外者がいるとき巻き込むので使用できない。

 

そこで何とか使い物になるように収束し、拡散しない攻撃を編み出そうと言うのだが欠片もできる気がしない。

 

そこで目標に真っ直ぐ当てないと近くの花火に爆発してダメージを受けるという訓練をしているが結果はこれで20回目の爆発により綺麗な星として飛んでいる!

 

……一つ、聞きたい。本当にこれ、訓練なのか?ドSな貴族の遊びじゃないよね?そんな疑問を抱えながら訓練という名の罰ゲームをやらされている。

 

体丈夫になったけど別にダメージ受けないわけじゃないんだけなあ……。

 

その後、皆でというか僕と一誠に悪魔、堕天使、天使の知識をたたき込まれていた。何でも魔王は四人だそうだ。

 

ゲームとかで7つの大罪とか言っているくせに数が違うなんて詐欺だと内心思っている。その魔王も当人はすでに死んでいるから今では最上位の悪魔がその名を受け継ぐ称号や役職名みたいな扱いらしい。

 

そして堕天使正直、堕天使は悪魔の一部だと思っていたから敵対関係とはこれに関わるまで思いもしなかった。

 

そうするとアーちゃんが悪魔払い(エクソシスト)や聖水とかの説明を受けた。

 

聖水はアーちゃんの説明を聞きながら僕がつくる。この中で僕は唯一人間だから聖水も正直ただの水と大差が無い。強いて言えば体に良いかなあと思うぐらい。

 

しかし、悪魔には硫酸並みに危険らしい。結構不便だね。当然聖書の朗読も主への祈りも激しい頭痛に苦しむのだが、アーちゃんがおもむろに聖書を取り出し朗読し始める。その瞬間肩を僕が触れる。

 

その結果、オカルト部全員が頭を痛がっている。……僕とアーちゃんを除いて。

 

頭痛から回復した部長が「どうゆう事?」と驚いている。

 

ドッキリ大成功という所か。これは合宿前にたまたま気がついたことだけど悪魔だから今の聖水や十字架とかの聖なる物には本来ダメージを受ける。

 

アーちゃんが家に来てからもこっそり聖書を読もうするのだが毎回頭痛で苦しむので心を鬼にして止めている。

 

その日も朗読していたので止めようと手に触れたのだが、いつもと違い頭痛に苦しむ様子が無い。お互いに不思議に思いそのままアーちゃんが気が済むまで聖書の朗読に付き合った。

 

僕が手を離すと一節話す前に頭痛で苦しむ。・・・どうやら僕が触れている間はダメージを受けないらしく実際十字架を手にしても何とも無かった。その時のアーちゃん泣いて喜んでいたな。

 

今でも定期的に僕が聖書の朗読に付き合い、満足させている。・・・その時間僕は暇だからアーちゃんに悪いけど宿題していることが多い。たまに一緒に朗読するんだけどね。

 

この事をサプライズで教えようと思った矢先ライザーさんとのごたごたに合宿となり、今が良いじゃ無いかと思い披露した。朱乃さんが「剣吾君の持つ神器の力が神聖な力から保護しているみたいですね」と言う。

 

他の人でもできるのかと思い、皆から髪の毛数本借りて実験してみた。髪の毛に聖水を垂らしてどうなるか?

 

通常だと聖水が掛かった瞬間からドライアイスに水掛けたみたいに煙が立ち上る。・・・髪の毛借りて良かった。

 

これ、直接だとどんな惨事になっていたか……。今度は手に触れた状態で掛けてみる。

 

すると、アーちゃん以外はさっきよりはマシだけどダメージがあった。

 

これに対し、部長が元々信仰心があったアーシアだからこそ影響を受けないのかもしないと推測していた。

 

だが、限定的とはいえ聖なる力を受けないもしくは軽減できるというのは大きいらしい。これも神器の力らしいが正直そんなに凄いとは余り思えない……。

 

確かに身体能力が上がり打たれ強くなったり泳ぎが上手くなったのは良いけど火炎放射は正直危なっかしくて周囲に味方所か敵だとしてもよっぽどの場所じゃないとたちまち大火災になる。

 

それ以外は特に特徴も無いし力を倍加できる一誠の方が将来性ある気がするだがなあ……。

 

今日の特訓が終えたとき一誠がどことなく暗い気がした。理由は何となく分かる。多分、オカルト部の中で自分が一番弱いと思っているんだろう。

 

魔力ではアーちゃんに劣りスピードもパワーも子猫ちゃんや木場君より低い。僕も実戦経験無いし、動きが甘いけどとりあえず盾代わりにはなるぐらいはできる。

 

慰めようかなあと思い、トイレから戻らない一誠を探しに行くと部長と一誠が何やら話している。

 

偶然かそれともどっちかが待ち合わせたのか分からないけど、あの様子だと一誠の抱えている悩みを解決してくれそうだ。僕より適格だろう、そう判断し密かに戻る。

 

次の日、合宿中禁止されていた一誠の神器を使用し木場君との模擬戦をやってみた。その結果を見て驚いた。

 

攻撃は当たんなかったけど木場君の木刀に耐え、ドラゴンショットで山が消し飛んだ!?

 

何という―威力!流石はロンギヌスという所だろうか。

 

部長は言う「今回のゲームで要になるのは一誠と剣吾あなたたち義兄弟よ。」

 

「一誠は分かりますが、僕もですか?」ここまで凄い攻撃できるビジョンが無いんだが……。それも特訓受けたけど全然先に進んでいる気が欠片もしないし。

 

「あなたはその強固の体は敵にとっても脅威だわ。覚えている、私の滅びの魔力とライザーの猛火をもろにくらっても大して効かなかったでしょ。」

 

うん、覚えている。いきなり攻撃くらってビックリした。

 

「あなた何回くらっても攻撃しようとはしなかったでしょ。それは怪我するほどの攻撃じゃないからでしょ。」

 

「……まあ、そうですね。それが?」

 

「私の消滅、滅びの力は基本的に防御が通じない上に物理的な破壊力も高いのにあなたには効果が無かったでしょ?」という。

 

「それにライザーの炎はドラゴンにすらダメージを避けられない。にも関わらずあなたは猛火を浴びても気にしていなかったわよね。」

 

「いや、熱かったですよ。」「でも、火傷もしないしケンカしたときも互角にぶつかりあったわ。」と言うと

 

「だからこそあなたの存在はライザーにも他の眷属にも通用するわ。フェニックスが強いのは不死身で傷ついてもすぐ再生し復活することよ。」僕を見つめながら

 

「あなたもどれだけ攻撃を受けても全く怯まないし全然体力が消耗しているように見えなかった。相手からすれば脅威だわ。自分の攻撃が意味をなさないんじゃ無いかって不安を覚える程よ。」

 

そう部長は言うが正直どの程度の力加減でやればいいか分からないから余り乗り気じゃ無いな。それに皆忘れているみたいだけどライザーさんはプロなんだよね。

 

いくら部長が天才だとしても眷属が凄くてもその経験の差は馬鹿にできないし、こっちが考えていることは向こうにはお見通しだと思っていた方がいいだろうね。

 

一応僕もグレイフィアさんにフェニックスがどの程度傷つければ命に関わるかしつこいくらい聞いた。とりあえずこれで事故死や後遺症の心配は無いだろう。

 

皆には悪いけどあくまでこれはゲーム。お互いに命を賭けるほどのものじゃない。もちろん全力でやるけど余り無茶しすぎないで欲しいなあ……。

 

ひとまず、対ライザーさんに集中するか……。誰にあたるか分かんないけどまあ、僕程度の浅知恵はすべて見抜かれているだろう。

 

……役に立つか分かんないけどアレ対策するか。もし、僕が自分を相手にするならああするのが一番手っ取り早いから備えておいても損は無いだろう。最悪自分から仕掛けとも良いし。

 

この事は部長達にも内緒にするか。期日までにマスターできるとは限らないしグレモリー家が婚約を進めているならどこでこっちの訓練とかの情報とかを向こうに流しているかも知れないからね。

 

 

 

 

一方、場所は変わりここはフェニックス領土。その城の一室にライザーは自分の『僧侶』(ビショップ)にして実の妹であるレイヴェル、『女王』(クイーン)のユーベルーナが集う。

 

「リアス達のチームあの生意気な『兵士』(ポーン)は未熟だが神滅具(ロンギヌス)の力は脅威。なめない方が賢明だろう。

 

リアスに『雷の巫女』を始め他の眷属も中々できそうだな。だが、こいつらはどれだけ強力だとしてもフェニックスが相手なら決して敗北は無い。」と言い放つ。

 

「問題はこいつだ。」と中島剣吾の写真に指を差す。「お兄様とリアス様の魔力を受けても平気そうでしたね」とレイヴェルが言う。

 

「いくらお互いに手加減したとは言えお兄様の猛火に耐えあのパワーで格闘戦に持ち込まれると厄介ですね。」

 

「正直サシで勝負して唯一負ける可能性があるのがこいつだ。少なくてもお互いに防御が高すぎて長期戦を覚悟しなくてはならない。」と言う。

 

「面倒な相手だが実戦では無くこれはゲーム。ルールにもよるが何も倒すだけが勝利条件では無い。それを教えてやろう。」とライザーが不敵に笑う。

 

「それに彼は好戦的では無いように思えますわ。少し前まで普通の人間でしたし、あの様子ですとひょっとしたら女性に手を挙げること自体抵抗があるかもしれません。」とレイヴェルが言う。

 

「だとしたら尚更こっちの有利だ。いずれにせよ奴に対しては策がある。」ふっと思い出した表情に変わり

 

「しかし、ひょっとしたらアイツも俺が数週間前に引き入れた連中と関係あるかもな。」

 

ユーベルーナが「あのトリオですか?こっちがいくら言ってもライザー様への態度を改めない礼儀の無い連中。」と言う。

 

「そう言うな。表裏が無いし悪い奴らでは無い。まだ日は浅いが色々役にたっているしな。」と応える。

 

「男を眷属にするつもりもないし、俺の可愛い眷属と交換するつもりはないがもしあの子達に出会わなければポリシーに反して仲間にしていたかもな。」「そんなもんですか?」とレイヴェルが言う。

 

「あいつらは俺を純粋にライザーとしてしか見ることができないだよ。良くも悪くもな。同性の悪友というのも悪くないもんだ。」

 

「今何しているですか?」とユーベルーナが聞くと「確かとある遺跡の調査を依頼されたがそこには魔物が多く生息ししかも深いから長期間滞在しないといけない。」

 

「ああ、中々レベルがある上面倒だったから代わりにあいつらを同行させた。あいつらが対処できないなら俺の手では負えんな。3人がかりならまず俺では勝ち目はないからな。」

 

 

場所は変わりとある遺跡。そこには灰色の巨大な雲丹があった……と思っていたら変形し、灰色を基本色にした恐竜とヤマアラシを混ぜた様な装飾の兜をした、背面が棘だらけの全身鎧に変わった。

 

それこそ、ハリネズミみたいだった。「ったく、面倒くさいな。後どのくらい掛かるんだろうか?」

 

と言うと地面から赤茶色を基本色にした恐竜と狛犬を会わせたような装飾した全身鎧を纏った小柄な人物が何かを持って出てきた。

 

「これ?依頼の品物って?」高い声でどうやら女性か少年のようだ。

 

「多分な、しかし石版かこれ?ただの落書きにしか見えないけどなあ。

 

その為にこんな危ねえ所まで行くんだから学者って命知らずだな。」と辺りを見回す。

 

そこには大小様々な種類の破損したゴーレムが転がっていた。実は調査団が足を踏み入れると遺跡の防衛システムなのか大量のゴーレムが現れた。

 

それをさらにもう一人いたのだがこの場にいない一人は調査団の避難と護衛、地中に潜っていたのは目的のものとシステム解除を捜索する係。

 

そして先程までゴーレムを[ハリネズミ]が一人で相手にし返り討ちにしたのだ!

 

「つかれた~!!ライザーの奴絶対後で色々おごって貰うぞ」と言いながら[ハリネズミ]は仰向けに倒れる。声からしてまだ若い男のようだ。

 

そこに「皆のもの~先生達、無事避難させたござるよ。」と上から声がしたかと思うとムササビのように滑空する姿はあった。その姿をもしグレモリー眷属が見れば驚いたであろう。

 

その姿はあの[バラン]瓜二つ否そのものだった。「よし、じゃあ先生達の所にこの石版届けて帰るか!!」

 

「お前らの方が速いから先戻れ!ゴーレムはいないと思うが万が一があってはいけないからな」

 

そう言うと[バラン]は石版持ち飛んでいき、[狛犬]はモグラのように地面を潜って行った。

 

残された[ハリネズミ]はボールのように丸くなりそのまま坂道もなんのその高速で転がって移動した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




次回ついにレーティングゲームスタートします。原作コピー防ぐには結果だけだして次に進めた方がいいのですがどうしてもやりたいことがあるので何とかやります。

ちなみに作中策がありますがそんな大したもので無く寧ろお互いもの凄い単純なものなものです。
作者の知能ではそこまで複雑なものはできません。

今回漸く登場した新キャラです。バランで分かると思いますがモチーフはあの三匹です。

剣吾に対しオカルト部が厳しいのは闘争心を持たせようとしたためです。

ゴジラのTVアニメが始まると知って歓喜に震えています。これで来年の楽しみができました。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第二章 戦闘校舎のフェニックス編4

ついにレーティングゲーム編です。2021年のゴジラ新作アニメ楽しみだ。


決勝当日、僕たちはオカルト部は学校に集まった。ちなみに服装はアーちゃんはシスター服でそれ以外は僕中島剣吾を含めて学生服を着た。

 

部長曰くこれが自分たちのユニフォームとの事。ジャージの方が動きやすいと思うけどまあそこはいいだろう。

 

ちなみにここにはいないけどもう一人『僧侶』(ビショップ)がいるはずなんだけど古いオカルト部メンバーは口を閉ざした。

 

とりあえず今回は参加を期待できないということだ。

 

そうこうしていると開始10分前になり、審判を務めるグレイフィアさんがルールを説明した。

 

何でも使い捨ての異空間に作られた戦闘フィールドに転移される。そこではどんだけ壊しても一切現実世界に影響ないから気にしなくていい。

 

これは助かる。そのあたり気にしていたから。

 

今回のゲーム両家の家族も観賞するそうだ。そして魔王ルシファーも見ると聞くと部長が心底驚いて言った。

 

「お兄様もご覧になるのね。」それを聞いて僕たち兵藤家は全員驚いた。

 

ルシファーが襲名制だとは聞いたけどまさか部長のお兄さんとは思いもしなかった。

 

それで部長はグレモリ-を継がなければいけないのか。そうこうしているうちに魔方陣が光り転移する。

 

場所は何と僕たちの学園駒王学園だった。空が白いから異空間だろうけどすごい再現力。悪魔の技術はとんでもないね!

 

簡単にルールが説明させると一誠が『プロモーション』するにはライザーさんの「本陣」である新校舎にある生徒会室に行かなければならない。

 

逆に向こうの『兵士』(ポーン)は今いる部室に来ないといけない。

 

「制限時間は夜明けまででそれまでに相手の『王』(キング)若しくは残ったメンバーが多い方が勝ちです。それではゲーム開始です。」

 

しばらく作戦を練り部長が一誠に膝枕して封印を少し解いた。なんでも一誠の力では8個の駒では強すぎたので制限していた。それを一部解放したそうだ。

 

その様子を見てアーちゃんは涙目になっていたが……。

 

そして僕は一人、新校舎に向かっている。一誠は子猫ちゃんと共に体育館に向かい、木場君もさらに別行動。

 

僕は頑丈なこともあり囮役になった。というわけで最短距離を直線でのんびり歩いている。

 

どうせ、こそこそしていても素人の考えなんてすぐ見抜くだろうし、うまくいったと思うって、罠にはまるより罠があると分かりきっているところの方が覚悟ができているだけましだ。

 

そう思いながら運動場の中央に進むと危険を感じたのか神器(セイクリッドギア)である黒い籠手が出現した。

 

籠手から大量の黒煙を排出する。これはここにいるぞというアピールもあるが本当の狙いは……。やはり煙が妙な動きをしている地面が何カ所かあった。

 

地盤を砕き煙が妖しい動きをしている地面に投げると予想通り落とし穴があった。

 

そう、警戒していたのは落とし穴を始めとした罠で動きを封じられること。

 

おそらく相手としてもめんどくさい相手とは思っているだろう。

 

俺ならまともに相手にせずに今みたいな落とし穴に落とすだけで無力化、少なくても足止めにはなる。

 

それが一番楽だろうし。向こうは全員悪魔だから万一落ちても飛べばいいだけだし。

 

そう思いながら進んでいると気配を感じる!無言でそっちを見ると上空から炎が迫り見事に着弾し、爆発する。

 

上を見ると空中に浮いているのは魔道士の格好をした女性。確か『女王』(クイーン)だったね。それに『僧侶』(ビショップ)のドレスを来た縦ロールの髪型をした少女がいた。

 

『僧侶』は「やはりダメージがありませんか。本当に厄介ですね。」と呟くのを無視して僕は『僧侶』の方を見てこう聞いた。

 

「翼が”フェニックス”のものだけど君ひょっとしてライザーさんの姉妹?」そう、彼女の背中から鳥のような炎の翼が生えている。

 

「よくお分かりで。私は妹のレイヴェル・フェニックスと申します。以後よろしくお願いしますわ。」

 

「あ、こちらこそご丁寧にどうも」と頭を下げる。

 

俺はこう聞いた。「確かライザーさんは眷属をハーレムにしているんだったな?妹をハーレムに加えたのか?」

 

そう聞くと女王が「ライザー様曰く『自分には妹萌は無いが世間的に憧れる奴は多い。その視線を浴びたいとの事です。』」言うがレイヴェルさんが不満そうに顔を逸らす。

 

俺は「……自分の妹をハーレムに加えるなんてよくできたもんだ。」と呆れる。俺なら身内にそんな姿見せたくない。そう考えると確かに大した男かも知れない……。

 

そして、先程から気になっていたので二人に躊躇いながらも声を掛ける。

 

「それより、とりあえずその格好でこうゆう場所に来ない方が良かったのでは……?」

 

「動きにくいからということですか?ご心配なく私たちは何度もこの格好でゲームを行い勝利していますわ。」

 

「いや、そうゆう事じゃなくてその格好で上にいると下からだと下着が丸見えだよ……。」と目線を彷徨いながら指摘する。

 

その瞬間、攻撃をくらったがまあ、これは仕方が無い。

 

「そんな事よりかかってきたらどうですか?」と顔を赤くしながら言いレイヴェルさんと『女王』が離れる。

 

俺はそれを見届けると再び新校舎の方に足を進める。進んでいくうちに危険が無いと判断したのかまた消えていった。引っ込んだりでたりと忙しいやつだなあ・・・?

 

新校舎の正面玄関が見える位置に行くと十二単を着た和風少女に大剣を持ったワイルドな女性に獣耳をした二人が現れた。

 

剣を持った女性が代表で言う。「私は『『騎士』(ナイト)シーリス、着物を着てるのは『僧侶』美南風(みはえ)。そして双子の『兵士』イル&ネルだ。」

 

「何故、追いかけなかったんだ。レイヴェル様達を?」「あんな目に見え透いた挑発にのるわけないじゃん。」

 

「明らかに僕より速く飛べるのに追いつけるような速度で飛んでいたし、何か罠があるんでしょ?」と返した。

 

「まあ、『女王』はどうやら何か狙ったんだか、指示があったのか分からないけど別れたみたいけどね。」と言う。

 

「それを分かった上でこっちに来たのか?」「仮に部長以外全員倒せてもライザーさん以外なら部長がどうにかなるだろう。」

 

「僕はあくまでライザーさんを狙うよ。」「だが、どうする。この数を。悪いが一対一で戦うつもりは無いぞ。」とシーリスさんが構えつつ

 

「知っているぞ。お前は我々に手を上げることに抵抗があることを。それでどうやって私たちを倒す!」とシーリスさんが言う。

 

その通りだがこっちにも手はある!おもむろに昔学校の側で知らないオバサンに渡された賛美歌を取り出し熱唱する。

 

実はぼくは音痴なんだ!それもネタにできないレベルで!聞く人の体調を崩すレベルで。

 

その為常に合唱で指揮者になっている。まあ、それはさておき、悪魔には聖なるものでダメージを受ける弱点がある。

 

だが、ただの賛美歌なら多少頭痛するだけ。音痴も少し耳障りなだけだろう。とても戦闘には使えない。

 

しかし、それが両方合わさるとどうだ?思いつきのぶっつけ本番だったが結果はご覧の通り。

 

4人の美女が深刻な乗り物酔いの様にぐったりしもう戦闘所では無い!その状態の所を気は引けるが軽い当て身で気を失わせ、無力化する。

 

戦闘不能と判断され転送されていく。だが、最後の美南風だっけ?和服の少女がリタイア寸前意味ありげにに笑っていた。

 

それから程なく地面が少しずつだが確実に沈んでいく……。何となく嫌な予感がし慎重に離れようとする。

 

急いで走りたかったけどおそらくその瞬間微妙なバランスが崩れ一気に地中に消えるハメになる。

 

すると上から「意外に冷静じゃないか。」と声がし上を見るとライザーさんが炎の翼を広げ飛んでいた。

 

「何があったか分かるか?」

 

「地下に元々あったのか作ったのか知らないけど今この下シンクホールみたいな下が空洞になっている状態でしょ?

 

元々崩れるようにしたのを魔力で無理矢理つなぎ止めていたってところかな?

 

「イミングを見て落とすもしくは万が一自分がやられても相手にダメージを与えるつもりでやった。そんなところじゃないかな?」

 

「惜しいな、そこまではあっているがそれだけではない!」と言うと猛火を僕の周囲に放ち遂に僕の足下に巨大な穴ができそのまま落ちていく。

 

なんとか手で穴の縁に捕まり落下から免れる。

 

すると何やら轟音が聞こえ始める。

 

校舎が心なしかこっちに近づいているような……?

 

「建物のそばでこんなでかい穴ができたらそりゃ土台も傾くよな~!これで終わりだ!!」とだめ押しで僕と校舎に猛火を放ちその爆発に為す術無く穴に落ちさらに校舎の一部が上から降ってきたー!!

 

声をだす暇も無く飲み込まれた!!ライザーさんの高笑いが響いた。

 

 

 

俺、一誠はボロボロになりながらも部長とアーシアがいる新校舎に向かう。まず、剣吾が校舎ごと穴に落ちリタイアしてないが復帰は難しいだろう。

 

俺は特訓の成果で体力が上がり対抗できるまでになった。

 

そこで俺が合宿中で身につけた必殺技、女性に触れて身につけている衣服などを粉砕する技その名も「洋服崩壊(ドレス・ブレイク)」を炸裂した。

 

これで相手の女性を無力化させた。……まあ、子猫ちゃんから「……最低です」と突っ込まれたが。

 

さらに開花させた新たな力、増加させた力を他者に「譲渡」する能力「赤龍帝からの贈り物(ブーステッド・ギア・ギフト)」を駆使し木場と共に相手の眷属を倒し残りはライザーを除いて妹と『女王』だけにまで迫った!

 

だが、子猫ちゃん、朱乃さん、木場と次々倒れていき俺も体力が厳しい状態だ。

 

朱乃さんが向こうの女王に負けたのはフェニックスの涙、いかなる傷も癒すことが可能なアイテム。

 

これによりダメージを与えても復活し朱乃さんは敗れた……。皆頑張ったんだ。残された俺がここで負けるわけにいかない!

 

何とか『プロモーション』に成功し屋上で部長とアーシアに合流したのだが……アーシアは捕らえられ部長と俺はライザーに屋上から一気に地面に叩きつけられた。

 

『プロモーション』とアーシアに回復してもらえなければひとたまりも無かった。

 

「ほう、まだ闘志が消えないか。その根性だけは買ってやろう。だがここまでだ。」とライザーは地上に降り俺たちを見下ろす。

 

「これ以上は酷だな。せめてもの情けだ。一思いに終わらせてやる!」とライザーが立ち上がることもできない俺たちに向かってこようとしたその時!!

 

 

 

 

 

 

<ここからは各自お気に入りの和洋問わずホラー映画もしくはゾンビ映画のBGM及び映像を流すか頭に思い浮かべてお楽しみください。>

 

こっちに駈け出そうするライザーの足を突然地面から手が出てきて掴んだ!

 

それは正にホラーそのもの、若しくは水辺にいたシマウマに襲いかかる鰐を思わせた。

 

そして、こっちが反応する間も無くあっという間にライザーを地面に無理矢理引きずり込んだ!!

 

「お兄様!?」「ライザー様!?」と叫ぶが地面から聞こえるのは打撃音とライザーの悲鳴だけだった。

 

ゲームを互いに忘れ、しばし呆然としていたが不意に向こうの女王が俺たちに爆炎を放った。

 

不意をついた上消耗していたので為す術無く食らい意識が遠のく。

 

「申し訳ありません。こんな形で勝つのは不本意ですがライザー様が心配なのでさっさとゲームを終わらせて頂きます。」と薄れゆく意識の中で向こうの女王の言葉が聞こえた。

 

 

 

結局ゲームはライザーさんが勝ち今日は部長の婚約パーティーが行われる。

 

でも今だに眠っている一誠の事を気にしてアーちゃんと一緒に僕、中島剣吾は留守番している。

 

一誠の看病はアーちゃんと何故かいるグレイフィアさんに任せた。

 

女性の方がきっと一誠の場合治りも早いだろう。僕はある準備をしていた。

 

一誠は起きたらおそらく止めにいくんだろうな。それがあいつの良いところだからな。一人でも無理してでもいくだろう。僕はその前に聞くつもりだ。

 

その答えによって叩きのめしても止めるか、信じて見送るか、それとも一緒について行くか変わる。

 

その事をもうアーちゃんとグレイフィアさんにも伝えている。僕はゲーム前に地面に落とされた対策として地中を掘る練習していた。

 

結果、普通に歩く程度の速度で掘り進めることができた。僕はあの時地中に潜り、ライザーさんが地上に降りる可能性に賭けた。

 

仮に地上にでて行っても飛んで逃げられたらそれでおしまいだからね。

 

結果、賭けに勝ったがそれでも倒しきることができなかった……。

 

今皆が悔しい思いしているのは僕に大きな責任があるから報いたい気持ちはある。だが、それでも悪魔の問題だ。

 

人間の僕が首を突っ込むべきじゃないんだろう。だから、一誠。聞かせて欲しい。君は何故助けにいくの。

 

一誠が目覚めてグレイフィアさんから転移魔方陣を貰い、アーちゃんを説得したことを知ると僕は一誠と顔を合わせる。そして聞いた。

 

「君は何でこの婚約を壊そうとするの?ゲームに負けた、それがルールだよ。悪魔の事情もある。部長のことが好きなの?言っとくけど伝えていないなら何の意味も無いよ。」

 

「……難しいことわかんねえよ。部長が泣いていたんだよ。あの人に俺は命を救って貰ったんだ。だから、俺にできることなら涙を止めることができるなら命を賭ける覚悟がある!俺にできるのはそれだけだ!!」

 

そう言いその”覚悟”を見せつけた。それを見て僕は準備していたものを一誠に渡しつつこう言った。

 

「僕も行くよ。」「お前、人間で……」

 

「君が悪魔としてではなく男として覚悟を見せたなら義弟として背中を押さない理由は無いよ。何処まで力になれるか分からないけどね。」と言い笑うと二人で一緒に冥界に転移する。

 

転移した先は正に金持ちの社交場そのものだった。僕たちは手分けして部長を探し見つけたら連絡するように言い左右に分かれる。

 

探している途中で社交場から離れた場所で妙に騒がしい声を聞こえたので気になってそっちに行ってみる。

 

何やら3人の人影が社交に似合わないまるで居酒屋のようなノリで飲み食いしながら映像をみてわいわい騒いでいた。

 

「へ~あれがライザーの婚約者か!べっぴんさんで羨ましい。」

 

映像を見ているとそこには着飾ったライザーさんと部長の姿が映っていた!どうやら反対方向だったみたいなので戻ろうとするがその時見ている3人の1人に見覚えがある懐かしい面影を感じた。

 

僕は今の状況を忘れて思わず話しかけた……。「もしかしていそにい?」

 

すると中央でワインをラッパ飲みしていた日焼けした大学生ぐらいの若い大柄の男がこっちを向いた。

 

野性的な魅力があるが荒っぽくない不思議な雰囲気をした男が僕を見て数秒考えていたが思い出したのか驚いてこう言った!

 

「お前、もしかして……剣坊か!?大きくなったな!久しぶりだな~!!懐かしい。お前こんなところで何しているだ?」

 

「久しぶり~!!まさかこんな場所で再会できるなんて!!」

 

この人は磯野敏博(いそのとしひろ)。前話で話していた昔カブトムシとか魚とかを見せてくれた近所のお兄さん。

 

典型的なガキ大将で無鉄砲だけど僕をはじめ下の子どもたちを見ていて大人からも頼りにされていたな。

 

剣玉と釣りが大の得意なんだ。両親が亡くなるまで面倒見てくれたんだ。

 

「僕は悪魔になった義理の兄の付き添いでここに来たんだ。」とまさか披露宴ぶち壊しに来たとは言えず嘘ではないが真実でものない言い方をした。

 

「そうか、俺たちも悪魔の友人がいてなその披露宴を見学しているだ。俺たちじゃあの雰囲気苦手だから少し離れたここで見学している。」と言い

 

「ああ、そうだ俺の連れを紹介するよ。この忍者装束を着た金髪外人はそのまんま忍者オタクのマイロン・ハリス。家でホームステイしている。」

 

「マイロンでござるよ。剣どのよろしゅう頼みます。」と金髪白人のモデルみたいなイケメンが挨拶した。

 

ぼくも挨拶した。何でも道場やっているいそにいの実家に泊まり込み弟子入りしているらしい。

 

「こっちの小さいのは佐々木理愛(ささきりえ)。見た目は小学生か中学生か迷うかもしれないが俺と同い年だ。酒豪で常に身分証明書が必須な女だ。これで今同じ大学にいる三馬鹿トリオだ。」と言う。

 

すると佐々木さんが「初対面の人に何という紹介しているの!」と飛び後ろ回し蹴りを顔面に食らわせる。

 

あのいそにいの屈強な体を吹っ飛ばした!!

 

すぐに起きながらも「ちなみに男運が悪く、好意を抱くのは例外なくロリコンかつ、まともな良識を持った奴が近寄ってこない。」

 

マイロンさんも「理恵どのはもう少し大和撫子の心を大切にするでござる。」

 

「何よ、これからは女性も活発じゃないと!王子様は待つのではなく自分で捕まえるのよ!」

 

「いや、その見た目じゃ厳しいだろ。後、すぐに手が出る。」といそにいが言うと酒瓶で殴られた。

 

全く気にしないで「お前、相手が俺たちだから良いけど将来自分の子どもとかに絶対やるなよ!」と突っ込む。

 

「そうそう、こいつも格闘技強いんだ。この見た目で重量級もKOできるレベルだ。」子猫ちゃんみたいだね。

 

子猫ちゃんと違って黒髪で長髪だしどことなく日本人形を思わせる。動きやすそうな格好をしている。

 

しばらく漫才を見ていると映像に一誠の姿が見えたので僕も会場に向かう。

 

「じゃあ、義兄見つけたからそっちに行くよ。後で連絡交換しよう!」

 

そうゆうと僕はいそにい達と別れた。いかん、懐かしさで来た目的を忘れる所だった。

 

 

 

会場に着くと一誠が映画みたいにライザーさんと部長の婚約に異議を唱えるシーンだった。普段ただの馬鹿の癖にこうゆう時だけ格好いいからずるいよ。

 

僕は一誠を呼びながら近づいていく。すると、ライザーさんから強烈な視線を感じたが無視する!!

 

部長そっくりな男性が話し始めた。この人が部長のお兄さんで悪魔のトップ魔王サーゼクス・ルシファー!

 

「可愛い妹の婚約パーティを派手にしたいと思って私がやった余興ですよ。それにこれはライザー君の願いでもありましたしね。」

 

うん?何でライザーさんが?何のメリットがあって?部長やライザーさんの親族も知らなかったらしく驚いてざわついた。

 

 

「俺が戦いのはドラゴンじゃない!お前だ!!中島剣吾!!貴様だけは完膚までに叩きのめさなくては気が済まん!!」

 

……やっぱり、いくら不死身でもアレは根に持つか……。

 

勝ったら褒美をくれるので婚約を無しにしてもらうことで合意した。

 

簡易なバトルフィールドが作られた時「俺にも眷属でないが変わった知り合いがいてな。そいつらも参加させて貰うぞ。来い、お前ら!!」と言うと魔方陣から転移してきた。

 

「呼んだか?ライザー?」と現れたのは先程出会った三人組!いそにい、マイロンさん、佐々木さんだった。

 

「剣坊?ライザーの婚約を壊しにきた悪魔がお前の義兄か?」事情を知らないライザーさんと一誠を始めとしたこの場にいる人々に軽く関係を説明する。

 

「こいつらを含めて4人でやらせて貰おう。魔王様からの要望でもあるしな。」

 

「お兄様、そんなの」

 

「一度決まったことを覆すにはこれぐらいハードルが高くないとね。それに彼らも変わった神器(セイクリッドギア)を持っている。その力を是非ともこの目で見たくてね。」とサーゼクスさんが言う。

 

「そうゆう事だ。さあ行くぞお前ら!!」「やなこった!めんどい!」と3人同時に異口同音に言うと、敵味方関係無くその場にいた全員がずっこける!

 

「何が悲しくて昔の弟分をしめなきゃいけないんだ。因縁あるならてめーでやれ。」

 

「他人の恋愛トラブルに首突っ込んで碌な事無いしね~。アタシたち全員なら相手怪我じゃすまないよ。そこまでする気はないんだけど。」

 

「せめて同じ数に戦うべきでござる。武士らしく正々堂々と戦うべきでござる。」と口々に言う。

 

どうやら明確な主従関係ではなく悪友的な付き合いだと何となく分かった。

 

「フェニックスの涙があるから怪我しても回復する!!それに拒否するならお前らが以前壊した俺のコレクション弁償させるぞ!!」

 

「すまんな、剣坊!!ライザーとは腐れ縁でな、頼みを断ることはできない!」と全員が態度を一瞬で変えた。

 

「一誠、君は下がってて!!君の力は後半、必要なんだ。」と言い一人で向かう。

 

それに対し三人がそれぞれ独特な構えをする。すると[アンギラス][バラゴン][バラン]という機械音の音声が鳴り響くと共に武装を出現した。

 

[アンギラス]には両肩に剣山を思わせるトゲトゲが複数あるスパイクアーマーをしておりタックルすると痛そうな形をしている。

 

[バラゴン]は狛犬と恐竜を混ぜた様な兜を被っている。頭部に大きな耳みたいな装飾がある。

 

そして[バラン]は両肩に棘がついたマントが出現した。間違いない、聞き間違いなんかじゃなかった!あの時僕と戦った[バラン]と同じ奴だ。

 

神器は確か転生し新たな所有者に宿るらしいがまさかこんなすぐに出会うなんて!既視感を覚えていると機械音で[禁手](バランスブレイク)と鳴り響く!!

 

しかも三人同時に聞こえる!という事は……

 

[暴竜の剛武装](アンギラス・アームズ)、[地底獣の土武装](バラゴン・アームズ)、[山神の天武装](バラン・アームズ)!!!と鳴り響くと発光した!

 

同時に凄まじい圧力を感じるとそこには予想通り姿を変えた三人がいた。

 

[バラン]はやはり以前と同じ姿をしている……!いや、以前の奴よりどことなく忍者ぽく見える気がする。忍者マニアのマイロンさんだからなのかなあ?

 

[バラゴン]は赤茶色の全身鎧を身に纏っている。両腕が猛獣の手のような籠手が特徴的に見え、兜の一本角が長くなっている。

 

理恵さんが宿しているせいかどことなく女性ぽく感じた。

 

そしていそにいの[アンギラス]は灰色を基本色にした恐竜とヤマアラシを混ぜた様な装飾の兜をした、背面が棘だらけの全身鎧に変化した。

 

この中で一番大柄且つ威圧感があるのでものすごく強そうに見える……。

 

僕は「いくら何でもこれは流石に反則では?禁手ができる上数もそっちが多いなんて勝てる気がしないんですけど……」と呟く。

 

会場も禁手できるのが三人もいて驚きでざわめいている!

 

バトルフィールドに移る。フィールドは時代劇の剣豪同士の決闘シーンやにありそうな草原と忍者が潜んでいそうな大きな沼がある場所だった。

 

どことなく和風の雰囲気があり実際、マイロンさんは大興奮だった。これでお城か日本家屋があれば完璧だね。

 

僕は一誠に「君は最後に参加して!それまでは僕がなんとかする!」と言う。

 

「おい、何言って!」「”あれ”は短時間しかできないんでしょ!ライザーさんにぶつけないと勝てないんだ!」

 

「君はいつかキングになりたいんだろ?なら、今回その練習だと思えばいいよ。必ず犠牲や倒れる事になれないといけない時が来る!」と言う。僕の目を見て覚悟が伝わったのか僕を通す。

 

ライザーさんが「仮に俺たちがお前を倒してもお前の義兄には手をださん!奴とは俺がサシで勝負してやる。だが、お前にはたっぷり礼をしてやる!」

 

「お前、俺に何か言うことは無いか!?」と言いながら猛火を放つ。見事に直撃をくらいながら僕はとりあえず頭を下げた。

 

「流石に不死身とはいえ、あれは酷いと自分でも正直引くね……。」と言う。

 

「え、何したの」とその場にいた人が声をハモらせ訪ねた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




磯野敏博(いそのとしひろ)とある大学の4年生。剣吾が幼稚園に入る前に彼の近所に引っ越したので面倒を見ていた。

悪戯好きのガキ大将だが根は優しく面倒見も良く年下の子の面倒を見ていた。実家が良く分からない道場をやっている。

本人もどうせインチキだと話しているが意外に実戦向き。現在師範代になっている。

大学で様々な格闘サークルから助っ人で参加し優勝している。ちなみに減量が嫌いで不利でも余裕がある階級にでている。

それぞれ格闘技で有段者を超える実力があるがケンカできないから昇格試験を受けない。神器を使わなくても下手な猛獣より強い。

剣吾と別れてすぐにアンギラスを宿す事になり、定期的にボディーガードやトレジャーハンター紛いの事をしている。

まだ人間だった雪蘭(シュエラン)とイザベラが格闘修行の時に敏博の道場に来て一時的な妹弟子にあたり、その関係でライザーと知り合う。

互いに友人だと思ってはいるが同時に便利な存在として利用し合うある意味共生関係が上手くいっている。

昔から釣りと剣玉、日曜大工が得意。見た目はコナンの京極さんと服部平次君を混ぜてさらに悪ガキにしたようなのをイメージしてください。

名前の由来はサザエさんの磯野家とスーツアクターの小倉敏博から。

マイロン・ハリス 名前の由来はバランの海岸版の脚本シド・ハリス。ブラットレー司令役のマイロン・ハーレーから。

忍者マニアの絵に描いたような白人のアメリカ人。日本に留学し磯野敏博と佐々木理愛で知り合った。

ちなみに忍術だけでなく日本の伝統文化全般が好き。かなりのイケメンのため結構もてる。好みは大和撫子。

日本の知識が偏っている。一番神器?に目覚めるのが遅く内心二人を羨ましく思っていた所こないだ宿すことができ、喜んでいる。

ムササビの術などを実際にできるようになり歓喜している。三人の中では一番常識がある。

実は敏博の実家は忍術を元にした道場でそれを知り、来日しホームステイしている。だが、当の敏博は嘘だと思っている。

好みも和食で日本人より日本文化に詳しい。

佐々木理愛(ささきりえ)見た目は小学生か中学生か迷うかもしれないぐらい幼い容姿をしている。黒髪長髪でそれこそ女子小学生がしそうな格好を好む。

どことなく日本人形を思わせるが中々の美少女(美女?)

名前の由来はバラゴンのスーツアクターである佐々木俊宜と太田理愛から。

近づいてくるのはロリコンでしかも変態しかこないので男運が無い。ちなみに他の二人から欠片も異性として見られていないことに不満を持つ。

そんなこともあり格闘技を学びその才覚を覚醒させた。大の酒好きで昼から飲んでいることがある。その上、酔わないほど強い。欠点はそのため運転免許を持てず保険証が必須になっている。

大学入学時に二人と知り合い、波長があったのか絡む事が多い。よく年寄りから可愛がられており最高学年にも関わらず後輩から子ども扱いされる。

土いじりが好きでよく農作業をしている。穴掘りが得意で夢はいつか温泉か石油もしくは財宝を掘り当てること。

神器?は昨年所有して穴掘りが簡単にできるのでうれしく思っている。

「暴竜の双針盾」(アンギラス・ショルダーガード) 灰色を基本色にした両肩に剣山を思わせるトゲトゲが複数あるスパイクアーマー。禁手と異なり取り外し可能で他者が使用することも可能。

「地底獣の兜」(バラゴン・ヘルメット)赤茶色の狛犬と恐竜を混ぜた様な兜。暗闇でも昼間の様に見ることができ聴覚も優れている。頭部にある一本角を発光させ懐中電灯がわりになる。

禁手については次章紹介します。ちなみになぜ禁手がアームズとなっているのは作者の英語が苦手で名前考えるの面倒だからという理由以外にもう一つ理由があります。

ちなみに作中剣吾君の歌があそこまで効果あったのは賛美歌を実際に持っていたためでただ歌っただけでは単に耳障りなだけです。

サーゼクスさんが無茶な条件をつけたのはそれぞれ巨獣器(タイタンギア)の能力と危険度を実際に見るためです。

その内巨獣器(タイタンギア)は禁手が基本なので通常状態では戦闘用にむかないケースもそこそこあります。

剣吾君を冷たいと思うかも知れませんがこれは実際にその場を見ていないからで見たら動揺しまくっています。










目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第二章 戦闘校舎のフェニックス編5

頑張ってこの章含めて残り3話。短ければここで終わりそうな感じ。

一章より少なめになりそうです。


話はゲームで僕中島剣吾が穴に落とされ地中に生き埋めされた頃に巻き戻る。回想だから一人称は僕で統一するよ。

 

「いたたた、これでリタイアしないんだから随分頑丈になったもんだ。」と一人呟きながら神器(セイクリッドギア)を装着しながら周りの土を掘る。

 

そう、僕がゲームに備えていたこと。それは落とし穴に落ちない事では無く落とし穴から地中を掘り進み移動できる様に密かに訓練した。

 

中々大変だった……。穴を掘るだけならいいが地中で掘り進めると力加減を間違えると掘った側からまた土崩れして生き埋めになるを繰り返した。

 

辛かった……。モグラの気分をいいだけ味わうことができた。

 

しかも一言で地中と言いっても岩盤を始め硬さが全然違うし基本暗いからよく見えなくて何処進んでいるか最初分かんなかった。

 

後に何とか位置や場所が分かるようになったけど、どうして分かるのか自分でも説明できない。

 

そんなわけで校舎を地面から掘り進めて中に密かに入ろうと思ったのだが突然、部長と一誠が屋上から落ちライザーさんが降りてくるビジョンが見えた!

 

一瞬の未来予知なのか何なのか分かんないけどこの直感を信じる!そう思い僕は地中でひたすら平目のように待ち続けた。

 

そして予知の通り降りてきたライザーさんの足を引っ張り地中に引きずり込み脱出途中で見つけたとある場所まで一気に突き進んだ。

 

「ぶは、ここは?」と水面に落とされたライザーさんが咳き込みながら言う。

 

それに僕は「どうやら地底湖か貯水池みたいだね。掘ってるときたまたま見つけました」という。

 

ライザーさんが「ここに連れてきたら勝てると思ったのか?この俺に!!」と言い翼を広げ向かってきたが、僕も神器から炎をだし発射した。

 

狙いはライザーさんでは無く、この大量の水!高熱に大量の水が接すると瞬間的に蒸発することで爆発する俗に言う水蒸気爆発という現象だ!

 

この密閉空間で爆発すれば当然のことだが崩落していき再び生き埋めになる!お互いに身動きがとれにくくなる。

 

そして動きが満足にとれないライザーさんに対し掘り進め遂に捕まえる!

 

そしてそのまま殴りつけた。ここなら空を飛ばれないし、動きも限られる。殴り合いならこっちの方に分がある。

 

土砂に苦しみながらもライザーさんがダメージの回復と周囲の土砂を弾き飛ばす為に再生の炎を燃やす!

 

高熱を感じながらも馬乗りでパンチする!「これで勝ったつもりか!長期戦なら回復し続ける俺が有利だ!」と言い炎を纏いながらこっちに攻撃する。

 

たしかにこのままならいずれ再生する向こうが有利だろう。だが、あいにくこっちは最初から殴り合いで決着つけるつもりは毛頭無い。

 

「フェニックスはいかなる傷も再生する不死鳥。にも関わらず今の魔王になった者がいない。それこそが不死は最強でも無敵でも無い証拠!

 

僕は結構ファンジーが好きでね。よく幻獣の事を幼い頃から考えていた。

 

僕は殴り合ったり、再生するのを間近で見ていたとき気がついたんだ。

 

これは部長達にも言えることだけど君たち悪魔は人間より強力な力を持っているが、あくまで生物に過ぎないと言うことに。」

 

と僕が言う。

 

「スタミナ不足が弱点だと?それで勝てるつもりか!」と叫ぶが僕は首を振る。

 

「密閉空間で君のその炎を燃やすことが目的だった。本当は僕が自分からやった方がいいけど正直気が引けるし何よりまた周囲の土が崩れそうだしね。」

 

「一体……なにを……?何だ、妙に息切れが……?」

 

「生物にとって生きるために一番大切なことは何だと思う?」

 

「……いきなり、何を言っているんだ。」と聞きながらも咳き込み始める。

 

「お前、まさか毒を……。」「ある意味正解だね。僕は君たちも呼吸が必要な存在だと気がついた。」

 

「人間と同じぐらい息をしなくても良いのかは分からなかった。君たちフェニックスはいかなる傷も再生すると言ってた。じゃあ、傷以外ではどうかな?

 

僕は殺し合いをするつもりは欠片も無い。ゲームだしね。

 

だから、君たちが何処まで不死身なのか気になってグレイフィアさんから資料貰って調べてみたんだ。そして、気がついたんだ。

 

君たちも気を失うし、病や毒も通用する。なにより呼吸も必要だとね。

 

その時点で僕はどうにか君を窒息させることに集中し考えた。本当はこの地底湖使えれば良いけど水深が浅すぎて溺れさせるには心許ないからね。

 

だから、地下に連れてきた!地上に繋がる穴を防いで空気の通りを悪くする。その上で今の様にダメージを与えれば自動で再生し始める。そうすると炎ができる。

 

君たちの炎が水中や空気の無い場所でも燃えるのか?

 

そもそも普通の炎と同じか分からなかったけど少なくても周囲に酸素があるならその影響を受けるみたいだね。」

 

賭けに勝った甲斐があったよ。君の再生の炎は強力だけどそれ故に場所によっては仇になる……。」

 

「もし、僕が最初から煙や炎を使えば気付いたかも知れなかったけどまさか、自分の炎で空気不足になるとは流石に気付けなかったでしょ?」

 

それを聞くと必死に穴を掘り地上に戻ろうとしながら「お前、共倒れするつもりか?こんな事正気じゃ無い!」と言いながら焦る。

 

僕は「いざとなったらその覚悟はあるけど、これ最近気付いたんだけど結構長い時間呼吸止めても平気みたいだね、僕の場合。」

 

実は修行中水中でも呼吸できるからどのくらい呼吸止められるんだろうと密かにやってみたんだが特に苦しむこと無く半日を修行しつつ過ごすことができた。

 

……何か一番人間やめている気もするがそれは気にしないでおこう。

 

「ここで何時間でも付き合ってあげるよ。それが僕が君を倒せる数少ない手だからね。」

 

それを聞きさらに焦って穴を掘ろうとするライザーさんを後ろから首を絞めさらに足や背中を蹴りつつ籠手から黒煙を放つ。

 

最初は激しく抵抗していたが次第に弱くなっていくのを感じている所でゲーム終了の知らせが届き僕たちも地上に戻された……。

 

 

 

 

────という事なんだよ。と僕は説明した。ちなみにその間もライザーさんから猛火を浴びせられていたが無視して喋っていた。

 

周囲の視線が引いているのを感じたがそれは無視しよう。

 

「お前、よくできたな……。」と一誠は言うが

 

「こんなの確実に殺したい相手でもないと絶対やんないよ。今回相手の方が実力が圧倒的に上で不死身だからやったんだよ。じゃないとこんな危ないことできるわけ無いじゃん!」と笑いながら言う。

 

「あれ以来閉所、暗所恐怖症なったんだぞ!どうしてくれる!」

 

「大丈夫!人は恐怖を克服して成長していくものだから!」「恐怖を与えた張本人が言うことか!」僕とライザーさんで漫才の様なやり取りをしている。

 

その様子をいそにいトリオはどっかからか持ってきた酒とつまみを持ってゲラゲラ笑いながら鑑賞していた。

 

「さて、じゃあそろそろやるか」と僕が言うとさきほどからずっとでてこようとしていた神器をだす。

 

するといそにい磯野敏博(いそのとしひろ)が

 

「んじゃ、仕方ねーからライザーおめえ下がってろ!剣吾!昔は体弱かったから気使っていたがもう健康そうだしいいだろう!ちょっとぶつかり合おう!」

 

と言い終わるが否や見た目からは想像もできないほど速く迫ってきた!

 

互いの右拳がぶつかり合うと同時に後ろに大きく飛ばされる!!

 

「おお、思ったよりやるじゃん!」とうれしそうにいそにいが言う。

 

「それじゃあ、ガチでやってみようか~」というと上に跳んだと思ったら身体を丸めると鎧も変形しハリネズミみたいに丸くなり突撃してきた。

 

よく映画である巨石がこっちに向かってくる光景に似ている。しかも棘もありこっちの方が見るからにやばそう!

 

とっさに躱すと後ろの方にあった巨大な岩にぶつかって止まった所を狙うかと思っていたが全く苦も無くあっさり壊した!

 

しかも方向転換してまたむかってきた!あんなパワーにとげとげがあるとミンチになる未来しか見えない!

 

しばらく必死の追いかけっこが続いた!「目回んないの?っていうかどうやって周囲認識しているの!?」

 

「何かよく分からんけどなぜか普通に見えるだよな~。ふしぎだよね~。」と言いながら全く緩める事無く追いかけっこは続くと思っていたら突然、足が地面にはまる。

 

何だと焦りながらも抜こうととしても足がびくともしない!これは一体・・・?

 

足下を見ると穴の奥に狛犬の顔が、いやよく見たら[バラゴン]の兜だった!

 

「ごめんね、見ているだけじゃ退屈だしちょっと確かめたいことあるから大人しくしていてね。」と佐々木理愛(ささきりえ)の声がする。

 

さらにムササビの様に[バラン]であるマイロン・ハリスが滑空し僕に攻撃し気をそらす。

 

そんな足止めされると追いつれ[アンギラス]であるいそにいのタックルが直撃した。

 

ぶつかった瞬間に足を離されたので勢いで大木などを倒しながら大きく吹っ飛んだ!

 

激痛に耐えながら起き上がる。幸いどこからも出血していないし、内出血も無いみたいだ。……我ながら随分頑丈になったもんだ。

 

最悪体中穴だらけになる覚悟もしていた……。ああ、怖かった!

 

「……やっぱり~その程度なのね~?」と佐々木さんが言う。

 

「その馬鹿(磯野)の攻撃はあたしたち三人の中でも一番怪力で攻撃力がある。それをまとめにくらって出血もしないなんて凄いことよ。」と褒めてくれるのはうれしいが現状頑丈なサンドバッグに過ぎないので反応に困る。

 

「現状あなたに余りにも不利だからあたしたちの神器(セイクリッドギア)について軽く教えるわ。

 

あたしの[バラゴン]はこの三人の中で一番敏捷かつ小回りが効くの。後、地中を高速で掘り進めるのが得意で泳ぎも速いわよ。

 

欠点はこの中でその分力も防御も低いわね。

 

マイロンの[バラン]は単純な速さや力はあたしと磯野の間だけどさっきみたいに空中を飛べる上泳ぎも上手い陸海空どこでも対応できるわ。

 

後、実は棘に動きを鈍らせる毒があるわ。

 

そして磯野の[アンギラス]。あたしたちの中では一番力が強い上に何より硬さとスタミナがずば抜けている。

 

その上動きも機敏ね。欠点は地上はともかく水中ではあたしたちほど速くないわね。

 

まあ、それでも充分速い方だけど。今みたい丸くなって突進されると結構面倒よ。基本的に格闘専門には厳しい相手だと思うわ。

 

あなたはその攻撃を直撃してもどこも怪我せずに耐えられた……。それも禁手しない状態にも関わらず。多分貴女の神器は私たちのやつよりおそらく強力ね。

 

おそらく今回の余興は妹の婚約うんぬんは建前ね。

 

おそらく魔王様としては貴女をはじめあたしたちの神器を直接見て色々調べたいってことじゃないかしら。」と佐々木さんが言う。

 

……それって、じゃあ婚約の破棄とかは実際の所どうでも良くて俺を狙っているということか?

 

何、じゃあここで俺は処分されるかも知れないってこと!?

 

グレイフィアさんに氷漬けにされたことを思い出す。

 

おそらく彼女が悪魔サイドで最強というわけではないだろう。彼女レベルが複数いるなら生きて帰れる自身が欠片もないな!

 

端から見てもすぐに分かるレベルで狼狽しているとマイロンさんが声を掛ける。

 

「まあ、そう心配するなでござるよ、剣吾殿。拙者たちももし、そうなったら磯野殿の友人でもあるそなたをお守りしまり致しますぞ。」

 

「幸い、他勢力と繋がっている知り合いがいるからいざとなったらそこに逃げるでござるよ。」と笑いながら軽い感じで言うがそれ、結構まずくないか?ライザーさんとかの立場とか……。

 

「心配するな、俺たちに悪魔サイドから漏れて困るような内容は一切知らない。欠片も興味ないしな!!」といそにいが断言する。

 

そんな自信満々に言わなくても……。その上で

 

「だが、剣吾。お前が何処までできるか気になった。今後のここともあるし今お前がどのレベルかはっきり認識させる必要がある。

 

お前昔と変わってないみたいだから多分自分より打たれ弱い、力が弱い相手には怪我させないよう気を遣い、やりにくい。

 

かといって逆に自分より怪力や防御が高い相手だと勝ち目がないと思い、逃げようとするだろう。

 

だが、、全く根拠のないただの勘だがお前は今後色々望まずに大きな渦の中心になる存在になるとみた!

 

その時の為にまずは俺たちに本気の力を見せろ!」とまるで少年漫画の様に言ういそにい!!

 

そう言えば昔からこんな感じで強引だったな、いそにい。

 

しかし、力を見せろと言われてもねえ。ぶっちゃけ勝てる気が無いんだが。仮に身体能力で上回ったとしても格闘技の達人である彼ら対抗できる気がしない。

 

よく漫画とかで凄腕の素人がその道の達人を倒すというのがあるが正直できるわけないと思っているタイプなんだが……。

 

でも、確かに向こうの言葉にも一理ある。ここは胸を借りるか……!

 

と思いながらもダッシュで逃げる。理由は「お~い、逃げるな!!これを攻略して見せろ!!」

 

「基本素手なのにそんなトゲトゲ触れるわけ無いじゃん!!もう少しレベル下げてやってくれ!」と叫ぶが「男だろ、骨折の10回や20回は経験するもんだ!」と言いながらハリネズミ状態で追いかけてくる。

 

ちなみに炎は通用しないっていうことは何となく分かる。しかし、このままじゃまずいので逃げながらタイミングを計る!

 

しびれを切らしたのか大きく跳ぶとそのまま猛スピードでこっちにむかってくるのを目で見ていないのに脳に映像ではっきりと分かった。

 

タイミングを合わせ右足でオーバーヘッドキックをいそにいにする!

 

見事に決まり完全に油断しまくっていた佐々木さんとマイロンさんに直撃する!

 

悲鳴をあげながら重なりながらも文句を言い合う。

 

「ちょっと重いから速くどいて!!」「そうしたいのだが引っかかって、マイロン大丈夫か?」「何とか大丈夫です。」

 

「普通女性に聞くもんじゃない?」「マイロンが一番下だから一番重いだろうが。」

 

「いつまでくっついているの?そんなに乙女のぬくもりを味わいたいの?」

 

「「……乙女のぬくもり?」」とハモると佐々木さんがぶち切れていそにいを投げ飛ばし、マイロンさんを思いっきり踏んづけ飛び上がった。

 

流石に二人とも痛そうにしていた。

 

その隙にライザーさんを攻撃するなり追撃できれば良かったのだがかなり無茶があったらしく鈍痛を味わっていてそんな余裕は無かった。

 

やっぱり籠手以外では触んない方がいいな・・・。

 

我ながらよく足に穴が空かなかったもんだと感心した。

 

だがこれ非常に不味いなと思っていると回復したいそにい達が「思ったよりやるからここからレベル上げていくぞ!」と言う。

 

え、まだ上があるの?こっちの動揺を無視してそれぞれ構えると武器が出現した!?

 

え、何召喚したの?もしくは創造した!?

 

マイロンさんの手には鎧と同じ色をした苦無が握られていた。全部で何個あるのか分からないけどとりあえず1、2個ではなさそうだ。どことなく鎧の棘に似たような形をしている……。

 

佐々木さんのは鎧と同色のランスで兜のモデルと思われる生物が穂先に刻まれている……。この中で一番小柄なのに長柄の武器で驚いている。

 

何となくだけどただのランスじゃない気がする。

 

そしていそにいのは……何あれ、先端にサイズがスイカ並みの棘鉄球になっている短い棍棒。

 

メイス(戦槌)タイプのモーニングスターを持っている。何か柄がイメージしている奴より随分短いような・・・?

 

こうゆうのってもうちょっと長かった気がしたんだけどな?あの短さだと殴りにくそうな気がするんだけど?

 

まあ、それよりも……?「……何、その武器?凄い物騒な匂いがプンプンするんだけど……!?」

 

「ああ、そうか。お前には無いんだったなあ。どうやらライザーの親父さんが言うには俺たちみたいに最初から禁手できる奴らは武器を取り出すことができるそうだ。」

 

「この鎧と武器を使うのが俺たちの基本らしい。集中して躱すなり防御しないと大けがするから気をつけろ!」

 

と言うといそにいがモーニングスターを振りかぶった。その瞬間本能的に危険を感じ無意識にその場から急いで離れた。その直後、あの鉄球がさっきまで俺がいた場所にめり込んでいた。

 

よく見るとワイヤーが鉄球と棍棒に繋がっていた。巻き尺の様にワイヤー凄い勢いであっという間に収納され元のメイスらしき状態に戻った。

 

成る程……。鎖じゃ無いけどあれは俗に言うフレイル(連接棍棒)タイプのモーニングスターというやつだろうか……?いや、物騒な剣玉と言う方が正しいのか……?

 

今見た感じだとワイヤーの長さはどうやらある程度長さを調節できるみたいだ……。

 

とりあえず10メートルはほぼ確実に射程範囲だと思った方が良さそうだ!この手の武器は懐に飛び込めば怖くないと言うがまずその懐に飛び込むことができそうにもない!!

 

それに近づいたら近づいたでやばいという動物的勘がささやいている……。

 

何て考えながらも大きく躱している。

 

きっともっと小回りに躱せと思う人がいるかも知れないがそんな距離感性格に把握できると思わないし、怖いし何よりその選択したらヤバい気がするんだよな。

 

しかし、そんな考えしている間にも攻撃はさらに激しさを増す!

 

そして紙一重で何とか右に鉄球を躱したと思った瞬間急に嫌な予感と昔の光景を思い出した……。

 

咄嗟に転がってその場を離れるとさっきまでいた場所に上から鉄球が落ちてきた!!

 

……一つ聞きたい、これ完全に殺しに来てますよね?いそにいが釣りや剣玉得意なの思い出した良かった。

 

昔、高い所にあったスズメバチの巣を釣り竿を使って引っこ抜いてそのまま近くにあった池の底にたたき落として退治したことあったんだよね。

 

他にも正にカウボーイそのままで鹿を投げ縄で捕まえたこともあったとはいえ、だからってモーニングスターをああも自在に扱うとは……。

 

こんな回想しながらも攻撃の手は一切緩まないので必死に躱している。だから、その時気づけなかった。

 

モーニングスターが危険なのは鉄球だけでは無いということに……!

 

突然だが鎖鎌という武器をご存じだろうか?

 

鎌に鎖分銅を取付けた武器でよく時代劇の忍者が使っているイメージがあるだろう。詳しい説明はウィキペディアやピクシブ、又は図鑑とかで調べてみよう!

 

そんな鎖鎌で三つ危険な攻撃方法がある。一つは鎌。これは簡単だね、見れば分かる。斬られたら鎧とかじゃ無ければ普通に出血する。

 

二つ目は分銅。高速で分銅をぶつけてくること。これも分かりやすい。使いこなせば頭部に当てればそのままお陀仏させる必殺の武器らしい。

 

そして三つ目は……今何故この話をしたかと言えば今正に俺が似たような武器でやられているからだ。

 

鉄球を躱した所でワイヤーに左足を絡ませてせてそのまま振り回されている!!

 

そう、三つ目は鎖そのもの。鎖で相手の武器や体を絡ませ中には絞め殺したりそのままへし折ることすらできたらしい。

 

今正に映画やアニメの蛸や烏賊などの脚、もしくは植物系モンスターの触手に捕まり散々振り回されるというのをいやという程体験している最中である。

 

うん、これでもかっていうぐらいの視界が変わり目が回る~!!しかも地面や木とかにぶつけまくるし!!

 

これは命の危機を感じ始めたな。よく動物がじゃれているつもりでも人間にとっては命がけというのを正に実感している。

 

タイミングを計っていそにいの方に振り回した瞬間、神器の刃を展開しワイヤーを切断する!

 

その加速のまま体がいそにい目がけて猛スピードで飛んだ!!

 

ワイヤー切れて良かった……!!一撃で切れなかったらどうなっていたことか。

 

なんて考えているともうぶつかりそうになる。さすがにここまでボコボコにされたら相手に気を遣う余裕が無い。

 

もうモーニングスターは壊れて使い物にならない……。このままタックルが命中すれば勝機はある!!

 

そう思っていたのだがいそにいが壊れたモーニングスターを軽く振ったと思ったら(モードチェンジ、ハンマーモード)と言うどこからか聞こえた音声と共に一瞬発光した。

 

輝きが収まると壊れたモーニングスターでは無く人の背ほどの巨大な大金槌を持っていた。長柄を野球のバットみたいに構えこっちに狙いを定める……!!

 

……えっと、まさか!?予想通りハンマーで打たれ俺は正に野球ボールのように大きく飛んだ!!

 

咄嗟にハンマーの直撃を籠手でガードしたため今の打撃は神経がいかれていないなら今の所は大きなダメージはなさそうだがこのまま地面か何かに激突したら想像するだけで恐ろしい事になる!!

 

なんとか全身にかかる風圧耐えながらも何とか体勢を変えて地面が近づくと籠手から炎を全力で放った!!

 

少しでも勢いを殺すために必死でやった!!

 

その結果、最初は最初は流動して纏まらない炎だったが途中からジェットエンジンやロケットエンジンのように炎を収束させことができ何とか落下の勢いを殺すことに辛うじて成功した。

 

……まあ、それでもダメージは十分何だけど。

 

流石にかなりダメージ食らった。しかし、さっきからもの凄い短い時間でおきた出来事のはずなのに時間が妙に長く感じる。

 

周りがスローモーションとまでは言い過ぎだがゆっくり時間が流れるのに自分はいつも通り動けた。そうじゃなかったら全く対処できなかった。

 

きのせいだろうか?体がダメージを受けるたびにどんどん動きのキレが良くなっている気がする・・・。

 

「なんなのいそにい、その武器?」と俺の問いにいそにいは

 

「これが俺の武器だ。モーニングスターと大金槌に自在に変化することができるんだ。さらに変化させるとそれまでのダメージがゼロになる。」というと再びモーニングスターに変化させた。

 

……成る程、斬ったはずのワイヤーがしっかりくっついているな……。

 

つまり武器破壊が大して意味をなさいという訳か……。

 

どうしたもんだと考えているとふと嫌な予感がしたので後ろに跳んだ。その直後、地面から巨大な棘がさっきまでいた場所に突き出てきた!!

 

いや、あれは棘じゃ無い!!佐々木さんが地面から飛び出てきた!!さっきの棘は彼女のランスだ。

 

どうゆう理屈か知らないけどあの槍地面を掘り進めることができるみたいだ。

 

「本気でかかってこないと危険よ!!」木場君と同等あるいはそれ以上の速度で鋭い突きを繰り出した。

 

それを辛うじて真剣白刃取りの如く穂先を受け止めたと思ったら石突(刃部と逆側にある柄の先端)がレバーになっていて、後ろに引っ張ると一気に押した!!

 

すると爆発と共にランスが大きく打ち込まれた!!爆発に逆らわず後ろに吹き飛ばなければ危なかった!!

 

だが、息つく暇も間もなく上から嫌な気配を感じとっさに籠手でガードするとマイロンさんが上から苦無を持って斬りかかってきた!!

 

最初の攻撃は防げたがその後はあっちこっち攻撃が掠る!!

 

ナイフを始めとした短剣、短刀は副次武器(サブウェポン)として欠かせないもので万能だと何かの本で読んだことがある。

 

器用に両手で斬りつけられているの上佐々木さんが追撃してきたので籠手から大量の爆炎を二人に放つ!!

 

炎の勢いに押し出されたものの二人とも焦げ目も無く、やはり大したダメージもなさそうだ。

 

これは色々覚悟決めないといけないかも……。しばらく入院生活かなあ……。と覚悟を決めていると

 

「剣吾!!俺も……」と一誠がこっちに来そうになったので「来るな!!君はライザーさんにのみ集中するんだ!!」と言う。

 

「最初に言ったはずだよ。この戦い君がライザーさんに勝たないと意味が無いと。その為になにがあってもその時まで手を出すなって。」

 

「んなこと言ってる場合じゃ無いだろ!!こんなのただのリンチじゃ無いか!!それに魔王様、いや冥界もお前の事狙っているかもしれないんだぞ!!」と叫ぶ一誠に

 

「……そうだね~、どうしようか?とりあえず、先のことは分かんないから今はこの戦いに集中しよう。」と言い戦いに戻る。

 

そうは言ったものの打つ手が全く及ばない。一誠もこのままじゃ我慢の限界も近いだろうし、観客も考えると長期戦に持ち込めないだろう。

 

炎も大して効果無いし、刃は……できれば使いたくないし使ったところで勝ち目が欠片も見えないというのが現状。何とかしなければ……。

 

向こうは俺より攻撃範囲が広いから躱すのが精一杯!一誠みたいに何か新しい能力が開花してくれれば良いのだがそんな都合良くいく訳無いし。

 

焦っていると籠手から何か不思議な力を感じた……。これは最初に炎を出した感じに似ている……!?

 

籠手がいつもと異なり純白に光り始めた……!?これは一体?

 

「よく分からないが、させないぞ!」といそにい達が俺に向かってきた!どんなのか分からないけど射程も効果も不明だからできるだけ近づかないと!

 

モーニングスターと苦無、ランスを何とか急所を躱しながら近づく。……流石に躱しきれなかったので所々ダメージを負っているのだが……。

 

籠手の砲口を展開し発射した!!すると冷風と吹雪が吹き荒れた!!辺りに白い霧が発生して天候が雪に変化した。

 

少しいそにい達はひるんだけど「確かに寒いけど我慢できない程ではない!寧ろさっきの炎に比べれば大した威力じゃないな!!」と言い突っ込んできた!!

 

何これ!?全然役に立たないんですけど!!

 

そんな動揺を余所に「これで終わりだ!!」といそにい達が俺に向かって攻撃を繰り出しモーニングスターが頭部、ランスが腹部、苦無が首に迫る!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




この冷気、吹雪能力はすぐに分かるとは思いますが映画シンカリオンにでてくる雪のゴジラがモデルです。

次章でどうゆうものか詳しく説明します。

前章で紹介したものの禁手を紹介します。

[暴竜の剛武装](アンギラス・アームズ)

「暴竜の双針盾」(アンギラス・ショルダーガード)の[禁手](バランスブレイク)形態。
灰色を基本色にした恐竜とヤマアラシを混ぜた様な装飾の兜をした、背面が棘だらけの全身鎧。ハリネズミの様に丸くなって回転すること可能。

この時も視覚が遮られているはずだが正確に攻撃、移動できるが本人もどうして不明。

鎧の棘はある程度長さを調節でき、戦車と騎士を合わせた様な身体能力と硬い鎧にスタミナも合わさり接近戦では非常に対応しにくい相手。

「暴竜の戦槌」 (アンギラス・ハンマー)
二つの形態に変化し、例え破損しても別の形態に変化するとダメージがなくなる。

モーニングスター(鎖鉄球)モード 先端にサイズがスイカ並みの棘鉄球になっている短い棍棒。

このままでも一応接近戦は可能だが基本的にはワイヤーに繋がっていて鉄球にバーニアがあり、加速と軌道調整を行うことが可能。

ワイヤーも非常に強度を始め熱などにも強いので振り回すと簡易のシールド代わりにもなる。

スレッジハンマー(大槌)モード 人の背ほどの巨大な大金槌。接近戦は基本これを使う。見た目通りの威力と強度を誇る。

[地底獣の土武装] (バラゴン・アームズ) 
狛犬と恐竜を混ぜた様な赤茶色の全身鎧を身に纏っている。頭部に大きな耳みたいな装飾がある。
両腕が猛獣の手のような籠手が特徴的に見え、兜の一本角が長くなっている。

小回りが効き地中移動が得意。さらに跳躍力が高い。水泳能力も高くバランに次ぐ適応性を誇る。

[地底獣の馬上槍](バラゴン・ランス)
鎧と同色のランス。戦闘以外にも地中を掘り進めるのに使われる。石突のレバーを引っ張り押すと爆発し同時にランスが大きく押し出される。

本来は一度対象を突き刺してから爆発させ内部を破壊し穴を拡大すると同時に脆くなった部分を高速で槍を伸ばし刺突するという見た目以上に殺傷力が高い。

特に回数は制限は無いが連続使用は余り適していない。

[山神の苦無](バラン・クナイ)
バランの棘似た鎧と同じ色をした苦無。主に投擲とナイフとして斬るのに使われる。現在は合計五本だが、両手に一本ずつ持つのが基本。

投げた苦無は手持ちから全て失えば自動的に転送される。

ゴジフェス初めて見ましたけど面白かったです。4000円の価値がありました。地方民なので今後もオンラインして欲しいです。

まさかのゴジハム君復活とは想像すらしていませんでした。













目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第二章 戦闘校舎のフェニックス編6

まさかのゴジハム君が復活し、ジェットジャガーで盛り上がるなんて4,5年前に言ったら正気か疑われますね。

シンフォギアのゲームがグリッドマン、ゴジラ、ウルトラマンに続きガメラとコラボとは凄いゲームですね。


俺、兵藤一誠は義弟の中島剣吾が戦うのをじっと我慢して見ていた。

 

確かにアイツの言うとおりここで力を発揮すれば確実にライザーには勝てない!!

 

そんな説得もあり黙って見ていたが今目の前で剣吾が三人から攻撃を受け、バラバラになる!!

 

思わず駆け寄ろうとしたが、その直後剣吾の姿が消え、三人がそれぞれ、互いに攻撃が直撃し、悲鳴をあげ倒れた!!

 

……これは、いったい……?さっきまであそこにいたのに?

 

また、剣吾の姿を見えたがアイツも驚いているようだからどうやら全然把握していないみたいだな、あの様子だと・・・。

 

あの霧や雪の影響で蜃気楼みたいに姿を錯覚させることができるのか?

 

そう思っていると剣吾の姿が無数に増えた!?まるで分身の術みたいだ!磯野さんがモーニングスター振り回して霧を吹き飛ばそうとする

 

だが、吹き飛ばされずにいる。3人とも下手に動くと同士討ちになると判断したのか互いに背中を合わせて全方位を警戒している・・・。

 

だが、近づいたら仮に姿を見えなくても気づかれる可能性が高いし、炎や石を投げてもその方向から気づかれるかもしれない。

 

このまま氷漬けにはできないだろうし、剣吾はここからどうするつもりなんだ!?

 

そう思っていると剣吾の方を見ているとふと、あることに気づいた!!

 

そして、タイミングを合わせて俺は耳と目を塞いだ!!

 

すると、目を閉じた状態でも分かる様な毒々しい紫色の輝きと音が聞こえないのに何故か爆音が響いた気がした。

 

時間にすればほんの数秒だったんだろう。だが、磯野さん達トリオは苦しんでいるようだ……!?

 

「どうやら通常聞こえない領域の音の振動と籠手の特殊な発光により感覚器官が過剰に反応し体に拒絶反応があるみたいだね。

 

こちらは自動的に防御されるようになっていたから無事だが間近にいた彼らには辛いだろうね。

 

彼らの方が剣吾君より神器(セイクリッドギア)の力を引き出しているからその分感覚器官も優れていた。だからこそ、剣吾君よりダメージが大きいんだろう。」とサーゼクス様の声が聞こえる。

 

そうか、だから剣吾は俺に目と耳を閉じろって合図したんだ。あいつ、随分無茶やったな……。

 

うん?剣吾よりダメージ……?剣吾の方も様子を見るとあいつも苦しそうに座り込んでいた……!!

 

「お前にもダメージあるんかい!!」「……んなの平気なわけないだろう……。手で防げないし。もう二度とやらない……。」

 

とちょっと気持ち悪そうに言う。そこにどうやら上手く防げたライザーが「おい、何しているだ、お前ら!!」と言うが

 

「酒飲んだのもあってめっちゃ気持ち悪い……、まあ、ダメージたまっているから後はお前がどうにかしろ。俺たちはリタイアするわ。」

 

「それにここからはお前一人でやった方がいいだろう。俺たちの力で勝ってもうれしくねーだろ?」と磯野さん達が言うとフィールドから消えた・・・。

 

……どうやら、嘘じゃなくて本当にいなくなったみたいだ。

 

「あいつら、魔王様の頼みだというのに……!まあいい、確かにここからはおれ自ら相手になってやる!」

 

と言うと炎の翼による熱風で吹雪と霧を打ち消した!!

 

幻影も消え、剣吾の姿がはっきり見える!!ライザーがそこに突進しようとしたので危ないと叫び飛び出そうとしたが、体が上手く動かない!?これはいったい?

 

ライザーを見ると妙にゆっくり動いている!?「なんだ?これは!?動きにくい!」と言い飛ぶことも満足にできないでいる!?

 

一方、剣吾は回復したのか立ち上がって俺たちを見て一言。

 

「……何変な動きしているの?」「「お前がやったんじゃねえのか!!?」」

 

と思わず俺とライザー二人が突っ込むと「少なくても狙ってやったわけでは無いね。」と答えた。

 

「そこはハッタリだとしてもお互い間抜けに見えるから狙い道理とでも誤魔化せよ。俺たちが間抜けに見えるだろうが!!」と突っ込むが

 

「ハハハ、嫌だなあ。俺たちがそんな賢そうに見えるわけ無いんだから、見栄張る方がみっともない。」と笑いながら言う。

 

そして今ある状態を見て「……元々こうゆう効果なのか、たまたまできたのか分かんないけど、どうやら雪がやむと密度の濃い特殊な空気に変わったみたいだな。」

 

さらに「まるで水中にいるみたいな空気の抵抗力が強くなるようだ。呼吸も問題ないし、濡れないけど今正に水中にいると思ったほうがよさそうだな。」と剣吾が言う。

 

「確かに動きにくいが、炎は問題なく燃えるから戦闘に支障が無い!!お互いに動きが鈍いなら遠距離攻撃に長けている俺の方が有利だ!!」とライザーが剣吾にむかって複数の火の玉を放った!!

 

まずい!ただでさえ、動きは向こうの方が速いのにこの動きを鈍らせる空間じゃ剣吾には絶対よけられないと俺は焦ったが次の瞬間信じられない光景を目にした。

 

剣吾が軽やかに避け、明らかに普段とは比べものにならない速度でライザーに迫る!!動きも単純に走るというより途中で重力がないかの様に飛ぶように動いている!?

 

いや、あれは飛ぶと言うより泳いでいると言う方が近いのか!?

 

「やっぱり、水中みたいだね。なら、この空間では俺の動きは普段より格段に速く動ける!!いつまでこのままか分からないうえさっきからのダメージも蓄積して不味いから悪いけど容赦なく叩きのめさせて貰うぞ!!」

 

剣吾がそう言うと燃えるのを気にせずに半ば浮遊しながらライザーの頭を掴み地面に押しつけながら引きずり回すす!!

 

ライザーも必死に離れようと炎を燃やす!!いや、あれはもしかして体の一部が削れてそれを再生するために燃えているのか!?

 

一旦剣吾が岩目がけてライザーを投げ飛ばす!!岩にぶつかり苦しむライザーに対し勢いよく飛び蹴りした!!

 

うわ、後ろの岩が砕け散ってライザーが口から噴水みたいに血を吐き出した!!えぐい!……あいつライザーに対してはマジで一切容赦ないな……。

 

治るから別にいいだろうと本気で思っているんだな!!でも有利なはずな剣吾だが妙に余裕が無い。

 

……やっぱりダメージが大きいんだな、そう思っているとライザーが復活し逆に剣吾に掴みかかった!!

 

「どうやら、あいつらの戦いとさっきの自爆のダメージが効いているみたいだな?人間にしてはよく頑張ったがここまでだな!」とライザーが掴みかかる。

 

「さっきの妙な空間も時間がたったのかそれとも俺の炎が原因か分からんがもう無い!!今のお前では俺には勝てん!!」と吠える!!

 

すると剣吾が「確かに……俺はそう長くもたないな……。だが、一誠がいる。だから、安心して任せられる。それまで精々悪あがきさせてもらうとしよう!

 

「あんな下級悪魔に何ができる?神滅具(ロンギヌス)を所持しているか言えるのか?」と言うライザーに対し

 

剣吾は「あいつは昔からケンカに勝てないけど負けない奴だったよ。敵に回すとかなり面倒な相手だよ。」

 

「いずれにせよ、後は任せたぞ一誠!!決着をつけようか!!」「望むところだ!!」と言い戦闘が再開される。

 

ライザーは近づけばまた怪力に苦しめられると思ったのか、飛行を邪魔していた大気も消えていたので自由に空を飛べるので上空から一方的に炎を飛ばし攻撃している。

 

一方剣吾は炎も雪もだそうとせず、何かを狙っているみたいだが何を狙っているんだ?

 

爆発を受け、近くの池まで飛ばされ沈んだ!少し様子を見ても浮かんでくる気配が無い……。気絶しているのか?

 

まあ、剣吾がここまで頑張ったんなら俺がやるか足を進めようとしたときだった。

 

突然池から噴水の様に水柱が発生しライザーに命中した!!いや、あれは水柱の様な渦潮?水の竜巻とでもいうのが正しいのか!?

 

ライザーの炎が燃えているはずなのに水蒸気爆発も起きずにライザーの動きを封じている!?これは一体?

 

いずれにしろライザーはあの竜巻から抜け出せないみたいだ!!どうやら剣吾はあそこの池にあった水を使ってアレをどうやったのか知らないができたらしい。

 

でも、水深が随分浅くなったのに剣吾の姿が見えない……?

 

一体何処行ったんだ?と思っていたら竜巻の一部が妖しく光っている!?

 

その光はライザーに近づいていく……!?まさか、アレって?

 

光がライザーがいると思われる影にぶつかった瞬間、竜巻も消し飛んだ!!

 

そこには籠手の刃を展開し、上空で落下に備える剣吾とライザーがいた。

 

剣吾は無様にそのまま落下したのに対し、ライザーは優雅に着地した。「どうやら失敗に終わったようだな、これで終わりだ!!」と剣吾に迫る!!

 

だが、途中で急に動きが止まった……!?よく見るとライザーの胸に紫色に輝く大きな一筋が見えた。

 

あの光っている部分もしかして剣吾が切り裂いた箇所なのか?ライザーが何とか再生しようとしたけど上手くいかないみたいだ……。

 

そう思っていると次々と筋ができ、しだいにライザーの体から光の筋が溢れ出てくる……!

 

ライザーが悲鳴と共に光の柱に包まれ体が細切れにされ、その破片が小さな炎になり天空に舞った!!その光景はまるで花火や火祭りを思わせた……。

 

どこか美しさを感じさせる光景で思わず見入っていたが剣吾が「またすぐに復活吸する!今こそアレを使うチャンスだ!!」の声で正気に戻った。

 

確かに小さな炎が集まってまた一つの大きな炎に戻ろうとしている!!だが、再生に集中している今なら躱すことができない!!

 

俺は隠し持っていた小瓶を取り出した。正直この状態のライザーにやるのに多少後ろめたさを覚えるがここまで強力してくれた剣吾を始めとしたオカルト部の皆に悪い・・・!!

 

覚悟を決めて小瓶を開き、中に入っている聖水をまだ炎の塊になっているライザーに振りかける!!

 

「火を消すには水だよな!」この小瓶に入っている量の聖水では上級悪魔には大して効果は無いだろう。そのままならな。

 

聖水の効果を『赤龍帝からの贈り物(ブーステッド・ギア・ギフト)』の力で増幅したものだ。

 

その結果全身から煙が立ち上りライザーは人の形に戻ることすらできず悶え苦しむ。

 

「相棒、分かっていると思うがこの程度じゃフェニックス一族は死なん。」

 

「このまま追撃するべきのが戦術的には正しいと思う。……だがな、お前が男としてその女を取り戻すつもりなら奴が回復するのを待て!」とドライグが言う。

 

「全ての悪魔に納得させるためにも真っ正面からぶつかり勝利してみせろ!!」

 

そうだな、ここまで剣吾が頑張ったんだ……!ここからは俺がケリをつける番だ!!

 

ほどなく息を荒くしながらもライザーが復活し「……何故、追撃しなかった!?仏心か?普段なら美徳かもしれんがこの場でただの甘さだ!!」

 

「この程度でダメージでこの俺がお前に敗れると思うな!!」と叫びながら全身から炎を噴き出す!

 

確かに凄い炎だ!!一見衰えてないように思うがアイツだってダメージがある!そう長くは待たないはずだ。お互いに・・・。

 

それを聞きながら「確かにあんたはすげーよ……。だが、部長!!俺は木場や朱乃さん、子猫ちゃん、アーシア、剣吾の様に優れた才能も特別な力もありません!!」

 

だけどそんな俺にもできることがある!

 

「あなたのためなら神様だって倒し、最強の『兵士』(ポーン)になります。俺が持つ唯一の武器、赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)であなたを守って見せます!!」

 

「ライザー、保って3分それ以上は俺は保たない!!その間立っていたらお前の勝ちだ!!」

 

「ほう、面白い!ただの馬鹿だと思ったがその覚悟だけは漢として認めてやろう!」

 

「いくぞ、オーバーブーストー!!」

 

『Welsh Dragon Balance Breaker』(ウェルシュ・ドラゴン・バランス・ブレイカー)と機械音声と共に籠手が赤い閃光を放ち辺りを赤く染めた!!

 

そして俺はドラゴンを模した赤い全身鎧(プレートアーマー)を身に纏った!!宝玉が各部に装備しており、背中にはロケットブースターの様な推進装置がついている。

 

「赤竜帝の力を鎧に具現化しただと!?これはまさか!?」

 

「これが禁手『赤龍帝の鎧』(ブーステッド・ギア・スケイルメイル)!!悪いが説明する暇は無いんで気になるなら後で詳しい奴に聞いてくれ!!」

 

そう言い終わらないうちにドラゴンショットを打つ!!大きさも数も桁違いだ!!

 

ライザーもヤバいと思ったのか回避したが、その先に加速し突撃する!!見事に吹っ飛んだ!!だが、この状態は10秒しか保たない、それを過ぎたら俺は神器(セイクリッドギア)を三日間使えなくなる!!

 

ここで決めないと。この為に剣吾は俺を温存させたんだ、期待に応えないでどうする!!

 

「成る程、この為に頑なに弟はお前を戦わせなかった訳だ。まだ短い時間しかできないなら逃げ回って時間切れを狙ってもいいが仮にも女を賭けてここまでしたんだ。」

 

ライザーが納得しながら言う。

 

「俺もグレモリーの婿として相応しい漢として証明するためにもそんな小細工はせん!!殺しても文句を言うなよ!!全力で貴様の相手をしよう!!」

 

ライザーはそう言うと今まで以上の業火の翼を生やしむかってきた!!

 

「火の鳥、鳳凰、不死鳥フェニックスと称えられし我が一族の業火!!思い知れ!!」

 

そこから互いに殴り合う!!そして左手に隠し持っていたものを掌に隠しクロスカウンターで顔面にたたき込む!

 

すると、大量の血を吐いた!!「……この感じ、聖水をくらったときに近い!?まさかお前!!?」

 

答える余裕が無い俺に対し、ライザーは何かを察した感じで俺の左腕に注目した。

 

「……何て無茶を!?左腕を籠手に宿るドラゴンに支払った!!……それがお前の強さの秘密か!!」

 

そう、今、俺の左手はドラゴンそのものの腕になっている。もう二度と元にはもどらない……。

 

アーシアも剣吾も最初見たときショックを受けていた。だが、それで二人とも俺を止めずに背中を押してくれた!!

 

「俺みたいな奴の腕一本で部長を取り戻せる、こんな安い取引は無いだろう!?」

 

「……イカレているよ。本当は俺の炎が怖いんだろ!?鎧越しでも分かるぞ。

 

にも関わらず悪魔の天敵まで使って戦うなんて理屈では分かっていても恐怖は拭いきれるものじゃ無いぞ……!!正に命を賭けた攻撃……!

 

怖いな……。弟君が言ったことを理解したよ!!心底畏怖したよ!!

 

恐怖を持ちながらも進める奴はそう多く無い!!故に俺は全力でお前を叩きつぶす!!」と言うと正に火の鳥を思わせる姿で突進してくる!!

 

俺も真っ正面から殴りつける!!この時の様子を後に木場達がオーラが正に赤い竜と鳳凰の姿をし、ぶつかり合っていたと話していた!!

 

お互いに落下する!!俺はカウントダウンが経過して鎧が解除された……。

 

さらに左が開き中にあったものがこぼれ落ちた。それを見て多くの悪魔が悲鳴をあげたらしい。

 

俺が隠し持っていたのは十字架。悪魔の苦手なアイテムでアーシアから借りたものだ。ドラゴンの腕なら十字架は効果ない。

 

その聖なる力を増加して殴ったからここまでダメージを与えられた!!だが、もう神器の力は期待できないな……。

 

体がガクガク震えこのまま寝ていたいという誘惑を必死に押し殺し立ち上がる。

 

ライザーも剣吾のダメージがあってか炎をだすことも厳しそうだ・・・!お互い限界が近いんだろう……。

 

これが本当に最後だ!!アーシア、木場、朱乃さん、子猫ちゃんが色々合宿中に教え鍛えてくれた……!!

 

そして、剣吾。お前がついてきてくれた。だからここまで戦う事ができた。最後は俺自身の力で勝たなければ。

 

「この婚約は悪魔の未来が掛かっている・・・!こっちにも覚悟はあるんだよ・・・!お前に悪魔の、冥界の未来を担うことができるのか!!」

 

「難しいことは分かんねえよ!!でもな、部長が泣いていた!!俺がお前を殴り倒すのはそれで十分だ!」

 

「いや、それだけじゃ無い。ここまでオカルト部の皆が俺の背中を押してくれた!!それに応えなきゃ他の誰が許しても俺は俺を許せない!!」

 

そう言うとお互いにパンチを繰り出した!!ライザーの拳が俺の腹に抉り混む!!そのダメージで俺の左ストレートは顔面を外した。

 

勝ったとライザーは思っただろう。実際口から色んなものを吐き出しそうだ。それを必死に抑えつつ俺はライザーの顔を両手で押さえるとそのまま頭突きした!!

 

この一撃は予想外だったのだろう。さっきので勝ったと油断していたこともあり、もろに決まった!!

 

互いに倒れ込む!しばらく起き上がることもできなかったがそれでも体に鞭を打ち無理矢理起き上がる。

 

みるとライザーももう再生する力も残っていないのかダメージが消えていない。

 

それでも無理矢理起き上がった!!ならもう一度……。そう思っているときだった。

 

ぐったりしていた剣吾が

 

「……熱い戦いの途中で申し訳ない。これ以上のぶつかり合いは双方後遺症が心配だ。もう体は限界を超えているのにお互い気力だけで立っている。」

 

「という訳でここから気力にダメージを与えるよ!安心して僕を含め全員間違いなくダメージを受けるから。これに耐えて立っていた奴が勝者だ!!」と何やら装置を設置していて映像を空中に映し出した。

 

「魔王様から許可を貰っている。正直これは用意はしたもののできればこの空気で使いたく無かったけど仕方が無い!!」そういうと映像が流れた。

 

一体何をと思っていると映し出された映像に衝撃が走った!!

 

なんとその映像は裸のエロいお姉様がいやらしい行為をしている映像だった!!

 

「お前、何流しているんだ!!場所を考えろ!!」と俺とライザーがハモって批判したがその様子を見て心底気が進まない表情をしながら言う。

 

「は~、やっぱりスケベな二人には素晴らしい送りものだと顔に書いて喜んでいるけど、当初の作戦[女性の裸を見て興奮させ、ダウンさせよう作戦]は失敗か~。」と言った。

 

「お前、そんな馬鹿な作戦考えていたの?」

 

「男は基本女の裸によわいからねえ~。二人とも特にスケベだから鼻血流すぐらい効果は絶大だったけど、やっぱり倒れるほどじゃなかったか~。」

 

「……となるとこれを流すしか無いか……。[作戦名は天国から地獄]。さあ、しっかり意識を保て!!」と言い別の映像を流した。

 

……地獄?一体何を見せるんだ?不安に思いながらも俺とライザーはさっきのエロい映像の事もあり、つい見てしまった。

 

そしてその映像を見て地獄の意味を嫌と言うほど理解した……!

 

映し出された映像は小太りで清潔感のないおっさん同士が体を絡み合わせている映像だった!!ぐおおお、やめろ、目が、耳が腐る!!

 

さっきまで良い想い出が一瞬で塗りつぶされ負の記憶が刻まれる……!!今すぐ記憶消去してえ!!

 

体から力が抜けていや、意識も遠のいていく……。「……しっかりするんだ!……一誠……!」と剣吾もダメージを浮けながら言う。

 

「……これで立てれば君の勝ちだ……もう映像は消した……。……君がライザーさんに勝てるとしたらそれは心の強さだ……!」

 

「さあ、立ってくれ……。……ぶ、部長を助けるんだろ!!」と剣吾が苦しそうにうずくまりながら言う。

 

……分かっているつーの!!ったく、変に緊張感を無くしたせいで一気に体に力が抜けただろうが……!

 

辛うじて立ち上がるとその瞬間バトルフィールドが消え会場に戻った・・・?どうなったんだ・・・?ふと気付くと近づいてきた磯野さんが俺に手を伸ばした。

 

立たせると苦笑いしながら「まさかあんな決着になるなんて笑える!!よくライザーに勝てたもんだ!」と言う。

 

……ライザーに勝った……!?じゃあ、俺は……。よく見るとライザーは完全に倒れ込みダウンしている。

 

「倒れたいところだろうが、もう少し保ち堪えな!お姫様を救い出し無事送り届けるまでが勇者の役目だぞ?」

 

俺はダウンしている剣吾の事が気になりそっちを見ると「デートは二人でするもんだよ、こっちはもうぐったりしているから回復してから勝手に帰らせて貰うよ。」と寝転びながら怠そうに言う。

 

俺は部長の方にいく途中でライザーの妹が飛び込んできた。

 

無言で何かを訴えようとしていたが俺は腕を突き出しながら「文句があるなら俺に言いな。いつでも相手になる!!」

 

迫力に圧されたのか後ずさりして道を空ける。ああ、良かった。

 

もし、兄の仇とかで襲われたらこのダメージ負った体じゃなす術無かったぞ!

 

笑いながら部長に帰りましょうと言う。次に部長の隣にいる紅色の髪をしたダンディな雰囲気を漂わせる部長のお父様に頭を下げながら言う。

 

「部長、……じゃなくて俺の主リアス・グレモリー様を連れて帰らせてもらいます。勝手な振る舞いをどうぞ、お許しください。」

 

お父様は何も言わなかった。ただ、視線は俺でも部長でも無く剣吾の事を見ていて、表情からは読めないけど、どこか異質なものをみている気がした……。

 

魔王様達もお礼言おうと思ったらもういなかった。

 

俺は懐からグレイフィアさんから貰った魔方陣の紙を取り出すと光が溢れた。

 

そこには一匹のライオンと鷲を混ぜた様な大きな動物がいた。「……もしかして、グリフォン!?本当にいるんだ……。」と剣吾が呟くのが聞こえた。

 

俺と部長が背中に乗ると器用に会場内を飛び扉からでていく。

 

いなくなる寸前「部室でまっているからな」とオカルト部員全員に言うとダウンしている剣吾以外皆笑顔で手を振ってくれた。

 

グリフォンは賢く何も言わなくてもちゃんと入り口に向かい紫色をした冥界の空に飛んでいった。

 

悪魔だからかどことなく安心感を感じていると部長の手が俺の頬に触れた。「馬鹿ね、・・・私のためにこんな無茶して」

 

どこか辛そうな声がする。理由は簡単だ。俺の左手、ドラゴンの腕になっているのを見たからだ。その事を気にしているんだろう。

 

「また、婚約の話がくるかもしれない。こんなこと続けていたら」

 

「日常では不便ですがそうなったら右腕を払いますよ。その次は別の部分を。学校矢家では何とか誤魔化します。」

 

「何度でも何度でもあなたを助けます。それぐらいしかできません。でも必ずあなたを助けてみせます。」

 

「俺はあなたの、リアス・グレモリーの『兵士』(ポーン)ですから。千年以上掛かるかもしれませんけどいつか必ず最強の『兵士』になってみせます!!」

 

そう言うと直後に俺の口が塞がれた。塞いだのは何と部長の唇……。時間にして一分ほどだろうか・・・。

 

だが、おれには永遠の様に長く、一瞬の様に短くも感じた……。

 

キス……なのか……?え、キスした!?俺と部長が!!!?ディープじゃなくてソフトのキスしたああ!?

 

「私のファーストキスよ。日本では女の子が最大級に大事に大切なものなんでしょ?」

 

「そ、そうですけど、ふぁ、ファーストキス!!?い、い、いいんですか?俺なんかに?」

 

どこか安堵が混ざった笑顔で「それだけの価値をしたから当然のご褒美よ♡」と言ってくれた。

 

うおお、頑張った甲斐があるぜ!!ダメージとかキツかったけどこれで全部回復したような気分だ!!

 

「ファースト繋がりだけどそんなに私の処女ほしいの?」「はい、もちろんです!!」あ、つい条件反射で即答してしまった……!

 

でも、もう大勢の前で宣言したから今更だな!!

 

「……本当に性欲に忠実な素直な子ね……!!」と困りつつもどこかうれしそうに笑いながら俺の頭を撫でてくれた。

 

この時、部長を取り戻して安心したのとご褒美のキスで完全に舞い上がっていた!!

 

だからすっかり、剣吾の事を上訴部が気にしていたけど大丈夫なのか?ということが完全に頭から消えていた。

 

この後部長と人間界に戻り旧校舎に着くとそこで気が抜けて気絶し、膝枕されているところで興奮し終えて漸くその事を思い出した……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




まさかここまで熱線を習得することなく終わるとは当初想像もしていませんでした。ここまできたらどこまで引っ張れるか試してみようと思います。

決着あんな感じにしたのは最初お互いに殴り合う感じで終わらせようと思いましたがちょっと格好良すぎるなと思い直し、ギャグ要素も交えてみました。

多分、次で2章本編は終わると思います。

雪のゴジラが放つ光線で別の世界に飛んだのですが劇中夢や幻と認識していたということで幻影効果がある設定にしました。

何章先になるか分かりませんが実はある能力に対するメタ能力もこの時点ですでに習得しています。

ちなみに剣吾くんが今章で披露した技の大半は失敗、偶発的にできたものです。

幻雪光
籠手の刃を白く発光させ発動する。周囲に吹雪を吹かせ相手の体温を奪い動きを鈍らせる。さらにこの雪を乱反射させ景色を誤認させる。

雪山などの寒冷地で遭難した時に起こる眠気と幻覚症状を強化したような効果があるらしいがまだ剣吾が未熟のためそこまでの効果は無い。
実はこの技ある存在に対してのメタ攻撃として作られた。

毒光音(仮)
幻雪光使用時に偶発的にできたもの。

人間に聞こえない領域で音の波を発生させ、同時に籠手の刃を発光、乱反射したことで視覚に極度の刺激を与えることで感覚器官を狂わせる。

剣吾が無意識に磯野達と戦うことを躊躇っていたため本来の効果をだせずに生じたもの。本人にもダメージがあるのでおそらく今後使用することはないだろう。

アクア・フィールド
幻雪光を高熱で吹き飛ばした際偶発的にできたもの。一定時間大気が水中の様にまとわりつ空気となり、濡れない、呼吸できる水中とでもいうべき場所になる。

この空間では水中に適したもの以外動きが急激に鈍くなる。元ネタは漫画トリコにでてくるのろま雨の丘です。





目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第二章 戦闘校舎のフェニックス編7

シンフォギアとガメラのコラボ楽しみです。この調子で復活して欲しいです。

ゴジラのアニメが成功すればガメラもアニメ化して欲しいです。

アニメなら個人的にガメラの方がやりやすそうな気がします。






時は一誠とリアス先輩がグリフォンで飛び立った時まで遡る。

 

僕、中島剣吾は現在体中のダメージと疲労感で完全にダウンしている……。

 

「はい、大丈夫ですか?剣吾君?」と言いながら朱乃さんが飲み物を渡してくれる。

 

一口飲むと一気に空腹と喉の渇きを覚えた。「どこか、別の部屋に連れて行って大量の食料運んで貰っていいですか……?」

 

今、ここで食べるとテーブルマナーなんて気にしている状況じゃ無い勢いで頬張るのは目に見えているから辛うじて残っている理性を総動員してお願いした。

 

すると、いそにいが「だったら、俺たちと一緒に喰おうぜ!お姉ちゃん達、悪いけど色々料理運んでくれるかい?」といいながら米俵みたいに僕を肩に担いで運んでいく。

 

途中でライザーさんがタンカーで運ばれるのが見えた。「……むさ苦しい、やめーろー……!」と気を失いながらもうなされていた……。

 

すまないな、御曹司にはショックが大きすぎただろうな……。次やったら勝てるかな?僕たち?

 

そう思っていると運ばれたのは最初に宴会していた場所で、僕といそにい達はそこでしばらく大食い大会の様に夢中で食い続けた。

 

漸く会話するだけの余裕を持つと僕は気になっていたことをいそにいに聞いた。

 

「本当にいそにい達限界だったの?ひょっとして僕たちに気を遣ってわざと負けた振りしたんじゃ無いの!?」

 

「いや、キツかったぞ。あの光すげ~気持ち悪かったもん。」

 

「その前でもやろうと思えば簡単に倒せたでしょ。正直1対1でも今の僕より3人とも実力上でしょ?」と僕といそにいが会話していると

 

「それはどうでござるかな?」とマイロンさんが口を挟んだ。「剣吾殿、そなたは拙者達を殺すつもりがなかったでござろう?」

 

「そんなの、当たり前じゃないですか!」「確かにこれは試合、命を奪ったり、後遺症を残すのは間違い。それは概ね正しいでござる。」だがと言い

 

「剣吾殿。そなたは0か100すなわち、戦うとしたらそれは確実に相手を殺すときだけというつもりでござろう?だが、現実は殺す気はなくても戦わねばならないときがある。」

 

マイロンさんは「そのためにもある程度力加減ができていないときびしい。今後のためにも必要なことでござる。」と続けた。

 

「そうゆうことだ。お前、自分の力を恐れているだろ?まあ、下手に力に溺れるよりよっぽどマシだと思うがもう前に進む段階だ……。」といそにいが言う。

 

「さっきの戦い、おまえ無理矢理抑えたからあんな感じになったんじゃないか?」

 

「……まあ、そうだね……。」ぼくはそう返事した。「それも問題だけど今一番気になるのは僕が無事帰ることができるかということだね。」

 

「何言っているんだい?剣吾君!」と木場君が驚いて聞くが

 

「さっきの魔王様や各当主というか年配の方は明らかに何か知っている感じだったじゃ無い。そしてあの反応を見る限りどう考えてもこっちに良い感情持っているとは思えないよ。」

 

「そうなったら、色々覚悟するしかないね……。向こうだって悪魔全体の平安が一番大切だろうし、たかだが妹の友人程度で見逃してくれたらうれしいんだけどね~。」

 

そう言うとオカルト部の皆が黙った。「じゃあ、何で逃げようとしないの?」と聞いたけどそれに対する答えは簡単だ。

 

「無駄なことはしない主義でね。たかが高校生一人が一つの勢力に勝てる訳がないよ。少なくても僕にできると思うほど思い上がっていないよ。物理的にも金銭面や人脈でもね……。」

 

「父さん、母さんを巻き込むわけにはいかないよ。まあ、単純に帰る手段は無いのが最大の理由だけどね。」と僕は言うと食事を続けた。

 

何か神器(セイクリッドギア)を宿してから妙に図太くなったもんだ……。まあ、ここは何も無ければ向こうから帰す手段を用意するし、のんびり待つとしよう。

 

もし、僕が考えたことが真実なら痛みもなく一瞬で終わらせてほしいもんだ……。

 

「心配すんな、その時は俺たちが面倒みてやるからそんな後ろ向きに考えんな!まあ、とりあえず一杯飲め!」といそにいが飲み物をよこす。

 

飲んで噴き出した!!「なにこれ?変な味~。」「おいおい、このカクテルの味が分かんないなんてまだまだ青いな、お前。」

 

「……すいません、未成年なんですが……?」「堅いこと言うな、お前。今時完全に守っている奴なんていねえ!!」と言う。

 

これが酒の味か……。大人になっても別に飲まなくてもいいかな・・・。

 

 

そんなやり取りをしていると一人の男性が入ってきた。物腰が柔らかく華があるいかにも貴族の見本というべき人物だ。オカルト部やいそにいたちの反応からすると大物らしいな……。

 

雰囲気は違うが顔立ちはある人物に似ている……。「もしかして、ライザーさんのお兄さんですか?」

 

「良く分かったね、私はルヴァル・フェニックス。フェニックス家の長男で一応次期当主になっている。私もゲームで活躍しているんだ。君の義兄が正式なゲームで活躍するのが今から楽しみだよ。」と笑いかけてくれた。

 

「愚弟が世話になったね。今回のはあいつにとって良い経験だよ。フェニックスは無敵じゃ無い。それを嫌というほど思い知ることが要約できた。良い薬だ。」

 

「意外ですね、正直あんな決着だからボコられても文句は言えなかったんですが。」

 

「我が家はこの件で君たちに報復とかするつもりは欠片もないよ。中々面白かったよ。君はこの三人組相手に良く勝てたもんだよ。」「たまたまですよ。次やっても一対一でも勝てる自信ありませんよ。」

 

と話していると「キャー、ルヴァル様♡」と抱きついたのは佐々木さん。

 

「これはミス・理愛。ごきげんよう、素晴らしい戦いでしたよ。」

 

「いや~ん、ルヴァル様に褒められるとうれしい。」と喜んでいる。

 

「いや~、いくら頑張ってもお前じゃ厳しいと思うぞ。ロリコン扱いされるし。」といそにいがつっこむとぶん投げられた。

 

「実際問題、ルヴァル殿の周りにいる美女に打ち勝つのは厳しいでござるよ。理愛殿は可愛らしいでござるで異性としてみるには少々ハードルが高いでござるよ。」と言うマイロンさんを身長差があるにも関わらず見事な踵落としでKOした!

 

「……まあ、とりあえずこれを使って人間界に戻るといいよ。」と魔方陣を開いてくれた。

 

……どうやら、罠とかではなさそうだ。「ありがとうございます。でも、いいんですか?魔王様やあなたの父上は僕の神器(セイクリッドギア)妙な反応していましたけど?」

 

するとルヴァルさんは「心配しなくていいよ。君はいい子みたいだし、そんな不安に思うことないよ。」と転送してくれた。

 

僕の事を心配してくれたのか木場君も一緒に付いてきてくれた。結果は取り越し苦労だったのか何もなく無事校舎に戻り、僕も家に帰った。

 

家では心配していたアーちゃんが僕を見て安心して出迎えてくれた。一誠も心配していたと言うけどその割にはその表情は妙にヘラヘラしていた。

 

どうせ、部長からちょっとエッチなご褒美貰ったとかそんなところだろ?家に帰って一誠と正面に会うことで漸くお互いに緊張が解けたのか座り込んでしまった。

 

互いにだせーなと笑いながら立ち上がると部屋に戻ると爆睡した。

 

 

それから数日後、リアス部長が我が家のリビングで挨拶している。と言うのも今後我が家で一緒に暮らすことになったからだ。

 

その理由は言うまでも無く僕の隣で何で家に住むんだろうと疑問を顔に書いている男が原因なのは火を見るより明らかである。

 

これ、学校にバレたら今度こそ火葬か……、いや、土葬……?どっちかなあ?

 

アーちゃんも思わぬ強力なライバル出現に涙目で頬を膨らませ、非常にご機嫌がよろしくない。

 

まさか、一誠にこんな複数の美少女にモテるときがくるなんて信じられないな。

 

アーちゃんは一夫多妻しかないとか呟いているけど日本の法的にどうなんだろう?悪魔だから融通きくのかなあ?

 

ただ、これ想像以上に面倒だなあ。部長は家の跡取りだしそれを何の功績もない悪魔と付き合うこと許すかどうか?仮に許しても複数好きな人がいると知ったらどうなるか?

 

まさか、こっちが知らぬ間に密かに消したりしないだろうか?と今から心配してきた。

 

こっちの不安を余所に母さんは娘が増えたと喜んでいる。

 

父さんは女の子とハーレムという若い頃の夢をお前なら叶えてくれるかも知れないな!と正に一誠との血を感じさせる話をしていた。

 

そんなやり取りをしている間にも部長とアーちゃんとの間に火花が散っている。まあ、アーちゃんの性格的に押され気味だが……。

 

ますます我が家が賑やかになるなって喜んでいて、もうすっかり頭から悪魔の上層部が僕を危険視しているということを忘れていた。

 

 

 

それから数日後、学校で俺、一誠と松田、元浜がまた女子の着替えを覗いているのがバレ、ダッシュで逃げているところだった。

 

今回覗いていたのが子猫ちゃんのクラスだったので子猫ちゃんも無表情ながらもかなり怒っているのがよく分かる。他の生徒と共に追いかけてくる!!

 

あの怪力で殴られたら死ぬ!絶対死ぬ!!必死に逃げる俺たちだったが後ろから逃げる松田が悲鳴を聞こえた。

 

後ろを見ると松田の左足にロープが巻き付き、近くの木に逆さ吊りにされていた!

 

「ま、松田、だいじょ……うわ~!!」と声を掛けようとした元浜もどこからか網を投げられ絡まった所を引っ張られ木に吊された。

 

……誰だ?姿が全く見えない!!子猫ちゃん達も驚いて呆然としている辺り違うみたいだし一体誰なんだ!?

 

警戒している俺に右から何かが迫ってくる音がした。咄嗟に躱すと何か丸いものがと思っていたら今度は木槌みたいのが飛んできた!?

 

いや、これはけん玉!?けん玉の糸が首に当たると玉と本体も手から離れているのにまるで生きているみたいに絡み付いた!?

 

驚愕していると「はい、動き止めたね。じゃ、ここまでだね☆。」っとどこか聞き覚えがある声と共に後ろから地面に体を押さえつけられた。

 

「……あなたは?」と子猫ちゃんが驚いている。俺も顔を何とか剃らすとそこにいたのは・・・

 

「全く、覗きなんて許されるのは漫画の世界だけだぞ、少年。」という体格のいい男性がそこにいた……。

 

俺はつい喋った。「何であんたがここいるんだ!?磯野さん!?」そうこの人はアンギラスを宿したライザーの友人?の磯野敏博さん。

 

どこかの大学にいたはずなのに何故ここに!?「いや~、あの後生徒会長から臨時用務員のバイト兼運動部のアドバイザー頼まれて給料いいから臨時で勤めることになった。後、警備も一部請け負っている。以後よろしくな。」

 

軽いノリで言う。「お嬢ちゃん達、この馬鹿共リンチしたいだろうがちょっとここは俺に貸して貰っていいか。丁度人手が欲しかったんだ。な~に、心配いらない、ちゃんと罰になるよ。」

 

と言うと誰の返事が無いまま、無理矢理連れて行った。っていうか男子三人も軽々担がないくれる!?何か嫌な予感がプンプンするんだけど~!!

 

松田、元浜を自分が頼まれていた大量の荷物運びを押しつけ二人は三時間以上掛かり全身の筋肉が悲鳴をあげたと後日辛そうな表情をしながら聞かせられた・・・。

 

一方、俺は生徒会室に連れてこられて生徒会室に入った。そこには生徒会長支取 蒼那がいた。

 

なんで生徒会長が?っと疑問に思っていると「んじゃ、こいつと一緒に転移頼むね、シトリ-家のお嬢様。」

 

「そうゆう言い方しないでください、磯野さん。」「悪いね、これが俺のスタイルなんだ。」と話している。

 

「あ~の~、シトリ―家って?」「悪魔の名門だ。現レヴィアタンを輩出している。彼女はその妹だ。」とあっさり答えた。

 

この学園にまだ悪魔がいたのか?しかもレヴィアタンって現魔王の妹!?部長と一緒じゃねえか!!

 

「ちなみに生徒会メンバーは彼女の眷属。披露宴での戦いぶりをみて興味を持って俺をスカウトしたというわけだ。後、詳しい事は帰ってから誰かに聞け。じゃあ、転移よろしく。」

 

「兵藤君、披露宴での活躍見事でしたよ。詳しい事はまた後日。今は急ぎなので。剣吾君は別な所でもう頑張っているのでくれぐれも怪我しないように気をつけて。」と言うと魔方陣でどこかに転移された。

 

転移されるとそこはどこかの動物園らしい。すると磯野さんが「さっきニュースで動物園の動物が脱走する事件が流れた。見過ごすこともできないので救援に行こうとしたときに剣坊を見つけ転移させた。」

 

「俺も生徒会室に向かう途中ちょうどお前を見つけついでに手伝いさせるかと思い連れてきた。」

 

え、動物園から脱走したって、それって猛獣もいるのか?「水中のを剣吾に押しつけたから猛獣やでかいのは俺が引き受ける。お前はその他を……丁度いい、まずアレを捕まえろ!!」

 

視線の先を見るとそこにはダチョウがいた。世界最大の鳥なんですけど!!「悪魔だから蹴られても痛いですむだろう?よ~し、行ってこい!!」とぶん投げられた!!

 

こうして抗議する間もなく強制的に捕獲を手伝わされ、ダチョウに蹴られたり羊に突進されたり、カンガルーと格闘するなどえらい目になったが何とか無事捕獲した。

 

幸い、死傷者は誰もいなかった。剣吾もちらってみたけど苦労していたなあ……。鰐に噛まれたまま檻に戻し足り大蛇に締め付けられたり苦労していたなあ。

 

ただ、磯野さん口だけじゃ無いのがよく分かった。真っ正面から熊を殴り倒したり、サイに跨がって乗りこなしたりと半端じゃないな……。

 

俺と剣吾がぐったりしていると「おつかれ~、じゃあ帰るぞ。」と言うと魔方陣を展開し生徒会室に戻ってきた。

 

「……磯にい、何でここにいるの?」と剣吾が疲れ切った顔で言う。鰐に噛まれても一切怪我しないから本当に丈夫になったな……。

 

俺はさっき知ったことを伝えた。「しばらく、こっちで世話になるから。時々眷属を鍛えることになったからよそろしく。剣吾、今後はゆっくり扱いてやる、お前の神器(セイクリッドギア)使いこなさないとな。」と磯野さんが笑いながら言う。

 

マイロンさん、理恵さんはショックで引きこもったライザーが心配だから基本側にいて時々こっちにも顔をだすと言うともう帰っていいぞ。と言われ俺と剣吾はボロボロになった体を引きずって戻る。

 

後で聞いた話だと今回の件別に依頼とかでは無いので報酬は無し。完全にただ働きだ。そんな~、あんなに苦労したのに。

 

一方、生徒会室で支取 蒼那いや、ソーナ・シトリーと磯野敏博が二人きりで話していた。

 

「それで、君のお姉さんから何か聞き出せたかい?」

 

「いえ、姉は確かに私に甘いですが魔王としての務めをそんなに教えてくれませんし……本当なんですか?中島君を悪魔サイドが排除しようしているのは……?」

 

「それは正確じゃ無いね。おそらく、悪魔側だけの問題じゃ無い。天界、堕天使三大勢力いや、下手すれば全ての神話系統に関わる事なのかも知れない。」

 

「いくら何でも、まだ全然使いこなせてない神器でそこまで・・・。」

 

「だから今の内に排除したいんじゃないか?俺も詳しい事は分からんが剣吾の奴は相当ヤバいもんだ。」と磯野は応える。

 

「俺の神器が明らかにあいつを警戒していた。

 

事実あいつが無意識に押さえつけていたから良かったものの時折感じるプレッシャーは説明しにくいが根本的に質が異なる気がした。

 

あの時、グレモリー、フェニックス当主の会話も気になるしな。」

 

 

────時は試合を終え、剣吾達と別れてすぐに遡る。

 

あの後磯野は理恵にあることを頼んでいた。しばらくして戻って来た理恵に聞いたみた。

 

「どうだった?」「グレモリー、フェニックス両当主の会話を盗み聞きしてきたよ。」

 

「まず、今回の婚約破棄を詫びたのをフェニックスとしては責めておらず、寧ろライザーにフェニックスが絶対じゃないということを教えてくれて兵藤くんに感謝しているって。」

 

「それから、赤い龍と白い龍が出逢うのは時間の問題だって言ってたよ?」「赤と白の龍?」

 

「うん、二天竜の赤い龍(ウェルシュ・ドラゴン)『ア・ドライグ・ゴッホ』、白い龍(バニシング・ドラゴン)『アルビオン・グウィバー』のことよ。」

 

「ウェールズの伝承にでてくる龍が彼らのことよ。彼らを封じた神滅具(ロンギヌス)『赤龍帝の籠手』(ブーステッド・ギア)、『白龍皇の光翼』(ディバイン・ディバイディング)と呼ばれ所有者を乗り換えながら何度も戦いを続けるらしいわ。」

 

「……随分はた迷惑だなあ。封印されたなら大人しくしてればいいのに。……白い龍何か聞き覚えがある気が」と磯野が記憶を探っていると

 

「すると、兵藤どのも危ないでござるな。」とマイロンが話すと「それも心配だけど中島君の方が深刻そうよ。」

 

「万が一にも外に漏れることを警戒してか、詳しいこと話さなさず、ひたすら固有名を話さなかったけど、どうやらそうとうやばいみたい!

 

特に冷凍攻撃ができたことにすごい動揺していたわ。何か、……事は自分たちだけで判断できない。

 

かの巫女の一族にに至急連絡と会談しなければ。……とか言っていたわ。」

 

「想像よりめちゃくちゃやべーじゃねか!さて、どうしたもんか?俺如きがどうこうできるか分からないけど放っておけないな。」

 

「でも、どうする?何かあるにしてもあたし達、同い年じゃないから学校に通えないし、教員には若すぎて無理。近くに大学あるけどそこからじゃ厳しいし、第一潜り込む手段が無い。」と理恵が言う。

 

「さて、どうするか」と悩んでいるとそこに来訪者が訪ねてきた。

 

眼鏡が似合う美少女ソーナ・シトリーである。「失礼します。私はソーナ・シトリーと申します。磯野敏博さんですね?先程の試合お見事でした。」

 

「負けたけどね~。」「でも、素晴らしい戦いでした。そこで是非、お願いしたいことがあります。」

 

 

────「君のおかげでこうして用務員のバイト兼運動部のアドバイザーを引き受けることになったわけだ。でも、教えるの下手だしそれぞれ細かい事教えられないからおおざっぱに基礎しか教えられないよ?」

 

「どの程度役に立つか分からないけど、まあ給料いいしそっちでも色々探ってくれるから助かるけど。」

 

「少なくても現時点では私たちにとっては立派な指導者です。基礎トレーニングだけでも目に見えて上達していますし、私の眷属全員合わせても軽く凌駕する実力者で身分に遠慮が無いアドバイザーは貴重です。」

 

二日前、彼女の眷属と模擬戦をやったがあっさり打ち負かした。その結果彼女の眷属に認められた。

 

「ですが、もしあなたの仮説が正しいなら私でも情報を掴めるか、そしてあなたの力守り切れるとは……?」

 

「まあ、確かに結局何もできずにただ見ているだけで終わる可能性も高い……。だからって、気付かないふりして見過ごす賢い選択ができないんでね。」

 

「いずれにしろあいつがどうなるか見届けさせて貰うよ。」と言うと部屋から出て行った。

 

 

その頃、冥界では魔王サーゼクス・ルシファーが女王(クイーン)にして妻であるグレイフィア・ルキフグスを傍らに無人の巨大な円卓に座っていた。

 

程なく無人の席に立体映像が映し出された。他の魔王だけで無く、堕天使サイドの幹部、天界の四大熾天使(セラフ)さらに聖書と異なる勢力である神々や妖怪など東西善悪関わらず神話体系を跨いだ会合だった。

 

映像だけでも凄まじいオーラがあり並みの者ならその場にいるだけで命を落としかねない雰囲気をした中、サーゼクスが口を開く。

 

「この度は急な申し出に関わらず、出席して頂きありがとうございます。皆様にご報告させて頂きたいことがあります。」

 

「我が妹の眷属の義弟にかの巨獣器(タイタンギア)怪獣王(キング・オブ・モンスター)ゴジラを宿しております。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




次の章5000字超えるか超えないかで次で終章にするか、これを終章にして付け足すか変えようと思います。

アンギラスはゴジラの弟分というイメージを自分が持っていたので、所有者は逆に中島剣吾の兄貴分と言えるキャラにしようと思い、磯野敏博を考えました。

元ネタになったハイスクールDXDK&Mとの差別化も考えて年齢は上にしました。ちなみに彼の実力は少なくても原作9巻に行くまでは一誠では全く相手にならない実力を誇ります。

序盤で最初の目標になる存在のつもりにしました。シンフォギアコラボ良かったです。ある意味平成ガメラシリーズの正式続編と言っても良いのではないでしょうか?

この調子で復活して欲しいです。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第二章 戦闘校舎のフェニックス編終編

まさかウルトラマンZがまさかネット流行語100の6位になるとはすごいですね。

今回ほぼオリジナルで今後でるキャラを先にだしました。


サーゼクスは各界のVIPに妹であるリアスとライザーの試合及び披露宴での戦闘映像を見せた。

 

映像を見え終わると重い雰囲気になった。まず、口を開いたのは古ぼけた帽子を被った隻眼の老人、北欧神話の主神オーディンである。

 

「……こりゃあ、まずいのではないか?若造?」

 

「これは冗談がキツいわね、笑えなくなりそうよ。」と続いたのは蒼い長髪の麗人、その正体は五大龍王1匹「天魔の業龍(カオス・カルマ・ドラゴン)」ティアマット。

 

「ゴジラにとって低温は数少ない弱点のはずよ。にも関わらず、この子は冷凍攻撃をした。まあ、威力は大したことは無いけど氷属性を扱ったことが問題よ。」

 

にも、拘らず「つまり、それってゴジラが氷を克服したってことじゃないの?」と言うと

 

「ですが、同時にこの少年はゴジラの代名詞と言える青い熱線を放つことができません。この事も考慮すべきでは?」と言ったのは背中に12枚の金色の翼を持つ端正な顔立ちをした青年、天使長ミカエル。

 

「ファファファ、確かに。そもそもゴジラを宿して理性を持った人間が初めてだ。この子以外は全員理性も無く人の形も保てない異形に変わり、大半が数時間長くて3日で自壊しておったからのう。」

 

そう話すのは頭部にミトラを被り司祭の着るような祭服を来た骸骨、ギリシャ神話のハデスである。他勢力を嫌っておりオリュンポスで唯一の強行派である。

 

「この少年は少なくても自分から積極的に攻撃しているように見えん。武力を行使したのはそこの蝙蝠と烏共が原因であろう。今の時点で彼に危害を加えるのは反対だな。」

 

だが、今回意外にも中島剣吾を処分に対し明確に反対した。「へえ、積極的に処分しろって言うと思ったぜ。」

と話すのはちょい悪親父という雰囲気をした堕天使総督アザゼル。

 

「あんたが反対するとはなあ。どうゆう風の吹き回しだ?」「ふん、単に力を振るう素振りも無いのに処分するのは酷に思っただけだ。少なくてもお前より何倍も好感を持てそうだ。」

 

「HAHAHA、中々良い具合に揉めてるな。この調子で戦争でもすっか?」と話すのは。五分刈りの頭に、丸レンズのサングラス、アロハシャツ、首には数珠というラフな格好をした人物。須弥山の主神帝釈天である。

 

戦いの神だけあって本気で戦えるなら負けることすら楽しみにできる筋金入りの戦闘狂。彼ならゴジラが解き放たれた方が面白いと思っているかも知れない・・・。

 

「俺たちは誰もゴジラの底を知らない。いや、それを一端でも理解しようとした奴は全員お陀仏したんだよな。」

 

「あの戦争の時、あいつは俺たちのことをろくに見ようともしなかった。何かを必死に探しているみたいでこっちのことは一切眼点にないって感じだったな。」

 

「そして、こっちが何があったか分かんないまま攻撃の余波で各勢力がメチャクチャになり、聖書の神が封印し決着がついた。」

 

「その後現れる歴代のゴジラ所有者は彼以外自我も無く暴れるだけだった。今回のケースは何を意味するのかな」

 

「ゴジラの基本である熱戦ができないのに氷属性の攻撃が可能になった……。これは何を意味するのか?」

 

「やはり、俺たちがここで言い合っても仕方ねえだろ?結局のところ封印できるのは例の巫女だけなんだろ?向こうに丸投げすればいいじゃ無いか?」

 

そう話すのは後頭部の長い禿頭の着物を着た老人。その正体は百鬼夜行の代名詞関東一帯を束ねる東の大妖怪ぬらりひょんその人である。

 

「確かにのう、というか堕天使と悪魔の若造共、お前達の小競り合いでゴジラの所有者だと気付いたはずだ。その時点で何故さっさと連絡しなかった。封印するしないに関わらず、発見次第各勢力及びあの一族に報告する。」

 

「それはいかなる条約を越えたルールだったはずじゃ、何故しなかった?」とオーディンがサーゼクスとアザゼルを見て言う。

 

その言葉に他勢力の視線が一気に集まった。「悪魔の方は大方妹の眷属の身内を失う事になるのを嫌がったからとかそんな理由だから分かる。問題は堕天使サイドが何故報告しなかった?」

 

それに対しアザゼルが「その件についてはこっちに非があるが、あんまり大きな声で言えないがちょっと内部でゴタゴタがあってそれどころじゃ無かった。」

 

「ふん、情けない話じょの?」と言うオーディンに対し「少なくても俺も今回の件、警戒している。……俺も忘れていない。ここにいる全員覚えているだろ?」

 

「……4年前にあいつが俺たちに忠告したことが現実になりつつあるんだ。もうのんきにケンカしている場合じゃないのかもな?」

 

「あの時彼は言いましたね、5年以内に真の支配者が動き始めると……。」とミカエルが言う。

 

「そう言えば彼は当時神の子を見張る者(グリゴリ)にいましたね。今はどうしていますか?」

 

「あれはあいつの契約者が当時、同じクラスメイトを救う為に俺たちと協力していたから従っていただけだ。」

 

「あいつ自身は騒動の原因に俺たちを嫌っていると思うぞ。しかも今回の赤竜帝の件でキレていたみたいだ。もし、契約者が止めなかったらどうなっていたか・・・」とアザゼルが言う。

 

「あの時5年猶予を与えると言ったが今回の事でどうなるか……。」

 

「いずれせよ、彼の事は例の巫女に報告させて頂きます。その決定に従うという事でよろしいでしょうか?」とサーゼクスが言うと全員が賛同し解散となった。

 

次々と消えたがミカエルがアザゼルとサーゼクスに声を掛けた。「実は現在エクスカリバーの盗難が2件あります。犯人は不明ですが、犯行時誰にも気付かれること無く盗み出しています。」

 

「また、その際に誰も傷つけずに立ち去っています。ただ、どうやら日本それもサーゼクスあなたの妹の縄張りに向かった可能性が極めて高いです。そちらにエージェントを派遣しますがご了承ください。」

 

そう言うと返事も待たずに消えた。アザゼルは「まさか……」と呟くとすぐに消えた。

 

残されたサーゼクスは重いため息をつくと側にいるグレイフィアに「また、リアスにトラブルが掛かりそうだね。そう考えるとライザーは運がいい。」

 

「もし、婚約していたらこの事態に対応しなければいけないのだから。」「では、早速伝えます。てよろしいですね?」

 

「ああ、仮に妹に嫌われても私は魔王、悪魔全てを守らねばならない。」そう言うとどこかに魔方陣を繋ぎ話し始めた・・・。

 

 

某所 とある孤島にある神社がある。その島は島全体が聖域とされ、代々巫女の一族が管理しているらしい。

 

不思議なのはその巫女も普段この島で生活していないらしいのだが何処で生活しているのか分からないという事だ。仮面をつけているとはいえ船で移動している形跡も無く近く該当しそうな人物は暮らしていない……。

 

それだけならまだ、不思議な話とされる。

 

実はこの島ある産業で注目されている。それは養蚕である。

 

この島の蚕は特別な蚕とされており、普通の蚕は幼虫、成虫共に人が手を加えないと死んでしまう程弱い生物だが、この島の蚕はこの島の蚕は他の蛾や蝶の様に自分で動け成虫になっても2、3ヶ月生き花の蜜を吸うことが可能。

 

最早蚕の姿した別種と呼んで言いぐらいだが最大の特徴は蚕の糸を取るタイミングが異なり、通常繭を作り蛹になったときに絹を取るのだが、この蚕は成虫に脱皮し、数日お湯に煮たものがベストとされる。

 

その絹の品質は世界最高峰と評価されている。

 

その為秘密を探ろうとする者が後を絶たないがなぜか特に遮る物も無く潮も穏やかなのに悪意があるものはたどり着くことすらできず、仮にたどり着いても整備されている道を彷徨うハメになる。

 

そうしたことから神の島として称えられている。また、代々巫女は仮面を着け人々に対応しているとされるが老いない体をしているじゃ無いかと言う噂が流れている。

 

さらに島には小さな妖精が存在し彼女達こそ、島を真に管理している存在だと言われ近年オカルトマニアの間でも噂になっている。

 

島には正式な名前があったがいつからかその神社に奉られている神の名前で呼ばれるようになった。

 

地元の人々はこのように呼んでいる。神の蟲が住まう島、最珠羅島と呼ばれている。

 

 

 

場所は変わり最珠羅島から遠く離れたとある高校。音楽の授業だろうか美しい歌が聞こえる。そこで歌っていたのは一人の美少女。

 

華奢だがどこか凜々しさを感じさせる少女だった。歌い終わるとクラスメイトから拍手の嵐が鳴り響いた。

 

「流石歌織さん!!」「相変わらず上手いわよね、歌織!」と絶賛されている辺りどうやらクラスでも人気者らしい。

 

教室の外からも「お姉さま、最高で~す。愛してます♡」「歌織ちゃん、俺とつきあって!!」と先輩後輩性別の垣根無く見学の為サボる人間が何人もいるほどだ。

 

「ありがとうございます。ですが、まずは自分の授業をうけてください!」と言うとギャラリーも素直に撤退した。「毎回大変ね~、あなたも」と先生も苦笑しながら労ってくれる。

 

その日の放課後、多数のギャラリーから「今日はうちの部に来てー!!」「違う、うちの部だ!!」「何言ってんの、今日は私と遊び行く約束をしているだから!!」と毎日の様に揉めている。

 

ちなみに彼女は特定の部活に所属していないが時々参加している。その時、彼女の携帯が鳴る。マナーモードでも鳴り響く特別な番号からだ。

 

その瞬間、彼女の表情は一変し「すいませんが、家の急用で帰らなければなりません。それでは失礼します。」と言うなり凄い速さで走り去った。

 

学校の近くにある路地を曲がり行き止まりにたどり着くと何やら呟く。すると行き止まりだった場所がトンネルに変わり通ると果てしない道が見えた。

 

この場所は大昔から距離をショートカットする異空間の出入り口の一つとされた。基本人間には通ることが許されないが彼女は特別な存在の為ここを通ることができる。

 

歩いて日本全国を10分以内に辿りつける不思議な場所だが今回は急ぎのためさらに走る!!

 

その姿は正に美しい獣が駆けている様だった。

 

5分もしないうちに目的地にたどり着いた。場所はどこかの神社・・・そう、ここは最珠羅島である。

 

その中心部にある社の中に入ると、ある場所を目指し歩き始める。見るからに神聖そうな雰囲気をしている部屋に入ると跪く。

 

「遂にあの巨獣器(タイタンギア)が発見されたのですか?では、直ちに封印に向かいます!!」

 

「……え、まず観察したい!?さらにヴァチカンから日本に派遣される教会戦士の任務に協力して欲しいですか?分かりました、では早速準備にかかります。」

 

相手の姿が見えないが話声は聞こえている・・・。どうやら会話している相手の方が上の立場らしい……。

 

「……聖獣を受け継いだ巫女として必ず果たしてみせます、怪獣王の封印を!!」

 

 

 

NEXTハイスクールD×D 3 月光校庭のエクスカリバー編

 

場所は変わりここは欧州にあるとある地方都市。紫の体皮をした頭部に角、さらに尻尾と翼を生やした正に一般的にイメージするいかにも悪魔という姿をしたはぐれ悪魔いると聞き教会から戦士が派遣された。

 

このはぐれ悪魔は主と眷属を殺し、吸血鬼など他の異形も襲いかかり程強大な力を秘めていたが、今はバラバラに切断され、絶命している。

 

退治した境界線師は二人のコンビ。どうやらどちらもまだ若いそれも女性のようだ。

 

「ふう、何と犠牲者がでる前に退治ができた。……今まで人間に危害が無かったのは正に奇蹟に等しいな。これも我らが主のお導きなのだろう。」と言うのは短めの青髪に緑色のメッシュを入れている美少女。

 

それに対し栗毛ツインテールが特徴の美少女が「全くね、実際あとちょっと遅かったらこの子達食べられていたわよ。」と言い視線を移す。

 

そこにはまだ低学年ぐらいだろうか幼い子どもがいた。気を失っているのか身動き一つしなかったがどうやらどこも怪我はしていないようだ。

 

「念の為、教会に身柄を預けて調べてもらい後はこの忌まわしい記憶を消せば親御さんの元に帰れるわね!」

 

「ああ、こうして無事解決できて良かった。これも悪しき存在から我らを守る聖剣、エクスカリバーのおかげだな!」と青い髪の少女が言うと二人して自分が持っている剣を掲げた。

 

少年を教会に届けるとそこで新たな指令を受けた。「何だと……エクスカリバーの盗難だと!?」

 

「犯人は不明だが日本にいるのは間違いない。聖剣の奪取若しくは破壊、さらに犯人を排除するのが目的と言うことか……だが、一体誰が盗んだんだ?それも誰にも気付かれないうえ殺傷しないのも妙だ?」

 

「まあ、追えば分かるわよ。でも、日本かあ……!任務だけど楽しみ!久しぶりに帰るわね、生まれ故郷に。しかもこの場所昔近所で遊んだ幼なじみといた場所よ。」

 

「これも巡り合わせね。ついでに顔だそうかしら!!私の事おぼえているかなあ~、一誠君!」と栗毛ツインテールの少女が言う。

 

「さらに今回別勢力の協力者がいるらしい、協力者と事件を解決しろと。解決後彼女の任務に協力せよだそうだ。これとはまた別にトラブルがあるらしい。しかも場所は一緒、この土地には何かがありそうだな。」

 

そう話し合っていると迎えのヘリが到着し、詳細は本部にて直接説明すると伝言を言いつつ二人の戦士を乗せパイロットは本部に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今年中に2章本編書き終えるという目標辛うじてできました。もう少し余裕もってできるようにしたいです。

ちなみに4年前は堕天の狗神 -SLASHDØG- ハイスクールD×D Universeの事を言っています。

10章終えた辺りでスピンオフでやりたいです。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第二章 戦闘校舎のフェニックス編外伝

今回原作は8巻収録している使い魔の条件になります。


「うわあ、可愛い!」僕中島剣吾はオカルト部の使い魔とじゃれ合いながら言う。

 

何でも悪魔には使い魔は非常に役立つ存在らしい。チラシ配りなんかも本来は人に化けた使い魔がやるらしい。一誠達がやってたのは単に新人だから慣れさせるためというだけらしい……。

 

まあ、僕も未だにやっているんだけどね。悪魔じゃ無いからある意味一誠やアーちゃんの使い魔ポジションなのかも知れないな……。

 

部長のが赤い蝙蝠、子猫ちゃんが白い子猫、木場君が小鳥だった。一番驚いたのは朱乃さんの使い魔。

 

なんと手のひらサイズの小鬼!鬼なんて本当にいたんだ!!

 

その様子を見て部長が「そんなに驚くこと?」と聞いたので「いや、鬼が実際にいるなんてビックリです。」

 

「悪魔がいるじゃ無いの?」「いや、てっきり、鬼とか妖怪って悪魔の事を日本ではそうよんでいると思っていたんですが完全に別種なんですね~。」とちょっと興奮混じりに言う。

 

「でも、いいなあ~。こうゆうペット欲しいなあ。」とじゃれながら言う。

 

すると、「さあ、その辺にして。一誠とアーシアの使いをゲットしに行くわよ。」そう言うと転移魔方陣を展開しオカルト部全員でどこかに転移した。

 

そしてついたのは見るからに妖しい雰囲気をした森にでた。うん、巨木が無数にあり湿度もある何かでそうな雰囲気がプンプンする。

 

「ゲットだぜ!!」と言う言葉と共にキャップを後ろ向きに被ったラフな格好をした青年がでた。

 

僕たち兵藤家は驚いているけど他の人は冷静だからどうやら知り合いらしい……。っというか彼の格好僕が好きなアニメのキャラに似ている様な気が……。

 

「俺の名はマダラタウンのザトゥージ!使い魔マスターを目指している修行中の悪魔だ!!」

 

……うん、マスターと言い益々やばい匂いがしてきたぞ?

 

そんなこんな彼が一誠とアーちゃんの使い魔を捕まえるためのアドバイザーになったのだが……。

 

これがまたいい加減な奴!!初心者がお勧めと聞いて答えてのがRPGのラスボスみたいなドラゴン。

 

魔王並みに強くて誰も捕まえられない存在だそうだ。確か名前が天魔の業龍(カオス・カルマ・ドラゴン)ティアマット。五大龍王の1匹で、龍王の中で唯一の女性らしい。

 

ティアマット……何か聞いたことあるな。神話やゲームとかが正しいならメチャクチャヤバい奴じゃ無いか?これどう考えてもそれこそ超一流が漸く最後に捕まえるような存在ですよね……。

 

一誠が当然ながら断固拒否すると次に進めたのがヒュドラ。

 

何でも邪毒蛇とも呼ばれる存在でどんな天使や悪魔でも耐えられない猛毒を持つ最悪の魔物らしい。たしかヘラクレスの試練にもなったんじゃなかったっけ?

 

まあ、オリジナルかどうかは分からないが仮に始祖より多少ランクダウンしたとしてもそんなもん一誠ではどう頑張っても無理だろう。へたすりゃこっちも食べられそう……。

 

流石に一誠もぶち切れそうになっている。しかも他の部員はいけるいけるって簡単に言うし。

 

……あんたら、自分の使い魔はほぼペットショップで買えそうな奴ばっかなのに厳しくないですか?

 

一誠は女の子の可愛い使い魔が欲しいというと露骨にザトゥージさんは顔をしかめた。

 

「これだから初心者は……。いいかい、本来使い魔は同じ種類の雄と雌を何匹も捕まえその中で最も優れた個体同士で優れた子どもを産ませる。さらに」

 

「ちょっと待ってください。それは違うんじゃ無いですか?」と僕が口を挟む。

 

「使い魔と出会い運命を感じたならそれをえらべばいいだけ。そんなふうに作るのは間違っている。」とモンスターキャプチャー略してモンキャプで俗にいう廃人と呼べるライバルと絆を重視する主人公の対立そのものだった。

 

そこからしばらく熱い激論が開始するが長くなるから以下省略。しばらくしてアーちゃんが「私も可愛い子が欲しいです。」と言うと

 

うん、わかった。とそれまでの激論がなんだったのかという感じがするくらいあっさり笑顔で返した。

 

 

ウンディーネ。水の精霊として有名で美しい女性の姿しているらしい。でる言われている美しい泉の付近で気配を殺し身を潜ませる。一誠はこれでエロいことをお願いできる盛り上がっているが僕は口を挟んだ。

 

「一誠、辞めときな。そんなの完全に抵抗できない奴隷を良いようにする悪徳貴族じゃん!見た目人間というか言葉が話せる存在をそんな扱いするのは反対だね!」

 

「おまえ、男のロマンが分かんないか!!」「実現しなかったらただの戯れ言だからいいけどいざ、実際にやるなら人として止めるね。」「俺は悪魔だから良いんだ!」と話し合っていると遂にウンディーネが姿をみせた。

 

その姿はキラキラと水色に輝く髪と透明な羽衣を纏った筋骨隆々の体格をした歴戦の戦士だった。

 

ミルタンをスライムにし、表情を凜々しくしたらこんな感じかもなあ~。と半ば現実逃避をしている僕の横で一誠が何度も目をこする。

 

現実が変わることを願っているんだろうが現実は非常だ……。なんじゃありゃあ~!!!と一誠が絶叫する。「あれがウンディーネだよ。」ザトゥージさんが残酷な言葉を言う。

 

「嘘だー!!だってどう見ても水浴びに来た修行中の格闘家にしか見えませんよ!!猛者の中の猛者だよ!正拳突きだけで世界取れそうだって!!」と一誠が抗議する。

 

「精霊の世界も実力主義者なんだよ。縄張りとなる泉を奪い合うために腕っ節が必要だ。しかし強そうなウンディーネだ。

 

なかなかレア度が高い。打撃力に秀でたウンディーネも悪くない。ゲットをお薦めするよ。」

 

「悪いわ!!何その組み合わせが悪い言葉!?癒やし要素皆無じゃん!!殺し系だよ!!打撃の高い殺し系精霊なんていらねーんだよ!!」と一誠が無念の涙流しながら慟哭した!

 

「だが、君の希望通り女性だよ?しかもかなりの実力だ。」「知りたくない事実!!」

 

そんなやり取りしているともう一体現れた。さっきのと寸分の狂いもない姿だった!

 

一誠が号泣している!!僕も幻想が崩れて結構ショックが大きい。

 

そうこうしているうちに二人のウンディーネが殴り合い神秘の泉が闘技場に変化した。

 

「あれは縄張り争いだよ。」「魔法とかじゃないんですね。」「所詮、腕力がものを言う。」

 

そんな僕とザトゥージさんのやり取りを聞いて一誠は泣き崩れている。

 

そんなこんなでアーちゃんが妙に気にしてディーネちゃんなんて名前つけ始めたのでこのままいるのは危険と判断し半ば強引に乱闘から背を向けその場を離れる。

 

あれを使い魔になるのは流石に御免被る。

 

 

 

漸くダメージから回復した一誠に対し僕は言う。「やっぱり人型は使い魔としては辞めた方が良くない?何か奴隷みたいで気分が良くない……。」

 

「……そうだな、さっきみたいな奴ばっかかも知れないしな……。」と沈んだ声で答えた。

 

アーちゃんが気を遣ったのか「剣さんはどんなのが欲しいですか。」と話題を逸らす。

 

「……そうだね、やっぱり空を飛べないから僕を乗せて飛べるのがいいかなあ?あ、でも一緒に泳いでくれるのも良いかも。足が速いのも馬代わりになっていいなあ。」

 

「あ、でも小さいのも可愛いかも。って僕が決めることじゃないか?」そんな事を話し合っているとザトゥージさんがふとこんな事を言う。

 

「そう言えば近頃女性が襲われる事件が多発しているらしい。襲われると行っても別に命に関わることや怪我はしていないんだが俗に言うセクハラされるらしい。」

 

まあ、大方スライムと触手の仕業だと思うだが不可解なのはそれらは大した強さがないんだがね。

 

「スライムと触手、その話詳しく?」と一誠が聞こうとするが「静かに!」っと突然真剣な表情でザトゥージさんが言う。

 

その視線の先には蒼く輝く鱗をした鷲ぐらいの大きさをした生き物が巨木の枝で羽根を休めていた。

 

「あれは蒼雷龍(スプライト・ドラゴン)!その子どもだよ!!この森にいると噂は聞いていたが実際に見るのは初めてだ!!」と興奮しながらザトゥージさんが言う。

 

へえ、ドラゴンなのか。言われて見れば確かにドラゴンぽいなあ。小さいからそんな風に見えなかった。

 

可愛さと格好良さが両立している。「運が良い、蒼雷龍はその名の通り雷撃を放つ蒼い鱗のドラゴンで龍王程じゃ無いがかなりの上位種だ!」

 

「子どもでもある今の時期を逃したらまず、ゲットできないだろう。この機会を逃すな!」と強く勧めてくる。よっぽどレアなんだ。格好いいしこれで決まりじゃ無いか。

 

部長も感動しているし、一誠もその気になっているな。うん、ドラゴン同士で合うんじゃ無いか!もうこれに決まりと言うときだった。

 

突然女性陣から悲鳴が上がったのは!そっちを見ると何やら触手に捕まって正にエロゲーのように体に絡み付き、ゲル状のものが服を溶かしている……!

 

まさか、エロゲーのスライムと触手か!?いや、そんな者がいるわけが無い!毒や酸とかで体を溶かされないうちに助けないと!!

 

そう思っていたらザトゥージさんがとんでもない事を口走る。「こいつらはさっき言っていたスライムと触手だよ。」

 

「特に固有名はないけど迷惑な奴らでね。どちらも人型の女性のみ襲いかかる。

 

スライムは女性の衣服、触手は女性の分泌物が食料で体に危害はないがその生態から女性からぶっちぎりで嫌われている。

 

ちなみに男には欠片も興味を示さない。スライムは衣服だけなら男物でもいいと思うんだけどどうやら、拒否反応があるらしい。まずいのかなあ……?」

 

まずい、そんなエロゲーそのものの生物がいるなんて!!

 

そんなの一誠が知ったら……!!

 

「こうゆうのは魔力とかの火で一気に蒸発するのがいちばん……」

 

「部長!!こいつらを俺の使い魔にします!!女性の分泌物を食べる!服を溶かす!俺が求めている人材です!!」と一誠が今まで見たこと無いぐらい目をランランと輝かせている!!

 

僕は叫んだ!!「今すぐ駆除してください!!この世界で持たせてはいけない人物トップ5に確実入る人物何です!彼は!!」

 

「剣吾、てめえー!!」そんなやり取りを見つつ呆れた様子で部長達が丸焼きにしたり、引きちぎって投げ飛ばしたりしていた。

 

一誠は涙を流しながらアーちゃんにまとわりついているの必死で庇う。

 

「どきなさい、一誠。こんな役に立たない生き物邪魔だわ。」

 

「いやだい!いやだい!俺はスラ太郎と触手丸を使い魔にするんだい!俺の求めていた奴らです!こいつらと羽ばたきたい!上にいきたい!」

 

「あのね、ちゃんと考えなさい!使い魔は悪魔にとって重要なのよ!」

 

「……わかりました……やっぱり使い魔にします。」「3秒しかたってないんだけど!!」部長と一誠のやり取りに僕は思わず突っ込んだ。

 

「よく見て!アーちゃん真っ赤にしているじゃん。大体自分の女を自分以外の手で辱めて何が楽しいの?いやじゃない?」「男じゃなきゃOK!!」

 

だめだ、説得できない……!「・・・このスライムと触手をここまで渇望する悪魔を見たのは初めてだよ……。驚くことばかりだ。世界は広いなあ、グレモリーさん。」

 

「ごめんなさい。この子欲望に忠実だからよく考えてくれないの……。」と心底驚いたザトゥージさんと部長のやり取りをしているとスライムと触手が何やら不自然に揺れ始めた?

 

その時木々が揺れ、何かが近づいてくる気配を感じた?そして樹上からこっちに飛び降りた姿を見て驚いた。

 

後頭部が蛸そのものになっていて髪の代わりに触手が蠢いている……。

 

皮膚は蛸や烏賊を思わせる質感をしており、粘液で覆われている。蛸の魚人というのが一番あっているのかなあ・・・?

 

背中から蛸の触手が生えており自由に動いている……。それ以外の基本的なシルエットは両手両足と人間に近いようだな?

 

 

ザトゥージさんも「何だ、こいつ!?今まで見たことも聞いた事も無い!」と言う。

 

朱乃さんが「魚人の一種では?」と聞くが「こんな地上で活発に動ける魚人なんて聞いた事も無い!!ひょっとして新種!?」と興奮したような感じで言う。

 

そんな僕たちを無視して何やら手や触手が妙な動きをするとそれに合わせた様にアーちゃんに纏わり付いたスライムと触手が動く。

 

ひょっとしてこいつらのボスなのか?すると一誠が「お前、俺の使い魔にならないか!?」と言い始めた?

 

「ちょっと、何考えてるの!?」「俺のハーレムを作るのに役にたつ!!頼む!!」

 

すると意外にも”蛸”は考える素振りをした……。え、まさか従うの?そう思っていると何やら羽音と視覚に蒼いのが入ったと思ったら何やら衝撃が走った!!

 

え、何があったの。周りを見ると男性陣のみ黒焦げになっている……。上の方を見ると蒼雷龍がいるからこの子がやったんだろう……。

 

女性陣には危害が無く触手とスライムは黒焦げでもアーちゃんには火傷一つ無い・・・。これは一体?

 

「蒼雷龍は外敵にしか雷撃のダメージが無いんだ。その娘さんは敵でないと思ったんだろう。ちなみにドラゴンのオスは基本的に他生物のオスが嫌いだ。」とザトゥージさんが言う。

 

それで男性陣だけ黒焦げなんだ……。で、ダメージが大して無い僕を警戒して現在進行形で頭を噛みついているのか。

 

ただ、平気のは他にもいる。”蛸”は興味深そう?にこのドラゴンと女性陣を見ていた。

 

一方一誠は「スラ太郎!!触手丸!!」と泣いていた。そんな一誠を”蛸”は手を差し伸べ立たせた。

 

悪い奴じゃ無いのかなあ……?すると一誠が「そうだ、お前がいる。俺の使い魔になってくれ!!」と言うと何やら女性陣を差して手振りをする。

 

「ひょっとして、なってもいいけどその代わり部長、アーちゃん、朱乃さん、子猫ちゃんを報酬としてよこせって言っているの?」と僕が聞くと頷いた。どうやら言葉は通じるみたいだね。

 

すると驚く速さで背中の触手が女性陣を捕まえた!!

 

触手の動きがもう既にいやらしく何をするのか一目瞭然だった。流石に人として止めないと思っていると「……やっぱり、それはだめだ!!」と一誠が言う。

 

「一誠、君にも人としての良識あるんだね……。」と感動して思わず涙が流れた。

 

「……苦労しているんだね……。」と木場君が僕の背中をさすっていくれた。

 

「やっぱり、俺以外の奴が部長達にいやらしいことするなんてゆるせねえ!!」

 

「お前、さっきなんて言った!?」

 

「だってこいつ、なんか人に近いから道具より人感が強い!!俺は寝取られ属性は無い!!」自慢できないがまあ良いだろう。ここで突っ込んでは話が進まない。

 

木場君が触手を剣で切り無事解放。後は追い払うだけか……と思っていたら斬られた断面からすぐに触手が生えた!?

 

蛸や烏賊の脚は再生能力があるとは言えこの速さは異常だ!?

 

再び木場君が斬ろうとするが今度は体の弾力を生かし、上手く斬れない?

 

木場君が炎の魔剣を創り、朱乃さんや部長が雷や炎の魔力で攻撃すると嫌そうにしているけど大して効果がなさそうだ・・・。

 

どうやら熱が苦手らしい・……なら、僕も神器を使えれば有利になるのだが危害を加えないと思っているのか一向にでる気配が無い……。

 

でも、あの”蛸”すごいな。最初食らっていたけど今は見事な身のこなしで攻撃を軽々と躱している。

 

伸縮する体を利用し軟体動物特有の柔らかさで攻撃を回避している。すると一誠が朱乃さんに「赤龍帝からの贈り物(ブーステッド・ギア・ギフト)」を使用し、雷の力を増幅した。

 

流石にこれは効いたのか怯んで苦しそうな表情をした。すると、怒ったのか雰囲気が変わった?

 

その気配に俺の神器も出現した。すると、”蛸”が俺の神器に反応した気がした。何か僕も磯にい達と近い物を感じるけどどう見ても[禁手](バランスブレイク)とは違う気がするし何何だろうか?

 

そう思っていると手足と触手を器用に使い高速で樹上を動き回る!!枝から枝に飛び移るので見にくい。

 

やがて音がしなくなり姿が見えなくなった。だが、僕には分かる。まだ近くにいる。

 

するとアーちゃんが悲鳴をあげた。見ると斬られた触手が生きているみたいに動いて絡み付いている!?

 

……もしかして斬られた触手もある程度の時間自由に動かせるのか?と思っていたら女性陣は他に斬られた触手に捕まってしまった。

 

助けようとしたら嫌な予感がして一誠と木場君を掴んでその場を離れる。慌てて辺りを見渡すと先程の”蛸”が姿を現した。

 

瞬間移動!?否、アレが蛸の特性を持っているとしたら保護色か?周囲の景色に体色を同化させたのか?

 

蛸などの頭足類は色だけで無く体型も変えることで自然界でも上位の擬態が得意だと言われている。

 

でも、これ不味いな……。ただ、透明や色が溶け込むならともかく形まで変化されたら岩や樹と見分けがつかない。

 

さらに口から何かを放った。とっさに躱したけど後ろにあった巨木に綺麗な穴があった……。何か黒っぽいものが一瞬見えたのと着弾点を見た感じおそらく墨だろう。

 

水を高圧で発射した要領で墨を放ったのだろうがシャレにならんな。一誠がドラゴンショットを撃つがそれを墨で撃ち落とした。

 

一誠が殴りつけるが手のひらであっさり受け止められた。すると異変が起こった。握りしめていないのに一誠の拳が相手の掌から離れない!?

 

そうか、蛸の吸盤!!だから吸い付く力が強いから離れることができないんだ。何をどのくらいの力でくっつくかは自分次第。しかも触手はいくらでも再生可能……。

 

思った以上に強いな、こいつ。そう言えばある漫画に書いてあったな……。

 

 

 

原文 『軟体動物』 『頭足綱』 蛸や烏賊の仲間を指す

一部の識者によれば人類が絶滅した遙か未来、地球で最も繁栄すると言われているのは

高い知能と変幻自在の身体を持つ、この異形の生物達

全身は筋肉 骨さえ不要なほど

八本の触腕全てが再生可能 重いだけの殻などとうに棄てた

巨大なトカゲは”怪物” 巨大な鳥は”神の遣い” 

だが彼等は違う 巨大な蛸は ”邪神かみ”そのもの

 

成る程、特別な魔法や能力がなくてコレだ。しかし、不味い状況だなあ。力なら上回ることができるかも知れないけど向こうの方が言葉通り手数が上、しかも再生可能というおまけ付き。

 

動きも触手で引っ張って動くことで見た目より格段に速い上、伸縮自在かつ透明になるハイスペックぷり。

 

しかももし水中だと動きも格段に速くなるのがほぼ確定……。とんでもないな。

 

昔の人がクラーケンを怖がるのも無理は無い……。

 

そう思っていると漸く神器が出現してくれた。これで俺も戦力になる。でも、下手に炎を使うと山火事になって皆にも被害が出そうだな・・・。

 

最近覚えた氷というか雪は相手を凍らせるほどの冷気は無いし……幻術通じるのか?

 

だが、単純な打撃や斬撃は今現在躱されているようにまず当たらないし当たったところで手足だから然程意味が無い。

 

さて、どうしたもんか?と思いながら戦っていると自然に移動ささり気がつくと近くに酷く濁った沼を見つけた。すると、突然沼の水が大きく浮かび上がる。咄嗟に躱すが周囲の木々が枯れた!?

 

驚いているとその隙をつかれ水を”蛸”諸共まともに浴びる。ヤバい、溶ける?あれ、……何とも無い?

 

見れば”蛸”も平気そうだ。すると沼の水が顔みたいに変化した!?何コレ?キモ!!

 

「アレは沼渡り!!」とザトゥージさんが叫んだ!!「沼渡り!?」

 

「水の妖怪でその名の通り沼から沼に渡る。

 

沼そのもの丸ごと食ってに入れ替わり、その周辺にいる生物を食い尽くして獲物が少なくなったら移動する恐ろしい妖怪だ。

 

人食い沼とされる沼は大体こいつの仕業だ。

 

水そのものの体をしているから物理攻撃が一切効かない厄介な奴だ。しかも強力な毒素があり、これで獲物を溶かし捕食する。よく、君平気だね……。」と言う。

 

そんな、異質なものみるような……。そうか、こいつ猛毒なんだ……。コレも神器のおかげだね。そうやら毒とかに耐性があるみたいだ……。

 

「しかし、運が良い。こいつは相手によっては完全に詰みになるレベルで、倒すには超高温で蒸発させるか雷で感電させる。

 

または凍らせるなどの方法があるが、紅髪の滅殺姫(べにがみのルイン・プリンセス)なら誰より簡単に倒せる。

 

(滅びの力)を使えばほんの一部でも当たれば風呂の栓を抜いたように為す術無く(滅びの力)に吸い込まれ消滅する!!

 

こいつは第一級駆除生物なんだ!遠慮無くやってくれ!!」

 

そうか、こいつ部長なら簡単に倒せるのか。よし、見るからにやばそうな奴だからさっさと退治してもらおう!!

 

そう思ったが今だ噛みついているドラゴンを思い出し見て閃いた。俺はまず”蛸”を大きく蹴飛ばし距離をとる。

 

そして無理矢理ドラゴンを引きはがしおそらく懐いていると思われるアーちゃんに渡す。そして一誠に思いついたことを話す……。

 

 

……よし、後はタイミングだな。上手くいけば2匹まとめて片付けられる!!俺は再び”蛸”と格闘していて腕が触手に捕まる。その瞬間わざと絡ませて懐に入る。

 

そして”蛸”の胴体を捕まえるとそのまま沼渡りの中に飛び込んだ!

 

沼渡りは俺たちを食おうとするのか水圧が押しかかるがどうやらお互い全く影響ないらしい。だが、問題はそこじゃない!大事なのは水中にいること。

 

籠手の刃を発光させる。すると準備していた一誠が言う。

 

「行きますよ、朱乃さん!」そう言うと「赤龍帝からの贈り物(ブーステッド・ギア・ギフト)」を朱乃さんに譲渡する。

 

強化するのはあの力!「剣吾君、遠慮無くやりますから耐えてください!」そう言うと強化された雷撃を沼渡りに浴びせる。

 

 

 

水は良く電気を通す!ましてや強化されたものなら尚更だ。俺も含め全員が大ダメージを受ける。さて、科学の実験をしようか。

 

水に電気を通すと電気分解により水素と酸素に分解される。この状態でさらに火が加わえるとどうなるかなあ?

 

”蛸”は危険を察したのか必死に逃げようとするがそうはいかない!俺は籠手から炎を発射する。その瞬間、一瞬で周囲の水が蒸発するのを感じた。

 

爆音と湯気、それに高熱と凄まじい衝撃を受けた!!

 

どうやら、無事みたい。「剣吾~!!」と一誠達が叫びながら近づいてくるのが分かったから鼓膜とかは無事みたいだ……。

 

「……どうだった?」流石にキツかったがとりあえず結果を聞く。

 

「お前、死んだかと思ったんだぞ!!」と一誠に思いっきり殴られる!気持ちは分かるがもう少し元気な時にしてくれないか。

 

「それでどうなったんだい?」「……沼渡りは完全に蒸発し死んだ。”蛸”の方はこの煙が消えてからじゃないと分からない。」と言う。

 

煙が晴れるとそこには香ばしい匂いをして倒れている”蛸”の姿があった。どうやら成功したみたいだと思っているとどこからか太鼓の様な音が聞こえる?

 

いや、これはひょっとしてドラミングなの……か?そう思っていると”蛸”が突如起き上がる!!まだ、生きていたのか!!しかもピンピンしているみたいだしこれは不味いか?

 

僕たちが身構えたが”蛸”は体を再生すると僕たちに背を向け木々を飛び移りながら森の奥に消えていった……。

 

身構えたが襲ってくる気配は無い。どうやら本当に撤退したらしい。気付くと僕の籠手も消えているから間違いないだろう。

 

それにしても……何だったんだ、あいつは?

 

 

今回残念ながら一誠は使い魔を見つけることはできなかった。あの騒動に加えまだ、スライムと触手の喪失で完全に使い魔への熱を失った……。

 

そうそう、あの蒼雷龍はどうなったかと言えば……。

 

「普通、蒼雷龍は普通悪魔に下らないけどあの子は特別清い心の持ち主だから契約できたんだ。前代未聞だよ、こんな事」とザトゥージさんが言う。

 

そう、アーちゃんは見事蒼雷龍と契約した。名前はラッセ-!雷撃を放つ一誠から名前を取った。

 

アーちゃんを始め女子には懐いているね。ただ、ドラゴンは他生物の雌は好きだけど雄が基本的に嫌いだということで男子全員が黒焦げになった。

 

で、電撃が通じない僕には……「剣吾さん、大丈夫ですか?」「なんかもう、そうゆう帽子を被っているみたいね。」とアーちゃんと部長が言う。

 

そう、現在進行形で僕の頭に噛みついている。結局再びアーちゃんが抱き寄せるまで噛みつかれていいる。

 

……僕の頭はそんなにおいしいですか?

 

 

 

……とある洞窟に”蛸”が戻った。すると背中の触手が消え代わりに下半身が蛸の8足そのものになった。

 

??「お前、自分だけ女とふれ合うなんてずるいぞ!裏切り者!!」と姿は見えないがどうやら大柄で筋肉質の体型をしているようだ。

 

「ふん、随分大人しくしていたんだ、潤いが欲しいんだよ。バカンスに来て美女をみたらもう本能に栄えない!!」と”蛸”が言う。

 

「突っ込むとこそこじゃねえだろ!!セクハラ、いや痴漢したことにキレろや!!」とまた新たな声が聞こえた。

 

「でも、まさかここで”王”に会うとは思いもしなかったな……。とりあえず、今は大人しくしているみたいだよ。」と”蛸”が言う。

 

「しかし、暴走しない”王”の適合者の出現、それに星人、そして真の支配者……いよいよもう、残された時間はないかも知れんな……。」と大柄な影が言う。

 

「そう思うなら大人しくしてくれる。少しでも長く俺たちの動きに気付かれては不味いんだから!!その為に俺たちはここ頭と共に数年準備してきたんだから!!」と新たな影が言う。

 

「息抜きも大事じゃ!さて、世界中の美女を救うためにも、もうひと頑張んなくてな!!」

 

「このエロ猿が!!」と会話しながらどこかに消えていった……。この事を全勢力はまだ気が付いていない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




前話で載せるの忘れていましたがフェニックス編終編で登場したショートカットする異空間は漫画ふらいんぐうぃっちが元ネタです。

原文とあるのは漫画テラフォーマーズの文章です。後、沼渡りは漫画犬夜叉に登場する妖怪です。今後だす予定はありません。

”蛸”が何なのか分かるのは大分先になります。

ちなみに姿は後頭部がONE PIECEにでてくる白髭傘下の海賊タコトパス海賊団船長カルマのように蛸そのもので他はモンスター娘に登場するスキュラのオクトを男性化した姿だと思えば大体あっています。

剣吾が襲われるのは子どものライオンが他の肉食獣に狙われるのとほぼ同じ理由です。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

ハイスクールDXD 巨獣の目覚め 第三章 月光校庭のエクスカリバー編
第三章 月光校庭のエクスカリバー編 1


今作で漸く巨獣器(タイタンギア)の秘密が判明します。

ゴジラVSコングでゴジラがものすごいキレて怖かったですがよくよく考えてみるとシリーズではあれが基本でしたね。


小鳥のさえずりが聞こえ、どこかの運動部だと思われる女子達が朝練としてジョギングしているそんなさわやかな朝。

 

そこにどこから雰囲気を壊すような轟音が近づいていくる。

 

「オ~ラ~、走れ~!!ナメクジより鈍足だ!!」と言うのは磯野敏博(いそのとしひろ)。彼は廃タイヤの上に座り鞭を振るいながら檄を飛ばす!!

 

そして、そのタイヤごと彼をひっぱているのが僕たち中島剣吾(なかじまけんご)と兵藤一誠の義兄弟!!

 

磯にいが僕たちの学校に来てからほぼ毎日この朝練をさせられている。

 

磯にいは「今日もごくろうさまだね~。みんな~。」「いえ、そちらほど」と軽くジョギングしている人と挨拶するのも最早見慣れた光景になった。

 

……磯にい、まだ来てから2週間もしないのに僕より馴染んでいない?このように僕たちを扱いている。

 

最もあくまで基礎だけ教えてそれ以外は自分で身につけろって方針らしい。

 

これはそれ以上は荒っぽい教え方になるから本人もお勧めしないという判断だそうだ。

 

ただ、磯にい面倒くさそうにしているけどしっかり見ていて問題点もしっかり指摘してくれるから運動部や運動が苦手な子を中心に結構人気が高い。

 

後、一誠達を容赦なく叩きのめしてくれるからねえ。

 

そして毎日ボロボロになって我が家に戻ると一緒に部長とアーちゃん事アーシアが朝ご飯を作ってくれた。

 

二人とも料理が上手くて助かる。アーちゃんなんか母さんに教わっていて飲み込みが早いけど家事全般で得意な部長にはまだ及ばない。

 

部長はお嬢様だからってなにもできないと思われたくないから全部できるように訓練していたらしい。

 

凄いなあ。僕からすればこの短い期間で勉強も家事もできるようになったアーちゃんも十分すごい。

 

僕より断然凄いよ……。一誠は部長ばっかほめるから僕がアーちゃんの事を褒める。

 

最近、こんな感じ。一誠がどっちかを褒めればどっちかがすねるから僕がフォローするのがいつまにか定番になっていた。

 

「そろそろ学校に行かないと遅刻しますよ。」と僕が言うと全員行く準備をする。登校は部長は運動神経が良いので自分の自転車を持っている。

 

基本一誠がアーちゃんを乗せて部長と並んで登校している。一回、アーちゃんが僕と一緒に行ったら部長と一誠がまるでデートみたいに登校するのに焼き餅焼いてそこからは一誠の後ろが固定になった。

 

一方、部長も用事があって別に登校したとき一誠とアーちゃんが幸せそうに登校していることに嫉妬してなるべく一緒に登校するようになった。

 

そんな空気に関わりたくないから僕はさっさと先に行く。

 

教室に入ると元浜君と松田君が近づいてきて変な噂が流れていると教えた。

 

何でも一誠がオカルト部の美少女達を卑劣な手段で脅し、鬼畜プレイをしている。アーちゃんも調教というか洗脳済みで完全に支配下にある。

 

さらに木場君との同性愛疑惑まであるらしい。一部の女子に大人気だと教えてくれた。

 

それを聞いて僕はため息突きながら言う。「……どうせその噂を流したの君たちでしょ?」

 

「「よく分かったな!」」あ、ハモった。いや、付き合いのせいか、何となく分かるんだよ。

 

するといつまにか側にいた一誠が二人をぶん殴る。「てめーら、何してくれとんじゃ~、こん畜生!!」

 

「これが俺たちの恨みだ!!」「嫉妬でもう頭が狂ってるんだよ!!」と返しながらバトルが勃発する。

 

心配そうにしているアーちゃんを桐生さんを中心にした女子グループがいる安全圏に引き渡しながら言う。

 

「ほっといていいよ……。どうせ、10分もしないで収まるから。」

 

子どもに見ちゃいけませんという親の気分を味わいつつ僕は自分の席に戻ると図書館からか借りている本を読み時間を潰した……。

 

 

 

その日の放課後、掃除で遅れて部室に行くと皆が運動着に着替えていた……?

 

「何しているんですか?」「駒王学園球技大会の準備だよ。優勝するためにこれから特訓するんだよ。」と木場君が教えてくれた。

 

球技大会。そう言えばそんなのあったな……。去年まで体が弱かったから審判や運営の手伝いしてたからなあ……。別にスポーツに興味なかったから特に気にしなかったけどそんな季節か……。

 

「ライザーに敗北して以降勝ち負けに部長が拘るようになってねえ、今まで以上に闘志を燃やしている。」

 

あのゲームで負けたのがそんな悔しいだ……。こっちは適当に終わらせるつもりだったのに。

 

「剣吾、遅いわよ!!野球であなたはキャッチャーね。あなたならどんな玉でも平気で捕れるでしょ?ピッチャーも考えたけど力が強くてキャッチャーが大変そうだからあなたにしたわ!」

 

まあ、無難なとことかな。後、バッターとしては中々優秀らしく軽いあたりでも外野に飛ばすからなあ。

 

後、僕をキャッチャーにしたのはアーちゃんを甘やかすから側にいないようにしたそうだ。

 

確かに、ボールを取り損ね転ぶ姿を見るとキャッチャーじゃなかったら確実に駆け寄っただろうな。

 

そうしていると生徒会長支取 蒼那さんと生徒会書記の匙 元士郎君がこっちに向かってきた。

 

実は支取 蒼那さんは悪魔。それも部長と同じ魔王の妹であるシトリ―家の令嬢ソーナ・シトリーなんだ。

 

どうやら部長とは所謂幼なじみらしく仲が良いらしい。

 

「リアス、練習ご苦労様ね。」「ソーナ、どうしたの?」「書類届けに来たの、ついでに新人をお互いに紹介したいと思ってね。」

 

「またあったわね、兵藤君。アルジェントさんは初めましてよね。私は生徒会長の支取 蒼那、悪魔ではソーナ・シトリーと呼ばれています。今後とも付き合いがあると思うのでどうかよろしくお願いします。」

 

「「は、はい。よろしくお願いします。ソーナ・シトリー様!!」」と一誠とアーちゃんが言うと

 

「ふふ、生徒会長か先輩で良いですよ。私としてもそう呼ばれた方がうれしいですし。」と笑いながら言う。

 

「今度はこっちの新人を紹介します。匙挨拶を。」

 

「はい、会長。生徒会書記の匙 元士郎です。二年生でシトリ―眷属の『兵士』(ポーン)をしています。グレモリー眷属の皆さん今後ともよろしくお願いします。」と言う。

 

「おお、同じ学年で『兵士』か!」とうれしそうに一誠は言うが反対に匙君はため息をつく。

 

「俺としては変態三人組の一人であるお前と同じなんて酷くきずつくんだがな……」「な、何だと!」

 

「確かにそう思うけどコレでも良いところもあるんだよ。もうちょっと気長に付き合ってよ。」

 

「否定しろー!!何、肯定してんだ!」と一誠が僕を背後から跳び蹴りしながら突っ込む。

 

僕は冷静に言う。「一誠、……君はこの学園に入学した時から何回トラブル起こした思っているんだい?ぶっちゃけ正論以外の何でも無いよ。」

 

「とりあえず、二人ともその辺にしな。じゃないと主からお仕置きされそうだよ。」と言う。

 

二人とも慌てて後ろを振り向くと生徒会長と部長が怖い顔で睨んでいたのですっかり大人しくなった。

 

「匙、気をつけなさい。彼はライザーに勝ったんですよ。」「こいつが……て、てっきり朱乃さんか木場だと思っていたのに……。」

 

「あの、匙さんよろしくお願いします。」とアーちゃんがにこやかに言う。

 

すると態度を一変させ「いやあ、アーシアさんなら大歓迎だよ!!」と手を握りながら心底嬉しそうに言う。まあ、アーちゃんと一誠なら月とすっぽんか……。

 

すると、一誠が素早く匙君の手を引き離し互いに力をいれて笑顔で罵倒しながら握手する。

 

異様な光景だな……。会長も部長もあきれているよ。

 

「僕は悪魔じゃ無いけどオカルト部にいます。一誠が迷惑掛けると思いますがよろしくお願いします。」と割り込み挨拶する。

 

僕には普通に挨拶してくれるみたいだな。「そう言えば磯にいをコーチにしたんでしょ?キツくない?」

 

「まあ、確かに手荒に扱かれたけどその分強くなった気がする。そういやあの人も球技大会に特別ゲストででるから覚悟しろよ。」

 

「生徒会メンバー?」「いや、明らかにパワーバランスで下回っている所にでる予定だ。」

 

磯にいもでるのか……。めんどくさそうだなあ。

 

 

 

練習が終わり、剣吾は家の手伝い頼まれたから一足先に帰宅した。俺、一誠も帰ろうとしたときに木の剪定をしている磯野さんにあった。

 

「磯野さん、さようなら。」「一誠か、剣吾はどうだ。」「相変わらずですよ。真面目に練習しているけど闘争心が無いからのんびりしてますね。」

 

「やっぱりなあ。あいつがこの手の事で絶対勝つと言うのが無いんだよなあ。別に勝つ気が無いわけでもふざけている分けでも無い。

 

ただ、怪我しないさせないよう注意しすぎていてそうなる可能性があったら譲るんだよなあ。

 

そこが良いとこあるんだが、少しは向上心を持っていて欲しいもんだ。」

 

そんな事を話していたらふと、あいつにやる気を持たせる方法を思いついた。

 

後にこの選択をしたことを俺は後悔することになるなんて思いもしなかった……。

 

 

 

球技大会当日、クラスは野球だったが剣吾も相変わらずだが淡々とこなし、見事に勝利する。

 

そして、部活対抗戦になった。種目はドッチボールだ。

 

「「では、外野に行きます。」」と俺と剣吾の声がはもった。「ここは悪魔同士に任せて僕が外れるよ。」

 

「いや、もっと交流するべきだ。お前は。」なぜ、こんな事を言い合っているかというと互いに分かっているからだ。

 

コートに入った瞬間死のリスクがあると!!オカルト部女子は学園のアイドル。絶対当てられない。

 

木場は男子の敵だが女子に敵視される。当てられない。そして

 

「俺はこの機に仕留めろと言う悪意が伝わるんだ。ここは俺だろ!!」「ペットの責任は飼い主の責任にされる!!シリアスならともかくギャグパートで死ぬなんて先祖に顔向けできん!!」

 

といつになく強く反発していた。くそ、こいつガチだな。本気で嫌がってる!!磯野さんの提案関係無しでこんなに闘争心をだすなんて……。

 

「ここはジャンケンだ……。恨みこなしだぜ。」「まさかこんな形で義兄弟で争うとは悲しいけど君の屍を越えて僕は生きる!!」

 

そこから数分間熱いジャンケンをした。互いに裏を読みあい勝負がつかないと木場が言う。

 

「ぼくが外野になったから二人とも内野にしたよ。」その瞬間、剣吾がアッパーを食らわせた。

 

思いきっりぶっ飛んだ。この様子にギャラリーも驚いている。「……なんてことすんの!?何か恨みであるの?友達思っていたのに酷い!!」とガチ泣きしながらいう。

 

その様子でちょっと俺もひいた……。ったく、大げさだろ。嫌がる剣吾連れて内野に行く。

 

ぶつかっても多少痛いだけだろ。何びびっているんだか……。

 

 

 

ごめんなさい、剣吾。お前は正しかった。これはドッチボールじゃ無い!!いかに弾丸を躱すかだ!!

 

「死ね-!!一誠!!」「アーシアさんを正常な世界に戻すんだ!!」「朱乃姉様、リアス姉様の為に兵藤を消して!!」「ロリコンは俺だけで良い!!殺せ-!」ギャラリーから死ね死ねコール!!

 

それに応える様に野球部が剛速球を投げる!!悪魔より凄いじゃ無いか、こいつら!!

 

「飼い主がしっかりしないからこうなるんだ!!」「兄弟仲良く地獄に落ちろ!!」と剣吾にも容赦なく攻撃をたたき込まれる。

 

で、剣吾も生き残るのに必死だからかいつにない真剣な表情で本気で投げる。その結果気絶した奴がこれで3人目だが一切手を緩める気が無い!!

 

本当に必死なんだろうな!!分かるぜ!!ここで少しでも手を緩めたら俺たちが死ぬ!!戦わなければ生き残れない!!

 

こうして勝ち進んでいった。俺と剣吾はいつになく力を発揮した。

 

やはり長年のコンビネーションは相手にすれば厄介何だろうな。遂に決勝相手は「……剣吾、よくここまで来たな!!」

 

磯野さん含む生徒会!!部長と会長はクラス対抗のテニスで決着つかなかったからここで決着つけようと燃えている!!

 

一方ここまで真剣だった剣吾はもう命の危機が無いと感じたのかもう疲れ切っていた……。

 

俺も痛いほど分かるが部長の叱咤、さらにブルマ姿のアーシアが膝枕して慰めてくれたのでもう元気100倍!!剣吾が「単純でいいね……」と力なく突っ込んだ。

 

単純な体力ならこいつの方が上なのにやっぱり精神的な疲れなんだろうな……。

 

こいつ、さっさと当たって外野に行こうと思っているだろうな……。だが、そうはいかない!!

 

ここで前に磯野さんから提案されてオカルト部全員に相談し了承を受けた作戦を遂に実行するぜ!!

 

本当は初戦からだったが、思いの外必死だったので使う機会が無かったがアレをやるぜ。

 

「剣吾、お前適当に終わるつもりだろうがそうはいかない!アレを見ろ!」と磯野さんがある方向に指を指す。剣吾が指す方を面倒くさそうに見ると表情が一変した。

 

「……あれ、まさか……?」モンキャプ。正式名称はモンスターキャプチャー!

 

それは世界的に大ヒットしたゲーム。

 

このゲームは2バージョンでモンスターを交換しコンプリートするゲームだが人気の最大の特徴は歴代のモンスターを新シリーズに連れて行くことができるという点にある。

 

このことで絶大の人気を誇っている。さらに追加ダウンロードをすることで過去の地方に行くことができるという代物だ。

 

剣吾は初代から最新作8まで愛用している熱狂的なファンだ。1が実の両親のプレゼントされたものでそれ以来新作に全てのモンスターを移しながらも大切にしている。

 

そのモンキャプがよくテレビ番組にありそうな宙づりになった破砕球の真下にある!

 

「ちょ、まって、まって。あ、あれは?」

 

「そう、お前が大切にしたゲームだ。負けたら壊すぞ!!ちなみにお前がアウトになってもだし、躱してもダメだ」と磯野さんが言う。

 

 

剣吾への荒療治として用意した物だ。これで闘争心を引き出すと言う作戦だ。ちなみにあのゲームは実の両親の形見でもあるから壊すのは良く似た偽物。

 

さすがに本物は不味いからな。剣吾は動揺しまくっているのを無視して磯野さんが剛速球を投げる。

 

見事に剣吾の顔面にぶつかりボールが真上に飛んだ……。やっぱりこんなのじゃあいつの闘争本能を引き出せないかと思っていたそのときだった。

 

落ちてくるボールを剣吾が見もしないで片手でキャッチした。よし、反撃と思っていたときだった。

 

片手の握力でドッチボールを握りつぶし破裂させた!!?

 

え、……剣吾?敵味方ギャラリー、生徒、教師関係無く目を疑った。

 

剣吾の表情は顔を下に向けたままだから見えないがやばい気配がプンプンする。

 

「……許さん、絶対に許さないぞ!!いそにい!!あれは僕にとってただのゲームじゃ無い!!無き両親の形見でもあるモンキャプを壊すなんてどうゆう神経しているんだ!!」

 

「いや~、この機会に卒業したら良いんじゃ無いかと思ってな……。」

 

「大きなお世話だ!!いくら昔からの兄貴分でもやって良いことと悪いことがあるぞ!!」

 

そんな会話していると新しいボールを持ってきた。すると剣吾が掴み剛速球を磯野さんに投げた!!

 

磯野さんは受け止めたけど危うく吹き飛ばされそうになったが何とか踏み止まる。

 

すると磯野さんが不気味に笑い始めた!「……ふふふ、剣吾、お前が俺に反抗したのは初めてだったな……!!俺と本気でやり合う気か……!どうなるか分かっているよな!!」

 

「ガキ大将そのまんまだったもんね。あれから色々あって再会してまさかこんな形でぶつかることになるなんて悲しいことだ……。」

 

「前のは色々余計な事があったしな、良い機会だ!!俺と戦う事がどうゆう事が今一度思いださせてやる!!」と新たに用意されたボールを持つと磯野さんは剣吾に思いっきり投げた。

 

そこからは二人だけでドッチボールを投げ合い、受け止めあっている。お互い躱すという選択肢を忘れたみたいだ!!あの威力悪魔でも直撃するとやばいかもしれない。

 

二人はお互いに剛速球を投げ合う!!段々距離も近づいてきて途中からボールを拳や蹴りで打ち返すようになった!!

 

もう俺たちも生徒会も完全に蚊帳の外になっている。遂に中央部分で二人がぶつかる。すると同時にボールに拳を叩きつける!!

 

すると本日二度目のボールが破裂する!!ボールは友達なのに……!!

 

そしてそのまま乱闘することになった!!

 

剣吾、お前最初の模擬戦の時よりやる気満々じゃねえか!!あのやろう!!

 

激しい格闘戦それこそ映画みたいで先生達も応援しているし、一部では賭けてるやつもいるしよ。

 

「……すごいね、剣吾君……。」と木場が言う。「そうか?、磯野さんの方が手数も多いし押しているように見えるけど?」と俺が応える。

 

どうひいき目にみても剣吾が負けているように見えるし、攻撃全部ガードされているし。

 

「よく見て、剣吾君攻撃を受けながらも闇雲に攻撃ではなく確実に当たるように攻撃している。しかも攻撃ガードしても防ぎきれていない。」

 

「磯野さんと剣吾君の格闘技術と経験を考えると驚くべき事だよ。」と木場が言う。

 

言われて見ると確かに隙をついて攻撃と言うより防御を無理矢理突破しようとしているみたいだ。

 

見ていると確かに剣吾はわざとガードしている部分に攻撃しているように見える・・・。まさか、ガードごと撃つ破るつもりじゃないだろうな?

 

あいつ、結構過激というか無茶なとこあるな……。そう思っていると動きがあった。

 

剣吾が跳び蹴りで磯野さんを大きく蹴飛ばした!!すると今度は磯野さんが殴り飛ばして剣吾が吹っ飛ぶ!

 

そうしてお互いに吹っ飛ばしながらどんどん校庭から離れていき旧校舎の方に向かっていく!!

 

……何処まで行くんだ?あの二人?そんな感じでぐだぐだになりドローという結果に終わった。

 

 

僕、中島剣吾と磯にいが殴り合いながら旧校舎の裏にある林に突っ込んだ!少し開けた場所に来るとお互いに距離をとる……。

 

そして神器(セイクリッドギア)を同時に展開すると磯にいはモーニングスターを俺は近くの岩を掴んで同時に投げ飛ばした!!

 

お互いの背後にいた何かにぶつかったらしい……。しばらくすると光学迷彩が消えるとその全貌が明らかになった……。

 

ロボットだよね?コレ……?全身トゲトゲで人型だけどどことなく鳥やカマキリを思わせる形状をしている……。

 

とりあえず強度は大したことないらしく今ので完全に壊れたみたいだ……。

 

「よくわかったな、俺の合図に。」「何年弟分していたと思っているの?おかげで上手く誘い込めたね。他にはいないみたいだね。」

 

「でも、俺たち本当に人間ばなれしたね~。にしても何なんだ?これは?」

 

「さあな、おそらくだけど悪魔サイドじゃないな。多分、堕天使でもないな。見たことも無いメカだな。」と磯にいが言う。

 

その様子を離れた所から妖しい人物が映像で確認していた……。「へえ~、良く気付いたもんだ。しかし、あいつらも情けない……。

 

折角目からビーム砲を加えたり改造したのに使うまでも無く一撃で破壊されるとは・・・。

 

まあ、所詮滅ぼした星から連れてきた下等な機械生命体と言う所か。そもそもあいつらは物量こそが命だからな、個々はこんなもんか。

 

しかし、彼が磯野敏博……。4年前の事件にも大きな働きをしたらしいですし、少々面倒ですね。

 

その上遂にあの”蛾”が動くらしいですしどうしたもんか……仕方ない、ここはコカビエルの計画に協力しますか!

 

見極めさせてもらうよ、少年。君が王に選ばれし者なのか否か・・・。」と謎の人物が言うとその姿は消えていった……。

 

 

この事は僕と磯にいは秘密にした……。幸い、あの後は特に問題はなく過ごした。ただ、だれにも気付かれないようにするためにケンカを激しくしたせいで体がすっごい痛い。

 

しかも試合が中止なったからオカルト部皆から攻められるし厄日だな……。今日は。

 

反省会という名の宴会を我が家ですることになった。いつになくまともな人間が我が家に来たことにテンションが上がった母さんがアルバムを持ってきた。

 

「……この小さな赤ん坊2人いますけどもしかして?」「ああ、僕と一誠だよ。この時僕の両親は近くで暮らしていて毎日の様にお互い交流していたらしいんだ。」

 

「確か2歳になる前に引っ越したから全然お互いに覚えていないけどね。」と子猫ちゃんの質問に僕が答えた。僕の両親は元々獣医だったらしい。

 

それが祖父母叔父叔母が火事で死に遺言で残された土地を守って欲しいという願いから引っ越したと言うわけだ。

 

そこで主に牧場の動物の面倒をみて生活していた……。ちなみに両親が亡くなってからはその土地は当時信頼していた磯にいの両親に譲ったらしい。

 

ちなみに一誠の写真に部長とアーちゃんが夢中で僕は朱乃さん、子猫ちゃん、木場君の相手をしている。

 

「で小2に入る前に引き取られてこっちに来たんだよ。磯にいといい何かなつかしいなあ・・・。」

 

「成る程、それでその後は兄弟二人で生きているんですね。」

 

「昔から一誠に引っ張ってもらってばっかりだったよ……。本当あの頃は頼りになったのになあ……。」

 

「泣きながらしみじみ言うな!」とツッコミが入ったが当然無視!

 

「アラアラ、全裸で海とは中々ワイルドね~。」「このあと、蟹に挟まれて大変でしたよ。」

 

「お前なに黒歴史ばらしているだ!!」「今の君より恥ずかしい歴史は無いから大丈夫。」

 

そんなやり取りしていると木場君が突然表情を一変させた。なにか予想外のものを見つけた様子だ。

 

写真を見てみると映っているのは一誠と同い年の園児と親御さんの写真だった。この時は僕がいない時代で確か今この子は海外に転勤したらしい。

 

ちょうど入れ違いに近い形で僕がこの家に来たという事で一度もあったことはない。

 

よく見ると園児や親御さんというより持っている西洋風のに古ぼけた模造剣に注目していた。

 

「一誠君、これに見覚えは?」「ガキのころだったからなあ、良く覚えてないわ。」

 

「これはね、聖剣だよ……。まさか、こんな所で見つけるなんて……。」と木場君が静かに、そして憎悪に満ちた目でしながら苦笑していた。

 

その姿に不気味なものを感じた・・・。聖剣、それが木場君にとって何を意味するのかこの時の僕たちには何も分からなかった……。

 

そして何かとんでもなく大きな事に巻き込まれる嫌な予感を感じていた……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ゴジラS.Pシンギュラポイントのゴジラ全身像が遂に公開されました。個人的に結構好きなデザインです。

ちなみに最初のケンカはマジでしたが4、5回投げ合っていると気配に気付きそこからはわざと派手にしました。

万が一ロボットが悪魔サイドだとオカルト部や生徒会に迷惑がかかると言うことで秘密に対処しました。

剣吾と磯野は阿吽の呼吸で大体何を考えているか分かります。

ちなみにメカはとある猫型ロボットの劇場版シリーズにある敵です。正体は原作12巻以降になりますが果たしてその時に覚えているかどうか今から不安です。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第三章 月光校庭のエクスカリバー編 2

最近アベマでドラえもん、しんちゃんの映画にはまっています。

前作書き忘れましたが球技大会後に木場が聖剣の存在を知るのに変更しました。

原作通りだとトラブル続きで対応できません。




最近、木場君の様子がおかしい……。僕たちの家で聖剣の写真を見つけてからだ。

 

どこか遠い目をしていて 物思いにふける王子と心配しつつも憂いある木場君に女子が興奮していると桐生藍華さんが教えてくれた。

 

おそらく聖剣で何やら辛い経験をしたと言うのはほぼ確実だが、問題はそれがどうゆう内容かだね。

 

それによって対応が変わってくるからねえ。

 

まあ、もう一週間あのままだし部長にそろそろ事情を聞くかと僕、中島剣吾はそんなことを考えながら覗きをした三馬鹿が魔女狩りそのものの格好で火あぶりになるのを阻止すべく土下座の準備をする。

 

ほんのり焦げた香りが教室でする以外平凡な日常は過ぎ家に戻ると部長から木場君の過去を聞いた。

 

聖剣計画……それは有名な聖剣エクスカリバーを扱う者を育てる計画。

 

聖剣とは悪魔にとって最悪と言っても良い武器らしく、神の信徒としては究極の武器と言っても過言では無い。

 

ちなみに聖なる神器(セイクリッドギア)は現存する聖剣に比べると今一つらしい。ただ、キリスト教に関わる3つの聖遺物は例外とのこと。

 

詳細は部長も知らないが想像もできない力を秘めているらしい。

 

話を戻そう。聖剣は強力だけど扱うのが難しい。適合者は約数十年に一人居れば良い方だ。そこで人工的に適合できる人間を産みだそうとした。

 

それが聖剣計画。だが、それは失敗に終わり木場君以外の被験者を不良品として処分した。

 

木場君は運良く部長に助けられ眷属になったというわけだ……。

 

アーちゃんは教会がそんな非道なことをしてショックを受けていた。

 

僕もショックを受けていたが何か違和感を感じた……。ただ、それがなんなのか全然分からない。

 

どうにも引っかかるんだよな~。何か根本的な事を勘違いしているような、見落としている気が……。

 

ああ~、モヤモヤする!!教会が非道なことすることに関しては悪いけど僕はアーちゃんほど人の善意を信じる程人がよくない……。

 

漫画なんかで宗教関係者が悪役なんてそれこそ腐るほどあるからそうゆう事もあるだろうな程度の感覚。

 

まあ、友達がその被害を受けるとは思ってもいなかったけど……。しかし、それじゃ木場君が教会を恨むのも無理は無いな……。

 

まあ、悪魔と人間どっちが邪悪かはケースバイケースだろうなあと部長が人間の悪意こそ一番邪悪という言葉に対して心の中で呟いた。

 

しかし、今回僕には何もできないな……。復讐は無意味なんてきれい事は僕には言えないな……。

 

とりあえず、教会関係者だからって聖剣計画に無関係な人を襲うような事だけは止めないとダメだろうな。

 

そう心に誓いながら木場君が見ていた写真を部長に見せた。

 

それを見た部長が一誠に幾つか聞くと本物だと断言した。これがきっかけで再び憎悪を呼び起こしたことに部長が憂いていた。

 

その後部長とアーちゃんの部屋に一誠をどっちと寝るかで揉め始めたのでさっさと自分の部屋に戻った。羨ましいな、ちくしょう!

 

 

夜中寝ているとふと僕の寝室の扉から話声が聞こえ目が覚める……。

 

「……何話しているの?一誠?」と睡魔と戦いながら聞いた。

 

すると左手に赤い籠手、赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)。神滅具(ロンギヌス)と呼ばれる神々にも匹敵する特別な神器だ。

 

ただ、何で今だしているんだ?別に危険もないのに?

 

「そういえば、お前とは初めて話すな。相棒の義弟。」っと突然聞き覚えが無い声が聞こえた!?

 

よく声が出なかったもんだ、辺りをキョロキョロ見渡すけど人影は無い……。電話か何か?

 

「ははは、これだよ。赤龍帝の籠手に封じられたドラゴンが話していたんだ。さっきまでは俺にしか聞こえない状態で話してたんだがお前にも聞こえるようにしたんだろ。」

 

「その通り、俺はドライグと言う。よろしくな。中島剣吾。」「あ、ご丁寧にどうも。」

 

それでさっき一誠に話していた内容によるとかつて天界、堕天使、悪魔が三つ巴の戦争をしていた。

 

それは妖怪や魔物、精霊など様々な種族もそれぞれの陣営に協力したのだがドラゴンだけは好き勝手に生きてきた。

 

戦争中に大ゲンカした2匹のドラゴンがいた。戦争なんか関係無く暴れたせいで神器に封印された。

 

そのドラゴンは最強クラスの実力を誇り、神器になっても宿主は代々戦う運命になったという。

 

その2匹の龍こそが白龍皇の二つ名を持つ「白い龍」(バニシング・ドラゴン)アルビオン、その魂を宿した白龍皇の光翼(ディバイン・ディバイディング)

 

そして一誠が所有する赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)に封じられたドラゴン、それこそが今話している相手赤龍帝の二つ名を持つ「赤い龍(ウェルシュ・ドラゴン)」ドライグその人である。

 

この2匹は通称二天龍と呼ばれ龍の皇帝と神々や魔王すらも上回る力を誇っていたらしい。その為神滅具(ロンギヌス)に含まれている。

 

しかし、封印されてまでよくケンカするもんだと思っていたがドライグさんが僕に驚くことを言う。

 

「ドラゴンは力の象徴で色んな力が集まる。憧れや挑戦様々の形だがな。でも、まさかあの黒いのが近くにそれも相棒の義兄弟とは流石に驚いたよ……。こんなことは初めてだ……。」

 

「おい、剣吾の神器知っているのか!?」「まあな、実際あった事もある。」それを聞いて僕たちは興奮した。遂に僕の神器が何なのかわかるのか。

 

「後から説明するのは面倒だ。今いるメンバーだけでも集めて話すか。」そう言うので部長とアーちゃんを起こし僕たちの部屋に集まった。

 

「さて、どこから話せばいいか。三大勢力の戦争は知っているな。」

 

「もちろん知っているわよ。あの戦争で悪魔は魔王を失い他の勢力も大きく傷つき痛み分けになり現在まで続いている。でも剣吾の神器と関係あるの?」と部長が言う。

 

「そうだな。お前達が知っている範囲では黒いの影も形も無い。知らないのも無理ないさ。」とドライグさんがさらりととんでもない発言をする。

 

「私たちの知らない歴史があるの!?」「そうだ!どうやら各陣営は真実を隠したらしいな、無理も無い……。恐ろしいことだったからな……。」

 

 

 

そしてドライグさんは静かに話し始めた……。

 

「……あの戦争が何で始まったかもう誰も覚えちゃいない。ただ、血で血を洗い、憎悪が次の憎悪を生むそんな悲惨なもんだった。

 

まあ、俺と白いのもそれに加わっていたんだがな。」と自嘲気味に言う。

 

「戦いがピークに達したとき世界に穴が開いた!」「穴!!?」「そうとしか言えない、当然世界に穴が開きそこから巨大な怪物が現れたんだ。」

 

つまり、僕の神器は別世界の怪物というわけか!!

 

「そいつらは色んな姿をしていてな。それこそ蟹や蜘蛛とかをそのままでかくしたような奴や半分機械化したような奴とか様々なやつがいたよ。

 

個体差もあったが大半は龍王には及ばない力だが異常に打たれ強くてな。どんだけ攻撃を浴びてもへっちゃらと言う邪龍顔負けのしぶとかったな……。

 

だが、その中でも三箇所で明らかに他とは次元が異なる圧倒的な力の波動を感じた。同時にその付近の命が瞬く間に失われ行くのもはっきり分かった……。

 

あの時は何があったのか分からないまま、戸惑うしか無かった。その内穴が閉じ始めた。その時穴から何か小さな光が飛び出したんだ。

 

……そして、その光を追うかの如く奴が現れた。そう、それこそがお前に封じられていた奴だよ。中島剣吾。」とドライグは言う。

 

「そいつは一見すると黒い龍の姿をしていた。

 

いや、龍と言うよりそうだな、巨大な背ビレを生やした直立姿勢をした一昔前の肉食恐竜を馬鹿でかくしたよな奴というのが正しいのか?」

 

ドラゴンキラーが通用しなかったからドラゴンでは無いな。今まで見たことがない圧倒的な力を感じた。そいつは基本俺たちに欠片も興味なかったな。

 

何かを、おそらく奴が現れる前にこっちに来た小さな光を探していたんだろうな。

 

それを必死に探している感じだった。各勢力の攻撃も全く意にも介さないという感じだったな。

 

俺と白いのも攻撃したがろくに相手にされなかったが、しつこく攻撃するとまるでうっとうしい蝿を追い払う感じでまとめて一掃された。

 

それで瀕死でいつとどめをさされてもおかしくなかったが奴からすれば、俺たちは獲るにたらん存在だったらしくさっさとどこかに行ったな。

 

それからほどなく小さな光が穴に戻ると穴は完全に塞がった。

 

その直後3つの別次元の力を持った何かが黒いの向かい黒いのはそれを迎え撃った。

 

その戦いは凄まじいものだった。何があったのかその場にいたものは全員死んだから分からんが今までの戦いが子供だましに感じるほどだった……。

 

そして後は知っての通り、怪物達は封印された。まあ、俺と白いのもその時纏めて封印された訳だ。」

 

「・・・よくそんなの勝てたな。一体でも強かったんだろ?」と一誠が聞くと

 

「理由は二つある。基本的に怪物達は仲間で無く寧ろ率先してケンカしていてな。

 

正直俺たちを積極的に襲う方が少数派で基本ケンカの巻き添えや下手に手を出して返り討ちに遭ったというのが真相だな。黒いのが良い例だ。

 

もう一つ、実は黒いのが来る前に向こうの世界から協力してくれた奴らがいたんだよ。

 

まず2匹の白と黒の蛾みたい奴らと狛犬みたいな奴らが来て俺たちに協力したんだ。

 

その後先にこっちに来ていて比較的大人しかった猿みたいなのを始め何匹かの怪物を味方につけたることに成功した。

 

後は黒いのを含め3つの何かが疲弊したところを各勢力と共に力を合わせ自分たちごと聖書の神の協力もあり封印させて事を終えた……。

 

これが俺が知っている内容だ……。」その話を聞き終えた僕たちはしばし、言葉を失った……。

 

隠されていた別世界から現れた巨大な怪物、そして二天竜を寄せつかない強さを誇る黒い龍それが僕に宿った神器の正体!!

 

「名前わかんないのか?」

 

「無理だな、言葉が通じないのか話す気が無いのか、一度話しかけたがまるで反応が無かった。全く分からんよ。あいつらなら知ってたかも知れないが。」

 

「あいつらって?」一誠が聞くが「今、どうしているか分からん奴らだからな。話す必要は無いだろう」と言うドライグさん。

 

「……とんでもない話ね。明日他の部員にも話しましょう。」部長はそう言うとアーちゃんと共に部屋に戻った。

 

 

悪魔サイドの雰囲気から何かあるとは思っていたけどここまでは予想できなかったなあそう思いながら眠かったので寝た。

 

翌朝、一誠が余り眠れなかったみたいなので僕は「大丈夫、睡眠ちゃんととらないと体保たないよ。」と聞くと

 

「お前、よくあんな話聞いて眠れるな?不安にならないのか?」と聞く。

 

「なるようにしかならないよ。心配しても仕方ないから考えるの辞めた。」「なんか心配してたのが馬鹿らしくなってきた……。グースカいびきかいてよ。」

 

「そう思うなら少しは負担を減らしてくれ。」いそにいにも話したかったけどちょっと用事でライザーさんの所に行くって言ってたからなあ……。

 

朝の活動で木場君と子猫ちゃんにも昨日の話をした。どこかぼんやりしていた木場君もこの時ばかりは正気に戻ったようなだった。

 

「……そんなことがあったのですか!」と子猫ちゃんが驚いている。

 

「悪魔サイドが隠すのも無理はないよ。こんな事そうそう話せるもんじゃない……。」と木場君も深刻そうに言う。

 

ちなみに朱乃さんは部長からもう話を聞いていて一誠といる。

 

なんでもドラゴンの力を散らすには高位の悪魔に無力化してもらうのが現状一番だそうだ。オカルト部では部長と朱乃さんが該当し交代でやっている。

 

何をしているのか分からないけど一誠が嬉しそうににやけていたなあ……。聞いても教えてくれないから別に良いけど……。

 

「今日は大した用事もないって言ってたし一緒に映画見に行かない?」

 

「私は一誠さんと一緒にいます。」とアーちゃんが言う。

 

「健気だね~。じゃ、二人は?」「僕は、ちょっと……」

 

「行きます。木場先輩も一緒に行きますよ。行きましょう!」と子猫ちゃんが木場君を強引に誘った。

 

これは前日僕が子猫ちゃんにメールしたんだ。木場君の気晴らしにと思って。

 

部長からも許可はもらっている。子猫ちゃんのいつにない勢いに木場君も了承するしかなかった。

 

その日の放課後子猫ちゃんが無理矢理木場君を引っ張ってきて映画に行く。そう言えば何見るか決めて無かったな・・・。

 

個人的には特撮やアニメが好きだけど二人がどんなの好きなのか分かんないしここはSFやアクション系にした方が無難かな?

 

そう思っていたら子猫ちゃんが見たい映画が僕と同じ怪獣映画だったので木場君も付き合うことになった。

 

映画を終えて思ったより木場君も気晴らしになったみたいで安心したよ。トイレに誘う。

 

二人きりになった所で用を足した後僕は木場君に話しかけた。

 

「……部長から君の過去を聞いたよ……。」「……そう……。」

 

「復讐は空しいとか辞めろとかきれい事を言うつもりはないよ。……僕だってレイナーレをあの時殺すべきだったと今でも思っているしね。」

 

「ただ、木場君。憎しみを忘れるなとは言わない。……でも、それにとらわれないでほしい。

 

怒りで強くなるのタイプと弱くなるタイプがいるっていそにいが言ってた……。

 

君は典型的な後者だと思う。復讐をやり遂げたいなら心を燃やしても頭は冷静にそして視野を広くしないとダメだと思う。じゃないと返り討ちに遭うだけだよ。

 

それとこれだけは伝えておきたい……。全ての信徒が悪だと思わないで欲しい。

 

復讐するならそれを行った、考えたやつだけに絞って無関係な者を巻き込んではいけない。

 

どんな酷く事する奴らがいたって組織や種族全てが悪だと思うのは危険なことだ。

 

それだけは忘れないで欲しい。……僕に言えるのはそれだけ。

 

……後はどう行動するか君の自由だけど僕は君の判断を信じるよ。」

 

そう言って先にでる僕の背中に木場君がありがとう。と小さくだが確実に聞こえる声量で言った・・・。

 

子猫ちゃんと僕の前に現れた木場君は心なしか少し晴れやかな表情をしていたような気がしたのは僕の目の錯覚じゃなければいいなあ……。

 

 

 

「ここがイリナが幼少期暮らしていた町か……?」

 

「そうなのよ、ゼノヴィア。一誠君元気にしているかなあ……?」と何やら白いローブを着た十字架を胸に下げた二人組の娘が言う。

 

どうやらイリナと呼ばれた方の少女が栗毛ツインテールの美少女で相当明るく元気がある性格の様だ。

 

一方ゼノヴィアと呼ばれた少女は短めの青髪に緑色のメッシュを入れている目つきの鋭い美少女である。

 

どちらも教会の戦士である任務のために来たのだが幼少期の想い出の地でもあったので折角だから幼少期の友人に顔を見せに来たと言うわけである。

 

「でも、ありがとう。伊藤さん。あなたがいないとここまでスムーズに行くことができなかったわ。」とイリナが言う。

 

ゼノヴィアも「それにしても驚いた。あんな裏道があったとは……。コレなら日本いや世界中どこでも短時間で行けるな!!」と絶賛する。

 

「ふふ、多分空間移動の方が速いと思いますよ……。お役に立てて無いよりです。私としても今回の場所はターゲットが潜伏している地なので下調べしたかったので助かりました。」

 

そう答えたのは和洋折衷のそれこそ何かのコスプレともどこかの民族衣装とも言えない不思議な服を着た同い年くらいの美少女が応えた。

 

落ち着いた色合いで人を選ぶが驚くほど自然に溶け込んでいる。

 

特徴として太陽と十字架を合わせた様な不思議な紋章を背中に大きく描かれ服全体が無数の色鮮やかな蝶柄のデザインをしていると言うことである。

 

落ち着いた雰囲気で黒い長髪の姿は最早絶滅危惧種の大和撫子そのものと言っても過言では無い。背中にある紋章と同じ首飾りをしている。

 

 

美少女の集まりだから目に止めるがレベルが違いすぎると思ったのか声を掛ける勇者は現れなかった。

 

「ミス、伊藤。道案内してくれて助かる。しかし、できればあなたもこのままいてくれた方が悪魔サイドに警戒されずに済むのだが……後からではダメなのか?」と兵藤宅の前に来たゼノヴィアが言う。

 

「幼なじみの紫藤さんがいるので大丈夫だと思いますよ。私はこの辺りを少し探索してみます。もしかしたらターゲットと遭遇できるかもしれませんし……。」と応えた大和撫子が伊藤と言う名前らしい。

 

「悪魔サイドや天界から聞いて無いんですか?」

 

「まず、あなた方の任務を優先して欲しいとのことで終わってから居場所を説明するとのことですよ~。」と伊藤の質問にイリナは返した。

 

「そうですか、分かりました。それではまた、すぐに戻りますので。」と伊藤が丁寧にお辞儀するとどこかに向かっていった。

 

「綺麗な人だったわね~……。」

 

「……そうだな、シスターグリゼルダが身につけろと言う女性らしさとはおそらくああいうことを言うのだろうな……。」

 

そう言いながら兵藤家のインターホンを押し二人は三希に家の中に招待された……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ゴジラS.P〈シンギュラポイント〉に登場するゴジラを正面から見るとまた印象が異なりますね。色んな角度で変化するのが面白いです。
どんな内容か楽しみです。

エヴァが3月8日遂に公開らしいです。どうなるか楽しみです。

剣吾の対応は憎しみを捨てろと言うのは他の人に任せ、無差別に暴発しないように忠告しました。






目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第三章 月光校庭のエクスカリバー編 3

一応アンチ・ヘイトも追加しましたが自分では変わったつもりはありません。

念のためやっただけなのであまり気にしないで下さい。
パソコンが壊れるトラブルにあいました。



僕、中島剣吾は子猫ちゃんと木場君と映画を見終え今は一人で帰宅している最中なのだがだんだん家に近づくに連れ、なんかいやな予感がしてきた・・・。

 

ここはしばらく寄り道でもした方がいいかなあと思いつつ、たまたま公園の近くだったのでとりあえずベンチで一息つく。

 

すると反対側から美しい美少女が現れた……!!部長やアーちゃんを始めとしたオカルト部の面々にも負けず劣らない美貌だった……!

 

多少オカルト部に慣れたからそんな風に思うのだろうか……?

 

服装は白を基本とした無数の色鮮やかな蝶柄をした和洋折衷のまるでどこかの別の世界の民族衣装とも言えない不思議な服をしている。

 

太陽と十字架を混ぜた様な不思議なデザインをした首飾りを下げており服も相まってまるで異世界の巫女を思わせた・・・。

 

色白に黒い滑らかな長髪。正に絵になる光景だ。背は平均だがスタイルがいい……。

 

胸は一見控えめに見えるが恐らく着痩せするタイプとみた……。

 

何か神器(セイクリッドギア)を宿してから色んな違いが分かるようになってきた。

 

まあ、あくまで違いが分かるだけで良し悪しまでは分からず、それも直感的でこっちの意志できるわけじゃないから微妙に使いにくいんだよなあ~……。

 

さて、何でこんな事を考えているかというとこんな素敵な女性と出会うなら普通ならラッキーと思うところだろうが、彼女を見た瞬間何か嫌な予感がぷんぷんするんだよなあ……。

 

この公園、そう言えば僕が初めて異形の世界に関わることになった公園だったな。ここで一誠と堕天使に追いかけられたんだよな。

 

驚いている表情をしていた彼女が凜々しい表情に変わっていく……。よし、まずは友好的に対処しよう。

 

ダメだったら……その時はその時だ。と覚悟を決めたとき向こうから声を掛けてきた。

 

「もしかして、中島剣吾さんですか?」

 

「……えっと、初めましてですよね?もしかして以前どこかで会いましたか?」こんな美人と知り合った経験人生で無いぞ!

 

まさか昔の友達が成長したら美女だったというパターンか!?んな分けないか……漫画じゃあるまいし。

 

「……ひょっとしてリアス・グレモリー先輩のご友人ですか?」そう、こうゆう時は大体リアス部長の関係者だろう。そして異形に関わるなら何らかのリアクションをするはず。

 

何もないならとりあえず悪魔サイドとは無関係だと思っていいだろう。

 

「いえ、彼女とは会ったことはありません。どちらかと言えば彼女の兄上に関係がありますね。」

 

「・・・魔王様の眷属では無いですよね?魔女や契約者という訳でもないですよね?」

 

一応聞いてみたが多分違うだろうなと分かる。悪魔では無く人間でおそらく、悪魔サイドでも敵対している勢力とも違うだろう。

 

そしてあの表情とくれば大体事情は察する……。「いえ、違います。ですが、魔王様とはある意味では契約者と言ってもいいのかもしれません・・・。」

 

「まさか、こんな所でこうも早く出会うとは思ってもいませんでした。本来は今の仕事を済ましてからでしたが仲間もいない単独行動……。またとないチャンスです」

 

申し訳ありませんがこれよりあなたを排除します!!」

 

そう言うと[モスラ!]という機械音の音声が鳴り響くと右手に首飾りと同じ紋章をした銀色の指輪が出現した。あれは神器(セイクリッドギア)?

 

指輪が発光すると空気が変わった気がした。

 

「この公園を中心に結界を張りました。これで周囲に被害はありません。」成る程、つまり無関係な人を巻き込む気は無いという事。

 

逆に言えば逃げることができずこれから襲ってきますよと宣言しているようなものか・・・。

 

で、僕を狙う理由はやっぱり……「礼儀として言います、私の名は伊藤歌織(いとうかおり)。」

 

「聖獣モスラを奉る最珠羅島で巫女をしております。これより、あなたに宿したものごと封印させていただきます!!」

 

と宣言すると指輪から糸をでると全身に包まれると繭になった!?

 

……え、何これ?そう思っていると繭の中から機械音で[禁手 極光虫の聖武装](バランスブレイク モスラアームズ)と鳴り響く共に繭がはじけ飛んだ!?

 

中から出たのは蝶を思わせる羽根を背中に生やし、ミルタンが見るような魔法少女を思わせる格好をしている……いや、どっちかといえば特撮変身ヒロイン物の方が近いのか?

 

服は白が基本で特撮やSFに登場しそうなスーツの上に陣羽織とドレスが混ざったような服装をしている。

 

頭には虫の触角を思わせる装飾をしている……。そして、羽根は赤と黄色と黒を中心に多彩な色彩をしており、特に前翅の目玉模様が特徴的。

 

手には首飾りと同じ紋章を描かれた蝶の羽根を思わせる形状した鉄扇を持っている。服も合わさりそれこそ魔法少女みたいだ……。

 

そうだよ、ミルタンみたいのじゃなくてこうゆうのが本来の魔法少女なんだよ!!

 

そして先程より全身が分かりやすいためかやはりスタイルはかなりいい……。部長や朱乃さんと比べても負けてないじゃないか?

 

 

 

……さて、現実逃避はこのぐらいにするか……。今現在空を舞うように飛んでいることから分かる様に9分9厘僕より速いだろう、この時点で逃走は絶望的。

 

では、戦って勝てるのか……?まあ、厳しいだろうな。向こうはおそらく僕のデーターは全て知っているだろうしその上で勝てると踏んだから今こうしているんだろうし。

 

それに何となくだけど悪い人ではなさそうだから戦うのは気が引けるなあ……。

 

まあ、だからって大人しくやられるほど人間できていないけどね。

 

「どうしたんですか?何故巨獣器(タイタンギア)をださないんですか?」と伊藤さんが聞いてきた。

 

……ん、巨獣器?神器(セイクリッドギア)じゃなくて?疑問に思うがまあ突っ込む余裕も無いだろう。

 

「知ってるかもしれませんが全然使いこなせていないので自由にだせないです。」と僕は正直に言う。

 

「・・・そうでしたね。では、気が進みませんがこれより封印させて頂きます!」というと空いている手で俗に言う指鉄砲の形にした。

 

構えると嫌な予感をしとっさに躱した。その直後何かがさっきまでいたベンチに白い物がくっついていた!……これは糸か?

 

今ので危ないと思ったのか神器も出てきた。それを見た伊藤さんの表情が険しさを増した。

 

「やはり、間違いないですね!では本気で行きます!!」というと羽根を羽ばたいた!!

 

すると凄まじい強風が襲いかかる!踏ん張らないと漫画みたい吹き飛ばされる!

 

足腰に力を入れて何とか耐える!!風が止んだ……と思って顔を上げるとそこにはいなかった。何処に行ったと思った瞬間後ろから頭を脚で挟まれる!

 

そのまま地面に引きずられる!ア、イタタタ!振り解こうと足を掴もうとしたことがその前に外され大きく吹き飛ばされた。

 

さらにそのまま追撃に文字通り跳び蹴りをしてきたので何とかガードした。

 

やっぱり飛べるだけあって向こうの方が素早いな……、あの強風なら煙で煙幕もすぐ吹き飛ばされる。かといって直接炎や岩石ぶつけるのは気が引ける……。

 

ならばと思っていると鉄扇を広げてこっちらに仰いだ。その瞬間嫌な予感がしたので咄嗟に地面を砕き岩盤を壁代わりにした。

 

直後、物理的な何かが岩盤にぶつかる音が聞こえた。明らかに強風や吹き飛ばされた何かじゃ無い?

 

少しの間防いでいたが遂に顔から10センチ程の距離で岩盤を何かが貫通した?近くの地面に刺さっているそれを拾う。

 

何これ?10数センチほどの針か?あの扇子で仰ぐと針が飛んでくるらしい……、おっかない!!

 

さて、そろそろ岩盤が砕け散って彼女からも俺の姿を見ることができるはずだ。そしたら予想外だろうな。

 

まさか、大した戦闘もせずに穴を掘って逃げるとは思いもしないだろうな。運が良ければ結界が地下まで通って無くて逃げられる。

 

通っていても結界の先端まで行けば壊すことに挑戦できる。仮に空間そのものを歪められて逃げられなくてもおそらくあの服装から察するに地中での戦いを想定していないはず。

 

あのまま地上で戦っていてもこっちが不利。ここならさっきよりなら可能性があるはずだ。

 

最低限時間稼ぎにはなるだろう。そう思いながら掘り進めて行く。何とか一誠達に連絡できれば色々分かるかもしれないけどあいつら今頃どうしているのかなあ~。

 

すると何やら金色に輝く粒子が地中に広がっていく……。これは?

 

 

 

俺、兵藤一誠は今とんでもないことになっている。なんと家に教会戦士が上がっているのだ。

 

しかもその正体は最近写真で見た紫藤 イリナだった!!さらにあの時は気づきもしなかったけど実は女子だった!!

 

今ではすっかり栗毛ツインテールが似合う美少女になっていた。もう一人はゼノヴィアという名前で短めの青髪に緑色のメッシュを入れている目つきの鋭い美少女。

 

何でも今回この町に用があって折角だから昔の幼なじみに会いに行こうということで来たらしい。

 

本来なら美少女が2人も会いに来てくてるなんて嬉しいと思うが今俺は悪魔。

 

向こうからすればそのまま斬りつけてもおかしくはなかったが幸い、母さんがいることもあってか襲ってくる気配はなかった。

 

内心ドキドキしていたが昔話でおれとイリナは盛り上がりアーシアも多少緊張していたが上手く談笑していた。

 

ゼノヴィアも楽しそうにしている。隙を突いてイリナがこっそり「今回私たちはある任務があってそのためにリアス・グレモリーとある交渉をするつもりよ。だからこの場ではなにもしないから安心してね。」と囁いた。

 

本来、部長は今日アーシアと共に一緒に帰るハズだったのだが、部長を怒らせてしまい一緒に帰ることができなかった。

 

その理由は俺の左腕はドラゴンになっておりその力を定期的に散らさないと日常生活を過ごせない。そこで上位魔族オカルト部では部長か朱乃さんがそうだ。

 

で、今回朱乃さんにやってもらうのだがその内容がエロい!!男と女というのも関係あるのかその方法が何と指からドラゴンの力をお口で吸い出してもらうというものだ!

 

年頃の男には刺激が強すぎだぜ!!……凄かった!!であまりにもデレデレしたもんだから部長を怒らせてしまったというわけだ……。

 

正直何で怒ったのか良く分かんないけど俺が悪いだろう。でも、それがなければイリナ達も部長に会えて用件をスムーズに済んだんだ……。やっぱり俺のせいか……。

 

「そうそう、イリナちゃん。実は今家に実はもう一人男の子がいるの。養子なんだけどね。一誠と同い年なで名前は剣吾というの。素直でいい子よ。」と母さんがイリナに話しかける。

 

「帰り遅いわね。電話も通じないしあの子にしては珍しいわね。」「遅いと言えばイリナ、彼女いくら何でも遅すぎないか?そもそもここを案内したのは彼女だぞ。なにかトラブルにあったんじゃ……?」とゼノヴィアが言う。

 

イリナが頷くと「実はおばさま、私たちもう一人連れがいましてちょっと散歩に行ったんですが帰ってこないので探してきます。また、伺います!」と言い出ようとする。

 

その姿に嫌な予感を感じた……。何だろう、妙な胸騒ぎがする。「あ、俺も付いていくよ!土地勘俺の方があるし、ついでに剣吾も探してくるよ!」

 

「わ、私も」とアーシアもついてこようとしたが走るのが遅いし万が一母さん達に何かあったらいけないから残っていて欲しいというと少し不満げだが了承してくれた。

 

イリナとゼノヴィアに付いていくと言う。内心途中で戦闘になるのではとビクビクしていたがどうやら向こうに戦う意志は無いらしく、素直に案内に感謝していた。

 

彼女達の探し人を探しつつも剣吾の事が妙に気になってなる……。虫の知らせって奴か!?剣吾、無事でいろよ!!

 

 

 

「ゲホ、ゴホ、はっくっしゅん!ハックッシュン!!」と俺中島剣吾はクシャミと咳、さらに全身のかゆみに襲われていた!!

 

原因は九分九厘この金色に輝く粒子だろう。地中だからなおさら綺麗に見えるだがなんだこれ?毒か?

 

いや、何か毒と言うより花粉?多分違うだろうけど花粉症に苦しむ人の気持ち今なら良く分かる!!

 

かゆさで地中で悶えていると何か爆発し一気に地上まで吹き飛んだ!!薄々分かっていたけど地上の方が金色に輝く粒子が濃くクシャミや咳が酷くなる。

 

「苦しいですか?これが私の鱗粉です!!」と伊藤さんが言う。これの粒子、鱗粉だったのか?

 

ますます蝶みたいだな?羽ばたく度に鱗粉がばらまかれている。どうやらあの翼を羽ばたかせると鱗粉がばらまかれているみたい。

 

そんな事よりこれどうにかしないとヤバいな。吹き飛ばそうにもあの翼から発生する強風では対抗できないしどうすれば。

 

こうなったら爆炎を放ち吹き飛ばすしか無い!そう思い実行した瞬間!

 

粉塵爆発というのをご存じだろうか?大気中に可燃性の粉塵が大量に舞っている時に、着火することによっておこる爆発のことを意味する。

 

籠手から爆炎を放った瞬間粉塵爆発が起こり、為す術無く爆発に巻き込まれ倒れるボロボロの黒焦げになった自分の姿が見えた……。

 

危な!!これきっと一種の未来予知的なものだな。ああ、良かった、まだやらなくて本当によかった!!

 

ただ、これでどう対処すればいいのか分からない……?どうすればいいんだ?

 

格闘も無理、投石も当たらない。炎は鱗粉によってこっちが暴発させられるから事実上封じられている。後、なんかあったけ?

 

「……やはり、熱線は使えないみたいですね。まさかここまでとは思いませんでした。楽でいいですが。でも、危機察知能力は一流みたいですね。」

 

「では、これならどうです!!」と伊藤さんが言うと扇子を広げこちらに仰ぐ!すると黄色い雷が発生し襲いかかる!!

 

し、痺れる!!ラッセ-や朱乃さんの時より強烈だ!!

 

しかもよく見ると鱗粉に乱反射しているから全方向から攻撃してくるからたたでさえ困難な回避の難易度が段違い!!

 

この状況磯にい達にボコられたときににているなあ……。

 

あの時は何とか突破したけど……と思い出していてあることを思い出した。

 

ダメ元だ!!この手で行こう!!と籠手を白く発光させ発射した。すると冷風と吹雪が吹き荒れる!!

 

確か幻雪光だっけ?一誠が名付けたこの雪には幻影効果がある。これで時間を稼ぐか?しかし、このかゆみどうにかできないか?と思っていたら予想外の効果が起こった。

 

雪が体に触れるとかゆみが治まっていく!?よく見ると周りの鱗粉もまるで吸い寄せられるように雪にくっつ消えていていく……。

 

「これは、一体!?」と伊藤さんが息を呑む。もしかして、幻雪光ってこの鱗粉に対処するために生み出された技なのか?

 

「まさかこんな方法で無力化できるとは思ってもいませんでした!!ならば!!」というと触角?から光線を放つ。

 

さらに鉄扇を仰ぐと雷が放たれる!!うわわ、全然ピンチから抜け出していない!!と鬼ごっこが再開された!!

 

鱗粉はどうやら羽根からしか出てこないらしく鉄扇の雷も翼のに比べると規模が小さい。鱗粉が無いから雷も乱反射しないだけましか……。

 

でも、触角のビーム、鉄扇の雷、糸と攻撃手段が多すぎる!!大体どいつもこいつも気楽に禁手使ってずるいんだよ!!

 

と逃げている時閃いた!ビームと雷が命中し爆風で吹き飛ばされた瞬間その勢いにあわせ神器から爆風を放出する!!

 

磯にいと戦ったときみたいにブースターとして利用し一気にある場所目掛けて加速する!!

 

目的地は結界の先端!!これダメだったらもう腹をくくるしか無いが何故か分からないけどいけるきがする!!結界に近づくと籠手の刃を展開し斬りつける!!

 

すると、結界に大きな切り傷ができ、そこからひびが大きくなっていく……。遂に結界が打ち破れた!!

 

「そんな、まさか!私の結界を破るなんて!!」と伊藤さんが驚いているけど今ので右腕に凄まじい負荷が掛かり無理をした対価として激痛に苦しんでいる!!

 

大丈夫?折れてない?でもこれでオカルト部や生徒会にも彼女の力を感じることができ気付くはずだ。

 

「ですがまた、結界を張ればいいだけです!!無駄でしたね。」「それはどうかな?」と僕は返した。

 

同時に魔方陣が僕と伊藤さんの間に展開されそこからあられた人を見て安堵のため息を吐いた……。

 

「私の部員に可愛い何の用かしら?」と静かに怒りを抑えながらリアス部長が伊藤さんの前に立ち塞がる!!

 

すると、「剣吾!!」という声と共に一誠と二人の美少女が一緒にやってきた。お前どこで知り合ったんだ?そんな美人と?

 

あれ、何か教会の装飾が所何処と見える気がする……。

 

まさか、教会関係者!?お前、一体何があったの?

 

 

 

 

「剣吾、大丈夫か?」と俺、一誠は剣吾に駆け寄り言う!!ボロボロでダメージが酷い!!

 

「正直限界みたいだな、君たちの顔みて気が緩んだのか一気に疲労感とか感じる……。多分気絶するから後任せた!」

 

と言うと剣吾の神器が消滅すると共に倒れた?慌てて駆け寄るがすごいイビキかいている。どうやら大丈夫そうだな。と確認し相手を見る。

 

そこには美少女がいた!!綺麗と可愛いのいいとこ取りしたような大和撫子の手本みたいな人!!蝶をモデルにした魔法少女みたいな服装をしている。

 

スタイルはかなりいい!部長や朱乃さん並みにでかい!!いや、上回っているんじゃ無いか!?これは!?

 

俺は思わずなめまわす様に見つめていると部長に思いっきり耳を引っ張られる!!イタタタ!!ごめんなさい、部長!

 

「一誠!義弟をこんな目にあわせた相手に何、デレデレしてんのよ!」と怒られた!

 

・・・全く以てその通りです。ごめんなさい!「……変わってないわね、一誠君。昔から美人をみるとそうだもんね。」とイリナが呆れた表情をしながら言う。

 

すいませんね、ガキの頃から進歩して無くて!!「まず、あなたは何者なの?」と部長が苛立ちを抑えながら聞く。

 

相手が応える前にイリナが口を挟む。「伊藤さん、まずこっちの任務が先のはずですよ!今、悪魔の関係者に手を出すことは申し出の妨げになるの!」

 

「ですが、彼を見つけたなら早めに対処しないと!!長くなれば成る程危険度が上がっていくんですよ!」

 

と何やらやり取りしている。ちょっと待て、知り合いなのか?そう言えばもう一人連れがいるといっていたな?それが彼女、伊藤という人なのか?

 

「ちょっと待って、整理させて。彼女は貴方たち教会に属する存在なの?」部長が口を挟んだ。

 

「貴方たちはソーナと昼間接触し、明日の放課後私と交渉したいと申し出たそうじゃ無い。

 

その時貴方たちの信仰に賭けて私達に危害を加えないと言ったのにこれはどうゆう事なの!?」

 

「尤もだが彼女は私達教会の人間では無い!詳しい事は知らんが勢力の垣根を越えて協力する契約になっているらしい。

 

今回の任務も上の方で彼女の協力を要請したんだ!それを終えたら彼女のターゲットを始末するのに協力しろとも言われている。

 

まさか、イリナの幼なじみの義弟だとは思ってもみなかった!!我々も誰がそうなのか聞いていなかった!何なら彼女を止めるなら手を貸してもしてもいいぞ!!」ゼノディアが言う。

 

確かに家にいるときも俺たちが悪魔だと知っても攻撃する素振りは全く無かった。その言葉は本当だろう。

 

「私は全勢力から一種の治外法権として活動することを認可されています。これは天界だけで無く冥界、悪魔サイドからの依頼でもあるんですよ。」

 

「あなたが現ルシファーの妹だとしても私はそのルシファーを含む全魔王から彼の封印を依頼されているんですよ。」と伊藤さんが言う。

 

「お兄様が!?嘘よ!そんなわけ」と反論する部長に伊藤さんとか呼ばれている人は部長に空間転移させた何やら書類を見せる。すると、部長の表情は一変した。

 

「うそよ、そんなわけ……」「これは遙か昔より全ての勢力が私の一族に託した悲願、ご理解下さい。」

 

「剣吾をどうするつもりなんだ……?」

 

「封印しもう二度と解けないようにします。」と言う。冗談じゃ無い!「俺の義弟だ!そんな勝手、許すか!!」と叫ぶ!!

 

「理由は彼に宿ったもの。彼には同情しますが世界の平和を保つためです。」と全く退く気配が無い伊藤さんが険しい表情で歩を進める。

 

「邪魔立てするなら容赦はしませんよ。」すごい、プレッシャーだ!!こうなったらドライグ!!俺をドラゴンの体にしてくれ!!そうじゃないと彼女には対抗できない!!

 

「待て相棒、あの姿、まさか・・・」とドライグが何か反応している?どうしたんだ一体?

 

その時、彼女の首飾りが発光すると同時にエコーがかかった声が聞こえた。

 

「「お待ちなさい!歌織!!ひとまず彼を自宅に連れて行きましょう!!彼の家族や友人には説明するべきでしょう。」」

 

「コスモス様!!ですが、一刻も早く対処しないと万が一暴走してからでは遅いんですよ!!王がいかに次元が違うと教えてくださったのは貴方たちではありませんか!!」

 

「「彼らには知る権利があります。そもそも後に協力するという話でしたし、ここは一度矛を収めなさい。」」と言う言葉に不満そうだが禁手を解くと変わった服装をしているが妙に似合っている。

 

「いいわ、しっかり説明してもらおうじゃ無い!もし、納得できなかったら容赦なく排除させてもらうわ!」と部長が言うとおれは剣吾を背負い、家路に戻った。イリナ達はホテルに戻ると先に帰った。

 

剣吾、お前を絶対封印なんかさせないぞ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




伊藤歌織(いとうかおり)名前の由来は小美人を演じたザ・ピーナッツ伊藤エミ、伊藤ユミとサザエさんに登場する大空カオリからです。

ハイスクールDXDK&Mの百合さんがモデルです。

次回いよいよ巨獣器(タイタンギア)や伊藤歌織の詳細を載せます。
長くなるので複数に分けるかもしれません。

YouTubeでゴジラシンギュラリティ見ました。すごい面白そうですがBSもネトフリも加入していない地方民には生で見ることができないのが悔やまれます。

DVD販売されるまで待つか……。




目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第三章 月光校庭のエクスカリバー編 4

いよいよ巨獣器(タイタンギア)がどうゆうものか明らかになります。

説明回になります。


俺、兵藤一誠は気絶した義弟、中島剣吾を背負って我が家に戻るとすぐにアーシアを呼んだ!

 

アーシアは剣吾の様子を見て驚いたがすぐに治療に専念した。もちろん、母さんが気づいて騒がれないように部長が催眠をかけて誤魔化した。

 

剣吾を俺たちの部屋のベットに寝せるとここまで最低限の会話しかしていない、剣吾を叩きのめした張本人である伊藤歌織さんから遂に説明を受けることになった!

 

「さあ、説明してもらおうじゃない……。」と部長が静かにだが明らかに危険な声色でいう。

 

正直、当人じゃない俺がビビっているが伊藤さんは何ともないという雰囲気をしている。

 

その豪胆さだけどもすごい!!「それでは、説明しますね……」

 

 

「「お待ちなさい!!彼らには私たちが直接お話ししましょう!!」」と伊藤さんに口をはさんでまた首飾りから声が聞こえた!?

 

「コスモス様!?しかし、あなた方のお姿を見せるのは!!」

 

「「少なくてもそちらの紅い髪をした少女、それに彼の義弟には知る権利があると思います。」」と応える。

 

すると伊藤さんはその言葉に頷くと、つけていた首飾りを外すと宙に投げると首飾りの紋章が輝きまるで、魔法陣の様に光の紋章が展開された!!

 

光の粒子が中央に集まり何かの形に集まる。輝きが収まりそこに現れたのは何と!

 

「「初めまして、皆さん!!」」とほほ笑んで挨拶するのは双子だと思われる女性。服は詳しい知識がないから分からないけど、どこか南国を感じさせる民族衣装を思わせる服装をしている。

 

暖色系の色をしていて双子?そのためなのか左右、対象の服装をしている。だが、何より驚いたのが・・・!

 

「こ、小人!!?」そう、小人だ!小柄な人という意味ではない、おそらく20センチもたぶんないぐらいの大きさをした人!本当に童話にでてくる小人そのものだった!!

 

え、小人?小人なんているのか!?「「私たちはコスモスと言います!小美人、またはエリアスとも呼ばれている種族です。」」と小人否コスモスさんが言う。

 

 

「こ、小人!?それにコスモスなんて聞いたことも無い!!」と部長も驚愕している!!博識な部長も知らないなんて。じゃあ、彼女たちは一体何者なんだ?

 

するとおれの神器(セイクリッドギア)が勝手に出現しドライグが話しかける。

 

 

「久しぶりだなあ!おチビちゃん達!そうかあのお嬢ちゃんから何か懐かしいものと似ていると思っていたけどじゃああの子に宿っているものがあの蛾か!?道理で強いわけだ。」

 

 

「「お久しぶりです、ドラゴンさん!随分お姿が変わったようで!!」」

 

 

「恥ずかしい話、あの後もやんちゃがたたってな。この有様だよ。あんたらには感謝しているよ。じゃなかったらこの世界はとっくに滅んでいたからなあ。……」と親しげに会話するって、ちょっと待て!

 

 

「ドライグ知り合いなのか?」「ああ、以前別世界から怪物が現れたの教えたよな?」

 

ああ、覚えている!「その時、向こうの世界から俺たちに協力してくれたの彼女たちだ!」

 

「な、なに~!!」その言葉に俺たち全員驚愕した!!この人たちが剣吾の怪物を封印した張本人!?否、正確にはその一人、二人か。

 

じゃ、じゃあ、剣吾に封じられているやつ誰よりも詳しいということなのか!?

 

 

 

「「では、これより彼に封印されたものを含めこの世界に出現したものについて説明させていただきます。」」とコスモスさんが語った。

 

 

「「まず、彼や歌織に封じられているものはかつてタイタンと呼ばれし古の時代、ペルム紀に誕生した巨大生物です。かつて我々コスモスを始めとした古代文明は彼らを神としてあがめてました。

 

 

地球環境の変化によりタイタンは地底世界に拠点で暮らすようになり、先文明を知らない現代の人々は再び現れた彼らを怪獣と呼ばれるようになりました。」」

 

 

「怪獣、意外に単純な名前なんですね。」と俺は言う。確かに以前、ドライグの話を聞く限り、怪獣映画に出てくる怪獣そのものだ。

 

 

「「地球環境の変化でタイタンの大半が地底世界に移動し、さらにそれぞれの種族は一部の個体のみが巨大化しており他のは小型化し適応するようになりました。

 

 

彼らタイタンは後に誕生した恐竜を始め様々な生物の基礎、モデルになったとされる種族です。」」

 

 

「何で彼らが再び人類と会うことになったんですか?」「「それは核兵器による放射能が原因です。」」とコスモスさんが応えた

 

 

「「彼らタイタンは放射能を餌にする特徴があります。人類の核兵器による汚染で皮肉にも彼らが再び活躍する環境になったのです!!」」

 

そうか、人間による環境破壊で再び目覚めたのか……。

 

「「そして人類とタイタン否、怪獣との戦いの歴史が始まりました。」」

 

 

「「様々な衝突がありましたがあることがきっかけで共存する方向に双方が向かいつつありました。」」

 

「「そんな中断固として人類を排除しようする怪獣がいました。それこそが中島さんに宿っているものです!!」」

 

「……剣吾に!?そいつは一体?」

 

「「彼に宿っているものはタイタンの中でも特に強力で王の種族と呼ばれていました。王の種族、我々はゴジラ族と呼んでいます。」」

 

ゴジラ、それが剣吾に宿った怪獣の名前か!!

 

「「ですが、タイタン、……怪獣の力を持った最後のゴジラが死んでから数十年経っても新たな怪獣が現れず最早怪獣の力を失った種族と考えられていました。」」

 

 

「「後に人類は力を失ったゴジラ族をゴジラザウルスと名付けられました。

 

 

そしてゴジラザウルスは生息地を水爆実験により多くの個体が失いましたが生き残った一体が怪獣になり人類に報復し、その力で街を焼き払いました。

 

そしてとある兵器により葬られ、海に沈みました。後に差別化するためにこのゴジラを初代ゴジラと呼びました。

 

 

この時にゴジラ族は絶滅したと思われていましたが、初代ゴジラの実の息子が生きており、新たなゴジラとして覚醒、復活しました。」」

 

 

「「そしてこの個体こそが歴代のゴジラ、地球怪獣全てを合わせても大きく凌駕する正に前代未聞の力を有していました。」」と顔を曇らせながらコスモスさんが語る

 

 

「「そしてこのゴジラはその力で人類に牙を向きました。その悲惨な現状を見かねて我々は人類と他の地球怪獣が協力し抵抗しましたが成す術もなく人類は地球を捨てざるを得ませんでした……。

 

 

怪獣王、キングオブモンスター、破壊神、人類最大の敵、地球史上最大最強の兵器など数々の異名で呼ばれました・・・。

 

 

そんなゴジラとの戦いを終えたタイタンも傷ついた体を癒すため長い休眠をし、目を覚ますと地球は完全にゴジラのものになっており、あらゆる生物、環境はゴジラのために存在していました……。

 

 

「「いろいろと省きましたが簡単に言うとここまでがこの世界に来るまでの我々の歴史です。」」

 

 

 

じ、人類が地球を捨てるしかなかった!?たった一体の怪獣によって!!?

 

 

「「詳しく聞きたいと思いますが長くなりますしまたの機会にしましょう。」」とコスモスさんが言う。

 

 

「「それからは平穏な日々を過ごしていましたがある日私の世界に突如別次元すなわちこの世界に通じる穴が通じました。そして、そこでは丁度戦乱の最中でした。

 

 

すると別次元と混ざった影響なのか時空間が歪みもう滅んだはずの怪獣も復活、蘇りました!!

 

 

そして争いの気配に反応したのか多くの怪獣がこちらの世界に侵攻しました。

 

 

私たちはコスモスは平和を愛する種族。故にこの世界に多大な被害をもたらすことを危惧し守護神として祀る聖獣を連れこちらの世界にやってきました。

 

 

その結果、私たちは先こちらの世界にやってきた怪獣を何匹か仲間にすることができました。

 

 

そして、世界の穴が閉じ始めた時、遂にゴジラもこの世界に降臨しました。

 

 

世界の穴が完全に閉じた後先にこの世界にやってきていた三災と激しい戦いを始めました。」」とコスモスさんは言うが俺が気になっていたことを聞いた。

 

 

「三災って何ですか?」「「三災とは怪獣王に匹敵する力を誇る正に天災、若しくはそれ以上の災厄をもたらす別次元の力を有した三体の怪獣の事です。」」と応え

 

 

「「ゴジラを含め四獣と呼ぶこともあります。彼らの死闘は残念ながら私たちでは手をだせる領域ではなく放置し、極限まで弱ったところを他の怪獣を含めて聖獣そして聖書の神の力により巨獣器(タイタンギア)に封印しました。」」

 

 

コスモスさんが俺たちを見渡しながら「「これが巨獣器の誕生と三大勢力による戦争の真実です。」」と説明を終えた。

 

 

俺たちは話の大きさにしばし、呆然とした……。別次元からの来た怪獣。そして人類が地球を捨てざるを得なかった程追い詰めた怪獣王ゴジラ。

 

それが剣吾に宿っているものの正体……!!とんでもない化け物が封印されているのか。

 

 

 

 

「「次に巨獣器について説明します。怪獣器(モンスターギア)とも呼ばれていますが特に違いはないです。強いて言えば好意的な方を巨獣器、敵対的な方を怪獣器と呼ぶ程度の違いです。

 

まず、特徴は巨獣器は怪獣の力を有しています。さらに神器(セイクリッドギア)と異なり、例え出現させなくても僅かながら所有者に筋力があがるなどの影響があります。

 

 

劣化版の怪獣とでも言うべき存在で神器と異なり禁手(バランスブレイク)を普通に使えます。巨獣器にとって禁手こそが戦闘形体で通常時は神器を模した姿でしかありません。

 

 

それぞれ怪獣の特徴を表した形状をしており、この状態では戦闘に適さないものも存在します。ちなみに通常時は所有者の適正によって形状が異なる場合も多いです。

 

 

禁手体では基本鎧と武器がセットになっています。武器は怪獣の特徴と所有者になるべく適したものに変化します。

 

 

この武器は持った瞬間ある程度使いこなせますが、あくまでこの武器だけで同じ種類の武器は使いこなすことは訓練しなければできません。

 

 

禁手もさらに鍛えれば更に怪獣の力を引き出すことができます。巨獣器使いは如何に宿した怪獣の引き出せるかが大きな鍵になります。」」

 

 

それを聞いて俺は種類が違うとわかっていてもズルいと思ってしまった。俺は禁手するのも満足にできないのに……。

 

 

そこで気が付いた。「あれ、……剣吾は禁手できませんよね?」

 

 

「「そのことについては後で説明します。」」と俺の質問にコスモスさんはそう返した。

 

 

「「ここまで聞くと良いことづくめに思うかもしれませんが基本的に怪獣にとって今の姿は不本意な状態です。そのため宿主の事を気に入れば大人しくしていますが、気に入らないなら容赦なく肉体を乗っ取ろうとします。

 

さらに、精神を乗っ取った怪獣は自らの封印を破り本来の肉体を取り戻そうと動き始めます。

 

 

神器を元にしただけあって仮に宿主が亡くなったとしてもまた新たな所有者に乗り移ることになります。

 

さらに好戦的な性格をした怪獣も多いので気に入った宿主が戦闘狂、犯罪者など危険因子を備えた人間だというケースも少なくありません。」」

 

何て、物騒なもんなんだ・・・!!気に入らなければ乗っ取り封印から解かれようとするなんて。ほぼ呪われた装備じゃねえか!!

 

「「さらに巨獣器を宿したものは悪魔などに変化できません。だから『悪魔の駒』(イーヴィル・ピース)の効果も受け付けません。」」と説明が続いた。

 

 

「「具体的な理由は分かりませんが怪獣にとって悪魔や天使などの異形は相性が悪いのかもしれません。そのためどれだけ血が薄まっても異形の血が交わったものには宿りません。」」

 

そうか、だから剣吾は『悪魔の駒』で変化しなかったのか……。

 

 

「コスモス様、恐れながらここからは私に説明させてください。」と伊藤さんが口を挟んだ。

 

「そんな巨獣器が暴走、怪獣の復活を防ぐために封印する存在が必要でした。

 

封印に協力した聖獣も一匹を除いて纏めて封印、または力尽き長い休眠をし、残る一匹も力尽きる寸前でした。

 

そんな時私の祖先はコスモス様に命を救われ末代まで忠誠を誓いました。そして、聖獣は天界の協力を得て巨獣器になり私の祖先に宿りました。

 

そして代々受け継がれて来たのがコスモス様の守護神であるモスラを宿した巨獣器、このモスラギアです!!」と伊藤さんが指輪型の巨獣器を見せながら言った。

 

これが世界を救った聖獣モスラの巨獣器……。

 

「モスラは聖獣のリーダー的存在で100年ほどまでは他の聖獣と協力し対処していたのですが一体は行方不明、もう一体は独自に行動するようになり、現在活動できるのはこのモスラのみです。」

 

「なぜ、彼らが行方をくらましたり、活動しているのか未だに分かっていないのですが……。話が反れるので今は省きましょう。」

 

「ちなみにモスラはこんな姿をしています。」と首飾りをかざすと映像が映し出された。

 

「蝶?」そう、赤と黒を基本にした極彩色の紋様が彩られた金色の翼と青く輝いた大きな複眼が特徴的な蝶でどことなくぬいぐるみたいな愛嬌を感じる。

 

「どちらと言えば蚕蛾に近いですね。」と俺の言葉に伊藤さんが応えた。

 

蛾なのか?こいつ。結構可愛いなあ……。奇麗だしあんまり蛾って感じがしないな。

 

「モスラはコスモス様の守護神として崇められおり、その力を有する巨獣器モスラギアは今現在巨獣器を封印できる唯一できる存在です。」

 

「巨獣器って引き継げるんですか?」

 

「これができるのはあくまで聖獣であるモスラだから宿主を選び、宿主の意思で生きている間でも引き渡すことが可能ですが他のでは絶対無理ですね。完全にランダムです。」と伊藤さんが応え

 

「このモスラギアを使い暴走している巨獣器を封印してきました。

 

剣吾さんが他の巨獣器なら今の段階で私たちがどうこうすることはありませんでした。しかし、彼のはゴジラ。今までまともに正気を保った前例がないんです。

 

ゴジラを宿した人間は暴れまわり多くの犠牲者をだしながら自滅又は討伐してきました。歴代のモスラを宿した巫女が何人もその封印を試みましたがいづれも失敗に終わりました……。

 

「ゴジラによって命を失った例も少なくありません……。万が一ゴジラの封印が解かれたらもう取返しがつきません!!」

 

「もし、放置したらコスモス様がいた世界の二の舞になるのかもしません。このように……」と呟く首飾りが発光した……!

 

目が眩み再び目を開けるとそこは辺り一面炎に包まれていた……!!な、なんだよ!!コレ!?

 

「落ち着いてください!過去の立体映像ですよ。ですから、何も熱くでしょ?」と伊藤さんが燃えている家をすり抜けながら話す。

 

……確かに何も熱くないな。実際に燃えている車に触ろうとしてもすり抜けるし、何も熱くない……。

 

「なるべくショックが少ない場面を選んだつもりですがそれでも一応覚悟してくださいね、皆さん。」

 

そうゆうと俺たち全員宙に浮かびあがり、勝手に移動していく。

 

「……あれがゴジラです。」と伊藤さんの視線にあった方をみると何か大きい地響き、いや足音か?

 

炎からでる大量の煙によって見えなかった姿が遂にその全貌が明らかになった!!

 

こ、これがゴジラなのか!!?でかい!!正確な大きさは分からないけどビルみたいにでかい!!

 

ぱっと見でかい肉食恐竜いや、昔の姿勢が直立したタイプの肉食恐竜に背中には植物の葉のように幾重にも枝分かれした背びれを複数生やしている。

 

背びれは炎とも、柊の葉、岩礁を合わせた様な不思議な形状しているっていうか剣吾の神器にちょっと似ている?

 

一目で圧倒的な存在感が細胞レベルで伝わる……!!

 

足を止めるとゴジラは背びれを青白く発光させる……。何か嫌な予感する……。

 

そして口を開くと青い炎、いや光線か!?とにかく凄まじい光量を発する何かを放った!!

 

ソレが地面にぶつかった瞬間、辺りに凄まじい爆音と爆風が吹き荒れる!!別に風圧が感じないはずなのに思わず体を身構えてしまう。

 

その時アーシアと部長が悲鳴を上げて倒れそうになったのに気づき、慌てて二人の傍に行き体を支える。

 

気が付くと伊藤さんがやったのか少し離れた場所に移っていた。そこで見たのは……

 

巨大なキノコ雲……!それこそ核兵器を使った後のような……!!町もちゃんとはみえないがおそらく完全に消し飛んで巨大なクレーターしかないみたいだ……!!

 

その光景にしばらく俺たちは、心を奪われ気がつくと俺の部屋に戻っていた……。

 

「あれが実際にコスモス様の世界であった出来事です……。そして、もしゴジラが復活すればこの世界でも起こりえる未来です!!」と伊藤さんが訴える。

 

「各勢力のトップがもし復活したら勝ち目はゼロに等しい、前回封印できたのは奇跡に等しかったと口々におしゃってます!!もし、……もし、そうなったらあなたの家族や友人を含め多くの犠牲者がでます!」涙を流しながら必死に訴える。

 

「……お辛いでしょうがお願いします。彼は世界の平和の為に今、封印しなればならない存在なんです……!!」と伊藤さんが跪き頭をさげて俺たちに頼み込んだ。

 

「……一誠さん」アーシアが困ったような縋るような表情で俺を見る。

 

剣吾を封じるのを当然反対だ!!だが、コスモスさんや伊藤さんの言うようにもし暴走したらどうする?

 

部長のお兄様である魔王様を含めたトップが勝てないという相手に俺がどう対抗できるだ?封印される前のドライグだってまるで相手にならなかったやつを前に?

 

父さん、母さん、桐生、松田、元浜……そしてアーシア、部長を始めとしたオカルト部の皆ほかにもたくさんの顔が思い浮かぶ!!

 

皆がさっき見せられた光景のようになるのか?そんなの許せるわけがない!!……どうすればいいんだ!?

 

 

悩む俺に部長が待ったをかけた。「ちょっと待って!あなたたちが意図的か知らないけどまだこっちの質問に応えてないことがあるわよね?」

 

「はい、何でしょう?」と伊藤さんが応じると「巨獣器は禁手が基本って言ってたわね?でも剣吾はできなかった?これについての答えを聞いてないわよ。」

 

流石部長!俺がさっきの話で吹っ飛んでいたことまでしっかり覚えている!

 

「「それはおそらく彼の闘争心が低いからです。」」とコスモスさんが応えた。

 

「闘争心が低い?」「「巨獣器の力の源は闘争心および宿主の素質です。剣吾さんの穏やかな気性はゴジラの力を引き出すのに致命的に向いていないようです。」」

 

剣吾を見ながら「「ゴジラの基本である青い熱戦すら使えない巨獣器使いなんて前代未聞です。」」

 

「力を引き出せないということは暴走する危険はないということじゃないの?」と部長が言う。

 

そうか、確かにそうだ。「剣吾は使いこなせてない!!だから大丈夫です!!」と俺が言うと

 

「私からもお願いします!剣吾さんを封印しないでください!!」とアーシアも涙を流しながら頼み込んだ!!

 

その姿は不謹慎かもしれないが美しく思わず見とれてしまった。

 

「……残念ですが、確かに彼は極めて希少なケース。ですが、暴走してからでは遅いんですよ!!」

 

「私が責任を持つわ!」

 

「貴方のお兄様がこのままでは危険だと判断して私に知らせたんですよ。魔王の妹だからって何でも思い道理になると思わない方がいいですよ!!」

 

「私はお兄様の力に頼ったりしないわ!」「ならば魔王ルシファーの命に逆らってもいいんですか?」と部長と伊藤さんが次第にヒートアップしていく……!!

 

こりゃ、おっかない!どうすればいいんだ!?

 

「「待ちなさい!!歌織!!」」とコスモスさんが口を挟む。「コスモス様!?しかし……!」

 

 

「「私たちの目的は平和をもたらすこと。巨獣器の封印はそのための手段でしかありません。そもそも今回は教会の任務を終えてからということです。」」と言われ怯む伊藤さん。

 

 

「「彼の対応はその後にしましょう。ひょっとしたら悪魔サイドにも力を借りねばならないかもしれないのですから。」」

 

コスモスさんには逆らえないのか伊藤さんがしぶしぶという感じで引き下がる……。

 

「「その代わり、剣吾さんのことをしばらく私たちが観察させてもらいますよ。よろしいですね?」」

 

「ええ、かまわないわ!!もし、約束に違えて剣吾を封印したら容赦なく滅してあげるわ!!」と部長が請け合う!

 

「「仮に彼が暴走しそうだと判断したら保証はできませんがわかりました。後、残念ながら今のあなた達のレベルでは歌織には勝てませんよ。」」とコスモスさんが諭すように言う。

 

嫌味も無く純粋にこっちを心配している様子で忠告していると理解できるのだがそれは逆にこっち、特に部長のプライドを逆撫でる事に気づいてほしい……。

 

部長が静かにきれているのがわかる。

 

「では、私が彼の監視を……」「「待ちなさい、歌織!それは私たちがやります。あなたはイリナさんとゼノヴィアさんと共に行動しなさい。」」と伊藤さんの言葉に被せコスモスさんが言う。

 

 

「コスモス様!?しかし?」「「私たちの姿を見せるのはよくないでしょう?大丈夫です。私たちは空間を通り越して相手の状態を認識できるんです。」」

 

それにと付け加え

 

「「彼としても実際に傍にいると色々気が散るだろうしそれで充分でしょう。それより貴方はあの二人の面倒をよく見てください。

 

教会からあの子たちは世俗慣れしていないでしょうから色々トラブルを犯すリスクがあります。だから貴方が金銭を始め管理を任せたんですからね。

 

これは同じ人間である貴方でないとできません!!任せましたよ!」」と釘を刺され伊藤さんも渋々ながら頷いた。

 

「「それでは皆様、明日またお会いましょう!!」」そう言うとコスモスさんと伊藤さんは丁寧に頭を下げると首飾りの紋章と同じ魔方陣が展開したと思ったらその姿が消えた……!!

 

 

俺たちは数分間警戒していたが実際に去ったと確認するとようやく体から力が抜けた……。

 

部長は「とんでもない話ね……。このことを朱乃達にも知らせてくるわ。」そうゆうと聞いていない他の眷属に連絡し直接話すべく転移した。

 

「一誠さん……」とアーシアが泣きそうな目で剣吾を見つめている……。

 

「大丈夫だって!!こいつを見れば危険何てないってすぐにわかるさ。間違いなく一番向いていないのは悪人なんだから。」と安心させるように言う。

 

そうさ、剣吾……お前をもし封印するなら俺が絶対守ってやるからな。

 

そう、決心を固めるのだが・・・「むにゃむにゃ、もう食べられないよ……。」

 

なんて呑気に寝言を言い、いびきをかく剣吾の姿に思わず殴りたくなる衝動を必死に抑えた……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回説明会になります。そのうち元の怪獣についても後書きとか説明しようと思います。

巨獣器(タイタンギア)怪獣器(モンスターギア)
呼び方が異なるだけで同じもので特に区別は無いですが、いつの間にか封印を解かれ暴走しそうなもの、もしくはこの世界に危害を加えるのを怪獣器、そうでないものを巨獣器と分けていることが多い。

その特徴は怪獣を封印したもの。その性質上神器の様に進化できず元の怪獣の力を超えることができない。

こうしたことからその存在を知るものから怪獣の劣化版と蔑まれることもある。

あくまで神器を模したものなので怪獣の力を使うのでほぼ全て禁手を最初から可能で具現型で戦うことは限りなく少ない。

さらに神器と異なり獣器を使用しない状態でも筋力、体力を初めとした身体能力が向上している。

禁手は全て宿した怪獣を模した鎧や服さらに武器を形成する。武器は何種類かに分けられ所有者に最も適した物に変化する。

人間には通常不可能な柔軟性や身体変化も可能にする。この武器はどれだけ損壊しても一度引っ込めれば元に戻る。

この武器を持つことから禁手状態を武装(アームズ)と呼ばれている。

基本的に強力なものほどコントロールが困難で所有者の意志を奪い、自らの封印を解こうとする。

逆に扱いやすいものは元々の怪獣が弱い方。どれも生命力が異常に強く、打たれ強いのが特徴。

その為いかに怪獣の力を引き出し、コントロールできるかで大きく変わる。

「極光虫の指輪」(モスラ・ギア)
三聖獣の一体でありコスモスの守護神であるモスラの力を宿した巨獣器。

代々モスラを奉る巫女に受け継がれ、巨獣器を封印する力を有し現在全勢力の垣根を越えた権限を持つ。

巨獣器の中でも屈指の汎用性があり、凄まじい勢いで強化される異例の巨獣器。

反面他の巨獣器に比べ物理防御、生命力が低めで接近戦が苦手な傾向がある。

相性に最も左右される。通常時は幼虫が円になっているよう形状をした指輪をしており、ここから糸を発生させる。

この糸は非常に強固で力で引きちぎるのが困難。ちなみにその素材は非常に良質で簡単な衣服を短時間で作る事が可能。

時々この糸を市場に売るがその際驚くほど高値で売買される。

禁手名は[極光虫の聖武装](モスラ・アームズ)

モスラの翼と触覚を備えた魔法少女の様な姿になる。他の巨獣器と異なり鎧ではなくモスラを模した戦闘服を身に纏う。

生体発光と鱗粉によりレーザーや視覚による探知を奪うことが可能。

触覚からのレーザー、羽ばたきからの強風に毒や可燃性、光線を拡散乱反射させ、落雷を発生させる鱗粉を放つ。

その鱗粉にはG細胞にアレルギーの様な効果を持つゴジラメタとでも言うべき種族。
そのためゴジラはモスラを嫌がるが反面無脊椎動物には効果が無く、光線も威力はあっても貫通力が低いので外骨格には効きにくいため虫型怪獣には相性が悪い。

[極光虫の翼扇](モスラ・ファン)
武器としてモスラの翼を思わせる鉄扇を持つ。斬撃も可能な攻防一体の武器だがどちらかと言えば防御及び遠距離攻撃に使用される。

翼と鉄扇どちらからでも雷、鱗粉、毒針を放つことが可能で威力、攻撃範囲に優れているのが翼。速射性に長けているのが鉄扇と使い分けている。

他にも頭部の触覚からビームを放ち、指先から糸を生成する。さらに対象を癒したり浄化、封印、結界など聖なる力を有しており元がモスラだけに非常に多彩な能力を誇る。

反面、攻撃の大半が翼の為、翼を破損すると一気に戦闘能力が低下する弱点を持つ。
さらに宿主は女性でないと適合できないのも欠点。







目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第三章 月光校庭のエクスカリバー編 5

ここから本編に戻ります。


あの後、俺兵藤一誠は気絶していた義弟の中島健吾にコスモスさんの話をした。

 

流石に動揺していてショックを受けていたのだが……一時間もしないうちに元の調子に戻った。

 

そして、今朝昨日のことで引きずっている俺たちを尻目にいつも通りのほほ~んとしている。

 

本当に図太くなったもんだ……。それとも心配させまいとわざとそんなふりをしているのか……?

 

学校でも剣吾は特に変わった素振りを見せなかった……。

 

そして遂に俺は剣吾に向って言った。「お前、本当にわかっているのか!?何でそんなに平静なんだ!?」

 

「……そりゃ、最初に聞いた時ショックだったけど話のスケールが大きすぎてピンと来ないよ。」

 

「まあ、そこまで言うなら校庭に寝転がって雲でも見ながら考えるとするよ……。」

 

「いや、ここは人に、義兄弟に相談すべきだと思うぞ?」「もう充分話した。」

 

「いや、遠慮するな。頼むから相談して~!!」「……そういうことなら、余計なトラブル起こさないでよ。」

 

「そんなんだから落ち込む暇もないんだよ……。」と逆さづりにされた俺を剣吾がため息つきながら俺を回収してくれる。

 

ちなみにのぞきの共犯である元浜と松田は今も悲鳴と血を流しながら必死に逃げている。俺はあいつらに囮にされこうなった。

 

それを剣吾がどうにか、なだめ今に至る。……途中見捨てようとしていたけど、どうにかなった。

 

とりあえず、大丈夫そうだな。……今日の放課後、イリナ達は部長に何の様に来るのだろうか?

 

 

放課後僕、中島健吾は部室に行こうと歩いている。例の如く掃除で遅くなり一人で向かっている。

 

すると「ツルギど~の~」と聞き覚えがある声が後ろから聞こえてきた。

 

後ろを振り向くとそこには予想通りの人物がいた。

 

モデルみたいな白人、そして逆に目立つ忍び装飾……。「……マイロンさん、よく入れましね……」

 

そうこの人はマイロン・ハリスさん。磯兄の友達で巨獣器(タイタンギア)バランの所有者。

 

どうやらバランも巨獣器らしい。コスモスさんがあの後僕たちに関わる人ということで部長たちにそのことを伝え、部長から生徒会長という流れで伝えられたらしい。

 

「磯野どのは藪用兼色々技術的なことを教えるのは自分と理恵どのの方が良いということで交代で様々な部活のアドバイザーをしているでござるよ。

 

許可は生徒会長がだしてくれるので問題はないでござるよ。」

 

「・・・ところで何故ツルギですか?おそらく理由は剣(けん)を(つるぎ)とも読めるからだと分かりますけどけんの方が言いやすくないですか?」

 

「親しみを込めてつるぎどのと呼ぶことにしました。迷惑ですか?」

 

「別に構いませんが知らない人が聞いたら混乱しますから使い分けてくださいよ。」

 

「そう言えば巨獣器のことを知ったみたいですよね?どうですか?巨獣器の話を聞いて感想は?」

 

「まあ、驚いたでござるがそんなこともあると思い皆すぐに落ち着いたでござるよ。

磯野どのが4年前特殊な神器(セイクリッドギア)だと聞かされたのでそれとなく察していたのかもしれないが……。

 

磯野どのはあの通り大雑把だからあまり気にもしないでござるな。ただ、宿ったタイタン、怪獣について教わってござるよ。するとこんな変化が出たでござるよ!」

 

そうゆうとマイロンさんはクナイを取り出した。これって禁手状態のときに出てくるはずの武器じゃ?

 

「どうやら宿った怪獣の事を知ることで巨獣器を具現化せずとも武器を取り出すことができるようになったみたいでござる。他の武器に変化できるか専ら修行中でござるよ。」

 

 

……いいなあ、武器か僕も欲しいな……。「ちなみにバランはこんな怪獣でござる。」と画像を何枚か見せてくれた。

 

何といえば良いだろうか?マイロンさんの鎧をそのまま生物にしたような姿をしている。被膜を広げて飛ぶ姿は物騒なトビトカゲとでもいえば良いだろうか?

 

「元々はバラノポーダと呼ばれる種族でバランはそれがタイタンとして先祖返りした個体を言うらしいでござるよ。」

 

「比較的に大人しいので定期的に餌付けすれば人間の言うことも聞いていたらしく共存していたらしいでござるよ。」

 

 

画像を興味深く見ていた僕に「おっと、剣吾殿用事があったでござるな。呼び止めてすまない。それでは剣吾殿またの機会に。」と去っていった。

 

 

 

僕がようやく部室に着くと一誠に遅いと文句を言われる。

 

後で聞くと教会も含めもう関係者は全員揃っているというのに僕が来なくてすげー気まずい雰囲気だったんだから!と文句を言われた。

 

 

僕がごめんごめんと謝るが「全く悪いと思っていないだろ、お前!普通に歩いてきたの見てたんだからな!」と突っ込まれる。

 

だって、監視されるだから急ぎなら連絡するなり直接呼びに来るから別にいいかと思って。こっちも気が重いし。そんな中伊藤さんが最初に口を開く。

 

「先日、カトリック教会本部ヴァチカン及び、プロテスタント側、正教会に保管、管理されていた聖剣エクスカリバーが奪われました。」

 

「ご存じかもしれませんが元々のエクスカリバーは大昔の三つ巴の戦争で折れました。」

 

「その後、破片の元に錬金術によって新たに7本の聖剣として生まれ変わりました。」

 

「最強の聖剣と言われたエクスカリバー、その力は欠片になっても強大でそれぞれに破壊、擬態、天閃、夢幻、透明、祝福、支配の力を有しております。」

 

「現在支配はその行方が分かっておりません。そして今回天閃、夢幻、透明を司るエクスカリバーが盗まれました。」

 

「伊藤さん、あまり詳しく悪魔サイドに知らせるのは」

 

「どうせもうバレてますよ。有名な聖剣ですもの。悪魔サイドが知らないとは思えません。」とゼノヴィアの苦言を伊藤さんが一掃した。

 

「現在その盗人がこの町に潜伏しています。盗人かどうかはまだ分かりませんが今回の事件の裏側には堕天使の組織、神の子を見張る者(グリゴリ)幹部コカビエルがいます。」

 

……堕天使の幹部?「まさか、聖書の一部にもその名が記された堕天使が犯人とはね……。」と部長も苦笑いするしかない様子。

 

どうやらやばい奴らしい。聖書に書かれたというぐらいだから相当昔からいる存在なんだろうな。

 

「ちなみに堕天使や配下の人間だと断言しなかって理由は今回天界側に犠牲者を出さず誰にも気づかれることなく盗難されました。」

 

「一概に言えませんがこれまでの手口とはあまりに違うので何か我々が知らない別の存在がいるのではないかと思われます。」と伊藤さんが言う。

 

堕天使に協力者?それは一体何者なんだ……?

 

「堕天使サイドからは今回の事態の確認及びグリゴリの意思では無いと表明し、独自に調査、追跡していると報告がありました。

 

つきましては当初、教会側は悪魔サイドが堕天使と共闘するのを恐れ、堕天使と天界の争いに一切の手出しをするなという要求でした。

 

「ですが、今回私の独断であなた達グレモリー、シトリー眷属に協力をお願いします。」と伊藤さんが頭を下げた。

 

教会側が悪魔と協力したくないのに独断で協力を要請した?何故?

 

ゼノヴィアさんとイリナさんもその判断に従っているようだ。

 

その反応を気にしながら部長が「何故そこまで協力を求めるの?」と聞く。

 

すると「グリゴリからの情報を聞く限り彼は未だに天使・堕天使・悪魔による三つ巴の戦争の再開を望んでいます。

 

それを防ぐためにはいざというとき魔王と連絡がスムーズにできる存在が必要だと判断しました。

 

さらに魔王の妹である貴方リアス・グレモリーさんとソーナ・シトリーさんをターゲットにする可能性が高いのでその護衛という意味も含め協力を求めます。」

 

……何か、部長たちより魔王様を当てにしている感じがあるな……。部長も静かにキレている……。

 

「私やソーナじゃ力不足だというの……?」

 

「もし、コカビエル氏が相手だと私たち全員が力を合わせても力不足も良いとこだと思った方がいいでしょう。

 

ならば、最初からそのつもりで行動した方が賢明でしょう。」と伊藤さんが諭すように言う。

 

「ここは私の縄張りよ。問題があるなら私の手で解決するわ。」

 

「勇気と無謀は違います。あなた方の今までの記録を拝見させて頂きました。」と伊藤さんがそれを踏まえた上で

 

「ライザー・フェニックスとの試合であそこまで苦戦している時点で勝ち目はほぼ0に等しいです。

 

また、今回最優先で守らなければいけないのは無関係な街の住人です。あなた方のプライドなど、この際どうでもいいことです。」と言う。

 

まあ、正論だけどもう少しオブラートに言った方が良い気がする……。にしても強引だなあ?

 

協力した方が良いとは思うけど妙に急いでいるというか焦っているような?

 

それだけ切羽詰まっているということなのか?でも、それ以外にも独自に何か理由があるだろうか。

 

「すでに双方の上層部から許可は得ています。そこで、グレモリ-さん。」と伊藤さんが部長に向かって

 

「今回貴女と『女王』(クイーン)である姫島さん、『僧侶』(ビショップ)であるアルジェントさんには今回後方からの支援をお願いいたします。」

 

「何を勝手なことを!?」

 

「先程も言ったように今回もしコカビエルだとしたら我々全員の力を合わせても勝機はほぼありません。

 

貴女とソーナ・シトリーさんは現魔王の妹で関係も良好だと伺います。

 

万が一の事があればそれこそ最悪戦乱になりかねません。

 

姫島さんは最も親しいグレモリーさんの側近にして友人だと聞いています。客観的かつ冷静さな判断を下せるよう彼女の側で支えて欲しいです。

 

そして、アルジェントさん。貴女は以前も堕天使サイドから狙われています。

 

さらに今回もし貴女が交戦中の場にいれば回復役である貴女を最優先で狙われるでしょう。

 

そうなったら守りきれません……そしてコカビエルではなくただの堕天使やはぐれエクソシストでは貴女たちがいなくても私たちだけでどうにかなるでしょう。

 

また、教会の面子を保のため悪魔では無くそれ以外の力を借りるという半ば屁理屈じみていますが何とか取り付けました。

 

よって実際に行動するのは今言った三名以外のオカルト部員に協力をお願いします。後でシトリー眷属からも一人協力者として行動することになる手筈です。」

 

「……随分、勝手なことを言うわね。協力するメンバーまで口出しして大概にしなさいよ……!」と部長がかなり押し殺した声で言う。

 

兵藤家以外のオカルト部員からも険悪な雰囲気が漂う。

 

アーちゃんが不安を感じたのか一誠の手にしがみつく。……仕方ない、ここは僕が冷静にならないとだめか……。

 

「このメンバーに選ばれたのは一誠はドラゴンの力、僕は巨獣器、子猫ちゃんは妖だとして木場君が選ばれたのは聖剣計画に関係あるですか?」

 

「その通りです。彼が聖剣計画の被害者だと知り彼には参加する権利があると思い提案しました。

 

木場さん、かつて聖剣計画を実行しその所業故に教会から追放及び処分しようとしましたが一足早くその人物は堕天使側に鞍替えしました。

 

今回の事件に間違いなくその人物が関わっています!」それを聞くと木場君の表情が変わった。

 

「堕天使側に?名前は!!?」その問いに今度はゼノヴィアさんがその人物の事を心底嫌悪している表情で語った。

 

「そいつの名前はバルパー・ガリレイ。皆殺しの大司教という異名をもったイカレ野郎だ。奴の技術で確かに聖剣使いの研究は飛躍的に伸びたが教会の恥もいいところだ!!」

 

「……堕天使、今回の事件を追えばそいつにたどり着くのか……。」そう呟くと同時に木場君の目が新たな決意みたいなものが見えた気がした。

 

同時にイリナさん、ゼノヴィアさんに対して憎悪に似た敵意が急速に消えていった……。

 

目標がはっきりして普段の様子に戻って様な気がする。

 

「……貴重な情報をありがとう。お礼と言っては何ですが先日、フリード・セルゼンが教会関係者を殺害する場面に遭遇した。」

 

「その時彼がエクスカリバーを使用していた。」と言うと全員が驚いた。

 

まさか、木場君が接触していたなんて誰にも話していなかったから思うところがあったのだろう。

 

「優斗、何で話さなかったの!?」「部長、責めるのは分かりますが後にしましょう。」と僕が口を挟む。

 

「フリード・セルゼン……なるほど。奴なら納得だ。」

 

「その男は元ヴァチカン法王庁直属のエクソシストよ。若干十三歳で任命された天才だったわ。その類まれな才能で悪魔や魔獣を次々と滅していった功績は大きなものだったのよ。」

 

「だが奴はやりすぎた。邪魔だと判断した味方すら手にかけたのだからね。」

 

「奴に信仰心などはじめからなく、人ならざるものへの嫌悪と殺意、そして異常なまでの戦闘への執着のみがあった。異端審問を受けて当然の男だったよ。」

 

と目を細めながら口々に忌々しげに語るイリナさんとゼノヴィアさん。どうやら元味方からも異常者扱いをされていたらしい。

 

とここで僕はこの流れで聞くのは気まずいがとりあえず一誠にこっそり聞いた。

 

「フリードって誰?」「……お前、相変わらず人の名前覚えないよな。ほら、アイツだよ。イカレた白髪の神父。」

 

「ああ、言葉わかんないけど悪口しか言わないアイツか。ミルタンに倒されたと思ったけどまだ生きていたんだ。」

 

そんなやり取りをしていると突然、子猫ちゃんが木場君に「……祐斗先輩。私は、先輩がいなくなるのは……寂しいです。」

 

それを見て僕たち全員驚愕した。、普段無表情である分インパクトが強く、この変化はこの場にいる全員の胸に来るものがあった。

 

「……お手伝いします。……だからいなくならないで。」

 

すると木場君が観念したような苦笑いをした。

 

考えてみれば僕たちが入部する前のオカルト部の人間関係をよく知らないけどどうやら家族みたいな絆があったのかもしれないな……。

 

だからこそ、子猫ちゃんはこの後暴走するんじゃないかと心配して先手をうったんじゃないかな?

 

「そうですよ、優斗君。……私たちは同じ仲間なんですから、もう少し頼ってください。」

 

「……優斗、あなたには復讐を忘れ前を見てほしかった。でも、運命はあなたを導いた。ならもう止めないわ。そのまま進みなさい!

 

でも今度はあなた一人じゃない、私たち皆で越えましょう。

 

そして必ず勝って無事に帰ってくるのよ!」と 朱乃と部長の言葉に木場君は黙って聞きながら涙ぐんでいた。

 

「……すいません、部長、皆。どうしても自分の力で解決したかったんですがそうですね。ここまで言われたらもう無茶しません。」

 

「必ずフリード及びバルパー・ガリレイ、そしてエクスカリバーを倒します。」と宣言する。

 

どうやら、これで木場君も一人で突っ走ることはなさそうだ。すごいいい場面なのだが自分がここいることに場違い感が半端なく感じてしまう。

 

「伊藤さんもありがとうございます。あなたのおかげで真の敵を知ることができました。」

 

「貴方たちのデーターを貰った際今回の事件仮に協力するなと言ってもおそらく聞かないでしょうしどんな形であれあなたには知る権利があると思ったからです。

 

それが協力を要請した理由の一つです。まあ他にもありますが。」と応える。

 

イリナさんも「伊藤さんから事情を聞いて教会の不始末を片付ける意味でも本来敵対する悪魔とも協力した方がいいと判断したわ。」

 

「正直、私とゼノヴィア、伊藤さんだけで今回任務をこなすつもりで半ば死を覚悟していたからずいぶん楽になったわね。責任は伊藤さんが引き受けてくるし。」と笑顔で言う。

 

伊藤さんも素直に頷く辺りそう決まっているらしい。大変だなあ……。

 

 

「後、シスターアーシアが悪魔になった件も私たちの不適際でもあるから悪魔になったことあまり責められないわね。」とも言う。

 

「最初は落ちた聖女と蔑んでいたが伊藤さんからあのヴァスコ・ストラーダ司祭枢機卿猊下が教会から追放されることになっても何とか保護しようとしたのにまんまと堕天使に手引きされてしまった。

 

……そのことを猊下はずっと気にしておられた。」とゼノヴィアさんが語る。

 

「ストラーダ猊下が私を……!?」とアーちゃんが感動で涙を流しそうになっている。

 

詳しいことは分かんないけど、どうやら教会の上層部でアーちゃんの事を救おうとして救えなかったことを気にしていたみたいだ。

 

どうやらそのストラーダ猊下という人が相当偉いのか、はたまた個人的に尊敬できる人物なのか、その両方なのか分かんないがそれでイリナさんとゼノヴィアさんが協力する気になったみたいだ。

 

おお、随分スムーズに決まったな。敵対しているのに意外だな……でも、教会側も何で聖剣の回収にこんな若い子達を派遣したんだろう。

 

仮に堕天使の幹部が黒幕の可能性があるならもっと経験がある人物の方が良いと思うだがあんまり悪魔サイドを刺激したくなかったから?

 

もしかすると一誠の幼馴染だと知っていたからイリナさんたちを派遣した?

 

でも、そこまで一緒に行動するなら最初から上層部でやればいいの良かったのではないだろうか?

 

よくわかんないけど、是が非でもグレモリーに協力させたかった?何でだろうと考えていたらあることが頭によぎった。

 

いや、まだこれはただの予想だ。それにもしあっていたとしてもせっかく手を結ぼうとしているんだ……。この流れに乗るしかない。

 

「さて、正式に協力関係になったことでまず、強奪されたエクスカリバーの特性を教えます。そのうえで連携と今の実力を知るために模擬戦を行いと思いますがよろしいでしょうか?」と伊藤さんが言うと全員が頷いた。

 

「それではまず、強奪されたエクスカリバーの特性を説明します。まず最初に盗まれたのは透明の聖剣(エクスカリバー・トランスペアレンシー)です。」剣の画像を映して説明が始まった。

 

「これは名前の通り剣および使い手を透明化できます。その特性から単純ながら非常に便利な能力です。」

 

透明・・・確かに便利だ。これだけで戦闘、逃走、偵察など様々な面で大きなメリットを得る。

 

「次に盗まれたのは夢幻の聖剣(エクスカリバー・ナイトメア)。名前の通り幻術で惑わせたり眠っている間にその夢を支配したりすることが可能です。」

 

画像が別の剣に変わり

 

「これとさっき言った透明を同時に使いこなされるとかなり厳しいものになりますね……。」

 

幻影か……。厄介だなあ。個人的に夢を支配とかが一番やだな。夢なんてどうしようもないじゃん。最後の剣に変わると

 

「最後に天閃の聖剣(エクスカリバー・ラピッドリィ)今まで言った二つは直接戦闘に欠けていますがこのエクスカリバーが司るのは速さ。使い手のスピードを底上げして高速の攻撃を繰り出せます。」

 

つまり、速くて透明になって幻を見せるのか……めんどくさ!!それこそ無差別大規模攻撃でもないとまともに当てることができるか怪しいもんだな……。

 

「では次にお互いの実力を知るためにも模擬戦を行いたいと思いますが場所を用意してもらっていいですか?」と伊藤さんが部長に頼むと聞き入れ模擬戦の準備をした。

 

──── 

 

「コカビエル……あの根暗ロン毛か。遂にとち狂ったか、まあいい。

 

四年前から気に食わなかったんだ。あの時は止められたけど今回はいいだろう。息の根止めてやる!

 

あいつらには俺が戻るまで無理するなと伝えとくれ。理愛。マイロンにもそう伝えてくれ。後なんだ?モスラの適合者で伊藤歌織?

 

伊藤……伊藤百合さんの娘か?いや、年齢考えると孫か……。そうかあの人の……。

 

先代には随分世話になったからなあ。とりあえず無茶しないようフォローしてくれ。

 

モスラか……、それに巨獣器?4年前そんな話聞いてないつーの

 

。教えてくれればいいのに。さて、あいつに対抗するためにも一刻も早くこれをマスターしないとな。」と己に武器に視線を移し再び修行に戻った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




モスラやコスモスは平和を愛する種族ということ、どうせ次の章で和平を結ばれるということで原作より早く協力体制や親密度を上げました。

アーシア、木場の過去などを事前に教会コンビに伝え、ストラーダ猊下の名前もだし説得させました。

ちなみに伊藤歌織がここまで協力させたかったのには元々勢力間での争いを止めようという活動をしていましたがほかにも理由があります。

バラン

学名バラノポーダ。とある村では婆羅陀魏(バラダギサマ)と崇められていた。水陸空と高い適応性を誇る。

凶悪そうな見た目に反し比較的おとなしく人間とも共存していたケースも存在する。

ムササビ怪獣とも呼ばれるだけのことあり、被膜を張り飛行することが可能。

毒がある棘に硬さと柔軟性を併せ持つ表皮を武器にしている。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第三章 月光校庭のエクスカリバー編 6

模擬戦が始まります。


僕中島健吾を含めたオカルト部と教会コンビはリアス部長が用意したバトルフィールドにやってきた。

 

模擬戦に出るのは部長、アーシアことアーちゃん、朱乃さんは今回お留守番だから木場君、一誠、子猫ちゃん、そして僕の誰かになるのだが。

 

「私も模擬戦に参加させて頂きます。」と伊藤歌織(いとうかおり)さんも言ってきた。

 

「審判どうします?」「コスモス様にお願いしたので大丈夫です。では、対戦相手を決めようと思います。」

 

「適当にジャンケンかくじでいいじゃないですか?」「グレモリーからは木場さん、兵藤さん、中島さんでお願いしてもよろしいでしょうか。」

 

皆特に反対する理由は無いからその流れで決まった。すると伊藤さんがこう言った。

 

「木場さんの思いを晴らすためにもやはり能力は違えどエクスカリバーと戦うべきですね。今の実力とどれだけ冷静に対処できるか図りたいと思います。

 

さらにイリナさんは兵藤さんと幼馴染ということもあるのでそちらに回ってもらいます。となるとゼノヴィアさんでよろしいですか?

 

余った私と中島さんで模擬戦を行いましょう。何か意見がある人は?」

 

「はい、先生前回とほぼ変わらないので変えてほしいです!」「却下します。」

 

そんなわけで木場君とゼノヴィアさん、一誠とイリナさん、僕と伊藤さんという組み合わせになった。

 

その結果は「ギブギブギブ!!」「そんな弱気でどうするんですか!!少しは真面目にやりなさい!!」

 

「どう考えても力の差がありすぎて無理!!」と情けない悲鳴を上げながら電撃や光線を食らっている。

 

前回ボロ負けして大して日にち経っていないのに勝てるわけがない!こちとら自慢じゃないが病弱な体でろくに喧嘩もしてことがないんだよ!!

 

こんなコントみたいな試合をしているが皆木場君の方に集中してこっちには目もくれない。それはそれでさみしい。

 

肝心の木場君の試合だがどうやら余計なお世話かもしれないが試合前に念押ししたアドバイスが生きているみたいだ。

 

それはエクスカリバーより強い攻撃力をだしたいからって自分の動きを封じるような巨大な剣を振り回さないように。

 

君は速さと手数の豊富さが武器なんだから力比べしたければ最低限子猫ちゃんや俺より上じゃないと勝ち目はないと思っていた方が良い。

 

こっちがアドバイスしなくても自分でやってたかもしれないがどうやらそのことを意識しているようだ。

 

その時ゼノヴィアさんが大きく振りかぶって斬りかかってきたきた。木場君が剣を二本で受け止めようとしたけど一瞬受け止めるとすぐに剣を離して後ろに跳んだ。

 

その直後ゼノヴィアさんの剣があっさり二本の剣を砕きそれだけでなく地面に大きなクレーターができた!?彼女の腕ではどう考えてもそこまでの筋力があるとは思えない!となると・・・

 

「この威力、君のエクスカリバーは破壊か!?」と木場君が叫んだ。

 

「その通り、これが私が持つ破壊の聖剣(エクスカリバー・デストラクション)!その名に恥じず有象無象を破壊する!!」とゼノヴィアさんが応える。

 

「欠片一本のエクスカリバーでもこの力!7本全てを破壊するのは修羅の道か……。」と木場君は戦慄しながらも闘志に些かの陰り無く激しくそれでいて冷静な判断ができていると思わせる目をし、新たな魔剣を作り再び相対する。

 

 

一方一誠とイリナさんの方はと言うと「久しぶりに再会した幼馴染が悪魔になっていた……正直ショックだったわ。」と心底残念そうに言う。

 

まあ、そうだろうな。特に信仰心が無い俺でさえショックだからキリスト教の熱心な信者なのだからその衝撃は想像を絶するだろう。と半ば同情していたのだが……

 

「ああ、可哀そうな一誠君、久しぶりに帰ってきた故郷で懐かしい幼馴染が命を救うためとはいえ悪魔になっていた過酷な運命!時間の流れって残酷だわ!

 

でも、それを乗り越えて一歩また真の信仰の道に進めるわ!さあ、一誠君!あなたの罪を私のエクスカリバーで裁いてあげるわ!アーメン!!」

 

涙を浮かべたつつも瞳を星のように輝かせ信仰に酔っている雰囲気を漂わせつつ張り切った様子で聖剣を一誠に向けた。

 

……流石一誠の幼馴染!碌な奴がいない!!俺は伊藤さんの光線で吹き飛ばされる中一誠に声をかける。

 

「一誠、関わっちゃいけない危ない子だと思うかもしれないけど傍から見ればお前の方が危険度格段に高いから。勘違いしないように。」

 

「お前、わざわざダメージ受けながら言うことか!?模擬戦に集中しろ!!」

 

「大丈夫、もう勝ち目ないから応援モード。」「そんな簡単に諦めてどうするですか!?その根性を叩き直します!!」

 

「……君、俺を封印するのが目的なら抵抗されない今の方が良いのでは?」そんな漫才をしつつ一誠とイリナさんの戦いを見る。

 

確か今教会が所持するエクスカリバーは破壊、祝福、擬態だったはず。ゼノヴィアさんが破壊だからイリナさんは祝福か擬態のどちらか。

 

擬態は大体予想がつくけど祝福って何だ?全然想像がつかない。そうこうしていると一誠が躱しながら赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)の力で倍加していく。

 

一体どうするんだろうか?何か妙にいやらしい顔しているけどどさくさに紛れて胸でも揉むつもりか?

 

その時子猫ちゃんが言う。「……気を付けてください、一誠先輩は手に触れた女性の服を消し飛ばすことができます。」

 

「「ええ~~――!!」」と俺と何故か伊藤さんの声がはまる。

 

「タイム!!」と言うと皆受け入れたのですかさず子猫ちゃんに聞く。

 

「服を消し飛ばすって何!?何も聞いてないんだけど!!」と叫びながら一誠に詰め寄る。

 

「そういえば剣吾さんは知らなっかたんですよね。フェニックス戦で一誠君は洋服崩壊(ドレス・ブレイク)という女性の服を消し飛ばす技を合宿中に完成させたんですよ。まあ、今後ゲームでは使用できませんが。」と朱乃さんが応える。

 

「お前、あの時野菜の皮むいていたのはやっぱりそうゆうことだったのか!!やっていいことと悪いことがあるだろうが!!」と叫びながら飛び膝蹴りをする。

 

「お前、さっきより明らかに動きがいいじゃねえか!!模擬戦より身内に制裁する方が動きいいってどうゆうことだ!!」叫びながらエルボーしてきやがった!

 

「当たり前じゃん!よく見ろ!片や別に憎くくもない美少女、片や女性の服を消し飛ばす身内の恥!どっちが殴りやすいか一目瞭然だろうが!!」

 

「正論いうじゃねえ!!」とまた喧嘩が始まるかと思ったがその時一誠が光線で吹き飛ばされた!!?

 

驚いて振り向くと伊藤さんがご立腹の様子で一誠に言う。

 

「なんてことをするんですか!?犯罪ですよ、犯罪!!女性の肌はそう簡単に晒していいものではありません!!そんな考え叩き直してあげます!!」と言い、猛攻する。

 

すごい、すごいラッシュだ……!!一誠が見る間にボロボロになる。とりあえず俺はイリナさん、ゼノディアさん、木場君に「どうします?このまま見学する?続けるならついでにこっちも相手を変える?」

 

ということで折角だから相手を変え木場君とイリナさん、そしてゼノヴィアさんと俺が戦うことになった。

 

木場君が剣を持ち素早く斬りかかったが突如動きを交わした?次の瞬間、長い何かがその場所にぶつかる。

 

視線を移すと日本刀を持っていたはずのイリナさんの手にヒモや鞭みたい長くしなやかな刃物をもっていた。多分、刀身を変化させ斬りかかったと思うけどこれは?

 

「君のは擬態か!」「そう、擬態の聖剣(エクスカリバー・ミミック)!!これが私の聖剣よ!」

 

「ここまで形が変わるのか?だがちょうどいい!今回相手は天閃、夢幻、透明!変幻自在の攻撃を誇るあなたの方が良い予行練習になる!!」

 

「私もあなたの速さを克服し備えるとするわ!」と言うと再びぶつかり合う。

 

で、俺はと言うと破壊の聖剣をゴジラギアでガードするが腕に鈍い痺れを感じる。

 

「頑丈だな、ここまで攻撃しても平然としているとはとんでもないな……。」とゼノヴィアさんが半ば呆れたように言う。

 

「そういっても全然捕まんないで厳しいですけどね。」そう応えるがさっきから攻撃に耐えこっちが何かしようとすると逃げられるの繰り返しだからいい加減面倒だ!

 

こうなったら覚悟を決めよう。いくぞ、相手の動きに合わせ……ここだ!!

 

斬りかかったきたゼノヴィアさんの剣を日本の伝統真剣白刃取りで迎え撃つ!!ガン!!……パン!

 

 

グオオオオ!!思いっきり空振りして脳天に破壊のダメージが直撃したので激痛に苦しみもがき苦しむ!!

 

イメージとしては完全に止めるはずだったのに!やっぱりこんなのできるわけないのか?頭、割れていない?

 

無駄にジタバタし、巨獣器が消え完全に敗北した僕をゼノヴィアさんはどこか異質な物を見るように僕を見ていた。

 

 

何とか回復して一誠の方を見るとどうやら倍加の力を使用し、身体能力を上げ伊藤さんに突進する。すごいスピードだったが伊藤さんは軽く躱した。

 

その先にはアーちゃんと子猫ちゃんがいたのだが一誠が触れた瞬間服がはじけ飛んだ!!

 

そう思った瞬間当然視覚が真っ白になった!?ナニコレ?顔に何かくっついている!?

 

顔にくっついた何かを取ろうとしていると「乙女を裸にするなんて絶対許しませんよ!!」と伊藤さんが激怒した声に一誠の悲鳴が聞こえる。

 

何が起こっているんだ!?

 

なんとか顔にくっついたものを取ることに成功した。これは……糸みたいだな。

 

一誠は……蓑虫みたいに糸でぐるぐる巻きにされ吊るされている。

 

アーちゃんと子猫ちゃんを見ると神社や板前の人が着ている様な白い着物を着ている……。何だっけ?白丁だっけ?

 

あの服いつ用意したんだろう?皆若干引いている様子で一誠と伊藤さんを見ている、いや、若干青ざめている?

 

……いったい僕が見えない間に何があったのか?知らない方が良さそうだ。

 

「この辺で模擬戦を終えましょうか?木場さんとイリナさんもよろしいですね?」と伊藤さんが言うと二人ともは、はい。とちょっとびくつきながら賛同した。

 

な、なにがあったんだ?いったい?

 

とりあえず僕は一誠を回収すると聞いてみた。「大丈夫?何があったの?」

 

「すいません、ごめんなさい。もう二度としません。」……まともに返事できないな、こうゆうときには

 

「部長、一誠の顔に胸をくっつける形で抱きしめてください。」

 

「一誠、大丈夫なの?」「いいからいいからお願いします。あ、朱乃さんも協力してください。」

 

二人とも心配そうにしていたが言われたとおりに一誠の顔を胸が当たるように抱きしめた。

 

その瞬間、一誠は大興奮して復活した。ショックがあっても大体これで治る。

 

「元に戻って何より。しかし完敗だね。決着がつかなかったのは木場君だけ。僕たちはいいとこなしだね~。」

 

全く情けない。これ協力してもかえって足引っ張らないか?

 

「アーシアも服消し飛ばしてごめんな。」

 

「私は一誠さんが何か考えがあると思っていたので何をされて平気ですから。」一誠はその返事に目頭を熱くさせていた。

 

大方、単に服を破りたくなったのに心から信頼されて感動と罪悪感に襲われたというところか。

 

「木場君はどうだった?」と僕が話を振ると

 

「エクスカリバーの力その一端を知ることができました。ですが全く対抗できないわけではないということを確信できました。」

 

「必ずエクスカリバーに勝ってみせます!」

 

「木場さん、あなたは魔剣をいくらでも創造できあなたの想像力でその力を増します。そのことを今一度思い出してください。」と伊藤さんがエールした。

 

「兵藤さん、相手との力量さとそれに対しどの程度パワーアップすれば良いか分からないと致命的ですよ。少し自覚した方が良いですよ。

 

貴女はグレモリー眷属の切り札になり得る存在だと言うことを。

 

神滅具(ロンギヌス)を選ばれたその意味をもっと考えた方が良いですよ。」そう言われると一誠も顔を真剣にして聞いていた。

 

「後、あんな破廉恥な技は今後しないように、良いですね!」と念押しすると今回の模擬戦は終了となった。後日、生徒会の助っ人また打ち合わせると言うことで解散した。

 

 

伊藤歌織はホテルに戻るとイリナとゼノヴィアに尋ねた。「グレモリー眷属はどうでした?」

 

「まずは木場祐斗。彼の魔剣創造(ソード・バース)は極めればその多様性は脅威になりえるだろう。」

 

「後は仇を前に冷静でいられれば十分対抗できるだろう」とゼノヴィアが応える。

 

「一誠君の方は相変わらずスケベで経験不足だけどやっぱり赤龍帝の籠手の力は侮れないわ。倍加の力を私たちにも適用されれば一気に戦局を変える力になるわ。」とイリナも応える。

 

「問題は彼中島さんですね。」

 

「貴方から事前に聞いた通りどうも私たち相手には動きに躊躇いが見られる。はっきり言って戦士としては致命的に甘い!」とゼノヴィアが言う。

 

「……ただ、あの防御力はとんでもないな。加減したとはいえ破壊の力を頭に直撃させたのに大したダメージがある様に見えなかった。」と模擬戦を思い返しながら言う

 

「……どうにも評価しにくいやつだ。」と言うとイリナもそうねと言う。

 

しばし、話し合い、伊藤歌織は自室に戻ると一緒に同行していたコスモスに尋ねた。

 

「コスモス様、彼のことをどう思いますか?」

 

「「彼、中島剣吾は一見、戦闘に不向きな人間に見えますが一概にそうとは言い切れませんね。」」

 

「と申しますと?」「「彼はおそらく実戦、命のやりとりでないと負けても一切気にしないタイプですね。故にその底がいまいち分かりにくいですが全くの役立たずというのは十中八九無いと思います。」」と断言する。

 

「「何故なら歌織やゼノヴィアさんの攻撃、特に破壊の聖剣を脳天に直撃しても一切出血も内出血もしないという頑丈さ、その攻撃を受けてもゴジラの力が増大しませんでした。

 

ふつうあそこまで攻撃されたら間違いなくゴジラが持つ闘争本能の影響を受けるはずです。にも拘らずろくに反撃しようとしなかった……。

 

これは彼がそのゴジラの闘争心を抑え込んだということでまず間違いないでしょう。

 

この時点で少なくても彼の精神力は私たちが思うよりよっぽど強いと思います。

 

ここで気になるのは彼が1か10若しくは0か100しか戦えないということ。

 

問題なのは10、100のときの彼がどうなのかそれが全ての答えですね。」」とコスモスが話す。

 

「では、やはり教会と手を組ませたのは・・・」

 

「「もちろん木場優斗さんの事、さらに悪魔、天界協力せねばならない事態というのが一番です。

 

ですが、コカビエル氏が本当に相手なら彼を極限まで追い込めれることでしょう。

 

おそらくそれでわかると思います。彼が危険か否か、さらに彼がゴジラに選ばれた存在なのか否かが。

 

歌織、ここからが本番ですよ。心得なさい。

 

先の二戦で確かにあなたの圧勝でしたが彼が今までのゴジラにないはずの力を発揮したという事実を軽んずべからず。そのことを今一度胸に刻みなさい。」」

 

そこまで言うと申し訳なさそうに歌織を見て言った。

 

「「……あなたには、いえ貴方の一族には随分苦労欠けましたね。私たちの為に……。」」

 

「何を仰いますか!!コスモス様がいなければ私たちの一族はとっくに滅びていました。またモスラの巫女として選ばれたことを皆誇りにしています!

 

今回の件も必ず使命を全うしてみせます!!」と歌織は力強く宣言した!

 

 

数日後、俺兵藤一誠に木場、子猫ちゃん、剣吾はとあるファミレスに来ていた。というのも今日は生徒会からの応援と待ち合わせることになったのだが少しごたついた。

 

っと言うのも剣吾の奴がオカルト部か生徒会で話せばいいじゃない?と言いファミレスに来ることを拒否した。理由は簡単。こいつ結構ケチなんだよなあ。

 

オカルト部に通う理由の何割かはただでお菓子食べられるというのも絶対にあるだろうな。

 

主や先輩いないところで自然に話せるように言うことを部長とソーナ先輩が考えていてお金は部費で出すというとあっさり従った。

 

子猫ちゃんが男子だけの方が良いのでは参加を辞めようとしたが剣吾が男だけだと喧嘩になりそうだからいた方が良い。それにどうせ伊藤さんも来るから同じことだよと言うので参加した。

 

確かに子猫ちゃんいた方がまだいいかもな。俺とアイツ今のところお互いに印象が最悪だ。

 

しばらくすると伊藤さんと協力者が来た。

 

「まさか教会と手を組んで聖剣奪取することになんて、ハードだ……。」と言うのは匙 元士郎。

 

生徒会メンバーいやシトリー眷属唯一の男子。他の眷属はバックアップに専念するらしい。

 

席に着くと「ではこれで全員ですね?」と言い始める。

 

まず、改めて木場の思いを確認した。匙は会長から軽くは聞いているみたいだが詳細は木場本人の口からきいた方が良いと言われたらしい。

 

そこで語られたのは俺たちの想像を絶する悲惨なものだった。

 

毎日過酷で非人道的な実験をされ挙句の果て毒ガスで処分された。聖剣の才が無いというだけで……。

 

木場は何とか部長に助けられそれ以来エクスカリバーより優れていると証明すべく腕を上げているとのことだ。

 

正直俺には想像もできない話だが部長はお前に復讐心だけで生きてほしいなんて考えてないぞ。

 

この話を聞いてた匙は号泣して一転して協力すると決意した。

 

ただ、伊藤さんそれに剣吾の様子がちょっと違和感を感じた。二人とも木場の過去に同情しているだが何かに引っかかっているようなそんな気がする。

 

「それを行ったバルパー・ガリレイが堕天使にいて今回の騒動にいるなら僕は因縁にケリをつけるよ。」と力強く木場が宣言する。

 

それに呼応するかのように気恥ずかしそうにそれでいて目をらんらんとして突然宣言した。

 

「実はな、俺の目標はソーナ会長と出来ちゃった結婚をすることだ!正直厳しすぎるハードルだって分かっている!でも笑われたってかまわない!いつか叶えて見せるんだ!!」

 

それを聞き俺は大量の涙を流しながら応えた。

 

「匙!聞け!俺にも目標がある!!それは……部長のおっぱいにこの手で触れ、そして吸うことだ!!」

 

俺たちは涙を流しながらしばらく互いに魂の叫びを伝え合い、最後に固い握手をしこう叫んだ!!

 

「「俺達は一人では半端なダメな『兵士』(ポーン)かも知れない!だが、二人なら二人なら一人前だ!!俺たちは同志だ!!険しい目標を目指す同志だ!!」」

 

さらに互いの思いを叫ぼうと思ったその時背中に急激な寒気を感じる……?

 

「……あなた達、ここをどこだと思っているですか!?小さい子供も見ているんですよ!!」

 

と声を抑えながらも激怒している伊藤さんの姿がそこにあった……。そこからの記憶はあまり覚えていない……。思い出そうとすると本能が拒絶しているみたいだ。

 

ただ、他のお客さんや店員に土下座している剣吾の姿が妙に心に残っている。

 

ただ、正気に戻った後俺と匙に対してこう言った。

 

「でも、お友達の為にここまで涙を流し頑張る姿は素敵ですよ。二人とも。」そう言いながらほほ笑む姿はとても美しくて思わずドギマギしてしまった。

 

そんなことがあったのであの時俺は剣吾が何に引っかかっているのか聞こうと思ったことをすっかり頭から消えていた。

 

 

皆が先に帰りお、先ほどの迷惑をかけた代価に色々店の手伝いを終え帰ろうとする僕、中島健吾だがそこにコスモスさんが声をかけてきた。

 

「「先ほどの話に何か疑問がある様に思えますがどうしたんですか?」」

 

「伊藤さんも同じだと思いますけど木場君たちは本当に失敗作だから処分されたのかなあって思って?もし僕が考えていることが当たっているなら木場君にはもっと辛い真実を知るのかもしれない。」

 

「確認ですけど今の聖剣使いが人工的に生まれるようになったのは聖剣計画があってからでそれ以降犠牲者は出てないんですよね?」

 

「「ええ、間違いありません。」」

 

「漫画やアニメとかにも似たような話があって実際にそんな都合よくできるものなのか分かりませんけどもしそうなら何故木場君達を処分したのか説明がつく。

 

少なくても失敗だからとわざわざ殺すよりよっぽど納得できます。ゴミみたいな理屈で外れてほしいですけど。」

 

「「あなたは冷静で視野が広いですね。」」

 

「……柄じゃなくて無理してやってるんですよ。僕の周りどいつもこいつも猪突猛進のバカしかいないから嫌でもブレーキ役にならざるを得ないんですよ・・・。」

 

と泣きながら言う。

 

「「……大変ですね。それではまた後日。」」と話し家に戻るとアーちゃんと部長が裸エプロンで作った料理を一誠と父さんが幸せそうかつエロそうな表情をしながら食べていた。

 

ちなみに僕は扉を開けて入った瞬間悲鳴を上げられ理不尽に攻撃を受けたため二人の裸エプロン姿を全く見ていない。

 

一誠はともかく父さんにも見せていいのに不公平だ!!ちなみになんでそんな恰好をしているかと桐生さんから聞いたからとのこと。

 

……流石にこうも扱いが違うと少々思うところがある。

 

でも悲しいことに僕にその手の話は欠片もないしなあ……。最近縁がある女性と言えば伊藤さんぐらいだけどこっちの命狙っているしな……。

 

……封印される前に最後の頼みってことでお願いしてみようかなあ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




伊藤歌織(いとうかおり)
名前の由来は小美人を演じたザ・ピーナッツの伊藤エミ、ユミ姉妹とサザエさんに登場する大空カオリから。

モスラの巨獣器(タイタンギア)の宿主。

モスラの巫女としての使命を全うすることに誇りにしている。

露出を嫌い今時珍しい才色兼備の大和撫子。見た目はマリア様が見ているで出てくる小笠原祥子又はONEPIECEに登場するボア・ハンコックを柔らかくしたようなイメージにしています。

スタイルはオカルト部が思わず嫉妬するぐらいかなりいいらしいが作中描写することはおそらく無い。

性格は普段は優しさと凜々しさ両方を併せ持つ。モスラの巫女として蚕を初め様々な虫を育てているため虫を初めとした一般的に女性が苦手とする生物に平気。

面倒見が良いがお色気やアダルトトークが苦手。そのため周囲をこころみないセクハラなどには激怒する。つまり一誠の天敵。

反面小学生低学年までには非常に寛容で胸とか揉まれても気にしない。たまに孤児院とかで一緒に入浴することがあるとの噂だが真偽は不明。

前の学校では男女問わずOB、教師、生徒含め3桁は軽く越える交際を求められたが本人は現在色事に興味がないので相手に申し訳ないと思っている。

交際を求められると複数一片に誘い集団コンパみたいなことをし、カップルを成立させたりする。

何でもそつなくできるが特に芸術センスがあり服は全て手作り。歌には特に自信がある。

今回学校を離れその原因が中島剣吾と何故か知られ、剣吾は多くの人から敵意や怨嗟を浴びることになったのは別の話である。

本人曰く性別や年齢、外見等でなくその人だから好きになったという恋をしたいと思っている。

モスラ
三聖獣の一匹。蛾や蝶のモデルになったとされるタイタン。聖獣のリーダーにして地球怪獣の女王とでも呼ぶべき種族。

王であるゴジラへの抑止力的なポジションで多彩な攻撃を誇る。反面対戦相手の相性が極めて大きいと言う欠点がある。

平和と癒やしを司りインファント島を初め信仰の対象になっている。コスモスがモスラを信仰したことが地球史で初の宗教という説があるが真偽は不明。

奇跡と思われる正に魔法みたいな芸当をゴジラの世界でしばしば興しSFの中一人だけファンタジーやっていると評価されるほど。

ゴジラや他の怪獣を巨獣器に封印した際に自身もひどく衰弱し元の姿では命の危機があったため他の聖獣共々巨獣器の姿に変化した。

代々モスラの巫女に過酷な運命を強いたことに罪悪感を持っているらしい。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第三章 月光校庭のエクスカリバー編 7

エクスカリバー奪還作戦開始します。


数日後、なかなかフリードを見つけることができず僕中島剣吾を含む教会、悪魔連合空振りが続いた。

 

天界、冥界両方が探して見つからないなんてそんなコカビエルがすごいのか?それともその協力者がすごいのか、はたまたその両方か……。

 

どうでもいいけど最近なんか妙に寒気を感じるんだよな……?風邪引いたかなあ?

 

そんなことを考えているといつもの三馬鹿がおっぱいの事で話が盛り上がっている。

 

何がおっぱいは命より重い、だ。そんなんだからアーちゃんにほっぺ引っ張られいるんだよ。

 

まあ、優しいから全然力入れたないけど。もっと力入れて引きちぎっていいよ。なんならやってあげるよ。

 

すると桐生さんも話に加わって木場君を含めたカラオケの話になる。とりあえずそれまでには是が非でも解決しないとな。と思っていると恐ろしい事実を知った。

 

元浜君は見ただけで服の上からでも女子のサイズを数値化できる特殊能力があるだが何と桐生さんも男子のサイズを数値化できるという。

 

「剣吾君は……おお、これは興奮すると中々の……」「何でわかるんだい?」と聞くと面白くなさそうに言う。

 

「何かもうちょい恥じらいとかしてくれない、他と違ってつまらないわね。」

 

…………悪かったね、ノリが悪くて。こっちはいちいちその程度で驚いたら体が持たないんだよ。

 

 

 

「そうそう、けんごく~ん?」と松田君は何故か怖い顔で僕の方を見てきた。

 

気がつくといつの間にか複数の男子が僕の周りを取り囲んでいた!?何だ、一誠の事なら本人がいるのに無視するのはおかしいし?

 

「さて、君に聞きたいことがある。ここ最近君は美女と随分近しい関係にあるらしいじゃないか?」

 

……美女?想像するのはゼノヴィアさん、イリナさん、伊藤さんの誰かか……。

 

それ以外では想像もつかない。おそらく捜索中の際に一緒にいる所を見られたというわけか……。

 

残念ながらそんな甘酸っぱい関係じゃないんだよ。

 

「……髪は何色だった?」まず、だれなのか特定する。余計な藪蛇で絡まれるのは御免だ!!

 

「この黒髪の美女だよ!!」と携帯の画面には伊藤さんの姿があった。なるほど、伊藤さんか。何か応えるその前に

 

「この画像どっから撮ったの?」と聞いた。

 

「この前町でたまたま物凄い美少女がいたから思わず隠し撮りしたらその人がお前に話しかけたのを見たんだ!!誰だ!?誰なんだ!!?」と物凄い剣幕で詰め寄る。

 

「他にも2人も美人がいたしどうゆうことなんだ!?」と別の画像にはイリナさんとゼノヴィアさんの姿もあった。まあ、ここはある程度事情を話すか……。

 

「この茶髪の人は紫藤イリナさん。一誠の昔の友人で外国にいってたんだけどある物を探しに日本に帰国。彼女の友人であるゼノヴィア・クァルタさんもその手伝いをしているんだよ。青い髪の子だよ。」

 

「そんな彼女たちのホームステイ先で彼女たちを日本での生活をサポートしているのが伊藤歌織さんだね。ちょっと前に一誠の家に来てついでだから一緒に手伝うように両親に言われて手伝っているんだ。」

 

と説明したのだがどうやら納得がいかなかったらしい……。

 

「何で俺たちに説明しないんだ!!」取り囲んでいた男子が一斉に叫んだ!!

 

「……この学校に通うわけじゃないし、別に一々教える必要が無いと思ったから。」

 

まあ、これはそうだね。別にわざわざ話すほどのことじゃないし。

 

だが、この答えはどうやらお気に召さないらしい。

 

「「「「黙れ!!お前らだけそんな美女と親しくなるなんて気にくわねえんだよ!!」」」」と回り囲んでいた男子が一斉に吠えた!!

 

……よくまあ、情けないかつ醜い嫉妬をここまであからさまにできるもんだ。……一誠と一年以上一緒にいたからか?

 

ま、まさかそんなことはないだろう。

 

「一誠に続いてお前までそんなハーレム漫画の主人公みたいな展開になんて許せる訳がねーんだよ!!やっちまえ、おめーら!!」と叫ぶと一斉に襲い掛かってきた。

 

しかもその手には見るからに物騒なナイフなどの凶器が見える……。

 

 

―――

 

「まあ、感情を抑えきれず爆発させるというのは若いから仕方ないことかもしれないねえ。……だがねえ、人として守られねばならないモラルや道徳は大切だと思うんだよ。分かってくれるかね。」

 

「もうその辺にしてあげて!!逆さづりに縛り上げて池に顔を突っ込ませるなんていつの時代の拷問?」

 

「仮にも凶器を持って襲い掛かったからねえ。薄々感じていたけどここの生徒は人を傷つけるのに躊躇が無くなってきている。そろそろ如何に危険なことなのか思いださせないといけないと思っていたから丁度いいかなあと思って。」

 

と一誠のツッコミに応える。「しかし、こうも暴力が横行するようになったとは日本も物騒になったもんだ。悲しいことだ……。」

 

「拷問しているお前には言われたくないわ!!」

 

 

その日の放課後、捜索の為に着替え中一誠が僕に声を掛けた。「お前、あんなことしたらそれこそ封印されるぞ!」

 

「まるで僕が嬉々としてやっているみたいに言うね。心外だわ~……」

 

「仮にこのことがマイナスになってもやる必要があると思ったからやっただけだよ。そもそもなんかあるからやる、やらないなんて器用なことは僕にはできないよ。」

 

 

と大して気にせず僕はそう返した。仮にこの期間いい顔してもそれで見逃す訳じゃないんだから下手に取り繕ってもすぐにばれるから意味ないと思うけど。

 

そんなやりとりをしながら捜索を開始する。

 

 

しかし、見つからないな。僕は今回匙君と組んでいたのだが分かれ道になっていて匙君が別れて捜索しようと言いだし、止める間もなく行ったので仕方なく逆側を探した。

 

でも正直あんまり乗り気じゃないだが、離れて1人になったところ襲われたらすごい不安なんだが……

 

そう思っていると突如空気が変わったと思った瞬間何やら奇声と共に何かが高速で接近し僕の腹部に衝撃が走った。

 

 

俺、一誠が木場や子猫ちゃんと捜索していると突如子猫ちゃんが気配を感じたのか他のメンバーに連絡しながらある場所を目指し走っている!!

 

匙に連絡すると剣吾1人に捜索するように頼んだ方向と言うことで俺も内心焦りながら急ぐ!!無事でいろよ、剣吾・・・!!

 

そして辿り着いた俺が見たのはあのイカレタ神父フリードの奴が手にした剣おそらくエクスカリバーで剣吾の腹を貫いている光景だった……!!

 

「「「……剣吾(君、先輩)!!!」」」と俺たちは一斉に叫ぶ!!

 

「おやおや、一誠君じゃないか?こりゃあ、奇妙なご縁ですなあ!あれからドラコンパッワ-は増大したかい?そろそろ殺してもいい?」とイヤな笑顔をしながら話しかける……!

 

そんなことより剣吾が心配だ。「いやあ、運がいいよ。オレ様が一番殺したかった相手を真っ先に殺せてうれしい!」

 

一番殺したかった相手?剣吾が?最初に会ったときボコボコにされたことをまだ根にもっていたのか。

 

 

「そしてオ~レ様が持っているのはこの天閃の聖剣(エクスカリバー・ラピッドリィ)!!速さだけなら誰にも負けないぜ!さあ、君たちも首チョンパしてあげましょう!!」と言い襲いかかってくる!

 

俺たちも迎え撃つ準備と共に剣吾を救おうと動く……はずだったのだが

 

「ハハハ!!じゃあ、イクよ……!?」

 

高笑いしていたフリードの様子がおかしい。俺たちが戸惑うと

 

「……な、なんで剣が抜けないんだ!?」そう話していると突然剣吾がフリードの足を蹴る!!

 

バランスを崩し倒れ込むフリードの足を力一杯踏みつける!!鈍いイヤな音と共に一目で完全に折れ曲がった!

 

悲鳴をあげるフリードを無視して抜けないエクスカリバーを持っている手を左手で掴むと肘打ちをし完全にへし折る!!

 

苦痛でわめき散らすフリードの腹をさらに踏みつけ口から血があふれ出す……って!?

 

「ちょ、ちょっと待て!!」と慌てて剣吾を止める。

 

「お前、木場の仇討ちさせるって忘れていないか!?それに情報聞き出さないと!!」と俺が言うと

 

「──ああ、そうだった。ついキレて忘れていた。ごめんね、木場君、せっかくの機会を奪っちゃて。」

 

「う、うん……気にしないで……。」と木場が若干引いた感じで応えた。いや、木場だけじゃない。子猫ちゃんも匙も・・・そして俺もちょっとビビっている。

 

思ってたより数倍容赦ない攻撃に衝撃を受けている。こいつがあそこの攻撃までするとは想像もしなかったしな。前の訓練の時とは全然人が違うじゃねーか……。

 

剣が突き刺さっているといるというのに……うん、剣が刺さっている?……そうだよ!

 

「剣吾!お前大丈夫なのか!?腹に剣が刺さっているんだぞ!!」

 

何か全然平気そうだけど臓器とかもあるし危ないんじゃないか?

 

そう思い直したのだが「めっちゃ痛い、それに気持ち悪い。でも大した怪我はないと思うよ。」

 

「まさか、できるとは思わなかった。漫画で見た内臓上げ。そしてこの状態、ものすごい気持ち悪い。」

 

 

内蔵上げ それはとある格闘漫画で重要内臓器官を肋骨の内部へ押し上げることで、腹部損傷による致命傷を回避する奥義だがこいつアレができたのか!?

 

「……お前、よくできたな。」

 

「いや、たまたまだよ。それにむこうが都合よく腹部に刺してきたから良かったけどこれが他の場所もしくは突くでは無く斬るだったらかなり危なかったよ。

 

刺してから無駄に時間をかけてくれたから力を入れて抜けないようにしてそこからボコった。

 

もし逃げられたらあのスピードならかなり面倒だったから上手くいってよかったよ。

 

だから刺された箇所に臓器を内蔵上げでむりやり臓器を押し上げたからすごい気持ち悪い。

 

それをごまかすためにいつになく攻撃的になっている。そこんとこよろしく。」

 

……まあ、とりあえずアーシアに連絡して回復してもらうか。まさかこんな形でエクスカリバーを回収することになるとは思いもしなかったけどまあいい傾向と見るか。

 

 

 

「……ば、馬鹿な!フリード・・・あれほど強化してやったというのに……。」と何やら声がしたのでそっちを見るとそこには初老の神父がいた。

 

「このバルパー・ガリレイがあそこまでエクスカリバーを使えるよう強化してやったというのに!何たるざざまだ!!」と叫ぶんでいる。

 

……うん、バルパー・ガリレイ?それって木場の仇じゃないか?

 

「……バルパー・ガリレイ!貴様に殺された同志の無念晴らさせてもらう!!」

 

と言うなり木場が神速で距離を詰め一気に斬りかかる!!止める間もないスピードだ、あれならあんな爺さんひとたまりもない。そう思った時だった。

 

「木場君、気を付けて!!何か変だ!!」と剣吾が叫ぶ!!

 

斬りかかった木場の剣をバルパーが剣で受け止めた!?そう驚いているとバルパーの姿が乱れた?

 

驚く俺たちの前でバルパーの姿が消えて聖剣だろうか?剣を持ち木場の攻撃を防ぐ謎の人物がいた。

 

頭にヘルメットをしていて顔が分からない……黒いライダースーツも合わさりまるで映画からでてきた様な異様な雰囲気を漂わせている……!

 

「……何者だ!?バルパーはどこだ!!」

 

「彼とはリアルタイムでドローンで中継している。その様子をこの剣の特性と合わせてあたかもこの場に来ているように見せかけていました。

 

彼本人はフリードの出来を確かめるために付いて来たっていたが無理やり残した。

 

やはり正解でした。彼は今本部にて研究をしている。」

 

くそ、こいつがバルパーを留まらせていたのか……。余計なことを!……でも、これで木場は人を殺さずに済んだんだよなあ。

 

それにこの場にいるように見せたのは剣の力と言うことは……!

 

「その剣は夢幻の聖剣(エクスカリバー・ナイトメア)か!!」と木場君が言う。なる程、中継映像を幻影の力でその場にいるように見せたというわけか!!

 

「その通り、見事な推理だ。」

 

「だが、幻ならば恐れるに足らぬ!フリードとは闘うことができなかったが君でエクスカリバーを越えさせてもらう!!」と木場が吠え突っ込む!!

 

それに対し「私も別に使いこなしているわけではないのだがねえ……」と言いつつ木場の攻撃を防ぐ。

 

確か直接攻撃能力は他のエクスカリバーに比べれば低いはずなのに木場と互角に斬り合う!!

 

「……違います、祐斗先輩が押させてます!」と子猫ちゃんが驚愕の声を上げる。

 

確かによく見ると攻撃しているのは木場だが強力なカウンターを随所で返してくる!!

 

そこに匙の手元から黒い触手が伸び相手の腕に絡まるがあっさり斬られて無力化される。

 

「嘘だろ!!俺のラインそう簡単に斬られないはずなのに!!!!」と叫ぶ匙の右手の甲に可愛らしいデフォルト化されたトカゲ?の顔が装着されさっきの触手はその口元から伸びていた……。あれは舌なのか?

 

「……確かそれは黒い龍脈(アブソーブション・ライン)ですね。対象の動きを封じるのと力を奪うのを得意とした五大竜王のヴリトラの力を司る神器(セイクリッド・ギア)の一つですね。」

 

と言う。すると見ていた剣吾が何かに気づいたように言った。

 

「まさか、君なのか?エクスカリバーを盗んだのは……。」「はい、そうです。」とこっちが拍子抜けするほどあっさり認めた!?

 

「お前が盗んだのか!?何が目的だ!!」「スポンサーの命令だった。それ以外無いですね。」

 

木場が一旦距離を取ったタイミングで俺たちは集まり俺は言う。

 

「木場、お前のプライド許せないかもしれないけどここは力合わせてやるぞ!」

 

木場は不満げではあるが流石に文句を言える状況ではないと思ったのか承諾した。

 

すると盗人の周囲にいつの間にか無数のドローンが出現する?試しに一つ攻撃すると素通りした?

 

これも幻影なのか?と思っているとどこからか銃弾が撃ち込まれる?ドローンが無い方向だったぞ!?

 

それぞれが一斉に攻撃すると何も無い場所から数機のドローンの残骸が現れた!?

 

これは、幻影で実際にあるドローンの位置をずらして見えるのか?

 

「幻影の力だけじゃない!これは・・・」と木場が言うと何も無い場所を突くとそこにドローンが突き刺さっていた!!

 

「これは透明の聖剣(エクスカリバー・トランスペアレンシー)の力だ!実際に透明になっているんだ!」何だってじゃあ、今見えているのは全部偽物?

 

いや、実際に壊した物もある。これじゃあ、見えている物があてにならない!

 

「……でも、音や気配で感じれば!?」と言うと後ろから危険な気配を感じ咄嗟に躱したり攻撃したりするが何も無い……。

 

今のは……気のせいか?

 

「"闘刃"と言う技だよ。簡単に言えば攻撃の気配を放ち、相手の感覚を惑わす技だよ。視覚より気配で察する熟練の達人であればある程効果を発揮する……」と盗人が説明した。

 

何て奴だ!!これじゃあ、相手の位置がわからない!!そう戸惑いながら苦戦していると剣吾から苦痛の声を上げた。

 

そっちを見ると剣吾に刺さっていた天閃の聖剣がなくなっていた!!

 

「回収させてもらうよ。」と盗人の声が聞こえフリードをどこかに転送し天閃の聖剣を持っていた。

 

あいつ、最初からこれが目的だったのか!!通りでどこか攻撃が甘いと思ったよ!

 

盗人は剣吾の方を少し見つめ何か考え事をしていたが突然剣吾に斬りかかった!!

 

いや、たぶんそうなのだろうが速すぎて碌に捉えることができない。フリードより格段にすごいんじゃないか?あいつ。

 

吹っ飛ばされた剣吾に慌てて駆け寄る!!どうやら大した怪我はないようだ……。

 

ちょっと安心すると盗人が「やはりか……。」と呟いたのが聞こえた。

 

どうゆう意味だと聞く前に視線で伝わったのか俺たちにこう言った。

 

「私はエクスカリバーの適正はそこまで高くないがそれでもそこのはぐれエクソシストより戦闘能力は上だ。にも関わらず今全力で数回体を突き、首などを斬りつけたが出血しなかった。可笑しいと思わんか?」

 

確かに、フリードの時は体を貫いたのに今は斬れてない……。どうしてだ?疑問に思い問いただそうとしたとき何かに気づいたように大きく後ろに跳んだ!!

 

次の瞬間膨大な聖なる破壊のオーラと光線が先ほどまで盗人がいた場所に降り注ぐ!!

 

これは?「イッセー君!大丈夫?」イリナが来た!ゼノヴィアに伊藤さんも一緒だ。

 

何か盗人が伊藤さんを見た瞬間強く反応したような気がしたのは気のせいか?幻影と天閃の力を同時に使用したのか、無数の分身が高速で逃走する!!

 

「逃がすものか!」とゼノヴィアがイリナと共に行く。伊藤さんが「私はこっちを追います。絶えず連絡を絶やさないで行動してください。」と言いつつ追いかける。

 

木場も「悪いけど僕が一番速い!イッセー君たちも気を付けて!必ず連絡はする!!」そう言うと幻影の一つを追いかける。

 

俺たちも他のを追いかける!逃がすものか!

 

十数分後俺と剣吾は外れで見失い、同じく外れだった子猫ちゃん、匙と合流したが木場や教会組と連絡がつかない。

 

すると部長と会長が一旦戻る様に言われ一度部室に戻る。戻るとまず、アーシアが剣吾を治療し始める。

 

……そういやこいつ腹貫かれたんだよな。血も流れないし全く平気そうだから忘れていた。

 

「……すごいですね、念のため治療しましたが私が回復しなくてももう治っている気がします。」

 

「それでイッセー、その盗人はフリードの時は貫けたのに実力が上である彼の時は貫けなかったよね?」「はい、部長。」

 

「どうゆうことかしら?フリードの攻撃で耐性がついた?それとも単純に不意を衝かれたから反応できなかったから?それともほかにも理由があるのかしら?」

 

悩む俺たちに当の剣吾は「まあ、考えても分かりませんよ。次会えたら聞きましょう。」と流す。

 

「それよりあの盗人が何者なのか?それが問題ですよ。」と言いとりあえず悩んでも仕方ないので連絡を待ちつつ一旦解散した。

 

 

僕剣吾は念のため少し安静にとコスモスさんに言われ少し休息を取り終え帰ろうとしているとコスモスさんから声を伊藤さんが不発だったと連絡がついた。

 

一人では危ないので念のため護衛を付けられたのだが……伊藤さんは少し休ませる必要があるとコスモスさんが判断したので今回ある人物に護衛を頼んだ。

 

その相手がバラゴンを宿した佐々木理愛(ささきりえ)さん。

 

マイロンさん同様主に運動部の臨時コーチをしている。同性だけあって他の二人には気づけない、分からないことにも対応しているだけあって人気もある。

 

しかも彼女は子猫ちゃん以上に幼く見えることもあり皆からマスコット扱いされる。

 

ちなみにロリ好きからも申し込みされたが容赦なく叩きのめした。

 

そんなわけで僕と二人だと傍から見れば良くて妹、下手すれば誘拐犯とか間違われそうだからできれば二人きりで会いたくなかったのだが仕方がない。

 

「剣君、何か悩み事?」と聞いてきた。今考えたことを口に出したら問答無用で袋たたきされるので当然黙る。

 

「磯野はもうすぐもどってくる思うから安心すればいいわ。」という。

 

「あいつコカビエルと4年ぐらい昔なんかあったみたいだからきっと大丈夫よ。」そうか、磯兄が戻ってくるかそれなら頼りになるかもなあ……。

 

そう思いながら家まで送って頂き佐々木さんと別れる。

 

家に戻り、キッチンの扉を開けた瞬間一斉に悲鳴と共に物を大量に投げつけられた。

 

後で聞くとどうやら部長とアーちゃんが裸エプロンで調理し、その様子を父さんとイッセーが楽しそうに見ていたのだが僕に裸エプロン姿を見られると恥ずかしさで覚え、つい攻撃したとのこと。

 

僕ばっかり見れないのはショックなんですけど!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




オリンピックに夢中でノルマ達成できるか不安でしたがギリギリ間に合いました。

闘刃、内臓上げはそれぞれサンデーで連載して漫画が元ネタです。このあたりから他の作品の戦闘方がどんどん追加されていきます。

バラゴン

学名バラナスドラゴン。タイタンの中では小柄で数が多い方。かつて複数の亜種が存在していたらしいが詳細は不明。

肉食性傾向の雑食でしばしば家畜被害が報告される。かつて人間も捕食対象だったがコスモスの協力と餌を提供してもらえるので近年被害は発生していない。

日本の狛犬はこのバラゴンとキングシーサーがモデルではないかと言われる。

地底空間での戦闘を得意としている。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第三章 月光校庭のエクスカリバー編 8

月一回程度の目標を達成できなかったので今年中にどこかで月2回できるように頑張りたいです。


……まったく、何故僕までこんな目に……。

 

あの後伊藤さんが帰ってきて一誠や父さん、部長たちを正座させて説教をした。それはいいのだが何故か僕まで巻き込めれた。

 

理不尽だ!!せめて噂の裸エプロンを見たなら納得できるけど全く見れなかった!

 

しかも二人とも父さんにはいい癖に僕には羞恥心を覚えるから嫌ってそんなのあんまりだ!

 

一誠ばっかりズルい!!流石にそろそろ泣くぞ!

 

そんな風に一人自室で嘆いていると突然、部長達が僕の部屋に突撃してきた!それもかなり慌てた様子で!!

 

嫌な予感しかしないがとりあえず用件を聞いてみた。すると驚くべきことが分かった……。

 

何と会長からコカビエルが学園に現れエクスカリバーを一つにする儀式をしているという。

 

しかも戦争の再開を望んでおりこれから学園を中心に暴れると宣言した。イリナさんは大分弱っていたがマイロンさんと佐々木さんのおかげで命を取り留めたらしい。

 

イリナさんの治療を終えた後今こうして僕にも声をかけ急いで生徒会が集結している学園の側にある公園に転移した。

 

転移すると木場君も含めたオカルト部が集結していた。ゼノヴィアさんもここにいる。

 

「今学園を伊藤さんが結界で覆っています。これでこの町は守られるでしょう。」と会長が言う。

 

「彼女は今回の件をすでに冥界、天界を初め各所に連絡し。いざという時は上層部が対応してくれます。

 

ですが、堕天使サイドも何とか自分たちの手で騒ぎを収めるべく使者を送るらしいですので最大一時間。

 

それまでの間その後なるべく穏便に済ませるために可能な限り私たちで対応して欲しいとのことです。」と会長が伊藤さんから説明されたことを僕たちに伝えた。

 

「お兄様たちの耳にはもうこの騒動伝わっているのね……。」

 

「私たちは伊藤さんに協力して結界を張るのに協力します!リアスたちは何とか結界内でコカビエル達を抑えてください!!」

 

「分かったわ、ソーナ!さあ、私の愛しい眷属よ。今回は今までと違う本物の死戦よ! それでも私はあなたたちが死ぬことは許さない。生きて私たちの大切な場所を取り戻して、みんなで笑って学園に通わよ!」

 

『はい!』 学園に向かう俺たちの後ろで会長が部長に

 

「……リアス、絶対に無理しないでね。悔しいけど私たちが無事だったのはマイロンさんと佐々木さんが庇ってくれなかったら全員生きて会えたか分からなかったわ。

 

もし、あなたが死んだら戦争になるかも知れない……そこだけは忘れないで……。」後方からが聞こえた。

 

「大丈夫ですよ、会長。部長は否全員無事に戻ってきます。いぜとなったら俺もー」と呟く一誠の言葉を聞き僕も密かに覚悟を決めた。

 

 

学園の前で伊藤さんが結界を張っている。素人目に見ても強力で神聖な力を感じる。僕たちが近づくのを見て伊藤さんが頭を下げながら言う。

 

「申し訳ありません。私は最優先に守らなければならないのは一般の方々です。万が一あなた方が全滅しそうになってもこの結界を解くことができません。」

 

「それでも虫の良いお願いですが死なずに生きて戻ってきてください、力不足で申し訳ありません。」

 

「気にしないで。ここは私たちのテリトリーよ。寧ろこっちの問題だわ。貴方がいてくれたから少なくてもこの町は守られると確信できて安心戦えるわ。後は任せて!」

と部長が言うと結界を抜けて俺たちは学校の正門を入るとそこで異様な光景を見る。

 

校庭の真ん中に奇怪で巨大な魔法円が出来上がっており、中央にはバイパーが陣取り四方に4本の剣が輝かしい光を放ちながら宙に浮かんでいた・・・!

 

「四本のエクスカリバーを一つにしようとしている最中だ。」と声が上から聞こえた。

 

上を見るとそこにはそこには月光を浴び、学舎の時計台に腰掛ける漆黒の翼が10枚もあるウェーブのかかった長い黒髪をした男の堕天使がいた。

 

「初めましたっだな。一応挨拶しておくか。俺はコカビエルだ。グレモリーの娘よ。その紅髪、忌々しい兄を思い出し反吐が出そうだ。」

 

「それにパラキエルの娘か……。悪魔に転生するとはな。お前だけは生かしておくか。仮にもあいつとは長い付き合いがあったからな。それに1人生き残り復讐心に燃えて挑んで来るのも面白そうだ。」

 

「私の前であいつの名前を話すな!!」と朱乃さんが今まで見たことがないような激怒し雷を放つが苦笑しながら翼の一降りで無力化される。

 

「お前の兄たちはどうした?」「私たちが……」

 

「一時間ぐらい時間が掛かるみたいだから待てば?それまで足止め頼まれたけどこっちとしては丸投げしたいんで大人しくしてくれると助かる。」

 

部長が応えるのを遮り僕は口を挟む。「剣吾!」批難の声が上がるが悪いけどこっちは無理する気はない。後でどうなろうが魔王様たちが対応してくれるならその方が良い。

 

今はプライドとか言ってられない!悪いけど命あっての物種だ!

 

「そうか、一時間か!!ハハハ、楽しみだ!」とコカビエルは嬉しそうに笑っている。

 

「ふん、しかしそれまで暇だな。俺がお前たちを殺し首を晒してもいいがあと数分でエクスカリバーが一つになる。」

 

「元々お前たちはエクスカリバーを回収が目的だろう?相手させてやろう。まあ、それまで俺のペットがと遊ぶが良い。」

 

その言葉を終えるとどこからか巨大な三つ首の犬のような生き物が現れた!それも2頭!!

 

「まさか、ケルベロス!!」地獄の番犬で有名なケルベロス!これは幻獣や魔物の中でも知名度が高い方だから比較的メジャーだろう。

 

まさか複数いるとは思わなかった!!「危険な魔物だ!気をつけろ!!」とゼノヴィアさんが叫ぶ!!

 

するとケルベロスが二頭が凄まじい速度で襲いかかる!!……僕目掛けて!

 

何か反応する前に合計六つの口に噛みつかれそのままどこかに連れて行かれる!!

 

イタタタタ!!くそ、密かに無理矢理連れて来られて闘わされるなんて可愛そうだなんて思うんじゃなかった!!そう後悔しながら必死に耐える!!

 

剣吾がケルベロスにどこかに連れて行かれて俺イッセーは思わず追おうとしたが部長が「剣吾なら大丈夫よ!最悪でも何時間でも耐えられるわ!!それよりこっちよ!」と言うのでコカビエルに意識を移す。

 

そのコカビエルは「まさか奴のみを連れて行くとは気が効かない駄犬め・・・それとも生存本能が今の内に消さなければマズいと判断したのか?」とちょっと不満げに呟く。

 

「……何か俺たちより剣吾の方を殺したかった様に見えるけど?」「その通りだ。」俺が皮肉気に言ったのをあっさり肯定した?

 

「怪獣器(モンスターギア)は悪魔や天使より罪深い……ましてや奴はアレのだからな……。」

 

「まあ、流石にあのまま死ぬことはないだろう、後でゆっくり過去の礼をさせてもらおう……。」

 

怪獣器(モンスターギア……)?確か巨獣器(タイタンギア)のことをそうゆう風にも呼ぶんだったんだよな。そう言えば

 

「マイロンさんと佐々木さんはどうしたんだ!!?」そう、マイロンさんと佐々木さんあの2人が確か生徒会メンバーを庇いながら戦っていたはずだがその姿が見えない?

 

「あいつらか?それなら……」「……ここにいるわ……。」

 

コカビエルの言葉を遮り佐々木さんの声が聞こえそっちを振りむくと2人ともボロボロで特にマイロンさんは完全に気を失っていて佐々木さんが辛うじておんぶしながらこっちに向かってくる。

 

俺たちは慌てて駆け寄りアーシアが回復しようとするが「だめ、そんな隙を見せないで!残念だけど今回復してもあたし達は役に立たない!悪いけど結界の外まで運んでくれる?後はこっちで何とかするから。」

 

「それを俺が許すと思うか、ここで死ぬがいい!」とコカビエルが超巨大な光の柱?を発生させ佐々木さんたち目掛けて投げる!

 

止める術がなく無造作にしかし圧倒的な危険で暴力的な香りがプンプンする光の柱?否、あれは槍か?

 

物凄い速度で時間にすれば数秒の出来事だっただろう……。だが、まるでスローモーションのように遅く見えたが体がうごかない!

 

そのまま二人が槍に貫かれると思った時だった急に世界の速度が元に戻り同時にあの超巨大な光の槍を何かが高速で迫り破壊した……!

 

「何!?」と驚くコカビエルをさらに別の何かが高速でぶつかりたたき落とす!!

 

アレは……鉄球と何だ?その二つが来た方に戻っていくとそこには……

 

ワイヤーを振り回しながら鉄球と鉄槌を同時に操る磯野さんの姿がそこにあった!!

 

「……磯野……。」「・・・よく頑張った、マイロン。理恵。おかげで犠牲者はでなかった……。後は任せろ……!」と何時になく真剣な声色で言う。

 

そして2人を結界の外に出すと同時にコカビエルが立ち上がる!

 

「い~そ~の~!!貴様は相変わらず邪魔な奴だ!!」

 

「久しぶりだな、陰険ロン毛、遂にとち狂ったか!!」「貴様、4年前の死に損ない風情が俺にどの口できくつもりだ!!」

 

「死に損ないはお前だろ?また自分で喧嘩ふっかけてアザゼルのおっさんに助けてもらうか?あの時みたいに、今思い返しても情けなかったなあ……笑える!!」

 

その言葉に顔を真っ赤にしながら激怒し「その減らず口叩けないようまず貴様から殺してやる!!」

 

「やれるもんならやってみな!てめーごときにやれるもんならな。この分ならもうヴァーリの方がお前より強いじゃないか?」

 

「気に食わん、……ほん~とうに気に食わん奴だ!!」

 

磯野さんが俺たちに「お前たちの事情は聴いた……この馬鹿は俺がやるからお前らエクスカリバーを。やばくなったらフォーローするから安心しろ。」

 

「……俺を前にその余裕があるというつもりか!!」「あるから言ってんだろ、頭が悪いのか、耳が悪いのか、性根が悪いのかどれだ?全部か?」「貴様!!」

 

そう言うと二人は戦闘を開始した!その言葉を聞き俺たちはエクスカリバーの元に行った。

 

 

 

魔方陣の事に行くと突如眩く輝く!その輝きが収まると青白いオーラを放つ一本の聖剣があった。

 

何だ?あの剣は?まさか、4つのエクスカリバーが一つになったのか?

 

「ご覧の通り、エクスカリバーは一つとなった!これで下の術式が完成し後20分以内にコカビエルを倒さないとこの町は崩壊する。」

 

な、なんだと!?なんてこった、このままじゃと思っていると魔方陣に別の魔方陣が出現した!?

 

これは確かモスラの……?すると通信用の魔方陣から伊藤さんの声が聞こえた。

 

「話は聞きました。これより私がその術式を解除します。ですが、これで結界の方が不安定になります。そこでリアスさん、朱乃さんは結界の方をお願いします。」

 

「……分かったわ!優斗、エクスカリバーは任せたわよ!自分で決着をつけなさい!行くわよ、朱乃!

 

「はい、優斗君、信じてますわよ!」そういうと部長と朱乃さんが転移した。

 

俺と子猫ちゃんはアーシアを守りながら構える!木場、お前はエクスカリバー超えてみせろ!!

 

 

 

俺、磯野敏博にも先ほどの通信は聞こえ本気で目の前の馬鹿を潰すとしよう。

 

モーニングスター(鎖鉄球)モードの「暴竜の戦槌」 (アンギラス・ハンマー)を振り回しあいつの攻撃を防ぎながら攻撃する!

 

しかし、20分となると厳しいな……。負けはしないが前回の反省からかアイツはこっちの攻撃範囲に届かない高さを維持しながら結界や一誠たちの方にも攻撃してくるのでそれを打ち壊し無力化する。

 

……前回、接近戦でボコったことで完全に接近戦では勝ち目が無いと判断したか……

 

ここは……俺は大槌モードに変形すると構えた。「それで何のつもりだ!?それではここまで攻撃が届くまい!!」と言いながら無数の光の槍を俺に放つ。

 

それに耐えながら大槌を大きく振りかぶる。その瞬間、打撃をまるで砲撃の如く飛ばす!

 

これ、結構加減が難しくて今みたいに周囲にあまり被害をだせない場所では適さない状況では多用できないため確実に当てる必要があるから使いにくいのだがその分威力は折り紙付き。

 

今まさにアイツの攻撃をあっさり砕き諸に食らったアイツは成すすべなく落ちてくる。

 

その途中で剣玉(仮名称)モードに変形させ射程範囲に入った瞬間鉄球を金槌で勢いよく打つ!

 

その瞬間、鉄球がさらにブースターで加速させながらコカビエルに迫り咄嗟に張った防御用の結界をあっさり砕き、もろに命中し無様に悲鳴と血を流しながら大きく吹き飛ぶ!!

 

さらに追撃しワイヤーを絡ませるとこっちに無理やり手繰り寄せる。

 

近づいた所を金槌で顔面を思いっ切り打った!!さらに吹き飛ぶコカビエルを再び引き寄せ今度は金槌も含め前進をワイヤーで縛り動きを封じる。

 

「これで空にはもう逃げられないだろう?さて、ここまでだな。一応昔のよしみで降伏するならここまでにしてやるよ?」

 

「相変わらず上から目線……お前のそうゆう所が昔から嫌いだったんだよ……!」

 

「そりゃ、仕方ない。実際お前が俺に勝っているのは年齢ぐらいだからな。性格も欠片も尊敬できる部分がないしな。」

 

「断る!俺は諦めんし貴様ごときに敗れると思っているのか!!」「そりゃ、良かった……俺もお前をを殺したくて仕方なかったからな!寧ろ遅すぎたぐらいだ!」

 

磯野が「お前が消えれば残りは大したことないしな。」と言いながら止めをさすべく近づこうとしたが突如悪寒を感じ咄嗟にその場を回避する!

 

すると先程いた場所に砲撃?が炸裂し地面が爆発する……!

 

撃ち込んだ方向を見るとそこには見たことない巨大な怪人?がいた……!背丈が常人の倍近くある!!

 

何だこいつ?どう見ても人間の姿をしていない!羽が生えただけで人間とほぼ姿が変わらない天使や堕天使ではあり得ない。背丈する

 

悪魔ならワンチャンあるかもしれないが俺の勘では違うな!何だ、全身がゴーレムみたいに岩石でできるみたいだが顔が物騒。

 

見た目で判断してはいけないと言うがどう見ても話が通じそうな気配が欠片もしない……。と言うかコレ、話通じるのか?

 

……何か面倒くさくなったから取りあえずぶっ飛ばしてから考えるか!!目の前の相手がコカビエルよりたちが悪そうだ。

 

折角拘束したけど武器なしでは厳しそうだからコカビエルを自由にするリスクを覚悟で武器を構える。

 

そして間合いを詰めながら襲う掛かろうとしたが怪人が突如話し始めた?「コカビエル殿、ご無事かな?」

 

「この声、Nか!?」「その通りです。」「何だ、そいつは?」

 

「かつて我々が捕獲したとある生物ですよ。自我を完全に奪い通信機も取り付け探査機代わりに再利用しているですよ。」

 

「彼の相手はこのKGにやらせましょう。あなたには別の相手をして頂きたい。」「貴様、勝手……に」

 

「……是非、王をお願いしたいのですが相性的にKGでは王には勝機が0に等しいので、それにあなたの長年の不満一体誰に晴らしたいですか?」

 

その言葉にコカビエルが黙りこむ。その時一誠たちの方から今まで感じたことが無い力を感じた。

 

これは……まるで聖と魔の力がまじりあう様な力を感じる・・・。

 

「どうやら禁手(バランスブレイク)したやつが現れたみたいだな……。それも聖と魔の融合、これは興味深い。少し様子を見に行くとするか。」

 

とコカビエルの馬鹿が飛んでいこうとしたので撃ち落とそうとしたが再び近くで爆発が起こる!

 

見るとKGと呼ばれた怪人の手が弓矢に変形している?どうゆう体しているだ、こいつ?

 

「君はこのKGとしばらく遊んでくれたまえ。」その言葉が終ると弓を射っている!!

 

よく見ると矢が炎に包まれている……どうやらこいつの体炎みたいに高温の様だな。

 

ったく、剣坊は何しているだ?あいつなら俺より火に強いのに。……まあ、そうならないように動いているだから仕方ないか。

 

降り注ぐ無数の火矢を鎖鉄球で叩き落としながら近づき隙を付き胴体に左蹴りをお見舞いする!!体格差をものともせず吹き飛ばしたのだが今ので確信した……!

 

コイツ、溶岩できるみたいだな、そんな生物ありか!短時間ならともかく長時間触れると流石に火傷しそうだな。

 

昔、本物のマグマにおちたことあるけどどうやら本物程高温じゃないのも救いだな。……あの時は死ぬかと思った……!

 

すると両腕がまた変形して今度は大剣と長爪にそれぞれ変化させた!?近くで見て分かったが体を溶かして変形できるみたいだな。

 

と、なると下手すりゃ単純に砕いても復活しそうだな。

 

……いいだろう、ここはのってやるか。敵味方関係なくアイツがどこまでできるか知りたいみたいだしやばくなったらそん時助けるから。

 

と心の中で声援しつつ怪人との戦いに集中する・・・。

 

 

 

俺、兵藤一誠は今目の前で起こった事に感動している。

 

時は少し戻りあの後バルパーが語ったのは衝撃の真実だった。木場たちは失敗作だから処分されたんじゃない!個人では足りない因子を抽出し集め結晶化させる。

 

ゼノヴィアを始め人工的な聖剣使いはこの技術を改良して作られた。もちろん、教会側は命や後遺症などの危険が無いレベルでやっており遥かに人道的だが……。

 

その手にした結晶はあの実験で作った最後のものでバルパーは木場の足元へ手にした結晶を放り投げる。

 

バルパーにとってはもはや興味が失せて無用の長物だったのだろう。だが、木場は転がり込んできたそれを慈しむように両手で拾い上げる。

 

木場はそれを大切そうにそして哀しそうに拾い上げ涙をこぼし結晶に当たった時だった。

 

結晶から光が放たれ、徐々にそのカタチを崩していく。溢れ出た光は少しずつ形を得ていき、まるで人影のようになった。

 

それは徐々に姿を鮮明にし多くの少年、少女の姿に変わる!この子たちは木場の仲間なのか……。

 

でも、どうして? 「おそらく、この場に存在する様々な力そして何より木場君の思いが彼らの魂を解き放ったんですよ……」と朱乃さんの涙ぐむ声が後ろから聞こえた

 

振り返ると部長と朱乃さんが二人とも目を潤ませながら木場を見ていた。

 

「もう大丈夫よ。魔方陣は無力化したわ!」その言葉と共に魔方陣が消滅する……。

そのことにバルパーとフリードは悪態をつくがこっちはそんなリアクションに構っている暇がない。

 

今は亡き木場の同志たちが聖歌を歌う。その聖歌は悪魔である俺たちも苦しむことなくむしろ温かく優しく包んでくれる。

 

歌いながら徐々に消えていく。この時確かに聞こえた。『いいんだよ  きみだけでも いきていて―』

 

『例え 神様が見ていなくても 僕たちの心は 一つだ 聖剣を受け入れて』

 

その言葉の後に天から大きくそして優しい光が木場の元に降りてくる。

 

『相棒、あの騎士(ナイト)は“至った”ぞ至ったぞ!』何だよ、この感動的な場面で突然!

 

『通常の神器(セイクリッド・ギア)には普通の強化とは明らかに異なる領域があるのだ。それは所有者の願い、想いがこの世界の『流れ』に逆らうほど劇的な展示方をしたとき神器はそれに至る。それこそがー』

 

ドライグが楽しそうに笑いながら言う。『ーこれが本物の”禁手”(バランスブレイク)だ』

 

感動的な場面もフリードからすれば不快なだけらしく先ほどの場面を嘲笑しながらエクスカリバーで襲い掛かろうする。

 

その時光に包まれた木場がおそらく亡くなった同志と共にいるんだろう。

 

「 ―― 今、僕は否、僕たちは剣になる!」木場から異なる二つの力を感じる!?これは一体?

 

「禁手 双覇の聖魔剣(ソード・オブ・ビトレイヤー)。聖と魔の融合した剣、得と味わうがいい!!」

 

「何だと!?聖と魔の融合だと!?馬鹿な、そんな馬鹿な!!」

 

「何だか知らねえがそんな駄剣が本家の聖剣に勝てるわけが……」

 

「遅い!」フリードが侮っていたがその途中で神速で木場が斬りかかりフリードは辛うじて防ぐがどっちが押しているかは一目瞭然だった。

 

フリードも高速や剣を変形させさらに刀身を透明して斬りかかるが木場には全く通じずあっさり防がれる。

 

さらにゼノヴィアも参戦しエクスカリバーとは別の聖剣を亜空間から取り出した。『あれはデュランダルだと!?』とドライグが驚いた声を上げる。

 

「そんなにすごい剣なのか?」と聞くがどこか呆れた感じで『単純な斬れ味なら数ある聖剣の中でも最強と呼ばれている剣だぞ!お前、勉強不足にもほどがある!』

 

悪かったな、じゃあ、あの剣、破壊のエクスカリバーよりすごいのか!

 

「デュランダル!? 貴様、エクスカリバーの使い手ではなかったのか!? それに私の研究ではデュランダルを扱うまでの所までは到達していない!」

 

バルパーもひどく驚いている。「私はイリナやそこの男とは違って天然ものの聖剣使いでね。そして、私の本来の使い手は、このデュランダルだ」

 

フリードはエクスカリバーを枝分かれして斬りかかったがデュランダルの圧倒的な破壊のオーラは一瞬で本体を残して砕け散った。

 

「折角、エクスカリバーとデュランダルの頂上決戦ができると思ったが所詮折れた聖剣と半端な使い手か。こんなもんか。幕引きは君に任せよう。」とため息を付く。

 

それを背に受けて、木場は一気にエクスカリバーへと詰め寄る。何とか防ごうとするがエクスカリバーもろともフリードは切り裂かれ倒れる。

 

エクスカリバーも元の破片に戻った。「皆、見ているかい?僕たちはエクスカリバーを超えたよ……。」

 

そうゆう木場の姿は悔しいけど驚くほど様になっていた。

 

しばし、どこか喪失感を漂わせていたがもう一人の仇にして元凶であるバルパーの姿を見ると決着をつけようとする。

 

絶体絶命のはずだが思考を巡らすのに必死で木場が自らを討たんと歩み寄ってくるのに気付いていないようだった。

 

「そうか!聖と魔、それらを司る存在のバランスが大きく崩れているとすれば説明はつく!つまり、魔王だけでなく神も」

 

次の瞬間ものすごい速度で何かがバルパーにぶつかる!!

 

「痛ってーだろ!コノヤロー!!人が無理やり戦わさせられるなんて可哀そうだと思って同情していたらいつまでも噛みつきやがって!!」という怒号が聞こえた。

 

この声……振り向くと服がボロボロになっている剣吾の姿があった。ってことはあの飛んできたものは

 

再び飛んできたものを見るとそこには叩きのめされたケルベロスの姿があった。

 

で、バルパーはと言うと飛んできたケルベロスの爪に突き刺さっていた……。完全に致命傷だ。最早虫の息だな……。

 

アーシアはどんな非道な悪人でも目の前で死にかけているのを放っておけないらしく回復しようとしたが剣吾が止めた。

 

「詳しいことは分かんないけどそんなどうでもいい奴の為に君の力を使わせる余裕はなさそうだよ。」と剣吾の視線の先にはこちらに飛んでくるコカビエルの姿があった!

 

何で、磯野さんが抑えているはずじゃ負けたのか?

 

「バルパーめ、無様だな。まあ、いい。元々俺は一人で良かったんだ。」と言うと凄まじい殺気とプレッシャーが俺たちに襲い掛かる!

 

ー死戦  そんな言葉が頭に過る。最早俺たちは全神経をコカビエルに集中しバルパーの事を考える余裕は欠片もなくなっていた。

 

そんな中バルパーは一人、苦痛に感じながらコカビエルの助けも期待できず誰かに助けを求めることも怨嗟の叫びをあげることすらできず誰にも気にされず最後を迎えようとしていた。

 

その死にざまは皮肉にも自身が過去の被験者の生死など気にしなかったようにその場の誰もがその死にゆくさまを欠片も気にしなかった過去の行いに対するある種の因果応報ともいえる最期だった。

 

 

「……男に見つめられてもうれしくないんだけど……。」と剣吾は若干迷惑そうに言う。

 

「貴様があの化け物の宿主か?そいつにはたっぷり借りを返させてもらおう。」

 

「知るか、本人?に言え。それともゴジラを封印から解き放つつもりかい?ご苦労なことだ」

 

「黙れ、その身に宿った時点で貴様も汚らわしい存在、許されない存在だ。」

 

「君よりは幾分か奇麗だと思うけどね……。」こいつ、相変わらずだな。巨獣器の影響で攻撃的になっているが本質は変わらないというのを確信して安心したよ。

 

ただ、この状況では本人は全く意識していないがただの挑発でしかない。

 

だが、おかげで俺たちの事を全く意識していない今がチャンスだ!

 

「部長!」俺は限界まで高めた力を部長に譲渡する。「吹き飛びなさい!」その言葉と共に強大な滅びの魔力を放った!!これなら

 

だが、コカビエルはそれを真正面で受け止め消滅させた……!?

 

多少傷ついているが寧ろ嬉しそうに笑ってやがる!「ふふ、いいぞ。面白いぞ。兄に似て才に恵まれたようだな!」

 

ここで木場とゼノヴィアが抜群のコンビネーションで斬りかかる!今ので隙ができた!これなら……!

 

だが、翼を刃状にし、光の剣を作り防ぐどころか強力なカウンターをくらい二人とも吹き飛ばされる!!

 

「デュランダル、あの化け物であった先代に比べればあまりに未熟極まりない!」

 

侮られゼノヴィアは悔しそうにしているが言い返せないようみたいだ。そんなにすごいのか?先代は。

 

俺達はあまりの力差に絶望しかけるがそれでも必死に立ち上がる。

 

その様子を見て「大したもんだ、仕えるべき主がとっくにいないというのによく戦えるものだ。」と苦笑するコカビエル。

 

突如その言葉に思わず俺たちは思わず動きを止める?どうゆう意味だ。本物の魔王が死んだのに魔王がいることを言っているのか?

 

いや、それならもう知っていることだ。何故、今更それを……。

 

「そうか、貴様ら下っ端には知らせてなかったんだったな。ならついでた。教えてやろう。先の大戦で四大魔王だけではなく、神も死んだのさ。怪獣によってな!」

 

……なんだと!

 

「知らなくて当然だ。人間は何かを信じなければ生きてはいけない不完全な存在なのだからな。敵対する堕天使、悪魔さえそれを公表することはできない。」と言い

 

「他の勢力からすればいい攻撃材料以外の何物でもないからな。この真相を知っているのは各陣営のトップクラスを含めごく僅かしかいない。先ほどバルパーは気づいたようだな、もう死んだが。」

 

バルパーの死体を見ながらさらにコカビエルは語る。

 

「正直言えばもう大きな戦争は故意に起きない。それぐらいどの陣営も疲弊した。どこも人間に頼らねば種族が維持できないのが現状だ。そしてアザゼルはもう戦争はしないと宣言した。」

 

そこまで言うと急にきれながら「ふざけるな!耐え難いんだよ!俺達が勝つはずだったというのに!!」

 

「嘘だ……嘘だ!!」とゼノヴィアはこっちが心配したくなるほど狼狽しうなだれている。

 

木場も「僕達は何を信じて過ごしていたんだ……。」と半ば呆然としてる。

 

そしてアーシアは全身を震わせ青ざめながら半ば独り言のように聞く。

 

「……主はもういないのですか?では、私達に与えられる筈の神の愛は……」

 

「そうさ。だから神の愛や守護がないのさ。ミカエルは良くやっている。神の代わりに天使と人間をまとめているのだからな。

 

神が残した『システム』さえ機能していれば、神への祈りも祝福も悪魔祓いもある程度は機能するからな。

 

だが、数は限られるがな。先ほどの聖魔剣それもバランスが崩れたからできたのだよ。でなければ交わうわけがない聖と魔が一つになどできるものか。」

 

その言葉を聞きアーシアは気絶し俺は慌てて支える。「アーシア、しっかりしろ!」無理もない、アーシアがどれほど熱心に神に祈っていたのかよく知っている……。

 

それが意味ないと分かったらどう思うか……。アーシアだけじゃない、俺と剣吾以外の全員がショックを隠し切れない様子だった。

 

 

「そして、神や魔王が死んだ原因こそがタイタン……異世界から来た怪獣どもだ!!奴らのせいで全てが滅茶苦茶だ!!」

 

 

「あの戦争途中で乱入した怪獣どもによって今まで戦争による犠牲者をの優に倍は軽く超える犠牲がでた。そして最後貴様のものを含め聖書の神が最後の力を振り絞り怪獣器に封印した!」

 

 

 

「それで最早、戦争どころでない。全ての勢力が泣きを見た!それでこのざまだ!!」

 

 

 

「俺一人でもあの戦の続きを遂げてやる!!! 我ら堕天使こそが至高であると悪魔どもにも、天使どもにも見せつけてやる!だが、その前にお前ら怪獣器使いからだ!」と剣吾を見る。

 

 

 

「怪獣、良くも我々の勝利も台無しにしたな!!貴様らがいなければ我らの勝利だったというのに!」

 

 

 

これがあいつが剣吾を、否、巨獣器使いを恨む理由か……!そんなのただの逆恨みじゃねえか!!

 

 

 

「……そのどうでも良い話まだ聞かないといけないの?」と剣吾は半分呆れた表情で言う。「……何だと?」

 

「つまり取らぬ狸の皮算用だったってことでしょ?そもそも産まれてもいない時代の話してもね……。それも平和だったのに巻き込まれたならともかく戦争中だったんでしょ?」

 

 

 

「それって単に君たちが弱かっただけじゃないの?こんな同情が欠片もわかない話になるとは流石に思っても見なかった。」

 

 

 

剣吾、お前もう少しオブラートに言え!!いくら何でももう少し気を使え!

 

「貴様……よっぱど死にたいみたいだな!!」

 

「正直、最初見た時はおっかなくて勝ち目が全く見えなかったんだけど何でかな、妙に負ける気がしないんだよなあ。」と言いながら構える。

 

「今までの恨み骨の髄まで思い知れ!!」とコカビエルが叫び、光の剣を携え目にも止まらなぬ速さで迫る!!

 

……そして俺の目の前で血しぶきが舞った!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




磯野敏博の実力は現時点では禁手状態の赤龍帝の鎧、白龍皇の鎧<磯野<真紅の赫龍帝、白銀の極覇龍の力関係だと思ってください。

一誠達にとって前半の目標、壁となるキャラにするつもりです。

「暴竜の戦槌」 (アンギラス・ハンマー) 鎖槌モード

作中では剣玉と記した形体。鬼滅の刃に登場する悲鳴嶼行冥さんの武器である鎖斧の尾の部分が実写版マイティ・ソーの武器ムジョルニアに変えた様な形状をしている。

基本的に中近距離戦に適しているが遠距離ならモーニングスター(鎖鉄球)モード、近距離ならスレッジハンマー(大槌)モードもしくは素手の方が適しているため本来あまり意味のない形態。

だが、剣玉が得意な磯野には相性が良く変幻自在な攻防一体の攻撃が可能。やろうと思えば槌と鉄球を分離して使用することも可能。

特に正に剣玉の如く鉄球を金槌で打ち込み加速させる“暴獣怪球烈弾”は彼の中でトップクラスの威力を誇る。

ちなみに作中やった衝撃波“暴獣吼”はONE PIECEに登場するヤマトの技である鳴鏑とほぼ同じものだと思ってください。

アンギラス

アンキロザウルスを初めとした鎧竜のモデルになったとされる種族。肉食寄りの雑食で比較的大人しいが発情期は一気に凶暴になりこの時期に縄張りに入ると容赦なく攻撃を受ける。

アルマジロのように丸まることが可能。高い機動性と怪力、そして防御力を誇り一般的な地球怪獣の中では上位の位置に存在する。

かつてはゴジラ族の側近に近い種族だったらしいが現在は関係が断たれているらしい。

最後に溶岩怪人(仮)ですが元ネタは東宝映画にでてきたキャラがモチーフです。元ネタは神でしたがここでは宇宙生物の一種で原作ほど強力ではありません。

何故弱くしたのかは次次章以降に登場させるあるキャラのためにそうしました。








目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第三章 月光校庭のエクスカリバー編 9

今回漸く剣吾が殺すつもりで戦うとどうなるか分かります。


俺、一誠は目の前の光景を信じられなかった。だ、だって剣吾の左掌をコカビエルの光の剣で貫かれたのだから!!

 

「ふふふ、さらに積年の恨み思い知れ!!」と翼を刃に変え剣吾の身体を貫いた!!

 

「「「「「剣吾!!?(さん、君、先輩)」」」」」と俺たち全員が悲鳴を上げる!!

 

全身串刺しされて出血が酷い!このままじゃ…………

 

そう思っていると剣吾の身体から一瞬何かが流れた気がした?気のせいかと思った次の瞬間剣吾から紫色の電気を放電させた!?

 

「グアアアア!」とコカビエルガ感電した!?放電することができるのか!?しかもあの様子だと朱乃さんの雷より効果がありそうな?

 

コカビエルが怯んだ瞬間、何と剣吾が刺された左手をそのまま伸ばし剣を掲げるコカビエルの右手を掴む!!

 

当然そんな無茶したから傷は大きくなりかなりの激痛があるはずだが一切躊躇がない!!

 

そしてゴジラギアの刃を展開し動きを止めたコカビエルの右手目掛け振り下ろす!!

 

鈍い音と共に何かが落ちる音が聞こえた同時にコカビエルがさらに悲鳴を上げる!「ギャアアア!!お、俺の腕をよくも!!」

 

言うまでもなく剣吾があいつの右腕を切り落とした!!

 

その抗議を無視し再び放電し怯ませ、さらに膝蹴りを相手の腹部に加え前かがみになった瞬間後頭部に左肘うちをする!

 

「……いい加減にしろ!!貴様、俺を何だと思っている!!」

 

とコカビエルはダメージを押して光の波動を放ち吹き飛ばそうとするが、皮肉にも自分が突き刺した翼が引っかかるのか抜けることができず剣吾もろとも吹き飛ぶ!!

 

超高速で地面にぶつかる寸前剣吾は体勢を変えコカビエルを下にし地面に激突するのと同時に怪我した左手で殴りつける!!

 

あ、あいつダメージを無視してあんなの大丈夫なのか!?そんな心配をよそにさらに戦いは激しさを増す。

 

ほぼ密着状態で動きが制限されるためお互いに回避できず防御もままならずほぼノーガードで攻撃を繰り出す!!最初剣吾がそのまま馬乗りで顔面を殴りまくる!!

 

だが、コカビエルも突き刺した4枚の翼だけでなく残りも刃に変え隻腕のハンデを感じさせない手数で剣吾を斬り刻む!!

 

それにも関わらず剣吾は顔面を抉り取ろうとするが翼で防御され逆に倒され馬乗りされ、攻撃を受ける!

 

「フハハハハハ、思い知ったか!!所詮貴様ごときが俺に……!!?」

 

突如コカビエルが話を中断する。その理由は明らかだった。け、剣吾の奴無理やり起き上がって体勢を崩した瞬間に思いっきり蹴飛ばしやがった……男の急所を!!

 

あれは痛い!!敵でも可哀そうになってきたぜ……!!

 

思わずダメージに口をひらいた瞬間口に無理やりゴジラギアを突っ込ませそして……そのまま爆熱を発射しやがった!!

 

その威力はすさまじく爆風と反動で剣吾の体に刺さった翼が抜け剣吾が吹き飛んだ!!

 

爆炎がやむと一枚だけ翼が今爆風により半ばからもぎ取れ剣吾に刺さったままだが他のは体から抜け自由に動けるようだ。

 

互いに荒い息をしていたが「口の中を燃やしたんだから死んどけよ……生物として。」と罵りながら刺さった翼を力づくで抜き取りながら立ち上がる剣吾。

 

「……俺の翼を抜けないように力を込め抜けないようにしていたが当てがはずれたな……!」とコカビエルは言うと空を飛びながら光の槍を投げ始めた!

 

その攻撃を先ほど抜いた翼で盾代わりに攻撃を防ごうとするがあっさり貫通し諸に食らう。

 

「……ち、一ミリも役に立たねえな。」と言うとボロボロになった翼を適当に捨てさらに口に溜まった血を吐き出す。

 

「……貴様、俺の翼になんてことを!!」「生やせばいいじゃん。」

 

「生えるか!!」「そうなの?まあ、どうでもいいことだ。」

 

「どうでもいいだと!!?」

 

「当たり前じゃん、こっちは君が死のうが生きようが一ミリも興味ない。ましてや手や翼がなくなっからどうだというだ?そこまで気にするほどの価値が自分にあるとでも思ったのか?」

 

……お前、結構怖いこと言っているぞ、今。「どこまで見下せば気が済むんだ!!」

 

「見下していないよ!!さっさと死ねと思っているだけだ。」

 

「……しかしこの状況厳しいね。このまま飛び続け攻撃されると攻撃手段が乏しいこちらには不利だな。……実に賢い選択だ。」

 

「……何が言いたい?」「そのままの意味だよ。自分に有利な条件で戦うのは当たり前の事だろうが。だから褒めたんだよ。わざわざ勝ち目の少ない領域で戦う馬鹿はいないしね。」

 

「……まるで俺と格闘戦なら勝ち目がある様に聞こえるが。」「さっきの感じだとたぶんいけるね。」

 

「この俺に勝てると思っているのか!?」

 

「勝てる勝てないじゃない。やるやらないの問題だよ。さっき、お前この町を吹き飛ばそうとしたよな?……ここには家族や友人がいるんだ。その時点でお前は刺し違えてでも殺すと決めたんだよ!!」と言い放つ。

 

「そう言えば一つ聞きたい?君は堕天使の中でどのくらい強いんだ?」「何だ、急に?」

 

「先ほどから何度も堕天使が勝つって言っていたからさあ。どのレベルなのかと思ってさあ?

 

部長のお兄さんであるルシファーにあったけど彼なら不意だろうが油断しようなそんな無様な結果にはならないし、ミカエルさんには会ったことないけど神の代行者。

 

こんなもの通用するならとっくの昔に滅んでいるだろう。もし、君が堕天使でも下っ端でなく上位ならおそらく一番最初に脱落したのは君たちだね」

 

「良かったじゃないか、中断して。そのおかげで滅びずにすんだ。……感謝すべきだね。」

 

「きさま……そんな挑発で俺をおびき寄せるつもりか?」「いつ挑発なんてした?」

 

・・・こいつ、挑発してないんだよな~これで。普段なら相手を思って絶対言わないだろうが今は気を使う必要がないから思ったことそのまま話しているだけなんだろう。

 

結構、天然だからなこいつ。だからこそ意外に切れ味が鋭い。そして時に本音はどんな暴言より人を怒らせることがある・・・。

 

「その戯れ言永遠に封じてやる!!」と無数の光の槍を飛ばす!!

 

だが、剣吾は「なんでかな、今そんなに君と遠くにいると思えない・・・」と呟きと同時に無数の槍が直撃し爆塵で見えなくなる!!

 

「ふ、それみたか!何が遠くに見えないだ!貴様ごとき・・・!?」と叫ぶが途中で途切れる。

 

その理由は一目瞭然だ。剣吾の体を赤い鎖が全身覆っている・・・。まるで蜘蛛の糸にぐるぐる巻きされた餌を思わせる光景だった。

 

それは剣吾の影からでてきているようだった……。

 

「何だこれは!?」と驚くコカビエルのセリフは正に俺たちの心の声そのものだった。

 

「……イッケーエエエエ!!!」と声と共に鎖が解けると高速で剣吾が投げつける!!

 

だが、流石にそんな甘いわけなく飛んで回避するのだが……!?「逃がすかあああ!!」

 

すると一瞬で投げた鎖の先端まで移動し凄まじい爆音とともにジャンプした!!?

 

物凄い高さだ!!あいつ、あんなに跳べたのか!?コカビエルを飛び越えるとゴジラギアで短時間に爆発を繰り返し軌道修正する。

 

さらによく見ると足を高速で蹴っている!?まさか、よく漫画とかにある空気そのものを蹴って空中移動を可能にしたのか!?

 

いや、よく見るとゴジラギアだけでも空中蹴りだけでも飛ぶのは困難だから無理やり合わせて辛うじてものにしていると感じだな、ありゃあ。

 

その調子でコカビエルを一周し鎖で縛る。

 

「なんだそれは?たかだがその程度の鎖に当たったぐらいでこの俺が……何だ!!?急に力が、ぬ、ぬけていく!?何だ、これは!!?何をした!!?」

 

「知るか、ボケ!!」と言いながら地面に降りる。何故かコカビエルは空中で縛られたまま落ちてこずまるで固定されているかのようにそこで止まっていた。

 

何度も鎖を光の刃で斬りつけたり衝撃波を発生して抜け出そうとするが鎖はビクともしない。何だ、あの鎖?あれがゴジラの武器なのか?

 

別に結んだわけでもなくただ巻き付いているだけなのになぜ抜け出せないんだ?見た感じ力が吸われているいや上手く引き出せないみたいだがそれなら何故落ちずに空中にいるんだ?

 

そんな疑問をよそに「そう、そこにいろ!!今の今まで万が一のことを考え空に向けないと危なくて仕方なかった……さらに人に向けるなら殺すつもりじゃないとできなかった……。」

 

「試し撃ちさせて貰うとしよう……。」そう言うと剣吾が放電し始める。

 

ゴジラギアの刃が紫色に輝き帯電しそれと共に砲口に集まり紫色に輝き始めた。

 

するとまるで光輪を思わせる光の輪が砲口の前に形成されると再び崩壊し砲口に吸い込まれてい……く。

 

次の瞬間、紫色の細長い閃光が放たれた!!一直線に天に放たれた光線はコカビエルが張った結界や攻撃をあっさり打ち砕きその右肩と翼を貫通した!!

 

その直後まるで巨大な獣の咆吼の様な爆音が響いた!!

 

勢い止まらずそのまま天にまで届き半円状の半透明な何かにぶつかったと思ったがそのまま綺麗に穴を空けて貫通した!!?

 

あれは……まさか結界か!?じゃあ、結界壊れたのか?

 

でも、解けた雰囲気は無い……?それにコカビエルの様子を見てもあの威力の割に驚くほど攻撃範囲が狭い。

 

爆炎のように周囲に被害が出ない……先程の光線まるでロボアニメにでてくる荷電粒子砲みたいだったな……。

 

先程の咆吼を思わせる爆音も合わせると差し詰め荷電粒子砲ならぬ荷電粒子咆か。

 

そんなことを考えている間に荷電粒子咆が命中した直後赤い鎖も煙のように消えたのもあって地面に落下した……。

 

あの傷じゃあもう飛んで逃げることはできそうもなさそうだな。

 

翼に大きな穴が空き完全に飛行能力失っている……。それでも未だに戦意を失わず剣吾に迫るその執念に俺たちは気づくと冷たい汗が流れていた……。

 

一方剣吾も先程の新技に加えダメージが蓄積したのか右手に異常がある素振りを見られる。それでも一切怯むこと無くまた進んでいく。

 

「もう右手は限界みたいだな?それで俺に勝てるつもりか?」

 

「もう飛べないし、そっちも隻腕だろ!一誠達が殺せば後が面倒そうだから俺一人でこのまま止めを指す!」

 

そう言うなり再びぶつかり合う!剣吾が左ストレート、コカビエルが光の槍がぶつかり合うがすぐに決着がついた。

 

剣吾がゴジラギアを装着した左拳が槍を砕き顔面にめり込み鼻や歯をへし折り大きく吹き飛ばした!!

 

左手にゴジラギア!?よく見ると右手のゴジラギアが消えている?これは一体どういうことだ!?

 

だが、これで決着がついたと確信したがまるでゾンビのようにまだ立ち向かってこようとするコカビエル。しぶといにも程がある!!

 

だが、立ち上がりきる前に剣吾が腹に膝蹴りして再び倒す!

 

そして倒れたコカビエルを見ながら感情の無い声でこう言った。

 

「そう言えば君はつまらないから戦争したいんだよね?じゃあ、これも良い経験だからたっぷり味わうといいよ。」と見下ろしながら

 

「全く無抵抗で一方的に嬲り殺されるなんて初めての経験じゃ無いかな?」というなり右足を掴むと足で踏みつけると一気にもぎ取った!!?

 

さらに背中や後頭部を何度も踏みつけ、そのたびに骨が折れる音や血しぶきが飛び散る!!

 

その姿に正直恐怖を覚えた……。

 

「ま、マテ貴様……!お前はコスモスに見張られているんだぞ。いいのか?ここで俺を消せば容赦なく封印され!?」ドガ!!

 

「……じゃあ、どこだったらいいんだよ!?

 

何か勘違いしているみたいだがまさかお前、俺が自分の命惜しさにびびって殺さないと勘違いしていないか?冗談じゃない!!

 

お前がこの町を吹き飛ばそうとした時点で生かすつもりなど欠片もない!!

 

こっちはそんな覚悟とっくにしているんだよ!!寧ろ、ここでお前を道連れにできるなら本望だ!!

 

家族や友の命を守って死ねたならこれ以上無い満足な死に様だ!!!」と応えながらコカビエルをさらにいたぶる!!

 

あいつ!?覚悟できてるって自分が助からないともう諦めているのか?そんなのって?

 

「剣吾!!」「話はこいつの息の根を止めてから聞くよ!!最悪手伝ってもらおうと思ったけどこの分なら俺一人でどうにかできそうだから手を出すな!何かあっても俺一人の責任にするから!」

 

「剣吾!何を言って……!」

 

「戦争を避けたいならこれ以上魔王の血縁である貴女たちは関わるべきじゃ無い!俺より賢いなら分かるでしょ!」と言うと黙るが

 

「それなら貴女だって……!」と部長と言い争っていると突如剣吾は大きく翻した!?

 

その直後先程まで剣吾がいた場所に光線が放たれる!?さらに白い閃光が闇夜を切り裂き舞い降りた!

 

その姿は白い全身鎧をし背中から8枚の光の翼を生やしており神々しいまで美しい。

 

こいつは何だ?と思っていると「似ている、あの姿『赤龍帝の鎧』(ブーステッド・ギア・スケイルメイル)に」と木場が呟く。

 

何、俺の鎧あんな感じなのか?ってことはまさか

 

『ああ、あれこそが「白い龍」(バニシング・ドラゴン)白龍皇アルビオン。

 

その神滅具(ロンギヌス)白龍皇の光翼(ディバイン・ディバイディング)の禁手(バランスブレイク)白龍皇の鎧(ディバイン・ディバイディング・スケイルメイル)だ。』とドライグが応える。

 

じゃああれが今代の白龍皇!?俺のライバル!?完全にあっちが上の気がするけど!

 

『そうだな、はっきりと言えんがぱっと見た感じ歴代の適合者でも上位だな。今の感じだと瞬殺されなければ奇跡という具合のレベル差だな。』

 

分かっているけど他人に言われると腹が立つ!

 

そんなやり取りをよそにコカビエルは白龍皇に口を聞いた。

 

「……ヴァーリか、邪魔をするな!」

 

「どう見てもお前がボコられているだろうが、コカビエル。アザゼルに無理矢理でも連れて帰るように言われているんだ。少し勝手が過ぎたな。」

 

「しかし無様だな。ああも意気揚々と宣戦布告しておきながら結果は幹部がでるまでも無くあえなく敗れるとはな。」とあざ笑う。

 

「黙れ、俺は……!」と声を荒げようとしたがダメージが残る身体で躱した。

 

……剣吾の斬撃から。「ち、外したか。」と舌打ちしつつも全く手を緩める気配が無い……!

 

「そいつを殺すのを待ってもらおう、神の子を見張る者(グリゴリ)が処分する。」

 

「断る。どうせ処分と言ってもどっかに封印するとか言うんでしょ?封印なんて古今東西破られるために存在するようなもんだから先のリスクを考えるとここで始末した方がいい。」

 

「意外だな、もっと非好戦的だと話を聞いていたんだがな。」

 

「君と違って俺は自分の実力にそこまで自信を持っていないんでね、次戦って勝てる自信はこれぽっちもない。だから次のチャンスなんていう立ち上がる可能性を残さない。」

 

「成る程、だがそうなると俺とぶつかることになるな。」

 

「それは面倒だし、そいつより強そうだけど仕方ないね……。」

 

二人とも闘志がどんどん高まっているのがよくわかる……ちょ、ちょっと二人とも冷静に

 

「……貴様ら、俺を無視して」「黙ってろ!かの伝説と謳われた王の力たっぷり見せてもらうとしよう。」とコカビエルの顔面にバニシング・ドラゴン、確かヴァーリって言ってたな?の拳が突き刺さりその場で力なく崩れ落ちた。

 

そこには先程感じていた偉大なものが欠片感じられなかった。

 

「コカビエル如きを連れ戻すだけの退屈な任務だと思っていたが思わぬ褒美を得そうだな!」と嬉しそうに叫ぶと同時に目にもとまらぬ速さで剣吾に殴りかかった!

 

剣吾は辛うじて反応しガードしながら攻撃に耐える!さらにカウンターの膝蹴りを命中させヴァーリを大きく吹き飛ばす!!

 

「……へえ、噂よりよっぽどできそうじゃないか。おそらく君自身には何の効果もないだろうが折角だ!将来のライバルへのサービスも兼ねて見せていいかもな、白龍皇アルビオンの真価を!!」

 

そう叫ぶとDivide(ディバイド)!!と言う音声と共にコカビエルの力が減少した様に感じた!?同時にヴァーリの力が増した?どうゆうことだ!?

 

『相棒、よく覚えておけ。俺の力、赤き龍は所有者の力を増加しなにかに譲渡することができ、白き龍は相手の力を奪い自らの糧にする。』

 

でも、今の技剣吾にもかかったみたいだけどあいつが変わった様子がない。

 

『やはりか。』とまた聞き覚えが無い声が聞こえた。どうやら鎧の宝玉から聞こえるからあれがアルビオンの意思と言うことか・・・・。

 

でも、やはりって。『お前の義弟にはアルビオンの力が通用しないという訳だ。』

 

え、通じないの!?何でだ?ドライグ?

 

『それは前言ったように俺たち天龍よりゴジラの方が強力だからだ。その差は適合者の素質以上だったと言うことだ。』

 

「ハハハ、やはり通じないか。元々タイタンギアには効果が薄いからおそらく効かないと思っていたがその実力でロンギヌスが通じないとは恐れ入ったよ。流石は怪獣王。」

 

と笑いながらもお互いに格闘戦を繰り広げている!「剣吾、お前どうして格闘以外の技を使わないんだ?」

 

さっきの荷電粒子咆を始めとした攻撃をする素振りを欠片もしない。俺の疑問に剣吾は必死に反撃しながら

 

「どうせ使っても躱されて当たらないだろうし、他のも向こうの方が才能も経験も上そうだから返ってこっちが自滅しそうだから使わない!無駄に消耗するぐらいなら最初から使わない方がマシ!!」

 

と苦しそうに応えた。そしてこの時点で流石の俺でも気が付いた。

 

ヴァーリはコカビエルより上だ。それにも関わらず剣吾はコカビエルにあれほど苦戦していたにも関わらずそれを圧倒する力を誇るヴァーリと渡り合っている……。

 

仮にヴァーリが本気をだしていないとしても剣吾の動きはどう見てもコカビエルと戦った時より疲労やダメージがあるにも関わらず動きが目に見えて格段に良くなっていっている?

 

どうゆうことだ?これは……。

 

「極限状態の中で戦いに適応したのか、それとも……。」と木場が小さくつぶやいたがヴァーリが高笑いしながら殴りかかる。

 

それを剣吾は掴むとそのまままるでハンマー投げを思わせるようにその場で高速回転し始めた!どんどん加速していき最終的にはもう小さな竜巻を思わせる勢いで開店する。

 

当然ヴァーリも必死に抵抗しようとするがその遠心力に加え時折放電し感電させ反撃を封じている。

 

そして遂に手を離し遠くに飛ばす!!平衡感覚と感電のダメージがあるにも関わらず何とか体勢を立て直し踏みとどまったヴァーリ。

 

何て奴!としか言えなかったがそこにすかさず剣吾が岩盤を砕きサッカーボールの如く巨大な岩を蹴り上げ流石にこれを躱すことも防ぐこともできず諸に食らってしまう!

 

ヴァーリもダメージの色が隠せないがまだまだ戦意が衰えない。剣吾も再び荷電粒子咆を放つ動作をし緊張感がさらに増す。

 

チャージし終えいつ発射するかともみんな身構えると剣吾はちょっと笑うとそのまま照準を気絶したコカビエルに向けた!?

 

「どうにか離れてくれたね……。これで止めをさせる!!」「……まさか、最初から狙いはそっちだったのか!!」

 

「狙いも何も何のために争っていたんだい!こんな危険人物生かしておくわけないでしょうが!」と叫ぶなり荷電粒子咆を放った!

 

その瞬間紫色の光線が拡散、乱反射してある場所に集中し命中した。……剣吾自身に。

 

「ぐおおお、こ、これはまさか。」と剣吾は苦しみながらも心当たりがあるらしい発言をしている。

 

よく見ると周囲が金色に輝いている気がする?これはいったい?と疑問に思っていると

 

「双方そこまでです!」と伊藤さんが天から舞い降りた。その姿は正に天使や女神を思わせる美しさと神聖さを感じさせる。

 

「剣吾さん、気持ちは分かりますがややこしくなるのでここは耐えてください。

 

初めまして、バニシング・ドラゴン。私はモスラの巫女です。

 

彼を連れていくならもう邪魔はしません。どうぞ連れて行ってください。」

 

「そうだぞ、ヴァーリ。トットッとその馬鹿連れていきな。」と今度は磯野さんも現れた。

 

「久しいな、”暴獣”磯野!それにあなたが今世代の聖獣モスラか。」

 

「ちょい待ち……”暴獣”って何?」

 

「知らないのか、あんた随分前からどの陣営にも完全な味方にならないうえその暴れぷっりが正に猛獣の様だからそう呼ばれているんだぞ。」

 

「え、いつから?」「少なくてもあんたと最初に会う前から聞いていたぞ。」「そんな前から!!?」

 

「技も暴獣の二つ名に因んだものが多いな。」

 

「技って何だ!?んなもん一々付けた覚えないぞ!俺のはお前や鳶雄ほど見栄えするもんじゃないしな。」

 

「俺が主に名付けた。お前そうゆうの無頓着だからな。」「ったく、ルシドラ中二病麺マニアが。」

 

「おい、何だ?そのあだ名は!」「お知り合い、磯兄?」と剣吾が口を挟む。

 

「ん、ああ四年前から知り合ってちょくちょく会っていたがそういや一年ほど会ってなかったな。」

 

 

「まあいい、話を戻そう。もう少し彼とと楽しみたかったがここまでかな。予想外のバトルができて楽しめたし良しとするか!また、戦えるといいな!怪獣王!」

 

「……もうごめんだね、君みたいな強い奴。」と痺れて横になりながら剣吾は力なく応えた。

 

このまま帰る雰囲気と言うときに籠手の宝玉が光りドライグが当然話しかけた。

 

『無視か、白いのよ。』その声に『起きていたか、赤いの。』と鎧の宝玉から返事が返ってきた。

 

『折角会えたのにこれではな。』『まあいいさ、どうせその内戦う運命だ。こうゆう日もあるさ。』

 

『しかし、白いの。敵意が段違いに低いじゃないか。』

 

『それはお互い様だろう。互いに戦い以外に興味の対象があるという訳だ。』

 

『お前の方にまさかあの黒い奴がお前の傍にいるとは思っても見なかったぞ。』

 

『ああ、俺もだ。まさか宿主の義弟とは想像すらしなかった。』

 

『しばらくは独自に楽しめさせてもらおう。ではまたな、ドライグ。』

 

『それも一興。じゃあな、アルビオン。』

 

「ヴァーリ!この馬鹿も連れていけ!」と磯野さんが気絶したフリードを雑に投げ飛ばすとヴァーリがキャッチしコカビエルを抱えると光の翼を展開し飛び立とうとする。

 

「おい!ちょっと待て、お前は一体何者なんだ!?」

 

「……説明面倒だから後で磯野にでも聞いてくれ。俺はこう見えても忙しいのでな、さらばだ!いずれ戦う俺の宿敵君。義弟君のように楽しめるよう精々強くなってくれよ!」

 

そう言い終えるや否や白き閃光となって飛び去って行く。

 

半ば呆然としているオカルト部メンバーを余所に伊藤さんが俺たちを労う。

 

「皆様、よくやってくれました。おかげで人的被害もなく最小限のダメージで均衡を保つことができました。では磯野さん。後お願いしてもいいですか?」

 

「私はゼノヴィアさん共にエクスカリバーを教会に届けに行きます。それ以外のこともありますし……。」とどこか辛そうな表情でまだショックを隠せないゼノヴィアを見つめている……。

 

どうしたんだ、いったい?そんな疑問が湧き上がる中二人はモスラの魔方陣で転移する。

 

ふっと気づくとバルパーの死体を見つめる木場に気づいた。やはりすでに手遅れだったのに放置していたから完全に息絶えている……。

 

その止めをさした人物はそのことを意外にもそのことを欠片も気にしていないようだが……。

 

俺はとりあえず「やったじゃねか、色男!聖魔剣白と黒が混ざって奇麗じゃん!とりあえずこれでお前の過去とは決着と言うことでいいんだよな?]と言いながら木場の頭を叩く。

 

「イッセー君……ありがとう。部長、皆改めて『騎士』(ナイト)として精進します。これからもよろしくお願いいたします。」と木場は頭を下げる。

 

そんな感動的な場面を剣吾は流石に体力の限界だったのか爆睡しイビキを掻いていて思わず俺たちは笑ってしまった。

 

でもその一方で今回垣間見えた剣吾の……否、ゴジラの瀬在能力とこいつが本気で戦うとどうなるのかよく分かった。

 

そしてこいつが実は封印されることをとっくに覚悟していてなんて。そんなの!

 

お前が俺たちの為に命捨てられるように俺だっていざとなったらお前の為なら悪魔サイドと敵対する覚悟はあるんだから一人でかっこつけるじゃねえぞ!

 

 

―――

 

「何の用だ?X星人?」「あなたに知っておく情報があるのでお耳に入れようと。」

 

「貴様、コカビエルに協力しながらその情報をアザゼルに流すなどどうゆうつもりだ?」

 

「我々は頼まれたから聞きましたが別に彼の味方になったわけでは無いので教えました。本人にもそのことを伝えそれでも構わないから私たちの力を借りたんですよ。」

 

「で、そんなお前たちが一体何の用だ?」

 

「これをアザゼル殿に教えるか貴方が乗るかはご自由に。禍の団(カオス・ブリゲート)、4年前サタナエルとオズの魔法使いが前身となってできた組織がさらに肥大化したものです。」

 

「彼らが貴方にオファーを申し入れました。どうしますか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回だした新たな技荷電粒子咆 

元ネタはシンゴジラの熱戦です。格好いいから何とか入れたいのですが自分の文章では通常と書き分けることができない。

そして映画アニメゴジラの荷電粒子砲も気に入っていたので見た目はシンゴジラ、中身はアニメゴジラの荷電粒子砲と言う風に混ぜてしました。

話は変わりますが雷って便利ですよね。自然界で本当に七色の雷があるらしいのでどんな色でも出せるんですよね。

アニメone-pieceでカイドウの雷鳴八卦が紫の帯電をしているのを見てこれだ!と思い取り入れました。


荷電粒子咆
一誠が命名した紫色の光線。現時点でオカルト部最大火力を誇る。爆発より貫通力、切断に特化している。

実は最初から使えた技だが剣吾自身が危険と判断し周囲に被害及び本気で殺してもかまわない相手でないと使用しないと決め封印していた。

だがこれでもゴジラ本来の熱戦に比べると劣るらしくさらに水中では拡散して使用できない弱点がある。

この光線もモスラの鱗粉に拡散される。

放電
荷電粒子咆を使用する際に副次的にできた技。高圧電流を全身から流す。

剣吾本人は電気代タダで電化製品使える程度にしか思っていないがこの時点である程度威力を調整可能。

水中など電機が流れる場所以外は直接触れないと効果はない。

赤い鎖
かなりの強度、硬度を誇り危機が迫ると無意識に出るようになる。この鎖に巻き付けられると力が抜けてい効果がある。

反面、どうゆう訳かこの鎖で対象を傷つけることが一切ダメージを与えることができない。

この鎖は直接ゴジラシリーズ、ハイスクールD×Dとも直接関係ありませんがこの作品で重要な要素になっています。

作中ゴジラギアを左手に装着したのは巨獣器(タイタンギア)の具現型は決まった形が無いとコスモスから聞いて密かに試してみてできたからです。

ちなみにこれは巨獣器にとって禁手が本番なので具現型を鍛える必要が一切なかったため剣吾により具現型を変化可能と知る。

最も剣吾も通常状態が一番使いやすいのでそうそう使い分ける機会はおそらくそうそうないだろう。

当初は伊藤さんの戦闘やラドンの巨獣器を登場する予定だったんですが自分には扱いきれないと思い剣吾君に頑張ってもらいました。

当初ヴァーリとまで戦わせるつもりはなかったのですが彼は熱しにくく冷えにくい面があり一度殺すと決めたから確実にやるタイプなのでこのようにしました。


作中にある様に剣吾君は意外に攻撃的な面があり本人もそのことを自覚し嫌悪している節があります。

この部分が話が進むにつれ垣間見えるようになります。

前章の磯野とKGの戦いは次回軽く触れます。

話は変わりますがゴジフェス今回無料でオンライン配信してくれるので嬉しいです。









目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第三章 月光校庭のエクスカリバー編 終

ドライグやヴァ―リなど原作キャラの名前間違えて覚えていたことに最近になって気づきました。


コカビエル事件から数日後。

 

俺兵藤一誠が剣吾、アーシアと共に部室に顔を出すとそこには部員じゃない二人の女性がソファーに座っていた。

 

「やあ、赤龍帝、怪獣王。」と駒王学園の制服を着たゼノヴィアが伊藤さんと共にいた。

 

「……イリナさんは一緒じゃないですね?」と剣吾はちょっと辺りを見渡しながら聞く。

 

「……私とイリナがセットだと思っているのか?君は。」とちょっと呆れ顔で応えるがどこか寂しそうな顔をする。

 

な、何だ?何があったんだ?「彼女とはもう会うことはないだろう、・・私は異端として追放されたからね。」

 

「異端!?いったい何で……。」と剣吾は聞こうとしたが途中で何かを察したのか黙り込んだ。

 

「……すいません、辛いことを。」「いいさ、いずれにしろ説明しなければならないことなのだから。」

 

そして俺達を見てこう言った。

 

「知っての通り、神の不在は絶対のタブーだ。それを知っていいのは上層部のみで例えデュランダル使いでも異端分子になる。

 

そして教会は異端を嫌う。本部に戻った私はエクスカリバーを返還すると伊藤さんから事情を聞いた上層部から体のいいお払い箱されて行き場を失いしまった。

 

しばらくは伊藤さんが面倒みてくれるという話だ。

 

その際何故私が教会を離れるのかイリナに話せないのが悔やまれるがね。

 

絶対に真実を話すわけにはいかない!彼女はああ見えて私より私より信仰が深い。神の不在を伝えたら、どうなっていたか……。

 

そう考えると戦線離脱していたのは運がいい。

 

それはそうと……アーシア・アルジェント。私はキミに謝らなければならない。

 

主がいないのならば、救いも愛も無かったわけだからね。本当にすまなかった。キミの気が済むのなら殴ってくれてもかまわない」とゼノヴィアは深く頭を下げる。

 

「そんな、ゼノヴィアさん。顔を上げてください……私はこの生活に満足しています。今は悪魔ですけど、大切な方々に出会えました。私はこの出会いに感謝していて本当に今、幸せなんです」

 

アーシアは正に聖母を思わせる微笑みでゼノヴィアを許した。「ありがとう。まず、この問題を解決しないと今後話が進まないからねえ。」

 

「なる程、それで第二の人生をスタートするためにある程度事情を知っている学校に通うと思ったわけですか。」と剣吾が口を挟む。

 

だが、実際はもっと衝撃的な展開だった。

 

「まあ、今後仲間として共に行動するからね。」「そうだな、一緒に楽しい学園生活しようぜ!」と俺に応えたが

 

「それもだが、今後は同じ眷属になるのだからな。」と言うとゼノヴィアの背中から悪魔の翼が生えた!?

 

え、エ~~~~~!!?なにこれ?悪魔の翼?どうゆうこと!?

 

「彼女は私の眷属になったのよ。デュランダル使いの騎士何て頼もしいわ。これで優斗と共に騎士の二翼が誕生したわね。」と部長が笑いながら言う。

 

「……最初、私は彼女に教会以外の世界を知って頂こうとこちらの学園にオファーしその打ち合わせを彼女と行動することが多かったグレモリー眷属の方が良いと思いましてお願いしにきたんですよ。

 

その途中で打ち合わせ中にちょっと席を外していたら悪魔に転生していたんですから驚いたなんてもんじゃないですよ!

あなたのお世話をシスター・グリゼルダ・クァルタから任されていたのに……。」

 

と伊藤さんが頭が痛いという表情で語る……。苦労してそうだ……。

 

「どうやらデュランダルがすごいのであって私自身はそこまでではないらしく駒一つで済むというので運命を感じ申し入れたのだが……これで良かったのか?いくら何でも悪魔に下るのは……」

 

と今更ブツブツ言い頭を抱えている。「全く、後悔するくらいならもっとちゃんと考えて行動してください!」と伊藤さんがさらに追い打ちをする。

 

ゼノヴィアも逆らうことができないみたいで縮こまっている……。

 

「そ、それでね。今回のコカビエルの件で堕天使、教会、悪魔三大勢力が集まって会談することになって私たちも参加することになったのよね、歌織?」と部長が空気を変えるべく話を逸らす。

 

その話に全員驚いた!俺たちがトップの会合に居合わせろなんて驚くに決まっている!

 

「ええ、今回の件何とか堕天使側が身内の不祥事を収拾させたという形になりました。もし、魔王が絡んでいたら解決しても、しこりが残っていたので幸いでした。」

 

「コカビエルは『地獄の最下層』(コキュートス)での永久冷凍の刑に執行されました。これでもうでてくることはないでしょう。」と伊藤さんが言う。

 

そうか、じゃあもう会うことないな。もうごめんだ、あんな戦争狂。

 

「では、これからいくつか提出するものがあるから生徒会室に向かう。では皆また。」とゼノヴィアは出て行こうとするとアーシアが呼び止める。

 

「あ、あの今度の休日一緒に皆さんで遊びに行くんです!……一緒に行きませんか?」

 

「ありがたいけどこちらに通うのは休日明けだ。流石に参加するのは不自然だろう、今回は遠慮させてもらうよ。ただ、登校したら学校を案内してもらっていいかな?」

 

「はい!喜んで!」とアーシアが笑顔で応える!「それと再び聖魔剣使いと手合わせしたいな。」

 

「そうだね、決着つかなかったし負けないよ!」と木場も笑顔で応えると今度こそゼノヴィアは出て行った。

 

「それで伊藤さんは彼女の引率ですか?」「それもありますが貴方への評価が決まりました。」

 

 

「「ここからは私たちが話します。歌織。」」とコスモスさんがいつの間にかテーブルの上に現れ語りだす。

 

「「まず、今回剣吾さんの戦いを見て暴走の危険性は極めて低いと判断しました。」」

 

「……本当ですか?自分でいうのもあれですけど確実に封印した方が良いなあと思う内容だと思うんですけど?」と剣吾は全く想定しないという表情で聞き返す。

 

「「ゴジラに支配されたならコカビエル氏はあんな軽傷ですみません。これは映像を見た各勢力のトップも皆同じ意見でした。」」

 

「……軽傷?あれが?」

 

「「貴方はあの極限状態でも最後まで仲間や周囲に被害がでないように気を付けながら戦っていました。貴方は信用するに値する人物だと思います。」」

 

「買いかぶりすぎですよ。そこまで価値がある人間じゃないですよ。」

 

すると伊藤さんが「ですが、それでも万全とは言えません。万が一暴走したらそれこそ世界の危機ですかね。ただ、このまま観察のは限界があります。そこで」

 

そういうとモスラギアから糸を自身に巻き付け繭になる?繭が破れるとこの学校の制服姿で現れた!?

 

おお、色っぽい!普段オカルト部に目が慣れ始めたからかまぶしく見える!

 

すると急に視覚を失った!?なんだ、これ!?目に何かが巻き付かれている。

 

「いやらしい目で見ないでください!」と伊藤さんの声から恐らくモスラの糸か!それを目に巻き付けられたのか!

 

「その繭変身だけじゃないんですね……。」「着替えに便利ですよ。どんな服装にもできますし。」

 

「え、着替えただけじゃないんですか?」「この制服を作ったんですよ。」「すごい!」

 

「皆さんも何か欲しい服があるなら作りますよ?」と剣吾と伊藤さんが話している。

 

「さて、中島さん。今後はこちらの学校に通いしばらくグレモリー眷属に同行させていただきます。すでに魔王様を中心に各勢力から許可は得ているので。」

 

流石、もう周りを固めている!何とか糸を外した俺は部長に聞く。

 

「部長、良いんですか?」「もうお兄様が決定したなら私が文句言えないわ。それに彼女を味方にできるなら戦力アップというレベルじゃないわ。」と部長が笑いながら言う。

 

「家は兵藤家にお邪魔することになります。中島さん、嫌とは言わせませんよ。」

 

「剣吾、どうした?青ざめているぞ!」そんなに伊藤さんが怖いのか?

 

「彼女が僕の家に住んでいてしかも僕の傍にいるだったら果たして僕は生きて帰れるだろうか……?」

 

「お前、伊藤さんがそんなこと……」「違う!!クラスや学校のことを言っているんだ!!一誠のようになるのは嫌だ!!今まで他人事だったのに!!」と怯えている!!

 

「てめー、今までそんなこと思っていたのか!」としばらくどつき漫才をする羽目になった。

 

 

「「仲がいい兄弟ですね。」」とコスモスさんを中心に皆が久しぶりに部室で談笑していた。

 

 

 

後日、俺たちはカラオケに来ていた。部長、朱乃さんは用事があって今回は不参加。ゼノヴィアも伊藤さんも明日から登校なので残念ながらパス。

 

匙も誘ったんだが異性交遊を生徒会メンバーは禁止されていると涙ながらに断った。厳しいな、生徒会。

 

皆楽しそうだが子猫ちゃんと剣吾は歌そっちのけで食べ物に夢中だった。

 

剣吾は……歌わないことが楽しむコツだからな!こいつが歌っても皆が不幸になる!

 

休憩中部長から水着を選んでいるとメールが送られた!今から楽しみだが女子が俺の様子を怪しんだので一時トイレに退散した。

 

トイレから出ると木場がベンチで待っていて「イッセー君、君には改めてお礼を言うよ。ありがとう。」

 

「……ああ、気にするな。」本来ならうれしいんだがそんな瞳を潤ませて言うと女子のホラ話のせいで妙な警戒心をもってします・・・。

 

「ま、とりあえず戻って一緒に歌おうぜ!!」といい戻ると兵士(ポーン)と騎士(ナイト)の熱いデュエットで盛り上げた!

 

その結果、桐生の手によりデュエットしている写メールが学園中に駆け巡りホモ疑惑を深めまったと知るのはまた別な話……。俺は女にしか興味ないのに!!

 

……この時は知らなかったが、俺たちがカラオケを楽しんでバカ騒ぎしている間にも状況はどんどん進行していた。

 

 

 

 

「はああああああああああ!!」と磯野敏博が叫びながら溶岩の魔人を鎖鉄球で粉砕する映像を伊藤歌織とコスモスはとある一室で見ていた。

 

だが、砕けた破片が再び再結合し復活しようとしている。その光景に動揺せずある一点に集中し正拳突きをする。その瞬間、心臓と思われる部分を弾き飛ばし破壊した。

 

その瞬間、体が一気に崩壊し魔人の体が崩壊し消滅した。

 

「……こうゆう再生系は脳か心臓を壊せば相場だが正解だったか……。でも、何だったんだ、こいつは?いかん!そんなことよりあいつら無事か!!?」と叫ぶと急いで向かった。

 

そこで映像を一度止めると伊藤歌織が立体映像で参加している三大勢力を始めとした各勢力の上層部が集まっていた。

 

並みのものでは息さえ満足に吸えないようなプレッシャーの中で歌織が口を開く。

 

「こちらの映像は神の子を見張る者(グリゴリ)を裏切ったコカビエル氏を援助した謎の支援者が救援にだした謎の生物です。」

 

「ご覧の通り、今まで見たことが無い生物だと思いますが今回、コスモス様にご覧になると心当たりがあるるとの事です。」その言葉に周囲がざわついた。

 

「「ここからは私たちは説明します。」」とコスモスが前にでる。

 

「「私たちも伝聞でしか聞いたことはありませんが私の世界で太古の時代、大和と呼ばれていた日本にかつて災厄を齎した禍津神に似ている気がします。」」

 

「禍津神?」と魔王サーゼクス・ルシファーの質問はその場にいた誰もが抱いた疑問だった。

 

「「はい、名を熊襲神(クマソガミ)。溶岩に近い体をしており体を武器に変化させ人々を食らったと聞いております。」」と応え

 

「「それを当時キングシーサーの祖先とさせるタイタンが自らの牙を英雄に与え、錬成した武器によって退治されたと伝えられています。」」

 

「……キングシーサーか。」」と複雑そうな表情で呟いたのは白い装束を纏う巨乳の金髪美女。その尻には9本もある狐の尾を生やしたいる。

 

その正体は京都を取り仕切る大妖怪である九尾の狐、八坂。

 

「あ奴は長らく琉球だけでなくこの国の人、神、妖の間に立ち調停しておった。その実績は国外にも伝わる程じゃったのに4年前突如、奴らと手を組み我らと距離を取り負った……。」

 

「「……ええ、長きに渡り行方不明の聖獣も含め今や私たちとモスラのみになりました……。」」とコスモスが応える

 

「「ですが、私たちは信じています。去る時に彼は言いました。」」当時言われた事を思い返し

 

「「我らは袂を分かつのではない、目指す道は同じ。必ず交わる。お前がいるから安心して任せることができるんだ。だからこそ私は離れなければならないんだと。」」

 

「あいつらと異なりシーサーはそれから沖縄にずっといるんだよな。何をしているんだが……それでもこっちが協力要請すれば普通に手を貸すからますますわからねえな。」というの大妖怪ぬらりひょん。

 

 

「「……話を戻します。今回現れた生物はこの熊襲神に特徴が似ています。

 

私たちもこの映像を見るまでただの伝説だと思っていました。言い伝えとが正しければ彼は流星に乗ってやってきたとも伝えられています。

 

事実、今回採取した体の破片を調べてみるとこの世界とも私たちの地球とも異なる物質が確認させました。」」と話すとどよめきが広がった。

 

「それは宇宙生物と言うことですか?」天使長ミカエルが聞き返す。

 

「「宇宙、若しくは別次元から来た少なくても地球上の生物ではないと結論づけました。おそらくこの生物もクマソガミと同種若しくは近種だと思われます。」」

 

「だが、操られていたと聞きましたが?」とミカエルが聞き返す。

 

「「そこです!今回明らかに何者かの意思によって動かされていました。おそらくエクスカリバーを強奪したのも・・・。」」

 

「そいつなら正体が分かっている。俺の協力者だ。」とアザゼルが話す。

 

「実はそいつらからコカビエルの狙いや行動も報告も受けている。逆にコカビエルにはそのことを伝えていたそうだ。」

 

「どうゆうことですか?アザゼルさん?」と歌織が身構えながら聞くと

 

「「そのことは私たちも聞いています。そのうえで今回三大勢力の上層部は敢えて止めませんでした。」」とコスモスが応える。

 

「コスモス様!?なぜそのようなことを?」

 

「「そもそもなぜ今回教会と悪魔が手を組ませて行動した真の理由……わかっていますよね、歌織。」」

 

映像を切り替えると中島剣吾の画像が映し出される。

 

「「彼がゴジラの力に耐えきれず暴走する危険はないのか?下手に手を出すと大やけどするのか、追い詰められればゴジラの力をどこまで引き出し、暴走の危険はないのか。」」と言い

 

「「今回の任務はそれを確かめるまたとないチャンスでした。だからどの勢力も協力しギリギリまで手出しをしなかったんですよ。それは貴方にも伝えたでしょ、歌織?」」

 

「それはそうですが・・・。」と少し不服そうだが認めた。

 

「「コカビエル氏は正に現在のリアス・グレモリー眷属では太刀打ちできない相手。彼は自分や他者が危機に陥らないとそもそも戦う素振りすら見せない人物。

 

今回の事で彼の実力コカビエル氏をも上回る程の力を秘めていましたが反面、荷電粒子咆と呼んでいる破壊光線を周囲の被害を心配しギリギリまで使用を控える程冷静な判断をしています。

 

現時点で暴走のリスクは低くこれ以上追い込むと寧ろ悪化させかねません。しばらく私たちが監視して現状放置にしようと思います。それでよろしいですか?」」

 

コスモスの言葉に各勢力も異論が無く採用された。

 

会議を終えると歌織がコスモスに尋ねる。「コスモス様、中島さんが何故戦闘能力が相手によって変わるのですか?他の方々は何も聞きませんでしたし、何か心当たりがあるのですか?」

 

「「……ええ、それには二つの可能性があります。もしかしたら複合した理由なのかもしれませんし全く関係ないかもしれません……。

 

それを確かめる為にも一緒に行動します。

 

歌織、今貴方に教えると変に意識しかねないので黙っておきます。時が来て確信を持てたら説明します。」」その答えに歌織は頷く。

 

「しかしこれで完全に転校しないといけませんね。・・・結構好きな学校なので転校するのは辛いですね。」と言う。

 

「「剣吾さん、また大変ですね……。」」「何故ですか?」

 

歌織は気づいていないが剣吾の為に学校を離れ傍にいることを何故か伝わり学校を始めとして近辺のファンから凄まじい呪詛を受けている。

 

ちなみにゴジラギアのおかげで影響がないがもしなければとっくに死んでいるレベルの呪いを絶えず剣吾は受け続けている。

 

全て素人のはずだが何故か本家魔法使いレベルの呪詛を行うことができそっちの方面にいったら大成しそうな人材が多いのだが本編とは特に関係ないので省くとしよう。

 

 

―――

 

「ご苦労様でした。N(エヌ)」とX星人副統制官K(ケイ)が労うのは今回ロボットやクマソガミを仕向けたNだった。

 

くせっ毛が強い長い茶髪をした軍服を着た30代と思われる年齢の男性がいた。

 

「ありがたきお言葉K様。」と膝まづく。

 

「わざわざ貴方に頼むほどではないと思いましたが念のためにお願いしました。」

 

「いえいえ、お気になさらずに。この目で確認出来て良かったです。それに良かったのですか?KGを使って?あれの存在は私たちの存在を気づかせるのでは?」

 

「構わないよ。どうせそろそろアザゼル辺りから全勢力に伝えられるだろう。

 

さて現勢力かそれとも禍の団(カオス・ブリゲート)どちらに協力すべきか……。

 

個人的には全勢力が協定を結ぶならその方が私たちとしては都合がいいのですがもしあの一族もこの世界に来ていたらおそらく我々を拒絶するでしょう。

 

その為、カオス・ブリゲートにも協力した方がいいでしょう。ま、かまいませんよ。誰がどんな立場になろうが我々がやるべきことは変わりませんよ。」

 

「K、ちょっといい?」とやってきたのはエジプトの神官を思わせる白装束を着たどこかダークエルフを思わせる銀の長髪をした褐色美女。年齢はほぼKと同じように見える。

 

「これはQ(キュー)様!」と慌てて膝まづくN。「そんな畏まらなくていいわよ、Kと違って私が副統制官なのはオマケみたいなものなんだから。」

 

「何を仰いますか!!あなた様とK様は我々X星人の未来を担う存在。ですから統制官は貴方方を副統制官に任命したのですよ。」

 

「いや、その辺は私たちが親族と言うのもあると思うけど……」

 

「何を言いますか!!唯、血が繋がっているというだけでその地位を任せませんよ!あなた方の潜在能力を見込んで選んだのですよ!!もっとしっかりしてください!」

 

と血相を変え叱咤するNをうんざりした表情で見つめるKとQ。

 

二人ともNの説教を苦手としているのかKが話を変えた。

 

「でQ?何の話だい?」「ああ、そうそう。あにさ……統制官から連絡。目的のものを発見。計画の実行は三大勢力の和平会談でするとのことよ。」

 

「……そうか、遂に我らの悲願達成。その始まりの一歩。何としても成功させねばな!全メンバーを集結させろ!N。これより統制官Zのお言葉を伝える!!」

 

「ハ!直ちに!!」とNはすぐさま走り去りKとQは揃って歩んみながら言う。

 

「それでどうなの?最優先警戒対象は?」「コカビエルを辛うじて上回り白竜皇とそれなりに渡り合えたというレベルだな。」

 

「ふ~ん……今のところあまり騒ぐほどではないのね。で、も……」

 

「ああ、奴の力は底を知れない……。あの程度しか引き出せなくてもあそこまでの力を発揮する。全くどこまでも邪魔な奴だよ。」

 

「ま、彼のものは放置しましょう。彼は我らが主のものだからな。」

 

「ふふ、その通りだな。我らのできることをするとしますか。なるべく既存勢力と敵対したくないがどうなるかな?まあ、その時はその時か。」「フフ♪頑張ってね、未来の旦那様♡」

 

「ハイハイ、奥様」と軽口叩きながらも腕を組みながら歩いて行った。

 

 

 

NEXT ハイスクールD×D4 停止教室のヴァンパイア編

 

「アイヤー!!」とチャイナ服にカンフーパンツに二つのお団子頭(シニヨン)をした緑の長髪という誰もがイメージする典型的な中華娘そのまんまという美少女が最後のチンピラを叩きのめした。

 

「はい、大丈夫だった?お祖母ちゃん?」と財布を差し出す。

 

「おお、ありがとう。お嬢ちゃん。」チンピラたちがに老婆の荷物を盗みだそうとしたところを通りかかった少女が庇い叩きのめしたのだ!

 

「いいぞ、姉ちゃん!!」「カッコいい!!」とやじ馬から称賛の声が上がる。

 

「シェイシェイ!シェイシェイ!」と声援に笑顔で応える。

 

「おっと、いけない!そろそろ行かないと!じゃあね、お祖母ちゃん!」と言うと急いで駆けていく。

 

「急がないと遅れちゃったら大変、大変!!またママに怒れる!!……ここなら人目ないし、いっか!」

 

そう呟くと周囲を見渡し人やカメラが無いのを確認すると両腕が翼に変わった!!

 

そしてあっという間に高速飛行しどこかに消えて行った……。

 

「全く、日本への入国準備に手間取ったらまた小言言われる。ただでさせパパやお兄が「娘はまだ嫁にやらん!」って反対しているのに!」

 

「さあて、突然会いに行ったら驚くかな?待っててね、我的愛人(ウォーアイニー)!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




原作3巻これで終了です。自分にしてはよく続いている方だと思います。

分かった人も多いと思いますKGの正体は実写映画ヤマトタケルに登場した熊襲神(クマソガミ)です。

この作品では宇宙生物でゴジラ世界では昔たまたま地球に迷い込み住み着いた個体がいたという扱いです。

今回のは上とは別に捕獲していた個体を改造したものです。

X星人の設定は統制官が本格的に登場してからまとめて紹介しようと思っています。

名前は基本アルファベットにしようと思います。

KとQは同い年の従兄妹で生まれながらの許嫁で関係はかなり良好です。Kの実兄が統制官です。

ちなみに原作と異なり様々なタイプの人種がいます。

最期のは次章登場する予定の巨獣器(タイタンギア)使いです。どの怪獣なのか予想してみてください。


話変わりますがゴジラフェス楽しみかったです。個人的にゴジラVSへドラとモスラ寄席が特に気に入っています。

SPも続編やってほしいです。後近所でレンタルしていないのでしてほしいです。





目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第三章 月光校庭のエクスカリバー編 外伝

今回原作は8巻収録しているメモリー・オブ・おっぱいを収録しています


もうすっかり初夏の香り漂うミーンミーンと世話しなく鳴いている。

 

本来爽やかな夏の到来に心待ちするはずなのだがオカルト部の一室で兵藤一誠が珍しく黄昏ている……。

 

そしてそれにも関わらず本来、人の気遣う性格をしている中島剣吾は一切無視している。

 

一誠からは何か聞いてほしいオーラが出ているが僕木場優斗を始めオカルト部部員が聞けないのは数日前の事が影響している。

 

 

数日前、部長がイッセー君の背中に抱きついても大きくため息を付くだけだった。

 

つまらなそうに部長がイッセー君に聞くと「すいません、この時期になると昔の事を思いだしましてね……。」

 

「昔の事?」「はい。」新しく入った部員ゼノヴィアさんも伊藤さん、コスモスさんを含め、剣吾君以外いたのでその話を聞いてみることにした。

 

皆でイッセー君を囲んだところでイッセー君が話し始める。

 

「あれは俺が小学生……!!」と突然カバンがイッセー君の顔面に直撃し気を失う。

 

投げた方向をみるとそこには剣吾君が部室の扉を開けたところだった。

 

「剣吾さん!?何するんですか?」とアーシアさんが代表して抗議する。

 

それを無視して全員を見渡し「……まだ、何も聞いてないですよね?」と聞いた。

 

「?はい?そうですが?」と戸惑いながら応えると

 

「一切聞かないであげてください。身内の恥を晒したくないんですよ……。」

 

「一応言っておきますけどあなた方が想像するような感動や悲哀エピソード欠片もありませんよ。」

 

そういうと部活に戻り復活したイッセー君も剣吾君の目を見てその日はそれ以降話さそうとしなかった。

 

それからしばしば部室だけでなく教室や校庭など様々な場面で黄昏いるイッセー君を見かけたが、そのたびに剣吾君が近くにいて話そうとすると容赦なく叩きのめし気絶させ退場していった。

 

剣吾君曰く「長くても2週間もしないで元に戻るからから放っておけばいいよ。人生で知る必要が欠片もないことだから。」とのこと。

 

 

そんなわけだから内心誰かに聞いてほしいというイッセー君に理由を聞くことができずにいた。

 

だが、中島君には悪いけどイッセー君の力になりたい。それは皆同じだったから作戦を考えた。それは

 

 

「剣坊いるか?」とオカルト部に訪ねてきたのは磯野敏博。アンギラスの巨獣器を宿している。

 

剣吾君とは幼少期の兄貴分だったみたいで剣吾君も基本は逆らわないようしている。

 

「何?磯兄?前から思ったんだけど呼び方統一すれば?どうでもいいけど。」

 

「そんなことよりちょっと付き合え。人手が足りないんだ。」と連れ出そうとする。僕たちを見ると何かを察したような表情をするが特に抵抗することもなくそのままついて行った。

 

「さて、イッセーどうしたの?悩みがあるなら聞くわよ?」

 

「うう、皆ありがとう……。剣吾に昔話したらもう二度とその話を他人にするなってかなり注意された。父さん、母さんにも話したら全面的に剣吾の味方になるし。」

 

と部長の言葉に応じイッセー君が話し始めた。

 

でその内容と言うのがイッセー君が7歳の頃学校を終えると近所の公園で紙芝居を読ませてくれたおじさんがいた。

 

その内容はとても子供に見せられない画風の……おっぱいが描かれた昔ばなしイッセー君曰くおっぱい昔話を毎日のように聞きに行った。

 

その際にご丁寧におっぱいプリンをお菓子としてプレゼントしたそうだ……。

 

おっぱいプリンを一瞬で吸い込むおじさんを尊敬しておっぱいプリンを吸い込もうとしたがどうしてもできなかった。

 

失敗するたびにそのおじさんに偉大さを感じたそうさ。

 

 

運命の夏の日 おじさんは警察に連れていかれた。

 

新作はどんな話だったのか?それを思うと未だに悔しく仕方がない!俺は大きなものを失ったという。

 

……うん、剣吾君今なら何故君があそこまで止めようとしたか痛いほどわかるよ……

 

 

 

「さて、そろそろ一誠の昔話を聞き終わったところだね。」「……なる程な、そりゃあ、あんまり人にしられたくないわな。」

 

「あの一誠君のおっぱい好きがそこで生まれたのね……。」

 

「そろそろ本気で警察に御用になるじゃないかという不安が現実的になってきたんですけどね……。」

 

「大丈夫でござるよ。剣殿。彼は善人でござるよ。」「……善人が盗撮や覗きをしませんよ。」

 

と僕中島剣吾は磯兄に連れられ彼の友人であるバランの巨獣器を宿すマイロン・ハリスさんとバラゴンの巨獣器を宿す佐々木理愛(ささきりえ)さんと共にバーベキューをしている。

 

なぜ連れてこられたのかもうわかっていてどうぜオカルト部で皆に話しているだろうからこっちにも知られるのは時間の問題だと思って話していた。

 

「でも、いいの?磯兄?鹿や猪勝手に捕って?」「問題ない、駆除してほしいと依頼があったから捕獲したんだ?文句ないだろう。それにこれ何か珍味だぞ!」

 

「すごい量だね・・・肉も魚も……これ何の魚?」「ブラックバスとブールギルが中心だな。」

 

「流石釣りが得意なだけあるね。」「外来種ならどんだけ食っても文句言うやついないからな!おかげで食費がほぼかからない。」

……

「磯兄、どんな食生活しているの?」「基本肉も魚も捕獲した外来種の肉を食べているな。野菜は理愛がやっている菜園からの大半だな。」

 

「空間転移してくれるから楽なんだよな。」「……すごいね。皆さんはそれでいいんですか?」

 

「別に不満はないでござるよ。調理はそれなりにできますし。」

 

「私はこいつらとは別に生活しているから。まあ、よく集まるけど。」

 

「美味しいですね。この唐揚げ、鳥何ですか?」「多分鳩かウシガエルだな。」

 

「へえ~、蛙なんて初めて食べましたよ。」「鯉の天ぷらもあるぞ!流石に洗いは俺達の腕では無理だ。」

 

「野生の鯉だからねえ、火を通さないと。正確には寄生虫とかきをつけないとな。」

 

「まあ、俺たちはその辺の毒や病気、寄生虫とか寄せ付けない体をしているからいいけど他の人たべたりしたらシャレにならんしな。ちゃんとそのあたりはしっかりしないと。」

 

「前から思っていたけど磯兄って本当に野生児だよね……。」

 

「本当、生まれてくる場所間違えたわね。」「でも、そのアウトドア術役に立つでござるよ。」

 

「いや、マイロン。お前の方が正しいから。俺のはあくまで俺だからいいんであって他人が真似するならどう考えてもお前の方が良い。」

 

「そういや……野犬が増えた地域あるんだよな?」

 

「……食べる気?日本ではクレームきそうだけど。」

 

「中華なら食うだろ?」「そうらしいね。ま、ただ殺処分するよりはそっちの方がいいかもね。」

 

「でも、あんた中華料理だけは作らないし食べに行かないわよね。」と佐々木さんが意味ありげな表情で笑いながら言う。

 

「え、そうなんですか?磯兄中華が嫌いってイメージが無いんですが?」

 

「違う違う、彼女が作る料理が一番おいしいから他で食べる気がしないっていうのよ。」

 

・・・・・「エエ―――!!?磯兄彼女いるの―――!!!!?」「……そんな驚くことか?」

 

「だって女っけないし!」「……お前の中の俺がどんなのか一度知っておく必要があるな……。」

 

「誰、誰?二人とも知っているの?」「もちろんでござるよ。確かリアス殿と同い年で今年で高校を卒業とかだったような?」

 

「っつてもあいつまともに学校に行ってんのか?大体家の都合で料理や拳法であんまり通えないって不満漏らしていたぞ。」

 

「でも学校では仲がいい友人も多いみたいですぞ。ご飯もよく作ってあげたそうですし。」

 

「料理人なの?」「一応中華料理屋だが実際は大抵の料理作ってくれるぞ。材料があれば。」

 

「あいつとはお前がいなくなった後に俺の親同士で許嫁にされたんだよ。まあ、顔も良かったから別に断る理由もないので受け入れた。探すのめんどいし。」と応え

 

「ただ、あいつがそれを受け入れているなら受け入れるし逆に他に好きな人ができたというならそれもう受け入れるつもりだよ。」

 

「へえ~、どんな子?」「多分一年以内に会う機会あるだろうからそん時に紹介する。万一他に好きな人ができったてフラれるパターンがあるかもしれないしな。」

 

「ちょっとあの子に限ってそれはないわよ。本当にあなたの事を慕っているんだから!!」

 

「う~ん、微妙に恋心と近所のお兄さんへの憧れを取り違えている節があるのが気になってな……。」

 

「で、料理上手いんだ?」「そうそう中国のハーフの為かはたまた受け継いだ才能か知らないが俺が食べた中華料理でアイツのが一番口に合って他で食べる気が無いな!」

 

「へえ~なんだかんだ言ってべたぼれじゃない!」

 

「まあ、おそらく俺が付き合える範囲でアイツ以上は求めるのはほぼ無理だろうな。それは分かる。だからこそ俺でいいのかなあって思う部分がある。」

 

「ねえ、写真だけでも見せて。」「駄目だ、後のお楽しみだ。」そんなやり取りをしながらバーベキューを楽しんでいた。

 

・・・まさかたまたま見つけたワニガメを何の躊躇も無くバーベキューの具に仲間入りさせるのは流石だと思った。まあ、それにさほど動揺せずに食べている僕が言えた義理じゃないか……。

 

そう思っていると一誠から電話がかかってきた。

 

 

俺、兵藤一誠はまさに全米が泣きかねないおっちゃんとの激烈な別れを語った……。ちなみにこのことを剣吾と父さんにも話した。……流石に母さんには話せなかったが

 

この時の二人が放った一言は「頼むから人に話さないでくれ。」の一言だけだった。

 

だが、あんな冷血漢の身内より温かい眷属の皆ならきっと共感してくれると思いその顔を見てみると……

 

全員呆れた顔をしていた……?何故だ?アーシアに至ってはまず話の内容が理解できなかったのか完全に?のマークしか見えてこない!!

 

「あらあら、イッセー君がスケベになった原点はそこだったんですね。」と朱乃さんは微笑みながらも冷静に突っ込む。

 

「うん、反応に困ってたよ。というよりもその人が変態だったから連行されただけだよね。」苦笑いする木場。違う!おっちゃんは変態じゃない!神だ!

 

「……日本人はよくわからん。」「いや、ゼノヴィア。それは他の日本人に失礼だよ。日本人は本来こういうどうしようない人ばかりではなく……っていうかイッセー君はどの国にも少数派だから。」

 

とゼノヴィアにフォローする木場。てめー!俺がどうしようもない人間って言いたいのか!?・・・否定できないけど。

 

「……子供にいかがわしい話をする男性。……変態そのもの。最低な話でした。」と半眼にして突っ込む子猫ちゃん。

 

「何だよ、その反応は!?今の俺があるのはそのおっちゃんのおかげだぞ!!」

 

目元を引きつかせる俺。それに対し部長が苦笑いながら応える。

 

「分かっているわ、イッセー。今のあなたを形成してくれたのは男性なのよね。・・・ただ、もう少し紳士的な話を混ぜてほしかったわね。」

 

「「人間にも色々な人がいるんですね・・・。」」とコスモスさんまで苦笑している。

 

「「でも、今の話歌織に聞かせたのはまずかったですね……。」」というと歌織ちゃんが目線を伏せて肩を震わせている……?

 

まさか、泣いてくれているのか?俺の話に。流石歌織ちゃん、分かる人には分かるんだよ。

 

「歌織ちゃん!分かるかい、俺のこの話……」「何ですか!今の話は!!」と激怒しながら立ち上がり叫ぶ!!さらにテーブルにあったものを片付けるとちゃぶ台返しする!!

 

「一誠さん!あなたの所業は目に余るものでしたが今のが原因ですね!!将来今の方のようにならないように更生させます!!」

 

「いや~!俺が俺じゃなくなっちゃう!!」と抵抗する俺を余所にモスラギアを解放させどこかに連れて行こうとする。

 

助けを求めようとするが皆完全に歌織ちゃんにビビっているし止められそうなコスモスさんも止める気配ないしここにはいない剣吾に助けを求め電話をする。

 

 

ここまでの状況を電話で聞いた剣吾は「去勢されないように気を付けてね。じゃあ、こっちはバーベキューに忙しいからじゃあね。」

 

「助ける気ねーのか!てめーは!」「ないよ。まず近くにいないから止められないし仮に近くにいても止める気ないよ。めんどくさい。」

 

「薄情者~!!」「うるさいなあ……じゃあ、きるよ。」「おい、待て!」俺の抗議を無視して本当にきりやがった、アイツ!

 

「……茶番はいいですか?ではいきますよ!」と連れ出される!!いやー!!去勢される!!だが俺の抵抗も空しく連れ出されていった。

 

 

ああ、気が重い。誰も俺の過去を共感してくれないどころか歌織ちゃんに徹底的に説教され精神ダメージは尋常じゃない。

 

いつもアーシアと部長と一緒の帰宅は楽しいのに今日ばかりは一切喜べなかった。

 

帰宅途中で公園に差し掛かった時、懐かしい音が聞こえた。 チリンチリン。

 

俺はその音の出所へ視線を向けた。驚きで自分の両目が大きく開かれるのが分かる。

 

懐かしい夢にまで見た光景がそこにあった。

 

そう、かなり老けているけど間違いない!あの顔昔の面影がある!気づいていたら無言で走り寄っていた!

 

「お、おっちゃんなのか?……」おそるおそる訪ねる俺の顔を見てすぐにほほ笑んだ

 

「坊やだろ、一目でわかったよ。大きくなったな。」「お、おっちゃん生きていたんだな。」

 

感動の再会だよ。俺だってすぐわかってくれた。目から流れる熱い涙を止めることができなかった。

 

「おかげさまでな。もう十年経つか。どうだ、おっぱいはもめたかい?」

 

「うん、もんだよ!いっぱいもんだよ!この人が俺が初めて揉ませてくれた人なんだ!」と俺の後を付いて来た部長を隣に引き寄せ紹介した。

 

感動的な場面なのに何故か部長は微妙なリアクションをしていた。

 

「そうか、そうか。それは良かった。10年もたてば坊やも彼女を持つか。立派なおっぱいじゃないか。大事にするんだぞ。」とおっちゃんも満足げに頷きながら言う。

 

「今からたくさんもんでおくんだぞ!それから分かったろ。 おっぱい吸いたいか?」

 

「ああ、分かったよ!!おっぱいたくさん吸いたいよ!」

 

「折角再開したんだ。……坊やあの時の続きを、見られらなかった紙芝居をしようか?」「うん!」

 

そんな感動的な場面にふと死神の足音が聞こえた気がした。

 

後ろで部長とアーシアが息を吞む気配を感じる……!?な、何だ!?

 

「なんですか!!?これは!!」と激怒した聞き覚えがある声が聞こえる!

 

ま、まさか!「一誠さん!あなたあれほど説教したのに全然堪えていますね!?」と歌織ちゃんが処刑人を思わせる空気を漂わせながら現れた。

 

見た目がいいのと黄昏時と言うのも合わさりまるで怪談のように恐ろしい!!

 

「おや、こっちのおっぱいも坊やのおっぱいかい?」「セクハラもいいところ!今すぐ警察に通報、いやこの場で成敗してくれます!」

 

「いやー!!おっちゃん逃げて!!俺がおっちゃんを守る!!」と内心ビビりながらも伊藤さんに立ち向かう俺。

 

その様子をいつの間見ていた子猫ちゃんが「最低です」と冷めた言葉を放った。

 

その後、ボロボロになっていく俺の様子を流石に見かねたのかグレモリー眷属が歌織ちゃんの足止めをしてくれたおかげで俺とおっちゃんはなんとか逃げ延び紙芝居を見ることができた。

 

そしておっちゃんとの別れの時が来た。

 

「おっちゃん、もう行くのか?」「ああ、ここもそろそろ危ないかな?また次の地を目指すさ。」

 

「やっと会えたのに?」「大丈夫、俺の思いは坊やに伝わったさ。坊やのようにバトンを受け継いでくれる者は必ず現れる。」

 

「おっちゃんは何も悪くないのに何でこんな目に合うんだよ!?」「……それが時代の流れってやつさ。誰が悪いわけじゃない。無論、俺を捕まえた警察官もな。」

 

「おそらく俺たちはこの先色々堅苦しい思いを何度もすることになるだろう。だが、そこでだれかを恨んじゃいけない。どんなに馬鹿にされ冷遇されてもおっぱいが好きならそれを乗り越えられる。そうだろ?」

 

「ああ、おっちゃん!おっぱいでどんな苦労も辛くないよ!」

 

「俺は安心したんだよ。君は立派な男になった。俺を意思を受け継いだ者がいる。だから俺はどんな目に合っても安心していける。」

 

おっちゃん、そこまで俺の事を!!感動できょう何度目か分からない涙が流れる!!

 

「じゃあな、坊や。また必ず会えるさ。 その時にはうまくおっぱい吸えるようにおっぱいプリン上手にすえるようになっているところ見せてくれよ。」

 

「うん!絶対うまく吸えるようになるから!おっちゃん~!!!またな~!!!」と大声で叫びながら自転車で去っていくおっちゃんの背中をいつまでも見送り続けた。

 

……数分後激怒している歌織ちゃんの姿を見てそんな感傷に浸っている場合じゃなくなったのは別の話。

 

 

 

 

 

 




このおじさんもおそらく今後登場しないと思いますが後に重要ポジションになったら笑えます。

原作の後書きで出会わなかったら一誠がどうなっていただろうかとありますがあの家系ですとおそらく多少目覚める時期が遅くなる程度で大差はないと思っています。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第三章 月光校庭のエクスカリバー編 外伝2

今回原作は8巻収録しているテニスのおっぱい様です。


夏の香りが漂い爽やかな空気の中正に青春という感じでテニス部の女子が汗を流している。いつ見ても女子のテニスウェアは素晴らしい!

 

フェンスの向こうで生足、太ももを惜しげもなく披露するミニスカート!い~や~眼福、眼福!!

 

と俺兵藤一誠がフェンスから興奮してみていると「いや~!!野獣の兵藤よ!こっち見ないで!」とテニス部女子から猛抗議を受ける!!

 

「う、うるさい!減るもんじゃないだろうが!」

 

「あんたに見られると大切な何かが減るのよ!!見たければ木場君連れてきなさい!!」

 

「駄目!最近太ったからこんな姿木場君に見せられない!」何、木場が一緒ならいいのか!?そんなにイケメンがいいのか!?木場お願いします!一緒に来てください!お前がいれば見放題なんだ!!

 

そう思っていると後頭部に強い衝撃を受ける!?痛みに耐えながら顔を上げるとおそらく肘打ちしたと思わせる体勢をしたままで俺の義弟中島剣吾(なかじまけんご)がいた。

 

その表情は何かに怯えているような焦りの感情を隠せずにいた。

 

「やっとみつけた!!水泳部の方かと思ったら当てが外れた。……まったくお前は本気で捕まるぞ!」

 

「俺は別に何も」「黙れ!ただでさえ覗きの前科がある奴が見ていたら誰だって嫌がるわ!!大人しくしろって言ったろうが!!お前だけなら良いがこっちも連帯責任にされているだから!こんなの知られたら……!」

 

「……一誠さん!!」と第三者の声が聞こえた瞬間剣吾の顔色が青白くなった。

 

おそれく俺も同じだろう。「キャー!伊藤さん!!」「伊藤さん!!ありがとう!!邪悪な兵藤を浄化して!!」とテニス部から盛大な歓声が沸いた!

 

プレッシャーが感じる方向に顔を向けるとそこには伊藤歌織(いとうかおり)こと歌織ちゃんがこちらに向かってくる姿を見た。

 

思わず逃げようとする俺を剣吾が捕まえる。「離せ!お前も説教される駄ぞ!!」「逃げたら余計に怒られるだろう!!」としばらく喧嘩していると

 

「一誠さん!!あなたと言う人は毎度毎度!いいですか、あなたの行いは……」

 

とここから説教が始まった。ここからしばし続いた後剣吾にも

 

「剣吾さん、貴方がしっかりしないから……」

 

「無茶言わないでください!飼い主の責任と言っても限度があります!できるならとっくにしています!」と抗議も空しく一緒に説教される。

 

歌織ちゃんが転校して家も俺の家に居候してからそれまでの生活が一変した。

 

まず、部長やアーシアと一緒のベッドに寝ることを許さない!過剰なスキンシップも禁止!

 

流石にエロ本とかは自分の部屋にあるものには手を出さなかったが学校に持ってきたら容赦なく没収された!半ば公認だった松田君のエロ本コレクションを職員室に持っていかれるのは流石に彼も堪えた様だ。

 

そのほかにも覗きや盗撮など察すればどこからともなく現れ制裁していく。そのことで多くの女子を始めとした生徒、教師共に支持されている。

 

まあ、勝手に作成されていた俺と木場のBL本も取り締まったり、不純異性交遊を妨害しているのでそのあたりから不満があるものの本人の人柄と美貌から反抗するものはいなかった。

 

生徒会長なんかは彼女が来て本当に良かったと涙を流して感謝しているらしい。すでに新たなアイドルとしての地位を築いており、俺に厳しいところを含めると今この学園で一番人気なのかもしれない。

 

俺の両親も愚息を更生できる最後のチャンスと感謝している。……時折孫を見るのが遅くなったな。なんて少し残念そうにいうのはなぜだろう?

 

そして剣吾も監督責任ということで叱られている。それが嫌で俺の締め付けを強化し始めた。

 

歌織ちゃんは剣吾のゴジラが暴走しないか監視の為に来たんだが今では俺の素行を正す為にきたんじゃないかと思うほどだ。

 

ちなみに剣吾と歌織ちゃんの関係は完全に歌織ちゃんが上で剣吾は完全に屈服している状態。

 

漸く説教を終え部室に向かうが俺も剣吾も疲労困憊という感じで弱り切っていた。

 

今までなら部長のおっぱいで癒されたのに今では怒られるからできない……。ああ、何て辛いんだろう。

 

 

そんな俺を余所に部長が「すっかり忘れてたわ。悪魔としての活動報告書の提出期限もうすぐだったわ。最近色々トラブル続きで完全に頭から抜け落ちていたわ。」と困り顔でいう。

 

何のことかさっぱり分からないという俺を含めたオカルト部新米にむけて木場がフォローする。

 

「本来純血の貴族である部長は冥界の名門校に通わないといけないんだ。部長を始め人間界に特別入学する者は本来取得しないといけない悪魔学校の単位を取る。」

 

「それができなければ強制帰国する羽目になるんだ。」

 

「部長の場合、主に日本に住む妖怪を研究することで単位を得ていました。私たち眷属の自由がある程度保証しているのもこのためなんですよ。」と朱乃さんがお茶を入れながら補足してくれる。

 

なるほどね。だからその活動をするためにオカルト部が作られたわけか。

 

「でも、困ったわね。去年までこの近くに住んでいた河童を調べていたんだけどもう実家に帰ったのよね。」か、河童!?河童なんているのか?

 

「……皿が乾くような都会の光、伝えきれない俺の怒り、おまえの尻子玉ぬいてみたり」おおう!いつも無口な子猫ちゃんが突然ラップってるよ。

 

……彼はサラマンダー・富田。実家は昔ながらの妖怪式農法を続けるキュウリ農家だが、家業を継ぐことを嫌って家出しラッパーを目指していました。

 

……ですが、彼のお父様が皿縮小病という病気に罹って倒れてしまい家業を継ぐため田舎に戻りました。私の憧れにして大切なお友達です……。

 

……離れてもずっと友達ですから……。」と子猫ちゃんが半分涙目になりながら語ってくれた。

 

よ、よくわからないが大切な人だったらしいな。うん?人なのか?

 

聞きなれない言葉がいくらでもあるが一々突っ込んだら話が進まないからスルーしよう。

 

「となると四丁目の古ぼけたお屋敷に住み着いた噂好きのデュラハンかしら?」

 

「残念ですがそのデュラハンは重度の頸椎ヘルニアで入院しているそうです。」

 

「そう、大変ね。」……デュラハンって何?

 

「デュラハンなら退治したことがある。ヨーロッパを拠点にする死を予言する魔物だ。」とゼノヴィアが口を挟む。「最大の特徴はその姿で……」

 

と言いながら魔物図鑑(名前を呼ぶと勝手にそのページを開いてくれる)のイラストを見せながら説明してくれた。

 

そこには……「このように首が無い騎士をしたのが基本で頭は大体手に持っているな。後馬に乗っているのが多いな。」そう、首が無い騎士が描かれていた……。

 

「首ないのに何でヘルニアになるだ!?」「さあな、デュラハンに聞いてくれ。」と俺の突っ込みを軽くスルーされた。

 

「じゃあ、テニス部に行きましょう。」え、テニス部?その言葉に俺と剣吾は先ほどの説教を思い出し気が重くなった。

 

それに構わず部長が続ける。「テニス部部長は魔獣使いの家系なのよ。」

 

 

さて、テニス部に来たが女子からのブーイングがすごい。くそ、こんなことなら別の日に覗くべきだった!

 

そんな時馬の蹄の音が聞こえる。すると剣吾が「……まさか、堀井さん?」っとうんざりするという表情をした。

 

堀井さんとは西洋の甲冑を着こむのが趣味の大学生。彼女に同じ学年の留学生で戦国甲冑を着こむのが趣味のスーザンさんがいる。

 

・・・今町で夜中に彷徨う悪霊情報は大体この二人のものでその後始末をしばしば俺と剣吾が任されるからちょっと苦手意識があるのかもしれない。

 

……初めて会った時ストーカーと間違われ襲われたのを引きずっているのかも知れないのもあるかもしれないが。

 

まず見えたのは巨大な黒い馬。やはり堀井か?と思ったが騎乗しているのは栗毛を正にテニス部という感じのロールが似合う美少女!

 

彼女の名前は安倍清芽!テニス部部長の三年生だ!だが、いつもは視姦するように見つめているのだが俺の視線はその後ろに注目していた。

 

だ、だって首のない甲冑死体が騎乗している……!?いや、もしかしてこれがデュラハンと言うやつなのか?どうでもいいがこの馬堀井のに似ているっと思ったがこっちの方がやばい雰囲気がする。

 

「うふふ、いい馬でしょう?この町に住むデュラハンのスミス氏の愛馬ですわ。入院中に彼の胴体共々預かることになったのですわ。」

 

魔物の馬かよ!?道理でやばい気配がしたと思ったら。

 

「ごきげんよう、リアスさん!珍しいわね、私のところに来るなんて。」

 

「そんなこと魔物を連れてきていいんですか?」「心配ないわ。本田君はわがテニス部の名マスコットよ。生徒会長からも許可を得ているわ。」

 

と剣吾のツッコミに返す安倍先輩。マスコット?首が無い奴がマスコット?ってか名前本田なの!?

 

実際確かに今もテニス部から本田への黄色い歓声と俺へのブーイングが同じぐらい聞こえてくる……。

 

何故だ!?首が無いこいつより俺の方がプリティーだろ!?

 

咄嗟に剣吾を見ると

 

「まあ、一言でいえば日ごろの行いという奴だね。人の嫌がることをしない。これだけでも印象がだいぶ変わるよ。」

 

「うるせー!!正論言うじゃねー!!」

 

そんな俺たちのやり取りを無視して部長と安倍先輩の交渉が始まっている。

 

「悪いけど安倍清芽さん。魔物使いとしてインタビューをお願いしたいの。使役している妖怪や魔物についていくつか紹介してくれると嬉しいわ。」

 

「嫌ですわ!特殊な環境で育った私をこの学園に入れてくれたのは感謝しているけどそれとこれとは話は別ですわ。貴方や会長とは一定距離をもって接したいわ。

 

だってそうでしょう?悪魔と取引なんて下手したら魂を代価になんてことになりかねないし!」

 

このやり取りに伊藤さんが僕たちに説明する。

 

「イッセーさん達は悪魔に転生したからいいかもしれませんが基本的に悪魔と契約するなんて怖いと感じる人間の方が圧倒的に多数ですよ。

 

もちろんあなた方の依頼主のように正しい知識を持った者もいますが超常の世界を知っている彼女でさえ、いや、知っているからこそ悪魔を過剰に恐れる者も多いです

 

まあ、この辺りは基本文献のみで実際に触れ合う機会がない弊害と言えますね。……それにこのイメージが全く根拠のない出鱈目という訳でもありませんし。」

 

すると安倍先輩が俺たちの方に目を向けた。

 

「……もしかして、あなた、今業界で噂の『赤い龍(ウェルシュ・ドラゴン』こと赤龍帝?)」次に剣吾を見て

 

「それに義弟の彼と伊藤さんは謎の神器(セイクリッド・ギア)を宿しているとか?」と俺たちに質問しまくる。……何か、危ないコレクターを目をしている……?身の危険を感じる。

 

「そうですわ。こうしましょう。私と使役している魔物とオカルト部でテニス対決をして勝った方が言うことを聞く。」

 

「リアスさんが勝ちましたらそちらの望み通り活動報告書のために何でも協力しますわ。」

 

「へえ、面白そうね。私もテニス得意だし文句はないわ。そっちが勝ったら」

 

「そちらの赤龍帝及び義弟君をしばらく貸してくださいませ。」「ダメよ」

 

「剣吾さんはダメですがイッセーさんなら構いませんよ。」と伊藤さんが口を挟む。

 

「ちょっと歌織!」「もう他を探す時間がありません。嫌なら勝つだけですよ。流石にこのままだと悪いので私も協力しますよ。テニスはそこそこできますので。」

 

「では今度の休日に決戦と言うことでいいですね?」「オホホホホ!商談成立ですわ!赤龍帝だけでも十分ですわ!しかし、貴方が相手になると流石にこっちも本気で挑まないとまずそうね。」

 

「では勝負ですわ!お互いいい試合をしましょう。勝っても負けても恨みっこなしですわよ!では、早速特訓しに行きますわ!!」と言うと馬に乗ってどこかに去っていく。

 

「歌織!何であんなことを」「もし、貴方が冥界に戻ったら眷属も冥界に行きます。そうなると剣吾さんをどうするか色々面倒になるので何とか合格してもらわないと。」

 

「最悪そちらの学校に要請しますがこれはあくまで最後の手段。あまり特別扱いはよろしくないですからね。」「だからって」

 

「まあまあ、リアス。伊藤さんを味方につけたのだからいいじゃないですか。彼女は貴方や会長より上手いんだから。」

 

「それは誤解を招きますわね。どっちが勝ってもおかしくない試合でまだ一度しか戦っていないので逆転されている可能性は十分にありえます。」と朱乃さんに応える歌織ちゃん。

 

え、勝ったの?部長に!?「じゃあ、こっちも帰って特訓よ!行くわよ!皆!」

 

と部長の号令と共にその日からテニスの特訓が始まった。

 

それから数日後いよいよ決戦の日!安倍先輩が使い魔を連れて不適な笑みを浮かべつつ俺達を迎え入れてくれた。「ウフフ。逃げずに来たことは褒めて差し上げてよ。」

 

ああ、辛かった。部長と伊藤さんの猛特訓で俺も剣吾もボロボロになっていた。特に女子のテニスウェア姿で回復した俺と違い剣吾は不器用なこともあり相当苦労していた。

 

「今日は勝たせてもらうわ!」と部長が宣言し安倍先輩と火花を散らす!

 

「アーちゃんぐらいか、心配してくれるのは!?もう少しこっちに興味向けたらどう!?」と安倍先輩の魔物に襲われている剣吾の事を無視してテニス対決が始まる!

 

良かったな、剣吾!テニスやんなくて済むからしばらく遊んでいろ!

 

……断じて最近俺に厳しいからいい気味だなんて思っていないよ。絶対。間違いなく。

 

で試合はシングル2試合、ダブルス一試合。部長と安倍先輩は出るのが確定している。

 

で組み合わせだが部長とゼノヴィアがシングルに選ばれた。さらに伊藤さんが選ばれた。頼む!彼女俺の事をよく思ってなさそうだし、何とか別の人が当たってくれ!

 

「歌織のパートナーはイッセーみたいね。頑張って!」「よろしくお願いします、イッセーさん!」

 

「うわあああ!マジか!」笑顔が素敵な歌織ちゃんだけどただでさえ足を引っ張るの確定なのに歌織ちゃんとは今のメンバーで一番相性が悪い。

 

まあ、これは9割俺が悪いのだが、これは覚悟を決めないと背中に冷たいものが走りつつ顔面蒼白させながら気合を入れる。……断じてめったに見れない歌織ちゃんの露出の少ないテニスウェア姿に興奮しているからじゃないよ。信じてほしい。

 

最初の試合、部長の相手はハーピーだった。

 

ハーピーというのは女性だけしかいない種族らしく見た目は7割人間だが、両腕が翼で足には鳥の爪が生えている。

 

ウンディーネと違って見た目も可愛いしこの子は胸も大きいから是非とも仲良くしてほしい。こんなかわいい子もいるから魔物界も広いなあ。

 

……やっぱり使い魔はああいう子がいいな……。ほぼ人間だから普通に付き合える!

 

すると部長から驚くべきことを聞いた。「彼女たちハーピーは女性しかいない種族だから他種族主に人間と交際することが多いみたいよ?」な、何だって?何て素敵な情報なんだ!!

 

「ちなみに空を飛べない代わりにダチョウの様に走る陸上種や夜目が利くフクロウ種などの亜種もいるみたいよ。今回相手するのは多分スタンダードタイプね。」と部長が説明する。

 

へえ、そうなんだ。何か楽しみだなあ。「よろしくお願いしま~す。」と部長と挨拶して試合開始。

 

羽根を手みたいにラケットを持っているハーピーちゃん。俺は部長を応援しつつも心の中で「ハーピーちゃんも頑張って」と浮気性な本音で叫んでいた。

 

そう思っていると部長が試合が勝つ。流石です、部長!

 

よし、これで俺たちの一勝!次勝てば俺が出なくて済む!

 

「さて、次は私の出番だな。」とゼノヴィアがラケットをくるくる回しながらコートに足を向ける。テニスはやったことあまりないといっても運動神経は抜群だからいけるはず。

 

「お相手お願いします。」と出てきたのはラミアのお姉さん。ラミアは上半身が人間の女性、腰から下は蛇という種族。で、彼女たちもハーピー同様女性しかいない種族らしい。

 

下半身蛇だけど人魚みたいでいいな。奇麗な子が多いらしくこの相当の美少女!

 

ふ、太ももが無いのは残念だがおっぱいが大きい。俺はそれだけで戦える!

 

夢が膨らみ妄想する俺に本田がスイカを振舞ってくれる。

 

身軽なゼノヴィアの方に対し動きづらそうなラミアちゃんなら勝てるだろうと思っていたが。

 

蛇の体を利用して体を伸ばすだけでコート内を占有できるんだ!しかも蛇の為か粘り強く長期戦に強いタイプだった。長期戦の末ゼノヴィアは負けてしまった。

 

まずい!これ責任重大じゃないか!ただでさえ歌織ちゃんとは相性そんなに良くないのにと俺は内心焦った。そしてこんな時にあのバカはまだじゃれてやがる!肝心な時に役に立たない奴だ!

 

「それではいよいよ私の出番ですわね。伊藤さん、リベンジさせてもらいますわよ。パートナーは・・・雪女ですわ!おいでなさい、私の可愛い雪女、クリスティ!」と安倍先輩が叫ぶ!

 

マジか!雪女!雪山で遭難して運命的な出会いをし後に人間に化けて嫁として暮らす妖艶な美女妖怪の雪女ですよね!?名前からすると日本ではなく海外かな?

 

ハーピー、ラミアが可愛いこともあって期待していると歌織ちゃんがちょっと視線を外しつつも「・・・多分想像しているのとはだいぶ異なると思いますよ・・・。覚悟した方がいいですよ。」と警告ともとれる発言をする。

 

な、何ですか?その不安しか感じさせない発言は!?すると何やら奇声が聞こえてきた。

 

「ホキョオオオオオ!」巨躯の白いゴリラがぶっと両腕で分厚い胸板を叩く、俗にいうドラミングをして現れる!ま、まさか!?

 

「紹介しますわ!この子が私のパートナー雪女ことイエティ(メス)のクリスティよ」

 

「クリスティイィイィィイイイイ!?」そのあんまりな外見と似合わない透き通った名前に歌織ちゃんから警告されていたのに目玉が飛び出る程驚いた!

 

 

えええええええええ!雪女!おい、妖艶な美女はどこに行った!!?こんなの雪山であってどうやってラブロマンスが産まれるんだ!!?頭のリボンぐらいで許されないレベルだぞ!

……

ただの白いゴリラじゃないか!「……分かりますよ。私も最初に雪女を見た時幻想が崩れてショックが大きかったです…………。」と歌織ちゃんもいつになく優しく俺の背中をさすってくれる。

 

「まあ、イエティの女性と考えると可笑しくないのかもしれませんよ?」

 

「そんなこと言ったって歌織ちゃん!これが雪女!?嫌だ、嫌だ!!嘘だって言ってくれー!!」と泣き叫ぶ!!ウェンディーヌの悲劇を思い出しつつ歌織ちゃんの胸で泣きじゃくる!!

 

「ふざけないで!さっきから黙って聞いていたら失礼なことばかり言って!クリスティは立派な雪女ですわ!この子のお母さんは登山家を始め多くの人間を自分の山から追い出し守り通したそれはそれは立派な雪女ですのよ!」

 

「そりゃあ、逃げますよ!こんなの来たら逃げるわ!あんた、雪山で白いゴリラにあったらどうする?有効に使えそうなバナナが釘打てるぐらいカチンコチンで約に立たないんだぞ!逃げるしかないぞ!」

 

ナックルウォーキング、ゴリラ特有の拳を地面につけて動く歩行をしてきてウホウホ言っているし。

 

「一誠さん!!ゆきおん……イエティの冷凍ブレスは直撃すると氷の像になる程強力なので注意してください!」

 

「歌織ちゃん!?本当にアレ、雪女ですか?あの美女姿はどこにいったんですか?」

 

「事実は小説より奇なりってことですよ。夢と現実は違うってことですよ。」

 

「嫌だー!!俺はエッチな雪女が好きなんだ!!こんな白いゴリラただの怪獣じゃないか!冷凍怪獣ゴリスティじゃないか!」

 

そんな俺をあざ笑うクリスティ否ゴリスティ!それを見た瞬間俺の中で何かが切れたのが確かに聞こえた。

 

怒りでやる気がメラメラと燃え上がる!「歌織ちゃん!絶対あんなゴリラに負けたら人間の恥だ!絶対勝つぞ!」と叫ぶ!俺の勢いに押されつつも「は、はい」とやや俺に押されながらも応える歌織ちゃん。

 

「頑張ってください、一誠さん!」「恰好いいところを見せてください!」「それでこそ私の眷属よ。イッセー。」とアーシア、朱乃さん、部長始めオカルト部女子の声援を聞きゴリラへの怒りも合わさり体に熱いものが体の中に流れていく。

 

テニスには全く自信がないがやるしかねえ。あのゴリラに負けたら人として終わりだ。

 

するとゴリスティが巨大な武器を素振りする。「なんだその鈍器は!?」

 

「よく見てくださいな、ラケットですわよ。」「あ、本当だ……じゃねえよ!何あのサイズ!?漫画の巨大武器のサイズじゃん!」

 

「気持ちは分かりますがつっこんでいると先に進まないので試合を始めましょう。」と俺と安倍先輩の言い合いに歌織ちゃんは口を挟み試合が開始される。

 

で内容だが安倍先輩と歌織ちゃんのレベルが高すぎてここまで事実上シングルの試合で互角の試合展開だった。だが、ゴリスティの方にボールが行くと安倍先輩が叫ぶ!

 

「クリスティ!先程から失礼なことばかり言うオカルト部に見せて差し上げなさい!あなたの力を!」

 

「ウホ!」その言葉を理解したのか不明だが眼光鋭く身構えるとドカン!とボールを打ち返すラケットとは思えない爆音がコート中に鳴り響いた!

 

炸裂音が後方から聞こえ……恐る恐る後ろへ振り向くと巨大なクレーターがあった!?

 

な、なにこれ!?こ、コートが破壊されている?今の一撃でこうなったのは分かる!こんなの打ち返すどころか命の危機を感じるレベルだが?

 

「イッセー君気を付けて!今のでボールがはじけ飛んだよ!」と木場が優れた動体視力で教えてくれた。

 

マジか!こんなので死んでたまるか!正直おっかなかったが幻想を壊された怒りを闘志に変えてラリーに参加する!「ジャングルに帰れ!このゴリラめ!」「違うわ!クリスティの故郷は日本アルプスですわよ!」

 

「日本産でクリスティ!?いつから日本アルプスは外国になったんだ!?」とツッコミをいれれるまでラリーできるようになっていた。

 

このままいけると感じていた時だった。ゴリスティが口を大きく開けた。

 

「一誠さん!!気を付けてください!冷凍ブレスが来ます!」と歌織ちゃんが警告する。そしてその通りゴリスティの口から吹雪を放つ!

 

寒いと凍えていると俺のラケットが氷漬けに!?幸い俺自身は凍結も凍傷もないが恐ろしい化け物め!

 

寒さで動きが鈍りどんどん点が取られていく。「冷凍ブレスなんて反則ですよ!」

 

「オホホホ!ルールで反則とは書かれていませんわよ?これで私たちの勝ちですわね!」と口元に手を当てて高笑いし勝利を確信する安倍先輩!

 

このまま安倍先輩の玩具になるのか?……それはそれでいいかもしれないがこのゴリラに負けたら男として否、人としての尊厳を失う気がする。それだけは認めるわけにはいかない!

 

そんな苦戦している俺に本田が近寄り自身の鎧を分解し俺に着るように合図する!

 

「本田?いいのか?お前敵チームなのに?」『雪女がイエティのメスというのは拙者も憤慨している!着ろ!奴を葬るぞ!』

 

本田~!!分かるぞ!ハーピー、ラミアときて雪女がイエティなんて絶対許しちゃいけないんだ!あんな怪物は!

 

「待ってください!今私が禁手(バランスブレイク)します。デュラハンの鎧は呪いがかかっています!」

 

「ここは私に任せてください!」「気持ちはありがたいがここは俺たちにやらせてくれ!」

 

「何故です!幻想壊されてショックなのは分かりますがそれで体を壊しては元も子もありませんよ?」

 

「それもあるが何より歌織ちゃんと折角ダブルス組んだんだ。これから一緒に行動していくからそのスタートとして始めたいんだ。普段情けない姿ばっかり見せているから偶には良いところを見せたいんだ。」

 

その言葉に歌織ちゃんは驚いた表情をすると本田に言う。

 

「行くぞ!本田!俺たちはただのテニス下手の悪魔と首のない中途半端なマスコット騎士だが!」

 

『ああ、拙者たちが組めば勝機は生まれる!』と書く本田!「そうだ!いくぞ!」俺は本田を着込み戦場にたった。鎧の中は夏場の為かくそ熱いがそんなのどうでもいい!

 

「首の生えたドラゴン騎士!燃えるものがある!」「……カッコいいような悪いような」ゼノヴィアが俺の姿に燃え、子猫ちゃんは首を傾げていた。

 

「首があるデュラハンの力、冷凍ゴリラにたっぷり教えてやる!!」といい戦場に歩を進める。

 

俺と本田のゴリラへの怒りは想像以上の力を発揮しさらに歌織ちゃんとの息が合った連携で辛うじて安倍先輩に勝てた!

 

「私たちの負けですわ!約束通りインタビューにお答えします。」と安倍先輩が呟いた。

 

勝てたのは良いんだが「本田!脱げないってどうゆうことだ!」

 

「だから言ったじゃないですか?呪いがかかっているって。……しょうがないですね。」と歌織ちゃんが何やら聖なるオーラを放つと鎧が脱げた?

 

「モスラの力で呪いを解除しました。よく頑張りましたね。」とまるで天使の様な笑顔でほほ笑んでくれる。思わず見とれていると「イッセーいつまで見とれているの!?」と部長に耳を引っ張られた!

 

「……剣吾さんはどうしたんでしたっけ?」とアーシアが聞いてきて魔物に襲われた、遊んでいる場所に戻ってみると現在進行形で未だに襲われていた。

 

否、あの様子だともう完全に玩具にされているな。因みに剣吾がここまでされて抵抗しないのは傷つけたら治療費請求しますわよ。と脅されたからである。

 

この状態でも服以外は多少ボロボロで済むんだから本当に頑丈になったな。

 

「……君たち、僕だったら何しても許すと思っているなら大間違いだよ?」と感情が感じない声で言う。

 

変に静かなのがやばさを感じる。だがクリスティに気づくとこう言った。

 

「白いゴリラ?アルビノですか?いやもしかして雪男!?イエティですか!?へえ、初めて見た!」とちょっと興奮気味に尋ねる。

 

それに対し「確かにイエティですが雪男では無くて雪女ですわ。」と安倍先輩が訂正する。

 

「まあ、イエティにも雄雌ありますよね。」「剣吾さん、あれが一般的な雪女ですのよ。」

 

「……ウェンディーヌの悲劇の再来ですか……。昔の人はこうゆうのがタイプだったのか?僕には高度過ぎて理解できないな。」と剣吾もショックを受けているようで歌織ちゃんに返す。

 

すると怒ったゴリスティにぶっ飛ばされる!

 

 

後日無事報告書を完遂しそのお祝いで皆でカラオケに来た。

 

歌織ちゃんの歌は別格で正に天使の歌声だった。皆絶賛している中一向に歌おうとしない剣吾にマイクを向けた。

 

「……ぼくのは笑えないレベルの音痴なので遠慮したいのですが。」「いいじゃないですか。歌は心ですよ。」

 

そのやり取りに俺も悪乗りして「そうだ、歌え。思いっきり笑ってやるから!」というと他のメンバーも拍手し始めもう引っ込みが聞かなかった。

 

剣吾はしぶしぶマイクを受け取ると曲を選び歌い始める。

 

 

……それが最後の記憶だった。何故か全員記憶が飛んでいる……。

 

目を覚ますと時間だからと剣吾が目を合わせずに半ば強引にカラオケから連れ出した。

 

後日俺たちが行った日そのカラオケ店で天使と悪魔の歌声が聞こえるカラオケ店という都市伝説が囁かれるようになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ラミアとハーピーは個人的に好きなモンスター娘のいる日常の設定を一部取り入れています。

最期のは剣吾君のレベルが上がったということです。何のレベルかは察してください。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

ハイスクールDXD 巨獣の目覚め 第四章 停止教室のヴァンパイア編
第四章 停止教室のヴァンパイア編 1


前話去年のうちにできなかったので今回は間に合わせたいです。

だがポケモン新作でそっちに夢中になりそうなので今後遅くなるかも。

何とか月一を目指します。


「コラー!!」この怒声が朝の目覚ましになるのに慣れてきたなあと目をこすりながら目を覚ます僕中島剣吾(なかじまけんご)。

 

部屋をでてリビングに降りるとアーシアことアーちゃん、リアス先輩、そして義兄のイッセーが伊藤歌織(いとうかおり)さんに正座させられていた。

 

「……今度は何したんですか。」「三人で裸でお風呂で洗いっこなんて破廉恥なこと私の目が黒いうちはゆるしませんよ!」

 

「うわあ、羨ましい!」「ちょっと、剣吾さん!」「僕も一応オスだからね。性欲ぐらいはあるさ。」

 

「まあ、今の君たちにはまだそのステージは早すぎるよ。」

 

「何目線だ!お前!!」「……どうせ、手出せなかったでしょ?ビビッて。多分伊藤さんが邪魔しなくてもできなかっただろうね。」

 

「そ、そんなわけないだろう!」「声色変だよ?」

 

「そうゆう問題じゃありません!まだ学生の皆さんがそんな不純交際……」とここからは伊藤さんのお説教タイムが始まった。

 

伊藤さんは僕を監視するためにこの家に住んでいるのだが男女関係に厳しくそれまで一誠とアーちゃん、リアス先輩が一緒に寝ていたのを禁止したのを始め様々な過激なスキンシップを軒並み禁止された。

 

この姿勢は両親からバカ息子更生の最後のチャンスと感謝しているが同時に孫の顔を見るのが遅くなりそうと少し残念がっている。

 

そして、どうやら伊藤さんは僕の相手になるんじゃないかと期待しているがハードルは一誠の時より格段に高いんだよなあ。ただでさえ、モグラと女神ぐらい差があるのに。

 

こんな風な感じで隠れてスキンシップしようとしてもどこからか察知してあっという間に見つかりお説教になる。一度リアス先輩が怒り抗議として対戦したが結果はボロ負け。

 

実力で完全に負けているので誰も逆らうことができない。

 

こんなことを毎日飽きもせず繰り返していた。最近、学校に行くのに僕だけ少し早く登校している。

 

その理由はこっちも飛び火するからだけではなく……「今日はこれで全部かな?」とドラマの銀行強盗のような恰好をした怪しい集団を叩きのめしながら登校する。

 

伊藤さんが転校してからなぜか僕が何故の集団に襲われるようになった。どうやら僕一人の時に倣っているらしく複数でいると襲ってこない。

 

最初は気にしなかったがどうも家までついてきている気配を感じ、最初に一人捕まえた時狙いは僕だと聞き他人を巻き込まないなら襲っていいというルールにし今に至る。

 

ちなみに何故そうしたのか言えば単純な話、空気穴は必要だと思った。それ以上の理由はない。

 

万が一母さん、父さん達に危害が加わったら大変だし。

 

しかし、こいつら一体誰なんだろう?最初ゴジラ関係かなあと思ったがどうやら超常の世界とは関係なさそうだ。

 

……僕は一誠と違って人に恨まれることをした覚えは無いはずだが……?っと疑問に思いつつ登校する。

 

そんな日々が日課になりつつあったある日事態は急展開を迎えた。

 

最近一誠のお得様に外国人がいるらしい。らしいというのは僕外国語弱いから一回もあったことないんだよね。

 

向こうは会いたかったそうだがタイミングが合わず顔を合わせることができなかった。

 

そして昨夜彼は正体を明かしたらしい。なんとその正体は堕天使の頭であるアザゼル!

 

神の子を見張る者(グリゴリ)の総督!幸い特に何をする訳でもなくこうして無事だから良かったと思うがリアス部長はそう思わなかったらしい。

 

「冗談じゃないわ!確かに、近々この町で三大勢力のトップ会談が行われるわ。」

 

「でも、だからと言って堕天使の総督がなんの断りもなしに私の縄張りに無断侵入した挙句に正々堂々と営業妨害をしてたなんて!」と全身を怒りでぶるぶると震えていた。

 

コカビエルの件で三勢力が会談することが決定している。その前に素性と気配を隠し契約者を装いイッセーに接触していた。まあ、営業妨害といえばそうなるか。

 

だが、相手は組織のトップ。何か狙いがあるのかそれともただのイタズラか?どっちもありえそうだなあ。ただ、レベルが違いすぎるからとりあえずすぐ殺すとかはないだろう。

 

そのつもりなら一瞬で僕たちを消せるだろうし。そういえば……

 

「伊藤さんはそのアザゼルっていう堕天使のボス知っているでしょ?どんな奴?」

 

彼女は三大勢力全てと交流があるはずだから分かるはずだ。

 

「そうですね……現状、貴方方が不安に思うことはないと思います。悪戯好きなひとですから。単純に神器(セイクリッド・ギア)や巨獣器(タイタンギア)について調べたかっただけだと思いますよ。」

 

「ってことは俺の神器をねらっているですかね?」とイッセーが不安そうに言う。

 

「確かにアザゼルは神器に対する造詣が深いとは聞くね。そして、有能な神器所有者を集めているとも聞く。おそらく巨獣器にも興味があると思うよ。」

 

「でも、大丈夫だよ。僕が剣吾君それにイッセーくんを守るからね。」と木場君が言う。その気持ちはありがたいがもう少し言い方というか表情をどうにかしてほしい。

 

「……気持ちはありがたいけど、そんな風に言われてもねえ……。僕たちが女か男色家なら効果あったかもしれないけどごめんね、君には友情はあるけど性欲の対象として見れないから友達でいよう。」と僕は淡々という。

 

こうゆうことは早めに対処しないと困る。

 

一誠はよく言ったという表情をしつつ「そうだ!ぶっちゃけ男に言われても嬉しくない!」と応える。

 

「まあ、そう言わないで!君達は僕を助けてくれた。大きなリスクを背負ってまで助けてくれた、僕の大切な仲間だ。その仲間の危機を救えないで、グレモリー眷属の『騎士』(ナイト)は名乗れない。」

 

それは分かるけど。その口調どう考えても男同士で使うものではないな……。こっちの気持ちを察してくれずに木場君が言う。

 

「問題ないよ。僕と君達ならきっと、どんな困難でも乗り越えられる。特にイッセー君と付き合っていると以前と心構えまで変わった気がするよ。」

 

「少し前までこんなことを言わないんだけど。けれど、それが不思議と嫌じゃないのはなぜだろう。何故か胸のあたりが熱いんだ……。」

 

「やめてくれ!お前、キモイぞ!触れるな!いや、近づくな!」と一誠は涙を流しつつ叫ぶ!それに対し木場君はまるで乙女の様なリアクションをする。

 

そんなんだからBLネタが盛り上がるんだよ。僕もどう思われているだが内心不安になる……。まあ、最近は伊藤さんのおかげでBLネタも盛り上がりにくいらしい。

 

そう考えると彼女の存在は一誠にとってマイナスばかりではないな。

 

まあ、こんなどうでもいいことはさておき本題に戻るとしよう。

 

「しかし、どうしたものかしら……。堕天使側の動きが見えない以上、迂闊に動くことはできないわ。しかも相手は堕天使の総督。下手な手は打てないし……。歌織、貴方はどう思う?」

 

今会談するときに過剰に反応にして悪化させたらこっちが不利になる。リアス部長のこの辺りかなり厳しい。そこでまず伊藤さんに意見を求めたのだろう。

 

「それなら私より後ろにいるサーゼクスさんに聞いた方がいいですね。どう思いますか?」

 

「アザゼルは昔からああいう男だよ、リアス。」と伊藤さんの言葉と共に僕たちの背後からいつの間にかリアス部長の兄現魔王『サーゼクス・ルシファー』さんがいた。

 

「お、お、お、お兄様!?」とリアス部長は驚き慌てて立ち上がる。その瞬間まだ新入りのゼノヴィアさん以外のグレモリー眷属も慌てて跪く。僕と伊藤さんも頭を下げる。

 

「アザゼルは先日のコカビエルのような早まったことはしないよ。今回みたいな悪戯はするけどね。しかし、総督殿は意外と早い来日だったな。」

 

その背後には主人の紅髪に対するように彼の『女王』(クイーン)である銀髪のメイド、グレイフィアさんが控えている。

 

グレイフィアさんあの見た目でかなり強いんだよな。流石ルシファーの側近!披露宴の後部長から教えてもらった。何でも女性魔の中でもトップクラスで最強の『女王』と呼ばれるほどらしい。

 

……ライザーさんと喧嘩したときすぐ従って良かった。じゃなかったら余裕で死んでいたな……。

 

「そんなにかしこまらないでくつろいでくれたまえ。今日はプライベートで来ているのだから。」と言うので全員、それに従い立ち上がった。

 

「『モスラ』の巫女伊藤歌織さん。貴方の働きは全勢力が感謝しています。改めてお礼させてください。今回の会談貴方の存在が少なからず影響がありましたから。」

 

とサーゼクスが頭を下げ礼を言う。これにオカルト部はもちろん、グレイフィアさんも驚く。

 

「サ、サーゼクス……様!仮にも魔王がそう簡単に頭を……」「構わないよ。彼女たちは長年勢力同士の和平もさせようと動いていたのだから。」

 

グレイフィアさんの抗議を受け流す。それに伊藤さんは「気にしないでください。世界に平和をもたらす。それがモスラ及びコスモス様の意思ですから。」と応える。

 

するとリアス部長が思い出したように言う。「そうだわ!お兄様!剣吾の事を歌織に伝えたのお兄様でしょ!?」と詰め寄る!

 

へえ~そうだったんだ!まあ、トップならそのぐらいはするだろうね。と軽く受け流したがどうやらリアス部長には受け流せなかったようだ。

 

「酷いわ、彼は私の仲間なのに……」

 

「ゴジラの件はあらゆる勢力の垣根を超えた条約になっている。

 

発見次第コスモス又はモスラの巫女に知らせる義務がある。

 

これでも慎重に検討し報告を遅らせたんだ。後に他勢力から責められるリスクを負ってまでね。

 

その上で魔王の判断として依頼した。例え妹と関係が悪化しようともね。」とサーゼクスさんがそう応えると

 

リアス部長も「いえ、こちらこそ申し訳ありませんでした。」と内心不満はあるだろうが魔王の立場を理解し承諾した。

 

「まあ、暫くは様子観察ということで現在こちらの客人として招かれています。」と伊藤さんが続ける。

 

そう現在僕は怪獣王と呼ばれる異世界からきた怪獣、ゴジラを宿したことにより世界から危険視される存在になってしまった。

 

「ところでサーゼクスさん?先程堕天使の総督が来日と言っていましたがそれは日本で三すくみの会談をするということですか?話せないなら話さなくて良いですが」と僕は話をかえる。

 

それに他の皆も反応した。普通ならヴァチカンを始めヨーロッパの方が相応しい気がするのだが?

 

サーゼクスさんは微笑みながら「それはだね、問題はこの日本で起こったから日本で会談しようと決まってね。ついでに妹が授業参加あるから丁度良いと思って決まったんだ。」

 

「お兄様!そんな理由で……」「安心しなさい、父上にもちゃんと声をかけているから一緒に参加するよ。」「そうではなくてそんな理由で場所を決めるなんて。」

 

「何を言う。会談の下見もできる一石二鳥だろうが。」……下見って?

 

「ああ、大切なことを言ってなかったね。何を隠そうその会談の場所こそがこの駒王学園で行う事が決定した。」その発言に全員が驚愕した。ええ、この学校で?

 

「ここはお前とセラフォルー・レヴィアタンの妹さらに今回の事件にも関わる魔剣使いの少年、そして」

 

僕と一誠を見て「赤龍帝と怪獣王を宿した義兄弟がいてそこに白龍皇とコカビエルの襲来。最早偶然では片付けられない事象だ。他の眷属も興味深いしね。」とサーゼクスさんが意味ありげに微笑みながら言う。

 

「こうした事からも様々な力が入り交じりうねりとなっている。だからその中心となったここを選んだんだ。ここなら何かあっても最小限に抑え込めることができるからねえ。」

 

「分かりました。では、私も全力でサポートします!」とリアス部長が張り切って応える。

 

「ところでお兄様はこの後はどうなさるのですか?一度冥界に戻りますか?」

 

「それでしたら今日は人間界で宿泊されます。」とグレイフィアさんが応える。

 

へえ、人間界で一体どんな豪華なホテルに泊まるんだろうなあと思っていると驚くべき発言をした。

 

「実は今日リアスがお世話になっている兵藤家にお邪魔させてもらうことになっているんだ。実はこのことはもう親御さんに連絡済なんだよ。」

 

……えええええええええ!!家に!!これには皆びっくりしている!

 

「驚かそうと思って君達には内緒にしていたんだ。」それに対し僕は

 

「サーゼクスさんはともかくグレイフィアさんはちょっと厳しいかも……。」「何故ですか?」とグレイフィアさんが聞き返すと

 

「皆さんは冥界に住んでいるから分からないかもしれませんが家は別に金持ちでも名家でもないからメイドとかと縁がないのでちょっと厳しいかもしれませんね。」

 

ただでさえ、育ちが違ってハードルが高いのに変に気を使いそうだ。

 

「まあ、貴方がサーゼクスさんと恋人や夫婦だったら別にいいんですがね。」「では、問題ないですね。」

 

……え?「彼女は私の妻なんだよ。」とサーゼクさんがほほ笑みながら言い抱き寄せる。すぐにグレイフィアさんに小突かれたけど。

 

この発言に驚くのは一誠以降の新メンバーばかりで旧メンバー及び以前から付き合いがあると思われる伊藤さんは全く驚く素振りが無い。え、本当なの?でもそれなら何でメイド?

 

この雰囲気ならおそらく家族関係もいいだろうし昔のドラマにあるような意地悪な家庭に虐げられている訳じゃなそうなのになぜ?僕の視線を感じてか伊藤さんが話す。

 

こうゆうのは身内のリアス部長より第三者の方がいい。

 

「サーゼクスさんとグレイフィアさんは正式な夫婦です。メイドなのは下手に魔王の妻として細々とし自由に行動できないより家事や細かいことが好きなのもありメイドで動いた方がやり易いからという理由だそうです。」

 

へえ~、そうなんだ。確かに魔王の妻って立場は自由に動けなさそうだからね。

 

「……最も一部の貴族にはサーゼクさん及び現魔王派への忠誠と考える者もいるらしいですが。」

 

忠誠の証?何やら聞き捨てならない単語が出てきたぞ。

 

「お二人のラブロマンスは悪魔の女性にとって伝説ですから!!」朱乃さんが顔を赤め目を輝かせながら言う。

 

「……劇にもなっています!」と子猫ちゃんも同じく憧れたという目と表情をしながら言う。

 

「と、とても興味があります。」とアーちゃんも興味深々だ。女の子はいつの時代も恋バナがすきだね~。

 

「これには悪魔の歴史が深く関係しているわ。」とリアス部長が語り始まる。

 

今は魔王は象徴とし、その名を個人が継ぐ。だからその子孫が次の魔王になる保証はどこにもない。

 

だが、これは本来の魔王が滅んだためで彼らにも子孫がいたため当初はその子達が魔王になるとされていたのだが、彼ら戦争終結後も疲弊した冥界及び自分たち以外の悪魔の現状に見向きもせず徹底抗戦をしようとした。

 

そんな時魔王以外の家系で本来あり得ない実力を誇る悪魔が現れた。それこそが現魔王。その存在はクーデターには十分だった。

 

そして遂に戦争を望む魔王の子孫を中心にした魔王派とそれに異を唱える悪魔反魔王派との間で戦争になった。

 

その結果は反魔王派つまり現政権が勝利し生き残った魔王の子孫は冥界の隅に追いやられ表舞台から消えることになった。

 

そして当時グレイフィアさんは代々魔王ルシファーに仕える名門で当然魔王派に付き『最強女悪魔』の座をセラフォルー・レヴィアタンさんと争うほどだった。

 

そんな時に戦の最中で敵同士でもあるにも関わらず派閥を超え、恋に落ち戦後結ばれた。という訳か。

 

なる程、そりゃあ劇にもなるぐらい正に劇的な話だな。傍から聞けば確かにこれ以上ない伝説だわな。

 

僕はなるべく表情に出ないように気を付けながら思う。……でも、グレイフィアさんからすれば辛いだろうなあ。全てを捨て愛に生きる。

 

言葉にすれば美しいけどその過程で失ったもの、捨てたものに対し一片の後悔が無いなんて言えないよな。そしておそらくそんな人ならサーゼクスさんも惚れなかったと思うし。

 

そんな内心はさておき話が進む。

 

「確かにメイドでは一般家庭には受け入れがたいですわね。それに妻とメイドの立場を使い分けていますが一般人である兵藤夫妻には対応が困るでしょうしでは今回妻としてお邪魔させてもらいます。」とグレイフィアさんが言う。

 

まあ、確かにその方がいいだろうね。こっちもその方が分かりやすいし。

 

「ま、待って!グレイフィア!お兄様!催眠を使えばその辺り大した問題は……」

 

「否、確かにその通りだ。今回は夫婦としてお泊りしよう!それにリアス。悪魔であることを隠す以上催眠は仕方ないがなるべく使わない方がいい。今後親しくなりたい間柄なら尚更だ!」とサーゼクスさんの決定に言い返すことができず固まる。

 

「剣……吾君ちょっとまずいですよ。」「何がですか?」っと小声で朱乃さんが僕に囁く。

 

「普段のグレイフィア様はメイドだからグレモリー家に仕えるのでリアスの方が上ですがオフの時はリアスの義姉。その時だけは立場が逆転するんですよ。」

 

「……チェックが厳しくて部長はオフのグレイフィア様が苦手なんですよ。」と子猫ちゃんも小声で囁く。それは余計なことをしたかも。

 

「では、今日の夕食は皆で一緒に食事しよう。では、後でね!」というと一旦魔王夫妻は魔方陣で転移し消えた。

 

「ど、どうしよう。イッセー!?」とリアス部長は一誠に涙目で話しかけるし大変なことになったな。

 

ごめんなさい。余計なことを言ったかも。何とか宥めながらそういえばふっと気づく。

 

今回コスモスさんはでてこなかったなあ。おそらく伊藤さんより付き合い長いだろうしどうしたんだろう?

 

 

家に戻り準備しようとするがもう家に着いていて僕の両親と談笑しているルシファーご夫妻。否、今はリアス部長の身内と分からせるためグレモリー夫妻と名乗っている。

 

随分前に捨てたはずの名前を使えてサーゼクスさんもうれしいそうだ。ちなみに部長のお父様が経営する会社の跡継ぎという設定にしていると教えられた。

 

今回はサーゼクスさんが用意してくれたお寿司!今まで食べたことが無い高級な味をたっぷり味わう。

 

父さん母さんとルシファー夫妻が主に会話をしていて僕たちはほぼ聞き役に徹している。

 

リアス部長は身内、それ以外の悪魔は魔王にして主の親族ということで硬くなっているからここは部会者である僕と伊藤さんがなるべく対応しよう。

 

「所で剣吾君?」「何ですか?」自然に子供グループと大人グループに別れていたが手招きされたので行くと父さんがこう聞いた。

 

「一誠とリアスさんはどうだ?進展しそうか?」ああ、なる程。あんなことしたら普通もう進展していると思うよな。それで気になったという所か。

 

「そうですね……時間かかると思います。どちらも肝心なところで奥手な部分があるうえ家のはただでさえ、鈍いのにリアスさんと出会う前にちょっと、辛いことがあったから恋愛にちょっと臆病になっている節がありますね。」

 

「まあ、お互いに好意はあるのでどちらかというか一誠が一歩踏み出させれば進展すると思います。」

 

「イライラするかもしれませんが温かい目で見守ってほしいです。」と僕は応える。

 

「後もし後ろを押すつもりなら貴方方が思うよりはっきり簡潔に伝えた方がいいですよ。」

 

「ところでお二人に聞きたいんですが逆にアレでいいんですか?こういっちゃ悪いですがあんなのが義弟って嫌じゃありませんか?正直第三者だったらお勧めできない人物ですね。」

 

「彼なら大丈夫だよ。ちょっと前に見た彼の行動を見て妹を任せられると確信したんだ!これは私たちだけでなく両親もそう思ったのだよ。」とサーゼクスさんが笑いながら肯定してくれる。

 

その言葉を聞き僕は否、兵藤家は感動で涙を流しながら一誠を認めてくれたことに感激している。

 

かなりオーバーリアクションで感謝を伝えひかれるかもと我に返るがお二人とも楽しそうにしているので良かった。

 

その後父さんが出した日本酒を飲み始めたので僕は一旦戻った。

 

そしてサーゼクスさんは僕と一誠の部屋にグレイフィアさんは女子の部屋に泊まることになった。

 

別の部屋に用意するつもりだったが当人たっての希望でそうなった。

 

リアス部長は色々お説教されそうで不安そうな表情しながら部屋に消えていった。

 

僕たちも寝ようとしたけどそれぞれに個人的に話があるとのことでまず僕とサーゼクスさんが別室で話すことになった。

 

「僕に何の御用ですか?」正直全く心当たりがない。悪魔の眷属じゃないから今後そこまで関わるとも思えないし。

 

「・・・リアスにはああ言ったが済まなかったね。君の封印に協力した。」と重い口を開いた。

 

 

ああ、何の話かと思えば僕を封印しようとした話ね。それは仕方ないよね。

 

まあ、魔王の立場からすれば所詮人間より同族の悪魔の方を優先するのは当たり前だよねえ。

 

「気にしないでください。僕だって立場が逆なら間違いなく同じことをしていましたよ。」そりゃあ、こんな爆弾さっさと封印した方がいいだろう。

 

寧ろ気にしてくれた方が驚いた。「そうだが責めないのかね?」「過ぎたことですよ。一々文句言うのも面倒くさいですし。」と応える。

 

「……君は優しい子だね。ゴジラを制御できているのは闘争心が低いからということだけど私は君の優しさがゴジラにも届き力を貸してくれていると思うんだ。」

 

「……アーちゃん、否アーシアさんならともかく僕はそこまでではないですよ。買いかぶりですよ。」と笑いながら応える。

 

「ふふ、そうかな?アザゼルの事は安心したまえ。私が保証するよ。これは一誠君は妹達にも伝えておくよ。話は変わるが剣吾君?」「何ですか?」

 

「私の事をお義兄さんと呼んでくれるかね?」「まず、僕より相応しい奴が言わないと無理ですね。そもそも告白する度胸があいつにあるかどうか……。」

 

「そうか・・・。」「知っているか分かりませんがアイツはレイナーレと言う堕天使のせいで女性への恐怖を無自覚に抱いています。否、目を逸らしているのかな?そのトラウマの克服には時間がかかると思うので慎重にしてくれますか。」

 

そう、一誠はレイナーレの事を引きずっている……。だから本来とっくに恋人になってもおかしくないアーちゃんともリアス先輩とも関係になっていないのはそれだ。

 

好意にあえて気づかないふりをしている。ただでさえ、関係が変わるのは怖いことだ。9割大丈夫だと思ってもその一割のせいで一歩を踏み出せないことなんていくらでもある。

 

僕もすぐに治す必要が無いと思っているからとりあえず卒業までに癒えればいいかなあと思い放置していた。だから両親や部長の家族には悪いけど時間が欲しいというのが本音だ。

 

「……そうか、そうだな。初めてのデート相手がハニートラップだったら確かに傷つくからね。私も少し自重しないとな。」と応じてくれた。

 

話を終え一誠と入り違いになる。何の話か気になるけどもう眠いから寝る。明日聞こう。

 

 

翌日一誠にしては珍しく否、最近は大きな事件もあるからそうでもないか。真剣な表情で悩んでいた。

 

そして僕を見るなり口を開いた。「剣吾、実は昨日サーゼクス様から言われたことで一晩中考えて眠れなかったんだ!お前の意見を聞きたい!!」

 

ほう、サーゼクスさんがこいつに何を言ったのか……。この目は真剣な目だな。僕も心して聞こう。

 

「部長のおっぱいにブーステッド・ギア・ギフトを使うとどうなるのか気になって眠れないんだ!」

 

……やっぱり、人の心は目なんか見ても分かるわけないか。普段ならそのまま無視して終わりだが仮にも魔王の言葉。

 

それで悩んでいるしここは応えるか。

 

「まず数センチ単位ならともかくブーステッド・ギア・ギフトは確か確実に倍にはなるんだよね?」

 

「だとしたら今のリアス部長のサイズから考えると身長より大きくなる。そんなの体の負担にならないわけがないから反対だね。」

 

「そもそも、そんなピンポイントで倍加できるのか。……普通に考えると体そのものが巨大化するんじゃないのか?」

 

「そして効果が永続なのか?……これが一番の問題。少なくてももっと使いこなしてからじゃないと反対だね。」「何でそんな夢のないことを言うんだよ!」

 

「そう言わないと使いかねない怖さがあるからだよ!」と歌織さんが騒ぎを聞きつけ叱られるまでしばしもめにもめた。

 

 

「神の子を見張る者(グリゴリ)のアザゼル総督が赤龍帝と接触したみたいね、K(ケイ)」

 

「そう、いよいよ我々も彼らと本格的に接触することになりそうだね~Q(キュー)」とX星人副統制官の2人がどこかの秘湯で身体を密着させながら話してあっていた。

 

「さて、これからどうなると思う?」「まあ、全勢力が上手く和平してくれた方が我々の方が都合良いんだがそう上手くいかないだろうし、彼らが我々の目的を知って受け入れる可能性が低いだろうね。」

 

「どっちにしろ、やることは変わらないし、兄上の代わりとして務めを全うするさ。」

 

「もうすぐ忙しくなるならそれまでたっぷり英気を養いますか。」とKが言うとQを抱き寄せる。

 

Qも抵抗せず自然に唇を合わせた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




いよいよ今章からX星人が本格参戦します。

内容読めば分かりますが8巻収録の楽しい紅髪(グレモリー)一家の内容も混ざっています。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第四章 停止教室のヴァンパイア編 2

何か東宝の方で山崎貴監督による『超大作怪獣映画』の撮影を始めるそうです。
何となくBOSSのCMみたいに初代ゴジラができるまでの舞台裏かなあと個人的に思いましたが皆さんはどう思いますか



今日はプール清掃!生徒会からオカルト部に清掃依頼があり報酬として清掃が終わると自由に遊んで良いと聞き俺、兵藤一誠は心が躍っていた。

 

アーシアからほっぺを引っ張られても部長と朱乃さん、ゼノヴィアそして、歌織ちゃんの水着姿を想像してにやつき゚が止められなかった。

 

気合を入れて清掃する俺とは対照的にめんどくさそうにする剣吾。

 

こいつ曰くプールより海や川の方が他の生き物見れて楽しいらしい。何とか発破かけ終わらせる。

 

そして俺たちは先に着替えを終え待っている。「どうした?やけにテンション低いな!もっと上げろよ!」

 

「……どんなにおいしい料理でも実際に食べれなければ意味がないっていうか目の前にあるのに食べれないのは物凄く辛い。」という。

 

「君はいいよな。僕は確実に0なんだから!」

 

「な、何だよ?急に?」珍しく声を荒げる剣吾に俺は意味が分からなかった。

 

剣吾はそれ以上何も言わないが視線がちょっと羨ましそうに見つめていたのは気のせいだろうか?

 

そうこうしていると女子が来た!部長が赤で朱乃さんが白のビキニ!巨乳にはやはり布地が少ない水着がベストだな!

 

アーシアと子猫ちゃんは学校指定のスクール水着!胸にあるひらがなの名前とか桐生の仕業か?いい仕事してやがる。俺たちは口々に賞賛した。

 

剣吾も何だかんだで嬉しそうだ。ゼノヴィアは少し遅れるそうだがら問題は伊歌織ちゃん!普段露出の少ない彼女だからビキニとかではないだろうがスクール水着でもあの体格なら破壊力抜群だろう!

 

そう思い期待していると何故か制服のままで来た歌織ちゃん。「泳がないですか?」と聞く剣吾に「今着替えますね。」

 

と言うと繭に包まれでてきた姿は白い着物姿というか俗にいう海女着だったか?……なんじゃそりゃあ!

 

美人は何着ても似合うというけどこの姿折角のスタイルも全く分からないから色気もくそもない。

 

否、白ならもしかして水に濡れれば透けるのでは……!?「か、歌織その恰好は?」

 

「私は常に水に入る時はこの格好ですが?前の学校でもこの格好ですが?生徒会には許可を取っているのでご安心を。モスラの糸なので耐水性も高いから水を弾くんですよ。」と部長達に説明している。

 

どこまでも漢の希望を打ち砕くスタイル!「露出が嫌ならイスラム水着でしたっけ?全身タイツやボディスーツみたいのにすれないいじゃないんですか?」

 

 

「それだとボディラインがはっきりわかるから嫌なんですよ。」

 

「……まあ、別に好きでもない奴らの視線なんて確かに嫌かもしれませんね。」と剣吾と歌織ちゃんが会話している。

 

剣吾!そこでもっとビキニとか押せよ!!この役立たず!!

 

と心の中で叫ぶがあいつは全く気付かず否、気づいても無視しているのか分からないが俺の嘆きを一切気にされることなく時は進む。

 

 

アーちゃんと子猫ちゃんが泳げないので僕中島剣吾と一誠がコーチすることになった。

 

一誠はアーちゃん、僕が子猫ちゃんを担当することにした。

 

まあ、この機会にアーちゃんとの仲が進展すればいいなあと僕が進めたのだがどうだろうか?とりあえず二人とも楽しそうだ。

 

僕はゴジラギアを宿してからオカルト部の中では断トツで泳ぎが上手くなった。

 

そしてそれまで体が弱かったのもあって苦手な気持ちも理解できたから割とよく教えられたと思う。

 

「……剣吾先輩のおかげで大分よくなりました。」

 

「まず息遣い、呼吸を覚えないとね。それが上手くいかないから泳ぐのが怖いんだよね。それができればプールとかだったら落ち着いて対処できるからね。

 

泳ぎ方はその後で学んでいけばいいんだから。」

 

「……イッセー先輩楽しそうですね。私だけ卑猥に見られないのも少し複雑です。」と残念そうに呟く。

 

……やっぱりこの娘もか?何故か分からないけどオカルト部の女子全員がアーちゃんの時みたくイッセーと結ばれるビジョンが見えたんだよね。

 

因みにこれはゼノヴィアさんとイリナさんにも見えた。だから余り二人の事を警戒しなかったんだ。

 

しかし、こいつ本当にハーレムを作るのか?羨ましい反面面倒そうだなあと思っていると伊藤さんの怒号が聞こえた。

 

「イッセーさん、アーシアさんの泳ぎを見ずに何をしているんですか!!」

 

「ご、ごめんなさい!!」とイッセーが必死に謝っている。

 

どうやら泳ぐ部長を水中で眺めていたらしい。やるなとは言わんが終わってからやれよ。

 

イッセーが休憩中僕がアーちゃん、伊藤さんが子猫ちゃんのコーチをしているときだった。

 

突然、伊藤さんの動きを止めると僕にお願いして慌てて水中からでてどこかに向かっていた。

 

何だろう?そう思うとなにやら物騒な破壊音が聞こえた!?え、何?

 

2人をプールから上げてちょっと待っててと言うと音がした方向に行くと

 

「お二人ともイッセーさんにオイルに塗ってもらおうなんて破廉恥な事ばかりかその挙句喧嘩で魔力を使うなんて何を考えているですか!?」と伊藤さんが激怒する!

 

「うるさいわよ!歌織!これは私と朱乃の問題よ!大体貴方は眷属の問題に口出し過ぎなのよ!」

 

「そうですわ!これは私とリアスの女同士のプライドをかけた戦いですわよ!部外者は引っ込んでください!」とリアス部長と朱乃さんが叫び返す!

 

「いいえ、すでに周囲に被害が出ているので放っておけますせん!年長者である貴方方がしっかりしなければならないのにこんな調子では他の方達の見本になりません!お仕置きです!」

 

そう叫ぶと[モスラ!]という機械音の音声が鳴り響くと右手に太陽と十字架を混ぜた様な不思議なデザインをした指輪、モスラの紋章が刻まれた巨獣器(タイタンギア)。「極光虫の指輪」(モスラ・ギア)が出現した。

 

さらに「極光虫の指輪」(モスラ・ギア)から糸をだし自分の全身を包み繭にすると[禁手 極光虫の聖武装](バランスブレイク モスラアームズ)と機械音で鳴り響く共に繭がはじけ飛ぶと美しい蝶を思わせる翼と触覚をした魔法少女の様な姿に変化した。

 

あ、あれはやばい。以前一方的にボコボコにされた苦い記憶が蘇る。

 

「二度も負けないわ!リベンジよ、歌織!」「歌織ちゃん、最近先輩への態度が少し悪いから躾けてあげますわ!」と部長が滅びの魔力、朱乃さんが雷を中心とした魔力で攻撃する。

 

だが、伊藤さんはモスラの翼を思わせる鉄扇[極光虫の翼扇](モスラ・ファン)で攻撃を弾き無力化させる。「下手に躱したら周囲に被害が出るので一気に決めます!」

 

と叫ぶと翼が消えたと思ったら背中に翼と同じ柄の絵が描かれている。え、収納できるんだ、その翼。

 

おそらく飛んで躱すと被害が拡大するから飛ぶのをやめてそうなると翼は邪魔だから収納したという所か。

 

モスラ・ファンで扇ぐと「胡蝶嵐・御白式」(こちょうらん・おしらしき)と叫ぶ。

 

すると凄まじい暴風が吹き荒れリアス先輩と朱乃さん二人とも必死に耐えるがすぐに悲鳴を上げる。

 

その理由は……「きゃー、なにこれ!?」「ベタベタする!なにこれ!」と白い何かが身体中に絡みつき動けなくなっていた。

 

……おそらくさっきの暴風と共に糸を同時に飛ばしたんだろう。

 

突風で相手の動きを牽制しながら糸も飛ばし動きを封じたんだろう。

 

相手を傷つけずに無力化できるのでなかなか便利だな。

 

魔力で吹き飛ばそうとするもそんなこと許すわけもなくあっという間に間合いに入り決着。

 

「ここまでです。いいですか、そもそも……」とお説教タイムが始めるかと思っていたが何かの反応したような素振りをする。

 

「……この気配、さては一誠さん!」と叫ぶと凄まじい勢いで走り去る!

 

な、なんだ急に!?驚いたが流石にこのままにするのはあれなので助けてから追いかけることにした。

 

……水着姿の美女が白い糸に絡め取られ身動き取らない姿をもっと見たい気持ちはあるが仕方ない。ここは我慢しよう。

 

2人を助け出すと僕に礼を言うことなく大急ぎで伊藤さんを追いかける!取りあえずアーちゃんや子猫ちゃんを放っておくことできないので戻ると2人ともいない。

 

おそらく伊藤さんの後を追ったんだろう……。さて、どうするか。どこ行ったか分からないし。

 

そう言えばそもそもリアス部長と朱乃さんに一誠がオイルを塗ろうとして揉めていて喧嘩になり、それで伊藤さんが怒ったんだよな。

 

でも、一誠の姿はどこにもない……。多分、あの喧嘩の迫力に逃げたんだろうがその姿を僕たちはみていない。

 

そして伊藤さんの反応からすると9割9分お色気案件。

 

まず、お色気となると相手は女性。そして一誠に好意を持つ女性はほぼオカルト部のみだろう。

 

となると消去法で今いるのはおそらく……。

 

女子更衣室の方に足を進めていたがその途中で何やら騒がしい聞き覚えがある声がしたのでそっちに向かうと用具室の前で皆いた。

 

そこで一誠とゼノヴィアさんが正座させられ、説教させられていた。

 

……ゼノヴィアさんは何で説教されているか分からない表情をしているが……。

 

話を聞くと何でもゼノヴィアさんは強い子供が欲しいということでドラゴンのオーラを引き継ぐことができるかもしれないので一誠を相手にしたそうだ。

 

で、一誠が覚悟を決めたところで伊藤さんを始め皆に見つかり叱られているということだ。

 

「いいですか!子供を作るということはどうゆう事なのかもっとしっかり考えてください!ゼノヴィアさん!貴方は悪魔になってから悩みましたよね!そもそももっと先の……」と言い一誠にも

 

「一誠さん!貴方も年頃の男子なら仕方ないかもしれませんがそれにして貴方のは酷すぎます!そもそも……」と激怒しながら説教が続きこの日のプールはこれで終了だなと思い、着替えに行った。

 

 

……ああ、散々絞られた。と俺一誠はさっきまで歌織ちゃんに叱られていたのもあって精神的に大分まいっていた。

 

でも、部長に朱乃さん、ゼノヴィアの水着や半裸見られて嬉しかったなあ。と色々と刺激的な1日だったと思いながら校庭に向かって歩いて行った。

 

―――この時まだまだ1日を終えるには早いと思い知ることになる。

 

途中で剣吾に出会うと剣吾もやばいという表情をして逃げる!それを追いながら叫ぶ!

 

「お前、よくも見捨てたなあ-!!」「僕だって命は惜しい!」そんな全力の鬼ごっこを後30分は続くと思われたがすぐに終わった。

 

校門に俺たちと同年代と思われる銀髪青眼の美少年が校舎を見上げていた。まるで絵画に出てくるみたいに幻想的だった。

 

それを見て思わず俺たちは見取れていた。こっちの視線に気づいたのか天使の微笑みを浮かべながらこっちに向かってくる。

 

もしかして、新しい留学生か?だとしたらさっきの醜態を見ていませんように。母校の印象を悪くするわけにはいかない。

 

こいつは英語できないからここは俺だな。仮に英語以外でも悪魔なら言葉が通じるからな。

 

「やあ、いい学校だね。」「まあな。えっと新しい留学生かな?俺は兵藤一誠。こっちは義理の弟中島剣吾」と紹介する。

 

そして剣吾と目を合わせるとどうやら日本語で話していて言葉が通じるらしい。これなら一々通訳しなくてすむな。

 

そう安心したが同時に何か違和感を感じた。剣吾も同じようだ。どこかで会った気がする。それも最近。

 

だがこんな美少年なら忘れる訳ないしと悩んでいると予想外のことを言った。

 

「俺はヴァーリ。「白い龍」(バニシング・ドラゴン)アルビオン。その魂を宿した神滅具(ロンギヌス)白龍皇の光翼(ディバイン・ディバイディング)を宿した現白龍皇だ。」・・・え?今なんて言った?

 

「コカビエルの時以来だな。「赤い龍(ウェルシュ・ドラゴン)」ドライグ。その魂を宿した神滅具(ロンギヌス)赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)を宿した現赤龍帝兵藤一誠。」視線を僕に移し

 

「そして、異世界から侵攻した怪獣の魂を秘めた巨獣器(タイタンギア)。その中でも最強の怪獣」と楽し気に言葉を紡いだ。

 

「怪獣王(かいじゅうおう)、キングオブモンスター、破壊神の称号を誇るゴジラの巨獣器ゴジラギアの宿主中島剣吾。」

 

と剣吾にも視線を移す。そう、剣吾には怪獣王と畏怖されたゴジラを宿している。その力は異世界の人類が地球を捨て外宇宙へ逃避せざるを得ないレベルだった。

 

その為に剣吾はこの世界から危険視され聖獣であるモスラの巫女である歌織ちゃんが近くで監視するためにこの学園に転校して来たんだ。

 

「……そうか、道理で聞き覚えがあると思ったらあの時の白い奴か。」と剣吾も警戒しながら言う。

 

左腕が燃えるような痛みでドライグが反応しているのを伝わる。今の言葉が真実だと伝わる。

 

まさか、ここで宿命の対決とかないよな……?

 

そう緊張していた時だった。一切気配を感じることなく瞬時に白龍皇……ヴァーリの首に2本の剣が突き付けられていた。

 

木場とゼノヴィアだ!俺たちの危機を察してくれたのか『騎士』(ナイト)のスピードを活かし目にもとまらぬ速さで駆けつけてきてくれた!

 

二人は聖魔剣という相反する聖と魔の属性が融合している特別な剣と破壊力なら聖剣でも最強とされるデュランダルを扱う。これならどんな奴が相手でも・・・!

 

「何をするつもりかわからないけど、流石にこれは冗談が過ぎるんじゃないかな?」

 

「ここで赤龍帝との宿命の対決をするつもりなら全力で止めさせてもらうぞ、白龍皇!」と木場とゼノヴィアがドスの効いた声で脅しではないと素人目にも分かる程殺気に満ちていた。

 

だが、ヴァ―リは欠片も動じず平然としながら「やめた方がいい。手が震えているじゃあないか。」と言う。その通りだった。

 

恐らく俺と同じく目の前のこいつに対して恐怖とプレッシャーを感じているだろう。手にした剣を持ってもなお届かない相手だと無意識に認めているんだろう。

 

「恐怖を感じることを恥じることないさ。それは根源的な恐怖だ。大事にしたほうがいい。相手との実力差を分かるのは強い証拠さ。」

 

「残念ながらコカビエルごときに手を焼いた今の君たちじゃあ俺には勝ち目がないな。」

 

……コカビエルごときか。アイツ一人に俺たちは本気を死を感じた程だった。だが、

 

「でも、君には興味があるな。怪獣王。僅かだったがあの時の戦い楽しかったよ。」

 

「そりゃ、どうも。こっちは二度と御免被るね。君みたいな強い奴。」と剣吾は気のない返事をする。

 

「兵藤一誠、中島剣吾 君たちはこの世界でどのくらい強いと思う?」と聞いてきた。

 

そんなこと考えたこともなかったので応えられない俺に代わり剣吾が「仮に全人口に悪魔とかの異種族も含めて100億だとすれば50億以内だったら上出来だね。」と言った。

 

「ふふ、それは流石に自己評価が低すぎるな。赤龍帝は未完成な禁手(バランスブレイカー)状態だとすると4桁具体的には1500いや、宿主のスペックを考えるともっと下かな?」と言い

 

「怪獣王の方は随分ムラがあるがコカビエルに俺と一戦交えた感じからすると三桁内には入るだろうな。」

 

そんな風に言われても実感が湧かない。どのくらい強いかと言われても想像できない。

 

剣吾はというと「そりゃ、買いかぶりすぎだね。もっと低いよ。」

 

「そうかい、随分謙虚だね。」「謙虚も何も仮に力で上回ったとしてもそれだけで勝てる程甘いもんじゃないでしょ?力=強さとは限らないでしょ。」と言い

 

「こんな満足に使いこなせない素人にプロが破れるなんて思わないよ。」と応える。

 

「……なる程、中々客観視しているな。意外と君みたいなタイプは敵に回すと面倒だな。」とヴァ―リは感心した素振りをみせた。

 

「だが、俺から言わせれば赤龍帝、怪獣王はその存在を知るものからはそれはそれは恐れられた存在だ。

 

それがこの程度だとは期待外れもいいところだ。もっと、強くなってもらわないとつまらないな。

 

否、怪獣王は縛りを解き放った方が面白そうだ。」

 

それってゴジラを封印から解き放つってことか!?冗談じゃない!!そんなことしたら剣吾の命は!

 

……否、剣吾だけじゃない!かつて巨獣器に封印するために夥しい犠牲者が出る。そんなことさせるものか!

 

俺と木場、ゼノヴィアは戦意を高め警戒を強めるが剣吾はいつもと変わらない雰囲気をしていた。

 

「怖くないのかい?」「理由はいくつかある。」ヴァ―リが質問に剣吾は応えた。

 

「まず、やるつもりがないんだろう?もし手段を選ばすにやるタイプならわざわざ声を掛ける必要が無い。さっさと行動に移せばいい。」と指を立てつつ言う。

 

「僕達との戦いに手応えが欲しいなら強くなるまで放っておけばいい。そのどっちつかずなら多分どうにかできるね。」視線を移しながら

 

「そしてここまで冷静にいられる最大の理由はこの学園には怒らせるとこわ~いおにいちゃんとおねえちゃんがいるからだよ。」

 

その言葉に合わせた様なタイミングでどこか野性的な印象の日焼けした大柄の人物が現れた。

 

「また会ったな、ヴァ―リ。相変わらず血の気の多い奴だ。」「”暴獣”磯野。相変わらずだな、お前も」と会話しているのが磯野敏博(いそのとしひろ)さん。

 

『アンギラス』の巨獣器(タイタンギア)を宿していて剣吾が家に来るまでいた近所の兄貴分だったらしい。生徒会長に頼まれ臨時のコーチをしている。

 

時折俺達も鍛えて貰っている。何らかの格闘術をマスターしているらしいがそれが何なのか良くわからない上に本人もインチキと言って詳しく話していない。

 

「そ……その二つ名決定なのか?」

 

「俺と初めて会う前から広まっていたんだ、諦めろ。」

 

「まあいいさ。それよりそいつらは俺の知り合いでな、手を出すな。特に怪獣王の方は弟分に当たるからな。そもそもアザゼルのおっさんの許可得ているのか?」

 

「アザゼルの付き添いで暇つぶしに会場を様子見に来たのさ。」「なる程な、そいつに手を出さない方がいいぞ。俺よりおっかない姉ちゃんが飛んでくるぞ。」

 

「白龍皇、そんな愚かな事はモスラの巫女である私がさせませんよ。」と歌織ちゃんもモスラギアを纏い舞い降りる。

 

「あまり驕らない方がいいですよ。その望みは全世界を敵に回すことです。いくら貴方でも全世界を敵に回して無事ではすみませんよ。」

 

するとヴァ―リは降参したように手をあげると「確かにな。それに現状仮に解き放つことに成功しても勝ち目はないだろうしな。今の所はやるつもりはないさ。」と言う。

 

「今巨獣器に封印されている怪獣達を除いてもこの世界には強者が多い。」急にこんなことを言い始めた。

 

「兵藤一誠、君の主であるリアス・グレモリー。その兄である魔王サーゼクス・ルシファーは『紅髪の魔王』(クリムゾン・サタン)の異名を持つ実力者だ。

 

だが、そんな彼ですら世界の強者トップ10に入るのはかなり厳しい。

 

もちろん俺もな。この順位は様々なシュチュエーションで変動し誤差と言ってもいいだろう。

 

ただ、一頂点に立つ者はだけは決まっている。他のトップランカーを一切寄せ付けない圧倒的な差を誇り最強の名を欲しいままにする不動の一位であり続ける存在がな!

 

いずれ知ることになるだろう。君達が赤龍帝、怪獣王の宿主である限り望まずとも強者と巡り合うことになるだろう。敵にせよ味方にせよね。」

 

「……確かに義兄の主が魔王の妹なんて普通じゃありえない事だし当たっているかもね。外れてほしいけど。」と剣吾が頭が痛いという顔をして応える。

 

……俺たちはそんな運命に縛られているのか?いやだ!死ぬなら部長とエッチしてから死にたい!

 

「ま、いずれせよ君達は貴重な存在だ。十分に育ておくといい、リアス・グレモリー。」

 

そう言うとヴァーリは俺の後方に視線を移す。その視線を追うと部長が立っていた。さらに残りのオカルト部も勢ぞろいしアーシアを除いた全員が臨戦態勢をとっている。

 

「白龍皇、どういうつもり? 堕天使と繋がっているならこれ以上の接触は……」

 

「『二天龍』に関わった者は皆ろくな生き方をしていない。否、できなかったという方がただしいかな。・・・果たして貴女はどうなるんだろな?」「―――っ」

 

ヴァーリの言葉に部長は言葉を詰まらせる。緊迫した空気が続くと思われた。

 

「~な~に~格好つけてんだが!」と磯野さんがヴァ―リの後頭部を叩いた!?

 

「磯野敏博!貴様、俺を何だと思っている!」「重度の麺中毒のバトルマニア!」と即答した!

 

「お前は昔から俺に対して扱いが軽かったな!?」「……ガキの扱いにはそこそこ慣れているでな。」磯野がため息を付きながら言うと

 

「あんまお痛するとまたお尻ぺんぺんや拳骨してほしいか?」と聞いた。

 

そう言えば磯野さん最初にヴァ―リに会った時思いっきり知り合いみたいな雰囲気をしていたな。

 

「こいつとは4年程前に知り合って堕天使と関わる時組む時もあったんだよ。」とこっちの視線に気づいたのか簡単に説明した。

 

「ちなみに封印されているやつを除けば4年前にそこの磯野敏博を除く『聖獣モスラ』を含めた全ての巨獣器使いは皆生きていない。現在こいつが所有期間が最も長い。」と話すヴァ―リ。

 

そう話した瞬間どこか辛そうな雰囲気を磯野さんから感じた。表情は特に変わっていなかったのに。

 

「相……変わらずラーメンばっか食っているのか?何だ、もう蕎麦やうどん、パスタとか他の麺料理は食わなくていいのか?」

 

「そんな事はない!確かにラーメンは好物だが他の麺料理も好物だぞ!」

 

「麺以外も食えって鳶雄とかに言われていただろうが。」

 

「栄養補給できれば何でもいいさ。」「じゃあ、今晩麺禁止な。」

 

「何で口を挟む!」と何やら言い争っている。しばらく続いていたが「もういい、それならここでバトルして勝ったら言うこと聞くでどうだ!?」

 

磯野さんはちょっとこっちを見て「……じゃあ、結界張ってもらえるかい?時間もあんまり掛けれないから10分、お互いに禁手無しな。」「おい、もっと激しく……!」

 

「お前もそんな暇じゃないだろ?それに格闘技の試合で時間制限があることなんて珍しくもないぞ。な~に~安心しろ。アームズは使わないから。それとも禁手じゃないと戦えないならそれでもいいが?」

 

「できれば結界張る方にも楽させたいんだが。」「……いいだろう。それでやろう」

 

そう言うとヴァ―リは神滅具(ロンギヌス)白龍皇の光翼(ディバイン・ディバイディング)の名前通り光る翼を背中に展開する。

 

一方磯野さんはアンギラスの巨獣器「暴竜の双針盾」(アンギラス・ショルダーガード)を身に着ける。

 

「分かっていると思うが俺には半減通用しないぞ。」

 

「お前も飛行能力がないだろう。攻撃が届かないだろう?」「その通り、そのまま上から攻撃し続ければ楽だぞ?」

 

「冗談!お前には散々やられたんだ!その屈辱晴らすにはお前の得意な間合いで勝ってこそだ!」

 

そして歌織ちゃんが結界を張った瞬間互いにぶつかり合う。高速で飛行し突込んできたヴァ―リの攻撃を磯野さん受け止めた!?

 

かなりの威力がありそうだったのに避ける素振りも見せなかった?

 

「ほう、てっきり神滅具の能力に頼り切っていると思ったがちゃんと基礎戦闘能力を鍛えていたらしいじゃないか。関心関心。」

 

「相変わらず上から目線だな!」と言いながら素早く離れるとさらに飛びながらパンチを繰り出した。

 

だが、磯野さんは素早くその腕を掴むと素早く投げ飛ばした!?あれは柔道、いや合気道とかの古武術か?

 

ヴァ―リも投げ飛ばされたが飛べるので地面にぶつかる直前体勢を立て直しその状態で蹴りを繰り出す。

 

「甘いわ、若造!」磯野さんもあっさりガードするとそのまま左蹴りをする。

 

その攻撃をヴァ―リ上下逆の体勢、所謂倒立に近い形で捌き連続蹴りをしてきた!?

 

いくら飛んでいるからと言ってもあんな体制のまま攻撃できるなんてやっぱりあいつただ者じゃねえ!

 

そこからさらに激しい格闘戦が繰り広げるのだがもう俺には見ているだけでもどう動いているのか分からないほど高度なレベルだった。

 

「そこまでです!」と今まさに互いの顔面に拳が当たる直前に歌織ちゃんが止めた。

 

「時間が過ぎました。ここまでです。」「引き分けか。まあ、予想はしていてがとんでもない奴だよ。お前は。もう俺が勝てないかもな。」

 

「よく言う。実際にやったら負けるつもりない癖に。」「負けるつもりで戦う奴いるか。食生活直すのなしか。残念だ。」

 

「次やるともっと本気でやりたいな、磯野敏博。では、俺もそろそろ戻るとしよう。」

 

「想像よりいい暇つぶしができた。ではグレモリー眷属諸君精々腕を磨いておくことだな。次会うのは会談の時かな?その時を楽しみにしているよ。」

 

ヴァ―リはそう言うと去って行った。

 

「すまんな、あれでも根は悪いじゃないだよ、あいつは。」と磯野さんが俺たちに謝罪してくれた。

 

磯野さんと歌織ちゃんがいたからヴァ―リも俺たちに襲い掛からなかったけどもしいなかったらどうなっていたんだろう?

 

アイツからすれば遊び半分だったとしても俺は、俺たちは対抗できたのだろうかと不安を覚えた。

 

何か目に見えない避けようもない大きな流れに呑み込まれていくような言い知れぬ不安を感じた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




胡蝶嵐・御白式(こちょうらん・おしらしき) 元ネタは胡蝶蘭と養蚕の神オシラサマから

モスラの翼あるいは[極光虫の翼扇](モスラ・ファン)から強力な暴風を放つ技。これが胡蝶嵐の基本。

御白式は暴風で相手の動きを鈍らせて所に糸を放つ事で動きを封じる捕縛術。

磯野敏博は4年前の堕天の狗神 -SLASHDØG-事件でそれ以前に封印されたものを除き現在唯一生き残っている巨獣器使いです。

そのことが原因で堕天使とは距離を取るようになりました。





目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第四章 停止教室のヴァンパイア編 3

アルセウス難しいです。マリオカート逆走する人間には辛すぎる。


今日は授業参観。小学生なら嬉しいだろうが高校生で嬉しいと思うのはおそらく少数派だろう。

 

だが、ここにそんな少数派がいた。僕中島剣吾の事実上の義妹アーちゃんことアーシアさんだ。

 

彼女は今までまともに学校も行った事ないので本当に楽しそうにしている。そんなわけで両親もアーちゃんのために夫婦揃って参加する。

 

この学園は授業参観に中学部の後輩さらにその保護者も参加する。そのため未来の後輩に無様な姿は晒せないということで高等部の生徒には結構緊張する1日だ。

 

しかし、英語かあ~。僕は一誠達と違って英語は苦手。まだ筆記は幾分かマシだがリスリング、さらに話すのはもう致命的。

 

LとRの違い未だにできる素振りがない。悪魔は良いよな……。

 

そんな訳でちょっと気が滅入っていた。教室の前に行くと騒がしい。

 

嫌な予感がする。……ここはスルーするか。と回れ右しようと瞬間、突如扉が開き「何、逃げようとしているですか!」

 

「貴方にも関係ある事なんですから来てください!」と伊藤さんに首根っこつかまれ無理矢理連れ込まれる。いやー!!よく分からないけどどうせろくな事じゃない!

 

連れ込まれた先を見ると昨日のデジャブか?全く同じ体制の一誠とゼノヴィアさんが正座させられていた。

 

そして机の上にはコンドーム……。

 

「察するからに子作りダメと理解したからならばこれで本番まで練習にというつもりでゼノヴィアさんが取りだし騒ぎになったという所かな?」

 

「よく分かりましたね!」「何年このバカと一緒にいると思っているんですか。」

 

「まあ、大丈夫ですよ。今のこいつは普段求めていても肝心な所では手が出せないと思いますから。」

 

「どうゆう意味だ、てめー!!」と僕と伊藤さんのやり取りに一誠が口を挟む。

 

「そのままの意味だよ。そんな事より伊藤さんとゼノヴィアさんは誰か来るんですか?」

 

「ゼノヴィアさんは彼女の姉ポジションだったシスター・グリゼルダ・クァルタさんが来日する予定でしたが残念ながら都合により叶いませんでした。」

 

「ちょっと待って!シスター・グリゼルダが参加する予定だったのか?」「そうですよ、随分あなたに言うことがあるとも言っていましたよ。」

 

「もし、シスター・グリゼルダに会ったら私はただではすまない!」と酷く狼狽している。

 

そんなに焦るならもう少し考えてから行動しようよ……。せめて相談してからとか

 

「私の両親も都合がつかず今回不参加です。そう言えば前の学校の友人が何故転校させたのかで対応が大変だったと言ってましたね。」

 

そりゃあ、貴方みたいなスターが急に転校なら大騒ぎになるわ。……まさか、最近襲ってくる奴らの正体は……。違うことを願おう。

 

嫌な考えがよぎった時だった。「中島君」と声を掛けてきたのは滝川義人(たきがわ よしと)さん。

 

同い年で見た目は普通の高校生のはずなのに貫禄があって学校の長老ポジションとして全校生徒及び教師から一目を置かれている。

 

「相変わらず賑やかだねえ。君たちは。」「すいません、お騒がせてして。」

 

「構わないよ、ただ君の周囲が今までより賑やかになるかも知れない。覚悟しておいた方がいい。」

 

え、それはどうゆう意味ですか?思わず聞き返そうとしたがあいにく授業が始まりそうなのでそこで会話は終わってしまった。

 

さて、いよいよ授業参観、英語の授業で恥を欠かないようにするつもりだが内心不安だったが何故か紙粘土の塊が目の前に用意された。

 

……英語だよね?今、美術の授業じゃないよね?おそらく誰もが疑問に思っていることが仮にも公開授業、突っ込める人間が中々いない。

 

ここは滝川さん若しくは伊藤さんが突っ込むのを待つかと思って先生が嬉々として言う。

 

「いいですか今渡した紙粘土で好きなものを作ってみてください。動物でも、人でも、何でも構いません。今、自分の脳裏に思い描いたものを自由に表現してください。そういう英語もあります。」

 

「レッツトライ!!」これは突っ込みまちだよな。仕方ない、ここは貧乏くじを引くか。

 

すると「む、難しいです。」と聞き覚えがある声が聞こえた。そっちを見るとアーちゃんが真摯に向き合い制作中。真面目で天然の所がありこの授業にも順応している。

 

「アーシアちゃーん、頑張ってー!」「アーシアちゃーん、かわいいぞー!!」といつの間にか入室していた父さん、母さんがビデオカメラ向けながら応援している。

 

アーちゃんもその声に反応し嬉しそうに手を振っている。微笑ましいがこれで全員この紙粘土をしなければならなくなったな……。

 

僕、不器用なのに。……仕方ない、ここは……できた。「完成だ……豆腐!」

 

「ただ、紙粘土そのままにしただけじゃないですか!」と伊藤さんに顔面机に叩きつけられて粘土も潰れた。ああ~、折角綺麗に整えたのに!

 

「何、楽しようとしているんですか!もっと真剣にやってください!一応言っておきますがただ丸くしても球体にするのもダメですよ!」

 

「僕は不器用なんだよ!そんな複雑なものはできないんだよ。」「じゃあ、恐竜か虫とか好きなキャラでも作ってください。好きなんでしょ?」

 

「あんな複雑なものできるか!」「いいですね、それ以外でも構いませんがちゃんとやってください!」と叱られたので仕方なくやる。

 

保護者や未来の後輩がいるのでこれ以上の醜態を見せるわけにはいかない。

 

すると何やら騒がしくなった。そちらに目を向けると、一誠が作り上げたのは何やら女性の裸体像。

 

しかし、仮にも保護者がいるのに裸はいいのかと思ったが美術だと普通の題材だからいいのかな?

 

ってゆうかこの女性、どこか見覚えあるような見覚えあるような……?

 

「まさか、イッセーの奴がり、リアス先輩と!」

 

「う、嘘よ!リアスお姉さまが野獣と……!」

 

ああ、リアス部長か。道理で見覚えがあると思った。

 

そこからオークション会場に変貌するのに時間はさほどかからなかった。

 

伊藤さんや滝川さんの声もまるで効果が無い。もう遅いがこれ以上保護者や後輩に恥を晒すわけにはいかない。こうするか。

 

「よし分かった!では、このクラスで一番上手かった人物の商品としよう。これなら文句ないね!」

 

「おい、勝手に!?」「嫌ならそれ以上上手いものを作ればいい。はい、スタート!」

 

僕が宣言する前に皆急いで作品つくりに没頭している。さて、僕もやるか。

 

 

……「え~、それでは皆様の作品をご覧いただき上位数名を選びそこから優勝者を選びましょう。」

 

「現在選ばれたのはこの5名です!」と僕はなし崩しに進行をしていた。

 

「まずはエントリーナンバー1、兵藤一誠!自分の義兄です。彼が作ったリアス部長の出来は素晴らしい。今回の優勝賞品でもあります。これを超えることができるものは現れるか?」

 

「続いてエントリーナンバー2、アーシア・アルジェント!家でホームステイしています。彼女の作品は十字架!信仰心溢れる彼女の心が現れています。単純な完成度、技術では先の兵藤選手より劣っているように見えます。」

 

「しかし!人の心に来る何かを感じさせるものがあります。これは評価は高いのではないでしょうか?」

 

「どんどん行きます!エントリーナンバー3、ゼノヴィア・クァルタ!彼女の作品は剣を持った女騎士でしょうか?凛々しさと美しさを併せ持つ素晴らしい出来です。」

 

「どんどん行きます。エントリーナンバー4、滝川義人!一誠を除けば最終選考に進んだ唯一の男性。作品は……これは何かのロボットアニメとかに出てくる乗り物ですかね?」

 

「僕そこそこ詳しい方ですだと思いますが分かりませんね。これは俗にいうドリル戦車ですかね?否、車と言うより船に近いのかな?」

 

「これは私が個人的に思い入れがあるものだよ。な~に、単に想像したものだから気にしなくていいよ。」と滝川さんが言うので先に進める。

 

……何か見たことある気がするんだが何故だろうな?そう思いつつ進める。

 

「最後はエントリーナンバー5、伊藤歌織!作品は……これは蛾でしょうか?でも、どことなく愛らしさと神秘的な雰囲気を併せ持っていますね。これは?」

 

「私の家で信仰している神の姿を模したものです。」と伊藤さんが応える。……やっぱりモスラか。

 

「ではこの5点でいいと思ったものに投票してください。保護者の方も参加していいですよ。」と進めようとしたが伊藤さんが待ったをかけた。

 

「お持ちください。予選に落ちたのも合わせてまだ紹介していないものありますよね?」

 

「……い~や~、ここまで出さない奴が悪いからもう無視して投票しましょう。」

 

「分かっているんですよ。剣吾さん、貴方自分の奴を見せるのが嫌でわざと作品コンクールみたいなことしているんですよ?」「そ、ソンナワケナイヨ。」

 

「剣吾、年貢の納め時だ!恥をかけ!!」と一誠がいつの間にか箱ごと僕の粘土を取り出そうとしている。

 

や、ヤバい。あんなもの誰が見ても徳はしない!

 

必死に止めようとするがクラスメイト全員に取り押さえれ不可能。や、やめろー!!

 

そして一誠が箱から出して教壇の前に置いた。その瞬間、教室から音が消えた。

 

「笑いたければ笑えばいいさ!どうせ、僕は下手くそだよ!!」と半分やけになって言い放つ。

 

「……こ、これは何て禍々しい?どこかのカルト宗教で生贄を10は軽く捧げられた邪神像の様な邪悪で悍ましいオーラを感じる。」

 

「こんな危険な物、即座に除霊しなければ!」「こ、怖いです。」

 

「剣吾君にはこんな闇……が。」

 

「お前、ここまで酷くなかったぞ?どんだけ悪化させてんだ!?夜中にベッドの傍にあったら泣くぞ!?っていうか漏らすぞ!!」

 

「剣吾、一誠の事でストレスになってたんだな?」「ごめんなさい、貴方に押し付けてばかりで。」

 

と口々に言う。……君達、僕にも傷つく心があるんだよ?分かっている?

 

しかし、我ながら下手だなあ。恐竜作ったのに全くの別物。どっちかって言えばドラゴンゾンビ?

 

しかも中途半端に崩れているのでかなり不気味?関節とかどうなっているのってレベルだ。

 

そんなわけで作品発表会はする雰囲気ではなくなりそのまま解散した。

 

因みに僕のはこれ以上不安にさせちゃいけないからさっさと壊してまた塊に戻した。

 

なぜか皆が怖がって止めようとしたがそんなもんは無視。あのままあっても誰も得しない。

 

昼休み、先ほどの授業で地味に傷ついている僕に対し一誠は自分の作品をリアス部長に見せられるとウキウキしている。

 

そんな時だった。何やらカメラを持った人が大急ぎでどこかに集まっている……。

 

そっちに向かう途中、オカルトメンバーも騒ぎを聞きつけたのか集まっていた。

 

一誠はリアス部長に早速見せて褒められていた。その時朱乃さんが自分もやってほしいと言うと一誠も興奮して是非!と叫ぶ。

 

その瞬間アーちゃんとリアス部長に頬を引っ張られている。

 

面倒になりそうだから先に人垣のある方に進む。近づくと人垣の間から何やら見おぼえがある姿が見える。

 

あれは確か魔法少女ミルキースパイラル7オルタナティブに登場するミルキーの衣装。

 

その瞬間、僕たちのお得意様である世紀末覇王ばりのガタイがいい漢が猫耳ゴスロリを愛用している漢の娘ミルたんを連想した。

 

だが、ミルたんならもっと悲鳴若しくは写真に撮るなんて行為はしないからそれはないだろうと考え直す。

 

そしてよく見ようと近づくとそこのはまさに魔法少女のコスプレをした美少女がいた。……何となく誰かに似ている気がするが誰だっけなあ?

 

年齢は僕たちと同年代より多分上だろうな。でも童顔だからちょっと怪しいかも。

 

ちなみに上だと判断したのは一誠の好物が立派なサイズだから多分そうかなあと思っただけ。しかし、いつまでもこのまま撮影大会は普段ならいざ知らず今日はまずい。

 

さて、どうしたものかと考えていると「おらおら!公開授業の日に撮影会とはいい度胸じゃあねえか!恥去らず前にさっさと解散しな!!」

 

と匙君を筆頭に生徒会メンバーの登場にカメラ小僧は蜘蛛の子を散らすように解散していく……。

 

大したもんだ、生徒会は……。この調子で一誠達も取り締まってくれれば僕も楽できるのに。

 

否、彼らでも手に負えないアイツらがやばいのか?人間だったはずなのに悪魔の手に負えなかったとか?

 

そ、そんな訳ないやろ!内心狼狽している僕を余所に魔法少女と匙君たちのやり取りを聞く。

 

「もしかして父兄の方ですか?だとしてもその恰好は困ります。もう少し落ちついた格好で……。」

 

「えー、だって、これが私の正装なんだもん☆」何か面倒そうだなあ。

 

生徒会長でも呼んでくるかなと思ったその時「剣吾君じゃないか!」と聞き覚えがある声が聞こえた。

 

そっちに視線を移すとサーゼクスさんと彼と同じ紅髪をしたダンディな雰囲気を漂わせる中年男性がいる。

 

顔立ちも似ているから恐らく……「ひょっとしてリアス先輩のお父様ですか?」

 

「その通りだよ、中島剣吾君。披露宴の時以来だね。あの時はお互い満足に話すこともなかったから碌な自己紹介もしていなかったね。」と言い

 

「私の名はジオティクス・グレモリー。グレモリー家の現当主にしてサーゼクスとリアスの父だ。」と名乗った。

 

「今後とも子供たち共々よろしく頼むよ。」

 

「いえいえ、こちらこそ多大なご迷惑をお掛けすると思いますがよろしくお願いいたします。」と慌てて頭を下がる。

 

穏やかなのにどこか威厳を感じる。これが貴族って感じのお手本みたいだ。

 

「おや、セラフォールか、君も来てたんだね。」とサーゼクスさんが魔法少女に気づき声を掛けると何故か匙君を始め生徒会メンバーが驚愕の表情をしている。

 

”ルシファー”に会ったからという訳じゃなさそうだ。「あ、サーゼクスちゃんにグレモリーのおじ様。ご機嫌用。」と挨拶している。

 

まもなく一誠達も合流したが一誠以前のオカルト部が魔法少女を見るや否や驚愕の表情をし、反対から生徒会長も同じ反応を見せた。

 

「あ、ソーナちゃんみっけ!!酷いわよ、私に授業参観教えないなんて!!」

 

今気づいたが雰囲気が真逆だから気付かなかったが誰かに似ていると思ったら顔立ちが生徒会長に似ているんだ。

 

セラフォールと言う名前に悪魔が反応している、さらに魔王であるサーゼクスさんをちゃん付けで呼ぶことができる関係……。

 

ソーナ生徒会長に似た顔立ちでジオティクスさんをおじ様と呼ぶから9割姉妹。

 

それも多分ソーナちゃんづけだから多分こっちの方が年齢が上。つまり姉

 

悪魔は外見年齢を変えられるから見た目で判断しない方がいいとサーゼクスさんからこの間泊まった時に教えられた。

 

……そしてソーナ生徒会長はリアス先輩同様魔王の妹である。これらの事から合わせると

 

「……ひょっとしてソーナ先輩のお姉さんですか?ってことは魔王様なんですか?」と情報を合わせるとこれが正解のはずなのに信じられない自分がいる。

 

「せいか~い!!私がセラフォルー・レヴィアタンよ!貴方の事は良く知っているわよ。噂のゴジラを宿した人間、中島剣吾君。」

 

「「ええええええええええええええええええええええええええ!?」」と一誠と匙君が驚きの声を上げるのは当然の事だった。

 

僕自身も本人と会話しているから必死に叫ぶの耐えただけででなければ叫んでいた。

 

我ながらよく耐えれたものだ……。否、これはショックを受けすぎて半ば現実逃避しているのか?

 

「……何か随分ショックを受けているみたいだけど何か言いたいのかな?」と一見笑顔で穏やかに聞いてくる。

 

だが、妙なプレッシャーを感じるのは気のせいでないだろう。

 

まさか魔王の紅一点が魔法少女何てイメージと違いすぎてびっくりしました。何て言えるわけないだろう!

 

余裕で死ぬわ!!確かこのセラフォルー・レヴィアタンさんって確かグレイフィアさんと昔最強女悪魔の座を争ったていう猛者でしょ?

 

命がいくつあっても足りん!!だが、このままだと一誠や匙君に矛先が変わるかもしれない・・・。

 

一応部外者である僕と違って悪魔である二人に質問されたら僕以上に下手な受け答えできない。

 

ここは「一般的な魔王のイメージと異なりまさか魔法少女の姿とは思ってみなかったもので。」

 

「いいでしょう~!!魔法少女ミルキーを元にして作った私が主役の番組。その名も魔法少女マジカル☆レヴィアたん!!だから私のことを気軽にレヴィアたんって呼んでくれてもいいのよ☆」

 

「……そこは折角本物の魔王何ですから魔王少女の方がいいのでは?昨今の魔法少女界も多様化しているのでそこで差別化するためにもそうした方がいいのでは?」

 

「う~ん、そうゆう意見もあったけどやっぱり魔法少女の方が響きが良いからこっちに決定したのよ☆」

 

よし、何とか受け答えできている。

 

「でも、貴方がゴジラねえ……。まあ、いい子そうだからこれからよろしくね。でも、もし暴走してソーナちゃんを危険な目に合わせたら容赦なく抹殺よ☆」

 

ど、どっちだ!?口調が軽いから冗談なのか本気なのか判断が厳しい。

 

ここは真面目に返すべきかそれとも合わせて軽くギャグっぽく返せばいいのか?そう必死に考えているとふっと気づいた。

 

「先ほど授業参観教えないって言ってましたけどじゃあ、何でここに来たんですか?」

 

「サーゼクスちゃんから聞いたの!それでびっくりして私も来たのよ!酷いと思わない!?」

 

「おそらくそれはその魔法少女の格好でしょうね?」「どうして~?」

 

「プライベートの生徒会長を詳しく知りませんが学校では冷静沈着で知的なイメージがありますからそれを壊したくないんだと思います。」と考えながら言う。

 

「貴方方も家族、友人、仕事で全く同じということはないでしょう?そうゆうことですよ。セラフォールさんのその恰好もきっとあなたの信念があるんでしょう?

 

が、もし妹さんのことが可愛く思うなら妹の為に信念を曲げてみるのもいいのでは?そうすると普段より甘えてくれるかもしれませんよ?」

 

「その通りです。中島さん!」と生徒会長が涙を流して頷いてくれた!

 

「もう、ソーナちゃんは照れ屋なんだから!」「だからそうゆう問題じゃないんです!」

 

そんなやり取りを眺めていたら匙君と一誠がひそひそ話始めた。

 

「な、なあ、匙。この前コカビエルが襲来してきたときに会長がお姉さま様を呼ぼうといない理由なんとなくわかったが、一応聞くが仲が悪いからってわけじゃないんだな?」

 

「逆だ逆、その逆だ。聞いた話だと、お姉さまであるセラフォール様は妹である会長を溺愛しすぎているから、何しでかすかわかんないってさ。」

 

「コカビエルが自分の妹の命を狙っているなんて知ったら即戦争だよ。あの時はサーゼクス様を呼んで大正解だったんだよ。俺も初めてあったけどまさかこれほどとは……。」

 

「全くセラフォールも少しは落ち着いてほしいものだね、リーアたん。」「お兄様、リーアたんって呼ぶのはいい加減辞めてください!」」

 

「リアス、怒った顔もいいぞ!来れなかった妻の分まで写真を撮らせてもらおう。」とグレモリー家も騒ぎ始める。

 

あっちもこっちも騒いで。後から朱乃さんが言うには魔王の兄弟はフリーダムな兄、姉のためか皆真面目な性格をしているものが多いらしい。

 

こりゃあ、そろそろ手を打つか。悪魔では魔王に口出しできないだろうし。

 

一誠が視線で助けをこうので僕も近づき耳元に囁く。「この事態を解決するには一誠、君の力が必要だ。」

 

「……俺に!?どうやって?」「朱乃さんの胸を揉め!それですべてが解決する。」

 

「え、何言っているんだ!?」

 

「ぶっちゃけ誰でもいいのだが多分この状況で怒らないの朱乃さんかアーちゃんのどっちかだと思うから。どっちでもいいぞ、早くしろ。」

 

一誠は疑いつつあったが朱乃さんに「すいません、朱乃さん。この事態を解決するために剣吾が言うにはあなたの胸を触ると解決するそうです。」

 

「・・・わかりました。流石にこのままにしておけませんしどうぞ。」そういうと豊満の胸を突き出す。

 

一誠がそれを見て指を卑猥そうな動きをさせ凝視しつつ近づく。そろそろ来ると思ったんだけどなあ。

 

そして触れようとした時。「いっせ~い~さ~~ん!!!」という怒号が聞こえた。

 

その瞬間、全員の動きが止まった。どこだ!?どこから来る?右か、左か?そう思っていると

 

一誠の後ろにある窓が突如開き、伊藤さんが一誠に飛び蹴りを見事命中させる!!一誠は大きく吹っ飛ぶ!!どっから来たんだ?

 

その窓内側からしか開かないはずの窓なんですけど!?しかもちゃんと鍵が閉まっているのに!?否、今はそんなことより!

 

「また、貴方は!!今日は保護者もいるんですよ!!」「よく来てくれました!伊藤さん!!早速だけどこの事態何とかしてほしいです。」

 

と僕は伊藤さんの説教に中断させこの泥沼状態を見せる。

 

「セラフォールさん!サーゼクスさん!何なんですかその様は!!お二人とも魔王でしょう、もう少し振る舞いを……」と魔王にも一切怯まずガチの説教が始まった。

 

さらに「ジオティクスさん!貴方も年長者として……」とジオティクスさんにも説教し始める。

 

どうやら”モスラ”の巫女である伊藤さんには魔王と言えど逆らえないのか、それとも単純に伊藤さんの迫力にビビっているのか……。

 

「グレイフィアさんとヴェネラナさんに今回の事を報告させていただきます!セラフォールさんもご両親に今回の事を伝えます。よろしいですね?」

 

「「頼む!妻には内緒に!!」」「お願い、お父様お母様、おばさまには言わないで!!」と必死に頼み込む。その姿に威厳もくそもない。

 

そんなに怖いのか……。どこの家庭も一緒だね。少し親しみを持てた。

 

その様を哀れに思ったのか「まあ、今回はじゃあこれで終わりますが相応しい格好と振舞いしてください!良いですね!!」「「「は、はい!!」」」

 

と全員が頷いた。とても冥界には見せられない姿だな……。

 

「伊藤さん、ありがとうございました。」「本当に感謝するわ、歌織!」と生徒会長とリアス先輩も涙を流しながら感謝していた。

 

いや~、解決してよかった、よかった。「……剣吾、お前~。」「よくやった、君の犠牲で無事解決した。もう起きていいぞ。」

 

「てめ~!!そうゆうことか!」

 

「伊藤さんを呼ぶには君がセクハラすればすぐに飛んでくると思ったから正解で良かった。見なさい、リアス先輩と生徒会長のあの笑顔。」

 

「あの笑顔のためなら多少痛い思いしてもよかっただろう。後ここで暴れるとさらに制裁されるぞ?」

 

「てめ~、覚えてろ!」「馬鹿言え、これで少し貸しが消えただけだ。まだまだあるんだからな。」

 

と言い争っていると「一誠、剣吾。」と父さんと母さんがこっちに来た。

 

すると先輩のお父様であるジオティクスさんが「お二人が君たちのご両親かな?」と先ほどと打って変わり最初に見た大人の威厳溢れるオーラを漂わせ聞いた。

 

「はい、僕たちの父母です。父さん母さん。こちらは」

 

「初めまして、リアスの父ジオティクス・グレモリーと申します。娘がお世話になっております。」

 

すると当たり前だけど父さん母さん緊張しながらテンパっている。そりゃそうだ。いきなりリアス先輩の父上それも貴族オーラが隠せない人物だもん。

 

テンパらない方が可笑しい。軽く挨拶すると木場君に落ち着いて話せる場所を案内してほしいと頼み両親と共にどこかに消えた。

 

サーゼクスさんも部長と朱乃さんに話があるそうでどこかに移動した。

 

セラフォールさんもいつの間にかスーツに着替えそのまま生徒会長を含めたシトリー眷属と共にどこかへ移動した。

 

……すっかり人が消えたな。残った僕たちはとりあえずすることもないし次の授業もあるから教室に戻ることにした。

 

……保護者が帰り校舎から出た直後一誠に奇襲され激しい格闘戦を繰り広げることになったのは別の話。

 

そして家に戻るとグレイフィアさんも含めたグレモリー家が我が家で授業参観の鑑賞会をしていた。

 

前回の時同様この中で一番ダメージが少ない身内である僕がウェイターモドキのことをしていた。

 

大人は酒が進み盛り上がる一方子供は恥ずかしそうに隅で縮こまっていた。

 

しかしいつの間にこんなにリアス先輩のお父様と家の両親が仲良くなったんだろうか。

 

このままここにいても辛いと思ったから僕が上手く皆を部屋に戻し一人相手をしていた。

 

また、一誠とリアス先輩の仲はどうだとか似たような話をしてくるし、少しは情報を共有してほしい。

 

……否、貴族レベルだったら一々そんな細事話す暇もないか。

 

そう思いながら相手をしていた。ああ、どいつもこいつも酔っぱらいはめんどくさい!

 

だから相手するのが嫌なんだよ!っと心の中で叫びつつもそんなことを言えるわけもなく態度に一切出さず(出してないよね?)愛想よく対応していたと思う。

 

そんな時にサーゼクスさんが僕に耳打ちしてくれた。

 

後で一誠達にも話すのだが部長の眷属でいるとは聞いたけどまだ会ったことがない『僧侶』(ビショップ)ともう少しで会うことになるよ、と。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ポケモン第9世代発売決定!いかん、まだ剣盾のダイマックスで伝説色違いに苦戦しているのに。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第四章 停止教室のヴァンパイア編 4

前話で載せようと思って忘れていましたが初代ゴジラに出演してた宝田明さんが星になりました。


オカルト研究部は授業参観の翌日、僕中島剣吾と義兄兵藤一誠以降グレモリ-眷属に入ったメンバーが一度も会った事がない『僧侶』(ビショップ)と対面するために旧校舎一階にある「開かずの教室」と呼ばれる部屋の前にいる。

 

話によると自分の持っている力を制御できないらしく、部長の能力では扱えきれないと判断され厳重な封印がされていた。

 

それがフェニックス戦とコカビエル戦で部長の評価が上がり今なら扱えるのではないかと判断され今回そのチャンスを貰ったという訳らしい。

 

一誠以前からいる部員もこのままにするのは忍びなかったので今回の決定を喜んでいるが同時にそううまくいくのかという心の声が聞こえるような表情をしていた。

 

扉の前にある「keep out!」と記されたテープが何重にも張られしかも何やら呪術的な刻印まである。

 

そして夜中ということもあり完全にホラー映画で禁断の場所に遊び半分で侵入し呪われる登場人物そのものだった。・・・大丈夫だよね?

 

雰囲気に加え封印されたこともあり危ない奴じゃないだろうかと内心不安になる。

 

するとリアス部長が僕の不安を察したのか説明し始めた。

 

「封印されている子は一日中、ずっとここに居るわ。一応、深夜には自動的に封印が解除されて旧校舎内なら自由に出歩けるようにはしているのだけど、本人がそれを拒否しているの。所謂引きこもりなの。」とため息つきながら言う。

 

「でも、実は眷属の中では一番の稼ぎ頭なんですよ。」朱乃さんがフォローする。

 

「今はパソコンと言う便利なものがあってね。私たち悪魔と直接面を合わせたくないっていう依頼主も昔からいるからその手のタイプには正に適任ね。あの子はパソコンに関しては悪魔界でもかなり重宝されているのよ。」と若干誇らしそうに言う。

 

なる程ね。言われてみれば悪魔に会う何て勇気がいるしそっちの方がいいかもしれないね。しかし悪魔がパソコンか……。何かイメージ崩れるが今更か。

 

そして封印が解けると扉が開かれる。「イヤァァァァァああアアアアアアア!!!」

 

すごい悲鳴が聞こえた!!?でも、旧メンバーは驚く素振りを見せず無視して扉の中に入る。

 

「久しぶりね、ごきげんよう。元気そうで良かったわ。」「な、な、な、何事ですか!?」とリアス部長とやり取りする『僧侶』(ビショップ)。

 

「貴方の封印を解いていいと上から許されたんですよ。ですから一緒に出ましょう。」と優しい声で言う朱乃さん。だが、

 

「嫌ですぅぅぅー!!ここにいますぅううう!!外にでたくなああああいいいいい!!」

 

僕も人見知りな方だけど流石にここまでではない。「いけませんね、このままでは。彼の社会復帰させないと!」と隣で伊藤さんが張り切っている。

 

世話好きにはたまらないタイプらしい。……今から内心同情してしまう。

 

僕達も部屋に入るとそこには女子制服を着た可愛い系の顔立ちをした金髪双眸をした人形のように端正な顔をした子が現れた。

 

震えているのも合わさり子犬や子猫みたいだな。

 

「おお、外国の可愛い女の子!!」と一誠が興奮している。……こうゆうのアイツの方が気づくと思ったんだけどなあと思いながら一応一誠に言う。

 

「珍しいね、君が男にそこまで歓迎するなんて?」

 

「よくわかったわね、剣吾。初見で分かったの貴方が初めてかも。」とリアス部長も驚きながら肯定した。

 

……一誠は耳に聞こえているが頭に入らないという状態でそのやり取りをきいていた。次の瞬間!

 

「うわあああああああああ!!」といきなり絶叫しびっくりしたので思わず悲鳴を上げつつ殴り飛ばしてしまった!「びっくりした、何急に!?」

 

「う、嘘だ!!だって女性の服じゃないですか!」「女装趣味があるのよ。」と一誠に説明するリアス部長。「心は女性ということですか?」

 

「い、いえ、僕は女性の服が可愛いから好きなだけで普通に女性が好きです。」と僕の疑問に応える『僧侶』。まだお互い名前すら知らないけど応えてくれた。

 

少し性格が似ていると思ったからかなあ?まあ、一誠よりは印象はいいとは思いたい。でも単に女装が好きなだけか。良かった、変に気を使わなくて済むから助かる。

 

「なんで、何で!!……こんな完璧な美少女が野郎なんだ。……下手したらそこらの女の子よりよっぽど可愛いじゃないか。……それなのに股間にチ○コが付いているだなんて!!どこまで残酷なんだ、現実ってやつは!!

 

しかも女装が趣味っていうのがさらにひどい!!百歩譲って外見が美少女みたいなのは仕方ないがさらにそれを趣味にしているあたりに悪意を感じる!!

 

似合っている分、余計にショックがでかい!!大体、人に見せるからこその女装だろうがよ!!引きこもりの癖に何のための女装だ!!?」

 

あいつ、よく息継ぎしないであそこまで叫べるな……。変な所で感心する。

 

そんないちゃもんつけてくる変態……一誠に対し『僧侶』が怯えつつ反論する。

 

「だ、だって……女の子の服の方が可愛いんだもん。」

 

「可愛いもんとか使うな!!俺はお前を見た瞬間ダブル金髪美少女の『僧侶』(ビショップ)を夢見たんだぞ!!俺の夢を返せ!!」

 

「さっきから人の隣で叫んでんじゃね!!いい加減うっさいわ!!」と僕は流石にキレてぶん殴る!!

 

「ってお前はなんでそんなに冷静なんだ!?すぐに男だって分かったし!」

 

「……何か波長が合ったんだよ。何となく部屋に入る前から男だって気がしていたからかな?」と僕が応える。本当に何でか分からないけど男って気がしたんだよね。

 

「……人の夢と書いて儚いって読むんですよ、イッセー先輩。」「シャレにならないから!子猫ちゃん!」と一誠が吼える!

 

「そろそろ名前教えてもらっていいですか?」と僕はこのままだと埒が明かないと判断し聞いた。

 

「彼の名前はギャスパー・ヴラディ君。吸血鬼と人間のハーフだよ。デイウォーカーと呼ばれる日の下でも歩くことができる特殊な吸血鬼の地を引いているんだ。それでも日の光は苦手らしいけど。」と木場君が教えてくれた。

 

「太陽何て大きっらいだ!!」と叫ぶギャスパー君。

 

まあ、吸血鬼から悪魔に転生したなら日光はどっちも苦手だから仕方ないかもだけど太陽が無いと地球の生物は死滅するから我慢してくれ。

 

「と、ところで、貴方たちは誰ですか?」と僕たちの指していう。

 

「最近眷属になった子達とその協力者よ。まず貴方と同じ『僧侶』(ビショップ)のアーシア・アルジェント。元シスターよ。」まずアーちゃんを紹介し

 

「次は『騎士』(ナイト)になった一番新しい眷属ゼノヴィア・クァルタ。元教会戦士だったの。」ゼノヴィアさんに

 

「貴方への文句が多いのが兵藤 一誠(ひょうどう いっせい)。『兵士』(ポーン)で神滅具(ロンギヌス)赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)を宿しているから全部の駒を使ったわ。」次に一誠

 

「その隣にいるのが彼の義弟中島健吾(なかじまけんご)。最近分かっただけど巨獣器(タイタンギア)を宿していてちょっと貴方に似た立場かもしれなわね。」僕に

 

「で剣吾を監視するために来たのが彼女、伊藤歌織(いとうかおり)。巨獣器を封印できる巫女で聖獣モスラの巨獣器を宿しているわ。」歌織さんと紹介してくれた。

 

「詳しい話はこの部屋を出てから説明するわ。まずは出ましょう?」

 

「嫌ですぅぅぅー!!僕には外の世界は無理なんですぅぅぅー!!怖い、お外怖い!箱入り息子というで許してくださぁぁぁぁぁい!!」

 

ふっと僕は気づいた。「そう言えば吸血鬼なら血をどうしているの?引きこもりなら血を吸いにいけないから輸血用の血液パックとかですか?それともそもそもハーフだから血を吸わなくていいですか?」

 

「どっちも正解よ。10日に一回血液パックでいいのよ。……そもそも血が苦手なんだけど流石に全く補給しないとまずいから無理矢理飲んでいるの。」

 

「血は生臭いから嫌いですぅぅぅ!!レバーもいやあぁぁぁぁぁ!!」

 

「そうですか。正直血を吸ったら怖いと思うから安心したよ。」

 

と僕は率直な感想と共に落ち着かせようとするのだが一誠が男だと知って行き場のない怒りでいらだっているのだろう。

 

無理矢理引っ張り出そうとする。ちょっと、そんな乱暴な。

 

「ほら、部長が言っているんだから外に」すると突然一誠の動きが固まった。

 

まるで一時停止ボタンを押したみたいだ。

 

「……一誠、どうしたんだ?君もちょっと待って。」と一誠の手から逃れたギャスパー君を捕まえる。

 

「え、え、何で動けるんですか?」「ってことは君の力で動きを封じたのか?一体どうやって……?」

 

「おそらく時間、空間若しくはそれに近い種類の力だと思われます。」と伊藤さんも僕の傍に来ながら言う。

 

「あ、貴方も何で効かないですか?」「それは先ほども言った通り巨獣器使いだからです。」

 

「とりあえずこのままだと話が進まないので解除しますね」と言うと一誠達が動き出した。

 

「あ、あれいつの間に?」「……伊藤さん、そんなことできたんですね。」

 

「モスラの巫女ですから。この程度はできないと」時間停止を解除するのをこの程度ってどんだけ……。

 

色々レベルの差を痛感させられ密かに傷つく僕。一誠以前のオカルト部は時間停止の事を知っているのでまたかという感じの雰囲気だったが一誠達新入りは驚いている。

 

当然だろう。向こうからすれば一瞬で掴んでいたギャスパー君が遠くに行ったのだから。

 

「じゃあ、詳しい話は外でしましょう。剣吾さんしっかり捕まえてください。今度やっても私が無力化するので大丈夫です。皆さん、行きますよ。」

 

「いやああああ!!たすけてくださぁぁぁぁぁい!!」「……ごめん、逆らえないから無理。」と抵抗するギャスパー君を抱え上げいった。

 

 

部屋から遠ざかり隠れる場所がないので近くにあった空のダンボール箱に入るギャスパー君。文字通りの箱入り息子になったなあと変に感心してしまった。

 

「……ひょっとして彼は停止世界の邪眼(フォービトゥン・バロール・ビュー)を宿しているのですか?」「ええ、よく分かったわね。」

 

と伊藤さんとリアス部長が話すのにちんぷんかんぷんな新メンバーを代表して僕が口を挟む。

 

「すいません、一切事情が分かんないのですがまず停止世界の邪眼(フォービトゥン・バロール・ビュー)って何ですか?神器(セイクリッド・ギア)ですか?確かバロールって邪眼を使う何かの神話に登場した神様の名前だった気がしたんですが?」

 

「よく知っているわね。ケルト神話の邪神バロール。邪眼の代名詞と言っても過言じゃないわ。もう滅んでいてバロールを模したものであってイッセーみたいに本物は宿っていないから安心して。」と説明し

 

「その力は邪眼の名前の通り見たものに効果を及ぼすの。それこそが時間停止能力。一応使い手より上位の存在特に高位の神とかになる程効果がないけどそれでも十分強力ね。」

 

「僕たちが平気だったのは怪獣を宿しているからですか。」と部長の説明に納得して返事する。

 

「そう、問題はさっきみたいに制御できないの。だから無意識に神器が発動してしまうのが原因で危険視され封じられていたのよ。」

 

「あの先ほどから巨獣器とか怪獣って何の話ですか?」とギャスパー君が聞いたので簡単に説明した。

 

「そ、そんなおっかない事になっていたんですか?僕が引っ込んでいる間に。」

 

「自分に宿ったものが原因で危険視されるという点ではそっくりかもね。僕達。」と僕が言うとギャスパー君は怖がりながらも同じように感じたのか頷いてくれた。

 

「でも時間停止ってスゲーな。」「二天龍宿した君が言うセリフじゃないな。それにどんな力も使い越せないと意味がないよ。僕みたいにね。」と一誠に僕が応える。

 

「一つ感謝するのは二人の神器が逆じゃなくて本当によかった。」「どうゆう意味だてめー!!」

 

「……聞きたいか?」と漫才しているとふと気づく。

 

「あれ?彼が『僧侶』なら価値3ってことですよね?この能力ならそこまで低くないと思うんですが?何で駒一個でできたんですか?」

 

「それは変異の駒(ミューテーション・ピース)を使ったんですよ。」と朱乃さんが本を開いて説明してくれた。僕達新入りは開かれたページを覗き込む。

 

「悪魔の駒における本来、複数の駒を使うであろう資質を宿した転生体を一つの駒で済ませてしまう特異な駒ですわ。上位悪魔の十人に一人は持っていて本来はほぼバグですがそれも一興と言うことでそのまま運用していますのよ。」

 

……変異の駒ねえ……。

 

「問題は彼の素質が高すぎて無意識にどんどん神器の力が高まっていくの。上の見解ではおそらく禁手に至るのも時間の問題とされているわ。」

 

自由にコントロールできないのに禁手とはそれはまずいな。神器も不便なもんだ。

 

「ふと思ったんですけどモスラの力で抑えることはできないんですか?」「・・・できなくはないですが、神器は所有者と密接に結びついていますから余り力づくで抑えるのはお勧めしません。」

 

「そうですか、やっぱりそう上手い話はないですね。」と悩んでいると「うぅ、ぼ、僕の話なんかして欲しくないのに・・・」とギャスパー君が泣き言を言う。

 

慰めようとしたら一誠の奴が無言で蹴りを入れたのでさらに悲鳴を上げる!オオーイ!!?

 

「てめー!!何しとんじゃー!!」と馬鹿に殴りかかる!

 

「いてー!!何すんだー!!」「こっちのセリフだ!!引きこもりの子を何いじめとるんじゃ!!」

 

「ああゆう優柔不断している奴は好かん!!」「文句言えるような人間になったつもりか?おこがましい!!」と激しくぶつかり合う。

 

それを無視して「潜在能力は朱乃に次ぐ資質よ。ハーフとは言え由緒正しい吸血鬼の家柄だし、神器も人間の血を引いているから宿している。それも時間を止めるような強力なものをね。」

 

「勿論、吸血鬼の能力も宿しているし、人間の魔法使いが扱う魔術も扱えるわ。変異の駒がなければ僧侶の駒1つでは絶対に眷属にはできない程の資質よ。」

 

へえ、そんなにすごいんだ。僕達とは大違いだな。「……相変わらずのヘタレヴァンパイア。」と小猫ちゃんからの痛恨の一撃。

 

一誠以外に毒舌する子じゃないからちょっと驚いた。

 

やっぱり同級生だから突っ込みやすいだろう。考えてみれば子猫ちゃんからすれば皆先輩色々気を遣うんだろうな。と思っていると

 

「あれ、俺先輩なのに容赦ないのは気のせいか?」「……先輩だからって皆が無条件に尊敬されるとは限らないよ。」「ほほう、どうゆう意味だ?」

 

とまた喧嘩になりそうだったが伊藤さんが咳払いしたので大人しくなった。

 

「私と朱乃、祐斗は会談の会場の打ち合わせと聞きたい話があるとのことだからこれからその準備をするからギャスパーのこと貴女たちに任せていいかしら?」

 

「……やるだけやってみます。」と僕が代表し応じた。

 

リアス部長達がいなくなるとまずは普段何しているか世間話でもするかと思っているといつの間にか段ボールが消えていた。

 

あれ、伊藤さん以外のオカルト部がいない。あれ、いつの間に?

 

「あれ、皆は」「剣吾さんが悩んでいる間にゼノヴィアさんが仲間にするなら軟弱は好かないから少し鍛えると言って出て行きました。」

 

「止めなくて大丈夫ですか?」「まあ、身体を鍛えるのは悪い事ではありませんし、まずは任せてみましょう。」と言う。

 

取りあえず僕たちも後を追う事にした。

 

 

校庭に近づくにつれ何やら悲鳴が聞こえる。……あの子はすぐ悲鳴を上げるからまだ判断は早い。

 

そして校庭に着くと二人して目が点になった。

 

ギャスパー君が一生懸命走っている。本来は喜ぶべきこと何だろう。だが、

 

「デイウォーカーなら日光も平気だろう。ほらほら、走らないと不幸な事になるぞ。」

 

「ひ、ひいいい。聖剣を振りまして追いかけてこないでください!!」

 

「こうでもしないとお前は真剣ににやらないだろう。叫ぶ暇があったらまずは足を動かせ!」

 

「……ギャー君、ニンニク食べてパワーアップしよう。」「子猫ちゃん!それほぼ毒だから!いじめないデー!!」と叫んでいる。

 

「ほらほら、二人とも何をしているですか?そんないじめ許しませんよ。」と伊藤さんが助け船を出す。

 

「あ、ありがとうございます。助かりました。」と感謝するギャスパー君だったが

 

「ところで貴方に対して今後の筋トレスケジュールを作りました。さあ、後10週走りましょうか?」

 

「い、いやー助かってなかったああああ!!」と悲鳴を上げるが本能的に逆らうと碌な目に合わないと察したのか素直に走り始めた。

 

……お気の毒に。しかしゼノヴィアさん、随分楽しそうだ。そう言えばこっち来てから全てが新鮮で楽しいと言っていたなあ。

 

教会では楽しめなかった青春を体験して欲しいものだ。子猫ちゃんもいじれる関係らしいので随分楽しそうだ。もう少しお手柔らかにして欲しいものだが。

 

そう言えばアーちゃんと一誠はどうしたんだろうと思っているとちょっと涙目で落ち込んでいるアーちゃんを一誠が慰めているようだ。

 

僕はそっちに向かっていき話を聞くと以前から同じ『僧侶』と話をしたかったのに目も合わせてくれなくて落ち込んでいるとの事だ。

 

「……アーちゃん、もう少し様子を見よう。彼は人より繊細なんだと思う。でもね、多分今の彼は君が教会に追放されて不安だった頃に近いと思うんだ。」と頭をなでながら話しかけ

 

「僕たちより付き合いがあったリアス部長達でさえあの調子だ。でも、いつか必ず仲よくできると僕は信じている。だからその時を待とう。」と慰めた。

 

「おー、やってるなあ。」と第三者の声が聞こえたのでそっちに目を向けると匙君が現れた。

 

「引きこもりの眷属を連れ出して鍛えていると聞いて見に来たんだがあれか?」

 

「ゼノヴィアさんが追いかけている金髪の女の子か?しかも可愛い!」

 

「そう見えるけど残念。一見女性に見えるけど彼は男性だよ。名前はギャスパー・ヴラディ君。そして剣を振り回されて追いかけられている事にまずつっこまないのかい?」

 

それを聞き心底ショックを受け落胆した匙君。「そりゃ、詐欺もいいとこじゃねえか。っていうか、ひきこもりで女装って矛盾もいいところだろ。」

 

「だって普通女装って誰かに見てもらうためにするものだろうに。誰が分かるんだよ、そんなの。」

 

「だよな!普通そうだよな!似合っているのが腹立つ!」と一誠が相づちを打つ。

 

「まあ、服を楽しむのは他人に見せるためだけじゃないからね。コスプレを家でひっそりSNSにも載せずに自分だけで楽しむ人もいると考えると同じことじゃないかな?」

 

「因みに僕は初見で分かったよ。」「何で冷静なんだよ。」「そんなことよりその格好は何?」

 

匙君がジャージ姿で小さなシャベルを持っているのが気になった。

 

「花壇の手入れだよ。会長の命令で一週間前からやってる。ほら、ここ最近、学校行事が立て続いたし、三竦み会談の会場ってココだろ? 」

 

「魔王様方や他勢力のお偉いさんに見せても恥のない学園の姿にするのが生徒会の『兵士』(ポーン)である俺の仕事だ。」と胸を張って言う。

 

立派なもんだ。僕たちも見習わないと感心している。

 

「へぇ、魔王の妹の眷属さんたちはここで集まってお遊戯してんのか?」と言う声が背後から聞こえたので振りむく。

 

そこには前髪が金髪で顎鬚を生やした矯正な顔立ちにチョイ悪系雰囲気を漂わせる浴衣を着た外人浴衣を着た中年と見られる多分外国人の男性がいた。

 

ワイルドとイタズラ小僧を混じったような男性というのが僕の第一印象だった。

 

誰だろうと思っていると一誠は知り合いらしく驚きの表情をしていた。

 

「お、お、お前はアザゼル!!」「よう、赤龍帝。あの夜以来だな。」

 

その名を聞いた途端、僕と伊藤さん以外身構えた。アザゼル・・・何か聞いた名前だなあ?

 

何だっけ?ええっと……確か堕天使の総督そんな名前だったような。

 

「……もしかして堕天使の総督ですか?」

 

「その通り。君が中島剣吾君だな?怪獣王『ゴジラ』を宿した人間。一度会いたかったぜ。」「はあ、そりゃあどうも。」

 

「剣吾何冷静に挨拶しているだ?堕天使のボスだぞ?そいつは!!」

 

「気づくの遅れて驚くタイミングを失っただけだよ。とりあえず落ち着きなさい。もしそのつもりなら今この瞬間に全員バラバラになっていただろう?」と言い

 

「サーゼクスさんのポジションならそのぐらいできるだろう。少なくても今攻撃する事は無いと思うよ。『モスラ』の巫女である伊藤さんがいる場ではしないはずだ。」

 

「ほう、ヴァーリが言っていた通り冷静だな。」「単に暢気なだけですよ。」

 

「あ、あんたも剣吾を狙っているのか?」と一誠が僕を守るかのように前に立ちふさがる。

 

「馬鹿を言うな。俺はあの地獄を経験したんだ。君には是非とも今後もそのまま抑えてほしいものだ。」と言うと何かに気づき

 

「そういや、聖魔剣使いはここにはいないのだな?」と軽く辺りを見渡す。

 

「ここにはいないぞ!!木場を狙っているんだったらそうはさせない!」と一誠が言う。

 

彼が神器マニアだと聞いているからさらに警戒する。

 

「コカビエルに手も足も出ない奴が粋がるなよ。安心しな。新人悪魔をいたぶる趣味はねえよ。義弟君が言うようにやるつもりならモスラの巫女がいるときにやるわけねえだろ。」というアザゼル。

 

確かに伊藤さんの前でそんなことしたら他勢力に堕天使を攻める絶好の機会を与える。そんな自殺行為する訳がない。

 

そうだと頭で分かっていても警戒心が完全に消えないのは無理もない話だ。

 

そんな空気の中一切敵意なくギャスパー君に気づくと話しかける。

 

「散歩に来たんだが面白い奴がいるな。おい、ヴァンパイア。

 

 

お前確か停止世界の邪眼宿しているんだよな?

 

感覚で発動させる神器は持ち主が未熟だと勝手に動くから危険きわまりねぇんだよなあ……。分かっていると思うが使いこなせないと害悪だぞ?

 

お、ちょうどいい奴がいるじゃねえか。

 

黒い龍脈(アブソーブション・ライン)そいつなら練習に使うのに最適だぞ。」と神器を出現させ警戒している匙君を指して言う。

 

匙君が驚きながら「お、俺の神器は相手の力を吸い取るものだかそんなことまでできるのか?」と聞く。

 

それを聞いた途端アザゼル……さん付けしておくか一応。は露骨にため息を吐き呆れた表情を浮かべながらこう言った。

 

「……そんなことも知らなかったとは。悪魔はここまでレベルが低いのか?まあいいだろう、教えてやる。」

 

「黒い龍脈は赤龍帝の籠手の様に龍が封じられている。その名も黒邪の龍王(プリズン・ドラゴン)ヴリトラ。

 

伝説の五大龍王の一角に数えられる程の存在だ。因みに以前は6大だったんだがそいつは悪魔に転生したから5大になった。

 

天龍に次ぐ強大な龍だ。ヴリトラは現在滅びいくつかの神器に分けられている。その内の一つがお前のやつだ。

 

そして黒い龍脈は黒いラインを伸ばしどんな物にも繋いで力の吸収と拡散を行うことができる。

 

短時間なら、持ち主側のラインを一旦引き離して別のモノ同士をつなぐことも可能にする。」

 

もちろん、限度や鍛錬が必要だが使いこなせない停止世界の邪眼の余分なエネルギーを奪い取り暴走させないようにするぐらいなら今のレベルでもできるだろう。」

 

「そうだな、例えば今後シトリー眷属とグレモリー眷属でゲームを行う場合、赤龍帝の籠手の増加や聖母の微笑(トワイライト・ヒーリング)の回復効果を奪い自軍で使うなんて事もできるぜ。」

 

そう言われると匙君は戸惑いつつ「……それって神器以外でもできるのか?」と問いただす。

 

「もちろんだ。だが、それには高い集中力と訓練が必要だがな。ただ、ゴジラだけはやめた方がいいぞ。」「何でだ?」

 

「どうなるかわからん。力が大きすぎて自爆するか。今想定される中で一番最悪なのはゴジラは大量の放射能を含まれているからラインを繋いだ瞬間一気に放射線が流れる可能性も十分あり得る。」

 

それを聞いた瞬間匙君が慌てて僕から離れる。ひ、酷い!

 

「そんな言い方……!」「だが、事実だ。」と一誠の抗議を遮りアザゼルさんが続ける。

 

「神器に限らずどんな力も制御できないと自滅するだけだ。覚えておけ。ま、制御する一番簡単なのは赤龍帝の血を吸いな。ヴァンパイアは血を吸えば力がつくさ。後は自分たちでどうにかしな。」

 

そこまで言うと伊藤さんに視線を移した。「しかし、モスラの巫女が悪魔サイドにいるのはちょっと複雑だな。」「これも使命の為です。ご了解してください。」と応じる伊藤さん。

 

当たり前だけど伊藤さんは全勢力と交流していることを改めて認識した。

 

その時だった。「アザゼル殿、こちらにいましたか?」と聞き覚えがある声が聞こえた。

 

その声を聞いたとき、僕、一誠、アーちゃん、子猫ちゃんの表情が変わった。

 

こ、この声。振り向くとそこには黒一色のスーツにサングラスという映画にでてくるエージェントをお手本にしたような東洋系の美女。名前は

 

「星空 藍(ほしぞら あい)否、……I(アイ)!」そう、彼女はX星人。

 

一誠とアーちゃんの神器を狙い対立したことがあった。そう言えば堕天使についているという話だった。

 

警戒心を高める僕たちに対し「おや、シスター・アルジェントに兵藤一誠さん。そう言えばここは貴方たちが通う学校でしたね。お久しぶりです。」

 

と全く気にしない様子で気さくに挨拶してきた。

 

仮にも一度は殺しあった間だというのにこの対応にこっちも少なからず戸惑ってしまう。

 

「お元気そうで何よりです。総督、ここにいましたか。突然いなくならないでください。何かあったら『神の子を見張る者』(グリゴリ)から責められるのは我々なんですから。」という。

 

「わりいなあ。ちょっと散歩にな。」と全く悪びれることなくいうアザゼルさん。

 

「お前たち、宇宙人なんだよな。何で堕天使と交流しているんだ?」と一誠が聞くとIのことを知らない伊藤さんを始めあの時いなかった人が皆びっくりしていた。

 

「う、宇宙人!?宇宙人なんて本当にいたんですか?」「まさか、宇宙人と会うことになるとはエクソシストでも想像していなかった。」

 

「う、う、宇宙人ってことはエイリアンってことですかああああ!?」

 

「ま、マジかよ、兵藤!」と口々に叫ぶ。

 

それに対しIが「それなら私よりも今一緒に同行しています上司の口から直接お聞きすればいいですよ。そろそろ、ああ丁度お見えになりました。」というと向こうの通りから二人組がこっちに来るのが見えた。

 

ええっと……。あの格好は……。年齢はどっちも10代後半から20代前半と言った感じの男女。男は東洋人風の黒髪短髪で高身長。

 

Iより日本人に近い感じ。どことなく軍人ぽい雰囲気がある。

 

女性はダークエルフやクレオパトラを思わせる褐色美人。長い銀髪が似合っている。で服装なのだが。

 

男性は新選組の格好をしており一方女性は花魁を思われる鮮やかに着物を身に着けておりご丁寧に履き物も草履と高下駄と凝っている。

 

完全に来日した外国人若しくは修学旅行の学生がはしゃいでコスプレしている姿そのものだった。どっちもすごい美形だから絵になっているから文句言う奴もいないだろうけどね。

 

「……俺が言えた義理じゃないがその恰好は?」

 

「折角日本に来たならQ(キュー)が言うもんでこの格好にしました。ああ、これは模造刀ですから安心してください。」と男性が腰に差した日本刀に視線を移しながら言う。

 

「副統制官、彼らは以前報告したグレモリー眷属です。」「へえ、君たちが。」というと僕たちを見た。

 

「初めまして。私はK(ケイ)、こっちはQ(キュー)。二人とも副統制官をしている。以後よろしく。」

 

どっちも裏表のない笑顔で言う。どうしたものか思っていると一誠はQさんの胸に釘付けだった。確かに着物からでも分かるボリュームをしている。

 

「何しているんですか!」と伊藤さんが一誠の頭を叩くのと僕が膝蹴り食らわせるのは同時だった。

 

「ごめんね~、もうパートナーはいるので♡」とKさんの腕を組むとKさんもQさんの肩を抱き寄せる。

 

見ているだけでアツアツというのが伝わる。……なぜ、お前が悔し涙を流す?何の関係もないだろうが!

 

つっこみたかったが宇宙人にまで地球の恥を晒すわけにはいかず必死に堪える。

 

「貴方が宇宙人?初めて聞きましたよ。」

 

「おそらく上層部があまり私たちの事を報告しない方がいいと思って堕天使、悪魔双方が判断したからじゃないかしら。」

 

「貴方たちは何故堕天使と?」

 

「地球に着て一番最初に接触した種族が堕天使だった……。それだけですよ。」と伊藤さんの質問にKさんが応える。

 

「我々はX星人。元々はエクシフィカルスという星で生活していたのですが星の寿命により新たな新天地を目指し彷徨い地球に流れ着いたという所です。」

 

星を失った……。そんな辛い過去が。

 

「そしてアザゼル殿に場所を提供してもらったお礼に技術支援を行ったというわけです。これは彼が戦争に興味がなく和平に積極的という点も考慮したからです。」

 

なる程。「和平前に我々の存在を明かせばそれが争いの種になるかも知れないと言われ、なるべく目立たないようにしこの度の和平会議にて正式に他勢力とも顔合わせとなる予定です。」

 

「その割には堕天使に組しこっちを攻撃したが?」「頼まれたので。それにアーシア嬢もエクスカリバーでも最小限の犠牲になる様に動きましたが?」

 

ちょ……エクスカリバーって?

 

「あのエクスカリバーを盗んだのは君たちなのか!?」「はい、そうです。」と悪びれることもなくあっさり応えた。

 

「我々が断ろうと同じ事が起こった可能性は9割以上。断ると寧ろもっと多くの犠牲が出ていた可能性もありましたので手を貸しました。」

 

「この度の和平もそうですが必ず反発する存在は現れます。それを対処できるか否か試すという側面もありました。残念ながら世の中気持ちだけでは動きませんので。」とKさんが話す。

 

そこに一切の罪悪感を感じない。……何というかこっちを騙すとかいうより根本的に価値観とかがずれている気がする。

 

アザゼルさんも「気にするな。こいつらはこうゆう種族なんだよ。俺たちが何を言いたいのかはもっと交流しないと言葉でしか伝わってないだろうよ。」と助け船をだす。

 

「それにコカビエルに協力したときもこっちにも情報を流しているしな。あいつもそのことを承知でこいつらの力を借りたんだからな。」

 

すると一瞬Qさんの目が光ったと気がした!?一体何が?

 

「そこの子、自分でも制御できない力を宿して困っているみたいね?」とQさんが尋ねる。

 

「い、今僕の力無効化しましたね。」とギャスパー君も驚きながら頷いた。

 

「察したところ恐らく時空に関する力ですかね?なら練習用に制御装置でも作りますか?今までのお詫びも含めて。」「そ、そんなことできるんですか?」

 

「絶対とは言いませんけど多分いけますよ。詳しいことは後日完成品を持ってくるときにしますよ。ではそろそろ戻りますよ、アザゼル殿・・・」

 

「若さ~ま~!!姫さ~ま~!!」とQさんの言葉を遮り大声で誰かが叫びながらこっちに近づいてくる。

 

そこには……巨体の僧兵が猛スピードがこっちに向かってくる。顔も頭巾で隠して全く見えないから分からないけどどうやら結構年配な気がした。

 

「J(ジェイ)?貴方がどうして?A(エー)か他のが来るはずだったのでは?統制官のサポートはどうしたの?」

 

「Z(ゼット)様ならわしがいなくとも大丈夫です。それよりお二人に何かあっては大変なのでAに押し付け変わりにやってきました。」

 

「全く。貴方は最高幹部の一人なのよ。こんな細事に……。」

 

「何を言いますか?お二人は我々の希望。貴方たちの護衛以上に大切なことなどございません。」

 

「分かったよ。Qもいいだろう。日本のコスプレで僧兵ってどうよ?いや、突っ込んでもあれか。後にしよう。ではアザゼル殿全員揃いましたしそろそろ戻りますか。」とKが言う。

 

「ああ、そういやヴァーリ、白龍皇が勝手に出向いて悪かったな。いきなり現れてさぞ驚いたろう。なに、あいつはとんだバトルマニアだが今すぐに赤白対決をしようとは思っていないだろうよ。」

 

「今は寧ろ磯野の方が興味あるかもな。」

 

「その前にあんたに謝ってほしいんだが。」と一誠がアザゼルに聞くが「そいつは残念、俺の趣味だ。謝らねぇ。」 悪戯っぽい笑みを浮かべ立ち去った。

 

その姿が見えなくなってもしばらく呆然としていたが漸く緊張感から解放され皆疲れていた。

 

まさかの堕天使総督にX星人と再び会うことになるなんて想像すらしていなかった。

 

「取りあえず匙君、悪いけどギャスパー君の特訓に付き合ってくれない。その間僕が花壇の手入れするから。」と言い他の皆にはギャスパー君の特訓に付き合ってもらい僕は花壇の手入れに専念した。

 

手入れを終えて戻るとリアス部長が戻ってきて皆でお弁当を食べていた。

 

僕も一緒に食べにいくとX星人とアザゼルについて話し合っていたと一誠が言う。

 

「歌織にも秘密にしていたのはおそらく他勢力とかに余り知らせたくなかったのよ。そもそも宇宙人だって報告したのを完全に信用していたか怪しい部分があるもの。」

 

「確かに実際に会うまではとても信じられませんものね。見た目は人間と同じなのに何かが根本的に違いました。何か妙に気になるですよね?コスモス様の耳に入れた方がいいのかもしれません。」部長とコスモスさんが話す。

 

「今、コスモス様は少し出張しているので戻り次第相談してみます。」

 

今気づいたのだが僕と伊藤さん、つまり巨獣器を宿したものが異様にX星人の事を警戒しているんだ。これはどうゆうことなのだろう?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




モンスターバース新作作成が決定しました。

今年はファンタスティックビースト、ジュラシックワールド、ONE PIECEと個人的に好きな映画の新作が公開されるので嬉しいです。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第四章 停止教室のヴァンパイア編 5

ポケモンアニメにセレナがまさかの再登場。一番好きなヒロインだったから嬉しいです。

そしてリリーエ一家の再会は歴代ポケモンアニメでもトップクラスの感動する回だと思いました。


次の日今日は一誠がギャスパー君を連れて森沢さんの所に依頼を叶えに行くそうだ。

 

あんまりぞろぞろいても迷惑と言うこともあり僕は別行動している。役目を終え部室に戻るとなにやらギャスパー君の悲鳴と重苦しい空気を外からでも感じることができた。

 

どうやら失敗したようだなと思いながら部屋に入ると恐ろしく重苦しい空気に包まれていた。

 

話を聞いてみると何でも森沢さんがギャスパー君に興奮し身の危険を感じ逃げ出した。そんな自分が情けなくてまた引きこもったそうだ。

 

まあ無理もない。引きこもりからいきなりのスタート―で危険な視線を感じたら誰だってこうなる。

 

少なくても僕はこうなっただろうと確信する。さらに彼の過去を聞いた。

 

吸血鬼の名門に生まれたがフィクションでもよくあるように純血以外を侮蔑、軽蔑する傾向が強い種族らしい。それは悪魔を越えるほどだ。

 

……なら関わらなければいいのに、迷惑な奴らだ。さらに運が悪いことに彼の母親は産んですぐに命を落とした。

 

ただでさえ時間停止する力がコントロールできないのに日に日に力が増していく人間からは化け物と恐れられた。

 

どちらの世界でも生きていけず路頭に迷った所ヴァンパイアハンターに命を失い、リアス部長に眷属として第二の生を授かり今に至るということだ。

 

成る程、それはつらいな。「どうすればいいのかしら?」と落ち込むリアス部長。

 

「大丈夫ですよ。こいつに任せれば。その前にちょっと二人で話していいですか?」と言い一誠に任せる前に僕が二人きりで話すことにした。

 

最も彼は閉じこもっているので扉の前に話すのだが。

 

「君の過去を聞いたよ。ギャスパー君。確かにそんな辛い目にあったら僕だって引きこもるだろうね。

 

……望まず宿したもので苦労すると言うのは僕たち義兄弟皆そうだね。

 

僕も今生かされているのは単純にリスクが少ないというだけでちょっとでも危険視されたらすぐに封印される関係だしね。」

 

「剣吾先輩はなんでそんな冷静に、・・・強くいられるんですか?」

 

「……僕は君たちほど辛い過去はない。ただ、自分ではどうにもできない事態に陥ることがあるのはよく知っているつもりだよ。

 

これだけは確信持って言える。僕たちが笑おうが泣こうが世界は全く関係無く進んでいく。嫌になるよね。

 

進むの辞めたら周りから容赦なく置いていかれるから嫌でも歩くしかない。

 

未来がどうなるかなんて分からない。どんな努力しても無駄に終わることも珍しくない。それでも生きていたいよ。死ぬことはいつでもできるからね。

 

君が引きこもって生きていたいというなら僕は止めないよ。ただ、これだけは忘れない方がいいよ。君が本気で引きこもりたいなら実績が必要だよ。

 

言い方が悪いけど何かワガママを通したいならそれだけの力と地位が必要だよ。今の君はグレモリーの権威で生かされているに過ぎない。

 

どの世界でも権利ばかり主張して義務を全うしない奴の言う事なんて誰も聞きやしないよ。

 

君がそのまま引きこもりたいならグレモリーから独立してやっていけるだけの力がないとそれを叶えることができないよ。」

 

大丈夫だよ。君は昔の僕にちょっと似ていたいるからね。一誠の言葉に耳を傾けてくれないかい?

 

僕はあいつのおかげで立ち直ることができた。だから君も前を向ける気がするよ。こうゆう時の僕の勘は当たるよ。あ、後この話内緒ね。恥ずかしいから。」と言うと僕は立ち去り一誠と交代した。

 

 

 

そこからはあいつに任せてぼくが他の依頼をこなして戻るとギャスパー君が部屋からでてきて男子部員と打ち解けている姿だった。

 

信じていたよ、一誠、ギャスパー君。ギャスパー君も僕に気づくと「剣吾先輩!一誠先輩の事を信じてみます。」と言う。

 

「そう、それはいいんだが段ボールを何故被っているのかな?」傍からみれば女装しているのもあってホラーゲームにでてきそうな異様な雰囲気をしている。

 

「段ボールを被ると勇気がでるんです。」

 

「まあ、いいけど知らない人が見たらただの変質者にしか見えないから気をつけてね。」と言う。

 

「ところで知らないうちに随分楽しそうに話しているね?何話していたんだい?」と聞いた。

 

「……えっと、それは……。」「それは俺たちの秘密だよ。なあ、ギャスパー、木場。」と一誠が遮り言う。

 

よく分からんがまあギャスパー君が前をむいて動けるようになったんだから良しとしよう。

 

下手に突っ込んで彼のやる気を削いではいけないのでここはスルーしよう。

 

その後、僕たちはギャスパー君の訓練を続けた!基本僕が通用しないからボールを投げてそれを停止する訓練の投手をしている。

 

「い、イッセー先輩……。僕もう、」

 

「諦めるなあああ!!ギャスパー!!俺たちの夢をかなえるんだあ!!」と弱音を吐くギャスパー君に対し妙に張り切って激励を飛ばす一誠。

 

「あらあら、随分苦戦していますね。」と聞き覚えがある声が背後から聞こえるとそこには前回と違う着物姿を身に着けた褐色美女がいた。

 

その正体はX星人という宇宙人でその副統制官であるQ(キュー)さん。今日はK(ケイ)さんとJ(ジェイ)さんの姿が無く一人で来たようだ。

 

「前に会った時に制御装置でも作りますか?と言いましたとね。完成したので持ってきました。」とヘッドギアぽい道具?を取り出しながら言う。

 

「試してみてください。」と言われたのでギャスパー君もちょっと警戒しつつも装着すると驚くほど簡単にでき喜んでいる。

 

これには僕たちも驚いた。まさかここまでスムーズにできるとは。

 

「これが実際にコントロールできたらこうゆうことができるということですわ。ですが、余りその機械に頼りきりにならない方がいいわよ。」とQさんが言う。

 

「何故ですか?」

 

「なんでもそうですけど機械とかを使うのはいいですがそれに依存するのは危険ですよ。あくまでコントロールするための手助けする道具であってそれに頼り切ると故障とかしたときに痛い目に合うかもしれませんよ。その事を忘れないように。」

 

と僕たちの疑問にQさんは真摯に応えた。……確かにいざと言うときに道具が無いと使い物にならないじゃ話にならないよね。

 

「ところでどうやってコントロールできるんですか?」

 

「コンピューターで彼の神器(セイクリッド・ギア)の力を制御しているんですよ」

 

「それってもしかして外部から停止世界の邪眼(フォービトゥン・バロール・ビュー)を使うことができるということですか?」

 

「対策はしてますがまあできなくはないですね。そうゆうリスクもありますからあくまで補助今は日常用にして訓練して自力でできるようになることをお勧めするわ。

 

ああ、一応装着しても周囲には違和感がないように感じる暗示機能もあるから誰も気にしないから。それじゃあ、次は会談かな?じゃあね♡」

 

そう言うとさっさと戻っていた。X星人からの贈り物……。正直躊躇するものがあったが確かにこれは便利だ。

 

それにわざわざリスクを教えたのだから彼らが実行することはまずないだろう。

 

警告を胸に刻みながら贈り物に歓喜する僕達だった。……一誠が妙に嬉しそうなのがちょっと気になる。

 

 

「さて、彼らはどう選択するんでしょうか?」とQは母船に戻りながら言う。

 

「これで三大勢力及び禍の団(カオス・ブリゲード)双方に仕掛けた。果たしてどちらに勝利の女神はほほ笑むかしら。」

 

 

ある休日、珍しく僕たちは朱乃さんに呼び出された。一誠だけならともかく僕もか。何だろう?

 

そう思っていると神社が見えた。特に考えずに僕が歩いていると何故か一誠が足踏みしている。

 

「……何しているの?」「お前、俺は悪魔だぞ。」……ああ、そうか!悪魔にとって神社は教会並みに足を踏み入れてはいけない場所。

 

しかもこっちは宗教が異なるからより異物として排除されるかもしれない。

 

「……じゃあ、僕が神社の中探すからこの周辺探してくれ。朱乃さんにあったら連絡しよう。」と言い石段を登り始めると

 

「待ってましたよ。イッセー君、剣吾君。ここは裏で特別な協定をしていて悪魔でも入ってもいいですよ。先代住職がお亡くなりになり私が管理しています。」と朱乃さんが巫女姿で現れた。

 

彼女の二つ名である「雷の巫女」はもしかしてここから来ているのかなあと思いっているとものすごい速度で一誠が駆け上がってきた。その姿は友人じゃなければ間違いなく攻撃してだろう。

 

まあ、僕もみとれていたんだけどね。

 

「お二人に会いたいという方がここに来られるのでそのお迎えをするために準備していました。」

 

「俺たちに?一体誰が?」「お待たせしました。」と背後から声が聞こえた。

 

振りむくとそこには・・・背中に12枚の金色の翼を持つ端正な顔立ちをした青年……頭には光の輪っかが浮かんでいる……。

 

こ、この姿って……ま、まさか!?「初めまして、私はミカエルと申します。」

 

 

ミカエル……その名は宗教や神話に詳しくない人でもその名を知らないものは少数派だろう。

 

おそらく世界でもっとも有名な天使、否大天使。階級の名前はおそらく違うだろうけどこの大は大魔王とかの大と同じだから気にしないでほしい。

 

まさかそのご本人を前にするとは今までにないぐらい緊張してしまった。

 

そんな僕を見て一誠が自分も緊張しているだろうに自分より緊張しているのを見て落ち着いたのか冷静さを取り戻し「何、緊張しているんだよ?」と突っ込んだ。

 

「だ、だって天使だよ?本物の天使。それも天使長。やっぱり実在するんだ。」

 

「悪魔や堕天使見たろうが。」

 

「なんてゆーだろう……そっちは幽霊とかみたいでいても驚かないけどガチの神様の御使いだもん。なんか変な事したら罰当たりそうな気がする。」と応え

 

「神聖な存在が実在し目にすると自分が悪いことしていないはずなのに裁かれる気分になる。」正直に言う。

 

「緊張しすぎだろうが。」

 

「別にキリスト教徒でもないしそもそもそんな宗教に熱心じゃないけど最低限神仏を敬う気持ちはあるつもりだよ。そして天使何て基本プラスのイメージしかないもん」

 

「それはそれは光栄ですね。かの怪獣王からそのような賛美されるとは。」とミカエルさんが笑いながらこちらに歩む。

 

「改めて私はミカエル。天使の長をしています。お懐かし限りです。

 

『赤い龍(ウェルシュ・ドラゴン)』ドライグそして『怪獣王(キング・オブ・モンスター)』ゴジラ。

 

今回和平会談の成功させるために各勢力がそれぞれ贈り物をしているんです。

 

そして天界から悪魔サイドに贈るならできればあなた達義兄弟にしてほしいとサーゼクスに言われましたね。」

 

サーゼクスさんそこまで僕達の事を……。ちょっと感動で泣きそうになった。

 

「それに過去に二天龍そして異世界から来た怪獣に対抗すべく我々は手を組みました。あの時の様に再び願掛けしようと思って。日本的でしょ?」

 

人によっては皮肉に感じるかもしれないがその表情と言葉に嫌味は一切感じられず本心を感じた。

 

先ほどから一誠の視線はミカエルさんが持っている箱に集中していた。

 

どこか怖がっているような?僕はオーラとかを満足に感知できないしましてや種類何て検討もつかないからどんなものか分からないけど相当な代物と見た。

 

「これはかつてゲオルギウスこちらでは聖ジョージと言った方が伝わりますかね?彼の愛剣である聖剣それこそがこの『アスカロン』

 

強大な存在であるドラゴンを倒すのに特化した武器及び存在を龍殺し(ドラゴンスレイヤー)と言います。このアスかロンもドラゴンスレイヤーの力を有した聖剣です

 

今後もし白龍皇及び他のドラゴンと対峙した際にサポートになればと思いまして。

 

あなたは歴代でも最弱と聞いたので。もちろん扱えるように措置しているので安心してください。」

 

それを聞き僕は思わず吹き出した。すぐに一誠に殴られたけど。

 

「でも俺は剣扱えませんけど?」

 

「赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)に同化させるのがいいのではサーゼクスと話していましたがドライグどうですか?」

 

『ああ、俺もそれが最善だと思う。後は相棒次第だな。』一誠はそれを聞くとアスかロンを持った。

 

そして強く光り輝いたと思ったら籠手の甲の先端から刃が出現した!?俗に言う手甲剣と呼ばれるものだだろう。「うわー!!格好いい!!」正直羨ましい。

 

一誠も悪い気がしないのか嬉しそうにポーズを決める。

 

するとミカエルさんが「あなたにはこれを。」というと何かが飛んできた!?何だろう……。

 

降りたった物を見た僕は驚いた。こ、これってまさか!?

 

「今見ていただければ分かりますがこれはアラジンとかで有名な空飛ぶ絨毯です。アスカロンに比べれば随分格が落ちて申し訳ありませんが。」

 

「そんなことないです!すごいうれしいです!」と叫び早速乗ってみる。自我があるみたいでこっちが指示しなくても意思のままに飛んでくれる!

 

さらに絨毯の中にはいることができそこは一種の亜空間になっていてちょっとした部屋になっていた!僕たちの部屋より広いし色々揃っている。

 

やったー!!プライベートルームができた!!

 

「ありがとうございます!!ミカエルさん!!最高の贈り物です!!」「気にいってもらってよかったです。では時間なのでそろそろ失礼します。」

 

その時一誠が「あ、あの俺あなたに聞きたいことが。」

 

「会談の席かその後に聞きましょう。必ず聞くのでご安心を。」そう言うとミカエルさんはどこかに転移した。

 

その後朱乃さんが一誠に話したいことがあると言うので先に戻ることにした。理由はおそらく彼女の出生のことだろう。

 

コカビエルの台詞から彼女が堕天使の血を引いているのは間違いない。実は……ぼくは最初に会ったときに彼女から堕天使に近いものを感じ部長に聞いていた。

 

そして彼女が人間と堕天使のハーフだと知る。色々複雑な事情がありそうだと思い彼女が話すまで理由を聞かず一誠にも話さなかった。

 

きっと自分が堕天使の血を引いているから一誠にどう思われるか不安なのだろう。

 

でも僕も一誠も今更朱乃さんを嫌うことないよ。そう思いながら絨毯を担いでいるとリアス部長と伊藤さんがものすごい速度で走ってきた!?

 

な、何事!?「「一誠(さん)はどこ!?」」「あっちですけどどうしたんですか?」

 

「朱乃と一誠が急接近する気配を感じたから急いできたのよ!」「私も一誠さんから破廉恥な気配を感じ休校した次第です。」と言い終わるとすぐに嵐のように去っていた。

 

しばし呆然としながら「……一誠も大変だなあ。」と呟き再び歩き始めた。

 

 

「アザゼル、明日の会談おれも参加するのか?」「白龍皇であるお前が出席しない訳にいくまい。X星人も参加するでいいんだよな?I(アイ)。」 

 

「はい、総督。副統制官も参ります。」「副統制官ねえ……。お前達の親玉である統制官に俺たちは誰一人あったことはないんだが?」

 

「申し訳ありません。統制官はお忙しいお方。我々にとって何より大切なことがありそれに専念しておりそれ以外の業務を副統制官を始め幹部が行っています。ご了承ください。」

 

「それはそうとアザゼル?……もう戦争は起こらないのか?」

 

「ああ、そうだ。和平で今後戦争は起きない。ま、サタナエルの奴が残した禍の団(カオス・ブリゲード)の件がある。これからはあいつらが主な相手になるだろう」

 

「カオス・ブリゲード・・・退屈しのぎになりそうだな。」

 

「相変わらず闘いを求めるか。ドラゴンの力に取り憑かれた者の見本みたいだな。長生きできないぞ。」

 

「構わないよ。長生きに興味がない。ただ、俺は聖書の神と戦いたかった。神がもういないのは残念だ。この時代に産まれたことが残念だよ。」

 

「白龍皇らしい答えだ。で、強者全てに勝ち最強になったらどうするんだ?」「死ぬさ、そんな世界に興味がない。」

 

「申し訳ありませんが急用が入ったのでこれで。総督が気に入っているシェフの料理を食べられないのは残念ですが失礼させていただきます。」

 

「わかった。次は会談の場だな。」「はい、それでは。」そうゆうとIはどこかに転移した。

 

「……X星人。信じてもいいのか?」「あいつら、カオス・ブリゲードにも何かしたと言っていた。」

 

「どちらにも伝え目的を果たせるか否かそれで試すとほざいてやがる。」

 

「なら今の内に叩き潰せばいいだろう。」「やるならまとめて一気にやらないとこっちが大やけどする。」

 

「ま、こっちも打つ手はある。それよりそろそろシェフが来たみたいだから喰おうぜ!」

 

「お待たせねー!!アザゼル総督!」と現れたのは二つのお団子頭(シニヨン)が似合う緑の長髪が印象的なヴァーリと似た年齢と思われる美少女がコック帽とエプロンという如何にも料理人という格好をした人物が現れた。

 

「お久しぶりね-!総督!」「よう、鈴(りん)。こっちに来日したって聞いたから早速お前の料理をこいつに喰わせたくてな。

 

こいつはとある中国及び中華料理界及び中国武術界でも重鎮の娘でな。こいつもその流れで料理を学び認められた腕前をしている。」

 

「まあ、お店も道場も兄さん達が継ぐから私は結構自由に動けるから今こうして日本に来たのね。」

 

「こいつは跡取りではないが相当な料理人だぜ。因みに中華以外の料理も勉強しどれもプロ並みの実力があるぞ。」

 

「今回銀髪の貴方が麺料理が好きと聞いてね。ちょっと変わったものをだそうと思ってね。」

 

そうゆうと沸騰している鍋を用意し小麦粉を練った生地を片手で持ちもう片方にくの字型に曲がった特殊な包丁を持ちその前に立った。

 

それを見たヴァーリは「あれは?否、あれこそが」と驚愕して見た。

 

次の瞬間凄まじい勢いで、包丁を往復させつつ滑らせ地を細長く鍋の中に削ぎ落として茹でていく。

 

「やっぱり刀削麺!中国が生んだ一説には究極の麺料理とさえ言われる逸品!」

 

 

刀削麺。その名の通り小麦と水のみで作った麺を削り取るという一見簡単だが麺一本一本の幅、厚み、長さを均一にしさらに茹でるのにムラをださないために高速にやる必要がある。

 

その難易度は世界の麺料理でもトップクラス。反面小麦粉本来の旨味を味わうことができる。

 

「刀削麺にはタレを絡めるのとラーメンのようにスープで楽しむタイプに大きく分けられるけど貴方ラーメンが好きらしいからまずはスープにするわよ。」

 

「ああ、だがタレのタイプも食べるぞ!一度食べて見たかったんだ!」いつになく興奮するヴァ―リ。

 

「ふふ、美味しい?」「ああ、最高だ。次はタレも頼む!」「早!もうちょっと味わってよ。後麺以外の料理も用意したからそっちも食べてよ。」

 

「ああ、分かった。」「相変わらず上手いな。その上さらに和食や洋食までマスターしようするとは恐れ入るよ。」

 

「ダーリンのお嫁さんになるなら日本の口に馴染んだものも覚えないとだめね。」

 

「ダーリン?何だ好きな人がいるのか?」と聞くヴァ―リ。

 

「うん、許嫁で高校卒業したら結婚しようと約束したんだ。ただ、パパったら自分が約束したはずなのに最近その話すると不機嫌になるのよ。」

 

「父親ってそんなもんだ。昔は子供の頃のよくある可愛い約束だったが現実味を帯びてきたから焦っているだろう。恐らくあいつがそんなの忘れて誰かと付き合うと思っていたんだろうがあてが外れたんだろう。」

 

「ダーリンは約束守る男よ!理愛姉(りえねえ)とマイロン兄もいっていたんだもん。」「その割には4年ほど前からよく会わないでいたな。」

 

「色々修行しなければいけないというのもあったけど前に写真でラヴィニアさん見て負けられないと思って女磨きしていたのよ。ダーリンも奇麗だって言っていて取られると思ってね。」

 

「そう言えばあいつ、以前随分を好いている子がいて一応約束している。その時向こうが断るなら別にいいが俺から破るのはまずいからなあとか喋っていたな。あれはお前の事だったのか。」

 

「……ダーリン!そこまで私の事を。よし、今日は存分に振るうわよ。それにあたしに起こった事を教えないといけないし。」

 

そう言いながら次の料理に取り掛かった。

 

・・・数十分後「上手かった。また喰わせてくれ、えっと……。」「鈴でいいよ。貴方のこともヴァーリと呼んでいいのかな?」「ああ、構わないぞ鈴。」

 

「ああそうそう。パパから総督にこのお酒プレゼントして欲しいって言われたんだ。」

 

「おお、これは……幻の銘酒!よし今から幹部呼んで宴会だ!」

 

「まあ、材料まだあるし私はいいけど?」「俺は帰るぞ。飲んだくれに付き合う気はない。」「ああ、じゃあな。」

 

とアザゼルと別れるヴァーリ。それからほどなく人通りがない場所で通信用魔方陣を展開しとある場所に連絡する。

 

 

「X星人だな?」「どちらに着くか決まりましたか?」と尋ねるI。「ああ、俺はカオス・ブリゲードに着くことに決めた。」

 

「いいんですか?総督には随分お世話になったと聞いています。」

 

「ああ、だが俺には叶えたい夢がある。そのためには今の組織よりカオス・ブリゲードの方がそれが叶うと判断した。」

 

「そうですか。他の旧魔王派と異なりルシファーの地位を取り戻したいという訳ではないのですか?」

 

「政治には興味がない。そんなことはどうでもいいんだ。俺は最強を目指す!」

 

「果たして今の世界を変革を望むカオス・ブリゲードかそれとも三大勢力を始めとした現存君臨する各勢力果たしてどちらに勝利の女神がほほ笑みますかね?」

 

「随分他人事だな。お前たちはどうなんだ?」「私たちはどっちの味方ではありませんよ。ただ今回の襲撃どちらにもメリットがあると思いますけどね。」

 

「成功すればカオス・ブリゲードの勝ち。防いだら和平する最大の理由になります。どうせ私たちが動かなくても勝手に動くものがでたでしょうしすっきりしていいでしょう?」

 

「……ま、今はのってやる。だが、忘れるな。不都合になったら容赦なく叩き潰す。俺を駒だと思うなよ。」

 

「肝に命じますよ。」と通信をきるI。「ご心配なく。何故なら我々にとって貴方方は駒ですらないのですから。」と呟いた。

 

 

 

いよいよ明日三大勢力の会談が始まるということで緊張感が高まっている俺兵藤一誠を含むグレモリー眷属。その時コスモスさんが帰ってきた。

 

「「ただいま、歌織に皆さん!お土産買ってきました。」」と色々お土産を渡してくれた。

 

「「今回はインド神話、仏教圏内の神仏と会合しました。」」インド神話?仏教って仏様も実在するのか?

 

疑問に思っている俺に部長が軽く説明してくれた。

 

「世の中にある神話の神々は実在するわ。その中でもインド神話及びその派生で独自の世界観を持つ須弥山は各神話の中でもトップクラスの戦闘能力を誇るのよ。」

 

へえ、そうなのか。そんな強いのがいるんだ。あんまり関わりたくないな。

 

「「それで歌織、私たちが留守の間、何か変わったことがありませんでしたか?」」

 

「はい、コスモス様。実は驚くべき方々に会いまして。神の子を見張る者(グリゴリ)と密かに同盟関係にあった方々に会いました。」

 

「何とその方々は宇宙人なのです!!」「「宇宙人!?こちらの世界にも宇宙人がいるのですね!?」」

 

「コスモス様の世界にも宇宙人がいるのですか!?」

 

「「ええ、私たちの祖先はかつてペルセウス座にあるエクシフィカルス出身の種族エクシフ、はくちょう座V1357恒星系第3惑星ビルサルディア出身の種族ビルサルドと交流を持っていました。

 

後に地球環境に大異変があり彼らも立ち寄ることができずまた彼らの母星を失うことになりその過程でそれまで地球と交流していたワープ航路を失われ私たちと交流できませんでしたが長き時の果てに再来し地球防衛軍と同盟を結び交流しました。

 

後に地球人が宇宙に脱出する際に彼らの協力なしでは不可能だったでしょう。」

 

「その宇宙人たちはどうしたんですか?」「「脱出した地球人たちと共に行動しています。」」と俺の質問にコスモスさんが応えた。

 

「「結果的に悲惨な結果に終わりましたがあの時協力し合えた時は本当に楽しかったですね。」」とちょっと遠い目をして話すコスモスさん。

 

そうか、コスモスさんの世界では宇宙人と共存していたんだなあ。だったら俺たちもできるんじゃないかと思った。

 

「「因みにエクシフはエルフの、ビルサルドはドワーフのモデルになったとされています。ところで皆さんの前に現れた宇宙人とは何という名前のですか?」」

 

「X星人と言っていました。本来の名称は地球人には話すことも聞くことができないと言っていました。」と歌織ちゃんが言った瞬間コスモスさんが持っていたカップを落とした!?

 

その表情は驚愕と恐怖に染まっていた!!?そのリアクションに俺達全員が驚いた。

 

いつもどこか優雅なイメージをある彼女らからは想像できないリアクションだ。

 

「モル!もしかして!?」「落ち着きなさい!ロラ!同姓同名かもしれませんし、この世界のX星人が私たちと同じとは限らないわ!」

 

ウオ!二人が別々に話しているところ初めて見た!?何だ、そんな慌てることなのか!?

 

「コスモス様!?……一体どうされましたか!!?お二人が別々に話されるなんて初めてです!!」と歌織ちゃんも驚いている。

 

その言葉に落ち着いたのか話はじめた。「「X星人とはエクシフの一部が独立した種族です。彼らはある存在に仕え他のエクシフを裏切ります。

 

彼らは主の為に多くの星々とそこに住む生物を品種改良し主に捧げました。

 

最初に捧げたのが他でもない彼らの母星でした。その所業故に私たちの世界では最も恐れられた種族です。」」

 

「……捧げたってその星はどうなったんですか?」

 

「「……その主に星ごと捕食されました。」」

 

ほ、星を食う!?そんな奴がいるのか!?「「その生物は私たちの世界にとって最も忌むべき種族の一つで宇宙の災厄と言うべき存在です。

 

ペルム紀に地球に襲撃し当時タイタン、コスモス、エクシフ、ビルサルドが協力し辛うじて追い払うことができましたがその結果地球環境は大きく変わり地球史上最大の大量絶滅を引き起こすほど劣悪になりました。」」

 

「いったい、どんな奴なんですか?」「「……すいません、その名は私たちにとって忌み名でできれば口にしたくありません。」」

 

実は地球防衛軍ができてからX星人の襲撃が合った時もありその時も大きな被害が出ました。

 

最終的に我々が勝利しましたがそれはゴジラが彼らの主に勝ったからであり私たちだけでは間違いなく敗北していたでしょう。

 

先ほど言った通り今回のX星人が果たして私たちと同じ種族とは限りませんしもしかしたらこの世界にもX星人がいて私の知るのとは異なる可能性があるのではっきりと言えません。

 

ですが、もし私たちと同じ種族だとすれば注意してください。

 

彼らは主に絶対の忠誠を誓います。そのためならどんなことでもするので注意してください。

 

ちなみにエクシフは金髪をした種族でしたがX星人は主から力を授かると同時に体の色が変化し毛や肌などから金を失われました。

 

彼らにとって金色は神聖なもので服や装飾品などでも金を身につけることができるのは一部の特殊な個体のみです。

 

因みにある条件に達した存在は毛や瞳などが金に変化します。」」

 

「……分かったわ。ありがとうコスモスさん。」と部長が遂に口を開く。

 

「聞いての通りよ。皆。X星人には用心した方がよさそうよ。」と言う。

 

「で、でも僕の制御装置用意してくれましたよ。それもわざわざ自分たちからリスクを離してくれたんですよ。」とギャスパーが反論する。

 

「ええ、そうね。でもコスモスさんの言う通りなら信頼しない方がいいし、違ったとしても元々頼り過ぎてはダメだと向かうが言ったのだからその言葉に従いましょう。」部長はそう言い

 

「少なくても明日はつけない方が良さそうね。」

 

「「このことは私たちも三大勢力を始め各勢力に伝えておきます。今まではもう彼らに会うことはないと思っていたので話していませんでしたがそれが仇にならないといいのですが。」」そう言うと再びどこかに転移した。

 

「確かに僕も彼らの事が何故か分からないけど本能的に妙に警戒しているんだよな。」という剣吾。

 

「実は私もです。」と言う歌織ちゃん。巨獣器(タイタンギア)を宿していている人がX星人を警戒しているみたいだ。

 

ひょっとして怪獣がX星人の事を警戒しているのか?

 

何だか不穏な雰囲気が漂うが明日無事に終わればいいんだがと願わずにはいられなかった。

 

そしていよいよ運命の三大勢力の会談が今日始まる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今気づきましたがもう初めて投稿してから二年になろうとしている。少しは成長できたんでしょうか?
そしてまさかコロナが未だに収束していないと思っていなかったでしょう。

小美人
コスモス、エリアスとも呼ばれる種族。正確にはコスモスと言う文明の名前でエリアスと言う種族。小美人は元々の世界で現代人が名付けたあだ名みたいなもの。

女性しかいない種族で常に双子で産まれる。瞬間移動や念力と言った超能力もしくは魔法に近い特殊能力を持つ。

モル
コスモスの双子の姉。腕輪を右手に付けている方。

ロラ
コスモスの双子の妹。左手に腕輪をしている。

実は元の世界には他にも姉がいる。元ネタは平成モスラ三部作のエリアス三姉妹から。性格もこの世界に来る前はまだバラバラだったが歳をとったこともあり今ではほぼ一心同体になっている。

これはモスラと心を交わすのに個人では負荷が大きすぎるためそれを分担するため。

さらに異なる生物と心を交わすにはまず同族それも血族と完全に意識を統一できなければならないというのを有言実行しているからだという学説もあるが本人達にもその真偽は不明。

話は変わりますがアマゾンプライムでゴジラが見放題から外されたのがショックです。最近漸く加入したばかりなのに。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第四章 停止教室のヴァンパイア編 6

ファンタスティック・ビースト、シン・ウルトラマン楽しかったです。


今日は三大勢力の会談を駒王学園正確には新校舎にある職員会議室で行われる。

 

休日の深夜さらに人払いの結界があるのでどうあがいても一般人は入ることはできないだろう。

 

だからと言って安心は欠片もできないが。と僕中島剣吾は思っていた。

 

何故なら結界の外から姿は見えないが大勢の気配が一触即発という空気を部室からでも感じ正直吐きそう……。僕こうゆうの苦手なのに。

 

もう帰りたい。「剣吾さん、注意しましょう。会談もそうですがそれ以外のことを含めて。」と伊藤歌織さんが隣に来て話す。

 

そう、昨日コスモスさんが言ったX星人彼らが果たしてコスモスと同じ世界の住人なのか、もしそうなら目的は何なのか今から不安要素が満載だ。

 

だがまずは会談を成功することを祈ろう。もし決裂しこのままバトルで街が吹き飛ぶなんてシャレにならない。

 

……どうなるか解らないけど絶対に義理の両親、友人を含めた無関係な人に被害は出させない。どんなことがあってもだ。と密かに決意を固めていた。

 

「み、皆さん……。」とギャスパー君が声を掛ける。段ボールの中からだけど。彼の神器(セイクリッド・ギア)はまだコントロールできていないので今回はお留守番。

 

まあ、トップには通用しないだろうが軍勢の一部でも動きを止めたなら好機と考える奴が現れかねないのでそれを防ぐ必要がある。

 

昨日の話もありX星人の制御装置は外しているがギャスパー君はすっかり気にっているのでこの場に持ってきている。

 

身につけないと効果は無いから大丈夫だと思うけど……。

 

そう思いながらも一誠がギャスパー君に声をかけた。傍から見れば後輩の面倒を余裕で見ていると思うが内心あいつも不安だろうがどうにか上手く誤魔化しているな。

 

そして遂に時間になりギャスパー君を除くオカルト部全員が会場に向かった。

 

扉を開けるとそこにはサーゼクスさん、セラフォルーの2大魔王に堕天使総督アザゼルさんに白龍皇ヴァ―リ、そして天使長ミカエルさんに名前が知らないけどかなりの美女である天使。

 

階級を考えるともし彼女が四大天使だとしたらまさか……!?否、どうせ後でわかることだ。僕の知識が正しいとは限らないし。と頭に浮かんだ考えをすぐに消した。

 

給仕をグレイフィアさんが担当するようだ。ここだけ見ると悪魔サイドの方が戦力を揃えていて有利に見えるが実際の所は不明。

 

まあ、和平に来たんだからいらぬ心配かも知れないけど。

 

するとアザゼルさんが「会談を始める前にもうグレモリー眷属から聞いているかもしれないがこの場に紹介したい奴らがいる。俺たちが同盟を結んだ相手だ。」

 

と言うと転移用の魔方陣が展開しそこには4人の男女が現れた。僕たちも知っている方々。格好も会った時の新選組、花魁、僧兵のコスプレをしている。気に入ったのかな?しかも前回コスプレしていない人も今回くノ一のコスプレしているし。

 

「紹介しよう。異星からの来訪者X星人だ。」

 

「初めまして。魔王様及び熾天使(セラフ)の皆様。我々はX星人。3年前に『神の子を見張る者』(グリゴリ)と初めて出会い協力関係になりました。

 

当時の情勢から我々のことで争いなるのを恐れたアザゼル殿の意思もあり今日まで秘密にしてきました。

 

ご紹介にあずかりました。私はK(ケイ)女性の方はQ(キュー)。二人とも副統制官を務めております。統制官は兄なのですが外せないようがありますので私たちが対応します。

 

もう一人の女性はグリゴリとの交渉を担当しており最も交流しているI(アイ)。最後に軍隊長J(ジェイ)。戦闘部隊の最高幹部で現在最年長で教官も兼ねています。私たちの師でもあります。」

 

「若様、姫様がご立派に成長してこの爺感無量でございます。」とJさんが涙を流し?ながら言う。顔が頭巾で覆われて全く見えないから声で判断するしかないけど。

 

「J、貴方は今回来る必要なかったんじゃない?」とQさんが言うと「何を仰います!万一和平が失敗しそのまま戦闘になり巻き込目れたら一大事です!命に掛けてお守りします!!」

 

「A(エー)とかでもいいじゃない?」「いえ!これは儂の役目です!!」

 

Kさんが苦笑いしながら「我々は会談を見守らせて頂きます。無事和平を結べればその後会談に参加します。それではよろしくお願いいたします。」と頭を下げる。

 

 

X星人……コスモスが言う本当に奴らなのか?確かに敵対していたが取り立て敵意を感じなかった。一見すれば礼儀正しいし友好的にも見える。

 

だが、巨獣器(タイタンギア)を……怪獣を宿しているからか本能が警戒している。だからどうすればいいですか分からない。

 

そもそも警戒してもどう対策すればいいのかすら分からない。

 

と僕が悩んでいるとソーナ生徒会長も入室してきたところで我に返る。

 

部長の隣に立つとサーゼクスさんが座る様に促したから全員座った。全員学生だからなんだが全校集会みたいだなと全く関係事が頭に浮かんでしまった。

 

「会談を始める前にここにいる全員は最重要禁則事項である『神の不在』について認知している!その前提で会談を進めます。」とサーゼクスさんが言う。

 

生徒会長も知っているのか……ああ、だから他の眷属の姿が見えないんだ。そして会談が遂に始まった。

 

ここからは暫く難しい話をトップ同士で難しい話をしていた。

 

時折アザゼルさんが場の空気を壊し若干ぴりつくけどどうやらわざとこの空気を楽しんでいるようだ。……悪趣味な。

 

まあ、この場は僕にはどうすることもできないだから見守るしかない。それより気になるのは……僕は隣に座る伊藤さんをチラ見した。

 

彼女はこの後コカビエルの一件を報告する。

 

当初、リアス部長が代表して報告する予定だったらしいのだが伊藤さんが現場にいて詳細を知っている、元々各勢力と協定を結んでいる彼女の方が相応しいと判断されたからだ。

 

一見すれば普段と変わらないけど心なしか緊張している気がする。無理もない。いくら僕と同じ年の少女が世界の行く末を決めるような会談に立つんだもん。

 

否、彼女はずっと前からそうだったんだろう。巨獣器の封印を始め彼女の代わりがいない大役を一身に背負っていたのだから……。

 

こんな時に慰めることすらできないなんて我ながら情けないもんだ。

 

そうこうしているうちに伊藤さんが発表するときが来た。

 

 

 

「……以上で報告を終了させて頂きます。」「ありがとうございました、モスラの巫女」とミカエルさんが伊藤さんにお礼を言う。

 

「で、アザゼル。コカビエル及びグリゴリの対応はどうしたんですか?」と笑みを浮かべていたが下手に事を言うと斬り殺されない謎のプレッシャーを感じる……!

 

その場にいた全員の視線が集中しても流石は堕天使総督!不敵な笑みを浮かべこう言った。

 

「先日の事件は我が堕天使中枢組織『神の子を見張る者』(グリゴリ)の幹部コカビエルが、他の幹部及び総督である俺にも黙って単独で起こしたものだ。その対処をウチの白龍皇がおこなった。

 

その後、組織の軍法会議でコカビエルの刑は執行された。『地獄の最下層』(コキュートス)で永久冷凍の刑だ。もう二度と出てこられねぇよ。この前の転送した資料にもあったろう?それが全てだ。」

 

確かに以前聞いた通りだがもう少し言い方をどうにかできないのかな?その返事にミカエルさんは嘆息しながらこう言った。

 

「説明としては最低の部類ですが……あなた個人としては我々と事を起こすつもりはないという話は聞いています。それは真実なのですよね?」

 

「ああ、俺は今更戦争になんざ興味は無い。コカビエルの奴も俺のことを散々こき下ろしていたと悪魔側の報告にもあったよな?」

 

確かに言っていたな。神器にしか興味がないと。否、巨獣器もその対象かも知れないな。僕とも会いたがっていたからな。

 

「アザゼル、ひとつ聞きたいのだが、数十年前からどうして神器の所有者をかき集めている?さらに巨獣器の所有者も集めているらしいな。戦力を増強して、天界か我々に戦争をけしかけるのではないかとも予想していたのだが……。」と言うサーゼクさんの言葉に

 

 「そう、いつまで経ってもあなたは戦争をしかけてはこなかった。『刃狗』(スラッシュ・ドッグ)に加えて『白龍皇』(アルビオン)まで傘下に入れたと聞いたときには、強い警戒心を抱いたものです。

 

その上今回紹介にあった宇宙からの来訪者とも極秘裏に同盟まで結んでいました。何かあるのではと思うのが当然でしょう?」とミカエルさんも続く。

 

「まあ、それに関しては悪かった。X星人の事は説明したように和平できる前に公表するのはリスクがありすぎた。神器に関しては純粋の研究するためだ。否、為だったと言うべきか。4年前までは……。」

 

その言葉に上層部の全員が表情を変える。

 

「4年前……あれはやばかった。危うく異形の存在が全人類に知れ渡る所だった。」とサーゼクスさんが言うと

 

「ええ、当時ヴァチカンを始め各国機関にどうにかあの映像はフィクションだと情報操作するために大忙しでした。」とミカエルさんも応えた。

 

4年前?一体4年前に何があったんだ!?

 

「あの時言われただろう。5年以内に真の支配者が動く。それまでに手を組め。さもなくばこっちで勝手に動くと。もう一年あるかないか……。何かが動き始めているのはお前たちも薄々察しているだろう?もう猶予はないだよ。」とアザゼルさんが真剣な表情で言う。

 

他の方々も神妙な表情をしていた。

 

さらに「そして今回和平する最大の理由は4年前サタナエルが作った組織……サタナエルはもういないが組織は寧ろ肥大化している!」と宣言した。

 

「そいつらはどうやらこの和平に反対する各勢力の反乱分子で集まっているらしい。この会談にも襲撃してくるそうだ。」と突然爆弾発言した!?

 

え、そんな危ない奴ら来るの?これには生徒会長を含む学生一同に動揺しまくった。だが、トップ陣には同様の気配がない。やはり修羅場を潜った数が違うのか。

 

「ここまではもうお前たちに話したな。」と言うアザゼルさん。「ええ、私たちも始め聞いたとき驚きましたよ。」とミカエルさんが応える。

 

「この情報を教えてくれたのはX星人だ。確認中だがどうやら想像以上にまずそうだ。自衛の為に備えていた。だが、もう俺たちだけでは厳しいかもしれない。だから和平を結びたい。お前たちの力が必要だ。」

 

先程までの雰囲気とは一変し真剣な表情で話す。

 

「まさかあなたの口から和平の言葉が出てくるとは思いもしませんでしたが分かりました。

 

元々天界としても主を失った以上これ以上無駄に敵対しても害にしかなりません。

 

このまま敵対していたら他神話勢力に目を付けられるリスクがあるのにそんな話を聞いては呑むしかありません。

 

それに神の子である人間たちを導くのが我らの使命。神の子らをこれからも見守り、先導していくことこそ最優先だと私たち熾天使(セラフ)のメンバーの意見も一致しています。」とミカエルさんが語る。

 

「その発言堕ちるぜ?昔だったらな。今は『システム』をおまえが受け継いだんだったな。いい世界になったもんだ。俺の時と全然違う。……しかし、神至上主義者も変わるもんだな。」そうアザゼルさんがちょっと茶化すように言う。

 

「ミカエルの言う通り我ら悪魔も同じだ。魔王いなくなろうとも種を存続するため、悪魔も先に進まねばならない。戦争は我らも望むべきものではない。そう、次の戦争が起きれば悪魔は必ず滅ぶ。」とサーゼクスさんも続いた。

 

「そうだ。もうタイムリミットはもう無い。これ以上は共倒れどころか漁夫の利で潰されるのがオチだ。人間にもその影響があるだろう。それは避けなければならない。」とアザゼルさんが言い

 

「神無き世界……当初は滅びるかと思ったが幸か不幸かこうして世界はある。まあ他勢力の神々がいるからかもしれんがその辺りは俺にもわからん。ただ、今ある世界が間違いだと思うか?一つ言えるのは聖書の神がいなくても世界は回っているという事実だけだ。」と続いた。

 

神がいなくても世界は回る。確かに地球から見れば仮に人類が滅んでも関係なく回るし宇宙からすれば地球が消えても一ミリも影響なく時計の針は進んでいくだろう。

 

何とも壮大な話だ。もう創造主がいなくても世界は前に進めるということなのかな?もしかして聖書の神様は自分がいなくってもそこで終わるのではなく僕たちに進めるように創ってくれたとか?なんて~ね。

 

真偽は不明だが神がいなくても世界は回るという言葉が妙に僕の頭に残った……。

 

 

「アザゼル、先ほど話したX星人さんから頂いたとされるサタナエルが作った組織の事を聞きたいのだが。」

 

「ああ、だがその前に俺たち以外でこの場にいる世界に影響を与えそうな連中の意見を聞く必要がある。それによってはこの場で話せないかもしれない。」とアザゼルさんがサーゼクスさんに返した。

 

「その前に赤龍帝が私に話したいことがありそうなので先にこちらから済ませていいですか?」とミカエルさんが口を挟んだ。

 

そのことに僕たちは驚いた。ちゃんと忘れないでいてくれたんだ。

 

一誠は緊張しながらもしっかりミカエルさんを見てこう言った。「なんでアーシアを追放したんですか?」

 

その言葉に僕以外の全員が驚いた。何故今更と思っただろう。だが、僕達からすればアーちゃんそれにゼノヴィアさんと付き合うたびに良い人だと知っていきますます追放されたことへの理不尽さを感じていた。

 

それに対しミカエルさんは「まずはシスターアーシア、戦士ゼノヴィア。……貴方方には申し訳ないことをしたと思っています。まずは謝罪させてください。」と言いいきなり頭を下げた。

 

その姿に当人たちだけでなく生徒一同驚いた。「貴方方すれば何と理不尽な措置だと思うでしょう。ただ、これには訳があります。それを説明しましょう。」とミカエルさんがその理由を話し始めた・・・。

 

曰く聖書の神が亡くなった後奇跡や加護などを司る『システム』が残された。この『システム』は世界を支える重要な正に要であった。

 

十字架に悪魔がダメージを受けるのもこの『システム』の影響だ。だが、それを扱うことができるのは神のみでミカエルさんを初めとした最上位天使が総力を合わせても辛うじて動かせているのが現状らしい。

 

それでも充分に機能しているといえず救済できる者も大きく限られてしまうのが現状だそうだ。

 

その為『システム』に悪影響が与えそうな存在を本部及び教会から遠ざけなければならなかった。

 

その対象は神の死を知った者。そして信者の信仰に悪影響を与えるリスクがある力及び神器を宿した者。

 

例えば一誠が宿した神滅具(ロンギヌス)赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)その対であるヴァーリが宿した神滅具、白龍皇の光翼(ディバイン・ディバイディング)がその代表的なものだそうだ。

 

天界にとって信仰は力の源でそれを失えば大きく弱体化最悪絶滅するリスクすらある。それを防ぐ為に一部の上層部を除きこれらの可能性があるものを異端として追放せざるを得なかった・・・。

 

アーちゃんが追放されたのは悪魔や堕天使といった本来教会及び人類に害をなす存在にも癒やす力を持つ聖女の微笑み(トワイライト・ヒーリング)が宿しているからだ。

 

宿しているだけならまだ大丈夫だったがよりによって悪魔を癒やしてしまった。最初聞いたとき敵でも救う彼女の優しさを何故踏みにじったのかと内心怒りを覚えていたがそうゆう理由だったのか……。

 

そこまで説明するとミカエルさんが再び頭を下げ謝罪した。

 

「貴方方が献身的な信者でしたが『システム』の崩壊を防ぐ為追放せざるを得ませんした。全ては私たちの力不足により貴方方に辛い目に合わせてしまいました。申し訳ありません。」

 

「頭をお上げてください。ミカエル様……。確かに理不尽に思いましたがこうして理由を知れば納得できました。これでも教会で育てられたのでもう充分です。」とゼノヴィアさんが言う。

 

「教会ではできなかったを今体験できて全く後悔がないと言えば嘘になりますがそれでも今の生活に幸せを感じています。」と続けた。

 

僕たちと過ごす日々にそんな風に感じてくれたんだとちょっと僕は感動してしまった。

 

さらにアーちゃんが「ミカエル様、私も今教会を出たからこそたくさんの大切な人たちに出会うことができました。だからそんなに頭を下げないでください。私にとってミカエル様は幼い頃から憧れの存在でしたからこうしてお目にかかれて光栄です!」と手を組みまるで祈るように言った。

 

その言葉を聞きミカエルさんは若干涙ぐみながら「……ありがとうございます。あなた方の寛大な心に感謝します!」と安堵の表情を浮かべ言った。

 

その光景に感動して僕は思わず感動して人目にはばからず涙を流してしまった。

 

するとゼノヴィアさんがデュランダルを亜空間から取りだし「ミカエル様、このデュランダル。教会戦士にとって必要でしょう。お返しします。」と跪きながら差し出した。

 

それに対しミカエルさんが首を振りながら「それは貴方が持っていなさい。サーゼクスの妹の眷属なら下手な輩より安心できます。」「しかし!」

 

「こちらの謝罪代わりと思ってください。悪魔に転生しましたが貴方の活躍を見守っていますよ。」

 

その言葉を聞きゼノヴィアさんが感動しつつ「分かりました。天界にも聞こえるような活躍できるよう精進します!」と宣言した。

 

しばし感動の場面が続いたがアザゼルさんがアーちゃんを見て口を挟んだ。

 

「俺の部下もそのシスターを殺しかけたそうだな。」その言葉に一誠が反応した。

 

「そう、俺も殺された!アーシアもあのままだったら確実に死んでいた!」と叫ぶ!リアス部長が宥めるがこればかりはそう落ち着くものではないだろう。

 

「確か星空藍さん……否、Iさんの話だと確か元々一誠の赤龍帝の籠手が狙いで元々殺すつもりは無かったそうですがそれについてはどうなんですか?」と僕が口を挟むと

 

「確かに……それは我々としてもそれは聞きたいところだわ」とQさんも口を挟んだ

 

「堕天使が将来害になるかもしれない神器所有者を殺すのは組織としては当然だ。俺も黙認している。お前には才能の欠片も無く神器の力を暴走させ俺たちを含めた世界に悪影響を与えかねないからだ。」

 

「そういった犠牲を防ぐ為に神器、神滅具を取り出す実験を行うという話だったのではないですか?」とQさんが踏み込んだ。

 

「……ま、それについては別の形で満足させるさ。それにお前は悪魔になって幸せだと思うが。」

 

「それはそうだが……」と一誠もつぶやくが別の形で満足させるという言葉を気にしているのか先程より抗議の言葉が弱くなった……。

 

「とりあえずその話はこの後にするとしよう。」とアザゼルさんが一旦その話題を終えた。

 

「今回出席した俺たち以外の世界に影響を与えそうな奴らに話を聞くとしよう。」と言いまず彼陣営に所属するヴァ―リに話しかけた。

 

「ヴァーリ、おまえは世界をどうしたい?」「俺は強い奴と戦えればそれでいいさ」

 

どことなく不安に感じる答えだった。……今回の和平でもう戦争はない。それは彼が求める強者との戦う機会が減るということではないのか……?

 

だとしたら今回の和平は彼にとって不都合なものではないのか?何故参加しているんだ?

 

内心怪しんでいる僕の心中を余所に話は進んでいく。「じゃあ、赤龍帝、おまえはどうだ?」

 

一誠は「正直よくわからないんです。なんか、小難しいことばかりで頭が混乱してます。ただでさえ今は後輩悪魔とかの面倒を見るのさえやっとなのに、世界がどうこう言われましてもついていけません。」

 

「だがお前はおまえは世界を動かすだけの力を秘めた者の一人だ。選択を決めないと俺を含め、各勢力の上に立っている奴らが動きづらくなるんだよ。」とアザゼルさんが言うが一誠は困惑している。

 

 

~~~

 

「じゃあ、恐ろしいほどに噛み砕いて説明してやろう。俺らが戦争をおっはじめたらお前も悪魔の重要戦力として表舞台に立つ必要が出てくる。当然リアス・グレモリーを始めとした女を抱く暇なんかある訳がない。下手すりゃ誰とも経験できずに最期を迎えるかもな。」

 

「な、なんだと……!?」

 

「だが、和平を結べば戦争する必要もなくなる。そうしたら重要になってくるは種の存続と繁栄、つまり交尾だな。どうだ、わかりやすいだろう?戦争と交尾どっちがいい?」

 

「断然和平です!平和が一番です!!部長達とエッチしまくりたいです!!」とアザゼルさんの言葉に一誠は人目も憚らず叫んだ!!

 

~~~

 

 

な、何今の?今のヴィジョン何!!?え、寝てた!?夢!?そう戸惑っていると先ほど見たヴィジョンの通りアザゼルさんが一誠に言う。

 

「……じゃあ、恐ろしいほどに噛み砕いて説明してやろう。俺らが戦争を……」

 

「ええっとですね!僕は和平に賛成ですね!戦争なんかしても良いこと一つもないですから!!僕はできれば四六時中ボーと生きたいタイプ何でそんな面倒御免ですね!一誠もそうだと思います!」と話に割って入り話す。

 

変な奴だと思われているだろうが今はそんなことはどうでもいい!あの光景ようなことになったら末代の恥だ!!

 

「なあ、一誠そうだろう!?」「剣吾?どうしたんだ急に……?」

 

「そうだろう!一誠!!」肩を掴む腕力の強さと視線に何かを感じたのか「……お、おう」と頷いた。

 

「剣吾さん!?どうしたんですか?」と伊藤さんがその場にいる全員の気持ちを代弁するかのように聞いてきた。

 

「……僕も緊張して少々可笑しくなっているんですよ。」と愛想笑いをしつつ誤魔化そうとする。

 

い、言えない。先ほどビジョンの展開になると貴方が激怒して地獄の拷問されることになるのを防ぐためですなんて言えるわけがない!

 

そんな微妙な空気が流れる中一誠が話し出した。

 

「すいません。俺は馬鹿何でこの会談内容も9割以上分かりません。ただ、まだまだ弱いですけど仲間の為なら体張って守ります。俺にできるのはそれぐらい」

 

と不自然に言葉が途切れた?「一誠どうしたんだ?」と触るが反応がない。まるで停止ボタンを押したみたいだ。……停止?まさか!!

 

「そう、これはギャスパー君の停止世界の邪眼(フォービトゥン・バロール・ビュー)だ!」と木場君が叫んだと同時に爆音が響いた。

 

な、何事!?慌てて会議室の窓に近づくとそこには黒いローブを着た怪しい連中が魔方陣に似た幾何学模様が宙に描かれ炎や氷など様々の攻撃をしている。

 

……っていうかあの姿にあの攻撃方法まさか……!?

 

「あれは俗にいう魔法使いって言う奴らだ。」

 

「魔法使い!?そんなおとぎ話そのままの分かりやすい格好した連中なんですか!?っていうか魔法って本当にあるんですね。」

 

契約者に魔法使いがいるとは聞いたけど現在の薬剤師や占い師の亜種ぐらいだと思っていたから本当に魔法が使っていてびっくり!

 

「悪魔や天使がいるのにそんなに驚くことか?」と聞くアザゼルさんに「だ、だって悪魔みたいな特別な種族や神器とかの力なしに人間にそんな不思議な力あるんですね?」と言う僕。

 

「悪魔の魔力体系をかの『マーリン・アンブロジウス』が人間向けに再構築したものを魔法、魔術って言うだ。日本における陰陽道なんかあるは酷似しているがある意味対極という関係だ。」とアザゼルさんが説明してくれた。

 

「……それって僕にもできるんですか?」

 

「当然特殊な才と修練、それに知識が必要だ。ただ単純に杖を振り回して呪文を唱えたって何も起きないぞ。」

 

やっぱりそんな甘い話世の中ある訳ないか。

 

「今の攻撃を察するに悪魔で言えば中級クラスって所か。まあ、あの程度の数と質なら俺とミカエル、サーゼクスが張ったこの結界をどうこうできないさ。まあ、こっちも人間界に被害を出すわけにはいかないから下手に解除して結界の外にでられないけどな。」とアザゼルさんが話す。

 

「貴方方ならお一人で結界を張るのも返り討ちにできると思うですがしないのは黒幕が出るのを待っているということですか?っというか軍勢はどうしたんですか?」

 

「まず最初の質問。その通りこいつらじゃどうあがいても俺たちには敵わない。それはこいつら自身わかっているだろう。にも拘らず襲撃したということはそれをするだけの後ろ盾がいるからだよ。そいつらを誘き出すためしばし立てこもる。」とアザゼルさんが質問に応える。

 

「そして俺たちの軍勢は全員お前らの仲間である吸血鬼の神器で停止状態だ。」

 

「いくら何でも彼にそこまでの力があるとは思えないんですが?」

 

「おそらく増加する神器か魔術それに近いもので強制的に増幅させたって所だろ?それで疑似的な禁手(バランスブレイク)にさせたって所か?にしてもこれだけの力とは末恐ろしいものだ。」

 

「許せないわ。私の眷属を……!」とリアス部長が怒りに震えている。

 

「……一誠もこのままですか?」「否、恐らく数分もしないで復活すると思うぞ。」

 

「じゃあ、一誠復帰後軽く説明したらギャスパー君の救出をお願いします。僕はそれまでこいつらの相手をします。」

 

と言い窓を開け飛び降りる体勢をとる。「剣吾さん!?何を?」

 

「黒幕がいる以上少しでも貴方方の力を温存していた方がいいでしょう?僕は打たれ強さと回復力に自信があるから。じゃあ、後よろしく。」

 

そう言うと伊藤さんが止めるのを聞かず窓から飛び降り魔法使いに向かって行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




キングコングのアニメとモンスターバースの海外ドラマが入るそうなので楽しみですができれば一つのコンテンツで見れるようにしてほしいです。

まあどうせレンタルDVDで自分は見ると思いますが。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第四章 停止教室のヴァンパイア編 7

one-piece、ポケモンの新情報に興奮しています。

安倍元総理、高橋和希先生のご冥福をお祈りいたします。日本も今のままではすまないんだろうなという気がします。


俺兵藤一誠が気づくと先ほどまでの光景とは一変していた。「おっ、赤龍帝のお目覚めだ。」とアザゼルが俺を見て言う。

 

周りを見ると朱乃さん、ソーナ生徒会長、アーシア、子猫ちゃんが不自然に止まっていた。これった先ほどの感覚と言いまさか!

 

「眷属の中で動けるのは私とイッセー、祐斗にゼノヴィア、それから歌織と剣吾ね。」「部長、これって!?」

 

俺の問いに部長が「ええ、察しの通りギャスパーの停止世界の邪眼(フォービトゥン・バロール・ビュー)によるものよ。それを悪用されたのよ。私の眷属を許せないわ!」と怒りのオーラ―を全身からほとばしらせておられて滅茶苦茶怖い!!

 

簡単に説明を聞き剣吾が俺にギャー助の事を任せて自分が魔法使いと戦っているらしい。窓の外を見るとそこには攻撃をくらいながらも気にせず無防備でゆっくり歩み寄る剣吾の姿があった。

 

しかも幻雪光をゴジラギアから吹雪いやどっちかと言えば霧?を放ち視界を妨げている。

 

しかもこの霧が相手の魔方陣を妨害している?どっちかと言えばパソコンとかで無駄な情報とかを読み込まされて動きが遅くなっているのに近いのかな?

 

さらに逃げられないようにするためか足元を凍らせて身動きをを鈍らせている……。

 

逃げられないところに無言でゆっくり近づいていくとその姿は死刑囚の首をはなる処刑人を連想させる光景で魔法使いたちは距離を詰めるたびに恐怖し、怯えながら失神する……。

 

すると何やら変な箱ぽいものを投げると魔法使いたちをどこかに転移される。

 

これで解決かと思ったらすぐに魔方陣がいくつも展開され、また何十人もの魔術師が現れた。

 

「先ほどからこの繰り返しです。向こうも相当兵力があるようですのでいくら潰してもキリがないんですよ。」と伊藤さんが言う。

 

「剣吾が使っている箱は?」「あれは俺達『神の子を見張る者』(グリゴリ)が作った一時的に亜空間に幽閉する反膜の匪(カハ・ネガシオン)という奴だ。」とアザゼルが応えた。

 

「あれに幽閉されると一定時間過ぎると牢獄に転移される仕組みだ。能力を封じる仕掛けが一応仕掛けてあるがある一定のレベルの奴なら破られるリスクがある。その為幽閉する前に相手を無力化させる必要があるがな。」

 

「なんであんなものを渡したんだ?」

 

「……お前の義弟が殺すのはできれば避けたいと言ったから渡したんだ。まあ、今いる魔法使いクラスには通じるからいいがあれは設定された実力を超えた相手には通用しない。その場合どうするつもりだったんのか?」

 

「ですがあの戦い方をみてください。相手を攻撃をもろともせず威圧し戦意を喪失させて無力化させています。あの気迫並みの相手では耐えられません。」

 

……やっぱり素人にはそう見えるか。まだまだアイツの事を知らないな。歌織ちゃん

 

「ふふふ、アイツの事をまだわかっていないですね。あれは単に攻撃くらいながらどうやったら上手く無力化させるか考えながらとりあえず幻雪光で視界を封じるのと寒さで動きを鈍らせようとしたんだよ。

 

そしたら何でか分かんないけど魔法を阻害する霧もでてきて相手の動きが止まることに成功したから向かっていったら勝手にビビったからそのまま反膜の匪を投げて捕まえたってところだよ。」

 

「……本当ですか?」と歌織ちゃんがちょっと呆れた様子で聞き返す。因みに後日剣吾に聞いたら「うん、そうだよ。」とあっさり応えてちょっとがっかりする歌織ちゃんたちの顔を見れた。

 

……話を戻そう。「そもそも、あいつらはいったい何なんですか?」

 

「『禍の団』(カオス・ブリゲード)。」アザゼルの言葉に全員が一斉に反応し視線が集まる。

 

「さっきから話していたサタナエルが作った組織だ。最もこの名前を知ったのは最近だがな。主力は三大勢力内の危険分子やら不満分子を始めとした連中だ。中には今の魔法使いや神器持ちの人間もいるぞ。他神話勢力はどうかは今の所はっきりしていない。」

 

「目的はなんだ?」「単純だ。破壊と混乱。非常にわかりやすくて最大級に最悪なテロリストどもだよ。まあ、それぞれ目的が違うから共通の敵である現勢力を倒すまででその後は用済みだから始末しようと思っている所だろうが。」

 

「でもそんな奴ら束になったってサーゼクス様を始めとした皆さんに勝てるですか?」おれの疑問に

 

「その通り、普通じゃどうあがいてもまず無理だ。一勢力ならともかく和平を結んだらどうあがいても全戦力をぶつけても奴らの方が負けるだろうな。組織の頭が……オーフィスじゃなければ。」

 

その言葉に俺以外の全員が驚愕した。え、何なの?皆畏怖しているみたい?

 

「兵藤一誠、以前言ったよなこの世界で最強の存在。それこそが俺たちに宿った二天龍を凌駕し聖書の神すら迂闊に手を出せなかった正真正銘のドラゴン族そしてこの世界最強の存在……その名は「無限の龍神(ウロボロス・ドラゴン)」オーフィス!」とヴァリーが言う。

 

「オーフィス?」「己の尾を噛んで環となった蛇もしくは竜の紋章をどこかで見たことがあるでしょ?それがウロボロス即ちオーフィスよ。無限の力を持っているとされるわ。」と部長も強張った表情で応えた。

 

そんな奴がボスなのか?「じゃあ、勝ち目がないんじゃ?」

 

「否、もしそのつもりなら本人が直接動く。おそらく何らかのメリットがあって協力はするが自分で動く程ではないんだろ?奴としては試して成功してよし。失敗しても残念だったとあっさり諦める程度の感覚なんだろうよ。」と俺の疑問にアザゼルが応えた。

 

「ま、とりあえず現状をどうにかするにはお前の所の吸血鬼を奪還するしかないがどうしたもんか?俺たちは下手に動かず幹部が出てくるのを待つとしてだれがそれをやるか・・・。」

 

「お兄様、私がやります。ギャスパーを奪還すれば事態は一気に逆転します!何より私の眷属です。旧校舎、オカルト部に置いてある未使用の『戦車』(ルーク)の駒を保管しています。」

 

「なる程、『キャスリング』を行うのか。それなら彼の奪還を考えている敵の不意もつけるね。」

 

キャスリングとはチェスにおける駒の移動法の一つである。『王』(キング)が危機に陥った時、戦車が身代わりとなって位置を交換することができる実際のチェスにもあるルールだ。

 

「時間がないので簡易のものになりますがお嬢様とあと一人ならば可能です。」サーゼクス様とグレイフィアさんの会話に「俺が行きます!ギャスパーは俺の後輩ですし剣吾に任されたんでお願いします!」と口を挟んだ。

 

「なら赤龍帝、これ持っていけ。」「俺は兵藤一誠だ!ってこれは?」アザゼルが俺に何かを投げて慌ててそれを受け取る。

 

「何だこれ?」「神器の力を安定させる腕輪だ。そいつを付ければ多少なりとも制御の役に立つさ。」

 

「二つあるんだが?」「もう一つはお前のだ。禁手状態(バランスブレイク)を制御できるぞ。短時間だけどな。」「マジで!」

 

「だが、最後の最後まで取っておけ。自力でできないお前が闇雲に使ったら悪戯に体力魔力を大量に消耗して何もしないうちにガス欠になるぞ。」

 

「わ、わかった。」「いいか、お前はまだ人間に毛が生えた程度の悪魔にすぎん。折角の神滅具(ロンギヌス)赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)も使いこなせないなら一定以上の相手ならあっさりお前は負けるぞ。その事を肝に銘じておくんだな。」

 

改めて言われたがショックだぜ。ああ、そうだ。おれがすごいじゃない。ドライグがすごいんだって否が応でも再認識させられた。

 

「でも、どうやってギャスパーを利用したんだ?」俺がそう呟くとアザゼルがX星人の方を見つつ「お前らの仕業か……!?」と問いただす。

 

な、なんだって?全員の視線がX星人に集中する。

 

「結果的にはそうなるわね。」とQさんが肯定する。「どうゆうこと!?」

 

「あの制御装置は今日のこの時間に一時的に禍の団がコントロールできるように細工していたのよ。」と部長の剣幕に全く悪びれる様子もなく説明する。

 

「お前たち、最初からそのつもりで!」

 

「最初に言ったでしょ?余り頼り過ぎないようにと。あれはあくまでこの時間に装着していないと効果が発揮しない。もし、彼が忠告に従いあるいは制御装置に依存しなければ防げた事態よ?」と俺の抗議を全く気にせずに言う。

 

「お前たち、禍の団が襲撃すると事前に教えていたよな?どうゆうつもりだ!?」

「敢えて不確定な要素を双方に与え不測の事態にどう対応できるか、試しているのですよ。」とアザゼルの問いにQさんが応える。

 

「貴方方と禍の団……どちらのヴィジョンが現実性があるか試してみようと思いましてね。仮に我々が手を下さずとも停止世界の邪眼が無くてもこの日必ず襲撃はありました。ならば、双方を試す絶好の機会と思いましてね。」とKさんが続ける。

 

「ふざけないで!よくも私の眷属を!!」「待て、リアス!」とサーゼクス様が止めるのを振り切き消滅魔力を放つ。

 

するとQさんに当たる直前に停止した!?まさかギャスパーの力か!?否、よく見るとまるで見えない手に摑まって動かなくなっているみたいだ。

 

消滅魔力が何とか無理やり前に進もうとするが全方位から何かの圧力を受けたみたいに一瞬小さく圧縮するとそのまま自壊した!?な、何今の!?

 

「い、今、なにをしたの!?」と動揺する部長の言葉はその場にいた全員の言葉だった。

 

「今のは貴方の眷属を利用したということで一発は甘んじますが次は容赦しませんよ。」と余裕の笑みを浮かべつつ言うQさん。

 

「質問に応えなさい!今何したの?」「貴方方の認識で言えば一種の念動力と言うのが近いですかね?」

 

「……それって貴方たちは超能力が使えるってことなの?」

 

「全員と言う訳でもないですが半分はできますね。どのくらいできるかは個人差があるけどね❤」と部長の問いにウインクしながら言うQさん。

 

X星人……その底知れない力の末端を見せられ俺達全員……そう、魔王様や他勢力のトップ陣も警戒心を隠せずにいた。

 

「どうでもいいけどこっちより向こうに注目した方がいいみたいですよ。お客様が御出でになるようです。助けに行くなら今言った方がいいですよ。」とKさんが忠告した。

 

視線をそっちに向けると確かに見慣れない魔方陣が浮かび上がりここに転移してくるみたいだった。

 

その魔方陣を見た瞬間上層部の面々から驚愕した雰囲気が漂った。

 

「そうゆうことか!!グレイフィア、すぐにリアスたちの転移を!!」」「はい!では、お嬢様ご武運を!」とサーゼクス様とグレイフィアさんがテキパキ動き戸惑う俺と部長を余所に転移させた……。

 

 

 

イッセーさんとリアスさんの転移を見届けた私伊藤歌織の前にすれ違う形で胸元が大きくあき、深いスリットが入ったドレスを身に纏った美女が現れた。どうやら悪魔らしいが彼女はいったい?

 

「以前あの魔方陣をヴァチカンの資料で見たことがある。これは、旧レヴィアタンの召喚陣だ。」とゼノヴィアさんの言葉にその場にいた木場さんがそうゆうことか!!と叫んだ。

 

「ごきげんよう、現魔王サーゼクス殿を始めとした各勢力のトップよ。私の名はカテレア・レヴィアタン。短い間ですがお見知りおきを。」

 

「カテレア。どうゆうつもりだい?これは。」

 

「少し考えれば分かるでしょう。我々は貴方方に魔王の座を奪われた。それでも我らの力が足りないから、他勢力に勝つためだと当初は我慢していました。」とサーゼクス様の問いにカテレアは応える。

 

「だが、今回オーフィスが力を貸してくれる。各勢力の現政権への不満を持った反乱者が今禍の団に集っています。もちろん我ら真の魔王を支持する一派もね。」

 

「和平が嫌がっていたのにそっちはいいのか?」

 

「目的の為なら手段を選ばす。それが悪魔ですよ。それに最大の障害であった聖書の神がいない。あの化け物がいないなら勝機を十分にあると判断したまでですよ。」とアザゼル殿の言葉にカテレアは応えた。

 

聖書の神……どうやらその存在は旧魔王派否他神話を含めた全敵対勢力にとってそれはそれは恐れられた存在だったと聞いている。

 

不在と知れば彼ら以外にも良からぬことを考えるものは現れるかも否必ず現れるだろう!そうなれば聖書勢力だけの話でない。

 

下手をすれば全勢力を巻き込むリスクすらある。だからこそ今までこのことを秘密にしてたんですね。

 

「カテレアちゃん!どうして!?」

 

「セラフォール!貴方には分からないでしょうね!レヴィアタンの名を継げたはずなのに継ぐことができない者の気持ちを!」とセラフォールさんの言葉にカテレアは積年溜めこんでいた思いを爆発させる!

 

「貴方方は私の目か見てもいい魔王でしたよ。ですが最高の魔王ではない。だから我々が魔王に返り咲きます。せめてもの情け。立派な墓ぐらいは用意してあげますよ。仮にもかつては友人でしたかね。」とカテレアが主にセラフォールさんに愛憎が混じった複雑な視線を向けている。

 

「ま、お前らに世界を任せられるか。いいぜ、お前は俺が……」

 

「お待ちください。総督。ここは私がやります。」とアザゼル総督が打って出ようとするのを制し私が前にでる。

 

「貴方方は他にも何かあるかもしれないので待機と結界を強化してください。ここは私が相手します。」

 

「どきなさい!!貴方には関係ないことです!」

 

「いえ、これは最早三大勢力だけない。人間界を始めとした全世界に影響を及ぼすことです!ここで貴方の野望を阻止してみせます!それがモスラの巫女である私の使命です!」

 

「貴方の一族にはそれなりに恩があったので特別視していたが敵対するなら容赦しません!貴方亡き後モスラの力、我らのものにしてみせましょう。」

 

そう叫ぶとカテレアに私は「極光虫の指輪」(モスラ・ギア)を禁手(バランスブレイク)し[極光虫の聖武装](モスラアームズ)を纏うと互いに窓から飛び立ち校庭上空でぶつかり合う!

 

「ビームパルサー!!」と触角からのレーザーを連射しカテレアの魔力弾とぶつかり合う!

 

「これがレヴィアタンの力!思い知りなさい!!」と龍の形をした大量の水をぶつけてくる。

 

それに対し「胡蝶嵐・揚羽式」(こちょうらん・あげはしき)!![極光虫の翼扇](モスラ・ファン)と背中に生えた羽根を羽ばたかせ強風と共に鱗粉をばら撒きさらに雷を発生させ乱反射させる。

 

水の龍をカテレアに押し返し濡れた体に雷と強風が直撃し大ダメージを受ける。「そのダメージなら最早戦闘の継続は不可能です!大人しく投降してください!」

 

彼女たち旧魔王派は現在悪魔に普及している悪魔の駒(イーヴィル・ピース)を否定していると聞きました。

 

だから本来補佐する『女王』(クイーン)も身辺を守る『騎士』(ナイト)を始めとした眷属がいない。もしいれば結果はまた変わったかもしれない。少なくてもここまで楽ではなかったでしょう。

 

するとカテレアは峰不二子宜しくと胸の谷間から小さな黒い蛇?らしきものが入った小瓶を取り出した。

 

もしイッセーさんを始めとした男性陣だったら今の動作で致命的な隙を作っていたのでしょうね。そう思わず案じてしまう程セクシーな光景だった。

 

そして蓋を開けると蛇を踊り食いした!?まさかの光景に思わず動揺してしまう私!

 

さらにこの時ある気配を感じそっちにも思わず僅かに反応してしまった。

 

後で知るのだがこの時イッセーさんが『洋服崩壊』(ドレス・ブレイク)をしていたことを知り制裁するのは別の話。

 

僅かな隙はカテレアには十分だった!力が急激に上昇し魔力の波動を放ち私は吹き飛ばされる!!

 

「これが世界の変革を為せると判断した理由です!モスラの巫女よ!これがオーフィスの「蛇」です!おかげで貴方たちと戦えます!」

 

「……確かに凄まじい効果ですが私一人を瞬殺できないようでは計画は成功しませんよ?」そう言う私にカテレアはほほ笑みながら

 

「ご心配なく、ここには私だけではないので。」その言葉と共に爆音が響き渡った!!?

 

 

俺、兵藤一誠は部長と一緒に転移した後ギャスパーが敵に捕らわれている部室に転移した。

 

そこで会談中に神器が暴走しないか不安になりつい制御装置を被ってしまったところ魔女が転移しこのような事態になったと泣きながら叫んだ。

 

部長はそんなギャスパーを慰めるが魔女たちはあざ笑うだけだった。

 

俺はアスカロンで自分の右掌を傷つけで血を流すとアスカロンをギャスパーに伸ばし飲むように叫んだ!

 

俺の覚悟が伝わりギャスパーは頷き血を舐めると吸血鬼と停止世界の邪眼の力を覚醒させた。

 

その力で魔女達を圧倒し時間を停止させ俺の『洋服崩壊』(ドレス・ブレイク)成功させ歓喜する俺だったが部長に溜息つきながら小突かれた。

 

魔女達を縛るという新たな世界が開きかける至福の時間を過ごした後玄関に飛び出した時だった!

 

爆音が響き渡る!そっちに目を向けかけるが反対方向でぶつかり合う歌織ちゃんに気づく。

 

対戦相手は滅茶苦茶エロイ恰好をしたお姉さま!眼鏡が似合う!

 

「何、いやらしい目で見ているのよ!!」と部長に頭を叩かれながら怒られる!ご、ごめんなさい!!

 

一時互いに距離を取ると美人なお姉さんが「いやらしい視線を感じるわ。この残念な少年が赤龍帝ですか?」「残念、残念言うな!っ言うかあんた誰だよ?」その問いに歌織ちゃんが応える。

 

「彼女はカテレア・レヴィアタン。旧魔王派の一人です。」え、旧魔王派って何ですか?

 

「前に喋ったでしょ?本当の四大魔王の子孫よ。」と部長が教えてくれた。ああ、何かそんな事聞いたような気がする。

 

「丁度いい、私たちの協力者が今活躍しているのでご覧なさい。」と爆発音があった方を指差す。大量にの煙が晴れるとそこには……

 

 

剣吾が必死に砲撃?を躱したり爆炎で相殺していた……相手は誰だあいつは?

 

まるで魚のような龍の様な何とも言えないフォルムをした全身鎧。一番の特徴は両肩になる嘴状の突起物だ!そこから光線や弾丸?が放たれている!先ほど感じるこの独特な気配はまさか!?

 

「ガハハハハハハ!!どうした、どうした怪獣王!」「ああ、鬱陶しい!」と罵りあいながら互いに砲撃しあっている。

 

最初は均衡していたが相手が空を飛び始め機動性で圧倒され一方的に砲撃し始めた。

 

「ひゃーははっはははあ!!どうだい、ベーレム弾の味は!!?」高笑う魚?

 

剣吾の方を見るとまるで岩の様に固まっている?・・・否何かが体中にくっつき岩みたいに見えているぞ!

 

あれは何だ?剣吾に近寄ろうとすると

 

「近づくな!!」とアザゼルが飛び降りて俺たちに叫ぶ!「近づくなって!?何で!?」

 

「あいつの名前は長瀬敦士(ながせあつし)!トレジャーハンターを自称しているが実際は墓荒らしだ。それはかなり質が悪い方のな。」と敦士を指を差しながら続けた。

 

「そいつが宿しているのは[魔海獣の疫武装](ダガーラ・アムーズ)。ダガーラはベレームと呼ばれる毒と疫病をまき散らす厄介極まりない危ない奴なんだ!」

 

「ダガーラですって!?」歌織ちゃんも驚愕の声をあげる。「歌織ちゃん、ダガーラってなんだ!?」

 

「……元々は琉球つまり現在の沖縄近辺にあったとされる古代ニライカナイ文明を滅ぼした怪獣です。ニライカナイが作り出したとされた説もありますが実は宇宙生物もしくは異星の技術で作られたのではないかという説もあり真偽は不明です。琉球を守る聖獣によって封印されました。」と話す。

 

「水中と空中を高速で移動でき最大の特徴は総督が言うように毒と疫病をもたらすオニヒトデに似た外見をしたベレームを体内に生成しそれを武器にします。その為ダガーラより強い実力者でも苦戦する厄介な相手です。そしてモスラとは相性が極めて悪いです!」

 

そんなやばい相手なのか?じゃあ、剣吾にくっついているのはベレーム!?じゃ、じゃあ今あいつ毒で苦しんでいるじゃ!?

 

近寄ろうとする俺だったが「避けろ!」と言うアザゼルの言葉に咄嗟に躱す。すると水の塊が大砲のようにダガーラから撃ち出された。

 

当たった後には腐った水特有の嫌な匂いがする。「今の水も先程の光線も全てベレームの毒を含んでいます!絶対当たってはいけません!!」と歌織ちゃんが警告する。

 

「私に当たったどうするの!?気をつけなさい!!長瀬!」「はっはー!!そん時はテメーが間抜けなだけだ!お前が今のモスラの巫女か!?先代への恨みてめえが返させてもらうぜ!!」と笑うだけ。

 

「長瀬敦士!てめーは10年以上前にとある村を毒と疫病で全滅させ先代モスラに封印されていたはずだ!何故今お前がここにいる!!?」

 

「ほんの2週間ほど前にこの姉ちゃんの組織カオス・ブリゲード?だったかに解放された。そこの封印を守護していたのもそのシンパだったという訳でその事実をもみ消したと言うわけだ。」

 

それを聞き悔しそうにする歌織ちゃんにアザゼル……。

 

「ダメです!イッセー先輩。さっきからやっていますがあいつを止めることができません。……すいません。」とギャスパーが謝る。

 

巨獣器には通じないか。「仕方ない。気にするな。」と俺が慰める。

 

「お前を自由にしたのは俺たちトップの責任でもある。俺がお前の相手しよう!それとも俺じゃ相手不足か!?」「ご冗談を。俺一人で堕天使総督に勝てるわけがないでしょうが!」

 

そのリアクションに全員が疑問に思い浮かぶ?奴の表情からは余裕が見える?どうゆうことだ?口では言っているが勝てる自信があるということか?

 

否、アザゼルの反応からすると自分一人で勝てるという自信があるからそれはないだろう……。じゃあ、何だ?あいつの余裕は?

 

そう思っているとヴァーリが『白龍皇の鎧(ディバイン・ディバイディング・スケイルメイル)』を身の纏いアザゼルの後ろに降り立つ。

 

「ヴァーリ?お前が出るほどの奴じゃない。ここは俺だけで充分だ。」「……ああ、確かにそいつ一人ならお前だけで余裕だろうな。」と言うが様子がおかしい……?

 

ヴァーリが突然魔力の弾を放った!……アザゼルに向けて!!?

 

まさかの一撃に為す術なく吹き飛ばされるアザゼル!何だ!?どうゆうことだ!?

 

吹き飛ばされたアザゼルは「……このタイミングで反旗か、ヴァーリ。」

 

「そうだよ。アザゼル。本当はカテレア辺りと戦っている時に横入りする予定だったんだがモスラやゴジラといった不確定要素の為中々機会がなくて内心困っていたよ。」

 

「これが私たちの余裕の理由ですよ。オーフィスの”蛇”、ダガーラ、さらに白龍皇これだけあれば襲撃に充分でしょう。会談を壊す、宣戦布告できれば良し。トップの誰かを倒せれば儲けもの。もう半分以上目標を達成しました。」とカテレアが勝ち誇るように言う。

……

「全くやきが回ったもんだ。身内がこれとはな……。」と自嘲するアザゼル。

 

「……いつから、裏切るつもりだったんだ?」

 

「コカビエルを連れ戻す途中、宇宙人からオファーがあると伝えられたんだ。こっちの方が面白そうで受けた。悪いな、アザゼル。」

 

「全てX星人の仕業って訳か?」「失礼ですね。何もかもこっちのせいにしないでほしいですね。」とQの声が耳に届いた。

 

声の出所を探すといつの間にか屋根の上で優雅にお茶やチェスを楽しむX星人の姿があった。

 

完全に今回の騒動を他人事で面白い見世物程度にしか見ていないようだ。

 

「確かに同胞が伝えましたがどうするかはヴァーリ、あなたが決めたことです。誘った振りをして内部に滑り込むことなどできたはずですよ?そうすれば壊滅はできなくても今回の襲撃もっと困難だったのかも知れませんよ?」

 

「お前達の目的はなんだ?何故どっちにも力を貸す?」

 

「チャンスは平等にしないと不公平でしょ?どっちのビジョンが現実性があるか確かめているだけですよ?」

 

ヴァーリの問いにQが応える。こいつら、胡散臭い奴らだ!

 

「そっちも気になるが……話戻すぞ、ヴァーリ?『白い龍』(バニシング・ドラゴン)がオーフィスに降るのか?」

 

「いや、あくまで協力するだけだ。アースガルズを始めた他勢力、現勢力と戦ってみないか?と誘われたら自分の力を試したい俺では断れない。お前は戦争嫌いだから絶対反対しただろう?」

 

「……そうか。いや、薄々分かっていた。お前と俺の目指す場所が違うっていうことが。……だからいつかこんな日が来るということを見ない振りしていたのかもな。」苦笑するアザゼル。

 

「彼は私たちにとっても特別な存在。ヴァーリ貴方の下準備と情報提供がなければここまで上手くいきませんでしたよ。宇宙人は肝心な所を自分でやるように突き放した面がありますからね。」とカテレアが続いた。

 

それに応えるようにヴァーリが自身の胸に手を当てて俺たちに言う。

 

「俺の名前はヴァーリ。ヴァーリ・ルシファー!旧魔王の孫である父と人間のハーフとして産まれた。『白い龍』(バニシング・ドラゴン)、真のルシファーどちらの力を有する俺は運命、奇跡と言ってもいいのかもしれないな。」その言うと同時に光の翼の他に悪魔の翼を生やした。

 

その言葉に全員が衝撃を覚えた!ル、ルシファーだって?「……嘘よ、……そんな」と信じられ表情で呆然と呟くがアザゼルが否定する。

 

「……事実だ。歴代最強……おそらくこいつ以降の所有者も含めて未来永劫においても史上最強の白竜皇と呼ばれるだろうよ。」

 

な、なんか俺の理解に及ばない展開になってきたけど相当まずい状況だって言うのは分かる。

 

「隙あり!食らいな!!」と敦士が俺たちに毒の弾丸……ベレーム弾というべきか?を撃ちだす!!

 

先程からの急展開もあり避ける暇がなくこのままでは命中する!……咄嗟に部長だけでも助けようと前に立ち塞がる!!

 

攻撃が当たる直前突如方向を変え別方向に行く。これには撃った本人である敦士も驚愕し全員がベレーム弾の行方を追う。

 

するとベーレムの塊になった剣吾に命中した!?な、何だいったい?

 

突然爆炎が発生しカオス・ブリゲード組に炎が迫る。カテレアとヴァ―リは上手く避けたが敦士は諸に直撃し吹っ飛んだ!?

 

「ぺ、ぺ!ああ、気持ち悪かった!何しやがるんだ、てめー!!」と剣吾がでてきた。

 

「しっかり聞こえたぞ!とんでもないことだな。」と傍から見ると元気そうに言う。

 

あ、あいつ普通に元気そうだぞ?「ば、馬鹿な!?ベレームに触れたら体中から赤い泡を吹いて生きながら溶けていくんだぞ!?何故、平気なんだ!?」と敦士が叫ぶ!?

 

な、何!!?そんなやばい奴だったのか!?あれ!!

 

「もしかして……」そう歌織ちゃんが呟くと光で剣吾を照らす。数秒照らすと「・・・毒や病原器を完全に抗体ができている。完全に無力化している。」と言う。

 

それに全員が驚愕している。な、なにー!!?あいつそんなにすげーのか!?

 

「これがゴジラ……!私たちの世界を滅茶苦茶にしたあの化け物の頂点に君臨するものと言うことですか?忌々しい。貴方も確実に消してあげます!」

 

「ほう、ますます楽しめそうだ!面白い!そうでなくてはつまらない!」

 

「てめー、調子に乗るな!」とカテレア、ヴァ―リ、敦士三者三葉の反応をしているが剣吾はと言うと

 

「……で、君たちはどっちの味方になるの?」「我々はこの戦いの勝者につかせていただきます。今回の襲撃はその最終試験だと思ってください。」

 

「……羨ましいねえ。優雅に高みの見物とは。こっちは地べたを這いつくばるので精一杯だよ。」とKに視線を向けて話す。

 

完全にX星人に意識を集中している。だが、その態度は己の力に自信を持つ強者のプライドを沸騰させるだけだった。

 

 

 

「てめー、いい度胸だな!!?」と敦士が怒号を叫ぶ!!「この中で一番やばそうなやつを警戒するのは当たり前じゃん。」とさほど気にしない感じで応える。

 

 

 

「……とりあえず、ダガーラだっけ?そこの無差別毒ガス発生装置!どうやら俺にはその毒が通用しないらしいから俺が相手しよう!ここじゃ他巻き込むからあっちでやろうぜ?……それとも誰かに助けてほしいなら力借りてもいいよ?」

 

 

 

敦士が頭に血管浮かべながら「解っているぜ!!……お前仲間が感染したらまずいと思って俺を引き付けるつもりだろう?そうはさせるか!!」と無差別にベレーム弾を撃ちまくる。

 

 

 

だが、全て剣吾に引き寄せられ命中する!?「どうゆう理屈か分からないけど僕を殺さないと少なくても遠距離の射撃は意味なさそうだよ?」

 

 

 

「……そのようだな?どんな原理が知らないが良いだろう……!!貴様から先に始末してやる!」

 

 

 

「こいつは任せろ!他よろしく!」と言い終わると互いに爆炎と光線の壮絶な撃ち合いが始まった!

 

あっという間の出来事で全員あっけに取られていたが「X星人!!」とサーゼクス様とグレイフィアさんが屋上に上がってきた。

 

その眼には警戒心と敵意で満ちている。「どうしました?魔王様?」「お前たちの目的を彼女たちから聞いた!?そんな事断じて認められない!」

 

「彼女たち?」とKが聞くと「「私達です!!」」とその言葉と共にモスラの魔方陣が宙に展開しコスモス団が現れた。

 

「お前たちはエリアス!……やはり、この世界に来ていたのか。」とJが呟く。

 

「「J(ジャック!)まだ生きていたとは?」」と話すコスモスさん。

 

ジャック!?ジェイじゃないのか?「まだ生きておったとはこっちのセリフじゃ。姉の様にあの時くたばったと思っとたぞ。」とジェイ?否ジャック?どっちだ?が話す。

 

「「なぜ貴方が正式な名前を名乗らないのですか?その名と共に継承されたはずです?まだ称号を受けつ継ぐことができない未熟な後継者に気を使っているのですか?」」

 

「黙れ!若様と姫様はいつでも継承なさる実力と人望を有しておられる!貴様ら絶滅危惧種が軽々しく口を聞くな!!」とブチ切れた!

 

「落ち着きな、J(ジェイ)」とK(ケイ)が宥める。

 

「「やはり貴方達は私たちと同じ世界のX星人!どうやってこの世界にやってきたんですか!?」」

 

コスモスさんの問いにKは「……あの戦いで主を失い様々なエリアで反乱が起った。その鎮圧をしつつ主を探していた時数年前反応をキャッチしその反応を辿ってこの世界に来た。」と応えた。

 

「そして堕天使総督で出会い今に至る。」なんか大分省いたな。

 

「「貴方達の目的は何ですか!?」」「基本は変わりませんよ。主を取り戻し我らの教えを伝授する。それだけですよ。」

 

「「伝授ってあれの家畜として生きろと言うことですか!!?ただ、最終的に奴の餌になれと!!?」」

 

「それは正確にはそれは一面に過ぎません!食用以外にも使い道はありますし何なら私たちの様に養殖をやってみませんか?そもそも貴方方悪魔や天使を始めとした超常の存在は食用に向かないので?」

 

「何を馬鹿なことを!?」「そうですか!?我々が脅威として襲い掛かったところを頃合いを見て貴方方が助ける。信者や契約相手が格段に増えます。貴方方にもメリットがある話だと思いますが?」

 

「そのようなことを平然と言えるのが君たちに心が無い証拠だ!そんな相手と手を組めない!」

 

「まさか、悪魔の口からそんな言葉が出るとは。貴方個人はともかく全体では悪魔こそが万能と思いあがっている馬鹿が大半。人間を食い物や騙して無理やり眷属するケースは後が立たないですよ。」

 

とサーゼクス様とKが激しい口論をする。「もし、我らが人に害するという理由で排するなら悪魔を始めとした異形は今すぐ滅びるべきですよ?」とさらりと物騒なことを口にするK。

 

「お前たちと手を組む気はない!!ここで排除させてもらうぜ!」とアザゼルが口を挟む

 

「……となるとカオス・ブリケードと組むしかないですね。……否、ここは我々の実力を少し見せますか。双方にいい宣伝になるでしょう。」

 

そうゆうとK、Q、Jが立ち上がる。「J、貴方は総督を。このお二方は我々が相手します。」

 

「女同士で相手しない?」とKとQが話ながらサーゼクス様の前にKがグレイフィアさんにQそしてアザゼルの相手をJがすることになり戦いが始まる……!

 

「随分賑やかになったじゃないか!では、俺たちもこの流れに乗ろうじゃないか!兵藤一誠!」とヴァ―リが叫ぶ!

 

くそ!俺もか!こんな訳が分かんない展開で死んでたまるか!部長達為にも!!俺はそう誓いながらヴァ―リと対峙した!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




カテレアの相手を伊藤歌織がしたのは次の章でモスラが深く関わるのでその前に活躍する場所が必要と言うことで急遽この展開にしました。

後二人新キャラ出す予定だったのですがちょっと延期若しくはただの顔合わせで本格的な活躍は別の章にずれ込むかもしれません。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第四章 停止教室のヴァンパイア編 8

今回主に木場君に語り部をやってもらいます。

ONE PIECE FILM RED良かったです。普段映画は一回見れば終わるタイプなのですがあれはもう一回見に行くかもしれません。


僕、木場優斗は目の前のいくつもの激闘をただ見守ることしかできなかった。天界の熾天使(セラフ)の方々、セラフォール様は結界を壊れないように維持して戦闘に参加できない。

 

巨獣器(タイタンギア)ダガーラの敦士(あつし)と剣吾(けんご)君による銃撃戦を思わせる遠距離戦は激しさを増している。

 

後で聞いた話だがダガーラの毒と疫病の有害性は極めて高くもし剣吾君がいなかったら犠牲者がどれほど出たか想像もできないほどだったらしい。

 

戦況は五分。剣吾君は機動力で劣り荷電粒子咆も下手に撃つと僕達及び結界を壊し人間界に被害が出ないか気にしている素振りを見せている。

 

対し敦士の方は空中を自由に高速飛行しながら肩の砲身から砲撃している。こちらも剣吾君に毒やウイルスが通用しない以上純粋火力で上回るしかないのだが剣吾君の防御力を突破できずにいる。

 

「噴灼毒撃波!!(ふんしゃくどくげきは)」と敦士が叫ぶと兜の角から全身特に両手に稲妻が流れると手から稲妻?否そう見える光線を両手から放つ!

 

剣吾君に直撃し余波の爆発規模からベレーム弾よりこっちの方が破壊力があるようだ。

 

「これにもベレームの有害物質が含まれているのか……どんだけ危ないんだっ!!」と吐き捨てると再び爆炎を放つ。

 

剣吾君の炎も戦っていくうちにコツを掴んできたのか広範囲に広がる炎の津波を思わせる炎を放ったと思ったら魔術師が良く使う炎の玉に似た炎を何発も放つ。

 

「ええい、キリがない!!」そう叫ぶと敦士の両肩にある砲台が消えたと思ったら龍魚を思わせる形状の砲口をした巨大なバス―カーを持っている。

 

「これはあんまり使う機会がなかったがお前みたいな頑丈な奴にはこっちの方が良いだろう!!」とあざ笑う。

 

「超重龍爆炎!!(ちょうじゅうりゅうばくえん)」と叫ぶと同時にバス―カーから見るからに毒々しい色をした破壊光線が放たれる!

 

その破壊力に剣吾君も大きく吹き飛ばされる!!「どうだ!『海魔獣の大砲』(ダガーラキャノン)の威力は!」と敦士が勝ち誇りながら言う。

 

「滅多に使う必要が無いんだがな!毒や疫病が効かないお前みたいな奴の為の技だ!」

 

かなりの威力を感じさせたが剣吾君の感想は「……一々よくそんな長い技名叫べるね。」と全く関係ない部分で感心していた。

 

「どこで感心してんだてめー!!分かっているだろう。お前の攻撃は当たらねえ!射撃戦は俺に分がある。」と突っ込みながら勝ち誇る敦士。

 

それに対し剣吾君は「……確かにこのままでは勝ち目が厳しいな。格闘戦をまずある程度ものにしてから遠距離攻撃をマスターしようとしたのが完全に仇になったなあ」と他人事の様に言う。

 

「だから今目覚めた新たな力を試そう……。」そう言うといつの間にか手に持っていた像?みたいなものを取り出し前に出した。

 

それは何とも言えない悍ましい姿をした像だった。見ているだけで強力な呪いにかかりそうな雰囲気を感じさせる代物だった。

 

「これは一定ダメージを相手から受けることによって誕生したわら人形の亜種みたいなものだよ。

 

最も本家と違い僕を始め人の手で直接危害に加えられないし傷つけても意味がない。……だが、例えば放り出して落下させるとどうなるかな?」

 

「はったりだな?そんなことできるわけがない!!」「うん、嘘!これは単に今ダメージ受けながら適当に作った人形だよ。だから気にしなくていいよ。」

 

そう言うと適当に放り投げた。本当に無造作に投げもうちょっとで地面に落下しそうになったところで「うおおおお!」と敦士が猛スピードで像をギリギリのところでキャッチした!

 

その瞬間、剣吾君が荷電粒子砲を放つ!敦士は避けようとしたが背中の飛行ユニットと思われる部分の一部が破損した。

 

するとバランスが崩れ安定して飛ぶことができなくなった。速度も格段に遅くなった。

 

それを見逃すわけがなく剣吾君は爆炎の反動で宙に飛び捕まえるとそのまま地面に叩きつけた!

 

「ふう、やっと捕まえた……。馬鹿だね。そんなのただのガラクタなんだがら無視して攻撃すれば勝てたのに。」と言いつつ敦士が握っていた呪いの像を手ごと踏みつけ破壊した。

 

「う、嘘だ!!どう見ても呪いの像だった!!」「傷つくなあ……。単に下手なだけだ。」

 

ちょっとショックを受けた様子を見せつつも敦士の首を絞めながら

 

「さあ、諦めな!どうやら単純な格闘戦はお前と俺じゃ勝負にならないみたいだな。降伏するなら首をへし折らないよ?」

 

あの状態ではもう敦士に勝ち目がない。そう思っていたが「くくく……フハハハハハ!!」と突如笑い飛ばした!!

 

「これで追い詰めたつもりか!甘いな!!海魔獣ダガーラ!その力の神髄を見せてやるよ!!」と叫ぶと魔方陣を書かれた紙をどこからか取り出し発動した。

 

魔方陣が眩しく発光し目を開けると校庭の中央部にまるで水族館の水槽否、どっちかと言うとスノードームや巨大なシャボン玉を思わせる半円状の物体が出現し内部には大量の水を湛えている……。

 

しかも少しの隙間なく水で溢れているから呼吸できない!!あのままじゃ剣吾君は!?

 

そう焦る僕達の心を表すようなタイミングで「どうよ!この水の量!!ダガーラの活動領域は空だけじゃねえ!!陸海空全てに対応でき水中こそがダガーラの神髄だ!!」と敦士が高速で泳ぎながら叫ぶ!

 

「俺は水中でも呼吸でもできるがお前はどうだ!?ええ!!?満足に息もできないじゃないか!!?」

 

そう叫びながら剣吾君の周囲を高速回転し次第に渦潮否、天まで伸びる水の竜巻を作り出した!?

 

よく見るとベーレムも大量に紛れており剣吾にぶつけている!!

 

「轟渦赤猛毒弾(ごうかせきもうどくだん)!毒は通じねえだろうが体に纏わりついて動きづらいだろう!?さらに縦列毒撃砲弾(じゅうれつどくげきほうだん)!!」

 

そう言うと背中から赤い光弾を真上に連射した!?

 

「どうよ!この汎用性!!手も足も出ねえだろうが!空飛べなくなっても関係ねえ!寧ろ仇になったな!」と勝ち誇り轟渦赤猛毒弾から再び落ちてきた剣吾君に独楽の如く高速回転しつつ撃ち出した三日月型の赤い光弾を放ちつつ迫る!

 

「爆龍赤塊光波(ばくりゅうせきかいこうは)!!どうした、どうした!!全然攻めねえだろうが!ええ、この程度か、怪獣王の力ってやつは!!とんだ出来損ないだな!!」と嘲笑う!!

 

「いや……確かお前満足に禁手もできない出来損ないらしいな。そんな奴聞いたこともないぜ!そいつは俺たちが有効利用させてもらうぜ!!てめーを殺してな!!」

 

・・剣吾君、あそこまで煽られているのにどうして反撃しないでそのままやられているんだ!!君はその程度の男じゃないはずだ!!

 

心配していた僕達が益々不安に襲われる中「ほれほれ!!どうした!ここまで来いよ!」と僅か三メートルほどの距離まで剣吾君の前にいて煽っている!

 

次の瞬間、剣吾君が一気に加速し敦士の左手で喉を掴む!「があ!!?」と言葉もなく驚く敦士!!

 

そしてゴジラギアの刃が銀色に輝きに始める……。それだけでなくどことなくブレて見える……!?

 

そのまま殴りつけると一瞬不自然に敦士の動きが停止する……!?

 

次の瞬間、全身から一気に大量の血が弾け飛びながら大きく吹っ飛ばされる!!?

 

「あああー!!?いてええー!!何だこれ!?何しやがった!!?」と悶え苦しむ敦士!!

 

この時知る由もなかったが後にこの時の映像を見たコスモスさん曰く

 

銀色に輝いたとき音による強力な振動を発生させゴジラギアに乗せ殴ることで威力をあげるだけでなくダメージを直接内部に伝え内部から破壊する技と思われると教えられた。

 

この技をイッセー君が振動拳と名付けた。

 

さらに剣吾君はどう考えても届かない距離で正拳突きをすると敦士はなすすべなく苦痛の声を上げながら吹き飛ばされる!

 

場所が水中と言うことで大気中よりも音の伝達速度が速いこともあり遠距離攻撃も可能にしたとのことらしいがこの時の僕達には分かるわけもなくただただ困惑していた。

 

「ばかだね……。こんな水のフィールドにしなければもっとめんどくさかったのに。」と剣吾君が言う。

 

「てめー今何しやがった……!?」「多分音の衝撃波って所かな?音が嫌ならこれにしよう!」と呟くとダメージで動きが鈍った敦士を捕まえるとその状態でこう言った。

 

「……水は電気を良く通すって知っているかい?」そう言うやいなやゴジラギアを中心に紫の放電をし始めた!

 

回避できる方法があるわけもなく為す術なく感電し苦痛の悲鳴を上げる敦士。

 

その隙にダガーラキャノンをゴジラギアの刃で一刀両断し破壊する。

 

「く、んなことしても簡単に取り出すことができるんだよ!!」と敦士が最初に見た両肩にある状態に戻す!

 

「飛行ユニットも大分修復した!!また振り出しに戻り俺の有利だ!!」と猛スピードで水中から抜け出そうと上を目指す!

 

だが……どうやら捨て駒にされたみたいだね。もし君を重宝していたなら絶対この水槽?でいいのかな?を使わないはずだよ。」

 

敦士からすれば高速水泳しているはずなのにすぐ側で声が聞こえて驚いただろう。だが、僕たちは知っている。

 

「教えよう。僕は、否ゴジラは……」と呟きながら敦士のすぐ目の前に現れ拳を握りながら続けた。

 

「水中でも呼吸でき寧ろ水中の方が動きが機敏に動けるんだよ!!」と叫びながら殴り飛ばした!!

 

何本も歯がへし折りながら吹っ飛ぶ敦士。そう、剣吾君が泳ぎが得意なのは知っていた。

 

だけど、水中で呼吸ができるなんて聞いた事が無い!……いや何かどこかで聞いた気がするがちゃんと覚えていない……。その後そのことを全然話さないし。

 

剣吾君って意外にこっちから聞かないと話さないこと多いし。

 

そういえば本人的にはどうでもいいかもう教えたと思って伝え忘れる事が多いってあるってイッセー君から聞いたことがあったけ。

 

結界にぶつかりダメージを受ける敦対し高速タックルしさらに追撃する剣吾君!

 

そこから今まで受けてきたダメージを倍返しするかの如く見ているこっちが引くレベルで一方的にボコボコにする剣吾……君。

 

止めと言わんばかりに振動拳をボディーにクリティカルヒットさせる!!

 

敦士の口から大量の血反吐を吐き出すと同時に後ろの結界にまでその破壊力が伝わり結界を粉砕してしまう。同時に水も零れ落ちた!!

 

「……これでお前に有利だった水が消えたわけだ!!結局最後に勝つのはこの俺だ!!」と敦士が叫び再び飛び上がる!

 

確かにこれじゃまたさっきの繰り返しだ。ダメージがあっても剣吾君の方が不利だ。

 

そう思っていたらゴジラギアの刃が緑色に輝き始めた……?さらに地面に落ちた水も緑色に輝き始めた?

 

すると水滴が少しずつ剣吾君の周囲に浮かび始めた……。気づくと地面に吸い込めれなかった水が大小様々な水の塊となって浮いている。

 

次の瞬間、剣吾君の足に水が集まりまるでフライボードの様に足元に水を噴射させ高速で空中に浮上し始めた。しかも噴射した水も再び集めて利用できるみたいで実質水さえあれば自由自在に動けるという訳か!

 

剣吾君はよく僕達に対して空飛べて自分は動きが遅いとぼやいていたがこんな形で克服するとは……。

 

アドバンテージだった空中も克服しつつある剣吾君に対し恐怖を覚えたのか敦士が「くそ!冗談じゃねえ!いいぜ!今回は俺の負けだ!だが次はこうはいかねえぞ!」

 

と捨て台詞を吐き逃げようとする!「スピードだけなら俺の方が上だ!追いつけまい!」と勝ち誇る敦士!

 

対応できそうな各勢力のトップの方々は結界の維持やカオスブリゲードで対応できない。剣吾君が引き付けてくれるとはいえダガーラの毒に対応ができない……。

 

どんどん離されていきこのままでは逃げられると焦りと何もできない自分に無力さを感じていた時だった。

 

”何かが”敦士の飛行ユニットに命中落下こそしなかったもののバランスを崩し体勢を維持するので精一杯という様子だった。一体何が!?

 

「狙撃!?いったいどこから!?」と動揺している!それは致命的な隙だった……。

 

追いついた剣吾君が飛行ユニットを切り裂き為す悪態つきながら落下する敦士。

 

「こんな、こんな所でこの俺が……!お前如きに……やられると思うなよ!!」と叫びながらダガーラキャノンから破壊光線を放つが……

 

ゴジラギアの刃で光線を切り裂きながら高速で接近しキャノンごと両手と右足を切断した!!

 

「ぎゃあああ!!」と絶叫し転げ回る敦士の腹部を踏みつけながら「ここまでだ!ここで死ぬか、封印されるか好きな10秒で選べ!」

 

「く……!」剣吾君の言葉に敦士が睨みながらも打開策がなくここまでだと思われていた。

 

……だが突如、どこからか光線が剣吾君に放たれ、吹き飛ばされる!!

 

い、今のは何だ?射線方向を見てみるとIが銃を構えていた。何だ、あの銃は!?エクソシストが扱う光の弾丸にぱっと見似ているが何かが根本的に違う気がした……。

 

すぐに起き上がる剣吾君だけど警戒心を持ちつつ聞いた。

 

「……何だい、それ……。威力がすごいのかそれとも俺達に効果があるものなのか?悪魔に対する光みたいに……。妙な懐かしさを感じるんだけど……。」

 

 

「この程度ですか……。やはり貴方は別格ということなんでしょうね。」と話すIに「助かったぜ!姉ちゃん!よし、怪我が治ったら次こそてめーを殺してやる!!」とすり寄り媚びつつも勝ち誇る敦士。

 

あいつ、助けが来た途端に調子づき何て小悪党なんだ!と思っていたが

 

「否、貴方の役目は終わりです。」とIが言うと銃を変形させるとライトセーバーを思わせる光刃を形成し敦士の首を切り落とす……!?

 

「ぎゃああああ!!」と味方だと思っていた相手に殺され断末魔を上げる敦士……!

 

すると懐から星形に彫られた真円状の金属盤を取り出し前に突き出す動作をするI。

 

すると敦士の遺体から何かが金属盤に吸い込まれていく……。何をしたんだ、こいつら!

 

星の紋章が色づくとどうやら終わったらしく「……大したものです。この星章(メダリオン)は。」

 

「何をしたんだ……君は。」「それは言えませんね。では、私はこれで他の方々の様に戦闘は苦手なので。」「上司を置いていくのか?」

 

「心配なさらずともお三方は大丈夫ですよ。私がいるとかえって足手まといになるだけですから。それではまた」そう言うと転移するI。

 

一方剣吾君はまだ残っている水を自分の周りで多いまるでシャボン玉の中にいるようにじっとしていた。

 

僕が近寄ろうとすると「近寄るな!まだ、ダガーラの毒や疫病が残っているかもしれない!!完全に無毒化された確認するまでこっちに来てはダメだ!!」といつになく強い口調で話す剣吾君。

 

「歌織さんはどうなった!?彼女なら毒があるか分かることができる。他の上層部は結界やX星人で恐らく彼女より早く決着がつくことはないだろう!できるなら彼女を助けに行ってくれ!」

 

「彼女なら今、あそこで」と僕の目線を剣吾君が追うとそこには

 

上空に激しくぶつかり合う歌織さんとカテレアの姿があった!

 

「胡蝶嵐・大斑式!!」(こちょうらん・おおまだらしき)と歌織さんが羽根と扇を羽ばたかせると強風と無数の毒針を飛ばす。

 

それに対しいくつもの水の東洋竜を形成しぶつけるカテレア!どちらも分類するとウィザードタイプ。

 

そして悪魔のカテレアはモスラの聖なる力は弱点!逆にモスラにとって水中は弱点そのもの。もしそうなったら禁手(バランスブレイク)を解除しないと危険だと以前聞かされた。

 

そしてその状態で今のカテレアに勝てるわけがなく大量の水を扱い先ほどの敦士みたいな芸当をする可能性があるカテレアとは相性が悪い。

 

つまりお互いに弱点をつく存在だと言える。「ご覧なさい!オーフィスの”蛇”によって私本来の力では使うことができなかった”レヴィアタン”の力を!!」

 

そう叫ぶとどこからか大量の水がカテレアを包み水がはじけ飛ぶとそこには……!

 

蛇型の細長いドラゴンの姿があった!「貴方も知っているでしょ?レヴィアタンは本来陸のベヒーモス、空のジズに並ぶ終末の怪物!!この姿こそがレヴィアタン本来の姿と言っても過言ではない!」

 

ドラゴンからカテレアの声で言う。やはりあれはカテレアなのか?

 

「これこそがレヴィアタンが魔王の一角に担うことになった力。その名も『掉尾の海蛇龍』(とうびのかいじゃりゅう)!!海を支配し龍に姿を変化することを可能にする!!」

 

そう叫ぶと同時に天空から大量の水を集め塊にして放つ。

 

しかも追尾してくるので歌織さんも回避するのに苦戦していた。それでも躱したり相殺するのは流石の一言だった!! だが……!

 

「甘いですね!」とカテレアが歌織さんを蛇のように締め付ける!その状態で水の竜巻を作り締め付けたまま飛び込んだ!

 

締め付けと激流で満足に動くことのできない歌織さん!「如何にモスラの力が強大と言えど水中では無力!雷も鱗粉の摩擦がないと発生しないから無理ね!これで貴方は終わりです!」

 

カテレアの勝ち誇った声に僕達も歌織さんを助けるべく動こうとすると

 

「待って下さい!!……手を出さないでください!!」

 

「歌織!!何言っているの!?もう貴方はボロボロじゃないの!!」と心配し声を上げる部長に

 

「……不安ですか?確かに不安でしょうね!今まさに自分でも自覚するぐらい窮地に陥っています。」と力なく言う歌織さんだったが、

 

「カテレア・レヴィアタン!貴方も相当の覚悟があるのでしょう。ですが、私は!」と呼吸するのも辛いはずなのに話続ける。

 

「私は、守護獣モスラに選ばれし巫女、伊藤歌織!!巨獣器(タイタンギア)を封印するもの!……そしていつか必ず”王”を封じる者!!」

 

そう話しながらオーラがどんどん高まっていくのが目に見えて分か……る。カテレアも気づき攻撃の手を強めるが、それにも怯まず

 

「その為にもどんな相手にも勝てなければならないのです!!この程度の事を己で克服できなければその使命を果たすことなど到底かないません!!だから超えさせてもらいまよ。魔王カテレア・レヴィアタン!」

 

そう話していると徐々に翅を中心に全身輝き始めた。その輝きが強くなると締め付けているカテレアの方が苦しんでいるように見える?一体なぜと疑問に思った次の瞬間!

 

伊藤さんの全身から純白の烈光が放たれる!!余りの神々しく聖なる光の量と濃さに思わず僕たちは怯んでしまった。

 

もし、近くにいたらその時点で成すすべなく消え去っていたのかもしれない……。

 

そう思うだけの光量だった。その光の波動はカテレアごと水の竜巻を吹き飛ばしてしまった!「胡蝶嵐・神光……!」(こちょうらん・しんこう)と叫ぶ伊藤さん!

 

「な、何今の?み、水が全て聖水になった!?そこまでの聖なる力があるなんて!?」とカテレアが本来の姿に戻り苦しみながら呻いていた。

 

ゆっくり舞い降りて地面に着くと荒い呼吸をしながら伊藤さんが話す。

 

「モスラが放つ一種の生物発光です。衝撃波を伴う聖なる光の波動。悪魔を始めとした光を弱点とする種族には極めて有効ですが無差別広範囲攻撃なので今みたいに孤立無援じゃないと使えないですよね……。」

 

と説明しながらも「ここまです!カテレア。どうやらオーフィスから貰った力も無くなったようですね。貴方の負けです!降伏しなさい!!」

 

確かにもうカテレアには抵抗できるだけの力は無いように見えるが「……私はカテレア・レヴィアタン!ただではやられません!」

 

そう言うが否や自らの右腕を触手に変えて歌織さんの腰に巻き付いた!?

 

さらに呪術的な紋様が浮かび上がると歌織さんの表情が一変した。「まさか、自爆する気ですか!?」

 

「その通り、察しが良いですね。それは私の命を引き替えに作った特別製!そう簡単には切れませんよ!恨みは無いが冥土の道連れに付き合ってもらいますよ、モスラの巫女よ!」

 

歌織さんが咄嗟に光の力を溜めるが「無駄ですよ!!私が死ねば即座に私が受けたダメージを貴方も受ける呪術が発動します!!死を早めるだけです!!」

 

その言葉に焦りの色を隠せない歌織さん。

 

「もし、手足のどれかだったら自分の手足を切り落として脱出することができたかも知れませんが腰ならそうはいかないでしょう?細い腰で助かりましたよ!」とカテレアが微笑みながら言う。

 

それを聞いて僕たちも動揺が広がる!カテレアの触手を切り落とすこともできない。腐っても真の魔王の血族が命と引き替えに発動する呪術。

 

どれほどの威力で歌織さんが耐えられるかどうか確かめる気持ちは蟻の触覚ほどもない!!

 

焦る僕達を余所に「貴方を討つことができたなら私の命を捧げる価値があるというもの!さあ、お覚悟を」勝ち誇るカテレアだったが、

 

突如、その背に矢が突き刺さる!!驚く僕達!!

 

「こ……この矢には毒?否、これは……麻酔なの?」

 

「そう、とある博士が特別に作ってくれたものね!」とカテレアの疑問に突如全く聞き覚えが無い第三者の声が聞こえた!

 

どこから!?と疑問に思う僕達が思っていると頭上から高速でこちらに迫ってくる音が聞こえ上を見ると何かが舞い降りた!この独特な気配は巨獣器!?

 

体格を見る限りだと恐らく女性。その姿はまるで翼竜を思わせる全身鎧をしていて兜のせいで顔がわからない。背中には翼竜の翼を思わせる翼が生えている。

 

その手には先ほどの矢を射ったと思われる弓が握られていた。「……何者です、貴方は?」

 

「アザゼル総督から依頼されたね。陰ながら貴方たちの援護をしてたのよ。本当はもっと早くに協力したかったんだけどベレームのせいで下手に近寄ることができず時折こうして遠距離射撃するしかなかったですよ。」と言う”翼竜”。

 

「……何であろうが邪魔はさせません!」とカテレアが麻酔による眠気に耐え”翼竜”に攻撃しようとするが「その麻酔で意識を保っているのは敵ながら天晴ね。ただ……選択を間違えたよ。」

 

この隙に歌織さんがカテレアの懐に入り聖なる波動を纏った掌打を胸に叩きこむ!!

 

完全に不意を衝かれたカテレアは悲鳴すら上げることができず成すすべなく気を失い戦闘不能になる。

 

同時に触手も元の手に戻り呪術の紋様が消え効果を失う。

 

歌織さんも荒い呼吸をし疲労で倒れるがどうやら大した怪我もないようで良かった。

 

少し息を整えると今協力してくれた巨獣器に聞いた。

 

「助けてくれてありがとうございます……。貴方が宿しているのは『ラドン』ですよね?」

 

「よくわかったわね?正解!この子は空の大怪獣ラドンと言うらしいわよ。」

 

「私は巨獣器の封印を任されるので怪獣の特徴を教わっているんですよ。因みにラドンは翼竜の元になったとされる種族で単純な空中戦では地球怪獣の中でも上位だったらしいです。改めてお礼を言います。」

 

「礼ならこの麻酔をくれた博士に言うべきよ。あたし個人の力だけだったらどうすることもできなかったわ……。最初麻酔を渡された時には生かして捕らえる余裕がないから無駄と思っていたけどこれが無かったら貴方を助けられなかったから感謝しかないわ。」

 

「博士と言うのは?」

 

「直接会ってはいないわ。総督がこの麻酔を渡してくれて加工された音声で説明されたわ。本人は直接会いたかったそうだけど総督ができれば彼の存在を隠したいから合わせてくれなかったわ。」

 

「その博士を隠した理由は……何となく察することができますが。」

 

「多分カオスブリゲードを警戒していたのでしょうね……。もしかしたら本命は別かも知れませんが。」

 

「所で貴方の名前は?」「あたしの名前は……」と歌織さんとラドンが話し合っていると爆音が轟き響き渡る!

 

「……どうやら悠長に話している余裕は無さそうね!歌織だっけ?貴方にはベレームの毒素がこの一帯から完全に無くなったか確認してほしいんです!じゃないと彼を含めた我々は赤龍帝を始め援護に行くこともできないわ。」

 

とシャボン玉?に包まれた剣吾を指差しながら聞いてきた。

 

「そうですね。」と歌織さんが剣吾君を含むこの辺り一帯を光で照らす。それから数分ぐらい時間がたったと思うが体感ではもっと長く感じた。

 

「・・・大丈夫です。恐らく剣吾さんが毒素を全て吸収してくれてたんですよ。」と歌織さんが安堵の表情を浮かべながら言うと剣吾君もシャボン玉から抜け出して

 

「じゃあ、行くぞ!歌織さんはここで休んでいてくれ!もう随分無理しただろう?」

 

「否、私も行きます!」「俺は体力あるからいいけど君はそこまである訳じゃない!無理しない方がいいよ!」と言い合いながら全員で向かって行く。

 

そして辿り着くと同時に堕天使総督アザゼルが吹き飛ばされる姿だった。

 

「総督!!」と歌織さんが悲鳴を上げ駆けつけようとするが……!「来るな!ただの小競り合いだ!手を出すな!却って足手まといだ……!」

 

その視線の先には黒い刃の薙刀を持ち僧兵のコスプレをしたJ(ジェイ)!!否……ジャックだったか?がゆっくりこちらに向かって歩いてくる姿だった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




前回ダガーラの項目載せるべきだったと後悔しています。

少しずれて纏めるかもしれませんが勘弁してください。

魔海獣 ダガーラ
陸海空全てに対応可能な龍魚を思わせる姿をした怪獣。沖縄近辺にあった古代ニライカナイ文明が創造したとされるが実は宇宙人に作られたという説もあり真偽は不明。

元々は海洋の汚染除去を目的として設計されたが、取り込んだ汚染物質をベーレムという生物に作り変えるという欠陥があり古代ニライカナイ文明が滅び後に聖獣キングシーサーによって封印された。

ベーレムというオニヒトデに似た生物を生成、排出する。このベレームから有害毒素、病原菌を発生させる。

感染すると体中から赤い泡を吹いて生きながら溶けていく恐ろしいものでダガーラの戦闘方はこのダガーラを活かしたものが多い。

[魔海獣の潜水服](ダガーラ・ドライスーツ)
手足が水かき状になっている潜水服状の巨獣器。これを着る事により水圧、水温、呼吸を無視しして泳ぐことが可能。

[魔海獣の疫武装](ダガーラ・アムーズ)
龍と魚の混ぜたような姿をした生物を模した全身鎧を身に纏う。この姿だと陸海空全てに対応可能。水を汚染する力を有している。

『海魔獣の大砲』(ダガーラキャノン)
普段は両肩に一対ずつ固定されている大砲。ダガーラの攻撃の大半が大砲を用いる。
この大砲は手持ち式のバズーカ砲にも変形できる。
実は両方使える設定なのだが長瀬敦士が未熟の為使用できなかった。基本超重龍爆炎使用時のみにバズーカタイプになる。

長瀬敦士(ながせあつし)
名前の由来はモスラ2に登場する長瀬淳一役のおかやまはじめと小谷幹夫役の奥野敦士から
元々はトレジャーハンターをしていたが実際の所、ただの盗賊。それまでは小悪党だったがダガーラに目覚めた時力に溺れ殺人の快楽に目覚める。
毒や疫病で苦しみながら死んでいく人間を含む生物の姿を楽しむようになりとある国の村を全滅させる。
10年以上前に先代モスラの巫女に封印されそのことでモスラの巫女に恨みを持ち復讐しようとしたが終ぞ叶うことが無かった。

ベーレム弾
両肩の砲台からベーレム弾を放つダガーラの基本攻撃。ベレームの毒や疫病が効果がある相手には大体これで通用する。

噴灼毒撃波(ふんしゃくどくげきは)
ベーレムの毒を稲妻状の光線に変換して光線を手から放たれる。兜の角から全身特に両手に稲妻が流れる呼び動作が見られる。

縦列毒撃砲弾(じゅうれつどくげきほうだん)
ベーレムの毒を背中に集め、赤色光弾に変換して真上へ連射する対空砲撃。

轟渦赤猛毒弾(ごうかせきもうどくだん)
水中で高速回転する事で天まで伸びる竜巻を作りだし、それにベーレムの大群を乗せて敵にぶつけ、敵を汚染しつつ自由を奪い、水中に引き込む。
ベーレムが体に纏わりつき重しにもなるので見た目以上に拘束力が高い。

爆龍赤塊光波(ばくりゅうせきかいこうは)
独楽の如く高速回転しつつ撃ち出す、三日月型の赤い光弾。

超重龍爆炎(ちょうじゅうりゅうばくえん)
ベーレム毒素を含んだ破壊光線。バズーカ砲モードになったダガーラキャノンから放たれるダガーラ最強の技。

他にも水を使った攻撃方があるらしい。

胡蝶嵐・揚羽式(こちょうらん・あげはしき)
翼と[極光虫の翼扇](モスラ・ファン)から鱗粉と鱗粉から発生する落雷、さらに暴風を叩きつける。雷の乱反射し、敵の光線、魔力攻撃の一部も反射することが可能。

攻撃誘導(仮名称)
剣吾がベレームを受け続けて他の者に当てるの危惧していたのに呼応したかの如く主に遠距離攻撃特に毒などの特殊な攻撃を自分に引き寄せる。
これで自身が倒れない限り攻撃が他者に当たる確率が格段に下がる。
欠点として近距離攻撃は防げない。攻撃誘導の際命中する可能性があるなど割と穴がある。最大の欠点は攻撃が必ず剣吾に引き寄せることになるので回避不可になるので必要以上に攻撃が当たる。ゴジラの耐久力があって辛うじて成立している。
one-pieceのヤミヤミの実の特性である攻撃を引き寄せることのみに特化している単体では完全劣化版の能力。一対一ではほぼ使うことが無いであろう。

振動券
元ネタはゴジラアースの超振動波と漫画トリコに登場するゼブラのビートパンチ
ゴジラギアの刃が銀色に輝いた時音による強力な振動を発生させゴジラギアに乗せ殴ることで威力をあげるだけでなくダメージを直接内部に伝え内部から破壊する
本来は遠距離攻撃らしいが剣吾はまだ未熟の為近距離から使えずゴジラギアにしか纏うことができない。
水中などでは疑似的に遠距離攻撃にもなる。本人曰くどうやら荷電粒子咆に比べると扱いやすいらしく好んで使用している。

掉尾の海蛇龍はカテレアがそのぐらいパワーアップしたという感じを表したかったので使いました。






目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第四章 停止教室のヴァンパイア編 9

X星人の設定は12章終わったあたりで一度まとめますがとにかく何でもありの連中です。他作品の戦闘術の元になったのはこいつらと言う設定にしています。

厳密には微妙に異なりますがなぜわざわざこんな面倒な設定にしたかと言えばその世界観のやつよりこっちが優秀だということにしたくなかったからです。

あくまで元と言うか彼らに合った戦闘術で現在では教えた方が洗練されて優れているという可能性も十分あり得ますのでその辺りを考慮していただきたいです。


X星人幹部J(ジェイ)、持っている薙刀は確か模造刀だったはずなのになぜか普通に斬れるみたいだ。黒く変色した刃からはまるで魔力の様な妙な力を感じる……。

 

何だ、あれは?と疑問に思う俺、中島剣吾の目の前で堕天使総督アザゼルさんが無数の光の槍を降らせるが、Jの薙刀から黒い三日月状の巨大な斬撃を飛ばし全て薙ぎ払う!!

 

その光景に驚愕するしかない俺達だったがその隙にアザゼルが懐に入り光の槍で心臓を貫こうとするが左腕で無造作に先端を掴む。

 

馬鹿な、手が斬れないのか!?とアザゼルを含むその場にいた全員が動揺した。その隙をJは見逃すことなくJはアザゼルの腹部に蹴りを入れ吹き飛ばした!

 

倒れたアザゼルは苦痛の表情を浮かべつつ起き上がる。完全に追い打ち食らったら詰みと言う段階だったがJはというと視線をサーゼクスさん、グレイフィアさんと戦う副統制官K(ケイ)とQ(キュー)を見ていた。

 

「若様!お嬢様!ご無事ですか!!?」「何とかね 」「だが、碌な武器も持ってきていない。こっちに分が悪すぎるから隙見たらさっさと逃げるとしよう。」

 

そう言うKとQだがサーゼクスさんとグレイフィアさんの攻撃を上手く凌いでいるのは脅威としか言えない!

 

サーゼクスさんが無数の小さな魔力の塊。その正体は滅びの魔力、消滅魔力を放つ。小さくても現時点ではリアス部長とは比べ物にならない威力を誇るのはおそらく間違いだろう。

 

消滅魔力は基本防御無効。故に基本的に当たればその時点で勝負ありだと後に教えられた。そう、当たればの話だが・・・。

 

「紙絵(カミエ)。」そう言うとまるで紙が宙に舞うようにまたは軟体動物の様に攻撃を受け流したK。

 

それを見たサーゼクスさんが今度は意思を持ったかの様に縦横無尽に動き回る消滅魔力を放つ。全方位からの攻撃でこれなら回避できないと思った瞬間、全て停止した!?

 

次の瞬間逆にサーゼクスさんに襲い掛かった!?サーゼクスさんも驚きつつも消滅魔力を再び放ち攻撃を相殺させる。

 

「何を疑問に思うんだい?君が魔力それに類似する方法で君が操作できるならこちらがその操作をできても可笑しくないだろう?」

 

高速で放たれる消滅魔力を黒く変色した模造刀で切り払いつつ「……最も今みたいに全速力で君自身もコントロールできないものとかは逸らすことすら厳しいけどね。」と言うK。

 

サーゼクス様の消滅魔力を切断するってどうやったらそんなことできるんだ!?

 

その光景に驚愕しているとグレイフィアさんとQの戦いも激しさが増していく。

 

グレイフィアさんが膨大な量のオーラを放つのだが、Qの持っている赤い蛇の目傘が黒く変色し魔力を魔力を受けとめ次第に球体状にしつつ正に傘回しの如く回し始めた。

 

「いつもより多く回っています!!なんてね♡じゃあ、返すね☆」と言うと魔力を打ち返した。

 

グレイフィア様も攻撃を躱すがその瞬間、宙を高速で駆け傘を叩きつける!!

 

ただの傘のはずなのにグレイフィアさんが咄嗟に張った障壁にヒビが入る程の威力!

 

だが、Qからすればこれは牽制でしかないらしく指鉄砲をグレイフィアさんの腹部に密着させたと思ったら銃声の音が鳴り響いた!?と思ったらグレイフィさんが大きく吹き飛ばされた!?

 

咄嗟に障壁を張り直撃を辛うじて避けたグレイフィアさんだったが大きく吹き飛ばされて地面に激突し苦痛の表情を浮かべる。

 

「何なんですか?先ほどから使っているその力は?魔力や魔法とは違いますよね?気に近いですが何かが根本的に違う気がします。」

 

「教えるわけないじゃないの。ただでさせ、こっちが不利なのに。」というQ。その言葉に頷くK。

 

……俺達が見た限りだと向こうが押しているように見えるがどうやらそうでもないみたいだ。やはりルシファーとその『女王』(クイーン)の実力は底が知れないということか。

 

ただ、その言葉を聞いたサーゼクスさん、グレイフィアさんの表情は益々険しくなっていた。

 

彼らは正確に魔王様たちの実力を知っている、見抜いていて力量差を冷静に判断し行動しているということだ。見た目は僕達と大差がないはずなのに不気味さを感じる。

 

グレイフィアさんの魔力攻撃を左腕で受け止めるQ。着物が一部破れたがどこも傷ついた様子が無いと思った時不自然に血管が浮かび上がり輝いていることに気づいた!

 

程なく見えなくなったけど間違いない!何だあれは?

 

「流石ですな!!若様!!姫様!!この爺お二人のご勇姿を拝見し感無量です!!」とJが表情が分からないが感動で泣いているらしい。

 

その状態でもアザゼルさんの攻撃を難なく防いだり躱している。完全に堕天使総督の攻撃が全く通用していない……。

 

マジか!堕天使総督は長きに渡り魔王、熾天使(セラフ)が敵対し倒すことができなかった存在なのにここまで圧倒されるなんて・・・!!

 

「何だ、てめーら……その力は!?」

 

「これは我らが元々あったものを様々な星を渡り昇華させていった武術ですよ。我々からすればこの星の魔力や魔法などの方が驚きですよ。」

 

アザゼルさんの問いにJが応える。「さて、そろそろ本当の力を見せますか?」

 

「馬鹿言え、こっちは最初から全力だっつの!!」「ご冗談を、まだ懐にあるものを使っていないじゃないですか?」

 

Jの言葉にアザゼルさんの表情が一変する!!「てめーら!どこまで知っている!!?」

 

「その懐のものにどんな力があるのかは分かりません。ただ、神器(セイクリッド・ギア)の情報を禍の団(カオス・ブリゲード)に寝返った者達から頂きましたが貴方方と接していた我々からすればこの程度な訳がないと確信していたよ。」

 

「……なんで懐にあるって分かった?」「大体隠し持つ場所なんて限られている。後は戦闘中に観察すれば予想するのは察して難しいものではない。」

 

「……大したもんだ。否、俺がお前らを甘く見過ぎていたと言うべきか!お前が俺を殺そうとしないのは俺たちの研究がどこまで成功したか確認するためか?」

 

「それもありますが今後の判断材料の一つとして我々の戦闘力を見せるのも悪くないと判断しましてね。」

 

「……なる程、出し惜しみしてお前らに勝てると思っていた俺の方がなめていたという訳か……。」そう言うと短剣状ものを取り出した。

 

「こいつは俺たちが作った墮天龍の閃光槍(ダウン・フォール・ドラゴン・スピア)だ。だが、こいつの神髄は・・・!」

 

そう言うと妙な輝きと力を感じる……。この感じどこか見覚えがある……。これはまさか!?

 

「禁手(バランスブレイク)!!」その言葉と共に閃光が辺りが包み込む。

 

光が止むと黄金の全身鎧を身に着けたアザゼルさんの姿だった。

 

「こいつが俺の最高傑作!初めて禁手に成功した人工神器、墮天龍の閃光槍の真の力にして姿!その名も墮天龍の鎧(ダウン・フォール・ドラゴン・アナザー・アーマー)だ!」

 

その姿はどこか一誠とヴァ―リの鎧に似ている気がする……。

 

「その姿さらに……これは龍の力を感じるな。それもかなり高位竜だと思える……。確か六大龍王と呼ばれる存在がいましたね?それをベースにしたんですが?」

 

「一目でそこまでわかるとは恐れ入るよ!その通り!龍王の一角『黄金龍君(ギガンティス・ドラゴン)』ファーブニル!そいつと契約して人工神器に封じることで完成した代物だ。ちなみに龍王は元々六匹だったが一匹悪魔に転生したから今は五大龍王と呼ばれているがな。」

 

「それはこちらの勉強不足ですね。」とJとアザゼルさんが会話しているもののどのタイミングでぶつかり合うか探りあっているのが素人目にもわかった。

 

背中に漆黒の羽を12枚も展開させ光の槍を形成した瞬間、両者が激しくぶつかり合う!

 

これでも互角なのか!?だが、どちらも表情が見えないが焦っているように見える……。

 

恐らくあの金の鎧は長時間使うのは困難らしい。

 

それに対してJの方も薙刀から軋んだり変な音が聞こえ始めた。

 

どうやら武器を黒くした状態だと負担があるらしくこちらもこれ以上使うのが困難らしい・・・。

 

他の戦局も決め手に欠けた膠着状態どうしたものか?と見守るしかない俺たちだったがそこに強大な力がぶつかり合いながら乱入してきた!!

 

赤と白の鎧……一誠とヴァ―リか!でも、一誠がどうやったらあんな強くなったんだ!?そう疑問に思っていると

 

「てめー!!部長の胸を半分にするだとー!!?もういっぺん言ってみろ!!この半分マニアが!!」

 

その言葉に俺を含む全員がズッコケた!!先ほどまでの緊迫した空気が一気に弛緩した。

 

「何やってんだ?あの馬鹿は?」「「私たちが教えます。」」とコスモスさんが小さな蝶に乗って現れた。

 

……その前に「その蝶何ですが?」「これはフェアリーというコスモス様の移動にモスラの巫女が使役する使い魔のようなものです。」と俺の疑問に伊藤さんが応えてくれた。

 

それはさておき一誠に何があったかコスモスが教えてくれた。

 

ヴァ―リと一誠との差は言うまでもなく圧倒的で一誠の劣勢だった。だが、アスカロンのドラゴンスレイヤーの特性でヴァ―リに一撃を加える。

 

怯んだ瞬間にヴァ―リの光翼に譲渡した。

 

白龍皇は相手の力を半分にしその力を自分の力として吸収する。だが、どんなにヴァ―リがすごくても必ず限界がある。

 

そこでヴァ―リはオーバーする力を常に光の翼から排出している。そのため自爆することなく常にピークで戦うことができるのだが……。

 

今、その光の翼に譲渡したことで吸い取った余剰エネルギーの排出と体内に蓄積されているエネルギーのバランスが崩れ暴走させた。

 

その隙に一撃を加えたがそのまま倒せるほど甘い相手な訳が無くすぐに体勢を立ちなおした。

 

だが、一誠はそこで誰もが驚く選択をした。

 

なんと、自分の右手の籠手についていた宝玉を自ら破壊し、そこへすぐさま先ほど隙を見て奪い取った白龍皇の宝玉を嵌め込んだと言う!

 

「そんなことして大丈夫だったんですか!!?」思わず俺は説明途中で口を挟んでしまった。

 

詳しいことは分からないけど天龍は互いに宿敵だと言っていた。混ぜたらまずいのではないだろうか?

 

「「その通り、普通に考えれば自殺行為以外の何物でもありません。ですが、彼は賭けに勝ちました。」」

 

苦しみながら一万年生きる寿命を十分の一以下に減らしつつも白い籠手の生成に成功させた!

 

一誠は白い籠手を『白龍皇の籠手』(ディバイディング・ギア)と名付け木場君が聖魔剣を創り出した。

 

だからこそシステムエラーとかプログラムバグと呼ばれるものを利用させてもらったと吠えた!

 

それを聞いたヴァ―リは拍手をした。と同時に『Half Dimension!』と宝玉から音声と共に輝く!

 

直後異変はすぐ起こった。ヴァ―リは見せしめのように眼下に広がる木々に手をかざと一瞬で木々は半分の大きさにになっていく。

 

「兵藤一誠、これで俺も君に対して少しは本気を出すとしよう!これで俺が勝ったら、君と君の大切のもの全て半分にしてやろう!!」と歓喜の声を上げつつ宣言する。

 

だが、一誠は今一ピンとこないようだったのでコスモスさんがテレパシーで説明した。

 

「「一誠さん、あの力は先ほどの木同様生物も半分する力があります!気を付けてください!」」

 

「って言っても今一理解できないんですけど?」

 

「「つまり家族友人、オカルト部の皆さんも子供みたいな身長にしてしまうことも簡単にできるんですよ。さらに体の一部だけでも小さくすることができるんです!!」」

 

「……それって部長達の胸を半分にできるってことですか?」「「?ええ、そうです。ですから・・」」

 

「ふざけんなああああああああああああああああああああー!!!」と絶叫しつつ膨大な力を解放する一誠の姿にヴァ―リ、コスモスさんを始めとしたその場にいた全員が驚愕した。

 

 

 

~~そのままの勢いでヴァ―リを吹き飛ばしここに来たと言うことだそうだ。

 

「お前、もう少し真っ当な理由でパワーアップできないのか!?」俺は本来仲間の為にここまでパワーアップした姿に感動したいのにこの残念な空気になるのがいたたまれなかった。

 

だが、頭に血が上って興奮状態であるためかこのツッコミを無視し

 

「てめー!!部長の胸に手をだしてみろ!!この半分マニアがあああああ!!」その叫びと共に放たれる膨大なオーラの強さは夜空の雲が消し飛び、隠れていた満月が姿を現す。

 

……台詞が真面だったら王道な主人公覚醒の場面なんだけどなあ……。

 

「まさか女の胸でここまで強くなる奴がいるとは世界は広いな。だが、面白い、面白いぞ!兵藤一誠!!」

 

とヴァ―リが歓喜の声を上げて一誠に向かって飛び出すが、「遅え!!」と一瞬で横に回り飛び蹴りをくらわせた一誠!

 

「俺の速さを上回るだと!!?」驚愕するヴァ―リを捕まえると「Divide(ディバイド)」と『白龍皇の籠手』から音声が流れるとヴァ―リの力が激減した!?

 

「これは部長おっぱいの分!」その言葉共に一誠の右拳がヴァーリの腹部に叩き込まれヴァ―リは思わず苦痛の声を上げ怯む。

 

「これは朱乃さんおっぱいの分!!」とさらに追撃し、左肘打ちを加えヴァ―リの兜を完全に破壊する。ヴァ―リの顔から血が飛び散る!!

 

「これは成長途中のアーシアおっぱいの分!!」と両手を組んで振り下ろすハンマーパンチ確かプロレス技で言うダブルスレッジハンマーで前屈みにさせられたヴァーリの背中にある光翼部分を破壊!!

 

そのまま上空に蹴り上げると同時に「これはゼノヴィアおっぱいの分!!」

 

さらに巨大なドラゴンショットを放ち「これは未知なる秘宝!いつか必ず見てみせる歌織ちゃんのおっぱいの分!!」

 

「……後で粛清です。」と静かに隣で呟く伊藤さんの表情を俺は恐ろしくて見ないためにも一層一誠の戦いに注視することにした。

 

成すすべなく吹っ飛ぶヴァ―リに追いつくと相背後から羽交い絞めにして上空に飛び上がり、錐揉み回転しながら脳天から真っ逆さまに落下した!!ヴァ―リ―は上半身が地面にめり込み、足だけを突き出した某ホラー映画みたいな格好にさせられた!

 

今の技何かの漫画で見たぞこれ!?何だっけ!?

 

「……最後にもう半分にしたら本当に何にもなくなっちまう小猫ちゃんのおっぱい分だああああ!!」

 

そんな俺の疑問を余所に一誠が吼える!!

 

「子猫ちゃんがどれほど胸が小さいことで悩んでいるか分かるか!!?これ以上あの子からおっぱいを奪うな!この半分マニアがあああ!!」

 

「俺が許す。あの馬鹿の脳髄かち割っていいぞ!」と俺はオカルト部の皆に宣言する。

 

あの馬鹿、女子特に子猫ちゃんを公開処刑して恥かくの誰なのか分かっているのか?

 

ほらみろ、魔王、堕天使総督、X星人と敵味方関係なくその場にいた連中が全員唖然としているじゃないか?

 

……ん、敵味方関係なく?X星人?

 

改めて見るともう完全に意識が一誠に向いていて呆然としている……。まあ、それが普通のリアクションだが今がチャンス!

 

気づかれないようにサーゼクスさん、グレイフィアさん、アザゼルさんに水滴を飛ばし気づかせる。

 

三人の目線が俺を向いたときづかれないように目線をX星人にむける。

 

気づいてくれるか賭けだったがどうやら察してくれたようだ!三人が隙だらけのX星人に攻撃を再開する!

 

完全に不意を衝かれたX星人は辛うじて対応したが先ほどと違い焦りの色を隠せない。

 

Jの薙刀とアザゼルさんの槍がぶつかり合うが決着はすぐついた。薙刀の色が黒から元の鈍色に戻る。

 

「……しまった!」その言葉と共に薙刀が砕け散り強力な一撃をくらうJ!!

 

さらにそのまま光の槍を正に言葉通り槍投げをしたアザゼルさん。

 

その槍はJの肩に突き刺さりさらにそのままの勢いで体ごと吹き飛ばされ視界から消えた!!

 

「「J!!」」とKとQから驚愕と安否の感情を含む動揺した声が聞こえる。

 

まあ、無理もないことだが流石に隙を見せすぎだ!!

 

サーゼクスさんが巨大な消滅魔力を高速で放つ!!咄嗟に回避できなかったKは刀で迎撃するしかなかったがかなり厳しそうだ。

 

そこにQが高速で駆けつけるとKの刀と自身が持っている傘を交差させると「覇国(はこく)!!」と口を合わせ消滅魔力ごと振り抜くと黒い巨大な光線が消滅魔力を逆に消し飛ばした!!

 

サーゼクさんも攻撃を辛うじて躱すことに成功したが上の結界に激しくぶつかり結界が大きく歪むレベルの想像するも恐ろしい威力の大きさを物語っていた。

 

だが、先程の技は負担が大きかったらしく放つと同時に持っていた模擬刀と蛇の目傘が粉々に砕け散った。

 

その隙をグレイフィアさんが見逃すわけがなくオーラを放ち攻撃する。

 

「「鉄塊!!」」と二人が声をはもらせると全身の血管が浮かび上がり肌質がまるで銅像を思わせるように硬度が増したように見えた。

 

その状態でグレイフィアさんの攻撃に耐えていたが爆発により煙と炎でその姿を見ることができなかった。

 

KとQが爆発できえたのとタイミングを合わせたかのようにアザゼルさんの鎧が解除された。

 

「人工神器の限界か。いや、ぶっつけ本番でよく持ってくれた。まだ大分改良の余地があるな。」

 

「総督、ご無事ですか?」と伊藤さんが駆け寄ると「ああ、無事だ。」「せっかく作ったのに壊れてしまいましたね。」

 

「心配するな。核であるこの宝玉が無事なら作り直せるさ。ファーブニル、悪いがもう俺に少し付き合ってもらうぜ。」

 

すると地面からヴァ―リが出てきて立ち上がる。土と血で汚れていたがその表情は歓喜に満ちていた。

 

「凄いよ、アザゼル!!流石だな!!禁手ができるなんて想像以上だ!!兵藤一誠!前言撤回しよう!!面白い!!実に面白いよ!」

 

『ヴァーリ、奴の半減の力に対する解析は済んだ。俺の力の制御方法を照らし合わせて対処できるぞ。』

 

「そうか、じゃあもうあれは怖くないな。後は直接ぶつかればいいだけか。」とアルビオンとヴァ―リの会話に戦慄を覚えた。

 

一誠が寿命を大きく削ってまで得た力がこの短時間で通用しないなんてやっぱりこいつはただ者じゃない!

 

「なあ、アルビオン。今の彼ならば、『覇龍』(ジャガーノート・ドライブ)を見せる価値があるんじゃないだろうか?」

 

「否、それは悪手だ。ドライグのほうの呪縛も解かれてしまうリスクがある。」

 

「それは願ったり叶ったりだ!宇宙人共もあれだけの力を見せた以上こちらを舐められない為に天龍の力を見せつけやるのも悪くない!」

 

そう言うと「『我、目覚めるは覇の理に―」と呪文?の様なものを唱え始めた。

 

『辞めろ!!ヴァーリ!!わが力に翻弄されるのが貴様の本懐なのか!?』と怒っている。

 

何か分からないがヤバいことをしようとしているみたいだ。それもアルビオンの反応からすると自分自身にもリスクがある危険なものを。

 

それを察してか一誠も何かする前に攻撃をしようとしたがその時、月光をバックにイッセーとヴァーリの間に割り込むかの如く一人の男が舞降りた?

 

……っていうか雲に乗っている!?雲に乗るって本当にできるの!?そんなことできるの何てまるで!?

 

ある昔話のキャラを思い浮かべた時だった!ふと目の前の人物の服装が今想像したキャラに酷似している事に気づいた。

 

中華風の鎧、そして長い棒を武器に持つ・・・だが、そのキャラは猿だったはず!どう見ても顔は人間だ!

 

そんな風に俺が悩んでいると「迎えにきたぜ、ヴァーリ。」と気軽に声を掛ける。

 

「……何のつもりだ美猴?」

 

「……そりゃないだろう。仲間のピンチに遠路はるばるこの島国の一地方に急いでやってきたのによ?本部の連中がで騒いでいてな。北のアースガルズと一戦交えるから、失敗したならこっちに来いってよ。カテレアが負けたなら監察のお前もお役御免だ。俺っちと一緒に帰ろうぜ。」

 

「……そうか、なら仕方がないな。」「急に来てまず、お前誰だよ!」と一誠がこの場にいた全員の疑問を代弁するかの如く聞いた。

 

だが、その答えは本人ではなく別の人物が発言した。

 

「そいつは斉天太聖、闘戦勝仏の末裔だ。って言っても分からんだろうから絶対わかる名前で教えてやる。有名な西遊記の孫悟空その子孫だよ。名前は美猴!!」

 

「「なにー!!!?」」俺と一誠が驚く声がはもる!!あの有名な孫悟空!!?実在したのか!!?

 

「正確に言えば孫悟空の力を受け継いだ猿の妖怪だ!だが、お前まで禍の団入りとは世も末だな。否、考えてみれば「白い龍」と孫悟空なら相性はいいのか?」

 

アザゼルさんの言葉に悟空の子孫は笑いながら言う。「俺はジジイと違って自由気ままに生きさせてもらうぜ。坊さんには興味無いんでな。じゃあな!」

 

そう言うと如意棒?だよな、多分!を振り回して地面に着くと黒い”何か”が広がる。

 

それはヴァーリと美猴の足元まで広がるとずぶずぶ沈んでいく!?一種の空間転移しようとしているのか?色んな種類があるんだな!

 

「逃がすか!てめーにはおっぱい理論を一度!……」と叫びながら一誠は飛び出そうとするが

 

何かが壊れる音と共に一瞬閃光が奔ると一誠の鎧が消えていた!?近くに何かの破片が散らばっている。後で知ったがこの時一誠が禁手できるリングが壊れたそうだ。

 

「アザゼル!予備無いのか!」

 

「簡単に言うな!あれ作るのにどんだけ時間と予算、かかるとおもってんだてめー!あったとしてもあれを多用すると禁手を自力でできる可能性が低くなるんだよ……。何よりお前はもう限界だ。」

 

「何を……!」と反論しようとした一誠が急に倒れた。

 

慌てて傍に行くと気を失っていないようだが完全に手足から力が抜けているようだ。

 

「あれだけの力使えばすぐ空っぽになるの当たり前だろ。いくら一時的にヴァ―リと渡り合ったように見えてもこれがお前とあいつの差だ。まずは体力をつけろ。」

 

その言葉に一誠は悔しそうな表情をするが何も言えなかった。確かにこれは想像以上に厳しい差だな。

 

「俺はこう見えても忙しいでな。敵は聖書の三大勢力だけじゃないんだ。もっとお互いに強くなって宿命の対決をしようじゃないか!兵藤一誠!」そう言うと完全に影に消えていった……。

 

「……さて、君たちもここまでだな!」とサーゼクスさんの声が聞こえたのでそっちを見るとKとQが所々傷つきながらも立ち上がる姿が見えた。

 

こっちの方が戦力があり停止されていた軍勢も集まりつつある。勝負ありだな。そう俺が思った時だった。

 

今まで感じたことが無い強力なプレッシャーを感じた!?

 

するとサーゼクスさん、グレイフィアさん達が咄嗟にその場を離れた直後先ほどまでいた空間にミサイルが撃ち込まれた!?

 

その隙に何かが高速でKとQの前に立ち塞がる。「助かったわ。J。」「やっぱり強いな。魔王は。」と口々に言う二人に何も応じずただ見つめるJ。

 

僧兵の服が破れ傷ついた箇所を見るとそこには火花が飛び散る機械の内部機構が露出していた!?

 

「ロボットってことなのか?」思わず口走る俺の言葉に「Jは科学者でもある。自らの体を機械化した絡繰人間つまりサイボーグだ。」とKが応えた。

 

「……若様、姫様……その傷は?」「流石に魔王クラス相手だと無事じゃすまない。寧ろこの程度で済んで良かったよ。」

 

「よくも……」「J?落ち着いて……」

 

「よくも若様と姫様をきずつつけたなああああ!!!!」と怒号と共に今まで感じたことが無い殺気があふれ出す。

 

何だ?この重圧感!?今まで戦った連中全員合わせても簡単に凌駕できるレベルのヤバさを感じる!?

 

「このJ!ジャックの称号を与えられたにも関わらず若様、姫様に怪我を負わせるとは一生の不覚!こやつら全員の息の根を止めたのに腹と首を切り裂いてお詫びします!!」

 

「J!落ち着いて!私たちは大丈夫だから!」とQが片手を掴んでも冷静になる気配がない。

 

サーゼクスさん達の眼光も鋭さを増すばかり。このままではどうなるんだ?少なくても今までの戦闘とは比べ物にないぐらいの被害はまず間違いなくでる。

 

そう思った時だった!Kが覚悟を決めた表情をすると「J(ジャック)!K(キング)とQ(クイーン)の命令が聞こえないか!静まれ!!」と言い放つ。

 

その言葉を聞いた途端表情は見えないが信じられないというリアクションで二人の副統制官の方を振りむいた。

 

「若様……!?今何と!?……」

 

「キングとクイーンの言葉が聞こえなかったのかと聞いているんだ!!それとも俺たちにはその称号を名乗るに相応しくないと言うか!!?」

 

「滅相もございません!このジャック否、統制官も含め全X星人全員がお二人がその名を名乗ることを心待ちにしていました……!!」と震える手を伸ばしながら言う。

 

「ならばキングの命に従え!静まるんだ!!ジャック!」K(ケイ)否Kの言葉にジャックは

 

「ははあ!!申し訳ありません!!」と慌ててひれ伏すジャック!!完全に俺たちの事を意識していないな。完全に隙しかないように見えるが……。

 

サーゼクスさんとグレイフィアさんの強力な魔力の塊を放つが一瞬で切断され無力化させられた!?

 

いつの間にかジャックの両手には幅の広い鉈と鎌を混ぜた様な形をした刃を持っていた。斬るだけでなく峰の部分が妙に分厚くおそらく打撃武器として使えそうな形状をしている……。

 

「……貴様ら、そんなに死にたいか!?」と再び声に怒りの感情が含まれる。

 

再びぶつかり合いそうな空気になった次の瞬間!

 

X星人三人それぞれに天空から光の柱が降り注ぎ包まれた!?

 

「ご苦労さまでした。無事任務を果たしてくれて感謝するよ。皆。……そして漸くその称号を名乗る気になったことを嬉しく思うよ。キング、クイーン!」

 

「兄う……否統制官!」「おにいさ……統制官。そのですね。」「兄で良い。2人とも誰も責めやしないさ。」

 

「Z(ゼット)様!申し訳ございません!このジャック!お二人のお側にいながらそのお体に傷をつけるとは一生の不覚!この命に替えてお詫びを!!」と土下座し頭を勢いよくアスファルトに打ち付ける!

 

「気にするな!大したダメージじゃなさそうだし寧ろルシファーの力を僅かながらでもその身で経験したのは何よりの収穫と行っても過言でないよ。」

 

「しかし!」「君は必要不可欠な存在なんだ。もし、気にするなら今後の働きで挽回し給え。」

 

「Z様……寛大なお言葉感謝します!」と漸く頭を上げるジャック。

 

「そうそう、先程から攻撃しているけどその程度じゃこの結界は敗れないよ。」と思い出したように統制官Zと呼ばれた声しか聞こえない人物がこちらに話しかける。

 

俺を含む魔王、堕天使総督を含む各勢力の軍勢が一斉攻撃をしているがびくともしない!!何だ!?この光の柱は!?何かのバリアー、結界みたいだが丈夫過ぎだろう!!

 

「気にすることは無いよ。この結界を破れるのはごく一部だ。君たちが恥じる必要がないよ。我が血族を含めた同胞達は回収させてもらうよ。」

 

「てめーら!一体何が狙いだったんだ!俺たちを利用する目的は阻止させてもらったぞ!」

 

「利用とは失礼な。こちらとしても親しくしたいと思ったんですよ。まあ、最低限の目的を果たしてので良しとしましょう。」

 

「なんだ!?目的って?」アザゼルさんの問いに統制官はこう応えた。

 

「今回最大の目的は三大勢力でも最上位の実力者である貴方方をこの場に足止めすることでした。おかげでスムーズに目的を果たせましたよ。」

 

「最初から誘導作戦だったという訳か……?」

 

「二重作戦と言って欲しいですね。想定を超える成果が得ることができたのも彼らのおかげです。……例の博士の正体を知ることができたのは嬉しい誤算でした。」

 

その言葉を聞いた途端アザゼルさんの表情が変わる!「てめーら!博士に何かしたいのか!!?」

 

「こちらとしても流石にそこまでの余力がないので素性確認できただけでも良しとしましょう。恐らく向こうも知ったと思うのでこちらから教えておきましょう。」と応えた。

 

「まあ、恐らく貴方方が厳重に保護するでしょうからもう会うことはないでしょうがね。それでは今日の所は撤退します。」という言葉と共に光の柱に包まれた三人のX星人が虚空に浮かび上がり消えていった。

 

 

それから各勢力が後始末を始めた時に気がついた。”ラドン”がいつの間にか居なくなっている?

 

「あのラドンの巨獣器は?」「ああ、博士の事が気になってな。そっちに転移した。満足に自己紹介もしていないのにと文句言っていたが仕方ない。後日博士と共に改めてお前たちに紹介するさ。」

 

伊藤さんの疑問にアザゼルさんが応えた。

 

「さて、どうやらまんまとやられたみたいだがこのままやられぱなっしって訳にはいかねえよな!」とアザゼルさんが張り切っていると一誠とミカエルさんがいつの間にか話し込んでいた。

 

「ミカエルさん、アーシアとゼノヴィアこの二人がシステムの『ダメージ』を受けないようにしてもらえることはできますか?」

 

その言葉に驚くとアーちゃんとゼノヴィアさんの方に視線を移しこう問いかけた。

 

「……もう主はいませんよ?悪魔になった以上もう教会に近づけないでしょう。それでも神へのお祈りを捧げたいですか?」

 

「はい、ミカエル様!主がおらずとも私はお祈りをしたいです。」「私も主への感謝、ミカエル様への感謝を込めて。」アーちゃんとゼノヴィアさんが口々に応える。

 

その言葉にミカエルさんは微笑みながら「分かりました。主に祈る悪魔。そんな悪魔も二人ぐらいいてもいいでしょう。帰ったらさっそく実行します。」

 

この言葉にアーちゃんは目元を潤ませながら一誠に抱きつきながら感謝の言葉を口にする。

 

ゼノヴィアさんもお礼を言うと一誠は二人とも頭を撫でてやった。するとアーちゃんだけでなくゼノヴィアさんも頬を赤く染めた。

 

すごいな……あいつ、また一人落としたか。まあ、どうせ気づいていないだろうが。

 

さらにミカエルさんは木場君に聖剣計画の様な犠牲者が出る計画は出させないと約束してくれた。

 

そして他勢力に報告すべく一足先にミカエルさんを含めた天使勢力が消えていった。

 

アザゼルさんも和平を自分の軍勢に宣言すると撤退させた。そして去り行く直前で思い出したように

 

「ああ、そうそう赤龍帝!お前を始めとしたグレモリー眷属俺が世話することになったから。」と言い終えるとこっちの反応を待たずして消えていった……。

 

今のは冗談なのか……?

 

この日、聖書三大勢力による和平協定が結ばれた。これにより三種族の争いは禁止とされ協調体制が結ばれた。この会談が行われた駒王学園から名をとって『駒王協定』と称されることになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ビームパルサー 虫の触角を思わせる装飾からのレーザーを放つ。

胡蝶嵐・揚羽式(こちょうらん・あげはしき)
極光虫の翼扇(モスラ・ファン)と背中に生えた羽根を羽ばたかせ強風と共に鱗粉をばら撒きさらに雷を発生させ乱反射させる。
この鱗粉には発火能力もあり主に剣吾のお仕置きにとして使われるのは大体これ名前の由来はアゲハ蝶から

胡蝶嵐・大斑式(こちょうらん・おおまだらしき)
羽根と扇を羽ばたかせることで強風と共に無数の毒針を飛ばす。毒針は15センチ程の大きさ。名前の由来は大斑蝶から

胡蝶嵐・神光(こちょうらん・しんこう)
元ネタは キング・オブ・モンスターズのモスラが行った「God Rays」「神の光」と呼ばれる。
ベータ波の生体発光による強烈な光で対象の視界を奪うだけでなく衝撃波を発生させ周囲を薙ぎ払う効果を持つ聖なる光の波動。
この世界に来てからは破魔の力が高まり悪魔や妖怪など光や聖なる力を持った種族にとっては神滅具に匹敵する浄化の力を誇る。
その光を浴びるとただの水が全て聖水になる程のレベルだが欠点は無差別広範囲でしか使えずグレモリー眷属を始めとした悪魔など聖なる力を弱点する種族と連携する際には使用できない欠点がある。

X星人の基礎武術は次で語ろうと思います。基本的にジャンプ漫画、アメコミが元ネタの中心になると思います。

博士の正体と活躍させたかったのですが自分には自然に紹介できなかったのでこれも次に回します。
自分の見通しの甘さを痛感させられました。まさかラドン、博士の名前を出すことなく終わるとは思いませんでした。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第四章 停止教室のヴァンパイア編 終

個人的に今年は激動の年というかトラブルが目立った年なので来年及び今年を後は無事に過ごしたいです。
最近になって……と―の出し方ようやく分かりましたがこのSSでは5章以降で使うかまたは若干気に入っているので・・・をこのまま使い続けるかもしれません

とあるサイトで大体5000字ぐらいにまとめた方が見やすいとあったので試しに今後5000から10000の間にし外伝以外で越えた場合分割してみようとい今回13000字超えたので分けようと思いましたが上手くできなかったのでそのままにします。

バランス良く分けるのも難しいですね。


「今日から俺がこのオカルト研究部の顧問となった。気軽にアザゼル先生と呼べ。総督でもいいぜ!」とオカルト部の部室でアザゼル……先生にするか。

 

アザゼル先生が着崩したスーツ姿で僕中島剣吾を含むオカルト部員全員を集め笑いながら宣言した。

 

「何故、貴方がここに?」と困惑しているリアス部長にアザゼル先生は

 

「サーゼクスに俺の神器マニア知識を活かすべく学園にいる未成熟な神器保有者を正しく成長させたいと頼んだらこいつに頼めと言われたんでな。頼んでこうなった。」

 

そう笑いながら一緒にいた生徒会メンバーの中心にいた生徒会長支取 蒼那ことソーナ・シトリーにむけてアザゼル先生が言った。

 

「流石にサーゼクス様に姉からの頼みになら断れませんからね。」

 

「お前たちは主にヴァ―リ……『白い龍』(バニシング・ドラゴン)のチーム仮に白龍皇眷属と呼んでおくか?この間を孫悟空の他に少なくても後三名はいるぞ。実際はもっといるだろうな。」

 

「また、ここに攻めてくるんですか?」

 

「禍の団(カオス・ブリゲード)もそこまで暇じゃないだろう。いくらあいつを自由にさせているからってそこまでは流石にできないだろうさ。」

 

一誠の質問にアザゼル先生はそう応え

 

「そもそも今回の会談を潰せなかった時点で襲撃は失敗だ。冥界と天界のそれぞれの本拠地に攻め入ることの無謀さが分からない程馬鹿じゃないだろうしな。……そうだったら楽でいいんだがな。」

 

「X星人はどうなりましたか?」

 

「俺たちが協力を拒否した以上恐らく禍の団と組んだだろうよ。あいつらの技術は脅威だが向こうも今頃扱いに手を焼いているだろうがな。ざまーみろ!!」と笑う。

 

色々苦労させられたんだろうなと察するものがあった。

 

「あいつら……今回の会談自体が足止めにしていたなんていったい何が狙いだったんだ?」と言う一誠の疑問に誰も答えられなかった。

 

「ま、気にするな。お前らが卒業するまで戦争なんてまず起こらないさ。今はお互いに準備期間だ。学生生活を満喫してろ。」それを聞いても悩む一誠に

 

「悩むな。どうせお前程度の頭で考えた程度でどうにもならんさ。ヴァ―リだけに取り合ず集中してろ!」

 

さらにアザゼル先生はこう続けて言った。

 

「それから今回勝てたの手を緩めまくっていたのと、アスカロンがあったおかげだな。今回は相性が良かったに過ぎない。もしドラゴン以外でヴァ―リクラスのやつだったらお前は死んでいた。」

 

きついことを言われてが正論だったので素直に受け入れた一誠。

 

「白龍皇の力は使えないだろう?下手すりゃ禁手(バランスブレイク)より困難だ。だが、確実にその力はドライグの魂に刻まれている。後は地獄の特訓で扱えるかどうかって所だな。」

 

そう言いながら危険な笑みを浮かべるアザゼル先生に怯えた思わず後ずさる一誠を含めたオカルト部。

 

その様子を見て「お前ら良いのか?ヴァ―リは禁手一か月は持つぞ。最低限3日は禁手を維持できないとこれから先やっていけないぞ。」と言われ全員が顔を引き締めた。

 

確かに今回の件で力不足を大分痛感させられた。続いて今度は朱乃さんに視線を向けると「まだ俺たち堕天使が……いや、バラキエルを許せないか?」

 

「当たり前です。許すつもりはありません。母はあの男のせいで死んだのですから。」

 

「お前がグレモリーだったから悪魔になることを黙認したがそれ以外の悪魔だったらあいつは命を懸けてもお前を止めてたろうよ。ま、これ以上は今知り合ったばかりの俺が言うことじゃねえな。」と言い終わる。

 

朱乃さんの顔もどこか複雑そうだった。

 

居たたまれない空気になりつつある時だった。部室の扉が開く音がした。

 

振り返るとそこには「へえ、本当に先生になったんだな。おっさん!」と磯兄こと磯野敏博(いそのとしひろ)に佐々木理愛(ささきりえ)、マイロン・ハリスの巨獣器(タイタンギア)を宿したトリオ。

 

そう言えば今回の会談で見なかったな。「……磯兄達は会談あった時なんでいなかったの?」実力的にいても可笑しないと思っていたんだが。

 

「会談の裏で宇宙人が怪しい動きを見せているという情報を得たからそっちに行けと言われたんだよ。結果はこっちの戦力を分散するためのデコイだったけどな。」と忌々しそうに言う。

 

「どうだったの?」「……まんまと誘い出された挙句ボコボコにされた。あいつめちゃくちゃつえー!」

 

「磯兄達が歯が立たなかったの!?」「そう驚くことじゃねえだろ、俺たちは別に世界最強って訳じゃないんだ。上には上がいる。それだけだ。」

 

「名前言ってた?」「確かA(エー)って名前だったな。中年ぐらいの男だったな。向こうが殺す気ないから助かっただけだな。」「そりゃまた何でだろう?」

 

「多分向こうとしてはこっちと完全に手を切るつもりはなかったからあくまで小競り合いということにしたかったんだろうよ。」と僕と磯兄が話しているとふっと思い出したように呟いた。

 

「……そういやあいつらの武術、親父の胡散臭いのにちょっとにていたなあ?」「それ、本当!?」

 

その言葉に全員が注目した。それに対して戸惑いつつ「って言ってもあんな高度なもんじゃないぞ。完成度が桁違いだったぞ。」と言う。

 

「ま、その事はコスモスから知っていることを教えてもらうがその前にお前らに紹介したい奴らがいる。」とアザゼル先生が口を挟む。

 

「まずはこっちが最初の方がいいな。窓開けろ!」と言われたので僕が部室の窓を開ける?

 

「ふふふ、磯野驚くぞ!?」と含みある下世話な笑みを浮かべる。よく見るとマイロンさんと理愛さんも同じ表情をしている?

 

「なんだ?その表情は?」と戸惑う磯兄だったがその時何かが高速で近づいてくる音に気づき窓を見ると何かが窓から入ってきた!?

 

翼竜を思わせる全身鎧、『ラドン』の巨獣器使いか!そう言えば結局名前も聞いていなかったけ?

 

ラドンを見た瞬間磯兄がどこか切なそうな表情をした。「……ラドン、どうだよなマイロンや理愛にも転生したんだから誰かに転生するよな……。」

 

「・・・まだ、気にしているか?あの事を。」「別にあんたを恨んじゃいないさ。あれは避けられなかった事だよ。ただ、あんたらと一緒にいるとあいつらの事思い出すから距離を置いただけだ。」

 

「師範……」「磯野……」とマイロンさん、理恵さんも複雑そうな表情をした。

 

どことなくしんみりした空気になりつつあったがラドンが一瞬発光するとそこには二つのお団子頭(シニヨン)が似合う緑の長髪をしたチャイナドレスを纏う女性がいた!

 

年齢は僕達と大差なく部長や朱乃さん達程じゃないけど胸が大きくスタイルがいい。一誠は早速いやらしい視線を向けるが部長に耳を引っ張られ伊藤さんに目つぶしされる。

 

女性を見た瞬間、磯兄の顔が信じられないものを見たという表情をした。するとラドンの女性が磯兄に駆け寄り「ダーリン!」と言って抱きつく!!

 

「「「だ、ダーリン!!?」」」」オカルト部員が驚き絶叫する!!一方事情を知っていると思われるアザゼル先生達はドッキリ大成功というリアクションをしていた。

 

しばし固まる磯兄にラドンの女性は「……私の事分からないの?」と不安そうに言うと磯兄は半信半疑という表情を浮かべつつ「……鈴だよな?」「そうだよ!お嫁さんに来たんだよ!!」と爆弾発言をする。

 

驚く一誠達だったが僕は以前許嫁がいることを思い出し「ひょっとしてこの人が磯兄の許嫁なの?」と聞いた。「……ああ、しかし驚いた。昔はお転婆だったのに、まさかここまで別嬪になるとは想像すらしていなかったぞ。」

 

「前ダーリンから送られた写真に奇麗な女の人が複数いたから負けないように必死に女磨きしたのよ。」

 

「美人……見た目良いのはそこそこいたが、ラヴィニアのことかな?それとも詩求子かな?」

 

「……ダーリンは心、揺れ動かなかった?」「まあ、正直揺れなかったと言えば嘘になるな。」

 

「じゃあ、何で告白したりしようと思わなかったの?」

 

「まあ、ビビっていた部分もあるし正直そんな甘い事考えられる余裕がないし、何より」と一旦言葉をきり目線を鈴と呼んだ女性に合わせると

 

「約束したしな。お前から破るのはともかく年長者である俺から破るのはどうかと思ったんだよ。しかし、元々素質はあるとは思っていたがここまでになるとは嬉しい誤算だな。」

 

「ダーリン!!」と喜びの声を上げつつ鈴さんは磯兄の顔を引き寄せキスをした!

 

女性陣は興奮の声を上げ一誠は涙を流しつつ怨恨の叫びをする。「磯兄、紹介してもらっていい?」

 

「ああ、そうだな。鈴、こいつの名前は中島剣吾(なかじまけんご)。前に言ってた俺が幼少期の頃弟分だった奴だ。」

 

「貴方が!?初めまして。ダーリンの弟分なら私の弟みたいなものね。これからは私の事姉さんと言ってもいいよ。」

 

手を差し伸べたので握手をしつつ「磯兄の彼女がこんな美人だったとは。これからも磯兄の事よろしくお願いします。」と頭を下げた。

 

「いえいえ、こちらこそ。ああ、そうそう。まだ自己紹介していなかったわね。」と気づくと改めて自己紹介し始めた。

 

「私の名前は花沢鈴(はなざわりん)!中国人と日本人のハーフなの。」

 

「そいつは中国料理界、武術界でもかなり影響力を誇る林家の血を引いていてな。家の親父と林家は武術交流があったらしくそれで時折交流していたんだ。そこから許嫁の話になったんだよ。」

 

磯兄が説明する。「……最も所詮、酒の席の話だったからどこまで本気か分からなかったけどな。親父さん最近反対しているって聞いたけど?」

 

「パパもお兄も反対はしていないけど現実味を帯びてきて段々不機嫌になってきたよ。」

 

「因みにこいつの名前はどっちの家も自分の苗字も気に入っていたから二つの苗字を名前にしたんだよ。日本では花沢鈴だが、中国では林花沢(リン・ハナザワ)と呼ばれている。」

 

「でも、磯兄と結婚したらどうするの?」と僕の疑問に

 

「まあ、磯野に変わるわな。」「私はそれで構わないわよ。」

 

「そう言えばお前いつラドンを宿したんだ?」磯兄が疑問に「今から3年程前ね。その時総督にあって使い方を修行したのよ。空を飛べて気持ちいいよ。」「羨ましいな。」

 

「積もる話もあるだろうが後にしてくれ。もう一人紹介したい奴がいるんだ。」アザゼル先生が口を挟む。

 

「博士ですね?ひょっとしてその博士が前にアーちゃんを保護してくれた人物ですか?」と僕が聞くと全員アザゼル先生に注目した。鈴さんは磯兄の頭を後ろから抱き寄せくっつている。

 

巨乳の感触を磯兄も楽しんでいるのがよく伝わる。羨ましいな、まあだからってコイツみたいに怨嗟に満ちた視線をやる様になったら人として終わりだなと再認識した。

 

「ああ、そうだ。その事で色々揉めてな。まあ、まずあってからにしよう。博士、入ってくれ。」

 

その言葉に戸を開けて入ってきた人物を見て駒王学園関係者は全員驚愕の表情を浮かべた!

 

だって、あ、あの人は……。「こうして会うのは初めましてだね。グレモリー、シトリー眷属の皆さん」

 

そういう人物の正体は……「た、滝川さん!!」そう、滝川義人(たきがわ よしと)!僕たちのクラスメイトで老子のあだ名で先生からも頼りにさせれている人物だ。

 

「驚かせて済まないね。私は3年前まで総督と一緒にいたんだが奴らがこの世界に来たので気づかれないように一旦距離を置くことにしたんだよ。」

 

「あ、あの時私を助けてくれてありがとうございます。」「滝川さんはいつから堕天使と関係を?」

 

「その辺りも全部説明するから少し待ってもらえるかい?」と言うとコスモスさんに気づくと「ほう、貴方方が今の小美人ですか!お会いしたかったです!!」

 

「「貴方は……そうゆうことでしたか。」」と滝川を見ると勝手に納得していた。こっちにも分かる様にして説明してもらっていいですか?

 

「コスモス様をご存知なのですか!?それ以前に何故小美人という名前で呼ぶのですが?」伊藤さんが疑問を口にした。

 

「ああ、すまない!私達の世代ではこっちの言い方が浸透していたものでね。」

 

私達の世代って僕達と同じ年齢では?そもそもコスモスさんの事余り知られていないのでは?

 

「では、私の半生を言おう。私はかつて地球防衛軍と呼ばれたタイタン……怪獣被害に対応するために作られた国際軍事組織で開発部に所属していた。」

 

何かいきなりとんでもない話出てきた!?え、どうゆう事と突っ込みたかったが滝川さんがつまらない冗談を言う訳でないのはよく知っているから黙って聞いていた。

 

「そこで私は様々な兵器を開発していたがある日、X星人。彼らが地球に来訪し当初は奴らが友好的な対応をしており、初の地球外生命体とのコンタクトに興奮していたのもあって多くの地球人がその言葉を信じた。私もその愚か者の一人だったよ……」

 

と当時を思い出し無念に顔をしかめる。「彼らの真意に気づいた一部の人々によって正体が明かされ、後に第一次地球防衛戦争と呼ばれる戦争に発展し一度は地球防衛軍のみの力で迎撃に成功したよ。だが……」

 

言葉を区切ると重々しい口調で「……今回襲来したのは先遣隊に過ぎなかったのだよ。」

 

少し溜めこんでいた気持ちを整理させるためか一旦言葉をきり呼吸を整える。

 

「私たちもその当時は知らなかったがいつか再び襲来若しくは今回の件の様な危機に対応すべくより軍事力を強化させた。それから程なくコスモスさんと交流があり怪獣とも共存の道を築きつつあった。」

 

「「そして地球に飛来したエクシフ、ビルサルドと共存、共生の道を歩みつつありました。今にして思えばあの時が一番平和なじだいでしたね。……ですが、いつだって不幸は突然やってくるものです。」」

 

コスモスさんが顔を曇らせながら言う。

 

「「再び襲来したX星人の本隊・・・それに対抗すべく怪獣と人間が協力し立ち向かいましたが結果は敗北する寸前まで追いつめられました。」」

 

コスモスさんと滝川さんがその当時の事を苦々しそうに言うが僕に視線を向けて言った。

 

「「それを撃退したのが突如現れた新たなゴジラ……そう、今現在剣吾さんに宿っているゴジラ。彼こそがX星人を打ち破り、結果的に地球を守りました。」」

 

「その後のゴジラと人間、怪獣の関係は長くなるからまた別に話にしよう。私の記憶にないこともあるのでね。」と滝川さんが言う。

 

「そして晩年、この時は人類とゴジラの関係もさほど悪くなく平和の時代だったのだ。……X星人にまんまと騙され何一つ借りを返すことができなかった無念と後悔を抱きつつに私は命を終えようとしていた。」

 

滝川さんの驚きの告白に僕達はただ聞きほれていた。

 

「そして私は気づくと真っ白な空間にいた。そこは何とも言えない不思議な世界だった。何故自分がそこにいたのか今でも分からない。ひょっとしたらあの世とはこうゆう事を言うのかもしれない。」

 

当時の事を思い出すように遠い目をしつつどこか興奮した様子で歩き回る滝川さん。

 

「そこで私は光り輝く人……としか言えない人物に出会った。眩しくて姿をはっきり見えないが何故か目を眩むことは無かった。その人物はこう言ったんだ。世界を救ってくれと。」

 

歩みを止め僕達を見回すと「そして気づいたら私は赤子としてこの世に産まれていた。もう分ると思うが私は小美人やゴジラを始めとした怪獣がいる世界からこの世界に転生したんだ!!」

 

「「ええええええ────!!?」」と僕と一誠が驚きつつシェ―のポ―ズで飛び上がった!

 

それって所謂異世界転生って奴ですか!?ちょっとそんな主人公属性あるなんて聞いてないんですけど!!

 

驚愕する僕達を子猫ちゃんが冷たく突っ込むがそれで冷静になれないぐらいの衝撃だ!そりゃ、落ち着いて頭良い訳だよ!おじいちゃん経験していて科学者何て頭良いんだから!!

 

「私も生まれ変わりなど信じられなかったよ。ただの妄想だと自分で疑った事は三桁じゃ済まないよ。だが、前世での知識は確実に記憶している。」

 

「ここからは俺が話そう。」とアザゼル先生が口を挟む。

 

「俺と博士の出会いはまだ博士が小学生の頃だった。魔力に関係ないがある孤児院に驚異の天才少年がいると話題になってな。職員より頭がよく株とかを用いて施設を運営していて驚いたがまさか転生とは最初聞いたとき驚いたぞ。」

 

「私も堕天使を始めとした神話の世界の存在が実在すると聞いたときは心底驚いたよ。だが、事実だと分かると興味がありしばらく一緒に研究をしていたんだ。」と滝川さんが説明する。

 

「そして様々なことがあったが3年ほど前に奴らが総督の前に奴らが現れたんだ!」

 

表情を怒りで歪ませ話す滝川さんが言う”奴ら”が誰の事を言っているのか直ぐに分かった。

 

「そう、私たちの宿敵X星人!その時あの時会った人物が意味を理解したんだ!!奴らX星人からこの世界を救ってくれと言うことだったんだよ!」

 

「俺がX星人を一早く警戒できたのも博士の助言があったからだぜ!」

 

「堕天使との繋がりがあると悟られてはまずいと思い彼の元を離れこの学園に編入したという訳さ。」と滝川さんが説明した。

 

「じゃあ、滝川さんは俺が悪魔に転生した時しっていたんですか!?」と一誠が聞くと部屋の空気が一気に固まった。

 

「……いや、その事は全く知らなかった。後のアーシアさんの事を含めて自分で探ったよ。こうゆう事を一切総督は私に話してくれなかったからね!」と非難する目と口調でアザゼル先生を見る。

……

「しょうがねえだろ?あの時宇宙人どもに悟られないように連絡最小限にしていたし何より一誠の件絶対に反対しただろうしな。」

 

「当たり前です!!危険かも知れないから密かに排除など私が所属していた地球防衛軍では断じてあり得ないことです!しかもアーシアさんまで囮にするとは!!」と厳しく非難した!

 

「だからそれを償う為にもこうして教師役を買って出ただろう。もう、勘弁してくれ。」と滝川さんがいつになく強い説教にうんざりしているアザゼル先生。

 

後から聞くと悪ふざけして説教するのは滝川さんだったらしく『神の子を見張る者』(グリゴリ)の幹部も頭が上がらないポジションにいるとのことだ。

 

僕達の視線に気づき軽く咳払いをすると話を元に戻し

 

「私にはこの世界に転生した際にどうやら元の世界だけでなく断片的に他の異世界の記憶が混じったようでこの世界にも私たちの世界にも無い技術を再現することができた。その一つがこれさ!」

 

そう言うといつの間にか玩具みたいな赤い鳥を掌に乗せて見せた。

 

「その鳥さん!」とアーちゃんが驚くと「そう、以前アーシアさんを護衛していた時の奴だよ。ディスクアニマルと呼ばれるもので普段はディスクになっているが使用時にそれぞれをモチーフに設定した動物に変形するだ。」

 

そう説明すると周囲から様々な色をしたディスクアニマルが登場する!いつの間に現れたんだ!?

 

「もう気づいていると思うがステルス機能、つまり透明になることができ主に索敵及び牽制としての使用を目的としている。さらに」

 

滝川さんが口を止め手で何かを支持をするような動作をするとディスクアニマルたちが同じ動物のタイプ同士で集まると合体した!合体してしまった!

 

しかも結構でかい!これ人間を簡単に乗せて運べるように意識しているよね!?

 

「このように巨大化させて運用することも可能になっている。ま、あくまで牽制用で本格的な戦闘向きではないのだがね。」

 

滝川さんが説明しながら時計型のタブレットを操作すると車が空を飛んできた!この車知ってる!!

 

前にアーちゃんと一緒に乗った奴だ!「ダッシュアルファと呼ばれる物だよ。これも別の世界の代物でどうやら私達の世界同様怪獣と戦う組織が扱っていたらしい。」

 

「何で滝川さんには別の世界の技術を扱うことができるんですか?」と一誠が聞くと

 

「私にも原因が分からないがおそらくこの世界に転生する際に他の世界の情報も混ざったのではないかと思っている。ひょっとしたらあの光り輝く人物が何かしてくれたのかもしれない。」

 

「他にもできるんですか!?」「それは後のお楽しみ!まだ、技術的に確立していないものもあるしね。」

 

そう笑いながらウインクしながら滝川さんは言った。

 

「だが、異世界の技術を使えるのは助かったよ。私たちの世界の技術だけではX星人には対抗できるか不安だったからね。」

 

「そう言えばあのX星人がやっていた戦闘術あれって何ですか?」僕が聞くと「それについては小美人さん達の方が詳しく知っているから彼女たちに任せます。」

 

その言葉と共に滝川さんが避けると小美人さんが前に出て話し始めた。

 

「「彼らの武術は『六式』(ろくしき)と呼ばれています。」」

 

「『六式』とは?」「「『六式』とは6種類の体術を表したものです。まずはこちらから」」

 

そう言うとフェアリーの触覚から光が発生させ映画のように映像が壁に映し出された。

 

そこで彼らが空中を自在に高速で駆け回るのが映ると

 

「「これは『剃刀』(カミソリ)と呼ばれるものです。地面を瞬間的に複数回蹴ることで可能にする移動術でそれにより空も走ることを可能にします。」」と説明した。

 

「「後に足場を魔力に近い力で固めて移動する『飛廉脚』(ひれんきゃく)と呼ばれる移動術が主流となったようです。

イメージとしては透明なサーフボードやスケートをしていると思ってください。

純粋に体術のみで使用するのが『剃刀』、他の力と併せ持つのが『飛廉脚』に分かれておりエクシフから聞いた話では現在は『飛廉脚』が主流になっていて現在では移動術そのものを『剃刀』と呼んでいるらしいです。」」

 

コスモスさんが思い出したように「「・・・そう言えばこれは未確認情報ですが背中に光の翼を生やして移動する方法があるらしいです。」」と付け加えた。

 

これがX星人たちの移動術・・・。かなりの機動性だったな。

 

「「続いては『紙絵』(カミエ)を紹介します。」」そう言うと紙が宙に舞うようにまたは軟体動物の様に攻撃を受け流している映像が映し出された。

 

「「『紙絵』(カミエ)はこの映像のように攻撃を躱す体術です。こちらが柔の防御なら次のが剛の防御術になります。」」

 

そう言うと血液が浮かび上がり不自然に輝く映像に切り替わった。

 

「「これは『鉄塊』(テッカイ)と呼ばれる体術です。

実は2種類の防御術があり一つはこの『血装』(ブルート)と呼ばれたものです。これは動脈、静脈どちらかに魔力に似た力を送ることで攻撃あるいは防御を高めることができます。

欠点としては攻防どちらかにしか使うことができないのでその切り替えが攻略の鍵でしたがX星人はそのリスクを嫌いエクシフと異なり防御専用の『静血装』(ブルート・ヴェーネ)しか使いません。これによりX星人は欠点を防いでいます。」」

 

映像が切り替わりまるで銅像のように肌が硬質化したものに切り替わる。

 

「「こちらが本来の『鉄塊』(テッカイ)とされるものです。肉体そのものを正に鉄塊そのものと言える硬度に固めるものです。

こちらの方が硬度がありますが一度発動すると数秒未満体をその個所を動かすことができず移動できない弱点があります。これらは防御専用で攻撃に応用できません。

また、『鉄塊』しても全てのダメージを防ぎきることはできない。それが攻略の鍵です」」

 

続いて流れたのは指先から何かを放つ映像が流れた。

 

「「これは『指銃』(シガン)と呼ばれるものです。指で大気を弾いて言わば空気の弾丸を放つ技です。遠距離専用の技です。また、掌で大気を高速で弾き衝撃波を発生させ攻撃する『虚弾』(バラ)と呼ばれるものがあります。」」

 

コスモスさんが説明すると

 

「「『指銃』は元々直接俗に言う一本貫手のことで正に弾丸の様に人体を貫けるこもののことを言い、今の技の正式名称はその遠距離技"撥"(ばち)のことでしたがX星人はこの"撥"を『指銃』と命名しました。」」

 

「じゃあ、X星人も接近戦で貫手ができるってことですか?」

 

「「いえ、どうゆう理屈か分かりませんがX星人はこれらを純粋に遠距離攻撃に特化させたもので接近戦を想定していないみたいです。」」

 

武器や体が黒く変色した状態を見せると

 

「「こちらの黒く変色するものを『流桜』(りゅうおう)と呼んでいます。流れる桜と書いて流桜です。黒く変色するのは光の屈折でそのように見えるだけです。」」と説明した。

 

「「これはある種の気、生命エネルギーだと思ってください。この特徴としてダメージを対象の外側、内側両方にダメージを伝えることが可能とするという点です。打撃などを加えた瞬間に流桜を放ち連撃するなどの戦闘方があります。」」

 

一旦言葉をきりお茶を飲みつつ言葉を続けた。

 

「「この流桜の黒く変色した武器は玩具だろうがそれこそ伝説の武器とされるものでも総合攻撃力は一緒です。ですが武器の質と相性が良いほど流桜の消耗が少なく済みます。因みにこれらは完全に攻撃専用で防御面では微々たる程度でしか上がりません。」」

 

最後に映ったのは黒い三日月状の巨大な斬撃を飛ばしているものだった。

 

「「これは『月牙』(ゲツガ)と呼ばれたものです。主に足や武器から三日月状の斬撃を飛ばす技です。因みに月牙を飛ばさず纏ったまま攻撃も可能で遠近共に警戒すべき技です。

さらに流桜と組み合わせることで映像の様に黒い三日月状の斬撃に変化し威力が格段に上がります。」」

 

K(ケイ)とQ(キュー)がお互いの武器を交差させて放たれた黒い巨大な光線の映像に切り替わると

 

「「これは『覇国』(はこく)と呼ばれる技で月牙を複数で同時した際に発動できる技らしいです。詳細は不明ですが所謂合体技で月牙とは比べ物にならない攻撃範囲と威力を誇ります!」」

 

そこで映像が消え「「これが『六式』(ろくしき)と呼ばれるものです。他にも『心綱』(マントラ)と呼ばれる生物の気配や感情を読み取ったり、数秒先の未来予知などを可能にするものがあります。」」

 

コスモスさんがそう締めくくった。

 

「さらに厄介なのは彼らはテレパシーやサイコキネシスといった超能力、類似した力も有しているのは確認されているよ。そして何より驚異的な科学力を有している。」

 

そう滝川さんが言葉を続けた。

 

「今後、X星人に対応すべく三大勢力から新組織が設立される。その名も世界防衛軍!」

 

「博士がいた地球防衛軍の名前にあやかってな。今の所三大勢力のみだが今後は他勢力にX星人の脅威を伝えると共にどんどん和平を進め参加する勢力を増やしていきたい。」

 

アザゼル先生が笑顔で話す。「そして、この世界防衛軍では君たち義兄弟が中心になると私は思っている」

 

滝川さんが突然驚きの話をする!僕達は急に話をふられて驚く!そんな僕達がそんな大役を担うなんて!

 

「かつてX星人を撃破した怪獣王ゴジラ、それを宿した義兄が天龍を宿すとかあり得ない確率だ。君たちが巡り合ったのは偶然ではなく運命だと思っている!」

 

そう断言する滝川さんの言葉に僕達は言葉を失う。だって運命だって?もう聖書の神はいないはずなのに。

 

「神かどうかは私にも分からない。だが、これは間違いなく大きな流れに私たちは関わっていくだろう。」と断言する滝川さん!

 

「今後私は世界防衛軍で技術顧問になる。その方が一つの勢力に肩入れするリスクが少ないからね。ただ」

 

そこで滝川さんはちょっと寂しそうな表情をすると

 

「今後は正体を隠す必要もないし、もう学生のカモフラージュする必要が無いからこの学園とは今日でお別れになる。」

 

その言葉に驚く僕達!「そんな、せっかくお友達になったのに」アーちゃんが残念そうに言うが

 

「私も悲しいがこれ以上奴らに遅れをとる訳にはいかない。幸いというか君たちとは今後も顔を合わせることになるから安心したまえ。」と優しく笑う。

 

そのまま流れで学生生活を終える滝川さんとのお別れ会が始まった。

 

僕が少し休んでいると滝川さんとコスモスさんが僕を外で散歩行こうと誘われたので断る理由もないのでそのまま従い校庭を歩いた。

 

周囲の声が聞こえない範囲に距離に行くと「剣吾君、君何か悩んでいるよね?」

 

流石!天寿を全うした人生経験はすごいな!まあ、悩むというより覚悟を決めただけなのだが。

 

「別にただ改めて認識させられたってだけだよ。自分が『ゴジラ』を宿しているって事を」

 

僕の言葉に黙って聞くコスモスさんと滝川さん。

 

「これ言ったら一誠達が怒りそうだけど僕はゴジラの事を知って封印されるのはもう覚悟しているつもりだ。だから伊藤さんがやっても恨む気は欠片もないよ。」

 

その言葉に驚く三人を余所に「どこかで自分が死んでも仕方がない。まあ、これが僕の運命だったんだなあと思っていたんだ。ダガーラと戦うまでは」

 

あの時言われたことを思い出しつつ話を続けた。

 

「僕一人が死んでお終いって話じゃなかったんだよな。もし、僕が死ねばゴジラはまた別の誰かに転生する。」少し遠い目で空を見上げつつ言葉を続けた。

 

「そうなったらその人が僕みたいに巻き込まれる、あるいはゴジラに侵食されるかもしれない。そうでしょう?」

 

応えなかったが目で肯定するのが分かった。

 

「……だから、終わりする。僕が最後の『ゴジラ』になる。どんな結末になるか分からない。だけど、僕が最後の適合者になる!」そう宣言した。

 

「この事は他の人特に一誠には黙ってくれませんか?どうせ反対やそんな風に諦めるな……的な事しか言わないから。」

 

そう言い終わり元の場所に戻ろうとすると「君はそれでいいのか!」と滝川さんが呼び止める。

 

「無論、封印されたくないし死ぬつもりはない。だが、いつかは必ずこの選択をしなければならない時が必ず来る。その覚悟は今からしておくつもりだよ。」

 

滝川さんの視線を受けとめ「僕が最も恐れているのはゴジラが解き放たれ大切な人達がその結果亡くなるような事態だけはそれこそ命を懸けて防ぐ必要があるんだよ!」

 

それを聞き終え僕達4人は何も言わず皆の元に戻りお別れ会を楽しんだ。

 

笑いあう友達を見ながら心の中で改めて呟いた。

 

もし、僕がいなくなる日が来てもこの調子で笑って過ごしてほしいな。

 

 

 

────X星人秘密基地

 

副統制官K(ケイ)とQ(キュー)否、K(キング)とQ(クイーン)は通路を仲良く歩きながら雑談していた

 

「やっぱり彼らとの連携は無理か……。」

 

「ま、予想はしていから仕方ないんだけど禍の団(カオス・ブリゲード)よりあっちの方が人格的に好きだったんだけどね。残念☆」

 

「まあね、いよいよ我々もK、Qの称号を受け入れたしこれからさらに精進しなくてはな。」

 

そう言いあうと「若君!お嬢!ルシファー夫妻にやられたって!?まだまだだな!」

 

とからかい混じりの口調で話しかけたのは3、40代という見た目をしたくっせ毛が強いセミロングの赤髪をした人物がいた。

 

「おお、A(エー)いや、A(エース)か?」

 

「全く副統制官であるあんたらが称号名乗んないから下の連中も聖文字(シュリフト)名を名乗れなかったんだからな。副統制官が名乗らないのに下が名乗っちゃ格好が付かないからな!」と笑う!

 

その直後、「エース──!!」と叫ぶ怒号と共にこちらに向かってくる爆音が響き渡った!!

 

その声を聞いた瞬間、青ざめるエース!次の瞬間J(ジャック)が上からエースの頭に踵落としをしそのまま床に頭を叩きつけ踏みつける!!

 

さらに何度も蹴りを入れつつ「てめえ──、キング様とクイーン様に向かって何だ!!?その言葉遣いと態度は!何回言えば気が済むんだ!!」

 

「せ、師匠(せんせい)!こ、これはですね!」「儂とお前はもう同格なんだからクソジジイでいいからその数千倍の敬意をキングとクイーンにしろ!!」

 

「でも、兄貴は俺をここまで育ててくれた恩師だからそんなことできませんよ!」

 

「その敬意を持たんかい!!」とさらに激高するジャック!

 

キングとクイーンは慌ててジャックを抑えつつ「気にするなよ。エースは俺たちの師範的存在だったし」

 

「そうそう、こうゆう態度をするのも親しみがあるってことだからその辺で!」

 

「若様!お嬢様!お二人はこいつに甘すぎます!!もっと厳しく・・・。」

 

「ほらほら、他の人も見ているんだから最高幹部としても威厳が薄れるからこの辺で」

 

クイーンの言葉にジャックも渋々拳を引っ込めた。因みにこのやり取りは最早日常となっているので今更の話しだがそれは突っ込まない。

 

そこにフードを被った人物が近づいてきた。「相変わらず賑やかだね、君たちは。」と苦笑している。

 

「統制官!」とキングとクイーン以外が跪く。「いいよ、楽にしたまえ!」

 

「兄上!」「お兄様!」「君たちがやっとキングとクイーンが名乗ってくれて嬉しいよ。」

 

「それは先代キングであった兄上とその奥さんであったクイーンには遠く及ばず自分たちにはその資格がないと思っていたからです・・・。」とキングが言うと

 

「そう気にするな。年齢もある。お前は我より潜在能力が高い。……少なくても自分の妻子すら守れなかった情けない男よりマシさ。」

 

「お兄様!そんなことない!きっと義姉様もそう思ってますわ!」「そうです!統制官!あまり御自分を責めないでください!」とクイーンとジャックが反論した。

 

「気にすることないよ!それとこれからは我の事をZ(ゼット)ではなくZ(ゼロ)と呼ぶようにしたまえ」

 

その言葉にその場にいた全員が歓喜の声を上げる!

 

「やはりあの力、成功したのですね!」「これで我らの悲願に近づきましたわ!」と興奮交じりにキングとクイーンが言う!他の者も歓声が止まらない。

 

統制官は宥めつつ「キング、クイーン。君たちはジャック、エースに戦闘力で劣っていると感じているみたいだが気にすることはない。我らは宿しているがお前達にはまだない。だが、それも時間の問題だ」

 

そう言うが否やゼロ、ジャック、エースの姿が変わった!

 

エースの頭部にカブト虫を思わせる兜を被り騎槍を手にしている。

 

ジャックの目元に赤いゴーグルを身に着け幅の広い鉈と鎌を混ぜた様な形状をした剣、二振り携える。

 

そしてゼロの背中から美しい金色の翼が、ドラゴンに酷似した翼が出現した!

 

「今回回収したダガーラを含め今こちらにあるものを誰に適合させるか?」

 

「数的にもスーツかチェッカーズのどちらかにまとめてやればいいじゃないですか?」統制官の言葉にエースが応えると

 

「ならばチェッカーズにしましょう。能力的にもスーツよりあっちの方が適任じゃろう。」とジャックが言う。

 

「では、取り合えず禍の団に協力しつつ目的を達成しよう。全ては我らX星人と主の為に!」

 

「は!」と独特な敬礼し終えると統制官含めた全員がある場所に転移した。

 

 

NEXT ハイスクールD×D5 冥界合宿のヘルキャット編

 

とある場所

 

どこかの遺跡 そこには中央部分に十字架と太陽を混ぜたような謎の紋様が描かれたメダルが埋め込まれている

 

遺跡を守っている門番と思われる人物同士の会話が聞こえる。

 

「遂に三大勢力が手を取り合う時代かあ~」「ああ、まさか生きている間にこんなことがあるなんて」

 

「じゃあ、ますますこの場所の警備が重要になるな」

 

「……確かにな。ここに封印されいる奴がもし、解き放たれたらどれ程の被害になるか……。」

 

そう言いながら今は平穏そのものにしか見えない遺跡だが未だ禍々しい気配が漂わせおり背筋に冷たいものを感じた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




花沢鈴(はなざわりん) 名前の由来はゴジラ キング・オブ・モンスターズに登場するアイリーン・チェン博士 / リン・チェン博士 サザエさんの花沢花子から

中国料理界、武術界の重鎮である林家の娘と日本人の料理人との間に産まれたハーフで中国武術と料理の才を受け継いでいる

磯野敏博とは剣吾がいなくなってから2年後父親同士が親友だったこともあり初顔合わせする。

当時かなりのお転婆娘で自分の武術に自信があり傲慢だったが磯野に完敗し、次第に憧れ、恋心を抱く

磯野は告白されるまで女性だと気づかなかったが、特に相手もいなかったから高校卒業まで気が変わらなければいいと了承した。それ以降ダーリンと呼んでいる

それ以来相応しい女になろうと女磨きに奮起していたが4年前に磯野と一緒にいた刃狗(スラッシュ・ドッグ)チームの女性陣の姿を見て更なる奮起をした

チャイナドレスと二つのお団子頭(シニヨン)を好む緑色の長髪をした女性。

年齢はリアスや朱乃と同い年。2年前にラドンの巨獣器を宿した

ラドン

プテラノドンを始めとした翼竜のモデルになったとされる種族。地球怪獣では単純な空中格闘戦では最強といわれている。

鵜やペリカンの様にある程度泳ぐことも可能。

肉食よりの雑食だが知能が高く小型種は家畜として飼育も可能。


[大翼竜の翼](ラドン・ウイング)
両腕に翼型の飛行ユニットを装着する。飛行だけでなく盾替わりとしても使用可能

[大翼竜の天武装](ラドン・アームズ)
[大翼竜の翼](ラドン・ウイング)の[禁手](バランスブレイク)形態。翼竜を思わせる全身鎧。巨獣器では珍しく二つの姿に変化する。

[高速飛行モード]翼が手に一体化した姿で高速飛行モード。純粋な空中戦用で背部に仕込み銃が仕込まれている。翼が刃状に鋭利化させすれ違いざまに切断する。

[白兵戦モード]背中に翼が生えた姿。高速飛行に比べると移動距離、速度は劣るがその分小回りに効き基本戦闘はこちらが優れている。

「大翼竜の弓」(ラドン・アロー)
翼竜の翼を思わせる弓。音速を超える速度で放たれる矢を射る。精密射撃も可能とする。反面弓は強度はあるもののあくまで遠距離武器に過ぎないため接近戦には不向き

「大翼竜の剣」(ラドン・ソード)
中華包丁と柳葉刀さらに翼竜の翼を足して3で割った様な形状をしている一対の剣

二刀流を基本とし、斬撃を風の刃として超音速を超える速度で飛ばすことを可能にし中遠距離にも対応する。



この物語のX星人は上位は全てアルファベットが由来の聖文字(シュリフト)が由来となっています。聖文字(シュリフト)はBLEACHが元ネタです。

正確にはその文字を受け継ぐ候補生がアルファベット読みで正式に受け継ぐとそのアルファベット文字が頭文字になる能力や地位になる

一部を除いて聖文字を受け継ぐと個人差で能力が異なる。

確定しているのがK、Q、J、A、Z、GでXは存在しません。その下にチェッカーズとスーツでそれ以外はその他のアルファベットと言う感じです

Z=ゼロは地球でいう所でジョーカーの事です。本来はX星人が受け継ぐことができない神聖な称号のはずだが何故か統制官が名乗っている。

K(キング)とQ(クイーン)は男女それぞれのX星人の頂点に立つものに与えられる称号。立場に差は無く次代のキング、クイーンを産む役割を与えられる。

キングとクイーンを補佐するのがJ(ジャック)、A(エース)一般X星人がたどり着ける事実上最高の地位
現在は男性のみだが性別で決められることは無い。

チェッカーズとスーツはそれぞれチェスの駒とトランプのスートから称号を与えられた存在

こちらも特に性別は関係ないが今世代のチェッカーズは男性、スーツは女性として分かれている。

滝川さんと六式は次に紹介します

思ったより長くなってびっくりしています
























目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第四章 停止教室のヴァンパイア編 番外編

今回は原作8巻に収録している地獄のアザゼル先生になります

一部設定を変えています

お気に入り人数100人超えてありがとうございます!まさかこんなに読んでくれる人がいると思わなかったので嬉しいです

感想もお待ちしています


「おうまさ~ん!!」「あ~はいはい」

 

「けんけんだっこぅ~~」「は~い!よしよし」と僕中島剣吾は赤髪と金髪の幼女の世話に奮闘していた。

 

────なぜこんなことになったのかと言うと最初に一誠がこの二人を発見した。

 

その後オカルト部を集結させるとリアス部長とアーシアことアーちゃんであることは間違いないそうだ。

 

なぜこうなったのかと言うと悪魔には元々外見年齢を操作できるらしい。だから悪魔特に女性は若い姿を維持することが多いとのこと。

 

アザゼル先生曰く術の失敗で外見と共に記憶が一時的に封印された状態になったようだ

 

それで皆が解除する方法を探しているのだが他の皆はともかく一誠の奴も僕に二人の世話を押し付けて逃げやがって!!

 

おそらく、自分が二人の世話すると隠し子だと疑わるのが嫌だったらしい。

 

まあ、確かにそうなりそうだと思うけど……。

 

あいつ、後でどうなるか覚えていろよ!

 

「けんけん、変な顔~!!」「おやつ~ちょ~うだい!!」

 

「はいはい、リーちゃん、アーちゃん!プリンでいいか~な?」と対応する。

 

子供と遊ぶのは楽しいけど大変だなあ。……世の親御さんはよくやっているよ。

 

すると一誠とアザゼル先生が解除方法を探ってくれたみたいだが何その恰好は?

 

探検家の様な服装をした先生にゲームの勇者が持つような剣と盾を持つ一誠に不機嫌そうな朱乃さんがいる

 

どうゆう組み合わせですか?

 

話を聞くと元に戻る方法が分かったから解除術式を今いないメンバーが探っていてそれを待つ間に元に戻す薬の材料を探しに行くとのことだ。

 

僕達も一緒に行くことになった。まあ、先生がいれば大抵の敵はどうにもなるだろう。なにせ堕天使総督なのだから

 

────

 

最初の材料はミノタウロスの母乳。ミノタウロスとはでかい牛の頭が巨人の事を言う。確か肉食だったはずだが。

 

僕の言葉に先生が笑いながらこう言った。

 

「ハハハ!そうか何も知らない人間からすればその時点で止まっているのか!ああ、失礼!」と笑いながらこう言った!

 

「お前が言っているのは原種だ。まあ、人間に言えば進化する前の猿ないし原人に近い。今のミノタウロスはそんな野蛮な種族ではなくれっきとした獣人の一種だ。丁度あんな感じだ。」

 

そう言う視線の先を見るとそこには……

 

ホルスタインスタイルの服を着た牛の角や尻尾などを生やした美女がしかも……

 

「うおおおおぉおおおースゲー巨乳否、爆乳!!」と一誠が興奮している!

 

そう!パッと見は完全に牛柄のコスプレをした爆乳美女が数多い!

 

これは一誠じゃなくても興奮するだろう!部長達にも劣らないレベルだ!

 

雪女の例があったからなあ……。「このミノタウロスの母乳は栄養豊富で、乳幼児に与えるのに適していたり、牛乳アレルギーの人でも飲むことができるって優れものだ」とアザゼル先生がいやらしそうに笑みを浮かべつつこう言った。

 

「この母乳こそが材料の一つだ!ってことは搾らないといけないよな?」

 

「先生!それは俺がやります!」「否、これはおれがやろう!人生の先輩として手本を見せないとな!」

 

と二人が両手を (右手と左手、左手と右手) 掴み合って攻撃の機をうかがう体勢俗位にいう手四つ、手車呼ばれる体勢だ。

 

正直ぼくもこのお子様たちがいないならこのバトルに参加しただろうがこのバトルに加わらないのはそれだけではない

 

……この気配、やはり来るか!?

 

「アーちゃん、リーちゃんちょっとあそこにきれいな花があるから摘みに行こうか?」とその場から移動させる

 

花摘みしている間に悲鳴みたなものが聞こえた気がしたが気のせいだと信じたい。

 

それから数分後一人の女性が現れた。「アーシアちゃん、リアスちゃん。私と一緒にミノタウロスのお姉さんの乳しぼりしましょう?」

 

そう言ったのはモスラの巫女伊藤歌織(いとうかおり)さん。オカルト部の仲間だよ。

 

「おっぱい大きかった?」「私もなれるかな?」「大丈夫。きっと、なれますよ。ああ、剣吾さん。表にあるもの、すいませんけど片付けてくれますか?朱乃さんも行きましょう?」

 

「……はい、分かりました。」穏やかに二人の幼子に話しかける姿は正に聖母を思わせるけどその笑顔を見ると恐怖を感じるのはなぜだろう。

 

慌てて一誠達がいたところをみるとこれは……。

 

────

 

「……剣吾」「一誠、先生生きていたんですね!!信じていましたよ!」

 

「……お前、その穴は何だ?」優に二人分埋まりそうな穴を見てつこっむ一誠と先生の視線を感じつつ

 

「いや~あ、もう助かりそうになかったからせめて丁重に埋葬しようかなあ~と」

 

「速攻諦めてんじゃねえ!!」と突っ込まれ飛び蹴りをくらった。

 

そういうけど見た瞬間完全に殺人現場だったんだから!あの時叫びたいけどちびっこ二人に悟られないように後片付けした僕の気持ち察してくれない!?

 

そんな平和的なやり取りを終えここからは伊藤さんも同行し二つ目の材料を取りに行く。

 

 

────

 

二つ目の材料はユニコーン、一角獣とも呼ばれている馬だ。

 

その名の通り額に一本角を林その角には万病、解毒の効果に優れていて術の解除にも有効らしい。

 

因みにとってもまた生えてくるように薬を塗るから問題ないらしい。

 

ユニコーンを捕まえるには純潔な乙女にのみ心許さないらしくだから伊藤さんと朱乃さんがいれば楽勝のはずだったんだが……

 

「なんでこんな展開になっているだ~!!」と俺中島剣吾は凄まじい勢いで襲い掛かってくるユニコーンとぶつかり合っている。

 

くそ、こいつ。確か息を潜めて待つだけの楽な作戦じゃなかったのか!?

 

「どうやら野生の勘でゴジラを宿すお前に危機感を覚えたらしいな。」とアザゼル先生達はのんびりお茶会している。

 

この薄情者が!!「あるいは乙女を狙うライバルと思われたか?」

 

そんな要素が悲しいくらい無いんだよ!そう思っているとユニコーンの角による連続突きをまともにくらい吹っ飛ばされる!

 

さらに追撃で飛び蹴りしてきたので躱しつつ「てめえ!いい加減にしろ!馬刺しと桜鍋どっちがいい!?」

 

拳を繰り出すがものすごいスピードで躱していく!速い!こりゃ真面やりあっても面倒だなとなると

 

俺は近くの泉の中央部分に移動した。水深は浅く足元ぐらいしかない!

 

向こうが来るのをじっと待ち構え……そこだ!

 

泉に入ったユニコーンに対しゴジラギアから冷気を送り水面を一気にユニコーンの足ごと凍らせた!

 

幻雪光を冷気特化にさせた様な技だ。後にこの技を一誠は凍弾と名付けたそうだがそれはどうでもいい話。

 

これでもうお前は動けないだろう!覚悟しろ!馬刺しと桜鍋どっちだ?他の意見があるなら最後の頼みで聞いてやる!

 

「はいはい、剣吾さんそこまでです!後は角取ったら終わりですだからその辺で」

 

伊藤さんに言われ俺は仕方なくこの馬肉……もといユニコーンに対する攻撃を辞めた。

 

考えてみたら子供の前で命を奪うのは控えた方が良いだろうしね。

 

……断じて逆らったら先ほどの二人の様になるからだとビビったわけじゃないよ。

 

伊藤さんが角を取った後ユニコーンを優しく撫でながら逃がす。

 

その光景は正に絵画そのものだ。周囲の景色も合わさり本当に絵になるな。

 

それを見てアザゼル先生が感心しつつ「しかし、朱乃を連れてきたのはこの為だったのに無駄に終わったな。……一誠次はその剣必要になるから覚悟しろよ」と何やら不穏の事を言い始めた

 

 え、どうゆう事ですか?

 

────

 

3つの材料は最悪だった。伊藤さんと朱乃さんがアーちゃんリーちゃんを連れて帰る様に言ったのが瞬時に理解できた。何故ならば……

 

巨大な翼を生やし火を噴く爬虫類……つまりドラゴンがいる。体色は赤い。

 

「こいつは朱炎龍(フレイム・ドラゴン)その名の通り炎を司る赤い鱗のドラゴンだ。背中に生える鱗こそ幼児に戻る術を解除する薬の材料だ」

 

そう説明するがこれは無理だろ!死ぬビジョンしか見えないだが

 

「お前達自分が宿している者に比べれば可愛いもんだぞ。こんなの」と言うがいやいやこれは無理だろ、流石に悪魔になってまだ半年もしないただの高校生にこれは……

 

ただ、一つ気になることが見た目通り火を噴くドラゴンなのに何でこんな場所にいるんだろうか?

 

そんな疑問も持ちながら改めて周囲を見渡した。

 

ここは辺り一面雪と氷、それに大量の水源……海だか湖だか分からないがともかく完全に寒冷地。

 

正に南極や北極を思わせる氷の世界だ!

 

だから気になる……なんでこんな寒そうな所にこんな奴がいるんだ?

 

普通こうゆう炎を吐く奴は火山にいるイメージだったんだが体温調節の為にこんな場所にいるのか?それとも好物の餌がこの近辺にいるのか?

 

「剣吾!!お前余計な事を考えてないで助けろ!!」と一誠の言葉に正気に戻る。

 

見ると一誠が大質量の火炎から涙目で必死に逃げていた。

 

流石に見捨てるわけにはいかないので助けようとした瞬間ドラゴンが何かに気づいたのか突如一誠から視線を外し何かに向けている。

 

何だ?と全員が疑問に思っていると氷の壁に火を吹いた。氷の壁が溶け巨大な穴が開くとその穴から何やら獣の唸り声が聞こえた!?

 

何か巨大な足音を思わさせる地鳴りが聞こえ……いや!これは正に足音だ!

 

そう確信した瞬間、周囲の氷を粉砕しながら巨大な動物がドラゴンに向かって吠えた!

 

その姿はまるで……「セイウチじゃねえか!!」と一誠が突っ込む!!

 

そうその姿は顔が滅茶苦茶凶暴そうな白目のドラゴン並みのセイウチそのものだ!

 

一誠も無事避難し目の前で行われいる巨大な獣であるセイウチ?とドラゴンによる大怪獣バトルを呆然と見つめていた。

 

セイウチはでかいだけで特別な力はなさそうだがドラゴンの炎に一切怯まずに襲い掛かる。

 

すごい、普通セイウチとドラゴンなんて勝負にならなそうなのにここまで戦えるなんてと呑気な事を思ってたらアザゼル先生の発言で空気が一変した!

 

「まずいぞ!あのセイウチ背中の鱗を狙っているぞ!」

 

言われてみるとあのセイウチドラゴンの背中を積極的に攻撃しているように見える

 

その部分が弱いのか、旨いのか分からないが材料の鱗を狙っているみたいだ、それはまずい!

 

「まあ、最悪他の朱炎龍から取ればいいがここで食い下がるのも馬鹿らしいよな!」とアザゼル先生が言うと漸く自分でやる気になったのか立ち上がる

 

これで解決かなあと思っていると「来い、マオウガ―!」と指を鳴らしながら叫ぶと巨大な魔方陣が展開される。

 

「マオウガ―は俺が造った巨大ロボットだ!憎悪が動力だからエコロジーだぞ!!」

 

そうアザゼル先生は高笑いするがどう考えても悪役の発想だよね?大丈夫?すごい暴走する未来しか見えないだけど!?

 

そんな不安を思いつつ魔方陣を見ているとそこに現れたのは……!

 

「総督!何をしているんですか!」元クラスメイトにして滝川義人(たきがわよしと)さん。

 

今は三大勢力で新設された組織、世界防衛軍で技術顧問を担当している。アザゼル先生達からは博士と呼ばれている。

 

「一体何ですか?あのロボットは!?総督また予算の無駄使いを!!」と叱ろうとするが……

 

「うお!何だこれは!?」と目の前の巨大な怪物同士の争いに驚く!

 

「博士!マオウガーはどうした!?」「あれはあのままだったら役に立たないから折角だから魔改造することにしたよ。勿体無いしね」と応えた。

 

「しかし、まさかマグマを見ることになるとは思ってもみなかったよ」「マグマ?」アザゼル先生の疑問はその場にいる全員の疑問だった。

 

滝川さん、あのセイウチを知っているの?

 

「マグマとは私たちの世界に現れた怪獣だ。どうやら別世界のきた怪獣らしい。強さはそこまでは無かったが南極に不定期に発生する四次元空間に生息していたため発見が困難で退治されるまで時間がかかった」

 

滝川さんが視線をセイウチ改めマグマに視線を移し「一見セイウチに見えるが実は爬虫類と思われる特徴も見られる、俗に言う収斂進化の一種と言っていいだろう」

 

 

────収斂進化とは本来違う種の生物であっても、生息する環境が同じなら、種の違いにかかわらず、同じような形に進化することを言う。

 

分かりやすいのは鮫と海豚、魚竜の関係だと思ってくれれば大体あっているよ。

 

滝川さんは僕達が来た目的を知ると「なるほど二人を戻す為に材料を集めてこんな事に……ならちょうどいい。私も協力しよう。丁度テストプレイしたかったしね」

 

そう言うとドラゴンとマグマに歩いていく。

 

「滝川さん!危ない!」と僕は叫ぶが滝川さんは手で待ったとのジェスチャーをすると懐から金属の塊を取り出すと腰に当てた途端腰に巻き付きベルトになった!?

 

ベルトになった金属の塊否あれはバックル……か?が一際強く発光すると滝川さんの周囲に魔方陣が展開したと思ったら無数の何かが飛んできた!?

 

それは滝川さんの全身に装着されていく?最後にヘルメット部分が装着されるとその姿は何だこれ?

 

全身銀を基本色としておりさらに黄色、赤、青と散りばめたトリコロールカラーというカラフルな色彩。

 

顔は目が青く発光しギザギザした歯をむき出しにしたつり上がった目と口が印象的どことなく般若を連想させる外見をしている。ぶっちゃけ強面で悪人面している。

 

まるで特撮ヒーローを思わせる姿をしている。

 

「は、博士それは?」「これはジェットジャガー!かつて地球防衛軍が開発していたパワードスーツ否一人乗り専用小型人型ロボットと言った方が伝わりやすいかな?元々は4、5メートル程の大きさをしていて戦闘だけでなく様々な分野で多種多様に活躍したんだよ」

 

アザゼル先生の言葉に滝川さんはどことなく誇らしそうに話す。

 

「これは俗に言う装甲服と呼ばれるタイプだね。この性能テストを試させてもらうよ。」そう言うと脚部や背中を中心に各部からブースターを展開し自由に空を飛んだ!?

 

右肩部分に魔方陣が展開しパラボラアンテナが装着される?何あれ?そう思っていると中央部分から稲妻状の光線が発射された!!?

 

え、ビーム!?マグマにビームが命中すると苦痛の叫びをあげたと同時に爆発した!?何あの光線!!

 

ドラゴンも襲ってくるが先ほどのビームを発射するがこっちにはあまり効果がない……どうゆう事?ここまで違うのか?

 

するとガトリング砲を普通のマシンガンの様に持ち発射する。かなりの威力あるらしくドラゴンが怯んだ所ガトリング砲を放り投げると両手、及ぶ胸部からまるで銃口を思わせる穴が展開される。

 

そこからビームが発射された!先ほどとは色も形状も異なりどうやら種類が異なるようだ。

 

そのビームはドラゴンの硬い鱗を貫き体に大きな穴を開け絶命した!

 

何て高性能なんだ!何てすごいアーマーなんだ!

 

「凄いじゃないか!博士!」と歓喜の声を上げるアザゼル先生を始め僕達は口々に賞賛したのだが何故か滝川さんは返事もせず不自然に停止していた……

 

 

疲労困憊で家に戻る僕達。早速取ってきた材料で薬を作るがかなり苦いらしく二人とも泣き叫んでいるが何とか飲んでくれた。

 

そして朱乃さんが魔方陣を展開しこれで儀式完了……いやー、長かった!世の親御さんの苦労を痛感させられる1日だった。

 

その時ゼノヴィアさんから逃げてきたギャスパー君が僕と一誠にぶつかり僕達も魔方陣に弾き飛ばされる!

 

そのタイミングで魔方陣が光り輝くと二人が元の姿になっていた。それはいいのだが……

 

謝罪しようとする二人の前に口を挟んだ。僕達の変化も事の真相より優先しないといけないことがある!

 

「元に戻って良かった!早速で悪いけど滝川さんを治して!」

 

その言葉にリアス部長とアーちゃんが滝川さんを探していると「リアスさん、アーシアさん無事に戻って安心したよ!!」「博士!あんたもう少し安静にしてろ!!」

 

と滝川さんとアザゼル先生の話声が聞こえてきて扉を開けて入ってくると僕と一誠、アザゼル先生以外は驚きの表情をした。

 

「滝川さん!!何があったんですか!?そのお姿は!?」リアス部長の疑問はその場にいる全員の疑問そのものだった。何故なら

 

「いやー新発明の負荷が想像以上でね、おかげでこの有様だよ」と笑う滝川さんの姿は全身包帯というミイラ男そのものという姿で車いすに乗せられアザゼル先生が押して貰っている

 

アーちゃんが治すと「ありがとう、助かったよ!」とお礼を言う。

 

「ジェットジャガーはまだ未完成だね。もう少し調整が必要だったね。」と笑いながら言う。

 

「博士無茶しすぎだぞ!」とアザゼル先生が咎めるが

 

「前世ではこんなの無茶に入らなかったよ、ここでは前世の時より若いし簡単に治療してくれるから助かるよ!」と応え全然気にしていない。

 

「そんな事よりリアスさんとアーシアさんはなぜこんな事をしたんだい?」と話を変える。

 

話を聞くと以前アルバムで一誠の子供の頃の姿を見て実際に見てみたいと思い子供にする術をやろうとしたが失敗したという訳だ。人騒がせな。

 

……さて、恐らく異変に気づいていない一誠を無視して僕はアザゼル先生に言う。

 

「で、僕達はいつ元に戻るんですか?」そう、何故か僕達は幼児になっていた。

 

リアス部長とアーちゃん、朱乃さんは一誠をまるでぬいぐるみみたいに抱きしめ合っていた。

 

「け、剣吾さんも可愛いですよ。」と伊藤さんが僕を見て言う。別に気を使わなくていいよ。

 

「当分それでいろ!皆丸く収まる。」僕達が不幸なんだよ。こうなったらゴジラギアの力で……

 

そう思った途端急に頭が痛くなり中断した。な、なんだこれは?

 

「どうしたんですか?剣吾さん?」「分からない、急に頭痛が」僕と伊藤さんが話していると

 

「総督元に戻しましょう。少なくてもいつでも戻れるように準備するべきですよ。」と滝川さんが助け舟をだす。

 

「いやだね。俺はもう楽しんだ。」「しかたない、では私が行くしか」

 

「よし!分かった!今から取ってくるから少し待ってろ!」滝川さんが行こうとするとまた怪我されるのは勘弁だと思ったのか乗り気じゃなかった先生が一変した。

 

慌てて飛び出し僅か十分足らずで揃えてきた。初めからそうしてよ……。

 

元に戻した後僕と一誠にこう聞いてきた。

 

「もし戻せる薬が一人分だったらどうする?」僕が応える前に一誠が即答した。

 

「ブースデッド・ギアで倍増して効果を二人分にします!」それを聞きアザゼル先生も滝川さんも満足そうに笑った。

 

……全く格好いいな!そんな風に応えられる奴なんてそうそういないんだぞ!それを簡単に言って実行できるだから敵わないな

 

何で笑っているのか分からない馬鹿を見つつ僕は心でそう呟きながらその後ろに付いていった。

 

……そう言えば何で子供に戻った時ゴジラギアを使えなかったのはなんでだったんだろうか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ゴジラフェス途中までしか見れなくて残念。その内フェス・ゴジラ3 ガイガン来襲見れなかったからまた配信してほしいです

ガイガンレクスは格好良かったです!映画で見たいくらいでした。

後個人的にone-pieceのウタが紅白を始め数多くの番組に出場するのは嬉しいです!

しばらくポケモンに夢中になると思うのでこれがおそらく今年最後の投稿になると思います。投降したとしても番外編です

one-pieceのSSやろうかなあと思っていましたがポケモンで完全に頓挫しました

やっぱり自分みたい不器用な者は一つしかできませんね。

ミノタウロスはモンスター娘のいる日常、異種族レビュアーズに登場するミノタウロスだと思ってください。

滝川義人(たきがわよしと)
名前の由来は惑星大戦争に登場する滝川正人とゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOSに登場する中條義人が由来です

兵藤一誠と同じクラスメイトだった。誰よりも知識があり生徒だけでなく教師からも頼りにされいつの間にか老子と称えられるようになった

その正体はゴジラと同じ世界から転生し前世の記憶を持っている

前世では地球防衛軍の科学者ということもあり幼少期から天才と言われ株で孤児院の運営をしていた所アザゼルと出会い以後彼の元で働いている

基本的に常識人だが他者を巻き込まない場合自身にリスクがある実験も嬉々として行うマッドサイエンティストの一面を併せ持つ

転生して辛いのは大の酒豪兼愛煙家だったため酒と煙草を味わえない現状が苦痛

因みに前世と同姓同名でかつて轟天号を造った人物でもある

一章の終盤で剣吾の苗字が中島つながりでサザエさん要素も加えようと決めたのでもしもう少し後だったら彼もサザエさんにでてくる苗字か名前だったと思います

ジェットジャガー

本来の世界ではゴジラシンギュラリティにでてくるとアニメGODZILLA 怪獣惑星にでてくるパワードスーツが足したようなものです

4~5メートル程の大きさでその汎用性から軍用以外でも多種多様に活躍していた

この世界では滝川義人が自身でも戦闘できるよう戦闘服タイプのパワードスーツとして開発した

バックルを腰に当てるとベルトに変形し装着される。

そこから基本は魔方陣が展開され遠隔操作されつつパーツが飛行してきて変形しながら装着者の鎧になる

実写版アベンジャーズ第一作に登場するアイアンマンのアーマーマーク7と仮面ライダーアギトに登場するG3X、one-pieceに登場するパシフィスタを足して3で割ったような性能だと思ってください

この世界で初のメーサー砲を扱うことが可能。このメーサーは対怪獣兵器として有効で巨獣器にも有効だが何故かこの世界の種族には効果が薄い

こうした事もありメーサー砲は外付け装備となっている

その為巨獣器、この世界の種族どちらにも有効なメーサーを目指し研究をしている

因みにX星人はこの欠点を克服したメーサーを扱っている

掌と胸部に高出力レーザー砲が内蔵されておりエクソシストの武器を優に凌駕する威力を誇り飛行もでき陸海空全てに対応できる性能を誇るが欠点として装着者の負荷が大きい

また、オーバーヒートに熱上昇が想定以上で装着者にも熱が伝わり結果滝川は全身の骨が折れる又はヒビが入り大火傷を負った

アーシアのおかげで無事回復できたができなかったら割と危険な状態だった

そのため現在この欠点を克服すべく研究中

マグマ
ゴジラの世界にて南極に現れた巨大なセイウチと言うべき怪獣実は爬虫類に近い性別

偶然不定期に発生する異次元に潜み南極探検隊を長年襲い続けた。

発見に手こずったが強さはそれほどではない

ウルトラQにでるトドラの要素も混じっています







目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第四章 停止教室のヴァンパイア編 番外編2

今回はハイスクールDXD DX7に収録している賽銭箱泥棒です

原作と異なりスーザンと堀井はそれぞれの部長として登場しています


僕中島剣吾はある依頼人に会うために重い足取りで向かっている。

 

というのもこの依頼人は僕と義兄一誠の二人が担当なのだが一誠は朱乃さんの依頼にすっかり妹ポジションになったアーシアことアーちゃんに子猫ちゃんらと共にどこか行ったから僕がやるしかない。

 

現場に着いた。今は深夜当然暗い。これだけでも気が滅入るのにこんな森の中に……

 

何故僕がこんなところにいるのだろうか?

 

そんな自問自答しつつ森に入っていくとカツ―ン、カツーンという音が聞こえる。

 

さて、問題です。深夜の森で何かを打ち付ける音が聞こえてきます。何だと思いますか?

 

え、わら人形に釘を打ち付けているんじゃないかって?なる程、丑の刻参りって奴だね。以前朱乃さんから聞いた内容だと正式な呪術じゃないけど危険だと言っていたね。

 

だから皆もやらないように。効果あるなしに関わらずこの手の事に関わってプラスになることはないからね。

 

まあ、普通はそう思うわな……。ただ、僕達の担当だよ?もし本当に丑の刻参りだったらもっと知識ある人が対処している。

 

僕達は変態か奇人が大半だ。そんな一般的な理由な訳がない。

 

ではでは、正解は……その心の中で呟きつつ音のする方向に進むとそこには

 

「練習頑張るぞ!皆」「はい、キャプテン!」と野球をする人の姿。

 

これだけだったら場所と時間を気を付ければ解決するだろうが僕達の依頼人だぞ!?そんな普通なわけがない!!

 

キャプテンと思われる人物の後ろに向かって全力ダッシュ!!

 

一生懸命激を飛ばしているかつ僕の姿はキャプテンに隠れているので前方を見ているはずのチームメイト達にも気づかれることなくその背に容赦ない飛び蹴りを浴びせる!

 

「な、なんだ!?君は中島君!?何するんだ!」

 

「こっちのセリフだ!あんたら何深夜の森で何をしているんだ!近所の住民から苦情くるぞ!十中八九丑の刻参りだと思われるだろうが!」と抗議に怯まず怒鳴り返す!

 

「だが街中でやるなと君が言ったんじゃないか!」「それを脱いで野球しろって言っているんだよ!」と言いながら兜を殴りつける!

 

そう兜だ!カブト虫じゃないよ、鎧兜だ。それも西洋鎧を着ている。もう分るだろう。彼が誰なのかもう分るだろう。

 

「堀井さん!いつ増殖した!?」「人をスライムみたいに言わないで!これ部員だから!!」

 

「知っているよ!!増殖してくれた方がマシだったから突っ込んだよ!!変人はあんたとあんたの恋人だけでも手に余るのになんだこの馬鹿どもは!!」

 

「失礼な!この姿のどこが不審者だ!」

 

「全身甲冑何て着て歩き回る奴なんてどいつもコイツも不審者だ!」「酷い!君会うたびに僕達に対する扱い雑になっているよね!?一応依頼人にして年上なんだけど!?」

 

「別に一誠の客であって僕は本来関係ないからね。アイツの評価が悪くなっても欠片も気にしないから問題ない!」と言い切る!!

 

勿論、こんな対応するのはあくまで彼の様な変人に限った話だがこっちからすれば兄弟や友人だから助けているだけで別に悪魔サイドからどう思われようがあんまり関係ない話だったりする。

 

「そう言えば彼女は?」「か、彼女なんてそんな?照れるじゃないか!この顔見て分かってよ!」

 

「いや、顔も兜で見えないから分からないよ!スーザンさんはどうしたの?」

 

一応説明するとこの堀井さんとスーザンはある依頼が切っ掛けで恋人同士になったんだ。

 

堀井さんは西洋鎧を着るのに対しスーザンさんは日本の鎧武者を着込んでいる。

 

詳しくは原作8巻収録しているアクマのおしごともしくはハイスクールDXD 巨獣の目覚め  第一章 旧校舎のディアボロス編 外伝を読んでほしい。

 

……断じて書くのめんどくさいとかそういう理由じゃない、自分の目で確かめほしいと思ってね。そんなことないよ。きっと、多分。信じてほしい

 

そんな訳でこの二人のせいで毎回僕達は後始末に繰り出されるのでいい加減うんざりしている。

 

「……で、スーザンさんはどうしたんですか?」「彼女なら今サークルでこの丁度近くにいるよ。」

 

「何ですか?鎧武者羽子板大会でもしているんですか?」「否、落ち武者研究会で今この近くで落ち武者体験をしているよ。」

 

「……何、だと。」想像を超えた解答に衝撃を覚えるのと同時に慌てて走り出す!

 

そして森に潜む落ち武者軍団、否その落ち武者体験何てやる変人集団を見つけると勢いよく飛び出した!

 

「キャー!!」一斉に姿から想像がつかない黄色い声が聞こえた!え、まさか全員女性なの?

 

「あ、貴方は剣吾君!こんな夜中に飛び出すなんて怖いじゃないですか!」

 

「鏡見て言ってください!深夜に彷徨うに鎧武者何て100人いたら100人が亡霊だと思って怖がるでしょうが!近所迷惑をかんがえろ!!」と叫び返す!

 

「私たちは今流行りの歴女だから形から入るっているんです!!」「せめて明るい時にやれ!夜何てどんだけおっかないと思っているんだ!」

 

「スーザンさんをいじめるな!」と堀井さんが部員を連れて現れる。そこはまだいいが

 

「その手はなんだ!?」全員が剣と盾を始めとした武器を持ってやってきた。傍からみれば完全に中世の戦争!お前らバットとかをどうしたんだ?

 

気づくとスーザン達も刀を始め武器を構えていた。「……てめーら、何のつもりだ、こら?」

 

こっちの声色が変わったことに全員が気づいたのだろう、一気に緊迫感が高まった。

 

「君はいつも僕達の事を否定してばっかり!いい加減うんざりなんだ!」

 

「ああ、お前らのせいで何回頭下げたと思っているんだ?こら!!やるなら丁度いい、ぶちのめしてやる!鎧着ているなら大した怪我しないで済むだろう!」

 

一触即発の空気になりかけたが「堀井さん、その辺で。私たちが悪いのですし周辺の人々に迷惑をかけているなら辞めましょう。それに今日は……」

 

そう言うと全員が一気に冷静になり武器を下した。否、冷静というよりスーザンさん、堀井さん以外の人がどことなく落ち着かない様子で照れているようなリアクションをしている。

 

顔が見えないのでちゃんとは分からないけどこの雰囲気は何だろう?どこかとなく甘酸っぱい空気になっている気がする。

 

「実は今回、僕達は合コンすることにしたんだ!ここで僕とスーザンが出会ったから同じ部員で彼らにも出会いをと思ったんだ!」

 

「まあ、確かにお似合いだと思いますよ。」そんな日常的に鎧を身に着けて彷徨う変態に似合う連中何てごく一部だろうしというのは心の中で留めた。

 

「ほら、帰りますよ。近所迷惑です。」「お願い、この合コンだけはやらせて。後はちゃんと辞めるから」

 

僕はため息をつくと「……分かりました!では、このまましてください!ただし、近所迷惑しないようにしてください!貴方達世間とはかなりズレていますから!」と言いその場を後にする。

 

折角の出会いを邪魔しちゃいけない、若干の嫉妬という感情もあるが場所を返さずに止めたのには理由がある。

 

その場から十分離れたところで「……さっきからそこにいるのは分かっている!何者だ、てめーら?」そう言うと周囲から殺気が漂い始める。

 

すると周囲の隙間から目が退化し、キバの生えた大口を常に開いているかのような赤い魚のような頭部を持つ武者を思わせる姿をした化け物が現れた!!

 

何だこいつらは!?これも悪魔の一種か?それとも別の何か?とりあえず話が通じるタイプでは無いというのは確実ぽいね。

 

どう見ても害意しかなさそうな気がするしここで駆除したほうが世の為だろう!

 

ゴジラギアが出現するとこっちから迎え撃った!刀を振り回す異形の一帯をゴジラギアから生やした刃で刀ごと切り裂いた!

 

こいつら、詳しいことは分からないがどうやら以前戦った『ナメクジ』、『ミイラ』を彷彿とされるレベルで大したことは無い。

 

口がでかいから『大口』でいいか。そう思いながら蹴りで2体まとめて蹴り飛ばす。

 

暫く戦っている内にちょっと楽しくなってきた。落ちていた相手の刀を使いあんまり剣術を習ってないけどやってみた。

 

明らかに素人に毛が生えた程度の腕だがそれでも速度と腕力は十分だったらしく相手を首を切り落とすことに成功した。

 

だが、変に力が入ってしまっていたらしく刃が曲がってしまった。

 

やっぱりそう上手くできるわけないかと内心ちょっとがっかりする。

 

こいつら、如何にも斬られ役って感じの見た目だから時代劇みたいに100人斬りしてみたかったんだがそんな簡単にはできないか……とちょっとがっかりしたけど幸い刀はこいつらから奪い取ればいいだろう。

 

なんでこんなに刀で倒したいんだろうか?スーザンさんや堀井さん達の鎧姿を見て何だかんでちょっとあんな格好してみたいと思っていたのだろうか?

 

そんなことを考えながら戦っているうちにだんだんうまくなってきたと自負している。

 

……ここまで来るのに10本以上刀をダメにしたがまあいいだろう。

 

いつの間にか数が減り最後の『大口』を今一刀両断で叩き切り伏せた!

 

周囲の気配を探ったがどうやらもういないらしく割と容易く倒せて良かった。

 

そのままの足でどこかに逃した奴や他に異常が無いか調べる。

 

多分、スーザンさん達の方は大丈夫だと思うが万が一の事を考え合コンの邪魔にならないように隠れながら近づいた。

 

様子を見てみたがどうやら何の問題も無く上手く行っているみたいだ。……しかし、甲冑騎士と鎧武者の会合は傍から見れば完全にゲームや漫画の世界だな。

 

これを説明なしで見て男女の出会いと言って分かる人がいったい何人いるだろうか?

 

そんなことを思っているとまた妙な気配を感じた。

 

その気配を感じた方に向かって行きしばらくするとなにやら景色が不自然に揺れている明らかに異常な光景が見られた。

 

まるで見えない水槽があるみたいだ。その光景にしばし心を奪われていたが突如ガラスが砕け散るみたいな音と空間が割れると何かが飛び出てきた!

 

……なにこれ?木でできた等身大の人形?それも不気味に感じるタイプの奴で全く人の顔に似せる気が無い奴だな。

 

この『人形』?でいいか、『人形』が出てくると周囲の異常な気配は消えていた……。誰かの差し金かそれとも何らかの自然現象か分からないが友好的なタイプじゃないよね。

 

否、見た目で判断してはいけない。最低限のコンタクトをとらないと

 

「どちら様?っていうか言葉はわかるかい?」と話しかけるがそれに対し無言で木の葉を樹液で固めたような大剣をどこからともなく取り出し両手に構える。

 

そしてこちらに斬りかかってくる!よし!これで敵確定!

 

そう確信すると斬りつけてくる剣をはじき返しつつ胴体に蹴りをくらわせる!その一撃で大きく吹き飛んだ『人形』だが恐らく今の大したダメージないだろう。

 

今の蹴った感触が完全に木そのものだった。ただ、これで完全に壊しても一切気にする必要性なし!

 

そう確信してさらに踏み込む!そこから剣と素手のぶつかり合いが始まった。

 

先程の『大口』の群れよりこっちの『人形』の方がどうやら手強いらしく中々倒せない。俺の拳を躱し隙をついて剣を胸に突き立てる!!

 

向こうは今ので胸を突き刺して即死若しくは大ダメージを与えたと思った事だろう。

 

確かにそれが普通だが生憎割と丈夫なのでこの程度で貫かれるほど軟じゃない!

 

若干動揺した『人形』に対してお返しとばかり左正拳突きで胴体を貫き大穴を開け吹き飛ばす!

 

これで決着がついたと思ったが『人形』が起き上がり傷が見る間に治っていく?

 

植物だから再生能力や生命力が強いのか?復活してきた『人形』に対してどうやら単純な打撃や斬撃といった物理攻撃ではなく炎で燃やし尽くすとかにした方がよさそうだ。

 

という訳でさっさと爆炎で燃やし尽くそうとしたのが周りは森、結界なんて便利なものは僕にはできない。

 

ここでもし森に燃え移ることになったらシャレにならないからNG!

 

―――となると俺がこいつを倒す手段は……思いついたら即実行!『人形』の目の前に立つとゴジラギアから最近覚えた新技を放つ!

 

ゴジラギアの刃が純白に発光し技を放つ!圧縮した強力な冷気の塊を弾丸の様に一気に放つ!

 

命中した『人形』が瞬時に氷像に変えた!因みにこの技を一誠が凍弾(とおだん)と命名したんだ!

 

草タイプは氷に弱い!モンキャプ、モンスターキャプチャーで学んだ知識はこんな風に生かされている!

 

最早全く動き気配すらなくなった『人形』に飛び蹴りで粉砕する!

 

これで決着がついたと思っていたら突如森の木や蔓がまるで蛇またはタコとかの脚を思わせる動きで俺を縛り付ける!

 

縛り付けた植物が妙な発光したと思ったら体から力が抜けてきているような?見ると粉砕した『人形』が再び再生、復元していくのが見えた。

 

……どうやらこの『人形』は何らかの植物は下手すればこの森全てからエネルギーを吸収して復活するらしい。つまり元を絶たないと意味が無いという事か。

 

こう言うときにどうすればいいかと言うと……俺は吸われているエネルギーを敢えて加速させた。

 

するとどこかで苦しい悲鳴が上がった!その声を聞こえた瞬間逆に拘束を引きちぎりその場所に向かった!

 

エネルギーを吸収する相手には過剰供給つまり一気飲みさせてむせさせればいいというのは昔からの伝統だよね。

 

襲ってくる木や蔓を薙ぎ払いつつ怪しいオーラがプンプンする巨大な古木を見つけた!

 

近づくと不気味な顔が浮かび上がり根を動かし襲ってきた!ありがたい!

 

至近距離で爆炎を放ち古木を完全に燃やし尽くした!やはりこれが『人形』の本体だったらしく俺の背後に迫っていた『人形』も音もなく崩れ消滅した。

 

ああ、よかった!もし近づいてくれなかったら他の木にも飛び火したかもしれないし!

 

あんまり強くなかったからいいけどこいつらいったい何だったんだろうか?

 

スーザンさん達は大丈夫だろか?再び邪魔にならないように静かに移動する。

 

―――肩を寄せ合うカップルが複数できている。普通だったら微笑ましい光景なんだろう。鎧武者と甲冑騎士の姿じゃなかったら……。

 

これはどんな感情で表せばいいのだろうか?とりあえず異様な光景だ……せめて顔だけでも分かればまだよかったのに。

 

そう思っているとまた気配を感じた?

 

……今度は何だ?次は洋風かなあ?と半分諦めの感情を持ちつつその気配がする方に行く。

 

向かっていくと数名の男女と思われる足音と声が聞こえる?っていうか聞き覚えがあるような?

 

話しかける前に電撃が体を襲う!この馴染みの電撃!間違いない!

 

「朱乃さん!?何でこんなところにいるんですか?」「剣吾君!?貴方こそ!?」と驚く朱乃さん!その後ろから一誠、アーちゃん、子猫ちゃんも慌てて僕に駆け寄る!

 

何でも依頼人の神主から賽銭泥棒、亡霊、丑の刻参りの苦情があるから解決してほしいとのことで。

 

賽銭泥棒は捕まえたのだがこれがこの神社に祀られている本物の神様というオチだった。

 

残りをどうにかしようと思った時怪しい気配を感じたので警戒していたがすぐに消えて困惑していたとの事だった。

 

僕が事の顛末を説明すると驚いたが完全に沈黙し今後も現れる心配ないと断言してくれた。

 

亡霊、丑の刻参りの正体がスーザンさんの落ち武者研究会と堀井さんの甲冑騎士ベースボール研究会だと説明した。

 

今合コンしていると言ったら朱乃さんが何かを閃いた表情をした。

 

後日神社に行くと朱乃さんが施した赤い東洋龍と巫女が並び立つ像があった。

 

何でも本来相容れないもの同士が結ばれたことで縁結びのご利益があると噂を流したらヒットしたらしい。

 

凄い行列やっぱり縁結びって人気なんだ……だが僕が一番驚いたのは

 

落ち武者研究会と甲冑騎士ベースボール研究会の場所提供と活動容認する代わりにこの神社の手伝いをしている。

 

鎧武者と甲冑騎士姿で神社の清掃や受付姿何て違和感しかないがどうやら以外にツボにハマったらしい。

 

しかも部員というか支部ができたらしくどんどん活動が拡大しているという。

 

何が流行るか分からないものだなあと実感させられた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




『大口』と『人形』はそれぞれ別作品のものです。多分今後出番は無いと思います

凍弾 幻雪光の冷気を凝縮した波動を放ちそれに触れたものを凍結させる。爆炎の対になるが相性の為か爆炎に比べると威力が低い

『六式』
X星人独自の武術でとある並行世界でもこの武術はより洗練したという噂もあるが真偽は不明。モデルはワンピースの六式

『剃刀』(カミソリ) 高速移動及び空中歩行の総称。

正確には足場を魔力に近い力で固めて透明なサーフボードやスケートをするように移動する『飛廉脚』(ひれんきゃく)が主流で本来の『剃刀』は純粋の体術のみの事を指す。

『紙絵』(カミエ) 紙が宙に舞うようにまたは軟体動物の様に攻撃を受け流し攻撃を躱す体術

『鉄塊』(テッカイ)
長時間発動できる『静血装』(ブルート・ヴェーネ)と瞬間的にしか使用できない鉄塊の二つの体を固くする防御術

血装(ブルート)とはエクシフがとある並行世界にてある種族と協力し開発した身体能力強化術。

動脈、静脈どちらかに魔力に似た力を送ることで攻撃あるいは防御を高めることができるが同時に使用できない欠点がある。

X星人はこの欠点を嫌い防御のみにしようし本家より防御力は低いが長時間発動できるものに変化させた。

鉄塊 体そのものを正に鉄塊そのものの硬度まで高めて相手の攻撃を防ぐ事が出来る。瞬間的だが防御力はこちらの方が上で本来の鉄塊はこちら事を言う。因みに同時に使用することも可能。

一度発動すると数秒未満体をその個所を動かすことができず移動できない、耐久限界もあるのが弱点。

そしてこれらは防御専用で攻撃への利用ができない。

『指銃』(シガン)
元々はとある並行世界で本来の指銃の遠距離技である"撥"(ばち)の事を指銃と呼んでいる。

指から放つ空気の弾丸が指銃。掌や拳で大気を弾く技を虚弾(バラ)と呼んでいる。

『流桜』(りゅうおう)
高濃度に圧縮した生命エネルギーを四肢若しくは全身に纏うもの。この流桜を纏うことで周囲の光が屈折することで黒く変色する。

ダメージを対象の外側、内側両方にダメージを伝えることが可能。

これもとある並行世界で学んだものを独自にアレンジしておりエクシフの動血装(ブルート・アルテリエ)に相当しオリジナルと異なり攻撃に特化しており防御にはほぼ効果が無いものになっている。

流桜を武器に纏うことが可能だが総合攻撃力は全て等しい。ただし武器の質と相性が良いほど流桜の消費が少なくて済むが悪ければ必要以上に消耗する欠点がある

『月牙』(ゲツガ)
主に足や武器から三日月状の斬撃を飛ばすことが可能な技。月牙を飛ばさず纏ったまま攻撃も可能で遠近共に使用可能な技。

さらに流桜と組み合わせることで映像の様に黒い三日月状の斬撃に変化し威力が格段に上昇する。

one-pieceの嵐脚(ランキャク)、BLEACHの月牙天衝、トリコのナイフ、フォークを混ぜたような技になっています

覇国(はこく)と呼ばれる複数で武器を重ねて月牙を合わせ可視化した光線を放つ。

遠距離専用技だが単独で使用する月牙とは比べ物にならない威力と攻撃範囲を誇る。

見れば分かると思いますが基本one-piece、BLEACH、トリコといったジャンプ漫画の技がX星人の体術にしています。

これは単に科学要素ばっかりだったら一誠達と戦うのはちょっと詰まんないかなあと思ったからです。

基本的に何でもアリな連中として立ち塞がります。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

ハイスクールDXD 巨獣の目覚め 第五章  冥界合宿のヘルキャット編  
第五章 冥界合宿のヘルキャット編 1 


今更ですが昨年のウタファイナルライブ良かったです。コロナで終演ツアー見に行けなかったのが残念です。


目を開けるとそこは銀世界でした!うん、嘘だよ。何か混乱していてね、ちょっと御免。

 

僕の義兄一誠がリアス部長、アーシアことアーちゃん、最近一緒に暮らし始めた朱乃さんと共に土下座させられモスラの巨獣器(タイタンギア)使い伊藤歌織(いとうかおり)さんに叱られるのはいつもの事だ。

 

だが、問題は僕と一誠は同じ部屋で寝ていたはずなのに個室になっている。しかも何やら欲しくて手に入らなかったテレビとかパソコンとか色々あるのにかなりスペースに余裕がある?

 

手に入れたらきりがないしスペースが無いから諦めていたコミックスやグッズも完備している!

 

どうゆう事だ?と戸惑いつつ部屋をでる。……この家こんなに広かったっけ?

 

 驚きつつ廊下を渡り一誠の部屋に行こうとするが階段が上下に分けられている。これはどうゆう事なんだ!?

 

しばし呆然と見つめていた。

 

その後僕は正気に戻り事情を知ると色々聞かされた。父さん達にはリアス先輩のお父さんがモデルハウスの一環でここを無償リフォームしたということにしたらしい。

 

しかも丁度いいタイミングでお隣さんが引っ越したからその土地も利用したとの事だ。

 

いくら催眠状態だからって少しは疑って欲しい!これじゃ悪いのに引っかかるぞ!

 

まあ、一見完全に地上げ屋とかに関わると思うがリアス先輩の実家がやったんだ。

 

問題ないだろう。ここには全勢力と同盟を結んでいる伊藤さんがいるのだから変な事は絶対できないから安心しているんだが。

 

屋上に空中庭園地下三階、地上六階という大豪邸になっているから驚きだ!すごいもんだ。

 

「剣吾さん!説明途中で真っ先にシアタールームに閉じこもろうとしない!」

 

映画が好きなんだよ!このくらい許してくれ!父さんは家庭菜園にやりたがっている。

 

……こんだけスペースあるなら誰も利用していない所でカブト虫育てようかなあ?と一瞬迷ったがすぐに考えが変わった。

 

何となくだけどこれからも入居者がどんどん増えそうだから辞めておくとしよう。

 

少し話が落ち着くと夏休みだからリアス部長の実家に戻る事になったので眷属も共に冥界に戻るという事だ。

 

若干一名早とちりして涙目になっていたがそこはいいだろう。いつも事だ。

 

「剣吾何、ボーとしているの?貴方もよ!」「え、僕悪魔じゃないですが?」

 

「今更何言っていんだ!お前はゴジラを宿しているんだ!お前の存在がどれ程の陣営に影響与えると思っているんだ!」といきなりアザゼル先生が割って入ってきたのでびっくりして僕を含めた全員が思わず叫んでしまった!

 

「アザゼル!いつからそこにいたの!」「普通に玄関から入ってきたぞ!」

 

「「まだ修行不足ですね!歌織!」」と人形に思える程の大きさと美しさを誇る双子のコスモスさんが笑いながら言う。

 

「俺はお前らがリアスの実家に里帰り中にサーゼクス達との会合だ。面倒くせえなあ。」

 

「「私たちも付き合うので逃げられませんよ。」」と笑顔で牽制するコスモスさん。

 

「わかっているよ、そう心配すんな。その後お前らが新鋭悪魔の会合を終えたら修行開始だ。俺としてはこっちがメインだな。」

 

「会合。そっちもまさかでるんですか?」「いや、今回は無しだ。巨獣器の扱いは難しい上からその辺りも含めサーゼクスと話すことになっている。」

 

良かった。そんな面倒に首つっこむ気はさらさらないから今後もそうしてほしい。

 

「一応言っておくがあくまで今回は違うってだけで絶対紹介するときあるからな!」

 

……念押された。い~や~だ~!顔と態度にでていたのだろう。

 

「剣吾さん!逃げられませんよ!」伊藤さんにまで注意された。

 

「しかし悪魔ルートは始めてだ。楽しい冥界入りになりそうだ。」とウキウキしている。

 

それを聞いて僕はちょっと疑問だった。魔方陣があるんだからどっち行きもくそもないのでは?

 

この疑問は当日になって解消された。

 

荷物に関して大体は向こうが用意してくれるとのことで必要最小限のものになっていた。

 

そして何故か最寄り駅に向かっている。そしたら何とスパイ映画よろしく通常には存在しないはずの地下に行きそこには列車があった!

 

そして何とこの列車で冥界に行くのという。驚いたが疑問に思う。

 

「何でわざわざ列車に乗るんですか?」空間移動があるならそっちの方が楽だろうに利用するメリットが無いような?

 

そんな疑問をアザゼル先生にぶつけると

 

「次からはそれでいいんだが真剣属の悪魔は正規のルートで入国しないと罰せられるんだよ。それに巨獣器や堕天使の俺がいるんだ。いきなり転移するよりこっちの方が向こうも対応しやすいだよ。」

 

なるほ~ど~。そんな訳が。あれ?

 

「その理屈だと……僕や一誠はかなりまずいのでは?」大丈夫?入国した瞬間に逮捕されて牢獄とか嫌なイメージが頭に過る。

 

「その心配はないわよ。」とリアス先輩が笑いながら言う。

 

「ええ、あれはサーゼクス様による特例ですから問題ないですよ、まあ次は無いでしょうけど。」と朱乃さんもそう言う。

 

その後、リアス部長、朱乃さん、アーちゃんで女の戦いが展開される事になったが僕は正直おっかないので迷わず一誠を見捨てて別の場所に逃げて宿題を始めた。

 

……あれ、そう言えばこういう時にツッコミを入れるのが子猫ちゃん、伊藤さんだけど妙に静かだな?

 

疑問に思いそちらに目を向けると子猫ちゃん窓に目を向け心ここにあらずという表情をしている。

 

対して伊藤さんはコスモスさんと何やら話しているようだ。

 

どうやら内密の話らしくご丁寧に結界のようなものを張っている。後で先生が会話が聞き取れない特殊なものだと説明してくれた。

 

全勢力と協力しているのだから下手に流せない情報も当然知っているので時折こうしているらしい。

 

因みにコスモスさんの方が多く知っていて伊藤さんにも隠している事が多いとの事。そりゃそうか。まだ10代何だから負担掛け過ぎてもね。

 

そんなこと思っていると窓の景色が先ほどまでの暗がり一色だったのが一変し紫色の空が見える。

 

……む、紫色の空!?慌てて窓の外に見てみるとそこはどう見ても人間界とは違う景色だった。でも山や川とかはこっちに近いのかな?

 

思わず見入っていると一誠とアーちゃんも隣に来て騒いでいる。ふっと冷静になると騒いでいるのが僕達だけだったがまあいいだろう。

 

お上りさん、田舎者と思われようが結構!こうゆうのに騒げない奴の方がノリが悪い!

 

考えてみたら僕と一誠は初めての海外旅行なんだよね。それが冥界とはどうゆう事なんだろう?

 

ちょっと引っかかるものがある気がしたが無視しよう!気にしたところでどうせ何もかわらないんだから!

 

「「しかし冥界って広いですね~!後地獄とも言われているからてっきり火の海や針山なんかあるって思っていましたけどデマだったみたいですね。」

 

「否、そっちも確かに存在するぞ~。」とアザゼル先生が言う。

 

やっぱりあるかい……。「考えてもみろ!冥界の底つまり冥府。その最深部、地獄の最下層に存在するのがコキュートスだぞ。コカビエルも投獄されているだろうが。」

 

コカビエル。あの戦争狂……むさ苦しい面を思い出してしまった。嫌な気分。

 

思わず顔をしかめた僕に対し「お前本当にあいつ嫌いだな。」ちょっと呆れた顔をするアザゼル先生に対し

 

「好きになれる要素があると思います?先生には同志だったかも知れませんが僕には唯の敵ですから。」と割と冷たく返した。

 

そんな話をしているとリアス部長から畏ろしい事を聞かされた。

 

まず冥界は人間界と同じ広さだが海がないので断然こっちの方が使い勝手がいい!しかも堕天使、悪魔の領土だけでも人数に対して余りまくっているというのだから驚きだ!

 

そしてグレモリー家の領土は大体本州丸ごとだそうだ!しかもほとんど森林や山ばっかりだそうだ。

 

す、すごい名家なんだね。しかも一誠やアーちゃん、ゼノヴィアさんも土地与えられて僕はただただ驚いてばっかりだよ。

 

「間もなくグレモリー本邸前、間もなくグレモリー本邸前。ご乗車ありがとうございます。」とアナウンスしてくれるのはレイナルドさん。

 

このグレモリー専用列車の車掌で白いあごひげがダンディなお爺さん。

 

僕達にも挨拶してくれてリアス部長の事を幼少期から知っているから感慨深いとか話してくれたけどその時は女のバトルがあった時なので省かせてもらうよ。

 

停車し荷物を降ろそうとするがそれは他の者がやるからそのままでいいから手ぶらで降りればいいと言われた。駅員さんがやってくれるのかなあとこの時の僕はまだ現実を見ていなかった……。

 

降りてみると映画やゲームでしか見たことが無い光景が広がっていた。

 

馬やグリフォン、その他よく分からない生物にまたがり旗を振り回す兵士。花火と空砲、それに楽隊の音楽が空に鳴り響く

 

そしてリアス部長を称える黄色い歓声!想像以上にすごい人だと改めて認識させられた。たくさんの名と屋執事に誘導されると馬車が用意されていた。

 

それも見るからに豪華絢爛!それに見とれていると「ボーっとしてないでさっさと乗んな!おれは電車で魔王領に行きサーゼクス達との会談を終えてから合流するから先にリアスの実家に行って挨拶しておけ」

 

と先生に言われ正気に戻ると伊藤さん、木場君、子猫ちゃん、ギャスパー君と馬車に乗った。

 

何でこっちにしたかと言うと単純に馬鹿の面倒を見るのに少しでも解放されたかった。

 

女のバトルになるかもしれないからそれに巻き込まれたくないというのも当然あるが一番の理由は子猫ちゃんの様子が可笑しいことだ。

 

どこか心ここにあらずという雰囲気で気になっていた。一体何があるのか探ろうと思ったわけだが失敗だったかなあと出発してからすぐに後悔した。

 

子猫ちゃんの事で話したいのにいくらぼーとしているからって本人の前で出来るわけがない!

 

間抜けだったなあと気まずい空気の中後悔している中もう一つの懸念していることがある。

 

それこそが僕の隣に座っている伊藤さんだ。子猫ちゃん同様何やら思い悩んでいる表情をしている。

 

とりあえず今は問いただすのは辞めておくか。こうゆう雰囲気じゃなかったら素敵な街の景色を楽しめたのになあ。

 

そんなことを思っていたら目的に着いたらしく降りてみると途轍もなく巨大な建造物が目の前にあった。

 

……これってもしかしなくてもお城ですよね?これがグレモリー家のお屋敷なのか!!

 

「ここが本邸で家のひとつよ!」とリアス部長がほほ笑みながら説明してくれる。

 

城の巨大な扉が開くとそこには大勢のメイド、執事が並んでいる。すると小さな人影が飛び出しリアス部長に抱きついてきた。

 

「お帰りなさい、リアス姉さま!」「ただいま、ミリキャス!大きくなったわね。」と抱き合っている。

 

絵になるね。よく見ると髪の色がリアス部長と同じ紅の髪をしていて顔立ちも似ている。……という事は?

 

「弟さんですか?可愛い子ですね。」と僕が声を掛けると「いいえ、甥っ子よ。この子はお兄様――サーゼクス・ルシファー様とグレイフィア義姉様の子供よ。名前はミリキャス・グレモリーよ。」

 

へえ~、サーゼクスさんの息子さん!という事は魔王の息子という子か!正真正銘のプリンセスというか。

 

あれ、でもグレモリー?疑問に思っていると顔にでていたのだろう。

 

リアス部長が笑いながら教えてくれた。

 

「魔王は継承したは本人にしか名乗れないからミリキャスを始めとしたその血を引く子供でも魔王の名前は継承できないの。私に次ぐグレモリーの次期当主候補よ。」

 

なるほど、だからグレモリーなのか。どっちが継ぐのかなあ?個人的にこの子は魔王に相応しい器だと思うからやっぱりリアス部長が受け継ぐのかな?

 

しかしこうして見ると姉弟だな。サーゼクスさんよりこっちの方が自然な気がする。一誠を始め今回初めて出会う眷属は緊張しテンパりながら挨拶している。

 

それを見つつ悪魔じゃない伊藤さんも丁寧に挨拶しているし、僕もそうするのが良いかなあと思った時だった。ミリキャスがどことなく寂しそうな表情に見えたのは……。

 

僕は怒られるかもしれないリスクがあったがそう考える前に口が動いていた。

 

「へー、サーゼクスさんとグレイフィアさんの子供か。格好いいね。ミリキャス君、ちょっと言いにくいからミー君って呼んでいい?」

 

と目線を合わせるため少し屈みながら言った。その瞬間、伊藤さん、一誠が慌てて様子だったがそれより先にミリキャス君が「はい、剣吾さん、僕も剣兄さまと呼んでいいですか?」と嬉しそうに応えた。

 

「う~ん、本当は僕より先に兄さま呼んで欲しい人がいるから無理強いしないけどできればその後の方がいいだけど待ってたらいつになるか分からないから好きに読んでくれていいよ。呼び捨てでも構わないし。」

 

「じゃあ、剣兄さま。僕と友達になってくれますか?」「僕でいいなら喜んで。」

 

「良かったわね。ミリキャス!貴方にこんな親しいお友達ができて。そしてお帰りなさい、リアス。」

 

と聞き覚えがない声が聞こえてきたのでそちらに目を向けるとそこにはリアス部長そっくりの美少女がいた。違うのは若干目つきはきついのと髪が亜麻色という事だけ。

 

初めましてと挨拶しようしたがどこかであった気がするぞ?どこだっけなあ?……あれ、可笑しいな。この人記憶が正しければ確か

 

この間普段使わない頭をフルに使い数秒で結論に達したが記憶が間違えていたのではないかと混乱している。そうこうしている内にすぐに答えが分かった。

 

 

「ただいま、お母様。」「はい、おばあ様。」とリアス部長とミリキャス君否ミー君が呼んだ時記憶とあっているはずなのに一誠と驚いてしまった。

 

そう、記憶では結婚披露宴の時ジオティクスさん、つまりリアス部長のお父さんの隣に座っていた。つまり夫婦という事だ。

 

「ちゃんと挨拶するのは初めましてよね?私はヴェネラナ・グレモリーリアスの母よ。よろしくね、兵藤一誠及び皆さん。」

 

悪魔は年齢を操作をできると頭では知っていたけど実際に見るのでは大違い、これは見た目で判断できないから思ったより大変だな。と心のどこか冷静な部分で突っ込みながら一誠と一緒に派手に驚いていた。

 

その後部屋に案内されるとその広さに呆然とした。でもこんな広いと一人で過ごす機会ないから旅行気分で楽しむかと思った時だった。

 

扉が開く音が聞こえた瞬間嫌な予感がした。

 

―――「それで僕が一誠と同じ部屋にいろと?」部屋に入ってきたのは伊藤さんで何でもアーちゃんとゼノヴィアさんが落ち着かなくて一誠と同じ部屋にいたいと言うのを聞き伊藤さんが自分と一緒にしようといい引き留めた。

 

ついでに男女が一緒の部屋にさせない為に監視役として僕が一誠と同じ部屋になった。

 

「なんで不満そうなんだよ!」「また、お前と一緒かあって思ってなあ。たまには離れたいんだよ。」

 

まあ、正直持て余し気味だからいいんだけどね。ベッドだけは申し訳ないけど交換させて貰った。2段ベット以外で一緒のベットに高校生になって寝るのは避けたい。いくら巨大なベットだとしてもだ。

 

準備してくれている最中メイド姿のグレイフィアさんが僕に声を掛けてくれた。

 

「剣吾さん、先程はありがとうございました。」「?何の話です?」「貴方はミリキャスを魔王の子供でなく普通の子供として接してくれたでしょ?」

 

ああ、その事か。「なんとなくミー君が敬語で話されていると少し寂しそうに見えたからこっちの方が嬉しいかなあと思ってやったんですよ。僕は一誠達と違って悪魔でないからあの子はリアス部長の身内ぐらいの感覚しか僕にはないですね。」

 

「そんなふうに接してくれる人が本当に少ないの。だから可能な限りでいいけど少しあの子の事を気にかけてくれる?ミリキャスとして見れるのは家族以外では貴方が初めてだと思うから。」

 

「僕でよければ喜んで。弟いなかったのでちょっとうれしいですよ。」と応えた。

 

食事の時アザゼル先生は会談が長引ているらしく食事にはこれないと当主であるジオティクスさんから夕餉の席で聞かされた。

 

そして僕と一誠は他の人の食べ方をマネしながら何とか恥にならないように食べ進めていた。

 

話を進めていくと一誠に紳士的振る舞いや雑学を学んでもらうという。早速外堀を埋めたかと感心していると僕もついでに巻き込まれた。

 

まあ、確かにもし結ばれたら親族として恥ずかしくない振る舞いは必要かもね。僕この手の奴、苦手なのにとちょっといやだが仕方がない。

 

その事でリアス部長とヴェネラナがちょっとした口論になったがこれからは他勢力に魔王の妹して見られる自覚を持てと叱咤されてしまった。

 

娘のわがままという発言と今回の訓練結構簡単に結びつくんだけどわからないだろうなあと隣でさっぱりわからんと顔に書いてある馬鹿を見てため息をついた。

 

ミー君、君が一誠をお兄様と呼べる日は残念だけどまだまだ遠そうだよ。

 

 

 

 

 

 

 




ポケモン新作及び新ポケモン楽しみですがレイドは個人的に辞めてほしかったです。2月中にまとめたかったけどダメだった。悔しい。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第五章 冥界合宿のヘルキャット編 2

pixivのムーコラボ企画を優先しさらに途中で大幅に内容変更したので遅れました。申し訳ありません




リアス部長達は今頃楽しく観光しているのかなあ?と僕中島剣吾は現実逃避している。

 

なぜかと言えば一誠と一緒に紳士、貴族のマナーや歴史やら悪魔文字の読み書きなどを学ばされていたから疲労困憊だ。

 

一誠はともかく僕はそこまでする必要があるわけでないので正直あまり気乗りしないが真面目にやるしかない理由はあった。

 

万が一リアス部長と一誠が結ばれることになったらこれらの教養は必須だし成長していく上で身につけた方が良いのは明白だからこの機会にいいだろうというのもあるのだが最大の理由は……

 

「剣吾兄様、一誠さん大丈夫ですか?」と聞いてきたのはサーゼクスさんの御子息であるミリキャス君ことミー君。

 

僕がこんな風に呼ぼうと思ったのは何となくこの子がどこか昔の僕みたいに寂しそうな空気を感じたんだ。

 

後になって少し考えてみると彼は魔王のサラブレッドという事で誰も彼も魔王の子供としか見れなかったんだろうね。

 

だからどの立場でもしがらみが無い僕が出るしかないと思ったんだ。それが功を奏したみたいだ。

 

「すいません、ミリキャス様。お見苦しいとこを。」「……苦手な事ばっかりで自分が嫌になるよ。」

 

と割と真面目に落ち込んでしまう。「そんな事ないですよ。お二人とも初めてですのに一生懸命やってすばらしいですよ。」とフォローしてくれるミー君。

 

気持ちはありがたいが今優しくされると割と真面目に泣きそうなのでちょっとやめてほしい。

 

それから上級悪魔の会合とやらがあるらしく一誠はグレモリーの敷地を刊行していた僕たち以外のオカルト部メンバーと共に観光に行った。

 

僕はすることが無いのでミー君と遊ぼうかなあと思ったがどうやら用事があるらしく祖父母であるジオティクスさん、ヴェネラナさんと一緒に出掛けている。 

 

僕はどうするかとりあえず宿題をしていると伊藤さんが声かけてくれた。

 

 

 

「伊藤さん、どうしましたか?」「……あ、あの何か今お忙しいですか?」

 

「いや、特にすることは無いよ。」「そ、それでしたら出かける所があるので一緒について来ませんか?観光がてらに」

 

「案内してくれるんですか?ありがとう。絶対迷子になるから散歩もできなかったんで嬉しいです。」

 

「そうですか!では、行きましょう。」と何故かちょっと上機嫌になった気がしたがお互いちょっと準備してから玄関で待ち合わせる。

 

 

僕の方が早く準備できたので待っていたがふと気づく。これってまさかデート?デートなのか!?

 

まあ、向こうにはそんなつもりは無いだろうがあんな美少女と二人っきりで観光できるなんて実質デートみたいなもんだしな。

 

とちょっとテンション上がっていたが「「お待たせいたしました。剣吾さん。」」とフェアリーに乗ったコスモスさんと共に伊藤さんがやってきた。

 

保護者同伴ですよね~。そんな気がしていたよ。

 

どこかに転移されるとそこには巨大な番犬がいた。ってあれはまさか!?

 

 

「ケ、ケルベロス!?」その三つの頭を持つ巨大な犬ケルベロス。僕あれに襲われた苦い記憶が蘇る。

 

「大丈夫ですよ。大人しい子ですから何もしなければ襲ってきませんよ。」

 

 

「なる程……今まさに噛みつかれているがこれは懐いているって事でいいのかなあ?」

 

 

うん、懐いているだけなんだろう。きっとそうだ。飼育員ぽい人が必死に離そうとしているみたいだがきっと僕の事を気に入ったんだろう。

 

 

そんなじゃれ合いが終えるとぱっと見何の変哲もない森を歩く。

 

 

それから数分歩くととある場所に辿り着いた。まるで何かの遺跡の様にも見える。

 

 

「ここは?」「ここは数代前のモスラの巫女がある巨獣器を封印した場所です。」

 

 

「巨獣器使いを?冥界で封印したんですか!?」

 

 

「記録によれば精神を完全に怪獣によって支配させられ当時悪魔勢力と協力し封印しようとしていたのですが冥界のゲードを破り人間界から侵入を許しの地で封印せざるを得ませんでしたが結果的には寧ろ良かったです。」

 

 

「何故ですか?」「人間界ですとここまで強固な封印を維持するのは難しかったと言えます。実際信仰が薄れつつある現代だったら何らかの土木工事或いは災害で崩壊する可能性もありました。」

 

 

なる程ねえ。「封印されている間はどんな感じなんですかね?」

 

「「一種の仮死状態、或いは冬眠状態と言えば良いでしょうか?完全に意識がありません。」」コスモスさんの言葉を聞き

 

 

僕は封印されている場所を見渡しながら「僕も封印されたらこんな感じで眠るのか……」と特に意識することなく呟いていたみたいだ。

 

 

「剣吾さん、それって!?」伊藤さんが何故か焦った様な表情をしているのに気づき先ほどの独り言を呟いてしまったことを後悔する。

 

 

「き、気にしないで。封印されたらどんな感じなのかなあとちょっと予習も含め興味があっただけだから」

 

 

だが、どうやら僕の迂闊な一言は想定を遥かに超えて動揺させてしまったようだ。こんな素晴らしい人を曇らせるなんてこれだからモテないのだろう。

 

「と、ところでここに封印されている奴は何て怪獣なんですか!?」何とか話を逸らそうと辺りを見渡しながら慌てて聞いてみた。

 

「「ここに封印されているのはデスギドラです!」」「……何ですか?名前からして物騒極まりないやばそうな奴は?」余りにも悪役感満載の名前に思わず突っ込んでしまった。

 

 

「「デスギドラとは元々宇宙怪獣で惑星の命、特に植物のエネルギーを好んで捕食し最終的には星そのものの命を奪い取ります。」」

 

 

そう言うとフェアリーの触覚が光り壁を照らすと黒い三つ首竜が映し出される。 

 

「「本来は動物からはエネルギー効率が悪いので吸収しないのですがこの世界では悪魔を始めとした超常の存在も長寿の為かエネルギー効率が良いらしく積極的に襲い掛かり激しい戦闘の末封印に成功したという事です。」」

 

 

見た目通り随分物騒な奴だったんだね。「「所有者は完全にデスギドラに乗っ取られた状態でした。余談ですがデスギドラはマグマを操る恐るべき相手でした。」」

 

 

マグマを操るってマジか!?それってほぼ炎熱系最強クラスなのでは!?

 

 

僕の表情を見たのだろう。伊藤さんが笑いながら応える。

 

 

「大丈夫ですよ。封印は完璧ですから復活はありえませんよ。今その封印を確認していましたが万全ですよ。……良かったです。」

 

 

「「そうですね、今は特に……」」と伊藤さんとコスモスさんが何やら話し込んでいる。

 

 

おそらく口を挟まない方がいいからここは黙っているか。

 

 

そう思っていたら「後日アザゼル先生も含めた皆さんと合流した時に話したいので今は内緒です。申し訳ないですが。」と伊藤さんが謝ってきたので逆に驚いた。

 

 

「僕達が知っていい内容何ですか?深刻そうだから聞くつもりなかったんですが。」

 

 

「「ええ、本来余り人に知らせないほうがいいのですが皆さんには知っておくべき事だと思うので。」」

 

 

まあ、いいかと出ようとしたら再びケルベロスの餌食になりながらそんなことを考えていた。

 

その後伊藤さんも用があるらしくどっかに行ったので一人で自宅に戻り宿題をしていた。

 

 

普段ここまで勉強するタイプでは無いが何となく今の内に進めないと後日後悔しそうな予感がプンプンするので進めていた。

 

 

その時突如通信用魔方陣が展開される。……これ地味に使いにくいから個人的に好きじゃないのだが仕方がない。

 

 

それはともかく嫌な予感しかしないが通信にでると予想通りと言うか一誠の焦った声が聞こえてきた。

 

 

「剣吾!!助けてくれー!!磯野さんが!!」「待った!何が起こったか何となく分かった!分かったから聞きたくない!関わりたくない!」

 

 

そう言って拒絶するがそれを無視し一誠が詳細を話し始めた。

 

 

 

―――

 

 

 

事は十数分前に遡る。俺兵藤一誠は他の眷属共々部長に連れられ若手悪魔の会合にやってきた。

 

 

 

最後の身だしなみチェックと共に部長から平常心と無様な姿をさらさないよう忠告される。

 

 

 

その言葉に緊張して入り通路を進んですぐに部長が「サイラオーグ!」と集団の一人を見て話しかける。

 

 

 

こちらに気づくと近づいてきた。短い黒髪、紫色の瞳を持つ体格の良い野性的で俺たちに近い外見の男。

 

 

 

どことなく部長というかサーゼクス様に似ているような気がする。

 

 

 

「久しぶりだな、リアス。」と応える男性に対し部長が紹介する。

 

 

 

「皆紹介するわね。彼はサイラオーグ。私の母方の従兄よ。」「俺はサイラオーグ・バアル。バアル家の次期当主だ。」

 

 

 

バアルって魔王に次ぐ地位の『大王』の一族!俺でも知っているぞ!うわ、そんなすごい人なんだ。っていうかサーゼクスさんと部長って相当ハイブリッドな血筋のお方では?

 

 

 

今更ながら驚く俺を余所に部長とサイラオーグさんが話をしている。

 

 

 

「若いのは大分集まっているがグラシャラボラスがいつ他と揉めるか分からん状況だ。余りに下らなくでてきたわけだ。」

 

 

 

そう言った直後巨大な破砕音が聞こえてきた。

 

 

 

それを聞き「大方ゼファードル・グラシャラボラスがアスタロト、アガレスらに喧嘩を吹っ掛けたんだろう。」とため息を付きつつサイラオーグさんが自分の眷属を連れていくので部長と共に俺たちもその後を追った。

 

 

 

そして扉を開けた見た光景は俺の想像を超えていた。

 

 

 

まず眼鏡をかけた淡いグリーンがかった長いブロンドの美少女と緑色の髪をしているやさしげな雰囲気の美青年を中心にそれぞれの眷属と思える集団で固まっていたが顔を見えない者も含め全員青ざめた表情及び雰囲気をしている。

 

 

 

その視線の先を見るとそこには

 

「てめー!!よくも俺の酒を!!」と激怒してピアスだらけの顔や上半身に魔術的なタトゥーを入れ緑色の髪を逆毛にし如何にもヤンキーな見た目をしている男が血まみれでぐっだりしているがその首を片手で絞めながら持ち上げている。

 

そんなとんでもない事をしている人物の顔は思いっきり見覚えがあった。

 

「磯野さん!あんた何してんだ!」と俺は突っ込んだ。そう、この人は磯野敏博(いそのとしひろ)。留守番している義弟の剣吾の兄貴分的存在だ。

 

そして俺達オカルト部、生徒会メンバーの簡単な訓練をしてくれる教官的存在にしてアンギラスの巨獣器使いだ!ってこんなどうでもいい説明より

 

「何であんたここにいるんだ!!?」「今回の会合に相応しい料理を作るのに鈴が選ばれてな、その手伝い頼まれてきた。そしたらスタッフの女子にこいつが絡んできて止めようとしたら俺の酒を台無しにしやがったんだ!こいつ!」

 

「ゼファードル!?」俺と磯野さんの会話に部長が割り込み悲鳴を上げる!

 

「彼はゼファードル・グラシャラボラス。現魔王ファルビウム・アスモデウス様を輩出したグラシャラボラス家、その次期当主よ!」

 

つまり魔王様の血縁をボコったのかあんた!想像以上の事態に慌てた俺は剣吾に連絡した。

 

―――

 

剣吾は今目の前で映像を見ながら通信で「……ああ、やっぱりそんな事か。」と頭を抱えて言う。

 

「やっぱりって?」「磯兄と再会したから時々理愛さんとマイロンさんに時折連れまわさせて僕がいない間の事話していたけど予想通りの成長をしていたよ。」と苦々しい口調で話す。

 

「磯兄は小学生の頃から親の酒をくすねて飲むような悪ガキで大の酒好きなんだよ。だから酒を粗末にされたら尋常じゃなくキレるんだよ。

 

勿論、悪意が無い子供がひっくり返したり事故だったら落ち込むぐらいで済ませるけど喧嘩吹っ掛ける目的で粗末にされたらもう容赦なくボコボコにする。

 

理愛さんとマイロンさんの前では今の所命を奪ったり再起不能のレベルまでしたことないらしいけどそれ以前はどうだったか、かなり怪しいもんだ。僕と再会してから少なくても3回はそんな場面に遭遇したよ。」

 

何!?あの人そんなおっかないの!!?「怖いよ。」と俺の表情見て何が言いたいのか察したのか応える。

 

「正直将来はヤクザかマフィアか殺し屋だと思っていたからこれでも大分マシになっているよ。ま、真面な人生を送りたいなら関わらない方がいいタイプだね。」

 

「その割には普通に接しているな、お前……」

 

「……類は友を呼ぶというからねえ、一誠の義弟に磯兄の弟分だよ。一見まともに見えるけど僕も相当ズレた存在何だろうなあともう諦めているよ……」とどこか諦めた表情で遠い目をしながら言う。

 

つっこみたかったが今はそれどころじゃないと思っていた時だった!

 

サイラオーグさんが前に進み出て「その辺にしてもらおうか!いくらゼファードルが問題を犯したとはいえそれ以上やるなら俺が相手になるぞ?突然で悪いがこれは最終通告だ。」

 

「あん、何だてめーは!すっこんでろ!」次の瞬間遠くにいたはずのサイラオーグさんが一瞬で磯野さんの傍にいて顔面を殴り飛ばした!

 

その衝撃で思わずゼファードルを離したが数歩後退ったが踏みとどまり睨みつける磯野さん!

 

「……ってな、誰だ、てめー?」「俺はサイラオーグ・バアル。」

 

「サイラオーグ?どっかで聞いた名前だな?確かヴァ―リの奴が魔力を生まれつき持たず才能もないが鍛錬で新世代の悪魔で最強の存在になった男がいるって聞いたがてめーの事か?」

 

生まれつき魔力を持たない。それで同世代のライバルを追い抜き最強になるとは何て漢なんだ!

 

俺は思わず感動してしまった。「結構本気で殴ったのにまさか巨獣器を使わない段階でその程度しか効果が無いとは噂の通りの実力だな、”暴獣”磯野敏博。」

 

「その呼び名好きじゃねんだが。」と言う磯野さん。

 

”暴獣”磯野敏博 最初に聞いたときどこかで聞いた名前だと思ったが少し不良の道に入った人間からすれば半ば都市伝説になっている尋常じゃなく恐れられている人物だ。

 

その伝説は数知れず一人の100を超える暴走族を壊滅させた、単身でヤクザを叩きのめし結果的に組そのものを潰すなど本当に現実なのかって疑問視されるレベルの噂だったがどうやらマジらしい。

 

当の本人は最近までそう呼ばれていたことに気づいておらず結構嫌がっているが。

 

「バアルどっかで聞いた気がするが?」「魔王に次ぐ地位の『大王』の一族でござるよ。」と相変わらず間違った日本観丸出しの派手な忍者装束の格好をしているマイロンさんがいつの間にか俺たちの近くにいた。

 

「それは知っている。そうじゃなくて個人的にどっかで最近聞いた気がするんだよな?ってゆーかどこに行ってたんだ?お前ら?」

 

「少々野暮用でござるよ。新しい酒も用意したからこっちで飲みましょうぞ。」「ま、どうでもいっか。俺も気が済んだからこの辺にするか。」と言いマイロンさんと共にどこかへ行こうとする。

 

「しかし珍しいもんだ、魔力に頼らず強くなる悪魔とは。」と呟く。「そんなに珍しいか?」

 

「そりゃそうだろ。お前の方がよく知っているだろう。悪魔特に上級は生まれつきの才能、そして知識と経験で済ませるものが多いからな。ま、だから割と簡単に潰せるだがな。」

 

大したことないように話すと周囲の空気が変わった。

 

「……それはどうゆう意味だ?」「ああゆう才能に恵まれてそれに胡坐をかいている奴ら程それが通用しない事態では超簡単にメンタルが折れる。そこからは唯のサンドバックよ。ま、勿論例外もいるがな。」

 

そう言うともう興味なくしたのかマイロンさんと共にどこかへ行こうとする。

 

「待て!よくもゼファードルを!」とおそらくあのヤンキー、ゼファードルの眷属と思える男性が魔力攻撃が磯野さんに直撃した。

 

次の瞬間、眷属の顔面を拳がめり込みそのままの状態で床に叩きつけられた。頭を始め尋常じゃない血が大量に流れ出る……。

 

磯野さんは拳を引き抜きながら「俺としたことがまだ甘かったか。」と呟くとその眷属の足を掴み何の躊躇もなくへし折った!!

 

血塗れの顔面で思わず叫ぶ眷属だったが「うるせー!」と顎を踏み砕き嫌な音が響き渡る。

 

さらに続けようとするが止めるべく背後から殴ろうとしたサイラオーグさんの拳を肘打ちで止めながら聞いてきた。

 

「何のつもりだ?」「こっちのセリフだ!もう勝負はついた、なぜそこまでする。」サイラオーグさんが批判するが「甘い、甘いな。」

 

そうちょっと小馬鹿にしつつ磯野さんはこう応えた。「この手のタイプは徹底的にへし折たないと面倒な逆恨みでしつこいんだよな。そのせいで結局、チームや組とかの組織ごと潰すことになった事が何度もあるからな。」

 

「ちょっとあんた、そんな事してたの?」俺が思わず突っ込むが遠い目をしつつ「……俺も若かった。カツアゲしてきたチンピラを返り討ちにしたら次々兄貴分がでてきて面倒になったから一つ不良グループ潰したらその噂を聞いたら次々と挑んでくるようになってそれらを潰して今に至る。」

 

磯野さんはそうしみじみ呟いた。「なに良い話風に言っているんだ!?どこも感動する要素ないからね!」

 

「おお、いいツッコミだな。そういう訳でボコる。」とさらに痛みつけようとするが

 

「させんと言ったはずだが。」とサイラオーグさんが立ち塞がる。

 

少し黙っていたが「ま、お前にはちょっと興味わいてきたからいいぜ、相手してやるよ。」

 

そう言うと構える。「どういうつもりだ、巨獣器を使わずに俺と戦うつもりか?」そう、磯野さんは禁手(バランスブレイク)どころか通常の「暴竜の双針盾」(アンギラス・ショルダーガード)すら出さずに構えた。

 

その問いに「お前だって手足に力を制限する術式しているだろう?ま、喧嘩だから外せとは言わねえよ、だがそんな相手ならこっちもアンギラスの力を使わずに戦うさ。……安心しな。」

 

 

そう言い終わると否なサイラオーグさんの背後に一瞬で回り込み「こう見えてもアンギラスの力を使わなくもそれなりにできると自負しているつもりだが?」と言う。

 

それに対しサイラオーグさんは振り向きざまに殴りかかるが磯野さんは腕を掴むと投げ飛ばす!

 

だが、サイラオーグさんは素早く体を翻し地面に着地した瞬間距離を詰め繰り出したパンチを磯野さんは肘打ちで迎え撃つ!

 

しばし激しい打撃戦を繰り広げたが一瞬の隙をつき、サイラオーグさんの鋭い蹴りが磯野さんの腹部に突き刺さり壁まで飛ばされる!

 

だが、特に堪えた様子もなくあっさり立ち上がると「へえ~、やるじゃん!ヴァ―リと現ルシファーの息子ミリキャスぐらいしか若い世代では見所がないと思っていたが早計だったな。まだまだ今の世代も捨てたもんじゃないな!」

 

サラッととんでもない事を言う。「ちょっと、あんた俺達グレモリー眷属やシトリー眷属を指導しておきながら何言っているんですか!!」と俺は思わず突っ込んだ。

 

「将来性や知能はともかく現時点の戦闘能力ではかなり厳しいと思うぞ。」と悪びれる様子もなく本人がいる前で言い放つ。

 

「……力じゃ分が悪そうだな。じゃあ、折角だしちょっと面白い物を見せるとするか!」と言うと構えた。

 

すると激突音と共に今度は逆にサイラオーグさんが壁に叩き連れられた!

 

磯野さんがさっきまでサイラオーグさんがいた場所に拳を突き出した体勢をしている。その光景から察するからに先ほど同様一瞬で間合いを詰め殴り飛ばしたのだろうが全く見えなかった!

 

「い、いったい何をしたんですか?」そう聞く俺に対して磯野さんは

 

「高速移動したのは響転(ソニード)という歩行術だ。今攻撃したのは獣厳(ジュゴン)と言う拳を固め電光石火の速度で殴りつける技だ。」とあっさり教えてくれた。

 

え、そんな事できるの。「師範の実家は忍術を含む様々な格闘術を取り込みながら組み合わせていく流派でその結果超人的な力を身に付くでござるよ。」

 

「マイロン、うちの親父の話あんまり本気にしない方がいいぞ、どこまで本気何だか……。」マイロンさんの言葉に磯野さんが突っ込む。

 

「……貴方の強さの秘密はそれか?」「まあ、アンギラスが俺の力の全てでは無いというのは確かだな。」

 

サイラオーグさんの問いに応えた。「他にはこんなのがあるぞ。」と言うと超高速の蹴りを誰もいない場所に放つ。

 

次の瞬間壁に切り傷ができた!?その光景にびっくりしてしまった!!

 

「こいつは嵐脚(ランキャク)と言う。一言で言えば斬撃、衝撃波を飛ばす技だ。基本的に遠中距離に使う技で接近戦では使えない技だな。」と言う。

 

「これらは元々親父から教わったものに加え4年前、師匠から教わったものを組み合わせて完成した技だ。」「師匠?」「勝手に呼んでいるけどな。まあ人ではないが。」と応える磯野さん。

 

「あんたそれライザーの時余裕で勝てたんじゃないのか?」

 

「あれはあくまで巨獣器の力を見たがっていたからな。他の見せても仕方ないだろう。」と肩をすくめながら磯野さんはこう続けた。

 

「お前、全力で戦うって言ってからって空手の試合でマシンガンぶっぱつ奴いるか?それに何で俺が一々手札を全て使わなきゃいけないんだ?そこまで親切な奴にみるか?」と応え

 

「そんな事はいいから続けるか?」と獰猛な笑みを浮かべる磯野さん!それに対しサイラオーグさんも不敵な笑みを浮かべ、再度ぶつかり合う。

 

サイラオーグさんと磯野さんどちらも素手で戦う近接打撃格闘戦を得意としている。だが、戦闘方法はこうしてみると結構違う。

 

サイラオーグさんの体術は典型的な剛で愚直なまでに真っ直ぐで力強いものだ。

 

一方磯野さんは違う!パッと見ただけでも複数の異なる格闘術をマスターしていて変幻自在。剛柔併せ持ち繊細な技も使うかと思ったら技も何もない喧嘩スタイルの攻撃など多種多様で本当に同じ人間と戦っているのか疑ってしまうほど多彩な攻撃をしてくる。

 

ここまでは互角。いや、サイラオーグさんの方が若干押しているか?

 

サイラオーグさんの右正拳突きをした瞬間磯野さんが左手のひらを前に突き出しと同時に右足を一歩後ろにひき踏みとどめた。同時に当たったが大きく吹っ飛んだのはサイラオーグさんの方だった。

 

ただ手を突き出した磯野さんよりどう見てもサイラオーグさんの方が威力あったはずなのに何で?

 

「すごいわ~ね。彼、あそこまでパンチの力強いんだ~。」と場違いな能天気な声が上から聞こえていた。

 

視線を上にすると翼竜の翼をしたパーピィと言うのが一番近いのだろう。両腕に翼型の飛行ユニットを装着し空を飛ぶチャイナドレスを着た女性が舞い降りた。「鈴さん!」この女性は花沢鈴(はなざわりん)。

 

ラドンの巨獣器使いで今戦っているアンギラスの巨獣器使い磯野さんの婚約者だ。「私もいるわよ。」と話しながら鈴さんの背中に乗っていた人物が下りてきた。

 

見た目は小学生くらいの子猫ちゃんより幼い容姿をしているが実は磯野さんと同い年である女性。バラゴンの巨獣器使いである佐々木理愛(ささきりえ)さん。

 

「鈴さんあんた等どこにいたんですか?」

 

「厨房で料理作っていてマイロンさんと理恵姉は色々手伝いしていたよ。ダーリンは荷物運びをしたら暇だから酒飲んでいたわ。そしたら家の従業員にあのヤンキーが絡んできたからそれを止めようとしたら今に至るという訳よ。」

 

「いや、止めてよ!!」「ダーリンは家の子たちを助けたのよ。褒めこそすれ責める理由は無いよ。」と言い「それよりも今の技何なのか説明しようか?」と言い教えてくれた。

 

「今のは退歩掌破(たいほしょうは)って言うの。一前に突き出した腕と反対の足を引き地面につっかい棒のようについて固定することで体を一直線にするの。

 

そしたら相手はまるで地面に固定された柱に自ら突っ込んだ事に等しく相手の勢いが強ければ強いほど威力が高くなり吹き飛ばす俗にいうカウンター技よ。タイミングが難しいけど正確にやれば今みたいに絶大な効果がある奥義の一つよ。」と説明する。

 

「……なるほどな。これが噂に名高い”暴獣”磯野の力、見せてもらったよ。」「……予想していたけど頑丈だね~。」「だが、俺もバアルの男として負けるわけにはいかない。」

 

「?何でバアルの名前が関係あるんだ?」「お前に4年前、バアル家の者が敗れた。勝手ながらそのリベンジさせてもらうぞ。」そう聞いた瞬間磯野さんが必死に考えながら

 

「そんなことあったけ?」「「「いや、そん時いなかったから知らないから!!!」」」と鈴さん、マイロンさん、理恵さんのツッコミはその場にいた全員の感想だった。

 

「記憶にないの?」「これっぽっちも」俺の疑問に即答する磯野さん。

 

「そもそも戦った相手なんていくらでもいるからなあ。俺が負けたり苦戦した奴以外は基本記憶から消している。悪いね、記憶容量が少ないからどうでもいいものはどんどん削除しているんだ。」

 

「ふふふ、……まさかここまで相手にされていないとは正直思ってもいなかったよ。次期当主として否、男としてその態度が気に食わん。」

 

「……今初めて会う奴に嫌われても特に何も思わんけどな。」といい双方構えなおし緊迫した空気がながれ緊張していく。

 

再びぶつかると思った瞬間「はい、そこまで!」というのんびりした言葉と共に磯野さんが炎を浴びせられる!「磯兄何しているの?」

 

そう言いながら剣吾が歩いてきた。「お前やっと来たか!どこにいたんだよ!」

 

「転移されたのはいいだけど場所がわからず迷子になっていた。」俺の言葉にそう返す剣吾。

 

「鈴姐さん、ダメだよ。あなたがしっかりこの人の手綱を引いておかないと。トラブルしか起こさないんだから。」と鈴さんに注意する剣吾。

 

「おい、俺は無視か。」「どうせ平気でしょ。はい、皆撤収するよ。大事な会談があるんだからこれ以上邪魔しないように」と手を叩きながら言う。

 

「待て!俺はそいつと……。」「貴方たちバアルと磯兄の間にどんな因縁があるか知りませんが今は会談を優先したほうがいいと思いますよ。」その言葉にサイラオーグさん始めその場にいた若手悪魔が沈黙した。

 

「ま、このトラブルメーカーは責任もって退場させるから今日はこの辺で。」「じゃあ、これからお前も俺たちと飲みに付き合え。」その言葉を聞いた瞬間固まる剣吾。

 

「……未成年何で遠慮します!」と言うなりダッシュするが「壊風!!」と鈴さんが叫び両腕の翼から飛ぶ斬撃俗に言うカマイタチを放ち剣吾の首に命中する!!

 

「鈴姐さん!!ツッコミに斬撃は酷くない!?しかも首!?基本即死の部分だからそこ!!」

 

「ダーリンがこの程度なら大丈夫だって言うから」「磯兄、殺す気か!?」「そんな事より朝までコースに連行だ。よし皆行くぞ!」

 

それに鈴さんの従業員も含め歓喜の声に混じり剣吾の悲鳴が聞こえながら去っていくのをしばし呆然とその背中を見送った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




サトシ君遂に卒業かあ。寂しくなります。

書くかどうか分かりませんが4年前に現バアル当主と磯野は一度ぶつかり合い磯野の圧勝で終えました。この時サイラオーグや彼の母に対しどういう仕打ちをしたのか嘲りながら話した事にキレ徹底的に痛めつけ現当主からは憎悪と恐怖を抱かせました。

因みに磯野にとって余りに小物だったので完全に記憶から消えています。

サイラオーグとは単純な殴り合いなら彼の方が上だが磯野は割と器用な方なのでアンギラスを込みでお互い全力でやると少なくても獅子王の剛皮を使わないとサイラオーグに勝ち目はありません。

壊風 作中では翼だったが「大翼竜の剣」(ラドン・ソード)でも使用可能。カマイタチを放つ。名前はone-pieceに登場するカイドウの壊風、実際の技はキングの刃裏双皇(バリゾウドン)に近いものだと思ってください

当初鈴をここで活躍させようと思ったのですが書いているうちに出番消えたので残念です。見通しの甘さを痛感しました。

最後に剣吾が嫌がるのは酔っ払いの後始末させられるのが面倒だからです。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第五章 冥界合宿のヘルキャット編 3

気温差がやばくて体壊しそうです

最近MAD動画 君は完璧で究極のゲッターにハマっています


あの後酔っ払いどもの相手と後始末で完全に朝帰りの僕中島剣吾剣吾は精神的な疲労もあり今日はゆっくり寝るつもりだった。

 

それなのに何でこんな事に

 

あの後リアス部長率いるグレモリー眷属と生徒会長率いるシトリー眷属との試合を行われることが決定した。

 

そして今からアザゼル先生による特訓があるとのこと。「……。眠いから明日参加するよ。」

 

その言葉は当然のごとく聞き入られることはなく無理矢理グレモリー家の広い庭に連れてこられた。

 

お前はいいよな、あの後女湯に入ることができたんだろ!羨ましい!

 

最も伊藤さんに恐ろしい制裁をされたそうだが……。そう思っているとアザゼル先生が来て話が始まる。

 

「先に言っておく、俺がこれからお前たちに課すメニューは将来的なものを見据えてのものだ。即効性がある者もいるが、長期的に鍛錬し続けなければならない者もいる。ただ、お前たちは若い。方向性さえ見失わなければより良い成長を見込める。」

 

みんなと同じジャージ姿のアザゼル先生の口から今後の特訓課題を言っていく。

 

リアス部長は能力が高いから基礎のみで主にゲームの知識を身に着けることを優先すること。

 

朱乃さんと子猫ちゃんは同じ課題だった。己の中にあるものを受け入れ乗り越えろ。でないと仮に今回のゲームに勝てても先細りが明白だと。

 

朱乃さんは堕天使の事で何か言っていたけど子猫ちゃんもそう言えば猫又だっけ?何かあったのだろうか?

 

一誠が気楽に子猫ちゃんならできるよといい頭に手をなだる。が、すぐに払いのけられ軽々しく言わないでくださいと強い口調で言う。

 

空気を換えるようにギャスパー君にメンタル強化、木場君には禁手(バランスブレイカー)できる時間を少しでも長くすることを目標とし、さらに剣術を師匠から一から鍛えなおしてもらうことにしたのこと。

 

ゼノヴィアさんはデュランダルを使いこなすことともう一本の聖剣に慣れてもらうとのこと。もう一本の聖剣?エクスカリバーじゃないよね、じゃあ、一体何だろう?

 

アーちゃんには聖母の微笑(トワイライト・ヒーリング)の遠距離使用と基礎能力の向上が課題とされた。

 

「歌織は今あれだったか?じゃあ、今回はパスか?」「え、どうゆうことなの?歌織は修業しなくていいの?それともどこか悪いの?」

 

「いや、そうゆう訳じゃなくてな。何と言ったら言いか……。」

 

心配するリアス部長の言葉にアザゼル先生が言葉を詰まらせていると

 

「いいんです。皆さんにも知っておくべきことだと思うので。」と伊藤さんが言う。

 

「……いいのか?」「ええ、仲間として行動するには彼らも知った方がいいでしょう。」と応える。

 

するとアザゼル先生がいつになく厳しい表情で「言っておくがこれは最高機密だ。もし漏らしたらただじゃすまないぞ。」え、そんなやばい話なの。

 

「実はモスラは怪獣の中でも生命力、寿命がある方ではありません。寧ろ寿命が短く生命力は弱い方です。その為今私が宿しているモスラの寿命が終わりつつあります。」

 

え、そんな。巨獣器(タイタンギア)は宿主と密接に関係している。じゃあ、伊藤さんは……

 

「心配しないでください。モスラの方で命が尽きる寸前私から離れるので影響を受けません。そしてモスラは転生します。」サラッと言った言葉に全員が驚愕した。

 

「モスラは特殊な生物で命を引き継ぐには二種類の方法があります。一つは極一般的な生物の様に交配し子孫を残す方法。これは今は対の存在がおらずそもそも巨獣器では不可能です。」と言い

 

「そしてもう一つは自分自身が転生する、つまり卵から生まれ変わるというものです。この夏休みの間に転生し元の状態つまり成虫状態まで戻すつもりです。

 

元々時期は近いと思っていましたがカテレア戦の負荷が大きかったらしくこのタイミングになりました。最後の時は安らかにさせたいと思うので無理をさせるつもりはないので今回は参加しません。

 

転生中及び成虫になるまでは戦闘能力が不安定なのでこの事実を敵対勢力、特にX星人には知られるわけにはいかないので皆さんご了承ください。」

 

そうか、昨日話していたのはこうゆうことか。確かにこんなこと知られるわけにはいかない。でも僕たちに教えてくれるなんて信頼してくれたということなのかね?

 

ちょっと感動している僕にアザゼル先生が「次に剣吾、はっきり言ってお前が一番できがわるい。」と言い切った。

 

「だろうね。」と自覚しているだけにあっさり肯定したが一誠を始め他のメンバーからはそう思っていないようだ。

 

「そ、そんな剣吾は俺たちの中でも上位ですよ!」「それはゴジラが凄いだけ。僕自身は全然だよ。」

 

「分かっているじゃないか。今までのデーターを見たが隙がありすぎる!お前は0か10の戦いしかできていない。まずそこをどうにかしないと話にならないぞ!」

 

「そんな簡単にできたら苦労しませんよ。そもそも誰かを傷つけてまで勝ちたいと思うことがそこまでないからね。ま、この性格のおかげでゴジラが暴走しなくて済んだんでいいと思っていたんですね。そうも言ってられなくなりました。」

 

「そうだ!今後お前は禍の団(カオス・ブリゲード)、X星人から確実に目付けられるだろうよ。今まではその性格でどうにかなっていたがこれからはそれじゃあ駄目だ!」

 

「まあ、分かってますけどこっちは不器用なんで正直どんどん新しい目覚める力を使いこなすのに四苦八苦しているのが現状ですね。」

 

「ああ、その辺は磯野から聞いている。ま、とりあえずお前と一誠は同じだ。お前は通常の具現型形態そして一誠おまえは禁手に至らせる。」

 

「そんなんどうやってやるんですか?」一誠の疑問は正に僕の心の声だった。

 

「それはもうそろそろ……お、見えてきたな。」

 

アザゼル先生が見上げた空をみるとそこには……よくゲームや漫画など見る巨大なドラゴンそのものの姿がそこにあった。

 

「アザゼルか?よく悪魔の領地に堂々と入れたものだ。」しゃ、喋った。

 

驚く僕を他所に「魔王様直々に許可をもらったんだぜ、文句あるか?龍王から悪魔に転生した変わり者魔龍聖(ブレイズ・ミーティア・ドラゴン)タイニーン!」

 

龍王!?このドラゴンそんなに強いのか!?『懐かしいな、タイニーン。』

 

「ドライグ、いいのか?俺に頼むということが何を意味するのか。」

 

『ああ、分かっている。だが、ドラゴンの修業は実戦形式に限る。それにお前にも損はないはずだが?』

 

「確かにあの伝説の怪獣王を鍛えることになるとは想像すらしていなかった。こんなチャンス逃すわけがない。」と楽し気に言う。

 

よし、逃げるか!一誠もそう思ったんだろうがお互い逃げる前に捕まる。

 

「聖書に書かれているドラゴンの大抵はこいつの事だ。隕石クラスの威力の炎を吐く。こいつが悪魔に転生したから5大龍王と呼ばれているんだ。本来は6大だったんだぞ。怪獣もドラゴンも実践で強くなるしかない。気張れよ。」

 

そういうとアザゼル先生は手を振る。「あの山借りるぞ。リアス嬢。」「ええ、お願いするわ。」

 

「死なない程度に手加減するから安心するがいい!」そう言って無理矢理連れていかれた。

 

せめて明日にしてもらっていいですかー!

 

~~

 

「うわ~ん!」「泣くな一誠。いや、泣いてもいいが大声出すな。気づかれるリスクが増える。」

 

「お前は本当にどんどん逃げるのが上達していくな……。」とタイニーンさんから呆れた声色で炎を吐く。

 

この怪物ドラゴン、僕と一誠の攻撃は全然無駄。今一番攻撃力がある荷電粒子咆でも火の玉一発であっさり相殺されそれ以上に炎が命中し何度も黒焦げになった。

 

全然攻撃が通用しないし途中からあらゆる方法で逃げようとするが地中、水中含め全てが無駄。寧ろ大規模攻撃で却ってダメージが大きかった。

 

その後筋トレさせられ食料確保。ゴジラギアの力で大気中や周囲の水を集め浄化できるようになったので解決。毒とかも何となく分かるから二人の食料もばっちり確保。

 

どんどん野性的になっていくな。ああ、魔法の絨毯を持ってくればもっと快適に過ごせたのにと後悔をしまくっている。

 

何もしていないと動物が勝手に襲い掛かってくるからそれを返り討ちにするから肉に困らず魚も泳いで捕まえることが簡単だから専ら僕が食料調達を務めた。

 

今日も襲い掛かってきた猪ぽいものを仕留め戻るとアザゼル先生がいた。

 

一誠が夢中で何かを食べていた。聞いてい見るとリアス部長や朱乃さんを始めオカルト部女子が弁当を作ってくれたらしい。

 

伊藤さんも作ってくれたようなので僕はこっちを食べた。他のは一誠が食べたほうがいいだろうし。うん、美味しい!このお弁当!

 

涙がでてくる……。おい、一誠!てめーの方が多いだからこっちに手を伸ばすな、ぶちのめすぞ!!

 

数日ぶりの真面な食事にお互い無我夢中でかぶりついた。食べ終わると一誠と僕の文句を言うとタイニーンさんが鼻で笑いながら突っ込んだ。

 

リアス嬢の『兵士』(ポーン)になりたい人はいくらでもいた。一誠より優れた奴なんていくらでもいるのだろう。この程度の苦難で躓くようでは選ばれなかった者に対し申し訳ないと思わんか。

 

その言葉に一誠は顔を引き締めたのだが僕はそうゆうのが無いから正直モチベーションを持ちにくいというのが本音だ。

 

それからヴァーリが何をしようとしたのか教えてくれた。それは『覇龍』(ジャガーノート・ドライブ)と言い神器に封印された存在の力を強引に開放する禁じ手。

 

その力は絶大だが、寿命を大きく縮ませられる上、理性が失われ暴走するというとんでもないもので実際これが原因で亡くなった歴代の赤龍帝、白竜皇の適合者も珍しくないらしい。

 

ヴァ―リは膨大な魔力で制御できるらしいがアルビオンの反応からするとまだリスクがあるらしい。

 

そして赤龍帝、白竜皇の戦いは先にこの覇龍になった方が勝つ半ば早い者勝ちに近いと教えられ焦る一誠。

 

その後話が変わり一誠に朱乃さんを任せたいというアザゼル先生だが当の本人はどうゆう意味なのか全く伝わっていないのが残念すぎた。

 

そんな会話をしていると以前から疑問に思っていたことを聞いてみた。

 

「タイニーンさんはどうして悪魔に転生したんですか?」「どうしたんだ?急に?」

 

「龍王程の高位な存在がわざわざ別の種族になるなんて何か事情があるのではと思いまして。ドラゴンは誇り高い種族と聞いていたので。……聞いたら失礼の事でしたか?」

 

「いや、その疑問は当然だ。理由は2つ。一つは今の時代で様々な戦いができるのはレーティングゲームに参加するのがベストだと思ったからだ。」視線をどこかに向け

 

「ドラゴンアップルという果物を知っているか?」「いえ、知りません。」

 

「これはその名の通りドラゴンが食す果実だが、ドラゴンの仲間にはこれしか受け付けないというものもいる。しかし、人間界の者は環境の激変で絶滅してしまった。

 

もはや冥界にしか実らないものとなってしまったんだ。だが、ただで果実を分け与えてくれるものではない。ましてやドラゴンは悪魔にも堕天使にも忌み嫌われているのだから尚更だ。

 

そこで俺は悪魔となり上級悪魔以上にのし上がる事で果実の木が生える区画を頂戴したのだ。

 

上級悪魔以上となれば魔王から冥界の一部を領土とさせてくれる。そこに目を付けたのだ。」

 

「じゃあ、餓えかけたドラゴンたちはおっさんの領土に?」一誠が口を挟むと

 

「ああ、おかげで彼らは絶滅を免れることができた。それに人工的に栽培する方法も研究させている。特別な果実故困難だろうが、それでも未来につなげることができるのなら続けていくさ。」

 

「おっさんはいいドラゴンなんだな。」一誠が感動の声色を込めて称賛する。僕も同じだ。この人?は本当に立派な方だ。

 

「いいドラゴン?ガハハハハハ!そのように言われたのは初めてだ。しかも赤龍帝からの賛辞とは恐れ入る!しかしな、同族を守りたいと思うのは人間も悪魔もドラゴンもみな同じ。俺はそれに倣い、力なきドラゴンを救いたいと思ったにすぎんのだ。」

 

「すごいな。それに引き換え俺はただ、やみくもに上級悪魔になってハーレム眷属を作りたいって思っているだけだ。」 

 

「いや、若いうちはそれでいい。雄であれば雌や富を求めるのは必定。己の場を守ろうとするのも本能だ。それが動く原動力となるのならばそれでいいと思うぞ。だが、それを最終目標にするのはもったいないぞ。

 

強くなれば雌も寄ってくるし、守りたいものを守ることも自然とできる。問題はそのあとだ。ま、……若いお前たちにはまだ難し事だろうな。」

 

僕も一誠も黙って聞いていた。一誠は自分の目標、ハーレム王を目指すにも妄想ではなく現実に向かっていく必要性を感じたんだろう。

 

僕も同じだ。現状流されるだけでどうしたいか分かっていない。……未来かあ……。しばし思案した。

 

その後、一誠はリアス部長のお母さん、ヴェネラナさんによる社交界へのレッスンと強引に参加される。

 

アザゼルさんとタイニーンさんもちょっと用があるからしばらく自由行動と言われた。

 

僕は夏の時期、人間界に行きたい所があるのだが今は冥界だから無理だろうしなと思っているといつの間にかコスモスさんが傍に来て

 

「「剣吾さん、人間界で何か用を足したいのですか?」」と聞いてきたからビックリした。

 

「……どうして分かったんですか?」「「私たちは元々生物の感情を読み取るのが得意なので。人間界に行きたいなら私たちと共に来た列車に乗っていきましょう?」」

 

「それは有難いですけどいいんですか?今伊藤さんに無理できないのに?」

 

 

 

一誠と剣吾がいなくなってからアザゼルとタイニーンは剣吾について話していた。

 

「ここ数日鍛えてみてどうだ?感想は?」「何だ?あの歪さは?」「お前もそう思うか?」

 

「身に着けた技を覚えるのに四苦八苦して力の増大は微々だ。」そこで一旦口止めるとこう続けた。

 

「本人の性格かもしれないが危機回避能力に長けている。特に相手の動きを無意識に察している節があるな。気配を消すを始め所々で今の段階では習得できないはずの高等技術を習得している節があるな。」

 

「最大の欠点はやはり心か?」

 

「元々攻撃的な性格じゃなかったらしいが必要な時以外はやる気がないな。ゴジラを宿していることから暴走しないことを恐れガチガチにロックしているようなもんだな。それがあったから安心できたんだが……。」

 

「それが例え俺レベルの実力者でも憎い相手出なければ全力を出せないという訳か?」

 

「そもそも相性が良くない。ゴジラの本質は動。普段のあいつは典型的な静のタイプだ。根本的に合わないのだろう。ただ、コカビエルを初めあいつが本気で戦うときは動だった。」

 

「だが、今まで訓練して見たが奴は紛れもない静のタイプだったぞ。これについてはどう思う?」

 

「おそらくだが、自然に使い分けているんだろう。完全に無意識だから下手に意識させるとかえって持ち味を殺してしまうな。」

 

「中々面白いタイプだぞ。もう少し見守りたいがそうも言ってられんのだろう?」

 

「ああ、このままでは不味いから0と100以外の戦い方をマスタ―してもらわないとな。」

 

「全くだ。最近は火を始め水や電気などを扱う力を日常生活を快適過ごす道具ぐらいにしか思っていないからなあ。」

 

「……あいつ、怪獣王を何だと思っているんだ?」

 

とアザゼルとタイニーンは剣吾の事を呆れつつ今後の方針について話し合った。

 

 

 

 

 

 

 




次回全く関係ない話がさし込めれますが温かい目で見持ってください。

剣吾君はロボットアニメで言うところの機体は初期のままで武装も一切変わりませんがOSなどがアップデートしているみたいなもんだと思ってください。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第五章 冥界合宿のヘルキャット編 4

最近MAD動画 君は完璧で究極のゲッターにハマっています

だからこんなことをやってしまった。後悔はしていない。

今後SSにするほどまとめることができない小ネタを作中劇としてだすかもしれません。

作中のOPが君は完璧で究極のゲッターになります

今回初めて歌詞導入しようと思いましたがイマイチ使い方が分からないそもそも替え歌禁止なので恐らく曲名だけで誤魔化すスタイルになると思います

剣吾の両親の名前の由来はゴジラvsデストロイアに登場する伊集院 研作(いじゅういん けんさく)と初代ゴジラの山根 恵美子(やまね えみこ)からです 

後書きは一切無視してもらってかまいません


そんな話しているとは夢にも思わず僕中島剣吾とコスモスさんは来た時のグレモリー家専用列車により地上に移動する。

 

「すいません、付き合ってももらって。」「「お気になさらずに。こうして一緒に移動できてうれしいです。」」「でも何で直接魔方陣で移動しないですか?」

 

「「我々は部外者ですから同伴者に悪魔などの冥界関係者がいるならともかくX星人始め敵対勢力と誤認しないためにもこっちを利用した方がいいんですよ。」」

 

成程。宿題は屋敷に置きっぱなしだしなあ。「「すいません、テレビ見てもいいですか?」」ちょっと悩んでいるとコスモスさんがそんな事を言い始めた。

 

「テレビあるんですか?この電車!」すごいな。そう思っていると画面がでてきたのでチャンネル操作をし始めるが何分人形サイズの大きさだから操作しにくそうだったので替わった。

 

「何見るんですか?っていうかこれって冥界と人間界どっち入るんですか?」

 

「「どっちも見れますよ。何度も乗ったことがあるので。」」成程と思っていると見たいという番組が始まった。

 

これは……アニメか?へえ、以外。何となくニュースとか音楽とかかなあと思っていた。

 

OPを見てちょっと驚いた。こ、これはゲッターの子!?

 

ゲッターの子 それは未婚の母にしてカリスマアイドル星野アイが人知れず産んだ双子ルビー、アクアはなんと生前彼女の大ファンだった医者と患者の転生者だった。

 

この二人は前世の知識がありお互いに転生者だと知っているが生前の知り合いだとは気づいていない。

 

ここまでならただのアイドルアニメ、又は日常アニメだと思うかもしれないが星野アイは双子の前で謎の三人組に殺害される。

 

二人にも凶刃が迫る中突如謎の光が二人を包み巨大ロボ、ゲッターのコックピットにいた。

 

そこでアイを殺した者の正体はかつて地球に住み宇宙に進出した恐竜からした進化した恐竜人による帝国恐竜帝国

 

異次元からこの世界に進出した太古から鬼と呼ばれる角を生やした人類とは異なる進化をした種族で形成された軍事国家百鬼帝国

 

おそらく昆虫から進化したと思われる異星人の集団アンドロメダ流国による連合軍によるものだと判明する。

 

彼らは定期的に地球の資源を採取し、この時多くの人命を半ばゲーム感覚で歴史上何度も奪ってきた。

 

彼らにとって人類は簡単に潰せる取るに取らない存在でいつでも滅ぼせる雑魚だったが彼らの天敵であるゲッターが人類を守護、及び敵対種族の殲滅を決定する。

 

その結果未来で滅亡寸前まで追い詰められる。そこで人類をゲッターが人類を守る切っ掛けを探った。その結果星野アイこそがすべての始まりだと知る。

 

彼女はゲッターの愛を受け花嫁となりそしてゲッターの申し子こそがアクアとルビーである。

 

連合軍の目的はゲッターの嫁とその血を受け継ぐ子供を抹殺することで人類とゲッターが接触しなかった世界を作ることなのだがゲッターの妨害で子供が生まれる前の時代に行くことができず当時の自分たちに情報や技術を伝える事で計画をなそうとしている。

 

という傍から聞くと訳が分からない設定だ。安心しろ、多分原作者も含め誰も分かっていない!

 

だが、滅茶苦茶強引な流れだが有無を言わせない映像で黙らされてしまいさらに話を進めるたびに謎がどんどん出てくるので誇張抜きで展開が全く読めない!

 

アクアとルビーの最終目標は人類を脅かす悪意を人知れずゲッターで倒し母アイが死ななかった世界にするのが目標である。

 

なのだが、そもそもゲッターってなんだ!?これの説明が一切ない!単純にロボットの名前だと当初思っていたのだが、アイがゲッターとの間に子供を産みアクアとルビーは二人?の子供と明言されているから宇宙人か何かとも思ったが一切人の姿を見せないので本当に謎!!

 

僕も気にはなっていたが一話を見逃したから後でレンタル借りてまとめて見ようと思ったが

 

「「大丈夫ですよ!良くも悪くも数話飛ばして見たところで一切解りませんから!!」」

 

……おそらく人間より知能が高いであろうコスモスさんが解んないってどうゆうことなんだろう?それでなぜここまで人気があるのだろうと疑問に思っていたが自分で見るときの為に深入りはしなかった。

 

因みに一誠を始め友人から聞いたが傍から聞いてもよく解らなかった。なぜこれで最低視聴率が20%を超えるのか解らないが放送されて一か月足らずで日本だけでなく世界的にカルト的な人気になっている。

 

まあ僕はネタバレとか気にしない性格だからこの機会に見てみるか。と軽い気持ちで一緒に見た。

 

 

―――

 

「……まさか、こんな展開だったとは。」僕は溢れる涙を拭いながら号泣していた。

 

「「あの二人が転生者に選ばれたのはこんな理由があったなんて……こんなのズルいです!」」とコスモスさんも涙を流していた。

 

今回の事でゲッターロボの名前と言い合体前、変形合体した3つの姿があるのだが何故か敵対する恐竜、鬼、虫の姿をしているのはこうゆう理由だったのか。

 

漸く解ったよ。これは頭では理解できない。だが、心で……否!魂で判る!!考えるんじゃない、感じるんだとはこうゆう事なのか!

 

やっと解ったよ!だが、この展開で来週は休載で持ち越しなんて生殺しもいいところだ。

 

しばし気持ちを落ち着けると「しかし意外ですね。お二人がこうゆう番組を見るなんて。」普段からどこか神秘的な雰囲気をしているお二人が今ので何となく親近感を持つようになった。

 

「「ええ、歌織と一緒に楽しく一緒に見ていますよ。」」「伊藤さんも見ているの!!?」

 

正直全然イメージが無かった。そうゆうのには縁が無いと思っていたので本当に意外だった。

 

僕の顔を見てコスモスさんがちょっと苦笑しつつ

 

「「歌織は元々前の学校の友人や定期的に面倒を見ている地域の子どもたちから一緒に見てから好きになったんですよ。私達は百合の影響ですね。

歌織も私達も剣吾さんが思う程特別な存在なんかじゃ無いですよ。前々から薄々感じていましたが剣吾さんは私達を少々特別視しすぎですよ。」」

 

そう言われちょっと思い当たる節があった。出会った当初から特別な聖獣モスラの巨獣器を宿した巫女ということもあり自分より格段に優れている彼女に対してどこか憧れと尊敬の感情を持っていたのは確かにそうだ。

 

だが、そういう風に見られても息苦しいよな。ミー君もそうだと思ったから親しみを込めて接していたのに同じ失敗をしていたとはと反省し後悔した。

 

ちょっと自己嫌悪し落ち込む僕に対しコスモスさんが「「剣吾さんは先程のアニメどこが気にいりました。」」と気分転換させようとしたのか話題を変えた。

 

「そうですね。全体的にどれもレベルが高くて面白かったですが……」「「どうしたんですか?」」

 

「何故かわからないですけどゲッターとZの言葉を聞くと何故か妙な胸騒ぎを感じるんですが?」

 

このアニメを知るまで一切知ることがないはずなのに何故か記憶から消したはずの嫌なトラウマというか苦い記憶を掘り起こらせるような感覚がある……。

 

「もしかしてゴジラはこの世界に来る前にゲッターやZ兄貴が言っていたZに相応しい魔神と戦ったことがあったりするんですかね?」

 

「「まさか、これはアニメつまり創作で実際にゴジラと戦う事なんてある訳じゃないですか!」」

 

「そうですよね!!」とちょっと軽く笑いあう。

 

「「歌織は一番歌を気に入ってますね。」」ああ、あれか。OPで歌詞がフル再生され映像と共に流れEDも同じという事で合計で10分近くかかるのでその分本編が短くなるので普通なら絶対文句が出るはずだった。

 

だが、映像が毎回情報が更新されるので今やOP、EDを飛ばして見る奴はモグリと言われるほどだ。

 

何より印象的なのは序盤は完全にアイドルという感じの可愛らしい歌詞と映像だったのにサビでいきなり漢の魂を熱くする歌と共に完全にロボットアニメの映像に切り替わる。

 

傍から見ると全く別の歌詞を組み合わせた様に思ってしまうが怖いくらい違和感が無いのでこうゆうものなんだろう。

 

確かに歌が上手い伊藤さんには興味が持つのは自然かもしれないな。

 

「コスモスさんはどんな所ですか?」「「そうですね、私たちは――――」」と地上に戻るまでしばらくの間ゲッターの子について熱く語り合った。

 

――――

 

地上に着くとコスモスさんに転移してもらい目的地にたどり着いた。少し感傷的な気持ちになりつつこう言った。

 

「お盆には早いけどただいま……父さん、母さん。」そう言って墓の前にいた。

 

そうここは墓地。そして墓石に書かれているのは実の両親の名前中島研作(けんさく)、恵美子(えみこ)が刻まれていた。

 

墓石を奇麗にしているとふと気づく。初めて一人でいや、正確にはコスモスさんがいるから一人じゃないけど兵藤家が一緒でなくくるのは初めてだなあと思うと何となく感慨深いものを感じた。

 

静かに手を合わせ合唱する。まさか本当に神様仏様がいる世界だったとは流石に驚いたよ。

 

別に信じていないわけではないが悪魔や堕天使同様実際に人と同じを姿をしているらしい。

 

……僕は果たして一緒の所に逝けるのだろうか?

 

「父さん、母さん。あれからもう10年近く経つんだよね~。早いもんだよね。僕は母さんの親友であった兵藤家に引き取られてすっかり馴染んで今では完全に家族だと思っているよ。」

 

僕が産まれて一、二年まで当時兵藤家と中島家は近所だったらしく特に母親同士はお互いに協力し合う親友だったらしい。

 

2歳の僕は体が崩しあまり動くことができなかった。そんな時丁度父さんの親つまり祖父母が亡くなったことを知る。田舎の方が空気が良く体調にいいかもしれないと思い地元に帰省することを決めた。

 

そこで親しくなったのが磯兄だ。磯兄には随分世話になった。まあ、その分厄介事にも巻き来られたが。

 

それから運命のあの日までの数年間両親は祖父母から継いだ畑を守りながらオンラインで様々な大学や学者と何かの研究をしていたらしい。

 

僕はまだ子供だったのもあってどんな研究か分からないけど確か生物を大きくする研究をしていたらしい。

 

詳細は分からない。後で聞いたのだが夏休みの日両親は懐かしい親友つまり兵藤家に会いに行こうとしたんだ。だが道中運が悪く土砂崩れに巻き込まれた。

 

そこからはあまり覚えていない。気が付いた時にはベットで寝ていた。最初に目にしたのは義父さん、義母さんが泣きながら僕の顔を覗き込んでいた。

 

そこで僕は両親が死んだことを伝えられた。死んだ時の損壊が激しく絶対に見せてくれなかったがそれは正しい判断だろう。絶対トラウマになる。

 

幸いというか僕はこの時何故かすんなりその死を受け入れることができた。今にして思えば死に顔を見ていないのによく受け入れたもんだと当時の自分を褒めてやりたいぐらいだ。

 

そこから兵藤家に引き取られて家族の一員になった……。

 

少し懐かしみながら今胸に抱えているものを報告すべきかちょっと悩んでいた。

 

今までは実際にいるかどうか分からなかったし死んでからでないと再会することもないので割と愚痴とかも報告できたけど実際に魂というか死後の世界があると分かったら伝えていいのか悩むものがあった。

 

仮に伝えたところで何の力にもならずただ心労ばかり与えるだからか辞めておくかと思い直した。

 

が、「「剣吾さん、御両親に伝える事があるのでは?」」「……天国にいるであろう両親に要らない心配をかけさせたくないんですが……まあ、もう知っているかもしれませんし自分の口から伝えますか。」

 

コスモスさんに諭された部分もあり、やはり今年になって僕たちに起きた大きな出来事を伝えた。

 

「……今年になって僕と義兄一誠にとって大きな出来事がありました。もしかしたらもう知っているかもしれませんが落ち着いて聞いてください。

 

一誠は神器(セイクリッド・ギア)正確にはその中でも特に強力な神滅具(ロンギヌス)と呼ばれるものを宿したんだ。その結果一度は命を奪われ悪魔に転生しました。

 

今は同じ学校の先輩でオカルト部のリアス・グレモリー部長に仕えて一人前になるべく精進しています。

 

あ、悪魔と言っても良い人たちなのでその辺りは心配しないでください。」と伝えると僕についても伝え始めた。

 

「僕も一誠と似たような状況で巨獣器(タイタンギア)というものを宿しています。しかも僕のはその中でも特に危険視されているゴジラというものです。

 

これから先どんな風になるか分かりませんが……僕はこのゴジラを宿した最後の適合者になるつもりです。だから……だから、多分貴方たちと一緒に会うことはもうないでしょう。

 

正直に言うといつ僕が封印されるかと思うと怖くて仕方がない、不安しかない。で、でも……だからこそ、せめて貴方たちの子供として恥ずかしくない生き方をしたいと思います。

 

ま、僕も一誠も今ドラゴンのお偉いさんに鍛えられているだけど悲鳴上げて逃げ回るしかできない情けない姿しか見せれないから立派な姿を見せるのはいつになるかって話だけどね。」とオチを付けて両親への報告を終えた。

 

「付き合ってもらってすいません。でも、付き添ってくれたのがお二人で良かったです。もしこれが家族やオカルト部を始めとした友人と一緒だったらこんな風に伝えられなかったと思うので。」

 

「「……前々から気になっていましたけど剣吾さん、あなたは何故私たちの事をそこまで信頼しているんですか?」」

 

「あんまり意識したことはありませんでしたが確かに身近な”大人”として信頼しているのは貴方たちか滝川さんのどちらかと思います。初めて会った時からそんな風に感じたんですよ。何故かと聞かれると説明できませんが。」と僕は応えた。

 

ここまで弱音や不安を率直に話せたのは間違いなく彼女たちだったから話すことができた。でなければおそらく両親にゴジラの事を伝えることができなかっただろう。

 

そう言い終えると冥界に戻った。剣吾はこの時気づかなかったが、コスモスが剣吾の両親が眠る墓石を意味ありげに見ていた。

 

――――

 

翌日、デスギドラを封印していた場所に人影があった。その周囲には警備していた者たちがどこにも襲撃があったのを報告すらできない短時間で制圧されていた。

 

驚くべきことに誰も命を奪うどころか致命傷すら与えずに制圧したのがたった一人だという事実だった。

 

白くて長い髪と顎鬚が特徴的でかなり高齢なはずなのに抜身の刃を彷彿させる大柄で恰幅のいい日焼けした貫禄ある老人でマタギを思わせる服装をしている。

 

その姿は正に長き時を幾多の戦場を潜り抜けた老兵そのものを体現した姿をしていた。

 

「さて、実験を開始するとするかのう。目覚めるが良い、デスギドラよ。」そう言いながら遺跡にセットした爆弾の起爆スイッチボタンを押した。

 

遺跡が爆発すると爆煙の中で何かが蠢く怪しい影が見える。

 

それを見届けると「第一段階は成功した。これより経過観察する。攻めるなら好きにするがいい。我々の目的はもう済んだ。」とどこかに伝えた。

 

「J(ジャック)様!」といつの間にか彼の背後に数名のX星人がひれ伏していた。

 

そのうちの一人が「これで禍の団(カオス・ブリゲード)に貸しをつけましたね。」

 

「そんな事はどうでもよい。こ奴なら我々が確かめたい事へのうってつけの相手じゃろう?これではっきり分かるじゃろう。後は基地に戻って映像で様子を見るとしよう。」そう言うと全員が空間転移した。 

 

 

 

 

 




これは作中劇として出すだけで本編とは一ミリも関係ありません


今後作中で紹介する作品は原作とは少し異なる内容にしていますが、これにはある裏設定がありますが本編に反映させるかどうか一切考えてないので期待しないでください

全く覚えなくていい設定ですが興味がある方はご覧ください。

ゲッターの子設定

ゲッター壱号 何処となく恐竜を思わせる形状をした戦闘機

ゲッター弐号 何処となく鬼を思わせる形状をした戦闘機

ゲッター参号 何処となくカブト虫を思わせる形状をした戦闘機 唯一正パイロットが不在の機体

ゲッターレックス 恐竜というより怪獣を思わせるフォルムをした巨大ロボ。最も地上戦で力を発揮し単純な戦闘力は一番高いが遠距離は口から放つビームのみで格闘戦特化。
そのビームも威力が高すぎて危険とどうにも使いどころが難しい機体。

ゲッターオーガー 鬼を思わせる角を生やした人型巨大ロボ。最も空中戦に優れており重力を無視した飛行を可能にし手にした斧で敵を切り裂く。

ゲッターヘラクレス カブト虫を思わせる形状をした人型巨大ロボ。最も水中戦を得意として火力に長けており最も多彩な攻撃手段を誇る。

ゲッター閻魔 名前だけで詳細は一切不明だがその存在は敵対連合軍にとっては正に地獄の王そのもの。ゲッターの意志とはこのゲッター閻魔の意志と言って過言ではない。

登場人物

星野アクア 前世が産科医・雨宮吾郎の記憶を引き継いだ転生者。母である星野アイの生粋のファンだったため彼女の息子として生まれたことに歓喜していたが目の前で彼女を殺されてから復讐の鬼になる。半面世代間格差に苦しむなど人間臭い部分も見られる。
前世では通り魔に殺されたとされていたが……ゲッター壱号の正パイロットにして現在確認されている唯一乗れる男性パイロット

星野ルビー 前世が難病に侵され早くに亡くなった天童寺さりなの記憶を引き継いだ転生者。元々は雨宮吾郎の患者で彼に恋心を抱き彼を星野アイのドルオタにさせた元凶。お互いに転生者だと知っているが前世からの付き合いだとは気づいていない。
彼女の娘として生まれたことに歓喜していたが目の前で彼女を殺されてから復讐の鬼になる。前世では未知の難病によりその命を亡くしたはずだが……ゲッター弐号の正パイロットでB小町メンバーを含め一番パイロットに選ばれる回数が多い。男は雨宮吾郎にしか興味ないせいか両性愛者を思わせる描写が見られるが真偽は不明

星野アイ カリスマ的人気を誇るアイドル 16で出産し20の時に命を奪われた。彼女が死ななかったことにするのが子供達及びゲッターの目的
敵対連合軍からすれば彼女の存在によってゲッターが人類を庇護するようになったので全ての元凶
愛に飢えた少女で愛を理解できないがそれ故に愛してるという嘘を真にするためにアイドルになった。
ゲッターの事を神様にして旦那様と呼んでいたらしいがその真意は今もって謎 その遺体は連合軍の基地にありこれを取り戻すことが当面の目的

Z兄貴 このアニメのOPでアイとデュエットしている謎の人物。作中でもアイとコラボしているがその姿を観客はおろかスタッフにも一切見せることなく何処からか歌声が聞こえてくる。
基本関係者も姿を見ることがない。アイ及びその場にいる人命に関わる事態になったとき現れるがその姿も着物に仮面で隠した謎の人物。因みに仮面は頻繁に変わる。
ギャラは全てアイが受け取るか一切受け取らない。名前のZはアイに言われたキャラ付で語尾にゼットと言う為いつの間にかそう呼ばれるようになった。
本人としてはZに相応しいのは生涯の友にして永遠のライバルである原初の魔神が使うべきものだからと余り乗り気ではない
プライベートでは赤いマフラーと革ジャンを着ているらしいが真偽不明。今は亡き伝説のアニソン王のステージ衣装だといえば大体あっている。 正体はゴーストではないかと噂されているが真偽は不明 アクアとルビーからは彼が父親じゃないかと疑問視されているが当人からはアイの口から聞いた方が正確だといい明言していない。ゲッターに最も詳しい存在。

敵対勢力

恐竜帝国

恐竜人(爬虫人類)恐竜から知的生命体に進化した種族でかつて地球を支配していたが科学の発達で地球を汚染させ生存に困難になったので宇宙に進出した。
その後は定期的に地球の資源を採取するようになった。人類を後から生まれた猿、モルモットとしか見ていない。後に百鬼帝国とアンドロメダ流国と同盟を結んだ。

百鬼帝国

鬼と呼ばれる生やした人類とは異なる進化をした種族。恐竜人の後に地球を支配していた種族。後に環境の変化で異次元に拠点を移すが定期的に地球の資源を採取するようになった。地球人を見下している。恐竜帝国、アンドロメダ流国と協力し全宇宙の支配を目論んでいる。その手段としてゲッターに目を付けたが逆に壊滅の被害を受けた。原作と異なりこれらの勢力の軍事力は同等で上下関係はない。

アンドロメダ流国

昆虫から進化したとおぼしき異星人。宇宙に進出した恐竜帝国、百鬼帝国と意気投合し同盟を結ぶ。それ以降地球を定期的に襲来し殺戮を繰り返す。未来の地球で遂に資源を絞りつくし人類ごと滅ぼそうとするがゲッターが人類の味方になったことで形勢逆転し一転し滅亡寸前まで追い詰められた。
そこでゲッターと接触する前の人類を滅ぼそうをするがゲッターに察知され中途半端の時代までしか戻ることができなかった。
起死回生の手段としてゲッターが人類を守護する元凶である星野アイ及びその子供であるアクアとルビーを抹殺を企む。彼らの遺体を使えばゲッターそのものを封印できる可能性がある。
真偽は不明だが当のゲッターそのものが言及しているので信憑性は高いらしいが?

アイドル活動とゲッター線

ゲッターと触してから星野アイがアイドル活動をしている目的が増えた。一つはアイドル活動で人々の心の闇を歌と踊りで祓い、清める神楽としての一面。
これは敵対勢力が人間の負の感情を利用しそのエネルギーを増幅させアンチゲッターフィールドを形成に利用される。それ故人々の邪気を歌と踊りで祓い、清める一種の神楽として活動している
後にこの役目は娘のルビーが引き継ぐことになる。
もう一つはアイ及びルビーの歌と踊りには感知不能なレベルの微細なゲッター線が含まれておりこれにより人類をゲッターに適合させようとしている。
さらに敵対勢力に通じ今回の襲撃を手引きしている者が彼女の周囲にいたのでそれが誰なのか突き止めるために子どもたちは芸能界に入る。まあ、サクラ大戦の帝国華撃団みたいなもんだと思ってください。

アンチゲッターフィールド
一定時間ゲッターの力を阻害する空間を形成する。この空間が閉じる前にゲッターチームが完全撃破できなければこの空間内で起こった破壊や死が現実のものになる
この空間ではゲッターエネルギーが減少しているのだが元々がハイスペックだからあんまり関係ない。
アンチゲッターフィールドは人間の負の感情を利用して作られている。
本来はコストが悪く他のエネルギーの方が圧倒的に効率がいいのだがそれ以外のエネルギーは使った瞬間ゲッター側に感知させるのでアンチゲッターフィールドを形成したからでないと兵器を運用できない。
また負の感情を集める為手っ取り早く直接破壊活動するのも勘づかれるからできず結果芸能界などでヘイトを集めるように故意に演出するなど当人達からもかなり回りくどい方法でしか動けないので不満を募らせる。
最大の欠点は核を中心に形成され時間内に核を破壊されるとそれまで形成時の事象が全て発生前の状態にでき鍵を手にすることができる。詳細は不明だがこの鍵を集めれば敵の本拠地に行くごとが可能らしい。
この鍵こそがアンチゲッターフィールドを発生させる文字通りの鍵で双方から諸刃の剣としての面がある。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第五章 冥界合宿のヘルキャット編 5

ゲッターから推しの子にハマりました。インディ・ジョーンズの新作がでるので楽しみです


「さあて、今日も辛い一日になりそうだ。」「朝からマイナスな事言うな。ますます気が滅入る。」と僕中島剣吾と一誠が互いに愚痴を言いながらタイニーンさんの所に足を運びそこからいつもの訓練が始まるはずだった。

 

突然魔方陣が目の前で形成され小型のモスラであるフェアリーに乗ったコスモスさんが僕達の前に現れた。

 

突然の事態に僕たちが戸惑っていると

 

「「緊急事態です!!現在『禍の団』(カオス・ブリゲード)の一派が冥界に侵入しグレモリー眷属を含め複数の悪魔が迎撃しています!」」

 

その言葉に全員が衝撃を受けた。アーちゃんやリアス部長達も既に戦っているのか?

 

一誠が「すぐに俺たちも行こう!!」と言うがそれを遮り「「待ってください!!そして今デスギドラの封印が解けました!!」」その言葉に僕は思わずショックを受けた。

 

デスギドラって昨日伊藤さんと一緒に見に行ったあそこか?封印が解けったってどうして?

 

「「恐らくX星人の仕業だと思われます。現在デスギドラはドラゴンアップルの森を進行中!!歌織は既に封印すべく立ち向かいました!!」」

 

「何だと!?あの森を!!」タイニーンさんが怒りと驚愕の感情、焦りが混ざった声色で叫ぶ!!

 

「「タイニーンの背中に乗ってください。そのまま近くの上空に転移します。今近くに転移すると危険なのでこの措置にしました。詳しくは移動しながら説明します!!」」

 

慌ててタイニーンさんの背中に乗り少し飛ぶと転移する。

 

転移した先の景色にタイニーンさん含め僕たちは大きなショックを受けた。眼下に広がる広大な森の半分近くが壊死している……。

 

それだけでなく幹から大きく裂けていたり根子ごと引き倒されたものさえあった。

 

「も、森が!大切なドラゴンアップルの森が!!」

 

「「急いでください!!デスギドラを止めようと歌織と共にドラゴンさん達も抵抗していますが歌織は今万全でない状態なので正直かなり危険です!!」」

 

「分かった。任せろ!ここからでも分かる、この禍々しさが嫌でも伝わる。ここまでの邪悪さ邪龍でもそうそう見ることはないぞ!」そう話しながらも高速で僕たちを乗せつつ飛行するタイニーンさん。

 

その時さらに事態を悪化させる事をタイニーンさんが思い出す。「そう言えば確か今日ルシファーの倅がここに視察するはずだった!まさか巻き込まれていないか!」

 

「「ミー君が(ミリキャス様が)!!?」」まさか彼が来ているとは思っていなかった。只でさえ伊藤さんの事が心配なのにこの上ミー君にまで何かあったら!?

 

悪いことばかり想像してしまい気持ちが焦る。

 

すると目の前に複数のドラゴンが倒れているのが見えた!全員息はあるが大分衰弱している?

 

「お前達、大丈夫か!!」とタイニーンさんが倒れた一匹を抱きかかえる。

 

「タ、タイニーン様……。わ、我々よりモスラの巫女を。彼女はルシファーのご子息を庇われている。一刻も早く援護を……。」

 

そう言っていると近くから爆発音が聞こえ悲鳴を上げながら伊藤さんが吹き飛ばされてくる!!

 

「「伊藤さん(歌織ちゃん)!!」」と僕と一誠が思わず悲鳴を上げ近寄る。

 

酷い……。[極光虫の聖武装](モスラ・アームズ)の服があっちこっちボロボロで特に背中の翅は千切れかかっている部分も見られ、見るも無残な有様だった!

 

慌てて近寄ろうする僕達だったが他でもない伊藤さん自身が「私の事より彼を!!」とよく見ると両腕に何かを抱えていた。それに気づいたとき思わず叫んでしまった!

 

「「ミリキャス様(ミー君)!!」」一誠と僕が同時に悲鳴を上げた。

 

「大丈夫だ、怪我はない。気を失っているだけだ。」タイニーンさんの言葉で一先ず安堵した。

 

「タイニーン様はミリキャス様と負傷された皆様を安全な場所にいち早く避難させて……気を付けて!来ます!!」と突如、伊藤さんが警告の声を上げた。

 

その直後、目の前の枯れた大木が吹き飛んだ!そこから出てきた姿に思わず目を疑ってしまった!

 

一言で言えば人型の爬虫類俗に言うリザードマンのドラゴン版差し詰め竜人とでも言うべきなのだろうか?

 

黒い表皮、鋭い爪、長い尻尾、三つ首の姿……以前コスモスさんに見せられたデスギドラの姿にそっくりだ。

 

それだけに曲がりにも人間と同じ二足歩行に適した体型がしているのに違和感を覚えるのは元の姿を知っているためだろか?

 

こいつがデスギドラ……いや、怪獣に魂を食われた巨獣器使いの末路って訳か……。

 

予想はしていたとはいえここまで人間としての姿を失うのをこの目で見たのは正直かなり動揺している。

 

将来自分がこうなるぞって暗に言われているみたいだ。そんなことを胸に抱きつついつの間にか出現していたゴジラギアの感触を確かめつつ様子を見る。

 

……なんでだろう?おそらく向こうも感じているだろう。妙に気に食わない!

 

「貴様!!よくも大事な森と同胞を!!」激昂したタイニーンさんが口から空一面を覆いつくすほどの巨大な爆炎が放たれた!

 

何つー威力だ!!俺たち要らないじゃないか?普通にそう思ってしまったが

 

デスギドラの三つの頭から同時に赤い光線を放つ!光線は合体、増幅しつつタイニーンさんの炎とぶつかり合う!完全に互角!

 

冗談だろ!タイニーンさんの炎は隕石の衝突クラスの威力だぞ!!?

 

仮に俺達の存在で全力を出せなかったとしてもあいつこれでもまだ全盛期の力を持っていないんだろ!?これが怪獣の力……!!

 

この世界を壊しかけた怪物の力だというのか?この結果に怯むどころかさらにヒートアップするタイニーンさんだったが

 

「タイニーン様!ミリキャス様や皆様を速く安産な場所へ!この場で皆様を一度に避難できるのはあなたしかいません!」

 

伊藤さんの言葉にタイニーンさんは若干躊躇したもののすぐに負傷者を背負い「なるべく早く戻る!!それまで何とか生き延びろ!」

 

そう言うと素早く飛び上がった!!

 

卑劣にもその背中にデスギドラが光線を放とうとするが大気中の水を集めて掌サイズ程の大きさにした水の塊を野球ボールの様に投げ飛ばす!!

 

見事デスギドラの腹に命中し数メートル後ろに吹っ飛ぶ!思ったよりダメージを与えたらしく口から放とうした光線が口の中で暴発し苦しむ。

 

その隙にタイニーンさんは無事に皆を連れて避難できた。それは良かったが……当然怒っているわな。

 

完全に敵意丸出しの空気全開でデスギドラが俺を睨む。ご丁寧に三つの頭全部が俺を見ている……。

 

せめて時間稼ぎぐらいはできるかと思いつつも一誠に「伊藤さんを頼む。もし僕がダメだったときはその時はよろしく。」

 

「剣吾!?ここは二人で協力して……。」

 

「こいつを相手にするには君は体をドラゴンに変える必要がある。そうでもしないとこいつには対抗できない!それはできれば避けたい!それにこいつが弱っている伊藤さんを放っておくとは考えにくい!……何より」

 

俺は一端口を遮ると「幸か不幸かどうやらコイツ俺に異常な敵意を抱いているようだからな!」と言い終えるや否やタイミングを合わせたようにデスギドラが襲い掛かってきた!

 

――

 

俺、兵藤一誠は剣吾が一人少しでも俺や歌織ちゃん、タイニーンさん達の方に行かないよう時間を稼ぐべく逆方向に誘導しつつ交戦するのを見持っていた。

 

本音で言えば俺も一緒に戦いたかったが歌織ちゃんも大分衰弱している。もし下手に援護して歌織ちゃん達が狙われたらシャレにならない!

 

デスギドラからしたら自分を唯一封印できる歌織ちゃんを始末しようとするのは自然な事だからな。それだけは断固阻止しないと!だけど、いざとなったら……

 

「……イッセーさん!今のうちに赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)で倍加してください。タイミングを見て私に譲渡を!」歌織ちゃんが突然声を掛けてきた!?

 

 

戸惑う俺を他所に「もうモスラは後一回の攻撃をすれば力尽きるでしょう!ですからその最後の攻撃を隙を見て最大限高めて放ちます!」「そんな事したらモスラも歌織ちゃんも!」

 

もの残り少ないモスラにそこまでの負荷をかけたらと躊躇する俺にコスモスさんが

 

「「イッセーさん!!モスラの事は気にしないでください!覚悟はすでにできてますしまた転生します!それよりもデスギドラです!!

 

もし、ここで封印が完全に解かれてしまえば直接的な被害だけでなく植物が枯死することによる間接的被害を含めるとどれほどの命が失われるか分かりません!!どうかお願いします!」」

 

そこまで言われると断ることもできず指示に従いながら剣吾の戦いを見守った……。

 

デスギドラの口からそれぞれ赤い光線が放たれる!剣吾は攻撃から必死に躱しつつ火消しをメインに幻雪光を放つ。

 

後で聞いたのだがこの時剣吾は幻雪光の幻覚効果と周囲の炎を鎮火させるつもりだったと言っていた。だが

 

デスギドラは微かに戸惑ったようだったがおぞましい笑みを浮かべると地面を力いっぱい踏みつけた!

 

するとデスギドラを中心に地割れが発生しマグマが噴き出てきた!!?剣吾は直撃こそ避けたものの余波だけでもダメージは無視できない!

 

いくら熱に強くなったとはいえ流石にマグマクラスにはひとたまりもないだろう!

 

だが、そんな中でも剣吾はマグマの避けつつもデスギドラの懐に入りゴジラギアを銀色に輝かせた拳、振動拳を叩きこんだ!

 

一瞬瞬不自然に停止しすぐに全身から血を吹き出しつつ吹き飛ぶ!!流石にこれはダメージがあったらしく苦痛の悲鳴という鳴き声をあげるデスギドラ!

 

その隙にゴジラギアの刃を展開し右側の首を切り落とした!!よし!これであいつも相当なダメージを与えたはず!俺がそう確信した時だった!!

 

「「剣吾さん!!気をつけてください!!」」とコスモスさんから警告の声をあげる!

 

どうゆう事だと戸惑っていると左の首が剣吾に巻き付いたと思ったら邪悪な笑みを浮かべ自爆した!?

 

その爆発に加え、血?ともかく体液がまるで溶かした金属のような……いや!あれは正にマグマだ!

 

飛び散った体液が森だけでなく石や地面にすら触れると燃えるもしくは溶けてすらいる!何だこれは!?

 

「「デスギドラには命や形が無いんですよ!!」」「命や形が無いってどうゆう事ですか!?」俺がコスモスさんに聞くと驚くべき事実を知らされた。

 

「「デスギドラは元々宙のエントロピー増大の傾向から生まれた負の存在でその実態は意志あるマグマ状のスライムみたいなものと考えてください。その為死という概念が無いんです!!」」

 

な、なにー!!じゃあ、あいつは実質不死身というか不滅の存在という事なのか!?

 

「「その証拠に、見てください!!デスギドラを!!」」

 

言われるままデスギドラを見ると目を疑った!

 

飛び散った肉片や血がマグマ状に変化し剣吾の方に集まったと思ったらまるでロープに縛られるように剣吾を締め付ける!!

 

そのままの状態で無くなった首の断面にくっつき気が付けば元の黒い龍の首に戻り剣吾を締め付けていた!

 

デスギドラがさらに剣吾に噛みつくと剣吾から光と共に何かが奪われていくのを感じた。あれはオーラ?なのか?

 

「「いけません!あのままでは剣吾さんの生命エネルギーをすべて奪われてしまいます!!」」コスモスさんも慌てて言う。

 

どうにかしないと思った時だった。「返せ!」そう言うと全身から紫の放電しデスギドラを感電する!

 

まさかこんな反撃するとは予想外だったのだろう。怯んだデスギドラに対し先程奪われた生命エネルギーを奪い返しつつ荷電粒子咆を真ん中の頭部目掛けて放つ!!

 

真ん中の頭ごと身体にど真ん中に大きな風穴を開ける!いくら不滅といっても苦痛は感じるらしく悲鳴を上げる。

 

剣吾も結構むちゃしたらしく追撃できず荒い呼吸を整える。デスギドラがダメージから回復するのと剣吾が回復するのはほぼ同時だった。

 

「……成る程ね。お前さん、確かに不滅かもしれんがだからといって最強という訳でも無敵でもという訳でも無いんだろ?その姿がその証拠だ!」と突然そんなことを言う。

 

どういうことだって戸惑っている俺達に説明するように少しこっちにも目線を向けつつ

 

「さっきエネルギーを奪い返したときにデスギドラ自身の記憶かそれともゴジラのものだったか分からないけどこいつは本来いた地球でゴジラの祖先と戦ったことがあるらしいんだ!

 

結果はゴジラの圧勝!お前は力を取り戻すには千年単位では済まない年月が必要だったんだろ?」

 

剣吾の言葉にデスギドラは低く唸るだけだけだった!

 

「他四獣もそうさ!全く相手にならなかった!不滅ってだけで向こうからすれば唯の動くサンドバッグ同然だったんだろ?何よりもお前のその姿そのものがお最強じゃないいう事を自分自身で認めているいい証拠だ!」

 

剣吾がデスギドラを指さしながらこう言った。

 

「これはおそらくお前の記憶だろうが一瞬だったが鮮明に記憶に刻まれてたよ!お前は雷を操る金色の龍に完敗しそして憧れたんだろう?

 

そいつに再び会って仕えたいって気持ちが溢れていたよ!そしてお前の記憶を見て確信したよ、どれだけ自分がゴジラの使えないのか理解させられた!」

 

ゴジラギアに目線を移しつつこう呟いた。「ゴジラの属性は炎、それを使えないと話にならない。特に雷は金色のに比べると雲泥の差と言わざるを得ない。」

 

そう答えつつ先ほどからデスギドラの口から放たれる赤い光線や灼熱の火炎をゴジラギアの刃で切り裂きながら向かっていく!!

 

……っていうかアイツ、ものすごい自然に炎を斬っていないか?そんな事いつの間に出来るようになったんだ!!?後に聞いてみると何となくできる気がしたとの事。

 

するとデスギドラは光線を3つの首から同時に放ち回転、増幅させて打ち出した!剣吾は斬ろうとしたが踏ん張りがきかず吹き飛ばされる!

 

激突寸前爆破を連発して空中に浮かび上がりつつ距離を詰める!するとデスギドラが三つの口から炎を吐きつつ球体状にまとめる。次第に肥大化させつつ巨大な火の玉になり剣吾に放つ!

 

剣吾もこれはマズいと思ったのか迎え撃つべく荷電粒子咆を放ち巨大な火の玉とぶつかり合う!

 

 

しばし拮抗していたが徐々に火の玉が荷電粒子咆を押し切り、遂に剣吾の方が力負け火の玉の直撃をくらってしまった!

 

直撃した炎は剣吾を中心に燃え盛る巨大な火柱がそそり立つ!その光景小さな噴火を思わせる光景だった!

 

心配でたまらなかったが叫ばなかったのは自分で自分を褒めてやりたい気分だった!

 

剣吾が何で避けもせずに荷電粒子咆で巨大な火の玉とまともにぶつかり合ったのか……それは

 

「歌織ちゃん今だ!!」俺は限界まで高めた譲渡の力を百合ちゃんに託した!

 

「剣吾さん!一誠さん!!ありがとうございます!!これが私の全力です!!」歌織ちゃんはそう言うとデスギドラの足元と上空に巨大なモスラの紋章が描かれた!!

 

地面から無数の光の鎖がデスギドラを縛り上げ動きを封じる!!デスギドラも明らかに動揺し抵抗するが最早どうすることもできない!!

 

「このまま簡易の強制封印します!!効果は一時的ですがモスラの転生を終え戦力を整えた後に改めて封印をします!今はそれまでの時間稼ぎができれば十分です!!」

 

そう説明している間もどんどん動きを封じられるデスギドラ!!遂に全身を光の鎖でがんじがらめにされもう姿が見えない!!これならいける!!

 

そう思っていた時だった、突如歌織ちゃんが荒い息を吐きながら座り込む!!

 

さらにモスラギアも消失してしまう!「……すいません、モスラの寿命が尽きました。後数分持ってくれれば成功できたのに!無理させてこの結果とは……。」

 

「「歌織!!悔いても仕方ありません!今は」」その時だった、デスギドラを縛っていた光の鎖を力尽くで引きちぎり封印を破ってきた!!

 

そして立ち上がることもままならない百合ちゃん目掛け容赦なく三つの首から赤い光線を放った!!

 

俺は割って入ることすらできず、歌織ちゃんが為す術がなく爆炎の中に消えていった……!!

 

「歌織ちゃんー!!」

 

 




デスギドラ

世界大戦前の時とある土木作業員がデスギドラの巨獣器を宿し精神と肉体を乗っ取られて暴走し半解放された姿で黒い竜人というべき姿をしている。
冥界のゲートに侵入したがそこで悪魔と協力した当時のモスラの巫女に封印された。
デスギドラは元々はマグマ状の不定形で、宇宙のエントロピー増大の傾向から生まれたマイナスエネルギーそのものと言ってもいいが今の黒い三つ首竜の姿に変わったのはとある存在に遭遇しそこで格の差を思い知らされた事でその敬意と次会ったときに奉仕し、眷属として受け入れてほしいという願望が込められている。
植物の生命エネルギーを奪う事で結果的に星を死滅させている。この世界では超常的な存在からも生命エネルギーを奪い取る。因みに動物は少なく効率が悪いので積極的に取ろうとはしない。
炎やマグマを操り武器にする。本来の世界では元々はペルム紀に地球を訪れたがゴジラの祖先に完敗しモスラによって封印された。

その後現代社会で封印が解かれる。この時地球防衛軍とモスラが協力し再度封印に成功する。

この事が怪獣と共存する社会を模索する一歩になった

火砕流撃弾 光線化した火砕流というべき赤い光線。基本技だが火砕流、溶岩流そのものと言っても過言でないので極めて高温かつ殺傷能力が高い

火龍重撃波 口から吐く灼熱の火炎 こちらの方が攻撃範囲が広い

天怒爆突 体の一部を爆発させる事で、背中などの死角から敵を吹き飛ばすと同時に大きなダメージを与える一種の自爆に近いが不滅なデスギドラにとってはすぐに再生できるのでほぼノーリスクな技になっている

剛烈駆雷震 地割れを起こし、地下のマグマを噴出させる。

三重渦撃砲 3つの首から同時に火砕流撃弾を放ち回転、増幅させた技

炎龍旋風撃波 本来は三重渦撃砲をさらにスピードと回転を増したものだが三重渦撃砲含め映像化されていないのでぶっちゃけ作者の技量では書き分けで無いのでここでは巨大な火の玉にしました。
元ネタは大体わかると思いますがone-pieceに登場するポートガス・D・エースの技炎帝です。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第五章 冥界合宿のヘルキャット編 6

遂にアニメでニカが登場し興奮しています。コナンとone-pieceのアンコール上映嬉しいです。

今月ポケモンのDLCが始まるので更新は今後遅くなると思います

先月中に投稿したかったが随分遅くなりました。見通しが甘くて嫌になります


俺、兵藤一誠の目の前で仲間の一人である巨獣器を封印する役目を持つモスラの巫女である伊藤歌織ちゃんがデスギドラの攻撃で爆炎に消えたいったのをただ叫ぶことしかできなかった!

 

「「そんな……早すぎる!!」」とコスモスさんが驚きの声を上げるのは当然な事だった!!

 

二人からすれば産まれたときから知っている子を失ったんだからショックはどれほどのものか察することすら俺にはできなかった!!

 

こいつ、ぜってー許せねえー!!ドライグ!!俺の全身をドラゴンに変えてくれ!!

 

「……いいのか、もう戻れないぞ?」後のことは後で考える!!歌織ちゃんの敵討ちしなければ!!

 

「「一誠さん!!落ち着いてください!歌織は生きています!」」コスモスさんの言葉で我に返った俺。

 

「「モスラの転生は本来亡くなってから数日の期間を得て転生するのですが今回は歌織の命を助けるために今この瞬間に転生しました!見てください!!」」

 

その言葉で冷静さを取り戻し歌織ちゃんがいた場所を見るとそこには人間サイズの卵があった。それも虫ではなく爬虫類や鳥類を思わせるタイプの卵だった。

 

「「モスラが転生するとまず卵に覆われ次にそこから孵化し幼虫の時つまり禁手(バランスブレイク)状態になる事が出来ません。とにかく孵化を早める歌をうたいますので時間稼ぎをお願いします!!」」

 

デスギドラもまだ歌織ちゃん、『モスラ』が生きているのに気づいたのだろう。歌織ちゃんが入っている卵を狙いを定め俺が止める暇も無く炎を吐く!!

 

炎が歌織ちゃんに迫るが直前で炎を不自然に止まりやがて消し飛んだ!

 

一体何がと敵味方関係なくその場にいた全員が疑問に思ったがよく見ると金色に輝く光の壁……バリアーが形成されているみたいだ?

 

いや、よく気が付くと今見えている景色が黄色く霞んで見える。まるで黄砂みたいだ。いや、砂というより塵みたいだから差し詰め黄塵というべきなのだろうか!

 

そう思っていると次第に黄塵がデスギドラの周囲に集まった次の瞬間、黄塵が消えたのと同時にデスギドラの体から無数の黄色いや、金色に輝く鋭利な結晶体がデスギドラを内部から無差別に貫きながら成長するように伸びた!!

 

数秒後には風化し消滅したが今のは無視できないダメージだったはずだ!ダメージが回復しきれないデスギドラに突如、強力な冷気が放たれ一瞬で氷像になってしまった!

 

驚いている俺たちを余所に攻撃を放ったと思われる方向を見てみるとゴジラギアの刃が銀色に輝かせながら剣吾が振動拳で氷像になったデスギドラを粉砕した!!

 

「はあ、はあ、ちょっとは効いたかマグマ野郎!!」と息を荒げながら剣吾は悪態をついた。

 

よく見るとあっちこっち焦げた跡があるものの致命傷はなさそうだ。

 

「剣吾、お前大丈夫か!?」「大丈夫じゃなくてもやんないとまずいでしょ!さっきみたいな事は絶対に避けないといけないんだから!」

 

そう言いつつマグマ状に変化させつつ元の姿に戻りながらも剣吾に襲い掛かったデスギドラを大気中から集めたと思われる水の塊を拳に纏わせつつ殴り続けた。

 

普通水蒸気爆発するはずなのにそんな気配どころか蒸発や沸騰する気配すらなくまるでボクシンググローブをはめているみたいに水を纏い続け殴り続ける。

 

これでどうやらデスギドラのマグマそのものと言ってもいいぐらい高温の体にもその熱を感じることなく攻撃できるみたいだ。

 

時折歌織ちゃんや俺にもデスギドラが攻撃を加えようとするがその度に剣吾はバリアーを張って攻撃を防ぎつつ相手をしていた。

 

そうこうしているうちに気づけばコスモスさんの歌が終わった。すると卵が動き始め少しヒビが入ったと思ったら一瞬で卵の殻が吹き飛び歌織ちゃんが出てきた!

 

どこも怪我も火傷もしていない健康的な姿で安心した。「剣吾さん、イッセーさんご心配かけました!もう大丈夫です!」と力強く事得た。

 

「「歌織!無理はしないでください。今の貴方は禁手できない状態なのですから。」」「分かっています!コスモス様!ですがこれくらいの事ならできます!」

 

そういうと「極光虫の指輪」(モスラ・ギア)から七色に輝く糸を放ちデスギドラの動きを封じる!

 

しかもデスギドラが糸に触れた瞬間苦しみ始めた!?なんだと思っていると糸の一部が岩に触れるとジュウジュウと音をたてながら溶け始めた!?

 

え、何?デスギドラを超える熱があるわけがないし、毒か?と疑問に思っていると剣吾が糸の匂いを嗅いで驚きながら叫んだ!

 

「嘘!?もしかして酸を含んでいる!?」じゃあ、相手を高速と同時にダメージを与えることができるのか?

 

だが、苦しんでいたデスギドラだったが身体の一部自爆し拘束を焼き切り無力化させた。それを見て剣吾が「成る程、熱とかで糸を焼き切ればいいのか……。」とちょっと感心していた。

 

「何、感心しているんですか!!」と歌織ちゃんに突っ込まれる!!

 

その間にも歌織ちゃんはモスラギアから緑色の光線を放ち、俺もドラゴンショットをやっているが一切怯む気配がない!

 

すると歌織ちゃんが俺の手を握ると「静かにしてください。」という。

 

何か変わったのかと戸惑っているとコスモスさんが「「見事です、歌織!一種の光学迷彩になっていて今貴女達の姿は周囲に溶け込んでいます!」」

 

そんなこともできるようになったのか!!「ですがマズいですね。このままでは打つ手がありません。剣吾さんがいるから辛うじて足止めできていますがこのままでは時間の問題ですね。どうにかしなければ」

 

焦りの色を隠すことができずに歌織ちゃんが切羽詰まった表情で俺に言う。

 

確かに剣吾がずっと俺達を庇いながら戦っていた。正直もし俺が全身ドラゴンになっていたとしてもあそこまで戦うことができたのか疑問だ。

 

ただ、一つずっと疑問に思っていることがあった。「剣吾の奴、何を迷っているんだろう?」

 

「どういうことですか?」「剣吾がデスギドラと戦い始めてからどんどん新しい能力に目覚めてきました。でも、ずっと何かを迷っている気がしているんです。何かを使うかどうかずっと……」

 

そう言っている時だった!デスギドラの背中から大きな翼が生えた!

 

それを見てコスモスさんが慌てた。「「マズいです!デスギドラが完全体に成長しました!このままで飛行できるようになれば被害エリアが想像できないレベルで拡大します!!」」

 

そんな、このままでは!!「イッセーさん!また私に譲渡を!今度こそ封じて見せます!!」

 

「でも、歌織ちゃんに負担が!」「応援は期待できない!それ以外方法はありません!お願いします!」

 

「……待って、伊藤さん、一誠。一回俺にやらせてくれ!ダメだったらその時お願いする!!」そう剣吾はいいながら何か覚悟を決めた顔をしながら言った。

 

するとゴジラギアを纏っていない左腕を上しながら気合いの声を上げる!それと共に右手のゴジラギアが発光し輝き始めた。左手も同じく輝くと『怪獣王の籠手』(ゴジラギア)と機械音が響いた。

 

すると左手にもゴジラギアの籠手を纏っている。右手もゴジラギアを纏っている。

 

「「もしかして、ゴジラギアは左右揃って初めて巨獣器の具現型として完成するものだったのかもしれません!」」

 

コスモスさんも驚きながら言う。つまり剣吾は今漸くちゃんと巨獣器を使えるようになったという事か?

 

剣吾が青白い光を全身から強く発光させると同時に強大な力を感じる。デスギドラも完全に剣吾に注視していた。

 

デスギドラも飛びながら剣吾に赤い光線を放つが剣吾の右足に紫電が流れると上空のデスギドラに向かって蹴る動作をすると紫色をした光刃を放たれた。

 

プラズマカッターとでも言うべきだろうか?その光刃はデスギドラの左翼を含めた左半身を切断し叩き落とした!!

 

悲鳴を上げながら落ちてくるデスギドラに追突する前に左アッパーでぶん殴り再び吹き飛ばす!

 

すると今度はゴジラギアを白く輝せ強力な冷気を放ち落下途中のデスギドラをそのまま動作で巨大な氷の柱に閉じ込めた!

 

直後、氷の塊を正拳突きし粉々にした!す、すげえ……。あいつ、こんな力があったのか?

 

だが、ここまで圧倒しているのに剣吾には余裕がない。というかどこか焦っているような気がする。どうしたんだ、いったい?

 

そう俺たちが思っていた時だった。デスギドラが体を半ばマグマ状に変化しつつ復活してきた。

 

地面を踏みつけると地割れが起きマグマが噴き出てきたのだが……。

 

ゴジラギアを黄色に輝かせ黄塵を発生させる!黄塵が集め地割れやマグマに集まると地割れやマグマを埋めていく!?

 

いや、埋めるというよりまるで時間を巻き戻しているか、消しゴムで消したみたいにマグマが無くなったみたいだ!!

 

この結果にデスギドラも戸惑った様子だったが三つの口から同時に光線を放ち回転を加え増幅させて打ち出した

 

それに対し剣吾はゴジラギアを銀色に輝かせつつ明らかに攻撃が届かない程離れているのに殴りつける動作をした……?

 

すると、空間にヒビみたいなものができる!?その”ヒビ”は拡大しながらデスギドラの光線とぶつかり合い激しい衝撃音が響きあう!

 

しばし拮抗していたが”ヒビ”が光線を押しのけデスギドラに命中する。

 

次の瞬間、”ヒビ”が消滅するとデスギドラに凄まじい衝撃波となって吹き飛ばさた!!

 

なんて威力だ!!あそこまで行くと振動拳改め超振動波とでも言えばいいのだろか!?

 

岩壁にめり込んだデスギドラに対しそれまでボコボコにされた恨みがあったのか、それとも百合ちゃんやミリキャス様たちを危険な目に合わせて怒っているのか、多分両方だな。

 

こっちが少し引くレベルで殴る蹴るのラッシュが止まらなかった!

 

散々ボコられ少しグロッキーになっているデスギドラの左右の首を掴むとそのままジャイアントスイングし投げ飛ばし地面に落下する直前で荷電粒子咆により腹に大穴を開けつつ吹き飛ばした!

 

ここまで剣吾が圧倒しているように思っていたがよく見れば呼吸が荒く球粒のような汗も大量に流れて辛そうだった。

 

おそらくあの状態で長時間いる事自体相当の負担になっているんだろう。一方デスギドラはここまでやられ多少疲労の色が隠せなくてもまだまだ戦えそうだ!

 

やっぱり不滅なんだ!どれだけ破壊しても復活するんだ!このままじゃ……。

 

焦る俺たちを余所にデスギドラがまたあの巨大な火の玉いや、”太陽”とでも言うべきか?

 

”太陽”を放とうとするデスギドラに対し剣吾は覚悟を決めた表情をするとゴジラギアが青白く発光し始めた!それを見た瞬間デスギドラが露骨に動揺し始めた。

 

「あの光、まさか……。」と歌織ちゃんも息を吞む。俺も初めて歌織ちゃんにゴジラの恐ろしさを教えられた過去の映像が蘇る。まさか、あれは?

 

”太陽”が先に放たれ剣吾の目前に迫った時ゴジラギアの右掌部分から青い光線、いや青い熱線が放たれた!!熱戦を放った直後左腕のゴジラギアが消滅し剣吾は立つこともままならず呼吸を荒げながら座り込んだ。

 

熱線はあっさり”太陽”を消滅させデスギドラに命中するとそのまま体の一部をまき散らしながら空高く吹き飛ばしやがて大爆発した!!

 

その瞬間冥界特有の紫色をした空がまるで地上だと誤認してしまう程青一色に染まった!!

 

爆発があった場所をよく見ると空の一部に穴みたいなものができてしかもそこから何やら見たこともない不気味な景色が穴の中から見え隠れしている。

 

「「あれは次元の狭間ですね。ゴジラによる放射熱線の威力により一時的にこの世界の時空を破壊し事であのような結果になったんでしょう。心配せずとも10分もせずに元に戻りますよ。」」とコスモスさんが言う。

 

「デスギドラはどうなりました!?」「「体の一部を切り離したので消滅はしていません。破片が本来の姿であるマグマ状に戻り地面に溶け込む様に消えていったのをみました。ですが、」」とここで一旦言葉をきり

 

力尽きたという表情で仰向けになりながら半ば放心状態でボーッとしている剣吾を見つつ

 

「「今の放射熱線でデスギドラの身体大半を蒸発、消滅させました……。力を取り戻すにはしばし時間を稼げると思います。」」

 

そうなのか。いやそれだったらもしタイニーンのおっさんを始め他の方が入れば決着が付いたのじゃ……いや、俺にもっと力があればここでデスギドラを倒せたのではないか?

 

「「イッセーさん、自分を責めないでください。デスギドラは強敵です。モスラの力も衰えていました。仕方ないことですよ。皆さんが無事に生還できたことをしばし喜びましょう。」」

 

そう言っていると魔方陣が展開されタイニーンのおっさんが出てきた。「お前達無事か!?」

 

「「ええ、何とか全員命に別状はありません。何とかデスギドラを退けましたが、歌織はモスラが命を終え早すぎる転生と幼虫に成長したのでかなりの無茶をしています。安静にさせないと……。」」

 

「そうか、とりあえずこちらもルシファーの息子も襲われた領民も全員大事はない。他で襲撃した奴らを迎撃した者達にも大きな被害はでていない。全員無事で良かったと言いたい所だが俺の方が良かったとは言えない。」

 

そう言うと荒れ果てたドラゴンアップルの森を見て悲痛の表情を浮かべつつ語る。

 

「森が、大事なドラゴンアップルの森に多大な被害が出てしまった。まだ、冷凍保存しているものがあるとはいえこのままでは遠くない未来食べられず餓死してしまう同胞がでてしまう。」

 

「「それについては解決できる方法があるのかもしれません。」」その言葉に全員の視線が集まる。

 

「本当か!?」「「あくまで可能性の話で確実ではないので保証はできませんがタイニーンさん!昔先代の時に見せてもらった森の主の所に歌織を連れて行って貰えますか?」」「あの木にか?」

 

「「そこで歌織を蛹、”繭”の時を過ごさせようと思います。森の主を始めとしたこの土地に宿る自然エネルギーを歌織に与えることで成虫への変態を行います。そうすればモスラはこの森のエネルギーを取り込む事で今度はこの森を救う手助けになるのかもしれません。」」

 

おっさんはしばし黙ってコスモスさんを見つめていたが「……分かった。その言葉信じよう。何より急がないとその娘も持ちそうにないしな。」

 

そう言われ慌てて歌織ちゃんを見ると青白い顔で座り込んでいた。「すいません、身体から急に力が入らなくなってしまいました……。」とか細い声で言う。

 

「「当然でしょう。モスラが寿命尽きるまで酷使し無理矢理転生を早め孵化までしたんです。寧ろ今まで持ったのが奇跡と言っていいでしょう。」」

 

そう話すコスモスさんが不安そうに歌織ちゃんを見つめていた。

 

慌てて駆け寄ろうとする俺より先にタイニーンのおっさんが歌織ちゃんを抱え上げ「このまま連れて行くぞ。剣吾お前はそのまま寝てろ。無理するな。その状態で付いてこられてもかえって足手まといだ。」

 

そう言われ起き上がろうとした剣吾だったが自分でも無理している自覚があったのだろう。頷き大人しく再び寝転がった。

 

タイニーンのおっさんが俺達を背中に乗せ目的地と思われる森の奥まで飛び立つとそこはまるで絵本や漫画みたいな巨大な木があった。寿命は軽く見ても1000年は確実に超えているだろう。

 

御神木とはこういうのを言うんだろうなと頭でなく心で理解させられた。

 

周りの木々も立派でどこか神秘的な雰囲気を漂わせていた。

 

「よかった、ここには被害がなかったようなだ。この木はいわば森の心臓部と言っても過言でなくてな。単純な食料だけじゃない。この辺りの領民にとっては心の支えとでも言うべき存在なんだ。」

 

そう言うとタイニーンのおっさんは歌織ちゃんを”主”の根元に横たわらせた。

 

歌織ちゃんが幹に触れつつ「この森の主よ。貴女の同胞を荒らした者を討つべく何とぞお力をお借りします。」と頭を下げつつ祈った。

 

その姿は正に神秘的な光景で思わず息をのむ美しさだった。

 

そしてモスラギアから糸を吐き出し歌織ちゃんの周辺に降り注がれ、気が付くと歌織ちゃんは巨大な繭に包まれていた。

 

「「ここからですね。歌織がどの程度の時間で目覚めるかわかりませんが早くて一週間、長ければ一月を超えても可笑しくありません。デスギドラが力を取り戻すまでの期間果たしてどちらが早いか正直分が悪い賭けですね。」」とコスモスさんが不安そうに言うと

 

「心配するな、コスモスよ。モスラの巫女が復活するまで俺と眷属がここを守ろう!」そう言ってタイニーンのおっさんが力強く応えた。

 

「先程は人質を救うためにやむを得ず離れたが今度はそうはいかん!森と領民にやった仕打ち、徹底的に思い知らせてくれる!ここに来てくれるなら願っていない事だ。存分に歓迎してやる!!」

 

そう意気込むタイニーンのおっさんからは目に見えるぐらい凄まじい気迫と怒気を全身から滲ませていた。

 

「そうだ、お前達グレモリー眷属の仲間である『戦車』(ルーク)の娘が過労で倒れたと言っていたぞ!」

 

「え、子猫ちゃんが!?」驚愕する俺にコスモスさんが

 

「「一誠さん、心配でしょうからここからどうぞ。子猫さんの元に行けます。私たちはまだやることがあるので申し訳ありませんがここからはお一人で行ってもらいます。」」そう言って魔方陣を展開した。

 

「そんな気にしないでください。それよりありがとうございます!」そう言うと俺は魔方陣に飛び込んだ。

 

 

一誠が消えたのを見てタイニーンはコスモスに尋ねた。

 

「コスモス、どうだった。怪獣王を宿した小僧、剣吾の戦いぶりは。」

 

「「彼はとても慎重な人ですね。同時にとても優しい人。あの時歌織や一誠さん達がいたから彼は決断したんでしょう……自分が暴走するか、命を捨てる事になるとしてもゴジラの力を限界を超えて引き出す覚悟後を決めたのでしょう。」」

 

そう言いつつ現在まだ横たわりながら未だに右腕のゴジラギアを解かないままアーシアに治療してもらっている剣吾の様子を映した。

 

「「……彼はあの時、自分が封印されるのを覚悟してゴジラの力を解放しました。同時に以前から感じていた彼の危うさを再確認できました。」」

 

「「彼は限界はそう超えるもんじゃないとよく弱音を吐いていましたが基準が人と違うんでしょう。普通の限界は昨日まで自分よりもっと上に行くことを意味します。だけど、彼にとっての限界とは本当に体が保てない、壊れてしまうものの事をいうんです。」」

 

「……そしていざとなったら躊躇わずに実行するか。そう言えば以前アザゼルの奴が一誠や”暴獣”からこう評価されたと聞く。普段ヘタレで臆病なくせに本当に逃げてほしい時に限って逃げず立ち向かっていく。そんなあいつを見ると時々、妙に不安に感じると。それは恐らく正しい。」

 

その言葉にコスモスが頷きながら応えた。「「ええ、彼はいざとなったら誰かの為に己を犠牲にできる人です。そして彼のスタイルが何となく分かりました。」」

 

デスギドラと戦っている映像を魔王や他勢力の上層部に送りながらこう言った。

 

「「彼の性格は典型的なサポートタイプですね。自分ででていくより他者を支える人ですね。よくスポーツ漫画ではチーム戦なので自分一人で動く人がいますが彼は逆ですね。

 

普段は極力他者と協力して叩こうとしています。これは模擬戦やスポーツでは特に謙虚ですね。何となく団体競技なんだから自分一人の力で勝てたとしても余り意味が無いと思っているのかチームプレイに拘る傾向が見られます。多分無自覚でしょうが。」」

 

と以前高校でやっていた球技大会の映像なども合わせて見せた。

 

「「普段の彼はゲームキャラのタイプで言えば壁役。チームの盾となって攻撃を引き付けつつ時折サポートもこなすタイプです。火力もあるので敵に回せば正直かなり面倒ですね。火力もあるので常に警戒し続けなければいけません。」」

 

「さらにあいつの厄介な点はどれだけ怒りくるったり動揺してもどこか冷静いや、冷徹な部分がある。」とタイニーンも続いた。

 

「これは実際に奴を見てきたものなら誰もが感じる部分だ。頭に血が上っている状態でもいや、であればある程奴は冷静になり怒りを力に変えている。よく言う頭は冷静に心は熱くという一種の理想的な精神状態に至っている。

 

本人には全く自覚ないだろうし下手に意識してしまうと逆にマイナスになるだろうから指摘しないがな。そしてコカビエルや今回のデスギドラの様に相手を殺すつもりで戦った場合」

 

「「ええ、普段と異なり一切の躊躇が無く相手を確実に殺そうとしています。まるで感情のない機械と野性の獣を併せ持ったかのような冷酷さと獰猛さを併せ持った状態。これは恐れく彼がゴジラの力を完全に受けて入れた状態でしょう。この時の彼は百合を含むグレモリー眷属全員より上です。」」

 

「……ゴジラの力、俺たちは知っているつもりだったのだが何も分かっていなかったんだな。」

 

「「それは私たちも同じです。恥ずかしい話ですが真の具現化したゴジラギアは言わば漸くスタートラインに立った状態です。その状態で並みの巨獣器の禁手状態、怪獣に侵食された者をああも易々と凌駕するとは恥ずかしながら私たちも想像すらしていませんでした。」」

 

「剣吾の戦闘能力が低いにも関わらずあそこまで圧倒できるとは本当に俺たちはゴジラについて何も知らなかったんだな。」

 

「「ただ、本当の具現化は剣吾さんにはまだできないようでそこまでなら暴走する可能性は低いというのが今回分かりましたね。」」

 

そう言いつつアーシアと剣吾を映し出された映像を見ると「剣吾さん、そろそろゴジラギアを解いてくれますか?直接やった方が回復が早いとおもうんですが。」

 

「いや、多分もう少し回復してからじゃないとお互いの為に確認しない方がいいと思う。」とこちらに見られると一切気づかず平和的なやり取りをしていた。

 

 




怪獣王の籠手(ゴジラギア)一対の籠手 
これによりゴジラギアは元々両手揃って初めて完成品だと確認された。
この状態で漸く巨獣器のスタートラインに立てたのだがこの状態でも並みの巨獣器、神器の禁手を上回る力を有うする。長時間の使用は剣吾の体に負担がかかる状態でも原作12巻時点の真紅の赫龍帝(カーディナル・クリムゾン・プロモーション)、白銀の極覇龍(エンピレオ・ジャガーノート・オーバードライブ)と対抗に渡り合おう事ができる。
この状態だと下の能力を2つ以上同時に扱う事が可能になる。

黄塵
元ネタはゴジラSPの紅塵。今作のゴジラは色で能力を使い分けようと思い赤はもう決まっているので別な色を使いたいと思い読み方が一緒という事で黄色無いし金色に輝くと土の力に関する力を有しています。
黄塵により作中金色の結晶体を形成したが生物に対し発動するまで時間が掛かり効率が悪いので命のないデスギドラぐらいにか効果が無く他ではまず使用することはない。
直接攻撃するより黄塵を集めることで物理的干渉を遮断する非対称性透過シールドの形成や相手の術式をジャミング、または無力化するなど防御方面に特化している。

超振動波
振動拳の遠距離攻撃版。虚空を殴るとヒビが入ったような光景になるが単に光の屈折でそうなるだけで実際に空間にヒビが入っているわけではない。凄まじい衝撃波を発生させる。
元ネタはone-pieceに登場する黒ひげが使用する震破(グラッシュ)とアニメゴジラ三部作にでるアニメゴジラの超振動波

光刃
見た目と性能は月牙に酷似しており手や足から半物体化した刃を放つ。違うのは属性を付与することができそれによって色と見た目が変わる。
付与した属性プラス刃と名称されることがおおい。最初はプラズマカッターと一誠に名付けられたが後に雷以外の属性もあるのでこう呼ばれるようになった。
元ネタはアニメゴジラ三部作にでるアニメゴジラのプラズマカッター

今作のゴジラは先ほども書いた通り色で能力を分けているので軽く纏めてみました
紫 雷 荷電粒子咆や放電しながら打撃するのが主な使い道。応用として敵の電気攻撃を逸らしたりすることも可能だが本人的には電気代節約が一番うれしい能力。
緑 水 大気中を始め様々な場所から水を集め攻撃する。最近ではこの能力を使い機動力を上げている。本人的にも相性がいいらしい。水の浄化や水分確保が容易にできてうれしい
白 氷、幻を司る。凍結能力は高くないが魔法や魔力を妨害したり幻を見せることが可能。モスラの鱗粉に対抗手段である幻雪光もこちらに含まれる。
銀 振動、音、空気を司る。基本は振動拳を始めとした打撃と共に振動を与えるが後に遠距離攻撃もできるようになるらしい。空気を圧縮して放つことも可能。
金 土、重力を司る。黄塵を操り主にシールド形成や魔力などで不自然に変化したものを元に戻すなどの効果がある。主に防御、探知の妨害に使用されている。
青 火 ゴジラの基礎能力で放射熱線を含む炎熱に関する能力。ゴジラにとって炎こそが最も相性がいい能力

上記の能力全てを合わせるより炎一つを極めた方が力を発揮する。コスモス曰くゴジラからすれば他の能力は+α程度の価値しかないだろうと述べている。

仮面ライダーオーズに登場する怪人グリードにとっての自分以外のコアメダルだと思ってください。

放射熱線 青白い光線でゴジラにとって通常必殺技。その威力はまだ満足に扱えない現時点でさえ星砕剣と星穿銃(スター・バスター・スター・ブラスター)のオーラ砲撃と互角以上の火力を誇る。
当面の間はこの放射熱線を使用できるようになるのが剣吾の課題となりこれは本来のゴジラギアでないと使用できず事実剣吾は熱線使用後ダメージを全て右腕に集中させたのもあり完全に炭化していた。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第五章 冥界合宿のヘルキャット編 7

ただでさえ筆が進まなかったのに気温の変化が急すぎて体壊し後遺症に苦しんでいます。これも前にコロナにかかって色々落ちているからでしょうか?
今回も一誠の禁手までやりたかったが上手くまとめることができずここでだすことにしました。
何とか来月も載せたいが色々やることがあり今年最後の可能性が大ですね


俺、兵藤一誠は子猫ちゃんが倒れたというのでコスモスさんに転移され子猫ちゃんがいるであろう部屋の前に着いた。

 

そこには今まで会えなかった部長と朱乃さんがいた。

 

「部長!」「一誠!」と部長が俺に気づき抱きついて来てくれた。久しぶりに感じる部長の匂いと温もりを感じ思わず涙がでてきた。

 

「貴方がいない生活がこんなに辛いなんて思いもしなかったわ。……情けない主ね。」

 

部長が俺への依存度が高まっていて感動で涙がさらに溢れてきた。

 

俺がさらに感謝の気持ちを伝えようとすると朱乃さんも抱き着いてきて「……私も貴方に会えなかくて寂しかったですわ、一誠君」と言ってきたもんだから興奮してしまった。

 

「ちょっと朱乃、今は私が一誠に甘えているの、邪魔しないで。」

 

「貴方はいつも一誠君に甘えているでしょ?私だって……」と言い合いになった。

 

あまりの険悪な空気に後ずさりしていると背後の扉が開き視線を移すとそこにはミイラ男がいた!?

 

「ギャー!?ミイラ男!!?」「失礼だな、私は女だぞ!っていうか私が誰か分からないか?」

 

と聞き覚えがある女の子声っていうかこの声は?

 

「ゼノヴィア!?なんだその恰好は?」「修業して怪我して包帯巻いてを繰り返したらこうなった。」

 

「完全にミイラ男、ミイラ女じゃねえか!」「失礼な!私は永久保存されるつもりはないぞ?」

 

「そういう意味じゃねぇって!」って突っ込むと「やあ、イッセー君。」と聞き覚えがある声が聞こえ振りむくと

 

ボロボロになったジャージ姿の木場がいた。なぜか身の危険を感じさせる視線を感じた。ギャー助も相変わらずの女装引きこもりぶりを見せてくれて安心したぜ。

 

だが、皆オーラが濃くなっているようだ。アレ、いつの間にか魔力の流れが分かるようになったんだ?

 

そんな話をしているとここに来た当初の目的を思い出し「って、そうだ!子猫ちゃんは!?」

 

すると皆真剣な表情に変わり「大丈夫、今は寝ているだけだわ。もう少しで麻酔がきれて目を覚ますと思うわ。」と部長が言うと部屋の扉を開けた。

 

そこには猫耳姿の子猫ちゃんが寝ていた。「確か子猫ちゃんは猫又という妖怪でしたっけ?」

 

前にそんな話を聞いてた気がするが詳しくは知らない。猫耳姿がラブリーだがそれどころではないよな。

 

「……この子が自分の力を受け入れないのには理由があるの。」と部長が重い口調で話し始めた。

 

―――子猫ちゃんには元々姉がいて二人はいつも一緒だった。

 

親と死別し、家も、寝るところも頼れる者もなかったが、それでも二人はは互いを支えにし懸命に生きた。

 

そんなあるとき、二匹はある悪魔に拾われ、姉は転生悪魔となった。

 

子猫ちゃんも一緒にいてもいいということで、これでまともな生活を送れる、とその時は思っていた。もともと二匹は妖術に長けた猫の妖怪、猫又才能があるのは分かっていた。

 

だが、それを差し引いても姉の才能がありすぎた。転生した際に『僧侶』の駒を2つ消費しなければいけないほどに。

 

それが転生したことで魔力にも目覚めた。さらに仙術をも使役する猫魈という猫妖怪でも上位の生き残りだとこの時分かりその血が覚醒してましった。

 

それに比例して姉は徐々に主の力を超え、力に飲み込まれ、血と戦闘の快楽を求めるだけの邪悪な存在に変貌していった。

 

ついには主を殺し、姉猫ははぐれとなった。それも最上級悪魔に匹敵するはぐれに。

 

当然悪魔たちも追撃の手を差し向けたが、ことごとく返り討ちにされ、ついに諦めてしまった。

 

問題は残された妹子猫ちゃんだ。このままではいずれ姉と同じになる。そうなる前に殺してしまえ。

 

そんな窮地の妹猫を救ったのはサーゼクス様だった。子猫ちゃんにまで罪はない、そう言ったサーゼクス様が監視することを条件に子猫ちゃんは救われた。

 

でも子猫ちゃんの精神は疲弊していた。信頼していた姉に裏切られ、他の悪魔たちからは責め立てられる。そのおかげで当時の子猫ちゃんは心が崩壊寸前でだったと部長が語る。

 

そしてサーゼクス様は自分の妹である部長に子猫ちゃんを預けた。

 

部長と過ごすうちに子猫ちゃんは徐々に生きる意志と感情を少しづつ取り戻していった。

 

今の名前は部長がつけた名前で本来の名前はあるものの辛い過去を思い出すから本人は封印していると教えてくれた。

 

それを聞いて俺を含むグレモリー眷属はしばし何も言えなかった。木場の時もそうだし皆俺が想像もつかない辛い過去があったんだな……。

 

その時、子猫ちゃんが目を覚ました。

 

「子猫ちゃん大丈夫?」「……一誠先輩に皆さん、何で?」「貴方、オーバーワークのトレーニングした上X星人の襲来で過労で倒れたのよ。」

 

「そうですか?ご心配かけてすいません、部長、皆様。」「謝らなくていいからまだ寝てなさい。」と起き上がろうとする子猫ちゃんを寝かしつける部長。

 

何か本当に家族みたいだ。「子猫ちゃん、俺難しい事は言えないけどとにかく無茶はいけないよ。体を大事にしなくちゃ……」

 

言葉を続けようとしたが子猫ちゃんの涙を見て言葉が詰まってしまった。

 

「……強くなりたいんです。分かっています。猫又の血を受け入れればもっと強くなれます。でも……姉さまみたいになりそうで……あんなのもう嫌です。」ボロボロ涙を流しながら言う。

 

「私以外皆強くなりました。……私は『戦車』なのに一番弱いです。特に剣吾先輩は本来私がやらないといけない前衛として皆の盾になる役割を担っています。……何度も助けられてばかりで情けないです。」

 

……子猫ちゃん、ずっと剣吾に対して劣等感を持っていたんだ。正直それは俺も同じだ。今回のデスギドラの時、あいつはほぼ一人で戦っていて何もできなかった。

 

いや、コカビエルを含めてあいつは一人で渡り合っていた。

 

「……それは私もいえ、私たち全員が同じ気持ちよ。剣吾や歌織に助けてもらってばかりね。いや、今回の襲撃も結局撃退したのは磯野さんを含めた巨獣器使いよ。」

 

「どういうことですか?それは?」俺が聞くと部長が話し始めた。

 

 

 

―――俺達がデスギドラと戦っていた頃X星人は足止めとして悪魔領に大量の戦闘員を仕掛けてきた。

 

子猫ちゃんを含むグレモリー眷属がそれぞれ迎え撃った。数こそ多かったものの明らかに時間稼ぎを木t家気にしていたこともあり戦況は自分たちの方が有利だった。

 

「……あの時、修業し過ぎで体にダメージが残っているから待機していろと止められたにも関わらず無視して私も参戦しました。」

 

そう話す子猫ちゃん。実際子猫ちゃんも修業の成果が出ていてた次々と倒していったという。だが、次第に湖の近くに誘導されていたことに気付かなかった……。

 

そして湖の近くに来た時だった。突如湖から無数の触手が伸びてきて子猫ちゃんに絡めとり水中に引きずり込んだ。

 

そこにいたのは……上半身が龍、下半身に魚類の尻尾と無数の触手を持つ半獣半魚の怪物がいた。

 

今まで見た事もない怪物だった。その怪物はどんどん水深深くに鎮めようとし息ができず力が抜けていきもうだめと思ったそうだ。

 

その時だった、「超音速弓矢(ソニックアロー!!)」という言葉と共に何かが高速で触手を切断する。

 

その直後水中に飛び込み私を引き上げ空に飛びあがる。せき込む私を「大丈夫?子猫ちゃん?後は任せて!他もダーリン達が援軍に行っているから安心して!」と声をかけてくれてた。目を開けてみると

 

「……花沢鈴さん。」そう磯野敏博さんの婚約者でラドンの巨獣器使いだ。まだ知り合ってそんなに日もたたないのでどんな人か良く解っていないが助けに来てくれたみたいだ。

 

今は[白兵戦モード]で私をお姫様抱っこし助けてくれました。

 

すると水面から先ほどの怪物が顔を出し額にある水晶体から緑色の光線を放ちながら襲ってきた。

 

鈴さんは子猫ちゃんを少し離れた場所に避難させると一人でその怪物に立ち向かったらしい。

 

そこで見たのは「大翼竜の弓」(ラドン・アロー)で矢を放つ鈴さんだったが怪物も光線を放ち激しい射撃戦戦が行われていた。

 

「ですが怪物は水中に鈴さんは空中に逃れるのでお互いに決め手に欠けていました。」

 

このままでは埒が明かないと鈴も思ったのか武器を二振りの剣「大翼竜の剣」(ラドン・ソード)に変えて接近戦に挑んだ。

 

迫りくる触手や光線を剣で切り払いながら怪物に迫る!!

 

この時何故か昼なのに不思議に”視えて”しまった。彼女の動きに合わせ夜の月明かり浴びて風に吹かれる美しいと花びらと羽が舞うのが!

 

実際にある訳ではなくかといって幻術とかとは何か違うように感じた。そのまま怪物をすれ違うとそのまま怪物の背後まで進むと「……花鳥風月」と呟いた。

 

怪物が振り向いた瞬間全身から血しぶきが流れた!その時それぞれ月、花、風、鳥を思わせる斬撃のエフェクトが見えた。

 

苦しむ怪物の隙を見逃さず額の水晶を矢で射て破壊した。

 

そして光線を封じると「破鎧脚(はがいきゃく)!!」と空中に飛び上がり高度から鋭い飛び蹴りをしそのまま怪物の体を貫き、直後爆散した。

 

周囲を安全確認を終えると鈴さんどこかに通信し終えると私に「ダーリン達から連絡があったわ。他も全部撃退したからもう安心していいわよ。」

 

その時私は自分の無力さと不甲斐なさに自己嫌悪を表に出さないように必死でした。

 

そう語った子猫ちゃんの言葉は巨獣器との差を思い知る結果となり俺たちはしばらく嫉妬を感じそう思う気持ちに自己嫌悪してしまい声を誰も出せなかった。その時だった。

 

 

「もう大丈夫だからこれ外していいでしょ?」「ダメです!私に火傷見せれないと思ってゴジラギアのまま回復させたんですから良くなったしても数日その状態にしてください。」

 

「せめて今日一日にしようよ。医者も大丈夫だって言ったんだから。」

 

「ダメです!」剣吾と唯一この場にいなかったグレモリー眷属のアーシアが珍しく言い合いが聞こえた。

 

それもここまで聞こえるまで程大声で激しくなんて初めてじゃないか?

 

俺達全員が戸惑っていると扉が開いた。「子猫ちゃん大丈夫?」「どこか悪い所はありますか?」

 

「……ええ、私は大丈夫ですがそれより剣吾先輩その手は?」

 

そう言われる剣吾は右腕を上げて「うん、限界を超えたからこうなった。」と特に気にしていない感じで言うがその手はギプスで固定されていた。

 

「もう大丈夫だっていうのに大げさなんだから。」「……だったら何で中々ゴジラギアを解除しなかったんですか!?私に見せるのを気にしてあんなに長い時間出したまま回復したじゃないですか!!」

 

「まあ、確かにあの時は自分でも不味いと思ったから解けなかったけど今は医者に見せて大丈夫って言ったんだからもういいでしょ?」「ダメです!しばらくそのままにしてください!」「は~い。」

 

と剣吾とアーシアが言いあう。「剣吾お前その右手……」「お前も知っているだろう、僕はデスギドラを倒すために限界を超えた力を発揮した。その結果代償を払う事になった。それだけだよ。」

 

「……アーシアに治してもらう前どうなっていたんだ?」

 

「ああ、多分右手が炭化していたんじゃない?少なくてもすごい火傷だったと思うよ。自分でも確かめるのが怖くてアーちゃんに見せるの見ても平気なレベルになるまで解除できなかった。」と軽い口調で割ととんでもないことを言う。

 

俺達の反応を見て苦笑交じりに「……覚悟していた事だよ。限界を超えた力を無理矢理発揮したんだ。ああしないと駄目だった。腕一本で済んで幸運だったと言うべきだろうね。」

 

「だからって、お前……」「一誠、君だって今までの戦い無茶しなかった訳じゃないだろう?あの時勝てたからいいけどそれでも負ける可能性があった。もしかしたら暴走する可能性もあったからこれで正解だったと思うよ。少なくても最悪の選択肢ではないとおもうよ。」

 

そう言われると俺も批判してくてもできなかった。確かに俺も自分の命かけて戦っている。左手なんてドラゴンのものに変わっている……。だが、だからって……。

 

「……心配しなくても当分できないと思うよ。大部体に負荷を感じているからまず無理だろうね。だから次にデスギドラと戦う事になったらどうするか……。魔王さんやタイニーンさん達に丸投げ出来たら喜んでそうするけどそう都合よくいくとは限らないからな~。」と仰ぎ見る。

 

「ま、とりあえず子猫ちゃんが思ったより元気そうで安心したよ。」そう言うと子猫ちゃんが剣吾に聞いてきた。

 

「剣吾先輩、一つ聞いていいですか?」「何だい?」「もし、ゴジラギアの力をどう思っていますか?」

 

「そうだね、僕は不器用だから正直まだ完全にマスターできない内に新たな力に目覚めても扱いに困っている節は多々あるね。今僕ができることも他の人だったらもっとすごいことに使えるのかもしれない。でも僕には難しいから今ある力を使いこなす事を心掛けているかな?」

 

「今ある力?」

 

「例えば荷電粒子咆。これが今僕の中で一番威力がある技だけど同時に扱いが難しかった。そして今回放射熱線の方が圧倒的に上だと分かった。だから熱線をマスターにするにはまず荷電粒子咆をものにする必要があるって何となく分かったからデスギドラ戦で覚えた力を含め使いこなす事が当面の目標かな?」

 

「……不安じゃないんですか?」「少なくても本来の具現型までは暴走するリスクが低いって分かったからね。正直助かった部分が大きいかな?どこまでが限界で何を目標にすればいいのか分からなかったから当面の目標ができてよかった。」

 

「そうじゃなくて、本来使えるはずの力が今使えない事に不安に思わないんですか?」

 

「君たちがどうかは知らないけど僕はゴジラギアに目覚めるまで体は弱かったからね。だから人より劣っているのは当たり前だと思っているし、他人に馬鹿にされても気にしないね。僕は僕のペースで動くしかないさ。」

 

「……強いですね、剣吾先輩は。」「そうかい?才能は君たちの方が凄いと思うけどま、一つアドバイスするなら。」と剣吾は子猫ちゃんと朱乃さんを見て

 

「朱乃さん、子猫ちゃんアザゼル先生はお二人に自分の血を受け入れろって言ったんですよね?だが、できないって事はおそらく何らかの心の傷があるんでしょう?ああ、話さなくていいですよ。無理に聞きたいと思いませんから。」と断りを入れてから剣吾は言う。

 

「アザゼル先生のは理想としてはベストですね。確かにそれができれば強くなる。でもそれができるなら二人ともとっくに実行しているでしょ?やりたくない何かがあるんでしょう。だから僕は今回の試合でそれを使えなくていいと思っています。」とアザゼル先生と真逆の事を言ってきた。

 

俺達が全員驚くと剣吾が続ける。「心技体が戦いに重要って言われているけど今の君たちが無理に望まなむ形で力を手に入れて技と体は強くなるかもしれない。でも、いざ今回の試合及び実戦で使用する時に微塵も躊躇しないと言い切れるかい?」

 

そう聞かれ子猫ちゃんと朱乃さんは答えられなかった。

 

「いつかはそれをしないといけない時が来るのかもしれないよ。ただ、別に今じゃなくていいと思うよ。僕たちは良くも悪くも子供だよ。失敗して当たり前。ただ、一つだけアドバイスすることがあるとしたら使わないじゃなくてできないと思ってやることだね。」

 

その言葉に全員がどうゆう事なのか疑問に思う。

 

「二人ともそれぞれ種族の力があるんだろ?それを使わないじゃなくて使いたくてもできないと思って行動すればいいと思うよ。自分の意志で使わないじゃなくてやりたくてもできないと思って。

 

貴方たちは今の自分の力が及ばない時その力を使えれば勝てると思うかもしれない。だけどその力があればとか思ってはいけない。無いものはない。そう割り切って今ある手札を使うしかないよ。

 

攻撃力がこれ以上上がらないならもっと素早く出せるようにするとかシフトを変えてもいいかもしれない。そうすれば今まで見えなかったものに気づけるかもしれない。ま、所詮素人考えだけどね。

 

知ったような口を聞くのは余り言いたくないけど僕の好きな本の台詞を借りるなら自分が何者かを決めるのは自分がどんな力を持っているのでは無くどう選択するかという事だと思うよ。後で考え方が変わったらその時変わればいいじゃない。遠回りだったとしてもそれはそれでいいじゃない。」と剣吾は言う

 

あいつ、そんな風に思っていたんだ。「幸いというかサイラオーグさんという先導者がいる。魔力の才が無く体も優れている訳じゃない。にも関わらず彼は若手最強になった……。魔力でも体術でもあるいは戦術でもいい。そこを補うかあるいは一芸に特化するかそれだけで選択肢は色々あると思います。後は君達がどうするかだよ。ま、結局丸投げであんまりいいアドバイスじゃないけどね。」

 

「……いいえ、その言葉で結構救われるものがありました。ありがとうございます。」

 

「ま、無理に使うとこういう風になると思うから気を付けてね。」とギプスしている右手を見せる。

 

すると剣吾に通信用魔方陣が形成されどこかと話し始めた。「なんかアザゼル先生が念のため調べたいっていうから悪いけどここでサヨナラさせてもらうよ。無事で安心したよ。」そう言いつつ部屋から出ていた。

 

剣吾お前、そういう風に思っていたんだな……。俺も何か気の利いた事を言えればいいのだがくそ、何も思いつかない。

 

それに子猫ちゃんの気持ち良く解る。俺も自分の無力さに悔しくて力を求めているのだから……。

 

「イッセー君、後は私たちに任せてください。」と朱乃さんが俺に言う。

 

「貴方の優しさは嬉しいですが少し距離を置くのも大事です。貴方は前に進ませる為に背中を押してくれるとしたら剣吾君は少し休んだらと痛み止めやブレーキ役を担ってくれることが多いですね。どちらが上とかでなくどっちも大切なんですよ。前に進む為には。」そう言いつつこう続けた。

 

「私も子猫ちゃんも分かっています……。ただ勇気が足りないんです。だから少し待っててください。」そういう朱乃さんに子猫ちゃんそして皆の姿を見て「はい、俺は俺にしかできないことをやってきます。」

 

頭を下げると部屋を出ていく。タイニーンのおっちゃんとはもう修業できないけどあの山でできることはまだある。

 

超えなきゃできない壁があるんだ。俺は焦っていたのかもしれない。剣吾が俺より先に進んでいるからあいつみたいになりたいと思っていた。

 

でも、気がついてしまった。剣吾だって本当にいっぱいいっぱいだったと改めて気づかされた。

 

あいつはずっとゴジラの力に振り回されていてその力を自分のものにするのに必死なんだって……。

 

羨ましがっている場合じゃない!俺だってドライグの力もっと使えるようになるぜ!

 

そう心に決めて修業に励んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




破鎧脚(はがいきゃく)ラドンの飛行能力を生かし空中から一気に対処に向かって高速飛び蹴りをする。その威力は打撃ではなく刺突や斬撃までなる威力と鋭さを誇る。元ネタは史上最強の弟子ケンイチに登場する馬剣星が使用する馬家 破鎧脚(ばけ はがいきゃく)

花鳥風月 一言で言えば鬼滅の刃に登場する全集中の呼吸のオリジナル版。夜の月明かり浴びて風に吹かれる美しいと花びらと羽が舞う幻影を纏いながら対象に接近しすれ違いざまに無数の斬撃を浴びせる。

ダメージに気づかない程の鋭さでダメージが感じた時月、花、風、鳥を思わせる斬撃のエフェクトと共に一気にダメージを与える。

ラドンの巨獣器使いなので何処かで戦闘描写をだしたいと思っていましたが中々見つからなかったので今回半ば強引にねじ込みました。

剣吾は一誠が治療薬とするなら痛み止めの役割とストッパーの面が強いです。

ゴジラマイナス1早く見たいです。アップルTVのゴジラ全話配信されたら期間限定で見るかDVD借りるか悩んでいます。

この章の終わりに書きますが今回の怪物も東宝作品にでているものです。何か予想してみてください


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第五章 冥界合宿のヘルキャット編 8

急遽分割することにしました。ゴジラ−1のモノクロ版が12日から公開するようなので楽しみです。初代や逆襲並みに白黒が似合いそうな映画なので楽しみです


 

 

「よく頑張ったなイッセー。禁手できなかったのは残念だが気にするな。あれはそう簡単にできるもんじゃないからな。まあ龍王とサバイバル生活で何か変わるかもと期待した部分もあったがデスギドラのせいで期間が足りなかったかも知れんな。だが体力を含め随分成長したな!」

 

「それより剣吾はどうしたんですか?」あれ以来剣吾とは会っていない……。グリゴリにいると伝えられていたが

 

「ゴジラの力を急激に引き出したことで念のためあいつに変化がないか色々調べている。」

 

そうか剣吾の事を調べていたのか……。「歌織も無事だ。デスギドラもあれ以来姿を見せていない。」

 

そう話しながら俺達は皆と合流すべく先生と共に転移した。

 

 

――――その後子猫ちゃんが倒れてから再会したグレモリー眷属を見てある事に気が付いた。

 

俺、オーラを感じる能力が向上している?これも修業の成果なのか?

 

……木場が俺を見つめる視線に恐怖を感じたのは気のせいだったと思いたい。

 

修業内容を確認してみるとおかしなことに気づく。俺と剣吾以外は野宿生活なんてしていない。サバイバル生活は木場やゼノヴィアもしていたが別荘や山小屋を利用している。どういう事だ……?

 

「俺も驚いたぞ。途中で逃げかえると思っていたから山で生活してんだからな。」「ええ、じゃあ俺達の苦労はいったい何だったんだ!?」

 

「だから驚いているんでよ。逞し過ぎだぞ、悪魔とか関係なしに。」「ひ、酷い。俺達がどんだけ地獄を見た事か!!」この場に剣吾がいたら同じリアクションしていただろう!

 

涙を流して訴える俺を部長が抱き寄せて癒してくれる。「本当に辛かったのね。あの山には名前がなかったけど、イッセー山と名付けましょう。」

 

そんなやり取りをしつつ報告会は終了した。剣吾とはパーティ会場で会えるらしい。

 

その日グレモリーの俺の部屋ではゼノヴィアとアーシアと一緒に寝ることになった。いつも口うるさい歌織ちゃんが今この場にいないことが一番の理由だった。

 

部長と朱乃さんも一緒に寝たそうだったが今回は実家という事、さらに子猫ちゃんの事を心配しているので三人で過ごすそうだ。

 

久しぶりに女子と一緒に寝るので緊張してしまったがアーシアの寝顔を見ているといつの間にか寝むってしまった。

 

パーティー会場となるホテルは、グレモリー領の森の中にぽつりと建っているが軍も待機していて下手な都市部よりよっぽど厳重だとリムジンの中で部長に教えてくれた。

 

人生初のリムジンで緊張してしまった。やがてリムジンは会場に到着し、大勢の従業員に出迎えられてロビーに入る。フロントでは朱乃さんが確認を取って、全員エレベーターに乗る。

 

「最上階にある大フロアが会場みたいね。イッセー、各御家の方々に声をかけられたらちゃんと挨拶するのよ?」

 

「は、はい部長。それはそうと今日のこのパーティーは魔王様が若手悪魔のために催されたんですか?」

 

「建前はね。でも私たちが会場入りしても大して盛り上がらないわ。実際は毎度恒例の行事なのよ、これは。その都度理由をつけて行われる各御家同士の交流会みたいなものね。」「そうなんですか?」

 

「ええ、お父様たちのお楽しみ会よ。どうせ、四・五次会まで近くの施設に予約を入れているわ。お父様とお母様が私たちと別行動で会場入りしてるのがいい証拠よ。私たちよりも先に入って、出来上がっているでしょうね。社交界云々は抜きで羽目を外せる数少ない機会なの。」

 

部長がそう呆れた様子で愚痴を言うと朱乃さん達も苦笑している。

 

どうやらお父様達が羽目を外せる数少ない気楽なパティ―らしい。それを聞き少し安心した。

 

そして会場入りすると 『おおっ』会場の視線が部長に集中する。

 

「リアス姫、ますますお美しくなられて……。」「サーゼクス様もさぞご自慢でしょうな。」

 

何が誰も注目しないですか!皆大注目しているじゃないですか!!でもこの人のおっぱいを俺は揉んだ事があるんだ。っと秘かに優越感を感じていていると

 

「さぁ、あいさつ回りするわよ。イッセー。」「へ?」伝説のドラゴンを眷属にした事で挨拶したい人が多いらしく俺を含めた今年入った新たな眷属を連れて挨拶回りが始まった。

 

「つ、疲れた~。」と挨拶を終えぐったりしていると俺とアーシア、ギャスパーにゼノヴィアが料理と飲み物を持ってやってきた。

 

それにしても剣吾の奴何処にいるんだろう……?そう思っていると何処からか聞き覚えがある声が聞こえてきた。

 

「滝川博士!!……ファンです、サインください!!」「私のでよけば喜んで。なんか照れるね。」

 

この声は……声がする方に視線を向けるとそこには俺達と同じ年齢で眼鏡をかけた知的な雰囲気をした人物に……確かあれはアガレス家の次期当主だったんじゃなかっけ?

 

名前は確かシーグヴァイラだったはず。そのシーグヴァイラ・アガレスが熱心に話しかけている人物は

 

「滝川さん!」と俺は声をかけた。そう彼は滝川義人(たきがわよしと)さん。俺達と同じクラスメイトだったけどその正体はゴジラと同じ世界の記憶を持つ転生者です。

 

「おお、一誠君。アーシアさんにギャスパー君、ゼノヴィアさんお久しぶりです。」

 

「貴方たちは確かにリアスの……」「あ、あのシーグヴァイラ様」

 

「様じゃなくていいわよ。あんまり堅苦しいのは好きじゃないから。貴方たち滝川博士と同じクラスにいたんですって?羨ましい」と心底羨ましそうに言う。

 

「彼女はどうやらメカ特に人型ロボに興味があるらしく私のジェットジャガーに興味があるといっていてねえ。ただ、私がいた世界の技術では残念ながら彼女が期待できるレベルのものではないかな?」と苦笑する滝川さん。

 

「滝川さんの世界には人型ロボは存在しなかったんですか?」

 

「あるにはあるがどちらかといえばサポート要素が強かったね。コスモスさんの話だと私の死後十数メートルの人型戦闘ロボをその後開発したらしいね。まあ合体とかは流石に無理だったらしいけど。」

 

俺の質問にそう応えた。「何故造らなかったんですか?」

 

「単純に技術と予算が無かったんだよ。怪獣が主な相手だったという事もあり戦艦や怪獣に匹敵する巨大ロボの方をメインに造られたね。」

 

「そんなのあったんですか?」「残念ながら前の世界のデーターがある訳じゃないし機密情報も含まれるから詳細は教えられないけどアガレスさん達が興味あるそうなものでいったらこんなのかな?」

 

そう言うとディスクアニマルを取り出し立体映像を映し出すとそこには銀色のモグラと鳥を混ぜたような頭部に嘴?の部分にドリルと特徴的なロボットが映し出された。

 

腕はドリルが目立つ。この映像に俺達グレモリー眷属やシーグヴァイラ様……さんだけでなく周囲の悪魔達も興奮した声が聞こえた。

 

「これは私が存命中では開発プランだったが後に正式に採用された対怪獣機動兵器だよ。その名をモゲラ。正確にはMobile Operation Godzilla Expert Robot Aero-typeの頭文字をとりMOGERAと名付けたんだよ。」滝川さんが説明しつつ操作をすると映像に変化があった。

 

するとモゲラが上半身と下半身が分離するとそれぞれ形が変形し始めた。頭部が収納されると代わりに巨大なドリルがせり出てきてこれは戦車なのか?一見何かわからないがドリルが目立つ車に変形した。

 

一方下半身の方は戦闘機に変形した。俺やシーグヴァイラさんだけでなく周囲いた他の悪魔からも興奮の声が聞こえ始めた。

 

「上半身は地底戦車ランドモゲラー、下半身は重爆撃機スターファルコンに分離変形及び合体が可能。実際に見たわけではないので記憶とコスモスさんの話を聞いて再現したから細部は異なるかもしれんが大筋はこれで合っているようだね。」と言い

 

「地球防衛軍が量産された機動兵器の中では最も汎用性が高いものとなったらしい。」と言う。

 

「素晴らしい!!これ程のロボットを作っていたなんて!正に最高傑作ですね!!」と興奮するシーグヴァイラさんが言うと

 

「最高傑作かどうかは不明だが私いや地球防衛軍の兵器という点で最も心に残っているのは別にあるね。」と言う。「それはいったい!!?」シーグヴァイラさんが興奮混じりに聞くが

 

「……申し訳ないがここでは言うのは控えさせてもらうよ。彼は私たちにとって唯の機械じゃない……。戦友とでも言うべきものだからね。

 

私は残念ながら彼が実際に動く姿を見ることが無く寿命を終えたがコスモスさん達も仲間意識を持っていたしその後作られた最終兵器も彼を模したものだったと聞く。」と言う。

 

「ただ、……ゴジラが人類に対する激しい敵意の一因が他でもない彼の存在なんだけどね。」

 

「滝川さん、それって……。」と聞こうとしたが滝川さんのどこか遠くを見るような目つきに迂闊に踏み込んでいい話ではないと思って誰も聞くことができなかった……。

 

滝川さんがふと我に返ると「ああ、すまない。少し思い出に浸ってしまったね。そうそう、剣吾君なら向こうでフェニックスのご令嬢と話しているよ。」指をさす。

 

指さした方を見ると「そ、その……本当に名前で呼んで失礼ではないでしょうか?」

 

「うん、大丈夫だよ。アレにそんな気を使う価値はないよ。」と剣吾が金髪ツイン縦ロールの美少女と話しているのを見た。

 

っていうかあいつは確か……「確かお前、焼き鳥野郎の妹だよな?」

 

「レイヴェル・フェニックスさんだよ!ライザーさんの妹さん。イッセー、君が悪魔界隈で上手くやっていくつもりがあるならその辺の礼節はすごく大切だよ。」

 

レイヴェルが怒る前に剣吾が俺の頭部に踵落としを食らわせそのまま踏みつけつつ言う。

 

「あ、あの剣吾さん。そこまでしなくても」「とりあえず名前で呼びなさい!!いいね!因みに彼女は僕達より一つ年下だよ。」

 

「ああ、分かった。じゃあレイヴェルって呼んでいいか?俺の事はイッセーでいいから。」

 

「そ、そうですか?それではえ、遠慮なくイッセー様と呼んで差し上げてよ!」

 

「さま?呼び捨てでいいよ。そういうのいいけど……。」「いいえ、これは大事な事です!」

 

「そんなもんか?そういえば兄貴はどうした?」と聞くと何故か嬉しそうだったレイヴェルの表情が変わった。

 

何でもライザーは部長を取られたことと敗北したショックを受けていたがその後もゲームに参加し成績も出していた。

 

だが時折トラウマからか時折暴走するようになりしかも悪化しており現在は完全に療養中との事だ。

 

磯野さん達もリハビリに協力しているとの事だ。それに加えトレードというのを教えてくれた。

 

同じ駒なら「王」同士で折り合いがつけば交換ができる。この交換は眷属同士でも未使用の駒どちらでも可能との事だ。

 

で現在はライザーではなく母親の眷属という事になっているとの事だ。トレードそんなものもあるのか?

 

少し話していたらあの時戦ったイザベラさんが呼びに来て別れていった。

 

訳が分からない子だなあと言うと物凄い呆れた目で剣吾が俺を見てため息をついた。

 

それから剣吾にいままでどうしたかと聞くと虚ろな目でこう言ってきた。

 

……グリゴリに連れていかれたのだが昔の特撮やアニメに出てくる悪の秘密組織そのものだった。

 

体調を見るとか嘯き改造手術されそうになったらしい。チェーンソーとかドリルとかどんな手術するつもりだったんだ?とつっこみたくなるレベルだった。

 

当然断固拒否しそこから強制的に滝川さんが止めるまでグリゴリ幹部とのバトルに発展することになった。

 

因みにこの時激怒した滝川さんの説教は尋常じゃなかったので絶対怒らせないようにしようと心に誓ったらしい。

 

その後も似たような事がありほぼほぼ滝川さんと一緒にいたそうだ。そこで転生前の世界の事を色々教えられたと話していると

 

「猫?ペットか使い魔かな?」と剣吾が何かに気づく。「猫って?」「ほら、あそこ黒い猫。」と指を指すと人込みの足元をすり抜ける黒い猫が確かにいた。

 

なんだろうと思っていると会場から出て行ったので特に気にするつもりはなかったが子猫ちゃんが追いかけていくのが見えた。

 

 

 

「あ、子猫ちゃんが猫を追っているね。猫又だから猫が好きなのかなあ」と僕、中島剣吾がのんびりその光景を微笑ましそうに見ながら一誠に話す。

 

グリゴリに監禁説かつからの社交界で一人挨拶することで疲れていた事もその光景にしばし癒されていた。

 

挨拶回りに関してはシーグヴァイラさんにレイヴェルさん、滝川さんのおかげで大分助けられた。一誠を含めグレモリー眷属もシトリー眷属いないから知り合いいなくて心細かったんだよね。

 

そう思っていると一誠が「ちょっと嫌な予感がする……子猫ちゃんなんか必死な表情をしていた。」と言い追いかける。

 

エレベーターで下に行くのを見ると隣のエレベーターに乗り込むとリアス先輩も乗り込み聞いてきた。

 

「何かあったの?」「子猫ちゃんが黒猫を追いかけているんですがその様子が妙に必死だったからきになると一誠が言うから二人で追いかけているんです。」

 

「黒猫?なる程、もしかしたら。」「心当たりがあるんですか?」「ええ、追いかけながら説明するわ。」

 

そう言いながらエレベーターで降りていくと一誠がリアス先輩によく俺達が乗り込んでいるのわかりましたねと聞くとこう言った。

 

「私はいつもあなたを見ているのよ。」……何か怖い事言っている気がするが一誠は喜んでいるみたいだからまあ、いいか。

 

子猫ちゃんが外にでたので後を追いかけていこうとした時だった。

 

突如、背中に寒気を感じた!!猛烈な嫌な予感が!?「剣吾、どうした!?」

 

「良くわからないけど確かめないと不味い気がする!気のせいならいいんだが!?子猫ちゃんは二人にお願いするよ!」そう言うとグリゴリで借りた鳥型のディスクアニマルを取り出し滝川さんに飛ばした!

 

そのままゴジラギアを纏い荷電粒子咆で地面に穴を開ける!周囲が騒然としているがそれを無視して穴に飛び込み地面を掘る!!

 

どうしてこんな事をしているのか自分でもわからずどこに向かうか見当もつかないはずなのに一切迷うことなく掘り進めていく。

 

するとディスクアニマルが戻り滝川さんと連絡がつく。

 

「剣吾君、一体何があったんだい!?」「まず子猫ちゃんの様子が可笑しかったから俺と一誠、リアス先輩が気づかれないように後を追っていたが地中から何か良くないものを感じて二人と別れ地面を掘り進めている最中です。」と応える。

 

「何の根拠もなくもしかしたら子猫ちゃんもこっちもどちらも気のせいで大山鳴動して鼠一匹の結果に終わる可能性も高くなりですが仮にも二つも異変を感じた以上無視することはできません!

 

申し訳ありませんが一誠の方にも通信を繋いでください!早とちりだったら後で全力で土下座するんで。もし通信がきれたら何かあったと思って対応してください……?」

 

そこまで言ってから気づいた。いつの間にか通信が切れている。向こうから切ったというより電話でいう所の電線や電波が急に切れた時に似ているみたいだ?

 

後で知った事だがこの時子猫ちゃんのお姉さん黒歌が結界を張り周囲の空間と隔離された。それは地中まで広がり俺も結界範囲に閉じ込められた。

 

何があったか分からないが急に通信が切れたなら向こうも異変に気付き対応してくれそうだからそれを信じ突き進む。

 

するとそこには……!!

 

 

――――

 

俺、兵藤一誠は剣吾が急に地中に潜った後気にはなったが子猫ちゃんの事が気になり部長と共に後を追う。

 

幸い、子猫ちゃんのこの騒ぎに気づいておらず何かを探していた。そこに現れたのは黒い着物と猫耳が特徴的な美女!

 

いい胸しているぜ……って子猫ちゃんに似ている?と思っていたら子猫ちゃんが黒歌姉さまと言う。

 

あれがはぐれ悪魔になったっていうお姉さん。何でも使い魔の黒猫で探っていたのに子猫ちゃんが気づいたという事か。後部長、反省しているんでそろそろほっぺつねるのやめてください……。

 

お姉さんの後ろから現れたのはヴァ―リの仲間である孫悟空の子孫、美猴が現れた。美猴がお姉さんと親しそうに話しているって事は……子猫ちゃんのお姉さんも禍の団(カオス・ブリゲード)の一員なのか?

 

すると仙術……簡単に言えば自然の気を自分に利用する術らしく直接的な破壊力は天使の光や悪魔の魔力には劣るが、気やオーラを探知するのに優れ、自分や他者の気の流れを操ることができるらしい。

 

だから探知に優れている。つまり俺達の存在がバレているので大人しく前に出る。その時成長したと褒めてくれた。

 

どうやらテロとか過激な事をするつもりはないらしくただヒマつぶしの見学に来たらしい。

 

このまま帰ってくれるなら万々歳だったのだが子猫ちゃんも連れていくと言った事で事態は急変。

 

部長と黒歌が子猫ちゃんを巡って言い合い黒歌が結界を張り実力行使に移った。

 

美猴は武士の情けという事で見学していたがそれでも状況は悪く毒霧で子猫ちゃん、部長が毒で戦闘不能になった。俺は赤龍帝だから平気だったが二人も行動不能になった。

 

しかもお姉さんは幻術を使い惑わせる。しかも間が悪いことに神器を使おうとしても正常に反応にしない。

 

ドライグ曰く禁手か通常のパワーアップかでシステムが混乱し動かないとの事だ。

 

もう次の機械が無いかもしれないので是が非でも禁手にしたいとことだが当然敵がそんな隙を見逃してくれるはずもなくボロボロにやられる。

 

せめて子猫ちゃんと部長の盾になるぐらいしかできずお姉さんからもこれがヴァ―リのライバルと嘲笑う始末だ。情けなく思う中子猫ちゃんが俺にこう言った。

 

力が無くても優しさがなければ暴走してしまう。歴代の赤龍帝も力に溺れ破滅していきました。だからイッセー先輩は歴代の誰よりも優しい『赤い龍の帝王』(ウェルシュ・ドラゴン)になってください。

 

そして俺は自分がどうすれば禁手できるかその時悟り部長の力を借り見事禁手(バランス・ブレイク)に成功し『赤龍帝の鎧』(ブーステッド・ギア・スケイルメイル)に至った。

 

……そこに行くまで何故か敵味方から正気を疑われたがまあいいだろう。

 

その力は絶大でいつもの感じで魔力を放つと赤い閃光と共に今まで見たことのない力の奔流が放たれた!?

 

その威力は自分でも驚くほどで毒霧ごと結界を破り山を消し飛ばしてしまった!!

 

黒歌は最初面白そうにしていたが妖術仙術ミックスを真正面から受けてもノーダメージの俺に驚き攻撃を何度も放つが攻撃を弾きつつ一気に距離を詰め黒歌の目の前で拳を止めながら言った。

 

「次に小猫ちゃんを狙った時、今度はこの拳を止めない。あんたが女だろうが、小猫ちゃんの姉さんだろうがぶっ飛ばす!!」

 

そう言うと毒づいてみせる黒歌であったが、その瞳には怯えがあった。それに反比例するようにそれまで大人しく見学していた美猴のテンションが上がった。

 

どうやらまだ戦いは終わらないようだ。だが、毒霧が晴れたからか子猫ちゃんと部長も調子を取り戻しつつある。3対2それも結界が無くなり増援も来るだろうからこっちが有利だと気合を入れなおした時だった。

 

ドッカーン!!と丁度俺と美猴の間の突然地面が爆発したと思っていたら「アッチィィーあの野郎!!」と罵りながら剣吾が飛び立ててきた。

 

「剣吾、一体何が?」「ああ、とんでもないことがあってな?そっちも何かあったぽいな。」

 

「えっと、かくかくしかじか。」

 

「なる程……パーティで子猫のお姉さんを見つけて子猫ちゃんが後を追っていた。彼女はヴァ―リの仲間で無理矢理子猫ちゃんを連れていこうとしたから戦う事になって禁手に目覚め対抗しているのか……。」

 

「「「「良く分かったな!!」」」」と敵味方問わず俺以外の人が突っ込んだ。

 

伊達に長い間義兄弟やっていないからな。大まかなことはこれで分かる。

 

「よく禁手できたな……だが、それを聞いている時間はない!!この下にっ!」と剣吾が何かを話そうとした時だった!!

 

地面から何かが飛び出し黒歌に咬みついた!!「にゃあーー!!?」と黒歌の悲鳴を聞きながら咬みついた相手を俺は驚愕しながら見ていた。あ、あいつは!!

 

「ギャアアアアア!!」と黒歌を咥えていない残り二つの首が吠える!!

 

な、何でコイツがここにいるんだ!!?あの黒い三つ首姿、間違えようがない!

 

百合ちゃんを追い詰め剣吾が辛うじて撃退できたデスギドラが再び俺達の前にその姿を現した!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




滝川さんが生前いた世界では彼の死後対怪獣兵器として全世界に配備されたのがモゲラで轟天号を始めとした特殊軍艦と共に地球防衛軍の主力となりました。

剣吾が一誠がどうやって禁手に至ったのか知るのは別な機会になりました。本当はここでやりたかったですが話の展開的に説明している暇がなかったので。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第五章 冥界合宿のヘルキャット編 9

マイナス1がここまで世界で高い評価されるとは公開前は思ってもいませんでした。
ユアストーリーになるのでは思っていたあの時の自分を殴りたいです。
白黒版も見ましたがカラーの方が映像としてはいいですがリアルを感じたのは白黒だったというのが個人的な感想です。


遂に復活したデスギドラ!!で、でも何でコイツがここにいるんだ!?

 

歌織ちゃんの所に行ったんじゃないのか!?その疑問に思う俺兵藤一誠の疑問に答えるように部長が苦しみながら言う。

 

「……おそらくタイニーンを始め歌織を守護する存在に手こずると判断して先に自分を傷つけた剣吾を狙ったようね」

 

それでここに来たのか!?「……コイツ、全然気配を感じることができなかった!?何でなの!?」と黒歌が苦しみながら言う。

 

デスギドラは命が無い負の塊だったよな、確か。命が無いから生命エネルギーで探知する仙術に反応しないんだ!!

 

「にゃあーー!!?」と突然黒歌が悲鳴を上げる!よく見ると黒歌からオーラが、否この場合生命エネルギーと言った方が適切か?

 

ともかく生命力を急速にデスギドラに吸い上げられる。

 

そう言えばコスモスさんが言っていたな。デスギドラは本来寿命の長い植物を狙っていたがこの世界では悪魔を始めとした超常の存在も狙っていたと!

 

「……姉さま!」子猫ちゃんから悲鳴を上がる。いくら敵とはいえ子猫ちゃんのお姉さん、見捨てるわけにはいかないと助けようとするがその前に

 

「てめえ――!!黒歌を放せ――!!」と美猴が激昂し如意棒で黒歌を咥えたデスギドラの首に激しい突きを繰り出し繰り出した!!

 

流石にこれは無視できないダメージだったのか苦痛の悲鳴を上げつつ黒歌を離すデスギドラ!!

 

「大丈夫か!?黒歌!!」「うん、ちょっと無理みたい……。」と黒歌を抱き抱えた美猴が聞くが弱弱しく返事をするのもやっという感じだった。

 

少し移動させ寝かせると「ここからは俺が相手だ!!」とデスギドラにむかっていく!!

 

だが、デスギドラもダメージが回復したのか例のマグマを操る能力で自分の周囲にマグマを噴出させる!!

 

「うお!!」流石にこれは直撃したら不味いので慌てて後ろに下がった美猴。マグマの流出が終わるとデスギドラの姿が無かった。

 

逃げたか!?いや、まだ何か嫌な気配を感じる!?じゃあどこに隠れているんだ、また地中からでてくるのか!?そう思っていると

 

「マグマの中にいる!気をつけろ!!」と剣吾が叫ぶ!!

 

その直後噴水の様に噴き出ているマグマの中からデスギドラが飛びてできた!!

 

マ、マグマの中からでてきた!!しまった!マグマはあいつにとって寧ろホームグラウンドだった!!

 

散々マグマの能力を見せつけらたにも関わらずそんな事に気づけないなんて迂闊すぎる!!

 

……だが、マグマの中でも活動できるなんてやっぱりあいつはんぱじゃねえ!!

 

デスギドラは美猴に咬みつき黒歌みたいに生命力を吸い始めた!「ぐお、こいつ……。」

 

美候が悪態をつくが拘束から抜け出せず次第に弱っていくのが分かる!俺が助ける前に剣吾が飛び出しゴジラギアの刃を展開しデスギドラの首を斬り落とす!

 

「しっかりしろ!大丈夫か!?」「俺っち達を助けるなんてどうゆうつもりだ?」

 

「簡単な話、手を貸して欲しいからだ!分かっただろ?こいつがどんだけ厄介なのか!今俺達が下らない足の引っ張り合いしてる場合じゃないんだよ!!」

 

剣吾がそう言うと「まだ戦えそうなやつはどのくらいいる!?」「俺っちも厳しいな、黒歌もだな。」

 

「リアス先輩、子猫ちゃんもだな。こりゃ、やっぱり隙見て逃げて後は魔王様達に任せたが良いな。」

 

そう言っていると他の悪魔がこっち近づいてくる気配を感じた!!

 

そりゃ結界が消えてこんなドンパッチしていたらそりゃ他の悪魔達が気づかない訳がない!!魔王様や先生たちがいるんだ、そしたらいくらコイツでも!!

 

その思った時だった!!剣吾が切羽詰まった表情で「不味い!!伏せろ!!」と叫ぶ!!その直後俺達の周囲で大規模な爆発、否噴火が起こる!!

 

「うおおおお!!」と剣吾が叫びながら咄嗟に光の障壁を俺達に張って攻撃を防ぐ!!

 

さらに流出したマグマを金色に輝く鋭利な結晶体に変化させ周囲の被害を最小限に防ぎつつ大規模に光の障壁を結界みたいに大規模に展開しデスギドラが他に閉じ込めた。

 

だが、それは同時に援軍も近づけない壁を作ってしまった。

 

その時ディスクアニマルが起動し滝川さんの声が聞こえた!!「剣吾君無事か!!」

 

「滝川さん、デスギドラが!」「分かっているこっちでも察知している!君が噴火を止めなかったらどれだけの犠牲者がでたか分からなかった!」

 

「ぶっちゃけ現在進行形でシールドと地下のマグマを操って噴火させようとしているからそれを防ぐので精一杯です!今襲われたら確実に死ぬ未来しか見えません!!」

 

そういう剣吾から滝の様に汗が流れているから本当にきついだろうな!!

 

「ああ、分かっている。だが、今総督やルシファーを含めた魔王始め上級悪魔の眷属に至るまでパーティー会場に閉じ込められている!!」と耳を疑う事を教えられた!

 

「特殊な結界で幸い一時間足らずで自動的に消える代物だが反面瞬間的な力には驚異の耐久力を誇る。下手に力づくで壊すとその時に発生する余波で結界内外がどうなるか分からず解析して解除しようとしても見つける前に解けるというのが現状だ!おそらく禍の団(カオス・ブリゲード)の仕業だろう!!」

 

「じゃあ、援軍は期待できないってことですか?一応確認しますけどマグマ耐性ありそうな人います?」

 

「確認していないがまず期待はできそうにないね。」

 

「そうですか、せめてリアス先輩達だけでも避難させたかったんですが厳しそうですね……こっちは何とかマグマを無力化できていますが、正直いっぱいいっぱいで上手くコントロールできません。

 

そのうえ一回解いたらまた張ることができなくなると思うんで確実にデスギドラを仕留められる戦力が揃うか先生達が解放されら助けに来てください!何か動きがあったら教えてください!」

 

そう言うと俺にむかって「一誠、すまんがそいつの相手お前に全部任せた!大規模にマグマを操ることは現在進行形で妨害しているから大丈夫だと思うが倒すより時間稼ぐ前提の方がいいだろう。接近戦はできれば避けた方がいい!」とアドバイスしてきた。

 

「……ああ、任せろ!」と俺は応えデスギドラの前にでた!

 

最近頼りぱなしだからな。今度は俺が期待に応える番だ!

 

俺はデスギドラに向かっていく!『相棒!こいつ今地下のマグマを操る事に集中しているためか余り動けない、スピードを活かせ!!』

 

「分かった!ドライグ!」そう言いながらデスギドラの周囲を高速移動しながらラドラゴンショットやアスカロンによる斬突それに打撃を繰り出す!!

 

デスギドラも今の俺を無視出来ないみたいらしく苦痛のうねりを上げる。

 

よし、これならと最初は思っていたが途中で気づく。向こうから確かに爪や牙で切り裂こうとしたり炎を口から吐き攻撃もしてくれているようだがどうも攻撃が甘く感じる……。

 

『それは間違っていない!こいつは俺達の力ではダメージがあっても仕留める事ができないという事に気づいている。だからわざわざ封じられると分かっていてもマグマを操っているんだ!

 

リアス・グレモリーらにも攻撃しているのと同じ理由だ。お前の義弟が一瞬でも力を抜けないようにしているんだ!持久戦で力尽きるのを待っているんだ!!確実に仕留める為に!それだけ”ゴジラ”を恐れているんだろう!』

 

なるほど、俺達は眼中にないって訳か、なめやがって!

 

『そうでもないぞ、奴のリアクションからしても少なくても鬱陶しいとは思っているんだろう!じゃなければ俺達を剣吾やリアス嬢たちに集中して攻撃するはずだ!だが、最低でも首一本は俺達に集中している。奴にとってはかなり不本意な状況だろう。後は我慢比べだ!お前がどこまで禁手維持できるか、全てはそれ次第だ!』

 

じゃあ、俺が頑張らないとな!「だが、気をつけろ!一時間禁手を持たせるのは確実に無理だ。そして禁手が解ければその時点で負ける!それを頭に叩き込め!」

 

つまりどうにかしないと不味いって訳か……。どうしたもんかと考えていると

 

『相棒!気をつけろ!!』ドライグの警告と同時に嫌な予感を感じ咄嗟に躱す!直後先ほどまでいた場所に火砕流撃弾が命中した!

 

くそ、流暢に考えていたらやられる!だが、勢いそのままだったらこっちが先に力尽きる!どうすればいいんだ!

 

その時コスモスさんから通信が入る!!「「イッセーさん!!歌織がもうすぐ目覚めます!!」」

 

「本当ですか!?」「「今、私達が今歌織を目覚めさせる為に私たちが覚醒の歌を歌います。それを終えるまで何とか持ってください!」」

 

「分かりました!!絶対歌織ちゃんが来るまで待たせます!」「「お願い致します!!」」そう応えるとコスモスさんが目覚めの歌を歌い始めた。

 

――――新人悪魔が集まる会場にデスギドラ襲来の報告を聞きタイニーンは飛び出したい気持ちを必死に押し殺す。

 

もしこの場を離れ手薄になった所を禍の団(カオス・ブリゲード)やX星人などに襲撃されモスラの巫女である伊藤歌織に何かあったらそれこそ取り返しがつかないのだ!

 

その時だった。何処からかう美しくどこか癒しを感じさせる歌声が聞こえてきた。タイニーン配下のドラゴンたちも戸惑っていたが一匹が変化に気づいた!

 

「タイニーン様!!あれを!!」「どうした!!?」と視線をそちらに移すと森の主の根元にモスラの巫女が眠っている”繭”が歌声に合わせるように光り始めた!

 

「……そうか。遂に目覚めの時か!!」次第に発行と共に”繭”が動き始めた。

 

歌声が終わると”繭”が破れ”無数の光輝く小さな蝶が飛び出しデスギドラがいる方向に飛んで行った!

 

流石に体力がキツイな、剣吾も明らかに無理しているのが分かる!!このままではと思っていた時だった!

 

黄塵で囲っている結界をすり抜けてくる無数の光輝く小さな蝶を見た!いや、この姿蝶というよりコスモスさんが乗っているフェアリーに似ている?っということはまさか!!

 

蝶が一つに集まったと思った次の瞬間蝶が一つに結合した!!その姿は……。

 

[禁手 極光虫の聖武装・翠型](バランスブレイク モスラ・アームズ・カスタムグリーン)と響くと共に

 

「一誠さん、剣吾さん心配かけて申し訳ありません。もう大丈夫です!!」

 

「「歌織ちゃん(伊藤さん)!」」俺と剣吾が同時に叫ぶ!!

 

俺達がずっと心配していた歌織ちゃんの元気な姿があった。

 

しかもその姿は「緑色になっている!」剣吾驚いたように歌織ちゃんの姿が変わっていた。

 

服や翼が緑色を基調とした柄に変わっている。額に某美少女戦士がつけるようなティアラいや、どっちかといえばサークレットと言った方がいいのか?

 

とにかくティアラに水晶が三つ埋め込まれている。家紋とかにある三つ星型と言えばいいのだろうか?

 

手に持っている[極光虫の翼扇・翠型](モスラ・ファン・カスタムグリーン)も緑色に変化している!!

 

デスギドラも歌織ちゃんに気づいた瞬間彼女に集中し俺達が眼中になしという感じだ!!

 

「皆さん!お待たせしました!後は任せて下さい!」「では、復帰早々申し訳ないけど後お願いします。もう限界です……。一誠、俺にかまわず伊藤さんに手を貸すんだ!」

 

そう言うと剣吾がばたりと倒れた!それと同時に黄塵と結界が消える!

 

また大規模破壊攻撃をしてくるかと思ったが歌織ちゃんの事を警戒しているのかそれとも先ほどまでの戦いで消耗したのか分からないが今は様子見という感じで歌織ちゃんを見ている……。

 

互いに隙を伺い、いつの間にか気味が悪いくらいの静けさがその場を支配していた……。

 

黄塵で形成していた結晶体が自壊する音が響いた瞬間一斉に動いた!!

 

デスギドラが地面を力強く踏みつけ地下のマグマを噴出させるのに対し

 

「スパークリング・パイルロード!!」と歌織ちゃんが叫びつつ翼からは緑の鱗粉を撒きつつ雷が地面に当たったと思ったらそこから作りだした無数の光の柱がぶつかり合い相殺された!!

 

そのままデスギドラと歌織ちゃんは同時に飛び上がり激しい空中戦が始まった!!

 

デスギドラの口から赤い光線を放たれるが歌織ちゃんはモスラ・ファンで攻撃を弾く!!それも地上とかに当たらないように気を使いながら!

 

一瞬デスギドラが怯んだ隙を見逃さず、ティアラにある水晶からレーザーを放つ!!

 

「クロスヒート・レーザー!!」と叫びつつ緑色のレーザーを連射にデスギドラが苦しむ!!

 

歌織ちゃんはオーラ全開にしつつ高速で体当たりする!!さらにデスギドラを連れてそのまま高速で何処かに行ってしまった!!

 

『相棒、ドラゴンアップルの森がある方向に飛んで行ったぞ!!』』そうか、なら俺たちも追いかけるぞ!

 

「「イッセーさん!待ってください!今こちらに転移します!!」」とコスモスさんの声が聞こえたと思ったら転移魔方陣により俺は転移されていた!

 

「お前達、無事か!?モスラの巫女は!?」「今デスギドラを連れてきています。何故歌織ちゃんを転移しないんですか!?」

 

「「高速で移動しているか難しいですよ、何よりデスギドラが大人しくしてくれるとは思いませんし……来ましたよ!」」

 

と声に反応し視線の先を見ると歌織ちゃんがデスギドラを地面に叩き落とす所だった!!

 

今気づいた、この場所は剣吾がデスギドラを倒した場所だ!!手にしたモスラ・ファンが光り輝き形を変えていく!

 

先端が蝶いやモスラか、の造形をした人の背程の大きさを誇る杖。そうそれは正にゲームとかに登場する魔法使いの杖そのものだった。

 

[極光虫の聖杖](モスラ・ロッド)と機械的な音声が鳴り響く。「帰蝶弾!」の言葉と共に杖から緑色の光弾が複数放たれる!!

 

光弾はまるで生きているみたいに変幻自在の動きをしながらデスギドラに命中する!それも目や口の中とかピンポイントな弱点部分に!

 

流石にこれは無視できなかったみたいでダメージに苦しみ怯むデスギドラ。

 

その隙を見逃さず、歌織ちゃんが[極光虫の聖杖]の先端に緑の光を集めるのと同時に、翼も緑色に発光していき輝きを強め緑の光線が放たれる!!

 

光線は最早柱と言っていい太さになりデスギドラに命中し爆発する!!

 

その爆風に耐えつつその威力に驚く!!な、なんて威力だ!!剣吾の荷電粒子咆並みいや超える火力じゃないかこれは!?

 

「胡蝶嵐・神光・緑式!」(こちょうらん・しんこう・りょくしき!)と呟く歌織ちゃんの姿がまるで天使みたいに神々しかった……。

 

爆煙が晴れるとデスギドラもかなりのダメージを受けているようで地中に埋まってしまった!

 

デスギドラがまた活動する前に歌織ちゃんが封印すべく、デスギドラを中心にする形で空に鱗粉ばら撒きながら飛ぶ事で巨大なモスラの光る紋章を形成され始めた……。

 

これでいけると思っていたが突如地面が爆発しデスギドラが瓦礫を押しのけて復活する!

 

今までのダメージをくらっているはずなのに、いやダメージがあるからこそか!手負いの獣は恐ろしいとはよく聞く言葉だが嫌でも思い知らされた!!

 

歌織ちゃんが封印しようとしている事に気づいているんだろう。無差別に赤い光線や業火を吐き封印を止めようとする。

 

歌織ちゃんも封印作業中は集中しなければならないので回避しかできずかなり苦戦している。確かにこのままだったら失敗に終わっただろう。だがな!!

 

「往生際が悪い奴だ!!さっさと眠っていろ!!」とタイニーンのおっさんが巨大な爆炎を放つ!!

 

隕石の衝突クラスの威力がある爆炎は流石のデスギドラでも直撃したらひとたまりもなかったらしい。

 

いくら歌織ちゃんが一番の脅威だからって俺達を余りに軽視し過ぎたのが敗因だったな!ほぼ不意打ちで攻撃ができた!!

 

「森の仇だ!!たっぷり思い知れ!!」とダメ押しとばかりに火の玉で追撃した!

 

虫の息という言葉がこれほどまで似合う事が無いぐらいにボロボロに横たわっていた。

 

そして時間を稼いでいる間に紋章が完成した!!

 

「「今です!!一誠さん!!」」「これで終わりだ!!」左手にコスモスさんから渡されたエリアスの盾を紋章目掛けて投げた!!

 

これにはデスギドラも驚いただろうな。封印を確実なものにするにはエリアスの盾が必須!

 

だからモスラを宿す歌織ちゃんかコスモスさんが持っていると思っているだろう。

 

だが、今回俺が持つことになったのは単に予想を外す為だけじゃない!!

 

投げた盾が紋章に触れた瞬間輝きを増し聖なる力を増す!!赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)による倍加の影響で本来より発動時間を早めることができた!!

 

 

デスギドラは絶叫上げつつ成す術が無く光に包まれる……!?今の表情は何だ!?と見返す前に巨大な光の柱の中に消える!!

 

光が消えるとそこにはエリアスの盾が地面に埋まっている……!!一拍置いて俺を含めたその場にいた全員から歓声が沸き上がる!!

 

「まだ終わっていません!」と枯れた森の上を飛びながら鱗粉をばらまいた。

 

「パルセフォニック・シャワー!!」と叫ぶと鱗粉から聖なる力が放つと枯れた大地から緑が蘇っていく!

 

「森が、ドラゴンアップルの森が蘇ったぞ!!」「やったー!皆助かるぞー!!」

 

「何という奇跡だ……!!礼を言うモスラの巫女よ。この実を必要とする種族全ての代表として感謝する。本当に、本当にありがとう……!!」タイニーンのおっさんが男泣きしながら歌織ちゃんに頭を下げる。

 

「そんなやめてください。こちらだってデスギドラが襲ってこないようずっと付きっ切りで守ってもらったのですから頭を上げてください。」

 

歌織ちゃんが慌てながら止めるという珍しいものを見て俺達は笑ってしまった。

 

「これは凄いですね。正に神の奇跡と言っても過言ではない御業ですね!」そんな微笑ましい光景を見ていたら突如背後から聞き覚えが無い声が聞こえてきた!?

 

そこには背広姿の眼鏡をかけた美青年がいた!?手に剣を持っており、腰にはもう一振りの剣が携えられている。

 

いくらデスギドラに集中していたとはいえ気配を何も感じなかった!?それだけでも只者じゃないって俺にも分かる。何者だ?

 

「私の名前はアーサー・ペンドラゴン。この度黒歌と美猴を救っていただきありがとうございました。撤退前にお礼を言いに来ました」

 

「ってことはお前、禍の団(カオス・ブリゲート)か!?」「ええ、正確にはヴァーリのチームに属しています」俺の言葉をあっさり肯定し一気に緊張感が増す!

 

「全員、手を出すな!!その剣は厄介だぞ!!」タイニーンのおっさんが俺達を止めた!!

 

「聖王剣コールブランド、またの名をカリバーン。エクスカリバーやデュランダルを差し置いて地上最強の聖剣と称されるコールブランドが白龍皇に従うとは……!!」

 

「ご安心を。これでもこの剣を受け継いだ末裔なので仲間の命を救った貴方たちと事を荒げるつもりはありませんよ。先祖の名を汚すわけにはいきませんので」

 

「ふん、テロリストになった時点で十分汚していると思うがな。」「そこを突っ込まれると耳が痛いですが私も色々事情がありましてね……。」苦笑いしながら応えるアーサー。

 

「腰にあるのも聖剣だろう?それもかなり強力な。」「流石にお目が高い!最近漸く見つけることができた最後にして最強のエクスカリバーその名も『支配の聖剣』(エクスカリバー・ルーラー)です!」

 

あれが行方不明になっていた最後のエクスカリバーだと!?その言葉に全員が驚愕を隠せなかった。

 

「実を言うとそちらの聖剣使いと聖魔剣の使い手に大変興味がありましてね。赤龍帝殿、あなたからご友人によろしくと伝えていただけませんか?いずれ一剣士として相まみることを期待している――と。それではお元気で」

 

そう言うとコールブランドを空を斬ると空間の裂け目が生まれた!?驚いている間にアーサーが裂け目に入ると幻でも見ていたように裂け目も消えた……。

 

ヴァ―リの仲間がどれだけいるか分からないがどいつもこいつも強そうで参るぜ。だが、今はそれより

 

「歌織ちゃん、凄いパワーアップだな!驚いたぜ!」「一誠さんも禁手できるようになって良かったです」

 

と互いにパワーアップを称えあう。「……それはそうと貴方女子風呂に乱入した件まだお説教は思わってませんよ。」「い、いやあれは先生が……。」

 

と抗議も虚しく正座でたっぷり叱られたのだった。途中で剣吾が全身酷い筋肉痛で苦しんで倒れているという報告を聞きラッキー程度の感覚で剣吾の元に向かった。

 

 

この時俺達は気が抜けていて気付いていなかった。デスギドラが封印される直前まるで長年願い続けた望みが叶ったような歓喜と驚愕が混じった顔をしていたことに……。その意味を知るにはまだ当分先の話だ。

 

――――

 

 

「デスギドラよ、君の力篤と見せてもらった。今はまだ眠るが良い。時が来たら君もわれらの元に来ると良い。全ては偉大なる主の意志と共に」

 

そう言い残し遠くから映像を見ていた謎の人物はどこかに転移した。冥界側が気づくことは無かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




[極光虫の聖武装・翠型](モスラ・アームズ・カスタムグリーン)
ドラゴンアップルの森及び森の主である神木から大地の力を吸収しパワーアップした姿。翅を始め基本色が緑色に変化している。セーラー戦士がつけるようなティアラに水晶が三つ埋め込まれている。従来の魔法少女衣装の下にボディスーツを身につけている。

[極光虫の翼扇・翠型](モスラ・ファン・カスタムグリーン)色が変わっただけでなく以前のものより全ての面で強化されているが五条の理由で基本は接近、白兵戦の時使用される事が多い。

[極光虫の聖杖](モスラ・ロッド)[極光虫の翼扇・翠型]から変化した聖杖。杖の先端にモスラの造形をした人の背程の大きさを誇る杖。ほぼ遠距離戦に特化したもので接近戦は盾代わりに防ぐ程度。
魔法少女リリカルなのはに登場するデバイスレイジングハートが元ネタで完全に魔砲少女の戦い方をします。

クロスヒート・レーザー ティアラの水晶から放たれるレーザー。連射、速射性に優れる上射角が広めと使い勝手がいい技

スパークリング・パイルロード 鱗粉をまき、巨大な光の柱を発生させ目標を攻撃する。

帰蝶弾 杖から誘導制御可能な緑色の光弾を複数放つ。元ネタは魔法少女リリカルなのはに登場する高町なのはが使用魔法ディバインシューターです。

胡蝶嵐・神光・緑式(こちょうらん・しんこう・りょくしき)元ネタはスパークリング・パイルロードの腹部から極太ビームを放つ技。流石に分かりにくいという事でここでは別の技として紹介します。
杖の先端又は翅から緑の光線が放たれる。高町なのはが使用魔法ディバインバスターをイメージすれば大体あっています。威力、射程、速度を調整する事で荷電粒子咆に匹敵する威力にもすることが可能。
本来神光は無差別広範囲攻撃だったがこれにより威力を一点に凝縮させることで破壊範囲を狭くする事を可能にした

パルセフォニック・シャワー 主に植物を中心に枯れた土地を蘇らせる事を可能にする。高い再生、復元能力を誇るが反面消費エネルギーが大きい上調整できないので戦闘中に使用はできず後処理専用技になる。




目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第五章 冥界合宿のヘルキャット編 10

勇気爆発バーンブレイバーン全くのノーマークだったので余りの面白さに驚いています

ゴジラアカデミー賞おめでとうございます!!ガンダムSEEDの劇場版も盛り上がっていますし個人的に見たい映画が複数春に公開されるので楽しみです。


「失態ですね。悪魔だけでなく我々全員まんまと出し抜かれましたね……。」魔王領にある会議室で、堕天使副総督であるシェムハザは開口一番にこう言った。

 

隣にいる俺アザゼルもその言葉に同調した。これがもし冥界指名手配中のSS級はぐれ悪魔である子猫の姉黒歌がパーティーに潜入した。

 

それだけだったら悪魔の警戒体制が悪いとシェムザの小言とセラムの不満だけで済んだかもしれない……。

 

いやそれだって不味いが俺がカジノに夢中だったのもありそこまで追求する資格がないのもあるのだが。

 

今回一誠が禁手(バランス・ブレイク)に至り全員無事だった。それでお釣りがくる出来事でそれだけなら喜ばしいことだった。問題はその後だ。

 

デスギドラの襲来及び各勢力の上訴部がまとめて隔離された!!

 

伊藤歌織の活躍でデスギドラを封じることができたから無事解決したものの俺達は結界を解除することも破る事もできず自然に消滅するのを待つことしかできなかった。

 

「総督、無事ですか?」「博士、ああ全員無事だ」と俺の元に駆け寄ってきた滝川義人と言葉を交わす。

 

「総督たちを封じた結界、あれは果たしてX星人のものなのか、それとも」

 

「俺達の世界具体的には悪魔などの超常かあるいは神器(セイクリッド・ギア)とかではないか。それについてはっきりしていないがもし神器だとしたらおそらく神滅具(ロンギヌス)だ。確証はないがもし今俺の頭にあるものが禍の団に組しているなら最悪だな」と深刻な声で俺が応える。

 

頼むから杞憂であってくれと思案していると頭には古ぼけた帽子を被った床につきそうなぐらい長い白ひげが印象に残る一人の老人が室内に入ってくる。

 

「若造どもが、老人の出迎えもせずに何を落ち込んでいるじゃ?」と床に届きそうなほど長い白ひげと魔法使いを思わせる古ぼけた帽子と質素なローブに長い杖を身につけている。

 

何よりも隻眼の目が目立つ。おいおい、こいつは……。

 

「ま、まさか貴方様は北欧神話の主神オーディンさまですか!?初めまして、自分は滝川義人と申します。現在は世界防衛軍の技術顧問におります。本日はわざわざお越しいただき誠にありがとうございます」

 

博士は緊張混じりながらも真っ先に対応した。

 

「ほう、お主か。怪獣どもがいた世界の記憶持ち転生した者とは。そこにいる父なる神や魔王を失った負け犬の小童どもと違い礼儀もある。実にいい。もし不満があったら儂が面倒みるぞ?」

 

「おい、博士に目をつけてるじゃねえよ、田舎じじい!」

 

「久しいな、悪ガキ堕天使。長いこと敵対していた相手と仲良くやっておるようじゃが……また小賢しいことでも考えているのか?いや単に例の宇宙人どもにバラバラじゃ勝てんから手を組まざる得ないだけか」

 

「やかましいわ、田舎じじい!!しきたりやらで雁字搦めの古臭い田舎の神様とは違って俺たちは独り立ちした若人はわずらわしい敵対関係よりも自分たちの発展向上を選択できる柔軟性があるんだよ!!」

 

「悪ガキどものお遊戯会にしか見えんでな。笑うつもりだったが思った以上に惨めで笑う気にもなれん」

 

互いに悪態つくと「まあ、その辺りにしてください。オーディン様、今ルシファー様が来られましたので是非ご挨拶をお願いします」

 

「すまないね、滝川君。代わりに対応してくれてありがとう。お久しゅうございます、北欧神話の主神オーディン殿」

 

「サーゼクスか。ゲーム観戦の招待、来てやったぞい。しかし、おぬしも難儀よな。監獄に封印された奴を除き本来のルシファー最後の血族がテロリストでしかも白竜皇とは。悪魔の未来は前途多難じゃの」

 

オーディンは皮肉を言うがサーゼクスは苦笑するにとどめた。

 

「時にセラフォルー、その恰好はなんじゃ?」といやらしい視線でセラフォルーを見る。

 

「あら、オーディン様はご存じないの?これは魔法少女の格好ですわよ☆」とお気に入りのコスプレすなわち魔法少女の格好でオーディン相手にいつものポーズをとる。

 

「ほう、最近の魔女はこんな格好なのか?ふむ露出がありこちらの方がいいな。こればかりは認めざるを得ないかの」

 

そういいつつ先ほどからセラフォルーを食い入るように見つめる。完全にただのスケベ爺だな。

 

するとおそらく連れと思われる銀髪のヴァルキリーがこちらに駆けつけてきた。

 

「オーディン様!勝手に行かないでください!人が目を離した隙に行くんだから!ヴァルハラの恥ですから卑猥なことやめてください!!」

 

「まったく、お前は堅いのう。そんなんだから勇者(エインヘリヤル)を一人もものにできんのじゃ。」

 

「ど、どうせ私は彼氏いない歴=年齢のヴァルキリーですよ!私だって彼氏欲しいのにぃ!うぅ!!」

 

その一言に銀髪のヴァルキリーは泣きだした。

 

「すまんなあ。こやつ、器量はいいが堅くての。そのおかげで男ができん」

 

「そうですか?素敵な女性なのに見る目がないですね、その男性たちは」俺がヴァルハラの人選に疑問していると意外にもフォローしたのは博士だった。

 

「何だ、博士惚れたのか?」「……残念ながら彼女のパートナーは私ではないよ。だが間違いなく今年中に出会い来年にはお互いに認める関係になるだろう。私を信じてごらん」

 

落ち着いた声で確信したことをいう博士に全員が注目した。博士の勘はよく当たる。まるで未来が見えるみたいに。恋愛にはあまり口を出さない彼がこんなことを言うのに正直驚いている。

 

……いや、学校に通っていたころは生徒や教師を始め様々な悩みを聞いていたと聞く。その中には恋愛相談もあるだろうから案外向いているのかもしれない。

 

そう思いながらヴァルキリーを慰めるのは博士に任せオーディンがゲームの話をすることで話題はシトリーVSグレモリーのゲームに変わった。

 

そして思い出したようにオーディンが言った。「そうそう、例の怪獣王を宿した小僧、モスラの巫女は参加せんらしいがどうしたんじゃ?」

 

「ああ、あいつらなら……」俺が下の窓に指を指すと

 

「ぎゃああ!!もっと優しく!!」そこには情けない悲鳴を上げつつ重度の筋肉痛で体を動かす事ができず成す術無くマッサージを受けているのは中島剣吾。

 

マッサージは磯野敏博含めた巨獣器三人組、いや奴の婚約者である花沢鈴さんも含め巨獣器4人組からのほぼ拷問と言っていい秘伝らしいマッサージを受けていた。

 

「うわ、これ凄いね。体ガッチガチ!一般人ならハンマーでもコリ取れないじゃない?」と鈴が言いつつ針を突き刺す!

 

再び悲鳴を上げる剣吾。あそこ結構危ない位置だが大丈夫なのか?「うっさい!!」

 

磯野が大槌モードの「暴竜の戦槌」 (アンギラス・ハンマー)で頭部を殴り気絶させようとするが

 

「何すんの!?磯兄!!」「……頑丈だな、気を失わせようとしたのだが」そう言いつつ何度も殴りつけ気絶させようとするが完全に拷問なだけで最後まで気絶することが無かった。

 

「よし、終わりだ」と磯兄は言うが剣吾は完全に魂が抜けているらしく反応が欠片も無かった。

 

「……大丈夫ですか?剣吾さん」伊藤歌織の呼び声に剣吾はゆっくり体を起こしながら聞いた。

 

「伊藤さん……体は大丈夫?っていうかいつからそこに?」「たった今ですよ。体はもう大丈夫ですよ。念の為に検査してもらっただけなので」

 

「そう、よかった。僕の方は無茶をした結果全身筋肉痛で苦しんでいます。特に非対称性透過シールド?でしたっけ?一誠が黄循呼んだ光の障壁あれすんごい疲れる上全身の筋肉が硬くなってしまうみたい。もうやりたくないですね……」

 

「しかし、よく頑張ったな!すまんな、気づくのが遅れて手助けできなかった」「仕方ありませんよ。フェニックスの方に行ってたそうじゃないですか?」謝る磯野に歌織が応える。

 

「……そういえば一誠達の試合いつやるんだろうね?磯兄達は主にシトリー眷属を鍛えていたみたいじゃない?」「そうだぞ」

 

「剣吾さんはどっちが勝つと思いますか?」「う~ん、お互いに大した怪我しなければ僕にはあんまり関係ないかな?」

 

「お前相変わらずだな……」「生死とかに関係しない試合はただ見守るだけだよ。そもそも」

 

剣吾は何かを言いかけたが「何でもない」と言う。

 

何か察するものがあったのかその場にいた全員がそこに触れず話を進めた。「歌織はどうだ?」

 

「私はグレモリー眷属と行動することが多いので中立ですがどちらかと言えばグレモリー眷属ですね。一誠さんが禁手できるようになりましたし」

 

「それはどうかな?磯兄が鍛えたんでしょ?じゃあ勝てたとしても相当ボロボロになっていると思うよ」

 

「意外ですね……貴方は一誠さん達がいるグレモリー眷属を応援していると思っていましたが?」

 

「応援はするけどそれは実際に勝てるかどうかは別問題。こっちが強くなったのに向こうがそれ以上に成長している可能性があるってだけだよ。それに」

 

「それに?」「グレモリー眷属とシトリー眷属どっちが勝つか分からないけど僕の勘が当たっていたら一誠に関しては禁手に成功したらおそらく負けるだろうね」

 

「あれがゴジラを宿した小僧か。一見気弱そうで戦いに不向きだと思っとたがそうでもないみたいじゃな」様子を見ていたオーディンが口を開いた。

 

「ああ、あいつの恐ろしい所は普段人がいい反面時折シビアな面を見せるんだよ。こっちが引くレベル程冷静にな」と俺が応えると

 

「それに加えお前に見せてもらったコカビエル、ダガーラそして今回のデスギドラ戦での爆発力。最弱の適合者だと言われていたが実は歴代で最も恐ろしいのは奴かもしれんな」

 

「ゴジラに精神を乗っ取られなかったのはあいつの闘争心が足りていない、サーゼクスが言うのは優しさだと言っていたがそれだけじゃないかもな」とオーディンの言葉に俺は応えた

 

「アザゼル、剣吾君の言葉どう思う?」「あいつも薄々感じているのかもしれないな。一誠こそがチームのテンションを維持しているってな」サーゼクスの問いに応えつつ

 

「一番の問題は一誠が倒れた時あいつらの気力が落ちるか上がるかだな。こうなると剣吾や歌織がいないのが辛いな。それにシトリーにはあれがあるしな。それについては前日話すさ」

 

「それよりお前はいいのか?付いていなくて?今回のは事が事だ。他の魔王に任せてもいいじゃないか?」

 

「そうしたいが既に妻が職務を休みミリキャスといる。私が行ったら追い返されるだろうさ。それでも行くだけいくがね」「そうか、もし休んだら俺がやってもいいから安心しな」そう言いつつ他の参加者も交えゲームについて話し合った。

 

 

決勝前夜俺兵藤一誠がいるグレモリー眷属はアザゼル先生の部屋に集まり最後のミーティングをしている。剣吾と伊藤さんはいない。

あの後部長と子猫ちゃんを含めた全員の体調が全員回復したの確認すると作戦とか喋るかもしれないから余計な情報は知らない方が良いという事で試合直前に声かけるまで別行動している。

 

「シトリー眷属は『王』(キング)、『女王』(クイーン)、『戦車』(ルーク)、『騎士』(ナイト)がそれぞれ一名。『僧侶』(ビショップ)、『兵士』(ポーン)それぞれ二名で私たちと同じ人数はこちらと同じ八名ですね」

 

朱乃さんがそう言うと「お前たちに教えて置くことがある。シトリー眷属の一部に人工神器(じんこうセイクリッド・ギア)を投入している。」「人工神器?」

 

聞き覚えが無い単語を聞き俺の勉強不足かと思ったが他の皆も疑問になる。

 

「俺達『神の子を見張る者(グリゴリ)』が長年神器を研究し開発された神器の模倣品だ。博士の協力もあり試作品が完成しその適合者として選ばれたのがシトリー眷属だ」アザゼル先生が俺達の疑問に応えた。

 

「何で俺達には無いんですか?」

 

「もうお前たちは神器がある、無い者も自分のスタイルを確立していたからな。ゲームが決定以前からソーナの眷属が適任と話していて採用した直後にこの流れになってな。直前まで黙っていた。どんなものかは実際に戦ってからのお楽しみだ!」

 

『神の子を見張る者(グリゴリ)』の技術で作られた人工神器……どんなものかと俺達が考えていると

 

「実戦では何の情報もない状態で戦うことの方が多い。これも修行だ」

 

簡単にプレイヤーのタイプを説明してくれた。単純な力で押す名は体を表すパワー、スピードや技で秀でたテクニック、魔力に秀でたウィザード、味方を支援するサポートに分けられる。

 

さらにこれら複数の要素を合わせ持つケースも多い。例えば俺はサポートもできるパワータイプの様にな。

 

「現段階での前評判ではお前達の勝ちに80%と俺も含め予想している。だが、それは『絶対』じゃない!駒の価値も実際のチェスと同様いくらでも変わる。ルールで力発揮できず負ける例なんて腐るだけある」とアザゼル先生が言い

 

「俺は長く生きてきた分いろんな戦いを見てきた。だから分かるんだよ。勝つ可能性が1%以下のヤツが勝利した奴らを覚えている。どんなに小さな可能性も甘く見るな。約束された勝利はない。だが、勝ちたいと思え。分かっていると思うがシトリー眷属の覚悟絶対に侮るなよ!俺から言える最後のアドバイスだ」

 

そう言うと先生はやる事があるので出ていったが俺達は明日の戦術を話し合った。

 

 

レーティング・ゲーム決戦当日。

 

僕中島剣吾は伊藤さんや磯兄始め他の巨獣器と共に一足早く会場入りしている。

 

皆はグレモリー家本城の地下にあるゲーム会場に転送されるための専用魔方陣でそのまま決戦場に直接転移されるからグレモリー家で応援するのは辞めた。

 

メッセージはアザゼル先生に伝言お願いしたからいいだろう。

 

「でも本当に最後に会わなくて良かったのですか?」伊藤さんの問いに

 

「まあ余計な事言うかもだし実際の試合を見たいからね」

 

因みにグレモリー眷属はそれぞれの戦闘服として制服を選んだがアーちゃんはシスター服にゼノヴィアさんは教会戦士時代のボンテージぽい戦闘服を選ぶとの事だ。

 

個人的にはどうせならヒーローやゲームとかにでてきそうな格好にして欲しかったけどなあ。

 

「それより僕が気になるのはミー君だよ。サーゼクスさん、グレイフィアさんの話ではあの時の事で随分苦しんでいるそうだし」

 

幸い怪我無いとはいえあんなことあったのならそりゃあおっかない目にあったら相当のトラウマだろう。

 

「そっちも心配なの分かるけど今はこのゲームに集中しようぜ!どうせここで言ってもどうにもならないだろうしな」と磯兄が言う。

 

「客観的に見れば一誠さんが禁手できた今グレモリー陣営の方が有利でしょうね」

 

「それはどうかな?磯兄達が生徒会鍛えたんでしょ?なら多分禁手していると思って訓練しいると思うよ?試合展開にもよるけどおそらく匙君が一誠に対抗するつもりじゃないかなあ?」

 

「ほう、よく分かったな?」「っていうか磯兄がほぼ匙君に専念したんじゃない?」「何でそう思う?」

 

「そりゃあの二人は似ているからねえ。龍の力を持つ神器も持っている……おそらく両方ともそう遠くない未来それぞれの陣営で最強戦力になるだろうね」

 

僕がその評価に皆がちょっと驚いた表情をしている。

 

「鈴姐さん、マイロンさん、佐々木さんは昨日聞いた人工神器を持っている人を中心に鍛えたのかな?」

 

「何でそう思うの?」「単純な話。人工神器なんてどんなものかよくわからないけど磯兄が絶対面倒くさそうなもの教えるイメージが無かったからだよ。」

 

「おお、ほぼ正解ね。正確には人工神器はマイロン兄と理恵が担当して残りを私が担当したね」と鈴姐さんが教えた。

 

「俺たちは教えたからシトリー眷属の方を今回は応援させてもらうぜ。夢を否定された同情もあるしな」

 

「まあ、僕も身内だからオカルト部を応援するけどただ」「ただ?」と理恵さんが聞き返すと

 

「ルールや場所、展開次第いくらでも変わるからどっちか勝つかなんて全然想像つかないけど僕が言える事はこれぐらいかな?」「何デスカ?」マイロンさんの問いに

 

「一誠がもし禁手に成功したら多分一誠はどこかで負けるだろうね」と応えた。

 

理由を聞く前に会場の雰囲気が変わり映像が映し出されたので会話を中止した。

 

「皆様、初めまして。私は滝川義人。現在世界防衛軍の開発部門に所属しています。

 

ルシファー様より本来務めるはずだった『女王』グレイフィア様が諸事情により欠席されたので代役として今回のグレモリー家、シトリー家のレーティングゲーム審判を務めることになりました。

 

これは両者と同じ学校に通い親交があったのもあったというのも大きな理由かつ悪魔陣営に関わりが薄い方が公平な判断できると頼まれこれを機に他勢力との交流になればと思いお受けしました。何卒よろしくお願いいたします」

 

まさかの滝川さん登場に会場は騒然とし生徒会、オカルト部奏法も驚いていたが理由を聞き納得しているようですぐに収まった。グレイフィアさんというよりミー君の問題だろう。

 

今回ばかりはサーゼクスさんもミー君の傍にいるとしてこの場におらず代わりにベルゼブブが対応していると説明してくれた。

 

「今回のバトルフィールドは私も在籍していた駒王学園近辺のデパートを舞台にしました。これは両チームが見慣れた場所で互いに熟知したこのフィールドをどう生かすかが鍵です」とバトルフィールドであるデパートを映しながら説明を続ける。

 

「今回のゲームは屋内における短期戦(ブリッツ)になります。制限時間は三時間!時間過ぎても決着がつかない場合残っているメンバーの数が多い方を照射とします。今回屋内ということで過度な破壊は危険と運営が判断したので禁止にしました。

陣地に関してはグレモリーチームは東側一階、シトリーチームは西側二階が本陣となります。昇格プロモーションは相手陣地に到達したときに認められます。細かい禁止事項は両チーム及び会場の皆様に資料で説明させて頂きます。では30分後にゲーム開始します!」

 

その言葉が終わると会場のスクリーンに細かいルールが映し出された。大雑把にまとめたものもご丁寧に書かれておりギャスパー君の神器は不安定だから禁止。ドーピングアイテムも禁止。

 

「これは負けたかな?」と僕が言うと「諦めるの早くないデスカ?」とマイロンさんに突っ込まれる。

 

「だって長所を封じられたんでしょ?それに人工神器の件もあるし、何よりリアス部長も生徒会長も頭いいけどこっちは火力特化の傾向が見られるけど向こうは応用が利きそうな気がするだよね」

 

「……貴方って見て内容でこうゆう勘は当たるのようね?どういう事かしら?」

 

「そいつは自分に無関係な事に対しては結構観察力が鋭いんだよ?自分が関わる事に関しては色々な願望とか混じって当たらないという役に立つんだか立たないんだか分からない特技でもある」理恵さんの問いに磯兄が応えた。

 

「力=強さでなく強さ=勝利じゃないと昔散々磯兄やおじさんから教わったからね。それらはあくまで有利になるだけだ。このゲームもチェス同様格下が格上に勝つなんて幾らでもあるらしいしね。僕としては正直今回このルールでよかったと思うよ」「何でなの?」鈴姐さんの問いに

 

「所詮これはゲーム。負けたら悔しいだけだからね。実戦でも今回みたいな屋内戦を始め周囲を巻き込むような大規模攻撃ができないことなんておそらく今後幾らでもでてくるでしょう。そのいい練習に丁度いいからですよ。」

 

「前から思っていましたけど貴方はX星人、禍の団(カオス・ブリゲード)との戦いに集中しゲームを軽視する傾向がありますね」

 

「そりゃ実際に死ぬわけじゃない、幾らでもやり直しがきくなら寧ろそう簡単に勝てない方がいい。プロになる前だったら苦戦していた方は今後の為になると思う」

 

そんな話をしていると一時的に両チームの様子が映し出された。それぞれ試合の為に相手の陣地に移動していたり逆に守りを固めるために動いていた。

 

一誠は何をしているのかと思って探してみると見つけた瞬間僕たち全員の目が点になった。

 

このゲームは彼らにとって大事なゲームのはずだ。だというのあの馬鹿はエロ本読んでやがる!おい、色んな人が見ているんだぞ!あのアホ!!

 

「あいつ、本当に何してるんだよ……よくあれで説教できたもんだ」と以前二人だけで話したことを思い出し呆れつつもま、一誠らしいか。あの平常心なら大丈夫だろうと思っていると。

 

ガタ!!うん?隣で勢いよく伊藤さんが立ち上がる音を聞きそっちに目を向けると

 

うわ~おっかない……めっちゃキレてる。「い、伊藤さん、お、落ち着いて。あの馬鹿血祭りにあげるのは終わってからでも遅くないですから!」

 

びびりながら止めると「「そうですよ、歌織!!冷静になりなさい。折角のゲームを台無しにするつもりですか!」」とコスモスさんもフェアリーに乗ってきて伊藤さんを止める!た、助かった!

 

保護者がいればどうにかなる。流石の伊藤さんもコスモスさんには頭が上がらず「わかりました……」と渋々ながらも矛を収めた。

 

ああ、良かった。これで伊藤さん止めるために戦うなんて冗談じゃないと胸をなでおろす僕だったが……この時の懸念が現実になるとはこの時の僕は想像もしていませんでした……。

 

一誠の方に視線を移すといつの間にか朱乃さんと子猫ちゃんが近くにいた。

 

何をしているのかこの角度からではよく見えず音も開始前は聞こえない設定だから一切分からないが何かを話していたようだと思っていたら映像が消えた。

 

後はゲーム本番まで映し出されることはない。一体何してんだろう。仮に映像や音声がはっきりしても僕達はそれどころじゃなかったから知ることはなかっただろうけどと思っていたらゲームが開始された。

 

そして各チームそれぞれの映像が映し出される。すると映像に何かが飛んでいるのが見えた。

 

グレモリーチームからは蝙蝠、使い魔が使用できないからあれはギャスパー君が変化したものだろう。

 

色々探しているみたいだが妙なものがあった。な、なにあれ?宙に浮かんでいる不気味な複数の仮面!?

 

え、お化け!?やめてよ、怖い!!「剣吾さん散々悪魔とか魔物に出会ったのに今更ビビりますか?」

 

「強い弱いじゃなくて怖いもんは怖い!悪かったね情けなくて!」

 

「いやお前の場合最初はビビるけど明確に危害が加えてきたり他の誰かが襲われたら何の躊躇なく叩きのめすだろよ。そもそもあれはお化けじゃないぞ」と磯兄が僕と伊藤さんの会話に加わる……って?

 

「知ってるの?あの仮面!!」

 

「ああ、あれは『僧侶』草下 憐耶が持つ人工神器『怪人達の仮面舞踏会』(スカウティング・ペルソナ)だな。索敵と防御に特化していて今みたいな偵察に重宝しているぞ」

 

「へえ、これが人工神器か」初めて見たので興味深そうに見ていたが気づく?

 

「うん?でもなんか変に場所が偏ってないか?もっと拡散できるでしょ?できないわけじゃないよね?」

 

明らかに一部の部分に集結し他は最低限の配置になっている。それも壊されているし?

 

ギャスパー君も怪しいと思って蝙蝠を集中させる?そこには生徒会長と『僧侶』二人がいた。どうやらここが生徒会の本陣か?食べ物がたくさんあるから食品売り場かな?

 

……うん?食品売り場、ギャスパー君。何か引っかかるな?

ギャスパー君、悪魔に転生したヴァンパイアと人間のハーフ……ヴァンパイアは吸血鬼。

 

吸血鬼といえば血を吸う。まあ、ギャスパー君は血を吸うの嫌だけど。お日様が嫌いでニンニクと聖剣で無理やりマラソンさせられて可哀そうだったなあ……。

 

うん、ニンニク?まさか!!大量に集まった蝙蝠に生徒会長がニンニクをぶつけた!!大量の蝙蝠が集まると本体に変わる。つまり!!

 

「う、う~んに、ニンニク……」「ギャ、ギャスパー君!!」聞こえていないはずだろうが周囲の迷惑になるであろう大声を上げてしまった!

 

運もあるだろうが弱点のニンニクをやられたらどうしようもない。今回は運が無かった。僕はそう思ったがギャスパー君はそれでも立ち上がり

 

「ま、まだ負けません。グ、グレモリー眷属として何もなさないまま退場しません!!」と言い震えながらも魔力を放つ!!

 

 

だが、「会長には指一本触れさせません!!」と青い結果が三人を包み攻撃を防いだ!何あれ!?

 

「今のは黒髪で腕輪をしている奴いるだろ?あいつは花戒 桃。『僧侶』でつけている腕輪は人工神器『刹那の絶園』(アブローズ・ウォール)っていう。効果は今見ているように広範囲に堅牢な防御結界を一瞬で展開できる代物だ」

 

なるほど、便利だな。感心していると『怪人達の仮面舞踏会』の大量の仮面がニンニクをつけてギャスパー君にぶつかり倒れた。

 

「……皆さん、ごめんなさい」そう言い残しギャスパー君は光に包まれリタイアした。

 

ギャスパー君、よく頑張った!!しかしあれが人工神器か。どっちも恐るべき性能だな。あのおさげの子が草下 憐耶さんなんだろうな。

 

ギャスパー君を倒した生徒会長を含めた三人は場所を移動する。最初からギャスパー君を追い詰める為にあそこに罠を張っただけで本来の拠点はやはり別なんだろう。

 

他にも目を移すと立体駐車場でゼノヴィアさんと木場君の前にまた三人対峙していた。どうやら完全読まれていたみたいだね。

 

生徒会サイドは副会長の他に二人いる。副会長は長刀を持っており他にも日本刀を持っている女性がいる。一人は素手だが長身でボーイッシュな雰囲気をしている。

 

しかし木場君はともかくゼノヴィアさんはデュランダルを事実上使用不可の状態でどうするのかと思っていたが手にした剣を見て僕達を含む観客も生徒会も驚く!

 

「アスカロン!?」と刀を持った女性の驚きは僕達の心を表しているようだ。あれ、外せるのか!?

 

「アザゼルのおっさんが言うにはゼノヴィアに聖剣の特性があるから試してみたとの事だ。今のアスカロンは本来の龍殺し(ドラゴンスレイヤー)に加え赤龍帝の力も併せ持ち使い勝手がいい剣だな」

 

「ああ、なるほど。だから磯兄に声を掛けたんだ。もしかして生徒会が持っている長刀と日本刀も磯兄が用意したの?」

 

「いや、あれはあいつらが元々持っていたもんだ。まあ研ぐぐらいはしたけどな」

 

磯兄と僕が話していると伊藤さんが口を挟んだ。「あの、何で磯野さんに教えたんですか?」

 

「そりゃ磯兄はプロだからねえ」「プロとは?」「……ああ、そういえば話してなかったけ?磯兄は刃物職人にして刀匠なんだよ。他にも宮大工や国境なき大工にも所属しているだよ?」

 

「そう何ですか!?初耳です!」「一々教えてないからな。頼まれたら研いだり作ったりする程度の気まぐれにやっているからな。本名じゃないし」

 

「何て名前でやっているんですか?」「星坊(せいぼう)って呼ばれているな」「せ、星坊ってあの刀匠星坊ですか!?」「あのかどうか分らんが多分そうだな?」

 

「今話題な刀匠じゃないですか!?包丁としても凄いブランドになっていますが正体不明な人物だったのにまさかの磯野さんだったんですか」

 

「ま、所詮副業だからな。超常の世界の武器も作ったり研いだり修理したりしている」

 

「だから磯野さんの武器はハンマー何ですか!!」「多分そうだろうな、武器も色々扱っていたが何かを作るために金槌使っているときの方が多かったからからな」と伊藤さんと磯兄が話している。

 

盛り上がっているなあと思いつつ一誠はどこだって探しているとターザンみたいにラインをロープ代わりに天井からそのまま匙君が膝蹴りを一誠に当てる場面だった!

 

辛うじて一誠は『赤龍帝の籠手』で防いだがダメージは大きいだろう。さらに援護しようとした子猫ちゃんに向かって高速移動しながら蹴りを放つツインテールの女性。

 

「あいつは仁村 留流子。匙と同じ『兵士』(ポーン)だ。足にある脚甲は人工神器だ。見ての通り高速移動とその脚力が武器だ。玉兎と嫦娥(プロセラルム・ファントム)と呼ばれるものだ」

 

凄いスピード!それに子猫ちゃんに躱された蹴りが壁に当たったがあの破壊力!少なくても匙君、一誠より威力がありそうだ。下手したら子猫ちゃんでも危ないんじゃないか!?

 

おいおいこれは思った以上に厄介だな。これじゃあ仮に全力で戦えても勝てたかちょっと怪しいもんだな。

 

そう思いながら子猫ちゃんと仁村さんの戦いを見ていると遂に仁村さんの蹴りが子猫ちゃんの腹に命中し吹き飛ばされる!!

 

「子猫ちゃん!!?」つい、悲鳴を上げてしまった。このまま追撃されるかと思ったが仁村さんの様子が可笑しい?今、何をした?体が少しふらついている?

 

その隙に子猫ちゃんが白いオーラを纏った拳を胸に叩きつけた!!

 

すると仁村さんは膝を落とし「匙先輩、……すいません」そう言い残しリタイアの光に包まれ消滅した。今勝てたけど何があった?

 

「見た感じ脳震盪とかに似ているけどちょっと違うな?もしかしてあれは……」

 

「お察しの通り仙術を混ぜた打撃です!気脈の操作を私と一緒に訓練し習得しました。内部にもダメージを与えることができるので単純な打撃戦では剣吾さん、貴方より上回るかもしれませんよ?」

 

磯兄の疑問に伊藤さんが誇らしげに言う。へえ、気の使い方を教えていたんだ。でもいいなあ。

 

そうゆう風に協力できて僕はなんもできないからなあと思いつつ一誠と匙君に目を向ける。

 

すると匙君が魔力弾を打ち出したのを一誠は右手に出現させた白い籠手を出現させ威力を半減させる!

 

あれは!思わず立ち上がる!「あれを使ったのか!?やめろって言ったのにあんな危険な力!!」知らないうちに声を荒げていた。

 

「剣吾さん、あの色それに『Divide(ディバイド)』という掛け声まさか!?」伊藤さんの問いに僕は頷きながら

 

「ええ、あれはヴァ―リから奪った半減の力を持つ『白龍皇の籠手』(ディバイディング・ギア)です。ただし成否にかかわらず寿命を削ってしまう上成功率も一割以下という欠陥にも程がある危険極まりない力だからあれほど使うなって言ったのにあの馬鹿!!」

 

「匙の奴も無茶しやがって!心臓にラインを繋いでいる。命を魔力に変換してあの魔力弾を撃っているだろう。じゃないとあいつの魔力であそこまでの魔力をバカスカ撃つことは今のレベルじゃ無理だ!あいつら、終わったら纏めて拳骨だな!!」と磯兄も地味にキレている。

 

「匙はずっと一誠にコンプレックスを持っていた。それに加え夢を馬鹿にされた悔しさからあんな事したんだろうがたかがゲームであんな事やっていたらこれから先持たないぞ」と呆れと苛立ちを交えた表情で頭を掻きつつ言う。

 

「意外ですね、貴方はもっと評価すると思っていましたが?」伊藤さんがそう言うと

 

「……下らないプライドとかで限界を超え戦えなくなった奴らを幾らでも見てきた。あいつらがその選択するにはまだ早い。それにそう思っているのは俺達だけじゃなさそうだぜ?」

 

磯兄が顎でしゃくる先を見ると滝川さんがどこかに通信し険しい顔で言い合いをしているのが見えたが渋々という感じで頷き通信を切った。

 

「おそらく滝川博士も今の行動を問題視して試合中止の判断しようとしたがアザゼルのおっさんや悪魔のお偉いさんに説得され仕方なく見逃したという事だろう。次あんな事したらこの試合中止になっても可笑しくないぞ」と磯兄が言う。

 

互いに敵陣に踏み込み『女王』(クイーン)に昇格(プロモーション)する。

 

そのタイミングで一誠の『赤龍帝の籠手』の禁手になるまで2分間カウントが終わる。

 

「俺も命賭けて相手するぜ!!俺達もこんな所で負けられないんだ!!匙!行くぜ!!」

 

そう言うと『赤龍帝の鎧』に包まれた。

 

「ああ、成功してしまったか。一誠は一番の長所をこれで失わければいいけど……」

 

不安に思いつつも他の戦局にも目をやりながら僕は呟いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




人工神器は滝川さんの存在もあり巡 巴柄以外のシトリー眷属の人工神器はここで登場します。

磯野敏博は作中であるように鍛冶もやっており実はエクスカリバーの復元にも関わっています。試合では贔屓にする訳にいかないので武器の手入れだけでしたが今後彼が打った武器を使うキャラがでてくるかもしれません。
剣吾が知っているの会ってすぐに現状聞いて教えてもらったからです。

黄盾(こうじゅん)黄色に輝く光のシールド。元ネタはアニメゴジラ三部作の非対称性透過シールド。防御力は高いがモスラの鱗粉に妨害される、消費が激しいなどで自分で使うより他者を守るのに使用することが多い。複数張って疑似的な結界にもできるが当然負担も大きいので本人は余り使いたがらない。


目次 感想へのリンク しおりを挟む




評価する
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10についてはそれぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に
評価する際のガイドライン
に違反していないか確認して下さい。